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1990/04/17 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 地方行政委員会 第7号
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1990/04/17 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 地方行政委員会 第7号

#1
第118回国会 地方行政委員会 第7号
平成二年四月十七日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 島村 宜伸君
   理事 石橋 一弥君 理事 今井  勇君
   理事 谷  洋一君 理事 野中 広務君
   理事 中沢 健次君 理事 小谷 輝二君
      愛野興一郎君    田辺 広雄君
      中谷  元君    長勢 甚遠君
      福永 信彦君    古屋 圭司君
      星野 行男君    前田  正君
      増田 敏男君    松岡 利勝君
      小川  信君    小林  守君
      須永  徹君    谷村 啓介君
      筒井 信隆君    安田 修三君
      河上 覃雄君    吉井 英勝君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     奥田 敬和君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       浅野信二郎君
        警察庁長官官房
        会計課長    田中 節夫君
        警察庁刑事局保
        安部長     加美山利弘君
        警察庁交通局長 関根 謙一君
        警察庁警備局長 城内 康光君
        自治大臣官房長 小林  実君
        自治大臣官房総
        務審議官    芦尾 長司君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      小島 重喜君
        自治大臣官房会
        計課長     田中 基介君
        自治省行政局長 森  繁一君
        自治省行政局公
        務員部長    滝   実君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
        自治省財政局長 持永 堯民君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
        消防庁長官   木村  仁君
 委員外の出席者
        厚生省社会局保
        護課長     炭谷  茂君
        農林水産大臣官
        房参事官    山口 勝朗君
        通商産業省産業
        政策局大規模小
        売店舗調整官  金子 和夫君
        資源エネルギー
        庁石炭部産炭地
        域振興課長   古賀 英宣君
        労働省労働基準
        局監督課長   氣賀澤克己君
        労働省職業安定
        局外国人雇用対
        策室長     吉免 光顕君
        建設省建設経済
        局宅地企画室長 木村 誠之君
        建設省都市局都
        市再開発課長  安達常太郎君
        建設省都市局公
        園緑地課長   曾田ひさ嗣君
        建設省河川局水
        政課長     徳山  直君
        建設省住宅局市
        街地建築課長  島崎  勉君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
    ─────────────
委員の異動
四月六日
 辞任         補欠選任
 愛野興一郎君     小此木彦三郎君
同日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     愛野興一郎君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     松本 十郎君
同日
 辞任         補欠選任
  松本 十郎君     愛野興一郎君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件
     ────◇─────
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 この際、奥田国務大臣から所管行政の当面する諸問題について説明を聴取いたします。奥田国務大臣。
#3
○奥田国務大臣 委員各位には、平素から地方行政及び警察行政の推進に格段の御尽力をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして所信を申し上げ、各位の深い御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 さて今日、我が国社会は、高齢化、国際化、情報化が急速に進みつつあります。今日の地方行政は、このようにさまざまな面で大きな変貌を遂げつつある社会情勢に的確に対応しつつ、個性豊かな活力ある地域社会の実現を図ることが期待されており、地方公共団体の果たす役割は、一層増大するものと考えられます。
 一方、地方自治を取り巻く行財政環境には、依然として厳しいものがありますが、国・地方を通ずる行政改革と地方財政の健全化を一層進めていくとともに、今後とも地方税財源の確保を図り、各地域において住民が誇りと愛着を持てるふるさとづくりを推進するための施策を積極的に展開していかなければなりません。
 私は、二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため、最大限の努力を払ってまいる所存であります。
 東京への一極集中化傾向が強まっている中、全国各地域がそれぞれの特色を生かした地域づくりを進めることにより、多極分散型国土形成を実現していくふるさと創生の推進が、国・地方を通ずる内政上の重要課題となっております。
 現在、「自ら考え自ら行う地域づくり」事業(いわゆる一億円事業)等を契機として、全国各地域において、自主的、主体的な地域づくりの芽が育ちつつありますが、この芽を大きく育て、大輪の花を開かせていくため、地域づくり推進事業を創設するなど、ハード、ソフト両面にわたる総合的な支援策を展開し、ふるさと創生の一層の推進を図ってまいります。
 また、外務省及び文部省と共同で実施している語学指導等を行う外国青年招致事業(JET事業)の招致人数を増加させ、地域レベルでの国際交流の進展と外国語教育の充実を一層推進してまいる所存であります。
 さらに、情報の地域間格差を是正し、住民福祉の向上と地域の活性化を図るため、全国の地方公共団体間に構築される衛星通信ネットワークの整備を初め、地方公共団体が実施する高度情報化推進事業を積極的に支援してまいりたいと存じます。
 次に、地方行政の充実について申し上げます。
 地方公共団体が、その機能を十分発揮し、住民福祉の向上、ふるさと創生の実現等を進めてまいるためには、国・地方を通ずる行財政の簡素効率化を図るとともに、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図っていく必要があります。
 昨年十二月に臨時行政改革推進審議会から、国と地方の関係等に関する答申がなされ、個別の事務権限の地方移譲を初め国の関与の緩和等に関する具体的な提言も行われたところでありますので、これらの改善の着実な実施を期するとともに、引き続き地方分権が一層推進されるよう努力してまいります。
 地方公共団体における行政改革につきましては、これまでも自主的、総合的な取り組みがなされてきているところでありますが、今後さらに事務事業の見直し、組織・機構の簡素合理化、給与・定員管理の適正化等が積極的、計画的に推進されるよう強力に指導してまいりたいと考えております。
 次に、地方財政に係る施策について申し上げます。
 地方財政は、六十七兆円を超える借入金残高を抱え、これらの償還が今後の大きな負担となるなど依然として厳しい状況にあり、一方では、多極分散型国土形成の推進、高齢化社会への対応等の重要課題について地方団体がますます大きな役割を担うことが求められており、こうした面での財政需要の増大が見込まれるところであります。
 このため、平成二年度においては、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実等を図るため、地方交付税等所要の地方財源を確保するとともに、中期的視点に立って地方財政の健全化を図るため、交付税特別会計借入金の返済、財源対策債償還基金に対する財政措置等を講じることとしたところであります。
 今年度の地方財政計画は、以上の措置を前提としつつ、おおむね国と同一基調により節度ある行財政運営を行うことを基本とし、次のような方針に基づき策定いたしました。まず、歳出面におきましては、地域住民の福祉の充実と地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを推進するため必要な事業費の確保に配慮する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することであります。また、歳入面におきましては、地方債の抑制に努めるとともに、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額を確保することであります。
 なお、国庫補助負担率の暫定措置及び国民健康保険制度の見直しに係る影響についても地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう措置することとしたところであります。
 この結果、今年度の地方財政計画の規模は、歳入歳出とも六十七兆千四百二億円となり、前年度に比べて七・〇%の増となっております。
 また、地方公営企業につきましては、社会経済情勢の変化、住民ニーズの多様化等に的確に対応しつつ、住民生活に必要なサービスの安定的供給を確保していくため、経営の健全化、活性化の一層の推進に努めてまいる所存であります。
 なお、過疎地域活性化特別措置法が本年四月一日から施行されたところでありますが、過疎対策事業債の適切な運用等を通じて産業の振興等を図り、過疎地域の一層の活性化に努めてまいりたいと存じます。
 次に、地方税制について申し上げます。
 まず、平成二年度地方税法改正案につきましては、三月末成立させていただきました。当委員会の皆様方に改めて御礼申し上げます。
 今後とも、地方税負担の公平適正化に努めてまいりますとともに、税源の偏在に配慮しつつ地方税源の着実な充実を図っていく所存であります。
 なお、土地税制につきましては、税制調査会の検討を踏まえつつ、総合的な見直しを行い、平成二年度中に成案を得て所要の法律案を提出するよう努めてまいりたいと存じます。
 次に、公務員行政について申し上げます。
 従前に引き続き、公務能率の向上、厳正な服務規律の確保、正常な労使関係の樹立等に努めてまいりたいと考えております。
 また、地方公務員の週休二日制につきましては、現在、各地方公共団体において、月二回の土曜閉庁方式が積極的に導入されているところでありますが、未整備の団体におきましても、住民の理解を得ながら、この方式の導入が円滑に進められるように努めるとともに、交代制等職員の週四十時間勤務制の試行についても、国に準じて実施されるよう指導してまいりたいと考えております。
 次に、消防行政について申し上げます。
 我が国の消防は、自治体消防として発足して以来四十年余りの間に、制度、施設等の各般にわたり、着実な発展を遂げてまいりました。
 しかしながら、地震、台風や集中豪雨を初め、最近では、長崎屋尼崎店の火災など災害は後を絶たず、また、災害の態様もますます複雑多様化、大規模化してきております。
 私は、このような状況にかんがみ、何よりもまず人命の尊重を基本とし、安全な地域社会づくりを進めるため、消防力の充実強化はもとより、住民、事業所及び消防機関が一体となった地域ぐるみの消防防災体制を確立することが重要であると考えております。
 このため、消防施設の整備や装備の高度化等による消防力の充実強化、防災まちづくり事業の推進、広域応援体制の整備、消防防災通信ネットワークの強化、救急救助体制の整備、危険物の安全対策の充実、消防団の一層の活性化対策の促進等を図ってまいる所存であります。また、各種施設における防火安全対策の充実強化、国際消防救助体制の整備、大深度地下空間の利用に係る消防防災対策等消防を取り巻く環境の変化に対応した積極的な消防行政の推進に努めてまいる所存であります。
 次に、警察行政について申し上げます。
 申すまでもなく、法秩序の維持は、法治国家の根幹であり、国民の安全で豊かな生活の基盤をなすものであります。我が国の治安は、国際的にも高い評価を受けてきたところでありますが、最近における内外の諸情勢はまことに厳しく、現在の治安水準を維持していくためには、今後一層の努力が必要であります。
 私は、このような情勢を十分に認識し、国民の皆様の御理解と御協力を得て、治安の確保に万全を期してまいる所存であります。
 初めに、犯罪情勢についてであります。
 昨年における刑法犯の認知件数は、約百六十七万件と戦後最高を記録しております。この増加は、乗り物盗等の増加によるものであり、凶悪犯は数的に減少しておりますが、内容を見ますと、連続幼児誘拐殺人事件や身の代金目的誘拐事件など、極めて悪質かつ凶悪でしかも広域にわたる事件が相次いで発生し、また、来日外国人による凶悪事件等も多発するなど、まことに厳しい情勢となっております。さらに、近年の科学技術の進歩、国際化、都市化の進展、国民意識の変化等に伴い、捜査活動は困難の度を深めてきております。このような状況に対処するため、今後とも犯罪の広域化、国際化などに対応できる捜査体制の整備充実を図るほか、捜査に対する国民の御理解と御協力を得るための諸施策を推進してまいりたいと考えております。
 また、最近特に銃器発砲を伴う対立抗争事件を続発させ、国民の平穏な生活を脅かしている暴力団に対しましては、組織の壊滅を目指し、徹底した取り締まりを行うとともに、暴力団排除のための諸施策を強力に推進していくこととしております。
 覚せい剤、麻薬等の薬物乱用は、国際的にも共同して取り組むべき大きな問題となっておりますが、我が国でも、覚せい剤の乱用が深刻な状況にあるほか、コカイン、ヘロイン事犯が急増し、乱用される薬物が多様化するなど極めて憂慮すべき状況にあります。このため、密輸入事犯の水際検挙、暴力団を中心とする密輸、密売組織の壊滅、末端乱用者の徹底検挙、薬物乱用防止のための広報啓発活動等の対策に努めてまいるとともに、薬物事犯の国際化に対応するための国際捜査協力を積極的に推進し、あわせて、麻薬新条約の批准に向け、関係省庁とともに、国内法の整備のための必要な検討を進めてまいることとしております。
 生活経済事犯につきましては、海外先物商法などの悪質商法事犯が依然として後を絶たず、国民に多大な被害を与えているところであります。このような犯罪に対しましては、悪質業者の徹底検挙に努めるとともに、消費者保護の立場から、広報啓発活動を積極的に推進し、被害の未然防止と拡大防止を図ってまいりたいと考えております。
 次に、警備情勢についてであります。
 本年十一月に予定されております即位の礼、大嘗祭に向けて、極左暴力集団、日本赤軍等の国際テロ組織による凶悪なテロ、ゲリラ事件の発生のおそれが強く、厳重な警戒を要するところであります。また、成田空港の二期工事をめぐっても、極左暴力集団が皇室闘争と絡めて、引き続き過激な闘争を展開するものと見られます。
 一方、右翼は、けん銃を使用した事件を多発させるなどテロ、ゲリラ志向を一段と強めており、今後の動向には厳重な警戒が必要であります。
 このような状況に対しましては、テロ、ゲリラを根絶することを当面の最重要課題として、国民の皆様の御理解と御協力を得ながら、全国警察の総合力を挙げて対処してまいることとしております。
 次に、少年の非行問題についてであります。
 我が国の将来を担う少年の非行を防止し、その健全な育成を図ることは、国民すべての願いであります。しかしながら、少年非行は、依然として高い水準で推移しており、凶悪粗暴な事件も後を絶たない状況にあります。
 このため、関係機関、団体との連携を一層強化しながら、少年の適切な補導を初め、少年相談活動、非行を誘発させない環境づくり、広報啓発活動などの各種非行防止対策を総合的に推進していくこととしております。
 次に、交通問題についてであります。
 交通事故の現状を見ますと、昨年、十五年ぶりに死者が一万一千人を突破するなど、まことに憂慮にたえないところであります。また、都市部を中心に交通渋滞や違法駐車の問題が深刻化するなど、道路交通をめぐる情勢は一層厳しさを増してきております。このため、交通安全施設の整備、交通安全教育の推進、違法駐車対策を中心とする交通の円滑化対策などの諸対策を総合的に推進し、安全かつ円滑な道路交通の確保に努めてまいりたいと考えております。
 特に駐車問題につきましては、違法駐車の蔓延が社会問題化している現状にかんがみ、関係法令の改正等を含め、的確に対処してまいることとしております。
 以上、警察行政の当面する諸問題について申し上げたのでありますが、流動する社会経済情勢に迅速かつ的確に対処し、治安の万全を期するためには、警察体制の整備充実を図ることが肝要であります。
 このため、平成二年度におきましては、首都圏の三県での地方警察官の増員を初めとして、捜査力の充実強化対策、重大テロ事件対策、覚せい剤事犯対策、交通安全対策を最重点として、人的、物的基盤の整備を図ってまいりたいと考えております。さらに、職員一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう、第一線職員の処遇の改善を進めるとともに、適切な市民応接の推進、職員の実務能力の向上、規律の保持などに努め、国民の期待と信頼にこたえる警察活動の推進に心がけてまいる所存であります。
 以上、所管行政の当面する諸問題につきまして、所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#4
○島村委員長 引き続き、平成二年度自治省関係予算の概要について説明を聴取いたします。小林官房長。
#5
○小林政府委員 平成二年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は三千三百万円、歳出は十五兆三千四百三十二億九千八百万円を計上しております。
 歳出予算額は、前年度の予算額十三兆四千七百三十二億八千五百万円と比較し、一兆八千七百億一千三百万円の増額となっております。
 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省十五兆三千二百七十一億九千七百万円、消防庁百六十一億百万円となっております。
 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の概要を御説明をいたします。
 最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、十五兆二千七百五十億九千万円を計上いたしております。
 これは、平成二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税の収入見込み額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の収入見込み額の百分の二十五に相当する金額の合算額十五兆二千七百五十億九千万円に平成二年度特例措置に係る額二百三十億円を加算した額から昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律附則第二項の規定による減額二百三十億円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百七億五千万円を計上いたしております。
 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。
 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十四億円を計上いたしております。
 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。
 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、四十六億四千万円を計上いたしております。
 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。
 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、四十七億二千三百万円を計上いたしております。
 これは、昭和四十七年度から昭和五十一年度までの間において発行されました公営地下高速鉄道事業債の支払い利子に相当するものとして発行を認めた特例債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。
 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、九十四億三千六百万円を計上いたしております。
 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するためのものであります。
 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、六億三千九百万円を計上いたしております。
 これは、広域市町村圏等において、田園都市構想の推進を図るための地方公共団体に対する田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。
 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十六億二千八百万円を計上いたしております。
 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために要する経費について、都道府県に対し補助する等のために必要な経費であります。
 以上が自治本省についてであります。
 次に、消防庁について御説明申し上げます。
 まず、大震火災対策施設等整備に必要な経費として、二十六億九千万円を計上いたしております。
 これは、震災等大規模災害に備えるため、消防防災無線通信施設の整備及び耐震性貯水槽など震災対策のための諸施設の充実を図るために必要な経費であります。
 次に、消防施設等整備費補助に必要な経費として、百十二億八千万円を計上いたしております。
 これは、市町村の消防力の充実強化を図るため、消防車、防火水槽などの消防施設を地域の実情に応じて重点的に整備するとともに、林野火災等に対する防災対策の推進を図るために必要な経費であります。
 第二に、特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。
 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は十八兆九千百九億四千六百万円、歳出予定額は十八兆七千四億四千六百万円となっております。
 歳入は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づく一般会計からの受け入れ見込み額、消費税の収入見込み額の五分の一に相当する額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は七百五十六億六千四百万円、歳出予定額は七百六億二千六百万円となっております。
 歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上いたしております。
 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
 以上、平成二年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。
#6
○島村委員長 次に、平成二年度警察庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。浅野官房長。
#7
○浅野(信)政府委員 平成二年度の警察庁予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 平成二年度の警察庁予算総額は一千九百五十八億一千四百万円でありまして、前年度予算額(当初)一千八百七十二億五千万円に比較しまして、八十五億六千四百万円の増額となっております。
 次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。
 第一は、警察庁一般行政に必要な経費七百五十一億七千万円であります。
 この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の俸給等の人件費のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務経費であります。
 第二は、電子計算機運営に必要な経費五十二億二百万円であります。
 この経費は、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算組織の運営に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等であります。
 第三は、警察機動力の整備に心要な経費二百三十四億二百万円であります。
 この経費は、災害対策の一環ともなりますヘリコプター、警察用車両の購入、警察装備品の整備及び警察通信施設の新設、補修並びにその維持管理等の経費であります。
 第四は、警察教養に必要な経費四十八億五千四百万円であります。
 この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備費等であります。
 第五は、刑事警察に必要な経費二十七億八千三百万円であります。
 この経費は、暴力団犯罪及び一般犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学機材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。
 第六は、保安警察に必要な経費三億一千万円であります。
 この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、覚せい剤、密貿易、けん銃等銃砲危険物、公害等に関する犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費等であります。
 第七は、交通警察に必要な経費二億五千三百万円であります。
 この経費は、交通安全に関する広報及び運転者対策等に必要な物件費並びに交通取り締まり指導旅費等であります。
 第八は、警備警察に必要な経費七億五千二百万円であります。
 この経費は、警備警察運営に関する会議、指導、連絡等の旅費、機材類の整備等に必要な経費であります。
 第九は、警察活動に必要な経費百八十三億二千四百万円であります。
 この経費は、犯罪の捜査、取り締まり等警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。
 第十は、警察電話専用回線の維持に必要な経費三十八億九千七百万円であります。
 この経費は、警察電話専用回線を維持するためのいわゆる警察電話専用料であります。
 第十一は、犯罪被害給付に必要な経費五億七千万円であります。
 この経費は、殺人、傷害等の犯罪により死亡しまたは重障害を受けた場合、その遺族または被害者に対し国が一定の給付をするために必要な給付金及び事務費であります。
 第十二は、千葉県警察新東京国際空港警備隊に必要な経費八十一億四千五百万円であります。
 この経費は、千葉県警察新東京国際空港警備隊の維持、運営に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の補助金であります。
 第十三は、船舶の建造に必要な経費三億六百万円であります。
 この経費は、警察用船舶の建造に必要な経費であります。
 第十四は、科学警察研究所に必要な経費十億五千五百万円であります。
 この経費は、警察庁の附属機関として設置されています科学警察研究所職員の俸給等の人件費と研究、調査、鑑定等に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。
 第十五は、皇宮警察本部の一般行政に必要な経費五十八億一千二百万円であります。
 この経費は、皇宮警察本部職員の俸給等の人件費のほか、その他一般事務経費であります。
 第十六は、皇宮警察本部の護衛、警備に必要な経費二億六千三百万円であります。
 この経費は、皇居の警備及び行幸啓の護衛に必要な経費であります。
 第十七は、警察庁の施設整備に必要な経費十八億百万円であります。
 この経費は、国庫の支弁対象となっております都道府県警察学校等の施設の整備に必要な経費であります。
 第十八は、都道府県警察費補助に必要な経費二百三十三億九千七百万円であります。
 この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、防犯活動等の一般行政費の補助に必要な経費であります。
 第十九は、都道府県警察の施設整備費補助に必要な経費百九十五億一千八百万円であります。
 この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の警察署、待機宿舎等及び交
通安全施設の整備費の補助に必要な経費であります。
 以上、平成二年度の警察庁予算の内容につきましてその概要を御説明申し上げました。
#8
○島村委員長 以上で説明は終わりました。
    ─────────────
#9
○島村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田辺広雄君。
#10
○田辺(広)委員 それでは、最初にお許しをいただきまして、自民党の田辺広雄でございますが、大臣に御質問をさせていただきます。
 ただいま自治大臣の地方行政、消防行政及び警察行政等に対する所信の表明をお聞かせをいただきました。さまざまな面で大きな変貌を遂げつつあります社会情勢に的確に対応する個性豊かな活力ある地域社会の実現に向けて、適切な配慮、施策にまずもって賛意を表するものでございます。
 しかし、地方の時代と言われましてから既に十数年になっております。そして、多極分散型の国土形成の推進だとか高齢化社会への対応等が強く求められております。地方自治の完全なる行財政の確立のため多くの要望が出されております。すなわち、自主財源確立のための財源の再配分、超過負担の解消、国の権限の移譲、機関委任事務の見直し、整理等であります。
 この際、地方自治に対する大臣の基本的な認識をお聞かせをいただきたいと思います。
#11
○奥田国務大臣 今、委員御指摘のように、権限移譲の問題やいわゆる補助金カットの問題等、現状の地方自治体は大変御苦労なさっていただいて、しかも地域住民のニーズにこたえるために大変な努力をなさってきておることをよく認識しております。委員も長い間大都市の地方行政に携わってこられたわけですから、その面の悩みはよく御認識のことと存じます。しかし、地方自治は、公式的ですけれども、民主政治のまさに根幹でございますし、内政の基盤はまさに地方自治だという形で認識いたしております。
 したがって、今委員御指摘のように、一極集中の弊はもう極点に達しておることも事実でございます。何としても均衡のある発展と同時に、各自治体が個性豊かな活力に満ちた魅力のある自治体になっていただくことが、今内政の最重要課題であろうと思っております。そのために、私としてはあくまでも地方分権を基本理念としながら、地方公共団体の自主性、自立性を強化して、もちろん財政の自主財源の健全化等々にも一層努めまして、地方自治の充実強化を図ってまいりたいと存じております。
