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1990/06/20 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第13号
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1990/06/20 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第13号

#1
第118回国会 逓信委員会 第13号
平成二年六月二十日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 上草 義輝君
   理事 井上 喜一君 理事 大野 功統君
   理事 鈴木 恒夫君 理事 園田 博之君
   理事 上田 利正君 理事 武部  文君
   理事 草野  威君
      赤城 徳彦君    金子徳之介君
      小林 興起君    佐田玄一郎君
      長勢 甚遠君    真鍋 光広君
      町村 信孝君    村田 吉隆君
      森  英介君    森  喜朗君
      秋葉 忠利君    伊藤 忠治君
      上田  哲君    田中 昭一君
      山下八洲夫君    吉岡 賢治君
      遠藤 和良君    菅野 悦子君
      柳田  稔君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 深谷 隆司君
 出席政府委員
        郵政政務次官  川崎 二郎君
        郵政大臣官房長 白井  太君
        郵政大臣官房人
        事部長     桑野扶美雄君
        郵政大臣官房経
        理部長     木下 昌浩君
        郵政省簡易保険
        局長      松野 春樹君
 委員外の出席者
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部老
        人福祉課長   辻  哲夫君
        郵政大臣官房首
        席監察官    小宮 和夫君
        逓信委員会調査
        室長      辛島 一治君
    ─────────────
委員の異動
六月十九日
 辞任         補欠選任
  中井  洽君     塚本 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  塚本 三郎君     中井  洽君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  吹田  ナ君     町村 信孝君
  中井  洽君     柳田  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  町村 信孝君     吹田  ナ君
  柳田  稔君     中井  洽君
    ─────────────
六月二十日
 電報夜間受付の存続に関する請願(菅野悦子君紹介)(第二三六八号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)(参議院送付)
 簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第四四号)(参議院送付)
     ────◇─────
#2
○上草委員長 これより会議を開きます。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村田吉隆君。
#3
○村田(吉)委員 自由民主党の村田吉隆でございます。簡易生命保険法等の一部を改正する法律案につきまして若干の御質問をさせていただきたいというふうに考えます。
 本法案は、近年におきます社会経済情勢の変化とか保険のいろいろな需要の動向にかんがみまして、簡易生命保険それから郵便年金を合体するということを主な内容とする法律の改正案でございますけれども、考えますに、最近我が国の高齢化の進展というのは非常な急ピッチで進んでおりまして、六十五歳以上の人口は昭和六十三年には一千三百八十万人ぐらいに達している。総人口でいいますと一一・二%を占めるということになっておるようでございまして、厚生省の人口問題研究所の推計によりますれば、二十一世紀の初頭にはこれが二〇%に達するというような状況になっているようでございます。平均寿命の方も大幅にアップいたしまして、女性は既に昭和五十九年に八十歳を超えている、それから男性の方も昭和六十一年に七十五歳を超えるというような形になっておりまして、我が国は世界一の高齢社会あるいは長寿国になっているわけでございます。
 こうした中で考えてみますと、人の一生といいますか、我が国、日本人の一生を考えた場合に、大体二十五歳ぐらい、二十五年間ぐらいを学齢年齢と考えまして、その後の四十年くらいが働く年齢階層、それから老後が非常に大幅に伸びまして、人生八十歳というふうに考えた場合にあとの二十年ぐらい、これが老後という形になっていくわけでございます。こうしたことを考えますと、老後をいかに豊かにそして余裕を持って生活するかということが国民一人一人の非常に大きな目標といいますか、あるいはより消極的にいえば不安ともなっているわけでございまして、そういう意味で、こういう問題というのが保険という問題をめぐっても非常に大きな環境の変化をもたらしていると私は考えているわけでございます。
 それから、こうした高齢化の進展ということのほかにいろいろな国民の意識の変化というものが起こっておりまして、いわば核家族化ということで、今までは家族全体で一家の生計を考えるという状況であったものが、一人一人が自分のことは自分で考えなければいけないということでありますから、この生命保険をめぐっても、今までの一家の大黒柱である働き手、これが亡くなったときに生活保障をどうするかという観点から、それから老後にどう備えるか、そういうような生涯設計の一つのねらいを持つような内容に変化してきているのではないかというふうに考えておるわけでございます。そうした中から保険というものも、老後設計のあるいは生涯設計の一つの重要なファクターとして、自分の老後の生活は自分で守るという自助努力の意識の高まりとともに、非常に大きな問題として皆さんが考えられるようになってきているのじゃないかというふうに思います。
 こうした全般的な動きのほかに、金融情勢、金融機関あるいは金融制度をめぐる環境というものが近年大幅に変化しておりまして、いわば金融の国際化あるいは自由化という問題が非常に大きな問題となってきているわけでございます。こうした中で、簡易生命保険あるいは郵便年金につきましても、時代の変化に影響を受けざるを得ないような形になっているわけでございます。
 ここで大臣に一問御質問を申し上げたいと思っておりますのは、そうした時代のいろいろな変化がもたらされております長寿社会あるいは寿命が延びていく社会において、あるいは金融をめぐるいろいろな環境が変化している問題、そういう中でこの簡易保険あるいは郵便年金という商品あるいは制度自体がどういうような対応をしてきたのか、あるいは今後どういうような対応を図っていくのか、大臣にその点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#4
○深谷国務大臣 先生御指摘のように、今日は急激な長寿社会を招いたわけであります。長生きすることは大変すばらしいことでありますが、長生きすればいいというものではなくて、先生のお説のように、長生きしてよかったという形にならなければなりません。そこで、郵政省といたしましても、今日までさまざまな努力をいたしてまいりました。
 私たちが考えなければなりませんのは、豊かで活力ある長寿社会を実現する、老後に備える国民の自助努力をどんなふうに支援して促進していくか、こういう点でございます。簡易保険、郵便年金では、このような高齢化に対応いたしまして、昭和五十六年に新郵便年金をスタートさせ、最近では夫婦年金あるいは夫婦保険、介護保険金付終身保険あるいは郵便年金の特約制度を創設するなど、制度の改善を図ってまいりました。
 今回、保険、年金両制度を統合して生涯保障保険を創設するのも、高齢化に対応して適切な生涯生活設計に基づく国民の自助努力をどう支援するかということの配慮からでございます。今後もきめ細かな体制を確立してまいりたいと思っておりますので、どうぞまた村田委員の格別な御指導と御提案をお願い申し上げたいと存じます。
#5
○村田(吉)委員 時代、社会あるいは経済情勢が変化していく中で、制度というものはどうしてもそれに対応していかなければならないわけでありまして、そうした意味において、今回の法律の改正案というものは非常に時宜を得たものであるというふうに考えております。日本の社会は昭和五十年代以後低成長時代を迎え、あるいは非常に大きなその他のもろもろの変化が起きておりまして、そうした中で政府も財政改革をやったり税制改革をやったり、そうした新しい社会環境、経済環境へのソフトランディングを果たすために、いろいろな制度改正を政府としても今試みているわけでございまして、そうした中で簡易生命保険あるいは郵便年金制度もそうした対応を図るということは大変好ましいことだと私は考えておりますが、むしろ民間の動きに比較いたしまして多少遅きに失したかなという感もなきにしもあらずでございまして、一層の御努力をお願いいたしたいというふうに考えております。
 次の質問でございますけれども、「人生七〇万時間 ゆたかさの創造」という副題で平成元年度の国民生活白書が発表されたわけですけれども、勤労者世帯の貯蓄残高、これを見ますと、近年かなりのペースで伸びているような数字が挙がっておるわけでございます。
 その内容を見ますと、まず残高としては大体九百万ぐらい、昭和六十三年末で勤労者世帯の貯蓄残高は八百九十三万円程度に上がっております。全体で見ますと、前年に比べて九%ぐらいの伸びを示しているわけでございます。その中で、「生命保険」という欄を見ますと一五%の伸びを示しております。さらに、この内容を見ると、民間の生命保険会社の伸びは一七・一%、特に民間生保の個人年金保険等が大幅な伸びを示したようでございまして、民間の方は一七・一%という形でございまして、昭和六十一年から−0%を超す伸びが、しかもその伸びのベースがだんだん速まっているような形に、高まっているような形になってきておるわけでございます。
 一方において、簡易保険・郵便年金の方を見ますと、これに比べましてやや伸び率が低くなっているわけでございます。ちなみに六十三年度で見ますと九・五%の伸びでございますから、先ほど申し上げた民間の生命保険に比べますと、半分とは申しませんが、半分ぐらいの伸び率しか計上してないということでございます。
 民間の生命保険に比べて、簡保それから郵便年金の伸び率が低いというこの数字を目の前にいたしまして、それじゃ一体どこに問題があるのかなということを私は考えてみたわけでございますけれども、一つは、簡保それから郵便年金の方の商品、これが国民のニーズに対応し切れてないのではないか、だからこういう数字が出てきたのではないかというふうにも考えたわけでございますが、この点についていかがでしょうか。
#6
○松野(春)政府委員 ただいま先生御指摘いただきました国民生活白書でありますが、昨年十一月に発表されまして、その中で総務庁の貯蓄動向調査の状況が引用されております。昭和六十一年から六十三年の勤労者世帯の貯蓄の動向といたしまして、一つは、生命保険がこの当時預貯金に比較して大きな伸びを示しているという大変な特徴がございます。それから、その中で生命保険の内訳といたしまして、今御指摘がありましたように、民間生保が対前年増加率が一三から一七%の伸び、これに対して簡保は五ないし九%の相対的に低い伸びというのも事実でございます。
 考えまするに、ちょうどこの時期に預貯金に比較して生命保険がなぜ大きく伸びたかという理由がまず一つあるわけでございます。当時、私どもの認識では、預貯金金利が戦後最低の水準にある中で、これを上回る配当水準を示していた生命保険、特に民間生保におきましては、貯蓄性の強い五年物等の短い時期の一時払い養老保険等に大変貯蓄商品として注目が集まったというのがこの時期に当たるだろうと思っております。これがまた、生保の大きな伸びを示す結果になったのではないかと思っております。
 そこで簡易保険でございますが、簡易保険の場合は、これは御案内のように、資金運用の範囲が民保と比較いたしましても制限がいろいろございます。このような五年物というふうな超短期の商品につきましては、簡易保険は発売しておりません。現在でもおりませんし、当時もおりませんでした。したがいまして、民保と簡保の比較を、この時期に単純に比較することがやや困難な意味合いもあろうかと思うわけであります。
 昨今、特に昨年来でありますが、この預貯金金利が上昇を続ける中で今生じております現象は、利回り面のみでの貯蓄と比較しての生命保険の魅力というものが当然のことながらやや変わりつつあるわけで、ある意味では本来の道筋に戻ってきたかなというふうにもうかがえるわけであります。したがって今後、六十一年から六十三年当時見られたような、ある意味では一過性的な現象というものが影を潜めていくのではないかということでございますけれども、もし一世帯あたりの払い込み保険料の総額で比較するのでなくて、例えば契約件数とかあるいは保険金額で比較しますと、大変民保と簡保の特徴がよく出てまいるのでありますが、この契約件数でこの期間を比較いたしますと、むしろ簡保の方が伸び率が高い。しかしながら、契約の保険金額で比較しますと民保の方が相当上回っているという状況であります。
 この特徴を一口で申しますと、やはり簡易保険は一定の限度枠の内でありますけれども、比較的貯蓄性の商品が多い、主力であるということ、それから民間の場合にはやはり大型の、保障型の商品が主力であるというふうなことがあるいは背景にあるのかもしれません。御答弁になっていない分もあるかと思いますが、以上のような考えを持っております。
#7
○村田(吉)委員 商品性についてもうちょっと質問をいたしたいというふうに思っておるのですが、平成元年の六月に出した「簡易保険・郵便年金に関する調査研究」というのを見ますと、これからの課題という問題が掲げられているわけでございまして、その中にいろいろ書いてございます。私は、保険という民業と同種の一つのサービスが共存しているこの中で、やはり官業としての簡易生命保険あるいは郵便年金制度、これもある程度の特色は持っていかなければいかぬだろうなという気がしておるのでございます。
 それで、簡易生命保険法の第一条をよく見てみますと、「国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もつて国民の経済生活の安定を図り、」云々と書いてございます。この保険法第一条の趣旨から照らして、一体今、ただいまのお答えの中で貯蓄性を持ったのが簡保であるというお答えがあったのでございますけれども、翻ってこの保険法第一条との絡み合いで考えた場合に、簡保あるいは郵便年金というのは、掛金率の安さとか配当性がより高いとか、あるいは利便性、簡便性ですぐれているとか、民間商品に比べて何かそういう意味で特色があるかどうか、その点について御質問をいたしたい。
#8
○松野(春)政府委員 簡保法の第一条の「目的」に書いてあります内容は、今先生御指摘のとおりでございます。この保険料、配当、簡易性あるいは利便性という点につきまして、少し区々にわたりますけれども個別に簡単に触れさせていただきます。
 この保険料につきましては、私どもの事業の場合、三事業一体として経営を行っているという特徴が一つございます。それから、もちろん積極的な事業の効率化を推し進めてまいっておりまして、事業比率という面で見ますと民保の約半分になっておりまして、比較的効率がよい経営を行っているという比較になっております。ただ、従来から簡保の保険料につきまして、非常に保険料のつくり方はその会社、会社のなかなか特色が出てまいりますので一概には申せませんけれども、おおむね簡保の保険料は民保に比べて安くなっておるということは間違いないと言えようと思います。ただ、中には高いものがありまして、例えば終身払い込みの終身保険という保障性の高い商品、それから定期保険、これも掛け捨て型でございますが、この分野では簡保の方が若干割高であるというふうな現象も例外的にございます。
 それから配当でございますけれども、簡保は民保に比べて運用面の制約があることは御承知のとおりでございます。したがいまして、運用利回りをトータルで見ますと、どうしても民保よりも若干低い状況にあります。例えば、これを六十三年度の数字で見てまいりますと、簡保は総体の運用利回りが六・二八%でありましたが民保は六・六一%ということで、〇・三三%ほどの差がございます。これはある意味ではやむを得ないことかもしれませんが、この結果、運用面からの配当というものは低くならざるを得ないわけでありますが、先ほど申し上げた簡保の事業費率が一方で割合効率がよいということを相対的に考えますと、保険の種類によってはこの配当につきましても必ずしも民保よりも低いことにはなっておらないというふうな状況も一つ言えます。
 それから簡易性は、これは大変常識的な言い方で済みませんが、この簡易保険はすべて無診査保険でございまして、面接と告知ということによって危険選択を行っておるわけでございます。どちらかといいますと、無診査保険もありますが、有診査保険を主体とする民間生保と比較しました場合、やはり手続的には簡易な面があるということは言えようかと思います。
 最後に利便性でありますが、これはいろいろな御見解があると思いますが、やはり簡易保険が全国津々浦々にある郵便局でその取り扱いをやっておるという一言でもって、民間生保に比較した場合、利便性にすぐれている、私はそういうふうに認識いたしておるわけであります。
 ただ、先ほど冒頭でちょっと先生が触れられましたが、簡易保険が、現在のところ養老保険という貯蓄性の高い保険が主力になっております、八割近く占めておりますけれども、最近起きている現象は、やはりその中でも保障性の高い分野に簡易保険も積極的にPR等を行っていくべきであるというふうな私どもの営業上のスタンスを今日の課題として抱いておるということをつけ加えさせていただきます。
#9
○村田(吉)委員 簡保につきましても、これから国民の多様なニーズにこたえていろいろな商品開発をしていかなければいけないと私も考えておるわけでございますけれども、今のお答えにもありましたように簡保の方の運用の利回りがやや低い、制約があることもございまして、そういうお答えがございました。ただ、株とかあるいは外債とかそういうリスキーな投資対象に運用していきますと、ハイリスク・ハイリターンがねらえますけれども、一方において本当にリスクにさらされることになるわけでございまして、そういう意味でこれから多様な商品を開発していく、その中にはハイリスク・ハイリターンもあるかもしれません、あるいは今お答えになったような大きな保障をする保険、そういうふうに考えた場合に、やはりいろいろな種類の商品が考えられた場合に、私が考えますのは、リスクを公開するといいますか、そのディスクロージャーの問題が出てくると思いますし、それから個別商品についていろいろな性格の違う保険の種類が設けられていったときに、やはり保険ごとの区分経理というものも必要になってくるだろうと思います。
 時間がなくなりましたのでお答えはよろしゅうございますが、そういう点についての、今後商品を開発していく中で、あるいは投資先をどうやって、高いリターンを得るようなものに分散していく場合において、これからはそういった要望にもこたえていかなければいけないと思っておりますから、ひとつその点についても御研究をお願いいたしたいというふうに思っております。
 それからもう一つの問題なんですが、限度額の問題。郵貯の方でもこれは限度額があるわけでございまして、こちらの簡保の方でもあるいは郵便年金の方でも限度額制というものが設けられております。ある資料によりますと、郵便年金あるいは簡保を見た場合におきまして、簡保の平均保険金額は二百十一万円。先ほど貯蓄性の高い養老保険が八割を占めるというふうにおっしゃっておりましたのですが、民間保険が、これは大型保障型というふうにお答えがありましたから当然なのかもしれませんけれども、四百五十三・五万円ということです。大型保障型を簡保の方にも取り入れるときには、この限度額の問題というのは必ずぶつかってくるように思います。
 しかしながら、一方において官業と民業との区別ということを考えた場合において、分野の調整というものを考えた場合において、限度額というものは今日的にどういうふうに考えていったらいいのか。ただ取っ払えばいいのか、郵政省さんはそういう考えだと思いますが、そういうふうに考えた方がいいのか。あるいはあくまで、民業、官業の保険の性格づけというのが仮に非常に難しいとなれば、ここは設けておかなければいけないという考えなのかどうか、そこの点についてお答えをいただきたい。
 利用者の方から考えますと、全国津々浦々で簡保のサービスを受ける国民の皆さん方が、この限度額で仮に完全な商品を簡保から提供されないというふうになった場合にはやはり問題でもあるというふうに私は考えているわけなんですが、この限度額について、民業との関係あるいはほかとの関係、商品設計の問題等々を考えられまして、限度額の今日的意味というのはどこにあるのか、ひとつお答えを願いたいと思っております。
#10
○松野(春)政府委員 最初に、限度額制度という制度的な意味についての認識でございますけれども、私どもは国営事業でございまして、一部の者の高額の加入というよりも普遍的な普及に努めるためということを基本に置いているというふうに理解しております。
 なお、この保険金額につきましては、被保険者の死亡について保険金を支払うものでありますから、先ほども触れましたけれども、面接や告知によって排除できない不正加入にやはり一定の歯どめをかけるという、これは過去の経緯から見ましてもあるようでございます。これらのことで事業経営の健全性を維持するあるいは普遍的な普及に努めるようにするということで、この限度額制度が成り立っておると思っております。
 ただ、これが適切な水準に維持できているということが前提にあるわけでありまして、そういう意味で申しますと、現在の限度額は昭和六十一年九月に一千万円から一定の条件のもとに一千三百万円に保険の場合引き上げられたわけでありますけれども、ちょうど五年程度、来年でありますけれどもたつわけでございます。したがいまして今後は、加入者のニーズでありますとか、それから生活水準あるいは加入状況の推移、さまざまな指標があると思いますが、これらを考慮しまして適切なものにするよう今検討を行っておるところでございます。
#11
○村田(吉)委員 時間がなくなってまいりましたのですが、次に、簡保事業団の方で有料老人ホームを今度建設する、そのために出資機能を付与するという改正があわせてなされるわけでございます。私もかつて、私事で恐縮でございますが、両親のことで大変悩んだことがございまして、いろいろな有料老人ホームを訪ねてみたことがございました。
 法律によりますれば、老人福祉施設という枠の外にこの有料老人ホームというものが位置されておるわけでございまして、老人福祉施設の中でも、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームというふうに分かれているわけでございます。特養は常時介護が必要な人、それから養護老人ホームは経済的な理由というのが加味されてきているわけでございますが、軽費老人ホームと有料というものがどうもわかりにくい。
 人間はどうしても生身でございますから、収入とか資産の多寡の区別は残念ながらあるといたしましても、一人の介護を必要とするあるいは収容を必要とする老人をそういう役所型の分け方で分けておくというのは非常にわかりにくくて、かえって老人に対して不親切ではないかという感じを持っておりますから、軽費老人ホームと有料老人ホーム、主体で見ますと、軽費老人ホームの方には株式会社形態のものは入れないという形になっているようでございますけれども、どうもその区別がわかりにくいわけでございまして、有料老人ホームにつきましては、今度老人福祉法の改正でもってやや手が入るような改正内容にもなっているわけでございますけれども、そこら辺で有料老人ホームというものとその他の老人福祉施設としての施設とどういう位置づけに持っていきたいと厚生省は考えているのか、御質問をしたいと思っております。
#12
○辻説明員 先生御指摘の老人福祉法に基づきます特別養護老人ホーム等の施設につきましては、社会福祉事業法上第一種社会福祉事業ということになっております。これは、具体的には地方自治体が公的な責任において供給する、あるいは所得の低い方について、いわば弱い立場の方に対して供給する軽費老人ホームにつきましては公的な一定の規制と助成、補助金が出るといった形で整備するものでございます。したがいまして、軽費老人ホームは一定所得以下の方につきまして、しかも公的な助成をもって行う。
 ところが有料老人ホームにつきましては、これは通常の消費者の選択に応じまして自由に供給される、いわば市場機構の中で供給されるものであるということで、これにつきましては直接的な助成は行わず、行政指導と間接的な融資といった形で健全に育てていく、こういった関係になっております。
#13
○村田(吉)委員 私もいろいろなところを見学してみたのですけれども、いいものでは健常者の施設、健常者といってもお年寄りはどうしても荷物がありまして、その荷物を捨てたくないという気持ちが働いているものですから、その御老人が住むときに持ってくる荷物を収容するトランクルームをちゃんと設けているところがある。それから、一時的な病気の場合に治療をする診療所を設けておるもの、それから、寝たきりとか俳回とか常時介護が必要になった場合の施設、そのほかに給食施設、老人の生きがいとか健康のための施設、そういうような施設が総合的になっているものが私がいろいろと見学した中では一番いい施設でありました。
 悪いものではとにかく、有料老人ホームの一つの基準というものが、家があることと給食をサービスすること、それでよろしゅうございますか、そんなことになっておりまして、有料老人ホームではなくて老人のマンションというだけの施設もありまして、そこにナースコールのボタンだけがあるようなもの、そういう施設、あとは病気になったときは追い出すというような施設もございました。
