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1990/04/18 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 建設委員会 第7号
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1990/04/18 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 建設委員会 第7号

#1
第118回国会 建設委員会 第7号
平成二年四月十八日(水曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 中島  衛君
   理事 金子 一義君 理事 木村 守男君
   理事 北村 直人君 理事 桜井  新君
   理事 笹川  堯君 理事 小野 信一君
   理事 木間  章君 理事 吉井 光照君
      大石 正光君    瓦   力君
      田中 秀征君    武村 正義君
      渡海紀三朗君    東家 嘉幸君
      中山 成彬君    村井  仁君
      村上誠一郎君    石井  智君
      貴志 八郎君    鈴木喜久子君
      松本  龍君    三野 優美君
      山内  弘君    長田 武士君
      辻  第一君    菅原喜重郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 綿貫 民輔君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 佐藤 守良君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       北村廣太郎君
        国土庁計画・調
        整局長     長瀬 要石君
        国土庁土地局長 藤原 良一君
        建設大臣官房長 牧野  徹君
        建設大臣官房総
        務審議官    福本 英三君
        建設省建設経済
        局長      望月 薫雄君
        建設省都市局長 真嶋 一男君
        建設省河川局長 近藤  徹君
        建設省道路局長 三谷  浩君
        建設省住宅局長 伊藤 茂史君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局官房渉外
        室長      滝川 敏明君
        環境庁企画調整
        局環境影響審査
        課長      橋本善太郎君
        環境庁大気保全
        局大気規制課長 濱中 裕徳君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   長野 厖士君
        国税庁直税部資
        産評価企画官  品川 芳宣君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部鉄道施設課長 山田 隆二君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     梅井  勲君
        建設大臣官房技
        術審議官    玉田 博亮君
        自治省税務局固
        定資産税課長  成瀬 宣孝君
        参  考  人
        (首都高速道路
        公団理事)   佐藤本次郎君
        建設委員会調査
        室長      吉沢 奎介君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ────◇─────
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として首都高速道路公団理事佐藤本次郎君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
#4
○中島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子一義君。
#5
○金子(一)委員 さっそくお時間をちょうだいいたしました。今度の大臣所信表明の中で、日米構造協議問題と公共投資についてまず御質問をさせていただきたいと思います。
 今度の日米構造協議中間報告の中で「今後の中長期的な公共投資の在り方については、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据え、着実に社会資本整備の充実を図っていく。」とした上で、「今後十年間の新しい総合的な公共投資計画を策定する」そして直ちに作業に入るという方向が明確になってきたわけでございます。
 このこれからの十年間の計画をどういうふうに考えていくかということなのでございますけれども、私たちは、また我が国の政府は昭和六十二年、二十一世紀を見据えまして二〇〇〇年をめどとしました第四次の全国総合開発計画、いわば四全総を策定をしておるところでございます。
 四全総というのは、言うまでもなく東京一極集中というものを是正して、そして地方圏も含めた各地域圏というものがお互いに役割を分担し合いながら均衡ある国土発展を目指そう、これを骨格としたものでございますけれども、この四全総の中で人口、産業の誘導ということとあわせまして、これを実現するための社会資本整備の目標がこの四全総の中で示されております。
 これはちょっと国土庁にお伺いをしたいのでございますけれども、四全総の中での整備目標、例えば住宅につきましては一戸当たりの平均住居面積百平米、これを二〇〇〇年までに、目標としてこの計画期間中に、十五年でございますけれども約一千九百万戸の住宅の建設を進めていく。また道路関係でいきますと高規格幹線道路網も八千から九千キロメーターの整備を推進していく。その他この整備目標としては、建設省関係でも下水道、公園等々目標が設定されておるわけでございますし、その他の項目、これは農林から文教からいろいろな設定が行われているわけでございますけれども、この整備目標は、私たちの認識では四全総の中で定められた整備目標、そしてこの四全総というのが閣議決定されておるわけでございますけれども、この四全総で定められました住宅・社会資本整備の目標というのは当然政府としての整備目標として理解をしてよろしいかと思うのでございますが、それについての御意見を国土庁にお伺いを申し上げたいと思います。
#6
○長瀬政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘がございましたように、四全総は長期的な観点から国土総合開発の基本的な方向を明らかにするいわば施設計画としての性格を持っているわけでございます。したがいまして、国土の基盤整備にかかわります事業の具体化に当たりましては、もとより諸情勢の変化に応じて弾力的に対応するということは必要であるといたしましても、基本的には計画に定められました先生御指摘の諸目標の達成に努めるということが重要だと考えております。社会資本の整備は四全総の目標であります多極分散型国土の形成を実現していく上での大変重要な手段でございまして、四全総に示されました整備目標を踏まえながら、各種公共事業長期計画等に基づきまして計画的な整備を図っていくということが重要でございますし、今後とも関係省庁と緊密な連携のもとに社会資本整備の積極的な推進を四全総を踏まえて図っていくことが課題であると考えております。
#7
○金子(一)委員 今この整備目標を政府として実現をしてくいく、推進をしていくことが重要だという御見解をいただいたわけでございますけれども、今度の日米構造協議の中で、今申し上げましたような今後十年間の総合的な公共投資計画を策定する場合に、今の四全総を当然に念頭に置いて作業が行われると考えているわけでございます。さらに、この十年間の計画を前提といたしまして、今度は具体的に平成二年度末に期限の来る八分野の社会資本整備の長期計画を更新し、最終報告までにその主要分野について現行規模を上回る計画の策定を検討するというふうに中間報告に織り込まれておるわけでございますけれども、建設省に、この更新されます五カ年計画についてどのような考え方でこの改定に臨まれる方針かをお伺いしたいと思います。
#8
○福本政府委員 先生御指摘のように、日米構造協議の中間報告におきましては、平成二年度末に期限の来る八分野の社会資本整備長期計画を更新し、最終報告までに現行規模を上回る計画の策定に当たっての積極的かつ具体的な整備目標を示唆するために早急に検討を開始するというようなこととされたところでございます。このような平成二年度末で期限の来る八つの長期計画の中には住宅、下水道、公園、特定交通安全施設、海岸と、建設省関係のものが五つ含まれておるわけでございます。
 建設省といたしましては、豊かさを実感できる国民生活を実現するためには、私どものこれらの五カ年計画について一層の充実を図る必要があると考えておるわけでございます。今回の中間報告でございますとかあるいはまた私どもの都市計画審議会の審議などを踏まえながら、財政当局と今後調整してまいりたいと思っておるところでございます。
#9
○金子(一)委員 今の御回答の中で一層の充実を図るというお話なわけですけれども、この五カ年計画全体の一層の充実を図るのは確かにそのとおりで、まさにこの中間報告に書いてありますとおり「現行規模を上回る計画の策定」となっておるようなわけでございますから、一層の充実であると思うのでございますけれども、何か具体的な五カ年計画をつくる考え方といいますか方向づけといったようなものがもう少し出てこないのかなという気がするのでございます。一層の充実を図る、確かにそのとおりなのでございますけれども、今のあれですと、うっかりすると従来の五カ年計画の延長というふうに受けとめられかねないような感じかするのでございます。もう一歩ちょっと踏み込んでお答えをお願いします。
#10
○福本政府委員 今国民の中では何がやはり重要かということになりますと、経済的には非常に豊かさを感じるわけでございますが、いろいろな私生活、公的な生活その他ではなかなか豊かさが実感できないというのが一番問題でないかと思うわけでございます。そういう意味で、私どもといたしましてはそういった本当の豊かさを実感できるような国民生活ということが一番大事ではないかと思うわけでございまして、そういった国民生活の質の向上ということを念頭に置きながら、どういうものをやったらそういうことが感じられるかということなどを考えながら、五カ年計画の充実にさらに一層取り組んでまいりたいと思うわけでございます。
 ただ、具体的にどのようなものかというのは、これから私どもの、下水道なら都市計画審議会などの審議をやっておるわけでございまして、そういうところの審議でもう少しいろいろ議論していただきながら、具体的にそういうものを念頭に置きながら、そういう五カ年計画の拡大ということに取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。
#11
○金子(一)委員 昭和三十七年、第一次の全国総合開発計画、全総でございますけれども設立されて、四次になってきておる。それぞれの全国総合開発計画というのが、その時代その時代のニーズとそして基本目標というものをきちっと定めてきておったと思うのです。そして、それがそれなりに、その時代背景に合った形で実現をされてきた、これは間違いない事実であると思っております。
 ただ、残念ながら、こういう全総というものがそのときどきの大きな変化、例えば石油ショック、そしてその後引き続きの財政再建といったようなことで、それの具体的な実現に関しての位置づけというのがあいまいな部分というのがあったのかな。それは政府の間の認識としても、その位置づけが必ずしもはっきりしなかった部分というものが否めないのかな。その結果として、指摘されるまでもなく、これまでそれなりの公共投資のペースが維持されてきながらも、全体として欧米諸国に対して非常に公共投資部分で劣ってきたと言われる部分というものが出てきたのであろう。そして、その結果、現在に至ってもまだ国民の間に、今まさにおっしゃられましたとおり心からの豊かさを実感できない部分というものを生じせしめてきてしまったことになっていると思うわけでございます。
 私は、今申し上げましたような第四次全国国土開発計画、国土庁のお話ございましたとおり、やはり二〇〇〇年を一つのめどとしての四全総が示した骨格、いわばこれからの我が国の社会の進むべき、また、我が国のつくるべき、あるべき姿という、骨格ではありますけれども、それなりにまた二〇〇〇年のあるべき姿を青写真として示しておるわけでございますから、これに向けて、一九九〇年代、残り二十一世紀までの十年間でございますけれども、この十年間、これをきちっと目標に据えて実現をしていく。そして言うまでもなく、この十年間の目標の実現に至るまでの軌跡、各年の実行というのは、もちろんそのときどきの経済情勢も当然に大きな影響がございましょうから、景気状況、インフレ等々ございましょうから、軌跡というものはでこぼこというのはあって当然だと思いますけれども、そこに至る目標というものはやはりきちっと実現をしていくという強い姿勢。
 そして、この五カ年整備、今度更新されてきます五カ年計画というのは、確かに下水道審議会云々の議論もありましょうけれども、四全総ができますときにも、当然その下水道の整備率、いわば七〇%を目標にするというので、一つの目標としては出ているわけでございますから、それを実現をしていく。そのための第一歩としての五カ年計画であるという強い方向づけというものを今度の五カ年計画の中で出していただきたいし、我々もまた党内でそういう意見というものを強く出していきたい。そういう足がかりとしてぜひ五カ年計画に御検討を、また作業に着手していただきたいと思うところでございます。
 今度の日米構造協議のアメリカ側の要求とスタンスなのでございますけれども、これを拝見をしておりますと、これはどこの役所がおつくりになったのか「日米構造協議について」というところで、「日本の社会資本整備は遅れている。」これはいいのですけれども、「貿易黒字を減らすために公共投資を増やすべき。」これは我が国の政府が書いた文章なのかもしれません。「貿易黒字を減らすために公共投資を増やすべき。」それから「三〜五年でGNPに占める公共投資の割合を一〇%」つまり、アメリカ側の要求の視点というものが、我が国の貿易収支の黒字というのが今非常にたまってしまっている、それを減らしていきたい、それを速いペースで、つまり三年から五年以内になるべく早く減らしてちょうだいよという視点というものが浮かび上がってきておる感がするわけでございます。
 しかしながら、この視点に立ちますと、貿易収支の構造が変わってくると、アメリカ側からの要求、つまり公共投資の充実への要求というものが減ってしまうのか。ことしの一月、御存じのとおり貿易収支、収支とんとん、経常では赤、一時的かもしれませんけれども、こういう状況になっておる。そしてまた、二年、三年たちますと、この我が国の経常収支の黒字というものが相当減じてくるということが傾向として定着してくるだろう。五年たちますと、大分さま変わりしてくるかもしれない、こういう状況も当然考えられるわけでございます。
 住宅、社会資本整備の拡充が、こういうような日米の貿易収支の構造変化が変わってきたらば、この日米貿易の構造が変わったらばまた考え直しましょう、五年たったらまた改めて考え直しましょうといったようなたぐいのものであっては決していけないことはもう言うまでもございません。社会資本整備の拡充というものがまさに経済大国にふさわしい真の国民の豊かさを実現できる我が国をつくる、そして、そのために政府として示した社会資本整備の目標をきちんと達成していくことが、我が国の政府、そしてまた我々国会議員も同じでございますけれども我々の責任であるというふうに考えております。そして、それを実行していくことが内需を拡大して、結果として日米の経済摩擦の緩和につながっていくものであると考えております。
 したがいまして、我が国の公共事業の拡大というものが、単に外圧に対する対策ですとか、外圧への対応といったような視点では決してなく、国民への責任として公共事業に取り組んでいく、そして定められた目標を実現していくということが一番大事なことでございまして、今回を機会にそれを実現していくというコンセンサスを私たちは内外ともに得ていくべきではないかと思うのでございますが、この考え方について建設大臣に一言御所見をお願い申し上げます。
#12
○綿貫国務大臣 我が国の社会資本整備のおくれというものは、アメリカから指摘されるまでもなくお互いに今までも十分意識しておったところでありまして、四全総におきましてもこのことを考えつつ我が国の社会資本整備の充実をうたっておるわけであります。
 このたびたまたま日米構造協議等によりましてこれがクローズアップされましたけれども、アメリカもよく見ておるなという感じがするわけでありまして、言われたからやる、言われないからやらない、こんなものではないと思っております。今パックス・ジャポニカと言われておりますこの日本の経済が繁栄しておる時期に、また二十一世紀に向かって高齢化が進んでまいる中で、今をおいて社会資本整備を大量に進める時期はないというふうに考えておるわけでありまして、今御指摘のような四全総の趣旨に沿い、ぜひ二十一世紀に向かって社会資本の充実を図っていきたいと思っております。
#13
○金子(一)委員 大臣から力強いお言葉をちょうだいいたしました。
 もう一つ、この日米構造協議の中で、公共投資の配分に当たっては、国民生活の質の向上に重点を置いた分野に配慮していくというふうに明記されているのでございますけれども、建設省としては、この国民生活の質の向上ということについては、生活基盤整備への重点というものをどういうふうに配分していくかというのはいろいろな御議論があり、そしてまたこれからさらにコンセンサスをおつくりになっていく、今その過程かと思います。
 ただ、道路、河川をどういうふうにこの中で位置づけていくかという問題も当然御議論されているかと思いますけれども、我々のような地方の立場から考えますと、道路、河川これらの整備というものは地方にとりましては大事な、いわば生活基盤の根幹に当たるものでございますから、この点はひとつ御理解をお願いをしたいと思います。
 そこで、道路の問題について幾つかの御質問をさせていただきたいと思います。
 国道昇格の問題でございます。現在国道網につきまして、昭和五十七年以来八年ぶりに、今度もう一遍国道を見直しましょうという調査をされておられるかと思います。国道の長期整備目標といいますと、これまで全国五万キロという一つの整備目標が決められておりました。現在もう既に四万六千キロが一応認定されてしまっておりまして、そうしますと残り余っているのが四千キロ、今度改めて調査をされている。全国の町村長から、今の残されました四千キロに対して三倍近くの国道昇格の御要望が来ているかと思うのでございますけれども、今回認定から外れてしまいますと、五万キロというのがネックになってしまって、もうおれのところは国道として未来永劫認められないのではないかということで、自治体首長さんにかなりいらいらと焦りが感じられておるのでございます。
 ただ一方で、さっき申し上げました四全総の中で高規格道路が七千キロ余から一万四千キロに約倍増近くされてきておる。もちろん、言うまでもなく国道もこういう高速道路と組み合わさって、そしてそれを補完し合いながら国土のネットワークを形成しているわけでございますから、この高規格道路、高速道路の拡充、延長に伴いまして、四全総の社会になっておるわけでございますから、四全総の社会にふさわしい国道の延長も、将来規模の拡大と申しましょうか、これもそろそろ再考する時期に来ておるというふうに考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
#14
○三谷政府委員 お答えいたします。
 国道昇格でございますけれども、前回は昭和五十七年でございます。五千五百キロ余追加指定を行っております。現在国道昇格につきましては、地方建設局であるとか都道府県等におきまして調査を実施しております。調査を終わった後に、先ほど先生からも御指摘ございました高規格幹線道路網の計画、こういうものを踏まえましてあるいは一般国道の整備状況も勘案して、第十次五カ年計画期間の中で国道昇格の選定を進める考えを持っております。
 具体的な調査の中身でございますが、当然ながら高規格幹線道路網の整備であるとか自動車交通が非常に広域化したとか地域間交通の増大とか各地方の開発計画、さらには都市周辺で非常に交通需要が増大しております、さらには重要な拠点間の交通障害に対する信頼性の確保、こういうようなことでいろいろ調査を進めております。現在要望が全国から百八十路線、一万二千キロ出てきております。
 それから、長期構想というのは確かにかつて五万キロということで定めております。まだ各地方出先で調査をしておりますので、これからの検討事項の中に入ると思っておりますが、路線の選定とあわせまして先ほど御指摘がありました国道の全体延長キロの問題、あるいはそのほかもろもろ整備の方向とかもございますので、そういうものをあわせてこれから検討することになろうかと思っております。
#15
○金子(一)委員 国道昇格の調査検討に当たりまして、いろいろな要件というものを総合的に勘案されておやりになられると思っておりますけれども、二つの点を要望させていただきたいと思います。
 一つ目は、この調査のいろいろな要件の中で現在、要件に欠ける部分がある国道というのがあるんだろうな。例えば現在は人口が少ないとか交通量が少な過ぎる。ただ、将来に向けての社会的な要件というものを十分考慮していただきたい。将来に向けての社会的要件といいますと、例えばリゾートの開発の動向とかリニアモーターカー、この効果というものを広域的に伝播させるための道路網づくりといったような点でございます。
 二番目が、既存の国道間の再編という考え方でございます。例えば、従来内陸部の二地点間だけをつなぐという国道であったものが、再編という考え方によってそれが広域的にずっと広がっていく、太平洋側から日本海側に広域的な新たなルートとして期待できるようなことが可能になってくる。そしてそういう再編という過程で、これまで内陸部の一地点と一地点を結ぶという本来国道としてはなかなか活用しにくかった分野が、そういう再編の過程で活用できるということがまた期待できるわけでございます。この二点は御要望をお願いを申し上げます。
 最後に、時間がなくなってしまったのでございますけれども、安房トンネルについてでございます。
 この安房トンネルというのは、我が国の三大難工事トンネルの一つと言われておりまして、二十数年を経て昨年着工されたわけでございますけれども、これによりまして関東から中部、そして北陸への本当に横断的な大動脈になってくるわけでございます。ただ、技術的に克服すべき課題も多くて、今のところ完成までには少なくとも十年かかるというふうに言われておるのでございますけれども、こういう関東、中部、北陸それぞれの地域の方々からの御要望というのも本当に強いものでございますから、もうこれは一年でも二年でも早く完成できますように我々も期待をして、また望むところでございます。この点についてどうか大臣、一言お願いを申し上げます。
#16
○綿貫国務大臣 安房峠につきましては長らく技術的に研究いたしておりましたが、ようやくそのめどもついたようでございまして、いよいよ着手に至ったわけであります。先ほどお話がありますように、国土基盤整備の中で、また四全総の中で、この安房峠を通じて中部縦貫自動車道等も考えますと、この経済的効果は極めて大きいと思いますので、その意味においてもぜひこの基盤整備の中で積極的に取り組んでいかなければならぬものだと思っております。
#17
○金子(一)委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わらせていただきます。
#18
○中島委員長 北村直人君。
#19
○北村委員 建設委員にさせていただきまして初めて質問をさせていただくことに感謝申し上げます。
 私は、生まれも育ちも北海道の大変田舎でございました。小さいときに将来、二十年、三十年先にまさか自分の村の道路が舗装になるとか、あるいは下水道が整備されるだとか、あるいは河川が整備されるということは、小さな記憶の中に大変希望はありましたけれども、そういう現実が起きるなんということは非常に考えられなかったようなことでございます。今建設省のいろいろな公共事業、あえて言うならば地方のために建設省の予算はある、こう言っても過言でないような気が私はいたします。しかし、その地方から見たときに、やはり物の豊かさと同時に心の豊かさを求める今の時代、どうも一極集中型ということが地方の方々もそのことに大変不満を抱いております。
 そこで最初に建設大臣に、お尋ねというよりも決意をお伺いしたいと思いますが、建設大臣は国土づくりの基本方針であります四全総をつくられた国土庁長官でもございました。この多極分散型国土の形成という四全総の目標を実現する上で、建設大臣となられた今、建設省が果たすべき役割というのは大変大きな意味があると思いますが、改めてこの四全総に取り組む今度は建設大臣としての決意をお伺いしたいと思います。
#20
○綿貫国務大臣 私はもう一つ北海道開発庁長官もやっておりましたから、四全総のほかに北海道の総合開発の今第五次の計画が三年目に入るのですか、いろいろな意味で北海道というのは日本の大きな受け皿の地域であり、大きな未来の大地と空間を持っておるという可能性を持った土地だ、こういうふうに言われておるわけでありまして、ただいまは一極集中の中で何か惨めな地域のように思われておりますが、未来は大変明るいというふうに考えております。
 特に北村さんの釧路の地域では、みずから地域を振興しようということで、あなたのところのッルの生息地とか釧路湿原だとかあるいはフィッシャーマンズワーフとかあるいは霧フェスティバルとかいろいろやっておられるわけでありまして、これらにつきまして、国土基盤の整備とあわせてこれからいろいろ地域の発展を図っていかなければならぬと思いますが、特に何といいましても広大な北海道の中では、道路というものが一番大きな問題だと思います。今高規格幹線自動車道等の計画もあるわけでありますが、それらに向かってぜひ早く実現できるように建設省としても御指導していきたいと思っております。
#21
○北村委員 大変ローカルな名前を出していただいての御答弁に感謝を申し上げる次第でございます。昨日も建設大臣の所信表明をお聞かせいただきました。まさにこのとおり、ぜひ所信のとおり建設業務について推進方お願いを申し上げる次第でございます。
 その中で、先ほども金子議員からも御指摘がございましたが、日米構造協議の中間報告を読ませていただきました。建設省関係でございますけれども、その中に社会資本整備の着実な振興を図ることが確認されております。しかし、アメリカが日本に要望する社会資本整備の推進と日本が考える社会資本整備の推進というのはちょっと違うのかなという気が実はいたしました。
 というのは、我々この日本というのは水を治めて初めて国を治めるというような気が私はいたしますし、治水というのは大変大きな意味があると思います。特に国民生活の安定を確保する上でこの治水をきちっと行うことが必要不可欠な条件であると私は思っております。中間報告の中に治水という言葉がなかったことは大変残念だなと思いますけれども、これは中間報告でございますので、アメリカとのいろいろな協議の中でそういうことが省かれてしまったのかな、あるいは建設省としてはそれも含めた上でのこの中間報告であろうと私は思っております。ですから、今後社会資本整備の着実な推進を図るということであれば、日本の水を守る、治水事業を積極的に推進していくことがやはり一番大事なことであろうと私は思います。
 そういう意味からして、建設省のこの認識はどうであるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
#22
○近藤政府委員 お答え申し上げます。
 治水施設は、社会資本の中でも国土保全を図るものとして国民の生命財産を水害や土砂害から守る最も根幹的な社会資本と認識しているところでございます。とりわけ我が国は諸外国、欧米先進国と比べますと自然条件とか社会条件から見て水害等に対しては非常に脆弱な状況でございます。非常に狭い国土の中でもとりわけはんらん区域に多くの人口稠密地帯があるところから、そういう状況になっている次第でございます。
 そこで、現在の治水施設の整備水準は依然として低く、例えば中小河川につきましては、当面の整備目標であるほぼ五年から十年に一回発生する時間雨量五十ミリ相当の降雨に対しましても安全にしようとしているところでございますが、その整備率は昭和六十三年度末で二九%にとどまる状況でございます。経済大国となった我が国としては依然として立ちおくれた状況と言えるのではないかと思います。このため、毎年のように水害、土砂害等が頻発して国民生活を脅かしている状態であることはまことに遺憾な状況でございます。
 今後経済力に見合った豊かな国民生活の実現のためには、何よりその基盤として国土の安全を確保するため治水施設の整備を着実にかつ計画的に推進することが不可欠と考えております。現在、西暦二〇〇〇年を目途に、例えば中小河川に対しましては、ただいま申し上げました当面の整備目標である時間雨量五十ミリ相当の降雨に対しましての整備率をおおむね五割程度まで向上させることを目標として、その一環として過去五カ年計画を設定しているところでございまして、現在は昭和六十二年度を初年度とする第七次治水事業五カ年計画に基づきまして、その整備を推進しているところでございます。この計画によりますと、平成三年度末までの五カ年間に総投資規模では十二兆五千億、一般公共事業費で八兆円の予算をもちまして、中小河川の浸水対策として当面の目標につきましておおむね三二%にまで向上させたいと考えております。
 今後も、国土保全の根幹施設として治水事業を着実かつ拡大しながら推進してまいりたいと考えております。
#23
○北村委員 昨年も全国的に台風やあるいは低気圧の関係で川がはんらんして相当な水害も出ているわけでございます。特に水害による被害というのは火災の四倍である、あるいは地震の百八十倍にも達しているという状況でもございますので、ぜひこの治水、水を治めるということに御尽力を心からお願いを申し上げる次第でございます。
 さて、またローカルな話になりますけれども、北海道は非常に面積が広うございます。そうしますと、北海道には交通の手段としまして新幹線もまだ通っていないということもございまして、どうしても車社会、生活をしていく上で車を必要な手段として、北海道の住民の方々は道路の整備というのが大変重要なことになってまいります。
 今回も、高規格道路も大変この路線については認定をしていただきました。さらに高速道路につきましても、縦横の横断、縦断についても新しく整備路線もしていただいておりますけれども、これらが供用さしていただけるということになりますと札幌中心で、これも北海道の中で一極集中になりますが、地方の方になりますと何年かかるかわからないような状況でございます。さらにまた、果たして高速道路が通って、これがどのくらいの高速料金で使わしてもらえるのか、あるいは将来これがプラス・マイナス・ゼロというのでしょうか、そういうようなことになるのかどうか。そういうことが大変気になるところでございますけれども、特に北海道における高速道路あるいは高規格道路の整備方針につきまして道路局長さんにお答えをいただければ大変ありがたいと思います。
#24
○三谷政府委員 お答えいたします。
 北海道の均衡ある発展のためには、四全総でも述べられておりますけれども、地理的遠隔性の克服であるとかあるいは域内外の交流活発化の観点から、高規格幹線道路網の整備が必要不可欠であるというふうに私どもも認識しております。
 ただ現在、北海道におきます高規格幹線道路の供用延長は二百三十三キロということになっておりまして、全国の供用延長が四千八百三十五キロでございますから、シェアでいいますと五%ということにしかすぎないわけであります。ただ人口とかあるいは自動車保有台数の全国シェアとは同程度でありますけれども、先ほど御指摘がございましたように北海道の有する広大な面積に対してはいまだ非常に不十分な状況であるというふうに私ども認識しております。
 現在、函館から稚内に至ります七百キロの北海道縦貫自動車道、これにつきましては、登別室蘭から深川まで二百九キロが供用されておりますし、平成二年度では深川から旭川鷹栖の間が開通をいたします。それから七飯から登別室蘭あるいは旭川鷹栖から士別の間、二百四十四キロございますが、この間につきまして必要な調査、事業を今進めております。
 一方、横断自動車道でございますが、これは千歳―夕張間あるいは清水―訓子府間あるいは本別―阿寒間など二百五十五キロの区間につきまして必要な調査、事業を進めております。
 それから、高規格幹線道路網のもう一つの一環をなしております一般国道の専用道路、これにつきましても合計八十一キロの区間の事業を実施しております。
 したがいまして、そのシェアは、確かに供用のシェアはそういうことでございますけれども、北海道の高規格幹線道路網については、全国の約二割に相当いたします五百八十キロの区間の整備を今重点的に進めているところでございます。もちろんその際のいろいろな整備の仕方の問題、高速道路でございますと有料道路制度の適用であるとか、こういうこともございます。いろいろ整備の効果とかあるいは採算性とか、そういうことでまだ整備計画を策定してない区間についても高規格幹線道路網の調査を鋭意進めているところでございまして、いずれにしても体系的道路網の整備に努めてまいる所存でございます。
#25
○北村委員 道路というのは工事が終わったところから供用ができるわけでございますので、高速道路あるいは高規格道路につきましてもできるだけ工事の着工をする場所も考えていただきながら、特に地方の道路網の整備につきましてぜひ着工も早期にしていただきますようお願いを申し上げる次第でございます。