#12
○田辺(広)委員 ただいま大臣からいろいろお話を聞きまして、やはり一番問題は自立、地方自治の本旨にのっとることであります。自立には何といってもやはり財源的な措置が必要である、これはもう御承知のとおりだと思います。このことにつきましては、また後ほど御質問をさせていただきます。
 そこで、今度はふるさと創生という問題。これは私ども、新しい時代の、竹下内閣以来大変御心配をいただいてまいりました課題でございます。そこで、まだこのふるさと創生というのが緒についたばかりでございまして、私ども、その評価について十分な認識をいたしておりません。大臣みずからこの一年間の評価についてお聞かせをいただきたいと同時に、これからの施策についてお聞かせをいただきたい。
#13
○奥田国務大臣 今もお話しいたしましたけれども、一極集中の弊はまさにもう限界に来ておるということは、共通な御認識で御理解いただけると思います。我が民族が本当に限られた生存条件と申しますか、この限られた狭い国土の中で、しかも国民に豊かさが実感できるような、そういった形の国土形成を図っていくためには、何としても有効な国土利用、そして九〇年代はまさに地方の時代という形の実現に全力投球をしなければ、これはもう本当にどうにもならない状態に来ておるということであります。
 そういう時点に立って、この前の一億円事業、私はこれはまさに新しい地方時代の起爆剤になった。そのことを後にお話ししたいと思うわけですけれども、確かに地方自治体が自分から考え、みずから考えて、みずからつくり上げていくという、そういった活力をまさにこの一億円事業は提起したと思っております。自分たちのふるさとを見直して、そして自分たちが本当に考えて、それぞれの個性を生かした、個性あふれる、自治体でやろうとしたことは、とても私はすばらしかったと思っております。私は、このふるさと創生の一億円事業を基盤にいたしまして、今後ともこの問題を一層推進していくために全力を尽くしたいと思っております。
 平成二年度においても、もう既に委員御指摘のように、ふるさと創生一兆円構想という形の中で諸施策を講じました。ふるさとづくり特別対策事業あるいはふるさと財団あるいはふるさと市町村圏基金、それぞれの形で、町づくりの特別な手当ても含めて、一兆円をはるかに上回るふるさと創生事業として継続してまいる形で、今年度、平成二年度予算においても措置したところであります。
 ついこの日曜日に鹿児島に初めて地方視察いたしまして、それぞれ鹿児島県下におけるふるさと事業の展開ぶりを、五つ、六つだけでございますけれども見てまいりました。本当にその町によっては、ソフトな面を生かして、自分の町を絵の町あるいは音楽の町ということで、若い人たちのそういった文化性を呼び起こすような形の中からソフト事業を展開して、自分の住んでいる町に誇りを持つような、そうやって美しい心、やさしい心を子供たちに植えつけようという事業展開をしているところもあります。
 また、ハードな面では、現実的ですけれども、芋シロップなんかを製造したり、あるいは今までなかなか難しかったヒラメの養魚基盤をやって町の産業振興の一つの起爆剤にしようというところもありますし、またある町によっては、こういう管理社会の中で子供が非常に型にはまった人間、そういう形じゃなくて、その町から出た文学者の記念会館なんかをつくって、自由奔放に、読書と遊び場を提供した子供の園という形の中で、新しい試みをやられているところもありますし、各自治体の町長さんや市町さんがもう知恵を凝らして一生懸命に自分のふるさとおこしに頑張っておられる姿を見て、大変感銘を受けてきたところでございます。
 今後とも一層この面を育てていっていただきたいということを切実に願っております。
#14
○田辺(広)委員 大変有益なというのか、私どもの地方の時代の中で目新しいものといえば、やはりふるさと創生だと思います。今のお話を聞きまして、私は大都市におりますのでふるさとという言葉そのものに余りぴんとこないわけですが、しかし地方の皆さん方、また一村一品主義だとかいろいろ御研究をいただいておる姿を見ながら、これはもう大いに力を入れてこれからも頑張っていただきたい、こう心から願うものでございます。
 次に、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、こういうものが実は国の方から出ておりまして、平成十一年度までに、十カ年間でそれぞれその目標を達しようということでございます。各自治体におきましても、その受け皿として福祉施策を行っていかなければいけませんが、その後財源措置はどうなっておるか、お答えいただきたいと思います。
#15
○持永政府委員 今御質問ございましたように、平成二年度予算編成に当たりまして「高齢者保健福祉推進十か年戦略」が決められまして、これを実施するということになったわけでございます。
 この内容は、在宅福祉対策としての、例えばホームヘルパーでございますとかあるいはショートステイでございますとか、そういうものの整備、あるいは老人ホーム等の施設の整備、そういったものを内容にいたしておりますけれども、その際に、そのような国の補助事業とは別に、地方団体が地域の自主性に応じまして実施をしていく、いわゆる単独の施策についても支援をするということになったわけでございます。つまり、国の補助事業以外に地域の実情に応じたきめ細かないろいろな仕事も必要であろう、そういうことで、そういった面も支援をしていこうとされたわけでございます。
 そこで、財源の面でございますが、平成二年度の予算に関連いたしまして、平成二年度の地方財政計画の中におきまして、まず国の予算に関連する部分、十カ年戦略の実施のために明年度、平成二年度でございますが、事業費ベースで三千六百億円、そのうち地方負担が約八百億円、こうなっておりますが、その八百億円程度の補助裏について地財計画に計上いたしますとともに、地方団体が単独として自主的に実施する福祉施策のための経費、これにつきましても平成元年度に対して七・二%増という充実をいたしまして単独分の福祉施策の経費を計上いたしたところでございます。
 今後ともそういった形で、補助裏あるいは単独両面を通じまして、地財計画の策定等を通じて地方団体が十分対応できるように財源措置を講じてまいりたい、このように考えております。
#16
○田辺(広)委員 ただいまのお話、結構でございます。ただ、お願いがございますが、いろいろ国の方から新しい施策が行われてまいりますと、即そこで自主財源の問題が出てまいります。どうかこれからも十分な配慮をお願いしたいと思います。
 引き続いて、先般行われました日米構造協議の問題でございますが、いろいろ日米双方の深い理解によりまして、お互いに痛みを分かち合いながら中間報告として合意が得られました。国民ひとしく安堵すると同時に、その成果に大方の方々は賛意を表しておられるところでございます。
 そこで、一つの問題は、公共投資をしっかりやらなきゃいけないということの強い要請がございました。もちろん、これは社会資本の投下ですから我々は強く望むところでございます。しかし、国の施策によってまたその地方自治体が負担しなければならない自主財源、これをいかにしていただけるかということをまずお聞きしたいと思います。
#17
○持永政府委員 構造協議に関連いたしまして、公共投資を充実していくということがございまして、それとの兼ね合いで自主財源の問題を御指摘でございます。
 この公共投資を広げていく場合に、地方の負担がふえてまいることは当然予想されるわけでございます。その際に、当然のことながら財源の確保が必要でございますけれども、お話がございました自主財源につきましては、地方自治の観点からといいましょうか、あるいは自主性という観点からすれば、自主財源が一番望ましいわけでございますけれども、税源につきましてはどうしても地域的に偏在するという現実があるわけでございますので、自主財源である地方税とあわせましてこの一般財源としての地方交付税、両面を充実することによって今後の地方財政の運営、特にお話のございました公共投資の推進のための財源についても、必要な額を十分確保してまいりたいというふうに考えております。
 具体的には、平成二年度をもって計画が終了する八本の五カ年計画もございます。さらに、それ以外にも幾つかの計画がございまして、全体としてこれからの公共投資の規模をどうするか、これは今から決められていくと思いますけれども、そういった公共投資のこれからの規模を見ながら、毎年度的確な財源措置を自主財源なり地方交付税、両方あわせまして十分手当てをしてまいるように努力してまいりたいと思っております。
#18
○田辺(広)委員 もう一つの問題は、何といいましても土地税制の問題でございます。
 先般の問題協議の中で、土地の問題が非常に大きく取り上げられました。もちろん、この東京圏、関西圏、中部圏、それぞれ大都市における土地が非常に高価になっております。高騰を続けております。この土地を税制面からこうしたアメリカの要望等にどうしてこたえていくことができるか、その方針をお聞かせいただきたいと思います。
#19
○湯浅政府委員 さきの日米構造協議におきましては、土地利用全般につきまして非常に幅広い事項が盛り込まれたわけでございますが、その中におきまして、土地税制全般につきまして、昨年成立いたしました土地基本法に示された基本理念にのっとりまして、土地に関するいろいろな施策を踏まえて総合的な見直しを行う、こういうことが盛り込まれたわけでございます。特に地方税制の関係につきましては、大都市地域の市街化区域内の農地に対する固定資産税の課税のあり方の問題、低・未利用地に対する特別土地保有税のあり方の問題、それから固定資産税の評価の均衡化、適正化の問題、この三つの点がこの構造協議の中間報告の中に盛り込まれているわけでございます。
 これらの点につきましては、従来からこの土地税制あるいは土地政策の推進という課題に対応するために、政府一体となってこういう問題については検討していこうということで考えていたところと軌を一にするわけでございます。そういうことから、この日米構造協議を踏まえまして、土地に関する地方税制につきましても、例えば税制調査会に先週から土地税制の小委員会が設置されまして、検討を開始されたわけでございますが、そういう検討の内容を踏まえ、また、各方面からの御意見をいただきながら、いろいろな土地利用等にかかわる関係制度の整備充実等ともあわせまして、適正な土地税制を確立するように検討を進めまして、平成二年度中に成案を得て所要の法律案の提出を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#20
○田辺(広)委員 ただいまの税制の問題ですが、これはいろいろ意見がありますので、私もこれ以上突っ込んだ質問はいたしません。またそれぞれ税調等において御審議をいただき、またそれぞれの御要望がなされると思います。ただ、この土地税制によって、その目的は何かといったら、やはり土地の利用が非常にうまくいくということにならなければいけないと思うので、そのことを主体にして考えるべきであって、ただ税制を変えていくだけでそれが果たし得るかどうか、これはもう私は疑問だと思いますから、今後またひとつよろしく御検討のほどをお願い申し上げます。
 次は、固定資産税の評価がえの問題でございます。
 ちょうど平成三年、来年の四月に固定資産税の評価がえが行われるわけでございます。先回の評価がえでは全国平均で一二%の評価高ですか、高くなっておるわけでございます。今考えますと、今度の土地の値上がりはすごいものでありまして、それが今のように一二%、一三%の上げで済むであろうかということを私は心配するわけでございます。もしそれ以上に、実勢価格に合わせた率でもって評価がえが行われるとするならば大変な問題になろうかと思うので、そのことについて何らか緩和策だとかその方法はないか、このことを私はお聞きしたいと思います。大臣、一遍お聞かせいただきたいと思います。
#21
○奥田国務大臣 私の答弁はちょっとアバウトになるかもしれませんけれども、固定資産税というのはもう本当に毎年払う年貢米みたいなものですから、これを実勢価格に応じてどうこうしたということになると、それは大変なことです。ですから、これと実勢価格を――やはり将来の期待価格も込みしたような公示価格、そういったものとは内容が全然違いますから、固定資産税の見直しに当たってもそういった点はできるだけあれして、急激な形で見直されるというようなことはとてもできることではありません。
 細かい形のいわゆる理屈については政府委員から話させます。
#22
○湯浅政府委員 固定資産税の評価がえは三年に一回ずつ行うわけでございますが、来年の四月がその評価がえの時期になっております。
 ただいま御指摘のとおり、これまで三年間の地価の動向を見ますと、大都市地域を中心にいたしましてかなりの高騰を続けておるわけでございます。こういうものを直ちに固定資産税の評価額に反映させるということになりますと、ただいま大臣からもお話しのとおり、税負担が急激に上昇するという問題も出てくるわけでございます。そういう点を踏まえまして、現在、各地方公共団体の担当者レベルで、この評価額をどのような形で持っていくかということを鋭意検討しておる段階でございます。過去におきましても、土地の評価がえに伴う負担増につきましては、なだらかな負担増加となるような一定の調整措置というものも講じたわけでございますが、今回の評価がえに当たりましてどのような措置を講じていくかという点は、この評価がえの動向などを踏まえまして慎重に検討していかなければならない問題であると思っております。
#23
○田辺(広)委員 私も大体アバウトですから、私は大臣のお答えで、その程度で非常にありがたいと思っております。
 ただ、この状態をいつまでも続けていくことができるか。ということは、評価がえのたびに価格は上がってきます、税率は固定されております、そうすると、実勢価格と固定資産税の評価額との差といいますか、これはどうするのだということになります。そこで、やはり将来は税率を変えなければならぬというような問題が出るのじゃないか、こう思っておりますが、これは一つの私の懸念というのか、そういう方法がいいのではないかということを申し上げているわけでございます。
 それからまた、次に申し上げたいのは地方公営企業の赤字対策でございます。
 現在、地方公営企業の中でも、特に地下鉄の建設だとか交通機関の赤字は非常に多くなっております。これをひとつ何とか救わないと、このままでいきますと、元金、利子の増大がこれからの建設に非常にブレーキになってきますし、経営自体にも非常に大きな障害になる、こう考えておるわけなのです。その場合、もちろん一般会計からも繰り入れをして面倒を見る、こういうことでございますが、こうしたことを今まで以上にぜひひとつ交付税の方で面倒を見るなりいろいろ対策を考えていただきたい。このことをお尋ね申し上げます。
#24
○小島政府委員 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、最近の地方公営企業をめぐります問題は、地方公営企業の赤字の一番大きな原因と申しますか、それはいわゆる資本費が物すごく高くなってきている。例えば先生の地元の名古屋で申し上げますと、地下鉄を一キロ掘るのに三百四十億円もかかるというような状況、十年前は百二十数億円で済んだ、こういう状況がございます。ですから、私どもといたしましては、できるだけ資本費負担と申しますか、それを事前に軽減できるような措置というものを講ずる必要がまず第一にあるだろう。
 実は平成二年度から、そのような観点から、例えば地下鉄につきましても、従来地方団体のいわゆる一般会計の出資を一割から二割に上げるとか、あるいは国の補助制度につきましても、営業開始の翌年度から金を出していましたものを建設年度から出すというようなことで、できるだけ資本費負担の軽減を図りますとともに、あわせて今御指摘のような既に建設が済んでしまったものについても、何らかの形で理屈のつく限り資本費の軽減という観点からできるだけの措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#25
○田辺(広)委員 時間がございませんので飛ばしてまいりますが、後ほど大臣にまた決意のほどをお聞きしたいと思います。
 次に、交通事故非常事態宣言の問題でございますが、昨日の新聞等を見ましても、今度の春の交通安全運動期間中に既に二百五十三名の方が亡くなられた。こういうことを考えながら、先般の日刊紙にもありましたように、既に、駐車で都市を窒息させるなというようなうたい文句が出ております。私どもの今の日常の中からいきますと、駐車違反というのが非常に多くなっておる、これをどうするかという問題です。私が実感として思うことは、規則でそれを縛ってみても、その監視をする、取り締まる人の不足が大きな問題ではないか。ですから、このことを実行するためには、警察官以外にやはり一般住民の皆さん方のモニター制度も取り入れたらどうかということを私は考えに入れております。また、その違法駐車の取り締まりについての考え方をひとつ簡単に、端的にお示しをいただきたいと思います。
 それから、これは大臣でございますが、先日鹿児島で大臣からお話がありました、自治会に法的な資格を与える、そして財産権も持たせるというようなお話でございますが、次の機会にそれは法案として出されるということを聞いたのですが、そのことについてもお答えをいただきたいと思います。
#26
○関根政府委員 違法駐車の実態とこれについての対策についてお尋ねでございます。
 違法駐車は昨年の四月、八月、十月にそれぞれ東京、大阪、名古屋で調査をいたしましたところ、東京二十三区内では、瞬間でございますが、約十八万五千台、それから大阪市内で約二十一万六千台、名古屋市内で約八万五千台、これだけの路上駐車がございました。これは一瞬間での調査の結果でございます。このうち違法駐車に当たりますのは、東京、大阪につきましてはそれぞれの台数の九割弱でございますが、名古屋の場合では約六割でございます。
 このような実態にかんがみまして、私どもは、ただいま先生の御提案でございます民間の方々の駐車違反に対する自衛組織、さまざまな組織がございますが、こういったものに法的な裏づけを与えることを含めまして、いろいろな法改正を含め施策を検討中でございます。
#27
○奥田国務大臣 地方自治法の一部改正で、実は自治会なんかに法的なあれを与えようということをお願いしようと思っているのです。これは、情報の最先端がやはり自治会なり区会なりの組織にあることは間違いないのです。それで、それと別個に、今自治会が所有しているような不動産関係、会館みたいな形の施設を随分全国で持っておられるのですけれども、これが法人格で登記できないために個人代表名義になっておる。そのことが、死んだりした後にこの財産権の問題をめぐって苦情が絶え間ないのです。ですから、自治会に財産権の登記をするような法的なあれをやってくれという形は、これまで随分来ておったようでございますけれども、これをやはり何とかしてしてあげようということでございます。
 それと、一番私が思うのは、今厚生省がやっておるような高齢化対策で、ホームヘルパーとかデイサービスとかショートステイの施設なんかに対策をどうするかというときなど、偉そうなことを言っても国や県はわからないのですよ。やはり情報が結局市町村、自治体ということで、こういった本当にきめの細かいサービスというのは、まさに地方自治体がこれを持たなければいかぬ。その地方自治体の最先端の知恵を出すいわば情報の基地がまずこういった自治集会ですから、こういった形の財産権を何とか法的に保障してあげようということで動いておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
#28
○田辺(広)委員 大変申しわけないと思いますが、時間が超過しました。ですから、ここで要望だけ申し上げておきます。
 今の自治体の自治会の財産権、これはこれから法文化すればいろいろ問題はあると思います。しかし、勇断を持って前進をすることが本当だろうと思います。ひとつよろしくお願いします。
 それからまた、ことしはいよいよ十一月に即位の礼もありますし、大嘗祭もございます。どうか警察当局、世界の人々がこの日を眺めておりますから、ひとつ完全に、間違いのないように、このことを強くお願い申し上げ、大変雑駁な御質問でございましたが、これからもひとつよろしくお願いを申し上げます。
 終わります。
#29
○島村委員長 中沢健次君。
#30
○中沢委員 私の質問時間は一時間でございますので、余り多く質問ができないと思いますが、大臣、予算委員会で構造協議問題、具体的には大店法でありますとか公共事業問題、大変御苦労されていると思います。実はきょうの委員会でそれも取り上げようとは思いましたけれども、いずれにしても地方交付税やあるいは財政計画の関連がありますから、そこでひとつじっくりお尋ねをしたいと思うのであります。
 まず最初に、私自身は北海道の夕張、黒ダイヤの町ということで大変有名な夕張の出身なものですから、きょうはひとつ産炭地の自治体の財政問題を中心に具体的にお尋ねをしたい、このように考えております。
 ところで大臣、先週の十一日にNHKが報道番組をされておりました。私もたまたま高輪の宿舎に戻りましたらやっていたものですから見たのでありますけれども、十一日の十時から四十五分番組、番組のタイトルは「閉山・3年A組の春・北海道幌内中学」こういう番組でございました。最初から変な質問をするようでありますけれども、大臣、この番組ごらんをいただいていたでしょうか。あるいは、私かねてから別な関係者の方に、できるだけこの委員会の前に機会をとらえて、ビデオでいいから大臣にぜひごらんをいただきたい、このように御連絡申し上げておりますけれども、いかがでしょう。
#31
○奥田国務大臣 先生の御指示もございまして、実はビデオで拝見さしていただきました。本当に、これが契機ということでございますけれども、来週、ちょっとの時間を割いて北海道の夕張へ見に参ります。
 それで今お話しのように「3年A組の春」というんでしょうか、北海道の幌内中学のあのビデオを見て、私もどっちかというと感情的な方ですから、一人でぼろぼろ泣いておったくらいの気持ちです。先生も、NHKのを直接見られたときにも、恐らく人の前に出れぬくらい泣いておられたと思うのです。それだけ私も、多感な高校受験生、中学生にとっては大変な人生経験であったろうなと思います。産業政策の転換とはいえ、働く場が確保できないために友達が別れ別れになって、それぞれの波を乗り越えた生活を強いられるという形、本当に政治の立場にある人間として、責任の一端も感じました。と同時に、何とかしてこの子供たちがこうした試練を乗り越えて立派に成長していってほしいなと、確かにあのビデオを拝見して、何とか夕張の地を訪問さしていただいて、後に残った皆さん方、そして自治体の苦労されている皆さん方の現状を少しでも見て、お手伝いできることがあればなと思う気持ちで、このビデオの感想と同時に、それをやはり実行に移していくというのが政治であろうという、私のささやかなおわびも兼ねての、そういった形でやりたいと思っておるわけでございます。
#32
○中沢委員 大臣の方から非常に情のこもった、しかもNHKの番組をごらんいただいた、こういう話がございましたので、余り厳しい指摘は避けたいと思います。
 ただ、いずれにしても、第八次の石炭政策というのが始まりましてこの三月でちょうど三年間が過ぎたわけでございます。私の選挙区だけで四つの山が閉山に追い込まれている。あのビデオは、昨年の九月に三笠にあります幌内炭鉱の閉山、そしてあの中でも出てまいりましたけれども、この三月に閉山した夕張の三菱の子供たちのことをいろいろ考えられている。そんなことなんか考えますと、私は、この問題について言いますと、石炭対策特別委員会という委員会がありまして、具体的な問題についてもよく指摘をしてまいりましたけれども、産業政策として炭鉱をつぶす、しかし、そのかわりに地域や社会政策としてそこには企業を立地するあるいは労働政策として離職者の雇用について責任を持つ、そういう政治全体がお互いに補完し合うということが非常に大事でないかと私は思うのですよ。
 ですから、あえて自治大臣に基本的にお願いをしたいことは、通産行政が結果的に炭鉱をつぶしてしまう、いい悪いの議論は一切やりません、しかし、残っている住民あるいは子供たちをぜひ地域の問題としてあるいは社会の問題として、自治大臣として今基本的なお考えがありましたけれども、とりわけ産炭地の財政問題というのは非常に今ピンチなわけです。ですから財政問題も含めて、大臣がせっかく寸暇を惜しんで現地に行かれる。大変すばらしいことだと思いますけれども、現地に行かれましても、いろいろな関係者にお会いをしていただいて、生の声というのをひとつしっかり持ち帰っていただいて、自治省の行政や財政全体に具体的にぜひひとつ反映をしていただきますように、特にまたお願いを申し上げておきたいと思います。いかがでしょう。
#33
○奥田国務大臣 さっきちょっと、幌内のビデオを見て、夕張の方へ来週はちょっと行こうと思っているので、もし間違っていたら訂正させていただきたいと思うのです。
 私は今財政の問題を言う前に、最後のいい先生の言葉だったなと思うのです。最後に、みんな、つらいことはあろうけどいじけずにたくましく頑張ってやっていこうや、と言っておられたあの女の先生の言葉が、非常に感動的に今でも耳からこびりついて離れないのですけれども、今先生御指摘なさったように、産業政策だけじゃ通産省の所管になりますけれども、これは地域政策としてこの後始末を含めて私たちは共通な責任を持っておると思うのです。
 それで、特に産炭地市町村に対しましては、先生も御存じのように、今までも交付税算定とか調整配分はきめ細かくやっておるつもりですけれども、もちろん関係省庁である通産省とも協議しますし、また先ほどから言っているように、ふるさと創生を通じてでもソフト、ハード面にわたって何とかこの町をよみがえらすために、先生方の御協力もいただきながら、きめの細かい形で御相談に乗っていくということで、もちろん当面は、財政運営に極端な支障が出る状態ですから、これを何とか救っていくと言うと語弊がありますけれども、そういった形で関係省庁との協力体制のもとに、自治省としてもでき得る限りの御相談に乗ってまいりたいという形で対応してまいります。
#34
○中沢委員 ぜひひとつ、大臣の積極的な取り組みを心からお願い申し上げたいと思います。
 そこで、今三笠と夕張の問題について、入り口というような状況の中でいろいろと大臣とやりとりをやりました。もう少し具体的に事実問題を含めて、この問題がいかにこれからの自治省の行政として地域的にも社会的にも重要であるか、こういう観点から具体的に事実問題をまずお尋ねを申し上げたいと思います。
 残念ながら、私の夕張は先月の三菱の南大夕張の閉山をもって炭鉱は一つも存在をしません。最盛期は二十四の中小大手の炭鉱がございました。人口も最盛期は十二万おりました。人口はもう既に二万四千を切っておる、こういう状態です。それから、テレビで出てまいりました三笠につきましても、昨年幌内の山が閉山になりまして、ここも炭鉱が一つも残っていない。人口も夕張ほどではございませんけれども、相当に落ち込んでいる。しかし、空知管内あるいは北海道を含めてまだ四つの炭鉱が残っている。これも事実でございます。
 そこで、具体的にお尋ねしたいのは、夕張と三笠それから花形産業では自動車の豊田市を引き合いに出して、具体的な事実について、この委員会でもお互いに事実認識はしっかり持った方がいいんじゃないかということでお尋ねをしたいのでありますが、夕張、三笠、豊田市、昭和三十五年以降、三十五年と六十年とそれから平成元年ぐらいでいいと思うのでありますが、人口の推移がどうなっているか。それから歳入に占める市税の比率がどういうふうに推移をしているか。それから普通地方交付税、この配分額がどのように推移をしているか。この事実につきまして、局長の方からでもお答えをいただきたいと思います。
#35
○持永政府委員 お答え申し上げます。
 まず、人口でございますけれども、夕張につきましては、昭和三十五年が約十万八千人でございます。それが昭和六十年には約三万二千人になりまして、それから平成元年の三月三十一日現在の住民基本台帳人口でございますけれども、これで見ますと約二万五千人ということになっておりまして、三十五年からいたしますと四分の一程度になっておるという状況でございます。三笠の人口でございますが、同じく三十五年が約五万六千人、六十年が約二万二千人、平成元年が約二万人ということになっております。豊田につきましては、昭和三十五年が約四万七千人でございますが、その後合併等もございましたので、そういう事情もございますけれども、昭和六十年には三十万八千人、平成元年三月三十一日現在では約三十一万九千人と非常に大幅にふえております。
 それから次に、収入に占める税の割合でございますけれども、夕張の場合は三十五年が五一・七%でございまして、この場合は全国平均よりもやや上回っておったわけでございますが、昭和六十年には一四・二%。これは、全国平均がこのとき四〇%強でございますので、かなり全国平均よりも下回っておる。六十三年は八・九%。これも相当全国平均よりは下回っております。三笠につきましては、三十五年が四二・九%。このときはほぼ全国並みであったわけでありますけれども、昭和六十年では一三・二%、さらに六十三年では一一・七%ということで、六十年度以降はかなり全国の平均よりは低い数字になっております。豊田につきましては、昭和三十五年が五四・一%。豊田はこのときから既に全国並み以上の割合を占めておりましたけれども、その後六十年度におきましては七〇・一%、六十三年度には七一・七%ということで、平均を相当上回った割合になっております。
 それから、普通交付税の額でございますけれども、夕張につきましては、昭和三十五年度が約九千二百万円。これが昭和六十年度には約四十五億五千百万円、それから六十三年度には約五十五億六千五百万円ということになっておりまして、かなりふえております。三笠につきましては、三十五年度が約五千二百万円でございますけれども、六十年度には約二十六億七千四百万円、六十三年度には約三十三億百万円ということになっております。豊田でございますが、昭和三十五年度は約七百七十万円でございましたけれども、五十一年度以降はいわゆる不交付団体でございまして、普通交付税は行っていないという状況でございます。
#36
○中沢委員 今具体的な事実を含めてお答えがございました。聞けば聞くほど非常にショッキングな現実が存在をする。これは先ほどのことに尽きますけれども、こういう現実の姿をきちっと見据えて、政治全体の責任としてどうやってバランスをとるかという、自治体財政一つとりましても、これから具体的に質問しますが、例えば交付税のさまざまの補正が必要になってくる、こういうことがより鮮明になったと思うのです。
 さてそこで、これから具体的な問題についてお尋ねをしたいと思いますが、まず最初に通産省にお尋ねをしたいと思うのであります。
 いずれにしても昭和三十五年以降、全体的に国内の石炭政策が国内炭の撤退、縮小という方向でずっと来ている。その影響が、今具体な事実で示されましたように、産炭地には大変な打撃となって出てきている。産業政策として責任を持っている通産省としては、そのことを直視をしながら、通産行政として産炭地の振興について法律を持っているわけです。産炭地域振興臨時措置法、これは来年の十一月でちょうど十年間の期限切れになります。
 そこで、通産省にまずお尋ねをしたいのは、産炭法の見直しについてどういうスケジュールでこれからやろうとしているのか、ここのところをお答えをいただきたいと思います。
#37
○古賀説明員 お尋ねの産炭地域振興臨時措置法でございますが、昭和三十六年に制定されまして、産炭地域振興の基本となってまいったわけでございますけれども、平成三年の十一月に法期限を迎えるわけでございます。法期限後の産炭地域振興対策のあり方につきましては、今後、産炭地域振興審議会という通産大臣の諮問機関がございます。ここにお諮りをして、いろいろ検討をしていただくということになろうかと思います。
 具体的には四月、今月の二十六日でございますけれども、審議会を開催いたしまして、通産大臣から諮問をし、ことしの十月ないし十一月くらいには答申をいただくべく進めていきたいと考えているところでございます。
#38
○中沢委員 さて、関連をいたしましてもう一つ、通産の方にお尋ねをしておきたいと思います。
 通産行政としてはさまざまな石炭対策の制度や予算を持っております。仮に閉山になりますと、閉山した企業については閉山交付金、これは一定の算定がありまして閉山交付金がある。それから、閉山のあった自治体についても、その市町村の活性化の問題、閉山後のアフターケアの問題が大変だ、その一助にしようということで、自治体に対しましても臨時交付金というものを制度的に交付することになっております。