 先ほど申しましたように、老人は生身でございますから、老人の心身の衰弱の程度の状況に応じてやはりそこから追い出さないで最後まで完結的にそこに住まわせてあげる、老人福祉施設とは申しませんが、そういう老人施設というものが必要ではないかなというふうに私は考えておりまして、これから浦安に事業団の方で開設される施設につきましても、いわば老人に給食を供給して住まわせるだけの施設ではなくて、やはり自己完結的なついの住みかとして安定できるようなそういう施設を目指してもらいたいなという私の個人的な希望を持っております。
 私は、今度老人福祉法が改正になっても今の有料老人ホームというのはうまくいくだろうかという懸念も少なからず持っているわけでございますけれども、私は、この有料老人ホームという施設をリードするようなそういういい施設に、せっかくやるのですからそういうパイロット的なものにしていただきたいということをお願いして私の質疑を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#14
○上草委員長 次に、吉岡賢治君。
#15
○吉岡委員 簡保三法の改正ということで幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 私は、まず一つは、なぜ郵政の三事業が公企業なのか、このことについてお聞きをしたいと思うのです。
 郵政三事業は、需要の変動にかかわりなく安定的なサービスを提供する必要がある、また外国との交歓、交流の交渉を必要とすることから国営とすることが望ましいとか、また、事業のために巨大な資本を必要とするかわりに収益性は低くなりリスクを伴うことから民業としてはふさわしくないとか、同一地域への重複投資を避ける、また全国均一で、しかも安い料金によるサービスを提供し得る、こういう経済的な必要性と、もう一つは、あまねく公平な利用とサービス、さらに国民福祉の増進等の社会的必要性を背景として公企業としての経営形態を維持してきた、このように言われております。
 ところが、一次、二次のオイルショックを挟んで深刻なスタグフレショーンに悩まされ、経済も低成長の時代へ突入をしていきました。そして税収が大変低下をする、そういう状況の中で大量の赤字国債の発行から財政赤字を増大させることとなってきたと思います。ケインズ政策が効を奏さない中でマネタリズムが台頭をし、経済政策の転換の中で、規制緩和や公企業の民営化、さらに自助努力、こういうことを名分とした福祉圧縮の政策が出されてきました。一九八一年からの第二臨調行革路線がそれであります。電電あるいはたばこ、国鉄などの民営化など、公企業を直撃したと言っても過言ではないと思います。そして今もそのトレンドが続いたままになっているところでございます。
 一方、民間宅配やダイレクトメール業者は郵便事業への参入に懸命であります。金融自由化によりまして、郵便貯金あるいは簡易保険もその波にさらされ、競争の激化を招いているところであります。しかし三十万人余の人々の懸命な努力の中で郵政事業は今黒字に転じているところでございます。そういう状況の中で、電気通信の飛躍的進歩あるいは交通網の整備、経済発展による需要の拡大、資本のリスク回避、さらには財政投融資への貢献という点についても、資金過剰実態では今使い残しがあるという状況であります。こういう中で郵政事業の公共性に説得力を欠くという状況が生まれているやに思います。
 しかし、新たな公共性の追求は今こそそういう意味で必要であろう、こういうように思っているところでございますけれども、郵政省の、公企業を守る立場での決意をお聞かせいただきたいと思います。
#16
○白井政府委員 ただいまさまざまな観点から私どもの郵政事業をめぐるいろいろな見方、考え方についての先生のお話がございました。私どもといたしまして、郵政事業のあり方、なかんずく郵政事業の経営形態のあり方については、もう既に当委員会でもお答えをさせていただいたことがございますが、非営利の国営事業としてこの三事業を一体のものとしてやっていくということが最もふさわしい経営形態であるということをいろいろな機会を通じて申し上げておりますし、そういうことについて御理解をいただくように努力をしてまいったつもりでございます。
 特に、去る四月に幕を閉じました、いわゆる行革審においては、郵便局の経営形態などがかなり大きな議論になったとお聞きしておりますが、そうした中におきましても、私どもとしては、ただいま申し上げましたような考え方を各委員等に十分理解していただくように、みんなで一緒になりまして御理解をいただくような努力をさせていただいてきたつもりでありまして、その点、そうした点についての御理解も大方いただけたのではないかというふうに思っておりますが、これからもそうした考え方をもとにいたしまして、さらにはせっかくある国営の、非営利の国の機関をもっと国民の皆様方に利用していただくというか、そういうものが国民の皆様方の生活の中でもっとお役に立つようなことはないかということを真剣に考え、またそうした方向で取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#17
○吉岡委員 私はぜひ公企業として守っていただきたいという気持ちを込めて申し上げたつもりでございます。
 そういう意味で、郵政事業というのは、なるべく安い料金であまねく公平なサービス、そして国民生活の安定と福祉の増進、こういう言葉で郵便法の第一条あるいは郵便貯金法の第一条、簡易保険法の第一条、こういうように目的に設置されておりまして、またその実績を上げてこられたと思うのでございます。このことは全逓の皆さんも非常に慎重に、また真剣に考えていらっしゃいます。
 そこで、郵政事業の経営資源として、全逓さんがおっしゃっているのは、二万四千の郵便局が全国津々浦々にネットワークとしてあること、あるいは地域の状況に精通した三十万人の職員がいること、さらには地域の中心的位置にある用地なり郵便局、そしてまた百十年の事業活動を通じて蓄積されたノーハウ、創業以来培われた信頼、こういうものを非常に大切な経営資源として見詰めながら、規模の経済性と今おっしゃいましたように、郵便、貯金、保険、異質なサービスを一企業体で進めていくという、いわば範囲の経済性といいますか、そういうことを背景に、採算の合わない地域にでもサービスを提供することができる、こういうように言っておられます。
 また、二十一世紀にわたる高度情報化あるいは高齢化社会にこたえていく、そういう立場として社会システムとしての郵便局、このことを国民、利用者とそして郵政事業のアクセスポイントに郵便局を置き、ソフトなインターフェイスである郵便局に脱皮していきたい、こういうことの基本が一つとしては公企業としての性格堅持、二つには三事業一体の経営確保、三つには全国ネットワークの堅持、こういうことを基本にして言っておられます。
 労働組合は、みずからが働く職場のことを真剣に考え、それに政策を持つ、さらにそのことに努力をしていこうという姿勢の中でやっておられることは非常にすばらしいことだというふうに私は思っているところでございます。したがって、このことについて郵政省としてそのことをどうとらまえ、そしてまたどう対応されていこうとしておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。
#18
○松野(春)政府委員 先ほど官房長から、郵政省三事業の全般的な経営形態に絡まる御説明を申し上げましたけれども、私の担当しております簡易保険・郵便年金事業、全く事情は同じでございまして、先生御指摘のように、あまねく公平に提供する、しかも郵便局を通じて三事業一体の中でこれを提供してまいるという特徴がございます。
 全逓信労働組合が「現代社会と郵政事業」というタイトルで論文をまとめられました。その中で、社会的費用と社会的便益という費用便益分析あるいは社会的合理性等につきまして、専門的な分野にわたりますけれども、大変傾聴に値する御提言をいただいている。しかも、その内容につきまして腑に落ちることが多々あるというふうに、私認識しております。
 これからも私どもは、この非営利の国営事業という形の中で、国民の皆さん方のニーズに最大限こたえて、積極的に事業の展開を図ってまいる所存でございます。
#19
○吉岡委員 ひとつその点よろしくお願いしたいと思います。
 といいますのも、ウォルフガング・フリードマンの「公企業の理論的根拠」というのを一つの背景にしながら、全逓の皆さん方も一生懸命勉強しながら頑張っておられると思いますから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 さて、簡易生命保険法の改正についてお聞きをしたいと思います。
 まず一つでありますけれども、今回の改正について、簡易保険と郵便年金を統合し、簡易年金保険法の規定を整備するということと、保険金及び年金の保障を一体として提供する簡易生命保険の制度を創設するということになっておりますが、国民のニーズに沿って、生涯保障保険や家族保険の多様化などにこたえようと努力されていることに敬意を表するものであります。
 そこで一つお聞きをします。
 今回改正の中で、簡保法二条の改正の趣旨は何でしょうか。内容といいますのは、従来簡易保険を郵政省がつかさどる、こうなっていたのを郵政大臣が管理するということになっているのですね。どういう理由なのかわかりません。私が想像しますと、郵政大臣おいでになっていますね、大臣の権限が大変強くなりまして、言ってみれば郵政省が監督官庁にさらになろう、そのために大臣に権限を集中しようかというふうにお考えになっているのではないかなどと想像もしたくなるようなこともありますので、誤解をしてはいけませんと思いますから、その辺お答えをいただきたいと思います。
    〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕
#20
○松野(春)政府委員 ただいま簡易保険法二条の改正の趣旨について御質問賜りましたけれども、少し経緯のある問題でありますので、その経緯と、それから同時に、現行の簡易保険法第三条のかかわりもありますので、それも含めて御説明申し上げます。
 簡易保険法第三条におきまして、代表機関を、私でございますが、簡易保険局長と定めてございます。この規定の由来は、この簡易保険・郵便年金事業が過去いろいろな実は組織の所属につきまして変遷をたどりました。昭和十三年に厚生省に移管されたこともございますが、その際に、当時の勅令におきまして、現行法三条と同じ趣旨の規定が設けられ、この規定が昭和十七年にこの簡易保険・郵便年金事業が逓信省に復帰した際もそのまま引き継がれまして、昭和二十四年に現行保険法が制定された際、現行法三条のような規定になっておるといういきさつであります。
 そこで、現在の郵政三事業のうち、郵便、それから郵便貯金、郵便為替、郵便振替、これらの事業は代表機関の規定を置かずに各法律におきまして、単に郵政大臣が管理するというふうに規定されております。簡易保険・郵便年金のみが先ほどのような経緯で例外的になっておりまして、私決してひがんでおるわけではございませんが、いろいろな経緯がございまして、そのようになっております。今回の改正を機に、郵便や郵便貯金等と同じような規定ぶりにしようということで改正を行ったところでございます。
 以上のような経緯でございます。
#21
○吉岡委員 何もひがまれる必要ないので、むしろ内容からいえば郵政省の皆さんにということの方が、より皆さん方に働きがいがあるような表現だろうと思っておりますが、何はともあれ監督官庁に脱皮しようなどという考えがなかったことについて安心をいたしました。
 次に、簡易保険のシェアについてお尋ねをしたいと思います。
 私は、これを見ておりまして、契約件数が、結構頑張っておられて余り変わらない数字が並んでおるのですが、保険金額の方になりますと、どんどんシェアが減ってきているというように思っておるところでございます。さて、そういう中で今回新しい生涯保障保険という商品が出たわけでありますが、それに期待をかけているというお話を聞いておりますから、このことで一体どれほどのシェアの拡大を予想されておるのか、お聞きしたいと思います。
#22
○松野(春)政府委員 個人保険分野におきます簡易保険のシェアでございますが、平成二年二月末現在の数字で申し上げますと、保有契約件数で三三・八%、それから保有契約の保険金額では九・六%というシェアでありまして、御指摘のように昨今は、件数ではほぼ横ばいの状態でありますが、保険金額では、最近の民保の保障の大型化の傾向を反映していると思いますが、漸減傾向にあるのは事実でございます。
 ところで、今回の生涯保障保険でございますが、一つの契約で死亡保障と老後の年金を総合的に提供する保険である、生涯生活設計にも役立つということでございまして、私どもの念願としましては、できるだけ多くの国民の皆様に御利用いただきたいと考えております。
 その販売見込みでありますが、予想は大変難しゅうございますけれども、私どものラフな試算では、発売初年度となります平成三年度でございますが、おおむね三十万件程度であろうというふうに見込んでございます。この契約件数は、簡易保険の平成三年度の新契約、これも当然見込みでございますが、約八百七十万件と試算ができます。そういたしますと、平成三年度においては大体三%程度のシェアであろうか、これは平成三年度の新契約に占めるシェアでございます。
 発足当初の内容は現行の保険あるいは年金からの移り変わりのものが多うございます。多分そうなるであろうと思っておりますが、先ほど来申し上げました私どもの趣旨からいたしまして、積極的にPRに努めまして、その後この商品が相当有力な主力的な商品になるであろうということを念願しながら、今日、法改正等をお願いしておるところでございます。
#23
○吉岡委員 期待をかけた新商品だということで、皆さん方が真剣に育てていこうというふうにお考えになっている姿勢はわかりました。
 お聞きするのですが、平成二年のシェアで、要するに保有保険金額というのが九・六%、契約件数は三三・八%でございますから件数だけはきちっと、シェアは大きいけれども、保有金額が少ない。この理由としてどんなものが挙げられるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#24
○松野(春)政府委員 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、保有契約件数の方は二年の二月末で三三・八%でございますが、最近数年間はほぼこの状態で維持しております。
 一方、保有保険金額の昨今の状況を見てまいりますと、例えば六十年度には一〇・三%ございましたけれども、二年の二月末には九・六と、先ほど申し上げたように漸減傾向にあります。この原因は、私どもの商品は限度額が設けてございます。もちろん限度額いっぱいの商品にすべての方が御加入いただけるわけではありませんけれども、やはり限度額というのは全体の保険金額を平均して計算いたします場合に大変大きな影響を持っている。民間生保の方も必ずしも青天井ではございません。ございませんけれども、しかし数億円単位の相当大きな保険に現在力を入れておられる。こんな点が、私どもの保険金額のシェアが漸減傾向にある一番の原因ではなかろうかと思っております。
 ただ、一人一人の私どものセールスマンの活動ぶりは、これは私が申すまでもなく積極的に対応していただいておりまして、この面からの、何といいますか、お答えということではないということはつけ加えさせていただきたいと存じます。
#25
○吉岡委員 シェアの問題については限度額のところでまた触れさせていただきますが、先ほど、生涯保障保険、いわゆる新商品でございますが、平成三年、来年度で三十万件、こういうことでお答えいただきました。ただ私は、張り切って頑張っていただくのはいいと思うのですが、三十万件を予測されて、それをどのように展開をされるかということについて少し聞いておきたいと思います。
 例えば、それぞれの郵便局に目標を設定されるのか、そしてまた郵便局の中でのチームの目標にされるのか、そしてさらには個人に目標を設定されるのか、その辺についてもお聞きをしておきたい、このように思います。
#26
○松野(春)政府委員 私ども、毎年度本省におきまして当然予算目標を確保する必要がございますので、各郵政局に各郵政局の営業目標というものを年度当初にお願いしております。そこから郵便局等に、これは各郵政局のいろいろな創意工夫があろうかと思いますけれども、目標として郵便局にも参るという形ですが、今御指摘の商品別に何%という目標額の設定の形ではおろしておりません。トータルとしてやっているわけでございます。
 これはなぜかと申しますと、実は私どもの商品が五十種類、六十種類の大変多種類にわたっております。これに本省が何か色をつけた格好で、この商品に重点的にというふうな形をやりますと、いろいろ募集手当等の関係もありますけれども、ややもすると非常に偏ったセールス方針になってしまいがちな点もあろうかと存じます。したがいまして、今の御質問に対するお答えとしては、商品別に特段の具体的な目標額をおろすことはないと思います。ただ、新製品の場合にはPR関係その他で、何と申しましても国民の皆様によくおわかりいただくという努力をすることが大事でありますから、その面での活動は大変熱心にやらなければいかぬことになるだろうと思っております。
#27
○吉岡委員 主力商品として三十万件を売ろうということですから、それなりに宣伝もしなければならぬだろう、また職員にも商品知識なりそういうことについても進めていかなければならぬだろう、こういうように思うところでございます。
 そこでお尋ねしますけれども、新商品について、職員の研修の計画とかまた宣伝ということではどういう方法でやられるのか。少しお聞きしておきたいと思います。
#28
○松野(春)政府委員 結局、私どもの保険事業は、窓口へ自発的に来ていただけるお客さんは極端に少ない事業でございまして、外務員のセールス活動に負うところが圧倒的に多い分野でございます。そこで潜在的な需要を掘り起こして御契約に結びつくというふうな形態になるわけでございます。今回の新商品につきましても、その意味で、職員の研修あるいは職員に対する周知とお客様への周知といういろいろな分野で準備が大変大事になってまいります。
 私ども、職員に対しましては、もしこの法案がお認めいただけました場合、本年十二月以降、郵政局、簡易保険事務センターあるいは郵便局の職員を対象に、逐次、制度の改正に伴う講習会をその目的のために実施したいと思います。そこで制度統合や新商品の内容、取扱手続、販売時の話法その他につきまして徹底を図りたいと思っております。
 それから、お客様に対する今回の改正内容や新商品のPRでございますけれども、これはやはり全国の二万余の郵便局の窓口におきましてパンフレットその他いろいろなやり方があろうと思いますが、これの活用で説明をする、あるいはセールスマンがお客様の宅を訪問して行うお知らせ活動もございましょうし、お客様ルームへのポスターの掲出もありましょうし、あるいはテレビスポット、新聞・雑誌広告等のマスメディアを使ったPRも当然必要になってまいろうかと思っております。この面特に一生懸命に取り組むつもりで今計画を練っておるところであります。
#29
○吉岡委員 職員に研修をして頑張っていただく、こういうことでございますけれども、職員の皆さんもやはり何もないと寂しいわけですから、募集推進のための手当というものが創設されていると聞いているわけで、その辺の問題について、これは賃金に類することですから労働組合と十分にお話しになっているのだろうと思いますけれども、例えば一千万円の生涯保障保険をとってきた場合に具体的に手当はどうなるのでしょうか。それからまた、その手当というのは民間生命保険会社とどうなのか、その辺ちょっとお聞きしておきたい。
#30
○松野(春)政府委員 やはり生命保険や個人年金というものに対する需要というものは大変潜在的でありますために、これを顕在化させまして契約申し込みへというふうになるためには職員の旺盛な意欲とか積極的な活動が当然必要になってまいります。こういう業務の性格から、通常の給与だけでは積極的な活動を十分に期待するのが難しいということでございまして、職員の募集意欲の喚起あるいは技術の自己錬磨を促す一助といたしまして職員の募集実績に応じた手当を支給しております。
 この募集手当の具体的な支給額というのを今一千万円ということでの例示を御質問いただいたわけでありますが、少し前提条件を置かないと答えが出てまいりませんので、ちょっと置かしていただきますと、例えば十年満期の養老保険で加入年齢が三十歳で男の方、それから保険料額七万七千二百円、保険金額一千万円と大変詳細な前提で済みません、とした場合、募集手当の支給額は四万八千百六十円となるということであります。ただし、私どもこの保険金額の状況をその契約状況から見て統計的に把握いたしますと、全国で一件平均の保険金額はおよそ二百万円強というデータが出ておりますから、仮に保険金額を二百万円と置きますと先ほどの説明の額のほぼ五分の一でござ.いますが、募集手当支給額は九千六百三十二円というふうになります。
 なお、私ども募集手当を決めるに際しては、これは当然労働条件でございますので労働組合との協約締結になるわけでありますけれども、その際の基本はやはり一月分の基本保険料額とそれから保険金額と両方に対しまして一定の比率を掛けて、不公平にならないようにという形でこの募集手当の体系はでき上がっております。
#31
○吉岡委員 今お聞きしました募集手当があるのだということに甘んじてもらってはいけないということがあると思うのです。職員の皆さんは日中おうちに行ってもなかなかお客さんに会えないというようなこと等で、結果としては夜に行かなければならぬとか、そういうことがやはり現実にはあるようでございます。具体的に言いますとサービス超勤というのが散在するのじゃないだろうか、こんな気がいたします。
 お聞きすれば、郵政省の方としてもいろいろ勤務時間の問題等について設定がえをしたりというようなこと等もあるようでございますが、その実態と、もう一つは今労働基準法で認められてきましたフレックスタイム制というものを導入するお考えはあるのかないのか、その辺も承っておきたいと思います。
#32
○松野(春)政府委員 お答えする前に、先ほど一点答弁漏れがございました。民間との比較ということでありますが、民間におきます募集手当は公表されておりませんで、私どもも掌握しておりません。ただ申し上げますれば、私どものこの募集手当というのはあくまでも特殊勤務手当でありまして、基本給が中心の給与体系になってございますが、民間の場合にはむしろ、恐らく外務員、セールスマンの雇用形態からくると思いますが、募集手当の方が中心の給与体系になっておるものというふうに考えております。
 それから先ほどのお尋ねでございますが、フレックスタイム制そのものということでは郵政省では現在採用してはございません。例えば私も実は昭和四十年代にドイツで少しこのフレックスタイム制を勉強したことがあるのですけれども、朝の出勤の場合、二時間の範囲内で出勤者が自由に出勤時間を選択できる、もちろん私タイムレコーダー制度が前提にあるように勉強してきたわけですが、そういう意味でのフレックスタイム制ではございませんが、御指摘のように昨今お客様の在宅時間に大変大きな変化が生じてまいっておりまして、これにどのように対応するかということが外務員にとりまして大変大きな問題になってきたわけであります。例えば土曜日の午後とかあるいは昼休み時間、夕方等お客様の在宅時に訪問してその御要望を伺うということがやはり必要になってまいります。
 そこで、昭和六十一年度からでございますが、土曜日は従前は半日勤でございましたけれども、土曜日に日勤制度、八時半出勤というふうな指定、それから始業時刻や終業時刻の二時間以内の繰り上げ、繰り下げ等を、これはもちろん労働組合の御協力を得ながら決めてまいりました。さらに昨年の平成元年からは全国の主要局で、それから本年六月以降は逐次全集配郵便局におきまして中勤制度というものを導入してまいりました。この中勤と申しますのは十時半から十九時十五分というふうな線表でございます。こういうことによりまして、郵便局長がお客様のニーズや区内あるいは地域の状況、市場の動向等を考慮いたしまして、必要に応じて、実はそれぞれの地域地域、郵便局郵便局で事情が異なると思いますが、そこら辺を適切に勘案しながら、この中勤の線を利用してお客様との接触にそごを来さないようにという点で今現在取り組んでおるところでございます。
#33
○吉岡委員 今まで六、七点にわたって聞いてきたのですが、大体ここまで聞いてみますと、例えば一つの商品の原価とでもいいますか、そういうものが出るような要素をおよそ聞いてきたと思うのです。
 今回、新商品と言われる生涯保障保険について原価といいますか、どのくらい――例えば平均年齢が女性であれば今八十歳、男性であれば七十六歳ですか、ということでありますから、皆さんの方でずっと保険あるいは年金を支払ってきていらっしゃる経過も蓄積されているというように思います。そういうような関係で、死亡時の二百万だとか、あるいは大体何年ぐらい年金を支払っていかなければならぬだろう、それには、二十四条によりますと、年金については七十二万円から五%以内の逓増をさせていく、積んでいくんだ、今三%だというふうには聞いておりますけれども、そういうこと等を考慮して、どのくらいな原価で発売されるのかということをちょっとお聞きしたいなと思います。
#34
○松野(春)政府委員 ぴったりしたお答えになるかどうか、ちょっと自信がございませんけれども、先生御指摘の今の原価ということを保険料と想定保険料というふうに置き直してお答え申し上げますと、これも前提が必要でございますけれども、例えば年齢三十歳の男性の方が六十歳まで保険料を払い込みますと、そのときの六十歳までの死亡保障は一千万円でございます。それから、それがたちますと、七十二万円の年金が受けられます、御指摘のように三%逓増型を含んでおります。
 そこで、幾らぐらいになるかということですが、ラフに申し上げますと今のケースの場合は約二万円、これは詳細な数字も試し算としては持っておりますけれども約二万円であろう。そのときにそれと全く似たような、実は現行の商品はあり得ないのでございますけれども、ごくごく類似のものを持ってきた場合どうなるかというのは大変前提が複雑でありまして、これも一言で申し上げますとかえって誤解を生む可能性もありますが、まあこの二万円よりも、現行だけの商品で保障と年金を組み合わせて若い世代が入った場合には、もう少し保険料は高くなるということは間違いなく申し上げられるというふうに思っております。
#35
○吉岡委員 もう時間がないので、急ぎます。
 四十五兆円の運用利回りについてですが、金融自由化あるいは国際化、こういうことの中で、預託利子が資金運用部資金法によって六%ブラス特別利子という下限が決められたのですが、一九八七年から撤廃になってしまいまして、長期プライムレートの変更に連動するということになってしまいました。そういうことで今、財政投融資の関係が七〇%を占めておるということになりますと、案外硬直化をしてくる可能性がある、こういうように思うのです。その点、事業団運用については平成二年でございますが一兆六千五百億、こういうふうにふやしていかれて運用を有利にしていこう、こういう方向をとっておられるのですが、その辺について、運用利回りをよくしていくというその改善方向についてお考えになっていることがありましたら、お伺いいたしたい。
