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1990/06/21 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 税制問題等に関する調査特別委員会 第9号
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1990/06/21 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 税制問題等に関する調査特別委員会 第9号

#1
第118回国会 税制問題等に関する調査特別委員会 第9号
平成二年六月二十一日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 加藤 紘一君 理事 工藤  巌君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 佐藤 敬治君
   理事 村山 富市君 理事 和田 静夫君
   理事 渡部 一郎君
      伊吹 文明君    太田 誠一君
      岡田 克也君    奥野 誠亮君
      金子 一義君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    古賀 正浩君
      桜井  新君    笹川  堯君
      鈴木 宗男君    田原  隆君
      高鳥  修君    野田  実君
      野中 広務君    鳩山由紀夫君
      林  義郎君    平沼 赳夫君
      藤井 裕久君    町村 信孝君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      村山 達雄君    柳沢 伯夫君
      大木 正吾君    嶋崎  譲君
      鈴木喜久子君    筒井 信隆君
      戸田 菊雄君    中沢 健次君
      早川  勝君    武藤 山治君
      安田 修三君    渡辺 嘉藏君
      井上 義久君    小谷 輝二君
      日笠 勝之君    山田 英介君
      正森 成二君    吉井 英勝君
      高木 義明君    中井  洽君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
        厚 生 大 臣 津島 雄二君
        建 設 大 臣 綿貫 民輔君
        自 治 大 臣 奥田 敬和君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      相沢 英之君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 佐藤 守良君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      津野  修君
        公正取引委員会
        事務局官房審議
        官       矢部丈太郎君
        総務庁長官官房
        審議官     増島 俊之君
        経済企画庁調整
        局長      勝村 坦郎君
        経済企画庁国民
        生活局長    末木凰太郎君
        経済企画庁物価
        局長      田中  努君
        国土庁土地局長 藤原 良一君
        大蔵省主計局次
        長       藤井  威君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        大蔵省証券局長 角谷 正彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁次長   岡本 吉司君
        国税庁直税部長 福井 博夫君
        国税庁調査査察
        部長      龍宝 惟男君
        文部省高等教育
        局長      坂元 弘直君
        文部省体育局長 前畑 安宏君
        厚生大臣官房総
        務審議官    加藤 栄一君
        建設大臣官房総
        務審議官    福本 英三君
        自治大臣官房総
        務審議官    芦尾 長司君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      遠藤 安彦君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
        自治省財政局長 持永 堯民君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        議     員 伊藤  茂君
        議     員 神崎 武法君
        議     員 中野 寛成君
        議     員 菅  直人君
        議     員 森井 忠良君
        議     員 宮地 正介君
        議     員 中村 正男君
        議     員 元信  堯君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ─────────────
委員の異動
六月二十一日
 辞任         補欠選任
  小泉純一郎君     野中 広務君
  田原  隆君     古賀 正浩君
  吹田  ナ君     野田  実君
  中井  洽君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀 正浩君     田原  隆君
  野田  実君     吹田  ナ君
  野中 広務君     小泉純一郎君
  高木 義明君     中井  洽君
    ─────────────
六月二十日
 消費税法の即時廃止に関する請願(江田五月君紹介)(第二三七四号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第二三七五号)
 同外一件(草野威君紹介)(第二三七六号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第二三七七号)
 同(平田米男君紹介)(第二三七八号)
 同(藤原房雄君紹介)(第二三七九号)
 同(正森成二君紹介)(第二三八〇号)
 同(山花貞夫君紹介)(第二三八一号)
 消費税廃止に関する請願(大野由利子君紹介)(第二三八二号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第四号)
 消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第五号)
 地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第六号)
 税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出、衆法第七号)
 消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
 派遣委員からの報告聴取
     ────◇─────
#2
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、各案審査のため、昨二十日、宮城県に委員を派遣し会議を開きましたので、派遣委員から報告を求めます。中村正三郎君。
#3
○中村(正三郎)委員 派遣委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、山崎拓委員長を団長として、加藤紘一君、工藤巌君、関谷勝嗣君、佐藤敬治君、村山富市君、和田静夫君、渡部一郎君、正森成二君、中井洽君、江田五月君と私、中村正三郎の十二名でありましたが、現地参加委員として戸田菊雄君が参加されました。
 会議は、ホテル仙台プラザにおいて開催し、現地各界の意見陳述者の方々から、現在本委員会で審議中の五法律案について意見を聴取し、これに対して熱心な質疑が行われました。
 意見陳述者は、東北経済連合会副会長兼専務理事竹澤清隆君、宮城友愛会議議長佐竹元春君、宮城県古川市長千坂侃雄君、東北学院大学経済学部教授野崎明君、東北電力株式会社取締役宮城支店長針生弘吉君、日専連仙台会常任理事松沢健男君の六名であり、消費税法等の一部を改正する法律案に賛成する立場からの意見と、消費税法を廃止する法律案外関連三法案に賛成する立場からの意見がありました。
 その陳述内容につきましてごく簡単に申し上げますと、消費税法等の一部を改正する法律案に賛成する立場からの意見としては、消費税は、先般の税制改革が所得、消費、資産等の間でバランスのとれた税体系を整備するために導入されたものであり、豊かな高齢化社会を支えるための安定的な税として評価できること。定着している点としては、税の転嫁や納税事務等にあっては余り問題が生じていないこと、むしろ廃止された場合は、導入時の苦労を再度味わうことになること、また、将来の税制に展望のないまま廃止することは、企業経営に大きな支障を生ずること。今回の見直しにおける飲食料品に対する小売非課税その他非課税措置の拡大は、いわば暮らしの視点に立った見直しであり期待できること等が挙げられました。
 このほか、消費税は現在貴重な地方の一般財源となっていることから廃止は適切でなく、また、個別間接税の復活や法人税率の引き上げ等廃止に伴う代替財源案は、現在の社会経済情勢、特に、国際化の進展の中にあって適切なものとは言えない等の意見が表明されました。
 また、消費税法を廃止する法律案外これに関連する三法案に賛成の立場からの意見としては、導入の経緯については、公約違反であること及び不公平税制の是正等が先になされるべきであったこと。構造的欠陥については、所得に対する逆進性があること及び中小事業者の事務負担に配慮したとされる簡易課税制度等にあっては、消費者の負担した税が国庫に入らない場合があることや、そのため事業者が消費者から不信感を抱かれている場合もあること。見直し案については、例えば飲食料品について小売段階を非課税とする等の措置を見ても、見直しに応じて飲食料品の価格が下がる保証はないなど逆進性緩和の措置として不十分であるばかりか、税制をより複雑なものとして事務負担を増大させるおそれがあること、簡易課税制度等について十分メスが入ったと言えないこと等が挙げられました。
 このほか、消費税の申告・納税が順調であるとしても、これは国民が納得したためではなく、このことをもって消費税は定着したとは言えないし、福祉ビジョンを明らかにした上で国民負担のあり方を議論すべきである等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から陳述者に対し、消費税の見直し案に対する評価、是正すべき不公平税制及び行うべき行財政改革の具体的事項、逆進性の見方、消費税定着に関する見解、土地保有税の新設等土地税制を初めとする資産課税見直しの必要性、消費税の見直しに関連し、簡易課税制度等の問題点や税率引き上げの可能性、福祉への優先充当、さらに見直しに係る事務負担と事業者の具体的対応、先般の税制改革が一般勤労者に与えた影響や地方財政への影響、所得の平準化状況、法人の税負担のあり方等について質疑が行われ、滞りなく全部の議事を終了した次第であります。
 以上でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じますが、速記録ができましたならば、本委員会の会議録に参考として掲載いたしたいと存じますので御了承願います。
 なお、現地会議の開催につきましては、地元の関係者を初め多数の方々の御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表し、報告を終わります。
#4
○山崎委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま報告のありました派遣委員の現地における会議の記録は、中村君の申し出のとおり、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
#6
○山崎委員長 次に、本日の午前は、特に、伊藤茂君外七名提出の各案について質疑を行います。
 なお、本日は、午後一時から本会議が予定されておりますので、質疑持ち時間を厳守されるようお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小泉純一郎君。
#7
○小泉委員 きょうは、質問というより、お互い政治家として議論をしてみたいと思います。
 今回の税制改革は、消費税の導入ばかりでなく、所得税、住民税の大幅な減税が行われました。昨年の参議院選挙、またことしの衆議院選挙を通じて、各地区において、街頭において、あるいは会場内において、この所得税、住民税減税についても消費税導入反対論者から盛んな批判が行われました。
 今回の所得税減税は、最低税率一〇・五%から最高税率六〇%の十二段階あったものを、最低税率一〇%、最高税率五〇%に下げて五段階にした。住民税も最高税率一六%から一五%にした。いわば最高税率を所得、住民合わせて六五%に下げましたから、その点をついて野党の多くの皆さんは、今回の所得税、住民税減税が金持ち優遇の減税である、金持ちは百万、二百万、あるいは十万、二十万減税される、しかし、低所得者は二万、三万、わずかしか減税してくれないじゃないか、これは金持ち優遇の税制であると言って、盛んに各地区で批判されておりました。
 この議論について各党の政策責任者はどういうふうに感じられますか、お考えを聞かせていただきたい。
#8
○伊藤(茂)議員 小泉さんは冒頭に、政治家としての議論とおっしゃいました。まさに私も、この問題の取り扱いはそういう視点が一番大事だというふうに思いますので、率直な御議論をさせていただきたいと思います。
 御質問がございましたように、所得税減税についての判断であります。私は、相当規模の減税が所得税について行われたということを政府はおっしゃっておられたわけでありますけれども、問題は、サラリーマンの皆さんの中に大幅な減税が行われたという実感が生じなかったということを考えてみることが重要ではないかと思います。
 幾つかの問題がこの間にあると思います。
 一つは、日本の場合には、私ども年来主張してまいりましたが、インデクセーション、いわゆる所得税に対する物価調整措置という措置が講じられておりません。さまざまな国で既にこれは行われているわけでありまして、私どもも議員立法で提出をしたことがございますけれども、可決をされるに至っていない。そういう面から見ますならば、相当規模の減税、それは当然のこととしてあるべきなのではないかという考え方が、これは労働組合の連合も主張しておりますけれども、あるわけであります。
 二つ目には、所得規模に対応する問題があると思います。私どもは、税率をフラットにしていくということについては特別反対ではございません。なぜかと申しますと、ベースアップがあるごとに、刻みが多いとどんどん上がりますから、増税感の方が非常に強く出るということでございますから、フラット化することについては私どもは反対はいたしませんでした。ただしかし、フラット化をする、税率を単純化する、簡素化する、その大前提はやはり総合課税であろう。総合課税によって、キャピタルゲイン、利子所得などなどが総合して把握をされるということになりませんと、どうしても不公平が発生をするということになるわけでありまして、その結果として、労働組合の連合などでもさまざまの提起をなさり、また政府との政労協議でも提起をなさっているわけでございますけれども、例えば年収三百万以下のサラリーマンの皆さん、相当多くの数になるわけでありまして、その方々は、政府の見通しによりましても、減税と消費税をプラス・マイナスしたら、プラスの影響はほとんどか全然かないという構造になっているわけであります。ですから、減税規模、減税内容というものについても、これはもっともっとさまざまの工夫と対応がなされるべきではなかったのだろうかというふうに考えております。
#9
○神崎議員 昭和六十三年度の所得税の改正に絡んで、私どもは、この所得税の減税が高額所得者に有利である、このような発言をいたしましたけれども、これはあくまでも総合課税を徹底すべきである、こういう主張でございます。課税ベースをもっと拡大すべきであるし、さらにまた累進税率を引き下げろ、こういう主張もいたしておったところでございます。
 さらにまた、政府は、私どもが従来から所得税の減税をやるようにしばしば要請してきたわけでございましたけれども、なかなかやらなかった、それに対して、もっと所得税の減税をやるべきだ、こういう主張をしてきたところでございます。
#10
○中野議員 何が金持ち優遇かということについては、いろいろな解釈があるだろうと思います。
 我が党は比較的、金持ち優遇という言葉は使わなかった方でございますけれども、しかしながら、例えば所得税、相続税ともに最高税率を引き下げる、また税率をフラット化するということについてのいろいろな工夫がなされました、それはそれで、いわゆる働きがいや生きがいの問題等をあわせますと意味のあることでありますが、しかしこれに消費税が加算をされて、そういう状況の中で、結局一方では所得税、相続税の最高税率が引き下げられる、資産課税は不十分であるというふうな状況の中になりますと、いわゆる資産格差を生んでくるというふうなこと等をも考え合わせ、また消費税の逆進性を考え合わせますと、金持ち優遇的傾向が生まれたことはやはり否定できないであろうというふうに思っておるわけであります。
#11
○菅議員 たしか私の記憶では、六十三年度の改正の前の年に、かなり大幅な改正をしたときに、野党の提案においてもフラット化、ないしは最高税率も、六十三年度ほどではないですけれども、引き下げるという方向での改正が行われたというふうに記憶しております。
 最終的な六十三年度の改正において、消費税の導入ということと最高税率の最後の部分を下げるということが同時に政府・自民党の方で行われたわけですが、これはこの委員会の中でも議論が一部の与党議員からありましたけれども、消費税そのものが一種の逆進性、一種のといいますか逆進性を帯びているということを考えますと、そのときにさらに最高税率を下げたということが、二重の意味で逆進性を強めたという側面は紛れもない事実でありまして、そういう点で、少なくとも消費税導入のかわりに最高税率を下げるという考え方について、私たちとして必ずしも同意できない、そのように考えております。
#12
○小泉委員 私は、金持ち優遇の批判は全く当たらないと思っております。なぜならば、税制改革前、夫婦、子供二人の給与所得者の場合、年間五千万円の収入のある家庭は、税制改革前は実に二千六百三十五万四千三百五十円の税金を払っていたのです。半分以上です。これが税制改正によって、二千六百三十五万から二千四百三十九万八千二百五十円、確かに百九十五万六千百円減税されました。また、年収一千万円の人は、税制改革前は百六十八万六千三百円税金を納めていました。約百六十八万。税制改正によって百三十九万六千七百五十円に減税されました。約二十八万減税されたわけです。確かに持てる者は百万、二百万、十万、二十万減税されたじゃないかということは当たっています。
 しかし同時に、それでは年収三百万円の家庭はどれほど減税されたか。税制改正前は四万八千四百五十円の税金を納めていましたけれども、今回の税制改正によってわずか八千七百五十円で済むようになったのです。三万九千七百円の減税です。年収四百万円の人はどうか。税制改正前は十六万八千二百五十円の税金を納めていた。ところが税制改正によって十万一千二百五十円に減税された。六万七千円減税されたわけです。
 減税というのは、納めた税金が減ることを意味しているのです。年間二千万、三千万という税金を納めているからこそ百万、二百万の減税の恩典を受けることができる。年万百方、二百万の税金を納めているからこそ十万、二十万の減税の恩典を受けることができるのです。にもかかわらず、年間四万、五万の税金しか納めていない人が何で十万、二十万の減税の恩典を受けることができるのですか。こういうことを考えますと、年間四万、五万を納めている家庭がまず十万、二十万の減税を受けようという、そういう錯覚を起こさせる議論というのは余りにも一方的だ。
 今回はむしろ低所得者に大変な配慮がなされている。しかも、今、日本の所得税は一〇%から最高税率五〇%になりましたけれども、サラリーマンのほとんど、八割以上は所得税一〇%で済むようになっているんじゃないですか。大蔵省どうですか、八割以上が恐らく一〇%で済んでいるはずですよ。
#13
○尾崎政府委員 サラリーマンの九割近くが一〇%の税率の適用範囲内に、あるいはそれ以下に、というのは税金がかからないというところに入っているわけでございます。
#14
○小泉委員 実に、今のお話でもわかるように、最低税率一〇%、八割以上に最低税率が設けられている、これは私は、大変な低所得者に対する配慮だと思います。
 しかも、日本は、金持ちになればなるほどきついというのが今回の税制改正でも明らかなんです。この税制改正前は、収入が三百万の場合、約四万八千円でした。ところが、収入が六百万になりますと、改正前は約五十万六千円の税金を払っていたのです。収入が二倍になると払う税金は十二・五倍だったのですよ。収入が三倍になる、九百万になると約百三十四万円の税金を払っていましたから、約二十七・七倍の税金を納めていた。収入が二倍になると十二・五倍の税金を納める。収入が三倍になると二十七・七倍の税金を納める。
 しかし、今回の改正でその格差が縮まったか。とんでもない、広がっているのです。今回の改正で、収入が三百万から六百万に、倍になりますと、払う税金は実に四十四倍です。三倍になると、今までは二十七・七倍が実に百二十四倍です。収入が三倍になっただけで払う税金は百二十四倍。
 確かに持てる者は百万、二百万、十万、二十万減税されていますけれども、いかに日本は低所得者に配慮して持てる者に厳しい税率を設けているかというのは、これから見ても明らかだと思うのです。しかも、課税最低限も、今まで年収二百六十一万九千円までだったのを引き上げて、三百十九万八千円まで所得税をゼロにしている。こういうことを見ても、私は、今回の所得税減税、住民税減税にしても、かなり低所得者に配慮した税制だと思います。
 そして、野党は、公平という観念を盛んに重視されていますが、私は、所得税というのは、公平の観点というのも大事ですけれども、それ以外にもっといろいろな要素があると思う。今アメリカは、最低税率が所得税一五%、最高税率が二八%、やや比例税制的になっています。二段階。イギリスも、最低税率が二五%、最高税率が四〇%、これまた二段階であります。比例的になっています。私は、公平だけを主張したら、比例税制の方がはるかに公平だと思います。しかし、何で日本はこれだけ、持てる者に対してより厳しい累進課税をかけているか。これは、公平の観点よりも所得再分配機能を重視しているからだと私は思うのです。持てる者により多くの負担をかけよう、これは大体の、国民大方の合意を得ている。
 しかし、昔から四公六民とか、江戸時代でも、四割はお上、六割は自分の得たもの、きつくても五公五民、半分はお上で、半分以上取ったら暴動が起きる、一揆が起こるというぐらいだった。今、日本は、半分以上、最高税率は六五%いっているわけですね。だから僕は、より公平ということを重視するんだったらば、比例税制的なものの方がはるかに公平だと思うのです。
 現に、累進税率が全く公平だという前提でやられていますが、国民の観念も、より公平だというのは、定着しているのは、むしろ定額負担の方が公平観念は多いですね。医療費にしても、比例税率にするだけでも大変な反対が起こった。サラリーマンの一〇%、これにするときも野党は大変反対されました。定額にしろという主張もあります。
 現に町内会費なんかでもみんな定額ですね。所得が多かろうと所得が低かろうと定額、一定の、五百円なり千円。それからパーティーもそうですよ。政治家を励ます会においても、あるいは結婚式においても、大体会費五千円、一万円、二万円、定額。そして党費もそうですね。自民党も党費は定額です。持てる者だろうが持たざる者だろうが、今党費は一年間四千円ですかね。社会党も、そうじゃないですか。そして、共産党はたしか比例だったな、収入の一%か何か、何%かわかりませんが、共産党は比例であります。どんな会でもどんな社会でも、所得に応じてより多く会費を取るなんという会はどこにもない。ですから、一般の国民の定着している観念としては、むしろ定額か定率、一律、この方が公平だと感じている部分が多いと思うのです。
 中には、今皆様の中にも、最高税率を下げたのは好ましくないという議論もありましたけれども、むしろ私は、五〇%以上の税率を課すということは、これは税金というよりもむしろ罰金に近い。より低い人、余りにも低い人というのはよくないですよ、低い人をある程度配慮すれば、全体は、半分以上の税額を政府が召し上げるというのは、これは私は、健全な勤労意欲、国民のみずから助ける精神、こういうものを、さらには経済の活力ということをお考えになれば、必ずしも好ましいことではないと思うのでありますが、その中で、私とは違う議論があっている方があったら、どなたか話していただきたい。違ってない、同感ならば話さなくていいです。こういう考えは持たない、最高税率はもっと上でいいんだという考えがあったら、聞かせていただきたい。
#15
○中野議員 一番意外に思われる人が立って恐縮でございますが、最高税率の問題は、これは垂直的な公平、水平的な公平とよく言われますが、それに、言うならば社会保障制度などの歳出部分も含めまして、国民生活、所得や支出を含めまして、これが均てん化といいますか、比較的貧富の差がない状況になりますれば、今先生おっしゃられたような納税環境というものがなお進められるであろうというふうに思いますが、現段階でそこまでまだ進んでいるというふうには私どもは考えていないわけであります。
 それから、先ほど党費の問題、町内会費の問題、いろいろ言われましたが、大変御都合のいい事例を持ち出されました。
 ただ、シャウプ税制の場合にも、どちらかといえば国税は総合課税、累進課税、そして地方税はどちらかといえば応益負担的な考え方、こういうものが原則にあったと思うわけでありまして、町内会費や地方税、まあ住民税は均等割を除けば累進課税でございますから、これはこれで国税的な要素が入っているわけでございますけれども、地方税につきましては、どちらかといえば単一課税的な色彩が濃いことは私どももよく承知をいたしております。それを一緒にするわけにはいかないと思います。
 まして国の場合は、先生は厚生大臣をおやりになってよくおわかりのように、社会保障制度の充実が望まれておりますように、やはり担税力に応じて、担税力の高い方にはそれだけ税負担をしていただく、そして再分配も含めまして、税金にそういう社会保障的また福祉的な役割も持たせながら税制というのは構成されていると思うわけでありまして、私どもとしては、先生が言われたような単一税率といいますか比例税制といいますか、そういうものができる社会が一日も早く来ることを望んでおりますけれども、しかし、現状、そういう方向にあるということではないという現状認識の問題もあるであろうと思うわけであります。
 税制上の公平も、また党費の問題やパーティーの問題も言われましたけれども、例えばこの委員会での発言時間を決めます場合にも、各党二時間ずつというのも一つの公平でございましょう。議席数に比例をしてというのも公平でございましょう。しかし、議席数に比例してということになれば、これはやはり民主主義の原則の中で少数意見も尊重しなければということになりますと、我が党みたいな少数政党にも幾らか時間のげたを履かすという配慮も加えられるでありましょう。そのことによって政治的公平が保たれているという判断がなされていることも考えれば、先生の幾つか挙げられました事例は、この税制の論議をするときに果たしてふさわしいであろうかどうかというふうに考えざるを得ないわけであります。
#16
○小泉委員 日本は課税最低限も欧米先進国に比べれば高いですし、低所得者に対しては税制のみならず歳出の面でかなりの配慮がなされていると思います。
 この問題から、同じく今まで税制改革に反対していた方が言われたのが、酒の税金の改正においても同じように金持ち優遇という批判がなされました。今回の委員会で最初に質問された加藤議員も触れられました。スコッチウイスキーの、いわゆる高級ウイスキーに税率を低くして、そして庶民の飲むしょうちゅうまで上げた、これまた庶民いじめで金持ち優遇だというような批判が展開されました。
 しかし、この酒の種類の間の税負担格差を縮小せよということは、日本国内のみならず諸外国からそういう要求があったのです。ガットにおいても、日本の酒税は輸入品に対して不利な取り扱いとなっている、そういう勧告を受けました。ですから、そういう現実の中でいかに国内政策との調和を見出すかという点で我々は考えて、この酒の税金の改正もしたわけですが、確かに一部の反対論者が言われるように、しょうちゅうは若干上げました。そして高級スコッチウイスキーなり輸入品のウイスキー等はかなり値下げされました。
 しかし、今やもうしょうちゅうは庶民が飲むもの、ウイスキーは持てる者が飲むもの、私はそういう時代じゃないと思います。この国際的な批判にこたえるためには、高級ウイスキーをしょうちゅうまで下げるか、しょうちゅうをウイスキーまで上げるか、ウイスキーをかなり下げてしょうちゅうをかなり上げるか、この三つの方法しか、同じ蒸留酒でありながら何でしょうちゅうには低くウイスキーには高い税率をかけているのかという諸外国の批判をかわす方法はないと思うんです。そういうことから、日本はウイスキーを下げてしょうちゅうを若干上げました。
 しかし、しょうちゅうは上がった上がったと言いますけれども、しょうちゅうは、平均的な甲類一升で、改正前は九百八十円だった。それが上がったといっても百十円だけですね、一升千九十円になっております。しょうちゅうの乙は改正前は一升千五十円でした。それが改正後上がったといっても七十円で千百二十円。しょうちゅうは上がつた上がった、庶民いじめだ庶民いじめだと言っていますけれども、それではウイスキーはどれだけ下がっているか。具体的に言いますけれども、改正前はあのサントリーオールド一本三千百七十円でしたよ。今幾らになっていますか、二千三百七十円です。実に八百円下がった。ですから、上がったしょうちゅうばっかりのことを言って、こういう下がっていることを言わない。私は、もはや今の時代はしょうちゅうは大衆的、ウイスキーは高級だ、そんな時代じゃない。だれだってどっちを飲むかというのは好みの問題なんですね。
 今、酒の税金に批判がありますけれども、野党はそれではこの国際的な、同じ蒸留酒でありながら非常に大きな格差を持っている日本の税制を批判された外国の批判に、今の日本の行った税率改正を、どういうふうにすれば、それではそういう庶民いじめという批判をなくすためにはどういう方法があるのか。しょうちゅうを上げてもやむを得ないと思うでしょう。ウイスキーを下げるのは当然だと思いませんか。伊藤さん、どうですか。
#17
○伊藤(茂)議員 二つの視点でお答えをさせていただきたいと思います。
 私も小泉さんと長く大蔵委員会に所属をしまして一緒に勉強させていただきましたし、小泉さんは大蔵委員長をお務めになった方でございますから、さまざまの具体的な酒類ごとの数字とか比率などは省略をさせていただきます。
 考え方を述べたいと思いますが、私は今回のこの酒税の経過を見まして、海外からの批判が非常に強かったということでございまして、私どもも、野党ではございますけれども、欧米のさまざまな業界などからも随分いろんなお話を承りまして、さまざまの議論も政府と同じように私どももさせていただきました。
 今回、高級酒の税率が大幅に引き下げられる、それからしょうちゅうなどの税率が大幅に引き上げられたという構造であったわけであります。私は思いますが、小泉さんおっしゃるように、しょうちゅうはマルビの方々が飲む、高級ウイスキーはマル金の方々である、そういう状況が変わっていく社会状況というのは私は確かにあると思います。ただしかし、所得の高い方が、表現はなんですが、お金持ちの方が宴会でもしょうちゅうを好んでお飲みになるという現象は、相当幅広く存在をするわけであります。しかしそれと同じ程度に、なるべく安いお酒を楽しんでたしなんでおられた方々が、高級ウイスキーを主な嗜好品とするというふうな変化になるように現実あるだろうか、これはやっぱり大きく差があるというのが現実ではないだろうかと私は思います。いろんな方方に伺いましても、今度の税率変更という中で、自分の所得と比較をして、毎晩のささやかな楽しみですから、家計に響かないようにどの程度のものをどう飲めるかなというふうなことを考えながらやっておるのが庶民の感情ではないだろうか。
 そういうことを考えてみますと、国際的な関係でございますから、前にも御答弁申し上げましたように、国際関係上やむを得ないという全体の構造はあったと思います。まあしかし、しょうちゅう等に対する配慮はもっとあるべきだったのではないだろうかという気がするわけであります。
 もう一つ簡単に申し上げたいのは、先ほどの公平感に関連してなんですが、今の酒税の問題とも関連をいたしますけれども、私はやはり本当の公平というのは、所得に応じ社会のためにやはり一定の程度での累進というものがあって今日の社会の公平があるんではないだろうか。ただ私どもも、応能、応益ということにつきましては、本法案を作成する段階でもいろんな議論を実はいたしました。やはりずっと昔の段階といいますか、産業資本主義初期の段階と申しましょうか、そういう段階の応益、応能の考え方と現在といろいろな違いはあるであろうというようなことも率直に私ども勉強はしたわけでありますが、しかし小泉さんおっしゃるようなことから申しますと、小泉さんの持論について私の考え方を申すといたしますならば、まあ所得も今以上にはるかに、もう同一所得になるとかというふうな社会の構造になればそういうこともあるかと思いますが、現実の今の構造の中では、やっぱりそういう発想では公平感のある社会にはならないのではないだろうかというふうに考えております。
#18
○小泉委員 そうすると、このしょうちゅうに対してもっと配慮なさるべきだったということは、これはしょうちゅうの税率が一升七十円あるいは百十円上がったというのは、これは負担が強過ぎる、ウイスキーの下げ過ぎだと思っているわけですか。
#19
○伊藤(茂)議員 高級品が下がって、それでしょうちゅうなどの税率が上がったという今回の経過になっているわけでありまして、確かにウイスキーなどの税率については、国際的なさまざまな関係がございましたから、その面ではやむを得ないものがあったなというふうに私どもは思っております。まあしかし、全体の構造として、もっとやはりしょうちゅうなどについて、業者の方々からも私どもも大きな再編成が起こりかねないというお話も随分伺いましたが、業者の立場から見ても、それからそれを消費なさっている市民の立場から、庶民の気持ちからいたしましても、もっと配慮があるべきであったというように考えております。
#20
○小泉委員 お互い考えが違うわけですから、それはそれで違っていいんですけれども、私は、一升今まで千円だったのが七十円なりあるいは百円なり上がった、これはまあ妥当な改正だったんじゃないかなと思っています。そしてウイスキーも八百円下がったということは、これは大変なことですから、私はそういう格差を是正するというんだったらば、こういう方法が一番妥当じゃなかったかな。三つ言いましたね。ウイスキーをまさかしょうちゅうまで下げるわけにいかぬ、しょうちゅうをウイスキーまで上げるわけにいかぬ。結局、上を下げて下を上げるという解決が最も現実的な妥当な改正案だったんじゃないかなと思っています。ともかくそれは考えが違うんだからいいんですけれども。
 次に、物品税に移りますけれども、かつて野党は、旧物品税について不公平税制であると批判してきました。例えば、昭和六十三年八月十七日に公表した野党の「不公平税制是正の共同提案」によると、「現行の物品税制には多くの矛盾がある。」と述べております。ところが、消費税廃止の代替財源案として、かつて批判してきた物品税を、とりあえずとはいえまた復活しようとしている、これは私は大変不見識なことだと思うのですけれども、なぜか。しかも、具体的に聞きますけれども、今までの物品税の最高税率、ゴルフのクラブもボールも三〇%の物品税が課されておりました。スキーもテニスも非課税でした。これを今回野党の皆さんは、依然としてゴルフはぜいたくなスポーツであって、スキーやテニスは大衆のスポーツである。ゴルフに課税して、スキーやテニスに非課税なのは当然だと思っているんでしょうか。どなたかどうですか。
#21
○伊藤(茂)議員 物品税についての御質問でございますけれども、私どもも、大蔵委員会などを中心にいたしまして今日の物品税制についてのさまざまの諸問題も指摘をいたしました。私も小泉さんのお座りになっている席で、特に竹下さん、長い大蔵大臣でしたから、いろいろな議論をした覚えがございます。というのは、やはりもっと説得性のあるベースと申しましょうか、何か恣意的にかかるもの、かからないもの、税率などが決められるということがない、もっと税負担者に説得性のある構造が必要ではないかというふうな角度が中心であったかと思います。ですから、当時の物品税制についてさまざまな問題があることは私ども否定はいたしませんし、あるいはまた、それらについては政府の政策として政策執行にもっときちんとした対応があるべきではないかという角度から申し上げてきたわけであります。
 ただ、私ども今回廃止法案を提出するに当たりまして判断をいたしましたのは、まず一つには、今日の消費税の構造は、物品税に若干の問題があるにせよ、それ以上にはるかに大きな問題と欠陥がある、それがまた国民の声となって大きく指摘をされているという現実である。そういう上に立って、どうするのか。やはりこれは小手先の見直しや手直しではできない、もう一度白紙に戻してやり直す、そういう視点が必要であらう、それがまた、長い目で見て信頼ある税制が確立をされる唯一の道ではないだろうかというふうに考えたわけであります。これは私ども四党だけではなくて、やはり幅広く国民の中にもそういう考え方が存在をしているというふうに思っているわけであります。
 そういたしますと、どうするか。どちらにいたしましても、一年か若干の期間、やり直すための措置を講じなければなりません。やり直すためにはその期間若干の時間を必要といたしますので、暫定的な措置を講じなければならない。具体的には平成二年度、今年度の十月一日以降あるいは平成三年度ということになってくるわけでありまして、その期間の暫定的な対応をどうしたらいいのかと考えてみますと、若干の問題はあるにせよ、やはり長年社会に定着をした制度でありますから、この物品税制を若干工夫し手直しをいたしまして、それで暫定期間の対応を講じていただくということにしていきたいという趣旨になっているわけであります。
 ですから、不公平とさまざま批判をしてきたものをなぜ採用したのかという御意見はあると思いますが、今申し上げたような経過でありまして、考えますと、要するに基本は現在の国民が納得しない消費税をこのままやるのか、そうではなくて若干時間はかかるけれども、暫定措置も必要だけれども、もう一遍やり直そうではないか、その政治の決断にかかるということではないだろうかと思います。
#22
○小泉委員 私は、抽象的なことではなくて今具体的に言ったのです。
 旧物品税はゴルフだけかかってスキーやテニスにかかっていなかった。しかし、一昨年でしたか、日本の人々の中でどのスポーツを一番やるかといったら、ついにスキー、テニスを抜いてゴルフがトップの座を占めたのですね。今、日本国民の中で一番どんなスポーツをやっているか、驚くなかれゴルフがトップになった。こういうときに、依然としてゴルフがぜいたくなスポーツ、スキー、テニスが大衆的なぜいたくでないスポーツなんというのは、全く時代おくれといいますか、時代に合ってないというか、スキーをやろうがテニスをやろうがゴルフをやろうが、私は個人の好みだと思うのです。
 だから、今回ゴルフもスキーもテニスも一律三%にした、これははるかに公平なものじゃないか。ゴルフをやる人、スキーをやる人、両方やる人、結構。ゴルフ、百万円のクラブを買う人いるでしょう。しかし、百万円だったらば三%ですから三万円の消費税を払ってもらう。スキー、十万円の板を買う人いるでしょう。十万円、三%ですから三千円の消費税を払ってもらう。テニス、ラケットが一万円する。一万円だったらば三百円の消費税を払ってもらう。全部やる人、それぞれ払ってもらう。こんな公平な考え方はないと思うのですけれどもね。
 野党は、この物品税復活で、依然としてゴルフはぜいたくなスポーツだという認識を持っているのでしょうか。具体的に私は聞いているのです。抽象的なことじゃない。
#23
○伊藤(茂)議員 一つ申し上げたいのは、あくまでもこれは暫定的な措置である、さっきも申し上げました。長期にこのような制度、今暫定財源でとっている制度を固定をさせるという考え方は特っておりません。いずれにいたしましても、見直しに必要な若干の期間何らかの措置をしなければならない。それは、長年定着をしてきたものをしばらくの間これでやっていただくということが必要であろう。したがいまして、課税品目などにつきましては従来の形を踏襲をする。ここで大きな変化その他考えるよりも、暫定的な措置ですから、しばらくの間これでお願いをいたしまして、そしてなるべく短期間に立派なものを考えていこうという趣旨で扱っているわけであります。ですから、さまざまのそれについての問題があることは私どもも承知をいたしているわけであります。
 同時に、どうしてもやはり基本になるのは、現在の消費税、小泉さんは現在の課税の仕方が公平ではないかという御趣旨のお話がございましたが、消費税全体に対してなぜ多くの国民のこれだけの反対なり疑問が起きているのかということを私は大事にしなければならないと思います。そこから実はスタートをいたしているわけでありまして、やはりそれをどうやってやり直すのかということが、今日、税制あるいはタックスデモクラシーの精神からしても基礎ではないだろうかという角度から私どもは発想いたしているわけでありまして、ぜひその点は私の立場を御理解いただきたいと思います。
#24
○小泉委員 党の責任者としてなかなか具体的に言うのは難しいかもしれませんけれども、私は率直な感じを聞いているのですよ、議員として。暫定的だということは、やはりこれからの時代においては、今言ったゴルフとか、ぜいたく品あるいはそうでないというのを分けるのは離しい、将来はやはり一律的な課税の方がいいと思っているのでしょう。
 今ゴルフとスキーとテニス、実際言えなかった、ゴルフをぜいたくなスポーツだ、課税していい物品だとはっきり言えなかった、その点が聞きたいのです。スキーとゴルフ、テニス、こんなのはもう個人の好みで、率は同じ三%だけれども、買う器具によって値段が違うのですから、むしろぜいたくなスポーツ、そうでないスポーツと決めない方がより公平と思いませんか。その点もう一度お答えいただきたい。
#25
○伊藤(茂)議員 二つ申し上げたいと思いますが、暫定措置ではございますけれども、若干の工夫、努力をさせていただきました。
 というのは、一つは税率など工夫をいたしまして、現行の消費税負担よりも大幅に大きくならないように、ほぼ同じ程度あるいは現行消費税負担とほとんど変わらないというのが大部分かと思いますが、現実には自動車、家電が税収の大部分でございますから、そのような措置を工夫してとったわけであります。
 それからもう一つは、物品税制、第一種、第二種含めましてさまざまの税率がございます。それらにつきまして、もっとやはり簡潔に、暫定的な措置にせよ、簡潔なやり方をするという工夫をしようではないかということで、御案内のように、幾つかの段階の単純な税率構造にさせていただいたわけであります。
 小泉さんの今の御質問でございますけれども、私どもはこれから国民の納得できる間接税禍造というものを当然つくらなければなりません。その際に二つ申し上げているわけであります。
 一つは、消費税が強行されたときに多くの国民の皆様から、これを強行する前にやるべきことがたくさんあったのではないですか。不公平もあります、土地もあります、あるいはこれからの福祉のビジョンと施策もあります、それらのことを私ども申し上げたわけでありますが、そういう気持ちを改めてやはりここで考えることが必要であろうと思います。
 そういう上に立ちまして、さまざまの、今小泉さんも指摘をされましたような具体的な物品に対する課税のあり方などについては、社会的な説得性と納得性のある、あるいは社会的常識の通るものにしなければならないということだと思います。
 その先を早く言えという御質問が随分ございましたが、私ども勉強はいたしておりますけれども、あえてやはり初めに大型間接税ありきのような議論はしたくない。あるいはまたそこだけが先行するというのはよろしくないのではないかという経過にもかんがみまして、国民税制協議会という場で議論していきたい。それは、そういう方々が御議論をいただくと同時に、当然でございますけれども、私どもも国民の代表としての政治家や政党でございますから、さまざまな意見をその段階、またそういう審議が行われる場で提起をしながら実りある結論を出していくということにしてまいりたいと思います。したがって、その中身につきましては、今予断を持って具体的な中身についてこうしますとか、こうしませんとかいうふうな予見は、今のところ申し上げる段階ではないというふうに思っている次第でございます。
#26
○小泉委員 質問に答えてないというか、もう答えるのが嫌なんでしょう。意見が分かれていますが、もう一つよく俗に言われたのが、これまた金持ち優遇、庶民いじめだと言われた物品税の改正で、製造段階では最高税率三〇%、最低税率五%であった、小売段階で最高税率の一五%だった宝石類が三%に下げられた。これが実に金持ち優遇じゃないか、必要品の身につける衣類までゼロが三%になった、こういうのはやはり金持ち優遇の税制だと盛んに言ってきました。
 しかし、今確かに金持ちは宝石を買います。しかし、宝石を買っているのは金持ちだけじゃない。いろいろ調べたところによりますと、サラリーマンかなんかでも最近非常に宝石類を買っている。今一番売れ筋は幾らの宝石類かといいますと、婚約指輪にしても結婚指輪にしても、大体二十万、三十万円程度のものが今一番売れているそうです。この二十万、三十万が約五〇%いっている。しかも、最近サラリーマンも豊かになってきましたから、婚約する際には給料の二カ月分とか三カ月分でダイヤモンドの指輪を買う。決して金持ちじゃない。しかも大体婚約指輪なんというのは、一生に買うのは一回か二回でしょう。四回、五回買う人はそんなに多くない。普通の人は一回か二回、多い人では六回、七回買う人もいるかもしれないけれども。
 しかし衣類、これは今宝石の二十万、三十万が一番売れ行きがいいといいますけれども、和服で二十万、三十万なんというのは高級と言えませんよ。二百万、三百万の和服なんかざらです。しかも、持てる者ほど和服を何着も買います。これが非課税。しかも和服のみならず洋服も買います。和服も洋服も買う。しかも持っている人に限って、春物を買う、夏物を買う、秋物を買う、冬物を買う、何着も、着道楽というほど買う人もたくさんいるんです。しかし、そういう持てる者が非課税。私はこの方がはるかに不公平だと思うのですが、どうですか。
#27
○伊藤(茂)議員 それは暫定段階と将来のことと両面あると思います。暫定段階の取り扱いについては先ほど繰り返し申し上げましたので、また繰り返しはいたしません。
 つまり、あり方論として、消費税にも関連をしあるいは今後の考え方にも関連をいたしますけれども、私はやはり国民の多くの皆さんの気持ちというのは、単一税率というのはおかしいのではないかという気持ちを持っておられる方が非常に多いと思います。確かに小泉さんおっしゃいましたように、ダイヤモンドにしましても、何千万円もする超高級品、お金持ちがお買いになるというのとは違いますから、何かやはりサラリーマン、庶民のささやかな願いとして、そう何遍も買い物をするわけではございませんけれども、奥さんになる人にダイヤモンドの指輪を上げるとか、なった人にも上げるというわけではありますけれども、ということはあると思います。ですから、一般的にダイヤモンドか貴金属がいわゆる庶民の手の届かないものだというふうな今日の社会状況でないことも、私は承知をいたしております。さまざまの線の引き方が、御判断がそこには考えられなければならないでありましょう。
 しかし、社会的にだれが見てもこれは非常に高いものであり、高級品であり、一般の庶民がなかなか手が届かないものだというものに対する税負担の問題と、それからささやかな願いとして庶民がお買い求めになるもの、あるいは生活必需品などなどと同じというのはおかしいのではないか、よく世上で大根、ダイヤモンドと言われますが、そういう安直な比喩は別にいたしまして、そういうお考えがあると思います。
 世界の付加価値税、その他EC型などを見ましてもそう思うわけでありまして、一昨年でしたか、当院の派遣で、特に税制に関係する者でヨーロッパを回ったことがございましたが、そのときにたまたまフランスで、世界で付加価値税の父と言われているモーリス・ローレさんという方にお会いをいたしましたが、付加価値税につきましては一番先に先鞭をつけられた、フランスのあの制度の実務をつくられた方で有名であります。
 その方に、今、日本では単一税率、帳簿方式あるいは簡易課税方式などなどの方法があるが、付加価値税の父と世界で言われている方として感想はいかがですかということを申し上げましたら、単一税率、これは社会政策がない証拠でしょう、これは社会政策的思考がない証拠ではありませんかというような答えがございましたし、帳簿方式は税金が見えなくなる、あるいは簡易課税方式の大きな規模などについてもますます不公平になるというようなことで、それぞれ厳しい御批判を承った覚えがございます。国際的に見ましても、ちょっと今の構造というのはおかしいのではないだろうかと思っているわけであります。
#28
○小泉委員 しかし、消費税といったって三〇%じゃないのです。三%なんですよ。たえられない負担じゃないのです。将来も、衣類、確かに身につける下着、五百円とか千円、こういう下着というのは必需品でしょう。しかし、どれが必需品でどれがそうでないかという区別ができないからこそこういう税制改革をやったのです。昨年なんて、同じ身につけるハイレグカット、布なんかわずかしかないのですよ、ああいう五万円、十万円するハイレグカットの水着がどんどんデパートで売れたという。今や着るものがないという時代じゃないのです。身につけるもので、これが必要品、これがそうでない、区別できないのです。
 野党は、これは本音で語ってくださいよ、将来も衣類について非課税というのは妥当だと思っているのですか。これは本音でいいです。政党の立場を離れて、議員個人として伊藤さん、どうですか。そこを聞きたいのです。
#29
○伊藤(茂)議員 衣類にもいろいろあるだろうかと思います。
#30
○小泉委員 それでは、衣類においても課税物品と非課税物品を分けられると思っているのですね。もう一回確認したいと思います。
#31
○伊藤(茂)議員 そういうさまざまなことこそ、社会的な常識、社会的な納得性に合うような形で国民税制協議会で具体案をつくりたいと思います。
#32
○小泉委員 すべて国民税制改革協議会に逃げ込んじゃう。これはいろいろな人と議論して、必要品、ぜいたく品、区別ができないということで一律課税になつたのです。それを、大事なところに来ると全部国民税制改革協議会、今私は、そういうことだと思って、個人の、議員としての今までの見識で答えてくれと言っているのです。まあそれも嫌なんでしょう。しかし、今言ったように、いかに課税物品と非課税物品を、この二つに分けることでさえも難しいかということはおわかりだと思うのです。
 それにもかかわらず野党の皆さんは、今度とりあえずとはいっても、四段階、四%、六%、八%、一〇%、この四段階で課税物品を分けるというのでしょう。こんなことを一体できると思うのですか。ぜいたく品と必要品、分けるのでも難しいのに、さらに四段階とはっきり言っている、去年の法案を提出して。四%、六%、八%、一〇%、四段階かける、こんなことを公平にできると思っていますか。
#33
○伊藤(茂)議員 できると思っているかというお話がございましたが、私どもは暫定措置としてのこの四、六、八、一〇、四段階、そして当面措置として課税対象物品は従来構造を引き継ぐ、これは何もそう難しいことではないというふうに思います。
 私どもも、参議院に昨年財源法案を出しましたので、その法案を私ども四党政策責任者が集まりましてつくりまして、いろんな議論をいたしました。その中で、現在さまざまの税率がさまざまの物品について存在をする、なるべく困難なく暫定方法としてもそれを執行していただくということに、これは課税の現場の問題でございますから、していこうということで相談をいたしまして、そして四段階ですが、第一種のものについて、一五%のものは一〇%、一〇%のものは八%、第二種について、一五%を超えるものは八%、一〇%を超え一五%以下のものは六%、一〇%以下のものは四%と、さまざまの課税物品のリスト及び税額のリストなどを慎重に検討しながらこのような方法をとってきたというわけでありまして、したがいまして、税負担の額につきましてもあるいは税率などにつきましても工夫をいたしまして、簡潔なものにして問題が起きないようにやっていただきたい。
 ですから、これは従来の経験からしても、そう混乱が起きたり、あるいは容易にできるできないということを論ずるような話ではないだろうと思つております。
#34
○小泉委員 この野党の昨年提出した代替財源案によりますと、ゴルフボールもルームクーラーもカラーテレビも八%の物品税をかけることになっています。今や、先ほどお話ししましたように、ぜいたく品と思われるものを低所得者が購入することも少なくない時代なんです。盛んに野党は逆進性のことを言われますが、こういうことを考えた場合、現行の消費税よりも一層逆進性が強くなるんですが、この点はどうなんですか。
#35
○伊藤(茂)議員 今、小泉さんが言われました税率は、物品税制にするわけですから蔵出し段階の税率でありまして、小売段階の消費者の御負担といたしますと、さっき申し上げましたように、現行の消費税負担を上回らない水準であるというふうに考えております。したがいまして、新たな逆進性が発生をするというふうには考えておりませんし、そういうことはないと思います。
#36
○小泉委員 物品税でも逆進性というのはあるんですね。それを認めているんです。だから、税制だけで逆進性を全部解消するというのは無理なんです。そのために財政の支出とかいろんな面があるわけです。どれが公平か、今言った、野党がやっぱりぜいたく品と思われるものも、今や国民は必ずしもぜいたく品と思っていないです。もうクーラーだってカラーテレビだって、ほとんどの家庭がやっているわけでしょう。ゴルフにしたって今はもうほとんどの人、近所の、ごく金持ちでない人もたくさんやっています。そういう時代ですからね。この物品税というのは、もし本当にやるんだとしたらば、ますます大きな不公平感を私はもたらすと思っています。
 まあこればっかりやると時間がありませんから、次に、今野党の皆さんが一番問題にしている簡易課税と免税点に入りますけれども、これは、私は、ある意味においては、新税を導入するということを考えれば当然の措置だと思うんです。免税点を設ける、あるいは簡易課税を設ける、ただ、額によっては、程度によっては問題はあるかもしれません。
 盛んに言われているのは、三千万円以下の免税点で消費税を取っている、これが国庫に入らない、不公平じゃないかと言われていますけれども、私は、これはそんなに大騒ぎするほどの問題じゃないと思うんです。野党は皆さん大騒ぎしているというか、この議論ばかりやっていますけれどもね。なぜかというと、価格を決定するのは税率だけじゃありませんね。税率は価格を決定する一つの要素にすぎない。確かに、酒とかたばこみたいに税金が高いのは税率が下がれば価格も下がります。しかし、そのほかの競争の激しい物品によっては、税率よりももっとほかの要素が価格を左右するんだと思います。いろんな付加価値が出てくる。
 例えば三千万円以下の免税点の方が、消費税を負担しなくていいと言いながら取っていたとする。ないとは言えないでしょう、あったと仮定する。その会社がもうけたとする。もうけたとすれば法人税を取られますし、同時に、日本は同じ品物を売る店がたくさんあるのです。一時的にもうけたとしても、やはり消費者というのはより安い、よりいい品物を売っている店を選択するに違いない。ある時期、そうした不当と言えるかもしれない利益を上げた店があったとしても、同じ競争によって必ず淘汰されていく。その市場経済が発達しているからこそ日本の経済がこれだけ発展したと思うのです。
 簡易課税もそうです。これは八〇%みなしあるいは実額でやりたいと選択できるわけですから、同じように、五〇%しか仕入れがないのに八〇%とみなされる、ああ、もうけたもうけたと言う人もいるでしょう。しかし、そういう場合にはまた、自分の店の商品の価格を下げて利益を消費者に還元することもできる。ぼろもうけしたいと思ったらほかの店が許しません。安い品物を提供する店があれば消費者はそっちに行っちゃう。これが自由主義経済のよさなんです。
 コーヒーなんというのは同じ課税じゃないですか。ところが、コーヒーを飲ませてくれるところ、百五十円で飲ませてくれるところがある、五百円で飲ませなきゃならないところがある、あるいは千円出さないと飲めないところもある。自由にそれぞれが成り立っているんですね。消費者も文句を言わないのです。そのときどきによって、時と場合によって選んでいるのです。
 だから、この免税点制度にしても簡易課税にしても、この税制のために、大問題だというような取り上げ方というのは少し大げさ過ぎるんじゃないか。
 しかも、そうしたら所得税でもありますよ。国民はすべて法律の定めるところによって納税の義務を負う、これは憲法第三十条です。所得税だって課税最低限という枠は設けてある。一定の人に対しては税金が免除されているのです。消費税も同じです。免除制度そのものがいけないとは言っていないんでしょう。程度の問題だと言っているのですか。どっちなんですか。
#37
○菅議員 今最後に言われた所得税の控除の問題とこの簡易課税とか免税点の問題とは、若干性格を異にしていると私ども思うのです。つまり、所得税の場合は、みずからが払う税をどういう基準で払うか、子供の数あるいは配偶者のありなし等によって控除額が決まってくるわけです。しかし、この免税点の場合は、税そのものは消費者が払っているわけです。そしてその業者、いわゆる納税義務者がそれを納税する義務があるなしという形でこの三千万というものが決まっているわけですから、もともとの人が払わないで済むという所得税の場合の控除の制度とはかなり性格を異にしている、そこに非常に大きな問題があると思うわけです。
 そこで、先ほど来、課税といいますか、税だけで価格が決まらないから、自由競争でそういうものもならされていくだろうというようなことを言われましたが、ある意味では、同じ品物をたくさんの店が売っているということは、逆に言えば課税業者の水準で多くの店がその物を売っているとすれば、非課税業者、つまり免税点以下の業者もその水準で、高い水準で売ってもいわば競争に負けないわけですから、そういった形で、逆に価格に払わないでいい税金を転嫁することができている部分も実際上あるんじゃないかと思うわけです。特に、私なども実際の人たちに話を聞いてみたときに、きちんと税務処理をしているところにおいて雑所得が出ているケースはたくさん聞いているわけです。
 つまりそういう意味で、同じ繰り返しになりますが、消費者が負担をした、消費者段階では税として負担をしたものが途中で消えていくということが非常に制度的な問題なんであって、確かに中小業者においての納税のいろいろな面倒さとかなんとかということを考えたときにどうするかという問題は、それはそれであるいは別の制度で考える必要があるという議論があっても不思議ではありませんけれども、少なくとも、一たん払われたものがどこかに消えてしまうという制度には根本的に問題があるのではないか、そういう趣旨ですので、質問された所得税等との比較とは若干性格が違っているというように考えています。
#38
○小泉委員 いや、免税点はあってはならないと思っているのかどうかということを聞いているのです。
#39
○菅議員 ですから、こういう免税点を設ける設けない、あるいは簡易課税制度を設ける設けないというような制度を持つこと自体がこの消費税の根本的な欠陥の一つでありますから、私たちはその消費税の本体をなくするという形でこのことを解決していこうとしているわけです。
#40
○小泉委員 いや、しかし、野党の皆さんは、代替財源案あるいは選挙の最中も、消費税を廃止して永久に消費一般にかかわる課税をなくしますなんて言っていませんよ。消費税が廃止されたらば個別物品税を復活します、流通段階にもサービスにも適正な課税をしますと言っているのですよ。いわゆる消費一般にかかわる課税じゃないですか。(発言する者あり)今後ろで、野党の人だと思いますが、だれが言ったのだ、言ったことないと言うが、本当なんですか、そういうこと考えてないんですか。討論会で言ったんじゃないですか。検討して、絶対やらないと言うのですか。その点、責任ある方答弁してください。
#41
○神崎議員 私どもがこの税制再改革基本法案の中で「流通、サービス等に対する適正な課税」を行うということを述べております。この点について申し上げますと、私どももこの流通、サービス等に対する課税を否定しているわけではございません。私どもは、まず、政府が導入しようとし、またあるいは導入いたしました一般消費税、売上税、消費税といった大型間接税の導入は考えていない。さらにまた、直接税を主とし間接税を従とした意味における間接税のあり方について、これはあるべき税制改革の中で議論がなされるべきである。そういう意味におきまして、この流通、サービス等の適正な課税というものを挙げているわけでございます。
 その場合に、個別間接税はもとより幅広く検討はなされると思いますけれども、今、現段階でその具体的な中身につきましてあらかじめ想定しているものではございません。
#42
○小泉委員 やはり神崎さん、率直に議論をしてくれました。将来流通、サービスに適正に課税する。しかし、そういう場合、免税点というのは設けなければできないのではないですか。これは具体的な内容ではないのですよ、考え方として。免税点というのは、額は別にして、少なくとも一定割合設けなければならないのではないですか。その点お聞かせいただぎたい。
#43
○神崎議員 免税点の問題につきまして共同提案者の方からいろいろ御答弁申し上げているところでございますけれども、私どもは、消費者が納めた税金が国庫に入らない、アダム・スミスの租税の原則で言うところの明確の原則という点からこの点を問題にしているわけでございます。消費税廃止という、消費税の持つ欠陥という点で問題にいたしておりまして、その限りで御答弁申し上げているわけでございます。
 それを離れまして、あくまでも一般論としてどう考えるかということで、私なりの考え方を申し述べさせていただきますと、これはやはり簡素という租税の原則も一つあるわけでございますし、徴税コストという問題もあるでしょう。したがいまして、この免税点の問題についても、欧米等の免税点調べてみましても、百万円台あるいは数百万円台という免税点が設けられているところでございますし、ECの統一の考え方でも八十七万円ぐらいでしょうか、そういった低い免税点が考えられているところでございまして、その意味では、この免税点の問題も許容範囲を超えているところが一つの大きな問題ではないか、このように考えます。
#44
○小泉委員 わかりました。やはり野党も免税点を設けるということは、これはやむを得ないということを認めているわけです。
 問題は、これは程度の問題。これは当然将来話し合いしていい問題だと思います。三千万円が適当か、二千万がいいのか、一千万がいいのか、こういうのはお互い十分話し合いができると思うのであります。
 次に、納税者番号に移ってまいりますが、野党は、一昨年マル優が廃止された際、いわゆるマル優というのは預貯金に対して一人三百万円まで非課税である、これに対して大反対をされました。これはまた金持ち優遇で低所得者いじめであるということで大反対されましたけれども、今回消費税を廃止した後に、あの大反対されたマル優廃止、これをまたマル優復活するのでしょうか。これは個人として伊藤さんどうですか、復活したいという気があるのでしょうか。
#45
○中野議員 マル優の復活に限って申し上げれば、私どもはそのことについて今回のこの税制再改革のあり方について論議をしたことはございません。ただ、先ほど来御質問の中で触れられましたけれども、その反対したではないかという御指摘に対しましては、私どもとしては一つの理由があったわけであります。
 それは、利子所得に対する一律二〇%の分離課税ということでございますから、本来、課税最低限以下あるいは限界税率が二〇%未満でも二〇%の税率が適用される。一方で、利子以外の所得が高く、二〇%を超える限界税率に直面する階層であっても二〇%の税負担で済むという問題をぬぐい去ることはできないというふうに考えたわけでありまして、特に、我が国の利子配当といった資産所得課税は常に総合所得税の枠組みから外されており、これが所得税の公平を阻害しているという考え方に立って反対をしたいきさつがあります。
#46
○小泉委員 いずれにしても、マル優廃止のときの大きな議論になったのは、高額所得者が有利になる、あるいは低所得者が不利になるということだったわけですが、しかし考えてみると、この低所得者のための配慮のマル優制度も、実態は必ずしもそうでなかった。むしろ一人三百万円、郵便貯金も銀行預金もそうですし、また特別マル優制度もあった、だから一人九百万円、分ければ非課税。しかも、家族を入れれば、二人いれば三人いればその顔が免除されるわけですから、実際にこの制度の最も恩典を受けていたのは、三百万円以下に何口も分けられる人が一番恩典を受けていたわけです。
 で、源泉分離課税の利子に三五%課税するのは高額所得者だけだという議論がされた。実態はそうではなかったと思うのです。現実に調査してみれば、源泉分離課税の三五%を利用していた人たちは本当に高額所得者だけに限られるかどうか、そこら辺は大蔵省、私は資料があると思いますよ。実態はそうではなかったのじゃないですか、どうですか。
#47
○尾崎政府委員 マル優制度廃止が議論されておりましたころに、私どもでサンプル調査をやったことがございますけれども、そのときの結果といたしましては、三五%の源泉分離選択課税を利用している方は各所得層にまんべんなく分布しておりまして、所得六百万円までの人が約六割を占めていたというのが結果でございました。
#48
○小泉委員 ですから、マル優で身元確認されるよりも、源泉で三五%の課税をされてもした方がいいという人の方が、必ずしも高額所得者に限らなかった、あらゆる階層にわたってきたということですね。
 野党が主張される納税者番号をしようということ、これは本当に国民が歓迎するかどうか。もし納税者番号をやろうとすれば、預貯金、郵便局にしても金融機関にしても、必ず本人確認をして税務署にやはり通知させなければならないのじゃないですか。あるいは株式を買う、証券会社、どの株を何株買ったか売ったか、その都度証券会社は身元確認をして税務署に通知しなければできないのじゃないですか。野党の皆さん、どうですか。
#49
○中野議員 厳密に税の公平を図ろうといたしますと、今御指摘のありましたような努力はされなければならないものと考えております。
#50
○小泉委員 私は、そういうことをやって国民が歓迎するとは思っていません。なぜならば、昨年、私が厚生大臣のとき、年金受給者が一番希望していたのはどういうことかといいますと、去年までは三カ月に一回年金の通知をはがきで出していました。三カ月に一回連絡してくれるのはありがたいのだけれども、額が書いてある、額が人にわかってしまう、何とかあの額のところを隠してくれないかという要望が一番多かったのです。なぜか。うちの嫁に見られたくないとか息子に見られたくないとか、家族に見られたくない。幸せな家庭ばかりじゃないのです。身内にもお金のところ――年金なんというのは脱税した額じゃないのです、だれからも文句の言われる額じゃないのです。にもかかわらず家族にも見られたくないという多くの年金受給者の希望、それを入れて、昨年予算をつけて、ことしの二月から、三カ月に一回を二カ月に一回、ちゃんと額のところにはシールを張って皆さんに通知するようになって、大変今喜ばれています。
 あの年金でさえも人に知られたくない国民の心理、それを考えると、納税者番号だって、あらゆる預貯金、株式を全部税務署に知らせられているというこの煩わしさ、これだけ所得があれば、必ずどこから所得があるのだろうと調べられる不安感、国民に根強いと私は思いますよ。
 例えば預貯金だけにする、株式だけにするといった場合に、本当に対象外になったものと対象にされたものと不公平が起こらないか。その点、大蔵省、大蔵大臣でもどなたでもいいのですけれども、そういう特定の預貯金、株式だけに限った場合に、その課税対象になった資産とそうならない資産との不公平は当然出てくると思うのですが、その辺は大蔵大臣、どのように感じられておりますか。
#51
○橋本国務大臣 今委員が指摘をされました他の資産へ資金シフトが起こる可能性というものは、この問題を考える上で非常に大事な論点の一つであると私は思います。今政府においても、いろいろな議論がここまでなされてきたわけでありますけれども、やはり納税者番号というものを考えますためには、制度の前提となる番号をどうするかという視点での検討ばかりではなく、プライバシーの問題でありますとか、制度導入に伴い国民が受忍していただかなければならない煩わしさ、費用等についての国民の理解と合意というものが大切であると申し上げてまいりました。今委員が御指摘になりました問題点も、まさに極めて重要な問題点だと私は思います。
#52
○中野議員 小泉先生が例えられた、年金の額を知られたくない、そのお年寄りの気持ちはよくわかります。しかし、そのことと税務署に自分の所得が把握されることを嫌うということとは、これは全く次元の別の問題であろうと思います。
 いわゆる納税者番号についても、プライバシーを大切にしなければいけない、そのためにいろいろな工夫をしなければいけない。先生が心配されているようなことも含めて、これは納税以外の用に供されてはならぬというふうなこと等も配慮しなければなりませんから、十分プライバシーの保護に努力しなければならないことは私どもも承知しておりますし、新しい法律も場合によってはそのために必要でありましょう。しかし、先ほどの年金の工夫をされてシールを張って見えないようにするような実際の努力をして、それが実行に移されているように、もし例えるならば、納税者番号の問題についても工夫の余地はある。しかし、今の二つの問題を比較することは別次元の話であって、所得の把握を税務署に知られるのが嫌いです、これでは納税制度そのものが根幹から崩れてしまうと思うわけであります。
#53