 また、地方の生活をしている、特に家庭の主婦の人方というのは、スイッチを入れればすぐ電気がつくようになったあるいは台所に立って蛇口をひねればきれいな水が出てくる、あとはトイレに入ればにおいのない中できれいに流していただける、そういう中で下水道の整備というのは地方に生活をしている、特に御婦人の方々にとっては希望の多い事業でありますけれども、全国的には総人口に対する下水道の普及率というのは四〇%しかまだ普及はしておりません。ローカルになりますが、北海道ですと五〇%前後、五〇%を上がったような感じでありますけれども、しかしもっともっと酪農村あるいは地方の方にいきますとこの下水道の整備というのは大変おくれが目立っていると思います。
 建設省といたしまして、地方における下水道の整備を今後どのように進めていくお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#26
○真嶋政府委員 お答え申し上げます。
 下水道は快適な生活に不可欠なナショナルミニマムとして大都市のみならず地方都市におきましてもその整備が必要であり、国民の要望も非常に強いものでございます。しかしながら、先ほどもお話ございましたように、我が国の下水道普及率は昭和六十三年度末現在で全国平均四〇%でございます。特に人口五万人未満の市町村では普及率が七%、下水道に全く着手していない市町村が二千以上あるということで、下水道整備は非常に立ちおくれている状況にございます。このため、昭和五十年から特定環境保全公共下水道という制度を設けまして、農山漁村とか自然公園地域等においても事業を実施することとしたほか、昭和六十一年度からは、水質保全上緊急に対策の必要な上水道水源の上流地域あるいは観光地等において、より小規模、おおむね千人未満ということにしておりますが、そういうものについても簡易な公共下水道として整備の促進を図っているところでございます。
 さらに、平成元年度より未着手の市町村における下水道整備の基本計画の策定費を補助する制度を創設いたしまして新規事業着手の促進を図るとともに、あわせて工場生産によるコストダウンと現場組み立てによる施工の迅速化が可能となるプレハブ式の処理場など小規模下水道技術の開発等によりまして地方の下水道の整備を推進してきたところでございまして、今後とも地方の下水道整備について積極的に進めてまいりたいと思っています。
#27
○北村委員 ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 我が国は海に囲まれているわけでございますので、建設省の所管する海岸事業というのは大変大きな期待が国民の中にあるわけであります。
 海岸事業は、私から申すまでもなく、津波、高潮あるいは波浪等による災害、また全国的に海岸浸食に対処していく、あるいは国土を保全し国民の生命、財産を守る上で大変重要な事業であると私は思います。しかし、海岸保全の施設ですとか海岸環境の整備というのはまだ立ちおくれが顕著であるような気が私はいたします。特に、第四次の海岸事業五カ年計画の最終年度でもございますので、これはしっかりと進めていただかなければならないわけであります。リゾートの開発とあわせてこういう海岸事業の効用を発揮できるように、もう少し目的を広く持った事業の推進が必要であるような気が私はいたします。
 認識不足でございますけれども、それらのことを踏まえた中で、海岸事業に対する建設省の考え方をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#28
○近藤政府委員 海岸事業は、国土保全を主たる目的として従来から鋭意事業の推進を図ってきたところでございます。ただ現状は未整備な海岸線が多く取り残されておりまして、既存施設の老朽化も進行している状況であります。平成元年度末現在の整備率は、建設省所管では約四〇%と低い水準でございます。このため、平成二年度は第四次海岸事業五カ年計画の最終年度として事業の進捗を図るほか、海岸整備を計画的かつ強力に推進するため平成三年度を初年度とする第五次海岸事業五カ年計画の策定作業を鋭意推進しているところでございます。
 また、海岸事業は離岸堤、人工リーフなどの整備に伴って静隠水域の確保、砂浜の回復等の効果を生じ、海水浴、レジャー等への利用が可能となるなど複合的な効果が大であります。海岸保全施設の整備に当たっては、これら複合的な効果を十分勘案しつつ、海岸周辺の環境保全等にも十分配慮しながらその推進を積極的に図ってまいる所存でございます。
 さらに、海岸事業を核としまして建設省所管の公園、下水道、道路等の事業と一体となりまして沿岸域における総合的な地域整備を図る事業としてコースタル・コミュニティー・ゾーン整備を推進中でございまして、現在全国で二十五カ所進めておるところでございます。ちなみに北海道では二カ所を進めているところでございます。
 今後ともそういった複合的な効果も配慮いたしまして海岸事業を着実に推進してまいりたいと考えております。
#29
○北村委員 次に、住宅の関係で一つ御質問させていただきたいと思います。
 今後ますます高齢者がふえてまいります。その高齢者の方々に対する住宅対策を今後どうすべきか、あるいはどう取り組んでいかれるか。と申しますのは、お年寄りの方々も夫婦そろって健在であれば一番幸せなことでありますが、片方の方が御不幸に遭うこともあるでしょう。あるいは事故に遭う方もあるでしょう。しかし、人間が一人で住んでいくということはやはり非常に困難であると思います。高齢者の方々も将来は何かの形で夫婦二人でというのでしょうか、再婚ですとか、そういうようなことで生活をされるのが一番いいことだと私は思います。
 ただ、今の都市の住宅事情からいきますとなかなかそういうわけにもいかないだろう。嫁しゅうとめの関係もあるでしょうし、あるいは高齢者の方々の生活もだんだん変わってくると思います。そういうようなことを踏まえて、建設省として高齢者の方々に対する住宅対策についてどういうお考えを持っているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#30
○伊藤(茂)政府委員 お答えします。
 高齢化社会に向けて住宅対策が非常に重要な課題になるということは先生御指摘のとおりでございます。二十一世紀初頭には六十五歳以上の人口が全人口の二割を占めるという時代になります。その場合に六十五歳以上の方々がどういうところに住まれているのかということでございますが、今現在でも病院でありますとか社会施設でありますとか、そういうところにお入りになっている方は全体の四%強ぐらいでございますので、言うなれば九六%、ほとんどの方が住宅の中でお年を召していくという状態が来ると思います。したがいまして、住宅自体をどういうふうに高齢者の方々の状況に合わせていくかということが非常に重要だろうと思います。
 つまり、年をとりますと身体機能の低下もございます。それから地域のコミュニティーの中で、やはりできるだけ同じ場所に住みたいという方もおられます。そういうことで家庭や住みなれた地域で老後を生活していくということが高齢者の方々の幸福にもつながるのではないかということでございます。したがいまして、そういうノーマライゼーションといいましょうか、家庭の中で地域の中で生活をしていくということを基本にして住宅対策を考えたいということでございます。
 現在どういうことをやっているかということでございますが、一番目にはやはり高齢者の方が住まいやすい住宅につくりかえるあるいは新しい住宅を取得するというようなことで、住宅金融公庫融資の場合には持ち家対策として高齢者に対して配慮をしております。さらには、平成二年度の予算の中には改良工事のための割り増し貸付という新しい制度も計上いたしております。それから公営や公団、そういった公共住宅を建てる場合にできるだけ親族と同居できるような規模、あるいは高齢者だけの今お話に出ましたような夫婦が住まわれるときに、より便利な住宅の中身にするというようなことで、エレベーターの配置でありますとかそういったことに配慮しましたいろいろな公共住宅計画面で配慮いたしております。これはやはり公共団体がそれぞれの公共団体の中の老人の住宅の実態をよく把握されてそれに対応していくということが非常に重要だろうと思います。
 さらに、これは今現在厚生省の福祉対策との連携でやっている仕事でございますが、シルバーハウジング・プロジェクトというのがございます。公営住宅の団地をつくります際にライフサポート・アドバイザーという、これは福祉対策の方の補助をもらった、そのサービスが受けられる、こういうことでその施設をその中につくっていくわけでございますが、こういう計画も将来大いに伸ばしたいと思っております。
 いずれにしましても高齢者対策、御指摘のような大問題でございますので、次期六期住宅建設五カ年計画に向けまして、今現在住宅宅地審議会で御審議をいただいておりますが、その中でも大きな柱になるだろうと考えておりますので、この審議の国会への答申を待って十分な対策を考えてまいりたいと存じます。
#31
○北村委員 時間が参りましたので、これで質疑を終わらせていただきますが、どうか大臣におかれましては所信表明の各項にわたってひとつ御尽力賜りますよう心からお願い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#32
○中島委員長 貴志八郎君。
#33
○貴志委員 去る四月一日、花と緑、魅惑の祭典と銘打たれた花の万博は、世界初めて八十カ国の参加を得て華々しく開幕をされたわけでありますが、今回の花博の特徴は、物や技術を披露するものではなく命と心の博覧会であり、人と自然の深いかかわりを築きますと高らかにそのテーマをうたい上げているところにあると思います。
 さて、私ども建設委員会は去る四月九日、花博の現場視察を実施させていただきました。忙しい日程ではありましたが、言われるようにやさしく美しいものに出会い、楽しいイベントもかいま見させていただきまして、関係者の熱心なお取り組みに対して大変うれしく楽しく一日を過ごさせていただきましたことを大変ありがたく思っております。
 しかし、すべてがいいというわけにはまいりませんで、好事魔多しとか申しますが、今回の花の万博の成功に酔いしれている開幕第二日目のウオーターライドの転落事故は、瞬時にして二十数名の負傷者を生み、国民を驚愕させ、関係者に大きな衝撃を与えたわけであります。この事故の中にどのようななぞが秘められていたのか、そしてテーマとする命と心がなぜここで生かされなかったのか、具体的な問題に入る前に、花博の意義を踏まえた建設大臣の見解というものを御回答願いたいと思います。
#34
○綿貫国務大臣 このたびの国際花と緑の博覧会というのは、「自然と人間の共生」ということをテーマにいたしまして、「花と緑と人間生活のかかわりをとらえ、二十一世紀へ向けて潤いのある豊かな社会の創造をめざす。」ということをねらいとして開かれた博覧会でございまして、御指摘のとおりでございますが、このような非常に高い理想を掲げて今開催されておるわけであります。
 その中でも特に、御存じのように山のエリア、野のエリア、街のエリアと三つのエリアがございますが、これを機動的に見ていただくということで、このウオーターライドというものも計画したわけでございます。そういうことでございましたが、今回こういう事故を起こしましてまことに遺憾に存じております。二度とこういう事故が起こらないように、今事故の原因等の究明に努めておりますが、非常に高邁な理想を持った博覧会が本当に意義のあるようにこれからも続けてやらせていただくために、万全を期してまいりたいと考えております。
#35
○貴志委員 このウオーターライドの事故の問題について現場視察の際に、一体この事故の責任だとか後の再開はだれが決めるのかと私が現場で御質問申し上げたところ、それはジャスコですと現場でお答えになりました。私だけがおやっというふうな気持ちを持ったのではない、確かにそう思います。それで、今も大臣がおっしゃいましたように、すばらしいテーマがあって、それをイメージして、それを展開をする、そういうプロセスの中でこのウオーターライドが必要だと認められて施設をされた、こういうことになってまいります。そうなりますと、一テナントのジャスコだけが不意に横合いから参入をいたしまして、それで勝手にやったのだから、勝手に事故を起こしたのだからジャスコだというわけにはまいらないと私は思うわけです。
 もう一つは、全体の安全の運営というふうなことについて、組織的に安全を守っていくというチェック機能がなかったのかと思うわけです。この安全の管理だとか、全体のイメージの中で、全体のテーマの中でこれが必要だからということでつくられたもの、それがなぜ責任の所在が明確にされないでジャスコだけだというふうな私どもの質問に対する答えになってきているのか、その点が理解できませんので、ぜひ説明を願いたい。
#36
○真嶋政府委員 お答えいたします。
 事故の原因究明につきましては、現在捜査当局においてなされておるところでございまして、そこを言及する時期ではないと考えております。花の万博の協会が博覧会全体の管理運営の任に当たっているということは当然のことでございますが、例えばウオーターライドのこういう施設の営業活動については個々の営業者、権利主体である法人が建設し管理し運営を行っているものでございまして、個別具体の施設についての民事法上、刑事法上の責任というのは個々の営業者にあると考えているところでございます。
#37
○貴志委員 今の問題についてはもっと組織的に物を考えて処理をするということでなければ、これから先の運営の中で何か起こるかもわからない。起これば、それは施設者だとか、その単体に責任を負わしていくのであって、全体のもっと真剣な対策がなければまずいのじゃないかと思います。
 それはそうといたしまして、事故の原因については現状では警察が捜査をしているので言及すべき時期ではない、こういうふうにおっしゃられるその言葉の中にも私が申し上げた問題点があるように思うのです。事故が起きてからもう二週間たっているのです。現場は焼失したわけでもない、滅失したわけでもない、そのまま残っているわけです。人も逃亡したというふうなことは聞いておりません。そういう問題についてすべて条件がそろっておる。警察の捜査は捜査でありますけれども、それは刑事上の問題ですが、安全上の問題として施設者の方で、花博の方でどのように原因を究明していくか、あるいは責任をどのように求めていくか、これからどう改善するか、そういったことについて今真剣に、もう本当に汗みどろになってやっているという姿があってこそ安心できるのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
#38
○真嶋政府委員 お答えします。
 ウオーターライドの事故の原因究明につきましては、現在現場検証とか関係者の事情聴取等が捜査当局によって行われている段階で、私どももこの捜査の結論が一日も早く出てくることを期待しているものでございます。ただ、全体として、事故が起きたときにどんなことを考えてどんなことをやったのかということがございますが、これにつきましては、事故の発生いたしました四月二日の公開時間が終了後、直ちに会場内に設置されておりますロープウエー等の施設、展示館内の乗り物、アミューズメントゾーンの遊戯施設、動く歩道等の施設につきまして、事業者の協力も得ながら安全の総点検を夜を徹していたしました。その結果でございますが、特段に問題とすることはないというふうに聞いているところでございます。
#39
○貴志委員 その結果、特段に問題になるようなことがなかったということでありますが、その辺のところが少し問題ではなかろうかと思うのです。これは後の質問の中でお答えをいただければ結構であります。
 機構上の問題はさておきまして、今度の事故は大きく分けるとハード面とソフト面とある。ハード面というのはやはり構造上の問題ではなかろうか、私はこういうふうに思います。私ども素人が現場に行ってまいりまして感じましたことは、七メートルの高架の上を通っておるわけですが、もし防護さくがあったらあのボートは落ちなかったであろう、素人ですがそう思いました。また、あの舟と舟との間の、あるいは壁との間のセンサーが働いて自動的に停止をするようになっておればああいう事故にはなっていないのではないかというふうなことを素人なりに考えてみたわけであります。果たしてそれはどうか私にはわかりませんけれども、しかし、少なくとも建築基準法に基づいた構造の施設ということで届け出をし、確認を受け、あるいは検査を受けておるはずでございます。
 そこで、問題として私が思いますのが二つあるわけです。一つは、一一・一キロというかなり長い距離を人間を乗せて運ぶ、そういう施設である、しかも料金を取るということになりますと、それは輸送の機器と理解できるのではないか。昨日の大臣の所信表明の中にも花博の「場内輸送施設事故」と申されております。輸送施設ということになってまいりますと、果たして構造上の問題だけで済むのだろうかという見方、建築基準法上の問題だけで済むのだろうかという疑問点を私は持つので、そのことについての見解を聞かせていただきたい。
 もう一つは、現在の建築基準法に基づく届け出によるチェックポイント、現在の法律できちんとチェックをしてそれをクリアしてやってということになってまいりますと、新しく次々できてくるこの種の遊戯施設、輸送施設にもはや対応できない。こういう事故は予測できない時代につくられた建築基準法、その規則なり法令なりというふうなものはこういう場面を想定できなかったということでありますから、法律あるいは運用上、規則上、そういった問題で何らかの形で規制を改めて考えていかなければこの種の問題を再び起こさないように未然に防止することはできない、こういうことになるのではないか。ハード面から申しますとそういう問題点がありますので、お答えを願いたいと思います。
#40
○伊藤(茂)政府委員 建築基準法上から見てのお答えを申し上げたいと存じます。
 最初のお話は輸送施設かどうかというお話でございますが、基準法上は八十八条で基準法全体のいろいろな規制を準用してこういった遊戯施設に適用することにいたしております。したがいまして、私どもは建築基準法の遊戯施設としてこれを見ておりまして、輸送施設かどうかということは私どもの判断の外になろうかと思います。
 それで、この遊戯施設の安全でございますが、今おっしゃいましたように構造面、運行管理面双方につきまして建築基準法令に基づいて現在やっております。今回の場合には大阪市が特定行政庁としてこの施設につきましては全般を見て確認をしたものでございます。
 今お話がありました新しい施設がどんどんできたときに現行の基準法の体系がこれに対応できるかどうかという問題でございますが、今申しました八十八条で対応できない部分につきましては、特殊な遊戯施設ということで、最近は非常に大型化をしたり回転をするものがいろいろ出ておりますが、こういうものにつきましては建築基準法の三十八条の規定で特別に個別に大臣が認定をするという建前になっております。それから、今回のウオーターライド的なウオーターシュートとか既存のいろいろな昇降機とか遊具がございますが、通常のスピード以上のスピードが出る、あるいは通常のものより勾配が非常にきついものにつきましては、特別にまた大臣認定をすることにいたしております。
 花博を例にとりますと、現在二十数カ所の遊戯施設がございますが、大臣認定をしておりますものは八カ所で、ウオーターライドそのものにつきましては、流れる速度からいいましても施設からいいましてもごく普通のものの若干大型のものという感じでございまして大臣認定の対象にはなっておりませんが、大臣認定となるものが八カ所、三十八条認定になっているものはそのうちの四カ所ということでございまして、大型のもの、回転速度の速いもの、特殊なものにつきましては特別に個々に見ておるということでございます。
#41
○貴志委員 どうも私のお尋ねしたいことに余り当たっていないようなお答えだったように思うのです。と申しますのは、まずこれが輸送施設であるか遊戯施設であるかという見解については遊戯施設だとおっしゃっておられますが、大臣が所信表明の中で「場内輸送施設」とおっしゃっているわけでありまして、これがなぜ局長の段階では遊戯施設に変わってくるのか私には少し理解ができないということがまず一つ。
 もう一つ、特殊なものについては大臣の認定が必要だということでありまして、私もなるほどそうだろうなと理解ができるわけですが、今回の問題については大阪市の建築指導部の審査課で審査をして全部クリアできているというのですね。だから法律的には問題がなかったということは私もそうだろうと思います。しかし、現在の法律でチェックできない部分があったからこそ事故が起こったのじゃないか。その部分を何とかしなければならぬのではないか。それをチェックするための工夫が必要ではないか。現状ではだめだから、そこまで想定をしていない現在の法律や規則を何とか変えていかなければこういったものを防止することができないのではないか。さっきの輸送機器、遊戯施設の問題はともかくといたしまして、肝心のその部分についてひとつお答えをいただきたいと思います。
#42
○真嶋政府委員 輸送施設か遊戯施設かということについてお答えをさせていただきます。
 大臣の所信表明の中で「輸送施設」と申し上げておりますのは、法律的に建築基準法上は遊戯施設でございますが、ごく常識的な意味で移動を伴う遊戯施設ということで、そういう表現をさせていただきました。
#43
○伊藤(茂)政府委員 現行の基準法の体系の中で完全に今回のものがチェックできていないのではないかというお話でございます。
 現在遊戯施設の運行管理につきましては、先生御承知のとおり五十二年に「遊戯施設の維持及び運行の管理に関する基準」ということで通達をしておりまして、遊戯施設の所有者、運行者、運行管理者等が守るべき運行の安全確保のための必要な事項につきまして運行管理規定を定めなければならないということで実際には指導をいたしておるところでございます。
 したがいまして、今回の問題につきましても、特定行政庁大阪市がそこのところはきちっと法令に従いまして適切に指導しているところであるというふうに考えておりますが、今事故原因はいろいろと警察も入りまして調査をしておりますので、万一その結果が現行のこういった全体の体系を再チェックする必要があるということになりますれば、その際に十分に考えてまいりたいと思います。現在時点では私どもは十分に指導は行われているというふうに考えておるところでございます。
#44
○貴志委員 大阪市の建築審査課の方では十分審査しているから、それ以上タッチはできない、踏み込んだことはできないというふうに言われておるそうなのです。それはそうでしょう。そうなってくると、後でこれから触れるわけでありますけれども、ソフト面の問題はありますけれども、まず構造上の問題で改定、チェックをしなければならぬ問題があれば、それはやはり早急に手当てをしていくべきだ、この際はその点について強く検討を求めておきたいと思います。
 それから、次はソフト面であります。ソフト面については、今局長が言われましたように、昭和五十二年五月二十七日建設省住宅局建築指導課長から特定行政庁建築主務部長あてに送付をされておるということになっております。これでさまざまなことが決められて、それを守るように指示をいたしております。現在の各遊戯施設を持っておる遊園地等におきましては、かなり厳しくこの通達を守っておるように私は聞いております。ところが、なぜか命と触れ合うこの花博においてこの通達が十分にチェックされていなかった、そういう疑いがかなりあるわけであります。単なる通達であっても、これを守るべき責任、義務がそこに生じてくるのではないか。
 さらに問題なのは、一遍に運ぶのが七十二人という大きな人数です。それだけの人間を高架の水路を移動させるわけでありますから、運転をする者はそれだけの人命を預かっているということになりはしないか。となりますと、運転者の資格はどうなるか、運行責任者はそのことに対して研修や資格を持つ必要はないのか、そういったことが当然ソフト面で問題になってくるのではないか。むしろ私は、通達を出しておるからこれで責任が済んだというのではなしに、この通達を本当の意味で生かすためには、やはり運行管理者なり運転者なりの資格問題というものが当然起こってくるのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでございましょう。
#45
○伊藤(茂)政府委員 今お話出ました通達に基づく運行管理規定でございますが、基準法の体系でまいりますと、確認申請の段階でそういうものがきちっとついているかどうかということ、それから、工事完了検査の際にそういうものがきちっとあって、ちゃんと運行されるかどうかということをチェックすることになろうかと思います。
 今回の場合には、その二度にわたりまして当事者に対して特定行政庁としては指導をしているというふうに聞いております。ただ、今現在そういう運行管理規定がどういうものが出ているか、あるいは持っておるかということにつきましては定かではない状況でございます。つまり、警察が入っておりますので、私どもは確認する手だてがないという状況でございます。
#46
○貴志委員 たしか開幕前にちょっとしたトラブルがありまして、それの点検のために休止をしたというふうな事実もあるようでありますし、また、安全に関するマニュアルも一応はつくっていたようでありますけれども、肝心の監督者の方でそれをチェックをしたり、その運用についてかかわったりというふうな形跡がどうもないようなのでございます。
 あとの問題もありますので、これ以上申し上げませんけれども、ハード面におけるいわゆる構造上の点について検討した上で、現状のチェックポイントではだめだ、それではこの事故を防止できないという場合には当然に改正、改定ということを考えていくというお話でございましたから、それはぜひやってもらいたいと思いますし、ソフト面の問題につきましても、今私が聞いておるのは、それじゃ運転者の資格は一体どうするのですか、運行管理者の資格はどうするのですかというふうなことについてはお答えをいただいていないわけなんですね。こういう問題がやはり具体的に真剣に考えられないと、単にこのウオーターライドだけでなしに、SL義経ですとか、ほかの、当局に言わせれば遊戯施設があるわけです。そういったものの安全ということについて国民の側からの安心感がちょうだいできないのじゃないかというふうに思われます。これは意見として申し上げておきます。
 この問題の最後にお伺いをいたしたいと思います。それは、このウオーターライドを再開するのはどうか、いつやるつもりなのか、いつを目標にするのか。恐らく、ただいままでのお話ですと、今捜査中であります、捜査中であります。捜査中であっても、安全を点検することは、なぜ、どこに問題があったかということは当然できるわけでありますし、どこに欠陥があったということの追及はできるわけであります。そういった問題を含めて一体どうするのか。
 少なくとも開幕前には、このウオーターライドは一つの花博の顔であった。道路が静脈、ウオーターライドなどはある意味では動脈的な役割を果たすということで、新聞等におきましてもこの施設が大きく報道されるというふうなことでありまして、花博の一つの重要な部分であるというふうに理解をされておるのではないか。そういう建前から申しますと、これの再開については、花博を完全なものに終始していくためには、安全を確めた上で再開できる、そういうことでなければ花博が傷がついたままで終わってしまうのではないか、こういうふうに思うのでありますけれども、その辺のところをひとつ、これは個々の問題についてお答えをいただいておりますと時間ばかりがたつようでありますので、最終的に締めくくりとして大臣の方から、この花博、ウオーターライド、そういった関連の中での御見解をいただいて締めくくっていただきたいと思います。
#47
○綿貫国務大臣 今ウオーターライドの問題についていろいろと御指摘いただきましたが、ただいま原因につきましても鋭意調査をいたしておるところでございまして、これがいつ再開できるか、私も今度現地にも参りますし、よく事情も聞いて、その方向づけを検討してみたいと思っております。
#48
○貴志委員 それでは、話題を変えまして次の問題に入りたいと思います。
 先般、東京都御徒町のJR東北新幹線地下工事薬剤注入をめぐる不正な手抜き工事が発端となりまして地上の事故を誘発し大問題となったところでありますが、一昨日からの新聞報道等によりますと、日本鉄道建設公団が建設中の東葉高速鉄道習志野台トンネル工事でも凝固剤の注入不足が明らかになったとされておるわけです。しかも、この不正な手抜き工事が発覚したのは、発注者側の鉄建公団の自発的な検査によるものではなく、一介の土木作業員の話から初めて公団がボーリングチェックに乗り出し、事実が判明したということであります。
 今日までも、地下工事に伴う薬液注入の手抜きが発覚したことは名古屋の地下鉄工事など数例あるし、ことし一月の道路陥没事故でも複数の現場関係者がここだけに限ったことではないと述べたと伝えられております。
 私が建設大臣に質問したいのは、建設業界の一向に改まらないこうした体質、これをどうするか、さらに、次々に明るみに出てくるこの種の土木工事、しかも大きな人身事故に連なる手抜き工事を厳しく取り締まることのできていない監督官庁の姿勢、そしてチェック体制の不備についてどのような反省と対策をお持ちになっておるか。昨年三月に構造改善プログラムなどが策定されておるわけでありますけれども、そういった面を含めまして基本的にまず御答弁を賜りたいと思います。
#49
○玉田説明員 お答え申し上げます。
 まず、一般論といたしまして、市街地におきまして私どもが土木工事を施行いたします場合、これの安全対策につきましては、私どもの工事施行上の最重点の課題ということで、これまで積極的に取り組んできているところでございます。すなわち建設省におきましては、市街地の地下におきまして所管工事を実施する場合、地質、地下水、埋設物件あるいは周辺の土地利用状況等を十分調査した上、市街地土木工事公衆災害防止対策要綱、これは昭和三十九年に既に定めまして、現在まで何回かの見直しを経て、現在の案は昭和六十年十月に最終改正したものでございます。これに基づきまして適切な設計施工の工法を選定いたしまして、工事及び周辺の安全確保に十分配慮してきているところでございます。さらに請負業者に対しましても、工事の契約に際しまして、土木工事共通仕様書によりましてこの市街地土木工事公衆災害防止対策要綱等を遵守するように常日ごろ徹底しているところでございます。
 ところで、今回こういった事態を見ました薬液注入に関してでございますが、私どもは、これにつきましては、従前からさらに一段と施工の管理を強化していただくということで、昭和四十九年にこれに関する技術指針を定めまして、これに基づいて建設省所管事業の市街地工事を適正に執行しているということでございます。今後ともこの趣旨を徹底し、請負業者におかれましてもこれを遵守し適正に仕事をしていただくことを強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
#50
○貴志委員 先ほど委員長からお諮りをいただきましたように、鉄道公団の方からも責任者の方がお越しをいただいておるというふうに理解をいたしておりますので、できれば今回の事故の概況について御報告を願いたいと思います。――来ていないのですか。私の誤解です。
 それでは、具体的なことについてさらに聞いておきたいと思います。今回の工事の上に住宅団地や商店街が立ち並んでおるということでありますが、そういったところの安全性という問題になってまいりますと、地盤沈下だとかそういったことで大変地元民の問題になっておるということでありますが、建設省としてそういった安全対策等について何か指示をされておるのかということについてお尋ねをいたしたいと思います。
#51
○玉田説明員 先ほども御説明申し上げましたが、薬液注入工事に関しましては、先ほども申し上げましたように市街地土木工事公衆災害防止対策要綱によるほか、昭和四十九年に定めました薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針を私どもは既に設けております。これに基づきまして従前より設計施工法の選定を行うとともに請負者に対しましてこれらの趣旨を徹底してきているところでございます。
 最近におけるこういった事態の発生にかんがみまして、建設省といたしましても、去る三月に手抜き工事の再発防止を図るために、社団法人日本薬液注入協会に対しまして的確な施工管理の徹底をしていただくよう指示を申し上げたところでございます。さらに地方建設局に対しましては、私どもの方から知り得る内容をお伝え申し上げ、それぞれの工事現場についてなお一層の施工管理の徹底を図るよう指示をしているところでございます。
#52
○貴志委員 新聞報道によりますと、建設省では凝固剤注入の手抜き続出について、防止のために検討委員会を設置する方向で動いておるというふうな意味での報道があるわけでありますけれども、今回の事故あるいは御徒町の事故を契機にいたしまして、建設省としては今のお答え以外にさらに踏み込んだ検討委員会というようなものをおつくりになろうとしているのか、なっているのか、お答えをいただきたいと思います。
#53
○玉田説明員 薬液注入工事におきます手抜き工事防止の観点から、特に工事中の施工管理につきまして種々検討すべき点があるのではないかというふうに私どもも考えております。そこで、社団法人日本薬液注入協会に対しまして、有識者の御意見も十分間いて、これらの方々も含めた検討会を早急に設置するよう私どもの方から指示をしたところでございます。建設省といたしましても、この検討会に積極的に参画をいたしまして各種の検討を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 検討内容はまだ具体化をしてございませんが、ただいまのところ主要なものといたしましては、注入管理手法の改善策の検討、それと注入した後の効果を確認する手法の検討、これらに重点を置いて諸資料、諸調査の結果が判明いたしましたら、そういったデータもちょうだいをして検討を進めてまいりたいと思っております。
#54
○貴志委員 そういう検討を進められているのは大変結構でありますが、問題はこういう業者の、要するに業界全体の体質というふうな問題についてこれを改善するために踏み込んだ施策というものをお考えになっていないかということをお尋ねをいたしておるつもりでありますが、その点よろしくお願いします。
#55
○玉田説明員 私どもといたしましては、今般のこの件は建設省所管の仕事ではございませんので、今の段階で正確な分析ができるというほどの情報はまだ得られていないのが実情でございます。したがいまして、私どもはその調査結果を待った上で、よく内容を分析した上でこの検討会の場においてまず基礎的な分析をいたしてみたいと存じております。その結果によって判断すべき事項ではないかというふうに私どもは考えております。
