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1990/06/22 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 科学技術委員会 第5号
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1990/06/22 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 科学技術委員会 第5号

#1
第118回国会 科学技術委員会 第5号
平成二年六月二十二日(金曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 与謝野 馨君
   理事 新井 将敬君 理事 伊藤宗一郎君
   理事 梶山 静六君 理事 塩川正十郎君
   理事 鳩山由紀夫君 理事 関  晴正君
   理事 辻  一彦君 理事 近江巳記夫君
      河野 洋平君    増子 輝彦君
      山本  拓君    渡瀬 憲明君
      五十嵐広三君    小松 定男君
      野坂 浩賢君    山内  弘君
      藤原 房雄君    吉井 英勝君
      永末 英一君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      大島 友治君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     平野 拓也君
        科学技術庁長官
        官房審議官   石田 寛人君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  石塚  貢君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  林  昭彦君
        科学技術庁原子
        力局長     緒方謙二郎君
        科学技術庁原子
        力安全局長   村上 健一君
 委員外の出席者
        原子力安全委員
        会委員長    内田 秀雄君
        外務省欧亜局ソ
        ヴィエト連邦課
        長       東郷 和彦君
        文部省高等教育
        局医学教育課長 小林 敬治君
        厚生大臣官房国
        際課長     大西 孝夫君
        厚生省保健医療
        局企画課長   荒賀 泰太君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     倉重 有幸君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      橋本 好一君
        科学技術委員会
        調査室長    高戸 純夫君
    ─────────────
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  藤原 房雄君     東  順治君
同日
 辞任         補欠選任
  東  順治君     藤原 房雄君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  藤原 房雄君     東  順治君
同日
 辞任         補欠選任
  東  順治君     藤原 房雄君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  田並 胤明君     五十嵐広三君
  森井 忠良君     山内  弘君
  金子 満広君     吉井 英勝君
  永末 英一君     和田 一仁君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐広三君     田並 胤明君
  山内  弘君     森井 忠良君
  吉井 英勝君     金子 満広君
  和田 一仁君     永末 英一君
    ─────────────
六月十八日
 脱原発法の制定に関する請願(須永徹君紹介)(第一六七〇号)
同月十九日
 脱原発法の制定に関する請願(池田元久君紹介)(第二〇四八号)
同月二十日
 脱原発法の制定に関する請願(井上一成君紹介)(第二三六九号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ────◇─────
#2
○与謝野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻一彦君。
#3
○辻(一)委員 きょうは、前からずっと問題になっております福島第二原発の三号炉の報告書が出ておりますが、それをもとにして通産当局、そしてもちろん科技庁と、それからあわせて内田安全委員長に若干お尋ねしたいと思います。
 私、去年の三月三日に衆議院予算委員会の補正予算案の審議で、四十分ほどこの問題をかなり論議をした記憶がありますが、一昨々十九日に福島をもう一遍見てまいりました。そして、一年半にわたる国会論議の衆参両院の速記録をずっと一通り目を通してみました。
 その中でこういうことを感じたのですが、一つは、まず福島の原発の事故は、いわゆる設計段階あるいは溶接といいますか構造の問題において、例えば共鳴現象が出るとか溶接の問題とか、こういう問題点があったということが一つと、それから去年の一月一日から六日の間の現場の運転員、それから電力会社、政府の対応において問題があった。それから今は、要すればこの一番問題のケーシング、いわゆるポンプの外側に心配がないかどうか。これからの再利用をするとすれば、安全上の問題があるし、それから炉内に鉄の塊が粉になって三十三キロか三十一キロか若干のずれがあるようですが、破片になりあるいは粉になって、あの原子炉の中に鉄の粉が入って、それが全部出されたかどうか、そういう面がこれからの安全にどうか、こういう問題がずっとありますが、時間の点からすべてに触れられませんので、第二の一月一日から六日の対応の問題についてもう一度洗い直してみたい、こう思うわけであります。これは原子力の安全性を、今後やはり人間の、人が扱うわけですから、その扱いのいかんは非常に安全性に問題がある、こういう点から考えましてもう一度取り上げてみたいと思います。
 そこで、委員長のお許しをいただいて、そこに、皆さんに資料を配付させていただいたわけでありますが、ちょっとそれを参考にしながら若干質問したいと思います。
 まず第一に、その上から四番目のポンプの振動という問題がありますが、例えばこの原子炉は十二月いっぱいから一月一日の事故が出る午後六時五十五分まで、X軸で百九十七、Y軸で二百十というように平穏、なだらかにずっと推移をしてきた。私は十二月における資料の提出を求めて、このX軸、Y軸の回転軸の振動のこれを見たのです
が、この黒い線がそこに真ん中にありますが、このように一カ月ずっとほぼなだらかに、若干の揺れはありますが、推移をしている。
 こういう中でこの一日の十八時五十五分に原子炉再循環ポンプBが振動大で警報が出た。そしてそれは、ポンプの速度を下げたことによっておさまったということでありますが、その後の推移を見ると、明らかに、ずっと平たんな今までの一カ月にわたる形と違って振幅を繰り返しておる。
 こういうのを見れば、明らかに原子炉の中に、ポンプの中に何らかの変化が、変動が起きているということは素人でもわかるのじゃないかと思うのですが、このときにずっと現場の運転員がこれを放任、見たのか見ないのかわかりませんが、運転をずっとそのまま継続し、ポンプもそのままにしているということは、我々のような目から見ても理解がしがたいわけです。この調査に当たってとういうようにこれは判断されているのか、ちょっとお聞きしたい。
#4
○倉重説明員 お答えいたします。
 先生お尋ねの福島第二原子力発電所三号機の事故発生に係る一月一日からの運転の対応についてというお尋ねでございますけれども、まず一月一日に警報が発生してから一月七日に原子炉を停止したわけでございますが、この間に速やかに運転を停止というお話でございますけれども、明確に実は運転マニュアルに反していると判断されるような運転操作は行われていなかったと考えております。
 この間、実は先生の御指摘のように、振動の警報が出るとかいうことがございまして、監視が強化され運転が行われていたところでございますけれども、主要なパラメーターには必ずしも有意な変化がなかったということで運転が継続されたわけでございます。
 結果的に、その原子炉再循環ポンプの振動警報発生時の運転マニュアルの規定が適切なものではなかったということでございまして、異常兆候に対して速やかに原因の調査検討等がなされなかったことが、この間の運転の継続、ひいては事象の進展、拡大につながったというふうに考えられるわけでございます。
 通産省としましては、一月の五日に、実は一月一日の振動発生状況につきまして報告を受けまして、さらに詳細な状況の把握、それから原因の調査を行うよう東京電力に指示し、また一月六日に、その同日起こりました振動の発生の状況、それから原子炉停止を決定した旨報告を受けたわけでございます。
 その報告の時期、それから内容が必ずしも十分ではなかったということでございました。そのため、今後異常が発生した場合には迅速かつ詳細に内容を報告するようにということで、東京電力を厳しく指導したわけでございます。
#5
○辻(一)委員 その資料のナンバー2をちょっとごらんいただきたいのですが、この1で見るとこの原子炉再循環ポンプBの振動はX軸、Y軸はそう大きな揺れのように見えないわけですが、去年の三月十七日に出された資料によると、この資料ナンバー2ですが、これは、一時間単位に目盛りであらわしているんですね。これを見ると、相当な振幅といいますか、揺れているわけですね。
 例えば一月の三日にこの数値は、資料1にありますが、三百八十ミクロンというところですね、これは警報が、ブザーが鳴るようになっておるわけですね、ところが一日はもうはるかにそれをオーバーしている、飛び越えて針が振り切れたというわけです。ちょっとおさまりましたが、三日では三百二十、二百九十というように、なるほど警報は出ていませんが、それに近づいておる、こういう推移があるわけですね。そして四日の十時くらいからずっとまた上がりかけて、そして四日の午後にもかなり高い山になっているのですね。こういう状況を見れば、これは私は、運転マニュアルに違反する、しないということの論議よりも、何か異常があるかということを考えるべきじゃないかと思うのですね。
 そこで第二の問題は、その下の原子炉再循環ポンプBのスラスト軸受け温度、これは原子炉が大きな変化をしたときにこの温度の変化が起きておるのですね。同様十二月中のこれを見ると、四回起きておるのですね。十二月四日に一回、これは原子炉が自動停止をしたときにこういう温度の変化が起きている。それから十二月十日、これは原子炉を起動したとき、とまったのを動かしたときにこういう温度の逆転が上、下と起こっている。三回目は十二月十二日に原子炉が停止をしたときに温度の逆転が起こっている。四回目は十二月十七日に原子炉を起動した、動かしたときに温度の逆転が起こっておる。いずれも原子炉に重大な変化が、これは自動停止か緊急停止か、いずれにしても原子炉をとめるということ、とまった原子炉を動かすということは大きな変化なんですよ。そのときに軸受けの温度の変化が、逆転が起きておる。これを見れば、この資料1に明確に、上下の温度逆転がここにあらわれている。
 こういうことを見たら、今まで一カ月のわずかな期間でも、この現象があらわれるときには必ず重大な原子炉の変化がある。これから見たら、このときに何か起こっておるということを考えなければならないのだけれども、私はこの間現地へ行って、このパラメーターの位置は原子炉の中央制御室の裏側にあるのですね、それを見たのですが、そういうのを点検すべきだったのですが、点検したのかどうか、運転員は。私、時間がきょうは非常に限られておりますから、簡潔に要点だけで結構ですから。
#6
○倉重説明員 お答えいたします。
 先生お尋ねのスラスト軸受けの温度の点でございますけれども、この軸受けの温度は、原子炉を起動したりとめたりすることによりまして、ポンプの回転数によりまして、その温度が上面と下面と両方あるわけでございますが、それが実は変化するわけでございます。一般的には下の方、下面の方が、停止している場合には、停止というか回転数が低い場合には、下の方の温度でございますけれども、高いわけでございますが、通常回転数が上がりまして運転する場合には、上面の方に少し浮き上がるような感じになりまして、上面の方が温度が高い、こういうのが一般的な傾向でございます。この一月一日の十九時のところで逆転現象が起きておるということでは、ここに何かの変化があったのではないかということでございます。それで私ども原因調査をした結果では、ここで水中軸受けリングが落下するとか何らかの変化があったのではないかというふうに考えております。
 先生御指摘のように、この軸受け温度の変化、それからその前に御指摘になりました振動の変化等を考えれば、もう少し慎重に対応すべきだったということは私どもも考えておりまして、そういう面では慎重さが欠けていた。それからさらには、類似事象が過去にも福島第二発電所であったということからすると、慎重さを欠いたというふうに考えております。
 お尋ねのスラスト軸受け温度についての上昇を確認したのかということでございますが、一月一日の午後五時半に軸受けの下面の温度が徐々に上昇しているということを運転員が確認しております。
#7
○辻(一)委員 私の方はもう長い説明は、大体資料を読んでわかっておるのだから、運転員がパラメーターを見て確認したのかどうかということを尋ねておるのですよ。それだけではない。そこで変化があったということは、これは素人目に見てもわかるのですね。
 もう一つは、一番下の原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩器入り口の導電率の変化です。これはもう言うまでもないことですが、冷却水は真水を使っておるのですね。だから、中に何物かがまじれば電気の通りがよくなって、これが上がるようになっておる。だから水が純粋であるか、何かまじり物があるか、こういうことを示しておる。これが〇・一から〇・五五というように、言うならばこの警報値は一・〇ですから、五五%、ずっと近づいておるわけですね。こういう現象をどう見ておった
のか。長い説明は要らぬですから、どう見たか、簡潔に答えてもらえばいい。
#8
○倉重説明員 お答えいたします。
 原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩器入り口の導電率の変化でございますが、先生御指摘のグラフのように、一月一日から徐々にずっと上がりまして、一月三日にピークになったわけでございます。このろ過脱塩器は、先生御案内のように原子炉のあか水をきれいにするために設けられているものでございまして、ある一定の割合の水をろ過脱塩器に通しまして、イオンと申しますか、中の水をきれいにするというものでございます。この事象で見ますと、徐々に上昇しておりまして、その原因が当時はまだわからなかったかと思いますが、現在考えてみますと、再循環ポンプの損傷に伴いましてその金属の一部が溶け込んで、イオンとなって水に溶け込んで、その部分がろ過脱塩器の入り口の導電率の上昇ということになったと考えておるわけでございます。
#9
○辻(一)委員 これは結果論みたいになってしまっておりますが、今の御答弁でも、やはり金属の粉がだんだん入ってくることによってその導電率がずっと高まってきたのではないかという見方をしていらっしゃるのですね。
 これだけではないのです。これには出されてないのですが、参議院の予算委員会で私の方の稲村議員が要求して提出を求めた「関連パラメータの推移」があります。この中に、それは資料ナンバー3ですが、一番下の原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩器の(A)(B)の出口、さっきのは入り口ですが、出口の導電率がそこに出ておるのですが、これはこの数字によりますと〇・〇九というようになっておりますね。上のこまが一・〇で、〇・〇九というとその百分の九で非常に小さいように思うのですが、一体、ろ過脱塩器出口導電率の警報設定値は、数字はどうなっておりますか。
#10
○倉重説明員 お答えいたします。
 警報設定値でございますが、〇・一マイクロジーメンス・パー・センチメーターでございます。
#11
○辻(一)委員 〇・一なんでしょう。非常にこの図は意図的なつくり方をしているんですね。ほかのは、例えば上のパラメーターをずっと見ると、みんな、例えば振動の部では三百八十が警報設定値、六百まで目盛っていますね。それから以下皆同じですが、これだけは警報設定値が〇・一であるにかかわらず、〇・〇九というのは警報の鳴る九〇%に達しておる、これは非常に高い数字なんです。ところが、あたかも非常に低いようにこの図はつくられておりますね。だから、それは提出したところの意図が非常にわかりにくいようになっておると思わざるを得ませんが、そのことは別として、出口の導電率を見ると〇・〇九。警報が〇・一で鳴るなら、もう一歩前の九〇%まで高まっておるという、こういう事実がずっと一日から六日まで続いておるのですよ。これはもう明らかに水が汚れているというか、中に何かほかのものが入って、そのために電気の通りがよくなって導電率が上がっているということですね。これらの数字を見たら、いや心配ないというようなそういう判断をまず専門のその現場の運転員がするというようなことは、これは私は非常に問題があると思うのですが、どう思いますか。簡単で結構ですから。
#12
○倉重説明員 お答えいたします。
 このろ過脱塩器の出口の導電率でございますけれども、この出口の導電率は必ずしもその中の水の導電率をあらわすものではないというように考えております。この出口の導電率は、そのろ過脱塩器の性能によっても非常に左右されますので、ですから出口の導電率が上がってきたということは、中の脱塩器の性能といいますか、イオンを吸収する効果が薄くなってきたということでございまして、それが上がってきたということは、それに対して再生手続とかそういうものをとる必要が生じたということを意味するわけでございまして、先生御指摘のように、そのなぜ出てきたかということを考えると、一つには先生おっしゃるように、金属なりが溶け込んでそういうような必要が生じたというようなこともあるかもしれませんが、直接的にはそのろ過脱塩器の性能、それに大幅に左右されるということでございまして、中の原子炉の水の導電率ということでは、先ほどお示しになりましたろ過脱塩器入り口の導電率、こちらと直接リンクするのではないかというふうに考えております。
#13
○辻(一)委員 専門的に論議をするにはちょっと時間がなさ過ぎるのですが、まず、今私が申し上げたこの振動、それから軸受けの温度、それから今言った、この今の論議はそれとして、それでは入り口における導電率ですね、これらを見ると、いずれもこれは何か中に起きているのじゃないかということを考えなければならぬですね。
 しかも、指摘したいのは、この福島第二原発の一号炉は、一九八四年、昭和五十九年に軸受けのこの同じリングが半分、調べたら脱落している。それから八八年には、これは二年前ですが、主軸に同じようにひびが入っている。問題になっておるところでしょう。だから、もうこれだけのデータがあったら、前のこの福島第二原発における事故等、しかもその同じリングに、第一号であるけれども、起きているのですからね。それとつなぎ合わせたら、何かここで判断が出なくちゃいけないと思うのですね。それを現場の運転員は、必ずしも自分だけの判断でない、私はもっとほかの判断が重なっておったと思うのです。
 そこで、一月四日にこのトラブル委員会が設置されました。そのメンバーはだれだれですか。ごく簡単でいいですから、聞かしてください。
#14
○倉重説明員 お答えいたします。
