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1990/06/14 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 物価問題等に関する特別委員会 第4号
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1990/06/14 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 物価問題等に関する特別委員会 第4号

#1
第118回国会 物価問題等に関する特別委員会 第4号
平成二年六月十四日(木曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 野坂 浩賢君
   理事 逢沢 一郎君 理事 青木 正久君
   理事 田原  隆君 理事 渡海紀三朗君
   理事 穂積 良行君 理事 小川  信君
   理事 竹内  猛君 理事 日笠 勝之君
      赤城 徳彦君    石原 伸晃君
      木村 義雄君    野田  実君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      松田 岩夫君    森  英介君
      岡崎トミ子君    小森 龍邦君
      土肥 隆一君    大野由利子君
      菅野 悦子君    柳田  稔君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      相沢 英之君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局官房審議
        官       矢部丈太郎君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 糸田 省吾君
        経済企画庁調整
        局長      勝村 坦郎君
        経済企画庁国民
        生活局長    末木凰太郎君
        経済企画庁物価
        局長      田中  努君
        経済企画庁総合
        計画局長    冨金原俊二君
        農林水産大臣官
        房予算課長   山本  徹君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部取
        引課長     大熊まさよ君
        総務庁長官官房
        地域改善対策室
        長       萩原  昇君
        法務省人権擁護
        局人権擁護管理
        官       門阪 宗遠君
        厚生省生活衛生
        局食品化学課長 内山 壽紀君
        農林水産大臣官
        房企画室長   日出 英輔君
        農林水産省畜産
        局畜産経営課長 板井 康明君
        農林水産省畜産
        局食肉鶏卵課長 中須 勇雄君
        農林水産省食品
        流通局物価対策
        室長      井澤 俊正君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 中名生 隆君
        通商産業省産業
        政策局消費経済
        課長      田島 秀雄君
        通商産業省産業
        政策局物価対策
        課長      岩渕 恒彦君
        通商産業省機械
        情報産業局電気
        機器課長    牧野 征男君
        資源エネルギー
        庁公益事業部業
        務課長     森本  修君
        資源エネルギー
        庁公益事業部ガ
        ス事業課長   福田 泰三君
        運輸省地域交通
        局自動車業務課
        長       山下 邦勝君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ─────────────
六月八日
 物価の上昇抑制に関する請願(大野由利子君紹介)(第一五四一号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ────◇─────
#2
○野坂委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 本日は、特に内外価格差問題を中心に調査を進めたいと存じます。
 まず、本問題について、経済企画庁及び公正取引委員会より説明を聴取いたします。経済企画庁田中物価局長。
#3
○田中(努)政府委員 それではお許しをいただきまして、内外価格差問題につきまして御説明させていただきます。
 お手元に二種類の資料をお届けしてあると存じます。一つが「物価レポート89 説明資料」というものでございまして、これは昨年作成したものでございますが、ただいまこれを全面的に改訂いたしまして、「物価レポート90」という新しい版を作成すべく作業中でございます。本日はとりあえずこれをお持ちいたしまして、内容の一部につきまして新しいデータを補足して御説明する、それから一部の表等につきましては新しい数字に差しかえてございます。そういうことでお許しをいただきたいと存じます。
 まず、七ぺージに「第二部 内外価格差の実態と縮小のための方策」という部分がございまして、まず、内外価格差についてどういう問題点があるかということを五つの論点に整理をいたしております。第一が生計費の全体及びその内訳が高い、二番目が輸入品の国内価格が外国と比べて高い、三番目が日本から輸出されている商品が外国において国内よりも安く売られているのではないか、四番目が航空運賃等の方向別格差、それから五番目が特定のサービスについての国内価格が高いのではないか、こういう五つの点でございまして、これを踏まえまして以下分析をいたしておるわけでございます。
 八ぺージには、生計費の格差を示すために、ここでは個別の商品をとりまして内外価格差を示しているわけでございますが、これはただいま、平成二年二月に行いました調査の結果を「物価レポート90」に発表すべく取りまとめ中でございます。ただ、大ざっぱな数字の傾向といたしましては、その後の為替レートの変動で多少格差が縮小する傾向にございますけれども、依然として格差の状況は基本的には変わっておらないわけでございます。
 それから九ページに行っていただきますと、生計費についての内外価格差の実態分析がございまして、ここにございます表は最近時点での為替レート、すなわち四月の一ドル百五十八円四十七銭、一マルク九十三円九十七銭という数字を使いましたときの計算結果を括弧の中で補ってお示しさせていただいておりまして、それによりますと、ニューヨークとの対比では、東京を一〇〇とした場合に七二だったものが八八、それからハンブルクにつきましては、六八でございましたものが八八ということで、格差が縮小いたしておるわけでございます。ちなみに、もとの表の為替レートは百二十八円十五銭というものであったわけでございます。もとよりこうした比較を行います場合には、それぞれの国におきます消費者物価それ自体の変動というものを考慮いたしましてこの表自体をつくり直す必要があるわけでございますの
で、今その作業を各項目につきましてやっている最中でございまして、新しい物価レポートでは、消費者物価の変動をも考慮に入れました延長推計の結果をお示しできるというふうに考えております。とりあえずの中間的な状況はそういうことになっております。
 次に十一ページでございますが、「輸入品の内外価格差」という点でございまして、下の表にブランド品についての調査結果がございますが、これは実はちょっと古いわけでございますが、その後通産省、大蔵省、農水省あるいは公取委員会等におきまして各種新しい調査結果が発表されております。その結果を見ますと、輸入品につきましては、やはりいろいろな事情がございまして日本の方が高いという調査結果が出ております。その背景といたしましては、供給者側での価格設定の問題、それから我が国国内での流通に関する商慣行の問題等々が背任すると考えられるわけでございます。
 それから、輸出品につきましての内外価格差でございますけれども、これは円高が急速に進行いたしました中でかなり格差が拡大いたしまして、同じ品物でもニューヨークで買った方が安いというような現象が目立ったわけでありますが、最近の調査結果、これは通産省でおまとめになったものがございますけれども、それによりますと、現時点では概して国内価格の方が高くなっているという結果が出ております。これは円高の持続に伴う現地通貨建ての価格の引き上げということも浸透したことに加えまして、最近はむしろ円安に動いているというようなことによるものと考えられますが、そのページの下のグラフをごらんいただきますと、これは今年四月までの新しい数字を入れて延長しておりますけれども、輸出物価が最近時点におきまして急速に国内卸売物価に近づいているという状況が描かれておる次第でございます。
 それから、方向別格差の問題が十三ぺージに取り上げられておりまして、このグラフは平成元年までのものでございますけれども、その時点で既にここでは東京−ロサンゼルス間の方向別格差がほとんど解消しているというような状況を示しておりますが、その後の状況といたしましては、さらにむしろ内外価格差が幾つかの路線におきまして逆転しているというような状況に変わってきているわけでございます。
 それから、次の十四ページに「内外価格差と公共料金」の分析がございます。この格差の要因といたしまして、サービスの質の相違とか資本費の相違、あるいは公的補助の多寡といった制度的な要因等々ございまして、比較は必ずしも容易ではございませんけれども、表にごらんいただきますように、六十三年におきまして、電気、ガス等一部の公共料金におきましてかなりの格差が見られるという状況になっております。これもただいま物価レポートにおきまして、日本における料金の改定状況、それから外国における料金の改定状況を取り入れまして、新しい為替レートのもとで計算する作業を行っているところでございますけれども、現時点で、諸外国の事情はおきまして、日本における料金の改定状況を踏まえまして、新しい為替レート、例えば百五十四円というふうなレートを仮定いたしまして仮に計算をいたしますと、格差が全般的にかなり縮小してくるというふうな状況がございます。
 例えば電気料金につきまして、ここでは、アメリカの場合は一〇〇対七二・七というふうな数字もございますが、ただいま申し上げましたような改定試算では八八・八というふうなところまで縮まってくる。西ドイツとの比較ではほとんど同等の水準になる、そういうような多少の変化はございますが、大勢につきましては、基本的には格差のある状況が続いているというふうに考えられます。
 以上が大体内外価格差の現況につきましての分析でございますが、少し飛びまして十八ぺージに「内外価格差の原因」というふうなことが記されておりまして、マクロ的な原因としまして急速な円高の進展ということが挙げられております。最近時点におきまして円安に振れておりますけれども、基本的には六十年のプラザ合意以降の急速な円高の状況が続いているわけでございまして、これはやはり一つの背景である。それから、十九ページにおきましては「一人当たり所得水準の上昇」という要因を掲げておりまして、これも基本的に継続している要因であろうというふうに考えられるところでございます。
 以上がマクロ的な要因でございますけれども、ミクロ的な要因といたしましては、二十一ページに、公的規制、流通段階での競争阻害要因、消費者行動、高い地価、制度的側面という幾つかの要因を指摘いたしているわけでございます。
 こうした要因を踏まえまして、次にもう一つの方の資料に移らせていただきたいと思いますけれども、本年の一月十九日に政府・与党内外価格差対策推進本部におきまして決定をいたしました「内外価格差対策について」という資料でございます。
 六本の柱で対策を整理いたしておるわけでございまして、第一番目には、内外価格差の調査等によりましてその実態の把握に努めるということで、実施を予定する調査を八本ほど掲げてございまして、このうち五本につきましては既に実施をいたしまして、残りについては現在実施中、そういう状況になっております。
 二番目の柱は、流通についての規制緩和、独占禁止法の厳正な運用等による競争条件の整備という点でございまして、これらの点につきましても、二番目にございます大店法の運用の適正化の実施につきまして、五月二十四日に通産省が通達を発出されまして、出店調整の処理期間を一年半に短縮するというふうな措置を既に講じているところでございます。その他実施済みになったもの、それから現在実施中あるいは検討中という状況で進んでおるところでございます。
 三番目の柱が、一層の輸入の促進ということでございまして、これも最初に掲げてございます製品輸入促進税制の創設、あるいは二番目の関税率の撤廃ないし引き下げということについては既に実施済みとなっておるわけでございます。
 四番目の柱は、公共料金についての料金の適正化という対策でございまして、これも例えば二番目にございます国内航空運賃につきまして六月一日からその引き下げを実施したことを初めといたしまして、電話料金等につきましても引き下げを実施いたしております。
 五番目の柱は、適正な地価の形成に努めるという点でございますけれども、これも土地対策関係閣僚会議の申し合わせでございます土地対策の重点実施方針等に沿いまして現在検討が進んでいる状況にございます。
 六番目が、その他の規制緩和等でございますけれども、これにつきましても実施中あるいは実施済みのものが幾つか出ている、そういう状況でございまして、五十二項目それぞれにつきましてただいま関係各省におきまして努力中である、その実施に努めておる、こういう状況にあるわけでございます。
 以上、簡単でございますが、私から内外価格差の現状等につきまして御報告を申し上げた次第でございます。
#4
○野坂委員長 次に、公正取引委員会矢部審議官。
#5
○矢部政府委員 公正取引委員会の内外価格差問題に対する取り組み状況について御説明申し上げます。
 お手元に三ぺージのペーパーを用意してございますので、これに沿いまして簡単に御報告をいたしたいと思います。
 内外価格差の発生要因といたしましては、公的規制のほかに我が国流通機構の零細性ですとか多段階性、それから種々の取引慣行、消費者の購買行動などいろいろな要因が指摘されております。公正取引委員会の取り組みの視点と申しますのは、こうした内外価格差の背景として、市場メカニズムを阻害する何らかの要因がある場合にはそれを明らかにして排除していくということが重要
であるという点から取り組んでおります。公正取引委員会は、流通段階での競争阻害要因を除去するという観点から、これまでも流通問題、取引慣行の問題については随時必要な調査検討を行ってきているところでございます。最近、またさらに内外価格差の問題が重要な関心になっているというようなことから一層取り組みを強化するという点で、ここに五つほど書いてございます。
 一つは、価格カルテルあるいは再販売価格維持行為、並行輸入の不当阻害など独占禁止法違反行為に対する厳正な対処、それから二番目が流通、取引慣行と競争政策にかかわる問題の総合的な検討、並びにこれに基づく独禁法の運用に関するガイドラインの策定、それから三番目が各種実態調査の実施とその結果の公表、四番目が輸入総代理店契約等の認定基準の見直し、五番目が政府規制等の見直しということでございます。このAからDまでにつきまして、もう少し詳細に御説明いたします。
 まず、流通、取引慣行に関する問題につきましては、競争政策上もいろいろな評価がございまして、また相互に関連し合う点も多いことから、これまでの考え方を踏まえまして、総合的な、各層にわかりやすいガイドラインをつくるという検討をしております。このために学識経験者、実務家等から成る流通・取引慣行等と競争政策に関する検討委員会というのを昨年九月以降開催しておりまして、ガイドラインを作成するに当たっての基本的な考え方などをまとめているところでございます。
 この検討委員会では、現在流通段階におけるメーカー、流通業者の取引にかかわる問題、それから輸入消費財の流通と輸入総代理店にかかわる問題、あるいは事業者間の取引の継続性にかかわる問題などを検討しておりまして、今月中にこの報告書をまとめまして、競争政策上の対応について提言を行う予定になっておりまして、この提言を得まして、公正取引委員会ではガイドラインの作成を行い、競争政策に反映していくということを考えております。
 それから、二枚目の内外価格差に関しましての実態調査でございますが、内外価格差の要因を細かく調べるというような点から消費財九品目を選定いたしました。これは十一月の時点でございますが、東京、ニューヨーク、パリ、フランクフルト、ロンドン、この大都市ですが、この五都市における価格差の実態を調査しまして、それで日本で価格が高いあるいは内外価格差が生じている要因は何かというようなことをまとめたものでございます。
 九品目と申しますのは、インスタントコーヒー、スパゲッティ、紳士用コート、バッグ、洋食器、ゴルフボール、電気かみそり、それから乗用車、一眼レフカメラということでございますが、調査の結果につきましては、調査した九品目のうち七品目につきましては日本の方が高い、東京の方が高いという内外価格差が見られております。
 また、この調査の過程におきまして、価格差の要因として、メーカー、輸入総代理店の販売政策や取引慣行のうち、独禁法上もう少しはっきり考え方を明示して規制する必要があるのではないかという点が指摘されております。それがここに書いてございますように、価格維持の手段として安売り業者との取引を制限するような場合、あるいは総代理店等が価格を維持するというような点、あるいはリベートの問題ですとか安売りされないように返品をする慣行というような問題点が指摘されております。
 それから次に、輸入総代理店の問題でございますが、内外価格差の問題のときに、輸入総代理店が原因ではないかという指摘がたびたびあるわけでございます。輸入総代理店と申しますのは、外国の事業者が日本の市場に新しい商品を参入させまして、国内で需要を開拓するために必要な制度であるわけでございます。一方、輸入総代理店と申しますのは、国内では独占的な販売になるわけでございますので、それが乱用される場合にはやはり競争阻害要因になるというようなことから、輸入総代理店についてのガイドラインとか、並行輸入を阻害するようなものについての監視を従来から努めているわけでございます。
 それで、輸入総代理店については何度か調査しておりますが、最近調査したものがございます。これは百貨店とか量販店を中心にいたしまして、並行輸入がどの程度扱われているか、あるいは総代理店経由の輸入品がどういう状況かというようなことを調査したものでございます。それで、この調査結果によりますと、並行輸入品を扱っている小売店の数あるいはその品目が次第にふえている状況にあるという結果になっていると思います。
 それから、輸入総代理店を経由します特に欧米ブランド商品でございますが、これが非常に高くなっている原因として、総代理店自体の価格設定がかなり高目である。また希望小売価格を高目に維持しておりまして、小売店の方もその価格どおりに販売しているというような実態があるということも明らかになりました。それからまた、並行輸入の方は総代理店経由よりは一般に低いということで、量販店を中心にして取り扱いがだんだんふえているようでございます。それからもう一つ、輸入総代理店が小売店に対していろいろ関与する、特に小売店の価格設定につきましていろいろ関与が見られるという点も若干指摘されておるわけでございます。
 公正取引委員会は、この調査結果を踏まえまして、輸入総代理店によるそういう価格維持行為とか並行輸入を阻害するような行為についての監視を強化して、違反行為には厳正に対処するということを考えております。それからまた、輸入総代理店に関する運用基準もかなり古くなっておりますので、それを新しく見直しすることも検討しているところでございます。
 最後に、政府規制の問題でございますけれども、政府規制につきましては、公正取引委員会は昭和五十年ごろから取り組んでおりまして、何回か報告書をまとめ、対外的にも発表しているわけでございます。最近も、昨年の十月に研究会の報告書をまとめました。
 その報告書で言われておりますことは、政府規制の問題点として、規制による市場への人為的な介入は市場メカニズムを通じた資源の適正な配分を阻害するという問題のほかに、規制を受ける事業者の競争制限的体質を助長しやすい、あるいは既得権益の擁護をもたらしやすい。それから、一たん規制が導入されると、状況が変化してもなかなか変更が困難である。それからさらに、法律の規定だけでなく行政指導によって行われているような規制については不透明になりやすいことなどが指摘されております。
 研究会の報告では、こうした政府規制については必要最小限にする、それから状況の変化に応じて見直す必要があるというようなことが指摘されております。特にこの調査報告では、トラックなどの貨物輸送、それから流通問題、バスやタクシー、航空といった旅客運送、それから銀行、証券、保険、それから肥料、飼料、米や野菜といった農業関連の各分野についての見直しを具体的に示しております。
 公正取引委員会は、この報告を尊重しまして、今後の競争政策の上に反映していきたいと考えており、所管する省庁に対しましては、競争政策の観点から規制の緩和の働きかけを行うとともに、規制緩和の趣旨が生かされるよう独禁法を厳正に運用することとしております。それからまた、独占禁止法の適用されない分野、独占禁止法適用除外制度につきましても現在研究会において検討をしているところでございます。
 以上、簡単でございますが、公正取引委員会の内外価格差問題に対する取り組み状況について御報告申し上げました。
#6
○野坂委員長 以上で説明は終了いたしました。
    ─────────────
#7
○野坂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原伸晃君。
#8
○石原(伸)委員 本日は、日米構造協議でも主要なテーマとなっております内外価格差につきまして当委員会で取り上げ、また、自民党の新人議員であります私、石原伸晃に質問のお時間をいただきましたことに対し、委員長初め与野党の理事の先生方に御礼申し上げたいと思っております。
 さて、我が国の経済は岩戸景気を抜き、戦後最大でありましたイザナギ景気に匹敵する大型景気になる、こんな声すら出ております。しかしながら、実際に国民の皆様方の生活実感というものを考えてみますと、大型景気に対応した豊かさを享受しているとは言いがたい状態にある。一人当たりのGNPの名目を見ましても、日本は二万三千三十一ドル、アメリカは二万一千三十六ドルと、アメリカを抜いているのですが、実際に海外を視察したりして見た感じでも、日本の方がアメリカに対して生活が豊かなのか、そうではないような気がしてならないのであります。それは日本の生計費が外国に比べて非常に高過ぎるからだ、そしてまた、景気を持続させるという努力も政府にとりまして大変重要なことではございますが、やはり内外価格差を縮小させなければ経済政策としては十分ではないのではないか。こんな気がする次第でございます。
 きょうはまず、先ほど公正取引委員会の方から説明がございましたが、公正取引委員会の方で六月十一日にまとめました「内外価格差に関する消費財九品目の流通実態調査報告書」、これから質問を始めさせていただきたいと思います。
 さて、この内外価格差でございますが、一番わかりやすいのは、よくブランド品が挙げられております。今回の調査を見ましても、英国製紳士コートがロンドンの一・九倍から二・一倍、また、フランス製のバッグについてはパリの一・四倍から一・六倍と、依然大きな内外価格差があり、先ほどの報告にありましたように九品目中七品目高くなっている、このような現状について、もう少し詳しくお答え願えますでしょうか。
#9
○矢部政府委員 公正取引委員会が先ほど発表いたしました内外価格差の実態調査でございますが、この調査は、価格差の実態そのものを調査することはもちろんでございますが、その価格差の発生要因が何かということを主として検討する、要因を分析するという点から九品目を取り上げたわけでございます。この九品目は、比較的内外価格差が大きい、一般にこう言われている品目を特に取り上げでございます。それから、輸入品につきましては、現地で販売されているものと東京で販売されているものの価格差を重点に調査したわけでございます。
 まず、内外価格差でございますが、当然運賃とか保険料とか関税等の諸経費がかかることから、輸入品が原産国に比べてある程度高くなることは避けられないわけでございますが、調査対象の中で、輸入に伴う経費で説明できる以上の内外価格差が見られたというのが今委員から御指摘のありました七品目でございます。
 それで、その要因でございますけれども、まず、流通マージンでございますが、流通マージンにつきましては欧米も日本もそれほど大きな違いはない。ただ、欧米ではメーカーが小売業者に直接取引するのに対して、日本では流通段階が幾つかにまたがっているということ、それから、流通マージンに輸入総代理店のマージンを加えますと、やはり日本の方が若干高くなっている、こういう結果になっております。
 それからその要因でございますけれども、海外メーカーの輸出段階あるいは輸入総代理店の段階で東京向けの価格がかなり高いということがわかったことと、それからもう一つは、総代理店がかなり小売店を選別しておりまして、余り安売りするような小売店には販売しない、小売店の方もまた高くても売れるというようなことから総代理店がつけます価格を守る傾向にある、このようなことが内外価格差の要因ではないかというのが調査結果の主な点でございます。
#10
○石原(伸)委員 今原因につきまして説明がありまして大分わかってまいったのでございますが、この調査の中にありますことで私が疑問に思いましたのは、国内消費者が不信を抱いているものには、日本製品が外国で日本よりも安く買えるのじゃないか。今外しましたが、私のしているこのシチズンの時計でございますが、日本で買うと大体一万円ぐらいですが、アメリカですと八千円とか九千円ぐらいで売っている。こんなような点につきましても、今回の調査ではカメラを取り上げて調査されているようです。調査中ということもあると思うのでございますが、個別品目を除いて、このような日本製品が外国で安いといったようなこの問題はマクロ的に解消されたのか、お答え願えますでしょうか。
#11
○矢部政府委員 今回の内外価格差調査に当たりましては、国産品が外国で安く売られているというようなこともありますので、そういう品目も対象に入れておりまして、その対象といたしまして乗用車と一眼レフカメラを取り上げました。それでこの結果、当然でございますが、東京の価格は一眼レフ、乗用車とも外国の〇・五あるいは○・六というような形になっておりまして、内外価格差は見られないという状況でございます。
 なお、日本のメーカーが輸出向けには安く出していて国内は高いのじゃないか、その点につきましては必ずしも実態は明らかになっておりませんが、ほぼそのコストに見合った出荷をしているのではないかと考えております。
#12
○石原(伸)委員 国産商品が外国において安いということは、今海外旅行に皆さん行かれてつぶさに現実を見るわけでございますから、今後ともこの調査並びに公表を続け、このようなことがないように努められることをお願い申したいと思います。
 消費者というものは、少しでもいいものを安く買おうというのが消費者の心理だと思うのでございますが、この中で先日、六月十一日の日本経済新聞でありますけれども、「個人輸入で二割安く 海外ブランド化粧品」、女性の方が中心だと思うのですけれども、「内外価格差がいっこうに縮まらない欧米の高級ブランド化粧品を、代行業者を通じて海外から直接輸入する動きが徐々に広がっている。日本で一万円以上する香水や四千−五千円が相場の口紅などを一五−二〇%安く入手できるのが人気の秘密だ。」「輸入代行業も厚生省は規制の立場を取っているが、法的な規制があいまいなことや、国際的な標準価格で化粧品を国内で買うには他に方法がないことから人気を集めている。」こんなような記事が載っておりました。消費者の方というのは、個別品目でいってもなかなか縮小傾向にならないものについても何とか安く買おうという努力をされている。また、先ほども公正取引委員会の方から説明がありましたが、総代理店の問題、そして総代理店とは反して並行輸入がかなりふえているというお答えでございました。並行輸入ということを奨励されているようでありますけれども、もう少し具体的に現状について、あるいは問題点についてお聞かせ願えませんでしょうか。
#13
○矢部政府委員 総代理店を経由する輸入品のルートのほかに、もし総代理店が非常に価格を高く維持するようなことがありますと、そのルートを通さない並行輸入等が行われるわけでございます。ですから、もちろん総代理店の販売する商品について内外価格差が大きければ大きいほど並行輸入が多く行われるということでございますので、そういう意味では、公正取引委員会ではその並行輸入が円滑に行われるような環境をつくることが大事であるということから、並行輸入を不当に阻害するような行為が行われることを厳しく監視しなければいけないということで、六十二年の四月に並行輸入の不当阻害に関する独占禁止法上の考え方というものを示しまして、これに基づきまして現在監視を行っているところでございます。
 それで、今回の欧米ブランド輸入品の実態調査におきまして、アンケート調査でございますが、並行輸入を取り扱う小売店の中には総代理店との間で若干問題があったという例もございます。例
えば並行輸入が非常に多くなってくると、外国において並行輸入を扱うのがなかなか難しくなってくるという点もございます。そういうことから公正取引委員会は、並行輸入を不当に阻害する行為というのは国内だけでなく海外で行われるものについても、もう少し規制できないかというような点も含めて現在検討しております。
#14
○石原(伸)委員 公正取引委員会におかれましては、引き続き努力されることをお願い申し上げます。
 続きまして、質問を続けさせていただきたいと思います。
 このようなブランド品、嗜好品もまた内外価格差で注目される点ではございますが、やはり何といいましても国民の皆様方の最も強い不満となっておりますのは日本の物価高であると私も思うのであります。先ほど物価レポートの修正値が出ましたけれども、物価水準を見ますと、ニューヨーク、ハンブルクに比べても日本の方が一割強高くなっている。一割といいましても、主婦の皆様方の感覚からいったら、千円のものが九百円で買えれば当然そちらに行くのでありますから、この一割の物価水準の差というものもなかなか大きいのではないか、こんなように考えるのであります。また、先ほども申しましたが、海外旅行に今一千万人の方が出かける時代でございます。ということは、日本の物価高というものを肌身で感じるようになってきているのではありませんでしょうか。これはこれまでにない大きな変化だと思います。このような実態を消費者の皆様方が実感していったときに、消費者の怒りが暴発する前に何とかこの内外価格差の縮小という方向で改善に取り組んでいかなければならないと思います。
 そして、やはり何よりも安くしなければいけないのは食生活あるいは生活関連物資だと思います。特に強い不満となっているものは、やはりお米や牛肉、食パン、砂糖などの高い食料品、そして世界一高いと言われております、先ほどの説明ですと、かなり円高が円安の方に振れたという為替要因も含め、大分改善されているとはいいますが、電気、ガス、バス、タクシーなど生活に密着した割高な政府認可料金が注目されております。なぜこのような食料品や政府認可料金が高いのか、その理由をお聞かせ願えませんでしょうか。
#15
○田中(努)政府委員 ただいま御指摘の食料品あるいは政府認可料金、これらの国際比較を厳密に行うことはいろいろな点で難しい面がございまして、生活の習慣あるいは制度的な差異、また為替レートの変動、そういういろいろな要素を考えなければならないことは当然でありますが、概して申しますと、御指摘のような品物はやはりここ数年の円高に伴いまして割高になっているということは事実であると認識をいたしております。
 その理由なり背景なりという点でございますけれども、米あるいは牛肉等、農産物の価格につきましては、生産費の動向でありますとか需給の状況、そして全般的な物価の動向等を勘案いたしまして、できる限りこれを適正な水準に決定するという方針で行ってきておるわけでございます。しかしながら、農業関係の商品につきましては、何と申しましても土地条件の制約ということがございまして、そこからくる経営規模の違い等が非常に大きな作用をいたしまして、生産コストがどうしても高くなってきているという基本的な問題があるのではないかと考えられまして、やはり生産性の向上、規模の拡大というような点に取り組んでいかなければならないのではないかと考えられます。
 それから、バス、タクシー等の料金でございますけれども、これはかなり労働集約的な事業でございまして、こういった分野におきましては人件費の要因が非常に高いウエートを占めるということで、円高に伴う所得水準の上昇、それに伴う賃金水準の上昇というふうなことがこうしたサービスについての内外価格差に大きな影響を与えているのではないか、そんなふうに考えられるわけでございます。いずれにいたしましても、公共料金につきましては、従来から経営の徹底した合理化、それから物価及び国民生活に与える影響というような点を勘案いたしまして厳正に取り扱うという方針で臨んできておりますので、今後ともさらにそういう方向で努力してまいりたいと思います。
#16
○相沢国務大臣 内外価格差が非常に顕著であるということは御指摘のとおりでございまして、お手元の「物価レポート89」でも、ニューヨークあるいはハンブルク等の比較の表をごらんいただきましてもかなりの開きがあるということであります。ただ、これは当然のことなのですけれども、為替レートが円安に振れると物価差が非常に縮小してくるということでありまして、それは理屈からいえばそうなのですけれども、何かそれだけでもちょっと割り切れないものが実感としてあるのではないかという感じを私は持っておるのであります。
 先ほど物価局長が答弁を申し上げましたが、物価レポートの中で、私も先ほど来眺めておりました。その八ぺージの「小売価格の国際比較」というところを見てみますと、二十数品目並べております中で東京が一番安いのがパーマネントだけですね。あとはみんな、外国の方が安い、またかなり安いという数字がここに出ておりますし、それから、十一ページの「輸入ブランド品小売価格の国際比較」を見ておりましても、日本よりも高いところはないのであります。それから、「公共料金の内外価格差の水準」という十四ページの表を見ましても、日本が一番安いというのが昼間の三分間の四十キロ程度の電話料金ということで、あとはみんな諸外国の方が安い、こういう数字が出ているのであります。無論、この公共料金の比較あるいは輸入ブランド品の小売価格の国際比較等の数字は、一ドルが百二十数円という、今から見ますと相当円高の、二割程度円高のときの比較でありますから、百五十四、五円にもなってまいりました今のレートで換算いたしますと、多少その点は縮まってまいると思います。
