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1990/04/25 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 安全保障特別委員会 第2号
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1990/04/25 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 安全保障特別委員会 第2号

#1
第118回国会 安全保障特別委員会 第2号
平成二年四月二十五日(水曜日)
    正午開議
 出席委員
   委員長 瓦   力君
   理事 鈴木 宗男君 理事 中川 昭一君
   理事 丹羽 雄哉君 理事 三原 朝彦君
   理事 宮下 創平君 理事 上田 卓三君
   理事 和田 静夫君 理事 冬柴 鐵三君
      高村 正彦君    中谷  元君
      増岡 博之君    山崎  拓君
      小澤 克介君    東中 光雄君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 石川 要三君
 出席政府委員
        防衛政務次官  谷垣 禎一君
        防衛庁長官官房
        長       児玉 良雄君
        防衛施設庁総務
        部長      吉住 愼吾君
 委員外の出席者
        特別委員会第三
        調査室長    中島  勉君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件
     ────◇─────
#2
○瓦委員長 これより会議を開きます。
 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 外務大臣から我が国の安全保障政策について、また、防衛庁長官から防衛政策に関して、それぞれ説明を求めます。中山外務大臣。
#3
○中山国務大臣 衆議院安全保障特別委員会の開催に当たりまして、我が国の安全保障について、所信を申し述べたいと思います。
 安全保障に万全を期することは、国家の独立と繁栄を維持し、国民の生命財産を守るために必要不可欠な条件であり、外交の基本的課題であります。私自身、我が国の安全保障政策遂行の任に当たる者の一人として、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意であります。
 国際社会は、今、政治経済両面にわたって歴史的変革の時期を迎えております。特に、欧州の国際政治は何人の予想も上回る速度で変化しております。東欧は旧来のイデオロギーを捨てて民主化と市場経済の道を歩みつつあり、ソ連もまた、レーニンの共産革命以来七十年余の歳月を経た今日、共産党独裁の放棄と市場経済の導入への道を歩み出しました。さらには、これまで進められてきた西欧の統合に向けての進展に加えてドイツ統一問題が急激な展開を見せております。
 また、米ソ関係におきましても、これまでの対立から対話の拡大へ、さらには冷戦の発想を超えた新しい関係の構築へと向かう動きが見られており、これらの動きは当然世界全体に大きな影響を及ぼすものと考えられます。
 しかし他方で、現在のソ連・東欧における変化は不安定要因を残しております。アジア・太平洋地域においては、ソ連の動きについては欧州で見られるような変化は生じておらず、極東ソ連軍は依然として近代化、質的向上を継続しております。また、朝鮮半島、カンボジア等においては、依然として緊張や不安定要因が残っております。さらに、世界における国家間の対立もイデオロギーに起因するものだけではなく、歴史、文化等に起因する対立にも看過すべからざるものがあります。
 このような国際情勢のもと、我が国が効果的な抑止の確保と積極的な対話の展開によってみずからの平和と安全を確保するためにまず重要なことは、日米安保体制の堅持であります。本年は、日米安保条約批准三十周年を記念する年であります。この間、我が国は平和と繁栄を享受してまいりましたが、これについては、日米安保体制が我が国の安全と発展のための枠組みとしてその役割を確実に果たしてきたことに、負うところ極めて大なるものがあると申せましょう。
 最近の東西関係の変化にもかかわらず、国際政治が依然として力に裏づけられた抑止を安定のよりどころとしていることに変わりはありません。アジア・太平洋地域におけるソ連の核戦力や通常戦力の存在が、依然として我が国にとっての潜在的な脅威になっているという状況のもとで、我が国の平和と安全を維持していくためには、引き続き、日米安保体制を通ずる効果的抑止力の確保が必要であります。
