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1990/03/27 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 農林水産委員会 第6号
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1990/03/27 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 農林水産委員会 第6号

#1
第118回国会 農林水産委員会 第6号
平成二年三月二十七日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 亀井 静香君
   理事 石破  茂君 理事 大原 一三君
   理事 中川 昭一君 理事 穂積 良行君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 石橋 大吉君
   理事 日野 市朗君 理事 西中  清君
      阿部 文男君    愛野興一郎君
      内海 英男君    大石 千八君
      唐沢俊二郎君    古賀  誠君
      杉浦 正健君    鈴木 宗男君
      田邉 國男君    近岡理一郎君
      仲村 正治君    二田 孝治君
     三ツ林弥太郎君    三原 朝彦君
      御法川英文君    有川 清次君
      遠藤  登君    北沢 清功君
      佐々木秀典君    田中 恒利君
      鉢呂 吉雄君    堀込 征雄君
      前島 秀行君    目黒吉之助君
      倉田 栄喜君    東  順治君
      藤田 スミ君    小平 忠正君
      阿部 昭吾君    亀井 久興君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  山本 富雄君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       東   力君
        農林水産大臣官
        房長      鶴岡 俊彦君
        農林水産大臣官
        房総務審議官  上野 博史君
        農林水産省経済
        局長      川合 淳二君
        農林水産省構造
        改善局長    片桐 久雄君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    松山 光治君
        農林水産省畜産
        局長      岩崎 充利君
        農林水産省食品
        流通局長    鷲野  宏君
        農林水産技術会
        議事務局長   西尾 敏彦君
        食糧庁長官   浜口 義曠君
        林野庁長官   甕   滋君
        水産庁長官   京谷 昭夫君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    青木 敏也君
    ─────────────
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  佐藤  隆君     御法川英文君
  鳩山由紀夫君     三原 朝彦君
同日
 辞任         補欠選任
  三原 朝彦君     鳩山由紀夫君
  御法川英文君     佐藤  隆君
    ─────────────
三月二十六日
 山村振興法の一部を改正する法律案(安倍晋太郎君外十四名提出、衆法第一号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
 農林水産業の振興に関する件(農林水産業の基本施策)
     ────◇─────
#2
○亀井委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、山本農林水産大臣から、農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。山本農林水産大臣。
#3
○山本国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。
 農林水産業及び食品産業などの関連産業は、国民生活にとって最も大切な食糧等の安定供給のほか、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全など、我が国経済社会の発展と国民生活の安定に不可欠な役割を果たしております。また、農山漁村は、農林水産業の生産の場であるほか、地域ごとにそれぞれ特色のある文化をはぐくみ、都市住民が健康的な余暇を楽しむ空間として、重要かつ多面的な機能を担っております。
 したがって、農林水産業や関連産業の健全な発展と農山漁村の活性化なくしては、我が国経済社会の調和ある発展と、豊かでゆとりある国民生活の実現はあり得ないと考えております。
 我が国は、豊かな太陽と水、温暖多雨な気候に恵まれ、南北に長く変化に富んだ自然条件にあります。また、消費水準の高い大きな国内市場、優れた生産者、高度な加工技術を有する食品産業などにも恵まれ、農林水産業や関連産業の発展を図る上で有利な条件を備えていると考えております。
 私は、こうした有利な条件を生かし、我が国の農林水産業や関連産業の持てる力を遺憾なく発揮すれば、二十一世紀へ向けて新たな展望が開けるものと確信をしております。
 このため、先般閣議決定した「農産物の需要と生産の長期見通し」などを指針とし、より一層の生産性の向上を進め、国内での基本的な食糧供給力の確保を図りつつ、国民の納得できる価格での食糧の安定供給に努めることを基本として、各般の施策を講じてまいります。
 以下、平成二年度における主要な農林水産施策につきまして申し上げます。
 まず、農業の振興についてであります。
 第一は、構造政策の推進であります。
 土地利用型農業の経営規模の拡大を促進し、生産性の向上を図るため、昨年改正された農用地利用増進法を基軸として、農作業の受委託も含めた農地流動化を促進するほか、新しい資金の創設などにより経営体質の強化を図ってまいります。また、地域の立地条件に応じた農業、農村の活性化を図るため、新たな農業構造改善事業を発足させます。農業基盤整備事業につきましては、土地改良負担金対策の充実を図りつつ、農村地域の生活環境の整備という観点にも留意して着実に推進をします。さらに、新規就農者を含め、すぐれた担い手の育成、確保に努めるほか、農業者の老後保障の安定等の観点から、農業者年金制度の充実を図ります。
 第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業を展開することであります。
 本年から始まる水田農業確立後期対策につきましては、米の需給均衡を図ることを基本とし、多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成、地域輪作農法の一層の推進に重点を置いて実施します。また、この後期対策とも関連させて、米の消費拡大対策を強化します。
 さらに、土地利用型農作物である稲、麦、大豆について、生産性向上指針を策定し、その実現に向けて各種対策を集中的、計画的に実施します。
 畜産につきましては、来年四月からの牛肉の輸入自由化に備え、肉用牛生産などの生産性向上に重点を置いて、総合的な対策を推進してまいります。
 かんきつ等につきましても、国際化の進展などに対応し、生産、流通及び加工の全般にわたる対策を実施してまいります。
 第三は、条件が不利な中山間地域を初めとする農山漁村の活性化対策であります。
 活力ある地域社会の維持と国土の均衡ある発展を図る観点から、地域の特性を生かした農林水産業の振興、農村地域への工業等の導入などによる就業機会の確保を図るとともに、生活環境の整備、都市との交流などを推進し、地域の活性化に努めるほか、中山間地域の活性化のための新しい資金を創設します。
 第四は、技術の開発、普及を推進することであります。
 農林水産業や食品産業における生産の飛躍的向上と多様な消費者ニーズに対応した付加価値の高い食品の生産を実現するため、バイオテクノロジーなど基礎的、先導的技術の開発、普及を推進します。
 第五は、健康的で豊かな食生活の保障と食品産業などの振興についてであります。
 高品質で安全な食品に対する志向の高まりなど、多様化する消費者ニーズに対応できるよう、総合的な消費者対策を推進するとともに、日本型食生活の定着に努めてまいります。
 食糧管理制度につきましては、昨年六月に農政審議会から御報告をいただいた「今後の米政策及び米管理の方向」に沿って、需給及び価格の安定を図るという食糧管理制度の基本的役割を堅持し、条件整備を図りつつ、逐次具体的施策を展開してまいります。現在、自主流通米について、需給動向や品質評価を価格に的確に反映させるための価格形成の場についての検討を行っており、可及的速やかに結論を得たいと考えております。
 また、食品産業などの関連産業につきましても、その体質と経営基盤の強化を図るため、技術対策、原料対策などを総合的に推進します。
 このほか、以上申し上げた各般の施策に即して各種制度資金の内容を充実させるとともに、農業災害補償制度の円滑な運営を図ります。
 次に、林業の振興についてであります。
 林業につきましては、来るべき国産材時代に向けて、林業生産基盤の整備、担い手の育成、流通体制の整備などにより、外材との競争にたえ得る生産性の高い林業の確立と木材産業の体質強化に努めてまいります。また、水資源の涵養、国土保全、レクリエーションの場の提供など国民の多様な要請にこたえ、質の高い森林の保全整備とその総合利用を推進します。
 国有林野事業につきましては、昭和六十二年に改定強化した改善計画に基づき自主的改善努力の徹底を図りつつ、経営健全化のための検討を進めてまいります。
 次に、水産業の振興についてであります。
 我が国水産業の健全な発展と国民のニーズに対応した水産物の安定的供給を図るため、漁業生産基盤の整備、つくり育てる漁業の推進などにより、我が国周辺水域の漁業振興に努めてまいります。
 また、沿岸漁業の推進の中核となる漁業協同組合の経営基盤の強化と水産物需給の安定に努めてまいります。
 さらに、国際漁業に関する規制強化の動きに対応して、操業の確保に努めるとともに、国際漁業の計画的かつ円滑な再編整備を推進してまいります。
 このほか、国産農林水産物の輸出促進を図るため、海外市場調査、輸出戦略の確立、生産条件の整備を推進します。また、熱帯林の減少、砂漠化の進行、地球の温暖化など地球規模の環境問題に対処するための調査、研究を充実するとともに、農林水産業に関する国際協力を通じ、積極的に世界に貢献していく考えであります。
 以上のような農林水産施策を推進するため、平成二年度の農林水産予算の編成に際しましては、九〇年代の農林水産政策の基礎を形づくるものとして十分に意を尽くしたところであります。
 また、施策の展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 最後に、農産物貿易問題について申し上げます。
 現在ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいて農業交渉が進められておりますが、昨年中に主要国の提案が出そろい、本年末の期限に向けてこれから交渉が本格化する段階にあります。我が国としては、世界最大の農産物純輸入国としての立場から、食糧の安全保障などに十分配慮した新しい農産物貿易ルールの策定に向けて積極的に努力していく考えであります。
 米につきましては、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における御決議などの趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいります。
 以上、所信の一端を申し述べた次第でありますが、私は、来るべき二十一世紀に向け、信頼される農林水産行政を確立し、農林水産業者、特に若い人たちが誇りと希望を持って農林水産業に取り組めるよう全力を尽くしてまいります。
 今後とも、農林水産業者を初め広く関係各方面の声に十分耳を傾けながら政策を推進していきたいと考えておりますので、委員各位の御支援、御協力を賜りまするよう、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
#4
○亀井委員長 次に、平成二年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。東農林水産政務次官。
#5
○東政府委員 平成二年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成二年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆一千二百二十一億円となっております。
 予算の編成に当たりましては、財政及び行政の改革の推進方向に即し、各種施策について、予算の重点的かつ効率的な配分により質的充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開できるよう努めたところであります。
 以下、予算の重点事項について御説明します。
 まず、農業施策に関する予算について申し上げます。
 第一は、土地利用型農業の体質強化等を目指した構造政策を積極的に推進することであります。
 まず、個別経営の体質強化を図るため、若い担い手農家等に対する経営指導、経営分析と規模拡大後の経営安定のための助成を行うとともに、足腰の強い土地利用型農業経営を育成するための新たな資金を創設します。また、地域の立地条件に応じた農業、農村の活性化を図るための農業構造改善事業を新たに発足させます。
 農業基盤整備事業につきましては、大区画圃場整備の推進等、生産性の向上、農業生産の再編成、農村地域の活性化等に資する事業に重点を置いて計画的な事業の推進を図ることとし、一兆二百四十九億円を計上しております。
 また、土地改良事業の農家負担金の軽減と計画的償還を一層推進するため、五年間で一千億円の資金を造成することとし、平成二年度予算案においては百五十億円を計上しております。
 さらに、新親就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流などを実施します。
 第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業を展開することであります。
 多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成、地域輪作農法の一層の推進を旨として、平成二年度から四年度までの水田農業確立後期対策を実施します。
 また、土地利用型農作物の生産性向上指針を策定し、その実現に向けて各種対策を集中的、計画的に実施するなど、主要作物についての総合的な
生産対策を充実します。
 さらに、肉用牛対策を充実するなど、畜産についての総合的な対策を講ずるほか、効率的な家畜の改良増殖等を推進するため、家畜改良センターを設立します。
 第三は、条件が不利な中山間地域等の活性化を図ることであります。このため、付加価値の高い農林水産業の振興、生活環境の整備、就業機会の確保、都市との交流の促進等を行う特別対策や、農林業の生産基盤と生活環境基盤を総合的に整備する事業を推進するほか、新たな資金の創設、地域の特色を生かした多様な農林業生産の振興等を図ります。
 第四に、農林水産業、食品産業等の技術の開発、普及等であります。
 バイオテクノロジー等の基礎的、先導的研究を重点的に推進するほか、消費者及び食品産業のニーズに対応した研究開発、研究交流、民間の研究支援を実施します。
 また、先端的農業技術の実用化及びその普及を推進します。
 さらに、農林水産行政の推進に資するため、各種統計情報の整備を図ります。
 第五に、良質な食品を提供する観点から、優良な地域食品について、ふるさと食品としての産地、品質等の認証、普及等を行う事業を実施するほか、米の需要拡大と需給の調整のための特別事業の実施、食糧管理制度の適切な運用等により、農産物の需給と価格の安定に努めます。
 第六に、食品産業対策、食品流通対策、輸出促進対策について申し上げます。
 食品産業につきましては、バイオテクノロジー等を用いた技術対策を充実いたします。
 食品流通対策につきましては、食料品商業について、組織化等を通ずる経営の近代化と競争力の強化を促進します。
 また、海外におけるアンテナショップの増設やテストマーケティングの実施等により、品質的にすぐれた日本産の農林水産物の輸出の促進を図ります。
 第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進であります。