#36
○松野(春)政府委員 運用関係につきましては、今回も運用法の改正で、一部でありますが有利運用をしたいということで法律改正をお願いしておるところであります。それ以外にも、例年お願いしてまいって、これは関係当局との打ち合わせがなかなか成立いたしませんで未成立でありますが、余裕金と申しておりますが、私どもの郵便局から保険料収入が上がってきます場合に、決算前の当該年度のランニングの資金につきましては、これは私どもの積立金としての運用でなくて資金運用部へ預託金という形で、金利が若干低うございます、これを何とかしてもらいたいというふうなことも要望しておるのですが、また今後の引き続きの継続的な課題であります。
 それから、先ほど御指摘の事業団運用によりまして、いわゆる指定単と申しております分野でございますが、大変数字的には有利な運用の状況が示されております。
 例えば、昭和六十三年度におきましては、私どもの総資産運用利回りが六・二七%でありましたけれども、事業団運用部分は六・六一%でございました。それから元年度は、これはまだ未発表、未確定ではありますけれども、現在のところ推計いたしておりますのは総資産運用が六・一%台、これまでの低金利状態を反映しておりますが、事業団運用部分はその中で六・七%台というふうに、大変加入者に利益を還元する際に貢献してまいってきておるということが言えます。
 したがいまして、私どももいろいろ運用範囲の拡大というテーマもございますが、現在の有利運用、今の事業団運用、それからあるいは外国債もなかなか為替のリスクを慎重に検討しながらの対処になろうと思いますけれども、こういう面につきましてこの適正な運用ができるように、あるいはリスクの分散を兼ねながらより有利な運用ができるようにということで努力している最中でございます。
#37
○吉岡委員 時間がなくなりましたので最後の質問にしたいと思います。
 サービスや商品がすばらしくなったとしても、事業の採算性が軽視されたり赤字が累積し、そして長期的に見てその債務が国民の負担へ、こういうことで転嫁をされる、こうなりましたらやはり郵政事業というのは問題が生じてくるのではないか、こう思っているわけです。サービスの提供と事業の継続、このことを保証するというためにも一定の企業性を持つべきではないだろうか、こんなことを私は思いましたので、そういう状況が生まれてこそ初めて国民に信頼され、また愛され、さらに必要とされる、こういう郵便局であり続ける道だろうと思っているところでございます。
 最後に、大臣にお聞きしたいわけです。今もいろいろお話を聞かしていただきました形の中で、郵政の皆さん方、本当に一生懸命頑張っておられるというように思います。ところが、臨調審の方でそうやって職員を五%減らせ、これは単純に計算しますと、三十万六千人でございますから一万五千三百人を減らせというようなことになるわけです。仕事はどんどん膨張してくるわけですね、郵便事業にいたしましても。
 そういう状況で、ただ単に人を減らしたらいいということではなかろう、仕事に見合った要員だ、こういうように私たちは考えておりますのでその点が一つと、もう一つは、今回一連の改正に踏み切られて、長寿社会を展望して今後の簡易保険事業というものを進めていかれようとしておると思いますけれども、その点についての将来展望、確たるものを大臣からお聞きしたいと思います。
#38
○深谷国務大臣 吉岡委員の御指摘のように、国民のニーズにこたえて健全な事業を営んでいくためには、やはりさまざまな条件が整備されておらなければなりません。特に人の分野が非常に我々の仕事の場合に重要でございます。確かに行政改革の一環として定員削減計画がございます。郵政省としてもあらゆる角度からそれに協力はしておりますけれども、お説のように時代に即応した商品を開発するためには、またさまざまな新しい労力が必要でございまして、それが職員の過重な負担になってはなりませんので、そういう点はいわゆる一般のシーリングとは違うんだという内容を各省庁なり担当の人たちにわかってもらうことが非常に大事でございますので、私としましては、一般行政省庁とは異なる事情にありますことを省の幹部の皆さんとともに、大蔵省その他必要な関係省庁に対して積極的に働きかけてまいりたい、そのように思っております。
 それから、このような簡易保険事業の将来を考えてまいります場合に、老後に備える国民の自助努力を支援促進するということは、これはもう国家的な使命でございますので、その一翼を担う私どもとしては、一層その中身の充実に配慮いたしまして国民のサービスに力を注いでいかなければならないと思っております。今回の一連の法改正も、この役割をよりよく果たしていくためのものでございまして、国民のニーズに合った保険・年金サービスの開発、身近な郵便局を通じてきめ細かな普及、努力に一層配慮してまいりたいと思いますし、資金運用や加入者福祉の面でも充実を図ってまいりたいと思っておりまして、ただいまの委員の御指摘、一々ごもっともでございますので、意を体して一層頑張ってまいりたいと思います。
#39
○吉岡委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#40
○大野(功)委員長代理 次に、田中昭一君。
#41
○田中(昭)委員 まず冒頭に、口火を切る意味で郵政大臣の決意などもお聞きをしたいと思うのですが、急速な高齢化社会の進展だと言われておりますし、それから国民の価値観あるいはライフスタイルの変化などなどに伴いまして、保険や年金に対するニーズも非常に多様化をしている、また、新しい商品なども次から次に出てまいりまして高度化をしていると思っております。これに敏感に対応することが今日極めて必要だと私は思うわけです。また、生命保険市場における競争はますます激烈をきわめておると思います。まさに弱肉強食的な状態だと言ってもいいと思います。
 私のところにも月に何人かの勧誘の方が来られるわけでありまして、このような状況下において、国民、とりわけ、まあ言葉がいいかどうかは別にいたしまして、庶民と言われる層と最も密着をした簡保やあるいは郵便年金について、平成二年度から営業年度を郵政省として改定をいたしまして営業体制を強化する、また新規商品、新規サービスを開発する、経営基盤を強化する、こういうきちんとした方針を確定して、積極的に郵政省として取り組まれていることについて、まず私は冒頭敬意を表したいと思いますし、今回の簡保と年金制度の統合、そして新しい商品である生涯保障保険の創設などについても私は積極的に賛成の立場であります。まず、基本的にこのことを申し上げます。
 以下、勉強不足の点もございますので、幾つかの質問をいたしますけれども、まず冒頭、今申し上げましたように今回法を改正して、さらに簡保あるいは年金の充実を図ろうとする、郵政当局としての将来展望を含めた御決意などにつきまして、大臣の方からまずお聞きをしたいと思います。
#42
○深谷国務大臣 郵政省の職員全体が国民のニーズにこたえて全力を挙げております姿に田中委員から敬意を表していただきましたことは、大臣といたしましてまことにうれしい限りでございます。恐らくその御配慮は職員の気持ちに通じて、一層努力をしてくれるに違いないと感謝をまず申し上げたいと思います。
 高齢化の急速な進展に伴いまして、豊かな老後の生活に向けてそれぞれの国民の皆さんが努力をなさっておられますが、それを一層補いながらお手伝いをしていくという仕事は、今後重要な政策課題でございます。そういう観点に立って、私どもは簡易保険・郵便年金事業を、創業以来、全国津々浦々の郵便局を通して行ってまいったわけでございます。
 お話のありました民間の生保との競合も今後大きな問題になってくるであろうとは思いますが、我々の事業というのは非営利でございまして、均衡のとれた国土の形成ということにも非常に重要視をしているわけでございまして、資金の地方還元等々全国の地域発展のために努力しているという、この基本的な意義ある姿勢をより一層周知徹底させていただきながら、民間生保とも相競い、相補いながら、冒頭申し上げた豊かで活力のある長寿社会の実現に努めてまいりたい、そのように思っております。
#43
○田中(昭)委員 郵政大臣の強い決意をお聞きをいたしましたので、そのことを前提にいたしまして、私もきょうはこの法改正に絞りまして幾つかの点について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、大変月並みな質問でございますが、簡易保険は大正五年、それから郵便年金は大正十五年に創設をされた、こういうふうに聞いております。この長い歴史と実績がありまして、先ほど申し上げましたように、国民の経済生活あるいは福祉生活に簡保なり郵便年金というのは長い歴史の中で定着をいたしておる、こういうふうに思っております。昨今の社会経済情勢の推移や保険需要の動向あるいは利用者のニーズの多様化などを考えました場合に、マクロで考えまして、今回郵便年金制度を簡保に統合するということについてはそれなりに私も理解をいたしておるつもりですけれども、大変な改正ですから、この際二つの点についてまずお聞きをしたいと思います。
 まず第一は、今も申し上げましたように、簡保と年金を統合するという判断をした要因ですね。逆説的に言いますと、今日までなぜこの簡保と年金が分かれて取り組まれてきたのかという点も含めまして、この点を少し、大きな改正でありますからお聞きをしたいと思います。
 二つ目でありますが、関連をいたしまして、今回の統合のメリットは幾つかあると思いますけれども、私が読ませていただいた限りにおきましては、今回の統合の大きなメリットの一つとして生涯保障保険の発売があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。この生涯保障保険の発売につきましても、保険金と年金の保障を一体として提供するという今日的なニーズに合致したものであるというふうに思いまして、別に反対をするつもりはございませんけれども、この生涯保障保険の仕組みとか特徴などについて、これを売り出すわけですから、特に郵政省としての意気込みなどを含めましてお聞きをしたいと思います。
#44
○松野(春)政府委員 最初のお尋ねの、今日まで制度が分かれていた理由と今日制度を統合する理由の点でございますが、ちょっと歴史的な経緯にわたって恐縮でありますけれども、簡易保険と郵便年金を別々の制度といたしましたのは、創設当時の両者の目的が違っておったからであるというふうに認識しております。
 簡易保険は大正五年に創設されましたけれども、これは国民一般を広く対象といたしておりました。大正十五年に創設されました郵便年金は、どちらかといいますと所得の高い層を対象としていたという制度の創設の目的の違いなどもあったように思います。その一番典型的な例でございますけれども、郵便年金が創設されました大正十五年時点で当時の両者の加入限度額が一体どのくらいであったかということを見てまいりますと、簡易保険の場合は保険金額で四百五十円が限度額でありました。それから郵便年金の年金額につきましては、二千四百円が年金として限度額であった。明らかに今日とは様態が異なっております。
 恐らく現在時点でこれを見ました場合に、戦後の経済成長によります所得水準の向上もありましょうし、あるいは長寿化の進展もありましょうが、郵便年金と簡易保険とを別の制度として峻別する考え方は過去のものとなったのであろうというのが一点でございます。民間生保の状況を見てまいりますと、年金保険という形で呼んでおりますが、年金も保険の一つの種類ということで、これは従前から年金と保険は同一の制度の中で運用されてきておるという経緯があるわけであります。
 したがいまして、今回、そういう制度的なこれまでの経緯も踏まえた意味合いと同時に、先生も御指摘になりました死亡保障と同時に老後の年金を提供するという生涯保障保険のニーズにこたえたい、生涯保障保険の創設をしたい、このためにはやはり簡易保険と郵便年金の制度の統合をせざるを得ないということにも思いをいたしまして、今回の法改正をお願いするに至った次第であります。
 それからもう一点でありますが、この生涯保障保険の仕組みとか特徴でございます。ごく概略御説明申し上げますと、この生涯保障保険の仕組みそのものは、既に先ほど先生も御指摘されましたので省略させていただきます。
 私どもから見ました生涯保障保険に対する思いでございますが、現在、簡易保険の契約の内容を御加入者の年齢別に見てまいりますと、民保と大変顕著な違いの一つに、青壮年層の部分につきまして簡易保険の契約が大変少ない状況になっております。もちろん従来のような家庭中心の簡易保険のセールスの場合、若い世代の方々が会社勤め等でお会いする機会が少なくなったということもあろうかと思いますけれども、世の中がこういうふうな高齢化時代に向かって進んでおる中で、私どもといたしましては、やはり青壮年層にどれだけ簡易保険を御利用いただくか、あるいは関心を持っていただくかということも実はかねてから大事な課題の一つに考えておったわけであります。したがって、今回のこの生涯保障保険は、青壮年期の死亡保障額と老後の死亡保障額及び年金額ということで選択の余地も若干つけてございますが、青壮年期向きの、むしろ主として若い青年層の方々への商品であるというふうに認識して取り組んだところであります。
 この特徴を幾つか申し上げますと、必要額を御自分のライフスタイルに合わせまして選択できる。限度額は、先ほど来御議論になってございますように、保険の場合には一定の条件つきで一千三百万円以内、年金は七十二万円以内ということでありますが、その中で幾つかの選択肢を設けまして御選択をいただくというふうな仕組みにしております。これが生涯にわたりましての生活設計に便利ではないかというふうに考えております。
 それから、保険料が保険にも年金にも共通に使用できるということになります。それが統合商品の特徴であります。したがって、別々に加入をして同じような目的を達成するという場合よりも保険料が安くセットできるはずであるということが二点目でございます。
 それから、年金とか保険とか私どもに御加入をいただいておる契約状態は現在いろいろあろうかと思いますけれども、仮に私自身が新しく保険と年金に入って同じ目的を達成したいとするよりも加入手続が一回で済む、簡易に利用できるというふうなこともあります。これは、実は郵便局側にとりましても加入者側にとりましてもメリットと言える部分ではなかろうかというふうに認識しておるわけであります。
 この商品の詳細の設計につきましては、おおよそアウトラインは描いておりますが、今後また詰めて、これから約款でどういうふうに決めるかということであります。いろいろ御意見等を十分参考にしながらより魅力のある商品にしたいというふうに考えておるところでございます。
#45
○田中(昭)委員 わかりました。
 それでは次にお聞きをしたいと思うのですが、先ほども私ちょっと触れましたけれども、保険の業界というのは極めて競争が激しい、どこでも激しいのですが、特に激しいと思っております。私などに対しましても民間保険からの勧誘というのは非常に多いわけです。特に、これは選挙の関係もあると思いますけれども、代議士になりましたら幾つかの保険会社からたくさんの勧誘が実は来るわけですね。率直に言って商品としては大変いいものが、私どもは素人ですから上手な外交員の方からいろいろ言われますと、大変いい立派な商品だな、いいサービスだな、こう思うことが実はたくさんあるわけですね。この競争というのは今後もますます激しくなってくるであろう、こうい、うふうに思っております。
 郵政省の方もいろいろ努力をされておられるようですし、私たちも全逓の皆さんとのつき合いから簡保にも幾つか入らせていただいておりますけれども、今後さらに競争は激化をしてくるであろう、こういうふうに実は思うわけです。
 そこでお聞きをしたいのは、簡保と民間生保との違いをどうお客さんに対して売り込んでいくのかという点ですね。この点は非常に重要なことではないか。したがって、簡保の特徴というものは何を前面に売り出していくのか、こういう関係につきまして、簡保と民間生保との相違点などを含めまして一つお聞きをしたい、こういうふうに思います。
 それから、関連をいたしまして、今日の簡保、年金事業の契約などの現状、それから保険市場におけるシェアについての概況、それから今後どういう将来展望、見込みに立っておられるのか、ここのところを総合的にお聞きをしたいと思います。
#46
○松野(春)政府委員 先生が冒頭に申されたように、今大変競争が激化しつつあります。これは一つには、金融の自由化現象が、ある面では証券と銀行、ある面では生保と証券あるいは銀行、それから保険業界の中でも損保と生保、例えば損保業界の今日の四割以上は積み立て型の傷害保険であり、いろいろな保険であるということで、実は養老保険と大変類似した商品の分野で競争が大変激化しております。
 特に介護保険の分野でも今相当いろいろなアイデアを凝らして、生保と損保でお互いにこの介護保険の分野でも商品競争が行われている。結局国民の利用者にとって選択の余地が広がって、いい商品が安く入ればこれは大変結構なことでありますので、我々簡保としましてもこの動向には十分留意して対処してまいっております。
 お尋ねの簡保と民間生保の相違点でございますが、かいつまんでごく簡単に申し上げますと、私どもの簡保事業の特徴は、これはすべて法律で明確に定められていることではありますが、何といいましても一番は非営利の国営事業である、この裏腹の問題として、全国二万数千の郵便局であまねく公平にサービスを提供しているということが一つございます。それから無診査保険であるということが言えます。戦前におきましては実は無診査保険の分野は簡易保険の独占でございました。
 しかし、戦後この独占が外れまして、民間もこの無診査保険の領域を現在発売しておるところでありますが、簡易保険の場合にはすべて無診査保険である、制度創設以来続いておるところでございます。また、この簡易保険が国営事業であるということから、このサービス内容の基本的事項につきましては御審議いただいている法律で定められておりますし、また詳細にわたる契約約款につきましても郵政審議会の議を経るというふうに、これはある意味では国民に開かれた制度となっているということが指摘できようかと思います。
 もう一つの別の観点から申し上げますと、この資金運用面で地方還元に力を入れておるという点が特徴でございます。平成元年度末の金額で申し上げますと、約十二兆七千億円が地方公共団体等に還元融資されておるところであります。今後もこの面は有利運用という側面にも大いに力を入れるわけでありますが、この面にも十分意を用いていきたいというふうに考えておりますし、また、直接の運用ではありませんけれども、加入者福祉施設を今全国に百二十六カ所設けております。保養センターもありますし、レクセンターもございますし、あるいは診療所もございます。年間の御利用人員は、例えば私どもの八十ある簡易保険保養センターの場合約一千二百万と、大変大きな御利用をいただいておるところであります。こういう形で加入者に対する還元も図っておるところでございます。
 それから、事業の現状でありますけれども、平成元年度の契約状況がまとまりまして、その状況を見てまいりますと、簡易保険が元年度一年間で募集しました件数が七百二十八万件であります。郵便年金が四十一万件でありました。件数におきましては、六十三年度との比較では簡易保険がやや低下現象にございました。郵便年金は毎年大変大幅に伸びております。
 一方、現在どのくらい保有しているかという件数でございますが、これは先ほどもちょっと数字が出てまいりましたが、簡易保険が元年度末で保有しておる全契約は六千五百八十四万件、約六千六百万件でございます。これは対前年度で四・二%増、郵便年金が百四十六万件でありまして、これが対前年度三二・八%増であります。ほぼ順調に推移していると言ってよろしいかと思います。
 生命保険市場におけるシェアを保有契約の件数で見てまいりますと、これも先ほど御説明申し上げたところでありますが、簡易保険は平成二年の二月末現在で三三・八%でありまして、ここ数年横ばいでございます。それから郵便年金はシェアが一八・七%で、これはここ数年やや上昇傾向にございます。おおむね全体として安定的に推移しておるのではないかというふうに見ております。
 さてそれで、これからの展望と申しますか、課題でございますけれども、やはり人生八十年時代を迎えまして、高齢化社会の進展が進み、本当の意味での長寿社会の実現に何としても簡易保険としても一定の役割を果たしたいということを念願いたしておりますが、例えば今後も積極的に国民のニーズに合ったサービスの開発あるいは御提供に努力してまいりたいということ、それから何と申しましても、やはり与えられた枠の中でより有利な運用で加入者に利益を還元する、配当の形で還元するということも大事であります。よい商品をつくるということも大事でありますので、効率的な資金運用を推進したい。それから、先ほど申し上げました加入者福祉施設を適切に充実してまいりたいというふうなもろもろの課題を抱えまして、大変激しい競争の時代に入っておりますけれども、努力してまいりたいと思っております。
#47
○田中(昭)委員 現状あるいは将来展望についても、まあまあいい線いっておるのではないか、こういうことで安心をいたしましたので、さらに積極的な御努力をお願いをしたいというふうに思います。
 そこで次の問題ですが、二つほどお聞きをしたいと思います。
 郵便年金制度を、今回年金法を廃止をいたしまして簡易保険制度に統合するということになるわけですけれども、これによりまして、現在の郵便年金の加入者の扱いについて少しよくわからない点が、条文を読みましたけれども、実はございます。そこで簡保と年金が統合することによって、現在の郵便年金の加入者については一体不利益にならないのかどうなのかという点を少し明瞭にしてほしいなというのが一つございます。
 それからこの点を含めまして、今回年金と簡保を統合するわけで、新しい商品を売り出すわけですが、各加入者、いわゆる国民の皆さんへの周知指導などについてどういう形で取り組まれるのか、この点を含めまして、一つはお聞きをしたいと思います。
 もう一つ、ついででございますが、職員の関係について少しお聞きをしたいと思うのです。
 簡易保険の担当者あるいは年金の担当者、それぞれの法律に基づいて仕事をされておられる、あるいはダブって仕事をされておられる方、いろいろおられると思いますけれども、今回この法律を統合し、一本化することによって、今後の業務運営上、例えば要員効果などについて考えられておるのか、また要員効果などが出てくるのかどうなのかという問題ですね。
 それから関連をいたしまして、郵政省内部における組織の再編といいますか、組織の整備といいますか、そういうものなどがあるのかどうなのか、この点についてもよくわかりませんので、少しお聞きをしたいと思います。
#48
○松野(春)政府委員 最初の御指摘の、これは大変重要な問題でございますが、既存の郵便年金加入者の扱いについて不利益にならないかという点でございますが、今回の制度の統合によりまして、既に御契約いただきました郵便年金につきましては、そのまま簡易保険の年金保険という形で存続することになります。したがいまして、現在の郵便年金の加入者につきましては、改正法の規定が適用されるわけでございますが、新しく簡易保険の年金保険に加入する方々と平等に取り扱うということにいたしております。
 また、従来の郵便年金と、それから改正後の年金保険とで取り扱いが異なったりあるいは従来の郵便年金の加入者の権利を損なうというふうなケースが実態に即してもしあれば、これは経過措置を講じまして、その既存の権利の保護を図るという規定も設けてございます。
 それから、周知関係でございますが、今回のような改正の場合に大変これも大事な問題になってまいります。一般的に、私どものこの種のものの周知といたしましては、郵便局窓口での説明、これはもちろんでございますが、一番主力である外務員の方々が、日常お客様のお宅へ訪問する際によくこの点をチラシその他によって御説明する、あるいはテレビ、新聞、その他マスメディアの活用もあろうかと思います。その中で、特にこの郵便年金の既に契約されている方々につきましては、少し濃密な周知が必要であろうと思っております。
 と申しますのは、法律の統合によりまして、この郵便年金という名称自体もなくなりました。年金保険という形で継続はしますけれども、郵便年金という名称がなくなりますので、私どもの計算センターであります簡易保険事務センターから個別に、制度改正内容を記載した案内書をお送りする等の少しきめの細かい周知をしたいというふうに計画いたしてございます。
 それから次にお尋ねの、統合によりまして郵政省職員の要員に及ぼす効果あるいは組織再編の問題でございますが、この簡易保険もそれから郵便年金におきましても、既に両方共通のオンラインシステムによりまして事務を私ども処理いたしております。したがって、大部分の事務につきましては、大方効率化されてきておりますが、この制度統合によりましてなお若干名の要員効果というものは、例えば郵便局あるいは事務センターを問いませんが、節減効果は出てまいるであろう、ただ節減が何名かという計算は今いたしておりません。恐らく数十名程度の効果は出てまいるであろうというふうに思っております。
 それから、組織の再編でございますが、これは現在のところ、率直に申し上げてこれによって組織を再編するということは必要はないものというふうに考えております。ただ一部郵便年金の名称を使用しておる組織につきましては、その名称につきましては当然のことながら簡易保険に統一するという改正はお願いしておるわけであります。
 なお、いろいろな効率化をやってまいりまして、一方、この定員削減計画というふうなことで要員事情もそれほど緩やかではありません。やはり少しでも節減できた要員というものは必要な部署にどしどし増員してまいるということで事業の発展を期してまいりたいと考えております。
#49
○田中(昭)委員 時間もございませんので、加入者あるいは国民に対する周知指導などについては万全を期していただきたいということと、それから激しい競争の中で一生懸命頑張っておられる職員の皆さんの、特に労働条件上の問題などについては十分配意をしていただきたい、このことを私の立場からお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、少しミクロの質問で、先ほど出ている点もございますけれども、私も実は率直に申し上げまして簡易保険法という法律を初めて読んだわけですけれども、わからない点が二、三ございますので、ここのところを少し教えていただきたいと思います。