 他方、今日の国際情勢の変化を踏まえ、我が国は、ソ連等と、より積極的な対話を推進していくことが必要でありますが、そのためにも、強固な日米同盟関係が不可欠であり、その基礎をなすのが日米安保体制であります。日米安保体制が「抑止と対話」により平和を追求する我が国の努力の不可欠の前提と考えられるゆえんでもあります。
 また、我が国が、米国との間で、安全保障という国の存立にかかわる事柄について、このような協力体制を持つことは、我が国が米国との間で自由と民主主義という価値、理念を共有していることを意味することにほかなりません。日米安保体制は、まさに、日米関係の基礎であります。
 さらに、安保条約に基づく日米安保体制はアジア・太平洋における安定と発展のための枠組みとなっているということを申し上げたいと存じます。すなわち、日米安保条約は、我が国の安全のためばかりでなく、我が国の安全とも緊密に結びついているこの地域の平和と安全の維持に寄与しているものであります。
 このような幅広い意義を有する日米安保体制が、我が国にとって今後とも不可欠の重要性を有することは疑いを入れません。
 政府としては、かかる認識に立って、今後とも日米安保条約を堅持し、その円滑な運用のために努力していく所存であります。なお、在日米軍経費負担問題については、従来より、自主的にできる限りの努力を払ってきているところでありますが、今後とも自主的に努力を続けていくことが重要であると考えております。
 さらに、我が国の平和と安全を確保する上において、日米安保体制の堅持と並んで、みずから適切な規模の防衛力を整備することが必要であります。我が国は、平和憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念に従い、文民統制、非核三原則を堅持しつつ、節度ある質の高い防衛力の整備に努めてきております。我が国防衛力の整備は、日米安保体制と相まって、結果的に自由民主主義諸国全体の安全保障の維持に寄与し、アジアひいては世界の平和と安定にも貢献するものであると認識しております。
 近年の米ソ関係や欧州を中心とする東西関係の変化は、東西の力の対決、冷戦時代の発想を乗り越えて、対話と協調を基調とする国際関係を定着させることにつながり得る重要な動きであり、歓迎すべきことであります。こうした動きをアジア・太平洋地域にも起こすようにしていくことが、我が国の安全に資するものであり、これからの我が国外交の重要な課題の一つであると認識しております。アジア・太平洋地域において、国家
間の相互信頼関係を高め、対話と協調を基調とする国際関係を構築していくためには、この地域の実態に即した努力が多角的に行われることが必要であることは言うまでもありません。そしてその中にあって、我が国が、米国とも緊密な協調をとりつつ、積極的な役割を果たしていくことが重要であると認識しています。
 以上、我が国の安全保障政策につき所信を申し述べました。このように、国際社会が変革期を迎えつつある中で、我が国は国際関係全般にわたってこれまでにない大きな責任と役割を有しており、世界の平和と安定の維持、増進のため積極的に貢献していかなければなりません。かかる状況のもとで、安全保障問題に精通され、多年にわたってこれに真剣に取り組んでこられた本委員会の皆様の御指導と御鞭撻を引き続き賜り、外務大臣の重責を十分果たせますよう、皆様の御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#4
○瓦委員長 次に、石川防衛庁長官。
#5
○石川国務大臣 先般防衛庁長官を拝命いたしました石川要三でございます。安全保障特別委員会の開会に当たり、謹んでごあいさつを申し上げます。
 国際情勢に大きな変化が見られるこの重要な時期に国家存立の基本にかかわる国の防衛という大任を担うことになり、その責務の重さに身の引き締まる思いでございます。今後とも皆様方の御指導を得て、微力ながら大任を全うすべく努力してまいる所存でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 本日は、この機会をおかりしまして、皆様に私の所信の一端を申し述べさせていただきたいと存じます。
 御案内のとおり、最近の国際情勢には、ソ連の変化、東欧諸国における民主化への動きや市場原理の導入等、好ましい変化が生じております。これらの変化の中で、東西関係において、戦略兵器削減交渉(START)や欧州通常戦力交渉(CFE)の進展に見られるように、かねてから続けられてきた対話・協調への努力がようやく実りつつあるものと言えましょう。しかしながら、このようなソ連、東欧に始まった、欧州を中心とする第二次世界大戦後かつてないほどの変化は、同時に情勢の流動化、不安定化をもたらす側面を有しており、最近におけるドイツ統一問題や、リトアニア問題の帰趨等に今後も十分注意を払っていく必要があります。一方、極東地域は、中国の存在、地政学的状況等もあって、欧州とは戦略環境を異にしております。また、ソ連はこの地域に膨大な軍事力の蓄積を有し、かつ質的強化を継続しております。最近の欧州における大きな変化は、まだアジア地域の軍事情勢に大きな変化をもたらすには至っておりません。
