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1990/04/19 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 本会議 第13号
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1990/04/19 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 本会議 第13号

#1
第118回国会 本会議 第13号
平成二年四月十九日(木曜日)
    ─────────────
 議事日程 第七号
  平成二年四月十九日
    午後一時開議
 第一 取引所税法案(内閣提出)
 第二 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 取引所税法案(内閣提出)
 日程第二 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案(内閣提出)
 奥田自治大臣の平成二年度地方財政計画についての発言及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑
    午後一時二分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
#3
○議長(櫻内義雄君) 御報告いたすことがあります。
 永年在職議員として表彰された元議員根本龍太郎君は、去る三月十九日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 同君に対する弔詞は、議長において去る四月十六日贈呈いたしました。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議
 をもってその功労を表彰され さきに予算委員
 長の要職につき またしばしば国務大臣の重任
 にあたられた正三位勲一等根本龍太郎君の長逝
 を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
     ────◇─────
 議員請暇の件
#4
○議長(櫻内義雄君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 山口敏夫君から、海外旅行のため、四月二十三日から五月七日まで十五日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ────◇─────
 日程第一 取引所税法案(内閣提出)
#6
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、取引所税法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長衛藤征士郎君。
    ─────────────
 取引所税法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔衛藤征士郎君登壇〕
#7
○衛藤征士郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、法律案の概要につきまして簡単に御説明申し上げますと、
 第一に、現行法の全文を口語体に改めることにしております。
 第二に、取引所税の課税対象及び税率の見直しを行い、課税対象を、取引所の市場における先物取引及びオプション取引とし、また、その税率を、先物取引については万分の〇・一、オプション取引については万分の一にしております。
 第三に、取引所税の納税義務者は、取引所の会員とし、その納税方法は、取引所が会員から徴収し納付するいわゆる特別徴収によることにしております。
 なお、この法律の施行に当たり、所要の経過措置を設けております。
 本法律案につきましては、四月十七日橋本大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑に入り、同日質疑を終了し、採決した結果、起立多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第二 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#10
○議長(櫻内義雄君) 日程第二、沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。沖縄及び北方問題に関する特別委員長上田哲君。
    ─────────────
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔上田哲君登壇〕
#11
○上田哲君 ただいま議題となりました沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、沖縄及び北方問題に関する特別委員会にお
