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1990/06/22 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 決算委員会 第7号
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1990/06/22 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 決算委員会 第7号

#1
第118回国会 決算委員会 第7号
平成二年六月二十二日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 渡辺 栄一君
   理事 魚住 汎英君 理事 近藤 元次君
   理事 志賀  節君 理事 中尾 栄一君
   理事 藤井 裕久君 理事 新村 勝雄君
   理事 時崎 雄司君 理事 春田 重昭君
      衛藤 晟一君    粕谷  茂君
      渡部 恒三君    長谷百合子君
      東  祥三君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 長谷川 信君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        法務政務次官  狩野 明男君
        法務大臣官房長 堀田  力君
        法務大臣官房会
        計課長     木藤 繁夫君
        法務省民事局長 清水  湛君
        法務省刑事局長 井嶋 一友君
        法務省矯正局長 今岡 一容君
        法務省入国管理
        局長      股野 景親君
        外務大臣官房外
        務参事官    茂田  宏君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部施設取得第二
        課長      荒木 丈彦君
        外務大臣官房外
        務参事官    内藤 昌平君
        外務省国際連合
        局人権難民課長 角崎 利夫君
        大蔵省主計局司
        計課長     設楽 岩久君
        大蔵省証券局流
        通市場課長   若林 勝三君
        文部省学術国際
        局教育文化交流
        室長      小口 浩一君
        文化庁文化財保
        護部伝統文化課
        長       小林 孝男君
        厚生省社会局保
        護課長     炭谷  茂君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 大塚 義治君
        厚生省年金局年
        金課長     松本 省蔵君
        労働省職業安定
        局外国人雇用対
        策室長     前田 充康君
        会計検査院事務
        総局第二局長  澤井  泰君
        最高裁判所事務
        総長      川嵜 義徳君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  町田  顯君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和六十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和六十二年度政府関係機関決算書
 昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和六十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和六十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和六十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和六十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和六十三年度政府関係機関決算書
 昭和六十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和六十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (裁判所所管、法務省所管)
     ────◇─────
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 昭和六十二年度決算外二件及び昭和六十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、裁判所所管及び法務省所管について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 裁判所所管の審査に関し、国会法第七十二条第二項の規定による最高裁判所長官の指定による代理者から出席説明する旨の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
#4
○渡辺委員長 次に、最高裁判所当局及び法務大臣の概要説明、会計検査院の検査概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
   昭和六十二年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算概要
                最高裁判所
 昭和六十二年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 一 裁判所所管の歳出につきましては、当初予算額は二千三百五十五億四千七百六万円余でありますが、これに大蔵省所管からの移替額一億七千三百七十七万円、昭和六十一年度からの繰越額三千二十二万円、予算補正追加額二十三億四千五百八十二万円、予算補正修正減少額一億六千八百九十三万円余、差引き二十三億八千八十七万円余が増加されましたので、歳出予算現額は二千三百七十九億二千七百九十四万円余となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は二千三百五十五億六千六百八万円余であり、歳出予算現額との差額は二十三億六千百八十五万円余であります。
 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は三億一千二百八十九万円余、不用額は二十億四千八百九十六万円余であります。
 不用額となった経費は、人件費十二億一千九百二十万円余と、その他の経費八億二千九百七十五万円余であります。
 二 裁判所主管の歳入につきましては、歳入予算額は十九億二千三百八十三万円であります。
 これに対しまして、収納済歳入額は三十億九千七百四十三万円余であり、歳入予算額に対し十一億七千三百六十万円余の増加となっております。
 この増加は、相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収入金の増加等によるものであります。
 以上、昭和六十二年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。
   昭和六十三年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算概要
                最高裁判所
 昭和六十三年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 一 裁判所所管の歳出につきましては、当初予算額は二千四百八億四千七百三万円余でありますが、これに大蔵省所管からの移替額三億五千百十
九万円余、昭和六十二年度からの繰越額三億一千二百八十九万円余、予算補正追加額三十八億二千六百二十七万円余、予算補正修正減少額三億九百七十八万円余、差引き四十一億八千五十七万円余が増加されましたので、歳出予算現額は二千四百五十億二千七百六十一万円となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は二千四百三十億二千七百九十二万円余であり、歳出予算現額との差額は十九億九千九百六十八万円余であります。
 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は四億九千四百五十一万円余、不用額は十五億五百十六万円余であります。
 不用額となった経費は、人件費六億一千五百四万円余と、その他の経費八億九千十二万円余であります。
 二 裁判所主管の歳入につきましては、歳入予算額は二十一億五千六百九十四万円余であります。
 これに対しまして、収納済歳入額は三十八億九百三万円余であり、歳入予算額に対し十六億五千二百八万円余の増加となっております。
 この増加は、相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収入金の増加等によるものであります。
 以上、昭和六十三年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。
    …………………………………
   昭和六十二年度決算裁判所についての検査の概要に関する主管局長の説明
                会計検査院
 昭和六十二年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。
   昭和六十三年度決算裁判所についての検査の概要に関する主管局長の説明
                会計検査院
 昭和六十三年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。
     ─────────────
   昭和六十二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算説明書
                  法務省
 昭和六十二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。
 一 まず、一般会計の決算についてであります。
 (一) 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は、八百九十億五千七百八万円余であります。
 これに対しまして、収納済歳入額は、八百九十六億五千四百五十七万円余であり、歳入予算額に比べると、五億九千七百四十九万円余の増加となっております。
 この増加しました主な要因は、刑務所作業収入九億四千四百四十七万円余、罰金及科料四億四千八百五十六万円余、期満後収入一億九千三百十七万円余が増加し、過料九億九千四百六十八万円余が減少したことによるものであります。
 (二) 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は、四千五十七億百九十九万円余であります。これに、予算補正追加額五十三億三百六十三万円余、予算補正修正減少額六億四千七百六十七万円余があり、差引き四十六億五千五百九十五万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、四千百三億五千七百九十四万円余となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は、四千三十一億六千八十三万円余であり、その差額は、七十一億九千七百十一万円余となっております。
 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、千二百八万円余であり、不用額は、七十一億八千五百二万円余で、不用額の主なものは人件費であります。
 支出済歳出額のうち主なものは、人件費二千八百三十二億四千七百二万円余、外国人登録事務処理経費二十七億千三百七万円余、検察事務処理経費三十億六千百七十五万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費二百五十六億九千四十一万円余、補導援護経費四十一億七千二百十四万円余、出入国審査・難民認定及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費十億四千三十五万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費十八億六千六百九十一万円余、施設費百三十三億五千五百九十万円余となっております。
 二 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。
 (一) 収納済歳入額は、千二十一億三千五百八十四万円余であり、支出済歳出額は、八百九十四億九千五百九十九万円余で、差引き百二十六億三千九百八十五万円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。
 (二) 次に、歳入につきましては、歳入予算額は、九百四十四億四千百四十六万円余であります。
 これに対しまして、収納済歳入額は、千二十一億三千五百八十四万円余であり、歳入予算額に比べると、七十六億九千四百三十八万円余の増加となっております。
 この増加しました主な要因は、郵政事業特別会計より受入四十三億二千四百十六万円余、前年度剰余金受入三十二億七千四百二十三万円余が増加したことによるものであります。
 (三) 次に、歳出につきましては、歳出予算額は、九百二十億九千五十一万円余であります。これに、前年度からの繰越額八千五百四十九万円余を合わせた歳出予算現額は、九百二十一億七千六百一万円余となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は、八百九十四億九千五百九十九万円余であり、その差額は、二十六億八千二万円余となっております。
 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、四億四千九百二十七万円余であり、不用額は、二十二億三千七十四万円余で、不用額の主なものは、人件費及び予備費であります。
 支出済歳出額のうち主なものは、人件費六百七十二億六千八百五万円余、登記情報管理事務処理等経費百六十三億九百四十九万円余、施設費五十九億千七百十一万円余となっております。
 以上、昭和六十二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について、御説明申し上げました。
 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
   昭和六十三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算説明書
                  法務省
 昭和六十三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。
 一 まず、一般会計の決算についてであります。
 (一) 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は、八百五十七億八千八百二十万円余であります。
 これに対しまして、収納済歳入額は、八百八十一億三千三百八十万円余であり、歳入予算額に比べると、二十三億四千五百五十九万円余の増加となっております。
 この増加しました主な要因は、刑務所作業収入二十一億六千四百五万円余、罰金及科料三億七千六百七十九万円余、期満後収入三億五千百四十七万円余が増加し、過料一億八千百四万円余が減少したことによるものであります。
 (二) 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は、四千百二十一億七千八百三十四万円余であります。これに、予算補正追加額七十七億三十五万円余、予算補正修正減少額八億二千四百八十万円余、前年度からの繰越額千二百八万円余
があり、差引き六十八億八千七百六十三万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、四千百九十億六千五百九十八万円余となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は、四千百七十三億八千九百二十八万円余であり、その差額十六億七千六百七十万円余は、不用額であり、その主なものは、人件費であります。
 支出済歳出額のうち主なものは、人件費二千九百五十九億六千八百三十万円余、外国人登録事務処理経費十九億七千七百七十五万円余、検察事務処理経費三十二億九百二十二万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費二百五十九億三千百八十二万円余、補導援護経費四十三億七千八百十五万円余、出入国審査・難民認定及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費九億六千十九万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費十九億三千八百二万円余、施設費百二十一億四千百四十五万円余となっております。
 二 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。
 (一) 収納済歳入額は、千百五億三千二百九十四万円余であり、支出済歳出額は、九百八十億百十一万円余で、差引き百二十五億三千百八十二万円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。
 (二) 次に、歳入につきましては、当初予算額は、千十七億七千五十一万円余であります。これに、予算補正追加額一億七千七百十五万円、予算補正修正減少額九千百九十二万円余があり、差引き八千五百二十二万円余の増加がありましたので、歳入予算額は、千十八億五千五百七十四万円となっております。
 これに対しまして、収納済歳入額は、千百五億三千二百九十四万円余であり、歳入予算額に比べると、八十六億七千七百二十万円余の増加となっております。
 この増加しました主な要因は、前年度剰余金受入六十五億七千五十八万円余、郵政事業特別会計より受入二十億八百三十六万円余が増加したことによるものであります。
 (三) 次に、歳出につきましては、当初予算額は、九百九十六億三千五百二十一万円余であります。これに、予算補正追加額二億六千七百九十六万円余、予算補正修正減少額九億五千三十一万円余、前年度からの繰越額四億四千九百二十七万円余があり、差引き二億三千三百七万円余の減少がありましたので、歳出予算現額は、九百九十四億二百十四万円余となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は、九百八十億百十一万円余であり、その差額は、十四億百二万円余となっております。
 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、四千五百五十六万円余であり、不用額は、十三億五千五百四十五万円余で、不用額の主なものは、人件費及び予備費であります。
 支出済歳出額のうち主なものは、人件費七百億二千百一万円余、登記情報管理事務処理等経費二百三億九千五百八十一万円余、施設費七十五億八千四百二十八万円余となっております。
 以上、昭和六十三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について、御説明申し上げました。
 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
    …………………………………
   昭和六十二年度決算法務省についての検査の概要に関する主管局長の説明
                会計検査院
 昭和六十二年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
 これは、契約電力の基礎となる変圧器の容量に関するものであります。
 仙台法務局ほか二十九官署につきまして、通常の使用状態での最大使用電力と変圧器の容量との関係を調査いたしましたところ、変圧器の台数が多すぎたり、変圧器の容量が過大となっていたりなどしていて、変圧器の容量が最大使用電力を著しく上回っているものが多数見受けられ、これに基づいて算出される契約電力が過大となり、電気料金が不経済になっていたため、変圧器の容量を適切なものに改める要があると認められました。
 この点について当局の見解をただしましたところ、法務省では、仙台法務局ほか二十九官署について具体的処置に着手するとともに、その他の官署に対し通知を発し、電力使用の実態を調査して、変圧器の容量を適切なものにするなど、電気料金の節減を図るための処置を講じたものであります。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