 いずれにせよ、全体として見れば、引き続き、国際社会の平和と安定が米ソ両国の核戦力を中心とした均衡的関係により維持されていることは厳然たる事実であり、欧州を舞台にした兵力削減交渉もこのような枠組みの中で進められております。
 次に、我が国の防衛政策については、日米安全保障体制を堅持するとともに、みずから適切な規模の防衛力を保有することにより、我が国に対する侵略を未然に防止することを、その基本としております。我が国の防衛力整備の指針となっている防衛計画の大綱は、このような考え方のもと、国際情勢について、大国間の均衡的関係及び日米安保体制の存在が、国際関係の安定維持及び我が国に対する本格的侵略の防止に大きな役割を果たし続けるとの認識に立って、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を定めております。
 政府は、現在、大綱に定める防衛力の水準の達成を図るべく、中期防衛力整備計画の着実な実施に努めております。現在国会で御審議いただいております平成二年度の防衛予算におきましても、財政事情の厳しい中ではありますが、国の他の諸施策との調和を図りつつ、同計画の仕上げを図るために必要な経費を計上しているところであります。その具体的内容としては、正面装備の充実のみならず、各種後方支援施策の推進、さらには、基地対策の充実に配意したところであります。特に、近年の厳しい募集環境にかんがみ、自衛隊の魅力化を最重要課題として位置づけ、隊舎、宿舎等の生活関連施設の整備、自衛官若年定年退職者給付金制度の創設等、処遇改善施策の拡充に努力しております。また、中期防衛力整備計画終了後の、平成三年度以降の防衛力整備につきましては、昭和六十三年十二月の安全保障会議において引き続き現行のような中期的な計画を策定する必要があるということで意見の一致を見たところであり、これを踏まえ、防衛庁といたしましても、所要の検討作業を着実に実施しているところでございます。
 また、政府としては、日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用と、その信頼性の維持、向上のため不断の努力を行う必要があると考えており、このため、「日米防衛協力のための指針」に基づく共同作戦計画の研究、日米共同訓練の実施、装備・技術面における日米協力関係の一層の緊密化、在日米軍駐留経費の負担等を通じて、日米の信頼関係をより確かなものとし、防衛分野における日米間の相互依存関係の強化に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、我が国の防衛にとって必要不可欠な自衛隊や在日米軍の施設を確保するとともに、その安定的使用のため、防衛施設と周辺地域との調和を図るべく、防衛施設周辺の生活環境の整備等の諸施策につきましても、引き続き積極的に推進してまいる所存であります。
 今日、我が国は、自由主義諸国の一員として世界の平和と繁栄に貢献すべき責務を負っております。このような国際的責務を果たすに当たっては、まず、自国の平和と安全を守る努力が必要なことは言うまでもありません。政府といたしましては、今後とも、憲法及び専守防衛等の基本的防衛政策のもと、適切な規模の防衛力の整備を進めてまいる所存であります。私は、以上のような基本的な考えのもと、国民の理解と協力を得ながら、全力を尽くしてまいる覚悟でございます。
 最後に、我が国の安全保障に関し、幅広く論議される場である当委員会での御審議を通じ、委員長を初め委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜ることをお願いを申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。(拍手)
#6
○瓦委員長 以上で説明は終わりました。
 この際、防衛政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。
#7
○谷垣政府委員 先般、防衛政務次官を拝命いたしました谷垣禎一でございます。
 石川長官を補佐いたしまして最善を尽くして責務を全うしてまいる所存でございますので、瓦委員長を初め委員の先生方の御指導・御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
#8
○瓦委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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