 熱帯林の減少、砂漠化の進行、地球の温暖化等の地球環境問題に対処するための調査研究等を充実するとともに、農林水産業に関する国際協力を実施します。
 以上申し上げましたほか、農林漁業金融の充実、農業信用保証保険制度の拡充を図るほか、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営に努めることとしております。
 次に、森林、林業施策に関する予算について申し上げます。
 国土の保全と林業生産基盤の整備を図る観点から、治山、造林及び林道の各事業を計画的に推進することとし、三千三百三十億円を計上しております。
 また、林業、山村の活性化を図る新たな林業構造改善事業を発足させるとともに、若者の新規参入の促進、森林組合の作業班の育成等による林業担い手育成総合対策を実施します。
 さらに、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化、森林の保全整備と総合利用の推進等を図るほか、国有林野事業の経営改善を強力に推進することとしております。
 続いて、水産業施策に関する予算について申し上げます。
 二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興を図るため、漁業生産基盤たる漁港、沿岸漁場の整備を計画的に推進することとし、二千百四十九億円を計上しております。
 また、我が国周辺水域の漁業の振興を図るため、栽培漁業等つくり育てる漁業について、その振興におくれが見られる地域にも特段の配慮を払いつつ、積極的に推進することとしております。
 さらに、漁協の信用事業の統合等による漁協の経営基盤の強化を図ります。
 また、水産物価格の安定を図るための需給安定対策の強化を図るほか、資源開発や国際漁業協力を推進することとしております。
 次に、特別会計予算について御説明いたします。
 まず、食糧管理特別会計につきましては、管理経費の節減等に努め、一般会計から調整勘定への繰入額を二千三百二十億円とすることとしております。
 農業共済再保険、国有林野事業特別会計等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額八千二百八十五億円を予定しております。
 これをもちまして、平成二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。(拍手)
#6
○亀井委員長 以上で説明は終わりました。
     ────◇─────
#7
○亀井委員長 次に、内閣提出、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
    ─────────────
 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#8
○山本国務大臣 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 砂糖の価格安定等に関する法律は、変動する国際糖価の影響を緩和して国内糖価の安定を図るとともに、国内産糖と輸入糖との価格調整を行うことにより、甘味資源作物の保護育成と国民生活の安定を図ることを目的として、昭和四十年に制定されたものであります。
 その後、経済成長の中で砂糖の需要は順調に伸び、昭和五十年ごろまでは輸入糖も増加傾向を続けてまいりましたが、昭和五十年代半ばに、でん粉を原料とする甘味料である異性化糖が出現し、砂糖との代替が急速に進んだため、輸入糖の単位当たりの負担が急増し、糖価安定制度の円滑な運営が危ぶまれる事態となりました。このため、昭和五十七年に本法を改正して、国内産異性化糖を蚕糸砂糖類価格安定事業団の売買の対象とし、砂糖との価格調整を行うこととしたところであります。
 これらの価格調整措置を通じ、これまで、国内糖価の安定と甘味資源作物の安定的生産の確保に努めてきたところであります。
 このような中で、昭和六十三年七月の日米協議により、異性化糖あるいは砂糖と他の糖とを混合した糖類について、平成二年四月一日から輸入数量の制限を撤廃することが決定されたところであります。
 政府といたしましては、輸入自由化に伴う国内糖価への悪影響を防止し、糖価安定制度の円滑な運営を確保するため、輸入数量制限が撤廃されるこれらの糖について、輸入糖や国内産異性化糖と同様、事業団の売買の対象とすることにより、その価格調整を図るための措置等を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、輸入される砂糖と他の糖とを混合した糖を事業団の売買の対象に追加することであります。これらの混合糖につきましては、輸入糖と同様の一定の場合に事業団による売買を行うことにより、これに含まれる砂糖分について価格調整を行うこととしております。また、この場合の売買差額は、砂糖の含有率に応じて輸入糖の場合と同様の方法により算出される額としております。
 第二に、輸入される異性化糖及び異性化糖と他
の糖とを混合した糖を事業団の売買の対象に追加することであります。輸入されるこれらの糖につきましても、国内産異性化糖と同様の一定の場合に事業団による売買を行うことにより、砂糖との価格調整を行うこととしております。また、この場合の売買差額は、輸入される異性化糖については、国内産異性化糖と同様の方法により算出される額とするとともに、輸入される異性化糖と他の糖とを混合した糖については、異性化糖の含有率に応じた額としております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#9
○亀井委員長 次に、補足説明を聴取いたします。鷲野食品流通局長。
#10
○鷲野政府委員 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては既に提案理由説明において申し述べましたので、以下、その内容につき若干補足させていただきます。
 第一に、輸入される混合糖に含まれる砂糖の価格調整であります。
 輸入糖につきましては、既に蚕糸砂糖類価格安定事業団の売買を通じて国内産糖との価格調整を行っておりますが、今回、輸入が自由化される砂糖と他の糖とを混合した糖すなわち混合糖につきましても、これに含まれる砂糖分について輸入糖と同様の価格調整を行うこととしております。
 すなわち、混合糖の輸入申告者等は、粗糖の平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格に満たないときは、輸入申告の前に、一定の価格でその混合糖を事業団に売り渡さなければならないこととし、事業団は、その買い入れの価格に一定額を加えた価格でその混合糖を当該輸入申告者等に売り戻さなければならないこととしております。
 また、粗糖の平均輸入価格が安定上限価格を超えるときは、一定の規格の混合糖の輸入申告者等は、その混合糖を一定の価格で事業団に売り渡すことができることとし、事業団はその混合糖をその買い入れの価格から一定額を控除した価格で売り戻すこととしております。
 さらに、これらの場合の混合糖の売買差額についても、混合糖の砂糖含有率に応じて輸入糖と同様の方法により算出される額といたしております。
 第二に、輸入される異性化糖等の砂糖との価格調整であります。
 異性化糖あるいは異性化糖と他の糖とを混合した糖すなわち混合異性化糖につきましても今回輸入が自由化されることとなっておりますが、現在砂糖との価格調整を行っている国内産異性化糖との均衡を図るため、輸入される異性化糖等についても同様に価格調整を行うこととしております。
 すなわち、異性化糖または混合異性化糖の輸入申告者等は、異性化糖の平均供給価格が異性化糖調整基準価格に満たないときは、輸入申告の前に、一定の価格でその異性化糖等を事業団に売り渡さなければならないこととし、事業団は、その買い入れの価格に一定額を加えた価格でその異性化糖等を当該輸入申告者等に売り戻さなければならないこととしております。
 この異性化糖の平均供給価格につきましては、国内における原料でん粉の価格及び異性化糖の標準的な製造販売経費に加え、海外の異性化糖の主要な生産地域における異性化糖の市価、関税相当額等を基準とし、異性化糖の国内での推定製造数量と推定輸入数量との比率を勘案して定めることとしております。
 また、輸入される異性化糖の売買差額については、国内産異性化糖の場合の売買差額と同水準のものとするとともに、輸入される混合異性化糖の売買差額については、混合異性化糖の異性化糖含有率に応じて輸入される異性化糖と同様の方法により算出される額といたしております。
 以上のほか、指定糖及び異性化糖等の事業団の売買差額の算出に用いるいわゆる調整率等についてその算定方法を整備するとともに、粗糖の定義について技術上の変更を行う等、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、輸入される混合糖及び異性化糖等の事業団売買につきましては、平成二年四月一日以後に輸入申告をするものから行うこととしております。
 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
#11
○亀井委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
#12
○亀井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲村正治君。
#13
○仲村委員 糖価安定法の一部を改正する法律案についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど一通りの趣旨説明がございましたけれども、ここで自由化品目がまた一つふえた、こういうことを考えますと、気分的にどうも我が国の農業の一角一角が崩されていくような感じがしてなりません。
 そこで、その自由化に踏み切らざるを得なくなった経過が何であったのか。それと、この輸入異性化糖を自由化することによって国内甘味資源に及ぼす影響はどういうものがあるのか。また、安い異性化糖が入ってくるとなると、これは内外価格差というものが相当出てまいりますけれども、その対策についていかような措置をとっておられるのか、この御説明をお願いいたしたいと思います。
    〔委員長退席、大原委員長代理着席〕
#14
○鷲野政府委員 お答えを申し上げます。
 本法案を提出した理由については先ほど御説明申し上げましたが、いわゆる日米農産物十二品目交渉におきまして、いろいろ長い折衝の経過があったわけでございますが、国内生産を守るぎりぎりの選択として、十二品目のうち八品目について自由化の決定が行われ、かつ、でん粉と乳製品につきましては、IQを存続するかわりに諸般の輸入アクセスの改善等の措置をとるということになったところでございまして、この点については、我が国の置かれた国際的な立場等を踏まえてのぎりぎりの選択ということで御理解を賜りたいと思うのでございます。
 それから、輸入される異性化糖等についていかなる措置をとるかということにつきましては、一つは、その協議の際に日米で自由化とあわせてセットで決まったことでございますが、輸入される異性化糖等につきまして関税の大幅な引き下げを行うことにしておりまして、別途関税定率法等の改正ということで国会に、これは大蔵委員会で御審議を願っているわけでございますが、法案を提出しているところでございます。
 それからもう一つは、今回のこの法案でまさに御審議をお願いしているところでございますが、輸入されてくる異性化糖とそれから同じく輸入されてくる混合糖につきまして、現在糖価安定制度に基づきまして輸入糖と国産の異性化糖から徴収している調整金と同様な調整金を取るということにして必要な対策といたしたいと考えております。
 それから内外価格差についてのお話がございましたが、砂糖について申し上げますと、やはり関税なりそれから調整金の徴収ということがございまして、国内で販売されておる砂糖が国際的に見て割高であるということは事実でございまして、菓子産業あるいは一般消費者等から、いわゆるユーザーからこの引き下げについての要請がかねてから出ていることは確かでございます。これについては、やはり国内の原料生産の生産性の向上とか、あるいは国内産糖企業さらには精製糖企業の経営コストの合理化等を一層推進することによりまして、着実にその内外価格差の縮小を図っていく必要があるだろうと考えております。内外価格差がありますと、どうしても糖価安定制度のもと
でも菓子類の輸入がふえたり、あるいは加糖調製品という形で輸入がふえたりなんかしまして、そういったものがまた全体としての糖価安定制度にいろいろな影響を及ぼすということがございます。そういうことを考えますと、やはり内外価格差の縮小ということをしていかなければいけないというふうに考えております。
 なお、昨年一年をとりましても、御案内のように、長く続いてまいりました砂糖消費税が撤廃されまして、キロ十六円これによって値が下がっております。さらに、形成糖価といいまして、輸入糖の価格からいろいろなコストを加えましてはじき出す、いわゆる私ども形成糖価と言っておりますが、この形成糖価につきましても五円ばかり引き下げをいたしまして、昨年一年だけで二十一円ばかりの価格引き下げを消費者価格の上に反映させているというところでございます。
#15
○仲村委員 今回輸入異性化糖を自由化した措置として、現在国内異性化糖から徴収している調整金、キロ当たり十一円四十銭、それから関税を平成二年度は七〇%またはキロ当たり三十円、あるいは平成三年度は六〇%、キロ当たり二十七円五十銭、四年度以降は五〇%で二十五円、これだけの関税をかけることによって国内異性化糖との調整ができる、こういうことでございますが、この措置によって国内異性化糖との価格の比較はどうなるのか、あるいはまたそういう調整金や関税をかけても実際に輸入異性化糖というものは入ってくるのかどうか、その点を御説明いただきたいと思います。
#16
○鷲野政府委員 まず関税の引き上げでございますが、先生御指摘のとおり平成二年度七〇%、三年度六〇%、四年度以降五〇%というかなり高率の関税を取ることといたしております。
 これまで異性化糖は輸入制限品目でございまして、その中で海外からの輸入というのは全く行われなかったわけでございまして、輸入自由化後にどういう事態が想定されるということを今ここで詳しく見通すということは非常に難しいのでございますが、輸入される可能性があるとすれば一つはアメリカであろうというように私ども考えております。アメリカは御案内のように世界最大のトウモロコシの生産国でございまして、この安いトウモロコシからつくった異性化糖がかなり出回っております。世界の生産量の大体七五%はアメリカで生産されております。ただ、これも御案内だと思いますけれども、異性化糖はもともとが液状でございます。それから長期の輸送とか長期の保存には耐えがたいという特性と申しますか、あるいは欠点と申しますか、そういうものを持っております。そういうことで、仮にアメリカで生産された異性化糖が海を渡って日本へ運ばれてくるならば、これまた相当のいろいろな不利な条件があると思うのでございます。
 それからもう一つは、それでは近場ではどこかといいますと、韓国が世界全体の数%の異性化糖の生産を行っておりまして、これは日本にも非常に近いものでございますから、輸送条件はアメリカに比べてすぐれているだろうと思っております。それで私どもいろいろ計算をしまして、韓国の比較的安い時点、これはトウモロコシの国際相場等によりましてコストがいろいろ変わるわけでございますが、その安い価格で韓国で生産された価格に運賃等を加えまして、さらに今回の関税措置、それからこのたびの法案による調整金等を付加すれば、まず国内の異性化糖とは競争条件で互角ないしは互角以上で渡り合えるんじゃないか、かように考えておる次第でございます。
#17
○仲村委員 確かに、昭和四十年に糖価安定法が制定されまして、砂糖の価格の安定と国内産甘味資源生産の健全な保護育成と自給率の向上が図られてまいりました。そのことについて、私も砂糖生産県の出身議員として、政府の今日までの温かい御措置に対しては感謝をいたしているところでございます。ただしかし、農政全般について考えた場合に、今日我が国農業を取り巻く情勢は極めて厳しいものが山積しておりまして、ついに最後のとりでともいうべき米にまで攻め込まれてきたような感じがしてなりません。先ほどは大臣の所信表明の中でも、米の自給を守っていく、こういう決意表明がなされたわけでございますが、私はここで大臣に、この米の輸入自由化阻止について国会決議もあることでございますが、いま一度大臣としての決意の表明をいただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#18
○山本国務大臣 お答えいたします。
