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1990/06/01 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 環境委員会 第5号
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1990/06/01 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 環境委員会 第5号

#1
第118回国会 環境委員会 第5号
平成二年六月一日(金曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 戸塚 進也君
   理事 佐藤謙一郎君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 戸井田三郎君 理事 持永 和見君
   理事 斉藤 一雄君 理事 竹内  猛君
   理事 斉藤  節君
      青木 正久君    井出 正一君
      岡田 克也君    田辺 広雄君
      中山 利生君    古屋 圭司君
      村井  仁君    簗瀬  進君
      伊東 秀子君    岩垂寿喜男君
      岡崎トミ子君    戸田 菊雄君
      時崎 雄司君    長谷百合子君
      遠藤 和良君    児玉 健次君
      寺前  巖君    中井  洽君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 北川 石松君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       渡辺  修君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 三橋 昭男君
        環境庁大気保全
        局長      古市 圭治君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通企画課長   賀来  敏君
        環境庁長官官房
        参事官     小林 康彦君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      中島 邦雄君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部保安課長   高重 尚文君
        建設省道路局企
        画課長     藤川 寛之君
        自治大臣官房地
        域政策室長   山下  茂君
        環境委員会調査
        室長      高橋 昭伍君
    ─────────────
委員の異動
六月一日
 辞任         補欠選任
  野呂田芳成君     岡田 克也君
  山本  拓君     古屋 圭司君
 宇都宮真由美君     伊東 秀子君
  時崎 雄司君     戸田 菊雄君
  寺前  巖君     児玉 健次君
  塚本 三郎君     中井  洽君
同日
 辞任         補欠選任
  岡田 克也君     村井  仁君
  古屋 圭司君     山本  拓君
 伊東 秀子君     宇都宮真由美君
  戸田 菊雄君     時崎 雄司君
  児玉 健次君     寺前  暇君
  中井  洽君     塚本 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  村井  仁君     野呂田芳成君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出第六三号)
     ────◇─────
#2
○戸塚委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る五月二十九日終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#3
○戸塚委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
#4
○戸塚委員長 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、持永和見君、斉藤一雄君、斉藤節君、寺前巖君及び中井洽君より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。斉藤一雄君。
#5
○斉藤(一)委員 私は、ただいま議決されました水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一 産業系排水の規制について、規制基準の強化、未規制の工場、事業場等に対する排水規制の実施等の強化に努めること。
 二 水質に対する汚濁負荷ができるだけ低い商品の研究、開発の推進が図られるよう事業者等を指導すること。
 三 下水道、農業集落排水施設、コミニティ・プラント等の整備の推進、合併処理浄化槽設置に係る助成制度の充実等、生活排水処理施設の整備に一層努めること。
 四 公共用水域に対し影響のおそれのあるゴルフ事業等の運営に当たっては、河川等の水質汚濁をじゃっ起することのないよう十分配慮すべく指導すること。
 五 環境保全関係予算の増額及び人員増について努力するとともに、市町村等地方公共団体の財政援助について特に配慮すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#6
○戸塚委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○戸塚委員長 起立総員。よって、持永和見君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、北川環境庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。北川環境庁長官。
#8
○北川国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたしますことを申し上げます。ありがとうございました。
    ─────────────
#9
○戸塚委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
   〔報告書は附録に掲載〕
     ────◇─────
#11
○戸塚委員長 次に、内閣提出、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案を議題といたします。
 政府より趣旨の説明を聴取いたします。北川環境庁長官。
    ─────────────
 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案
   〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#12
○北川国務大臣 ただいま議題となりましたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、積雪寒冷地域におけるスパイクタイヤ粉じんによる大気汚染は深刻な社会問題となっておりますが、スパイクタイヤ粉じんは生活環境の悪化をもたらすのみならず、人の健康への影響も懸念されており、その未然防止が緊急の課題となっております。
 スパイクタイヤ粉じんに関しては、従来から国、地方公共団体及び国民各層において各種の取り組みがなされてきておりますが、問題の解決に至らず、依然として厳しい状況にあります。
 このため、中央公害対策審議会において、スパイクタイヤ粉じんの発生防止のための制度の基本的なあり方について答申が取りまとめられたところであります。
 今回の法律案はこの答申を踏まえ、スパイクタイヤ粉じんによる健康影響を防止し、生活環境を保全する観点から、スパイクタイヤの使用規制等の措置を定め、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止するための制度を創設するものであります。
 次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
 第一に、目的についてであります。この法律案におきましては、スパイクタイヤの使用を規制し、及びスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する対策を実施すること等により、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止し、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的としております。
 第二に、国民並びに国及び地方公共団体の責務についてであります。国民は、スパイクタイヤ粉じんを発生させないよう努めなければならないこととしております。また、国は、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策を推進するように努めなければならないこととし、地方公共団体は、当該地域の自然的、社会的条件に応じたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策の実施に努めなければならないこととしております。
 第三に、指定地域についてであります。環境庁長官は、住居が集合している地域その他の地域であって、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるものを、所要の手続を経た上で、指定地域として指定しなければならないこととしております。
 第四に、対策の実施についてであります。指定地域に係る都道府県は、当該指定地域の特性を考慮しつつ、知識の普及、住民の意識の高揚及び調査の実施に努めなければならないこととしております。
 第五に、スパイクタイヤの使用の禁止についてであります。指定地域内の舗装道路の積雪または凍結の状態にない部分においては、原則として、スパイクタイヤを使用してはならないこととし、これに違反した者については、罰則を科することとしております。
 この法律案の施行期日は公布の日としております。ただし、スパイクタイヤの使用の禁止については平成三年四月一日から、罰則については平成四年四月一日から施行するほか、大型車等について所要の経過措置を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#13
○戸塚委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
#14
○戸塚委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古屋圭司君。
#15
○古屋委員 古屋圭司でございます。
 私もこの選挙で初当選させていただいた一人でございますが、私のふるさとであります岐阜県もスパイクタイヤ粉じんの公害には大変悩まされている県の一つでありまして、そういった観点から、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案についての質問をさせていただきたいと思います。
 いわゆるスパイクタイヤは、凍結した路面においては極めてすぐれた性能を発生するというようないわば固定観念から、積雪地域あるいは寒冷地では長年にわたって使用されてきたという実績があるわけでございます。しかしながらスパイクタイヤは、利用することによって環境や健康に与える影響、すなわちスパイクタイヤから発生する粉じんによりまして、先ほど大臣の発言にもありましたとおり、人体への影響や環境悪化というものは大きな社会問題となっているわけでございまして、一方では、スパイクタイヤを使うことによりましてその粉じん、そしてまた道路を損傷させるという実態も発生しているわけでございます。そして、その補修のために莫大な費用がかかるという問題もありまして、こういった費用の増大はいわば地方公共団体の財政にも影響を与えているということは否めない状況であります。現に私の選挙区であります岐阜県の恵那郡地域におきましても、確かに降雪量はそうございませんけれども、冬期の気温がかなり下がるといった状況がございます。特に東部地域はそうでございます。そんなわけで、早朝やあるいは夜間などは路面凍結状態に陥ることが非常に多くなりまして、その対策としてスパイクタイヤを利用している方が大勢いらっしゃいます。ちなみに私は昨年度よりスパイクタイヤを使用しておりませんが、他の方は大勢使用しております。しかし、このスパイクタイヤというのは、その価値を見出すことのできる時間というものは非常に限られているわけでございます。しかしながら実態としては、一々履きかえるわけにいかないということで、冬期には常時スパイクタイヤを履いているということもありまして、先ほど申し上げたような諸問題が発生しているわけでございます。後で改めて質問させていただきたいと思いますが、諸外国におきましても、このようなスパイクタイヤの公害というものにかんがみまして禁止規定を打ち出しているケースが多いというふうに聞き及んでおります。我が国においてもこのたびスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律として国会に提出されたということは、はっきり申し上げて遅きに失した感はなきにしもあらずというような気持ちはいたしますが、いずれにいたしましても、人体への影響や環境問題を考えますときには極めて重要な法案であると思いますので、私としても、この法案の成立はもちろんでございますけれども、より実効のある形での円滑な法律の運用に努めていかなければならない、このように思っておるわけでございます。
 こういった観点から若干の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、これまでにスパイクタイヤで発生するいわゆる粉じん公害、あるいはそれがもたらすさまざまな影響につきましていろいろな方面から検討がされてきたものと思いますけれども、これまでのスパイクタイヤ粉じん問題の経緯等についての御説明をいただきたいと思います。
   〔委員長退席、持永委員長代理着席〕
#16
○古市政府委員 スパイクタイヤは昭和三十年代の後半から我が国で販売されまして、非常に急速に普及いたしまして、昭和五十年代の中ごろから粉じんが積雪寒冷地を中心として社会問題となってまいりました。御指摘のとおりでございます。昭和五十八年には、国といたしましてスパイクタイヤ問題関係省庁連絡会議を発足させまして、自治体とも連携の上で各種の対策に取り組んでいるということでございます。本国会におきましても、第百四国会におきまして、六十一年の五月に衆議院におきまして議員立法によってこの粉じん対策の法案が提出されましたが、このときには国会の解散に伴って廃案になったという経緯がございます。また一方、公害等調整委員会の調停によりまして、平成二年の十二月、さらには平成三年の三月三十一日には国内の主要七メーカーによるスパイクタイヤの製造と販売が中止されるということに至っております。このようなことで、国によりますスパイクタイヤの規制の方向というものはだんだん早急に明らかにすることが必要になりました。こういうようなことから、平成元年の四月と八月に積雪寒冷地域の二十三道府県、市の協議会を発足いたしまして、十二月を脱スパイクタイヤ運動推進月間として社会的な運動を展開しているということでございます。さらに、本年の四月五日に中央公害対策審議会より、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止のための制度の基本的なあり方について御答申をいただきました。
 そういうような経緯を含めまして、この時期に法制化を行う必要があるということで政府内の調整がまとまりまして、今国会に法案の提出の運びとなった次第でございます。
#17
○古屋委員 我が国におきましてのスパイクタイヤ問題に対する経緯についてはよくわかりました。
 一方で、こういった問題はやはり諸外国、特にモータリゼーションが非常に発達しています西欧諸国あるいはアメリカの北部地域においては、我が国よりもさらに深刻な問題としてとらえられていたのではないか、このように思います。そういった観点から、諸外国のスパイクタイヤの規制につきましてどうなっているのか、そしてまた、禁止をした地域というのも多々あるかと思いますけれども、そういった禁止した後の環境面の効果あるいは人体に与える影響、そういった安全面も含めひとつ御説明をいただきたいと思います。
#18
○古市政府委員 私どもの方で平成元年に諸外国の状況について照会をいたしました。その結果を報告いたしますが、ヨーロッパにおきましては二十三カ国のうち十五カ国でスパイクタイヤの使用を規制いたしております。その中で西ドイツ、オランダ等を含めまして八カ国におきましては、猶予期間をなしにして一年じゅう、通年規制という形で規制を行っており、そのほかの国では冬期のある一定期間に使用を認める、このような状況になっております。また、米国、カナダにおきましては、州ごとに規制の状況が異なっておりますけれども、全面規制を行っているのが十一州ということでございました。
 それからまた、お尋ねのこの規制の前後についての安全性がどう変わったかというようなことでございますが、私どももこの点で問い合わせましたところ、規制をすることによって事故が増加したという報告はございませんで、かえって減ったというような報告がございました。また、健康面その他のお尋ねでございますが、諸外国の場合には生活影響、健康影響という段階ではなくて、かなり早い時期から規制いたしておりますので、道路の損傷、交通安全、そういう面から規制が行われた、このように報告がなされております。
#19
○古屋委員 ありがとうございました。
 特に今の諸外国の実態の中で一点確認をさせていただきたいのですけれども、いわゆる全面禁止をされている地域というのはある特定の地域を、州なり、あるいは欧州においてもその国の中の特定地域ということで禁止をされているというふうに私は今お伺いしましたが、モータリゼーションの発達している国は、そこの州を通ってまた出ていかれるという方がたくさんいらっしゃると思うのですけれども、そういった面については果たしてどういった運用をされていたのか、ひとつお伺いをできればと思います。
#20
○古市政府委員 ヨーロッパの場合には国ごとに違うわけでございますが、私どもが問い合わせた国の中には、イタリアとかルクセンブルクとかやや南の方で、そもそもそういう規制をしなくていいという国も含まれていましたので、おおむね北の方の地域ではほとんどが通年あるいは期間を限っての規制、こういう形になっていたわけでございます。問題はアメリカの例になろうかと思いますが、地図を見ましても、確かに道路が横断したところで規制がない、あるいは一部規制、全面規制というところがあるわけでございますが、ここをいかに運用しているのかというのを直接問い合わせておりませんが、それぞれの州に入った場合に、アメリカの場合には州法でございますから、当然その規制のもとに運用がされている、こういうことになろうかと思います。
#21
○古屋委員 ということは、私なりに解釈しますと、利用者の方々にそういう認識をしっかり持ってもらって、そういう州に入るときは自主的にスパイクタイヤを取りかえるなり、そういった行動をされているものと私なりに解釈をしたいと思います。
 さて次に、いわゆる人体への影響等々について質問させていただきたいと思います。
 テレビあるいは新聞のマスコミ発表におきましても、ここ数年来北海道とか東北あるいは北陸の大都市におきましては、粉じん公害が極めてゆゆしき問題になっているという報道が盛んにされております。最近では、確かに条例によりスパイクタイヤの使用自粛ということをうたって、その使用頻度というのは徐々に下がっているということはあるかと思いますが、事実札幌や仙台を例にとってみましても、粉じんによりまして目がかすむとかあるいは充血する、のどが痛くなるといったような被害が続出していると聞き及んでおります。こんなような中で、粉じんが人体に与える影響というのは、感覚的には大きなものがあるんだろうなということは想像できるのですけれども、実際には人間の健康への影響または生活環境への影響というものはどのようなものになっているのか、そういったデータあるいはその実態があればぜひ説明をいただきたいと思います。
#22
○古市政府委員 スパイクタイヤ粉じんによります健康影響でございますが、健康影響を大きく分けますと急性の影響と長い年月の間に蓄積する慢性影響とあるわけでありますが、急性の症状といたしましては、異物として目の中に入って結膜炎とかそれから涙が出る、そういうような訴えが沿道地区に多いという疫学上の調査が出ておりますし、またさらにもう少し頻度が多いのは上気道に対する刺激でございまして、のどの痛みやせきを訴えるというのが沿道地域、粉じんの多い地域の方に多いという結果も出ております。またさらには、同じような程度の気管支ぜんそくの児童を沿道地域の児童と空気のきれいなところの児童と比べた場合に、冬の間増悪するというような傾向が見られるという報告がございます。
 それからまた長期的な健康影響といたしましては、これはなかなか人間を用いてというわけにはいきませんので環境庁の方でラットを用いた動物実験を行いました結果、かなり長期間吸引をさせまして、高濃度のものを吸ったわけでございますが、その際には肺のリンパ節の中に粉じんの異物が沈着しているという形が明らかになりまして、また一部の組織が線維化しているというようなことが認められている、こういうような状況でございます。
 それからまた生活環境影響といたしましては、その粉じんが非常に多い地区の大体過半数の人たちが、不快感、それからまた衣服の汚れ、また住宅の汚れ、そういうものを非常に強く訴えている、こういう状況でございます。
#23
○古屋委員 今の御答弁の中で特に私が関心を持ちますのは、ラットの実験によって肺の中に線維化を起こしているところがあるとか、いわば人体にかえますと極めて恐ろしいとされているがんの影響も出てくるのではないかというような気はいたしますけれども、そういった面においての研究ですね。いわゆる人体に対する影響の中でも極めて生死にかかわるような、そういった問題をも引き起こしている可能性があるのではないか、私は素人なりにそう考えるわけでございますけれども、この辺についてのデータ等はございますでしょうか。
#24
○古市政府委員 ただいま申し上げましたラットによる長期暴露実験では、かなり高い濃度と申し上げましたが、街頭で測定される高濃度の約十倍というものをかなり長期間吸わせた結果そういう所見が認められたということでございますが、この線維化につきましては、それがいわゆる前がん状態とかがんに発展するということは、そこまでは認められません。しかしそういうものが沈着するということ自体はよくないことである、こういうような報告になっております。
 それからまたその粉じんの中にございますベンゾピレンまたアスファルトから出ますいろいろな金属成分、そういうものの影響というのがありますので、やはり長期的な暴露を受けるというのは好ましいことではない、こういうような見解でございます。
#25
○古屋委員 ありがとうございました。
 人体あるいは環境に与える影響というのは、今のお話のとおり極めて大きいものがあるというふうに言えると思うのですけれども、一方ではそういった環境問題あるいは人間への悪影響というものに加えまして、スパイクタイヤにより削られたいわゆる道路面の補修とか、そういった意味合いにおいての物質損害というようなものもかなりあろうかと思います。舗装のやり直しや白線を引き直さなければいけないというような費用というのは、先ほど申し上げましたように地方自治体にとってかなりの負担増にもつながっていると思います。恐らくそういったデータというのは、いろいろと建設省あるいは自治体との関連でデータを出すというのは非常に難しいかと思いますが、そういった面においてもこのスパイクタイヤは非常に悪影響を与えているのではないか、このように私も指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、それでは次に、もう一方の問題であります安全面というものについて確認をさせていただきたいと思います。
 スパイクタイヤを仮に禁止しまして、それにかわるタイヤとして今盛んに研究が進められていますスタッドレスタイャにかえた場合、雪が降っている中、降雪下あるいは凍結下での安全性については一体どうなっているのか。私らの感覚では、やはり積雪路面ではかなりの性能を発揮するが凍結路面では若干の不安があるというような気もいたします。事実、私の方でもことしの冬はマイカーにはスタッドレスタイヤを履かせました。そして雪の地域も走りましたし、また、早朝あるいは夜のアイスバーンも走ってみました。確かに若干の不安はありますが、果たしてどれぐらいの性能の差があるのだろうかということになりますと、私ら素人では皆目見当がつきませんので、その点特に外国のデータなんかもあればお示しをいただいた上、その安全性について御説明をいただければと思います。
#26
○古市政府委員 まずスタッドレスタイヤの安全性につきまして、乗用車タイプの方で申し上げますと、最も制動がききにくいとされております凍結面が零度からマイナス五度、こういう条件におきましてロックブレーキ、ブレーキを全部ロックしてぐっと踏み込んだときの制動性能について、一番厳しい条件でございますが、これで見てみますと、スパイクタイヤを一〇〇%といたしますとそれの八五から九〇%まで制動がきくような段階まで性能が上がっているというようなことでございます。したがいまして、そういう急激に踏み込むロックブレーキでなくてソフトブレーキでやっていく、じわっと踏んでいく、またポンピングというのですか、何回かに踏み分けるという形をすればもっと性能がよく発揮できるかと思います。それからまた、スパイクタイヤというのは非常に信頼されているわけでございますが、これは凍結していなければ余り意味がないということが明らかになっておりまして、雪が圧縮された圧雪の状態の路面におきましては、スタッドレスの制動機能というものはスパイクと同等かあるいはそれ以上ということも明らかになっております。それからまた、凍結路面も零度からマイナス五度のところが一番厳しかったわけでございますが、マイナス十度以下、こうなるとタイヤのゴム自身の摩擦係数というのが非常に効いてきますので、かえってスタッドレスの方が性能がいいということもございました。
 このようなことで私どもは、スタッドレスタイヤが、乗用車タイプにおきましてはもう十分その運転を注意するということでスパイクにとってかわって使用ができる、安全性の確保ができる、このように思っております。
 それからまた、タイヤだけにその性能を帰するというのも問題でございますので、自動車メーカーの方にも依頼をいたしまして、四輪駆動それからまたアンチロックブレーキ、これは急激に踏んでもコンピューターシステムで何段階に分けてロックされないでかかっていく、こういうものを依頼しておきました。また、運輸省の方でもこの指導が行われまして、全車種にオプションとしてつけることが可能というところまでいっている、こういうような状況でございます。
   〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
#27
○古屋委員 今のよくわかりましたけれども、ただもう一点確認したいことは、スパイクタイヤは一般路面でスタッドレスタイヤより感覚的には性能が落ちるのではないかという気が私はするのです。特にまず騒音問題ではもう圧倒的に不利でございますし、一方、ブレーキをかけたときも滑るというか、やはり金属と路面が接触するわけですから、ゴムよりは摩擦係数というのが非常に、ミューというのですか、少ないと思いますので、そういったデータがもしありましたら、いわゆる通常の路面下での比較というのはデータとしてお持ちでございましょうか。
#28
○古市政府委員 通常の路面と申しますのは結局乾燥路面というようなことですね。これは全くいいところがなく悪いだけのことでございますので、特段の調査をしたデータというのは今のところ手元にございません。先ほど申し上げましたように温度が零度からマイナス五度の間でスパイクというのはきくけれども、それ以上さらにコールド、かたくなった場合にはかえってスタッドレスの方がいいというのも、先生が御指摘のようにやわらかいゴムの機能の方が余計よくなってくる、こういうことかと思います。
#29
○古屋委員 以上お話を伺ってきますと、スパイクタイヤを禁止して、そしてそれにかわるスタッドレスタイャにすれば、環境面、人体への影響、あるいは路面損傷、そしてまた安全面でもいいことばかりだというような気がいたしますし、私もそういった意味合いでスタッドレスタイヤを幅広く使うことに対しては、冒頭に申し上げましたように極めて賛成でございますが、仮に当法案が成立した場合、九つある条文のうちで一番注目すべきは、やはり第四条にあります「国及び地方公共団体の責務」というところに示されている規定ではないか、このような考えでおるわけでございます。特に、いわゆる指定地域におきましては、この指定地域についてはまた後ほど質問させていただきたいと思いますが、長年にわたって利用してきたスパイクタイヤを全部禁止するわけですから、単に禁止規定だけで対処するというのでは不
十分であると思います。やはり使用者に対して、安全面は大丈夫なんだ、全く問題ない、そして健康面あるいは環境面から極めていい数字が出ているのだということを、より広く啓蒙活動していくということが不可欠であると思います。そのためにも、国はもちろんでございますけれども、都道府県あるいは市町村におきましてもお互いに協力し合って啓蒙活動というのを全力を挙げてやっていただきたい、このようにお願いするわけでございますが、具体的な啓蒙活動等についての対応、対処はどのようなことを考えておられるのかについて御質問をしたいと思います。
 もう一点、先ほど来申し上げましたように、スタッドレスタイヤは、今御答弁でもありましたとおり、特に凍結路面についてはまだ一〇%ぐらい性能が落ちるということでございます。そういった意味合いにおいて、うんと安全運転をするという啓蒙活動を広めていただくことはもちろんでございますが、先ほど指摘しましたように、いわゆる道路補修の費用というものはその分節約されるというか、そういった形になると思います。そのためにも、凍結路面においての融雪剤をまくとか凍結防止剤をまくというような対処によって、より安全性の確保に努めていただくよう、関係省庁とも協力し合いながらそういった指導を徹底していただきたいと思います。
 以上の点について、ちょっと質問をさせていただきたいと思います。
#30
○古市政府委員 私どもも先生のただいまの御指摘のとおりと考えておりまして、御紹介していただきました第四条の中で、「国及び地方公共団体の責務」といたしまして「粉じんの発生の防止に関する啓発及び知識の普及」さらに「冬期における道路の環境の整備」これは除雪だけでなくて融雪剤をまくとかいろいろなことも含まれておると思いますが、それから「冬期における自動車の安全な運転のための教育」、こういうことを国と地方公共団体でともにやっていかなかったらいけない、このように考えているわけでございます。
 具体的には、既に先進的な地方自治体でいろいろな催しが行われております。私どももそういう制度を持っておりますが、二、三申し上げますと、スタッドレスタイヤをモニター制度で使っていただきまして、その人たちの使用実感を報告していただく。非常にいい結果をいただいております。それからまた、いろいろな体験談を語っていただくイベントを行っております。また、総合的には、十二月をノースパイク運動の展開の月間といたしまして各地で各種の催しを行っていく、こういうようなことでございます。
 それからまた、道路損傷面の費用をさらに転用して安全な運転教育の方に使うようにということでございますが、これは私どもの直接の所管の予算ではございませんが、そういうことも行われてくるであろうというものを期待いたしております。
#31
○古屋委員 それでは、この規定に記されております指定地域ということについて若干の御説明をいただきたいと思います。
 この指定地域、恐らく市町村の単位で指定をされることと思いますけれども、その解釈と、いわゆるどういった形で指定をしていくのか、その辺の運用面についてのやり方について簡単に御説明をいただきたいと思います。
#32
○古市政府委員 地域を指定いたします場合には、法律の中に書いてございますように、まずスパイクタイヤ粉じんによる住民の健康影響、生活環境影響について具体的にどの程度かということがまた一つの判断材料になります。それからまた、降下ばいじんの量がどういう推移をしているか、さらには将来に向かって交通量がどのようになってくるか、またスパイク装着率というものがどの程度であるか、これを各市町村ごとに詳細に検討をいたしていきまして、地方自治体の意見も聞いて環境庁の長官が定める、こういうような状況になっております。
#33
○古屋委員 その指定地域の指定の作業につきましては、その地域の方が恐らく実質的には履いたり外したりすることはできないと思いますので、もう実質的な禁止というふうに解釈していいと思いますので、どうかその辺につきましては慎重に指定をしていただき、なおかつ安全面ということと環境面、人体に与える影響ということを十二分に御配慮いただきながら運用していただきたい、このようにお願い申し上げておきます。
 最後に、いわゆる粉じん発生の大きな原因の一つになっているのに大型トラックの粉じんというものが挙げられると私は思うのです。大型トラックは車重も重い、タイヤもたくさんついている、それに伴ってスパイクも恐らくたくさん打ってあるであろう、こんなようなことからそう思うわけでございます。この規定によりますと、大型トラックにおきましては、公布の日から三年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は適用しないものとするというふうになっております。これは恐らく大型車に対応できるスタッドレスタイヤがなかなかまだ開発が進んでいないというところにあるかとは思うのでございますけれども、大型トラックというのは、そういった意味合いにおいて非常に粉じんには、公害に貢献しているというか、車種だと思いますので、ぜひこの開発を早急に進めるようそれぞれの省庁からも御協力をいただきたい、このように申し上げます。その開発に当たってのめどというか、できるだけ早くこういったものができるようにすることが大切だと思いますけれども、その点について御説明をいただきたいと思います。
#34
○北川国務大臣 古屋委員から、このたびのスパイクタイヤの禁止法案に対して非常に御理解のあるいろいろの御質問を聞かせていただきまして、環境庁がこのたびの法案を皆さんに御審議願えるようになり得ましたことに大変感謝をしております。