 そこで、具体的にお尋ねをしたいのは、第八次政策が始まって以降の閉山は、その前の十一月に閉山した長崎の高島町を入れると五つの市町村にまたがると思うのです。それで、この臨交金の交付実績はどういうことになっておるか。あわせてこの臨交金の例えばトン当たり単価の見直しだとか、四年間にわたって漸減方式で出るものですから、漸減ではなくて同じ金額で交付をしてもらいたい、こういう率直な意見が関係自治体から寄せられていると思いますけれども、恐らくこれは産炭法の論議の一つの大きな検討材料にはなってくると思いますが、支給実績がどうなっておるか、それから今後どういう角度で検討がされるのかどうか、この辺少しお聞かせをいただきたいと思います。
#39
○古賀説明員 まず第一に御質問のございました産炭地域振興臨時交付金の交付実績でございますけれども、臨時交付金の中には基準額と調整額がございます。基準額につきましては、炭鉱の閉山あるいは規模の縮小といった事態に対応して、地元市町村の財政的な打撃を緩和するということで交付しておるわけでございます。また調整額につきましては、地元市町村の地域振興努力あるいは特定の公共事業に対する財政支援、こういった形で交付をしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、第八次の石炭政策が開始されまして以降、すなわち六十二年度からの臨時交付金の交付実績でございますけれども、六十二年度につきましては、臨時交付金合計で約三十二億九千四百万円出ております。それから、六十三年度は三十四億六千九百万円、平成元年度に三十五億四千八百万円、以上が第八次石炭政策が開始されまして以降の臨時交付金の交付実績でございます。
 それから、次に御質問のございました閉山基準額の単価の見直しでございますけれども、現在はトン当たり百七十八円という単価を用いまして、一定の係数を掛ける形にはなりますけれども、四年間にわたって逓減方式で交付金を交付しておるわけでございます。この単価の見直しは六十二年度に実施をいたしまして、現在もこの単価でやっておるわけでございますが、御質問にございましたように、関係の公共団体等からは拡充、改善の御要望も参っております。
 今後の方向につきましては、もちろん産炭地域振興審議会の審議の場等での議論の方向等も伺いながら考えていくわけでございますけれども、八次策の影響による関係市町村に対する財政支援といったものにつきましては、今後ともさらに拡充すべきではないかというような御意見もございまして、こうした御意見も踏まえながら、今後重要な検討課題として考えてまいりたいと思っております。
#40
○中沢委員 ありがとうございました。通産の方はもうこの後質問がございませんので、退席されて結構です。
 さて、自治省の方にお伺いをいたしますが、交付税の補正措置で、産炭地向けということでは例の産炭地補正という制度があります。これは昭和五十一年度にスタートいたしまして、今日でも続いているのでありますけれども、実際問題としては、この産炭地補正の発足当時の制度そのものは、余り大きな問題点はなかったと思うのでありますが、今日閉山が北海道に集中をしている、こういう現実が一つはある。そうすると、この産炭地補正の鉱業人口の減少だとか、あるいは九州にだけ認められております緊急就労事業だとか開発就労事業だとか、結論的に言うと、やはり私は制度的な問題、矛盾が少し広がっているのじゃないか、こういう感じがしてならぬわけです。しかも、この産炭地補正の場合も、二回ほど制度的な見直しといいましょうか逓減率の見直しがありまして、現状におきましては、補正の率が平成二年度からは〇・六まで下がる、実はこういう問題もあるわけですね。したがって、この産炭地補正については、今の実態に合わすような知恵を出して矛盾をできるだけ抑え込む、そういう角度での見直しが私は必要ではないかと思うのですけれども、その辺いかがでしょう。
#41
○紀内政府委員 お答え申し上げます。
 お話にございましたように、産炭地補正につきましては、昭和五十一年度から、産炭地域市町村の鉱業人口の減少に伴って激変を生じないようにということで、こういう補正を始めたわけでございます。その後漸減の傾向をとってきておりますが、ただ、実際の具体の補正係数の算定に当たりましては、途中でその減少の割り落とし率というものを、少し算定方式を変えることと相まって見直しをやったということでございます。現在は、昭和六十三年度以降につきましては、関係地方公共団体の意見等も踏まえまして、平成四年度まで漸減方式をとりながら補正措置を講じていくということになっております。申し上げましたように、元来が激変緩和のための暫定措置ということでございますので、その趣旨からいたしますと、長期間このスタイルを存続することは問題があると考えております。
 なお、人口急減団体一般について申し上げますと、この産炭地域を含めまして普通交付税の算定におきましては、国勢調査人口を使うわけでございまして、国勢調査人口は五年ごとに公表されるということでございますから、五年経過する間に減ってまいりましても、前の数字が使われるというのが事実上効果として働きますし、また、通常の人口急減補正というのがございまして、これも働くということでございまして、現行算定方式におきましても相当程度需要額の減少を抑える効果を持っていると考えております。なお、人口急減団体につきましての交付税の算定につきましては、今後ともるる御指摘ございましたような事情による団体の財政状況等を参酌しながら適切に措置を講じてまいりたい、このように考えております。
#42
○中沢委員 産炭地補正問題については、また別な機会で論議ができると思いますので、今審議官の方からありました人口急減補正にも関連をして、少し具体的に指摘をしておきたいと思うのです。
 人口が急激に減るということは、産炭地が非常に特徴的でありますけれども、かつては鉄鋼、造船を含めて産業構造が非常に不況な地域に集中をしていた。これはやはり交付税上特別な措置が必要だ。私もそういう角度から昭和六十二年七月に地方行政委員会で取り上げて、当時の大臣や財政局長の方からも御答弁をいただいた。実は議事録をひっくり返してまたちょっと読んでみたのですが、したがって、別に私の質問がどうのという意味じゃなくて、全体的にそういう必要性を認識して、六十二年度から人口急減補正が単年度でスタートしたと思うのですね。
 さてそこで、六十二年度、六十三年度、平成元年度の三年間の短期補正、単年度、単年度でやっていますけれども、それぞれ具体的な実績が明確なわけなのですが、改めてそのことをお答えをいただきたいと思います。
#43
○紀内政府委員 炭鉱閉山のみではございませんけれども、そういうような事情によりまして人口が短期間に急減した場合、そういう市町村につきましては、昭和六十二年度に単年度の措置として、その他の処置という費目につきまして投資補正IIIとして俗に短期急減補正と称される補正を新設いたしました。その趣旨は、こういう市町村について臨時的かつ緊急に発生する需要を算入するというものでございます。
 昭和六十二年度につきましては、適用団体の数は十七団体、算入額は三億一千二百万円でございました。昭和六十三年度におきましては、適用団体が三十三団体、算入額は十二億九千六百万円でございます。平成元年度につきましては、適用団体は三十一団体、算入額は十三億七千六百万円となっております。
 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、炭鉱の閉山であるとかあるいは他の産業の消長に伴いまして種々の問題が発生しております。もちろん、それぞれの事象に即しまして所管の省庁がこれに対して種々の対策を打つことになりますけれども、それが結局は市町村の財政状況に投影をしてまいります。私どもも無関心でいるわけに到底まいりません。
 そこで、平成二年度の普通交付税の算定方法につきましては、今後、御提案申しております法案が成立した後におきまして検討することになりますけれども、その場合には人口急減団体の財政運営に重大な支障が生じないよう、御指摘になりました短期急減補正の存続を含めまして検討を加えてまいりたいというふうに考えております。
#44
○中沢委員 それで、今の問題についてもう少し具体的に確認をしておきたいと思います。
 先ほど申し上げました産炭地補正について見ますと、五十一年度から始まって年度ごとに若干の算入額の変動がありますけれども、平成元年の実績では全国で三十六億、こういう数字になっているのですね。今お答えいただきました人口急減補正でいうと、六十二年度から始まって三年間の実績、特に僕は北海道の産炭地をちょっと拾ってみたのでありますが、例えば六十二年度の場合は、全体の措置額の約二〇%に当たる六千二百万が北海道の産炭地に措置をされている。六十三年度の場合は全体の三一%の約四億円、元年度は全体の四三%の約五億九千万円、普通交付税の措置がされている。つまり、産炭地補正ということではいろいろ矛盾が出ていると私は思う。
 しかし、短期であっても単年度措置として人口が減るという具体的な事実に補正をするというのは非常にわかりやすくて、しかも財政的な効果というのは非常に速効性として出てくると思うのですね。ですから、今申し上げましたように、決して十分だとは思いませんが、産炭地だけでもかなりのカバーがされている。
 したがって、そういうことなどを担当の方でもよく参酌をしていただいて、確かに御指摘のように、交付税が上がらなければ、この人口急減補正は具体的に手がつかない、それはもうよく承知をしておりますけれども、ぜひひとつ平成二年度についても、少なくとも平成元年度の制度を下回ることのないように、さっき大臣からも、産炭地というのは非常に大変だということはよくわかる、こういう御答弁もあったわけでありますから、それについての財政措置の柱としての産炭地補正と人口急減補正について、そういうしっかりした認識に立って制度的な上乗せをぜひ強く期待をしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#45
○紀内政府委員 御指摘いただきましたように、産炭地補正の場合と短期急減補正の場合と、地域的な効き目が若干違うというような点はございます。それは、それぞれの炭鉱閉山に伴いまして、炭鉱から離職した人間が失業者として滞留するかしないかというふうな地域差等の効果がそれにあらわれてきているもの、こういうふうに考えております。それで、御指摘をいただいた点を含めまして、今後の補正係数の検討に当たって十分配意してまいりたい、このように思っております。
#46
○中沢委員 さてそこで、特別交付税の問題について簡単にお尋ねを申し上げたいと思います。
 平成元年度の特別交付税については、既にもう配分額も明確になっております。そこで、具体的な事実をまずお答えをいただきたいと思いますが、先ほど例に出しました夕張、三笠それから愛知県の豊田、平成元年度の特交の配分がどういう状況になっているか、単純に前年度と比べてどう
いう推移をしているか、お答えをいただきたいと思います。
#47
○持永政府委員 平成元年度の特別交付税でございますが、夕張の場合が約九億五千二百万でございまして、前年度に比べて一六%の増でございます。三笠の場合は六億六千百万でございまして、前年対比で三二・二%増でございます。豊田の場合は、これは金額は三千百万強でございまして、数字は非常に小さいわけでございますが、伸び率としては一六%という伸びでございますけれども、金額はもともとが二千万が三千万程度になったということでございますので、伸び率はたまたま高くなっておりますけれども、数字としては非常に小さな数字でございます。
#48
○中沢委員 それで、特交配分はいろいろな要素がありまして、積算をして特別交付税、こういう配分になると思うのです。全くの素人なんですけれども私なりに、三笠が前年に比べて非常に伸び率が高い。これは、先ほど指摘をしましたように、昨年の九月に、あの当時でも約七十万トンぐらい石炭を掘っていた幌内炭鉱が閉山になった。一つはこれがいろいろな要素でカウントをされてきたのかな、こんな感じを率直に持っています。そのことについて間違いなのか、あるいはそうなのか、専門家からひとつお答えをいただきたい。
 もう一つは、先ほど通産の方で、閉山の自治体に対しては臨交金を出している、臨交金の算定は生産をしていた石炭のトン数に対して百七十八円、単純にそれを掛けて交付をするわけです。ですから、特別交付税についてもいろいろな配分の算定があるのでしょうけれども、比較的単純明快なその種の算式を少しは要素として入れてみてはどうかな、このように考えるのですが、これも玄人の目から見てどんなものか、この二つをちょっとお答えをいただきたいと思います。
#49
○持永政府委員 産炭地域にかかわりますこの特交の算定の方法でございますけれども、いろいろな項目がございまして、これは閉山とは必ずしも限りませんけれども、例えば生活保護が多いとかあるいは失対が多いとか、あるいは先ほどちょっとお話がございました開発就労なり緊急就労の問題、それから要保護、準要保護児童数の援助の問題でございますとか、あるいは閉山炭鉱につきましては水道施設を買い取る問題でございますとか、いろいろな項目がございまして、そういったものをそれぞれ積み上げをして算定をいたしますと同時に、一方でそれ以外に、市町村に応じまして、今申し上げました個々の項目以外に、閉山対策のために必要な財源もあるわけでございまして、そういうものについても包括的に手当てをするというような形で算定をいたしまして数字を出しているわけでございます。その結果、平成元年度におきましては、夕張あるいは三笠は先ほど申し上げましたような数字になったわけでございますが、これは当然道庁の意見も聞きながら、十分意見調整をして数字を詰めてこういう決定をさせていただいたというようなことでございます。
#50
○中沢委員 それで、通産のやっている臨交金のような単純な算定を要素の中に入れるということについてはどうなんでしょう。全く検討の余地がないのですか、どうでしょうかね。
#51
○持永政府委員 特別交付税、交付税全体についてそうでございますけれども、やはり交付税を措置する場合は、財政需要、具体的にどういう事業に金が要るという具体の問題があって、それに手当てするということでございますので、やはり実際にどういう需要があったかということに着目する必要があるということでございまして、そういう具体の需要とは別の観点から、今お話がございましたような一定枠で措置をするということについては、やや交付税制度上なじまないのかなという感じがいたしております。むしろ、やはり実際の需要に応じて的確になるたけ手当てをしていくということが大事なのかな、こんな感じを持っております。
#52
○中沢委員 時間がありませんから、この問題はこのぐらいにしておきたいと思います。
 さて、具体的な問題の最後になると思うのでありますが、昨年の幌内の閉山時に、三笠の市長とも一緒に自治省の関係者に具体的な問題についてもお願いをしてきました。先月閉山になりました三菱問題では、つい先日地元の市長と、自治省でいうと次官だとか財政局長、大臣にはちょっと日程がとれなくてお会いをしておりませんが、交付税上の問題以外にも自治省に対するさまざまな要請があるものですから、一緒に来ていろいろ話をしているわけであります。
 さてそこで、やはり地元の要望としては、この交付税上の措置以外でいうと、たくさん借金を抱え込んで、つまり人口が十万いたときには十万規模の公共事業をどんどんやる、学校も建てる、道路もどんどん舗装する。急速に人口が減ると、夕張みたいに二万五千人ぐらいでその借金を返さなきゃならぬ、これは大変なんですよ。そうなると、今の制度でいうと、起債償還はどんどん残ってしまって、償還したくても金がない、勢い起債の償還について改めて起債を認めてもらえないか、こういう非常にせっぱ詰まった問題なんか一つは出てきていますね。
 あるいは、過疎債を最優先に配分をしてもらえないか。ついこの間過疎法が成立をしましたけれども、大体北海道の産炭地というのは、ほとんど過疎地域の指定も受けている。したがって、過疎債を配分してもらう資格は持っているのですが、これも枠がありまして、そう右から左へなかなかうまくいかない。しかし、やはり過疎債というのは一番条件がいいわけでありますから、何とか産炭地に最優先にして配分をしてもらいたい、こういう希望。
 あるいは直接自治省とは関係がないと言えばそれまででしょうけれども、大量の失業者が出る、そうすると企業立地も当然必要だけれども、なかなか思うようにいかない、おのずから大型の公共事業を、例えばダムだとかそういう公共事業を地元としてぜひ誘導してもらいたい。三笠の場合は、平成二年の予算の中で、幾春別の五百八十億、これは着工が決定をしていただいている。例えば夕張でいうと、大夕張ダムの約一千億円の計画はあるのですけれどもまだはっきりしていない、こういう問題もあるのですね。したがって、今言った起債の関係、過疎債の関係、直接所管ではないけれども、産炭地に対する大型の公共事業の誘導の問題、非常に大事だし、切実な問題だと思うのですよ。
 これは担当の局長でも結構ですが、大臣からもまたお答えをいただきたいし、もっと言うと、閉山地区に限って言うと、通産省が事務局になって、各省庁にまたがるさまざまな問題について省庁連絡会議というのが必ず開催されている。三笠の場合も開催をされてきた。夕張の場合も、たしか二十七日でしょうか、二回目の各省庁の会合がある。自治省からも恐らく担当の課長か室長が出席をされていると思うのです。ですから横並びで、確かに通産行政だとはいいながら、自治省としてはこういうことをやったらいいじゃないか、あるいは建設省や北海道の開発庁にこういうことをぜひ自治省としても希望したい、こういう発言の場というのがそういう省庁連絡会議にもあるわけだし、大臣クラスでいえば閣議もあるわけでありますから、そういう場で、今私が申し上げましたような具体的な、非常にせっぱ詰まった産炭地の自治体の要求についてどうやって積極的にこたえていくか。担当の局長でも結構ですが、大臣からも最後の決意としてお聞かせをいただきたいと思います。
#53
○奥田国務大臣 細かい対応については政府委員から答えさせます。
 ただいま先生御指摘のように、過疎債に対する優先割り当てというか、それはやります。それで、財政状況が極めて厳しい状況にあることもよく認識いたしておりますから、公共事業など、既に起こした起債分の返済等々に当たっての財源手当てで今もう金がないというなら、これはまた財政局長の方が、いろいろな特交の配分基準があるような話ですけれども、やっぱり特交で面倒見ていくこともできると思います、全部じゃなくても。だから、その点においての財政的な形の相談には十分乗れると思っております。
 それで、大体仕事がなくなったのですから、地方の社会資本整備を中心にして、残された住民の皆さんに、生活環境の整備を中心にした公共工事などを単独でやる形についても十分配慮してまいる、この点においてはでき得る限りのお手伝いをさせていただくということで、あと、そういった形の具体的な面については政府委員から説明をいたさせます。
#54
○持永政府委員 基本的な問題につきましては、今大臣からお答え申し上げたとおりでございます。
 やや細かい点になりますけれども、起債の償還の問題のお尋ねでございましたが、まず、閉山等によりまして不用となった公共施設と不用でないものとあるわけでございますけれども、不用となった公共施設についての起債の償還については、特別交付税でも算定の対象にしておりますし、また、通産省の方の産炭地域振興臨時交付金でも対象となっておる、こういうことでございます。
 一方、不用でないけれども借金だけたくさん残るというものももちろんあるわけでございまして、しかも人口が大幅に減ってなかなか借金の返済が大変だということは、私も十分承知しております。この間も夕張の市長さんがお見えになりまして、そういうお話を伺いました。これにつきましては、毎年毎年の起債の、毎年度の定率償還の分をもう一遍起債を起こすということは、今の制度上はなかなか難しい面がございますけれども、残っている残存元本全部を一括で借りかえるということは、方法としてはあり得ると思いますので、そこらの具体的な問題につきましては、また個別の問題として各市の相談に乗っていきたい、このように考えております。
 過疎債の問題につきましては、過疎地域、いずれも大変厳しい状況にあるわけでございまして、その中でも特に産炭地域、人口急減地域というのは大変でございますから、優先的に配分するという考え方でございますけれども、やはりその前に総額がどうしても必要でございますので、先般当委員会で新しい法律もおつくりいただきまして、その中で対象事業も拡大することになっておりますし、また、平成二年度の過疎債の総額につきましても二千二百億円ということで、元年度に比べて二四%余り増額いたしておりますので、そういった全体の中で産炭地域の事業の執行に支障がないようになるたけ配慮してまいりたい、このように思っております。
 それから公共事業の採択の問題でございますけれども、これは今お話ございましたように、関係省庁の会議等もございますので、これはやはり産業政策という観点だけではなくして、地域政策の問題もあるという大臣の最初のお話もございました。そういう観点に立って、私どもとしても関係省庁にはそういう先生の御趣旨を十分お伝えしてまいりたいと思いますし、また、きょうは通産省の方も見えているようでございますから、先生のお話もお聞きになっていただいていると思いますので、両々相まってそういう点につきまして、関係の公共事業担当の各省庁に要請をしてまいりたい、このように思っております。
#55
○中沢委員 今大臣あるいは局長の方から決意を含めた具体的な御答弁をいただきました。ぜひひとつ、地元としては最大限そこのところに期待を寄せておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、もう十分を切りましたので、次に別な問題につきまして具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 一つは、地方公共団体におけるところの労働時間の短縮問題。土曜閉庁法案の審議の際にもいろいろ指摘をいたしました。土曜閉庁がスタートいたしまして既に一年以上時間が過ぎているわけでございます。そこで、具体的にお尋ねをしたいのは、土曜閉庁あるいは四週六休という総体的な時間短縮が地方公共団体でどういうような実態になっているか、ごく最近の実情についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
#56
○滝政府委員 現在の四週六休制、すなわち四週間の中で二日間土曜日を休む、こういう実態でございますけれども、これが現在の地方団体の週休二日制の大勢になっておりまして、ちょっと数字が古くて恐縮でございますが、ことしの一月一日現在の集計が一番新しいものですからそれで申し上げますと、これが九五・七%、こういうことでございます。このうち、交代制でなくて役所そのものを閉めちゃうという土曜閉庁方式、この閉庁方式がこの一月一日現在で六一・六%、こういう状況でございます。
#57
○中沢委員 時間があれば具体的にいろいろ指摘をしたいのでありますが、今お答えをいただいた内容で、いずれにしてもまだ実施状況はそれほど進んでいない、私はそういうように認識をしております。
 同時に、都道府県別の実施状況なんかを見ますと、私の出身の北海道も余り芳しくないのでありますが、かなりばらつきが目立つわけですね。例えば、町村ではまだほとんど実施をされていないというような都道府県もあるわけなんです。ですから、国際的な風潮としてはもう労働時間の短縮、日本は働き過ぎだ、その孤立化を避けるために労基法の改正をやり、そして土曜閉庁に踏み切ったわけでありますから、もう一年以上経過をしておりますので、一つは全体的な実施状況をもっと充実をさせるということと、それから、全国的に非常に地域のアンバランスが目立っている、これはやはり是正をしなければいけないと思うのです。ですから、自治省のいい意味での指導をその辺のところに及ぼすようにぜひお願いをしたいと思うのでありますが、いかがですか。
#58
○滝政府委員 ただいま御指摘のように、二つほど問題があろうかと思います。一つは、地域的なアンバランスがどうしても出てきている、こういう問題でございます。それからもう一つは、全体としてもう少し進捗率を高めるべきじゃないか、こういうような二つの問題だと思います。
 おっしゃるとおり、私どもとしてはやはりこの問題は過去一年間やってまいりまして、率直なところを申し上げますと、当初考えていたよりは多少進捗しているという感じもないわけではございませんけれども、やはり一年やってまいりましてアンバラが出てきているということでございますので、この四月以降地方団体に呼びかけをいたしまして、やはりこの問題はもう少し前進させるように地方団体も取り組んでいくように、そういうような呼びかけをしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#59
○中沢委員 いずれにしても、労基法改正のときあるいはそれ以降のいろいろな動きなんかを聞きますと、現在の四十六時間、これを来年の四月以降は四十四時間体制に全体的には一歩前に行こう、こういう動きのようでもありますので、少なくとも、国家公務員もそうでありますが、地方公共団体がそれにおくれをとらないように、今お答えがありましたけれども、具体的なてこ入れをぜひお願いをしておきたいと思います。
 さて最後に、同じく消防職員の労働時間問題について、もう時間がありませんから、まとめて三つ指摘をしてお答えをいただきたいと思います。
 消防職員の場合は、労基法改正のときには、特殊職場でもある、あるいは変則交代制の職場でもある、この理由について言えば一〇〇%私は納得をしませんが、しかし現実問題としては、そのことを理由にして当面四十六時間は猶予、しかし来年の三月まで四十六時間に具体的な中身が行くようにやるのだ、こういうことでスタートしているわけですね。
 そこで三つ質問をしたいのは、一つは、消防職員の一週間の勤務時間の実態が現状においてどうなっているかということ。それからもう一つは、今申し上げましたように、四十六時間という拘束はないけれども、四十六時間を目指して努力をするという内容があるわけでありますから、それでは来年の三月までに四十六時間体制を全国的に足並みをそろえるために、今までどういう努力をし
てきたか。聞くところによると、地方交付税で消防職員の増員を単位費用で認めている、こういう話もありますが、その事実について、平成元年と二年でどういうことになっているか。そしてもう一つは、来年の四月以降は全体的に四十四時間体制に移ろうという動きが、まだ余り表面化しておりませんけれども、底流として存在をする。そうすると、消防職員としてはこの時点を踏まえて、来年の四月からはやはり四十四時間体制へ全体的に移るときには一緒に移っていく、労基法のように一歩おくれをとらないような状態で、一緒に四十四時間体制に入っていくということが非常に大事だと思うのですが、そういう三点について御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
#60
○木村政府委員 お答えをいたします。
 第一点の消防職員の週当たりの勤務時間でございますが、平成元年十月一日現在で、交代制勤務者の条例による時間数について申し上げますと、四十二時間未満が百十四消防本部、全体の一二・三%でございます。それから、四十六時間以下の消防本部が六百六十八本部で、全体の七二%でございます。それから、四十六時間を超える消防本部が百四十六本部で、全体の一五・七%でございます。したがいまして、比較的よく努力が行われていると考えております。
 これまで消防庁としていかなる努力をしてきたかという点でございますが、消防庁といたしましては、平成三年三月三十一日ということでなく、むしろできるだけ早い時期に週当たり勤務時間を四十六時間体制にしてほしいという通知を出しまして、研修会その他の機会をとらえて努力をしてきたところでございますが、あと一年でございますので、残る消防本部についても完全に実施するよう推進してまいりたいと思います。
 そのための財政措置といたしましては、平成元年度におきましては、地方財政計画上消防職員の数を千七百二十三人増加いたしまして、このため地方交付税措置において標準団体で二人の増員措置を講じたところでございます。平成二年度におきましては、地方財政計画上八百六十二人の増員措置。したがいまして、合計二千五百八十五人でございますが、これを講じておりますので、これに対応してただいま国会に提出されております地方交付税法改正案におきましても、これに応じた増員措置一名を講じているところでございます。
 最後に、消防職員の時短の全体の考え方でございますが、消防職員の勤務時間については、交代制勤務という特殊性がある点は、御理解いただきたいと思いますけれども、基本的には、一般行政職員の勤務時間との均衡を十分配慮しなければいけないと考えております。したがいまして、今後の勤務時間短縮につきましても、一般行政職員の時短の動向を十分留意して、これと歩調を合わせるよう努力してまいりたいと考えております。
#61
○中沢委員 それで、一つだけ特にお願いしておきたいと思いますが、御承知のように、消防職員は国内法によって団結権も認められていない、こういう職員なんですね。したがって、この労働時間の問題をきょうは取り上げましたけれども、労働時間あるいは全体的な労働条件について、団結権も保障していない、それだけに消防庁あるいは担当の自治大臣としてもひとつ十分留意していただけますように、今後の問題がいろいろありますのでよろしくお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#62
○島村委員長 午後一時五分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
     ────◇─────
    午後一時七分開議
#63
○島村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小川信君。
#64
○小川(信)委員 それでは、質問をさせていただきます。
 その前に、私、このたび山口より参りました小川信でございます。
 私は、こちらに来るまでずっと田舎に住み、田舎を回る仕事をしてきたものでございます。と同時に、地方の一住民として現在まで暮らしてきたものでございますので、そういうふうな立場からいろいろと御質問し、お考えを聞かせていただきたい、このように思っております。
 先ほど大臣が、所信表明の中でふるさと創生等についてお考えを述べられました。その中で、東京への一極集中傾向が強まっているということでございますが、さらに、御答弁の中では限界に来ておるということも言われております。さらには、そういうような中で多極分散型国土形成が必要だ、こういうふうなことを言われております。私もそのとおりであると思っております。
 特に、地方自治というのは民主政治の根幹であるということでありまして、地方の自主性というものが最大限に尊重されなければならない、こういうふうなことは言うまでもないと思っております。いわゆる地方公共団体の自主性、地方の個性というものが生かされるような政策を進めていかなければならない。同時に、その生かされるような政策が地方で展開できる財政的な裏づけというものがきちんと整理されていなければならないというふうなことではなかろうかと思います。かつて長い間、地方自治体三割自治だというふうなことが言われてきております。現状でも約半分というのが自主的な財源だ、こういうふうな現状であることは否定できない事実だろうと思います。
 これらについて重ねて大臣の御所見をまず承りたいというふうに思います。
#65
○奥田国務大臣 先生の一つの地方自治に対する哲学に関しましては、私も全く同感でございます。特に自主的な地方自治、それを達成するためには自主財源の健全化、これはもちろん必要でございますし、そしてまたきめ細かい住民サービスというのは、これはもう本当に自治体でなければできない性質のものでありますし、今言われましたとおりふるさと創生もその起爆剤になって、何とか個性あふれた活力に満ちた自治体行政であっていただけることを期待しておるわけであります。
 また、先生、三割自治から五割自治という形に表現なさいましたけれども、確かに私たちは、かつて三割自治以下の財政窮乏の体制に自治体はあえいでおったわけでありますが、最近は確かに自主財源も五割近く、全国平均でもそれくらいの数字になっていることは大変喜ばしいことだと思っております。先生の御意見には全く同感でございます。
