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1990/03/22 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 本会議 第6号
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1990/03/22 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 本会議 第6号

#1
第118回国会 本会議 第6号
平成二年三月二十二日(木曜日)
    ─────────────
  平成二年三月二十二日
    午後二時 本会議
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 皇室会議予備議員の選挙
 皇室経済会議予備議員の選挙
 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 人事官任命につき同意を求めるの件
 臨時脳死及び臓器移植調査会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
 平成元年度一般会計補正予算(第2号)
 平成元年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後六時二分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 皇室会議予備議員の選挙
 皇室経済会議予備議員の選挙
 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備費の選挙
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
#3
○議長(櫻内義雄君) 皇室会議予備議員、皇室経済会議予備議員、裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員、裁判官訴追委員及び同予備員、検察官適格審査会委員及び同予備委員、国土開発幹線自動車道建設審議会委員、北海道開発審議会委員、国土審議会委員及び日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行います。
#4
○佐藤敬夫君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、皇室会議予備議員、皇室経済会議予備議員、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。
#5
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。
 議長は、皇室会議予備議員に
      原 健三郎君 及び 田村  元君
を指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、皇室経済会議予備議員に
      原 健三郎君 及び 田村  元君
を指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、裁判官弾劾裁判所裁判員に
      奥野 誠亮君    村田敬次郎君
      松永  光君    高鳥  修君
      武藤 山治君    小澤 克介君
   及び 神崎 武法君
を指名いたします。
 また、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に
      町村 信孝君    甘利  明君
      森井 忠良君 及び 倉田 栄喜君
を指名いたします。
 なお、予備員の職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、裁判官訴追委員に
      鯨岡 兵輔君    田邊 國男君
      山下 元利君    木部 佳昭君
      葉梨 信行君    渡部 恒三君
      山花 貞夫君    佐藤 敬治君
      小林 恒人君 及び 中村  巖君
を指名いたします。
 また、裁判官訴追委員の予備員に
      柳沢 伯夫君    木村 守男君
      石橋 大吉君    鈴木 宗男君
   及び 平田 米男君
を指名いたします。
 なお、予備員の職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、検察官適格審査会委員に
      工藤  巌君    田原  隆君
      大出  俊君 及び 冬柴 鐵三君
を指名いたします。
 また、
 笹川堯君を工藤巌君の予備委員に、
 中川昭一君を田原隆君の予備委員に、
 田口健二君を大出俊君の予備委員に、
 北側一雄君を冬柴鐵三君の予備委員に
指名いたします。
 次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に
      小沢 一郎君    西岡 武夫君
      加藤 六月君    渡辺 秀央君
      金丸  信君    清水  勇君
      阿部未喜男君 及び 草野  威君
を指名いたします。
 次に、北海道開発審議会委員に
      阿部 文男君    町村 信孝君
      中川 昭一君    五十嵐広三君
   及び 藤原 房雄君
を指名いたします。
 次に、国土審議会委員に
      二階堂 進君    小沢 辰男君
      奥野 誠亮君    鯨岡 兵輔君
      内海 英男君    武藤 山治君
      山口 鶴男君    井上 普方君
   及び 吉井 光照君
を指名いたします。
 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に
      鴻池 祥肇君    鈴木 恒夫君
      中西 績介君 及び 鍛冶  清君
を指名いたします。
     ────◇─────
 人事官任命につき同意を求めるの件
 臨時脳死及び臓器移植調査会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
#7
○議長(櫻内義雄君) お諮りいたします。
 内閣から、
 人事官に石坂誠一君及び弥富啓之助君を、
 臨時脳死及び臓器移植調査会委員に井形昭弘君、宇野收君、梅原猛君、金平輝子君、木村榮作君、齋藤明君、永井道雄君、萩原太郎君、早石修君、原秀男君、平野龍一君、三浦知壽子君、森亘君、山岸章君及び山下員眞臣君を、
 日本銀行政策委員会委員に両角良彦君を
任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、人事官及び日本銀行政策委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#8
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
 次に、臨時脳死及び臓器移植調査会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
     ────◇─────
#10
○佐藤敬夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 平成元年度一般会計補正予算(第2号)、平成元年度特別会計補正予算(特第2号)、平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#11
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ─────────────
 平成元年度一般会計補正予算(第2号)
 平成元年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)
#13
○議長(櫻内義雄君) 平成元年度一般会計補正予算(第2号)、平成元年度特別会計補正予算(特第2号)、平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長越智伊平君。
    ─────────────
 平成元年度一般会計補正予算(第2号)及び同報告書
 平成元年度特別会計補正予算(特第2号)及び同報告書
 平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔越智伊平君登壇〕
#14
○越智伊平君 ただいま議題となりました平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計につきましては、歳出において、災害復旧等事業費、給与改善費、厚生保険特別会計への繰り入れ、住宅金融公庫交付金等、国債整理基金特別会計への繰り入れ及び地方交付税交付金など、特に緊要となった事項について措置を講ずるため、合計六兆六千五百八十二億円を追加計上いたしておりますが、他方、既定経費の節減及び予備費の減額により、合計七千六百五億円の修正減少を行うことといたしております。
 歳入においては、租税及び印紙収入の増加、税外収入の増加、前年度剰余金の受け入れで合計五兆八千九百七十七億円を計上するとともに、建設公債六千五百億円の増発を行う一方、特例公債を六千五百億円減額することといたしております。
 この結果、平成元年度一般会計補正後予算の総額は、当初予算に対して、歳入歳出とも五兆八千九百七十七億円増加して、六十六兆三千百十九億円となっております。