   昭和六十三年度決算法務省についての検査の概要に関する主管局長の説明
                会計検査院
 昭和六十三年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。
    ─────────────
#6
○渡辺委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
#7
○新村委員 最初に、憲法解釈についてお伺いをいたしたいわけであります。
 この点については、この前の防衛庁のときに地位協定二十四条に基づく米軍の費用の負担についてお伺いをいたしたわけでありますけれども、納得のいく御答弁がなかったわけでありまして、引き続きこの問題について、その本質的な面についてお伺いをいたしたいと思います。
 そこでまず最初に、外務省見えていると思いますが、外務省においてODAの援助をする場合、その対象それから使途、そういったものについては十分検討をされると思いますけれども、その実施に当たって、宗教施設あるいは宗教上の団体に対する援助というような面からの事前における十分なチェックなり検討なりはどういうふうになされておりますか。
#8
○茂田政府委員 お答えいたします。
 ODA、政府開発援助の実施に当たりましては、政府開発援助の目的というのが開発途上国の民生の安定及び福祉の向上というものを目的として供与されるということになっておりまして、教会ですとかないしは宗教上の施設ですとかの建設というのは、ODAの本来の趣旨に合致するものではないというように我々は考えております。したがいまして、宗教上の施設に関する要請があったとしても、そういう施設の建設等の援助の実施は困難であるというふうに考えております。また、過去におきましてそういう案件について正式な要請があったということは承知しておりませんし、そういう援助を行った実績もございません。もし仮にありました場合には、それは冒頭に申したような立場から検討するということになると思います。
#9
○新村委員 それは事前にその援助の内容等については十分検討されるということでありますね。必要があれば、これは法制局に協議をするなりなんなりをするということもあり得るわけですか。
#10
○茂田政府委員 我々の方で検討する場合には、要請されました案件がその国の経済社会開発に資するかどうかという点からまず検討を行います。したがいまして、その観点から、例えば宗教上の建物の建設についての要請があった場合には、そういう要請に対してはODAの趣旨、すなわち開発途上国の社会経済的発展のためにそういうものが有効かどうかという点からの判断をして、多分その段階において我々の方の結論は否定的なものになるだろうというふうに考えます。
#11
○新村委員 外務省の方針はよくわかりました。お帰りになって結構です。
 次に、法務省にお伺いいたしますが、法務省の施設の中、特に刑務所になると思いますけれども、この刑務所の中で宗教活動、宗教行為あるいはそれに類似をすることが行われているかどうか。それからまた、そのことが行われている場合にどういう線で一線を画するかということですね。最高裁の判例によりますと、国と宗教とのかかわり合いについては全くこれを否定するものではないという判例もございますので、ある一定の線まではよろしい、それ以上はいけないというその線が判例によっても示されておりますし、行政上の経験あるいは常識から判断してもおのずからわかると思いますけれども、そういう点でどういうところに一線を画しておられるか、伺います。
#12
○今岡政府委員 矯正施設、刑務所あるいは少年院等で行っております宗教的な活動といいますと、私ども宗教教誨と呼んでいる活動がございます。
 宗教教誨と申しますのは、収容されている施設の被収容者の方から希望がありまして、自分はこういう宗派の信者であるが自分の信ずる宗教宗派の宗教家による話が聞きたい、相談にあずかりたい、あるいはいろいろ宗教的な行事がしたいというような希望が申し出られた場合に、民間の篤志の宗教家にお願いをいたしまして、その希望した被収容者に対して希望するところの法話を聞かせてやったり、あるいは読経その他の宗教行事を行わせてやったり、そういうことをする活動を宗教教誨と申しているわけでございます。
 この宗教教誨と申しますのは、刑務所あるいは少年院等に収容されている者の信教の自由というものがあるわけでございまして、これを実質的に保障する観点から、そういう希望がある場合にはできるだけそういう便宜を図ってやるということが必要である、このように考えておりますし、また、実際に施設に収容されております者はいろいろな精神的な悩み事を抱えております。家族の問題、自分の将来の問題、いろいろ悩みを持っておりまして、自分の信ずる宗派の宗教家の助けを求めたいという切実な願いもあるわけでございますので、それに応ずるというようなところから、このような民間の宗教家にお願いして宗教教誨というものをやっていただいている、こういう形、仕組みになっているわけでございます。
 現在、全国にそういうふうな民間篤志の宗教家、これは教誨師と呼んでおりますが、どれぐらいいるかということに移りますと、その数は平成元年末で千八百二十二人いらっしゃいます。仏教系の教誨師さんが最も多くて約五九%、それからキリスト教各派の教誨師の方が約二一%、神道系が約二〇%、こういうふうな内訳になっておりまして、各宗各派ほぼ網羅的にいろいろ加わっていただいておるところでございます。そして、これは被収容者の側から希望を申し出た場合に、それに対してその宗派の宗教家の方によっていろいろ先ほど申し上げましたような教誨行事をやっていただいている、このような形で運営しているのが実態でございます。
#13
○新村委員 かかわり方についてはほぼわかったわけでございます。
 次に、文化庁におかれましては、神社仏閣等に対して文化財保護という名目で補助金を出しておるということは聞いておりますけれども、この補助金と宗教との関係、また、その補助金を出す考え方について伺いたいと思います。
#14
○小林説明員 お答えいたします。
 文化財は、我が国の歴史、文化等の理解のために欠くことのできないものでございまして、同時に、将来の文化の向上、発展の基礎をなす貴重な国民的な財産でございます。そのうち特に重要なものを文部大臣は文化財保護法に基づきまして重要文化財等に指定し、その保護、保存を図っている、こういうことでございます。
 国は、これらの重要文化財等の管理または修理に要する経費につきまして、文化財保護法に基づき、所有者または管理団体に対し補助を行っているところでございます。
 文化財の修理と文化財保護のための国庫補助金支出の目的でございますが、これは、文化財それ自体の価値に着目いたしまして、その維持、保存を図ることにあるのでありまして、文化財の所有者を援助するという目的のものではないわけでございます。その意味で、その文化財がたまたま宗教法人が所有する場合であっても、これが憲法八十九条に違反するものではないと解されている、このように理解しているところでございます。
#15
○新村委員 文化庁、お帰りになって結構です。ありがとうございました。
 そこで、防衛施設庁にお伺いをいたします。
 これは前回の防衛庁のときにいろいろお伺いをいたしましたが、米軍の沖縄基地、キャンプ・コートニーそれから牧港、この二カ所、そのほかも計画中のものがあるそうでありますけれども、この二つについて、キャンプ・コートニーについてはこれは構造も完全に教会である、また牧港については、修養教育施設という名前ではあるそうでありますが、構造は全く教会である、こういうふうに伺っておりますが、この教会を国費でつくるということと憲法八十九条あるいは二十条、それとの関係についてどういう御判断をされたか。あるいはまた、これをおやりになる、決定をする場合に、法制局あるいはしかるべきところと協議をされておりますか。それらの事情についてお伺いします。
#16
○荒木説明員 お答えさせていただきます。
 先生お尋ねのような提供施設の整備につきましては、地位協定の第二十四条二項の規定によりまして、すべての施設、区域を地位協定の「存続期間中合衆国に負担をかけないで提供」するということにされておりますが、安保条約の目的の達成のために必要な米軍の施設につきまして、我が国がその経費を負担し整備しているところでごさいます。したがいまして、地位協定上は、施設、区域であれば整備、提供することは可能なところでございます。
 なお、個々の施設の整備につきましては、安保条約の目的の達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的に勘案の上、我が国の自主的判断により決定してきたところでございます。
 お尋ねの教会につきましては、米軍の駐留を円滑ならしめるということを目的といたしまして、米軍に対する施設提供の一環といたしまして、米軍人、米軍属、その家族の日常生活に必要不可欠とされる施設であるという観点から整備し、提供してきたところでございます。
 提供施設整備としてこの教会を整備するに当たりましては、事前に内閣法制局にも御相談させていただいたところでございます。
#17
○新村委員 安保条約、米軍の駐留を円滑にするためだということでありますけれども、その場合にはこれは当然軍事目的を完遂する、目的を達成するということだと思うのですね。地位協定も当然そこに観点を置いているはずでありますし、そういった場合に二十四条からそこまで許容され得るものかどうかという疑念があるわけであります。
 それからまた、法制局に協議をされたということでありますけれども、法制局の御見解は、これは一〇〇%完全にクリアできるということであったわけですか。
#18
○荒木説明員 お答えいたします。
 提供施設の整備につきましては、日米安保体制の堅持を防衛の基本方針といたします我が国といたしましては、できる限りの努力をすべきであるという考えに基づきまして、地位協定の範囲内で実施してきているところでございます。
 提供施設の整備につきましては、従来から地位協定の範囲内で米側の希望を聴取いたしますとともに、安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的に勘案いたしまして、個々の施設ごとに我が国の自主的判断により措置してきたところでございます。
 先ほども申しました法制局に御相談した点につきましては、私ども、このような教会につきまして提供施設整備で実施することについては、憲法
の規定に違反するものではないとの回答を得たと承知いたしております。
#19
○新村委員 これは二十四条に基づく経費の負担あるいは特別協定による負担、それらについてはその使途を、どういうものに幾ら使うということについては、当然これは向こうさんの希望も聞くわけでしょうね。希望を聞いて、その希望にこたえるか否かということは当然日本側で独自の判断をされるということだと思います。そういたしますと、教会を建ててくれという向こうさんの希望があったのですか。
#20
○荒木説明員 先ほども申し上げましたように、提供施設整備につきましては、従来から米側の希望を聴取いたしますとともに、安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係あるいは社会経済的影響といったような点を総合的に勘案いたしまして、個々の施設ごとに自主的に判断いたしまして措置してきたところでございます。
#21
○新村委員 そうしますと、教会を建ててくれというアメリカさんの要望があったということですね。
#22
○荒木説明員 お答えを申し上げます。
 米側からの希望がございまして、私どもが希望を受けまして、私どもの自主的判断で予算措置をしたところでございます。
#23
○新村委員 アメリカから教会を建ててくれという希望があったということですね。
 そうしますと、実は憲法解釈に入ってくるわけでありますけれども、現在の日本国憲法は、これは御承知のような成立の経過がありまして、アメリカ民主主義、権力と宗教とを分離すべきであるというアメリカの考え方、そういったことがその下敷きになっておるわけでありますし、日本国憲法がアメリカで起案されたということもこれは周知の事実であります。
 そういった場合に、米側からそれが要求されたときに、これは憲法に抵触します、抵触するおそれがあります、だからこの点については無理があります、考え直してくださいということを防衛施設庁の方ではお話ししましたか。
#24
○荒木説明員 お答え申し上げます。
 提供施設整備につきましては、先ほども申し上げましたけれども、米側の希望を聴取するとともに、私ども、個々の施設ごとに我が国の自主的判断によりまして措置をしてきたところでございます。その個々のやりとりにつきましては、いろいろの途中の経過でございますので、御説明申し上げるのは御容赦のほどをお願いしたいと思いますが、いずれにいたしましても我が国の自主的判断により措置してきたところでございます。
#25
○新村委員 そこで、法制局にお伺いをいたします。
 この前にも法制局から御答弁がありましたけれども、必ずしもというか、納得のできる内容ではなかったわけでありまして、再びお答えをいただきたいわけでありますが、そのときの大森第一部長の御答弁によりますと、一つは安保条約の運用にとって不可欠であるということであったわけでありますが、安保条約の運用というのはこれは軍事面あるいは経済面ありますけれども、いずれにしてもこの場合は、防衛施設庁がおやりになるエリアについては、これは軍事面であろうと思います。ですから、直接軍事面のあるいは軍人あるいは家族の生活に不可欠のもの、そういう点でやはり一線が引かれなければならないと思うわけですね。ですから、教会が安保条約の運用にとって不可欠であるということはこれは言えないと思います。
 それからまた、目的において宗教性を持たないというふうにおっしゃっておりますが、教会というのはこれは純粋の宗教施設でありまして、宗教活動以外には使わない。単なる集会で使う場合はあるでしょうけれども、宗教施設そのものであるし、それを使うのは宗教のために使う。そこへ軍人あるいは家族が集まって礼拝をする、ミサをやるということが本来の目的でありますし、これは現にそういう目的に使っているようでありますから、これは宗教的意義を持たないということは説得力がないのではないか。
 また、この行為は特定の宗教を援助する効果を持つものではないという御答弁でありますけれども、特定の宗教――教会でありますから、これはキリスト教であります。その宗教活動を行う施設そのものでありますから、これは特定の宗教を援助する効果がないとは言えない。特定の宗教活動を行うための施設でありますから、その点で納得がいかないわけであります。特定の宗教を援助する効果がないという御説明は納得がいかないわけであります。
 また、津地鎮祭の判決を引用されておりますけれども、津地鎮祭の判決で争われた内容は、地方団体がそこに地方団体の経費をもって地鎮祭を行うということがどうであるかということが争われたわけでありますから、この場合とはかなり質的にも量的にも違うということでありまして、津地鎮祭の判決を同列に論ずることは御無理ではないのかと思うわけであります。
 また、米軍人の家族の日常生活の施設であるから、これは地位協定あるいは特別協定に基づく支出も違法ではないということでありますけれども、日常生活であるのかないのかということが争点といいますか問題の中心ではなくて、宗教施設に国費を出すことがいいか悪いかということを伺っているわけでありますから、日常生活に仮に教会が必要不可欠の施設であっても、それが宗教施設であった場合には、これは明らかに憲法に違反する、こう考えざるを得ないわけですね。ですから、米軍人、家族の日常生活に必要な施設であるから憲法の禁止規定がクリアされるということもまた極めて論拠が薄弱であるように思うわけです。
 それから、重要文化財に対して国は補助を出している、だからこれはいいんだというようなことで、重要文化財に対する補助の点を引用されましたけれども、これまた、先ほども文化庁からお話がありましたように、これは宗教という観点ではなくて、重要文化財、神社あるいは仏閣、その持つ伝統あるいは歴史的なあるいはその建築が持っている希少性あるいは歴史性、そういったものに着目をしているわけでありまして、宗教に全く着目をしているものではないわけでありますから、これもまたこの問題の例証には全く次元が違う問題ではないかと思うわけです。
 さらに、米軍はあるいはアメリカ軍家族は宗教上の組織ではない、宗教上の組織ではないからいいんだというこれまた御議論でありますけれども、宗教上の組織であるかないかということの問題ではなくて、その施設が宗教活動に使われるわけでありますから、そういった点ではこの米軍は確かに宗教上の組織ではないでしょうけれども、米軍が宗教活動に使うわけです。ですからこれは、そういう点ではこの禁止規定をクリアする論拠にはならないのではないか。
 それからまた、米軍及び家族が信仰を目的とする事業活動を行うものではないということもおっしゃっておりますけれども、これまたその点の議論ではなくて、日本が提供した施設が宗教活動のための施設である、そのことが憲法に抵触をするかしないかという議論でありますから、これまた論拠が失われるのではないかというような見解を持つものであります。
 そういうことで、法制局の前回の御説明には納得しかねるわけでありますけれども、重ねてお伺いをいたします。
#26
○大森政府委員 私どもが前回の当委員会におきましてるる御説明いたしました諸点につき、非常に多くの観点から疑問を呈されたわけでございます。
 余りにもたくさんの指摘なものでございますから、すべてを網羅してお答えしない場合にはお許しいただきたいと思いますが、まず第一点のお尋ねでございます教会施設の提供と申しますのは安保条約の効果的運用のために資するとはいえないんじゃないかというのが第一点だったと思いますが、この点につきましては、提供の趣旨が具体的にどうであるかということは、必ずしも私どもは
あるいは第一次的な判断をする立場でないかもしれませんが、私どもが担当庁から聞いております事実関係を前提といたしますと、これは米軍人がその任務を適切に果たすためには家族生活を日本において適切に行うことが必要であるということを踏まえまして、その場合に我々日本人とは米人による米国における生活というものはかなり違う点があるようでございまして、やはり家族生活の中における教会とのかかわりというものが不可欠ではなかろうかという点を考えた次第でございます。
 それから第二点の、教会というのは宗教施設そのものではないかという御質問であったと思いますが、この点は前回も申し上げましたとおり、教会自体が宗教施設であること、そのことを否定しているものではございません。その点に関する限りはまさにそのとおりであろうかと思います。ただ、私どもが申し上げておりますのは、合衆国軍隊に対してこの教会の建物を建設して提供するのは、その提供の趣旨、目的がキリスト教の援助、助成という趣旨、目的ではないのだ、合衆国軍隊の構成員の日常生活に必要不可欠とされる施設に着目して提供するのであるということでございます。
 それから第三点、効果においてもキリスト教を援助、助長することは明らかではないかという御指摘でございますが、今までるる御説明いたしておりますように、この教会施設、これはキリスト教教団と申しますか、キリスト教の宗教団体に対して提供しているものではない、あくまで合衆国軍隊に対して提供しているものであるという点に着目しているわけでございまして、その観点からは特定の宗教を援助、助長するという効果はないのではないかというのが私どもの判断でございます。
 次に、第四点は、今まで私どもが考え方の基本としております津地鎮祭判決というものと本件とは事案を異にするから参考にならないのではないかという御指摘であったかと思いますが、この点につきましては委員も御承知のとおり、最高裁判所の大法廷判決を子細に読んでみますと、まず日本国憲法が採用しております政教分離原則とはいかなるものであるかということを一般的に説き起こしまして、要するにそこでは「国家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果にかんがみ、そのかかわり合いが右の諸条件に照らし」、すなわち社会的、文化的諸条件でございますが、「諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さないとする」のが我が国憲法が採用している政教分離の原則であるということを一般的に説き起こしまして、そういう考え方のもとで、次に二十条三項により禁止される宗教的活動とは一般的にどういうものかということで一般論を展開いたしまして、その内容は今までるる御説明したとおりでございますが、その上で問題判決の事案である津地鎮祭についてそれに当てはめるとどうなるかという具体的な判断を示しているわけでございまして、私ども、この津地鎮祭とこの米軍に対する教会施設の建設、提供、これはあくまで、それは事案が異なることは承知の上でございますが、この判決において示されました基本的な考え方については援用することができ、また相当であるというふうに考えている次第でございます。