 本当に、おっしゃいますように、賃金水準では、所得水準ではアメリカを抜くというところになってまいりました日本でありますけれども、物価が二割も三割も高いということでは、そのメリットもなくなると申しますか、所得が本当に高いという実感もなくなるわけでありまして、そういう点では、私どもも、この内外価格差の解消に努力をするということが企画庁としても非常に大きな仕事である、このように考えております。対策本部が設置されましてから五十二項目の対策を決めてその実現に努力をいたしておりますけれども、これからもこの点につきましては大いに積極的な取り組みをしていかなければならないというふうに庁内でも申し合わせているところでありますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
#17
○石原(伸)委員 相沢長官の力強い解消への意気込み、私も承知いたしました。また、海部総理大臣も消費者の立場に立った生活の質の向上が自分の内閣の課題だと申されております。内閣が一丸となりまして、引き続いてこの問題に取り組んでいかれることをお願い申し上げます。
 今相沢長官の方から小売価格の国際比較についていろいろ御説明いただきまして、私もその表を見た限りでは、お米、食パン、牛肉、牛乳、砂糖のような生活関連物資が、為替レートの問題を考えたとしてもかなり割高になっております。それで、まず個別につきましてお尋ね申し上げたいと思います。
 高い食料品でございますが、このような農産物、私が考えますに、日本の高度成長の過程で日本の農業が取り残されてしまったのではないか。工業がどんどん発達して日本は現在の経済大国としての地位を築いているのでありますが、その過程におきまして、農村の皆様と他の産業に従事される皆様方との所得格差を補うためにとられた価格支持政策や保護政策が過度になりまして、農業の競争による生産性の向上を阻害したと言えるのではないか、こんなように考えているのであります。今後の輸入制限や価格支持政策などの公的規制のあり方につきましてお話を聞きたいと思いま
す。きょうの読売新聞でございますが、「生産米価 五%引き下げ諮問へ 農水省固める」、そして大見出しで、「内外価格差を縮小」という記事が出ております。この生産者米価の問題につきましてはこれから論議される点ではございますが、そのようなことも含めまして所管官庁であります農水省のお話を聞かせていただきたいと思います。
#18
○日出説明員 お尋ねの件でございますけれども、内外価格差の是正ということで、昭和六十一年産から既に農産物価格の引き下げの努力を各品目にわたってどんどんやっているところでございます。ただ、お断りをしておきたいと思いますのは、食料品全体として割高感があるという議論と個別のものについて割高かどうかということとは若干事柄が違うのじゃないかと思います。食料品全体といたしますと、先生もちょっとお話しになっておりましたが、ほかの財あるいはサービスと比べて食料品全体としてそんなに割高かどうかということになりますと、今の八九年のレポートでも、大体似たり寄ったりのものだろうと私ども思っております。
 ただ、先生お話しになりました個別の米とか牛肉等につきましては、先ほども経企庁の方からお話ありましたように、土地を使う農業でございます。土地を使わない農業につきましては、例えば鶏卵でありますとかブロイラーでありますとか、ああいうものも含めまして世界的にも生産性は決して劣るものではございません。ただ、今申し上げましたように、土地を使う農業は、確かに地価が端的に言いますとアメリカの百倍でありますとか、規模拡大が大変難しいという問題がございます。それに対して、生産性を上げるために組織化をするとかあるいはもちろん規模拡大をするといった努力で懸命に今追いかけているわけでございますが、端的に申し上げましてはかばかしく進んでいないというのも事実でございます。
 どうやら農業従事者の方々の大きな世代交代がこれから十年、二十年の間にあるようでございます。そのタイミングを見計らいまして、今申し上げましたような、規模の大きな農家あるいは生産性の高い組織づくりといったことを基本的にやっていくというのが、土地を使った農業の生産性向上でありますとかあるいはその結果としての価格の引き下げということになっていくのだろうというふうに考えている次第でございます。
#19
○石原(伸)委員 お言葉を返すようですけれども、食料品全体についてそれほど割高ではないという見解でございますが、この物価レポートを見ますと、食料品の物価水準を三つの都市で比較しますと、ニューヨークが六九、ハンブルクが六四、為替の問題を差っ引いても八〇から九〇ぐらいになると思いますが、東京は割高となっています。そう書いてありますので、やはり食料品は日本は欧米に比べて割高ではないのか、これは私も消費者の一人としての実感でございます。
 今説明がございましたように、土地を使う農業というものは規模を拡大することが難しいという問題は重々承知しております。それにおきまして私が思うのは、食料品が総体的に高いのは、さっきも言いましたように、輸入制限や規制をして市場を開放していないということがあるからではないか。市場開放という問題は非常に難しい問題ではありますが、今後とも輸入制限や価格支持政策などの公的規制をどのようにお考えになっておりますか。もう少しお話をお伺いさせていただきたいと思います。
#20
○日出説明員 先ほど私が、総合的な物価に比べて食料品は全体としてそう高いものではないと申し上げましたのは、八九年の物価レポートでも総合と食料品の指数の差がほとんどない。若干、確かに二、三ポイントございます。そういうことで割高といえば割高かもしれませんが、その他の財、サービス、並べまして極端に食料品が割高であるということではないというふうに申し上げたつもりでございました。
 それから、食料品全体の価格が高いという理由で、先生お話しのように、いろいろな公的規制あるいは輸入制限というお話ございましたけれども、一般的に食料品の中で原料農産物の占めるウエートは大体三〇%近くあるいは三〇%をちょっと切っているぐらいでございまして、その上にいろいろな加工あるいは流通、もろもろのものが入ってまいります。これが平均的な姿でございます。ですから、原料農産物の割高の議論は、当然最終の製品の価格に響きます。それは響かないとは申し上げませんが、それ以上に実は、何といいますか、その上にあります七〇%強の問題でございます。
 特に流通の問題その他ございますが、これはまた消費者の消費行動と直接かかわり合う、そういうこともございまして、私どもの方でも大いに努力はいたしておりますが、ストレートにこういった流通、加工の段階のコストを下げていくことはなかなか難しいという問題がございます。私どもの方も、こういった問題はございますが、個別のものにつきましてのいろいろな問題は方々で御指摘のようにございますので、それぞれのものに即しまして直すべきところは直していくということにいたしたいと思っております。
#21
○石原(伸)委員 農産物の価格に関します政府規制、余り具体的にお話しになりませんでしたが、米については食管制度、小麦についても食管制度、牛肉につきましては九二年には自由化される、そのときにおきましては関税の問題等で価格が下がらないんじゃないかという消費者の皆様方の不安もございますので、十分考慮されて農業行政に邁進されることをお願い申し上げ、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 先ほども長官からお話ございましたように、公共料金が非常に高くなっている、この問題でございます。きょうも新聞を読んでおりましたら、電気料金について「夏の昼、クーラーは欠かせず割安帯を生かすには新製品」、電力会社が季節別電気料金の導入を昨日決めたと出ておりました。それによりましてクエスチョンで「家庭には負担か」という記事が載っております。電気・ガス料金につきましては先ほどの説明にありましたように何度も値下げをしておりますが、まだ欧米に比べまして割高になっている。そして電気につきましては資本費が相対的に割高であることが原因とされております。今後におきまして電気料金をますます引き下げるようなことが可能なのか、消費者の皆様方にとりましては重要だと思いますので、お答え願えますでしょうか。
#22
○森本説明員 電気料金でございますが、もともと電気料金についての内外価格差、企画庁の方からもお話がありましたように、いろいろ比較基準をどうとっていくかという難しい問題がございます。確かに一九八八年のレートでとっていきますとかなり割高になってはおりますけれども、最近のレートでとっていきますとむしろそれほど変わっていないという面がございます。いずれにいたしましても、御指摘の資本費が高まってきているということにつきましては、御案内のように従来から石油に依存をしてきたということで、石油危機以降そういう脱石油とかの石油代替電源を強力に進めてきたということで、結果として資本費が高まっているということになっておるわけです。資本費でございますから、例えば減価償却とか利子でありますとかいうものは、為替レートが変わったからといって変動するわけでございませんで、むしろレートで換算してみますと、円高局面ではかえって割高に出てくるというような問題もあるわけでございます。
 その中で、電気料金につきましては、六十一年から四回にわたりまして、円高であるとか原油価格の変動ということに対応いたしまして引き下げを行ってきたわけでございますし、また、今後とも経営の効率化を図っていかなければならないのは当然だろうと思います。御指摘の資本費コストの増大ということの関連でいきますと、やはりそういう負荷といいますか、その平準化ということを図っていくことが極めて重要な課題ではないかというふうに考えておりまして、そういうことを通じまして、供給コストの低減ということに努め
ていくということが必要ではないかというふうに考えております。
#23
○石原(伸)委員 引き続きまして経営の効率化ということに努めていただいて、少しでも電気料金を安くしていただきたい、このように考えております。
 電気事業審議会の報告書を読みますと、やはり二十一世紀には将来深刻な電力需給の逼迫のおそれがある、このような状況におきまして、原子力発電所の建設の問題あるいは石炭火力依存度を高めるというようないろいろな問題があり、非常に御苦労があるかと思いますが、先ほども申しましたように、庶民の暮らしというものは、電気料金というものが非常に高くなっている、そしてまた、家庭におきまして電気製品の量が大変ふえております。家計に占める割合も大変上がってきておりますので、御尽力されることをお願い申し上げ、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 続いてガスについてお聞きしたいのでございますが、公共料金の内外価格差の水準、先ほどの表で経済企画庁の方から、為替レートは百五十四円で考えると、大体日本を一〇〇とした場合、アメリカで八割から九割ぐらいと、ガス料金についても為替レートということでやればかなり是正されてきているというようなお話でございましたが、ガス会社というもののあり方が欧米と日本とでまた違いまして、サービスや保守のためのコストが必要ということで割高になっているという御説明も、この物価レポートを読ませていただくとわかるのでございますが、同じくやはり改善策並びに料金が下がる可能性についてお尋ね申し上げたいと思います。
#24
○福田説明員 御説明申し上げます。
 先生御指摘のように、最近におきましては円安化の動きなどを反映いたしまして、内外価格差は縮小の方向にございます。一方におきまして、欧米諸国と比べて割高であるという点でございますけれども、この点はやはり先生からお話がございましたように、消費機器の保守、点検等の違いというのが一つございます。我が国の場合におきましては、メーターから先の配管あるいは消費機器の保守等につきましてメーカーが責任を負っている。これに対しまして、欧米ではそうでないといった事情がコストに反映されますし、それからまた、欧米におきましてはガス田から直接パイプラインで需要地に供給してございますけれども、我が国の場合はLNGを産ガス国で液化いたしまして、そしてタンカー輸送して、受け入れ基地で気化する、こういうプロセスを経ますので、こういった経費が割高につくという問題がございます。
 それからまた、欧米に比べまして需要家一件当たりの使用規模というものが我が国の場合四分の一程度ということで、この辺の需要構造が非常に違っております。そうしたことから、設備の効率面にもデメリットが出ておるわけでございます。こういう事情がございますけれども、私どもガス料金の長期安定ということに最大限の力を尽くしてきております。最近におきましては、この三年間に円高の進展等を反映いたしまして、四回の料金引き下げを実施してきておるところでございます。保安サービス等、保安に係る面につきましては、コストの合理化もなかなか難しゅうございますけれども、全体としまして経営の合理化、生産性の向上、こういうことに努力いたしまして、できるだけ供給コストの低減を図ってまいりたいというふうに考えております。
#25
○石原(伸)委員 続きまして、六年ぶりでございますが、先日運賃改定が行われましたタクシー料金、これもこの物価レポートを見ますと、欧米に比べて割高になっている。今回の運賃改定におきまして、東京都区部のCPIあるいは全国のCPIに対する影響というものは、どのくらいあったのでございましょうか。
#26
○山下説明員 五月十八日に東京地区で平均九・六%の運賃の改定を行いましたが、これの消費者物価への影響につきましては、経済企画庁の方の試算によりますと、全国ベースで約〇・〇一%の影響というふうに見込まれていると聞いております。
#27
○石原(伸)委員 〇・〇一%といいますと、パーセンテージでいえばそんなに大きくないのかなという印象を受けるのでありますが、マクロ経済的にそういう数字であっても、やはり庶民の皆様方の足としてのタクシーというものが六十円上がる。タクシー業界は人件費比率が非常に高くなっておりますので、そういうところはよくわかるのでございますが、外国に比べまして過当競争であるタクシー業界でなぜ値上がりが起こるのか。そして、タクシーの同一地域同一運賃の慣行がコスト競争を阻んでいるのではないかというような指摘もあるのでございますが、あるいはまた参入、料金規制というものがタクシー業界にございます。
 私の知り合いの中にもタクシーを経営されている方がおりまして、やはり参入というもので、また車の台数を認可でございますのでふやせない、ということは、経営を効率化していくには車を持っている会社を買収して会社を大きくしていって台数をふやすというようなことをしない限り、なかなか経営の改善につながらないし、また、今回のタクシーの値上げ分についてもすべて人件費の方に行ってしまうというような意見も聞いております。その点につきまして、今後のあり方についてお話を伺わせていただきたいと思います。
#28
○山下説明員 タクシーについて現在まず諸外国に比べて割高かどうかということにつきましては、先ほど電気、ガスのお話にもございましたように、八八年のレートということでございますので、最近のレートに引き直して考えてみますと、諸外国ではチップがかなり必須のものになっておるというような制度的な問題もございまして、我が国よりもむしろ高い国も散見されるわけでございまして、四、五年前につきましては我が国とほとんど同じであったというようなことも考えておかなければならない点もあろうかと思っております。
 今いろいろ御指摘いただきましたが、確かに人件費が約八割を占めている、こういう中で、しかも個別の一人当たりの人件費をとりますと、一般産業よりかなり低い。しかも人が集まらないために需要があってもなかなかこたえられない、こういう中で私どもがまず考えていかなければならないのは、乗りやすさを確保するということだろうと思っておるわけでございます。そういうことで、今回の値上げにつきましても、これを全部人件費の方に回しましてできるだけ人を集めて、それで乗りやすさを確保していただきたいという施策をとったわけでございます。
 一方、乗りやすさを確保いたしますためには、車が足りないということも当然でございますので、そちらの対策といたしましては増車をするということで、今週の月曜日に東京地区で千八百台の増車をいたしました。こういうことで、私どもとすれば、人を集められてかつ車庫なんかがちゃんとしておれば何もよその会社を買わなくてもどんどん増車をするということでやっておるわけでございまして、特に我が国が参入規制が非常に厳しいというふうには認識はいたしておりません。
 よその国の例を挙げて申しわけございませんが、現にニューヨークではマンハッタン地区で約一万一千台のタクシーがございますが、これをニューヨークの市当局では何とか四百台ばかりでも増車をしたいということを提案をしておるようでございますが、これがまた業界の猛反発を食ってなかなかできないというような状況にあると聞いておりますが、我が国の場合は今申し上げましたように、今回も千八百台、既に数年前から二千台近くのものを増車をいたしてきておりますし、こういったことで、実際の運用面では我が国の場合は非常に弾力化されておるのではないかと思っておるわけでございます。
 ただ、運賃制度が、今回も昼間をできるだけ上げないで深夜を上げたというようなことで、めり張りをつけておるつもりでございますが、そう
いった運賃制度を今後ともどういうふうに実情に合ったような形で弾力化していくか、さらに労働力が不足する中で、乗り合いタクシーのような効率的な手段をどういうふうに推進していくか、こういった点についてさらに検討を深めてまいりたいと思っておるわけでございます。
#29
○石原(伸)委員 政府委員の答弁にありましたように、庶民の足としてのタクシーの比重は大変高くなっております。乗りやすさについて指導されていくということでございますが、先ほど言いました増車というのはブルーラインタクシーのことだと思いますが、タクシーの台数というものは週末になりますと足りないという不満もありますし、サービスが本当に向上したのかという指摘もされております。同一地域同一運賃の問題は運輸委員会での討論に送るということにいたしまして、次の質問に移らせていただぎたいと思います。
 先ほど相沢長官が指摘されましたように、電話料金の昼間三分間四十キロ程度というものは、やはり競争原理の導入があったからこそ値下げを促進して、結果として全般に割高となっております公共料金の中で日本の方が安いものとなった形として出てきたものだと思います。やはり日本の円というものが、貿易に強く生活に弱い円などと指摘され、外に強く内に弱い円などと言われることは世界一の経済大国にとって本当にこれは嘆くべき現実だと思います。世界一の経済大国と言われる生活レベルの実感が伴うように、政府が許認可料金の問題あるいは政府規制の問題を検討され、弾力的に運用されることをお願い申し上げたいと思います。公共料金、そして食料品の問題につきまして大臣の御見解なり、お聞かせ願えますでしょうか。
#30
○相沢国務大臣 公共料金につきましても、諸外国に比べましてごく一部を除いてかなり日本が割高になっているという事実がございます。物価を担当いたしております企画庁としても、公共料金の問題につきましては極力その値上げを抑制するように、これは利用者あるいは需要者の利便ということも当然考えていかなければなりませんが、そういう努力をしてまいっておるところであります。
 先般、お話がございましたタクシー料金の問題につきましても、業界からの申請はたしか一三、四%、あるいはちょっと少なかったかもしれませんが、その程度の値上げが出ておりまして、当庁としましても、運輸省といろいろ協議をいたしまして、何とか一〇%以下になるようにということで指導もしてまいったのでございます。タクシー料金の値上げの原因としては、六年余りも据え置きになっていたこと。その間に特に人件費の上昇が著しく、労働条件の問題もありまして、運転手がなかなか確保できない。運転手がいないために数千台も車を動かせないというような実情もあったようでありますので、利用者の利便も考えまして、私どもはその値上げの相当部分をタクシーの運転手の給与その他の待遇改善に回すということを条件といたしまして料金の値上げの協議に応じたということであります。
 その際に私は、個人タクシーというものはお客様からも歓迎されるし、またかなり申請があるのじゃないか、ここ数年間の個人タクシーの台数を見てみますと、亡くなったりやめたりする人の台数をカバーするほどの新規の認可がない、ですから、総体として見ると若干減っている、そういうことでいいのかどうか、この点は運輸省もひとつ考えてもらいたいということで、実は細かい問題でありますけれども、従来個人タクシーの申請者は、例えば車庫は有蓋、屋根つきのものを持っていなければならないという条件がありましたのを、それを削除してもらうというようなことで申請をしやすくしてもらったのであります。私は個人タクシーというものを、深夜の勤務を嫌がるというような問題があるかと思いますけれども、もう少しそういう点で利用者の利便も考えて認めてやったらいいんじゃないかというふうに思っているのであります。
 公共料金の値上げにつきましては、今申し上げましたような考え方のもとに、これからも関係各省庁との協議を続けてまいりたい、このように考えております。
#31
○石原(伸)委員 大蔵次官を歴任され、財政通であり経済通であります大臣のお言葉でございます。こういうことについては今後とも本当にしっかりと監視の目を行き届かせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 ちょっと古いのですが、三月に経団連が内外価格差の試算というものを発表いたしました。私大変興味深く拝見したのでございますが、これは三つの仮定、この仮定が現実的か非現実的かという問題はございますが、日本の流通マージンを米国並みに圧縮し、米を除いて農産物の輸入を自由化したり、そしてガソリン価格を他の石油製品並みに下げれば消費者物価が六%近く下がり、食料品価格は一七・五%下がる、このような報告でございます。どういう分野をどのように改善したら消費者物価はどうなる、例えば農産物価格はどのくらい値下がりするかと具体的に試算した例は私もこれまでちょっと見たことがなかったもので、消費者にとりましても物価が六%下がるというのは非常に実感としてあると思うのでございますが、この報告についての所見をお伺い申し上げます。
#32
○田中(努)政府委員 経団連の試算でございますが、確かに流通マージンを圧縮する、あるいは農産物につきまして完全自由化というふうな前提のもとにああいう試算結果が出ているのではないかというふうに承知をしておるわけでございまして、一つの試算としては興味のあるものであると考えるわけでありますけれども、やはり前提それ自体についていろいろ問題がありまして、内外価格差というふうな観点からのみこういった前提を設けることはいかがかというふうな感想も持つわけでございます。
 それから、流通マージンにつきまして、外国と日本を比べて我が国の流通マージンが高い、それを圧縮する、こういうことをされているわけでありますけれども、私どもの経済研究所で行いました調査研究の結果によりますと、流通マージンそれ自体は外国と比べてそれほど高いということも言えないのではないかというふうな試算結果も実は出ているわけでございます。
 よく言われますのは、日本の流通は多段階で、例えば卸売業の販売額と小売業の販売額とを割り算いたしますと、卸売業の販売額が大体四倍ぐらいになるというふうに言われているわけでございますけれども、それは販売額の比較によりまして流通の多段階性を探ろう、こういうふうな考え方でございます。マージン率それ自体は、例えば日本とアメリカの一九八六年の比較によりますと、日本よりもアメリカの方が卸売、小売業ともに高い、ヨーロッパの国と比べましてもやはり日本の方が若干低いというふうな数字もございまして、今後経団連とも連絡をとりましてさらに勉強してみたいと思っております。
#33
○石原(伸)委員 経済企画庁としても興味を持っているということでございます。このような具体的な数字というものが国民には非常にわかりやすいと思いますので、経済企画庁の方でもどしどしとこういうような興味深いデータを公表されていくことをお願い申し上げます。
 この記事に関しまして、産経新聞の社説に「米国頼みの内外価格差の圧縮」という題で記事が出ております。「皮肉にも、内外価格差の是正を求め、国民負担の軽減を迫っているのは、構造協議に示されているように米政府である。政府、自民党がこの外圧で、重い腰をどこまで上げるか、いま国民は、そこに期待するしかない。」ちょっと情けなくなってしまうのですが、こういうことを新聞で指摘されている現状。また政府としては、先ほど説明がございましたように、五十二品目についての是正策を推進、そして今行われているということでございます。今回の質問を通じましてさまざまな問題を私も理解をさせていただくことができた、こんな気がいたします。
 何が内外価格差の縮小の阻害要因となっているのか、このことにつきまして行革審の調査員である後藤さんという方がこんなふうに書いておられます。「内外価格差の直接の原因は急速な円高の進展にある。しかし、四年以上も大幅な内外価格差が続いているのは、日本の国内物価が円高に緩やかにしか反応しないためであり、ここに本質的な問題がある。」「つまり、日本の国内物価は、為替レートの変動に対して緩やかにしか反応しないのである。この背後には、国内物価水準の低下を抑制する何らかの要因が働いていると考えられる。」そして、この何らかの要因として、先ほどから話に出ております公的規制の問題、流通機構の問題、日本独特の商慣行の問題、あるいは消費者がブランド品を買いあさるといった消費行動、このようなものがある。そして、こういうものを是正していくには「市場の競争条件を積極的に整備していく必要がある。このため、規制緩和の推進、流通機構の効率化、独占禁止法の運用強化などが早急な課題である。」と、新行革審の後藤さんという調査員の方は指摘されております。
 さまざまな問題がクローズアップされ、内外価格差という問題は、マクロ的な問題、ミクロ的な要因がわかっていてもそうすぐには解消されない難しい問題ではありますが、今後の対応策につきましてお聞かせ願えますでしょうか。
#34
○相沢国務大臣 今委員からお話ございましたように、内外価格差の是正に関しましては、政府は内外価格差の対策本部を設け、そして先般五十二項目の対策要綱を決めまして、その実施に当たっているわけであります。私は、そういう五十二項目の対策を決めることも無論大事であるけれども、問題は、そこにうたわれた各種の対策をいかに現実に実施していくかにかかっているというふうに思いまして、庁内におきましても、内外価格差の解消ということはなかなか大変でありますけれども、縮小に向けて特にこれから積極的に取り組んでいかなければならないということを申し合わせているわけであります。
 御案内のように、農業におきましても経営規模が非常に小さいということが大きな問題であると同様に、我が国の中小小売業というものの存在、特に小売店におきましては一店舗当たりの規模が非常に小さいというようなことが流通改善の大きな問題になっておりますけれども、ただ、これも一概に短絡的な対策を考えるということもなかなか難しい情勢にあります。ただ、内外価格差を是正していくための施策というものを当初申し上げましたようにもっともっと積極的に進めていくことは必要ではないかというふうに私も痛感いたしておりますので、委員のお考えの趣旨に沿いましてこれからも努力してまいりたい、このように考えております。
#35
○石原(伸)委員 大臣の積極的に推進するというお言葉、私も消費者の一人としてうれしく思っております。やはりこれまでの日本というものは、西欧の先進国に追いつけ追い越せと先輩方がこの経済大国を築いていらっしゃった。そして、そこで優先されたのは企業の利益であり国の利益であったと思います。しかし、これからの二十一世紀という新しい時代を前に、今度は国民、消費者の皆様方にこの利益を、言葉は悪いのですが還元する、そうして、国民の皆様方が経済大国に見合った生活をできるような社会をつくっていくことが私ども国会議員の使命であり、これは与野党問わず同一の目的と言っていいのではないか、こんな気がいたします。
 きょうは相沢長官の積極的に推進するという力強いお言葉をいただき、私初めての質問でございましたが、一時間にわたりまして質問させていただきましたことを最後に御礼を申し上げ、これで質問を終わらせていただきたいと思います。本当に皆様ありがとうございました。(拍手)
#36
○野坂委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時二十七分休憩
     ────◇─────
    午後零時三十七分開議
#37
○野坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小森龍邦君。
#38
○小森委員 社会党の小森龍邦でございます。
 まず、内外格差の問題に関係してお尋ねをしてみたいと思いますが、統計数字から見ましても、また海外を旅行してみましても、私どもの目に触れること、体で経験することからいたしまして、相当程度内外価格に差がある、こういうふうなことを実感をいたしております。そこで、どの品目がどれだけ差があるということも議論の中身とすれば大事なことでございますが、なぜ我が国のように経済的な実力のある国が本当にその力、経済力を国民の利益に還元し得ないで内外格差のようなものが出てくるのか、まず、そこのところを構造的に御説明を承ってみたいと思います。
#39
○田中(努)政府委員 内外価格差が最近にわかに拡大をしたわけでございますけれども、その背景といたしましては、円レートの変動というのが一つあったということが言えるのではないかと思います。円レートが急激に変動いたしますと、経済の構造がそれになかなかついていきませんで、国内経済のいろいろな適応がどうしてもおくれるというふうな過程におきまして円高に伴う内外価格差の拡大、こういうふうな背景が一つあったかと思います。
 その背後に考えられますことは、経済の調整のスピードが必ずしも速くない、そういうおくれをもたらす構造的な原因というのがあったのではないかと考えますと、これはいろいろな規制の存在、そういった制度的な要因もここに絡んでいると考えられるわけでございます。物価レポートでも分析をいたしておりますけれども、国内卸売物価とそれに見合う輸入物価の動きを対比させたグラフを掲げております。そういった対比におきまして、規制のある品目と規制のない品目との対比を比べてみますと、規制のある品目の方が、輸入価格は下がったけれども国内の同じ品目の価格はそれほど下がっていない、国内卸売物価という形でとりますと下がっていない、そこに非常に大きなおくれが生じているというふうなことも分析上出てまいりまして、そういうことから考えますと、競争原理の貫徹ということをさらに促進をしていくということが、構造的な面から内外価格差を縮小していく一つの基本的な問題ではないか、そんなふうにも考えられるわけでございます。
 それ以外にも、日本の昨今のいわゆるストック化というようなことに伴いまして、地価が非常に高いというふうなことがいろいろな形で国内物価水準を押し上げているというふうなこともございまして、こういうようなことの背後にやはり日本の国土の中における経済力の配分、経済活動の配分というふうな、いわば構造的な要素があるというふうなもろもろのことが重なりまして内外価格差というものを構成しているのではないか、そんなふうに考える次第でございます。
#40
○小森委員 規制というのは、本来、国民の利益をそのときどきに起きる経済的な矛盾から守っていくということであろうと思うのでありますが、巨視的に見れば、無秩序な生産活動が我が国の明治期以来常に海外の資源を求めたり、海外の市場を求めるという形で、それを武力と結合いたしまして、おおよそ我が国最後の国内戦争、西南の役からその後のことを考えてみますと、十年かあるいは十二、三年ぐらいの単位であの十五年戦争まで戦争が続いた。
 資本主義は戦争は不可避なのではないかという経済の理論も出てくるほどでございまして、それを何とかやはり経済の活動というものをうまくコントロールして乗り切らなければならぬ、これが大体アメリカのニューディール政策、テネシー・バレー・オーソリティー、かつての、前のルーズベルト大統領のときにそういう政策を導入いたしまして、ヨーロッパではほとんどそういう経済政策、そして我が国も戦後四十数年曲がりなりにも平和を保ってきたということは、そういう経済活動の調整というものが行われてきたと思うのであります。
 したがって、これは個々の面を見ましても、またマクロに見ましても、国民の利益を守るということであったと思うのでありますが、今のお話によりますと、規制を加えておることを自由化の方向に持っていく、それは規制の見直しというかそういうものが、経済の情勢にマッチしてタイミングよく行われないというところが問題だというお話でございました。私の考えは、この規制というのは時の政府あるいはその政府を支える大企業、そういうものにとっては極めて好都合に作動しておるが、国民に対しては余りうまくいっていない、こういうように考えるのであります。
 その証拠は、この内外格差の問題で国民が苦しんでおるさなかに、我が国の大企業は海外の資産を随分ふやしている。例えばニューヨーク、あのマンハッタン街へ行ってみますと、あのビルもこのビルも日本の大企業が今日では所有者になっている。おおむね五十棟ぐらい、何百メートルという高いビルを日本が所有しておるという格好になっておると思います。雲の低く垂れた日には上に雲がかかっています。そういう高いビルを日本が買っておる、およそ五十棟くらいだと思う。牛の五十頭ではないですよ、大きなビルの五十棟であります。そういうことで、だから内外価格差で国民が苦しんでおる間に、どんどん大企業の方へは資産が蓄積をされるということでございますが、今私が申しましたような観点から見られてどのようにお考えになられますか。
#41
○相沢国務大臣 内外価格差の問題は先ほど物価局長が答弁を申し上げましたように、その原因はいろいろあると思います。規制の問題もその一つの原因だろうと思いますが、いずれにいたしましても、内外価格差というものがありまして、それが本当の意味における国民生活の豊かさの実感を阻害している面があることは私どもも十分にこれを感じておりまして、何とかその解消に向けて努力をしていきたい、このように考えております。
 総じて申し上げますと、やはり日本の国は極めて資源に恵まれていない。現に食糧でさえ、えさを含めて考えますと、自給率が三〇%という非常に低い水準にございます。また、工業の面におきましても、原材料その他ほとんど輸入に依存をしている。元来、資源を持たないのでありますから、そういうものを輸入して、運賃を払って保険料を払って加工して輸出して初めて外貨を手にするという構造のもとでは、やはり物価の面におきまして、諸外国に比べますとある程度不利な面は否定できないと私は思うのであります。ただ、そういうことで説明し切れない価格差というものが存在いたしますし、しかもそれが必ずしも合理的ではない。