#66
○小川(信)委員 ただいま大臣からお話しいただきましたが、そういうふうな状況の中でありながら、現実には非常に大きな課題を地方は抱えておるというのが現実だろうと思います。先ほど申し上げましたように、東京への一極集中というふうな中で、地方と中央とのこの関係、さらには大都市と農山漁村、いわゆる過疎と過密という問題が現実の問題として抱えられておるというふうに言わざるを得ないと思います。東京圏等の大都市圏は、いわゆる一極集中ということで、既に行政または生活、あらゆる面で限界に来ているのではなかろうかというふうにも思うわけでございますが、一方で、私のおります中国、四国地方というのは非常に大きな問題を抱えております。
 これは、特徴的に出ておりますのがいわゆる人口の自然減でございます。これは自治省の住民基本台帳に基づく全国人口、世帯数表、人口動態表等によって整理されたものを見ましても、中四国地区は自然減市町村が全体の五二%を占めておる、こういうふうな状況でございまして、特に山口、広島等に至っては六割以上が人口自然減だ。いわゆる生まれる人より死ぬ人が多いというような状況になっておる。先ほど中沢委員の方から炭鉱の問題で、人口激減というお話がございましたが、まさにこの中国、四国地区は、真綿で首を絞められるような形で人口が減少しておるというような状況になっておる、こういうふうなことではなかろうかというふうに思って、非常に憂慮しておるところでございます。
 こういうふうな問題について、どのようにこういう状況を御理解されておられるのか、その辺をまず承りたいと思います。
#67
○森(繁)政府委員 今お話しのように、これまで人口が減ってきておるというおおむねのパターンというのは、一方では自然増がありましたけれども、それを上回る社会減というもので人口が減ってきた、こういうところが数多くあったわけでございます。ところが、最近は、今御指摘がございましたように、とにかく自然減の状態が非常に目立ってきておる。もちろん社会減もあるわけでありますから、両方相ダブりまして大幅な減になってきておる、こういう地域が数多く見られるようになってきておるところでございます。
 これは委員御承知のように、これまで過疎対策等を中心にいたしまして、各省協力いたしまして格段の努力をしてまいったわけでございますが、その法律の期限切れがことしの三月末ということで、先般議員立法の形で新しい活性化法というのが制定されたわけでございます。いずれにいたしましても、その人口が減っていくところをどういうふうに振興していくか。これは一つは、その地域の住民なり自治体なりの自主的な創造的な努力というものが必要だろうと思いますが、他方では、それと相まちまして国なり県なりの各種の援助措置というのも必要であろうかと思います。先般成立いたしました法律というのはその内容を含んでおりますので、これで今後人口減に歯どめがかかるかどうかは別といたしまして、私どもといたしましても、今後最大限の努力を重ねていきたい、こういうふうに思っております。
#68
○小川(信)委員 確かに、先般成立いたしました新過疎法、それなりの役割は持っておるかと思います。しかし、私も約三十年間農山漁村等を歩いてまいりました。二十年前に行ったところが、村がなくなっておる。村というより集落ですけれども、こういうふうなところが現実の問題としてあるというようなことでございます。言うなれば、今言う自然減のところというのは非常に高齢化率が高い。そういうところは消防の機能とか医療、教育、こういうふうな機能というものが完全に低下してしまっておるというような状況でございます。先ほど申し上げたように、自治の最終の基礎単位になっております集落というものがその機能を失って、言うなれば人間が住めるような状況になくなってしまう、こういうふうなところに現実なっております。そういうふうな状況の中で、今知事とか市町村長さん方の一番の悩みであり、同時に一番大事な課題というのが、人口をどうしたら減らさないようにすることができるのか、これ以上減らさないようにするにはどうしたらいいのかというのが一番大きい悩みでもあり、課題でもあるわけなんでございます。
 実は、私の山口県におきましても、県レベル全体で見ましても、県政の一つの目標としては、人口百七十万を掲げております。しかし、現実六十三年には百五十八万。いろいろと学者、大学の先生方で計算をいたしますと、今のままでいきますと百二十万に山口県の人口は少なくなるのではなかろうか、こういうふうなことが言われておりまして、人口減少に対しては非常に強い危機感を持っておる。そういうことで今県政の一番大きな目標として、若者定着促進の事業をやっておりますけれども、従来にはなかったようなことで、今までは魅力ある職場をつくるとか後継者対策をどうするかとかいうようなこと等でございましたけれども、新しくいわゆる出生対策、今おる若い人たちが一人しか子供を産まないのを二人産んでください、こういうふうなところまでやらざるを得ないような状況になっておる。こういうふうな県知事、市町村長さん、いわゆる首長の方々の気持ちにこたえられるだけの施策というものを国は進めなければいけないと思います。その辺について、このような知事なり市町村長さん方のこの気持ちをどのように受けとめておられるのか、お尋ねしたいというふうに思います。
#69
○森(繁)政府委員 今お話ございましたように、地方団体で人口が減るということは、これは首長さんにとりまして、あるいは議会の議員さんにとりまして、大変深刻な憂慮すべき問題だ、こういう認識を持たれておりますことにつきましては、私どもも十分承知をいたしておりますし、その痛みも痛いほどわかっておるわけでございます。先ほどお話ございましたように、そのためには若者の定住策を講ずるとかあるいは出生率向上のための何がしかの奨励援助策を講ずるとか、いろいろ地域地域で工夫をされておるように伺っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、この活性化法、新過疎法の運用を今後適切にいたしますことによりまして、それらの期待にこたえるようなことができるんではなかろうか、こう考えておるわけでございますが、あわせまして、先ほど、過疎の人口減少のところを含めまして小規模の町村がたくさん出てきておって、行政の円滑な執行というのが難しいのではないか、こういうお話もございました。この小規模の町村の問題につきましては、例えば人口二百人という町村もあるわけでございます。そういう町村では、町村単独でほかの町村と同じようなレベルの行政を展開するということが非常に困難になってきておるわけでございます。一方では合併すればいいではないかという話もあるわけでございますが、地理的その他の条件からいいまして合併が難しい。人口が非常に少なくて行政の円滑な執行が困る、こういう小規模の町村に対しましてどういうふうな具体的な援助策を講ずることができるだろうかということで、先般地方制度調査会におきまして、そのような町村に対します振興策につきましての御答申をいただいたわけでございます。
 例えば町村でそういう仕事ができない場合には、中核都市だとかあるいは県がその町村にかわって仕事をやるようなそういう仕組みを考えたらどうだろうか。あるいはいろいろ農業委員会だとか教育委員会だとか、それぞれ置かなければならない機関が決まっておりますけれども、それを一遍にまとめて置くようなそういうものはどうだろうかとか、あるいは町村長にかわりまして、アメリカで導入されております支配人制度というのをそういうところにも入れたらどうかとか、積極的な御提言をいただいておるわけでございます。これらにつきまして、今後も事務的に検討を重ねまして、有効な策を講じていきたい、かように考えております。
#70
○小川(信)委員 いろいろと検討が進められておりますようですけれども、あくまで住民の自治というのが前提になって対応していただくことが必要ではなかろうかと思います。ただ、私が憂慮します問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、多極分散型国土形成ということで、地方を大事にしなければならないということは言われております。そしてまた、言われていることも間違いない事実だろうと思いますけれども、現実の状況、本当に地方が重視されるような政策があらゆる面で展開されておるのかというふうなことになりますと、いろいろと問題があるのではなかろうか。いわゆる地方重視の政策を展開するということであれば、いわゆる東京圏等々に、大都市に人口が集中するような政策はとるべきではないのじゃないか、こういうふうなことがまず考えられるわけでございます。
 実はこれは島根大学の保母さんという先生がまとめられた五十八年から六十一年までの補助金等の配分等を見ましても、数字的に見ますと、国庫の支出金でございますけれども、全体的には少なくなっておりますけれども、そういうふうな中で、東京圏とか大阪圏とかいうような大都市圏には相当たくさんの国からのお金が行っておる、こういうふうな状況があるように、その数字からうかがわれるわけでございます。
 確かに東京、これは世界のいわゆる中枢の都市としての機能を集積しております。そういうふうな金融とか情報とかいうような大きな役割は持っておりますけれども、一方では、東京というような大都市圏は、土地の問題、住宅の問題、交通の問題、ごみ処理の問題、たくさんの問題で、先ほど大臣がおっしゃったように極限の状態になっておるという事実がありますし、また先ほど申し上げま
したように、地方はいわゆる自然減社会という形でこれまた極限の状態に追い込まれておる。この両極に現在の日本がなりつつあるのではないか、既になってきておるのではなかろうか、こういうふうな感じがしてならないわけでございます。
 これはやはり今まで三十五、六年ごろからとってきた高度経済成長、いわゆる市場原理万能の競争社会、いわゆる目先の経済効率だけを重視した政策の欠陥がこの際出てきたのではなかろうか、こういうふうに思っております。地理的または自然的に大きなハンディを持っております地方、過疎化された地域の少なくとも人口が維持できるような政策というものを、もっともっと充実していかなければならないんじゃないか。国の政策もその方へ最重点を置いて、いわゆる集積されたような大都市圏を、よりそちらの方へ重点をあらゆる面で移すべきじゃないかというふうに思いますが、その辺についてのお考えを聞かしていただきたいと思います。
#71
○芦尾政府委員 るる委員の方からお話伺いました。東京への一極集中の中で、確かに大都市圏の地方公共団体は一方で土地や住宅問題、環境問題なんかを抱えております。片方、地方におきましても過疎化や地域の活性化の問題を抱えておるということでございます。そういうことから、まず地方の地域の活性化を図る意味で、先ほど行政局長の方からも答弁いたしましたが、過疎対策等を進めていかなければならないということはもう当然でございます。一方、そこに住む住民の方々、この方々の活性化というものを図っていくことも大切であろうということでございまして、そういう意味から、先般来大臣の方からも御答弁さしていただいておりますように、ふるさと創生ということを進めてまいらなければならない。こうした国の方からの手当て、地方の方からの活性化、この二つを一緒になってやっていかなければならないんではなかろうか、そういうふうに考えておるところでございます。
#72
○小川(信)委員 地方の活性化、これは確かにおっしゃるように大事ですけれども、もう一つ大事なのは、東京と大都市圏に人口が集中する、これに対して歯どめをかけることが必要ではなかろうか。先ほど申し上げたように、都市のいわゆる環境条件は非常に悪くなっております。公園も緑地も少ない。それから交通とか住宅の問題もある。ごみ処理の問題等もある。いわゆる人間として住むような環境にはなっていないようなこの大都会に、さらに人口を集中する必要があるのかどうか、この辺に私はやはり目を当てなければならないんじゃないか、こういうふうに思っております。
 さきに数年前ですか、過度に集中した大都市圏の人口を地方に移動させる、分散させるということで、政府機関の移転等を計画されて進められましたけれども、これがどれだけ人口の地方移動に効果をあらわしたのか、東京一極集中、これに歯どめをかけたのか、その辺についてこれは感想になるかと思いますけれども、聞かしていただきたいと思います。
    〔委員長退席、今井委員長代理着席〕
#73
○芦尾政府委員 一極集中を排除する、そうして多極分散型国土形成を図るということで、先般その多極分散型の国土形成法というものが制定されたわけでございます。ただいま委員お述べになりましたように、首都圏からの行政機関の移転ということもその一環として、今これからやろうといたしておるわけでございます。
 この考え方は、一つは大都市圏内を整備するということもありますけれども、いずれにいたしましても、地方の振興開発をしていかなければならない。そうして地方、地域の振興拠点というものを整備して、そこにいろいろな機能を集積して、そのことによりまして東京に人口の集まることを防いでいくというか、また東京からの人口を分散させていこうじゃないか、そういう施策でございまして、今、政府一丸となって取り組んでおる、自治省もその一員として参画しておるということでございます。
#74
○小川(信)委員 今、積極的に取り組んでおられるということでございますけれども、一方で、四全総の考え方の中には、東京圏を中心にもっともっと住宅をつくっていく必要があるというような形で、大都市地域の住宅宅地供給促進特別措置というようなものを建設省で定められまして、二十一世紀までに東京圏に二百六十万戸から三百七十万戸の住宅宅地を供給するというような御計画があるように聞いております。これは現在既に市街化された地域で百九十万戸から三百万戸、新しい市街地に七十万戸、合計しての今の数字でございます。こういうふうなことで計算してみますと、一世帯約三人というふうに計算していきますと、七百八十万人から一千百万人の人間がさらに東京へ集中するということになります。そういたしますと、極端に言うとこれだけの人間が地方から流出するということにもなってくる。この計画から見る限りにおいては、東京一極集中をさらに加速することになるのではないか、こういうふうに私は思っております。
 一方で、東京都が立てておられます長期計画を見ますと、東京都の方は必ずしもそれだけの人口集中を計画としては考えておられないというようなことでございます。仮に一千万人の人間がさらにこの東京圏に集中いたしますと、上下水道なりごみ処理のこの金だけでも約七千億円の金がかかる。さらには、一般的な歳出や公共事業等々合わすと八兆五千億ぐらいのお金がかかるというような試算もあるわけでございますけれども、これ以上本当に東京へそういうふうな一極集中をすることがどうなのか、こういうふうなことに対して私は極めて大きな疑義がある。いわゆる東京へ人間が集中することによって、地方がさらに過疎を促進するということになりかねないということではなかろうかと思います。
 それで、話をその問題と関連いたしまして進めてまいりたいと思いますけれども、日米構造協議の課題にもなっております、前々から問題になっております土地対策の一環として出されております三大都市圏の市街化区域内の農地に対するいわゆる宅地並み課税の問題でございます。これは今申し上げたように、東京一極集中を加速していく役割を持つのではなかろうかという疑問が一つあります。と同時に、もし仮にこれを宅地並み課税をすることによって、今東京圏に住んでいる人たちがより快適な、より環境のいいところで暮らしができるように、生活ができるようにという形で宅地を求め、住宅を建てるということになるとしても、本当にこの宅地並み課税によって土地が、宅地としての、いわゆる勤労者が求め得る宅地としての土地を供給することができるのか。これを吐き出すことによって土地の価格がどのぐらい下がるか、この辺について、先ほどから申し上げたこと等について建設省等はどのようにお考えになっておられるのか、お尋ねしたいというふうに思います。
#75
○木村説明員 お答えいたします。
 最初に、東京圏への一極集中を加速するのではないかというお話がございましたが、先生御指摘のとおり、四全総におきまして東京圏の人口想定をしているわけでございますが、これによりますと、多極分散政策を最大限推進したといたしましても、東京圏の人口、現在約三千万でございますが、これが趨勢でいけば三千五百万になる。これを今申しましたとおり多極分散を最大限推進いたしまして、三千三百万まで抑制しようというのが四全総の計画でございます。
 その四全総の計画に基づきますこの人口を受けました住宅宅地供給量、これにつきましても同じ四全総に書かれておりますが、二〇〇〇年までに住宅地で約五百七十万戸、宅地供給量で四万ヘクタールの量が必要ということになっております。したがいまして、先生今お話ございました建設省で考えております施策というものも、こういった住宅宅地供給量に見合って必要なものを想定いたしておるわけでございます。五百七十万戸の住宅のうちその場で建てかえるようなもの、古くなりまして老朽化して滅失し、あるいは建てかえるというものがございますので、新たに住宅として建
設するものはそのうちの約半分、三百万戸を見ております。そういうことでございますので、人口としてふえるのは極力抑えまして三百万ということでございまして、七百万とか一千万というような人口をふやそうということは、私ども毛頭考えておりません。
 それから、これによります価格のお話等ございましたけれども、申し上げるまでもなく東京圏におきまする住宅宅地問題、極めて深刻な問題でございまして、住宅価格は年収の七、八倍と言われております。このような中で私ども住宅宅地供給を強力に促進するために、これは市街化区域内にございます土地の有効利用ということで、工場跡地等の低・未利用地や農地を含めました土地の有効利用を促進する、あるいはニュータウンの開発といった総合対策を進める必要があると考えております。そのため、本日、こういったことを推進する上での広域計画体系あるいは都市計画制度の充実に係る法改正につきまして閣議決定をお願いいたしまして、今国会で御審議いただきたいというふうに考えております。
 こういった総合施策等の中で、市街化区域内農地につきましても、やはり宅地供給の促進の観点からは重要な空間というふうに考えております。こういった農地につきましては、私どもすべてを宅地化するということではございませんで、当然営農意向がございましてしっかり営農していただける方、あるいは都市の緑として重要なもの、こういったものにつきましては生産緑地等でしっかり保全していただきたい。一方で、よい町づくりを進めるという観点から地区計画というようなものを活用してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 そういった中でも価格の問題でございますけれども、これは単一にある税をやったり、あるいはこういう施策を講じたからということで宅地供給量が簡単にふえてくるというふうには考えておりません。したがって、価格がそれによって直ちに連動して下がるというものではございませんが、今申し上げましたような総合的な施策の中で宅地供給が進めば、これは相対的に当然のことながら需給関係で決まる価格にもいい影響が出てくるというふうに考えております。
#76
○小川(信)委員 土地価格の問題、私は必ずしも今おっしゃるような形で安定、吐き出したことによって価格が下がったりするというようなことはなかなかないんじゃないか。これは完全な市街地の数字なので、必ずしも新しく吐き出させられる宅地並み課税をかけられる地域とは若干違うかもわかりませんけれども、いわゆる土地取引の、最初に個人が持っておる土地が最終的にどこに行くか。いわゆる初期所有者と最終購入者の状況を見ますと、最初に持っている初期所有者個人が約九割持っておる。しかし、これが最終購入者に、個人に行くのはその一割しかないというようなことですね。大部分は民間の法人、特に不動産や建設業者に行く。こういうふうな形であれば、吐き出させられた市街化区域内の農地というものが非常に適正な価格で最終購入者である勤労者の人たちの手元に行くということは考えられない、そういうふうな問題を抱えておるというふうに私は思っております。
 同時に、私はこの市街化区域内の農地というのは、やはり今それなりの役割を持っておるというふうに思っておるものでございます。私は田舎からこの東京の町に出てきて思いますのに、まさに東京はコンクリートジャングルであります。そして東京砂漠と言われるように、普通の人間の住めるような環境ではないというふうに思わざるを得ないような状況ですけれども、そういうふうな中で少しでもこの大都会に住んでいる人間に対して安らぎを与える大きな役割を持っている農地というものを、もっともっと評価しなきゃならないと思っております。
 そこで、特定市町村等の農地の面積とか農家、どういうふうな作物が生産されておるのかということがわかれば、農水省、資料を御報告いただければと思います。
#77
○山口説明員 三大都市圏の特定市町村、ここで言っております特定市町村というのは、いわゆる都市計画法に基づきます市街化区域と市街化調整区域の線引きを行う都市計画区域のある市町村ということでございます。この特定市町村について見ますと、農地面積は市街化区域内に六十二年で六万八千ヘクタールございます。また、農家戸数でございますが、農家戸数はあいにく統計上の制約もございまして、線引き区分ごとの統計はないわけでございます。したがいまして、市街化区域、市街化調整区域も含めました市町村全体の農家戸数で見ますと、六十年で四十七万戸ということになっております。また、これらの地域におきましては、生産物は、稲作も行われておりますが、主として野菜であるとか花卉であるとかいった作物が生産されております。
#78
○小川(信)委員 実は、六十年の東京都の中央卸売市場の年報で整理をしてみましても、いわゆる東京産の農産物がどのぐらい東京都の皆様方の消費者の食卓に上がっているのか。いわゆる新鮮な、生鮮的な野菜が相当大きいウエートを持っておるということです。いわゆるツマミナとかいうようなもの、これなんかでは九割近いものが東京で生産されておるということです。キョウナとかツケナというようなものについても三割、アサツキとかカリフラワーというようなものについても二割近いものが、東京都内で東京の農産物として東京市場に出され、東京の都民の皆様方の食卓に供されておるというように、いわゆる東京都の都民の皆さん方の食卓にとっては、こういうところにある農地も欠くことのできない重要な役割を持っておるというふうに思うわけでございます。
 そういうふうな農地、これは長期営農継続農地制度というような形で地方税法の附則で定められております。そういうふうに、まじめに農業をやっておる人たちの手で生産されておるわけでございますが、この長期営農継続農地並びにさらには生産緑地となっています当該区域内の農地の面積というのがどのくらいあるのか、おわかりになりましたら教えていただきたいと存じます。
#79
○湯浅政府委員 昭和六十三年度における三大都市圏のいわゆるこの長期営農継続農地の面積の合計は、三万七千六百五十五ヘクタールでございます。その内訳といたしまして、首都圏で二万三千三百八十四ヘクタール、中部圏で五千八百三ヘクタール、近畿圏で八千四百六十八ヘクタールということになっております。
#80
○曾田説明員 お答えいたします。
 三大都市圏におきます生産緑地法に基づきます生産緑地地区の指定面積でございますが、昭和六十三年三月三十一日現在におきまして、千二百八十四地区六百九十五・八ヘクタールでございます。
#81
○小川(信)委員 それからもう一つですけれども、これら当該地域、特に大都市圏でございます防災上必要な空間、これは非常に大事だろうと思います。大地震とか大災害、こういうようなときに住民の防災上一定のオープンスペースというものがなければ人命にも影響する、非常に重要なものでございますけれども、現在東京圏でこの防災上のオープンスペースは十分確保されている、このように思っておられるのか、まだ必要だというふうに思っておられるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#82
○木村政府委員 お答えいたします。
 地震災害等の大規模な災害を考えますと、都市には火災を遮断できる幅員の広い道路、街路あるいは遮断緑地、それから十分な量の避難地及び避難経路等が必要でございます。このため各都市におきまして、その地域防災計画の中で必要とされる避難地や経路、緩衝緑地等を計画し、それに基づいて公共施設の整備等も行っているわけでございますが、今後とも防災上必要な公共空間の確保のためには相当の努力をしてまいらなければならないと考えております。
#83
○小川(信)委員 今お話しのように、私は、この市街化区域内の農地というのは、食料、いわゆる新鮮な野菜等々の供給地としても重要な役割を持っておるし、また防災上も大事な役割を持っているスペースである、特に大都市であるからこそ、これらのスペースは必要ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。そういうふうなものをあえて一極集中の弊害をさらに助長するような形で宅地化、住宅化していくということは、大きな問題を持っておるのではなかろうかと思います。
 また、宅地並み課税という固定資産税の課税になりますけれども、当該区域内のところでいわゆる宅地並み課税をした場合に、固定資産税がどのぐらいふえるのか、そしてそれは税収の中で何%ぐらいを占めるのか、その辺はわかりましたら教えていただきたいと思います。
#84
○湯浅政府委員 三大都市圏の長期営農継続農地につきましては、御案内のとおり現在は徴収猶予制度を設けまして、農地並みの課税が行われているわけでございます。これを宅地並みに課税をいたしました場合に、昭和六十三年度の税収で約五百七十億円の増収になると見込まれます。
 ただ、市ごとにこの税収がどのくらいのウエートになるかということは、それぞれの市の財政規模なりあるいは固定資産税の状況などによりまして一概には言えませんけれども、この額そのものはそれほど大きな額ではないのではないかと思っております。
 ただ、この宅地並み課税というものは、税収増というものを本来目的とするものではなくて、税負担の公平という観点からこの問題を検討すべきではないかということ、あるいは今いろいろと御議論がございます土地政策の推進の見地からこの問題をどうすべきか、こういう観点からこの問題は論議すべきではないかというふうに考えているところでございます。
#85
○小川(信)委員 今までいろいろとお尋ねしてきたところを整理してみますと、市街化区域内のいわゆる農地というものは、食べ物を提供するという大きな役割もある、防災上の役割もある、税収面から考えてもそう大きい役割を――役割と言うと問題があるかもわかりませんが、そう大きくないのだ、こういうふうな視点をもっと重視すべきではないか。大都市圏に人口を集中しないような、歯どめをかける政策というものをきちんと示して、それとの整合性というものをきちんととっていくことが必要ではなかろうか、こういうふうに思います。
 現に、昭和四十八年に市街化区域内の農地が現在に至るまで、約半分程度は移動しているわけなんですね。ですから、これ以上さらになくしてゼロにする必要があるのか。現実御検討されているものは、保全する地域と転用する地域とありますけれども、そういうふうな物の考え方を百八十度転換する必要があるのではなかろうかというふうに思っておるわけでございますし、まして農地というものの評価はその土地の生産力、地代論的な物の考え方になるかと思いますけれども、これで評価するというのが地租改正以来の基本的な考え方だと私は思います。そういうふうなものを何々並みというような形で評価して、そしてそれに課税をするというのは、税制度上も大きい問題があるのではなかろうか。何々並みという評価の仕方というのは、やはり問題があるというふうに思っておるわけでございますし、これ以上東京圏等々へ人口を集中させるような政策というものはやめるべきじゃないか、私はこういうふうに思っております。
 この二つの問題をどのように整合性あるものにするのか。特に農地というのはいわゆる憲法でいう生存的財産権だと思います。小さな農家が生きるために持っている、そしてそこで農業を営んでおられるこの農地、中小企業の方々のお店と同じだろうと思います。さらには、普通の人たちが住んでいる住宅と私は同じと思います。そういうふうなものに何々並みという課税をするというのは、やはり問題があるのではなかろうか。こういうふうな点から、現在日米構造協議の中で問題になっておる、また政府の土地政策上の課題として検討すると言っておられますし、また、きょう大臣が所信表明の中で言われております土地税制の問題について大きな問題があるのではなかろうか、もっと視点を変えてこの問題を見きわめるべきではなかろうか、こういうふうに思っておりますけれども、このことについて所見をお伺いしたいというふうに思っております。
#86
○奥田国務大臣 先生の御意見を承っておりますと、市街化農地、宅地並み課税によってむしろ一極集中を促進するじゃないか、現在大都市周辺にある農地は、むしろいろいろな意味で、避難スペースも含めて公共的なそういった空間スペースとして必要じゃないかという御指摘であったように思います。私はやはり一極集中はこれ以上もう限界点に来ているということは指摘しましたけれども、現実にそれなればこそ、地方分散を図る一番大事な決め手として地方が活性化してほしい、地方が魅力ある地域、自治体となっていくことによって、少しでも集中を排除でき得るであろう。だからこそ知恵を出してほしい、そして魅力のある、活力のある地方に分散を図らす手だてになってほしい、こういうことであります。
 しかし、これは先生に反論するわけじゃありませんけれども、私たちが今優良な宅地をどうしても創出するためには、現在市街化区域にあるいわゆる宅地として適正な農地、それも生産緑地としての機能を果たしていない、そして資産価値としてだけは全く宅地並みの価値を持っておる、こういった形についてはぜひ御協力を願いたい。
 なぜならば、今現実に東京都市圏が何千万かの数字は別としてまあ一千万、この人たちの大半は、現に先生の山口県のような環境のいい、土地の広いところで生活している人たちと違って、本当にウサギの寝床以下の中にあるという実態もこれはやはり改善していかなければならぬ。他方、やはりできるだけ追い出し政策にならないように生産緑地として立派に保全してもらう、そういう農家の皆さんには当然、それがたとえ市街化区域であれ、立派な生産農地として営農継続してほしい。そのかわり、現在市街化区域にある農地はできるだけ宅地として提供していただくことによって、現在の非常に困っておる人たちに夢を持たす、現在東京に住んでいる人たちに多少でも豊かさが実感でき得るような住宅政策をやっていくためには、どうしても必要だというのが現在点であろうと思うのです。
 ですから、先生の御意見はよくわかりますけれども、建設省もただいたずらに現在の農地を全部宅地にして――都市圏三千五百万になる予定のやつを三千三百万で今とめるんだという形で頑張っておるわけですから、私たちもできるだけそういう面において、先生の緑空間が必要だという御意見に片方賛同しつつも、片や現在の困窮している連中に何とか日の当たるような住宅政策をやろう、それをひとつ御理解賜りたいと思うわけであります。
#87
○小川(信)委員 今大臣からおっしゃったこと、情緒的な意味としてはよくわかります。
 それからもう一つ、先ほど申し上げた中で具体的なことについてお尋ねしたいのは、農地の課税の評価というのは、その土地の生産力を基準にして考えるべきではないかということ。それから、何々並み課税というものは税法上といいますか、税制度として本来なじみ得るものではないんではないかという考え方を持っておりますけれども、その辺についていかがですか。
#88
○湯浅政府委員 農地の評価に当たりましては、今御指摘のとおり、現在は適正な時価を求めるということになっておりますけれども、その場合の農地の適正な時価というのは、耕作目的の正常な売買価格によるということで、一般的に農地の収益性というものを反映して、その農地の価格というものは形成されるということを前提にいたしまして評価をしているわけでございます。そういう意味では仰せのとおりだと思います。
 ただ、この市街化区域農地につきましては、御案内のとおり市街化区域がおおむね十年以内に優先的にかつ計画的に市街化される区域である。この中の農地というのは届け出だけで農地転用ができるという意味では、通常の農地に比べて極めて規制が緩いと申しますか、農地としての規制が緩い性格の農地であることも事実でございます。そういうことを反映いたしまして、実際の売買価格というものは周辺の宅地の価格と非常に類似した価格で取引が行われているという事実も、これは否定できないのではないかと思うわけでございます。そういう趣旨から、市街化区域内にございます農地は、周辺宅地との税負担の均衡を図る上からも宅地並みに評価をするということが、税負担の公平という観点から見た場合にはむしろいいのではないかという考え方を私どもは持っております。