 今先生のお話のとおり、所信でもはっきり申し上げたとおりでございます。米は日本国民の主食でございます。また、我が国農業の根幹だという認識でございます。また、水田稲作というのは、国土や自然環境の保全あるいは地域経済を活性化していくのに不可欠なものだ、そういうこと等もあわせて考えております。ですから、米及び水田稲作の格別な重要性にかんがみまして、また今お話しの両院で国会決議がされておるわけでございますから、この国会決議をしっかりと踏まえまして、今後とも国内産で自給をしていくという基本姿勢を貫いてまいりたい、こういうふうに考えております。
#19
○仲村委員 大臣に対しまして、もう一点基本的な問題をお尋ねしたいと思いますが、我が国は、自由主義経済社会の一員として自由貿易体制を推進する責任があります。それと同時に、一方においては、国内農業の保護育成を図らねばならぬという大事な課題も抱えておるわけであります。その場合、輸入農産物価格と国内農産物価格の内外価格差を市場原理に任せては国内農業は成り立つはずはありません。したがって、主要な農産物については、今回の異性化糖の自由化と同様な措置を必要とする問題が起こってくると思います。そういう主要な農産物の内外価格差対策について大臣ほどのような御所見をお持ちであるのか、いま一度お尋ねをしたいと思っております。
#20
○山本国務大臣 お答えいたします。
 内外価格差の問題でございますが、予算委員会等でもしばしばこの問題が論議になったことは先生御承知のとおりでございます。農政を推進していく場合に、与えられた土地条件を活用して農業の生産性向上に努めていく、我が国農業の健全な発展を図る、これは当然のことでございますが、一方、国民の納得する価格で農産物の安定的な供給を図る、こういうことも大事なことだというふうに認識しております。
 そのために、従来から農林水産省といたしましては、規模拡大あるいは技術の向上などを通じまして生産性の向上に相努めてまいりました。しかし、生産性の向上というのは一朝一夕で急速に進むはずがございません。特に、土地利用型農業というのは土地条件の制約等もございます。その生産性の格差をどうしてもある程度反映いたしまして割高にならざるを得ないという面もございます。しかし今後とも、農家の経営規模の拡大あるいは生産組織の育成等担い手の育成確保、担い手は非常に重要でございます、農業生産基盤の計画的整備あるいはバイオを初めとしての新しい技術の開発、普及、生産資材の効率的な利用などなど、各般にわたりまして農業の生産性向上のための施策を強力に推進いたしまして、繰り返すようでございますが、国民の納得し得る価格で食糧を安定的に供給してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#21
○仲村委員 次に、世界全体の砂糖の需給状況と価格動向についてお尋ねをしたいと思います。
 さきにも触れましたが、我が国では糖価安定法の円滑な運用で、国内の需給も価格も極めて安定的に推移している状況でございます。しかし、聞くところによりますと、世界の需給状況は、消費が生産を上回り、年々在庫率も減少傾向にある、そのために価格も上昇傾向に強含みの状態であるというふうに聞いておりますが、そのことについて、その需給の状況をどのように推測しておるのか、あるいはまた価格動向についてはどのような御見解をお持ちか、御説明をいただきたいと思います。
#22
○鷲野政府委員 お答え申し上げます。
 砂糖が国際糖価の変動で非常に振れの大きい商
品であるということは先生御案内のことでございまして、過去、記憶に新しいところでも、例の一九七四年十一月、第一次オイルショックと、それに国際的な穀物需給の逼迫等が加わりまして、瞬間風速と申しますか、最高価格でトン当たり六百五十ポンドを記録いたしました。月平均でも五百六十六ポンドという高値を記録したところでございます。また、その後、一九八〇年の十月から十一月にかけましても、これは世界的な天候不順等の影響で最高価格で四百十ポンド、月の平均で三百八十八ポンドを記録しているところでございます。その後は、甘味作物の生産の回復もございまして、国際糖価水準は大体百ポンドないしは百五十ポンドの水準で推移してきたということでございます。
 それで、ごく最近の状況を見ておりますと、発展途上国を中心とした消費の伸びが顕著に見られておりまして、在庫率が年々減少をしております。一九八九、九〇年度、これは国際砂糖年度でございまして、九月―八月の期間にわたる数字でございますが、生産量はこれまでで最高の一億八百万トン弱と見込まれております。消費の方はこれを上回る見込みとなっておりまして、期末在庫率は二七%ぐらい、大体三〇%を切りますとかなり需給がタイトになるということが一般に言われておりますが、これが二七%程度にまで低下するというように見込まれております。こういったようなことを反映いたしまして、国際糖価はこのところ強含みで推移しているという状況でございます。
#23
○仲村委員 我が国における砂糖の値段は、糖価安定法の円滑な運用によりまして非常に安定した状態にあるわけでございますが、今御説明があったように、やはり国際的な需給関係のバランスが崩れると、これは必ず国内糖価に影響が出てくる、こういうように考えているわけでございますが、過去にもキューバ動乱、あるいは第一次、第二次オイルショックのときも異常高騰した例があるわけでございますので、これについては十分注意を払っていかなければならない、こういうように考えますけれども、現時点においてこれが大きく崩れる心配はないのかどうか。また、価格の異常高騰が起こる可能性はどうか、この点についてお願いいたします。
#24
○鷲野政府委員 先ほどもお話し申し上げましたように、何分国際糖価というのは非常に振れる性質を持っておる、過去においても非常に大きく高騰し、また、一転大変下落を見たということもあるわけでございまして、今後の推移についてこれまた十分であるかどうかということについては、私もこれはかなり変動要因は大きいというように見ております。さらにこれが国内に入着いたしまして国内の輸入価格になるときは、単に国際的な相場に加えまして為替レート、さらにフレート、船賃等のコストがかかってくるわけで、そうした二重の変動要因が国内に及んでくるということでございます。
 こういった点を勘案いたしまして、実は昭和三十八年に輸入自由化された後、そういった点についての問題がいろいろ出てまいりましたので、昭和四十年に現在の糖価安定法を制定いたしまして、それで国際糖価の変動が国内の糖価水準にそのまま影響を及ぼすことのないように、糖価安定制度によりまして上下限の一定の安定価格帯を設けまして、この安定価格帯の中に国内の糖価がおさまるように糖価安定制度の運用を行っているところでございます。もう少し具体的に申しますと、特に高騰時におきましては、安定上限帯を超えまして価格が騰貴するような場合には、安い値段のときに積み立てておきました安定資金を放出することによってこれを安定上限価格の水準まで引き下げるように措置をとっておりますし、仮に安定資金が不足するような事態の場合には、やはり糖価安定法によりまして関税の減免措置をとるということにしております。これからも恐らく国際糖価はかなり変動要因は大きいと思っておりますので、この糖価安定制度を維持し、かつその適正な運用を図ることによりまして糖価の安定に努めてまいりたい、かように考えております。
#25
○仲村委員 現在の糖価安定法は、法制定当時はやはり国内の甘味資源産業を保護育成する、それに自給率を高めていくというような形で進められてきたわけでございますけれども、やはり保護措置をとるための原資は何といっても輸入糖の調整金によるものでございます。現在の輸入糖並びに国内異性化糖の消費量全体を考えてみますと、大体五カ年の平均をしますと年に三百二十八万七千トンですが、国内の産糖量は八十八万七千トン。そうしますと全砂糖の消費量の中に占める国内産は二七%。これは純砂糖だけを考えてみましても、輸入糖は百七十四万四千トン、北海道のてん菜糖が三五・五%、南西諸島の甘蔗糖が一五・六%、合計して五一%。今大体半々ぐらいの割合で調整金で負担をしている、こういうことになるわけでございますが、望ましい国内産と輸入糖との割合というものはどういうところに接点を置かれているのか、その点について説明をいただきたいと思います。
#26
○鷲野政府委員 数字につきましては若干先生の御指摘の数字とあるいは乖離があるかとも思いますけれども、私どもが把握しております自給率と申しますと、全体のただいまの国内の砂糖の需給規模が約二百六十万トンでございます。二百六十万トンのうちで国内産糖が約九十万トンでございまして、自給率ということからいきますと大体三三、四%、こういうことでございます。
 それで私どもは、やはり砂糖というのは国民の食糧の中でも非常に重要な位置づけがなされている。それからまた、北海道のてん菜あるいは沖縄、鹿児島、南西諸島のサトウキビというのは、いずれもその地域における基幹的な畑作物ということで非常に重要な作物でございます。したがって私どもは今後も一定の規模の国内生産は維持していきたい。したがって、糖価安定制度を適正に運用することによりまして、輸入糖あるいは異性化糖からちょうだいいたしますいわゆる可変課徴金を財源といたしましてこれら国内産糖に対する価格支持政策をとっていきたいというように考えておるところでございます。
#27
○仲村委員 私が先ほど数字を申し上げましたのは、輸入糖と国内異性化糖の過去五年間を年平均してみて、大体一年間で三百二十八万七千トンです。それを国内産糖の過去五カ年間の一年平均は八十八万七千トンですから全砂糖消費量の二七%。それから、純然たる砂糖だけ考えてみますと、大体輸入糖が百七十四万四千トン、てん菜糖が三五・五、甘蔗糖が一五・六、こういう数字のとり方をしたわけでございます。
 それはよいといたしまして、次に、この同じ国内産糖の中で鹿児島、沖縄県の甘蔗糖対策についてお尋ねをしたいのであります。
 まず、この地域は大変干ばつ常襲地帯で、作目転換が容易にできるところではございません。したがいまして、このサトウキビ産業というのは、もう宿命的な農業作目だと考えているわけでございます。そのような立場からその地域のサトウキビ産業に対する政府の施策について申し上げたいと思いますが、六十三年度の一トン当たりのサトウキビの生産費は二万八千円、これに対してサトウキビの農家手取りは二万四百九十円、こういう状態で生産費の七一%ということになっているわけでございますが、これは農家にとりましては非常に厳しい査定になっているような状況でございます。この点についてやはり再生産ができるような価格の設定をすべきだ、こういうように考えますけれども、これについての御見解をお尋ねいたしたいと思います。
#28
○鷲野政府委員 御案内のとおりサトウキビの生産者価格につきましては、法の定めるところによりまして、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準としまして物価その他の経済事情を参酌して定めて、毎年ここに至っているわけでございます。近年におけるサトウキビの価格につきましては、この最低生産者価格に加えまして奨励金等を交付することによりまして農家手取りの確保に努めてまいっておりますけれども、確かに先生
御指摘のように、生産費と農家手取りの関係を見てみますと生産費の方が農家手取りを上回るような状況になっておる、これは事実でございます。
 ただ御理解をいただきたいのでございますけれども、特にサトウキビにつきましては、生産費調査の中の賃金評価水準、いわゆる労賃が上昇する中で依然として収穫作業に多くの時間を要しております。労働時間の削減はなかなか進まないという実態でございます。特に沖縄県ではこれに加えまして剥葉作業と申しまして、皮をむくその手間がかなりこの労働時間の中に入っておるというような状況にございます。また単収につきましても、いろいろと単収を向上する努力をしておりますけれども、思うようには向上をしておりません。四十年ごろは単収六トンないし六トン未満、八トンということを目標にいろいろやってまいりましたがそれでもまあ最近大体七トン台、元年産は非常に好条件に恵まれたということもありまして、七・七トンという収量になったわけでございますが、いずれにしても、この単収の方も思うように伸びないというような事情もあるわけでございます。
 ただ、そういったようなことでございますが、それでも沖縄なり鹿児島の南西諸島では、サトウキビは単位面積当たりの粗収益あるいは所得で見ますと最も収益性の高い作物の一つであることは確かでございまして、こういった他に収益性の高い作物がなかなか見つからないという難しい条件のところでは、サトウキビは安定的な高収益を得られる作物ということになっているのでございまして、私ども、この糖価安定制度の適正な運用等等、それに諸般の生産対策等を加えまして今後とも生産振興に努めてまいりたいと考えておりますので、その辺についての御理解を賜りたいと存じております。
#29
○仲村委員 地元の重要な基幹産業に対する法律の改正でございましたのでたくさん質問を用意してありますけれども、時間が来たようでありますのでこの辺で終わりたいと思いますが、あと一点だけつけ加えさせていただきたいと考えております。
 先ほど生産費を大きく割り込んだ形での価格設定がなされていることについてお話し申し上げたわけでございますが、それとて限界があるということは私も理解をいたしております。ただ申し上げられることは、十アール当たりの収穫労働時間が百六十六時間、先ほどお話がありました剥葉の時間も含めてでありますけれども、その中で刈り取り作業が八十四時間、全労働時間の約五〇%を占める状態でございまして、何とかその刈り取りを機械化できないのか、合理化できないのかということは長年の懸案事項でありますけれどもなかなか進まない、こういう状況でございます。地元の方でも熱心にこの点については研究を進めておりますけれども、農水省といたしましても積極的にその点についての御援助をお願い申し上げまして私の質問を終わりたいと思いますが、あと一つお願いします。
#30
○松山政府委員 今御指摘ございましたように、サトウキビ作の省力化の問題、特に過半を占めます刈り取り作業の機械化をどのように進めるか、非常に重要な課題だというふうに考えております。私どもの方も集団営農用の機械の助成などを行いながら圃場条件に即した機械化を進めるという考え方で、これまでのところ大型圃場地域につきましては、刈り取りだとか裁断だとか脱葉を一貫してやれるようなそういう中型の機械を導入する、それから小さな圃場では、歩行式の刈り取り機と脱葉機を組み合わせましたような形で進めるといったような方針で進めてきておるところでございますが、御指摘がありましたように、なかなかいろいろな条件がございまして進んでおらないのも事実でございます。そこで今やっておりますのは、地域の実情にできるだけ合ったような小型の乗用収穫機が何とか物にならぬかということで、今鋭意その実用化に取り組んでおるところでございまして、機械利用集団の育成といったような受け入れ体制の整備もあわせましてこれからも積極的にこれを進めていきたい、このように考えているところでございます。
#31
○仲村委員 どうもありがとうございました。終わります。
#32
○大原委員長代理 佐々木秀典君。
#33
○佐々木委員 佐々木秀典でございます。
 まず最初にお伺いをいたしたいと思いますけれども、昭和三十八年の粗糖の輸入の自由化に対処するものとして昭和四十年にこの糖価安定法が制定されまして、その後五十七年に法改正が行われて現行法が運用されているわけでありますけれども、この現行の糖価安定法が国内糖価の安定と甘味資源作物の保護育成に対して果たしている役割、その実情、先ほども改正の趣旨説明の中で一応の御説明があったようには思いますけれども、もう一度この辺について補足的な御説明をお願いしたいと思います。
#34
○鷲野政府委員 お答えを申し上げます。
 サトウキビにいたしましてもてん菜にいたしましても、これは沖縄及び鹿児島の南西諸島、北海道という非常に条件の厳しい地域における基幹的な畑作物でございます。そういうことで、糖価安定法は輸入砂糖及び国内産異性化糖から可変課徴金という形で財源を徴収いたしまして、これをコストの高い国内産糖に対する価格支持財源の一つ、そのほかに国からの交付金を入れて価格支持財源にしているわけでございますが、こういうことによりましてこういった重要な基幹的な作物の安定的生産を確保してきた、これは糖価安定法の一番大きな機能であると思います。
 それから、先ほどからお答え申し上げておるところでございますが、砂糖は何といっても国際的な市況商品でございまして、価格は非常に振れやすいということでございまして、この糖価安定法のもう一つの機能といたしまして、こういった国際的に大きく変動する砂糖の価格が国内の砂糖価格に直接影響を及ぼすことを緩和しまして、国内の糖価の安定を図ることによりまして消費者、実需者に対しても利益をもたらしている。この二つの大きな機能を持っておりまして、私どもはこれは重要な制度であると考えております。