 特別会計につきましては、一般会計予算の補正等に関連して、交付税及び譲与税配付金特別会計、厚生保険特別会計など十七特別会計について所要の補正を行うことといたしております。
 また、政府関係機関につきましては、国民金融公庫など三公庫について所要の補正を行うことといたしております。
 なお、一般会計及び特別会計において、所要の国庫債務負担行為の追加を行うことといたしております。
 この補正予算三案は、去る三月一日本委員会に付託され、七日橋本大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、八日及び本二十二日の二日間質疑を行い、本日質疑終了後、討論、採決をいたしたものであります。
 質疑は、補正予算編成のあり方、総選挙の結果と政治姿勢、政治資金と選挙及び政治活動のあり方、日米首脳会談と構造協議、当面の経済運営、税制改革の進め方、消費税をめぐる諸問題、在日米軍駐留経費負担のあり方、次期防衛力整備計画、地方財政及び各種健保の財政問題、芸術文化振興基金等の創設、公定歩合の引き上げと為替、景気の動向等、国政の各般にわたって行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日質疑終了後、三案を一括して討論に付しましたところ、政府原案に対し、自由民主党を代表して宮下創平君から賛成、日本社会党・護憲共同を代表して松浦利尚君から反対、公明党・国民会議を代表して日笠勝之君から反対、日本共産党を代表して三浦久君から反対、民社党を代表して大内啓伍君から反対、進歩民主連合を代表して楢崎弥之助君から反対の意見が述べられました。
 討論終局後、採決の結果、平成元年度補正予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(櫻内義雄君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。斉藤一雄君。
    〔斉藤一雄君登壇〕
#16
○斉藤一雄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました補正予算案に対しまして、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 今回の補正予算案は、総選挙前に提出されたものと基本的に変わりなく、今までにない大型予算となっております。
 総選挙の結果、自民党が過半数を占めることになったのは、これまでに例を見ない金権選挙と企業ぐるみ選挙が行われたこと、そして、何よりも重要な争点であった消費税の存廃について、自民党の首脳から再見直しを公言したり、候補者によっては廃止や凍結を訴えたり、問題を避けて巧みに逃げたことなどが挙げられます。
 それと同時に、来年度予算案、今年度補正予算案が総選挙の票集めのために利用されたことも事実であります。選挙目当てに行った財界、産業界への大盤振る舞いがそれであります。確かに、総選挙前には、来年度政府予算案が国会に提出できず、しかも補正予算案も解散によって廃案となりました。予算案の性格からいってそれは当然のことでありますが、総選挙に与えた影響は決して否定できません。
 政府・自民党が本当に対話を重視するというのであれば、今回、総選挙で多数を制したからといって、それにおごらず、消費税やゆがんだ予算編成について十分反省し、予算組み替えに対する我が党などの主張を真剣に受けとめ、選挙前の予算案を抜本的に見直して提案すべきだったのであります。(拍手)
 たとえ衆議院で多数を占めても、御承知のとおり参議院では政府与党の自民党が過半数を割っていることを考えれば、なおさらのことであります。
 このような衆議院と参議院のいわゆるねじれ現象は、あるいは自民党にとって不都合かもしれません。しかし、二院制をとっている我が国憲法の原理からすれば、その目的にかなった極めて正常な状態と言えるのであります。それはかえって、国会の論戦を活発にし、議員立法の審議を促進する上でも、また、海部総理が言われた対話を推進るための絶好の機会でもあります。
 しかし、今回の補正予算案の審議経過を見る限り、海部内閣と自民党は、国会のルールを無視して党利党略に走り、おごりの姿勢をいささかも改めておりません。これは、国民が期待している政治の方向とは明らかに逆行しており、ましてや、正予算案とその関連法案の一括処理を押しつけ、審議を滞らせ、公務員給与の遅配など社会的混乱を引き起こした責任はまことに重大であります。
 自民党がいかに総選挙で過半数を制したからといって、リクルート事件に象徴されるように、金にまみれ、公約違反の消費税を強行導入するような自民党政治そのものが、今日国民から厳しく問われていることを肝に銘ずべきであります。(拍手)
 次に、補正予算案に反対する理由を具体的に申し述べます。
 まず第一に、近年、当初予算編成時に税収の見積もりを意図的に低く抑え、しかも、財政再建を口実に社会保障関係予算などを切り詰め、その一方で、政府・自民党に都合のよい政策経費を大幅に盛り込んだ補正予算を組んできております。特に今年度は、税収の増加と昨年度の税収超過を要因とした剰余金を財源に、いわゆる隠れ借金などの形ばかりの返済を行うとともに、まさに消費税隠しとも思える手当てを行っているのであります。少なくとも、社会保障の充実や中小企業対策、農林業対策、文化対策、地域経済の振興などは、一時的にではなく、本予算にきちっと計上し、計画性を持って、しかも継続的に実施し、より一層推進しなければなりません。今回のようなこそくなやり方は全く評価できません。
 第二の理由は、このようにゆがんだ、異常とも言える予算編成が財政法に反していると思われるからであります。
 御承知のように、財政法第二十九条には、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合」と、「予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合」とに限り、内閣は、補正予算を作成し、国会に提出することができると明記されているのであります。税収がふえたからといって、勝手に大型の補正予算を作成できるわけではありません。
 反対する第三の理由は、税収見積もりの大幅な誤りについてであります。
 一昨年度は五兆六千億円強、昨年度は五兆七千億円強も当初見積もりを超過しております。さらに、一昨年度、昨年度は、それぞれ当初段階で予定されなかった年度途中の所得税、法人税を中心とした一兆八千億円、二兆円程度の減税が行われているため、見積もりを上回る超過額は実質上七兆数千億円にも上っております。今年度の租税収入なども、既に補正予算案で三兆二千百七十億円の増額補正が行われており、さらに二兆円程度ふえるのではないかとさえ言われております。
 三年も連続してこれほど税収見積もりが大幅に下回った例はありません。意図的な過小見積もりと言われても仕方がないのであります。(拍手)
 こうした税収見積もりを背景に……
#17
○議長(櫻内義雄君) 斉藤君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#18
○斉藤一雄君(続) 当初では抑制型の予算を編成し、国民生活を圧迫しながら、補正で政権に都合のよい予算を組んでいるわけであります。したがって、当初予算を見ただけでは、決して年度予算の実態はつかめません。
 前年度当初比で六%以上ふえた今年度予算も、昨年度補正後の予算と比べると、その規模は逆に縮小しており、来年度予算案も、今年度補正後に比較すれば小さくなり、これほどゆがんだ財政運営はありません。
 第四に、プルトニウム海上輸送に伴う航空機の購入と大型巡視船建造のための国庫債務負担行為が追加されておりますが、言うまでもなく、プルトニウムの海上輸送には重大な問題が含まれており、武装した航空機や巡視船を海外に派遣する計画も中止すべきであります。
 以上、補正予算案に反対する主な理由を述べましたが、政府の顔とも言える予算を通して見る限り、海部内閣の顔は大きくゆがんでいると言わなければなりません。
 総理は、東欧との対比において、自由、民主主義の勝利や市場経済の優位性を殊さら強調しております。しかし、日米間を中心に深刻化する経済摩擦を乗り越えられないのではないかと危惧するものであります。
#19
○議長(櫻内義雄君) 斉藤君、時間ですから、結論を急いでください。
#20
○斉藤一雄君(続) 我が党は、国民一人一人が不安のない、人間らしい生活ができる社会を目指した財政運営の転換を進めたいと考えております。そのための対話であれば決して拒むものではありません。
 最後に、国民生活を重視する観点から、消費税問題や予算に対して、今後政府・自民党が誠実に対応するよう求めて、私の討論を終わります。(拍手)
#21
○議長(櫻内義雄君) 宮下創平君。
    〔宮下創平君登壇〕
#22
○宮下創平君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 世界は今、歴史的な変革の真っただ中にあります。昨年秋に始まった東欧及びソ連における改革のあらしは、自由と民主主義と市場経済を求める大きなうねりとなって拡大しつつあります。我が国がこれまでたゆみなく歩んできた道を、これらの国々もようやく歩み始めたのであります。また、米ソ間の対話の進展に見られるように、冷戦の発想を超えた新しい秩序も生まれようとしております。