ける審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、経済社会の進展に対応するため、産業開発資金について改正を行おうとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、産業の振興開発に寄与する設備が主務大臣の定める事業の用に供せられる場合には当該設備の取得等に関連する当該事業に必要となる立ち上がり資金の貸し付けを行うことができることにしております。
 第二に、産業の振興開発に寄与する高度で新しい技術の研究開発等に必要な資金の貸し付けを行うことができることにしております。
 第二次振興開発計画終了期を二年後に控え、この改正は、沖縄経済発展に有効に寄与するものであります。
 本案は、三月十三日当委員会に付託され、昨四月十八日砂田沖縄開発庁長官から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第三 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#14
○議長(櫻内義雄君) 日程第三、農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長亀井静香君。
    ─────────────
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔亀井静香君登壇〕
#15
○亀井静香君 ただいま議題となりました農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における農業事情等にかんがみ、農業者の老後の保障と農業構造の改善の一層の促進等を図るため、農業者年金制度の改善を行おうとするものでありまして、その主な内容は、
 第一に、農村の高齢化の進行等に対応し、現行のように六十歳での経営移譲を画一的に誘導する給付体系を、農業者の選択により六十五歳までの間で適期の経営移譲を促進するための給付体系に改めることとしております。
 第二に、年金財政基盤の長期安定化を図るため、現行の定率国庫助成に加えて、農業構造の改善の一層の促進に資する観点から、当分の間国庫からの追加助成を行うとともに、保険料を段階的に引き上げる等の措置を講ずることとしております。
 第三に、営農意欲の高い農業者の経営規模の拡大に資するよう、一定の条件のもとに、経営移譲農地を農業者年金被保険者等と被用者年金に加入している後継者等に分割して移譲する方式を創設することとしております。
 第四に、離農給付金支給事業について、一定の見直しを行うとともに、その実施期限をさらに十年間延長することとしております。
 委員会におきましては、四月十日山本農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、四月十七日に参考人からの意見を聴取し、同日及び十八日の両日にわたり政府に対する質疑を行いました。
 四月十八日質疑を終局し、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#17
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#18
○佐藤敬夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案、即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#19
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ─────────────
 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案(内閣提出)
#21
○議長(櫻内義雄君) 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案、即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長岸田文武君。
    ─────────────
 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案及び同報告書
 即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔岸田文武君登壇〕
#22
○岸田文武君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案は、内廷費の定額二億五千七百万円を二億九千万円に、皇族費算出の基礎となる定額二千三百六十万円を二千七百十万円にそれぞれ改定しようと
するものであり、三月十三日本委員会に付託されたものであります。
 次に、即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案は、即位礼正殿の儀が行われる平成二年十一月十二日を休日としようとするものであり、三月二十三日本委員会に付託されたものであります。