 トラブル委員会のメンバーでございますけれども、福島第二発電所の副所長、原子炉主任技術者、ボイラー・タービン主任技術者、電気主任技術者、放射線取扱主任者、保健安全センター所長、品質保証担当次長、運転技術担当次長、技術部長、発電部長、技術部副部長、発電部副部長、技術部各課長、発電部各課長等により構成されております。
#15
○辻(一)委員 一月四日の十時からこれらのメンバーがその調査委員会を開いている。そしてまた、この結論のように、落ちついているからいいだろう、運転継続という方針を出しておるのですが、まあこれだけの、この東京電力の福島原発、百十万という日本のB型の最高の発電所をそろえて持っているその現場のそうそうたる責任者がこれだけ集まって、これだけのデータを見て、何もなかった、これはいいんだという、これは目が節穴かあるいはほかの影響によってこういうものを見過ごしたか、何かなければこんなものを見過ごすことは常識的にあり得ないと思うのですが、この委員会の出した結論をどう思いますか。
#16
○倉重説明員 お答えいたします。
 一月四日にトラブル調査委員会を開いたわけでございますが、その結論でございますけれども、この再循環ポンプの振動事象につきまして、その委員会では評価を行いました。その時点では振動も落ちついている、それから原子炉冷却水の導電率も低下傾向にあったということで、監視を強化しつつポンプの運転を継続するというふうな結論になったと聞いております。
 しかし、先生御指摘のように、種々のパラメーターもあり、警報も鳴っておるということからすれば、当然その原因の究明をしっかりやるべきであるということで、私どもそのような判断を現在しているわけでございます。
#17
○辻(一)委員 現場におった三日前の運転員、それから四日に開いたこの調査委員会等の対処の方法を見ると、これは慎重を欠くとかそんなものじゃないですよ。大事なポイントが欠如していると私は思うのです。
 もう一つ、三つ目に、この一月六日に、この図でごらんのようにブザーが、振動大の警報が発生したのですね。それで何分かしてまた警報が出ている。これから十四時間にわたってブザーが鳴りっ放しですよ、警報が。これは鳴りっ放しなのは耳に入って困るから、恐らくボタンでも押してブザーをとめた。後は電気が点滅して警報を出しておるのですね。十四時間ブーっと、ほっておけ
ば、耳をふさがなければならないようなブザーが鳴り続ける中で、これは原子炉、ポンプをとめるでもなしにやっているのですね。
 例えば、この警報が出た一月六日の午前四時二十分、そこから、そのときにポンプの速度をちょっと落としておりますね。しかしそれは、この上から二番目のあれを見れば四九ですから、大体半分に落としておるのですね。そしてさらに落とす前に、大体この時間を見ると八時間ないし九時間、時間がたっておるのですね。これだけ警報が八時間も九時間も鳴り続いている中でこのポンプはずっと動いているんだが、これは、この振動は継続していると見ていたのか、いや、継続していないと見ていたのか、どちらなんですか、この八時間の間。
#18
○倉重説明員 お答えいたします。
 この図でもわかりますように、一月六日の午前四時二十分に振動大の警報が発生してからはずっとそれが続いているわけでございますから、当然運転員はその振動につきまして注意を払って見ているはずでございますので……(辻(一)委員「振動は継続しているのですか」と呼ぶ)振動は継続しているかと思います。
#19
○辻(一)委員 振動は継続していると見たなら、現行の東電の運転マニュアルに、そのBに「さらに、振動が継続していると判断した場合には、両ポンプの速度を二〇%にして当該ポンプを停止し、原因を調査する。」とあるが、これに明らかに違反しているのじゃないですか。運転違反ですよ。これはどうなんですか。
#20
○倉重説明員 お答えいたします。
 運転マニュアルには、振動が継続した場合には速やかにポンプを停止ということでございまして、まあ「速やか」の解釈いかんかと思います。発電所では速やかにというのが通常の運転手続でなるべく早くというふうに解釈したのかもしれませんが、今から考えますと、直ちにとめる、「直ち」という表現の方が適当かと考えております。
#21
○辻(一)委員 課長苦しい御答弁で同情はしますが、これはちょっと厳しくやっておかぬといかぬ、どうしても。だからやむを得ませんが、これは、あなた、「さらに、振動が継続していると判断した場合」というのですね。だから、八時間ブザーが、警報が鳴り響いているというんなら、今の御答弁でも振動は継続しておったと答弁されておるし、ブザーはもう最後まで十時間鳴っておったのですが、振動は継続しているのですね。そのときには、「継続していると判断した場合には、両ポンプの速度を二〇%にして当該ポンプを停止し、原因を調査する。」まずそのときに二〇%に速度を落とさなければならぬのですね。これが運転マニュアル、東電の運転規則に、ここのあなたの出した報告書の九十六ページに「さらに、」とちゃんと書いてある、Bに。これは、その当時の対応はこの運転規則に明らかに違反をしていると言わざるを得ない。どうなんです。
#22
○倉重説明員 一月一日の場合には警報が鳴りまして……(辻(一)委員「六日の話だ」と呼ぶ)はい。お答えします。
 一月一日の場合には警報が鳴りまして、ポンプの回転数を下げますと警報の設定値以下になったということでございますけれども、一月六日の場合には、同様にポンプの回転数を下げる操作をいたしましたけれども、警報が鳴り続けているということで、その後とめるための判断をし、回転数を下げるという操作をしたと聞いております。
#23
○辻(一)委員 これは東京電力を呼んでやらなければいかない問題だけれども、私の聞いているのは、役所から見て運転規則違反じゃないかどうかということを聞いている。違反なのか違反でないのか。この事実を見れば、こんなに振動が継続しておったら二〇%にポンプの速度を落とすんだという、だけれども、ポンプは四九%、約五〇%で八時間ずっと動いておるんですね。これはこの条件に全然合っていないじゃないですか、違反じゃないですか。
#24
○倉重説明員 私ども、その運転マニュアル等も詳細に検討しましたけれども、明確に違反ということは考えておりませんが、種々の状況を考えると慎重な対応が必要だったというふうに判断しております。それで、再発防止対策としまして、運転マニュアルを改正するようにということで至急指示し、現在、各発電所ですべて運転マニュアルは見直しされたわけでございます。
#25
○辻(一)委員 あなたの立場から違反であるとはなかなか言いにくいでしょうが、これはもう明確にこの条項から合わせて違反と言わざるを得ないですね。
 しかも、これは東電本社の意思が入っているんですね。東電本社は一月六日の午前十時に、翌一月七日の十時まで発電を継続するということを決定したというように聞いておるんですね。だから、これはもう現場だけで判断できないのですよ、こうなったときに。やっぱりこれを動かすかとめるかは東電の本部がこの判断に入っているのですが、そのときに東電がそういう状況を知りながら一月七日まで運転継続を決定したとすれば、これは重大なる保安規則に対する違反だと思いますが、どうなんです。
#26
○倉重説明員 お答えいたします。
 発電所の運転につきましては、責任を負っていますのは発電所の所長、それから運転につきましては運転の当直長が責任を負っています。現在も、各発電所ございますけれども、発電所のリードで、当然本店には連絡等は行いますけれども、最終的に判断は発電所が行っておるわけでございます。
#27
○辻(一)委員 建前はそれは現場にあるでしょうが、これだけの重大な状況を東電が知らぬはずがないですね。これは状況を見ていろんな判断をしておるんですよ。
 現にあなた、一月の四日、トラブル委員会が開かれた、その午前中に東電の本社のこの保修上の一番の責任者の保修課長が自殺したじゃないか、上野駅で飛び込んで。亡くなった人をどうこうということは余りここで言いたくないけれども、こういう一番責任者の東電本社の保修課長が自殺をしている。その前後を見れば、これはやっぱり東雷の本社の決定があったから、こんな無理なことを動かしておったと思わざるを得ないですね。そこら、どう思っておるんですか。
#28
○倉重説明員 お答えいたします。
 その保修課長の死亡に関しましては、それがこの福島第二の三号機の再循環ポンプのトラブルと関連するのかどうか、私どもは承知しておりません。
#29
○辻(一)委員 だから、エネルギー庁長官にも出てきていただいてもう一度聞かなければならぬと言ったんです。建前上説明員しか出られないというから、やむを得ませんが、その問題はきょう理事会で論議したとおりです。
 そこで、このときに通産省は専門官を現地に、四日までは正月休みでいなかった、これは仕方がないとして、六日になれば、これだけの事故があれば、現地におったはずですが、現地に派遣した運転管理専門官は一体どんな判断をして、本庁に対してどういう報告をしておったのか、それをどう判断をしたのか聞かしていただきたい、指導官庁として。簡潔でいいですよ。
#30
○倉重説明員 お答えいたします。
 一月の五日に、一月一日の振動の発生の状況について専門官も報告を受けたわけでございます。当然同じような時期に通産省の本省にもその旨同じような連絡がございました。本省から東京電力に対して詳細な状況の把握と原因調査を行うように指示して、その旨を通産省の中の専門官に本省から連絡をしておるわけです。
 一月の六日、翌日でございますけれども、朝十時ごろだったと思いますが、当日の朝やはり同じように振動が発生したということがございまして、その振動発生の状況、それから原子炉を停止する決定をした、そういう旨の報告があったところでございますが、その報告の内容は、どちらかというと非常に簡単な報告でございまして、そういう面で、報告の時期、それから内容につきましてもっと詳細な報告をするようにということを厳しく指導したわけでございます。
#31
○辻(一)委員 スリーマイルの経験に照らして全国に運転管理の専門官を配置をして、その専門官が、これだけのデータがそろって問題が起きているときに、簡単な報告だけ聞いておったというようなことで一体国の指導監督ということが果たせるのかどうか、非常に私は問題があると思うのですよ。
 これは、現場の運転員の運転規則違反、それから東京電力の保安規則違反、それを助長しておったのは通産のエネ庁の甘い態度じゃないですか。こんなもの、言うならこれは企業に同調したような形になっている。八時間も九時間もブザーが鳴り続ける中で、マニュアルにちゃんとポンプを二〇%に落としてとめよとある、それも守られずにどんどん進んでいるのを見過ごしているというようなことで、これはもう私はなっていないんじゃないかと思うのです、こういう状況の中で。こういう東電の安易な態度を許す背後には、行政官庁の甘い態度があるのではないか、こういうことを私は思うのですが、いかがです。
#32
○倉重説明員 東京電力に対して非常に甘い態度じゃないかということでございますが、私どもそういうふうに思っておるわけではございません。現実に一月一日に警報が発生しまして、正月でありましたけれども、発電所の安全ということで運転管理専門官、それから私ども本省のしかるべき担当者にはいつでも連絡つくように、いろいろそういう体制になっております。そういう面で、異常が起きれば速やかに連絡するようにということを常々電力会社には指導しているわけでございますが、さらにその点につきましては徹底していきたいと考えております。
#33
○辻(一)委員 私は、皆さんそれぞれ努力していらっしゃるのはわかりますが、このデータや事実を見ると、非常に問題があると思いますね。
 時間の点から持ち時間が大体終わりになってきたんですが、今調査を継続しておるんですが、これは私は身内の通産省の調査委員会だけでは安心がならぬ。これは少なくも航空事故調査委員会のような第三者を入れた調査委員会をつくって再調査をするか、それがもう既に進行して困難ならば、原子力安全委員会においてこの問題を徹底的に論議をして、国会に対して正式の報告書の提出を要求したい。いかがですか。
#34
○村上政府委員 お答え申し上げます。
 原子力安全委員会としましては、本件再循環ポンプの損傷事象につきましても、これまで通産省から逐一報告を受けているところでございますが、健全性評価につきましても、いずれ通産省から報告を受けて審議することとなるわけでございまして、安全委員会は、機能としては航空事故調査委員会と同様の権能を持っております諮問委員会でございまして、これまでも審議結果につきましては議事録等の形で取りまとめて逐次公表することにしておりますし、今回の事象につきましても審議結果を公表することとなるのは当然でございますので、もし国会からの御要請がございますれば、その内容について十分御説明することとしたいというふうに思います。
#35
○辻(一)委員 内田委員長にお尋ねをしたいのですが、聞かれたとおりの状況ですね。
 私の目で見ると、今回の東電の事故は現場の対応、それから企業の対応、行政庁の対応において問題ありと思いますが、これは今後の安全のためにはぜひ徹底的にここらの欠陥を解明しておく必要があると思う。そのために、通産は通産でこの調査をされておるのですが、安全委員会としてはダブルチェック機能を持って十分な検討をして、国会に正式に報告書を提出していただきたい。それをひとつ委員長にお尋ねしたい。
#36
○内田説明員 お答え申し上げます。
 福島第二の三号機の事故につきましては、以前の機会にも申し上げましたけれども、放射能の放出に結びつく事故ではありませんが、冷却材という、原子炉施設においては一番大事な冷却材の循環する機能の損傷でありまして、その結果が原子炉容器等に分散したという極めて重大な事故と考えております。また、これを契機としまして地元並びに社会一般に不安をもたらしたことは大変残念に思っているところであります。
 日ごろ私たちは予防保全が一番大事である、原子炉の安全確保には予防保全が大事であるということを常々申し上げておりますけれども、二F三の事故というのは、残念でありますが、予防保全に逆であったというようなことが、この結果に結びついたのだろうと思います。
 特に福島第二の原子力発電所でもって、先生御指摘のように既に二回の同じトラブルがございまして、そのときにポンプの中の構造、溶接構造等を十分把握しておったわけでございますから、そういう問題があるということが現場の最前線まで十分達しておることが一番よかったのであろうと思いますが、そういうことが行われませんで、二F三の問題というのは、むしろ十二月に起こりました流量の揺らぎから来る中性子束高のスクラムがございましたが、それに注目されて、それに対する対策からポンプのスピードを落とせば解決できるだろうというそちらの方に注目された結果が、こういう事故になったのではないかと思いますので、運転に実際にタッチされる人々の予防保全をますます十分達していただきたい、こう思っておるわけであります。
 通産省から二月の報告書も十分受けておりますし、これからそれに従った調査結果から、それが安全の確保にどういう影響をするかということについての評価が、報告が近々来ると思いますが、安全専門審査会の発電用炉部会におろしまして、専門家に十分チェックしてもらうつもりでございます。安全委員会としても十分チェックするつもりでございます。
#37
○辻(一)委員 それは当然国会に提出されますね、今の報告書。
#38
○村上政府委員 御要請がありますれば、十分説明するつもりでございます。
#39
○辻(一)委員 まだまだ論議をしたいことがありますし、それからケーシングやあるいはこの後の金属粉等々問題がありますが、後でまた同僚の小松さんが論議をされると思いますので、きょうはこの程度にとどめたいと思います。
 終わります。
#40
○与謝野委員長 小松定男君。
#41
○小松委員 私も福島の原発の事故に関連して質問をしたいわけですが、その前に長官に原発についての基本的な問題を伺ってから、その問題に入りたいと思うのです。
 原発の危険性についてはもう私から今さら申すまでもないのですが、長官も十分御存じだと思います。ただ、代替エネルギー等の関係からこの原発がやむを得ないということで推進されているのだろうと思うのですけれども、それとも政府としてはこの原発を積極的に推進したいということで考えているのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
#42
○大島国務大臣 ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げたいと思うのでございますが、問題は、我が国がエネルギー資源の約八割を海外からの輸入に依存してきているということ、これはもう現実の問題でございますし、今後着実なエネルギーの需要の伸びが見込まれる、こういう我が国におけるエネルギーの先を考えた場合の安定供給ということを確保することについては、やはりこの問題は重要ではないかということは、まず私ども十分考えておることでございます。
 さらにまた、そのためには、我が国のエネルギー政策においては各エネルギー源の特徴を最大限に生かした最適な組み合わせを図ることが必要じゃないか、いろいろな組み合わせのことも大事であるということを考えてもおります。とりわけ原子力は供給安定性、それから経済性、それから環境影響等の面ですぐれておりまして、我が国の主要なエネルギー源の一つとして、安全の確保ということをあくまでも大前提にして、その開発利用を着実に進めていく必要があるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#43
○小松委員 原発にかわる代替エネルギーの問題とか、これはまた時期を改めて議論するときもあ
ると思いますので、それに譲りたいと思いますが、ただ、今長官からお話がございましたように、原発を推進するに当たって一番重要なことは安全性だということを答えておられました。まさにそのとおりだと思うのです。もう一つ言わせれば、やはり住民の合意ですね、こういうものが相当大きなウエートを持たなければならないと思うのですけれども、そういう立場でいきますと、仮に今度の福島の原発の事故の問題について安全性が十分解明されなければ、それまではこれを国としては再開を認めない方向で今後とも行く方針があるのか。この点は重要なことですから、まず承っておきたいと思うのです。
#44
○大島国務大臣 先ほども、安全性を前提にしてこれを進めるということは、委員も御理解をいただけるとは思いますけれども、しかし、現実の問題として、ただいま問題になっておりますような福島の原発の問題ということがあっては、いかに前提といいながらも、そこにはやはり問題が起きているじゃないか、こういう点も御質問の御趣旨でもあるかと思いますので、十分そういうことのないようにするためには、いわゆる安全の大前提ということは、こちらだけの問題でなくて、やはり相手、国民、一般住民の皆さんにこの問題についての、問題というか原子力発電というものについての理解と協力、なかんずく原子力の一般的な問題について本当に理解と協力を求めていくことが絶対必要でなかろうか。
 同時に、そういう面からしまして、まだまだ現実にこういう問題が起きるということは非常に遺憾であるということは私ども重々承知しておりますが、さりとて、先ほど申し上げました日本のエネルギーの需給環境を考えれば、これをないがしろにすることはできないということでございますので、従来に増して安全性に対する住民の皆さん方の御理解と御協力というものを積極的に進める。
 同時にまた、あくまでもこのことは人というものが左右する大きな要因になっておるということで、やはりそれに携わる人というものの立場を十分注意深く見守り、そしてまた今回の福島の問題についても、そうした点からあらゆる面での原因究明とその成果というものを期待した上で運転を開始すべきじゃなかろうか、こういうふうに考えておるものでございます。
#45
○小松委員 たしかことしの初めの、長官が大臣に就任されたときの談話のあれを読ましてもらったのですけれども、確かに今言った安全性の問題とか、いろいろと触れてあるのですが、たしか長官が次官のときに、十二、三年前だと思うのですが、そのときには日本においては十二基か十三基ぐらい原発があったと思うのですね。今三十八基ぐらいですか、約三倍近くになっているということなのですけれども、ただ、私のところは別に原発があるところじゃないのですが、よく安全の議論をしますと、つくる側あるいはまたそういう関係の側といいますか、これは特にその点を主張するわけなのです。