 先ほどもこれはちょっと出ていたと思うのですけれども、第二条の関係「郵政省が、これをつかさどる。」というのを「郵政大臣が、これを管理する。」これは大きな意味があるのか、文言上の問題なのか、ここのところをもう少しすっきりしていただきたい。同じく第三条で「代表機関」というのが削除されているわけですが、これはなぜ削除されたのかという点。それから第七条の関係ですが、保険契約に関しまして、命令に定める内容及び約款記載事項というのがございましたけれども、これは実はたくさんずらっと十五項目くらいあったと思うのですけれども、これが削除されておるわけですが、この理由と、それからその中で今後この問題については「政令で定める審議会」こういう形になっているわけですが、この審議会とは一体どういうものなのか。
 それからもう時間もございませんので、年金額の最低制限額、従来十二万円というのがたしか法律の中にあったと思いますけれども、この規定がなくなっておるようですが、これを削除した理由、この点について少し簡単にお聞きをしたいと思います。
#50
○松野(春)政府委員 多岐にわたりますので、少し簡単になるかと思いますが、御了承をお願いいたしたいと思います。
 最初の御指摘の第二条と第三条関係をあわせて御説明申し上げますと、簡易保険法の第二条の郵政大臣が管理するとする改正につきましては、現行法第三条におきまして、簡易保険・年金事業が、戦前、これは昭和十三年でありますが、厚生省に移管された際、当時の勅令に同趣旨の規定が設けられ、昭和二十四年制定された現行法に引き継がれたもの、先ほども他の先生の御質問に御説明申し上げたとおりであります。
 ところで、郵政三事業のうち、郵便あるいは郵便貯金とも、それぞれ法律において郵政大臣が管理するというふうに規定されているものでございますから、代表機関が簡易保険局長であるという規定を削除いたしまして、今回の改正を機に、同様の、郵政大臣が管理するという規定に整備したものでありまして、いわば郵政省内での整合性を図ったということでよろしいかと思います。
 この結果、何が違ってくるか。私、今気がつきますのは、現在の簡易保険の契約証書は「簡易保険局長」ということになっております。ここは定額貯金証書と同じように「郵政大臣」ということに格上げになります。
 それから次に、第七条の約款記載事項の規定を削除する理由でございますが、約款記載事項を現在法定列挙してきております理由は、これらの事項が、郵政省の内部通達で処理するのでなくて、保険約款に定めることを規定することで加入者保護を図ったという趣旨があるのだろうというふうに私は考えております。
 ところが、現行法の制定当時には保険の種類が終身保険と養老保険のみでございまして、大変シンプルな種類でございました。列挙事項につきましてもすべての保険契約に共通するという形であったわけですが、その後、保険の種類が非常に多様化してまいりまして、特約制度の創設等も行われました。したがいまして、保険契約によっては関係のない列挙事項も生じてまいっておりまして、保険契約と列挙事項の対応関係というものはかえって不明確になってまいったというふうに判断したわけであります。
 このままではむしろ加入者保護の目的の趣旨に少し外れるような状態になりはしないかというふうなことに思いをいたしまして、今回、新たに約款を定めるに当たりましては、保険契約による権利義務を明確にして、わかりやすいものにするよう配慮しなければならないという責任規定を新たに第七条第三項に規定することによりまして、それをもって加入者保護を図ろう。私ども、この結果生ずる事態につきましては、もちろん現在の法律で決めておる約款記載事項よりも減ることはございません。むしろ分類、整理しまして、一番問題でありますお客様にとってわかりやすい形の、責任を持てる形での約款記載事項にしたいということでございます。
 それから、第七条の「政令で定める審議会」、これは郵政審議会でございます。郵政審議会の御説明は割愛させていただきます。
 最後の第二十四条の関係でありますが、年金額の最低制限額十二万円の規定を削除する理由ということでございますが、保険金額の最低制限額につきましては、既に昭和六十一年の法改正によりまして簡易生命保険法上の規定を削除しております。約款で定めておるわけでございます。このため、年金につきましては従来改正をせずにまいってきておりましたが、今回の改正を機に、年金額の最低制限額につきましても保険金額の最低制限額と同様に約款に定めることとしたわけでございます。
 ちょっとはしょりまして失礼の段あったと思いますが、以上でございます。
#51
○田中(昭)委員 もう時間がございませんので最後になると思いますが、これも幾つかお尋ねしたかったわけですけれども、資金運用の問題であります。
 簡保・年金資金というのは、当然のこととして、将来保険金または年金として支払われる貴重な財産であることは言うまでもないと思います。この資金の運用については、加入者の利益の増進のために確実に有利な運用が絶対的に必要である、これは当然であると思います。あわせて、膨大な資金について公共の利益に配慮するということが極めて必要だ、こういうふうに思います。この観点から、積立金をもって取得した債券の貸し付けを行うという今回の法の改正については私は賛成の立場でありますが、少し、今申し上げましたとおりだと思いますけれども、郵政省がこのことを決断をした理由、それから貸付対象債券の種類、貸付相手先、貸付の仕組み、額、運用益の見込みなどについて簡単にお聞きをしたいと思います。
 それから、資金運用の現状につきまして、これもおおむね理解をしているつもりですけれども簡単に触れていただきまして、特に、簡保資金の地方還元を含めて簡保事業の地域社会への貢献という基本的な考え方について少しお聞きをしたいと思います。
 それから、資金運用についての議論を行う資金運用審議会というのがございますが、この構成、運営、権限などについて少しお聞かせをいただきたいと思います。
 時間がございませんので大ざっぱになりましたけれども、以上の点についてお尋ねをしたいと思います。
#52
○松野(春)政府委員 最初の、今回お願いしております運用法改正関係でございますけれども、今回の改正につきましては、金融の自由化、国際化、それから金融経済環境の変化、これらに適切に対応いたしまして資金の効率的な運用を図るということでございます。ありていに申し上げまして、やはり有利、確実、それから公共という原則を持っておりますが、加入者の利益を増進するということも私どもの大事な役割でございます。したがいまして、今回、運用法を改正して債券の貸付を行えるようにしたということでございます。
 貸付対象債券でございますが、これは政令で定める予定にいたしておりますけれども、国債とする予定であります。貸付の相手先でございますが、これは金融機関、証券会社、証券金融会社あるいは外国証券会社等になります。
 それから、私どもの積立金をもって取得しました債券を金融機関等に一定期間貸し付けて貸借料を得るわけでありますけれども、この運用額でありますが、結論から申し上げまして、平成二年度におきましては残高ベースで大体二百億円程度になろうかというふうに考えております。初年度におきます収益は、およそ一億円程度かなというふうに試算をしておるところでございます。
 それから、資金運用の現状の概略についてでございますが、現在、簡保・年金資金は元年度末をもちまして四十六兆円を超えております。この運用の状況を公共的な運用と市場での運用という二点について申し上げますと、公共的な運用が全体の約七割でありまして、約三十一兆円になります。それから、債券等が中心になりますが、市場での運用が全体の三割でありまして、約十四兆円というふうに大きく分けられているところであります。
 運用利回りにつきましては、これも先ほど来御質問をいただいておりますが、平成元年度におきましては六・一%台を見込んでおりまして、前年度の六・二七%からやや低下しておりますが、昨今の金利情勢を考えますと大体これが下げどまりではないか、ここ数年間、これは民保も同じ状況でありますけれども、やはり全体の運用利回りが下がってきておりますけれども、ぼつぼつ好転する兆しの時期に来たのではないかというふうに考えております。
 それから地方還元でありますが、先ほど申し上げました私どもの四十六兆円の資金のうち十二兆七千億円を地方に還元いたしております。これは妙な例えで済みませんが、現在全国に地方公共団体と称する都道府県市町村が三千三百十五団体ございますが、そのうち一つの村を除く三千三百十四団体で今御利用をいただいております。その村は大変裕福な村で、簡保資金を借りなくてもよいということのようでございますが、いずれにいたしましても、地域振興という昨今の日本国にとっての大変大事なテーマをあわせ考え、また生活環境の整備あるいは住民福祉の向上に役立つという簡保の本来の役割の一環として、この地方還元融資につきましては今後とも私どもの可能な限りやはり努力してまいりたいというふうに思っております。
 それから資金運用審議会の構成、権限、運営でございますが、これは昭和二十六年に総理府に設置されておりまして、構成メンバーは委員と専門委員と幹事から成っております。この権限でございますが、郵政大臣が毎年度の積立金の運用に関しまして必要な計画を定めた場合、あらかじめ資金運用審議会の議に付すほか、積立金の運用に関する重要事項につきまして審議会の意見を聞かなければならないということになっております。これは郵政省とのかかわりであります。
 大蔵大臣の関係で申し上げますと、大蔵大臣の諮問に応じまして資金運用部資金の運用の方針等を調査審議するという権限を持っております。この運営につきましては、郵政大臣または大蔵大臣の要請に基づきまして会長が招集する、審議会の庶務は大蔵省理財局で処理しておるというふうなことであります。
 以上でございます。
#53
○田中(昭)委員 時間が参りましたので終わりますが、今後の郵政省の御健闘を祈念して終わりたいと思います。ありがとうございました。
#54
○大野(功)委員長代理 午後零時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ────◇─────
    午後零時二十一分開議
#55
○上草委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。秋葉忠利君。
#56
○秋葉委員 簡易保険について幾つか質問をしたいのですが、まず最初に、せっかく郵政大臣がここにいらっしゃいますので、先ほどからいさきか時間をもてあましぎみのところもおありになるんじゃないかとそんたくいたしまして、まず最初に郵政省として、貯金もそうですけれども、この簡易保険もやはり社会的な使命が非常に大きい制度だと思います。その簡易保険についてこのたび幾つか法律の改正ということですけれども、その時期に当たって、改めてその簡易保険制度そのものに対して、国の制度の中あるいは私たち国民一人一人の生活の中でどういう地位を占めるべきであるというふうに考えていらっしゃるのか、郵政大臣としての簡易保険に対する一般的なといいますか、基本的な哲学をまず簡単で結構ですから御披瀝いただきたいと思います。
#57
○深谷国務大臣 秋葉委員の御丁寧な御指名でありがとうございます。
 私、先ほどから申し上げてまいったのでありますが、急速に長寿社会が進展いたしまして、本当に長生きできる時代になりました。しかし、余りにも急速な速度でございますので、せっかくの長生きできる環境がまだ整備されていない。長生きしてよかったと言えるような社会環境というものをつくっていくことが一番大事なのですけれども、その準備の前に長寿社会が急速に発展していった、そういう状態で、それこそ政府、行政あるいは民間も含めてあらゆる人たちが大急ぎでさまざまな老後に対する対応を図っていかなきゃならない、そういう時代に来ているのではないかと思うのであります。
 しかも、生きていくための年金や保険につきましても、そういう状態でございますから、まず自分で努力をして確保するということ、そしてそれを助けるという仕組みから積極的に入っていかなきゃならないのではないか。そういう意味では郵政省が今日まで営々と築き上げてまいりました簡保あるいは年金制度というのはそういう時代に即した極めて適切な形ではないか。しかも時代の移り変わりに合わせながらその仕組みそのものも今日的なものを取り入れながら変えていく、そういう時期ではないか、こう思うわけでありまして、そういう意味で今回の法改正も重要な位置づけがなされているのではないか、そのように思います。
 どちらにいたしましても、長寿社会が実現されて長生きしてよかったと思えるような環境づくりのために、郵政省としましては、保険や年金を通じて相当果敢に取り組むような姿勢が大事ではないか、そのように考えております。
#58
○秋葉委員 ありがとうございました。
 中でも今の御趣旨に沿った生涯保障保険、この創設ということが今回の法改正の一つの目玉になっているというふうに理解しておりますが、一応三つのタイプに分けられていますけれども、そのおのおのについて概略の説明、どういった方針でこの三つのタイプを分けておられるのか。どういった生活、ライフスタイルの違いに対してこの三つのタイプ分けが行われているのか、概略で結構ですのでお教えいただきたいと思います。
 私の手元にある資料では、終身保険プラス終身年金保険のタイプと終身保険プラス定期年金保険のタイプ、それから家族保険プラス夫婦年金保険のタイプ、三つに分けられているわけでありますが、そのおのおのについて簡単な基本的な方向、それからどういったニーズを満たしているのか、その点について御説明いただければと思います。
#59
○松野(春)政府委員 まず今回の生涯保障保険というものの意味合いからいたしまして、青壮年期に極力御加入いただいて、例えば六十歳までは万一の場合の保障、その後、保障額に若干違いはありますけれども、お客さんの選択の余地を若干残しながら一定の保障額を選択していただき、それに加えて年金の支給開始というふうなことを組み合わせるわけでございます。
 この生涯保障という観点に立地しておる関係から、今回設けました三つのタイプにつきましても、ある程度限定的にといいますか重点的にその趣旨に沿った形で考えております。
 個人タイプといたしまして、二つのものが挙げられようと思いますが、一つは、これは先生先ほどおっしゃいましたが、終身保険と終身年金保険を一体として提供する。まさに一番生涯保障保険の典型的なタイプであろうかと思います。
 それから、個人タイプの二つ目は、終身保険と定期年金保険を一体として提供する。定期年金保険と申しますのは、私ども現在も定期年金を発売しておりますが、五年物それから十年物という二種類ございます。この組み合わせになります。
 それから、夫婦タイプといたしまして第三のタイプになりますが、家族保険と夫婦年金保険を一体として提供するもの、これはいずれも法律事項でございますが、三つのタイプということでございます。
 この実際の販売につきましては、私ども、事務的な処理都合もありまして、例えば終身保険と終身年金保険を一体として提供するタイプにつきましては、これは来年の四月一日から一番基本的なタイプでありますので行いたいというふうに思っております。逐次、準備でき次第これらの三つのタイプが出そろうような形で業務を行ってまいりたいというふうに考えております。
#60
○秋葉委員 そうしますと、来年の四月一日から行われるというこの終身保険と終身年金保険、これは複合型の保険というふうに私は理解していますけれども、これについて伺いたいと思います。
 しばしばいろいろな商品、保険も一つの商品というふうに考えた場合、商品を売る幾つかの戦略なりやり方というものがあるわけですが、一つの方法は、幾つかのものを一緒にすることによってコストが下がるあるいはさまざまなメリットがあるために複合することによって安くできる商品というのがあります。逆にその一つ一つのものでは安いんだけれども、全部合わせると付加価値がついたりあるいはその他の理由で高くなるというタイプがあるわけですが、私のアメリカでの経験ですと、保険の場合には一つ一つの機能を持った保険は安くても、複合的な機能になると掛金が高くなるという傾向があるように思います。
 今回の場合、終身保険と終身年金保険、セットになっているわけですけれども、そのおのおのの場合と比べて本当にこれは安くなっているのか、あるいは高くなっているのか、掛金というところからその比較上のメリットはどうなっているのか。できたらある程度詳細にわたってお聞かせいただければと思います。
#61
○松野(春)政府委員 この生涯保障保険は保険機能と年金機能を合体した複合商品であります。したがいまして、現行の保険と年金を組み合わせましても全く同じものができないという前提に立ちながら、そこであえてこの生涯保障保険のあるタイプと現行の保険もしくは年金を組み合わせたものとの比較ということで御説明申し上げたいと思います。
 この生涯保障保険のモデルケースといたしまして、次のようなものを想定いたします。
 三十歳加入で六十歳支払い開始、死亡保険金額が年金支払い開始前一千万円、年金支払い開始後二百万円、初年度の基本年金額が七十二万円、これをモデルケースとして片方に置きたいと思います。それから、これと同様の機能を満たす現行の保険と年金の組み合わせにつきましてはいろいろな考えがあろうかと思いますが、次のようにモデルケースとして設定します。三十年の満期養老保険に八百万円加入をする、それからさらに終身払い込み終身保険に二百万円加入するといたしますと、死亡保障は、支払い開始前は一千万円、支払い開始後は二百万円、その点では生涯保障保険のモデルと同じような形になります。
 これに三十歳加入、六十歳支払い開始の現在の終身年金、その初年度基本年金額七十二万円に加入するということで比較してまいりますと、この組み合わせをいたしました、先ほど、後の方で述べました現行の保険と年金の月額保険料の総額は、男性の場合で三万一千七百四十四円になります。女性の場合で三万二千四百六十八円でございます。ところで、一方の、最初にモデルとして設定しました生涯保障保険一本で加入した場合には、月額保険料は男性で二万百円程度、それから女性で二万一千円程度となります。この差を単純に引き算いたしますと、男性で一万一千六百円、女性で一万一千五百円程度生涯保障商品が有利になります。
 しかし、ここで一つ少し問題がありますのは、先ほどの設定の中で、現行の場合でございますが、三十年満期養老保険に八百万円加入というモデルを置きました。養老保険でありますから、当然三十年たった時点でこれがお返しいただけるというケースを考慮いたしますと、先ほど申し上げました生涯保障保険の有利な金額、男性で一万一千六百円云々という数字は減少してくるということになろうかと思います。
#62
○秋葉委員 満期の場合の差が六十歳の時点で生じますので、その三十年満期養老保険の分を定期保険、つまり掛け捨ての保険ということで代替した場合の数字はお持ちでしょうか。
#63
○松野(春)政府委員 先ほどの比較の変形の組み合わせになりますが、定期保険と現在の年金を組み合わせたものを片方に置きたいと思います。定期保険には五年定期と十年定期がありますので、十年定期保険を組み合わせた比較ということで、モデルが変わりますが、五十歳加入、六十歳支払い開始の生涯保障保険を例にとって比較してみたいと存じます。
 この場合の生涯保障保険の給付内容は、整理して申し上げますと、五十歳加入、六十歳支払い開始、死亡保険金額は年金支払い開始前一千万円、年金支払い開始後二百万円。年金額は、初年度の基本年金額で七十二万円ということにします。この生涯保障保険に近い定期保険と年金の組み合わせといたしまして、五十歳加入、十年定期保険八百万円に加入する。さらに、十年払い込み終身保険二百万円に加入するといたしますと、死亡保険金額が、年金支払い開始前で一千万円、年金支払い開始後で二百万円ということに相なります。これに五十歳加入、六十歳支払い開始の終身年金に七十二万円加入するということで比較をしてみますと、生涯保障保険の方の月額保険料は、男性で九万七千百円程度になります。女性で十万三千八百円程度になります。
 一方、現行の定期保険と年金を組み合わせた月額保険料の総額は、男性で十万七千二百八十四円、女性で十一万八百八十四円というふうになります。そうしますと、引き算をして差額を求めますと、男性の場合で一万二百円、女性の場合で七千百円程度生涯保障保険の方が有利という、試し算でありますが、状況になります。
#64
○秋葉委員 実は、この生涯保障保険というのを見ましたときに、直観的に、これは私の必要性に非常にマッチしているんじゃないかと思いましたので、そのうちに入ろうかと思っております。それで、加入時が五十歳、私がこれから入るのに非常に現実的な数字を出していただいたんじゃないかと思いますが、より多くの人がこれに加入する際、恐らくもっと若いときから入るだろうということを考えますと、先ほどの、三十歳からの時点で比較をしていただきたいと思うのですが、十年定期を三回繰り返して使うことによった数字、その方が恐らく現実に近いんじゃないかと思いますが、一方で生涯保障保険の場合には、先ほど男性の場合には月額二万百円という数字がありましたが、それに大体当たるであろう十年の定期保険、それと終身払い込み終身保険、これの組み合わせでの月額の保険料がどのくらいになるかお教えをいただきたいと思います。
#65
○松野(春)政府委員 私、少し汗をかきながら御説明を申し上げておるのでありますけれども、十年定期保険との組み合わせにつきまして、同じケースで定期保険を十年ずつ三回加入をしたとした場合の保険料の比較ということで御説明申し上げます。
 その例で組み合わせますと、三十歳の男性の場合で、十年定期保険八百万円に加入いたしまして、月額保険料は三千百二十円でございます。さらに、終身払い込み終身保険二百万円に加入しまして、月額保険料は二千四十円になります。これに終身年金の七十二万円を組み合わせまして、その年金掛金が一万六千三百四十四円というふうになります。これを合計いたしますと二万一千五百四円でございまして、生涯保障保険の保険料、先ほど御説明申し上げました二万百円より一千四百四円高くなるという結果になります。
 これは十年定期保険を購入しているから、最初の十年間の保険料比率でございますが、次に十年後の四十歳になった場合はどうかということでございますが、この十年定期保険の保険料だけが変わりまして、三十歳加入の男子が三千百二十円、先ほど申し上げましたが、四十歳加入では四千三百二十円と、さらに千二百円アップされますので、生涯保障保険より二千六百四円高くなるわけでございます。この場合の保険と年金を組み合わせました保険料の合計額は二万二千七百四円ということになります。
 さらに十年後の五十歳になった場合は、同様に十年定期保険の保険料だけが変わり、さらに三千六百八十円高くなりまして八千円というふうになります。したがいまして、五十歳からの十年間は生涯保障保険より六千二百八十四円高くなります。保険と年金を組み合わせた保険料の合計は二万六千三百八十四円でございます。
 試し算によりますと大体以上のとおりで、定期保険をつないでいきましても生涯保障保険よりは安くはならないであろうという結果が得られていると思います。
#66
○秋葉委員 組み合わせた場合に大体安くなる、その差額も三十代の場合には千四百四円ですか。それで伺いたいわけですけれども、ぴったりと全く同じ組み合わせをつくるというのは非常に難しいわけですから、質問自体余り意味のないことかもしれませんけれども、セット商品として新しくできた生涯保障保険が比較的安いという理由、あるいは単独の機能を持った幾つかを組み合わせたものの方が、大体同じような便益があるにもかかわらず少々高い、五十歳からの場合にはかなりの差も出てくるという現状なんですけれども、それは、保険についての郵政省側の確固とした哲学に基づいてそういった差があらわれているのか。
 つまり、郵政省側の意図がこういった保険料の差というところに反映されているのか。あるいは、その一つの可能性として、新しい商品だから少し割安にしてできるだけ多くの人に加入してもらおう、そういう意図があるのか。あるいは、かなり機械的なこういった保険料の算定の方法があって、その結果機械的に出てきたものであって、全くの偶然であるということなのか。伺いたいと思います。
#67
○松野(春)政府委員 この保険の数理計算は私もそれほど詳細にはわかりませんが、この保険の数理計算上、貯蓄性部分につきましては予定利回りというふうな形で、これは商品の設計の際に割合計算しやすいわけであります。あと、一番実は変動しますのは、あるいは流動的と申した方がいいかもしれませんが、保障性の部分であります。これが、男女別あるいは年齢別等でいろいろな数字が数理計算上やはり予定されるものであるというふうに認識しております。
 今回の生涯保障保険も、今度は数字でなくて一言で特徴をもし述べろということでありますと、保険と年金を別々に払い込んでおる金額が一本でその保障部分も年金部分も含めまして充当しておるということで、そこにやはりこの生涯保障保険の性格上割安になる余地があろうかと思います。これは、先ほど来モデルで詳細に述べてきておりますので、漠然と言うのは甚だ危険な面があるかもしれませんが、例えば満期保険金がないというふうな生涯保障保険の性格、それから、強いて言えば、死亡時の年金の還付金がなくて別の形で保障が行われるというふうなことに制度そのものの特徴があるのかなというふうに私は認識しております。
#68
○秋葉委員 わかりました。
 それともう一つ。簡保の競争相手というのは変かもしれませんが、一般の、民間の生命保険会社でも同様な組み合わせが可能だというふうに思いますが、例えばレインボープランといったものが考えられるわけですが、そういった場合の掛金の比較、優位性はどうなっているのか。もし数字をお持ちでしたら、簡保がいかに有利であるのかという点がありましたらそれを強調していただきたいと思います。逆の場合でも、数字を持ちでしたら御教示いただきたいと思います。
#69
○松野(春)政府委員 大変不勉強で申しわけありませんが、生涯保障保険と既に発売されておる民保の生涯保障保険類似の商品との比較した数字、ただいま持ち合わせておりません。
 一般的に簡保の保険料は民保と比べてどうか、安いのか高いのかという点につきましては、簡保の場合、これも午前中の御質問で御説明申し上げましたけれども、三事業一体として経営を行っているとか、あるいは事業比率が民保との比較では効率がいい運営になっているとかいうふうなことで、ほとんどの保険種類において安くなっているというデータを持っておりますけれども、大変申しわけありません。お答えできません。
#70