 ただ、先ほどもちょっと触れたところでございますけれども、この関税及び調整金の付加によりまして国内の砂糖の価格水準が国際的に見て割高になっているということもまた事実でございまして、ユーザーからは砂糖の価格は高いからもっと引き下げてくれという要請が出ていることもまた事実でございます。そこで、内外価格差の縮小という見地から、甘味資源作物の生産性の向上、国内産糖及び精製糖企業の経営の合理化等を一層進めまして、そして全体として内外価格差の縮小を図るようにしなければならない。また、それがこの糖価安定制度を今後とも円滑に運営していくことができる道であると考えておるところでございます。
#35
○佐々木委員 現行法の制度の仕組みは関係者によって非常に御工夫をいただいて、御配慮されていることはよくわかるのですが、同時に、その仕組みもそれだけになかなか複雑になっているようにも思われるわけですけれども、この法律の目的としているところが、先ほど仲村委員の御指摘で国内の糖価の安定推移に役立っているという評価がなされているわけですが、私どももそれについては一定の評価をしたいと思っておりますけれども、これまでの運用において、この辺はもう少し改善の余地があるというような点で特にお気づきの点などはございませんでしたでしょうか。もしおありになるとすれば御指摘をいただきたいと思います。
#36
○鷲野政府委員 糖価安定制度の仕組みそのものはなかなかよくできた制度だと私は思っておりまして、この制度そのものについて変えるということは私はただいまも考えておりませんけれども、ただ、運営に当たりましては幾つかの問題がございます。
 特に一番大きな問題は、全体としての砂糖のマーケットと申しますか需給規模が、五十年代の半ばに異性化糖の出現等によりまして縮小し、その
後も横ばい、伸び悩みの状態である中で、これはもちろん好ましい現象ではありますけれども国産糖の増産が進んできた。ということは、結局、価格支持財源を負担する立場の輸入糖のシェアが減りまして、片や負担される側の国内産糖のシェアがふえるということでございまして、それはほうっておきますと負担する側、輸入糖なり精製糖企業の負担が高まっていく。またこれをほうっておきますと、調整金単価の増高等を通じまして内外価格差が一層広がる、そういうような面もあるわけでございまして、全体として国内産糖の安定的な生産の確保を図りつつ、かつ内外価格差縮小のために、国内原料生産の合理化なりあるいは国内産糖企業及び精製糖企業の経営の合理化なりを進めることによりまして内外価格差の縮小も図っていく必要があるだろう。また、内外価格差があるということは、結局その内外価格差の間隙を縫う形で菓子類とかあるいは加糖調製品等の輸入がふえることになるわけでありまして、これはまた国内のいろいろな関係産業へも大きな影響を与えるということでございまして、その辺を勘案して制度の円滑適正な運用を図っていくということが必要であろうと思っております。
#37
○佐々木委員 今次の糖安法の改正の趣旨、改正点については先ほど御説明もありましたので、余り時間もございませんからダブることを避けたいと思っておりますが、先ほど仲村委員からは国際的な甘味の需給の状況について御質問がございまして、それに対するお答えがあったわけです。
 一方、国内での最近の甘味をめぐる情勢、特に国内の需給関係などについてどのようなお見通しを持っておられるか。結局需給率が高まらないということになれば、パイが同じなわけですから、外国から異性化糖が入ってくれば、国内産のものは異性化糖にしても粗糖にしても今度はそれだけ供給が減らざるを得ないということになるのではないかとも考えられるわけですけれども、この全体としてのパイが大きくなる可能性などについてのお見通しはどんなものか、その辺の御見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#38
○鷲野政府委員 御案内のように、砂糖の需給規模と申しますのは、戦後の生活水準向上等の過程で急激にふえてまいりまして、五十年代の当初には大体全体で三百万トン程度であったわけでございます。それが五十年代から異性化糖の技術開発が進みまして、特に五十年代半ばに、異性化糖の中で果糖分の高い高果糖異性化糖というものが生産可能になった関係で、これはもうほとんど甘味度におきまして砂糖と変わりはございません。またコストも安いという関係があって、これが急速に砂糖の市場を蚕食をしてまいりました。そこで五十年代の半ばから、その結果砂糖の全体の需給規模は二百六十方トン程度になりまして、砂糖だけとりますと、ほぼ今日に至るまで横ばいのような状況でございます。
 それで、今後の見通しでございますけれども、砂糖の二百六十万トンという需給規模、それから異性化糖が固形ベースで大体六十数万トンという需給規模は、大体このまま横ばいで推移するのではないかと見ております。日本人の食生活における砂糖の摂取量というものもほぼ一定の限界と申しますか、飽和の状態に達したようにも見受けられますし、また、フルーツとか果汁等甘味の摂取が形態として多様化すると申しますか、ソースとして多様化すると申しますか、そういうような状況等もございます。等々を考え合わせますと、私どもは、この規模についてはそうふえることはない、むしろ横ばいあるいは漸減というようなことで考えておるところでございます。
#39
○佐々木委員 この法律の目的の中には国内の甘味資源作物の保護ということもうたわれておるわけですけれども、私は我が国における唯一のてん菜糖の産地である北海道の北の方の北海道二区から選出されておりまして、私の選挙区内にもビート生産者というのは相当あるわけでございます。この生産者がやはり何といっても心配しているのは、今度の自由化などによってビート生産量というものに影響がないか、また、価格にマイナスの影響が出やせぬかということを非常に心配されておられるわけであります。
 その点で、てん菜についての御質問をしたいと思うのですけれども、申し上げるまでもなく、北海道の場合にはてん菜というのは明治の初期からいわば勧農政策の一環として導入されておりまして、戦後は酪農と結びついた輪作体系の中核として奨励もされたということもあって、非常にこれが伸びてまいりました。日本における重要な砂糖原料であることは申し上げるまでもないことでありますが、昭和六十三年度の作付面積が七万一千九百ヘクタールになっております。生産量としては三百八十四万九千トン、道内には製糖工場が八カ所ございまして、てん菜糖の生産量としては六十五万トン、これは国内産糖の約四分の三に当たる。これは北海道のつくった資料でございますので、ほぼ正確だろう、こう思っております。
 ところが、五十七年の本法の改正時の論議の中で農林水産省当局の御答弁の中に、この北海道のビートの作付面積として昭和六十五年度を目標にして七万七千ヘクタール程度を考えているんだというお話だったのですが、現にこれは六十三年度で七万一千九百ヘクタールですから、この六十五年度目標よりは作付面積にしても相当減っているわけですね。これは一つには、やはりビート生産者というのは、どの作物についてもそうですけれども、非常な御苦労をなさっているのだけれども、なかなかその御苦労に対する割が合わないということでやめられるというようなこともあったりしているわけです。
 そんなことで、特にてん菜糖の現在の生産状況を確保するために何とか御努力をいただかなければならないと思っておるのですけれども、これを確保するために政府として特に御方針をお持ちであるかどうか、この辺についてお尋ねをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#40
○鷲野政府委員 五十七年の法律改正当時にそういったことを政府側からお答え申しているところは私も承知いたしております。六十五年を目標とした生産費の策定作業の中で七万七千ヘクタールということを申し上げましたが、御案内のように国産糖の生産がかなり速い勢いでふえてきた。特にその大半は北海道のてん菜によるところが大きいわけでございまして、それで六十一年から北農中央会、それに道庁も入って作付指標というものをつくっていただきまして、七万二千ヘクタールを指標面積にして計画的な生産をお願いしているということでございます。
 昨年新しい目標生産費を策定したときにはこの七万二千ヘクタールをベースにして算定をいたしておりまして、その目標年次が平成五年でございまして、私ども当面平成五年までは七万二千ヘクタールで生産を計画的に行っていただきたい、このような観点で指導を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
#41
○佐々木委員 これがまた減るということになりますとゆゆしい問題になるものですから、この辺については何とかこの目標を維持されるよう政府においてもしっかりと取り組んで対策を立てていただきたい、こういうことを特に希望しておきたいと思っております。
 そこで、もう一つ。この五十七年の法改正に際して委員会で附帯決議がなされていることは御承知だろうと思います。この附帯決議の第四項目で、国内甘味資源作物の生産性の向上と長期生産見通しを達成するためにということで、てん菜とサトウキビ両方についての決議があるわけですけれども、特にてん菜についてお尋ねしたいと思います。
 これは「合理的な輪作体系の確立等により生産の安定化を図るとともに、てん菜の生産に対応した原料処理体制について遺憾なきを期すること。」という決議がなされております。政府としてもこれに対応する措置をとられているわけですけれども、この具体的な制度、そしてそれが実効性を持って運用されているかどうか、お尋ねしたいと思います。
#42
○鷲野政府委員 ただいま御指摘の点は、てん菜原料糖の制度化という問題ではないかと思うのでございます。てん菜につきましては、六十一年から品質取引への切りかえが行われたわけでございますが、高糖度型品種への作付転換等が急速に准みまして、歩どまりがもう目に見えて向上をいたしました。その結果、てん菜糖の生産量が六十万トンを超えるような状況でございます。てん菜糖も確かに砂糖でございますけれども、形態はビート糖のグラニュー糖でございます。それで、やはり国内で販売する場合にはこのビートのグラニュー糖としての通常の販売量というものがあるわけでありまして、これは私ども大体五十二、三万トンというふうに見込んでおりますが、この通常の販売量を超えて生産、販売が行われますと、どうしてもこのビート糖が、悪い言葉で言いますと買いたたきに遭ってしまう、またその結果国内の砂糖市況全体が不振に陥って、コスト価格との乖離が出てきて、糖価安定制度の円滑な運用にも支障が生ずるというような問題があるわけでございます。
    〔大原委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、このてん菜糖の通常の販売量を超える部分につきましては、これをてん菜原料糖として生産をしまして、ビートのグラニュー糖となるその少し前の段階で生産工程をとめまして、これを原料糖として国内の精製糖メーカーに渡しまして、精製糖メーカーにおきまして輸入粗糖等とを混合して一般の砂糖として販売するという道を開くことが適当であろうということで、行政、ビート糖それから精製糖業界、さらには生産者団体ともいろいろ協議をした結果、昨年からこの原料糖生産を制度化した、こういう次第でございます。
 原料糖生産の仕組みについては御案内だと思いますけれども、多少ビート糖よりは低目の価格で事業団が買い上げまして、これを国産の粗糖よりは高目の価格で売り戻すということで運用をしているわけでございます。まだ制度は発足したばかりでございますけれども、関係者の御協力も得まして、これまでのところ円滑に進んでいるという状況でございますので、私どももこの制度を今後維持しながらてん菜の安定的な生産、販売に努めてまいりたいというように考えているところでございます。
#43
○佐々木委員 この件に関してですけれども、この制度がそれだけの効用を発揮している、そしてこれは今後も続けていく、こういう方針であると了解してよろしいですか。
#44
○鷲野政府委員 さように考えております。
#45
○佐々木委員 次に、いわゆる異性化糖の原料となるでん粉との関連で、国産芋でん粉との抱き合わせ販売制度というものが設けられているわけであります。これも御案内のように、北海道にとっては芋でん粉の原料になるバレイショというのはこれまた非常に重要な畑作物であるわけですが、これについても生産者は何とかバレイショの用途を拡張したい、生産量を低くされることのないようにというお気持ちが今非常に強いわけですけれども、この抱き合わせ制度との関連における国内産の芋でん粉の需要についての今後の見通し、また、バレイショについての生産の確保と需要の拡大の方策などは講じておられるかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、中川委員長代理着席〕
#46
○鷲野政府委員 国内産芋でん粉につきましては、これもコストが非常に高いものでございますので、この円滑な消化を図る意味で関税割り当て制度と輸入トウモロコシとの抱き合わせ制度というものを設けまして、これによって国内産芋でん粉の消化、さらには国内産芋生産農家の保護を行っているということは御案内のとおりでございます。
 全体としての需要につきましては、でん粉全体の需要が大体二百七十万トン程度でほぼ横ばいでございます。その中で国内産の芋でん粉が大体四十万トン程度で、ブドウ糖あるいは異性化糖の糖化用と私ども言っておりますが、糖化用に向けられるものがそのうちの約六割、その他が化工用でん粉あるいは水産練り製品等に向けられるものということでございますが、糖化用のでん粉につきましては、主たるマーケットでございます異性化糖が大体需要が一巡したということで、もう余り伸びないだろう、むしろ横ばいであろうというように想定されておりまして、この糖化用でん粉の需要はもうこれからは伸びることは期待できないと思っております。それから化工用でん粉等についてもひところは伸びたのでございますが、これも大体伸び悩みの傾向があらわれてきておりまして、でん粉全体の需要という見地から見ましても、また国内産芋でん粉という見地から見ましても、今後需要の大幅な拡大というものは期待できないというように考えておるところでございます。
 なお、その他の点につきましては、農蚕園芸局長からお答え申し上げます。
#47
○佐々木委員 ちょっと関連ですが、あわせて、今の抱き合わせ制度というのは、そうするとここのところは堅持するという方針にはお変わりはないですね。
#48
○鷲野政府委員 御案内のように、過般の日米十二品目協議におきましては、アメリカ側は輸入制限そのものの撤廃を強く訴えたわけでございますが、当方は、この輸入制限の存続及び国内における関税割り当てなり抱き合わせ制度の存続というものはどうしても必要であるということでこれを強く主張しまして、その見返りと申しますか、輸入アクセスの改善ということをとることによって制度を守ることにしたわけでございますが、今後とも、でん粉等をめぐる厳しい状況を踏まえまして制度の基幹を維持するように努めてまいりたいというように思っております。
#49
○佐々木委員 時間がなくなりましたので最後に大臣にお伺いをしたいのですけれども、でん粉についてはこれから日米間の再協議をしなければなりませんね。これについて政府としてどういう態度で臨まれるかということについての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#50
○山本国務大臣 お答えいたします。
 今鷲野局長から最後にちょっと触れましたけれども、米国との再協議は平成二年度の日米の都合のよい時期に行おう、こういうことに前に約束をしておるわけでございます。この協議に当たりましては、今先生いろいろ各般の御指摘がございましたが、でん粉材料になるカンショあるいはバレイショの生産状況等を踏まえながら現行制度の根幹を守るように適切に対処していこう、こういうことでやってまいりたいと考えております。
#51
○佐々木委員 時間が参りましたので終わりたいと思いますけれども、いずれにいたしましてもビートあるいはバレイショというのは特に北海道にとっては基幹的な畑作作物になっておりまして、この生産者は、今度のこの異性化糖などの輸入によってマイナスの影響があるのではないかということを大変心配されておられます。それからまた、先ほどの大臣の冒頭のごあいさつの中で、農業の生産性の向上あるいは質的な向上、技術の向上というような御指摘もあったのですけれども、ビートなどについても生産者は本当に苦労されて機械化をされておるのですけれども、機械化が進むということになると、これはどうしても年寄りではなかなか難しいという面もある。しかし実際に、農業に従事している方々は家族農業を中心にしながら高齢化しているということもあるわけであります。何としてもやはり未来のある農業というものをつくって若い後継者を育てていかないと、農業そのものが立ち行かなくなってしまう。これはビートにしてもバレイショにしても同じようなことだと思いますので、そういう点についてしっかりとひとつ政府としても取り組んでいただきたい。昨年はいろいろな価格の問題も、まあ選挙の前だったから余り引き下げなかったけれども、今度は選挙が終わって、与党が大分議席を伸ばしたからこれはやってもいいのだ、あるいはやったのだなどと言われることのないように、ひとつしっかりと取り組んでいただきたいということを特に申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#52