 また、何といいましても、今御指摘のように、大型車のスパイクタイヤを禁止するためにはそれにかわるスタッドレスタイヤの製造がやはりいい形ででき上がらなければいけないということで、この三月三十日、法案を先生方に御審議願う前に一遍視察をさせていただきまして、そして業者にも極力一日も早く大型車のものをつくっていただきたいと要請をしますと同時に、また激励もいたしました。ですから、やはり普通車のタイヤができ上がってきた、スパイクタイヤにかわるものができ上がった、大型車も早くでき上がって、そしてこれの製造を禁止し、販売が禁止されれば、このスパイクタイヤというものは一般市場から自然になくなっていくだろう。そして、各都道府県の、また国民の皆さんの御理解を得て、この法案が生きていく、いい法案になるようにこのたびの御審議について一日も早く御可決を賜りたい、私はこんな思いでございます。
#35
○古屋委員 大臣の決意、よくわかりました。ありがとうございました。
 このスパイクタヤの使用禁止規定というのはいわゆる精神規定というか、先ほど来指摘いたしておりますように、やはり国民の一人一人が、そういった安全面の問題あるいは健康面の問題、環境面の問題から自分たちは使わないのだという意識を持っていただくということが何よりも大切だと思うのです。そのためには啓蒙活動が必要であろうし、そしてその結果「国民の責務」というこの項目にもつながってくると思います。いずれにいたしましても、平成四年度からは罰則規定が加わってくるということでございます。これはぜひそんな罰則規定にひっかかるような人が一人もいないぐらいの、スパイクタイヤを履くのは罪悪だというぐらいの気持ちに利用者一人一人がなってもらえるぐらいの広範な形でのPR活動に、関係省庁一丸となって努めていただきたいことを心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#36
○戸塚委員長 伊東秀子君。
#37
○伊東(秀)委員 私は、社会党・護憲共同の伊東秀子でございます。
 私は、積雪寒冷地帯の札幌市の出身でございまして、十数年来スパイクタイヤの粉じん公害に大変悩まされてきた市民の一人でございます。北海道及び札幌市においても独自の条例をつくりまして、何とか粉じん公害をなくそうという努力をしてまいりましたし、市民団体、それから私の所属しております札幌弁護士会でも大変力を入れてまいりました。そういったことで、この二、三年大変粉じんが少なくなったといういい状況も見られつつありまして、一日も早い全廃に向けての法規制が待たれていた状況でございまして、今回こういう形で法律化されようとしていることに一定の評価をいたしておるものでございます。ただし、北海道及び札幌市民及び弁護士会等で要求していた全廃に向けての法律化という意味では若干後退している。そういう意味で、やはりちょっと残念な思いも抱いているところでございます。そういった意味から、今回の法案における問題点について若干質問させていただきたいと思います。
 まず、今回の法案は、第三条において「国民の責務」として、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めなければならない、さらに、国や地方公共団体が実施するスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策に協力しなければならないという、大変抽象的な責務を掲げてはおりますけれども、では具体的にどのような定めになっておりますかといえば、第七条において、指定地域内の積雪または凍結の状態にない部分においてスパイクタイヤの使用をしてはならないという定めになっておりまして、スパイクタイヤの禁止が原則的ではなく例外的な形のような定めになっている。だから、この指定地域をどのような形で指定していくかということでスパイクタイヤの使用規制の実効性が大変変わってくるのじゃないかという危惧を抱いているわけでございます。広域指定しなければ法の趣旨にも反するのではないか、そういう立場から、先ほども古屋議員の質問にも出ておりましたけれども、この指定地域の要件、特に住民の健康、生活環境保全の必要性という観点から非常に限界的な事例もあるかと思いますので、その辺をもう少し具体的に、指定の要件及び指定の手続について詳細にお答えいただけたらと思います。
#38
○古市政府委員 最初に、指定地域をどのように決めるのかというので判断の基準ということで説明させていただきますと、この法律に書いてありますとおりに、まず住居が集合している地域とそれに関連する地域。ある程度の人が沿道に集合している、また市街地を形成している、こういうようなことでございます。それから、住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要な地域、このようになっております。
 この第一の要件の住居が集合している地域と申しますのは、市街地及びその周辺だけではございませんで、その地域におきましてスパイクタイヤの使用規制を厳格に適用しないと住民の健康が保護できないと認められる程度の住居が集合している地域ということであれば該当するということでございます。抽象的に申し上げましたが、日本の町並みと申しますのは、市街地からずっと道が、幹線道路が行っておりますと、だんだん人家が少なくなって沿道寄りにずっと連なっていて、最後にはぱらぱらとなって野原の中を道が走る、こういうことかと思います。そういうときにある程度住居が集合しているというのが一つございまして、必ず市街地だけということではございません。それからまた、その他の地域と申しておりますのは、それに関連するわけでございますが、住居が集合している地域と地理的な条件、社会経済的な条件、それから自動車の交通の移動状況から見て一体的である、こう考えられる地域、また住居が集合している地域以外の同一市町村の地域、隣の町も場合によっては含む、そういうことである程度の広域的なものを総合的に判断していく、こういうようなことになろうかと思います。
 それから第二番目の要件でございます住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要な地域につきましては、具体的な事例といたしまして、これまでの住民のいろいろな調査による健康影響、生活影響というものが参照されましょうし、また降下ばいじんの量、交通量、それからスパイクタイヤの装着率、こういう状況を総合的に判断するということで指定地域が決められているということでございます。
 それから次に、その手続でございますが、各市町村単位になろうかと思いますが、対象の市というものを絞っていきまして、実際は都道府県からのヒアリングをやりまして、法律の中におきましても、長官が指定します場合には都道府県の意見を聞くということになっておりますし、それからまた、都道府県が意見を具申します場合には関係市町村の意見を聞くということになっておりますので、地方の状況、また御要望が十分に我々に伝わるということかと思います。また、中央におきましても関係省庁と協議いたしまして、最終的に環境庁の長官が地域を指定して官報に告示をする、こういう手続になろうかと思います。
#39
○伊東(秀)委員 二十三都道府県及び百九十市町村ですか、早期法制化に向けてのさまざまな要望が国に対して上げられていたかと思うのですが、こういった地域が指定地域になるであろうということになるのかどうかということと、さらに地域間のアンバランスというか不平等が生じる場合もあるであろう、そういった不平等を出さないための何か具体的な方策等について考えておられるのかどうか、その辺についてお答え願います。
#40
○古市政府委員 ただいま御指摘されましたように、スパイクタイヤを禁止しようという地方自治体からの要望というものは、道府県の方でまとまって二十三の地方自治体、さらに市のレベルでは百九十市からの要請というものに基づいて今回の法案を検討されたわけでございますので、当然この地域の中には、それらの二十三道府県、また市で申しますと百九十市、そういうものが指定地域の中の対象になってくる、こういうぐあいに考えます。
 それからもう一点、指定地域とそうでない地域とで不平等が生ずるのではないかというお尋ねでございますが、これは、先ほど申し上げましたような要件で環境庁長官が地方自治体の意向も踏まえた上で、なるべく不平等が生じないような配慮によって指定地域を決めていく、このようになろうかと思います。
#41
○伊東(秀)委員 次に、第七条の関係なんですけれども、「指定地域内の路面にセメント・コンクリート舗装又はアスファルト・コンクリート舗装が施されている道路の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)において、スパイクタイヤの使用をしてはならない」という定めになっているわけですが、「積雪又は凍結の状態にない部分」の判断というのはかなり困難な部分もあろうかと思うのですが、この判断をいったれが行うのか、これが大変重要になってくるのではなかろうかと思います。このような抽象的な定め方になっていると、刑罰十万円以下の罰則がついているわけですから、罪刑法定主義にも反することになろうかと思いますので、その辺の判断時点、それから判断者及びその判断基準について明確にお答えをお願いいたします。
#42
○古市政府委員 第七条で書いております「積雪又は凍結の状態にない部分」と申し上げますのは、逆にわかりやすく説明させていただきますと、舗装道路と車輪とが直接接する、その間に雪、凍結面がないということでございます。すなわち、この法律の目的といたしますスパイクタイヤによる粉じんが起こる状態、それが直接接しているということでございます。したがいまして、これは運転者みずからでも第三者でも明確にわかる状態でございます。
 ただ、そうは申し上げましても、先生が疑問を呈されておりますのは、いわゆる片側凍結している、日陰のところだけ凍結している、また、中央のところには雪が残っていて片方の車が積雪、凍結にかかり片方が乾燥路面にかかる、また、一部雪があり、そこを通り過ぎると乾燥路面が来てまた雪が来る、いわゆるまだら道が起こる、そういうことも全部含めてわかりにくい、こういう御指摘かと思いますが、法律の建前の上では、その横断面をとらえて、四つの車輪がございましてそのどれかが乾燥路面と直接接している、乾燥と申し上げますのは雨の場合もそれはいけないということでございますが、積雪、凍結でない状態で接している、こういう状態はこの第七条の規定に該当するということでございまして、そのことは私は、だれがいつ判断をするのかということでございますが、これは運転者みずからも確認できることである、このように思っております。
 ただ、そういうことでこの罰則規定が猶予期間を持って働くわけでございますが、そのときに罪刑法定主義の上からわかりにくいではないかということでございますが、それは運用の問題だと思います。そういう形にしておかなかったら、暖冬で、もうあたり一面気象庁の予報でも全く雪がないという状況の中でも、現在スパイクが使われているという状況でございます。そういうことを放置しておいて、極めてまだら道のすれすれのようなところをこの法律によって律するというようなことはあり得ないということでございますが、法律の上からは、そういう乾燥路面と接しているところがこの対象になる、こういう状況になっております。非常にわかりにくいようでございますが、ぎりぎり書いていくとこういうことになるということでございます。
#43
○伊東(秀)委員 判断時点について。
#44
○古市政府委員 判断の時点と申しますのは、その車が例えば雪道からそういう乾燥状態に入ったというところで本人はわかることでございますし、また第三者もわかることでございます。その時点でございます。
#45
○伊東(秀)委員 ということは、車が走行している各時点においてということになるのでしょうか。
#46
○古市政府委員 そういうことでございます。
#47
○伊東(秀)委員 そうしますと、例えば札幌市の場合、幹線道路、大通り等はほとんどよく除雪、排雪もなされておりまして乾燥状態にある場合が多い。特に十一月とか三月になりますとそういうことが多いわけですが、一歩路地に入りますとぐちゃぐちゃの積雪状態になるというような、非常に乾燥道路と積雪道路がもう数百メートルぐらいの状況で混在しているというのがまず第一にございます。それと、一日の時点を考えましても、朝は凍結している、そして八時、九時になると凍結状態が解けて、さらに夕方の四時ぐらいからまた凍結し始めるという、大変その辺の凍結の判断時や、それから、しているかどうかの判断もやりづらいという問題があるわけですが、そういった具体的な問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
#48
○古市政府委員 先生の御指摘のところに先ほどの私の答えだけでは不十分だと思いまして::。今の御指摘と関係するわけでございますが、そういうようなことから、今回の提案させていただきました法律によりましては、第五条で地域を指定するということが一つございます。したがいまして、この法律が成立をさせていただきました暁に、この地域が、例えば札幌市ということが官報で告示されます。また、周知期間が一年以上ございます。その間に札幌市におきましては、そのまだら道であれ何であれ、そういう状況になったときにはそれは違反になるんだ、その地域の中では、という形が周知徹底されますので、そういう、どこに行ったらどうなるかというのがわからないということではないということでございます。
#49
○伊東(秀)委員 そうしますと、指定地域内においては、そのまだら道がある現状、さらに、一日においても凍結と乾燥というか、凍結じゃない状態とが非常に流動的な状況においては、原則的には使用禁止の現実というか、使用禁止になるというふうに考えてよろしいということでしょうか。
#50
○古市政府委員 結論から申しますと全くそのとおりでございまして、今回の法律は、国民全体に第三条において努力義務を課しております。それだけでは担保できないということで、特定地域を決めてそういうようなかなり厳しい規制というものが、ある経過期間を置いて発効するという状態になっております。そういうことから、指定地域を走行しようという場合にはあらかじめ代替タイヤを装着していなかったらそういうような問題が起こるということが十分徹底できる。そのようにまた行政の方もいろいろ啓発、周知徹底していきたいということでございます。
#51
○伊東(秀)委員 今の説明を聞いて、実効性についてはある程度法の文言よりも期待できるんじゃないかという気がいたしたわけでございますが、どうしても判断者が運転者本人であるということから逃げの部分をかなり残しているんじゃないかということも懸念されるわけです。そういう意味で、取り締まりとの連動がなければ実効性がないんじゃないかというふうにも考えているわけですが、この実効性を上げるための取り締まりについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
#52
○古市政府委員 取り締まる行為自体は第一線の警察にゆだねるという形になっておるわけでございますが、私どもが最近伺っている地方の例におきましても、宮城県、仙台におきましては、県の条例だけでなくて交通反則金とも結んでやっているわけでございますが、非常に装着率も下がってきまして、その大半が他の県からの流入車である、また、実際反則金を科したのが、私どもへの一番最近の報告では十件でございますが、それは五月になってもまだ履いているという者に対してそういう発動をしたということでございますので、先ほど申し上げましたように、ぎりぎりのところをどんどんという形じゃなくて、この運動を続けることによってこの規定を発動しなくてもいいという形を期待いたしておりますが、最悪の場合には、非常に極端な場合にこれが警察官によって執行されるという状況になろうかと思います。
#53
○伊東(秀)委員 そうすると今のお答えによれば、取り締まりについては大変謙抑的に考えている、殊さらに今回の法案を制定してその実効性を上げるために警察庁の方で取り締まりをより一層強化するというようなお考えはないというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
#54
○古市政府委員 今回の法律は、私どもの、環境庁の専管の法律という形で提案させていただいておりまして、あくまでも健康影響を防止する、生活環境を保全するという環境立法の立場からやっておりますので、国民全体の協力を得て、行政も努力をして、そういう取り締まり規定が動かなくてもいいようにするというのが第一義的に重要なことである。しかし一方、現在やや利便性が低下するようなスタッドレスタイヤに協力してくださる人たちの方から見れば、それに反してスパイクタイヤをいつまでも使っているというような人たちは非常に不平等で許せないというような声も多いわけであります。そういうような人たちに対する直罰規定を一方で設けておかないと、これは法のもとの不平等ということでございますし、この運動を展開する上で非常に大きな障害になる。また、先ほど申し上げましたように、公害等調整委員会の方で調停が結ばれて大手メーカーからの発売がなくなってくる、しかし一方、輸入タイヤや弱小メーカーが残るというような状況でございますから、ここに直罰規定を設けておかないとこのシェアがまた広がってくるという危険性もある。こういうような状況からこのような法律にさせていただいているわけでございます。
#55
○伊東(秀)委員 聞くところによりますと、環境庁が昨年の段階で考えていた法案は、全面禁止、スパイクタイヤの全廃に向けての法案を用意していたけれども、関係六省庁との協議の中で、特に警察庁の方で安全性というところで、このような現実の法案の形にトーンダウンした。粉じんに毎日悩まされている市民の側から見たら大変残念に思うような法案の形で出てきたというのが実態なわけですけれども、警察庁が安全性ということでかなり難色を示しこういう法案になったというのであれば、警察庁の方でもそれなりの具体的な、この法案の実効性確保のための手だてというのを
当然考えてもらいたい。そして、本人の判断に任せるというのはおよそ実効性がなくなるわけですから、その辺についてももっと具体的に協議をしたのではなかろうかと思うのですけれども、そのような協議は全くなかったということでしょうか。
#56
○古市政府委員 今回の法律が対象としたスパイクタイヤ粉じんの防止ということに関しましては、関係省庁が非常に多うございまして、その中でも殊に六省庁が密接な関係を有しておりまして、その中でも殊に警察庁との関連が深いということでございます。具体的には、従来非常に普及してしまったスパイクタイヤへの信頼感、それからまた交通安全の見地と環境保全というものをどこで調和点を見出すかということでございました。そういうことで各省庁いろいろ調整しました結果このような形になったわけでございまして、どちらがどうというようなことはないので、現在やられる最高の知恵を出してこのような形になったと私は思っております。
 それで、そういうことから、私ども昨年、御指摘のように環境庁の方が全国一律禁止の法案をひとつ提出しようという形で各省庁とも連絡いたしましたのと違った形で今回法案を提案させていただいているわけでございますが、やはり環境立法であり、粉じんが起こることが問題であるというところに注目いたしますと、これは積雪、凍結状態のところでの使用禁止まで踏み込んでやるというのは実質的に違法性があるとはなかなか申せませんので、実際に問題が起こる粉じん発生行為に注目して、そこで立法を構成した、こういうようなことでございます。それからまた、そうやった以上、各省庁と連携をとりまして実効が上がるよう、私どもは十分注意していきたいと思っております。
#57
○伊東(秀)委員 今の御回答では、警察庁の協力という点でどうもあいまいなままに終わっているわけですけれども、その点について殊さらに警察庁との間で、このような協力をするというか、具体的な警察庁としての行動については発言がなかったかどうかという問題が第一点。
 さらに、今回は罰則だけになっているわけですけれども、先ほど御回答がございましたように、反則金制度の導入を行っているところもある。反則金制度の導入というのはやはり市民にとっては大変心理的強制になるわけで、かなりスパイクタイヤを使用しないという方向での効果が上げられると思うわけですけれども、どうしてこれが導入にならなかったのか、その辺のいきさつについても具体的にお答えいただけたらと思います。
#58
○古市政府委員 現在の道路交通法におきましては交通反則通告制度というものを設けておりますが、これは、自動車交通の発達に伴いまして道路交通法の違反事件が非常に多くなってきた、これに対する簡易迅速な処理というものが必要であるというところから設けられたかと思います。それで、今回私どもが提案させていただいておりますスパイクタイヤの場合には、この直罰規定が働くまでの間の猶予期間でもって私どもは十分国民の協力を得てノースパイク社会の実現に向かって体制を進めることができる、このように思っておりますので、現在の各種の交通違反のように非常に多発するというような事態にはないのではなかろうか、こういうようなことが一つでございます。そういうことから、反則金制度を設けて対応するという必要性は乏しいということでございます。なおまた、反則金制度を設けましても、反則金の納付を拒んだ場合にはまた直罰の方になってしまうということでございますので、ここはこのスパイクの取り締まりというものは直罰でいこう、こういうことになったわけでございます。
#59
○伊東(秀)委員 次に、先ほどの御回答にございました、六十三年六月二日、総理府の公害等調整委員会において、長野、札幌、仙台の弁護士グループ、市民グループとタイヤ七メーカーとの間に結ばれた調停においては、平成二年の十二月末日限りスパイクタイヤの製造を禁止する、平成三年の三月末日限りスパイクタイヤの使用を禁止するという大変明確なスパイクタイヤ全廃に向けての具体的な方向性が示されたわけですけれども、今回の法案は例外的な使用禁止になっているという面で、この調停条項より大幅に後退していると私は考えます。その点の整合性についてどのようにお考えになっておられるのか、お答え願います。
#60
○古市政府委員 私どもは、今回の法律が例外的な使用禁止ということではなくて、これでもって実効が上がってノースパイク社会へ向かって進む、こう思っているわけでございますが、今御指摘のスパイクタイヤの製造、販売中止に係る公害等調整委員会の調停でございますが、調停が出されたときに環境庁長官が談話として出しておりますとおり、この円滑な実現に向かって環境庁も努力していくというのは変わりございません。今回の法案では、全国民に、国民の責務としてスパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めるということをまずうたっております。また、国や地方公共団体の責務として、脱スパイクタイヤに向けての対策の推進に努める、またさらには、スパイクタイヤ粉じんによる大気汚染が著しい地域、また著しくなるおそれのある地域において直罰がかかるということになっておりまして、これでもって全国的に脱スパイクタイヤを進めていく方向が明確であると思っております。したがって、この法案は公害等調整委員会の調停の趣旨に沿ったものだ、このように理解しております。
#61
○伊東(秀)委員 ただし、札幌市の調査等においては、制動性能においては毎時十キロメートルの速度ダウンでほとんどスパイクタイヤとスタッドレスタイャでは同じような制動能力になるというようなことが発表されているにもかかわらず、約四割の人がやはり便利であるということでスパイクタイヤを望んでいるという結果も出ているわけですね。とすれば、今環境庁のお答えのような方向に、第三条及び第七条で全廃の方向へ向かうんだという大変楽観的な見通しのもとに法案をおつくりになっているんじゃないかというふうにお見受けするわけですけれども、現実はなかなか、特に若者の間では便利性にすぐに乗っかってしまうという実情もある。今回の法案では六十三年六月二日成立のこの調停がほごにされてしまうんじゃないかという大きな懸念があるわけです。そういう意味で、この調停条項の効力の及ばない中小のメーカーとか輸入スパイクタイヤが大量に出回る可能性も出てくる。あるいは改造スパイクタイヤの出回るおそれも出てくる。さらに販売禁止が平成三年三月末日で、かつスパイクタイヤ全面禁止でないとなれば、買いだめという状況も発生するのじゃないか。そういうことがさまざま具体的に考えられるわけですけれども、環境庁はこの三条及び七条でもう全廃に向かうんだという、若干実情にとっては甘い楽観的な見通しがあるんじゃないかというふうに私は考えるわけです。
 先ほど申し上げた輸入スパイクタイヤの抑制の問題、あるいは調停の規制効果の及ばない中小メーカーのタイヤの問題、あるいは改造スパイクタイヤについて、具体的にどういうような方針で臨んでいくのか、通産省の方々の御回答をお願いいたします。
#62
○中島説明員 御説明いたします。
 輸入タイヤにつきましては、本法案の考え方、これは究極的にスパイクタイヤをなくしていくものだ、それから公害等調整委員会の趣旨にかんがみまして、関係輸入業者を強力に指導してまいる所存でございます。それから調停以外の、七社以外のメーカーにつきましても同様に生産を中止する方向で今指導しております。
#63
○伊東(秀)委員 昨年の通産省及びタイヤ協会の調べによりますと、前年、昭和六十三年になるわけですけれども、年間に五百二十一万本使用されていたスパイクタイヤが二百九十六万本に減少した。そして一方スタッドレスタイヤは前年が四百六十万本であったにもかかわらず七百七万本に増加している。つまり主流はスタッドレスに移っているというふうな調査結果が出ているわけですけれども、現実に主流がスタッドレスに移るような世論が積雪寒冷地帯ではかなり起こり、そういう
状況に移ってきているわけですけれども、今回の法案の後退した姿勢のもとに、これが巻き返しになるんじゃないか、やはり雪道でもスピードの出せるスパイクタイヤがいいやという形に逆行していくんじゃないかということを私は恐れるわけですけれども、通産省の行政指導、どういうふうにやっていくのか。今の抽象的なお答えだけではなく、もう少し具体的な行政指導の今後の方針及びこれまで行ったことについて、お答えをお願いいたします。
#64
○中島説明員 御説明申し上げます。
 輸入業者につきましては、個々の企業を呼びまして一応こういった趣旨に沿って輸入を控えていただきたい、あわせまして輸入業者の方からも、その趣旨に沿って輸入を控えていくといった回答を得ております。
 それから中小メーカーにつきましても同様に、生産の自粛、中止といった方向で個々に要請をしておりまして、各企業におきましてもそういった方向での明快な回答を得ております。
#65
○伊東(秀)委員 これまで個々的に各企業に向けて行政指導していらしたということですけれども、この法案が成立してさらに、これは法案で規制が及ばなかったというようなことからスパイクタイヤへ逆行することのないよう、通産省、各関係省庁のより一層の、全廃の方向にある法律なんだという前提のもとに行政指導を強く行われることを希望いたします。
 さらに、これに補足的になるのですが、今回の法案では大型車については三年以内という限定つきで使用規制を猶予しております。ところが、札幌市の例をとりましても、粉じん公害の一番の加害者というかそういったものは大型車両であるという現実がございます。大型車両がスパイクのままに通年走り回っている、そしてそのために道路が削られ、粉じんが舞い上がるということが一番問題になっているわけですが、今回はそれが規制の猶予になった。さらに、この冬には大型車用のスタッドレスタイャの候補品が限定販売されて市場の評価を受けてきているという状況も発生しているわけなんですが、今回新たな法案で、三年間ではあるものの規制を猶予されたということになれば、この製品の開発にブレーキをかける可能性も生じる。この辺について、やはり大型車の粉じん公害の方がより一層深刻なんだという現実を踏まえて、もっともっと強い行政指導を望むわけでございますが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
#66
○古市政府委員 タイヤ業界、主要タイヤメーカーでございますが、現在大型自動車の代替タイヤの開発を非常に急いでおりまして、先ほど北川長官から御紹介ございましたように、親しく現地に行って開発状況を視察し、また激励、督促していただいたという状況でございます。一番最近の状況では、メーカーの性能試験が発表されまして、現在スパイクと比べて七割以上のところまでこぎつけている、そういうことを前提としてことしの冬には正式に市販のルートに乗せていくというところまで進んでいる。私どもはこれを大いに支援していきたいと思うわけでございます。
 今回、こういう形で法律で一定の猶予期間をつけましたのも、乗用車の性能の開発よりややおくれているという実態が一つでございます。そういうことから、今回の法律がこの開発にブレーキをかけるということではございませんで、三年間以内、こう申しておりますが、一般の乗用車の方も直罰規定が働くのは平成四年という形になりますから、それより一年しか余裕がないという形で、非常に厳しい状況の中で開発を要請している、こういうことでございます。
#67
○伊東(秀)委員 今の大型車用のスタッドレスタイャの開発に向けての何らかの財政上の措置を考えているのかということが第一点。と申しますのは、札幌市の場合、モニター制度というのをつくりましてスタッドレスタイヤを購入、使用する場合に市民に幾ばくかのお金を援助しているというようなことがございますが、より一層、大型車両の粉じん公害の深刻さから何らかのこういう措置を国として考えていないのかどうかというのが第一点。
 さらに、スパイクタイヤの全廃に向けての法律であるということであれば、西ドイツなどは一九七五年に全廃の法律をつくり、交通事故はふえるどころかむしろ減ったという実情の結果報告があるという御回答が先ほどございましたが、一方では除雪、排雪、融雪費用をかなり国で計上し、その費用を増大させたという報告も私は聞いております。こういったスパイクタイヤを規制していくには、一方で自治体の除雪、融雪あるいは道路補修対策事業への財政措置というのがどうしても必要なわけでございますが、それについて具体的に考えているかどうか、この二点についてお答えをお願いいたします。
#68
○古市政府委員 まずメーカーのタイヤの開発でございますが、それに対して具体的に助成を行うということは私ちょっと承知しておりませんが、私どもの環境庁の各種の調査研究費などでもこのスタッドレスタイヤの基礎研究については研究費を出しているという状況が一つございます。
 それから、後段の道路の環境整備の各種事業に対する財政的な措置ということでございますが、これは非常に重要なことでございますが、このスパイクタイヤ問題につきましてはこれまでも関係省庁におきましていろいろ協議して、この対策の必要性というものは共通の認識を持っておりまして、各種の事業、対策、また財政的な措置が既に講じられているところでございます。この法案を成立させていただきました暁には、この法案の中に書かれております諸対策をさらに進めるという意味で従来の対策がさらに拡充充実されていくものと私どもは期待いたしております。また、環境庁みずからは、御承知かと思いますが、環境保全の基金というものを昨年度末につくりまして、その果実でもって各地方自治体が各種の啓発事業、環境保全の推進事業をやれるという形になっております。その中でも、このノースパイクタイヤの社会づくりというものに向けていただくということもメニューとして地方自治体にお願いしている、こういう状況でございます。
#69
○伊東(秀)委員 法案の第四条において、国の責務としまして、スパイクタイヤ粉じん発生防止に関する啓発、知識の普及、それから道路環境の整備、代替タイヤ等の開発の支援、安全運転のための教育、こういった事柄について地方公共団体が実施するスパイクタイヤ粉じん発生防止施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずるように努めなければならないというふうにはっきり明言しているわけですね。これについて具体的にどのようなことを考えているか。今のは余りに抽象的で、ノースパイクタイヤへ向けて基金の中から充てようかという大変茫漠としたものであったので、もう少し具体的に、法案の中にこのようなことを掲げているのであればそれなりの具体策があるというふうに私は考えているのですけれども、その点について御回答をお願いいたします。
#70
○古市政府委員 具体的には、非常に先進的な都道府県、先生がおられました北海道札幌市で各種の事業が行われているわけでございますが、その中の幾つかにつきましては、私どもと相談していろいろ共催なり後援という形でやらさせていただいているものがございますし、またノースパイクの町づくりという指針というものも私どもつくって自治体に配布するということも行っております。それからまた、私どもの直接の事業といたしまして、先ほど申し上げましたが、このスタッドレスになれていただくという意味でスタッドレスタイヤの補助金を出しましてモニターになっていただいて、その人たちの使用の感想を集計する、さらにはその使っていただいた人の体験談の会を開いていただく、そういうふうなことも行っておる次第でございます。それからまた、私どもの直接の関係ではございませんが、各都道府県で冬道の安全運転講習というものもかなり広くやっていただいておりまして、そういうものも先ほど申し上げましたような環境保全の地域基金の中の対象事業として大いにやってください、このように期待しておるわけでございます。
#71
○伊東(秀)委員 これまでの大体の施策については伺ったのですが、この法案が通って以降そういった費用を具体的に増額してさらに予算請求する環境庁の方針であるかどうかについて、あわせて御回答をお願いいたします。
#72
○古市政府委員 現在、来年度予算要求をどういう形でするかというのは、各省庁検討を始めている時期でございますが、私どもは、この法案を通させていただきましたら、環境庁として必要な対策はそういうものに盛り込んで対処していきたいと思っております。各省庁につきましても同様の立場かと思います。
#73
○伊東(秀)委員 そうしましたら、現行よりもより一層増額予算請求するつもりであるというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
#74
○古市政府委員 担当の局といたしましては、当然そういう立場で努力をしていきたいと思っております。
#75