 それから重要文化財に対する補助につきまして、前回それを例に挙げて、その考え方は本件にも共通したところがあるのではないかということを申し上げたわけでございますが、これはまさにその考え方を本件に援用するとやはり同様の結論が出るということでございまして、決してこの教会施設が文化財そのものであるということを申し上げているわけではございません。
 それから、憲法八十九条の宗教上の組織または団体の解釈につきまして、前回両説あるのだということを申し上げたわけでございますが、私どもの考え方は、狭い意味における宗教上の組織または団体に米軍が当たらないからというだけの理由で憲法八十九条に抵触したいと申し上げたつもりではございません。この点につきましては、もう一つの説といたしまして、そういう組織または団体には至らないけれども、そういう広く事業または活動という点に着目して、それが宗教的な色彩を有する場合にはなお憲法八十九条が想定している対象であるという説もあるわけでございまして、最高裁判所の判決もございませんので、その広い説に立った場合でも本件については問題がないのではなかろうかというふうに、そこまでの判断をしているわけでございます。
 お尋ねの件、網羅的に答えたつもりではございますが、大体私どもの考えているところは以上のとおりでございます。
#27
○新村委員 先ほど各諸点にわたってお伺いしたのは、部長がそういう諸点について前回御説明をされましたので、その点についてはその点に即してお伺いしたわけでありますけれども、そうしますと、こういうケースについての判例は、これはないと思います。思いますが、部長が援用された津地鎮祭についても、これは全体として最高裁の判決のときに十対五でありまして、反対意見が十五人のうち五人いたわけでありますから、これは完全にクリアしたということではないわけでありまして、グレーというか何というか、そういう印象はあると思うのです。それでなおかつ、この津地鎮祭の訴訟において裁判所はこう説明しているのです。
 これは概略でありますけれども、「行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になる」ものは違憲である。社会的儀礼であり、世俗的であり、その効果も宗教的ではない場合には合憲である、その程度は許される。基本的に国家と宗教とは全く何らの関係を持ってはいけないということではないということは我々理解をしているわけでありますが、このどの部分が違憲で、どの部分がどの程度になればクリアされるかということについても説明がされておるわけでありますけれども、その点からしてもやはりこのケースはクリアできないのではないかという気がするわけであります。
 それからもう一つ、長崎忠魂碑訴訟というのがあります。これによりますと、この長崎で争われたのは、十四基の忠魂碑がある、この十四基ともにこれに対して費用を出すのは違憲ではないかということが争われたわけでありますけれども、そのうちで裁判所は、十四基のうちの一基は明らかに戦前からある神式に基づくお祭りをしているのであって、これは違憲である、他の十三基については単なる習俗あるいは習慣に基づくものと考えられるから、これはクリアできる、合憲であるということを言っておるわけです。そういう一つの裁判の中で分けて判断を下しております。そういう点からしても、この米軍に建ててやった教会というのは、宗教活動そのものをそこで行うわけでありますから、どう考えても世俗的なものあるいは習慣に基づくものとは考えられないわけであります。
 そこで、一般的に言いまして憲法判断あるいは法律の判断をする場合に、これはその行為を行う場合の意図によるのか、また意図に重点を置くのか、あるいはその行為の結果あるいはその行為の客観性、それに重点を置くのかということで結果は大分違ってくると思うのです。防衛施設庁におかれましてもあるいは部長のお話でも、安保条約の円滑な運用のため、そういう意図のもとにやったのだ、こちらでは宗教を助長する意図はないのだと、意図意図ということをしばしば繰り返されるわけでありますけれども、法律解釈あるいは事態の判断というのは、意図ではなくて結果、それから客観性、その教会がどういうふうに使われているのか、米軍人軍属がどういう形でその教会を使っているのか、その使っていることの客観的な事実が果たして宗教と関係がないのかどうかということに重点を置かないと正しい判断はできないのではないかと思うわけでありますけれども、そういう点を考慮した場合に部長はどう判断をされるか、もう一回お伺いいたします。
#28
○大森政府委員 ただいま委員お尋ねの件は法律解釈における根本的な議論でございまして、簡単な言葉でお答えする能力も準備もないわけでございますが、若干申し上げますと、ただいま米軍人はその教会施設でまさに宗教行為そのものを行うのだから、礼拝ということに着目すると宗教行為そのものである、教会は宗教施設そのものじゃないかということでございますが、従前るる御説明いたしておりますように、この宗教施設たる教会の建築、提供と申しますのは、その提供自体は日本国、国が行うわけでございますが、そこで宗教活動、宗教行為を行うのは国ではないという点に御留意いただければと思います。あくまで宗教活動を行うのは米国軍人及びその家族でございまして、我が国がそこで宗教活動を行うわけじゃないという点でございます。
 それから第二点の行為については、確かに主観的側面と客観的側面といいますか、外形とその意図、趣旨、目的というものがあるわけでございますが、一体どちらに重点を置いてその行為を評価するのか、これは非常に難しい問題でございまして、今後さらによく勉強させていただきたいとは思いますが、一言で言いますと、その評価の際に法律の規定との関係でその評価が問題になるわけでございます。そうなりますと、その規定がいかなる意味を有するのか、その規定の趣旨、目的は何なのかということとの関係でその行為の結果は、全体に注目するわけでございますけれども、そのうちの主観的側面が問題なのか、客観的側面が問題なのか、どちらに重点が置かれるのかということが決まってくるのではなかろうかと現在のところは思っている次第でございます。
#29
○新村委員 一々反論するわけではありませんけれども、今部長は、こういう宗教施設を使うのは国ではない、国は金を出すだけだ、使うのはアメリカだということでありますけれども、これではちょっと御無理ではないか。そうしますと、使うということ、それから金を出すということ、これは金を出すということは、そういうことに使うものに出すということが問題なわけでありますから、国が使わなくてもアメリカさんが使えば、あるいはまた日本人の他の団体が使うのであれば国が金を出してもいいということになりますので、それは承服いたしかねるわけでありますが、時間が制限されておりますので、私の方もこれからなお勉強いたしますけれども、部長の方でもひとつ勉強していただきたいと思います。また機会を見て引き続き御質問したいと思いますが、きょうはこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。お帰りになって結構でございます。
 次は、今盛んにマスコミをにぎわしております国際航業の運営あるいは株の問題、これらについていろいろ報道され、論議をされておりますが、これについてお伺いをいたしたいと思います。
 かねてから問題になっております国際航業が、元取締役ら四人の逮捕によって本格的な捜査に入ったわけであります。国際航業をめぐる疑惑が非常に広範囲とされ、どこからでも手がつけられる状態であった、とりあえず四人の脱税で突破口を開いたということでありますが、この全容について今説明をいただく段階ではないと思いますけれども、刑事局長からまず伺いたいと思います。
#30
○井嶋政府委員 ただいま委員御指摘がございましたように、国際航業の元役員による脱税事件につきましてはかねてから東京国税局から告発を受け、東京地検特捜部において捜査をしておったわけでございますが、去る六月十三日に捜査が進展をいたしまして三名の元役員及び関係会社の役員一名、計四名を所得税法違反で逮捕したわけでございます。現在、それぞれの四名の被疑者の所得税を隠す目的の所得税法違反という事件につきまして鋭意捜査を継続しているところでございまして、勾留満期はまだ先になるわけでございますが、捜査中であるということを御報告申し上げます。
#31
○新村委員 この捜査、特に逮捕の形が異例であると言われておりますけれども、この逮捕の時間が極めて異例の時間に行われたというようなことが言われておりますが、その異例の時間になった理由は何かあるのですか。
#32
○井嶋政府委員 ただいまこのケースの逮捕が極めて異例であるという御指摘がございましたけれども、具体的に何時に逮捕したかということにつきましては、具体的事件の捜査手順の中身でもございますし、また逮捕するかどうかという判断は一にかかって検察官、捜査機関の判断にかかるわけでございますので、ここでその詳細な理由を申し上げるわけにはまいらないことは御理解いただけると思いますが、決して極めて異例であるというようなことにはならないだろう。
 一般論として申し上げれば、逮捕状を執行するタイミングというのは、先ほど申しましたように捜査官の判断、決断によって決まるわけでございますけれども、それはもう、例えば逃げている者の所在を発見して直ちに逮捕しなければならないという場合であれば、時間も場所もいとわず執行しなければならない場合もございますし、また従来、昼間から任意同行を求めて、任意的な供述を求めて、その結果逮捕状を執行するかしないかというような判断をするような場合もございますが、そういった場合もやはり夜にかかるということもありましょうし、一人だけでなくて多数の被疑者を一斉に逮捕しなければならないというような場合にも、やはりいろいろな配慮をしなければなりませんし、いろいろなことを考えますと、決して夜、逮捕状が執行されたケースがなかったというわけではございません。そういった意味では、決して異例ではございません。
#33
○新村委員 この事情を知っている人たちの話を総合しますと、この四人の人たちはむしろ当局に協力をして極めて良心的な行動をしていた、逮捕などということは最近まで全く予想もできなかったというようなことも言われております。そして、わざわざ深夜逮捕するということになりますと、これは人権上の問題もあるのではないかということが言われておりますし、また常識的に考えて、この四人以外にもそれより罪の重い人もかなりいるのではないかということも言われておりますが、それらのことはいかがでしょうか。
 それから、逮捕の時間については、これはおっしゃられないということですか。
#34
○井嶋政府委員 逮捕の時間につきましては、報告を得ておりませんので詳細は承知しておりませんけれども、報道機関に報道されたような時間、十時前後でございますが、そのころに逮捕されたものであろうということはそれなりに事実かなと思っておるわけでございます。
 ただ、今御指摘にございましたいろいろな御質問は、今捜査をしております事件の進展と申しますか、将来にもかかわることでもございますし、やはり捜査機関でない法務当局からこの場でお答えをすべき事柄ではないのではないかと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、検察は、現在調べております事実につきまして、証拠に基づいて事案を固めました上で、所要の法規を適用して厳正な処理を行うものと期待しているわけでございます。
#35
○新村委員 そうして、いわゆるガサ入れとか捜査等はかなり広範に行われているという状況でありますが、厳正な捜査ということは結構でありますけれども、間違った予断に基づいているのではないかという一部の憶測もありますけれども、そういうことはないのかどうか。
 それから、この問題に関連をして、政治家の逮捕あるいは政治家の取り調べ、そういうことが予想されるかどうか。
#36
○井嶋政府委員 報道によりますれば、十三日から十四日にかけて相当広範囲な捜索をしたという報道がなされておりますが、これにつきましても、やはり捜索場所というものは、すぐれて捜査の機密といいますか、秘密に属する部分でもございますから、地検としては公表しておらないわけでございますけれども、たまたまマスコミの取材によりまして判明しているということがあるかも
しれませんが、公表はされておりません。したがいまして、私どもも承知しておらないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、捜査官が必要と判断した場所で証拠品を押収して事案の解明に今全力を挙げておるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
 なお、政治家について将来捜査が及ぶかというような御趣旨の御質問でございますけれども、これにつきましても、もう委員御案内のとおり、この場で私がお答えできる問題ではないということについては御理解いただけると思います。
#37
○新村委員 次に、四人の人たちと一緒に、ミヤジマ氏の行方を追っているということでありますが、ミヤジマ氏については逮捕状は出ておりますか。
#38
○井嶋政府委員 そのような報道が一部の新聞になされておるという事実は承知をいたしておりますけれども、これもまた何度も恐縮でございますけれども、公開捜査をしているわけじゃございませんで、この捜査は捜査密行の原則に従って秘密裏に行っておる捜査でございますので、逮捕状が出ておるか出ておらないかということを特定の個人について私の口から申し上げることは不可能でもございますし、また差し控えるべきことだと考えております。
#39
○新村委員 ミヤジマ氏は事件のかぎを握っている重要な人物であろうと思いますが、その動向はつかんでおられますか。
#40
○井嶋政府委員 今委員、ミヤジマというお尋ねであったようでございますが、富嶋の誤りだろうと思いますので訂正をしておきますが、いずれにいたしましても、動向を把握しているかどうかということも極めて機密に属することであろうと考えますので、答弁は御容赦いただきたいと思います。
#41
○新村委員 今のは読み違えました。富嶋でございます。訂正をいたします。
 報道によりますと、富嶋氏の滞在先のオーストラリアに検事を二名送って捜査をしているということが伝えられておりますけれども、それは事実ですか。
#42
○井嶋政府委員 再三の御説明で恐縮でございますけれども、そういったことにつきましても極めて捜査の根幹にかかわることでございますので、御説明は御容赦いただきたい、こう思うわけでございます。御理解いただきたいと思います。
#43
○新村委員 国際司法共助という制度がありますね。この富嶋氏のケースにおいて、この国際司法共助による両国の共同捜査あるいは身柄の拘束というようなことについて考えておられますか。
#44
○井嶋政府委員 具体的に富嶋という人物に対する関係で国際司法共助を発動しているかどうかというお尋ねでございますが、これもまた具体的な捜査手法でございますので、御勘弁をいただきたいと考えるわけでございます。
#45
○新村委員 検察庁が報道機関に対して登院停止という処分をする、処置をするということを聞いておるわけでありますが、登院停止というのは、普通は議員が何か懲罰を受けて院に出られないというのが登院停止でありますけれども、検察庁の言う登院停止というのは、検察庁あるいは関係機関に対してマスコミの人たちを締め出すということだと思いますけれども、そういうことがあるのですか。
#46
○井嶋政府委員 どういう用語を用いておるか定かではございませんけれども、要するに特定の新聞社の取材をお断りするということをやる場合がございます。これは従来幾つかそういった例で御質疑があったこともあるわけでございますけれども、委員御案内のとおり、犯罪捜査の遂行と、いわゆる報道といいますか取材あるいは取材の自由と申しますか、これのぶつかり合いというところは宿命的なものでございまして、もうおわかりのとおり捜査は密行と申しますけれども、秘密裏に行いませんと犯人の逃亡を許したりあるいは関係者の証拠隠滅を許すといった場面になるわけでございますし、さらに犯罪捜査は国民の、いろいろな方の御協力を得ながらやるわけでございますから、そういった方々に捜査あるいは事情聴取が及んでおるといったようなことが明るみに出ますと、これまた人権とか名誉にもかかわり合いがあるというようなことで、できるだけ秘匿しなければならない事柄ではございます。他方、それに対して、取材の自由ということからマスコミは取材攻勢をかけてこられる、こういう図式になるわけでございますので、従来からぶつかり合う場面が多いわけでございますが、そういったことで、東京地検といたしましてはそういった両方の、両面のぶつかり合いを調整するといったような趣旨で、従来から所属の記者クラブとの間で一種のルールと申しますかあるいはこちらからのお願いと申しますか、そういったもので意見交換をしながら実際のやり方についてのルールをつくっておるわけでございます。
 それによりますと、東京地検における犯罪捜査の取材というのは部長と副部長に限ってくれ、一般検事、検察事務官には及ばないでくれというようなことでございますとか、あるいは被疑者と目されている人たちへの直接取材を避けてほしいとか、捜査への支障といった観点からいろいろお願いをしております。そして、そういったお願いをしながらも、やはり報道の自由も守らなければならないということで、検事正なり次席なり部長なりが定例的に記者会見をいたしておりますし、また副部長以上は取材に応じるということもやっておるわけでございます。
 そういった両者の紳士協定的なルールと申しますか、あるいはマスコミの方に言わせれば、それは単なる検察庁の要望だとおっしゃるかもしれませんけれども、いずれにしてもそういった運用でもって今まで円滑に行われてきておるわけでございますけれども、昨今のような取材競争の非常に激しい状況下におきまして、やはりどうしても証拠にわたる取材でありますとかあるいは捜査妨害と感じるような取材でありますとか、そういったものが間々行われますし、また、いわゆるフライングみたいたことがあるわけでございますので、そういった場合には取材には応じないことにしますよというような、一種の話し合いの上でのペナルティーみたいな制度があるというふうに聞いておるわけでございまして、そういったものの中で今までずっと円滑なマスコミとの関係で推移してきておるというふうに聞いております。ときどき、フライングが起こりますと、おっしゃったような意味で今の部長、副部長の取材には応じられませんよということを申し上げることがあるわけでございます。
#47
○新村委員 そうしますと、いわゆる登院停止というものが特定の個人あるいは特定の新聞社に対して行われるということでありますけれども、基本的に人権の尊重ということはもちろん優先すべきでしょうけれども、国民の知る権利というものもこれまた極めて重要なわけでありまして、これは民主主義社会の根幹でありますから、そういう点からして報道管制というか統制ということに通ずるようであっては困るということで申し上げたわけでありますけれども、この措置は法律に基づくものではもちろんないわけでしょうね。そうしますと、これは当局の要請というか、あるいは当局と記者クラブとの間のルールであるのか、その点の性格、どういう性質のものであるか。それから、現在いわゆる登院停止をされておる個人あるいは新聞社、放送局はございますか。
#48
○井嶋政府委員 国民の知る権利といった側からの要請にこたえなければならないという重要性は、私どもも十分承知をしておるわけでございまして、決して一方的に捜査の秘密といったことを主張しておるわけではありませんけれども、他方捜査機関が国民から負託をされております犯罪の摘発というこの目的のために必要な限度における御協力をいただくということもまた、知る権利と同様、あるいは私の個人的な見解からすればそれ以上かもしれませんけれども、いずれにしてもやはりそのことも御理解いただかなければならぬということだろうと思います。そういった意味で、検察庁と所属の記者クラブの諸君が意見交換をし
ながらつくり上げてきておる一種のルールというか暗黙の了解というものでございまして、委員御指摘のようないわゆる法的な性質を有するものではない。ただまた、記者クラブに言わせれば、あるいはそんなのは協定ではなくて単に検察庁が要望したことだとおっしゃるかもしれませんし、ケースによっていろいろあるだろうと思いますけれども、いずれにしても当事者間の一つの守ろうという紳士的な取り決めということになるのかなという感じがいたしております。
 それから、現在東京地検にいわゆる出入り禁止と称するようなことが行われている社があるかというお話でございますが、これは現在そういった状況になっている新聞社が二、三社あるというふうには聞いておりますけれども、特定の新聞社の名前を申し上げるのは不適当かと思いますので、差し控えさせていただきます。
 いずれにいたしましても、検察庁の姿勢は、決して締め出すためにやっていることじゃなくて、先ほどから申し上げますように、ぶつかり合う場面を円滑に解決するためにやっておることですから、この問題の解決につきましても円滑に処理をしていくものだというふうに期待はしております。
#49