 以上二法律案について、四月十七日坂本内閣官房長官から提案理由の説明を聴取した後、一括して質疑に入り、内廷費及び皇族費の改定理由、即位の礼の儀式内容、大嘗祭をめぐる諸問題等、広範多岐にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、本十九日質疑を終了いたしましたところ、皇室経済法施行法改正案に対し、斉藤斗志二君から施行期日に関する修正案が提出され、趣旨説明の後、採決の結果、本案は多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。
 次いで、即位礼正殿の儀休日法案について採決に入りましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案中、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案の委員長の報告は修正、他の 一案の委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#24
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
 国務大臣の発言(平成二年度地方財政計画について)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#25
○議長(櫻内義雄君) この際、平成二年度地方財政計画についての発言及び内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣奥田敬和君。
    〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
#26
○国務大臣(奥田敬和君) 平成二年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 平成二年度の地方財政につきましては、累積した多額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、地域住民の福祉の充実と地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを推進するため必要な事業費を確保する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することを基本といたしております。
 以下、平成二年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢等にかんがみ早急に実施すべき措置を講じることといたしております。
 第二に、国民健康保険制度の見直しに係る額及び国庫補助負担率の暫定措置による影響額については、地方団体の財政運営に支障が生じることがないよう措置いたしております。
 第三に、地方財政の中期的健全化を図る見地から、財源対策債償還基金の計上、交付税特別会計借入金の一部返済等所要の措置を講ずることといたしております。
 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、地域づくりを進めるとともに、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、住民生活の安全の確保等を図るため必要な事業費の確保等所要の措置を講ずることといたしております。
 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。
 以上の方針のもとに平成二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は六十七兆一千四百二億円となり、前年度に比し四兆三千六百七十五億円、七%の増加となっております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成二年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に特例措置額二百三十億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額二百三十億円、交付税特別会計借入金利子支払い顔一千五十三億円及び同特別会計借入金償還額一兆四千百六億円を控除することとした結果、十三兆七千五百九十四億円となっております。
 また、平成二年度分の普通交付税の算定につきましては、地域振興に要する経費、公共施設の整備に要する経費、教育施策に要する経費、福祉施策に要する経費等の財源を措置するほか、財源対策債償還基金費の計上その他各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、単位費用を改定すること等といたしております。
 以上が、平成二年度地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明であります。(拍手)
     ────◇─────
 国務大臣の発言(平成二年度地方財政計画について)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#27
○議長(櫻内義雄君) ただいまの地方財政計画についての発言及び趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小川信君。