○伊東(秀)委員 次に、両罰規定についてなんですが、今回の法案については、業務上の車両がスパイクタイヤをこの法に違反して着用していた場合に、行為者のみが罰せられる構造になっております。しかし現実に私など雪国に住んでおりまして、一般の個人は、雪道は大変渋滞するので冬になると自家用車の乗用を控える。それでも八百屋さんとかさまざまな業者、あるいはハイヤー、タクシー、それから輸送車といった業務用の車がかなりたくさん走っているわけですね。そして速く走れるようにと業務命令でスパイクタイヤを使わされているのだというような声も聞いたりするわけなんです。となれば、運転手だけを罰するというのは大変おかしいのではないか。業務上の着用であれば、やはりその法人ないしは使用している使用者個人に対しても罰則を適用していくような両罰規定が必要ではなかろうかと考えるわけですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
#76
○古市政府委員 御指摘の両罰規定は、違反行為の内容というものが、従業員の当該違反行為につきまして、通常その業務主が必要な注意を尽くせば防止され得るもの、これに対して設けているという状況でございますが、このスパイクタイヤの場合におきましては、事業のためにスパイクタイヤを使用したといたしましても、本法案の第七条の違反行為と申しますものは、道路の具体的な状況のもとで運転者がみずから判断するということでございまして、乾燥路面等においてスパイクタイヤを使用する、その使用した者が粉じんを発生させるということに対して罰則規定を設けているわけでございますので、事業主に対してまで罰則が及ぶという形は想定していないわけでございます。すなわち、運転者の判断によってそういう状況は避けることができるということなので、運転者の方に罰則がかかってくる規定でございます。
#77
○伊東(秀)委員 法案がそういう構成になっていることはわかるのですけれども、弱い従業員の立場から考えたら、行為者の処罰だけでは実効性がないのじゃないか、やはり人を使用している者あるいは法人に対する罰則の検討はこれまでになかったのかどうか、あるいは今後も含めての御意見を私は伺っているわけでございます。
#78
○古市政府委員 この法律においてそういう形は想定しておりませんけれども、これは先生の方が専門の範囲でございますけれども、そういうようなことが必要な場合には、刑法の総則の共犯という形に基づいて、不当に運転者にそういう状況を強いていたというようなことが明らかになった場合には、この法律によらずともそういう形に対して処罰規定を適用するという道が開けている、このように私ども聞いております。
#79
○伊東(秀)委員 最後に環境庁長官の方にお尋ねいたします。
 先ほどのお答えでも、欧州十五カ国でスパイクタイヤの全面禁止ないしは期間規制を行っている。さらにアメリカの五十州のうち十一州では全面禁止である。私の調べたところによれば、五十州のうち四十二州で全面禁止ないしは期間規制を行っているというふうに聞いているわけでございます。ほかの国々でこのように全廃に向けて非常に現実的な法制度が動き始めておりまして、しかも、安全性については問題がない、むしろ安全性の面よりも道路の損傷の面からスタッドレスの方向、つまりスパイクタイヤの禁止が必要なんだというところまで行っているというようなお答えがあったわけですけれども、今回の法案では、先ほども、警察庁等のブレーキと言うと言い過ぎですけれども、安全性の面からの配慮でこのような指定地域内のスパイクタイヤ禁止の法案になったということでございます。
 とすれば、日本においても、今後のこの法律の実施状況を見て全廃、つまり一律全面スパイクタイヤ使用禁止に向けてこの法案を一定の年限度内で見直しする、そういうような今後の展望についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、御回答をお願い申し上げます。
#80
○北川国務大臣 伊東委員から、スパイクタイヤの法案を審議するに当たりまして、非常にいろいろの角度からの御質問を承りまして、ただいま全面的に禁止の方向がいいんじゃないか、こういう御質問と承るのでございますが、本法案が粉じんを防止するという、環境を悪くし生活にも人的にも被害があるということから見れば、例えば九州でも雪が降りますし、私はその御趣旨がよくわかるのでございますが、現段階におきまして、凍結のきついところ、こういうところを考慮して指定をいたしておりますけれども、私は全国民の皆さんがやはりこれはよくないという認識が全国的に広まっていくという考えを持ちながら、この法案の御審議を願っておる、こういうことでございます。
#81
○伊東(秀)委員 とおっしゃいますと、やはり環境庁としては、全廃の方向で今後も法案の見直し等について努力するというふうに承ってよろしゅうございますでしょうか。長官にお願いいたします。
#82
○古市政府委員 最後に長官が申し上げると思いますが、先ほど申し上げましたように、現在日本のいろいろな地域的な状況、それからまたスパイクタイヤがだんだん減っているという時点で、それを私は一挙に全廃という形は非常に無理だという判断で、これはやはり数年をかけてまた地域的にも広めていくという、地域的、時間的にある運動を展開してそういう脱スパイク社会に向けていくことが一番いいという形で、各省庁の非常な協力、御理解も得て今回の法律ができたということで、今の段階で全廃を云々ということはできないというような中で先ほどからるる説明をさせていただいているという状況でございますので、ちょっと補足させていただきます。
#83
○北川国務大臣 当面、この法案の円滑に着実に施行されていきたい、こんな思いでございます。
#84
○伊東(秀)委員 もう最後になりましたが、今回の法案は、今言ったような大変あいまいな部分の問題点を残している法案ではなかろうか。しかし、法規制が必要であるという意味では、今まで全く各自治体の条例あるいは自粛規制要綱に任されていた状況よりは一歩前進であるというふうに私も考えているわけですが、運用の面で今後の一層の各省庁の熱意と努力が必要ではなかろうか、そういうふうに考える次第でございます。そういう意味で、より実効性のある法の運用に各省庁の努力を一層期待する、そのための予算措置も確実に行ってもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終了させていただきます。
#85
○戸塚委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十六分休憩
     ────◇─────
    午後一時開議
#86
○戸塚委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岡崎トミ子君。
#87
○岡崎(ト)委員 私は日本社会党・護憲共同の岡崎トミ子でございます。宮城一区選出でございます。きょうは初質問ということですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 スパイク粉じんの舞い上がる冬を二十二年間仙台で過ごしてまいりました。スパイク粉じんが生体に影響があるということを言われてから大変久しいわけなんですけれども、冬の間はふだんから大きな道路、車の往来の激しいところはなるべく通らないようなことを心がけている、そういう町でずっと生きてまいりましたので、粉じんの怖さをよく知っているわけなんです。ですから、今回の選挙は投票が二月十八日でございましたから、あの真冬の粉じんの舞い上がる中を、窓を全開にして、そして身を乗り出すような感じで選挙をやってまいりましたが、そのことは大変に苦痛でした。そしてまた、私は立候補の前には放送の現場で働いてまいりましたので、真冬になりまして粉じんが舞い上がるその時期になりますと、放送の中でも積極的に話題にして、脱スパイクタイヤについて訴えてきた者の一人でございます。
 さて今回のスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案、これまで脱スパイクへの道を求めて運動を進めてきた人たちや、スパイクタイヤ全面禁止を願ってきた多くの人たちの反応はどういうものだったかということなんですが、全面禁止の目標からは後退した内容との批判が強くて、この案であるならば成立しない方がいい、そういう声も聞かれました。スパイクの使用を容認する骨抜きである、肉抜き、皮だけの、使用自粛を呼びかけただけの法案ではないかという声が聞かれる一方で、法制化が先決、まずは一歩前進と評価している自治体もございます。
 今度の法案の取りまとめ、相当難航したというふうに伺っておりますけれども、長官といたしましても相当御苦労があったのではないかというふうに思います。長年の課題であった法案提出に至ったことについての感想をまず長官からお伺いしたいと思います。
#88
○北川国務大臣 岡崎委員が地元で選挙の最中もスパイクの粉じんで大変気分がすぐれないながら頑張っていただいたということを今冒頭に質問でお聞きいたしました。この法案が御承知のように前回成立いたさなかった経緯もございますが、今回はどうしても、生活型公害に係る問題でございますし、各省庁の御理解そして御協力を得まして、法案提出になった次第でございます。長年にわたりまするところのスパイクタイヤによる粉じん公害について一歩前進させていただいた、こんな思いでございますので、何とぞ諸先生方の御審議の上に法案が成立して、これがまた国民の皆さんの御理解の上に立っていい形をつくっていただきたい、こんな思いでございます。
#89
○岡崎(ト)委員 法案がまとまるまでに相当時間を要したというふうに伺っておりますけれども、政府内での調整などを、経過を含めまして関係省庁の方にそれぞれお伺いしたいと思います。初めに環境庁の方からお願いしたいと思います。
#90
○古市政府委員 今回の法律が、言ってみますと生活型公害にかかわる問題という非常に新しい立法の領域であったということ、それからまた、粉じんの解決と交通安全確保の問題と同時に対処する必要があったということ、また、既存の法律を含めまして所管する官庁が非常に多かったといぢことがございまして、これらの調整のためにかなりの時間がかかったということでございます。
#91
○岡崎(ト)委員 続いて警察庁の方にもお伺いしたいと思います。
#92
○賀来説明員 警察庁といたしましては、スパイクタイヤの粉じんによる健康被害の防止というのは当然重要な問題だと認識いたしております。そういう面で、スパイクタイヤの使用の規制について健康被害という観点から合理的な規制は必要であろうと思っております。一方、交通事故を所管している官庁といたしまして、年間一万一千ほどの交通事故死者も出ております。雪国である北海道でも日本一の死亡事故ということで交通事故も深刻でございます。この両点がうまく調和されればこの法律はすばらしいものになるのじゃないか、そういう認識をしておるところでございます。
#93
○岡崎(ト)委員 環境立法ということで、私どもでは、事故の問題、安全性の問題も大切かとは思いましたけれども、まずは健康被害ということを重点に考えていかなければいけないということを思っておりましたが、警察庁の場合には健康被害ということよりは事故、安全性の問題に重点を置かれたのではないかと思います。これが本当に全面禁止ではなく地域の指定ということになったのは、警察庁の方が強く安全性の問題について主張されたというふうに伺っておりますけれども、そうですか。
#94
○賀来説明員 私どもは、警察庁の意見と申しますより、国民の皆さんの健康と国民の皆さんの交通上の安全、両者を調和していただくということが国民の皆さんの幸福につながる、そういう認識です。御案内のとおり、交通事故は大きなけがあるいはまた死亡につながる、車の事故によって直ちに発生いたしますし、片方の粉じんの問題は動物等の実験例を見ておりますと大変深刻なことだと、両方認識いたしております。その中でどういう形で調和を保たれたら国民の皆さんのお役に立つだろうかという総合的な観点から、環境庁等関係機関の方々と建設的に話をしてきたところでございます。
#95
○岡崎(ト)委員 今の答弁を伺って大変安心いたしました。これからも安全性の問題については考えていかなければいけないけれども、やはり第一に健康被害がないようにという観点からも警察庁では考えていらっしゃるということですね。
 建設省の方に、やはりどのような点から調整の必要があったか伺いたいと思います。
#96
○藤川説明員 私ども建設省の方では道路の維持管理というのを担当しているわけでございます。そういうことでございますが、スパイクタイヤによる舗装の摩耗の問題がございますし、粉じんによる環境問題、こういうものを解決するためにはやはり使用を規制していくことが必要であると考えているところでございます。ただ、私ども道路の路面の管理を担当しているわけでございますが、道路利用者に安全に通行していただくということが底にあるわけでございまして、私どもとしても、冬期間の路面の管理につきましては、除雪事業あるいは妨害事業、凍雪害防止事業というようないろいろな事業によりまして冬期間の道路交通の確保に努めているところではございますけれども、完全に安全な形での路面状況をつくり出すというのは極めて難しい問題でございます。そういう意味で、私どもとしても路面を良好な状況に保つということには最大限努力していきたいというふうには考えておりますが、例えば新しいタイヤの開発であるとか、いろいろな施策と相まって対応していかなければいけないのではないかと考えているところでございます。
#97
○岡崎(ト)委員 諸外国では道路の問題で、除雪、融雪だけではなくて、本当にでこぼこ道をどういうふうにするのか、わだち掘れをどういうふうにしていくのかということについて随分研究開発も進んでいるようなんですが、これから建設省は外国にも行ってそういう研究をしてみるとか、参考にしてみるとか、そういう努力はなさいますでしょうか。
#98
○藤川説明員 私どもとしても、路面を良好な状態に保たなければならない、今お話がございましたように舗装の耐久性とかわだち掘れ等が生じないような舗装の開発というようなことについては、土木研究所というのがございますけれども、そこで私ども従来からいろいろ研究しているところでございます。当然、今お話がございましたように、外国の方でいろいろ同じような研究がなされておりますが、そういう研究につきましても情報をきちっと収集して、その技術開発に努めているところでございます。
#99
○岡崎(ト)委員 続きまして、各省庁ということで自治省の方にも同じように、どのような点から調整の必要があったか伺いたいと思います。
#100
○山下説明員 自治省でございますが、私ども今回の法案につきましては、ほかの法案の場合もそうでございますけれども、地方あるいは国全体を通じます行政のシステムの中へ、どうやったらこの問題をうまくフィットさせていけるかというふうなことを中心に、いろいろな観点から議論をし、調整をいたしました。
 一つ一つの論点をここで申し述べることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、例えば重要な論点の一つといたしまして、従来からこのスパイクタイヤに取り組んでまいっております地方団体の皆さんからの要望、意見ということの中に、やはり実効性、効果のある仕組みをぜひ法律の中へ盛り込んでもらいたいという非常に強い御意見がございました。具体的に法律ができたといたしますと、その法律を国民の皆さんとの間で運用していく、その第一線の立場というのはやはり地方団体でございますので、そういう第一線の立場から見て、国民の皆さんにも理解を得られ、現実にそれが国民の皆さんの行動に反映されるような、そういう仕組みをつくっていかなければならない、それも早くやらなければならない。そういう観点からいろいろな議論を環境庁の方にも申し上げたし、ほかの省庁ともいろいろ議論をいたしました。その上で今回のような法案がまとまっておるということでございます。
#101
○岡崎(ト)委員 それでは、また自治省の方にお伺いしたいと思いますが、大変雪の多い地方とそうではないスパイクの要らない地方というふうなところで、そういうところの関係、自治体というところと調整をしているときに合意が得られなくて、例えば全面禁止までいくことができなかった、それで自治省は今度の法案に対してどうしても地域指定のようなことで強く働きかけられたということはありませんでしょうか。
#102
○山下説明員 具体の法案の中身を検討する中でどんなことをお互いにやったかということを申し述べるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、今回の法案をごらんいただきましても、実際にスパイクを履かなければならないと思う方々が存在する地域というのは、何も南の鹿児島にはいないわけでございましょうから、やはりそういうそれぞれの地域の地方公共団体の責任ある立場からも判断をして、これはやはりうちの地域では禁止をしていかなければならぬという判断ができるところについては、環境庁と十分いろいろな御相談をされて、必要なところは地域指定化して禁止化されていくというふうな仕組みになっておるわけでございますから、その辺は御理解いただけることと思います。ただ、具体的に地域指定問題が、どこからどの役所が何を言ったというふうなことにつきまして、私どもここで申し述べるのは差し控えさせていただきたいと思います。
#103
○岡崎(ト)委員 では、微妙なそういうやりとりがあったということはあるわけですね。
#104
○山下説明員 一つ一つの論点について申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
#105
○岡崎(ト)委員 つまり私が伺いたかったのは、例えば今九州の方では必要がないだろうというふうにおっしゃいましたけれども、そこは初めから本当に必要がないわけだったら禁止でもいいわけですし、本当に微妙なところで違う意見を述べられた方があったのかな、それを実は確認をしたかったわけですが、それでは結構です。
 それでは通産省の方にお願いします。
#106
○中島説明員 御説明申し上げます。
 通産省といたしましては、タイヤ業界を指導する立場から、これまで公害等調整委員会の調停あるいは関係各方面、市民の方々を含めまして、こういったところの要望に沿いましてスパイクタイヤの生産の削減、あわせまして代替タイヤと言われておりますスタッドレスタイヤのより機能向上あるいはその生産の増強ということで指導をしてまいったわけでございますが、本法案につきましても、究極的にはスパイクタイヤは日本からなくなっていくものだといったスタンスで関係省庁と意見を交換してきた次第でございます。
#107
○岡崎(ト)委員 今の各省庁のお話を伺っておりますと、既におととしの六月の公害調停で事実上スパイクタイヤは全面禁止の流れが決まって、全国の自治体も脱スパイクの方向で基本的に一致している以上、環境庁は、最低限何年か先の全国一律スパイク使用禁止を明確な目標として法案に盛り込んでもよかったのではないか。今のお話をすべて聞いていますと、今すぐでなくても何年か先、そういうふうに明確に盛り込んでもよかったのではないかなというふうに考えられますけれども、いかがでしょうか。
#108
○古市政府委員 かなり先の時点については今の段階では何とも申し上げられませんが、現在地域住民から、また地方自治体から要請されていることは、国のレベルで法律としてまとめるというのが一番急いで行わなければいけないことでございまして、その現段階では、今提案させていただいた法律というのが一番現実的であり、かつ実効が上がる案である、また、これを徹底的に推進していきまして、その後の対策というのはそのときの状況によって考えていく必要があろうかと思っております。
#109
○岡崎(ト)委員 粉じんの問題から安全性の問題から本当はこれまでに出尽くしているところではないかなというふうに私自身は思うのですけれども、そのことを踏まえまして、市民運動の中で大分この問題については取り上げられて、運動してきた側から言うと本当に後退ではないかという意見がありますので、そういう思いも含めて、運動してきた方々の気持ちと、宮城県、仙台では自治体でもどんなふうに行われてきたかについて、ここでちょっと述べてみたいと思います。
 昭和三十七年に初めてヨーロッパからスパイクタイヤが輸入されまして、翌年の三十八年に国産品の販売が始まって、その後徐々に普及していきました。そして昭和五十四年ごろには積雪寒冷地での装着率は相当なものになっていって、そのための粉じん問題がようやく社会問題化するようになりました。
 この問題にいち早く取り組んだのは仙台市と札幌市です。また、両地域の専門家を含む市民グループでした。仙台や札幌でこの道路粉じん問題に対する調査や研究や対策が始まりましたのは昭和五十六、七年ごろからです。仙台市では昭和五十七年二月に「市政だより」で早期履きかえを呼びかけて、三月には市長名でスパイクタイヤの規制を環境庁に要望しています。そして十二月には、東北大学医学部の瀧島教授を委員長とする仙台市道路粉じん健康影響調査専門委員会が発足しまして、スパイクタイヤ粉じんが人体に及ぼす影響について医学的見地からの調査研究に乗り出しました。そして、仙台市ばかりではなく宮城県もこの年の三月には、県政ラジオや広報紙でスパイクタイヤの早側履きかえを呼びかけておりまして、市ぐるみ、県民ぐるみでスパイクタイヤ自粛運動が展開されています。一方札幌市では、この年の三月に車粉公害を考えるシンポジウムも開催されました。このように脱スパイクの啓蒙自粛運動は、昭和五十七年から仙台市や宮城県で始まったと言っていいのではないかと思いますが、それは昭和五十八年以降も年を追うごとにより一層強力に展開されていったわけなんです。
 これまで宮城県など自治体で全面禁止を目指して条例を制定するなどの対策を講じておりますが、この法案では自治体の努力が報われないのではないかというふうに仙台市長も言っております。こういったさまざまの努力を環境庁はどんなふうに評価していらっしゃいますでしょうか。
#110
○古市政府委員 先進的な地域の努力によりまして今日の全国的なノースパイクに向かっての運動が盛り上がってきまして、公害等調整委員会での調停、さらには今回提案させていただいた法案へと結びついているというぐあいに思っております。このような地方自治体での努力が今回の法案では報われないのではないかというような御指摘でございますが、私どもは決してそうは思っておりません。新聞等を通して、法案がこれまでの先進的な自治体の条例よりも後退しているというような御指摘がございますが、この法案、また今後の実施状況等を正確に御理解していただければ、脱スパイクへ向かっての大きな流れというものが今回の法律で飛躍的に進むもの、私どもはこのよ
うに思っております。
#111
○岡崎(ト)委員 さて、この法案を見てみますと、第三条に「国民の責務」があります。環境庁は同時に、指定地域以外の一般地域はスパイクタイヤの使用を認めています。そしてバス、トラック用は最大限三年間は適用除外としています。さらに積雪凍結路はスパイクタイヤ使用を認めています。そして緊急車両、これもスパイクタイヤ使用を認めると、四重にもわたってスパイクタイヤを認める場合を明記しておりますけれども、これは「国民の責務」というこの条項とやや矛盾しているのではないかという思いがあります。ギャップが大き過ぎて、この法は一体どちらを向いているのかということで、宮城県、仙台の市民の人たちはちょっと迷っているという状況なのですね。四重の縛りで規制されていない面があるものですから、一体どの方向を向いているのか余り明確ではないなというふうにこれを読んだときに感じたのですけれども。
#112
○古市政府委員 今回の法案は、その目的を第一条に記しておりますが、「この法律は、スパイクタイヤの使用を規制し、及びスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する対策を実施すること等により、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止し、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。」このように明確に目的を述べて、そのための施策を各条で記しているということでございます。
 先ほど、何点かにつきまして、期待に反するのではないか、除外規定が非常に多いのではないかという御指摘でございますが、それぞれにつきましてはその理由があるわけでございます。ここで何点か説明させていただきますと、先進的な宮城県、仙台市さらには札幌市、北海道の条例におきましても、先生御承知のように、冬の期間のスパイクタイヤの禁止というものはできていないわけでございまして、一定期間は自粛という形でやっています。そのことが、先進県であれ全面的な禁止がいかに難しかったかの一つの証左ではないか。それに引きかえまして今回の法律は、国民の大きなスパイクの全面的な禁止に向けて、少なくとも乾燥路面にあっては十二月、一月、二月であってもそれは違法行為になるという方向を定めたわけでございます。そういう方向を規定してこれからのスパイクタイヤ問題への国の姿勢を示した、こういう形で、私はこの点では大いに進んでいるのではなかろうかと思っております。
#113
○岡崎(ト)委員 その答えが得られて、非常に前向きであるということの確証を得られたようには思います。
 さて、スパイクタイヤの粉じんの問題ですが、積雪寒冷地全体の問題の粉じん発生状況というのは調査がなされておりますよね。ただしこれは、私も調査の結果を見ておりますけれども、調査場所というのは点であるというふうに私は思うのですね。これが線にも面にもなっていない調査ではないかなというふうにも思うのですけれども、いかがでしょうか。
#114
○古市政府委員 現在スパイクタイヤ粉じんを測定いたします方法は二種類でございまして、一つは比較的大きな粒子の降下量をはかる降下ばいじんの測定法、もう一つは十ミクロン以下の直径の物質を吸引してはかる浮遊粒子状物質の測定、この二つでございますが、おおむねいろいろな数字が発表されておりますのは、降下ばいじん量が一カ月一平方キロメートルに何トン、何十トン降下したかという数字が出ているわけでございます。幾つか数がございますが、私どもは各種のデータから約二百五十測定点のデータを解析して先般報告を出したわけでございますが、これは全国の話でございまして、市によりましては数十、少ないところでは測定点が市町村単位で一カ所しかない、そういうところは確かにございますが、だからといって正確ではないというぐあいに申せませんで、交通量の多いところの道路沿線、さらには沿線から何メートル入ったところという形で、なるべく全体が評価できるようにと心がけているわけでございます。
#115
○岡崎(ト)委員 私は仙台の厳しい状況の中で生活をしてまいりましたので、粉じんの量が大変なものであるというふうに冬が来るたびに思い続けてきた者なんですけれども、このスパイクタイヤ、五十三、四、五年ごろに小さなピークを迎えて、五十九年あたりが最高のピークではなかったかなと思います。過去十五、六年以上スパイクタイヤの粉じんを吸い続けている人もいるわけで、その中で子供たちそしてお年寄りにいろいろな健康被害が出ていることが心配されております。
 「粉じん被害者の人権」ということでここに一つの市民運動の人たちの結果が出ているのがありますので、ちょっと報告をさせていただきたいと思いますけれども、打ち込まれているびょうが削られたことによって生ずる鉄とかチタンとかアルミニウム等の金属、アスファルトを形成する珪素やタールが含まれているわけです。これは肺に吸入されて蓄積されていきます。仙台市の道路粉じん健康影響調査専門委員会は、昭和六十一年六月に、三年間にわたる調査結果を道路粉じん健康影響調査報告書にまとめて発表しました。その分析結果から見て、粉じんにはじん肺の原因となる遊離珪酸が高率に含まれていて、それを長い間吸入していることによってじん肺症への発症進展を強く示唆する。今日じん肺症に肺がん合併率の高いこと、道路粉じんには各種の発がん物質が含まれていることから、肺がんも考慮されなければならない。一方で、これはお医者さんなんですけれども、二十七年間にわたってじん肺患者の診療に当たってきた吉野さんという旭労災病院の副院長は、その記録を「じん肺読本」という著書に発表してきましたけれども、その中でも、発生するけい肺にも重い軽いがあって、高濃度の粉じんを多量に吸入した場合には、粉じん暴露期間がわずか一年でも急進型けい肺と言われる最重症けい肺になる。そしてその病気にかかった後は極めて不良な状態になって、年齢でいいますと五十歳を超す者はまれであるというふうに言っております。スパイクタイヤが普及し始めてもう十五年になると言われておりますけれども、その間ずっとスパイク粉じんを吸い続けてきた積雪寒冷地の住民の肺は一体どんなふうになっているだろうか。それから、量が少ないからといって軽いというふうにもなかなか言い切ることができないと言われているわけなんです。
 そうしますと、地域指定ということでこれを持っていこうという法案になっておりますけれども、本当にそれでいいのかどうなのか。少ない地域に対しては調査結果が出ておりませんので、これで安心だということはなかなか言い切ることができないのじゃないかという心配が私にはございますが、いかがでしょうか。例えばそういう調査結果をそちらの方では入手して持っていらっしゃるかどうか、お伺いします。
#116
○古市政府委員 スパイクタイヤ粉じんの成分分析をした幾つかの報告がございますが、御指摘のようにスパイクタイヤ粉じんの成分といたしまして、遊離珪酸が約一五%含まれていた、そのほかにアルミニウム、カルシウム、鉄、そのような金属成分、また舗装路面から来るアスファルト由来の有機成分等が含まれている、このような報告がございます。
 今御指摘の、遊離珪酸からもたらされるじん肺の心配についてはどうかということでございますが、このスパイクタイヤ粉じんによりまして人にじん肺が発生したという報告は現在のところございません。環境庁が行いました動物の長期暴露実験におきましても、じん肺は発生しませんでした。したがって、スパイクタイヤ粉じんでじん肺になる程度を推定するのは現在のところできないと思います。
 ただ、このじん肺というものは、御指摘のように、遊離珪酸を中心とする粉じんを長期間吸収する、また短期間でもかなり高濃度を吸収するということで起こる可能性が非常に高くなるわけでございます。そういうことから、私どもの環境庁の暴露実験によりましてもこれは決して好ましいことではないという報告にはなっております。そういうことで、今後スパイクタイヤ粉じんを抑えて住民がじん肺になるおそれがどんどん減ってくる、今のような状況でなる危険性はありませんけれども、好ましいものではないので抑えていこうということになっております。
#117
○岡崎(ト)委員 今、長年粉じんを吸入することによって肺に生じるということについて、しかしじん肺ということはまだ出ていないということをおっしゃっているわけなのですが、なかなかスパイクの粉じんを吸ったことによってそういうふうになったということについては、確かに、病院に行って明らかにされた、そういう結果は出ていない、データもないようなのですけれども、いつしかむしばまれることがあるということをお医者さんが言っておりますので、そのことは私も強く皆さんに知っていただきたいと思っています。
 そして、長年、長野県や東北六県あるいは北海道の積雪寒冷地でそれを吸い続けてきた人は、この粉じんをいつまで吸ったらどういうふうになってしまうのだろうという不安を抱きながら生活をしていて、それは人類史上恐るべき人体実験の一つではないかみたいなことを市民運動の人の中には言う人もいるわけなのです。そして、例えば東京などのように雪が降らないようなところでも随分スパイクタイヤを履いてトラックやバスや普通の車も走っているようなのですけれども、やはり少しであっても人体に蓄積されていくということになりますと、東京などは多分指定地域にならないと思うのですが、それでもやはり子供やお年寄りにはそういう影響がまだあるのだ、その結果もきちんとしたものは出ていないということも含めますと、たとえ粉じん量が少なくとも問題があると私は考えたいと思っております。
   〔委員長退席、佐藤(謙)委員長代理着席〕
 さて、また条文の方に戻りたいと思いますけれども、例えば「国民の責務」とうたって、第三条の国民の努力義務は空文ではないだろうかという意見がございます。例えばシートベルトの問題なのですが、後部座席でシートベルトの着用の努力義務というのが道路交通法七十一条の二、三項にありますけれども、タクシーに乗ってシートベルトを着用しているのを私は見たことがないのです。ですから、制裁なき立法は空文ではないかということを私は言いたいわけなんです。例えば運転席、助手席は昭和六十一年十一月一日から違反に点数の制裁が加えられました。そして運転手さんの場合に、制裁前の昭和六十一年九月末で着用率は五三%だったものが、制裁を加えられて三日後の昭和六十一年十一月四日の調査では着用率が八九%と三五%上がっているわけなんです。
 そういたしますと、制裁のないものについて努力義務といって国民の責務と言って、確かに啓蒙をしていく、教育をしていくということが前提なのでしょうけれども、この以前の例から見ましても、なかなかそこのところはうまくいかないのではないか。このシートベルトでしかりですから、安全運転に不安を持つ人あるいは頑固派にとっては規制がない場合にはなお期待が薄いと思うのですけれども、いかがでしょうか。警察の方にも伺いたいと思います。
#118
○古市政府委員 今回の法案では国民の責務というのは非常に重視しておりまして、この御協力をお願いするということになっておりますが、ただその背景には、公害等調整委員会の方で、今年の十二月末で大手七メーカー、これが供給の九二、三%を占めておりますが、生産を中止して、年を越した三月三十一日で販売も禁止するというところで供給源がまずなくなるというのが一つございます。それから地方自治体の運動がございます。この法律によりまして国民の責務という形で御協力いただく。さらには地域指定というもので罰則規定ができる、こういうものがすべて総合的に実行されまして、シートベルトと比較をされたわけでございますが、私どもはこの法律を施行することによって実効が上がる、このように考えておるわけでございます。
#119
○岡崎(ト)委員 仙台弁護士会で意識調査を行いまして、脱スパイクを理解するドライバーはもう既にスタッドレスになっておりますが、スパイク安全の信仰派は禁止になるまでしたいということを言っているわけなんです。つまり禁止条項がなければ、努力義務ということで国民の責務と言っているのでは無力に近いと言わざるを得ないのですが、それでもやはり自信がおありかどうか。自信が持てる決定的な材料というのはその禁止になるというだけでは、絶対にスパイクでなければいけないという人は履き続けるのではないかという意識調査が、実は仙台では出ているわけなんですけれども。
#120
○古市政府委員 私どもがこの線でやれるという自信を一つ持っておりますのは、先生がお住まいになった仙台市の実績を見て、これでやれるという一つの確信を持っておるわけでございます。現在ほかの地区でもスパイクタイヤの装着率は徐々に低下しておりますけれども、これがここ数年で劇的に下がってきたのは仙台市でございます。私の記憶では装着率はたしか既に二〇%前後、あるいは二〇%を切った状態の数字が出ているのではないか。そういうことから、条例だけれどもそこまで頑張った、その上に国の法律と一緒にこの事業を行えば、全体として仙台の先進的なレベルまで全国的に進んでいくのではなかろうか、このように考えております。