○新村委員 大臣にお伺いいたしますけれども、今のようなことがあるわけですが、これは基本的人権の尊重、それからまた捜査権は保護されなければいけないと思います。一方また、報道の自由というか国民の知る権利についても、これはやはり最大限の尊重を要請される問題だと思います。そういったことで、今のような事態に対しまして大臣はどうお考えであるか。そういったことが全くないことが望ましいのでありますけれども、どうしても必要だということであれば、やはりこれは国民の知る権利、報道管制あるいは言論統制にならないような慎重な配慮が必要だと思いますけれども、こういうことに対しての大臣のお考えなり御方針なりを伺いたいと思います。
#50
○長谷川国務大臣 今の事件につきましては、今捜査の真っ最中でございまして、検察は厳正公平、不偏不党の立場でその職責を果たしておると深く信頼をいたしております。
 今委員からお話がございました報道の自由、あるいはその他いろいろ御意見もございましたが、まだ捜査段階でございますので、私ども、刑事局長も含めまして、その事件の内容あるいは推移、見通し等についていろいろ申し上げるということは、さっきの刑事局長のお話のとおりでございます。しかし、報道の自由ということも、新聞にもいろいろ事件についても出ておりますので、不必要な制限はいたす考えはございませんが、必要な制限は、これは当然お願いしなければならないというふうに考えております。
 以上でございます。
#51
○新村委員 次に、大蔵省の証券局にお伺いいたしたいと思いますが、この問題は、株の公正な取引の違反あるいはインサイダーの疑いが濃厚であるというようなことも言われているわけであります。そこで、この国際航業の前経営陣が、買い占めに対抗するためという目的で、メーンバンクの大和銀行と協議をして本来違法な自己株取得を積極的に行ったということが言われているわけであります。既に報道されているところでありますが、集めた株数は約五百五十万株、そのうち四百五十万から四百六十万株が結局子会社の東洋リースに帰属することになり、その辺の詳細についても既にこれは報道されているわけですね。
 情報によりますと、内部資料によりますと、自己株取得時、これは六十二年の八月から十月のコストは五千二百円でありましたが、これを現在の経営陣が引き継ぐことになった。そして、昨年八月中旬ごろ、今回逮捕された酒井氏が当時の自己株取得直後、一部上場維持のため、規定の単位株主の偽装名簿等をつくり、当時の経営陣や酒井氏自身共謀してこのようなことを行ったというようなことが言われているわけであります。これらの点について、大蔵省ではどういうふうに把握をされておりますか。
#52
○若林説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の事案につきましては、実は大蔵省の証券局としても本件の全容に関する事実関係、十分に承知しているわけではございません。さらには、捜査当局において現在捜査中の事案にかかわる問題であろうかと思いますので、何とも申し上げかねることをひとつ御理解賜りたいと思うわけでございます。
 ただ、一般論として申し上げますれば、株式の取引を行う場合に、その事情とか売買当事者の意図でございますとか売買の態様等、個々の取引ごとに極めて区々になっておりまして、こうした事情とか背景といったものについて十分な事実関係を把握するといいますか、これがわからない限り何とも判断が下せないということでございまして、そうした状況の中にあるということだけは申し上げられるかと思います。
#53
○新村委員 それに関連して、酒井氏に貸付金として三億を与えた、こういう経過があるわけですが、友納社長、竹川取締役が急遽新たな単位株主をつくって一部上場基準を満たすことに努力をしたというわけですね。そこで、昨年の九月二十五日から二十九日の週に、東洋リースで所有していた約四百六十万株の自己株のうち約八十万株を市場に放出をした。約八十万株という数字は会社側が公式にこれは認めているようでありますが、この約八十万株を市場で放出した理由ですが、これは翌週の月曜日、十月二日に社員や家族を中心にした単位株主づくりの必要があったわけだと思うのです。そこで、九月二十九日の終わり値の五%引きの価格をもって販売し、買いやすい値段に落とすために市場内で八十万株を放出した、こういうことが言われておるわけであります。
 そこで、こういうことは株式の公正な取引には明らかに違反する、ルール違反だと思いますが、こういう株の値段の操作、こういうことについては当局ではどういうふうにお考えになっていますか。
#54
○若林説明員 ただいま御指摘の件でございますが、昨年十月の東洋リース株式会社による売り出しに当たって、約五%のディスカウントが行われた、これに絡んで、株価の引き下げというような操作が行われたのではないかというような御指摘でございます。
 確かに昨年そういう売り出しが行われたのは事実のようでございまして、そのときの売り出しについては所定の規則に基づいて公衆縦覧等が行われておるようでございます。ただ、その場合にどういう取引がその実態としてあったかということについては、我々としては特段の事情といったものを把握はいたしておりません。
#55
○新村委員 こういうことはいわゆる株価操作ということにはなりませんか。
#56
○若林説明員 株価操作という定義でございますが、証取法の百二十五条でいろいろな形態を株価操作というふうに定義いたしております。したがいまして、ある株が下がったないしは株が上がったといったようなことだけをとらえまして、それをもって株価操作ということを申し上げるわけにはもちろんいきませんし、どういう事情であったかというその事実関係が大切なわけでございます。それを特殊な目的を持って意図的にやったということであれば、それは操作になるるわけでございますけれども、個々の事案においてそれは判断をすべき問題でございますし、そうした関係を十分まず把握するのが先決であろうかと思います。
#57
○新村委員 このケースですが、友納社長、竹川取締役等が大蔵省の指導に基づいてやったというふうに言っているそうでありますが、この段階で大蔵省は相談を受けたり、あるいは指導したりということはおやりになったのですか。
#58
○若林説明員 本件の売り出しにつきましては、先ほど申し上げましたように売り出しの価格、それから売り出しの株数等につきまして事前に大蔵省に届け出が行われております。この届け出を公衆縦覧するという形で売り出しの概要が公表された上で行われているわけでございます。それをもって指導というかどうかは別にいたしまして、公
衆に縦覧に付された上で行われた売り出しであると認識しております。
#59
○新村委員 こういう事態が進んでいるときに、大蔵省に相談があって、大蔵省が指導した、こういうことがあるのですか。
#60
○若林説明員 売り出しを行うとか行わないかといったことについて特に大蔵省として指導する立場にはございません。ただ、制度にのっとって売り出しをする場合は制度にのっとった届け出をしてください、それに基づいて公衆縦覧をいたします、ということの手続を踏んでおるわけでございまして、そういう措置をとることそのものは各株主の御判断に基づくものでございます。
#61
○新村委員 そこで、当時の売り買い手口というか経過を見ますと、九月二十五日から一日約十万株弱平均が市場に売り出された。九月二十九日の引けの三時直前、福山証券から四十二万株が一挙に売られた。この株は、一日数千株程度しか今までは出来高がなかったわけですけれども、四十二万株が一挙に、しかも数分でこれが売られたというのですが、これはいかにも不自然であると言われております。売り買い成立するわけがない。一瞬のうちにそういうことがあるのかどうか、そういう不自然な取引が普通あるわけですか。
#62
○若林説明員 株の取引につきましては、先ほども申し上げましたように、売買を行う人の意図でございますとか、その他いろいろな事情、背景等がございまして、表面的な数字ないしは取引量なり価格の動きといったものからその実態を推しはかることはなかなか難しいことでございます。
 これは全くの例でございますけれども、例えばあるときに株価が、取引が非常にふえたといったようなことで少しその事情を調べてみますと、それはある事情があった。それは法的に何ら問題のない、全くのビジネスと申しますか、商業上の取引であったというようなケースも結構あるわけでございまして、外見だけから一定の株価操作といったものを断定といいますか、判断していくことはなかなか難しいと思っております。
#63
○新村委員 さらに、十月二日に社員分配をした、百五十万株が実行されたということが言われておりますが、十月六日には株価が三千四百十円、九月二十九日の二千三百三十円からわずか、わずかといいましてもこれは一週間で千八十円値上がりしたわけです。この一週間というのは、月火は値つかず、実質的には水木金の三日間で千円以上急騰している、こういう実態でありますが、この週には九月二十五日から九月二十九日に放出をされているわけでありまして、約八十万株のうち六十万株が売却されております。これが周知の事実なわけですが、こういうことから大蔵省はどういう印象を受けますか。
#64
○若林説明員 ただいまお聞きしたところでございまして、印象といいますか、こういう問題全体についていろいろ捜査当局での捜査といった問題も絡んでおります。今そうしたものに予断を与えるようなことをここで申し上げるのは厳に慎むべきことではないかと思っております。
#65
○新村委員 これは、理由をつけて関係者間で打ち合わせをして東洋リースの株を安く市場に放出をし、会社側は一週間で、短期間の間に利ざやを特定の人に稼がせたということを意味する。意味するというのは、株価がそういう形でなっているわけですね。つまり、これは、証券取引法百二十五条違反またはインサイダー取引ではないかという疑いを持たれているわけでありますけれども、その点についてはいかがですか。
#66
○若林説明員 先ほど来申し上げておりますように、株の取引が行われた場合、それを事実関係と申しますか、どういう関係者の意図によってその取引が行われておったかということをまず十分わからないままに判断をすることはなかなか困難なことであるので、ここでそれについての判断を申し上げることは御容赦願いたいと思います。
#67
○新村委員 そういう実際の株式市場の状況あるいは特定株の動き、そういったものについて、日常、証券局あるいは担当の方々は注目をしていらっしゃるわけだと思いますが、それが不審に思われる場合、どういう措置をとり、どういう手続でどういうことをされるのか、伺いたいと思います。
#68
○若林説明員 株式の取引につきましては、その取引量でございますとか取引価格といったものが大きく変動するといったような事情があり、またその他いろいろ情報とか不自然な動き等があった場合に、実は証券取引所におきましては、まずその背景について証券会社に事情を聞くとかいろいろな形でその背景については日々これを見ておりまして、そういった株価の形成について問題がなかったかということを常時監視するといった態勢をとっております。大蔵省におきましても、そういう取引所との連携をとってそういう監視態勢を実はとっておるわけでございます。そういう意味におきまして、一般論でございますが、いろいろ株価について不自然な動きがある場合は、それについてそうした監視態勢の中で見ていくべき問題だろう、こう思っております。
#69
○新村委員 この国際航業の場合、これは明らかに先ほど申し上げたようなケースは証券取引法百二十五条違反またはインサイダーの疑いがあるというふうに我々は見ておるわけですが、この具体的な例についての御見解は御答弁いただけませんか。
#70
○若林説明員 基本的には個別の問題についてここでどうこう申し上げることはできないことについては御理解を賜りたいと思います。あくまで一般論として申し上げますと、先ほど申し上げましたように、株の取引量とか価格等について不自然なものがあるといった場合には、取引所、それと連携をした大蔵省においてそうしたものの背景等についてできるだけの、行政的な調査の限度はございますけれども、そうした中で株価形成が健全に行われるという立場からチェックをする態勢をとっておるわけでございまして、一般的にそういう態勢の中で適切に対応されていくべき問題であると考えております。
#71
○新村委員 これは刑事局長にお伺いしますが、こういう、明らかにといいますか、世間の常識からして証券取引法違反あるいはインサイダーの疑い濃厚というようなケースがあるわけですよ。今回もこのケースだと我々は見ているわけですが、そういった場合に、取り締まり当局としてはどういう対応をされておるわけですか。
#72
○井嶋政府委員 株の動きに関します取引の問題でありますとかインサイダー問題を今御議論がございましたけれども、国際航業にかかわるこの事件の将来の進展といったものにつきましては、私は全くお答えできる立場にもございませんので、そういった意味で具体的な事件に関することでもございますのでお答えは差し控えますが、委員の御指摘のように、一般論として申し上げれば、検察はいろいろ調査、捜査をしていきます間において、もし刑事事件として取り上げるべき事実があるといったことを把握しました場合には、従来同様厳正公平に対処するものだろうというふうに期待をしておるわけでございまして、従来もそのようにして捜査を遂行してきたというふうに考えておるわけでございます。
#73
○新村委員 この問題に関連をして、また一般論でありますけれども、平素大蔵省がどうしても大手証券を中心に物を考えていらっしゃるあるいは運用していらっしゃるというような世評があるわけですね。そういった点で、やはりこういう問題については監督官庁としては厳しく監視あるいは指導されるということが特に必要だと思います。そういう点で、たまたまこの問題が今世評に上っておるわけでありますけれども、こういう問題がほかにも相当あるのではないかというふうに考えるわけであります。そういう点で、証券あるいは証券市場の健全な発展という点から見ても非常に残念なことでありますから、そういう証券取引の公正な市場の発展という点から見て、ぜひ厳しく、しかも公正な取り締まりをお願いしたいと思いますが、この問題について今後どういう対処をされますか、もう一回伺いたいと思います。
#74
○若林説明員 個々の問題についてお答えするこ
とについては御容赦いただきたい、御理解賜りたいと思うわけでございますけれども、今先生御指摘のように、証券市場におきます価格形成の公正性を期すということは、一般投資家を保護するという観点から極めて大切であり、また証券市場の発達にとっても非常に重要なことであると我々は日ごろ強く認識いたしておるわけでございます。そういう意味におきまして、証券市場におきまして不正行為等が行われないように、未然防止と申しますか、そういう態勢もあわせて十分とっていきたいと考えておるところでございます。
#75
○新村委員 大臣にお伺いしますけれども、証券取引について、今国際航業を中心にしていろいろ問題が指摘をされております。いろいろ世上に、証券取引の問題についての不安も一部には起こっているというようなことがありますが、証券市場の健全な発展あるいは公正な取引という点からして、今後の大臣の指導の方針なりお考えなりを最後に伺いたいと思います。
#76
○長谷川国務大臣 今委員からお話ございましたようにいろいろの問題が出ておりますので、証券界の健全なる発展と育成のためにいろいろ御発言の意も体して真剣な対応をやらせていただきたい、このように考えております。
#77
○新村委員 終わります。
#78
○渡辺委員長 志賀節君。
#79
○志賀(節)委員 私は、死刑問題に焦点を当てまして、きょうはちょうだいいたしました三十分間質問をさせていただきたいと思います。
 冒頭に私、大変よくできた本だと思いますが、「図説死刑物語」という本がございまして、カール・ブルノー・レーダーという人が書いたこれは翻訳物でございますが、その冒頭をちょっと読み上げることをお許しいただきたいと存じます。
  バーバラ・グレアムという死刑囚が、サソ・クエンティン刑務所のガス処刑室の椅子に緊縛された。謀殺罪で死刑を宣告された女だが、あくまで罪を否認していた。今、彼女の余命はわずか一分しかなかった――そこへ、死刑の執行延期という知らせがとどいた。緊縛を解かれた彼女は昏倒してしまった。医者と刑務所長が介抱していると取消命令がとどき、やはり即座に処刑せよというのだ!
  そのとき彼女は意識をとり戻し、いぶかしげに周囲を見まわして、「生きているのだわ。ありがたい!」と口ごもる。それでも所長は、ほとんど度を失いながら、やはり執行するのだと彼女に告げねばならない。そこで相手に、気をたしかにもつように要請――いや哀願――するのだが、女は悲鳴をあげてその場にくずおれ、しかも無実を断言してやまない。
  ガス室に連れ戻し、またも椅子に緊縛する。すでに扉が閉められた――そこへ、再度の延期を知らせる電話だ。裁判所では、二〇分かけて再審理について討議されたが否決された。それで女は三度目にガス室に連れ戻されて死の椅子に緊縛される。もう彼女の精魂は尽き果てている。いよいよガスがふき出して、その運命がとじられるときの彼女は、ほっとしたといったほうがよさそうだ。
  一九五五年にカリフォルニア州で起こったことだが、これが一体、正義のための死であるのか?
これがこの冒頭の文章でございます。
 そこで、私は、きょう質問させていただきたいと思っておりますことに関連してちょっと申し上げておきたいのは、日本の死刑制度は密行主義でありまして、要するに表ざたになかなかしない。しかし、死刑制度というものは、我々が当然議論の対象として是とすべきか非とすべきかについて議論しなければならない。ところが、密行主義のためになかなか正しい正確なそういう事実関係というものを知ることができない。これでは誤った議論の根底づくりに法務省が手をかしていると言われてもやむを得ない。どうかそういう意味で、きょう私が伺うことについては正確に、しかも全く偽りなくお答えを賜りたい。これが私からの冒頭のお願いでございます。
 さてそこで、死刑執行人は死刑制度がある以上存在するわけでございますが、そのような公的な名称が存在するのかしないのかをまずお答えをいただきたいと存じます。
#80
○今岡政府委員 我が国が死刑の執行につきまして密行制度をとっているということは御指摘のとおりでございます。密行制度をとっておりますがゆえに、その正しい姿が一般の方々に理解しがたい面があるというふうな御指摘も、まことにそのとおりだろうと思います。私どももそれについて、ぜひ誤解のない理解を賜りたいというふうに願っているわけでございます。
 そこで、死刑執行人という制度があるかというお尋ねでございますが、我が国には死刑執行人というような名称を持ったいかなる職種もございません。
#81
○志賀(節)委員 死刑執行を行うのは、それならば刑務官と総称されている人と理解してようございますか。
#82
○今岡政府委員 刑務官の中で個々の執行の場合に、監獄の長、つまり言えば拘置所長等ですが、その指名によって執行に当たる者を決めております。
#83
○志賀(節)委員 そうすると、刑務官のすべてが死刑執行に当たるとは理解できない、こういうふうに考えてようございますね。
#84
○今岡政府委員 そのとおりでございます。
#85
○志賀(節)委員 それでは、一回の死刑には、この死刑執行に当たる刑務官は何人必要とするのでしょうか。
#86
○今岡政府委員 死刑の執行に当たりましては、死刑の執行を直接担当する職員、それから死刑の執行に伴いまして、関連すると申しますか付随するいろいろな仕事がございます。そういう補助的な作業等がございまして、大体一回につき、直接の担当、補助、それぞれ五人以内の範囲で職員を指名しているというのが実情でございます。
#87
○志賀(節)委員 この五人以内の担当官に死刑執行の後に特別な手当が出るのですか出ないのですか、出るとすれば幾ら出るのか、お教えいただきたい。
#88
○今岡政府委員 死刑の執行に従事しました職員に対しては、死刑の執行手当が支給されております。その金額は現在一回につき七千二百円でございます。
#89
○志賀(節)委員 それは、今言われた補助的な人も均一に七千二百円と理解してようございますか。
#90
○今岡政府委員 そのとおりでございます。
#91
○志賀(節)委員 それでは、死刑が執行されました後の、当然死体がそこに出るわけでありますし、あるいは死体から排せつされた汚物等が想像されるわけでございますが、これらの処置を行う者は、今の死刑執行に当たった者とは別人であるのか同一人であるのか、お教えいただきたい。
#92
○今岡政府委員 すべて執行に従事した職員でございます。
#93
○志賀(節)委員 私もそのように理解しておりましたし、理解したいのでございますけれども、実は既に法務省でも大変話題を呼んだもののようでありますが、恒友出版という出版社から出てベストセラーになりました「そして、死刑は執行された」、続編、続々編と三冊出てございます。