 ところが、これは長官に率直にお聞きするのですけれども、例えば長官のところは栃木県ですね。栃木県にはそういう原発の施設はないと思うのですけれども、それでは、そんなに安全ならば、自分のところにそれが仮に設置されようとしたときには、やはり積極的にこれを進める立場に立てますかどうか、この点どう考えますか。
#46
○大島国務大臣 まことに現実に即した御質問だと思って受けとめておりますが、幸いなるかな、ただいま問題にはなっておりますが、福島の原発によりまして、我が県の約四割余に達する電気の需要が満たされておるという点でございまして、そのほかいわゆるアイソトープのようなものの施設というものはわずかに私の近所にはございますが、極めて安全な状態で今日も運営されているということでございます。
 しからば、おまえのところどうだ、こう申されたときには、あえてその必要性がある場合を認めるならば、私も立場上、県民の理解と協力を得ながらこれを設けてまいりたい。たまたま私も、大正の初めに我が地元に入った東電の電気の事柄も関連しておりますので、そういう点からすると非常に関心も持っている一人でございますので、所見を申し上げておきます。
#47
○小松委員 この議論をやっておると肝心の福島の問題がちょっと時間がなくなりますので、また改めたときに議論したいと思います。
 私は、そんなに安全、安全というなら東京にそれをつくったらどうだ、恐らくこれは日本じゅうがひっくり返ってしまうと思うのです。ですから、これは安全じゃないというのは、これは絶対に安全ではないのですよ。実際にチェルノブイリのようなああいう事故が起きる可能性も持っているわけなんですよ。そういうことですから、やはり安全性については何よりも大事にしてやらなければならない立場だと思うのです。それと、やはりそこの関係住民ですね、この人たちは非常にそれに対しての不安というか、それもございます。そういうことを含めて、福島の事故についての質問に入りたいと思います。
 今回の福島の事故報告、これは先ほど辻委員も申されておりましたが、ああしたパラメーターを中心にした報告も大変ずさんなことが至るところに見えている感じがいたします。
 そこで、今回の事故では、いろいろと問題があるのですけれども、溶接の問題がいろいろと大きな問題となって報告をされております。しかし、今回いろいろな見過ごしている点もかなりあるのじゃないかなということで、その点を特にこれは関係者の方にお聞きするのですが、特に再循環ポンプのことで配管がいろいろとされておりますね。この配管がいろいろ振動や何かが関連するのですけれども、この配管もたくさんの配管がありまして、それが一々溶接ももちろんされているのですけれども、配管が外れたり、あるいは振動によったりいろいろな内圧によってもし事故が起きたら、これは大変なことになりかねないこともあるのですが、この配管の問題についてはどういうふうにこれを理解しているのか、まずこの点をお聞きしたいと思うのです。
#48
○倉重説明員 お答えいたします。
 御指摘の点は、今回の福島第二発電所三号機の再循環ポンプの損傷事象で、再循環ポンプとつながっている配管が破断するようなことが、そういう可能性があったのかどうか、こういう御指摘かと思います。
    〔委員長退席、新井委員長代理着席〕
 それにつきましては、現在私ども、今回の事象によってどういう影響があったか、それから、今後運転するに際して安全性が確保されるかどうかということで、健全性の評価ということを今している最中でございますが、既にその配管が振動で壊れるおそれがあったかどうかという点では、これは基本的に私どもこういうふうに考えております。再循環ポンプが、今回の場合には警報設定値を超えた状態が幾つかあったわけでございますけれども、警報設定値、これは百十二ミクロンでございますけれども、警報設定値を超えた状態で長時間運転をするということは、今回運転マニュアルをきちっと見直しましてやりました。ですから、そういうことは想定しにくいわけでございますけれども、仮にそういう警報設定値を超えた振動が長時間連続的に発生しているということをあえて仮定しても、再循環系の配管が疲労破損するということはないということを応力解析により確認しているわけでございますが、それにつきましては、その健全性の評価がまとまった段階で公表する予定でございます。
#49
○小松委員 今評価が出てからいろいろとそれを出すということなんですが、私は、今度の事故の現場を行って見たときに、その点が何か非常に心配のような感じがしたわけなので、特に、この配管についての問題というのを点検の中に十分加えるべきではないかということを、まず指摘をしておきたいと思います。
 あとそれで、炉内の構造物、これは溶接箇所も含めて毎年点検しているのですか。
#50
○倉重説明員 お答え申し上げます。
 原子炉圧力容器とか主要な配管等の溶接部につ
きましては、これは非常に大事な部分でございますから、従来より供用期間中検査ということで定期的にその部分をチェックすることになっております。
#51
○小松委員 定期的と言うのですから毎年決まっているのだと思うのですけれども、周期的には、それはいつどういうぐあいになんですか。
#52
○倉重説明員 その頻度等は場所によって異なるわけでございます。
#53
○小松委員 要するに私が言うのは、あれだけの炉内のいろいろなところを点検しなければならないわけです。今度だって、要するにあれでしょう、溶接のミスがああいう事故を起こした。我々はもっとほかにあると見ているのですけれども、そう言われているのでしょう。ですから、そこだけではなくて、点検というのは大事なんですよ。だから、定期的に点検しているということなんですが、炉内を例えば一年に一遍なら一年に一遍全部やるのか、あるいは今言うのは、何か必要に応じてというようないいかげんなことを言っているけれども、それでは点検にならないと思うのですよ。どこか悪いところがあるらしいというのでそこを見たというのではなくて、そうではなくて、やはり点検ですから、これは決めてやらなければ点検にならないわけですから。定期的にでしょう。そのために定期的と言ったのではないのですか。それをちょっと答えてください。
#54
○倉重説明員 お答え申し上げます。
 今回の再循環ポンプの損傷事象によりまして、再循環ポンプの部品とか金属片等が炉内に入ったわけでございますが、それによりまして起きた傷の有無とか影響があったかどうかということは、各原子炉施設全部に実はチェックをしております。それにつきましては、しかるべき段階で公表したいと考えておりますけれども、したがいまして、今回の事象によりまして影響を受けた部分についてはすべて確認をしております。
 今私が申し上げましたのは、あくまでも実は一般論でございまして、発電所は配管系等溶接部分が非常に多うございます。溶接については非常に綿密に溶接をし、また、検査をした上でやっておるわけでございます。しかしながら、さらに念には念を入れるということで、ある一定の間隔でもってそれをチェックするということをしているわけでございます。
#55
○小松委員 やはり定期的な点検というのを、これはどこでもそうだと思うのですね。例えば、航空機なら航空機だって、やはり定期点検というのをきちっとやっているわけですから、そういう中でたまたまひび割れとかいろいろなものを見つけることがありますから、ですから、特にこの問題についてはそれが最重要だと思うのですね。そこでやはり未然に事故というものも防げるわけですから、特にその点を私は強調しておきたいと思うのです。それで質問しているのです。
 そこで、今度の事故でどうもいろいろと、溶接のミスでいろいろあるとかなんとかと言うのですが、それにしてもあの循環器の中の、どうしてああいうふうにめちゃくちゃになったのかなということを考えた場合に、いろいろなことが想定できると思うのです。例えばよく大工さんが屋根の上なんかで作業をしていて、いろいろな工具を忘れておりてしまうということがありますね。こういう循環ポンプの中でいろいろな点検をしている際に、何かそういう工具や何かを忘れたりなんかしたら、もし異物がそこに入ったとすれば、これもかなり大事故になるのですが、そういったこともあり得ないとは言えないと思うのです。ですから、その点についても、特にこういった問題についてはいろいろな点検項目の中で大事にしていかなければならないところだと思うのですが、その点はいかがですか。
    〔新井委員長代理退席、委員長着席〕
#56
○倉重説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、発電所の場合にはいろいろ保修とか修理等をする場合に、いろいろな工具を持ち込んでやるわけでございます。そういう面で、大事な系統の中にそういう工具とか何かいろいろ異物が入るということは非常にまずいということで、実は非常に厳しいチェックをしております。そういう工具の持ち込み、持ち出しにつきましては、毎日作業の開始前、終了後にチェックリストに基づきまして数の確認を行うとかいうことをやりまして、工具の置き忘れ等がないように厳しくやっているわけでございます。また、その作業の終了後には現場の確認を行うということで、非常にやっておるわけでございます。
#57
○小松委員 点検もまだあるんですけれども、もう一つお聞きしたいのは、今度の報告書なんですが、先ほど来、あるいはまたこの問題は炉内の洗浄報告に出ているんですが、この中にまだかなり金属片あるいは粉、これが残存している疑いが非常に濃厚なわけなんですね。この点について、これは読売ですが、原子炉内の残存金属が「同庁の推定によると、残存金属片は、最大で長さ四十ミリ、幅十ミリ、厚さ二ミリ、重さは最大一・六グラムのものが四個。金属粉の残存量は最大四十七グラム。
 このうち、金属片については「最悪の場合、燃料棒の被覆を破り、放射性ガスが炉内に漏れる可能性を否定できない」」というふうに言われております。これだけはっきり金属片あるいは金属粉がまだ残存しているではないかということで、これはいろいろな今までのデータからすると推定できるんじゃないかというふうに言われているんですが、炉内の洗浄、これは私も行って中を見せてもらいましたけれども、本当に隅の隅まで洗浄することが可能かどうかということも含めて、取りやすいところは、確かに目で見えるところとかあるいはそういうところは洗浄で大丈夫だと思うのですけれども、それ以外のところにあったのでは、これは確かにわかりません。ただ、全体の今までのいろいろなデータからいいますと、まだ残存している、そういう状況というのが指摘されているのですが、この点はどういうふうに感じているのですか。
#58
○倉重説明員 お答えを申し上げます。
 まだ金属片が原子炉内に存在しているのではないか、こういう御指摘でございますけれども、先生御指摘の、今読売新聞の記事をお示しいただきましたけれども、それは現在、先ほど私申し上げましたが、今後のプラントの影響があるかないかということで健全性の評価をしている最中でございます。
 金属粉と金属片の回収状況につきましては、四月十七日に東京電力から通産省に報告があったわけでございますが、それに基づいて実は今後のプラントの運転に支障がないかどうかを判断しているわけでございますが、先生お示しをなされましたその点は、こういうふうに考えております。
 現在金属片と、それは金属片と金属粉の境界をどこにするかという御議論はまたあろうかと思いますけれども、比較的大きい金属片は原子炉内のそういう系統にはもう存在しないと私ども考えておりますが、しかし今後の運転にどうかということで、あえて金属片も仮定してみたらどうかという御議論ではないかと思います。その結果につきましてはまだ現在評価中でございまして、まとまれば当然数字等も公表する予定でございます。
 その洗浄につきましては、あらゆる方法を使いまして徹底的に洗浄したわけでございます。洗浄した後の状況につきまして目視観察とか等をやりまして、いろいろテレビカメラですとかファイバースコープとかいろいろ使いましてきちっと確認した結果、〇・五ミリ以上の金属片は確認されなかったというふうに聞いておりますし、それから洗浄後の状況をいろいろサンプリング調査をしておりますけれども、それによりましても、その金属粉の粒径分布でございますが、〇・一ミリ以下が九八%、〇・一ミリから○・二ミリが二%ということですべてが○・二ミリ以下のものでございます。そういうことで、そういう大きな金属片は原子炉内には存在していないというふうに考えておりますが、あえてそれの仮定をすればという話が読売新聞には出ていたのではないかというふうに考えております。
#59
○小松委員 それでは、私もこれは心配だからお聞きするのですけれども、もし金属片が次の事故でも起こるような要因になったら責任とれますか、どうですか。
#60
○倉重説明員 お答えいたします。
 現在そういう評価をしておりまして、そういうような事象にはならないというふうに考えておるわけでございます。
#61
○小松委員 洗浄はいつ終わったのですか。
#62
○倉重説明員 お答えいたします。
 四月の十七日に東京電力から通産省に報告があったわけでございますので、その前に洗浄作業は終了しているということでございます。
#63
○小松委員 通産省は、その後洗浄は指示していないですか、どうですか。
#64
○倉重説明員 特に指示をしておりません。
#65
○小松委員 この点については、私はまだ内部にはかなり残存しているのではないかという見解をとっております。ですから、これはまたいろいろと、きょうまだほかにもありますので、時間も制約がありますので、また引き続いてやる機会もあると思いますので、それに譲っておきたいと思いますが、ただ、本当にこのような疑いがある間は、私はこれは運転再開すべきではないということを強く指摘しておきたいと思います。後でそのことが原因になって事故でも起きたときには、これはもう公式の場での議論ですから、その点はよく含んでおいていただきたいというふうに思います。
 それから次に、このポンプの信頼性の実証試験についてちょっと伺いたいのですが、このポンプの信頼性の実証試験がやられておりますが、これはいろいろなことを、報告書も出ております、これにかけた費用、それからこの委員会の委員、それから結論はいろいろと、簡単でいいですから、それをひとつお答えいただきたいと思います。その三つ。これだけひとつ、時間の関係もあって簡単でいいです。
#66
○倉重説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のは、BWR用再循環ポンプ信頼性実証試験ということで通産省から原子力工学試験センターに昭和五十二年度から五十八年度までに委託した件ではないかというふうに考えますが、それの総額費用でございますが、約三十七億円でございます。
 その試験結果は、再循環ポンプを実際に模擬するものをつくりまして、通算四千時間の通常運転試験、それから電源喪失など特別な状態を模擬した特別運転試験をやりまして、信頼性があるという評価の結果でございます。
 この試験をするためにポンプ信頼性調査委員会というものを設けておるわけでございますが、その委員会の委員のお名前でございますけれども、申し上げますと、委員長が東京大学の大橋先生、それから委員に東京大学の秋山先生、電中研の佐川先生、工技院の島村先生、横浜国立大学の豊倉先生、原研の能澤先生ということでございまして、一部原子力安全委員会の内田先生、それから日機装の白倉先生という名前が入っておるわけでございます。
#67
○小松委員 それだけの三十七億もかけて、そしてまたそれなりのこの調査委員のメンバーですね。ここで出した結論と今度のこの福島の三号機の事故、これがやはり私は大きな問題があるのではないかということで今聞いたのですが、たまたまそのうちの方が今度の安全対策のこの委員長にも先ほどなっておりますが、ただ、この調査委員会の責任は私は非常にこれは重いのではないかという気はしているのです。なぜかというと、この報告書が出た直後、すなわち一九八四年の十一月に第二原発の一号機に最初の破損脱落事故が起きているわけです。これ認めますか。それから二回目もまた起きているのですね。ですから、その点についてこの調査委員会のこの報告ですと、この試験の結果、現在運転中の沸騰水型の原子力発電所で使用されている再循環ポンプは十分な信頼性、安全性を有していることが確認できた、こういうふうに結論は出しているわけですね。これだけの調査の結果、再循環ポンプは十分な信頼性、安全性を有している、こういう結論を出しているわけです。にもかかわらず、今度の事故がこの三号機では起きているのですよ。ですから、そういう調査委員会でもっともっと十分指摘をしておれば、随分未然に防げたこともあると思うのですね。ですから三十七億、こんなにも予算を使って、そして、いいかげんなと言っては語弊があるかもしれないけれども、こういう調査結果が出されたのでは、これはたまったものじゃないと思うのですね。ですから、その点をどういうふうに感じますか。
 これは先ほどの調査委員会のメンバーなんですが、今度は委員長にもなっているじゃないですか。これはとんでもないことです。ですから、その点を――これは大臣に答弁してもらわなければ。大臣、そういう点はどういうふうに考えますか。こんないいかげんな調査は本当にないですよ。これは本当に大臣に聞きたいぐらいなんですけれども、本当ならこの問題については責任を明確にさせるべきですよ。こんないいかげんな、それでまた委員長にするなんというのは、とんでもない話だ。
#68
○大島国務大臣 十分その趣旨は受けとめますが、具体的には今通産でもって対応しておるのでございまして、科学技術庁の行政的な面において、そしてまた私の立場から言えば、二度と再びかかるような事態の起こらないように、いつも申し上げておるような安全性の大前提ということを必死になって守り抜いていきたい、こういうふうに私といたしましては感じておるのでございます。
#69
○倉重説明員 お答えいたします。
 再循環ポンプの信頼性実証試験は昭和五十二年度から五十八年度まで行われてございます。その後、先生御指摘のように昭和五十九年十一月、それから昭和六十三年七月にその福島第二の一号機におきましてそれぞれ同様の、同様といいますか、再循環ポンプの損傷といいますか、それがあったわけでございます。それは事実でございますが、その信頼性実証試験で信頼性があると評価されて、なぜ出てきたのか、こういうことでございますけれども、これは信頼性実証試験の目的が、先ほど申し上げましたけれども通算四千時間の長時間連続運転を行う通常運転、それから電源喪失など特別な状態を模擬した特別運転ということで、ポンプの性能とかポンプの機能、構造部材等の健全性の実証が目的であったわけでございます。今回のトラブルで問題となりました水中軸受けリングの溶接部の健全性ということにつきましては、そのときの信頼性実証試験の対象項目ではなかったということ、そういうことで誤解を招いたかと思いますが、そういうことでございます。
 それから、もう一点御指摘の、メンバーがダブっているという話でございますけれども、先生御指摘のように、今回の福島第二の三号機の顧問会の中に設けました調査特別委員会の委員の中に先ほども申し上げましたポンプ信頼性実証試験の委員会のメンバーの方がいらっしゃるわけでございますけれども、それはそれぞれ専門分野の第一人者ということでございまして、通産省はそれぞれの専門家の御意見を拝聴しながら今回の原因究明、再発防止対策をやったわけでございまして、それがダブっているからといってその判断が曲げられるというものではないというふうに考えておるわけでございます。
#70
○小松委員 時間もありませんので、これで終わりたいと思いますが、いずれにしてもこれだけの事故が起きて、そして内容的にはまだまだ解明されてない問題がたくさんございます。いずれまたそういう機会に、私も、あるいはまた同僚の委員も質問があると思いますが、この問題が十分解明されない限り、この三号機の再開というものはさせるべきではないということを強く要請し、また主張いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
    ─────────────
#71