○小泉委員 私は次元の違うことはわかっているのです。ただ、国民の心理として、それだけの煩わしい手間暇をかけさせて把握する体制を国民が歓迎するかどうかということを言っているのです。今、野党の皆さんは国民の意見を尊重しながらということをたびたび言われるわけです。そういう場合に、そうした公平という観点から預貯金と株式に限れば必ずほかのものに逃げていく場合に、必ず別の方の資産を把握しなければ、これはできなくなってしまいます。不公平が起こってくる。対象になったものと対象にならないものが不公平になる。次々に拡大していかないと、これは本当の公平な課税はできないわけです。
 そうなりますと、これは、大変な管理体制といいますか、経済の面においてもあるいは経済の取引においても活発性がなくなって停滞していくのじゃないか、そういうおそれもあります。さらに、これまでの日本が培ってきたこの経済の活力ということを考えてみても、こういう納税者番号でより管理体制を国家が強めていくことについて国民の合意が得られるかというと、私は必ずしもそうではないと思うのであります。
 もう時間がなくなりましたけれども、今回いろいろな議論で各委員から明らかにされましたけれども、今でもやはり総合課税が原則であります。しかし、公平さを最優先して総合課税を徹底するというと、これまた窮屈な感じを与える。ある程度、総合課税を原則にしながら、分離課税制度とかあるいはその他の消費にかかわる税制とかを組み合わせていくことが、私は国民の大方の納得を得られる税制だと思うのです。今回そういう意味から消費税導入を契機に税制改革を行ったわけです。
 ここで大蔵大臣、これから大変重要な役割を果たされるわけですけれども、やはり今回の税制改革、現行の消費税、そして今の見直し案を出していますけれども、今までの各委員からの議論でも明らかにされたように、やはり消費一般にかかわる税という場合、ぜいたく品か必需品かに分ける、この仕分けが実に困難である。言うはやすく現実に非常に難しい。そして、今回の消費税の意義というのは、もともと物品税でぜいたく品と必需品を分けることが難しい時代になってきたということから一律課税になったわけですね。そういうことから考えますと、生活必需品にもかけた方がより公平な理論であるということも多くの方から言われているわけですので、今後、この見直し案も否決される、廃止案も否決される状況になってまいりました。ですから、これからの再見直しに当たりましては、やはり当初の原点に返って、より公平な、また経済に中立な税制を考えていただくよう、切にお願いしたいのです。
 そして私は、今回のいろいろな議論を聞いていますと、やはり円高のときの状況と似ていると思います。あの円高の起こったときは、わずか四年前ですよ。私は国会の議論を聞いていました。そうすると、あらゆる議員が言うことは、取り上げるのは、円高で悲鳴を上げる、苦しんでいることばかり取り上げる。円高でプラスを受けている人を取り上げても、余りマスコミも多く取り上げない。円高で日本経済は大打撃を受ける。二百四十円から二百円になった、百八十円になった。四年前の今ごろです。そのときになりますと、もう百五十円になったらば日本経済は崩壊すると言った人が専門家でも結構いました。ところが今、どうでしょう、四年たってみて。円高というのは、日本経済に大打撃を与えたどころじゃない。言われなくても、円高というのは日本経済にマイナスよりもはるかにプラスをもたらしたということは実感でみんなわかっている。百五十円になったら経済は崩壊するどころじゃない。百五十円、二円、三円、円安を心配している。むしろ円高の方がもっといいという空気に四年たって今なってきました。
 私は、この消費税も同じだと思います。四年たたないうちに必ずや国民多数から、ああ、やってよかったな、あのとき多くの反対を押し切ってやってよかったなという時代が数年たたずして必ず来ると思っていますが、大蔵大臣の所信をお聞かせいただきまして、これから、よりこの消費税の定着に自信を持って――あらゆる制度は見直しというのは当然なんです。所得税も法人税も今まで何回も見直しされてきました。そういう意味において、見直しする場合は、現行制度が十分に定着するのを待って、選挙対策じゃない、真に必要な見直しを時間をかけてゆっくりやっていただきたい。心から要望したいと思います。
 大蔵大臣、何かあれば言ってください。
#54
○橋本国務大臣 より国民に理解をされ定着をするように今後ともに努力をしてまいります。
#55
○山崎委員長 これにて小泉君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡辺嘉藏君。
#56
○渡辺(嘉)委員 渡辺嘉藏です。
 初めに、心から国民の願っております消費税廃止の関連四法案の審議に当たりまして、自民党の先生方も真剣にそれぞれのうんちくを傾け質疑を展開されました。立場が違いますので合点できないところもありますが、本当に心から敬服をいたした次第であります。野党の皆さんもそれぞれすばらしいものがあり、実りのある論議が展開され、国会のあるべき姿として歴史に残るものと存ずる次第ですが、それにしても提案者の皆さん、本当に終始まじめな応答ぶり、さすがと感心をいたしました。同時に、それを支えられました随行者、裏方の皆さん、本当に御苦労さまでした。あわせて、橋本大蔵大臣も、衆法、閣法両方、裏表御出席をいただきまして本当に御苦労さまでございました。
 以上で私は前言葉を終わりまして、これから社会党を代表いたしまして、総括的な、衆法に対する、廃止関連法案に対する質問を展開をいたしたいと存じ探す。
 まず第一に、海部総理を初め自民党の方々が、衆議院での勝利は、消費税が定着並びに見直し案を国民が理解したんだということ、これを強調されております。その選挙公約には抜本的な見直しをするとか思い切った大幅な見直しをするとかというPRがなされましたが、国民がこれに惑わされたのではなかろうかという懸念もしておるわけですが、提案者どうでしょう。
#57
○中野議員 お答えをいたします。
 今おっしゃられたように、消費税の見直し案に国民が過大な期待を持ってしまったということは、現実に私どもも幾人かの国民の方々からお聞きをいたしておりますし、食料品が三%安くなるそうですね、もう小売段階で非課税になるんですから三%消費税の分は安くなるんでしょうというふうにお尋ねになった方もたくさんいらっしゃいます。いろんな過大な期待といいますか、そういうものもあったと思いますし、また、おっしゃられましたように、自民党の一部の首脳からは、消費税の再見直しとか凍結とか一たん廃止してとか、随分といろいろなお声がありました。また、そういうことを公約にされた方もいらっしゃいました。そういう意味では、選挙公報に廃止と書かれた方がいらっしゃいますので、そういう方々も含めまして、国民の皆さんの正確な判断を惑わす行動があったということは事実言えることであろうと思うわけであります。
 まして、選挙が終わりましてからの各種アンケートによりましても、自民党が過半数を制したからといって消費税を認めたわけではないという方方がこれまた圧倒的に多いという現実を見ましても、私どもは、消費税を一たん廃止をして、そして税制再改革をやり直すというこの基本的な考え方は、国民の大多数の方々が今なおお持ちであろうと思います。
 ましてや、参議院で廃止法案が可決をされたということには大きな意味があります。物事を発想を転換して考えて、現段階で消費税導入案を国会へ提出したとしたら、衆議院では可決されても参議院では否定されるわけでありまして、今日段階であれば消費税の導入は不可能なわけであります。そういうことも考え合わせますと、国民の意思をもっと大切に考えなければいけないというふうに思う次第であります。
#58
○渡辺(嘉)委員 全くそのとおりだと私も思うのですが、いい御答弁をいただきました。
 それでは次に、国民の期待を裏切ったと思われる、今政府が出しました見直し案について見解を求めますが、どうです。
#59
○宮地議員 お答えをいたします。
 今回の政府が出されました見直し案につきましては、いろいろ問題があろうかと思います。
 第一点は、食料品の軽減税率の問題でございますが、これはまずその分だけ果たして物価が引き下がるかどうか、これは非常に疑問でございますし、この複数税率がかえって事務的に多大な負担を与えて混乱を催すことを大変に危惧をしているところでございます。
 また、先ほど来から論議されておりましたところの簡易課税の問題、免税点の問題など、消費者が納めました税金が必ずしも国庫に納付をされない、こうした欠陥税制が今回の見直し案では何ら改善がされておらない。
 また、今回の見直しの中におきましては、いわゆる福祉に充てる、こうした見直しが行われておりますが、この問題につきましても、この委員会でるる議論されましたとおり、現在の福祉は平成二年度でも十一兆円を超えているわけでございまして、現状の三%の消費税率は国税収入でも平成二年度約三兆九千億でございますから、ここには大変な差があるわけでございまして、もし政府の考えているような福祉の財源に充てるということであれば、将来この三%の税率が引き上げられる可能性が十分にあるわけでございまして、この点については国会がチェックをし、また今後においてもこの問題のためには厳重な監視をしていかなくてはならない、そういう点においても大変危惧をしておるところでございます。
 また、総額表示方式ということが言われておりまして、これはまさに外税を内税化するものでございますから、これに伴いまして便乗値上げなどが行われる可能性がある。
 大変多くの問題を抱えておりますので、この政府見直し案は一たん白紙に戻して廃止をして、そして国民の信頼と理解を得ながら新しい税制の再改革をするのが筋道ではなかろうか、このように考えております。
#60
○渡辺(嘉)委員 それでは、今指摘されました見直し案につきまして、政府側から、大蔵省から聞きたいと思っておるのですが、食料品が一・五%の軽減になってくるということですが、これについては、外食は課税なんですね。そうすると、零細企業なんかが夫婦共稼ぎでうちで一生懸命仕事をやっておる。残業をやらんならぬので間に合わぬから外からどんぶりをとった。課税ですね。うちでちょこちょこっとやると、豪華なものを食べてもこれは非課税ですね。あるいはまた単身赴任で、各先生方でも大多数の方がそうなんですが、外で外食しますね。食堂で食べます。みんな課税ですね。こういう点について、不均衡といいますか、不公正だと思いませんか。
 いま一つ。小売店の食料販売店で五〇%以上消費者に売ることによってその非課税の適用になるわけですが、逆に今度は、弁当屋さんだとか料理屋さんだとか、会社の寮だとかに売るそういうまとめ売り、こういうものは、これが五〇%を超えますると小売としての非課税扱いにならぬわけですね。そうすると、大手スーパーではまずそういうことはないと思うのですが、中小にはそういうことがあるんです。運びまして、配達しまして、そして持ち込むわけですね。そうすると、中小の場合には比較的非課税にならない人も出てくる危険があるんです、同じ小売業でも。
 と同時に、私は前回も申し上げたんですが、簡易課税の、これをみなし税率を政令に移管するということについては、これは私は好ましくないし、これはもう大変な、先ほどの個別間接税のことで云々されたようなそんな複雑よりももっと複雑なことが起きてくる。こういうようなことからみなしの仕入れ率を政令に任せようというなら、その仕入れ率の内容を同時にお示しにならないと審議ができないのじゃないか、こういうふうに思うんですが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
#61
○橋本国務大臣 今一つは、単身赴任者等を例に挙げて御論議がございました。これは私は、いろんな考え方、確かに外食サービスを、毎日買う食料品と同じような意味を持つんだという御指摘は、なるほどその特異な部分に着目をし、特異なケースを想定すれば成り立つのかなとも思います。しかし同時に、そういう方があることを否定しませんけれども、それがそれでは一般的なものかといえば、そうではないと思います。これは、先ほど来生活必需品とは何かという言葉の定義で御論議があったのと同様の問題ではありませんか、私としてお答えをすれば、そういう申し上げ方をさせていただきたいと思うんです。ですから、そういうケースがあることを否定はいたしません。しかし、やはり私どもとすれば、このルールというものを特定のレアケースに対応して御議論をいただきますと、全体像が狂ってくるのではないかと思います。
 また、先般の御論議のいわば継続でありますけれども、委員、前回たしか、本来的にこのみなし仕入れ率とかこういうものは否定するんだということをお述べになりました。そういう御議論の延長線上からとらえますならば、私は委員の御指摘に理かないとは思いません。しかし同時に、私どもはより正確に実態を把握した上でこの問題に対する考え方がお示しできるように、過去一年間の実績全部を今集計し、分析する作業を行っております。その上に立って、きちんとしたものをお目にかけ、御判断をいただきたいと考えております。
#62
○渡辺(嘉)委員 私は前回も申し上げたわけですが、こういう三点セットその他におけるいろんな不合理、不公正は、やはり消費税そのものが持っておる、そういうものを導入したことからいやでも付随的に生じてきた欠陥だと、こう思っておるわけですね。だから、これはやはり消費税がないことの方がむしろいいんだ、こういう前提で私はこの前も申し上げておるわけです。
 そこで、今回の税制改革、一連行われたわけですが、低所得者には実質的な増税、大所得者、大所得法人には大減税、その財源としての消費税、それがための直間比率の見直し、こういう一つの流れの中で、これは議長裁定でもあったわけですが、私は何回も言うんですが、これは結果的な比率であって、標準的、理想的なものは、私は幾多の学者にも聞いてみたんですが、そういうものはあるべきでない、こういうことをおっしゃっているわけです。だから、その意味で廃止法の中には第五のAで、所得、消費、資産のバランスある課税を図らんとしていらっしゃるわけですが、この中に間接税とは、私は消費に対する課税ではなかろうか、こう理解をしておるわけですね。サービス、流通全般の中から、同氏生活の必要上、経済の向上のためにも、政策的な観点からも、消去方式でいろんな物品、サービスを排除していくやり方、あるいはまたその全物品の中、サービスの中から抽出して、それに対して社会秩序維持を含めまして選択して課税をしていくやり方、酒やたばこをのみ過ぎる必要はないわけですから、だからそういうような意味から、生活に不可欠でないものから抽出して課税をしていくという個別間接税の考え方は、これは当然だと私は思っておるわけです。
 消費税のごとくあらゆる消費全般から、いわゆる中曽根前総理がおっしゃったように、投げ網のごとく吸い上げていくという大型間接税、これはどう考えても現在の進歩した税理論を無視した逆進的なものであって、これは全くだめですが、先日も一部触れましたが、ケインズのあの「一般理論」の中にも、租税制度を累進型から逆進型にすることにより貯蓄の効果はむしろ削減されるというて、好ましくないということを明らかに言うております。あるいはまた、アメリカのハロルド・グローブス教授の「租税思想史」でも述べているけれども、実際の政治の場においては高額累進課税の税率を低くしようということがもっともらしく言われるけれども、実際はそうではないのだ、この累進の度合いを徐々に失わせるような抜け穴を許してはならない、こういうことを述べていらっしゃるわけですね。
 こういうような意味から、高額累進課税は時代の趨勢として先進国においては当然採用されておる課税制度であるわけです。定率、定額、均一などというような、かつての逆戻りするようなタイムトンネル的なこういう歴史の逆転はあってはならぬ、私はこう思っておるわけです。この点につきまして、私はこの個別間接税については妥当なものだ、有効に作用するものだ、こういうように考えておりまするけれども、この点について提案者の説明を求めます。
#63
○中村(正男)議員 個別間接税につきまして御答弁申し上げます。
 委員御存じのように、個別間接税というのはそれぞれの担税力に応じて課税ができます。また、逆進性も緩和ができるわけでございますし、先ほど来論議がございました旧物品税の問題につきましても、免税制度というものも付加されております。したがいまして、私どもはこの個別間接税をおくれた税制度だとは考えておりません。
 しかし、現行の個別間接税におきましても確かに矛盾もございます。だからといって、矛盾があるから飛躍的に、より多くの矛盾を抱えております大型間接税に飛躍することは我々としては了解ができない、かように思っておるわけでございます。
 以上です。
#64
○渡辺(嘉)委員 全く同感であります。
 直間比率は結果論ということに対して、政府税調や自民党の方からいろいろな反駁がありまするが、私はこれは無意味な不毛の論議だと思っております。
 そこで、要は所得、資産、消費の課税のバランスということはどのようなことを想定していらっしゃるか、承りたいと思います。
#65
○森井議員 所得、資産、消費課税のバランスはどうか、こういう御質問でございますが、所得、資産、消費についてのバランスとは、応能負担原則など、総合課税主義を基本といたしまして公平な税体系を実現することでございます。
 そのために、所得課税については、さらなる簡素化、勤労所得中心の税負担軽減を図るとともに、プライバシー保護に十分留意し、国民が合意し、不安を感じない納税者番号制度の導入等により、総合課税への移行を推進してまいります。また同時に、国際化あるいは経済構造の変化に合わせた法人課税の適正化、合理化を図ってまいります。
 次に資産課税については、利子配当課税のみならず、株や土地の譲渡益及び譲渡課税の適正化を行いまして、さらに土地基本法に基づく保有課税の見直しなど、小規模宅地の負担軽減に配慮しつつ、課税の適正化を進めてまいります。
 最後に消費課税でございますが、個別間接税の整理改善を推進するとともに、サービス、流通への課税を検討し、適正化を図ってまいります。
 これらによりまして、結果として所得、消費、資産のバランスのとれた税体系を目指すものでございます。
 なお、具体的には、かねがね申し上げておりますように、国民税制改革協議会で十分御検討をいただきたいというふうに考えております。
#66
○渡辺(嘉)委員 先ほどもゴルフはどうだ、スキーはどうだという論議が出ましたけれども、私は、ゴルフはやはりそれ相当の担税力を持った人が行くわけですし、一日、半日かけるわけなんです。テニスをちょびっと昼休みにやるのとは全然違うのですね。ですから、そういうような意味で、ゴルフに三%かかったからどうとかいうようなことじゃない。要するに、家庭用品でもダイヤでも、あるいはまた時計でも衣料でも高級なもの、文化を楽しむために海外旅行へ行く、そういうものに私は課税されても担税能力があるわけですから当然だと思うのです。そういうような意味で、私は、特定の商品に抽出的な方式で抽出した個別間接税、これは有効なんだ、こう思うのですが、どうです。
#67
○中村(正男)議員 先ほども御答弁申し上げておりますが、私どもはやはり個別間接税の持ついい面は正確に評価をしなければならないと思っております。それは今委員御指摘のとおりでございまして、所得に応じたみずからのライフサイクルに合わせた生活用品の選択ができる、また課税対象物品ごとに税率が異なる等々逆進性を緩和される面も多々ある。
 ただ、六十三年まで実施されてきました旧物品税には、先ほど来論議がございました課税、非課税の問題、いわゆる負担の不均衡という問題がございますので、これは新たな観点から十分御論議をお願いしたい、このように考えております。
#68
○渡辺(嘉)委員 次に、資産に対する課税について承るわけですが、これについては地価の高騰抑制等の問題を含めまして、一定のたがをはめるべきだと私も考えておるわけですが、そこで固定資産税のこの際抜本的な見直しをすべきではなかろうか。
 これの均一課税が今行われておるわけですが、この百分の一・四という均一の標準税率を、私は、居住用については〇・二%下げて一・二%にする。事業用は〇・四から〇・六%引き上げまして、一・八ないし二・〇にする。遊休保有地は一・四%から一・六%引き上げまして、二・八ないし三%にする。農地、山林は据え置く。これらによる増収を私は各項目ごとにずっと拾ってみたわけです。そういたしますと、私の計算によりますると約一兆六千六百三十億という多額になるのでございます。
 欧米各国の固定資産税の、日本における固定資産税に相当するものを調べてみますると、それぞれ均一ではないわけですね。まず西ドイツにおきましては、土地、建物、機械、設備等を含めまして不動産税として、更地の場合は賃貸価格の〇・三%、そして居住用の場合には、一定以下の居住用は〇・二六%、事業用資産は〇・六%という複数税率で固定資産税を徴収している。それからフランスにおきましても、既に建っておる建物のある用地の場合は賃貸価格の五〇%に課税をする。それから、いまだに建っていない土地については賃貸価格の八〇%に課税する。居住用の場合には家具の部分を除いて五〇%に課税する。その他、富裕税という税率を設けまして、〇・五から一・五%の五段階で課税をしておる。
 ところが日本の場合には、土地、建物、遊休地、機械、設備等、償却資産を含めまして全部一律一・四で今日までずっときたわけですね。ここで問題は二つあるわけです。
 一つは、これを引き上げますると、東京、神奈川、大阪、兵庫等の一点集中というか二極集中といいますか、ここには全部の課税評価額の四五%が集中しておるのです。ですから、これを一律にやりますと、今度はまたここで地域間格差が出てくるのですね。富裕県と過疎県とが出てくるわけです。ですから、これを私は一定の線引きをいたしまして、逆交付税のような形をとりながら、これの見直しをこの際行うべきではなかろうか。特に事業用の資産は、土地でも建物でもそれから償却資産でもそうですが、莫大なものがあるのです。これについても全部一・四%なんです。居住用もそうなんです。居住用は、これで資産を生まない。しかし事業用は、これが運転して資産を生んでおるのです。と同時に、この分については、払った税金は所得の計算上は損金扱いを受ける。しからば、家賃控除のことをいろいろ各党おっしゃっていらっしゃいますが、固定資産税は居住者は控除の対象になっていない。こういう不公平もあるのですね。
 この点から考えると、私はこの際各計算をずっと、ゴルフ場ばかり言うわけじゃないけれども、機械から設備からあらゆる銀行の建物その他も計算してみて、こういう財源が出てくるわけですが、この際地方財源の拡充のためにも、あるいはまた消費譲与税の裏づけのためにも、あるいはまた公平な税制を本当につくり直す、消費税だけ均一にしておいてこれで公平だというのじゃない、この固定資産税の均一を複数化すること、目的別に課税すること、これによってまずこういう一つ一つの公平を期していった上で、どうしてもやむを得なければ消費税ということはあるかもしれぬけれども、やることがなされていない。この大きな一つに、私は固定資産税の抜本見直しがあると思うのですが、この点については自省省、どうお考えですか。
#69
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 固定資産税の土地について、事業あるいは居住用といった種別に応じて税率を変えることはどうかという御意見だろうと思います。
 固定資産税の性格というものをどういうように考えるかということが基本になるだろうと思います。私ども、固定資産税は、資産を保有しているということと市町村の行政サービスとの間に非常に大きな受益関係があるということに一つ着目をしているということと、もう一つは、保有を継続をしているということ、その資産の使用収益し得る価値に毎年課税をする、こういう性格が固定資産税の性格ではないかというように思っております。したがって、そういう固定資産税の性格から考えた場合には、居住用とか事業用とか、御指摘になりました遊休保有用とか、そういった利用区分ごとに税率を変えて課税をするということにはちょっとなじまない税金ではないかというように考えております。
 ただ、税率自体はそうなわけでありますけれども、政策的な配慮ということもございまして、住宅用地につきましては、御案内のとおり小規模の、例えば二百平米未満の課税標準を四分の一にするというようなことがありますから、実質的には一・四%の税率が課税標準の段階で四分の一になるというようなことで軽減を行っているわけでありますが、これは税率を下げているんじゃなくて課税標準の特例を設けている、こういうことでございます。
 それから、遊休土地については、ほかに特別土地保有税というものがあるので、そういった面で強化をしているということでありますので、御理解を賜りたいと思います。
#70
○渡辺(嘉)委員 土地税制の観点から考えましても、一時的な保有税等々で、これはショック療法でやるということは好ましくないのです。これはやっぱり恒久的な税制の中で保有遊休土地については規制をしていく、このことが必要ではないか、私はこう思っておるのです。だから、欧米各国においてもそれぞれそれに適合したようなやり方をしておるわけなんですね。
 私は、今聞いておって、その硬直的な、それは立場があるので、それはそうじゃそうじゃとは言えぬかもしれぬけれども、しかしだれが考えたって、居住用四分の一、二分の一の特例はありますよ、土地については。家屋についてはないでしょう。基礎控除はもともと最初からあります。いろんなものがありますけれども、しかしここで私は、事業用並びに保有用、そして居住用、これはこの際複数税率でそれぞれに適合したことを考えるべき時期がもう来ておる、こういうように考えますので、一概になじまないなんというような言葉で一蹴しないで、真剣にひとつ取り組んでいただきたいと思うのですが、もう一遍、どうです。それから、大蔵大臣、どう思われますか。
#71
○遠藤政府委員 お答えを申し上げます。
 確かに、外国、特にアメリカなんかの場合には、先生がおっしゃられましたように課税の方式というのは日本とちょっと違います。それは一つには、日本と例えばアメリカと地方財政の組み立て方が違うものですから、日本は、先ほど言いましたように、固定資産税は市町村のサービスと資産というものの間に公平に課税をしようという考え方であります。アメリカの場合には、歳出の方が決まって、それに対する財源としてどういうようにそれぞれの資産に負担を願うかという考え方から課税していますので、そういう意味からいって、ちょっとアメリカなんかのプロパティータックスと日本の固定資産税と考え方が違うんじゃないかという点があるものですから、その点について御理解を賜りたいと思います。
#72
○橋本国務大臣 自治省の所管される税制のことでありますから、私から意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
#73
○渡辺(嘉)委員 それぞれ冷たい御答弁をいただいたわけですが、甚だ不愉快ですが、提案者に聞いておりますと時間がありませんので、提案者は大体はおわかりいただける、こう思うのです。
 引き続いて、しからば、この税制再改革基本法第五条の二に土地税制の改革を述べていらっしゃるわけですが、提案者の考え方を聞かせていただきます。
#74
○元信議員 土地基本法につきましては、早くから私どもはその制定を要求をしており、第百十二回国会に四党共同でこの法案を提出をいたしました。その後、第百十六回国会に政府からも同じ名前の法案が提出され、四党共同案とともに審議を行い、四党が主張する宅地の供給の促進、公有地の拡大等を追加し、また市場原理優先の条文を緩和し、修正するなどして成立をさせたところであります。
 この土地基本法の骨子は、一つといたしまして、土地の公共的、計画的利用の原則。二つといたしまして、開発利益、増価益等の社会への還元を原則とする土地税制等の確立。三つ目に、土地の投機的取引の規制。四つ目に、公有地拡大の推進。五つ目に、宅地供給の促進等などでございます。しかし、土地評価の一元化、市町村計画優先の原則等が欠落あるいは不十分でもございますので、今後ともさらに改正をし、充実をさせる方針でございます。
 土地政策と土地税制の関係につきましては、土地基本法の趣旨を踏まえ、適正な価格の形成に資するとともに、社会的公正を確保し、土地の有効かつ合理的な利用が促進されるよう土地税制の適正化に努めたい、かように考えておるところでございます。
#75
○渡辺(嘉)委員 一昨々日、穂積開発公社の三億二千八百万に上る脱税事件についてお聞きをいたしましたが、その中に、後から答弁漏れに気がつきましたので、再度お聞きいたしたいわけですが、当日、奥田自治大臣も「私はこれは虚偽の登記で脱税した行為だと思います。はっきり言って町ぐるみで何かやったような犯罪と言ったらおかしいですけれども、こういった形で、このような形のことはやはり許せない」と思いますとおっしゃり、また大蔵大臣も、あきれ返った、これだけの規模で年数が続いていたことは信じがたいとおっしゃっているわけですが、この件で納税者に、町に売ったら税は要らない、かからない、納税申告はするなと抑えつけた事実があるわけですが、所得税法並びに国税通則法等による所得の隠ぺい、脱漏の間接正犯ではないか、この公社、町のやり方は。あわせて、国税犯則取締法二十二条にいう、申告すべき納税者に申告を阻止させたような、いわゆる扇動罪、あおり、唆しに当たるのではないか、こういう質問をいたしたわけですが、これについて御答弁がなかったわけですが、大蔵省からひとつお願いします。
 それから国税庁は、この三億二千八百万円は一時所得だということで御答弁いただいたわけですが、土地譲渡人は、そうすると二度またかぶってくるわけですが、もしまたこれを公社が支払った場合にはどうなるのか。立てかえて払った場合にはどうなるのか。あるいはまた、これはまた一時所得がまた延長するのかどうか、公社がこういうものを払っていいのかどうかということ。三つ目には、法人税の基本通達一五―一―一三で、ただし書きで、確認を国税当局はどのようにされて、そして非課税法人として取り扱われたのか、これも聞きましたが、これについてもお答えがなかったわけですから、再度お答えをいただきたいと思います。
#76
○龍宝政府委員 先生お尋ねの第一点目についてお答えを申し上げます。
 お尋ねの事案でございますけれども、現在司法当局で捜査中でありますし、また私ども個別の事案について税法上どういうふうに処理するかということにつきましては、立場上答弁を差し控えさせていただいておりますので、この点御理解をいただきたいと思います。
 ただ、一般論として申し上げますと、いわゆる脱税が行われた場合に、その手段、方法等を示唆をするというふうなことでこれを唆した場合に対する税法上の罪はどんなものがあるかといいますと、一つは脱税犯の教唆という問題と、先生御指摘の国犯法の問題がございます。脱税犯の教唆が成立するためには、やはりその脱税犯本犯が脱税の意思、犯意を持って脱税をする、その場合に初めて教唆というのが成立をいたしますので、まあそういう状況になってございます。
 それから、御指摘の国犯法第二十二条では、先生おっしゃるとおり、納税義務者がなすべき申告をなさなかった場合に、これを扇動した者に対する罰則規定というのが設けられてございます。ただこの場合、扇動という言葉の解釈が非常に離しゅうございまして、これはいろいろな判例でも他の法律についてございますけれども、例えば違法、不正な行為が行われた場合に、その実行する決意を生じさせるような、あるいは既に生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えているかどうか等、そういうことを総合的に判断しなくてはいけないということになっておりまして、特に扇動ということになりますと、一定の意思表示とか一定の表現そのものに処罰をするということでございますので、やはりそれはある程度慎重に判断をしていかなければならないのではないかというふうに考えております。
#77
○渡辺(嘉)委員 今御答弁いただいたけれども、事実、そういうことの唆し、それをやっておるんじゃないですか。もう歴然たる事実なんです。これがそのまま見過ごされていいんだというようなことになれば、みんなやりますよ、そんなこと。見つかったら払えばいいんじゃないか、こうなっちゃう。これはもう絶対によくないと私は思うのですが、この点、答弁を受け取る時間がありませんので、最後に、この国民注視の、期待の消費税廃止法案の成立に提案者の皆さん真剣にやっていただいて本当に感謝をいたすわけですが、どうかひとつこれを、何としても国民の期待にこたえて消費税を廃止するんだという各党の決意を承って、終わりたいと思います。
#78
○伊藤(茂)議員 私ども提案者一同の気持ちを代表いたしまして、一言申し上げさせていただきたいと思いますが、さまざまの欠陥、それから問題点、消費税についていろいろな意味で明らかになったと思います。やはりこれはタックスデモクラシーの基本からしても直さなければならない。本当に納得できる税制を実現することが、今内外から指摘をされている。経済は一流、政治は三流、そういう恥ずかしい状態を打開をする我が国としての大きな方向ではないだろうか。あくまでも私どもはその方向で努力をしてまいりたいと思います。
#79
○渡辺(嘉)委員 ありがとうございました。
#80
○山崎委員長 これにて渡辺嘉藏君の質疑は終了いたしました。
 次に、井上義久君。
#81
○井上(義)委員 初めに、衆法だけでも二十時間以上に及ぶ審議を真摯に取り組んでこられました発議者の皆さん、また裏方の皆さんの御労苦に対して、まず最初に心から敬意を表するものでございます。
 私は、これまでほとんど論点は出尽くしておりますし、そういう意味で総括的にこれまで出た議論を整理をして、発議者の皆さんの所信を改めてお伺いしておきたいと思います。
 まず私は、今回の審議を通して明らかになったことの一つは、やはり消費税の逆進性ということであろうと思います。しかも、その逆進性は税の仕組みそのものでは解消できないということであろうと思います。民間の各種実態調査を見ましても、収入の少ない人ほど負担が大きい、そういう実態が明らかになっておりますし、特に老人世帯、年金生活者は大変大きな打撃を受けているということが実態調査でも明らかになっておるわけでございます。それに対して政府・自民党の皆さんは、他の税制、社会保障との組み合わせで判断すべきであるという議論でございましたけれども、確かに所得再配分というのは財政の持つ重要な機能の一つであると思いますけれども、ただこれは税の逆進性の代替機能ではなくて、やはり独立した経済福祉政策の問題として財政というものはとらえていかなければいけないんじゃないかというふうに考える次第でございます。
 もう一点、審議で明らかになったことの一つは、国民の納めた税がやはり国庫に入らないという構造的な欠陥であります。事業者に受け入れやすいようにということで免税点や簡易課税、限界控除制度を設けたことにその原因があるわけでございますけれども、新しい税制になじみのない中小事業者に対する特例措置というのがこれを設けた理由だそうでございますけれども、だからといって、税が公正、明確という原則から外れていいものではないというふうに思うわけでございます。
 脱税、節税という言葉がございますけれども、最近では新聞等にも益税という言葉が非常に出ておりまして、これは消費者が払った税を合法的に猫ばばすることを言うのだそうでございますけれども、そういう言葉まで生まれてきている。しかも、その額が四千八百億とも一兆円とも言われておりまして、非常に多額に上る。税に対する国民の信頼を大きく損なうばかりではなくて、税というものに対する国民の倫理観までこの問題が影響している重要な問題だろうと思うわけでございます。こういった欠陥というのは到底見直しでは克服できるものではないと思いますし、廃止をして出直す以外にないんじゃないかというふうに思うわけでございますが、衆法、閣法合わせて五十時間以上に及ぶ審議をしてきたわけでございますけれども、その審議の感想も含めて発議者の所見を承っておきたい、このように思うわけでございます。
#82
○伊藤(茂)議員 ただいま、今までの議論全体を振り返った、そういう視点も含めまして御指摘がございました。私どもも、全くそのとおりだと思います。審議を通じまして、逆進性あるいは税金が国庫に入らないなどなど含めましたさまざまの問題が指摘をされたわけであります。また、それが井上さんおっしゃいますように国民の声であろうと思います。先般の御質問の中でも日本生活協同組合の実態調査などをお取り上げになりましたが、その中で挙げられている問題点などもまさに多くの国民の声ではないだろうかというふうに思います。御指摘ございましたように、それらの欠陥は審議の中でも明らかにされた。そしてまた、多くの国民の皆さんがお感じになっている、しかも納税者の皆さんがこれはおかしいと、経過からしてもおかしい、そういうことをお感じになりながら毎日税金を払っている。その気持ちは、やはり我々は審議の、ある意味では共同のスタートとしてどうするのかということを考えなければならないと思います。
 井上さん御指摘ございましたように、私どもも今までの審議を振り返りましても、これは見直しとか手直しで済む問題ではない、あくまでもやはり白紙に戻して、もう一遍精力的に国民の御納得のいただけるようなものをつくり直すという以外に道はないというふうに確信をいたしております。
#83
○井上(義)委員 次に、この消費税というのは、納税義務者は事業者であるわけでございますけれども、負担するのは最終消費者であるわけでございます。ところが、この消費税の基本的な仕組みが、いわゆる簡素という名のもとに事業者が非常に受け入れやすいような配慮が一方的になされておって、負担者である最終消費者の立場が全く無視されているんではないかというふうに思うわけでございます。これは先般の公聴会でも牛嶋公述人も指摘されておりましたけれども、その第一は、非課税品目をできるだけ少なくして、税率を一律三%にした。このことはどういうことを意味するかといいますと、先ほども指摘いたしましたように、その結果として生活必需品まで課税対象となり、したがって収入の少ない人ほど負担が大きいという逆進性を持つようになってしまった。これは消費者から見ますと、非常に不公正であると言わざるを得ないわけでございます。
 それから第二は、課税方式でございますけれども、インボイスなしの帳簿による前段階税額控除方式が採用されたわけでございます。これによりますと、現状においてもクロヨンと言われるような所得の捕捉率に差があるわけでございまして、それがそのままこの消費税の計算にも適用されてしまう。消費者から見ますと、これも転嫁のあいまいさだけが残るわけでございまして、今の不公平にさらに不公平を重ねるものじゃないかというふうにしか言えないわけでございます。
 それから第三に、申告・納付の問題でございます。これまで年二回を今回見直しで年三回というふうに、年四回になりますか見直しでは出ておりますけれども、例えばこの年二回の申告・納付というのは、最も長い場合は税が八カ月間も事業者のところに滞留する。その間、その資金を運用することもできるわけでございまして、これは多少納付回数をふやしたからといってこの原理は変わらないわけでございまして、これも消費者から見ますと大変不公正な仕組みと言わざるを得ないわけでございます。
 それから四番目に、これは先ほども指摘したとおりでありますけれども、いわゆる事業者の事務負担の軽減ということで、免税点、簡易課税あるいは限界控除制度というものが設けられたわけでございます。その結果、消費者の立場から見ますと、負担した税が全部国庫に入らない。そのことにいつも疑問を持たざるを得ないということになるわけでございます。
 この四点に加えて、私はさらに重要な問題は、いわゆる課税対象業者と非課税業者が転嫁に当たってカルテルを結ぶことを認めてしまった。これは独禁法政策上大変重要な問題で、これによって便乗値上げという概念は法的には存在しなくなってしまったという、大変重要な問題になっているわけでございます。
 結論的に言いますと、消費者は商品の流通段階でこの消費税がいかなる操作が加えられているか、そういうことを知るすべもない。そして、税負担を強いられている。しかも、課税最低限以下の人でもいや応なく消費税を負担しなければいけない。ところが一方で、納税義務者である事業者の方は、税金を益税と称して自分の収入にすることも可能な、実際やっていらっしゃるかどうかは別にして、そういう制度であるということになるわけでございまして、私は、売上税廃止以降、何とかこの消費税を受け入れやすいようにということで事業者の要望を一方的に取り入れてしまった結果であるというふうに思うわけでございます。
 戦後税制の跡をずっと振り返ってみますと、こうした事業者優遇の考え方というものが、本来あるべき税制をゆがめ、不公平を拡大してきたというふうに言えるんじゃないかと思うわけでございます。そういう意味で、今こそ私は、消費者の立場に立って、この消費税を廃止して税制改革全体を出直すべきである、このように思うわけでございます。
 消費者の立場に立った税制ということを考える場合に、わかりやすい幾つかの原則、例えば私は、その一つは、総合課税であると思いますし、二つ目は、最低生活費は課税しないんだ、非課税なんだという考え方。それから三番目に、勤労所得には軽く不労所得には重くするんだ。四番目に、やはりぜいたく品には課税して生活必需品には課税しないんだ。こういうようなわかりやすい原則をきちっと決めて、そしてもう一回消費者、生活者の立場に立った税制改革というものをやるべきではないか、このように議論を通して感じたわけでございますけれども、発議者の御意見はいかがでございましょうか。
#84
○宮地議員 ただいま井上委員がおっしゃいましたこと、私全く同感でございます。
 税というのは、今委員もおっしゃいましたように、基本的にはやはり公平、公正でなくてはなりません。また、明確の原則、こういうものがしっかりしておらなくてはならないと思うわけでございます。しかし、今回の消費税の見直しの中身を見てまいりますと、ただいまお話ございましたように、軽減税率を設けたからといっても、根本的な逆進性というこの構造的欠陥がまだまだ改善をされていないわけでございます。
 また、先ほど来いろいろ議論されましたとおり、簡易課税の問題あるいは三千万円の免税点の問題、こうした問題につきましても、どうしても消費者の納めた税金が国庫に納付されない、それも四千八百億円という巨額が国庫に納付されないという根本的な欠陥税制でございます。一面、中小企業対策ということで、政策税制の一環としてこの消費税導入の中に新たに、こうした売上税の議論の中から一つのそうした税制を導入したとも考えられるわけでございますが、根本的なやはり欠陥税制である、また根本的な税の定義に大変逸脱しているのではないか、このように思うわけでございます。
 また、独禁法の適用除外によりまして、カルテル行為というものを認めた。これはやはり自由経済の競争原理、こういうものから見ますと、委員おっしゃいましたように独禁政策上まさに大きな禍根を残すのではないか。
 いろいろとそういう面を見てまいりますと、やはり消費者の立場というものが軽視をされて、この消費税が政治的、経済的に導入をされた。こういう点を踏まえますと、私どもが申しておりますように、一度やはりこの消費税は廃止をし、白紙に戻して、そして国民の理解と信頼の得られる、そして税の原則にのっとった、そうした新しい税制の再改革をしていくことが私は今一番求められているのではないか、このように考えております。
#85
○井上(義)委員 消費者、生活者の立場に立ったわかりやすい税制改革ということをぜひともやらなければならぬと思いますし、今後の税制改革に当たってぜひ留意していただきたい点である、こう思うわけでございます。
 次に、この消費税と高齢化社会という問題、大変議論になりました。その中で私は、消費税で高齢化社会に対応しようということは、これは不可能である。もしもそれを可能にしようということになりますと、消費税率の際限のない上昇が避けられない。これは消費税率が上昇いたしますと、その逆進性というのは際限なく拡大していくわけでありますし、さらに先ほどから議論になっております益税という問題、これはもうさらに膨らんで不公平がますます拡大するということになって、これは到底容認できることではないというふうに考えます。したがって、来るべき高齢化社会に対応するためには、やはり消費税というような大型間接税に頼らない、もっと根源的な税制再改革が必要なんではないか、その前提としてやはり公平が確立されなければならないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 それで、この公平を確立するためには、逆進性の強いこの間接税の前に、所得税、法人税などの直接税を中心にした税体系の公正の確立ということがまず重要であろう、こう思うわけでございます。特に所得税がその一番基本でありますし、キャピタルゲインも含めて個人、法人のすべての所得を合算してそれに累進課税を適用する総合課税制度は、応能負担、垂直的公平という意味からぜひとも実現しなければならないものであると思います。
 この総合課税をどうしても徹底させるためには、個人の所得の捕捉が不可欠でありますし、特に国民の間に広がっているいわゆるクロヨンなどという所得の捕捉率の違いからくる不満、これはいわゆる福祉を受ける際にもこれが基準になっておるわけでございまして、このことに対する不満が非常に今国民の間に強いわけでございます。それを解消するためにも納税者番号制度というものは、まあいろいろな問題はありますけれども、そういうさまざまな問題に留意をして導入することは避けて通れないんじゃないか、このように思うわけです。
 また、法人税につきましても、いわゆる戦後の日本経済の高度成長に適応させるためにさまざまな特例措置が講じられているわけでございまして、これが現在も既に既得権化されて残っているわけでございます。こういった法人税の課税ベースを思い切って拡大をして、あわせて法人税を国際的な観点に見合った引き下げをするというようなことも必要であると思います。
 昨年の政府の税制改革、公平、公正ということをスローガンにして出発したものですけれども、結局こういった不公正の是正に十分な手が加えられなかった。そういう意味で、今後税制改革を進めていく上でこの不公平税制、国民の不満をいかに解消するかということがやはり何にも増して重要じゃないかと思いますし、税制改革の一番の前提になるんじゃないか、このように思うわけでございますけれども、この不公平税制の是正ということに対して発議者のお考えを承っておきたいと思います。
#86
○中野議員 お答えいたします。
 まず、間接税の導入の前に所得税を中心にした不公平の是正をなすべきだという御主張がございました。これはまさに垂直的公平を図りやすいという意味では、所得税の持つ意味は大きいと思うわけでありまして、まずそこから取り組むべきであろう。そしてまた、その中で総合課税制度というのは欠かすことはできませんし、それを完成させるためには納税者番号というものもまた欠かすことができないわけでありまして、これは私どもの主張だけを先般来申し上げてまいりましたが、ちなみに先般の税制改正の際の自民党による修正で、所得税法の附則第八十一条を変えておられるわけでありますけれども、その中に、所得税法に「納税者番号制度」という文言をお入れになっておられるわけであります。また、その前、一昨年十二月に出されました政府税調の納税者番号等検討小委員会の報告によりますと、「納税者番号制度は、その効果には一定の限界はあるものの、納税者の所得等を把握し適正・公平な課税を実現するためには有効な制度であると考える。」というふうに述べておられるわけでございます。言うならば、政府税調も、そして自民党の皆さんも、総合課税制度をベースにする、そのためにまた納税者番号が有効な役割を果たすということはおっしゃっておられるわけでありますから、そのことをまず先になすべきではないか。
 法人税の問題も、いろいろ特例措置がございます。それぞれ政策目的があってなされた歴史的経緯はありますけれども、これもやはり現代にどれだけ必要かどうかを洗い直し、課税ベースを広げ、一たんは税収として上げる。しかし、必要な措置は助成措置その他をもって政策的に改めて支出をしていくというふうにいたしますと、どれが公平でどれが不公平かという比較もしやすくなるわけでありますから、それらのことも含めまして、先生の御指摘はごもっともでありますし、私どもそういう視点に立ってこれからの税制改正についての主張を展開をしてまいりたい、こう考えているわけであります。
#87
○井上(義)委員 次に、政府の今回の税制改革においては、いわゆる所得、資産、消費にわたる適正な課税ということが大義名分として挙げられていたわけでございますけれども、結果的には消費税の導入がほとんどすべてと言っても過言ではないわけでございます。特に、資産課税についてはほとんど手がつけられなかったと言ってもいいんじゃないかと思います。
 今社会的な公正を考える上で最も大きな問題は、やはり地価高騰に端を発した資産格差の異常な拡大、いわゆる持てる人と持てない人との格差が非常に拡大をしている。このまま高齢化社会に突入して、本当に大変なことになっちゃうんじゃないかなという思いを大変強くしているわけでございますけれども、土地転がしあるいは投機的土地取引、そしてその結果としてのさらなる地価高騰、これらが住宅難あるいは地方自治体の事業圧迫などさまざまな問題を現在生み出しているわけでございます。こうした状況を放置しておくことはできないわけでございまして、社会的な公正また公平を確立する有効な方策の一つが、やはり税制であろうと思います。あえて言うならば、税制の不備が資産格差の拡大を助長してきたというふうに言ってもいいんじゃないかなというふうに思うわけでございます。つまり、資産課税の適正化というのは、高齢化社会を展望しての税制改革に不可欠である、すぐれて今日的な土地、住宅、都市問題、さらには資産格差の拡大という社会的不安を鎮静化させるための必要条件である、こう思うわけでございます。
 この資産格差の適正化をどう進めるかということについて、お伺いしておきたいと思います。
 特に土地税制に関して、個人の土地の場合は、相続の場合は実質的に含み益に対して課税されるわけですけれども、法人は課税されない。こうした法人の巨額な含み益が担保になったりして、これがさらにまた土地に投資をされる。これはまた、法人間においても持てる法人と持てない法人との競争力の格差も生じてきて、新たな不公平になっているというようなこともございまして、少なくとも大法人の土地保有に対して適正な課税を行うべきだというふうに私は思っているわけでございますけれども、この点も含めて資産課税のあり方についてお考えを承っておきたいと思います。
#88
○菅議員 今、土地を中心にした資産課税についての考え方という御指摘でしたが、先ほど来高齢化社会の問題も含めて、私はこの土地問題というのは、場合によったら大都市における高齢化をした社会において住居やあるいは都市の環境といったような問題で、本当に高齢化した人たちが大都市に住めなくなってくるといったような問題もあわせて考えていく必要があるのではないかと思っております。
 特に資産課税の適正化については、現在土地基本法の中で幾つかの原則を述べておりますけれども、私たちとしても、例えば法人が所有している土地について何らかの保有税を強化する必要があるのではないか。あるいは、個人が所有している土地についても、一定規模以上のところについてはある程度の課税を進めていく必要があるのではないか。そういう形で資産の格差を是正すると同時に、そこで供給されてくるであろう土地を、例えば社会資本の充実、公園とか公共住宅とかそういう形に確実に変えていく、そういうための政策をあわせて進めていく必要があるだろう、このように考えております。この問題、政府税調などでもかなり議論が進んでおりますので、できる限り国民税制改革協議会の中での最優先課題として取り組んでいくというのが、この四法案提案の基本的考え方だ、このように考えております。
#89
○井上(義)委員 発議者の皆さんの御労苦に改めて敬意を表して、私の質問を終わりにしたいと思います。
#90
○山崎委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。
 次に、正森成二君。
#91
○正森委員 発議者の皆さん、御苦労さまです。
 私どもは、皆さんが提出された消費税廃止法案関連三法案には賛成ですけれども、税制再改革基本法案については一定の問題点を持っております。それで、ごく短時間ですが、一問だけ聞かしていただきます。
 再改革の基本原則と方針を見ますと、「直接税を主とし、間接税を従として、」とはなっておりますが、「所得、消費、資産等に対する課税を適正に行うこと。」「サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加え、その結論を得る」というようになっております。しかも、詳細に見てみますと、参議院で提出された旧法とは少し違うのですね。旧法では「均衡ある税体系の構築を図る」となっていたのが「適正な課税」というように変わっておりますし、あるいは旧法にありました「税制の社会的再分配機能が十分に発揮されるよう配慮し、」との表現が今回は削除されているというような問題点があります。で、私どもはいろいろ検討しておりますが、時間の関係で伊藤さんに一問だけ聞かしていただきます。
 これは五月二十七日の東京新聞ですが、政審会長としての伊藤さんは「間接税検討の軸として」「投網をかける方式は反対」である、「生活必需品は非課税」でやる、「税の徴収漏れがないようにする」ということを言っておられます。これは私も出席しました討論会等でも、あるいはこの委員会でも似たような表現をされております。これと、この委員会で同じく社会党の筒井委員だったと思いますが、全く党の関係のない私案であるということで、小売に対する単段階課税、それから食料品など生活必需品は非課税、それから国庫に税金が入らないということはこれはふさぐということを言われましたが、それは非常に考えが似ているのですね。それを私なりに目を大きくして見ますと、大体輪郭が見えてくるような気がして、一体どういうことを考えておられるのか、伊藤さんから伺いたいと思います。
#92
○伊藤(茂)議員 税制や大蔵委員会で長年のベテランである正森さんから私の見解を問われましたが、前に一つ申し上げたように、基本法の表現を参議院に提出をしたものとは若干違えてございます。中身の考え方、方針その他を変更したというつもりは全然ございません。参議院の審議や討議を詳しく振り返ってみまして、やはり私の気持ちをより簡潔に理解していただけるような手直しと字句訂正というふうな位置づけでございます。
 それから、私についてお話がございましたが、東京新聞の報道、あれはマスコミのいない勉強会でございまして、直接取材を受けたものじゃございませんし、また、又聞きかなんかでお書きになったというようなことで、必ずしも正確なものではございません。恐らく私があそこで申しましたのは、当委員会での私の答弁のそういうこととかかわるところもそうでございますけれども、要するに、今日の欠陥消費税の諸問題をきちんと指摘をしておくという角度から申し上げているわけでありまして、言うまでもなく、大型間接税などは一切考えていないということでございます。また、それから後は国民的な討議ということでございまして、正森さんだけに特別申し上げるような具体案というものは、私は持っておりません。
 それから、筒井議員のことがございましたが、議員個人として、彼も非常に税制問題については著書を持ったり、勉強している議員ですから見解を述べられたということでございまして、個人的な見解を厳しく制限するというわけじゃございませんから、議員個人の見解ではございますが、党としての見解、私も党の政策責任者でございますから、やはり党として、国民の皆様に対する選挙の公約にあらゆる段階において忠実に努力をしていくという立場から取りまとめてまいりたいと思っております。
#93
○正森委員 政党機関紙の問題について伺います。
 政党や国民の政治参加、政治活動は議会制民主主義の基礎であることは申すまでもありません。だからこそ、政治資金規正法第一条は、「政治資金の収支の公開」により、政治活動を「国民の不断の監視と批判の下」に置く、これが民主政治発展の不可欠の基礎であるとうたっておりますし、さらに第二条では、「いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制すること」があってはならない、こう明記しているわけであります。
 言うまでもなく、政党の政治活動の基本は、党の政策を広く国民に知らせる政策宣伝活動であり、その中心が機関紙活動であります。これに対して税金をかけ、あるいは調査等で国家が介入する、こういうことは民主政治の原則に照らして許されないことであるというように考えておりますが、発議者の御意見を承りたいと思います。
#94
○神崎議員 私どもは、消費税の廃止法案を提出している、そういう立場でございます。私どもの提案いたしております廃止法案が成立いたしますと、当然消費税はこの政党の機関紙にはかからないということになるわけでございます。
 また、正森委員の御論議は御論議として承りましたけれども、現行法の解釈等につきましては、ぜひ税務当局と十分な御議論をしていただきたいと思います。ただ、基本的な考え方といたしましては、収益事業でないものに対する課税に対しては、私どもは反対でございます。
#95
○正森委員 最後に、いよいよ審議もきょうで終わるようなことになっておりますが、巷間、消費税をめぐって与野党の協議機関をつくりまして、そこでいろいろ論議をするということが出ております。それについて新聞紙上で各党の見解が出ております。これについて発議者はどのような見解を持っておられますか。代表でお答えいただいてもよろしゅうございますし、微妙に各党が意見が違う場合には、まことに失礼ですが各党短時間で御答弁を願って、私の質問を終わらせていただきます。
#96
○中野議員 先生おわかりのように、発議者という立場になりますと、この委員会においてきょうの採決ということになりますと、ぜひ私どもの提出法案が可決されることを願っておりますし、もしきょう否決されても、あしたの本会議では可決されるようにという気持ちを、望みを最後まで捨てないで頑張ってまいりたいと思っております。
 ただ、結果的に、言うならば野党法案が廃止され、与党法案も廃案となるということになりますれば、そのまま現在の現行消費税が生き残ってしまいますから、その対策はやはり講じなければならない。そういう意味では与野党協議も結果として必要になる場合が出てくるかもわかりませんが、その場合も、国民の前で広く論議がわかるような形のものをつくるべきであろうというふうに考えているところでございます。
#97
○正森委員 前に、衆議院議長のあっせん案が売上税のときに出されましたが、遺憾ながら、どの党とは言いませんが、一定の政党を排除して、巷間密室協議であるというように言われた経過がございまして、結果的にはそれが消費税導入にも戸口を開いたものではないかというように私は思っております。そういうことは絶対にあってはならないと思いますが、重ねてどなたからでも御答弁をお願いして、私の質問を終わります。
#98
○中野議員 お答えをいたします。
 私どもも、密室協議を考えておるわけではございません。
#99
○正森委員 終わります。
#100
○山崎委員長 これにて正森君の質疑は終了いたしました。
 次に、高木義明君。
#101
○高木委員 発議者の皆さん方には、連日の御論議、本当にお疲れでございます。心から敬意を表します。
 これまでの多くの論議の中でほとんどの問題は出尽くしておるわけでありまして、多くを申す必要もないかと思いますが、与えられた時間に私の意見を交えながらお尋ねをしてまいりたいと思います。
 消費税の欠陥やらあるいはまた不信感につきましては、たくさんのものが指摘されておるわけでありますが、私はその一つとして、多くの新聞投書の中あるいは世論の声の中から、次のような声をどうしても大切にしたい。避けて通れないと思いまして、ちょっと紹介をしたいわけであります。
 愛知県の自営業者、六十一歳の方でございます。
  零細な自営業者ですが、消費税を国に代わって徴収しなければならない程度の売り上げがあるので、消費者の皆様から消費税を頂いている者です。
  四月から八月までの五カ月間に頂いた消費税は四十七万円余りですが、実際に納税するのは売上総額の〇・六%なので、九万七千円でよいそうです。差がありすぎるので税理士に相談したら、税法の条文をいろいろ調べながら「もっと安くなりますよ」と言います。二万八千五百円でよいというのです。「限界控除」というのがあるのだそうです。
  消費者の皆様から、四十七万円の消費税を頂きながら、実際の納税額は二万八千五百円、その差の四十四万円は今さら皆様にお返しする方法もなく、結局私のもうけとなったわけです。五カ月間のもうけですから一年間では百万円以上の収入増となります。
  長年、自民党を支持してきた私としては、自民党がわれわれ零細業者に不利なことをするはずはないと信じてきましたが、やはり裏道をつくってくれていました。半面、こんな不合理なことでよいものか、社会の不公平がますます増大するばかりではないか、といささか良心の苛責にせめられた納税日でした。
去年の秋の投書でございました。
 私は、この投書の中から消費税の欠陥の、不信の一つのあらわれと同時に、今の我が国の税制の姿を見たような気がするわけであります。決して私たちは、税金を納めることは不足とは思っていない。まさに行政需要の多様化の中で、ある一定の税金は納税者として当然納めるべきだ、このように考えておるわけであります。こういう不信のさまよっておるこの消費税について、発議者の皆さん方が廃止を求めてそれぞれ闘っておられることに対しては、先ほど来から敬意を表するわけでありますけれども、この点につきまして各党の方方の御所見をぜひ賜っておきたいと思います。
#102
○中野議員 大変参考になる投書をお聞かせをいただきました。正直な、そしてまた良心的なお気持ちを持っての御投書であろうというふうに受けとめさせていただきました。消費税がいかに矛盾に満ちているかという証拠でもあると思います。
 ちなみに、竹下元総理もみずから九つの懸念の中で、簡易課税制度、事業者免税点制度などにより、消費者が負担した税が納付されないことになるのではないかと表明された、その懸念がそのまま残っているということを証明した事例であるというふうに考えておるわけでありまして、これが積もり積もって四千八百億円になるのだなというふうに思うわけであります。平成元年度ベースの消費税見込み額が五兆九千億円と言われております。それ以外にこの四千八百億円が本来なら入るはずのものでございますが、比較をいたしましても実に七%ないし八%の規模のものが国庫に納められない。消費者の立場からすれば、まさに腹に据えかねるという内容であろうと思うわけでありまして、事業者の立場からもこういう矛盾を感じておられる方がいらっしゃる。まして、三千万以下の免税業者の皆さんは、仕入れにかかったものさえ、あなたのところはかからないのだからと言われるということで転嫁できないで困っている、免税業者でさえ逆に困っている方がいらっしゃるということさえも言われるわけでありまして、これらのことは私どもは十分考えなければいけないであろうというふうに思う次第でございます。
#103
○高木委員 このことを含めまして、私は、今後の税制改革に当たって留意すべき一つの点だろうと考えております。
 私は、消費税が導入されたとき、そして昨年まで、地方議会の場に籍を置かせていただいておりました。地方からずっと国会の動きを見てまいりました。当時、リクルート事件が降ってわきまして、本来、一国の税制の問題につきましては、冷静な環境の中で、国民にわかりやすく理解されながら十分な論議が尽くされるべきときでありましたけれども、御承知の状況でございました。まことに不幸な出来事だと私は思っております。
 しかし、もっと私は問題を感ずるのは、およそ地方議会においても、一つの条例やあるいは一つの決議案、これが決議をされたならば、まあ大きな天変地変の大災害とかあるいは世界の情勢が急変したというならともかく、一年もたたずしてそれを変えなければならない、見直されなければならないという、そのような議会の権威にかかわることは、これは全国どこの自治体をとってみても、そういう一つのモラルは議員皆さん方が持っておるわけであります。
 しかし、国会はどうでしょうか。数カ月にして見直さなければならない、このような法案でございました。本当にこれこそが、消費税そのものに対する不信感あるいは日本の税制に対する不信感、国会に対する不信感、これを大事にしなければならないと私は思うわけであります。そういう意味で私は、税制改革は避けて通れない問題と思っておりますし、今までも思ってまいりました。そしてまたサラリーマンの減税、そしてまた多くの行政サービスに対応しなければならない歳入の増、いわゆる直間比率の見直しについても真剣に考えるべきだという立場をとってまいりましたが、このような政策以前の政治姿勢があったら、いかにいいことを言っても国民の不信は免れない、私はそのように考えるわけであります。
 そういう意味で、発議者の皆さん方にも、税制の再改革をめぐって今大変な御努力をされておるわけでございますが、私のこの意見に対してどういうことを思っておられるのか、よろしくお願いをしたいと思います。
#104
○神崎議員 委員がただいま御指摘されたことに全く同感でございます。
 この消費税、手続的にも内容的にも大変問題のあるものでございますけれども、これを無理やりに導入して、しかも導入した直後に見直しをせざるを得ない、まことに無節操きわまりないと考えるわけでございます。また、見直し案の内容を見ましても、当委員会でいろいろ論議をしてまいりましたけれども、大変問題のある点を多数含んでおるわけでございまして、逆進性の緩和にもつながらない見直し案でございます。自民党が無理やりにこの消費税を導入した、そこからすべての混乱が始まっているわけでございますので、委員が御指摘のとおり、一たん白紙に戻して、もう一度税制再改革をやり直すべきである、このように考えます。
#105
○山崎委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。
 次に、江田五月君。
#106
○江田委員 四会派提出法案の質疑の最後を承るということになりました。しかし、既に本会議の予鈴は鳴っており、あと四分少々で本鈴ということなので、もう簡潔に伺いたいと思いますが、税制再改革ということに対する提出者の皆さんの決意というものを伺いたいのです。
 先ほど中野提出者の方から、仮にきょうこの委員会で否決をされても、あすの本会議で可決をされることもあるかもしらぬ、そこまで頑張るという、こういう大変心強い決意を伺ったわけでございまして、ぜひそういう決意でもう徹夜をしてでも自民党の皆さんを説得をしてほしい、こう思うわけでございます。
 しかし、私ども、決してメンツでこういう法案を提出し、これまで質疑をやってきたわけじゃないので、やはり国民の皆さんの期待に一〇〇%こたえられなければ八〇%、八〇%がだめなら五〇%、とにかく精いっぱいこたえていく努力を続けなければいけないわけで、この委員会あるいはこの一連の国会のプロセスの中で、廃止法案も見直し法案もともに挫折をする、そして現行の消費税がそのまま残っていくということになってしまいますと、国会総ぐるみで、さきの総選挙のときに国民の皆さんに約束をした、とにかく今のこの消費税というものは何か変えていくのだという、そういうものを全部裏切ってしまうことになるので、これは大変な国会の無責任あるいは国民の政治不信の増大ということにつながると思うのですが、そういうことにしないために提出者としては、法案を提出をし、審議をし、それで結論が出たら、それでもう役割を全部終わったのだからお役御免、こういうことではない。さらに税制再改革、国民の期待にこたえる税制の確立のために努力をするのかどうか、その決意のところを聞かせていただきたいと思います。
#107
○伊藤(茂)議員 五十何時間かの長い御審議の最終質問、最終答弁ということになりました。振り返ってみて思いますが、江田さんも御指摘なさいましたように、やっぱり民主日本の将来を築くためにも、税制改革の正論が実現されなければならないと思います。私どもは、そういう気持ちを法案に託して表現をしてまいったというふうに考えております。
 これは、まだ完成ではありません。これからのあらゆる局面、あらゆる段階の中でその努力をしていかなければならないと思うわけであります。普通でしたら、審議が終局に近づきまして目標、ゴールに近づくとなるわけでございますけれども、残念ながら、本当のあるべき目標かゴールにはまだ距離があるというのが現実でございます。今もそういう段階に置かれていることの重みを何か痛感をしながら、この局面を迎えているわけであります。やはり納得できる国民合意の税制によって、やはり合意の日本の将来が築かれるということを目指しまして、私ども発議者一同もそうでございますけれども、そういう時代を実現するためにあくまで努力をしてまいりたいと考えております。
#108
○江田委員 よくわかります。
 私どもは、消費税を廃止をする、そして国民税制改革協議会をつくる、そこで一年間の審議を経て、そして最後に税制再改革をする、そこが目的であり、目標であり、そのルートがうまく通っていかないときは別のルートを通りながらそこの最終目標へ行かなければいけない。消費税を廃止をするということ自体が目的じゃないので、これで廃止をしてけじめをつけて、そして最後の再改革へ持っていくことが目的ですから、ルートをとにかくどこを通るか。いずれにしても、最後の目的にたどり着くまで、提出者の皆さん、これまでの御努力を大いに生かすべく、最大限の努力をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#109
○山崎委員長 これにて江田五月君の質疑は終了いたしました。
 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時一分休憩
     ────◇─────
    午後二時一分開議
#110
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午後は、各案中、特に、内閣提出の法律案について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。工藤巌君。
#111
○工藤委員 去る十一日以来、当委員会では長時間にわたって審議が行われてまいりました。いよいよ本日をもってこの委員会も終わりを告げるわけでありますが、法案の行方を思うときに、まことに深い感慨を禁じ得ないものがございます。
 そこで、きょうは大きく分けて二点についてお伺いしたいと思うのであります。一つは消費税の内容に関する問題であり、一つは土地税制に関する問題でございます。
 今度の討議の中でも、土地問題につきましては、社会的な公平の観点からいろいろと議論をされてきたわけでありますが、土地税制の中でも最近識者等から問題が提起されております土地保有課税について、ここで特に大蔵大臣から御見解を伺いたいと思います。
#112
○橋本国務大臣 政府税制調査会の土地問題小委員会で今熱心な御議論が行われているわけでありますが、土地の保有に関する税負担が軽過ぎるということから、資産課税の見地からも土地問題の観点からも問題であると認めることは、これは私自身の感触でございますけれども、次第にコンセンサスになりつつあるように思います。