 この中にはそのようなことを否定する言葉が出ておりまして、死刑囚監房掃夫という、これはもちろん公式名称だとは思いませんが、大変重い、無期懲役のような男を数名、死体の処理、汚物の処理に従事させておって、その一人がおれだというのがこの合田士郎という、これはもとより筆名であるか偽名でございます。そういう人物が書いたものがベストセラーになっておりまして、しかも厄介なことには、この人間だけが主張しているのではなくて、この続編でございますが、例えば「秋田県 六十五歳 男 元刑務官」ということで、これは二百三十七ページにこの投書というかその手紙の一部だと思います。その中に
  この内容は真実である。私もこの職業三十五年の歳月を勤めた関係上、本当の事実である。
本当に感動させられました。涙も出るほど。数十人の者に読ませましたが、誰も彼もただ、感動の涙です。
というような文言が印刷をされておるわけでございますし、その他いろいろなことを私も耳にするわけでございますが、この点は、いやしくも国会は国権の最高機関でありますから、ここでの答弁はゆめ私はうそだとは思いませんが、重ねて承りますが、そのような事実はなかったか、あるいは今までなかったけれどもこれからもないというのだったらそれでも結構ですが、その点をはっきりしていただきたい。
#94
○今岡政府委員 ただいま御指摘になりましたその合田士郎というペンネームで書かれた本、私も若干は読んでおりますが、これは大変問題のある内容の本であるというふうに思います。
 そこで書かれております事実には、事実とそごする点が多々ございまして、委員ただいま御指摘になりました死刑囚監房掃夫、このような名称の作業はもちろんございません。それから、その本の中には、死刑囚の監房において死刑囚の身の回りの世話をして、そうして執行の際に遺体の後始末をする作業に従事したようなことを言っておりますけれども、そのような作業もございません。したがいまして、そこに書かれている事実が、ノンフィクションということを標榜される出版社から出されておりますだけに、大変私どもとしても遺憾に思っておるところでございます。
#95
○志賀(節)委員 密行主義の一つの弊害がここにあると思うのであります。結局、ノンフィクションをうたった出版社のものが真であれ偽であれ、真として受け入れられやすいような土壌がそこにある。
 そこで私は、この続編の中の最後の方の付録のところでございますけれども、最初に宮城刑務所からの抗議書がある、これに対して出版社の側から回答書が出る、それに対して再度抗議書が出る、また回答書が出る等々を重ねるうちに、宮城刑務所の方はばかばかしくなったのかお手上げになったのかよくわかりませんが、もう抗議をしていない、こういうようなことに、いわゆるしり切れトンボに最後はなっておりまして、この辺などについても私は国会で法務省当局としては明らかにしておいていただきたいし、そのことが世の中の刑政についても大変益するところがあるのではないかと私は思うからであります。
 そこで、議論をもとに戻しますが、おととしでございましたろうか、「死刑執行人の苦悩」という本が大塚公子さんという女性の方の著作で出ました。私これも熟読玩味をいたしましたが、足で大塚さんが書いた名著であると私は思いました。死刑執行人がいかに暗い生活をあるいは暗い生涯を送らなければならないか、同時にその家族がどんなに暗い人生を歩むかということについて言及されているわけであります。
 私、おととしの読んだ記憶でありますから多少間違いがあったらお許しをいただきますが、同級生が、お針箱であったか長靴であったか、みんなが親から買ってもらって持っておる。ところが、自分はうちが貧乏で買ってもらえなかったという少女が、その何日か後に、欲しい欲しいと言っていたら同級生と同じようなものをあてがわれた。非常に喜んでいたら、心ない同級生の一人が、おまえのおやじが人を殺して得たお金でおまえはそれを買ってもらったんだ、こういうことを言われた。それを聞いた途端に、もうそれを持っているのが汚らわしくて嫌になって、雨降りの庭にそれをぶん投げてしまったというようなことが、実は本人からでなしに本人の母親、すなわち死刑執行に携わっていた人の細君からこの大塚さんが聞いた文章がそれに出ておりまして、実に悲惨なことであるなあということを私はつくづく感じた次第でございます。
 そこで、再度朗読することをお許しをいただきたいと思うのでございますが、この「図説死刑物語」の中の執行吏、すなわち死刑執行人と同じ意味でございますが、「執行吏について」というところの文章をちょっと読ましていただきます。
  死刑のために生まれているのが、人間のいとなみうるもっとも残酷な職業の一つ、すなわち執行吏だ。この職業を弁護する口実として、執行吏は他人の下した判決を執行するだけだとか、彼は法律に奉仕して当然の義務を果たしているのだとかいわれるが……しかし何といわれようと、その恐ろしい職業を心底からこなしえた執行吏は一人もいなかった、という事実はごまかせない。注目すべきは、執行吏の多くは自殺していることで、いわば亡霊に苦しめられて死んでいる。心理学的にいえば、法律に命じられて彼らが殺した被害者に関する記憶にさいなまれて死んだのである。また、執行吏の中には気うつになって、世間を離れて独りで生活するか、名前を変えて二重生活をした者もいる。どんなに正当化しようとしてもごまかせない、次のような事実があるからだ。つまり執行吏というのは、世間の人から避けられて、その職業がわかればいやな顔をされるといった風に、今日もなお仲間はずれの生活を送らねばならないのである。
このような職業、職種に携わっている人間がこの実社会に存在しているということ、これを私どもは注視しなければならないと思います。私どもはこういう社会を一日も早くなくすべきではないかと考えておるのでございます。すなわち人の立場に立って人の喜怒哀楽をともにする、そういう気持ちになるのが私は政治家の第一歩であると考えておるからでございまして、こういう点でこの死刑制度というものについてひとつ御一考を煩わしたいというのが私の考え方でございます。
 特に、死刑廃止は、御案内のとおり西側先進国の趨勢である、あるいはほとんど全体の国が死刑廃止をやっているか停止をしていると申しても過言ではございません。これだけの世界的な国際化社会の中で、日本だけがなぜ死刑を温存しなければならないのだろうか。今後東西両陣営が融和の方向にいけば、東側の先進国もまた相当死刑廃止に踏み切るのではなかろうかと予想せられるだけに、日本がなぜここまで死刑制度を墨守しなければならないのか、私はこのことがよく理解できないのでございますが、法務大臣にこの点御見解を承りたいと存じます。
#96
○長谷川国務大臣 御指摘のとおり死刑制度を廃止している諸国もありますが、死刑制度の存廃については世界各国の態度も大きく分かれているところであります。我が国の刑事行政の責任を負う法務大臣といたしましては、国家、社会における正義の維持を基本とし、国民の世論の動向等の要素を総合的に勘案して、慎重に判断をすべきものと考えております。私の見るところ、国民の大多数は、現在なお凶悪な犯罪を犯した者に死刑を科することは正当であるなどの理由から、死刑を維持すべきものだとの考え方を持っているようでありますし、このような事情にかんがみまして、死刑制度は現在なお維持すべきものと考えております。
#97
○志賀(節)委員 大体予想していた御答弁でございました。
 そこで、私申し上げたいことは、国民世論の大方が一体どれほど死刑問題について、これほどリアルな想像をしたりあるいは真剣に取り組んだ結果の判断であるかを私はむしろ問いたいと思うのであります。私はただいま申し上げたような死刑執行人、事実上の死刑執行人は存在するわけでありますから、そういうようなことに従事する人を死刑制度を支持する人の中から選び出すくらいの制度はつくれないかと考えているほどである。どうしても嫌な人にわざわざ死刑執行人のそういうことをやらせる必要がないのではないかと私は考えているほどでありまして、こんな点も、私は何か絵そらごとのようではありながら、一面真剣に考えさせられるテーマであることもこの機会に大臣に申し上げておきたいと思うのであります。
 それからもう一つ、私は承りたいと思うのでありますが、一九七九年九月二十一日、日本では、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約の両
規約が批准をされたわけでございます。市民的及び政治的権利に関する国際規約、その国際規約の選択議定書が批准されてないのはなぜだろうかということを私は疑問に思っているのでありますが、この批准された後者の国際規約、すなわち市民的及び政治的権利に関する国際規約の第六条には、その国際的な手続については触れられておりませんために、その議定書によってジュネーブにある国際人権委員会に訴えることを可能にしておるわけでございます。
 実はこの市民的及び政治的権利に関する国際規約の第六条には、生命に対する権利及び死刑についての条項があることは御存じだと思います。条文には死刑廃止が望ましいとございます。これを一歩進めて、昨年十二月十五日に採択したのが国連の死刑廃止条約であったわけであります。この議定書についてもまた死刑廃止条約についても、日本はいまだに批准を行っておりませんが、ただいまの大臣の御答弁は御答弁として、国際化社会の中で、今まさに日米協議などが続けられているようなこの御時世の中で、日本だけが何かこう孤立していくようなこの国際化社会の中で、これらの条約あるいは議定書の批准をあえてしていないのはなぜであるか、これは重大な問題であると思っているわけでございますが、この点について御答弁を賜りたいのでございます。
#98
○井嶋政府委員 突然の条約の関係についての御質問でございますので、詳細は必ずしも承知をしておりませんのですが、御指摘のように、この各種の条約につきましては現在まだ批准をしておらないということでございます。これが採択されました会議におきましても我が国は反対ないし棄権をしておるわけでございまして、従来からこの点については、国際機関の場面におきましてもそういった現在政府が持っております死刑制度存置の立場を表明しておるわけでございます。
 確かに委員御指摘のように、一つの趨勢として死刑廃止論が各国で論議されておるわけでございますが、先ほど大多数の国とおっしゃいましたけれども、若干正確に申し上げますと、現在死刑を法律的に廃止しておる国あるいは軍事上の犯罪に限っている国、そういったものをトータルいたしまして五十二カ国でございます。もちろん委員指摘のように西欧先進諸国が中心でございますが、五十二カ国。これに対しまして、法制度としても、また現に制度を運用しておるということで存置しております国はアジア・太平洋等が中心であり、かつまたアメリカの五十州のうち三十七州がまだその制度を持っておりますけれども、そういったことを含めまして百十五カ国がまだその制度を存置しておるわけでございます。
 他方、先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、この死刑制度というのは、国際的な動向もさることながら、すぐれて各国の法に対する感情と申しますか、犯罪に対する道義的、道徳的な感情と申しますか、倫理的な感情と申しますか、そういったものも含めた国民の感情といったものが一番大事な要素をなすだろう、こう考えるわけでございまして、特に国民の正義感と申しますか、そういったものとこの刑罰といったものが、決して応報刑主義を言うわけではございませんけれども、やはり密接に関連をしておるんだという前提で私どもは対応してまいっておりまして、したがいまして、私どもは、世論の動向につきましては従来から神経質なほどいろいろ施策をやってまいったわけでございます。
 委員も御案内だと思いますけれども、平成元年には総理府の内閣総理大臣官房広報室にお願いいたしまして、世論調査を実施したわけでございます。これは昭和三十一年に行いました調査から計算しますと五回目の世論調査になるわけでございまして、いずれも政府としての責任ある世論調査をさしていただいておるわけでございますが、一番最新の世論調査では、もう委員も御案内のとおり、六六・五%の人たちがやはり死刑は廃止すべきでないという意思を表明しておられるわけでございまして、死刑廃止賛成論者は一五・七%にとどまっておるわけでございます。そういった意味におきまして先ほど大臣が、そういったところの動向を見きわめて考えたい、こう申されたわけでございます。
#99
○志賀(節)委員 大変御懇篤な御答弁、ありがとうございました。ただ私は、冒頭お話ししたように、すべての国々の死刑の廃止、存置については言及した覚えはない、国会を延長した先のことまで私は議論をするようなことはしてないのと同じように、私は西側先進諸国の中でという限定で土俵を設けているわけでありまして、土俵を広げていただくのはいかがかと思うのであります。
 それからもう一つ申し上げたいことは、国民世論の動向とおっしゃる。これはぜひ私に資料をちょうだいしたいと思うのは、死刑を廃止ないし停止した西側先進諸国が、その停止に踏み切る前の国民世論がそれならばすべて廃止に加担をしておるというパーセンテージの数値が出ているかどうか、このことについて私は、責任を持って私にはその世論調査をちょうだいしたい。そのことが今後の死刑廃止に対して日本の法務省当局の態度を決める一つのよすがになりはしないか、かように考えるからでありまして、これは私は意地悪を申し上げているのではない、どうかその点をお酌み取りをいただきたいのであります。
 で私は、再々取り上げて恐縮でありますが、もう時間の関係もありますから、最後にこのカール・ブルノー・レーダーという人のこの本の最後にある彼の意見をもう一度短い文章でありますから読んで、ひとつ死刑廃止についての御一考を煩わしたい、かように考えるわけであります。
  死刑に処せられる者の大多数は、その者の行為を客観的な尺度ではかれば、そんな罪はなかった。最悪の場合でも軽い刑が相当だったであろう。これまで処刑された者のごく少数が客観的にも「死刑に値する」とみなされる行為をやっているにすぎない――一体そのような行為があるとすればだが。
こういう文章でございます。
 どうかこれは明治時代とか大正時代以降のことだとお考えにならないでいただきたい。キリシタンの殉教もあればあるいは欧米における魔女裁判の被害者のことも頭に含めていろいろお考えいただく、過去の歴史というのはそのことを言っておるのでありますから。そういうことを含めて、死刑制度というものが人類の歴史にどれだけ凶暴な野蛮な影を投げかけ過ぎていたかにもう一度反省をしていただきたい、これを私は最後に私の意見として申し上げて、私の質問を閉じさしていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#100
○渡辺委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十八分休憩
     ────◇─────
    午後二時三十八分開議
#101
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。東祥三君。
#102
○東(祥)委員 公明党の東祥三でございます。
 本日は、基本的に二点に限って御質問させていただきます。
 まず初めに、国際化への試金石と言われる難民問題についてお伺いいたします。
 私も、議員になる前、国際連合で約五年間にわたって難民問題で、ずっと世界で闘ってまいりました。私のよく知っている識者は次のように言っております。
 難民は、一般社会の問題とも戦争の問題とも異なる。より複合的で深い根を持っている。いわばさすらい行く流浪の民のような人類の宿命すら感じさせる。迅速かつ長期的な、また多角的なアプローチが必要であり、市民への教育が不可欠でもあるだろう。そして、その上で人類の魂に慈愛の炎を燃え上がらせたい、慈悲のくさびで流浪と流転に終止符を打ちたいと語っております。また、人類がその胸中に他者への慈愛を燃え上がらせるとき、有史以来の悲劇から悲劇への流転は終わり行くであろうとも述べております。
 世界における経済大国としての日本が国際社会における平和と安定に貢献できるものがあるとすれば、一つはこの難民問題であり、同時に、この難民問題への取り組みを通じて日本及び日本人の国際化の度合いがはかられるであろうと私は思います。そして、今こそ行動をもって世界に貢献していかなければ、日本は国際孤児となってしまうとも危惧しております。その意味で、日本が難民問題に取り組むことの意義は極めて大きいと私は思います。
 ここで、まず初めに、難民問題に対してどのような認識を持っておられるのか、法務大臣並びに外務省にそれぞれお伺いしたいと思います。
#103
○長谷川国務大臣 今いろいろ委員から御意見がございますように、今、難民を含めて十万人をはるか超えるくらいの人たちが日本に合法不法を問わず入っていらっしゃる。これは、歴史的に見ましても日本はこんな経験は余りない経験でございますし、その処置を誤ると大変なことになるということは今御指摘のとおりだと思います。
 しかし、これらの対策はなかなか問題もたくさんございますし、非常に複雑であり、なお難解の問題もございますので、法務省としても気持ちを引き締めてこの難民問題の対策を講ずることができるように、またいろいろ御注意の点も踏まえてこれから十分検討してやらせるつもりであります。
#104
○東(祥)委員 外務省にお伺いする前に、ちょっと誤解されているのじゃないかと思うのですが、難民問題と外国人労働者問題は明確に違います。難民問題はるるまた説明してくださると思いますが、これは出稼ぎを目的に来ている人々とは関係ありません。また、日本で間違った標語で使われている経済難民とも違います。難民はそれ独自のちゃんとした定義がありますから、それに基づいた上で発言していただきたいと思います。その上で外務省、お願いいたします。
#105
○角崎説明員 お答え申し上げます。
 難民問題につきましては、これは人道問題であるのみならず、関係地域の平和と安全に影響を及ぼし得る重要な政治的な問題であるという認識でございます。また麻薬、環境問題と並ぶ地球的規模の問題である、そういうふうな認識でございます。
 そういう認識のもとにおきまして、我が国が現在進めております国際協力構想の三本柱の一つでございます平和のための協力の一環といたしまして、UNHCR、国連難民高等弁務官事務所あるいはUNRWA、国連パレスチナ難民救済事業機関等を通じましてアフガン難民、アフリカ難民、パレスチナ難民あるいはインドシナ難民等に対します救援活動支援を積極的に実施いたしておる次第でございます。UNHCRあるいはUNRWAに対します拠出をとってみましても、昨年我が国はアメリカに次ぎます第二位の拠出国になっておりまして、それなりの評価も得ておるわけでございます。今後とも引き続きかかる協力に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#106
○東(祥)委員 法務省にお伺いいたします。
 日本は五十三年から閣議決定に基づいてインドシナ難民、当時は三名だったと思いますが、受け入れを始めましたけれども、以来今日までそのインドシナ難民の本邦定住の推移について御報告していただけますでしょうか。
#107
○角崎説明員 受け入れの推移でございますが、当初難民の定住枠というのが五百人、これは昭和五十四年に認められたわけでございますが、その後順次ふえまして、現在一万人の枠でございます。その枠の中で現在我が国には六千六百人余の定住を認めてございます。
#108
○東(祥)委員 その六千六百余の本国に定住されている難民の方々についてでございますが、この人々に対しての生活保障といいますか、定住資格を与えられた以上、日本に住んでいる日本人と同じような形で就労した場合には、健康保険あるいは国民健康保険また年金等に加入することができるのでしょうか。また、必要であるならば生活保護を受けられることについてはどのようになっているのでしょうか。これは、本日厚生省の方にも来ていただいておりますので、厚生省の方になるかわかりませんが、よろしくお願いします。
#109
○大塚説明員 医療保険の関係についてお答えを申し上げます。
 医療保険につきましては、我が国の制度では国籍の要件を設けておりませんので、外国人の方も原則として日本人と同様の取り扱いとなるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、健康保険の適用事業所に雇用されております外国人の方は健康保険の加入者となりますし、被用者保険の加入者とならない方の場合につきましては、短期の滞在の方は除かれますけれども、原則として国民健康保険の加入者となるわけでございます。したがいまして、定住許可を受けました後の難民の方々につきましても、このような原則に基づいて医療保険が適用されるわけでございます。
#110
○東(祥)委員 先ほど角崎人権難民課長からお話があった六千六百余名の難民については、これは全員健康保険あるいは国民健康保険に加入されているかどうかという、このデータはありますか。
#111
○大塚説明員 お尋ねではございますけれども、私ども、そういったデータの把握を、恐縮でございますが、いたしておりません。
#112
○東(祥)委員 昭和五十七年、日本は、間違いなければ、難民条約の調印国になりました。その後今日までどれぐらいの人が条約難民認定の申請をし、そのうち何人が認定され、また不認定になっているか教えていただきたいのです、これは法務省だと思うのですが。
#113