 規制の問題にいたしましても、例えば農業やあるいは中小企業の面におきます規制は、日本の国の生産構造、産業構造というものにゆえんしている面も少なくない。例えば農業でいえば、その経営規模が耕地面積が乏しいために極めて小さい、あるいはまた中小小売業が特に経営規模が小さい、こういったような面からくる弱点をと申しますか経営の苦しさ、難しさをカバーするためにいろいろな規制を行ってくるという面もありますから、あながちその規制があること自体にまずい点がある、私はこのように考えるわけにはいかないと思いますけれども、規制があることも一つの物価高の原因であるということは、調査の面においても明らかになっております。
 そういう意味におきまして、これだけが原因というふうに短絡的に考えて物事を進めるわけにはまいりませんが、やはり物価高の、特に内外格差の是正に向けてはさらに積極的な取り組みをしていかなければならないというふうに考えております。
    〔委員長退席、竹内(猛)委員長代理着席〕
#42
○小森委員 長官の答弁と局長の答弁とやや食い違っておるように聞き取らせていただきましたが、しかし、どちらに重点を置いて言うかということで、それくらいの差は出るのだろうと思いますので、私の頭の中でそれはうまく調整しながら論理的に聞き取らせていただきたいと思います。
 そこで、お尋ねをいたしたいと思いますことは、日本の労働者の賃金が内外の価格差から圧迫をされること、また、国内の物価上昇によって圧迫されること、それなどをどういう経済指数で分析するかということは、私は専門家でないから厳密な経済学的な意味のことはわかりませんけれども、名目はもう世界有数ということだ、それは皆よく承知しておるところなんでありますが、要するに、そういう実質的なところをすべて取り除いてみると、ランクづけすると、日本の労働者というのは世界のどの辺に実質的な賃金の水準というものは位置づいておるかということを経済企画庁は把握されておられるでしょうか。
#43
○末木政府委員 統計の調べ方はいろいろございますけれども、勤労者というお尋ねですが、その前にマクロの数字といたしまして国民所得ベース、国民経済計算ベースの数字で申しますと、一九八八年、日本はスイス、ルクセンブルクに次いで三位でございまして、非常に上位にあるわけでございます。ちなみに、そのときにアメリカは六位でございます。ドイツが七位でございます。それから、賃金ということで見ますと、手元の資料で製造業の生産に携わる労働者の賃金の国際比較の数字がございます。これは労働省の政策調査部推計の数字でございますが、一九八八年の実労働時間当たりの賃金でございますが、日本が千三百九十・九円、アメリカが十一・一九ドル、ドイツが二十四・六六マルクでございます。これを当時の平均為替レートで換算しますと、日本が今の数字でございまして、アメリカが千四百三十四円、ドイツが千七百九十九円ですから、ドイツがちょっと高いのですけれども、こういう高いレベルにある。しかし、購買力平価で仮に換算をいたしますと、日本は千三百九十・九、これは変わりませんが、アメリカは二千二百四十九、ドイツは二千九十六円ということで、これはかなり開いてまいります。
 同じようなデータは年間総収入で比べることもできますが、余り長くなってもいけませんから数字の細かいことは省略いたしますけれども、こういうことで、おっしゃるように名目的には非常に高いところに位置しておりますけれども、例えば購買力平価で換算すればかなり差が出ている。もちろん、どういう換算が一番合理的かということは、なかなかいろいろな議論がありましていろいろの主張があろうかと思いますが、数字で御説明すればそういうことでございます。
#44
○小森委員 そこで、先ほど私が指摘いたしましたことにもう一度返らせていただきますが、そういうふうに日本はすごい経済力を持っておると言われ、しかも名目的にはある程度の位置にランクされておりますけれども、実際に実質的な形で国際比較をしてみると余りよくない。しかし経済力はある。そして貿易も伸びている。アメリカが日米経済構造協議を申し入れなければならぬぐらい日本がアメリカの経済を追い込んでいるということになると、結局もうけが労働者のところを削られて大企業のところにだけどんどん行っておる、そういう形になっておるのじゃないかと思いますが、それがつまりいかにも公平な規制を行っているような建前をとっておるけれども、実際は労働者の方を少し抑えて、そして大企業の方に金が集まるような規制の仕組みになっているのではないか、こういうふうに思うのです。
 もう一度ひとつ大臣、規制を自由化すればよいというようなものではない、規制も規制で必要だというお話でございましたし、私も一概に規制というものを否定するものではない。あえて言うならばアメリカが日米経済構造協議で規制を少し緩めなさいと言っておるある項目については、私どもひどい抵抗感を感ずるようなものもあるのですが、規制というもののあり方をどういうふうに持っていくことによって富が経済力に見合ったように公平に分配されるのか、この点について長官の御所見を承りたいと思います。
#45
○相沢国務大臣 私は、今委員の御指摘の点は大変に大事な問題であるというふうに受けとめております。先ほど国民生活局長が答弁をいたしまし
たように、確かに時間当たりあるいは年間の賃金にいたしましても、日本は例えばアメリカ、西ドイツを抜いておりますけれども、為替レートで換算をし、あるいはまた購買力平価で換算をいたしますと必ずしもそうではない。例えば年間賃金にいたしましても、購買力平価で換算をすると、日本は年間、一九八八年三百四万四千円に対しまして、アメリカが四百六十七万二千円、西ドイツが三百四十一万七千円ということでありまして、日本の方がアメリカ、西ドイツの水準をはるかに下回っているということになっております。
 その原因は、一つは今購買力平価で換算して申し上げましたが、購買力平価でいうと、日本の価格は、購買力平価は為替レート以上に高いといいますか低いといいますか、つまり実勢の購買力は、日本は物価高が原因と考えていいと思いますけれども低い。そこで、購買力平価で比べますと、実質的な意味の賃金水準が低く出るということになりますので、これに対処するには、先ほど来申し上げましたように、何といっても物価水準を下げていかなければならない、購買力平価を高めていかなければならないというふうに考えているのでございます。
 規制についても、いろいろ考え方はあるという御指摘でございまして、私もそのように思いまして先ほどの答弁も申し上げたのでありますが、公的な規制は大きく分けて経済的な規制と社会的な規制という二つがあるかと思います。経済的な規制はいわゆる市場のメカニズム、価格形成のメカニズムに制限を加えて価格の安定を図ろうとするものであります。この点については、先ほど委員も御指摘のように、農業あるいは中小企業の面におきましてその保護育成という見地からの規制もありますから、一概に規制は悪いと言うわけにはいかないと思いますが、原則はできるだけ自由にして、例外は規制という基本的な考え方を経済全般に対してはとっていく必要があるのではないかというふうに考えているのでございます。
 もう一つ、いわゆる社会的な規制というのは、安全性の確保でありますとか環境の保全でありますとか災害の防止というようなものを目的とするものでありまして、この点は特に最近の諸般の情勢上から、むしろ環境の保全とか災害の防止というような観点に立ちます場合には規制を強めていかなければならない面もあろうかと思います。これは社会的な規制といいますけれども、これまた経済とは無縁ではないのでありまして、例えば環境の保全のためにあるいは公害の予防のためにいろいろと規制を強める。例えば自動車の排ガス規制などもその一例になろうかと思いますけれども、そういうことをすることによりましてコスト面に響くということも当然あるわけでございます。したがいまして、いろいろな規制を物価面から考えた場合に、とらえ方にいろいろな違いがあると思いますけれども、考え方としては経済的な規制については原則をできるだけ自由にして、例外規制というようなことでやっていかなければならないのじゃないかというふうに考えています。
#46
○小森委員 私がお尋ねしようと思っておりましたことについてある程度の回答をいただいたように思います。つまり、経済活動の自由と規制というものとがどういう平衡感覚を持っていくかということについて言及されたように思いますので、私はその理念は非常に結構なことだと思います。
 そこで、しかし、現実はどうかということになってくるのでありますが、これは公取の方の関係になると思いますけれども、例えば我が国のセメントメーカーが、別に法律で規制をしておるわけではないと思いますけれども、実際は自分の業界を守るために、セメントを買いたいと思う者に売らないという現象が生コン業者との関係において全国各地で起きておると思います。そうすると、結局理念はよいけれども、しかし、一つ一つ規制というものを点検すると、国民のためにならないような規制もあるだろうし、経済の発展に役立たない、むしろそれが邪魔になるような規制もあるだろうし、具体的な、売るなという規制はかけていないが、現実に売らないというような問題もあるわけです。
 そこらになってくると、売るなということになっていないが売らないということについては、これは公取の問題になると思うのでありますが、そこらが何だか、日本経済全体の管理主義的な規制というものに便乗して、そういう物の考え方に便乗して、実際の経済活動はそういうふうになっておると思うのですが、公取はその点についてどういう御所見を持っておられるか。
#47
○矢部政府委員 独禁法では取引拒絶という言葉を使っておるのですが、その取引拒絶についての独禁法の一般的な考え方を申し上げますと、まず、自由市場経済体制のもとでは、事業者がどの事業者と取引するかということは営業の自由を背景とする取引先選択の自由にかかわることで、原則として事業者の自主的な判断にゆだねられているわけです。もしこの自由を否定しますと、取引を強制することになるわけで、これは自由市場経済が成り立たなくなるのではないかと思います。
 したがって、個々の事業者が単独にある事業者との取引を拒絶する行為が独禁法上問題になるかどうかということは、それが競争秩序にどういう影響を及ぼすかということを個別に判断する必要がございます。例えば自分の商品の値崩れを防止することを目的として、廉売を行った事業者に対して従来の取引を拒絶するというような、不当な目的を達成するための手段として取引拒絶が行われる場合には独禁法上の問題になる、こういう考え方でございます。
#48
○小森委員 なかなかうまい、逃げ道を考えた答弁のように私思うのですが、ではそうなりますと、ある食料品店にパンを買いに行った、そうすると、売る、売らぬはつまり売る方の取引の自由ということで、あなたには売りません、こういうことは今の日本でもよその国でもあり得ないわけですね。
 少し大きく、大企業と言われるものについては、そういうふうなことを公取のその答弁の中で認められるということになりますと、取引の自由ということも一つの柱が立ちますけれども、もう一つは職業選択の自由ということも柱が立つわけでしょう。むしろ取引の自由というのは、職業選択の自由という大きな憲法上の国民の権利、これは言うなれば一種の憲法事項ですよ。その憲法事項が踏みにじられて、その中の一部分の取引選択の自由――明らかに倒産するというような者に物は売らないでしょうよ。しかし、それだったらセメント会社へ現金持っていったら売るのか、私の調査では現金持っていっても売りませんよ。そういうところはどうなるのですか。
#49
○矢部政府委員 先ほど取引拒絶が競争に及ぼす影響ということを申し上げまして、今委員御指摘のように、非常に有力な事業者が取引を拒絶する、そういうことによってその事業者が成り立たなくなるような場合というのは、やはり競争に影響を及ぼす一つの例かと思います。
 それからまた、今セメントの事例が出ましたのですが、例えば協同組合のようなところが、非組合員が設備をふやそうというようなときに、メーカーに働きかけて、そのメーカーが取引を拒絶する、そういうような場合も独禁法上の問題になるかと思うのですが、先ほど申し上げたのは、要するに単独に個々の事業者が取引先を選ぶ、そういう自由でございまして、事業者の方が共同してやるような取引拒絶というのは独禁法上もまた別な扱いになっております。
#50
○小森委員 いろいろ理屈はつくのでしょうけれども、しかし、現実に職業選択の自由が保障されない。そして今おたくが答弁の中身で言われましたように、一つの業界が組合をつくって、そして、この地域で新たな同種の企業が仕事を開始してはいかぬというようなことでセメントの入る先を抑えるというようなことが、それは全部が全部ではないけれども、それがセメント業界の一番大きな問題となっておるわけですね。
 だから、そういう点はひとつ本当に公正な――生コンの組合を守るというよりは、政府が、公取が大目に見て見逃しておるのは、セメントの大企
業を守るために見逃しておる、こういうふうに思っているのですよ。だから、そこのところを創意と工夫を凝らして、取引先選択の自由と職業選択の自由というものをうまくバランスをとるというか、調整のとれた形で、均衡のある形で自由主義経済というものが発展していくようにぜひこれはお考えいただきたいと思います。
#51
○相沢国務大臣 今公取に対する御注文でございますが、私も今委員が御指摘のような問題を耳にすることがございます。それはセメントの業界の問題というよりも、むしろ生コン業界の方の問題があるように聞いております。つまり、アウトサイダーに対しましてセメントを売ってはならぬというようなことを生コン業界が申し入れをしているというようなうわさも耳にするのであります。
 いずれにいたしましても、今物価の面でまいりますと、生コンは対前年比で若干値下がりをしているような状態にある、セメントも対前年比二%ずつくらいの値上がりでありますから、需給の面からいって問題はないはずなんでありますけれども、そういうふうな取引の面におきましていささか問題となるような点もあるいはあるんじゃないかという声を私も耳にいたしております。そういう点については公取もひとつよく調査をしていただいたらいいんじゃないかという気が私もいたしております。
#52
○小森委員 これは打ち切ろうと思ったのですけれども、大臣の方からある程度立ち入ったことがございましたので、ちょっと申し上げておきたいと思うのです。
 確かにお互いの利害というものがありますから、生コン業界の方からもセメントメーカーにそういう意見を言うということは容易に想像のつくことですね。しかしながら、セメントメーカーの方も渡りに船という体質を持っていると思うのですね。だから、そこのところも、ひとつよく双方を見て、指導なりあるいは取り締まらねばならぬことがあれば取り締まるということをお願いをしておきたいと思います。
 と同時にもう一つ、これは業者にかかわる事柄です。これはどういうことかというと、自由競争経済だといいながら、ある程度競争をしてもらわなければならぬと私は思うのですけれども、アウトサイダーの業者がおりまして、ある程度安くやっていく。そうすると、それを統計数字にとって、この地域はセメントの一立米単価は来年はこうだというものを県あたりが決めるでしょう、これは建設省も決めているんじゃないかと思いますが。そうすると、要するにおまえら余り競争したらペナルティーかけるよ。これは同じですね。そういう行政のやり方と相呼応して経済界がそういうふうになるということも公取の方はひとつ頭に入れておいてください。
 こういうことは一挙に解決するということは難しいと思いますよ。だから、そういった日本の非常にいびつな経済のメカニズムのようなものをじわっと解決していかなきゃいかぬ、こう思いますので、おたくの耳に入れておきます。県がそうだから建設省もそうじゃないかと私は思いますよ。これはまた後ほどしかるべきところで聞きたいと思います。
 そこで、私が思いますのは、そういうふうにどうも不合理なことが経済の世界に見受けられるという中で、アメリカの方から日米経済構造協議で、例えば行政の恣意的な判断がいかぬとか改めてもらいたいとか、あるいは行政のやっていることで非常に不透明なところがあるとかさまざま、思想の系譜からいいますと、近代市民革命以後の市民社会の合理性からいったらあり得べからざるようなことが日本の行政の体質の中にある。それは要するに認可許可業務、これは規制ですけれども、認可許可業務というのが規制でありますから、したがって、アメリカは日本のやっていることはアンフェアだ。それはもう認可許可業務のときに行政が非常に恣意的で不透明なことをやっておる。もしこれを本当にフェアにやって同時に競争させてくれたらアメリカも負けない、こういうプライドをアメリカは持っておるわけですね。
 そこで私は申し上げたいと思いますのは、内外価格差の問題について、先般の中間報告によりますと、政府はどういう回答をアメリカにしておるかということ。これは経済企画庁長官、ある意味でこの当事者ですから十分御承知だと思いますけれども、「内外価格差是正のための対策の実施」という中に、内外価格差是正のための委員会ですか、そういうものを設ける、「政府・与党内外価格差対策推進本部を設置した。」こう言っているのですね。
 それで、ここはひとつ大臣、私ももう腹を隠さず言っているのですから、大臣も隔意なくお答えいただきたいと思うのですが、大体、事外国に対して政府が物を言ったり回答したりするときには、やはり政府がこういう態度をとりますと言うべきですよ。政府と与党との関係というのは内々の問題ですよね。もし本当にアメリカを安心さそうと思ったら、政府、与野党挙げて内外価格差の推進本部を設けましたとか、これは要するに全国民的な課題だから一つの政党の問題ではない、こういう謙虚な気持ちになったら私はそういうこともあるいはできるが、しかし、それよりももう一つ前に、政党なんかの関係でなくて、もっと経済界とか労働界とかあるいはその他の市民団体とかに政府が呼びかけて入ってもらって、一種の審議会みたいなものをつくって、そして公平に進めていけば、先ほどのように、これは邪推かもわからぬけれども、私は邪推とは思っていないけれども、どうも規制は大企業に有利で労働者に不利だ、こういう考え方を持つ国民も少なくなってくるのですよ。
 そこで、結局私は、これは本当に国民的な基盤に立った物価対策の実施機関というものを設けてもらわないと国民は納得をしない、こう思います。したがって、これは政府・与党がやられることは政府・与党でやられて結構ですけれども、そのことが国全体を外国に対して納得さす一つの答弁の材料になるというのはやや近代的な合理性に欠けた感覚ではないか、こう思うのですが、長官いかがお考えになられるでしょうか。
    〔竹内(猛)委員長代理退席、委員長着席〕
#53
○相沢国務大臣 物価対策の問題は、先ほど来答弁申し上げておりますように、緊急であり、また、極めて重要な問題であると私は思いますから、これは政府、また自民党だけがやるという問題ではないので、当然また野党の方々、広く一般の国民の御協力を得てやっていかなければならない問題だと思っております。
 内外価格差対策推進本部の構成が政府・与党云々というふうになっているのはおかしいじゃないかという御指摘もございましたが、これは政党内閣でございますから、内閣とその責任与党である自民党の間にこういう本部を設けてこれを推進するということはむしろ当然のことだろうと思っておりますけれども、ただ、物価対策全般としましては、企画庁が幹事役をいたしております物価安定政策会議等々はいずれも消費者の代表、また労働界の代表等も参加をいただいて、広く国民の代表の御協力のもとに物価対策を進めるという形をとっているのであります。内外価格差対策につきましても、最近この本部に対応して、また企画庁の中にも具体的に価格差対策を推進する方策を検討するための何か委員会でも考えたらどうかということを実は中でも話しておるのでありまして、五十二項目を決めたからそれで終わりというようなことではその責任を十分に果たすことができないので、やはりその五十二項目に盛られたそれぞれの事項についてそれが本当に実を結ぶような努力を私たちもしていかなければならない、このように考えております。委員の御意見も十分踏まえましてこれからも対処していきたい、このように考えております。
#54
○小森委員 そこで、大臣の前向きな態度については私も了といたしますので、単に審議するというだけでなくて、それがある程度世論に直ちにこたえるような物価対策に対する一つの具体的な効果の上がるような、あえて言うならば、言葉は下手ですけれども実行機関、物事を実際に推進して
いく、国民世論を喚起するというような方向に発展をさしていただくことを私は強く願います。
 それからもう一つは、その際は生活の苦しみの実感を持った者を、バラエティーを持たしてそういう中に包含をしていただければさらに効果が上がるのではないか、こういうように思うわけでございます。これはぜひそういうふうになるようにひとつ御尽力をお願いをしておく次第でございます。
 そこで、そういう問題と関係をいたしますが、今度の中間報告によりますと、私は非常に歓迎すべき問題が一つある。それは何かといいますと、審議会がどうも恣意的ではないかという向こうさん、アメリカ側の方の指摘がどの項目に基づいてあったかはちょっと覚えておりませんが、二百項目もありますからよく覚えておりませんけれども、そういう指摘があるのに対して答えたのだと思います。「政府慣行」とかあるいは「行政指導」ということに続いて、審議会をどういうふうにするかということについて「政府が主催する「産業界に関連する審議会や研究会」の成果は、一般に公表すること。」「「審議会等」の構成については、議事内容が消費者利益に関連する場合には消費者利益を効果的に反映する者をメンバーとすること。」これが直ちに今の物価の問題ではないと思いますけれども、しかし、そういう考え方というのは非常に大事でありますので、念を押すようですけれども、ぜひ私の先ほどの要請に対しまして御尽力を賜りたいと思います。
 さて、いろいろここにほかの省庁にも出席をしてもらったのですけれども、ついセメントのことで少し時間をとり過ぎて時間がなくなってきておるのでありますが、したがって、締めくくり的なことを申し上げざるを得なくなってまいりました。
 結局私が先ほどの審議会のことに関係をして何度も強い要請を申し上げておりますのは、つい先般の、つい先般といいましても六月八日の朝日新聞の「天声人語」に、これは古い話だろうと思うのですけれども、しかし、古いといっても十年も二十年も昔の話ではなくしてここ数年の話だと思うのでありますが、農水省のある課長が財団法人の理事をどなりつけたということが出ておりまして、そのセリフはどういうどなり方かというと、「私が(この財団を)作った人だ。私が許可したんだ」「断るような」というのは天下り人事ですが、天下り人事を「断るようなことになったら私の立場がない。自然農法国際研究開発センターを取り消さなければならない。本省の課長ってのはそれぐらいの力はありますからね。取り消しといえばそれで終わるのだ」、こういうことを言うておるのがいるんです。だから「天声人語」では「役所の許認可権限は時として公正な競争を阻み、排他的な業界を作り、国際摩擦の種ともなる。」という結論で、しかもこれは大変恣意的な発言をしておる、こういう指摘をしておるわけであります。
 したがって、我が国の今日までの産業、経済の発展というものが、これは釈迦に説法で、大臣はその筋の我が国における有数の専門家でございますので私が申し上げるまでもないと思いますけれども、結局今の日本の経済の規制というのは一つの経済の管理の方法でありまして、これは経済学の世界でいうとケインズ学的手法だと私は思います。それは大いに取り入れなければならぬところは取り入れなければならぬわけで、少なくとも表面的に見ると、そのことのために地球的規模で平和が保てた、ここまで平和が保てた、こういうふうに思っておるのでありますが、そうなりますと、経済を管理していく上で、いかにして恣意というものを取り除いて本当に近代的な、合理的な精神でいくかということが大変大きな問題となってくると思います。
 そこで、アメリカの構造協議の日本に突きつけておる要求というのは、そういう恣意的な経済管理はだめですよということを言っておるように思うのです。そこのところにこそくな対応をされないで、取り組むべきところはぴしっと取り組んでもらって、そして、本当の意味で我が国百年の大計を考えたら、近代合理思想に基づく経済運営というものをやらなければならぬということを私は強く思います。そこのところをこそくにやっておると、私が先ほど気に入らないと言った、アメリカの要求の気に入らないと言われておる点はどこかというと、例えば日本の実情もよく考えずに、農業に対する補助金か投資かそんなものは少し減せとか、あるいは地方公共投資をもう少し減せとかというのもあります。日本に後ろめたさがあると、日本が言うべきことが言えない。だから、後ろめたさというものを取り除いて、本当に日本の国を近代的な、合理的な社会に持っていく、こういうところにひとつ力点を置いていただきたいと思うのであります。
 で、そのために、せっかくおいでをいただいたのですから、一言法務省と総務庁の方から……。総務庁は我が国の部落問題とかアイヌの問題とかさまざまな人権問題について行政各省庁の連絡機関でもありますし、法務省は特に我が国唯一の人権擁護機関と誇っておりますが、内実は随分ぼろだと思いますけれども、しかし、そういうものを持っておるのですから、この二つの省庁、先ほどの議論を聞いておいていただいて、なるほどこれは空理空論ではいかぬのだな、経済に根差したところと深く人権というものはかかわっておるのだなということがわかっていただけたのじゃないかと思いますが、一言ずつひとつ所見を聞かせておいていただきたいと思います。
#55
○萩原説明員 同和行政につきまして一つの画期的な業績として昭和四十年の同対審答申というものがあるわけでございますが、ここでも同和問題につきまして、経済の二重構造、そのほか日本社会に存在する親分、子分という古い人間関係というようなものの指摘がされておるわけでございます。したがって、同和問題というのは、経済社会、そういうもの全般にかかわる問題である、こういうことでございまして、そういう認識で行政をさせていただいているわけでございます。
#56
○門阪説明員 お答えします。
 法務省といたしましても、先生から厳しいお言葉がございましたけれども、本日のお話等も踏まえまして、今後その差別意識の解消のために全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えております。
#57
○小森委員 どうもありがとうございました。
#58
○野坂委員長 次に、岡崎トミ子君。
#59
○岡崎(ト)委員 日本社会党・護憲共同の岡崎トミ子でございます。物価問題等に関する特別委員会での質問は初めてですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最も豊かな国になったと言われながら、なぜこのように物価が高いのか、なぜ豊かさを国民は享受できないのか、それは、これまでの自民党政権が消費者のことを真剣に考えてこなかったからではないかというふうに思わざるを得ません。これは今月の六月四日、朝日新聞のアンケートなんですが、「日本は国民総生産、つまりGNPが世界最高の水準といわれています。あなたはふだん、これに見合う豊かさを感じていますか。それとも感じていませんか。」「感じている」というのが二七%、「感じていない」人は六六%でした。
 そして、その「感じていない」六六%の人だけに「その理由は何ですか。」と伺いますと、「ものやサービスの値段が高い」 一六%、「住宅や生活環境が整っていない」一四%、「収入が少ない」一三%、「医療・教育・福祉などが充実していない」一一%、「いつも仕事に追われている」一〇%。そして、「今の政治では、生産者と消費者の、どちらの立場が重視されていると思いますか。」という質問に対しては、「生産者」が五七%、「消費者」が三〇%ということで、残念ながら消費者の方を向いていないというようなことがここに出されているわけです。
 私たちは、ふだんの生活の中で電化製品あるいは自動車などもそろって、一応満足したかのような生活をしておりますけれども、給与が上がった割には生活の内容が向上していないというのが現
状です。いろいろな方がおっしゃいました。例えば、平均的なドイツ人より日本人は年に二十八日も余計に働きながら、三泊四日の日本での休暇旅行の費用で、ドイツでは何と一ヵ月地中海で休暇を楽しむことができる。こんな話を聞きますと、何かやはりおかしい。具体的には必ずしもはっきりしないけれども、日本の消費者は大きく割を食っているのではないか、そんなふうに思うのです。
 ところで、海部首相は消費者重視の政治を強調して、アメリカでのナショナル・プレス・クラブの演説でも、政治改革と税制改革と並んで貧富の差の拡大をもたらした土地問題への対応と消費者の立場に立った生活の質の向上が自分の内閣の課題だと言われました。国際的にこれだけはっきり公約なさっております。例えば農産物、高級ブランド品、各種のサービス料金に内外価格差が目立っておりまして、総合的に比べると日本の物価水準は欧米諸国よりも非常に高い。高い地価とか農業に対する保護措置、流通制度、商慣行、政府規制の簡素化など、やるべきことが非常に多いのではないかと思いますが、海部首相のこの消費者重視の政治をはっきり公約した責任は非常に重いと思います。しかし、これを実施しようとしますと、事はそう簡単にはいかないのではないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。消費者重視の政策という点で大臣のお考えも承りたいというふうに思います。よろしくお願いします。
#60
○相沢国務大臣 委員が今まさしく御指摘ございましたように、数字から見ますと日本の国民の所得、賃金も世界で一流になっている。ところが、生活の実態としてはどうもそういう感じがしないというふうに委員はおっしゃいましたが、国民のかなりの人たちがそういう気持ちを持っているのではないか。私どもも、選挙区でいろいろと後援会の人たちを通じまして皆さんのお話を聞きますけれども、そういう思いを深くいたしております。
 でありますから、本当に豊かさの実感できる日本というものをつくることが今の経済運営五カ年計画の大きな目標になっておりますけれども、ただそれを目標として掲げるだけではなくて豊かさを本当に実感できるには、先ほど委員が御指摘ございましたように、物価高を何とか是正をしていく、それから労働時間も、今の二千時間を超す諸外国に比べても非常に長い労働時間を、千八百時間を目標としてこれを短縮していく、そして、連続休暇もとれるように、そしてまた、休暇をとった場合には、今みたいに非常にコストの高い旅行ではなくて、おっしゃいますように、諸外国の例を見ますと大変に安い料金と申しますか費用でバカンスもとれるというような姿に持っていかなければ、本当に豊かさを実感できるような社会をつくるということにならぬのではないかと私ども思います。
 何と申しましても、明治時代、追いつき追い越せで物のない日本がここまで頑張ってくる過程には、やはり生産を上げなくてはならぬということがあったと思います。これは決して間違いではなかったと私は思うのですが、ここまで参りますと、おっしゃるように、一般の国民が本当に生活を楽しむことができるような社会へこれを展開していかなきゃならない、そういう意味において、消費者を重視するところの政治を、行政をやっていかなきゃならないというのは、これは何も海部総理がそう言われたからということではない。私どももそう思っておりますし、委員御指摘のように、そのような考え方で、これは言葉で言うだけでなくて実際にそれが行われるような努力を私どももしていかなきゃならない、このように考えております。
#61
○岡崎(ト)委員 先ほどのアンケートにも、「ものやサービスの値段が高い」次に「住宅や生活環境が整っていない」という意見が大変多かったのですが、これまでの土地の高騰に対する政府の対処が余り功を奏していないということを考えますと、期待ができないなというふうに思うことがあってやや不安なんですけれども、やはり世界の経済大国になった日本は、もっとずっと以前から消費者を中心に政策を切りかえるべきときが来ていたのではないかというふうに私自身は考えております。そして、国民の皆さんの物価に対する関心は、物価上昇率のみならず、国際的に見て日本の価格水準が割高になっている、内外価格差、すなわち同一商品の国内と海外の価格差があって、高いものを買わされている。これは一体なぜなのか、経済企画庁、公正取引委員会の方にお伺いしたいと思います。
#62
○田中(努)政府委員 御指摘の内外価格差の要因といたしまして、昨年の物価レポート等でもいろいろと分析をいたしておりますけれども、一つにはマクロ的な要因、それからもう一つにはミクロ的な要因と両様の要因が作用しているのではないかというふうに分析をいたしておるところでございます。
 まず、マクロ的な要因といたしましては、やはり六十年以降の急速な円高と、これに伴う経済のいろいろな調整のおくれというふうなことが一つあるかと存じます。それから、同じくマクロ的な要因といたしまして、一人当たりの所得水準が、これは円高にも助けられる面もあるわけでございますが、急速に上昇をいたしまして、やはり所得が高くなりますとサービスの料金もこれはどうしても高くならざるを得ないというふうな面がございまして、国内の価格水準を引き上げる要因として働く、こういうような考え方が出てくるわけでございます。
 ミクロ的な要因といたしましては、やはり輸入につきましてのいろいろな制限でございますとか、あるいは流通段階でのいろいろな参入規制等の公的な規制というものがいろいろな意味で競争制限をしているということで、この競争の価格引き下げ効果というものがうまく働いていない面があるということも一つの要因であろうというように考えられます。それからもちろん、高い地価というようなことがいろいろな形で物価の上昇につながってくるという面もございます。
 それからもう一つは、やはり消費者の行動という点でございます。ブランド志向ということもよく言われますけれども、価格に対して非常に敏感になるというよりは、ブランドで物をお買いになる方もおられるというふうな行動。それから、包装についても大変気を使われるとか、肉とかにつきましてもスライスしたものを購入されるとか、そういういろいろな商品の売買に付随する付随サービスというものにつきまして、非常に高い質のものを求められるというふうなことが物価水準の高さにつながる面もこれまた否定はできないのではないか、そういうふうないろいろな角度からこの要因について分析をいたしているところでございます。
#63
○岡崎(ト)委員 今マクロ的、ミクロ的、さまざまな要因を教えていただきました。本当に日本の物価が高いのは、例えば野菜ですと、土地代と人件費と流通マージンと運送費を食べているようなもので、構造的なコスト高が最大の原因ではないかというふうには指摘をされておりますけれども、最近の物価問題についてお伺いしたいと思います。
 五月二十五日に発表されました全国消費者物価指数四月分を見ますと、前月比〇・八%、前年同月比二・五%、また東京都区部五月分の速報によりますと、前月比〇・六%、前年同月比二・七%と物価上昇の基調はかなり強い数字となっております。特に前月比、全国の推移で見ますと、昨年十二月は〇・一%の後、ことし一月は〇・二%、二月〇・三%、三月〇・四%、四月○・八%とインフレ基調が強まっていると思いますが、政府の見解はいかがでしょうか。また、対策はどんなふうにお考えでしょうか。
#64