○中川委員長代理 有川清次君。
#53
○有川委員 私は糖価安定確立の立場で、鹿児島県の種子島におけるサトウサビ作に関する問題についてお伺いいたしたいと思います。時間がありませんので、一点に絞りたいと思います。
 昨年の十月にサトウキビ価格決定の際に品質取引への転換時期が決められ、準備期間を五年間置いて平成六年度から実施ということになりました。この際、生産者の不安を除去するために諸協議を行って、生産者も十分な対応ができる状況に持ち込んでから導入する、そういう方向が確認されたところであります。国はこれを受けまして、昨年の十一月三十日にサトウキビ品質取引推進協議会を設置をされました。県もまた同様に二月二十三日に設置したところでありますが、品質取引の問題で、特に種子島においては心配をされております。サトウキビは種子島の農家にとっては特に主幹作目でありまして、その取り扱いが農家に対して影響を与えるからでありますが、種子島は我が国においてはサトウキビの最北限地域というふうになっておりまして、天候、土壌、温暖の差において奄美大島や沖縄地区とはどうしても品質に格差が出てくるところでございます。これらをカバーするために、現地ではマルチ栽培の導入や栽培管理の徹底など生産性の向上にも努力をしてきておるわけでありますが、しかし、現在でも二段階に分けたブリックス取引において格差が大きくなっておりまして、品質取引になればなお一層品質格差が広がるということが予想されます。それだけに農家の不安は大きいわけであります。
 新光糖業株式会社の工場がありますけれども、操業能力が小さいために操業期間が十一月下旬から五月中旬までの半年以上の長期にわたっております。これまで十一月ないしは四月、五月のブリックスは非常に低下をしておるわけでありますが、したがって品質取引に移行した場合に、収穫適期でないこの時期は品質低下によって大幅な減収になることが予想されております。また四、五月期の操業となりますと、適期栽培管理ができずに生産性や品質ともに低下の原因となっております。幸いにして、これまで能力アップを会社に求めてきましたが、中種子工場が設備更新を昨年十月に行いまして、約十五日間の操業短縮が見込まれているところであります。平成元年度は十一月二十七日開始、四月二十三日終了の見込みでございますが、それでもまだまだ極めて不十分だと言わざるを得ません。
 そこで求められるのは、地域に適したわせ、なかて、おくての高糖多収品種の改良と育成及び早期転換が重要となってくると思いますが、現在種子島で栽培普及されております、八八%のシェアを占めておりますNCO310は、品質取引が行われている台湾では全く栽培されていないと聞いております。鹿児島県では徳之島と熊毛支場において系統選抜、生産力の検定等の試験をしておりますけれども、KF81―11の系統が早熟高糖品種として非常に有望視されており、早期に種苗登録を行うよう要望されておるというふうに思いますけれども、品種に対する国の評価と原原種圃としての登録がなければ対応できないというわけでございますので、登録のめどについてお聞かせを願いたいと思います。
 また、農作物の品種改良は季節的なものでございまして、数年を要すると思われますので、国としての試験研究の充実が強く望まれるところでございますが、考え方等現状をお聞かせ願いたいと思います。
 また、機械化の促進でございますけれども、種子島の機械化率を見てみますと、刈り取り機で〇・七%、脱葉機で一七・一%程度でございまして、値段もかなり高値になっております。この研究開発の状況については、先ほどちょっと御答弁があったわけですが、非常に値段が高いわけでありまして、実用化にもっと小型のもので早期に取り組まないといけないんじゃないか。かねてからかなりこの問題は取り上げて現地でも言っておりますが、なかなか進まないというのが現状でございます。いま一つ、その辺の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#54
○西尾政府委員 技術会議の事務局長でございます。
 サトウキビの品種改良についてお答えをいたしたいと思いますけれども、サトウキビの優良品種の育成につきましては、高糖性、つまり糖分が高い品種、できればブリックスが二十以上になるような品種、さらにまた早熟性、先ほど先生からお話がありましたように工場の操業期間が長くなりますので、なるべく早い時期から糖分の高いそういう早熟性の品種、さらにまた黒穂病などの耐病性の品種、それから機械化適応性、もちろん収量の高い品種ということで、そういうことを目的といたしまして、先ほど先生お話しありました九州農業試験場の種子島の試験地、さらにまた、国の指定試験事業で行っております沖縄県の試験場におきまして品種改良を実施しているところであります。
 これまでに、大変高糖性の品種、さらにまた病害に強い品種というのができてまいっております。品種名をNiF5という品種がございますけれども、そういう品種が昭和六十年に育成されておりまして、今普及に移っているところであります。さらにまた、先生お話しがございました、まだ系統育成中の品種でKF81―11というような品種もございます。また、そのほかに二つぐらい同じように育成中の品種もございますけれども、これはまだ育成中でございまして、できればもう一、二年で、現地試験、奨励品種決定試験というものがございますけれども、そういう試験を行った上で農林省としては命名登録をしてまいりたいというふうに思っております。いずれにしましても、高糖性品種の育成というのはこれからますます求められるわけでございますので、私ども大いに努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#55
○松山政府委員 今、サトウキビの品種開発の問題は事務局長の方からお答えしたところでございますが、私ども、やはり今回の品質取引を円滑に進めていくためには、優良な種苗を安定的に、かつ早く普及していくことが非常に重要だ、このように考えておるところでございます。
 御質問のございましたKF81―11、最終的に登録になるにはまだ若干時間はかかるようではございますけれども、私どもとしてはできるだけ迅速な対応が可能になるように、国の種苗管理センターの純子島農場がございますが、そこで既にあらかじめ事前着手、準備をしておるというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから機械化の問題につきましては、御指摘がございましたようにいろいろと現地の事情その他がございまして、大変おくれておるということを大変残念に思っておりますが、特に御指摘のございましたような現地の実情に合いました小型の乗用収穫機の開発、非常に重要なことだというふうに考えてございまして、六十三年度から実用化に向けての助成も行いまして、今積極的に取り組んでおるところでございます。
 先ほどもお答えいたしましたように、組織化等の受け入れ態勢を整えながら、かつまた機械の開発を早く進めましてできるだけの対応をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
#56
○有川委員 時間が参りましたので終わりますが、脱葉機や刈り取り機は二百七十万とか二千五百五十万とか、今使っているのは非常に高いのになっておりますので、実用化のためにはもっとその辺の検討をして取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
#57
○中川委員長代理 前島秀行君。
#58
○前島委員 先ほどからの質疑の中でも言われておりますように、甘味を取り巻く現在の状況、一言に言って、行き詰まっているといいましょうか、そういう状況にある、こういうふうに言っていいと思うわけでありまして、今回異性化糖の自由化という状況がきているわけでありますから、特にその中で私は、加糖調製品の実態等々について
を中心に御質問をさせていただきたいと思っているわけでありますが、この糖安法の果たしてきた役割、それなりにあると思うのです。この調製品というのは、糖安法の間隙を縫ってといいましょうか、くせ者という表現がいいか悪いか別としまして、非常に議論のあるところだろうと思っているわけでございまして、そういう面で加糖調製品のかなりの量が輸入されているわけなんで、まず最初に、この調製品の輸入の実態がどのようになっているのか、そして、なぜ加糖調製品というものが入ってくるのか、ふえてくるのか、その辺の原因についてどういう認識を持っているか、最初にお聞きをしたいと思います。
#59
○鷲野政府委員 いわゆる加糖調製品でございますけれども、これは大変種類も多い、幅も広いものでございますけれども、私ども加糖調製品の御三家と申しているものが三つございまして、それはココア調製品、豆の調製品、これはいわゆるあんこでございます。それからコーヒー調製品、これが御三家と言っております。この三つの輸入の動向を見ますと、昭和五十八年までは全体で約三万五千トン程度で比較的安定した動きを見せておりましたけれども、その後、六十年ぐらいから急激な円高を背景にしましてかなり増加をしてきたことは確かでございます。ただ最近では、その増加の程度がスローダウンの傾向を見せているということでございます。今申し上げました三つの中では、ココア調製品は、主としてチョコレートに関係するものでございますが、これは最近においても増加を続けておりますが、豆の調製品は横ばい傾向でございますし、コーヒー調製品は減少をしているということでございます。
 なぜこういった加糖調製品が入ってくるのかということでございますが、これは一言で申し上げますと、やはり国内の砂糖なり甘味資源の価格が諸般の事情によりまして国際的に見て割高である、そこで少しでも安いものを使いたいという菓子その他の加工業者がこういったものの輸入なり購入を心がける、ここに一番大きな原因があるのではないかと思っております。
#60
○前島委員 今局長が言われたように、減ってはいないですよね。輸入状況の実態というのは減ってはいない。ココアなんかは現にふえていることは間違いないわけですよね。確かにあんこにせよ、あるいはコーヒーにせよ、多少の浮き沈み、バランスはあるけれども、減っているという傾向ではないことは間違いないわけなのです。だから、新たに今度は異性化糖のファイバー、いわゆるゼリーの調製品というふうないろいろな形で来るし、あとその他の小麦等々の形の方も当然考えられるわけですね、これはせんべいのたぐいに通ずる原料だろうと思うのですけれども。そうすると、この加糖調製品の輸入というのは、部分的に個々のものを見ると横ばいかもしらぬけれども、ココア調製品等々を含め、また異性化糖の自由化に伴ってゼリー調製品等々が来る。これはそうすると、トータルとするとこの調製品の輸入というのは私はふえている、ふえてくる、こういうふうに見ていいと思うのですが、その辺の認識はどうですか。
#61
○鷲野政府委員 いわゆる御三家につきましては先ほど申し上げたところでございますが、これが穀類等が入った加糖調製品になりますと、所管が私の局とはまた違ってくるという問題もございまして、私もここで確かな見通しを申し上げることはわかりませんが、ただいま先生がお話し申されましたような加糖調製品が今後も全体としてふえていくのではないかという点については、私も率直に申し上げて否定はできないと存じております。
#62
○前島委員 そうしますと、先ほどの議論でいくと、国産の甘味を取り巻く状況というのはいわゆる指導もあって頭打ちと言っていいと思うのですね。片やこの糖安法の間をくぐって、表現はともかくとして、くぐってこの調製品というものがふえている。当然、国内の砂糖生産関係者にこれは影響というのはあり得るわけですよね。当然、そういう調製品を通じて消費の減退ということはあり得る、予測される、私はそう言って間違いないと思うのですね。局長も今トータルとしてはふえるだろうというふうに言わざるを得ないと言うし、そうすると、この調製品に対する対策ということがこれからの国内の甘味をめぐる状況として非常に重要なポイントになってくると私は思う。そこで、この調製品についてどんな対策を考えているのか、まずお伺いをしたいと思うのです。
#63
○鷲野政府委員 いわゆる加糖調製品につきましては、先ほど申しました御三家を含めましてもう相当部分のものが既に輸入自由化されておるところでございますし、それからそれについての関税につきましても、ガットでバインドと申しますか譲許されているところでございますので、これからこれについて強い形での輸入制限効果のあるような措置をとるということは非常に難しい。ここのところは、私どももこの加糖調製品の輸入動向については常に注目はいたしておりますけれども、そういった事情があるということはひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。
    〔中川委員長代理退席、穂積委員長代理着席〕
 そこで、先ほどの話の繰り返しになるのでございますが、やはりこういった加糖調製品が入ってくるということは国内の砂糖ないしは甘味資源の値段が国際的に見て高いということにあるわけでございまして、これも大変難しい、一挙にはできないことでございますけれども、着実な内外価格差縮小の努力を図っていく、これが基本であろうというふうに思っておるわけでございます。
#64
○前島委員 いわゆる調製品に対する対策は価格を抑えるのだ、内外価格差だけの縮小、それしかない、こういうふうに言われていますけれども、それ以外に考えられませんか。例えばこの調製品自身も糖安法の枠の中に入れていくとか、あるいは、ガット、ガットと言いますけれどもガットの考え方、数量制限は違反だけれども、関税対応については違反だという見解ではないでしょう、基本的には。そうですよね。そうするとこの加糖調製品に対するいろいろな対策、この関税でもう少しきめ細かくやる必要がありはしませんか。方法として考えられないか。あるいは、この加糖調製品が入ってくる要因の中に菓子、製品そのものの輸入というものが入ってくるので、そこの関税、自由化、関税との兼ね合いで結果としてその原料が調製品という形の中で入ってくるという実態も私はあると思うのです。そういう意味で方法論として、対策としていろいろな方法が私は考えられてしかるべきだと思うのです。農水省の方は、それはもう内外価格差があるのだからそこを抑えるしかないのだというふうに言っていますけれども、その辺の工夫は私は、本当にこの調製品が今後ふえてくる、このことが国内の甘味対策として非常に重要だ、動向を決めるということになるならば、もう少し工夫の余地があってしかるべきだと思うのです。この制度に取り込むとか、あるいは関税も、調製品部分じゃなくして間接的な部分の関税を対策して、結果としてその原料部分に当たる調製品を抑えていくという関税なら問題ないでしょう。ガットの方から、ガット、ガットと言うけれども、数量制限はいけないけれども関税なら許される部分があるわけなんですから、そういう面で、特に糖みつ度の高い部分とか安い低い部分とかという部分的な検討をして、私は細かな対策をとるということは方法論いろいろあると思うのです。その辺どうですか。
#65
○鷲野政府委員 まず、糖安法の制度の中に取り込むことはできないかということでございます。私どももそういった点についていろいろと工夫と申しますか検討をしかけたこともあるのでございますが、やはり今の糖価安定制度というのは、砂糖、それから砂糖とほぼ類似した糖類である異性化糖、これを対象とした制度でございます。一方、加糖調製品というのは非常にいろいろな品目がございますし、しかも商品として砂糖とは違った意味で確立された分野のものでございますので、これを現行の糖安制度の中に入れて価格調整メカニズムを機能させるということは、ちょっと
難しいというように思っておるわけでございます。
 それから、先生御指摘の関税でもっと工夫はできないかという点については、これは私どももできる範囲で工夫をしているところでございますが、ただガットにバインドされた関税につきましては、これを修正するということはなかなか難しゅうございまして、個別に関心を持っている国との間で協議をいたしまして、一方において引き上げを行うときには他方においてその代償、見合いの代償を出しまして、同種の品目かあるいは他の品目で引き下げ等を行わないと認められないということがございます。そこで、これまで輸入が自由化されたいわゆる加糖調製品のほかに雑多な加糖調製品があったわけでございます。難しい言葉で言いますとバスケットアイテムということで、雑多なものが一括して関税分類の中に入っていたわけでありますが、この中のかなりの部分が今回の十二品目合意の一環で自由化されました。そのときにはその問題につきましては、いろいろな品目あるいはいろいろな商品が入ってくる可能性がございますもので、したがって砂糖に近いようないわゆる疑似砂糖と称するものについては、アメリカと厳しい交渉を繰り返しました結果、従来の関税をキログラム九十円という非常に高い関税に設定をした。もちろん他の部分におきまして多少の代償を払ってそういうことをいたしまして、これでいわゆる抜け穴的なそういう疑似砂糖の参入というものを防ぐように措置をしたいということにしているところでございます。