#56
○望月政府委員 私ども建設業界を指導する立場で一言補足させていただきますが、今般御徒町の事故を契機にしていわゆる薬注工事をめぐっていろいろなことが報道され、また一部に事実と認めるというふうな発言もいただいている中で今回の事故、私ども大変重く受けとめさせていただいている次第でございます。
 基本的には建設工事というのは、いわゆる発注者と受注者の間の高い信頼関係の中で仕事がなされる、またなされなければならぬという性質のものであるだけに、いわゆる手抜き工事あるいは伝えられる書類の改ざんというようなことについてはいささかもあってはならないことというふうに言うまでもなく受けとめている次第でございまして、私どもそういった観点から、こういった具体の事案の個別具体の内容についての調査は関係方面でも進められているところでございますけれども、こういったことについての一層厳正な指導というものを業界団体に対してもいたしてまいる所存でございます。
#57
○貴志委員 私は冒頭に建設大臣に対して今回の問題についての所見というものをお伺いいたしたつもりでありますが、まだ御答弁をいただいておらないようでありますので、施行者、発注者が仮に建設省と違いましても、建設そのもの、建設業界そのものを監督あるいは指導しているのは建設省でありますし、さらに恐らく工事についての検査等を含めまして工事の工法なりそういった薬剤注入の基準なりというふうなものは建設省でやはり定めておるのではないかと思います。そういう点からいうと、こういった問題は業界全体の問題であると同時に、建設省としてどのように厳しく対処していくかという姿勢がなければならぬと思いますので、そういった意味における大臣の御答弁をお願いいたしたいと存じます。
#58
○綿貫国務大臣 今回の凝固剤の注入によるいろいろの事故が起こったことを報道で見まして、私もこのことについていろいろと聞いてみました。この工法は今まで三十年間とられてきた工法でございますが、これは仮の固めをやって、後は本工事をやればこれはもう要らないんだということで、今までこういう事故が余りないんだということを聞いておりましたが、今回いろいろ指摘されておりますので、このことについては基本的に十分検討してみる必要があるというふうに示達をいたしておりました。先ほど建設経済局長がお答えいたしましたように、業界を指導いたします建設省としても、その辺に留意をして今後とも指導に当たってまいりたいと考えております。
#59
○貴志委員 では、この問題につきましては、昭和五十四年それから六十一年というふうに何回か例があるわけでありますから、ぜひ厳しく指導をされるように要望をいたしておきます。
 続きまして、土木建築等の入札制度について若干お尋ねをいたしておきたいと思います。
 我が国ではいわゆる指名競争入札方式がほとんどの公共工事で採用されております。アメリカやフランスでは一般競争入札、西ドイツでは一般競争入札と指名競争入札との併用というふうなことで運用をされておるようであります。私は、先ほど来申し上げてまいりました業界の体質を改善する意味でも、この現在の指名競争入札制度そのものを検討する必要があるのではないか。今世界の注目を浴びております日米構造協議が行われておる中でも、建設業界、日本企業の談合という問題がやり玉に上げられておるわけであります。これはアメリカから指摘されておる建設業界の排他的取引慣行という形で、ダンゴウという言葉がもうアメリカでも使われるようになったというわけでありますが、建設省としては、こういったアメリカ側の指摘あるいは現在の指名競争入札一本のやり方、まあ随契もありますけれども、そういったやり方についてこれを再検討する、そういうお考えはあるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。
#60
○望月政府委員 ただいま先生お話しのように、いわゆる公共工事の発注方式というのは世界的に見ても各国それぞれが長い歴史の中でそれぞれの方式を定着させて運用しているというのが現実であるわけでございますが、我が国におきましては、御指摘のようにいわゆる指名競争入札制度というものが一般的に採用されているという現状でございます。
 こういったことをめぐりまして、かねてからこの指名競争入札制度そのものも含めていかにあるべきかという御議論もしばしばあるところでございますし、また最近では、指名競争入札制度がいわゆる談合とのかかわりが出てくるゆえんではないかというふうなお話もよくあるところでございますが、私ども、公共工事の発注方式というものは非常に重いものであるという認識のもとにいろいろと検討、研究を重ねてまいっております。
 最近、具体的に申しますと昭和五十八年でございますけれども、中央建設業審議会というところにお諮りしまして、いかにあるべきかということを十二分に御検討いただいたわけでございますが、その検討の結果、五十八年に建議をいただいております。
 この内容をかいつまんで申しますと、いわゆる一般競争入札との比較ということが一番端的な分野でございますが、一般競争入札の場合にはややもすると施工能力の劣るものが入り、疎漏工事が発生するとか工期の遅延というふうな問題が生ずる、あるいはまた受注機会が非常に公平を確保できなくなる、具体的に言うならばその間においてダンピング等の発生が見られるおそれがあるとか、その結果は下請業者を非常にいじめるというかしわ寄せが及ぶ、先ほど来出ていますようないろいろな問題にも結びつきかねないというふうな問題、さらにまた発注者の事務量の増大、こういったことなどなど、一般競争入札についてはいろいろと問題点もたくさんある、こういったことを踏まえまして、結論的に言えば公共工事の場合には指名競争入札という方式をとるのが適当である、こういう御建議をいただいている今日でございます。
 私ども、そういった基本線に立って現在指名競争入札制度を使っているわけでございますが、その間において改善すべき部分というものがあれば、またこれは我々も常々検討を重ねて改善の道をきわめてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#61
○貴志委員 この問題についてはいろいろ意見のあるところでありますが、時間もございませんのでいずれ十分に論議することといたしまして、具体的な問題について少し申し上げてみたいと思います。
 それは平成元年九月六日付で公正取引委員会より海上埋立土砂建設協会及び山砂海送工事発注者側共同企業体に対して勧告が出されております。一般的にはこれは談合であるとされており、協会そのものも現在既に解散をされておりますが、建設省はどこに問題があったか、どういう把握をされておるかということであります。
 建設大臣はこの公取の決定に際してコメントを発表いたしておりますが、独禁法の遵守についてあらゆる機会に指導に努力してきた、こういうふうに言われておりますが、この海土協の件についてその後どのように指導を行ってきたのか、あるいは建設業法上の罰則等についてさらに改定の必要などを考えていないのかどうか、そういった点についてお尋ねをいたします。
#62
○望月政府委員 いわゆる海土協と言われます海上埋立土砂建設協会の談合事件、お話のように昨年の九月に公正取引委員会から指摘を受けたところであるわけでございますが、ちょっと脱線して恐縮でございますけれども、これは実は指名競争入札云々という話とは直接かかわりない土砂の搬入、納入の問題でございます。このことにつきまして私ども建設省としましても、いわゆる建設業者がこういった工事を行ったということは非常に重大な事態として受けとめさせていただいているわけでございまして、公取におきます一つの判断、指導というものと相まちまして、建設省も適切な措置を講じねばならぬということで大臣のコメントを発表させていただくと同時に、いわゆる建設業法上による処分、具体的には関係六社に対する指示処分でございますが、これを行い、あるいはまた指名停止も行うということで、いわゆる再発防止のために重い厳重な措置をとってきた次第でございます。
 そういったことでございますが、私どもとしてはこういった事案が繰り返されることはまことに許しがたいところでございまして、基本的には再発をしないようにという観点からの指導を強めている今日でございます。
#63
○貴志委員 少し観点が変わるわけですが、政府は日米構造問題協議の中間報告の中で、独占禁止法及びその運用の強化を排他的取引慣行を排除するための柱とされておるようであります。
 中間報告によりますと、課徴金の引き上げや刑事罰の活用などを含めて六項目を挙げておりますけれども、具体的にいわゆる独占禁止法の活用あるいはわかりやすい独占禁止法というふうなことで現在公正取引委員会では検討を進めておられるように聞いておるわけでありますけれども、この点について公正取引委員会の方からまず説明を願いたいと思います。
#64
○滝川説明員 日米構造協議についての御質問にお答えいたします。
 公正取引委員会としては、日米構造問題協議での議論を踏まえまして、我が国市場の公正かつ自由な競争をより促進していくためには、独占禁止法違反行為に対する抑止力をさらに強化しまして、法運用をより明確で透明度の高い、かつ内外ともにわかりやすいものにしていくことが必要であると考えております。
 今回の構造協議中間報告でも、このような観点に沿い、独占禁止法及びその運用の強化に関し、審査体制の強化充実、独占禁止法の運用を明確化したガイドラインの策定とその厳正な運用、その他、独占禁止法違反行為に対する抑止力の強化や行政の透明度を高めるための具体的措置が掲げられております。これらの項目の中には本年度予算措置に係るもの、法律改正として最終的に立法府の御判断を待たねばならないものも含まれておりますが、いずれにしても、公正取引委員会としてはこれらの措置を着実に実施していく所存であります。
#65
○貴志委員 ただいま御答弁の中に独占禁止法ガイドラインという言葉が出てまいったわけでありますけれども、このガイドラインというのは考え方としてわかりやすい項目を国民に示すということではなかろうかと思うのですが、どういう手順で大体どういう内容のものを予定しておるのか、それは一体いつ策定ができて、そして公表されることを予定しておるのかという点について御答弁を願います。
#66
○滝川説明員 今の御質問のガイドラインの件ですが、これは公正取引委員会におきまして流通・取引慣行等と競争政策に関する検討委員会、こういう検討委員会を開いておりまして、この中で流通取引慣行に関する幅広い問題を取り扱っております。そして、公正取引委員会としましては、この検討委員会の提言を受けましてガイドラインを策定する、こういう手順になっております。この検討委員会の提言は本年六月に提言を得ることが予定されておりますので、それを受けて早急にガイドラインの策定を急ぎたい、こう考えております。
#67
○貴志委員 以上、私は、花博の問題から入札あるいは事故の問題、さらには独禁法の問題にまで質問をさせていただきましたが、いずれも現在の状態は、もっと厳しく正しく運営をしていかなければ、いろいろな問題点が今後派生してくるのではないかというおそれの上に立って質問を申し上げたつもりであります。どうかそういう意図を了とされまして、今後の厳正な公正な運営を要望いたしまして終わりたいと思います。ありがとうございました。
#68
○中島委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十九分休憩
     ────◇─────
    午後一時一分開議
#69
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松本龍君。
#70
○松本(龍)委員 松本であります。昨日の綿貫建設大臣、佐藤国土庁長官の所信表明を受けて、今後の建設行政のあり方、さらには今、全産業の一割になんなんとする建設労働者の問題等に触れながら質問を行ってまいりたいと思います。二点にわたって大臣に質問を行いますけれども、総括してお答えを願いたいと思っております。
 昨年のアルシュ・サミットでも地球環境の問題が大きくクローズアップをされました。さらには、地球規模での環境問題はもとより、今、日本の環境問題も大きな課題を背負っていると言っても過言ではないと思います。そういう中で国土の環境保全、さらには社会資本の整備、インフラストラクチャーの問題等、これは車の両輪でなければならないと私は思っております。この二つのことはこれからの大きな課題になってくると思いますけれども、これが人間と自然が調和をした町づくりというものになってくればいいのですけれども、時として相反することがあるやもしれないという環境問題等についての御所見。さらに日本という国は資源が非常に乏しい国でありますので、資源を多量に消費するシステムから循環、再利用していくシステムに変換していかなければならない。さらに先ほどお話がありましたように一極集中から多極分散型の社会へと移行していかなければなりませんし、中央集権から地方の自立、振興、活性化へとシフトをしていかなければならない時代に来ていると思います。その点につきまして建設大臣の御所見をお伺いしたいのがまず一点であります。
 さらに、我が国の建設投資額は国民総生産の約二割近くに相当していると言われております。したがって、この産業がほかの産業に与える影響も極めて大きいというふうな今日的な状況があると思います。しかしその反面で、経常利益率は昭和六十三年度で二・九%と他の製造業の四・五%に比べ大幅に低い。つまり労働集約型ではない、なかなか生産性が上がらない現状があるわけであります。さらに資本金別に利益率を見ますと、一億円以上の大企業が三・八%であるのに対し、二百万円未満の零細企業は一・七%と大きな格差が生じております。また、建設労働者の高齢化等の問題、若者の建設業離れが深刻な問題となっている今日、早急な対策を講じなければならない課題が山積みをされていると思います。
 建設大臣、この二点につきましてどのような御所見をお持ちになり、将来展望をお持ちになっておられるか、お伺いをしたいと思います。
#71
○綿貫国務大臣 最初にお尋ねの環境問題と開発問題につきましては、特に我が国は山が七割以上ということで、急傾斜地とかいろいろな問題がありまして災害の多い国土だと言われております。これらにつきましても、国土を保全していくことは極めて大事なことでございますが、ややもすると自然保護ということで、昔のままがいいのだというふうな意見もありますが、この辺はもしも災害が起こったときに備える行政というものがどうしても必要でございますし、いろいろそういうことを考えますと、この自然と開発の調和ということは極めて重要な問題だと考えております。この辺につきましては十分留意をして、今後日本の国土に合った建設行政、開発を進めていかなければならないと考えておる次第でございます。
 二番目のリサイクルの問題、特に日本は今瑞穂の国と言われまして、水資源は無尽蔵だということが言われておりましたが、最近は水飢饉ということが言われますし、また水の汚染等もございまして、この水の重要性等一つ取り上げましても、このリサイクルということは非常に重要な問題だと考えております。最近、中水道という言葉も出ておりますけれども、これらの問題にも真剣に取り組んでいかなければならないのではないかと考えている次第でございます。
 なお、多極分散型の国家ということは、四全総にも示しておりますように、今後この線に沿って日本の国土基盤の整備を進めていくということは極めて重要なことだと認識をしておる次第でございます。
 後段の建設業につきましては、建設業というのは国土基盤を整備する上におきましても極めて重要な役割を担っていただいておるわけでございますが、今御指摘のように、建設業は我が国の基幹産業の一つであります。それで、全産業の就業人口の一割、それから今御指摘のGNPの二割という生産を担っておるということでございます。しかし、この建設業は中小零細企業が圧倒的な多数を占めておるということでございまして、その経営が極めて不安定だということでございます。そこで、元請、下請関係などの生産形態が複雑で合理化すべき面が大変たくさんあると思っております。
 したがいまして、今後、産業構造や企業経営における問題点を洗いまして、これらを十分近代化するような行政指導をしたいと思っております。また、若年労働者の不足が大変深刻になっておるという時期でもございますし、こういう面についての留意が必要かと思います。
 こうしたさまざまな問題点の解決を図るために、技術と経営にすぐれた企業の成長を基本とするということで、建設省では昨年の三月に、平成元年度からの三年間に重点的に実施すべき事業を示す構造改善推進プログラムを策定したところでございます。その中で、不良不適格業者の排除、建設生産システムにおける新しいルールの確立、生産性の向上、若年建設従事者の確保を重点課題として、現在業界と行政が一体となってこれに取り組んでおるところでございまして、このような施策の展開を通じて、建設業が国民の生活の基盤である住宅・社会資本の着実な整備を担う文字どおりの基幹産業としてさらに発展していくように指導していきたいと考えております。
#72
○松本(龍)委員 どうもありがとうございました。
 今内外ともに多くの問題点を抱えている建設行政にあって、三点まず御質問したいと思います。
 先般、NHKテレビでも放映をされましたが、日米の建設協議についてお伺いしたいと思います。
 米国の通商代表部は、昨年十一月に日本の建設市場に関する調査報告書を発表し、日本の建設市場は依然として閉鎖的であるとの調査結果を米議会に報告をいたしました。なお改善は要するけれども、米通商法三〇一条に基づく制裁措置は本年五月に行われる日米建設合意に基づくレビューまで見送るとの態度を表明しています。そこで、この合意によりましてアメリカの企業参入に対する特例措置が認められている十七のプロジェクトに対する米国企業の参入状況ほどのようになっているか、お尋ねしたいと思います。
#73
○望月政府委員 御指摘のように我が国の建設市場への米国企業参入問題は、このところ大変関心が高まって今日に至っております。具体的には、六十三年五月にそのことをめぐりましての日米合意がなされたわけでございまして、今お話ございましたように、特例対象プロジェクトとして十七の公共事業について早く日本の建設市場について習熟していただくようにということで調達手続の特例を決めているわけでございますが、以来我が国におきましてはこの履行について誠実に取り組んでおるといる経過がございます。
 お話しのように、その実績はどうかということでございますが、まず一つは、アメリカ企業のみならず外国企業一般でございますけれども、海外の企業が日本で建設業を営むためには当然のように日本の建設業法に基づく許可が必要でございます。この許可の事務処理に当たりまして私ども誠実に努めている今日でございますが、きょうまでにアメリカ企業は十二社、我が国の建設業法による許可を取得いたしております。ついででございますが、アメリカ企業以外の諸外国も含めますと二十五社の企業が今日許可を取得いたしております。そういった中で、これらの企業が我が国で今お話しのような特例対象プロジェクト等をめぐりまして参入の努力をし、今日を迎えております。具体的に申しますと、対象プロジェクト十七について、そのすべてではございませんけれども、アメリカ企業が関心のある分野について参入の実績も着実に上がっているところでございまして、物品調達も含めますとおおよそ二百六十億円の調達がなされておる、実績が上がっておる、私どもこう受けとめております。
 また、何も特例対象プロジェクトに限りませんで、いわゆる民間の事業、こういったところについても幾つかの主要事業について参入の実が上がっております。と同時に、地方公共団体中心のいわゆる第三セクター等、あるいはまた民間のリゾート開発など新しい分野でのプロジェクトが展開をされておりますが、こういった分野におきましても着実に、いわゆるソフトの分野で参入の実が上がっている、こういうふうに受けとめておるところでございます。
#74
○松本(龍)委員 五月の日米間の事務協議で、米国企業の参入に特例措置を講ずる対象となるプロジェクトの拡大を米国が要求してくるのではないかと報じられておりますが、これに対してどのような対応策を講じられておるのか。さらに、総じて、五月に行われます日米建設協議に対する建設省の基本的な方針を明らかにしていただきたいと思います。
#75
○望月政府委員 二年前の合意の中で、二年たったらその実績をレビューするということが確認されているわけでございまして、その二年後が実は目前の五月に控えておるという状況でございます。したがいまして、きょう現在、私どもまだいつという日程はセットされておりませんけれども、おおよそ五月ころにはこの建設業の参入問題をめぐってレビューがなされるべきもの、またなされる、こういうふうに受けとめております。
 ついては、そのレビューに当たってどういうスタンスで臨むか、あるいはアメリカがどういうことを言ってくるかということについてでございますが、率直に申しまして、現在予断を持って、こういうことが言われるだろうということは私どもまだ整理できておりません。また、承知いたしておりません。
 ただ、いずれにしましても、先ほど申しましたようにこの二年間我が国は誠実に努めているつもりでございます。また、実も上がっている。さらに申し上げさせていただきますと、民間同士の交流、協調というものも真実に成果が上がっているということなどもたくさんあるわけでございますので、せっかくのレビューでございますから、私どもとしてはこのレビューというものをしっかりとやって、お互いに実態がどうであるか、どういうふうにお互いが評価するかということを誠実に話し合うのが基本ではないかと思っておる次第でございます。
#76
○松本(龍)委員 最後に、先般まとまりました日米横造協議におきまして、我が国の独禁法の改正や運用強化が約束をされております。この協議の結果を踏まえて建設省では、公共工事の入札に当たって契約約款に独禁法に違反しないことを明記するとか、従来不明確でありました指名停止基準に独禁法に違反する行為の項目を掲げ、独禁法違反に対する指名停止や指名停止期間の長期化等が検討されているやに報じられておりますが、そのような方向で検討されているのかどうか。
 さらには、先ほど貴志委員も触れられましたけれども、日米構造協議に基づく独禁法の運用強化の一環として米国側は公正取引委員会の建設業に対するガイドラインの見直しを求めていると言われておりますけれども、今後ガイドラインの見直しも検討されていくことになるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#77
○望月政府委員 お話しのように構造協議の中で、あるいはまた構造協議以外でも日米間でいろいろと話し合う場があるわけでございますが、そういった場等で我が国の談合問題についての話題がしばしば出て今日に至っております。これに対しまして、私ども建設省はもとよりでございますが、我が国におきましては独禁法違反は断固として認めないということは終始変わらない基本線でございます。したがって、私ども建設省の立場でも建設業法によります厳正な対処あるいは指名停止という行政措置なども含めて厳しく臨んでいるところでございます。
 今お話しのように独禁法そのものはどうするかということにつきましては、私どもの立場からは枠外といいましょうか、公取さんで御検討になることかなと思っております。いずれにしましても、くどいようですが、独禁法に触れるような行為は断じて許さないということは、従来もそうでございますし、今後も厳しく臨んでいきたいと考えている次第でございます。
 その際に、今お話しのように、昭和五十九年に建設業に係る独禁法のガイドラインが決められているわけでございます。このガイドラインは、先生も御承知のとおり、いささかも独禁法に触れるようなことを容認するものではないわけでございまして、あくまでも入札に当たりまして一定のルールを定めたりして受注予定者を決めたり入札価格を決めるということはあってはならないんだ、許さないんだという前提のもとに言うなれば一定の行為が許容されるという内容であるわけでございます。私どもは、この独禁法のガイドラインを本当に業界の皆さん方もしっかりと再々確認して、いささかも過ちのないようにしていただきたい、またしなければならないということで行政の運営に当たっている今日でございます。
 なお、指名停止等につきましては、官房長の方から御答弁させていただきます。
#78
○牧野(徹)政府委員 指名停止につきまして措置要領等の改正を検討しているかというおただしでございます。
 私どもは、指名停止につきましては昭和五十九年に、略称中央公契連、中央公共工事契約制度運用連絡協議会の場におきましてモデルを策定いたしました。中央公契連に現在二十五機関が参加しておりますが、それぞれの機関でほぼそのモデルに沿ってそれぞれの指名停止等の措置要領を決めて、私どもも決めて、それを厳正に実行しております。ただ、五十九年にできたものですから、我々もそれに基づいて約六年間の実績運用を積んでまいったわけでございます。
 そこで、先ほど先生のお問いただしは日米構造協議と関連してというようなことでございましたが、私どもはそういうことが全くないとは申しませんが、六年間運用してきてみて、それぞれ運用している主体からこういう点は改善すべきではないかという声が上がってまいりました。それを素直にとらえまして、改善する余地がないかどうかを中央公契連ベースでそのモデルの改正という点で取り組んでおるところでございます。
 既に会議を何回か開いておりますが、その際に、お話のありましたただいままでのモデルでは独禁法違反事案に対する措置基準が明文の規定では入っておりません。もちろん包括条項で措置されておりますが、その基準を明確化するということも含めて今後検討してまいりたいと考えております。
#79
○松本(龍)委員 今質問した三点につきましては、いずれにしましても大きな問題でありますし、私も今鋭意勉強中ということもありまして、質問のみにとどめさせていただきます。
 対外的な問題はここでおくとしまして、今国内における当面の課題として大きな問題になっております、先般建設業法の改正が行われまして二年間の経過措置を経て今年度の六月六日より全面実施されることになっております業法の改正でありますけれども、指定建設業に対して監理技術者の配置を義務づける改正建設業法の問題であります。
 国会審議の際に、国家資格者に限られる監理技術者資格制度の実施に当たっては中小零細建設業者の負担とならないように配慮すべきとの附帯決議がありますけれども、現在、この監理技術者の充足状況はどのようになっているかお尋ねをしたいと思います。
#80
○望月政府委員 お話のように、六十二年六月に建設業法の大幅改正をしていただきました。この法律は御案内のとおり六十三年六月から施行されているわけでございますが、その施行日から二年たった本年の六月から全面的に適用ということになるわけでございます。その間に、今御指摘の土木、建築、管工事、鋼構造物、舗装、この指定建設業、五業種でございますが、こういった業種に属する一定額以上の下請を出す業者を特定建設業者というふうに概念いたすわけです。この特定建設業者につきましては、許可を与えるに当たりまして営業所に専任技術者を置かなければならない、あるいはまた工事現場には監理技術者を置かなければならぬということが決められているわけでございまして、このことがいよいよ六月から施行になるわけです。
 このそれぞれの技術者につきましては、お話のように一級の国家資格を持った者でなければならないということに相なっておりますが、御指摘のような経過の中で、国家資格を取れてない方でも非常に努力をしている方々についてもう一つの道を開く必要があるということで建設大臣の認定制度を講じているわけでございます。こういったことで、現在私ども法施行に向けて着々と準備体制を整えてまいっておりますし、また関係業界にも十二分の御説明、御連絡をさせていただいているわけでございます。
 その際に、もう少しつけ加えさせていただきますと、いわゆる指定業種の特定建設業者でかつ公共事業を受注するということに相なります業者につきましては、今の技術者については資格者証を持っていなければならぬということに相なっております。この資格者証のことも含めて御答弁させていただきますが、言ってしまえば、今までに私ども認定講習を十分やりながら、しかも本来の国家資格者も含めてかなりの数の方々がこの資格者証を取得いたしておりまして、平成元年度末、ことしの三月末でございますが、十四万二千名の者が必要な資格を持った技術者として資格者証を取得いたしております。さらに加えて、平成元年に行いました建設大臣の特別認定講習によって受講が済んだ方々が二万八千人ほどおります。同時にまた、平成元年度に一級の国家試験に合格した人たちもおりまして、はっきり言いまして、今の十四万人という方はさらに数万人上乗せされて今の資格者証を持つようになるだろう。まだ正確な数は御本人の申請を待たなければなりませんが、おおむね二十万人前後の数にはなるだろうと思っております。
 いずれにしましても、そういったことで必要な資格の付与あるいはそれを裏づける資格者証の発給ということも我々万全を期しているところでございまして、言うなれば、この六月からの施行に当たって中小企業の方々にも十分な対応がなされるものと考えておるところでございます。
#81
○松本(龍)委員 今お話がありましたけれども、中小企業の中には二年間の経過措置で十分対応できないところも多いと思われるのですが、監理技術者の不足によって営業に支障が生じないように御配慮されておられるのか。さらに、いわゆる実務経験技術者が特認の件で締め出されることのないよう配慮していただきたいと思いますけれども、お伺いをしたいと思います。
#82
○望月政府委員 お話のように、この問題の一番の基本は国家資格を取る国家試験ということになるわけですが、実務経験を持っていながらも国家資格がなかなか取れない、一生懸命努めているが取れない、そういう努力をしながら取れない方々のために今の建設大臣の認定講習をやっておるわけでございまして、平成元年度行ったということは先ほど申しました。引き続き平成二年度においてもそういう講習の場を備えておりますので、そういった場へ積極的に御参加いただければと思う次第でございます。
#83
○松本(龍)委員 どうもありがとうございました。
 日米構造協議の中間報告で、公共投資は総合的な十カ年計画を策定することが決まり動き出しました。新聞によりますと、政府は将来にわたる財政の出動を内外に公約した、建設省としては追い風だというふうに言われておりますけれども、とりもなおさず、今建設業そのものが労働力の不足、季節による偏在、構造改善の問題、高齢化等いろいろな大きな問題を抱えております。財政面の措置はもとよりですけれども、人材的な側面の方にも大きな課題が山積みをされているというふうに私は感じているわけであります。
 さて、現在建設労働者の平均年齢、また年齢別構成はどうなっているのか、さらに、ほかの産業に比べてそれがどういう状況になっているのかをお伺いしたいと思うのです。
#84
○梅井説明員 御説明いたします。
 昭和六十三年における建設業の男子生産労働者の平均年齢は四十三・五歳でございまして、労働者の高齢化が最も進んだ産業の一つというふうに考えておるわけでございます。
#85
○松本(龍)委員 労働省の統計によりますと、六十三年度の全労働災害による死亡者のうち、建設業の占める割合は四三・四%と極めて厳しい状況に置かれております。これは、建設労働者が全産業の一割ということに関して見ても非常に大きな数字ではないかと思っております。さらに、昭和六十一年度から六十三年度にかけて、建設業における労働災害死傷者数そのものは六十一年度七万一千六百二人から五万八千四百四十七人へと約二〇%減少しておりますが、しかしながらそのうちの死亡者は九百二十七人から千百六人へと逆に二〇%近く増加傾向にある。非常に憂慮しているところでありますけれども、なぜこの間こういう事態になったのか、またどういう状況下での死亡事故がふえているのか、お伺いをしたいと思います。
#86
○梅井説明員 お答えをいたします。
 今先生のお話のように、我が国の労働災害でございますが、昭和六十二年、六十三年と続きまして全産業で増加しております。この中におきまして建設業の占める割合はおっしゃるとおり非常に高うございまして、特に死亡災害の中に占める割合が高いというのが建設業の特色だ、こういうふうに申し上げてよろしいのではなかろうかと思います。
 それからいま一つ、原因でございますけれども、建設関係につきましては何と申しましても墜落というあたりが一番多うございまして、最近の状況から見ましても、墜落災害あるいは交通事故あるいは機械等にかかわる災害、こういうものが死亡災害としては多うございます。
#87
○松本(龍)委員 いずれにしましても、労働条件が厳しい環境下に置かれているというふうに思うわけでありますけれども、好景気好景気と言われている世相の裏側でこういうとうとい人命が失われているという事実があります。この事実に対する建設大臣のお気持ち、またどう改善されていくのかをお伺いしたいと思います。
#88
○綿貫国務大臣 ただいま御指摘のように、建設業界におきましては労働災害の被害者が五、六万人、また死者が千人を超えるという、まことに痛ましい限りであります。今労働省、建設省ともに、建設業界を通じまして、この災害防止を一生懸命やっておるところでございますが、今後もさらに一層取り組んでいきたいと考えております。
#89
○松本(龍)委員 鋭意御努力をお願いしたいと思います。
 話は変わりますけれども、建設省が実施しております建設労働需給調査結果によりますと、ことし二月の建設労働者の不足率は三・九%となっておりますが、職種別の不足率は型枠工四・二%、左官三・二%、とび三・六、鉄筋工四・六と熟練工の不足が非常に高くなり、また地域的にも近畿が五・一%、四国五・四%、九州五・一%と西日本の不足率が高く、相変わらず建設技能労働者の不足が続いていることが明らかになっております。
 このような建設労働者の需給の不均衡や地域的なアンバランスに対してどのような対策を講じられているのか、御説明を願いたいと思います。
#90
○望月政府委員 先ほど大臣の御答弁にもございましたように、建設業というのが大変重要な基幹産業であり、国民生活あるいは国民経済の根幹を担う重要産業である、こういう基本認識に立った上でも、最近気になりますのは、御指摘のようないわゆる技能工等を中心とする労働力不足の問題でございます。建設労務者全体の数はかなり年々ふえている傾向にありますが、私ども事態を重視しなければならぬと思っておりますのはいわゆる専門技能工の不足問題ということになります。これにつきましては、申し上げるまでもありませんけれども、最近の民間の建築投資の非常な活況、こういったものも相まちまして、特に経過としては、東京圏等を初めといたしまして地域的に非常に厳しい状況がございましたが、最近は、今お話のように、鉄筋工、型枠工、大工等々についてかなりの深刻な数字が出てまいっております。