○田中(努)政府委員 最近の物価動向について、ただいま数字を挙げての御指摘がございました。四月の全国の数字はおっしゃるとおりでございますが、私ども、これにつきましてはかなり生鮮食品の上昇が影響しているというふうに見ておりまして、全国の四月の生鮮食品の上昇率は前年と比
べまして一〇・四%の上昇、その中でも生鮮野菜が一九・三%の上昇ということになっておりまして、これには季節的な、季節的と申しますか、天候の要因が働いているというふうに考えられております。したがいまして、これを仮に除きまして生鮮食品を除く総合ということでとらえますと、四月の上昇率は二・一%ということになります。前月比をやはり生鮮食品を除きまして季調済み、季節調整をいたしてみますと、前月比〇・三%の上昇、それから東京区部の五月の中旬速報値につきましても、生鮮食品を除きますと、同じく前年同月比で二・一%、それから季節調整済みの前月比で〇・二%となりまして、決して理想的な状態ではございませんけれども、比較的安定した動き、今のところはこういうふうに考えておるところでございます。それが現状でございます。
#65
○岡崎(ト)委員 対策はお考えでない、これで安定的と。
#66
○田中(努)政府委員 それで、対策ということにまいります前に、それでは今後一体物価上昇率がこのまま落ちついた推移をたどるのかどうかという点が重要かと存じます。
 そこで、物価を左右いたしますいろいろな要因がありまして、その中に注目される、あるいは懸念されるものももちろんあるわけでございますが、一つには円安、円レートの動きでございまして、一昨年の末からかなり円安が長期にわたって進行したわけでございまして、そのことによりまして輸入物価が上昇をしてきております。これは卸売段階の数字でございますけれども、平成二年の四月には輸入物価が前年同月比で一三・三%の上昇、こういうことになっているわけでございます。もちろんこういった円安が続きますと、それが価格高の要因として、多小時間的なラグはございますけれども、じわじわと効いてくるという点についていま一つ懸念が持たれるわけでございます。
 ただ、四月の円レートが百五十八円五十銭でございましたのに対しまして、五月のレートは百五十三円五十銭ということで、一月の動きでございますけれども、かなり変動いたします。ひところの円安への動きにも最近は多少歯どめがかかっているような状況にございまして、円レートの動きもある程度期間をとりましてならして考えてみることが必要だろうということで、このレートの動きには十分注目してまいりたいと思っているわけでございます。
 それから、原油価格の状況でございますけれども、これもひところは石油危機の再来というようなことが心配された時期もございましたが、最近は、北海ブレントで申しまして、この一月には二十ドルというような水準になったわけでございますけれども、六月の上旬には十五ドル台ということで大変低下してきておるわけで、こちらの方はさしあたりは急に高騰するというふうな状況ではないのではないかと考えております。
 それから、国内の賃金の動向でございますけれども、これも確かに一部の業種あるいは職種におきましてかなり高騰しております。これは人手不足の反映でもあるわけでございまして、例えば建設現場で働いておられる型枠工の方あるいは左官、そういったような職種では賃金がかなり高騰していることも事実ではございますけれども、全体といたしましては、このところ定期給与につきましては前年比で大体四%前後の推移をいたしておりまして、ことしの春闘の相場も、まだ労働省の正式な統計は出ておりませんけれども、恐らく六%以内におさまったというふうに見られるわけで、これは民間の推計がそうなっておるわけでございます。
 そういうことでもございますし、労使双方の賃金に対する姿勢も非常に慎重なものになっているというふうなこともございますし、設備投資による生産性の向上というようなことも期待できることから、賃金の面でインフレが急進するというふうな状況には今のところはないのではないかと見ておるわけでございます。
 また、仮に国内で需要圧力が高まりましてインフレ的な力が強まってまいります場合には、おのずと輸入がふ文まして、耐久消費財とかいったものが外国から安く入ってくるというふうな、いわば輸入の安全弁としての効果が働くことも期待できるということから、現在のところ、物価の急上昇が差し迫って起こる危険があるというふうには考えておらないわけでございます。したがいまして、今申し上げましたようなもろもろの要因の動きにつきまして慎重に見守ってまいりたいと思っているわけでございます。
#67
○相沢国務大臣 今物価局長から見通しについて申し上げましたが、委員の御質問は対策をどうするかということだったので、その点について若干補足的に申し上げます。
 原因としては、一つは為替相場、日本は輸入に依存する面が多いのでありますので、当然その影響がありますし、賃金あるいは地価の問題等があるわけです。そこで、ほっておくわけではありませんので、例えば為替についても、委員御案内のように日本も、百六十円近くなりましたときに、これは円安だ、これはあるべき為替の水準からいうと安過ぎる、こういう気持ち、考え方で、G7等においても、特に大蔵大臣も要請して声明にもそのことを盛り込んでもらうとか、そういう為替の安定と申しますか、円高への安定のための努力もしているわけなんです。
 それからもう一つ、賃金の面につきましては、労働力の需給がタイトになってくることが原因になりますけれども、合理化投資、省力化投資等々、そういう労働力をできるだけ節約する面の努力も同時にしていくとともに、この前労働省の発議で、雇用促進法の改正によりまして六十歳から六十五歳までの雇用を促進する、シルバー労働力を活用するということにも努力をしております。
 また、地価の面におきましても、これは本当に真剣に取り組まなければならない問題ということで、地価対策を推進することにしているわけであります。地価が高くなったことに伴ういろいろなサービス料金その他の値上がりもありますから、地価の鎮静化に努力することに伴い、そういう料金サイドにも当然影響を及ぼしてくることを我々は期待もしているわけなので、そういうような対策をぜひ進めてまいりたいというように考えております。
#68
○岡崎(ト)委員 今御説明がありましたように、最近の物価動向は円安、人手不足による賃金の上昇、地価の高騰、サービス料金の値上げ、授業料も値上げになり、そしてマネーサプライの高い伸び、四月は一三・二%でしたけれども、さまざまな要因を考えて、インフレの懸念が十分あると言わざるを得ないのです。したがって、政府の平成二年度の消費者物価見通し一・六%におさまる可能性は非常に少ないと言わざるを得ないのですが、一・六%とする見通しの根拠はどういうところでしょうか。
#69
○相沢国務大臣 一・六%につきましては、少しその説明を申し上げておきますと、通常と申しますか消費税の関係を考えないと一・八%程度の上昇になる、政府は消費税の見直しを十月から実施するということを予定しておりまして、これは懸案になっておりますが、それが実現いたしますと〇・二%、全体では年間で〇・四%ですけれども、半年間ですから〇・二%、その〇・二%分だけ物価を下げるということになる、そこで一・八マイナス〇・二イコール一・六、こういう推定をしておるわけであります。
 先ほど答弁がございましたように、五月でしたか四月でしたか、生鮮食料品を除き物価が前年に対して二・一%になっております。だから一・六より、一・八よりも高いではないか、こういうことになろうかと思いますが、これからまだまだ相当な期間がございますし、先ほど物価安定のための努力についてもお話を申し上げましたので、何とかその見通しの程度に物価が推移いたしますような努力をしてまいりたい、このように考えております。
#70
○岡崎(ト)委員 政府が言うことを、台所を預か
る奥さんたちには実感がないというような声も大分聞きますので、生活実感を反映した物価指数の検討をぜひお願いしたいと思っております。
 さて、身近なところからハム、ソーセージ、ビールなどの値上げ問題と内外価格差の是正についてお伺いしたいと思います。
 ビール業界の大手四社がことし三月に一斉値上げをいたしました。大瓶一本当たり二十円の値上げに踏み切ったわけですが、そのほか、タクシー、ガソリン、建設資材、宅配便、マヨネーズ、食用油、お菓子、パン、それぞれのメーカーが次々と値上げを明らかにしております。その値上げの理由として、先ほども触れられました円安、人件費、そして物流費の高騰で収益が大幅に悪化していることを口実にしております。
 そこで、このビールの大手四社の一斉値上げですが、公正取引委員会では、独占禁止法の同調的値上げに当たると判断して近く国会へ報告する方針を固めたと新聞に出ております。六月八日に新聞に出ておりましたが、公正取引委員会は、国会に対して必要な事項に関して意見を提出することができるとありますけれども、今までにも意見を提出されておりますね。いつといつだったかビールについてもその意見を提出するおつもりか、お伺いしたいと思います。
#71
○矢部政府委員 先ほど内外価格差の問題でお答えしておりませんでしたので、先に一言述べさせていただきます。
 国際的に開かれた市場を実現することによって一般消費者の利益を確保するということが大変重要であるという観点から、内外価格差の要因に競争を阻害するものがあればそれを除去するというような観点から独禁法を厳正に運用していくという考えで対処しております。
 それから、ビールの値上げでございますが、今委員が国会に対して意見の提出ということでしたけれども、法律にあるのでございますけれども、これは今まで公取でやったことはございません。ビールのように非常に少数の企業から成る産業におきましては、あるメーカーが値上げしますとほかのメーカーもそれと同じような値上げをするというパターンがございまして、これは独占禁止法で、同調的値上げということで、もしそういう値上げが行われたときには値上げの理由を聴取して、その概要を国会に報告するという手続になっておりまして、今御指摘の値上げにつきましてはその調査を現在進めているところでございまして、それがまとまれば、国会からの御要求があれば提出するということになっております。なお、通常は、値上げ理由については、公正取引委員会が国会に年次報告を出しますので、その中で概要を報告するというのが制度の内容でございます。
#72
○岡崎(ト)委員 この一斉値上げについては、消費者側も、全国消費者団体連絡会が、四社の広告費用がこの四年間に合計で六百億円から千二百億円にふえていることなどから値上げの根拠が薄弱だとして反発して、四月には全国的にビール飲み控え運動をスタートさせているということなのですけれども、これまでに、ビール業界の一斉値上げについて、昭和五十五年度と五十八年度と、三回目ではないかというふうに新聞に出ているのですけれども、公正取引委員会はこれはしていないのですか、これは違うのですか。
#73
○矢部政府委員 今言われましたのは、いずれも同調的値上げとしてその値上げ理由を年次報告で国会に報告しております。先ほど申した国会に対する意見の提出という規定、これではないということでございます。
#74
○岡崎(ト)委員 そういうふうに、同調値上げということについて国会に報告しているということで、やはりこれまでにも二回行って、三回目だということになりますと、改まらない業界体質ということで批判が強まるのではないかというふうに私自身は思っております。
 さて、四月の新聞紙上では、ハム・ソーセージを八年ぶりに一二%から一四%の値上げをすることが報じられております。この値上げの理由として、やはり円安に伴う輸入原料費のコストアップとしていますが、これは非常におかしいのではないかというふうに思います。八年前に為替レート二百五十円。ドルが半値に下がってもハム・ソーセージはほとんど値下げをしなかった。卸値は少しばかり下がったかもしれませんが、小売値は下がっておりません。百二十円の円高から百五十町の円安になったからといって、大手五社が短期間のうちに一二%から一四%も値上げをするのは筋が通らないというふうに思うのです。かつて、八年前の二百五十円に対しては、百五十円はまだ四〇%も円高です。ですから、いろいろな諸条件を考えましても、まだ値下げができるのじゃないかというふうに思うのですが、この辺の説明をお願いいたします。
#75
○中須説明員 お答え申し上げます。
 ハム・ソーセージ等の食肉加工品につきましては、ただいま御指摘がございましたような新聞報道がなされ、その後、大体五月の中旬から六月上旬にかけて、それぞれ差はあるようでございますが、卸値でおおむね一〇%程度の値上げが行われた、このような状況にあるというふうに承知しております。この値上げにつきましてメーカー側は、今回の値上げの背景としては、人件費の上昇、多品種少量販売等に対応して物流経費等の増大がある、さらに、最近の円安等に伴う原料用豚肉価格の上昇傾向等がある、こういうことで、各メーカーとも合理化努力を続けてきたけれども対応できなくなったというふうに説明しております。
 しかし、ただいま委員御指摘のとおり、原料用の豚肉価格につきましては、確かに円、為替レートの動向によりまして、かなり外国の豚肉を使っているということがございまして振れるわけでございますが、八年前と比べれば、決して価格的に現在高くなっているということはございません。ただ、短期的に見ますと、六十二年、六十二年ごろから比べますと、現在の水準がかなり高くなっているという事実は一方であるわけでございます。私どもといたしましては、食肉加工品の価格というのは基本的に民間のコマーシャルベースで決定されるべきものだというふうに理解しております。ただ、言うまでもなく、内外価格差の縮小等が言われる中で、できる限り各メーカーにおいても業界内部での合理化努力等を重ねて、そういう内外価格差の是正ということにできるだけ配慮を払うべきではないかということから、そういうような要請もしているわけでございます。
 ただ、全般的に見ますと、八年間という長い間見てみましても、その間の人件費なり輸送コストというものの上昇があることもまた事実でございまして、御指摘のとおり、直ちに原料豚肉の値上がりということを理由にするのが妥当かどうかは別にいたしまして、一定の価格引き上げがどうしても必要だというような背景としては存在するんではなかろうか、こんなふうに見ております。
#76
○岡崎(ト)委員 今いろいろと教えていただきましたが、その中に物流経費が増加したということがやはりあるだろうと思いますが、異常に複雑と言われる日本の流通機構になぜ今まで改善の努力がなされてこなかったのか、どんな流通機構になっているか、私もその面は素人ですので、ちょっと教えていただきたいと思います。
#77
○中須説明員 食肉あるいは食肉加工品等の物価の安定、消費者価格の安定を図る上では、もちろん生産コストの低減ということも大事でございますが、同時に、流通の改善によってできる限り圧縮、縮減をして、安い物を消費者に提供することが重要だということから、従来から私ども、特に食肉の場合には、生きた家畜というものが農家で生産されまして、それが屠畜場で屠殺、解体され、その後さまざまな加工というか、骨をとり筋をとり、最終的にはスライスをして店頭に並ぶ、こういう流通ないし加工過程があるわけでございまして、その改善、合理化のために産地における食肉センターの建設等の努力を続けて、そういう流通経費の圧縮というか縮減に努力をしてきたところでございます。今後とも、牛肉等の自由化というものも目前に控えておりますし、こういう努
力を続けていきたいというふうに思っております。
 ただ、ハム・ソーセージ等食肉加工品の流通ということになりますと、これはほとんどが加工メーカーからかなりの部分じかに小売店に届けられるということで、これ自体は流通過程がそう複雑なわけではございません。ただ問題は、やはり最近の傾向といたしまして、特にバイイングパワーと申しましょうか、量販店等からは、多品種少量定時配達であるとか、特に賞味期間の日付等のかなり過度な厳守であるとか、そういう意味で大変輸送コストが増加をしているというような側面は一部あるわけでございますが、基本的な流通機構というか、それ自体の問題として、食肉加工品については割に、むしろ簡素な流通過程にある、こんな状況でございます。
#78
○岡崎(ト)委員 残された時間が非常に少ないので、飛ばしていろいろとお伺いしなければならなくなってしまいました。
 さて、今度は農産物の関係なんですけれども、今後農産物の市場開放が進みまして農産物の輸入が増加しますと、輸入増加に対応する検疫施設の整備の問題、残留農薬の問題など、輸入食品の安全性確保の問題が大変重要になるというふうに思います。この中で、ついこの間新聞に出ておりまして大変心配だったのが、アメリカのFDAで、鳥肉に放射線を照射したものが安全で効果的であるというようなことが出ております。鳥肉の放射線殺菌処理を認可したということが出ておりましたけれども、この対応については日本はどんなふうになりますでしょうか、お願いします。
#79
○内山説明員 お答えいたします。
 御指摘のありました米国における食鳥肉の放射線照射殺菌処理に関する新聞報道につきましては私ども承知しておりまして、現在米国政府に対し詳細な情報の提供を申し入れているところでございます。我が国におきましては、食品衛生法に基づきまして食鳥肉への放射線照射は禁止されておりまして、仮に米国において食鳥肉への放射線照射が認められたとしましても、当該食鳥肉を我が国に輸出することはできません。厚生省としましては、今後とも情報収集に努めまして、仮に米国で実施をされるようなことになりましても、照射された食鳥肉が我が国に輸入されないように米国に伝達する等、万全を期するつもりでございます。
#80
○岡崎(ト)委員 これまでにも照射したかどうかという検知法がないということから、結局照射しているのかいないのか、書類上ではわかりますけれども、やみで入ってくる可能性もあってこれもチェックが非常に難しい。これまでにも違法照射というのが国内であって、照射ベビーフード事件がありましたけれども、これも行政当局がチェックをしたのではなくて、たまたま当時の新聞がスクープしましたので発覚したという経過があって、その辺のことについてはまだ安全ではないというか不安が残されているわけなんですけれども、その辺のチェック機関のことについて、自信を持って答えていただきたいというふうに思います。
#81
○内山説明員 放射線を照射されました食鳥肉につきましては、米国におきましてはその旨の表示がなされることになっておりまして、これは輸入時において十分にチェックすることが可能でございます。
#82
○岡崎(ト)委員 ところで、アメリカで許可されている品目については、小麦製品、ジャガイモ、スパイス、生鮮野菜、生鮮果物、豚肉、そして最近の鳥肉というふうになっておりますが、これは外国で日本の市場をねらう形でもくろまれているかもしれないというような思いが私にはありまして、輸入食品はみんな危ないんじゃないかというふうに思っているわけです。そういう間隙を縫ってもし外圧がかかった場合、これは非常に安全なんだというふうに言われて外圧がかかった場合に非常に弱いんじゃないかというふうに思うのですね。そういうときにはどんなふうに対処をなさるのか。今食べるものについての関心が高まっているだけに、どうしてもこの辺はきちんと伺っておきたいというふうに思います。
 つまり、絶対にこれは認めないんだというふうにするためには、対外的にも、日本で今唯一照射を認めておりますジャガイモに対しても、これもやはりやめるというような決意を形にあらわすというふうなことですと、外国の人たちにも明快な切り返しができるんじゃないかというふうに思うのですけれども、その辺についてもお伺いしたいと思います。
#83
○内山説明員 今先生が言われましたように、我が国では現在放射線照射はジャガイモの発芽防止の目的以外には使用することができません。もしこれを改正するというようなことになれば、これは食品衛生調査会の審議の過程が必要でございます。そのためには十分な安全性のデータ等が必要でございまして、現在までのところそのような状況にはございません。
#84
○岡崎(ト)委員 ただこれまでにも、私ども日本社会党の委員長であります土井たか子議員が一九七七年に質問主意書を衆議院の議長に提出しておりますけれども、そのときの政府答弁でも「照射馬鈴しょの発芽抑制メカニズムについては、解明されていない。」そしてまた「照射馬鈴しょと非照射馬鈴しょとは外見上何ら差異がなく、また、化学分析法等による判別もできない。」したがって、バレイショを照射しているかどうかということを判別する方法としては「発芽期に発芽が抑制されるか否かを調べることである。」これしかないわけなんです。現在でも、十八年間ずっと照射食品を食べているというような現状なんですが、調べる方法、検知法は全くないということがはっきりしておりますので、もうちょっと安心できるようなことができないだろうか。唯一認めているジャガイモを何とかやめてほしい。
 厚生省も、最近の雑誌によりますと、照射食品については余り積極的ではなくて、厚生省が管轄する食品衛生法でも原則的には照射を禁止しているというようなことで、これまでのいろいろな実験結果などを見ましても、ジャガイモしか認めていないということを見ますとやはり危険なのではないか。この辺の規制を大変厳しくしていただきたいというふうに思っております。
 さて、残された時間が大変に少なくなってしまいましたけれども、農業は単に食糧供給というばかりでなく、我が国の国土、環境の保全という重要な役割も果たしていると思います。単に内外価格差を縮めるという経済的な観点だけで農業保護政策を撤廃した場合には、それによる国民の損失ははかり知れないものがあるのじゃないかというふうに思います。要は、国内農業を保護しながらいかにして国民の納得が得られる価格水準を達成していくかが問題ではないかと思いますが、この点について、今後農林水産省はどのように取り組んでいくか、そのお考えをお伺いしたいと思います。
#85
○日出説明員 先生のお話、一々大変ごもっともだと思っております。
 私どもとしましては、六十一年から内外価格差の縮小ということで農産物価格の引き下げを始めたわけでございますが、おっしゃるように農業は、食糧供給という面、あるいは国土、自然環境の保全という面、大変いろいろな役割を持っております。そういうことを踏まえながらも、国民の納得の得られる価格水準という言葉を六十一年度の農政審議会の報告の中でも私ども使ったわけでございます。基本的にそういった多面的な役割を持ちながら、なおかつ国民の皆さん方に支持されるような形で農業生産をやっていただくということで、農地の流動化の問題でありますとか生産の組織化の問題、あるいは技術の向上でありますとか、そういったあらゆる施策を使いまして、生産性を上げられるところでは上げながらその成果を国民の皆さん方に反映させていく、こういったようなやり方で国民の支持の得られるような農業の健全な発展を図ってまいりたいというふうに考えております。
#86
○岡崎(ト)委員 一番初めに大臣にお伺いいたし
ましたときにも、生産性を上げる、あるいは経済の発展が目標というようなお話がございましたが、経済成長こそが幸福をもたらすと信じてきたことが今少し落とし穴になっている、これに気づかないとやはり内外価格差に徹底的にメスを入れることはできないのじゃないかなというふうな思いがございます。
 私たち消費者の立場からいいますと、どの品目がどんなふうに上がっているのか、どれが割高であって、それは一体なぜなのかというような情報がたくさんあった方がいいというふうに思うのです。賢い消費者というような言葉が一時使われましたけれども、今でもそのことは続いていると思いますけれども、賢明な消費者行動が行えるように、消費者教育ですとか、消費生活センターなども通じましてさまざまな啓蒙活動をぜひお願いしたいというふうに思います。でなければ、所得水準がどんなに上がっても豊かさが実感できないというふうになるだろうと思います。そして同時に、私たち消費者の面でも、ブランド品を選好するというふうな風潮になっておりますし、過剰包装の問題も出ました。過剰サービスの問題も出ました。独特のサービスというものが日本では非常に助長されている面がありまして、この面については認識しなければいけないだろうと思います。
 全般的に物価水準の安定化が図られるようにすることが、日本の経済の活力を維持するための前提ではないかと思います。これからの課題の最大のものがやはり物価の安定だというふうに思いますけれども、この辺での御努力をぜひお願いして、その決意を一言伺って私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#87
○相沢国務大臣 私ごとでございますけれども、ちょうど二十年ほど前に企画庁の官房長をいたしておりましたときに、国民生活のいろいろなニーズ、生活上のニーズにこたえるという機関として国民生活センターの設立を皆さんと相談して、大蔵省に頼み込んで予算をもらってあれをつくったわけであります。私も、先ほどの委員に対する答弁にも申し上げましたが、何といいましても本当に所得も高くなったんだ、生活も豊かになったんだということを実感として感ずるためには、まだまだ物価面を中心とした対策を進めていかなければならないというふうに考えております。何分企画庁がいろいろな機関を持っているわけでもありませんし、各省の御協力を得てやっていかなければなりませんが、とにかくこれからもいろいろと積極的な努力を果たしてまいりたい、このように考えております。
 と同時に、消費者の方々も、今委員が御指摘のような、いろいろなブランド志向であるとかあるいは過剰包装とか過剰サービスの問題とか、これは業者がそうやるというのではなくて、そういうニーズがあるからそれにこたえるような形で出てくる面もありますから、せっかく委員もその方面のいろいろな御関係もあろうかと思います、消費者に対する教育と申しますか、認識を深めていく面においてもまた御協力をお願いしたい、このように考えております。
#88
○岡崎(ト)委員 どうもありがとうございました。
#89
○野坂委員長 次に、竹内猛君。
#90
○竹内(猛)委員 物価問題に関連して、特に内外価格差の問題に関連して米価、また生乳、さらには農業が過保護であるかどうか、そして消費者物価及び生産者の立場から物価を安定する方法について質問をいたします。
 海部総理は、その施政方針の中で消費者を中心とする行政をやっていくんだ、アメリカのブッシュ大統領も消費者のための行政をやるんだということで出発をしております。そこで、この前の委員会でも私は消費者とは何かということを質問したわけですけれども、まだはっきりしていません。消費者というものは一体どういうものであるかということについて、その言葉の持つ意味についてまず明らかにしてもらいたいということと、それはどういうような人口構成をしているかということについて、二点お伺いします。
#91
○末木政府委員 海部総理が消費者という言葉をお使いになるときどういうイメージでおっしゃっているかは、私がお答えすべきかどうかちょっとわかりませんが、言葉遣いの問題としてお尋ねでございますのであえてお答えをいたしますと、法制上は、消費者の定義というものを正面からした法律はちょっと見当たりません。といいますのは、消費者という概念についてはかなりわかっているということではないかと思うのです。
 ただ、今御指摘のように、消費者と言う場合、常に生産者あるいは販売者、あるいはまたそれを合わせました事業者という言葉も使うことがありますが、そういった概念と対比して法制上使われることが多うございます。例えば、消費者が商品の品質の表示について正しく認識できるように生産者または販売者はこういう表示をしなければならないとか、そういういろいろな使い方が法律によってございます。もし何でしたら例もございますが、そういうことで、生産者あるいは販売者、事業者に対応する消費者として考えましたときには、物を購入して、いわゆる消費行為を行う主体、そういう経済活動の主体として消費者を言っているのが通常の概念だと思います。
 これの分類といいますか構成でございますが、これは目的によっていかような分類、構成比も出せるわけでございます。今のような説明をいたしますと、すべての国民は消費者でございますから、一億二千万の国民のうち、性別によれば男が六千六十万、女が六千二百六十万ということになりますし、あるいは年齢別に見れば、通常労働人口にならない十四歳までが何%、あるいは十五歳から六十四歳までの労働人口が、たまたまこの数字でいきますと六九・六%、六十五歳以上の人口が一一・七%、こういう分け方もできます。
 これはその目的に従ってやることでありまして、例えば高齢者である消費者というとらえ方をしたときには、例えば豊田商事事件のような、ああいったことに高齢者である消費者がだまされやすいのでどうするかという発想でございますし、それから若年の消費者というとらえ方をしますと、例えば通信販売、訪問販売等の被害者としてそういう概念を使われることもございます。それから今の職業別でいいますと、あらゆる職業に従事している人は一面においてすべて消費者でございますけれども、それではあらゆる職業の分布はどうなっているかといいますと、産業別の就業者数の構成比で主なものを申しますと、農林業が六・八、非農林業が九三・二%でございまして、そのうち主なものは製造業が二四・二、卸小売が二二・八、サービス業が二一・八等々になっております。いずれにいたしましても、国民すべてが消費者でございますので、その構成、分類等についてはそのときの議論の目的に応じてこれを分類することが適当かと思います。
#92
○竹内(猛)委員 私も質問する以上いろいろと調べてきたけれども、これはなかなか限定しにくい面があるけれども、少なくとも政治をやる場合にはやはり対象をはっきりしなければなかなかいい結論は生まれないと思うのです。非常に難しい。今のようにいろいろ込み入っていますね。
 そこで、農林漁業者というものは、第一次産業に従事している者は、自分で土地と水と労働力によって生産をして、それが集荷をされ、それから加工業者あるいは卸業、小売を経て消費者に渡っていく、こういう一つの経路をとっているし、また生産の過程では農機具や農薬肥料というものを買っているし、生活の中では衣類も買っているということで、消費者であり生産者であるわけですね。その場合に問題になってくるのは、生産者が手放すときの価格、生産者価格、それから消費者が買うときの価格との間に、一で出したものが三ないし四で消費者に渡っていく。その間に流通なり規制なりいろいろあるけれども、それによって、生産者は生産者価格が安いと言う。消費者は、これは高い、しかもそれが海外に比べて国内の日本のものは高いじゃないか、こういうふうに言われるわけですね。ここが今ポイントになっているところだと思うのです。この関係というもの
はやむを得ないものなのか、それとも是正ができるものなのか、この点はどうですか。
#93
○相沢国務大臣 生産者の手元を出るときの価格に比べて消費者の支払う価格が高いではないか、生鮮食料品等については三倍ないしそれ以上になっているじゃないかという委員の御指摘は、私も実態としてそういうようなことがあるのじゃないかと思っております。これは諸外国に比べて日本が特に流通コストが高いではないかという疑問もありまして、かって調べたことがございます。その数字等が御必要ならば政府委員から答弁をさせますが、その調査によりますと、諸外国に比べてそれほど日本の場合が流通コストが高いという事実はないようであります。ただ、諸外国に比べまして店舗の規模が小さい、数が多い、一店舗当たりの従業員も少ない、したがって、販売高も少ない、そういった面で小売等のコストが若干高い、こういう現象はあるようであります。
 私もかつて農林の予算をやっておりましたときに、農林水産物の価格についての流通調査をやったことがございますけれども、消費者は自分の家を中心にいたしまして二百メートルから三百メートルの歩いて通えるところにある店に大体行くという傾向があります。ですから、大体人口千人について、戸数でいうと二、三百戸について一軒というのが、魚屋さんとか八百屋さんの存在する大体の数ということをうろ覚えに覚えております。
 ですから、これは消費者のニーズからいいましてそういった面もあると思いますけれども、若干そういう流通面におけるコストは高いようでありますけれども、それほど大きく外国との懸隔があるというふうには承知していないのであります。
#94
○竹内(猛)委員 やはり生産者から見れば、生産者価格が非常に低い、安い。それから消費者から見れば同じものが非常に高い、こういう印象だけはどうしても免れない。これを何とかしなければならないというところに一つの行政のポイントがある。今お答えがありましたように、確かに消費者側からすれば、自分の家から近いところに幾つかの店があってほしい、こういう要望があるものですから、あちこちにそういった小さな店舗があり、聞いてみると、小売からいえば、自分の家の家族を維持するためにはこれくらいの価格が必要なのだ、こうおっしゃいますから、そういう点でそれをつぶしてしまってはいけない。そこが難しいところだと思いますから、その点はこれからの課題だろうと私は思っています。
 そこで、日本の場合は農業というものが一体どういう所得構造になっているかについていろいろ検討したわけですが、白書によると、昭和六十二年の全国の平均の所得が、四・三二が平均家族であり、経営面積が一町二反八畝、これで農業所得は九十四万三千八百円。農外所得が四百六十六万八千百円、年金・贈与等が百五十五万一千四百円、合計七百十六万三千三百円というのが平均の構成になっている。少なくとも一町二反八畝、これで農業所得だけでは九十四万です。百万に達しない。農外所得に圧倒的に依存している。
 その場合に、北海道を見た場合には十町九反八畝、これで四・四七人で、農業所得が三百二十八万九百円、農外が百六十三万六千三百円、年金・贈与が百四十六万八千七百円、合計が六百三十八万五千九百円、これが北海道の十町歩の農家の所得です。
 ところで、神奈川県をとってみると五・一三人で八反三畝、農業所得が百二十二万三千円、農外所得が七百四十七万二千八百円、年金その他が百五十二万九千七百円で、この農家の所得が一千二十二万五千五百円ということになっている。
 面積が広いから所得が多いということにはならない。面積は狭くても都市近郊であれば、他の所得を入れて、贈与等については余り変わりはないけれども収入は多いというような形で、面積が広ければ所得は多いという形にはならないということはここで明らかなんだ。このごろよく足腰の強い規模拡大ということを言うけれども、それだけではだめなのだ。農林省、そこに来ているけれども、面積だけでは対抗できないということだけは明らかなので、もう少し工夫をして、農家の所得ができるようにしなければならないということをぜひ考えてもらわなければならないという形になる。
 そこで、農家自体がすべて消費者の側に立つ、物をつくって売りながら多くのものを買わざるを得ないという立場に立っているわけですから、この点だけはひとつ明らかにしてもらいたいと思うけれども、企画室の方、どうですか。
#95
○山本(徹)政府委員 先生御指摘のとおり、農業の振興というのは私どもにとって大変大事な課題でございまして、そのために農政審議会でも、二十一世紀の農業のあり方、さらに最近二〇〇〇年の農産物の需給見通し等の目標をつくりまして、農業振興に努力しているところでございます。
#96
○竹内(猛)委員 ここは農林委員会じゃないから余り突っ込んでやることもどうかと思うけれども、長官、面積だけを広げて足腰が強い農業で外国に太刀打ちをするなんということを年じゅう新聞に発表するけれども、ああいうことでは日本の農業はだめだということだけは、少なくともその三つの例でわかるでしょう。平均と北海道と神奈川、都市近郊、これは同じですよ。京都も大阪も大体同じだ。