 このように世界が大きく激動する中で、先般行われた衆議院総選挙においては、我が自由民主党は安定多数の議席を与えられたのであります。これは、我が党がこれまで推し進めてまいりました政策への信任であり、また、今後の政局担当能力についての我が党への信頼に基づくものであります。(拍手)我が党は、選挙で示された国民の意思を体し、責任政党として引き続き政局を担当してまいらなければならないと決意を新たにしているところであります。
 さて、我が国経済は、二次にわたる石油危機など幾多の試練を乗り越え、昭和六十一年秋以降順調な拡大基調を持続しており、今や戦後二番目と言われる岩戸景気を指呼の間に見、最長のイザナギ景気にも迫る息の長い好調を持続しております。しかしながら、その一方で、このところ見られる円相場の下落、株価の急落、さらには主要国間における対外不均衡を背景とした我が国の経済構造調整への圧力の高まりなど、新たな難問も生じております。したがいまして、今後の財政運営に当たっては、我が国を取り巻くこれらの状況を踏まえ、従来の慣行にとらわれることなく、時代の変化に即応し得る適切かつ機動的な運営が強く要請されるのであります。
 かかる観点から、以下、本補正予算賛成の理由を申し上げます。
 まず、賛成の第一は、当初予算編成後において特に緊要となった事項について、適切な措置が講ぜられていることであります。
 すなわち、災害復旧等対策費、人事院勧告を完全実施するための公務員の給与改善費、厚生年金等の年金額の引き上げを繰り上げ実施するための経費のほか、深刻な人手不足に悩む中小企業の省力化を支援するとともに中小流通業の構造改善を援助するための中小企業対策費、在宅福祉の充実、特別養護老人ホームの拡充等高齢者の保健福祉を推進するための社会福祉・医療事業団に対する追加出資等々、関係者が早急に実施することを望んでおる緊要な諸措置であり、政府においても十分な精査検討の上に立って計上したものであります。
 したがいまして、そのいずれもが補正予算の要件を定めた財政法第二十九条の規定に何ら抵触するものでないのみならず、まことに時宜を得た措置として高く評価するものであります。(拍手)
 賛成の第二は、特例公債の減額、特例的歳出削減措置の処理が図られ、財政の体質改善、財政の対応力の回復に向け、財政改革が着実に前進を見ていることであります。
 すなわち、本補正予算において、特例公債を六千五百億円減額することといたしており、また、本補正予算と同時に提出しております平成二年度予算案では特例公債の新規発行は行わないこととしており、特例公債依存体質からの脱却という財政改革の第一目標の達成は確実なものとなっております。さらに、本補正予算において、厚生保険特別会計への繰り入れ、住宅金融公庫に対する交付金等の交付、地下高速鉄道建設費の補助等々、総額二兆七千七百四十億円に上る特例的歳出削減措置の処理が図られており、いわゆる隠れ公債の解消に向けて前進が図られております。
 今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会において我が国の果たすべき役割がますます増大する中で、今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、財政の対応力を一日も早く回復することが必要であり、これらの措置は極めて妥当なものであり、国民の財政に対する信頼確保にも資するものとして、高く評価するものであります。
 賛成の第三は、歳入について追加額が的確に計上されていることであります。
 本補正予算における税の自然増収について、これは当初見積もり違いに起因するものであるとの判があり、また、一部には、当初見積もりにおいて意図的、恣意的に低く見積もったものであるとの論をなす者もあります。財政当局が精度ある見もりに向けて日々努力を重ねていることは御案内のとおりでありますが、三兆円を超える自然増が見込まれていることは事実であり、その限りにおいては当初見積もり違いであることは否定し得ないところであります。
 しかしながら、ここ両三年における大幅な自然増収の発生は、株高、土地高、円高、原油安、金利安といういわゆる三高二安等に起因したものであり、このことは、最近の租税弾性値の異常な高さを見れば一目瞭然であります。財政当局においては、かつて税収見積もり違いにより歳入欠陥を来し、大きな問題を惹起したことの反省の上に立ち、歳入欠陥を来さないよう税収をかたく見積もることはあり得ましょうが、意図的、恣意的に低く見積もるなどということは全く論外であります。
 以上、本補正予算三案に賛成する理由を申し述べましたが、この際、予算審議に関連して一言申し上げます。
 御承知のとおり、昨年夏の参議院選挙により生じたいわゆる衆参のねじれ現象によりまして、予算そのものは成立いたしましたといたしましても、予算関連法案が参議院において否決されるといった事態が生ずることも十分予測されるのであります。
 しかしながら、そもそも予算と予算関連法案は表裏一体の関係にあるのでありまして、予算の裏づけのない法案、法案の裏づけのない予算などおよそ意味をなさないのであります。衆参のねじれ状況のもとにおいて、過去の慣行にこだわり続け、旧態依然たる審議方法を続けていたのでは、国会は全く機能し得なくなるのであります。(拍手)
 したがいまして、予算及び予算関連法案の審議につきまして、両者の一体性が保たれ、かつまた、国会が十分にその機能を果たすことができますよう、従前の慣行にとらわれることなく、新たな審議方法を早急に確立することが必要であります。(拍手)
 本補正予算の審議が遅延し、関係者各位、とりわけ国家公務員に多大の御迷惑をおかけしたことはまことに遺憾であります。
 私は、かかる事態が再び生ずることがないためにも、この際、各党が共通の問題意識のもとにこの問題に真摯に取り組まれ、与野党の立場を超え、積極的な話し合いにより一日も早く新しいルールを確立されんことを強く要望いたしまして、賛成討論といたします。(拍手)
#23
○議長(櫻内義雄君) 平田米男君。
    〔平田米男君登壇〕
#24
○平田米男君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成元年度補正予算案につきまして、反対の討論を行うものであります。
 まず初めに、補正予算案の審議が当初の予定より大幅におくれた責任を明らかにするべきであります。
 三月八日に始まった補正予算審議が今日まで大幅におくれたのは、与野党の話し合いによる審議日程を自民党が一方的に覆し、審議を停滞させたためであります。国家公務員給与の分割支給というかつて例を見ない不祥事を引き起こし、国民生活に多大な影響をもたらした自民党の責任は重大であります。(拍手)
 与党である自民党は、自分の都合を押しつけるのではなく、野党の意見を尊重する民主主義のルールにのっとって、公正な審議を行うべきであります。私は、政府・自民党に対し、猛省を促すものであります。
 以下、補正予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 第一に、今回の補正予算案は、補正予算のあり方を規定した財政法第二十九条の趣旨から見て疑問があります。補正予算案には、緊要性に問題のある新規施策が数多く盛り込まれております。
 財政法第二十九条は、補正予算により予算の追加を許可する場合として、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」と「債務の負担」に限定をしております。この条文は、財源があるからといって、みだりに補正予算を組み、財政が放漫にならないよう規定したものであります。
 政府の予算編成の姿勢は、シーリング枠をクリアするために当初予算を抑制し、補正予算で税の自然増収を利用して新規の政策経費を盛り込もうとするもので、このようなやり方は、財政法第二十九条の精神をゆるがせにするものであります。
 第二に、財政の基本となる税収見積もりについてであります。
 ここ数年間、毎年度、巨額な年度内の自然増収が発生しております。当初予算と決算との比較で見ますと、六十二年度は五兆六千億円、六十三年度は五兆七千億円もの余りにも巨額な年度内自然増収が発生しているのであります。この事実から、政府が当初予算において税収の過小見積もりを行ってきたものと言わざるを得ません。
 補正予算案は、年度内の自然増収を三兆二千億円と見込んでおりますが、最近の経済の状況やこれまでの政府の誤った税収見積もりの実態から見て、さらにこれ以上の自然増収が見込まれると思われます。
 税収の正確な見積もりは、予算編成の最重要事であります。当初予算において税収を正確に見積もることによって、初めて適正な歳出予算の編成が可能となるのであり、税収を過小見積もりすることによって、結果的に福祉関係予算などの当然増経費も削減の対象となってきたのであります。
 さらに、ここ数年の税収の過小見積もりは、消費税導入の必要性を強調するために意図的に行われたものと言わざるを得ないものであり、政府の責任は極めて重大であります。しかも、自然増収を財源に選挙目当ての大盤振る舞いをするとあっては、言語道断であります。(拍手)
 第三に、今回の補正予算案は数多くの基金を創設しておりますが、基金の安易な創設は極めて問題であります。
 改めて指摘するまでもありませんが、基金は、創設時には予算に計上されますが、一たん創設されますと、次の会計年度からはその出資分については国会の議決の対象から外れ、国会のチェックが機能しなくなるのであります。また、基金の創設は、特殊法人の設立規制を形骸化させるという側面もあり、行政改革の観点からも好ましいものではありません。また、基金を設けると、運用益が生み出され、財政の効率的運用が図られるように一応は見えるのでありますが、今後原資の追加が迫られることは明らかであり、これが財政の硬直化の原因にもなるのであります。