○秋葉委員 これは本当に性格上、民保の場合にはどちらかというと高額の保険を扱って、そこで競争力をつける、簡保の場合には小口の、本当に庶民の保険であるという性格から、かなり性格が違うわけですが、例えば死亡保険金が一千万、五十歳から六十歳までの保険ですと月額の保険料が一万三千円という数字があります。その先が実は非常に民保の場合には、少なくともレインボープランの場合には余り簡保の場合と、生涯保険の場合と比較が可能ではないのですが、ともかくその部分だけをとって、それからその時点で、満期になってお金が返ってくる。八百七十何万円返ってくる。あるいはそれを年金として何年か分運用してということも考えられるわけですが、かなり大ざっぱに計算しても、ある程度の競争力は存在するんではないか。
 要するに、全く比較不可能なほど民保の場合が制度上欠陥があるとは思えないのですが、保険料にかなりの額の差がある。少々年金の部分を充当するにしても恐らく大体同じぐらいの保険料でこういったことができるのではないかと思うのですが、そういった民保の場合との比較も今後十分検討されて、競争力をつける。競争という場合には、簡保の中だけではなくてやはり民保の方も視野に入れた戦略が必要じゃないかと思うのですが、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。私の方ももう少し詳しい数字があれば、今ここで申し上げてもっと具体的な提言ができると思うのですが、その程度しか数字を持っておりませんので、次の質問に移らしていただきたいと思います。
 今の保険料の計算の中で、男性とそれから女性の保険料について述べられました。一般的な傾向として、今挙げられた数字の中では女性の保険料の方が高いということになっていますけれども、その理由を伺いたいと思います。
#71
○松野(春)政府委員 これは一般的に申し上げまして、いわゆる私どもで例えば五年に一回程度、経験生命表と言っておりますが、三年間程度の私どもの御契約の中に生じてくる死亡率をもとにいたしまして、生命表、これの計算をしております。その中で、やはり女性の方が、これもちょっとアバウトな言い方で恐縮ですが、平均五年ぐらい長生きされておるというデータがあります。これが保険料の計算基礎、三点ございますが、一番重要な計算基礎である死亡率ということで、大きく保険料に影響してまいります。
 もっとも、保険料の計算にはそれ以外に予定利回り、あるいは事業費に当たります付加保険料という部分がございますが、やはりこの死亡率の影響が一番大きゅうございます。これが逆に年金になりますと、今度は女性の方が御存命が長いということから逆の現象が生じてくるというふうなことになります。
#72
○秋葉委員 確認のための質問ですが、となると、今ここで出された数字で、女性の方の保険料が高いというのは、年金部分で女性の方が長生きである、そこのところの女性の掛金が高くなる分が、生命保険の分で女性の方が安くなる、その安い分よりもはるかに差額が大きいということでよろしいわけですね。
#73
○松野(春)政府委員 おっしゃるとおりでございます。生涯保障保険が保険と年金とを組み合わせした商品であるということは御案内のとおりでありますが、この保険金額と年金額の組み合わせ方次第でこの保険料はあるいは男性の方が安くなったり女性の方が安くなったりするケースはあろうかと思います。
#74
○秋葉委員 これもまたアメリカの保険料の場合ですが、アメリカの保険でもかつては男性に対する保険料とそれから女性に対する保険料、画然たる差がありました。はっきり言ってしまえば、女性の方が長生きをする、女性の方が死ににくいという点で、生命保険の場合にはできるだけ健康で長生きをした人に対する保険の方が運用する側としては有利なわけですから、女性に対する保険料が格段に安かったということがありました。
 それはそういうふうに確かに説明をされたわけですが、近年のアメリカでの傾向ではそういうふうに男と女を分けて保険料を設定するのは誤りではないか、両方とも一つのプールにした上で保険料を設定すべきではないかという声がかなり大きくなってきております。その視点から保険料の改定が行われていますけれども、簡保においても男性あるいは女性別々の保険料の設定ではなくて、男女を合わせた上での保険料の設定という方向に方針を転換されるお考えはおありなんでしょうか。
#75
○松野(春)政府委員 現在の生保業界全般を見渡してまいりますと、民間生保におきましても私どもの簡保におきましても、やはり男性、女性別に現在保険料額は定められておりまして、私の知り得る範囲では今これを検討して改定しようという具体的な動きまでにはなってきておりません。
 私どもの内部でもフリーで、白紙でもっていろいろ議論する際には、先生今御指摘のような議論もいろいろ出てまいります。ただ、平均寿命というのがおよそ五年程度違いますとこれは相当保険料の算定上差があるものですから、保険料の上では男女平等のような感じですけれども、かえってそれが逆に公正さを失うというふうな議論もまた一方に出てまいるような感じもいたしております。一つの問題点として念頭には置いておりますけれども、今すぐ具体的な動き云々という構えにはなっておりません。
#76
○秋葉委員 そういたしますと、つまりどの程度生命を失う危険がある時点であるかということがその算定の基準ということなんですが、極端に言ってしまうと、実はそれを無視するから保険が成り立つというところがあるわけです。つまり、すべての人が同じ時期に死ぬのではなくて、ある人は長生きをする、ある人は不幸なことに命が短いというようなことがあって、不幸にして早く亡くなられた方のその家族とかそういったことに対する保障のために保険制度があるわけでございますけれども、今おっしゃった男と女を分けるという哲学では、その中でも特に画然と命が短いあるいは命が長いというグループがある場合には、それに応じた負担の差が生じて当然だというようなお考えだと思いますが、そういたしますと、それは男と女に限られたことではないはずです。
 例えば危険な職業についていらっしゃる方の場合、あるいはライフスタイルとして暴飲暴食というようなことがありますが、そういうライフスタイルをとっておられる方、朝は六時にきちんと起きて、ラジオ体操をしてきちんとした運動をして、節食をして節制をしながら健康な生活を送って、夜は必ず九時ごろには寝る、何のために生きているかという問題は別として、そういう健康的な生活を送っていらっしゃる方もいる。あるいはもう一つの最近欧米では特に注目されている例としては、例えば喫煙の有無、喫煙をするかしないかで平均余命がかなり変わってくるという事実があります。
 そうすると、男女だけではなくて、つまり男と女に本質的な差を認めてその上で保険料に差をつけるのだということではなくて、平均余命によってグループごとに差をつけるということが哲学であれば、そういった例えば喫煙をするのかどうかあるいはライフスタイルの違い、日常的にどのくらいの危険に瀕しているかといったことも考えに入れた上での保険料の設定がなされても当然だと思いますけれども、そういった平均余命をもとにした幾つかのグループによる保険料の設定という方向にさらにお進みになるお考えはおありなんでしょうか。
#77
○松野(春)政府委員 例えば平均寿命に影響がありそうな危険な職業につかれている方とそうでない方との区別というふうなケースを初め、簡易保険の場合には、これはあまねく公平ということで、もちろん現在そのような区分けをしておりません。ただ民保等の場合では、やはりその種の危険な職業における場合の選択といいますか商品性に差をつけたサービスということはあるようであります。
 実は先ほど私どきっとしたんですが、きのうでしたか、私の自宅にやはり外資系の会社だと思いますが、あなたはたばこを吸っておりますか。たばこを吸っておるおらないで実は保険料――たばこをやめますとたばこ代でもってこの保険に入れますというふうな形で、実は先生の御指摘のような商品の何か売り込みといいますかダイレクトメールが参っておりました。アメリカでは既に喫煙度合いに応じたいろいろな商品があるように私聞いておりますけれども、日本でもぼつぼつ民間生保においてはそういうふうな機運になるのかなという点は感じております。
 実は私ども排除をしていくという立場でなくて、いろいろなことを勉強して、どういう形に持っていくべきかはこれから私どものいろいろな幅広い検討課題でありましょうし、またその一つに先生御指摘の点もあろうと思いますが、とりあえず現在たばこあるいは危険な職業云々ということは、これは考えておらないのが現状であります。
#78
○秋葉委員 あまねくというところで幾つかのグループに存在する平均余命あるいは平均寿命の差というのを無視するということだとすると、やはりあまねくという中には男も女も入るというふうに考えた方が論理的だと思いますが、その点も含めて、あるいは喫煙の有無その他のさまざまなグループによる保険料の設定、さまざまな可能性をこれからも続けて検討していただきたいと私の要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 保険のさまざまな社会的な効用というのがあるわけですけれども、その一つにやはり保険というのは最終的には、生命保険の場合人間の生死ということに非常に大きくかかわってくるわけですけれども、その中でやはり保険を受け取らなくてはならないような状況、つまり家族とか身近な人が亡くなった場合、例えばかつてはそれがコミュニティー、地域の中におけるさまざまな儀式であるとか習慣によってそういった傷がいえる、そういったことがあったわけですけれども、最近の都会型のライフスタイルというのが日本じゅうに広まってくるに従って、そういったかつて地域社会の中にあるいは家族制度といった中に存在していた非常に重要な心理学的なあるいは人間的な機能が失われてきている。
 そういったことについて、例えばこれまたアメリカの手法ですが、アメリカの例がすべていいというわけではありませんけれども、ある程度死に対する、身近な人が亡くなった場合、心の準備であるとかあるいはその後の傷のいやし方であるとか、そういったことについての科学的なあるいは心理学的な研究がかなり進んでおります。そういったことをマニュアル化して、この保険料というお金の面における一つの国民に対するサービスとともに、その亡くなった方々、身近な人が亡くなった、その家族であるとか友人たちの心の傷をいやすための一つのノーハウを簡保として伝達していく、そういった社会的な責任といいますか社会的機能も考えられると思うのですけれども、今後そういった社会的機能を簡保として果たしていくおつもりがおありになるかどうか伺いたいと思います。
#79
○松野(春)政府委員 今先生からアメリカの実情について承りましたけれども、日本の実際を見ました場合、なるほど私どもの周囲で、例えば葬儀を行う等につきましては比較的技術的なマニュアルあるいはノーハウというものが書物その他も含めて大変行き届いておるように感じますが、さて実際に親が死んだ場合、兄弟が死んだ場合、友人が亡くなった場合、そのための心の持ちようという点になりますと、なるほど現在余りそういうマニュアルというものは私の身の回りにまだ思いつきません。
 私どもの事業は、年金も保険も含めましてやはり人間の生死を扱っておる事業であるということから、実はかねてから文化講演というふうな形もやっておりますし、それからラジオ体操もNHK、全国ラジオ体操連盟と共催でやっておりますし、あるいは作文コンクールであるとか、こういう文化的なものにつきましてもやはり加入者福祉の向上の一環という位置づけで精力的に取り組んでおるところであります。いろいろ簡保の、場合によりますと先生の御指摘は、あるいは広い意味での簡保の周知といいますか、PR活動という面の領域まで踏み込んだ上での御提言だと思いますが、今後いろいろなその種の問題につきましても幅広く検討してまいりたい、あるいは研究してまいりたいというふうに存じております。
#80
○秋葉委員 ありがとうございます。
 質問の時間がなくなりましたので、もう一つ、例えば今申し上げたこと、実は介護機能を持つ終身利用型加入者ホームというのがもう一つの、これは福祉事業団法の一部を改正する法案に関連して出てきているわけですけれども、そこでもやはり私は同じような問題がある、そしてそこで郵政省として積極的に新しい社会的な機能を果たすことができるのではないか、そういう気がいたします。そういった点での今後の、先日も深谷郵政大臣から、郵政省はこれまでの枠を破って、さらに省庁の壁をも破って社会的な責任を果たしていく決意があるのだというふうに述べられましたので、その趣旨に沿ってできるだけこういった新たな社会的な必要性に関して御検討を加えられれば大変ありがたいと思います。そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#81
○上草委員長 次に、草野威君。
#82
○草野委員 法案についてお尋ねをする前に、大変恐縮でございますが、昨日の新聞に報道をされました事件につきまして、お尋ねをさせていただきたいと思います。
 これは、書留郵便物を配達して、不在のときに不在通知書というものが郵便受けに入れられているわけでございますけれども、この不在通知書を他人が盗み出して、そして自分の身分を偽って書留を受け取っていた、こういうような事件でございまして、この事例によりますと、通算で約三千万円だまし取っていた、こういう事件が報道されておりましたけれども、まずこの事件の概略につきまして御報告をいただきたいと思います。
#83
○小宮説明員 お答え申し上げます。
 本件の、何といいますか、態様と申しますか手口と申しますか、そういった点につきましては、先生の今お話のとおりでございまして、不在のお宅に私どもの不在配達通知書を入れてまいりましたところ、かぎのかかっていない受け箱ということからでございますけれども、それをとりまして、郵便局の窓口へ来まして身分証明書なども偽造をいたしまして、そしてそのいわゆるクレジットカードの入っております簡易書留扱いの郵便物をとりまして、そしてそれを使いまして現金支払い機でお金を取る、あるいはデパートなどで買い物をする、そういうことで不当な利益を得た、こういうのが事件の概要でございます。
#84
○草野委員 こういうような事例は過去にどのくらいございますか。
 それからもう一点は、この不在証明書というものはどのような規定によってつくられているものですか。また、この内容についてどのようなことが規定されておりますか。
#85
○小宮説明員 この三年間ほどの件数で申し上げますと、昭和六十二年度で七十八件、六十三年度で三十件、それから平成元年度で七十四件がこういうような形の犯罪として私ども把握しております。
 それから不在配達通知書でございますけれども、これは一番基本を言えば郵便法にさかのぼるわけでございますけれども、これは具体的な配達の方法の中のいわば一つのお知らせというか、サービスの形でございますので、この様式は郵政省で決めております。担当としては郵務局ということになるわけでございますが、そこでいろいろ細かい手続を決めておりますが、御不在のときにはこの不在配達通知書というものを書いて差し入れなさいというふうに、取り扱い規程というものがございますが、これに書いてございます。
 そして中身は、たくさんのことが書いてございますので細かくは申し上げませんけれども、御不在でしたので持って帰りますということと、それからお受け取りになる方法、例えばあした配達をしてくれとか、それから郵便局へ取りにおいでになる場合はこのお知らせの通知書をお持ちいただいて、それから判こと身分を証明できるものをお持ちください、こういうような趣旨のことが書いてございます。
#86
○草野委員 身分は、どのような方法で確認をされるのですか。
#87
○小宮説明員 申し上げるまでもないわけでございますけれども、なかなか最終確認ができるというものを個人がお持ちというケースは事実上ないわけでございますので、事実上の行為としてやっておりますのは、最近では運転免許証というようなものが割に多うございます。そのほか例示としては健康保険証、それと今回は身分証明書、会社や役所の場合は会社、役所の身分証明書になるわけでございますが、大体そういったものがごく普通に使われております。
#88
○草野委員 その運転免許証、身分証明書、それから保険証ですか、そういうもので確認をされているようでございますけれども、その確認の仕方といいますか、そういうものを持ってきたらそれですぐいいんだ、そういう簡単な確認の仕方なのか、それとも結果としてその責任をとるような、そういうような確認の仕方をしているのですか。どっちなんでしょうか。
#89
○小宮説明員 率直に申し上げまして、これは何と申しますか、見る方のお立場にもよるのだろうと思いますけれども、私どもといたしましては、不在配達通知書をお持ちになり、それ相応の、もちろん身分証明書の場合でも、男性が女性のものを持っているとか、年格好が全然違うとか、そういった当然気がつくようなものでしたらば気をつけなければいけないと思いますけれども、一般的には、お顔と言うとなんですが、御本人を見、かつお見せいただいたもの、証明書、それと不在配達通知書をお持ちになっているということ自体がごく普通の形でございますので、私どもとしては郵便局の窓口で、しかもお一人お一人にそう時間をかけているのも事実上できない。いろいろ考え合わせますと、私どもの今のやり方は、十分と申し上げると言い過ぎかもしれませんが、やむを得ない形だろうというふうに思っているところでございます。
#90
○草野委員 今のお話ですと、三年間で百八十二件、こういうようなことで他人によって郵便物を詐取されたということでございますけれども、こういう事例において郵便局側が弁償しただとか責任をとっただとかいうことがあるのですか。
#91
○小宮説明員 結論だけを申し上げますと、本件につきましては、百七十七件は、普通の書留制度もございますけれども、郵便法で定めております書留あるいは簡易書留についての損害賠償の規定に基づきましてその範囲内でやっております。したがいまして、今回のようにそれをカード、郵便物の内容を使って派生的に発生した損害というようなものを賠償した事例はございません。また、法的にしないと申しますか、することができないという形になっておるわけでございます。
#92
○草野委員 規定はそういうような規定でおやりになっていると思いますけれども、今回のこの報道された事件を見てみますと、金額にして三千万円、それから回数にして約五十回、しかも四年間にわたってこういうことを行ってきたということですね。ただ単に普通の書留郵便物を詐取された、実害が少ない場合はともかくとして、クレジットカード等の場合には、そのクレジットカードという一枚のカードをとられただけでなくて、そのカードによってその人の財産がどれだけ損害を受けているかわからない、こういうケースですね。
 こういう場合、郵便局の窓口で身分の確認の仕方が非常に簡単にやられたためにそういう詐取をされたというようなケースの場合、規定がこうなっているから責任は負わないでもいい、こういうことではちょっとどうかなと思うのですけれども、どうでしょうか。
#93
○小宮説明員 今回の犯罪に関連しての新聞報道の件数、金額等も今先生からお言葉がございまして、かなりの額になっておるわけでございます。これは別に責任逃れとかいうつもりでは毛頭ございませんが、本件の調べは警察の方でやっておりますので、実際に報道されたのが推測か、あるいは今回の実害かは私ども存じておりません。しかし、理論的に言っても、相当大きなことが今後だって起こり得るということはもう十分あることだと思っております。
 それで、今の先生の御質問でございますけれども、そういうお言葉を聞きますと、そういう側面からでは、なるほどごもっともだと思うところも気持ちとしてはあるわけでございますが、やはり全国民を相手にして、しかも料金の問題もございますし、それから手数の問題もございます。もろもろ考えながら現在の制度になっておるわけでございますが、従来も犯罪等がありました場合に、先生のお言葉のような御趣旨の御提言も再三あったのではないかと思います。
 非常に抽象的な言い方で申しわけございませんけれども、今回のこういうことも郵政省としては常に頭に置きながら、今後も郵便の扱いというもの、制度等もいろいろ改正する場合もあるでしょうけれども、具体的にこういうことをもっと厳重にやれるかどうかというのは、率直に申し上げて身分確認というものは技術的にもなかなか難しいと私は思いますので、それがすぐ責任を負いますという形になれるかどうかは今申し上げられませんけれども、今回こういう事件があったこと、また先生からそういう御提言があったということは郵政省、頭に置きまして、郵便制度の今後の改善に当たって十分検討してまいることにいたしたいと思っております。
#94
○草野委員 今のお話を伺っておりまして、やはりちょっとどうかな、こういうように思うのですね。ということは、二つあります。
 一つは、責任はとれない、責任をとることは非常に困難である。それから今後の改善の問題にしてもちょっと難しいというようなお話だったですね。その二点についてちょっと私も納得できないのです。今回の事例の場合、この新聞報道によると、昭和六十一年から現在まで四年間五十回にわたって、こういうことですね。同一犯人が五十回にわたってこういうようなことを四年間にやってきた。それから、そのほかにも百八十二件の事件がこの三年間にも起きている。
 こういうことについて、郵政省の方にはその間に警察、捜査当局からも当然何らかの連絡もあったわけですね。それにもかかわらず、こういう同じことが同一犯人によって五十回もずっとやられてきて、やっと今回これが発覚した。どれだけ大勢の人がこれで損害を受けているのかわからない。それで今のお話を聞いておりますと、こういうことに対して責任はとらない、今後の改善についてもなかなか難しい、果たしてこれでいいのでしょうか。
#95
○小宮説明員 本件というか、ここ三、四年の間にこれだけの件数が起きたということにつきまして、先ほどはちょっと弁解がましくなるかと思いまして申し上げませんでしたが、実は何もしていなかったというわけでもございません。特に東京の西部の方で割合多発しておりましたので、私どもといたしましても、これは昭和六十三年でございますけれども、特に多発している西部の方の郵便局に対しましてこのような形でのカードの詐取が頻発しているので不在配達通知書による交付は本人確認にできるだけ注意するようにという指導はいたしたのでございますけれども、これから先が、やはり実際に御本人の確認というのをどのくらいすべきか、どのくらいしてよろしいものかという実際の問題にどうしてもひっかかるわけでございますが、そういう指導をいたしましたにもかかわらず、このようにずっと続いてきたということは、私どもとしても御迷惑をかけた方にも大変申しわけないし、残念だとは思っております。
 ただ、こういう指導をしてもなおかつ、それじゃ人の身分を偽る人間を郵便の窓口でつかまえられない、つかまえられないでその後も一年以上過ぎたということは、具体的な御本人の確認というのはいかに難しいかという一つのあらわれでもあろうかということを御理解いただければ大変幸せに存ずる次第でございます。
 それから、一つ忘れましたけれども、私どもの立場からすれば、これは本来受け箱にかぎをかけておいてくださればまず起こらないことなんでございますけれども、そういうことで受け箱にかぎをかけてくださいというPR、これは多分法律で強制するわけにもいかないことだと思いますので、PRなども郵便局が例えば郵便局便りとかそういったものでやっておるわけでございますが、ごく一部を除いては、お互い信用するというのか、かぎをかけてくださる方が非常に少ないという実情もありまして、対策になかなか苦慮しているところでございます。
 そういった実態がありますので、今後そういうものが抜本的に改善できるかどうか私にもなかなか自信が持てませんので、先ほど率直にそういうことを申し上げさせていただいた次第でございます。
#96
○草野委員 一つは、四年間にわたって五十回もこういう事件が起きていながら、それを郵便局の方で身分を確認するということについてもう少し何らかの方法が考えられたのじゃないかな、こういうふうに思うのです。今あなたのお話を伺っていると、身分の確認方法は非常に難しい、それよりも郵便受けにかぎをかけておけ、こういうことなんですけれども、実際問題として郵便受けにかぎをかけておられる家は少ないと思うんですね。そうすると、これからもこういう事件が起きる可能性はやはり十分にあるわけです。大臣のお宅だってそうですよ。カードを盗まれてこれからどれだけ被害に遭うかもしれない。我々だってそうです。だから、郵便受けにかぎをかけておけという前に、身分の確認の仕方について郵政省はもう少し知恵を絞って何らかの方法を考えるべきじゃないかな、こらからのそういう対策についてもう少し知恵を絞るべきじゃないかな、私はこのように思いますが、いかがでしょうか。
#97
○深谷国務大臣 先ほどから承りまして、先生の御指摘は全くごもっともだと思います。首席監察官からの答弁ももちろん間違いではありませんが、こういう事件が起こって社会的な問題になったことは確かでありますから、精いっぱいの知恵を絞っていかなければならないと思っております。
 本人の確認について難しさはございますが、どうやったら正確に確認できるかなどしっかり研究することをお答えとして申し上げて、そのような体制の勉強をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#98
○小宮説明員 今大臣から今後の郵政省の基本的な態度につきまして御答弁ございましたのでつけ加えることはもうございませんけれども、私ども今の大臣のお言葉を体しまして、決め手というものはみんなで知恵を出してみないと、なかなかすぐに私今先生に申し上げられることはございませんけれども、細かい知恵をできるだけ積み上げまして、大臣の今のお言葉に合うような体制を組んでいくように省を挙げて、これは郵便だけじゃなくて貯金や何か、貯金通帳などを盗んで窓口をだますというようなケースもあるわけですから、省を挙げて取り組んでいくようにさせていただきたいと思います。
#99
○草野委員 よろしくお願いしたいと思います。ともかく書留というものに対して国民は信頼しているわけでございますので、こういう事故はぜひとも再発しないように取り組んでいただきたい、このようにお願いをしたいと思います。特にカード化の時代でございますので、国民一人が何枚もカードを持っているという時代でございますので、こういう事件がこれからも続発するおそれなしとも言えないわけでございまして、ひとつ真剣に取り組んでいただきたい。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、保険の問題についてお尋ねをしたいと思います。今までもいろいろとお話がございましたけれども、今回簡易保険と郵便年金を統合するわけでございますけれども、その目的だとか趣旨、こういうものについても改めてお尋ねをしたいと思います。また、今回の統合は今さらという感じもするわけでございますけれども、五十六年の年金制度の見直しのときにやるべきではなかったのだろうか、こういう感じもいたします。また、今度の新しい商品であります生涯保障保険、これについてのこれからの、やはり将来のことを考えるとどうなるかわかりません、インフレ対策、こういうものにつきましても伺いたいと思います。