 これについて、基本的にはやはり建設投資もこれから安定的に確保し、これをまたしっかりと支えていくということになりますと、この技能労務者の確保というのが大変重要な課題であるということで、私どもそういった面から、さっき大臣の御答弁にもありましたように、建設業界と同時に我々もともどもいわゆる技能工の確保、養成ということについては最重点課題、こういうふうに考えて、構造改善プログラムの中で重要な柱に組み立てて取り組んでいるさなかでございます。
 と同時に、当面非常に大事なことは、やはり労働条件をより改善する等のことによりまして、若者にとって魅力のある産業としての実を着実に上げていくことであろうと思いますが、より当面の施策として、私ども基本的にこういった技能労働者について地域別に見ての、あるいは季節別に見てのいわゆる需給のミスマッチというものがやはり大変これから気になるところでございまして、少しでもミスマッチを解消し、適切に需要と供給が結びつくようにということが大事と考えておりまして、そういった意味で、主要特殊技能工について業種別に私ども地域別の需給情報というものを整理して、それをお互いに共有するというふうなシステムを平成二年度から具体的に取り組んでまいりたいと思っております。
#91
○松本(龍)委員 今枝能労働者の不足の問題、さらに需給のミスマッチという御答弁をいただきましたけれども、これの大きな要因になっているのは、公共投資の施行の平準化の問題ではないかと私は思っております。公共工事の出来高ベースで見ますと、繁忙期と閑散期の工事量が約二対一と今なっております。つまり、忙しいときには人手が足りませんし、暇なときにはいわゆる労働力の遊休化であるとか、他産業に流れるという事態が現在あると思われます。工事量の大きな波が企業の近代化や合理化を図る上でも阻害要因になっていると言っても過言ではないと思います。さらに、このような変則的な状況が恒常化をすれば、先ほどお話されましたように若者の建設業離れを助長する要因となる。さらに、年度後半に施行が集中することによって、地域住民から騒音や交通渋滞等でさまざまな声が上がっているのも事実であります。これは発注側としてもマイナス要因であると言えると思います。
 そういった中で、これらのことを考えるときに、公共工事の施行の平準化が大きな課題であります。地域住民もそうでありますし、建設業界にとってもそうでありますし、また発注官庁としてもそうだと思いますが、建設省としてどのような措置を講じられてきたのか、また今後どのような対策を考えておられるのかをお尋ねをしたいと思います。
#92
○牧野(徹)政府委員 発注の平準化、先生施行の平準化と今おっしゃられましたが、大体似たようなことになるかと思いますが、私どもも、公共事業を執行します場合に、特定の時期に過度に集中するということがないようにしたい、計画的に実施することが基本的に望ましいと考えております。そのため、毎年度予算が成立しました際に、事務次官通達で各発注者に指導するわけですが、切れ目のない執行に配慮する、あるいは工事の発注を計画的に行うことにより事業の円滑な実施に努めてくださいというふうなことを指導しておるわけでございます。ただ、現実には予算の単年度主義ということもございましょうし、その他いろいろな条件があって、先ほどもほぼ二対一とおっしゃいましたが、第一・四半期と第三・四半期の出来高ベースでいうと、おっしゃるとおりほぼ二対一ぐらいの開きがあるのも事実です。
 そこで、どうするかということでございますが、基本的には発注者の方でも先ほど言ったように計画的に出すということが基本でございますが、それ以外に、最近世の中で言われているいわゆるゼロ国債の問題がございます。実はゼロ国債は、これが当初組まれましたのは昭和五十七年度からだったと思います。いわゆるゼロ国債という手法が使われ始めたときには、総合経済対策の一環でキャッシュ、いわゆる真水は、国費はつかないけれども、発注をすることによって景気刺激をしていこうという意図で行われてきたことは事実でございます。ただ、そうした中にあって、副次的な効果といいますか、本当の意味で、ある年度の発注を計画的に前倒しすることに非常に役に立ったという経験を、私どももここのところ数回体験してきたわけでございます。
 そこで、財政当局の御意見によれば、あくまでも経済対策の一環だというお立場をおとりになっているようですが、私どもは、やはり結果的に発注の平準化に資するものであれば、これは何とか活用したいと思っておりまして、平成元年度はおきましても御承知のように過去最高の六千億の計上をしたところでございます。
 それから、これは毎年度暫定予算があってはならないというか、ルールとしてはないわけですが、二年度の暫定予算でも五十日という日にちは限られておりますが、計上された公共事業費は約四分の一ということで、私どもも、ゼロ国もそうですが、暫定予算に計上された公共事業費についても計画的に早期発注をしてなるべく平準化に資したいと努力しておるところでございます。
#93
○松本(龍)委員 いずれにしましても、この公共工事の年間均等発注の問題は、先ほども述べまして繰り返すようですけれども、建設業界の健全な発展、さらには建設業界というところは製造業はもとよりほかの多くの産業と絡んでおり、かつ地域住民の問題等も絡んでおりますので、多くの要素にリンケージしているというふうに考えております。そういう意味で建設省のこれからの御努力に期待をしたいと思っております。
 先ほど言われました構造改善推進プログラムの中にも、建設業のイメージが悪いのでII戦略、インダストリアル・アイデンティティーというものをお考えになっておるわけですが、この業界のイメージそのものは、若者にとりましては、いわゆる三キ労働とか五キ労働とか言われるようになかなか希望しない業種であるというふうに言われております。
 工業高校生にアンケートをとりましたところ、建設業を希望しない実質的な一番多い理由が、休日が少ない、労働時間が長い等のアンケート結果があるわけですけれども、このアンケートのみならず、一般的に休日の増加及び時短が時の流れでもあるというふうに考えられます。さらに一人当たりの平均実働時間も依然として建設業が一番長くなっておりますし、週休二日制の問題も全産業においては五〇%、しかしながら建設業では二〇%という状況にあります。時間短縮の問題に関しましてどのような指導をされているのか、お伺いをしたいと思います。
#94
○望月政府委員 お説のとおり、建設業の重要性と現実を考えたときに、今おっしゃったようないろいろな意味でのイメージということをめぐり、若者が夢をつなぎにくい現実があることも否定できません。また、さらに給与水準は製造業と比べてかなり近寄って年々上がってまいっておりますが、おっしゃるように勤務時間、労働時間が非常に長い、あるいは休日もとれないということなどが若者がなかなか夢をつなぎにくい要因にもなっている。こういったことは私ども率直に直視して、これから本当にどう取り組むかということが一番のポイントでございます。
 そういった中で、私どもII戦略と称する、インダストリアル・アイデンティティーという言葉で使わせていただいていますけれども、平たく言えば総合的なイメージ戦略というものを現在業界ともども精力的に展開中でございますが、はっきり言いまして、イメージというのはただイメージだけがありきではなくて、イメージを支える実が伴わなければならないということが基本であるわけです。そういった意味で、先ほど来いろいろと話題に出ていることもすべて絡むことでございます。私どもそういった基本的認識の中で、現在基本はやはり若者にとって魅力ある産業へ、この道筋を追いかけようということで、まず一つは建設現場の改善も大変重要なことであろうと考えております。それからまた、これはちょっといろいろと御意見もあるかもしれませんが、建設業をめぐりますいろいろな用語、この辺についてももっとスマートな用語にならないかというようなことも結構大事な要素としてございます。あるいはまた、マスメディア等を通じてのいろいろな訴え方などなどを工夫し、改善しなければならない当面の課題もたくさんあるわけでございまして、そういった中で今一つずつ構造改善プログラムの具体の展開として取り組ませていただいているという今日でございます。
 なお、せっかくついででございますが、私ども、そういったものの一環として、建設現場の環境改善ということをメーンテーマにしました改善事例集というものを昨年もたくさんつくりまして、これを業界の皆様方に普及徹底いたしておりますが、具体の反響というものはやはり一つずつ出てくるものでございます。そういった意味で、このイメージ戦略というのは結構大きな目標を掲げながら地味な具体の施策の積み上げである、こういった認識に立って御指摘の問題等にこたえてまいりたいと考えているところでございます。
#95
○松本(龍)委員 今の時間短縮の問題に絡むわけですけれども、労働基準法の趣旨に沿うべきでありますけれども、さらに企業そのものの自助努力も当然ではあると思います。しかしながら、工期の延長に伴う経費増等はどのような措置をお考えになっておられるのか、お伺いをしたいのであります。
#96
○玉田説明員 お答え申し上げます。
 工事の発注に当たりまして、私どもは予決令の定めによりましてあらかじめ予定価格というものを設定するわけでございます。この算定に当たりまして、適切な工期を設定する、具体的に申し上げますと、人手を確保するために必要な期間を十分見込む、それから、その間の必要な経費は予定額の中にきちんと計上する、そういう姿勢を堅持しているところでございます。
 建設業界にそのような御努力をお願いするに当たりまして、私ども発注機関といたしましても、工事の発注に際しましてそのような工期の設定あるいは予定価格の見積もり、この両面におきまして十分な配慮をしているつもりでございます。
#97
○松本(龍)委員 今お話がありましたようにこれからも十分な配慮をしていただきたいと思っております。
 先ほど経済局長言われました構造改善推進プログラムのことでありますけれども、現在建設業のイメージアップを図ろうということでII戦略等お話がありましたけれども、大変結構なことだと思うのです。すばらしいことが書かれているこのプログラムの中に元請、下請という言葉が何度も出てまいります。私自身は下請という言葉を使わずに協力業者と言っておるわけでありますけれども、職業に上も下もないというのは当然のことですし、下請という言葉にかわる適切な用語をつくるような知恵を出されてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#98
○望月政府委員 大変大事な御指摘をいただいたわけでございます。おっしゃるとおり私ども、そういった言葉、用語というものはいつまでも古いイメージを残してしまうという意味で非常に問題であるという認識を持っております。
 具体的に今の元請、下請、時によっては元下なんという言い方もしたりして大変に不愉快なんですけれども、いずれにしましても元請、下請の関係、とりあえず今ここではそういう言葉を使わせていただきますが、これについては昭和五十三年に元請下請関係合理化指導要綱というのをつくってその関係の合理化に今努めているわけでございますが、現在私ども、これを全面的に見直そうという作業中でございます。その際に今おっしゃった点、我々も非常に重い問題として受けとめておりまして、言葉は最終的にどういうふうに整理するかまだ議論がありますが、例えば総合建設業者、専門工事業者にするかとか議論はいたしておりますが、ともあれ今御指摘いただいたようなことも頭に置いて、指導要綱の精神も含めての全面的な見直しに今取り組ませていただいているというところでございます。
#99
○松本(龍)委員 きのうの大臣所信の中には総合工事業者、専門工事業者という言葉が使われていたと思います。このいわゆるインダストリアル・アイデンティティー、イメージ戦略が、いわゆる用語の問題としてではなく、内実の伴った問題としてこれから御努力をいただきたいというふうにお願いを申し上げて、このことに関しては終わりたいと思います。
 次に、男女雇用機会均等法が施行されて以来、女性の社会進出ということが言われておりますけれども、男の職場と言われた建設現場にも今女性がふえてきているということがあります。建設労働者の人手不足を補う戦力の決め手とも言われておりますけれども、今この状況ほどのようになっているか。さらに、労働力が不足であるからということだけではないということも私も十分承知をいたしておりますけれども、建設省としては、この変化といいますか、このような状況にどのような改善をされているか、また助成措置を考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#100
○望月政府委員 従来、ともすると建設業というイメージは男性の仕事というか、女性は入りにくい職場というのが一般的な定着したイメージかと思います。そういった中で今日に至っておるわけでございますが、一言で言って、他産業に比べて女性の参入状況は相対的に低いことは否めません。ただ最近は設計などの技術職あるいは鉄筋工、建設機械のオペレーター、こういった分野にも一部技能者として女性の進出が見られるところでございます。私ども、この実数を実は今つかみ切っておりませんけれども、傾向としてこれがふえる傾向にあるということは非常に結構なことだ、大変期待の持てる話だというふうに受けとめさせていただいております。
 なお、ついででございますが、先般も労働組合の方々が従業者の意識調査をやったその結果を見ましても、絶対数、人数の面では男性に比べて非常に少ないですから単純な比較はできませんけれども、結構建設業について情熱を感じ魅力を覚えるという方々の比率が高うございまして、場合によっては男性よりも高いという数値も出たりしているのを見た記憶がございます。いずれにしましても私ども、建設業におきます女性雇用、女性の進出ということは大変に今後着目すべき分野であると思っております。
 ただその際に、作業環境だとか労働形態ということが当然十分考えられなければなりません。また、分野によってはなかなか困難を伴う分野もあるわけでございますが、いずれにしましても私ども、建設業のイメージアップあるいは建設現場の環境改善あるいは人材の有効活用、こういったトータルの観点から女性の進出について歓迎をする姿勢で取り組ましていただきたいし、業界においてもまたそういう面で御努力をされている、こういうふうに理解をいたしているところでございます。
#101
○松本(龍)委員 いずれにしましても、労働力が不足をしているから女性を使うということではなく、質の向上並びに現場の改善、いろいろな問題がこれから多くなってくると思いますので、その辺の御努力をお願いをしたいと思っております。
 昨今、外壁の崩落事故、落下事故をよく新聞等で聞きますけれども、この外壁の落下事故の原因調査は非常におくれているということがあると思います。さらに、雨とか温度差とか排ガス等の化学的な側面もありましょうし、この原因としては施工業者の手抜きもあったということもあると思います。さらに、構造物そのものが寿命が来ているということもあると思います。
 その原因究明は、化学的な側面また人為的な側面、いろいろな側面から建設省としても鋭意努力をされていると思うわけでありますけれども、このことにつきましては、いわゆる形があるものは必ず壊れるのだ、いわゆる文明のッヶが回ってくるということで、予測のつかないことも非常に多いと思うわけでありますけれども、こういうことに関しまして総合的に労災の問題等で今御検討されているか、そして今落下事故に対してどういう措置をとられているかについてお伺いしたいと思います。
#102
○伊藤(茂)政府委員 お答えします。
 一般の落下事故ということでお話しございましたが、実は御承知のとおり昨年の十一月に北九州市で公団の賃貸住宅の外壁落下事故がございました。大変大きな事故で私ども遺憾に存じておる次第でございます。
 これを契機にしまして、公団の方でこの貴重な非常に甚大な犠牲を払いながらの経験でございましたものですから、中身その原因を十分に研究しようということで日本建築センターの方に委託をしまして、専門家を集めてその原因究明をやってまいりました。実は一昨日、十六日の夜、この調査報告を発表いたしました。この中では、一般的な外壁の剥離現象といいましょうか、そういうものについてどういうものが原因になるかというようなことも出ておりますので、御参考までに申し上げたいと存じますが、初期におきます工事段階での接着力の不足というのが一般的には原因として考えられるだろう。それから、経年変化によります接着力の低下。今先生おっしゃいましたように形のあるものは必ず劣化してくるわけでございますが、そういう問題。それから三番目としまして、一番外側の仕上げ層が伸縮するということで、これは太陽の光線に照らされたりなどしながら、あるいは風に吹かれたり、先ほど申されたいろいろな空気とか水とかそういう問題でございますが、そういうことで剥離現象を起こしてくる、こういう三つの原因があるのではないか。
 この三つの要因を起こしますもとの原因としては、タイルの品質でございますとか、下地モルタルの品質でございますとか、シーラーの施工状況でありますとか、伸縮目地のあるなしでありますとか、それから空気とか雨水とかそういったものに対する環境条件、工場とかそういうものが非常に多くて空気を汚染しているとかそういう問題もあろうかと思いますし、海に近いとかそういう問題もあろうかと思いますが、そういういろいろなものが考えられるということでございます。
 公団の昨年十一月の事故の原因としては、今のは一般的な話でございますけれども、こういうものが複合して、いろいろと重複して影響し合い、結果としてモルタルの付着力を低下させたということではないかというふうな結論をいただいているところでございます。
 一般的にこれに対する対応でございますが、私どもは、建築基準法行政をやる中で定期報告というのを徴しております。これは各都道府県特定行政庁が主として特殊建築物を対象にしておりますけれども、どういうタイミングで報告をとるか、あるいはどういう項目について調査をするかというようなことをそれぞれ決めておりまして報告をとっております。そしてその中で、建物の所有者、施設の管理者が自分の建築物を十分に維持管理をしていくということを常日ごろ身につけさせるあるいは対応させるということを指導しているわけでございます。
 昨年十一月のこの事故を契機としまして、これにつけ加えましてさらに緊急の調査をしようということで、十一月二十九日に全国の特定行政庁に通達を出しまして、容積率が四〇〇%以上の高層の建築物のある地域あるいは地震の際の避難経路沿いの三階以上の建物、それから竣工後おおむね十年以上経過したものというようなことを重点的に安全点検をいたしました。北九州市の場合には全部の学校についてこれをやったようでございます。
 私ども、こういういろいろな貴重な経験を踏まえまして、現在省内で外壁タイル等落下物対策専門委員会というのを設置しております。今回の公団のこの研究調査結果をも踏まえまして外壁タイル等の設計施工、診断、改修の方法、診断の実施体制等について現在検討をいただいております。したがいまして、今回のこれらの報告ももとにしまして、早急に設計施工、診断の指針を策定して、適切な設計施工及び定期的な診断の徹底ということをさらに一層図っていきたいと考えております。
#103
○松本(龍)委員 いわゆる原因究明につきましては当局に本当に早急に御努力をいただきたいと思うわけでありますけれども、これにつきましては、人類にとりまして大きな問題である、日本人にとりまして大きな問題であるというふうに私は認識をいたしております。これからの日本を担っていく子供たちのために、小学校、中学校、高校等の構造物の点検を鋭意御努力をされるようにお願いを申し上げたいと思います。
 以上で質問は終わらせていただきますけれども、建設というものはやはり日本の基幹産業でありますし、根幹にかかわってくる問題であるというふうに認識をいたしております。これから私自身も皆さん方と一緒に勉強いたしますし、今申し上げました中での皆さん方のこれからの御努力をお願いを申し上げます。
 最後になりましたけれども、佐藤国土庁長官はおととい白内障の手術をされたそうでありまして、きのうそれを押されて所信表明をされました。敬意を表しますとともに、一日も早い御快癒をお祈りをいたしまして、質問にかえさせていただきます。
 終わります。
#104
○中島委員長 鈴木喜久子君。
#105
○鈴木(喜)委員 鈴木です。初めて建設委員会で質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 私は、首都高速道路中央環状新宿線の工事についていろいろと伺っていきたいと思います。
 この中央環状新宿線というのは、上が今、山手通りという、都心の本当に真ん中を走っております東京湾をめぐっての大きな広い山手通りという通りの地下を、ここのところ建設省が地下の利用ということを盛んにおっしゃっているその地下でございますけれども、地下にトンネル式の道路を通すということでございまして、本年度の建設省の予算の中には、この中央環状新宿線に続く中央環状品川線というところまでずっとその計画が伸びているように聞いております。
 このトンネルの道路というものを、人口、非常に細かい住宅が密集していて、また商店街があり閑静な住宅街があるそういうところをずっと通しますこの道路というものにつきましては、単にその地域だけの問題ではなく、都心に通る大きな通りということで非常に問題を抱えていると思います。
 それで、この問題を今ここで御質問していくつもりでございますけれども、何分にも大変多岐にわたり、長い道路の中のいろいろな問題がございますので、今回はその中の幾つかの論点に絞ってお聞きしていきたいというふうに思っております。
 そのトンネル式の通りの上に山手通り、現在二十メートル余りの通りがあるのですが、それを四十メートルに拡幅するという計画と、それから、そのトンネルの下にこれは都営の地下鉄の工事、これが入りまして地下鉄十二号線というのが通るということで、地域によりましては三層の交通機関の交通網ができ上がるという、そういうところでございます。今までのいろいろな事故の問題なども住民の心の中にはございますから、大変な不安を持っているところでございますので、この点いろいろと伺っていきたいと思います。
 まず初めに予定の工期について伺いたいのですが、首都高速道路公団の方から伺いますと、これは当初平成七年に完成の予定だということであったものですけれども、現在どのくらいで完成予定だと思っておられるのか。そして地下鉄の工事は運輸省と伺っておりますが、十二号線の完成予定というのはいつごろなのか、あわせてお聞きしたいと思います。
#106
○佐藤参考人 現在供用しております首都高速道路の中で、特に都心環状線に交通が集中いたしまして、その都心環状線に入るところを頭としての渋滞が日常的に問題になっているわけでございます。その過度の集中交通を分散させるために、ただいま御指摘の中央環状線の整備を私ども重要な施策として進めているところでございまして、現在その西側部分につきましては一部既にでき上がり、供用を開始しているところでございます。
 御指摘の中央環状新宿線、これは豊島区から目黒区に至る約八・七キロの、御指摘のとおり環状六号線の下を地下で通る計画になってございます。
 現在の手続の状況を申し上げますと、都市計画決定に係る手続につきましては既に都市計画の原案を地元説明会を行いまして、その後計画案の公告、縦覧の後、これに係りましての地元説明会を終わっている段階にございます。今後は各地元の区の意見を聞き、また都の都市計画審議会を開催することになろうかと思っております。
 一方、これに関連いたしまして進められております環境影響評価に係る手続につきましては、環境影響評価書案の公示を皮切りにいたしまして公聴会を先般開かせていただき、それによります意見に対しての見解書を作成しているところでございまして、この地元説明会を終えまして地元の区の意見をいただいている段階でございます。今後は都の環境影響評価審議会の議を経まして最終的な環境影響評価書を作成し、これが東京都の都市計画審議会に送付されるものと思っております。
 ただ、この都市計画決定の時期につきましてはまだ確定しておりませんけれども、中央環状新宿線の事業を担当しております私どもといたしましては、都市計画決定後速やかに所定の手続をとりまして事業に着手いたしたいと思っております。そのときの工事完成の目標といたしましては、一応平成七年度を目標としているところでございます。
 以上でございます。
#107
○山田説明員 お答えいたします。
 都営地下鉄十二号線は、光が丘から練馬、新宿を経由いたしまして都心部で環状を形成いたしまして西新宿に戻ってくる路線でございます。今回お尋ねの区間は、そのうち練馬から新宿までの区間でございまして、既に鉄道事業法によります工事施行認可をおろしておるところでございまして、その際に付しております完成期限は平成七年三月三十一日でございます。
#108
○鈴木(喜)委員 地下鉄の工事というのが地下の一番下、深いところを通ることになると思うのですけれども、この地下鉄の工事が終わった後に中央環状の工事をするというような形で工事をしていくのでしょうか。
#109
○佐藤参考人 御指摘のように、中央環状新宿線につきましては、目黒区青葉台から豊島区南長崎区間の延長八・七キロございますけれども、そのうち地下鉄十二号線と併設する区間の延長は約三・三キロメーターございます。このうち施工上、高速道路と地下鉄とを一体的に建設しなければならない区間というものは、駅舎部三カ所でございます。合計延長八百メーターと非常に短いわけでございます。この区間につきましては地下鉄と同時に完成することが可能と思っております。そういったところで工事的に競合するようなところは同時に工事を進めてまいりたいと思っているところでございます。
#110
○鈴木(喜)委員 先ほど建設省の方から、完成予定のときに一応建設計画の手順について御説明がありましたので、これはもう二度お聞きすることはないと思うのですが、建設大臣の認可というものがこの都市計画審議会から上がってきたものについてなされるわけですけれども、建設省の方に伺いますが、これのところではいつごろということは全然まだわかっていられないことでございましょうか。
#111
○真嶋政府委員 お答えいたします。
 現在東京都で準備中でございまして、私どもの方にいつというところまでまだ承知をいたしておりません。
#112
○鈴木(喜)委員 これは建設省にお聞きすることになるのかそれとも公団かよくわかりませんが、ここで住民の意見というものが環境の問題それから工事の問題その他に対して入れられる過程というのは今審査意見書が出てくるここまでの段階で、後は住民の意見というものは入ることができないような手続になっているのでしょうか。
#113
○佐藤参考人 環境に関します御意見につきましては現在アセスメントの手続を進めている段階でございまして、その中に十分組み込まれるのではないかと思いますけれども、そのほかに御心配になっていただいておりますのは工事中のことじゃないかと思っております。私どもといたしましても、現在供用しております環状六号線の下を交通を通しながら工事を進める、しかもその工事も非常に大規模で慎重を要する工事でございます。もちろん周辺の市街地での日常生活への影響も考慮しなければなりません。そういったことを考えた上で、実際に工事に着手いたす前には工事着工説明会というのを各地区ごとにいたしまして、皆さん方の御理解を得たいと思っているところでございます。
#114
○鈴木(喜)委員 そこのところはわかりました。これからも住民の方の意見というものはいろいろとそこで取り入れていただかなければならないと思います。住民との間の折衝ということになりますと非常にきめ細かい折衝が望まれるわけでございまして、いろいろな質問また要求、そういうものに対する対応というものを、随分住民の方からもたくさん要求が出ると思います、これに十分に対応していくためには、やはり公団側の折衝に当たる人員もたくさんふやしていただかないと、それなりのきめ細かい対応というものができていかないことになって、しかも公団側で末端で働く人々の過重な負担というものが出てくる、そしてそこで住民との要らないあつれきというものが出てくるおそれもあると思いますので、この点も十分に人員の配備等御配慮いただきたいと思います。
 次の問題に参ります。 続きますけれども、この工事の安全性ということについては、大変ここのところ心配な事態が起こっております。本年一月の御徒町の陥没事故に続いて、今度は東葉鉄道のトンネルの手抜き工事。この問題が起こります以前に、これは昨年になりますか、やはり上野の陥没の工事のときに、そこで手抜きのために工事をしている方が死亡なさった、こういう事件がございます。この三件の事件ですね。上野の陥没事故と、今回の御徒町の陥没事故、そして東葉鉄道習志野トンネルの手抜き。ここにいつも出てまいります名前というのが同様の建設業者の大手であります熊谷組という名前が出てくるわけです。新聞を見て、またかというふうに私などは思いました。
 そして、こういうことに関して現在まで建設省の方でされている制裁措置というのは、指名入札の停止二カ月というふうに聞いておりますけれども、これについてこれから先原因の究明がいろいろなされると思います。そのための調査委員会みたいなものもつくられているかどうかということと、そしてここで事実の調査がはっきりした暁に、この熊谷組に対してもっと厳しい制裁というものを考えておられるか、業務停止にまで至るような厳しい制裁というものをお考えでいらっしゃるかどうか、この点はこれからの、今度のトンネル工事に関しましても非常に重大な問題でございますので、建設省に伺いたいと思います。
#115
○玉田説明員 お答え申し上げます。
 建設省におきまして私ども、薬液注入工事を実施する場合等におきましては特にその施工に当たりまして慎重な配慮をするということが主眼でございまして、既に、市街地では仕事をする場合におきましては、昭和三十九年にさかのぼりますが、市街地土木工事公衆災害防止対策要綱、ちょっと長たらしくて恐縮でございますが、そういったものを決めてございまして、これによりまして仕事を始める前には土質調査であるとか地下埋設物調査等の方法、それから設計施工に当たりまして、実際に設計をして仕事を始めるということにつきまして注意事項をきちんと定めてございます。それから薬液注入工法につきましては、その建設工事の施工に関します指針も既に昭和四十九年に定めてございまして、私どもはこれに基づきまして請負業者に対しましてもこれの遵守、守っていただくということを徹底してきたつもりでございます。
 ところで、今回このような事態があったわけでございますが、ここであえて申し上げさせていただきたいと存じますのは、薬液を注入する工法というのはかなり古い歴史がありまして約三十年間の歴史があるのでございます。技術的にはかなり確立され、安全な工法ということが確立しているのでございます。
 今回なぜこのような事態が生じたかということを私どもも大変残念に思いますが、要は新聞その他私どもこれまで得られている情報では、要するに手抜きと申しまして、いわば技術的事項以前の問題が発生しているというふうに伺っているわけでございます。この点につきまして私ども建設省といたしましても、薬液注入工事におきます手抜き工事防止の観点から、工事中の施工管理に関しまして特に検討をしていただくために日本薬液注入協会に対しまして、協会のみならず有識者の御意見もいただいて検討会を開いてもらいたいということをしているところでございます。
    〔委員長退席、笹川委員長代理着席〕
#116
○鈴木(喜)委員 それは前にも伺いまして、午前中にも伺ったお答えでございますので、その点はよく承知しているところでございます。今は責任の問題について一体どういうふうな処置を考えておられるか、新しく正しい事実というものがわかったときにどうされるかということを伺ったわけでございまして、今の説明はそれの答えには全くなっていないと思います。
 私さっきちょっと読み違いまして、ごめんなさい。一つは、死亡事故の起こりましたのは川崎市の野川健康センターというところの工事の場合の事故でございます。上野それから川崎そして今度の東葉ということで三つでございますので、訂正させていただきます。
 そして、今のはお答えになっていない。今何も私はそんな注入云々の工事の安全性について伺ったわけではございませんので、もう一度だけ伺います。一言で結構でございます。
#117
○望月政府委員 具体の会社に関する具体の事案に即しての御質問でございます。
 私どもといたしましては現在、今お話ありましたそれぞれの事故について関係の方面で、あるいはまた物によっては警察当局あるいは労働省当局においてしっかりと今調査されているさなかでございますので、私どもとしましてはこれらの調査の進展状況を見ながら、あるいはその結果を踏まえて、建設業法に照らして必要な対応をしてまいりたいと考えております。
#118
○鈴木(喜)委員 ここでは本当に厳正に臨んでいただきたいということをまずお願い申し上げます。そうしなければ、これから先のこうした手抜き工事というのはいつまでたってもなくならないということであります。よろしくお願いします。
 そしてまた、今回のこの事件の私の質問の趣旨の方に戻りますけれども、先ほどの御説明で、手抜きを防ぐ手だてはどうかという一般的なことについてはもう伺いました。今度はこの工事についてでございますけれども、何か具体的にこの工事について、こうしたトンネル工事というものについての手抜きを防ぐ方策みたいなものをお考えでありましたらば伺いたい。まだそこまでいっていないということであれば長いお答えは必要ありませんので、よろしくお願いいたします。
#119
○佐藤参考人 お答えします。
 私どもの地下高速道路の建設につきましては、現在考えておりますのは、地上をオープンで掘りまして地中連続壁をつくりまして施工する方法でございまして、これは全国的にも相当広く利用されておりまして、安全性が確保されている工法でございます。ただし、一部、わずかの区間シールド工法で行うところがございますけれども、この工法につきましても、密閉式シールド工法といいまして非常に安全性の高い工法でございます。