○与謝野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事橋本好一君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○与謝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
#73
○与謝野委員長 五十嵐広三君。
#74
○五十嵐委員 きょうは放射性廃棄物、殊に高レベル及びTRUを中心にして、特に幌延町で計画されている貯蔵工学センターの問題を中心としてお伺いしたい、こういうぐあいに思います。
 まず、貯蔵工学センターに計画をしている高レベルガラス固化体の貯蔵される容量、これは本数ということになると思いますが、二〇〇〇年でどのぐらいになるか、あるいはその後のピーク時でどれだけの数量になるか、これをまずお知らせいただきたいと思います。
#75
○橋本参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のように本数でお答えしたいと思いますが、二〇〇〇年時点での本数といいますと、実はこれは、東海事業所の中で考えてございます、TVFと言っておりますガラス固化体をつくります施設の運転といいましょうか、これは実証プラントでございまして、この運転状況によって左右されるわけでございますので、二〇〇〇年時点で何本というのは現時点では正確にお答えできない状況にございます。
 もう一つの御質問でございました貯蔵容量ということで申し上げますと、現在計画してございます高レベルガラス固化体貯蔵プラントにおきましては、二千本を考えてございます。
#76
○五十嵐委員 二〇〇〇年で二千本という計画を当初動燃はお立てになっておられたわけですね。その後それが千本ぐらいに変わった時期もあった。全体の状況からいって、どうもその千本についてもなかなか言える状況ではないということであろうと思います。しかし、要するに最大容量、キャパシティーは二千本である、こういうことのようであります。
 そこで、最終処分場にこれを今度は移すということになっていくわけでありますが、その間のガラス固化体の貯蔵期間、これはどのぐらいにお考えになっているか。同時に将来、したがって二千本ですか、お考えのものが、一定期間たって全部出ていくということになりますと、この貯蔵施設が空になるのは一体いつかということであります。
#77
○橋本参考人 まず第一点の貯蔵期間でございますが、これは国の方針として地層処分に向けての政策といいましょうか方針として出されておりますが、これによりますと、ガラス固化体につきましては、安定な固化体にいたしまして、それを冷却のために三十年から五十年貯蔵するということがうたわれております。その後で地層処分をするというふうに言われておりまして、そういう観点からいたしまして、私どもの貯蔵工学センターでの貯蔵期間といたしましては、三十年から五十年を一応めどにしております。ただし、その後でどういうふうに払い出していかれるかということでございますが、これはまず国の方針といたしまして、地層処分場が決定され、それが建設された後で、そこへ処分できる時期が参りますれば、その時点で順次ガラス固化体は処分場に払い出していきたいというふうに思っております。
#78
○五十嵐委員 そうすると、その最終処分場の見通しはどうか。大体いつごろ処分場の予定地が決まって、また処分場ができるのはおよそどのぐらいの見通しですか。
#79
○緒方政府委員 ガラス固化体につきましては、冷却のために三十年から五十年間程度貯蔵した後に地層処分するというのが基本方針でございます。それで、それまでの間に地層処分につきましてのいろいろな研究開発を進めまして、最終処分地の選定をしておくことが目標になってまいります。
 現在、地層処分につきましての研究開発は、動燃事業団が中核的な機関となって研究開発を進めているわけでありますが、この研究開発に今後十年以上、十数年かかるのではないかというふうに考えられております。
 処分予定地の選定といいますのは、これらの研究開発の成果も踏まえて国がいずれ決定をいたします処分事業の実施主体が、それぞれの地元の理解と協力を得て慎重に行う、こういう手順を踏んでまいりますので、まだ相当の時間がかかるということになろうかと思います。
#80
○五十嵐委員 その処分場が、予定地が決まる。しかし、予定地が決まったからといったって建つものでもない。さまざまなことがあるわけであります。これは大変なことになるわけですが、処分場がもちろんできなきゃ一時貯蔵施設からは移せないわけですね。これはそういうことですね。
#81
○緒方政府委員 もちろん、おっしゃるとおりだと思います。
#82
○五十嵐委員 処分場ができるまでは、一時貯蔵施設といえども、そこでずっと抱いていなきゃいかぬということになることは間違いのないことですね。
#83
○緒方政府委員 私どもは、先ほど御説明しましたように、三十年ないし五十年間貯蔵した後にそれが円滑に最終処分ができますように研究開発を進め、慎重に地元との間の交渉を進めて、そこが、最終的な処分場が無事にできるものというふうに考えておりますので、御懸念の点はないことかと思います。
#84
○五十嵐委員 これはいつも問題になるものなんですが、昭和五十九年に原子力委員会の方で「放射性廃棄物処理処分方策について」という中間報告を出しているわけですね。ここのところで、その前の、五十五年の方針というものを変えて、それまでの五段階の処分の流れというものを四段階に見直したという経過がある。その見直した時点で、こういうぐあいにこの報告書は言っているわけです。ちょっと読みます。
 五十五年報告書においては第二段階(有効な地層の調査)の終了時に試験地の選定を行うものとしているが、この試験地はその後の研究開発の結果が良好であれば処分地となり得るものであることから、今回検討の結果、概念をより明確化し、第二段階終了時には処分予定地の選定を行うものとした。
こうなっているわけです。
 それで、これだけでもかなり明確なんですが、このときのこの報告書をまとめた専門部会の部会長の天沼先生が、実は解説書を特に論文として発表なさっているわけです。これを見ますと、今のところが非常に明確に我々にはまた理解しやすいのでありますが、そこはどうなっているかというと、こういうぐあいに書いているわけです。
 有効な地層での広域調査およびそれに続く精密調査を行って、処分に適すると思われる深地層に深地層実験場を開設し、各種の原位置試験や施工技術開発を開始する一方、地上にも深地層環境を模擬した環境工学試験施設を設けて固化体からの核種漏洩機構や材料腐食等の各種試験を行い、データ集積に努めると共に技術改良や安全評価モデルの開発、整備と計算コード開発を行う等によって総合評価を行い約十年後の第二段階終了時(一九九四年頃)にはその試験地が条件に合えば将来の処分立地となり得る場所になるという意味からこの段階を「処分予定地の選定」段階とした
こう非常に明快に天沼先生は解説をしているわけであります。
 ここの解説にも明らかなように、深地層実験場でいろいろやってみて、そこが条件に合わないというようなものでなければ、それをそのまま処分場にするんだ、処分予定地にするんだ、そこでこの段階を、第二段階を処分予定地の選定段階と銘打ったということになっているわけですね。これは非常に明快に出ているというふうに僕は思うのです。もっと端的に言えば、幌延に予定している貯蔵工学センター、そこの深地層試験場は問題が
なければそのまま処分地になるということであろうと思うのですが、いかがですか。
    〔委員長退席、鳩山(由)委員長代理着席〕
#85
○緒方政府委員 ただいまの点について御説明いたしますと、先生御指摘のように五十五年の計画と五十九年のものとで表現が変わっておりまして、五段階が四段階になっているわけでありますが、五十五年のときの考え方は、第二段階というのは最終的に試験地を選定する、そして第三段階で模擬固化体の現地試験というものをやり、第四段階で実固化体の現地試験というものをやり、第五段階で試験的処分をする、そこで処分場が初めて出てくるわけでございます。
 それに対して、五十九年に改定をいたしましたときの第二段階の考え方というのは、第二段階でやりますのは、最終的には処分予定地の選定になるわけですけれども、第二段階の、そこに至るまでの過程でやりますことは、一つは、広域的な調査によって順次候補地点を選定し、精密性の調査を行う、そういう調査を行うということ、それからもう一つは、深地層試験場、環境工学試験施設を設置し、天然バリア及び人工バリアに関する各種試験を行う、またこれとあわせて処分システムについての検討を行う、こういう検討を行います。調査をやり、技術開発をやり、そしてそれらが全部済む第二段階の最後の段階で、ある場所を、候補地を決めるわけでございます。処分予定地を選定する、こういうことでございます。
 五十五年の計画では、そこで選定するものは、先ほど申し上げましたように、あくまでもそこは試験場としてのもので、最終処分場ではないという整理をしておって、最終処分場はもう一つ次の第五段階で選ぶということになっておったわけですが、五十九年の計画では、そこは第二段階の終わりにまとめてそこで決めましょう、こういうことになったものでございます。
 しかし、幌延で計画をしておりますのは、先ほど申し上げた第二段階の途中でやる調査とは別にやります試験研究をやるそのものでございまして、深地層試験場、環境工学試験施設を設置し、天然バリア、人工バリアに関する各種試験を行う、こういうことでございます。これは幌延で行えますが、それを行ったことといろいろな調査とをあわせて、また、システムの研究をやった上で、さてどこを最終的な処分予定地とするかということは、最終的にそこで検討して結論を出そう、こういうことでございます。
#86
○五十嵐委員 もう与えられた時間が余りないものですから、恐縮ですがなるべく手短にお答えいただきたいと思います。
 お話のとおりですよ。お話のとおりで、しかし大事なところは、そもそも試験場とそれから処分場との関係がどうなるか、まさにそこを聞いているわけですからね。さっき言いましたように、これは中間報告で、「この試験地」、つまり深地層試験場ですね、これは「その後の研究開発の結果が良好であれば処分地となり得るものであることから、」これを処分予定地とした、こういうのですよ。いいですか。
    〔鳩山(由)委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、天沼さんはまさにそれを解説して、同じようなことでありますが、一九九四年、もうすぐでありますが、この「第二段階終了時にはその試験地が条件に合えば将来の処分立地となり得る場所になるという意味からこの段階を「処分予定地の選定」段階とした」こう言っているのです。
 ですから、問題がなければ、貯蔵工学センターの深地層試験場は、これはいろいろ調査して問題がないということになれば、それは処分場になるということははっきりしているじゃないですか。それはいずれにも明確に書いてあるわけです。余り長々とした答弁は要りませんから、明確に言ってください。
#87
○緒方政府委員 先生が後の方で引用されました論文については、ちょっと私、今手元に持っておりませんので、それについてはわかりませんが、五十九年の報告書にありますものは、先ほど御説明しましたように、第二段階が終了する時点で予定地を選定するということでありまして、試験場については天然バリア、人工バリアの研究をするための試験場としての位置づけでありまして、その試験と調査とをあわせて最後に結論が出るということでありまして、試験場がダイレクトに最終処分場に結びつくという考え方には立っていないわけでございます。
#88
○五十嵐委員 何遍も同じことをここで聞かせないでくださいよ。天沼論文をお手持ちでなければ、これは天沼論文に関しては実は今までも国会で何遍も論議になっているので、議事録を一遍本当は読んでおいてください。
 それで、天沼論文は別にしても、原子力委員会の正式な中間報告の中でそれを明確に書いているわけですよ。もう三回目だから読まなくていいでしょう。試験地は、問題がなければ、これは処分場にするんだと書いているのですから。中間報告に正式に書いてあるものを否定のしょうがないじゃないですか。時間がないから、今のことも次の段階で一緒にお答えください。
 そこで、深地層試験場では放射性廃棄物を持ち込まないで試験するのですね。コールド試験ですね。どうですか。
#89
○橋本参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、深地層試験場におきましては、固化体を持ち込まないで試験をいたします。
#90
○五十嵐委員 恐縮ですが、今お手元に差し上げた資料、ちょっと動燃の方と科学技術庁の局長の方に渡してほしいと思います。
 今お手元に行ったものは、短い文章ですから御一べついただきたいと思うのですが、これは一九八八年七月の資源エネルギー研究所の「エネルギー」という雑誌に載っている一ページなんですが、当時動燃の環境計画課長、坪谷隆夫さんの論文であります。論文というよりも講演をしたものをここに記録したものなんですね。坪谷さんは、今、動燃の東海事業所の環境部長になっておられるようであります。
 この坪谷さんの講演の記録のおしまいのところに、こういうぐあいに書いてあるのですよ。「できるだけ早く深地層試験施設をつくり、放射性廃棄物を使わない研究を進め、そのうえで逐次高レベルガラス固化体に持ち込むというのが、現在すすめている計画です。なお計画全体の建設費は約八百億円と見積っていますが、計画の熟度が増せば変更も有りうると思います。」これは、今は放射性廃棄物を使わない研究を進めている、その上でだんだん高レベルガラス固化体に持ち込んでいく、それが現在進めている計画だというのですね。私はこれを見てびっくりしたのですよ。
 ついでですから、ここの文章の前のページの上の方に赤い線がちょっと引いてありますから、そこをごらんいただけばわかるのですが、処分場のことについて、彼がここで講演しているのは貯蔵工学センターについて講演しているのですが、その中でぽんとこういうのが出てくる。「二万本のガラス固化体を保管するというと、長さ三キロ、幅一キロ程度のゴルフ場くらいの地表面積が必要と試算されています。」なるほどねと思って僕は見たのです。これは三百ヘクタールということですね。今あそこで皆さんが買収予定をしているのは四百ヘクタール、これはまたやや符合するのですね。それで、これは非常に問題のある発言であろうと僕は思うのですが、橋本理事さん、いかがですか。
#91
○橋本参考人 お答えいたします。
 まず最初の坪谷が講演した記録でございますが、「深地層試験施設をつくり、放射性廃棄物を使わない研究を進め、そのうえで逐次高レベルガラス固化体に持ち込むというのが、現在すすめている計画です。」ということでございますが、これは前段は深地層試験場の研究のことを言っておりますし、これにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、放射性ガラス固化体は持ち込まないで研究をしたいということでございます。
 同時に、後段の方のことにつきましては、先生もう御高承のとおり、私どもが計画してございます貯蔵工学センターにおきましては、ガラス固化
体の貯蔵ということを考えております。これは貯蔵管理を目的とした研究、同時に放射線の利用、熱の利用等を研究開発してまいりたいという計画でございますが、このための高レベルガラス固化体を持ち込むということを言っておるわけでございまして、ちょっと表現上舌足らずのところがございますが、そういうことでございます。
 それから後段の御質問につきましては、二万本のガラス固化体を保管するということになりますと、これは保管というのは処分のことも含めてかと思いますが、そういう意味でとらえますと、大きさとしては大体このぐらいの面積が必要かということになるということを言っておると思います。
 ただ、動燃が考えております幌延におきます貯蔵工学センターの計画につきましては、単にガラス固化体の保管だけでございませんで、いろいろな研究をしてまいりたいということで、先生も御承知のとおり、高レベルガラス固化体貯蔵プラント、そして低レベルアスファルト固化体の貯蔵施設を中核といたしまして、研究開発棟とか深地層試験場とか環境工学試験施設などを考えてございます。これに必要な面積として約四百ヘクタールを予定しているわけでございまして、この辺確かに面積として符合していると今仰せられましたけれども、これは全然別のことを申し上げているということでございます。
#92
○五十嵐委員 橋本理事さん、非常に不謹慎な講演の内容だと思います。本当にこういう講演をしているとすれば非常に問題がある。僕はそこのところを率直に聞いているので、やはりこれは適当だと思いますか。
#93
○橋本参考人 お答えいたします。
 確かに今先生が御指摘ございましたような視点でとらえますと、ちょっと言葉足らずだったというふうに思います。
#94
○五十嵐委員 言葉足らずですか。つまり橋本さんもそう考えているんですね。この講演の内容のようなことを橋本理事も考えている、言葉がちょっと足らぬけれども、こういうことなんだ、そういうお考えだと受け取っていいですか。
#95
○橋本参考人 お答えいたします。
 私自身の考えといたしましては、これは動燃事業団が考えているということでございまして、先ほど御説明申し上げましたように、貯蔵工学センターの計画は先ほど申し上げましたようなことで考えてございまして、坪谷が講演いたしましたこの記録、これとはちょっと違うというふうに思います。そしてこれを、先生が坪谷の講演の記録を今御指摘いただきましたような内容ということではなくて、先ほど私が申し上げましたような内容で動燃としては考えているということでございます。
#96
○五十嵐委員 私としては、大変納得のいかない講演の内容だし、また今のお答えも非常に不十分なような気がいたしますが、どうかこんなばかな講演はさせないようにしてください。同時に、私の印象は、さっきの天沼論文あるいは原子力委員会の中間報告、そして今の動燃の一幹部の講演など、全体を通じて考えれば、これはまさに実は深地層試験場というのは間違いなく処分場につながるものだなという印象を非常に強めざるを得ないということを申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、引き続いてTRUについてちょっとお伺いしたいと思いますが、今TRUは全体として在庫といいますか、貯蔵量はどのくらいになっておりますか。これはドラム缶換算で結構です。
#97
○緒方政府委員 TRU核種を含みます放射性廃棄物は、先生御案内のとおり、再処理工場あるいはMOX燃料の製造施設等から発生をしてまいります。動燃事業団、日本原子力研究所等がこれに当たりますが、これらで持っておりますTRU核種を含む廃棄物の総量、平成元年度末現在で二百リットルドラム缶換算で約六万本ということになっております。これらは、放射性廃棄物につきましては貯蔵施設において安全に保管をされているところでございます。
#98
○五十嵐委員 しかし、これはどんどんふえていくことになろうというふうに思うのですが、貯蔵工学センターで西暦二〇〇〇年、それからその後のピーク時でどのくらいの貯蔵量になるのか、いかがですか。
#99
○橋本参考人 お答えいたします。
 貯蔵工学センターへの廃棄物の搬入量につきましては、廃棄物の発生量とか輸送計画等の諸条件から算出されるわけでございますが、先生の御質問の中の二〇〇〇年というものを、現時点で考えております量で申し上げますと、ほぼ発生量から推定いたしまして約十一万本が見込まれております。
 それから、ピーク時のお話でございますが、これは今申し上げましたようなことで、将来の見込みとしてはまだ確定はしてございませんが、一応貯蔵工学センターの計画の中でとらえますと、まず二十万本程度が考えられるのではないかというふうに思っております。
#100
○五十嵐委員 これは、おたくの方のパンフレットを見ると、本数は全然書いてないのですね。これはまあよろしゅうございますけれども、不確定ということなんでしょうね。
 そこで、この貯蔵工学センターに計画をしているTRU廃棄物の貯蔵施設は、これは地上式ですか、地下式ですか。つまり、どんな貯蔵の仕方になるのですか。
#101
○橋本参考人 お答えいたします。