 このように、多くの弊害を持つ基金の創設を認めることは慎重でなければならず、必要なものについては本予算において十分に論議するのが筋であります。
 第四に、今回の補正予算案は、消費税の定着をねらった予算であるということであります。
 消費税は、さきの衆議院選挙における最大の争点でありました。総選挙では、我々は消費税の廃止を主張いたしました。自民党は存続を前提に見直しを公約したのであります。
 自民党は、議席の上では過半数を占めたものの、消費税に対してはもちろん、自民党の見直し案に対しても多くの批判票があったことは事実であります。政府・自民党の見直し案は、消費税の構造的欠陥の是正にはほど遠いものであるからであります。こうした事実から見て、二十一世紀を展望した国民合意の税制改革を進めるためには、まず消費税を廃止し、その上で税制の再改革を行う以外に道がないと思うのであります。
 今回の補正予算案は、消費税の存続を大前提として編成されたものであります。のみならず、総選挙を意識して、消費税の構造的欠陥の一部を糊塗するための歳出が計上されているのであります。
 私は、改めて、消費税を廃止し、抜本的な税制再改革を行うよう強く主張するものであります。
 以上、反対の主な理由を申し上げ、平成元年度補正予算案に対する反対討論を終わります。(拍手)
#25
○議長(櫻内義雄君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#26
○議長(櫻内義雄君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#27
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ────◇─────
#28
○佐藤敬夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出第五号、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#29
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ─────────────
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
#31
○議長(櫻内義雄君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長島村宜伸君。
    ─────────────
 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔島村宜伸君登壇〕
#32
○島村宜伸君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、第一に、今回の補正予算により平成元年度分の地方交付税が一兆五千九百五十九億円増加することに伴い、さきの給与改定に伴い必要となる額四百八十二億円に加えて、普通交付税の調整額の復活に要する額五百八十八億円、地方債の縮減に伴い必要となる額千五百億円、地域振興基金の設置等に要する額二千五百億円、財源対策債償還基金の積み立てに要する額三千九百六十四億円等、合わせて九千八百六十三億円を地方公共団体に交付するとともに、残余の額六千九十六億円を交付税及び譲与税配付金持別会計における借入金の減額に充てることとしております。このため、平成元年度分の地方交付税の総額について特例を設けることとしております。
 第二に、地方債の縮減等に伴い必要となる財源を措置するため、単位費用の一部を改定するとともに、平成元年度に限り地域振興基金費を設ける等所要の改正を行うこととしております。
 本案は、三月一日に本委員会に付託され、本日奥田自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#34
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#35
○佐藤敬夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#36
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ─────────────
 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#38
○議長(櫻内義雄君) 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長衛藤征士郎君。
    ─────────────
 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔衛藤征士郎君登壇〕
#39
○衛藤征士郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成元年度補正予算において、厚生保険特別会計に一般会計からの繰入金により資金を設置し、資金の運用益を老人保健制度の基盤安定化の措置に充てることができるようにするとともに、この資金を過去における厚生年金保険国庫負担繰り延べ措置についての将来の返済のために用いることができるよう、所要の措置を講じようとするものであります。
 以下、その内容を申し上げますと、
 第一に、厚生保険特別会計業務勘定に、当分の間、特別保健福祉事業資金を設置することにしております。
 第二に、この資金の運用益を用いて、老人保健拠出金の負担が重くなっている被用者保険への対策等の老人保健制度の基盤安定化の措置を行うことにしております。
 第三に、厚生年金保険事業の長期的安定を確保するため、業務勘定から年金勘定に資金の額を限度として繰り入れができることとし、繰り入れが行われた場合は、その金額の範囲で、一般会計から年金勘定に対する厚生年金保険国庫負担繰り延べ措置についての返済が行われたものとみなすことにしております。
 本法律案につきましては、本日橋本大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑に入り、質疑終了後、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#41
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#42
○佐藤敬夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#43
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ─────────────
 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#45
○議長(櫻内義雄君) 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長亀井静香君。
    ─────────────
 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔亀井静香君登壇〕
#46
○亀井静香君 ただいま議題となりました農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における農業をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、農林漁業金融公庫の業務として、特定の農業部門における農業経営の規模の拡大とその効率化を総合的かつ計画的に推進するために必要な資金及び農業の生産条件が不利な一定の地域の農林畜水産物の加工の増進等を図るのに必要な資金の貸し付けを加えるとともに、これに関連して、農林漁業信用基金が行う農業信用保険に付することができる資金の範囲を拡大しようとするものであります。
 本案は、去る三月二日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、本三月二十二日山本農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、同日質疑を終局いたしました。
 次いで、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党から、本法の施行期日を平成二年四月一日に改める修正案が提出され、その趣旨説明を聴取した後、採決いたしました結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#47
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
#49
○佐藤敬夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#50
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ─────────────
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#52
○議長(櫻内義雄君) 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長中島衛君。
    ─────────────