#121
○岡崎(ト)委員 あくまでも努力義務というところで、最後まで皆さんにはお願いしたいというところで、完全に決定的に大丈夫だというふうにはなれないように私も思うのです。でも、指定をしていただくことによってそれが可能ではないかというふうにも思います。
 さて、指定地域の導入についてお伺いしたいと思いますが、第五条の中に「環境庁長官は、住居が集合している地域その他の地域であって、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるものを、指定地域として指定しなければならない。」と書いてあります。この「生活環境を保全することが特に必要である」というこの「特に」の意味なんですけれども、相当の健康被害や生活環境の悪化地域以外は指定しないということになるその「特に」なのか。第一条に大変高邁な精神を掲げておりますけれども、こういうふうに設けることによってそのこととちょっと矛盾をするのではないかと思います。環境庁は地域別の健康被害のデータがあるか、ないのにこういう指定ができるのか、環境庁は地域別の粉じん量のデータがあるのかというふうにも思うのですけれども。
#122
○古市政府委員 今御指摘の指定地域というものは、その地域の中でスパイクタイヤを乾燥路面において使用した場合には使用を禁止して罰則がかかるのが指定地域でございまして、その前にこの法律は、日本全国でもって、国民の責務それからまた国・地方自治体の行政機関の努力によって、全体的にスパイクタイヤの使用をなくしましょうと全体の網がかかった上でその指定地域においては、とこうなるわけでございまして、その指定地域において直接の罰則をかけるということはかなり厳しいものでございますので、それに相応するような粉じんの被害それからまた生活上の影響があるところに限ってやろうという意味で「特に」とこうかけたわけでございます。その前提として、日本全国どこにおいてもスパイクタイヤは禁止していきましょう、使った以上は多かれ少なかれ粉じんが出るわけでございますからそういう規定があって、さらに必要なところは罰則規定を設けた地域をやろうということになっているわけでございます。そういう意味で「特に」という表現、これは法律上よく使われる言葉でございますが、そういう規定になっておるわけでございます。
#123
○岡崎(ト)委員 どこで線引きするか、その合理的な客観的な基準を見つけるのはなかなか難しいことではないかなと思いますけれども、「特に」というのは法律上よく使われる言葉ということで、多くの地域が指定されていけば、広い地域に指定の網がかかっていけば本当にいいなというふうに思います。
 ところで、指定地域の手続、第五条に書いてありますけれども、市町村長の意見を聞いて知事が申し出ることができる、それから、「国家公安委員会その他関係行政機関の長に協議する」というふうになっておりますけれども、これまでの環境庁の素案ですとこの国家公安委員会とかは入ってきていなかったわけなんですが、関係六省庁が入ることによって指定が極めて困難になりはしないかどうか、その辺の心配はないでしょうか。これまでの法案作成の過程で警察とか自治省とか例えば少し消極的な意見を言ったところでは、なかなかそういう合意は得られない、協議が不調になってしまうという心配がないかどうかということをちょっと伺いたいと思います。
#124
○古市政府委員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの御質問に答弁落ちがございまして失礼いたしました。地域を決める際に環境庁の方で測定した降下ばいじん量を把握しているのかどうかというお尋ねがございました。この地域指定に当たりましては、いわゆる健康影響、生活環境影響がどの程度あるかということ、それからまた現に降下ばいじん量また浮遊粉じん量がどの程度あるか、また過去にどの程度あったか、今後放置すればどの程度になるおそれがあるか、そういうものを現在持っている測定値からある程度地方自治体と一緒に協議できる態勢にはございます。それからまた、自動車交通量、こういうものを勘案して指定地域を決めるときの参考にいたしたい、こういうことでございます。
 それから、ただいまの御質問でございますが、環境庁長官が指定地域を決めます前に関係の行政機関とも協議をさせていただくという形になっております。先ほど先生各省庁にお尋ねになりましたように、これは法の執行上からもそれぞれの所管また既存の法律に関係するところが多うございますので、そういう面からも広く見ていただきまして、総合的に各種の施策をしていくのにふさわしい、また決めた以上は各省庁所管の対策も充実していただくという意味からも協議を行うという形にしておりますので、これでもって法の実効が上がらないという懸念はないものと思っております。
   〔佐藤(謙)委員長代理退席、委員長着席〕
#125
○岡崎(ト)委員 自信を持ったお答えで安心いたしましたけれども、もし協議が不調で調わなかったということになればやはり環境庁の見識、指導力が問われることになりますが、それは大丈夫ですね。
#126
○古市政府委員 今回この法案を提出させていただきましたのも、環境庁専管の法律になっておりますが、政府関係省庁で時間がかかり過ぎたと御指摘を受けるほど十分の時間をもって協議した結果でございますので、この円滑な実行には各省庁とも、環境庁も努力して実効が上げられるものと思っております。
#127
○岡崎(ト)委員 客観的、合理的基準に基づく指定が必要であって、協議で動くようでは困ると私自身は思ったので、一言つけ加えさせていただきました。
 さて、第七条に「指定地域内の路面にセメント・コンクリート舗装又はアスファルト・コンクリート舗装が施されている道路の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)において、スパイクタイヤの使用をしてはならない。ただし、消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車に係るスパイクタイヤの使用については、この限りでない。」というふうにありまして、指定地域内の乾燥、湿潤道路での使用禁止を言っておりますけれども、これですと、凍結路は法律で認めるということになります。私は宮城県に住んでおりまして、仙台という地域は、隣の山形県から関山トンネルを越えてあの雪国から仙台に来ると乾燥になっているという状態が大変に多いわけなのです。そういう混在道路の場合に取り締まりの実効性があるのだろうかどうか、ドライバーが非常に混乱しはしないかどうかという心配がありますけれども、いかがですか。
#128
○古市政府委員 宮城県が条例を適用されます場合に、現在の段階では県内の方々の御協力は非常に高い程度にまでいっていて、これに違反する者は大半が県外からの流入者である、こういうお話を伺っております。今回の法律によりますと、例えば仙台市や宮城県の幾つかの町村がこの指定地域になった場合に、福島、山形から乗り入れてきた県外者もこの罰則規定の適用を受けるという形になってくるわけでございます。また、仙台市なり宮城県の幾つかの市町村がこの指定地域であるという形を、十分な期間がございますから東北地方のドライバーの方々に周知徹底した上で、それを承知でそこに行こうといった方はあらかじめスタッドレスを履いて出かけるという形になりまして、現在宮城県が条例のもとに行われておることがこの法律によって一層強化されるのではなかろうかと思います。
#129
○岡崎(ト)委員 そういうことで、山形県もそして宮城県も、雪の多いところは全部指定されれば問題はないだろうなというふうには思います。
 ところで、伊東議員も反則金のことについて触れておりましたけれども、私自身は罰金というのがどうしても前科――この表現はどうかと思いますけれども、前科者になってしまうという心配がありまして、直罰をかけて前科者をつくることがこの法案の臼的ではないと思っておりますので、罰則がかかります平成四年四月一日までに、国民に対して十分啓発、知識の普及をすべきであると考えるわけなんです。私先ほどちょっと聞き漏らしてしまいましたが、反則金制度というのを一応考えたのでしたね。考えたけれども、罰則金というふうになったのでしたね。済みませんが、もう一度確認をさせてください。
#130
○古市政府委員 道路交通法によります交通反則通告制度に基づいて反則金を取るという制度がスピード違反その他で用いられているわけでございますが、これはかなりの量の違反事件がございまして、これに対応するために簡易迅速な処理が必要というところから用いられているというように伺っておりますが、このスパイクタイヤの場合には、このような道路交通違反の事案と異なりまして、先ほどから何度か申し上げますように、法の執行される直罰規定が働くまでの間かなりの期間がございまして、これによる国民、住民運動を展開していくのでそう違反事例が多くなるということは考えておりません。そういうことから、十分の期間をかけて周知徹底し、さらにその違反した行為が地域の人たちに対する粉じん被害をもたらす、健康影響を及ぼすということを考えますと、直罰は決して不当なものではない、このように考えているわけでございます。そういうことから、反則金制度によらずに、直罰規定によってこの法律を構成しているということでございます。
#131
○岡崎(ト)委員 さて、これは伊東議員も触れたことではありましたが、昭和六十三年六月、スパイクタイヤの製造販売が一切中止されることになる調停が成立いたしましたが、そのスパイクタイヤの全面的廃止に向けて、この調停成立ははかり知れない意味を持っていることは確かでございます。スパイクタイヤの九八%を供給してきた国内の大手タイヤメーカー七社が、平成二年、ことしの十二月末日限りでその製造をやめて、来年の三月末日限りで販売をすべて中止するというのは、ほとんどこの脱スパイクの体制は決まったというふうに私は思ったわけなんですが、国内メーカーがスパイクタイヤの製造、販売を中止しても、スパイクタイヤが延命してしまう余地が残っているというところが今後の課題ではないかというふうに思います。販売中止以前に購入されたスパイクタイヤ、また輸入によるスパイクタイヤをどういうふうにするのかというのがまだ問題として残るのではないかと思いますが、その辺はどんなふうに対処なさいますでしょうか。
#132
○古市政府委員 タイヤの製造、販売、輸入の所管は、これは通産省の方になろうかと思いますが、私どもといたしましては、公害等調整委員会の調停の結果、ことしの年末で製造禁止、来年の三月三十一日で販売禁止になるということが脱スパイクに向かっての一つ大きなステップになろうかと思います。その後この中小メーカーのスパイクタイヤの製造、販売、さらにはその輸入品というものがどうなるのか、私どもは、これのシェアが逆にふえてきてその大きな流れに抗するような結果になってはいけない、協力した者がばかを見るというようなことがあってはいけないということで、この時期に法律を制定して国の方針も国民の方々に明らかに知っていただこうという趣旨があったわけでございます。
#133
○岡崎(ト)委員 では、通産省の方にも伺っておきたいと思います。
#134
○中島説明員 御説明いたします。
 大手七社のメーカーにつきましては先ほど来申し上げたとおりでございまして、中小メーカーにつきましても私ども個別に同機の趣旨で生産の自粛、これについて要請しております。また輸入業者につきましても、大手の個々の輸入業者を呼びまして、輸入の禁止といった方向で協力要請をしております。
#135
○岡崎(ト)委員 恐れ入りますが、その協力要請ということでチェックということになるのでしょうか。
#136
○中島説明員 協力要請ということで輸入業者の方もこれを遵守するということで、私ども、輸入業者からそういった約束を取りつけております。
#137
○岡崎(ト)委員 七大メーカーがせっかく販売中止、製造中止をいたしましても、今度はその取り締まりの網の目をくぐってやみのタイヤも出てくるのではないかという心配があるというふうに思っているメーカーもいるようなんですけれども、その点については大丈夫でしょうか。私も素人ですので輸入タイヤの取り締まりについてよくわからないので、よろしくお願いします。詳しく教えてください。
#138
○中島説明員 御説明いたします。
 現時点では明確なことは申し上げられませんが、今後ともスパイクタイヤの出回り方について十分ウオッチしていきたいというふうに考えております。
#139
○岡崎(ト)委員 大変物足りない答えでございますけれども、仕方がないと思います。それ以上には、やみが出回るときにどんなふうにするのかを素人の普通の国民であってもわかるように説明をしていただきたかったわけなんですけれども、だめですね。明快にひとつよろしくお願いします。
#140
○中島説明員 御説明いたします。
 国内メーカーにつきまして、七社以外につきましても自粛するということで、これから先の点につきましては十分ウオッチいたしますが、これまでは関係メーカーが自粛するといったことで、私ども明快な約束をしているということでございます。
#141
○岡崎(ト)委員 ちょっと少し話が戻るかもしれませんが、メーカーが生産、販売中止をしてもスパイクタイヤの需要がなくならない以上はだれが供給すべきものと政府は判断しているか。やはり輸入品を使えばよいというふうに考えているのかどうなのか。つまり、全面禁止ではないということでやはり使う人が出てくるわけなのですけれども、その場合、メーカーはこれも販売、生産中止をしますよね、しかし、需要はなくならないという場合には、一体どういうタイヤを使うのかということになりますが。
#142
○古市政府委員 この法律を成立させていただきまして施行に入りますと、文字どおり長官が指定した地域では使えなくなる、これは乗用車タイプのタイヤでございます。それから、一定以上の重量の大型車につきましては、現在の開発状況から見て三年間以内の猶予を持ってこの線に一緒に入ってきていただく、こうなっております。それ以後はその指定地域では使えないわけでございますから、それ以外の雪の深い山間僻地で指定地域でないところで使用されているという形になれば、この法律の直罰規定にはかからないわけでございます。
 ただ、今先生が御指摘になったところで、私どもも少々自己矛盾するな、こう思っていることがございまして、この規定の中に一定の緊急的な車両というものには除外規定がございます。また、身体障害者等でチェーンの着脱が困難な車両というのに認められる規定がございます。それで、全面的に製造禁止、輸入禁止と全部やってしまいますと、国内で既存のタイヤにピンを打って使うということしかできないということもございます。現在そういうことを総合的に勘案いたしますと、大口の供給がなくなってきて、また、一〇%以下の中小メーカー、輸入というところが自粛でなくなっていく、しかし、社会的に容認されている、法律的にも抵触しないという部分についての供給というのは何らかの形である、こういうのが一定の期間一番いい状況ではなかろうか、このように考えております。
#143
○岡崎(ト)委員 とにかく何かすっきりしないような形で私は心配がまだ残るわけなんですけれども、将来、やはり輸入タイヤの心配が今の答弁を聞いたところでも私はまだ少し残されている状態ですので、通産省においても、また環境庁においても、警察庁においても、いろいろなチェックをきちんとしていくことによってやみタイヤが取引をされない、あるいはそういうことによってメーカー側のところでいろいろなトラブルを起こさない、そういうようなことについて目を光らせていただきたいというふうに思います。
 さて、基本的な考え方として私は、毎年出されております政府の環境白書の中で、国内では快適な環境の形成を毎年書いております。国際的には環境の重要性の認識、環境外交を展開しているわけですけれども、そういう中で、この法案は国際的には少しどころか大幅に冷笑されるものではないかというふうに思わざるを得ないのです。先進国においてはほとんどがもうスパイクタイヤは使用されていないという状況、そしてやはり健康の問題がまず第一ということを考えますと、文化国家としても見識がないというふうにみなされるのではないか、公害調停にも逆行しているということも含めて、環境庁長官のお考えを伺いたいと思います。
#144
○北川国務大臣 岡崎委員のスパイクタイヤ禁止に関してのいろいろの問題の中で、世界的に日本の法律は、甘いと言うと変でございますが、ではないかというふうににおわしい御指摘を受けたのでありますが、日本は非常に山間が多く、道路の勾配もきつうございますし、そういういろいろな点において特別のことを今度勘案いたしましてお願いをしているような次第でございますが、そういう点は外国と日本の法の受け方も違いますが、法はやはり厳しくして、そしてその法を理解して、そしてその法を守っていただくということが一番大事じゃないか、こんな思いをしておりますが、この法案を出しました以上は、御心配になっているいろいろな点も踏まえましてこれが円滑に実施されていきたい、こういう思いを私は抱いております。
#145
○岡崎(ト)委員 今外国のことを持ち出しましたのは、カナダではスパイクタイヤ使用に関する問題は少なくとも二十年間出ていない。一九六三年以来スパイクタイヤは使用されておりませんが、高度な技術によって一九七〇年の初めにオールシーズン用タイヤが流行し始めまして、一九七〇年にはアメリカやカナダやスウェーデンで始められた研究は、スパイクタイヤにはわずかな利点しかないことを証明して、このことがオンタリオ州やアメリカの六つの州でのスパイクタイヤ使用禁止へとつながっていったわけです。カナダの州やアメリカのそのほかの州ではスパイクタイヤの使用は厳しく規制されておりますし、多くの製造業者や市民はそのような規制に反対していますが、スパイクタイヤは交通事故をわずか〇・五%しか減少させていないということが証明されて使わない状況になっている。外国と日本のあれは少し違うのだといいましても、外国では冬期事故は減少しているという状況もはっきりとしておりますし、やはり事故は運転者の態度の重要性、そして慎重な運転が必要かなというふうに思うわけなのですが、国際的な感覚ということで、環境は日本だけ
のことではないということを考えますと、やはり先進国並みにこの点についてもなってほしいなという思いが私にはございます。
 さて、法律というのは大部分の国民に守られることが必要ではないかと思いますが、国民の健康に重大な影響がある事実は守らせることが国の使命ではないかと思います。これは多数決の問題ではないと思うのですが、これまでにも制限時速の問題とか駐車禁止の問題で守られていない法律がございます。守られない法律ではやはりだめだと思います。守るべき法規範を国民に示して、国の政策の方向を明示することが大切だと思います。使用禁止よりも販売禁止が抜本的であるというふうに思うのですけれども、私の意見として、守られるように、守らせることが国の使命として、決して多数決の問題ではないということを一つ触れておきたいと思います。
 それから、車というのは、移動するときに大変に広域の区間を移動することになります。ですから、自治体が独自の条例で規制すれば、内容の異なる条例になって社会的混乱を招くということがありますけれども、地域差とかそういうことにおいて、まずは条例で規制すべしということに関してどうか。山間部は規制が不要だというけれどもそれはどうか。広い区間を移動する場合、山間部のドライバーは四WDとスタッドレスタイヤを使用して、スパイクタイヤは不要です。それから、気象条件で雪質の違いは少しありますけれども、そういう場合には広い区間を走っていきますので、そのことについては一体どんなふうなのか。反対のための例外を主張するにすぎないのではないか。狭い国土、多い自動車、一つ統一的に国の方針が必要ではないかと思いますけれども、そのことについてはいかがでしょうか。
#146
○古市政府委員 今お話しいただいたような点からこの法案が作成されたという経緯がございます。それまでの間に、長官が申しましたように、日本の場合には地形がいろいろな状況にあって、山間部が多い、道が細い、勾配がきつい、そういう県によってまちまちでございます。それからまた、雪の質が日本海側と太平洋側と違う。そういうところから、都道府県によってこれまでの取り組み方に差があったというように私は理解しておりますし、その結果が要綱だけでいっているところ、条例までいって強力に推進運動を行っているところ、こう出たわけでございます。そういうことで、先ほど、一つの市、一つの県だけで行っておっても、その地域全体でのアンバランスになる、よそからの乗り入れに規制がなかなか及ばないというようなこともございましたので、国全体での考え方を示して、この線に沿ってノースパイクに向かって運動を進めたい、御指摘のように条例を踏まえて、地域の要望からこの法案を作成したということかと思います。
#147
○岡崎(ト)委員 スタッドレスタイャの著しい性能の向上と、トラックのスタッドレス開発の見通しができたということと、元来これはスパイクの装着率が低いわけなのですが、粉じん防止の意識も少し国民にも浸透している。四WDやアンチロックブレーキ車、そして着脱の簡単なチェーンなど、さまざまな代替手段ができて、規制の社会的基盤はできたように私は思いますけれども、その方向でいきますと、将来は全面禁止の方向に持っていくということをぜひ附則に入れていただきたいと思うわけなんですが、全面禁止という点においての見直しはいかがですか。
#148
○北川国務大臣 委員の御質問の中に、重ねて全面禁止という点について見直すかどうかということでございますが、現段階におきましては、この法案を通していただきますならば、円滑に各地域においてこの法案のとおりに守ってこれが実施されていきたい、私はこういう願いを込めておりますし、将来の点につきましては、その都度の考え方がまた出てくると思いますけれども、現段階においては一日も早くこれが国民になじんで、スパイクタイヤは使わないとみんなが思ってくれることがどの地域にもそれが使われないことになっていく、こういう思いをしております。
#149
○岡崎(ト)委員 済みません、長官。この「国民の責務」ということも含めて、啓蒙ということも教育ということも含めて、具体的に御自身は長官としてどんなことをなさりたいとお考えですか。
#150
○北川国務大臣 私は、新聞、ニュースその他で、道路を白い何とも言えない煙を吹き上げて行っておるのを見たときに、こういう無法というか無差別というかむちゃなことはよくない、早く法で規制して、こういうことが行われないようにしてほしいということを思っておりました。
#151
○岡崎(ト)委員 長官は大変お疲れの様子が見られておりまして、この間の生活難排水の水質の汚濁の問題といい今回といい、ずっとそちらにいらっしゃって、予算委員会とでなかなか大変ではないかというふうに思っております。――一分間ぐらい、どうぞ。行っていらしてください。
 本当に私は、長官がもし仙台で一冬でもお過ごしになったら、もっと積極的にいろいろなところにPRに出かけていくという、長官としての個人的なことが何かあってもよいかなというふうに思ったのです。私は仙台の中に住んでおりまして、例えば子供たちが粉じんの中を夕方うちに帰っていく姿を見たり、あるいは果物屋さんの店先とか八百屋さんの店先、そこでほこりをかぶっている野菜を一生懸命ほうきでたたいている姿ですとか、あるいはドライバーの方が、タクシーの運転手さんですけれども、その方が、マスクだけでは間に合わなくてマスクをぬらして運転をしている。しかも、よく乗ったときに話しかけることに、この窓を見てください、うっすらとほこりがかぶっているでしょう。そして、このワイシャツを見てください、真っ白いワイシャツが薄汚れた感じになっているでしょうと、背広に直接当たって隠れたところとそうでないところを見せて、粉じんが一生懸命窓をぎっちり閉め切ったとしても中に入ってくる、そして日常的に吸い込んでいる、そういう姿を見てまいりました。日常的にその粉じんをもう本当に吸い続けている、そういう苦労を知っておりまして、それは人ごとではなく、私自身もそういうふうなわけだったのですけれども、本当に冗談ではなく息を凝らしてみることがある、ちょっと息をとめてみたくなることがある、そんなことがあるような状態なんです。
 ですから、きょうは伊東議員も先ほどお話をいたしておりましたが、これは一歩前進なのである、この法案ができたことによってやはり脱スパイク社会を目指していくということにおいては私も同じ意見を持っている者なのですけれども、それが本当にもっとどんどん地域が広がっていって、本当に完全に脱スパイク、全面禁止の方向に何とかして行ってほしいというふうに私は思います。ついこの間の日米構造協議というところでも、日本社会は消費者ベースの社会ではなくて、要するに生産者ベースといいましょうか、一般の市民レベルの思想が十分でないのではないかという指摘が大きな話になっておりましたけれども、これからの車社会を考えていく上で一体だれが犠牲になるのか、だれがその代価を払っていくのかということをもっともっと私たちは考えていかなければいけないなというふうに思うわけなんです。そして、スパイクタイヤをやめてスタッドレスタイヤになればいいんだというふうな問題だけではなくて、どこか、運転をしている人たち自身が少しスピードを落とす、少し便利さを我慢する、少し経済的な効率を落としてでも守らなければいけないということについて考えていきたい。そういうところで、本当に脱スパイクが実効性のあるものになるようにいろんなところで私自身も訴えていきたいというふうに考えております。
 長官に最後にちょっとお話を伺いたかったのですけれども、いつでも長官に伺うことは、その御決意はということになってしまいますけれども、いらっしゃいませんし、多分全面的にいろんなところで活躍をしてくださるだろうということを信じて……
#152
○古市政府委員 長官用の答弁を代読させていただきます。
 この法案を御審議していただきまして、その後私どもはこの法案を核といたしまして、国民と行政とが一体となって、スパイクタイヤ粉じんのない社会を最終的な実現目標として努力を続けてまいりたいと思うわけでございます。
 そのために、まずスパイクタイヤ粉じんの問題を解決するのに必要かつ十分な地域を指定地域として指定することが重要であり、本法案が可決後、地域の実情や意向を十分踏まえ、指定のための作業に入りたいと考えております。
 また、本法案では、全国的に脱スパイクタイヤを進めていくことが求められておりまして、環境庁として、関係行政機関や地方自治体と連携しつつ、国民に対する啓発、知識の普及を行うほか、関連の諸対策を推進し、スパイクタイヤ粉じんの問題の解決に全力を挙げてまいりたいと存じております。
#153
○岡崎(ト)委員 以上で私の質問は終わらせていただきます。
 長官、最後に一言おっしゃってくださいますか。
#154
○北川国務大臣 ただいま局長が御答弁申し上げたその趣旨を体しまして、前向きで頑張ってまいります。
#155
○岡崎(ト)委員 そうですか、それでは、これまで悩んできた長野や札幌や仙台、たとえ粉じんの少ないところでも、その社会を目指すということを基本にして、長官それから関係省庁の皆さんにも本当に心からよろしくお願いしたいと思います。これが本当に実効のあるものになることを心から願っています。よろしくお願いします。
#156
○戸塚委員長 戸田菊雄君。
#157
○戸田委員 まず最初に、本法案作成に当たって長官が中央公害対策審議会に諮問をいたしましたね。長官としては、骨格、精神はスパイクタイヤは原則禁止、こういう考えで中央公害対策審議会に諮問をしたと聞いておりますが、その精神の流れは今回の法案形成に位置づけられておりましょうか、その点の見解をひとつ。
#158
○北川国務大臣 この法案の提出に当たって審議会に諮問をいたした次第でございます。
 そのことについてのただいまの戸田委員の御質問でございますが、審議会の答申をいただきまして直ちに法案に着手させたような次第でございます。これを法案に持っていくためには、その過程はいろいろございましたが、今日のこの法案として出したことに御理解を賜りまして御審議賜ればありがたいと思っております。
#159
○戸田委員 それからもう一点は、この法案の扱い方について確かめておきたいと思うのですが、本文八条、附則四条、こういうことで構成をされていますね。その中で政令事項、これは重要な、例えば五条それから七条、大分政令に委託するところがあるわけでありますが、本来なら政令も含めて提案をしてくる方が非常に審議しやすいのですね。ところが、それがない。まあ法案形成のいろいろな御苦労はわかりますから、その点は多といたしますが、本法案ができて、そしてこれから種々の手法をもってやっていかれるわけでありますから、結果的にそういうものが決まったらこれは国会に報告していただきたいと思います。その法案の扱い方、いかがでしょう。
#160
○古市政府委員 突然の御質問で、ちょっと私どう答えるのが正確なのかわかりませんが、先生方に御審議いただいてこの法案が通過いたしました暁には、早急に詰めまして何らかの形で先生方には御報告いたしたいと思っております。
#161
○戸田委員 それからもう一つ確かめておきたいのは、第二条「定義」、この中の五項ですが、「この法律において「道路」とは、」云々とこうありまして「第二条第九項」、こうなっていますね。私も交通六法をずっとひもといてみましたけれども、九項というのは現行六法にないのです、これは六十二年版ですから。だから、これは恐らくこれから運輸委員会で道路法の改正、そういうものによって九項というものが成立するのですね。そういう見解でいいですか。後にきまして附則第二条「経過措置」の中で「第二条第五項中「第二条第九項」とあるのは、「第二条第八項」とする。」だから現行の交通六法、当該事項の八項、新しく改正で九項ができるということですね。そういう理解でいいですか。
#162
○古市政府委員 先生の御指摘のとおりかと思います。
#163
○戸田委員 それでは本題を質問してまいりたいと思います。
 いずれにしても今回の法案形成というものは、根底に健康、生活環境への悪影響、こういうものが――今までの各議員の発言でもいろいろありました。仙台の状況、札幌の状況あるいは長野の状況、各地のそういうものがありますが、仙台の場合、東北大学医学部の瀧島教授が市民の肺磁界量調査、こういうものをやりまして、その結果、市民の肺磁界の異常値、こういうものが認められている。それから肺内に道路粉じんが蓄積されている。気道障害、気管支ぜんそく症状、こういうものが出現をいたしまして、各種じん肺疾患、様肺病変、これがだんだんこう進んでいきますと結果的にはじん肺症、このじん肺症になりますと現下の医学では治療の方法がないというのです。もう死に至るだけだ、こういう状況なんですね。こういう被害、公害をまき散らしておりますのが現下でありますから、何にも増して人間の生命、健康、こういうものは優先されるべきだと思います。したがって、保護法益の角度で本案が成立をしていくことを私は希望するわけでございますが、そういう点について、この現状を長官は一体どう御判断なさっているのか。
#164
○北川国務大臣 戸田委員の、この法案を御審議願うに当たって、じん肺症、いろいろなことを御指摘なさっての御質問を受けますと、委員のこの法案について今日国会に出すまでの御努力に対しまして、当事者として深く感謝を申し上げる次第でございます。
 また、御指摘があり、御承知のようにこれは長期的な健康に対する影響が大きゅうございますので、やはり一日も早く、特に粉じんのきつい、札幌、仙台等を含めてきつい地域については施行されて、当事者が、車を運転している人がスパイクタイヤをもう使用しない、そのかわりにこういうふうに新しいスタッドレスタイヤというのができておるわけでございますので、一日も早くそういう健康被害がなくなるように深く希望しておる一人でございます。
#165
○戸田委員 一番主要点は、私は第五条の地域指定だと思うのですね。この地域指定をやる場合の基準ですね。それと地域指定市町村の線引き、この具体的なものがわかれば、これからということになりましょうが、おおむね想定しているそういった地域的なものかわかればちょっとお示しを願いたいと思います。
#166
○古市政府委員 一つの目安として検討していくことに予定しておりますのは、まずスパイクタイヤ粉じんによるその地域の住民の健康影響、生活環境影響についての具体的事例、どの程度の影響が出ているのか。これは数多くの報告がございます。それから、降ってくる降下ばいじんの量、さらにはその道路における交通量、またスパイクタイヤの装着率、これらの状況につきまして個々の市町村ごとに詳細に検討していくことにしております。
 指定されます範囲といたしましては、スパイクタイヤ粉じん問題に関係する自治体として積雪寒冷地域を抱えます道府県によるスパイクタイヤ対策行政連絡協議会というのがございますが、これに参加している二十三道府県、同じく市でノースパイク都市づくり推進協議会というものがございまして、これに参加している百九十の市がございますが、これらの市からの要請も非常に多かったということで、こういうような地域の中からその周辺市町村を加味して指定というものが考えられていくのじゃなかろうかと思います。
#167
○戸田委員 使用容認地域、こういうものをあくまで例外として限定しないと、今の局長が言われた降ばいじんの量、それだけの基準では不十分だと私は思うのですね。今、車の台数は六千万を超えているんですから、とにかく一家庭当たり二台くらい持っているのがざらなんですから、そういう状況で大変な需要、それが全国走っているわけです。ですから、地域だけ指定をしても完全にスパイクはなくならない、粉じん公害はなくならない、そういう状況になると思いますね。スパイクを履いて走れば、山間地帯であろうが道路損耗その他、それから粉じんをまき散らすのです。それは量からいけば少ないかもしれませんけれども、その粉じんが飛び散るときには道路の破片、こういった針のようなものが飛び散るのですね。そういうものが小さいものほど、子供さんとか、あるいは動物でもそうですね、猫とか犬とかこういうものがいっぱいやられるのですね。それはもう東北大学の瀧島教授の中で検証済みなんです。そういうのがスパイクの粉じん公害なんですから、たまたま山間僻地を走っていって子供さんが来ると、やはり道路摩耗その他で粉じんを量は少ないかもしらぬけれども散らしていく。それは山間僻地であろうと道路を走っているわけですから、そういうものを本当に厳密に防止をしていくためには、単に地域指定だけでは不十分ではないだろうか。ですから、私は四年前にこの法案を出したときに、いろいろ関係者の皆さん、研究者その他十分検討して、その結果、スパイクタイヤそのものの装着の禁止をしていかない限り、今長官が言われるように原則禁止、こういった体系で法案対処ができないか、その辺は一体どうお考えですか。
#168