 そこで、内外価格差の問題を中心として現在の構造協議の中で、貿易摩擦の中で、日本の黒字が九百億ドルとか一千億ドルとか言っている。その中で工業製品、この工業製品というのは土地や水に余り関係がない。一日じゅうでも機械は回っておるわけですから。ところが農業というのは、農産物というのは自然、水や労働力や土地というもので、年に一回、場合によれば二回というのもあるけれども、そういうことを考えると、工業製品の輸出で黒字になったから、農業を抑えて、いじめて、それで解決するなんということを今内外から言っているし、国内でもそういう考え方を持つ者がかなりいる。
 これは農業が持つ一つの食糧の安全保障、一方からいえば環境の保全、空気や水や国土の洪水防止という立場からした場合には、一方の農業というものを残しておかなければ将来大変なことになる。それを考えると、今の、鉱工業製品で輸出をして黒字になった、黒字になってアメリカや海外から何か言われれば、農産物をもっと輸入したらいいじゃないかという議論、これはもういいかげんに転換してもらわなければ困ると思うけれども、長官どうですか。
#97
○相沢国務大臣 委員御指摘のように、工業製品を輸出して貿易の黒字が大きくなったから、かわりに外国から農産物を輸入して貿易収支の黒字を減らすというような考え方は、私もおかしいと思っております。
 農産物につきましては、委員御案内のようにウルグアイ・ラウンドにおきまして農業交渉が特に行われており、市場開放ということでアメリカを中心としてもろもろの要請が行われておりまして大変に問題がございましたが、牛肉・オレンジの段階的な自由化にも踏み切ったということでありますが、安全保障の観点からも、食糧については完全な自由化は難しい。これは過日私がOECDの会議に代表として参りました際も、このレポートを作成するときに強く主張をいたしまして、貿易外の事情を除いてその開放を進めるという、その貿易外の事情の中に食糧安全保障を含めて考えるということになったのでございます。
 日本の国はもともと食糧の自給率は四九%、また飼料を含めて考えますと三〇%ということで極めて自給率が低い。このことは、私はそれ自体としても大変に問題であると思っております。したがいまして、食糧につきましてはそのような考え方のもとに対処していかなければならないと思います。と同時に、私は、日本の農業が何とか自立していけるようなその努力も同時にやっていかなければならない、効率化、近代化を目指すところの努力も同時にしていかなければならない。そうしませんと、今のような諸外国の要請に対してこたえていくような体制づくりがなかなかできないのではないかという感じを持っているのでありま
す。
#98
○竹内(猛)委員 そういうことも含めながらさらに一つ質問していきますが、一般に国内のマスコミ、特に財界が何遍も農業問題について提言をしておりますね。それから評論家も、これに対して呼応するように日曜日ごとにテレビでいろいろ言っている人がいる。国民一般は、米というのは、あるいは農畜産物というものは海外に安いものがあるからあれを輸入すれば安くなるんだという印象を強く持っているわけです。
 特に、アメリカの米が日本に入ってくる交渉の今大変山場にあるわけですけれども、日本の米はアメリカの五倍であるとか十倍であるとか、そういう形で宣伝をされているが、先ほども午前中の質問を聞いてみても、実際、海外に安いものがあるのにそれを規制しているのはけしからぬというようなお話がありましたが、あれを聞いてみて一番問題になるのは、物でさえあって安くさえあれば、どこでつくったものでもその安全性はどんなものでもいいのか、消費者はただ物であって安くさえあればいいということを望んでいるわけではない。安全性はどうなのか、それから品質はどうなのか、そして価格は、やはり今長官が言われたように、いつまでも同じような価格を維持するのはいけないから、国内の生産者が努力をして、近代化をし、生産コストを下げて協力するというのが当然です。そうしなければならないが、そういうことについて非常にいわば誤解があるような感じがする。そこで、日本の米は高いというけれども、家計に占める米の比率は一体何%ですか。
#99
○末木政府委員 家計調査によりますと、平成元年で消費支出に対するお米の購入のための支出のウエートは一・八%であります。
#100
○竹内(猛)委員 消費支出に対して一・八%の米、これが高いか安いかということで、私は他のものの方が家計にもっと影響していると思うのです。
 そこで、仮に現在の国民一人の米が七十キロとした場合、十キロ五千円、これはいい米ですよ、それが七十キロで三万五千円だ。それを三百六十五日で割れば一日百円をちょっと切っていますね。これは三食にすると三十円ぐらいでしょう。一食三十円の米が高い、高いと新聞も言っているけれども、日本経済新聞なんというのはそれの最高だ、論説でそういう宣伝をしているのは。今サラリーマンの皆さんや我々が一杯飲んだら最低二百五十円、あるいは四百円するかもしれないコーヒーに金を出すことについてはちっとも高いとも何とも言わない。この一食三十円の米は高いと言う。この論理は一体どういうことですか。これは少し宣伝がおかしいではないですか、どうですか。
#101
○末木政府委員 私は一・八という数字は統計上のもとでお答えいたしたのですが、御指摘のように、今のような数字であれば大したウエートではないという御意見の方もいらっしゃいますし、それから、これを実額に直しますと年間六万三千六百七十九円でございまして、これが三百五十九万の総支出に対して一・八であるわけですけれども、この六万三千六百七十九円という数字を見て、少ないと言う方もいらっしゃるし、多いと言う方もいらっしゃるかと思いますし、これはお立場によるものではないかと思います。私どもは、格別これは多いとか少ないとかということを申しておりません。
#102
○竹内(猛)委員 米は日本農業の中の三本柱でしょう。米麦、畜産物、それから野菜・果樹、それが三本柱ですね。それで、六十三年度の農家の粗収入が十兆五千三百四十八億の中で米は三兆三千四百五十億円、これは二八・八%ですね。減反があり、年々米価を下げられて、それでも二八・八%であります。そういう米が、私は茨城県ですけれども、北海道に次いで本土第一位ですが、茨城県でも六十三年度の粗収入が四千七百九十八億中、米は三二・一。その三本柱の米が消費者のもとに渡ったときには、今は自給していますから、一・八ないし二%、これを敵のように高い高いと言う。これは神経がどうかしているのではないですか。
#103
○相沢国務大臣 委員のおっしゃるとおりですというふうに申し上げると、また私の今消費者行政、物価を預かる企画庁の長官としての立場がございますので、なかなか申し上げにくいのでありますけれども、委員のおっしゃることもよくわかります。
 アメリカが特に日本に対する米の輸出に熱心なのでありますが、アメリカにおける米の農業生産に占めるウエートもたしか〇・五%くらい、耕作ファーマーの数が、規模は非常に大きいのでありますけれども一万一千、そういうことで、それほどに大きなウエートでないにかかわらずなぜそれほど米の輸出に熱心なのかということに一つ問題があろうかと思うのであります。私は、先般OECDの会合に出席いたしましたときにヤイター氏にも会いまして、短時間でありますけれどもこの米の問題を話し合ったのであります。
 私は、米というのは日本にとって一つのシンボリックな存在なのだ、ほかの農産物についても、例えば牛肉やオレンジについてももちろん自由化についての大きな問題があったけれども、米はそれとまた一段と違うシンボリックな存在なのでありますから、とにかくアメリカにとって大きな実際の経済的な問題ではないのではないかと思うことが間違いかどうか知りませんが、とにかくこれはこちら側にとっては非常に重要な問題なのだ、また、三割も減反を実施している、これにアメリカから米を輸入すればさらに減反をしなければならない、そういうような情勢のもとにあるということについてはひとつ十分御理解をしていただかなければならぬということも申したのであります。もちろん彼も知っておるのです。そういう情勢を知りながら一粒も入れないというのは変ではないか、こういうことばかり繰り返すのであります。とにかく、いずれにいたしましても、アメリカとしてもなかなかそういう状態では引き下がるわけにいかないと申しますから、私の方も引き下がるわけにはいかない、こういうことで別れたのであります。
 農業、特に米の置かれている環境というのは厳しいものがありますけれども、そういうような気持ちを、率直に申して私どももそう思っております。
#104
○竹内(猛)委員 長官も大蔵省で農業のことについて非常に詳しいし、選挙のときには鳥取県の過疎地帯で、この委員長もそうだ、一緒に農村からたくさんの票をもらって出てきているんだから、選挙のときに言ったことと同じことをここで言ってもらわないと、選挙のときは選挙のときでそっちへ置いといて、こっちへ来ると、そこらの建物の方が目に映っては、それは困る。
 日本では一・八から二%です。つまり米の問題は、日本においては中心だ。アメリカにおいては本当に二%ぐらい、一万戸ですよ。アーカンソーとかあそこで、カリフォルニアでやっているのは、選挙のたびに政界を揺すぶる。八六年、八八年、九〇年、みんな選挙なんだ、アメリカでは。そのために、そこに有権者が多いから揺すって、アメリカの国会を揺すぶるから日本にそれがはね返ってくる。それは断じて頑張ってもらうと同時に、沖縄の泡盛に既に五%ぐらいの米が入っている。一粒たりとも入れてはいけない。現に入っている。入っているんだから、それはちゃんと入っていると言ったらいいのです。これ既成事実なんですよ。改めてここで輸入するなんて、そういうことだけはやめてもらわなければいけない。そこが今の政治のポイントだ。長官、ぜひ頑張ってほしい。
#105
○相沢国務大臣 無論ヤイター氏にも、沖縄の泡盛の材料として米が入っている、あるいは加工米の形で既に日本に米の輸入もあることも言いました。しかし、余りそれを強調いたしますと、それならおれの方も入れてもいいじゃないか、こう言われてもいけませんので、その辺は、つまり一粒たりとも入れないということではない、現に日本もそういう形での輸入はあるというふうにそのことは説明しておきました。
#106
○竹内(猛)委員 そこで、最近の自民党と政府の米価の決め方について私は不満がある。何が不満かというと、農家の生産費とか所得とかという食管法第三条の、ちゃんとあるでしょう。ここに農林省出身の方がいらっしゃるが、食管法三条にはどういう形で米価を決めるべきかちゃんと書いてある。第一条というのは、国民食糧を確保しなければならない、生産者にとっては安心して生産ができるように、消費者に対しては安心して一定の価格で確実に、しかもいいものが入手できるように、それが食管法の趣旨です。根幹なんだ。それが今やどうも大きく揺れ動いている。
 ところが、農業基本法の第一条から始まって第十一条、十二条、十三条なんかについてはいいことが書いてあるんですね。それが一つも守られていない。農業基本法を読んでごらんなさい。これはいいことが書いてある。農業基本法なんというのはもう棚上げになってしまっている。読みましょうかね。農業基本法が棚上げになって、選挙と外圧と財政事情で米価が決まる。これがけしからないとこう言う、どうでしょう。
 自民党が福岡の選挙で負けたけれども、麦の価格を下げようとした。ところが、ちょっと待ってくれと、福岡の選挙に影響するぞと。だけれども負けちゃった。今度減反をやろうとしたら、いや、衆議院選挙があるからちょっと減反は三年後に繰り延べよう、これも農村で自民党さんは負けた。それから今度、この前の参議院選挙のときも、これもどうも米価を下げてはぐあいが悪いから据え置きをする、こういうやり方をとっていたらこれはいかぬですよ。選挙とは関係ない。やはり選挙は選挙、米価は米価で法律どおりに決めていく。外圧にも屈しない、不必要な外圧には。必要な外圧は聞いてもいい。
 それから、財政的な問題がある。農林省の予算というのは、五十五、六年から今日までもう減りに減っているわけです。七・六ぐらいから今や四・何%でしょう。これはひどい減り方だ。ところが、海外に行って話をするときには、いや、食糧安全保障だ。もう一つは、最近は環境保全という。つまり農業の経済外的なものがあるという、いいことを言っている。海外でそういうことを言うなら、やはり水や緑や環境保全のために農業は大事だという、そっちの方にも少し金を出す、保護をするというぐらいの温かい心があってもいいじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
#107
○相沢国務大臣 米価の算定というと、私も農林主計官当時のことを思い出すのでありますけれども、生産費及び所得補償方式はたしか昭和三十五年に決めたのであります。
 あれは過去三年におけるところの反当平均生産費を過去三年におけるところの反当平均収量で割って算出をする。その際に、所得については都市均衡労賃を補償する、それから、その他の生産資材については実費を補償する、こういう考え方でつくったのであります。私もそのときに直接やってましたから、よく知っております。そういう考え方で生産を補償し、そして、所得は都市の勤労者並みに補償するという考え方でやってきたのであります。その考え方は多少の変遷はございました。事実、そういう方式に従って算定した米価を、上がり過ぎるからといって抑えたこともあります。したがいまして、農民のサイドからいうと、上げるときに上げないで、下げるときには下げるというのはおかしいじゃないか、こういう議論も当然あると思うのであります。
 そこで、最近の米価が下がっている点は、やはり円高その他によりまして輸入資材等の関係で生産費が下がってくる面がある。それから同時に、反当がふえる。あるいはまた、反当の家族労働時間は減少するというような、今の生産費及び所得方式に基づいて算定した価格が下がってくるというような事実もあったわけでありまして、私どもと申しますか今の立場からの発言ではないかもしれませんが、余りに下がるというのも大変にこれは問題だろう。激変緩和というような趣旨もございまして、例えば一〇%下がるところは五%というような形で、その辺の調整も図ってきたというのが、私は米価算定の最近の姿ではないかと思うのであります。
 しかし、要するに、耕作の規模が少ない、なかなか本当の意味における生産の効率化、能率化ができがたいところに、農業の置かれている、米生産の置かれている非常に苦しい事情もあろうかと思いまして、そういった点についても農地の流動化を図る、その他によりまして耕作規模の拡大等を行って、何とかもう少し所得、生産費を補償しながら、そして、価格の面についての対応ができるようなことを考えていかなければならないのではないか、私はこのように考えております。
#108
○竹内(猛)委員 だんだん時間がなくなってきたから、準備したものが大分残ってしまったが、今長官が言ったことは大変大事なことですから、やはり米価を決めろ第一条の問題、それから第三条の、今のあれですね、第四条の家計に災いをしないように消費者価格を決めろという、これだけは現にあるのですから。それから、農業基本法は一条からいいことが書いてある。特に外国から日本の国内の生産に災いをするようなものが入ってきた場合には、関税をかけるとか緊急の処置をとるということも、ちゃんと十三条に書いてある。
 酪農なんか、例えば五十七年に百八円四十五銭の生乳が、今度は十円下げて九十八円二十二銭にしよう。専業化してこれでやっていこうという若い人たちが希望を持っているのに、これまた乳製品が入ってくれば値を下げて希望を失うようなことをする。これは許しがたいから、やはりこういう点ははっきり、ちゃんと抑えるものは抑えて、そしてその努力をした分については努力をした者の手取りが報いられるようにしなければ、努力したが値を下げてしまったのではどうしようもないんだ。
 だから、酪農にしても、今後ちゃんと酪農家が希望を持てるように、例えば米をつくった場合の農家は、さっき言ったように、四人家族で七百万なら七百万、それならば、酪農家というのは他の収入がないのですから、三十頭なら三十頭の牛を飼った場合に、自給飼料はどれぐらい、濃厚飼料はどれぐらい、そして価格はどうで手取りはどうなるか、そういう夢を、希望を与えなければだめだ。その点についてはどうです、これは畜産の方だ。
#109
○板井説明員 先生お尋ねの、将来に夢の持てる酪農の姿はどうだ、こういうふうなことでございますけれども、おっしゃいますように、我が国の酪農といいますのは生産額が八千億ということでございまして、土地利用型農業の基軸として位置づけられておるわけでございまして、これから先、国際化にも対応できるような酪農の確立を目指して我々は頑張っておるわけでございます。
 先生御指摘のように、こういうふうな姿の酪農家であるべきではないかということでございますが、私どもは酪農、肉用牛の近代化を図るための基本方針というものを出しておりまして、その基本指標の中に、一頭当たりの搾乳量でありますとか適正な規模でありますとか自給率というふうなものを示しておるわけでございます。それを見てみますと、例えば北海道のように土地条件が非常に恵まれている地域では、飼養頭数は成畜で四十頭、それから飼料の自給率は、これは粗飼料の自給率でございますが七五%程度、それから都府県のように比較的土地条件の制約が大きいところでは成畜頭数三十頭、粗飼料自給率六〇%というふうな指標を示しております。
 こういうふうな経営指標で試算をした所得でございますが、これは公表しておりませんけれども、大体この程度の規模でございますれば、先ほど先生が御指摘になりましたような所得水準で七百万にほぼ近いものになるというふうになっております。
#110
○竹内(猛)委員 畜産の問題は、とにかく二十年間四兆二千億もの金をかけて水田は三分の一も減反をしているんだから、それに肩がわりをすべき方策が今のところ見当たらないとすれば、これはやはり米以外のところで農家が立ち行くような見通しを立ててやらなければいけないと思うので
す。
 最近、公明党さんがもう米は輸入してもやむを得ないが農家を救済しろというようなことを言っているけれども、この気持ちもわからないことはないのです。だから、日本の国土というものをちゃんとしっかり耕して水や緑や国土の保全をする、特に水田の保水力というものが大事ですから、これはぜひ守ってもらいたい。
 そこで、先ほど社会党の委員の方からそれぞれお話がありましたが、五十二品目について価格を安定させるための委員会をつくっていろいろと努力をされていることはよくわかるけれども、役所の縦割りということだけではだめで、やはり横のつながりもある、民間の人も入れた、労働組合員も消費者も専門家も入れた、そういう委員会というものをつくって、そしてそこで、いかにして内外価格差を縮めて国内における物価を安定させるかということをやる。検討するとか研究する、検討したけれどもうまくいかなかったということではぐあいが悪い。それではだめだ。
 役所はすぐ検討する、研究すると言って、やったけれどもどうもうまくいかないということで逃げてしまうが、これでは困るわけであって、実効がなければならない。中身がなければならない。なるほどそういうものをつくったら、ここから値が下がったよ、土地、住宅、公共料金。あるいは不必要な規制は緩和しなければならない。そういう点を一緒になってやらなければいけない。役所の方々はときどき位置がかわるから、ところが消費者というのは変わらないのです。そういう点について長官の、さっきもいい回答があったから、あれにさらに加えてもらってぜひお願いしたい、こういうことです。
#111
○相沢国務大臣 物価の安定が大事なことはもう不当に委員の御指摘のとおりであります。物価安定会議の構成等につきましても、これは消費者の方あるいはまた労働界の代表の方、各界の人に参加願って会合を行っておりますが、役所の仕事の悪い点は、会合をやって、意見を聞いて、作文をつくって、それでおしまいということになってしまう、これが非常にまずいということは私も長いこと役人をやっておりましたからよく知っておりますし、自戒の意味も含めまして、とにかくそういうことにならないように、本当に物価対策を進めることができますようにこれからも努力をしてまいりたいと思います。
#112
○竹内(猛)委員 これで終わります。
#113
○野坂委員長 次に、小川信君。
#114
○小川(信)委員 我が党の委員、それぞれ三人ただいままで質問してまいりましたけれども、最後になりましたので、総括的な意味で幾つか御質問させていただきたいと思います。
 内外価格差の縮小とか国民が納得する価格とかいうような言葉が出てまいりましたのが古くは昭和五十六年ごろから。第一次臨調でも出ておりますし前川レポート、さらには経済審議会、それぞれ五十年代の終わりから六十年代の初めにかけてこういうふうな言葉が盛んに使われてきたというような状況でございますけれども、この内外価格差の縮小、それから国民が納得する価格というような言葉、国民が納得する価格という言葉は農水省がお使いになられたようでございますけれども、この言葉の定義といいますか、これはどのように理解したらいいのか、この辺を御説明いただきたいと思います。
#115
○田中(努)政府委員 国民が納得する価格という言葉につきまして正確な定義があるというふうには私思いませんで、これはやはり時代によりましても変遷をしてくるのではないかというように思います。
 現在の状況から考えますと、単に物価が安定しているという状態だけでは国民の皆様は納得しない、恐らく内外価格差というようなことを念頭に置かれて、外国よりも日本の物価というのは高いということは納得ができない、こういうことになってきているのではないかと思います。したがいまして、現状におきましては内外価格差の縮小ということが、やはり国民の納得される価格に近づくための一つの非常に重要な道ではないか、そういうように考える次第です。
#116
○小川(信)委員 今非常に定義づけが難しいというようなお話でございましたが、少なくとも五十七年以来こういうふうな言葉が使われてきて、既に相当年数がたっている。十年はたちませんけれども非常に長い年数がたって、そして今これらの問題が非常に大きな問題として取り上げられておる。
 先般も、長官が所信表明の中で、国民生活の一層の質的向上を図るという問題の中で、第三の柱としてこの問題を取り上げられておる。特に消費者重視という観点から、内外価格差の問題については、五十二項目にわたる内外価格差対策の着実な実施を図る、こういうふうに所信の表明をされておられますし、また、経企庁が出しておられる二年度の経済見通し、さらには、経済運営の基本的態度という中の第四の中にも、「内外価格差の縮小を目指し、物価構造の是正を図る」、こういうふうなことで幾つかの課題が挙げられております。
 経済構造の調整、物価構造の是正というようなことがそれぞれ所信表明なり基本的態度の中に表明されておるわけですけれども、具体的に何を指して、それをどう行うのかということについてお伺いしたいと思いますが、長官の方からひとつ。
#117
○相沢国務大臣 経済構造の調整という概念もなかなか答えにくい点もあるのでありますけれども、私どもは、昭和六十三年に策定いたしました経済計画「世界とともに生きる日本」にも示されております土地住宅対策、それから労働時間の短縮、内外価格差の是正など、国民生活にかかわる分野の経済構造の調整を進めるということが豊かさを実感できる国民生活を実現する上で極めて重要な課題である、こういう認識のもとに今までも努力をしてきているのでございます。
#118
○小川(信)委員 今の経済構造の調整もそうですけれども、物価構造の是正ということも使われておりますが、今長官の御説明では、普通の庶民の感覚では理解でき得ないまだ高邁な御答弁でございましたのですけれども、経済構造の調整とか物価構造の是正というのは、具体的にどういうことをどのように進めるのかというのを、普通の庶民にわかる言葉で御説明いただければと思います。
#119
○相沢国務大臣 抽象的なことを申し上げたようでございますが、さっきの経済構造の調整の中に、例えば土地住宅対策というものがございますが、言うまでもなく、これは問題となっている土地価格に対する、地価対策を進めること、住宅対策ということは、これはもう申し上げるまでもないと思います。
 それから、労働時間の短縮ということは、これはあと二年後を目標として労働時間を千八百時間まで縮めていくというそのための努力、それには週休二日制を確実に実施していくとか、連続休暇をとりやすいようにするとか、あるいは年休を完全にとるようにするとか、そういう具体的な目標というものが示されるわけでありますし、また内外価格差の是正、これはもう委員先ほども御指摘ございましたように、五十二項目についての実現を図っていく、そういうようなもろもろの対策を進めていくことが経済構造の調整になっていく、このように心得ております。
#120
○小川(信)委員 基本的な態度の中での具体的なことというのは、流通規制の緩和、それから現行独禁法の厳正な運用、さらに独禁法を強化していくということで、競争の促進ということだろうと思いますし、さらにその中に、一層の輸入促進、生産性の向上、地価対策、消費者への情報提供等々挙げられておりますけれども、これを今から進めていこうということだろうと思います。
 と同時に、若干気になることがございます。けさほども委員の質問の中でもございましたが、経団連がことしの三月に日米構造問題協議の内外価格差に関する報告というようなものも出しておりますけれども、そして今、日米構造問題協議の中の中間報告のまとめの中にも内外価格差是正のための対策の実施ということが挙がっております。
五十年代の終わりから六十年代の初めにこの問題が重要な課題として出ておる。今度はアメリカからの要求で協議が始まった日米構造問題協議。先般もアメリカ大使館の担当官の話であると、これは交渉ではないんだ、協議なんだからお互いに内政部分に入るような議論もするんだ、こういうような話を直接聞きましたけれども、この日米構造問題の協議の中間報告と、今長官が述べられました所信なりまた経企庁の今後の基本的な態度、さらには、今まで臨調さらには前川レポート、さらには経済審議会等で議論されたもの、これらとは関連するものなのか、それとも新たに日米構造協議として出てきたものなのか、その辺はいかがでございましょう。
#121
○相沢国務大臣 日米構造協議は、御案内のように、これは日本とアメリカとが交渉をしてこういうふうにやろうということではないので、お互いに、アメリカはアメリカ、日本は日本で構造調整を進めていこうということをいわば申し合わせたという形なのであります。したがいまして、日本側としてすべき事項の構造調整は、これは従来、委員が今御指摘になりましたような前川レポート、新前川レポートあるいはまた「世界とともに生きる日本」という計画に示されたところの構造調整等々と密接な関係を持っているというよりも、同じ思想の、同じ考え方の線上にあるものであります。
#122
○小川(信)委員 今いろいろお話を聞きまして、密接な関連があるのだ。それでは、その原因はどの辺にあったのだろうかと思いますと、やはり日本の経済の発展といいますか、とにかく輸出主導型の経済政策による過大な貿易額、それはある意味では節度のない輸出競争というようなところに基本的な、根本的な原因があるのではなかろうかというふうに思っております。その辺は、ですから、原因ということを考えるとそういうふうな形で、日本とアメリカ、また西欧、他の国との経済的なアンバランスの中でバランスをとらなければならないというような中からこれらの問題が出てきたのだろうと思うのですけれども、問題は、バランスをとるのなら原因を発生したところがその責任をとって、バランスをとるために努力をすべきではなかろうかというのが普通通常の社会における常識だろうと思います。
 先ほどちょっと申し上げました経団連のこの報告等を見ますと、内外価格差を是正をしなければならない、これは価格差がない方がいいに決まっておりますし、まずその努力はいろいろしなければならないと思いますけれども、そういうような中で経団連としては一番問題として挙げておるのが、まずは食料品、それから次が公共料金、さらには土地絡みのサービス、家賃とか地代とかという問題だろうと思いますが、これが内外価格差がある、これが日米構造摩擦、障壁の問題にもなるし、いろいろな問題の原因だというふうにレポートは位置づけておられるように見たわけです。そうすると、日本の重化学工業というか巨大な企業の構成である経団連としては、これら貿易黒字をよって起こしたる原因は、日本の長大な企業が発生したというのではなくて、それを解消するため、構造摩擦をなくするためにここに挙げたような三つの問題を取り上げておられるわけでございますが、そういうようなところで、この三つの問題の一番初めに挙がっておる食料品という問題をテーマにして検証しながらお考えを聞かせてもらいたいというふうに思うわけです。
 先ほど石原委員の言われたように、経団連はレポートの中で、農産物関連の規制を撤廃して国産品が輸入品並みに下落すれば、米を除いたら食品の価格は一一・五%ぐらい下がるとかいろいろ言われておりますけれども、それは一つの団体の一つの考え方、前提に基づく試算ですので、これがいいとか悪いとかは言う必要はないかと思いますが、食料品といいますか農産物が割高だというふうなことが盛んに言われております。事実、統計数字等といいますか、調査の結果を見ましても割高になっておりますけれども、この中でも私は不可解な面があるわけです。
 例えば東京でタマネギ、キャベツというような生鮮食料品の比較がされておりますけれども、下の方には若干注意書きがされておりますが、こういうふうに国内の物価、価格の変動が激しいのも、野菜等の生鮮食料品の価格変動が非常に激しいことによって物価が上がったり下がったりというふうなことを先ほど言われましたけれども、こういうものを一つの素材に取り上げて、調査項目に取り上げて高いか安いかの比較をされることは非常に恣意的に見られる危険性があるのではないか。言うなれば、食料品というもの、そして食料品の原材料になる農林水産物という、林はないでしょうけれども、シイタケぐらいありますけれども、これらは品質、銘柄、規格等が非常に多様であって、品質と銘柄の違いによって値段が倍、半分になることが現実の問題であるわけでございますし、為替レートの変化が大きく影響してくる。
 それから、比較される場合に、よくマスコミ等々で取り上げられる場合に問題になるのが、日本国内の生産者価格とあちらの方の消費者購入価格を比較して高いか安いかというふうな議論も行われることがある。さらには、食料品の原材料は自然条件に左右される。こういうふうなことを考えてみると、食料品の原材料である農水産物の価格を客観的に国際比較することは困難ではないかというふうに思うわけですけれども、その辺についての認識はいかがでございましょう。
#123
○田中(努)政府委員 御指摘のとおり、農産物につきましては、質の違いとか季節的な変動とか、そういうこともございます。為替の変動、それから流通、生産のどの段階で価格をとらえるか等々、非常に困難な問題があることは御指摘のとおりであると存じます。そういう事情があることを考えまして、物価レポートの「小売価格の国際比較」においても、御指摘もありましたように注をつけまして、その辺については読者の注意を促しているところでございます。
 ただ、内外価格差の問題を考えます場合に、何らかの形で、鉱工業品のみならず農産物についてもぜひとも比較をいたしたい、こういう気持ちは我々のみならず読者の方にも強いというふうに思うわけでございまして、したがいまして、十分な注意を払いながらこういう比較を続けてまいりたいというふうに思っております。
 それで、単品について取り上げますと、これは調査の時点とかその特定の品目の品質なり銘柄の比較可能性の問題とか、そういうことがございますので、難しい点が強く出てまいりますけれども、類似の品物につきましてかなり広い範囲でとりまして、それを生計費上の食料品という形でまとめてみるというようなやり方もあわせて試みているわけでございまして、こちらの方のやり方はOECDとか国際機関でもそういうふうなやり方で比較しているところでございますので、さらに改善に努めてまいりたいと思います。
#124
○小川(信)委員 今の認識について、農水省おられましたら、農水省の立場で。
#125
○井澤説明員 お答えいたします。
 内外価格差の問題でまず農産物がよく問題に挙げられます。昨年九月の物価レポートでも取り上げられ、そのときには、一昨年十一月の調査といたしまして、東京を一〇〇として総合では七二、飲食料品は六九ということで、飲食料品も総合とともに物価水準は東京が高い、ニューヨークが低いということを言っておりまして、農産物について特に大きく取り上げられたわけでございます。それからまた、昨年十二月の政府・与党内外価格差対策推進本部の決定によりましても、各省庁は内外価格差問題について積極的に取り組み、特に実態把握に努めるということになっておりまして、私、農林水産省で物価を所管する者といたしましても、何とか実態の把握をまずやらなければならぬということでいろいろ検討しておるわけでございますが、特に生鮮食料品等につきましては、先ほどから委員御指摘のとおり、比較が非常に難しいわけでございます。
 生鮮食料品につきましては、品質が世界各国全く違うのです。例えば同じホウレンソウにいたし
ましても、東京とか全国の小売店で売っておりますホウレンソウは、どこの小売店におきましても非常に鮮度のいい、枯れた葉っぱとかいうものがない、買って家へ持っていけばそのままゆでて食べられるというような品質の非常にいいものを置いてございます。ところが、私が前にニューヨークヘ行ったときの経験でございますが、目方当たりで比較いたしましたら、ホウレンソウは確かに価格は安いのです。キャベツも安いのです。しかし、日本で考えられておるものと違って、鮮度が非常に悪いのです。例えばホウレンソウでしたら、家へ持っていってそのままゆでるわけにいかぬと思っておりました。
 それから、キャベツなんかにいたしましても、日本の場合でしたら、周りの葉っぱを五、六枚捨てて本当にすぐ食べられるところだけを売っておるわけでございますが、ニューヨークの中高所得層の住宅街の近くの本当に立派なスーパーにおきましては、周りの葉っぱを五、六枚捨てなければならぬようなものを売っておるのです。これは日本と随分違うなと思って、向こうに住んでおる日本人の方に聞きましたら、同じようなことを言っておられました。確かに安いけれども、ホウレンソウでしたら、家へ持っていけば半分くらい枯れた葉っぱとかを捨てなければならぬ、残った緑色の葉っぱにしても非常に鮮度が悪い、キャベツにしても家へ帰って葉っぱを五、六枚捨てなければならぬ、これは本当に安いのかなということを向こうの日本人の奥さんも言っておりました。例えばそれを日本に持ってきた場合に、多分随分安い価格でしか売れないのではないかと思います。
 それから、私はトマトについても感じたのですが、日本のトマトは、消費者のニーズは非常に鮮度のいいものを要求いたしますけれども、例えばニューヨークで私が見ましたのは、非常に小さくて皮が厚くて熟していないものです。向こうはそのまま皮をむいて食べるのではなくて、煮込みで使うわけです。確かに値段は安いのですが、私もスーパーで買って食べてみたのですけれども、同じトマトにしても味がとても違うのです。