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ─────────────
    〔中島衛君登壇〕
#53
○中島衛君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案について、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図るため、現下の財政状況を考慮して、住宅金融公庫の既往の特別損失を一括して整理するとともに、平成二年度から平成六年度までの各年度の特別損失について平成十二年度までに交付金を交付して整理する等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る三月一日本委員会に付託され、本三月二十二日綿貫建設大臣から提案理由の説明を聴取、質疑を終了、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#54
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#56
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣橋本龍太郎君。
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#57
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、租税特別措置について、当面の政策的要請に対応するとの観点から、土地対策、住宅対策、輸入促進策等早急に実施すべき措置を講ずるほか、租税特別措置の整理合理化等を行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、土地税制につきましては、超短期所有土地等に係る譲渡益重課制度等の適用期限を延長するほか、土地譲渡益重課制度の対象となる土地を事業用資産の買いかえ特例の適用対象資産から除外する等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、住宅取得促進税制につきましては、国民の持ち家取得を一層促進する見地から、税額控除期間を六年間に拡充する等の措置を講ずるとともに、その適用期限を二年延長することといたしております。
 第三に、総合的な輸入促進策の一環として、製品輸入促進税制を創設することといたしております。
 第四に、企業関係の租税特別措置等につきましては、平成二年度におきましても、政策目的と政策効果との観点から、既存の租税特別措置の整理合理化を図る等必要な改正を行うことといたしております。
 その他、特別国際金融取引勘定に係る利子の非課税、中小企業の貸倒引当金の特例、住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例等適用期限の到来する特別措置について、その適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ────◇─────
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#58
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。富塚三夫君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔富塚三夫君登壇〕
#59
○富塚三夫君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対して、総理並びに関係大臣に御質問いたします。
 私は、今から十五年前、当時三木内閣の官房副長官であった海部さんとは激しくやり合った仲ですが、今や海部さんは押しも押されぬ天下の総理大臣として国内外を東奔西走し、相変わらず弁舌さわやかに頑張っておられる姿を拝見して、心から敬意を表します。本日また海部総理に御質問をさせていただく機会を得たことをうれしく思います。(拍手)
 総理、租税特別措置法の一部改正案は、単に、日切れとなる法律の延長と、現在求められている政策的課題について租税上の措置を法律的に決めるというものでなく、私は、基本的に日本の政治が今問われている生活重視の課題と国民の公平な税負担のあり方について政府はどのような検討を進めていこうとするのか、また、国民が期待をしている不公平税制の是正をどのような手順で進めようとしているのかについて明確にすべきだと思います。
 私は、先日、第一次海部内閣で登用され、初の民間人女性大臣であった高原前経済企画庁長官の、生活重視へ男は発想の転換をすべきであるというある新聞での投稿記事を拝見いたしました。日本が国としては世界で最高レベルの所得を得ながら、国民が豊かさを感じない原因は、海外に比べて物価水準が高く、せっかくの収入も使いでがない。経企庁の昨年発表した「物価レポート」によると、東京の生計費の物価水準を一〇〇とすると、ニューヨークでは七二・八、ハンブルグでは六八、また日本の物価は米国や西独に比べて一・三倍から一・四倍高い、さらに地価高騰により住宅や社会資本整備がおくれていること、労働時間が長く、自由時間が不十分なことなどを挙げています。そして高原さんは、だから今こそ真の豊かさを実現する時期であり、九〇年代の十年間こそ生活重視へ男の考えも発想の転換をすべきであると述べ、このことを解散前の経済演説でできなかったことの無念さを訴えておられました。
 総理、つい最近まであなたが登用された前高原経済企画庁長官は、総理や内閣の他の男性大臣を指して痛烈に批判したように思われますが、あなたはこの考え方をどのように評価されますか、お尋ねをいたしたいと思います。
 私は、政府・自民党が強引に公約を無視して導入した消費税は、こうした豊かさを感じさせない国民生活の中にさらに拍車をかけ、物価を押し上げ、逆進性に対する不満、商人を泣かせる手続の問題が重なって、国民の総反撃を受けたものと思っています。
 そして、土地が高くて三十年間まじめに働いても我が家を持てないサラリーマン、働きバチと海外から指摘されて十数年たっても遅々として進まない労働時間短縮、大企業と中小企業に働く人たちの労働条件の格差、加えて減反政策の続行や農産物の自由化で日本の農業がだめになってしまうのではないかという懸念、まさに経済一流、生活三流と言われるゆえんはそこにあると思います。消費税導入の国民からの不満や批判に対して、中身を見直すというだけでは、国民の中の生活格差を基本的に解決することにはなりません。
 海部総理、国民生活を重視し、豊かさを感じさせ、生活の質を高める政策を進めるために、まずあなたの決断によって消費税を一たん凍結し、国民の意見をじっくりと聞いて、与野党話し合いにより、公正な税負担の税制改革を新たな観点に立って進めていく意思はないでしょうか。
 総理は、恐らく、高齢化社会を迎えて、また赤字体質の財政を改善するために、財源をどう考えるかと反論されるでしょう。高原さんが言われるように、景気は、多少不安な要因が出ているとはいえ、高原状態を続けており、現実に国の自然増収もこのところ毎年数兆円近く出ており、高齢者割合の少ない現在こそ、その改革を大胆に進めるべきであると考えますが、総理、いかがでしょうか。
 次に、不公平税制の是正の進め方について、政府はどのような手順で是正していこうとしているのかについてお尋ねをいたします。
 私も、過去数年間政府税調の委員を経験したことがあります。いつも感じてきたことですが、政府税調の答申が総論賛成、各論反対で一向に不公平税制の是正が進まなかったように思われます。
 昨年末の政府税調の答申でも、「国税における準備金、特別償却等の租税特別措置や地方税における非課税、課税標準の特例等の特別措置については、累年にわたりその整理合理化が進められてきたが、これらの特別措置は税負担の公平その他の税制の基本原則をある程度犠牲にして設けられているものであり、創設後長期にわたるもの、政策目的を達成したもの等を中心に、更に徹底した整理合理化を推進すべきである。また、制度の創設及び拡充についても厳にこれを抑制すべきである。」と明記されています。
 ところが、今回の改正でも、企業の特別措置で廃止されるものは四件にすぎず、新たに輸入促進税制が設けられ、なお八十二項目に上る特別措置が存在していると言われています。
 大蔵大臣、政府はこの税調答申をどのように尊重し、どのような手だてで整理合理化していこうとなされますか。また、創設後長期にわたったもの、政策目的を達成したものは幾つ残っており、今後どのような整理合理化を考えていらっしゃるのか。新たに設けられる特別措置についてまたどのように考えておられるのか、明確な所見をお聞かせをいただきたいと思います。
 さらに、不公平税制と見られるいわゆるキャピタルゲイン課税強化、土地税制の抜本的改革、医師税制、みなし法人税制の見直し、宗教法人などの公益法人への課税適正化、法人税の改革、利子配当課税の見直し、地方税の国税同様の見直しなど、我が党初め野党各党から提言をしている是正を、今後どのような手順で具体的に解決を図っていこうとしているのか、御答弁をいただきたいと思います。
 次に、土地住宅税制について質問をいたします。
 さきに述べたように、まじめに三十年働いても我が家を持てないサラリーマン、これは地価の高騰が全国的に波及し、それに伴って住宅取得難が出てきているものだと思います。本法律案で土地住宅税制が大きな項目として提案されていますが、その内容は、基本的には従来の対策の継続であり、一見して新しい有効な対策と見ることができません。