 では、一体どのようにして土地保有に負担を求めるかということにつきましては、一つは、現行制度のままで負担水準を上げるという方法、特にその評価の適正化であります。あるいは新しい税負担の導入など、いろいろな考え方が論議をされているようであります。このうち、新しい税を導入するとした場合のアイデアとして、いわゆる含み益に着目する考え、あるいは低・未利用地に着目する考えなどが出ておるようでありますが、含み益課税とか低・未利用地とかという言葉自体の響きは非常にいいのですけれども、含み益の多い土地というのはむしろ有効利用されている土地である場合が多いと思いますし、逆に低・未利用地のみを課税対象ということにいたしますと、その担保力などが問題にされている含みの多い土地というのはむしろ除外されてしまうという問題が考えられます。むしろ全体として土地保有の負担を高めて、どのようにして土地が吐き出されてくるかは市場原理に任せるという考え方があり得るわけでありますし、また、そういう御意見も税制調査会の中に存在するように聞いております。
 今申し上げましたような点について、今後税調内でなお論議が次第に深められていくと思われますので、私としては、いましばらく税制調査会の論議を見守ってまいりたい、そのように考えております。
#113
○工藤委員 確かに見守っていかれる以外にはないのだろうと思うのですけれども、もう少し立ち入った方向はまだ出ていないでしょうか。もしなければそれでよろしゅうございます。
#114
○橋本国務大臣 今、次第に論点整理が行われておりまして、その中で今代表的な含み益課税とか低・未利用地といった問題についてその議論の一端を御紹介申し上げたわけでありますが、論点は整理されておりますが、まだ集約されているというところではございません。
#115
○工藤委員 わかりました。ありがとうございました。
 さて、消費税の内容に入るわけでございますが、論議も尽くされまして、閣法そのものの内容については特に御質問申し上げることはございません。ただ、野党の皆さん方には、見直し法案に対して終始批判的であられまして、まずは消費税を廃止して税制再改革をという主張を続けておられるわけであります。選挙において消費税廃止を掲げてこられた経緯から見てやむを得ないものとは存じますけれども、我が国の将来の税財政ということを考えれば、まことに残念に存ずるわけであります。
 今日までの論議を聞いておりまして思いまするに、消費税の内容について野党の皆さんが反対している理由を大きく分けると、次の二点にあるように思うのであります。
 その第一点は、逆進性の問題でございます。これにつきましては大蔵大臣から繰り返し御説明のあったところでございまして、他の税目とか政策とかというものと統合的に判断すべきものであるという、その意味では十分に理解をされておると存じます。私は、消費税というものは本来、酒とかビールとかあるいはたばこに見られるように、あるいは今までの個別物品税に見られるように価格の中に織り込まれておって、その分価格の引き上げになる、これが家計や国民経済に影響を与える、そういうものだろうと思うのであります。したがって、それはインフレが低所得階層に大きな響きを与えると同様に、インフレと同じようなものだ、こう考えます。
 さて、我が国の経済が今日までの物価上昇というものをどのように取り込みながら発展をしてきたかということを考えてみますと、昭和三十年代からの今日までの消費者物価の推移をずっと見ますというと、毎年五%、七%、オイルショックのときなどは一五%、二〇%という物価の上昇があったわけであります。しかし、賃金は常にそれを上回った上昇を見せておりました。また、年金も生活扶助の基準もこれに即応して引き上げられながら、経済はこの物価上昇を乗り越えてまいったわけでございます。
 今日の消費税、三%という税率で導入をされたわけであります。既にヨーロッパでは我が国と比べるとはるかに大幅な消費税が問題なく定着をしているわけであります。三%税率の消費税が逆進、逆進と言って騒がれておりますけれども、今日までのいわゆる消費者物価の上昇、インフレを乗り越えてきた経験から見ましても、私は、大きな影響が経済や家計に与えられるというようには思われないわけです。しかも、導入時に当たりましては所得税、法人税の大幅な減税がある。年金や生活保護基準も大幅にふやしている。老齢福祉年金受給者にも配慮している。こういうことを考えますと、逆進性だと騒ぐほどのものではない、私は率直にそう思うわけです。
 現に春闘の結果を見ても、賃金水準を見ましても、物価上昇を大きく超えて上昇されているわけでございます。しかも、今度の見直し法案におきましては、教育とか福祉とか食品などの生活必需品に関しての配慮が加えられておって、少しでも逆進性緩和の方向に修正をしようとしているわけでございます。こういう状態で反対反対と言うのは、税金を出すのは少しでも嫌だという特殊な人たちもありましょう。あるいは狭い視野で消費税だけを見てその逆進性を叫ぶ人もございましょう。あるいはまた人から唆されるというか、教唆扇動という言葉は適当でないかもしれませんが、消費税は悪税だというふうに思い込んでいる人たちもある。そういう方々は別として、消費税はおおむね人々の経済生活に定着しつつあると思うわけでございます。これについての御所見を承りたいわけでございます。
 もう一点申し上げて、あわせてお伺いをしたいと思います。
 第二点は、公平性の問題でございます。今までの論議の中でも明らかになってきておりますように、このたびの消費税はヨーロッパの国々と比べるとかなり高い免税点と簡易課税制度を取り上げております。この限りにおいて公平性に欠けるところがある、このことを随分言われてきたわけであります。そもそもこれを導入する際に、随分長いこと時間をかけて政府でも党でも検討をいたしまして、公平と簡素のバランスをどうするかということの中で、初めてのことでもあり、簡素を大きく重点に置いて取り上げたということによるものだと思います。
 今大臣の御答弁の中にもありますように、消費税の納付の一巡した今から見直しが進められるということでありますから、やがて妥当な水準に落ちつくものだと思われるわけであります。公平性という観点からすれば、むしろクロヨンと言われる不満を修正をしていく、すなわち所得の段階で把握されなかった収入も消費の段階で課税されるという観点からいいますと、源泉徴収の対象になっております勤労者大衆、そういう人々にとっては大いに歓迎されるべきものであろうと思うわけでございます。
 納税したものが国庫に納まらないという話もありますが、これはそうではなくて、免税点以下の小規模事業者については納税する義務がないわけでありますから、ちょっと筋道が違うと思うのでありますけれども、先ほどのインフレ、物価上昇議論からいっても、小規模業者が転嫁しにくいという議論が出ております。おまえのところは免税店だから課税するのはおかしいといって転嫁しにくいという議論も出ておりますけれども、インフレのときに、仕入れの値段が上がってきたときに小売の方々がどう対応してきたかということを考えれば、消費税分の仕入れが上がってきたときにどうこれに対応するか。免税点以下の業者の方は転嫁しないで安く売ることができる、そういう点の優位性はありますけれども、それだけのことであろうか。その限りにおいて経済性の有利性を持っている、こういうことだと思うのです。この問題についての御所見をお伺いしたいわけでありますが、時間が大変もうなくなってまいりました。
 最後に一言申し上げますが、我が国のGNPがアメリカを追い越した、そういう状況になっておる。しかし、国家財政は百六十兆円を超える負債を持っている。小回りのきかない状態にある。まさに国民は豊かになって国は窮乏している、こう言うことができると思うのであります。高齢化社会、年金制度の成熟等に伴ってこれから国民負担率も上がっていくのではないかと思われるときに、所得税、法人税だけに頼るという姿は適当でない、こういう観点からしまして、大臣の御所見を簡単にお願い申し上げたいと存じます。
#116
○橋本国務大臣 非常に大きなとらえ方での御論議でありますので、簡潔にお答えを申し上げたいと思います。
 私は、消費税というものの持つ逆進性というものを否定したことは今日まで一度もありません。ただ、これは間接税一般に通有する性格として、むしろ他の制度との組み合わせの中、さらには歳出との組み合わせの中で御議論を願いたいということを申し上げ続けてまいりました。そうして、先ほど委員からも御指摘がありましたように、消費税導入後心配をされました物価への影響というものはその一回のみでありまして、それもおおむね政府の見通しの中におさまったわけであります。そうして、今回の見直し案におきましても、その逆進性というものを緩和するための努力は当然のこととしていたしてまいりました。
 内容も、委員御承知のとおりでありますが、殊に我が国の場合、税率そのものが極めて低い三%ということでありまして、西欧諸国の、あるいは他の国々の採用しております税率に対して非常に低いということからも、この逆進性というものに対しては相当程度に私どもとして本来の持つ性格を弱めてある、緩和してあると考えております。
 また、その他、簡易課税でありますとか免税点といった制度についてもお触れをいただいたわけでありますが、これもまた程度の差こそあれ、各国がそれぞれに採用している仕組みであるということを申し上げてまいりました。
 そうして、一年間の実績をもとにして、私どもはこれを分析し、検討し、また、その答えを皆様方に見ていただくつもりであります。私どもとしては、不断の見直しが税というものは必要なものでありますから、より国民に御理解を願い、定着をしていくような税制改正たらしめるべく、今後も努力をしてまいりたいと考えております。
#117
○工藤委員 ありがとうございました。
#118
○山崎委員長 これにて工藤巌君の質疑は終了いたしました。
 次に、鈴木喜久子君。
#119
○鈴木(喜)委員 よろしくお願いします。
 初めに総理大臣に伺いたいのでございますけれども、総選挙後、総選挙を通しまして国民のこの消費税に対する、見直し案というものに対する合意というものをどういうふうに認識されるかということにつきまして、私初めて国会に上がりまして最初の演説のときに、総理の口から、注釈つきであったと思うのですが、その注釈というのは、野党が消費税に関しては国民投票の意味合いを持った選挙だということを言ってずっときていた。その結果がこういうような結果なので、それを踏まえれば、それによって国民は消費税というものについてもはや合意をある程度されたのではないかというようなお話をされたように思ったのですけれども、その点ちょっと御確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#120
○海部内閣総理大臣 一語一語どう言ったのか正確には手元に資料を持っておりませんが、私が申し上げましたのは、繰り返しますと、野党の委員長が選挙のときに、消費税の存続をめぐるでしたかね、国民投票の意味を持つものだ、こういうことをおっしゃったわけですし、たしか選挙中に発表されました税制改革の個別物品税の発表のときにも、何とか新聞を読んでおりましたらそういった意味のことが出ておりましたので、今度の選挙は消費税の存否をかけた国民投票的な意味を持つものであると野党の首脳もおっしゃったので、その意味からいくと、選挙で勝たせていただいたということはそれなりに私たちも謙虚に受けとめさせていただきます。
 しかしながら、それですべてだと言っておるわけではありませんので、我々も思い切って世論に従った見直し案等もお願いしておるのですから、どこかでかみ合うところはないでしょうか。また、選挙中の話でしたが、野党の政策担当の責任者の方も、直間比率の割合は今の間接税三割程度というのを前提として、それを肯定するような立場での御発言もあったわけでありますから、そうしますと間接税そのものを否定なさっておらなかったわけでありますし、また、あの当時参議院に提出なさいましたいろいろな九本の廃止法並びに関連法案を私なりに見せていただきましたら、税制の再改革の基本法というのには、所得と資産と消費に課税をする。そして、それは広くサービス、流通も含むということが法案骨子の中にも出ておったわけでありますから、どのような形を御想像になっておるのか、お考えになっておるのか具体案をお示しいただいて、私どもがお願いしようとしておる案とどこでどう交わるところがあるのだろうかという御議論の展開が期待されるというようなことを申し上げたつもりでおります。
#121
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。
 その中で、懇切丁寧に長く御説明いただきましたけれども、その前半の方の部分でございますけれども、国民投票の意味合いからいうと、国民もそれなりのことに同意をしたのではないかというような意味合いを持たれたというふうに今おっしゃったと思うのです。
 実は、この委員会の中で、私、廃止法案の方について十四日の日に質問をさせていただきました。そのときに持ち出したのが全国の選挙公報でございました。その中で自民党の先生方がどういうふうな形で選挙を戦われたとかということを一応ちょっと見ておこうと思いまして、それを持ってまいりました。その後、質問に立たれる先生方もいろいろとコピー等々とって公報を持っておられることが多くなりましたので、一応その元祖ともいうべき私としましては、ぜひとももう一度この問題を取り上げまして、ここで総理の御意見を賜りたいというふうに思っているわけでございます。
 それは、まず全国の広報を私見てみました。その中で、自民党の公認の先生方の中で消費税ということについて全く触れておられない方が百五十人。お名前を申し上げても差し支えないのでございますけれども、当委員会の先生方の中でも、きょう御質問になりましたお二人の方を含めまして九名の方が消費税のショの字にも触れていない。消費という言葉があったかどうかということになると、消費者という問題もありますので、もしかしてショの字はあるかもしれませんが、消費税という形では触れておられません。そして、そのほかにもう一つ特徴的でありましたのは、この消費税の成立の経緯について、大変その点ではいろいろな点で手抜かりがあったり誤りがあったりしたので深くおわびをしたいというような文言を書かれた先生方もかなり多くいらっしゃいました。大変な、一応それは勇気と御見識のある先生方だと私は思っておりますけれども、そういう形で深くその点についてはおわびをしたい、そしてこれからみんなで話し合って抜本的な解決をしていきたいというふうな形でおっしゃっている方がいらっしゃいます。
 それからもう一つが、これは極端なんですが、廃止または凍結、そういうふうにすべきであるとおっしゃっている方がおられて、そしてその中からも当選者が出ていらっしゃいます。その中でも、閣僚の経験者の方も二名か、私の記憶というのはその閣僚経験者かどうかというのはよくわかりませんが、公報で見た限りでの経験者という方は二人いらっしゃるわけです。
 こういうような形で、さすがに海部総理にしても橋本大蔵大臣にしても、非常にその点については立派な諭旨をこの見直し案に披瀝されまして、その中で主張されているというのも大変私も勉強もさせていただいたし、ありがたいことだと思いましたけれども、自民党の先生方の中で何も触れていらっしゃらない方が百五十人もいらっしゃるということになりますと、これはやはり一つの消費税隠し、変な言葉ですけれども、そういう形で争点が、私どもが一生懸命主張したにもかかわらず、片面的な争点でしかあり得なかったのだというふうな、私どもの反省にももちろんつながることでございますけれども、そういうふうに考えられるわけで、これで争点がかみ合った、消費税という争点についてかみ合ったということは言えないのではないかというふうに思われるわけでございます。
 特に一人の方ですが、これは再見直しということを言っておられるわけです。今の見直し案ではだめだ。そのときに、ちょうど選挙当時に発表されてありましたその見直し案ではだめで、それをまた廃止する再見直しということをはっきりと書かれている先生がおられるのですけれども、それはその先生の御見識だともちろん思います。ところが、その推薦人として挙がっておられるのが、たしか海部総理とそれから橋本大蔵大臣だと思うわけでございます。
 それで私、そういうふうになりますと、そうしたらちょっと今名前を言ってしまった方がはっきりすると思いますけれども、たしか丹羽兵助先生とおっしゃる方のところだと思います。私は、その先生がどういう形の方かということを余り知っているわけではありませんけれども、そこで総理と大蔵大臣と両方が、その再見直しを主張しておられる、その書いてある公報の下に推薦しますというお名前を載っけられているということは一体どういうことを意味しているのだろうかというふうに思ったのですが、いかがでございましょうか、お二人の先生方から伺いたいと思います。
#122
○海部内閣総理大臣 最初の御質問でありますけれども、あれは私が言ったのじゃなくて、野党の首脳の方がおっしゃったことでありますから、選挙の結果で国民投票の結果を受けたんだと私が言ったわけではございません。それを野党の方がおっしゃったけれども、私は、結果は謙虚に受けとめさせていただきますと申し上げました。
 それからもう一つは、公報に、よくお調べをいただいて今いろいろ御指摘いただいたのですが、私は選挙の前には自由民主党として正式に公約を決定しまして、すべての候補者のところにはその公約は届けてございますし、またマスコミの論調にもそれらのことはきちっと出ておったはずでございますし、また党首討論会とか党の政談演説会とか、いろいろ国民の皆さんに党の立場で私が物を言うときは必ず、楽しい話ではありませんが税の話をお聞きくださいと言って、詳しく、見直し案の内容につき御理解と御協力をお願いしたいということを重ねて申し上げ続けてきたわけでありますから、その点について争点隠しを自由民主党がやっておったのではないということだけはどうぞ御理解いただきたいと思います。
 同時に、あのころは、ちょうど激動する世界の変化の中で、ヨーロッパにおけるいろいろのさまざまな出来事が続いた直後でもございましたし、いろいろなテーマには触れましたけれども、必ず税のことにも触れておったということでございます。
 もう一つ、丹羽兵助先生は正直言うと私の仲人親をやってくださった人でございまして、非常に尊敬しておる政治家でもあり、日ごろいろいろお世話になってもきました。それで推薦をしろと言われれば、やはり公認候補でもいらっしゃいますし、推薦をさしていただいた、こういうことでございます。
#123
○橋本国務大臣 本来なら、今の総理の御答弁につけ加えて私が申し上げるのは大変失礼なんですが、他党のことは存じません、私どもの党の場合に、公認をされました候補者は、党役員並びに閣僚の名前は推薦人として自由にお使いになれます。これは政党として公約を掲げ、その公約のもとに公認をした方々に対して、私どもとすれば当然のことだと思います。ただ、丹羽先生の選挙公報まで私は存じませんでしたので、多少乖離を生じていたとすれば、それは私としては残念です。
#124
○鈴木(喜)委員 私も、選挙公報というものがどのぐらい意味合いのある重いものなのかということについては後ほど自治省の方にも伺いたいと思うのですが、国民が公報というものをどのぐらい頼りにしているかということになりますと、一応統計等を調べてみました。その中では、一番何を媒体として、物として頻りにしているかといったら、やはりこれはテレビでございます。テレビがまず第一でございますけれども、第二が選挙公報でございます。その差は余りありません。都会になればなるほど、かなり選挙公報というものも頼りにしているという結果が出ているようでございます。
 こういう形で、これは公で出すものでありますし、そこにお名前等々出ましたり、推薦の言葉、ここで申しわけありませんが、ちょっと読ませていただきますと、海部さんの場合には、「ふるさと愛知の未来を拓く人 丹羽先輩とともに頑張ります」と書いてありますし、橋本さんの場合には、「誠実です 清潔です 丹羽さんは政界の宝です」と書いてあります。本当にそうだろうと思ってお書きになりていらっしゃる言葉だと思います。ただそれが、その頭のそのまた真上のところに「消費税の再見直し」と。これも私は、丹羽先生は立派な御見識だと思って、さすが御見識ある方だと、私の方からこれは失礼なあれですけれども、そう思います。ただ、自民党ということからいいますと非常に矛盾を生じ、そこで選挙人たちもいろいろと、丹羽先生は立派な方なんだし、でも海部さんもやっておられるけれども、しかし自民党の政策はこうなんだけれども一体どうなんだろうというふうに思いますと、非常に迷うところが出てくることになると思います。
 この点では、やはり一つ一つその点の御配慮、大変大きな政党でございますから御無理なことかもしれません。しかし、こういうことは、単なる推薦人というのはたくさんあります。私も推薦しますという言葉で、署名だけあるというのはたくさんありますが、ここまで御親密な関係であればその点やはり御配慮があってもよかったのではないかなというふうに、一選挙民の立場から申しますと、そのようなお願いを申し上げたいわけでございます。
 それで、こういうようなことに対しまして野党の側は、これはもう前面に消費税廃止を押し出しました。さっきの総理のお話にもありましたように、そこでは国民投票であるとか、そういう意味合いもあるかもしれないということで、そういうことを押し出してやったわけでございます。今長長と申しましたのは、先日も本委員会の中で選挙公報というものはそんな大したことないんだ、ここにはうそ書いて当選する人だってあるというようなニュアンスの御発言もあったわけで、私の耳がおかしくなければですが。(海部内閣総理大臣「そんなことは言っていない」と呼ぶ)そういう感じのことですね。もしも違っていれば、そこでは正確なことを議事録で確認をさせていただきたいと思いますが、こういうことで、そこのところでこういうのがありましたので、その点を申し上げさせていただきます。
 もう一つ……(「議事録見て確認しろ、言ったかそんなこと」と呼ぶ者あり)それでは、そこの内容についてここで何か言うのであれば、そこでもう一度そのときの議事録について見て、それから精査して、もし私の言っているところが記憶が違っていたら、その点は削除さしていただけばよろしいし、そうでなければ、その点についてはそのまま残していただきたいと思います。
 それで、こうした選挙公報というものは大きな影響を持っているわけでございますけれども、自治省がこの監督をされているということでございますので、選挙公報ということの意味合いにつきまして自治省の方から御見解を伺いたいと思います。
#125
○浅野(大)政府委員 選挙公報というのは、公職選挙法の百六十七条を根拠として発行しております。これは各都道府県の選挙管理委員会が仕事を担当しております。
 それで、この選挙公報というのは、候補者の方方にとりましては、自分の氏名でありますとか経歴あるいは政見などを有権者に周知する手段でございますし、一方、選挙人の方からいたしますと、各候補者を知る手段であるということでございます。
 なお、沿革的には、選挙公報というのは、選挙運動用の文書図画の規制というようなこととも関連いたしまして、選挙公営として行われることになって今日に至っております。
#126
○鈴木(喜)委員 今、その成り立っているところはわかったのですが、それについての意義ということにはお答えをいただかなかったわけでございますけれども、いかがでしょうか、お答えしていただけますか、もう一度。
#127
○浅野(大)政府委員 意義ということでございますから先ほども申し上げたつもりなんですが、候補者にとっては、自分の氏名、経歴、政見、そういうものを有権者に周知するための手段である。それから、有権者の方はそれによって候補者を知る。そういうような意義を持っておるのだというふうに考えております。
#128
○鈴木(喜)委員 わかりました。どうもありがとうございました。
 それで、このような公報ということについてだけ今ずっと見たわけでございますけれども、今のは、かみ合っていない、片面的なものであるという一つの要素になっている実証でございます。
 そのほかに、福岡の先ほどの補選ということがございました。そのときの得票というものの差を見てみますと、約十二万票という大差がついております。これについても候補自身が消費税というものについて訴えてきた。そのかみ合っていなかったという前の総選挙のときの状況でございますけれども、野党の側に入れた投票というものに関しましては、その投票者は必ずその頭に、消費税というものが争点となって頭に浮かんで、それで入れてくれたという面はたくさんあると思うのですね。今回の三重野という社会党の新人が当選されましたけれども、それもやはり同様に、まだまだ、今の段階になりまして、一年以上たちました今になりましても、国民の間には消費税というものについての反発、定着などしていない、その反発が非常に大きくあったのではないかというふうに思っております。
 それと、もう一つが総選挙の得票率、二月の選挙の得票率の結果でございます。これは、この間ありましたもの、二月十八日にあった選挙についての自治省選挙部からの速報ということの中で見てみたところでございますけれども、得票率ということで今回の選挙を見ますと、自由民主党が四六・一四%。ですから、その他の野党というものを合わせますと五三・何%というところになると思います。この結果から見ましたらば、これだけのたくさんの当選数を出して過半数というものを得られた自民党ということだけで国民の合意が得られたということは、やはりこの点からも言えないのではないかというふうに思います。
 それに、最近の世論調査、何回も出てまいりますけれども、これでまだ、消費税がよくなった、この見直しでいいということを言ったのではないという意見が非常に強いということ、これを全部合わせますと、国民の今この見直し案に対する合意というものはいまだ成っていないというふうに考えられるのですけれども、いかがでございましょうか。総理に伺いたいと思います。
#129
○海部内閣総理大臣 福岡の参議院補選の結果は率直に受けとめさしていただいております。論争点の中の一つにありましたということも率直に受けとめます。
#130
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。
 もう一点、余り私の委員会で総理に御質問できるというような機会がありませんので、こうした機会に、めったにないことですので……。
 この選挙の結果、こういうふうな公報を見たという主婦たちに私、感想を聞いてまいりました。ですから、またそれについての御所見というのを伺えればよろしいのですが、とにかくその声を私が代弁いたしますので、聞いていただきたいと思います。
 この成立の経緯が悪かったと反省をしている方が多かった、おわびをしている人は大変多いんだけれども、率直におわびと言えばそれで済むのかということでございます。口だけではなく、それを実行してほしい。これはどういう意味を持っているのかは、その本人たちの意見でございますけれども、それを言っております。これは五十歳ぐらいの主婦でございますけれども、ごめんで済むということではないであろうということだと思います。もう一つですが、高齢化社会のためとか、福祉をよくしてもらうんだったら消費税は導入しなくちゃだめだというような言い方というのは、大変おどかされているようで気持ちが悪かった。もし本当にそうならば、そうなるための納得のいく説明をいろいろとしてほしい。これは、まさにもう年金生活に差しかかる主婦の言葉でございます。
 この二つの言葉を受けとめていただきまして、ここで御感想をいただければと思います。
#131
○海部内閣総理大臣 突然のことでございますので私も率直に感想を申し上げますから、差しさわりがあったらお許しをいただきたいと思います。
 導入の手続、その他の手続論に関しましては、私も、この場で野党の皆さんからさまざまな角度からのおしかりも受け、あのような騒然たる雰囲気の中で採決を行ったということに対しては、率直にこれは反省をしておりますということを申し上げて、ごめんなさいとも申し上げました。それは導入の過程について。ただ、それはやはりいつまでも議論が平行しているときは、議会の手続というのは採決をしなければ前へ進みませんので、採決をさせていただくに至ったやむを得ない立場もございました。そして、委員会ではそうでしたが、本会議の方は野党の皆さんから一部修正案等も出していただいて、本会議の方ではその修正案もあわせて可決をさせていただくという手続をとらせていただいてまいりました。そういったことについては率直に反省もいたしております。
 それから、もう一つは、消費税導入の説明も随分いたしましたが、これを認めてくれなければ福祉のあれが下がりますよというようなそんなニュアンスの発言は、少なくとも私は決していたしませんし、私と一緒に街頭演説その他をやった候補者もそんなことはいたしませんでした。ただ、私が率直に青いましたことは、今のままの税の仕組みでこのままずっと進んでいきますと、おかくれになる方の数は少なくてだんだん高齢化社会になる、お生まれになる方の数はだんだん少なくなってきて、当時は一・六六という数字で物を言っておりましたが、そうしますと去年百三十一万人、ことし百二十四万人、生まれる方が二十になられるころ、二〇一〇年にはこのままでほっておくとどうなるかといえば、それらの方々の租税負担率が粗っぽい計算で二倍以上になります。たしか一八%を超えるわけですよ。そうしますと、おととしまでの世論調査で税に対する御不満はといって聞けば、税が高過ぎるではないかというのが非常にありましたし、もう一つは、所得税に偏り過ぎて、所得税ばかり一〇〇%捕捉されるではないかという筋の御発言等もありましたから、そんなことを申し上げて、今のままの税の仕組みでいくと大変これからの社会を支える方々の所得税に対して負担率が高くなるので、今のうちに所得と資産と消費とバランスのとれた税制に変えていかなければならないと思いますということは、しきりに私も強調したのですけれども、これを認めていただかなければ福祉の方はというような発言はした覚えは全くございませんし、そんなことは考えたこともありませんでした。
#132
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。
 総理がおっしゃってないことはよくよくわかっておりますけれども、中には高福祉は消費税導入、低福祉は消費税廃止、こういう対立的な言葉をぱっと出したようなものもありましたので、そういう主婦たちの発言になったということを御承知いただければそれで結構でございます。
 それで、消費税論議としてかみ合ってそれが争点になったかどうかということ以外に、もう一つは、現在一年何がし続いてきましたこの消費税がどのくらい定着しているかということの中に、これは前にも出たところなんでございますけれども、地方自治体でどのぐらいの率、消費税の処分について未定の割合というのがまだどのくらいあるか、そこで定着というものがどのくらいしているかということについて、自治省の方から御説明いただければと思います。
#133
○持永政府委員 地方団体におきます公共料金等への転嫁の状況でございますけれども、都道府県、指定都市についてまず申し上げますと、ことしの四月現在でございますが、普通会計分につきましては五十八団体の中で四十三団体、七割強でございます。上水道につきましては三十七団体中三十一団体、八割強。工業用水につきましては四十八団体中四十五団体、九割強でございます。市町村につきましては、普通会計が七割強、水道が、上水道は八割強、下水道が七割、病院が八割というような状況になっております。
#134
○鈴木(喜)委員 工業用に関しましては、これは業務の中ですからそれを取り入れるということはわかるのですが、その他につきましては、大体七割から八割ぐらいのところが今のところ行っているので、あとの部分に関しては自治体そのものがまだ処分を未定のままでいるということでございますけれども、こういう国と地方公共団体の中で、国の指導がこれをきちんと取れ、そして料金を改定しろというふうな指導をされて、それについて公共団体の方がそういうことはちょっと保留してほしいとか、一年ないし二年は処分未定であるというようなことは、日常よく行われることなんでございましょうか。自治省の方に伺いたいと思います。
#135
○持永政府委員 日常よく行われるかどうかということでございますけれども、いずれにしても私どもは、法律の趣旨に従って適正な転嫁の措置をとるようにという指導を申し上げてきたわけでございますけれども、現実の問題として、各地方団体の主として地方議会の状況、もろもろの事情によりまして、まだそういう措置がとられてないところがあるのは事実でございます。現にそういう法律がある、消費税法があるわけでございますから、私どもとしては、今後とも議会なり住民の方方の御理解をいただいて適正な措置をとるように指導を現在しておりますし、今後ともしてまいりたいと思っております。
#136
○鈴木(喜)委員 今の御発言の裏を考えるというのは私得意じゃないのですが、これは随分重要なことではないかと思います。国からの指導というものについて、それをしろと言うのにしないでいるというのは、議会がかなり強硬に言わなければなかなかできないことでしょうし、その面では、これはやはり自治体の中ですらまだ定着ということには至っていないということが言えるのではないかと思います。
 六月十四日付の朝日新聞を見ますと、その中に日本生活協同組合連合会というところの調べによる家計簿調査というのが出ています。その中では、一九八九年の四月から一年間で平均は大体十万をちょっと超えている、十万四千百三十七円ということで、平均年収の中で一・六%を消費税が占めている。しかし、そういう率ではあるけれども、これが三百万円未満の収入の家庭の層では消費税の負担が収入の二・四%にもなっているということで、やはり消費税というものが低所得者、年金生活者に厳しい実態があるということが書かれておりますけれども、まさにそのとおりであると思います。
 こうした生活が圧迫されている中で定着ということは、なかなか起こりにくいのじゃないか。先日、六月十六日でしたか公聴会がこちらで行われまして、その中でも主婦連副会長の中村紀伊さんもそういった意味のことを力説されておりました。そして、私のところに来る主婦たちの手紙の中にもそういった言葉がたくさん書かれております。こういうふうな状況でございます。一例だけ挙げさせていただきます。
 主婦たちの中には、ただお金が高いということだけでなく、八百屋さん、魚屋さんで大して店舗に差がないのに消費税を取る店や取らない店があるので、本当に三千万円以上なのかと疑いながら買い物しちゃう。その日の雰囲気で三%取られたり取られなかったりすることがあるので、私たちの納税をお店が猫ばばしているのではないかと疑問が残る。いかにも不透明である。そして、こうやってだんだんなれていくというのは非常に悲しいんだ。あきらめる前に、毎日むしり取られるこの実感が、今までの白けから政治への関心を高めた。これは思わぬメリットだったと思う。大いにこれを盛り上げて国会のあり方を見守りたい。こういうふうに言っているわけでございまして、主婦たちの感覚というのは、いまだに消費税というものはホットなものとして残っているわけでございます。
 この定着の度合いということについて、大蔵大臣はどのようにごらんになりますでしょうか。
#137
○橋本国務大臣 まず第一に、今家計簿調査を挙げられまして、私はその調査そのものが価値のないものだと申し上げるようなつもりは全くありません。
 ただ問題は、家計簿調査というものの性格から、減税が出てこない、所得税にいたしましても住民税にいたしましても、減税部分が出てこないという問題が一つございます。また、個別の物品税の廃止に伴うその影響というものも出てまいりません。家計簿調査というものには、そういう意味での私は限界が一つあるということをまず申し上げたいと思います。その上で、私は、今述べられましたような御意見というものは現実に存在すると思いますし、また、そういう声を私自身も耳にしたことがございます。
 ただ同時に、その個々のお店が免税業者であるかないか、これは今例に挙げられましたお店を私は存じませんので何とも申しようがありませんけれども、現実に免税業者の方々で転嫁をしておられない方々が非常にたくさんおられる。要は、そこのところは値決めの問題として消費者に利益が還元されているという部分があることを御承知を願いたいと思うのであります。
 ただ、そうした声があるということを私は決して否定をいたしません。制度として、私は消費税は確かに定着しつつあると思いますけれども、国民の中にまださまざまな御意見があることはよく承知しているつもりであります。
#138
○鈴木(喜)委員 今のお話でわかったようなわからないようなところもあるんですけれども、今回の見直し案の中で、見直しという形で何も手をつけられていない部分ということの中に、ここの手紙の中にも少しありましたところの免税点または簡易課税制度というものについての問題がございます。限界控除も含めて同様の問題だとは思いますが、こうした問題の中では、払う方にとってはその金額、それからどのぐらいの度数、それから大蔵大臣今おっしゃっていただきましたように、そこが免税点なのかどうなのかというような問題、または免税点でなくても課税していない業者もおられるでしょうけれども、そういうことを問わず、こういう制度があるということによって非常な不公平感といいますか、租税に対して自分の税金がどこへ行ってしまうのかわからない、またどうなるのかという意味での不公平感と不信感というものが非常に多くあるように私はいろんな女性からの発言の中からも思いました。
 それで、この点に関しても前に何度か同じような御質問をいろんな先生がされて大蔵大臣お答えいただいていると思うんですが、存続そのものに関しましては、こういうものも存在意義というものは絶対に必要である、しかし、それはやはり程度といいますか、金額の問題に帰着するのではないかというようなお答えをいただいているんじゃないかと思うんですが、そういうことでよろしいでしょうか。
#139
○橋本国務大臣 多少正確を欠いて御記憶をいただいたようですけれども、私はまず第一に申し上げておりますのは、西欧諸国を初め同じような税をお持ちの国々、程度の差こそありますけれども、その免税点、免税制度あるいは簡易課税の制度あるいはその他列記をされましたような制度は、それぞれの国に存在をいたしております。そして、それはやはり私は、簡素という部分に着目してとられた制度であると思います。
 そして、きょう午前中の質疑の中でも、野党の共同提案の提案者の中から、野党が考えておられるような間接税を考えた場合にも、やはり同種のものは考える必要があるかもしれないという御趣旨の御答弁がありましたけれども、私はそういう意味からいけば、これらの制度を全く否定してしまうということはいかがなものかと確かに思っております。
 ただ、私ども今ちょうど五月いっぱい申告・納入をしていただきました数字を全国の各税務署から全部集めまして、それを集計して分析をした上で、これから先どうしていけばいいかという考えを改めてお示しをしたいと思っておりまして、これらの点に対して国民の中に納得しておられないお気持ちが残っておることはよく承知をいたしております。
#140
○鈴木(喜)委員 五月からの作業ですから、その調査の結果はまだそう固まっておられないとは思いますけれども、大臣の個人的なお考えでも結構でございますけれども、一体どの程度の、例えば簡易課税だったらどの程度のものか、免税点、どのくらいだろうかというようなことでの感触といいますか、このくらいが妥当ではなかろうかなというようなお話を伺わせていただきたいのでございますけれども。
#141
○橋本国務大臣 これは委員、やはり御無理な御質問だと思います。
 その五月いっぱい集まりましたものを六月に入りましてから集計、分析をしようとしているその矢先であります。その責任者が個人的な感想を申し上げてしまったのでは、後の作業にも問題を生じるわけでありまして、これはお許しをいただきたいと思います。
#142
○鈴木(喜)委員 わかりました。私も半ばあきらめた境地で聞いておりますけれども、しかし、やはりここでも伺えればこんないいことはないという気持ちと、それから、こういうことは今国会、またきょうでこの委員会も終わりになってしまいますけれども、そういうことで結論が出たときにはぜひとも早く、早々と国民の前にそれをお知らせいただいて、国民の中でもどうかなというふうに考える時間と余裕をお与えいただきたいと思いますので、その点ぜひともよろしくお願いします。お願いを申し上げておきます。
 あと時間の許す限りで、もう一つありました。済みません。大臣にもう一つ伺いたいのですが、この取り入れられなかった見直し案の中のもう一つの問題に、伝票方式という問題がございます。
 帳簿方式でできないことはないということも、私、幾らか教えていただきましてわかりましたけれども、大変煩瑣な手続であるということ、それから、ある程度どういうところで作為がないかあるかという意味でも伝票方式の方がすぐれているということはわかるのですが、この点についてはいかがでございましょうか。
#143
○橋本国務大臣 まず申し上げたいのは、この消費税の前に売上税が論議をされましたとき、売上税はまさにインボイス方式をもってその制度を構成しておりました。しかし、これに対して非常に強い反発があったことも御承知のとおりであります。そして、その反省を踏まえて私どもは今回、帳簿方式をもって消費税を組み上げたわけでありまして、私どもとして、現実に事業者の負担軽減に資しておるということ、また、帳簿方式のもとにおいて税務執行上特段の問題が生じていないということから、今回これを見直すという考え方はとらなかったわけであります。
 ただ、税制調査会のフォローアップ小委員会の中間報告の中で「今後の消費税の定着とともに将来は税額別記の書類による方法にしていくことが望ましいが、売上税への批判にもあったように、この問題は、企業の売上げ・仕入れに係る伝票処理の実態や在庫管理等の経営管理の実態等、我が国の企業取引の実状に深く関連する問題であり、事業者の納税事務負担の程度等をも十分踏まえつつ慎重に判断する必要がある。」という提起をされておりまして、私どもとしてこれから先も十分考えさせていただきたい、そう思っています。
#144
○鈴木(喜)委員 ぜひともやはりその面でお考えいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは時間のあと二、三分許す限り、今回の見直し案の中でちょっとわからないというか確認させていただきたい点を、大蔵省の方から伺いたいと思います。
 第一条関係でございますけれども、まず一番初めにそのCのところに書いてあります「墓地、埋葬等に関する法律」というところの埋葬という意味と、それから火葬という意味について簡単に御説明をお願いします。
#145
○尾崎政府委員 埋葬と申しますのは、いわゆる土葬でございます。火葬は通常の火葬でございます。
#146
○鈴木(喜)委員 埋葬というのは、土葬であって、焼いてしまったお骨を納骨するために埋めることは普通埋葬と言いますけれども、ここで言う税務上の埋葬ではないということで、それで確認させていただいてよろしいのですね。例えば焼けてきましたお骨をお墓の中に埋めるというときを、これもやはり埋葬と言っておりまして、私たちは通常一般に使っておりますけれども、ここで言うところの埋葬はそうではなく、人間の死体をそのまま土葬で埋めるということについておっしゃっているわけでございますね。
#147
○尾崎政府委員 さようでございます。いわゆる火葬料、埋葬料でございます。
#148
○鈴木(喜)委員 ですから誤解のないようにしておきたいのは、こういう場合に、火葬してきたお骨を石屋さんに頼んで入れてもらうまでの費用というのは、ここでは消費税の対象になっているわけでありまして、これはここで取り外されてはいないということを言いたかったわけでございます。
 それからもう一つが、火葬の場合でございますけれども、ちょっと調べたところによりますと、火葬というのにもいろいろございます。都営で一番安いのは千六百円から、一番高いのは十五万二千円までの焼き方がございますけれども、どの焼き方でも全く同じでございますね。
#149
○尾崎政府委員 火葬料であれば、すべて非課税となります。
#150
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。各論的な問題ですから、もうあと一つだけ聞かせていただきます。
 住宅の貸し付けというところの括弧書きに「一時的に使用させる場合」等を除くというふうに書いてあります。住宅の貸し付けというのはまず居住用の建物であることは間違いございませんけれども、「一時的に使用させる場合」というのは、一体どういう場合を示すわけでございますか。
#151
○尾崎政府委員 貸し付けに係ります期間が日もしくは週など、一カ月に満たない場合などを考えておりまして、最近ウイークリーマンションなんというのがございますが、そのようなものを考えているわけでございます。
#152
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。時間が来ましたので、まだあと何点かそういう各論で伺いたいところがありましたけれども、これで終わらせていただきます。
 この火葬の場合なんかには、十五万二千円もかけるような火葬料を何で免税にするのかというのは、私にはちょっと解せないところもございますけれども、こういうような問題についてもうちょっときめ細かい御検討がいただきたいとも思いますし、それから失礼なことをいろいろ申し上げましたけれども、またこれからもいろいろと庶民のためのことを考えながらやっていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#153
○山崎委員長 先ほどの鈴木喜久子君の発言につきましては、議事録を調査の上、委員長において措置いたします。
 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。
 次に、中沢健次君。
#154
○中沢委員 私の時間に若干鈴木委員の方が食い込んでおりますけれども、女性に優しく、私は時間どおり終わらせたいと思います。
 さて、先週の火曜日から本格論議がずっと展開をされておりまして、時間がたっぷりあれば、消費税導入が国民に与えた影響についてもいろいろ議論もしてみたいのでありますけれども、もう相当やられておりますので、そのことは残念でありますが割愛をしたいと思うのです。
 ただ、私は北海道の四区が選挙区でありまして、夕張、炭鉱の町の出身でございます。実は第八次の石炭政策が始まりましてことしでちょうど四年目、過去三年間私の選挙区で四つの炭鉱が閉山になる。委員長も福岡の出身ですから、石炭問題もいろいろ体験されていると思います。しかも、石狩川という北海道で有名な川の流域は米作地帯でありまして、北海道でも有名な米作農家、こういう選挙区でございます。したがって、全国に共通する問題は割愛をしますけれども、産炭地と農村という私の選挙区の実情を少し申し上げて、それに対する自治大臣や大蔵大臣や総理から、ぜひ見識のあるお答えもお願いをしたいと思うのです。
 実は、炭鉱の関係がそういうことになりまして、私の出身の夕張、昨年の十月に閉山になりました三笠を含めて非常に高齢化が進んでいるという事実、失業者がふえて、所得の低い方がたくさんいるという事実、具体的に申し上げたいと思います。実は、夕張では六十五歳以上の人口の比率が一八・三%、三笠が二〇・三。つまり、産炭地においてはほぼ共通をするのでありますけれども、既に老齢化という現象は二十一世紀の事実をもう既に示している。これが一つございます。それから、低所得ということではいろいろな分析の仕方があると思うのでありますが、あえて生活保護率、具体的に申し上げますと、夕張では三・八一、三笠は三・五四、これは最近の数字です。しかも、夕張はかつて炭鉱が二十四もありまして、最盛期は人口が十二万おりました。もう炭鉱が一つもございません。人口は、最近の住民登録では二万三千人、大変な状態です。そちらに座っていらっしゃる皆さんも、それぞれふるさとをお持ちで、ふるさとのことはやはり大変気になるし、ふるさとのことは、やはり生まれ育ったそれぞれの思い出の土地でありますし、何とか立派に活性化をしてほしい、これは政治家に限らず、同じ人間として心情としては共通すると思うのですよ。
 さてそこで、昨年の四月から消費税が導入をされた。国民がそれぞれ大変な被害を受けている。上品な言葉で言えば大変な影響を受けている。しかし、産炭地でいうと、お年寄りがいる。所得の低い人がたくさんいる。国民一人一人では共通かもしれませんが、地域全体にとっては消費税導入というのは大変な深刻な問題。これはもう客観的な事実がありますから、一つは申し上げておきたいと思うのです。
 それから、農村の問題でいうと、恐らく農林水産委員会などでもいろいろ議論がされていると思います。昨日は平成二年度の生産者の麦価、残念ながら三・九%引き下げで確定をいたしました。来月上旬はいよいよ米価の夏の陣。先ほど紹介しましたように私の選挙区、米作地帯でありまして、昨年は選挙絡みということがありましてああいう結果が出ましたけれども、ことしは一体どうなるか、こういうことで戦々恐々の状態です。しかし農家の皆さんは、農畜産物を生産するときにはいろいろ資材を買う。三%の消費税をまじめに支払いをする。生産物のコストがアップをしている。しかし、ほとんどの生産物についての価格は政策的に引き下げの基調になっている。生産者としてやはり三%は物すごい影響がある。もちろん農家の皆さんも消費者でありますから、消費者としても大変な影響がある。私はよく言うのです。農家の皆さんは生産者の顔と消費者の顔があって、消費税は文字どおり往復びんただ、ダブルパンチを受けている、もっと政治に怒りを持って頑張ってもらいたい。これは余計なことかもしれませんが、結果的に私の選挙区は、十四日指摘をしましたけれども、五名区の選挙区で、得票率も議席数も文字どおり与野党逆転をいたしました。恐らくこれは石炭に対する政策の批判、農政に対する批判、そして消費税の導入に対する批判が、結果的にそういう客観的な事実をつくったのではないでしょうか。
 さて、そのことをいろいろ指摘をしましたけれども、実は私は地方行政委員会に所属をしておりますから、自治大臣とはこういう問題についても、これ以外の問題についてもいろいろ議論もさせていただいております。ただ、大蔵大臣と総理には初めてでございますから、改めて三大臣の方から、今言った客観的な事実、具体的な事実を十分ひとつ踏まえていただきまして、ぜひ御見解を改めてお伺いをしたいと思います。
#155
○橋本国務大臣 今委員からお話のありましたことを踏まえてとなりますと、私から申し上げたいことは幾つかの点に集約されようかと思います。
 第一は、地域振興という問題でありまして、産炭地の状況の厳しさという点について、私どもも社会労働委員会として何回か視察に参ったこともありますし、その閉山という結果生ずる状況というものに対してもそれなりの知識は持っておるつもりであります。そして、それぞれの所在の自治体、それから委員の場合は道でありますが、都道府県等との間において、その地域における振興策を講じていく努力、これをまず私は優先しなければならないという感じで今のお話を承っておりました。
 また、農政全体については、私どもは、その食糧安全保障という対外的な一つの柱を持ちながらも、国内における食糧の生産と消費のバランスが維持されるような状態というものに向けて努力をしていかなければならぬ、そのように考えております。
 具体的に、消費税との絡みをその地域の問題と連動して御議論をいただきますと、これはもしそのとおりに申し上げれば、今度は級地別その他の点で御指摘を受けると思いますが、私どもとしては生活保護という制度を活用していくというお答えを申し上げることになるでありましょう。そしてそれについては、それぞれの影響を勘案しつつ、適切な改善を行っておりますという機械的なお答えをすることになると思います。
 しかし、そんなことよりも、やはり私は、今伺っております限りにおいては、積極的に道及び市ともに連携をとられながら、地域における振興策というものの柱を立て、積極的に行動をされ、国においてもお手伝いのできる道を早く勘案していただきたい、私は率直にそのような感じで今のお話を承っておりました。
#156
○奥田国務大臣 地行委でいつも本当にいろいろ御意見を承っております。
 特に、先生の選挙区のような産炭地で大変な閉山の激変を迎えておられる地域に対して、この消費税が、確かにその前に住民税や所得税の大幅減税を断行したわけでありますけれども、そういった余慶の及ばない、こういった激変に、所得もなくなり、そして住民税軽減の恩恵にも浴さない形の中で、こういった形の御負担は確かにつらい面があると思います。
 特に、総理のお答えの前ですけれども、先般来NHKのドキュメントで、あの閉山地区の中学生たちがもうばらばらになって、それを、行く末を、女の先生が、どんなつらいことがあってもいじけないで頑張って、すばらしい人生をつくってくださいと言う、ああいったドキュメントでございましたけれども、これを見て私もひとり、先生も御一緒だと思いますが、涙ぐんでおったような状態でございます。
 そういったことで私たちは、この自治体行政の中で、人口も激減しておりますし、こういった形の産炭地市町村に対しては、本当に手厚い政策的な配慮と申しますか、そういった形でできるだけ、交付税等においても市町村の実態に応じてきめの細かい、めり張りのきいた形で御支援申し上げておるところでございます。しかし、さりとはいえ、こういった弱者の人たちがこういった政策によって大変な形で御苦労なさっておるという実情は、歳出面の、そういった特別な政策によってもまた配意されていくと承知しておりますけれども、今後ともひとつこういった形でできるだけお手伝いさせていただきたいと思っております。
#157
○海部内閣総理大臣 両大臣から懇切な答弁ございましたけれども、私は、まず第一に、今度の消費税の問題につきましては、所得税や法人税の減税とか、所得と資産と消費とのバランスとかいろいろ考えて、減税先行になるような仕組みを御説明し続けてまいりましたが、それはあくまで全国の規模で、しかも所得をしておった方に対する、こうなりますよという説得力を持つ説明でありますけれども、今御示しをいただきましたように、社会で本当に弱い困った立場にあられて、極端なことを言えば所得税というものには関係ないんだという方にとっては、これはこの税制の本来持っておる性格として逆進性が強く、それはその面だけを見ますと大変マイナスの面が多くて、心痛む話になってまいります。
 そこで、それだけでほっておいてはいけませんので、これは消費税だけで見ていただかないで、ほかの税目やあるいは社会保障関係の支出とかその他のこともすべて含めて御判断願って、真に手を差し伸べなきゃならぬ方々に消費税のしわ寄せが集中してしまうということがないようにしなきゃならぬというので、たしか生活保護基準の改定のときにも、六十三年度に比しまして一級地三人世帯平成元年度四・二%アップ、今回は三・一%元年度に比べてアップということで配慮もいたしましたし、また、御高齢の皆さんが多いというお話が先生の選挙区ではあるということでございましたが、財政再計算に伴う実質改善と物価上昇分を比べて、平成元年は老齢基礎年金を六・二%上積みをいたしましたけれども、それも消費税が始まりましたのが四月からでありましたから、これは四月にさかのぼらなければいけないということで、四月にさかのぼってお金も用意してお届けをさせていただいて、せめてそういうところにしわ寄せがいかないようにという、できるだけ制度、仕組み全体の中できめの細かい配慮をしてきたつもりでございます。
 また、産炭地ということも、特別な今産業構造の変化の中でいろいろな御迷惑、負担もかかることと思いますけれども、これは大きなエネルギー構造の変化という流れの中で起こっていることでありますが、政府といたしましては、石炭六法案の対応なんかを考えますときに、よりここにも地域としてきめの細かい配慮をしていかなければならないなということを感じながら、今の御質問を聞いておった次第でございます。
#158
○中沢委員 今、それぞれ総理を含めてお答えをいただきました。こういう事実をお話しをすると、それぞれやはり心の痛みを政治家として考えられている。これはやはり党派を超えて私は共通する問題だと思うのです。
 ただ、この消費税に限って言うと、やはり廃止をして、税制の再改革をやるべきだという我々の基本的な立場があります。しかし、いずれにしても、所得の低い人に対してのこれからも、ほかの税制改革あるいは国の社会保障制度を含めたそういうカバーについても現実的に私はやはり必要だと思います。その辺はひとつ今後ともぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さて、具体的な問題について移ってまいりたいと思いますが、これも地方行政委員会でも随分議論をしておりますけれども、やはりここの委員会でも明確にお互いに事実関係を明らかにしなければいけないし、そして私としては、政府としての積極的な検討をお願いをしたい、こういうことでお尋ねをしたいと思います。
 それは税源の再配分の問題です。昨年の四月に消費税が入りまして、結果的に地方が持っておりました個別間接税、廃止になったり、税源がぐっと圧縮をされまして、大体一兆一千億地方の個別間接税が圧縮をされました。この事実については改めてお答えをいただかなくても結構ですが、さて問題は、その地方の個別間接税が少なくなった。それに対して国として責任を持って地方に対する財政措置をやっているんでありますけれども、その財政措置の内容について政府委員の方からお答えをいただきたいと思います。
#159
○持永政府委員 地方の個別間接税の縮減廃止の額が、今御指摘ございましたように約一兆一千億でございます。これに対しましては、消費税の五分の一を消費譲与税という形で地方に配分をすることによりまして補てんをする、こういう措置をとっております。
#160
○中沢委員 私なりに計数をずっと積み上げてまいりますと、今簡単なお答えがありましたけれども、その種の財政的な措置をしながらも結果的に地方全体としては、三千三百自治体があるのでありますけれども、全国トータルで八千八百三十五億円の歳入面から見ての穴があいている。いろいろ財政措置をやった結果としてまだそれだけの穴があいていた。もう一方、地方自治体は三%の導入に基づきまして、地方として仕事を出す場合に、コストアップを含めて歳出面にも影響が出る。結論からいうと、歳出面の影響についていうと三千三百八十億円、これもやはり穴があいている。単純に計算すると、一兆二千億消費税導入によって地方が特別にカバーをしなければいけない、こういう事実が明確だと思うのでありますが、これについてはどうでしょうか。
#161
○持永政府委員 先ほどの御質問が間接税というお話でございましたので、間接税にかかわる分だけを申し上げたわけでございますが、全体として申し上げますと、地方税の減収は、間接税以外に住民税の減税等もございますので、御指摘ございましたように、全体の税制改革による地方税財政への影響額としては約八千八百億円の減収、こうなっておりまして、これは住民税減税といういわば自前の減税分に相当するものが減収になっている、こういう形になっておるわけでございます。
 一方、歳出面の影響でございますけれども、歳出面の影響につきましても、歳出増と歳入増と両方ございますが、差っ引きいたしまして、これも御指摘ございましたように約三千三百八十億円の歳出のネット増ということになっておりまして、それは税制改正による減収額と歳出の影響は、年度が違いますので単純に合算することは若干問題もございますけれども、これを足しますと両方で約一兆二千二百億円の影響が出ている、こういうことになっております。
#162
○中沢委員 御指摘があるように、昭和六十三年度と平成元年度、若干の時期のずれがありまして、正確には一兆二千億ということにはあるいはならないかもしらぬけれども、アバウトで言えばおよそそういう状態。こんな消費税が入ったことによって地方自治体がそれだけ負担をしている、これはもう明確だと思います。
 さてそこで、今現在、国と地方のこの税源配分はどういうふうになっているか。俗に言う入り口で何%、出口で何%、別の言葉で言えば形式的にに国が幾らで地方が幾らか、実質的に国が幾らで地方が幾らになっているか、改めて聞いておきたいと思います。
#163
○湯浅政府委員 平成二年度におきます国税の収入見込み額が六十兆八千二百三億円、それから地方税の収入見込み額が三十一兆六千八百九十八億円でございまして、国税と地方税の配分割合は六五・七対三四・三という見込みになります。
 それから、国庫支出金等を含めた歳出ベースではどうかということでございますが、平成二年度におきます国と地方の純計歳出額は約百十兆九千八百億円と見込まれておりますが、このうち地方団体において最終支出が行われる額は約六十六兆一千百億円、五九・六%ということになりますので、国と地方の歳出割合を最終支出主体のベースで分けますと、おおむね国が四、地方が六という比率になります。
#164
○中沢委員 今具体的な内容についてお答えをいただきました。
 結局、歳出ベースでいうと、国が四で地方が六。しかし、これは歳入の関係でいうと全く、今数字が示されましたけれども、国が六五で地方が三五だ。このギャップをどうするかということが非常にこれからの問題として国としても積極的に議論をしなければならぬし、もちろん自治省もそうだと思います、大蔵省も。地方六団体もこの問題についてはどうしたらいいか、こういう議論をこれから相当時間をかけてやるようになると思います。
 さて、そこで自治大臣と大蔵大臣に具体的にお尋ねをしたいのでありますけれども、実は六月十九日の朝日新聞に「土地保有に新税検討」という、そういう新聞記事が出ておりました。政府税調の土地税制の小委員会、いろいろ議論をしておりまして、恐らく二十二日に中間答申、中間報告がされる。具体的な内容がいろいろ出ておりました。つまり、現在の日本の税制の中で土地税制が極めて不公平である、不公平の税制を正す必要がある、これが基本的な観点だと私は思うのですね。二十二日に明らかになるとはいいながら、新聞にはかなり詳細に出ている。
 その中で、特に法人の持っている土地に対しまして、これは国土庁が発表したという別な新聞記事がありますけれども、路線価でもって法人の持っている土地については一%前後の土地保有税を課税をする。自治省でいえば、市町村税で特別土地保有税という今の制度がある。しかし、これもいろいろやはり今日の社会情勢を含めて見直しをしなければいけない、固定資産税についても云云、こういう新聞報道がございました。もう、きょうは二十一日です。あすこの小委員会の答申が正式に出されるという、そういうタイムになってもおりますので、一つは大蔵大臣の方から、その辺の小委員会の中間答申についての状況について、そして大蔵大臣としてこの問題をこれからどのように扱っていくのか、基本的な見解。自治大臣から、市町村税の特別土地保有税についての見解あるいは固定資産税についての見解を改めて聞いておきたいと思います。
#165
○橋本国務大臣 今、答申と言われましたけれども、まだ残念ながら税調の審議は答申の段階にははるかに遠いものがありまして、論点整理に恐らくなるであろうと思います。そして、その中におきまして今いろいろな形で議論がされておりまして、土地の保有課税のあり方につきましても検討が行われていることは御指摘のとおりであります。
 今、私もその詳細を存じておるわけではありませんけれども、例えばよく言われます言葉をそのままに使いますと、含み益課税あるいは未利用地に対する課税という話があるわけでありますけれども、その論議の中におきましては、例えばその含み益というものを考えた場合に、有効に活用されているところほど高くなってしまうんじゃないのかとか、あるいは未利用地に限定となりますと有名無実のものになりはしないかとか、さまざまな議論が交わされておるようであります。何分私はこちらにくぎづけになっておりまして、ほとんど細かいことを存じませんので、必要がありますならば、政府委員から補足してわかる限りの御答弁をさせたいと思います。
#166
○尾崎政府委員 税制調査会におきましては、保有税の問題、いろいろな議論が出ております。保有税のようなものは好ましくないという議論もございますけれども、現在、土地の保有に対する負担が非常に低くなっていて、それが税の公平の上からも、あるいは土地の利用の上からもよくない影響を与えているのではないかという御意見が非常に多いように承っております。
 それに対しまして、それではどのような措置を講ずるかというアイデアもいろいろ出ているようでございまして、ただいま大臣からお話が出ましたように、低・未利用地に課税してはどうか、あるいは含み益のようなものについて課税してはどうか。それから、委員が例として挙げられました、国土庁の説と伝えられておりますような、そういうことをしないで一律に課税をしたらどうか、法人と限るというようなことが御意見になっているようでございますが。あるいは連合が提起しておりますように、大規模の土地保有は個人それから法人を問わずに課税すべきだというような議論もございます。いろいろな議論が出ておりますので、あすの問題を先走って言うのはちょっとなになんでございますが、論点を整理して小委員長が示されるというようになる、こう承っております。
 そういう状態で現在ございますので、それでは具体的にどういう案になるのかということにつきましては、まだちょっと私どもとしては申し上げにくい、税制調査会の様子を見守ってまいりたいというように考えている次第でございます。
#167
○奥田国務大臣 今ほどお話ございましたように、土地税制全般に関しては、政府税調でこの秋までに論議がまとめられて示されると思っております。
 ただ、それでは自治省の所管しております固定資産税に対する考え方はどうだということになりますと、これはいろいろ御意見もあるわけですけれども、来年見直しの固定資産税というのは、やはりこの税の性格からいいまして、政策税としてみだりにこれは上げたらいいという御意見もありますけれども、なだらかにやっていくべきものであって、これは保有を前提とした、しかもはっきり言いますと、薄く長く、そういった形で固定資産税はなだらかな形で扱うべきものじゃなかろうかというのが、私の基本的な考えでございます。
 それにまた、今地方で地方税として持っております特別保有税に関しましては、これにもいろいろな御批判はあるわけですが、問題点は、遊休地としての指定が明確に区分されなきゃだめだということで、今これは建設省が新しい制度創設の中で、これらに対する定義と申しますか区分を明確化するための制度化を急いでおりますので、これも今年じゅうに成案を得るという段階になっております。
 ただ法人、これは法人を主としての問題でしょうけれども、土地保有税に関しまして、これが国税であるかとか地方税で云々という御論議がありますけれども、法人の、今大蔵大臣からもお話しのとおり、含み益の問題やらあるいは損益算入の恩典とかいろいろな、相続税がないとかというような、法人が土地を買いあさりやすい、こういった形に対しては、当然そういった面を勘案して保有税という形の中で強化されるべきものであろうと思っております。これは結論がどうなるかわかりませんけれども。そういったときの、それがどういう形になるにしろ、国と地方とのそういった税源配分については十分配意されるものと思っております。
#168
○中沢委員 それで、それぞれ今の状況を踏まえてお答えがございました。いずれにしても、やはり税源の配分という問題は非常に重要なテーマであって、消費税に直接連動しないかもしれませんけれども、これからの国としての税制再改革といいましょうか、大きなテーマであるということだけを改めて指摘をして、さて次には、日米構造協議と公共事業につきまして簡単にお尋ねをしたいと思います。
 新聞ではいろいろ報道がされております。総枠が四百兆から四百五十兆あるいは四百二十兆だとか四百三十兆と言われておりますが、さて問題は、国の負担と地方の負担が現状においてどうなっているかということについてもきちっととらえ直しをして、そしてこれはやはり四百兆であろうが四百五十兆であろうが莫大な公共事業になるわけでありますから、そういう観点からまず事実関係をお尋ねをしたいと思います。
 経済企画庁は、平成二年度の見込みでは二十六兆円の公共事業がある、国、地方を含めて。さてそこで地方財政計画では一体どうなっているか、簡単に数字をお示しをいただきたいと思います。
#169
○持永政府委員 経済企画庁の数字は、地方財政計画に上がったもの以外のものも入っておりますし、また一方で、経済企画庁の数字は公的固定資本形成でございますから、土地代なんかが入らないという違いがございますけれども、地方財政計画ベースで国の直轄事業、補助事業、単独事業について申し上げますと、全体で二十三兆余りの事業費でございます。その中で、直轄事業が二兆八千億余り、おおむね一二%、補助事業が八兆二千億余りでございまして、おおむね三六%、地方単独事業が十二兆余りでございまして、約五二%でございます。
 なお、これを国と地方の負担という形で見ますと、全体の二十三兆の中の約十七兆、七三・四%が地方負担で賄うことになっております。
#170
○中沢委員 今、端的な地財計画上の地方と国の負担割合について数字が出てまいりました。これは地方行政委員会の中でも若干議論をした記憶がありますが、いずれにしても、公共事業全体としては国が二六%、地方が七四%の持ち分で今日やっている。
 さてそこで、時間があれば関係大臣からそれぞれお答えをいただきたいのでありますが、もう時間がありませんので、この問題についての総理大臣の見解を聞きたいと思うのです。つまり、現状においても、地方と国の負担割合の数字が今明らかになった。これから四百兆になるか四百五十兆になるかは別にして、いずれにしても膨大な公共事業費になる。その場合の国と地方の今の役割分担、費用分担のパーセンテージでこのまま推移をしていいのかどうか。私は余り深くまだ勉強もしておりませんけれども、やはりこの辺の負担の再検討、枠組みの問題も含めて、そういうことを今度の公共事業の問題に関連をして、大蔵と自治を中心にして、総理もしっかりその中の議論に加わって検討すべき時期ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#171
○奥田国務大臣 十カ年計画の総額、内容についてはまだ的確に承知しておりません。
 総理のお答えの前に、本当に月並みな答弁になりますけれども、この毎年の事業計画の規模を決定するに際しては、国、地方の財政状況を踏まえて当然行われるわけでありますけれども、毎年度の地方負担額については、地方財政計画の策定を通じて、必要な地方財源措置を大蔵と十分相談してまいるつもりでございます。
 なお、国と地方の負担の枠組みを見直す必要があるかどうかということについては、将来にわたることでありますけれども、こういった財政状況を的確に見きわめまして、そして判断をしていきたいと思っております。そういうことで、できるだけ地財計画に支障を来さないような方向で十分相談してやってまいりたいと思っております。
#172
○海部内閣総理大臣 公共事業の地方の負担増の問題につきましては、地方財政に対してその円滑な運営に支障を生ずることのないよう各年度の地方財政計画を適正に策定しておるところでありますが、引き続き、公共投資に必要な経費を含めて、地方財政につきましては、各年度の計画の策定を通じて、私も適切に配慮してまいりたいと考えております。
#173
○中沢委員 さてそこで、最後の質問になるのでありますが、今の公共事業にも密接な関述がありますけれども、国庫補助負担のいわゆる補助率カットあるいは補助率の復元問題につきまして、具体的にお尋ねをしたいと思います。