 ですから、こういったものを同じ百グラム当たりの価格で比較するのは非常に難しいというふうに感じております。しかし、何か実態として正確に把握しなければならぬということは重々わかっておりますので、とりあえず我々取り組んでみましたのは、世界じゅうに出回っておりますワールドブランドと言われるような、例えば紅茶でしたらリプトンだとか、そういったものでしたら世界じゅうに出回っておりますので、多分同じ品質でなかろうかということで取り組んでみました。紅茶とかマーマレードとかジャムとか、それからチーズとかそういうものを取り組んでみました。
 例えば日米以外の国でつくったものを日本とアメリカに輸出したもの、これを比較してみたのですが、確かに日本の方が高かったです。これはやはり日本の流通に何らかの問題があるのではなかろうかということで、今後その対策についても取り組んでいきたいと思っております。これ以外につきましても、実態の把握につきましては鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
 長くなりまして、失礼いたしました。
#126
○小川(信)委員 大変丁重に御説明いただきまして、ありがとうございました。
 今それぞれからお話がございましたように、食料品の原料になる農産物というのは非常にバラエティーに富んでいる。単純な比較ではやれないということと、それから今もお話がありましたように、食料品の価格というものはそれぞれの食生活の慣行なり形と切っても切り離されないんだというようなことがあるだろうと思います。日本でいえば、多品目を少量、近くで買う。しかしアメリカは、数少ない品目を大量に自動車で、スーパーやなんか量販店に行って、肉なんかでもブロックで買うというように、買い物の仕方もそれから選択の余地も違う。毎日毎日日本は買いに行く、そういうふうな違いがありますので、生活の実態とか家計簿をつけておられる奥さん方の家計実感からこれらの問題を判断しなければならない。そうすると、単に農産物の価格が高い安いじゃなくて、消費者が支払う価格が家計の中でどのような位置づけになるのかというようなところでこの問題を考えていかないと、客観的な判断ができないのじゃないかというふうに思うわけなんです。
 それで、先ほどから何人かの委員の方からもお話がございましたけれども、消費者が飲食費支出として支払う最終的な支払い価格に農林水産物が占める割合というのは、もう既に御存じのように農産物が一七・七%、水産物が四・八%、こういうふうになっております。ですから、仮に農産物の値段が半値に下がったとしても、一七・七%の半分ですから約九%。全体を押し下げるのには、半値に下がったとしても九%にしかならないということですね。それで、例えば食品工業はこの部門の中で三二・八%、約三三%、三分の一を占めておる。それから流通産業が二六・八%ですから相当大きいウエートを占めておる。飲食店サービスが一七・九%。こういうふうなことを考えてみると、やはり家計を圧迫していると言われる、内外価格差があるという食料品の内外価格差をなくするのは、もっと広い範囲に目を向けてメスを入れていかなければならないのじゃないかということ。
 それから先ほど竹内委員も、米が家計費の中に占める割合が一・八%という御回答をいただいておられましたけれども、もう少し角度を変えてみて、エンゲル係数、家計費の中に占める飲食費の割合がどうか。アメリカが大体一五%で、日本が今二四%くらいですか。フランスが二一%、西ドイツが二四%。日本は西ドイツ並みでアメリカより高い。だからアメリカ並みに下げろ、こういうふうな乱暴な議論がありますけれども、日本は収入の中から相当部分貯金に持っていっております。貯蓄性向が大体一六ぐらいでしょうけれども、アメリカはその半分もないということになると、日本は貯金にする金をのけた可処分所得の中から家計費として、その中から飲食費を払うから高くなるわけですね。こういうふうなこと等も考えてみなければいけない。
 それからもう一つは、国民が一人一年に食べる食料費を勤労者がどのくらい働いたら手に入れることができるかというようなことも考えてみなければならないと思います。統計数字は若干古いかもわかりませんけれども、一九八四年の数字を見ますと、外食を含んだ飲食費で、アメリカが二百三十一時間、日本が二百四十八時間、西ドイツが二百三十九時間、こういうふうな数字になっております。そうすると、勤労者が日本では二百四十八時間働けば一年間の食料費が稼げる、アメリカでは二百三十一時間というようなことですから、言われるほどの極端な差はないということなんですね。
 エンゲル係数から見ても、一人当たりの食料費支出に要する労働時間の比較をしても余り差がない。そういうふうな中で、内外価格差があるということを切実に勤労者なり消費者という多くの国民が感じるのは別の面にあるのではないかそういうふうに考えますけれども、これらについて経済企画庁はどのようにお考えになられるのか。簡単で結構ですから農水省の考え方も聞かせていただきたいと思います。
#127
○田中(努)政府委員 御指摘のとおり、家計消費の中で最近ウエートを非常に高めてきておりますのはむしろ食料品以外のもので、これをサービスというふうな形でくくってみますと、平成元年度では家計支出の中で三六・七%を占めるというふうなことになっているわけでございます。しかも消費者物価総合の上昇率に比べますと、サービスの上昇率はそれを上回る勢いで上昇しているというようなことがありまして、これが家計に対する一つの圧迫要因になっているということは否定できないと思います。
 ただ、経済の発展に伴いまして、経済がやはりサービス化の方向に向かうという傾向を持っておりまして、これを押しとどめるわけにもいかないわけでございます。したがいまして、こういうサービス面での価格の上昇に対しましては、独占
禁止法の厳正な運用、サービス面でもいろいろなカルテルの事例も起こっておりますのでこういうようなことに対して対応していく、また規制緩和等も、サービスの面についても進めていくというようなことが必要になっているというように考えるわけでございます。
#128
○井澤説明員 たくさんの質問があったのですが、二つお答えしたいと思います。
 一つは、最終の消費者の手に渡るうちの本当の農業生産者の手取り分は小さいのじゃないか、加工流通部門が大きいのじゃないか、それは御指摘のとおりでございまして、消費者が最終的に消費支出をいたします中で、加工流通部門の割合はおおよそ四分の三もございます。ということで、農林水産省といたしましても、農産物の加工流通部門の体質強化とか合理化、効率化を図ることが非常に重要な課題と考えておりまして、各種の施策を講じておるところでございます。詳しくなりますので施策の内容は省きたいと思います。
 それからもう一つは、生活の実態とか家計の実態とかをいろいろ考えた比較もしなければいけないということでございますが、これにつきましても御指摘のとおりだと思っております。価格自体、目方当たりの価格の比較自体が非常に難しい。もちろん実態把握に努めなければならないのは当然だと思いますが、比較するための数字自体、把握が難しいということのほかにも、各国の食習慣とか食生活は国土条件とか歴史、文化の違いによりまして非常に大きく異なっておりますし、食料品の消費形態とか各品目の家計消費上の位置づけも各国によりまして大きく異なっております。
 これは例えば、欧米のスーパーなんかへ行きましたらすぐ目につくところでございますが、日本でしたら野菜とか米の売り場が非常に広いのですが、欧米のスーパーへ行きますと牛肉の売り場が非常に広くなっております。その牛肉もブフテキ用だけではございませんで、内臓肉とか皮とか舌とかいろいろな部分を売っておりますし、ひき肉、これがまた非常にたくさん売っております。こういうことからしましても、食生活の違いは随分大きいなということはスーパーで一目瞭然でございます。こういうことも含めまして、調査結果から出た価格の差を比較する場合に、こういった生活の違い、それから家計の違いといったものも十分考慮して考えていかなければならないというふうに思っております。
#129
○小川(信)委員 今いろいろとお話を聞かせてもらいましたし、事実勤労者世帯の家計費の中の食料費が一九・六%、約二割ですけれども、その中で約四分の一を外食、調理食品というような部門が占めておるということ、それから先ほどちょっと申し上げました飲食費の支出の総額に占める各部門の割合の中で、食品工業なり流通産業、飲食店サービスというところのウエートが非常に高いということ。ですから、食料品の内外価格差の是正には、原材料を生産する農業の部分は一八%程度しかないのだ、下げるためには、先ほどもお話しした四分の三の部分をどう下げるかということで内外価格差の是正ができるのではないかというふうに思いますし、また、家計の中で占める割合というのはそう大きいものではなくて約二割でございますけれども、今の部分を含めても二割だ。
 それ以外の部分でふえているのが交通通信、水道光熱とか教育、医療、教養娯楽等のサービス部門なんですね。医療とか教育はハンブルクと比較をしても非常に日本は高い。さらにはガソリンとか水道、ガス、電気というものはアメリカに比べて非常に日本は内外価格差があるわけです。この部分をきちんとさせることが全体的な内外価格差の是正につながるのではないか。そういうふうなことと同時に、流通部門の仕組みを合理化することが極めて重要になってくるだろうと思いますが、この対策こそ考えなければいけないというふうに思います。その辺について企画庁、どういうふうにお考えでございましょうか。
#130
○田中(努)政府委員 教育、医療費等について内外価格差が著しいという御指摘があったわけですけれども、これまた農産物とちょっと種類が違いますが、こちらの方はそれなりに非常に比較の難しい面がございまして、制度の違いとか教育の中身の違いとかいろいろございまして、こちらの方も簡単ではないわけでございます。ハンブルクと比べまして特に教育、保健・医療が日本の場合非常に割高になっているということはそのとおりでございますけれども、ハンブルクの場合には学校が全部国立学校あるいは公立学校で、大学等についてはほとんど私立というのはないとか、それから、保健・医療につきましても全額保険でカバーされておりまして、診療費の一部負担もないというふうなことで、これは一見価格差が大きいように見えるわけですけれども、これも注意をいたしませんとやや誤解を招くというようなことがありまして、いろいろ難しい点もございます。
 いずれにしましても、御指摘の電気・ガス料金等が国際的に見ても割高である、流通の面でもいろいろ改善すべき点が多いということはそのとおりでございますので、そういった面にも力を注いでまいりたいというふうに思っております。
#131
○小川(信)委員 今までいろいろ聞かせていただきますと、経団連等が指摘し、さらにはマスコミ等を通じて、内外価格差の一番の元凶は農業だ、農産物だというようなことが言われておりますけれども、内外価格差を生んでいる本当の、一番大きい原因は別のところにあるのではないかというふうに私は断定せざるを得ない。断定するのは行き過ぎかもわかりませんが、せざるを得ないような感じがするわけです。ですから、ここにメスを入れることによって内外価格差の是正を図って、そして消費者、国民全体の生活の安定を図る必要があるだろうと思います。
 最後になりましたけれども、一点お聞きして、そして長官の考え方を聞きたいと思います。
 元年度の消費者物価は最終二・七%の上昇というふうになっております。当初は二%程度を見込まれたわけですけれども、途中修正をして結論的には二・九%というように、〇・九%当初見込みを大きく上回った。これは三%の消費税も織り込みで計算をされたと思います。また、二年度の一・六%の見通し、これは消費税の見直しをするということで若干食料品が下がるというふうな見通しで一・六%ということにしておられますけれども、この根拠を、普通の家におる主婦がわかるような、こういうところがこうだからこうなったんですよという言い方で御説明いただければと思います。
#132
○田中(努)政府委員 平成元年度の見通しと実績の話から始めさせていただきますと、当初二・〇%と見たわけでございますが、その後為替レートがかなり変化をいたしまして、これが想定よりもかなり円安に振れたということが一つ大きな点でございます。それから、原油価格が全般的に低水準ではありますが強含みに推移いたしたということが二番目の原因でございまして、第三番目には、天候要因等によりまして生鮮食品が高くなった。この三つの理由によりまして見通しを上回ったわけでございますが、その中で二・七と一たん見まして、さらにそれが二・九%と高く振れました主たる原因は、これは生鮮食品が急騰したというところにあるわけでございます。
 それから、平成二年度の見通しは消費税の見直しを前提に一・六%に置いております。したがいまして、仮にその効果が除かれますと一・八%の見通しに相当するわけでございます。現在は、生鮮食品を除きますと対前年比二・一%という水準で推移をしておるわけでございまして、今後為替レートがどういうような推移になるか、それから原油価格がどういう推移になるか、いろいろ不確定な要因がございますけれども、最近の情勢では原油価格も非常に弱含みで推移をいたしておりますし、為替レートもどんどん円安になるという状況からは脱却したとも見えるわけでございまして、物価の環境としてはひところよりはよくなってきておりまして、見通しが達成できる可能性というのはかなり大きくなってきているというふうに見ております。
#133
○小川(信)委員 最後になりましたが、物価の動向は、今楽観的な答弁でしたけれども、先ほどの岡崎委員の指摘のように、インフレ傾向もあるのじゃないかというような心配もあるわけでございます。そういう中で今一番緊急な課題は、やはり物価を安定、引き下げていくということだろうと思いますけれども、昭和四十四年にできた物価安定政策会議、この役割と位置づけ、いろいろ資料を見せていただきますと、必ずしも十分に機能を果たしているとはどうも思えないような気がするわけでございます。
 この際、内外価格差の問題もあるし、物価の安定を図っていかなければならないという問題等も山積しておるというようなところで、先ほど我が党の委員からもいろいろ出ましたけれども、物価問題に対する大幅な権限を持った、例えば立入調査権とか公表する権利とか、こういうふうな全国民的な、どちらかというと消費者サイドに立った物価安定のための機構を設ける必要があるのではなかろうか、このような感じを持っておりますし、そういうふうなものを持っていただくよう提案をいたしますけれども、いかがでございましょうか。
#134
○相沢国務大臣 物価局長から答弁申し上げましたように、今物価は、多少見込みを上回っているものの安定的に推移をしておる、そのことは事実だろうと思います。ただ、委員御指摘のように、それでは心配がないかといえば、私は全くないということを申し上げる状態ではないと思うのであります。と申しますのも、一つは、物価の安定の原因が為替の円高にありました。逆に言うと、円安になるとこれが物価高に振れてくる、こういう心配があります。一ドル百二十円というような円高が今や百六十円にまで行って、また百五十円台になり、今また百五十四、五円というところになってまいりましたから、この先これがどう振れますか、これが一つ問題であります。それからもう一つは労働力の需給の問題でありまして、人手不足というものが各方面で著しくなってきた。これは建設関係のみならず、いろいろな面において賃金を上昇させる要因になる。これがまた物価に影響を及ぼすおそれはあるわけであります。それから、為替と賃金、地価の問題もございます。この非常な地価の値上がり、一部は鎮静化しておりますけれども、なかなか思うような対策の効果を発揮していない、これがまた地価に関連のあるところの諸物価を動かしていくというような心配もございます。
 そういうことでありますので、心配がないと言い切ることは私は難しいと思います。それだけに、物価安定の会議も形式的な会合を重ねるということではなくて、関係各省にも実質的に物価の安定、引き下げに貢献し得るような行動をとってもらうような形を企画庁もリーダーシップをとってぜひやっていかなければならないと思いますし、特に内外価格差の是正ということについては、せっかく五十二項目もつくられたわけでありますから、これを確実に実施していくことについてこれからも努力を重ねてまいりたいと思いますので、どうかひとつよろしくお願いいたします。
#135
○小川(信)委員 終わります。
#136
○野坂委員長 次に、大野由利子君。
#137
○大野(由)委員 大野由利子でございます。委員の皆様よろしくお願いします。
 初めに、内外価格差のことについて質問をさせていただきたいと思います。
 経済企画庁の出されました物価レポートによりますと、内外価格差をもたらしている要因の一つに消費者のブランド志向を挙げていらっしゃいます。消費者がブランド品の価格の高さを品質のよさと同一視している、こうした消費者の合理的とは思えない行動が高価格を招いている、そういう指摘でございますが、果たしてそうなんだろうか。一見そのように見えますけれども、そういう指摘は行き過ぎなのではないだろうか、私はそのように思っております。良質で、しかもまた安価なものを求めるのが本来の消費者の心理でございまして、残念ながら非常に情報不足な中で、ブランド品なら一応安心なのではないか、そういう心理が働いてそのようになっているのではないか、そのように思います。消費者のブランド志向は売る側が形成してきたと考えるのが妥当ではないか、そのように思っております。
 公正取引委員会が三月十六日に出されました「欧米ブランド輸入品等の実態調査」に次のように報告をしていらっしゃいます。「輸入総代理店経由の商品の小売価格の設定方法」についてでありますが、百貨店は、輸入総代理店が付しています希望小売価格を小売価格としてそのまま用いているとしているのが九二・三%。このように九二・三%の百貨店が輸入総代理店の希望小売価格を小売価格としてそのまま用いていらっしゃる、その原因を公正取引委員会はこの調査でどのように分析をされていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
#138
○糸田政府委員 ただいま委員御指摘の調査の件でございますけれども、私どもことしの三月に「欧米ブランド輸入品等の実態調査」ということで公表したところでございます。その中にただいま委員御指摘の点が含まれているわけでございますけれども、こういった欧米ブランド輸入品につきまして輸入総代理店が希望小売価格を付しておりまして、それが百貨店で売られる場合に、百貨店の九二・三%がおおむねこの希望価格どおりの価格を付している、こういった数字が出ているわけでございます。
 これの原因、私どもいろいろ考えているわけでございますけれども、例えば百貨店の仕入れ形態の点にその原因の一つが見受けられるかというふうにも思ったりしております。これは百貨店が仕入れて販売をする場合に、販売する時点で初めて仕入れが成立するといったような仕入れ形態もあるようでございまして、こういったようなことが、例えば輸入総代理店の価格につきましての、言ってみれば影響というものが出ている面もあろうかと思います。それからまた、そもそも百貨店の従来の価格設定行為といったものを見てみましても、いわゆるブランド品などにつきましては、そのブランドイメージを維持するといった観点から希望小売価格どおりの売り方をするといった面もあろうかと思っております。こういったようなことが回り回ってこのような数字になっているのではないか、私どもこのように見ているところでございます。
#139
○大野(由)委員 今の御指摘の中に、仕入れ形態にそうした因がある、そのようなお話でございましたけれども、この調査の中にも出てまいりますが、輸入総代理店が百貨店に対して小売価格の設定に注文をつけているから高くなっている。八五・七%の百貨店が価格設定に対する関与があった、そのように答えております。輸入総代理店が百貨店や小売店に対して希望小売価格を押しつけたり、また、その価格どおり販売しないと商品が納入されない、そうした関与が著名なブランド品ほど高いというように聞きますが、これは不公正な取引に該当しないかどうか独禁法に抵触しないかどうかについてお尋ねしたいと思います。
#140
○糸田政府委員 ただいまの点でございますけれども、私どもの行った調査を見ましても、委員御指摘のような事実が見られるところでございます。ただ、この調査は、実は私ども小売業者を中心といたしましてアンケート調査とかヒアリングということで行った調査でございますので、言ってみれば小売業者の意識を聞いたという趣旨の調査でございまして、特段これを裏づけるような具体的な事実があるというわけでもないものでございますから、これをもって直ちに独占禁止法上どうこうという問題にまで至らないと思っておりますけれども、ただ、こういった意識を小売業者が持っているという事実は、私ども今後仕事を進めていく上におきましては十分考えていかなければならない、かように思っておるわけでございます。
#141
○大野(由)委員 こうした事実が既に今まで行われてきたから小売店はそのようなイメージを持っ
ているのであって、そうしたことがなければ小売店はそういうイメージを持つはずがないのではないか、そのように思います。
 また、量販店についても、ブランドイメージの維持を理由に輸入代理店から商品の取り扱いを拒否されるケースが多いというように答えている。これからそうした問題に関しまして、公取として具体的にどのように対応されていかれるのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
#142
○糸田政府委員 今いろいろと御指摘のあったような点が独占禁止法上どうなるかということにつきましては、私どもも当然のことながら重大な関心を持って見守っているところでございます。今後の問題といたしまして、例えばそういったことにつきまして何か具体的なきっかけが見つかったとか、あるいはそういった違反事実が認められるといったようなことがございますれば、これは当然のことながら、独占禁止法で厳正に対処していかなければならない、かように考えておるわけでございます。
#143
○大野(由)委員 また、並行輸入品を扱う業者と輸入代理店との間でトラブルが起きている、そのように答えている小売店も五割あるわけですけれども、こうしたトラブルがあったときにこれからどこに相談をすればいいのか。どこに持っていけばいいのか。公正取引委員会は各ブロックに窓口を持っていらっしゃるようでございますが、小さな並行輸入業者が相談するのにもっと身近なところに窓口を持つべきではないか、政令都市とかにそうした窓口が必要なんではないか。相談者の秘密を保持するということで安心して相談できる窓口等の拡大が必要なのではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#144
○糸田政府委員 委員御指摘のように、公正取引委員会は、もちろん本局は東京にございますけれども、それ以外に全国七つのブロックに地方事務所を置いているところでございます。それから、沖縄にも沖縄総合事務局の中に公正取引室というものを設けていただいておりまして、ここで独占禁止法関係の仕事をやっているところでございます。こういったところに、いつでも、どういった格好でもよろしゅうございますけれども、もし何かあったら御相談していただければ、私どもも適切に対応していきたい、かように考えております。
#145
○大野(由)委員 最近、公正取引委員会は新聞を見てましても大変な御活躍をされていらっしゃるので、本当に眠れる獅子がまさに目を覚ましたという感じで、消費者の立場から大変喜んでおります。ただ、もっともっとこれから、小さなことでも相談できる窓口というものが全国七ブロックぐらいではとてもじゃないけれども足りないのじゃないかと思いますので、その辺を前向きに積極的にぜひ取り組んでいただきたい、そのように要望したいと思います。
 それから、輸入総代理店の認定基準でありますが、国内で二五%以上のシェアを持つ企業が自社製品と競合する商品の輸入総代理店になると不公正取引のおそれがある、そのようにしていますけれども、しかし、有力な競争相手がいればよいという例外規定が設けられているために、ウイスキーを初めスパゲッティとかの商品で、国内の大手企業が自社製品と競合するにもかかわらず外国の商品の輸入総代理店となっているケースが多く見られるわけです。そういう状況であれば、当然、自社製品を守るわけですから競争阻害の要因になるとの指摘があり、認定基準を見直すべきだという声が高まっておりますが、この認定基準の見直し、強化について公取のお考えをお尋ねしたいと思います。
#146
○糸田政府委員 ただいま委員御指摘のありました、競争関係にある日本の事業者が輸入総代理店になっていまして、それが例えば輸入総代理店になった結果シェアが二五%を超えるといった場合には、これは不公正な取引方法に該当するおそれがある、ただし、このことだけで独占禁止法の問題になるわけではなくて、もっといろいろな競争に与える影響などを見た上で総合的に判断しなければならないというわけでございますけれども、こういった趣旨のガイドラインと申しますか、輸入総代理店契約に関します認定基準というものを私ども持っており、これを使って仕事をしてきているところでございます。
 ただ、この認定基準は昭和四十七年にできたものでございまして、もう二十年近く前のことでございますので、私ども、その後の運用経験なりあるいは経済実態も非常に大きく変動しておりますので、そういった変動を十分踏まえた上で新しいものをつくっていく必要があるというふうに考えているところでございます。現在、そういう意味でこの認定基準の見直しをやっているところでございまして、そう遅くない時期に新たな認定基準をつくって、こういった問題に対します独占禁止法の考え方の一層の明確化を図っていきたい、かように考えておるわけでございます。
#147
○大野(由)委員 今認定基準を見直して検討中との御回答をいただきましたけれども、これはいつごろ発表されるのでございましょうか。
#148
○糸田政府委員 ただいま検討中でございますので、具体的な時期をまだ申し上げることができる段階には至っておりませんけれども、そう遠くない時期に公表いたしたいと考えております。
#149
○大野(由)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、通産省にお尋ねをしたいと思います。
 お隣の韓国では、高級ブランド商品、例えば衣料とか靴、バッグなどの輸入品の値札に小売価格とともに輸入価格を併記する、そういう制度をことし三月より導入するようになったと報道がされておりました。消費者から余りの高価格ぶりに批判の声が上がって、物価高に悩む消費者から何とかしてほしいということで韓国政府がそういう措置をとった。新聞によりますと、内外価格差の問題について日本よりも韓国の方が先行して対策を講じた、そのように報道がされております。この問題について、いろいろ難しい問題もあるかと思いますが、通産省はどうお考えか、お尋ねしたいと思います。
#150
○岩渕説明員 御説明いたします。
 韓国におきまして今御指摘のありましたような制度が導入され、本年三月から実施されていることは承知しております。しかしながら、このような制度を我が国に導入することにつきましては、まず通常、仕入れ値を含めまして一般に企業のコストというものは企業秘密に属するものでありまして、これを公表することを義務づけるというようなことはいかがであろうかという問題、さらには、輸入品につきましてこのような制度を設けるということになりますと、輸入品を差別的に扱い、輸入品の浸透を妨げるものではないかというような批判を招く懸念もある等々の問題がございまして、我が国にこのような制度を導入することには難しい問題があるのではないか、かように考えているところでございます。
#151
○大野(由)委員 輸入品を輸入の段階で除外したり関税を高くかけたりということよりも、輸入価格が幾らで、輸送費その他の途中の費用が幾らでということを明示する、貿易の自由化を図るけれども、同時にその辺のことはきちっとするということの方がよっぽど消費者のためになるのではないか。これが幾らで輸入されて幾らで販売されている、それだけ高くなったものを承知の上で買うのかどうかということを消費者の判断に任せる、そういうふうにした方がいいのではないか、そのように思います。また、これもぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、新聞報道によりますと、カメラ関連業界がメーカー希望小売価格を撤廃して小売価格の決定権を小売業者の自由裁量にゆだねるようになった、そのような記事が二、三日前の新聞に出ておりましたが、物価政策の上からこうした動きをどのように通産省は思われるか、見解をお尋ねしたいと思います。また、こうした動きを進めていかれるのが望ましいと思っていらっしゃるかどうかについてお尋ねしたいと思います。
#152
○中名生説明員 お答え申し上げます。
 一般的に申し上げますと、希望小売価格の表示につきましては、アンケート調査等によりますと、消費者が商品の選択のための手がかりということで、あった方がいいという御意見の方が多いようでございます。そういう意味では、一概に希望小売価格の表示というものをしてはいけないということではないのではないかと思います。しかしながら、メーカーの希望小売価格というものが小売店での価格を拘束するというようなことになることは当然望ましくないことでありますので、そういう観点から、希望小売価格というものが拘束的なものでなくなる、結果として小売店段階での価格競争が促進される、それが消費者の利益につながるということは望ましい方向であるというふうに考えております。
#153
○大野(由)委員 日米構造協議でも問題になりましたけれども、通産省はこうしたメーカー希望小売価格の撤廃を日米構造協議の最終報告に盛り込むことになるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#154
○中名生説明員 お答え申し上げます。
 今先生御指摘ございましたように、日米構造協議の中間報告におきましては、商慣行の問題について、通産省といたしましても、商慣行改善指針というのを最終報告までにまとめるべく努力をすることを日本側の措置ということで盛り込んでおります。この内容につきましては現在審議会で御検討いただいておるところでありますが、現時点での私どもの希望小売価格についての考え方というのは先ほど申し上げたとおりでございます。
#155
○大野(由)委員 現在例外的に独禁法の適用除外になっています再販制度について、廃止すべきであるとの声が上がっておりますが、今後どのように対処していかれるか、お伺いしたいと存じます。
#156
○大熊説明員 再販売価格維持行為というのは独占禁止法上の不公正な取引方法として原則として禁止されているわけでございますが、著作発行物と一部の大衆医薬品、それと小売価格千三十円以下の化粧品に限っては、消費者の利益を不当に害さない限り、独占禁止法二十四条の二の規定により例外として再販売価格維持契約が認められているところでございます。公正取引委員会は、再販契約の独占禁止法適用除外制度につきまして、従来から消費者の利益を不当に害することがないように限定的かつ厳格な運用を行ってきたところでございますが、行革審の報告書の指摘なども踏まえまして、引き続き限定的かつ厳格な運用を行うとともに、今後その制度のあり方について検討してまいりたいと考えているところでございます。
#157
○大野(由)委員 経済企画庁長官にお尋ねしたいと思いますが、日米構造協議で指摘されるまでもなく、我が国は消費者の利益が十分に尊重されていない、そういう実情ではないかと思います。前経済企画庁長官の高原須美子さんは、消費者の選択は尊重すべきであると語っていらっしゃいますが、我が国では消費者は十分商品の選択ができない、情報量が十分じゃない、そういう環境にあると言っても差し支えないのではないかと思います。
 欧米各国の場合を見ますと、商品比較テストの結果を知らせる定期刊行物が発行されております。日本でも一部出版社とか消費生活センターで行ったりはしておりますが、欧米各国に比べると非常に少ない状況です。また、西ドイツでは消費者センターで、図書室のような大きな部屋の壁一面に冷蔵庫やテレビ、車とかいった多くの商品別ファイルが並んでいまして、各メーカーの製品に関する比較データなどが見られるようになっております。消費者は自由にそれを見比べることができる、そういう状況になっております。また専門の相談員もいます。このセンターの予算は国とか州とか市町村が負担して、公立の機関のあらゆるところに設置をしております。また、フランスでは公的な消費研究所が商品比較テストの結果をテレビのスポット等で流しております。
 日本では全く考えられない状況でございますが、我が国の消費者も安くて本当に品質のよいものを選ぶためのデータが非常に不足している。メーカーが出しているものだけが頼りだという状況が往々にして多いのです。もっと欧米各国のように情報提供に国が力を入れていくべきではないか。今国民生活センターとか消費者センターで努力してくださっておりますが、まだまだ不十分なんじゃないかと思います。
 私は、消費者センターだけではなくて、町中にありますあらゆる公共施設、公共図書館の分館等の小さな建物にも全部こうした商品別ファイルを整備して、国民生活センターの商品テストの結果とか、こうした内外価格差の商品比較だとか価格比較とかが消費者が簡単に見比べられるというふうなことをしていってはどうかと思います。そうした問題にぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#158
○相沢国務大臣 消費者に対する、啓蒙という言葉は余り好きじゃありませんけれども、そういう面の広い意味の消費者教育の努力をさらにしなければならぬじゃないかという委員の御指摘、私も全く同感であります。国民生活センターあるいは各地方の消費者センター等でもそういう努力をいたしております。二十年前に国費を投じて国民生活センターをつくりましたときも、商品テストなどを企業と関係なしに公平に公正に行うことができるようにということがその設立目的にもなっておったのでありまして、これからも消費者に対する広い意味の教育ということについては一生懸命取り組んでいきたいと思っているのであります。消費者のブランド志向ということがいろいろ言われますけれども、それも商品に関する広範な的確な知識について欠けている点が一つは原因になっているのじゃないかというふうに思いますので、これからもこれは積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#159
○大野(由)委員 私も主婦の一人として買い物をする機会が多いわけですけれども、いざ買い物をするときにどのメーカーのどれがいいか比べてみたいと思っても、本当に資料が少ない、そういう状況でございます。もっともっと身近なところでいつでも手軽に目に入るという、既に今消費者センター等でやってくださっていますけれども、そうした機会をもっと拡大をしていただきたい、そのように要望したいと思います。
 また、若者によるクレジットカードの事故率だとか消費者トラブルに巻き込まれる若者が今急増しているということが報道されております。消費者教育を学校教育にもっと取り入れていってはどうか。これは文部省の管轄かと思いますが、こうしたことをもっと積極的に働きかけていただいたらいいんではないか、そのように思いますが、そういうことに対する企画庁長官の御見解を伺いたいと思います。