 地価高騰の原因は、これまで国会でもさまざまな論議が進められてきましたが、重要なことは土地投機を抑えることであり、全国銀行の不動産業に対する土地関連融資に対する自粛要請に始まった大蔵省の指導は適切になされたのでしょうかどうか。リース、ファイナンス会社などノンバンクに及ぶ融資資金の行方について完全にチェックなされたのでしょうか。政府指導の態度はどうもなまぬるいように思われるのですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
 政府は日米構造協議の中でかなり踏み込んだ土地政策を打ち出すと報道されています。土地利用の促進、土地供給の観点から、どのような政府の基本的態度を今後とろうとしているのか、また、具体的な施策についてお考えでおられることを、総理、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
 次に、輸入促進税ですが、初年度六百五十億、平年度八百七十億を見積もられておりますが、どの程度の輸入がふえるのか、お知らせをいただきたい。減税額が出ているのですから、具体的数字で、業種ごと、資本金別に、総額を含めて明らかにしていただきたいと思います。
 最後に、海部総理にお尋ねをいたします。
 来月早々日米経済協議の中間報告を出すため総理は関係省庁にハッパをかけていると聞いていますが、私は、国民の側から見て構造協議というものが非常にわかりにくい。アメリカ側は貿易障害を排除するための一つ一つの課題の具体的解決を求めているのですから、例えばスーパー三〇一条の適用は日本側にどういう影響を与えるのか、大規模小売店舗法の廃止や独占禁止法の強化が国民生活にどう影響するのか、政府と関係業界の利害調整に重点を置くのでなく、消費者の立場に立って、かつて消費税で盛んに政府がPRされたように、積極的に、海部さんらしく虚心に問題点を明らかにされたらいかがでしょうか。
 また、私は、日米関係は重要であるだけに、グローバルな現在の国際秩序の中で、軍事協力や産業関係に偏重した日米基軸論について、全方位的国際外交政策の観点からどうお考えになっておられるのか、両国の将来関係を従来の延長線として考えられておられるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 海部総理、あなたは、自民党長期一党支配の弊害のツケを背負って政権を担当された現在、おごることなく、虚心坦懐に、うそをつかず、国民本位の政治改革や生活重視の政治を進めていただくよう期待をいたしまして、私の質問を終わります。どうぞよろしくお願いします。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#60
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 富塚議員にお答え申し上げますが、質問の冒頭に私に過分なお言葉をいただきましてありがとうございました。私も、再び国会に富塚さんが帰ってこられたことを心からお喜び申し上げますとともに、国会のためにこれからも一層御活躍いただくように御期待をさせていただきます。
 さて、御質問の租税特別措置の問題でございますが、御指摘をいただきましたように、租税特別措置法というのは一定の政策目標を達成するため講じているものでございますが、生活重視の課題の追求については、今回提案している法律案において、住宅対策など国民生活に資する施策を推進するとの観点から、住宅取得促進税制の拡充、延長などの措置を講ずることといたしております。
 また一方、租税特別措置は、各種の政策を推進する等の観点から課税の公平をある程度犠牲にすることをいわば承知の上でとられているものであり、従来から社会経済情勢の変化に即応して見直しを行ってきておるところでありますから、今後とも実情に即した見直しを引き続き行ってまいりたいと考えております。
 また、消費税の問題にお触れになり、これを凍結して考え直す気はないかとのことでありますが、消費税の創設を含む先般の税制改革は、来るべき高齢化社会を展望し、すべての人々が社会共通の費用を公平に分かち合うとともに、税負担が給与所得に偏るなどによる国民の重税感、不公平感をなくすることを目指したものでございます。
 御指摘の消費税については、国民の皆さんからいただいたさまざまな御意見を踏まえ、見直すべき点は思い切って見直し、最善と信ずる見直し法案を過日国会に提出したところでございますから、政府としましては、見直し法案が国会で十分に審議が尽くされ、一日も早く成立するようにあらゆる努力をしていきたいと考えておるところであり、せっかくの御提案ですが、凍結をする考えは今持っておりません。
 また、最後におっしゃった日米構造問題協議のことについては、これは御指摘のとおりに日米間の貿易に大きなインバランスがあるということ、これを除去しなければならないという共通の面があることが一つと、同時に、そのために、日米両国にある経済構造上の問題についてお互いに問題を提起し合って協議をしよう、こういうことで行われておる協議であります。
 大きくくくりますと、日本側からアメリカ側に七項目、アメリカ側から日本側に六項目、それぞれお互いに問題点を指摘し合いながら、お互いに協調努力を続けることによって貿易のインバランスを解消する努力をしていく、また、市場開放など構造が改まっていくように両国で努力をしていこう、こういう目的でそれぞれ行っておる最中でございます。
 私は、御指摘のように、選挙終了後直ちにブッシュ大統領の求めに応じて首脳会談もいたしてまいりました。構造問題については、日米両国がグローバルな、地球的な問題に取り組むためにもぜひ片づけなければならない重要な二国間関係であるということで意見の一致を見ておりますので、また、日米関係の維持発展のみならず、この問題は我が国の国民生活の質の向上、消費者重視の視点からも大いに意義のある問題だと考えておりますので、精力的に取り組んでいるさなかでございます。
 このため、現在、四月の中間評価を控えて、内閣の最重要課題として取り組んでおりますその最中でございますから、一々の具体的な問題についてここで、こうなる、ああなるとはまだ申し上げられませんけれども、率先して私も取り組んでおる最大の課題であるということを申し上げさせていただいておきます。
 残余の問題につきましては、関係大臣から御答弁をさせていただきます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#61
○国務大臣(橋本龍太郎君) 富塚議員からの御質問、私の守備範囲の問題は、まず不公平税制という視点からの御意見でありました。
 政府におきましては、租税負担の公平確保が税制に対する納税者の信頼を得ていく上で最も重要な理念の一つであると考え、無論従来から努力を重ねてきておるところでありますし、今後ともより公平な税負担の実現を目指して力を尽くしていく所存であります。
 ただ、御指摘の租税特別措置というものにつきましては、特定の政策目的を達成していくために講じられているものでありまして、中小企業対策、技術の振興、エネルギー・資源対策、地域振興策、環境対策など、いずれも我が国にとって重要な政策課題とされているものであります。これらの租税特別措置につきましても、従来から社会経済情勢の変化に即応して見直しを行ってきたところでありまして、平成二年度の改正におきましても所要の見直しを行うことといたしております。今後とも、こうした考え方に立って、実情に即した見直しを進めてまいりたいと思います。
 また、議員御指摘のように、土地対策の中で金融と税制というものが重要なわき役であることは御指摘のとおりであります。
 その中で、金融機関の土地関連融資につきまして、かねてから通達の発出あるいは特別ヒアリングの実施など、投機的な土地取引などに係る不適正な融資が厳に排除されるよう強力に指導をしてまいりました。
 殊に、昨年の十月、国土庁において、最近の地価動向にかんがみ土地取引監視区域制度に係る指導を強化したことと平仄を合わせまして、大蔵省としても指導の趣旨をさらに徹底させると同時に、法的には権限のないノンバンクによる土地関連融資につきましても、できる限りその適正化を図ろうという点から一連の措置を講じてまいりました。
 今後ともに地価動向などを見きわめながら適切に対応してまいる所存であります。
 また、土地税制についても御論議がありました。
 私どもは、この四月にも税制調査会における小委員会において本格的な御検討をいただこうと思っております。
 これには二つの視点があろうかと思います。一つは、まさに今地価高騰の中における持てる者と持たざる者との資産格差というものに対して課税の適正化を求める国民の声にどうこたえるかという視点であります。しかしもう一点は、ともかく大都市において一生懸命働けばいつかは自分の家が持てるというところに持っていくために、土地政策全体の中で税制がいかなる役割を果たすべきかという視点であります。
 いずれにしても、こうした視点を踏まえながら小委員会に御検討を願おうと考えております。
 また、輸入促進税制につきましては、私どもはこれが日本の輸入拡大に十分資することを期待をいたしておりまして、今後とも努力をしてまいりたい、そのように考えております。(拍手)
    〔国務大臣佐藤守良君登壇〕
#62
○国務大臣(佐藤守良君) 富塚議員の御質問にお答えいたします。
 今回の地価高騰は、大都市勤労者の住宅取得の困難化や持てる者と持たざる者との資産格差の拡大による不公平感の増大等我が国の社会経済に重大な問題を引き起こしてきており、土地問題の解決は内政上の最重要課題の一つであると認識しております。