#66
○前島委員 例えばゼリーの調製品ですね。今度三五%から九十円にするというあれです。この九十円は価格によって、率じゃなくて円の単価できていますから、原料価格によって違うと思いますけれども、三五%を九十円にしたというのは、九十円は別な意味で大体何%になりますか。
#67
○鷲野政府委員 そういったものが二百六十円ぐらいで入ってまいりましたときにちょうど現行の関税三五%ぐらいに当たる。したがって、それよりも低価格になればなるほどこの九十円の関税の重みが増していくということでございます。それからまた、その九十円という設定をした際にはいろいろなことを考えたのでございますが、今砂糖の関税は、精糖ベースにしまして大体五十数円、それに砂糖についての糖安法の調製品がやはり精糖ベースにしまして三十円ばかり、これを合わせまして八十数円になります。それよりは九十円というのは高い水準になりますので、防止効果としては、そういう意味でも十分ではないかというように考えたところでございます。
#68
○前島委員 現行よりも原価が下がればという前提で効果が大きくなるということでしょう。それは国際状況からいって必ずしも、上がることだって考えられるのだし、僕は、この三五%を九十円にしたということがそんなに調製品をとめられるのだという決定的なものじゃないと思うのですよ、価格が下がればという前提ですから。国際価格なんて下がる保証なんて必ずしもないわけなので、そういう面を含めて、この調製品に対する対応、対策というのはいろいろな工夫をもっとしてしかるべきだと僕は思うのです。今政府の方は、内外価格差を縮めるのだ、こういうことにこの対策の柱を置いている。それ以外考えていないと言っていいと思うのです。そうすると結論として、これからの国内の特に生産農家の価格は下げていくというふうになると思うのです。昨年の場合はいろいろあっただろうと思うけれども、据え置いた。そうすると、ことしのあれは、さっきの議論からいきますと下げるというふうに、どうしても結論がそっちにくるのですけれども、そう受け取らざるを得ないと思うのですが、どうですか。
#69
○鷲野政府委員 ことしの価格につきましては、法の定めるところによりまして、パリティ指数を基準といたしまして物価その他の諸般の情勢を勘案して決めるということにしておりまして、今ここでそれについて云々申し上げることは控えさせていただきたいと思うのでございますが、内外価格差を縮小するためには、単に原料生産の生産性の向上を生産者価格に反映させていくというだけではございません。
    〔穂積委員長代理退席、石破委員長代理着席〕
それ以外に国内産糖企業それから精製糖企業のコストの切り下げということもございまして、現にそういった点については国内生産者価格の引き下げ以上の努力をこれまでも図ってきて、それを全体としての内外価格差縮小の上に反映させているところでございます。
#70
○前島委員 私の時間も十八分まででそんなにありませんからこれ以上できませんけれども、要するに加糖調製品に対するあれというのは、いずれにせよ価格差をなくすのだ、先ほどの議論にあるように、五十八年以来決議に基づいたいわゆる合理化といいましょうか、生産性の向上については、正直言ってこれという決定的な成果と言い切れない部分だろうと私は思うのです。特に沖縄等等の状況から見ると、北海道と違う部分は、要するに転作ができないという現実等々も踏まえると、結局は価格を下げる、それが結果として生産者のところにしわ寄せがいくと私は思わざるを得ないのです。加糖調製品が現実にふえていく、それが大きな影響を与えていることは事実ですから。したがって、その辺のところはぜひもう少し工夫をしてほしい。そして、これが現実にふえてくる中で、生産者のところに特にしわ寄せがいかないような配慮を十分してほしい。理屈からいけばどんどん下げていくんだよということになるのですね。大臣、そう思うでしょう、今までの議論から見ると。昨年はいろいろあった。具体的に言うとあれですから、据え置いたけれども、さっきの理屈からくれば、とりわけ価格差からくれば下げていくのだというふうに、今は言えないかもしれぬけれども、考え方としたら当然そうなると思うのです。今回の自由化を含め、その影響は当然出てくるわけですから、そのしわ寄せが生産者のところにいかないということがあってしかるべきだと私は思うのです。ただし、理屈の上からくると、そこにいくと私は思うのです。その辺のところ、大臣、今度の自由化等と今後の問題等もありますので、ちょっと基本的な考え方をお聞きしておきたいと思っています。
#71
○鷲野政府委員 内外価格差の是正の努力ということにつきましては先ほどちょっと申し上げたところでもございますけれども、もちろん生産者の価格あるいは生産者の手取りの引き下げばかりを――ばかりと言ってはおかしいですが、それ以外にいろいろな方法があるわけでございまして、例えば昨年一年だけをとりましても、まず砂糖消費税の撤廃でキロ十六円下げております。それから形成糖価を、これは主として国内産糖企業及び精製糖企業の経営コストの引き下げによりまして五円、都合二十一円引き下げたところでございます。そういうようにいろいろな方途を講じて、全体としての内外価格差縮小の着実な努力を積み重ねていきたいということでございます。
#72
○前島委員 内外価格差の縮小そのものは否定するものじゃないのです。その努力はいいのですが、今後とも生産者のところにそのしわ寄せが集中しないことだけはぜひお願いしておきたいと思います。
 それから、先ほどもちょっとありましたけれども、異性化糖の輸入に伴って日米関税の問題での抱き合わせ等々の問題でございますが、具体的な問題の前にいわゆるでん粉の問題なんです。御承知のように、十二品目のときにでん粉は裁定でクロと言われた。しかし、日本としてはそれは受け入れがたいという方針で今日までくるわけなんです。ことしからまたそれで始まるであろう日米交渉で農産物の問題がいろいろ出てくると思うのです。それでまず、でん粉に対するガット裁定でとった政府の基本的な方針はこれからの対アメリカ等々を含めた交渉に当たって基本的に変わるものではないのかどうか、その辺のところをひとつお聞きをしておきたいと思っています。裁定に対するでん粉の基本的な認識、要するに拒否でしょう。その方針は基本的に今後も変わらないかとい
うことなんです。
#73
○鷲野政府委員 御案内のように厳しい交渉の末アメリカの輸入制限撤廃の要求を拒否いたしまして、輸入制限の存続と国内における関税割り当て及び抱き合わせ制度を維持するということにしたわけでございまして、今後、輸入アクセスの改善等によりまして運営面で手を加えていく必要はございますけれども、全体としての制度の基幹は維持をしていく考えでございます。
#74
○前島委員 基本的にはでん粉の自由化はあり得ない、こういうふうに認識してよろしゅうございますか。
#75
○鷲野政府委員 これから日米の再協議が開かれることになりますが、私どもは先ほどから何度か申し上げておりますとおり、国産の芋でん粉及び芋生産の状況を踏まえまして、制度の基幹を維持するよう適切に対処してまいりたいと考えております。
#76
○前島委員 その制度の維持という、それは別な問題なんで、基本的な認識として、でん粉の自由化は断固拒否していきますよ、その上に立って制度の問題でないと意味がないと思うので、そこを言っているんですよ。その辺の基本的な認識ですよ。認識、腹の問題、ここが大事なんです。それから、このでん粉に限らず次から次にこれから起こってくると思うので、その出だしのところのでん粉がまずあるので、そのことを言っているんですよ。大臣でもいいですよ。大臣言ってください、そこのところ。
#77
○鷲野政府委員 国内の芋でん粉及び芋生産に果たす現行の制度の重要性を十分認識して今後の交渉に当たりたいと思っております。
#78
○前島委員 大臣、そこのところを答えられませんか。これから芋でん粉を初めとして次から次にあり得ると僕は思うんですね。ですから、その出だしのところの腹構えを大臣ちゃんとしておってもらいませんと、なし崩しにいく、最後は恐らく米の二国間交渉にいって、というふうなこともいろいろ取りざたされている中で、この出ばなのしょっぱなの問題、これが抱き合わせ制度との兼ね合い等々もこれあって、出発点としてこのでん粉に対しては基本的にはそうしていくんだというところは、大臣から決意表明があってもしかるべきだと思うんですけれども、その辺どうですか。
#79
○山本国務大臣 お答えいたします。
 先ほど来、佐々木先生にも私の決意のほどは申し述べたとおりでございます。また今、先生と鷲野局長との間でさまざまな角度でお話し合いがなされたということでございます。そして、しかも今までの経過は私もずっと勉強させていただきましたら、非常に難しい状況をくぐり抜けて今日の状況がある。しかも、いよいよこれからまた本年は日米の都合のいいときにこれをやらなくてはならぬということでございます。先生のお話のとおり、これはすべての交渉事にやはりかかわってくるというふうに考えておりまして、従来の基本的な態度を崩さずに参りたいというふうに考えております。
#80
○前島委員 ぜひずるずるっといかないように、そこのところはお願いをしておきたいと思います。
 それで、いわゆるコーンスターチ、トウモロコシとの抱き合わせの関係の問題ですけれども、これはやはり糖化業界の実態、こちらの側にしますと、原料を外国に依存しているという形だから非常にこの辺の問題が大きな関心事になるだろうし、また国内のでん粉等々の生産者にしてみると、この問題がまた重要な問題になるという形で、双方やはりお互いに共存共栄、お互いに成り立つということが非常に重要なことだと私は思うんですよ。そういう面で政府の指導というものが非常に大きなウエートを占めてくるのではないか、私はこういうふうに思うわけでございまして、そういう意味で先ほどから、制度のと言うのはこの抱き合わせ制度のということを言わんとしているのだろうと思うけれども、この根幹は当然維持してもらう、これは当たり前のことだと思うのです。それで、国内的な糖化業界と生産農家等等との関係から見ると、難しいことかもしれませんけれどもやはり双方が並び立つような努力、それにおける役所の指導というものが大きなウエートを占めてくると思うので、先ほどの日米交渉の問題、それから抱き合わせ制度の関係、でん粉とトウモロコシとの比率の問題等々を含めて、役所として基本的にどういうふうな形――根幹、根幹と言ったって、具体的に言うと、その比率を変えるのか変えないのかから始まっていろいろあると思うので、その辺のところの今度臨むに当たっての対アメリカ、それと同時に国内の糖化業界、生産農家等々、両方を含めた形での認識といいましょうか基本的な態度というものをぜひお聞かせ願っておきたい、こう思うのです。
#81
○山本国務大臣 生産者はもとよりでございますけれども、大事な施行先の先生今御指摘の糖化業界、この意向等も十分お聞きをいたしまして対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
#82
○前島委員 質問を終わりますけれども、ともあれ調製品等々の問題についてはこれから大きな問題になると思いますので、それが生産農家を初めとするしわ寄せにならないようないろいろな工夫をしてほしいということが一つ。それから、自由化に伴って、私は、異性化糖の問題で影響がないということは絶対ないと思います。先ほど局長は、そんな大したことないよ、こう言ったって、これが自由化されれば、調製品等々を含めてそれに伴う新たな問題ということが絶対起こってくると私は思うので、単に価格政策だけではないいろいろな工夫、いろいろな方法を講じて国内の関係者に影響がないような努力をぜひしてほしいということが一つ。それと、抱き合わせ制度等々を含めて双方の意見を聞いて、双方の意向を尊重し、そして結果としてこの制度が成り立ち、その制度が成果を上げるようにぜひ政府の方の指導を心から要望して、ちょうど時間ですので終わりたいと思います。
#83
○石破委員長代理 東順治君。
#84
○東(順)委員 東順治であります。
 本法案の審議に先立ちまして、農政の基本問題に関しまして大臣にお伺いしたいと思います。
 去る三月二十二日の本委員会におきまして大臣のごあいさつにもございましたように、農林水産業が健全な国民生活を送る上で果たす役割には大変大きなものがございます。しかるに、我が国の農林水産業をめぐる現状には極めて厳しいものがあり、一体どうすれば農林水産業に従事する人々の経営と生活に長期の展望が開けるのか、関係者の将来の不安は殊のほか大きい、このように私は痛感いたしております。しかし、そんな厳しい環境の中にありましても、血のにじむような懸命な努力によりまして未来性をはらんだ新しい芽も、ごく一部においてではございますけれども生まれつつあることもまた事実でございます。経済社会の国際化という新しい時代を迎える中で、私は、こうした点の存在と言える今の新しい芽がやがてすくすくと育ち、線となり、面となり、そして一日も早く全国的に展開されるようになり、生産者はもとより消費者からも歓迎されるような農林水産行政が展開されることを切望するものでございます。
 それにいたしましても、今我が国の農業は余りにも厳しい事態に直面をしております。このことは、昨年新規学卒就農者が全国で二千百人に激減したということにも象徴的にあらわれております。農林水産省といたしましては、こうした現状を招いた原因をどのように分析をし、かつまた反省をしておられるのか、これを伺いたいと思います。
 また、大臣は、過日の同じあいさつの中で、農林水産行政の責任者として、我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意でございます、このように申されましたけれども、具体的にどのような施策を基軸とした農政を展開されようとしておられるのか、先ほども所信の中で触れておられましたけれども、まず御所見をお伺いしておきたいと思います。
#85
○山本国務大臣 お答えいたします。
 先生、今、点から線へ、線から面へと大変いい表現で御指摘がございました。私、就任してちょうど一カ月になります。その間、まず古きをたずねなくちゃいかぬというので一生懸命勉強もいたしました。勉強すればするほど、農業の現況は難しい、そしていろいろな施策を講じてはきたが、その中には努力が実ったものもあるし、試行錯誤もあったということなども勉強の中でつらつら反省しております。
 そこで申し上げますが、我が国の農業は、中小家畜や施設野菜など施設型専門部門において経営規模の拡大が進んできた、こういうふうに見られるわけでございます。ところが、稲作等の土地利用型農業部門では経営規模の拡大がなかなか進まなかった、このことが生産性の向上が立ちおくれたことにつながっているという認識であります。そういう認識のもとで、これら土地依存度の高い農産物の価格が国際水準に比べて、先ほど来申し上げておるとおり、どうしても割高になっておる、内外価格差の縮小が求められているゆえんがそこにある、こう思っております。しかし、これは先ほど申し上げましたが、一朝一夕にすぐ農業の生産性向上というものはあり得ない。やはり時間をかけて長年積み重ねていく、その努力を今までも続けてきたし、今後もたゆみなく続けていく以外にないと思っております。そこで国民全体の理解を得ながら、農家の経営規模の拡大、あるいは生産組織の育成、農業生産基盤の計画的整備、あるいはバイオ等の新技術の開発、普及、こういうことを総合的に、しかも積極的にきめ細かくやりながら生産性の向上を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、先日来ごあいさつでも申し上げ、先ほども施政方針の中で申し上げましたが、日本農業の将来というものは特に若手に対して、希望があるんだぞ、我々もしっかりやるから皆さんも頑張ってくれ、こういうことでやっていかなければならない。ただ精神鼓舞だけではだめですから、声だけではだめですから、国土が狭くてぐあいが悪い、規模拡大が進まない、こういうことについては、いや、狭いけれども南北に延びている、しかも高温多雨である、気象条件から考えると、これをひっくり返せばバラエティーに富んだ農業の展開ができるじゃないか、変化に富んでいるじゃないか、こういう言い方もできる。それから、つくる場合には結局食べていただくわけですから、食べてもらうためには消費市場がどれだけあるかということにもなるので、日本の場合には非常に経済も進んでいるわけでございますから、世界有数のでかい消費市場が国内にある、ですから、つくって消費者と結びつければ十分消費を高めることができる。あるいは農業者自身がレベルが非常に高い。教育水準が高い。ですから、農業に対するさまざまな仕事をそのレベルの高い農業水準の中で、教育水準の中でできるじゃないか。しかも技術的にはバイオの技術というものが最近非常に発達しまして、それらも含めて、日本の新しい農業展開ということは十分できるというふうなことを、後継者を含めて農業に従事する方々に積極的に働きかけていく。