 ただし、私どもといたしましては工事の安全性を確保するということ、それから設計上等の問題もございますので、公団の中で、中央環状新宿線をシールドで工事する区間につきましてをモデルといたしまして、学識経験者等の方の協力を得ながら検討し、安全を尽くしていきたいと思っているところでございます。
#120
○鈴木(喜)委員 今のでは手抜きをどうするかという御方策については伺えませんでしたけれども、この点をこれからの住民との話し合いの中でも十分に御検討いただいて、御回答いただいて、住民の不安を取り除いていただくようにしていただきたいと思います。
 それでは次に移ります。この工事の中のところで中落合という場所がございます。そこに今、当初の計画では路外の大きな換気所ができるという計画であったというふうに聞いております。これがいろいろな工事の住民との間の交渉の経過において、路内、すなわち四十メートルに広がる山手通りの真ん中のあたりのところにずっと換気塔をつくるという計画に変わったというふうに住民側は理解をしておりますけれども、この点はそれでよろしいのでしょうか。
#121
○佐藤参考人 中央環状新宿線の換気所につきましては、その換気の能力とか排気ダクトの断面の制約等から、適切な間隔で計画し設置する必要があると思っておりまして、全体計画の中で検討しました結果、御指摘のように新宿区の中落合付近に一カ所設置することが不可欠となったわけでございます。
 この設置位置につきましては、構造検討の結果、路内に設けることがどうしてもできませんので、また沿道には必要な広さの公共用地もございませんので、将来の構想路線やまた当該地域の状況等も総合的に判断した結果、現在の路外に設置するということで、現在地元の方にお伝えしているところでございます。
 この路外換気所を路内にしていただけないかという地元の御要望につきましては、私どもは承知してございます。ただ、路内換気所とするためには、そこをちょうど通ります私どもの中央環状新宿線の構造等からいきまして相当大規模な工事になりまして、さらに技術的な問題を解決する必要があるということを御理解願いたいと思います。
 以上でございます。
#122
○鈴木(喜)委員 そうしますと、大分約束と違ったということで住民の怒りはまたここで増すと思いますが、約五十世帯、住んでいる人口が百三十五人くらいの、この四千五百平方メートルにわたって今まで平穏に住んでいた、本当に環境のいい住宅地の部分がそれに削り取られる、そういう重大なことでございますので、この点はもう一度ここでは再考していただきたいということをお願いしておきます。あとはその住民と当局との話し合いということになると思いますが、安易な形で路外だ路内だというふうな迷わせ方をしていただきたくはないし、そういう約束を末端でされたというふうに住民側は理解しておりますので、その点よく意思の疎通というものを図っていただきたいというふうに思います。
 次に行きます。大気汚染の問題に行きますが、環境庁にお伺いいたします。
 都市計画の手続中で、環境影響評価書というものが環境庁の方に対しても送られるというふうに聞いております。そして、それから建設大臣がこれを認可するという手続の中で、環境庁はどのような役割を果たされるのでしょうか。
#123
○橋本説明員 国におきましては、国が関与する大規模な事業に係る統一ルールといたしまして、昭和五十九年の八月に「環境影響評価の実施について」、いわゆる環境影響評価実施要綱でございますが、これの閣議決定をしたところでございます。
 で、中央環状新宿線につきましては、先ほどもお話ございましたけれども、現在都市計画の手続とあわせまして、閣議決定の環境影響評価実施要綱及び東京都環境影響評価条例に基づきまして環境影響評価が実施されているところでございます。したがいまして、現時点におきまして環境庁は本件につきましては直接関与しておりません。
 なお、閣議決定の環境影響評価実施要綱によりますと、今後東京都が環境影響評価書を作成いたしまして、本事業の認可権を有する建設大臣の方にこれを提出する、その後に建設大臣は環境庁長官に環境影響評価書を送付するということになるわけでございます。その際に建設大臣が環境庁長官の意見を求めることとなるかどうかということにつきましては、環境庁といたしましては承知しておらないということでございます。
#124
○鈴木(喜)委員 ここで建設大臣に伺いたいんですが、今の手続の中で、こういった道路の環境それから安全というものにも非常に影響の大きい都心の大道路というものをつくるこの工事については、どうしてもここで、環境庁に対してこの環境はどうかということについて意見を求める必要があると私思うんですが、いかがでしょうか。
#125
○真嶋政府委員 事務手続について御説明さしていただきます。
 都市計画の決定を行うに際して行います環境影響評価についてでございますが、都市計画法第十八条第三項に基づきまして、建設大臣に対しまして都市計画の認可申請を東京都はいたしますが、そのときに環境影響評価書も添付するということになっております。それを私どもは、その環境影響評価書を環境庁長官に送付するということにいたしております。そして、そのプロジェクトが規模が大きく、その実施により環境に及ぼす影響について特に配慮する必要があると認められる事項があるときにつきましては、環境庁長官に意見を求めるということといたしております。
 御質問の中央環状新宿線、目黒区青葉台―豊島区南長崎間の都市計画決定につきましては、先ほど申し上げましたように手続中でございます。建設大臣に対して、いずれ環境影響評価書を添付した都市計画決定の認可申請が上がってくることになろうと思います。
 そこで、それについてどう扱うんだということが御質問の趣旨でございますが、私どもといたしましては、上がってきました環境影響評価書の内容を審査してそのとき判断したいということで、現在はそれについてどうしようという明確な答弁をする段階ではございません。
#126
○鈴木(喜)委員 それを見ていただいてから評価なさるということでございますけれども、形式的にはそうなると思います。でも、ここで大臣、それから建設省の方にお願いしておきます。
 本当にこれはこれから都内に人間が住めるかどうかということにもかかわるほどの大きな問題でございます。聞くところによりますと、環境庁に建設大臣の方からこうした意味での意見というものを求めたことは、東京湾の横断道路ですか、あのときに求められたと聞いております。環境の問題としては今回もこれに類するというか、まさるほどの大きな問題になると思います。どうぞ、この場合にそれを御勘案いただいて、何とかこの問題についても環境庁の意見を求められるよう、ここでも強くお願いを申し上げます。
 次に移らせていただきます。
 一般論で結構ですが、環境庁の方に伺いたいのです。今回の場合ということにしますとまだ上がっていないということになりますので、ごく一般的な話になると思いますけれども、建設省の方からこういう意見を求められたような場合には一般的にどういうふうなことを重点として意見を述べられるのか。具体的な方策も、こうしたらいいというようなことも一緒に回答されるのかどうか、伺いたいと思います。
#127
○橋本説明員 このようなプロジェクトで環境庁長官が意見を求められました場合には、自然環境の保全であるとか公害の防止という観点から詳細に検討いたしまして、所要の意見を申し上げるということになろうかと思います。
#128
○鈴木(喜)委員 そこで、現在既にこの上には山手通りという大きな自動車の道路が通っているわけです。そして、そこの大気の汚染は、環境庁が以前に立てられました基準というものを既に現在でも上回っている形になっているような劣悪な大気の条件が出ているところでございます。そこへまたもう一つこういう道路が来るというときに、それを全部合わせた形で悪くなる。今度の中央環状新宿線から出るいろいろな有害な物質だけを基準にされるのではなくて、もともとある環境を一緒にして御勘案されるのかどうか、伺いたいと思います。
#129
○橋本説明員 御指摘のように、もともとの環境も勘案いたしまして評価いたします。
#130
○鈴木(喜)委員 もう一点だけ環境庁の方に伺いたいのですが、その場合に、環境庁から、これは大変な問題であるということで、大気汚染が非常に激しくなる、だから何とかしなさいという意見があった場合に、建設省としてはそれに従ってそのような方策を立てると理解してよろしいのでしょうか。
#131
○三谷政府委員 お答えいたします。
 仮定の問題でございますので、どういうふうな手続がこれから行われるかは上がってきてからの話でございますので……(鈴木(喜)委員「仮定でなくて、一般論で結構でございますので」と呼ぶ)もちろん環境庁の意見は十分配慮することになると思います。
#132
○鈴木(喜)委員 今のお答えのとおりだと私は信じておりますので、十分に配慮してこれを行っていただきたい。よろしくお願いします。
 私、建設委員会というもので初めて予算の説明を部会で受けたわけでございますけれども、その際にも、環境というものに対する建設省のお考えが余りにもなさ過ぎるのではないか。人間の生きているところに道が通るわけでございますから、建設といって道路をつくるだけじゃなくて、私つくる人、環境庁は大気を見る人ではなくて、そこの道端で生きている人間たち、その周りに対するつくる際の配慮、生きている人間のための道路だという御配慮を建設省の中でぜひともいただきたいと思った次第でございます。余りにもないという感想を持ちましたので、ここで一言お願いを申し上げておきます。
 これからもう一つ二つ伺っていきたいと思います。
 東京都が、排気ガスについての換気口から窒素化合物を取り除いて、煙突のところからきれいな空気を送り出そうという装置、トンネル内または換気塔から出るものについての除去装置というものの開発を既に始めたという記事が、割と最近の新聞に出ておりました。四月十三日付の朝日新聞に出ている記事でございます。こういった換気口につける除去装置の開発は、今回のこの道路についてお考えでいらっしゃいましょうか。
#133
○佐藤参考人 御指摘のようないわゆる窒素酸化物が特に問題になろうと思いますけれども「これについては、現時点におきましては工場等の排煙等のように、高温でかつ非常に濃度の高いものにつきましてはその浄化技術が確立されて既に実用化されているところでございますけれども、御指摘のようにトンネル内の自動車の排出ガスというのは、工場の排煙等に比較しますと非常に濃度の低いものでございまして、しかも常温でございます。それを浄化するための技術といたしましては非常に多くの困難な問題があると思っておりまして、現時点におきましてはまだ実用化の段階には至っていないと認識しております。しかし一方では、先ほども御指摘ございましたように、東京都の方では前向きにそれを検討すると伺っております。
 私ども公団といたしましても、技術の可能性についての研究の促進がますます重要であるということから、関係機関と協力いたしまして積極的にこの問題については取り組みたいと思っているところでございます。
#134
○鈴木(喜)委員 ちょっと具体的でないのですが、積極的に取り組むというのは、今回の中央環状新宿線の排気塔に関しても積極的に前向きに取り組んで、御検討いただけるということでしょうか。
#135
○佐藤参考人 私は首都高速道路公団の理事でございまして、中央環状新宿線の建設を担当してございますので、もちろんそういった意味でお答えしているところでございます。
#136
○鈴木(喜)委員 このトンネル内から出る空気というものには、もともとそのトンネル内のことと、それから住民の環境をよくするかどうかということの二つの意味合いがあると思います。
 トンネル内の空気をよくするということは、運転者の健康上の問題、空気が悪くて気持ち悪くなったり眠気を催したりすることのあるような空気では困るということで、トンネル内自体の浄化という問題と、いろいろな窒素化合物を自動車自身が吐き出してそれを一点に集中して集めて、それを排気口から出すときの問題と、二つの問題は一体ではありますけれども、ちょっと違った面があるように考えているわけです。そして、その排気口から出すという問題については、今さっきのようにこれから前向きに検討していただくという一つのお答えをいただいたわけですけれども、トンネル内のことに関しては、新鮮な空気を入れて希釈していくというような方法以外に何か考えておられること、ありますでしょうか。
#137
○佐藤参考人 トンネル内の換気につきましては、従来より実施してございますけれども、煙霧透過測定、これはトンネル内の排気ガスの濃度がどの程度になっているかというのを光学的に測定する装置でございます。これはもちろん自動的に測定いたしますけれども、そういった煙霧透過測定装置及び一酸化炭素濃度測定装置を設けておりまして、常時観測してございます。
 その測定結果、測定値が基準値以下になるように、これも自動的に換気運転が行われるように操作しているところでございまして、この操作によりまして一酸化炭素濃度が基準を下回りますと自動的に、もう濃度的に決まってございますので、二酸化窒素等の物質につきましても十分下回ることになるわけでございまして、そういったことから運転者等におきましての影響も少ないと思っております。
#138
○鈴木(喜)委員 中の道路に関しては、トンネル内に関しては今のような形で希釈していただく、そして出てきたものについては、前向きな検討とは言いながら、なかなかこれが実現になるかどうかわかりませんので、この点をもう一度確認をさせていただきたいと思うのですけれども、換気塔というものについては非常な高さを持っているものなんでしょうか。どのくらいの高さ、あるのでしょうか。
#139
○佐藤参考人 私ども中央環状新宿線で計画しておりますのは、路面から四十五メーターでございます。
#140
○鈴木(喜)委員 路面から四十五メートルといいますと、非常に高いものです。普通の工場の煙突よりももっとずっと高いものとして、私たち感覚として見ると思うのです。
 これは環境庁の方に伺いますけれども、三大都市では指定がありまして、工場等におきましては排ガスについての規制ということの中で総量規制ということがなされているというふうに伺っておりますが、ちょっとその点について説明していただきたいと思います。
#141
○濱中説明員 お答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、大気汚染防止法に基づきまして、私ども、通常は工場、事業場に設置されておりますばい煙発生施設に対して排出基準というものを設けまして規制を行っているわけでございますけれども、そのような方法によっては大気汚染から人間の健康を守るためにつくりました環境基準を確保できない場合には、総量規制という方法をとりまして、一定規模以上の工場に対しましてそこから出てまいります排出ガスの総量を規制するという方式をとっているわけでございます。
 現在、硫黄酸化物及び窒素酸化物の二つの物質について総量規制を実施しているところでございまして、現在先生御指摘の東京地域につきましては、両物質とも総量規制を行っているところでございます。
#142
○鈴木(喜)委員 これは、今回の中央環状新宿線のようなトンネルの排気塔というところにもこの総量規制というものは働くというふうにお考えでしょうか。
#143
○濱中説明員 ただいま御指摘のトンネルの換気塔についてでございますが、現在の大気汚染防止法に基づきます総量規制におきましては、いわゆるばい煙発生施設というものが工場、事業場に設置をされております、そういうものから出てまいりますばい煙の排出の総量を抑える、規制する、こういう方式でございます。
 ところで、そうなりますと、その御指摘のトンネル換気塔がばい煙発生施設となるかどうかという点でございますけれども、これは大気汚染防止法の第二条第二項に規定がございまして、ばい煙発生施設とは何かということを書いてあるわけでありますけれども、読ませていただきますと、「工場又は事業場に設置される施設でばい煙を発生し、及び排出するもののうち、その施設から排出されるばい煙が大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。」というふうにしておるところでございます。
 したがいまして、トンネル換気塔につきましてはその施設自体がばい煙を発生しているわけではございませんので、この点だけから考えましても、ばい煙発生施設には当たらないものであると考えております。したがいまして、こういうものは現在の法体系のもとでは総量規制の規制の対象にはならないと考えております。
#144
○鈴木(喜)委員 ただいまのお話だと、ばい煙を発生し、そして排出するものでなければならない。そうすると、排気塔自身はばい煙を発生するものではないからというような、煙突自体はばい煙を発生するものではないからということなんですけれども、もともとの自動車が発生したばい煙を全部一カ所に集めてそこからもくもくと煙突と同様に出すものなんですから、そこのところではこれを何とか広げて解釈することができないかと思います。
 またもう一つは、法改正ということでそこに一言つけ加えればいいのですが、そうしないでも現行の法律の中で工場と同様に、別に動くものではない、一つの煙突というものから出てくるんだ、発生源としては自動車であったところで、出すところでは同じである、たとえどんな煙突であってもその煙突そのものからそういう有害な物質が発生するわけではなくて、その根元の方にある何かほかの機械から発生するものであると思いますので、この点を幅広く考えていただくわけにはいかないであろうかということをお願いしておきます。
 それで、もう一つ伺います。
 この工事の計画の中で、中落合のところにまた関係があるのですけれども、もう一つの高速で、高速十号線というものの計画について公団の方から伺いたいと思うのですが、その高速十号線という計画は、どのような形で今進行しておりますのでしょうか。
#145
○佐藤参考人 高速十号線は、東京都西部地域のネットワークの強化を図りますとともに、関越方面と首都高速道路とを連絡し、またひいては練馬区内のいわゆる谷原交差点の交通混雑の緩和を図るという重要な目的を持ったルートでございまして、このルートにつきましては六十一年十二月の首都圏整備計画の中で定められている路線でございまして、私どもといたしましても非常に重要な路線と認識しておりますが、現在そのルートとか構造につきましては検討中の、いわゆる構想段階の道路でございまして、着工時期並びに完成予定については現時点ではまだ未定でございます。
#146
○鈴木(喜)委員 中落合のちょうどその路外換気所云々の問題のある場所のところなのですが、そこに換気口というものが、通常の道路のときの換気口の倍以上の大きなものが予定されていることになっている。これはその高速十号線を意識して、将来そこにつなぐというつもりでそういうふうな大きな換気口をつくられたのではないのですか。
#147
○佐藤参考人 首都高速道路網におきましての御指摘の十号線の交通の都心側での受け入れに関しましては、私どもといたしましては中央環状新宿線が適当であると考えているところでございます。
 その接続位置につきましては、首都高速道路網全体のネットワークの構成上妥当な位置であるということ、それからほかの構造物との関係並びに中央環状線として必要なインターチェンジとか出入路、いわゆるランプ、そういったものを一応勘案しながら、しかももう一方ではできるだけ民地への影響も最小にするという箇所を選びまして選定したところでございまして、私どもは御指摘の中落合の位置が適当であると考えまして、中央環状新宿線の計画にその可能性を残したものでございます。
 現在は構想でございますけれども、構造的に申し上げましても、この中央環状新宿線は地下のトンネル工事でございます。やはりそこに新たに将来あるルートが取りつく場合には、その改築というのは資金的にも工期的にも技術的にも非常に困難を伴うということがございますので、できるだけそういった構想にもそごを来さないようにというようなことで、私どもとしては、一応構想段階ではございますけれども、中央環状新宿線の計画の中に、その地点において組み入れさせていただいて、地元の方への御理解もいただいているところでございます。
#148
○鈴木(喜)委員 その点では住民たちはだまされたという思いが非常に強いのではないかと思います。交渉の過程の問題でございまして、ここで取り上げるかどうかという問題とちょっと次元が違うかもしれませんけれども、そういうふうなものはつけない、将来にわたってもつけないというようなお話でこれまで来ているということでございますが、今のお話を聞きますと、何かあらかたもう決まってしまっているという感じが、ここ以外にはあり得ないというような感覚を持つのですが、このほかの部分に取りつけ口ができるという可能性はあるのでしょうか。
#149
○佐藤参考人 先ほどお答えいたしましたように、首都高速道路網全体のネットワークの中で位置づけまして、私どもとしてはこの場所が最適と選んで、構想の段階でございますけれども組み込ませていただいております。
 なお、都市計画素案の説明におきましても、この件に関しましては御説明してございますし、並びに環境アセスメントに関しての地元の方への御理解を得るための説明会におきましても、そういった中央環状線を前提とした交通量の配分等々ということで御説明いたしているところでございます。必ずしも説明をいたしていないということではございません。
#150
○鈴木(喜)委員 今の御答弁を聞きますと、言ったというふうに――言った、言わないの話になってしまいます。ここではそういうことはここまでにしておきますけれども、十分に住民の理解を得て、了解を得た上で何事も計画をしていただきませんと、この問題はいつまでたっても非常に大きな泥沼化した闘争に陥る可能性もありますので、この点十分に、今ここまで来てしまった、もうすぐこれが建設大臣の認可までいきそうな時期であるというところまで来てこういう問題が起こってくるということでは、これから先も非常に思いやられるところが多いと思います。こうした形では、これからの住民の態度というものも非常に硬化してくるのではないかと考えられますので、この点よろしく御配慮お願い申し上げます。
 それから、環境庁の方にお尋ねすることになると思います。
 建設省の方では、建設大臣の所信表明の中にもございましたように、交通渋滞の解消は、大変問題が大きいということで都市の大きな問題である、これの解消のためにいろいろと頭を悩ましておられる、それはそのとおり大変なことだと思って御苦労さまなことだと思います。ただ、そのときに道を広げるということによって車の流通をよくするという形では、またぞろ車をたくさん売る人がもうかって、たくさん売って車が多くなる、そしてまた今と同じような渋滞があと何年かたてばできてしまうのではないか、これまでがやはりそうだったのではないか、せっかく建設省の方の御努力が水の泡に終わってしまうことになるのではないか、車というものをこれ以上東京都内でそんなにふやす必要があるのかということが私の素朴な疑問でございます。
 この点で、交通渋滞の緩和ということでもし問題にするとすると、環境庁の方に伺いたいのですが、都心にある程度の自動車の流入というものを制限するという形が考えられるかどうか伺いたいのです。
#151
○濱中説明員 お答えをいたします。
 先生御案内のとおり、大都市地域におきます窒素酸化物の大気汚染というのは非常に改善がまだはかばかしくない状況でございまして、特に近年は悪化の傾向も一部見られるということで、非常に状況が厳しいものであると受けとめているところでございます。こうした地域につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、総量規制を導入いたしまして厳しい規制を実施してきているところでございます。
 また、自動車につきましても、一台ごとの単体規制と私ども呼んでおりますが、そういうものの強化をしてきてまいっておりますけれども、近年は自動車走行量が非常に増加してきておりまして、この単体規制による削減効果が相殺されているのではないかというふうな懸念を持っているわけでございます。
 こうしたことから、私ども環境庁におきましては、自動車からの排ガスについても一台ごとの規制のみではなくて、地域全体の排ガスの総量を抑えていく必要がある。そういった観点から、先生ただいま御指摘の流入を抑えていくというような問題も含めまして、またいろいろなほかの方法もあろうかと思いますので、私どもといたしましては、現在大気保全局内に、これは実は昨年の八月でございますけれども、いろいろな分野の御専門の先生方にお集まりをいただいた検討会をつくりまして、現在所要の検討を進めておるところでございます。
#152
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。それを実効のあるものに早くしていただいて、そういう面からの交通の緩和、また大気汚染の緩和を考えていっていただきたいと思っております。
 こういうふうに考えますと、果たしてこの道路というものは実際必要なのかどうかということが、根本問題に戻って、私などは今全部のお話を伺っている中で考えます。こんなにいろいろな人のいろいろなことが、たくさんの物すごい御苦労をしなければできない地下の道路で、しかもそれによってまた車の総量規制というようなことで緩和を図っていくというような形を考えますと、一体、こうした道路が果たして本当に必要なのかどうか、これは私としては非常な疑問を持っているところでございます。人間が住む町でなくなる東京であるならばいいのです。しかし、このまま人間にずっと住んでもらって、人間のいる温かみのある町として東京が残っていくために、果たしてこの道路は本当に必要なのかどうか。
 大臣の所信表明の中でも、やはり町というものは豊かさのある人情味のある町にしたい、町づくりというものはそういうものにしたいというお考えがございました。そして、各都市間をつなぐ道路の整備は確かに必要だと思います。その中の一環としてまでこういうものが考えられるのかどうか。この点はぜひとも建設大臣から、その道路づくり、町づくりというものを含めて、もう一度環境の問題も含めて御感想をいただきたいと思います。
#153
○綿貫国務大臣 公共事業というのは、住民をいじめたり環境を破壊するためにやるものではないと思っております。あくまでも公共の福祉の向上のために行うものだという大きな観点に立って、公共事業は遂行されておるのであります。
 ただいま中央環状線の問題につきまして、鈴木先生から大変いろいろの御心配をいただいておりますが、この道路につきましても、東京のバイパス機能ということで大変大きな期待もかけられておる道路でございます。
 もちろん環境保全につきましては十分配意をしてまいるつもりでございますが、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、法律にのっとりまして環境影響評価実施要綱に基づいての環境影響評価等の中身を十分吟味しながら、ぜひこの道路は完成したいと考えておるわけでございまして、その点につきまして、どうかよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
#154
○鈴木(喜)委員 そのような力強いお話でございますので、どうしてもこの問題については環境庁との連携を保ちつつ、そこからお話を進めていただいて、住民の人のそれぞれの皆の不安を取り除く形で、どうしてもしなければならないものならそういうことだと思います。しかし、しなくて済むものなら、この際こんなものはやめてしまうという方がすっきりしていて大変いいことではないかと私は思っているのですけれども、それはどうしようもないことであるならばということでございます。
 この際やめるということについて、大臣はそのようなお考えを持っておられませんか。もうこの辺で、こんなにがたがたするものならやめてしまえというお考えはございませんか。
#155
○綿貫国務大臣 ただいまも申し上げましたように、環境の保全が図られるように万全を期してまいりたいと思いますし、住民の皆様方の御協力が得られるように努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#156
○鈴木(喜)委員 これで終わります。
#157
○笹川委員長代理 吉井光照君。
#158
○吉井(光)委員 私は、昨日の両大臣の所信表明に基づきまして質問をさせていただきますが、きょうは一応土地問題に集約をしてお尋ねをいたしまして、住宅問題といったものにつきましては後日また質問をさせていただきます。
 きょうは、特に国土庁長官はおぐあいの悪い中をこうして御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。午前中からの質問には長官の出番はなかったわけですけれども、私の番になりまして出番となって、本当に恐縮をいたしております。ひとつよろしくお願いをいたします。
 まず、両大臣にお尋ねをしておきたいと思うのですが、この土地問題につきましては、既に二十二年前の政府税調の答申の中で、日を追って深刻化しつつある社会的問題である、このように位置づけをいたしまして、解決のための速やかな施策の実施を強く要請し、そして将来への警鐘を打ち鳴らしているわけでございます。にもかかわらず、またもやこうした同じ問題で、しかもより末期的な事態に至った段階で取り組むことになったわけですが、これを考えてみますと、改めて今までの政府の土地政策の貧困そして政治責任の重大さといったものを痛感せざるを得ないわけでございます。
 しかし、今回のこうした取り組みにつきましても、実際にはいろいろと言われておりますように日米構造協議といういわゆる外圧が引き金になって、そして我が国の主体性が問われたものでもあるわけです。そのいい例が、新行革審が近く総理に提出予定の最終答申案、これに対しまして、日米構造協議への対応批判を盛るように求める意見がある委員から提出をされた、こういうことでございます。その中で、日本は昔から自分で実行しにくいことについては外圧を利用する傾向がある、その姿勢は改めるべきである、このように指摘をいたしまして、政府の自主的な改革推進を求めております。その上で、構造協議の対象事項の相当部分はもう既に臨調そして行革審で政府に答申した事項でもあるから、それをみずから実行することだ、このように注文をしているわけでございます。
 私もそのとおりだ、このように思いますし、このことは極めて重要なことだと思います。すなわち、今はもう論議をしているときではなくて、いかにこれを実行に移していくか、こういうことではないかと思います。昨年の土地対策関係閣僚会議でも総理は、土地基本法の理念に基づいて思い切った取り組みを各省庁に要請されたようですが、政治決断と実行のときであるという認識のもとに、不退転の決意でこの土地問題の解決に全魂を傾けるべきと思うのですが、こうしたことにつきまして両大臣の認識といいますか御決意をまず最初にお伺いをしておきたいと思います。
#159
○佐藤国務大臣 吉井先生にお答えします。
 まず冒頭に、私の目のことにつきまして委員長以下各先生方に御迷惑をかけたことを、まことに申しわけないと思っております。
 実は、吉井先生の御質問でございますが、第一番に日米構造協議におきまする我が日本側の態度について御指摘がございましたけれども、大分事実と違っております。と申しますのは、土地問題の解決は我が国自身の問題として対応しておりまして、長年十分話し合いをし、我が国の意見を十分聞いてもらったということでございます。それが昨年暮れの土地対策関係閣僚会議の申し合わせ事項とほとんど同じということでございまして、外国に言われてしたという意味ではございませんので、その点特に御了解いただきたい、こう思うわけでございます。
 先生のおっしゃる地価の高騰、これは三つの問題点を出したいと思います。一つは住宅取得が困難であるということ、それからもう一つは社会資本の整備が非常に難しくなってきたということ、それからもう一つは、資産格差が拡大しまして社会経済的に大変不公平を拡大した、こんなことでございまして、特に一番大きな問題は、住まいを持ちたい人が住まいを持てないということで、若い人に夢をなくしたことが大きな問題でございます。どんなことをしてもその夢を取り戻したい、こんなことでございまして、今度は今までと違いますことは、昨年暮れに今先生が御指摘ありましたようなことで土地基本法が制定されました。
 それからもう一つは、土地対策関係閣僚会議におきましても実は十項目を決定しまして、大都市地域における宅地供給の増進とか総合税制の見直し、あるいは土地投機取引の抑制とか、いろいろな点につきまして海部内閣全力を挙げてやろうというような点が一つ違っておるということでございまして、今度は不退転の決意でやりたい。先生今御指摘のように、もう考える時期ではなくして実行の時期である、そんなことでおりまして、海部内閣で全力を挙げて取り組んでおるということを御理解願いたいと思うわけでございます。
#160
○綿貫国務大臣 土地の問題は地価の問題ということでございますが、今国土庁長官からお話がございましたけれども、みんなで非常に心配をいたしております。憲法二十九条によりまして土地の私有確というものが認められておるということ、しからばこれを公共のために凍結したらどうかということで、先般来海部総理から国土利用計画法十三条によります規制区域のお話がございましたが、先般の予算委員会等々では野党の皆さん方からもそんなことできるわけがないじゃないかというようなお話が出る等、大変に難しい問題がもろもろ入っておるわけでございます。
 したがいまして、これは国土庁の方において監視区域の強化とかあるいは短期の土地転がしについては重課税を課するとか、いろいろの施策をやっていただいております。これとあわせまして、私どもはさらに土地の供給をふやしていく、この規制と供給両々相まって土地の問題を解決していかなければならないと考えておるわけでございます。
 建設省におきましても、今回大都市においては大都市法の改正その他を入れまして、宅地あるいは住宅が供給できるような方策を講じたいと思ってただいま法案を提出したところでございまして、その辺の事情を御理解いただき、野党の皆さん方も土地問題についてのさらによき案があればお示しいただき、私どももそれを実行してこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
#161
○吉井(光)委員 確かにこの土地の問題を解決しようと思えば、今も御答弁をいただきましたように非常に難しい問題が山積しておるのは事実でございます。しかし、そうかといってこれを放置するわけにもいかない。何とかしてこれの解決の糸口をつくっていかないといけない。こういったことで大変御苦労であると思います。しかし、そこはみんなで英知を絞りながらこうした問題は早急に解決していかなければならない、このように思うわけでございます。