#100
○松野(春)政府委員 最初に、今回の保険と年金を統合する目的あるいは趣旨につきまして簡単にお答えを申し上げます。
 郵便年金は簡易保険と同じく生命保険の一種である、その仕組みからすれば本来一つの制度になじむということは実は従前から、例えば民間の生保の状況等を考えましても言えておったわけでございます。ただ、簡易保険と郵便年金の制度を別々の制度といたしましたのは、この創設当時、簡易保険も郵便年金も国民への普及ということに大変力を入れてまいった時期でありますが、一方におきまして簡易保険が国民一般を対象としておりましたのに対しまして、郵便年金は比較的、富裕層という言葉が適切かどうかちょっとわかりませんが、比較的所得の高い層の方々を対象にしていたということで制度の対象に違いがあり、法律制度上も別々の形で今日まで実は参ったわけでございます。
 ところで、片方で長寿社会を実現していくために簡易保険の分野あるいは生命保険の分野でどういう役割を果たしていくべきであるかという課題に対しまして、青年期から自助努力によりまして生涯生活設計に努めるようにしたい、またそういうニーズが現にある。それによって今後予想される高齢化社会において老後生活の安定を図るということに簡易保険の立場からも一つの役割を果たしたいということが念頭にあったわけであります。その結果、先ほど来いろいろ御質問をいただいておりますように、この青壮年期を中心とした死亡保障と同時に老後の年金も準備できるいわば万能型の保険を設定したい、あるいはこれを機に制度統合を図りたいというふうなことが趣旨でございます。
 それから、今回の統合が今さらという感じがするがというお尋ねでございました。御指摘のように、五十六年に年金制度の大幅な見直しを行ってございます。このときの改正の趣旨は、大正十五年に創設されました郵便年金事業が戦前順調に推移していたようでありますけれども、戦後のインフレーションによりまして大変大きな打撃を受けましてこの事業そのものがお客様からの信頼の薄らぎとも相まちまして衰退の一途をたどってまいっておりました。そこで、昭和四十三年に加入者から申し出があった場合には一時金を支払って契約を消滅させるという特別措置を講じまして、昭和四十四年からは現実に郵便年金の販売を停止しておりまして、この郵便年金事業が事実上廃止したのと同様の状態になったわけでございます。
 しかし、昭和五十年代に入りますと、来るべき高齢化社会に備えるという課題が生じてまいりまして、この年金事業の再開が望まれるに至った次第であります。そこで、郵政省もいろいろな検討を経まして、昭和五十六年に新しい郵便年金制度のスタートを切ったわけであります。ところが、この五十六年当時の切りかえの際に新しい郵便年金制度、今日の郵便年金制度でありますが、これをそれまでの、従来の郵便年金の一つの新しい種類という位置づけをしまして郵便年金法そのものの抜本的な改正は手をつけなかった、抜本的な改正は行わなかったということであったわけでございます。簡易保険としてもいろいろな経験を経てまいっておりますが、この生涯保障保険のニーズ等とも考えあわせまして今回法改正の御審議をお願いした次第でございます。
 それから、生涯保障保険のインフレ対策でございますが、生涯保障保険の年金額につきましては、当然のことながら払込期間、それから年金支払い期間が長期にわたる商品でございますから、ある程度のインフレーションには対応できるようにする必要があるというのはまことにごもっともでございます。そこで、生涯保障保険の年金額につきましては、年金の支払い期間中に予想されます物価上昇にある程度対応できますように、年金額を年三%の複利で増加させる仕組みとしてございます。
 また、この保険料の払込期間中や年金の支払い期間中に物価が予想以上に上昇した場合には、これは通常の場合ですと積立金の運用利回りもあらかじめ予定している利率を上回ることが十分予想されますので、その結果この運用益の拡大を見た場合は剰余金の分配を通じて年金額の上乗せに充てるような仕組みも講じております。
 こういうふうなもろもろの点からインフレーションへの対応等を講じておるつもりでありますけれども、これからも実は運用制度の改善ということが大変重要でありまして、この資金の一層の効率的運用を図ってその効果が実現できるように対応してまいりたい、努力してまいりたいと考えております。
#101
○草野委員 この簡保、年金事業の将来展望でございますけれども、この簡保につきましては昭和三十五年五六・二%、トップのシェアだったわけでございますが、その後年々低下をしてきているわけでございまして、平成二年の二月末では三三・八%までになったわけですね。この簡保年金事業が今後その使命を果たしていくためにも一層の努力が必要であろうと思います。長期的な展望に立った、そしてまた国民のニーズにこたえるためにいろいろな施策が必要であろうと思いますけれども、この簡保の将来展望につきましてどのような展望を持っておられるかお伺いしたいと思います。
 また、もう一点は、今後どのような商品を開発されようとしているのか、そういう点につきましてもお考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#102
○松野(春)政府委員 簡易保険の年々の契約件数を生保業界全体の中でシェアとしてとらえた場合、先生御指摘のように若干ずつ低下傾向にありまして、今日的には三三・八%ということでほぼ横ばいの状態ではありますけれども、御指摘のような状態にあるわけであります。
 私ども非営利の国営事業を仰せつかっているわけでございますが、今後の将来展望といたしまして、商品サービス面で申し上げますと、やはり国営事業に甘んじて国民のニーズをとらえ損なってはいけないという課題が一つあろうかと思います。それからもう一つは、金融の自由化が非常に進んでくる中でどうしても競争が激化してまいります。私ども、現在民間の生保等との間で良好なコミュニケーションを維持しながら相補い、相競うというふうな関係にあるものと認識しております。その中で国民の皆さんにできるだけよい選択のできる商品をお互いに切磋琢磨して提供してまいりたいということになるわけでありますが、この面でも今後特段の努力が必要になってまいるかと思います。
 それから一方、資金運用面でございますが、これも運用の範囲が簡易保険の場合法律でもって一定の限定がされていることはもう既に先生御案内のとおりでございますが、やはりこの与えられた枠の中で、我々の知恵を生かしまして確実、あるいは公共性にも思いをいたしながら一層有利な運用を心がけてまいりたいということも、私どもの事業にとりまして大変大事な課題であります。
 いずれにいたしましても、私どもの事業はいわば郵便局事業というか郵政三事業という一体の事業の中で、国民の信頼も得、また非常に利便性も高いということで御利用いただいております。この特徴は大いに生かしながら、今後事業の発展、国民の生活の向上等にお役に立ってまいりたいというふうに念じておる次第であります。
 そこで、具体的な新しい商品等でありますが、これまでも長寿社会に対応する商品ということで、中には国会の御審議をお願いいたしたものもあるわけでございます。例えば昭和六十二年には夫婦年金等を創設いたしましたし、六十三年には、シルバー保険と言っておりますが、介護保険金付終身保険等も創設しております。それから、平成元年九月には郵便年金の特約制度等も創設しております。それから、やはり簡易保険が青壮年層にとってちょっと魅力がないのではないかという御指摘もありますし、契約データにもそのような状況がつぶさに出ておりますので、青壮年層に、例えばレジャー資金需要等も加味した保険商品ということで、生存保険金付という名称でありますが、定期保険も平成元年の九月に創設しております。
 さまざまございますが、基本的には今後の国民のニーズが那辺にあるか。私、簡易保険の保険の特徴としまして、民保に比べて貯蓄型の養老保険のシェアが大変多いということを常々申し上げてきておりますけれども、しかし一方では保険の保険たるゆえんは保障性にあるという基本的なものもあるわけでございまして、そこら辺にも思いをいたしながら、ひとつ魅力のある新商品また新サービスの開発等には引き続き努めてまいりたいというふうに念じております。
#103
○草野委員 大臣にお尋ねをさせていただきたいと思いますが、先ほど来高齢化社会を迎えてということでいろいろ議論がございました。そういう中で、個人年金の果たす役割というものが非常に重要になってくるわけでございます。この個人年金にかかわる税制の優遇措置、本年から改正されたわけでございますけれども、これについてはさらに拡充をすべきではないかと思うわけでございますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。
#104
○深谷国務大臣 草野委員の御指摘のように、長寿社会になってまいりまして、自助努力で頑張っておられますけれども、それをいかにお助けするかということがこれからの大きな政治課題でございます。当然それに関連いたしまして税制問題も深く配慮してまいらなければなりません。今回所得税、地方税における個人年金保険料の所得控除限度額が引き上げられましたが、今後とも生命保険、個人年金の税制の充実に積極的に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
 具体的な内容は現在検討中でありますが、例えば、払い込んだ保険料に対する措置を受け取った保険金や年金に対する措置の両面から幅広く検討してみたいというふうに思っております。税制面に関しては、極めて重要な意味を持ちますから、先生の御指導もあわせて今後引き続いていただきたいと思っております。
#105
○草野委員 先ほどからお話ございましたように、簡保の問題点の一つとして青壮年層への普及促進という問題があるわけでございます。これにつきまして、現在郵便局の調査においても約八三%ぐらいの人たちが職域開拓についてはどんどんやるべきである、こういうような御意見もあるようでございますし、事実また職域開拓の現況を見ましても、極めて高い伸び率を示しておるわけでございます。
 そういう中にありまして、職域保険といいますか法人の加入のケースの例を見てみますと、現在保有件数で参りまして法人契約分については約七十万件ということでございます。全体の保有件数が約六千六百万件でございますので、一%程度であるわけでございますが、まずこの法人加入のケースの職域保険のシステムについて簡単に御説明をいただきたいと思います。
#106
○松野(春)政府委員 簡易保険の販売は、従来家庭中心であったと言って間違いではないと思います。その結果、いろいろ会社等へ御勤務されている方へのアプローチの問題もあろうかと思いますが、保障を最も必要とする青壮年層、私どもの分析では二十五歳から例えば四十四歳までの加入の方の割合が割に低いということでございます。そこで、その職域市場への販売拡充に積極的に取り組むということが、あわせて青壮年層に対する簡易保険の御契約が少ないことへの解決の一つの手段にもなるであろうということにも思いをいたしまして、現在職域開拓に積極的に取り組んでいるところであります。したがいまして、職域開拓と一言で申しますのは、法人契約、契約者が法人であるという面と、それから一般の御家庭での加入と全く同じ形で個人契約の保険、二つの要素があるわけでございます。
 この法人契約でございますが、法人契約は契約者は法人でございますが、その保険金の受取人のタイプによりまして三通りぐらいの態様があるようでございます。例えば満期になった場合の受取人も法人、死亡した場合も法人というふうなケースもありましょうし、どちらも従業員もしくは従業員の遺族というケースもありましょうし、あるいは満期になった場合は法人で、死亡した場合は従業員の遺族というようなケースもございます。それらをいろいろ合わせますと、先生先ほどおっしゃいました約七十万件という件数になるわけでございます。
 簡易保険の場合には、契約者が法人でありましてもすべて被保険者は、当然これは生死でありますから個人、自然人になるわけでございます。ここの法人契約を利用いたしまして、場合によりますと、会社ではいろいろな職員といいますか社員の福祉関係、あるいは場合によりますと、会社のいろいろ税制関係と言っていいかどうかわかりませんが、節税関係等にも思いをいたしながらこの法人契約を御利用願っているというケースも中にはあるようでございます。法人契約につきましては、まだ全体で保有件数といたしましては一%程度でございまして、今まさに少しずつ動き始めた分野となっております。
#107
○草野委員 法人契約の場合、今お話しいただいた内容でございますけれども、確かに現在では求人難という面から、例えば従業員の福利厚生という面についても非常に有利であろうと思いますし、また税制というお話もございましたけれども、掛金の二分の一が損金として処理される、こういう税制面においても非常に有利なわけでございます。ただ伺うところによりますと、法人が加入する場合、大多数の従業員が加入しなければならない、例えば七割とか八割だとかそういうふうなことも聞いたことございますけれども、そういう問題について、これはどうなんでしょうか。
 それからもう一つの問題点として、これは当然のことかもしれませんけれども、個人で加入した場合には法人の方には入ることはできない、こういう問題もあるわけですね。そこで、今後この法人の契約を拡大していこう、今そういうお取り組みをされている最中だと思いますけれども、どうなんでしょうか、法人と個人の場合の限度額というものをひとつ何とか工夫するとか、それからまた別な内容に分けてやってみるとか、そういう工夫ができないものか、そこら辺のところはいかがでしょうか。
#108
○松野(春)政府委員 先ほど御指摘の二分の一損金の対象になる場合は、これは税制上の優遇税制といいますか、損金扱いでございますから、やはりおっしゃいましたように大勢の社員の方が入るということが前提のようであります。ただ法人契約にもいろいろございますから、二分の一損金契約でないものにつきましては、その辺は緩やかであるということであろうと思います。
 それから、この限度額でありますが、先ほどもちょっと触れましたが、私どもの限度額は被保険者一人について幾らという決め方に、保険の場合でも年金の場合でもなってございます。したがいまして、法人契約の場合でも被保険者はあくまで個々の、社員なら社員の方でございまして、この人が一般の家庭でもし保険に入っておりますと、それともちろん合算された計算になります。そういう意味では、法人契約の場合にはやはり御本人が十分承知しておるということが大変大事な前提でありまして、私どもがいろいろ契約を結ぶ場合にも、やはり御本人が確かに同意しておるということはしっかりとるように今指導をしておるところであります。
 そこで、何か特別に法人契約の場合の限度額を別枠でというふうな、私簡易保険局長の立場としては大変心うれしい部分もあるような御質問でございますけれども、今申し上げましたような仕組みからして、被保険者単位で決める限度額というものを変えるということはなかなか困難なことであろうというふうに認識いたしております。
#109
○草野委員 それから、面接とか告知義務の問題でございますけれども、法人、団体の場合には一括して健康診断書、またそれにかわるもので済むようにも聞いております。一般家庭の場合には、例えば御主人が保険に加入したい、こういう希望を持っていても、やはり本人に直接面接それから告知、こういう手続が必要になるわけでございます。やはりなかなか勤務等で面接が難しいという場合も実際問題としてはたくさんあろうかと思いますけれども、例えば奥さんの申告または健康診断書、こういうものでやることはできないのでしょうか。
#110
○松野(春)政府委員 御指摘のような事例が出てまいります。夫が会社等へ出勤しておる、奥さんが夫を被保険者とする保険に加入させたい、本人がいないというふうな事例だろうと思いますが、告知につきましては現在の私どもの仕組みでは、被保険者及び保険契約者双方から被保険者の健康状態を申告してもらうという扱いになってございます。この被保険者の健康状態と申しますのは、被保険者自身が一番よく知っておりますので、これは必ず被保険者本人から告知を受けるということに仕組み上してございます。
 一方、面接観査でありますが、これは外務員が被保険者に直接会いまして、外観から被保険者の身体の状態等を観察して、その健康状態を判断するという仕組みでございます。
 そこで、今のケースの場合ですが、被保険者が会社に勤めているために家庭で面接や告知を受けることができない場合、確かにこういう事例が生じるわけでございますが、現在私ども、郵便局のネットワークを活用いたしまして、その勤務地に所在する郵便局の外務員がかわって勤め先に被保険者を訪ねていただきまして、そこで告知を受け、また面接観査を行うことが可能であるという仕組みにいたしております。したがいまして、被保険者のかわりに奥さんから告知を受けるということは、これは人情としては私は実はよくわかるのでありますけれども、非常にたくさんの契約件数を扱います私どもの簡易保険事業では必ずしも適当ではないのではないか、現在そのような考えを持っております。
#111
○草野委員 もう少し現実的な取り組み方を工夫されてもいいのではないか、このように思いますけれども、御検討いただきたいと思います。
 それから団体加入、団体で加入する場合はその割引制度があって、たしか七%割引をされる、こういう制度があるように聞いております。それからもう一方、保険料を振り込む場合、自分の貯金の口座から自動振替というような制度を利用した場合は割引は一・五%、こういうことになっているわけですね。どちらの手数が煩雑か、これはいろいろあろうかと思いますけれども、いずれにしても一・五%と七%と余りにも差があるように、あり過ぎるように思うのですけれども、そういうことはございませんか。
#112
○松野(春)政府委員 現状はただいま先生御指摘になりましたとおりでございます。一般的に自振りの制度につきましては、もちろん私どもの側にもメリットがございますし、また集金される側にも、双方にとってメリットがある制度という認識をしておるわけでございます。例えば、自振りを行いましても電気とか水道、ガス料金などは割り引いていないわけでございますが、簡易保険におきましては団体の代表者の方が実際に集金して保険料をまとめて払い込んでもらう場合には割引の制度を設けていることを考慮して、自振りについてもある程度の割引は行う必要があるという観点に立っているわけでございます。
 ただ、このパーセンテージが七%と比較してどうかという点につきまして、絶対一・五%だとここで申し上げる自信はございませんけれども、そういうふうなことで一・五%の割引を現在適用しているという実情にございます。先生の御指摘の趣旨は私どももう少し勉強いたしましていろいろ検討してみたいと思っております。
#113
○草野委員 私も考えてみたのですね。そうしたら、自振りというのですか、初めてそういう言葉を聞きましたけれども、この自振りの方は事務的にはよっぽど楽なのですね。団体生命の方は、実際に金を集めてきて郵便局の窓口に持っていって納める、私はこの方が手数的にはよっぽどいろいろあると思うのですけれども、いずれにいたしましても七と一・五というのは余りにも差があり過ぎるように思うのですね。これはぜひとも検討してください。
 次に移ります。
 資金運用の問題でございますけれども、まず簡保・年金の積立金の運用でございますけれども、平成二年度の運用計画の策定に当たりましてどのような基本的な考え方で策定されたのか、まずお伺いをしたいと思います。
#114
○松野(春)政府委員 申し上げるまでもないことでありますけれども、私どもがお預かりしております簡保・年金資金は、将来保険金その他でお客様に支払われる貴重な準備財産であると認識いたしております。また国の事業を通じまして全国から集められた貴重な資金でもあるという性格でもございます。こういう性格に配慮いたしまして、運用計画の策定に当たりましては次のような考え方を基本に置いてございます。
 一つは、やはり事業経営の健全性を確保します観点から一層有利な運用に重点を置きたいということが一点であります。それからその一方で資金の公共性という観点から公共の利益になるように運用したい、その中で地方還元融資にもできる限り配意したいという点を基本に置いてございます。
#115
○草野委員 資金運用制度の改善ということでございますけれども、今回の債券の貸し付けのメリット、また大型私募事業債への運用のメリット、こういうものについてお尋ねをしたいと思います。
#116
○松野(春)政府委員 今回実は二つの点で運用の拡大を図ることに相なりました。
 その一つは、現在法改正をお願い申し上げております債券の貸付でございます。これは昨年の五月であったかと思いますが、債券の貸借市場というものが整備されてまいりまして、この一番の貸借のもとになります経済行為は、いわゆる国債等をめぐります相場の動きに対しまして一方の資産を空売りする、空売りと申しましても観念的に悪い意味ではございませんが、空売りしていくという場合が生じます。その際に御自分の保有する国債を充てないで、短い期間ではありますが国債を他から借りてその支払いに、現品の受け渡しに充てるというふうなマーケットでございます。
 そこで簡保の状況を見てまいりますと、私ども実は郵便貯金ほどたくさんは持っておりませんが、おおよそ三千億程度の国債を保有してございます。これは日銀に登録してございまして、国債に予定しております利回りは入ってまいりますが、それ以外はそのままでございます。この国債の貸借に私どもの国債を御利用いただければその分プラスして利が得られるということに相なります。昨年の五月から一年間程度平均して見てまいりますと、この貸借の利回りが大体0・二%から、事情によって動きますけれども二%くらい年利でついておるようであります。したがって、私どももこの運用をするに当たりまして、先ほど申し上げましたように少しでも有利なものについてはぜひその機会を逃さないようにということから、今回この債券の貸付という運用の範囲の拡大をお願いした次第でございます。
 一方、先ほど先生触れられました大型私募事業債でありますが、これは法律改正事項でなくて政令改正で実は対応できるということで現在事務作業を詰めておりますが、この大型私募事業債と申しますのは、五十人未満の特定少数の投資家を募集の対象とする事業会社の発行する社債でありまして、発行額は二十億円以上のものであるということであります。この大型私募事業債につきましては、昭和六十二年六月の社債発行の規制緩和によりましてこれが可能になったようでございます。
 この趣旨は、やはりこれを運用対象に加えることによりまして、しかもこの大型私募事業債が公募事業債よりも利率が〇・一%程度高く有利である、それから公募事業債のうち電力債とNTTの債券を除きました一般の公募事業債は、最近の傾向を見ますと減少しつつあります。これの代替になるというふうなこともございます。運用する額は、もちろん市場の動向に応じまして弾力的に決定すべきものでございますが、一応の計画といたしましては、平成二年度におよそ二百億円程度運用する予定ということで計画してございます。
#117
○草野委員 本年度の簡保、また年金の積立金の運用計画によりますと七兆五千二百七十九億円ということでございますが、このうち地方公共団体に対して一兆百億円、こういう数字になっているわけでございます。この中で貸付対象事業に駐車場整備事業というものを新たに加えているわけでございますけれども、本年に限ってこの駐車場整備事業を加えられた理由、また、その融資の規模につきましてお尋ねをしたいと思います。
#118
○松野(春)政府委員 平成二年度におきましての簡保・年金資金による地方公共団体に対する長期の貸付計画額は、御指摘のように一兆百億円であります。
 それから、駐車場整備の問題でございますが、駐車場の整備ということが現在非常に重要な問題になってきているというふうに私どもも認識しております。このため、平成二年度から、新たに地方公共団体が駐車場整備を行うために起債する、駐車場整備事業債と申しておりますが、これを分担することといたしまして、駐車場の整備に簡易保険の資金を御活用いただくことにしたわけであります。平成二年度の計画額は三十一億円でございます。今後、地方公共団体のニーズを十分踏まえましてこの問題につきましても引き続き適切に対処していく考えでございます。
#119
○草野委員 駐車場問題が非常に大きくなったわけでございますけれども、三十一億円ということでございます。これが地方公共団体によりまして、駐車場の中でも公共駐車場、また、附置義務条例に基づく駐車場、届け出駐車場、いろいろあろうかと思いますけれども、どういうところに重点を絞ってこれが配分されるようになっているわけでしょうか。
 それから、一つの問題として、例えば住宅団地における駐車場、中でも都営住宅であるとか市営住宅等につきましては駐車場の設置率がほぼゼロに近い、こういうような状況にあるわけでございますけれども、特に重点的な配分とかそういうことを考えていらっしゃるのでしょうか。
#120
○松野(春)政府委員 駐車場のいろいろな種類、私も実は余りつまびらかにいたしておりませんが、駐車場整備事業債を分担するという形でありますれば、私どもそれ以上に駐車場の中身につきまして余りきめ細かくは申し上げておらないかと思います。基本は、地方公共団体等が関与しております事業の中で、そのニーズがどの辺にあるかということが、年々いろいろなニーズが出てまいり、また変わってまいるかと思います。そのようなことを十分踏まえまして対処してまいりたいというふうに一般的には考えております。
 住宅関係、公営住宅の駐車場につきましても、今私御説明申し上げた中の範疇のあれかと思いますが、ただ現実に、実は先生からちょっと先日お尋ねのあれをお知らせいただきましてちょっと調べさせましたのですが、これにつきましてまだ私ここで明言できるような資料を手元に持ってきておりません。失礼させていただきます。なお勉強いたします。
#121
○草野委員 時間が参りましたので、最後に、終身利用型ホームについて一間だけお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、この終身利用型ホームと特別養護施設、また民間の有料老人ホーム、この決定的な違いというものはどういうところにあるのかということが一点。それから大臣にお尋ねしたいわけでございますけれども、このように高齢化が進展する中で、終身利用型ホーム、こういう福祉施設の充実、これはこれからも進めていくべきであろう、このように考えるわけでございますけれども、今後このような施設の整備充実についてどのようにお考えになっていらっしゃるか。