 低レベルアスファルト固化体等の貯蔵施設ということで私どもが計画しておりますのは、施設は地下式と考えております。主要構造部につきましては、耐久性等を考慮して鉄筋コンクリート構造としたいというふうに思っております。
 それから、先生先ほど、私どものパンフレットで何も述べていないということを仰せられましたけれども、実は先生も御承知の、この計画を五十九年にお示ししたといいましょうか、私どもの案を出したときには、当面約三万本程度の貯蔵をしたいということを申し上げたかと思います。
#102
○五十嵐委員 低レベルと今おっしゃいましたけれども、要するにアスファルト固化体という意味ですね。今の地下というのは、それはTRU廃棄物のことを地下に貯蔵するという意味ですね。通常の低レベルは地下ではないわけですね。どうですか。僕の言うのは違いましたかな。どうぞ。
#103
○橋本参考人 お答えいたします。
 私どもが今低レベルアスファルト固化体と申し上げましたのは、先生御指摘のとおり、ほとんどがTRU廃棄物でございます。それを地下に……(五十嵐委員「ちょっと、そこは調整した方がよさそうですよ」と呼ぶ)幌延の貯蔵工学センターの計画の中では地下式で考えております。――失礼いたしました。低レベルアスファルト固化体等の貯蔵施設につきましては地上施設で考えております。失礼いたしました。
#104
○五十嵐委員 だけれども、僕は橋本さんの最初の答弁の方が正しいのじゃないかと思うのですよ。変わりましたか、計画が。貯蔵工学センターは、動燃事業団で出しているパンフレットによると地下なんですよ。地下三階ですよ。これ、図面も概念図みたいなのを出しているでしょう。むしろ科学技術庁の方がおかしいのじゃないですか。こんな大事なところ、そんな食い違いがあったらうまくないですよ。
#105
○橋本参考人 大変失礼いたしました。いろいろと答弁が変わりまして申しわけございません。実際に貯蔵いたします場所は、半地下式といいましょうか、地下の部分になっております。ただ建物といたしましては半地下形式でございまして、建物の一部は地上にも出ております。
#106
○五十嵐委員 建物の一部は地上にも出ていることは間違いないのですけれども。見えると思いますが、これですね。ここから上が管理室みたいなものなんですよ。ここから下三階で、地下で貯蔵するということに、これは動燃の計画はそうなっておりますが、あるいは科学技術庁の見解として、いやそうじゃないんだということであれば、また言ってほしいと思います。しかし、少しあいまい
なのかもしれないですね。これは、動燃が出しているパンフレット、別な最近のパンフレットで「貯蔵工学センターの役割」なんというのを見ると、アスファルト固化体貯蔵施設というのは余り地下ではなさそうな感じですね。ガラス固化体の場合には――ガラス固化体もあれですね、これではちょっとわからないから、まあこれでいいのでしょうかね。
 ただ、ここでちょっと僕はわからないのは、このパンフレットを出したついでですから申し上げますと、このパンフレットの十五ページ、「貯蔵工学センター」というのが左下の方に図がありますね。この右下に「処分」というところがありまして、高レベル固化体は将来地下深くに処分されますということで書いてあります。ドラム缶二十万本に及ぶ膨大なTRU廃棄物、これはどこに持っていくのですか。何も書いてないじゃないですか。置きっ放しですか。どうなんですか。
#107
○緒方政府委員 原子力関係の廃棄物で、御指摘のように、いわゆる高レベル廃棄物といわゆる低レベル廃棄物とは別に、いわゆるTRU廃棄物というのがあるわけでありますが、TRU核種を含む廃棄物につきましては、高レベル放射性廃棄物よりは放射能レベルははるかに低いわけでありますけれども、含まれる核種であるとか放射能濃度等に幅がありまして、現在それぞれの性状に合わせた処理が行われているわけでございます。将来的に、最終的にどういう形にするかという問題につきまして、六十二年の原子力委員会の長期計画によりますと、次のようなことになっております。「TRU核種を含む廃棄物の適切な区分とその区分に応じた合理的な処分方策を確立する」、こういうことになっておりまして、現在原子力委員会に放射性廃棄物対策専門部会を設けましてこの適切な区分、処理処分の方策、研究開発の課題等、処理処分の推進のための具体的な取り組みのあり方について検討をしているところでございます。
#108
○五十嵐委員 そんなことは当たり前の話なんですけれども、今お伺いしているのはそうでなくて、動燃のパンフレットの説明では、高レベルの方は別に処分場に行くと線を引いて書いてありますが、TRUも軽く考えたら大変なわけですね。改めて言うまでもないのですが、超ウラン元素を含んでいるわけで、半減期は物すごく長い。これも学者によりますが、例えば前の植松さんなんか千年くらいは離しておかなければいけないのじゃないかというようなこともおっしゃっているのです。ドラム缶で約二十万本ですよ。これがどこに行くということにもなっていない。橋本理事さん、動燃のパンフレットだから、橋本さんいかがですか。
#109
○橋本参考人 お答えいたします。
 今緒方局長から御答弁ございましたように、国の方針をお決めいただきましたら、それに沿って私どもの処分も決まっていくだろうというふうに考えてございます。現時点では、その面についてのお答えができない状態でございます。
#110
○五十嵐委員 それなら、そういうぐあいにパンフレットに書いておいた方がいいでしょうね。これは置きっ放しというような印象をちょっと持ちますよ。
 これは今説明がありましたように、現在、処理だとか処分については検討中だということなんですね。実際これは一番難物なようですね。ガラス固化体と同じように処分すれば一番安全なようには見えるが、しかしえらい金がかかるということにもなるわけで、それではどうするかということで大変御苦労なさっているようでありますが、これは一般的に人間の生活圏から何年くらい離しておかなければいかぬということになりますか。
#111
○緒方政府委員 御指摘のような問題点も含めて今委員会で鋭意検討しているところでございます。
#112
○五十嵐委員 これもお答えにならないですね。
 植松元理事はこう言っているのですね。これは昭和六十年の科学技術委員会のやりとりの答弁ですが、「高レベル廃棄物の貯蔵を行うのと同じ程度の期間だというふうに考えます。」、TRUの貯蔵について、こういう答弁もあるのです。しかし、これはいろいろ議論があろうと思いますけれども、そういうこともある。それはなかなか並み大抵のものではないということだと思うのです。しかし、それの処分の方針もなかなか決まらない、検討中だ、あるいは区分の基準なんかだってなかなか明らかにならぬ。あるいは、大体程度を仕分けする機械さえ開発がなかなか困難だ、これが一番ネックになっているのだなといつも我々思うのであります。
 しかしいずれにしても、これも処分の仕方がわからないとか処分場が決まらないとかいうことになりましたら、そこに持っていけないのですから、しかし、たまたま地下式にもなっているわけだが、TRUは後の処分場が明確にならない限り貯蔵工学センターに置きっ放しということになるわけですか。
#113
○橋本参考人 先生御指摘のように、TRU廃棄物は非常に厄介というよりも多種多様ございます。そういう意味で、いろいろな面での区分の技術的な問題、それから今後の処分の方法等について今国で鋭意検討を進めていただいているというふうに私ども理解しております。
 ただ、処理方法につきましては、今申し上げましたような多種多様であり、またいろいろな形態がございまして、それに適した形での処理をやっております。一つ御紹介いたしますと、代表例としては紙とか布とか燃えるものについては焼却します。そして溶融固化処理を行う。金属等の燃えないものにつきましては切断、解体、減容ということをした後で溶融固化処理をし、廃液についてはアスファルト固化を行っておるところでございます。こういう観点から、今後はまたこういう面での技術開発を進め、適した処理の仕方をしてまいりたいと私どもも考えておりますし、それに向けての研究開発で頑張ってまいりたいと思っております。
 そういう観点から、技術的な見通しといたしましては、私どもとしては高レベルと同じようにできる見通しを持っているというふうに考えてございます。この辺を国としてお決めいただく時期が来れば、それに沿って処分に向けて作業ができるというふうに考えてございます。
#114
○五十嵐委員 ずっと今まで高レベル、それからTRUのお話を聞いてきたのでありますが、どうも非常に不安な、これは一時貯蔵と申しましても、結局は最終処分という懸念が非常に強いと思わざるを得ないのであります。
 これも今までも時々お伺いするのですが、明確にならない。つまり、幌延の計画されている貯蔵工学センター、その敷地、さっきもありました四百ヘクタールあるいはその隣接地、この地域について、大体あそこの地層として、代表的な可能性ある地層としてあそこをやろう、こういうわけですから、同じ地層のようなあの周辺地域に関して将来処分場にしないということを明確にお話しいただけますか。
#115
○緒方政府委員 幌延の地域はいわゆる粘土質の土地でございまして、これに対応するのは要するに岩の地域でございます。非常にラフに言いますと、日本全国の面積というのはいずれかに当たるわけでございます。幌延は、要すれば粘土質の地層について研究をするために、つまり日本じゅうの粘土質の地盤のいわば代表例としてそこで研究をさせていただくということでございまして、そこでの研究成果というものは、一幌延の、先生、今、敷地何ヘクタールとおっしゃいましたが、その敷地だけのために使われるのではなくて、日本全国の粘土質の、同じような地盤の粘土質のところについての――失礼しました。先ほど来粘土層と申し上げたのは、堆積岩と言うべきものだそうでございます。失礼いたしました。堆積岩層についてのデータとして活用されるわけでありますので、ちょっと先生の御質問に直接お答えすることにはなりませんが、趣旨は御理解いただけるのではないかと思います。
#116
○五十嵐委員 同じようなことですが、今までもお答えとしては、つまり白紙である、日本じゅうどこも同じだ、やるともやらぬとも言えぬという
のが一貫した科学技術庁の態度で、今のお答えもそういうことであろうと思うのです。
 この前釜石で、これは今お話しの粘土質の方ではなくて、これは花崗岩の方ですね。結晶質岩ですね。我が国を代表する岩質として、岩層としてその二つを科学技術庁の方はお考えになって今やっておられるようですが、その幌延の方とまた別な、泥岩とは別な、今度は花崗岩の方の代表、チャンピオンみたいなことになったのは釜石であったわけです。しかし、釜石は結局断念をした。これは経過はいろいろあったようでありますが、時間がないので省略をいたします。
 この釜石で断念を決意するときに、釜石の中に、市長の諮問を受けて、助役を筆頭にして収入役やあるいは八人の部長が一緒になって検討委員会というものをつくった。ここで一生懸命検討して報告書を出しているわけですね。その報告書を受けて市長は公式に断念を声明をしたわけです。この報告書の中で、なるほどここがポイントだなと思われる部分があった。それは、今の局長さんとのやりとりと関連することで、釜石が断念をしたのもやはり僕らの気持ちと同じだなというふうに思われたところなんです。ちょっと読みますと、
 動燃は「「地下研究施設」と「最終処分場」とは本来次元の異なるものであり、双方が直接結びついていくものではない。」としているが、科学技術庁は周辺栗橋花崗岩帯、更に北上山系が最終処分地につながらないかとの問いに対し、「全国等しく白紙である。」と説明している。このことは「最終処分地」になることを否定したものでもないし、また、肯定したものでもない。また、「六十二年長期計画」で言う「地元の理解と協力を得て……。」は、処分予定地の選定に歯止めとなるかどうか、明確でない。
  従って「栗橋花崗岩帯(近隣市町村を含む)が「最終処分地」にならない」という確証を得ることは困難であると思われる。
ここがやはりその断念の大きな根拠になったようですよ。どうしてもここの中でも、さっき議論になった原子力委員会の中間報告、これについての議論のところの筋もやはり報告書の中には出てくるのでありますが、それはただ単に我々幌延関係者が言っているのではなくて、だれが考えたってそういう問題が生じてくるということであろうと思うのであります。どうかひとつこの幌延に関しては、そういう点も深く御理解をいただきたいというふうにこの機会にお願いを申し上げたいと思う次第であります。
 そこで、しかしそんなことを言ったって、東海村のところにたまっていくのはどこかで引き受けてもらわなければいかぬわけだし、そんなことを言うのは地域エゴではないかということもあるようであります。しかし、ここで時間が来たのはちょっと残念ですね。残念だけれども、したがって、質問というよりは、もう既にあらかじめ数字だけをお聞きしておりましたので、ちょっと御紹介しながら申し上げておきたいと思います。もう一、二分でありますから……
#117
○与謝野委員長 もう十六分だから、時間ですから、質問は終了してください。
#118
○五十嵐委員 東海事業所の用地は、お聞きすると敷地全体で百十一万平米ある。このうち道路用地は十一万平米というのですから、建物敷地としては正味百万平米。建物自身はどうかというと、仮設物なんかを抜いて十三万平米というお知らせでした。したがいまして、東海の動燃事業所の建ぺい率は一三%程度のものである。
 それで、それはもう余裕があるとかないとかいうことではなくて、あの東海村の再処理工場附属のガラス固化プラントに今四百二十本の一時保管所を計画している部分を二千本に直せば、それで済むことだ。それは二千本で一体何ぼ面積が要るのかというと、マルクールは五百平米である、あるいは幌延の場合も計画しているものは貯蔵に実際にかかわる面積は何ぼかというと、二千本で五百平米だ。こんな程度で済むものなんでありますから、これはもうあの広大なところに附属してそれをつくることが一番合理的だ、それが金もかからないし安全だということを私は強く御指摘を申し上げて、質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
#119
○与謝野委員長 藤原房雄君。
#120
○藤原委員 私は、科学技術の個々の問題も山積をいたしておりまして、取り上げなければならないことが数多くあると思うのでありますが、本日は与えられた時間もわずかでございます。また、現在は平成三年度の概算要求ももう間近に迫っております。また、科学技術の長期展望といいますか、こういう観点からいたしまして、今後の科学技術のあり方等についてということを中心といたしまして、若干御質問をしていきたいと思うのであります。
 最初に、今さら私が長々申し上げるまでもなく、資源のない我が国におきまして、科学技術の重要性というものははかり知れないものがあると思いますし、技術立国、いろいろな言葉で象徴されるわけでありますが、さて、これから国際的にも日本の果たすべき役割というものも非常に大きいことだろうと思うのであります。
 こういうことからしまして、現在いろいろな問題がございますけれども、それらのものを省略いたしまして、一つは基礎研究の振興また国際協力及び国際貢献を円滑に推進する、こういう一つの大きな役割を担っているのではないか、こう思うわけであります。
 いろいろな方々が今日の日本の科学技術の現状についておっしゃっておるわけでありますが、一つは、技術大国ではあるけれども科学大国ではないのだ、こんな言葉も言われておりますが、この基礎研究ということについて、今日までとかく力点が置かれていなかった。それなりに科学技術庁としては進めてきたと思うのでありますが、国全体の産業政策といいますか、こういうことからいいますと、ただ乗り論に象徴されますように、どちらかというと他国の基礎的な研究を利用して物をつくるということに非常に力が入っておった現状であります。
 私から詳しいデータを申し上げるまでもなく、科学技術白書の中にも詳しく出ておりますのでそれは省きますが、日本の科学技術、基礎研究等、研究費というのは最近は相当ウエートが大きくなってまいりましたが、しかしながら、民間レベルが非常に多い。そしてまた政府の担っておりますものは二割弱といいますか、ほとんど民間レベルに基礎研究というものについては依存しておるということで、アメリカの五分の一と言われる。これはぜひ基礎的な研究等につきましては国がもっと進めるべきである、こういうことが叫ばれておるわけであります。
 最近、これらのことにつきまして、科学技術会議等におきましてもいろいろな議論がございまして、少なくともGNPの一%ぐらいはこういう科学技術の基礎研究というものに予算また人的配置、こういうものをすべきだということが検討されておる、こういうこと等も聞き及んでおるわけでございますが、これらの科学技術の基本政策に対する抜本的な見直し、こういうことにつきまして、最近をめぐりますいろいろな問題について御答弁をいただきたいと思うのであります。
#121
○石塚政府委員 ただいまの先生御指摘のとおり、我が国におきましては政府投資が官民の比較で申し上げますと、二対八の割合になっております。これは諸外国、欧米諸国におきましての四〇%ないし五〇%という政府投資比率に比べますと、もう少し私ども努力しなければいけないのではないかと常日ごろ考えておるところでございます。また、これをGNP比にいたしますと、これもただいま先生御指摘のとおり、諸外国では一%内外になっておりますが、日本ではまだ〇・五%余りというような感じでございます。
 そして、御指摘の基礎研究の充実、独創的な科学技術の振興を図る必要がこれからますますふえてくるわけでございますが、こういった基礎的な部分につきましては、国あるいは大学における科学技術の推進といったことが中心になる必要があるということでございますので、そういった意味
からも私ども政府負担の比率につきましては一%にすべきであるという議論もあることは承知いたしておりますけれども、これまでも努力をしてきたわけでございますが、今後ともそういった面には大いに私ども精進をして科学技術の振興のための基盤の整備等に努めてまいる、そういう方針でございます。
#122
○藤原委員 科学技術庁として今後そういうことに力を入れていくというお話でございましたが、力を入れるということは当然のことでありますが、やはり公的機関、科学技術会議のようなところで、今まで国民所得の三%、これを一つの目標にしてきたわけでありますが、今後はGNPの一%を目指す、何年後という明確な、公的な機関といいますか、審議会とか、いろいろなものを通しまして、こういうものはきちっとそういう目標を定めて進めていくことが大事だと思いますが、そこらあたりの今後の審議会または公的な機関におきまするこういう議論、またそういう方向性、こんなことは最近どうなんでしょう。
#123
○石塚政府委員 研究投資の水準の目標の設定につきましては、昭和五十九年に策定されました科学技術会議の諮問第十一号に対する答申というのが現在の我が国の科学技術の基本政策を方向づけるものでございますが、その中に研究開発費の目標といたしまして、当面国民所得に対し三%、それから将来的には三・五%という目標が掲げられてございます。この目標値につきましては、三%という目標値はこの答申が出ました翌年には既にこれを達成をいたしております。現在は三・三%程度かと思いますけれども、この目標達成に近づきつつあるという現状でございます。
 これは官民合わせての研究開発投資の総額について言っておるわけでございますが、官民合わせてどの程度の研究開発費を投ずるべきかあるいはそのうち政府負担をどれぐらいに持っていくべきかといった将来のことにつきましては、実は本日、科学技術会議の本会議がけさ開催をされまして、諮問十八号ということで、二十一世紀を見通した上でのここ十年間ぐらいの科学技術の新政策について検討するよう総理大臣より諮問を科学技術会議が受けたところでございます。これからそういった資金問題も含めまして審議が行われるわけでございますが、ただいまのような目標設定をどうすべきかといったことにつきましても、積極的な議論がなされるのではないかというふうに考えている次第でございます。
#124