 経緯については、改めて申し上げません。もう既に六年にわたって地方の補助負担率はずっとカットをされてきている。それで、政府委員にまず具体的な数字をお聞かせをいただきたいのでありますけれども、六年間に及ぶ補助負担率の引き下げによってどういう影響が出ているか、あるいはその影響額に対する地方交付税やあるいは起債その他の充当がどうなっているか、具体的な数字を改めてお示しをいただきたいと思います。
#174
○持永政府委員 六年間全体につきまして、いわゆる普通会計ベースで申し上げますと、この国庫補助負担率の引き下げの影響額が全体で約六兆六千億でございます。その中で、いろいろな方法で、交付税でございますとかあるいは地方税の特例でございますとか、いろいろな形で国の責任で措置をしてまいった分と、いわゆる実質的に地方負担になる分があるわけでございますけれども、全体の六兆六千億の中で、国による措置分がおおむね三兆七千億、約五六%でございまして、残りの約二兆九千億、四四%程度のものが実質的に地方負担になる、こういう数字になっております。
#175
○中沢委員 時間があれば細かい論議もしたいのでありますけれども、今結論的な数字が出てまいりました。やはり六年間にわたる補助率カット、自治体にさまざまな影響が、被害が出ている。交付税措置をしたり建設地方債を発行しているけれども、結果的には約三兆円を実質地方自治体が穴埋めをしなければいけない。これはもう客観的な事実、今お話がございました。
 さてそこで、この間大蔵省あるいは自治省、関係省庁を含めて覚書なるものを何回か交換をしている。そして、平成三年度からはもうもとに戻すのだ、このようにそれぞれ約束もされている。総理も四日の本会議でそういう趣旨の答弁もされている。ただ、私は大蔵大臣を信頼しないということではございませんけれども、新聞論調では、大蔵省は、公共事業の四百兆問題にも関連をして、補助総カットは据え置いて、復元をすることは非常に難しい、こういう報道もごく最近されている。それで過去六年間におきましては、やはり同じようなやりとりがずっと重ねられて現在に来ているわけですね。大蔵省と自治省との間では覚書を交換をして、三年間たったらもとに戻す。結果的に、それがずるずる四回も継続をされて今日に至っている。私は、くどいようですが、大臣を信頼をしないという意味じゃない。新聞報道が既にされて、過去六年間の具体的な事実がどうも地方六団体の信頼を裏切る、こういう結果になっている。これも事実だと思うのですよ。それで、六月の十五日でしょうか、地方六団体が集まりまして、もう平成三年度から完全に復元をしてもらいたいと緊急要請も出されているわけです。
 そこで、この関係につきましては、もう余り時間がありませんが、自治大臣とは地方行政委員会でやりとりをして、大臣は歯切れのいい答弁をされました。平成三年度、完全に復元をするように努力をしたい、大蔵省といろいろあるけれども頑張る。大臣には、きょう初めて質問するのです。大臣はこの間地行委の中では、失礼ですけれども官僚が書いた答弁書を読まれた。あれはよくわかりません、正直言って。総理は本会議で、復元をする、こういう答弁をされている。さてそこで、きょうの税特のこの委員会で、私の最後の質問に簡潔に、どうするか、お答えを明確にお願いをしたいと思います。
#176
○橋本国務大臣 委員が御指摘の覚書というのは、「昭和六十二年度引き下げ分については平成三年度から昭和六十一年度の補助率等の水準に復元するものとする」というものだと思います。この覚書の趣旨をも踏まえて、適切に対処してまいります。
#177
○奥田国務大臣 これは、平成三年度からは暫定措置でございますから、六十一年水準に復元するという形は、大蔵大臣との覚書で約束されておることでございます。しかし、今検討会で各省庁間の検討を行っておる段階でございますのでこれ以上踏み入ることはいたしませんけれども、先般の本会議で総理も、この覚書に基づいて適切に処置をしたいという趣旨の御答弁もございましたし、また、こういった地方財政の現況にかんがみまして、この覚書の実施は当然やっていただかにゃならぬと自治大臣としては思っております。
 むしろ自治大臣としては、逆にもっと切り込んで、五十九年ノーカット時代にまで戻さるべきが筋であるという基本姿勢を持っておるわけであります。しかしながら、地方自治体側にとってみると、やはり事業量の一定量を確保したいというそういった自治体要望も踏まえながら、こういった形の実情を大蔵大臣とお話しし合いたいと思っておる次第でございます。
#178
○海部内閣総理大臣 両大臣が答弁したとおりでございますけれども、暫定期間終了後の取り扱いについては、関係省庁間の検討会等において総合的に検討を行っているところでありますが、この場合、公共事業に係る昭和六十二年度引き下げ分につきましては、平成三年度から昭和六十一年度の補助率等の水準に復元するものとしておるところであります。
#179
○中沢委員 時間が参りました。終わります。
 ありがとうございました。
#180
○山崎委員長 これにて中沢君の質疑は終了いたしました。
 次に、安田修三君。
#181
○安田(修)委員 初めに、たくさん質問が今日まで積み上がってまいりまして、いろいろな角度からこの消費税問題に対しての問題点が出てまいりました。そこで前段に、今まで出なかった問題で二つばかりお尋ねしておきたいと思います。
 一つは、民間の問題は、消費税の取り扱い上、これは免税点、限界控除制度、それから簡易課税制度、これをめぐりまして随分出てまいりました。さて、自治体の場合も、たくさんの会計を持っております。普通地方公共団体で三千二百九十二、その中に水道会計やらあるいはまたその他の特別会計等、さまざまな会計をたくさん有しております。これらももちろん一緒に会計処理は扱われることになっておりまして、ごく特別の場合を除いては全く一緒でございます。そういう点で、この関係は大変複雑多岐にわたっておるわけです。
 例えば市町村の中でも、一般会計とその他の特別会計の間に委託、受託の関係がありますと、そこで早速消費税が同じ役所同士の中でやったり取ったりということになってまいりまして、大変複雑怪奇になってまいります。そういう点で、どちらかといいますと、せっかく地方の行革だ何だといろいろな問題が今日まで進められてまいりましたけれども、コストがかなり多くたっているんじゃなかろうかと思っておりますが、そこらあたりの統計というのはまだ出ていないようであります。あるいはあるのかもしれませんが。
 そこで、私はきょう皆さんにお尋ねしたいのは、この地方公共団体における投資的経費及び国庫支出金についての消費税の影響額でございます。これは予算委員会におきましても地方行政委員会におきましても、一体どの程度の影響額があるのかということに対しまして、ついに資料は出ませんでした。理由は、それは既に溶け込んでしまっている、経費の中に、こういうことでございました。元年度は、皆さんからいわゆる上乗せ額としての算定が出てまいりましたが、一体本当にそれはないということで過ごせるのかどうか、影響額ということについて全然算定されてないのか、この点まずお尋ねしたいと思います。
#182
○藤井(威)政府委員 国の方の問題についてお答え申し上げますと、確かに、消費税実施前に編成されました元年度予算におきましては、消費税実施によります単価上昇見込み額というものを上乗せする形で予算の積算を行いました。したがいまして、その分を集計することによりまして、おっしゃいますように元年度分については、消費税影響額は一般会計で幾らだという計算が比較的容易にできましたので、資料として御提出したわけでございます。
 ただ、二年度予算につきましては、既に消費税は実施中でございまして、いわば消費税額が溶け込んでしまった単価をもとに予算積算を行っておりまして、その中の消費税部分はどうだということになりますと、消費税以外の要因による部分との区分が非常に難しいということで、予算上の消費税に相当する金額というのは我々把握いたしておりません。ぜひこの点御理解をいただきたいと思います。
#183
○安田(修)委員 私、それは確かに消費税がかかるもの、かからないものがあって、そういう点では算定しにくいということは、それは理屈の上では一応言えるのですが、しかし、皆さんの場合は、御都合のいいときには、例えば一般会計の場合に、課税すべき額、課税標準額に対する税額と、それから売上標準額に対する税額、これは同額というみなし規定をなしておったり、いろいろなことでやはり取り扱い上はやっているわけですね。
 例えば、この平成元年度の影響額、先ほど出された確かに歳出で六千三十四億円の影響額、そのうち投資的経費で四千七百八十三億円というものは資料として出されました。そして、ただこの歳入の中に、国庫支出金は一千六十四億円というのが出ておりますが、この中の投資的経費である公共事業費補助負担金等の関係の区分というのは発表されませんでした。
 さてそこで、私は、国において競争入札の場合に、その見積もりは見積もった価格の百三分の百に相当する金額を入札書に記載して、契約はその落札価格の百分の百三の金額にされるように皆さんはなさっているわけです。そのことは、地方公共団体にもそれは従うようにやって指導していただきたいということを、自治省からもまた通達が出たわけですね。そうすれば確実な、一円何十銭というような、あるいはまた正確なものは出ないけれども、消費税の影響額は投資的経費においてはこの程度だというものが出なければ、これはあなた、官庁としての役目はないじゃないですか。どうなんですか、持っておるけれども出さないんじゃないですか。
#184
○藤井(威)政府委員 公共事業の個々の工事の入札に当たりまして、入札の入札書の記載の仕方につきましては、今委員が御指摘なさいましたようなまさにそういう方法で入札をしていただく、その上で百分の三に相当する額を加算した金額で契約を結ぶ、こういうやり方をとることにいたしております。この方法は、もちろんなぜこういう方法をとるかというのは、個々の工事の入札や契約に際して消費税相当額を適切に転嫁していただこうという意図のもとで、実際に公共事業を実施する段階で行っておるわけでございます。
 したがいまして、これは予算の執行段階における個々の工事の契約についてでございまして、予算においてその分を別掲して積算しておるということはございませんので、先ほど申しましたように消費税額部分は溶け込んでしまっておりますので、これを把握することは非常に困難である、予算段階ではそういうことでございます。
#185
○安田(修)委員 だから、予算段階ということになれば、じゃ決算段階は出るということになるでしょう。今執行、出ておるということ。そうすれば、ことしのように補助事業が〇・一%の伸び、単独事業費の伸びは七%、平均三・九%。国庫支出金は減っているのですね、ことしは一五・何%。毎年減ってきておるのです。ちゃんとこれは推定額は出るはずですよ。我々素人だって、これは計算できるのですから。だから、これはやはりこれだけ、公共事業費で約五千億円、元年度で五千億円からの引っ込みが出るのですから、税金として。私は、やはりそういう点は確実に大蔵省は把握すべきである、税を執行する以上は把握すべきである、こう思いますし、これは答弁要りませんけれども、大蔵大臣に要望しておきます。こういう点の資料はやはり私は当然持っておるべきだ、こう思います。
 さて、次は学校給食の関係でお尋ねするのですが、文部省、来ていらっしゃいますでしょうか。
 父兄が給食の材料費を負担することになっているわけですが、これに消費税がかかります。これの処理はいかようになさっておるでしょうか。
#186
○前畑政府委員 お答えいたします。
 学校給食の場合に、食材料費を購入するわけでございますが、それは当然に消費税が溶け込んだ価格で購入をいたしまして、その購入をいたしました価格を保護者から徴収をする、このようにいたしております。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
#187
○安田(修)委員 これは総理も、総理は文教の専門、長く、ベテランでございますので、別に答弁を求めるわけではございませんが、聞いていただきたいわけでありますけれども、御存じのように、学校給食はもう既に六、七年前から一兆円産業と言われてまいりました。最近の六十一年度の文部省の持っていらっしゃる資料からしましても、食材料に係る保護者負担五千百九億円、国の補助七百七十九億円、地方公共団体の負担四千八百七十六億円、一兆円を超える給食を一千四百三十八万六千二名の子供たちが実は食べておるわけでございます。これに幼稚園九十万六千名を加えますと、随分の子供たちがこの一兆円以上の給食にあずかっておる、こういうことになりまして、これは業界からもいろいろ垂涎の的になってまいっておるところでございます。さて、これに消費税がかかるわけでありますが、もちろん国の補助、地方公共団体等の負担についてはこれは不調税ということになりますので、いろいろとこの金額の出し方についての算定の仕方が出ております。
 そこで、まず今回の見直しによりまして、飲食料品等の譲渡は一・五%の軽減税率、それから小売段階は非課税ということで先般来議論されておるわけでありますが、この仕入れ先が、製造、卸売、小売、いろいろなところから実は学校給食が行われているわけです。さて、一体どの程度の軽減という算定になっておるのかお聞かせいただきたいと思います。これは大蔵省の方でしょうね。
#188
○尾崎政府委員 学校が当事者として提供しております学校給食費につきましては、これは飲食料品の譲渡ではなく、給食というサービスでございますので、従来どおり三%の税率が適用されるということになります。契約の実態によりましていろいろあるようでございますけれども、典型的なものを申し上げますとそういうことになるわけでございます。したがいまして、こういう典型的なケースにつきましては、保護者が支払う給食代そのものの負担には基本的に変化が生じないということになるわけでございます。
 給食の原材料の仕入れの方でございますけれども、その負担軽減の程度につきましては、仕入れ先が多岐にわたるといたしますと厳密な数字を申し上げることは難しいわけでございますけれども、小売販売場以外からの仕入れにつきましては一・五%ということになりますから確実に税率が半分となりますし、小売販売場からの仕入れにつきましては恐らく一・五%強の負担軽減効果が見込まれるのではないかと考えられます。
#189
○安田(修)委員 これはちょっと私、異なことを聞きます。初めに変化がないという話なんですが、そんなばかなことはないです。これは自治省の指導課からの通達の中に既に、一般会計の場合には同額ということがありますからね。仕入れ控除とそれから売り上げ、そのことについてちゃんとそういう通達が出ておるわけですから。そこで、特別会計の場合には、これは当然納税義務が出てくる。ただ、それがどのような実態にあるかというのを皆さん把握してないのでしょう、会計別に。例えばどこの市町村はどういう給食実態で、どういう会計を持っているかというところはないはずなんです。ありますか。ないはずです。
 だから私、限られた時間でありますから申し上げますと、例えばこれはかなり規模の大きい中都市ですけれども、こういう円高で物価が安定しておりました。したがいまして、六十三年度の場合には給食費が一斉に下がっておりました。厳密に言いますと、一%から〇・七%程度下がっておりました。元年度の給食を見ますと、実は四%、これは小学校一、二年生で一食当たり三・七%、三、四年生で三・六%、五、六年生で三・七%、中学校の生徒で四%、幼稚園が四%、給食で一食当たりの単価はみんな上がってきたんです。これは明らかに消費税の影響じゃないですか。物価が上がっていないのに、これはもうそれこそ、経済企画庁、大蔵省、皆さん専門の方がいらっしゃる。おたくは自治省か大蔵省ですか。これは明らかに消費税の影響じゃないですか。質的改善というのはないはずです。文部省はそういう通達をしてないはずです。したがって、お金も出ておりますが、こういう実態なんですね。
 だから私は、給食代に税金がかかることがいいかどうかということは、これは政策上極めて重大な問題なんですが、それは学校給食法によって、給食というのは教育の一環として義務教育語学校の目的を達成するためにやるということが書いてあるんだ。教科書と一緒なんですね。それに税金がかかっているんですよね。その掌握がなかなかなされていない。今軽減問題が出ましたが、極めてこれは大ざっぱな話でありまして、私はこういう一兆円産業、産業というのはおかしいが、とにかく世上そう言われている。そうした大きな金の流れているこの給食の中において、これは教育の重要な問題でありますから、正確に把握してしかるべきものではないだろうか。
 そして一般会計の場合には、これは当然市町村、設置者が給食の施設を持って給食をやるわけですから、材料費だけ子供たちにもらうわけですから、その場合に、税金等が含まれていた場合に、その金は市町村の一般会計に消えてしまう。これほどの場合でも一緒です。しかし、そのことは父兄が負担するのだから、例えば手数料その他に転嫁されて、それが一般会計に入ってきて消えるのと一緒の理屈だからいいじゃないかということになるけれども、子供の食べる物を持ってきたものが一般会計に同化されるというのは、これは感情論としてはいただけない。それこそ総理が国民感情、国民の感性からしてと常々この間の論戦からおっしゃっている、その感情論からしてもこれはいただけない。そういう点で、私はどうもこれは肌に落ちない。
 特別会計の場合は一体どうなるか。特別会計はどうなりますか。
#190
○尾崎政府委員 特別会計におきまして学校給食費が売り上げに立っておりますれば、それは課税でございます。
#191
○安田(修)委員 委託の場合ほどうなりますか。委託は、御存じのように行革審の答申によりて盛んに勧められて委託も進んでおります。どうなりますか。
#192
○尾崎政府委員 委託の例も見られるようでございますけれども、そのようなケースは業者の売り上げになります。業者の売り上げとして課税をされます。
#193
○安田(修)委員 そこで、この場合は業者の売り上げとして課税になるのは委託費に対してであって、その場合はこれはその市町村、設置者が負担するわけですから子供には影響ないと思うのですが、子供の材料費そのものはやはり影響を受けるわけでしょう。これは答弁いただかなくても、はっきりしているわけですから。
 いずれにしましても、御存じのようにこういう子供の給食費について実は消費税がかかる、その処理についてはさまざまな形が行われる。中には、小規模のところでは、子供が持ってきた消費税がそのまま材料費でまた循環して口に入っていくということにもなるケースがあるのでございましょうが、建前論からすれば、これは地方公共団体の会計の中に消えていく、こういうことになるわけであって、そのこと自身はなかなか感情的に腑に落ち得ない。こういう大きい矛盾を含んでおるということが学校現場に起きておるということをぜひとも大蔵大臣も御承知おきいただきたい、こう思います。大蔵大臣、この点何かお考えありますか。大蔵大臣は手を振っていらっしゃるから、これ以上お聞きいたしません。
 さて、見直しによる飲食料品等に対する小売段階非課税は、実は飲食料品等小売販売場で行う飲食料品等という、何か法律用語で言うと難しいことが書いてあります。飲食料品等であると書いてあります。この飲食料品等小売販売場は、その適用を受ける旨を税務署長に届け出た者ということになっております。
 さて、消費者から見まして、これは卸売か小売かわからないお店がたくさんあります。また、卸売の店が小売を行っておるところもあります。その区分、見分けというのはどうするのでございましょうか。
#194
○尾崎政府委員 飲食料品の小売販売場の区分でございますけれども、これは委員御承知のように、主として消費者に対して販売が行われるものを言っているわけでございますけれども、その主として消費者に対して行われるというのは、基準期間の販売場における飲食料品等の販売高に占める消費者に対する販売高の割合が五〇%を超えるものということにする予定でございます。
 それでは、そのようなお店が消費者に識別できるかということでございますけれども、私ども、事業者の自主的な届け出制ということをとっておりまして、これは通常、消費者がお買いになる店は多分届け出をなされると思います。しかし、かなり大きなお店などで卸売部門と小売部門があるというようなケースも考えられますので、そのような場合、場所が区分されているような場合には、小売部門を飲食料品等の小売販売場とするように考えておりまして、消費者が購入する飲食料品などはできる限り非課税にするように弾力的に考えてまいりたいと思っております。
#195
○安田(修)委員 そこで、課税期間の売上割合ということでしょう。そうしますと、これは小売、卸というのは決算が済まないと出てこない。そうすると、それはどうなるのですか。決算が終わって卸売、小売、売上割合が五〇%を超えて出てくる。卸売だ、こうなった場合、そうしますと次の課税期間は、前年度のもので小売とか卸売ということを一応は決めていくのでしょうか。
#196
○尾崎政府委員 消費税の仕組みのもとでは、いろいろそのような判断を、基準年度というのを設けまして、その基準年度において行うわけでございますが、二年前の事業年度で判断するということにいたしております。ただし、新しい制度でございますから、この二年の間に新しく小売部門を設けたりお店を設けたりすることがあろうかと思いますので、そのような場合には、どのような目的でその新しい施設ができたのかというようなことを判断の基準に加えていく必要があるのかなというように考えております。
#197
○安田(修)委員 お店で、卸売座さんが小売を掲げたときは、小売であるという区分を、売場という区分をしなきゃならぬという小面倒なことのようでございますが、これはフロア別その他いろいろなところの区別でもいいということですね。
 さて、消費税の還付額、これが三月末で一兆一千八百八十六億円の税収に対しまして還付額が六千六百八十四億円だ、こういうことでございます。三月決算期の税金がこれから入るからということでございますが、短期間の間でも還付すればこれだけの大きい、六千六百八十四億円のお金が消費者の中から集められて、国に入って国からまた還付という、還流していくという、非常に大きなむだではないだろうかと私は思いますし、それからまた額としては非常に大きいような感じがいたしますが、どうでしょうか。
#198
○尾崎政府委員 数字は委員御指摘のとおりでございまして、三日末で見まして還付額が六千六百八十四億円ということになっております。
 この還付の発生いたしますのは、輸出免税、輸出業者の場合でございますとか、あるいは設備投資などを新たに行って仕入れ税額控除の額が非常に大きいという場合、それから制度新設のしばらくの間は経過措置などの関係もございまして、そのための還付という事業者が存在するわけでございますけれども、これまた委員御承知のとおり、今の制度では還付になるような方は、三カ月ごとの課税期間を選択することができるようになっております。したがいまして、還付の額は前倒しに出てきているわけでございますけれども、御承知のように五月末の税収分、これがかなり大きな割合を占めることになっておりまして、特に導入の最初の年度でございますから、その後ろ倒しの率が非常に高くなっております。したがいまして、還付の方は先に出てきて、そして税収の方は後ろ倒しということで、御指摘のようにちょっと奇妙な感じを受けられるかもしれませんけれども、私ども、予算といたしまして消費税の税収三兆六千百八十億というように見込んでいるところでございますので、それとのバランスでお考えいただきますれば、不思議な数字ではないと考えます。
#199
○安田(修)委員 それに加えて、これは先般も議論が出ておりましたが限界控除制、免税点の上にまた限界控除制が上乗せになっている。この限界控除制による減収額が大体課税標準糊二兆円から推定すると約六百億円。これは実施状況のフォローアップ小委員会の中間報告の中にも出ておりますが、納税の簡素化ということよりも、これはこの間局長の答弁の中にもありましたね、結局納税事務のコストに対する補てんという意味だという。これはこの間も議論がありましたが、直接税の場合と違って間接税でありますから、消費者から受け取った税金がコストの補てんに消えるという言い方自身が、これはもう大変な話ではないだろうかと私は思うのですね。だから当然、それは国が別の観点で補助をやっておるなら、補助金というのはあってしかるべきだ。しかし、今こういうぐあいに消費税問題で、免税点から次六千万円までの間の傾斜的な控除制度の中に、それが事務のコストの補てんという、まことにこれはよからぬ考えじゃないだろうかと思いますし、こういうことによって消えている、これ自身もう既に税体系の中になじみ得ないものでなかろうかと思いますが、どうですか。
#200
○尾崎政府委員 間接税の理屈を推し進めていきますと、委員がただいま述べられましたような疑問が出てくるというのは、私もよく理解ができます。
 ただ、これまたよく御承知のとおり、実は売上税のときには事業者免税点制度も簡易課税もあったのでございますが、限界控除制度というのはなかったわけでございます。そのときにいろいろとこの点に対しまして疑問がございまして、免税業者であるかどうかというその判断は、先ほど申しましたように基準期間、二年前の売上高でやるわけでございますけれども、その基準期間の売上高が免税点を超えていますと、当該年度、課税年度につきましては事業者免税点を下回っていても免税事業者にならないじゃないかというようなこと、それがおかしいのじゃないかという声がかなりございまして、このような点は限界控除のような制度を入れますと解決される問題なのでございます。
 間接税の理屈としては、確かにややそぐわない点があるわけでございますが、そういうような点、それから負担の急変というような点に着目をいたしまして、よその国でも行われている制度でございます。この制度発祥の国と言われますフランスにおきましてもとられている制度でございますので、先ほど申しました売上説の当時の声、それからやはりその負担の激変の緩和というような点に着目をいたしまして、この制度を取り入れている次第でございます。
#201
○安田(修)委員 そこで、物品税のことをちょっとお聞きいたしますが、物品税そのものは、税収の点からしますと、ずっと国税収入構成の中では安定した収入を上げておったわけですね。大体三・九%程度、ずっと歴年最近は続いておったわけです。そういう点では税収としての非常に安定性があった。むしろ間接税の構成比で減ったのは酒税ですね。それから揮発油税が低落傾向があって、傾向どころか完全に低落してきて、直間比率を広げてきたということが出てまいっております。
 さて、物品税について、こういうところが悪いじゃないかといういろいろな議論があります。確かに万全の税金ではないでしょうが、ただそういう点では、今まで物品税そのものは所得階層別間接税の負担率においても非常にかつては累進的でありました。今は、最近の直近の負担率では大体横ばいになっておりますが、しかし以前は非常に累進的であったという点ではすぐれておった。
 さてそこで、免税点、課税最低限、これも物品税に、午前中も何かいろいろな議論がありました、高い安いという議論がありましたが、非常に広範囲に免税点が入っております。そういう点で、例えばハンドバッグの場合でも非常に大きい免税点が入っています。真珠の場合にも入っておりますし、化粧クリームの場合にも入っておりますし、かなり広範囲な配慮をされておる。ただ、課税品目が非常に少なかった。そういう点では課税範囲というのをもっと広げる必要があったんじゃないか。しかし、これはなかなか皆さん方の中にいろんな業界、いろんなしからみがあってでき得なかった。そういう点で、この物品税そのものを実は放棄せざるを得ないことになったんではなかろうか、私はこう思います。
 そういう点で、例えばその他の間接税関係で、地方税の場合にも電気税、あるいは電気税の場合には免税関係が非常に大きな作用をなしておりましたし、それからガス税の場合も一万二千円の免税で実に九三・四%の人たちが免税該当しておったとか、あるいは飲食、旅館等、この料飲消費税の場合にも免税の力というのは、低所得者層に対する垂直的な公平さというものを保ってきた非常に大きな原因ではないかと私は思います。
 そういう点で、まず、従来安定したこうしたものを放棄せざるを得なかった、そういう点では皆さん方の政策上の行き詰まりから放棄せざるを得なくなったんじゃなかろうか。例えば課税範囲を広げたいけれども、なかなか皆さんが業界のしがらみ等によってでき得なかった。そういう点が結局行き詰まったから、こういう消費税への転換にせざるを得なかったんじゃないかと思いますが、どうですか。
#202
○尾崎政府委員 税収の安定性という点から申しますと、それは消費税のような課税ベースの広い間接税の方がはるかに安定的な税収であるということが言えようかと思います。個別間接税の中で、物品税が比較的安定をしていたということは言えるかもしれませんけれども、課税ベースの広い間接税に比べたら、やはり不安定なものだろうと思います。
 そして、そのような個別間接税をどんどん広げていけばいいではないかということでございますが、世の中の価値観あるいは消費のパターンが多様化したという中で、そのように個別物品をみんなが納得するような状況のもとで拾い出すことが難しくなってきたというところがそもそも問題の発端であるわけでございまして、だれもが納得するような拾い出し方ができれば、そういう時代であれば個別間接税はその存在理由があったわけでございますし、多くの国で行われ、日本でも長い期間行われてきたわけでございます。そういう時代じゃなくなったというところに問題意識があったわけでございます。そこで、消費というものをストレートにとらえて、この物あの物ではなくて、そこに負担を見て課税をしていくという制度に改める、それが世界の今の間接税のやり方であるわけでございます。
 免税点にお触れでございますが、免税点は確かにそれなりの意味を持っているとは思いますけれども、それがしかし今度は取引の中立性という点から考えますと、非常にゆがみをもたらすものであったこともこれまた事実でございまして、免税点ぎりぎりのものというのが出てくる。そういうことで、いろいろ物の製造をなさっていた方々からは御批判が実は多かった点でございまして、このような、現在のような消費の状況のもとでは、免税点必ずしもメリットだけではないということも申し添えさせていただきたいと存じます。
#203
○安田(修)委員 そこで、私、総理にお尋ねするわけでありますが、いろいろな議論は出尽くしてしまったわけであります。
 そこで、私は先ほど地方自治体の会計問題、学校給食、幾つか申し上げましたが、あるいは限界控除、還付金の還流問題を言いましたが、議論を深めるという時間的なこともできません。税負担の配分が逆進的になりやすいかどうかということも議論になりました。我々は、逆進的じゃないか。これを否定することはできないということは、橋本大蔵大臣もおっしゃっているとおり。また、納税者に納税手続の面で大きな事務負担をおっかぶせてくるという、これもだれしも認めるところ。皆さん方はそのために見直しをしたんだ、こういうことになるんでしょうが、ただ、本来消費税というのは、納税者の税負担感が所得税よりも小さいという特徴を持っていたはずだけれども、ところが事実上はそのような感じは一つも出てこない。このため徴税当局からすれば、これは納税者の抵抗が少なくて大きな税収を上げられるということだったのでしょうが、しかし抵抗も大きい。そういう点でこれは大変大きな欠陥を持っておるんじゃないかということを、だれしもこれは認めざるを得ないんじゃないか。
 そういうことの前提に立って我々は廃止と言っておりますが、本来は見直しということになるんではなかろうかと思いますが、総理はそれは欠陥ではないとこの間からおっしゃっている。欠陥でなければそれは不備なのか。各国の税制の長所、短所というのは、これはそれぞれ見ながら我々もいろいろな提案もしておりますし、しかしアメリカ流に言えば、なれ親しんだ税を発展させていくということも今日大切なんではないだろうか。次の世代の税制を描き出すためにも、今のように亀裂を深めていくということではなかなかこれは大変なことになるんじゃなかろうか。税調が答申の中で、国民の声に十分耳を傾け、きめ細かな見直しを行うことが適当である、こう考えてはおるけれども、耳は傾けていただいても、いやそれは欠陥でない、不備ではない、見直すだけだ、こういうことをおっしゃっておる。
 私は、もしここで、これはこれからまだ、私たちは廃止法案、おたくたちもこの政府提案が出ておるのですから、どういう結末になるかというのは最後までわかりませんが、見直し案が通らなかった場合に、行政権の最高責任者として、本年度の政治の重要な課題であるこの議案を成立させ得ないということは、これはその責任上非常に私は重大な感想をお持ちになるだろうと思うのです。そういう点で私は総理に、そういう場合どういうような受けとめ方をされるものか、お聞きしたいと思います。
#204
○海部内閣総理大臣 消費税を出しましたということは、あの当時としてこれがよかった、いいことだと思って提出をしたわけでありますから、率直に申し上げて。ところが、四月から始まるいろいろな途中経緯がありました。野党の皆さんからの御意見もいろいろ出ました。また、私も対話集会へ行って直接国民の皆さんの御意見を聞いてみても、いろいろな御議論がある。各種世論調査を見ても、項目別のいろいろなテーマを見ましても、大体国民の皆さんが言われます批判といいますか希望といいますか、そういったものも大体固まってきておるような感じを受けました。
 そこで、幾らいいと政府だけで思っても、やはり世論には従った方が民主政治としては一歩前進である、こう謙虚に考えまして、思い切って国民の皆さんの指摘された問題や声を全部検討の対象といたしまして、いろいろ項目を挙げて、一々御承知でしょうから御説明しませんけれども、あのような見直し案をつくって提案をしてお願いしておるところでありますから、どうか、政治はベストをもちろん求めていかなきゃならぬでしょうけれども、しかし一歩前進二歩改革という言葉もございます。何とか世論に従って見直し案を出してお願いしておるのでありますから、十分御議論をいただいて成立させていただきたいというのが率直な本音でございます。よろしくお願いいたします。
#205
○安田(修)委員 これは議員同士の提案問題でこういうやりとりするならそれでいいのですが、ここは議会ですから、総理という立場は、行政権の責任者です。我々は、国権の最高機関である審議機関の立場、そういう立場です。総理も議員としておっしゃっておったときは、これは別ですよ。だが今は、行政権の長として私はお伺いしておるのですよ。最大の課題であるこれが通らなかったら、内閣の総理大臣として出しているものが通らなかったら、その場合にその責任上どういう御感想をお持ちかということを聞いておるのです。一言。
#206
○海部内閣総理大臣 政府の出しました案を国会において各党各会派の皆様方が御議論をいただきまして、その結果には政府は謙虚に従わなければいけないと思いますけれども、願わくは、これは御議論の上お認めをいただきたいという強い気持ちをただいま持っております。
#207
○安田(修)委員 それ以上言っても押し問答でございましょうから聞きませんが、私は、その言葉の中に総理は極めて痛切に責任を感じておられるんじゃなかろうかと思います。というのは、あえてそれを今言葉を繰り返されるということ自体が私は不自然だと思います。
 そこで、私は、消費税ということがいかに国民の間に政治上の亀裂を起こしているか、これは深く受けとめていただきたいし、そのためには国会での論議を十分受けとめて、そして謙虚に、あと時間がございませんから、廃止へとひとつぜひ思い直していただきたいと私は要望しておきます。
 さて、国土庁長官お見えでございますから、最後に一問質問いたします。
 きのうの報道によれば、「国土庁は十九日、地価の値上がり分など土地保有によって生ずる利益にかける新税の骨格を固めた。」と伝えられております。新鋭を大蔵省への税制改正要望に盛り込んだということで、その構想だけがあります。ただ、私が聞きたいのは、建設省も実は出しておるのでございます。皆さんの場合は国税として、しかもその中には、大都市圏の企業による地方移転を支援する経費という問題、法人税減税なんか含まれております。建設省のヒアリングの中身の税制要望とはまたニュアンスが違ったわけですね。そういう点で、これは要望ですから、だからどうということはありませんが、目的税にするのかどうか。例えばいろんな生活基盤その他挙げておられます。その性格についてひとつお聞きしておきたいと思います。
#208
○藤原(良)政府委員 私どもも土地政策の観点から土地税制についていろいろ検討を進めさせていただいておりますが、その際、個人と法人との税負担の均衡を確保する、そういう観点から、法人保有土地に対して一定の負担を求める新税の創設についてはいろいろ検討させていただいております。また、この新税の創設により得られる税収の使途につきましても検討すべきだと考えておりますが、ただ具体的には、これから税制改正要望に向けて相当期間がございますので、その中で詰めさせていただきたいと考えております。そういう意味で、まだ成案を得るに至っていないわけであります。また、私どもの検討と合わせて、税制調査会でもいろいろ御審議いただいておりますので、そちらの方はもそういう方向での御審議もしていただけるものと期待しておるところであります。
#209
○安田(修)委員 終わります。
#210
○関谷委員長代理 これにて安田君の質疑は終了いたしました。
 次に、戸田菊雄君。
#211
○戸田委員 最初に委員長にお願いがありますが、私の質問要旨、その二項ですね、「四兆五千二百二十五億円」、これは五兆三千二百億、「(初年度)」は平成二年、「過ち」は過小見積もり、このように御訂正願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#212
○関谷委員長代理 はい。
#213
○戸田委員 それから、自治大臣、前の同僚議員が地方財政問題について触れられましたから割愛をしますので、どうぞお休みになってください。
 最初に、所得上昇、生活水準の平準化等々を中心にいたしまして、総理と大蔵大臣、経企庁長官等に質問をしてまいりたいと思います。
 政府のこの税革法、趣旨でもって「産業構造及び就業構造の変化、所得の水準の上昇及び平準化、消費の多様化及び消費におけるサービスの比重の増加、経済取引の国際化等」うたわれておるわけでありますが、さらに今回の政府の見直し案によって、高齢化社会あるいは社会保障あるいは社会福祉、これを重点に使っていくというような趣旨の見直しをやっているわけでありまするが、ずっと精査をしてみますると、どうしても所得水準の上昇及び平準化、これを中心にして消費税税制の構築ということになっているんじゃないだろうかと思うのですが、その辺の見解を、大蔵大臣どうでしょう。
#214
○橋本国務大臣 もし質問の趣意を取り違えておりましたならお許しをいただきたいと思うのでありますけれども、現行制度の原点となりましたシャウプ勧告当時からの長期的な流れを考えてみますと、昭和三十年代、四十年代における経済の高度成長というものを背景として所得水準が急速に上昇する中において、所得格差が縮小する一方、社会保障制度は飛躍的な充実を遂げて社会生活の均質化が進んできたことは、委員が御承知のとおりであります。こうした中で消費の分野におきましては、消費態様の多様化や大衆化が進みました。
 こうした状況を示すものとして、例えば一人当たりの国民所得と申しますものは、昭和三十年度約八万円から昭和六十三年度には約二百四十万円、三十倍になっておりますけれども、この間の消費者物価は大体五倍であります。また、収入五分位階級における低分位階級と高分位階級の収入の格差、これは昭和二十六年の五・八倍から昭和六十三年の二・九倍に長期的に縮小してまいりました。また、国民生活白書等におきましても、耐久消費財の保有が容易となって、所得階級別の格差が縮小しているといった点が指摘をされているわけでございます。なお五十年代には、石油危機を経て経済成長が鈍化する間において所得格差がわずかに拡大する傾向がございましたけれども、最近はまた景気拡大に伴う雇用情勢の改善というものを反映して、所得格差拡大という傾向は出ておらないわけでございます。
 こうした中で、私どもとして、国民から昭和五十年代の後半特に強くなってまいりました税制改正は対する御要望というものを真剣に受けとめ、ここ数年間にわたって、本院においても真剣な御論議をいただいた一連の税制改革に取り組んできた次第であります。
#215
○戸田委員 一つは円高。確かに電気料金など、こういったものは若干引き下げになりました。しかし、その差益還元が国民生活に取り入れられているかというと、必ずしもそういっておりません。確かにこの円高は経済全体にメリットを与えておることは、あるいはまた所得にメリットを与えることは間違いないのですが、しかし具体的に国民生活に取り入れられてない、こういう嫌いがあると思うのです。西ドイツ等は、この点は国境調整を非常にうまくやりまして、そして確実に国民の生活に還元されるようにやっておられる。しかし、日本ではまさにまれなるかな、全然そういうことがない。
 それからもう一つは、各般の勤労者の賃金の統計、それぞれ調べてみました。国家公務員等の全職員の給与、平成元年二十八万八千七百五十八円、これが平均給与月額、対前年比でもって二・七%の上昇であります。平均年齢が四十歳。経験年数、これが十九・一年です。こういった状況ですね。それから地方公務員、これも平成元年でありまするが、平均給料月額、これは二十六万六千五百三十円、対前年比でもって三・一%の上昇です。平均年齢が三十九・四歳。これが今の実態ですね。国家公務員の年収が三百四十六万五千九十六円、地方公務員は三百十九万八千三百六十円。そしてなおかつ中小企業になりまするとずっと下がりまして、平成元年は賃上げの分だけ申し上げますると九千六十一円、四・七一%、こういう状況ですね。等々がありますが、最終的に課税見積もり、これでもって見ますると、納税人員が四千百八十二万人おりまするが、給与総額百九十二兆三千八十億円、一人当たり四百六十万円見当ですね。前年度は四百三十八万円。
 ですから、これを計算して、仮に四十年生涯賃金、そうしますと一億八千四百万、これしか入らないのですね。そのうちから公課負担その他を考えますと、四〇%を超しますから、そうしますと半額ですね。だから結局、家、土地、持てないという状況、そしてまたウサギ小屋とやゆをされるようなそういう国民生活の実感だろうと思うのですね。こういうところに、これから税収その他は後でやりまするが、これが国民の今の実感じゃないかと思うのですね。この実感を一体どう見ておりましょうか、大蔵大臣。
#216
○相沢国務大臣 円高差益の還元につきましては、これは卸売物価の面ではかなり端的にあらわれておりますけれども、これが一般の国民に関係の深い消費者物価という面になりますと必ずしもはっきりしない面もありますが、しかし、例えば電気・ガス料金の値下げあるいは国際航空運賃の方向別格差の縮小、小麦の政府売り渡し価格の引き下げ等々におきましては、かなり顕著にそれがあらわれております。例えば六十一年以降四回の料金引き下げによりまして、電気は大手九社で合計一九%、それからガスにつきましては大手三社で三七%の値下げということになっておるのでございます。
 マクロ的に見ましても、為替の円高が進むにつれまして消費者物価の上昇も非常に縮減されてきております。例えば昭和五十七年から五十九年にかけまして、為替レートは二百四十円台でありますが、このころで対前年度二・二%の上昇であります。六十年が一・九。ところが六十一年に参りますと、為替は百五十九円八十三銭、このときは消費者物価の上昇率はゼロでございました。それから六十二年は、レートが百三十八円三十三銭、このときは消費者物価の値上がりが〇・五%。六十三年が百二十八円二十七銭で、このときが〇・八%ということになっておりますので、大体計算上は、為替のレートが一〇%円高に振れた場合には卸売物価で大体一%、消費者物価の場合には、これは把握のしようでありますけれども、〇・四ないし〇・五%ぐらい物価水準を引き下げるという効果が一応マクロ的な計算からは出てくることになります。
 そういうことでありますので、個々の物資に伴いまして諸般の情勢で必ずしも十分に反映されてない面もありますけれども、マクロ的に見ましても、円高が日本の家計に直接関係ある、消費者物価の面ではかなりの影響を持っていることは、このような数字からも察知されるわけであります。
 平成元年が二・九%の消費者物価の上昇率になりましたが、これは、六十三年の百二十八円二十七銭というレートが百四十二円八十二銭ということで一割以上円安になりましたことのほかに、消費税の導入の影響が、これは推計でありますけれども約一・二%ございました。そういうことでありますので、円高に伴う消費者物価の値下がり効果というものは私は相当顕著に認めることができる、このように思っております。
#217
○戸田委員 しかし、ほかに例えば生活保護対象者、これは百十七万人おりますね。それから年金生活者、こういった方は厚生年金で九百二十七万九千人、共済年金で、これは六十二年度ですが百九十四万五千人、国民年金で千六十九万三千人、合わせまして六十三年で千九百九十七万二千人、このくらいになっているのですね。大体二百万以下ですよ、平均。殊に農家の収入などは、農水省の家計調査でもって毎年やっておりますけれども、昨年の統計でいきますと農業所得というものは平均百万以下ですよ。あとは農外収入。こういう状況ですから、国民の生活実感というのは経済大国にふさわしい、そういうものにはいってない。こういう状況をどう見ますか。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
#218
○橋本国務大臣 しかし、今委員そう仰せられますけれども、生活保護基準にいたしましても扶助基準にいたしましても、また各種の年金にいたしましても、消費税導入時点において政府が見込みました影響、一・二%を上回る引き上げを行っておることも御承知のとおりであります。また、今、農外収入と分けて農家収入を述べられましたけれども、収入としては農業収入と農外収入とを合わせてその御家庭の収入はできているわけでありますから、その中における、特に二種兼業農家における農外収入のみをとらえて、その水準を他と対比して論ずるには、私はちょっと納得のいかない点がございます。
#219
○戸田委員 押し問答になりますからこの辺でやめますが、しかしいずれにしても、消費税導入の土台を所得の上昇ないし生活の平準化、こういったものに置いて誘導、導入したということは、国民の理解は私は非常に乏しいと思いますね。こういう点について再検討をお願いをいたしたいと思います。
 次に、今訂正をいたしましたように平成二年度五兆三千二百億、これは非常に私は過小見積もりじゃないか、このように考えますが、これは企画庁長官、経済見通しはどうでしょう。今後五年ぐらいないし長期十年どういうふうにGNP、変わっていきましょう。
#220
○相沢国務大臣 今後十年間の経済の見通しにつきまして、これは企画庁として公的な見解というものはまだつくっておりませんが、ちょうど今から三年ほど前に「二十一世紀への基本戦略」という、これは当庁の計画局長の私的諮問機関でございますが、それのレポートがありますけれども、このレポートによりますと、昭和六十三年を起点といたしまして、おおむね二〇〇〇年までの間における経済成長を大体実質四%ということに見ているのであります。ただ、この見積もりでは、この十数年間のむしろ前半よりも後半の方が経済成長率が高まるというふうに見ております。実績を見ますと、既に御案内のように、昭和六十三年は実質経済成長が五・三%、それから平成元年は数日前に発表されましたように実質五%、平成二年が四%ということでありますので、むしろこれから先の方がそれほど高い経済成長になるかどうか。いろいろな要因が考えられますので、その点についての確信を持てる状態ではないと思いますけれども、しかし今までのところ、トリプル安というような経済に対するいわば阻害要因というものがありましたけれども、大体順調な経済成長を続けているところを見ますと、まずまず実質四%程度の経済成長は見込んでいいのではないか、むしろその程度ぐらいを一つの目標に置いて経済の政策を考えていく方がいいのではないか、このように思っております。
#221
○戸田委員 時間もありませんから、一々答弁を求めないで私が持っている資料で進めていきたいと思うので、御了解いただきたい。
 今、企画庁長官が言いましたけれども、税収見積もり、この中で大蔵省が言っておられるのは、昭和六十三年度三百七十二兆五千億、それから平成元年度三百九十六兆五千億、平成二年度四百十七兆二千億、前年比でもって平成元年度六・四%上昇、平成二年度五・二%、こういうことでずっと伸びていきますと、中曽根内閣のときの国土庁、いわゆる多極分散型四全総作成、そのときに、一定の長期見通しでもって十五年後には一千兆円になる、それはこう言っているのですね。そのことによって総合交通政策というものを樹立をする、あるいは都市形成というものをやっていく、こういうことになっている、一千兆ですから。実際この程度ずつ伸びていっているわけですからね。そうすれば課税ベースが大きくなりますから、当然自然増収は今の五兆何がしよりもずっとふえていきますね。これはそのように理解するのですよね。どうですか。
#222
○尾崎政府委員 委員は今GNPの名目値でお話しになられたと思いますけれども、消費税の場合、一般的に言いまして、名目の消費額の伸び率と比例して大体伸びていくのではないかというように考えられております。したがいまして、御承知のとおり設備投資のようなものと違いまして、消費は大変安定的に伸びていきますので、そこから上がります消費税も安定的な税収になるというように考えられております。
#223
○戸田委員 GNPが伸びる、消費も伸びる、そういうことになれば自然に税収部面ではさらにふえていく、これは当然のことですね。そういうことになっていきますと、やはり私は、現下の消費税というものは今後増大をしていく、こういうことが一つ考えられます。
 それからもう一つは、これは大蔵省の試算でございますけれども、この税収の見積もり、これに対して税収課税ベース、これを百八十一兆円、こう見込んでおりますね。一九八八年、六十三年度、民間消費支出二百十一・五兆円、民間住宅投資二十兆円、政府支出六十・二兆円、計二百九十一兆七千億円、こういうことになっていると思うのです、消費ベースでいきまして。私は、所得ベースでもいけると思うのです。あるいは企業統計、これでもいけると思うのですが、一応大蔵省はそれに土台を置いて課税ベースを決めたようです。これをいろいろと試算をしてみますと、例えば非課税分一五%、これが脱落、課税ベースが二百四十八兆円、こうなった。あるいは二〇%脱落、課税ベース二百三十三兆円等々になりますると、大体七兆円ないし八兆円になりますね。そういう角度からいくと、平成二年度のいうところの五兆三千二百億、これは若干過小見積もりじゃないかと理解するのですが、どうでしょう。
#224
○尾崎政府委員 消費税は新たに導入した税でございますので、平成元年度、その課税実績というものが何もなかったわけでございます。そこで、私ども、法人企業統計などの利用可能な資料を用いまして付加価値額を算出いたしまして、それをもとにマクロ的に推計をして税収をはじいてきているわけでございます。確かに今委員御指摘のように、GNPを背景といたしまして、国民経済計算ベースでそれをマクロでチェックしていくというやり方も使ったわけでございますけれども、基本的には積み上げでやってみたわけでございます。
 そこで、そのように積み上げましたものが、元年度の消費税収、間もなく六月末に明らかになるわけでございますけれども、過大というよりか、実は予算額に届かないことを私ども心配いたしておりまして、平成二年度につきましてもそれと同じやり方で計算をしておりますものですから、この課税実績を見てまいりますと、平成二年度についてもうまくいってくれればいいなというような気持ちを持っているというのが現状でございます。
 で、委員の御指摘になりました国民経済計算から追っていくという場合でございますが、実はただ単に国民経済計算の数字を使うというわけにはまいりませんで、例えば民間住宅投資、これは仕入れ控除の対象となります貸し家分も含んでおりますので、その分は外さなくてはいけないとか、それから政府の消費支出を恐らくお使いになっておられると思うのでございますが、しかし、それは例えば政府の消費支出として購入されているものの中に人件費がございますから、そういうのは消費税の対象でないということで外していかなくてはいけません。そういう調整が恐らく抜きにされているので課税ベースが大きく出ているのではないかなというように思います。
#225
○戸田委員 いずれにしても、増加をしていくことは間違いないわけです。
 そこで、問題はやはり使い道ですね。今回の消費税導入に当たって、財政論が欠落しているのですね。説明にはわずかに一行ぐらいしかない、財政論は。だから、時間がありませんから急いで先に参りますが、そういうところから見ますと、例えば税収の使途、こういうことについて税制改革についてのフォローアップ小委の中間報告でこう言っているのですね。今度の政府の見直し法案では、第一条第二項を追加して、社会保障、福祉、これに重点的に使用する。こういうことに対して、消費税税収の約四割は地方公共団体の一般財源として配分される。それから、現在の国の福祉関係経費の規模は消費税収、国の分を相当上回っており、既存の目的税に見られるような直接的な対応関係は見出しがたいこと、福祉が税収によって逆に制約を受けるのではないかという福祉関係団体の懸念がある等々であるから、この目的税的な考え、そういうものは財政上非常に危険な方向にいくんじゃないだろうかということを言われているのです。大蔵大臣は予算委員会のときだったと思うのですが、当初はこの消費税を社会保障、福祉等に目的税的に使うことは反対だというお話を承ったような気がするのですが、そういうことになっていきますね。
 それからもう一つは、時間がありませんからこちらの意見を言いますが、結局今後の財政その他を見ますると、そういった今の高齢化社会、社会保障、それからODA、経済開発協力、それから防衛費増加、赤字国債等々内需拡大、こういうものを見ますると、例えばODA関係ですが、これはずっと資料をいただきましたが、六十三年で一兆一千七百五億円ですね、支出純額。それからODAの一般会計予算、これが平成二年でもって大体八千百七十五億円、それからODA事業予算が一兆四千四百九十四億円、こういうふうになっております。それから医療費の増ですね。それから、時間がありませんからすべて読み上げられませんが、例えば防衛費関係でも、これを平成二年度と元年度とを比較をいたしまして、大体GNP比〇・九九六、それから一般歳出に対する比率一一・七%、一般会計に対する比率が六・二八%、伸び率六・一%ですね。このようにずっと伸びていくんですね。そういうことになったら、これはどうでしょう、必ず税率三%では間に合わないんじゃないでしょうかね。見解はいかがでしょう。
#226
○橋本国務大臣 まず第一に誤解のないように繰り返させていただきたいと思うのでありますが、私は消費税を目的税とするということを御答弁を申し上げたことはございません。(戸田委員「ないですね」と呼ぶ)ございません。そして、むしろ私自身が随分いろいろな方々の御意見をじかに伺ってみました。そして福祉関係の代表の方々には、特に私は意見を伺いました。そしてそのときに出ましたのは、目的税化される結果として、その中に自分たちの仕事が押し込められてしまうのではないかという不安を持たれている方が大変多かったこと、同時に、逆にこれから先増大する福祉をその目的税で全部補っていくとするならば、とめどもなく広がるのではないかという不安、その双方がございました。
 さらに技術的な問題としては、今委員が御指摘のように、地方財源として使用される部分が消費税にはございます。その同じ消費税の中で国分のみを目的税化することは困難であるということ、同時に、地方財源として地方がお使いになる分については一般財源として使わないと、それぞれの自治体の大小によって無理が生ずるというようなこと、そうしたことをも踏まえて目的税化をするということは、私は一度も申し上げておりません。むしろそういう御説明を申し上げた記憶はございます。
 また、今委員は赤字国債と言われましたが、我我はようやく赤字公債依存体質からこの平成二年度において脱却をしたわけでありまして、むしろこれからその特例公債をいかにして早期に償還していくかという課題を我々は抱えるわけであります。もとより今委員が御指摘になりましたように、今年度予算の中におきましても社会保障関係諸費というものは十一兆六千億でありまして、消費税を第一義的にこれに財源として私どもは充当いたしておりますけれども、他の一般財源からもちろんここに継ぎ足していかなければなりません。そして、その消費税がとめどもなく上がるのではないかというような誤解を避けるためにも目的税化を避けたということは、御理解をいただきたいと思います。
#227
○戸田委員 総理、三%という税率は海部内閣が続いている限りは上げません、今までこういう御答弁。しかし、今のような財政事情でいくなら、いつかはこれは上げざるを得ないのじゃないでしょうか。五%ないし七%、一〇%、EC付加価値税はほとんどそういうことでいったんですね。そういういろいろな諸外国の歴史的検証を考えると、日本だけそのようにいきましょうか。見解はいかがですか。
#228
○橋本国務大臣 総理という御指示でありましたけれども、総理から逆に私が指示をされましたので、私からお答えをさせていただきたいと思います。
 今我が国の高齢化が非常な勢いで進展しております状況の中において、将来において国民負担が増高するであろうということは確かに言われております。そして、我が国自身にとりまして最大の税率を引き上げないための歯どめというものは、適度な内需中心の経済成長を保っていくことによって国民生活をインフレによる危険から守ることでありましょう。しかし、高齢化が進めば進むにつれ、やはり社会保障負担等はふえていくわけでありますから、将来それだけ国民に御負担を願う部分がふえていくことは事実であります。しかしそのとき、その時代において国民がその場合の財源として、例えば社会保険料そのものをお選びになるのか租税をお選びになるのか、そして仮に租税を選ばれるとした場合に、税目を何に求められるかは、その時代時代における国民の選択にかかるものであると私は思っております。
 海部総理のもとにおいて、私どもは消費税の税率を動かす意思はございません。
#229
○戸田委員 時間が迫ってまいりましたから、一括四点質問をいたしまして終わりたいと思いますが、一つは具体的な問題で話をします。
 JRの運賃ですが、これは百二十円までは免税です。転嫁しません。いわゆる百二十三円六十銭ということになりますが、これはそういう自動販売機がないのですよ。だからこれは転嫁しない。二百円、これは二百六円になるんです。これを二百十円とする。五百円、五百十五円、これが五百二十円になる。そうしますと三%じゃないんですね。五%、四%、こういう率になるんですね。だから、一つは租税法定主義からいって税金はすべて法律条項でしょう、これがそういう運用があっていいのかどうかということが一つ。もう一つは、こういうことで事業者が弾力的に運用できるんですね。やはり私は法律の欠陥ではないかと思うんですね。こういうのが一つございます。そしてまた、それが物価便乗値上げ、これを招来するんじゃないだろうかという心配があります。
 それからもう一つは、例えばパン屋さんが、卸屋が八十円のパンを小売に持っていきます。マージンを二〇%やる。そうすると十六円のマージンです。しかし、卸の方はここから税金を三%取らなければいけませんから、そうすると十六円から八十円の三%、二円四十銭、切り上げて三円、これを税金として消費税分取りますよ。そうすると、マージンが十三円に減っていく。小売商の方は転嫁できない。こういう状況が各業界ともいっぱいある。殊に三千万以下の免税業者の中では、転嫁できないところが数多くありますよ。転嫁できない。だから、薄利多売方式でそれだけ努力しなければ自分の商売が成り立っていかないわけです。消費税にはそういう制度的欠陥が実際流通段階であるということですよ。これに対してどういうふうに考えておられるか。
 それからもう一つは、これは時間が来ましたから簡単に。公取のどなたか来ていますね。今回の消費税設置でもって、諸外国の場合は二重取り、そういった二重課税その他を防ぐために独禁法をむしろ強化している。日本の場合は緩和しているでしょう。いわば共同カルテル、そういう談合方式を認める。その場合には中小企業以下の人が三分の二を占める。そして大手企業、これは三分の一入る。こういうことですから、結果的にはカルテル行為の主導権はやはり大手に行ってしまうんですよ。それは各業界の下請、孫請その他ずっといっぱいありますよ。だから、そういったことで価格決定その他やるにしても、これは結局そういうところに行ってしまう。だから、中小企業は非常に難しい、そういう結果になると思うんですね。そういうものをなぜ緩和したんだろうか。
 それからもう一つは、大売り出し。例えば仙台ですと正月の大売り出し、青葉祭の大売り出し、こうありますよ。業者の皆さん方は、売上金額に応じて景品をやりますよ。公取委ではこれを枠づけしているんですね、価格何ぼまでは何ぼの価格の景品しかだめですよと。これは市場に任せたらいいじゃないですかね。この二つ。
 それからもう一つは、現在免税業者は、これは大蔵省でこの間発表されましたからそのとおりなんですが、三千万円以下が四百十四万五千人おります。総体の六八・二%。限界控除六千万以下、簡易課税制度、ちょっと時間がないから簡易課税制度にします。五百八十七万、全体の九六・七%しかし、売り上げは三千万以下は総体の二・九%しか販売していない。五億円以下のいわば大手と目されるそういったものが八一・四%。だから、売上額が少ないですよ。それから、大手はやはり多いんです。そうしますと取った税金は、今回みたいに二カ月延長しますと、結果的に八カ月納めずにいていいんでしょう。そういうことになったら、その納めないでいる税金をただで眠らせていないですよ。それは投資に向けるとかあるいは預金をして利ざや稼ぎをやるとか、そういう欠陥がある。それをやっていますよ、現在各企業その他で。だから、これも私は制度の欠陥じゃないだろうか。
 だから、こういった問題についてやはり十分な見直しその他をやっていかなければいけないと思いますが、そういうふうに幾つか、時間がありませんから指摘できませんが、多くの問題点を擁している。だから、国民の皆さんが消費税はやめてくれということなんですね。だから、そういうものに率直に私は民意を聞いて、そしてニュージーランドじゃないけれども、ニュージーランドはアメリカの核搭載戦艦、この寄港のときに、寄港を許容するかどうかということで国民投票でやった。だから、これはどうでしょう、総理、大蔵大臣。やはり国論が二分化されている、国権の最高機関でなかなかまとまらない、だからこの際に決着をつけるということであれば、そういう一つの手法で、民意がやはり税金の大前提ですから、こういうものに一回御理解を示していただくことが一番大局的な解決方式ではないだろうか、私はこのように考えますが、いかがでしょうか。
#230
○橋本国務大臣 幾つかの点の御指摘がありましたが、まず第一に、国民投票は我が国の憲法上こうした問題についてはつくられておらないと思いまして、憲法を守れとおっしゃる党として非常に珍しい御見解をいただいた、率直にそう感じております。
 また、JRを例にとられて交通機関における転嫁の問題を御提起いただきました。これは確かに、従前の価格に一律に消費税分を上乗せいたしますと計算上の端数が生じます。これを対象となる商品、サービスの値づけの単位、取引慣行、上乗せ前の価格からの上昇の度合いなどを考慮して、切り上げたり切り捨てたり四捨五入をしたりして合理的な範囲で処理をして、大体三%の範囲内に調整して実施しておりますことは御承知のとおりでありまして、これは私どもは便乗値上げとは考えておりません。
 また、先ほどパン屋さんの例を引かれましたが、具体的に私はそうした事例を存じませんけれども、私どもが他省庁の御協力を得て承知をいたしております限りにおいては、それぞれの段階において、全体としてはおおむね円滑な転嫁が図られたと考えております。しかし、商品の価格そのものは、これは本来自由な競争でありますから、委員が言われましたように、薄利多売をもって対応される方もそれは当然おられるであろうと思います。
 しかし、そこでもし例えば価格の決定に際して買いたたきでありますとか、あるいは優越的な地位の利用によって下位の者に押しつけるような行為があるとするならば、これは下請法でありますとか独禁法によってそれぞれの所管官庁が、行政機関が適切に対応されるべきもの、私はそのように考えております。
#231
○海部内閣総理大臣 大蔵大臣が詳しく申し上げましたけれども、OECD加盟国でも、名前とか形態は幾らかずつ違っておりますが、みんな間接税というものの必要性、そして消費税的なものにおいて税収を確保してきょうまでやってきたという経緯がございます。また、庫出税と地方のサービス税だけに頼ってきたカナダでも、やはり消費税のようなスタイルがいいということで、今度それを提案して、こういったものに踏み切っていこうと、世界の趨勢の中でこの制度は是認され、歩みを続けております。
 ただ、それぞれいろいろ違うところがあるというのは、世論を聞きながら、いろいろそれぞれの国が自分の国にふさわしいものをつくって定着させようと努力をしておるのではないでしょうか。私ども、できるだけ世論に耳を傾けながら定着がしていただけることを期待して、いろいろお願いをしておるところでございます。
#232
○戸田委員 ありがとうございました。
#233
○山崎委員長 これにて戸田菊雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、日笠勝之君。
#234
○日笠委員 与野党がお互いに切り結んでの当委員会でございますが、私もわずか四十五分でございますが、最後まで消費税廃止に向けて総理並びに大蔵大臣に論戦を挑む決意でございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 総理、先ほど、この法案につきましては、いわゆる見直し案につきましては、どうぞ成立させていただきたくお願いしたい、こうおっしゃいましたけれども、何としてもこの見直し案は通していただきたい、こういうお気持ちは今も同じでございますか。
#235
○海部内閣総理大臣 でき得る限り努力をして、お願いをして通していただきたい、今もそう思っております。
#236
○日笠委員 すると総理、この見直し案の中で修正をすべき箇所、した方がいいなというところはあるのでしょうか。
#237
○海部内閣総理大臣 私どもとしては、先日来申し上げておりましたように、いろいろな御指摘や御不満に耳を傾けて、現段階ででき得る限りのぎりぎりの接点を求めて見直し案を提出させていただいております。いろいろと具体的に、さらにこうしたらどうかとかここがどうとかいう御指摘があれば、謙虚に耳を傾けさせていただきます。
#238
○日笠委員 あと三時間後にはもう討論、採決というペーパーも回ってきました。
 私は、この見直し案の中で、非課税範囲の見直しでございますが、在宅サービスの提供であるとか助産、出産に係る資産の譲渡、埋葬・火葬の役務の提供、それから身体障害者用品の譲渡、これは非課税。これは七月一日から適用するとなっているのですね。きょう六月の二十一日でございますね。あと十日しかないのです。残りの入学金だとか施設設備だとか一定の教科用図書、いわゆる家賃、これは十月一日から適用ですね。これは通ったとしても周知徹底期間があってできるかと思いますが、七月一日から施行する先ほど申し上げました数項目ですね、これはできるのでしょうか。これは修正しなくてはいけないのではないでしょうか。どうでしょうか。
#239
○橋本国務大臣 通過、成立をさせていただきましたら、全力を挙げて実施に間に合わせます。
#240
○日笠委員 それは大臣、通過、成立をさせていただけたら七月一日から全力を挙げてやるといいましても、消費税を導入したときに、もうわずか三、四カ月しかないことで大混乱をしました。これは在宅サービスとか助産というのは、その都度消費税を払うわけですから、後で還付というわけにいかないでしょう。それはおっしゃっている決意はわかりますけれども、私はここで委員長に申し上げたいのですけれども、今もって私が聞いている範囲では、この七月一日から適用するということに対しての修正の申し出が、与党からも政府からも全然ないと聞いております。
 こういうことをするのは、まさに参議院に失礼じゃないでしょうか。あした本会議で通して送る。参議院に大変私は失礼だと思いますし、この法案をきょう通しますと、まさに委員会の見識を疑われる。ひいては衆議院の見識を疑われる。先ほどもありましたけれども、どうせ通らないものだ、だからいいんだ、これでは何のための議会政治でありましょうか。私は七月一日修正を、この七月一日から適用するを修正することを、政府なり与党の方からこの委員会へ当然あってしかるべきだと思いますが、委員長どうでしょうか。
#241
○山崎委員長 修正の件につきましては、今まで理事会において一度の発言も各党からございません。内閣提出でございますから、内閣の方から御答弁をお願いいたします。――日笠委員に申し上げます。
 ただいまの御発言の内容につきましては、委員会を続けながら各党理事間において協議を続けさせていただきます。
 質問を続行してください。
#242
○日笠委員 私が申し上げたいのは、国民の最大関心事であったこの消費税の見直し、思い切って見直しをされる、約束をされて出してこられた。しかし、日がたって、どう見てもできない法案を、そっくりこれを衆議院で通すというこの見識ですよ、国権の最高機関として。できないものを通すなんということは、これはもうあり得ぬことでございますね。そういう意味で私は申し上げたわけでございますから、断続的に理事会等を通して、ぜひ御検討をいただきたい。あしたの衆議院本会議でこれがそっくり通ることは、恐らくほかの税特以外のメンバーは納得しないと私は思いますね。できもしない法案を参議院へほうり込む、これは参議院に対してもまことに不見識で、失礼じゃございませんでしょうか。そういうことで委員長、よろしくお取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
 続いて、この廃止、見直し、新聞報道等によりますと、もうこれは決着がついておるようでございまして、聞くところによりますと与野党協議機関を設置しよう、こういうお話もだんだんと耳に聞こえてくるわけでございます。
 総理、仮定の話でございますけれども、しかし、きょうもちょっと雲が垂れ込めまして、東京タワーも新宿の高層ビルもちょっとかすんで見えませんですね。これがこのまま両法案が廃案になった場合、一体消費税はどうなるんだろうか、まさにきょうの天気が象徴していると思いますね。そういうことで少し総理に、この与野党協議機関に対してどういうことを御希望されるのか、御希望です、期待をされるか。これは行政府でございますから、いろいろと言われることが、立法府の、国権の最高機関である国会でそれをそのとおりにやっていかなければいけないことはないわけでございますので、この与野党協議機関が仮定の話でございますが設置された場合は、その協議機関にどういうことを期待し、希望されておられるか、お聞きしたいと思います。
#243