 ただ、市街化区域内にある農地につきましては、長期に営農を行いたいとか、あるいは都市空間をここで確保しておきたいというような別途の政策要求から、長期営農継続農地制度でございますとかあるいは生産緑地制度というものを設けまして、そして宅地並みという評価とそれからそういう営農継続という意思というものとの調整を現在図っているということでございます。しかしながら、この長期営農継続農地につきましても、先ほど来大臣からもお話しのとおり、いろいろと批判が出ていることも事実でございます。きちんとした農地として営農されている場合だけでもない、必ずしもそういう場合だけでもない。他方面ではやはりそういう地域でまだ優良な宅地が必要であるということもまた事実でございますので、この辺の調整というものをどう図っていくかということが、この宅地並み課税の問題点ではないかというふうに考えるわけでございます。
#89
○小川(信)委員 今の長期営農継続の制度の問題について、いろいろ現行制度の中にも問題があるというようなお話がございましたけれども、少なくともこれは農業委員会が現地を見て、そして審査した上で市町村長がこれを認定するということです。お互い個々ばらばらに勝手に出してそれでいいというものじゃございませんので、少なくとも長期営農継続農地というものは、きちんと農業をやっておられる、営農をされておられるということが制度的には認められるべきものだろうと思います。ただ、現実に偽装農地というような名前で呼ばれておりますようなものがあることも否定できない事実だろうと思います。それはそれなりに、例えばそういうふうな農地であれば宅地並み課税にすることによって、そういうふうな農地所有農家が個々に切り売りをするような形で農地を処分されるのではなくて、本当にこれを公共的な用に供するとか、勤労者に低廉な価格で宅地として供給するというのであれば、市町村とか国とかいうようなところが先買いをしてまとめて買うというような形にしないと、先ほど申し上げたように、初期所有者と最終所有者というのが、土建屋やそれから不動産屋に買われてしまうというようなことにもなりかねない。スプロール現象というものがどんどん出てくる、虫食い状態が加速されるということが考えられるのではないかというふうに思うわけです。この辺をやはりきちんとしていただかなければならない。
 同時に、現に農地としてきちんと農業をやっておられる方々が、家庭の事情とか何かで農業をやれなくなったときに、そのときに譲渡税とかなんとかで適正な課税をしていく、公平な課税をするということは、これは必要であろうと思います。
 そういうふうな面から私は二つの、いわゆる地方の過疎化、東京一極集中というもの、この両極にあるものの整合性をきちんととるというふうな意味からも、この農地等の固定資産税の問題なりいわゆる低利用地、未利用地の問題なんかは、もっと長期的な視点からこの問題等を考えて、東京圏というような大都市圏と地方がバランスがとれたような発展を考えるべきじゃなかろうかというふうに思うわけです。
 けさの新聞にもございましたけれども、ごらんになられたと思いますが、東京都の総生産というものはイギリスに次いで、世界の各国で東京都だけで七番目だというのが出ておりました。これだけ東京へすべてを集中することが日本の国のバランスのとれた発展になるのかということを考えてみなければならないと思います。やはり地方は地方なりに、大都会は大都会なりに、お互い同じような生活とそして豊かさが享受できるような世の中をつくっていかなければならないと思いますが、どうも現状は、口ではいろいろおっしゃるけれども、現実は経済の大きな力に押し流されて、一極集中をさらに加速させていくというような状況ではなかろうかというふうに思っております。近視眼的なことで物事を対応するのではなくて、もっともっと長期的に地方というものを大事にする政策、これを進めていくことが必要じゃなかろうか。もちろん都市には都市なりの総合的な都市計画なり土地利用計画をきちんとつくった上で、これをどうするのかというようなものが必要ですけれども、追い出し政策的なやり方で田舎から町に人を追い出す、そして都会では農業をやっている人たちを農業から追い出す、こういう追い出し政策ではバランスのとれた国土づくり、国づくり地域づくりというものはできないのではなかろうか、こういうふうに思っているところでございます。
 最後に意見を申し上げまして、大臣の御感想を承って、質問を終わりたいと思います。
#90
○奥田国務大臣 先生の御意見は、農政に精通されておられますし、また農地に対する見識というのは、私はむしろ御教授願わなければいかぬ立場ですけれども、先生の言うことの誤解かもしれませんけれども、ちゃんと農地は農地で保全しておけ、そうされて交換地も立つようにしなさい、そうすれば確かに現状よりもっと悪くなることは間違いないのです。ほうっておく、困る、自然と追い出す姿勢になる。だから、当然あぶれた人間はどこへ行くか、嫌でも生存のためには地方へ出なければいかぬ。一極集中はそれによって長期的には解除される流れになっていくかもしれません。
 ですけれども、やはり私たちは大都市政策の現状打開と同時に、他方、地方が本当に魅力のあるふるさとづくりに寄与していただいて、個性あふれる地方であってほしい。自然の流れの中に、追い出しではなくて本当にそういった生きるための価値観、住むための環境、すべての価値観を通じて自然と地方に価値を見出すような形で地方分散を図っていく、そういう方向が一番望ましいことであろうという形で考えておるわけですけれども、先生のこの農地に対するお考え方、そしてまた今日的な大都市政策が全く近視眼的な対症療法だけじゃなくて、もっと長期の視点に立った政策を考えなさいという御忠告もよく承って、今後の指標にしたいと思っております。ありがとうございました。
#91
○小川(信)委員 では終わります。
#92
○今井委員長代理 須永徹君。
#93
○須永委員 須永徹でございます。群馬二区から初当選をしてまいりました。初めての質問でもございます。できるだけわかりやすく御答弁をいただきたいというふうに思います。
 早速大臣にお伺いをしたいと思います。
 先ほど所信表明をお伺いしたわけでございますが、大臣の地方自治に対する基本的な考え方、あるいはまた今日の地方自治の状況等お話があったわけでございます。私も、まさに二十一世紀に向けた地方自治の確立のために、あるいはそのために地方分権というものをどう拡大していくか、こういう点につきましては全く同感であるわけでございます。しかし、所信表明の中にもございましたが、地方財政というものがどういう状況にあるかといいますと、先ほどお話がありましたように、六十七兆円もの借金を抱えている、そしてまた今問題になっております日米構造問題協議等で出てまいりましたいわゆる社会資本の充実、それと地方財政が大きな借金を抱えているという状況、そういう中にあって、地方公共団体がこれから財政問題等を抱えて大変な状況になるのではないか、こういう心配が起き得るのではないか、このように思っております。大臣の御所見をいただければというふうに思います。
#94
○奥田国務大臣 地方財政の実態については、私の話では意が足りないかもしれませんから、数字的実態についてはまた答弁させることにして……。
 まくら言葉のように地方財政は依然として厳しい、六十七兆の借金があるという形で、これは全くそのとおりです。ですけれども、国も百六十数兆の借金を持っているわけで、ようやく特例公債からの脱却をなし得たところでございます。それに比べれば、地方財政の六十七兆という金額は膨大でございますけれども、非常にこれは、私の独断になるかもしれませんけれども、国と比べると健全な方向へ来ておると思うんです。現に、ここのところ国の景気も比較的、持続的好調でございましたから、交付税の問題にしろ、交付税額は十三兆五千億くらいになると思いますけれども、特別交付税だけでも一兆円近い大きな規模にまでなってきていることも事実でございます。事実、先ほども御指摘はございましたけれども、地方自治も三割自治から自主財源がやがて五割のラインに来たという形、これはもう理想的なことを言えば全く全部が不交付団体に近い、十割自主財源がもちろん最終の目標でございますけれども、そういった形の中で地方のいわゆる財政計画というのは比較的ここのところ、十分とは言えませんけれども、健全な方向をたどりつつあるという実態は言えると思うわけでございます。
 そして、この前の日米協議でも中間報告で示されましたけれども、生活の質を高める、これはアメリカに言われなくても、自分たちで、自助努力でやらなければいかぬ当然の政治目標なんですから、特に身近な自治体の社会資本整備によって生活の質を高くするという方向で合意されておることは、私は大変結構なことだと思っておるんです。
 ただ、これらに当たっては、関係省庁とのいわゆる財源の負担問題ももちろんありますけれども、できるだけこれらの公共事業、社会資本の充実等に関連した地方負担分がスムーズにいけるように、地方財政計画を十分充実した形で、お手伝いできるような形で対応してまいりたいということでございます。ちょっと楽観論に過ぎるかもしれませんので、もうちょっと厳しい数字を挙げての説明を政府委員からさせます。
#95
○持永政府委員 基本的な事柄につきましては、今大臣からお答え申し上げましたとおりでございます。
 最近、この数年間、御承知のように国税も地方税も、経済も割合好調なものですから税収もよくなっておりまして、そういったことで、このところはいわゆる健全化の方向に向かっていると言っていいと思います。ただ、税収の面につきましても、やはり最近数年間の税収の伸びというのは、いわば株でございますとかあるいは土地でございますとか金融でございますとか、そういうキャピタルゲイン的なものもかなり入っている、いわば一過性のものも大分あるということも言われているわけでございまして、経済の本当の実力以上に税収の伸びが最近あるのじゃないか、こういうことも言われておるわけでございまして、そういったことからすると、先々のことも十分頭に置いて財政運営をしていく必要があるだろうというふうに考えておるわけでございます。
 そういったことから、平成元年度あるいは平成二年度におきましても、地方財政につきましては、今一方では、投資的経費の地方単独事業を確保して、地方における公共投資をやっていくということ。あるいは地域づくりの問題でございますとかあるいは福祉の問題でございますとか、そういった面での財源の確保を図りながら、今六十七兆という数字もございましたけれども、一方において大きな借金の返済ということも考えていく。両面からこのところ対応しているわけでございまして、そういったことで今後とも経済状況あるいは税収の状況等を見ながら健全化をできる限り進めながら、一方では、必要な投資的経費の財源等については確保していく。また、今大臣からお話ございましたように、構造協議に関連する公共投資の問題についても、これは具体的な投資規模をどうするかとかいうことは今からでございますけれども、そういった議論の中で地方財政、地方負担分については的確な財源措置を講じていくように努力をしてまいりたい、このように考えております。
#96
○須永委員 今大臣からお話を伺ったわけでございますが、確かに今の景気の中では大変健全化の方向へ向かっているということは理解します。しかし、三割自治というふうに言われてきたのは、やはり国税三税のうちの三二%ですとか、そのことも私は一つにはあるのではないかなというふうに思いますし、また、先ほど所信表明の中にもありましたように、いわゆる分権ということを考えてみれば、機関委任事務の問題やあるいは総合的な部分でまだまだ地方自治になっていない、こういうふうに言えると思うんです。
 そういう意味では、今度の社会資本の充実というのは、これはもちろんアメリカに言われるまでもなく、やらなくてはならないということも重々承知ですが、それであっても各地方自治体がなかなかできなかった部分、特に下水道等についてはなかなか一つの自治体でもできないとか、あるいは土の中へ入ってしまいますから見えなくて、もっと見えるものをということで、橋ですとか道路とかというふうになりがちな部分もあるわけでございますが、しかしこういう状況であればこそ、この社会資本の充実というのは、さらに拡大、発展させていかなければならない、私はこういうふうに実は思うんです。
 また、今度の日米構造問題協議で中間報告が出されましたけれども、その段階でアメリカからの対日要求があったわけでありますが、御案内のとおり貯蓄や投資、土地利用、流通それぞれ六分野にわたって問題が指摘をされ、そして政策実行提案として二百項目にわたっての要求が出されたというふうに聞いておるわけでございますが、その中でこういうのがあるんです。政府、地方自治体による中期的な住宅関連基盤整備に対する投資を大幅にふやすんだ。例えば投資には長距離通勤列車の改善やその延長、下水道普及率の向上と自動車道路網の拡張・充実を図るんだ、こういうことも具体的に出されているわけでございますが、その辺についても御所見を伺えればというふうに思います。
    〔今井委員長代理退席、委員長着席〕
#97
○芦尾政府委員 日米構造協議につきましてアメリカからの提案があったという委員からの御質問でございます。
 御指摘のように、米側の提案と言われるものにつきましては、私どもも新聞で報道されたのは承知をいたしておりますが、しかし、公式的にはそういう提案があったということは承知をいたしておりません。中間報告にもそうしたことが盛り込まれていないのは御承知のとおりでございます。そういうことでございまして、それに対する対応策ということにつきましてお答えするということにはなかなかならないということを御理解いただきたいわけでございます。
#98
○須永委員 先般、予算委員会が行われたわけでございますが、十三日の多分予算委員会だと思いますが、大臣が公共投資拡大に伴う地方負担分について、不安が起きないようにできるだけ配慮するというような考え方も出されたというふうに伺っていますし、さらに地方財政への国の補助率カットの問題がございます。それらについても、大臣、早期解除に積極的にというようなこともちょっと伺ったわけでございますが、その辺につきましても伺えればというふうに思います。
#99
○奥田国務大臣 確かに先般の予算委員会で、できるだけこういった公共事業の拡大に関して省庁間とよく協議して、地方の財政にしわ寄せされないように、できるだけ迷惑をかけないような形で措置をしたいということを申し述べました。そのとおりでございます。特に補助率カットの問題はことしで、約束事ですから、これは建設省等々と、平成二年までは現在の形で自治体にも対応してもらうことになっております。それで平成三年度に関しては補助率をもとに返せ、これは現業官庁と全く一本になって対財政当局の大蔵とも折衝するということになっております。ですから、補助率カットは本年度限りで、平成二年度でという方針です。
 ですけれども、これはまたそのとき先生方と、また御協力もお願いしなきゃいかぬ問題は、やはり地方自治体の方でやるべき仕事がたくさんあって、補助率は今のままでも、ともかく事業量をふやしていけという要望も他方あることも事実です。ですから、これらの調整をどこに持っていくかという形については、今後御相談してまいらなきゃなりませんけれども、基本的には補助率カットの問題は今年度で、来年度、平成三年度からはもとの補助率に返していただくという基本姿勢で進むことは当然だと思っております。
 今、二百項目にわたる日米の構造協議に対する云々という御指摘でございました。これも、一応アメリカも日本に対して、言いたいことは全部項目を羅列しろ、日本側もこれに関して、アメリカの財政赤字の問題、貯蓄率が少ない、そういったアメリカの現在の財政構造に対する批判も好きなことを並べたわけですけれども、向こう側からはえらい細かいことがたくさんあって、トータルで今御指摘のようなそういう数字にもなってきたんだと思いますが、やはり基本的には、土地税制なり流通なり社会資本の充実なり、日本が立ちおくれている分野、内需拡大に沿って、日米間で約束したいろいろな問題点についてもっと積極的に道を講じろという御指摘であったように思っておるのです。
 ですから、アメリカはけしからぬ、内政干渉だという批判も聞いておるわけでありますけれども、あの項目の内容というのは、向こうから言われるまでもなく、こちらが当面、当然取り組まなきゃいけない、考えなきゃいかぬ問題点が十分あった、この点においては、アメリカ側の我が国に対する要望点については、むしろ健全な、野党から我々に詰問されたくらいのものであって、評価に値する案だったと私は思っております。
#100
○須永委員 私も、この項目の中を見てみまして、それは今大臣も言われたとおり当然やらなくちゃならないこと、日本が果たしていかなくちゃならないこと、特におくれていた分野というのは社会資本の充実ですから、電線の地中化ですとか道路の問題にしても、あるいは今言った公共下水にしても、先進資本主義国の中でも普及率が非常に低いという状況にあるわけですから、そういう意味では当然これはやっていかなければならない。特に、今日本の置かれている立場というのは、ゆとりとそして公正と、もう一つはまた豊かさといいますか、そういうものが求められているわけでありますから、そういう意味で、この豊かさということを考えれば、社会保障や社会資本の充実ということは当然行われなければならない、このように私は思っております。
 同時にまた、この中で大変大きな問題として取り上げられておりましたものに大店法の問題もございました。
 この大店法の問題も、それぞれのところで議論をされて、また一定の方向も出されているというふうに思いますけれども、しかし、基本的に、地方自治といいますか、地方自治体の中で大型店が出店するときに、町づくりですとか都市計画、そういうものと兼ね合わせて考えていかなければならない、こういう問題が非常に多いというふうに実は思います。そういう意味で、それぞれの自治体の中で条例で規制をしたりというのも現実に行われているわけでございますが、私は全くそのとおりだというふうに思います。地方自治、先ほど大臣が言われましたように、一方では自治を確立していくんだ、地方の時代だということで、地方の意見を尊重していくんだということと考え合わせますと、やはり国が一方的にこれをアメリカが言っているのと同じように撤廃していくということについてはどうかな、こういう疑問を大変感じるわけでございます。その辺につきましてもお願いいたします。
#101
○奥田国務大臣 私は、大店法の問題に関しても全くこれは賛成で、何か、地方商店街あるいは地方自治に関しては全く念頭に置かない発言でけしからぬといった形でいろいろ抗議を受けたことも事実です。でも、私はそうじゃないのです。地方自治はもちろん尊重しなければいかぬ。そして、現在大店法で決められている枠外に、地方自治体がそれぞれ独自に横出しやら上乗せという形でいろいろな規制を厳しくしていることも事実です。これは否定するものではありません。
 でも私は、本来私の考え方としては、行政は商売の道には余り深入りしなさんなよ、商売人のことも考えなければいかぬけれども、消費者のことも考えてもらわなければ困る、消費者擁護という立場もある。やはり消費者は、豊富な選択の中で価値判断を自分できちんとやって、そしてもう、商店街はあっても消費者不在の商売行政、流通行政では困る。今の日本の流通は大体複雑過ぎる。やはりこれに関しては、世界から、だれが見てもわかりやすいような流通形態でなければならぬ。同じ品物が末端の消費者に移るまでに、日本の場合には、ほかの国の同じ流通、小売までの流通段階があったとしても余りにも複雑で、本当の下まで行くときには何倍かになってしまう。そういうわけのわからぬ形は、できるだけ国際的にも、普遍性というか、ある程度理屈の通った流通に改善していくことは当然だろう、本当に消費者の豊かな生活実感、現に所得は世界のトップであっても、生活実感に豊かさが持たれないという原因は一体何だ、このこともよく考えなければいかぬのではないか。
 そこで通産当局に対しても、そんな運用の改善とかなんとかという形でなくして、法の改正によってきちっとやってもらえば、地方自治体に対しても、国の方で決められた形で、違反しない範囲内で、それが自主的であれ、どうかその範囲内できちっと対応していただきたいということは言うことができるけれども、もう通達だけで勝手にぽかぽか言われて、運用改善でやれと言われると、自治体は自治体の自主性において、横出しも上乗せもやりますよ、それは。大店法の趣旨自体が中小商店に重きを置いた形ですから。私も、中小商店、魅力のある専門店というのは、そんなサービスの悪い、ただ安ければいいというような商売と違って、大店の横におろうが何しようが、本当の商人道に徹した店は十分立派にやっていますよ、品質の面においても、サービスの面においても。
 そういった意味において、私は、消費者というものの立場もよく考えた上で、商売、流通の面に余り行政がごちゃごちゃと介入していって、わからぬ者が口を突っ込んでかえって複雑怪奇にするようなことは、できるだけよした方がいいんじゃないのというのが私個人の考え方であるということを、先般予算委員会でも申し上げたわけでございます。
#102
○須永委員 わかりました。
 確かに消費者サイドに立って考えていくということも当然でありますし、また、大きな目で見ていかなければならない、もっと言うならば、二十一世紀に向けた流通の考え方もつくっていかなければならない、当然だろうというふうに思います。しかし、やはり地方自治といいますか、町づくりだとか都市づくり、こういうことも考慮していかなくちゃならないということもあるというふうに実は思います。
 また、先ほども言いましたように、今のこういう時代の中で、やはり先進資本主義国の中の日本の果たしていかなければならない役割というのは幾つかあるわけでございますが、ゆとりですとかあるいは豊かさも当然であります。また地域における自由の時間といいますか、ゆとりの部分に入るわけでございますが、そういう中にあってやはり生活様式あるいはそういうものの多様化というものが今求められているわけであります。
 そこでリゾート地域整備に対する国の支援措置の強化についてお伺いをしたいと思います。
 リゾート地域を整備するに当たっては、もちろん民間活力というものを活用する、こういうことが中心になっているわけでございますが、あわせて公共施設の整備等による地方自治体の支援もしくはその協調が必要不可欠であろう、このように思っております。特に私は群馬でございまして、群馬にもこの指定になっている地域がございますが、これらの地域というのは大変公共施設も整備をしていかなければならない地域であります。同時に、指定された地域というのは比較的に財政力指数といいますか、財政力の非常に弱い地域でございます。そういうところの地域における財政上の特例的な措置が行われなければ、リゾート地域をつくるといってもなかなか進んでいかないんではないか、このように思っているところでございます。したがって、総合保養地域整備法の「基本構想」に基づき地方自治体が実施をする公共施設整備については、補助率のかさ上げあるいは地方交付税の特例措置あるいは利子補給等についても特例措置をさらに強化をしていくべきではないか、このように思うのです。その辺につきまして、自治省の考え方をお伺いしたいと思います。
#103
○奥田国務大臣 政府委員からまた説明させますけれども、大体リゾート法が適用になる地域というのは、先生の御指摘のとおり自然環境のよいところでありますから、確かに財政指数は余りいいとは言えない地域が含まれていることは当然です。これに基づいて、リゾート施設の整備等々に対して地方自治体に対するあらゆる税制、金融の優遇措置を初めいろいろな形での支援措置は講じておるわけでありますけれども、具体的な形でどういう施設に対して、税制上あるいは自治体に対しての起債面の優遇措置があるかということは、今担当の政府委員から説明させます。
#104
○芦尾政府委員 今大臣の方から御答弁いたしましたが、税制上、金融上の優遇措置、それからまた関連公共施設の重点的な整備というようなことで支援措置を講じることにいたしておるわけでございます。
 例えば課税の特例ということになりますと、特定民間施設につきまして所得税、法人税の特別償却がやれるとか、それから地方税につきましても特別土地保有税の非課税をしていく、さらには地方税の不均一課税をやりますとそれにつきまして交付税で一定の補てんをしていく、こういったような施策を講じてきておるところでございます。ただいまおっしゃいました公共施設の整備につきましても、総合保養地域整備法の十一条では「国及び地方公共団体は、承認基本構想を達成するために必要な公共施設の整備の促進に努めなければならない。」そういう規定もあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今始まったという状況のところでございまして、今後、施設の整備状況とか制度の運用状況を見きわめながら、これからまた、今支援措置がいろいろ講じられておるわけでございますから、その運用状況なんかも見てまいりたいと思っているわけでございます。
#105
○須永委員 ぜひこれからも、関連市町村につきまして、支援規定があるわけでございますが、それに基づきましてさらにまた自治省として補助金なりあるいはまた先ほども言いました補助率のかさ上げなり、特段の御配慮をいただければ、このように思っているところでございます。
 さて、次に防災についてお伺いしたい、このように思います。
 聞くところによりますと、ことしは国連で決定をされた国際防災十年の初年に当たる年でもあるそうです。そういう意味では、今こういうふうに環境やあるいはまた地球規模で大きな課題が取りざたされている状況にあるわけでございますが、科学の進歩やそれらも含めまして幅広い防災措置というものがとられなければならない、このように思っております。
 今、そういう点で、具体的に言いますと放射性物質の輸送の問題等もよく言われるわけでありますが、その放射性物質等の輸送に関係しまして、事故が起きないことが一番いいわけでして、事故を起こさないための措置もとらなければなりませんけれども、しかし同時に、もし起きたらどうするんだ、こういうことも心配されるわけであります。特に、そういう点におきまして危険物といいますか、燃えるものとは違った放射性物質等に関係をして、それらに対する防災措置あるいはマニュアル等が出ているのかどうなのか、あるいはまた具体的に起きたときの地方公共団体なりが対応する仕方等、具体的な考えが消防庁の方でございましたら、お聞かせいただければというふうに思います。
#106
○木村政府委員 放射性物質の安全保障につきましては、各地域の地域防災計画の中で、特に原子力関係の部を設けて対処しているところでございますが、御指摘の輸送時における防災対策はどうなっているのかという御質問でございますが、核燃料物質の陸上輸送につきましては、関係省庁が法令に基づく極めて厳格な安全規則を持っておりまして、それに従って輸送されているところでございます。さらに、国では「放射性物質輸送の事故時安全対策に関する措置について」という各省庁の取り決めをまとめまして、関係省庁の役割分担あるいは事故発生時の連絡通報体制、さらには中央から専門家の派遣をする体制等を確立しておりまして、万一事故が発生した場合には、これに基づいて適時適切な措置を講ずることといたしております。
 現地における対応でございますが、事故の通知は当然消防機関に行くわけでございますが、消防機関はこの事実を直ちに都道府県の消防防災担当課に通知いたしまして、その情報は自治省、消防庁にも上げてくることになっております。現地では事故の状況把握に努め、事故の状況に応じて、火災の消火、延焼拡大の防止、警戒区域の設定、救助、救急等に関する必要な措置を講ずることとされております。消防庁では六十三年三月に「放射性物質輸送時消防対策マニュアル」というのを作成いたしまして、これを全国の消防機関に通知し、技術的な指導を行っているところでございます。
#107
○須永委員 わかりました。
 時間の関係もございますので、次に移らしていただきます。
 先ほど駐車違反の問題につきまして新聞に大きく取りざたをされました。違法駐車所有者に今度は課徴金をかける、こういうような中身で道交法、保管場所法の改正が行われるということが新聞記事に出たわけでございますが、その柱といいますか、考え方等についてお聞かせいただきたいと思います。
#108
○関根政府委員 お答えを申し上げます。
 違法駐車の問題は、主として住宅地における車庫なし車両の問題と、商業地区等都心部における放置車両の問題でございます。これにつきまして、私どもはまず道交法の改正を考えたところでございますが、それは放置車両につきまして、その所有者といいますか使用者といいますか、その人たちにも放置車両の管理について責任を負ってもらうような仕組みがとれないかという点が一つでございます。
 それから、車庫法、自動車の保管場所の確保等に関する法律の改正を考えているところでございますが、こちらの方は車庫なし車両につきまして、これは現在の自動車の保管場所の確保等に関する法律、いわゆる車庫法と言われる法律で、それぞれの自動車がそれぞれ車庫を持たなければいけない旨規定されておりますが、脱法行為がしやすいというところから、脱法行為がしにくいような仕組みをつくることができないかという点を検討中でございます。
#109
○須永委員 今度考えられている改正案といいますか、その中に、道交法の部分では今まで運転者の刑事責任というものがあったわけでございますが、今度の考え方は運転者の刑事責任は免除をして、所有者に課徴金をかけるというようなことが新聞にございました。これでいきますと、例えばレンタカー等を借りた場合、刑事責任を運転者から免除するということになりますと、レンタカーの業者だけが課徴金を取られて、そして運転者については刑事責任もなくなってしまう、こういうことも考えられるわけでございます。
 さらには、放置車両の対策、それに対するボランティア住民の身分の法制化というのもあるように伺っておりますが、大変そういう意味では今の首都圏におけるところの交通状況を緩和するという意味でも考えなければならない事項であろう、このように思いますけれども、しかし、そのボランティア住民の身分の法制化の仕方あるいはそこにおけるその人に与える指導なり警告の権限を持たせるということ、これらについては非常にある意味では問題も生まれやすい、生まれかねないのではないか、このように思うわけでございます。その辺について考え方をお聞かせいただければと思います。
#110
○関根政府委員 お答えを申し上げます。
 まず、現在検討中の法律案についての新聞の説明等によりましての御質問でございますが、確かに私ども、所有者の自動車の管理についての責任について、行政上の何らかの制裁というものを考えてはどうかということとあわせまして、運転者につきまして現在刑事責任を問う仕組みになっておりますが、これも改めまして、行政上の責任追及という形に変えたらどうかということを検討しております。しかしながら、これは諸外国の法制にそういうことがあるというところから検討をしているところでございまして、最終的に私どもがそのような案を警察庁の案として御提案申し上げたいというところまで固まった案ではございません。御指摘のように、いろいろの問題点があるということを承知しておりますので、そういう問題がないように、円満に事務が進むことができるようなそういうシステムを考えたいというところで検討中でございます。
 それから、二点目のボランティアの方々の違法駐車活動について、それに対して何らかの法的な裏づけを与えることができないかという点について、御指摘のように現在検討中でございます。
 これは、例えば民生委員の方々についてそのような例もございますし、それから私どもの所管の法律でございます風俗営業等の業務の適正化等に関する法律でございますが、ここに少年指導委員というシステムがございまして、ボランティアの方々に少年補導に関し災害に遭った場合に補償がしやすいような地位を与える等の法律上の身分を与えるような仕組みがございます。そのような制度を念頭に置いての検討中でございますが、御指摘のように、このような方々に強権的な権限を与えるということになりますと、いろいろ問題があろうかと存じます。そのようなことのないように、この点についても現在検討中でございます。
#111