○古市政府委員 この法案におきましては、スパイクタイヤ粉じんを全国一律に発生しないように努めるべきであるとする国民の責務規定を設けておりまして、私どもは原則禁止の方向を打ち出している法案である、このように考えております。ただし、スパイクタイヤ粉じん問題のさらに一層確実な解決を図らなかったら、健康影響、生活影響が特にひどい、こういう地域につきましては、一般的な脱スパイクへの運動ということだけでなくて、その地域内においては罰則を適用するというさらに厳しい規定が置かれている、そういうことでございます。
 それから、この地域指定に際しましては、先生御指摘のように、第五条の中で「環境庁長官は、住居が集合している地域その他の地域であって、」ということで、その市街地と隣接する市町村においても、道路の広域性、車の流通の広域性等も考えて、それが生活上、健康上影響があるという地域があるならば総合的、広域的に指定するという形もできるという道も開いているわけでございます。
#169
○戸田委員 地域指定、これは環境庁長官の指定するもの、それから知事が申し出によって申し出たもの、この二つだと私はこの法案から理解している。その理解は間違いないですね。
#170
○古市政府委員 御指摘のような法案の構成になっておりますが、最終的には環境庁長官が指定するという行為が一つでございます。その中に、意見を聞いてこちらが決める場合と、自治体の方からの申し出という行為があってやるというルートがございますが、最終的に環境庁長官が決めるという一つでございます。
#171
○戸田委員 都道府県知事がこういうものが必要ですよということで申し出をした、長官が考える基準に合わない、そういうことで却下する場合ありますか。
#172
○北川国務大臣 委員の非常にそういう点を御心配になっての御質問であると思っておりますので、そういう地方自治体からの要望があった場合、それはおろそかにしてはいけませんから、十分に検討しながら、その意思に沿うようにやはり法案をつくっていかなきゃいかぬ、こう思っております。
#173
○戸田委員 私も法案を見まして、非常に念には念を入れているな、こう考えました。長官が指定するときは、国家公安委員会、それから都道府県知事の意見聴取、関係行政の長等々と協議をして最終的に公報公示、そして決めていきます、こういう手順ですね。その上に立って、さらに都道府県知事がこういうものはしてくださいと言えば、これが長官に上がってきて最終的に指定する。だから、その点では非常に丁寧にやられていると思います。
 そこで問題は、今までちょっと触れられておりましたが、二十三都道府県、百二十市町村、これ見ておりますと、大体、北海道、東北、それから信越、中部、北陸、こうなんですね。これらの関係の皆さんは、各種協議会をつくって鋭意首長会議その他やりまして、何とか全面禁止してください、こういうことになるのですね。要請も来ていると思います、そのほか幾つかの要望事項がありますけれども。だから、これらの地域は既に確定されるもの、こう理解していいんですね。
#174
○古市政府委員 二十三道府県と、私どもの方では古九十市がノースパイク都市づくりの協議会に参画している、こう思っておりますが、先生御指摘のように、非常にそういう地域からの要請がございまして、それを受けてできた法案でございますから、そういうところを中心に都道府県、また市町村からの意思の表明というものが出されてくる、このように思っております。
#175
○戸田委員 それから、この第七条の消防車と救急車、これは一応政令条項として除外をいたします、その他の車についてはこれから政令で決めます、こうなっていますね。大体どういうものが想定されましょうo
#176
○古市政府委員 このスパイクタイヤ粉じん問題の解決のために指定地域でスパイクタイヤの使用を禁止するわけでございますが、このときの除外規定に書いてありますものは、政令で定めるものとして私ども直ちに思い浮かぶのが、身体障害者等チェーンの脱着に困難を来す方、そういう方の場合には除外という形が考えられるのではなかろうか。それからまた、法律の中に具体的に書いてあります車の種類は、いわゆる緊急自動車と道路交通法の方で総称されているものでございまして、幾つか例を挙げますと、犯罪捜査、交通取り締まりその他警察の職務の遂行に使用するもの、それから保存血液の応急運搬に要するもの、それから医療機関の角膜、腎臓等の移植に関する法律により応急運搬する自動車、こういうものがこの法律の中で緊急自動車と書かれておりまして、それらと、それから今申し上げましたような身体障害者が用いる車について政令で定める、こういうようなことになろうかと思っておりますが、さらにこの点につきましては関係省庁とも検討させていただきたいと思っております。
#177
○戸田委員 運輸省は来ておられると思いますが、今のような車に該当する常時運行されているような車はありましょうか。それから自治省も来ていると思いますが……
#178
○高重説明員 鉄道を担当しておりますが、鉄道におきましては、鉄道用の応急自動車としまして、鉄道の事故等が発生したときの復旧作業とかあるいは危険防止のための応急作業に使う車がございますが、これらにつきましては、公益性、公共性が高いということで、道交法の緊急自動車の指定も受けております。こういう車につきましては、先ほども環境庁からも御答弁ありましたように、この法令の政令に定めるものに適合するものではないか、こういうふうに考えております。
#179
○山下説明員 私どもの関係では、このスパイク法そのものの中に消防用自動車、救急用自動車、火を消す自動車と人を助ける自動車でございますが、これが書いてございます。ほかに具体的に消防用自動車といいましてもいろいろなケースがあろうかと思いますので、これから先政令の中で決めていただくときに具体的にさらにどういうふうに詰めていくか、これにつきましては、環境庁のお考えをまず聞かしていただきながら今後詰めさせていただければと思っておる次第でございます。
#180
○戸田委員 現下指定をした消防車、救急車等で事足りる、こういうことですか、自治省。
   〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
#181
○山下説明員 この法案そのものに消防用自動車ともう明確に書いてございますから、まずこれに当てはまるものは法律そのもので例外的にスパイクを履かしていただくというふうなことが可能である車の中に入り得るわけでございますが、ほかに、消防用自動車という範疇で、実際にいろいろなところで事故が起きたり火事が起きたりという場合に、例えば、これまた具体的にちょっと環境庁さんといろいろ詰めて議論しなきゃいけないのですけれども、自分たちで持っているような自動車があったりもするわけでございますので、そういったものをどう考えていけばいいのか、そういったことを含めて十分に議論していかなければならない、政令段階でいろいろ考えを聞かしていただきながら詰めていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
#182
○戸田委員 それから、第七条ですね、いわゆる積雪、凍結、この道路は禁止が除外されているのですね。いわゆるスパイクをはいてもよろしいですよ、こうなりますね。
#183
○古市政府委員 御指摘を受ければそうなんですが、私どもの気持ちは、積雪、凍結ではスパイクはいいのですよというのが法律の趣旨ではない、こう関係者に絶えず申しておるわけでございまして、法律の第一条では、ノースパイクに向かっていくんだ、積雪、凍結のところでは指定地域の中であっても一応罰則はかからない、こういうことでありまして、みんなでなくしましょうというのは、それは国民運動としてこの法律の精神はそうでありますということでございます。
#184
○戸田委員 第七条はスパイクタイヤの使用の禁止でしょう。第七条「道路の積雪又は凍結の状態にない部分」、これは使用してならないというのですから、積雪、凍結の部分はこれはよろしいですよ、こうなんではないですか。
#185
○古市政府委員 この七条は、その後の八条の罰則規定との連動というものが働くところなので先ほどそのように申し上げたわけでございまして、したがって、そうおっしゃられればそのとおりなのですが、どうもそれだけ言葉で出ますと、雪が積もっていたらいいのですね、こういうのが私どもの本旨ではない、こういうことをちょっと言わせていただいたわけでございます。
#186
○戸田委員 法解釈からいけばそのように受け取るでしょう。そうすると、結局積雪、凍結、この道路は除外ですよ、こうなりますね。素直に読んでこれは当然でしょう。こうなりますと、先ほど指定地域の二十三都道府県、それから百二十の市町村、こういった北海道、東北、信越、中部、北陸、これは全部冬期間は積雪もありますし、凍結もしますよ。これは全部スパイクを装着していいですよ、これはこういうことになりかねませんよ。そういうことになれば、その凍結、積雪の判断は一体だれがやるのか、非常に難しいところでしょう。しかし、この地域は全部積雪、凍結、冬は必ずやられますから、宮城県だって全部凍結しますから、そういうことになるとこの法案の効力というものは非常に薄れたものになってしまうのですね。それから、地域指定でもし仮に東北でもって青森県の八戸なら八戸がこれは指定されませんということになると、これは装着して走ってきていいのですから、ただし、罰則問題ですから、指定地域になったところでこれは外さなくてはいけないですね。これも容易なことじゃないのですね。ですから、そういうことからいけばやはり道路、車で規制するのが一番この法案の趣旨に忠実ではないのかというふうに私は考えるのですよ。だから、そうなると法案修正ということになりますが、ですから、そういうことを含めて合理性を持つ一つの地域指定というものをやっていきませんと非常な混乱が起きるのではないだろうかというふうに考えますが、その解釈は間違っていませんか、そうじゃないのですか。
#187
○北川国務大臣 委員の重ねての第七条を引用しての、各地域のこれが円滑なる運営によって粉じんを起こさないということは原則でございますので、今法的にそのことを指摘されますと、そういう点の危惧は私は生じてくるであろうと思いますが、何といいましても、この法案を初めて御審議願って、でき上がったならば、各人の自動車を運転なさる方がその常識の範囲、つまり、車を運転する方にはいろいろなマナーというものがございますが、これは警察庁も関係しますけれども、その点を大いに交通法の中に生かしてもらうような方法も考えておかなくてはいかない、こんな思いも私はいたしておる次第でございます。
#188
○古市政府委員 先生の御質問に関連いたしまして、私が積雪寒冷のところではいいのだなとこうおっしゃったところにいささか抵抗をしておりますのは、第一条も法の目的がそうでございますし、第三条で国民の責務、それから第四条で国及び地方公共団体の責務といたしまして、これは「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めるとともに、」こういうことで、日本じゅうでスパイクタイヤ粉じんをなくしていくことに努めましょう、これが全国にかかっていることでございます。
 ところで、先ほどからよく問題になりますように、このスパイクタイヤ粉じんの防止の法案がなかなかこういう形にならなかったというのは、交通の安全性の確保、それからまた、余りにもスパイクタイヤの使用が早急に普及し過ぎて、九〇%の方が装着しているというような実態になって、その方々にある程度の利便性の低下というものをもたらす、こういう状況の中でスパイクタイヤを廃止′していこう、こういうことになっているわけでございますので、そこで一律禁止というのもいささか無理がある、こういうことでございました。
 そういうことで、今先生が御懸念になりました点を、ちょっと長くなりますが少し申させていただきますと、本法案の目的から、粉じんの発生しない積雪または凍結の状態にある路面でスパイクタイヤの使用を禁止するということはしていないわけでございます。そこにおいては、雪が積もっている以上は粉じんを発生しないという法理論の上から、それまで禁止するというのはこの法の目的からちょっと成り立たない。また観念的には、スパイクタイヤを装着した自動車がしたがいまして積雪または凍結の状態にある道路のみを走行するという形も僻地の方であり得るわけでございますが、そういうときには法文上の全面禁止の対象にはならない。なお、実際には自動車が積雪または凍結の状態にある道路のみを走行するという形はほとんどあり得ませんで、ところどころ市街地で乾燥地に来てまた積雪地に入るというようなことでございます。こういう周囲の状況から、走行しようとする道路の路面状況というものは、そこの積雪の状況はある程度予見可能でございます。したがって、路面の状況に応じてスパイクタイヤをその都度着脱するという形は実態上極めて困難でございますから、このように問題の多い地区においてこれを禁止しておけば、自動車の公益性から、本条に違反しないためにはもう指定地域内を走行しようとする際にはあらかじめスパイクタイヤを外してスタッドレスでいっていないとその人の車の公益的な活動ができない、こういうことでございまして、全体的にやめていこう、また、地域によって禁止することがほかのところはいいですよ、こういうことを強調するのではなくて、ほかのところでも移動が制限されますよ、こういうことになろうかと思います。
#189
○戸田委員 局長の言われることもよくわかるのです。わかるのですが、法案の各条文を点検しますと、どうしても矛盾が出てくるのですよ。第一条目的等では、原則禁止とぴちっと言っている。第四条もそうだ。第七条に来ますと、これは今のような条項がついてしまっているから、これをなくさないと、結局それは除外ですからつけていいということになりますよ。そうすれば、今の二十三都道府県はこれは全部入ってよろしいですよということになりかねない、地域指定しても。こういう条件が出てくればそういうことになります。だから、これは整合性を欠きますから後刻検討していただいて、この点は十分検討していただきたいと思いますね。
 それからもう一つは、車の規制でなくて地域指定でいっているのですから、そういうことになりますと、虫食いのように地域指定が抜かれたところがある。そうすると、ドライバーに対して先ほど言ったような不便さが伴ってくる。履いてきて脱いで、そしてまた履いてということになりかねない。そういうことの煩わしさを排除するためには全地域指定でいかないと、効力は出てこないと思うのです。だから、等々の問題について整合性を持つような形で見直しを検討していただきたい、このように考えます。
#190
○古市政府委員 ただいま申し上げましたように、第七条で地域を決めてその中で使用を禁止し、また罰則規定と連動していると申しますのは、今回の法律の目的が粉じん被害を発生させないというところから起こっているわけでございまして、そういうことから、積雪寒冷が常態的なところにおいてスパイクが舗装道路と接触しないというところまで罰則規定と連動する使用禁止というものをつくるのは、今回の法律が環境立法の見地からやった範囲内では構成上無理があるという形で、この規制の必要の範囲内でこの規制の範囲を定めているというようなことでございます。ここは先生に御指摘されましたとおり問題が非常に多いところでございまして、昨年の国会に向けて法案を出そうとしたときにはいわゆる全面禁止というようなことでやってみたわけでございますが、それでは実態に合った法律がなかなかうまくできないという形があってこの形に落ちついたわけで、私どもとしては十分検討させていただいたので、その結果できましたので、さらに検討というのはもうこれ以上知恵が出ないという段階でございます。
 それから、全地域を指定するというのも、先ほど申し上げましたように、法が環境立法の立場から粉じん被害を防止するというところから、山間僻地でずっと雪が深く積もっているというところにまで罰則つきの使用禁止というのはかけられないというようなことでございます。
#191
○戸田委員 積雪または凍結の状態にない部分、これはスパイクタイヤの装着その他については原則禁止なんだ、だからこういうことはあり得ない、除外するようなことはない、こういう解釈でいくのですね。どうしてもこれが残るのです、こういう条文ですと除外せざるを得なくなるのですから。
#192
○古市政府委員 先生の御趣旨をちょっと理解できなかったものですから、もう一度教えていただきたいと思いますが……
#193
○戸田委員 今指摘した七条の条項は、裏返しとして、結果的にスパイクタイヤを履いてもいいですよということになりましょう。「何人も、指定地域内の路面にセメント・コンクリート舗装又はアスファルト・コンクリート舗装が施されている道路の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)において、スパイクタイヤの使用をしてはならない。」こういうのですから、積雪、凍結は履いてもいいですよということになりましょう。そうなれば一条、二条の法案の精神からいって整合性がないのじゃないでしょうか。そして、なおかつこういうものが外されるということになって履かなくてもいいということになるなら、今言った二十三都道府県の地域指定をやったって何の効果もない、こういうことになりませんかと言うのです。
#194
○北川国務大臣 委員の重ねての御質問でございまして、今おっしゃられると逆説的にそういう見解を持たざるを得ないのじゃないかと思いますが、その前の第三条からずっと何人もスパイクタイヤを使用することは禁じておる、このことを優先的に考えていただきたいということが一つございますのと、こうして法案を出しましたので、法律といえどもこれは神ならぬ身のすべてが万全とは言えませんが、一応この法律を御審議願って、これを施行、実際に行わせていただきたい、こういう思いをいたしておりますので、この点をよろしく御理解していただきたいと思っております。
#195
○古市政府委員 私どもは、先生お尋ねの七条というのは、これと次の八条「前条の規定に違反した者は、十万円以下の罰金に処する。」この二つがセットということでございまして、罰則のかかる禁止地区はこういうところですよ、こういうことでございます。
#196
○戸田委員 局長、それじゃどうもつながらないのです。いいですか、全面的にこれがなければいいのです。「何人も、指定地域内の路面にセメント・コンクリート舗装又はアスファルト・コンクリート舗装が施されている道路の積雪又は凍結の状態にない部分」、それが括弧の部分以外のところで「使用をしてはならない。」こういうのでしょう。これが入っているということは、これはいいですよという除外規定じゃないですか。これが八条の罰則につながるのかつながらないか、そういう解釈になりませんか。だから、この条文は要らないと私は思うのです。一条、二条とずっと追ってきて、整合性を欠くのではないかと思うのです。そう解釈するのは誤りですか。こういう条件でないところで使用をしてはならないということですから、この条件のものは使用してもいいということになるのでしょう。そうなりませんか。
#197
○古市政府委員 たびたび恐縮でございますが、繰り返させていただきますが、今回スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律を出させていただきました経過は、先ほど申し上げましたようにいろいろな方策があるのではなかろうか。一つは、公害の調停委員会で先生御承知のような調停ができて販売面からメーカーが自粛する、また、法的強制力を持った調停が成り立ったという一つの大きな前進がございますし、地方自治体が条例でもって対応するというのも一つの方法でございましたが、国で法律でもって全国一律的に進むべき方向を示せという要望が非常に強かったわけでございます。
 そこで、冒頭申し上げたかと思いますが、六十一年には社会党の議員の先生方から法案が出された、また、自民党でもいろいろ研究した、そういう経緯を踏まえまして、昨年の国会で全面禁止の方でできないかということでやった結果、それは難しいという形で今日の法律に至ったということでございまして、そういう全体の背景から、この一条から二条、三条といったところで全体の責務を書きまして、しかしそれだけでは担保できないので、特に指定する地域においてはもう罰則をかけないといけないのではないかということでその罰則規定をつくった。そうすると、それに対する地域を決めなかったらいけないというので地域を指定することにした、その地域の中でも、雪が降っていてそこに来た場合に粉じんが起こらないという実態がございますので、したがって、地域の中でも積雪、凍結は除いたというような構成になっているわけでございます。
 先生がお話しになるように、七条のそこから押してこられますとなかなか説明しにくいわけでございますが、全体の経緯から言いますとそういう構成になって、私どもは、これはおかしくない、御理解いただけるのではないかと思っております。
#198
○戸田委員 私は、そういう点で地域の虫食いの問題とか今のように一部積雪、凍結した道路については履いてもよろしいですということで例外条件を認めていきますと、一条、二条の言う法案の精神に極めて整合性を持たないことになる。ですから、かつて宮城県が条例を制定したときには期間でもって規制したわけです。十二月から三月までは装着してもよろしいですよ、そういう期間による規制の仕方だったわけです。しかし、それでは粉じん公害を防止できない。それからもう一つは、県だけではだめですよ、もう広域道路で走っているのですから。仙台を通過するのが三〇%、それが全部スパイクタイヤでやってくるのですから、これも一県単位、地域ではとても効率は上がりません。そういうことで、国に一本化して今回のような法律をつくってもらわなければ、点や線ではだめです、こういう結果、地方から多く要請が来たと思うのです。だから、そういう点を含めて、これでいきますと結局、期間で県条例でやったように実質的には凍結、積雪のときには履いてもいいということになれば、今までの状況では十二月以降四月までは無条件で、そういう結果になってしまうのです。それではだめなんだとい
うことです。ただ、局長が今まで言うように、これは八条の関連でそういう状況なんだ、罰則適用の前提なんだ、これは罰金の対象にしないんだよということで、それだけでいくんだというなら、しようがないから私もこの場合はそれで理解をするしかないと思う。精神は一条、四条その他でぴっちりしていますよ、それは全面禁止に向けてこれからやっていきますよということだから、ではそれならいいです。ただ、こういう条件があると、今言ったような県条例で制定した期間を実質的には容認することになってしまうのですから、それでは本当の粉じん公害防止はできない、こういうことですから、その点だけです。
#199
○古市政府委員 結論から申しますと、それは容認することにならない、一歩前進だ、このように思います。積雪、凍結のところも三条の責務というのは全部かかるというのが一つございます。それから、七条について先生の御不審の点がございますが、この点は、先進的な宮城県仙台におきましても、また札幌、北海道におきましても、一番問題になる十二月、一月、二月を規制できていないわけであります。そして国に法律をつくってくれと持ちかけられて、今度できた法律が非常に緩い、底抜けだと言われるのは私は非常に不審なのでございまして、これは仙台や北海道におきましても、十二月、一月、二月も雪が降っていない以上は規制がかかる、地元でできなかったことを国の法律で今度はやる、こうやったわけでございます。そこで考えてみますと、あれだけ先進的な地域においても、その一番大事な冬期間を除外しておいて、粉じん量も一月、二月非常に高くなっている、暖冬で雪がございませんから。それに対策が打てなかった、そこを今度は一歩進んで打ったわけでございます。そのかわりと申してはなんでございますが、地域を決めて、雪が降っているところは粉じんが起こらないからいいですよという形にしないと、これはまことに厳し過ぎるという形になろうかと思います。そういうことで、法の構成から先生御不審がおありかもしれませんが、私どもは、現在の条例よりもずっと進んだ対策で国の方向は示したものだ、このように思っております。
#200
○戸田委員 その前段は私もまさに、これまで法案をつくって努力した、これは全く感謝しているのですよ。だから何とかこの法案はとにかく成立をさせて、そして一歩前進をしたい、その精神においては変わりないのです。ただ、個々的にこれを見ると、今のような整合性に欠ける点がありますから、これは後刻、再度整合性を持つように点検をしてもらうということで、要望しておきます。
 それからもう一つは、公害調停でスパイクタイヤの販売、製造は禁止ということで約束できましたね。そういうことになると、これはスパイクタイヤを来年からつくらないのですから、いや応なしに履きたくても履けなくなるのですね。もちろん、貿易関係があるじゃないか、こうなりますから、その貿易関係については輸入を抑制するという方向でいってもらわないと困ると思います。だから、こういうことになれば必然的にスパイクタイヤを装着した車の運行を全面的に禁止する、結果的にはこういうことにならざるを得ないのじゃないか。この調停については業界も賛意を表しているのですから、これは通産省来ておられると思いますが、その業界の見解はいかがですか。
#201
○中島説明員 御説明いたします。
 公害等調整委員会の調停に基づきまして、今大手タイヤ七社は、ことしの十二月を目途にスパイクタイヤの生産を中止する方向、来年の三月をめどに出荷を停止する方向で進めております。
#202
○戸田委員 ブリヂストンタイヤを初め大手七社ありますが、これらの皆さんは全部了解しているのですね。
#203
○中島説明員 了解しております。
#204
○戸田委員 等々の問題で来ますから、それで指摘をしたような輸入抑制ですね。これは環境庁としても通産省としても当然今後の対応としてはそういう方向で臨まれると思いますが、これを無数に輸入で仕入れて国内市場でもって販売されたら効果がないですからね。だから、そういう点については通産省としても窓口で抑制はしていきますね。
#205
○北川国務大臣 委員の御心配になる御質問でございますので、私から答弁すると出過ぎた答弁になっては後々問題が起きてはいかぬと思いますけれども、調停事項、今通産省の御答弁申し上げましたように平成二年十二月でこの製造を中止する、そして平成三年の三月末限りで販売を中止するという調停事項ができておるのに輸入をさすようなことでは日本としては好ましくない、こう思っておりますので、これはないように関係各方面に積極的にこのことをぴしっと形づけなくちゃいけない、こういう思いをいたしておりますので、よろしくお願いいたします。
#206
○中島説明員 御説明いたします。
 ただいま環境庁長官がお話ししたとおりでございまして、私ども、個々の関係輸入業者に対しましてスパイクタイヤの輸入を自粛するよう要請しております。
#207
○戸田委員 ぴしっと言ってください。
#208
○中島説明員 では繰り返します。
 スパイクタイヤの輸入につきましては、これを禁止する方向で、個別ごとに輸入業者に対して自粛という方向で指導しております。
#209
○戸田委員 私心配するのは、日本の大手タイヤ業界が多国籍企業でそっちこっち行っているのですよ。だから、国内では製造、販売禁止を言っても、需要があれば幾らでもまた計画できるのですよ。それはドイツとかフィンランドとかスウェーデン等は、全面禁止だから製造その他やっていませんよ。アメリカあたりでも、州だけれども、やっていませんが、しかし日本の業界は外に行っていろいろやっているところがあるのですから。指摘しろと言われれば幾らでもあるのです。だから、そういう点で輸入を抑制しませんと、国内だけでこういう取り決めをやっても効果が全然上がらぬということになるものですから、その点ひとつ通産省の方でぴしっとしてください。
#210
○中島説明員 御説明いたします。
 現状では、輸入業者個々につきまして輸入の自粛ということで要請しております。今後引き続きスパイクタイヤの動向について十分点検をいたしまして、その動向を見守っていきたい、かように考えております。
#211
○戸田委員 見守るじゃだめなんですね。それはもうぴしっと、環境長官のように方針をぴしっとしていただいて、通産大臣もそういう姿勢に立ってもらわないと、せっかく国内でここまで努力してきて、製造、販売その他禁止してもだめですから。だから私は、むしろ販売、製造禁止、これは独自立法で別な法律を通産省から出してもらいたいと思う。それは職業の自由選択ということはあるかもしらぬけれども、それを上回る人間の生命、健康にかかわる問題ですから、これは違法の阻却でもって上回った法律ができると思う。独自立法、ひとつ製造、販売禁止だというようなものをびしっとしてもらいたいと思うのです。そういう点はどうですか。
#212
○中島説明員 御説明いたします。
 本法案の成立、それからその動向を見ながら対応していきたいと思います。
#213
○戸田委員 よく伝えてください。後で行きます。
 それでは時間もありませんので急ぎますが、一つは、いろいろな地域指定その他ありまして、もしこれがどうやるか決まって、装着、使用禁止のところ、禁止でないところ、これは必ず出てくるわけですから、そういった場合に、宮城県とか仙台とか中間に位置しているところは通過量が物すごく多いのですよ。三割くらいあるのですね、走行車両数の。だから恐らく何万でしょう。そういうものがずっとありますから、地域指定のときによほどそれを考慮していただきませんと効果が上がらぬということになりますが、同時にこれは罰金対象ですから、警察庁で来ておられると思いますが、この取り締まり方法等について、なかなかこれは面倒くさいんじゃないかと思うのですね。だからその辺は克服をして頑張ってもらわなければいけませんが、何も罰金十万円取ることがあれじゃありませんからなにですが、これは罰金が十万円以下となっているのですね。そうすると、自由裁量があって、あるときは、今の交通違反のようにスピードのときは何ぼ、あるいは駐車違反のときは何ぼと、段階的に罰金を科するようなことになるのではないか。さっき保全局長は道交法で言ういわゆる反則金というようなことの意味合いもちょっと言われておったようでしたが、いずれにしてもそれは罰金として取る。しかしこれは、罰金ということに正式になりますと、明らかに一般公務員の人がやったら前科者ですな。等々、身分上の問題でもいろいろありますから、その辺は道交法でいって、こっちは罰金だけれども実質取るときにはうまく何か段階的に取れるというような方式を含めて検討されていましょうか。
#214
○賀来説明員 御答弁申し上げます。
 先ほど来、この法律の目的につきまして環境庁からもお答えがありましたが、この法律の趣旨は、先生も御案内のとおり、罰するのが本来の目的ではなくて、スパイクタイヤの粉じんからの健康被害をいかに防止するか、そういう基本的な理念がございます。国民の多くの皆さんの自発的な努力を基本的に期待しておりますし、また、行政機関のあらゆる施策、警察といたしましても、道路関係者あるいは地方自治体等の方とも連絡いたしまして、違法状態が生じないような道路交通情報、積雪の状況とかそういうようなものを標示できるように、あるいはこういう時代でございますのでカーラジオ等に情報が提供できるように、また関係の施策によりまして、いわゆる着脱場の設置とかもろもろの条件が今後整備されることがこの法律の円滑なる運用につながるものであろうかと思います。
 取り締まりについてでございますが、やはり十万円以下の罰金ということで、刑罰に触れる行為がもし行われましたらそういう犯罪になるので、慎重に対処をしなければならぬわけでございます。しかしながら、これが最終的に適用されるのは平成四年ということでございますので、それまでの間に相当なる環境準備、ただいま御指摘のございましたように、禁止されるのであればできるだけ本来の望ましいタイヤの整備だとか環境の整備とかいろいろございますし、また我々といたしましては都道府県公安委員会あるいは都道府県の知事部局等と連携をとりまして、スタッドレスタイヤでもきちっと安全な運転ができるようにドライバーの皆さんの講習とかいろいろな条件整備をしていかなければならぬ。その辺のところ、要するに違反するタイヤで無理な運転をしないような環境を整備するということでございますが、それでもなおこの法に触れる関係者がおられましたら、この法律の目的からいいますと最後の最後の手段でございますが、もしそういう違反がどうしても行われましたら厳正、公平に対処をいたしたい考えでございます。しかしながら、十万といいましても、最終的には裁判所によって公判できちっと処理されるものでございますので、きちっと証拠に基づいて事実の認定を適正にやるということが必要でございます。
 なお、御指摘の道交法等の適用につきましては、御案内のとおり宮城県あるいは北海道等でそういう適用をしておりますが、これも現場の状況に応じまして、その公安委員会規則に基づく違反等の適用がふさわしいものにつきましてはそういう運用をして、この法律の本来の精神が生かされるように慎重に対処をしていく所存でございますので、御理解賜りたいと思います。
#215
○戸田委員 この前いろいろと通産省の御意見を拝聴したときに、スタッドレスのタイヤ、こういったものの性能向上、それから全般的なタイヤの開発研究等々についてお願いしておったのですが、最近通産省でもって、二月十六日ですか、北海道の屋外でそういう開発の、制動力というのですか、それの試験をやったというのですが、その‐結果はどういう状況でしょう。
#216
○中島説明員 御説明いたします。
 乗用車用のスタッドレスタイャについての性能試験を二月に北海道で実施いたしまして、大きく二つの状況で行いました。一つは積雪の面、雪があるところでの試験でございます。もう一つは路面が凍結している状況でございます。前段の雪の面につきましては、スパイクタイヤとほぼ同様の性能、性能と申しますのは、ブレーキを踏んでとまるまでの距離、これをもちまして判断基準としております。それにつきましてはほぼ同等。それから凍結面、氷の面でございますが、これにつきましては大体九割程度、ですからスパイクタイヤがとまる距離の機能に対して九割程度出る、そういった結論を得ております。
#217
○戸田委員 私、仙台ですが、東北地元の河北新報という新聞があります。その五月三十日の報道によりますと、「スタッドレスタイヤの制動力 氷上でもスパイクに肉薄 性能アップ通産がお墨付き」ということで報道がなされているのですが、これを見ますると、氷上で制動力試験をやったところが、スノーの場合は制動距離が六十六・一メートル、これが雪の上ですと二十二・七。スタッドレスが五十五・四、氷の上です。雪の上は二十・九。スパイクの場合は、氷の上が四十九・七、雪の上が二十一・三。スノー、スパイク等の効力をずっと見ますと、スパイクよりも制動力において非常によろしい、こういう結果になっておるのですね。そういう点については、通産省もいろいろ御努力をなされて、タイヤを開発するためにもやってこられたと思うのですが、この制動力等の関係について、大体通産省では掌握されていますね。
#218