 このため昨年末に土地基本法を制定したところであり、今後は、この法律に示された土地についての基本理念や土地対策の展開方向に基づき、需給両面にわたる各般の施策をより一層強力に推進してまいる所存でございます。
 当面の具体的施策としては、昨年十二月二十一日に開催されました土地対策関係閣僚会議におきまして申し合わされました「今後の土地対策の重点実施方針」に従い、大都市地域における住宅宅地供給の促進や土地税制の総合的見直し等について特に重点的にその実施を図ってまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
#63
○国務大臣(武藤嘉文君) 富塚先生からは、輸入促進税制に八百七十億という減税予定があるけれども、それの裏づけとなる細かい数字を示せ、こういう御指摘でございます。
 実際問題といたしまして、まだこれからやることでございますし、また、この輸入促進税制だけではなく、今回千四品目にわたる関税の引き下げ、撤廃も考えておりますし、また輸入拡大予算を大幅に拡大をしていくという、いろいろ総合的な輸入拡大政策をとろうといたしておるわけでございます。
 また同時に、そのような政策をとりますことと、相手側がやはり輸出拡大努力をしていただかなければなりませんし、また日本の国内の経済情勢もございますが、いずれにいたしましても、八百七十億という数字は、きっとそのくらいの減税はある、こう私どもは期待をいたしておるわけでございます。(拍手)
    ─────────────
#64
○副議長(村山喜一君) 井上義久君。
    〔井上義久君登壇〕
#65
○井上義久君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について、平成二年度政府税制改正案を踏まえ、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 最初に、消費税についてお伺いするものであります。
 消費税は、さきの総選挙の最大の争点でありました。消費税の存続を前提に見直しを公約した自民党が議席の上では過半数を占めたことは事実であります。しかし、消費税に対してはもちろん、自民党の見直し案に対しても多くの批判票が寄せられたこともまた事実であります。自民党の得票率も半数以下でありました。
 総選挙で消費税の廃止を公約した我が党は、日本社会党、民社党、社民連とともに、近く消費税廃止法案及び関連法案を提出する予定であります。これらの法律案と政府の見直し案を徹底して議論すべきでありますが、衆議院では自民党が多数を占める一方、参議院では与野党の勢力が逆転している状況であり、両案とも成立する可能性は少ないと言わざるを得ません。
 まず、総理に対し、このような状況にあることをどのように認識し、対処されようとしているのか、お伺いするものであります。
 また、総理は、国会における与野党間の話し合いを期待する発言を繰り返しておりますが、この前提として、総理が話し合いの結果廃止もあり得るという立場に立たれているのかどうかが重要なポイントであります。お考えをお伺いしたいのであります。
 消費税は、逆進性など多くの問題があり、さらに、その問題点を緩和しようとしている政府の見直し案についてさえも、自民党の有力者から再見直し論が提起されているほどであります。消費税の持つ構造的欠陥の是正は、見直しでは不可能であります。
 政府は、今国会へ所得税法の一部改正案を提案し、消費税の逆進性の一部緩和を図ろうとしております。我々は、豊かな老後生活を保障するために、年金制度の充実をかねてから主張し、その観点から、年金の非課税枠の拡大などを訴えてきました。その意味から、所得税法の一部を改正し、年金の非課税枠を拡大すること自体は当然であると思うのでありますが、年金生活者や母子家庭の方々に重い負担となっている消費税をなぜ存続させねばならないのか、甚だ理解に苦しむところであります。
 総理、見直し案によって消費税の持つ逆進性という構造的欠陥が是正できると思われますか。
 また、消費税を高齢化社会に対応するものとするためには、三%の税率を二倍にも三倍にも引き上げざるを得なくなることは必至であります。二十一世紀を展望した税制改革を進めるためには、まず消費税を廃止し、その上で国民合意の税制再改革を進める以外にないと思うのであります。現行の三%の税率のままで高齢化社会に対応できると考えているのかどうか、これらの点について明確に御答弁いただきたいのであります。
 さて、今回の租税特別措置法の一部改正案では、土地税制、住宅税制などにおける特別措置の延長や輸入促進のための措置がとられております。
 そこで、まず土地住宅税制について伺うものであります。
 今回の超短期所有土地等に係る譲渡益重課制度の適用期限の延長、住宅取得促進税制の控除期間の延長等については評価するものでありますが、現行の土地住宅税制そのものに極めて問題があります。
 土地基本法が制定されたものの、土地対策並びに土地税制については何ら手が打たれていない現状であります。地価の高騰は、国民生活や経済全般にさまざまな悪影響を及ぼし、土地を持つ者と持たない者との格差を拡大させ、国民の間に不公平、不公正を増幅させております。
 我が党は、かねてから、今日までの地価高騰によって発生した土地の含み益を社会に還元するために、土地増価税の創設を主張してまいりました。これは、土地の流動化を促進し、地価の安定を図ることを目的とするものであります。私は、こうした土地増価税の創設を含め、地価安定を目指した土地税制の抜本改革が迫られていると思うのでありますが、この点における総理の見解を伺うものであります。
 あわせて、三大都市圏の市街化区域内農地について宅地並み課税を見送った理由について答弁をいただきたいのであります。
 土地住宅問題の基本は地価の安定でありますが、私は、地価高騰によって生じているさまざまな問題に対する緊急対策も欠くことができないと考えるものであります。
 固定資産税、相続税については、地価上昇による過重な負担を緩和すべきであります。生活権の保障という見地から、一定規模以下の居住用宅地等の減免措置をさらに充実強化すべきであります。
 特に、固定資産税は、来年評価がえが行われるのでありますが、居住用の宅地、建物の負担軽減を図るべきであります。また、長期的な展望に立って、資産を用途別、所有形態別に区分して固定資産税の負担の適正化を図るべきであります。
 また、家賃については、地価高騰により家計に大きな負担となっているため、この軽減措置が必要であります。私は所得税における家賃控除制度の創設が急務であると考えるものであります。
 住宅取得促進税制については、住宅ローンの軽減のために控除率を二%まで引き上げるとともに、住宅だけでなく土地代も適用対象に追加し、限度額の引き上げなど充実を図るべきと思うのであります。
 それぞれについて答弁を求めるものであります。
 次に、製品輸入促進税制並びにこれに関連して日米構造協議についてお伺いをいたします。
 昨年のサミットの際、日米首脳会談で、日米構造協議が行われることが決定し、今日まで三回の協議が持たれました。四月には中間報告が行われるやに聞いております。総理は、さきの日米首脳会談で、構造協議問題は新内閣の最重要課題として取り組むと決意表明を行っておりますが、この日米構造協議は、今後の日米間はもとより世界経済に与える影響も極めて大きなものであると考えるものであります。
 総理は日米構造協議のねらいについてどのように認識をしておられるのか、日米間の大幅な貿易収支の不均衡の縮小にあるのか、さらに、米国の言うように、いわゆる日本の不公正取引慣行の改善や市場の閉鎖性の改善にあるのか、明らかにしていただきたいのであります。
 本年二月六日、ブッシュ大統領は、議会に提出した経済報告に添えた経済諮問委員会年次報告の中で、日米の経常収支の不均衡問題を取り上げ、大幅な不均衡は米国の貯蓄、投資のアンバランスによりもたらされているとしており、貿易障壁の撤廃が不均衡改善にはつながらないと分析しております。また、米国通商代表部のヒルズ代表も、昨年五月、財政委員会の証言で、外国の貿易障壁除去は、米国の貿易赤字の削減にはほとんど役に立たないと述べております。
 総理は、構造協議の貿易収支に及ぼす影響をどのように考えているのか、お伺いしたいのであります。
 また、今回の租税特別措置法の一部改正案に盛り込まれている製品輸入促進税制の創設により、どのような効果を見込んでいるのか、これで効果が上がるものと考えているのか、この点についての見解もあわせてお伺いしたいのであります。
 以上、本法案並びに関連する当面の重要課題について質問をいたしましたが、明確な答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#66
○内閣総理大臣(海部俊樹君) お答えをいたします。
 最初に、国会の現状と消費税問題の対応についてお尋ねがありましたが、私たちは、総選挙を通じて国民の皆さんに率直に、税の話は決して楽しい話ではありませんけれども、ぜひお願いしなきゃならぬから聞いてくださいと言って、消費税の問題、特に見直しについての問題点を率直に訴えてきたつもりでございます。また、選挙中の野党の御意見の中には、今回の選挙は消費税の存廃をかけた国民投票であるというものもあったのでありますが、その意味では、私は、総選挙の結果は今御指摘されたように謙虚に受けとめさせていただいておるところでございます。(拍手)
 また、国会の構成はかつてない状況でありますが、政府は、国民の皆さんのさまざまな御指摘を踏まえて思い切って見直し案をつくったわけでありますから、国会に法案を提出したところでございます。