○須永委員 今度の幾つかの改正案の中に、軽自動車にも今度車庫証明を心要とする、あるいはまたステッカーを義務づける、こういう内容がございます。大都市部における駐車違反の状況あるいは車庫飛ばし等についても、新聞等で見まして、ああこんなにも多いのかなというので実はびっくりしました。しかし、大都市部と地方都市あるいは農村地域等では全く条件が違うというふうな感を受けています。
 例えば群馬県等でも、昨年一年間の駐停車違反で検挙したのは、一万六千六百五件だったということです。その大半が商店街での違法駐車、したがって、車庫法違反の検挙はほとんどなかったというのが昨年の調査であるようです。また同時に、九万人の人口の都市でも、ついに路線バスがなくなってしまった、もう公共交通が一本の鉄道以外に何物もない、そういう中においては軽自動車、いわゆる自動車というものが家庭の主婦の全くもう足になっている。このことも地方都市等では現状でありまして、そういう意味では、大都市と地方都市というものを画一的に見ていくということはどうなのかな、こういう心配もされるわけでございます。その辺につきましても考え方をお聞かせいただければというふうに思います。
#112
○関根政府委員 軽自動車についてのお尋ねでございます。
 現在の自動車の保管場所の確保等に関する法律の規定によりまして、軽自動車を含めまして四輪車と申しますか、すべての自動車は道路上の場所以外の場所に保管場所を確保しなければならない旨の規定がございます。ただ、現在のその規定に続きまして、その保管場所の確保義務を履行するためのシステムといたしましては、小型自動車以上、つまり軽自動車を除く自動車につきまして、運輸省で管理しております自動車登録ファイルに自動車を登録する時点で車庫証明を添付するという形で、その履行義務を確保するにとどまっておりまして、軽自動車については何らそのような仕組みがございません。
 ところで、住宅地域等におきまして、車庫なしの車両がいろいろ問題になるわけでございますが、この車庫なし車両の問題は、ただいま申し上げました現行の車庫法の考えておりますシステムに由来するのではないかというところから、現在私ども、そのようなことのないような仕組みが考えられないかというところで検討しているところでございます。その際に、大都会における実情と地方における実情は違うではないかとの御指摘かと存じます。
 私どもも大都市部における実態調査とあわせまして、地方における実態調査も行っているところでございますが、地方における軽自動車につきましては、車庫を持っている比率が高いように思います。そこで、仮にでございますが、現在検討中でございますので、まだ確定した考えではございませんが、仮に何らかの新しいシステムを設けるということがあった場合には、現状とその理想となるべきシステムとの間で、そこに至る到達の手続といいますか、手順といいますか、そこにある程度の段階を追ってスムーズに理想的な形に移行できるような、そういう仕組みを考えてみたいと検討中でございます。
#113
○須永委員 私は、確かに今の駐車違反等につきましても目に余るものがあり、規制をしなければならないということはわかるのでございますし、また、その中にあって規制だけをするのはどうなのかなという感じを受けているわけでございます。もっと言うならば、駐車場をもっと拡大していくということも一緒に考え合わせていったらどうだ、こういうふうに思うのです。
 特に、この十年間の車の保有台数の伸び率と駐車場の伸び率を見てみますと、保有台数の伸び率は大変な伸びを示しているわけでございますが、一方、この十年間をさかのぼると、駐車場の拡大というのは二倍程度しか伸びていない。一方、保有台数の方は七倍も十倍もふえている。こういうことを考えますと、今のモータリゼーションというものを迎えたわけでございますが、それに対する行政のおくれといいますか、そういうものを感じざるを得ないわけであります。そういう点におきまして、この駐車場をどう確保していくかということは非常に重要なことではないかというふうに思います。
 そういう観点からいきまして、きょう建設省の方も見えていただいているわけでございますが、例えば住宅地域では大型の駐車場の建設が難しいとか、建築基準法上第一種の住居専用地域では独立した車庫が難しいとか、そういう状況が現実にあるというふうに思います。そういう意味で、その辺につきましての規制緩和といいますか、そういうものはどういうように考えられておるのか、お伺いいたします。
#114
○島崎説明員 住宅地域の駐車場の問題でございますが、ただいまお話がありました大都市地域の郊外部とか地方都市の一戸建て地域につきましては、比較的敷地内に確保できるのじゃないかというふうに考えてございますが、一般的な住宅地において、マンション等の共同住宅の場合に特に問題があるというふうに考えてございます。
 そこで、建築基準法の扱いといたしましては、これら共同住宅の建築の際に、延べ面積の三分の一までは面積上駐車場がつくれるというふうになってございます。ただ、建物に付随しない駐車場で、駐車場が現在なくて新たにつくるというような、単独の駐車場をつくる場合で住宅系の地域でつくる場合には、今お話がございましたように一定の規模の規制がございます。そこで、この場合に、特に必要な場合、住宅地でありますので環境上等の配慮も当然しなければいけませんが、それらの配慮をした上で個々に許可する制度が現在ございまして、私どもといたしましては、基準法上の扱いといたしましては、そのような制度を積極的に活用してまいりたいというふうに存じております。
#115
○須永委員 また、建設省ではことしから駐車場等整備事業三カ年計画というものがスタートしたということを伺っております。同時に、この駐車場を確保していくという点につきましては、例えば都市部における河川敷等のところもあるわけでございますが、そういう河川敷の駐車場化といいますか、そういうことも考え合わせていけたらどうなのか、こういう点もあるわけでございます。この駐車場等整備事業三カ年計画の考え方あるいは河川敷等の利用等につきましても、ございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#116
○徳山説明員 まず最初に、都市部におきます河川敷の駐車場の問題についてお答えいたします。
 河川敷地を一般の駐車場として使用いたす場合には、河川法によります占用の許可というものが必要でございます。現在、河川敷地の占用の許可につきましては通達がございまして、この通達におきましては、「河川敷地は、河川の流路を形成し、洪水の際には安全にこれを流過せしめ、洪水による被害を除却し、又は軽減させるためのものであり、かつ、公共用物として本来一般公衆の自由なる使用に供されるべきものであるので、原則としてその占用は認めるべきではない」としておりまして、しかし、社会経済上必要やむを得ない場合にだけ、例えば公園、緑地等につきまして限定的に認められておるところでございます。特に公園あるいは緑地等が不足しております都市内の河川の敷地等におきましては、原則といたしまして公園、緑地及び広場、さらに一般公衆の用に供する運動場のためにする占用に限りまして許可を与えることができるとされておるわけでございます。
 さらに、これらの許可を与える場合におきましても、その具体的な対応について河川敷地占用許可準則が定められておりまして、そこにおきましては、占用の許可は、治水上及び利水上支障が生じなく、かつ、河川の自由使用を妨げず、さらに、河川及びその付近の自然的、社会的環境を損なわない場合に限って行うことができるとされておるところでございます。
 したがいまして、これらの方針は河川の適正な管理の要請に基づくものでございまして、河川管理者といたしましては、この方針を今後とも堅持すべきものであろうと考えておりまして、河川敷地を駐車場不足対策ということで、一般の駐車場として占用を認めるということにつきましては、現在のところ消極に考えているというのが考え方でございます。
#117
○安達説明員 駐車場等整備事業三カ年計画についてのお尋ねでございます。
 建設省といたしましても、駐車場整備に積極的に取り組んでまいろうということでございまして、この計画は有料道路整備資金、NTT株式の売り払い収入を活用した無利子貸し付け等の公的な資金によって、平成二年度から三カ年にわたって緊急に駐車場及び駐車場案内システムを整備するための計画でございます。
 平成二年度におきましては、予算について申し上げますと、有料道路整備資金百八十一億、十カ所四千二百台、六カ所二千四百六十四台、十カ所の方が継続で、六カ所の方が新規でございます。それからNTTのA融資、これが二十二億でございます。継続で一カ所、新規で三カ所、このようなことで駐車場の整備等を行ってまいるという考えでございます。
#118
○須永委員 いずれにいたしましても、今河川法のお話も聞きましたし、あるいは事業の三カ年計画の話も伺いましたが、やはり駐車場の問題というのは、大都市部における駐車場の確保の問題、あるいはまた地方都市におきましても、それぞれ地方自治体においても大きな、頭の痛いところでございまして、そういう意味では地方自治体なりもそういう方向を目指しながら今苦慮をしているのではないか、このように思います。そういう点を考えあわせて、ぜひまた警察庁としても関係各省庁と協議をしていただきまして、駐車場確保とあわせて御配慮いただければというふうに思います。
 最後に、外国人労働者の問題についてお伺いいたします。
 時間もありませんので、まとめてお伺いしたいと思いますが、御案内のとおり外国人労働者の問題については、各省庁でそれぞれ法務省なり労働省等で大変議論になっていることは伺っております。しかし、地方自治体においても、外国人労働者が大変多く今国内に入っているということは事実であります。特に群馬県の東毛地域等については、十三万都市の中で約五千人から一万人近い外国人労働者が来ている、こういう状況もありまして、治安の問題だとかあるいはまたいろいろな事件の起きているのも現状であります。そういう中にあって、外国人労働者問題についての現状、あるいはこれからの中長期的視点に立った検討がされているのかどうなのか。あるいはまた外国人労働者にかかわる労災等も、群馬県の太田市では一年間の間に二十数件の労災が起きているということを実は伺っております。
 そういう状況にあって、労働条件、安全衛生の確保等も行われているのかどうなのか、あるいはまた、外国人労働者の受け入れのあり方に関する検討はどのような状況になっているのか、それらについて労働省の方にお伺いしたいと思います。
#119
○吉免説明員 お答えいたします。
 外国人労働者問題、先生御指摘のように、いろいろな形で議論がされておりますけれども、昨年の六月に政府方針として、専門技術的な能力のある人、あるいは外国人ならではの能力を有する外国人については、可能な限り積極的に受け入れる方向が打ち出されましたし、一方でいわゆる単純労働者について、従来どおりこれは慎重に考えていこう、こういうことにされております。
 私ども労働省としましても、この政府方針に沿って、先生いろいろ御指摘ございましたように労働政策の観点、特に需給調整の問題でありますとか労働条件の確保、こういったことも大変重要な側面でございますから、そういう点で十分な対応がしていけるようにしていきたいというふうに考えております。
 そういう意味で今度、先般改正されました改正入管法が六月一日から施行になりますけれども、そういうものの施行に当たって、ただいま法務省等とも十分話をさせていただいているということでございます。これから先の問題についても検討していくことは非常に重要なことだというふうに考えております。特に私どもは、労働サイドの方から、いろいろな角度から問題点整理から始め、いろいろな議論をしていかなければいかぬというふうに考えているところでございます。
#120
○氣賀澤説明員 お答えいたします。
 外国人労働者の労働条件あるいはその安全衛生等の関係の問題でございますが、国内では労働基準法とか労働安全衛生法等がございますけれども、外国人労働者につきましても、国内の事業で働く場合には当然に適用になるということになっております。
 最近、先生御指摘のようにあちこちの地域で外国人労働者が増加をしてまいってきておりまして、それに伴って労働災害に遭うというような事態もだんだんに増加をいたしてきております。私ども労働省、特に労働基準監督機関といたしましても、外国人労働者についての労働基準法とか労働安全衛生法等が重視されますように、日ごろから情報の収集に努めまして、それを踏まえて的確な監督指導を実施し、重大悪質違反につきましては、厳正に対処するという方法で災害の防止等を図っていきたいというふうに考えております。
 群馬県の太田市等を中心といたします地域につきましても、所轄の労働基準局あるいは監督署におきまして、日ごろから実態の把握に努めまして、問題のある事業場につきましては、的確な監督指導等に努めているというところでございます。
#121
○須永委員 時間が来ましたので終わりにしたいと思いますが、いずれにしましても外国人労働者
の問題は、私も実は労働事務組合を持ってその役員をしているわけでございますが、中小企業者の状況というのは、外国人労働者を使わなければその企業がもう倒産をしてしまう。特に群馬の東毛地域においては、求人倍率が三倍にも上がっているという状況も一面あるわけでありまして、そういう意味では、一方では長期的なものを考えますといろいろ問題があることは重々承知でございますが、しかし、一定の年限を加味しながら外国人労働者も受け入れていく、そしてその中では労働条件なり安全衛生等もきちっと法制化していく、こういうことにしていかなければならないのではないか、このように思っているところでございます。
 そういうこともぜひ今後とも御検討いただくことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#122
○島村委員長 小谷輝二君。
#123
○小谷委員 自治大臣の所信表明並びに自治省の、また当委員会所管の行政部門につきまして質問を行いたいと思います。
 奥田大臣はかつて、今から六年前になりますか、郵政大臣として、当時の電電公社、まさに今日のNTTの生みの親である、このように郵政大臣として見事な政治手腕を振るわれたわけでございますし、当時、私何回か質問をさしていただきまして、大臣の最も情熱的な、意欲のある答弁に非常に感銘をし、尊敬をしておるものでございます。
 大臣は石川県の御出身でございまして、私は大阪でございますけれども、大阪には石川県出身の方が非常に大勢いらっしゃいます。特に石川県人の方は非常に朝早くから仕事に精を出し、夜遅くまで働かれるということで有名でございまして、例えば朝の早い豆腐屋さん、ほとんどが石川県人。また夜の遅いふろ屋さん、これも石川県人の方が非常に多い。眠りを断ちて働くことをいとわない、これは石川県人の皆さん方の心意気のように思っておりますし、私の住む大阪地域におきましては、石川県人の方は非常に地域に信頼のある立派な方が多いわけでございまして、大臣も県人の代表として頑張っていらっしゃることについて非常に心強く思いますし、また、自治大臣の政治行政能力につきましては非常に力強いものがございます。また、地方議会の議員の経験もあるようでございますので、三千数百の全国の自治体の大きな期待は、恐らくや見事に果たされるものであろう、このように期待をいたしております。
 そこで、先ほど午前中に大臣の所信表明を承ったわけでございますが、二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため最大限の努力を払ってまいる所存でございますと力強い所信表明がありました。ところでここ数年来、国の財政再建という名のもとに、国の責任と財政負担を地方に転嫁してきた。この事実はまず大臣は認めていただきたい、このように思うわけでございますし、また消費税の導入を含む一連の税制改革におきましても、地方の貴重な財源であった地方間接税等々におきましても国の方に集中され、それを地方に配分するという、いわば中央集権化が強化されてきたというわけでございますが、まずこの点について大臣の所見を最初に伺っておきたい。
#124
○奥田国務大臣 後段の消費税の関係のことについてちょっと今話をしたところでございますので、そちらからお話をさせていただきます。
 確かに消費税施行によりまして、地方の財源の中で、恐らく先生御指摘なさるのは、電気税とかガス税とか料飲税とか、そういったことで地方税の大事な財源が少なくなったという点の御指摘でもあろうかと思っております。それはそのとおりで、薄く広く一定率という形の中で、地方税の、自治体にとっての税収減になったことは事実でございます。
 しかしながら、一方消費税は、私に言わせれば、六割の国に返る財源はまさに福祉税的な性格を持っており、地方譲与税あるいは交付税の一部として四割が地方に還元されるという形においては、まさにこれは地方、ふるさとおこし税である。したがって消費税は福祉地方税の性格を持った体制でありますので、この消費税問題においては、先生とは見解を異にする形になったことはまことに残念ではございますけれども、どうかひとつこれが見直しにおいて、先生方の御意見をよく組み入れた形の中で消費税の定着をぜひ私はお願いしたいという立場でございます。
 なお、ふるさと創生によって地方が本当に個性に満ちた活力ある自治体として一極集中を排除する手だてになりますように、私はあらゆる施策面において地方の自主的な財源確保を含めて対応してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#125
○小谷委員 大臣の今の御答弁がございましたので申し上げておきますけれども、実は消費税の導入に伴う一連の税制改革によりまして、地方での財政措置としては、大臣、これは平年度ベースということでございますから、ちょうど今から三年くらい先になろうかと思いますけれども、当時、昨年ですが、衆議院で補正された後になおかつ地方税としての純減収が八千八百三十五億というのが算出されておるわけでございます。これはまさに地方税が国税の方に移管され、なおかつ地方の税額が減税される等々によってこれだけ収入が減るという形になったわけでございます。幸いにして、これは自然増収と行政改革で賄え、これを期待するということであったわけですが、辛うじて現在は何とかつじつまが合うようでございますけれども、これから先この税制改革によって、地方財源に大きな支障を来すことにはならないのか、この心配が現在あるわけですが、この点はいかがなんですか。
#126
○奥田国務大臣 地方財政計画の策定に関しまして、運営に支障がないというように聞いておりますので、その面についての具体的数字を政府委員からお答えさせていただくことにします。
#127
○持永政府委員 先般の税制改革におきまして、全体としては国税、地方税通じまして二兆六千億の減税超過ということで、いわば国民の税負担の軽減を図ったということでございます。その中で、お示しございましたように八千八百億円、これは内訳としては、地方税財政の減収の中で、地方間接税の減収分と交付税の減収分はおおむね譲与税なり交付税で補てんをするという形になっておりまして、結局個人住民税の減税のほとんどの部分が形としては補てんされていない、こういう状況になっております。これにつきましては、財政運営上の問題としては、今大臣から申し上げましたように、地財計画を通じて全体としてバランスをとる、こういうことで財政運営には支障が出ないだろうというふうに考えておるわけでございます。これは以前から、毎年といいますか、毎年ではございませんけれども、時々所得税にせよ住民税にせよ、減税というものが行われてきたわけでございまして、そのときも結局その後の年度におきましては、毎年度毎年度の収支を全体でとっていくという形で対応してまいっておるわけでございまして、今回のこの問題につきましても、かつて行われました住民税の減税なりあるいは所得税の減税と同じような形で、毎年度の収支というものを地財計画できちっとバランスをとって支障のないように措置をしていく、こういうことで対応してまいりたいと思っております。
#128
○小谷委員 次に、民主政治の基礎となるものは地方自治であり、その果たすべき役割は国民生活の安定と社会保障の充実ではなかろうか、こう思っておるわけでございますが、社会保障の行方に対して今日ほど国民の関心の高い時代もまたないのではないかなと思うわけであります。将来の社会保障の見通しをどう立てて、どのように対応しようとしておるのか、このことについてお考えをお聞きしておきたいと思います。
 大蔵省と厚生省が発表した資料によりますと、社会保障費の国庫負担額は一九八五年度で十一兆三千億、これが十年後の二〇〇〇年には二十五兆あるいは三十兆円程度になるのではなかろうか、このように見込まれておる、こういう発表をいたしております。国庫負担額の増額はこのように見込まれておるわけですけれども、これと同様に自治体の負担も激増するのではないか、こう思うわけですが、この見通しはどのように立てておられますか。
#129
○持永政府委員 今お示しの、国の場合が一九八五年で十一兆三千億、これが二〇〇〇年で二十五兆ないし三十兆というように言われておるわけでございます。ただ、この国の十一兆三千億の中には、例えば年金でございますとかあるいは医療費でございますとかあるいは軍人恩給でございますとかいうことで、地方負担にかかわりのない部分もかなり入っているわけでございまして、結局、十一兆三千億の中でどの部分が伸びていくかということによって、地方負担も非常に影響が出てくるということになるわけでございます。詳細には分析いたしておりませんけれども、感じとしては、恐らく年金なり医療、ここらが非常に伸びが高いだろうという感じを持っておりまして、そういったことからいたしますと、国の伸び並みに伸びるだろうということには必ずしもならないだろうという感じはいたしております。
 しかし、そうはいうものの当然高齢化社会を迎えますし、同時に、先般決められました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、こういうものも進めていく。この十カ年戦略も今後十年間で事業費ベースで六兆円強、地方負担が二兆円強と言われておりまして、そういったこと等を考えますと、国と同じような急速な伸びまではいかないかもしれませんけれども、いずれにしても大幅に伸びていくだろうということは間違いないと思っております。
#130
○小谷委員 自治大臣、今御説明がありましたように、自治体の社会保障負担額は急増することが見込まれておるわけでございますが、これに対して、そんなに遠い将来ではないわけです、もう十年先と言われておるわけですが、これは十年先に一挙に上がるものでもないものでありまして、したがって、基本的にどのような対応を考えられておるのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#131
○奥田国務大臣 これは大変難しい問題提起でございますので、決して御満足な回答ができるという自信はございません。しかし、これからの福祉充実のために恐らくふえてくるであろう財政需要というものは、今政府委員がお答えしたとおり大変な額に上るわけでございます。したがって、果たして現在の財政構造でこの需要を負担できるかどうかということも含めて、これは今私たちに課せられておる最大の課題でもあろうかと思っております。
 ですけれども、国と地方の適切な役割分担、そしてこれに見合った地方のきめ細かい福祉サービスに対する財源措置も当然必要でございます。今厚生省が示されておるような十カ年計画にしても、地方自治体にその遂行責任を持たされて、高齢者のいわゆるホームヘルパーやデイサービスやショートステイ制度などは、国の施策として展開されるわけでありますけれども、これに伴う地方の分担、役割というものに対しては、私たちは的確な対応というものを考えていかなければなりませんし、こういった面についても、あるべき福祉政策の展開については、先生方と折々御相談願って万全を期していきたいと思っております。
#132
○小谷委員 では大臣に、政治改革に対する決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
 第二次海部内閣の最重要課題として政治改革を断行する、このようにお述べになってきたわけてございますし、また第三十九回総選挙におきます自民党の公約でもあったわけでございますが、最近どうも政治改革に対する熱意が薄れたのではないか、また薄れつつある等の報道もこれあり、このことについて自治大臣として政治改革への意欲のほどをお聞かせいただきたい、こう思います。
#133
○奥田国務大臣 私が自治大臣を拝命するに当たりまして三つの大きな責任と申しますか、目標がありました。
 一つは、今お述べになった政治改革。政治改革といいましても、結局、つまるところ金のかからない、政策本位、政党本位ということになれば、必然的に選挙制度の改革という形であります。これは今、八次答申をまさに目前に得られる段階でございますので、この内容は別といたしましても、選挙制度改革が私に与えられた第一の仕事であると思っております。
 二番目は、ふるさと創生という形の中で引き続きこの芽をいかに枝葉を茂らすか、花を咲かすまでに至らなくても、この問題についての地方の時代の軌道を的確に敷いておくということが第二番目であろう。
 三番目は、今日、国家行事の多いときでございますし、左や右におけるテロの問題も含めて、交通事犯の都市窒息を含めての治安維持と健全な車社会、そういった形でやらなければならぬ。
 大体この三つを柱としておったわけでありますが、今御指摘になった政治改革について、熱が冷めたのかと聞かれると、これは違うので、答申をいただいたならば最大限尊重して、しかしこれに対しては各党の御論議を踏まえながら、これは幾ら答申を得て頑張っても、各党の御協力がない形においてはどうにもならぬわけでありますから、そういった点においては、積極的にお互いに何とか接点を求め得る形の中で努力をいたしたいという決意はいささかも変わっておりません。
#134
○小谷委員 今、衆参ねじれ現象、こういう言葉が参議院では問題になったそうでございまして、参議院の方から見れば衆議院がねじれている、衆議院から見れば参議院がねじれておる。どっちがねじれておるにせよ、いずれにしましても与野党逆転という状況。これは民意のしからしむるところでございまして、これは厳粛な事実として受けとめて審議をしなきゃならぬものと思っておりますけれども、こういう状況の中で今日までいろいろ審議がございました。
 まず、いろいろなパターンができたわけですけれども、衆参の与野党逆転という現象に対して、閣僚の中の重要な位置にある自治大臣としては、これはどのようにとらえ、どのように対応されていこうとされるのか、ここらをちょっと聞かしていただきたい、こう思うわけでございます。
#135
○奥田国務大臣 先生御指摘のように、国会の現状、まあねじれ現象という言葉をそのまま使わしていただきますけれども、それは衆参ねじれ現象であるという厳粛な事実がございます。しかし、私は、国民の前に開かれた論議を尽くして、世論の動向も踏まえながら、できるだけわかりやすい政策論争、政治を行っていくある意味においてはチャンスでもあろうと思っております。どうか、そういったねじれ現象にあるという立場を尊重しながら、お互いに議論を尽くし、理解を得ながら、国民の前にもこれをわかりやすく論議展開を示すという形の中で、先生の方の党もどうかひとつ是々非々の立場に立って、中道政党としての形で御理解、御協力を賜りますように心から期待するものでございます。
#136
○小谷委員 そんなつもりで質問したわけではございません。
 衆参逆転の現象で、今後、政府提出法案が衆議院を通過しましても、参議院では廃案になるということが、今までの審議の経過上、一部あったわけでございます。また、一部修正という事態も予想されておりますし、また、それだけに、野党側の責任のある対応、これも国民の注目されているところである、こう思っております。
 その象徴的な事態が先月末に参議院で、特別地方消費税に関する部分を削除する一部修正の上成立した地方税法の一部を改正する法律案があったわけでございますが、特別地方消費税については、私どもは、平成二年三月末で日切れとなるものではないということが一つ。また、消費税導入に伴う税制抜本改正のときに、料飲税が仕組みを変えて存続したというものであり、減収の補てん財源に消費譲与税が充当されたという経緯もあり、消費税の廃止か見直しか、こういう議論の中で今後十分協議すべきものであるとこういうふうに考え、今国会中に十分審議しよう、今国会中に処理するということもともに確認し合おうではないかということで、衆議院では地方消費税法を削除する修正案を議員立法として処理する、こういうふうな対案を主張したわけでございますし、一応与野党合意ができる状況にあったわけでございますけれども、その後自民党さんのこれに対する反対で、結果的には参議院で同様の処理をしたもので、今国会においてはもはやこの特別地方消費税は、一事不再議の原則もこれあり、特消税の減税案はつぶれたわけでございますけれども、これは野党によってつぶれたということには当たらない、このように思っておりますので、ちょっと申し添えておきます。
 いずれにしましても、この地方税法の一部改正法案に見られるように、今後も政府提出法案に野党の考え方を取り入れていかなければ成立が難しいのではないか、このように思っております。したがって、地方自治体の行財政の根幹を握っておる自治省として、当委員会に付託される法案につきましても慎重に検討して結論を見出さなければ、国家国民のために混乱を来すという事態にもなりかねないので、あえて申し上げておくわけでございますけれども、今後、重要な法案、今までの経緯から見て与野党対決というふうな内容のもの、これをどんな形で国会に提出しようとされるのか、大臣の考え方をお聞きしておきたいと思います。
#137
○奥田国務大臣 今後、法律案の提出等に際しましても、野党の御意見にしっかり耳を傾けながら、また他方、国民世論の形成にも耳を傾けながら、先生方も責任野党としての立場に立たれてお互いに論議を尽くし、何とかして御同意のいただけるような形で努力してまいりたいということでお願いを申し上げたいと思っております。
#138
○小谷委員 次に移ります。
 先ほども質疑がありました日米構造協議についてでありますが、大規模小売店舗法の三年後根本的見直し、それから公共事業の新十カ年計画の策定、アメリカ側の財政赤字削減等十三分野に分かれて構造改善策の中間報告を発表されたわけでございますが、焦点となっております大店法の改正か廃止かという問題、また公共投資の拡大問題等は、特に地方自治体の行政とも密接な関係がございます。
 そこで、大臣に若干お聞きしておきたいわけでございますけれども、まずこの日米構造協議の中間報告に対して、自治大臣としてどのように受けとめておられるのか、お聞きしておきます。
#139
○奥田国務大臣 端的に申しまして、この中間報告を評価するにやぶさかではありません。私は、この報告の中には、我が国の政治家として当然やらなければならない問題点がたくさん指摘されておったように私自身感じております。
#140
○小谷委員 大店法問題について三段階にわたって見直すこととなっておるようでございますが、通産省お見えになっておりますか、その内容をちょっと御説明ください。
#141
○金子説明員 お答えいたします。
 今般の日米構造問題協議におきまして中間報告が出されたわけでございますが、その中におきまして、大店法については消費者利益、それから中小小売商の地域経済への貢献、それから国際協調という三つの観点から総合的に勘案した上で、選択し得るぎりぎりの案といたしまして次のような措置を盛り込んでいるところでございます。
 まず第一に、本年五月中に運用適正化措置等を実施する。例えば、出店調整処理期間の一年半以内への短縮などでございます。それから第二に、次期通常国会におきまして大店法改正法案の提出を目指して、法案改正作業に着手するということでございまして、消費者保護の観点あるいは出店調整手続の明確化の観点、そういった観点から改正法案を目指すということが内容になっております。さらに第三点といたしまして、この大店法改正後に、二年後でございますが、再見直しをする、そういう措置を決めているところでございます。
#142
○小谷委員 大店法の出店規制の適正化措置としてとりあえず本年五月から実施されるもの、こう挙げられておりますけれども、これはどんなものですか、その手順とスケジュール、今後の進め方。
#143
○金子説明員 本年五月中に実施する措置として運用適正化などを決めておりますが、その中身は、現在の大店法のもとででき得る措置ということを前提にいたしまして、例えば出店調整処理期間を短縮する。それから百平米以下程度の輸入品売り場に関する店舗面積増を調整不要化する。あるいは出店調整処理手続の透明性向上を図る等々の運用適正化措置を盛り込んでおりますが、スケジュールといたしましては、本年五月中に実施するということで考えておりますので、できるだけ早期に関係審議会に諮った上で、この運用適正化措置を実施するというスケジュールを考えております。