    〔小川信君登壇〕
#28
○小川信君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして御質問いたします。
 まず、消費税の問題でお伺いいたします。
 消費税は、消費者が負担した税金が五千億円も国庫に入らないなど、その不透明ぶりが批判の的となっております。この間の国会の議論の中でも、伺っていますと、国や地方公共団体の負担も極めて不明朗であります。
 端的に言って、平成二年度政府予算案及び地方財政計画において、その歳出の中に消費税負担分を幾ら含まれているのか、その負担のうち、使用料、手数料等の転嫁によって賄われるものは幾らなのか、地方財政の場合、国庫支出金で幾ら賄われ、交付税でどのように手当てされ、地方独自の負担はどれくらいなのか、さらに、地方公営企業の場合はどうなのか、これらの質問に対して、大蔵省、自治省はわからないとしておるところであります。
 なぜこのようなことが許されるのでしょうか。政府みずからが不透明で、言うなれば帳簿もつけ得ずして、何ゆえ事業者に記帳を義務づけ、納税を要求するか、それができるでしょうか。
 海部総理、あなたの内閣が政治生命をかけて守ろうとしております消費税について、あなたの責任下にある大蔵省も自治省も、自分のところの会計から幾ら支出を予定しているのかわからないと公言しているのであります。総理は、この回答を平然とこの場で再び繰り返されるのでしょうか。私たちの疑問に対して明確にこれを示していただく、これは当然のことだと思います。具体的に数値を示していただきたいと思います。(拍手)
 第二に、海部総理は、消費税の抜本的、思い切った見直しを公約し、確かに法案を提出されておられます。
 そこでお伺いいたしますが、消費税の見直しによる減税額は、当初一兆二千八百億円とされておりましたが、平成二年度政府予算案においては、これが一兆一千三百五十億円になりております。これは、計算違いによって生じたものなのか、法案提出に至るまでに何か変更があったのか、大蔵大臣に御説明を願いたいと思います。
 また、消費税の仕入れ税額控除の制限等を差し引きますと、実際の平年度減収額は約八千五百億円程度となると思いますが、この財源手当てはどのように提案されておられるのでしょうか。一部には、平成二年度予算案の中で調整されているとも言われておりますが、そのとおり理解してよろしいのでしょうか。
 また、初年度たる平成二年度は八百七十億円程度ですから、調整の範囲としても可能でしょうが、平年度の八千五百億円も予算で調整される、これをそのように理解し、考えてよろしいのでしょうか。そして、予算の中で調整されているとすれば、それは歳入の中で調整されるのでしょうか、それとも歳出の中で行われるのであろうか、具体的にお示しをいただきたいと思います。
 また、これは制度改正でありますが、この制度改正に伴う地方財源の減収については、地方の負担と考えてよろしいのでしょうか。大蔵大臣、自治大臣からそれぞれお答えをいただきたいと存じます。
 次に、日米構造協議にもかかわり、税制改革にもかかわる土地税制についてお伺いいたします。
 第一には、農地の宅地並み課税の問題です。
 政府税調の小委員会において土地税制の検討に入ったと聞いておりますが、そこで明らかにされたのは、法人の異常な土地取引の実態であります。例えば、土地取得に占める法人の割合を見ますと、昭和五十七年には二五・八%であったものが、六十二年には四五・七%にもふえておるところであります。そして、事業用土地の未利用地についても、七八%が未利用地としてなっておりますし、販売用地の場合でも五七%も占めております。そして、それぞれそれらは具体的な利用計画を持ってないことが明らかにされております。そして、二年以内のいわゆる超短期譲渡も急増しているというのが実態でございます。
 これらの事実は、法人が財テクのために土地取得に狂奔したことを示しております。法人の中には、高利益を上げ、法人税で税金を持っていかれるほどならば、社宅など福利厚生用の用地としての名目でマンション等を買いあさっているというような話も多く聞かされます。
 こういうふうな中で、今日、大都市圏の農地の宅地並み課税が大きな議論となっておりますが、私は、土地の利用を重視し、利用に基づく課税という土地政策並びに税法の理念、また都市圏における農業の役割を考えるとき、営農を継続する意思があり、現に農業の用に供せられております農地に対しては、農地課税というのが当然であると考えております。
 一方で法人の土地投機を黙認し、その不労所得、財テクを認め、未利用地を野放しにしておいて、土地の実際の用途にかかわりなく、いわゆる農地に対しみなし課税を行うということは、土地政策、計画的な土地利用計画の面からも、また社会的公正の面からも認めることはできません。
 以上の問題につきまして、大蔵大臣、自治大臣、農水大臣の皆様方それぞれから御見解を伺いたいと存じます。
 第二の問題でございます。これはもう少し大きな問題でございますが、土地の保有課税の問題でございます。これをどうするかということです。