○海部内閣総理大臣 先ほど来私は、大前提として見直し案をぜひ御議論の上、成立させていただきたいということをこの場で申し上げてまいりましたが、今、日笠委員から大変な仮定を置いての御質問でありますので、もしそうなったらどうするか、それは国会でお決めになったことでありますから、院の皆さん方の御意思によってその両方の結果が出たと仮に仮定いたしますと、それらのことをどうするかということは、各党間において十分にお話し合いをいただきたいというのが私の率直な願いでございますし、そのことに関しては、政府としては異論を述べるつもりはございません。
#244
○日笠委員 次に、平成二年度の当初予算、この消費税の見直しをするという仮定で予算が組まれておりますね。これが両法案が廃案になって、今の状態でいきますと、まあ残念ながらことしいっぱいもう無理なのかなあ、ひょっとすると来年の三月まで現行消費税が存続するのかなあという心配もあるわけですが、もし来年の三月いっぱいまで現行消費税が続いたとすれば、いかほどのこれは増収になりますか。
#245
○尾崎政府委員 一般会計、特会を通じまして、消費税全体としまして八百七十五億の減収があるというように今度の見直しの影響を見ておりますから、その分が戻るということでございます。
#246
○日笠委員 そうすると、このまま現行消費税が来年三月三十一日まで続くとすると、八百七十五億円の増収になるわけですね。私は、これは見直しをする、廃止をするということで、いわゆる逆進性の緩和等々を考えてお互いにやろうとしたけれども相打ちになったということになりますれば、これはやはりその八百七十五億を一般財源で何に使ってもいいというのじゃなくて、ひょっとすれば来年一月一日から再見直しというようなことでできるかもしれませんけれども、しかし増収になるであろうものは、これは一般会計で何でも使うというのじゃなくて、例えば逆進性の緩和のために、生活保護者であるとか母子家庭、身体障害者の方々のいわゆる社会的立場の弱い方々への何らか給付をアップするとか、それからまた、今政府が一生懸命進めておられます「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の中の、例えばマンパワーの確保が一番難しいと言われておりますホームヘルパーです。現在、平成二年度に三万五千九百五人にするわけでございますが、平成十一年には十万人にしよう、こういうことで、御承知のとおり全国百一カ所の介護福祉士の養成施設もございまして、五千人ぐらいの方が今一生懸命勉強されておられますが、これは何らの補助金もないわけですね。例えばそういうところに基金をつくって、その果実で補助をしていくとか、またほかにもショートステイ、デイサービス、こういうものを前倒しにしていくとか、こういうものにもぜひ使っていかなければならないのではないか。もちろん、それ以外にも減税ということもあるでしょう。特別減税、戻し減税、こういうこともかつてありました。
 ぜひこのことを私は、大臣、増収になるであろう分は、これは一般会計で何に使ったかわからないのじゃなくて、そういうところへ使う、こういう御提案を申し上げたいのですが、いかがでございましょうか。
#247
○橋本国務大臣 まず第一に、平成二年度予算歳出案を既に御決定をいただいて、現在動き出しております。委員からさまざまな御指摘がありましたが、私どもはあくまでも、何としても見直し案が通過、成立をすることによって、委員から御指摘になるような形での増収は生じないような状態をつくることに御協力をいただきたいと本当に願っております。
 ただ、あえて申し上げるならば、例えば今委員は減税という言葉を使われましたけれども、今の時点の我が国の経済情勢の中で、果たしてその時期かどうかというならば、非常に国民消費支出も堅調でありますし、むしろ私どもとしては、これから先、物価というものを眺め、インフレというものを恐れなければならない事態で、消費支出をこれ以上刺激する危険性は冒せないと思っております。
 また、使ってしまわないようにと言われましたけれども、予算はこれはもうきちっと決められている歳出でありますから、今仮に委員から御指摘になりましたような結果で増収が生じるという場合には、これは決算できちんと処理をするということになろうと思います。しかし、そういう事態を来さないで済むように、御協力を心からお願いを申し上げます。
#248
○日笠委員 増収になる、大蔵省のこの歳入見積もりは非常に正確でございますから、なると私は思いますので、ぜひそういう提案も参考にしていただきたいと思うわけでございます。
 それから、総理、今回の見直し案の中には、いわゆる社会保障とか社会福祉のために、またその他国民福祉のために優先的に使用するという項目を入れようとされておるわけでございますね。消費税を導入した理由にも、いわゆる高齢化社会の安定的財源確保のためとも言われております。しかし、これは私、この委員会と大蔵委員会で橋本大臣に二回ほど御質問申し上げたのですが、高齢化社会の問題はひとえに子供の出生率のことにも関連をしてくるわけなんですね。
 そこで、出産力調査なんかによりますと、いわゆる理想の子供は三人欲しいんです。しかし、住宅が狭い、教育費がかかる、また休暇がない、こういうようないろいろな阻害要因というのがありまして、予定は二人ですという方が非常に多いわけですね。そこで、この出生率の改善といいましょうか、これは今後の日本の国力ということを考えても大きな問題でございます。
 聞くところによりますと、厚生省が中心になって、そういういろいろな阻害要因をどうするか検討しようじゃないか、こういうふうなことが新聞に出ておりましたけれども、私は、例えば住宅一つとりましても建設省でございますし、教育の問題は文部省でございますし、また児童手当となればこれは厚生省でありましょう。育児休業法がどうのこうのとなりますと労働省、そういうふうに各省庁にまたがるわけでございますから、ぜひひとつこれは総理直属といいましょうか、また、それに近い何らかの検討機関をやはり設けるべきではないか、厚生省さんだけでは手に余るのではないか、かように御主張をずっと申し上げてきておるわけでございますが、きょうはせっかく総理にもお出ましを願っておるわけでございますので、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#249
○海部内閣総理大臣 ただいま御指摘の出生率低下の問題は、たしか私の記憶に誤りがなければ、昨年が百二十四万人、一昨年が百三十一万人ということで、どうも将来思いやられるという、そんな感じがいたします。そこで、若い人々が子供を育てていこうという、そういった意欲を持ってもらえるような、そんな環境整備を考えなければならないという点は、全く御指摘のとおりだと思います。
 そうして、長い目盛りで見ますと、出生率が少なくなることと、それから御高齢でお元気な方が多くなるということの社会の構造的な人口変化、こういったものの中でも大きな問題でありましょうし、また、社会の活力という面から見ても必要だと思います。
 例えば、今、戦後の歴史の中でも、出生率が一たん低下して、またそれが上昇機運に転じつつあるヨーロッパの国々の実態等を眺めてみましても、例えば児童手当をその都度ふやしていくとか、あるいはスウェーデンであったと思いますが、入学前の子を持つ母親は八時間働かなくても六時間で帰ってよろしい、その二時間は親子の時間として、お金じゃない心の社会保障として出すんだというような、いろいろな施策を私どもも見たり聞いたり訪ねたりしたときに、心を大きく動かされたこともございます。
 私はこれは、出生率低下の問題は極めて大きな問題であると考えておりますので、担当の各省ともよく話をいたしまして、どのような対応、どのような対策ができるのか、これは真剣に考えてみたい、こう思っております。
#250
○日笠委員 では、見直し案の具体的内容を何点かお聞きします。
 私どもがこの見直し案の具体的内容に入ると、マスコミの方は見直し案の土俵にのったとよく言われるのですが、一番最初に申し上げましたが、私どもはあくまでも廃止を目指して最後まで頑張るわけでございますから、誤解のないようにお願いをしておきたいと思います。
 そこで、総理、消費税は定着している、こうよく言われますね。地方公共団体は、先ほど自治大臣からもございましたけれども、大体七割、八割でございますね。いわゆる地方公共団体が消費税を転嫁をしているというのは、七割から八割が非常に多うございます。
 そこで私、大変意地悪な質問をするのでございますが、総理の愛知三区の中の一宮市以下七市でございますか、一宮市、津島市、犬山市、江南市、尾西市、稲沢市、岩倉市ですね、ここの消費税転嫁の状況をちょっと調べていただきました。すると、総理の地元は、一般会計は七市のうち二市が転嫁をしておりません。公営住宅は七市のうち六市が転嫁をしておりません。上水道は六市やっておりますが、二市が転嫁をしておりません。下水道は二市しかやっておりませんが、二市とも転嫁をしております。御地元の選挙区でも地方公共団体は転嫁をなかなかし切れてないという現実がございます。やはりそれでも消費税は定着をしておる、このようにお考えでしょうか。
#251
○海部内閣総理大臣 地元の都市のことでございますが、最近ちょっと聞いておりませんので、よく事情を調べて、なぜそういうことになっておるのか、どうしておるのか、よく調査させていただきます。
#252
○日笠委員 だから、大変失礼な質問とお断りを申したわけでございます。
 それから、当委員会で、野党の私たちも、また与党の方々も、やはりこの消費税の中の一番大きな問題は簡易課税、限界控除、免税点制度ではないか、このようにずっと言われておるわけでございます。ある新聞を見ますと、もうそんなことばかり言っておる、壊れたレコードみたいだというような新聞の記事も出ておりましたけれども、ということは、まさにこれが問題なんですね。ここに大きな問題があるという証左でもあるわけでございます。
 六月十六日の当委員会に公聴会がありまして、自民党推薦の二人の方もこの三点セットは改善すべきであるとも言われております。また、消費税を導入する前から識者の方のいろいろなお話を聞くと、やはりこの三点セットは大きな問題がある、このように言われておるわけでございます。さらに、サラリーマン新党の方々が消費税は違憲であるということで東京地方裁判所に提訴されましたですね。それの判決が下ったわけでございます。それをちょっと読みますと、「その運用いかんによっては、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないしピンハネが生じる可能性もなくはない。この点において、消費税負担者である消費者側から見れば、消費税分につき、自己の負担すべき額の決定が恣意的に行われるように見える余地はある」、こういうように、敗訴だったわけでございますが、判決文に出ております。
 このようなことを考えまして、また最近の新聞では、益税という新しい言葉もだんだんと普及しておるようでございます。総理、どうなんでしまう。この三点セットについての御所見をお聞きしたいと思います。
#253
○橋本国務大臣 たびたび本委員会で繰り返されてまいりました問答をまた蒸し返すようで申しわけありませんけれども、私どもは、国会における修正というものを踏まえ、一年間の実施の状況を点検、把握をした上でその方向についての考え方を述べるということを申し上げ続けてまいりました。
 ただ、私ちょっと、例えば限界控除の問題につきましても、例えば売上税の際、事業者免税点制度について、免税事業者かどうかというのは基準期間の売り上げを基礎として判断されるから、その基準期間の売上高が事業者免税点を超えていれば、課税期間の売り上げが事業者免税点を下回っても免税業者となれない、全額納税することになるのは酷じゃないかというような御意見があったことを御想起願いたいと思うのであります。そうした声を、批判を踏まえて、一定の範囲の中小零細事業者に対して、納税額や申告などに要する事務負担の面で、免税業者とのバランスに配慮しながら設けた制度です。これも今再検討すべきであるという御指摘を受けているわけでありまして、私どもは、簡易課税制度、免税点ともどもに、その一年間の実績を分析し終わった段階で改めて考え方を申し述べさせていただきたいと思っております。
#254
○日笠委員 いみじくも今、例として限界控除制度のお話をされましたけれども、私はこの委員会で財団法人大蔵財務協会の本を引用しましたね。この中に、「限界控除でさらに有利な消費税」、それから、もう消費税ができる前から、限界控除は有利なんですよ、「二重適用で大きく節税」と、こう出ているのです、現実に。これはこの前申し上げましたね。それから、先ほども安田委員の方からございましたけれども、実施状況フォローアップ小委員会中間報告でも、「限界控除制度については、制度の簡素化というよりは、実質的には零細事業者等の納税事務コストの補填という性格のものと思われる」と、こうあるわけです。
 これは、先ほど尾崎局長は諸外国にもあるとおっしゃいましたけれども、前回の質問のときにお聞きしたら、フランス、日本だけですね。そうでしたね。ということは、諸外国にもあると言われたが、フランスだけなんですね、四十数カ国の中で。特異な制度ではないのかな。
 ということは、この消費税を導入するときに業者の皆様に、言葉は悪いですが、あめ玉をしゃぶらす、だから、あなた方は益税ができるんだから、こういう本があるわけです。大幅に節税できるんだから黙っていなさいよ、そういうふうなための制度であった。また、それが悪用されておるといいましょうか、そういうふうにとられても仕方がない、こういうように思いますので、私は、今後はこの限界控除制度というのは、何らかの形で勇断を持って処置をしていかなければならない、このように思うのですが、大臣、それでよろしいでしょうか。
#255
○橋本国務大臣 ですから、繰り返しになりますけれども、私どもは、一年間その実績を正確に把握をしました上で、それを分析し、今後の考え方をお示ししたいと繰り返し申し上げております。何もほっておくとも申しておりませんし、こうするとも申しておりません。
#256
○日笠委員 みなし仕入れ率についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 この委員会でもみなし仕入れ率については相当論戦がございました。しかし、どうしてもそのフレームが見えてこないのですね。巷間、新聞等では、どうも卸の九〇%、小売の八〇%、それにサービス産業の七〇%、三段階ではないか、こういうふうなことも言われておるわけでございます。しかし、これは私は西ドイツの方にも調査団で行って勉強してきましたけれども、相当細かくこれは細分化しておるようでございます。私は、やはり益税であるというようなことで御批判を受けることにもなりかねませんし、反対に、小売は八〇%の仕入れ率だとおっしゃるけれども、実際はもっともっと厳しいのですよ、この過当競争の中でもう利益は微々たるものです、簡易課税制度の恩恵なんかないんです、こう言う業者もいるわけです。業者間、業種間におけるいろいろな不公平というものがあるわけでございます。
 もしこれを将来残すというのであれば、西ドイツ並みにはいかなくても、相当細かく、業種別なり何らかの方法を使って細かく分けていくという方向がこれはあるべき姿ではないのかな、かように私は思いますが、どちらでも結構です。
#257
○尾崎政府委員 委員が御指摘になりましたように、中小事業者の中には必ずしも得をしているということのない方もおられるわけです。もともと全事業の平均値をとったわけですから、その平均値から外れている方に今いろいろ言われているような問題が起きているということでございます。その実態というのは、よくお調べになってお書きになっておられるのでしょうが、一部の新聞がお書きになったことをもとに検討するというわけにもいきませんから、全体を今調べているところでございます。
 それに基づいて検討させていただきますが、その際に一つの検討の方法として、委員御指摘のように、現在二つのみなし仕入れ率を設けておりますが、それをもっと数多く、きめ細かくいくというのも一つの方法だと思います。そういうようなこともございますので、政令委任というようなことも行ったわけでございます。
 しかし、そのデータの結果によっては、むしろそういうようなことをしないで、五億円を下げるということだってあり得るわけでございます。いろいろな選択が出てくる、いろいろなお考えがありましょうが、その判断をするもととなるデータが現在ないわけです。ですから、それは腰だめでやるわけにいきませんので、そのようなデータが全部出てまいりましたところで慎重に検討していただけるものと存じております。
#258
○日笠委員 こういうことですと議論が進まないのですね。解析をこれからして、そのデータが出てからと言われると、議論というのは進まないのですけれども、そういう意味で私は要望をしておきたいと思います。もう少し細かくやった方がいいんではないかということを御要望しておきたいと思います。
 経企庁長官、済みません、物価問題でちょっと御質問をしたいと思います。
 実は、実施状況フォローアップ小委員会の中間報告の中に「消費税の見直しに当たっての留意点」ということで五項目出ております。その五番目に、要は物価が上がるというのは消費税だけではない、内外価格差等もあるんではないかという意味のことが書かれておるわけですね。土地の問題もあるでしょうし、内外価格差の問題もありましょう。そういうものが記入をされております。
 物価と消費税というのは非常にリンクをしております。そういうことで、物価は八九年は当初見通し二%が二・九%になった。本年度の見通しは今のところ一・六%。しかし、何かタクシーも上がる、大学の入学金や高校の授業料も上がった、ケチャップからマーガリンから建設資材、生産資材もどんどん上がっている、値上げラッシュと今言われておりますけれども、こういう中にあって、本当にこの一・六%におさまるんだろうか、もう少しふえるんじゃないか。ふえれば、これは可処分所得は目減りをしていくわけです。
 そういうことで私はお聞きしたいのは、何とか物価に歯どめをかけるような、こういうことをぜひ再検討していくときが来たんではないか。総理今いらっしゃいませんけれども、総理もよく言われますね、生産者とかまた企業優先から消費者、生活者優先の政治に変えていかなければならない。そういう意味では、消費者を守る、生活者を守る、物価の問題が一番でございます。
 いろいろ調べてみますと、たくさんこの物価問題を検討する機関というのはあるのですね。物価安定政策会議、消費者保護会議、物価対策閣僚協議会、物価問題に関する関係閣僚会議、経済対策閣僚会議、政府・与党内外価格差対策推進本部、国民生活審議会、国民生活安定審議会、各省庁の物価担当者間会議、十ぐらいございます。しかし、私寡聞にして、これらのいろいろな審議会なり機関が機動的に作動して物価が下がった、抑制されたというのを聞かないんですね。
 そこで経企庁長官、たくさん、十もありますけれども、どうなんでしょう。もう何ならスクラップ・アンド・ビルドで統合したり再編成して、何らかの対応ができるような、実質的にそういうものができるような委員会とか機関とか、こういうものをつくった方がいいんじゃないでしょうか。
 総理、総理も消費者保護会議の会長でいらっしゃるのですね、年に一遍だけだそうでございますけれども。実際に作動してない。例えば物価対策のアクションプログラムを策定し、それにのっとって監視したり勧告するような権限もある程度付与してもいいのではないか。スクラップ・アンド・ビルドで新たな委員会、機関、こういうものを設置をする、というふうに私は思うのですが。――では長官お願いします。
#259
○相沢国務大臣 今、委員御指摘のように、物価関係のいろいろな機関といたしましては各種のものがございます。しかし、これはそれぞれの経緯もあり、また、多少目的も、主たる目的の違う会合、機関もございますので、一概に同じようなものがたくさんあるということではないと思います。
 ただ問題は、私も、そういうような機関でいろいろなことを調査審議をする、研究をする、答申をいただくということで終わるのではなくて、むしろ、例えば内外価格差対策推進本部におきましても五十二項目という各般の対象につきましていろいろな施策が述べられておりますけれども、それをいかにして実際上具現していくかということにあろうかと思うのであります。
 そういう点におきまして、企画庁の置かれている立場としては、いわゆるその実施機関というものは関係各省ということになりますので、それらの各省と連絡調整をとりつつこれを進めるということでありますので、なかなかそういう対策を決めたらすぐ実施に移るということにならぬかもしれませんけれども、しかしやはりそういうものの積み上げは決して効果がないということではないというふうに私は感じておるのであります。
 ただ、おっしゃいますように、今ある機関についてもう一度検討をしてその統廃合等を考えたらどうかという点につきましては、ひとつ委員の御意見も踏まえましてなお検討を進めてまいりたい、このように思っております。
#260
○日笠委員 最後に、土地問題を時間のある限りやってみたいと思います。
 昭和六十三年六月二十八日間議決定されました税制改革要綱の中にも、「所得・消費・資産等の間で均衡がとれた安定的な税体系を構築する観点」ということが出ております。平成二年度のこのバランスを見ますと、所得が六七・五%、消費が二三・八%、資産が八・七%という課税状況でございます。
 総理、この所得、消費、資産のバランスはどういうのが理想的なのか、どういうバランスが望ましいのか、もし御意見ございましたらお願いします。
#261
○橋本国務大臣 仮にこれまでの税制を放置していたとした場合、私は勤労所得への負担の偏りというものは今まで以上に進んでおったと思いますし、不公平感、重税感というものは、既に覆いがたかった状況でありますけれども、一層激しいものになったと思っております。そうした事態を避けるという意味で、私は今回の税制改正全体を通じて見ますと随分バランスは変化をした。例えば、所得課税については減少した、消費課税については増加をした、資産課税につきましては、資産所得課税は増加をしたが資産移転課税が減少し、全体としてやや増加した、非常にバランスは改善されてきたと考えております。
#262
○日笠委員 先日、土地白書が発表になりまして、一九八八年末の土地資産総額は千八百四十二兆円ということだそうでございます。これは一九五五年と比較しますと、GNPは約四十七倍、賃金水準は二十一倍、消費者物価は五倍、地価は、六大都市でございますが百二十八倍と、非常に地価が突出をしておるわけでございます。
 こういうことを見ましても、先ほどの所得、消費、資産の均衡ある安定的な税体系ということから考えましても、総理、これは土地というものに目を向けて、土地課税はある程度やはりやむを得ないんじゃないか。しかしそれはどうすればいいのか、どうあるべきか、何かそういう基本的なお考えがございますればお聞きをしたいと思います。
#263
○海部内閣総理大臣 具体的なその数字のお答えは、ちょっと知識を持ち合わせておりませんので大蔵大臣に任せましたけれども、資産課税を原則非課税から原則課税としようという大きな転換があったわけでございますし、同時にまた、土地というものが今これだけ社会的な問題になり、かつ土地というものの資産価値というものを、土地を使うことによってというよりも土地を投機の対象のために持っていようという目的の保有もたくさんあるようであります、私は、これに対してはやはり課税をして、そしてそれについては土地を持っている皆さんには御理解と御協力をいただかなければならない、これが基本だと考えております。
 詳細なことについては、今なお御議論いただいておる最中でありますから、まず税制調査会の報告が出てくるのを待ちたいと思っております。
#264
○日笠委員 基本的なお考えはよくわかりました。
 それから、大蔵大臣、これは新聞情報で、何かあした土地小委員会の中間報告というのですか、出るようでございますが、(橋本国務大臣「意見取りまとめです。」と呼ぶ)意見取りまとめですか、朝日新聞にもう何か出ておるようですが、それを見て今申し上げるのでございますが、従来は、昭和四十四年以来、税制改正の基本理念によりますと、土地税制は補完的、誘導的だ、大臣も何回も黒子的なものだと、こうおっしゃっておられましたね。大蔵委員会にも私入っておりますのでいろいろお聞きしております。
 しかし、どうも今回の取りまとめの内容は、極めて重大な手段としている、こういう資産課税、土地に税制が相当先導的にやっていかなければいけない、何かこういうふうな取りまとめになるのじゃないかというような報道が一部出ておりますが、やはり今後は、先ほど申し上げました地価が非常に突出しておるということで、補完的、誘導的な黒子から、主体的な、この税制は極めて重大な手段だということで、黒子から、まあ主役ではなくても準主役ぐらいのそういうふうにスタンスを変えていく、また変えていかなきゃいけない、こういうふうにお思いでしょうか、どうでしょうか。
#265
○橋本国務大臣 まさに今委員が御指摘になったような方向に私どもは方向を変えつつあります。これは、やはり何といいましても土地基本法というものの成立によって議論のベースが確定をした、その中で税というものが果たす役割がおのずから明らかになってきた、これが非常に大きな武器でありまして、それを材料にし、まさにその準主役という委員の御表現が非常に的確に目指す方向をあらわしておる、そのように思います。
#266
○日笠委員 最後に総理に一問だけお聞きして終わりたいと思います。
 こういうふうな税制、また総合的な土地対策で、総理、私が聞くところのいろいろな御答弁とか演説では、土地は抑制をするという言葉がよく使われるんですが、土地神話を崩すぐらい、要はもう地価を下げるんだ、こういう御発言は寡聞にして余り聞かないんですけれども、総理は今後この土地問題については、地価を下げるのだ、そういう決意で臨む、こういうお考えなのか、まあ高値安定、横ばい、抑制なんだとお考えなのか、それを最後にお聞きして、終わりたいと思います。
#267
○海部内閣総理大臣 抑制という言葉も、やはり抑えそして下げていくという意味が含まれるわけですけれども、私は、この土地の騰貴というのは、何とかもうこれ以上上がっていくのはまず抑えなきゃならぬということとともに、この安定ではいけない、これは下がっていってもらわなければ困るということは率直にそう思っております。
 したがいまして、いろいろ今土地税制の御議論がございましたし、また未利用地や遊休地をどうやって利用するか、利用計画の問題なんかも我々は考えておりますけれども、その次元をまた乗り越えて、一極集中を解除していくためには、例えば隗より始めろで、各党の皆さん方が首都機能調査会で御議論願っておるような国会移転の問題なんかについても、私が大いに注目をして関心を持っておりますというのも、そういったことが具体的に各党でお話ができて移転があらわれてくれば下がっていくという、大きな見通しと期待を持っておりますので、そういったことにも注目をしておる、強い関心を示しておるわけでして、決して高値安定を望んでおるのではございませんから、もしそのように御理解でありましたら、きょうこの答弁をもって御理解を変えていただきたい、このように思います。
#268
○日笠委員 終わります。
#269
○山崎委員長 これにて日笠君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡部一郎君。
#270
○渡部(一)委員 私も、まず土地税制の問題について触れてまいりたいと存じます。
 今回の税制協議を拝見いたしておりまして、何よりも痛感しておりますことは、消費税そのものに逆進性の問題があるという御指摘がございましたけれども、そしてまた、それは総理も大蔵大臣も正確にお認めになっているところでございますが、この逆進性の問題を考えれば考えるほど、土地資産の格差の問題にぶち当たらざるを得ないわけであります。
 先ほど同僚の日笠議員が土地白書の数字を引いて申されましたけれども、昭和三十年から三十四年間に、何とこの三十四年の間に消費者物価は五倍だというのに地価は平均して五十四倍であり、そして六大都市においては百二十八倍などというのは、もう天文学的数字という古い形容詞が見事に当たることを示していると思います。これほどの大きな資産の格差というものは国民の中にひどい不安定感と疎外感を与えるものであり、このような大きな問題をほうり投げておいて、所得税のあるいは消費税の逆進性の問題を幾ら議論したといたしましても、それこそネグリジブルスモールになってしまう、要するに大きなエラーをほっておいて小さなエラーだけを論議することのむなしさを私どもは感じなければならない段階に到達したと思います。
 したがって、私は、この消費税の論議の中でちらりほらり見えてまいりました土地資産の問題につきまして少し集中して申し上げたい。特に所得、消費、資産のバランスが大切だということは、もう大蔵大臣何回も何回もおっしゃいましたから、その辺は飛ばしてかかるといたしまして、実際言うと、十二月十四日土地基本法ができたな、そしてそれが公布されたなというのは、我が国会の仕事として大変結構なことだったと思うわけではございますけれども、この極端な資産に対する集積、利子配当、不動産取得等に対する特殊な課税というものが必要なのは、もう目に見えているわけであります。ここのところまで質問の形をとらず述べましたのは、もう繰り返し繰り返し皆さんが述べられていることですから、まとめて申し上げさせていただいたわけであります。
 これに対してアメリカでは、資産課税ベースを広げて所得階層間のギャップを埋めようとする動きというものも一方で行われているようであります。その一つの例をとるだけではなく、我が国では、ともかくこの土地資産格差というものに対して何かしなければいけない。これは私は、政府の怠慢ということもあるかもしれませんけれども、立法府の怠慢というのはもう逃がれられない。同じ議員としてその責めを、同時代に生きる議員として責めを負わざるを得ない。それと同時に、企業家というものが、社会的責任ということを全く無視して、金がもうかればよいという形で暴走し続けてきた。既存の法律に合わなければ、何をしなくても、何をしてもいいんだという雰囲気でやり続けられてきたという、何というか、ある種の破廉恥な、法網に引っかからなければ何をしてもいいというこの雰囲気、社会的風潮というものが裏側にあったということを指摘せざるを得ないのであります。
 したがって、私どもは今、税制を論じているわけではございますけれども、日本国民の中にあるこの大きなエラーに取り組まなければならぬところに来ているのではないか。それに対応することなければ、今回の論議は、ただむだに二つの法案を論議してつぶしたというだけのつまらぬことになってしまう。私どもは今決意を固めて、そうした国民の風潮に対しても、立法、行政の責任に対しても、反省した上で取り組まなければいけないのではないか、こういうふうに思っているわけでどざいます。
 まず、その辺から総括して伺いたいと存じます。
#271
○海部内閣総理大臣 今委員の御指摘を、私も全く同じような気持ちを持ちながら、ある意味では胸痛めながら承っておりました。そして、大きく言えば、私どもが公正で心豊かな社会を築いていかなきゃならない。物の豊かさのみを追い求める時代は終わったんだということをよく申しますけれども、公正な社会、心豊かな社会というためには、そういったすべての人々に対して、やはり社会の雰囲気や社会の環境というものが公正だと実感されるような、そんなことが仕組みとしても大切になってきますし、さらにまた、そういった仕組みをつくるために努力を続けておるということが、国民の皆さんに与えるいろいろな意味では大きな影響力になってくると思います。
 この国を明るい豊かな国にしていくために、それらの問題については、せっかく今御指摘いただいた土地基本法、昨年与野党の御議論と御協力で成立して土地の理念が生まれておるわけでありますから、それに沿って政府は、ただいま着手しております問題はもちろんのこと、より一層努力をしてそれらの問題の解決に当たっていかなければならないと決意を新たにいたしております。
#272
○佐藤国務大臣 渡部先生にお答えいたします。
 先生の御指摘のとおりでございまして、今回の地価高騰というのは、日本の社会経済に大きな影響を与えました。つまり基本的には勤労者の住宅取得が困難になったとか、あるいは社会資本の整備が非常に支障を来しているとか、特に先生御指摘のような資産格差の拡大によりまして、やはり豊かさの中に豊かさを感じられない大きな問題が生じたということでございまして、こうした高騰に対するいろいろな問題をどう解決するかということは、先ほど総理から話されたようなことでございますが、海部内閣最重要課題、このように考えております。
 このため、先生御高承のことと若干重複する点があるかと思いますが、また、総理の答弁とも重複しますが、昨年末の土地基本法制定を踏まえまして、今後この法律に示された土地についての基本理念やあるいは土地対策の展開方向に基づきまして、需給両面にわたる各般の施策をより一層強力に推進してまいりたい、このように考えております。
 そんなことでございまして、昨年末の土地対策関係閣僚会議で今後の重点事項十項目を決めました。例えば宅地の供給とか税制見直しとか、そういう問題を含めまして特に重点的に今後やっていきたい。また、総理から特に御指示がございまして、緊急対策としまして監視区域の総点検をやりました。それからまたもう一つは、金融の貸し付けの総量規制を大蔵大臣等にお願いしてやった。さらに、去る五月二十四日には、実は第一回の土地政策審議会を開催しまして、そして特に総理から、土地基本法を踏まえた今後の土地対策につきましてあらゆる観点からの諮問を行ったわけでございまして、これは十月末には答申を得まして、その答申に基づきまして今後の土地対策をやりたい、このように考えております。
 現在審議が行われているわけでございまして、土地基本法に基づきましてその実現に全力を挙げてやっているということでございますが、特にこの際大切なことは、特に先生が先ほど御指摘のようなことでございまして、国会やあるいは国民の理解と協力を得ながら進めたい、このように考えておるわけでございます。
#273
○渡部(一)委員 重複するところはカットしていただきますようにお願いします。
 次に、個々の話を少し申し上げたいと思うのですけれども、不動産取得のための借入金利子の損金算入の制限につきまして、租税特別措置で六十二年九月に行われている制度がございまして、自民党の中の建設部会の皆さんと大蔵省との間でかなりの紛争があったと新聞記事に出ております。これは、その結果といたしまして、借入金利子を損金に入れるというのは四年間は損金算入しない、五年目からはさかのぼって算入するという制度になっているようであります。
 ところがそのために、五年間の借り入れを起こすことのできる者にとっては、これは大変なうまみになったわけであります。つまり、四年間までしか借りられない者に対してはブレーキをかけたけれども、それ以上の借り入れを起こすことのできる者にとっては大変ありがたい制度である、まるで、だめになった大店法とよく似ているわけでありますけれども、大きな者はこの制度によってますます巨大化する。このために不動産取得がますます巨大企業にとって有利になった。巨大企業と言うのは正確ではありませんけれども、巨大な信用を得る業界にとっては、ますます加速して税務上有利な立場になった。
 これはもう話のほかでございますが、これに対してはどういう対策を立てられるおつもりでございますか。
#274
○橋本国務大臣 これは多少委員の御指摘に反する答えを申し上げることになるのですが、今委員が御指摘になりましたようなものはあるいはあるのかもしれません。しかし、四年間は支払い利子が経費として認められない、節税あるいは単なる投資目的での土地取得については、この制度は私は相当のやはり抑制効果を持っておると考えております。
 今委員が御指摘になりましたような考え方も、しかし私どもとしては留意しなければならない点でありますし、今御指摘になりましたことをも税制調査会の方に伝え、視野に入れて検討願うようにしたいと思います。
#275
○渡部(一)委員 これは都市を考える法律家と建築家の会の代表の五十嵐敬喜さんのデータでありますが、ちょっと読み上げるのが面倒なので、見ていただきたいと思います。
 この方のテレビで述べられたデータによりますと、資産が個人から法人へ、そして資産をたくさん持っている者は、その個人、法人の中でもとりわけ大きな資産を保有するに至ったということを、東京の地価を例にして述べておられるわけであります。三百平米以下の土地を保有されている個人は一・五億、法人は一・九億へ三百平米から一方平米の土地を保有されている個人は十三・二億、法人は十六・八億、一方平米以上の土地を保有されている個人は二百十八億、法人は千五百二十九億となっております。この数字の物すごさは、個人の方も法人の方も、土地を一万平米クラスまで持つようになると資産が極端に巨大化していくという姿を示しておりまして、逆に、これは十年前を考えれば、この資産はもう半分以下という状況にあることを考えなければいけない。
 もう一つは、相続税の際に個人はがっぽり取られるために、個人の資産が法人の形へ移動し始めているということを示しておられるようであります。つまり、個人資産は三年に一遍見直しをされ、資産再評価が行われますが、それに対して法人の方はそうではない。そうしますと、どんどんどんどん法人の方へ移動してくる。土地を所有する者が個人でも法人でも極端な資産形成に成功してしまう。これはもう冗談じゃないという状況を示しております。これに対して対策がまだ抽象的な段階を出ないとしたら、日本列島はますます土地暴騰に拍車をかけることになってしまう。
 その上、最近の個人の土地売買、相続の場合に、法人をつくって売買あるいは相続をすると有利であるとの認識が広がっております。ある信託会社の広告ペーパーを拝見いたしますと、相続税の場合は二、三割で済みます、納税は二、三割で済む、つまり節税の勧めをうたっております。そしてそれは、法人をつくる形でそれを売買いたしますと、土地を単独で売った場合と違いまして、大幅に減税になることを示しております。こういうのを逃がしておいて――これは犯罪ではないわけですね。法律にひっかかってないから犯罪ではない。だけれども、こういうものをほっておいて生活保護者からまで税金を取るというのはどういうことなんだというふうに短絡して言いたくなるわけですね、この消費税の論議をしておりますと。
 これほどのひどいのに対してどうして早く手が打てないのかという庶民の嘆きを背に受けて申し上げているわけでございますが、素人っぽく申し上げているわけでございますが、御返事を何とかいただきたいと存じます。
#276
○尾崎政府委員 相続の場合にも見られる例でございますけれども、今の御指摘のように、法人をつくって、その法人に所有させることによりまして、小さい法人の株の評価ないしはその売買というようなことで節税を図るというような例が見られることは御指摘のとおりでございます。
 なぜ法律に触れないでそういうことになるのかというのは、実は現在の評価額と実際の取引価額の開差を利用しているということから出てくるわけでございまして、今後ともその実態をよく調べまして、課税の公平の観点から考えていかなくてはいけない一つの問題であろうというように思っております。税制調査会、現在開かれておりますが、そこでも議論になっておりまして、評価の方法等につきまして、国税庁が御説明をしているところでございます。
#277
○岡本政府委員 今主税局長からお答えがありましたとおりでございますけれども、御案内のとおり、相続税の評価の場合には、やはり一つの安全性といいますか、相続という特殊な事情の発生した時点での評価でございますので、かなりの安全性を見込んでいるわけでございます。一般的に考えますと、我々その評価につきましては妥当な方法であると思っておりますけれども、たまたまそういった評価の方法を意図的に使われましてかなりの課税の節税策が講じられているというのは、やや我々といたしましても課税の公平という面から問題があろうかと考えているわけでございます。
 したがいまして、今後ともよくそういった実態を見させていただきまして、適切な処置をとるよう検討してまいりたい、こう考えております。
#278
○渡部(一)委員 これは、悪いけれども国税庁が適切な処置なんかとって片づくような代物じゃないんですね。これは明らかに法人の所有する土地というものと個人の所有する土地というものに対する課税が実質的に相違してしまうところを示しているわけですね。ですからこれは、法人が土地を所有している場合に、いかにたくさんの税金を納めないで実質的に済むかという状況にメスを入れなければならない。
 評価額と取引額の差なんておっしゃいましたけれども、それもまた本質的な批評ではない。その意味で、二人のお役人の意見は現状における御説明ということであって、これは立法者としてあるいは我々は考えなきゃならぬところへ来ておる。特に、その問題の専門的知識を持たれている内閣は考えていただかなければならないと私は思っておるわけです。これはぜひ要望しておきます。――大臣が首を振っておられますからお答えを省略していただきます。
 それから、土地白書におきまして、法人需要が地価高騰を招いていると指摘されておられます。中でも担保融資がそれを助長していると指摘されておられます。
 かつてサラ金が日本列島でもう大流行した時代がございまして、ほんの数年前ですが、御承知のとおりであります。銀行が実質的にこれに対して大変な融資をした。それで、サラ金業界が物すごい高利で、高利金貸しを日本じゅうに流行させて大変な社会問題になったことがある。そのときに出動されたのが正義の味方大蔵省銀行席であったと私は覚えております。
 ところが今回の場合、これだけ土地融資が膨大に行われているにもかかわらず、さっぱり引き締めようとしない。橋本大蔵大臣になってからは相当締められたというのはわかっています。しかし、それまでまあどういうわけだか土地融資は野放しにしっ放し。これで土地が上がらなかったら不思議というようなものでございましょう。特に私が頭へきておりますのは、土地を買うための融資の金額を、橋本大臣になってからは締められたのに、その前にどうして締めなかったのだろう。これは、自民党政府が継続しておるからそこまで小言を言うわけではございますけれども、過去のことでしょうがないのかもしれないけれども、それが一つはおかしいと思う。
 二番日には、土地を担保にして融資を求められる。これは日本の銀行というものが明治以来土地を担保にさせることによって融資の保全を図ったという歴史的事実がある。しかし、それが行き過ぎてしまって、土地さえついておったら優良融資と銀行局は指導してきておる。アメリカではそうではない。人の顔を見て、この人は仕事ができるなと思うと、どっと金を貸して企業家を激励するというのが現に行われておるわけですね。この古い古い明治以来の土地迷信というものに近いやり方で土地担保融資をやっておる。これにメスを入れなければならないときが来ているのではないか、これはどう対処したらいいのか、どういう状況か。その辺まとめて大蔵省の、大臣でも局長でも結構ですが、お答えをちょうだいしたい。これはとんでもない私はエラーだと思いますね。
#279
○土田政府委員 お答えを申し上げます。
 御質問の第一の点は、これまで銀行の土地融資についてどのような規制をしていたかというようなお尋ねであったと思います。
 これにつきましては、かねがね申し上げておりますが、昭和六十一年、六十二年以来、金融機関の土地関連融資につきましては、法人の土地取得のための融資をも含めまして、通達の発出、特別ヒアリングの実施などを通じまして、投機的な土地取引等に係る融資を厳に排除すべく指導してきたところでございます。その事跡は、最も古くは昭和六十一年の四月の銀行局長通達以来ずっと数度にわたりまして通達を発出し、ないしは昭和六十二年七月以来特別ヒアリングを開始しておるというようなことでございまして、さらにその後も、平成元年の十月二十七日にそれまでの対策を総合しました一連の対策を発表し、この土地融資につきまして、投機的な土地取引等に係る融資を厳に排除するという一貫した姿勢を持って臨んでまいったところでございます。また、この趣旨は、各金融機関に着実に浸透してきているものと私どもは考えておるわけでございます。
 ただその後も、殊に本年に入りましてから地価の上昇の地方への波及という傾向が一段と強まっておりますところでありまして、そこで、当局といたしましては、この地価問題の重要性にかんがみまして、従来からの措置に加えてさらに一歩踏み込んだ措置を講ずる必要があると判断をいたしまして、本年三月、いわゆる総量規制と通称されております新たな土地関連融資の抑制措置についての通達を出したわけでございます。その内容は、土地関連融資につきましては金融機関の融資全体に対して均衡のとれた水準にすることが望ましいという基本的な考え方から、不動産業向けの貸し出しについては、その増勢を総貸し出しの増勢以下に抑制するように金融機関に対して求めることとしたものでありまして、現在まだこのデータは上がってきておりませんが、私どもはその効果があるものと期待をしております。
 次に、御質問の第二は、土地を担保にして融資をしている点に問題はないかということでございます。
 不動産担保融資は、我が国のみならず、アメリカ、イギリス、ドイツ、主要国でもあまねく行われておる方法でございます。また、その担保のとり方としては、やはり不動産担保その他の担保をとるもの、それからさらには物的担保ではなくて保証を求めるもの、さらには何も求めない、いわば信用貸し付け、いろいろな方法がございます。金融機関がどのような融資方法を選択するかは、それはやはり基本的には金融機関がみずからの経営判断において決定するのが基本でございます。ただ、この土地担保に過度に依存しているかどうかという問題でございますが、一つのデータとして数字を申し上げますけれども、現在、全国銀行の融資の中で、土地担保融資の総貸し出しに占める割合は大体二割強であると見ております。一方、いわゆる信用貸しと申しますか、無担保での貸し付けは総貸し出しの約四割弱を占めるというような状況でございます。
 そこで、この土地担保融資そのものについて一律に規制を設けるということは、実は信用力に乏しいような個人や中小企業に対しまして比較的に信用貸しが少ないと申しますか、担保融資をする例が多いわけでございますので、そのような個人や中小企業に対する資金の供給にどのような影響を及ぼすかというところまでやはり考えてまいりませんといけませんので、もちろん土地に過度に依存したような融資は決して褒められたことではございませんけれども、土地を担保にして融資をしておるという事実そのものは、これは金融機関の判断のいかんによることでありますが、そのような判断は金融機関のみずからの経営判断において決定されるべきことであり、当面特段の規制を行う考えはございません。
 以上でございます。
#280
○渡部(一)委員 悪いけれども、これじゃまた土地上がるな、私の率直な感想。なぜかというと、言いにくいだろうから私が言いますけれども、国土庁の方のデータを見ておりましたら、六十一年から国土庁は総量貸し出しを抑制していただかなければ土地投機はひどい状況になると何回も申し入れをしておられるわけであります。それは六十一年から連続して行われている。しかし、土地に対する融資の総量はぐいぐい六十二年、六十三年と巨額な伸びを示している。三〇%、四〇%、五〇%のレベルで伸びておる。六十四年にはそのピークに達する。その間に銀行局はてんで何もしない。何ですって、さっき言ったのは。ヒヤリングですって。ヒアリングというのは冷やかすという意味ですか、これは。特別ヒアリングというのは。その結果として膨大になってしまって、国土庁は叫んでいるわけですね、それを。同じ政府内で叫んでいるわけなんです。
 そして、その結果としてどんなことが出ているか。今もそうですが、これは新聞の記事ですが、「担保融資が助長」「法人需要、地価高騰招く」とでかい字で書いてあるでしょう。土地の方から見ればこういうことなんですね。担保融資が別に責任でも何でもありませんよと言わんばかりの言い方は、この問題に対する深刻さがまだ政府内で的確に議論されていないことを示すなと私は思わざるを得ない。私が土地業者なら、きょう直ちに買いにかかりますよ、今の答弁を聞いていたら。行け、東京じゅう買え、一平米でもいいから買え、こう思うでしょう。そして個人の人がこれを聞いていたら、そうだ、これはいいことを聞いた、法人の形にして土地を、直ちに持っている土地は全部法人名義にしてしまえ、こうなるでしょう。それに対する何らのぴりりとしたものがないなと私は感じざるを得ないのです。
 きょうこれ以上私が突っ込んでも、今までの打ち合わせされたところではそうなんでしょうから何もないのですけれども、いい答弁は出なさそうですからあれですけれども、これは行政的に何かの考え方が要る、基本的な考え方が。それは決断が要る。その決断は、まことに残念だけれども、すごい圧力にさらされながら政府の首脳が判断されなければならないテーマになるのでないかなと私は思うのですね。これは重大問題ですよ。
 土地税制を直さなければならぬと本委員会でも何回も言われています。法人の保有コストが少ないとか、法人が土地を所有することはメリットがあるとか、土地神話の発生はそのままになっておるとか、盛んに言われております。これは行政でやらなければならぬ分、立法でやらなければならぬ分、企業の社会的責任を追及しなければならぬ分、いろいろありますね。いろいろありますが、そのアクションをやはり政府の最高責任者の方々にとつていただかなければならぬと私は思いますが、大蔵大臣、いかがですか。
#281
○橋本国務大臣 私は、委員が私たちを叱咤されるお気持ちを決して軽く見ているわけではありません。ただ、現実問題として大変頭が痛いのは、先ほどの局長の答弁、どうも委員のお怒りに触れたようでありますけれども、事実問題として、私も調べてみて抵当貸し付けの占めるシェアが本当に意外に少なかったのです。実はもっと私は不動産を担保とした融資というものは大きなウエートを占めておると思っておりました。ところが、確かに多少このところまたふえぎみでありますけれども、それでもやはり全体の中に占めるウエートというものは平成元年の三月で二三・九%でありまして、思ったより本当にそのウエートが高くない。
 しかしそんなことだけを言っていられない状況でありますから、御承知のように総貸し出しの伸び以下に不動産を含む土地関連の融資というものを抑え込めということをいたしました。本当は、もう一つ強く出る方法はないものか、随分中でも議論をいたしてみました。その場合に、むしろ不動産業向けの貸し出しの伸びをゼロに抑え込めないかという議論もしてみたわけでありますけれども、そうなりますと、実は、むしろ住宅供給でありますとか都市再開発など、土地対策の見地から見ても積極的に対応しなければならないようなものまでその資金の供給が阻害されかねない、そんな問題も生じてきました。
 現在私どもは、不動産向け貸し出しの伸びを全貸し出しの伸び以下に抑えるということで、どこまでの効果があるか見ております。しかし、いよいよこれでも本当に効果が出てこないとなれば、多少きしみを生ずる部分がありましてもそれは貸し出しの伸びをゼロというようなことまで考えなければならないかもしれません。しかし、今やはり私どもは、都市再開発でありますとか住宅供給というプラスの部分にまで影響を出すことは避けなければならない、むしろそれは促進しなければならないと考えております。その意味で、まだ不十分だという委員の御叱正はあえて私は甘受いたしますけれども、我々なりに努力をしておることも御理解をいただき、お手助けを一層いただきたいと思います。
#282
○渡部(一)委員 大臣の御答弁で、私やはり問題は、土地政策についてですね、資産格差を是正するのか、税負担の公平を図るのか、これは目的が全然違うわけですね。それから住宅需要を賄うために、良質な住宅を賄うために、よい住宅、土地を提供しようというのと、これはまた三つとも違う。それから投機需要を抑制しようというのはまた違う。そこで土地の有効利用を図ろうというのはもう一つ全く違ってしまう。そこへもっと奇妙なことがあって、我が国の株式会社群が対外的な大きな経済成長力を示すために、彼らの信用を増加させてきた側面がある、だれも言わないけれども。それを全部切るわけにはいかぬと私も思う。
 ただ、ここで、私の指摘したのはたった六つのポイントですけれども、この六つのポイントのどこを重視してボタンを押すかとなると、これは三次元方程式を解くようなややこしい、むしろ僕の言葉で言えば六次元方程式みたいなものを今解かなければならない。この政府のペーパーを拝見しましたときに、まだ、いろいろなべーパーを見てみましたけれども、一体どこに重点を置かれているのかというのがわからない。
 結局一番声の小さなサラリーマンや低所得層の住宅を直接求めている人の声というのが一番抑圧され、そして収入の一番低い層の人々にしわ寄せが一番行ってしまうということだけがいつも恒常的に出てくる。消費税を扱うときに、私たちが逆進性を恐れて、一番恐れなければならないテーマのときに、同時並行でそうしたものが放置されているというのはいかがなものか。これは土地政策の目的をもう一回詰め直さなければいけないのではないか、こう思っているわけですね。御答弁がございましたらどりぞ。
#283
○橋本国務大臣 今、政府の税制調査会土地問題小委員会は、委員が挙げられました幾つかの視点の中から、主として二つの視点に絞り込んで論議をいただいております。
 一つは、課税の公平という観点から土地という資産に対して適正な負担を求めるべきである、すなわち資産に対する適正な課税を行うという観点であります。もう一つの観点は、税制だけで土地問題をすべて解決するということはこれは困難でありますけれども、税制は、少なくとも土地の資産としての有利性を減殺することを中心にして、投機的な土地取引というものを抑制しながら土地の有効利用の促進を図る機能において土地政策の中における重要な柱だ、極めて重要な手段の一つであるという、土地政策の一環としての土地税制についての視点であります。これは、まさに土地基本法というものを制定していただいたおかげで我々がとり得る視点となったわけでありまして、今、税制調査会小委員会はこの二つの視点を中心に御論議をいただいております。
#284
○渡部(一)委員 では、その問題につきましては今後いい結果が出てくることを期待したいと存じます。
 もう一つ具体的なことを申しますが、企業の決算期に大幅な黒字が出るぞというのが見込まれた場合には、最近、大規模に土地を買いにかかる。そしてそれは銀行から借金をして買う。その借金したお金の金利というもので黒字というのを減額する、そうして赤字に持っていく、うまくいけば。うまくいかなければ黒字をうんと大幅に減額していく、そして当期利益というのを圧縮して節税する。こういうのは今、会社の運営としては極めて常識的なテクニックになりつつある。
 含み利益の問題のときに、未実現益というものをどうするかという論争がありましたときに、そちらの論争はひどく面倒くさい議論になりますので私はカットしますが、現実的に当期利益を土地を買うことによって次から次へ縮めていくということは、この土地白書の中に明らかに書かれている。企業の保有する土地、一二%は用途が不明である。用途不明の企業の所有した土地というのは一二%ある。その一二%のうちの半分は用途が全く不明である。用途の目的もなしにただ買うということが常のことになっているということを土地白書は示しています。
 そうするとどういうことを生ずるのか。土地が、そういう形で企業の経営のために、節税対策のために、当期利益を圧縮するために買われてしまう、こういうまるで税金を払わないための債権のような形で使われるということは遺憾な限りなんですね。もし税金がかからないというんだったら、税金のかからない0%国債ということを昔提案された方がございますけれども、そういうものであてがったとしても、この土地の方でそんな変なことをやるのを食いとめた方がいいのではないか。私は、もうちょっと配慮の要る提案ではございますけれども、こういう会社のビヘービアというものに対してこれを阻止することがないと、いつまでたっても土地高騰というのは食いとめられないのではないか。この問題についていかがお考えか、お願いいたします。
#285
○尾崎政府委員 法人税の考え方といたしまして、借入金利子を損金に算入するというのはいわば当たり前のことであったわけでございますが、その当たり前のことを利用いたしまして、今委員御指摘のような問題が出てきているわけでございます。先ほど委員からお話のございました昭和六十三年にとりました土地に係る借入金の利子について四年間原則として損金算入を制限するということをいたしましたが、これも法人税の従来の原則からすると非常に妙な話なのでございますけれども、そういう不要不急の土地を買って、そして当期の利益を圧縮するというような例に対しまして、こういう例外的な措置をとったわけでございます。
 なお、先ほど私伺っておりまして、私の誤解でございましたら申しわけないことでございますけれども、この四年間損金算入を制限いたしましたものは、その後四年間でいわば取り崩しというか損金に入れていくことができるようになります。ですから、借り入れの期間と関係なく、そこは四年たちましたら再び損金、均分に四年かかって損金に入れるということをしているわけでございます。と申しますのは、その間に有効利用をする、まさに会社の例えば工場を建てたりすることもあるわけでございますし、工場を建てますと、工場を建てたところから損金算入が認められるわけでございますが、そういうような措置も講じましたし、現在税調で議論されております、例えば保有課税のようなものは、これは法人税のように所得課税の枠を超えている話でございますので、そのような保有に対する税負担をもう少し求めた方がいいのではないかというような議論の中にも、御指摘のような点が背後にあるということも申し上げることができようかと存じます。
#286
○渡部(一)委員 だんだんひどい話になってきて恐縮なんですけれども、本当にこういう問題を片づけないで来たということに対する胸の重みみたいなものがありまして、私はこれは日本列島全体の、一人がとやかくできるような代物ではありませんけれども、今取り組まなければならないものだとしみじみ思うのです。
 ちょっと方角を変えまして、自治大臣にお尋ねさせていただきたいと思っています。
 それは、固定資産税の方は自治省の御担当と申しますか、そういうふうに承っているわけですが、固定資産税の増額と住民税の減額、これをセットにして考えたらどうかという意見が最近ございます。これは、固定資産税だけ増額させれば大都市における税収のみがふえて、地域格差を生じたりいろいろ問題が起こるというような言い方もあるわけでございますが、この固定資産税の増額を住民税の減とペアにしてしまう。つまり、固定資産税を上げて住民税が少なくなりますと、その地域ごとに固定資産をたくさん持っている人、言ってみれば土地とか住宅等の大きいのを持っている人は税金を今までより少したくさん払う。そのかわり、住民税だけしか払っていない方、つまり、社会的に少し収入の少ない方の方は税金が安くなる。こういう効果を発揮するわけですね。
 私の今手に持っておりますのは、野口さんという教授がおもしろい提案をしておりまして、一九八六年のデータで固定資産税が四兆六千億、個人住民税が七兆円。固定資産税を二倍にして個人住民税を三分の一にすると、平均して固定資産税は一軒当たり十万円の増、住民税は四十五万円のマイナス、結局マイナス三十五万円という計算をした方がおられます。
 私は、この言い方とはちょっと別でありますが、固定資産税を上げる分、地方住民税を下げるというような考え方も一つ考えられるのかなと存じまして、お考えを承りたい、こう思います。
#287
○奥田国務大臣 土地問題が今最大の政治課題だという認識は全く先生と認識を一にするものでありますけれども、ここで少し、どうも御提案には沿いかねるような答えになるかもしれませんが、私は、今大都市部における土地あるいは固定資産を持っている人と持たざる人の資産格差というのが大変な問題点になっておるということ、そしてこの法人の買いあさりの中での今御指摘なさいましたような法人所有の土地に対する対策、これは全く政策的に強化されてやるべきものだと思います。
 その点においては全く先生と意を同じくしておるわけでありますけれども、ただ、この固定資産税という形、これに関しては、私は、やはりこれは自治体にとっては本当は安定した税、基幹税的なものでございますし、毎年これが課税される、納めなきゃいけない、そしてこの固定資産税の性格そのものは政策税制になじまないものでございますから、やはり長く継続的に保有してもらう、そして安定した形で税を納めてもらう、追い出し税ではないという形において、これはやはりもちろん適正な評価に基づかなきゃいかぬことは当然でありますけれども、なだらかな形での上昇という形でしか考えられないんじゃなかろうかなという思いが片方にあります。
 そして、今もしも先生の言われるようないわゆる住民税とのタイアップの形でやるということになりますと、私は大都市はいいと思うのです。大都市の場合は公示価格との相当な差が実勢価格でありますから、これを上げることによってそれはすごい税収増になって、自主財源としては大変なことだろうと思います。しかし、地方なんかの場合は、実勢価と申しますか、公示価格と固定資産税の評価額との間の差が少ないために、結局これに対する効果というよりも、むしろ大都市と地方の財源の偏在というのが大変大きくなるんじゃなかろうかという懸念が一方にあります。
 そして、住民税減税もこれは結構です。住民税を減税する形において、所得層の人たちにとっては大変な恩恵になりますけれども、家屋、資産を持ちながら細々と年金で生活されておられる方あるいはわずかな固定資産の中でしかし低所得で我慢しておられる方にとってみると、住民税を減税しても恩恵というのは全然なくて、固定資産税の負担、これに対する軽減措置は当然先生も別途講ずべきであるという御意見だろうと思いますから極端な例として申し上げるかもしれませんけれども、住民税減税は、これはやはり応能的な性格を持っておりますから、所得に応じたあるいは能力に応じたという応能的な性格を持っておりますので、これはある意味において、固定資産税のように政策税になじまない税制と、そして土地保有税のように政策的に断行すべき税制と、そして住民税という、さまざまな性格を持っている形をそれぞれ勘案して決められてきているわけです。ですから、そういう点もひとつ御勘案願いたいなと思います。
#288
○渡部(一)委員 私も実は大臣の御答弁と似た考え方でおります、答えから申しますと。ただ、余りにも全体的な土地税制が動かない場合、そうすると固定資産税の形でねらいをつけて、未利用地をただ買っている企業の保有している土地とかあるいは極端に大邸宅を持っているところに固定資産税を少し付加した方が解決が早いかな、ほかの状況が、大蔵省の御担当のところでさわるよりそっちでさわった方が早いかなという感じがするものですから、御研究をされているのかなと私は思ったわけなんです。御研究は現に相当されていることも事前によく承知をいたしておるわけでございますし、そうした件も含めて、財政当局とも御相談いただきながら、適宜な、機動的な政策対応をしていただけないかなと私は思っているわけであります。
 もう一つは、それと、もうほとんどお話が一緒に出てしまいましたけれども、例の特別土地保有税ですね。これは、残念なことですが、低利用地とか未利用地の投機的取引の抑制とか土地有効利用の促進という目的でつくられましたけれども、これが政令都市や東京に対して一定面積以上ということで、取得と保有の両面にわたって税をかけるということでおやりになった。ところが、税収は減る一方である。どうしてかというと、恒久的利用とか保有十年超というのは特例措置で除外するという規定が効き過ぎてしまって、一九七六年に八百八億だったのが、今年はどうやら三けたの億にはならないというところまで激減してしまった。
 何だか知らないけれども、これはもうつまらぬことになってしまったという御反省がどうやらおありの御様子でございますが、これは名目は大変結構でしたけれども、この法案は直されまして、ある意味で、本当の意味で、ちょっと先ほどの私の提案とくっつけていただきまして御研究いただいたらどうかなと私は思っております。年金で生活している人の住宅に大きな課税をする固定資産税などと言っているつもりは毛頭ございませんで、私のねらいはむしろこちらの方にあっているわけなんでございますが、いかがでございますか。
#289
○奥田国務大臣 特別土地保有税が現在はっきり言うと用をなしていないじゃないかという御指摘であろうかと思いますけれども、くどくど申しません、先生はよく勉強されておるわけですから。四十八年のいわゆる地価狂乱というような状態のときに制定した意味は、十分意義があったと思いますけれども、その後数次にわたって改正されて、言ってみれば骨抜きになってきたという現状点、こういった形の中で、実際の土地保有税の持ついわゆる政策的な税制としての機能は非常にだめになってきているということは事実です。
 ですから、今日この見直しにつきましては、今建設省で、いわゆる土地は本来利用さるべきものでありますから、未利用地に対する一つの厳しい遊休地定義、制度創設等々で、これを今年度内に結論づけて、そしてこの特別土地保有税のあり方に対して今根本的な検討を加えようという段階でございます。したがって、先ほどお述べになった土地保有税とこういった特別土地保有税、これは地方税の立場で申し上げるわけですけれども、これらを政策的に強化さるべき方向で検討されるものと思っております。
#290
○渡部(一)委員 前向きな御答弁をありがたく存じております。
 そこで、ちょっと今度は大蔵大臣に申し上げたいのですが、土地を供給するための税制上の施策というのをチェックしてみますと、結局土地を供給しようとすると、土地資産保有者に対するある種の優遇措置というか、それを供給するともうかるよという刺激というものが必要になってしまうという意味で、先ほどから論議しているのと逆さの議論になってしまうわけでございましてやりにくいのですけれども、これと同時に、土地、家を持たない人の措置というものを講ずるという政策が正面からあっていいのではないかと思っているわけなんです。
 それはなぜかというと、帰属家賃には課税されず、つまり持ち家の人々の方はもうかるのですけれども、家賃を出す方にとりましてはメリットがないぞ、むしろさっきからの論議でいえば、消費税をかけられるぐらいのものですから、家賃を払う方の方々に対して、いよいよ家賃控除を一緒に考えるときが来ているのではなかろうか、あるいは家賃補助ですね、控除というよりむしろ補助かもしれない、ある種の家賃に対するサポートというものを考えるべきではないか。
 昨年度、聞くところによれば、数省から大蔵省に対して家賃控除制度の提案もあったと聞いているわけでございますが、大臣はひどく慎重な答弁を繰り返されておるとうちの政策審議会が述べておりまして、これは大蔵大臣に聞いてもだめですという附せんつきの質問でありますが、大蔵大臣がそんな冷たい人とは私は思っておりませんで、全国の家賃を払っている方々のためにひとつ何とかされるというのは、明らかにこのような逆進性のギャップですね、それは資産格差における逆進性というものを直す場合に、一番先に取り得る巧妙かつ効果的な手なのではなかろうかと私は思っておるわけでありまして、今後御検討をいただけないか。今そういう政策がありますかと聞いているのではございません。今後そういう検討ができないかと、先ほどの自治大臣のように前向きな御答弁をいただけるとありがたいです。
#291
○橋本国務大臣 こればかりはどうも、幾ら言われましても、私は余り委員のお気に入るような御答弁を申し上げる気持ちになりません。
 というのは、これも税務上の議論を今さら私は委員に申し上げるつもりはありません。ただ、現在の大都市部における土地住宅問題というものを考えてみまして、その家賃控除の創設というものが果たして問題の根本的な解決につながるだろうかというと、私はつながるという感じがないんです。むしろ、その借り家の需要を刺激してしまうことになって、かえって家賃の高どまりを招きはしないだろうかという感じを率直に持ちます。それよりは、やはり、今回の消費税見直しの中で家賃非課税という考え方を私どもは入れたわけですけれども、問題意識として同じようなものはありましても、ちょっと私は、今その家賃控除という考え方、税負担階層のみにとどまるという問題点もあるわけでありますし、どうもそこだけは、申しわけありません、あんまりいい返事になりません。
#292
○渡部(一)委員 まだ質問がたくさんあるのですが、私は今回のところで、土地白書によりますと、土地が今、八八年で千八百四十二兆円あると承っております。そして、それは毎年毎年恐ろしい勢いで増加しつつある。この千八百四十二兆円ありますと、これはもうけではありませんけれども、この千八百四十二兆円に一%をもしかけたとしても、一%ぐらいかけても、先ほど海部総理が巧まずして今の土地の値は下げるんだと大胆におっしゃいました。これは後世に残る御発言と思います。この下げるんだという御発言で私は勇気を得たのですが、毎年一%ずつ、十八兆円ずつ取ることが可能であります。そうすると、これは確かに下がるでしょう。十年もすれば顕著な影響でしょうね、千八百四十二兆なんですから。それはほっておけばもっと上がるのですから。
 だから、その意味では、この土地税制の方にむしろ注目される方がまともであった、より国民の合意を得やすいものだったと私は意見を申し述べたいと存じます。これは、意見として申し上げておきます。
 そして、それと同時に、私は、この消費税の見直し案の審議に公述人としてここへ来られました久山町の町長の言葉を紹介しておきたいと思うのです。この人は、見直し案に賛成の方なんです。賛成の方なのに、大声を上げて反対していかれたのであります。
 何を反対していかれたかといいますと、この方の町では例の簡易課税の対象となるような業種はないのですね。ほとんど免税点以下なんです。免税点以下の業者が名誉ある紳士なんですね。その町の名誉ある紳士が、町の中から最近言われておる、あんたのところは免税点以下、簡易課税以下ではないかと、おれたちの払っている税金を猫ばばしておるではないか、猫ばば紳士だというふうに言われておるというのですね。泥棒したと言われておるのですね。我々は町の中で名誉ある紳士なのに、今度の消費税以来我々は猫ばば紳士だと言われておるんだと、簡単に言えば。そういうのは耐えがたい、中小企業に対する配慮をするならば、これは別の形でちゃんと政府から申し受けたい、そうでなくて、税金は、消費税分は取っておいて払わないでいいなんというのは耐えがたい、こう述べていかれました。
 私は、免税点、簡易課税、限界控除等の扱いは、この方のたった一つのお言葉によって重要な欠陥があらわれたなと思います。
 また、いろいろございますけれども、同僚の議員も述べましたので、このような見直し案ではまだ本質的な見直し案になりません以上、これは私は、両法案が両方とも本委員会あるいは参議院の審議において葬られることが明らかな現状にあるにかんがみまして、今後の協議におきまして、私どもが展開しました幾つかの議論をしんしゃくされて、御判断をいただきまして、税制協議会における審議に反映をしていただきたい。もちろん私どもも全力を挙げて取り組みたいと思っておるのでございます。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。
#293
○山崎委員長 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉井英勝君。
#294
○吉井(英)委員 不公平税制というものに対する国民の怒りや不満というものを私自身本当に痛いほど実感しておりますが、特にその中でも、不公平税制の最たるものが消費税だ、これは率直なところ庶民の声としてあるわけです。