#160
○相沢国務大臣 消費者の人が今言いました商品の比較とか研究とかというものをするのに、行政サイドからいろいろと教育と申しますかPRといいますか、そういうことの助けが必要だということは私はそのとおりだと思うのですけれども、同時にそれは、お説教みたいになって済みませんけれども、消費者のサイドでも物を買うときによく比較をする、研究をするという努力が足らないという点もあるのではないかという気がするのですね。例えば大阪は東京よりも物価が安いということを言われますけれども、それは大阪の主婦の人は物を買うにしても、魚屋に行っても八百屋に行っても必ず二、三軒見て買うというのですね。東京はそうしないというのですよ。
 そこで、そういう消費者の側の一種の努力というものも私は足らないんじゃないかという気もするのですね。もちろん学校教育の面でそういう点についてもこれは具体的な問題として取り組んでいかなければならない、よくまた文部省とも連絡をしてやってまいりたいと思っております。
#161
○大野(由)委員 消費者の努力は当然でございますが、材料を提供してあげるという努力は本当に必要じゃないかな、情報量というか、そのように思います。
 次に、ビールの値上げの問題について質問させていただきたいと思います。
 先ほど岡崎委員からも質問がありましたビールの値上げ、ことし三月、一斉値上げが行われまして、同調値上げという疑いがあるということで今公取が調査をしていらっしゃる途中のようでございますが、年次報告で報告をするとの先ほどのお話でしたけれども、今までの年次報告ですと、一メーカーわずか十行足らずの値上げ理由が記載されているにすぎません。しかも値上げに関する公取の見解や問題点についての記載が全く見当たらない状況です。年次報告は同調値上げをとめることに目的があるわけですから、十行足らずの報告では抑止効果は期待できない。少なくとも値上げの理由について当局はどのような見解を持っていらっしゃるか、あわせて記載すべきではないか、そのように思いますが、いかがでしょうか。
#162
○糸田政府委員 お尋ねの価格の同調的引き上げという問題でございますけれども、これは独占禁止法の第十八条の二というところにその制度が規定されているわけでございます。これによりますと、委員御承知のように、価格の同調的引き上げがあった場合には価格を引き上げた各メーカーから値上げの理由の報告を公正取引委員会が求めることになっているわけでございます。公正取引委員会はその報告を求めまして、それの概要を国会に御報告するということになっているわけでございまして、その報告の手段としてただいま御指摘の年次報告を使いまして行っているわけでございます。これはこの法律の制度そのものからもう制約があるわけでございますけれども、値上げの理由の報告の概要、それ自体を国会に御報告するということでございまして、それについての公正取引委員会のコメントとかそういったことは一切付さないということになっているわけでございまして、それで今までああいった格好で御報告をしているというところでございます。
#163
○大野(由)委員 この報告がそうした同調値上げを抑止するのにどれだけの働きを持つのかということは甚だ疑問に感じます。過去に二回、五十五年と五十八年になされているにもかかわらず、今回また同じようなことが行われたというのはむべなるかな、また再びこうしたことが起こらないようにぜひこの問題については検討をしていただきたい、そのように思います。
 それから、ことし三月の値上げから見まして、この年次報告はことしの十二月ごろになるのではないか、そのように思いますけれども、ことし三月の値上げが十二月の年次報告で初めて報告をされたんでは余りにも遅過ぎる。抑止効果もありませんし、それこそ気の抜けたビールになってしまいます。梅澤委員長は、四月三日の我が党の二見議員の国会質問の答弁の中で、独禁法四十四条で公正取引委員会が年次報告を提出するときに立法府に報告するようになっている、その規定を今まで守ってきたが、ただ早く立法府として内容を聴取したいということであれば、立法府の国政調査権の問題なので、そのときに報告の内容が固まっていれば当然国会で報告をする、そのように答えていらっしゃいます。委員長も三月の値上げが十二月に公表されるのでは余りに遅いということでこういう発言になったのではないかと思いますが、この調査結果がまとまり次第当委員会、物価対策特別委員会でぜひ報告をしていただきたい、そのように思いますが、いかがでしょうか。
#164
○糸田政府委員 御指摘の前段の点でございます価格の同調的引き上げという問題でございますが、これは実は日本に限らず世界各国の独占禁止法がそうなんでございますけれども、この問題の取り扱いに今非常に苦慮している点でございます。と申しますのも、価格の同調的引き上げということ自体、独占禁止法に違反する行為というものでは全然ございません。したがいまして、これを違反行為、他の違反行為と同じような措置をとるということの対象になるような話じゃないものでございますから、これをどのように考えるかということで各国とも苦慮をしているというわけでございます。
 我が国におきましても、独占禁止法ではそういった違反行為ではない価格の同調的引き上げというものが行われたときには、先ほど申し上げましたとおり、各メーカーから値上げの理由の報告を求めまして、それの概要を国会に御報告する、それによりましていわば値上げ理由を広く公にいたしまして、言ってみれば各メーカーとも安易な値上げはそれによって防げるのではないか、安易な値上げに対して歯どめをかけることができるのではないか、こういった趣旨のもとにおっしゃる制度ができ上がったというところでございまして、私どもこの制度を今後とも大事に守っていかなければならない、かように考えているわけでございます。
 それから、今回のビールの値上げにつきまして、現在この値上げ理由の報告を求めているところでございます。鋭意調査中という段階でございます。これの国会に対する報告の時期でございますけれども、通常は年次報告ということでございまして、まさに御指摘のとおり、通常ですとことしの十二月に提出されます年次報告で国会に御報告するということになっているわけでございますけれども、今委員御指摘のありました公正取引委員会委員長の国会答弁はまさにそのとおりでございまして、もし私どもの調査がまとまった段階で、あるいは国会にその値上げ理由の概要を報告できるようになったその段階で国会の方から国政調査権の行使として御要求があるならば、その時点で国会の方に御報告するということも考えてまいりたい、このように前に公正取引委員会委員長は御答弁申し上げているところでございますので、私ども事務局もその線に沿って考えているところでございます。
#165
○大野(由)委員 ビールの値上げ、二十円の値上げですけれども、各メーカーとも全く決算内容も違いますし、シェアも違いますし、全く違うにもかかわらず同じ時期に一斉に同じ二十円の値上げということで、しかもメーカー、卸、小売の取り分が皆四メーカーとも全く同じである、こういうことはどう考えても事実上カルテルがなければとてもできない、そういう内容である、そのように思われます。そういった意味で、今の御答弁を伺っているだけでは、何か公正取引委員会、これではちょっと頼りにならぬのかな、そういう印象を受けたのでございますが、本当にビール会社の決算も全く違う状況ですし、今どの社も一斉に値上げしなきゃいけない状況にあったとはとても思えない状況でございます。そういった意味で、もう一歩積極的な調査をぜひお願いをしたいと思います。
 それから、もし要請があれば国会に報告をなさるというような感じでございましたけれども、経企庁長官の方からぜひこれは公取の方に要望をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#166
○相沢国務大臣 ビールの値上げにつきましては、たしか衆議院の予算委員会でも質問ございました。私に対しましても質問がありましたので、何年ぶりでしたかな、ちょっと忘れましたけれども、その間における生産コスト、特に配送その他物流関係の費用の上昇等がありまして、値上げをすることについてはやむを得ない事情があったと思うというような答弁をしておいたのであります。ただ、結果的に四社がほとんど一斉に一社に追従して値上げするような形になりましたことについては、そのときも公取委員長から、これはよく調べて検討するという答弁があったことを私も記憶いたしておりますから、公取としても早く調査をやって、その結果を国会の求めに応じて発表されるようにしてもらいたい、このように考えております。
#167
○大野(由)委員 国会に報告というのは、どこに報告なんでしょうか。
#168
○糸田政府委員 通常ですと、年次報告でございますから、衆議院、参議院両院に御報告申し上げるということでございます。今回、もし必要があれば、国政調査権の御行使のもとに、お求めに応
じて提出するということでございますので、その辺の手続はまた国会事務局などとも御相談させていただきたいと思っております。
#169
○大野(由)委員 済みません。私まだ新人で、国会の機構がわからないもので、本当に初歩的な質問で申しわけないのですが、この物価対策委員会の方で要望をすれば報告はしていただけるのでしょうか。
#170
○糸田政府委員 申しわけございませんが、私も委員以上に国会の事情に疎いものでございまして、よく相談させていただきたいと思います。
#171
○相沢国務大臣 私が御答弁申し上げる筋かよくわかりませんが、委員会として理事会にでもお諮りいただいて、国政調査権に基づく資料要求としてされたらいいんじゃないかというふうに思います。
#172
○大野(由)委員 じゃ委員長、ぜひ理事会を開催していただいて、物価対策特別委員会の方に報告をするように要望をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#173
○野坂委員長 理事会でもちろん協議をいたしますが、報告がまとまり次第積極的に当物価特別委員会に報告をいただきたい、そういうふうに思っておりますので、善処いたします。
#174
○大野(由)委員 大変積極的な答弁ありがとうございました。期待をしております。
 じゃ、次の質問に入らせていただきたいと思います。
 通産省がことし二月に出されました電気用品安全検討会中間報告の中で「点検、回収等の事例はこれまで少なくないにも拘らず、欠陥製品の点検修理の公開の遅れがみられたり、通産省への事故報告が徹底していないなどの状況がみられる。さらに、社告その他の周知方法について消費者の理解が必ずしも得られているとは言い難い状況にある。このため、消費者保護の立場に立った製品欠陥対策の充実のための検討が必要である。」このように指摘がされております。
 このような状況の中で、消費者の不安は大変募る一方でございますが、欠陥製品の場合、消費者に対しメーカーは使用上の注意や回収、修理についてどのような周知の方法をとっていらっしゃるのか、ガイドラインはあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#175
○牧野説明員 お答え申し上げます。
 本年二月に、確かに私ども通産省の名前で、テレビ受信機を製造しております業界に対しまして、テレビ受信機の安全確保に関する通達をいたしたわけでございます。その後、その団体でございます日本電子機械工業会、通常EIAJと呼んでおりますけれども、そこにテレビ安全特別委員会、これは通常の委員会と違いまして役員クラスを委員長に据えまして、自乗テレビ安全に関する検討策を検討していただいたわけでございます。
 幾つかの検討項目がございましたけれども、幾つか具体例を申し上げますと、一つはテレビ設計に関します業界自主基準を作成、これは既に終わっております。二つ目でございますが、消費者の方々にテレビ安全キャンペーンということで、あるいは委員の方でもごらんいただいたかもしれませんが、新聞、テレビその他のメディアを通じて、事故対応についていろいろキャンペーンをやらしていただいたわけでございます。
 三点目が御質問に最も関係の深いところでございますが、財団法人家電製品協会と、先ほど申し上げましたEIAJが共同いたしまして事故処理に係ります業界統一対処マニュアルというのを作成をいたしまして、関係消費者団体の方々にも御説明をし、今後適切に運用していただく、かようなことになっております。当省といたしましても、今後テレビ受信機の安全確保について万全を期してまいりたい、かように思っております。
 以上でございます。
#176
○大野(由)委員 テレビについて今御報告がありましたが、先月の五月二十九日付の新聞に、衣類乾燥機のメーカーが広告を出しております。二段ぐらいの余り大きくない、小さな広告を出しておりますが、この中で「ご愛用のお客様へお詫びとお願い」といって、謹告を出しております。制御基板部品の一部に発煙が生じたということでそうしたのを出しておりますが、私はこれに注目しまして、その後の広告も探しましたけれども、後にも先にもこのとき一回限りの広告でございます。
 メーカーは一度の広告を出したことによって消費者に点検修理の通知をした、それはもうできたと思っているようでございますが、これでよいとしているならば、消費者にとっては不親切きわまりない、そのように思いますが、通産省はそういうことに対してどういう御見解を持っていらっしゃるのか、どのように御指導していらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
#177
○牧野説明員 お答え申し上げます。
 先ほど新聞に広告をやると申し上げましたけれども、これは無料点検修理の一つの手段にすぎませんで、実は各地の消費者センターあるいは各都道府県の消費者関係の窓口、そういうところにもパンフレットを配布をいたしまして、周知に御協力方をお願いしているというのが一つの補助的な手段でございます。あるいは品質保証書というのがございまして、その関係からユーザーの方々の名前というのは、ある程度トレースできるわけでございます。
 若干恥ずかしい例を御説明すればおわかり願えると思いますが、私昨日、この東芝の乾燥機について、自宅に修理屋さんから訪問を受けまして、これは私は知って電話したわけではございませんで、女房から非常に怒られたのでございますが、要すれば、メーカーは自分のところの台帳を調べまして私がユーザーであるというのを知って訪れてまいったわけでございます。したがって、三つ目の手段でございますが、自分たちで積極的に過去の販売記録、これは各お店にある場合もございますしメーカーにある場合もございますが、そういうものも使いまして、なるべく修理率を上げるように努力をしておりますし、今後とも私どもも督励をしてまいりたい、かように思っております。
 以上でございます。
#178
○大野(由)委員 どういう形でユーザーを掌握されたのか、いろいろな手でユーザーをつかんでいらっしゃるのだと思いますが、今までの報告で、テレビだとかそうしたいろいろな電気製品がどれくらいの回収率になっていますでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#179
○牧野説明員 まことに申しわけございません。ただいま数字の持ち合わせがございません。
 ただ、一般論として申し上げますと、非常に古い、発売が終了してから日数がたったものの場合は、私どもがわかりますのは発売総台数だけでございます。したがいまして、無償点検修理を始めたときには既にもう処分済みの場合もございまして、そういう場合は一般的に低い場合がございます。他方、つい最近あったケースで、正確には数字は覚えておりませんが、テレビのケースでは九十数%に達しておるものもあるわけでございます。したがって、そこはおのおののビンテージといいますか、売り出して販売が終わった時期からの時間と、通常その商品が使われるライフサイクルといいましょうか、何年くらい使われるかというようなものとの関係で、一概にはお答えできないような状態でございます。
 申しわけございませんが、以上でございます。
#180
○大野(由)委員 済みません。私も今ちょっと手元に数字を持たなくてあれなのですが、私が見たデータでは、回収率まだ七割とか八割という状況で、火を噴くテレビとか煙を出す家電製品がまだまだ二〇%、三〇%近く各家庭に放置されている可能性もあるという状況があるということは、消費者の側からいえば非常に不安な、心配な状況じゃないか、そのように思います。
 今この世の中、右を向いても左を向いても暮らしの危険がいっぱいである、そのように指摘している人もおります。まさにハイテク時代と言われ、あらゆる商品また家電装品がハイテク化して便利になったように思われますが、決して快適で安心して使えるものばかりではありません。記憶
に新しいところでは、昨年の八月二十四日、東京江東区の高層マンションで二十四階から出火して、四名の方が一酸化炭素中毒で入院をされたという事件がありました。高層マンション火災の恐怖を感じさせる事件でございましたが、その後、このマンション火災の出火原因が、居間に置かれてあったテレビの可能性が高いという調査が行われておりまして、各テレビメーカーが相次いで特定機種のテレビによる発煙や発火の危険を消費者に警告して、点検、回収がされております。
 先ほど報告にもありましたけれども、冷温風機とかパソコンとか、今まで同じような措置がとられております。このテレビ火災によって、いわゆる製造物責任の問題が大きく論議されておりますが、経済企画庁長官は、この製造物責任、いわゆるPL法でございますが、必要だと思われますか、必要でないと思われますか、そのことの御所見を伺いたいと思います。
#181
○相沢国務大臣 製造物責任法、あるいはほかの呼び方もあるようでありますけれども、その制定に関しまして、これは予算委員会でもいろいろお話ございました。
 これは製造業者の無過失責任を法定する形になりまして、民法第七百九条でしたかの不法行為の責任の例外規定として無過失責任を負わせるということでありますので、その法制上の問題がございますので、企画庁だけでどうこうするということを決めるわけにはまいらぬと思いますが、通商産業省でも関係団体に設けられた調査研究会で検討いたしていると聞いておりますし、また法務省でも、民事法制上の重要な事項でありますから、このことについては、そのあり方について大いに関心を持っているというふうに聞いております。
 私もこれは諸外国で、全部ではありませんけれども、そういう法制を持っているところもあることを承知しておりますので、ひとつこれは何とか前向きに検討すべきではないかというふうに思っておりますが、何分各方面に対する影響も大きい問題でありますので、さらに検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#182
○大野(由)委員 通産省はPL法の制定に向けて調査研究を始められたと伺っておりますが、その点いかがでございましょうか。
#183
○田島説明員 お答え申し上げます。
 通産省といたしましては、消費者被害の救済の充実と消費者の安全の確保を図る等の観点から、製造物責任制度が有する意義については認識をしておるところでございまして、先ほどもお話がありましたが、製品安全協会の中で調査研究委員会を設けまして、欧米における立法あるいは紛争解決制度、保険制度等を中心とした調査研究を行っております。この制度は民法の原則に対する重要な例外をなすものでございますけれども、基本的には消費者保護の充実に資するものとして評価をしているものであると考えられますところ、制度のあり方につきまして、消費者救済の実効性でありますとか保険制度等履行確保制度のあり方、それから関係各界に及ぼす影響等を含めまして、今後とも総合的に、着実に検討を行っていく必要があると考えておるところでございます。
#184
○大野(由)委員 今ECでは、一九九二年の市場統合に向けてPL法の最終的な整備を図っている段階になっております。また、この製造物責任に関しましては、日本の企業の繁栄は日本の消費者の犠牲の上に築かれている、そのような意見もあるぐらい、アメリカまたECではこの製造物責任に対して今対処しております。いつまでも日本だけこういう状況を放置していていいという状況にはならないと思いますし、日本の企業が、海外ではPL法によって訴訟を起こされるけれども、日本ではないために免れているというような矛盾もございます。また製造物責任は、消費者保護の問題であるだけじゃなくて、こうした国際的な貿易格差を生み出す要因、国際競争力の問題としても理解される、今そういう現状になっておりますので、このPL法を何としても積極的に推進をしていただきたい。
 今御答弁を伺っていますと、前向きにこれから取り組んでいきたいということであったとは思いますけれども、いつごろまでに、どういうふうになさるのか、このPL法は通産省とか経済企画庁、また薬品等に関しましては厚生省とか、あるいは法務省も関連してまいりますし、たくさんの省庁にまたがる非常に大きな問題でございます。企画庁だけでできる問題ではないと思いますが、PL法の推進機関を政府内に設けるということがまず必要なんじゃないか、検討機関をまず設ける必要があるのではないかというように思いますが、その点について御意見を伺いたいと思います。
#185
○末木政府委員 ただいま長官からもお答えをいたしましたし、通産省の勉強の状況も御説明があったわけでございます。そのほかにも関係する役所がございます。私どもは消費者行政のいわば幹事役の立場だと思っておりますので、そういう立場から、従来それぞれに勉強を進めてきた、検討を進めてきたところかと思いますけれども、大分その勉強の成果も積み重なりつつあると思いますので、この問題について非常に広範にわたる問題がございますが、その事実についての認識あるいは立法化に向けてどういう問題点があるかということについての考え方、こういった点について、勉強をしてきた関係省庁の間でいわば認識の共通化を図ると申しますか、こういうことがまず第一歩だろうと思うわけであります。
 推進機関という難しいお言葉でございますけれども、形にあらわしたそういう組織をどうするかということももちろんあろうかと思いますが、具体的な中身について、今申し上げたように関係省庁との連携を深めていく、それぞれの勉強の成果を持ち寄ってお互いの認識を共通にするということがまず必要な段階だろうと思うわけです。
 それと同時に、この問題は従来の消費者保護行政と大変違う要素がございます。これまでの消費者保護行政、特に新しい立法の問題は大体が新しい仕事を行政庁に負わせるという立法だったわけです。こういうことをしてはいけない、やった場合には取り締まる、あるいはこういうことをしなければいけない、例えば契約を結んだ場合にはこういう様式の書面をお客様に渡さなければいけない、そういうような規定を置きまして、その監督の仕事を関係の役所に負わせる、守らなければ罰則がある、こういうのが従来の主体でございましたけれども、今度のこれはむしろ行政庁が一歩引きまして、この制度のワークの仕方としては、消費者自身が裁判所に訴えて出る、そしてみずから自分の権利を守るということでございます。
 これは両々相まって消費者保護が全うされるのだろうと思いますけれども、そういう意味では消費者自身がこの制度について十分理解をして、自分たちはこういうふうな制度であればこういうふうに使いたいのだというふうに声を上げていただいていくことが必要だと思いますので、そういう観点から、一部の消費者団体、非常に熱心に勉強なさっているところもありますけれども、まだ必ずしも広範にというところまでいってない面もあろうかと思いますので、そちらの方ともよく意思の疎通を図っていきたい。関係省庁との関係、それから消費者団体との関係、両方進めていきたいと思っております。
#186
○相沢国務大臣 今局長が答弁申し上げたとおりでありますけれども、関係する方面がたくさんありまして、それぞれ検討を進めておりますけれども、私も、やはりばらばらにやっているのではなくて、関係の行政機関の専門家に集まってもらいまして、ひとつ企画庁の中に研究会のようなものでもつくって、そこで具体的な内容について検討を進めたらどうかということをつい最近も話し合っていたところであります。検討する方向で検討するというのじゃあれかもしれませんけれども、よく検討を進めてまいりたい、このように思っております。
#187
○大野(由)委員 日本の縦割り行政の中でそれぞれがそれぞれに検討していらっしゃるだけでは一向に進まないのではないかと思います。今長官からもお話がありましたように、各省庁
またがっての検討委員会をぜひ発足させていただきたい。消費者というのは非常に弱い立場でございます。消費者からの声が弱い云々なんて先ほどの御答弁にありましたけれども、消費者を守るのが我々の立場ではないか、私たちの仕事ではないかと思います。そういった意味で、世界各国の様子を見ても、製造物責任者法というものは今避けて通れない、日本がまだ本当におくれている状況であると思いますので、ぜひ経済企画庁長官に前向きに、必ず推進機関を設けて発足するという御決意をここではっきりともう一度伺いたいと思います。
#188
○相沢国務大臣 どうもいろいろ期待をかけていただきましてありがとうございました。
 私ごとになって恐縮でありますけれども、私も電気の機械は余り信用いたしておりませんので、米子の家を離れるときは必ずコンセントを全部抜くのであります、テレビから何から。冷蔵庫だけは、抜くと腐るものですからあれですが、そういうことに気をつけておるのであります。そうしましたら、私の留守中に雷が落ちまして、マンションの中のほかの家の電気製品がテレビから何からみんなやられまして、私の家は抜いてあったものですから助かったのです、笑い話でございますけれども。
 とにかく、これは製造業者としても十分な注意を持ってつくっていることと思うのですけれども、やはり機械でありますから何らかの欠陥でそういう事故が起きる。そのために消費者が迷惑する。その場合に被害救済の方法がなかなか見つからない。訴えればいいじゃないかとかいっても、裁判に金もかかるし、また時間もかかる、その間には救済目的がどこかへ飛んでしまうということがあると思うのです。ですから私は、何らかの形で製造物責任を明らかにすることができれば、やっていく必要があるのじゃないかというふうに考えているのであります。ただ、何分にもこれは問題が大きいものでありますから、まずひとつ関係方面で研究することから始めさせていただきたい、このように思っております。
#189
○大野(由)委員 業界からの圧力も強くて大変だと思いますが、ぜひ何としてもこれは実現をしていただきたい、そのように思います。
 時間が終了いたしまして、厚生省の方にもぜひお伺いしたいことがございましたけれども、せっかく来ていただいたのに申しわけありません。
 以上で質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
#190
○野坂委員長 次に、菅野悦子君。
#191
○菅野委員 この内外価格差の要因というのはいろいろ考えられると思います。円高還元に消極的な企業の姿勢とか複雑な流通機構の問題だったり、輸入総代理店制度のあり方、また系列化の問題、消費者に消費に関する適切な情報が提供されていないとか、いろいろあろうかと思います。
 そこで、円高還元の問題で伺いたいのですけれども、通産省の試算でみますと、八六年から八八年の三年間の差益は二十兆円強発生しています。うち六兆円強は消費者に還元されておりません。また、経済企画庁の方の調査では、八五年から八九年の差益額四十二兆円に対して還元額は三十七兆円。ここでも五兆円というのが未還元という数字で出ております。当然消費者に還元されるべきものだと思いますけれども、この点でどのような対応、指導がされているのか、通産省にまずお伺いしたいと思います。
#192
○岩渕説明員 御説明いたします。
 円高差益の還元、いろいろな面で円高差益の問題というのはあるわけですけれども、私どもといたしまして、輸入品の価格引き下げという点について御説明申し上げますと、そのための具体策といたしまして、昭和六十年秋以降急激な円高が進行したのに対応いたしまして、百貨店やスーパーに対しまして円高活用プランをつくるようにというような要請をしておりますとか、流通業者の輸入促進セミナーを開催する、さらには消費者と事業者による輸入品検討会の開催など、そのほか当然のことながら繰り返し調査を実施してきているところでございます。このような施策の効果もありまして、調査の結果からは、輸入消費財につきましては、高級ブランド品の一部などを除きまして着実に円高差益は還元されてきているのではないかと考えております。
    〔委員長退席、竹内(猛)委員長代理着席〕
 また、当省では現在、先ほど来問題になっております内外価格差の是正という課題に取り組んでいるところでございますが、これも見方を変えれば円高差益の還元という問題につながることだと思います。当省といたしまして、現在内外価格差の是正という問題につきましては、昨年来繰り返し海外と国内の価格の比較調査を行いましてそれを公表する、さらには消費者懇談会というものを開きまして、消費者に内外価格差の現状について説明し御意見を承る、さらには産業界に対しましても、海外にも納得のいくような、また国内の消費者が納得し得るような価格設定をしてほしいという要請を行っているところでございます。さらには、総合的な輸入拡大策、いろいろなルートでの輸入を拡大した方がいいのではないか、さらに先ほど議論がありました流通の合理化の問題等につきまして鋭意努力しているところでございます。
#193
○菅野委員 円高後五年も過ぎているわけです。特に、ナフサ等の石油化学業界の基礎製品指数、これを見てみますと、八九年五月現在で原材料指数は、八五年を一〇〇としますと四三・四、半分以下に下がっているのですね。ところが、メーカーの蔵出し価格指数というのが七五・七、その差が何と三二・三ポイントあるのです。同様に、ニット製品がその差三〇・五、飲料が二二・三、鉄鋼が一九、こういう形で電気、ガスなどの公共料金も世界一高いという状況になっていると思うわけです。この公共料金の価格差なんかについてですけれども、これは既にやりとりがありましたが、経理面での情報公開ぐらい義務づけるべきではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#194
○森本説明員 お尋ねは、電力、ガスについて発生した為替差益についての公開の問題だと思います。
 円高あるいは原油価格の低落によって生じましたいわゆる差益というものは、電力、ガスの場合について申し上げますと、外貨建ての原燃料の購入価格について理論上の計算で出てきたものでございまして、決算上とか経理上明らかになるような数字ではないわけでございます。ただ、従来から^大幅な円高とかあるいは原油安ということでいわゆる差益が生じました場合には、その差益分というものを、差益分を含めまして経理上出てまいりましたものを消費者のために将来役立てるように、料金の安定化のための原資としてやるように積立金として、例えば原価変動準備積立金というような格好で経理上明確に区分しておるということでございまして、私どもとしては、そういうような格好でいわゆる差益と称するものを役立てていきたいと考えておる次第でございます。
#195
○菅野委員 差益未還元と表裏の問題で円高差損の問題があると思うのです。円建て輸出価格を抑制するということで日本は実質上昇率の七割強しか上げていないということがあります。逆に言えば、これは三割値引きして輸出をしているということと同じなんですね。一方、損失分は国内価格に転嫁するという状況がある。結局輸出向け二重価格という疑いがあるのじゃないかと思うのです。また、ダンピングじゃないかという指摘もございます。
 例えばセメントですけれども、八五年を一〇〇としますと八九年の輸出物価指数が五七・五、国内の方は九三・二なんです。その差が三五・七ポイントもあります。自動車のタイヤはどうかといいますと、その差が二二・二あります。建設用のトラクターが三四・一、合成ゴムが三一・七、自転車が三三・四、フィルムが三一・三というように国内卸売物価がはるかに高い。輸出は安いけれども国内では高い、こういうことがあるわけです。「九〇年代流通ビジョン」では、工業製品が
割高になっていないなどとしておりますけれども、これは大変問題があると思います。国内価格に転嫁するのは許されないことだと思いますけれども、ダンピングじゃないかという指摘、これをどう受けとめておられるか、お伺いをいたします。
#196
○岩渕説明員 御説明いたします。
 ただいま委員が御指摘になりましたのは、卸売物価指数で昭和六十年を一〇〇とした場合の国内卸売物価指数の方が輸出卸売物価指数よりも低下の度合いが少ないという点を御指摘になったのかと思われます。今幾つかの品目について御指摘がございましたが、卸売物価指数全体、総平均で見ましても、昭和六十年を一〇〇といたしますと、平成元年には国内卸売物価指数九三・六、輸出物価指数につきましては八二・三となっておりまして、国内の卸売物価指数の低下ぐあいよりも輸出物価指数の低下の方が大きくなっている。これは円で見た場合の指数でございます。これのちょうど裏側の話につながるわけでございますけれども、通関統計によりましても、一九八五年以降一九八九年までの間にドル建ての輸出価格は四四%上昇しておるわけでございます。同期間におきます円高の進行はこの四四%よりももっと大きくなっておりまして、その分だけ御指摘のとおりドルの価格が値上げをされていないという事実はあろうかと思われます。
 しかしながら、この背景にはさまざまな要因がございまして、例えば円高によりまして同時に輸入原材料も値下がりする、また、各企業もそれぞれ合理化努力等を行うといったような事情もありまして、ただいま御指摘のありました品目それぞれの事情によってどの程度値上げが行われるべきかということを一概に論ずることはなかなか難しいのではないかと考えております。
 さらに、輸出価格と国内価格を比べて議論するというのも、今比べて議論されたわけですけれども、私どもの方、個々の業界なり個々の商品の事情を見てみますと、内外において販売形態が違う、例えば輸出につきましては、広告費というものはある意味では含まれていないわけであります。また物流費というものも、海からすぐ船に乗せてしまう。それに対しまして、国内の場合にはメーカーが広告費等も負担している。さらには輸出品と輸入品でスペックの違いもある、同じ物かどうかというような問題もございます。それから、この間、国内の商品が高級品に変わってきているというようなものもございます。そういう関係から、国内の価格と輸出価格とが全く同時に動かなければならないというふうに一概に言えるものでもないのではないかと考えております。
    〔竹内(猛)委員長代理退席、委員長着席〕
 なお、通産省といたしまして、昨年来、比較的価格を容易に比較しやすいものという意味もございまして、消費財につきまして、広告費等も全部含めました小売価格につきまして、我が国からの輸出品の価格を海外、国内両方において繰り返し調査を行ってきております。その結果、一時逆輸入というような形で問題となった商品も含めまして、昨年の九月、十月の調査が今の段階で一番新しい調査でございますけれども その中では一部に海外の方が安いという例は見られたものの、全体的にはおおむね海外の小売価格の方が国内の価格よりも高いという結果を得ているところでございます。