 固定資産税は、昭和六十三年に地価急騰の前半の影響を受けまして大幅に引き上げられております。年金生活者や零細なお店屋さん、それぞれの方々からは、こんな状態では暮らせなくなる、商売ができなくなる、こういうふうな深刻な声が寄せられております。また、来年一月には評価がえが行われます。評価額引き上げの上限を切ったり負担調整を行ったりして今までやってきましたけれども、これでは済まされなくなってくるのではないでしょうか。現行の課税標準の特例も、四十年代の狂乱地価のもとで導入されたものです。今日において、この特例の拡充方策を検討すべきではないでしょうか。また、特例のない都市計画税についても、特例制度の導入を検討すべきであります。
 一方では、法人の未利用地、そして大規模所有者に対して、この間大幅な地価の上昇がありましたが、この地価上昇をどのように社会還元させるかという点もそろそろ結論を出すべきものではないかと考えます。以前、私ども野党が土地増価税や再評価税の検討を提言いたしましたときに、自由民主党は、土地の国有化などと意図的に絡めて、これの批判に終始いたしました。
 今日、政府は、新行革審でも言っておりますし、また国会でもたびたび決議されております利益の社会還元をどのように具体的に税制としてまとめられようとしておるのか。単に税調にげたを預けるだけではなく、明確なる方針を示すべきであります。総理並びに大蔵大臣、自治大臣の御所見を求めます。
 続きまして、国民健康保険制度についてお伺いいたします。
 今年度において、医療保険制度の大幅な改正は見送られました。しかし、国保制度の問題は何ら解決しておりません。共同事業や適正化プランによっても、構造的な問題は何ら解決しておりません。市町村国保会計の赤字は解消せず、また、国保料・国保税の滞納も改善されておりません。医療保険制度については、来年にも新しい提案が行われるのではないかと思われますが、自治大臣はこれについてどのような方針で臨まれるのか、御所見を伺います。
 さらに、地域振興についてお伺いいたします。
 第一には、政府はふるさと創生事業を展開しておりますが、そのかなめは、本来第一次産業をどのように位置づけるかということでなくてはなりません。そして、現実の問題として求められているのはソフトの問題でございます。一兆円事業といいましても、その多くはハード事業であります。ソフト面の対策は、いわゆる一団体一億円程度となっております。中山間地における農業後継者の問題や農業者年金制度のさらなる充実などについて手当てをしていかなければ、ふるさとの再生はできがたい状態でございます。これらは、農業問題だけではなく、地場中小企業の振興についても同様であり、人材の確保が最大の問題となっております。交付税会計において、特会借り入れの繰り上げ償還を行う状態になっております。もう少し、せっかくの地域振興事業であるなら、ソフトの面に力を入れていただきたいと存じますが、総理並びに自治大臣、農水大臣の御見解を伺います。
 また、地域振興に関連して、さきに議員立法で制定されました過疎地域活性化特別措置法につきましてお尋ねいたします。
 第一には、都道府県には過疎債の発行は認められませんでしたが、ぜひとも地域総合整備事業債等を弾力的に活用して、地域産業おこし、雇用創出に助成を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、今回過疎団体から卒業されました市町村についても、経過措置等の弾力運用によって、名実ともに卒業がかなうよう温かい手当てをすべきではないでしょうか。これらの点について、自治大臣の明快な御答弁をお願いいたします。
 最後に一言申し上げます。
 ことしは、地方財政計画の策定もおくれ、交付税法案の提出も大幅におくれております。そして、交付税と消費税問題は切り離せない問題であります。地方自治体の財政運営に支障を来さぬよう、政府においても地方財政を人質にとって消費税問題をごり押しするようなことを厳に慎むよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#29
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 小川議員にお答えをいたします。
 消費税実施後に編成されました平成二年度予算や地方財政計画におきましては、元年度と異なり、既に消費税額がいわば溶け込んでいる単価をもとに積算を行っており、消費税以外の要因による単価変動も考えられることもありまして、予算や地方財政計画中の消費税に相当する金額を把握することは困難な事情があるということをどうぞ御理解いただきたいと思います。
 土地の含み益に対する負担のあり方についても、さまざまな御意見があることはよく承知いたしておりますが、所得課税として考えてみますと、実現していない利益に対する課税になるといった問題の指摘も過去の税制調査会の答申ではなされておったところでございます。
 いずれにいたしましても、こうした問題すべてを含めて、今後、土地税制小委員会において税制の総合的な見直しの一環として検討されるものと考えておりますし、政府といたしましては、調査会の検討結果を踏まえて適切に措置してまいる考えであります。