○股野政府委員 昭和五十七年の一月以降、私ども日本といたしまして難民条約に基づく難民認定制度を発足させたわけでございますが、発足以後本年の五月三十一日までの状況を見ますと、実際に難民認定申請が行われた実数で、申請件数が七百三十一件でございます。これに対して実際に条約上に規定されるところの難民であると認定をいたしました数は百九十四件でございます。
#114
○松本説明員 厚生省の方でございますが、先ほどの先生の御質問で年金関係の適用関係について、おくれましたけれどもお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、国民年金制度でございますけれども、日本国内に住所を有します二十歳以上六十歳未満の方々は、国籍要件を問いませんで国民年金の適用対象になるということでございます。したがいまして、難民の方々につきましても国民年金制度の適用対象、さらに、難民の方々が事業所に働かれるという場合には、その事業所が厚生年金保険の適用事業所でございますけれども、国籍を問わずに厚生年金保険の適用にもなるということでございます。
#115
○炭谷説明員 続きまして、厚生省の関係の生活保護について御説明をさせていただきたいと存じます。
 定住許可を受けられた難民の方につきましては、生活に困窮されている場合は福祉事務所で保護の必要性などを判断した後、必要であれば日本人と同様の保護を行っているところでございます。ただし、定住促進センターに入所されている方につきましては、定住促進センターにおいて生活の援助等が行われるので、生活保護の適用は行うことはないと考えております。
#116
○東(祥)委員 ありがとうございます。
 話がちょっと前後してしまったのですが、股野入国管理局長にお尋ねいたします。
 先ほど、今日まで条約難民認定の数が七百三十一で、そのうち百九十四が認定された、そのような御報告があったのですけれども、不認定になった数はどれぐらいになっているのですか。
#117
○股野政府委員 先ほど申し上げました期間において、すなわち制度発足以来本年の五月末までの間において不認定になりました数が四百九十三件でございます。したがって、認定数と不認定数の間の差は、現在審査が続行しているという数でございます。
#118
○東(祥)委員 そうしますと、ここに差が出てくるのですが、この差は、受理されなかった、あるいは申請をした人がその申請を取り下げた、そのように考えてよろしいですか。
#119
○股野政府委員 ただいま私、御説明申し上げたわけでございますが、認定された者の数、そして不認定をされた者の数を合わせてなお残りの数がございます。すなわち、申請実数に満たない数がございますが、これは現在審査を行っている、審査中の者の数でございます。
#120
○東(祥)委員 今審査されている方はどちらにいらっしゃいますか。
#121
○股野政府委員 これはそれぞれその要件が異なりますし、また、必ずしも個々の具体的なケースについて私ども公表しないことにしておりますので、詳細についてはひとつ御勘弁願いたいのでございますが、大部分の方はその本来の居住、日本にいる居住地に居住しているとお考えいただきたいと思います。
#122
○東(祥)委員 この申請をされて、そして認定された方々ですけれども、国名だと、もし問題があれば国名は控えていただいて結構でございますが、幾つの国数の方々がこれを申請されているか、その辺の報告はしていただけますか。
#123
○股野政府委員 大変恐縮でございますが、難民認定申請にかかわる従来の取り扱いで、個人のプライバシーあるいは個人の保護ということを考えますので、国名については具体的にはこれまで公表を控えさせていただいておりますが、全体の、先ほど申し上げました七百三十一の申請がありました中で、いわゆるインドシナ三国、この三国からの申請者は三百二十二件になっているということでございまして、これに見合う認定数が百五十六件、さらにまた不認定になった者が百六十六件という状況になっております。
#124
○東(祥)委員 その他の国々でいきますと、国数でいくと何カ国の国民からこの難民認定の申請が出てきておりますか。
#125
○股野政府委員 恐縮でございますが、その他の国名については公表を控えさせていただいておりますので、御了承願いたいと思います。
#126
○東(祥)委員 国名ではくてインドシナ三国以外、あと何カ国くらいから来ているか。これも難しくて言えませんか。
#127
○股野政府委員 ただいま先生の仰せのとおりに、国の数についてもなお明らかにすることを控えておる状況がございます。
#128
○東(祥)委員 わかりました。
 申請人の数は今後ふえる傾向にあるのか、それとも減少する方向にあるのか、どのように見込んでいらっしゃいますか。
#129
○股野政府委員 私ども、これまでの状況を見ておりますと、必ずしも一定の一つの傾向があるというふうには考えておらないわけでございますが、しかし、難民認定申請の数というものは全体にまだかなり限られた数にとどまっておりますので、現在の時点で今後どう展開するかということについて、必ずしも今予測を立てていない状況でございます。
#130
○東(祥)委員 条約難民認定の申請をされる方を取り扱うといいますか、インタビューをされたり、難民認定の審査をされる方というのは特殊な訓練を受けておりますか。
#131
○股野政府委員 おっしゃるとおりでございまして、特定の審査官をこれに充てるとともに、法務省におきまして、UNHCR当局と協力をいたしまして、この難民認定申請の手続について国際的に一般に行われている基準等を十分関係者が習熟するように本省におきまして勉強会を開き、こういうものが各地方局の担当者に十分伝達されるよう手配をいたしております。
#132
○東(祥)委員 難民認定の審査をしてその結果が出るまでに、大体平均どれくらいの年月を要しているんでしょうか。
#133
○股野政府委員 申請を行われましてから認定の許否、すなわち認定を認めるか否かということについての結論を得るのに通常、平均といたしまして約一年余の時間を要しておりますが、最近の傾向といたしまして、難民申請を行われる方の背景事情を調べるのにかなりの時間を要するという状況がございますので、その点、最近において時間的にはいろいろ困難な面が従来に比べますとふえているという傾向がございます。
#134
○東(祥)委員 その一年余という期間は、難民認定を申請したい方が一度申請する、そして第一回の申請においてもし却下されてしまうと、もう一度再認定申請というのがあると思います。通常、アピールと言っておりますが、これを含んで、そのアピールに対しての結果が出てくる時間に要する期日と考えてよろしいですか。
#135
○股野政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたアピール及びそれに対する裁決の時間は含んでおりません。
#136
○東(祥)委員 過去にアピールをされた方で、まだ認定手続中というのがございますか。
#137
○股野政府委員 ございます。
#138
○東(祥)委員 そうしますと、まず第一に認定申請して、その結果が出るまでに約一年ぐらいかかる。一回目の認定申請で却下されてしまう、アピールする、またさらに年月がかかる。その間、この難民認定をした人に対して日本滞留許可証、あるいは最低限の経済保障あるいは財政的な援助というのはどうなっているのでしょうか。
#139
○股野政府委員 これは個人によって状況が違うわけでございますが、まず在留期間の問題につきまして、この申請中に本来与えられておった在留期間が過ぎてしまうというような場合には、その申請を待ちまして在留期間の更新を認めて、そしてそれに基づいて在留が引き続きできるというように取り計らっております。
 また、その人たちの本邦内における活動というものも、それぞれの人が持っておりました在留資格に見合っての活動が認められるということが原則になっております。
#140
○東(祥)委員 多分二つに分けられるのじゃないかと思うのですが、一つは、不法に何のドキュメントも持つことなく日本に入ってくる不法入国者、そして難民認定申請をする場合と、もう一つは観光ビザで日本に入ってくる場合。この不法で入ってきた場合というのは、日本の施設に入って難民認定の申請の結果が出るまで待つというふうに理解してよろしいですか。
#141
○股野政府委員 原則、先生のおっしゃるとおり、不法入国として判定されますと収容を行い、退去強制手続の過程が始まるわけでございますが、その過程の中で難民認定申請が行われるという状況になります。
 ただ、何かその人たちについての特別な状況があるというような場合、これは不法入国というよりもむしろ合法的に入国いたしまして不法残留になった、こういうような状況について非常に例外的な扱いにはなりますが、不法残留状態になった人で、かつ特別な事情があるという場合には収容を解いて仮放免という形にするケースもございます。
#142
○東(祥)委員 その仮放免になった場合、その人の生活の糧はどうなりますか。私が質問しているのは、あくまでも難民認定申請をされている方ですけれども、この方は外で働ける、日本の中で働ける、就労できる、そういう資格が与えられますか。
#143
○股野政府委員 この点は、なかなか法的には私ども慎重に取り扱う必要があると思いますが、まず基本的に、当初合法的に入国して在留資格というものをきちんと持っておって、たまたまその在留期間が過ぎたという状態で不法残留になった場合、当初持っておった在留資格というものがあるわけでございますので、その延長線上という観点での判断をいたしますと、そのもと持っておった在留資格が就労できる在留資格であれば、この点について就労を認める余地というものはあると考えられます。
#144
○東(祥)委員 それじゃ、もうちょっとわかりやすく聞いちゃいます。
 例えば観光ビザで入国してくる。そしてその方が六十日以内に難民認定の申請を日本国政府あて
にする。そして、その結果が出るまで待たなくちゃいけないわけですね。大体ビザの通常期限というのは九十日ですから、ビザの期限が切れてしまう以前に、その難民認定申請の結果が出ない。この場合、当然観光ビザを持って入ってくるわけですから、それなりの資産を持ってきているかわからない。しかし枯渇してしまうかわからない。そうした場合、御光ビザでは日本では働くことができない。観光ビザの期限が切れた段階で入管に行って、多分再延長はされるのだろうというふうに思いますけれども、このとき、その人がもう自活していくお金がない、資金も枯渇してしまった、働かせてもらいたいという場合、資格外活動みたいな許可証、何というんですか、専門用語はよくわかりませんけれども、それを与えられるようになっていますか。
#145
○股野政府委員 この点、個々のケースによって判断せざるを得ないと思いますが、そういう本人の合理的な理由というものがあって、かつ本人が資格外活動を希望してくるという場合に、その資格外活動の問題としてこれに許可を与えるということは、一つの可能性としてはございます。
#146
○東(祥)委員 可能性として、現実にありましたか。
#147
○股野政府委員 これは個々の事例になりますので、この際はひとつ御説明は控えさせていただきたいと思います。
#148
○東(祥)委員 わかりました。
 この難民援助というのは極めて難しくて、また繊細な内容を有しておりますので、お答えも非常に難しいのだろうというふうに思いますけれども、難民援助をつかさどっている部門として、一つは財政援助あるいは資金的な援助という部面が入ると思います。
 また、先ほど御説明していただいたとおり、国民健康保険あるいは年金の問題、あるいは生活保護といった問題、これは資金的援助、財政的援助ということでくくることができるかわかりません。
 もう一つ重要な側面として庇護、プロテクション、あるいは保護とも言われますけれども、庇護の場所を提供してあげる、日本に難民認定を申請される方が来て財政的な援助はそのような形で何らかの形でされ得る。しかし、その方が特別に庇護を求めた場合、難民認定申請の審査が続いている間、どこかに収容してあげられるような施設はあるのでしょうか。
#149
○股野政府委員 現在、この点については、民間のボランティア団体等においてこういった生活の拠点を提供するということが一つございます。
#150
○東(祥)委員 これはちょっと流れを教えていただきたいのですが、そういう方が入ってきて特別な庇護を受けたい、そういうふうに言ったとき、これは法務省マターになりますか、外務省マターになるのですか、お願いします。
#151
○股野政府委員 この点は、現在、私ども、まずその在留という観点からどこに居所を定めるかということを、これは法務省としてしっかり認識しなければなりませんが、庇護を与えるという観点になりますと、この点については関係各省で御相談しながらしていかなければならないことだと思いますが、現在の状況では、その在留関係そのものについては、在留の関係を特定していくということは法務省としてしなければならぬことだと思っております。
#152
○東(祥)委員 昨年九月十三日に、インドシナ難民、それも三カ国というよりもベトナムですけれども、ベトナムからのボートピープルに対して難民認定制度が初めて日本で導入された。それの背景には、昨年の六月にあったインドシナ難民国際会議の決議に基づくものから出てきたと理解しておりますけれども、この制度が導入されてから実施状況についてお聞きしたいのですが、法務省、よろしくお願いします。
#153
○股野政府委員 ただいまの御指摘の点、仰せのとおり、昨年の九月十三日から新たにスクリーニングの制度を日本政府としても導入をいたしました。これにつきまして、その九月十三日以降、現在に至るまでベトナムからのボートピープルという形でこのスクリーニングの対象に今後なると考えられる人は、数にしまして百四十名ほどになっております。
 他方、ただいま委員御指摘のありましたそのインドシナ難民国際会議で、こういう制度を発足させる基本的合意があって、日本政府も昨年こういう措置をとりましたのですが、昨年の一つの大きな出来事といたしまして、これと別に中国からいわゆる偽装難民と言われるボートピープルが多数到着いたしまして、これの審査、さらにはその退去強制手続ということに法務省としましては多大の精力を費やす必要がございました。この審査がこれまで全体の事務の中で非常に大きな比重を占めてまいりました関係上、かつ現在でもまだこの審査及び退去強制事務は続いておりますので、そういう関係から法務省といたしましては、こちらの中国からのいわゆる偽装難民についての審査及び退去強制事務を先行させてきたという経緯がございます。
 したがって、先ほど申し上げましたベトナムからのボートピープルとしてスクリーニングの対象とさるべき百四十名の人につきまして、既にスクリーニングの手続に具体的に着手しております人は現在のところ一名ということになっておりますが、残りの人についても、中国の偽装難民の事務の進行状況を見ながら近くスクリーニングの本格的作業というものに取りかかりたいと考えております。
#154
○東(祥)委員 百四十名のうち、現在一人だけ手続中ということで、なぜそれほど少ないのかということに関しては、偽装難民に対しての取り扱いを優先させたということで、大変な仕事量であり、また複雑怪奇、またセンシティブな問題でございますので、よくそのお立場、理解できると思いますが、大半の人はまだ難民として認定されていないという状況も今浮かび上がってきております。その結果、この方々が現在何らかの形でちゃんとした身分保証は施されているんでしょうか。
#155
○股野政府委員 これらの方々は、とりあえずスクリーニングの制度に基づきまして本格的な審査のための仮上陸の許可を受けまして、長崎県の大村にございます一時レセプションセンターで生活をしておる、その点については、そのセンターのいろいろな施設等の利用をできるように取り計らっております。
#156
○東(祥)委員 安心しました。
 ところで、こういうことを想定して質問させていただきます。日本に在留するある外国人が、その人の本国を出たときは全然問題なし、つまりいつでも自分の本国に帰ることができるという状況であった、しかし、その人が本国を出て日本にいる間に、その本国に事件あるいは政変が起こって、その人にとってみれば帰れなくなってしまった、このようにその人が理解して難民申請してきた場合、これにどのように対処されるのでしょうか。
#157
○股野政府委員 この点、難民認定申請を直ちにされる場合と、それから通常の在留期間の更新を申請される場合とございます。それぞれの状況に応じて私ども対応いたしますが、まず通常はいきなり難民認定申請にいかずに、日本でもう少し生活をしたいという申請がございますので、この点については御本人からの御説明をよく伺い、また客観的ないろいろな情勢というものもよく判断した上で、個々に在留期間申請の内容が妥当であるかどうかということを判断して、妥当であると判断した場合には在留期間の更新を認める、こういう形で処理をいたしております。それから、難民認定申請手続がもし具体的にございますれば、これは通常の難民認定申請手続にのせて対応をいたすということになります。
#158
○東(祥)委員 大変ありがとうございました。また機会あるごとにこの点について、難民問題について触れさせていただきます。今後とも御指導を賜りますようよろしくお願いします。
 それでは次に、時間の許す限り、今度は外国人労働者問題についてお伺いさせていただきます。
 この問題は、もう既に本国会中、諸先生から質問されていることでございますが、また重複されるところが多々出てくるかもわかりませんが、その辺の部分は御容赦願いたいというふうに思います。
 まず初めに、六月一日から施行された改正入管法に関連した外国人労働者問題についてお伺いさせていただきます。
 まず初めに法務省の方に、今日の改正入管法の目的は何であったか、この点についてお伺いします。
#159
○股野政府委員 改正入管法の目的というものは、まず入国管理にかかわる情勢の変化ということに対応するということが基本でございまして、すなわち、日本における国際交流の活発化ということに伴って外国人の入国者数が著しくふえる、また外国人の方の日本における活動内容が多様化するという状況がございました。他方また、不法就労を行う外国人の人々の存在ということも大きな問題になってきておるという状況がございました。そういう情勢の変化というものに対応するのが目的でございまして、具体的には在留資格の抜本的な見直しと、それから入国審査手続の合理化、簡易化ということ、さらには不法就労の問題に対する法的な規定の整備ということを行ったということがその主たる内容でございます。
#160
○東(祥)委員 まだ月日が余りたっていないので、このような質問は不適切なのかもわかりませんけれども、六月一日からこの改正入管法が施行されて以来、明確たる改正入管法実施前と後の差というのは何らかの形で出てきておりますか。もしありましたら御報告していただきたいと思います。
#161
○股野政府委員 まだ改正入管法施行後日も浅いために、実際にこれが統計上どういう変化を及ぼしているかという点についてはまだ十分明らかになっておりませんが、現在までのところ、手続的にいろいろ変化がございましたが、これによって何か特段の問題を生じているということはございませんで、順調に今新法への移行が行われているという状況でございます。
#162
○東(祥)委員 この改正入管法によれば、単純外国人労働者は基本的に受け入れないようになっておりますけれども、なぜでしょうか。
#163
○股野政府委員 これは、改正入管法の国会御審議におきましてもいろいろな角度から御論議をいただいた点でございますが、改正入管法は、委員御案内のとおり専門的な技術等を有する外国人については幅広くこれを受け入れるという方針のもとで法的な整備を行っております。
 それに対して、ただいま委員御指摘のいわゆる単純労働者の問題につきましては、これまで国内においてもいろいろ議論をいたしましたが、これを日本に仮に受け入れるということにした場合のいろいろな問題点ということについて、なおいろいろ慎重な検討を要するところがある、また、国内における各方面の御意見も、この単純労働者の受け入れ問題についてはまだいろいろ分かれておって、国内的にコンセンサスというものが得られていない状況ということもある、そういう状況を踏まえまして、当面は従来の単純労働者を受け入れる体制を設けないという点の政策を維持しているわけでございます。
#164
○東(祥)委員 ということは、単純外国人労働者を受け入れたときに日本はどのような社会になっていくかよくわからない、そのインパクトがよくわからないのでまだまだ検討が必要である、このように理解してよろしいですか。
#165
○股野政府委員 委員仰せのとおり、そのインパクトということが非常に大事な点になってまいりますし、同時に、これが我が国社会において例えばいかなる行政的あるいは社会的なコストをもたらすことになるのか。あるいは日本の社会のこれまである姿の中で新しく外国の方を迎えるときに、それが調和のある姿で実際に実現するためにいろいろな工夫も必要であろう、そういうことをまた整える必要もあるということで、こういう多方面からの観点でこの問題を検討していく必要があると考えられている次第でございます。
#166
○東(祥)委員 その検討の結果というのはいつごろ出るのでしょうか。