○中島説明員 御説明申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいました数値は大体私どもが先般公表した数字でございまして、私どもといたしましては、スタッドレスタイヤは雪の面におきましてはまず問題ないだろう。それから水の面におきましては、完全に等しいかというと、報告書でも述べておりますように、今のところこの九割というのをどう評価するかということでございますが、先ほど警察庁の方からもお話がございましたように、運転の方法とかといったようなことを組み合わせていきますとかなりスパイクタイヤに代替し得るのではなかろうか、そういうふうに考えております。
#219
○戸田委員 そのほかにも、例えば北海道知事が北海道大学に研究を委嘱しまして、運転、走行その他についての走力試験をやりましたところが、その結果も非常に良好だというものが出ておるのですね。そういう状況にありまするから、例えば大型トラックの安全その他の対応、タイヤがまだ十分でないからああいうことになったのでしょうが、しかし大手タイヤメーカーその他は大体近々中に販売するというようなことにもなっていますから、そういう点でひとつ環境庁も、開発等々を含めてやはりあらゆる面で援助すべきだと私は思うのです。そういう点についてはどうお考えですか。
#220
○古市政府委員 タイヤの性能向上というものは、第一義的には一応メーカーに期待されるものでございますけれども、特に大型軍用のスタッドレスタイヤにつきましては、昨年の冬に候補タイヤが限定販売されるとともに、使用したドライバーを対象にしたサンプリング調査によりましても非常に良好な評価が得られております。ただし、国におきましてもタイヤの性能向上が一層推進されますように必要な支援を行っていくべきと考えておりまして、第四条第一項の国の責務の一つとして規定しているので、環境庁といたしましても関係省庁と連携して一層推進されるように努めてまいりたいと思います。
#221
○戸田委員 時間がありませんから、四点ほど要望して答弁をいただいて終わりたいと思います。
 一つは、メーカー等々の問題で、どうも今の輸入問題で潜り的な小売をやっているようなところもあるものですから、これは長官、ひとつ輸入抑制をぴちっとしていってもらいたいと思うのです、スパイクタイヤの扱い方について。
 それから、地方自治体でずっと、例えば道路が摩耗しますから、仙台あたりは白線、黄緑全部消えちゃうのですよ。だから、春になるとこれを全部引き直さなければならない。これは大変ですね。それから融雪、道路を洗わなくちゃいけない。グリーンベルトその他も真っ黒ですから、これも清掃しなくちゃいけない。大変な浄財負担をやっているわけです。県もそうです。ですから、こういった地方自治体の負担増等については応分国で面倒を見るぐらいの心がけを持ってもらいたいと思うのです。これは各省に、例えば大蔵省、建設省、自治省等々を含めまして要請はしておったのですが、ひとつ所管庁の中心である環境庁長官の方からも、ぜひ閣僚会議等でそれを実現できますようにお願いをいたしたい。これが二つ目であります。
 それからもう一つは、氷上訓練その他安全運転に対する教育体制の問題です。これはどうしてもやはり国が面倒を見て、全国共通的な安全運転その他の指導というものが必要じゃないだろうかというふうに考えまするから、その辺の問題についてもぞひ御検討いただきたい。殊に除融雪あるいは積雪情報の提供等々事務処理、こういった問題で各地方自治体は相当な負担増を来しておりまするから、これらの問題についても十分国でもって御検討いただいて対処していただきたい、このように考えます。
 もう一つ、公共交通であるハイヤー、タクシーについても罰則適用の猶予期間を設けるべきではないか、こういう見解ですが、これに対する御回答をひとつ。
 以上四点について御見解を伺って、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#222
○北川国務大臣 委員の重ねての御質問でございますが、スタッドレスタイヤはやはり法案を施行するに当たって絶対的に必要であろうと思っております。
 そのことで、先ほど協定事項を申し上げて、国内の業者が全部その生産を中止し販売を中止しておるのに、外国からスパイクタイヤを輸入したらいいのだという、そういう甘いことでは日本としてもかえって信頼を失っていくという思いをいたします。ただ、通産省といたしましてはこれを所管しておりますので、非常に難しいいろいろな点があるということを踏まえての答弁であったろうと思いますが、これは各関係省庁とも十分話し合った上でその効果が上がるようにしていかなければいかぬと思っております。
 また、スパイクタイヤによりまして道路が壊されていく、交通安全の標識その他、今御指摘のありましたいろいろな点の補助その他国で面倒を見ることにつきましては、大蔵省を初め自治省、建設省、関係各省庁との話し合いを持ちながら対処しなければいかないと思っておる次第でございます。
 なお、私で十分でないその他の点については局長から御答弁させます。
#223
○古市政府委員 最後の御指摘でございましたが、公共交通であるハイヤー、タクシーについての罰則適用の猶予期間という問題でございます。
 これにつきましては、スパイクタイヤの使用規制というものが無理なく社会に定着するように十分な周知期間を今回の法律では用意しているわけでございまして、これはハイヤー、タクシー等を含めて規制の対象とするすべての車両について禁止規定の施行が平成三年四月一日からでございますし、さらに八条の罰則規定というものがもう一年たちまして平成四年四月一日、言ってみますともう二冬あってからこの罰則規定がかかるという形なので、この期間に十分周知徹底いたしまして御協力をいただけるような体制をつくりたい、このように思っております。
 なお、大型自動車につきましても、三年以内の範囲での猶予ということになっておりますが、これも数えますと平成五年という形になりますので、大型車とそのほかとは大きな期間の差はないということになろうかと思っております。
#224
○戸田委員 環境庁長官初め関係者の皆さん、大変御努力をなされてこういった法案を形成していただいた。心から感謝をいたしております。魂が入らない部面はこれから御努力をしていただいて完璧なものにしていただきたいと思います。
 各省からおいでになって、時間の関係で失礼した部面があるかと思いますが、おわびをして終わりたいと思います。ありがとうございました。
#225
○鈴木(恒)委員長代理 次に、斉藤節君。
#226
○斉藤(節)委員 まず私は、最初に長官にお尋ね申し上げたいと思います。
 昭和五十七年ごろからスパイクタイヤ問題というのが起こってきたというふうにいろいろ報告されているわけでございますけれども、このスパイクタイヤに対して何とかしなければならぬ、粉じん問題は非常に体によくないんじゃないかと言われることがありまして、スパイクタイヤを禁止する方向に持っていこうじゃないかという話もいろいろあったわけでございますが、関係省庁でいろいろ話し合いされたそうでありますけれども、うまく一致しなくて、非常に延び延びになって、このたびようやく法案が提案されることになったわけであります。なぜそのようにうまく調整できなかったのか、なぜこれが今日まで提案されなかったのか、そういった理由についてまずお聞かせ願えますか。
#227
○北川国務大臣 斉藤委員の、今日のこの法案を提出に至るまでなぜ遅くなったのか、五十七年じゅうからこれは問題になっておったじゃないかという御質問でございます。
 この点につきましては、これは生活型の公害であるという点が一つの問題でありまして、新しい立法の形であった、こういうことがございますし、粉じん問題と交通安全問題という点の絡み合いというとけったいでございますが、同時に解決していかなければいけない、そういうもろもろの問題と、その特徴のために政府部内の関係省庁間の調整ということがやはり大事であるということで、今日この調整がつきましてこうして御審議願うことになった次第でございます。
#228
○斉藤(節)委員 理由はわかりました。そこでちょっと逆説的なことを申し上げて恐縮でありますけれども、申し上げるわけですが、本来この法律案というのはない方がいい、望ましい、そんなふうに私は思っている者なんです。なぜかと申しますと、国あるいは地方公共団体が国民の交通に支障のないように道路の整備その他安全対策をすべき責任があると私は考えているわけでございます。たとえそれが自然現象によるものでありましても同じであろう、そんなふうに思うわけです。なぜかと申しますと、道路が壊れれば、建設省は交通に不便がないように、安全に交通ができるように補修していかなければならない、そういう義務があると思うわけであります。それは仮に降雪だとか凍結、自然現象によって行われたとしても、やはり安全に運行できるような、そういう対策を国または地方公共団体が行っていくべきではないか、そういう責任があるのではないか、そんなふうに私は考えるわけなのであります。
 そこで、国あるいは地方公共団体が安全対策を十分に講じることができるならば、スパイクタイヤを履くと非常に乗り心地悪くなりますし、いろいろの面で不便になるわけでありますから、何もそういうスパイクタイヤの使用をしなくても安全に交通が可能になるわけです。例えば豪雪地帯でも北陸あたりは、凍結しないところは降りました雪を解かすための融電装層がありまして、地下水をくみ上げて道路の真ん中に何メーター間隔かで噴水しまして雪を全部解かしているわけです。ああいうようなこともちゃんと建設省でやっているわけでございますから、凍結の場合も何らかの方法でそういうことができるならば何もスパイクタイヤを履いて走らなくてもいいのじゃないか、そんなふうに思うわけでございます。しかしながら、冬期間すべての道路をそのような状態にすることはまず不可能だろうと私は思います。そこで交通安全のために、また経済性を上げるために、つまりスピードを出せるように自衛的にスパイクタイヤを履いて走っているわけであります。
 そこでこの法律案を見ますと、何かほかの法案と違いまして、国民の責務が国及び地方公共団体の責務の前に来ているわけですね。例えば水質汚濁防止法でしたらまず最初に国及び地方公共団体の責任が出て、その次に国民の責任が出てきていたわけでありますけれども、何かこれは、先に国民に責任があるぞ、おまえたちだ、責任はすべて国民の側にあって、地方公共団体あるいは国はその次だというように解釈されても仕方ないようなことになっているのじゃないかな、そんなふうに思うわけであります。非常に逆説的な考え方でございますけれども、この私の考え方に対してどのようにお考えになりますか。なぜ国民の責務を最初に持ってきたのか、その辺の考え、また理由などをお聞かせ願いたいと思うわけでありますけれども、まず環境庁さん並びに建設省さんにお伺いしたいと思います。
#229
○北川国務大臣 斉藤委員の逆説的な、この法律はない方がいいじゃないかということの御質問、道路が凍結すれば解かしてしまってスパイクタイヤを使わぬでもいいようにしたらいいじゃないか、こういう御高説を今聞かせていただいたのですが、はっきり言いますと、私は、すべての法律がなくて人間が本当の善意の中で行動するならば最高のものだ、こんな思いをいたすのであります。ただ、法によって規制を受け、法を遵守するところに一つの人間生活のとうとさがあると思っております。野球でスリーストライクとったらアウトと決めていながら、もし打者がもう一つほうれなどと言うとルールが崩れておもしろみも情熱もなくなってしまう。やはり三つのストライクのうちに打つんだというこの法律を守るところに情熱があり、高さが生まれてくると思うのであります。我々の生活もそうありたいと思うのでございます。
 今回この法案によりましてなぜ国民が先かというと、日本の国民全部がスパイクタイヤを使用すると、その使用によって発生するところの粉じんは人間の健康を損ねてしまうんだ、このことを国民に自覚してもらいたい。だから、本当は全地域が国民のみずからの考え方の中でスパイクタイヤを使わないようにしていただきたい、こんな思いを込めて、先に国民に御自覚を願いたいという思いで持ってまいったような次第でございます。
 いろいろと今御指摘等を受けながら、私の足らざる答弁は政府委員をもっていたさせます。
#230
○藤川説明員 今、国の責務が先に来る問題につきましては、環境庁長官がお答えになったとおりだというふうに私どもも考えております。
 今先生からもお話がございましたように、私ども建設省といたしましても、やはり冬季間の道路の交通が安全に通行できるようにということで、できれば路面に雪がなければいいということでございますので、消雪パイプというのですか、地下水を道路の真ん中に噴き出して降った雪を解かす施設であるとか、あるいは流雪溝といいまして、道路の路側に水を流しまして、それに雪を放り込んで雪を流すという施設であるとか、除雪につきましてもいろいろ充実を図ってまいりまして、冬期間でもできるだけ安全に道路を利用される方が通行できるようにということで努力をしておるところでございます。しかし、今先生からもお話がございましたように、日本の場合は非常に雪が多いところでございますし、それから地形が非常に複雑、急峻な山があるというようなこともございまして、やはり道路の路面に降った雪を完全にない状態にするというのは、これは極めて困難なことでございます。そういう意味で、どうしても路面に雪がある状態あるいは凍結している状態が生じますので、今までスパイクタイヤを履くというような形で安全な通行の手助けをしているというのでしょうか、そういうことであったのではないかなというふうに考えている次第でございます。
 私どもとしても、今後道路の路面の状況をできるだけいい状態にするようにいろいろな施設の整備をさらに充実していきたいというふうに考えておりますけれども、私どもも努力いたしますが、やはり今、教育の問題であるとか国民のドライバーとしてのマナーの問題であるとか、そういういろいろな施策と相まってやっていかなくてはいけないのではないかなというふうに考えている次第でございます。
   〔鈴木(恒)委員長代理退席、持永委員長代理着席〕
#231
○斉藤(節)委員 そこで、スパイクタイヤの使用を規制することに伴いまして、建設省並びに警察庁さんにおかれましては、積雪あるいは凍結した道路における自動車等の安全な運行を確保するために、今もお答えいただいたわけでありますけれども、除雪あるいは融雪の施設及び道路環境の改善あるいは整備を図っていただくとともに、このような道路の安全運転についてドライバーのマナーについてもお話がありました。そこでドライバーに対する安全教育を充実していただきたい、そのように思うわけでありますけれども、まず建設省さん、そして警察庁さんに御答弁をいただければと思います。
#232
○藤川説明員 冬期間の道路交通の確保を図るための事業といたしまして、私ども昭和三十二年から積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法という法律に基づきまして、雪寒道路の五カ年計画と言っておりますが、そういう五カ年計画をつくりまして、冬期間の道路交通の確保のための施策をいろいろやってきているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、いわゆる除雪事業とそれから防雪事業と言っておりますが、先ほどお話し申し上げました消雪パイプを設置いたしましたり、あるいは雪崩が生じるおそれがございますところには雪崩防止のさくをつくったり、あるいは雪が降らなくても風で雪が飛んでくるような事態がございますので、そういうところには防雪さくというのをつくったりする防雪事業でございますとか、あるいは凍雪害防止事業と言っておりますけれども、路盤改良をやる事業とか、先ほど申し上げました流雪溝というような事業等、いろいろ実施してきているわけでございます。
 現在第九次の五カ年計画に基づきましてそういう雪寒道路事業の拡充に努めているところでございますが、それ以外のいわゆる道路の改築事業におきましても、そういう冬期間の道路交通、雪国においては配慮したような道路構造になるような努力をしているわけでございまして、今後とも私どもとしてもそういう冬期間の道路交通が円滑に走れますように、今いろいろな事業をやっているわけでございますが、さらに充実させていきたいと考えているところでございます。
#233
○賀来説明員 冬期の積雪あるいは凍結した道路におけるスタッドレスタイヤ等を装着した自動車の安全な運転方法というのがこれから極めて大事な問題になろうかと思います。それと、最近の方方にはタイヤチェーンの装着なんかも余りスムーズでないという問題もございます。その辺を広く講習会を実施するなど、今後計画的に安全教育を高めていかなければならないと思います。また、地域に流入される人々に対する広報、そういうようなことも相当計画的にやっていかなければならないのではないかと思います。そういうことがこの法律を支える大事な事業で、地方自治体との連携というのが大事であろうかと思います。
 御案内かと思いますが、既に北海道あるいは宮城県では一部そういうような方法の試みがなされておりまして、例えば北海道の旭川のような場合には、試験場にスキッドパン等のいわゆる常時冬道の安全訓練の、走行の訓練ができるような施設を持っておりますが、そういう面の拡充を今後各都道府県に対する、特に積雪地域の県に対する指導を強めなければならぬと思います。
 なお、全国的なレベルでございますが、御案内かと思いますが、自動車安全運転センターという特殊法人がございます。そこの付設機関に中央研修所、これは茨城県の勝田市と那珂湊にまたがるところで百ヘクタールほどの土地に研修所を現在設置しております。ここの研修所は来年の春にオープンされる予定でございますが、常時氷上の運転技能訓練とでも申すべきスキッドパンを用いた運転研修所を設けます。これは都道府県にいろいろと開放する形をとりまして、最初は指導者クラス、またトラックとかそういうような関係の業界等の指導者クラスの人たちに対しまして、年間を通じて本格的な研修ができる場を提供いたしたいということで、この法律の実施のためにも私どもできるだけのことをやりたいということですので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#234
○斉藤(節)委員 警察庁さん、ひとつよろしくお願いしたいと思うわけです。
 そこで、ではこの法案そのものについていろいろ御質問申し上げたいと思うわけであります。
 まず、この法律案の提案理由説明の中でちょっと御質問申し上げますけれども、最初のページにありますように「スパイクタイヤ粉じんに関しては、従来から国、地方公共団体及び国民各層において各種の取組がなされてきておりますが、問題の解決に至らず、依然として厳しい状況にあります。」というふうに述べられているわけでありますけれども、今までどのような取り組みが国、地方公共団体及び国民各層において行われていたのか、それをちょっと明らかにしていただきたいと思います。
#235
○古市政府委員 一番手近なところから申しますと、国のレベルでは、問題が深刻になってまいりまして各省庁でそれぞれの対策がされたわけでございますが、五十八年に各省庁の連絡協議会というものをつくりまして、情報交換してそれぞれの対策の強化に当たり、さらには今日の法案に結びついたわけでございますが、国のレベルでも統一的な法律案というものが作成できるかどうか、このようにやったわけでございます。その過程におきまして、関係省庁がそれぞれ所管局から都道府県に通知を出しまして、各般の施策についての充実を地方自治体にもお願いしたということでございます。
 また、地方自治体では各種の施策が行われておりまして、その結果といたしまして、先生御承知のとおり、先進的な県それからまた市では条例が作成され、また要綱も作成されてきた、このようなことでございます。具体的な項目といたしましては、道路の除融雪等の道路環境の整備、凍結路における安全運転教育、それからスタッドレスタイヤの普及促進、またモニター制度による使用、それから雪道用タイヤの技術開発、性能の向上、こういうものが行われました。また、一番近くでは平成元年から十二月を脱スパイクタイヤ運動推進月間といたしまして、これは関係二十三道府県、関係六省庁がこぞって共催いたしまして、また関係十八団体の協力、後援も得まして全国的なキャンペーン運動を繰り広げている、こういうようなことを行ってきたわけでございます。
#236
○斉藤(節)委員 いろいろのことをやってこられて努力されたわけでありますけれども、結果としてこのスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案というものが出されたということはよくわかりました。
 そこで、「スパイクタイヤ粉じんによる健康影響を防止し、」というふうに次のページに出ているわけでありますけれども、現在までのところ、実際の健康被害が報告されたことがあったのでございましょうか。
#237
○古市政府委員 健康被害と申しましょうか、私ども、健康への悪影響、健康影響、こういう形で申し上げているわけでございますが、一つは、粉じんが立ち込めますと、当然急性症状として目の中に入った場合には結膜炎その他異物となりますし、沿道とそれから離れたところとの対象群をとっていろいろ調査いたしますと、やはり幹線道路近くの児童ではのどの痛みとかせき、それからまた気管支ぜんそく発作が増強するというような、調査で明らかな差が出てきているということがございます。それからまた長期影響というのがございまして、これは粉じん地区におけるハトとか野犬とかそういうものの肺を解剖いたしますと、正常な地域のハトや野犬よりも明らかに有意の差でもって粉じんに含まれるような物が胸の中に沈着しているというようなことがいろいろ報ぜられました。
 そういうことから、環境庁といたしましても正式に長期暴露の動物実験を行ったわけでございますが、その結果も、百四十匹のラットに一日八時間、週五日、一・五年間長期暴露いたしまして、やはり粉じん量が多ければ多いほど肺への沈着が多かった、このような結果が出て今日の対策に結びついているというふうに思います。
#238
○斉藤(節)委員 つまり、こういう動物実験の結果、粉じん量とその沈着の状況には相関関係があったということでございますね。そういうことであれば、目が痛いとか何かというそういう疫学的な調査もされているようでありまして、やはり私は問題だなと思うわけでございます。
 粉じんの成分についてはどうですか。
#239
○古市政府委員 スパイクタイヤ粉じんの成分といたしましては、かなり多いのが遊離珪酸、これは一五%含まれております。そのほか微量重金属というものがございますし、アルミニウム、それからカルシウム、さらには鉄、それから路面から由来する、アスファルトに含まれていた有機成分等が含まれております。さらに問題視されておりましたのが発がん物質の一つでございますペンゾピレン、このような多環芳香族の炭化水素、これがそういうところでは若干高い、このようなことが報ぜられているわけでございます。ただ、このペンゾピレンにつきましては、自動車の排出ガスからの影響もあるのではないか、こういう説もございます。このようなことで、余り人体には好ましくない物質がいろいろ含まれているということでございます。
#240
○斉藤(節)委員 大体珪酸が一五%で主であるということがわかるわけでありますけれども、今おっしゃいましたべンゾピレン、こんなのがありますと、これは発がん性物質でありますからこれが肺に入った場合にどうなるかということは、私わかりませんけれどもやはり問題かな、そんな感じがするわけであります。そういう意味で発生は防止しなければならぬ、こんなふうに思います。
 さて、そこでまたちょっと皮肉な質問で恐縮でございますけれども、三ページの「国民は、スパイクタイヤ粉じんを発生させないよう努めなければならないこととしております。」ということでございますけれども、これは、発生させないことが確実であるという場合にはスパイクタイヤを使用してもいいということじゃないのでございましょうね、また逆説論で聞きますけれども。
#241
○古市政府委員 発生させない場合として、この法案に関係ございますが、直接舗装セメントの路上と接しない限りは発生しないということから、積雪凍結路では直罰規定が働かない、こういう構成になったところでございます。したがって、発生させないということならばいいわけでございますが、日本の路上というのはいろいろな形で乾燥、湿潤あるわけですから、全体としてもうやめましょうという形になったわけです。
 先生お尋ねの乾燥路でもゆっくりゆっくり走った場合、そういう形でそろそろ行けばスパイクによる粉じんがまず起こらないということが一方でございますが、そもそもスパイクを履きたがる人は、雪道でも速く走りたい人が履くわけでございますから、乾燥路をゆっくり走るというのはあり得ないということでそれは実際問題として成り立たない、こういう形でそういうものを全部規制をしていかなかったらいけない、このように思います。
#242
○斉藤(節)委員 私が申し上げましたのはまだら道とかいうような、ある何メートルかは、あるいは何キロかは全く凍結状態にない、あるいは雪かないという状況で、それから向こうはまたあるというような場合、先ほどの質問の中にもいろいろありましたように運転者が判断をするというわけでありますから、ある距離はゆっくり走って発生させないようにして、また雪の凍結しているところに行くとスピードを上げていく、そんなようなことだからいいんだというような考えでやっては困るということかな、そんなふうに私は思ったものですから質問させていただいたわけでございま
す。
 そこで、またこれはちょっとわからぬ文言でございますので、御説明願いたいのです。同じページでありますけれども、「地方公共団体は、当該地域の自然的、」これはわかるのですけれども、「社会的条件に応じたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策の実施に努めなければならない」、この社会的条件というのはどんな条件を指すのでしょうか、具体的に御説明願いたいと思います。
#243
○古市政府委員 一番わかりやすくは、その地域の人口、それからまた人口密度、産業の形態、その活動状況、さらには交通量がどうか、こういうことかと思います。
#244
○斉藤(節)委員 わかりました。どうもありがとうございました。
 そこで次は、先ほども出てきたわけでありますけれども、状態の判断ですね。先ほど来の御答弁を聞いておりますと、運転者が道路の状態を判断しなければならないということでありますけれども、これは非常に難しい点があるのではないかなと私は思うのですね。しかもこの法律案には罰則があるわけでございまして、その判断が、私はこう思っておったからよかったのだというように、非常に困るのではないかな。そういうことで、何かテキストかマニュアルといったものを発行して判断の仕方を普及するのか、その辺はいかがでございますか。
#245
○古市政府委員 積雪及び凍結の状態にない道路について、図解説明でマニュアル配布というようなことはちょっと考えておりません。
 ただ、これが問題になりましたのは、各省庁と法案作成でいろいろ協議をいたしました結果、非常に難しいという話もございました。そのような中から第七条の地域指定制というものも出てきまして、それがなかったらどこが凍結しているかというのはわからない、しかし、何々市町村はだめですよという形になればそれは明確にその市に入ったときだめなんだというのがわかりますし、その上で凍結しているかどうかということでございますから、今自分の家の周りを見てあそこは雪があるかどうかということは大体見当がつくわけでございますので、さして困難はない。そういうことで、地域指定制と相まって運転者には一応理解はしていただける、このように思っております。
#246
○斉藤(節)委員 この問題はなかなか難しいと思いますし、議論のあるところだと思いますけれども、時間の関係で次に参ります。
 この四ページに「この法律案の施行期日」、そして大型車は「経過措置を設ける」。これはいろいろ考えられるわけですけれども、またスパイクタイヤにかわるスタッドレスタイヤかないとか、いろいろの理由がおありだと思います。三年以内ということでありますけれども、これがもし守られなかった場合どういうことになりますでしょうか、それをまずお聞きしたい。
#247
○古市政府委員 附則第三条におきまして大型車に対してその適用の期間猶予というのがございますが、これは開発の状況を確認いたしまして三年以内に政令でその適用の日を決めていくわけでございますから、そこから先は、守らなかったら今ある乗用車用と同じように指定地域内で罰則がかかってくる、同じ扱いになってくるということでございます。
#248
○斉藤(節)委員 その場合、今と同じように、十分なるスタッドレスタイヤが開発されなかったという場合にはチェーンを巻いてやりなさいということになるのでしょうか。
#249
○古市政府委員 現在の状況では、先ほどからちょっと話があったかと思いますが、非常に意欲的に研究開発が進んでおりまして、昨年の冬はモニター的に試乗をかなりやったわけでございますが、この冬からは正式の販売ルートに乗せて売りに出すというのが七大タイヤメーカー、タイヤ協会の方でございます。それと、運輸省の方で大型に確実に装着を指導しておりますアンチロックブレーキ、それからまた小型の四WD、そういうのと相まってこれは私は着実に実行できるのではないか、このように考えております。
#250
○斉藤(節)委員 ぜひとも協力にそれをやっていただかないと、大型車というのは大体トラックだと思うのでありますけれども、トラックの安全運転のためにはやはりスパイクタイヤにかわるいいものが出ないと運転者も困るのではないか、ついつい履いてしまうということにもなりかねないと私は思いますので、この辺、強力にお願いしたいと思うわけでございます。
 次は、法案の中の第四条関係でございますけれども、「地方公共団体は、当該地域の自然的、社会的条件に応じたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策の実施に努めなければならない。」このようになっておるわけですけれども、地方公共団体として、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止のために主としてどのような施策を実施させようとしていらっしゃるのですか。
#251
○古市政府委員 この法律を成立させていただきますれば地方公共団体に対して私ども十分の説明をするわけでございますが、それをそれぞれ地方自治体として、本法律の趣旨及び施行について、その内容についてその地域での周知徹底をまずいろいろやっていただくということがあろうかと思いますし、それからまた、その背景となったスパイクタイヤ粉じんによるその周辺の人たちへの健康被害の状況というものも十分その自治体の人たちにも知らしめて、この法律に協力していただくというようなこともあろうかと思います。それからまた、冬期におきます自動車の安全運転のための教育という形で、各種自治体なり業者が行いますものに積極的に参加してスタッドレスタイャになれていただく。これは県の方でもいろいろ事業をやっていただきたい、このように思っております。それからまた自治体として、順調に脱スパイクタイヤに向かっているかどうかということでスパイクタイヤの装着率の調査というものを適宜やっていただきたいと思いますし、降下ばいじんの量が減っているかどうかという形で、継続的なその量の観察というのもしていただきたい、このように思っております。
#252
○斉藤(節)委員 建設省さん、質問あるかと思ったのですけれども、今回はやらないで結構でございますので、お帰りになって結構でございます。どうも済みません。
 さて、次に第五条関係について御質問申し上げます。
 いわゆる地域指定の問題でありますけれども、まず、どのような地域を指定地域として指定するのか、その辺をお聞きしたいと思うわけでございます。私の要望でありますけれども、やはり可能な限り広範囲に指定していただきたいなと思っているわけでございます。その指定要件につきましても、いわゆる健康被害等の直接的な判断指標がない場合でも、粉じん量あるいは交通量あるいはスパイクタイヤ装着率、あるいは自然現象であります気温、降雪量等、こういう間接的な指標からも判断すべきではないか、私はそのように考えているわけでありますけれども、地域指定についてどのようにお考えになっていらっしゃるかお聞かせ願いたいと思います。
#253
○古市政府委員 ただいま先生が列挙されたようなことを配慮してと思っております。これは法文上からも、最終的には環境庁長官が指定することになっておりますが、その間において、地域の都道府県知事、関係市町村の意見を十分聞くような仕組みになっております。
 そういうことの中身といたしましては、スパイクタイヤ粉じんによるその地区の人たちへの健康影響、生活影響、それは地方自治体、住民の方が一番よく御承知でございますから、具体的な数字のデータがなくてもこれはひどいという形で出されたならば、それ相応に配慮する必要があろうかと思います。またそのほかに、スパイクタイヤの装着率、降下ばいじんの量、さらに交通のネットワークで隣接市町村とのかかわり、こういうものを含めて広域的、総合的に都道府県でも判断をいただくことと思っておりますので、それを伺った上で環境庁で指定をしていく、こういうことにな
ろうかと思います。その際に、なお中央での関係各省庁ともいろいろ協議をさせていただくということにしております。
#254
○斉藤(節)委員 もう時間がなくなってしまったわけでありますけれども、いわゆるスパイクタイヤ禁止にかかわることであります。
 先ほど来の各委員の方々の質問にもありましたけれども、このスパイクタイヤの公害等調整委員会調停、これはちょっと読み上げてみたいと思うのですが、昭和六十三年六月に公害等調整委員会において、国内主要タイヤメーカー七社は平成二年十二月末日限りスパイクタイヤの製造を中止し、三年三月末日限り同タイヤの販売を中止する、このような旨の調停が申請人等と被申請人との間で交わされて成立しているわけであります。先ほど来いろいろ疑問を持たれて質問されてもおったわけでありますけれども、やはり輸入タイヤ及び中小メーカーによるスパイクタイヤ規制についても何らかの処遇を講じていかなきゃならぬ、私はそのように考えるわけでありますけれども、まず通産省さんにちょっと御答弁願いたいと思います。時間がなくなって恐縮です。
#255
○中島説明員 御説明申し上げます。
 ただいまお話ございましたように、大手七社につきましては、本年十二月それから来年の三月にかけましてそれぞれ生産及び販売を中止する方向でございます。そのほかの国内のメーカー並びに輸入業者につきましては個別に生産を自粛する方向で指導を行っております。私どもは基本的に、究極的にはスパイクタイヤがなくなっていくといった大前提に立ちまして、こういった行政指導を続けております。
#256