○藤原委員 科学技術の発展はお金だけでできるわけではございませんが、その裏づけになる研究投資というものも非常に大事であることは論をまちません。この科学技術会議できょうから議論しているということでございますから、大きく期待をかけたいと思うのでありますが、それにあわせまして、現在の機構、科学技術の発展をめぐります今日までの科学技術の発展、日本の機構というものは、どちらかというと基礎的な研究より製品をつくるということに非常に重点が置かれてきた。それから今までの機構の中では非常に改革をしなければならない多くのいろいろな問題点が指摘されておるわけであります。これらのことをあわせて改善をいたしませんと、新しい日本の科学技術の発展、こういうものは期されないのではないか。
    〔委員長退席、鳩山(由)委員長代理着席〕
 一つは、いろいろな研究所の所長さん。最近は役人の天下りのパターンが非常に多いのですが、これはそういう分野で非常に活躍した方ですから私は心から尊敬を申し上げますけれども、研究所の所長というのは一つのフィロソフィーを持った人という、学者がいいということをおっしゃる方が非常に多いわけであります。確かに予算を獲得するとか全体の運営とか、こういうことについては熟知していらっしゃると思いますけれども、一つの哲学を持ち、学者としてその分野のある点に達する、そういう方々が適当ではないかということを言う方がいらっしゃいます。私ども公明党・国民会議にいらっしゃいました伏見先生、この前いろいろ懇談いたしましたらこのようなことをおっしゃっておりましたが、まさしく、どの研究機関も全部というわけにはいかないのかもしれませんが、創造的な、独創的ないろいろなことをやろうというときには、こういうことは非常に大事なことだなという気がするわけであります。
 それから、真理の探求に対する執念を持って研究に当たる、こういうことが非常に大事であって、単なる研究じゃなくて、調査みたいなことではなくて、研究機関、国の研究所というのは単なる調査ではなくて新しいものを独創的に、基礎研究ということになりますと、そういうことが非常に大事なことでありますから、真理の探求に対する執念を持つ、こういう研究機関であらねばならない、こういうお話がございました。
 また、若い人たちは、最近はいろいろ機構的にも考えていらっしゃるようでありますが、若い人たちが独自のテーマで自主的に研究開発をしていく、こういう姿もなければならない。教授、助教授、講師、助手、そういうことで、そういう中に組み込まれてしまって、若い人たちの独創的なものがなかなか芽を出さない。利根川さんのお話なんかを聞きますと、そんなことを痛感するわけであります。それから研究所は教授の養成所じゃないんだ、こういう話もございましたが、本当にこの研究開発のために若い人たちは若い独創的なものが生かされるものでなければならぬ。これが研究者の養成所のような形ではいけないのではないか。
 それから、最近大学の研究能力というものは非常に停滞をいたしておりまして、基礎科学というものがどうも民間に移行していくというような現状ではなくて、やはり大学の研究というものも権威あるものにしなければならぬ、これは文部省の関係かもしれませんが。
 伏見先生のおっしゃったお話を要約しますと何点かになるわけでありますが、こういう人的なことと予算面のことと、そしてまた国全体の公的機関を中心といたします独創的な研究開発というものが相まってこそ、今までは追いつき追い越せ、お師匠さんがいたわけですけれども、これからは日本の国は先端を行くということであります。こういうこと等もひとつ十分に、現在の機構のあり方というものも抜本的に改革をするといいますか、見直す、検討する、こういうことと相まって、GNPの一%ということと、総合的にこの研究開発に対する一つの道を切り開く、現在はそういう上では非常に重要なときに来ておる、こんな気持ちがしてならないのであります。
 科学技術庁に直接関係あることないこと、いろいろ申し上げたのでありますが、私の申し上げたお話、伏見先生が何点か申し上げた中のほんの何項目かでありますけれども、これらに対するお考え、また今後いろいろなそういうものに対して生かしていく道があるのかどうか、そのようなことも含めてお聞きしておきたいと思うのです。
#125
○石塚政府委員 研究組織、研究機関、国立あるいは特殊法人あるいは産業界の組織がいろいろあるわけでございますが、特に国立試験研究機関のあり方につきましては、その中長期的なあり方といたしまして、先般科学技術会議におきましてその審議を行い、答申を行ったところでございます。そしてまた、その中では、先生ただいま御指摘の研究所のあり方、将来のあり方、あるいは独創的なそういった研究者を生かす方法はどうあるべきかといったいろいろな多岐にわたっての提言がなされていたところでございますが、実際にそれがどういうふうに運用されているかということにつきましても、昨年、科学技術会議の中の委員会におきまして各研究機関からその状況の報告を求め、その後の進捗ぶりを評価したということもございます。
 私どもは、やはり研究機関、今先生御指摘のように、研究所長がどのように研究者をうまく統轄し、研究意欲を引き出し、研究成果を上げるかということは非常に重要なことでございます、研究所のそれぞれの性格にもよりますけれども。その辺の重視といった施策のお手伝いも科学技術庁としてはいろいろさせていただいております。例え
ば基礎研究費の一部につきましては特別の枠を設けまして、その使用については研究所長の裁量にゆだねて研究者に配分をするといったような制度を設けますとか、いろいろな方策を立てているところでございます。
 ただいま先生からの御指摘の点につきましては、なお十分参考とさせていただいて、そういった各研究機関のより活性化した施策に反映させてまいりたいと思っております。
#126
○林(昭)政府委員 ただいま先生からは若い人を育てるべきじゃないかという御指摘がございましたが、御意見は十分私ども理解をしておりまして、科学技術の振興あるいは特に独創的な基礎的な研究の推進のためには、若い斬新な発想というものに依存するところ極めて大きいと思っております。このような若い人を確保し、さらにそれを育てていくという環境をつくらなければいかぬというふうに考えております。
 この観点から、私ども科学技術庁といたしましては、処遇の改善については毎年大臣を先頭に人事院にはいろいろな要望を行っております。また、海外留学及び国内留学制度等によりまして、研究者の資質の向上を図っております。また、若い人たち、いわゆる博士課程等を出て必ずしも枠にはまった研究をすることを好まないような人たちに自由に研究していただくようなそういう科学技術特別研究員というような制度も創設いたしまして、効果的に人材を活用し育てていくということに努めているところでございます。今後ともそういう方向でやってまいりたいというふうに考えております。
#127
○藤原委員 この問題についてはいろいろ議論しなければならないことがあるだろうと思うのでありますが、きょうわずかの時間でもございまして、多方面にわたってお話しするいとまもないので、このぐらいにしておきます。
 この科学技術白書、平成元年版、これは副題としましては「平成新時代における我が国科学技術の新たな展開」というすばらしい題名がついておるわけでありますが、この中に、確かにどの項目を見ましても、非常に大事なことがずっと列記されております、記述されております。現状分析や現在の問題点、また今後のあり方、その中で私は特にちょっと注目を引きたいのは、第一部の第一章、第五番目に「地域における科学技術ポテンシャルの向上」という項目があるのですけれども、「国土の均衡ある発展、各地域にある潜在能力の活用の見地からは、地域における活動の充実が望まれる。」べきことは、もう私がぶつぶつ言う必要はないだろうと思うのであります。
 最近は、研究開発、試験所とか研究所の周辺に新しい研究開発ができる、それを産業化しよう、こういうことが、これは最近じゃない、昔からそうなんですけれども、そして新しい産業がそこに起きるという、東北やいろいろなところでもそういうことが非常に顕著になっております。
    〔鳩山(由)委員長代理退席、委員長着席〕
今までの産業をそのまま継承するということですと、どうしてもNIESやそのほかの国々にも安い労働力でどんどん追いつかれてしまう。新しいものを研究開発していくところに日本の役割といいますか、そういうことからいうと、そういう研究機関が近くにあるかどうかということが地域の発展にとって非常に大きな重要性、今ほど増しているときはないだろうと思うのであります。これもいろいろなことを申し上げたいのですが、時間もございません。
 さっきのお話とちょっとダブる点もあるかと思いますが、一つは公的な機関の研究開発の充実、こういうことが言われておるわけですけれども、大臣、一方では公務員の定員削減とかいろんな問題が出るわけですが、そうしますと、今までの国のやり方というのは、行政的な立場の人はこれは必要なものとして、研究所みたいなところがどうしても削減の対象になる。科学技術庁は別かもしれませんけれども、各省庁、私も二十数年議員をやっておりまして各委員会回りますと、そういうところで、本当にこういう大事なところで陰の力になって一生懸命やっておるようなところが削減の対象になるような嫌いがどっちかというとある。それは機械化できるとかいろんなことがあるのかもしれませんが、新しい研究開発となりますとそうはいきませんで、ロボットに置きかえるわけにはいきませんから、科学技術庁はこれから大きく飛躍、発展しなければならぬ。特に地方におきます研究機関というのは非常に重要な役割を担っておるということ等を考えますと、これは政府の一つの方針の定員削減とは逆行する方向かもしれませんが、充実強化の方向にぜひひとつこれはお力添えをいただかなければならぬ。多極分散とか国土の均衡ある発展とかうまい言葉はいっぱい並んでおるんですけれども、しかしそういうことが着実に進められませんと、地方に新しい産業が起きない。一次産業を初めとしまして今非常に大きな過渡期にある、こういうことを考えますと、どんな立派な文章をつくりましても、現実的にはそれは絵にかいたもちになってしまう。
 こういうことで、大臣が一番よくこの点のことについては御存じのことだろうと思うのでありますが、地方の研究所、研究開発機関、こういう公的なものを初めとしまして、国のことですから公的な機関ですが、この充実強化、増員はあっても削減はあってはならぬという強い決意で、平成三年度の概算要求を初めとしまして、今後の科学技術の振興のために御奮闘いただきたいと思うのでありますが、大臣いかがでしょう。
#128
○大島国務大臣 結論的には議員の大変力強い私どもの立場に対する御協力の言葉と、私はまず拝聴しておるわけでございます。
 そこで問題は、まさに日本の科学技術の問題の前提といたしまして、いわゆる我が国の経済大国、したがってお金の面での海外協力もさることながら、私の最近の経験からしても、科学技術の面においても各国から極めて尊重される立場まで進展してきているんじゃなかろうかという感触、と同時に、やはりこれは人の問題につきましても、大いにこれは協力すべきだ、こういうふうに考えておりますものですから、ただいまも御指摘いただきましたように、我が国の試験研究の予算というものにつきましても、ややもするといわゆる科学の面における基礎研究についての予算というものが、諸外国に比べてもどうしても少ないんじゃなかろうか。そのことがかつて諸外国からも日本のただ乗り的な考え方に理解をされたという、まことに遺憾な点があったと思いますが、今日はそうでない。
 そこで問題は、やはり最後は人であるということになれば、国内における若い科学技術に専念できるような、するような人を養成しなければならぬじゃないか、その点が私は非常に今日、ややもすると問題が大きいんじゃないか。ということは、どうも勉強にいたしましても、理科学系統を勉強しながら、結果的にはどうしても金融機関の方に行く傾向がすべての面であらわれてきているということは、一体那辺にあるか。こういうことだけでは、日本の将来の科学技術を踏まえて本当に諸外国から信頼される国になるかどうかということについては、やはり私は基本的な危惧の念を持っておるものでございます。
 そこで、どうしても人というものについて、若き研究者を養成するためには、やはり受け入れ態勢としての、中央もさることながら、先生の御指摘のような地方における公的な試験研究の機関というものに対する施設設備の充実拡充、これを進めていくということがどうしても必要じゃなかろうか。それによってやはり若い技術者というものの希望の持てる体制を踏まえていく、このことが私は当面日本にとって大変重要な問題であるし、それを実行しなければならぬのじゃないか、そのことをまず具体化するためには、当面の予算編成についても真剣にこれと取り組んでいくべきではないか、こんなふうに考えておりますので、何分の御協力もいただきたい、こう思うのでございます。
#129
○藤原委員 大変に力強いお話がございましたが、ぜひひとつ大臣、頑張っていただきたいもの
と思います。
 そのほか何点かございますが、もう時間もございませんのであれですが、これからの科学技術庁が担当いたします分野というのは、もう海にしても空にしましても宇宙にしましても、多角的な大きな展開が必要だろうと思いますし、過日、新聞等で伺いますと、経団連は宇宙開発推進会議、ここで、宇宙開発費というのは公共投資といいますか、膨大なお金がかかるのでほかのものとは離してはどうか、こんなことも提言なさっているようでありますが、今度の予算概算要求等におきましても、こういうお考えがあるのかどうか。
 それから、過日報じられておりましたが、日本が提唱いたしております国際的基礎研究助成事業に対する国際研究助成金に対する課税の問題ですが、これは科学技術庁だけじゃなくて、各省庁にまたがる研究開発、各省庁にまたがることなんだろうと思うのでありますが、大臣が中心になって閣議でこれで大いにひとつ議論していただいて、国際的な非課税の方向に持っていくような御努力も今度の予算編成の前にはいただかなければならぬと思うのですが、これらのこともひとつ今後の取り組みについてお聞きをしておきたいと思います。
 最後になりますが、総合エネルギー調査会の原子力部会におきまして、原子力の安全性、放射性廃棄物対策に対する不安感が原発立地をおくらせている、こういう分析のもとにいろいろなことを提言をいたしておるようでありますが、その中で、原発の検査、運転管理に関する安全規制体制の整備充実を挙げ、一部の規制業務を第三者専門機関に委任する制度を導入するよう提案している、このようなことが報じられておりますが、原子力基本法の法律、参議院にいたとき審議したことがございましたが、私はやはり第三者機関、つまり同じ役所の中で規制するのと開発するのと一緒ということよりもアメリカ式がいいじゃないかというようないろいろな議論をしたのを覚えておりますが、最近は少なくとも御婦人の方々、三十代、四十代の方ですと短大ぐらいは出ている人がもう六割、七割、最近の若い人ですとほとんど高校を出、短大を出、そういう非常に基礎的な理解力を持つ方々が非常に多い時代であります。今までと同じ広報活動といいますか、PRのやり方をやっておりますと、これはなかなか皆さん方の科学技術の現状というものについては、反対の方がどっちかというと非常に理解しやすい。こういう情勢の中にありまして、やはり機構とかいろいろな面で信頼を受けるそういう検査機関、検査体制、こういうものが求められるのではないか。やはり内々でやっているということになると、そういう姿だけ見て、それは厳しくやっているとはいいながら、どうしてもそうは見えない。ですから、それは規制業務を第三者専門機関に委任するという形で、それは別のところで厳しくやっているのだというような形も、今までも論じられてきましたが、なかなかこういう提言というのはなかったのですけれども、今回、この総合エネルギー調査会の中間報告、原子力部会でこういう報告があったということを聞きます。これはぜひひとつこういう実現の方向といいますか、一般市民の知識とかいろいろなものが五年前、十年前とは大きく変わっておって、そしてそれらの方々の立地やいろいろなことに対する理解を深めるということからいいますと、こういう制度も確かに考え直さなければならないところに来ておるのだ、こういう理解を深めた対応が必要だろうと私は思うのです。これは科学技術庁ではなくて通産省かもしれませんけれども、科学技術庁は科学技術庁としてこういう問題についてはどうお取り組みになっていらっしゃるのか、また今後の検討課題としてどのようにお取り組みになるのか、このようなところをお聞きして終わりたいと思います。
#130
○石塚政府委員 私から先に、先ほど御質問のございました日本が提唱して発足いたしましたヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの助成金に対する課税の問題につきまして、一言お答えさせていただきます。
 この助成金を日本人の研究者が受け取りました場合に、これが所得税法の免税措置の対象に今のところなっていないということは事実でございます。したがいまして、私どもは現在、これが所得税法上の免税措置の対象となるように取り計らうべく関係省庁と鋭意検討を進めておるところでございます。
#131
○緒方政府委員 原子力関係についてお答えをいたしますが、先生御指摘のいろいろな点につきましては、一言で言いますと、原子力についての国民の信頼性をどうやって確立するのか、こういう御指摘であろうかと思います。
 検査体制の問題につきましては、先生御指摘のとおり、これは通産省の方の担当でございますので、私の方からは直接お答えできないわけでありますが、科学技術庁としてはもちろん、各所管の官庁がやっております一次審査に加えて、安全委員会によるダブルチェックというような体制で安全性についての法的な枠組みを担当しているわけでございます。いずれにいたしましても、そういう原子力についての国民の理解と信頼を深めるというのが基本であるという認識でございます。
 先生おっしゃいました、それでは理解を得るために国民の皆さんと今後どういうふうにしてやっていくのか、新しい方法はないのかということでございます。私どももいろいろトライアルをしておりますので、またいい知恵がありましたら御指導いただきたいわけでございますが、一つだけ例を申し上げますと、やはり国民と直接ひざを交えて対話をすることが大事であろうということから、自主的な勉強会のようなものが催されるときに、御要望があれば無料で講師を派遣するという制度をつくっております。賛成、反対の立場を問わず、請われればどこにでも参るということでございます。現在までに既に百六十七回こういう講師派遣をやりまして、集まってひざを交えて議論をしていただいた市民の方々は、合計延べ約一万人ということでございます。こんなことも新しい試みでやらせていただいているということを御報告させていただきます。
#132
○大島国務大臣 ただいまそれぞれ政府委員の方から答弁させたことは現実でございますが、私も委員と同じように、本当に信頼できる体制というものが一般に理解できなければ、幾ら口で言ってもだめじゃなかろうかというようなことで、常に安全が大前提だと言っているけれども、なるほどそうだなというものをもう一歩突っ込んで勉強する必要があるということを私は内部に向かっても強力に主張しておりますので、そういう点からも御期待に沿うようにやってまいりたいと存じております。
#133
○与謝野委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十四分休憩
     ────◇─────
    午後二時四十二分開議
#134
○与謝野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
#135
○近江委員 チェルノブイリの原子力発電所の事故というものは極めて全世界的に大きな影響を与えたわけでございます。四年経過した現在でございますけれども、非常に拡大傾向が見られておりまして、国際的にもその実態が憂慮されておるわけでございます。
 そこで、前回にも申し上げておりますが、現状の正確な把握と情報収集に努めるべきであると思います。また、国連におきましては放射線障害者に関する決議等が進められており、既に世界数カ国は放射線障害者を受け入れ、治療や費用負担などの救援を実施いたしております。このような状況にかんがみまして、我が国も、ソ連政府からの正式要請の有無にかかわらず、人道的見地から被爆国日本の経験を生かして、放射線障害者の受け入れを初め、資金援助、医療協力、情報提供など積極的な協力を進めることが重要かつ緊急を要するものと私は考えております。
