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1990/04/17 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 科学技術委員会 第2号
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1990/04/17 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 科学技術委員会 第2号

#1
第118回国会 科学技術委員会 第2号
平成二年四月十七日(火曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 与謝野 馨君
   理事 新井 将敬君 理事 伊藤宗一郎君
   理事 梶山 静六君 理事 鳩山由紀夫君
   理事 関  晴正君 理事 辻  一彦君
   理事 近江巳記夫君
      増子 輝彦君    山本  拓君
      渡瀬 憲明君    小松 定男君
      野坂 浩賢君    松前  仰君
      藤原 房雄君    吉井 英勝君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      大島 友治君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     平野 拓也君
        科学技術庁長官
        官房審議官   石井 敏弘君
        科学技術庁長官
        官房審議官   井田 勝久君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  中村 光弘君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  石塚  貢君
        科学技術庁研究
        開発局長    須田 忠義君
        科学技術庁原子
        力局長     緒方謙二郎君
        科学技術庁原子
        力安全局長   村上 健一君
 委員外の出席者
        科学技術委員会
        調査室長    高戸 純夫君
    ─────────────
委員の異動
三月二十八日
 辞任         補欠選任
  森井 忠良君     岡田 利春君
同日
 辞任         補欠選任
  岡田 利春君     森井 忠良君
四月十七日
 辞任         補欠選任
  野坂 浩賢君     佐々木秀典君
  金子 満広君     吉井 英勝君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木秀典君     野坂 浩賢君
  吉井 英勝君     金子 満広君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ────◇─────
#2
○与謝野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 大島国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。大島国務大臣。
#3
○大島国務大臣 第百十八回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 科学技術の振興は、二十一世紀に向けて我が国及び世界が安定的な発展を遂げ、平和で豊かな社会を切り開いていくために必要不可欠な最重要課題の一つであります。
 今日、科学技術が、国力の向上の原動力であり、また人類共通の課題の解決に大きな役割を果たすものであることは、世界で共通の認識であります。一方、我が国は、世界において極めて重要な地位を占めるに至り、「世界に貢献する日本」としての施策の展開が求められています。
 したがって、我が国としては、国際社会における地位相応の役割を果たし、より豊かな国際社会を実現するため、科学技術を通じた国際貢献を一層推進していくことが重要であります。
 さらに、創造性豊かな科学技術の振興は、その成果が人類共通の知的資産としての性格を有するとともに、我が国の立国基盤をより強固なものとすることから、今後とも積極的に推進していく必要があります。
 かかる観点から、平成二年度においては、人類の生存と繁栄に深くかかわる地球規模の環境問題の解決に資する科学技術の推進、国際貢献に資するとともに、我が国の長期的な存立の基盤を強固なものとする創造性豊かな科学技術の推進、我が国全体の科学技術水準の向上を図り、さらに、地域の活性化に資するための研究開発の地域展開の推進に重点を置きつつ各施策の積極的展開を図ってまいります。
 引き続き、平成二年度における科学技術庁の主要な施策につきまして申し上げます。
 第一は、科学技術を通じた国際社会への貢献であります。
 国際社会における日本の役割の増大に対応し、科学技術面での国際貢献を積極的に推進してまいります。
 特に、人類の英知を結集して解決すべき地球規模の環境問題について、その科学的解明等を進めてまいります。
 また、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進を図るとともに、国際的な研究交流及び科学技術情報の国際流通の促進を図ってまいります。
 第二は、創造的・基礎的研究の充実強化であります。
 活力ある経済の維持発展を図り、我が国の立国基盤をより強固なものとするとともに、科学技術の知見は人類全体の資産であるとの観点に立って、新たな科学的知見を開拓し、次代の科学技術を培う創造的・基礎的研究を積極的に推進してまいります。
 第三は、科学技術振興のための基盤の整備であります。