○斉藤(節)委員 輸入タイヤばかりではなくて、中小メーカーによるスパイクタイヤ製造をしっかり七大メーカーのようにやるべきじゃないかな、こんなふうに思うわけでございます。いずれにしましてもこれは人の健康にかかわる問題でもありますし、また経済に大きな影響を与える問題でもございます。そういう意味でスパイクタイヤの問題、やはり早く代替の安全なものをつくっていただくと同時に、国民の健康を守るためにスパイクタイヤ廃止をしっかりとやっていただきたいということを御要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#257
○持永委員長代理 遠藤和良君。
#258
○遠藤(和)委員 私は、本論に入ります前に一言、酸性雨の対策について確認をさせていただきます。
 去る五月二十八日に我が公明党の首都圏環境問題調査団では群馬県の赤城山の大沼周辺を視察いたしました。同地域は日本で初めて酸性霧によりまして広葉樹林の枯死現象が指摘されておるところでございますが、まず、環境庁はこの現象をどのように把握しているのかというのが第一点。
 それから、酸性雨の総合的な対策でございますが、去年の八月でございましたか、環境庁が第一回の全国的な酸性雨対策調査をしまして、その結果によりますと、我が国でも欧米並みの酸性雨が降っていることが明らかになりました。しかし、この酸性雨の観測調査についてまだ全国ネットワークができていない、私はこのように思います。そこで国に三点要望したいのでございますが、第一点は、現在各地方公共団体でそれぞれの方法によりまして酸性雨の観測調査が行われているわけでございますが、国として調査のあり方、例えばガイドラインで示すとか、要するに調査の評価が統一的に行われるように指導すべきであると考えますが、どうですか。それから第二点は、地方公共団体の行う酸性雨の調査に要する機器の整備費とか調査の経費を国庫補助の対象とする考えはないのかということ。それから第三点は、酸性雨の発生機構の解明など調査が広域にわたるもの、そしてかつ多量の経費を要する調査は、例えば国公研でやるとかというふうに国の機関において実施すべきと私は考えますが、どうでしょう。この三点に対して、まず大臣の見解をお願いしたいと思います。
   〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
#259
○小林説明員 まず最初の赤城山の大沼周辺地域の状況でございますが、群馬県からの報告によりますと、昭和五十七年八月の台風によりましてシラカバ等が風で倒れたり折れたりした被害が発生をしておりまして、現在その地域で見られます枯れ木や倒木はこの台風の影響による被害に起因するものが主であろう、こういう県の見解でございました。この地域に関しましてはこの説明で無理はないというふうに私どもは受け取っております。ただ、この地域で私どもの国立公害研究所が測定をしております中で、酸性霧がかなり低いPHで観測をされております。その酸性霧が森林にどのような影響を与えているかにつきましては、現在のところ十分解明はされていない状況でございます。
 現在、環境庁では、第二次の酸性雨対策調査ということで全国的に観測網を整備いたしまして、基幹的な部分につきましての測定及びそれに基づきます検討を進めておるところでございます。これで全国的な概要は把握できると考えておりますが、地方公共団体の手によりまして現在約三百カ所で測定が始まっております。地方公共団体の測定もあわせながら解明をいたしますとより有効な結果が得られるというふうに考えておりまして、現在、マニュアルを作成をし手法の統一に極力努めておるところでございますが、地方公共団体の側の測定は始まったばかりということもございましてまだばらばらな面も残っております。現在、共通のベース化といいましょうか、共通の基盤に立ってデータの相互交換ができるようにということで地方公共団体ともども整備に入っており、近くその方向での打ち合わせにも入りたいと考えております。環境庁が行っております調査の中心が国立公害研究所でございまして、国立公害研究所の調査を充実させるとともに、地方公共団体の調査に対しましては、その測定機器に対します財政的な助成を配慮いたしますとともに、技術的な援助協力関係を強めていきたいというふうに考えております。
#260
○遠藤(和)委員 きょうは時間がないので、この問題はまた一般質問のときにゆっくり質問させてもらいます。
 きょうは、スパイクタイヤの粉じん発生の防止に関する法律でございますが、私はこの法律は大きく言って二つ問題点があると思います。
 一つは、なぜ全面禁止に至らなかったのかということです。全面使用禁止になぜしなかったのかということです。法律を読みますと、いわゆる消防車とか緊急自動車、あるいは、これは政令で決めるということですが、身体障害者が運転する自動車の除外規定、これは理解できるところでございますが、本法第七条のスパイクタイヤの使用の禁止の項目では、指定地域内の舗装道路において、積雪または凍結の状態にない部分においてスパイクタイヤを使用してはならない、こう書いています。さらに第八条で罰則を科しておるわけです。ということは、これを逆に読むと、積雪または凍結の状態にある部分はよろしいということですね。罰則を科す以上、こんなあいまいな規定でいいのかどうかという問題があるのですね。御承知のように、日本の国は罪刑法定主義です。罪も刑も法律できちっと決める、これが大前提。ということは、犯罪横成要件の明確化というのが大前提なんですね。刑法ですから、十万円以下の罰金ですから、こんなあいまいな規定が果たして犯罪構成要件を明確化しているのかどうか、この問題があるわけです。
 具体的に言いましょう。例えば、朝、雪が降って、運転に行きました。スパイクタイヤOK、行った。昼、やんじゃった。帰りはどうするか、大変ですね。それから、雪道をずっと行っておりますと、やんでいるところがまだらにある、そうすると、雪道をずっと行っているところは行けるんですね。ところが、雪道がなくて、乾燥した道路に来ました、はい、罰金、また雪道になりました、OKです、こういうふうなことで果たして、刑法に触れるわけですから、犯罪構成要件が明確になっているのかどうか。私はこれは非常に問題があると思います。これは本当に、具体的につかまえた、つかまえたと言ったら表現が悪いですけれども、罰則がかかりました、裁判を起こしました、裁判にたえられない事態が起こりますよ。こういうときどうするのか、ここのところをもう少し明確にすべきだ。明確にするという意味では、この全面禁止というのは非常に明確なわけなんですね。これをどうしてしなかったのか。私はこれを篤と御説明願いたいと思います。
#261
○古市政府委員 今回の、地域を指定してそこで積雪、凍結でない状態で罰則がかかるというのは罪刑法定主義から問題がある、こういう御指摘でございますが、私どもは、これは罪刑法定主義に照らしても明確である、このように思っております。
 と申しますのは、日本全国でただ道路の上の積雪、凍結状態だけで運転状況を判断されるということではございませんで、そこを少しでも明確にするために、スパイク粉じんの問題が特に大きいという地域を現在の段階では市の単位で一応規定いたしまして、その地域の中ではいけませんよという形になりますから、道路マップの上からいいましても、それから地域住民からいいましても、どこから何々地区であるというのは一応明確にわかる。その地区はもう既にこの秋に指定地域を一応公示していくというような努力をいたしますので、この一年あるいは直罰規定まで二年の期間、どこどこが指定地域になってそういう運動が行われているという形で十分住民、さらには国民に周知徹底される。そういうところでもしか雪がなかったら、凍結してなかったらだめなんだよという形がわかっておりますから、それにもかかわらずその地区にスパイクで乗り入れるという行為、これは直罰に値する。こういうことから、指定地域とそれから積雪、凍結状態とが二つかみ合っているということ、それから周知期間があるということ、それからもう一つは先生御指摘のように、まだら道でそういうことをやったらそれは違法行為である、したがって、一々脱いだり履いたりしなかったらいけないということも十分わかっている、そういうことから一応これには協力をしていただけるのではなかろうか、このように存じておる次第でございます。
#262
○遠藤(和)委員 だから、まだら道だとだめなんです。だったら雪道もだめなんですよ。だから、全面禁止すれば一番いいのです。はっきりわかるのですよ。それは、いろいろ話はあると思いますが、地域指定の問題は後で詳しく私やろうと思いますけれども、雪があるかないかという判断なんですよね。これは非常に難しいのです。さっきまで降っていたけれどもすぐ解けちゃったという場合もあるのですから、要するにこれは非常にあいまいな規定ではないかなと思うのです。何かつかまえるときに全部写真を撮っておいて、雪がないということを証明するような材料をつくっておかないとこれはつかまえられませんよ。そうでしょう。
 それから、道路交通法上のネズミ取りというのがありますね、あれは本当に性が悪いですよね。スピードが出せるところになると来るのですね。この法律を考えると、こういうことも考えられますね。ずっと雪があった、消えているところでぱっと待ち構えておりましてつかまえる、こういうことも非常に考えられるわけですよ。これは運用上の問題だと思うのですけれども、そういうふうなことが許されていいのかという問題がありますが、これはどうですか。運用上、雪が降っていて雪が解けている、そこで待ち構えておってぱっとつかまえるようなことはしないということを言えますかね、これをはっきりしておいてもらいたいと思います。
#263
○古市政府委員 警察庁の方がおられませんので、法案作成の過程で関係省庁と話した中から御説明させていただきます。
 先生が御指摘のようなことは、法務省それから警察庁、さらにはその法律をつくる最終段階で法制局等ともいろいろ検討いたしまして、これは法律でいけるということで政府の方で提案をさせていただいているわけでございます。
 したがいまして、御指摘の、どのようにして立証といいますか、つかまえたときの証拠をとるのだ、これは当然のことながら、そのような状況になりましたら現場における実況の検分、それから違反者本人からの供述、さらには写真撮影、そういう形が行われて証拠がそろえられると思います。
 私は、先生が今おっしゃったように、雪道のところから来た者をつかまえるというようなのがこの法の本旨ではございませんで、既に仙台でも条例で動かしておりますのは、四月、五月になってもまだスパイクを脱がないという人に対して反則金をやっているわけでございまして、そういうようなだれが見てもひどいというところから適用を始められることでございますから、これがそういうスピード違反のような形と同じではない、このように存じております。
#264
○遠藤(和)委員 運用に当たっては、やはり本当に悪いのをつかまえる方に主眼を置いてもらいたいのですよ。法律にちょっとでも違反したらみんなつかまえてしまう、こういうのではいかぬと思いますね。道路交通法も、四十キロ制限のところを四十五キロぐらいで走っていると余りつかまえませんね、これは警察の良心かもわかりませんが。十キロオーバーした、二十キロオーバーした悪いやつをつかまえる。こういうことで、ぜひ運用の部分でそこの部分は考えてもらいたいということを要望したいと思います。
 それから第二点は、問題は地域の指定の仕方です。これを変なぐあいに指定するとおかしなことになってしまうと私は思うのですね。この指定地域の指定は、法律を読むと、要するに環境庁長官が指定する、その際に地元の知事さんの意見を聞く、こうなっているわけですが、知事さんの意見を聞いて環境庁さんがこれは絶対にここの県は指定をしたい、こう思っていても、知事さんの意向として指定されたら困りますと、こういうふうな話があった場合はどうしますか。
#265
○北川国務大臣 遠藤委員のただいまの御質問でございますが、このたびのスパイクタイヤの法案を御審議願うに当たりまして、指定地域というのを今具体的に地方自治体の長から――皆さんと密接ですね。そのために、長官の方へそれは指定困るぞと言うてきたときどうするのだという具体的な御質問でございます。
 私は、この法案を御審議願って施行するに当たりましては、やはり地方自治体の長とは特別によく理解し話し合って、どの面から見てもこれは決定しなければいかないというときには御理解を願ってやっていかないと、法というものの重さというものと、そして御決定願った以上はこれを円滑に運営していきたい、こんな思いをいたしておりますので、その難しい点はよくわかりまするが、そこはやはり関係各首長と話し合いの上に立って、地域の住民の皆様に御理解願う点に断を下していきたい、こういう思いをいたしております。
#266
○遠藤(和)委員 その指定の要件というのが客観的なものでなければいけないと私は思うのですね。恣意的なものが入ってそれがゆがめられるということでは、憲法に保障された国民平等の原則に違反するおそれがあると思うのですよ。自然条件は全く同じだというところが、道路によっては指定地域になっている、あるところに行ったらなっていない、これでは、自然条件が全く同じなのに走っていると罰金のかかるところとかからぬところが出てくる、こうなるわけでしょう。これは憲法に保障された法のもとに平等であるという原則から逸脱するおそれがありますよ。ですから、指定地域の措定については、知事さんの意向もあるけれども、なお環境庁は明確な客観的な指定の条件を明確にしてきもっと指導して、指定すべきところは指定する、この強い姿勢でなければ、これは憲法の精神に違反するおそれがあります。これを私は強調したいのです。どうですか。
#267
○古市政府委員 現在指定の要件というのを詰めている段階でございますが、まずこの法律にも書いてございますように、住居が集合している地域、これは何らかの基準で決めたいと思っております。それから住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要な地域、この二つの要件についてなるべく客観的な基準というものを現在検討しているわけでございますが、ただ先生が御指摘のように、この地域を決めるときには自然的条件のほかに社会的条件を勘案しという形になっておりまして、その中にはそこの産業構造とか、それからまた交通量とか、それから過去の粉じんによる被害の程度とか、また場合によりましてはそこの地区の人たちの粉じんと交通安全に対する意識の程度とか、それからまたノースパイクタイヤでの運動の歴史の長さとか、そういうものもある程度は反映されるのではなかろうかと思いますけれども、御指摘のように極力客観的な形でその指定地域を見ていきたいと思っております。
#268
○遠藤(和)委員 本当は、法律を審議するのですから、指定地域の原案はこうです、これがまずあってしかるべきなんです。そうでしょう。法律は審議しているけれども、どこになるかわからない、こういうのでは本当は審議するのはおかしいのです。
 今、指定地域の候補者と言ったらおかしいのですが、恐らく名のりを上げてくる道府県は二十三道府県、日本列島の約半分ぐらいの道府県の中の市町村が該当するのじゃないかな、こう言われていますけれども、大体の目安というものは持っていますか、どうです。
#269
○古市政府委員 私どもは従来からの市町村の要望なり各自治体の状況、また降下ばいじんの程度という資料を持っておりますので、こちらといたしましては大体こういう形かなと思っておりますが、現在まだ法律が御審議の段階でございますので、正式に地方自治体と協議をするという形に至っておりません。しかし、この法案を出す過程でいろいろな人がおいでになったので聞いておりますと、ほぼ先生がおっしゃいましたように、二十三道府県、百九十市の中が要請したわけなので、持ち帰って十分検討したいということでおっしゃっております。そういう形で、その対象の中からひとつ一定の基準でその地域が決まってくる、このように思っております。
#270
○遠藤(和)委員 ぜひ長官、この指定に当たっては、自然条件は結構です、社会条件も加味すべきでしょう、しかし政治的な判断は避けた方がいいです。政治的な条件というものじゃなく、本当にきちっと客観的な条件で全国に指定すべきは指定する、こうはっきりした態度を持たないと、先ほども言いましたように憲法に保障された国民の法のもとの平等を阻害する心配がある、私はこういう危惧をします。指定地域の指定に当たって長官のリーダーシップを強く要請をしたいのですが、どうですか。
#271
○北川国務大臣 委員の重ねての指定地域に対しての御見解を聞かせていただきまして、法でございますのでそれの決定に当たりましては、ああよかったな、地域の指定あるいはもろもろの法を行うに当たりまして、それは法というものの解釈のいろいろの角度がありましても、やはりよかったなということが最大の条件ではないかと思っておりますので、環境庁といたしましては情にとらわれないところのぴしっとした厳しい決定をしなくちゃいかぬ、こう思っております。
#272
○遠藤(和)委員 それから、この法律と、地方自治体が今も持っている条例、あるいはこれからも条例をつくるかもわかりませんが、その条例との整合性の問題なんですが、例えばこの規制より強いものあるいはより広範なもの、例えば指定地域外もというふうな感じ、いわゆる上乗せ条例あるいは横出し条例、これはいいわけですね。
#273
○古市政府委員 この法案は、国民の健康保護等を確保するために全国的な観点から必要な規制を行っているものでございまして、したがって、地方公共団体がその自然的、社会的条件から判断されまして必要と認めた場合に、当該地方公共団体が条例制定権に基づきまして条例で俗称の上乗せ規定あるいは横出し規定をやられるということを、あえて国としては否定するものではございません。
#274
○遠藤(和)委員 それから、前へ進んで、代替タイヤとしてスタッドレスタイャの開発が進んでおると聞いておるわけですが、まだ制動能力、特にアイスバーンの制動能力はかなりスパイクタイヤより劣っているという状態もあります。これの技術的支援というものも国の責任だと思います。特に、大型のトラック用のスタッドレスタイヤというのは一体実現可能なのかどうか。大型のトラックの場合も、少し時期は遅くなるのですけれども規制がかかりますね。そうすると、代替タイヤがなくなってくるとまたチェーンに返るわけですか。チェーンというのは、ある意味ではスパイクタイヤよりも粉じんを起こす原因になりますね。道路の損傷が激しくなりますね。トラックのタイヤは一体スタッドレスになるのでしょうか、チェーンになるのでしょうか、この辺の見通しはどうなんですか。
#275
○北川国務大臣 委員の御質問のスタッドレスタイヤ、これの普及と実施ということでございますが、特に大型車につきましては、この三月三十日に私は視察をさせていただきまして、その製造工程も見せていただき、でき上がったものも見せていただき、また御説明も十分受けまして、激励と感謝とお願いをしてきた。この大型のスタッドレスタイヤは、私は完全に皆さんの希望の中に生きていくという思いをいたしたのであります。ということは、スパイクタイヤにかわって、大型車も全部スタッドレスタイャにかわるということを自信を持ってきたのでございます。これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、その点については私は、業界が大変よくやっていただいたなと思って、通産省じゃありませんが、感謝をしている次第でございます。ということは、スパイクタイヤを全面的にみんなが用いないようにしようと思えば、新しいタイヤがより以上の性能を持っている、これだと思うのです。
 それからいま一つ、チェーンでございますが、確かにチェーンは、この間東京で雪が降ったときにチェーンを巻いたために相当道路を傷めたことも事実でございまして、その粉じんもきつうございます。しかし、チェーンはいつもつけているものじゃございません。スパイクタイヤは、つけるとそのままでも走る、こういう点もございまして、特に私は、御指摘くださったように、スタッドレスタイヤが大型車も小型車もこれでよかったなという域に日本の産業界が努力していただいている、そして御期待に沿うようになるということを、きょうここで明言させていただくと後々問題があるかもしれませんが、これぐらいの意気込みでいかないといかない、私は、それにかわるいいものがあるということがこの公害防止に大きく役立つ、こういう思いでございます。
#276
○遠藤(和)委員 今スタッドレスタイャの性能の中で制動能力という話を私しましたけれども、もう一つ、やはり耐久性の問題だと思うのですね。長く使えるかどうかということになると、スタッドレスタイヤの方はちょっと耐久性が弱いというふうな評価がありますね。特にトラックのような大きいものになりますと、溝が深ければ深いほど耐久性は劣るんじゃないかと心配するわけでして、こういう意味での研究開発も各方面に強く要請したいと思います。
 それから、自動車は、構造いろいろあるのですが、例えばアンチロックの自動車、ABSであるとか四WD、これは雪道でも非常に安全に運転ができる可能性があるわけですね。ところが、自動車メーカーの開発状況を見ておりますと、例えば四WDなどはしジャー用のものはたくさんあるのですけれども、実際に小型車の四WDというのは少ない、こういうことがあります。したがってこの指定地域の中で、四WDの小型車だとか乗用車とかへ十分に普及できるような生産体制、そういうものも国として指導すべきではないのかなと思うのです。実際に、雪国の人たちは四WDの車が欲しいといっても、十分その需要に間に合わない
部分があるみたいですね。こういうことではいけない、少々高くなるのですけれども。こういう総合的な調整もやはり環境庁として意見を申し上げるべきではないのかな、このように思っていますが、どうですか。
#277
○古市政府委員 前段のスタッドレスタイヤと通常タイヤとの耐久性のお話がございましたけれども、やや耐久性は劣るということは事実でございますが、同サイズのスタッドレスとスパイクとを比べますと、価格が一、二割安いというようなこともございます。スタッドレスの場合には二から三シーズンと言われておりますし、スパイクタイヤは三から四シーズンと言われております。価格と両方あわせますと、スタッドレスを大いに進めていきたい、こういうふうに思うわけでございます。それから、ただいまのアンチロックブレーキ、ABSのシステム、それから四WDでございますが、御指摘のとおりだと思います。
 そういうことで、この所管は運輸省でございますが、私どもの方から運輸省にもお願いいたしました。また、私自身がこのスパイクタイヤ問題で、タイヤメーカーに長官にお願いをしていただくと同時に、自動車工業会の方の幹部に来ていたださまして、タイヤメーカーがやるだけでなくて車体の側からも安全な装置を開発して、先生おっしゃいますように少し割高でもューザーが求めればあらゆる車種に四WDとABSが装着できるように体制をとってくれ、こう申しましたところ、その後運輸省の指導もございまして、大体ほぼABSにつきましては全車種に装備が行き渡る方向に行っておりますし、四WDもレジャー車だけではなくてほかの車種にもかなりの勢いで広げていこうという努力がされているところでございます。
#278
○遠藤(和)委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。
#279
○戸塚委員長 児玉健次君。
#280
○児玉委員 札幌市豊平区月寒中央通り、国道に隣接している場所ですが、降下ばいじん量が多いという有名な場所です。一九八七年から八八年にかけて一平方キロ当たりの降下ばいじん量は、九月が九トン、十二月が五十六トン、三月が百六トンという調査結果があります。環境庁がおつくりになっている資料では東京が十一月から四月の月当たりの平均値が二・二トンですから、長官、その違いがどのくらい甚大なものかということをぜひ御認識いただきたいと思うのです。そして、札幌市では例年そうなんですが、ことしも三月一日から、汚泥と称するばいじんを含んだものを清掃する一斉作業を始めております。ことしの収集汚泥総量は一万二千八百八十七トンです。昨年が一万五千三百六十一トンです。十トン積みのダンプカーで千数百台分です。それだけが堆積している。もちろんそれが肺の中に一部入っていくわけですから、皆さんがおっしゃるように健康に対する被害というのは甚大です。
 そこで長官に最初にお伺いしたいのですが、一九八八年六月二日に出された「公害等調整委員会における調停条項」、これを現在どのように受けとめていらっしゃるか、伺います。
#281
○北川国務大臣 児玉委員の御質問にお答えいたします。
 札幌の状況をお聞かせ願って初めて知ったことでございますが、スパイクタイヤによる粉じんは大変なものであることは、御指摘のとおりであると思っております。この点を踏まえまして、今度それにかわるスタッドレスタイヤをやりたいということで調停をしていただいた。粉じんを解決するためにはやはり新しいタイヤが必要であるということで、皆さんに、タイヤメーカーに御理解を願った、私はこのように思っておる次第でございまして、環境庁といたしましては、スパイクタイヤによるところの健康被害、またそのために生ずるところの社会的ないろいろの悪条件というものを除去していくために全力を挙げていきたい、このように思っております。
#282
○児玉委員 この法律について私は昨年の春の予算委員会の総括質問でぜひ取り上げるつもりでしたが、消費税の御存じのような経過の中で機会が得られませんでした。当時、環境庁の方々に随分いろいろお聞きもしたし勉強もさせていただきました。
 それで、去年とことし、ちょうど一年たっているのですが、八八年六月の公害等調整委員会の調停条項にこういうふうに明記しております。「スパイクタイヤの製造を中止し、」そして「同タイヤの販売を中止するものとする。」年限が入っております。例えば「昭和六十五年十二月末限り」めどでなくて、はっきりと時期を明示しています。そして、その調停条項の二項目で「申請人及び参加人らは、国や地方公共団体に働きかけ、スパイクタイヤの使用禁止に関する法制化及び行政施策が図られるよう最善の努力をする」。もちろんこれには仙台を先頭にして札幌や長野の松本や多くの弁護士さんが参加された。そしてタイヤメーカーの方々も、いろいろな経過はありましたが、これで決意をなさった。私もこれに少しかかわってきた者として、この調停条項には文字どおり感動しました。
 そこで言いたいのですが、日本自動車タイヤ協会の会長さんは、五月八日に発表された談話の中でこういうふうに述べられている。この調停条項については誠実に履行する所存であると述べられつつ、今回政府が提出なさったこの法律案では調停条項が形骸化するのではないかと危惧されています。
 昨年三月、環境庁が示された法律案では、この法律はスパイクタイヤを装着した自動車の運行を禁止すること等によりスパイクタイヤ粉じんの発生を防止し云々、恐らく環境庁としては、それがベストだとお考えになって去年の三月十六日に環境庁としての案をお出しになったと思うのです。それに比較すれば、これは率直に言って重大な後退だと言わざるを得ない、いかがでしょうか。
#283
○古市政府委員 昨年、環境庁におきまして検討いたして国会提出というものを目指した法案というのは、先生御承知のことでございますが、スパイクタイャの全国的な全面使用禁止、その違反者に対します都道府県知事による改善命令及びそれに従わない場合の直罰を定めた、このような内容であったわけでございます。
 今回、引き続き政府内で検討した結果お示しいたして御審議いただいております法案は、環境立法として法制化するための法制的な問題、それから地域を指定しての規制の問題、こういう形で実効性が上がり、現在の状況にあって脱スパイク社会に向かっての確保ができるという形でまとめた法案でございます。そういうことで、実効面から申しますれば前回の法案が目指したところと後退はしていない、このように思っております。
#284
○児玉委員 大いに実効が上がるという点では私も期待をしております。そうでなければならぬと思うのです。しかし、先ほどからの議論をお聞きしておりまして、出した法案がベストなんで、さまざまな疑問は誤解であり云々という態度は、皆さんお示しにはなっていないけれども、もしそういう態度をおとりになるのであれば、これは国民のコンセンサスを得られません。環境庁がことしの四月に中央公害対策審議会大気部会にお出しになった諮問、そこに背景というくだりがございます。そこで皆さん方自身がスパイクタイヤの使用禁止と脱スパイクタイヤ社会への円滑な移行のために法制化が必要だというふうに述べていらっしゃるし、そして長官御自身が五月八日の閣議の後の記者会見で、これは私のおります北海道新聞の五月八日の夕刊なんですが、「全面禁止は理想だが」云々、そのようにも述べていらっしゃる。明らかに皆さんが最善だと思っているものに比べてこれはいささか違うのじゃないか。どうでしょう。
#285
○古市政府委員 いろいろなその時点における条件の中で法制化を、早く成立して実施に至りたいという条件を考えた中で最善の努力を尽くしたということでございます。昨年のような形で再度全面規制で法案調整に入った場合に、正直申して今回国会に提出できる法案はまとまらなかった、そ
ういうことも含めまして、この法案によって実効ある対策を進めていくという方が我々が望み、また長官が言った、脱スパイクタイヤ社会に向かって理想ではないが、それが次善と申しますか、そういう策であった、このように思っております。
#286
○児玉委員 今、古市局長は率直に、政府部内の調整、それでこういうふうになったんだという趣旨のことをおっしゃいました。それで、この議論をやっておりますと時間がかかりますから、次の問題に入ります。
 スパイクタイヤの供給について――通産省おいでになっていますか。タイヤ協会は調停条項の誠実な履行を先ほど述べたように社会的に約束されています。ぜひそうしてほしいと思います。残るのは輸入タイヤです。この間の輸入スパイクタイヤの数量、一九八七年、八八年、八九年、三年に分けてお示しいただきたいと思います。
#287
○中島説明員 御説明申し上げます。
 昭和六十二年輸入量は十万本でございます。スパイクタイヤ十万でございます。昭和六十三年十六万、若干ふえてございます。それから平成元年、これは大した減少ではございませんが、十五万本。ちなみに十五万本と申しますのは、全スパイクタイヤの五%に相当いたします。
 以上でございます。
#288
○児玉委員 今お話しのあった輸入タイヤの中で韓国のクムホのものが大体五万本を占めている、そのように私は承知しております。これは札幌のある自動車の言ってみればスーパーといいますか、最近そういう店が多くなっていますが、その中に、クムホスパイクタイヤ六割引以上で大放出、例えば一八五SR一四、定価二万四千二百円の品が九千六百円、そういう形でこれが市場に出ています。これを放置するわけにいかない、そういうふうに思います。それで韓国製のタイヤが使用するピンはほとんどが日本製です。日本でピンをつくらなければ、言ってみればそこのところを遮断することができる。日本のピン生産のほぼ九割を占めているのは、東芝タンガロイなど三つの会社です。この三つの会社は、タイヤメーカーから九〇年以降はスパイクタイヤの生産予定はないと通告されて、製品について抜本的な転換をされていると承っておりますが、通産省いかがでしょう。
#289
○中島説明員 御説明申し上げます。
 私ども、スパイクをつくっているメーカーと残念ながらまだ直接意見交換しておりませんが、タイヤメーカーを通じての話でございますと、先ほど来お話がございましたように、タイヤメーカーでは本年の十二月をもって生産を中止するといったことで、タイヤメーカーからはスパイクメーカーに対しましてそういった通告をしておりまして、スパイクメーカーもそういったことで了承し、対応を図っていくと伺っております。
#290
○児玉委員 国内のメーカーが調停に同意をされたさまざまな理由があります。最大のものは、国民の健康を守れという雪国の人たちの運動の大きな結果だと思います。と同時に、自分たちが製造及び販売をやめたとしても外国からのタイヤが市場に出ないという信頼感があったと思います。市場で外国から入ってくるスパイクタイヤと、自分たちはスタッドレスしかつくれない、それを自由競争にゆだねるんじゃとてもたまらないという気持ちが、今でもタイヤメーカーにはおありです。このことの持っている重要性というのは、そういうところから私は一部理解をしております。
 そこで述べたいのですが、通産省の輸入タイヤを扱うディーラーなどに対する毅然とした態度がこの問題のかぎです。ちょっと経過的に私は伺いたいんだが、一九八八年の九月に通産省はタイヤの輸入業者を集めてヒアリングをなさった。そのとき集まったのは五社である。そして、そのヒアリングの場所で国内メーカーの方々は、これは一九八八年ですから、三年後に供給がとめられる、そのとき輸入業界としてはどうするのかという通産省の質問に対して業界は、国内メーカーが供給をとめるのなら業界も輸入をやめることにしたい、そのことで国の方針に協力するというふうに述べられたそうです。そしてその直後、通産省の代表の方は私に対して、輸入状況を引き続き厳しく監視し、業界がみずからの言明を実行するよう責任を持って指導していく、こういうふうに述べられた。この経過について、事実かどうか伺います。
#291
○中島説明員 御説明申し上げます。
 そのとおりでございまして、さらに本年四月、私ども輸入の大手業者を個々に呼びまして、同様の趣旨で自粛を要請してございます。
#292
○児玉委員 ことしの四月の上旬皆さんのヒアリングに参加されたのは、ミシュラン、ピレリー、センペリット、コンチネンタル、クムホなどですね。
#293
○中島説明員 そのとおりでございます。
#294
○児玉委員 日本弁護士会が一九八八年十月に発表されたこの問題についての法律試案がございます。その中には明白に「何人も、業としてスパイクタイヤを販売してはならない。」ここまでいったら、供給は完全に遮断できますね。しかし、実態としてそこに近づける必要がある。通産省としては、先ほど言いましたように、間違っても、外国から輸入されたスパイクタイヤが日本の自由市場において、スパイクタイヤの生産をやめることを決定している日本のメーカーのスタッドレスタイャと競合することのないような状態を事実としてつくってほしい。どうですか。
#295
○中島説明員 今後とも強力に指導に努めてまいりたいと思います。
#296
○児玉委員 さて、そこで次の問題です。もし今のお話のとおりであれば、タイヤの供給は遮断されます。しかし部分的な使用は認められる。これが矛盾でなくて何だろうかと私は言いたいのです。
 法律の内容に即して若干お聞きしたいのですが、第三条「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努める」とあります。何人もと書いてあるところに私は意味があるだろうとも思うのですが、スパイクタイヤの粉じんを発生させないためには、スパイクタイヤを使わない以外に道がありませんね。そうではないでしょうか。
#297
○古市政府委員 スパイクタイヤを乾燥または湿潤のアスファルト面と接して使わないということが必要かと思います。
#298