 と申しますのは、これは既に二年前の消費税の審議のときからありましたけれども、我々庶民の方は、何でも、大根一本買っても三%じゃないか。しかしその一方では、土地については異常な値上がり、そして株についても、ほんの数カ月にして数千万円とかうんと大きな利益を得ている人がいるのに、そういう資産課税については非常に不十分。そういう点で、庶民の感覚からするとそこに非常に大きな不公平というものを感じ、またそれが、庶民の皆さんからすると本当にもうどうしようもない思いですね。あるいは怒りや不満、こういる形でずっとあるわけです。
 政府の方は、当初、所得、消費、資産のバランスのとれた税体系でということで進められたわけでありますが、大蔵省が当委員会に出された資料を見ておっても、確かに消費税の影響で消費課税の方は一八・九%から二三・八%に伸びているのですが、資産の方は一一・四から八・七に減少している。ですから、土地や株でもうけた人はうんとうまい思いはするが、三%に苦しむ庶民からするとますます怒りが込み上げてくる、それが庶民の声だということだと思うのですが、私は、そうした庶民の皆さんの思いというものを少し掘り下げてみながら、その中で消費税問題についての議論を展開していきたいと思うわけです。
 最初に、こうした中で海部総理の秘書の方の株の問題がせんだって報道されました。約三千万円で買って現在五千万円ほどですか、半年余りで二千万円をもうけた。これはやはり庶民の皆さんからすると、ああ、自分たちとは違うなということになるわけですね。
 そこでまず、どういう経過で買ったものなのか、その購入資金はどういうものであったのか、将来売却益を得たときにそれは政治資金に入れられるものなのかどうか、また、値上がりが見込まれていることをどのように見ていたのか、まずこれらについて総理御自身どういう調査をされたか、伺いたいと思うのです。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
#295
○海部内閣総理大臣 私の秘書の株取引の問題は、私も報道されたのを見てびっくりしましたので、それでうちの秘書官から通じて聞かせましたけれども、自分の持っておった株を一回処分をして、それから別の会社の株を買った、大体新聞に報じられたとおりの行為があったようであります。その資金は自分の固有の資金だと言っております。
 そこで、許される方法で市場を通じて売買を自分のものでしたということでありますけれども、これは普通の政治家の秘書ならばそれでいいと思いますが、私たち閣僚は、今株取引の自粛と、株を持っておる者は信託をするという申し合わせを海部内閣では閣議でいたしました。ただ、それは閣僚と政務次官でありまして、秘書はその対象ではありませんけれども、やはりそれは厳しく受けとめてほしいということで厳重に私は注意をいたしました。
 それから、今それを売ったら政治資金になるかというお話ですけれども、私とは全く関係ありませんから政治資金にはなりませんし、それをどう取り扱うかは本人の自由意思に任せなければならぬ、こう思っております。
#296
○吉井(英)委員 今総理もおっしゃったように、私は総理の地元の、何十人いらっしゃるか知りませんが、そのごく普通の地元秘書の方の全くプライベートな話として見ているわけじゃないのです。これは官報にも出ておりますように、会計責任者を務めてこられた方ですね。そしてこの安藤氏という方は、これは総理の政治団体の会計責任者であり、金庫番であったわけですね。あなたの公設の秘書であったわけでありますし、それだけに問題は非常に重大な問題だと思うのです。
 この方の株取引ではあるわけですが、このメイテック以外になかったのかどうか。これも調べられたのかどうかということと、今辞表を提出して、総理秘書官の金石氏が預かっていらっしゃるということですが、その扱いは今どうなっているのか、これもあわせて伺っておきたいと思います。
#297
○海部内閣総理大臣 今会計責任者にはなっておりませんし、会計責任者はもう数年前から別の者にしてありますし、私の資金団体のこと等につきましても、いつでしたか、共産党の御質問で御指摘を受けて、企業に甘えて置いておってはいかぬというのも、そういうのも全部引き揚げてきて、今は私の個人事務所に置いてありますから、御指摘の秘書が会計責任者をやっておったとかいうことではありません。私の議員秘書であったことはそのとおりであります。
 それから、悪いことをやったわけではございませんので、法は触れるようなことをやったり許されないような方法で株を買ったりしたわけではありませんから、私はそれはいいことだとは言えないけれども、悪いことだとも言えませんし、厳しく今後注意しろと戒めました。ほかの者も持っておるかどうかは知りませんが、持っておったとしても疑いを、誤解を生ずるような売買その他のことをしてはいけない、本人もそれは軽率でありましたと反省をしておるわけでありますから、そのように処置をしようと思っております。
#298
○吉井(英)委員 私、この場合、秘書が個人的にやった取引だったというお話なんですが、私はここで政治家と秘書との関係というものについて、やはり改めて総理の御見解なり御認識を伺っておきたいと思うのです。政治家と秘書については既に判例等があるわけですが、この点についてはどのようなお考えでしょうか。
#299
○海部内閣総理大臣 政治活動を補佐して、例えば事務所の番をするとか、それは幅広いですから、秘書の仕事は。二人の間の信頼関係があって、秘書の方も議員に協力しようという意思があって、政治家と秘書の関係があるのじゃないでしょうか。
#300
○吉井(英)委員 これは自治大臣にちょっとお伺いしておきたいと思うのですが、第八次選挙制度審議会の答申でも、政治家と秘書については、その連座制、罰則の強化ということをうたっておりますが、ここには政治家と秘書というのは一体のものという発想があると思うのですが、この点、大臣いかがでしょうか。
#301
○奥田国務大臣 秘書と政治家、候補者と申しますか、これはまあ身近な関係にあるということはもうそのとおりでございます。しかし、秘書が悪質な違反をするという形の中でそういった例があるものですから、今度の八次の選挙制度審では、こういったことに関しても連座を適用したらどうかという答申がなされておるわけでありますけれども、選挙の場合なんかの総括責任者と違いまして秘書にもいろいろな立場がございますから、一概にこういった形で秘書のやったことが全部即候補者と一体という形については、やっぱり制度審の形でも事情においての免責規定が設けられておるということですから、一体ということじゃなくて、やはり身近な政治活動を補佐する立場にあるという認識を持っております。
#302
○吉井(英)委員 これは実は二年前にもリクルートの問題のときに取り上げたことがありますが、実は戦前の小川鉄道大臣の汚職事件のとき大審院判決というのが下っておりますが、その中で、政治家と秘書というのは異体同心、一心同体だということで、懲役二年の有罪判決が大臣と秘書両方ともに下っているわけですね。
 まさに私は、政治家と秘書というものはそういう異体同心、一心同体の関係にあるだけに、ですから、あれは秘書の個人的な経済行為であるとか、それだけでは済まないものがあるんだということをやはり十分政治家たる者は認識しなければいけないと思うのですが、この点について、私、今判決を御紹介したわけですが、いかがでしょうか。
#303
○海部内閣総理大臣 犯罪の判決を前提として物を言われますと、いささか私もそれには反論しなければならぬと思うのですが、秘書には秘書の人格もあり、秘書には秘書の私生活もあり、秘書には秘書のプライバシーもあると思いますから、だから私は最初に申し上げたように、政治家の皆さんの秘書だからといって、世間で許されている方法で株の取引をすることは、これはいいことだと言って奨励はしないまでも、悪いこととは決して言えないものであって、それは別の問題だと申し上げました。
 ただ私は、閣僚として株の取引を自粛していこうという申し合わせをしておる者の立場でありますから、誤解を受けるようなことをかりそめにもしたのは軽率であったという秘書の反省をそれはそれなりに受けとめ、同時に私からも厳しくこれは注意をいたしました。けれども、それは法律に触れるとか判決を引用して言われるような問題ではございませんし、私も自分の事務所の内部の問題として厳しく戒めましたけれども、決してここにおられる議員の皆さんの秘書全体にそれをどうのこうの言う気持ちはありません。それぞれの自覚とそれぞれの議員を思う責任において私生活を行われるべきであるということは、これは当然のことだと思います。
#304
○吉井(英)委員 宇野内閣のとき、株は信託会社に預けて運用ということを、これはリクルート等の教訓の中から決められたわけですが、海部内閣もこれを先ほどおっしゃったように引き継がれたわけですね。それは、自民党の政治改革大綱なり総選挙政策を見せていただきましたが、株の投機的取引の禁止、インサイダー取引規制に照らして当然だと思うわけです。
 ところが、実際には公設秘書がこれを守っていなかったわけですね。これは個人的なこととはいえ誤解を招く行為で遺憾であったということも記者会見等で述べておられましたが、この公設秘書に、これまで政治家は政治家として、秘書は秘書として、やはり政治改革大綱なり総選挙政策に照らした、そういう投機的取引の禁止やインサイダー取引規制に照らしてやはり気をつけなければならないということを守らせてこられなかった、この点は責任上大事な点じゃないかと思うのですが、いかがですか。
#305
○海部内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、自分がずっと持っておりましたある社の株を処分して、そしてほかの会社の株を買ったということでありますけれども、インサイダー取引とか投機的取引とかいうようなことではなくて、それも何年もたった、今日もまだ処分しないで持っておった、こう言いますし、また、私がこういう立場になったということを知って、これは大変軽率であったと厳しく反省もしておるわけでありまして、私は、議員の秘書というのは内閣の申し合わせのときの対象ではありませんけれども、少なくとも私の事務所に関する限りは、誤解を招くことのないように自制した行動をとれということを厳しく言いました。インサイダー取引とおっしゃいますけれども、そのようなことは私は全くないと思います。
#306
○吉井(英)委員 実は私は、その安藤氏の八年間持っていらっしゃった東急車両の株価の動き、チャートを調べてみました。八年間ずっと一貫して上り調子と申しますか上がっていて、そして、全体としてずっと上がっているのですが、特に昨年に入って、昨年の八月のころというのは高値については最高を更新しているわけですね。
 問題は、このリスクの少ない東急車両の株を急いでお売りになって、そして一方、メイテックの方は八七年の三月に上場以来、ずっと株価が落ちているのですね。実は昨年の四月から八月にかけての時代というのは最も低いときなんですね。そこから上がるか下がるか全くわからない。ですから非常にリスクの伴うそういう株であったわけですね。それを、安全な方を急いでお売りになってリスクの伴う方を急いで買われた、そこにはインサイダー取引の可能性があるんじゃないかということで、私、これを調べてみられたかどうか、これをまず伺っておきたいと思うのです。
#307
○海部内閣総理大臣 昨年の八月ごろというのは私の身の上にも大きな変化があるときで、自民党の総裁に立てと言われて私はみずから深く考えたことがいっぱいございまして、とても秘書の一人一人の日常生活や持っておる株の状況とかいうようなことまでは、正直に言って率直に聞いたことも、それまで風味を持ったこともございません。私自身が株を知らないのですから、そういったようなことについてはとても及ぶべきところではありませんし、やはり私生活もあり、そのような行動をしておったということは本人が軽率であったと反省しておりますから、厳しくそれは戒めたところであります。
 それ以上突っ込んで、インサイダー取引だかどうかということまでは、これは秘書と私は信頼関係でもってきょうまでやってまいりましたし、厳しく反省しておるものでありますし、今後はそのような誤解を受けるような行動はさせないということではっきりいたしましたので、それ以上は追及しないつもりであります。
#308
○吉井(英)委員 実は私、なぜ八月の取引以降に株価が上がっていったのかということについて疑問に思いました。調べてみたのですが、昨年の九月に新株の発行とか一割五分の無償増資とか、そういうことがやられて、そして特に新たな事業展開ということで人気を集めて上がっていっているわけですね。問題は、それが公表された時期が問題になるわけですね。
 これはいわゆる証取法百九十条の二に言う、業務等に関する重要事実を国会議員等がこれを知り、法文の言葉は違いますが、またはこの情報を受領して上場株の売買を行うということはインサイダー取引としているわけでありますが、やはりそういうことに触れてくるおそれがあるわけですね。
 この点については二年前の参議院の予算委員会で、これは八月三十一日ですが、我が党の上田委員の質問に対して角谷証券局長は、「国会議員について申しますと、」「まず第一に、国会議員が上場会社に対する国政調査権等の行使に関し未公表の重要事実を知り、その公表前に上場株券等の売買等を行うような場合は、そのインサイダー規制の対象となり得ます。それからもう一つ、会社の役員等から重要事実の伝達を受けた国会議員が、その公表前に上場株式等の売買等を行う場合も規制の対象となります。この件につきましては、議員秘書につきましても国会議員の補助者として行動する限りにおきましては同様な規制の対象になります。」(発言する者あり)いや、これは受領ということもあるわけです。
 私は、総理自身、これは秘書の個人的な問題だということだけでは済まないのじゃないか。この点についてはやはりインサイダー取引の可能性というのはこの時点でうかがわれる問題ですから、私はあなた自身が調査をされる必要があるのじゃないか、このことを伺っておきたいと思います。
#309
○海部内閣総理大臣 何度も申し上げますが、昨年の八月の私の立場の激変、それから、組閣から、初めてのアメリカ訪問から、私は大きくて重い責任を負ったわけでありますから、まことに恐縮でありますけれども、そういったときに、一会社の将来の内容の問題に関心を持ったり興味を持ったりしたことなんか全くありませんから、そういう御発想は取りやめていただきたいと私は思います。
 それから、調べろ調べろとおっしゃいますが、私は、議員としてそういったことを全くできない状況にもあったし、興味も関心も持っていなかったわけでありますが、これだけ誤解を受けるようなことは今後厳しく、するなと言って戒めて注意を厳重にしてあるわけでありますから、私は、それでもって御理解をいただきたいと思います。
#310
○吉井(英)委員 私はその八月のお忙しい時期のことを今言っているのじゃないのですね。今この問題が明るみに出てきた中で、インサイダー取引の問題はなかったのか、それは今の時点で調査できるわけですから、昨年の忙しかったときにできただろうとか、それを言っているのじゃないですからね。
 ですから、特に私の調べたところでは、メイテックと証券会社と安藤秘書の間では、これがインサイダー取引に触れるおそれがありということを知っていて、株式売買約定書の日付を新株発行と増資公告を出した直後にずらせることでインサイダー取引規制を逃れる、いわばアリバイ工作の可能性と申しますか、これはまさに新手のインサイダー規制逃れのやり方とも思われるわけです。
 その点では、総理とその秘書には、特に長年第一秘書を務めてこられた、公設秘書をしてこられた方ですね、国の政治や経済にかかわる情報が集中する立場にあるわけですから、インサイダー取引となるとこれは総理にも責任が及ぶわけですから、私はここであれはインサイダー取引だろう、こう決めつけて言っているわけじゃないのです、そういう可能性がうかがわれる事態なんだから、総理みずから調査をされて御報告いただいてはいかがですか、こういうことを言っているのです。
#311
○海部内閣総理大臣 私は、閣議の申し合わせにも、そしてまたインサイダー取引なんかに、私が情報を聞いたり、取ったり、興味を持ったりすることは全くないわけであります。同時に私の秘書にそのようなことがなかったということは、それは、自分の持っておったもので売買をしましたという事実を認めて、軽率でありました、ただし、それについては売らないで今も持っているわけですから、今後は厳しく自粛してやってまいります、私にも軽率でしたと言ってわびておるわけでありますから、しかも、私自身にはそのような思い出は何もありません。
#312
○吉井(英)委員 ですから、総理御自身でなかったとしても、仮に秘書個人の株取引であったとしても、インサイダー取引の可能性はあるじゃないかということを申し上げているわけです。これについて、やはり国の政治と経済の重要な情報の集中するところにいる人なんですからね、ですからその人の問題についてはちゃんと調査をされて、報告をされる必要があると私は思います。
 総理は、結党以来の危機だとか泥沼からはい上がるんだとか、政治改革に政治生命をかけるんだとか言ってこられたし、クリーンを標榜してこられたわけでありますが、一体これは何だったのか。これまでの政治家の皆さんは、あれは秘書がやったことだから、秘書の個人的な経済行為だからということでずっと言ってこられたわけでありますが、それではクリーンを語る資格はないじゃないか、こういうことに私はなると思うのですよ。ですから、私が指摘した事実について、今秘書の方について調べられたらいいわけですから、そして調べて、公表、明らかにされてはいかがですか。しかし、それをやる気がないと言うなら、それはないで結構です。私は、クリーンというものを語る資格が疑われるのじゃないか、クリーンを語る資格がないのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 それで、御意見なければ次の問題に移りたいと思いますが……。
#313
○海部内閣総理大臣 その点もよく聞きましたけれども、ごく普通の方法で、証券会社の人にいろいろな情報を聞きながら、これを売ったらいい、買ったらいいといって自分で判断して売り買いをしました、しかしそれは大変軽率なことでしたと本人が厳しく反省をしておるわけです。私はそういったことに対しては厳重な注意をして、今後はかりそめにも誤解を受けるようなことはするなと言いましたので、私は、長い間私の政治行動をいろいろな面で一緒にしてきた人間でありますから、その言を信用しております。
#314
○吉井(英)委員 私はこの株のチャートを見ておりまして、安定した株でリスクの少ない株を急いでお売りになって、そしてリスクの多い、特に株価がずっと下がりっ放しの状態で底値のときに買われた、その直後から本当に驚くほど株価が上がっているわけですね。これは普通の投資家にはわからない話なんですね。私はこれはごく普通の市民の方の話をここでやるわけじゃないですから、公設の秘書の方のこの問題については厳しく対応されるべきだ、私はそのことを申し上げて、次の質問に入っていきたいと思います。
 それで、最初に申し上げましたような所得、消費、資産に対する課税を適正に組み合わせることにより均衡がとれた税体系を構築するということで消費税を導入されたわけでありますが、さっきも言いましたように、消費税導入により消費課税は上がっているのですね。所得と資産の課税は下がりました。しかし、今資産については土地や株について検討を進めようとしておられるし、土地課税については、これは政府税調の方でも企業の持っている土地への課税など、資産等に対する課税を全体として強化するという方向にあるわけですね。
 そして一方、所得税や法人税の伸びが大きくて、結局直間比率で見ますと、今年度で七〇・九対二九・一ということでありますが、地方税を含めれば七七・四対二二・六ですね。こういう中で資産課税を強化されていく、あるいは今後、所得税、法人税というのは累進税率の構造を持っておりますから、その伸びがありますから、そうすると、結局また間接税の比率というのは落ちていくということにもなるわけですね。
 ですから、これまでの政府のお考えからすると、直間比率の見直しというのをずっと言ってこられたのですが、間接税の構成割合をふやさないことには今よりまた直間比率が、直接税の比率が上がるわけですから、そうすると間接税の構成割合をふやすためには消費税の税率引き上げというのは必至ということにならざるを得ないのじゃないか、この点をひとつ伺いたいと思うのです。
#315
○橋本国務大臣 たびたび申し上げておることでありますけれども、消費税の税率というのは法律で定められておるものでありまして、国会こそが税率引き上げについての最大の歯どめである、私どもはそう考えております。そして、今委員は御自分の持論を述べられましたけれども、少なくとも、もし先般の税制改革がなかったとすれば、その直間比率というものは七六対二四ぐらいになっていたと思われますが、それが、平年度化いたしますと大体七〇対三〇ぐらいに落ちついてくる、そう目されております。今後、税の組み合わせ、そして国民負担のあり方というものは、その時代時代における経済情勢、また国民の意識の中で判断されていくべきものだと思っておりますが、今委員が述べられました消費税ということに限ってお答えを申し上げますならば、総理初め私どもは、現内閣として消費税の税率をいじるつもりはないということも繰り返し申し上げております。
#316
○吉井(英)委員 問題は、海部内閣の後どうなるかということですね。それに対しては、先ほど国会が歯どめになるというお話ですね。これは竹下元総理もたびたび国会が歯どめになるということをおっしゃったわけでありますが、しかし、今政治改革の中でお考えの小選挙区制の導入ということになると、四割台の得票率で八割ほどとられると、衆議院で三分の二を自民党が超える議席を持たれると、衆参逆転状況のもとでも衆議院の決定によって税率引き上げは可能となるわけですね。この点では、私は消費税の税率引き上げの問題というのは、小選挙区制を導入しなければまだその議論も成り立つ余地はあろうかと思いますが、しかし、小選挙区制が導入されたときに、自民党の皆さんが四割合の得票率でも国会議席の八割を独占するようなそういう状況が生まれたときには、これは文字どおり歯どめにならないのだ、このことを申し上げて、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
#317
○関谷委員長代理 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。
 次に、中井洽君。
#318
○中井委員 私は最初に、この野党提出の法案、政府提出の法案が、衆議院で多分初めてと言えるような形で十分質疑が行われてきたこと、これに御努力をなさいました関係者各位に心から敬意を表したいと思います。同時に、私の民社党あるいは今しゃべられました共産党さん、ふだんの委員会ですとなかなか割り当て時間等大変少ないものがありますが、十分論議の時間を配慮していただいた、このことに関して、委員長以下各党の理事の皆さんにもお礼を申し上げたい、このように考えます。
 消費税の見直し法案について質問をさせていただきます。
 最初に、総理と大蔵大臣。今の総理大臣、大蔵大臣としての月給で所得税、住民税はどのぐらいで、この税金が、所得税の減税がなかったら、今回の税制改正がなかったとしたらどのぐらいの税額になっておったか、お聞かせをいただければありがたいと思います。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
#319
○海部内閣総理大臣 私の平成元年度分の所得は、給与所得で二千百七十三万四千五十九円というのが総額でございますが、そのほかに私には五十三万五千五百五十四円という雑所得の申告がございましたので、これは合計しますと、二千二百二十六万円私には元年度所得があったわけでございます。このうち、今お尋ねの所得税は、改正で五百三十七万四百円になっておりました。改正前は幾らであったか調べてもらいましたら六百十九万六千五百円でありますから、八十二万六千百円減税になっております。
 ついでに、せっかく調べてきましたから申し上げます。住民税の方は、二百七十一万三千八十円、改正で二百六十五万一千四百円、差し引き六十一万六百八十円減税になっておりましたので、所得税、住民税両方で八十八万七千七百円ということに相なります。――済みません。六十一万円じゃなくて六万一千円でございます。間違えました。
#320
○橋本国務大臣 今総理が述べられましたと同様の形で御報告を申し上げます。
 まず、給与所得千八百六十二万五千百円、雑所得が百六十六万四百六十三円、合計二千二十八万五千五百六十三円が所得額であります。そして、税制改革前の計算をいたしますと、所得税は三百七十三万一千六百円、住民税は百九十六万五千七百円、合計五百六十九万七千三百円が課税されるはずでありました。税制改革後のルールで計算をいたしますと、所得税が三百十四万七千二百円、住民税が百八十五万四千二百円、合計五百万一千四百円でありまして、差し引き額が六十九万五千九百円、それだけ減税になっております。
#321
○中井委員 私がこういうことをお尋ねしましたのは、午前中小泉議員からいろいろな形でお話がございました。そのときに、所得の高い、五千万円の所得の方の減税額等について意見をお述べになられました。確かにそれはそれで一つの論議であります。
 しかし、実はこの消費税が導入されましたときに、私は落選中でございました。中曽根さんにうそをつかれて、だまされて落選したと今でも思っておりますが、恥ずかしいことに、まあまあ野党議員でありますから、落選をしますと収入が減ります。三百万ちょっとぐらいであります。本当に消費税というのは重くて痛かったと実感いたしました。高い人には高い人で、それは減税になってよかったという思いもあるでしょう。しかし、低所得者あるいは年金生活の人たちの痛さというのは、つらさというのは大変なものであったと思います。
 あの消費税導入の過程あるいは消費税導入の乱暴な、私どもから言わせればやり方、これらをおやりになった後、本当に、先ほどから海部総理は反省の点もあるとかいろいろとおっしゃっておりますが、お年寄りやら低所得者に対する、痛みに対する理解、同情、こういったものをどのようにお感じになっておるか、お聞かせをいただきます。
#322
○海部内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、税制改革のときには消費税だけを新たに創設したものではございませんで、いろいろな、所得税、法人税の減税を先行したり個別間接税を整理したりと、いろいろ差し引きしますと、減税が先行するような、税全体の公正化を図った制度でございます。
 しかし、御指摘のように、御年配の皆さんとか真に手を差し伸べる必要のあるお方に対しては、やはりこの消費税というのは逆進性の部分のみが妥当するような大変厳しい一面も確かに税の性格としてあるわけでありますから、それに対しては、それぞれ生活保護費の改定とかあるいは老齢福祉年金の改定とか、特に福祉年金の場合なんかは、昨年の十月からと思っておったのを、消費税が四月からスタートしましたので四月にさかのぼって支給できるように特例措置を設けるとか、いろいろできるだけきめの細かい配慮をしてきたつもりでございますが、今後ともいろいろさらに必要なものについては手を差し伸べていかなければならぬという思いで、世論の指さされる方向、野党の皆さんのいろいろな御質疑を通じて我々自身が感じたこと等をぎりぎり織り込んで見直し法案をつくり、提出さしていただいておる次第でございます。
#323
○中井委員 年金生活の方々に対してそういういろいろな手当てをしている、少しは痛みを和らげるために努力をしておるといったことが、どのような形で通知がされ、どのような形で理解がされていると、大蔵大臣、お思いですか。
#324
○橋本国務大臣 私は細かいところは存じませんけれども、恐らく、例えば福祉年金でありますならば市町村役場からあるいは社会保険事務所から、それぞれに引き上げられた金額がそれぞれの方のところに事前に御通知が行き、支給をされていると思います。
#325
○中井委員 去年の暮れに自動車だとかあるいは電機だとか、いわゆる大きな産業の会社においては、年末、先ほどのような、私質問したような形で、あなたの減税額はどのぐらいだというような形を通知した、こういうことを聞かしていただいております。それも一つの方法であろうか。しかし、本当に消費税を痛いとお感じになって、いまだにあれはだめだ、こう言われている人たちに対して、こういう痛みを和らげるために、こういう手段をやってこういうふうにお金を出しておる、こういったことを御通知する、そういったお考えはありませんか。
#326
○橋本国務大臣 私どもは、実は政府広報の中で随分そういうPRをさせていただいたつもりであります。むしろ広報し過ぎて、私は随分国会でおしかりを受けました。しかし、もし政府として今日まで努力をしてまいりましたものが関係される方々に十分意が通じていないということでありますならば、もう一度広報というものを考えてみたいと思います。
#327
○中井委員 そういう痛みを少しは和らげる、あるいは逆進性を少しは緩和をするということで、今回の見直し案の骨子に、食料品の最終段階での非課税、そして流通段階での一・五%の軽減税率、こういったことが盛り込まれていると私どもは理解をしておりますが、それで間違いありませんか。
#328
○橋本国務大臣 食料品の小売段階における非課税、その前段階における軽減税率あるいは住宅家賃、身体障害者用物品、第二種社会福祉事業、お年寄りに対する在宅サービスなどの非課税措置をとりましたこと、これは皆、委員の御指摘のような点に配慮いたしたことでありますし、また年金生活の方々のために、既に所得税や住民税におきまして公的年金等控除額を引き上げて一層の減税を実施しておりますのも、まさに御指摘のようなところからであります。
#329
○中井委員 消費税そのものの御説明あるいは消費税を語られるときに、常に、広く薄くあるいは公平に、こういうことが言われてまいりました。食料品あるいは飲料品というのは大変広いものであろうが、これを課税対象から外してしまう。私どもはよく理解ができますけれども、例えば公聴会等において、消費税に賛成の方々に、食料品を抜いたということを、税体系としてどうなんだろう、こう御質問をいたしますと、大半の方が、抜かなくてもいいんだ、抜くとおかしくなる、不合理にかえってなる、こういうことを税体系そのものとして言われるわけであります。
 見直しの中で自民党さんがいろいろと御議論なすった。私どもは、あの消費税が国会で審議されるとき、採決されるときに、民社党として自民党さんと話し合いをして、そして見直し規定を入れさした。必ず見直さなければならない、こう考えておったわけでありますが、実をいいますと、まさかあんなに早く選挙向けに見直しを言われるとは思っていなかったわけであります。ただ、その見直しの自民党の論議の中で、率を三%から二%に下げる、そして痛みを和らげる、こういう議論が随分あったと聞かしていただいております。この二%という見直しをとらずに、かえって税制そのものとしては少し不合理さやあるいは論議の点が多々ある食料品の最終小売段階での非課税、こういう選択をなすった、どこの辺に主な理由があるのかお聞かせをいただきます。
#330
○橋本国務大臣 政府税制調査会におきましても党の税制調査会におきましても、この案をまとめるまでにさまざまな御論議があったことは、今委員が御指摘になりましたような点ばかりでなく、それぞれの問題があったと思います。そして、私どもは、国民からちょうだいした見直しについての御要望というもののすべてをその検討対象とさせていただきましたから、その御意見の範囲というものも非常に幅の広いものになりました。
 そして、先ほど委員が、食料品非課税を入れたことで税体系からの論議があるという御指摘をなさいましたけれども、そうした声があることは私どもも承知をいたしております。しかし、同時に、食料品非課税というものを求められる声、一体幾ら出せばおれの欲しい食い物を買えるんだという素朴な問いかけというものが国民の中から非常に多かったことも事実であります。そして、私どもとしては、流通過程における軽減税率と小売段階非課税というものを組み合わせることによって、その国民からの御要請に最大限こたえ得る実効ある措置をとったということでありまして、プロセスの議論としてはさまざまなものがございました。
#331
○中井委員 今、消費税が定着した、しない、いろいろな論議がございます。しかし、私どものおつき合いの範囲で率直に国民に聞きますと、それは要るものは要るだろう、しかし、税金で取る前にまずみずから使うものを正すべきだ、これはどこへ行っても言われることであります。
 政府は政府として、特に大蔵大臣は、予算のゼロシーリング等を含めて大変予算の膨張に歯どめをかけながら行政改革を続けておられる、こう言われております。また、海部総理も、就任以来まだ何もおやりにはなっていないと思いますが、行政改革、今まで以上に情熱を傾けてやるんだ、こういうことを言われております。しかし、現実に予算規模としては膨れ上がっていく、また、役所の機構等も一向小さくならない、スマートにならない、大きくなっていく、これが国民の目に見えておる行政のあり方じゃないか。
 私どもは行政改革というものを常に主張してまいりました。また、新たな税制を導入するに際しては、徹底した行政改革をやるべきだ、こういった注文もつけてまいりました。残念ながらこれはなかなか目に見えてこない現状であります。私は、国民に常に目に見える行政改革をやる、やっておる、こういう姿勢を見ていただく、このことが一番大事なことではないかと考えております。
 そういう意味で、行政改革、具体的なことについて三つほど御提言やらお尋ねをいたしたい、このように思います。
 最初に、税務署の職員数というのは何人ぐらいおられるか、お答えいただけますか。
#332
○岡本政府委員 平成元年分の定員で申し上げますと、全国で五万四千三百七十六名でございます。よろしゅうございますでしょうか。
#333
○中井委員 税務署には五万四千の職員さんがおられて、私は税務署の職員さんのレベルというのは世界一優秀であろうか、まじめであろうか、このように考えております。同時に、地方自治体には税務課の職員さんがおられて、九万人ぐらい数がおられる。地方自治体は自治体でまじめにお仕事をしていただいておるとは思うのでありますが、国民から見ますと、税金というものは税務署で一つにまとめておやりいただいた方がもっと効率がいいのじゃないか、地方自治体の税務職員ももっと減らすことができるのじゃないか、このことを率直に思うわけであります。もちろん地方自治の尊重、こういった難しい問題もあります。しかし、やり方はあろうかと思うのであります。
 五十八年に出されました臨調の最終答申の中でも、「徴税機構」「国税及び地方税の徴収事務の総合化・効率化のための徴税機構の在り方を検討する。」このようにも書かれております。税務署、国税庁と地方の税務課、こういったものの機能的な統一あるいは徴税事務の統一、こういったことについて踏み出されるお考えがおありかどうか、お尋ねをいたします。
#334
○橋本国務大臣 実は、国及び地方の税務職員の一元化、徴収事務の一元化という論議は以前から何回も出ては消え出ては消えした問題であります。そして、今委員が述べられましたように、五十七年の臨調の答申においても国・地方を通じた税務行政の効率化というものがうたわれました。そして、その結果として、これを受けまして、同年の十二月に自治省と国税当局の間で所得税の納税相談、また資料、情報の収集、交換といったことについての一層の協力関係の拡充を図ることによって、双方の要員が必要以上に膨張しないようにお互いの協力関係を深めてまいりました。
 ただ、行政の効率化という観点から何かとよく出てくる一元化という議論でありますし、これは一つのそれなりの体系を持って、傾聴すべき点はあると私は思います。しかし、これはやはり地方自治の本質にもかかわる問題点を含んでいることでありまして、ただ単に税務行政の便宜といったことのみからこの問題を論ずることはいかがなものであろうか、むしろもっと幅広い視点から検討を必要とするものではないか、私はそのように考えております。
#335
○中井委員 この点につきましては、また委員会等で御議論をさせていただきたいと考えます。
 もう一つ、大蔵省関係で、具体的に目に見える行政改革、こういうことで御提案を申し上げたいと思います。
 池袋のサンシャインというところに上りますと、真下に一万坪、広々とした森があります。これは造幣局東京支局の土地でありまして、約一万坪、勲章等をおつくりになっておると聞かしていただいております。職員数二百九十名。これは一等地であります。本当に東京のあんな一等地で一万坪の土地を持って勲章をつくっていなければいけないのか。つくらなければいけないのだったら、例えばそれをつくって、その上にマンションを建ててお住まいをいただく。もっと利用していただいてもいいのじゃないか。こういうことを一つずつやっていくのが、具体的な国民の目に見えた行政改革だと私は思うのですが、大臣、いかがですか。
#336
○橋本国務大臣 まず第一に申し上げたいのは、大蔵省の業務の中におきまして造幣業務というのは一つの特殊性を持っております。同時に、造幣局の本体は大阪に立地しておることも御承知のとおりであります。そして、そういう状況の中におきまして、造幣支局が東京に置かれており、業務を続けておるにはそれなりの理由があることは御理解をいただきたいと思うのであります。
 そして、それを前提にしてこの土地をより高度な利用方法を考えるという御指摘でありますならば、これは私どもとしても当然検討しなければならないと思います。
 ただ、同時に、それは現に造幣局に勤務しております職員の勤務の条件等々にもかかわることでありまして、これは十分勉強をさせていただきますけれども、その勤務状況等に大きな変更を加えるような形というものは、今の時点において、業務の流れからいきましても必ずしも望ましいものではない、私はそのように考えております。
#337
○中井委員 総理大臣に行政改革の具体的な点で一つお考えをお尋ねいたします。
 総理大臣は、文部、文教問題について特別に御熱心でおられますから、その点からお尋ねを申し上げます。
 今東京都に国立大学というのは十二ございます。敷地面積四百七十万平米であります。これは百八十万坪ですか、もっとありますか、大変な広いところにおられるわけであります。もちろんそれぞれ伝統がおありで、また、学生さんもその中で十分勉強に、スポーツにお励みであろうかと思います。しかし、東京都のような土地の高いところ、そして住宅問題がこれだけ厳しい状況の中で、本当に東京でこれだけの敷地を大学が持ってやっていかなければいけないのか、もっと地方で広々と学生生活をおやりいただくのはどうだろう。あるいは、例えば、お二人の大臣も私も私立大学ですから言うわけじゃありませんが、東京大学で百七十四万平米お持ちなんです。それは駒場と分かれているかと思いますが。しかし、ここなんかは、どうしてもあそこにいたいと言うのならば、マンションをだあっとあそこへ建てて、一階から三階までは東京大学、上はマンション、こういう形でお考えになる。そういう思い切ったことでもしなければ、総理大臣御提言の、東京首都圏通勤内へ年収五倍の範囲で住宅を二百万軒建てるなんということは到底できない、このように思うのでありますけれども、いかがでありましょうか。
#338
○海部内閣総理大臣 非常に興味ある発想の御提案だと思って私も控えさせていただきました。
 ただ、現実の問題といたしますと、国立大学が担っておる使命とかいろいろ考えますと、二階まで大学で三階以上はマンションというのも、直ちにここでそうしましょうとはちょっと私言えませんので、これは検討課題にさせてもらいますが、非常に難しいことだと思います。
 ただ、文部省としても全然手をこまねいておるわけではございませんで、国の行政機関等の移転の一環として東京外国語大学の移転の準備を今進めておりますとともに、その跡地の効率的な活用に鋭意努めておるところでございますが、さらにいろいろ、御指摘を踏まえて考えてみたいと思います。
#339
○中井委員 他の機関ばかりいじめて国会のことを言わないと不公平になりますので、総理大臣、国会移転の問題についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
#340
○海部内閣総理大臣 今政府は、鋭意土地税制に取り組んだり、あるいは遊休地、未利用地を利用計画をつくって利用するようにしたり、いろいろ努力を続けておりますけれども、東京一極集中を排除することも大切だという角度の強い御意見があり、超党派の調査会の皆さんの、いろいろな中でたたき台の案までできておるというお話も私はお聞きしておるわけでありますので、非常に注目をしておるところでございますが、いろいろ慎重に御検討いただくべき問題だと思って、各党間の御議論を見守っておるところでございます。
#341
○中井委員 時間がなくなりました。最後に一つだけお尋ねをいたします。
 この委員会の論議を通じて、これは与野党共通の基盤があるなというところもあれば、かけ離れた考えもあるなというところもございます。本日採決になりまして、結果は既にそれぞれがおわかりのような状況になろうかと思います。私どもは、その後、すべての政党が公約違反をしなくていいように、できる限りの話し合いと一致点を見つける努力をすべきだと考えております。
 その話し合いの中で蒸し返してならないのは、この委員会で行われた、他党の悪口を言う、あるいは片一方の批判だけをするということではなしに、共通の一致点を見つける努力をするということであろう。
 ただ、共通の一致点を見つけるについても、例えば、国民の考えは廃止に賛成だ、いや見直しに傾いておる、大きく離れているところはございます。ちょうど四月で消費税導入をされて一年経過をいたしました。いろいろと消費税については御調査、アンケート等が行われてきた。しかし、私は一年たった時点での調査、アンケート、こういったものがきちっとしたものが出ていない、このように感じております。政府の方でも今回の見直し法案を出されましたけれども、その中にやはり簡易課税のみなしの率を七月になったら考えるんだ、政令で考えるんだ、こういう一項がございます。それはなぜかといえば、やはりみんなが一巡納付をしてからいろいろな意見を聞いて、こういう形になっております。
 これから話し合う、そういう共通の立場を持つための調査あるいは消費税についてのもっと分析、こういったものを早急におやりをいただく必要がある、その上に立っての話し合いをすべきである、このように考えますが、大臣、いかがですか。
#342
○橋本国務大臣 私ども今、五月いっぱいで申告・納付の終了いたしました直後から、全国の全税務署からの資料を収集し、分析し、その中からそれぞれの問題に対する答えを出すための作業を続けております。恐らく膨大なものでありますから、七月いっぱいはその事務的な準備、解析にはかかると思いますが、その後できるだけ早く、私どもとしても、考え方を固め得るその基礎資料というものを御提示できるようにしていきたいと思っております。
#343
○中井委員 終わります。
#344
○山崎委員長 これにて中井洽君の質疑は終了いたしました。
 次に、江田五月君。
#345
○江田委員 長丁場の質疑でお疲れのことと思います。大変御苦労さんでございます。
 いよいよ最後の質問ということになって、私に許されておりますのは十分ということでございますが、考えてみると消費税論議、随分長くやってまいりました。総選挙を経て、政府・自民党の方あるいは野党四会派、それぞれに公約に従って法案を出し、この税特委で今日までまさに私は精力的にこれは議論を進めてきたと思います。いよいよ討論、採決という最後の段階になりました。
 総理、長いこの委員会での質疑を終えるに当たっての感想を一言伺いたいと思います。
#346
○海部内閣総理大臣 各党各会派の皆さんが、それぞれいろいろなお立場に立って、いろいろ御議論を熱心に交わされたことに率直に敬意を表する次第でございます。
 同時にまた、両方とも最後はだめになるぞというようなことも盛んに言われながら、私どもは見直し法案をぜひとも通していただきたいということをお願いし続けたわけでありますが、ベストでなくてベターな選択に入るためには、どこかで接点がないだろうかということもいろいろ考えて、皆様方のそれぞれのお立場の御意見を拝聴させていただきました。
#347
○江田委員 さすが尊敬する総理、実はそのことを伺いたかったのです。つまり、一生懸命やってまいりました、敬意を表すると言われました。私どもも本当に、しばらくの間国会が、まるでのどにとげが、骨ですか、刺さったかのように、この山積する課題に取り組めないというようなありさまになっていた。しかし、こうやって一生懸命に質疑をして、今の税制のさまざまな問題について問題が洗いざらい出されて、国民の皆さんの注目もいただいてきて、しかし、どこかむなしいということなんですね。
 これだけ一生懸命質疑をしてきて、今ここでもう言葉を飾っても仕方がないんで、私どもは廃止再改革でどうしてもやりたい、そして、今まだこの段階でそれは通らないというようなことは言えないのかもしれませんけれども、しかし言葉を飾ってもしようがないし、そういう方向にない。見直しでもう終わりにする、これもまたそういうことにならない流れですね。
 これでいいのだろうか。私どもさきの総選挙で、もうただの一党たりといえども今現在行われている消費税でよろしいと言っていた政党はないわけで、どの党もすべて、何かこれは国民の願いにこたえて手直しをしなきゃならぬ、あるいは再改革をしなきゃならぬ、そう言ってきたわけですが、これがこのまま両方が相打ちということになると、今の消費税がそのまま通ってしまう。これではまるで国会丸ごとといいますか、国会がみんなそろって国民に対して公約違反をするというようなことになるわけですが、そんな状態ではいけないので、これはどうしても私は大きな立場から、与野党といいますか政府ももちろん大いに胸襟を開いていただいて、さあ協議にどういう主体がかかわるかは別として、ひとつ大きな立場の話し合いをしていかなければいかぬと思いますが、いかがですか。
#348
○海部内閣総理大臣 議論をいたしますときに、一つの目標に向かってお互いに歩み寄るというような角度の御議論をぜひお願いしたいというのが私の率直なことでございます。
 そして、政府といたしましても、昨年の四月から始まっております消費税というものについて、当時いいと思って、いろいろ減税も先行させていいと思ってやったことも、各党の御議論を通じていろいろな御批判があった、国民の皆さんの声もあるいは世論調査でもいろいろな御意見があった、その御意見は謙虚に踏まえて、そして見直し案をつくったんですが、さあそれでもいけないというときにはどうするかという問題になりますと、各党各会派の御議論によってそれを深めていただく、そういったことを心から期待をしてきたわけでありますが、今結論を言われたような図式になりますと、一体何のためにきょうまで議論をして、何のために見直し案をつくったりいろいろ議論をしたのかということに相なれば、私もやはり同じように結果としてむなしい気持ちも感じます。
 一歩でも二歩でも国民世論の指さされる方向に近づけていきたいという強い気持ちを持っておりますので、引き続きそういったお考えで各党のお話し合いをお続けいただくように、心から期待をさせていただきます。
#349
○江田委員 その場合に、恐らく私どもの方でも、廃止でなければ日も夜も明けぬ、これでは多分話にならぬのでしょう。しかし、恐らく自民党の皆さんの方でも、政府のお出しになった見直し法案以上には譲歩できないんだ、これでも恐らく話にならぬのだと思いますね。
 私は、もっと言えば、この消費税を一体どうするというだけでなかなか本当の話し合いができるのだろうかなという感じも実はするんですね。もっと広く、それこそ協議のベースというか、課税ベースじゃなくて協議のベースを大きく広げて、歳入一般、いろいろな税制についても協議の俎上にのせる。さらにもっと言えば、歳入だけでなくて歳出も協議の場にのせてひとつ与野党の大きな議論をしてみてはどうだろうか。
 今、我が国会は、衆議院は自民党多数です。それが選挙の結論。これはいろいろあります。争点隠しと言ってみたり、金権、利権と言ってみたり、いろいろありますけれども、結論は結論です。しかし、参議院は野党多数。これも国民の下した結論。参議院は野党多数だから、野党も単なる批判勢力でなくて現実の政治に責任を持てということも、大蔵大臣もこの委員会の質疑で時々おっしゃっておられるわけですし、ひとつそういう意味で、歳出についても、いよいよ最後にもう予算案ができる寸前に党首会談で意見をお聞きいただくというだけでなくて、もっと本質的な議論の中に野党もかんでいく、関与していく、そういうようなことが必要だと思います。
 歳出の問題についてはちょっと後で大蔵大臣に聞くとして、その前に、全体に協議の幅を大きく広げるということについて総理のお考えはいかがですか。
#350
○橋本国務大臣 予算につきましては、予算編成権は政府であります。各方面からの御意見などにも広く耳を傾けながら、毎年度、社会経済情勢などの変化を適切に踏まえて責任を持って編成をし、国会に提出をさせていただいております。
 また、先ほどお述べになりました点について、総理からもお答えがあるでしょうけれども、委員から御指摘を受けるまでもなく、この四月九日、この本院の予算委員会におきまして、米沢委員からの御質問に私はこうお答えをいたしております。というのは、委員は非常に幅広い立場でいろいろな議論をすべきじゃないかということを述べられました。
  私は、今委員がお述べになりましたような視点から、広範な問題について、しかも消費税を含めた税制のみに限定せず、それこそ行政改革から何から含めて論議をする、そういうお考えについて異論を申し述べるつもりは全くありません。また、資産課税あるいは課税ベースの拡大等含めて、税制全体について論議をオープンにしようと言われることについても、全く異論はございません。
  そして、委員御自身からもお述べをいただきましたように、その中には見直し案もテーブルにあっていい、廃止案もあっていい、さらに全く違った考え方もあっていいという御論議は、それを私は否定するつもりは全くありません。
こう申し上げておりまして、我々は今までも同じようなスタンスをとっております。
#351
○江田委員 予算編成のことはそういうお答えかと思いますが、総理の方からも、土地税制とか、あるいは野党の方も所得、消費、資産に適正な課税が必要だということも言っているわけですので、広い立場で協議をしていくということについてのお考えを伺いまして、質問を終わります。
#352
○海部内閣総理大臣 国政全般という広い視野に立って、同時にまた、政党が政党としての責任を持っていろいろ意見を述べられ御議論をいただくということ、それはもう当然のことだと考えておりますし、大蔵大臣が申し上げたとおりでございます。
#353
○江田委員 終わります。
#354
○山崎委員長 これにて江田五月君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして各案についての質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#355
○山崎委員長 この際、伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案及び税制再改革基本法案の両案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。橋本大蔵大臣。
#356
○橋本国務大臣 最初に、消費税法を廃止する法律案について申し上げます。
 さきの税制改革の一環として創設された消費税につきましては、現在及び将来の我が国にとって不可欠な税であると確信しております。したがいまして、本法律案につきましては、政府としては反対であります。
 次に、税制再改革基本法案について申し上げます。
 先般の税制改革につきましては、この改革により我が国経済社会の活力を維持し、国際化に対応しながら豊かな長寿福祉社会をつくるにふさわしい、より公平な税体系の構築が図られるものと確信しており、正しい選択であったと考えられます。したがいまして、本法律案につきましては、政府としては反対であります。
#357
○山崎委員長 次に、伊藤茂君外七名提出、消費譲与税法を廃止する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の両案について、念のため、内閣において御意見があれば発言を許します。奥田自治大臣。
#358
○奥田国務大臣 初めに、消費譲与税法を廃止する法律案について申し上げます。
 先般の税制改革の一環として創設された消費譲与税につきましては、現在及び将来の地方財政にとって不可欠な財源であると確信しております。したがいまして、本法律案につきましては、政府としては反対であります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 消費税を地方交付税の対象税目とすることは、現在及び将来の地方財政にとって不可欠な措置であると確信しております。したがいまして、本法律案につきましては、政府としては反対であります。
    ─────────────
#359
○山崎委員長 これより各案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中西啓介君。
#360
○中西(啓)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました消費税法を廃止する法律案外これに関連する三法案に対し反対、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し賛成の意見を表明するものであります。
 御承知のように、先般の税制改革は、個別間接税にのみ依存していた従来の間接税制度が直面しておりました諸問題を解決し、所得課税の大幅な軽減などと相まって、所得、消費、資産等の間で均衡がとれた税体系を構築することにより、それまでの税制が持っていたさまざまなゆがみやサラリーマン層を中心とする重税感を是正するとともに、高齢化の進展を踏まえ安定的な税体系を確立することを目的として行われたものであります。
 この税制改革は、国民の長期的、全体的利益にかなう正しい選択であったと確信しております。新しい税制の一層の定着を図ることこそが現下の重要な課題であると考えております。
 先般の税制改革の一環として創設された消費税は、昨年四月実施以来の経済動向や申告・納税等の状況を見ましても、着実に日々の生活に溶け込んできておりますが、野党四党がこうした現実を無視し、さきの税制改革は必ずしも国民の十分な理解と信頼を得た上で行われたものと言いがたいとし、一方的に提案した消費税法廃止法案外三法案には、強く反対をするものであります。
 また、税制再改革基本法案では一年後に税制再改革を行うとしておりますが、その趣旨や理念は抽象的かつ内容に乏しい言葉の羅列にすぎず、再改革の具体的な内容が一向に明らかにされておりません。特に、サービス、流通等に対する適正な課税、納税者番号制度の導入、土地税制の見直しなど、これらを具体化すれば国民生活に多大の影響を与えることが必至であるにもかかわらず、すべて国民税制改革協議会において検討するとして先送りし、個別物品税の復元等問題の多い矛盾に満ちた暫定税制を示唆するのみで、一年後の税制再改革の具体的な姿を何ら明らかにしていないのであります。
 これでは、消費税廃止による平成二年度税収見込み額で六兆六千五百億円に上る減収に対して十分な制度的代替財源措置を講ずることを放棄したものと言わざるを得ません。自民党・政府は長年の努力によりようやく赤字公債依存脱却の目標を達成するところまでこぎつけたわけでありますが、野党案はこれまでの自民党・政府のこのような努力を全く無にしてしまうおそれがあるものであります。
 また、地方財政におきましても、消費税の廃止に伴い消費譲与税が廃止され、地方交付税の対象税目から消費税が除かれることは、地方財政に大変な支障が生じることとなり、地方公共団体の健全な財政運営を確保する観点からも到底容認することはできません。
 一方、消費税法等の一部を改正する法律案、いわゆる見直し法案にあっては、国民各層からさまざまな御意見や御指摘をいただき、こうした国民の声にこたえ、その一層の理解と定着を図る観点から、所要の見直しを行うものであり、まことに時宜を得たものであって、私は、このような政府の努力を極めて高く評価するものであります。(発言する者あり)
#361
○山崎委員長 御静粛に願います。
#362
○中西(啓)委員 以下、具体的に申し上げますと、第一に、非課税範囲の拡大及び飲食料品の譲渡に対する特例措置を講じようとしておることであります。
 具体的には、人の生命にかかわる出産費、火葬・埋葬料を非課税とするとともに、借家住まいの方々のために住宅家賃を非課税とするほか、社会的に弱い立場の方々に、より一層配慮して、身体障害者用物品、老人福祉センター経営事業等の社会福祉事業、ホームヘルパー、ショートステイなど老人等に対する在宅サービスを非課税とすることにしております。さらに、学校教育に係る父兄の負担を軽減するため、入学金、教科書等を非課税とすることにしております。また、すべての飲食料品について小売段階を非課税とするとともに、卸売段階までの税率はこれまでの半分の一・五%とする措置を講ずることにしております。
 これらの措置は、消費税の最も大きな問題とされた所得に対する逆進性を緩和し、社会政策的配慮を充実する等の観点からして、まことに有意義なものであると考えます。
 第二に、年税額が三百万円を超える事業者の中間申告回数を年三回に増加する措置を講ずるほか、交際費等の支出及び乗用自動車の購入費、賃借料等に係る課税仕入れ等については、仕入れ税額控除を制限する措置等を講ずることにしております。
 これらの措置は、事業者の事務負担に配慮しつつ、制度の公平性をより一層確保する等の観点からして、まことに適切な措置であると考えます。
 第三に、消費税収のうち国の分については、国民福祉のための経費に優先して充てることにしております。
 この措置は、高齢化社会への対応という消費税導入の意義を踏まえたものであり、まことに妥当なものであると考えます。
 その他、制度の見直しに伴う事業者の事務負担に配慮して中小事業者等の特定事務用機器の即時償却制度の適用期限を一年延長する等の措置を講ずることにしております。
 これらの措置は、いずれも最近における社会経済情勢に対処し、暮らしの視点に立った見直しという国民の声にこたえるべく最大限の努力が払われているものと認められ、まことに当を得た措置であると考えます。
 以上申し上げた理由により、消費税法等の一部を改正する法律案に対し全面的に賛成の意見を表明し、私の討論を終わります。
 以上であります。(拍手)
#363
○山崎委員長 嶋崎譲君。
#364
○嶋崎委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党、進歩民主連合の四会派代表の共同提出による消費税廃止関連三法案及び税制再改革基本法案に賛成し、内閣提出による消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案には反対の立場で討論を行います。
 今回、四会派提出による消費税廃止法案等四法案と内閣が提出いたしましたいわゆる消費税見直し法案が本特別委員会で活発に論議されましたことは、我が国憲政史上特筆さるべきことであると言わなければなりません。とりわけ、四会派によって消費税廃止関連法案が議員立法で提出され、昨年の参議院での審議に引き続き、それに関し与野党対等の立場でさらに論議されましたことは、意義深いことであったと言えます。
 国政の柱とも言える税制のあり方を国会議員同士が論議することは当然のことと申せましょうが、これまでは政府提出法案に対する質疑、質問が中心で、与野党議員が本格的に質問し、答弁する機会が余りにも少なかったのであります。立場が違う与野党が意見を異にすることは当然のことであり、今回の消費税問題についても考えは真っ向から対立しておりましたが、それだからこそ一層真剣に論議ができたのではないかと思うのであります。
 さて、私は、本委員会での与野党の主張、そして政府の主張を拝聴し、消費税は廃止されなければならないという考えにますます確信を持った次第であります。政府・自民党は若干の見直しによって消費税を存続させ、定着させようとしているのでありますが、これは誤りを繰り返すものであり、とってはならない道であります。今なら欠陥消費税を廃止することができますし、またやらなければならないことであります。その立場から、四会派提出の消費税廃止法案等四法案には賛成であり、消費税の見直し法案には反対であります。
 その理由の第一は、消費税は自民党が国民にその導入を絶対に行わないと公約した大型間接税であります。したがって、自民党が大敗した昨年の参議院選挙の結果やさきの衆議院選挙の経過を振り返っても、廃止が至当であります。政府・自民党の中には、我々の主張を逆手にとって、総選挙で消費税は国民に認められたと主張する方もおりますが、選挙中は消費税問題が争点となることを必死になって回避しようとしたり、消費税の再見直しや凍結論まで公言していたのは一体どこのどなたでしょうか。消費税反対の声が根強い現状を勘案すれば、政府の見直し案よりも、四会派の廃止法案を支持するのは適切な判断であると自負しております。
 消費税廃止に賛成する第二の理由は、所得格差、資産格差が拡大している傾向にある中で、所得に対して逆進的な消費税を存続させることが、格差拡大をさらに助長することになるからであります。非課税範囲の若干の拡大、食料品に対する小売段階での非課税、卸売段階などでの軽減税率適用などの見直しによっても、逆進性は依然として緩和されません。
 政府の調査でも、所得格差は昭和五十六年から拡大傾向にあることが明らかにされております。戦後混乱期、そしてシャウプ勧告当時と比較して所得が平準化、高度化しているのはいわば当然のことでありますが、それをもって消費税を正当化することはできないのであります。所得の地域間格差、企業規模間格差、年齢間格差、そして資産格差も拡大しております。その中で、消費税が導入されたことが問題なのであります。
 政府・自民党は、所得に対する逆進性の緩和や社会政策的配慮から非課税範囲の拡大、食料品の小売段階非課税、その他では一・五%の軽減税率の適用を図ったとしておりますが、消費税負担の軽減効果は、標準世帯の場合、年一万四千円、月千円程度にすぎません。それも想定どおりに価格が引き下げられた場合のことであって、事実上あり得ないことと言わなければなりません。小売段階非課税、卸売段階などでの特別低税率という制度は、消費税をまさに世界に例のない複雑でわかりにくい税にしただけのことであります。
 また、政府の見直し案では、消費税収入については、「国民福祉のための経費に優先して充てる」との条文を書き加えておりますが、反福祉である消費税への不満を和らげるための方便であり、不当表示であります。消費税は、一般財源であり、特別会計に限定された歳入とされているわけでもなければ、新たに福祉関係の特別会計を設け、その財源とする措置が考えられているわけでもありません。制度的保障もなく、ただ条文に訓示規定を置き、消費税は福祉のための財源であるかのごとく規定したからといっても、それはイメージづくり以外の何物でもなく、偽りの看板であります。仮に将来、消費税が福祉目的税とされれば、福祉に充当するということで税率は大幅に引き上げられ、それを拒否するのであれば、福祉の後退を容認することになるということで、二者択一が迫られる危険性が大きいことを危惧するものであります。消費税自体が反福祉であり、弱い者いじめの税制であることを改めて強調しておかなければなりません。
 第三に、簡易課税制度、限界控除制度、免税点制度など中小事業者の事務負担を配慮したとする措置の問題点を指摘しなければなりません。これらは申すまでもなく、消費税導入に強く反対していた中小事業者に配慮した措置であり、消費税の導入を容易にするために設けられた特例であります。事業者に配慮したこのような制度は、消費者が負担した消費税が国庫に納入されないという問題を引き起こし、事業者と消費者の間の不信を招いているのは当然であります。簡易課税制度におけるみなし仕入れ率を将来変更するとのことでありますが、その具体策はいまだに明らかにされていないのであります。無責任きわまりない態度と言わなければなりません。
 以上、概観しただけでも、消費税の欠陥、見直し法案の欠陥は救いがたく、消費税は廃止する以外にないのであります。
 最後に、四会派を代表して消費税廃止法案を初めとした四法案を提出された議員各位の勇気ある行動、堂々とした答弁に心より敬意を表しまして、私の討論を終わります。(拍手)
#365
○山崎委員長 小谷輝二君。
#366
○小谷委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました野党四党提出の消費税法廃止法案及び関連三法案に賛成し、政府提出の消費税法及び租税特別措置法の一部改正案に対し反対の討論を行うものであります。
 六月十一日から、四野党の議員立法による廃止法案と政府提出の見直し法案について議論が繰り広げられてまいりました。
 今回の議論は、国政を負託された議員同士が同じテーブルで率直に議論を交わすという立法府本来の姿と役割を示したものであり、この意義は極めて重いものであると考えます。また、今回の審議を通して、与野党がそれぞれの責任を分担して国政運営に当たる新時代の幕あげを強く感じるとともに、国会活性化への第一歩としなければならないと思うものであります。
 以下、野党四党提出の消費税廃止法案に賛成し、政府提出の消費税見直し法案に反対する理由を順次申し上げます。
 その理由の第一は、消費税の導入過程において、政府・自民党は重大な誤りを犯したことであります。
 政府・自民党は、まず大型間接税導入ありきでスタートしたのであります。そして、昭和六十一年の衆参同日選挙における大型間接税は導入しないという公約や、売上税廃案の経緯などを無視して、昨年四月一日から消費税を強引に導入したのであります。民主政治の基盤である国民の理解と合意という原則に反して強行採決によって導入した消費税は、いかなる見直しや改革を行なおうとしても、消費税に対する国民の不信感を取り除くことは不可能であります。
 今回、国民の期待にこたえて廃止法案を提出したことは、政府・自民党によって失われた国民の税制への信頼を取り戻すために、何よりも必要な行動であったと考えるものであります。ましてや、さきの国会において参議院で消費税廃止法案が可決され、一院を通過したという事実を考えたとき、消費税は廃止し、総合税制改革のため出直すべきは当然であると言わざるを得ないのであります。
 第二は、現行消費税の持つ欠陥は、どのような見直しをしても解決できないということであります。
 消費税が導入されてから一年余りを過ぎようとしておりますが、この間、消費税の持つ欠陥が改めて浮き彫りにされるとともに、国民生活に重大な影響を及ぼしている実態が明らかになっております。
 特に、消費税の構造的欠陥である逆進性は、社会的に弱い立場にある年金生活者や生活保護世帯などに過重な負担を強いている事実が具体的に実証されているところであります。民間団体の消費税実態調査では、個人の収入に占める消費税の負担割合は、政府見通しの一%をはるかに超えて見通しの二倍以上になっており、しかも、低所得者や高齢者ほど負担の割合が重く、消費税が持つ弱い者いじめの実態が明らかになっております。
 また、消費者が支払った税金が国庫に正しく納付されないことについてもその事実が明らかにされ、国民の強い反発を受けているところであります。政府の見直し案ではこの点に全く触れられていないのであります。現行消費税の持つ構造的な欠陥であるため、是正することは困難であることを示しているものであります。
 第三は、今回の見直し案は、消費税の構造的欠陥を解消するものではなく、かえって矛盾を拡大するということであります。
 見直し案の柱は、食料品について生産、卸売段階で一・五%の軽減税率、小売段階で非課税とする方式を採用している点でありますが、食料品に消費税が含まれることになり、税が流通の段階で吸収され、食料品の価格が下がる保証はありません。かえって複数税率の採用で事業者の事務負担を増大させ、混乱を招くことは必至であります。このように見直し案は、消費税の持つ矛盾を一層拡大させることは明らかであります。
 第四は、政府・自民党が高齢化社会への対応を消費税導入の理由として挙げていながら、高齢化社会における年金、医療などの福祉に関する総合計画が示されていないことであります。
 こうした総合計画を明らかにしないまま消費税を存続させるならば、将来、福祉需要の増大を理由に大幅に税率が引き上げられることは必至であります。今回の政府の見直し案では消費税を福祉に優先的に充当するとしておりますが、この規定が何を意味するものか疑問であります。このような小手先で国民の目をそらそうとする政府・自民党のこそくなやり方は、国民の不満と政治への不信を増大させる以外の何物でもありません。
 以上、野党四党提出の廃止法案に賛成し、政府の見直し案に反対する主な理由を挙げましたが、この際、消費税は廃止し、新たな税制改革をやり直す以外に、国民の税への信頼を回復し、真に国民の理解と納得を得る方法がないことを改めて表明するものであります。
 昭和五十四年の一般消費税論議に端を発し、売上税廃案を経て消費税に至る十年間の税制論議は、一つの結論を得ようとしており、また、このことは、新たな税制論議の船出であると考えるものであります。
 我が党は、これまでの議論を踏まえ、真に国民の理解と納得を得られる税制の確立に全力を挙げる決意を申し上げるとともに、今回、消費税廃止法案を提案された提出者の御苦労に対し、いま一度深く敬意を表し、関係各位の御尽力をたたえ、私の討論を終わります。(拍手)
#367
○山崎委員長 正森成二君。
#368
○正森委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました四会派提出の消費税を廃止する法律案等廃止関連三法案に賛成、同税制再改革基本法案及び政府提出の消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、いわゆる見直し法案に反対の討論を行います。
 消費税は、公約に違反し、議会制民主主義を真っ向からじゅうりんして成立させられた上、導入以来のこの一年と二カ月余り、国民の日々の生活体験からも最悪の大衆課税としての害悪が明らかになってきています。
 消費税の影響で、消費者物価はこの三月、対前年比で三・五%も上昇しました。国民の消費税負担額は、一戸当たり年間十万四千円以上にも達し、家計に重圧となっています。とりわけ高齢者世帯、母子世帯などの社会的弱者に消費税は容赦なく襲いかかっており、年金生活者からは、長生きはもっともめでたくないという悲痛な声が沸き起こっています。低所得者ほど負担が重い大型間接税の欠陥、逆進性がくっきりとあらわれているのであります。その一方で、一握りの大企業、大資産家は、大幅減税の恩恵を満喫しています。また、最近の狂乱地価、異常株価等で大企業の含み益は莫大な額に達しており、資産格差は拡大し、社会的不公平はますます拡大しています。
 さらに指摘しなければならないのは、消費税が民主主義への不当な課税であることです。政党の政治活動の中心である政党機関紙への課税は、国民の政治参加への課税であり、かつ、政党への国家権力の介入を招く危険もあり、極めて不当であります。