#144
○小谷委員 この際、大店法の目的、立法の趣旨をちょっと説明してください。
#145
○金子説明員 お答えいたします。
 大店法の目的は、法律第一条に書いてございますが、「この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、もって国民経済の健全な進展に資することを目的とする。」ということでございまして、具体的には消費者の利益の保護に配慮しつつ、その周辺の中小小売業の事業活動との適正な調整を図るという趣旨のもとに、届け出制等の手続が設定されているところでございます。
#146
○小谷委員 今第一条に示されているとおり消費者の利益を保護すること、また小売業の事業活動の調整、また周辺の中小小売業者の活動の機会を適正に確保すること等々いろいろあるわけでございますけれども、この大店法の出店の規制が緩和されるとか、また大店法そのものが廃止されるとかいうふうなことになれば、中小零細企業の保護育成ということが大きな問題となるわけでございますけれども、この法律を緩和するということは、当初の立法の趣旨はもう既に果たされたと判断をしているわけですか、それともこの趣旨は今必要ではなくなったという、ほかに理由があるのか、その点いかがですか。
#147
○金子説明員 お答えいたします。
 私どもといたしましては、この法律の趣旨、目的に沿いまして現状の問題点、実態を洗い直し、先ほど申し上げましたように消費者保護の観点あるいは中小小売商の地域経済へ貢献する問題、それから国際協調、そういった点を総合的に勘案して、大店法に係る規制の見直しを行ったわけでございまして、あくまでも大店法の目的、趣旨、それに対してこの措置を盛り込んだところでございます。
 それから、先生御指摘のように、この問題、このような措置をとることによりまして中小小売業者に対して少なからぬ影響があろうかと思うところでございますが、私どもといたしましては、既に平成元年度補正予算あるいは平成二年度予算等で、中小小売商業対策というのは各般の対応策を盛り込んでいるところでございますが、こういう状況でございますので、さらに一層の大店法に関する措置の円滑な実施、あるいは商店街のこのような地域コミュニティーにおける重要性等々を勘案しまして、さらに小売商業対策という思い切った支援対策を考えていきたいというところでございます。
#148
○小谷委員 自治大臣は、大店法の問題につきまして閣議や委員会の答弁で、地方自治体の条例による独自規制だけがひとり悪者扱いされてはならない、そのような立場から、大店法の運用改善措置で対応するくらいなら大店法を廃止した方がよいではないか、こういうような意味の御発言があったやに承っておりますが、この点について、規制緩和措置に対して大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#149
○奥田国務大臣 今後の法改正を含めての措置を注意深く見守っておるという段階でございます。もちろん、法改正に当たりましては、今も政府委員が述べておりましたように、国民生活の質の向上あるいは消費者利益の立場を重視するという形を尊重しながら、他方、中小店の体質強化を図っていくという形の中で公的規制緩和の措置がとられていくものと思っております。したがいまして、こういった形が、改正諸点ができれば、地方自治体の皆様にもこの経緯を含めて適切に趣旨に照らして対応していただけるものだと私は期待をいたしております。
#150
○小谷委員 聞くまでもありませんが、通産省は地方自治体に対して規制をしておる。これは条例等で規制を独自の自治権でやっておるわけですけれども、それを通達で規制緩和を指導するというふうに通産省は言うているわけですけれども、自治体の条例の制定権は尊重すべきものである、こう思っておりますが、通産省の一片の通達で地方の条例等、地方自治権に基づいたものを規制緩和するように指導するということで、自治大臣としてはこの件についてはどうお考えですか。
#151
○森(繁)政府委員 申し上げるまでもありませんが、地方団体には固有の条例制定権というのがございます。今お話がございましたように、地方団体の独自の出店調整に係ります問題につきまして通産省が検討中と聞き及んでおりますが、そういう通達が出たといたしましても、これが直ちに地方団体の条例につきまして強制力を有するものではない、こういう考えでおるわけでございます。したがいまして、その通達が直ちに地方団体の条例制定権に法的な制約を加えるものではない、こういうふうな理解をいたしております。
 ただ、先ほど大臣から申し上げましたように、地方団体の条例につきましても、やはり社会経済情勢の動き、時代の動きに対応した見直しというのが当然要請されるべきことでありますので、これまでの経緯等にかんがみまして地方団体が適切に対処されることを期待いたしておるわけでございます。
#152
○小谷委員 この大店法の規制緩和に対して、中小小売業を保護する立場から反対する意見書が相次いで地方議会から自治省にも送られてきておるんじゃないかと思います。
 その状況は通産省も十分把握しておられると思いますけれども、昨年の十月、この時分から名古屋市議会、三月十七日には京都市議会、三月二十六日には総理大臣のひざ元である愛知県議会、神奈川県議会が三月二十八日、大阪市議会等々それぞれ地方自治体の意見書、自治法第九十九条の二項に基づく地方議会の意見書というのが出されておるわけでございます。これは自治大臣のところにもすべて来ておるものと思っておりますが、このような地方自治体の自治法に基づいた意見書、それだけではなくして、地方の各種団体、また業界等からも強烈な規制緩和に対する反対運動が起こっておるわけでございますけれども、この点についてどのように把握され、どのように対応されるのか、大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。
#153
○森(繁)政府委員 お話ございましたように、地方団体の議会の中で意見書の提出という形で私どもの方に出てまいっておりますのが、これまで私どもが承知しております限り九都県ございます。ただこれは、議会が終わりましてまだ余り日にちもたっておりませんので、届いていないものもあると思いますし、さらにまた議会の議決の、言うなればあて名人で自治大臣が入っておるかどうかということによりましても違うものでございますから、必ずしも正確な数字ではございませんが、今申し上げましたような幾つかの県ではそういう決議をしておることは事実でございます。
 これらの意見書というのは、今お話がございましたように、地方自治の観点からこれは十分尊重しなければならないものである、こういうふうに考えておりますけれども、先ほど来大臣も申し上げておりますように、この問題に係ります経緯等につきまして、中小小売業者の健全な発展を図りながら公的規制の緩和を行うということが一つの大きな流れではないか、こういう考え方をしておるわけでございます。したがいまして、今後地方団体、特に地方議会の中におきまして、さらに一層活発な議論がなされまして適切な対応がなされることを期待いたしておるところでございます。
#154
○小谷委員 この大店法の運用の緩和措置等も日米構造協議の中で詰められることであって、一方的に国内でどうこう言って決めつけることもなかなか難しい問題があるんではなかろうかと思われるわけでございます。
 これは観点を変えて申し上げておきますけれども、別の問題ですけれども、大臣も所信表明の中で消防施設、消防法の見直し等について触れておられます。スーパー長崎屋の尼崎店の火災でとうとい人命の犠牲者を出すことになったわけでございますけれども、この状況を見ましたら、火災で亡くなったというよりもむしろ火災によるところのガスの発生で、ガスを吸った途端に中枢神経を侵されてその場でばたっと倒れて、そのまま窒息死したという、こういう状況がほとんどのようであり、火災というよりも火災によるところの煙害といいますか、煙によるところの死というのがほとんどのようでございます。
 ここで、スプリンクラー等の設置義務が消防法で決まっておるようでございますけれども、これは、このような犠牲が出ておる以上、直ちに規制を強化して、もう少し小さい店舗であったとしても、面積が少なかろうとも、このような事故が起こる可能性のあるところはもっと義務づけるべきではないかな、こう思うわけですけれども、消防庁いかがですか。
#155
○木村政府委員 このたびの長崎屋尼崎店の火災の事案にかんがみまして、三月下旬に物品販売店舗等における防火安全対策検討委員会を設置して検討しておりますが、御指摘のスプリンクラー設備の設置基準の見直しもその中で行っておりまして、結論を得次第、必要な制度改正等を含む措置を講じたいと考えております。
#156
○小谷委員 新聞報道でも検討委員会を設置して学識経験者等のメンバーによっていろいろ決めていきたいということのようですけれども、これは検討内容、またいつごろを目途に考えておるのですか。
#157
○木村政府委員 検討をいたしております事項は、スプリンクラー設備の基準を含む初期消火対策、それから避難経路の確保対策、防火管理体制の充実等、ハード面、ソフト面両方にわたって検討を進めております。また、マル通マークの運用のあり方でありますとか立入検査の実施の方法等についても検討されております。遅くとも六月下旬までには結論を得たいと考えております。
#158
○小谷委員 ちょっと悠長過ぎますよ。消防庁の方でそんな考え方なら、私たち、これは皆さんに相談して議員提案ででも直ちに改正すべきではないかな、こう思うくらいなんです。この点、大臣、お考えはどうですか。
#159
○奥田国務大臣 私は先生と全く同意見でございます。もうそれでこの問題が起きたら、すぐスーパー店舗における防火安全対策検討委員会というのを設けるという形で、今先生御指摘のように、不特定多数の出入りするスーパーなどにスプリンクラー設置の基準見直し、これはもう今日の事故が起きてからの結果で申しわけないわけでありますけれども、初期消火対策の絶対必要な設備であるという形で検討を命じております。
 それで、法令改正を含めた検討をやっていくということで、今消防庁長官から話がございましたけれども、先生らの強い御意向でこれはやるべしということになれば、これは政令改正ですぐやることができますから、もうぜひその点においては先生らの御意見が一致すれば、そういう形で政令改正の手続に移らしていただきたいということでございます。
#160
○小谷委員 時間が余りないようでございますが、次は、生活保護について国庫負担率は、平成元年度において暫定負担率を十分の七を引き上げて十分の七・五で恒久化されたのでありますが、生活保護補助率の恒久化によるところの地方負担の影響額、これはどのくらいになっておりますか。
#161
○持永政府委員 生活保護の負担率が仮に五十九年以前のものとして計算をいたしました場合、現在の補助率の差額でございますけれども、平成二年度予算案ベースで計算をいたしまして約七百二十五億でございます。
#162
○小谷委員 それだけ地方財源が圧迫されることになるわけです、これが恒久化されることにより。そういう状況でございますが、そこで、厚生省は本年二月二十八日に、生活保護世帯が保有している土地や住宅などの資産と生活保護の兼ね合いについて基本方針をまとめたようでございます。生活保護によるところの資産保有問題に対して検討するようになったようでございますけれども、その基本方針について御説明いただきたいと思います。
#163
○炭谷説明員 御説明申し上げます。
 被保護者の居住用の資産の保有の取り扱いにつきましては、昭和六十年十二月に会計検査院から処置要求を受けまして、土地の保有を認める範囲について、一般世帯との公平を欠かないように限度を明確にしろという処置要求を受け取ったわけでございます。その後六十一年七月、総務庁の行政監察からも同様の趣旨の勧告を受けておりました。そこで、厚生省におきまして研究会を設置するなど慎重に検討してまいりまして、このたび先ほど先生が御指摘なされましたような基本方針を取りまとめまして、都道府県にお示ししたところでございます。
 その主な内容でございますけれども、被保護者の居住用の資産の取り扱い、つまり保有の資産を認めるか認めないかという基本的な考え方につきましては、一つは、生活保護の趣旨から最低生活の観点、つまり他の一般の住民や他の被保護者の生活内容から見て均衡を逸していないかどうかという点、それから第二点といたしましては、補足性の原理、つまり生活保護では他の資産や能力その他あらゆるものを最低生活の維持のために使っていただくという補足性の原理がございますので、その補足性の原理から、居住用の不動産として著しい不公平を生じないかどうかという観点から検討しなければならないということでございます。
 これにつきましては、やはり個々の世帯の状況を十分把握しなければならない。また、このような考えは地域の実情により随分違うんじゃないだろうかと思います。したがいまして、このようなものはそれぞれの個々の被保護者の環境なり状況を、ケースワークの手法に応じまして多角的にまた総合的に把握しなければならないだろうという考えを持っております。また、それぞれの住宅は生活の根拠でございますので、やはり長期的な視点という観点も必要じゃないだろうか。
 したがいまして、この問題はやはり一律的、機械的な処理というのは不適切で、あくまで多角的、多面的な判断が必要だろうということに基づきまして、このたび福祉事務所におきまして処遇検討会というものを設置していただきまして、相当程度資産価値のある不動産のものにつきまして、それを保有を認めるかどうか慎重な検討を要するようなものにつきまして、そのような処遇検討会において多面的、多角的、総合的な判断をしていただくというふうな方針を示したところでございます。
#164
○小谷委員 これは処遇検討会を設けて一応検討されるようでございますけれども、確かにこの基準を全部一律にすることは無理があろうかと思います。東京、大阪とか名古屋方面の二千万ということに評価がなれば、例えば一千万の土地があるところなら二坪ということですから、すぐにオーバーすることになろうかと思いますし、またそれ以外の地方になれば、二千万といえばなかなかそんなに金額はかからない、かなり大きな家でもそんなに評価されないということにもなろうかと思います。これは、一律に決めることは非常に問題があろうかと思います。
 なおかつ、確かに何かの事情によって所得がなくなった、自分の資産を売りながら、処分をしながら自力で生活をしている人、またそうではなくて、資産を持ちながら保護を受けている人、これは平等かといえば平等ではない。これを放置していいものとは考えておりませんし、何らかの処置をとらなければならぬと思いますけれども、これから高齢化社会に向かうに当たっていろいろなケースが出てくるのではないかなと思われるわけでございます。
 そこで、時間もございませんので、まずこの点については、私どもの身の回りでも、確かに保護者というべき人がおるということはわかっておってもなかなか面倒を見ようとしない、ところが、亡くなったら遺産は受け取りに来る、それを売り払うてどこかへ行ってしまう、こういうケースがあるわけです。したがって、これは何らかの――だからといって、家を売って出ていきなさい、その金を持ってどこかへ行きなさい、その金がなくなったら保護をしましょう、こういうこともお年寄りに対していいのかどうか、問題があろうかと思います。したがって、生活保護費をその資産に対して何らかの形で、亡くなったとき、保護をしなくてもいいような状況になったとき返還をさせられるような制度改正を行う必要があるのではないか。そうすれば不公平やアンバランスと言われる点はある程度解消できるのではないかな、こう思うわけですけれども、厚生省、いかがでしょうか。
#165
○炭谷説明員 私どもの生活保護におきましては、まず扶養義務が優先いたすわけでございますので、扶養義務者がいらっしゃる場合は優先的に扶養をお願いする、そして、その徹底を求めているわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、扶養義務を果たさない、また扶養義務は負わないという人が被保護者が亡くなられた後相続するという事例はあろうかと思います。このようなものにつきましては、現在の民法上の相続の範囲をどうするか、また扶養義務の問題というような民法上の基本的な問題とも関連いたしますし、また私ども、社会保障全般、例えば老人ホームなどにも同様な問題が生じるのではないだろうか、いわば社会保障における公的な扶養とまた私的な扶養をどのように調整していくかというような非常に重要な問題もあるわけでございます。また、このようなことを行いますと、先生の御指摘のようなことを行いますと、やはり地方公共団体の事務処理能力というような問題もありますので、そのような関連におきましてやはり長期的な検討課題ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
#166
○小谷委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
#167
○島村委員長 吉井英勝君。
#168
○吉井(英)委員 私は、地方自治の問題、民主主義の問題、その基本問題について自治大臣に御質問をしていきたいというふうに思います。
 具体的な例といたしまして、茨城県真壁町の議員報酬等が真壁警察署の警察官に定期的に渡されていたという問題について質問したいと思うのです。
 私、ここにも持ってきておりますが、二月十一日の東京新聞では「議員に無断で支出明細提供」と報じています。それから、同日の「新いばらき」では「議員の個人情報漏らす 警察の要請に応じ町職員」という見出しがあります。翌十二日付の読売新聞は、「警察へ議員報酬明細 真壁町事務局「求めに応じ提供」」との見出しで報道しております。真壁町の議会事務局長は、我が党議員の質問に対して、昭和五十六年一月から年二回、全議員の給与内訳表を渡していたと答えています。
 私が調べたところでは、この町議会というのは定数は二十二名なんですが、現在欠員が一名で二十一名の議員で構成されており、我が党の議員は一名、公明党の議員の方が一名、昭生会という会派を名のっておられる自民党の議員の方が九名、あとは無所属議員十名となっているわけですが、議長、副議長を除いて、これら会派の全議員の給与内訳が警察に渡されていたという驚くべき事態がありました。
 渡されていた報酬等の内容の項目というのを見てみますと、報酬、期末手当、所得税、共済掛金、議員会費、その他、差し引き合計の七項目で、その他の項目の中には、例えば議員の懇親会に要した費用とか、書籍の名前から書籍の代金なども含まれていたようであります。自治省が指導している職員給与等の公表でも、平均給料月額、期末手当等については公表するように指導しておりますが、所得税とか共済掛金、議員会費など個人のプライバシーに関することまで、こういうのは公表の対象にはなっておりませんし、これは当然のことです。
 そこで、私は最初に自治省の方にお伺いしたいのですが、個人の所得にかかわる情報を第三者に教えるということは、地方公務員法三十四条の「秘密を守る義務」に違反することになるのじゃないか、この点について自治省の見解を伺いたいと思います。
#169
○滝政府委員 地方公務員法三十四条の考え方についてお尋ねがございました。
 地方公務員法上、守秘義務違反というのは三十四条に規定しているわけでございますけれども、これは二つの問題がございます。一つは、その内容が客観的に見て秘密に該当するかどうか、これを実質的秘密というふうに呼んでいるわけでございますけれども、こういうふうな実質的秘密に該当するものであるかどうか、また、その行為が広く一般に知らせる行為あるいは知られてしまうようなおそれがある、こういうような行為に該当するかどうか、この二つの問題がこの判断基準になろうかと思うのでございます。
 今回の今御議論のございました事実関係で見てまいりますと、確かに、議員報酬あるいは共済掛金、こういうようなものは、私どももその新聞等で判断させていただきましたし、今の先生の御指摘のお話の中身から判断させていただきますと、このこと自体はどうも実質的な秘密には該当しないのではないだろうか、こういうふうに私どもは考えております。
 ただ、先生の今御指摘にもなりました「その他」事項というようなものがあるようでございますけれども、これが内容がよくわかりませんので、この点につきまして、個人のプライバシーに触れるものがあれば、それは実質的秘密というようなものに該当していくであろう。しかし、その中身は私ども判断できませんので、それ以上のことは申し上げかねますけれども、したがって、そういうような実質的な秘密の問題に該当するかどうかというのは、ある程度事実に即して判断させていただくことが必要でございますので、今の限りでは、どうもこれに該当するということを断定することは難しいのじゃないだろうかと思います。
 それからもう一つ、二つの問題がございましたけれども、そのもう一つの最後の問題でございます。
 一般に知られてしまうおそれがある、あるいは一般に知らせてしまう、こういうようなものから考えますと、この場合にそれに該当するかどうか、これはやや議論の余地があるところではないだろうか、こういう感じがいたします。要するに、広く一般に知らせる、こういう行為になるのかどうかというところは、もう少しその事実関係あるいはその目的、そういうものから判断する必要があろうかと思います。
#170
○吉井(英)委員 議員給与明細の中で、今もお話がございましたように、報酬なり期末手当、これから自動的に計算される共済掛金、まず報酬の方は、条例で決まっておるわけですから、おっしゃったとおり公表だと思うのです。それから議員のプライバシーにわたるもの、これは税にかかわるもの、議員会費とその他で、議員懇親会の費用とか書籍名とその代金とか、プライバシーにかかわるものですね。このプライバシーにかかわるものについては、これは「職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。」というこの守秘義務というものに該当するのじゃないですか。
#171
○滝政府委員 税の問題についてお話がございましたが、一般的に申しますと、所得税に関連する問題は、極めて個人的な事情でもって額が算定されてまいりますから、プライバシーの問題になろうかと思うのでございますけれども、ただ、町村議員の場合には、もともと報酬が極めて低いところが多うございますので、そういうような団体では所得税も個人の事情を抜きにして一律に、共済掛金と同じように一律に、例えば一〇%とか一五%とかいうように一律に源泉徴収をする、こういうようなことが報酬の低い団体では行われておりますので、そういうところにつきましては、所得税一般には原則としてプライバシーの問題になるかもしれませんけれども、そういう個人の事情を考慮しない源泉徴収をしておる場合には、どうもプライバシーにならぬだろう、こういうふうに考えられます。
#172
○吉井(英)委員 自治省公務員第一課長や消防庁次長を務められ、人事院の事務総長を務められた自治省の先輩である鹿兒島氏の著された「逐条地方公務員法」を持ってきておりますが、この課税の内容は個人的秘密に当たるということで、これは地方公務員が守るべき秘密として例を挙げておられます。私はこの点について、茨城県の地方課の方がどういう見解で、どういうふうに指導しておられるかも伺っておるのですが、県の地方課は一般的には地公法違反に当たるという見解です。
 もしあなたが第三者に税額を教えるとか、あるいはどんな本を読んでおられて、その書籍代はどれだけこの給与明細の中で差し引きましたと、「その他」のプライバシーにわたる問題を、まさに知り得た秘密を他に漏らしたということについて、これはそれでも地公法三十四条に違反しない、この場ではっきり違反じゃないのですとおっしゃるならおっしゃったらいいのです。どうですか。
#173
○滝政府委員 この問題はしたがって二つの問題があるということを申し上げておるわけでございますけれども、今も御指摘になりました税の問題については、税だからといってプライバシーの問題にはならぬだろう、こういうふうに申し上げたわけでございます。
 ただ、一番最初に申しましたように、「その他」の項目が先生からお示しになりました。「その他」につきまして、私どもは内容を承知しておりませんから、その辺のところはあるいはプライバシーに触れる問題があるのかもしれません。それは私どもとしては事実を確認しておりませんから、そこのところは申し上げかねる。したがって、先生のおっしゃり方からすれば私はむしろ逆でございまして、この問題は「秘密」に該当するとも言えませんし、該当しないというふうに断定するとも言えません。こういう問題がその「その他」の事項をめぐってあるのじゃなかろうか、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
 それからもう一つは、今のもう一つ、もう一つというのは一番最初に申し上げました二つの問題のうちの一つでございますが、要するに、一般的に知られてしまうおそれがあるのか、あるいは一般的に知らせてしまうのか、そういうような秘密を漏らすことの中身の問題があるのじゃなかろうか、そういう点からすると必ずしも断定はできないのじゃなかろうかということを申し上げておるわけでございます。
#174
○吉井(英)委員 これはNHKテレビでも三月二十日に放映されまして、大変な問題だということで関心を呼んでいるのですが、そのテレビの中で、茨城大学の飯塚教授など法学者の見解としては、議員報酬の額自体は公表されているもの、この見解は一緒ですね。ただし、内訳には税金や団体への加盟費などが記載されており、外部に漏らしたことはプライバシーの侵害に当たるということをやはり見解として示しておられます。あなたがここですぐ判断いたしかねるということであれば、後からでも結構ですから、やはりその内容等に即して自治省の見解というものを明らかにしていただきたい、伺いたいと思うのです。
 自治省にあわせてお聞きしておきますが、この守秘義務に触れた場合には、地方公務員法第六十条、これは法第三十四条に違反して秘密を漏らした場合、「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」と規定しておりますし、それに先立って二十九条では懲戒処分ということがありますね。つまり行政罰と刑事罰とがかかってくるわけでありますが、あなたの方で触れる問題ありとなった場合には、当然これに該当するわけですね。
#175
○滝政府委員 おっしゃるとおり、この法三十四条は服務規律の問題でございますから、それに触れれば当然それは組織内の問題としての行政処分の問題がございます。それを受けまして、地方公務員法の六十条で罰則を置いておりますから、これに該当するということになれば、六十条の問題が、刑事罰の問題が出てこようかと思います。
#176
○吉井(英)委員 これは真壁町議会の調査でも、捜査令状その他正式な手続によって求めたものではない、そういう情報のたぐいです。同町の三月二十日の総務常任委員会で全会一致で採択され、本会議に報告された総務委員長報告というのがある。これは本会議でまた全会一致で承認されているわけですが、この事件の経過をまとめた議会の会議録というのを私は見せていただきましたが、この常任委員長報告の中で、議会事務局長の言葉として、警備警察鈴木敏弘氏より給与明細書できましたかと電話があった。「書類はいつも同じ場所を指定して誰がいなくても判るようにしておいた。議長、町長へは報告しなかった。」また、事務局職員の方は「定例会後、警備警察・鈴木敏弘や久保久紀より何度か出来ましたかと聞かれた」というくだりなどもあります。
 これらは最近の状況についての内容なんですが、一九七七年当時の議会事務局にいた職員は、同じ文書の中で、「警察の報酬内訳書請求方法は、警察官が直接、議会事務局へ来て請求し、それから議会事務局員が書類を作成し、出来上がった時に警察官が取りに来る。書類作成は年二回、作成した書類をどこに置くかは決めてなかった。古谷野元議会事務局長は警察に渡す時一緒にいて知っていた。」と証言しているわけです。なお、議長名の文書で総務常任委員会に出席されたいという要請が真壁警察署長になされましたが、電話で督促もありましたが、警察側は議会に出席して弁明する機会をみずから拒否をしておられますので、それも委員長報告に記載されているということはつけ加えておきたいと思います。
 この問題は、私は公務員の守秘義務違反に当たるものだとやはり思います。事務局長の責任は当然これは問われなければなりませんよ。簡単に議員のプライバシーがほいほいと外に出されるということは、これは許されないですね。同時にそれを再々要求した警察官の責任はやはり重大だと思うわけです。この警察官というのは、いわば共犯者と言われても仕方がないと思うのですよ。先ほど自治省見解で、もうちょっと具体的なところは詰めて検討したいということでありますが、これが守秘義務違反ということになりますと、これは刑法六十一条「人ヲ教唆シテ犯罪ヲ実行セシメタル者ハ正犯ニ準ス」。いわば主犯格と言わても仕方がない内容になってくるわけです。
 私はここで大臣にお伺いしたいのですけれども、こういうふうなことがまかり通っては、これは真壁町だけのことなのか、全国の地方自治体でこうなっているのか、あるいは我々国会議員までこうなっているのか私はわかりませんが、やはり大変なことだと思うのですよ。かつて国家公安委員会も処分をされましたあの犯歴データの漏えい問題とか、やはり人権の問題、プライバシーの問題というのは軽々に扱われてはいけない問題でありますので、この点については、人権、プライバシーを守るという点でやはりきちっとした指導なりをしていただきたいと思うわけですが、この点についての大臣のお考えを伺っておきます。
#177
○城内政府委員 具体的な細かいことについてのお尋ねでございますので、私から答えさせていただきます。
 真壁警察署の件につきましては、議会事務局から共産党議員の議員歳費の額を任意に教えていただいたものでございます。これは、日本共産党が従来から議員歳費を党の活動の財源ととらえる基本的な考え方を持っておりますところから、共産党に対する情報活動の一環として、警察がその任務を遂行する上に必要なこととして任意の御協力をいただいたものでございます。
#178
○吉井(英)委員 まず、真壁町の町議会で問題になっている話は、日本共産党と警察の話じゃないんですね。自民党の議員の皆さんも、公明党の議員の皆さんも、我が党の議員もそうですが、全議員を対象にして警察がプライバシー調査をやっておったということが大問題なんですよ。
 なお、つけ加えておきますと、我が党の議員歳費というものに対する考え方は、今のお話は全く違う非常にねじ曲げた話でありますので、そのことを指摘しておきたいと思います。
 ところで、そういう警察と日本共産党の話じゃありませんので、私は話を本筋に戻しておきたいと思いますが、議会事務局長は「議会議員分とは全議員という意味です。」と三月七日の総務委員会で答弁しているのです。「全議員」というのは、今も申しましたように我が党の議員だけじゃないのです。公明党の議員の方が一名、昭生会を名のる自民党の議員の方が九名、議長、副議長を除くすべての議員の報酬、期末手当、所得税、共済掛金等々について長年にわたって調べてきたわけです。
 こういうプライバシーを調査する権限というのはだれにもないわけです。警察法二条に基づく犯罪予防にももちろん当たりませんし、同二条二項、三条は、職権乱用の禁止、不偏不党、公平中立を定めているわけでありますし、警職法五条というのは「犯罪の予防及び制止」の規定でありますが、その条文でも、警察官の行為というのは「犯罪がまさに行われようとするのを認めたとき」と限定されており、犯罪捜査でもないのに、選挙で選ばれた議員全員に対して、そのプライバシーにわたることまで議員本人に隠れて調べることはできないわけです。もし真壁町議会が指摘しているようなことがまかり通ると、まさに全国の地方議員のプライバシーあるいは国会議員のプライバシーまで全部警察が本人に隠れて調べ上げること、つまりスパイすることになりかねないわけですね。「議員を警察がスパイすることは、町民をスパイすることだ」「警察のスパイ行為は、民主主義への挑戦です。事実を徹底的に調査して決してうやむやにさせてはいけない」「私は一党一派に偏らない立場だが、議会で警察がしたことは明らかに不当な行為」、これは新聞に載った住民の方の声の紹介です。