 ふるさと創生問題にもお触れになりましたが、このふるさと創生の推進につきましては、お説のように、全国各地域において個性豊かで魅力ある地域づくりを進めていくためには、単に施設整備などのハード事業のみならず、地域における人材の育成、農林水産業の振興など、知恵と情熱を結集したソフト事業を積極的に展開することが必要であると考えております。このため、国としても最大限の支援を行っていく考えでおります。
 残余の御質問については、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#30
○国務大臣(橋本龍太郎君) 小川議員からの御指摘にお答えをいたします。
 まず、第一点でありますが、御指摘の消費税見直しによる減収額一兆二千八百億円と言われましたものは、昨年末、自由民主党において「消費税の見直しに関する基本方針」をおまとめになりました際、自由民主党で試算をされたものでございます。この計数につきましては、消費税の非課税範囲の拡大などによる減収額一兆一千四百億円に、消費税見直しに伴います関連措置として手当てをされました公的年金等控除額の引き上げ及び特定事務用機器の即時償却の適用期限の延長などによります減収額一千四百億円を加えたものであると承知をいたしております。したがいまして、昨年自由民主党の試算されました一兆二千八百億円の減収額のうち、消費税の非課税範囲の拡大などによる減収額一兆一千四百億円が、今回政府がお示しをいたしております平年度減収額一兆一千三百五十億円とほぼ見合っておるものでありまして、見直しによる減収額が昨年と今年とで異なっておるというものではないと思います。
 また、見直しによる減収の財源手当てについての御指摘でありますが、政府は、これまで、毎年度の予算編成過程におきまして、歳入面につきましては、予算編成の一環として、その時点までの課税実績や政府経済見通しの諸指標を基礎といたしまして個別税目ごとの積み上げにより税収見積もりを行いますとともに、歳出面につきましては、経費の徹底した節減合理化に取り組むなど、そのときどきの経済情勢、財政事情などを踏まえ、歳入歳出全体を一体として展望しながら予算編成を行ってまいりました。
 平成二年度予算につきましては、歳入面におきまして、消費税の見直しによる減収を含む税制改正による減収を織り込み、これまでの課税実績などを基礎として税収見積もりを行い、また、歳出面におきましては、財政改革の第一段階であります特例公債依存体質脱却というものを実現いたし
ますとともに、公債依存度の引き下げなどを図るため、さらに徹底した歳出の節減合理化に取り組んだところであります。
 すなわち、平成二年度におきましても、この予算編成全体を通じ、歳入歳出全体を展望して一体とした予算編成を行ったところでありまして、平成三年度以降の予算編成につきましても、消費税見直しによります減収を織り込み、課税実績などを基礎として税収見積もりを行うと同時に、歳出の節減合理化などに取り組むなど、一体の予算編成を行っていく考え方であります。
 また、平成二年度の地方財政計画につきましては、消費税見直しに伴う歳入の減少も織り込みました上で歳入歳出を的確に見積もり、全体として収支がバランスするよう適正に作成されたところでありまして、これにより地方団体の全体の財政運営に支障が生じることのないよう措置されておると考えております。
 また、市街化区域内農地に関する税制の問題につきましては、総合土地対策要綱によりまして、保全すべき農地として都市計画上明確な位置づけ措置がなされない農地に対する取り扱いの適正化を図るなど、見直しの方向が示されております。また、昨年十二月の税制調査会の答申におきましても、総合土地対策要綱などを踏まえ、資産課税の適正化などの観点からも見直すべきだと、見直しの視点もお示しをいただいたところであります。
 政府といたしましては、昨年十二月二十一日の土地対策関係閣僚会議におきまして、「今後の土地対策の重点実施方針」を申し合わせ、大都市地域内の市街化区域内農地に関する税制につきましては、総合土地対策要綱に沿って、関係制度の整備充実等とあわせ、資産課税の適正化の観点から見直すこととし、税制調査会の御検討を踏まえながら、平成四年度からの円滑な実施を図ることといたしております。
 また、土地の含み益についての負担についての御指摘がございました。
 これにつきましては、さまざまな御意見があることを私どもも承知をいたしております。土地の含み益に対する課税につきましては、税制調査会の答申では、従来から、所得課税として考えた場合、いまだ実現せざるキャピタルゲインに対する課税となる、また、保有課税として考える場合、現行の固定資産税や特別土地保有税との関係を整理する必要がある、また、企業の生産活動に使用されている土地への課税は、資本集約型産業を中心として企業活動にかなりの影響を与える、こうした問題の御指摘がなされておりました。また、企業の所有する土地に負担を求めるという観点から見ますと、古くから持っている土地、新しく購入した土地について扱いが異なることをどう考えるかなど問題もございます。
 しかし、いずれにしても、こうした問題を含め、税制調査会において土地税制の総合的な見直しの一環として検討されることになると考えており、政府としては、税制調査会の検討結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
#31
○国務大臣(奥田敬和君) お答えいたします。