 それで、御承知のように放射線医学総合研究所
を科学技術庁は持っておられるわけでございますが、現在三百九十四人、百五億六千万の予算を持って、これは平成元年度でございますが、やっておられます。放射線による人体の障害並びにその予防、診断及び治療に関する調査研究、放射線を用いたがんの治療及び各種疾病の診断等の調査研究、これらに関する技術者の養成訓練等積極的に展開をされておられるわけでございます。
 そういう意味におきまして、まず第一番目にお聞きしたいのは、政府はソ連からの正式要請があれば医療面の協力を進める用意があるというようなこともおっしゃっているわけでございますが、被爆国日本の経験を生かして人道的立場からもっと前向きに対応すべきであると思うわけですが、政府の見解をお聞きしたいと思います。
#136
○東郷説明員 お答え申し上げます。
 チェルノブイリ事故が発生いたしましてから、政府といたしましても重大な関心を持ってこれを見守り、政府として何ができるのかということを考え、幾つかのことを実施してまいりました。
 二国間関係それから多数国間関係と二つの方向がございますが、二国間関係につきましては、事故が発生してから後にソ連側の要望がございまして、ソ連の医師、専門家代表団が日本を訪問し、我が国の被爆者医療の実態等を調査いたしました。また現在は、日ソ科学技術協力委員会というのがございまして、この委員会の枠内で放射線医学の分野での協力というものを実施しており、その協力の中で双方の専門家間で情報交換等を行っております。
 多数国間の分野につきましては、これまでいろいろなところが関心をふやしておりますけれども、例えば国際原子力機関、ここが国際的専門家調査団の現地派遣、それから国際諮問委員会の開催等を実施しておりまして、日本から放射線影響研究所理事長が国際諮問委員会の議長を務める等の協力を行っております。
 そこで、現在の時点ではソ連からどういうことをもっとやってほしいのかというお話は具体的には来ておりませんが、とりあえずソ連側がこの件について何をやってほしいのかというようなことをよく我々の方からも把握いたしまして、先生御指摘のように、人道的見地からどのような協力が可能かということを関係の方々ともよく御相談の上前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
#137
○近江委員 外務省は非常に前向きに今後努力したいという答弁があったわけですが、科学技術庁長官はどういう決意をお持ちですか。
#138
○大島国務大臣 科学技術庁といたしましても、チェルノブイリの問題につきましては、先般来いろいろ御質問等もいただいたり、また私どもとしても、四年は経過いたしたものの、実態というものについて努めて今日といえども調査というか承知すべく努力はいたしております。
 そういう中で、科学技術庁におきましても、我が国の立場においてもソ連の医師等を放医研を初めとする我が国の関係機関に受け入れているという経緯はたどっておるわけでございます。また、従来より政府といたしましては、日ソ科学技術協力協定に基づいて放射線医学の分野でソ連からの専門家を招くとともに放医研等の専門家をソ連にも派遣して、ともにこの問題については共同研究しておるということは事実でございます。
 そういうような状況でございまして、現時点におきましても、ソ連の政府からの御要請というようなことがありますと積極的にこれに対応していくという前向きで検討さしてもらいたい、こういうふうな考えで現在やっておるところでございます。
#139
○近江委員 大臣も前向きに積極的にやるという御答弁があったわけでございます。
 IAEAにおきましても、我が国の放医研あるいはまた放射線影響研究所等が実施しております広島、長崎の被爆者に関する治療、研究等が役立つことを指摘しておるわけでございますが、医療情報を積極的にこちらから提供する必要があると思うわけですが、この点について見解を承りたい。これが一点。まずそれをお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、新井委員長代理着席〕
#140
○荒賀説明員 お答え申し上げます。
 厚生省の所管でございます財団法人放射線影響研究所におきましては、原爆放射能によります後障害につきまして、これまで多くの知見を持っておるわけでございます。特に被爆者十二万人を対象とした寿命調査でありますとか、あるいは被爆者二万人を対象とした成人健康調査等、疫学の分野での研究は世界で唯一のものでございます。これら原爆被爆者に関する疫学のデータ及びその収集方法、分析手法等につきましては、チェルノブイリ事故の被曝者に対しても科学的に有用であるというふうに考えておるところでございます。
 そこで、日ソ科学技術協力協定に基づく協力といたしまして、被曝者の健康管理のために疫学面を中心とした協力を行ってきているところでございます。
 具体的には、ソ連側の要請に基づきまして、低線量被曝によります体細胞の突然変異あるいは遺伝子への影響等に関しまして、これまでの科学的知見を提供しているところでございます。
 その他ソ連政府からの要請で、放射線影響研究所の理事長でございます重松博士がソビエトを訪問をいたしまして、放射線障害の疫学に関する技術指導を行いましたり、ソ連邦放射線医学科学センターの技術者が放影研を訪れまして、健康診査の具体的方法とその評価について研修を受けるなど、できる限りの協力をしたところでございます。今後ともチェルノブイリ事故の健康被害の実態解明のため、これまでの科学的知見の提供、技術指導等の協力を積極的に進めてまいりたいと考えております。
#141
○近江委員 政府がそれだけ前向きの姿勢でやるということになってきますと、放射線障害者の治療につきまして早い機会で恐らくそういう要請があるのじゃないかと思いますが、その場合、放射線障害者や付添人の受け入れ、治療など、放射線障害者救援のための体制を積極的に進める必要があると思うわけでございますが、この点についてお聞きします。
#142
○大西説明員 お答えを申し上げます。
 私ども、具体的に厚生省管下の医療機関でどのような形でその御要望にこたえ得るか、具体的な相手方の御希望等を伺った上で関係省庁とも十分協議して、可能な限りの御協力を人道的見地から行ってまいりたいという考え方でおります。
#143
○小林説明員 放射線障害者の診療とか研究につきましては、ほとんどの国立大学の附属病院におきまして行っておりますけれども、特に広島大学と長崎大学におきましては専門の診療科を持っておりまして、その診療と研究に当たっているという実情にございますので、チェルノブイリ事故における放射線障害者の治療につきましては、そうした要請がありました場合には、関係者の意見も聞きながら適切に対処してまいりたいと思っております。
#144
○近江委員 放射線障害者などの治療のために、医師、薬剤師、放射線技師等各種専門家の派遣を積極的に検討する必要がある、このように思うわけでございますが、この点についてお伺いいたします。
#145
○大西説明員 お答えを申し上げます。
 先ほど私の同僚からもお答え申しましたように、幸い我が国、これまでいろいろ知見を持っておりますし、専門家がおられるわけでございますので、そういう経験を生かす意味で、御要請があれば可能な限り前向きに協力をいたしたいという基本的な考え方でおります。
#146
○近江委員 IAEAにおきまして計画されておりますチェルノブイリ国際研究センター、これは仮称だと思いますが、に対する資金あるいは技術協力等、でき得る限りの協力をすべきであると思うわけでございますが、我が国の対応につきまして政府の見解を問いたいと思います。
#147
○緒方政府委員 ただいま先生御指摘のチェルノブイリの国際研究センター構想というのはソ連が提唱しているものでございまして、チェルノブイ
リ周辺の百余りの研究機関で、放射性物質で汚染された環境等を対象に国際共同研究をしよう、こういうことでございます。
 現在、ソ連政府とIAEAの間でこの構想を具体化するための法律的な意味での枠組みの検討が行われておるところでありまして、また他方専門家によりまして具体的な検討テーマの検討が進められているところでございます。
 この構想につきましては、共同研究が効果的に実施をされますと、人体に対する放射線影響等に関する知見の増大が期待をされるわけでございまして、大変有意義な計画ではないかというふうに私どもは考えております。
 そこで本年二月にIAEAの本部で開催をされました本件構想の検討会議に日本も積極的に参加をいたしまして、今後こういう国際的な場での検討に積極的に参画をしていきたいというふうに考えております。
 IAEAでは現在、七月に、現地に百余りの研究機関があるわけでございますが、そこに関心のある国が合同で視察をするような企画も立てているようでございまして、そういうものを通じてこの構想の具体化に今後日本政府としても積極的に参画をしていきたいというふうに考えております。
#148
○近江委員 今非常に前向きな答弁があったわけでございますが、積極的にこちらから、我が国からアタックをして、先ほど御答弁があったそうした点につきまして行動を展開していただきたい。強く要望いたしておきます。
 きょうは非常に時間も短いわけですから、次に、二十日の日に今問題になっております福島第二原子力発電所へ私ども調査に行ってまいりました。つぶさに状況を視察をしたわけでございます。一時的にはこの第二原発、四つともとまっておる。一つは定期検査ということもございますけれども、そういうこともございまして、今後考えてみますと、さきの委員会におきましても電力ピーク時の対応をただしたわけでございますが、今後夏場に向かってくるわけでございまして、電力消費はピークを迎えるわけであります。そうなってきますと、電力会社が経済性を優先する、そしてフル稼働に入るということは十分考えられるわけでございまして、ここで大事なことはやはり安全性を最優先にした運転が非常に重要であるということであります。三号機のトラブルにおきましても、結局、振動を感じながら六日間も放置した。結局そういう安易な姿勢というものがあれだけの重大事故を引き起こしておるわけであります。極めて私はその点が問題である、このように思います。
 そこで何点かお伺いしたいと思いますが、異常兆候を早期に検知するために音響モニタリングなどを利用した格納容器内異常監視装置システム、これの構築を早急にやらなければいけない。この異常診断技術開発を推進しなければいけないということを、第一点、非常に痛感をいたしたわけであります。それが一つ。
 それから、不測の事態が発生した場合、迅速かつ的確な対応が実施されるよう、運転マニュアルの見直し及び教育訓練の改善を図らなければならない。六日間もあのような異常を発見しておきながら放置したということ、これは大変なことでございまして、そういう点でこの運転マニュアルの見直し、これは非常に大事であると思います。この二点につきましてお伺いしたいと思います。
#149
○倉重説明員 お答えいたします。
 先生の、異常兆候を早期に検出するための音響モニタリングなど、いろいろな異常診断技術の開発をすべきだという御指摘でございますが、そのとおりでございまして、今回の福島第二の三号機の再循環ポンプトラブルにかんがみまして、その再発防止対策としまして異常兆候を早期に検出するということで、当該プラント、それからほかのプラントにも回転体診断装置を導入する、それから音響モニターも設置する、それからさらには格納容器内の状況とか漏えい、これは視覚で見えるようにということでテレビカメラの導入をする、その間自走式の小型監視装置を当該プラントにつけるというようなことをやっていきたいと考えております。
 それからもう一点御指摘の、不測の事態が発生した場合に迅速かつ的確な対応が実施されるような運転マニュアルの見直し、それからそれに関連した教育訓練の徹底ということでございますけれども、この運転マニュアルに関しましては、問題となりました再循環ポンプの異常兆候が出た場合には、その原因が特定できない場合には当然とめる、それからそれ以外にも異常が生じた場合には、その原因が特定できない場合には当該機器を早急にとめるということで、現在運転マニュアルの見直しをしている最中でございます。
 それから、当然それに関連しまして、安全第一ということで意識の徹底、それに関連して教育訓練を徹底していきたい、このように考えております。
    〔新井委員長代理退席、委員長着席〕
#150
○近江委員 機器の故障あるいはまた運転員のミスなどによりまして事故の要因となるような異常を極力防止するためには、日常的に装置、機器、計測器など各種の検査、点検の強化を図る必要があると思います。そういう健全性を確認しなければならない。これが一つ。
 それからヒューマンエラーを防止するために、人間工学、心理学等の他分野からのアプローチによりまして人間のミスを防止する研究を推進しなければいけない。この点が非常にまだ弱体である、このように私は考えております。
 以上二点につきまして、簡潔に要点を御答弁いただきたいと思います。
#151
○倉重説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の、運転員のミスなどによって事故の要因となるような異常も極力防止するために、日常的にいろいろ各種の検査、点検の強化を図るべきであるということはごもっともでございまして、今後の異常といいますかトラブルをなるべく減らすということも含めまして、今後徹底していきたい、このように考えております。
 それからもう一点の御指摘、ヒューマンエラー、人間のミスを少なくする、そのためにいろいろ人間工学、心理学等の他分野からのアプローチによりまして人間のミスを防止するような研究を推進すべきだということは、ごもっともでございます。
 五十四年のTMI事故の後、ヒューマンエラー防止のためにいろいろ対策をとってきたわけでございます。中央制御室の制御盤を人間工学的な観点からいろいろ改善してきたのもそうでございますが、それは識別を可能なようにいろいろ工夫してきたわけでございます。
 さらには通産省では原子力工学試験センターの中にヒューマン・ファクター・センターというものを設けまして、この面の研究を今鋭意やっている最中でございます。今後もさらにこの研究につきましては強化してまいりたい、このように思っております。
#152
○近江委員 時間がありませんのでまとめますけれども、いわゆるいかなるそういう故障、トラブルに対しましても徹底した原因究明、再発防止対策の確立を図らなければいかぬ。そのために調査委員会を必ずその場合には設置する。また安全運転の徹底と安全意識の向上を全社的に図るように今後周知徹底させることが大事である、このように思います。この点について一点。
 それから原子力安全委員会等で健全性がおりた場合でも、住民各層のコンセンサスを得た上で運転を再開をする、このことが非常に大事だと思います。これが二点目。
 それから、先ほど冒頭に申し上げましたように、電力消費というのはピークを迎える。そういう点で、どうしても電力会社が経済性を優先してフル稼働ということをこの夏場目指しておるわけでございますから、今安全性が、福島第二原発を見ましても特にこの点が非常に大きな問題を引き起こしたわけでございますので、これは政府として、監督官庁として一番大事な問題であると思います。今後どういう姿勢をとられるのか。
 以上の点についてお聞きして、私の質問を終わ
ります。
#153
○倉重説明員 お答えいたします。
 まず最初の御指摘の、徹底した原因究明、再発防止対策をとるべきであるということでございます。これはごもっともでございまして、今回の福島第二の三号機のトラブルに関しまして、顧問会の中にわざわざ調査特別委員会を設けたわけでございますが、今後トラブルが発生した場合には、徹底した原因究明、再発防止対策の確立を図っていきたい、このように考えております。
 それから安全意識の向上を各社に徹底するようにということでございますが、今回のトラブルの教訓といいますか、にかんがみまして、各電力会社すべてに通産省から指示をしておるわけでございます。
 それから住民各層の合意を得た上で運転再開というお話でございますが、原子力のためには地元の理解と協力を得なくてはならないということでございまして、そういう面では当然地元の理解が不可欠であるということでございまして、今回の福島第二の三号機につきましては現在健全性の評価をしている最中でございますけれども、その結論が出たときには、その後当然地元にも何らかの説明をすることも考えていきたい、このように考えております。
 それから最後の御指摘でございますが、安全性最優先ということでございますが、これは、私は安全を担当する課長としましても安全最優先で、慎重には慎重にということで対応していきたい、このように考えております。
#154
○村上政府委員 原子力安全委員会の態度につきましては、けさほど委員長が当委員会で申し上げましたように、通産省からの健全性評価等の報告を待って慎重に審議をし、必要に応じ行政庁を指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
#155
○近江委員 もう時間がなくなりましたのでこれで終わりますが、最後の答弁、私は、これからいわゆる夏場を迎えて経済優先の姿勢ということについて、厳しく言いなさいと言っているわけでしょう。これに対して、各電力会社を厳しく指導するなりなんなり、その政府の姿勢がぴんとくるものが感じられませんよ。その答弁だけ聞いて終わります。
#156
○村上政府委員 御承知のとおり、安全委員会は安全性をダブルチェックする重要な委員会でございますので、当然御指摘の点は十分に認識しているものと理解しております。
#157
○近江委員 終わります。
#158
○与謝野委員長 吉井英勝君。
#159
○吉井(英)委員 けさほど来、東京電力の福島原発のことが随分議論となりました。本当に各委員の方からもいろんな御指摘がありましたように、実際に国民の不安を増すばかりと申しますか、そういう状態が今東電福島原発に見られると思うわけです。
 私もそこでまず一つお伺いしたいんですが、せんだって六月十二日に再循環ポンプのメカニカルシールのところで故障を起こして、これで翌十三日の午前三時半ですか、東電福島第二の四号機がまずとまり、午前九時半には一号機がとまり、そしてメカニカルシールの部分ですね、部品を交換して、六月十六日の午前四時にこの四号機が運転再開したと思えば、十時間ほどすると交換した部品のところでまたトラブルが起こって四号機はストップ。どういうことなんだということでいろいろ伺ってみたり調べていると、その軸封部のところのわずか一ミクロンのすき間のところに異物が混入したのがどうもこの故障の引き金らしい、こういうことでありますが、何が原因であったのか、なぜこの異物が入ったのか、まずこの辺のところから伺いたいと思います。
#160
○倉重説明員 お答えいたします。
 福島第二原子力発電所の一号機、四号機に関します軸封部の機能低下の問題でございますけれども、最初に、ほぼ同時にとめたわけでございますが、その原因は軸封部の摺動面に異物がかみ込みましてリークパスを形成したというふうに考えております。
 それから四号機につきましては、その後もう一度立ち上げようとして約八時間、十時間ほど運転した後にまた同様な事象が発生したわけでございますが、これにつきましてはまた軸封部の点検を実施したわけでございます。
 その原因は、運転操作前の準備作業中に何らかのふぐあいが生じて、例えば片当たりみたいな形のものが生じて、そういうふぐあいが生じたのではないかというふうに考えております。
 対応としましては、この軸封部自体は消耗品でございまして、定期検査ごとに取りかえているものでございますので、今回も新しいものとちゃんと取りかえまして、慎重に機能確認をし、慎重に立ち上げを行ったというものでございます。
#161
○吉井(英)委員 定期検査のたびに取りかえて、これは何年かに一度取りかえるわけですね。その間にだんだん摩耗していったとか、これならまだ話はわかるのですよ。取りかえて十時間後ですよ。これはだれが考えてもおかしいのじゃないですか。