 そこで、この土地問題の解決には、私は、何といっても国民の合意が前提になかったならなかなか解決も難しいのではないか、このように思うわけでございます。
 これもある新聞社が、この三月ですが、大都市圏に居住するところのサラリーマンそれから自営業者など二千五百人を対象に、土地問題に対するアンケート調査を行いました。そして、非常に興味深い結果が発表されたわけでございます。
 それによりますと、いわゆる土地に対するところの国民の意識は、個人的な利益、これに対しては大変敏感である。ところが、国や社会といった全体的な利益には余り意識していない様子ですね。例えば、約八割の人が固定資産税に問題があるとしながらも、その固定資産税の引き上げには反発をする、また市街化区域内農地の宅地並み課税でさえ反対が非常に強い。また、土地改革の大前提となるところの私権の制限、これについて七割以上が容認はしているけれども、これが実際自分の問題となったときには果たしてどれだけの人が賛成をするか、これは非常に疑問でございます。つまり、解決の方向につきましてもまだ国民的なコンセンサスができていない、こういうことだろうと思うのです。
 さきの衆議院予算委員会で、我が党の渡部一郎委員が地価安定についての質問をいたしました。そのときに、国土庁長官が、土地神話をなくしてそして地価の安定に全力を挙げる、このように答弁をされているわけでございますが、まさにこの土地神話を崩すには国民の合意が必要であるわけです。この国民の合意形成についてどのように取り組んでいかれるのか。私は、まず、なぜ土地改革が必要であるのか、いわゆる国民全体の利益がどんなものであるのか、そういったものをわかりやすく国民の皆さんに説明をする必要があるのではないかと思います。
 その説明の方法についてはいろいろあると思うのですが、例えばテレビや新聞などのいわゆるマスメディアを活用する。また、防衛庁が最近、いわゆる防衛ビジュアルという小さな冊子を出しておりますが、これは非常に親しみやすい冊子なんですね。とかく、こうした防衛問題というと、消費税とかそういった問題になりますと非常に身近に感じるわけですけれども、何か我々の日常生活とは非常にかけ離れたような感じを持ちます。ところが、そういう防衛問題を理解していただくために、防衛庁がそのような防衛ビジュアルというものをつくって無料でたくさん配布しているわけです。そういったパンフ、そういった啓発の方法もあると思います。そして何よりも大事なことは、二十一世紀におけるところの全体ビジョンといったものを国民の前にはっきりさせていく、提示するということが大事と思うわけですが、長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#162
○藤原(良)政府委員 確かに土地問題の解決を図るためには各般にわたる総合的な施策が必要でありまして、国民の合意に支えられながらそれらの施策を着実に推進していくことが重要であると思っております。ただ、御指摘のとおり、総論は賛成だけれども各論になりますとどうも利害が相対立しやすい、そういう問題が土地問題でもあろうかと思っております。そういう状況に対応するために、昨年末、土地基本法の制定にもつながったのではないか、そういうふうに考えております。
 土地基本法では、土地については公共の福祉が優先するという大原則のほかに、四つの基本理念を定めていただいておりますけれども、そういう理念について少なくとも国民の多くの方が理解していただく、またそういう理解に支えられながら、国も公共団体も今後の施策をさらに一層推進していくことが必要であると考えております。
 そういうことで、私ども、基本法に基づいて初めてこの四月を土地月間と定めまして、政府広報を通じたりあるいはシンポジウムやパンフレット等でPRに努めております。また、こういう機会をとらまえて各報道機関も積極的に土地特集を組んで、土地問題の重要性をPRをしてくださっているように理解しております。
 また、土地対策につきましては、そういう基本法に基づく理念だけじゃなしに、総合的な対策についての明確なビジョンが必要ではないか、そういう御指摘でございますが、そのとおりであろうかと思います。ただ、政府といたしましても、六十三年六月に総合土地対策要綱を決めておりまして、この総合土地対策要綱には、土地対策の基本的認識や首都機能、都市・産業機能の分散、さらには取引規制の考え方、住宅宅地の供給促進策や土地の有効・高度利用、さらには土地に関するデータの整備、非常に広範な分野にわたって網羅的に政府の講じようとする対策を定めておりまして、これなどももっとわかりやすくPRに努める努力が必要かなというふうな気がしております。
 また、こういう申し合わせにつきましても、年末、閣僚会議で申し合わせていただきまして、特に重要なものにつきましては、アクションプログラムとまでは言えないのですが、タイムスケジュールを決めまして、各省それぞれ協力して今その具体化に努めておるところであります。土地対策担当大臣も設置されておりますし、また適宜閣僚会議を活用しながらそういうものを着実にフォローアップしていこうということを考えておる次第であります。
    〔笹川委員長代理退席、委員長着席〕
#163
○吉井(光)委員 そこで、情報提供の拡大ということですが、一般に消費者は、土地、建物を売買するときには不動産業者や業界誌、こうしたところから情報を入手する以外に方法がないわけです。したがって、そこの価格が本当に適当なのかどうか、あるいは将来の需給状況について判断できる材料が極めて乏しいわけです。先ほど申し上げましたアンケート調査結果でも「土地の取引情報は十分でない」「政府は土地の需給、取引情報、地価動向などの情報をもっと詳しく提供すべきだ」このように回答した人が九〇%を超えるわけです。こうした消費者の強い要望に政府として何とか対応していくおつもりなのかどうか。また、土地取引や課税の適正化のために土地背番号制を導入しても構わない、このように答えた人が七〇%近くいるわけです。この背番号制については、だれがどこにどれだけの土地を持っているかを正確に把握するための制度なわけですが、この導入につきましては従来からプライバシー保護の観点から非常に難しい、このようにされてきた経緯もあるわけでございます。しかしながら、こうした深刻な土地問題の現状認識、そして土地基本法の精神に基づいてやはり土地背番号制は導入すべきではないか、このような意見も最近非常に多くなってきたわけですが、これらについて国土庁の御意見をお伺いしておきたいと思います。
#164
○藤原(良)政府委員 土地対策を進めます際、土地の所有、利用、地価等の実態を的確に把握するということが非常に重要であります。このため必要な調査の実施、資料の収集分析等を行うことに心がけておるわけでありますが、質問の御趣旨が、土地の所有者ごとに土地の所有や取得に関する正確な実態を把握すべきではないか、背番号制というのもそういう趣旨だと理解するわけでありますが、そういうような趣旨でございますれば、私どもとしてもできるだけ早くそういう情報の整備、把握を実現したいと思っておるところでありまして、今後具体的な方策については検討し、勉強してまいりたいというふうに考えております。
 国民に土地の所有、利用、取引等の情報を広く提供すべきではないかという御質問でございますが、基本法におきましても「個人の権利利益の保護に配慮しつつ、国民に対し、土地の所有及び利用の状況、地価の動向等の土地に関する情報を提供するように努めるものとする。」と定められております。私どもも、地価公示とか都道府県地価調査の結果等につきましては毎年公表しておるところでございますが、さらに幅広に所有や取引の状況等を提供していくことが望ましいと思っております。
 現在、土地に関する情報につきましては、各省庁、地方公共団体においてそれぞれ政策目的に応じて把握に努められておりますし、また可能な限り情報提供をしておられると思いますが、国土庁としましても、関係省庁ともさらに調整を図りつつ、体系的な情報の整備に努めるとともに、法律の趣旨に沿いまして国民に対する情報提供に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#165
○吉井(光)委員 では次に、地方分散についてお尋ねをしたいのですが、首都圏の土地問題の抜本的な解決策として遷都論というのがあります。また、地方分散、分権論、こういうのもあります。先ほどの新聞社の国民意識調査によりますと、この遷都に賛成する人が全体の二割弱です。ところが、行政機関の一部分散、これはいわゆる東京一極集中の緩和に役立つ、こういう意見が八〇%近くあるわけです。
 この地方分散については、昭和三十二年に策定された全国総合開発計画以降、戦後の国土開発の一貫した流れでもあるわけですが、特に六十二年六月に決定された四全総の掲げたテーマ、いわゆる多極分散型国土の形成でございます。現在までのいわゆる地方への権限委譲そして政府関係機関の地方分散、これがどうなっているのか、また、今後どう進めていくおつもりなのか、これをちょっとお聞きしておきたいと思います。
#166
○長瀬政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘賜りましたように、四全総におきましては、東京一極集中を是正し、多極分散型国土形成を図ることを基本的な目標といたしております。
 そのためには、第一に、何と申しましても地域主導によります地域づくりを進めることが基本でございまして、このために関係省庁それぞれ地域づくりを支援いたしますための施策を各般にわたりまして推進いたしているところでございます。同時にまた、その基盤となります交通、情報・通信体系の整備、全国一日交通圏の形成、こういうことを目指しまして、その整備を図っているところでございます。さらにまた、四全総の実施法とも言うべき多極分散型国土形成促進法に基づきまして、地域振興の拠点開発、こういった施策を推進いたしているところでございます。
 そういうことでございますが、今後ともこのような施策の推進を図ることによりまして多極分散型国土の形成ということに努めてまいりたいと思っております。同時にまた、多極法に基づきまして行政機関あるいは事務所機能の分散、業務核都市の形成、こういった点もうたわれているところでございまして、これらの施策につきましてもそれぞれその推進を図っているところでございます。
 なお、先生から首都機能についての御言及を賜りましたが、この点につきましては、いわば土地問題への基本的な対応という側面もあるわけでございまして、首都機能につきましては国土の均衡ある利用発展を図りますために、二十一世紀の国土構造を展望しながらどのようにこれを考えたらいいか、この点につきましては、国土庁長官の私的懇談会の場で今議論が始まっているところでございます。その点をつけ加えさせていただきます。
#167
○吉井(光)委員 これはどの程度進んでいますか、その進捗状況わかりますか、機関の地方分散。
#168
○長瀬政府委員 まず地方分散がどのような状況にあるかという点について、最近の定性的な状況を申し上げたいと思いますが、御案内のように、昭和五十年代後半から東京圏への人口の再集中と機能の集積が進んでまいりましたけれども、昭和六十二年ぐらいを境といたしまして、人口の東京一極集中の流れにやや変化の兆しというものがあるかということでございますが、これは景気の拡大が地方圏にも波及をいたしまして全国化してきている、こういう状況の中で、地方において雇用機会が拡大をしているといった背景があることもその一つかと思います。
 行政機関の移転の問題につきましては、関係省庁相協議しながら現在その推進を図っているところでございます。
#169
○吉井(光)委員 今の答弁に重複するかもわかりませんけれども、地方分散というものを本当に実効あらしめようとするならば、やはり地方そのものの魅力というかそういったものを大いにアップをしていかなければならないわけで、先ほどからたびたび申し上げておりますアンケート調査によりましても「どんな条件が備われば地方に住んでもいいと思うか」こうした質問に対しまして、いわゆる「大都市並みの給料、雇用の機会」これを挙げる人が約六〇%ですね。当然ながら、やはり若年層ほどそういった要望は強いわけでございます。しかし、現状は一部の自治体を除きまして大体多数の自治体においては財政力というのは余り強くない。むしろ弱いと言った方がいいかもしれない。その上に今後の人口の高齢化現象、こうしたものがますます進んでくる、そうして活力が失われていく。一部の地方を除いて、やはり大多数のところは将来に対してそういった暗い展望しか持てない、こういった状況じゃないかと思うのです。
 したがって、このような実態、方向性に対しまして自治体が活力を発揮できるような政策展開がされているのかどうか。一億創生だとか、これは各省庁でそれなりの一応地方活性化のためのいろいろの施策は施してはいられるわけですけれども、やはり国土庁として何かそういったお考えがありますか。
#170
○長瀬政府委員 ただいま先生から御指摘をいただきましたように、地域の活性化を通じまして地域の独自性を生かした魅力ある地域づくりを進めますことは大変重要な課題でございますし、同時にまた、四全総の目指すところであると理解をいたしております。
 昨年、総理の私的懇談会としてつくられました活力ある地域づくり懇談会の場におきまして、ただいま先生からもお話がございましたような魅力と活力ある地域とは一体どのような条件を備えたところかという点につきまして各般にわたり議論がございましたが、それは就業機会があること、そして利便と快適性を備えていること、また文化や自然や都市のにぎわいといった人を引きつける魅力を持っていること、そして安心して子育てをすることができる環境を備えていること、このようなことが魅力ある地域の条件ではないかということでございます。
 そうなってまいりますと、そのような地域をつくってまいりますためには、都市と農村漁村が相互に交流をし補完し合いながら広域的な生活経済圏を形成し、そういう中で地方の中心となります都市を軸として、地域の活性化を図っていくということが大切ではないか、このような御提言をいただいているところでございます。
 関係省庁を通じまして、一つにはそのような地域の個性化と活性化という意味で大きな役割を果たします都市の基盤整備ということを進めることが重要でございますし、同時にまた、農山漁村の整備ということが重要でございます。さらには、その基盤となります交通、情報・通信体系の整備といった施策が裏打ちされることが必要でありまして、これらが相まちまして、先生御指摘のような地方の魅力の向上そして活性化ということを進めていく、関係省庁一体となりましてそのような方向での展開を図っていくことが重要であると認識をいたしております。
#171
○吉井(光)委員 そこで、この四全総の見直しについて、これは大臣からお考えをお尋ねしたいと思うのです。
 四全総の多極分散型国土づくり、これはかつての竹下政権の発足に当たって内閣の主要課題であったわけです。しかし、現実にはどうかといいますと、やはり首都圏の地価の異常な高騰、これによって都市基盤整備というものはなかなか進まない。今では地価の狂乱までが地方に波及している実態がさきの地価公示の公表で明らかになったわけでございます。一方、日米構造協議の主要項目には、御承知のように公共投資の大幅な拡大、これが米国側から要求をされております。これに対して政府は中間報告で、今後十年間の新しい総合的な公共投資計画をつくって、そして最終報告では計画の支出総額を明らかにする旨、このような回答をされております。
 四月十三日の衆議院の予算委員会でも、こういった問題に質問が集中をいたしました。そのときに総理を初め大蔵大臣は、アメリカ側から押しつけられたものではなくして、我々自身の決断であり、その責任をとる覚悟を必要とする、こういったすばらしい決意を披瀝されたわけです。この公共投資の拡大との関連で、この四全総というものも新たな対応が必要ではないか、このように思うわけですが、竹下政権下の課題を引き継ぐ責任者として、ひとつ建設大臣、いかがですか。考えをお聞かせ願いたいと思います。
#172
○綿貫国務大臣 公共投資の拡大ということにつきましては、先般来予算委員会でもいろいろ言われておりますが、アメリカから言われたからやる、言われないからやらないというものではないのでありまして、その点におきまして、ただいま御指摘の四全総というものにおきまして、日本の二十一世紀にわたります国土基盤整備の方向が示されておるわけでございます。これを着実に実行していくことが、即日本の十年後の展望になるのではないかと信じておるわけでございます。
 建設省におきましても、ただいまよく言われます道路につきましては高規格幹線自動車道一万四千キロのうち九千キロ、あるいは下水道四〇%の普及率を七〇%というような目標値を掲げておりますが、これらの目標値につきましても、これが四全総の趣旨を踏まえ、また構造協議の趣旨にも沿えるのではないかというふうに考えつつ、もう一度、今拡大の方向で中身を検討しつつあるところでございます。
#173
○吉井(光)委員 次に、時間も余りありませんが、土地税制についてちょっとお尋ねをしておきたいのです。
 私は、今後の土地対策の成否というものは、この土地税制のいわゆる抜本的改革と金融監視体制の強化そして土地利用計画の整備、こういう俗に言う三本柱というものがうまく連動をしていかなければいけない、それから三位一体となった改革ができるかどうかで決まってくる、このようにも考えるわけでございます。こうした観点から、三本柱について若干お尋ねをしておきたいのです。
 まず第一に、土地税制の改革、この改革についてお考えをお尋ねしておきたいと思います。
 それはどういうことかといいますと、この土地問題における税制の役割につきましては昭和四十三年の政府税調の答申の中で、土地政策の重点は利用計画にあると位置づけられて以来、税制は土地政策の補完的存在でわき役である、こういう概念づけがされているわけですね。去る四月六日に設置されたところの政府税調の土地税制小委員会では、いわゆる資産格差の是正と土地有効利用の促進を二大観点とした土地税制の抜本改革に取り組むことになったわけでございます。
 同時に、自民党税調も検討に入られたようですが、ある新聞報道によりますと、塩川会長が、土地問題を解決するための第一の課題は有効利用で、不公平の是正や供給の促進は二義的な問題ではないか、その観点から土地の保有への課税、売買への課税をどうすべきかを考えていくという、いわゆる税制の補完的作用の立場を表明をしていらっしゃるわけです。
 確かに、税制だけでは土地問題は解決されないと思うわけですが、全体の土地政策が決まらないと税制も決めようがないかもしれません。しかし、最近の狂乱地価は、過剰な土地融資とともにやはり財テク化した土地利用や資産としての土地保有を有利にする現行税制が大きな原因だ、このように指摘せざるを得ないわけでございます。こうした点から見れば、税制は土地対策の中心的な役割をこれからは演じるべきだ、このような意見も非常に強くなってきているわけですが、国土庁はこれに対してどのような御見解をお持ちなのか、また大蔵省は政府税調に、この点につきましてどのように要望されたのか、お尋ねをいたします。
#174
○藤原(良)政府委員 私どもも、先生御指摘のとおり、土地政策上、土地税制、金融、土地利用計画というのは非常に重要な役割を果たすものだと認識しております。
 土地税制のあり方につきましては、適正な土地利用の実現に資するという観点はございますが、そのほかに税負担の公平を図りつつ資産としての土地の有利性を減殺し、キャピタルゲインねらいや節税目的の土地需要を抑制するという役割もあろうかと思います。私どもとしては、そういった土地税制に積極的な役割を果たされるよう期待しているところでございます。国土庁としても、土地税制のあり方につきましては関係省庁にも積極的に意見も申し上げ、また要望も申し上げていきたいと考えております。
#175
○長野説明員 政府の税制調査会は四月十三日から小委員会を設けられて審議を開始されておりますが、そこでは私どもの方からも、先ほど先生から御指摘ありました資産課税の適正化、所得、消費、資産、この三つに対する課税のバランスという意味から、資産、その中の大事な土地というものに対する課税の適正化をどう考えていくか、この角度から一つ、それから土地の有効利用等々の土地の施策の角度から税制がどのような役割が果たせるか、果たすべきかということ、この二つの角度から御検討をお願いいたしたいということで、広範な御審議をお願いいたしております。
 そこで、補完的か主役かという御指摘でございますが、先ほど先生も冒頭にお触れになりました国民の合意という問題でございます。
 税制を考えてまいりますときに、これは例え話で恐縮でございますけれども、やはりある方が都心に低利用と申しますか、住居とか小規模の営業の拠点を持っておられる、この問題に取り組みますときに、税制のサイドから二つの取り組み方がございます。そういった営業とか居住とかいうのを守ってあげる、固定資産税がかからないとか相続税が負担にならないというふうに守ってあげるというお考えが一つございます。もう一つは、やはりそういう低利用が都会の高度利用を妨げておる、有効利用を妨げておるから、場合によってはお気の毒ですが手放していただいて高度利用をするという考え方がございます。例えばこういったものにつきまして、そのどちらをとるかによりまして税制の方角は百八十度違ってまいりますけれども、そのあたりにまだ実はきちんとした国民的な合意というものが難しいのではなかろうかという心配をいたしております。その点から議論を深めていっていただきたい、こういうことをお願いしております。
 それからまた、固定資産税の負担水準の国民の考え方についても先生がお触れになりましたけれども、そういたしますと、総論的には低利用、未利用、空閑地みたいなものに重点的に負担を求めていったらどうかという議論になりますと、多分世論調査をやりますと八割ぐらいがそれに回るということになりましょうが、さてさて空閑地とか低利用といったものを東京とか大都市圏とかの中でどう定義づけていくかということは、やはり土地利用計画全体がまず最初に動いていっていただきませんと、それに合わせた形で税が支援するという形になろうかと思います。先ほど車の両輪とか三位一体とかおっしゃいましたけれども、そのような意味で、そういったものが一緒に動くことを前提に税制というものを考えていっていただきたい、そのように考えているわけでございます。
#176
○吉井(光)委員 そこで、土地増価税、増価税という名前は私たちが勝手につけた名前なんですが、現在の土地資産にかかわる税制におきまして、個人と法人の間で税制のかなめであるところの公平、公正の原則が保たれていない。その代表例が相続税でもあるわけです。そのため、いわゆる法人には莫大な含み資産を保有しているところもあるわけで、それを担保に巨額の融資を受けて、そして土地、株投機で巨大な利益を生じる。こうした地価高騰の元凶である大企業の保有するところの土地の含み益、これを社会へ還元するとともに、やはり相当量の土地を放出させるため、また資産格差というものの是正のためにも、公明党が以前から主張しております土地増価税をぜひとも創設すべきと思うのですが、これは国土庁長官はこういったお考えにどうなのか、大蔵省はどういうお考えなのか。
 先ほどの新聞社のアンケート調査によりましても、やはり企業に対する批判というものが非常に厳しくなっております。企業が保有する土地の面積に制限を設けるべきであるとか、こうした意見が全体の七〇%を占めておる。こうしたことも非常に重視すべきではないかと思うのですね。
 経済企画庁の国民経済計算年報によりますと、昭和六十二年度の土地の値上がり、いわゆる含みの増加額ですが、これが三百七十六兆円にも上る。ところが、六十二年度の国民総生産は三百四十五兆円。これを上回るほどのいわゆる増加額になっているわけですね。すなわち、日本国民勤労者の六千二百四十三万人ですか、こういう人たちの汗の結晶が国民総生産であるとするならば、土地の含みの増加額はこれを上回っていることになるのですね。
 昨日、これはきょうの新聞ですが、国土庁が政府税調に土地保有移動調査なるものを提出されております。私たちも早くこれを見せていただきたかったわけですが、それによりますと、法人が所有する未利用地について、昭和五十三年調査では「当初から利用する意思なし」はわずか九%だった。これが平成元年には五〇%になっているのですね。それからまた、法人の所有する事業用土地のうち未利用地は、昭和六十三年で六・二%だった。このうち七八%は具体的な利用計画はなかったというのです。しかも、昭和六十三年、法人所有の土地資産額は五百十四兆五千億に対して、いわゆる最初の簿価ですが、簿価の総額は八十兆六千億、したがって含み益は四百三十三兆九千億になるわけですよ。昭和四十五年の三十四兆九千億に比べて十二倍以上に含み益というのが膨らんでいる。
 この原因は、先ほどからいろいろと申しておりますけれども、法人に甘い土地税制、すなわち相続税もない、そして借入金利子の損金算入もできる、こういう大きな利点というか、甘い税制になっているわけでございます。税調の小委員会におきましても、この課税強化策が出始めているようでございますが、こうした実態が最近になってようやく話題になり始めた、こういうところにやはり大きい問題があるのではないか、私はこのようにも思うわけでございます。これに対してひとつ国土庁、大蔵省の御意見をお伺いしたいと思います。
#177
○藤原(良)政府委員 昨日、政府税調の小委員会に、私どもの方から土地に関する実態を御説明するという意味で資料を説明したわけでございますが、その中で、先生御指摘の報道されておりますような資料も御説明申し上げたわけであります。
 その中の、販売用土地に占める未着手土地の状況でございますが、ちょっとこの場をかりて御説明させていただきます。これは資本金一億円以上の企業に対して私どもの方でアンケート調査をしたものでございます。
 六十三年に取引をした土地につきましては、販売用土地に占める未着手の土地の割合が四五・八%となっておりまして、これは四十八年以降の推移を見ますと、高い年では七〇%ぐらいの数字になっておるわけですが、六十三年ではそういった数字から比べますとかなり低くなっておるわけです。だから、未着手の土地の割合は低い、言いかえますとストックはだんだん少なくなっておるようでございます。ただ、未着手のうちに、当初から利用する意思がないという割合が非常に高くなっておることも事実でございまして、五十年に取得して、平成元年の状態を調べたところでは、確かに初めからもう利用する意思はなかったと回答しておるものが五〇%と非常に高くなっておる。各種の報道はここを問題にしておったわけであります。
 それと、土地増価税についてでございますが、再評価益に課税すべきといういろいろな御提言があることは承知しているわけでございますが、ただ、この場合まだ実現していない利益に課税することになるわけでございますので、恐らく所得課税の基本問題にかかわる大きな問題だろうと考えております。また、その場合、増価税を課税された後にその土地が売却された場合、譲渡益課税との関係の調整も非常に難しい問題だろうなというふうに考えております。さらに技術的なことを言いますと、土地集約型の企業とそうでない企業の関係とか、課税技術上増価益をどのように把握されるのか、あるいは土地と土地以外の建物等の不動産との関係をどのように考えるのか、地価が下がったときどうかとか、いろいろ懸念すべき問題点も多いと思うのです。
 しかし、いずれにしても土地税制のあり方としましては、税負担の公平の確保、土地の資産としての有利性をできるだけ減少させる、そういう措置を講じながら、土地の供給促進あるいは土地が適正に利用されるということが必要でありますので、私どもとしてもいろいろな角度から研究をしていかなければならないと考えております。
#178
○長野説明員 法人の含み益等々に対する問題につきまして、税制調査会でも当然今後検討されて、どういったことを考えるかということになろうかと思いますので、判断にわたる部分は私は差し控えたいと存じますけれども、従来税制調査会が考えてまいりました問題点は、ただいま土地局長からお話があったとおりでございます。
 未実現の状態で土地を持っておるという状態に対してどのような負担を求めていくかという場合に、含みという形に着目する場合と時価というものに着目する場合がございまして、一点つけ加えますと、含み益課税というのは、ある土地を相当長く持っておられる方に重点的に負担を求めていくやり方、そのかわり逆に最近高い値段で土地をばっと買い占めた人に対しては負担が全然いかないというやり方、それがいいのか。あるいは、もう同じ時価のものは、一億円の土地を持っておれば、昔買おうが今買おうが一億円の土地に対して負担を求めていくのがいいという考え方になるのか。そこら辺の問題が若干あるように存じます。
 それから、税制等で資産保有の魅力をそぐという方向での検討は当然行われるでありましょうが、その場合に若干私どもとして念頭に置きたいと思っておりますのは、先ほど先生もお触れになりました相続税が法人にはない、あるいは金利が損金になるというお話でございまして、その視点は十分にとらえてまいりたいと思いますが、若干気になっておりますのは、そういう法人税制、相続税制、個人税制というのは世界共通でございまして、その中で日本だけがこういう土地問題が起こったということは、同じような税制の中において日本だけでこういう激しい土地問題が起こるような何かもう一つの要因というものもあるのだろう。それと税の扱いというのが相乗してこういった結果になったのであろう。そこの部分というのを見きわめた上での施策というのが必要になってくるのではなかろうかと考えております。
#179
○吉井(光)委員 いずれにいたしましても、含み益に対する増価税という問題、今から大変な議論を呼ぶと私は思います。こうしたものがどんどん報道されます。そうなりますと、やはり一般国民から見れば、税の不公平というか不公正というか、そうした感じをますます大きく抱き始めるわけですから、やはり私は、政府の方としても早急に何らかの前進した手を示さないと、これが大きな問題になってくるのではないか、このように思います。
 そこで、これも幼稚な問題かもしれませんけれども、土地評価制度の一元化ということ、よく土地は一物四価とか、こんなことも言われておるわけですが、土地税制の中で特に問題となっているのが固定資産税であることは御承知のとおりでございます。
 去る四月五日、経済同友会が「土地・住宅問題の解決に向けて」、こういう提言をしている中で、固定資産税の実効税率を二十年ぐらいかけて現在の〇・〇六%を一%まで、減税をセットにして強化すべきである、このように言っております。
 我が党としては、地価公示それからまた相続税評価、固定資産税評価、こういった土地の評価制度の一元化というものを、先ほどからちょっとお話もございましたが、生活弱者に配慮しながらの税制改革と並行して推進すべきではないか、このように思うわけですが、この点はいかがですか。
#180
○藤原(良)政府委員 公的評価の一元化の問題につきましては、基本法制定の際の御審議でも、土地問題等に関する特別委員会でいろいろ議論があったところでございます。
 ただ、固定資産税、相続税の評価につきましては、それぞれ税の性格等も考えながら評価されているところがございまして、直ちに一元化することは容易ではないということで、基本法でも相互間の均衡、適正化を図るということになってございます。政府で閣議決定いたしました総合土地対策要綱におきましても、それぞれ均衡化、適正化を図っていくということであります。
 いずれにしましても、公的土地評価に対して国民の信頼を高め、わかりやすくするということが重要でございますので、そういった法律や閣議決定に基づきまして、例えば相続税では毎年相続税の評価がえがされるわけですし、また固定資産税につきましても三年に一回の評価がえがなされるシステムになっておりますので、そういう機会にできるだけ均衡化、適正化を進めていくというのが重要な課題ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#181
○吉井(光)委員 では、時間が参りましたのでこれで終わります。ありがとうございました。
#182
○中島委員長 辻第一君。
#183
○辻(第)委員 きょうはたくさんのお尋ねをしたいと思いますので、端的に質問をいたします。ひとつ御協力をいただきたいと思います。
 まず最初に、公共住宅の問題でお尋ねをいたします。
 大臣の所信表明の中でも、住宅宅地対策を最大の重点として取り上げていただいておるわけでありますが、もともと我が国の住宅というのは、言うなら劣悪、殊に大都市では劣悪な状況がありまして、ウサギ小屋などと先進諸外国から言われてきたということでありますが、この二、三年来の土地の高騰の中で、もうマイホームの夢は完全に打ち砕かれる、また地上げなどで住みなれた土地から次々と追われるというような状況、あるいは家賃が高くなる、あるいは遠距離通勤と、深刻な事態を迎えているわけでございます。大臣の所信表明の中でも「大都市地域においては、近年の地価高騰により、勤労者が新たに良質な住宅を確保することが著しく困難な状況になっており、土地住宅問題の解決は最大の課題であります。」このように述べられておるわけでございます。
 そこで、低廉で良質、快適な公共賃貸住宅を大量に建設をしていただくということが住宅対策のかなめではないのか、あるいは地価対策の上でも大きな意味を持っている、私はこういうふうに考えるわけでございます。諸外国の例を見てまいりますと、戦後の住宅建設のうち、イギリスは六割、西ドイツは四割が公共住宅だということでございます。日本は一割にも満たないという状況でございます。最近の公営住宅の建設は年間四万戸、七〇年代の前半に比べますと三分の一に落ち込んでいるということであります。さしあたり予算を大きくふやし、住宅難のひどい地域を重点に良質な公営住宅の建設を飛躍的に拡大すべきだ、私はこう考えます。
 また公団住宅、これも最近は二万二千戸と、最高時の四分の一という状況でございます。しかも最近は月十万円を超える高い家賃という状況ですね、そういう家賃の問題。国庫の助成を利子負担だけではなしに用地取得費などにも拡大をして、家賃を引き下げ、建設戸数をふやすべきではないのか、このように考えるわけでございます。
 建設大臣、ここで低廉そして良質、快適な公共賃貸住宅を大量建設されるべきでないかと考えるのですが、いかがでございましょうか。
#184
○伊藤(茂)政府委員 お答えします。