 また、指針といたしましては「農産物の需要と生産の長期見通し」、先般閣議で決めたものがございますから、それらに即しながら足腰の強い農業あるいは住みよい農村づくりというふうなことを、事に臨んで時に応じて呼びかけまして、そして具体的な実践の中でこれを果たしてまいりたい。幸い補正予算を御審議いただき御可決をいただきましたが、また二年度もこれから予算審議をいただきながら、その施策を予算の裏づけのもとに進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#86
○東(順)委員 では、本法案についてでございますけれども、本法案に基づく措置は、平成二年四月一日から異性化糖等の輸入が自由化されることに伴いましてこれら輸入の異性化糖等からも調整金を徴収するということは、国内産異性化糖等から調整金を徴収している現状から見まして私も当然のこととは思います。
    〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、本法案の審議に際しまして、甘味資源政策をめぐる諸問題につきまして若干質問させていただきます。
 まず甘味資源政策についてお伺いいたしますけれども、砂糖業界の構造改善措置については、昭和五十八年十月から約五年間、特定産業構造改善臨時措置法によって定められました構造改善基本計画に基づいて実施されてきております。同法は六十三年六月に廃止をされておりますけれども、現在砂糖業界の構造問題が一体どういう状況にあるのか、この辺を御説明願いたいと思います。
#87
○鷲野政府委員 砂糖の精製糖業界でございますが、今先生御指摘のとおり、昭和五十八年に産構法の指定を受けまして構造改善基本計画をつくりまして、基本計画の中で合計百万トンの設備の廃棄をするという方針のもとに取り組みました結果、目標に対して九割の達成率で九十万トンの設備の廃棄、工場数も二十九工場を二十一工場に減らすというかなり思い切った構造改善を実施したわけでございます。産構法の期限切れをもってこの措置は終了したところでございますが、現段階でも精製糖業界全体としての溶糖能力と申しますか設備の稼働実数が大体二百万トンでございます。これは、南の方のサトウキビは粗糖として生産されましてそれを国内の精製糖企業がリファインしているということもございますので、そういうものも合わせまして約二百万トンでございます。それに対しまして現有の設備が二百九十万トン程度でございますので、設備の稼働率としては七割程度ということで、現状においてもなおなお構造改善を行う必要があるわけでございます。私ども、産構法の期限は終了しましたけれども、今後とも、砂糖精製業界がこの構造改善をみずからの問題としてとらえましてこれを推進していく必要があると考えておりまして、そういったことを業界に要請をするとともに指導をしているところでございます。
#88
○東(順)委員 平成元年の八月四日に甘味資源審議会が「国産糖企業については、最近の砂糖を巡る諸情勢にかんがみ、コスト低減と企業体質の一層の改善を指導すること。」このように建議をしておりますけれども、今日もなお問題が残されていることをこういう形で指摘をされておるようでございます。このコストの低減、そして今もお触れになりましたけれども、企業体質の改善ということにつきまして、現実にどのように取り組まれておるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#89
○鷲野政府委員 ただいま申しましたように、精製糖業界についてはそういった構造改善をかなり思い切って実施している。それに対しまして国内産糖企業の方はどうか。これは従来からその合理化をあわせて進めるべきであるということは課題でございまして、諸審議会の建言等でもそういった御指摘を受けておるところでございます。国内産糖企業は、現在てん菜糖が北海道に三社八工場、甘蔗糖の方は、沖縄、南西諸島にほぼ島ごとに一つずつ工場が設置されておりまして、十九社二十三工場が立地しております。こういった国内産糖の企業につきましても目標生産費を設定しまして、これを努力目標といたしましてこれまでも経費全般の節減に努めてはきたところでございます。
 ちなみに申しますと、これまでの五十六―五十八年度の実績に対します六十一年度から六十三年度の実際の合理化の割合が、てん菜糖企業の場合には一二%程度、それから甘蔗糖企業の場合が六%程度ということで、それなりに経営合理化の努力をしていることも確かでございます。それで、昨年九月、平成五砂糖年度を目標年次とする新しい目標生産費を設定したところでございまして、これを今後の新しい目標としましてさらに経営合理化を進めるように適切な指導に努めてまいりたいと考えております。
#90
○東(順)委員 こういうコスト低減、経営合理化、それが我が国の砂糖価格にそのままつながるわけでございますけれども、確かに現在の我が国
の砂糖価格はほかの農産物と同様、国際的に見ますとやはりかなり高い水準にある。この内外価格差という問題がございます。この内外価格差の是正について、今質問いたしました業界の合理化対策とあわせて、国内のサトウキビやてん菜を生産している農家の経営と生活の維持向上を図りながら進めなければならない、こういう困難さを伴っているわけで、これは本当に大変なことだと思います。そこを十分承知はしておりますけれども、この内外価格差の是正という課題に対してこれからどのように対処されていかれるのか、よろしくお願いしたいと思います。
#91
○鷲野政府委員 先ほどから種々御議論が出ておりますように、内外価格差問題というのはやはり砂糖政策を進める上で非常に大きな課題でございまして、私どもは今後ともこの着実な是正というものを図っていかなければいけないと思っております。先ほども申し上げた繰り返しになるのでございますが、昨年一年をとりましても、砂糖消費税の撤廃、さらにはコストの切り下げによりまして、合計して二十一円のコストの切り下げを行っておりまして、それを消費者価格に反映させておるところでございますが、今後ともこの是正については努力をしてまいりたいというように思っております。
#92
○東(順)委員 続きまして、先ほどからもお話が出ておりましたサトウキビの品質取引への移行についてお伺いをしたいと思います。
 先ほどの建議の中で「さとうきびについては、国、県、市町村、農業団体、糖業者が一体となって、生産性及び品質の向上への取り組みを一層進めるとともに、これまでの取り組みを踏まえ、本年産さとうきびの価格決定時において、品質取引への移行時期を明示するよう取り進めること。」こうございます。聞くところによりますと、先ほどからも話が出ておりましたけれども、平成六年度産からこの移行を導入する、このように伺っております。これは事実でしょうか。また、事実とすれば、この平成六年度産までの移行期間を何ゆえ五年間というふうに定めたのでしょうか。そういう理由についてまず伺いたいと思います。
#93
○鷲野政府委員 およそ商品というものは本来的には品質に応じた取引がなされるというのが通例でございます。ただ、てん菜にしましてもサトウキビにしましてもいろいろな経緯がございまして、これまで長い間重量取引が行われてきたところでございますが、てん菜につきましては、関係者合意の上六十一年産から品質取引に移行をいたしまして、その結果、歩どまり等が目に見えて向上しまして、そのメリットは生産者、糖業者両方に反映された、こういうことでございます。サトウキビにつきましては、これまたてん菜とは別種の事情もございまして、なかなか一気に品質取引へ移行するということも難しいことは確かでございますが、これもかねてからの検討課題になっておりました。農政審議会や甘味資源審議会等でも何回か御提言等をいただいて検討してきた結果、一昨年の価格決定時に、次の年には品質取引移行への時期を決めるようにしようということが取り決められまして、そして昨年十月の価格決定時に五年間の準備期間を置いて平成六年産から移行をするということが決まったわけでございます。
 この五年という時期につきましては、もっと短い方がいいとか、あるいはできるだけ長い準備期間を置いてくれ、いろいろ意見はあったのでございますが、サトウキビにつきましては、その品質取引を行う場合の品質の測定方法、あるいは地域的な糖度のばらつきの問題、あるいは品種改良や作付体系を変えていかなければならぬとかいろいろな問題がございまして、関係者、これは国、県のほかに生産者団体、さらには糖業者も入って種種相談をしました結果、五年の準備期間が適当であろう、この五年の準備期間の間に諸準備を完了して、円滑に品質取引へ移行をしようじゃないか、そういうことでこの五年ということに決めたわけでございます。
#94
○東(順)委員 品質取引への移行ということで、結局は現地の生産者の人たちが大変に心配をされている、こういう大きな問題があるわけでございます。特に離島、そういう地域での品質向上のための施策というのは大変な困難が伴うだろう、果たしてこれが本当にうまくいくのかどうか、また、例えば品質の改善のためには品種の改良、それから基盤整備、こういったことが必要になってくるわけで、これも決して容易な課題ではなかろう、このように思います。この重量取引から品質取引へ移行するという段階で、農家の中には、果たしてうまくいくのか、収入が減ってしまうのではなかろうか、こういういろいろ心配の向きが現実にあるようでございます。したがいまして、この品質取引への移行をどのようにそういう不安感を除きながら進められていくのか、こういったところを生産者としては、納得のいく御答弁、ぜひこういうものを聞きたい、このように思っていると思います。ぜひとも明確な答弁をお願いをしたいと思います。
#95
○鷲野政府委員 五年間という準備期間を設けたというのも、この五年間という十分な準備期間を設けた上でそれについてのいろいろの問題点の解明を行いまして、平成六年産移行時には円滑な移行を果たしたい、そういう趣旨でございますが、いずれにしてもこの五年間のうちにそういう諸準備を完了する必要がございますので、まず国の段階で、国、県――県は鹿児島県及び沖縄県両県でございます。それから生産者、糖業者、この四者でもって組織をしますサトウキビ品質取引推進連絡協議会というものを設置しまして具体的な対応策の検討に入っておるところでございます。それからまた県段階におきましても、鹿児島県、沖縄県両県がそれぞれ協議会を設けまして、地域の実情に応じた具体的な対策、例えば品質の測定方法でありますとか、あるいは品質取引に関する啓蒙宣伝の問題でありますとか、栽培技術等の普及の問題とか、こういったものについての検討を進めているところでございます。また、先生御指摘のような生産基盤の整備とかあるいは品質の改良対策とか、こういったような生産対策もあわせて講ずることによりまして平成六年産への円滑な移行を進めてまいりたいというふうに考えております。農家の不安につきましてはそういった過程で払拭をするように努力をする考えでございます。
#96
○東(順)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、離島農業ということをやはりしっかりと踏まえまして、品質取引への移行ということの中から生産性を向上させていくために、しっかりと今後とも格段の努力を傾けていただきたい、このように要望するものでございます。何とぞよろしくお願いいたします。
#97
○亀井委員長 藤田スミ君。
#98
○藤田(ス)委員 私に与えられた時間はわずか十二分でありますので、できるだけ御答弁は簡潔にお願いをしておきたいと思います。
 それでは、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。
 今回のこの法案は八八年の農産物十二品目の自由化合意の中のその他の糖類・糖水の自由化を実施するための法案であることは先ほどからの御説明でも明らかでありますが、今回の自由化には砂糖関連で砂糖を主成分とする調製品もこの四月からの自由化の対象になっておりまして、まさに日本の甘味資源農家にとっても、また関連する中小の企業にとりましても深刻な打撃は必至であると考えます。十二品目、牛肉輸入自由化に対しては、もちろん当時多くの農民が反対をしたわけであります。この自由化に体を張って抗議をするということでみずからの命を絶たれた農家の方もいらっしゃいました。その後、昨年の参議院選挙における自民党の大敗、そして今回の総選挙における自民党の農政幹部議員の相次ぐ落選に示されるように、農民が農産物自由化路線に対して依然として厳しい批判と怒りを持っていることは明らかであります。しかしながら、この十二品目の自由化については政府自身は全く国会に諮ることもなく決め、そして自由化直前になって、この自由化を推し進めるために今回この法案が提出されてき
たわけであります。
 大臣にお伺いいたしますが、私は、選挙で示された農産物自由化路線に対する厳しい国民の批判を率直に受けとめるならば、この法案の提出条件ともなっている糖類・糖水及び砂糖を主成分とする調製品の自由化、これをまず撤回することこそ民意に沿った政治だ、こういうふうに考えるわけでありますが、いかがでしょうか。大臣にお伺いをしたいわけです。
#99
○山本国務大臣 お答えいたします。
 せっかくの藤田先生のお話でございますけれども、見解を異にいたします。一生懸命やっていることに変わりはありません。撤回をする意思はございません。
#100
○藤田(ス)委員 私は、そういう姿勢では、政府が自給率の向上をするんだなどとせんだっても海部総理が大いに言っておられるわけで、それは選挙の中でも言われましたけれども、とてもそういう方向に進まない、本当に残念なことだと思います。そして私は、この自由化を撤回しさえすればこのような法案は要らないんだと改めて強調をしておきたいと思います。
 甘味資源農家にとって十分なものとは言えない現在の糖価安定制度を拡充強化することが非常に重要であるということは、我が党は従来から主張してまいりました。この糖価安定制度に対しては、御承知だと思いますが、かねてから財界からも攻撃がかけられております。その中には、国内産糖育成のための精製糖業界が負担している調整金と安定資金積立金の支出を軽減すること、あるいはまた、国内産糖の合理化を推進し、ビート糖の生産制限を、あるいはまた九州、沖縄の甘蔗糖の糖安法からの切り離し、こういう制度の根幹を揺るがすような要求が出てきているわけであります。私は、この際、農水省はこうした声に対してどのようにお考えか、お伺いをしておきたいわけであります。
#101
○鷲野政府委員 糖安制度につきましては、御案内のように昭和四十年にこの制度ができ上がりまして二十五年たったわけでございますが、この間二つの大きな機能、すなわち北海道及び沖縄、南西諸島の重要な畑作基幹作物であるてん菜とサトウキビに対する価格支持、これによる生産の振興、安定化という一つの機能と、それからもう一つは、国際的に変動しやすい国際的な砂糖の市況の振れを直接国内に持ち込まないで国内の糖価の安定を図る、それによって消費者等の利益に資するというこの二つの大きな機能を持っておりまして、こういった糖価安定制度につきましては、今後とも、運用の改善はともかくとしまして、制度については維持すべきであると考えております。したがって、サトウキビの切り離し等の制度の基幹に触れる点については、全くそういう考え方はございません。
 それから、ビートの生産制限というお話がございましたが、これにつきましては、御案内のように、六十一年から北農中央会や道庁も入って七万二千ヘクタールという作付指標をつくりまして、これに基づく計画生産を行っている。こういったことは続けてまいりたいと考えております。
 それから、調整金の水準なり単価の問題でございますが、調整金の単価に絡む要因というのはいろいろな要因がございますけれども、基本的に、調整金の単価がふえるということは国内の糖価水準を引き上げるということになりますし、それがまた内外価格差の拡大ということにもつながるわけでございますので、調整金単価の適正な水準の維持ということは、これからも運用上留意していかなければならない問題だと考えております。
#102
○藤田(ス)委員 いろいろお答えになりましたが、甘蔗糖の糖安法からの切り離しは全く考えていない、これは一つ確認をしておきたいと思います。