 そこで大臣、私は明確なプライバシーの侵害、こういうふうな行為を議会の事務局長などに対しても警察が強要することは許されないと思いますし、この件についてはやはり国家公安委員長としてまず直接お調べをいただいて、そしてその上で警察官に対する処分問題その他もすべて含めて公安委員長としてよくお調べいただいて、そして必要な指導というものをやっていただきたいというふうに思うのです。この点、大臣いかがでしょうか。
#179
○城内政府委員 まず私から御説明いたします。
 まず、私どもの関心は日本共産党の議員歳費が関心であって、ほかのことは関心でないということをまず第一点申し上げます。
 それからもう一つは秘密でございますが、先ほど自治省の方から御説明がありましたように、それが実質秘かという一つの問題、私どもは現地からいろいろ報告を聞いておりますと、どうもそういった秘密に当たるようなものはないというふうに今までのところは考えております。ましてや第二の要件である一般に広く知らせるというようなことは私ども全く考えておりません。先ほど申し上げましたように、警察が警察法で規定された責務を果たす上から私どもがやっている活動でございまして、これはもちろん適法な行為であるというふうに思います。
 また、スパイ云々という言葉がございましたが、スパイの定義というのは難しいのでございますが、一般に、違法、不当な方法で秘密などを盗む、そういった行為をいうことでございまして、私どもの仕事をそのように言われるのは大変当たらないというふうに私どもは考えております。
 なお、先ほどの御質問で答弁漏れみたいな格好になりましたが、やはり私どもの仕事をする上においては、任意の御協力を得るわけでございますが、適法妥当な活動をしなければいけないし、本件はそういう場合であったというふうに考えてお
ります。また、基本的人権の尊重につきましても十分な配慮を行わなければならないということで、従前からその点につきまして第一線の警察を指導しておるところでございます。
#180
○奥田国務大臣 警察が公共の安全、秩序維持という責務を果たすために必要な情報活動を行っていることは当然でございます。その手段方法についてはもちろん適法妥当なものでなければならぬ、基本的人権を尊重しなければならぬ、これは十分配意しなければいかぬことも当然でございます。そのように指導してまいっております。
 ただ、今委員御指摘のように、議員全員に行われたという形で報告を受けておりませんので、その点は再調査いたします。ただこの件については、議会事務局から、共産党議員の議員歳費の額を任意に教えていただいたものだ、共産党に対する情報活動の一環として御協力をいただいたものだという報告を承っておるわけであります。
#181
○吉井(英)委員 真壁町議会の総務委員会の審議、総務委員長報告、そして議会で承認されたものなどを私はいただいておりまして、よく検討させていただきました。議会で明らかになったことは、日本共産党の議員個人の問題ということじゃないですね。全議員を対象にしているわけです。なお、弁明の機会というものは真壁警察の署長に対しても与えられているわけですね。それは放棄をしておられるわけであります。真壁町の問題について、警察の方が言いたいことがあれば、せっかくの機会があったわけですから、議会へ行ってお話をされたらいいのに、先ほどの警察庁の方のお話というのは又聞きの話にすぎないわけで、そういう問題じゃなくて、ちゃんと議会の正規の会議録に基づいて私は物を言っているわけです。よもや公安委員長は私の給与明細まで探って何かをされるということはなかろうとは思うのですが、まさにそういうことなんですよね。国家公安委員長が吉井英勝という一国会議員の給与明細を事細かに調べる、共産党の議員が加わっている議会であれば、地方議会であれ、国会であれ、共産党の議員の調査だと称して全議員のプライバシーを調査する、そんなとんでもないことが許されてはだめなんだということを私は言っているわけなんです。
 私は、この点はやはり国家公安委員長として十分な情報がお耳に届いていないように思いますし、途中で随分ねじ曲げられていると思うのですよ。直接議会の会議録その他をつぶさに調査いただいて、そしてしかるべき御判断をいただきたいというふうに思うわけです。
 なお、三月二十日の総務常任委員会の報告書では、さらに議員の報酬だけでなく、警察は請願や陳情に対してもスパイ行為を働いていたということで、議会で大問題になっているのですよ。市村議会事務局長が新型間接税の導入に反対する請願を「警備警察・鈴木敏弘の要求で陳情・請願綴りごと」見せたと書いてありますし、さらに、「事務局長が陳情、請願をB5判にコピーして警察官に渡した記憶ははっきりしている。」あるいは「非核宣言ではないかと思う。」「警察が議会事務局に来る一連のパターンは、「請願・陳情が出てますか」と、議会提出以前の請願・陳情書を見たり聞いたりする。そして議会終了後「どのように審議されたか」と議会の内容を聞く。」これは事務局員が証言していることが議会の会議録に載っているのです。大臣、真壁町ではこういうことがやられているのですよ。
 ところが、真壁町の住民から出された請願や陳情を警察が調査するという事例のほかに、実は兵庫県では、三月十七日の読売新聞の切り抜きを私特ってきておりますが、読売によると「事情聴取は不当介入 兵庫・山南町農業委柏原署に抗議」という見出しで、兵庫県の山南町農業委員会がことし二月二十三日に米市場開放阻止に関する要望書を全会一致で決議したことについて、兵庫県警柏原署の警備課員が、決議のいきさつ、農業委員会の構成などを聞きに来たことを報じております。
 そのことについて実は山南町農業委員会は抗議文を決議しております。私はここに抗議文も持ってきているのですが、ちょっと紹介すると、「去る二月二十八日午後一時十五分ごろから、貴署の村上豊巡査部長と宮崎武彦巡査が当委員会の事務局長に対し、二月定例委員会で決議した要請書の内容や送付先などについて事情聴取されたことは非常に遺憾であります。」農業委員会は「農政全般にわたり、国や県、町など行政に対して、意見書や要望書にまとめ建議する業務があり、今回の「コメ市場開放阻止に関する要請」は、農家代表の意見をまとめたもので、農業委員会等に関する法律に基づく職務行為であります。要請の内容やいきさつ、送付先を警察官により事情聴取された事実は、当委員会への不当な介入であり、強く抗議するものであります。」なお、農業委員会は「公職選挙法等により選出された委員で構成する行政委員会」なんだ、こういう非常に厳しい抗議文というものが農業委員会で決議されております。
 私は、この抗議文にあるように、農民の代表として選挙で選ばれた農業委員会が、農民の関心を持っているそのときどきの問題について、意見を要望として決議するのは当然のことだと思うのですが、そういう意見公表あるいは他の行政庁に建議、または諮問に応じて答申ができるという法律で明記されていることをやっているのに、警察が決議の経過や委員の構成などについてとやかく聞いて回るということ、これは明らかに農業委員会の活動に対する侵害になるというふうに思うわけですが、この点についての大臣のお考えを伺いたいのと、時間が迫ってまいりましたので最後にあわせてもう一点伺っておきたいと思います。
 選挙で選ばれた農業委員会の活動に対する介入、だからこそこういう抗議が出ているわけでありますが、私は、真壁町の新間接税の請願あるいは山南町の米開放阻止の決議、いずれも政治の最大の焦点に関係する内容のものなんですが、そういう問題について警察が聞いて回ること自体が、不偏不党かつ公平中立を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉を行ってはならないとした警察法に違反する行為でありますし、請願書や陳情書を、議会が採否を決定する前に見たりその写しをもらうということは、国民の請願権を侵害するものであり、警察法で厳禁されている個人の権利の侵害そのものになるというふうに思うわけです。
 こういう点で自治大臣は、地方議会や議員、農業委員会や住民の議会請願に対するこうした警察からの介入などについてどのようにお考えになられるか。また、先ほど申しました犯歴データの漏えいその他人権やプライバシーというものについて余りにも考え方に問題があると思うのですが、最後に、公正中立の警察の本来の目的に沿った警察運営が行われるように、国家公安委員長としてもその職責を果たしていただきたいということで、公安委員長のお考えだけ伺って、質問を終わりたいと思います。
#182
○奥田国務大臣 厳しい答えになるかもしれませんけれども、農業委員会の抗議については、警察の方から農業委員会に対して何ら干渉するものではないということを御説明申し上げましたところ、警察が農業委員会に介入したと考えたのは誤解であったという旨の再決議を農業委員会ではされたという報告を受けております。したがって、農業委員会に不当介入したという形は当たらないのじゃないか、そのように報告を受けております。
 なお、警察が情報活動を行うに当たりまして、基本的人権の尊重ということ、プライバシーの十分な配慮を行わなければならないということは言うまでもありません。しかしながら、先生の質問の御趣旨もあり、私の方では念のため調査することをお約束いたします。
#183
○吉井(英)委員 終わります。
#184
○島村委員長 神田厚君。
#185
○神田委員 大臣の所信に対しまして、御質問を申し上げます。
 大臣は、所信表明の中で「地方公共団体の自主性・自立性の強化を図っていく」、このように述べられております。このことはシャウプ勧告以来、多くの地方行政の専門家が支持をしてきたところでありまして、いわば共通認識という形になっております。また、国におきましても田園都市構想、ふるさと創生等々、多くの事業を実施してきたところでありますし、現在も行っている問題でもございます。
 本年三月二十日に新行革審におきまして報告された行財政改革推進委員会報告におきましても、「多様で自立的な地域社会の実現を目指して地方分権を推進する。」など、地方分権の推進、地方への権限移譲を指摘しております。地方の自主性、自立性が当委員会におきましても長きにわたり叫ばれておりますけれども、遅々として進まない大きな理由は、私は、国と地方に関する税制、財政と行政という二つの面が阻害要因となっていると考えております。その結果、利益誘導政治、補助金行政、陳情行政等々の多くの弊害が生まれておりました。
 以上のような観点から、何点かにつきまして御質問を申し上げたいと思うのであります。
 まず第一は、大臣は「地方税源の着実な充実を図っていく」、このように述べておりますが、具体的な税目をどのように考えているのか。政府の当初提出した地方税法の一部を改正する法律案では、平成二年度の税制改正では五百二十二億円の減税でありまして、大臣の所信とは矛盾をするというふうに考えておりますが、この点はいかがでありますか。あわせまして、財政については「地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額を確保する」と抽象的に述べておりますが、具体的に何を意味するのか、御説明をいただきたいと思います。
#186
○湯浅政府委員 今後におきます我が国の経済社会の進展に伴いまして、地方団体の役割がますます増大していくということは、御指摘のとおりでございまして、これに対処するために、地方税源の充実を図りまして、個性豊かな活力ある地域社会の形成と住民福祉の向上を図るということを引き続きやっていかなければならないということでございますので、そのためにも地方税源の充実を図るということは極めて大切なことでございます。現段階で具体的な税目で地方税収の増加を検討するということは、具体的な問題としてはございませんけれども、今後の地方税制の検討に当たりましては、常に地方税源の充実というものを念頭に置きまして対処していきたいという趣旨で、大臣の所信で述べていただいたものでございます。
 また他方、平成二年度の税制改正に当たりましては、御指摘のとおり初年度で五百二十二億円の減税案を提出したわけでございますけれども、地方税源の充実を一方で図りながら、他方では住民負担の軽減というものも適時適切に行っていくという必要性もあるわけでございまして、そういう趣旨で地方税源の充実を図りながら、また適時適切に住民負担の軽減を図っていくということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 また、地方税負担の公平適正化という問題でございますが、既に御案内のとおり、税制を運営し、あるいは税制をいろいろと検討するというための最も重要な視点は、税負担の公平を確保するということが一番重要なことでございます。したがいまして、地方税の問題を制度として考え、あるいは運用の問題としていろいろと御論議をいただく場合には、負担の公平の確保ということは常に考えていかなければならない問題であると思います。
 毎年毎年この観点からいろいろなことをやっておりますけれども、例えば平成二年度の税制改正におきましては、各種の非課税等特別措置の整理合理化に努めておりまして、平成二年度の地方税制の改正におきましては、非課税等特別措置の廃止を五件やっておりますし、二十五件の縮減も行っているところでございます。また、今後の土地税制の総合的な見直しを行いたいということも、大臣の所信表明ではお述べいただいたわけでございますが、土地税制の総合的な見直しという点につきましても、例えば土地を持っている方と持っていない方との資産格差が非常に拡大された。こういうものを税制においてどのように負担調整、負担の適正化を図るかという観点から見れば、この問題も税負担の公平適正化という考え方からアプローチをしていかなければならない、こういう問題にもなろうかと思います。
 いずれにいたしましても、そういうことで税制を考える場合に、常に公平適正化ということを念頭に置きながら今後もやってまいりたいと思っているわけでございます。
#187
○神田委員 地方税源の充実が遅々として進まない理由としましては、税制改革の手法、補助金行政等々に問題があると考えております。その他にも多くの要因はあるでしょうが、主にそういうところに問題がある。さきの竹下税制改革におきましても、消費譲与税やたばこ税の二五%を地方交付税へ上乗せすることの措置などによりまして、総枠としては地方の財源を確保したと言えますけれども、地方税につきましては大きく後退をしているわけであります。自治省の取り組みが完全とは言いがたい印象を持ったわけでありますが、今回、ただいまお話がありました土地税制について、「平成二年度中に成案を得て所要の法律案を提出する」と述べておりますが、政府税調にゆだねるだけなのか、この土地税制に対しましてどういうふうに取り組みをするのか、お答えをいただきたいのであります。
 もし税制改正が政府税調と自民党税調だけで大部分が決定されるのであれば、この地方行政委員会で地方の自主財源を確立をしていくと主張しても、大して大きな効果は得られないと思うのであります。あわせまして、大臣は税制改正に対するこの地方行政委員会の役割をどのように認識しているか、御答弁をいただきたいのであります。
#188
○湯浅政府委員 土地税制につきましては、御案内のとおり最近東京都心部に始まりました地価高騰によりまして、土地を持っている方と持っていない方との間の資産格差が非常に拡大してきた。これが社会的な不公平感にまで高まってきているということでございまして、この問題を解決するために、負担の公平という観点から土地に対する課税の適正化をどういうふうにやっていくかという問題が一つあろうかと思います。それからもう一つは、この地価高騰によりまして国民の住宅取得が著しく困難になってきたというような、土地問題への対応が非常に緊急な課題として今要請されているわけでございまして、こういう負担の適正化という観点ともう一つは総合的な土地対策の見直し、こういう二つの観点から土地税制を総合的に見直すべきだということが、今の要請されている状況ではないかと思うわけでございます。
 このために私どもといたしましては、昨年成立いたしました土地基本法の趣旨を踏まえまして、今後の土地利用のあり方あるいは土地による資産格差が発生したものをいかに是正していくかということを念頭に置きながら、土地問題については、土地税制以外にも例えば土地利用等に関して講ぜられますいろいろな施策というものがございますから、そういうものと一緒になりまして、土地の取得段階あるいは保有段階それから譲渡段階などの各段階を通じて適正な税制ができますよう、現在、税制調査会で検討をお願いを始めたところでございます。そして、できれば、できればというよりも、平成二年度中にぜひとも成案を得て、所要の法律案を提出するように積極的に取り組んでまいりたいというのが私どもの姿勢でございます。
 この場合に、税制改正に当たっては税制調査会の御意見だけを聞いてやるのかということでございますが、決して私どもはそういうつもりはございません。政府の諮問機関といたしまして税制に関する御論議をしていただく場として税制調査会というものがございますから、ここでの御意見を十分尊重するのは当然でございますけれども、その他の各般の御意見を伺わなければなりませんし、当地方行政委員会におきます各種の税制に関する御論議も当然、税制改正の原案を政府として作成する場合には参考にさせていただき、十分考慮に入れながら、地方税制の改正案を考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#189
○神田委員 国と地方の財源配分の問題でありますが、国対地方の割合は、形式的割合におきましてはおおよそ六対四、それが実質的割合は四対六と逆転するわけであります。このことは、御承知のように国から地方への交付金によるものであります。この交付金制度は、財政力格差の是正や地方行政の一定水準以上の向上などのメリットはあるわけでありますが、反面、地方分権の確立に反する面もあるわけでありまして、今後、交付金制度はどうあるべきだというふうに考えておられますか、御意見を聞かせていただきたいと思います。
#190
○持永政府委員 国から地方への財源配分として交付金ということで一括お述べになったわけでございますけれども、交付税とか譲与税とかいわゆる一般財源付与をするものといわゆる補助金と二種類あるわけでございます。一般財源付与をする交付税等につきましては、これは理想としてはやはり本来自主財源である税、地方税を増強することが望ましいわけでございますけれども、現に地域的な経済の偏りがある、税源の偏在があるという現実がございますので、やはり地方団体の財源調整という形では、交付税あるいは譲与税というものが必要であるというふうに考えております。
 それから、国庫支出金につきましても、これはいろいろ問題があるわけでございますけれども、国庫支出金の中でいわゆる国庫負担金、義務教育とか生活保護とか公共事業とか、国がその責任を全うするために一部を負担するという負担金というものと、もう一つは、いわゆる補助金、奨励補助あるいは財政援助的補助と言っておりますけれども、そういうものとあるわけでございまして、そのうち負担金については、やはり国の責任という観点から今後とも引き続き存続する必要がある。一方、補助金につきましては、中にはもちろん必要なものもあると思いますけれども、基本的にはやはり地方の自主性を尊重する、確立するという観点からすると、なるたけ奨励的補助金のようなものは最小限度にとどめるべきであるという考え方で、かねてからいわゆる補助金の整理合理化あるいは統合メニュー化とかということにつきましては、各省にもお願いをしてまいっておりますし、今後ともそういう観点で、補助金の整理合理化等々については努力をしてまいりたいと思っております。
#191
○神田委員 地財計画によりますと、国庫支出金は十兆二千五百二十一億円、歳入合計六十七兆一千四百二億円の約一五・三%にもなっております。この十兆二千五百二十一億円というのが大きいのか小さいのか。その辺は、大きいと考えるのか大したことないというように考えるのか、意見の分かれるところでありますが、地方財政法十六条の趣旨は、国庫補助金の交付については限定的に規制し、国の財政的支配や干渉を極力排して地方財政の自主性を確保しようとしている、こういうふうにその趣旨が記されておりますが、このことに関しまして大臣はどういうふうにお考えでありますか。
#192
○持永政府委員 地財計画の中の国庫支出金の割合が一五・三%、その問題と地財法十六条との関係でのお尋ねでございますが、まず一五・三%という割合をどう評価するかということでございますけれども、これは先ほどもちょっと申し上げましたように、この中には義務教育とか公共事業等のいわゆる国庫負担金、国が責任を果たすために払うべきものも入っておるわけでございまして、それが国庫支出金の中の七割程度を占めております。したがいまして、これはいずれにしても必要なものと考えておるわけでございまして、そういうこともございますので、歳入の中に占める国庫支出金の一五・三%という割合が適当かどうかということにつきましては、一面では国庫負担の対象になる経費、つまり公共事業が例えばふえるといった場合には国庫支出金もふえるという歳出面との兼ね合いもございますので、一概に何%がいいだろうということは、なかなか定量的には申し上げにくいわけでございます。
 しかし、今御指摘になりましたように、十六条という規定も現にあるわけでございまして、十六条は、今申し上げました国庫負担金の世界以外のいわゆる奨励補助についての規定でございますけれども、この規定の趣旨は今お述べになりましたとおりでございますので、その奨励補助的なものについては、先ほども申し上げましたように、極力整理合理化をするあるいは地方一般財源に振りかえをしていくあるいは統合化、メニュー化等々をしていくということは、今後とも引き続き努力をしていかなければならないだろう、こう思っております。
#193
○神田委員 今後のことにつきまして、私どもは、補助金等の国庫支出金は極力抑えるべきであると考えております。また、地財法の趣旨に照らしまして、補助金につきましては、同じようなものについては総合化、公共事業については一括して第二交付税として国から地方へ交付すべきであると考えております。この第二交付税の問題は、民社党がかねてから主張し続けている問題でもございます。そのためにも地方財政法を改正すべきである、このように考えておりますが、この地方財政法の改正についてはどのように考えているのか。
 特にこのことは、租税負担の国際比較におきましても、地方税を見ますと、昭和六十一年の場合、日本九・三%、アメリカ一一・三%、イギリス五・五%、西ドイツ四・二%、フランス四・七%であります。これは地方税の負担が重ければ地方の自主性が確立されたとは単純に言えないことでもあります。国から地方への移転支出や国と地方の行政機能のあり方が地方分権の確立を左右するわけでありまして、国から地方への移転支出の比較はあるのかどうか、この点につきましてもあわせてお尋ねをしたいと思います。
#194
○持永政府委員 いわゆる第二交付税の創設の問題につきましては、かねてから民社党の御議論があることは承知をしているわけでございます。この問題につきましては、公共投資を地域の実情によって弾力的に行うようにという御提言だろうと思いまして、その点では十分私どもも理解できるわけでございますけれども、一方、例えば最近の構造協議をめぐります問題にいたしましても、生活関連基盤を中心とした公共投資をふやすというような議論もあるわけでございまして、国としてもやはり公共投資の配分、事業別にどう配分していくかということについては、当然関心を持たざるを得ないだろうと思いますし、また、そういった第二交付税的なものに変えるということになりますと、公共事業についての国と地方の役割分担のあり方あるいは国の財政責任を一体どう考えるのかという国庫補助負担制度の意義あるいは公共事業制度の根幹にかかわる問題でもございますので、慎重に考える必要がある、このように考えております。
 むしろ当面は公共事業の補助金の運用の弾力化、つまり、箇所ごとに余りぎりぎりやるとかあるいは基準でぎっちりやるとかいうその辺の弾力化ということを図ることが必要ではないかという感じもいたしております。
 それから、移転支出についてのお尋ねでございますが、これは国から地方へ移転支出という場合に、譲与税とか交付税とかいう一般財源まで含めるかどうかということについて、どう考えたらいいかという問題もございます。それから、外国と比較した場合に、地方制度も違いますし、地方財政の仕組みも違うわけでございますので、一律に比較することが適当かどうか、若干問題もあるわけでございますが、一応手元にある資料から調べまして申し上げますと、昭和六十二年度決算におきます我が国の地方団体の歳入に占める国庫支出金の割合、これは一六・三%でございます。
 これに対しまして、昭和六十一年度のアメリカの州及び地方団体の歳入に占める連邦支出金の割合、これが一三・八%、同じ年度のイギリスの地方団体、カウンティーとディストリクトでございますけれども、この歳入に占める国庫支出金の割合が三六・八%、同じ年度のフランスの地方団体、県とコミューンでございますけれども、その歳入の占める国庫支出金が三五・六%というふうになっております。
 ただ、これは最初に申し上げましたように、各国の地方財政制度、地方行政制度、それぞれ異なりますので、今申し上げました数字を比べてどういった意味があるのか、あるいはこういった数字でもって各国の地方自治制度あるいは地方財政制度というものをどう評価するかということについては、いろいろ議論もあるところだと思いますけれども、一応手元の資料で申し上げますと、そういう数字になっておるわけでございます。
#195
○神田委員 地方税と国税は車の両輪のようなものであります。同水準で本来論議をすべきであるというふうに考えております。確かに地方交付税制度の厳格さは世界に誇れる一面もありますが、しかし、交付税制度や地方税の改正は、今の政府税調に対応し改正するということではなくて、自治省みずからが、または自治省の下に審議会等を設けて積極的な取り組みをすべきであるということを申し上げておきたいと思います。
 次に、消防行政についてお尋ねをいたします。
 平成元年版の消防白書によれば、救急出場件数は二百五十四万七千七百件に上っております。順位は急病、交通事故、一般負傷の順となっておりますが、対前年比も五・〇%の増となっております。特に、ヘリコプターによる救急業務等の問題が今話題になってまいっておりますが、これらはどういうことになっているのか、ヘリコプターの配備状況などはどうなっているのか。
 また現在、医師を乗せた救急車やヘリコプターの配備が必要な時期に来ていると考えておりますが、欧米と比較して日本の配備状況はどうなっているのか。救急業務のため都道府県に、一県について一機のヘリコプターの配備ということが当面検討できるのかどうか。
 また、「国際消防救助体制の整備」という問題について所信表明の中で触れられておりますが、日本の対応は他の先進諸国に比べて大変遅いというふうに思っておりますが、これらについてどういう対応をするのか、簡単で結構ですから御答弁を願います。
#196
○木村政府委員 ヘリコプターによる救急業務の平成元年度の状況でございますが、消防ヘリコプターによる救急搬送は百六十四件でございまして、ほとんどが東京消防庁による仕事でございます。
 ヘリコプターの配備状況でございますが、平成元年度末現在、十一団体で二十機でございまして、そのうち十七機が消防ヘリコプター、三機が道、県の防災ヘリコプターでございます。なお、現在、二機導入中でございまして、消防ヘリコプターはやがて十九機になる予定でございます。
 そこで、医師を乗せた救急車あるいはヘリコプターの配備でございますが、我が国におきましては、現在では松本市消防本部でありますとか西宮市消防本部等、ごく一部の消防本部において若干のドクターカーが運営されている程度でございます。それから、ヘリコフターにつきましては、先ほど申し上げましたように、消防ヘリコプターが十七機、やがて十九機になるわけでございますが、これは原則としては医師が搭乗している形にはなっておりません。
 御指摘のように、アメリカではパラメディックが乗った救急車がございますし、フランスでは医師が乗った救急車が普及しております。また、ドイツでは全国土にわたってヘリコプター及び医師による救急体制が整備されていると言われております。
 我が国におきましても、そういうものを鋭意整備すべき時期が来ておるということは御指摘のとおりで、私どもも努力をいたしているところでございます。消防審議会で検討いたしまして、昨年の春に二十一世紀初頭までには消防ヘリによる十五分体制、ほぼ一県一機ぐらいの体制をつくっていこうという提案がなされ、現在、それに基づきまして消防ヘリコプターの広域的な有効活用に関する調査研究委員会を設置し、導入の方法等について研究いたしておりまして、やがてその中間的報告が出ることになっております。
 なお、医師を救急自動車に全部配置いたしますことについては、専門医の確保等で極めて困難であろうというのがこれまでの専門家の意見でございます。したがいまして、プレホスピタルケアの充実ということにも消防職員の教育を行っていかなければいけないと考えております。
 それから、国際消防救助隊は現在、四十消防本部の五百一人が国際救助隊員として指定されておりまして、既にカメルーンのニオス湖周辺で発生した有毒ガス噴出事故あるいはエルサルバドル地震災害に際しまして派遣をされ、大変活躍をした実績がございますが、アルメニアの地震あるいはロマプリータの地震の際は、出動の準備はいたしましたが、要請がなくて出動はしなかったのでございます。しかし、十分訓練を積み、国際的にも優秀な救助隊であると認識をいたしております。
#197
○神田委員 最後に、警察行政につきましてお尋ねいたします。
 昨年の交通事故による死亡者が一万一千人を突破した、大変重大な問題になってきております。これらの事故防止に対する今後の取り組み方についてお尋ねいたしたいと思っております。
 もう一点は、日米首脳会談等において、経済政策の協調とともに国際テロ及び麻薬問題の取り組みが挙げられております。これは非常に重要な問題でありますので、これについてどういうふうに対処していくのか。また、今年度はどのような予算措置を講じようとしているのか、お答えをいただきます。
#198
○関根政府委員 交通事故に対する対策につきましてお答えを申し上げます。
 昨年は、御指摘のとおり一万一千名を超える死者数が出ましたが、そのうち十六歳から二十四歳までの若年者の方々が三千百五十六人、それから高齢者の方々、六十五歳以上の方々でございますが、この方々が二千五百二十人ということで、若年者及び高齢者の方々で過半数を占めております。
 そこで、私どもの対策といたしましては、まず若年者についてでございます。若年者の死者数は、先ほども申し上げましたように、三千百五十六人でございますが、そのうちの三千十四人、九五・五%までが自動車、二輪車乗車中に死亡しているのでございます。要するに、乗り物によって亡くなっているということでございます。他方、お年寄りの方でございますが、お年寄りの方は、歩行中と自転車乗用中で千九百二十六人、七六・四%の方々が亡くなっております。
 そこで、若年者に対する対策といたしましては、主として無謀運転に起因する事故が多いところに着目いたしまして、若年者の方々の参加型による各種の講習会の開催でありますとか、学校、教育委員会との連携による高校における交通安全教育等を考えております。さらに、この自動車、二輪車乗車中の死者数のうち、二輪車乗車中の方が若年者死者数の四八%でございます。そこで、二輪車について安全運転をしてもらうため、二輪車クラブを組織化する等の施策も考えているところでございます。あわせて、本年九月から、昨年の国会でお認めいただきました新しい改正道路交通法が施行されることとなります。主眼点は初心運転者講習制度でございますが、これを活用いたしまして若年者の事故防止に役立てたいと考えております。
 他方、お年寄りの事故対策でございますが、シルバーゾーン等の道路交通環境の整備、老人クラブ等における交通安全指導等を積極的に図ってまいりたい、このように考えております。
#199
○城内政府委員 お答えいたします。
 国際テロ及び薬物問題は、今や世界各国共通の問題でございます。国際協力の必要性はますます高まっておるところであります。警察におきましては、昨年度、国際テロ対策を専ら所掌する組織を新設するなどにより、国際テロ対策を強力に推進しております。また、薬物乱用根絶のため、暴力団等の密輸、密売組織の壊滅等を柱に総力を挙げて取り組んでおるところであります。
#200
○神田委員 終わります。
#201
○島村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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