 今先生は、公共賃貸住宅を大量に建設すべきだというお考えでございますが、住宅対策は御案内のとおり五カ年ごとに五年先の国民の住宅の状況、所得の状況、それから地域的な人口、世帯の分布等々を考えながら、その中で自力では所定の居住水準が確保できない世帯に対して公共賃貸住宅を供給するという考え方で、五カ年計画をつくって施策を進めております。したがいまして、まずは五年ごとにどういう公共賃貸住宅の戸数になるかというのが決め手だろうと思います。今現在の第五期五カ年計画は平成二年度で終了でございます。したがいまして、平成三年度からはまた新しい五カ年計画があるわけでございます。
 その際に、今先生御指摘になりましたように特に大都市地域で、今私が申しましたように、住宅対策で考えております誘導居住水準あるいは最低居住水準というものが大都市地域でどうなるか、それから、大都市地域の人たちの所得、世帯構成、そういうものがどうなるか、こういう見きわめのもとに必要な公共賃貸ストックを確保する、こういう施策でいくのが従来からの考え方でございますので、新しい五カ年計画をつくる際に、先生の御趣旨は十分生かしながら必要な戸数を計画に掲上したいと考えております。
 それからもう一点、公団賃貸住宅、これは現状のお話だと思いますが、非常に家賃が高いではないかということでございます。
 御案内のとおり、公団賃貸というのは大都市地域の勤労者のためにということで、公団発足以来非常に努力をしてストックの積み重ねをやってきているわけでございますが、今現在新しく建てました賃貸住宅の家賃、これは全国ベースでいきますと八万五千円ぐらいでございます。それから、首都圏一都三県で申し上げますと九万四千五百円ぐらいでございます。したがいまして、第三分位中位、つまり平均的な勤労者の収入に対します割合というのは一七、八%程度にとどまっております。
 世間でよく問題になりますのは非常に高いところの家賃でございますが、全体に家賃というのはやはり分布をしておりますから、その中で平均的な勤労者、平均的な家賃ということを考えますと、新規供給は私どもがねらっておる施策対象層に合っておるのではないかと思います。したがいまして、高い家賃というのはそれぞれ、例えば高い所得層の入る場合もございますし、それから共稼ぎとかそういったことで収入の多い方が入る場合もございますし、いろいろなケースがあろうかと思いますが、これは例外であるというふうに御理解いただければよろしいかと存ずる次第でございます。
#185
○辻(第)委員 建設大臣いかがですか、公共賃貸住宅の大量建設。
#186
○綿貫国務大臣 現在住宅は、民間が七割、公団公営等の住宅が三割というような比率と聞いておるわけでございます。
 今御指摘のような点につきましては、テレビでもある主婦が計算をしておりましたが、マイホームを持つために今後一生ローンで苦しんだ方がいいのか、それよりも良質な賃貸住宅に入って優雅な一生を送った方がいいのかというようなことを計算しておる人もあるようでございまして、良質の賃貸住宅を今後ともつくっていくということについては、建設省もその方向で努力をしていきたいと考えております。
#187
○辻(第)委員 ぜひひとつその方向で御努力をいただきたいというふうに思います。
 昨年も取り上げたのですが、高齢者をめぐる住宅問題でございます。
 私どもの地元奈良の例です。奈良市のいわゆる奈良町という旧市内の中心部のある地域なんですが、路地を挟んで向かい同士に十二軒の借家が建っているところです。そこが大手不動産に売却され、入居者には家主の変更として紹介をされた。十二軒のうち四軒が引っ越しや高齢によって亡くなられて既に空き家になっている。もちろん入居希望があっても貸さないという状況です。残る八軒のうち、最も若い世帯主は五十四歳、残る七軒は高齢、病弱、障害など転宅が非常に難しい状況であるわけですね。先ほど申しましたのは五十四歳の夫婦と年とった親。それから次の家は六十歳代の夫婦、夫は両足切断の重度障害者。それから三軒目は七十歳代の御夫婦で、夫は重度の心臓疾患。四軒目は七十歳代ひとり暮らし。五軒目も七十歳代ひとり暮らし。六軒目は七十歳代と八十歳代の兄弟がお住まい。七軒目は八十歳代の年老いた親と六十歳代の息子さんがおられる。八軒目は六十歳代の夫婦で、夫は慢性腎炎で入院中、人工透析をしておられる、こういうところです。そして、最後の家は成人した子供さん二人のうち、一人は精神疾患で家庭で療養中。こういうのは特別の例だとは思うのですが、大変なことなのです。そして、新しい家主となった大手不動産の係員は、入居者をたびたび訪問し、転宅への協力を求める。引っ越し代金の補償程度で実際に引っ越しに応じられるようなものではないということですね。
 こういう状況の中で、引っ越すならもう死んだ方がましだとか、新しいところへ行って病気や葬式の世話になりにくいという不安がいっぱいだということです。ここのところは市の中心部でございますから、商店や、あるいは医療機関やバス停、交通機関も非常に便利なのです。ここで天寿を全うしたいというのが皆さんの希望だそうでございます。住居は八坪ほどの二階建てで、六畳、四畳半、三畳、三畳、台所、ふろ、トイレ、こういうことで、現在家賃は一万三千円から一万五千円ということであります。
 もちろん、民間等のアパートというのは最近お年寄りにはなかなか貸してくれないですね。まず貸してくれないという状況が一般的なのです。こんなにひどいところはそんなに、軒並みということじゃないのでしょうけれども、奈良市の古いところにはこういうところがたくさん残っているのです。そこを地上げで土地の立ち退きということが起こってくるのです。事態はもう極めて深刻な事態だと思うのです。そういうお年寄りの住宅をどう確保していくのか。もちろん、これから高齢化社会を迎えるわけでありますけれども、今でも既にこういう状態がたくさんあるわけであります。
 そこで、当然、先ほども申し上げました公共住宅を大量に建設していただく、あるいは今ある公共住宅、殊に高齢者あるいは住宅困窮者も入るわけでありますが、優先的に入居させていただく体制、あるいは民間アパートの福祉目的による自治体の買い上げなど、こういう事態を打開していくための措置を今緊急に講じていただきたい、このように考えるのですが、いかがですか。
#188
○伊藤(茂)政府委員 お答えします。
 特定の事例をお出しいただいたわけでございますが、その場合にその公共団体がどうかこうかという話はちょっとできないわけでありますので一般論でお答えせざるを得ないと思いますが、おっしゃいますように高齢化社会に向かっていく、あるいは土地利用が非常に転換が早いという事態を迎えまして、お年寄りの住宅問題というのがそういうところで新しい問題になりつつあるということは、私ども十分承知をいたしております。これを住宅対策上、もちろん福祉対策との提携でありますとか、福祉対策で救う分野も相当あると思いますけれども、住宅対策でどういうふうに考えておるかということでございます。
 住宅対策上は、そういうふうに非常に所得が低くて生活に困っておって住宅にも困る、こういう場合には公営住宅法で、公営住宅によって救うことになってございます。その場合に、まずそういう地域、地域の実情というものを十分把握できるのはそれぞれの公共団体になるわけでございまして、「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない。」こういうのが法律の建前になっておるわけでございます。したがいまして、私ども国の方としましては、予算をいただいてお金を用意しておりますので、公共団体からそういう実情を聞けばそういうプライオリティーの高いことになろうかと思いますから、そういう施策は十分打てるかと存じます。
 それと同時に、現行の公営住宅法上は、母子世帯とか老人世帯向けでありますとか、特別低家賃でありますとか、心身障害者向けでありますとか、そういったいろいろな特定目的のための公営住宅もつくることになっております。その場合は各事業主体、公共団体になるわけでございますけれども、当然にその社会的な重要性を十分認識して、公共団体の所管の区域の中にどういう人たちがどういうふうに困っておるかということを常日ごろしっかり押さえて、そして公営住宅をつくっていくというのが基本だろうと思いますので、公共団体ともよく話をしながら手を打っていくべきではないかと考えておるわけでございます。
#189
○辻(第)委員 ぜひひとつ現実的に解決できるような方法を御尽力いただきたい。建設省として地方自治体とよくそういう点で話し合われるというか、十分な指導といいましょうか、やっていただきたいということをお願いするわけでございます。
 つけ加えるならば、奈良県で県営住宅は、古いのを建てかえるというようなのはあるのですが、新しく建設をするというのは昭和五十四年からないというふうに聞いているわけです。ですから、公共住宅をもっとふやしていただいて、先ほど申しました福祉目的に民間住宅を買い入れていただくなどということもやって、十分御対応いただきたい。重ねて要望して、次に移りたいと思います。
 次に、自治省はお越しいただいていると思うのですが、固定資産税の問題でお尋ねをいたします。
 最近の狂乱とも言える地価高騰を受けて、東京圏、大阪圏を初め各地で固定資産税の大幅増、言うなら大増税ということで、国民の不安の声が高まっておるわけです。固定資産税の問題は、地価高騰地域のもうほとんどすべての家庭に大きな税金がふえるということですね。あるいは家賃の値上げとなって家計にとって大変なんですね。私の地元の奈良市では、固定資産税と都市計画税を合わせた負担額が一世帯当たり平均十三万千百円ということであります。これが二倍になるのではないかと心配をされております。
 去る三月二十三日に出された国土庁の公示地価、一月一日時点によると、奈良県全体で一年間で五〇・二%、昨年度は二六・九%ですから、二年で大体九〇%を超えるわけですね。これで見ましても大体二倍ぐらいということが推測されるわけであります。
 もう少し具体的に見ますと、今度の固定資産税の評価がえの対象となる一九八六年から一九八九年までの公示価格ですが、奈良県の生駒市東生駒一丁目というところでは、八六年を一〇〇として八九年は一九三・六であります。奈良市中筋町という商業地ではこれが二〇五になっているのです。このままこの異常な地価を評価がえに反映させれば、固定資産税が二倍になってしまうということです。こんな二倍どころじゃなしに、実勢価格でいえばもう三倍も五倍もというところがかなり見受けられます。大変なことになっているわけです。
 それで、自治省は先日の地行委員会で、「この大きく高騰した地価というものがそのまま固定資産税の評価額と言えるのかどうか。これは、固定資産税というのは継続して土地を保有することを前提にして税負担をお願いするということでございますから、その中に将来の期待利益でございますとか投機的な要素というものは排除して評価額を出すことを基本的な考え方としてやっているわけでございますので、そういう不正常な要因がどの程度あるのかということが一番大きな問題になろうかと思います。」このように答えておられます。
 この奈良県に見られるような異常地価、三年ほど前東京で始まった狂乱地価ですね。これは中曽根さんの民活が引き起こしたと言ってもいいと思うような狂乱地価ですね。そしてその後、全く十分な対策がとられなかったということですね。一年ほど前ですか、当時の国土庁長官にお尋ねをしますと、東京が上がって大阪や奈良が上がるのは割安感というようなお話がありました。まさにそういう話にならぬようなことで不動産会社あるいは金融機関が一緒になって投機的な土地取引に走った結果つくり出された異常な地価でございます。文字どおり不正常な要因、自治省がおっしゃっているような不正常な要因がほとんどを占めている異常なものですから、私は今回の評価がえは見送るのが当然だ、このように考えるのです。そこに住み続ける庶民にはこの地価高騰には何の責任もないわけであります。
 この点では、自治省の答弁どおりの方向で進められるならばそうしていただきたいのですが、今回の固定資産税の評価がえは見送りとすべきではないのか、これが一点であります。一九六七年にも評価がえを見送られた例があるわけです。さらに、苦しめられている住宅や商店などは、少なくとも中曽根民活の影響が余り出ていない八五年評価の水準に戻すべきではないか、このような声が高いのですが、私も当然だと思います。
 そして、土地を一律に時価を中心に評価をしていく、銀行や証券会社の店舗と住宅、零細商店と同等に扱うのはどう見ても不合理だと思うわけでございます。それで、この一律の方式から銀行やオフィスビルなどには高く一般商店は低い、さらに一般庶民の住宅は一層低くなるように、使用目的に応じて差を設ける方式、私どもは収益還元方式と言っているのですが、この方式で固定資産税の仕組みを転換すべきではないか、このように考えますが、いかがですか。
#190
○成瀬説明員 お答えをいたします。
 二点につきまして質問をいただいたわけでございますけれども、まず最初の御質問、平成三年度、来年度の固定資産税の評価がえ、最近の地価の異常な上昇を踏まえて中止すべきではないかという御質問であったかと思いますけれども、御質問の中にもございましたように、固定資産税は資産の持っております価値に着目いたしまして、資産を保有することに担税力を見出しまして税負担を求めるものでございます。したがいまして、資産価値の変動を勘案いたしました評価の見直しをすることによりまして、固定資産税の評価の均衡と負担の公平が図られるのではないかというふうに考えております。したがいまして、三年ごとの評価がえをやっておるわけでございますけれども、基準年度であります来年度において評価の見直しを行わないというようなことはかえって評価の不均衡と負担の不公平を生じることとなり、適当ではないのではないかというふうに考えております。
 それから二点目、固定資産税の評価の手法でございますが、いわゆる収益還元方式に改めたらどうかというお尋ねであったわけでございますが、これも御質問の中にございましたように、固定資産税の評価、現在はいわゆる売買実例価額から買い急ぎ等によります割高あるいは将来における期待利益、投機的取引的な要素等々の不正常な要因を除きました正常な売買価格に基づいて適正な時価を評定することとしているところでございまして、この考え方は今後とも維持していきたいというふうに思っております。
 なお、評価方式としての収益還元方式についてでございますけれども、幾つか問題があるわけですが、大きなものといたしましては、収益還元方式をとる場合に賃貸料等を求めなければいけないわけですけれども、土地の現実の賃貸料等、種々の事情によりまして相当の格差がございます。非常に個別性が強いということでございます。
 それからもう一つは、資本還元率いわゆる賃貸料を割り返す資本還元率の率の出し方なのですけれども、これもなかなか客観的な数値を見出すことが難しいというような問題点がありますことから、昭和三十六年の固定資産評価制度調査会の答申に基づきまして、昭和三十九年度以来現在の売買実例価額による評価の方式を採用しているところでございます。しかしながら、なお今後適正な評価をより確実に行うための補強材料といたしまして、収益性に着目した客観的な資料が得られるかどうか、今後検討してみたいというふうに思っております。
#191
○辻(第)委員 次に、大蔵省にお尋ねをしたいと思います。
 地価高騰に伴う路線価の大幅引き上げで相続税の心配は地方都市の一般市民にも及んできました。ことし一月十九日、国税庁が発表された都道府県庁所在地の最高路線価の全国平均引き上げ率は二八・七%、首都圏、関西圏の周辺都市では二倍近くに引き上げられたところもある、こういう状況であります。生活を支える小規模の宅地の非課税化を求める声が高まっているのも当然だと思うわけでございます。
 こういう例があります。Aさんという、これは自営業の方のようでありますが、二百六十平米の土地と木造二階建ての自宅をお母さんから相続をした。土地の路線価は一平方メートル六十八万円、建物を加えた評価額は約一億八千万円、そこから基礎控除額や居住用宅地の特例などの控除額を差し引いた課税価格約六千四百万円となり、これに税率を掛けさらに決められた控除額を引いても千九百万円の納税が必要だったということです。この土地の路線価は十年前だったら一平方メートル十万九千円で、仮にこの年に相続をしていれば納税額は十一万円で済んだということであります。この方は、相続税が一度に払えないので、二十年かけて払う延納手続をとられたそうですが、利息がつくため年間約二百万円納めなければならないと頭を抱えておられるということでございます。奈良でも、先ほど申しましたけれども、本当に恐ろしいほどの高騰ですね。ですから、たくさんの方が相続税の問題で非常に悩んでおられるのです。
 生活のための長年住み続けてこられた自宅を相続しただけで住み続けることができなくなるあるいはそこで営業することができなくなる、こういう相続税の大増税になりますね。先ほど固定資産税のときも申し上げましたけれども、投機的な土地取引がやられたために、地価高騰を引き起こし、庶民には何の責任もないのにこんな深刻な事態になるのでございます。
 生存権を保障するためにも、あるいは都心部などではその過疎化を防ぐためにも、零細な宅地や商店の相続税は大幅な軽減が必要ではないか。また、当面の緊急措置として、相続人が引き続き居住する場合に限って二百平米以下の宅地の評価を、中曽根さんの民活による狂乱地価の影響が出ていなかった八五年水準に引き下げる、このようなことなど何らかの対策を検討すべきではないか、このように考えますが、いかがですか。
#192
○品川説明員 お答えいたします。
 相続税におきます財産の価額は、相続税法第二十二条の規定によりまして、相続財産を取得したときの時価によって評価することになっております。
 先生御案内のとおり、相続税はあらゆる財産、例えば土地、建物等の不動産、有価証券、預貯金などを総合して課税するものでありますが、この場合の相続財産の時価評価は、それぞれの財産に共通する適正かつ客観的な尺度であります交換価値、交換価格によって測定する必要があるわけでございます。
 先生御指摘の居住用財産につきましては、それが相続人等にとりましては生活の基盤となるものでありますから、それを相続により取得したときの交換価値によって評価するのではなく、特定の時期以降評価額の引き上げを見合わすとか、あるいは先ほどの御議論にもありました収益還元価格を適用するなど、何らかの方法によりまして他の財産より低く評価すべきであるという御意見かと思われますが、相続税の評価の性格は、先ほど申しましたように、居住用財産を含めましてすべての財産につきまして交換価値という共通の尺度により評価する必要がありまして、また、財産の種類、利用状況などにより、執行面で、評価上しんしゃくを加えますことは、財産の保有形態の違いによって課税の格差を生じさせるわけでありまして、そういう課税の公平の見地からも非常に難しいことであることを御理解いただきたいと思います。
 なお、御案内のように、被相続人等が居住用または事業用に供していました宅地につきましては、現在租税特別措置法において、二百平方メートルまでの部分につきまして、評価の問題ではなく相続税の課税価格の減算という形で特例措置が設けられておるわけでございます。
 以上でございます。
#193
○辻(第)委員 また次に移っていきたいと思います。
 一つ、これはもう御答弁結構でございますが、御要請だけしておきます。
 三月二十三日の日経新聞に、建設資材の上昇というふうなことが載っておりました。東京における棒鋼市中相場がトン当たり標準品で五・八万円、前年同月比三四・九%、こういうことを書いておりました。十分な対応はとっていただいていると思うのですが、これまでも大変資材の高騰したときがありました。殊に、これから公共事業がふえていこうという時期でもございますので、十分な対応をとっていただきたいということを申し上げて、次に移りたいと思います。
 次に、JRの御徒町のあの道路陥没事故でございます。
 朝からいろいろと御論議があったところですが、事故の原因と今後の対策について簡単にお答えをいただきたいと思います。
#194
○三谷政府委員 この一月二十二日にJR御徒町の都道四百五十三号線の路面が延長約十五メーター、幅約十二メーター、深さ五メーターにわたって陥没して、車両が四台転落損傷、あるいは十三名の方が負傷されるという事故が発生したわけでございます。
 この場所は、先生御承知のとおり、JR東日本が道路占用工事として東北新幹線及び上越新幹線東京駅乗り入れのためのトンネル工事を実施していたものでございます。圧縮空気の漏れに起因する土砂の吹き出しにより、路面陥没が発生したものというふうに伺っております。
    〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕
 圧縮空気が漏れるに至りましたメカニズムとその原因の詳細あるいは当該工事に関する今後の対策につきましては、現在JR東日本におきまして、御徒町駅付近陥没事故究明検討委員会を設置をいたしまして、調査しているというふうに私ども伺っております。
 この委員会でこの四月に、全般的に薬液注入が不足していたことは湧水量の増加につながり、圧気圧を一・一五キログラム・パー・平方センチメートルに保持する結果となった、このことも複合原因の一つとなったと考えられるというようなコメントを発表しておられます。
 建設省といたしましては、事故発生後直ちに、道路の下に圧気シールド工法による工事を実施している箇所についての緊急点検を道路管理者に指示をいたしまして、このような事故の再発防止に万全を期しているほか、今後の対応についてはこの種の事故の再発防止に努めてまいりたいと考えております。
#195
○辻(第)委員 いろいろ新聞に報道されているのですが、ある新聞では、凝固剤ですか、これの注入について中間取得というのですか、それが三三%だったということで、下請の人がそんなにひどいことをやられるのならば凝固剤の注入を七割にしよう、三社がそういうことを約束してやったというようなことも書いてあるのですね。もしこれが事実とすればゆゆしき問題だなと私は思うのですが、その点どういうふうにお考えになるのか、実態はどうなのか、あるいは監督官庁としての指導責任というようなものが大いにかかわってくると私は思うのですが、いかがですか。
#196
○望月政府委員 御徒町の事故に端を発しましたいわゆる薬液注入の問題につきまして、私ども大変に事柄の重みというものを受けとめている今日でございます。
 ただ、この件につきましては、現在JR東日本を中心とする事故検討委員会が調査中であるとか、警察あるいはまた労働省それぞれのサイドでもって詳しく調査をしている段階と承知いたしております。そういった中で、建設工事が伝えられるようないわゆる手抜きあるいは書類の改ざんというふうな、あってはならないことで事実このような事故に結びついているということになるならば、これは私ども関心を払うところでございますが、いずれにしましても、今のところ私どもは関係者から一部の事実関係を聞いている段階でございまして、全貌についてはただいま申しましたような調査委員会あるいは関係当局の御調査、こういったものの進展状況を見ながら、私ども適切な対処をしてまいりたいと考えております。
#197
○辻(第)委員 重ねてお尋ねしますが、これは新聞に書いてあるのでなんですが、先ほど申しましたように三三%の中間取得というようなことはどうでございますか。そういうことはあり得べからざることだと思うのですが、どうお考えになりますか。
#198
○望月政府委員 その種の報道がなされていることも、私ども承知いたしております。ただ、具体的にどのような契約内容あるいは事実行為があったのか、さらにまたいわゆる元請として下請に対する管理監督がどういうふうになされていたかなどなどのことを総合的に見ないと、また実態がどうであるかをもう少しく詳しく調べないと何とも判断ができませんので、先ほど申しましたように、全体の調査状況等をにらみながら対処してまいりたいと考えております。
#199
○辻(第)委員 もう一つ、東葉高速鉄道線習志野台トンネル、ここでも凝固剤の注入不良に基づくと考えられる事故ですか、これは事故までいっていないのですか、不良工事ということが明らかになっておりますね。こういうことも含めて、企業というのは何だかんだおっしゃっているけれども、やはり利潤を優先するということが大きく働いていると私は思うのですね。そういう中で、先ほど申しました中間取得あるいはもっと悪い言葉ですがピンはねというのですかそういうこと、あるいは手抜きというようなことが起こってきているのではないか、こういうふうに考えます。そういうことで、十分な監督体制の強化ということが必要ではないかと思うのですが、いかがですか。
#200
○玉田説明員 習志野台トンネルの事業主体でございます鉄道建設公団から、注入不足の疑いがある、現在調査中であるというふうに私どもは公式に聞いているという段階でございます。鉄建公団におきまして事実関係を確認し次第、御発表があるのではないかと思っております。私どもも十分注目をしてまいりたいと思っているところでございます。
 工事の監督を厳格に行うべきではないかということ、ごもっともな御指摘でございます。私ども、昭和四十九年に薬液注入に関します暫定的な技術指針を定めまして、これに基づきまして建設省所管の直轄事業、都道府県の補助事業、それらの工事の施行を適正に行ってきたつもりでございます。なお一層、こういったことを契機にいたしまして、私どもの監督体制の強化に努めてまいりたいというふうに思っております。
#201
○辻(第)委員 次に、北千葉導水事業というんですか、そこでトンネル水没事故があったようでございます。これは昨年の十一月六日ですね。これは建設省の直轄事業のように聞いております。時間が何なんですが、事故の状況と損害額、それから事故の原因と今後の対策について、できるだけ短くお答えをいただきたいと思います。
#202
○近藤政府委員 ただいま御指摘の件は、北千葉導水事業ということで建設省直轄事業で進めておるものでございまして、利根川下流部と江戸川を結び、手賀沼、坂川周辺の洪水防御と水質浄化、それから都市用水の確保を目的とする事業でございます。
 御指摘の工事は、北千葉第一導水路北千葉第二シールド(その二)工事ということで、その一部をなすものでございますが、昭和六十三年八月から平成四年三月までの三年九カ月の工期で、印西町掘削地先から沼南町掘削地先までの全区間が、ほぼ農地の下の全長二千二百メーターについて、地下約三十五メートルのところで内径三・二メートルのトンネルをシールド工法で施工するものでございます。
 平成元年十一月、ちょうど事故当時、起点の方から六百七十メーターほど掘り進んだ状況であったわけでございますが、十一月六日の午後二時に、掘削作業中にシールドトンネルの一部から滑落が始まって河川水が流入した。ちょうどこれは上が河川のところを横断するような状況だったわけでございまして、この事故では人身その他にも一切影響はありませんでしたし、近隣の建物にも土ぼこりがちょっと入った程度ということで処理した次第でございます。
 それで、事故後直ちに学識経験者による復旧対策検討委員会を設置いたしまして、陥没箇所の埋め戻し、それからシールド内の土砂の取り除き等、応急復旧を進めているところでございまして、事故の原因につきましては、その取り除きが終了次第判明すると思っております。それらを踏まえまして、今後万全な対策をとってまいりたいと思っております。
 それから、工期その他につきましては、現在それらの全体を把握した段階でわかるというふうに考えております。
#203
○辻(第)委員 損害額もお尋ねしたと思うのですが、まだわからないんでしょうかね。また後日お尋ねをしたいと思います。
 ところが、ちょっとこれに疑問があるんですが、十一月六日に起こって十一月二十一日の新聞報道で明らかになったということでありますが、こういうときは積極的に建設省からこういうことが起こったと言うて発表されるものでもないのかもしれませんけれども、何か臭い物にはふたみたいなことではなかったのかなというふうにも思います。もうしかし、これは時間がありませんので前へ行きたいと思うんですが、我々の希望とすればこういう問題でも発表して、原因と責任を明らかにしていただきたい、今その途中だという感じですが。
 それから、やっぱりこういう問題でも監督体制の強化ですね、ぜひ強調しておきたいと思うんですが。
#204
○近藤政府委員 事故につきましては、先ほど申し上げましたように、第三者への損害というものはほとんど皆無という状況でございましたが、この状況は速やかに警察、消防署、県、関係市町村の関係機関に事故報告を行った次第でございます。また、報道機関からの問い合わせにはその段階で判明していることにつきまして事情説明を行っております。
 それから監督の状況でございますが、大変高度な技術を要するものでございますので、専門の課長以下三名の監督員体制をしきまして万全を期しておる次第でございます。
#205
○辻(第)委員 その点には私の誤解があったようにも思います。
 次に直轄事業の監督体制、このことでお尋ねをいたします。
 一九八五年度と八九年度についてさきにお願いをしておいたんですが、建設省全体の人員、それから出張所の職員の数、それから出張所の数、それから監督職員、係長、技術系の係員の数、それから業務委託者の数、それと、わかれば昨年度のアルバイトの方の数ということをお尋ねいたします。
#206
○牧野(徹)政府委員 かなり細かい数字の話ですから要点のみ申し上げますが、まず昭和六十年度の定員は、直轄事業を直接実施するという意味で地方建設局ベースで申し上げますが、二万三千二百十六人でありました。それが平成元年度には二万二千十四人ということでございます。それから直轄事業費は、昭和六十年度が一兆一千九百六十一億円、平成元年度は一兆六千九百二十三億円ということでございます。それから出張所の数は、六十年度六百六十五カ所、元年度六百四十九カ所でございます。それから出張所の職員数というのは、これは現員でございますが、併任等の関係もあって必ずしも断定的に申し上げられませんが、ラウンドでは間違いがないところを申し上げますと、六十年度で約四千九百人弱が平成元年度で約四千人弱であろうかと思います。
 それから業務委託の方ですが、恐縮ですが、これはいろんな調査が始まったのは六十一年度で……(辻(第)委員「六十一年度でよろしいです」と呼ぶ)よろしゅうございますね。前回も御答弁しましたように、この場合には現場技術補助を含まずに二千六百六十人ですが、現場技術業務は恐らく推定で千四百人程度かということで、結局六十一年度合計四千人程度であったかなと思います。これに対し平成元年度は、現在集計中ですので正確な把握はしておりません。六十三年度で申し上げますと五千四百七十八人。それからアルバイト、事務補助でございますが、六十一年度が千八人、六十三年度が千二百八十五人。
 大体そんなところでございます。
#207
○辻(第)委員 牧野官房長には毎回、これで何度目ですかね、こういうお話を申し上げるわけでありますが、定員削減というのが毎年毎年かなりやられるのですね。最近では大体一年に三百六十四人ですか、そういうこと、そしてその中でも出張所の職員、先ほど地建のベースでというお話でしたが、今お聞きしたのでは大体千二百人くらい減っておられるのですね。そのうち出張所の職員が九百人ほど減っておられて、大部分が出張所の職員で減っておられるのです。出張所の数も、これは幾つになるのですか、大分減っておりますね。六百六十五から六百四十九になっておる、減っておりますね。それから、これはお答えいただかなかったかと思うのですが、監督職員も、係長、技術系係員で、私どもの認識では約六百二十六人ほど減っているのではないか、こういうふうに見ておるわけです。
 こういうふうに職員の方が定削、それから増員も幾らかあるようでありますが、この話、毎回言っておるわけですが、こういうふうに出張所の職員の方が非常に減ってきている、殊に監督職員の方が減ってきているということでございます。しかも事業費は、直轄事業費でも、先ほどですと概算約四割ほどですか、ふえておるように思います。仕事が非常にふえておる、ところが職員は定削で減る、もちろん増員を入れてもそれはごくわずかだ、しかも出張所の職員の方が減り、監督の職員の方が減っているというのが実態でございます。
 私は、先ほど来御徒町の問題もございましたけれども、やはり大切な社会資本、安全で良質な社会資本を整備してほしいなということになりますと、民間にお任せをするということは、私は凝固剤の問題は最近の問題ではなしにもう数年前から何度もあるようなお話と聞いているのですね。いまだにこれが続く。こういう一例を見ましても、私は、そこにやはりいろいろと問題がある。手抜きが出てくるというのは当然あり得ることだと思うのです。建設省としてはそんなことはごくまれでございますとおっしゃりたいような気がするわけでありますが、実態としては多くある問題だと私は思うのです。
 法律でもそういうことがちゃんと書かれているのです。基本法、会計法やいわゆる予決令ですか、会計法の第二十九条の十一ですか、この趣旨というのは、きちっと監督をしなさい、きちっといいものをつくってくださいということだと思うのです。そういう精神から見てまいりますと、今のこの職員の皆さん方の削減の状況、そして職員の方がどんどん減って、しかも監督の人が減って、それをカバーしておられるのが業務委託の方だということになりますね。あるいは、アルバイトまでは別でしょうけれども、そういう形になってきておるわけです。そういう状況の中で、職員さんが足りなくて、残業は平均三十二時間ですか、地建のベースで平均月に大体三十二時間というふうに聞いております。多い人では、私驚いたことがあるのですが、二百時間とか三百時間とか、こういうことはどういうことになっているのかなと私もちょっと理解しかねるような状態もあるのです。これでは本当に十分な監督をやっていただけているのかというふうに思いますね。
 それから、私は心安い人に監督官の人がおられるのですが、もう不安で仕方がない。一人でたくさんの現場を持たれるわけですね。自分で直接というようなことになると、そこで業務委託の方というのですか、官の人でない、言うなら民の人、そういう人に頼む、その民の人が不十分というようなことではないと思うのですけれども、やはりそこのところはぎちっと官でやられるべきではないか。
 これは前回も申し上げているのですね。職員の健康の問題あるいは経済性、業務委託の方、これは前回中島さんが申し上げてなにをしたことですけれども、そういう問題。きょうは十分な指導監督をやっていただくという立場からも、建設省はもっと職員をふやしていただきたい。そして、新しい定削の計画ができるのが来年度からですか、もうこういう実態に合わない定削をやめて、建設省としては増員をして、職員の健康の問題や財政的な問題あるいは監督の問題、いろいろ申し上げましたけれども、本当にきちっとした体制をとってやっていただきたい、ぜひ増員も頑張っていただきたいというふうに思うのです。去年お願いして、またことしは去年よりも減っているみたいに聞いているのですが、ひとつそこのところ、決意新たにやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#208