 まず、地方財政における消費税の影響額に関するお尋ねであります。
 既に総理からお答えがありましたけれども、平成二年度の地方財政計画あるいは地方公営企業について消費税の影響額を把握することはなかなか困難でありますが、地方財政の運営に支障が生じることがないように、平成二年度の地方財政計画や地方交付税等の地方財源措置については、国の予算と同様に、消費税影響額が溶け込んだ単価をもとにいたしまして所要の措置を講じているところでございます。
 次に、消費税見直しに伴う地方財源の減収に関するお尋ねでございました。
 このことも既に大蔵大臣の御答弁にもありましたけれども、この減収については、地方財政計画の策定を通じて、地方財政の運営に支障が生じることがないように適切に現在措置したところでございます。
 次に、宅地並み課税についてのお尋ねでありました。
 市街化区域に所在する農地については、届け出のみによって宅地転用することができること等から、周辺宅地との税負担の均衡を図るため、原則として宅地並みに評価して税負担を求めることといたしております。宅地並み課税については、現在進めている土地税制の総合見直しの中で検討を行いまして、平成二年度中に成案を得て所要の法律の提出を図ってまいる所存でございます。
 次に、固定資産税及び都市計画税の特例についてのお尋ねでございました。
 固定資産税については、住宅政策の観点から一定の特例措置が既に講じられております。これ以上の軽減措置の拡充については、負担の公平及び市町村財政への影響を考えるなら、さらに慎重に検討すべきものと考えております。
 また、都市計画税における特例制度の導入については、同税の性格から見ても、これは慎重に対処すべきものであろうと考えます。
 次に、法人の未利用地や大規模所有者の利益等に関する土地保有課税のあり方についての御質疑でございました。
 現在進めている土地税制の総合見直しの中で検討すべきものと考えますけれども、このうち低・未利用地の有効利用を促進するため、特別土地保有税を活用することについては、現在遊休地を特定する制度創設とあわせて、本年度中にその見直しを行ってまいる所存でございます。
 次に、国民健康保険制度についてでございます。
 平成二年度における見直しは、国保の安定化に寄与するため、現在の諸情勢を踏まえた上での改善措置を講じようとしております。今後とも、各医療保険制度間の負担の公平化、医療費適正化等の基本的対策を推進するとともに、それとあわせて、国保のあり方についても、滞納問題を含め、その運営の一層の安定を図るため方策を推進する必要があると考えておるところでございます。
 ふるさと創生事業の展開についての御質問であります。
 ふるさと創生の推進については、平成二年度から一兆円構想を推し進めることといたしております。その中で、特にソフト事業に対し交付税措置を講じ、農林漁業後継者の確保、人材育成等、地域実情に即した事業を積極的に展開してまいりたいと思っております。
 最後に、過疎地域活性化特別措置法に対するお尋ねでありますが、都道府県における地域総合整備事業債、また新法の対象とならない旧過疎地域の市町村に対する経過措置につきましては、十分にその弾力的運用に努めてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣山本富雄君登壇〕
#32
○国務大臣(山本富雄君) 小川議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、農地課税についてであります。
 東京など大都市地域の市街化区域内農地につきましては、一昨年六月に閣議決定されました総合土地対策要綱におきまして、市街化する農地と保全する農地とに区分し、市街化する農地につきましては、必要な都市基盤の整備を図りつつ宅地化を進めるべきものとなっており、これに応じて税制面の扱いについても見直すこととされております。農林水産省といたしましても、こうした基本的方向で協力をしていく考えであります。
 次に、ふるさと創生事業についてであります。
 農林水産業の振興を図りながら住みよい活力のある農山漁村を築き上げることは、首都圏への一極集中を是正し、国土の均衡ある発展を図るというふるさと創生の趣旨にまさに沿うものと考えております。このために、すぐれた担い手の育成、生産基盤の整備、バイオテクノロジー等の先端技術の開発普及などにより特色ある農林水産業の振興を図り、生活環境の整備や就業機会の確保等を通じて農山漁村の活性化を一層推進してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(櫻内義雄君) 小林守君。
    〔小林守君登壇〕
#34
○小林守君 私は、ただいま議題となりました平成二年度地方財政計画について、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、総理並びに関係大臣に御質問いたします。
 まず最初に、今日最も緊急の課題である日米貿易摩擦を背景とした日米構造協議の問題について伺います。
 新聞等で拝見いたしますと、日米協議でアメリカから日本に対して要求されておりますのは六分野、二百数十項目とされておりましたが、その全容についてなぜか政府は明確にいたしません。しかし、事態は刻々と進んでおります。したがって、私は、二点について具体的に伺います。