 我が国全体の科学技術水準の向上を図り、さらに地域の活性化にも資するとの観点から研究開発の地域展開を強力に推進するとともに、大型放射光施設の整備、科学技術情報流通の促進等研究開発基盤の整備を推進してまいります。
 第四は、科学技術行政の総合的推進機能の強化であります。
 科学技術振興調整費の拡充、科学技術政策研究の充実強化、広報啓発活動の充実等により、科学技術行政の総合的推進機能の強化を図ってまいります。
 第五は、原子力研究開発利用及び安全確保対策の推進であります。
 原子力の研究開発利用につきましては、原子力を我が国の基軸エネルギーとして位置づけ、安全確保を大前提にその定着と着実な推進を図ってまいります。このため、核燃料サイクルの確立、新型動力炉の開発、核融合の研究開発、創造的・革新的な原子力研究等を推進するとともに、安全確保対策の一層の充実強化を図ってまいります。
 また、国民の理解と協力を得るための施策を一層充実強化してまいります。
 第六は、宇宙開発利用の推進であります。
 人類の新たな活動領域である宇宙の開発利用につきましては、技術基盤の確立を基本とし、人工
衛星、ロケット等の開発を推進するとともに、国際協力による宇宙ステーション計画へ参加する等、その総合的推進を図ってまいります。
 第七は、海洋開発の推進であります。
 人類の活動領域の拡大のために重要な海洋の開発につきましては、「しんかい六五〇〇」システムの開発・運用、地球規模の環境変化に大きな影響を与えている海洋変動現象の実態解明を目指した海洋観測技術の研究開発等の総合的推進を図ってまいります。
 第八は、地球科学技術の研究開発の推進であります。
 地球観測衛星を用いたリモートセンシング技術の研究開発、地球規模で発生する諸現象の解明研究を進めるとともに、地震予知等の防災科学技術の研究開発を推進してまいります。
 第九は、物質・材料系科学技術の研究開発の推進であります。
 物質・材料系科学技術は、広範な科学技術を支える共通的・基盤的技術として重要であり、その研究開発の積極的な推進を図ってまいります。
 第十は、ライフサイエンスの振興であります。
 広範な分野で人類の福祉の向上に資するライフサイエンスに関し、がん関連研究に重点を置くほか、生体機能解明研究の推進を初めとする基礎的・先導的研究開発等を推進してまいります。
 以上、平成二年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し述べましたが、我が国の科学技術のより一層の発展のために、私といたしましても誠心誠意努力してまいる所存でありますので、委員各位の一層の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
#4
○与謝野委員長 次に、平成二年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。平野官房長。
#5
○平野政府委員 平成二年度科学技術庁関係予算の概要を御説明申し上げます。
 平成二年度一般会計予算において、科学技術庁の歳出予算額三千六百九十八億三千八百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、百四十三億九千六百万円、四・一%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として、歳出予算額一千二百十一億三千七百万円を計上するほか、産業投資特別会計から、日本科学技術情報センターに対し、三十八億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は、四千九百四十七億七千五百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、二百八十一億五千二百万円、六%の増加となっております。
 また、国庫債務負担行為限度額として、一般会計一千四百四十三億三千三百万円、電源開発促進対策特別会計二百五十億八百万円を計上いたしております。
 さらに、一般会計予算の予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を九千三百八十四億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を三百四億円とし、これに基づく借入金を使用済み核燃料再処理施設の操業費等の一部に充てることといたしております。
 次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、科学技術を通じた国際社会への積極的貢献を図るため、六百二十九億一千四百万円を計上いたしました。
 このうち、主なものを申し上げますと、まず、地球環境問題に対応して、地球環境の観測・監視、諸現象の解明研究等地球環境問題の解決に資する科学技術を推進することとし、このために必要な経費として五十二億九千百万円を計上いたしました。
 また、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムについては、その実施主体がフランスに設立され、事業が本格的に実施されることとなったことを踏まえ、拠出金を充実することとし、このために必要な経費として十八億七千二百万円を計上いたしました。
 また、外国の研究者の受け入れ環境の整備等国際研究交流を促進するとともに、政府関係文献等いわゆるグレーリテラチャーの国際流通を図ることとし、これに必要な経費として二十四億三千八百万円を計上いたしました。
 第二に、創造的・基礎的研究の充実強化のため、七十八億四千七百万円を計上いたしました。
 まず、科学技術振興調整費を活用して新たに科学技術特別研究員の受け入れを行うこと等により、国立試験研究機関における研究活動の強化を図ることといたしました。