 海部首相は、総選挙で安定多数を得たことで消費税は信任されたなどと強弁していますが、それは自民党が消費税隠し、争点そらしに奔走し、空前の金権、買収、企業ぐるみ選挙を繰り広げた結果であります。現行消費税及び見直し案が信任されたなどとても言えないことは、選挙後の各種の世論調査から見ても明らかであり、国民の大半の意思はあくまで消費税の無条件廃止にあります。
 日本共産党は、歴代自民党政府の大型間接税導入の策動に一貫して反対し、今回の消費税についてもその廃止を徹底的に主張して闘かってきた党として、消費税廃止関連三法案は国民の意思に沿うものであり、賛成であります。
 同時に提出されている税制再改革基本法案については、重大な問題点を指摘せざるを得ません。同法案にある所得、消費、資産等に対する課税の適正化あるいはサービス、流通等に対する適正な課税のあり方の検討等は、将来の新大型間接税導入に道を開くものであります。また、いわゆるクロヨン是正中心の不公平税制の是正策、大企業減税の容認、国民の間に強い反対意見がある納税者番号制の導入などが含まれており、我が党は本法案には賛成できません。
 次に、政府提出のいわゆる見直し法案は、そもそも昨年の参議院選挙で示された消費税ノーという国民の厳粛な審判に挑戦し、総選挙目当てに若干の手直しであくまで消費税の延命を図ったもので、政府の本当の意図は消費税の維持、定着と将来の税率大幅引き上げ、国民大収奪にあると言わなければなりません。
 政府は、軍事費を四兆円の大台を突破させただけでなく、来年度から五年間で二十三兆円を超える新たな大軍拡計画を開始しようとさえしています。消費税導入の目的は、政府の言う高齢化社会のためでなく、大軍拡の財源づくりにあることはいよいよ明白になっています。
 しかも、消費税が導入された途端に、アメリカは、国防歳出権限法や日米構造協議などで日本に次々と無理難題を突きつけ、途方もない財政支出を要求しています。政府は、我が国の主権を侵害し、我が国をアメリカの一つの州のごとく扱うこのようなアメリカの理不尽かつ際限のない要求をきっぱりと拒絶すべきであります。さもなくば、新行革番の国民負担率五〇%容認とあわせ、将来の消費税の税率アップは不可避であります。
 その見直しの中身も、海部首相が再三言明してきた思い切った見直しからほど遠いものでしかありません。第一に、委員会で大蔵大臣も一部認めたように、政府・自民党の消費税見直しの減税額は、二重に水増しされた国民だましの誇大宣伝であります。第二に、食料品の小売段階非課税化は、他の商品の内税化方針とともに、消費者から消費税を見えなくするものであります。これは、租税民主主義の観点からも断じて許されません。第三に、複数税率化は、中小業者の事務負担と転嫁の一層の困難を押しつけるだけでなく、伝票方式への早期移行と税率引き上げを容易にするものであります。第四に、消費税の使途を福祉経費に充当すると言いますが、その保証は全くなく、逆に税率アップの口実にされる可能性さえあります。
 見直し法案によっても、消費税の逆進性、反国民性は何ら解消されません。国民の暮らしのためにも、世界の流れに沿った軍縮のためにも、消費税はその根を完全に断ち切る以外にありません。政府見直し法案には断固反対するものであります。
 今、消費税廃止、見直し両法案の廃案を想定して、協議機関についての動きが取りざたされています。かつて売上税廃案の際、議長あっせんを受け入れて設置された税制協議会が、密室協議の結果、消費税導入に道を開いた歴史を繰り返してはなりません。
 今最も大切なことは、国民にはっきりと見える形で、すなわち、正規の国会の機関である税制特別委員会であくまで徹底した審議を尽くすこと、さらにどうしても与野党協議機関の設置が必要ならば、第一に、いかなる前提もつけないこと、第二に、院の機関として設置し、特定の政党を排除しない、国民にガラス張りの開かれたものとすることであります。
 我が党は、自民党政府の消費税見直し、存続の策動に断固として反対し、国民の求める消費税無条件廃止を現実のものとするため、今後とも、廃止の世論と運動を盛り上げ、協力と共同を広め、全力で奮闘することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#369
○山崎委員長 中井洽君。
#370
○中井委員 私は、民社党を代表し、ただいま議題となりました野党四会派提出の消費税廃止関連四法案に賛成し、政府提出の消費税見直し法案に反対する立場で討論を行います。
 自民党政府は、昭和六十三年七月に、シャウプ勧告以来の抜本税制改革と称して、消費税導入を柱とする税制改革関連法案を提出しました。我が党を初めとする野党の強い反対にもかかわらず、政府・自民党は、衆参両委員会で強行採決を行うなど、議会制民主主議をじゅうりんする異常事態の中で拙速に消費税を導入しました。国民にとって一番関心の高い、しかも国会に課せられた使命で一番重い税金でこのような決定の仕方は、昭和の議会史の最後のページに大汚点を残したものと言えましょう。
 このような不幸な生い立ちをたどった消費税は、平成元年四月一日から実施されることになりました。我が党は実施に当たり次のような警告を発しました。すなわち、「我々が強く反対し、いまだ国民合意を得ていない消費税が本日実施されるに至ったことはまことに遺憾にたえない。消費税はまさに拙速に導入されたため、国民各層の対応が不十分であり、かつ欠陥だらけの税制であるがゆえに、その実施は、国民生活はもとより経済、社会に大混乱を引き起こすことは必至であると断ぜざるを得ない」という内容でありました。
 そして、我々の懸念したことはすべて現実のものとなったのであります。消費税に対する国民の憤りは極めて強く、昨年の参議院選では、消費税廃止、税制再改革をスローガンに戦った野党が勝利をおさめ、与野党の勢力は逆転をしました。この選挙結果を受けて、社会、公明、連合参議院と私ども民社党は共同して消費税廃止関連九法案を秋の臨時国会に提出し、約一カ月間、実に八十四時間に及ぶ真摯な審議を経て、参議院においてこれを可決、成立させたのであります。このことは、我が国憲政史上における画期的な出来事であり、新しい時代を切り開くものであったと受けとめております。
 今国会においても、私どもは選挙公約を誠実に守るため、再び社会、公明、進歩民主連合と四会派共同で消費税廃止関連四法案を提出いたしました。また、政府・自民党も選挙公約に基づき消費税見直し法案を提出をいたしました。その結果、両法案が本委員会において長時間にわたって正々堂々と論議されたことは、これまた議会制民主主義の本来のあり方を示すものとして高く評価するものであります。
 しかし、政府・自民党の消費税見直し法案は、今日までの審議においても明らかになったように、海部総理が公約した思い切った抜本的な見直しとはほど遠い、小手先だけのずさんきわまりないものと断ぜざるを得ません。食料品について生産、流通段階で軽減税率を課し、小売段階では非課税とする内容となっておりますが、税隠しとなり、本当に価格が下がるか全く保証のない、消費者にとっては最悪の改正と言わざるを得ません。また、事業者にとってもレジ、ソフトの切りかえ、商品の仕分けなど、煩雑な事務負担を強いられるなど問題の多い中身となっております。しかも、八千五百億円の減収に対して代替財源を全く示さないなど、政府・自民党の無責任さには返す言葉もありません。
 私は、この審議を通じて、今後の税論議を進めるに当たっての問題点が明らかになったと考えております。第一は、政府が高齢化社会の福祉ビジョンを示し得ず、高齢化社会に対応した消費税導入の正当性を確証できなかったことであります。第二は、現行税制に多くの不公平が温存されていること、とりわけ土地税制に抜本的なメスが入れられず、資産に対する課税が手ぬるく、国民の批判の的となっていることであります。第三は、行政改革が極めて不十分なものにとどまっていることが国民の目に明らかになったことであります。
 これまで政府が着手した行革の中で評価できるものといえば、電電公社、国鉄、専売公社等の民営化ぐらいのものであります。海部内閣は行革の継続を唱えておりますけれども、第三次行革審の設置にとどまり、みずから行革を断行するという気迫が全く感じられない状況であります。行革を主張し続ける民社党として、補助金行政に抜本的にメスを入れ、許認可権を徹底的に圧縮し、中央省庁を再編合理化し、公務員の定数を削減する等等を柱とした行政改革の断行を求めるものであります。財政再建については、隠れ借金の返済、政府保有の株式や土地の売却益を優先的に国債償還に充てることなどを盛り込んだ赤字国債脱却後の新たな計画の策定、実行を提唱するものであります。
 これらの諸課題を中心に税制改革はいまだ道半ばであり、これらの諸点に重点を置いて今後とも徹底的に論議を行い、一致点を見出すべきでありますい
 我々は、提出している消費税廃止関連四法案の成立に全力を注いでまいりましたが、現下の国会状況においては、残念ながら私どもの廃止法案も政府の見直し法案もともに廃案になることは必至であると言えます。両案が廃案という事態になれば、現行の欠陥の多い消費税が無傷のまま残ることになり、各党ともに国民に対する公約を果たせない結果に終わります。したがって、これら法案の審議が終了した後は、当事者能力を持つ各党責任者による協議の場を設け、不公平税制や土地税制も含め、消費税問題について決着を図るべきことを提唱いたします。税制協議機関のあり方について、国会の正式機関にするなど種々の論議があるようでありますが、私ども民社党としましては、建前論にこだわらず、実質的な中身の濃い議論を公党が責任を持って行うことこそが最も重要であると考えております。
 最後に、四会派八名の提出者が長時間にわたる審議において見事な論戦を展開し、四法案の整合性や消費税の欠陥などを強くアピールし、御奮闘されたことに心から感謝と敬意を表し、私の討論を終わります。(拍手)
#371
○山崎委員長 江田五月君。
#372
○江田委員 私は、進歩民主連合を代表し、ただいま議題となりました八議員提出の四法律案及び内閣提出の一法律案につき、一括して、前者に賛成、後者に反対の立場から意見を申し述べます。
 日本国憲法第三十条は、国民に納税の義務を課しております。しかし、これは「法律の定めるところにより、」という限定つきであって、これがいわゆる租税法定主義であります。したがって、国権の最高機関である国会が法律で定めた以上、より優位の憲法に抵触しない限り、国民はその法律に従って納税する義務を負います。しかし、民主主義はそのような無味乾燥な法律整合性だけで動くものではありません。国民の怨嗟の声や切なる願いが常に法律の制定改廃に敏感に反映されて、初めて租税法定主義は生きた血の通ったものになるのです。
 そこで、この一両年の我が国の政治の最大の課題の一つである消費税導入を含む税制改革が、果たして国民にどのように受け入れられ、どう反発を受けているかを考えてみます。
 我が国の租税体系全体を見直し、抜本的な税制改革を行わなければならないということは、我が国の政治の長年にわたる課題でありました。そのためには、税の名称や細目は別として、課税ベースの広い間接課税制度の導入の是非を正面から議論することも避けられないことだったと私は思います。
 しかし、税の議論は国民に直接影響を及ぼす、まさに海部首相の言われる楽しいことではない課題ですから、それだけ一層国民に開かれたものでなければなりません。ところが、急逝された大平元首相を別とすれば、歴代自民党内閣は常にこの課題を正面から国民に問う姿勢がなく、国民を欺いて事を処理しようという姿勢に終始してきたと言っても過言ではないと思います。
 中曽根元首相は、大型間接税は導入しないという公約で得た多数議席を頼んで、その公約に違反する売上税導入を企てました。これが失敗するや、首のすげかえによって竹下元首相が消費税を強行導入し、国民の強い批判を浴びました。昨夏の参議院選挙の結果に示された国民の意思は決して軽んじてはなりません。そしてまた、みずからさきの強行導入に最大の責任を負っている海部首相は、思い切ってこれを見直すとしながら、体制選択などを唱えて争点を希薄にし、多くの自民党公認候補が消費税隠しを図ったのでした。
 私たちは、シャウプ以来の大改革と称する税制改革をしようとするからには、このようなこそくなやり方を一掃して、もっと真剣に国民の声を聞き、もっとまじめに国民の願いにこたえる道を探らなければなりません。そして、その道は、修正することのできない瑕疵を負った消費税を廃止し、税制改革の手順をもとに戻してもう一度やり直しするために、国民参加の国民税制改革協議会で徹底した議論を行う税制再改革しかありません。その間の消費税にかわる代替財源をどうするかということは、提出者の説明で明らかであり、何の不安もありません。この代替財源についての議論により、消費税廃止や再改革の不当性を論拠づけようという主張は、その前提において既に誤っていると言わざるを得ません。
 再改革により得るべき最終結論について、提出者から明確な案が示されなかったことや、提出者の間にその案についてそごがあるのではないかと主張することにより、再改革は不当であるとの主張が繰り返されましたが、これらの点についても提出者の説明は明快でありました。再改革に際し、どのような間接税改革が行われるべきかにつき、提出者間に意見の違いがあったとしても、これは今後の議論にゆだねられるべきことであり、そのような議論こそが国民の理解と納得にとって大切なのであります。この議論を嫌悪するがごとき主張は、租税法定主義を、ひいては民主主義を嫌悪する主張だと言わなければなりません。
 以上が、議員提出四法案賛成の理由であります。
 次に、内閣提出法案反対の理由を申し述べます。
 それは、一言で言えば、今次税制改革の瑕疵を正し、租税法定主義の精神が生かされた税制改革にするためには廃止再改革が最も妥当であり、着地点の決まった見直し再改革によっては瑕疵が正されないということです。
 国民は、非課税範囲の若干の拡大、食料品に対する小売段階での非課税、卸売段階での軽減税率適用などの見直しを求めて怒りの声を上げたのではありません。いやむしろ、食料品に対する措置は、取引や納税事務をより煩雑にするだけで、小売価格は下がらず、かえって迷惑との声すら聞かれます。
 仮に消費税を百歩譲って認めるとしても、簡易課税制度、限界控除制度、免税点制度などの措置をそのままの形で残す見直し法案では、国民の怒りをかわすことはできません。これらは消費税定着のための措置ではありますが、その手法は、一部の事業者の手元に預かった消費税をそのまま保有させることにより、消費税により利益を得させ、益税を与えてなだめるというものであります。これを払うのは消費者であります。国民の間に不当な不信と分断をつくり、国民の怒りをなだめようという措置は、その思惑に反して国民にその本質を見抜かれ、逆に国民の怒りを買っています。
 福祉優先充当との規定も、何の実効性もありません。消費税の持つ逆進性は政府も認めるところです。私もまた、単にそのことのゆえに間接税は存在すべからざるものとの説はとりません。しかし、このような規定により逆進性の隠れみのにしようという政府のこそくな手段には、怒りを通り越して失笑するばかりです。
 政府・自民党は思い切って野党と大型の協議に臨んではいかがですか。代替財源に、仮に現行の消費税という税制により上がった収入をそのまま充てるならば、それも一つの知恵かもしれません。消費税という税制自体をも丸ごと俎上にのせ、他の税制とともに協議の対象として、与野党協議の税制再改革、協議再改革をしてはどうでしょう。歳入だけでなく歳出もまた協議の対象にすれば、協議はもっと実りの多いものになるでしょう。予算編成は内閣の専権などとかたいことを言わないでください。参議院では野党が多数、だから野党も単に反対でなく、政治に責任を持ってほしいとおっしゃっているではありませんか。
 以上の観点から内閣提出法案に反対いたしますが、最後に、長く我が国の政治に、のどに刺さった骨のようにひっかかり、当面するさまざまな課題への取り組みのおくれの原因ともなっていた、しかしそれだけに極めて重大な課題であるシャウプ以来の税制改革が、有終の美を飾ることに、両法案に対する当特別委員会のまさに精力的な審議が有効に生かされることを切望して、討論を終わります。(拍手)
#373
○山崎委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#374
○山崎委員長 これより採決に入ります。
 まず、伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#375
○山崎委員長 起立少数。よって、三案は否決すべきものと決しました。
 次に、伊藤茂君外七名提出、税制再改革基本法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#376
○山崎委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#377
○山崎委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#378
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#379
○山崎委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後九時七分散会

第百十八回国会衆議院
税制問題等に関する調査特別委員会議録第九号(その二)
     ────◇─────
  〔本号(その一)参照〕
   派遣委員の宮城県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成二年六月二十日(水)
二、場所
   ホテル仙台プラザ
三、意見を聴取した問題
   消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七
   名提出)、消費譲与税法を廃止する法律案
   (伊藤茂君外七名提出)、地方交付税法の
   一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提
   出)、税制再改革基本法案(伊藤茂君外七
   名提出)及び消費税法及び租税特別措置法
   の一部を改正する法律案(内閣提出)につ
   いて
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 山崎  拓君
      加藤 紘一君    工藤  巌君
      関谷 勝嗣君    中村正三郎君
      佐藤 敬治君    村山 富市君
      和田 静夫君    渡部 一郎君
      正森 成二君    中井  洽君
      江田 五月君
 (2) 現地参加委員
      戸田 菊雄君
 (3) 政府側出席者
        大蔵大臣官房審
        議官      石坂 匡身君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   野村 興児君
        自治省税務局市
        町村税課長   林  桂一君
 (4) 意見陳述者
        東北経済連合会
        副会長兼専務理
        事       竹澤 清隆君
        宮城友愛会議議
        長       佐竹 元春君
        宮城県古川市長 千坂 侃雄君
        東北学院大学経
        済学部教授   野崎  明君
        東北電力株式会
        社取締役宮城支
        店長      針生 弘吉君
        日専連仙台会常
        任理事     松沢 建男君
 (5) その他の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
     ────◇─────
    午前九時三十分開議
#380
○山崎座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院税制問題等に関する調査特別委員会派遣委員団団長の山崎拓でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願いいたします。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案の審査を行っているところでございます。当委員会といたしましては、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこのような会議を催しているところでございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いいたします。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方々は、委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の加藤紘一君、関谷勝嗣君、中村正三郎君、工藤巌君、日本社会党・護憲共同の村山富市君、和田静夫君、佐藤敬治君、公明党・国民会議の渡部一郎君、日本共産党の正森成二君、民社党の中井洽君、進歩民主連合の江田五月君、並びに現地参加委員として、日本社会党・護憲共同の戸田菊雄君、以上であります。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 東北経済連合会副会長兼専務理事竹澤清隆君、宮城友愛会議議長佐竹元春君、古川市長千坂侃雄君、東北学院大学経済学部教授野崎明君、東北電力株式会社取締役宮城支店長針生弘吉君、日専連仙台会常任理事松沢建男君、以上の方々でございます。
 それでは、竹澤清隆君から意見陳述をお願いいたします。
#381
○竹澤清隆君 東北経済連合会の竹澤でございます。
 衆議院の税制問題等に関する調査特別委員会の仙台地方公聴会が開催されるに当たり、先般の税制改革につきまして所感を申し述べさせていただきます。
 まず、先般の税制改革の中で、消費税だけが大きく取り上げられ、議論の対象となっておりますが、税制改革は、所得税、法人税などの改正を一体として実施されたことをまず思い出してみることが重要であります。
 所得税は税制の基幹であり、近代的な税であることは事実でありますが、どうしても所得の種類による課税ベースの把握に差異が生じやすくなります。このため、所得税に偏って課税が行われますと、所得の把握されやすいサラリーマンの負担が過重になる傾向があります。税制抜本改革の所得税減税は、その意味で高く評価しているところであります。
 また、企業に税負担を求めればよいという議論も巷間なされております。企業人として申し上げますが、企業は国民を支配しているわけでも国民と対立しているわけでもございません。企業という形で資本を集め、雇用の場をつくっているのであり、自由に競争させ、利潤を追求させることは、結局、国家国民の繁栄のためなのであります。
 したがって、企業に税金を課すに当たりましては、国民の立場から見て、企業からどれくらい税金を取るのがよいかという視点が重要だと考えます。
 このような視点から見ますと、確かに、国の運営のために必要な財源の一部を企業に負担させれば、国民、つまり個人が直接納める税金はその分減らせることになります。これは、国民にとって企業に課税するメリットでございます。しかし、一方で、国際化の進んだ今日では、企業をどこの国につくってもよいのであります。国によって法人税の負担が著しく違うと、税金の安い国に企業をつくろうということになります。したがって、法人税は国際的に調和のとれた水準とすることが国民のためにもなるわけであります。
 そして、現在は、先進主要各国とも法人税を引き下げております。企業が日本の中にたくさんあって活発に活動することは、日本人の雇用の場もふえ、国家国民の繁栄のために必要なことであります。したがって、それまでの高い法人税が少しでも引き下げられ、国際的に一応調和のとれた水準に近づきましたことは、国民にとって評価されるべきことと考えます。
 次に、間接税につきましても、税制改革以前には問題がありました。
 それまでの物品税は、特定のものに課税するということで、例えばコーヒーと紅茶に代表されるようなアンバランスが生じておりました上に、舶来品を高級品としてきた我が国の感覚からか、我が国が輸入している物品に対して重課しているとの批判を国際的に受けてまいりました。消費税の導入による間接税改革は、消費税を中立的で簡素なものとする点で、国際的にも高く評価されていると聞いております。
 また、物品税は消費者にとってぜいたく品か否かという基準によって課税すると言われていましたが、我々産業界から見ますと、その物品を製造している業界が負担能力のある業界かどうかという視点での課税物品の選択が相当に行われてきたように思われ、これが一層の不合理を生んでまいりました。
 このように考えてまいりますと、所得税、法人税を減税し、間接税を簡素で中立的なものに改革するという先般の税制改革は正しい選択であったと考えます。
 第二に、消費税は既に経済的には定着してまいっているということを申し上げたいと存じます。
 実施前には、初めての経験でもあり、正直言ってかなり右往左往した業界もありましたが、現在では業界での話題にも上らなくなってきております。
 実施後を振り返ってみますと、消費税の転嫁の面などでは、特に大きな問題があったということはなく、順調に実施されております。また、簡単でわかりやすい税なので、帳簿など納税事務の面で特に大きな問題があったということも少なく、特に大企業においては何の問題もございません。
 問題は国民の心理面であり、我々はこの点素人でありますが、消費者の間でも消費税はかなり定着してきており、違和感がなくなってきている人が多いのではないでしょうか。
 次に、この間接税は価格の一部という形で負担される税金でありますので、毎日毎日の経済取引のあり方と深く結びついております。したがって、間接税の改正がありますと、それに対応して価格体系を変更しなければなりません。まさに、消費税導入に際しましては、我々は努力して価格体系を変更してまいりました。
 それは一つには、税制改革は日本のためになるという信頼があったからであります。面映ゆい言い方でありますけれども、政治に対する信頼であります。それを政治の都合で廃止するというのではたまりません。
 日本は自由主義の国であります。その中で企業が自由な競争を実現していくための枠組みの基本は、ぜひ安定したものとしていただきたいと思います。
 なお、身近な例でありますけれども、私の年若き知人のサラリーマンが、消費税導入の際、経理プログラムを変更するために二週間会社に泊まり込みました、それを簡単に廃止するというのは何事でしょうかと言っております。こういう声もあることを申し上げておきたいと存じます。
 次に、消費税の廃止による代替財源論として報じられております主なものにつきまして、意見を申し上げます。
 法人税の一時的引き上げにつきましては、これまでも所得税減税の財源として安易に法人税に負担を求めるということがございました。国際的な調和が必要ということが強く言われておりますが、こうした時流に真っ向から反対するものでもあります。
 また、旧物品税の復活につきましては、先ほど申し上げましたように、制度そのものに問題が多いと思います。なお、我々企業側の立場としては、間接税制度をころころ変えられることに伴う事務負担や事務経費の増加など、問題がございます。
 最後に、企業の経営者にとって、将来の具体的な姿、見通しが極めて重要であります。すなわち、将来の税体系がどのようなものになるかは最大の関心事であり、私どももこれまで各党の御主張を注視してまいりました。
 さきの総選挙の際には、社会党から個別限定列挙方式の間接税の提唱があり、私は、この国会においてさらに具体的な中身が示され、活発に議論されるものと期待いたしておりました。しかし、結果的には、これまで何らの論議もなされず、すべてが国民税制改革協議会にゆだねることとなっているだけであります。これでは事の当否の判断のしようがございません。
 大平内閣で一般消費税が提唱されて十年、売上税が議論されて三年、現行消費税が成立してからでも一年半の時間が経過しておりますが、この間、野党からは何ら具体的な対案が示されず、ただ、反対、廃止のみを叫ばれているのは、申し上げにくいことではありますが、責任政党として怠慢と言われても仕方がないのではないでしょうか。
 日本の発展は、我々産業界を初めとする国民の自由な活力に支えられてきたと自負しております。その中で、政治、経済の基本的体制が安定していたことも重要な要因でありました。この意味で、戦後の日本の政治のあり方は基本的に評価できるものであります。
 税制は社会経済の基盤であり、短期間に廃止、代替財源、再改革というようにたびたび税制が大きく変化することは、国民経済上極めて大きな影響を及ぼすことになります。さらに、長期的な展望のもとに行われねばならない企業経営にも大きな支障が生じます。ぜひ、全体的、長期的な国民の利益という視点から御判断されるようお願いを申し上げまして、私の所感の陳述を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#382
○山崎座長 ありがとうございました。
 次に、佐竹元春君にお願いいたします。
#383
○佐竹元春君 宮城友愛会議の佐竹です。
 私は、野党四会派提出の消費税廃止関連法案に賛成、政府提出の消費税見直し法案に反対の立場から、税制改革について意見を申し上げます。
 抜本税制改革は、二十一世紀に向けての最大の課題であり、全国民にとってすべてがかかわる最重要事項であります。それゆえに、国民の合意を得るためにはきちっとした手順に従って進めるべきものと私は考えます。
 そして、その進め方としましては、第一段階といたしまして、土地などの不動産、金融資産など、資産課税を強化し、不公平税制を抜本的に是正することが最重要だと考えます。そのためには、国民各層から不公平だと指摘をされている企業に対する特別措置、みなし法人課税、公益法人課税、赤字法人課税、あるいはいわゆるクロヨン問題などについて、徹底的にメスを入れるべきだと考えます。その上で、行財政改革の計画、あるいは高齢化社会のトータル的な福祉ビジョンを明らかにし、国民の合意を得て間接税の改革を進めるという二段階の改革で税制改革に臨むべきだと思います。
 しかるに、自民党政府は、公約に違反をし、さらに国民の強い反対にもかかわらず、不公平税制の是正も不十分なまま、消費税導入を柱とした税制改革関連法案の成立を強行いたしました。これは、国民世論を裏切り、政治への信頼、税の重要性を考えるとき、我が国の将来に禍根を残したものと言わざるを得ません。
 以上の考え方に立ち、私は、欠陥消費税を廃止し、税制改革をやり直すことが本筋だと考えるものであります。この立場から、私は、消費税問題、資産課税の強化の問題、行財政改革と福祉ビジョン、今後の税制論議の四つのテーマに絞って意見を申し上げたいと思います。
 まず、消費税についてであります。
 政府は国会に見直し法案を提出しておりますが、これは、海部総理が公約をした思い切った、大胆な見直しとはほど遠い、非常に問題の多い、部分的にはむしろ改悪の面すら見られるものであります。
 食料品を小売で非課税、生産、流通段階では一・五%の軽減税率を課すという方式は、世界にも類を見ない特異な方式と言われております。また、これは、自由民主党内の紛糾した論議の結果、足して二で割るという折衷案であり、この内容では消費者にとっては最悪の結果をもたらします。食料品非課税といっても、丸々三%分の消費税がなくなるというわけではありませんし、大蔵省の試算でも、一・三五%の消費税分を消費者が負担することになると言われています。
 しかも、非課税扱いとなりますから、食料品は小売段階では必然的に内税となり、本当に値下がりするかの保証は全くありません。
 場合によっては、前と同じ価格で売られ、見直しの効果は全くないとの可能性も否定できません。また、消費者にとっては、非課税となることで税隠しとなり、かえって不透明感が高まる懸念があります。
 さらに、政府の見直し案では、小売業など流通業者にとっては事務負担が増大することは必至であります。
 食料品につきものの包装、配達などは価格に転嫁できるのか、商品の混在する店舗では仕分けの煩雑さが倍加されるのではないか、農漁民にとっては、農機具、飼料、肥料などの経費を適正に転嫁できるのかどうかなど、不安が消えていません。
 さらに、今回の見直し案では、消費税の最大の欠陥である低所得者ほど負担が重くなるという逆進性は、全くと言っていいほど解消されておりません。
 また、消費税に関しては、消費者が払った税金がきちっと国家に納められていないとの厳しい批判があります。消費者が納めた税金が、一方では売り上げや所得、利益や給与としてのいわゆる益税となり、国に入らないという、税としては最もあってはならないことが行われています。
 この原因となる免税点制度、簡易課税制度、限界控除制度などについて政府は全くメスを入れていないことは、怠慢との非難を免れるものではありません。
 さらに、帳簿方式についても、将来的には伝票方式に移行すべきとの論議もあります。
 このように、政府・自民党は、消費者から厳しい批判の出ている諸制度については目をつぶり、小手先の改革に終始をし、国民の多数の生活者、消費者、納税者の視点が欠落をし、新たな不公平、新たな不公正さえも生み出していると言わざるを得ません。
 第二は、資産課税の強化についてであります。
 近年の異常な地価高騰は、首都圏のみならず地方にも波及をしているありさまであります。住宅地の公示価格の変動上昇率は、既にことしの発表でも一一・四%と異常なはね上がりを示しておりますし、商業地はさらにそれ以上に異常な上昇を続けています。
 土地税制については、土地基本法にあわせ、新たな視点から再構築すべきだと思います。
 固定資産税、相続税の土地評価額を一本化し、庶民の居住権、中小事業者の事業承継権に配慮しつつ、土地相続、保有に対する適正な課税を早急に行う必要があると思います。
 また、土地譲渡益課税についても、さまざまな特例を整理合理化し、さらに、社会開発による地価上昇利益を社会に還元する制度をぜひ創設すべきだと思います。また、遊休地税など、新たな土地保有税を国税として導入することも早急に実現してもらいたいと考えます。
 また、国民の合意形成やプライバシー尊重を大前提として、納税者番号制度を導入し、有価証券譲渡益、利子所得、配当所得などを含めた捕捉体制を整備し、総合課税体制を確立すべきだと思います。
 第三は、行財政改革と高齢化福祉ビジョンについてであります。
 政府は、消費税導入に際して、行財政改革の一層の推進を、実現を公約しておりますが、行財政改革は甚だ不十分であります。政府が国民に新たな税負担を求めるならば、政府自身、行財政改革を進め、みずからの負担において財源をつくり出す努力を一層進めるべきと考えます。
 そのためには、補助金行政の抜本的な見直し、地方出先機関の原則的な廃止、中央省庁の統廃合、民間人の積極的な採用など、公務員制度の抜本的改革などを断行すべきと思います。
 また、財政再建については、赤字国債脱却という新たな段階に入りましたが、国債残高百六十四兆円、特例公債六十三兆五千億等、隠れ借金も含め国の債務は莫大なものとなっております。若い人、後世に借金を残すべきでないという基本的な立場から、これらの債務の返済計画を策定し、その実現を図るべきと考えます。
 政府・自民党は、高齢化社会の福祉充実のため、安定した財源を確保するために消費税を導入したと強調しておりますが、将来の年金、医療、福祉など、国民の負担増は果たして幾らになるのか、社会保障のどの部分に消費税を充てるのか、全く明らかにしておりません。
 高齢化社会は、まさに避けて通ることのできない大変重要な問題であると思います。現状では、国民の大部分の人々は、このままでは今後の高齢化社会は本当に大丈夫なのかとの大変な不安を持っておられると思います。希望の持てる高齢化社会を切り開くため、雇用と年金、社会保障と住宅、医療と保健サービス、保健と福祉サービスなど、制度と制度、政策と政策を総合的に体系化を図り、全体的な高齢化福祉ビジョンを明らかにし、その負担のあり方について大いに議論をすべきと考えます。
 最後に、今後の消費税論議のあり方について意見を述べさせていただきます。
 現在の参議院での与野党逆転といういわゆるねじれ状況のもとでは、野党の廃止法案も政府・自民党の見直し法案もともに廃案となり、結局、現行の欠陥消費税が存続する公算が強いと言えます。そのような決着は、与野党とも国民の期待を裏切り、政治不信を増大させるだけのものとなります。両案が廃案となることが必至な状況を考えますと、最終的には、土地税制を初めとする資産課税の強化、不公平税制の抜本是正などを含め、消費税問題を決着させるため、国会の中に与野党の協議機関を設置し、オープンな、徹底的な論議を尽くし、国民がイエスと言えるような税制の再抜本改革をまとめてもらいたいと思います。国民は今、税制に対して大変な関心を持っておられると思います。今こそ税制の抜本的改革を議論する絶好の機会と考えます。
 以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。(拍手)
#384
○山崎座長 ありがとうございました。
 次に、千坂侃雄君にお願いいたします。
#385
○千坂侃雄君 宮城県古川市長の千坂でございます。
 税制問題等調査特別委員会の諸先生方には、地方行政につきまして、日ごろから格別の御理解と御高配を賜り、衷心より感謝申し上げます。
 本日は、せっかく公述の機会をお与えいただきましたので、忌憚のない意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 なお、私がこれから申し述べますことにつきましては、市長会として集約したものではなく、古川市の行政を預かる私個人の意見としてお聞き取りいただきたいと存じます。
 御案内のとおり、我が国の社会経済は、産業構造の変化、世界にほとんど例を見ない速度で進みつつある人口の高齢化、価値観の変化、国民の消費態様の多様化、サービス化、さらには経済活動の国際化など目まぐるしく変貌しております。
 その中にあって、我が国の税制は、これまで本格的な税制改革が行われなかったために、所得課税、特に給与所得者などに対する直接税に負担が偏るなど、さまざまなゆがみが生じ、また、税制上の不公平も指摘されるなど、問題点を抱えていたことは否めないところでございます。
 このような国民の税負担に対する重税感や不公平感を解消するとともに、時代の流れに沿った公平で簡素な税制、所得、消費、資産などでバランスのとれた税体系を整備することが、これからの本格的な高齢化社会の進展や社会経済の一層の国際化に対応していくために必要であるとの考えをもとに、消費税の創設などを内容とした先般の税制改革が行われたものと存じております。
 現行消費税は、我が国の国民にとってなじみの薄い税でありましたし、準備期間が短かったことなどもあり、導入当初はかなりの混乱があったようですが、所得課税面での減税効果もあり、また、時間の経過とともに消費税そのものになじみつつあり、申告・納税等の状況につきましても円滑に推移したと聞き及んでおりまして、今や消費税が住民の日常生活に定着しつつあると受けとめているところであります。
 消費税の存在意義も国民に浸透しつつありますが、問題は、消費税の存在を認めたとしても、その内容について現行のままでいいのかとなるとさまざまな不満の声が聞かれます。将来を展望した理想的な税制を構築するという理念の上に税制を考えるのでありましたなら、それら国民の不満の声や意見を十二分に酌み取って、内容の補完を重ねていくことが肝要かと存ずる次第であります。
 今般、見直し案が提出されましたことは、その点から評価をさせていただいているところであります。
 私は、常々租税に関する制度は、国の諸制度の中でも最も根幹をなす制度であると考えております。したがって、今、定着しつつある消費税を廃止することなく、身体障害者用物品、老人に対する在宅サービス、小売店で買う飲食料品、住宅家賃などの非課税措置を織り込み、いわば暮らしの視点に立って見直しが行われた消費税見直し法案をもって、国民の期待にこたえ、国民生活に与える混乱を最小限にとどめていただきたいのであります。
 現在、衆参両議院の関係が法案成立に難しい事情にあることは承知をしておりますが、消費税の見直しについて早急に、しかるべき対応をされるよう切に望むものであります。
 さて、先般の税制改革に当たり、地方団体に対しては、既存の地方間接税の改廃等に伴う地方税の減収及び国税の減税に伴う地方交付税の減収を補てんするため、消費税の約四割が地方一般財源として措置されたところでありますが、この財源は地方団体にとって住民福祉の向上を図っていくため基幹的かつ重要な財源となっており、ぜひとも確保されなければならないものであります。
 しかるに、野党四会派共同で提出された平成二年度政府予算案に対する組み替え要求においては、地方財政への手当てが不明確でありましたし、このたびは消費税廃止関連四法案のみで代替財源案は見送られております。
 消費税を廃止するのであれば、それに伴う地方の減収は制度的に完全に補てんされなければならないのにもかかわりませず、その措置がとられておりません。これでは健全な財政運営を確保する観点からも極めて問題がありますし、地方軽視の措置と言わざるを得ませんし、遺憾に存ずる次第であります。
 市町村財政にとって最も基本的な歳入であります地方税は、宮城県の場合、政令市である仙台市を除く県内市町村の場合を例にとりますと、全体の約三〇%にすぎません。これに地方交付税を合わせても一般財源は六三%にとどまっており、その他は国庫補助金などの使途が特定された財源でございます。このような脆弱な財政基盤に加え、多額の借入金残高を抱え、財政の硬直化が依然として深刻な問題となっております。
 私は、国土の均衡ある発展を図るということは、国民がそれぞれの住んでいる地域において一定の生活水準を維持できるような環境づくりを行政ないし政治の責任において行うことであると考えております。財源が少なく財政力の弱い市町村が、第一線の自治体として、このような責任を果たしていくためには、安定的な財源の確保は欠くことのできない条件であります。市町村は、今なお社会資本の整備が不十分でありますし、さらには、高齢化対策なり国際化対策など、予測される多様な財政需要を満たすためには、何といっても市町村財政基盤の確立は基本的な事柄でございます。この機会をおかりいたしまして、この点を強くお願い申し上げ、諸先生方の一層の御理解を賜りたいと存じます。
 大変貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。終わります。(拍手)
#386
○山崎座長 ありがとうございました。
 次に、野崎明君にお願いいたします。
#387
○野崎明君 私は、東北学院大学の野崎と申します。
 まず最初に、私の立場を明確にしておきたいと思います。私は、野党四会派の消費税法を廃止する法律案外三法律案に基本的に賛成するものであります。
 今まで政府の税制改革と申しますのは、初めに消費税ありきということで、まず一般消費税そして今回の消費税見直し案という形で、税制改革の対象が、最初にもう消費税というふうに限定されております。私も経済学をやっている者の端くれなんですが、私は基本的にはシャウプ税制が最も望ましい税制であると考えております。それは、一つは課税の中立性、これは効率性と言いかえてもいいのですが、課税の中立性それから公平性、この二つの基準から最も望ましい税制だと思われます。つまり総合所得課税ですね。そのシャウプ税制と呼ばれている総合所得課税が、消費税と同じ土俵で論議されておりません。私はそこに非常に疑問を持つわけですが、今回は経済学の理論的なことはやめておきまして、現在の消費税が及ぼしている影響の事例をもう少し具体的に数字でもって紹介したいと思います。
 たまたま日本農業新聞のことしの五月二十七日に出ている記事なんですが、全農婦協が生活実態調査を行いました。これをちょっと紹介しますと、農家の支払う一年間の消費税は十万円を超すことがわかった。これは平成元年度の家計簿から見た生活実態調査ということから出てきています。これは、家計費の二・四%が消費税で消えていることになる。一方では、農畜産物価格の低迷などで、一カ月の家計支出総額は前年に比べ二千円弱しかふえてないのが実情である。こうした中で一カ月八千五百円を超す消費税の負担は家計を直撃し、実質的には、消費税の導入によって前年に比べ、一カ月六千円の節約が迫られる厳しい状態であるということが書いてあります。
 さらに、問題となっている消費税の逆進性についても、この調査で顕著になっています。年収別の飲食費の消費税額では、年収三百万円未満の世帯で一カ月に千百五十一円を負担する。一方、七百万円から八百万円の所得階層の世帯は千三百九十四円の負担ということで、年収の差に比べて消費税負担額はほとんど差が見られず、導入当時から問題とされていました年金生活者など社会的弱者を圧迫するということをこの調査は裏づけております。
 この消費税の農業、農家に及ぼす影響についてもう少しつけ加えますと、消費税による農業経営の負担増というものも大きく、しかも消費者価格への転嫁というのは困難であるということです。つまり、農家の場合、消費税導入は一般勤労者の場合と異なり、家計費のみでなくて、農機具や肥料など経営費にも影響を及ぼすことになる。殊に農業所得への依存度の高い大規模経営には、殊のほか無視できない影響を及ぼすことになる。しかも、消費税導入に伴う負担増相当分は、本来最終消費者へ価格転嫁すべきものと言われているが、農産物価格の場合には競りで決定されるために転嫁しにくい性格を持っている。また、生産の過剰基調や円高に伴う輸入の急増に加えて、輸入自由化という異常な外圧を余儀なくされている現状下においては、コスト上昇の分は明らかに自己負担とならざるを得ない。そういうことが一つ。
 それから、所得税、住民税による減税効果はどうかといいますと、これも農家について述べますと、農家の場合、一般の勤労者に比べて所得水準が高いため、一見、今回の所得税、住民税による減税効果は大きいように見えます。しかし、現実には農業所得への依存度が高い農家であっても、ほとんどの場合恒常的勤務者がいるため、一戸の農家の中に農業所得等を得ている事業所得者と恒常的に勤務している給与所得者という複数の課税主体がいることも多く、しかもその所得水準はそれぞれが低い。このため、今回の減税効果というのは総体的に小さいものであると言えます。
 もっと具体的な数字例はたくさんあるのですが、ちょっと時間の関係上省略しますけれども、要約すれば、今の消費税は逆進性というのが非常に顕著であるということをこういう事例から一つ言いたいと思います。
 今農家のことを言いましたが、いわゆる社会的弱者ですね、出稼ぎ労働者とか年金生活者、この階層についても消費税の逆進性が出てきているということが言えます。
 さらに、近年、資産所得の増加に伴って資産所得の格差が増大しているということが実証的にも明らかになっています。日本の場合、例えば勤労所得とか、そういう所得の分配の不平等というか格差というのは諸外国に比べて比較的小さいのですが、この資産所得の格差というのがますます増大しているということに注目しなければなりません。そういう意味で、この資産所得を含めた先ほど申し上げました総合所得課税をもう一度見直すべきだということを私は言いたいと思います。
 それで、ちょっと余談になりますが、今回のような公聴会は、これからはもっと一般市民のレベルでもこういう機会をぜひできるだけ多くつくっていただきたいと思います。つまり、国民合意を達成できるような政治的なプロセスをきちんとやっていただきたいと思います。
 簡単ですが、これで終わります。(拍手)
#388
○山崎座長 ありがとうございました。
 次に、針生弘吉君にお願いいたします。
#389
○針生弘吉君 私は、東北電力の宮城支店長を務めております針生弘吉でございます。
 事業の運営に係る観点と消費者、給与所得者の観点から、税制改革なかんずく消費税と所得税などを中心に意見を申し上げます。
 私は、基本的に消費税については、以下に述べるとおり、各種の見直しは必要であると考えますが、廃止することには反対の立場をとるものであります。
 我が国財政は、第一次石油危機に伴う景気の落ち込みと税収減を契機として、昭和五十年度補正予算におきまして特例公債を発行し、以後連年にわたり特例公債を含む多額の公債に依存してまいりました。
 その結果、現在百六十兆円を超える膨大な国債残高を抱えており、財源を極度に制約している実態にございます。
 さらに、二十一世紀には超高齢化社会に突入し、適切な福祉政策を実施していくためには、巨額の財源が必要になってまいります。
 また、高齢化の進展に伴って働き手は相対的に少なくなり、働き手の所得に偏ったこれまでの税制のままでは、私たちの子供や孫の時代には限界に達するかもしれません。
 こうした財源を確保するためには、安定したそして健全な歳入構造が必要であると同時に、みんなで公平に無理なく負担し合う、バランスのとれた税制を構築することが必要となってきます。
 こうした意味で、さきの税制改革は、所得税、住民税の大幅な減税を行うと同時に、消費税によって景気に左右されない安定的な財源を確保することにより、豊かな高齢化社会を支える基礎となるものと考えられます。
 また、これまでの間接税は、特定の物品やサービスに課税することとしていたため、コーヒーやテレビは課税なのに、紅茶やワープロは課税されないといったアンバランスが生じていました。
 それは、もともとぜいたく品に課税する趣旨でありましたが、価値観や消費形態の多様化した現在では、ぜいたく品の基準を決めることは困難になってしまったからであります。さらに、サービスに対する消費が消費全体の半分以上を占めるようになってきているのに、サービスへの課税がほとんど行われていなかったという問題もありました。
 その意味でも、個別の物品に課税していた物品税を廃止し、従来の個別間接税を大幅に整理合理化し、消費に広く薄く負担を求める消費税の導入は、当を得ていると考えられます。
 また、経済の国際化が進展している中で、我が国だけが特定のものに重い税金を課す個別間接税制度を維持していくことは、国際摩擦の一因にもなります。
 消費税を創設することは、これまでの個別間接税の行き詰まりを解消し、我が国の間接税の体系を近代化、国際化することにもなります。
 しかし、消費税には、所得の把握の状況いかんにかかわらず、消費の大きさが同じであれば同じ負担を求めることができる水平的公平というよさがありますが、次のような問題点もあります。
 第一に、一般的に所得の低い層ほど所得に占める消費の割合が高いので、所得の大きさに対する負担の割合で見れば逆進的な面があります。このため、所得の少ない人やお年寄りに対しては、税制、福祉政策両面でさまざまな配慮が行われるべきと思います。その意味で、飲食料品や家賃など暮らしに身近なところは消費税を非課税にするという消費税見直し案を早く実施に移していただきたいと考えます。
 第二に、中小零細事業者の事務負担に配慮した免税点や簡易課税、限界控除の制度については、国民の間に負担した消費税相当額が国庫に入らないという不満が少なくありません。事務負担への配慮は必要でないとは考えませんが、消費税の仕組みについて、消費者の立場から、指摘された問題点には広く薄く公平に負担の消費税の原点に立って、思い切った見直しを行うべきであると考えます。
 第三に、税額表示方式についてでありますが、現在事業者間の取引においては外税方式が主流になっており、それゆえに転嫁が混乱なく進んでいる一方で、消費者との取引においては、価格認識に混乱が生じる、あるいは煩わしいとの指摘があります。
 第四に、消費税の地方配分の部分についてでありますが、東京圏一極集中がますます進み、東京圏に若者、働き手を送り出している地方では、既に高齢化社会が進み、福祉施設や病院の拡充、それに伴う運営費の増加など、財政負担の増大に追われております。
 地方の活性化、東京圏との格差是正の観点からも、地方配分部分の傾斜配分、地方が独自に使える財源の増加をお願いいたしたいと考えます。
 次に、個人所得税についてであります。
 従来の我が国の所得税は、税率の刻みが小さかったこと、その累進度がかなり強かったこと及び所得捕捉のアンバランス等があったことにより、サラリーマンの給料の上昇に伴い、給与所得に税負担が偏り、サラリーマンの重税感、不公平感を募らせてきました。特に四十代、五十代の働き盛りは、収入が多いものの子供の教育費や住宅ローンなどの支出の上に所得税の増加が加わり、生活にゆとりがありませんでした。
 しかし、税制の抜本改正に伴う平成元年度からの所得税減税により、消費税の増加分を勘定しても、サラリーマンの重税感の緩和、軽減に大変役立ったものと評価しております。
 今後は、税率の刻みが大きくなったとはいえ、自然増税が存在しますので、必要に応じ、適宜、所得税減税を実施していただきたいというふうに考えます。
 また、給与所得と他の所得では捕捉の差が歴然としておりますので、徴税執行面で公平を実現できるようにしていただきたいと思います。
 次に、法人税率の再引き下げについてであります。
 我が国では、所得税減税の財源などに充てるため、法人税の引き上げを行ってまいりましたが、諸外国では経済の活性化のために法人税率の引き下げを実施してきた結果、我が国の法人税は世界的にも高い水準になっておりました。
 このため、さきの税制抜本改革では、法人税の基本税率を四二%から三七・五%に引き下げられ、地方税を合わせた法人課税の実効税率が五〇%を切る水準となっております。
 しかし、欧米先進国の法人課税の実効税率を見ますと、イギリス三五%、アメリカ四〇・三四%、フランス四二%、西ドイツ五二・八七%となっており、依然として我が国が高くなっております。経済の国際化が進んだ現在では、法人税率の差により、企業の外国流出、産業の空洞化、雇用の減少が心配されておりますので、引き続き法人課税についても特段の御配慮をお願いいたしたいと思います。
 最後になりますが、行財政改革の徹底についてお願いいたします。
 税制が国民の理解と信頼を得るためには、税の使い道、すなわち行財政が効率的に運営されることがぜひとも必要であります。また、今後の長期的課題は、社会保険料を含めた国民負担率の上昇をいかに抑制するかであります。高齢化が本格的に進む中で、安易な増税に頼ることなく、民間の創意工夫を発揮させるような経済財政の運営を図るように努めていただきたいと考えます。
 以上で私の意見陳述を終ります。(拍手)
#390
○山崎座長 ありがとうございました。
 次に、松沢建男君にお願いいたします。
#391
○松沢建男君 私は、日専連という組織の仙台会の常任理事という立場であります。
 日専連と申しますのは、中小小売店の集まりであります。ですから、日常十円、百円、千円、せいぜい十万円を限界とする金額を毎日扱っておりますので、きょういらっしゃる先生方のように億とか兆とかいう金額になりますと、私たちからはかなりかけ離れた世界であります。
 ただ、日専連は、そういう立場から、連盟本部としての消費税についてのある考え方がありまして、ここに原稿がありますので、その連盟本部の意見と、次に私、松沢の個人的考え方を申し上げたいと思います。
 まず、東京から来ました原稿を読ませていただきます。
 私は、廃止法案に賛成し、見直し法案に反対の意見を申し述べます。
 廃止法案に賛成の理由。
 消費税は、実施後満一年を超えたわけでありますが、決して国民に抵抗なく受け入れられているわけではなく、導入以前から国民が抱いていた疑問や心配が現実となって、大きな矛盾、不満が増大しつつあると思います。
 廃止に賛成の理由を具体的に挙げますと、中小小売商にとっては転嫁が困難であること。大型店はほとんど完全に転嫁する力を持っていますが、中小零細店ほどそれが困難で、仕入れや諸経費に消費税がかかってくる分だけ経営を圧迫します。つまり、大型店と中小商店の格差を拡大し、中小商店にとっては第二事業税になっているわけであります。
 消費者から見て、制度的に不透明な税制であり、自分の払った税金が国庫に完全に入っているのかという疑問、商店が猫ばばしているのではないかという疑問を抱き、消費者と商店の間の不信感が生じ、信頼関係を傷つけております。これは重大な問題であります。
 消費者にとって逆進的で不公平な税制であり、中程度の収入の階層が最も負担が大きい結果となっており、中小商店の主要なお得意客であるこの階層の負担過重は、中小商店の売り上げに大きく影響していると思われます。
 中小商店にとっては、日々の帳簿処理、税金の管理、納税事務が余分の事務負担となっており、労働過重となっております。
 見直し法案に反対する理由。
 もともと消費税は、反対の意見の強かった中小小売商にすんなりとのみ込ませるために、帳簿方式、簡易課税、限界控除、免税点などを設け、負担軽減を図ろうとしたと考えられますが、まさにそのような配慮が新しい矛盾を生み、不満が生じ、今回の見直しとなっているように見受けます。したがって、見直しを行って消費税を存続することになれば、中小商店の不満は爆発的に高まり、新たな政治不信の火種となり、納税思想が悪化することは避けられないと思います。
 また、国民は税率の上昇について大きな不安と疑惑を抱いており、消費税への不信、不満が常に根強く渦巻き、滞留しているのであります。したがって、いかなる見直しにも反対であり、消費税は廃止する以外にないと考えております。
 消費税を廃止する場合、財源をどうするかという問題がありますが、これは、徹底した行財政改革、真に公平、公正な税制の改革、課税漏れの所得、例えばキャピタルゲインなどの捕捉によって十分に生み出し得ると確信しております。
 以上が連盟の考え方であります。
 次に、私の考えているところを申し上げます。
 日本は自由経済であります。当然、景気の変動があります。それに伴って企業の経常利益等が変化しますので、政府財源としてどうしても不安定な面がぬぐえません。そのようにしているところにニクソン・ショック、オイルショックがあって経済が非常に危機を迎えたとき、その安定化のために公共投資のための国債を発行しました。それがどんどん膨れて、国は現在借金だらけとなったわけです。そして、そのために一番安易な確実な新財源を消費に求め、今現在問題になっている消費税になったわけです。
 ここで、大蔵省の提案する見直し法案は、逆進性の緩和、社会政策的配慮その他から消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出をしております。それから野党は、消費税法廃止のための法案、消費譲与税法を廃止する法案、地方交付税法の一部を改正する法案、そして国民税制改革協議会の創設を提案する税制再改革基本法案を提案しております。
 さて、これまで消費税が必要であると政府・自民党の言っていた論理に疑問を感じます。それは、一つは直間比率であり、高齢化社会である、この二つの大きな理由であったと思います。
 直間比率について申し上げます。
 正しい直間比率とは何対何かという理論は世界に存在しておりません。全くありません。それよりはるかに優先する論理が応能負担の原則というものであります。そして、直間比率を言う場合、欧米ではこういうパーセントだという論理でした。いかにも明治維新の日本と同様に、欧米はすぐれて日本はおくれているというニュアンスで説得しておりました。ところが、イギリスに行きましても、あるいはイタリアに行きましても、直接税が満足に税収として上げられない国なのです。行っておわかりのとおり、税収と認められない所得がたくさんあります。喫茶店に行き、あるいはタクシーに乗ればチップを払います。そのチップという収入を彼らは生活の糧にしております。それは何の証明もありませんから、所得税として課税対象にできない国であるわけです。また、それに触れようとすると、個人侵害ということで、そのところに手を出せない国なのです。ところが、日本は申告・納税制度というすばらしい制度を税務職員の努力によって世界で一番立派なくらい見事に定着させました。税金当たりの一人の税務職員の少なさ、効率の高さは日本が戦後大変努力して培ってきた世界に誇るものであります。
 次に、直接税の所得税について税率が高いからサラリーマンが苦痛だという意見をよく言います。しかし、これは大蔵省及び政府・自民党の怠慢のためであると言えます。ということは、昭和四十年代、税収がどんどん入りました。予算どころでなく、使っても使っても使い切れないぐらい税収があった時代があるのです。そのときに、要らないというぐらいばらまきました。そして、それが定着しました。不景気になって、まだ足りないからといつまでもふやす、その結果、何もいじらないために高い税率になったのです。そのころ正しい減税等の施策を小まめにやっていればこんな変な時代にならなかったと言えると思います。
 さて、消費税の問題点、根本的なところは逆進性です。これは大変な問題であります。自由社会の公平を保つための最大の手段は税であります。政治とは税制そのものであります。歴史に不公平な税があったために革命がありました。イギリスの歴史を見てください、アメリカの独立を見てください、税に対する不満から革命が起きたのであります。消費税の逆進性、これが最大の欠陥ということを皆さんよく考えてください。今三%です。五%になります、一〇%になります、三〇%になったらどうかということを考えてください。この逆進性を考えてください。いかなる特徴、性質を持った消費税かが歴然と出てくると思います。この税が見直し、見直しの積み重ねで一%ずつ上がるたびに、逆進性を補正するために見直し案を積み重ねていこうと言うのでしょうか。この消費税の持っている根本的欠陥は、私たちは一〇%になり二〇%になったというときを考えれば、自民党の先生といえども理解できることではないかと思います。
 まず、安定財源を求める前に行財政改革をもっともっと勇気を持ってすべきだったと思います。そうしなければ財政膨張の抑制はできないと思います。これはこれからも続く話だと思います。
 専門的なことはわかりません。しかし、当たり前のことが当たり前に通らない世界はおかしいと思うのです。人間はうそをついてはいけない、当たり前のことです。中曽根首相が大型間接税はしないと言って、そして選挙に勝ちました。竹下さんになったらやっちゃう。自分の言葉に責任を持たなければならないと思うのです。総選挙でみそぎが済んだから、あれはもうないことだということで世の中通用するでしょうか。人は公平でなければならないと思うのです。益税のある税が正しい税でしょうか。弱い人に優しくしなければならない、これも当たり前のことだと思うのです。逆進性、これが人の痛みを知るという政策でしょうか。
 民主主義のルールは多数決です。多数決というのは反対意見があるから多数決なのです。でなければ独裁であります。今、日本で考えられている民主主義の考え方に、過半数が一つでも多ければ何をやってもいいのだという思想がありそうです。これは独裁以外の何物でもありません。ですから、単独採決をやって押しのけようという発想がそこから出てくるわけです。これも危険な考え方でないでしょうか。
 次に、日本人としてのIDを失わないでほしいということです。先ほど申し上げた直間比率についても、申告・納税制についても同様のことです。
 それから、最近いろいろ嫌らしいことがあるのですが、経団連のトップの方が構造協議で来たアメリカのリーダーの方と話し合って、日本が要求しアメリカにそれを言わせ、日本政府の政治を動かそうという動きがあります。毎日新聞にきちっと載っております。こういうことが正しいのか。私は今、嫌な政治に動きつつあるような気がしてならないのです。自由の名のもとに大店法が緩和されて、中小小売店はどうなってもいい、自由だという考えなのです。ただし私は、自由の前には厳格なルール、厳格なポリシーが保障されて自由だと思うのです。
 さまざまな意見がありますが、世の中、うれしいことに当たり前のことが当たり前にどんどん通用しつつある。さきの参議院選で自民党に鉄槌が来ました。東ヨーロッパには新しい変化が来ています。私は、当たり前のことを当たり前にする、そして痛みがわかる新しい日本の政策が進められることを大いに期待し、きょうの公述とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#392
○山崎座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ─────────────
#393
○山崎座長 これより委員 からの質疑を行います。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。中村正三郎君。
#394
○中村(正三郎)委員 意見をお述べになる皆様方におかれましては、お忙しい中をおいでくださいまして御意見を陳述していただきまして、ありがとうございます。
 私は、当委員会の理事を仰せつかっておりますが、主に大蔵委員会の仕事をやってまいりまして、与野党間でどういう議論が今までなされてきたかということを知っている方ではないかと思うわけでございます。そういう立場から、今いろいろ御意見を聞いておりまして、ちょっと私どもの理解と違うなと思うところもございましたけれども、具体的に一つ一つ伺わせていただきたいと思います。
 まず、竹澤さんにお伺いするのでございますが、所得税、法人税そして消費税、こういったもののバランスを考えて税制改革を行ったことを評価するというお話でございました。その中で物品税の不合理性のお話もございましたが、政府の今度の見直し案に対する御評価の話がなかったのですね。今度の政府の見直し案についてはどのようにお考えか、お話を伺いたいと思います。
#395
○竹澤清隆君 今度の政府の見直し案に対する私の考え方というのは、最初に申し上げましたように全体として評価すべきものだという視点に立って見ておるわけでございます。見直すということについてもいろいろ問題を言う人がありますけれども、やはりこれだけ国民の方々が関心を持っていろいろな意見をお出しになっていらっしゃるわけですから、なるべくこれを率直に受け入れながら、消費税の定着を図るためには、先ほどのように逆進性の問題がいろいろ問題になっておりますから、これについていろいろな配慮をなされておるということをも考えまして評価をしておるというように申し上げたいと思うのです。
 以上です。
#396
○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。
 それから、佐竹公述人にお伺いをいたします。
 企業に対する不公平税制のお話をされました。租税特別措置のお話をされまして、これが不公平税制の最たるものだというような御論調であったかと思うわけでございますけれども、この租税特別措置というのは、やはり一定の政策目標を持って経済なり企業なりの動向を誘導していこうということで、意味があってやっているものだと私は思うわけでございます。そして、こうした租税特別措置というものを全部いけないものというふうに考えますと、例えば法人に対する租税特別措置が課税ベースを減らすからいかぬということになれば、所得に対する租税特別措置も、これは課税ベースを減らすわけですから、これもおかしいという話になるのかな。こういう基本的な税制に、租税によっていろいろな政策を誘導していこうという特別措置というのはすべて悪いというふうにお考えになっているのですか。
#397
○佐竹元春君 私は、現在不公平と言われている問題について、すべてを俎上に上げて大いに議論すべきだということで発言をしているわけでありまして、具体的には今中村先生が言われたことがすべて悪いという立場での発言ではございません。
#398
○中村(正三郡)委員 先ほどのお話の中で、特に法人に対する租税特別措置というお話があったものですから……。
 そうしますと、法人に対する租税特別措置による減収はどれくらいなんですか。それから、その中でどれが不公平なんですか。そういうのを、全部はなかなか難しいでしょうけれども、二、三例を挙げていただけるとよくわかると思うのですが。
#399
○佐竹元春君 大変申しわけないのですけれども、私、税制については本当の一般市民と同じでございますので、そういうすべての項目について幾らとかということは今正確には申し上げられません。
#400
○中村(正三郎)委員 私の理解しているところでは、租税特別措置の中の企業に対するものは技術開発とか中小企業対策、それから所得に対するものはマル優ですね、老人マル優とか、そういったものに対する減収額が、私もちょっと数字持っておりませんが、大きかったと思うのですよ。私企業に対するものも、三千億程度の法人に対する租税特別措置じゃないかと思うのですね。だから、そういうものはやはりよく見直しをしていかなければいけないけれども、こいつが象徴的に不公平だからこいつを直さなくてはいかぬぞという議論がよくあるので、その点をちょっとお伺いしてみたわけでございます。
 それから、資産課税の強化、新たな視点からの再構築、捕捉をよくしてというようなお話もございました。その中で、資産の保有と相続に対する税の見直しをしなければいかぬというお話がございました。そういう中で、見直しとおっしゃるのだから恐らく税を、負担をふやせというふうに受けとめさせていただくような御発言でございましたけれども、相続税の最高税率は今何%でありましょうか。それで、それをどれくらい上げればこれが公平になるのでしょうか。ちょっとお考えがあったらお伺いさせていただきたいと思います。
#401
○山崎座長 中村君に申し上げます。
 発言は、座長の許可を得てからお願いいたします。
#402
○中村(正三郎)委員 はい、わかりました。
#403
○佐竹元春君 まず基本的には、額に汗して働くことに対する課税と、いわゆる札束を動かして投機的に所得を上げるということに対しては、きちっとしなくてはならない。そういう社会であればやはり社会そのものがおかしくなっていくということで、現在のいろいろな問題が出ているわけでございますから、まず資産課税を強化すべきだということで発言をしているわけでありまして、具体的に幾らかとかそういうふうなことでお話をしているわけではございません。
#404
○中村(正三郎)委員 先ほどお話しの中に、保有だとか相続に対する課税の適正化というようなお話があったものですからちょっとお伺いしてみたので、御趣旨はよくわかりました。
 それから、捕捉をしっかりするために所得の把握のきちっとしたことをやらなければいけないというお話がございました。今よく議論になっておりますし、この税制改革にも関係して出てくると思うのですが、例えば国民の背番号制導入とか、こうした捕捉体制の強化ということには御賛成のお立場でしょうか。
#405
○佐竹元春君 はい、賛成します。
#406
○中村(正三郎)委員 それから、何か補助金の廃止という言葉を使われたように私ちょっと伺ったのですが、今国庫の補助金は多分十五兆かそこらと思いますけれども、これはほとんど地方に対する補助金になっておるわけですね。千坂さんもいらっしゃいまして、さっき地方の話をしておられましたが、これを廃止するということはできないと思うのですが、どういう御趣旨の発言であったか、ちょっともう一遍お伺いしたいと思うのです。
#407
○佐竹元春君 まず、行財政改革がまだまだ不十分である。補助金の見直しも含めて先ほど発言をしたわけですけれども、ほかの方々も言われましたが、政府が新しい税を国民に求めているわけでございますから、まずみずからやはり行財政改革をすべきところはし、その上で新しい税の問題についても問題を提起すべきだということを言っているわけです。具体的な数字を求められても、私正直言ってすべて正確に答えることはできません。
#408