 どうも近ごろふぐあいという言葉がお好きなようで、何かあるとふぐあい、ふぐあいとおっしゃるのだけれども、準備作業のどこにそれじゃそのふぐあい、問題があったのですか。なぜこの異物が混入したのか。そのことを究明しなかったら、部品を何回取りかえても同じようなことが次々起こってくるのじゃないですか。これはどういうふうな調査をされたのですか。
#162
○倉重説明員 お答えいたします。
 最初の、異物が混入したということで、その異物がどこから入ったのかということでございますが、そこにつきましては、どこから来たのか特定は、そこは非常に難しゅうございます。実際に軸封部を点検した結果、そこに何らかの異物があって、そのシート面にその痕跡といいますか、摺動跡があるということで、それから類推するわけでございますが、その異物が果たしてどこから来たのかという点は、まだそこは特定できていないわけでございます。なかなかその特定も難しゅうございます。
 それからもう一点の、準備作業で片当たり等が発生したという言葉で申し上げましたけれども、そこにつきましても、何といいますか、はっきりしたこれがということをなかなか再現することが難しいこともございまして、その割れの状況等から類推しているわけでございます。
#163
○吉井(英)委員 それで、何らかの事情があるらしい、どこからか入ってきたらしい、特定は困難だ、そういうお話は今伺いました。
 一体その異物は何だったのです。異物とおっしゃるのですが、その異物は何なのか、私よくわからないのです。
#164
○倉重説明員 お答えいたします。
 点検した結果、そこにありました異物は微小な金属粉でございます。
#165
○吉井(英)委員 異物はとにかく微小な金属粉であったらしいということはわかったようなんですね。ところが、どういう事情でどこから来たのかということが、まだ原因は本当のところわからないのですね。その原因が十分不明なままに一号機は既に再開しているんですね。
 私はここに、先ほど近江先生が御指摘なさったように、やはり電力会社に対する官庁の方の対応が、問題があれば、もっと徹底的に調査しなさい、徹底的な原因究明がまず先なんだ、そういう態度が非常に弱いというところに、そこに問題があるのじゃないかと思うのですよ。まあ電力会社が通産省をなめているかどうか知りませんけれども、なめられていると言っても仕方がないような感じを受けるのですよ。それは自信を持ってやっていらっしゃると思うから、なめられているのじゃないかと言ったらちょっとこれは失礼なと思われるかもしれないけれども、しかし私はそういうことを感じるのですよ。私はそういう点では、やはり一つに、まず官庁の側の対応が甘いのじゃないか。徹底的に原因究明しなさい、それまではただ部品を交換すれば済んだんだ、そんな簡単なことじゃ
ないんだ、そういう姿勢をまずとることが必要だと思うのですが、こういう点、どうなんですか。
#166
○倉重説明員 お答え申し上げます。
 異物がどこから来たかということで、まだその発生原因が不明確なような形で私申し上げましたけれども、現実にその異物が、これはメカニカルシールは製作といいますか、つくったのはアメリカのバイロン・ジャクソン社でございまして、アメリカでつくったものを購入してきておるわけでございますが、その製作過程で入ったものなのか、それを日本に持ち込みまして、それを据えつけるときに微小な金属粉がついたのか、ないしはそのシール水の中に入っていたのか、そこはなかなか現時点では同じものがありませんので、そういう面では非常に難しいということを申し上げているわけでございます。
 その原因の究明ということでは、シールのふぐあいということは明らかでございますし、そういう面で今後その品質の管理といいますか、そこは厳重にやっていきたい、またそのように指導していきたい、このように考えております。
#167
○吉井(英)委員 実はこの福島原発について見てみると、再循環ポンプのこの部分で、随分これまで事故を起こしていますね。
 この数年来を見てみても、今の第二原発の一号、四号でも、軸封部のところもあれば、第一原発の五号機ではこの軸封部の少し下あたりのシャフト部分にひび割れが入ったというのもありますね。どうもそのときも異物が入ってかじってしまったのか。あるいは先ほど来出ております第二原発三号機では、回転軸受けのリングが落ちての事故と、この循環ポンプというのはしょっちゅう問題を起こしているんですね。一度徹底的に調査をし、原因究明して、もう大丈夫だということをやらない限り、これは国民の皆さんの不安にこたえるようなそういう通産省の仕事にならないと思うのですよ。まずこれを申し上げておいて、次の問題にも入りたいと思うのです。
 ところで、東京電力は国に対してこの健全性の評価をしてもらうのだと今言っているわけでありますが、調べてみると原子炉等規制法第三十条により、第二原発三号機ですね、例のけさほど来問題になっておりましたあの三号機、昨年の一月に事故を起こしたものですね、それについて、この三十条により運転計画というのが毎年一月末までに提出されますね、向こう三年分についてですか。
 それで、私も取り寄せて調べてみました。ことしは当然のことながら三号機は最大出力ゼロですね。これは事故で動いてないのだからゼロは当たり前ですね。ところが来年の四月からはどうなっているか。百十万キロワットフル稼働でしょう。これを一月に福島の東京電力が提出したときといえば、まだこの東電の側の事故報告書は出てないときですね。東電の報告書というのは、ことしの四月に出ました。私も読ませていただきました。それからいわゆる通産省の秋山委員会の報告書はことしの二月二十二日。それから同じく東電の方のこの浄化作業の結果と再発防止対策というのがこの第二原発三号機について出てきたのは、ことしの五月の二十九日ですね。読ませていただきました。私、手元に持っておりますが。
 ですから、ことしの一月に東京電力は通産省の方に対してこの月別発電計画というのを出して、来年の春からは百十万キロワットフル稼働ですと。この計画を出しておるときというのは、まさに事故の調査中であって、一年余りにわたってあの原発はとまったままで、事故の調査中であって、そして健全性の評価も何もまだ全く始まってないときですね。ですから、再開のめどが立つかどうかもわからないそういうときにこういうものを出してくるということ自体、私は本当に一体何事かと言いたいわけであります。これはつまり初めに光ありきといいますか、初めに運転再開ありきで、徹底解明はそのつけ足し、こういうふうな感じじゃないかということで、今この点では住民の皆さんの批判も強まっておりますが、当然のことじゃないかと思うのです。
 私は、通産省は東京電力などに対して、こういう姿勢が問題なんだ、ただいま事故の究明中というときに、そして官庁の方でもやってよろしいという再開の指示も何も出していないときに、もう早々と来年の春以降は百十万フル稼働だ、そういうふうな姿勢が間違いなんだ、今あなたたちがやるのは徹底解明じゃないか、こういう姿勢で、通産省はこのことをはっきり指摘することこそが一番大事なことだと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#168
○倉重説明員 お答えいたします。
 原子炉等規制法に基づきまして、原子炉設置者は原子炉の運転計画を作成して前年度の一月三十一日までに通産大臣に届けることになっております。その運転計画の中には、先生今御指摘のものがあるわけでございます。福島第二の三号機に関しましては、それによりますと来年の四月から百十万で運転というふうになっておりますが、これはあくまでも事業者の見通しに基づく運転計画の届け出でございまして、実際の運転が厳密にこれに基づいて行われるかどうかは、また別の問題でございます。法令におきましては、運転計画の変更があるということを前提としまして、その場合計画の変更の届けを行う、そういう定めになっております。
 福島第二原子力発電所三号機につきましていつ運転を開始するかということにつきましては、今回の事象がプラントに与えた影響及びその残存する金属粉が今後の運転に与える影響につきまして現在慎重に評価を進めているところでございまして、実際にいつから運転を開始するかどうかということは、まだ未定な状況でございます。
#169
○吉井(英)委員 事故の究明を一応やったというふうになっているのですが、これはもともと来年の春になっても動かなければ提出した計画の変更、これは当たり前ですね。あなたがおっしゃるまでもなく変更するのは当たり前のことなんですよ。
 今私が言っているのは、事故の調査中に早々と運転再開計画を出す、そこに見られるのは原因の徹底究明と再発防止よりも営利優先の姿勢ではないか、こういうことをあいまいにするようでは監督官庁の見識や責任が問われると私は思うんですよ。そこのところを問題にしているのです。電力側も姿勢に問題があります。しかし、どうも遠慮がちといいますか、そのことに対してぴしっとした指導をしない。していらっしゃるのかもしれませんけれども、そこが弱い。そこにどうも問題があいまいなまま、あいまいなまま次々と進んできている。ですから、東電の福島第二原発は全部とまってしまっているという状態が生まれてしまったり、本当に異常な事態ですね。それがこうなってきたのではないですか。
 私はその点では御認識をちょっと伺っておきたいと思うのですが、再循環ポンプなり冷却水ポンプのインペラが故障してしまったとか、あるいは軸封部が故障してしまった、シャフトカバーの部分とシャフトとがかじりついてしまって動かなくなったとか、つまり冷却水が流れないようなそういう最悪の事態になったときには、どういうことが生まれることもあり得るのか。それを一体お考えになったこともあるのかな、この点をちょっと伺っておきたいと思うのです。ポンプがとまって、最悪の場合はどうなるのですか。
#170
○倉重説明員 お答え申し上げます。
 冷却水が流れなくなったときにどうなるかというお答えをする前に、一点だけ御説明させていただきたいのですが、運転計画につきましては、私ども、今回の第二原子力発電所三号機のトラブルに関しましてこの原因が究明され、今後の運転に支障がないということがはっきりするまでは、当然運転再開を認める考えはございません。そこははっきり申し上げたいと思います。
 それから今御指摘の冷却水、冷却材がなくなった場合にどうなるかということでございますが、そもそも再循環ポンプというのは原子炉の中の水の流れをよくするためのものでございまして、原子炉に水を入れるという役目を果たすものはまた別のポンプ、給水ポンプがございまして、給水ポ
ンプによりましてその冷却水を入れるというものでございます。原子炉再循環ポンプの機能が停止すれば、そこにおきましては原子炉の水の流れが悪くなりまして、そういう面では出力は自動的に落ちるというものでございます。
 今回のようにインペラの部分が損傷して、それがもとで再循環ポンプが破損あるいは配管が壊れることはないだろうか、それによってその中の水が抜けることはないだろうかという御指摘でございますが、それにつきましては、既に工事計画の段階でインペラが破損をしてもケーシングできちっとそのまま強度上十分な余裕があって、それによって壊れることはないということは確認しておるわけでございます。
#171
○吉井(英)委員 循環ポンプがとまって、原子炉の熱を伝達する方の熱伝達からいいますと、要するに強制対流熱伝達がいわば自然対流熱伝達に近い状態になるという問題ですよ。それがどういう問題かということは、そこから先のことはおわかりでしょう。私はこれ以上の専門的な議論はちょっとおいておきますが、大体今のお話を聞いておっても、何か非常に大したことないようなとらまえ方なんですね。どんな事故だって、最初は大したことないが多いんですよ。しかし、その大したことないという思いが重なったときに、その事故の重なり合ったときに大変な問題を引き起こしているというのが、これまでの実態なんです。そのことをよく御認識いただきたいと思うのです。
 ところで、第二原発の三号機ですが、東京電力の那須社長は昨年三月の記者会見では、金属粉が一〇〇%回収されない限り再開しないということを約束しておりました。これは最近、六月十二日ですか、地元の方で東電の方と地元の市民の皆さんとの討論会があったんですね。東電側は一応認めていますね。そこで、私も少し東電の報告書も読ませていただいたのですが、それによりますと、これまでに一体幾ら金属片、金属粉を回収したかというと、これが大体合計が三十キロから三十三キロですか、内訳も三つにわたって載っておりました。残存しているのは幾らか。これは圧力系その他で五十二から百二十グラムだが、燃料集合体には二キロから二・五キロまだ残存している、こういうことも書いてあります。そこで、それは回収できないのかといったら、回収不能なので再開するということです。
 そこで私は伺っておきたいのですが、金属粉が残っているとどうなるかということです。金属粉が多ければ、もちろんこれはケーシングとインペラとの間でかじって破損するという場合もあり得るし、あるいはインペラを破損するだけじゃなく、クリアランスの部分でケーシングをかじってしまうという場合もあるでしょう、どっちがかたいかによって変わってきますが。金属粉が小さければ、先ほど四号機で問題になったようなメカニカルシールの部分に入って、これが故障のもとになる場合もあるわけですね。大小にかかわらず、燃料体や冷却系にどんな影響を及ぼすか安全評価をする必要があるというのは、実はこれは昨年三月二十九日に参議院の科学技術委員会で私が質問したときに、内田原子力安全委員長が答えておられました。
 ですから、この金属粉が残っているとどうなるかということですね。これがまさに問われるときに、回収不能なので、しかもそれは残っているのが、二キロから二・五キロ燃料体にはついているというのです。そういう状態で再開するというのですが、まず、この金属粉が残っていて問題ないという見方をしていらっしゃるのですか。
#172
○倉重説明員 お答えいたします。
 現在、今回の異常によりまして影響を受けました可能性のある機器、燃料等の健全性の評価をしているわけでございます。もう一点は、今先生おっしゃいましたように、原子炉圧力容器内に流入した金属粉などの洗浄、回収結果を踏まえまして、残存する金属粉等が機器、燃料に及ぼす影響を評価しておるわけでございます。それにつきましては今現在評価中でございまして、それがまとまり次第公表していきたいというふうに考えておりますが、現在、その対象となる機器をいろいろ幅広く考え、それからいろいろその影響モードとしては、例えば衝突ですとか、先生おっしゃいましたかみ込みであるとか閉塞でありますとかフレッティング問題、それから付着の問題等々、幅広くその影響を考えまして評価をしているというものでございまして、まとまり次第公表していきたいと考えております。
#173
○吉井(英)委員 さっきの四号機の場合は、一ミクロンのすき間に異物が入ってポンプがストップしたのですね。今度の場合、報告を見ておりますと、恐らく〇・二ミリメーター以下であろう、こういう評価が出ているのですね。しかし、幾ら小さいといっても一ミクロンよりはかなり大きいのですね。そういう金属粉が入っていて、それが二キロから二・五キロ残っているという状態の中で、これで再開をしよう。
 これに対して通産省の方は、これから安全評価をやっていきたい、健全性の評価をやっていきたいということでありますが、これまで原子炉設置許可をして稼働している原発の中で、原子炉に異物が入って運転するというふうな設置許可申請はもともと出ていないと私は思うのです。出ていないのですね。今回は入っていることがわかりながら、出てくるのです。これは大臣、例のない評価なのです。これまでとは違う評価をいよいよやらなければいけないわけですね。これは現在はまだ作業を通産の方でやっていらっしゃるのですか。やがてそれを原子力安全委員会へ回されるのですか。
 それでこの原子力安全委員会は、出てきたときどんな手法で評価をするのか。健全性評価をする基準というのは、原子炉等規制法に言うどんな基準で評価をしていかれるのか、特に金属粉の付着した燃料集合体の使用について、それはどんな手法で評価されるのか、これを今度は評価される側のお考えを伺いたいと思います。
 時間が参りましたので、最後に長官にお伺いしたいのでありますが、通産省の報告とかチャート等必要な書類を当然取り寄せて評価をされるのでしょうが、NRC、アメリカの原子力規制委員会などですと、三千人の専門のスタッフを抱えて、それを持つ行政委員会で、ですから、福島のかつての、昨年のようなポンプの振動異常なんかあったら、直ちにストップして全面的な総点検をさせるのですね。また、みずから乗り込んで徹底調査をやるのですね。原子力安全委員会は、電力会社の意向がどうであれ、現地調査など徹底した調査を行って、そしてちゃんと勧告を出したり、もっと本当にびしっとやらせるという姿勢が、今の日本の原子力安全ということを進める上での行政に本当に求められている課題だと思うのです。
 この点については、政治的な立場から大臣の考えを伺い、事務的な話は事務方の方から答弁をいただいて、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。
#174
○倉重説明員 お答えいたします。
 健全性の評価の手法というお話でございましたけれども、私ども、一番大事なのは安全が確保されるかどうかということでございまして、本当に一〇〇%がいいかどうかというよりか、その安全が確保されるかどうかということで健全性の評価をしているわけでございます。それで、その手法でございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろな影響モードごとに、各設備ごとに設備を丹念に評価しているわけでございます。
#175
○村上政府委員 通産省から案件が回ってまいりましたときに、原子力安全委員会がどのようなダブルチェックをするかという御質問でございますが、どのような報告が来るかにもよりますが、御案内のとおり、基本設計段階の再審査という観点が最も大きな問題になろうかと思いますが、特に具体的にはこの原子炉再循環系といいますのは、確かに冷却能力を持たせているものではなくて、冷却の能力の向上性を持たせているというものではございますけれども、少なくとも冷却材の圧力バウンダリーというものを構成しているという観
点から、その健全性が本当に大丈夫かということを重点的に再審査されることになるかと思います。
#176
○大島国務大臣 非常に微に入り細に入り御指摘をいただいておること、私もずっと拝聴いたしておりますが、事務的に言えば、今それぞれ答弁したようなものでございますが、そのことが第三者に、ああなるほどなという理解のできるようないわゆる安全の検査をすることが当然じゃなかろうか、そういう考え方に基づいて事務局を叱装ラ励して御期待に沿うようにやってまいりたい、こう考えております。
#177
○与謝野委員長 これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
#178
○与謝野委員長 この際、御報告申し上げます。
 今国会、本委員会に付託になりました請願は、一種八十二件であります。本請願の取り扱いにつきましては、理事会で協議いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。
     ────◇─────
#179
○与謝野委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する件
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件
 宇宙開発に関する件
 海洋開発に関する件
 生命科学に関する件
 新エネルギーの研究開発に関する件
以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○与謝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○与謝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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