#167
○股野政府委員 当面、六月一日から改正入管法が施行されまして、改正入管法のもとで専門的技術等を有する外国人についての受け入れの道を拡大いたしまして、現在、その成果というものも見ながらこの検討を続けていくという立場でございます。
#168
○東(祥)委員 ということは、逆説的に言うと、単純外国人労働者を受け入れるか受け入れないかという視点ではなくて、あくまでも外国人労働者、技術あるいは技能を持っている人々が日本に就労できるようなその体制固めをしているので、そちらの方向から見ていくということで、単純外国人労働者に焦点を当てた検討ということではないということですか。
#169
○股野政府委員 単純労働者の問題だけではなくて、おっしゃるとおり外国人を幅広く日本に受け入れていく場合の問題点として考えておりますが、その中で具体的に単純労働者に当たる外国人の方々についての問題も取り上げていくということでございます。
#170
○東(祥)委員 不法滞留者あるいは不法就労者と言われる人は現在どれぐらいになっているのでしょうか。まだ統計的に得られるのかどうかわかりませんが、改正入管法が施行される前におきましては約十万というふうにも言われておりました。施行後、これは何らかの変化を導入して勘案することは難しいのかわかりませんけれども、最新のデータですと大体どれぐらいになっているのか、もしお持ちでしたら教えていただきたいと思います。
#171
○股野政府委員 ただいま委員の御指摘の点は、これは事柄の性質上正確な把握ということはどうしても困難でございますので、出入国管理統計をもとにした一つの推計を法務省当局として行っておりますが、この推計を行うにつきましてもある程度の時間が必要でございますので、現時点において私どもがほぼ正確だと思われる数として持っているものは、平成元年末の時点の数字になってまいります。その数でまいりますと、十万を少し上回る程度の不法残留者がおったものと推定をいたしております。
 本年に入りまして、委員御案内のとおり改正入管法の施行に先立って、これらの不法残留者の人々を中心に不法就労を行っている外国人の人々が自発的に法務当局に出頭して退去を申し出るという事態がございましたが、これはことしの初めからことしの五月末までの時点で、これもまた推計の段階を出ませんが、全国で約二万数千件の出頭申告があった。しかし、出頭申告いたしましても、例えば帰りたいという人の航空便がすぐにとれないという状況がございますので、この人たちに、出頭申告をした後も若干の出国のための準備期間を猶予しております。そういう観点で、本年に入って二万数千件の出頭申告がございましたが、しかし、その中で実際に出国した人というのはそのある部分であって、引き続き現在も、この六月に入りまして出頭申告をした人たちが出国を続けているという状況がございます。
#172
○東(祥)委員 ありがとうございます。
 そうしますと、概算ですけれども、現在少なく見積もったとしてもまだ八万人前後の不法滞留者が日本の国内にいる、こういうふうに見てよろしいですか。
#173
○股野政府委員 推計上でまいりますと、およそそういう規模になろうかと考えております。
#174
○東(祥)委員 そうしますと、口が悪いかわかりませんが、基本的には日本の入管法によっては不法就労、不法滞留は認められていないわけでございますが、現実にはそれだけの人間がいる、正門は閉まっているのだけれどもどうも裏口があいている、それが多分今日の現状なんだろうと思うのですが、それだけの膨大な数の人間が正門からではなくて裏口からこう入ってきている、裏口から入ってきた場合、肩身が狭いでしょうし、いろいろな問題が起こったときにそれを表に出すことが
できない、こういうことを考えた場合、まさに種々の問題、人権の問題あるいは雇用者と被雇用者の間の問題、生活保障の問題、こういうものがすべてこの人々にかかってきてしまっているというふうに、大げさに言えば言えなくもないと思うのですが、この問題に対しては、法務省としてはどのような角度で取り組まれようとしているのでしょうか。
#175
○股野政府委員 まず、不法残留をしている人々につきましては入管法違反という状態がございますので、その入管法違反という状態についての是正は図る必要があると考えておりますが、他方、こういう法違反者の人々であっても当然、例えば就労を仮にしておった場合のその労働基準の観点からの適切な対応ということは必要でございますので、例えば入管当局におきましても、仮に出頭申告をしてきた人たちにおいて、あるいはそれ以外の場合においての退去強制手続がとられる場合に、賃金未払いというような状態がわかりますと、これは是正をされるように労働省等関連の当局と連絡をして、またそういう観点での救済が図られるように配慮をいたしております。
 他方、またこういうことに関連いたしまして、今度の新しい入管法の中で特に悪質な雇用主あるいはブローカー等を取り締まるための一つの規定を設けておりまして、そういう悪質な雇用主あるいはブローカー等に対する対策も進めることによって、こういう人たちの基本的な権利ということが侵害されているという状態を是正するということにも努力をしていく必要があると考えております。
#176
○東(祥)委員 これは非常に難しい問題であるということは私も重々承知しておりますけれども、ということはこの入管法によってのみ不法滞留者という人々に対して何らかの効力があると思われているのか、それとも、もう一歩進んで、不法滞留されている人たちを総検挙しようという意気込みでいらっしゃるのか。それはとりもなおさず日本の将来の社会像というのを見た場合に、基本的には大量の外国人労働者を、外国人を日本には入れないのだ、あくまでも従来然とした日本の閉鎖的な社会を今後ともずっと持続していくのだという視点なわけですね。しかし、それを達成するためには、ある意味で、言葉は悪いですけれども、警察国家みたいな形で不法滞留している人々を摘発していかなければいけなくなる。私も先日東京入管に行ってまいりましたけれども、出頭されてきている方々もかなりいらっしゃる。また六月一日に改正入管法が施行される前に、この入管法の内容をよく理解できないのでかなりの人々がおびえて出頭されていた。その結果が、今股野局長がおっしゃられた二万数千人余りの形で出てきたのだろうと思うのですが、残りの八万人の方々、今後とも出てくることを私は期待するわけですけれども、しかし期待できない何かがある。また、そのように判断するにはこの改正入管法が施行されてから余りにも日が浅いのかもしれませんけれども、この点についてはいかがお考えでございましょうか、法務大臣、官房長。
#177
○股野政府委員 まず不法残留者あるいは不法就労者の問題につきまして、私ども特に今後対策を急がねばならないと思うのは、いわゆる労働者の人々の人権が侵害されているような状況、それにかかわる悪質な雇用あるいは悪質なブローカーの活動、こういったものについての摘発ということは積極的に進めていく必要があると考えております。そういう観点での不法就労状態の是正ということは必要であると考えております。
 他方、それ以外の形での、これまで不法残留をしていた人々についても基本的には法違反の状態が是正されるということが必要と考えておりますが、改正入管法が施行されまして日がまだ浅いという状況があり、その中において、委員も御案内のとおり、この改正入管法の中に附則の第十一項というものを設けまして、これにつきまして雇用主の方々がこの改正入管法の施行に当たって大きな混乱を生じないような、いわば過渡期間に対する一つの配慮というものも雇用主側に対して行っているという状況がございます。そういう中で、我々といたしましては、今後雇用主側の適切な問題の理解も得て、そして雇用主側及びこの外国人の人々の問題に対する理解が進むことによって自発的に違法状態が是正されていく状況をつくるように、まず行政的な措置で事態の改善のためのいろいろな指導あるいは広報ということも大事なポイントであろうということで現在臨んでいる状況でございます。
#178
○東(祥)委員 わかりました。また労働省の方にもこの点について後ほどお聞きしたいと思いますが、今度は外務省の方にもお聞きしたいのです。
 これは外国人労働者と同じ意味合いで論ずることができないわけでございますが、最近日系人の方がかなり入ってきております。現在どれくらい入ってきているのか、また彼らはいかなる資格で日本に来ているのか。日本に親戚関係がいる、したがって定住資格あるいは永住資格で入ってきているのか、この点についてお伺いしたいのです。
#179
○内藤説明員 統計上、日系人という入国統計がございませんので、どうしても推測になりますが、確かに御指摘のように数万単位でかつて海外に出られて日系人というカテゴリーに入られる方方が現在我が国におられると私どもも認識しております。
 さて、その日系人の方の我が国滞在の在留資格については、基本的には制限がない資格になっております。したがいまして、就労も含め通常の日本人と同じ活動ができるわけでございます。
#180
○東(祥)委員 今の説明でよくわかります。外国籍の日系人の方と言っていいのでしょうか、その方は労働政策上の労働力の受け入れで来ているということではなくて、あくまでも日本人との血縁によって祖国に帰ってきているのだということだろうと私は理解をいたしました。と同時に、この点に関して日本は過去に移民の歴史があって、それらの方々は外国に受け入れてもらったという観点から次の質問をさせていただきます。
 ここで言うまでもなく、戦前戦後において日本が貧しいときに私たちの祖父や祖母が新たな希望を胸に、新しい市場を求めてラテンアメリカ諸国だとかハワイ等に移住していきました。そして、彼らには言葉では言えないような苦労があり、今日を築いてこられた、これは数々の本においても書かれているとおりでございます。しかし、それも彼らを受け入れてくれる、日本とは血縁的には無縁な国々があったればこそである。したがって、現在の日本があるのもそれらの国々のおかげであったと私は理解しております。こういう視点で考えますと、現在日系人の方々が日本で活動に制限されることなく滞留されることはすばらしいことですし、これは今後も一貫して何の制限を加えることなく無制限に実践していっていただきたいと私は思っているのですけれども、しかしながら結果としてもしそれらの方々が単純労働に従事しているとする、外目は外国人だ、他方、日本人とは血縁のない外国人の労働者の方々を受け入れてはならないと法的に規制しているわけです。これでは日本にとって虫のよい話ではないのかと私は思わざるを得ません。その意味で、血縁的に無縁の外国からの労働者受け入れに関して、これは時間がかかると思いますけれども、二国間協定、そしてそれに基づく国内法の整備を通じて、無制限にではなく一定の条件をつけて何とか受け入れを認めるように努めるべきではないのか、これが私の個人的な見解でございますが、この点に関して法務大臣並びに外務省はいかがお考えでしょうか。
#181
○長谷川国務大臣 今委員のお話の、私どものおじいちゃんやおばあちゃんが移民という形で波濤万里を越えて出かけた。それが五十年、六十年たったらこんな世の中になって全く逆転してしまった。それだけではございませんが、そういう経過のあるものに対して、やはり温かい気持ちで処理をする。これは韓国の問題も、台湾の問題も、あるいは北朝鮮の問題も同じことだと思うのでありまして、今委員のおっしゃったようなことが精神の基調になければならない。そういうことで、私は今のお話に全面的に賛成であります。
 なお、具体的にはまたいろいろ部内で勉強させていただきたいということでございます。
#182
○股野政府委員 ただいま委員から御指摘の構想について、今までこの問題についての御論議をいただいている中でそういう御意見もいろいろ拝聴いたしておりまして、私どもといたしましては、そういう御意見も含めて、先ほど申し上げましたような多角的な検討を行うこととさせていただいております。
#183
○東(祥)委員 ありがとうございます。法務大臣の前向きなお言葉を聞きまして、本当にうれしく思います。
 外務省はどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
#184
○内藤説明員 日系人以外の外国人単純労働者ということにつきましては、先ほどから御議論ございますように、多角的な問題点を検討中でございます。外務省も、国際協調という観点を踏まえてこの検討の一角を担っているわけでございます。
 先生御提案の二国間条約という問題につきましては、それに先立ちまして、まず現在検討中の受け入れるかどうかについての結論を出すのが先かと思います。その上で、仮に受け入れるということになった場合には、そのときには国内体制も当然整備されていなければならないと思いますが、それに加え、さらに将来必要となれば関係国との間で協議を行い、了解が得られれば、しっかりした受け入れ体制を整備するというふうに考えております。
#185
○東(祥)委員 わかりました。
 時間がなくなってしまいました。あっという間に一時間たってしまいました。
 労働省にぜひともお伺いしておきたいと思います。
 今いろいろと質問させていただいたことと重複するわけでございますけれども、労働省は外国人労働者受け入れについてどのような認識をお持ちなのか、この点についてお伺いしたいと思います。御案内のとおり、政府は昭和四十二年に、第一次雇用対策基本計画に際して外国人労働者は基本的に受け入れないことを閣議決定しておるんですね。その後、第二次、第三次、第四次、第五次と一貫して変わらず、そして昭和六十三年の第六次においても、引き続き慎重な態度をとる、そういう立場をとっていらっしゃいます。そういうことを踏まえた上で、労働省としてはどのような認識、そしてまたどのような取り組みをされるのか。この点についてお伺いしたいと思います。
#186
○前田説明員 お答えいたします。
 先生既にお話がございましたが、外国人労働者の受け入れにつきましては、政府としまして、専門、技術的な能力や外国人ならではの能力を有する外国人については、可能な限り受け入れる方向で対処することとしておりますが、いわゆる単純労働者の受け入れについては、従来どおり十分慎重に対応することとされておりまして、労働省といたしましてもこの方針に沿って対応しているところでございます。
 また、いわゆる単純労働者の受け入れ問題につきましては、最近の人手不足感の広がりの中で、各方面でさまざまな議論、提案が行われているところでございます。しかし、外国人単純労働者の受け入れに関しましては、諸外国の例を見てみますと、労働者の定着の問題や国内労働者と外国人労働者との間の労働市場の二層性の問題、また景気後退期におきます失業発生の問題、さらには受け入れに伴う社会的、行政的コスト負担の問題とか、生活慣習や宗教等の違いを原因とします社会的摩擦の発生等さまざまな難しい問題もあり、多様な角度から慎重に検討する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 労働省といたしましては、単純労働者の受け入れについては今後とも十分慎重に対応すべきであると考えておるわけでございますが、中長期的視点からさらに検討を進めていくことは重要であると認識しており、今後、受け入れ問題のメリット・デメリットにつきまして、多様な角度から十分慎重に検討、整理してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#187
○東(祥)委員 今後、日本市場における外国人単純労働者を受け入れた場合のメリット・デメリットについて労働省として検討されていく、研究されていくと理解してよろしいでしょうか。もし研究されていくとするならば、できるだけ早いうちにその結果が出ることが望まれるわけですけれども、その検討というのが研究であり、その研究の結果が出てくるとすればいつごろになるのか。この点について、労働省、お願いいたします。
#188
○前田説明員 ただいま申し上げましたように、いわゆる単純労働分野等への外国人労働者の受け入れ問題は、労働面を初め日本の経済社会全般に影響が及ぶ問題でございますので、今後とも十分慎重に対応すべきでございますが、先ほど申しましたように、中長期的視点からさらに検討を進めていくことも重要であると認識しております。
 そして、今先生御指摘でございますし、私も申し上げましたが、この受け入れ問題の労働面等におきますメリット・デメリットを多様な角度から十分慎重に検討、整理してまいりますため、今月の十九日でございますが、学識経験者の方から成ります外国人労働者が労働面等に及ぼす影響等に関する研究会を開催、発足させているわけでございます。研究会におきましては、西ドイツ等諸外国におきます社会的統合政策等外国人労働者問題の現状の研究とか、外国人労働者に対します労働関係法令等の適用関係の研究、さらに外国人雇用や労働力需給状況についての実情も念頭に置いた、労働面等におきますメリット及びデメリットの具体的検討及び整理等を行っていくことといたしておるわけでございます。
 そして、先生いつごろかという御質問でございます。問題が非常に難しいということもございまして、委員になっていただいている学者の方も鋭意検討いたしますが、日程の上で非常に難しい面もあろうかとは思われますが、一応年内を目標に検討及び意見の整理を進めてまいりたいというふうに考えております。
#189
○東(祥)委員 どうもありがとうございました。来年の正月を楽しみにしております。
 本日は、文部省の方にも来ていただいておりまして、時間がなくなりましてこの関連での質問をすることができませんでしたけれども、また別の機会にさせていただきます。申しわけありません。
 本日はありがとうございました。
#190
○渡辺委員長 寺前巖君。
#191
○寺前委員 きょうは、二つ聞きたいと思うのです。
 京都の地方法務局の左京出張所で登記簿原本改ざん事件というのが三月に起こっているのです。八七年にもこの出張所では同じ事件が起こっているし、京都の伏見や亀岡で起こっている。こんなことになってきたら、他人の土地を売り飛ばす事件が起こってくるのですから、財産保存上大変な問題だと思うのです。一体法務省としてはこの対策、どういうふうになされるつもりたのか、お聞きしたいと思います。
#192
○清水(湛)政府委員 お答え申し上げます。
 既に委員御承知のとおり、登記所におきましては登記簿の原簿を閲覧に供しておるわけでございます。そういう閲覧のために多数の方々が毎日登記所に見えるわけでございますが、その中に、時に登記簿を抜き取ったり、あるいは不当な事項を登記簿に記入するというような事件が御指摘のように発生することがあるわけでございます。毎日多数の方が見えておりますので、大多数の方はきちんと登記簿を閲覧されて、そういう悪いことをすることはないわけでございますけれども、登記所側の監視のすきをつきましてそういうような悪さをする。登記簿は土地建物の原簿でございますので、これに勝手なことを記入して第三者名義に権利を移してしまうというようなことがありますと、これは私どもいわば国民の大変重要な財産の原簿を預かっているという立場から、まことに申しわけない現象であるというふうに思っているわけでございます。
 そこで、多数の閲覧者のうち極めてごく一部であるということでございましても、このようなことがあってはならないということで、これまでもいろいろな閲覧監視対策と申しますか、そういう意味での対策を講じてまいりました。例えば閲覧所におけるレイアウトを工夫して、そういう登記簿の抜き取りなどができないような机の配置を考える、あるいは予算をいただきまして閲覧監視要員を配置するというようなこと、あるいはもろもろの細かい諸対策を講じてきたわけでございます。
 ただ、しかしながら、基本的には、例えば御指摘の京都地方法務局左京出張所というのは最近急激に登記事件が伸びているところでございまして、非常に多数の方が見える。それに対して、いかんせんそういう方々の登記簿の閲覧状況を監視.する職員の数が非常に少ないというような問題が一つある。それからもう一つは、事件数が非常に伸びて、多数の方々が見えるにもかかわらず庁舎が非常に狭くてごった返す、場合によっては、閲覧者が立ったままで登記簿を見るというような状況も時には起こるというようなことがあるわけでございまして、そういうことをやはり抜本的に解決するということが必要だと私どもは考えております。そのためには、閲覧監視を十分することができるような人をふやしていただくとか、あるいは建物につきましては、これはできるだけ早い時期に建てかえていただいて、もっと広いスペースでゆったりと閲覧ができるようにする。具体的には、この地域で建設省による地方行政合同庁舎の計画がございますので、これをできるだけ早く進めていただいてその中に入るというような抜本的な対策を講じる。あるいは、現に私ども進めております登記専務のコンピューター化をさらに推進するというような方策があるわけでございますが、このような方策をできる限りの力を尽くして進めるということが大事だと考えております。