○中村(正三郎)委員 物の考え方として、数字ではないのです。ただ、相続税だとか保有税を強化というか見直せというお話でございましたので、それはやはり増税で見直されるのですかということを伺ったわけです。
#409
○佐竹元春君 それは、投機的な部分とかそういうものについては増税になる部分は当然あると思いますね。
#410
○中村(正三郎)委員 相続税に投機というのはないと思うのですけれども……。
#411
○佐竹元春君 いや、結果としていわゆる相続税逃れのためにいろいろな問題も出ているわけですから、そういうものも含めて捕捉率を高めるということだと思います。
#412
○中村(正三郎)委員 それでは、余りお一人に伺ってもあれでございますから、ほかの方に伺いたいと思います。
 野崎さんに伺いますが、初めに消費税ありきというお話でございました。しかし、これは私の方から逆に少し御説明させていただきたいと思うのですが、大蔵委員会という委員会が国会にあるわけです。そこでは長年税に対する議論を各党の専門家が出てきてやっていたわけであります。そして、売上税が提案されます前に、一般消費税というものがだめになった後に、これは何とかしなければいけないという議論が随分なされたわけでございます。その中で、野党の方々からも、シャウプ以来の改革をやらなければならない時期に来た、そうしてシャウプ以来の改革をやって、大型間接税という言葉が当時使われておりましたが、大型間接税の導入をする素地は固まりつつある、その方向でという議論が随分大蔵委員会でされまして、野党の方から、もうここで政府は将来の高齢化社会に向かって国民にこういう税を導入しなければいけないのだということをはっきりと言いなさいというような御示唆があったり、それは福祉目的税でやっていきなさいというような御示唆があったり、複数のいろいろな方から御意見があったのです。
 それから、大蔵委員会にまつわる座談会や何かででも、やはり国民の中には七割ぐらいが当時の税制を不公平と思っておる。その中に含まれていたのは、サラリーマンの課税が把握がしっかりしておって累進性がある、だから所得がずっと上がっていくと税負担が大変重くなっていくということに対する見直しが必要で、その中でやはりシャウプ以来の税制改革をやる理解を国民に求めなければいけないという御議論が、私がこういう話をしていると、多分この方がしゃべっているのだろうなと思われる方もいるのですけれども、そういう人ではない方が、複数の方がしゃべって議事録や何かに残っているのですね。そういう中で、突然消費税ありきでなく、与野党の中でもそういうことが相当話し合われた中でこれは出てきたものだということをちょっとお話を申し上げておきたいと思うわけでございます。
 そして、先ほど具体的におっしゃられましたことで、農家の消費税が十万円を超えるとかいろいろありましたけれども、月九千円払う方は三十万円支出しないと消費税負担は九千円にならぬわけですね、三%ですと。そのようなお話の中で、農家が農機具に課税されているものを負担しなければいけないというお話があったのですが、これは私どもも随分考えまして、農家というものはみずからなかなか価格決定ができない、競りで決定される場合がある、だから競り後の価格に三%を乗せていいことで、これは農家の負担にならぬようになっているのですね。そういうふうにしたので、そう御理解をいただきたいと思うのですが、何か御異論がございましたら伺いたいと思います。
#413
○野崎明君 最初の点なんですが、私は、要するにシャウプ税制といいましても昔のシャウプ税制に房れというのではなくて、そういう時代に即応した、シャウプ税制の持つ基本的精神に戻って見直してはどうかという考えなんです。
 それから、政府の方でそういう総合所得課税も一般消費税と一緒に審議したと言う。だけれども、私たち一般市民から見ると、そういった議論がよく伝わってこないというか、要するに市民にわかりやすい形で伝えられてない、そういう感想です。
 それから、先ほどの二点目、農家の方なんですが、いわゆる投入財の方ですね、農機具とか肥料とか、それは競りではないですね。それは結局消費税によって農家が負担されるわけですね。ですから、要するにそういった農産物が競りとかそういう形で価格形成されるのはわかるのですけれども、そういう投入財は別に競りでなくて通常のマーケットで価格形成されるわけで、そしてそれが農家に転嫁されるわけですね。やはりその負担がある。しかしその農産物の価格の方は結局転嫁できない、そういう特殊性があるということを言っているわけです。
#414
○中村(正三郎)委員 その点は、今野崎公述人の方は非常に御明確なお考えでお答えになっているので、こう御理解いただきたいのですが、これはもう一つの問題があるのですよ。というのは、非課税業者が何で三%もらうかという問題を一つ含むのですが、売り値でもって競り後に三%を乗せちゃいますからね。ですから、農家が損しないシステムにはなっているのですね。だから、この負担のあり方がいいか悪いかは別として、農家の損にはなっていないという御理解を賜りたいとお話をしているわけであります。
#415
○野崎明君 先ほどのそういう事例ですね。あれは実際に計測した結果、要するに今の現実の結果であって、だから実際にそういう考えておられることが結局実現されてないということが一つこの場合言えるのじゃないかと思います。
#416
○中村(正三郎)委員 それは、農家の負担は先生のおっしゃるとおりなんでしょう。しかし、収入の方でもって三%ふえておる、こういう意味なのです。だから、それがカバーをされているようなシステムになっておるのですね。これは、ここで議論してもしようがないので、またお調べをいただけたらと思います。
#417
○野崎明君 それはもっと事例があるのですけれども、その数値、そういう計測の仕方も私全部ちゃんと当たっていますけれども、それをちょっと今この場でやってもしようがないと思うのですけれども……。
#418
○中村(正三郎)委員 それでは次の問題に移りまして、野崎さんに伺いたいのでございますが、逆進性ということを強調して言われました。
 実は、これもおもしろいことに、私ども大蔵委員会で与野党ともに毎年外国へ行きまして、フランスだとかアメリカの税制当局者と論議をしておるのですよ。その中でもって、ちょうど売上税導入の前に大蔵委員会で行きまして、フランスが先進国だというのでフランスの税制当局、大蔵大臣と話しました。そのときに、本来所得は比例税率で取って所得の多い人が余計課税される、それを所得再配分を強化しようということで累進税率が導入されておる。さっきどなたか言っていらっしゃいましたけれども、そういう国で所得の把握が日本に比べて非常に悪い面もあるといううわさも聞いております。しかし、そういう中で累進税率で所得再配分をやり、そうするとやはり日本で起こっているようにサラリーマンが給与がふえていくと税負担が重くなってしまうという現象が起こるものですから、そういうものをバランスよくいろいろな視点からやろうということで、向こうで言うEC型付加価値税、消費の担税力に着目してやるという方法ですね。これとても、消費の大きな方に余計税負担してもらうのですから、比例税率といえば比例税率で、いっぱい支出した方が余計払うようになるのですね。こういったバランスのとれた税をフランスが導入をして各国に輸出して世界じゅうでやっておるのにこれを日本は一つも評価してくれない。我々は評価しなかったわけじゃないのですけれども、日本がいろいろもめておる、こんないい税を輸出しているのにフランスの貿易収支のプラスにならぬことは不満だと、これは大蔵大臣の公式発言ですわ。
 そういうことを言われたぐらい、世界、特にEC、アメリカ――アメリカは中央政府じゃないけれども、地方ではこうした売上税を持っています。そうしたバランスの中で、世界の情勢ばかりに左右されるというのは日本の悪い癖だというようなお話もありましたけれども、世界の経済が一つになっていこうという動きの中で、そうした世界の動きというのはどういうふうに見るのでしょうか。世界じゅうが逆進性の高いアンバランスなものをやっておるとごらんになるのでしょうか。
#419
○野崎明君 私は、参考にすべき点は海外の事例にもあると思うのですけれども、先ほど言いましたように経済学の一つの基準で課税の効率性それから中立性、その基準に照らし合わせて、ほかの税に比べて総合所得課税が最も望ましいと思うのです。例えば効率性にしましても、消費税に比べて総合所得課税の持つ再分配効果がより公正である。そういう基本的な議論をやった上でほかの事例を研究すべきである、参考にすべきである、私はそういう考え方を持っております。
#420
○中村(正三郎)委員 特に野崎公述人は、最後は、日本の所得に対する課税の格差、これは資産所得を除いては世界に比べて格差は小さいという非常に正当な御評価をしてくださったわけですね。そういう中での御論議ですから、私は野崎さんみたいな方と論議をしていくとおのずといい税制ができてくるのではないかなという気がしているのですね。
 ただ、その中で逆進性の点だけは、例えば日本の場合は課税の最低限が標準世帯で三百十九万八千円ですね。それで、最高税率が地方税を入れると六〇%になりますが、今下げている。イギリスは所得税を四〇%にしちゃったのですかな、ほとんどフラットですよね。アメリカは一五の二八です。そういうふうなことにして、所得税の方はなるべくフラットで、そしてなおかつ消費税は入れて、比例税率的な物の考え方に移行しつつある。それで、所得の把握が日本では比較的よくなされていて、所得に対する課税の格差も少ないということは、日本が非常に逆進的であるということは全く言えないんじゃないかと思うのです。だから、そういう面で資産だとか所得だとか消費だとかいうもののバランスのとれたものをつくっていこうということについてはどうお考えになりますか。
#421
○野崎明君 バランスという場合に、僕はさっきから何回も言いますけれども、課税の効率性と中立性という観点からのバランスがとれた結果が導かれればいいのですが、その検討をやられているかどうかということなんですね。今いろいろな事例が出てきましたけれども、例えば総合所得課税でも、課税ベースを今までよりももっと広くとっていくというのがもちろん考えられます。例えばそういうことですね。
#422
○中村(正三郎)委員 終わります。
#423
○山崎座長 次に、戸田菊雄君。
#424
○戸田委員 まず、竹澤さんと佐竹さんにお願いをしたいのですが、政府の消費税導入の理念、これはさっきおっしゃられておった方がおりました。産業構造の変化あるいは消費の多様化とか経済の国際化等々言われておるのですが、一番消費税導入の出発点になっているのは所得の上昇それから所得の平準化、これに置いているのですね。所得の上昇それから平準化は、今そうなっておると思いますか。その見解をひとつ。
#425
○竹澤清隆君 私は、所得の平準化は過去に比べて徐々に平準化してきている、総員がいわゆる中産意識ということも言われた時代がございますけれども、過去に比べれば平準化の方向にあるというふうに思っておるのです。
#426
○佐竹元春君 私は労働組合にも関係しているわけですけれども、全体的には底上げは確かになっていると思うのですが、大企業、中小企業の総労働条件、トータル的な条件というのはむしろ格差が拡大をしているというふうに思っております。例えば、宮城県内におきましても、ほとんどは中小企業でございますけれども、その労働諸条件のトータル的なものは六〇%あるいは七〇%と言われているわけでありまして、それは賃金の面あるいは一時金の面でも大変格差が拡大をしているというのが現実ではないか、そういう面では格差は拡大している部分があるというふうに考えます。
#427
○戸田委員 ありがとうございました。
 これは佐竹さんそれから野崎さん、松沢さんにお伺いしますが、消費税がとにかく強行採決でもってあのように強引に実施されたわけですが、もう一年を経過しております。政府は余り混乱もない、定着しているんではないかというような御意見ですが、そのように考えましょうか。
#428
○佐竹元春君 税金ですから強制的に取られているので、それはそういう面では定着しているといいますか、取られているという現実はありますのでそうだと思いますが、やはり内容的にはそれぞれ国民各層いろいろな不満、不平というのはかなり内在をしているのではないか、そういうふうに考えます。
#429
○野崎明君 私は、先ほども言いましたけれども、特に社会的な弱者からすれば今の税制というのは、事務負担というかそれは非常に大きいのではないか、そういう実感を持っております。
#430
○松沢建男君 言葉は使いようで自由なんですが、日本人は大変優秀だと私は思いました。一〇三そして三%という計算を、レジスター改善から何から見事に乗り切ったわけです。それは四月一日から見事にやったわけで、私の個人意見として日本人というのは優秀だなと思います。
 そういうことと、法律です。日本人です、やはり法律は守らなければなりません。ですから守りました。これが定着という言葉を使っていいかどうかはその方の立場上意見の分かれるところで、どういう言葉を使うかはさまざまだと思います。ただ、定着し、安定しというふうに積極的にとっていいかどうかについてはまだまだ意見の分かれるところではないかと思います。
 間違いなく言えることは、私たち日本人です、日本の法律を守ります。ですから、言われたとおりに忠実にやっておりますし、予定納税で消費税分の貯金を納税預金なんかで対応しております。私たちが日本人だから守ったということであって、それが定着という言葉を使えるなら使ってもいいし、不本意ながらやっているんだと理解すれば、それでもいいと思います。
#431
○戸田委員 ありがとうございました。
 それでは、竹澤さんと針生さんと佐竹さんにお願いをしたいのですが、政府の見直し案で消費税収入については毎年度社会福祉、社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるということで、今回第一条の二項を起こしまして追加をした。しかし、現在社会保障費は十一兆六千億程度必要なんですね。これを実施すると、三%では五兆九千四百億ですから、間に合わない。それに見合う税率アップが当然行われていかなければいけない、こういうことになってくると思うのですが、その辺の見解はどうでございましょうか。
#432
○竹澤清隆君 私は、消費税だけで社会福祉をやるということではないというふうに理解しておりまして、十一兆六千億必要であるならば当然それは一般歳入あるいは特別な歳入で賄い、あわせてこの消費税というものをこちらの方に重点的に回すという考え方であろうというふうに理解いたしまして賛同をしておるということなんでございます。
#433
○佐竹元春君 見直し案の収入ではとても賄い切れないというふうに思います。
#434
○針生弘吉君 私も、先ほど申し上げたとおり、所得の少ない人やお年寄りに対しては税制だけでなく福祉政策面、こういったさまざまな配慮が必要だということで、一つだけでは満足できないというふうに思います。
#435
○戸田委員 それでは次に、竹澤さんと松沢さんと針生さんにお願いをしたいのですが、簡易課税制度など中小企業者の事務負担、これに大分配慮をいたしまして、そしていろいろな措置が行われているわけでありますが、消費税の国庫不入といったことが出てまいりまして、それに対して大変今、国会で問題になっている。こういう問題についてどういう見解か。
 それからもう一つは、帳簿方式をとっているわけですね、自己記録方式。具体的には損益計算書あるいは収支内訳書、これでいいわけでありますけれども、実際に扱っている皆様はこの仕分けが事務煩雑その他で大変だと言っているのですね。ですから、こういったものが今度見直しでさらにゼロ税率あるいは一・五の軽減税率等々がまた出てくるわけで、そういうことになるとより煩雑さを増すというような気がするのでありますが、これに対して企業人としてどうでしょうか。
#436
○竹澤清隆君 お答えする前に、御質問の最初の方がちょっと聞き取れませんでしたので。簡易課税方式が……。
#437
○戸田委員 いわゆる免税事業者あるいは簡易課税制度、限界控除等々で中小企業者の事務負担についていろいろな配慮を大分しているわけです。その配慮の結果、国庫不入、税金が国に入らないという状況が出ているのですね。ですから、こういう問題はどう考えられるかということです。
#438
○竹澤清隆君 いわゆる消費者からは消費税が入ったけれども、それが国に入らないというようなことについて、益税という言葉を言われますけれども、どう思うかということだと思うのですが、私はこれにつきましては確かに好ましいことではないというように思います。しかしながら、中小企業、零細企業の事務手続を考えますと非常に大事なことで、ぜひこれはひとつ守ってほしいというようなことですけれども、どの程度の線でこれをやるかということについては、自民党も今後いろいろ見直して最もふさわしいものを考えるというように言っておられるように私は理解しておりますので、この点は与野党間で十分お話しいただきながら、地域に一番定着しやすいものをお願いしたいというようなことでございます。
#439
○戸田委員 制度の欠陥だとは思いませんか。
#440
○竹澤清隆君 いや、私は制度の欠陥ではなくて、具体的に進めていけば解決のつく問題だというように思っております。
#441
○戸田委員 松沢さんはどうですか。
#442
○松沢建男君 益税の話ですが、二億までを例にとりますと、経費の中で粗利率が三〇%以上、それから人件費率が四〇%以内、そうすると益税が必ず発生します。その結果、経常利益がふえて、そしてその経常利益に対する税金が取られるわけですので、益税が丸々その会社に入るわけではありません。
 しかし、現実、事務量の上で混乱を持っておりますのは、売り上げの方はまとめて帳簿でやっておりますからさほど現場では、今現在ですと決算時で年一回ですから済むのですが、それが三回に分かれた場合、一々消費税分と純売上分を分ける手間が累計で出ます。むしろ面倒なのは、経費の方を一々分類しなければならぬということです。つまり、それが取引の方から請求時に、後で来る場合と単品で来る場合、いろいろあります。仕入れについても、問屋さんの、あるいは向こう側の考え方で後でまとめて来る場合もあり、一品一品納品書に含める場合もあるわけなのです。そういうことで、経費及び仕入れに事務の手間が大変ふえているというのが現状です。
 ですから、これが三百万以上の消費税を払う場合、三回以上、これからそれが六回ぐらいにふえる、公平の原則からふえるとは思うのですが、これはむしろその預かり消費税分が運用資金になるということが、相当大きい企業の場合は経営上プラスしますけれども、預かり消費税分が資金運用に役立つという規模になることは、小さな企業の場合はほとんどないと思います。ただ、こういうことが発生し、消費者に不安、あるいは市民に、事業家に対して中小ほど疑惑の目で見られるということは、この税の好ましくないところであろうと思います。
#443
○戸田委員 針生さんはどうでしょうか。
#444
○針生弘吉君 私は、中小企業の事務のことについては余りわかりませんですが、確かに国民の間に益税という不満の声がありますので、やはりこういった点については改善が必要だと思いますし、何よりもやはり消費税の原点であります薄く広く公平に負担するという意味から、やはり見直しは必要だというふうに思います。
#445
○戸田委員 千坂さんにお願いしたいのですが、さっき地方財政が大変深刻だ、こういうお話がありました。消費税導入で物品税その他が廃止をされましたから、その分の減収が生じました。なおかつ、政府では消費税導入の二四%、これを交付する、それから三税の減収分、こういうものについても全部補てんをいたします、こういうことを言っているのですが、あの交付全体で従前のものと比較してどうですか。多くなっているのですか、それとも少なくなっているのですか。
#446
○千坂侃雄君 まだ結果的には正確な数字が出ておりませんし、私どもに対しても譲与税の交付といった形での数字が出ておりませんので何ともお答えしかねますけれども、私どもは、国会の場で論議され、政府なり皆様方の方で出されたそれぞれの資料をもとにして今のところは判断するよりほかないのでございますが、減税されたものに見合う分だけは、政府案の中では大体行くだろう、そう思っております。
#447
○戸田委員 野崎さんにお願いをしたいのです。
 先ほど御主張の中に、シャウプ税制以来現行税制がしかれておるわけですが、それは直接税を中心として、そして総合課税方式、応能負担の原則等々を取り入れて累進制度をとって、そして公平、公正な税制改革、こういうことを私たちは主張しているわけですが、そういう問題について、間接税、殊に付加価値税とかあるいは日本の今の消費税導入――フランスとかイギリスとか、こういうのは租税体系がもともと違うのですね。ですから日本の場合は、私は、直接税を中心にしたそういう課税方式、これでいった方がいいのじゃないか。ただ、今は非常に不公平があります。租税特別措置等々もあって、政策的判断でもっていろいろな優遇税制をつくってきましたから、そういったことで非常に不公平体制になっている。そういうものをやはり改善をしていくことが一番ベターではないかというふうに考えるのですが、税制のあり方としてどうお考えになりましょう。
#448
○野崎明君 私の主張も全く同じことなのですが、戦後、シャウプ税制と言われている総合所得課税、これから高度経済成長期において、例えば租税特別措置とか、それがどんどんつくられて、だんだんシャウプ税制の根幹を揺るがすような形でかけ離れていった。それが六〇年代、七〇年代に特に顕著にあらわれて、再分配効果が以前に比べて小さくなっているという実証研究もあります。
 現在においては、今度は資産所得、この格差というのが先ほども言いましたように大きくなっていって、それにどういうふうに対処したらいいかというと、私は、やはりシャウプ税制の基本的な精神に戻って総合所得課税方式で、ただしそれは先ほど言いましたように、現在の時代に即応した形で、例えば中堅のサラリーマンというかそういった人たちの重税感とか重税負担というか、そういったのをなくすためには課税ベース、それをもっと広げていくというか範囲を大きく広げていくとか、そういった具体的な政策はできると思うのですが、やはり戦後のシャウプ税制から、高度経済成長期にかけてその根幹から離れていった、そこを強調したいと思います。
#449
○戸田委員 佐竹さんはどうでしょう。
#450
○佐竹元春君 やはり現在の不公平税制を徹底的に是正するという面では、直接税についてももっともっと見直しをすべきだと思います。その上で間接税の問題について議論をした方がいいということで私は考えています。
 以上です。
#451
○戸田委員 松沢さんはどうでしょう。今の直接税中心の総合課税方式の、今後の租税体系のあり方ですが……。
#452
○松沢建男君 外国と日本と比較をよくするわけですけれども、先ほど申し上げたとおり国の歴史的事情が違います。それで、国際化だから世界と同じシステムをとらなければならないという理由はスタートからはないのではないか。日本は見事にこれだけ経済成長、発展を遂げたわけで、何らかの問題があれば解決、改善、海外の優秀なものを取り入れるべきでしょうが、非常にスムーズにいき、かつ全国民が中産意識になった。これは歴史上、世界的にもまれなくらいに幸せな日本を、日本政府及び政治がつくり上げたと思いますので、今後とも直税中心になるのが好ましいことだと思いますし、先ほど申し上げたとおり直間比率は結果論である、私はそう思います。
#453
○戸田委員 最後になりますが、竹澤さんに。
 資産課税、土地保有税等々をつくるべきだという御意見が今、国会でも旺盛なのですが、この辺の見解はどうでしょう。
#454
○竹澤清隆君 現在、今の地価の問題等を含めまして資産の不均衡化ということが非常に問題にもなっておりますし、これについては現在、政府の中でも土地保有に新税検討等、政府税調小委員会がいろいろ勉強されておるわけで、私もこれについてはぜひ検討をしていい案を出していただきたい、こういうように思います。
#455
○戸田委員 千坂さんはどうです。
#456
○千坂侃雄君 自然人であれ法人であれ、経済的に強いときもあるでしょうし弱いときもあるだろうと思います。例えば、私ども住宅を持っておって、あるいは宅地を持っておって、自分が住むために保有している土地なり住宅なり、そういったようなものに対する配慮、あるいは先ほど申し上げましたように所得のあるときとないとき、そういう時代もあるわけです。それらを総合的に考えてやっていただけばいいのじゃないかと思います。
 私は、とにかく衆参両院の先生方を信用しておりますので、国会の場において論議を尽くしていただいて、だれもがすばらしいなと思うような案をぜひ出して決定していただければと思うものでございます。
#457
○戸田委員 私は、そういった住宅とか特定のいわば家屋敷、こういったものについては十分配慮していく必要がある、こういうように考えていますが、それ以外に企業の遊休地その他がいっぱいあるわけですから、こういった問題を対象に保有税的なものをつくっていきたい、こういうように考えているのです。
 非常に御多用のところ、陳述人の皆さん、おいでをいただいて、貴重な御意見を拝聴しまして、本当にありがとうございました。
#458
○山崎座長 これにて戸田菊雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡部一郎君。
#459
○渡部(一)委員 公明党の渡部一郎でございます。
 先生方には御多用中のところをお出ましいただきまして、私からも感謝を申し上げたいと存じます。いろいろなお話を伺いまして、私の方の見解もございますが、きょうは公述していただく方々の御意見を聞くのが主体でありますからこちらの議論はなるべく抑えまして、認識を伺えるとありがたい。特に、仙台で公聴会をやるという意味は非常に重い意味がございまして、東京では中央公聴会もしてまいりましたのです。ここではまたある意味の地域性を反映した、ある意味の日本の別の側面を代表するようなお話を伺わせていただけるとありがたいなと実は思っているわけであります。
 そこで、まず竹澤さんから伺いたいのでございますが、まず甚だ奇妙な感じがいたしましたのは、消費税が定着しておる、もう業界の話題にも上らない、大企業は特に問題ではない、それはお立場があるからそうおっしゃったのだろうと理解するわけでございますが、あとは心理的側面のみであると大胆不敵におっしゃったと拝聴したわけであります。
 あらゆる統計、データを見ましても、消費税がこのままうまくいくよなんという人は日本じゅういないわけでございまして、統計を見ましても二、三〇%超すところはない。大体、日本の世論は真っ二つになってしまったからこそ、私どもは心配をいたしておる。特に、国会におきましては、政府の提出法案である消費税見直し法案からして消費税よくないよと自分で言っておられる。そこへ四党の提出された廃止法案、根本的見直し案とでもいうべきものが出ておる。そうすると、日本じゅうだめだよと言っている真っ最中に、ただひとり敢然と消費税は定着したよ、問題はないよというこの力強いお言葉はどこから出てくるのかなと、私はちょっと皮肉っぽく申し上げて恐縮なのでございますが、これはこれなりの信念の御発言と思いますけれども、ちょっとおおよそでおっしゃったのだろうと思うのですね、おおよそ間接税いいだろうぐらいのつもりでおっしゃった部分を少し強調し過ぎられたんだろうとは思いますが、その御認識を伺いたいと存じます。
#460
○竹澤清隆君 消費税がいわゆる一般に定着している云々ということでございますが、きょうの公述の方々も多くの方が、定着している、それをどう理解するかは別として、日本人だから定着しているんだとかいうような御意見もあったように私は聞こえたのですけれども、いずれにしても定着しているという感じの意見が多かったように思うわけでございます。
 ただ、私の申し上げました気持ちは、現在、消費税を実施しようといたしましていろいろ私どももアンケートをとりました。その際には、うまく転嫁できるのだろうか、あるいは下請企業にいろいろなものが押しつけられていくのではないだろうかというような懸念をいたし、また物価が上がっていくのではないか、あるいはこれによって便乗値上げがあるのではないかというようなことのいろいろの心配を聞いたわけでございますが、その後実際実施して以降何回かアンケート等によってお聞きいたしますと、下請のそういう心配がない、いわゆるスムーズに進んでいるという答えが、私どもが耳にしたところでは非常に多いわけでございます。そういうことでございますし、大きな企業になりますと全く聞こえてこないというのが私の経験でございますので、まずそれと、それからもう一つは消費者についてでございますけれども、これはNHKのアンケートと中央の各新聞の数字を見ましても、月を経るごとにこの見直しなりあるいは現行に対する意見、こういうものがふえてきておるというようなことを、過半数を超えて大変大きくなってきているということを新聞等で見るわけでございます。それは事実私どものごく周辺の方々に実感を聞いてみましても、いわゆる定着してきているなというふうに感じまして、先ほどのようなことを申し上げたわけでございます。
#461
○渡部(一)委員 少しオーバーぎみにおっしゃる方であることはもうよくわかっておりますが、ちょっと強烈過ぎましたので申し上げたわけであります。
 その次に私が申し上げたいのは、この消費税の中で、もう国会でも大分論戦をいたしまして、例の限界控除制とか帳簿方式とか免税点とか簡易課税とか、こういう現行消費税の持つひどくゆがんだと申しますか、日本の消費税制度にしかないような奇妙な制度がワンセット突っ込まれているわけであります。これは、消費税を支持なさる方、あるいは支持しない方はもちろんでありますが、両面にわたってひどく批判が強いところであります。例えば、限界控除なんというのはフランスと日本だけしかやっておりませんし、帳簿方式というのは日本、フィンランドだけしかやってない、世界に冠たる奇妙なテクニックと言われておるところでございます。
 こうした問題につきまして皆様方がどうお感じになられているか、恐縮でございますが時間も余りございませんので、皆様方一言ずつ御返事を賜るとありがたいと存じます。
 では、松沢先生の方からお願いしたいと存じます。
#462
○松沢建男君 帳簿方式でない伝票、インボイス方式がそのかわりのことだと思うのですが、多分事務所の中、店の中は仕入れ伝票だらけになると思います。とても中小企業ではやっていけない、ないしはコンピューターの大型ホスト機械を入れるか何かでないと、帳簿方式でない場合は中小企業はやっていけないだろうと私は思います。ただ、事務量がふえるのは、今までないものがふえるわけですから、これは現在のでもふえているわけで、仮に帳簿方式を抜いたとしたら私どもの事務量は膨大にふえ、かつ毎月ミカン箱三箱ぐらいの伝票だらけに埋まることになるでしょう。
 簡易課税等のことについては、これはいろいろ大蔵省の立場があろうということで皮肉っぽく理解しています。つまり、どの中小零細も全部同様にしようとしたら税務署の職員の数が足りないということで、二億がいいか三億がいいか、税務職員の作業量等勘案して苦肉の策で出した案ではないか、そういうふうに理解しておりまして、私どもは言ってみればそれによって中小業者が猫ばばしているという目で見られていることがつらいということが正直な意見でございます。
 以上です。
#463
○針生弘吉君 私は、どんな税制でも完全無欠なものはないと思いますが、現在の消費税は今までのよりは数段すぐれているということから、消費税実施に当たりましては相当な費用もかけましたし時間もかけました。その結果、すべて機械化することができましたので、特にこの定着化につきましては、人員の増加も配慮いたしましてやりました結果、現在におきましてはもうほとんどこのシステムの中で処理できるというふうになっておりますので、私どもの範囲では現在定着化して特に問題なくやっているということでありまして、それ以外の企業のことにつきましては私存じませんので、ちょっと申し上げかねます。
#464
○野崎明君 私は、企業内の取り扱いについて具体的なことはちょっとわからないのです。ですから、感じだけで申しわけないのですけれども、やはり限界控除とかそういったものが出てきたのは、何か小手先で税制改革をやろうというような、そういう印象を受けます。
#465
○千坂侃雄君 こういう面での一〇〇%正しい制度をつくることは大変難しかろうかと思います。納税義務者の手数と徴税技術、徴税コストなどを考えながら、どこかで線を引くことはやむを得ないことだと私は思います。
#466
○佐竹元春君 消費者が納めた税金が国庫に入らないというのはやはり基本的におかしいと思います。ただ、いろいろな問題はありますので、ぜひ今後これらの問題については大いに議論をしていただきたいと思います。
 以上です。
#467
○竹澤清隆君 コスト面あるいは手数面等で小さな限界を設けるというのはやむを得ないと思います。
#468
○渡部(一)委員 千坂さんにお尋ねしたいのでございますが、中央公聴会の席上に、やはり九州の町長さんがお出になったのです。その方は、まことにユニークな、おもしろい意見を吐かれて、この方はむしろ現行消費税を擁護されるタイプの方でございましたが、途中で毅然とされまして、実は簡易課税とかこうした免税点とかという方式でいくと、免税点の三千万なんというのは我が町ではもう大企業なのである、そうすると、我が町の最高の紳士たちが、四千八百億ですか、そのような税金の猫ばばを試みておるという批判が町の中で高くなってきて、尊敬すべき紳士たちがひどく困っておる、泥棒扱いをされておる、こういう侮辱は耐えがたい、もし補助金とか交付金をくれるならそれらしくちゃんとつけてもらいたい、ところがそうでなくてその税金の一部、取ったはいいけれども取ったのを懐に入れていいよなど、ということを言われて、我が町は大変侮辱されておる、これは断固直してもらいたいと大声で叫んでいかれまして、私たち思わずにっこりしながら伺っておったわけでございますが、地域を預かられる市長さんとしては、そういうような考え方もございますでしょうか。
#469
○千坂侃雄君 先ほども申し上げましたように、いろいろな税制度があるだろうと思いますが、すべての税について一〇〇%正しいということはなかなか難しかろうかと思います。そういう意味で、先ほど申し上げたように納税義務者の手数、コスト、また徴税する側のコスト、技術的な問題、それらを考えればどこかで妥協せざるを得ないのじゃないかと私は思います。
#470
○渡部(一)委員 松沢さんに伺いますが、今、国会で議論しておりまして一番大問題になっておりますのは、この見直し案も通らないし四党案も通らないという状況ではありますけれども、見直し案の中に、今度の選挙戦におきまして自由民主党大変でしたと言われる生鮮食料品の軽減税率についてでございます。これは実際実行すると、複数税率にはなるわ、そして帳簿上の処理はひどくふえるわ、やりにくいなというのが業界の間ではかなりあるように東京では聞いてまいりました。率直なところを申されまして、生鮮食料品というのは中小小売店の場合は非常に主力商品、しかも店舗の中の半分以上を占める非常に有力商品でございますから、その扱いについては非常に御意見もあることだと存じますので、中立、簡素、公平の原則から照らしてどんなものか、それより実務的にどんなものか、率直なところを聞かしていただけないでしょうか。
#471
○松沢建男君 私の商売が食料品でないので想像で話さざるを得ない、あるいは友人の話で聞かざるを得ないと思いますが、非課税も消費者の希望から出ていることでしょうが、そういうお店にとって通常のさまざまな物件費については相変わらず三%つくわけであります。ですから、世論に対してどう受けるかというときに、片方を受けて片方を受けないという形を残しますと複雑になることも一つですし、また複雑な対応をせざるを得ない。そうすると、抜け道上便乗値上げ的なことをせざるを得ないという立場に追い詰められるのではないかと思います。ですから、その場限りの見直しというか、あの意見が出てモグラたたき的にやっているようにしか印象を受けないので、これは非常に複雑な事務処理になるでしょう。そう思います。
#472
○渡部(一)委員 では最後に、野崎公述人に、農業の関係について御発言になったのは先生だけなので伺うわけでございますが、特に農業事業者というのは、今農業所得だけではなくて働きに行っている部分と合わせて所得というのができ上がっていると思います。三千万円以下というのは免税されるわけでございますが、農業事業者にとっての三千万円というのは特別の意味があるのでしょうか。それとも、それはそういう意味とは別のことで農業者の所得については配慮すべきなんでしょうか。その辺、先生の御意見はいかがでございますか。
#473
○野崎明君 三千万の免税点は、要するに、農家の場合でもさっきの事例の低所得者層といいますか、それに対する効果としてはそれは意味がないと私は思います。ですから特別な意味というのはわからないのですけれども、大規模の農家にとってはある程度の効果があるかもしれませんけれども、私のさっきの事例では、比較的所得の低い階層について言ったわけで、それは余り再分配効果というのはないと思います。
#474
○渡部(一)委員 ありがとうございました。
#475
○山崎座長 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、正森成二君。
#476
○正森委員 私は、まず最初に竹澤さんに伺いたいと思います。
 竹澤さんは、法人税を含めた企業負担というのが先進国でも引き下げられているので国際的調和のとれた水準が望ましいという意見を言われました。それで、後で伺うかもしれませんが、針生さんは比較をされまして、今度の税制改革で法人税が四二%から三七・五%になり、事業税等入れても五〇%を切ったけれども、なおかつアメリカは四〇%程度、西ドイツが五二%という数字を挙げられました。しかし、これは針生さん自身も言っておられるように、税制上の実効税率であって、実際に企業の負担している税金というのはもっと低いのではないですか。
 大蔵省の出している法人企業統計から、各種引当金等々いわゆる利潤の費用化と言われている現象ですね、イルージョンと言われる人もおられますが、そういう点を勘案すると、我が国の法人の実際の税金負担は三一%ないし三六%ですね。特に資本金百億円以上の企業は三一%程度でございますが、そういう企業負担についてどう思っておられますか。
#477
○竹澤清隆君 負担している税金の負担の率につきましては、いろいろなことも言われておりますけれども、私どもは今の大蔵省、それから経団連等々がはじいて出してきております数字をもとにいたしまして法人税の問題を考えているわけです。それによりますと、先ほどお話がありましたような数字が出ておりまして、アメリカ、イギリスに比べましても一〇%から十何%、なお高い。ただ、ドイツだけは例外でございますけれども、そういうふうに理解しております。
#478
○正森委員 アメリカの例を挙げられましたけれども、レーガンの税制改正でも、針生さんから四〇%という実効税率を言われましたが、アメリカの場合には税のイルージョン化傾向、引当金等で利潤を費用にする、そういう抜け穴を全部ふさいで、その上で税率を一定引き下げたのですね。ところが、我が国の場合は、賞与引当金にしても貸倒引当金にしても、あるいは過大な退職給与引当金にしても、いわゆる租税特別措置ではない、法人税法本法にいろいろ優遇税制がある。それはそのままにして税率を引き下げるというのは、これは一たん所得税等を取られた後の可処分所得に対して、さらに食料品から――あるいは今コーヒーと紅茶は矛盾だと言われましたが、それなら毛皮やらダイヤモンドもやはり三%で、食料品も赤ちゃんのおもちゃもあるいはおしめまで三%かかるというのが公平かといえば、それも決して公平とは言えないと思うのですね。
 あなたは国際化が進んでいるので企業はどこにいってもいいということを言われました。これは企業が海外に行くという意味でしょうけれども。しかし考えてみますと、我が国の法人税が一定の高さを示しておったとき、あるいは西ドイツは五二%で一番高いのですが、そこの国の経済が一番良好であって、それで発展してきたわけでしょう。それで、ここ数年企業が外に出ていくということが多いのは、企業の税負担の大きさというよりは、むしろ円が非常に高くなって、それで東南アジア等に出かけた方がよりいいとか、あるいは貿易のインバランスでアメリカにこれ以上自動車を売ることができないので自動車業界がアメリカに工場を持って、そこで生産したものをアメリカで売ればこれは輸出にならないというような要因が多いので、企業の税負担が大きいからというわけではないんじゃないでしょうか。
 それに国民感情として、一億二千万の国民は少々消費税を取られたってどこへも逃げていけないのですよ。その逃げていけない国民には税をかけて、企業は今だって優遇されているのに、ちょっと高くなればどこへ行ってもいいんだというようなそういう意見というのは、幾ら多国籍企業の世の中になったといっても、国民感情から見ていかがでしょうか。どう思われますか。
#479
○竹澤清隆君 最初にお話がありましたいわゆる税金の数字の出し方につきましては、私は専門でもありませんし、最初に申し上げましたような数字をもとに判断しているわけでございます。
 後の方の、いわゆる企業はどこへ行ってもいいから、税金が困るじゃないか、国民は動けないじゃないかというお話でございます。また、かつては税金が高かったけれども行かなかったじゃないかというお話でございますけれども、やはり時代はどんどん流れておりまして、世は国際化という時代になってきておるわけです。
 現在の状態で見ますと、申し上げましたように、税金が高ければ、私ども地方におりまして、外国へ工場を持っていっていただくよりは東北へ持ってきてほしいというのを切実に感じているわけで、もちろん海外へ行くことは私ども好ましくありません。しかし、現実にそういう動きが起こってくるということを申し上げておるわけです。
#480
○正森委員 御意見を承るのがきょうの目的で論争をするのが目的ではございませんので、御意見として承っておきます。
 それでは、松沢さんに伺いたいと思います。
 今非常に共感を持って聞いていたのですけれども、今我が国では何でも自由だといいますか、大店法を大都市圏では事実上廃止する動きとか、あるいは我が国の一部財界等がアメリカにいろいろ話をして構造協議の要求の中に組み込ませてくるというような問題が起こっておりまして、それについての憂慮のお気持ちについてはあなたと全く同感でございます。
 特にお聞きしたいのは、今消費税については逆進性こそが問題なんだということを言われまして、これが三%だけれども五%、一〇%あるいは三〇%という言葉を使われましたが、そうなればどうなるんだという御意見を述べられました。私どもも同じ危惧を持っておりまして、行革審が出しましたこの間の最終答申によりますと、高齢化になる二十一世紀、二〇二〇年ごろには国民負担が五〇%に達すると言っているのですね。そうしますと、現在価格で税や保険料が今より一〇%上がりますから、大体三十二、三兆ふえることになるわけですね。それをもし全部消費税で負担させますと、理論的には一八%ぐらいになります。保険料と七対三という今の比率を維持しても、一四%ぐらいになります。
 そこで、特にお聞きしたいのは、高齢化社会に備えての安定的財源と言われれば、今まで一部意見がありましたけれども、今はそれは消費税の税率は三%だからそれの大部分を使わしてもらって残りは一般財源と言っておりますが、もし高齢化社会対応のためということになれば、これから費用がふえればそれはどんどん税率アップにかかっていくということにもなりかねないのですね。高齢化社会におけるいわば年金生活者とか医療とか、弱者に対する税ですね、それを逆進性が強くて弱者に一番重くかかってくる消費税を安定的財源として主として充てるんだというのは、それ自体矛盾じゃないですか。私どもはそういうぐあいに思うのですけれども、これらの点についてあなたの率直な意見を承りたいと思います。
#481
○松沢建男君 政治の動かし方についていささか疑問があります。それは、金をばらまくのが政治かということです。つまり、老齢化社会、老人になったことが恥ずかしい、悲しいことみたいな、そしてそのため国が金がかかって若い者が苦労するぞという世論であることが私は悲しむべきことじゃないかと思うのです。もっといろいろな元気な老人の社会活用の仕方、社会運動ということを提唱すべきじゃないか、さように思います。
 つまり、金だけでやろうとすれば数字的にそうなって大問題を呼ぶわけで、そうなったら社会不安を呼びかねない今度の税制の問題点があると先ほど申し上げたわけですから、そういうことで、金だけじゃない、もろもろの社会公平の施策を伴って老齢化時代に対応すべきじゃないか。それは政府にばかり望むものではなくて、国民そのものも自分のおじいちゃんを大事にしようというような、次元の変わった対応の仕方をつくっていく、それが新しい未経験なすばらしい日本社会をつくることになるのではないか、私はそう思いますので、金だけじゃないということも含むリーダーの御指導が欲しいと思います。
 以上です。
#482
○正森委員 もう一問だけ伺います。野崎さんに伺います。
 今御意見を承っておりますと、シャウプ税制が最も望ましい税制だと思うという意味の御発言があったと思います。私はシャウプ税制を全部いいと思うわけではありませんけれども、合理的な面も随分あります。シャウプ税制報告を読みますと、その中で彼が言っておりますのは、この税制改革のかなめの部分というのはキャピタルゲイン課税だと、もしキャピタルゲイン課税というのが崩されるなら、キャピタルゲイン課税が当然されるものとして税体系を組み立てているわけですから、その真実性といいますか、妥当性が崩れるという意味のことを報告書の終わりの方で述べております。キャピタルゲイン課税が、資産課税と表現を直してもいいのですが、非常に不十分な段階だと思いますが、野崎さんの御意見を承って私の質問を終わります。
#483
○野崎明君 私も、先ほど申し上げましたように、キャピタルゲインという言葉を使わなかったのですけれども、資産所得の格差、これが拡大していると思うのです。それに対する租税政策としては、分離課税で今までやってきたわけです。それを今おっしゃったように総合所得課税にした方が僕はより公正な、公平な再分配効果というものが望めるんじゃないかと思います。
#484
○山崎座長 これにて正森成二君の質疑は終了いたしました。
 次に、中井洽君。
#485
○中井委員 公述人の皆さん、ありがとうございました。民社党の中井でございます。時間が限られておりますので、簡単にお尋ねをいたしますので、お願いをいたします。
 最初に、竹澤さんからお尋ねをいたします。
 先ほど、現行消費税について、大変合理的で公平だ、こういう賛成の御陳述がございました。政府の見直し案についてはほとんどお述べになっていらっしゃいません。この見直し論の中での食料品の最終段階非課税、流通段階一・五%という軽減税率、こういう案は、消費者の御意見は御意見として、税体系そのものを大変不合理なものにすると私は考えております。その点について公述人の御意見を承ります。
#486
○竹澤清隆君 私も、消費税は広く、薄くということで例外を設けないことが最も理想だ、このように考えます。しかし、逆進性という、やはり残念ながらプラスとマイナスの面があります。これを極力緩和するという意味で、我々の口に入ります食料については免税にするという配慮は、最善ではありませんけれども、次善の策としてやむを得ない、それは国民の声でもあるというように思っているわけです。
#487
○中井委員 針生さんと佐竹さんにお尋ねをいたします。
 税制改革の論議が続く中で、先ほどからお話のありました資産に対する課税、これは熱心に論議をされ、特に土地問題についていろいろな意見が出ております。そして、大企業あるいは企業の土地の保有率が非常に多い、しかもその保有されておる土地の中で低利用、未利用の土地がすさまじく多い。これは将来値上がりをする前に手に入れておかなければ大変だ、こういう企業の発想もあろうかと思います。しかし、この低利用、未利用の土地の含み資産というものは大変な金額に上がっておる。これに対して、やはり国民の土地に対する、持っている者と持っていない者との感情の差、こういったものを考えたときに、土地保有税というものをつくっていくべきだ、こういう意見が強く出ているわけであります。この土地保有税についてどうお考えであるか、お聞かせをいただきます。
#488
○針生弘吉君 私どもも電気事業をやっておりまして、安定供給のために変電所とか送電設備、こういうものをつくるに際しましてまず一番に土地の入手ということが今非常に困難になっておりまして、東北にも工業団地もどんどんできてまいりますし、大型の住宅団地も造成されますが、これに対する電気の供給の上で土地の取得ということで一番苦慮をしております。単に値段が高くなっているということだけでなく、まず売る人が少なくなっているということから、これは非常に問題だと思っております。
 そういう意味もありまして、いわゆる遊休土地に対する課税の強化ということにつきましてはやるべきだというふうに思います。
#489
○佐竹元春君 遊休地あるいは低利用地については新たに土地保有税をぜひ導入をすべきというふうに考えております。
#490
○中井委員 もう一つ、佐竹さんにお尋ねをいたします。
 宮城県の友愛会議に御参加なさっておる働く人たちの平均所得というのは大体どのぐらいのところか。そして、その平均所得の人たちが今回の税制改革で減税をされ、同時に消費税というものを導入をされた、それについて感覚的に増税になったとお考えになっておるか、あるいは公平感というものが大分出てきたとお感じになっておるとお思いですか。どういう感じであるか。数字とかそういうことはいいですから、感じ的なものでお答えをいただけたらありがたいと思います。
#491
○佐竹元春君 年間所得としては約四百万前後というふうにとらえております。そういう中では、今回の消費税導入というのは確かに減税はありましたけれども、そういう面での重税感というのはやはりあるというふうに思います。特に、ことしの一月に厚生年金が大幅にアップをされたという中で、これが年間やはり二万七、八千あるいは三万くらいの掛金増になっているわけでありまして、そういう面では、減税があったから軽くなったとかということは決してなくて、消費税とあわせて社会保険料関係のアップで、重税感といいますか、所得については実質賃金が決してふえてないというのが実態だというふうに考えています。
#492
○中井委員 松沢さんにお尋ねをいたします。
 御経験からいって、この政府の見直し案が通ったとして食料品を扱うお店はどういう行動をとるか。三%値引いてしまわないと消費者がなかなか納得をしない。先ほど消費者と中小商店街との信頼関係がなくなる、こういうお話がありましたけれども、今消費税をかけている分を三%すぱっと減らしてしまわないと消費者から嫌みを言われるということが続くのじゃないか。同時に、それをなくするとかぶらざるを得なくなる。そうすると、場合によっては今の値段のまま、流通段階でかかるのだからと言って値を下げない。こういう二つの行動様式に分かれるというような直観がするのですけれども、御経験上から言われてどういう行動を飲食料のお店はおとりになるとお考えでしょうか。
#493
○松沢建男君 中小商店は長時間労働で暮らしております。常に受け身でありまして、三%だから三%乗せられる場合、あるいはそれがだめと言われた場合、受け身でやらざるを得ないと思います。つまり、便乗値上げと言われようと、なりふり構わずきのうまで売っていたものと違う値段で出して、消費者が買わなかったらその分かぶり、かつ従業員手当を抑えたり何かで四苦八苦しながら対応する。常にこちらが意図的にやろうとしても、消費者がそれを受け入れなければのまざるを得なくなる。どっちに転ぶかはわかりません。
#494
○中井委員 もう一つお願いを申し上げます。
 先ほどから御陳述をいただきました御意見、全く同感であります。ただ一つだけ、消費税導入のときに単独強行採決でやられた、こういうお話があったわけでありますが、実は私ども民社党は苦悩の末、私自身はその当時国会におりませんでしたけれども、採決のときに国会に参加をして反対をいたしました。これは議会制民主主義のルールをどうしても守らなければならない、こういう苦悩の選択でありました。しかし、結果としては消費税導入に手をかしたじゃないかとかいろいろなことを言われて、これだけではありませんけれども、衆参、選挙で惨敗をいたしました。これは公明党さんもあるいは同じようなお悩みであったか、このように思うわけであります。そういう反省も含めて、本当に両法案、かつてない審議をし、きょうも皆さん方にも御無理をお願いをいたしております。
 税の論議、税金というものを取られるわけですから、どんな論議をしても国民からなかなか御理解をいただけない、つらいところだなという思いがございます。この点に関して何かいいお知恵なり、いい方法なり、お考えでありましたら、お聞かせをいただきます。
#495
○松沢建男君 それほど頭もよくないから意見はないのですが、私、今新しい動きとして喜ばしいと思っておりますのに、社会党は変化しているということが言えます。それは、今まで労働組合からの議員さんがほとんどでしたが、今度の選挙で女性議員がかなり出ました。その職業は、労働組合出身の方もいましたけれども、マスコミ関係あるいは弁護士の方が多かったということで、野党が現実的な対応をするように一歩一歩近づいてきている、そういうことが一つの変化として喜ばしいのではないかというふうに思っています。
 先ほど、民主主義とは反対意見があるのだよということを言いましたのは、逆にそれは、与党にも言える、野党にも言える論理でありますね。そのときに、今まではどうしても一市民感情として現実性について支持が余り得られなかった傾向が否めないと思いますので、あえてアイデアを出せと言うなら、野党側がもっと現実的に認められる方法を具体的な活動にされれば与野党逆転もあり得るのではないか、そう思っておりますので、よろしくお願いします。
#496
○中井委員 千坂さんにお尋ねをいたします。
 日々、地方行政の中で大変御苦労をいただいていると思うのでありますが、この消費税導入に際しまして公共事業、公共料金、こういったものの転嫁で各市あるいは町村議会を含めまして大変な議論がございました。市長さんのところでは、去年の四月一日からそのまますべて公共料金等に消費税というものを上乗せしておやりになったのか、あるいはまた猶予なすったり、あるいは今もまだかけていないというところがあれば、どんなものに猶予をなすったのか、それらの料金、金額としてはどのぐらいの負担がふえたのか、こんなことでお聞かせをいただきます。
#497
○千坂侃雄君 私のところでは、現在市立病院を持っておりますし、またよそ様と同じように水道事業も持っております。その水道料金と病院の方の関係は消費税をいただいております。また、水道に準ずる下水道の料金の問題についても消費税をいただいております。それ以外のものについては消費税をいただいておりません。というのは、その他のものを全部合わせても年間恐らく五、六百万という状況でございます。そうすれば、私どもの払うコスト、いろいろなことを考えれば必ずしもベターじゃない。そういうことで、さっき申し上げました三つ以外については消費税はいただいておりません。
 以上でございます。
#498
○中井委員 ありがとうございました。
#499
○山崎座長 これにて中井洽君の質疑は終了いたしました。
 次に、江田五月君。
#500
○江田委員 公述人の皆さん、お忙しい中を大変ありがとうございました。貴重な御意見を聞かしていただきました。私に与えられている時間は大変短うございますので、皆さんにいろいろお伺いをしたいのですが、特にどうしてもというところだけを伺わせていただきたいと思います。
 竹澤公述人に伺いたいのですが、というのは、この消費税を妥当であるとおっしゃる最も典型的な御主張をきちんと整理をして述べていただいたので、伺いたいと思うのです。
 先般の税制改革、所得税の全体としての比率を下げるとか、法人税も減税するとか、物品税も改革するとか、大変よかったと、そして消費税は定着をしておる、転嫁もスムーズで納税もスムーズで、国民の心理の上でも定着をしている、そういうお話、さらに、価格体系というものが頻繁に変わるのでは困るから、政治の都合で混乱を与えてもらっては困る、国際的な調和のこともあり、また将来の見通しというものもはっきりしなければいけないのでということで、最後には私ども野党に対するおしかりの言葉もいただいたわけでございます。
 そういう御意見からすれば、これは今の消費税でよろしい、これを変えるなどということは、混乱も与え、将来の見通しもわからなくなり、せっかく定着をしているのに困ったことだということにならなければいけないと思うのです。ところが、後の委員の方のお尋ねの中では、見直しはいいのじゃないかという、ちょっと首尾一貫しないと思うのですが、どうでしょう。
#501
○竹澤清隆君 私が申し上げました見直しという、消費税につきましては消費税の基本的な考え方、位置づけにおいて全面的によろしいということを申し上げまして、ただし、現在、実施してみて国民の皆様からいろいろな注文とか意見とか希望があるわけです。それをより取り入れながら見直して、より定着を図ろうというものだと思うのです。したがいまして、私が申し上げたいわゆる消費税の中には、見直しの案も含めて総体として消費税を評価したということでございます。
#502
○江田委員 見直しも含めてということですが、しかし、今政府が出している見直し案は、将来見直しで変えるということなんですね。変わっては困るというのが竹澤公述人の御意見のように伺ったのですが……。
 それからもう一つは、国民の中にいろいろな意見があるというふうに今おっしゃる。前は、国民はこれでもう納得をして定着をしているというふうにおっしゃる。一体どちらの立場でいらっしゃいますか。
#503
○竹澤清隆君 いや、定着ということは、先ほども御説明いたしましたように、NHKあるいは毎日新聞、朝日新聞等の消費者のアンケートを見ましても、いわゆる消費税廃止という意見が徐々に減ってきている、数字的に大きく減ってきているということを申し上げまして、定着しつつあるというように申し上げたつもりでございます。
#504
○江田委員 どうも竹澤さんにばかり伺って恐縮なんですけれども、新聞のアンケートなどを引かれるわけですが、そうすると、つい先般、二月には総選挙が行われたわけですね。総選挙全体のことはいろいろあると思いますが、この宮城県での選挙の結果もあったわけでございます。この宮城の選挙の結果には、国民の消費税に対するいら立ちや不満やそういうものは反映をされていたと思われますか、いないと思われますか。
#505
○竹澤清隆君 私は反映していたと思いますけれども、そのいわゆる選挙にあらわれました数字がすべて消費税云々ということだけで出てきているのではないだろうというように思っています。
#506
○江田委員 もう一つ、やはり委員からの質問に、いわゆる益税ということ、これは将来自民党がこれについてもいろいろ考えているようであるからそれでいいのではないかというようなお答えのように伺ったのですが、これもちょっと冒頭の非常に体系立った消費税を支持する論理構成からするとおかしくなるのじゃないですか。
#507
○竹澤清隆君 すべてのものに百点満点という制度はないと思うのです。したがって、短所もあります。その短所を極力是正しよう、そして国民の求める方向へ持っていこうというのが今のお話しされました点に対する私の、これからいろいろ検討して、そういうような不満なりあるいは不信を国民の一部といえども持つことについては極力是正してほしいというふうに申し上げたつもりでございました。
#508
○江田委員 野党に対するおしかりもいただいたわけでございますが、私どもも、国民のいろいろな声がある、そういう国民の声を背景に今のこの消費税というものをどうするかということを考えているわけで、税制全般にわたってもっと国民の声を背景にいいものにするためにはこういう方法しかないのじゃないかということを真剣に考えて、責任を持って提案をしておるつもりでございますが、きょうは議論じゃありませんので……。
 最後に、針生公述人に伺っておきたいのですが、廃止は反対である、政府の見直し案に賛成である、こういうお話でございます。そのお話の中で、いわゆる益税といいますか、免税点あるいは簡易課税、限界控除など、これも見直していった方がいいというような御趣旨というふうに聞いたのですが、そうですね。で、今の政府の見直し案でそういうところまで見直しができるという御判断で政府の見直し案に賛成という御見解でいらっしゃいますか。
#509
○針生弘吉君 はい。今の見直し案で完全だというふうには思っていませんが、より前進しているというふうに思います。
#510
○江田委員 終わります。
#511
○山崎座長 これにて江田五月君の質疑は終了いたしました。
 なお、予定時間に少しゆとりを生じておりますので、各党一問ずつ程度の質疑をお願いしたいと存じます。
 自民党から、関谷勝嗣君。
#512
○関谷委員 そんなことで、一問ずつでございますので、お答えも簡単なお答えで結構でございますが、松沢さんにお尋ねをいたします。
 先ほど佐竹さんと野崎さんの御意見の中にございましたが、この間接税、その前にもう一度直接税を見直してみてもどうかというような意味の御開陳もございましたが、松沢さんどのようにお考えでしょうか。これはクロヨンとかトーゴーサンとか、そういう不公平な税制を直そうではないかというようなことからスタートしたのは御承知のように事実であるわけでございまして、その不公平に対します声というのは、どういうことに対して不公平だというようなことが御当地では言われているのだろうか、そのことをぜひお教えをいただきたいと思うのです。不公平が全然ないということはないわけでございましょうから、御当地ではこういうような不公平を直してもらいたいというような声がいろいろあると思うのですが、その例を二、三挙げていただけませんか。
#513
○松沢建男君 各界自分の立場があると思います。サラリーマンの方はサラリーマンの不満があるし、小事業者は小事業者の不満がある、いろいろ立場、立場に不公平感を持っていると思います。
 例えば私の立場でいうと、小さな企業をやっているわけですが、その事業継承に伴う相続税、小さな店ですが、このごろ土地が上がりまして、次の代に渡すには大変な負担、しかも純資産合算ということで株価による方法でないので、そういう事業継承で悩んでいるのが私の身近な人たちの税制上の悩みです。ですから、その他一般的なお勤めしている方の不満等々は、きょう公述されている方々の立場からいろいろお聞きになればよろしいと思いますが、私の場合はそういう点、事業継承に伴う税金について悩んでおります。
#514
○山崎座長 次に、村山富市君。
#515
○村山(富)委員 きょうは公述人の皆さん、本当に御苦労さんです。それぞれの立場から貴重な御意見をお聞かせいただきましたが、端的にお尋ねしたいと思うのです。
 この国会は二十六日で会期は終わりですから、先ほど来お話がありましたように、消費税廃止法案も見直し法案もそれぞれ廃案になる。したがって、これから先消費税はどうなっていくのかということについてはわかりませんけれども、仮にこの今の消費税が残ると仮定した場合に、高齢化に備えてとか社会保障、福祉に重点的に配分するとか、いろいろな意見もございますけれども、そうしたものも含めて将来この消費税の税率は上がるだろうというふうにお思いになっていますかどうですかということについて、六人の公述人の方にそれぞれ御意見を聞きたいと思うのです。
#516
○竹澤清隆君 私はわかりません。これは国会で十二分に討議されるものであろうと思うのです。今三%という線が消費税の税率だというように私どもは思っております。
#517
○佐竹元春君 今のような考え方では上がっていくのではないか、そういう心配をしています。
#518
○千坂侃雄君 税制度の中の一つとしてとらえていくべきであって、全体の総合的ななにで考えるべきだと思います。
#519
○野崎明君 将来上昇するであろうと私は思っています。
#520
○針生弘吉君 税制面だけで申し上げることはできないと思います。したがって、予測できませんです。
#521
○松沢建男君 上がるか上げるかということだと思いますが、国民が政治に金を要求し続ける限り上がり得ると思うのです。ですから、政治のかじ取りのときに国民意識も変えるということを含みでやっていくということを上手にしないと――ただ、国民そのものが上げるという面もあります。政府が上げるばかりじゃなく、国民があれが欲しいこれが欲しいとすれば、当然上がらざるを得ないということもありますので、それは国民の意識もありますし、あるいは政策全般の分配の仕方も両方兼ね備えたこれからの対応だと思います。
 以上です。
#522
○山崎座長 次に、渡部一郎君。
#523
○渡部(一)委員 きょうはどうもありがとうございました。
 先ほどのお話の中で針生さんがおっしゃったのですが、我が国のみが個別間接税を実施すると国際的な摩擦の一因になる、ちょっと不用意におっしゃったのだろうと思うのです。私は、それは全く違うと思っているのです。なぜかといいますと、アメリカも間接税導入を州税ではなくて国の税金としてさんざん考えて議論したあげく導入しなかったのです。今ヨーロッパでは間接税方式で大体妥協が始まっていまして、それは確かなんです。アメリカが入ってない、アメリカが大型間接税をやってない、ところがヨーロッパはやっている。だから国際摩擦の原因になるというのは不用意ではないか。
 それから、個別間接税、個別物品税の場合、いい点が一つあるのですね。というのは、国民の中にある非常な税に対する反発を瞬時にして取り除ける点がある。例えば、もし間接税を実施したとしても、一億円のミンクのコートなんというのがもしあるとすれば、あるいはダイヤを買うような人も三%で、生活必需品でやっとの人も三%となれば、隣り合っていればそれは日本国民の感情からいって納得しがたいものがある。そうすると、むしろぜいたく課税としての個別間接税は、この消費税論議がどちらへ行くかは別にして、将来個別物品税として補強しなければならぬということが出てくるのはもう当然なんですね。だから、個別物品税をとらえて全部悪魔みたいに言うのはちょっと違うのではないかな、そしてまた、それは国際的な課税のやり方ともちょっと違うのではないかなと私は思うのです。短い言葉で言われたからちょっとわかりませんでしたので、どう思っていられるのか、どうぞ。
#524
○針生弘吉君 前段の部分につきましては、私も余り深く調べていませんので、ちょっとお答えしかねますが、後段の部分につきましては、要するにぜいたく品に課税する、何がぜいたく品かというその基準を決めるということが困難になってしまったということを申し上げたわけでございます。
#525
○山崎座長 次に、正森成二君。
#526
○正森委員 竹澤公述人に一問だけ伺いたいと思います。
 先ほどの冒頭の公述の中で代替財源にお触れになりまして、何ら対案を示されない野党は責任政党として怠慢であるという非常に厳しい御指摘がありました。
 念のために申し上げておきますと、私ども日本共産党は社公民連と違って別行動をとっておりますので、今の御指摘は当たらないと思います。我々は毎年予算編成のときに予算の組み替え案を提出し、その中に代替財源を明確に示しております。
 そのことを前提にして一問だけ伺いますが、この間の税制特でも我が党から質問したのですが、今企業は株式の時価発行など、エクイティーファイナンスと言われるものを非常に強くやっております。大蔵省に確認したら、去年の十月からことしの三月までに百七十四社が時価発行しておりますけれども、その時価発行価格と額面とを比較しますと、実に四十五倍に達しているんですね。これは企業がみずから獲得するキャピタルゲインだけれども、それに対しては配当は一株当たりしかしないのですね。残りは全く課税を免れて、みずから設備投資等々に使用しているわけです。この発行差益に対して適正な課税を行うのは当然のことだと思うのですけれども、その点についての御意見だけ承ります。
#527
○竹澤清隆君 私、経済界の一人として申しわけないのですけれども、今の話は詳しく承知しておりませんので、ちょっと責任ある形での答えができません。申しわけありません。
#528
○山崎座長 次に、中井洽君。
#529
○中井委員 千坂公述人と松沢さんにお尋ねを申し上げます。
 私どもは、行政改革をもっともっと進めていけば幾らでもお金も出てくるし、また、国民の側の納得も得られやすい、このようなことを常に主張し続けてまいりました。行政改革の中身はいろいろとあるのでありますが、その中で、私個人としましては、徴税の方法ですね、今税務署の方は大体五万人ぐらい、県や市町村の税務課にお働きの方は九万人ぐらいおられると思うのであります。しかし、税金の額を決めたり、大半のことは税務署でやっていただいておる。地方自治体それぞれにまたお働きもいただいていると思うのですが、この徴税あるいは税額を決定するということについて一元化をしてもいいんじゃないか、そのことによって地方の税務課の職員の方を配置転換して有効に働いていただけるという方法があるんじゃないか。この意見について、地方自治から見てどうだろうという御意見もあることを承知しておりますが、どのようにお考えか。
 ついでに、市長さん、住民税なんかの督促やら決定は市長さんのお名前でお出しになる、国税は総理大臣じゃなしに税務署長さんの名前で来る、したがって市町村長さんのところへ直接税金の文句が来る。こういったことも大変お苦しみであろうかと思うのであります。それを含めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#530
○千坂侃雄君 大変難しい問題だろうと思います。やはり事務の国、県、市町村の再配分の問題と絡んでくると思います。これは私どももいろいろな考えは持っておりますが、短時間ではなかなか意を尽くせませんので、ぜひ国会の先生方にも考えていただきたいと思います。
 参考までに申し上げますと、私ども市町村は基本的には市町村長の権限で評価なりなんか決める税が大半でございます。住民税の基礎になる所得、いわゆる税務署でなにした所得が基本になって住民税はなにしていきますが、それ以外の税はほとんど市町村独自といいますか、市町村長の責任において課税しております。
 以上でございます。
#531
○松沢建男君 行政改革で税務署の徴収職員の数を少なくしたらという御提案ですが、よくわかりませんが、今よくやっていると私は思いますし……。
#532
○中井委員 いや、そうじゃなくて、税務署の職員をふやして、町村の税務課というのをなくしてやっていけるんじゃないかということです。
#533
○松沢建男君 わかりません。ただ、現実は私どもの事業税は、法人税が決まれば地方税がそれに連動していっていますので、そこらあたりの詳しい話になると、私の専門外ですのでわかりません。
#534
○中井委員 ありがとうございました。
#535
○山崎座長 最後に、江田五月君。
#536
○江田委員 いいです。
#537
○山崎座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、各法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をい
だきました関係各位に対しまして深勘なる謝意を表す次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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