 最後に、ダンピングについて御指摘がございました。ダンピングの問題につきましては、先ほど御説明いたしましたように、全く同じ商品であるかどうか、それから全く同じ取引条件であるかどうか等々の問題があるわけでございまして、仮に全く同じ商品が全く同じ取引条件のもとに販売されていて、しかも国内よりも海外の方において安く販売されているというような場合でありまして、輸入国の方といたしまして国内産業に実質的な損害があるというような場合には、輸入国側の問題といたしましてガットルール上のダンピングという問題が生ずる可能性はございます。
 なお、そういうガットルール上のダンピングの問題とは別といたしまして、私どもといたしましては、同じ品目について、国内の価格の方が輸出よりも高いというような状況が、為替要因等合理的な理由といいますか、一時的な理由によるのではなく、継続的にそういうことがあるということは国内の問題としても好ましくない、かように考えているところでございます。
#197
○菅野委員 それでは、続きまして輸入ブランド品の問題について、先ほども御質問があったかと思いますけれども、私もお伺いしたいと思います。
 昨年七月に輸入ブランド品の実態調査を行ったと思うのですけれども、商品ないしブランドによっては輸入総代理店が小売店の販売活動にかなり関与している、そういう実態が認められたという報告がございます。これは具体的にどのような問題が指摘されたのか、できたら数字も含めて御報告をいただけないかということと、それからまた改善措置としてどのような対策を検討されているかということなんですけれども、総代理店の認定審査に問題はないかどうか新たにガイドラインを策定し、この下旬にも公表されるというふうに聞いておりますが、どのような問題認識でこれをまとめていられるのか、公正取引委員会の方にお聞きをしたいと思います。
#198
○糸田政府委員 ただいま委員御指摘の調査でございますけれども、欧米ブランド輸入品等の実態調査ということで、実はことしの三月に公表いたしたところでございます。これによりますと、ただいま委員からお話のありましたような、輸入総代理店が小売店の販売活動にどのように関与しているか、あるいは関与している事実があるのかないのかということも調査事項として含まれているわけでございますが、例えばこのような結果が出ているところでございます。輸入総代理店による小売店の価格設定について何らかの注文がつく、このように回答したものが六一・八%ございます。それから小売価格の値引きについて何らかの注文がつく、このように回答したものが五一・〇%でございます。また、並行輸入品を取り扱うに当たりまして輸入総代理店との間にトラブルがあった、このように回答したものが五一・二%ございます。例えばこのような状況にございます。
 私どもこの事実についてどのように考えるかということでございますけれども、ただこの調査自体は全国の主な小売店を対象にいたしまして、いわゆるアンケート調査ということでその意識をお尋ねしたという意識調査でもございますものですから、これをもって直ちに、例えば独占禁止法上問題ありというように決めつけるわけにはいきませんが、小売業者の中にこういった意識を持っている者があるという事実は私ども十分念頭に置いてこれから独占禁止法の運用の仕事をしてまいらなければならない、かように考えているわけでございます。
 それからさらにお尋ねのございました輸入総代理店契約についての認定基準という問題がございます。輸入総代理店契約が独占禁止法上問題がないかどうかということで、その考え方を示すものとして認定基準というものがあるわけでございますけれども、これが実は昭和四十七年にできたもので、先ほども申し上げましたが、二十年近くたっているものでございますから、その後の私どもの運用経験なりあるいは現時点における経済実態というものをさらに一層踏まえた形のものにすべく見直しをしていかなければならない、かように考えているわけでございます。現在この見直しの作業を進めているわけでございますけれども、先ほど委員今月中とおっしゃったのですが、実は今鋭意検討中というところで、今月中というわけにはまいりませんが、できるだけ早い時期にこの見直しを行いまして新しいガイドラインというものを公表していきたい、かように考えているところでございます。
#199
○菅野委員 独占禁止法違反まではいかないというような御指摘もありましたけれども、やはりそういうことに対する厳格、適正な指導、法の運用が強められなければならないなということを、今
のお答えを聞きながら感じていたところでございます。
 関連して、輸入総代理店を兼ねるウイスキーメーカーのことでお伺いしたいと思うのですけれども、輸入品ウイスキーの卸売物価というのは、八〇年を一〇〇としますと八九年は約七八%にまで下がっています。ところが、消費者物価は九〇ポイントと余り安くなっていないのですね。国産品の卸売物価は一二五ポイントで、どっちかというと高値安定。事実上代理店が価格を支配しているという状況にあると思うのです。円高差益がほとんど還元されない仕組みになっているのじゃないか。結局代理店が四〇%近くのマージンを占めているということだと思うのですけれども、こういう実情はつかんでおられるかどうか。
 あわせて、アルコールに関連して私もまだまだビールの値上げについてお伺いしたいと思います。
 経済同友会の物価問題委員会が昨年十二月に調査をした結果でも、ビールはアメリカの約三倍、フランスとかイギリス、西ドイツの二倍、住友商事などの調査でもほぼ同じ結果になっているのです。これは国民の側からはちょっと納得できない状況だと思うのです。酒税を考えても高いということじゃないかと思うのです。例えば国産の缶ビールを逆輸入しても、運賃、保険込みで、CIF価格で五十円、酒税七十五円、輸入元のシールを張るのに、六、七円として、計百三十円くらいで仕入れができるというふうに酒店の社長が言っておるという状況なんですね。他方一流ホテルには原価割れの信じられないような価格で輸入しているということが言われております。この点も承知していただいているかどうかということなんです。もし御承知おきなら、ぜひ内容、問題点などを明らかにしていただきたいというふうに思いますし、御存じないというなら、ぜひ実態を調査していただきたいということを切に思うわけです。この点で公取委の方の御認識をお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#200
○糸田政府委員 ウイスキーとかの製品につきまして輸入総代理店を経由して日本に持ち込まれている、そういったもののマージンが非常に高いのではないかといった御指摘を私どももしばしば聞くところでございます。私どもも独占禁止法の立場からいわゆる内外価格差問題につきまして調査をいたしてきているところでもございますし、先般もその一端を公表したところでございます。私どもは、例えばマージンが高過ぎるからどうこうということを問題にしているわけではございませんで、言ってみればその背後に独占禁止法違反がないかどうかという観点からこの問題をつかまえているところでございます。
 例えば輸入総代理店が高値で販売されるように小売業者に対して価格を指示してそれを守らせるといったいわゆる再販売価格維持行為といったものがないかどうか、もしあったらこれは独占禁止法に違反する話でありますから厳正に対処していかなければならない。そういったことで種々調査を進めてきているところでございますし、また日ごろからも独占禁止法の厳正運用という点につきましては一生懸命やっておるところでございます。
 今委員御指摘の、例えば輸入ビールの価格が海外に比べて日本は非常に高いということでもございました。私どもいろいろな調査をやっているわけでございまして、そういった中にもあるいはそれに似たようなデータといったものもつかんでいるところでございますけれども、そういった問題につきましても、今申し上げたように、本当に独占禁止法違反というものがその背後にないかどうかということについて厳正な法運用をやっておるわけでございますし、今後とも一層その点に重点を置いて仕事を進めてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#201
○菅野委員 事実であれば本当にひどい話だと思いますので、引き続ききっちりと目を光らせていただいて調査をしていただきたいし、御指導いただきたいと思うわけです。
 その上に、今までるる問題になっております一斉値上げなのですね。大瓶が三百二十円とかメーカー側の取り分二六・五%というのが、全く大手メーカー四社同じという内容ですし、カルテルの疑いが濃厚だと思わざるを得ないわけです。先ほどのやりとりの中で、同調値上げの疑いで調査しているというふうなことがございました。ただ同調値上げということを指摘するだけでは、これは全く罰則規定がございませんし、何ら実効性がないわけですね。
 今までも取り扱いに苦慮しているというふうな御回答もあったやに思いますけれども、やはりこの独占禁止法十八条を含めて、単なる値上げ理由の公表などでビール会社の方に善処方を期待するという程度にとどまらずに、もっと踏み込んで、やはり何回も繰り返しているわけですから、そういう一歩突っ込んだ対応が必要ではないかというふうに切に思うのですが、その点どうなのでしょうか。
#202
○糸田政府委員 先ほども大野委員に御答弁申し上げたところでもございますけれども、一般的に言いまして、高度に寡占的な業界においてこのような同調的値上げといったような現象というのは間々見られるところでございます。独占禁止法で問題となってまいりますのは、その同調的値上げの背後に、例えば事業者間で一種の連絡があるというようなことでございますと、これはカルテルとして独占禁止法違反でございますから、これは厳正に対処していかなければならないと考えておるわけでございますが、今申し上げたように、高度に寡占的な業界においては、いわばそういった一種の連絡がなくても、結果的に同調的な価格値上げが見られるということでございまして、この問題にどのようにぶつかっていくかということが命題となっているわけでございます。
 独占禁止法では、委員御指摘のように、昭和五十二年の法改正によりまして、そういった価格の同調的引き上げといったものがあった場合には、これは独占禁止法違反そのものではありませんが、その値上げの理由というものを世の中に明らかにすることにいたしまして、言ってみれば安易な値上げに対して歯どめをかけよう、こういう制度が導入されたわけでございまして、私どもは今後ともこの制度を十分に適用していかなければならない、かように思っておるところでございます。
#203
○菅野委員 実際、おっしゃっておられるように本当に歯どめになるかどうか、この点を期待して、御指導の強化をお願いしたいと思います。
 それから、この内外価格差の問題で消費者の問題がよく指摘されたりしておりますけれども、問題は情報の著しい不足にあるのじゃないかというふうに思うわけです。例えばビール会社の宣伝費が四社合計で四年間で二倍に膨らんでいる。昨年一年で一千億円。これを全部価格に転嫁しているというふうな事実を消費者が知ったら相当怒るんじゃないかと思いますし、この宣伝費に限らず、商品テストの結果や製品の機能と価格の関連性、それから原価の公表、内外価格の公表など、きちんと生情報をもっと消費者に提供すべきじゃないかというふうに思うわけです。
 消費者のための専門情報誌「たしかな目」というものもございますが、これを充実させるとか、発行部数も大幅にふやすとか、消費者団体の要望も編集に取り入れるなど、時代の要請に合った専門誌にしていただきたいと思いますけれども、この点経企庁長官、いかがでございましょうか。
#204
○相沢国務大臣 国民生活センターを二十年前につくりましたときも、そのように消費者に対する情報提供ということ、それから商品テストなども大きな任務として考えておったのであります。委員御指摘のように、まだまだ不十分ではないかということになりますと、私も決して十分だとは思っておりません。これからもできるだけ体制を整えて、消費者に対するPRに努力をいたしたいと思います。
#205
○菅野委員 ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 それから、これは後で御回答いただきたいということで要望しておきたいのですが、六月十二日の日経新聞に、商慣行見直しへ指針をまとめ、年内に通達を出すという報道がございます。伺いたいのは、現在いわゆる特別リベート制度を導入している対象業種、及びリベート制度、積立金制度等を廃止した場合、その影響額が業種別にどのくらいになるかという概要をぜひ教えていただきたいと思います。今御回答いただくにはもう時間がありませんので、後で御調査の上、ぜひお願いをしておきたいと思います。
 それから、最後に長官にお伺いしたいと思います。「物価レポート89」でも明らかにされていますが、生計費の物価水準というのは東京を一〇〇としますとニューヨークが七二、ハンブルクが六八。東京の物価は両市の一・四倍になる。OECDの数字では一・六倍ということで非常に高いのです。光熱水道費はニューヨークの二・三倍とか家賃は一・九倍とか、土地も異常な高騰で、とても安心して暮らせる状況にないというのが残念ながら今の日本の状況になっているわけです。
 消費税導入後物価もどんどん上がっております。二・五%から三%の上昇と言われてますし、政府の影響見通しよりはるかに高いというのが実際です。タクシー、ビール、セメント、原油値上げが今相次いております。また、マネーサプライも前年同月比で三ヵ月連続一一%台、四月の速報値では一三・二%と非常に高い。インフレが懸念される、そういう状況だと思うわけです。安定した豊かなゆとりある生活の実現のためには、今の実態というのはもう全然かけ離れておりますので、どのような施策をお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
#206
○相沢国務大臣 委員御指摘のニューヨークあるいはハンブルクと東京との物価差、確かに御指摘のように存在するのでありますが、為替レートが動きますとこれも変わってくる。為替で円安になると物価差がだんだんなくなってしまうという、数字はそうなるのであります。その辺、少しぴんとこない点もあると思いますが、確かに現在の為替相場を前提にいたしましても、存在する物価差につきましては、内外物価差対策として五十二項目の対策を立てております。それを確実に、着実に実行することによりまして、何とかその解消に向けて努力をしていきたいと考えております。
 それから、マネーサプライが非常に大きいというような御指摘もございましたが、この前、日銀総裁が参議院の予算委員会でも答弁しておりました。確かに二けたの数字が継続しているということについては問題もあろうかと思います。ただ、かなりある資金需要に対しましてマネーサプライを非常に抑えるということになると金利上昇を招くという点も考えなければなりません。総裁としても、マネーサプライについては注意深くこれからも見守りつつ、また努力していくという答弁もございました。物価が安定するということは、消費者にとりまして、国民生活にとりまして何よりも大切なことでありますから、私どもも庁を挙げて取り組んでまいりたい、このように思っております。
#207
○菅野委員 いずれにしろ金持ち日本と言われながら、本当に豊かさが実感できる状況にあるかといいますと、これはもう余りにもかけ離れた今の国民の実感だと思うわけです。生活弱者に負担の重い消費税、これを廃止することができればということで、このことを強く要請して、終わります。
#208
○野坂委員長 次に、柳田稔君。
#209
○柳田委員 最初に、物価についてお尋ねをしたいというふうに思います。先ほど来から多分お答えになっていることかと思うのですけれども、二度目だったら御勘弁願いたいと思っております。
 最近の物価ですけれども、今長官がお答えになりましたように、いろいろな不安定要因も聞かれるようになりました。最近の物価動向を長官はどのようにごらんになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
#210
○相沢国務大臣 最近の消費者物価の動向について申し上げますと、ことしに入りまして、天候がよくないというようなこともありまして生鮮食料品が上昇いたしました。平成二年四月で対前年同月比一〇・四%という上昇になっております。ただ、こういう生鮮食料品を除いて見ますと、引き続き安定的に推移をしているものと考えております。と申しますのは、生鮮食料品を除きますと、平成二年四月には前年同月比で二・一%の上昇でありますし、季節調整済みで前月比〇・三%の上昇ということになっております。
 卸売物価の動向を見ましても、本年に入ってからの円安によりまして輸入物価及び輸出物価がやや高い伸びを示しておりますが、国内卸売物価全体では落ちついた推移を示しております。ことしの四月で前年に対しまして〇・七%の上昇ということであります。
 物価は大体安定的に推移していると申して差し支えないと思いますが、委員からも御指摘のように、それでは全く心配がないかといいますと、為替レートでありますとかあるいは原油価格、それから労働力需給の面等からまいりまして、不安定な要素もないわけではないというふうに存じますので、これからもこういう点に十分注意を払いながら物価の安定に努めてまいりたい、このように考えております。
#211
○柳田委員 最近公共料金が改定をされました。値上げばかりではありません。値下げもありましたので、値下げの方は非常に歓迎をいたすわけです。値上げは、最近でいいますとタクシーが約一割近い値上げをいたしました。こういうことがあるわけですけれども、この公共料金の値上げ、物価にどのように影響をしているだろうか、教えていただきたい。
#212
○田中(努)政府委員 消費者物価指数の中に含まれます公共料金の動きといたしましては、平成元年度におきまして一・五%の上昇になりまして、消費者物価指数の総合の上昇率二・九%に対しまして〇・三%の寄与という動きになったわけでございます。しかしながら、御指摘のように最近いろいろ主要な公共料金の改定が行われておりますが、その中で国内電話料金、これは三月に引き下げたわけでございまして、国際電話料金も四月に引き下げた。放送受信料につきましては四月一日から引き上げになりました。社会保険診療報酬の引き上げも四月にございましたし、タクシーも五月に上がった。六月一日には国内航空運賃が、これは引き下げられたというふうな上下両方の動きがございます。
 例えばこの影響についてでございますが、放送受信料につきましては、消費者物価指数に対しまして約〇・一一%程度の押し上げ要因になっていると試算されますし、東京、横浜のタクシー運賃の値上げは〇・〇一%程度の引き上げ要因、それから国内電話料金の引き下げ、これは〇・〇四%程度の引き下げ要因というふうな試算がございまして、全体といたしましては、公共料金が消費者物価の動向に大きな影響を与えている状況ではないというふうに考えております。
 もとより当庁といたしまして、公共料金につきましては経営の徹底した合理化を前提といたしまして、物価、国民生活に与える影響を十分に考慮して、これらの改定につきましては厳正に対処していくという方針で臨んでおりますので、今後ともそういう方針を貫いてまいりたいと考えております。
#213
○柳田委員 今回の公共料金の値上げ、値下げを見ましてちょっと気になるのは、値下げの方で国内航空運賃値下げ、これは余り一般の人は利用しない。年に一遍利用するか何年かに一遍利用するぐらい。国際電話も余り利用されない。逆にどうしても覆いかぶさってくるのは医療費とNHKとタクシーということを考えますと、今それほど消費者物価には影響ないということですが、実際の生活においては大分影響が出てきているような気がいたします。その辺はちょっと申し述べさせていただきたいと思うわけです。
 次に、日米構造協議がございまして、何百兆円という公共投資が行われるような話が進んでおり
ます。今すぐというわけではないのですけれども、私はこの公共投資の拡大が今後インフレに影響を及ぼすのではないかなという気がするのですけれども、いかがなものでしょうか。
#214
○相沢国務大臣 日米構造協議に基づきますところの公共投資の今後十ヵ年間における投資の総体の金額につきまして、あるいは投資の方向につきまして今関係各省と検討中でありますが、まだ金額は決まっておりません。最近において、特に民間の活発な建設投資を中心といたしまして建設投資が盛んである、そのことの影響が建設業関係の労賃あるいは資材面にもあらわれておりました。しかし、最近の数字を見ますと大分鎮静化してまいっておりますし、また今後、この十ヵ年間において公共投資を進める上においては、毎年度の財政状況あるいは経済状況等々を十分に勘案して実施をするということになっておりますので、物価に対する影響については十分な配慮をして、そのことによってインフレが醸成されるというようなことがないようにいたしたい、このように考えております。
#215
○柳田委員 我々が使う道路とか上下水道がよくなることは非常にありがたいことですが、反面物価が上がると生活の方も苦しくなりますので、監視の方、またさらには余りインフレにならないようにお願いしたいと思います。
 今後の物価の見通しですが、今いろいろ言いました。長官も所信の際に一・六%、これをどうにかして達成したい。できればゼロが一番よろしいのでしょうが、景気も拡大するわけですからそれなりの物価の上昇はやむを得ないと思うのですけれども、一・六%本当に達成できるか、今後の物価の見通しを含めましてお尋ねをしたいと思います。
#216
○相沢国務大臣 これからの物価、特に消費者物価につきまして私どもも重大な関心を持って見守りつつ、その情勢によって対策を進めなければならない、このように考えております。
 消費税が昨年四月導入されましたが、その消費者物価に対する影響は約一・二%というふうに計算上出されております。平成二年度については、前年度対比でその影響がなくなるばかりではなく、さらに政府提出の消費税の見直し法案が成立をいたしますと年間でマイナス〇・四%の影響が出てまいるわけであります。十月実施ということが予定どおり行われればマイナス〇・二%。したがいまして、平成二年の消費者物価の上昇は、一・八%という見込み額より今申し上げました〇・二を引いて一・六と見ているわけでありますが、消費税導入の影響がそのようになくなるということ。それから、食料品や繊維製品、耐久消費財など外国からの製品輸入の量、割合がふえております。それが並行輸入等がふえていることもありまして、ひところに比べますと、円高の影響が引き続き物価安定に役に立ってまいる。
 それから、賃金の伸びにつきましても、昨年よりも春闘相場は若干上がっておりますけれども、労使双方の慎重な姿勢が反映されましてそれほど大きな上昇にはなってないというような諸般の事情がございますので、これからのいろいろと為替の状況あるいは原油価格の推移等々、懸念材料はないわけでありませんけれども、これらがほぼ予想どおりの推移を示すということになればまず一・六%程度でおさまっていくのではなかろうか、このように考えております。
#217
○柳田委員 消費税の話は多分そのうち決着するでしょうからそれはそれとしておいておきまして、次に内外価格差と思ったのですが、ちょっと今長官のお話もございましたので、質問の順番を逆にさせていただきたいと思います。
 今物価が余り上がらないように対策を進めていくということでございました。今いろいろと資料を見させていただいておるのですが、いろいろな面で調査をされております。非常に広範囲な調査なので非常に敬服をしておるわけですけれども、今後もその調査を続けていかれるだろうと思うわけですが、現状がどうなのか、それから今後、その調査、PRも含めましてですけれども、どういうふうに考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
#218
○田中(努)政府委員 政府・与党内外価格差対策推進本部で決めました五十二項目の対策の中に、調査等を行うことによりまして内外価格差の実態の把握に努めるという項目がございます。この項目の中で八本ほどの調査を予定しておるわけでございますが、そのうち五本につきまして既に実施をいたしまして、ただいま三つほど実施中のものがあるわけでございます。
 現在まで行われております調査の結果を総合いたしますと、輸出品につきましては、一時ございましたようないわゆる内外価格差、外国で買った方が安いあるいは逆輸入が起こるというふうな状況はかなり解消いたしておりまして、最近ではむしろ逆転しているという状況になっております。それから一方、輸入品につきましては、やはりこれは供給者側の事情、それから国内の流通の上での商慣行の問題等々ございまして、特にブランド品を中心に依然として輸入品が割高になっているという状況が浮かび上がってきております。それから、生計費全体についてでございますけれども、これは、昨年の物価レポートで発表いたしました調査結果をただいま延長推計しているところでございまして、取りまとめ作業中でございますのでもう少しお待ちいただきたいと思いますけれども、最近のいろいろな試算では、最近時点の為替レートを用いますとかなり内外価格差は縮小してきているという状況がございます。しかし、全般的に内外価格差は依然として存在するということもまた事実である、そんなふうな状況になっております。
#219
○柳田委員 いろいろな広範囲な調査、大変な努力だろうと思います。
 適正な値段というものをどう見るか、問題があるわけですけれども、長い間調査をしていれば、この辺が適正だろうということは判断がつくのではないかなと思うわけです。現在は全般的にわたって物価は安定しているということがあるわけですけれども、細かい点でどんどん見ていきますと、中にはちょっと変じゃないかな、異常じゃないかなというものも、今はなくてもこれからもしかしたら出てくることもあるかと思うわけですが、そういうときにはどういうふうな指導をされて適正価格に戻すようなことをされているのか、教えていただきたいと思います。
#220
○田中(努)政府委員 個々の価格で異常な動きが出るおそれはないか、そのときの対策いかん、こういうお話だったと思います。
 景気の状況が割合よろしいわけですけれども、そうした中で個々の品目について懸念の材料といたしまして考えられるのは、やはり現在の状況のもとでは建設資材関係ではないかと思います。この建設資材は全般的に強含みで推移してきていることは事実でございまして、その背景には、非常に活発な設備投資、特に建設、民間の建設活動、それと個人住宅建設というふうなものがあったわけでございますけれども、個人住宅につきましては、このところずっと高水準でございますが横ばいで推移をしてきている。民間の建設活動は依然として活発であるという状況にございます。
 そうした中で、鋼材等の建設資材もかなり上がってまいりまして、昨年の暮れからことしの初めにかけまして、小形棒鋼あるいはH形鋼等々の上昇が見られましたけれども、その後増勢はやや鈍化をしている。棒鋼についてはやや鈍化、それからH形鋼についてはこのところほぼ横ばいで推移をしている、セメント、生コン等につきましてはこのところ横ばいで推移をしている、普通合板につきましては、これは在庫調整で下がってきておりましたけれども、在庫調整が一巡しまして、今は再び上昇に転じているという状況でございますが、全般的にはそれほど心配されるような状況では今のところはないように判断されます。これが非常に逼迫いたしまして急騰するというふうな状況になりました場合には、国内での生産体制につきまして所管の官庁を通じまして指導をしていただくとか、あるいは輸入の促進を行いまして、
外国からの同種の製品の輸入を促進するという対策が考えられると思います。
#221
○柳田委員 個々の名称は置いておきまして、一般論で、例えば異常な高騰があった、それは多分日ごろ調査されていますのでおわかりになると思うのですけれども、今所管の省庁が指導をするとおっしゃいました。これは具体的にはどの辺まで強い効力があるのか、教えていただきたいと思います。
#222
○田中(努)政府委員 役所の側といたしましては、これは要請をする、要請をして基本的にはお願いする、こういう性質のものであると思いますけれども、それがどれくらい実効が上がるかという点につきましては、過去にも一時的にそういう急騰が見られた際に、鋼材等につきましては国内の生産の拡大が実際に行われて、市況が鎮静化するというふうな事例も見られたわけでございます。
#223
○柳田委員 日本は自由主義経済ですからどこまでできるかという問題がかかわってきますし、公取としたら、多分業界全体で隠れて談合したりした場合にはすぐ手が入れられるというのもわかるわけですけれども、先ほど長官もおっしゃいましたように、ベースアップは大体適正な状況に落ちついておるわけです。物価も現状、大分落ちついてきておりまして、このままずっと推移してくれるならばという希望もあるわけですが、これも円安という状況になれば一遍に変わるし、また個々の品物においても、生活に必要なものが値上がりすれば働く人たちの生活は非常に厳しくなるという状況があるわけです。ここでひとつ、これは個人的な意見になるかもしれませんけれども、いろいろな面で調査をされてPRされる、これは非常にいいわけでして、これからも大いに正確に反映させていただきたいというふうに思うわけです。
 もう一方、これは異常だなと認めた場合、先ほどお願いをする、要請をするということもございました。片方、先ほど働いている人たちの状況はそうだということになりますと、もう少し強い角度で指導、先ほど所管の省庁が指導とおっしゃいましたが、指導できるぐらいのものが何かないか、つくるようなことができないか、もしかしたら検討を始めたいという気持ちがあれば、その辺もお尋ねしたいというふうに思います。
#224
○田中(努)政府委員 委員御案内のとおり、我が国は自由経済を建前としておりまして、物価は原則として個々の事業者が独自の判断において設定いたしまして、それが市場メカニズムの中で実現をしていく、こういうことであると思います。その例外的な事例といたしまして公共料金というものがあることは事実でございます。この公共料金につきましては、先ほどのお尋ねにもございましたけれども、上がるものもあれば下がるものもあるわけでございますけれども、その決定に際しましては、国民生活に与える影響、物価に与える影響を十分に考えまして、厳正に対応しているということでございまして、この面では、政府としてかなりその力を発揮することができるというふうに考えられると思います。
#225
○柳田委員 公共料金は仰せのとおりでございます。ほかの品物でございまして、自由経済で値段が決まるものですが、やはり異常というふうに思う品物も時々出てまいります。そういうときにもう少し突っ込んで値下げをするような指導、これも自由経済との兼ね合いがあるかと思うのですけれども、そこまで突っ込んだ措置ができないものかどうか、検討してもらえないかどうか、これに対するお答えをお願いしたいと思います。
#226
○田中(努)政府委員 御指摘のような異常な価格の上昇が業者間のカルテル的な行為によってもたらされているとか、あるいは縦の系列で再販価格を維持するという行為に基づいて起こっているとか、そういうケースでございますと、これは公正取引委員会が厳正な対応を行うという形でこれに対応していくことができると思いますが、全く自由な取引の中で需要が非常に強くなりまして供給が一時的にそれに追いつかないというふうなことで上昇しているというときには、これはやはり基本的には市場メカニズムによって解決をしていく。それが単に国内における市場メカニズムばかりではございませんで、最近のような開放経済のもとでは、外国からの輸入による供給の増加、そういうふうなことについていろいろ安全弁効果というものがうまく働くような市場開放あるいは規制の緩和というふうなことを通じまして物価が上昇することを未然に防いでいく、そういうふうな対応が一番自然なあり方ではないかなというふうに考えるわけでございます。
#227
○相沢国務大臣 公共料金に関しましては、それぞれの法律等に基づきまして各所管の省庁から経済企画庁が協議を受けるという形になっておりまして、その過程を通じて意見を反映していくことができます。
 一般の物価につきましては今物価局長が答弁したようで、建前としては自由経済でありますが、ただ、昭和四十八年でございましたか、第一次オイルショックの際にいわゆる生活二法というものを制定いたしました。これに基づきまして当時、品目はよく覚えておりませんが、トイレットペーパーとかいろいろありまして、これに対して勧告をした例がございます。そういう企画庁長官としての勧告権限というものを法律に基づいて持っております。したがいまして、これは伝家の宝刀でありますからすぐ抜くというものではありませんが、しかし、そういうものを背景にいたしまして、異常な物価上昇があって国民生活上放置することを許さないという状況のときには、いろいろな形でまたこれに対して企画庁として意見を申すというようなことも考えていかなければならない、そのように思っております。
#228
○柳田委員 本当に昭和四十八年のときにはちり紙が上がりまして、大変な思いをしたことがあるわけです。
 先ほど申しましたことの最後になるわけですが、これはあくまでも私の個人的な見解なんですけれども、いろいろなところで調査をされて、いろいろなところで指導をなさっておる、それが今の実態であると私は理解をしておるわけです。この辺を一カ所にまとめまして、言葉は合っているかどうかわかりませんけれども、行革審とか臨調、ああいうふうな力がある、今長官おっしゃいましたような二法ですね、それぐらいの力を持った、同等とは言いません、同じぐらいの力を持った、そういうふうな委員会といいましょうか機関といいましょうか、そういうものをつくって、物価の監視、さらには異常な値上げを下げるという力を持った機関をつくるようなことは検討できないものなのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#229
○田中(努)政府委員 御承知のとおり物価安定政策会議というのがございまして、一年に一回総会を開くほかに政策部会というのを設置しておりまして、これを原則的には毎月開催をいたしまして、そのときどきの物価情勢を分析、検討いたしまして、必要な場合には意見を発表する、諮問に応じて答申をすることはもちろんでございますけれども、それ以外に自主的に建議を行う、意見を述べるというふうな役割も与えられております。
 この物価安定政策会議には学識経験者、それから労働組合の代表の方々、それから消費者団体の代表の方々等々、各界の代表の方が集まっておられます。したがいまして、そういう場を今後も一層活用いたしまして、御指摘のような物価に対して非常に懸念が持たれるような場合には、そういうところで議論をしていただきまして、御提言をいただくというふうなこともやっていく必要があるのじゃないかというふうに考えております。
#230
○柳田委員 時間が参りましたので、今局長が御答弁になりましたように私たち消費者は受け身でございますので、買わなければ済むわけですけれども、非常に弱い立場でもありますので、今申し上げましたことをできるだけ強力に進めていただきたいということをお願いしまして、質問を終わ
らせていただきます。
 ありがとうございました。
#231
○野坂委員長 次回は、来る十九日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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