 今回のこの計画によりますと、浦安一カ所ということでございまして、聞くところによりますと、二百名定員の中で現在応募者は六千人もおられる、こういうことでございまして、例えばこういうものの入居の抽せん等にしましてもどういう方法でやられるのか、また、今後の建設計画というものについて何かお持ちになっているのか、こういうことについてもあわせてお伺いをしたいと思います。
#122
○深谷国務大臣 具体的な細かいことにつきましては局長から答弁させますが、先ほどから先生の御意見を承りながら、長寿社会への対応ということの難しさを特に痛感しております。何といいましても、公的福祉サービスの充実だけではなくて個人の自助努力、それから民間活力の活用、私的サービスの育成などさまざまな面から対応を図っていかなければならないというふうに思っております。
 今私どもが浦安に建築中の終身利用型加入者ホームはパイロットプランと言うべきものでございまして、私どもといたしましては新たな対応でございます。わずか二百人でございますから長寿社会に十分こたえられるものではありませんが、ここでの実際の運営を重ねながらさまざまなノーハウを勉強してまいりたい、そして浦安の加入者ホームの運営状況や加入者のニーズ等を踏まえながら、その整備と充実に努力をして今後のありようをしっかり探っていきたいというふうに考えております。
#123
○松野(春)政府委員 最初のお尋ねの各ホームの違いにつきまして簡単に御説明申し上げます。
 特別養護老人ホームは厚生省所管の老人福祉施設の一つでありまして、六十五歳以上の者であって身体上または精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ居宅においてこれを受けることが困難な者を入所させて養護することを目的として、都道府県社会福祉法人が設置する施設いわば措置施設と言われているものでございます。
 それから、有料老人ホームでございますが、これは常時十人以上の老人を入所させ、給食その他日常の便宜を供与する施設でありまして、入居には特別の制限はない、これは契約関係の施設であります。
 そこで、浦安についてでございますが、浦安の終身利用型加入者ホームは、民間の有料老人ホームと同様の施設の位置づけになります。この入居資格は簡易保険あるいは郵便年金の加入者に限定しております。また、常時の介護を必要とする方を入所させる公的施設である特別養護老人ホームとは異なりまして、入居時においては日常の一応の起居を行える、身の回りのことを行える方に利用していただくということを前提にいたしております。まだ詳細この利用関係につきましては、現在も詰めておりますし、いろいろ既に案も固めてありますが、以上、簡単でありますが、御説明申し上げたいと存じます。
 なお、先生先ほど六千人くらい既に応募があると申されましたが、まだ募集は行っておりません。募集はことしの秋からでございますが、私どもの推計では、百六十室、二百人、御夫婦の方もあると思いまして、そういう収容人員でございますが、最近の神奈川県の住宅公社の例をいろいろ勘案いたしまして、大体五千件くらい応募があるかもしれないという予想を現在立てておるところでございます。
#124
○草野委員 以上で終わります。
#125
○上草委員長 次に、山下八洲夫君。
#126
○山下(八)委員 大分後ろになりまして、審議もかなり濃密になってまいりましたので、重箱の隅をつつくのが趣味ではないのですが、細かい問題について若干質問させていただきたいと思います。特に、今最後にお話が出ました福祉事業団法の中の終身利用型加入者ホームの問題について若干お尋ねしておきたいと思います。
 今大臣からもお話がありましたとおり、パイロットプランということでいよいよオープンも平成三年度の予定で着々と進んでいるようでございますが、確かに、これから二十一世紀に向かって急激な高齢化社会また長寿社会あるいはまた核家族時代、同時にまた同じ働き盛りでありましても家庭の都合で単身赴任時代とか、本当にそういう意味ではお年寄りの皆さんというのは、これからますます住みにくい一方では世の中になりつつあるというふうに率直に私も感じている次第でございます。そんなことを考えますと、今回の終身利用型のこの加入者ホームを設置される、これに踏み込んだということは大変前進をしてすばらしいことだというふうに私は理解をする次第でございます。
 今若干入居資格の問題でお話があったようでございますが、入居者が大体百六十室の二百名程度でまずパイロットプランとしてスタートなさる。その程度しかこの入居資格を私も承知をしていないわけでございますが、例えば民間でこのような類似のものが今日たくさん建設されておりますし、また民間でも入居者が随分希望者が高いわけでございます。この入居者が大体六十歳のところもあれば六十五歳のところもあるというふうになっておりますが、特に今のお話の中でも、きっと五千名ぐらいの希望者が出るだろう、そのようなお話もございました。そのようなことを考えますと、この入居資格の年齢は何歳ぐらいを念頭に置いていらっしゃるのか、あるいはもし五千名の希望がございましたら、確かに簡易保険、郵便貯金、そのような当然の資格はございますけれども、その上に立って五千名も大勢の入居希望がありました場合どのような手続で入居資格を整理していくのか、その辺をお尋ねしておきたいと思います。
#127
○松野(春)政府委員 現在、私ども入居資格の条件のうちでいろいろ固めつつあるものもございます。ただいまお尋ねの中の年齢でございますが、民間の事例あるいは厚生省関係のいろいろな施設の事例もつぶさに調べた上で、やはり年齢六十五歳以上にしたいということで考えてございます。
 それから、先ほど私、五千件ぐらい応募があるかもしれないと申し上げました。したがいまして、これが二百件ということになりますとおよそ三十倍程度の数でございますが、原則的には郵便局を通じて申し込んでいただきますと、郵便局では簡易保険に入っているか年金にお入りになっておられるかはわかります。そこで、一番最初には御加入いただいているかどうかの簡単なチェックをしていただいた上で、簡易保険事業団の方に送られてまいります。そこで、仮に五千件ということで失礼させていただきますが、五千件があった場合、とてもこれを一件一件審査して比較することはほとんど不可能でございますので、最初の第一次抽せんで、むしろ公平に抽せんの形で一千名程度に絞りたい。その後、いろいろ施設等もやはりごらんになる必要もあるいはあろうかと思いますけれども、施設等の見学その他必要な御判断を希望者の方にもいただいた上で、第二次抽せんでおよそ二百件程度に絞りたいということを考えております。それ以外にも細部のマニュアルをいろいろ手続上用意してございますけれども、大方の絞り方は以上のような状況でございます。
 ただ、一番注意しなければいけませんのは、たくさんの応募があります。私ども、これは民間と違いまして国営事業が関与しておる今回の施設でありますから、少なくともアンフェアなような事柄、あるいはうわさ等が立たないように、ここはくれぐれも注意して対処してまいりたいというふうに考えております。
#128
○山下(八)委員 細かいことは別にいたしまして、確認をしておきます。簡単に結論だけ申し上げますと、公開上の抽せんというふうに理解をしておけば正しいのではないか、そのように理解をさせていただきたいと思います。
 それから入居費用でございますけれども、これは費用といっていいのかどうかわかりませんが、一時金でございます。民間におきましても、二、三千万から一億円と、大変幅が広いわけでございますし、何か郵政省の方といたしましても、お聞きするところによりますと、お一人二千二百万円から二千四百万円くらいの一時金が必要ではないかとか、あるいはまた夫婦の場合でございますと三千万円ぐらいの一時金というお考え等もあるようでございます。
 六十五歳から御入居される、そのときの一時金でございますし、一方では民間から比べますと、さすが国だなあ、安いと思えば安いわけでございますし、高いといえば、サラリーマンでも定年になりまして二千万円以上の退職金というのはそう多くの企業でもらうことができない。そうしますと、夫婦でせっかくすばらしい加入者ホームに入居しようと思っても、また一時金が大変だというような気も一方ではするわけですが、私自身もこの金額の判断、一時金の判断というのはどうなんだろうという判断に迷っております。
 同時にもう一方では、月々の管理費と申しますか、あるいは当然食費等もございますし、そういうものも一定のものを毎月納めなくてはならないということでございますから、そのことを考えますと、一方ではまた入居したくてもなかなかできないという方も、特に郵便局で簡易保険とかそういうことを利用されている方には多いのではないかというような気もするわけでございます。そういう中から、この一時金というものはどういうものに使用されるのか、その辺についてお尋ねしたいのと、また、月々の管理費はどの程度お考えになっていらっしゃるのか、その辺もお知らせいただきたいと思います。
    〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕
#129
○松野(春)政府委員 入居一時金の実態につきまして、最近の民間の同種の施設の状況を見てまいりますと、いろいろございます。昨年度あたりの私どもの調べでは、大体三千万円から五、六千万円というところが多かったように思っておりますが、昨今は八千万から一億円を超えるものまで、有料老人ホームの中にも実にさまざまな形態が出てまいっております。
 そこで、私どもの、このホームの入居一時金を決めるに当たっての基本的な物の考え方でございますけれども、これはやはり私ども、利益を得るために設ける施設ではないという点が民間の場合と決定的に違う点でございます。それからもう一つの観点は、やはり平均的なサラリーマンにもできれば御加入をいただける程度の料金はどうかということも抽象的には思っておりまして、それは先ほど先生も御指摘になったような数字でございます。
 料金そのものは、部屋の広さが四種類ございますので、それと御夫婦で入られるかどうかということによっても違いますけれども、今先生が御指摘になったような数字を今検討しておるという前提で、それが一体どういうふうな考えで積算されているかということでありますが、入居期間を平均二十年というふうにまず想定しております。固定資産の維持管理に必要な修繕費であるとかあるいは固定資産税、建物の火災保険も必要です。それから物品費などの物件費、それから万一介護が必要となった場合の介護費、それから施設の運営に必要な人件費、こういうものを一応積算の基礎に置いております。
 ただ、その際なぜほかのケースよりも安くできるかと申しますと、法律に明定してあるわけでありますが、加入者福祉施設の設置、いわば建設でございますが、これは私どもの簡保特会が出資金の形で事業団に交付して行うということでありまして、この部分は実はこの出資金の積算に入っていない、これが実は民間のケースに比べて相当程度割安に設定できる一つの大きな要素になっておるようにも思います。
 それからもう一つ考えておかなければいけませんのは、この施設の料金が安い、高いを言います前に、私ども一つ制約があると思っておりまして、それは結局加入者の方々からお預かりしておる資金をここに活用するわけでございます。加入者福祉のためではございますが、ある限定された方に活用するわけでありますから、やはり基本的には入られる方に経費を負担していただくという点は、これは公平性の観点からも維持しなければいかぬかなというふうなことを考えております。あれこれいろいろあるわけでありますが、そういうことで積算をしておるところです。
 それから管理費でありますが、これは日常の生活に必要な経費をいただくということで、金額にして、これも大変アバウトで申しわけありませんが、大体一カ月五万円程度かな。それから、三食給食するという前提で食費を別に、やはり五万円ぐらいかなというふうに考えておりますと、入られた方が月々お支払いになる、いわゆる負担、管理費及び食費につきましては大体十万円前後であろうかというふうに試し算してございます。
#130
○山下(八)委員 加入者ホームとかあるいは保養センターですとかレクセンター、これに対しましては出資金とか交付金がございますね。今回のこの終身利用型の加入者ホームに対してのこのような交付金のようなものはいかがお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
#131
○松野(春)政府委員 出資金、交付金双方について今度の加入者ホームとの関連を申し上げますと、建物そのものは事業団の設置、運営でございますが、これは私どもが出資して建設いたすものでございます。それから交付金でございますが、先ほど来申し上げましたような事情で、この運営につきましては、一般的に申し上げますと、このために交付金を支給するということはしませんが、建物の建設を出資金で、私どもの特別会計が負担することと裏腹の問題として、減価償却費につきましては交付金で支弁していくということにしております。
#132
○山下(八)委員 そういたしますとこのホームは、簡易保険に入っていらっしゃるとかそれから貯金をなさっていらっしゃるとか、そういう方が資格者でございますね、先ほどの御答弁のとおり。そのことを考えていきますと、当然、簡保にいたしましても貯金にいたしましても、いかに運用をうまくして運用利益を上げていくか。その中から、先ほどの加入者ホームにいたしましても、保養センターにいたしましても、レクセンターにいたしましても交付金が出されているわけです、こちらへしましても同じ資格者の方が利用できるシステムになっているのですから。そのことを考えますと、今回のこの終身利用型の加入者ホームは交付金を拠出しても私は当然だと思うのですが、その考えはないのですか。
#133
○松野(春)政府委員 この加入者ホームに限りませず、交付金一般論として最初に申し上げたいと思うのですが、いろいろ時代の変遷に伴いまして交付金の支給対象、支給額というものにつきましても、これは実は予算で定めるわけでございますので、予算折衝等で間々課題になりまして、時代に沿って変えるべきものは変えております。簡保事業団に対する交付金は、年々の状況を見てまいりますと、予算額としては、絶対額といたしますとこれは今伸びておりますけれども、ただ簡易保険、例えば保養センターの運営、あるいは年金加入者ホームの運営等で先生おわかりのとおり、やはりある程度経営的な考え方で事業団に臨んでいただきませんと、これがすべて交付金でということになりますと、やはりそこに運営に生じましての意欲と申しましょうか活気と言いましょうか、不都合が生じます。
 かつて臨調答申等でもこの問題について一般論としての形で御指摘された経緯もあるようでありますけれども、現在は、交付金の支給範囲につきましては、主として人件費につきましては、これはおおよそ支給しております。それから、物件費のうちでも、実は対象施設によりましていろいろな違いがありますが、支給している、交付金対象にしているものもあります。積算の細かい根拠、私ここでちょっと御説明できませんけれども、今日的にはそういうふうな状態であります。
 そこで、今度の加入者ホームでありますけれども、先ほどの説明とちょっと重複して恐縮でありますが、将来どうなるか、ここで私断定はできませんけれども、この施設がパイロットプランとして初めて百六十室をもって滑り出すわけでありますが、そのときにこれの相当部分を交付金をもって賄うという形では、なかなかこれは加入者からお預かりした資金の運用という観点で少しく問題がないかなということで、先ほど説明したように、交付金部分は減価償却費部分に限る、まず一切は加入者の方に御負担願うという前提でいろいろな計算をしておるということでございます。
#134
○山下(八)委員 ちょっと横道へそれてしまって、時間を心配し出したのですけれども、例えば加入者ホームにしましても保養センターにしましてもレクセンターにしましても同じなんですけれども、この場合には結局は貯金、保険の加入者が利用資格者であるわけですね。今回の終身利用型のホームもそれは同じなんですね。
 そうしまして、ではなぜ加入者が有資格かと申しますと、それは少しでも皆様方から預かりました貴重なお金をうまく運用して、還元をなさっている、簡単に言いますと、裏返せば配当的なものであると思うのですね。そうしますと、当然終身利用型のホームにつきましても交付金を今後拠出をしていく、これが正しいことではないかというふうに私は思うわけです。独立採算でやっておりますと、せっかく長い間保険、貯金に加入しておりましても、その配当的なものは一切生かされないということになってくるのではないでしょうか。ぜひその辺につきましてはこれから検討をしていただきたいと思います。
 確かに加入者ホームで申しますと一〇〇%からの人件費が今日でも交付されているわけでございますし、あるいは保養センターにいたしましても六〇%でございますか、それから東京と京都にありますちょっと回転率のいいあの会館になってきますと、独立採算でやりなさい、収益のよく上がるところは独立採算でやりなさい。加入者ホームにいたしましても、約五年間というのは利用できるわけです。大体、大勢の皆さんが入りたいけれども待っていらっしゃる。これは五年間という枠はありますけれども待っていらっしゃるという状況でございますから、当然終身利用のホームも、私はほかのホームやセンターと同じように交付金というのを拠出しても正しい道ではないかというふうに理解をしておりますので、ぜひ検討をしていただきたいと思います。
#135
○松野(春)政府委員 やはり従来の施設と大きく違います点は、この施設が長期型でありまして、終身ということでもおわかりいただけますような施設でありまして、開放型ではないというところで、実は先ほど来説明しているようなことに相なるわけであります。先生のお考えは今十分承りましたけれども、そういう私の説明もひとつ御理解をいただければ幸いかと思います。
 なお、このホームの運営につきまして、その後におきましていろいろな面で運営がスムーズにいくかいかないかは、実は最初の入居金が、先ほど申し上げましたような計算でいきますとおよそ四十億ぐらいになるはずです。この四十億円につきまして、事業団が当然特別会計を組みまして運用益を上げるわけであります。それがそのホームの運営の一番の基本経費になるわけでありまして、この事業団の運用をより有利、もちろん確実でなければいけませんが、というふうなことの工夫によりましても、この運営につきましてはいろいろな工夫が行われるのではないかというふうに考えております。
#136
○山下(八)委員 余り議論したくないわけでございますが、加入者ホームでございましても、五年間といえば短期といえば短期かもわかりませんけれども、長期という見方をすれば長期でもあるわけでございますから、私はもうこれ以上この問題で議論はいたしませんが、交付金制度についてはぜひ検討をしていただきたいというふうに強くお願いをしておきたいと思います。
 と申しますのは、これから私は、パイロットプランでありましてもぜひ将来はこれを成功させていただいて、全国各地にたくさんぜひ建設をしていただきたい、これが私の気持ちとしてあるわけでございます。冒頭申し上げましたとおり、高齢化社会になりまして、核家族時代でありますし、そういう意味からいきますとより一層必要になってくるわけでございますから、そうしますと、せっかく郵政省ですばらしいことを取り組むわけでございますから、少しでも低価にしていくという努力が一番大切ではないかというふうに私は思うからでございます。
 それでは、提供できるサービス、看護内容とでも申しますか、それについてお尋ねしたいと思うのですけれども、最近はこの種の民間の記事が新聞紙上もにぎわしているわけでございますが、随分大手企業が進出をしまして、そしてホテル顔負けのすばらしいものができている。例えば、この新聞によりますと、有料老人ホームは、寝かせきりの老人が入る特別養護老人ホームなどと異なりまして、老人福祉施設ではなくて、設置主体が制限がない。補助金などの助成がなくて、施設整備費、運営費は全額入居者の負担です。
 これはこの郵政省のと同じだと思うんです。「所有権なく利用権のみ」、これも多分同じだと思うわけでございます。そういう中から、最近の新設ホームはほとんどが看護婦、ケアスタッフを二十四時間常駐させまして、そして専用の介護ベッドを入居人数の大体五%程度備えていらっしゃる。また所内の診療所での診療か、提携医師の診療が受けられたりあるいは提携医師の巡回診療が受けられる。そして先ほど申しましたように、ロビーなんかも広々として、そしてホテル顔負けになっている。そういう中で、これでやっぱり民間の方でも心配しておりますのは、入居者が心配しますのは、「確約ほしい「終身介護」」というふうに、簡単に申しますとなっているわけでございます。
 そうしますと、多分郵政省もこの辺を念頭に置いて取り組みはなさっていると思うわけでございますが、どのように看護内容を考えているのか、御説明いただきたいと思います。
#137
○松野(春)政府委員 この御利用される権利を終身利用権ということで私ども認識しておりますが、その中でもちろん介護請求権といいますか、介護につきましては終身私どもで責任を持たなければならないという点は当然のことと考えております。
 そこでこの介護の内容を、少し詳細になりますが、具体的になりますが、ちょっと申し上げますと、例えば風邪とか軽いけがで一時的に介護が必要なケースがございます。あるいは軽い障害があって一時的に介護が必要なケース等がありますが、この種の場合の介護は、居室におきましてもちろん配ぜんとか下げぜんとかあるいは洗濯、入浴等のサービスをその状態に応じて行う、あるいは場合によると、居室におきましても排便あるいは排尿等の介助は必要になるだろう、これはもちろん予定してございます。
 それからさらに、歩行が困難になるあるいは食事そのものに介助が必要になるというケースも出てまいるわけであります。それから、排便、排尿等の際に介助が必要な場合、いろいろなケースがありますが、少し介護の程度が強く要請される場合には専門の介護室を設けておりまして、これは最大二十四ベッド程度のスペースをとってございます。そこで、食事とか家事とか入浴あるいは場合によりますとおむつ交換というようなケースも十分考えられますが、こういう本格的な介護を行います専門的な看護婦を五人程度常駐させたいと思っております。それ以外に介護士を、一定の資格があるようでありますが、介護士を十数名用意する予定でございます。
 それからさらに、今度は病気との関係でありますが、入院が必要な病気あるいは他人に迷惑をかける状態のようなあるいは症状の要介護者が出たような場合には、しかもその中で専門的な治療が必要という場合には、やはりこれは御家族に連絡ということが必要かと思いますが、専門の病院に移っていただきます。実はこの浦安近くに二つほど専門病院がありまして、これは日常的な提携あるいはこちらで一定の負担をするものは負担をして、この専門の病院とよく提携して、コミュニケーションもよくして遺漏のないようにしてまいりたいと思います。
 なお、専門の診療所云々ということも民間の場合にはケースがあるようでありますけれども、週二回程度は病院のお医者さんに来てもらっていろいろ健康相談ということも考えております。人間ドックもやります。いろいろ手厚くやりたいと思っております。
#138
○山下(八)委員 民間の方ももう今早くノーハウをつかもうというので一生懸命競争なすっていらっしゃるわけですね。今度の法改正で委託によってその業務の一部を行う事業に同事業団が出資することができるようにするということは、結局、看護機能を持つ終身利用型加入者ホームの運営を委託をできる道を開くようでございますけれども、現実に民間でも相当このノーハウを取り入れようということで一生懸命努力をなさっている真っ最中だと思うのです、今日まだ歴史が浅いわけですから。
 そういう中で今御答弁ありましたその辺までのことを含めまして、そのようなことにかなう委託業者というのはもはやある程度念頭に置いてらっしゃるのでしょうか。
#139
○松野(春)政府委員 この法律が成立いたしまして、その後いろいろなマニュアルに沿いましてのことでありまして、まだ決めてはおりません。ただ、共同出資の民間会社につきまして幾つか、私どもで前提となる条件というと大げさでありますが、考えられる点がございます。
 一つは、現在全国有料老人ホーム協会という、財団法人でありますが団体がございます。ここに加入しておられる運営法人であるという点がその後におきまして何かと都合がよいかとも思っております。
 それから、浦安でございますから、この事業団と今後継続的に提携を保つことができるということを考えますと、やはり東京に本拠地のある法人と提携するということが考えられるかと思います。
 それから、居室にして百六十室というわけでありますが、これは民間の中で現在できている老人ホームでは大きな方の部類に入ると思いますので、やはり例えばの話でありますが、民間において百室以上のホームを運営している経験があるような団体であれば望ましい。
 それから、もちろん介護つき有料老人ホームの運営実績があるとかあるいは一定の規模の職員数を抱えておられるとか細々したこともいろいろありますが、これらの条件等を念頭に置きながらそれを満たす運営法人の中から、さらに加えましてこの浦安ホームに心底協力の意向等があるかないか等を含めまして事業団において選定をしていただくということになろうと思います。
#140
○山下(八)委員 それではちょっと話題を変えたいと思いますが、先ほど他人に迷惑をかけたりするような状況あるいはまた大きな病気等になられますと当然ホームでは処置が大変難しくなりますから、先ほどの答弁では家族に知らせてというお話ございましたけれども、例えば重い病気なんかをなさったときには当然今お話ございましたとおり、浦安あたりの病院にさしあたって入院、そして治療という格好になろうかと思うわけでございますが、結局は、相当ゆとりのある方ですと別ですけれども、大体一時金に一千万なり三千万なり拠出をしまして、そして月々生活費を、管理費を含めましてお支払いをしまして、そしてホームで生活をなさる。まあ天命をここで過ごそうという気持ちでやはり入居なさると思うのです。
 そのことを考えますと、当然最終的には病院にも多くかかるあるいは入院も、例えば十五年後にはあるいは二十年後には病院の方へ入院なさる方もふえてくる、このことは当然考えられる思うのですが、そのときの治療費と申しますか、そういう病院での経費というのはどちらから支払いをされるのでしょうか。
#141
○松野(春)政府委員 病気で入院しましたような場合の治療費でございますが、基本的には一般の健康保険等の例と同様でございますが、必要経費を自己負担していただくという形になります。私どもの入居資格を選ぶ際にも、これは他の有料老人ホームの例でも通例のようでございますが、やはり健康保険証等の、共済組合も入ると思いますが、その種のあれに入っておられるということを資格要件にしてございます。