 それから、調整金の水準維持ということで事実上調整金も減らしてきておりますし、ビート糖の生産制限ということですが、生産者団体が勝手にやっているかのようなことをおっしゃいますけれども、これは明らかに政府の指導によるものでありまして、まして国内産糖の相次ぐ価格の引き下げ等々考えますと、財界の要求に農水省自身も歩調を合わせてきたことは否めない事実であるというふうに考えます。しかし、この糖価安定制度を拡充強化するために必要なことは、先ほどからも議論がありますが、加糖調製品の輸入を抑制するとともにこれを糖価安定制度に取り込む、こういうことではないでしょうか。今日では、八八砂糖年度を見ましても、調製品、製品の形で日本に流れ込んだ砂糖は推定で十六万トンと言われておりまして、実に国内の砂糖需要の六%を占めております。そしてこれがふえる理由は、これらが糖価安定制度を通らないために安く手に入れることができる、こういうことだからであります。したがって、糖価安定制度を守るという立場から考えるならば、こういう加糖調製品を糖価安定制度に取り込んでいかなければならない。これは早急にやらなければならないことだと考えますが、いかがですか。
#103
○鷲野政府委員 糖価安定制度というのは、そもそもが砂糖、異性化糖という糖類の一種で、かつ重要な品目で、かつ砂糖との代替性が非常に強い、そういった商品に特定しまして種々の価格調整を行う、そういう制度でございます。加糖調製品につきましては、これはもう既に大部分が輸入自由化されておるところでございます。今回、その他いろいろな雑多な加糖調製品があった中の砂糖の含有率が五〇%以上のものが自由化されることになっておりますけれども、いずれにしましても、そういうことで既に自由化はしている、あるいは今回四月一日から自由化が決まっているということでございます。また、これらの品目の関税につきましても、ガット上バインドされたものが多うございまして、これを糖安制度の中へ入れるとか新たな輸入規制措置を強化することは非常に難しいということでございます。
#104
○藤田(ス)委員 しかし、これをいつまでも静観しておくわけにはいかないでしょう。同様な問題は、特に今回自由化する砂糖を主成分とする調製品、先ほどおっしゃった五〇%以上、自由化したというこの調製品に対しては、今回の措置では、砂糖の含有量が全重量の八五%以上のいわゆる砂糖の類似品で小売容器に入っていないものについては、現行の三五%の税率から一キログラムについて九十円に引き上げる、こうなっているのですが、しかしこれは抜け穴がとても大きいわけですね。例えば、砂糖八五%以上ですから、八四%にとめて、そうしてブドウ糖一五%、それに化学物質を一%、こういうことになると、この九十円という関税はかかってこないわけであります。そうでしょう。税金はかかってこないわけです。そうなると、結局どんどんそういうことで入り込んでくるわけですよ。したがって、八五%の含有率のこんなハイレベルのものをもっと引き下げるか、あるいは糖価安定制度に早く取り込んでいかなければ、糖価安定制度そのものがなし崩しにされてしまう。私は、再度その点について御意見をお伺いいたします。
#105
○鷲野政府委員 加糖調製品につきましてはいろいろな商品が想定されるわけでございますが、今回自由化されることになるその他の加糖調製品の中で代替商品として今でも考えられるものとしては、例えば食用ゼリー等がございます。こういったものはゼリー分が相当部分でそれに砂糖が入ってくるということで、これは一つの特定した商品で、また用途も限られております。そういうことで私どもは疑似砂糖的なものは抑えたいということで、含糖率が高いもの、そこの基準を八五%ということに置きまして、それについては九十円という高関税を設定するということにしたわけでございます。
 なおつけ加えて申し上げますれば、この関税はもう既にガットにバインドされておりましたので、全体としてどうこうということはできませんが、その部分について特に疑似砂糖的なものについて税金を高くする、その他のものについては若干の譲歩をしまして、全体としてこういう仕組みをつくったということでございます。御理解をい
ただきたいと思うのでございます。
#106
○藤田(ス)委員 私は、そういう姿勢こそ今本当に改めて真剣に対応しなければ、この制度そのものが風穴がいっぱいあけられて稼働しないものになり、犠牲は一方的に生産者や国内の関連業者にかかってくるだけだということを重ねて申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#107
○亀井委員長 小平忠正君。
#108
○小平委員 既に長時間各党の先生方が質問をされまして、論議は十二分にされたかとは思いますが、私にも質問の機会を与えられましたので、重複すると思いますが若干私からも質問させていただきます。
 今回の異性化糖の輸入自由化については、糖化業界あるいは原料生産農家に不安感を持たせないことが特に重要であると思います。また、特に生産規模が大きい北海道農業においては、多大な傾斜配分という大きな犠牲を払って減反をして転作に努めてまいりました。そういう中で作物間の作付面積の調整が大きな問題でありますが、食糧基としての北海道の将来の展望についてどのようにお考えか、大臣の御所見をお伺いします。
#109
○鷲野政府委員 てん菜が北海道の寒冷地の畑作における基幹的な作物であり、かつ輪作体系の重な一環であるということはもう十分承知しているところでございます。今後とも、諸般の生産対とあわせて、糖価安定制度の適正な運用等を通じてこのてん菜の生産の振興確保に努めてまいりたいと思っております。
#110
○小平委員 私は大臣に基本的な姿勢について、今の糖価安定法の改正以前の問題として、北海道という地帯が大きな転作を強いられてきりきりした状態に置かれています。そういう中で、今、後段この北海道のてん菜の割り当て等の問題についても質問したいと思ったのですが、その前段にお尋ねしたいと思ったわけです。ひとつ大臣、このような状況なものですから、どうぞそれについてよろしくお願い申し上げます。
 次に、四月一日からの異性化糖の輸入自由化によっててん菜や甘蔗などの生産調整が厳しくなるのではないかとの生産農家の不安が多大にありますが、当該改正でそれについて十分に対応できるかどうか、お聞きをいたします。
#111
○鷲野政府委員 今回の自由化に対しましては、関税の引き上げとあわせましてただいま御審議をいただいております調整金の徴収の措置を開くこととしておりまして、これによって輸入自由化に備える国内措置としては十分効果があると考えております。生産者の方に不安等がある点については、今後ともそういったことについてはよく指導をするとともに、特にてん菜につきましては、ただいま北農中央会等が中心になって進めておられます計画生産について今後とも続けてまいりたいと思っております。
#112
○小平委員 今計画生産というようなことをおっしゃいましたが、今北海道ではてん菜ということで七万二千ヘクタールの作付をいたしております。その中でのいわゆる不安感を取り除いてもらうことが大事だと思って質問したわけです。
 次に、今の輸入自由化に伴う関連の質問でありますけれども、国内産異性化糖は生産量の面で輸入異性化糖に大きな影響を受けると思います。本改正によって調整金の徴収並びに関税措置法の改正による関税の引き上げ等がございますが、国内産異性化糖の競争力はこれによって十分に確保できるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
#113
○鷲野政府委員 まず、異性化糖は性状が液状でございます。それから、品質的に壊れやすい点がございまして、長期の輸送、長期の保存に耐えないという特徴と申しますか欠陥を持っていることは御案内のとおりだと思います。そういうことで、これまで輸入制限を行っておりましたもとでは全く輸入はなかったわけでございます。今回輸入自由化になりまして輸入されてくる可能性はあるわけでありますけれども、御指摘のように関税措置それから調整金の徴収という措置をとるならば、国内産異性化糖が海外の異性化糖に競争する力は備えられるんじゃないかというように見ております。先ほどもちょっと申し上げましたが、可能性のあるものとしてはアメリカと韓国あたりだと思いますが、こういった国内での異性化糖の価格、さらにそれに運んでくる運賃、関税、それから調整金等を加えますれば、競争できるというように私どもは考えております。
#114
○小平委員 今局長さんから競争できると考えておられるというように御答弁ございましたが、ぜひ競争できるようにひとつよろしくお願い申し上げます。
 今前段に少しくお話ししましたけれども、現在てん菜、いわゆるビートは北海道では七万二千ヘクタール、またサトウキビは沖縄、鹿児島で三万四千ヘクタールの作付となっております。ところで、甘味資源審議会においても基盤整備の推進等を指摘しております。生産農家が希望を持って農業を営むことができるようにすることが特に肝要であると私は考えます。糖価安定制度の中でてん菜七万二千ヘクタールを維持することが必要でありますが、生産性向上の見地から土地改良なり基盤整備の推進に大いに努めるべきと考えるが、いかがでしょうか。
#115
○片桐政府委員 御指摘のとおり、てん菜の生産性向上のためには土地基盤の整備が非常に重要であるというふうに考えております。従来から、てん菜の生産地域である北海道の農業基盤整備につきましては補助率等において優遇措置を講じて、てん菜を初めとする畑作の生産性向上を図るため、農業用水源の確保とかかんがい排水施設、農道、こういう各種の事業を実施してきているわけでございます。平成二年度の予算案におきましても、北海道の農業基盤整備費といたしまして千六百五十二億円余の金額を確保することといたしておりまして、今後とも生産性向上を図るため、地元の意向を踏まえつつ各種の農業基盤整備事業の推進に努めてまいる所存でございます。
#116
○小平委員 次に、でん粉についてお聞きいたします。
 今でん粉は、抱き合わせ販売制度と二次税率を採用しているとともに、いわゆるIQ品目となっております。先ほども御質問ありましたが、私からも特にこの点重ねてお聞きいたしますが、今年度、一九九〇年度に米国と先に向けての再協議をすることになっております。私は皆さんと同じように、このでん粉は断固自由化はすべきでない、このように考えますけれども、政府の方針を重ねてお聞き申し上げます。
#117
○鷲野政府委員 でん粉問題につきましては平成二年度のうちに日米再協議をするということになっているのでございますが、でん粉の原料となるカンショ、バレイショの生産状況等を踏まえつつ、現行制度の根幹を守るよう対処してまいりたいと考えております。
#118
○小平委員 時間が参りましたので、最後に、でん粉というものはいわゆる甘味料というものだけではなくて、日本の中においては米とか麦に続きます大事な食糧源でございます。いわゆるバレイショ、カンショ、こういう重要な品目であります。そんなわけで、今後ともぜひこれについて自由化にならないように極力御努力いただけることを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#119
○亀井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
#120
○亀井委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。石破茂君。
#121
○石破委員 私は、自由民主党を代表して、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案について賛成の討論を行うものであります。
 現在の糖価安定制度のもとでは、国内の糖価の安定を図り、国内産糖の価格支持を行うため、蚕糸砂糖類価格安定事業団への売買を通じ、輸入砂糖及び国内産異性化糖から調整金を徴収し、国内産糖に対し価格差補てん金が交付されているところであります。
 このような状況の中で、昭和六十三年七月の日米協議により、異性化糖及び砂糖混合糖が本年四月一日から輸入自由化されることとなっております。
 そこで、この輸入自由化に対処し、これら輸入異性化糖等について、国内産異性化糖及び輸入砂糖が調整金を負担していることとの均衡を図る必要があり、このため、早急に本法案に基づく措置を実施する必要があります。
 すなわち、本法案は、輸入異性化糖等を新たに事業団売買の対象に追加し、所要の調整金を徴収する措置を講ずるものであり、これにより、現在の国内産異性化糖等の負担との均衡が確保されるものと考えております。
 以上のように、本法案が早急に成立し、所要の措置が講じられることが、輸入自由化に伴う国内甘味産業及び国内糖価の混乱の防止を図るため、必要不可欠と考えられますので、本法案に賛意を表明しまして私の討論といたします。
#122
○亀井委員長 藤田スミ君。
#123
○藤田(ス)委員 私は日本共産党を代表して、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 この法案が糖価安定法に新たに取り込もうとしている混合糖及び異性化糖等は、そもそも我が党が強く反対した八八年七月二十一日の農産物十二品目の日米自由化合意の中の品目の一つであるその他の糖類・糖水に該当するものであります。九〇年四月一日に貿易管理令改正によりIQが撤廃され、自由化がなされようとしています。これらの糖類の自由化によって、国内の甘味資源生産農家と中小製糖メーカーはその存立を大きく脅かされております。
 こうしたときに、四月一日からの政府の自由化措置を当然のこととして是認させ、その自由化のための前提条件を整備しようという本法案には到底賛成することはできないわけであります。
 砂糖関連の自由化措置は、この法案だけでなく、輸入異性化糖及び混合糖について関税率の引き上げ及び一年ごとにその関税率を一〇%ずつ引き下げる内容の関税定率法の改正や、同じく十二品目で自由化が決められた砂糖調製品の関税率引き上げのためのガット許諾案件などが関係委員会に提出されており、我が党は、これら一連の自由化措置に明確に反対をしているのであります。
 最後に、糖価安定制度自身について言えば、これが自由化の代替になり得ることは毛頭ないとしても、輸入粗糖に対する調整金により、甘味資源生産農家を初め国内生産の一定の保護を図るもので、この趣旨はますます生かされ、拡充強化されなければならないことは当然であります。むしろこの点では、財界の内外価格差圧縮の名による制度改悪のねらいは断じて許してはならないということを強調して、私の討論を終わります。
#124
○亀井委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#125
○亀井委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#126
○亀井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
#127
○亀井委員長 この際、本案に対し、大原一三君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。前島秀行君。
#128
○前島委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表して、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、本年四月からの異性化糖等の輸入自由化により、国内糖価及び国内甘味市場に混乱が生じないよう、その運用に万全を期すとともに、左記事項について遺憾なきを期すべきである。
     記
 一、糖化業界については、国内産いもでん粉の円滑な消化に寄与していること等にも留意し、同業界の秩序ある健全な発展が図られるよう指導に努めること。
 二 国内産いも類の需要拡大を図るため、でん粉原料用に併せて、今後増加が期待される加工食品用への用途開発を積極的に推進すること。
 三 加糖調製品の輸入については、その動向を注視し、国内の砂糖需給に悪影響を及ぼすこととならないよう努めること。
   右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の経過等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
#129
○亀井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 大原一三君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#130
○亀井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山本農林水産大臣。
#131
○山本国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
    ─────────────
#132
○亀井委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#134
○亀井委員長 次回は、明二十八日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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