 また、平成元年度に開始された若手研究者の独創性に着目した基礎科学特別研究員の受け入れを促進することとし、このために必要な経費として四億二千六百万円を計上いたしました。
 また、創造科学技術推進事業を充実することとし、これに必要な経費として五十一億二千百万円を計上するとともに、フロンティア研究を充実することとし、これに必要な経費として二十億九千万円を計上いたしました。
 第三に、科学技術振興のための基盤の整備のため、百二十三億六千五百万円を計上いたしました。
 まず、科学技術振興調整費を活用して、地域における産・学・官の研究機関に地域内外のすぐれた研究者を結集し基礎的・先導的研究を実施する地域流動研究を新たに実施することといたしました。
 また、重要な基礎研究領域に関し、高い研究ポテンシャルを有する地域において基礎研究を推進するため、フロンティア研究を地域においても展開することとし、これに必要な経費として二億六千百万円を計上いたしました。
 さらに、地域における研究開発の高度化促進等のために必要な経費として四億六千六百万円を計上いたしました。
 また、大型放射光施設について、後年度負担の平準化を前提として、加速器試行開発、建物設計等を実施することとし、これに必要な経費として二十八億百万円を計上いたしました。
 また、産・学・官の研究交流を促進するために必要な経費として三十億五千五百万円を計上いたしました。
 さらに、日本科学技術情報センターにおける科学技術情報の流通を促進するために必要な経費等として、一般会計に十七億八千二百万円を計上するとともに、産業投資特別会計から同センターに対し三十八億円の出資を予定いたしております。
 第四に、科学技術行政の総合的展開を図るための経費として百八億三千七百万円を計上いたしました。
 まず、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務の総合推進調整を行うため、科学技術振興調整費として百二億円を計上するとともに、科学技術政策研究の充実強化、科学技術の広報啓発活動の推進に必要な経費等として六億三千八百万円を計上いたしました。
 第五に、原子力の研究開発利用及び安全対策の推進のため、二千九百六十二億一千四百万円を計上いたしました。このうち、一般会計において一千七百五十億七千八百万円を計上いたしております。
 まず、原子力安全規制行政及び核不拡散対応に必要な経費として二十億三千七百万円を計上いたしました。
 次に、日本原子力研究所においては、高温工学試験研究炉の建設、核融合の研究開発、放射線高度利用研究等を進めることとし、これらに必要な経費として九百七十五億八千七百万円を計上いたしました。
 また、動力炉・核燃料開発事業団においては、新型動力炉の研究開発及び核燃料サイクル確立のための研究開発等を進めることとし、これらに必要な経費として五百六十六億四千三百万円を計上いたしました。
 また、放射線医学総合研究所における重粒子線の医学利用に関する研究、理化学研究所における重イオン科学総合研究、国立試験研究機関等における原子力試験研究に必要な経費として百八十一億五千百万円を計上いたしました。
 次に、電源開発促進対策特別会計歳出予算額のうち、科学技術庁分として一千二百十一億三千七百万円を計上いたしております。
 このうち、電源立地勘定においては、国民の理解と協力を増進し、原子力施設の立地を一層促進するための経費として二百四十一億七千七百万円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定においては、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設、核燃料サイクル確立のための研究開発等を推進するための経費として九百六十九億六千万円を計上いたしました。
 第六に、宇宙開発利用の推進のため、一千百九十四億一千六百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団において、地球観測プラットホーム技術衛星等の開発に着手するほか、HIIロケットの開発、宇宙ステーション計画への参加等を進めることとしております。これらに必要な経費として一千百六十二億九千三百万円を計上いたしました。
 また、航空宇宙技術研究所における宇宙科学技術の基礎的、先行的研究を進めるための経費として二十五億六千六百万円を計上いたしました。
 第七に、海洋開発の推進のため、九十八億六千四百万円を計上いたしました。
 このうち、海洋科学技術センターにおいて、一万メートル級無人探査機の開発、深海環境研究開発、海洋観測技術の研究開発等を行うこととし、これらに必要な経費として九十六億四千五百万円を計上いたしました。
 第八に、地球科学技術の研究開発の推進のため、二百六十九億三千三百万円を計上いたしました。
 このうち、人工衛星等を利用した地球観測技術等の研究開発の推進については、二百二十八億一千三百万円を計上するとともに、地震予知研究等防災科学技術の研究開発の推進については、二十七億八千二百万円を計上いたしました。
 第九に、超電導材料研究マルチコアプロジェクトの推進等物質・材料系科学技術の研究開発の推進のため、百三十六億七千五百万円を計上いたしました。
 第十に、がん関連研究、脳・神経系の研究等ライフサイエンスの振興のため、百九十億八千百万円を計上いたしました。
 最後に、革新航空宇宙輸送要素技術の研究等その他の重要な総合研究を推進するため、百八十二億一千万円を計上いたしております。
 以上、簡単でございますが、平成二年度科学技術庁関係予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。
#6
○与謝野委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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