 野党の皆さん方も、選挙中には間接税の必要性自体は認められた上で個別間接税制度といった考え方も提言されたわけでありますから、その具体策もお示しをいただいて、その上で、国民の長期的な、全体的な利益をどのような立場から追求するかという観点での御議論を重ねていただくことを心から期待をしておる次第でございます。
 政府といたしましては、見直し法案が審議され、十分な審議の上で、一日も早く成立するように期待をしておるわけでありますから、これを廃止してどうこうするということは考えてはおりません。
 また、見直し案によって逆進性という構造的な問題は是正できるかというお話でありますが、今回の消費税の見直し案には、逆進性の緩和や社会政策的配慮の充実など幅広い視野から、税制面のみならず歳出面も含めたさまざまな措置が盛り込まれておりますので、現時点においても、逆進性は解消される、緩和される、この方向に向かっていくと思いますし、また、この見直し案においては、食料品についての特例措置に加え、住宅家賃、身体障害者用物品、老人に対する在宅福祉サービス等を非課税としたほか、年金生活の方々のために、所得税や住民税において公的年金等控除額を引き上げ、一層の減税を実施することとしておるところでございます。
 歳出面においては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定してその着実な実施を図ることとしておりますので、それらすべての総合的な施策の中で御理解をいただきたいと考えております。(拍手)
 また、消費税の税率についてもお触れになりましたけれども、消費税は、社会共通の費用を広く薄く公平に分かち合う仕組みを創設することにより、高齢化社会に備えた安定的な歳入構造の構築を図るものでございます。
 消費税の税率は、法律に規定しており、国会こそが税率引き上げについての最大の歯どめとして機能するものと私は考えます。
 税率を引き上げるかどうかという問題は、結局は、財政需要と税負担について、将来の国民の皆さんがそのときどきに与えられた条件のもとでいかなる選択をなさるかという問題がございますが、いずれにしても、私の内閣としては、消費税の税率の引き上げを行うことは考えてはおりません。
 また、土地税制の見直しの問題についてお触れになりましたが、土地基本法に示された基本理念にのっとり、土地に関する施策を踏まえ、税負担の公平の確保を図りながら総合的な見直しを行うことにし、税制調査会の検討を踏まえつつ、平成二年度中に成案を得て所要の法律案の提出を図ることにいたしたいと思っております。
 最後に、日米構造問題協議についてのお尋ねでございましたが、これは、まさに御指摘いただいたように、我が国にとってもアメリカにとっても極めて大きな問題でございます。私は、重要な二国間関係が維持発展されるために重要なばかりではなく、別の面からいうと、我が国の国民生活の質の向上、消費者重視の視点から見ても、大いに意義のあることと考えております。
 問題は、御指摘なさった二つの点、どちらに重点を置いてやるのかと言われましたが、両方とも大切であって、日米の貿易不均衡の是正は大きな問題の一つでございます。ただし、これを改善させていくためにも、両国の持っておるそれぞれの問題点を指摘し合って構造協議が今行われておるさなかでありまして、数多くの要求点の中から、日本側はアメリカに大きくくくりますと七つにグループ別にして問題を提起し、アメリカからは六項目の問題の提起を受け、それぞれ改善努力に向かっていろいろと議論を続けるところでございます。
 我が国は、おかげさまで内需主導型の経済運営、規制の緩和、一層の輸入拡大に努めて構造調整を進めてきておりますので、最近の日米間の貿易インバランスは、対米関係においてさえも日本の黒字が減少してきておるということは議員御承知のとおりでございますが、これはまだまだ不十分でございますので、今後さらに一層内閣の最重要課題としてこの協議に取り組んでまいります。
 輸入促進税制がスタートしたがどうかというお尋ねもございましたが、米国ではただいま輸出競争力強化のための努力を続けており、我が方も、輸入促進税制がスタートしますれば、今でさえ既に改善のあらわれておる対米黒字は減少をし、日米間の貿易不均衡に対しては一層の改善にも貢献することができるものであると私は考えておる次第でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#67
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、総理から御答弁になりました以外の部分につきまして、補足して答弁を申し上げます。
 一つは、相続税の問題でございました。
 先般の税制改革におきましては、相続税につき、課税最低限の引き上げなどにより、昭和六十二年度の相続税収の約四〇%に当たる七千億円に上る大幅な減税を行ったところであります。
 特に地価高騰に配意し、小規模宅地等について通常の評価額から減額する割合を、居住用については三〇%から五〇%、また事業用については四〇%から六〇%へと大きく引き上げ、居住の安定及び事業の継続への配慮を行ってまいりました。
 議員から御指摘がございましたけれども、これから先、なお小規模な居住用宅地等に軽減措置を拡大いたしますということにつきましては、課税の公平の観点から見ますとおのずから限界がある、そのように感じております。
 また、家賃控除につきましての御論議がございました。
 従来から、家賃というものが食費や被服費等と同様の典型的な生活費であるということを大蔵省としては御答弁を申し上げてきたところであります。しかし、それ以外に、これにつきまして、限界税率の高い高額所得者の方あるいはより高額な家賃を払っておられる方ほど大きな恩典を享受できるかわりに、非納税者の方にはこれでは恩典が及びません。こうした点には私どもは問題があると思います。
 もう一つの問題は、大都市圏の土地あるいは住宅問題の観点から見ましても、家賃控除というものを創設いたしました場合に、かえって大都市圏への人口集中を助長するのではないかという懸念も否定できません。
 今考えてみますと、私どもは御意見はよくわかりますが、なかなかこれは難しいテーマだという気がいたしますけれども、今消費税の見直し案におきまして、御意見等も配慮をいたしまして、住宅家賃に対する非課税をとりましたのも、御指摘のような懸念を配意しながら考えてきたということについては御理解をいただきたいと思うのであります。
 また、住宅ローン等につきましてお触れになったわけであります。
 この税額控除の最高限度額は一年間に二十万円でありますけれども、今回の措置の結果、六年間で現行の百万円から百二十万円に達することになりました。適用される六年間を通じました減収規模も、これだけの措置とあるいはお感じかもしれませんけれども、五千八百億円を上回るものになっておるわけでありまして、現下の厳しい財政事情のもとで、税制上の措置としては最大限の配慮をしてきておるつもりでございます。何とか御理解がいただきたいものだ、率直に私はそう感じております。
 また、製品輸入促進税制につきまして総理がお触れになりましたが、本税制は、輸入を拡大した企業に対して税額控除などの恩典を与えるものでありまして、今後の我が国における輸入拡大の潮流を定着させるものと考えており、効果に期待をいたしております。(拍手)
    〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
#68
○国務大臣(奥田敬和君) 井上義久議員の御質問の中で、土地税制に関しまして、既に総理から答弁があったところでありますけれども、私の担当分野でもあります三大都市圏の宅地並み課税、そして固定資産税の問題点について、御質問に答えさせていただきたいと思います。
 三大都市圏の市街化区域内農地に対する宅地並み課税につきましては、既に総合土地対策要綱において、宅地化する農地と保全する農地との区分の明確化を図ることとあわせて検討いたしております。
 したがいまして、この問題につきましては、昨年十二月制定の土地基本法の趣旨をも踏まえまして、都市計画におきます関連諸制度、諸施策の整備とあわせまして、土地税制に係る総合的見直しの中で検討を行います。そして、平成二年度成案を得て、平成四年度からの円滑な実施を図っていきたいと考えておる所存であります。
 なお、第二点の、固定資産税が来年評価がえをいたしますが、その際、居住用宅地建物の負担軽減を図るべきと考えるが、住宅控除等の先生の御見解を踏まえまして、見解いかんということでございます。
 居住用住宅に対する固定資産税の負担軽減につきましては、住宅政策の観点から、既に二百平米までの新築住宅は一定期間税額を軽減する特別措置を講じております。また、住宅用地につきましても、二百平米までは四分の三、それを超える部分についても二分の一を軽減する措置を講じているところであります。したがいまして、これ以上の軽減措置については、負担の公平の面もあります。市町村財政への影響も考える必要があります。もちろん、住居居住者の便を考えることもありますけれども、慎重に検討して考えたいと思っております。(拍手)
#69
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
#70
○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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