○児玉委員 ちょっと今のは、環境庁、重要な思い違いじゃないですか。第三条では「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めるとともに」云々と書いてありますよ。凍結及び積雪のところなんというのは、まだらの状況についてあなたはそうおっしゃるのですか。
#299
○古市政府委員 ただいまお答えしましたのは、先生の御質問がスパイクタイヤの粉じんを発生させないためには、こういうことかと思ってお答えしたわけでございますが、これは、先ほどから再三お答えさせてもらっていますように、今回提案いたしました法律につきましては、「スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努める」という国民の責務は全体にかかっているということを申し上げたわけでございます。
#300
○児玉委員 そこで、第五条です。午前からずっといろいろ突っ込んだ質疑がされていますから、私なるべく同じことを繰り返したくない。
 第五条で「住居が集合している地域その他の地域」とあります。自動車の運行というのは、御承知のとおり広域的です。私も三十何年か車を運転してきた者です。「住居が集合している地域その他の地域」、その定義についてはもうお答えですから結構なんですが、都市とその周辺という趣旨のことをお話しになっています。自動車の運行の広域性、高速性から、一つの車が運転する時間をあなたたちは大体どの程度を考えているのか。別の言い方をすれば、四十キロないし三十五キロの時速で走るとすれば、大体どのくらいの時間を要するエリアを皆さんは外そうとなさっているのか。伺います。
#301
○古市政府委員 大変難しい御質問で、都会地、それからまた田舎の方とで自動車の使用形態というのはまちまちかと思いますので、ちょっと一律
にお答えすることができかねるのではないかと思います。
#302
○児玉委員 その点は、やはり解き明かさなきゃいけない問題が解き明かせない問題として私は指摘しておきましょう。
 次に、地域の指定なんですが、降下ばいじん量それから住民の健康被害などなどというお話が先ほどからありました。降下ばいじん量の測定スポットが、皆さん方が指定しようとなさっている大都市で平均何カ所くらいあると皆さんお考えになっているのか。それから健康被害ですが、ラットの被曝調査というのは一体全国何カ所でやったのか、伺います。
#303
○古市政府委員 降下ばいじん量の測定地点というのは、私の記憶では約二百四十幾つかと思います。またそれが、小さな市では一カ所であったり、それからまた札幌、仙台では数十カ所という形で分布しておる、このように記憶いたしております。
 それからラットは、環境庁が三年をかけた実験をバイオアッセーというところで集中的に行ったわけで、対象は百四十匹の動物を四群に分けて一年半にわたって行ったということでございます。
#304
○児玉委員 長官、いずれにしても測定の数が少な過ぎるのですよ。それで、むしろ私が言いたいのは、そのことよりも、どの場所を指定していくのかということにもしなるのであるとすれば、定量的な分析で余り機械的な線引きを行うべきでない、そういうふうに思いますが、どうですか。
#305
○古市政府委員 先ほどから、地域の都道府県知事の意向を聞いて、また都道府県知事は市町村の意向を聞いて、それで環境庁と協議して最終的には長官が指定する、こう申し上げましたのも、地域の実情というものを非常に重視して行う。そのときに何もないとぐあいが悪いということでございますので、降下ばいじんの量、それから健康影響の程度、生活影響の程度、さらには交通量、それからもう一つはその地区におけるこれまでのスパイク粉じん対策の運動の推移、そういうものもあって都道府県、市町村から御意向が示される、このように思っておりまして、それを尊重していきたいと思います。
#306
○児玉委員 要するに機械的にしない方がいいということを私は言っておきましょう。
 それで、次の問題は、高速道路及び高速道路が通過する地域をどうするのかという問題です。
 私が承っているところでは、西ドイツでは一九七五年にスパイクタイヤが全面禁止にたりました。高速道路ももちろんです。そのときの重要な理由の一つは、高速で走る車のタイヤに装着されていたピンがはじけて被害を起こしたケースがあったようです。もう一つは例のわだち現象で、それがハイドロプレーニング現象を生み出して大事故が続出した。
 高速道路は外されました。日本ではどうなさいますか。
#307
○古市政府委員 今御指摘のとおり、高速道路においてスパイクタイヤが使用された場合には、単に粉じん発生だけではなくて、舗装道路を損壊することによる交通事故の誘発、わだち掘れでございます。それからピンがはじけてほかの車に迷惑を及ぼした、そういう安全上の問題もあるという形は十分承知しております。また、外国におきましてもそういう点から規制されたということも伺っております。私どもは、そういう実態を踏まえまして、この地域指定を行います場合にはその点も十分に踏まえて関係省庁と協議をして指定地域を決めていきたい、このように思っております。
#308
○児玉委員 この点はぜひ特に外国の経験に深く学んでほしい、そう思います。
 次に、七条の問題です。積雪、凍結の状態、この除外規定で混乱が起きないか、私はそのことを強く危惧します。
 そこで、先ほどのお話の中に積雪、凍結の定義の、何というか逆さといいますか、積雪、凍結とはタイヤの接地面が直接道路に触れない状態が積雪、凍結だというふうにお話をされたように私は聞いております。この定義はよく考えているみたいだけれども、大型のスタッドレスタイヤを開発するための業界の熱心な御研究の中で、今の定義は私はちょっと不適当であるということが出てきたのじゃないか。と申しますのは、大型スタッドレスタイャを開発するために、メーカーは研究開発専門委員会というのをおつくりになって、競争状態にあるメーカーが協力をしてお仕事をなさった。そのとき、北海道大学の低温研究所とも共同の研究をなさいました。そこで出てきたのは、冬期間、北海道の道路表面の平均温度はマイナス五度ぐらいである、その状態で、厚い氷でなくアスファルトの上に薄く水分があって夕方それが凍る。この状態が一番よく滑ります。そのとき、スパイクタイヤであればスパイクのピンの突出部は道路に直接突き刺さる、接地しています。ところが、スタッドレスの場合は、摩擦熱で道路とタイヤの間に水膜ができる。低温研究所の方々は、その状態を疑似液体という言葉をお使いになっている。タイヤと道路の間に水膜ができる。さっきのハイドロプレーニングですよ。それが結局制動能力の最大のネックで、それをどんなパターンで排除するかということで、大体今成功してきたというふうに私は聞いております。そうだとすれば、先ほど局長がおっしゃった定義は成り立たないのではないですか。
#309
○古市政府委員 今お話がございましたのは、スタッドレスタイヤとスパイクの制動比較をやった場合に、零度からマイナス五度の近辺でスパイクの方が優位に立って、それより高温、低温の方はともにスタッドレスの方が劣らないという結果も、先生が御指摘のそういう現象からかと思いますが、そのタイヤと道路の間の一枚の水といいますか、凍結状態が云々というのを理論的に詰めていくという趣旨でこの法律を構成しておるわけではないと私どもは思います。だれしもが凍結と言い積雪と言う範囲内でそういう状態でないときにという趣旨でございまして、非常に細かい、科学的にいろいろ試験をする薄い状況が凍っていた、凍っていないというところでその条項が判断されるべきものとまでは思っておりません。
#310
○児玉委員 私が言いたいのは、余り形而上学的なカテゴリーを設定するとこれも失敗すると言いたいのですよ。やはりある程度実態に合わせないとだめだ。札幌で路面が露出していないのは幹線道路にあっては年間約二十日前後だと言われています。凍結の状態は時々刻々変わります。そういう中で、先ほどからの御議論もありましたが、この点はやはり実態に合わせて進めていく。改めて申したいのですが、この除外規定というのは、運用のいかんによっては大きな混乱を起こすという点を私はあえて指摘しておきたいと思います。
 最後の問題ですが、附則三条の大型自動車、これこそ粉じん発生の中心です。一九八三年に、北海道開発局の土木試験所月報ナンバー三百五十六に、久保宏さんと小笠原章さんというお二人の研究者が非常に説得的な論文をお書きになっています。その中で、北海道の国道十二カ所の調査、そのポイントで全自動車通行量の中で大型車のまじる率は二四%、四台で一合しかいない大型車が舗装路面の摩耗に三五%の影響を与えている、こういう実証的な研究をなさっています。簡単に言えば、大型車は小型車の二倍道路を摩耗させる、大型車のスパイクタイヤ使用禁止が実現したら四割近く道路の摩耗が防げるということです。だからこそ、かなりの外国で大型車の禁止を先行させているのではないか。日本はそれが逆転している。まずいのではないですか。
#311
○古市政府委員 外国と日本でスパイクからスタッドレスに移行するという状況が、残念ながら、外国ではスパイクタイヤが一〇%以下のときに既にそういう方向に切りかえて今日に至っている、我が国の場合は対応が少しおくれまして、九〇%装着のところからゼロに向かおうということでございますので、やはりその間の、今までのスパイクに対する過度の信頼と申しますか、そういうことがございますし、スタッドレスに対する過重な期待と申しますか、そういうことがございますし、また、乗用車が現在九〇%、大型が七〇%の
制動力ということから考えますと、やはり最低限の三年間という猶予期間を限って、しかもそのうちのなるべく早い時期にそちらに移行していただく、この努力をするという以外にはないのではなかろうかということでございます。先生のおっしゃった方向で、なるべく早くやりたいと思っております。
#312
○児玉委員 通産省に大型スタッドレスタイヤの現状を聞きたかったのですが、時間が来たようですから……。なかなかいいものができています、さっき長官がおっしゃったように。札幌の市営バスが、昨年の秋からことしにかけていわゆる候補タイヤを七十台に装着させて、そして試験的に運行させています。支障は出ていないようですね。今局長のお話のように三年と言わず、できるだけそれを引き寄せる、この点についての長官のお話。
 それから、スタッドレスで大型車が走るとき、現在、ダンプカー十輪の中ですべてのタイヤをスタッドレスやスパイクタイヤで走っている車は二台に一台だと言われます。前輪の二つと後ろ八つあるうちの内側四つだけ使って、外側の四つは坊主タイヤで、チェーンを履くために使う。それで、大型スタッドレスタイヤの開発に参加されている研究者は、全輸装着してくれたら今の状態ではるかにいいと言っています。その点での指導をどうなさるかという問題。
 そしてもう一つは、さっきもお話のあった四WD、生産は、北海道で言えば品不足は余りないと私たちは思っています。皆さんの御努力もあったと思います。問題は、スタッドレスタイヤを使用するとき若干の皆さん方は経済的援助をなさったし、札幌もしました。四WDについても、取得の際の税金があります。これは残念ながら地方税です。そこの軽減措置が講ぜられたら四WDの普及は飛躍するだろうと思うのです。この点で環境庁が犬馬の労をとるおつもりはないだろうか。
 そして最後は、この法案が国民の積極的な協力のもとに、法案の不備にもかかわらず実効あることを私は期待しています。そして、そうなったときにこの法案はなるべく早く見直すべきだと思うのです。
 以上の点について、長官のお話を伺います。
#313
○北川国務大臣 ただいま委員がいろいろ御指摘くださって、スパイクタイヤの禁止に関して大型車のスタッドレスタイヤ、こういう点に関してもやはり前向きで積極的に取り組んでいき、それが実効を上げるようにしていかなくてはいかないと思っております。
 なお今後とも、この法案を御可決願って、そして実施いたしまして――これは、百点満点というのは我々のつくるのにはよほどでないとございませんから、その中でまず実施していただきたい、このことを前提に置きましてお願いをした次第でございます。よろしくお願いいたします。
#314
○古市政府委員 四WDに対する税制の優遇措置ということでございますが、かなりの勢いで普及しているということは非常にうれしいことでございますが、また、それだけに量がふえた場合の税制措置の対象が膨大な額になって、現実はなかなか難しいということでございます。先生から御指摘があったということを私深く受けとめたいと思います。
#315
○児玉委員 終わります。
#316
○戸塚委員長 中井洽君。
#317
○中井委員 私が初めてこのスパイクタイヤによる粉じん公害という話を聞きましたのは、当委員会で十年ぐらい前になろうかと考えております。私どもの郷里ではめったに雪は降りませんし、大臣のところもめったに雪はお降りにならない。初め、そんなことがあるのかなという思いで話を聞かせていただきました。その後、寒冷地の議員の方々は熱心に御議論なすって、結果こういう法案の審議というところを今日迎えたわけであります。先ほどからの長い審議も含めまして、大臣、どんな考えをお持ちか、お尋ねをいたします。
#318
○北川国務大臣 中井委員の御質問にお答え申し上げます。
 大阪と三重県は、同じように雪はございません。テレビあるいは新聞、ニュース等によりまして、札幌等で自動車のスパイクタイヤで空気がなにしておるのを見て、何とか早くこんなものは直らないかと思っておったのが、今日こうして法案に出されることになったことは皆々様のおかげであると思っておりますし、関係各省庁間の協議の中でここまでまとめていただいた、こういう思いをいたしております。
 この法案が御可決願った後は、この法案を国民の皆さんも御理解願い、利用者も御理解願い、そして各都道府県もこれの実効果が上がるように御努力いたしていただきたいという願いを込めておる次第でございます。特に、スパイクタイヤの粉じんは健康を損ね、地域社会を環境を悪くしていくことは事実でございますので、どうか本法案が早期に成立していただくようお願いを申し上げる次第でございます。
#319
○中井委員 私どもの党もこの法案には賛成であります。しかし、先ほどからいろいろと御質疑がありましたように、他党の方もそうではないかと思うのですが、本当に喜んで賛成しているわけではありません。
 私も過去、環境委員会で、いろいろな法案策定の御苦労、あるいは法案をつくれという要求をしたこともあります、また審議にも参加をさせていただいてまいりました。この法案を読ませていただいて、聞かせていただいて、どうしてこういう格好になったのかというところが一番わからない。大体各省庁間の折衝や業界等の折衝もあってこういう形になったかと思いますけれども、なかなか私どもみたいに環境の委員会に所属をさせてもらっておる者でもわかりにくい法案であります。スパイクタイヤの禁止を求められた、あるいは禁止以外にないじゃないかとお考えになっておった住民の方々が、この法案を見たらびっくりされるんじゃないかという思いが強くいたします。
 今までも環境関係の法案というのは大変議論のあるところ、省庁間の調整の難しいものばかりでございます。しかしその中でも、例えば幾つかの法案において、科学的な根拠なしに、割り切りと称して思い切って法案にしてしまったことも幾つかある。そして、それが結果先取りとなって国民の環境を守る、命を守るというので大いに役に立ってきたということはあります。また同時に、一、二の問題では、いろいろ議論はあったけれども割り切ってやっちゃって、後から科学的にそこまでやらなくても大丈夫だったという問題もあったのも事実であります。しかし、環境問題というのは常にそういうことだということで、環境庁あるいはまた環境委員の方々も党派を超えて御努力をされてきたと思うわけであります。
 今回のこの粉じん公害の問題は、′犯人はちゃんとわかっておるわけです。原因はちゃんとわかっておるわけです。そして、スタッドレスタイャにかえればいい、チェーンにすればいい、これもわかっておるわけであります。こんなに簡単にわかっておるものを、どうしてこんな複雑怪奇な、理解のしにくい法案にしてしまったのか、ここのところはどうも私、納得がいかない。そういった意味で、環境庁の経過を含めての御答弁をいただきます。
#320
○古市政府委員 るる説明をさせていただいておりますが、わかりにくい法律であるということで、恐縮でございます。
 私なりにその原因を考えますと、一つは、スパイクタイヤ自身が完全な悪でないというところにあろうかというぐあいに思っております。すなわち、かなりの積雪、凍結地帯で使っている限りにおいては粉じんが起こらないという状況で、ある程度の有用性の面だけが発揮される、しかし一たん人込みの乾燥路面に来た場合にはもう悪の限りで、いいところはない、こういう状況になっております。
 それからもう一点は、このスパイクタイヤを使っていた、またスパイクタイヤのノースパイク運動を繰り広げてきたその地域の住民運動の歴史というものに差がある。それからまた、雪質、地形、そういうものからこれに対する依頼度というものに日本でもかなり差がある。それからまた、交通安全の面と環境保全の両立を図らざるを得ない、そういうことから、日本全国一律の法律でやる場合に片一方を立てれば片一方が立たないという仕掛けにならざるを得ない。こういう中から、関係する各省との調整もそれぞれなかなか難しかった。こういう経緯で先生に御理解願い、わかりにくい法律になったという御批判を得るのかな、このように思っております。
#321
○中井委員 今の御答弁は、五年前なら私そのとおりだと思います。今やスタッドレスタイヤがちゃんとできて、それからスパイクタイヤで粉じんの公害がこれだけ起こっておるということは、みんな理解しておるわけでしょう。そういう時期にどうして環境庁は、他の省庁との交渉も含めてもっと割り切って禁止というところまで踏み込めなかったのか、従来の私どもが知っておる環境庁の姿勢とちょっと違うじゃないか、このことを久しぶりに出さしていただいて強く感じておりますが、もう一度御答弁いただきます。
#322
○古市政府委員 今回の法律で正面から全面禁止という構成にはなっておりませんが、その目指すところは、この数年以内に日本からスパイクタイヤというものを全面的になくなしていきたい、そういう趣旨でつくった法律でございます。
#323
○中井委員 それでは、この法律でスパイクタイヤを全面的になくす、どうやってなくすんですか。何に頼ってなくすんですか。国民の御好意ですか。どこにそんなことが書いてあるんですか。この法律を見たら、申しわけないけれどもスパイクタイヤを使ってもいいんじゃないですか。違うんですか。簡単にすっと読んでいけば、スパイクタイヤを使っていいんでしょう。例えば、スパイクタイヤを使っている人を見つけて、外ぜと言うんですか、この次やめてくれと言うんですか。罰則もなければ何もないじゃないですか。そういうことじゃないんですか、違うんですか。どういう格好で、何を頼りにそんな全面的に禁止に持っていくんだとおっしゃるんですか。
#324
○古市政府委員 まず、ここに提案させていただいております法律の目的が、いわゆる全面的な廃止の方向に行きたい、それによって健康の保護、生活の保全というものを目的としておりますし、それから第三条で、国民の責務として「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努める」。それからまた、国及び地方公共団体の責務といたしまして第四条でそのための各種の施策をやっていく。その上で特に問題がある地域は、自治体からの意見を聞いて環境庁が指定して、その地域内では使用を禁止する、それに反した場合には十万円以下の罰金をかける。しかも、これは現在開発が進んでおります大型トラックのタイヤにも三年を限度にして政令で定める日には適用していく、こういうことで、ノースバイク社会に向かって進みたい。また、この背景には、来年の三月三十一日から大手メーカーで国内生産の九十数%に当たるスパイクタイヤというものの供給が停止されるという状況もございます。
#325
○中井委員 二つお尋ねいたします。
 この法案ができるまでに、宮城県だとか各地方自治体で、かなり条例をおつくりになったりあるいはスパイクタイヤをやめようという運動、精神的なお願いあるいは自粛の運動をやってこられたわけであります。それらでどれぐらい効果があったのか。また、そういう条例や自粛運動とこの法律とは根本的にどこが違うんだ。この二つの点でお尋ねをいたします。
#326
○古市政府委員 地方自治体で進められました条例に基づくノースバイクへの働き、また、要綱によるノースパイクへの動きというものは大きな成果が上がったと思います。その結果、仙台においてはスパイクの装着率は現在既に二〇%を切っている。しかし一方、北海道ではかなり長い期間強力な運動があったけれども装着率はまだ減っていない。ただ、その使用期間がだんだん短くなっている、その結果降下ばいじん量もだんだん下がってきております。そういう地方の動きに対して、今回の法律というものは、その動きを促進して支援するということで、地方自治体とともに国の責務を明らかにして国の方向を定めた、このように思っております。
#327
○中井委員 大型自動車や今回の法案から適用除外をされている自動車のスタッドレスタイヤというのはかなり開発が明るい、先ほどからこういう見通しを言われておりましたけれども、現実的にいつぐらいまでにはこの法案を適用しても構わないぐらい実用化がなされる、このように確信をお持ちですか。
#328
○古市政府委員 現在、大型車に対するスタッドレスタイヤの開発状況は、つい先日、タイヤ協会、大手の方から発表がございましたが、七割のレベルまで到達しており、この冬には正式の販売レートに乗せて皆さんに使用していただく、こういう報告を得ております。さらに、それと並行してモニター制度で使用の状況をとっておりますので、だんだんとその性能も上がっていくものと期待いたしております。
 先生お尋ねの期間でございますが、この法律では三年間を限度として同じような施行に持っていくということでございますから、平成五年には乗用車と同じようなレベルまで開発に努力して、同じような扱いの方に持っていきたい、このように思っているわけでございます。
#329
○中井委員 警察の方、お越しですか。二点ほどお尋ねいたします。
 スタッドレスタイヤにかえた場合に、各地区で雪が降るあるいは凍る、そうすると道路規制が行われます。この道路規制のときに、必ずチェーン着装という問題が出てくるのです。私は今まで、スパイクタイヤを履いている人がどうしてチェーン規制されるのか、さっぱりわからなかったわけであります。また逆に私どものところみたいに雪の降らないところでたまたま大雪が降る、そうすると大変な交通ラッシュになる。なぜかというとチェーン着装。ところが、お通りになっている人でチェーン着装できない人がたくさんいらっしゃる。道路へばんと置いたままどこかへ行ってしまうわけです。あるいは、笑い話みたいですけれども、前輪駆動の車に後輪にチェーンを巻いてしまうというようなことをやる。だから、例えばスタッドレスタイヤにして安全だ安心だということであるならば、もうチェーン規制、チェーン着装をなしにしてしまえばスタッドレスタイヤはかなり広まっていく、こんな感じを抱くものでありますが、規制をされる面から見てどうお考えですか。
#330
○賀来説明員 私の理解不足かもわかりませんが、今聞いた感じで若干難しい御質問でございます。道路上でチェーンを使うあるいは場合によっては通行どめをするという場合は、相当な積雪、凍結などいろいろな気象状況がございますが、その際に、仮にチェーンを巻いてもどうしても危険だという場合には、道路管理者等と連絡をとりまして通行どめという措置を講ぜざるを得ないような特殊な事態もございます。それとか、チェーンを巻けば、気をつけて連行すれば何とかおおむね目的地に行けるであろうというような状況もございます。
 ただいまお尋ねのスタッドレスタイヤというのは、私どもの認識では、少なくともチェーンを巻いた場合よりは安全性は――大雪とか凍結の場合はチェーンを巻いておる方が安全だというふうに認識いたしますし、また、だんだんなくなると思いますが、スパイクタイヤであってもチェーンを巻いた方がいいというようないろいろな状況がございます。そういうようなことで、あえてチェーン規制をするという場合には、運行される人の安全のためにそういう規制なり指導をしておるということで、スタッドレスタイャを使えば全く要らなくなるという状況ではないのではないかとは思っておりますが、十分な説明になりました
#331
○中井委員 それじゃ、もう一度お答えください。
 おっしゃることはよくわかりますが、現実に、各地域の雪が降ったり凍りかけたときの規制は必ずチェーン着装なんです。何でチェーン着装なのか、スタッドレスタイヤがあればいいのじゃないかと私は簡単に思うわけです。それは雪の量とか凍りつく量で御判断いただくならいいけれども、各地区の取り締まりの任に当たられる警察の方では必ずチェーン規制をやられる、ちょっとした雪でもチェーン規制になる。そういったことを、今のお話であるならば、スタッドレスタイヤでもいい部分と、その上にまたチェーンをつけなければならぬという部分と、全面禁止というふうに、分けてお考えいただきたい、こういうことではどうですか。
#332
○賀来説明員 現行でも、通行どめの場合、あるいは今お話しのようにチェーンを巻く場合、スノータイヤでも結構である、そのままでもいいとか、いろいろありますが、地域によりましてそういう用意ができておるような地域と、めったとないどか雪のところとかはその地域の交通状況になれておられない方とか、いろいろな特殊事情がございますので、その地域によって規制の仕方に若干幅があるというのが実情で、これはどうしても道路を利用される方々の対応ができる場合となかなかできない場合とございますので、そういう意味でやむなく規制態様が異なる場合があるのが実情でございます。
#333
○中井委員 それじゃ、これ以上はやめますが、三重県警に言うておいてください。
 もう一つ教えていただきたいのは、スパイクタイヤとスタッドレスタイヤでは、運転するときに何か警察の方で安全面で随分いろいろ御疑義があったと私どもは聞かしていただいております。スタッドレスタイヤを使って運転するときの注意とかいうものはどんなもので、また、こういう法案を契機に、全国的にスタッドレスタイヤで運行していただく場合の注意をどのように啓蒙されようとお考えになっておるのか。規制の面であるから御担当が違うかもしれませんが、おわかりの範囲でお答えいただきます。
#334
○賀来説明員 スパイクタイヤとスタッドレスタイヤの差異は、御案内かと思いますが、先ほどもお話がありましたけれども、雪がたくさん降っておる場合にスパイクタイヤが有効かというと、逆にスタッドレスタイヤの方が性能的にいいという場合もございますし、また、状況によりましてはスタッドレスタイヤがブレーキをかけましても滑走する距離が少し多い、いわゆる制動されるまでの幅があるというような差異もございます。いずれにいたしましても、スタッドレスタイヤがこれから普及すると思いますので、スピードとの関係、いわゆる速度をある程度制御しておればスタッドレスタイヤでもかなり安全性が保たれるということが実情になっておりますので、やはりこれからのいわゆるスタッドレスタイヤ社会になります場合には、スピードというものを考慮した上で運転をする、その運転の方法は、目いっぱい走るというのじゃなくて、防御運転というような観点の安全講習あるいは技能を高めるというような配慮が必要だと思っております。
#335
○中井委員 それでは最後に長官にお尋ねいたしますが、私どもは、先ほども言いましたように、この法案賛成であります。しかし、環境庁自身もお感じであろうかと思いますが、内容的に大変曲がりくねって、直接的に禁止といけなかったところに私どもはいろいろと思いがあります。環境庁の方はこの法案でスパイクタイヤの全面的な禁止に持っていけるというようにお考えのようでありますから、私どもはそれが無事達成できるようにお祈りを申し上げ、またお手伝いも申し上げたいと考えておりますけれども、罰則が始まるのが平成四年、大型車については平成五年には実用化ができる、そのもとに同じ適用をする、こういう感じでございます。そういう状況になれば、逆にスパイクタイヤをそれこそ全面的に禁止する、そして、それを使用した人は道路交通法で罰金と減点という形にして環境庁のこの法案を無事卒業さすというつもりでこの法案の実施にお取り組みいただかなければ、到底実効は上がらない、こういう感じを抱いているものでございます。この法案の効力ある実施に当たって長官の御決意を聞いて、質問を終わらせていただきます。
#336
○北川国務大臣 中井委員の非常に御理解のある、そしてまた厳しい指摘の中で考えますならば、この法案を御可決願った後は、私は、環境庁といたしまして関係各行政機関と十分な連絡をとり、また地方自治体とも連携し、国民の皆さんの御理解を得、そしてその啓発、知識の普及をなしながら、その諸政策、例えばもう完全にスパイクタイヤを一人も使わないという域に達するように啓発していきたい、そして、国民の御理解の上に立って、スパイクタイヤの公害、その粉じんは御迷惑かけないという方に持っていくように努力してまいりたいと思っております。
#337
○中井委員 終わります。
#338
○戸塚委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
#339
○戸塚委員長 この際、本案に対し、児玉健次君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。児玉健次君。
    ─────────────
 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案に対する修正案
   〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#340
○児玉委員 私は、日本共産党を代表して、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案に対する修正案の趣旨を御説明します。
 修正案は、お手元に配付いたしましたとおりです。
 その内容は、第一に、原案の第五条一項において「スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるもの」となっていますが、この法律の目的を達成するのに「特に」と、より限定的にする必要はないものとして、「特に」を削除するものです。
 第二に、原案第七条のスパイクタイヤの使用禁止の要件のうち、「道路の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)において、」となっているものを、積雪、凍結した道路の除外が刑罰要件をあいまいにし、混乱が予想されることから、「の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)」を削除するものです。
 第三に、附則の第五条として、スパイクタイヤの製造、販売中止の調停や大型車の代替タイヤの開発、普及がなされることから、「スパイクタイヤの使用については、平成五年三月三十一日までに、これを全面的に禁止する措置が講ぜられるものとする。」の一条を加えるものであります。
 委員の皆様の御賛同をお願いして、趣旨説明を終わります。
#341
○戸塚委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
#342
○戸塚委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、児玉健次君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#343
○戸塚委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#344
○戸塚委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
#345
○戸塚委員長 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、持永和見君、竹内猛君、斉藤節君、児玉健次君及び中井洽君より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。斉藤節君。
#346
○斉藤(節)委員 私は、ただいま議決されましたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一 指定地域の指定にあたっては、広域的に脱スパイクタイヤが進み、住民の健康の保護及び生活環境の保全が十分図られるよう配慮すること。
 二 脱スパイクタイヤのための環境づくりとして、積雪等に関する情報の提供、冬道における安全運転教育等の実施に努めること。
 三 スパイクタイヤの供給を確実に減少させるため、公害等調整委員会の調停の対象外のタイヤメーカー及びタイヤ輸入業者についても、スパイクタイヤの製造、輸入、販売を自粛するように指導すること。
 四 タイヤメーカーによる代替タイヤの研究開発の促進を図るため、技術的な指導その他必要な措置を講ずること。
 五 道路管理者が行う除融雪等に必要な費用について、道路管理者の負担が過重とならないよう配慮すること。
 六 法施行後における地域指定の状況、スパイクタイヤ粉じんの発生状況、スパイクタイヤに代替するタイヤの開発状況等を勘案し、必要に応じ、スパイクタイヤ粉じん対策の在り方に検討を加え、その結果に基づいて、脱スパイクタイヤ社会の実現(禁止)に向けて所要の措置を講ずること。
以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#347
○戸塚委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#348
○戸塚委員長 起立総員。よって、持永和見君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、北川環境庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。北川環境庁長官。
#349
○北川国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を体しまして努力いたします。ありがとうございました(拍手)
    ─────────────
#350
○戸塚委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#351
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
   〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#352
○戸塚委員長 次回は、来る五日火曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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