○牧野(徹)政府委員 私どもも、住宅・社会資本の整備が大事である、特にきょうもるる御説明しておりますように、二十世紀の残された十年が大事だということを申し上げているわけですから、全力を挙げて、中でも建設省の直轄事業は国づくりの根幹となるような河川、道路事業等をやっているわけですから、一生懸命やっていきたいと思っております。
 ただ、今先生のお話の中にもございましたように、一方において行政の簡素合理化というふうなことで政府全体として、二十年以上になりますか、第七次定削までやってまいりました。最後は平成三年までです。そこまでは、我々は政府の一員としてこの第七次削減計画に従わざるを得ないと思います。ただ、その中で手をこまねいているわけでは決してございませんので、業務のやり方の簡素合理化を図るということが一つ、もう一つは、今ちょっぴりだとおっしゃられたので大変残念ですが、全力投球をして厳しいシーリングを受けた増員要求をさらにもっととる。それと委託等のことも、お話の中にございましたが「適切な範囲内で補助的業務に限って委託も実施していくというのが私どもの基本的な態度でございます。
 なお、監督の点については専門の方から答弁をさせます。
#209
○玉田説明員 建設省が直轄で行います仕事は、直轄の河川を管理し改修し、建設大臣みずから管理している一般国道の改築と管理を担当する、これを主要な使命としているわけでございます。したがいまして、この地方建設局が所管いたします施設は国民生活に密接に関係がある、したがって、その工事に際して品質をきちっと確保するということは極めて重要なことと認識しております。
 先生御指摘のとおり、法令によりまして「契約の適正な履行を確保するため必要な監督をしなければならない。」というふうに決まっております。建設省では、諸先輩の努力もありまして他の事業主体と比べますと相当しっかりした監督体制を歴史的にしいてこれたと思います。 これからも監督の体制の充実に努力をしてまいりたい、このように思います。
#210
○辻(第)委員 最後に大臣に、ぜひひとつきちっとした体制をとっていただいて、結局もっと建設省としての人員をきちっとふやしていただいて、今のような業務委託の方が三割も四割もおられるというようなことですね。そういうようなことではなしに、そういう方が現実に監督をされておるということではなしに、十分な監督がとれる、そのような体制、人員増を図っていただきたいというふうに思うわけであります。
 私は、建設省の第一線の職員の方、大変頑張っておられるというふうに思います。少ない人員の中で本当に一生懸命やっておられる、もう仕事が生きがいというのでしょうか、そういうことで、金じゃないんだ、条件じゃないんだということで頑張っておられるというふうに私は見ているわけです。しかし、このままでは、建設省さんの第一線の現場というのは大体へんぴなところもございますね。それから長時間通勤あるいは単身赴任というようなことも多い、しかも残業が多いというようなこと、あるいは仕事に責任が持てない不安だとか、こういうことになりますと、やはりこれでは将来が心配をされるわけであります。
 そういうことでございますので、どうかひとつ、ぜひ定員削減の問題、これにストップをかける、そして十分増員をしていただくということで御奮闘いただきたいと思います。ひとつその点で御所見を賜りたいと思います。
#211
○綿貫国務大臣 ただいま官房長、技術審議官から申し上げたのが、建設省の方針であります。
#212
○辻(第)委員 時間が来ました。終わります。
#213
○金子(一)委員長代理 菅原喜重郎君。
#214
○菅原委員 遅くまで建設大臣の出席を要請いたしておりまして、御苦労さんでございます。
 先般、大臣から、建設行政の基本方針及び当面の諸施策についての所信を伺いましたが、我が党といたしましても生活先進国づくりを提唱して諸政策の立案、建議をなしており、建設行政と密接な関係にありますので、まずその関連から質問させていただきます。
 第一は、住宅宅地対策についてであります。 大都市地域では、地価高騰によって一般の勤労者が新たに住宅を取得することが極めて困難な状況にあるわけでありますが、そのために資産格差が拡大している点について、今後どのような対策を講ずるのか、まずお伺いしたい。
 次に、高齢化社会の到来に向けての生活基盤である住宅面での対応も重要なことでありますので、住宅政策にふける高齢者対策への今後の方針について伺うわけであります。
 第三に、第一、第二にも関連しているわけなんですが、首都圏を中心とした地価高騰の要因の一つとして、住宅供給不足があると考えられておりましたが、最近の国土庁の調査では、「世帯数の増加に応じた着実な住宅供給が進んでおり、住宅の量的な不足は見られない」という結果が発表されております。それによりますと、これは政府の住宅統計調査、人口推計資料などをもとにしたものでありまして、東京圏の世帯数が、昭和五十八年の九百三十一万世帯が六十三年には千二十七万世帯と一〇・三%の増に対し、住宅総数が、五十八年が千二十五万戸、六十三年が千百三十三万戸で、世帯数とほぼ同じ一〇・六%の伸びであり、空き家の率は五十八年が八・五%、六十三年が八・二%とほとんど変化がなく、この間の住宅供給は、実需を十分に満たしていると言えるというこの報告でございます。
 ただ、通勤圏の居住者の約六二%、百八十一万人のうちの百十二万人が一時間以上、さらにそのうちの三十七万人、二〇%が一時間半以上かけて職場に通勤しているという条件の悪さが目立っているというわけでございます。このため、大臣が所信表明で、良質な住宅取得を促進するために十年間に新たに百万戸の住宅を供給するという、一応計画が発表されておりますが、今この住宅の量的な推進策と、国土庁の調査結果によるこの報告とでどのような配慮がなされようとしているのか、この質的な問題についてお伺いするわけでございます。
 さらに、この質的な問題というのは、私たちは住居建築費あるいはこの買収費が年収の五倍以内、借家貸借関係は月収の二〇%以内ということを目標にして生活先進国づくりの指標として諸施策を進めようとしているわけでございますが、質を向上することにおいて勤労者の負担能力と乖離をしてくる面が出てこないかどうか、この点に不安を感じておりますので、この点について御説明をお願いいたします。
#215
○伊藤(茂)政府委員 お答えします。
 幾つかに分けてお答えした方がおわかりいただけるかと思います。
 まず第一番目の、大都市地域において一般勤労者の住宅取得が非常に困難になっておるけれども、どういう施策で対応をするつもりなのかというお話でございます。
 仰せのとおり、一般勤労者世帯の住宅の確保が困難化しておるということは私どもも非常に重大な問題だと認識しております。このような状況を踏まえまして、既に今国会にも大都市法の改正案と都市計画法、建築基準法の改正案を提出してございます。さらに平成二年度予算案、これも御審議をお願いしてございますが、その中には、優良な住宅供給事業、農地活用の住宅供給事業の助成といった新しい予算措置も講じております。こういうことによりまして、大都市圏におきます工場跡地等の低・未利用地や市街化区域内の農地につきまして有効・高度利用を図っていきたい、あるいはニュータウンの開発を積極的に進めたい、そういうことの中で良質な住宅の大量供給を促しまして住宅価格、家賃の安定ということを通じて、一般勤労世帯の住宅需要へ十分対応を図っていきたいと考えております。
 今申しましたように、住宅の価格、家賃というのは、我が国の場合民間主体で供給するものが九割を超しております。したがいまして、ほとんど市場で決まるものとお考えいただいて結構なわけでございますが、住宅の大量供給によります住宅、家賃の平均的水準の安定化ということが非常に大事でございますし、住宅地利用の高度化が大事でございますし、公共賃貸住宅の的確な供給が大事でございますし、公庫融資及び税制による住宅取得能力の拡充が大事でございます。こういういろいろな施策の柱を積極的に推進をして、先ほど申しました新しい施策とあわせて、一般勤労者、中堅勤労者が良質な住宅を適切な負担で確保できるようにしていこうということで、これから努力をしたいということでございます。
 二番目のお尋ねは、高齢者対策ということが重要ではないか、どういうふうに考えておるかということでございます。
 高齢者に対します住宅対策を進めるに当たりましては、高齢者が年をとってくる段階で次第に身体機能が低下をいたします。それから住まい方も家族から分かれたりなんかをいたしまして多様化をしてまいります。そういうものに配慮いたしますが、可能な限り家庭や住みなれた地域で生活を送っていくということができるようにしたいというのが住宅サイドからの考え方の基本でございます。
 このため、持ち家で手当てをする方々にとりましては、住宅金融公庫融資におきまして高齢者を含む世帯に対して割り増し貸し付けがございますし、平成二年度では改良工事に対して新たに割り増し貸付制度を導入しようとしております。さらに公営住宅や公団住宅で多人数の方が一緒に住まわれる、あるいは老人だけの世帯等々いろいろな形態がございますが、そういった場合に、規模、設備等からの配慮を講じました公共住宅の供給、それから入居面の優遇措置というものが現状ございます。こういうものを進めてまいりたいということと、さらには高齢者の方々だけが入居できる団地というものをつくりまして、その中心地に簡単な相談を受けるライフサポート・アドバイザー、こう申しておりますが、施設と同時にそういう方々の住宅を中心につくりまして、高齢者の世帯がそこからサービスを受けられる、こういうシルバーハウジング・プロジェクトというものを公共団体が計画をしてつくっておりますものも私ども公営住宅の面からお手伝いをいたしておりますが、そういうものを進めたいと思っております。
 さらに、いずれにしましても、現状進めておりますこういう対策に加えて、さらに一層高齢化が進むわけでございますので、次の五カ年計画、これは平成三年度から始まる予定でございますが、これに向けて、住宅宅地審議会でどういう対策を打ったらいいかということを今御審議いただいておりますが、高齢化の進展に対応した住宅政策が大きな柱になるものというふうに考えております。
 それから、最後に言われました、新聞に大きく取り上げられておったわけでございますが、四月十四日に国土庁が発表したということで出ておったもので、首都圏では既に住宅の量的な不足はないということで、建設省は足らない足らないと言っておるけれどもどういうことなのか、こういうお尋ねで、具体的な数字をお出しいただきました。あの新聞の見出しが適当かどうかということがあろうかと思います。単純に世帯数と住宅数を比較しますと、昭和三十八年以降、もう二十数年になるわけでございますが、既に住宅数が世帯数を上回っております。しかし住宅問題、つまりどういう住宅にどういう世帯が住んでおるか、これは私ども居住水準と言っておりますが、居住水準の状況でありますとか、世帯の収入にとって家賃あるいは住宅価格がどうかといったような住宅問題は、大都市地域を中心に依然として残っておるわけでございます。したがいまして、単純な量的な比較だけで新聞の見出しのような結論が出るというのはいかがかと思うわけでございます。
 具体的に申し上げますと、五十八年、全国で、最低居住水準と私ども言っておりますが、それ以下の世帯が三百九十四万世帯ほどございました。全世帯に対します割合が一一・四%でございました。その当時、東京圏一都三県では百四十一万世帯が最低居住水準未満でございまして、一五・五%、東京都の場合には七十一万世帯ございまして一七・七%ということでございますから、全国値との差が一都三県ではプラス四・一、東京都では六・三、つまり大都市圏は東京都ほど住宅事情が悪いという状況にございました。
 御想像つくかと存じますが、それが六十三年は、全体としては非常に居住水準が上がってよくなっておりますけれども、一部三県と全国との関係で見ますと、全国が最低未満が三百五十五万世帯になりまして九・五%と一〇%を割ったわけでございますが、東京圏一都三県では百四十一万世帯ございましてこれが一三・九、五十八年には全国に対して四・一の差だったものが四・四と広がりました。と同時に、東京都の場合には七十六万世帯ございまして一七・七%、全国との差が八・二、五十八年当時は六・三%でございましたが八・二というふうにさらに広がったということでございます。
 したがいまして、私どもはそういった大都市圏の住宅事情の全国で見た場合の跛行的なおくれといいましょうか、そういうものを非常に重視しているのが一点と、先生から当初御指摘いただきましたように、一般の勤労者が一生働いても家は持てないという状況、これは持たせるのが住宅対策の目的ではございませんが、居住水準の向上努力の中でできるだけ一般世帯の希望に沿って持ち家取得をしていきたいということの環境が次第に悪くなっているということでございます。したがいまして、私どもは大都市対策が非常に重要であろうというふうに考えておるわけでございます。
 最後に、百万戸を供給するということだけれども、どういう質的なことを考えているのかということでございます。
 先ほど申しましたように、量は既に世帯数を上回っております。しかし、今言いましたように一般の勤労者世帯、三十代、四十代の方が子供を育てながら、家族の人数も多くなり子供も大きくなってくる、こういう方々の住宅問題というのが大都市では一番大きな問題でございますが、そういう方々の質の向上を図っていくということのためには百万戸ほど新規に供給が必要だろう、こういう需要面からの推計で出てきた数字でございます。
 その場合に私どもは、一般勤労者が希望に沿って質のいい住宅を持つということでございますので、最低居住水準は当然ながらクリア、そして西暦二〇〇〇年を目指して約半数の世帯が達成すべきだと考えております誘導居住水準、四人世帯の場合には三LDK九十一平米、マンション形式の場合にはそういう数字でございます。それから三人世帯の場合には二LDKで七十五平米、西暦二〇〇〇年には約半数の世帯がこういう水準を超えられるようにということで政策努力をいたしてまいりたいと存じております。
 その場合、負担の問題で先生御指摘がございましたが、私どもも、今現在の政策融資あるいは政策減税を前提にいたしますと、年間収入のおおむね五倍程度、したがいまして平均的な勤労者の所得と市場へ出てまいります住宅価格の平均値のバランスが五倍以内になることが望ましいのではないかと考えております。
 それから家賃でございますが、月収の二〇%以内というふうにお話がございましたが、私どもの考え方は、これは住宅宅地審議会で以前からとられている数字でございますけれども、税込み、ボーナス込みの年間収入を十二で割りまして、月収の二〇%程度以内ということで施策の目標を考えているところでございます。
#216
○菅原委員 いずれにいたしましても、四人家族で三DK五十平方メートルの最低居住水準未満のものが六十三年度でもまだ一四%あるわけでございますので、量の問題、質の問題ともに配慮したこれからの住宅建設を進めていただきたいと思います。
 次に、都市対策についてでございます。
 我が国も本格的な都市化社会を迎えているわけでありまして、都市整備は総合、計画的に推進しなければならないことは当然でございます。特に街路、公園、下水道等の都市基盤施設はまだまだ立ちおくれた実態にあります。所信表明にあります「都市施設の上下空間等の都市空間の複合的な利用」とは具体的にどのような内容を盛り込んだものか、お伺いいたします。
    〔金子(一)委員長代理退席、北村委員長代理着席〕
 この質問の背景には、市街地域内あるいは市街化区域内農地の問題について今後どのようにこの活用を図っていくのか。私といたしましては、中間報告にもありますように、これから線引きや用途地域についての見直しを行うようでございますが、その結果として当然市街化区域の拡大が見込まれるわけでございます。これは当然のことでございますが、同時に、今のこういう農地に対しましても、都市計画法に基づく街路網の設定の線引きをしておりますと、これはある程度、いわゆるそこが住専化している、そこの街路の路線価は宅地価格を排除できる性格のものでございますから、これを早急に、本来行っていることがこれからの都市開発のスプロール化や、また再整備をしょっちゅう繰り返すよりも有効じゃないか、こう思っておりますので、この点を加味したことでこのことを質問するわけでございます。
#217
○真嶋政府委員 お答えいたします。
 初めにお尋ねの都市施設の上下空間等の、都市空間の複合的な利用を図っていくとは具体的にどういうことであるかというお話でございますが、都市におきまして、土地の有効・高度利用の促進を図ることが特に最近求められております。それも、大都市等においては非常に緊急の課題であるというふうな認識を持っております。
 そのため、平成元年度に鉄道等の各種都市施設の上空空間や土地の地下空間を活用して人工地盤や地下交通のネットワークの整備に対して助成をいたします複合空間基盤施設整備事業という制度を創設いたしまして、既に大都市の一部において事業を実施しているところでございます。
 また、平成元年六月には道路法等の一部改正をいたしまして、市街地におきます道路の整備にあわせて一体的に建築物の整備を行うという立体道路制度を創設して、現在東京外郭環状線の和光という地区におきまして、実施に向けて関係機関と協議を進めているところでございます。
 さらに平成元年九月には、都心地区におきまして計画的に地下利用を進めるため、都市局長、道路局長連名通達で「地下の公共的利用の基本計画の策定等の推進について」という通達を出しまして、地下空間の総合的な利用に関する基本計画、地下利用のガイドラインというものの策定を推進するようにしているところでございまして、今後ともこれまで申し上げました施策を積極的に活用して、都市空間の複合的な利用の推進を図ってまいりたいと思っているところでございます。
 それから後段のお話は、結局都市政策の基本をどうするかというようなことであろうかと思います。結局、本格的な都市化時代を迎えて今後の都市整備に当たっていくには、安全で機能的で活力ある都市を実現するとともに、人間性豊かな生活の場にふさわしい緑豊かな美しい町づくりを進めていくことを目標としているところでございます。それで、このために都市計画を計画的に策定、運用するように努めているところでございまして、街路、公園、下水道等のいわゆる都市基盤施設の各五カ年計画に基づきまして、計画的かつ効率的な整備の推進あるいは市街地の再開発事業、さらには土地区画整理事業などの一層の推進を図って、そのことによりまして都市機能というものの高度化を図り、それから良好な市街地の整備を推進するということを基本的に進めてまいりたいと思っているところでございます。
#218
○菅原委員 私の質問している要点は、街路計画によるところの街路設計の線引きをどんどん落とすことをまず優先していったらいいじゃないかということなのですが、このことはどうなっていますか。
#219
○真嶋政府委員 大変申しわけありません。街路計画を落とすというのは……。
#220
○菅原委員 私がかつて都市計画をやったとき、街路計画により路線価の設定を法的にどんどん線引きできましたね、市街地区域内に。それです。
#221
○真嶋政府委員 今お尋ねのところは都市施設の、いわゆる街路に代表される都市施設の計画がちゃんと整備されれば線引きの範囲がそれに伴って拡大していく、こういうふうな理解をさせていただきますれば、現在私どもがとっております線引きの方針も、街路なり区画整理が見込まれる地域については将来人口の枠をとっておきまして、それで事業化がはっきりした段階で、そういう区域を具体的に線引きの中に取り込むという施策をとるようにいたしております。
#222
○菅原委員 それでは次に、国土の保全についてお伺いします。
 我が国における激甚な水害、土砂災害は多発の傾向にあると思いますが、これらを未然に防止するために、重要水系の河川の整備を初め各種の保全対策を強化しなければならないわけであります。実態といたしましては、災害が発生してから復旧工事に追われるというケースも多いのでありますので、建設予算の効率的使用を図る意味でも、また国土保全を的確にする意味でも防災工事が促進されなければならないと考えております。この点についてどう対策されているか、またどう対応していこうとしているのか、お伺いします。
 これには植樹、植生の持つ自然防災力、保全力の利用、活用を考えて強力に対処していっていただきたいということと、最近河川護岸がコンクリート化されまして、魚類、鳥類のすみかが奪われている、こういうことを、自然植生による対応能力も採用することにおいて潤いのある災害対策、自然環境保全に結びついた保全対策がとれないか、こういう意味を含めての質問でございますので、御説明をお願いいたします。
#223
○近藤政府委員 我が国の治水施設の整備水準は、先進諸国と比べますと大変低い状況でございまして、昭和六十三年度末時点で申しますと、例えば中小河川ではほぼ五年から十年に一回程度発生するとされております時間雨量五十ミリ相当の降雨に対してまず安全となるように、その整備を進めております。また大河川については、最近の三十年、四十年程度の大災害に対して耐えるようにということを考えて進めておるところでございます。
 例えば中小河川についての整備率ですと、昭和六十三年度末で約二九%にとどまり、依然として極めて低い状況でございます。このため連年のように水害や土砂害等が頻発して、貴重な人命、財産が失われていることはまことに遺憾な次第でございます。同時に、公共土木施設等についても甚大な災害をこうむっておりまして、これらについては、被災した公共土木施設を復旧するための災害復旧工事に相当の経費を必要としているわけでございます。また、治水施設の整備水準が低いので、どうしても災害の多発した河川を重点的に、結果的には後追いとなるかもしれませんが、再度災害防止をまず念頭に置きまして治水対策の整備を推進しているところでございます。基本的には、我が国の経済力に見合った豊かな国民生活実現のためには、その基盤として国土の安全を確保し、人命財産を災害から防御するために、その根幹施設である治水施設の整備を計画的にかつ先行的に推進することが必要と考えておりまして、今後、治水五カ年計画等に基づきまして、なお一層その推進に努力してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、流域における森林その他の自然の防災機能を活用すべしというお話でございます。これらにつきましては、確かに流域における森林その他が保全されることは河川への流出量が抑制されまして、結果的に洪水の流出量が増大しないわけでございまして望ましいことでございます。これらは関係それぞれの皆さんの努力によるところであろうと思いますが、我々としては、流出した河川が河川外にはんらんしないように努力していくことがまず我々の責務だと考えております。
 それから、河川護岸のコンクリート化の問題でございますが、非常に狭い国土の中で洪水の流下のための断面を確保する意味では、従来から、コンクリートで固めることによってまず河岸の決壊等を防ぐと同時に、洪水の流下能力をふやすように努力してきたところでございます。
 しかし近年、住民の豊かで潤いのある生活環境、その中でも河川もまたその一角を形成するという意味で大変重要なことでございますので、河川の環境の整備につきましてはさまざまの知恵を凝らして努力しているところでございます。今後もそういった方針で努力してまいりたいと考えております。
#224
○菅原委員 この護岸工事、面積の限られた小地域の国土においてはなかなか難しい問題でございますが、今言ったような保全対策を十分に考慮していただきたいと思います。
 次に、水資源問題でございますが、国連食糧農業機構の予測によりますと、地球的規模で水資源が不足しているということでございます。我が国も例外ではございませんで、水の使用量は現在、農業用水が五百九十億ないし六百億立米、工業用水が百六十億立米、生活用水は百五十億立米、合計九百億立米となっております。来る二十一世紀には千四百億立米になると予測されておりますが、生活用水は一・八倍強、工業用水は二・六倍強、農業用水は一・〇倍と考えられております。これだけの水使用量を充足していくためには、現在の水供給量をさらに五百億立米程度ふやさなければならない勘定であります。特に、水が人々の健康にとって重要であることはもちろん、農業かんがいの面でも大切なものであります。今後の水需要量の増大に対し、具体的にどのような対策を講じようとしているのか、お伺いします。
 このことにつきまして、実は私たち岩手県の岩手大学の石川武男名誉教授が、山の上に小ダム、ため池、湖沼をつくることは経費が安くて、それから土砂の堆積とか崩壊も少ない、それに、山の上にそういう湖沼、ダム、ため池がたくさんあると、気象緩和、自然環境の保全、植生の繁茂その他にも十分に役立つという効用を説いております。また、今河川がどんどん汚れておりまして、飲料水の供給にもその浄化に大変な費用を投じて、おいしくない水を都市の住民が飲まされております。こういう小ダム、ため池あるいは湖沼からの取水施設も現在の技術では簡単にできるという主張もしておりますので、これらもあわせて、建設省での対応をどうされているのか、またどうされていこうとしているのか、お伺いいたします。
#225
○近藤政府委員 我が国の水需給の関係は、水資源開発のおくれから依然として供給量が不足している状況にございます。おっしゃいますように昭和五十八年度で八百九十二億トンと想定されますが、このため、豊水期の河川水を取水することによって、いわゆる不安定取水、したがって渇水のときには取れないという厳しい状況の中で年間三十二億立方メートルを取水すること、また地盤沈下地域において本来は表流水、河川水へ転換が必要となっている地下水を年間約二十三億トン取水するというようなことによって辛うじて賄っている状況でございます。その結果、大都市地域においては、小雨のときには全国各地で渇水が頻発している状況でございます。
 今後の水需要は、人口の増加、核家族化の進行、第三次産業の活発化及び都市化の進展等に伴い生活用水の需要は増加するとともに、工業用水は回収率の向上が限界に達していること、工業出荷額の堅調な伸び等を踏まえると、増加基調で推移するものと見込まれます。また、農業用水については、都市化に伴う農地の改廃、転用が進行するものの、乾田化、用排水分離の進展を踏まえますと、微増傾向で推移するものと予測しております。
 昭和六十二年六月に閣議決定されました第四次全国総合開発計画及び同年十月に国土庁で策定しました全国総合水資源計画によりますと、平成十二年の水需要は千五十六億トンと想定しております。我々も、昭和五十八年の水需要八百九十二億トンから比較しますと約百六十四億トンの増となりますので、これに対応して水資源開発施設の整備を行ってまいりたいと考えております。
 また、不安定取水の解消、地盤沈下等地下水障害の解消を図り、なおかつ水需給バランスを図るために、建設省としましては昭和六十三年一月に「二十一世紀に向けての水資源開発計画」に基づきまして、年間約百六十二億トンの都市用水需要増に対応することとして、それぞれの施設計画を策定しておるところでございます。
 平成十二年までには約三百四十事業のダム等水資源開発施設を完成させまして、供給増を図りたいと考えております。このうち、昭和五十八年から平成元年までに四十一事業を既に完成させまして、なお計画の達成に向けて努力しているところでございます。
 さらに、二十一世紀に向けて安定した水供給体制を確立するため、長期的、計画的水資源開発の推進、異常渇水時においても国民生活、経済活動を維持するに必要最小限の水を確保するための渇水対策ダム等渇水対策の推進、地域特性に応じましたきめ細かな小規模生活ダム等の水資源開発、広域的水運用の検討等、総合的水資源対策をあわせて推進していくこととしております。
 それから、先ほどお話がありました岩手大学の先生のレポート等、私ども読ませていただいたわけでございますが、そもそも水資源開発は、河川の流量が豊かな期間に貯水池をつくりましてそこに貯水し、流量が少なくなった時点で補給することによって渇水時の水量を確保しようとするものでございます。それらの所要の水資源開発を行うためには、それ相応の所要の貯水容量の確保が不可欠でございます。
 建設省では、水資源開発に当たり自然の地形状況等を踏まえ、御指摘の方法についても十分考慮しつつ、最も効率的なものを計画し事業化することとしているところでございます。
 このような考え方から、山地部ではダム、平地部では湖沼開発、調節池、また地形、地質上から大規模な施設を建設できないところでは小規模生活ダム、いわゆるミニダムを建設するというように、自然の地形に応じてさまざまな手法を組み合わせて水資源開発を行い、今後とも安定的な水資源の確保に努めてまいりたいと考えております。
#226
○菅原委員 どうもありがとうございました。
 それでは次に、道路整備に移りたいと思います。
 道路の整備は、地域社会及び国民生活において基本的な公共施設であり、特に地方都市、農村地域の活性化や若年層の定住化にとって緊要の課題とも言うべきであります。各地方の市町村打治体の強い要請でもあります。せめて主要地方道は全面四車線が早く実現できないものか。さらに、この整備の際、用地取得が相変わらずネックになっており、国、自治体ともどもに苦労しているところであります。これに対する前進的対処をどう考えているかも含め、その対応方をお伺いいたします。
#227
○三谷政府委員 お答えいたします。
 四全総で、定住と交流による地域の活性化というのが基本課題でありますが、そのための多極分散型国土の形成が計画の基本目標であります。
 私ども、第十次道路整備五カ年計画、昭和六十三年度に発足をさせたわけでございますが、ここにおきまして、高規格幹線道路網の整備を初めといたしました交流ネットワークの強化を図るほか、地方部の定住と交流を促進する道路づくり等々四つの主要課題で道路整備を進めておりまして、高速道路から市町村道に至る効率的な体系的な整備を進める方針でございます。先生御指摘がございましたように、地方に豊かさと潤いをもたらす道路整備を強力に進めてまいる所存でございます。
 しかし残念ながら、日本の道路整備、昭和二十九年度に第一次道路整備五カ年計画がその緒についたわけでございまして、以来第十次に至るまで着実な進展を見たわけでございますけれども、自動車交通の急激な進展というものにとても追いつけず、非常に質、量が不十分でございます。
 今お話がございました幹線道路の四車線化の問題等、ちょっと一つの例を掲げてみますと、例えば国道についても昭和六十三年度の四車線化の延長というのは、全体四万六千六百キロのうち四千三百キロでございまして、これは九%にしかすぎないわけでございます。欧米諸国に比べまして格段に低い整備水準でございます。このような状況を踏まえまして、一般国道の主要区間一万七千五百キロメートル、これは三八%の区間に相当いたしますけれども、これを四車線化するという長期目標を掲げまして、バイパスであるとか環状道路であるとか、現道拡幅等の整備を進めておるわけでございます。
 その整備の過程におきまして、今お話がございましたように、これは全般的に言えることでございますけれども、道路整備は用地の取得というのが大変難しいわけでございまして、いろいろ関係者の方々の御協力を得ながら進めておりますし、いろいろな工夫も、例えば先行買収の方法であるとかいろいろな手段を講じてできるだけ進めるようにしておりますけれども、いずれにいたしましても、大変地権者の理解と協力といろいろなことをお願いして進めていくことになろうかと思っております。
    〔北村委員長代理退席、委員長着席〕
#228
○菅原委員 今この用地取得について前進的な対応ということを表明したのですが、日米構造協議の中間報告の中で「土地収用制度の活用を図る」という一文も明確化はされているわけでございます。実はこの点についてもどう活用を図るのか、これは要望でよろしゅうございますので、ひとつ前進的な対応を考えていただきたい。一緒に、これはあわせてさっき質問するところだったのですが、まあ言葉を濁しておりましたので、今私もはっきり質問の内容を明快にいたします。
 次に、もう時間がなくなってきておりますので、建設産業の振興その他についても質問したいわけでございますが、私の要望といたしまして、北上川治水事業、また、これの関連河川改修工事の促進について、この促進方は予算化され、大いに力は入れていただいているわけでございますが、なお一層の努力をしていただきたい。特に一ノ関遊水地事業につきましては、遊水地内の人家の移転、立ち退きも全面解決したわけでございますので、道路のつけかえ等を住民が望んでおります。また、堤防のかさ上げ等も望んでおりますので、これの促進方をお願いしたい。
 さらに、入札に関しまして、実は下請をやめろというわけではございませんが、公共事業で下請業者に対するところの手形決済がまだされております。殊に孫請、ひ孫請になっていると、調査や何かのとき、表面はもらったように報告してくれということも言われているようでございまして、現実にこういう何カ月の手形をつかまされているわけでございますので、公共事業は事業が完工いたしますと一週間か十日以内に支払われているわけでございます。今後とも下請を守るためにもこういうことがないよう、ぜひひとつ注意をしていただきたい。これは要望でよろしゅうございます。
 最後に、いろいろ答弁を賜りましたが、建設行政をつかさどる立場からの大臣の決意をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#229
○綿貫国務大臣 菅原さんは長らく地方行政の方でも御活躍いただきまして、公共事業の重要性については大変御認識も深うございますし、きょうは大変卓見をお伺いいたしましたが、今後建設省といたしましても、きょう御質問のございましたような趣旨に即しまして、一生懸命頑張っていきたいと考えております。
#230
○菅原委員 よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
#231
○中島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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