 もちろん、そういうことがそう簡単には実現できるというふうには思えませんので、その間の措置といたしましては、先ほど申しましたようなレイアウトをさらに工夫するとか、閲覧監視体制のすきをつかれないような形での閲覧監視体制に工夫を凝らすというようなこと、その他職員がいろいろな知恵を絞って、登記簿が抜き取られたり、不正な事項が記入されるというようなことがないようにやっていきたい。現に左京山出張所におきましても、御指摘のように何回もそのような事件が起きているというようなことを踏まえまして、現状においてもできるだけそういうことが起こらないようにいろいろな工夫を凝らして対策を講じておるというふうに承知しておるところでございます。
#193
○寺前委員 それで、乙号件数を見ますと、三十年の間に六十四・五倍ふえている。人は六・五倍だ。だから、異常な出入りになったわけですね。私も行ってみましたけれども、どうなっているかといったら、閲覧室へ入ると、職員の机もいっぱいあります。大体昼前後は二十五平米に三十人お見えになります。そうすると一平米には大体一人はおる。これではかばんはどうしているんだ。かばんを置くところ、ロッカーがあります。そのロッカーといったら十二人分です。そうしたら全部持って入れない。それで待合室はどうだといったら、待合室は十五平米。その十五平米に三十人ぐらいおります。ひしめき合っています。傘持って雨のときだったらどないしますか、私も雨の日に行きましたけれども。あなた、あれで改ざん事件が起こらぬ方が不思議や、あのスペースの中で。これは緊急に処置してもらわなかったら財産保存上大変だということになる。
 手っ取り早くまずやってほしいことは何やと言うて所長さんにも聞いてみました。そうしたら、三メートル幅の空間が建物の南側にあるから、せめてあそこをばっと広げてほしい。大した役にも立ちませんけれども、せめてそうでもして場所を広げなかったら、どうにもなりません。だから、せめてやりたいということについては無条件にこたえてやっていただいて、今先ほどからおっしゃったように、抜本的な道筋への過程でも、人の配置その他においても特段のことをやらなかったら、もう三回目がないとは私は言えない事件だと思うのです。その意見、十分考慮していただけますか。
#194
○清水(湛)政府委員 先ほど申し上げましたように、新しい庁舎が新営されるという計画があるわけでございますが、一つにはその計画をなるべく早く実現できるように進めていただくということが大事なことだと思っております。さらに、それまでの間とりあえず、では現在の非常に狭い庁舎に少しでもいいから増築をして、少なくとも立ったままで登記簿を閲覧するというような状況は解消したいという現地の登記所からの希望も実はあるわけでございまして、そういうような点、果たして増築が可能であり、さらに効果的な増築になり得るのかどうかというようなことも現在検討しているところでございます。
 とにかく、現地の左京出張所におきましても、一度ならず二度までもということでございますので、あらゆる知恵を絞ってこのような事件がさらに起こるということを防止したいということで取り組んでいるところでございますので、御理解いただきたいと思う次第でございます。
#195
○寺前委員 十分に考慮していただきたいと、重ねてお願いをしておきます。
 次に、国際航業の問題についてお聞きをしたいと思います。
 国際航業株買い占めを仕掛けた小谷光進代表は、兜町では仕手集団の一人として名前が知られています。旧コーリン産業、光進の名前が兜町に登場し始めたのが八四年ごろと言われています。同時期には、仕手集団として名前が挙がったのがコスモポリタンとか日本土地とかコスモリサーチなどがあります。ところが、現在、コスモポリタンとか日本土地とかコスモリサーチなどはいずれも崩壊して、残ったのが光進だけだ。生き残った背景に、コスモポリタン、日本土地、コスモリサーチなどは仕手戦に使う資金を町金融に頼り、光進は政治家のコネを利用して都銀、地銀、信託銀行などの金融機関から資金を調達したと言われています。マネーゲームの典型と言われる株の仕手戦に手をかすような金融機関の融資、こういうことについて大蔵省はどういう認識を持っておられるのかお聞きをしたいと思います。
#196
○若林説明員 私、実は証券局の流通市場課長をいたしておりまして、ただいまお尋ねの点につきましては銀行局の担当者がしかるべくお答えすべきものと存じますので、ここであえてお答えをすることを差し控えさせていただくことをお許しいただきたいと思います。
#197
○寺前委員 何だ、銀行局来てないわけか。そういうことですか、差し控えたいというのは。
 大体、金融機関がこういうことに金を出していくということ自身、私は非常に問題があると思うのです。光進の小谷氏は、みずからの仕手戦の資金源について、マスコミのインタビューに答えてこう言っていますね。三井信託銀行からは一時五百億ぐらい借りていたこともある、住友銀行とは一九六五年ごろからのつき合いと述べている。住友銀行二百三十億円、三信ファイナンス百五十億円、住友生命百三十一億円、三井信託銀行百億円、日本リース八十億円、八六年十二月期の借入金の確定決算書なる文書も出ているほどだ。光進に対する金融機関のこういう融資の姿というのは、大蔵省として実態をつかんでいるのだろうか。こんなものでは、莫大な金を貸しているけれども、どうですか。
#198
○若林説明員 ただいまお答えいたしましたように、私の方の所管ではございませんので、誤解のある答弁をすることの方が問題かと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
#199
○寺前委員 何で出てこないのかね。どういうことになっておったのかね。話にならぬじゃないか、事前に言うているのに。
 これは金をこういうふうに貸しているというところに大変な問題がある。財テクブームに乗った金融機関の融資については過去にも問題になった
こともありますよ。八七年九月にタテホ化学工業が漬物投資の失敗で巨額の損失を出した問題で、行き過ぎた融資をした銀行にも問題があるとして、日銀が、都銀や地銀などの金融機関に対して、債券、株式投資などの資金融資を慎むよう指導したという経過があります。
 国際航業の元幹部は、住友銀行、三井信託、住友生命は頼めば幾らでも金を出すと小谷氏が豪語していたということを言っています。今回の問題では、光進の小谷氏という仕手集団が国際航業という会社の株を買い占めて会社を乗っ取る、金融機関が仕手戦の資金を融資する、つまり会社乗っ取りに加担しているということになるわけです。しかもそれが刑事事件にまで発展してきている。
 こう考えてみると、光進に対するところの金融機関の融資が会社乗っ取りに使われたという認識を大蔵省が持って対応しておってしかるべきだ、私はそういうふうに思うのですよ。そうじゃなかったのですか。あなた、もう答弁できませんか。どうなんです。
#200
○若林説明員 たびたびで恐縮でございますけれども、銀行局の方から本来お答えすべき問題と心得ておりますので、お許しいただきたいと思います。
#201
○寺前委員 私は、これはこういう銀行の金がばあっと流れるというところに事の重大性があると言わなければならぬと思うのです。
 これは買い占めの方ですが、それに対して防戦側が生まれてくるわけです。光進に対する融資の窓口の一つであった三井信託銀行渋谷支店の関係者が、八八年と九〇年の二回にわたって、巨額脱税事件として国税庁の査察を受けていますよ。コーリン銘柄の飛島建設、国際航業株だと数十万株を購入、コーリン産業による買い占めで株価が上がったところを売り抜けた。これら関係者はコーリングループへの融資に深くかかわっていた人物である。そうすると、融資を通じてインサイダー情報がコーリン側から流れていた可能性が十分考えられる。だから、脱税はもちろんのこと、インサイダー取引の関係もこの間にはあったのではないだろうか。私は大蔵省がこういう問題について調査をしておってしかるべきだと思うのですが、この件についても同じことですか。
#202
○若林説明員 お答え申し上げます。
 御指摘の事案につきましては、証券局といたしまして、具体的事実関係については新聞報道以上のことは実は承知いたしておりませんので何とも申し上げかねるわけでございます。
 ただ、証取法上の観点から申し上げますと、一般論としてでございますが、買い集め行為を行う者と契約を締結している法人の役職員が、その契約の締結または履行に関しまして、買い集め行為の実施に関する事実を知った上で当該事実の公表前に買い集め対象となる株券等を買い付けをする、こういった場合には御指摘のインサイダー取引に該当するものだと考えられるわけでございます。
 ただ、インサイダー取引規制に関する刑事罰規定は昨年の四月一日に施行されております。報道等にございますように、今回の件がそれ以前の取引ということになりますと、証取法の百九十条の二ないし三に記載されておりますいわゆるインサイダー取引規定の適用はないものと考えております。
#203
○寺前委員 査察を受けられている時期が、八八年とことし、二回にわたって行われていますから、当然これは対象になるのじゃないかというふうに私は思っています。
 そこで、仕手戦を仕掛けられた会社の側は、東洋リース、国際航業の子会社を使って防戦買いをしています。私はここに資料を持っていますが、東洋リースの借入金は八九年二月末現在で四百五十五億三千四百万円になっています。主な内訳は、三井信託銀行の八十六億円を筆頭に、住友信託四十億円、三井、太陽神戸、東京の各行のそれぞれが三十億円ということになってきている。国際航業乗っ取りの時期には、大手の金融機関がこうやって、攻める側からと守る側、両方に深くかかわっている。これだけの金が金融機関から動いているという実態問題については、当然大蔵省として実態を調査しなかったら、責任ある監督官庁としての責めを負うことはできない、責任を負うことはできないというふうに思いますが、銀行局長でないとこれはわからぬ話なんだな、どうもならぬね、これ。これはただごとでないと私は思う。
 そこで、法務省に聞きます。小谷氏について、兜町ではコーリン銘柄は政治銘柄と言われています。また、小谷氏は中曽根元首相の政治団体である山王経済研究会のメンバーでもあります。小谷氏がこれらの巨額の仕手戦の資金を動かす背景には、政治家の口きき、仲介、あっせんなどが行われているというふうに見るのが当然だろうと私は思う。仲介、あっせんした政治家の職務権限なども念頭に置いて、当然今回の問題について捜査されることになるだろうと思うけれども、一体そういうことを念頭に置いて捜査しておられるのかどうか、いかがですか。
#204
○井嶋政府委員 個々の事案につきまして検察が捜査権を発動するかどうかという問題は、委員御承知のとおり、その捜査権を持っております機関が行うべきことでございまして、私ども、捜査機関でないものからお答えをする立場にはないわけでございます。
    〔委員長退席、近藤(元)委員長代理着席〕
 ただ、一般論として申し上げますならば、検察は従来もそうでございましたけれども、いろいろな社会の現象に対しまして、刑罰法令に触れる事案がございますれば厳正公平に処理をしてきたという歴史があるわけでございまして、今回の事件につきましても、どのように進展をいたしますか私どもは全く予測はできませんけれども、一般論として、そういう扱いで従来やってきたということはここで申し上げることができるだろうと思います。
#205
○寺前委員 これだけの金を動かしている大蔵省の監督の問題、それから、こういう金がこれだけ動くには、相当な人がサービスをしなかったらこういうことにならないだろうと私は思うのですね。
 そこで、国際航業株式の仕手戦をめぐって、まず一つには、小谷氏と国際航業前社長との共同経営覚書の調印のための席に、自民党の三塚博氏が立ち会ったという事実。三塚氏は、調印直前の八六年の七月まで運輸大臣で、調印当時は党の政調会長であった。これだけの大物が出てきているという問題が一つあります。
 それから、中曽根元首相が総理在任中に、その側近で山王経済研究会元代表の太田英子氏が、小谷氏との相対取引でわずか一カ月で一億二千万円の売却益を得ていたという事実、これも軽視することのできない事実だろうと思うのです。
 それから、稲村利幸元環境庁長官は、長官在任中に秘書名義で国際航業株が売買され、八億三千万円の所得申告漏れがあった、この事実。
 それから、津島雄二厚生大臣の政治団体代表が、光進グループ数社の監査役をやっていた。
 挙げてみると、大物政治家と言われる人々あるいは総理の職にある人がこういうところに名前が出てくるということ自身に、この小谷氏の株の仕手戦をめぐるところの重大な問題、疑惑を感ずるわけです。リクルート事件で国民の政治不信は頂点に達しました。そして、またまた国際航業株の仕手戦をめぐる疑惑が起こっているわけです。
 中曽根元首相は、八六年九月、秘書名義でリクルート未公開株を譲渡され、国会でも問題になりました。その翌年の八月から九月にかけて、この株の売買で一億二千万円の売却益を得ているということは、私はこれは注目に値する事件だと言わなければならないと思うのです。大体、首相はすべての情報が集中し、すべての行政に職務権限を発揮できる地位にあります。その首相及び首相側近がその情報を利用して株に手を出す。容易に莫大な利益を得ることになります。だから重大です。
 法務大臣、この今回の事件で、東京地検の捜査に対する国民の関心、期待は強いものがあります。地位のいかんで捜査に手心を加えることがあってはならないと私は思うのです。政治家の疑惑に対しても徹底した捜査のメスを入れるべきであると思うのです。特に総理の名前が、周辺の名前がこう出てきた以上は、全面的にそういうところまでメスを入れるという決意があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
    〔近藤(元)委員長代理退席、委員長着席〕
#206
○長谷川国務大臣 検察は従来から、いかなる事件であれ、常に厳正公平、不偏不党の立場でその職責を果たしてきております。私も深く信頼しているところであります。
 今回の国際航業事件については、現在、東京地検において、同社の株式に係る脱税事件の解明のために鋭意捜査を行っておるところであると承知をいたしており、私としては検察の行う捜査を見守っていきたいと考えているが、他に刑罰法令に触れるような事実があれば適切な対処をするものと思っております。
#207
○寺前委員 最初に言いました、三塚氏が共同経営覚書の調印の際に立ち会った、その立ち会いの文書を私は持っております。ところが、御本人は、共同経営覚書調印の席に立ち会ったことに対して、覚書について、国際航業ないしコーリン産業のいずれにも利害関係がないからこそ立会人となり得た、こういうことを言っておられるわけです。
 ところが、私の調査によると、この小谷氏が八七年六月から翌年にかけて千七百万株を取得していく過程の中で、政治家や政治家秘書が関係した会社が次々と出てくるわけです。
 その一つに、宮城県に本社があった株式会社河北というのが出てきます。もう一つは名古屋市に本社がある株式会社天風というのが出てきます。これらの会社は、事業目的欄を見ますと、有価証券の保有、運用を掲げております。
 ところで、河北は八八年六月時点で九十五万株を保有しました。この会社の代表取締役を見ますと、八八年三月に、ちょうど重大な問題の時期ですが、市川惣司というお方が代表取締役になっておられる。ところが、この市川さんというお方は三塚博氏の秘書と地元で言われている人物であります。また、天風も同じ時期に九十三万株を保有しました。この会社の取締役を見ますと、現農水政務次官である東力氏の名前が出てきます。調べてみますと、八七年九月から八八年九月の間、そこの取締役になっておられます。いずれも、この問題の時期にこういう人物が表に出てくるわけであります。とすると、三塚氏が立会人になり得たのは利害関係がなかったからだ、そう単純に言うわけにはいかないと私は思うのであります。
 いずれにしても、国際航業ないしコーリン産業のいずれにも利害関係がないどころか、大いにあったということを考えてみたときに、こういうかなりの分野にわたって政治家の名前が出てくるわけでありますから、実にこの事実はすそ野の広い、深い事件であるというふうに私は思うわけです。法務省に、捜査に当たってそういう政治家の問題を念頭に置いて徹底した追及をおやりになるのかどうかをお聞きしたいと思います。
#208
○井嶋政府委員 ただいま委員、いろいろ事実を御指摘になりました。また、マスコミ等におきましてもいろいろな国際航業を取り巻く事実が報道されておるわけでございますけれども、果たして犯罪の嫌疑というような関係で、形で論議されておるのかそうでないのか、もういろいろなものがごちゃまぜになっているような印象を持つわけでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、一つの事実が犯罪を構成するのかしないのか、構成するとしたらどのように対処するのかということは、すべて検察当局、警察も含めますと捜査機関が判断すべきことでございます。そういった意味で、先ほど来大臣も申し上げましたけれども、捜査を続行しておるわけでございますけれども、その中において刑罰法令に触れるような事実があれば、恐らく厳正に対処してくれるものだというふうに考えているという以上のことは、ちょっと私この場では申し上げることができないということでございます。
#209
○寺前委員 お約束の時間がもう来ておりますのでやめますけれども、最後に大臣に、政治家として本当に、こういう個人の関係者、秘書さんの名前も出てくる、しかも仕手戦を仕掛けた側にも出てくるし、防戦の側にも出てくるわけですから、これは法に、触れる問題の分野にメスを入れることと、同時に、国会議員としてあるいはまた総理大臣として、そういう問題が出てきた場合に、対処の問題としては、みずからが全容を明らかにし、そして党としても自浄能力を発揮するという態度をとるべきだと思いますが、大臣はその点いかがお考えになるでしょうか。
#210
○長谷川国務大臣 先ほど申し上げましたように、今鋭意捜査が進捗しつつある状況の中でございまして、個々の係争中の問題に法務大臣が予見を与えるようなことは差し控えさせていただきたい。今、厳正公平に検察が捜査をやっている最中でありますから、御了承方お願い申し上げたいと思います。
#211
○寺前委員 終わります。
     ────◇─────
#212
○渡辺委員長 この際、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち、決算の適正を期するため
 一、昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算
   昭和六十二年度特別会計歳入歳出決算
   昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書
   昭和六十二年度政府関係機関決算書
 二、昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 三、昭和六十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 四、昭和六十三年度一般会計歳入歳出決算
   昭和六十三年度特別会計蔵入蔵出決算
   昭和六十三年度国税収納金整理資金受払計算書
   昭和六十三年度政府関係機関決算書
 五、昭和六十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 六、昭和六十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 七、昭和六十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)
 八、昭和六十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)
 九、昭和六十三年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)
 一〇、昭和六十三年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)
 一一、平成元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)
 一二、平成元年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)
 一三、平成元年度特別会計予算総則第十二条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)
 一四、昭和六十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書
 一五、歳入歳出の実況に関する件
 一六、国有財産の増減及び現況に関する件
 一七、政府関係機関の経理に関する件
 一八、国が資本金を出資している法人の会計に関する件
 一九、国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の
財政援助を与えているものの会計に関する件
以上各件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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