 なお、これはもう私が言うまでもないことでありますが、例えば七十歳以上になられた方あるいは六十五歳以上でありましても寝たきり等の状態にある方は老人保健法の適用がございまして、自己負担金額につきましてはそれなりに極めて低い形で治療に充てられることができるのではないかというふうに考えています。
 それからもう一つは、金額以外で、病院に入院せざるを得ないというふうな場合には、この加入者ホーム側ができる限りのそれに伴ういろいろな御面倒を見なければいかぬということもこれは当然のことでありまして、それは今詳細につきましては検討させておりますけれども、そのような方向で今詰めておる最中でございます。
#142
○山下(八)委員 当然、終身というふうにきちっとなっていますとおり、終身利用型の加入者ホームへ入居される場合は、ここで天命を全うしたいというお気持ちが強いと思うわけです。そうしますと、当然最終的にはいろいろな御病気でお亡くなりになったりすると思うわけです。特に昨今、がんの死亡率というのは大変高いわけでございます。同時に、がんにつきましては、最近ではぜひ本人に知らせてほしい、そのような希望も年々強くなってきておりますし、また社会的にもそのような方向をだんだんと広げていってもいいのではないか、このような状況も出てきているわけでございますが、特にこのホームで天命を全うなさろうという方が、ホーム側の責任者に対しまして、私の病気が本当にがんだったらぜひ教えていただきたい。ぜひ知らせてほしい、このようなことの申し出があったらどう判断されようとしているのでしょうか。
    〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕
#143
○松野(春)政府委員 病院の医師の先生と患者という関係とは別に、このホームの管理の責にある事業団と、それから加入者の方との関係でありますが、これは私、省として今その問題についてどう答えるべきかは答えを用意してございませんけれども、私の個人的な考えで恐縮ですが、やはりそのような場合には教えてしかるべきではないかというふうな判断、考えを持っております。
#144
○山下(八)委員 この辺につきましてはもうこれ以上申し上げませんが、時間がありませんのでそろそろ締めていきたいと思いますが、私は全体的に言いましてこのパイロットプラン、正直言いましてすばらしいわけでございますから、ぜひ成功させていただきたい、この気持ちが大変強いわけでございます。
 その上に立ちまして、今後成功させていただいて全国各地で、温暖ないいところあるいはまた都心から便利なところ、こうなってきますと、また土地取得その他大変な状況も一方では抱えるわけでございますが、ぜひ成功させて多くの皆さんがこの終身利用のホームを利用できる、できれば低料金で利用できる、こういう道をつくっていただきたいと思いますが、パイロットプランの段階でございますので、まだ多くのことをお話しすることはできないかもわかりませんが、幾つか今後建設しようではないか、設置をしようではないか、このようなことは検討はなされているのでしょうか。
#145
○松野(春)政府委員 率直に申し上げまして、現在の段階で次のプランの青写真は持ってございません。ただ私ども、先生の御質問にも先ほど出てまいりましたが、既存の年金加入者ホーム、原則五年以内でありますが、これとの関係をどうするかという問題があります。それから、現在の浦安型のホームを、これは一応パイロットプランでございますが、これが緒についた場合、さてこの次どうするかということにつきましては真剣に検討してまいらなければいかぬと思っております。私の気持ちとしては積極的に対処していきたいという気持ちでいっぱいでございますが、関係の向きとの協議もいろいろ必要になる面もあると思いますので、今後鋭意対処してまいりたいというふうに存じております。
#146
○山下(八)委員 時間がなくなりましたのでこれで終わりたいと思いますが、終身利用型は別にしまして、加入者ホームでございますとか、あるいは保養センターあるいはまたレクセンター、こういうものを、本当に随分いいものを設置していただき、また稼働率と申しますか、利用者も大変高いようでございます。そういう中でぜひ今日、一方では場所的にもいいところにあるわけでございますし、あるいは一方ではまたこれからはリゾート開発なんかもどんどん進んできているわけでございます。そういうことを考えていきますと、特に保養センターの横の方にスポーツ施設を設置をしていくとか、そういう努力もぜひしていただきたいと思うわけです。
 そういう中で平成二年度の予算を見ますと、総合レクセンターの新設一カ所四億円、それから既存施設へのスポーツ施設の併設四カ所十四億円、用地購入費、大変予算がスズメの涙のようでございますので、平成二年度は別にしまして、三年度からより多くの予算を獲得して、そちら、特にこのレクセンターなんかの方にも力を入れていただきたいと思うわけです。
 と申しますのは、これは郵政省も国家公務員でございますから当然そうでございますし、これから完全週休二日制にどんどんなっていくわけでございます。そうしますと余暇がどんどんふえてくるわけでございますし、そのようなことをいろいろ考えていきますと、だんだんと低料金の定着型、このようなレクが広がってくるのではないか。今までの日本人というのは旅行しますと、何かひかりかこだまで超スピードでだあっと旅行するのがはやりでございましたけれども、どんどんとヨーロッパ型に近づき、定着型が近づいてきていると思うのです。そういうことを考えますと、なお今申し上げましたような施設のニーズは高まってくるのではないかというふうに思いますので、ぜひその辺のことを努力をしていただくということについて大臣の答弁をいただいて、終了させていただきたいと思います。
#147
○深谷国務大臣 先生の数々の示唆に富んだ御質問を拝聴しまして、これからなすべきことが本当に山積していることを痛感いたします。特に今のレクの問題等にいたしましても、これを充実させていくということは当然でありまして、予算的な面でもまだ本当に少のうございますから、一層拡大して御期待にこたえるように努力したいと思います。
#148
○山下(八)委員 どうもありがとうございました。
#149
○上草委員長 次に、菅野悦子君。
#150
○菅野委員 簡易保険法に関する三つの法案を審議しているわけなんですけれども、積立金の運用に関する法案につきましては、先週の郵便貯金法の審議でも少しやりとりをいたしました。法案の内容はこの貯金の場合と全く同じなので、この点については時間をとって質問をするつもりはございませんが、債券貸借市場というのは、債券の空売り、ショートセールという、投機市場という問題意識を持っております。郵政省がこの市場に債券を貸し出すということ、これは直接投機的取引ということではございませんけれども、しかし、公共の利益になるように運用すると法律に定められた運用のあり方から見ていかがかと感じるわけです。それで、この積立金の運用に関する法案については賛成いたしかねる。ただ、あと二つの簡易保険と郵便年金の統合法案、それから簡保の年金福祉事業団の法案については、必要性もございますし、特に問題はないというふうに考えている次第です。
 そこで、簡易保険事業の現状について幾つか質問をしていきたいと思います。
 まず、契約件数の伸びはどれくらいなのかということ、それから経営的には順調と考えていいのかどうか、このことをまずお伺いいたします。
#151
○深谷国務大臣 簡易保険、郵便年金は、全国どこでもだれでも簡易に御利用いただける保険、年金サービスとして国民の間で定着しつつございます。平成元年度末の契約件数は、簡易保険で約六千六百万件でございます。前年度に比べますと四%の伸びでございます。郵便年金が約百五十万件で、対前年度三三%の増でございます。資金量は御案内のとおり約四十六兆円、これは一二%の増でございます。なお着実に増加していくと予想されます。ただ、世帯加入率を見ますと、簡易保険はなお五〇%台にとどまり、郵便年金も極めて不十分でございます。
 人生八十年時代を迎えて、安心できる老後の生活を実現していくために、公的保障のほか、自助努力の支援が必要でございますので、今後ともさまざまな国民のニーズにマッチしたサービスを行いながら、実績を上げていたきいと思います。
#152
○菅野委員 簡易保険の経営状況に関する指標の中で、生命保険市場における簡保のシェアということ、これを郵政省はたびたび問題にしていらっしゃるというふうに思うのですね。この個人保険の契約件数のシェア、これはどうなっているか、お伺いいたします。
#153
○松野(春)政府委員 個人保険市場について申し上げます。その中におきます簡易保険のシェアを保有契約件数でその推移を見てまいりますと、長期的には、昭和三十五年度には五六・一一%でありましたものが、現在、これは平成二年二月末の数字でありますが、三三・八%と低下傾向になってきております。しかし、最近数年間の状況を見ますと、三四%前後とほぼ横ばいの状況でございます。
#154
○菅野委員 このシェアが簡易保険事業の経営内容をどのように反映しているのかということをちょっとお聞きしたいのです。
 今もちょっとお返事ございましたけれども、昭和三十五年には過半数のシェアがあった、それが三分の一に下がったということがよく問題にされるということもあるようですけれども、これは三十年前に比べて簡保の経営が非常に悪くなったということなのかどうか、このことをお伺いします。
#155
○松野(春)政府委員 シェア論議をいたします場合に、このシェアという言葉の響きにも感じられるわけですが、シェアは少ないよりも多い方がいいという事業をやる者にとっての願望はございます。しかし、この間の状況は、端的に申し上げますと、やはり経済成長あるいは個人所得の伸び等につられまして、民保の大型保障商品が相当国民の間で利用されてきておるという状況であります。むしろ簡保は件数的には民保を上回る契約件数の伸びを示しております。
 ただ、先ほど来御説明申し上げておりますが、簡易保険の場合には養老型の比較的貯蓄性を加味した保障商品ということでありまして、その面では保険金額の点で当然限度額の制約もありますから、件数の伸びに比べまして保険金額ではやはり民保とは差が出る、これはある意味でやむを得ないことかと思います。私ども、このシェアにつきましては、最近は簡保事業も相応に伸びておる、このシェアも安定的に推移してきておることもありまして、おおむねバランスのとれた状況ではないかなという認識を持っております。
#156
○菅野委員 ただいまの御説明の中でも、経営状態とシェアの関係というのは直接ストレートに関係するものではないというふうなお答えではなかったかというふうに思うのですね。確かにシェアというのは民間の生命保険との比較だけであるわけですから、それも今のお返事にありましたように、保有契約件数、この比較ですよね。ですから契約が落ち込むとか、あるいは簡保がどんどん解約されて民間生保に流れ出てその結果シェアが落ちているというふうなことであれば、これは経営上の重要問題になるかもわかりません。しかし、契約は順調に伸びているし、経営も黒字だということでのお答えだったというふうに思うのです。
 しかも、三十年前のシェアと比較してみても、今市場全体が二・三六倍にもなったこの中での現在のシェアを比べることによって具体的な問題点など明らかにならないし、ましてこの十年間をとってみれば余り大きな変化がないというふうな答えだったというふうに思うんですね。ですから経営上の問題点ということでは直接何ら明らかでないというふうに思うのですけれども、なぜ私がこのシェアの問題にこだわるかといいますと、この指標の一つにしかすぎないシェアの問題を簡保事業の最大の問題のようにして職員を競争に駆り立てる、こういうことがやられているのではないかということを危惧するからなんです。
 現場の研修で行われておることなんですけれども、簡保も伸びているが他の生保と比較して普及率は低下している、これでは国営事業としてやっている意味がないというふうな説明が現場の研修でやられているというふうにも聞いておりますし、それから、平成二営業年度営業方針ということでの郵政省簡易保険局がつくった文書がございますけれども、そこのところの基本方針の第一番目に実はこのシェアが挙げられているんですね。「簡保年金事業が今後ともその使命を果たしていくためには、生命保険市場における市場占有率(シェア)の確保が最重要課題である」というふうになっているということがございまして、そういうふうな位置づけをしているのかなということで繰り返しこのシェアの問題に私はこだわってきたわけなんですけれども、そういうふうなことについてはどういうことなんでしょうか、御説明をいただきたいと思います。
#157
○松野(春)政府委員 私、簡易保険の一応責任のある立場におります関係で、やはり研修等におきましては、特に簡易保険の場合はセールスが中心の事業であります。窓口に自然な形でお客さんが続々お見えになる事業ではございませんので、やはり熱気を込めてシェア拡大というふうなことは、あるいは研修等の場で言われることはあるかもしれませんし、我々が日常営業担当者を通じまして言う場合の一つの話題としては供するかもしれません。
 むしろ私自身が実は少し心がけなければいかぬと思っておりますのは世帯普及率でございます。これもシェアと全く無縁ではありませんが、現在の簡易保険の世帯普及率が六〇%を少し欠ける状態であります。民間保険の場合には七〇%台だったと思います。生命保険全体では九二%という、これはサンプル調査のデータですからその前提の上での数字でありますが、そういうことを考えますと、やはり各世帯で簡保に入られてない方にもっと御利用いただくための我々の営業はどうあるべきかという観点からもひとつ取り組んでまいりたいということを日常の私の課題にしております。
#158
○菅野委員 熱気を込めてシェア拡大ということで、シェアというのが単なる一つの指標ということにとどまればいいわけですけれども、例えば繰り返し言われております三十年前との比較ということになりますと、民間の保険が全く今の件数から動かないということで考えても、その三十年前の五六%に戻そうと思えば一億数千万件の件数を簡保としてとらなければならないということにもなりますし、これは保険全体でいいますと全国民一人大体二件ぐらい以上は入らなあかんみたいな、そういうふうな状況にもなるという事実だと思うのです。そういうふうな単なるスローガン的なことで言われるだけならいいのですけれども、例えばそういうことで現場の職員のしりをたたくというのですか、競争をあおるという中で、例えば病気の人を加入させるとかだまして解約させて新規に加入させて、そして一件プラスというふうなあってはならないような契約どりもその結果出てきていると聞いているわけです。そういうことになると、これはちょっと本末転倒してくるなと思うわけです。
 簡易生命保険法第一条には「国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もつて国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進すること」にあるというふうな使命が明記されておりますし、きょうの論議の中でも高齢化社会に向けて種々あるべき姿というふうなものがやりとりされておりましたけれども、そういう点で本来の貫くべき姿勢というのはここにあると私は思うわけです。
 ですから、シェアも経営指標の一つにすぎないというのならわかるのですけれども、この十年間の推移を無視して単純に三十年前と比較して簡保事業は危機であるというふうな扇動を職員にしたり、それから簡保・年金事業の使命達成の最重要課題というふうに位置づけてハッパをかけるというのはちょっとおかしいのじゃないかと思うのですけれども、再度その点でお伺いいたします。
#159
○松野(春)政府委員 御指摘のシェアについてのこだわり方の問題につきましては、先ほど来御説明しているとおりでございます。もちろん三十年前の五十数%のシェアに戻るなどということは考えてもおりません。
 それから募集活動の問題ですが、不正募集といいますか、これは結果的にはお客様にも迷惑がかかるわけですが、逆に私どもにとりましても大変な事業にとって痛手になります。これはもう十分日常心得て指導してまいっておるつもりでございます。随分この面は徹底してきておるなと思っておりますけれども、まだまだ努力しなければいかぬ点があるいはあろうかと思います。やはり国営事業としての営業活動の品位と節度を保ちながら、その上で熱意を持って取り組みたいと考えております。
#160
○菅野委員 私も民間生保との競争に負けて簡保事業がなくなっていいなどとは言っておりませんし、そんなことになったらえらいことだと思っております。
 簡保事業の経営指標はさまざまあると思います。新規契約の伸びとか今もおっしゃっておられた全世帯に対する普及率、それから保険料と支払い金の差額などなどこれらは順調であると郵政省自身もお認めになっておりますし、それから簡保の外務員一人当たりの契約募集件数も年間二百二十件ということで、民間生保に比べてもはるかに成績はよいと思うのです。しかも一人当たりの募集件数もふえているということですので、安易な、不正確な危機意識であおることによって職員を奮い立たせるというふうな、間違ったそういうふうなことのないように、このことをくれぐれもお願いしておきたいと思います。
 先へ進みますけれども、ことしの四月から簡易保険の新規申込書の様式が変更されたようでございます。それに伴い、新規契約に関する事務が混乱していると聞いておりますけれども、郵政省はこの点どのように御認識になっていらっしゃるでしょうか、お伺いいたします。
#161
○松野(春)政府委員 ことしの四月から幾つかの事務的な改正を行いました。例えば申込書に記載されている契約者の氏名などをそのまま証書に複写する、これはイメージ処理システムと言っていますが、そのようなシステムを取り入れました。また、証書や領収帳を自動的に封入、封織して契約者に計算センターから直送するシステムを各事務センターに導入いたしました。また、これに伴い若干の契約申込書の様式も改正いたしました。
 その実施当初におきまして、機械類のトラブルや申込書の様式変更に伴う作業のふなれなどもございましてこの新規申込書の処理がふくそういたしまして、お客様の手元に証書が届くのが若干遅延した経緯がございます。その後、機械の保守体制等も強化いたしましてこのトラブルの早期解消に努めてまいっておりましたが、五月上旬からは順次回復いたしまして、現在はおおむね正常な状態に戻っておるという報告を受けております。
#162
○菅野委員 現場の実情をお聞きいたしますと、今の御答弁とはちょっと違うのではないかと思うのです。実際に起きているのは、契約したのに保険証書が届かぬ、あるいは保険証書が届かないのに領収帳だけが先に来たとか契約者は保険料を全期前納したのに一カ月分のみの領収書が届いたなどの事態があちこちで起きた。甚だしい例は、契約者には限度額を超えているということで拒否通知が来たにもかかわらず保険料だけは貯金口座から引き落とされていたというふうな話も聞いておりまして、しかもミスも相当大量だと聞いているのです。
 なぜこうしたミスが起きたのかということで、今の答弁でもございましたが、新規契約の申込書の様式が新しくなったために現場での記入ミスやキーパンチャーの入力ミスなどが多く出たということが直接の原因のようです。しかし、より重大な問題は事故処理の体制、この不十分さによってたくさん来る苦情の処理を機敏にすることができなかったということにあるのではないかと思うのです。東京の簡易保険事務センターでは、新規契約の事故処理を求める各郵便局からの請求文書が処理されずに積み上げられていると聞いておりますけれども、この点郵政省にはどのような御報告が届いておるのでしょうか、お伺いいたします。
#163
○松野(春)政府委員 通常、証書類関係は申し込みを受理してから郵送期間も含めて一週間程度で契約者に届くのが一般の通例です。先ほど御説明申し上げましたように、四月期にはこの切りかえ時に当たりまして少し時間がかかって一カ月あるいは二カ月要したという事例があったのは事実のようでございます。さまざまないろいろの事務処理上にまつわる要改正点もあったようでありますが、これも先ほど申し上げましたように、現在ではおおむね通常の状態に戻っておるということであります。
 なお、事故処理の体制につきまして、東京事務センターにおいて相当な滞留といいますか滞積があるという話は直接的には聞いてきておりません。
 ただ、一般的に私どもの保険契約におきまして、満期になったような場合に、現在は郵便局で相当程度が確認されて、死亡されたような場合にその場で郵便局から直接払われますが、およそ一割程度と常識的には申しておるようでありますが、やはり通常払いという形で事務センターの審査にかかわっておるのが通例でありまして、あるいはその部分の日々の業務の懸案といいますか、処理の部分を先生おっしゃられているかどうかちょっと私ここで確信が持てませんけれども、何かそれ以外に特段の、事故処理の体制に特別の欠陥があるという報告は私は受けてはおりません。
#164
○菅野委員 やはりどうも現場の状況とは違うように思います。
 東京の簡保事務センターでは、五月時点で各郵便局から出された事故処理を要請する文書が手つかずのまま五千枚積み上がっていたという状況のようです。それが現在も二千枚処理もされずに残されていると聞いているのです。これは本省にもし報告されていないとしたら大変な状況だと思うのですけれども、これはぜひすぐに現場を調査していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#165
○松野(春)政府委員 私どもの作業の仕組みといたしまして、例えば契約を申し込まれた際の審査、それから支払う場合の審査は東京簡易保険事務センターにおいて責任を持って対処する形になっております。先生今御指摘の状況、私もちょっと知らない点がありますので、これは私なりに東京郵政局を通じて後で調べてはみますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたケースが先ほど私が説明したケースとあるいは混同されておるのかどうか、これは今何とも申し上げられませんが、今後私勉強してまいります。
#166
○菅野委員 もう一つ、職員の配置の問題も今回の混乱の原因になっているのではないかと思うのですね。平常の手続の分が残っているんだということにしても、五千件、二千件というのはちょっと滞留のし過ぎではないかというふうに私も思いますし、そういう点で、ことしの四月に新システムに移行したということで、それに伴って簡易事務センターの定員削減も行われたと聞いておりますけれども、全国の簡保事務センター及び東京の簡保事務センターでどれくらいの定員を削減したのかということ、それからまた、事務の一部を外部委託にしたはずでございますが、どんな仕事をどこに委託されたのか、簡単に御説明いただけますか。
#167
○松野(春)政府委員 ことしの四月一日時点での減員数は百三十四人でございます。減員するに当たりましては、この部外委託に伴いまして発行部門の作業の約六割が省力化されたわけではございますが、当面の業務量増加も見込みまして、この減員数につきましてはそれなりの調整がしてございます。したがいまして、平常の業務連行には十分対応できるものというふうに考えております。
 なお、事務が一時的にふくそうしておりました。これは先ほど先生の御指摘になった時期と恐らく符合する時期だろうと思いますが、現在はおおむね正常に処理されているという報告を受けておるところでございます。
#168
○菅野委員 この東京簡保事務センターでは五十七人の削減が行われた。そのうち四十三人が機械化と外部委託による削減なんですね。そしてこの削減と外部委託が行われた部署を中心にして混乱が起きているというふうに聞いているわけです。この点もぜひ現場の実情をよく調べていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。郵政省の説明では新システムへの移行に伴う混乱だということですけれども、単純にそれだけなんだろうか、やはりこの定員削減、外部委託、こういう問題と関連しているのではないかということを私はぜひ指摘しておきたいのです。
 いずれにしても、契約したのに証書が届かないとか、あるいは拒否通知の一方で保険料だけが口座から引き落とされるなどの事態が起きているわけです。これはやはり契約の入り口のところでの問題ですから、新システム移行への立ち上がりの時期だからということで許されるものではないと思います。また、手つかずになっている事故処理の文書、これも二千件というのは相当多いと私思います。それだけ契約者に迷惑がかかっているという状況にあるわけですから、二度とこういうことが起きないように、ぜひ十分に調査をしていただいて十分な措置をとっていただきたいというふうに思うのです。最後にその点での御決意をお伺いしたいと思います。
#169
○松野(春)政府委員 ただいまるる御指摘をいただきましたけれども、私どもの一番大事な計算センターであります東京簡保事務センターにかかわることでありますから、私の責任でしっかり調べて、そういうことのないように持っていきたいというふうに考えております。
#170
○菅野委員 終わります。
#171
○上草委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
#172
○上草委員長 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会において協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、さよう御了承願います。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案に対する討論の申し出はありませんので、これより各案について順次採決いたします。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#173
○上草委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#174
○上草委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#175
○上草委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○上草委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#177
○上草委員長 次回は、明二十一日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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