 第一は、公共投資の問題であります。
 社会資本の充実は、豊かさが実感できる国民生活の実現の上でも、アメリカから要求されるまでもない内政の最優先課題であります。ところで、新聞に紹介されております対日要求を見ますと、公共投資に関する包括的事業計画の策定と個別公共事業計画の改定強化を求めていると理解いたします。また、対日要求においては、事業及び資金をできるだけ中央政府にシフトするよう求めているとされていますが、これは事実であるのか。だとするならば、国と地方の公共投資の構造を転換しようとしているのか。公共投資に関するこれらの対日要求の対応について、海部総理に御所見を伺います。
 さらに、公共投資を拡大するのは結構ですが、その裏づけとなる地方の負担はどうなるのでしょうか。財政制度審議会や新行革審は、国の一般歳出や地方財政計画における歳出については名目成長率以下とするよう求めておりますが、この方針とどのように整合を図り、整理されるのでしょうか。総理並びに大蔵大臣に具体的にお答えをいただきたいと存じます。
 第二に、いわゆる大店法の問題ですが、中間報告によりますと、地方公共団体の独自規制についても是正指導するとされております。通産大臣は、談話で、関係地方公共団体の御協力をお願いするとされておりますが、是正指導と協力要請では大分性格が異なると考えますが、いかがでありましょうか。地方公共団体の自治立法権にかかわる問題でもありますので、自治大臣、通産大臣、それぞれのお立場で御答弁をお願いいたしたいと存じます。
 次に、行財政改革について伺います。
 昨日、臨時行政改革推進審議会が最終答申を行いました。しかし、この答申は採決で決せられたと聞いております。七人の委員は国会の承認に基づいて就任したものであり、その七人の意見が一致を見ないまま答申がまとめられるというのは極めて異常であります。答申は今後の政府の施策にも重大な影響を与えるものであります。私は、二人の委員から提示された修正意見を十分議論し、取り入れることを促す努力を政府も行うべきであったと思います。
 海部総理は、この新行革審の全会一致ではない答申を内閣としてどう受けとめるのでしょうか。答申を最大限尊重すると総理は述べられましたが、このような多数決による文案の決定の経過をどう受けとめるのでしょうか、見解をお示しいただきたいと思います。
 また、行財政改革の重要なキーワードは「増税なき財政再建」であったはずです。しかし、実際は消費税という公約違反の大増税が強行実施されました。今日、新行革審は、二〇二〇年における国民負担率について五〇%を下回ることを目標とするとしていますが、政府としても目標は同じなのでしょうか。五〇%以下に抑えるというのは政府の公約と明確に受け取ってよいのでしょうか。大蔵大臣の所見を伺います。
 さらに、政府の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランが示されておりますが、そのホームヘルパーの増員計画を見ても極めて不十分であり、十年たってもヨーロッパの水準には追いつかないものであります。しかも、補助単価が低く、思うように人材が集まらない危惧もあります。十カ年戦略に関して平成二年度政府予算案における事業費の地方負担分は約八百億円とされ、交付税の単位費用もアップはされておりますが、十分とは言えません。私は、ホームヘルパーについては十年で政府案の二倍、すなわち、二十万人とし、補助単価も倍にしなければ、高齢社会に対応する福祉は大丈夫とは言えないと思います。したがって、平成二年度の政府予算案並びに地方財政計画については組み替えるべきだと思いますが、総理並びに自治大臣の明快な答弁を求めます。
 行財政改革の質問の最後は、国庫補助負担率の特例の問題であります。
 先ほど日米構造協議について伺いましたが、公共投資を伸ばすといっても、地方の受け皿が必要であります。特例措置は平成二年度で切れることになっておりますが、今度こそ約束は守られるの
でしょうか。臨時的なばらまき行政はあっても、地域格差の是正や本格的な地域振興、東京一極集中の是正などについての体系的な政策の展開はあいまいとなっており、地方自治体の政府を見る目は厳しくなっております。この際、総理から、約束は果たすと明確にお答えをいただきたいと思います。
 続きまして、地方財政計画そのものの問題について伺います。
 第一には、地方財政計画の意義は何かという点であります。
 例えば、地方交付税法第七条においては、「内閣は、毎年度」「翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類を作成し、これを国会に提出するとともに、一般に公表しなければならない。」とされております。地方財政計画は、個々の地方公共団体にとりましても、翌年度の予算編成の指針となるものであります。しかし、ことしのように、内閣が予算編成を行い、閣議でこれを決定しても、予算案が総選挙の執行の関係で国会に提出されないという事態において、地財計画が決定されたのは三月であります。果たして地方団体にとって財政運営の指針たり得たのかという疑問を感じます。地財計画の意義を失わしめることしのこのような事態を自治大臣はどのように受け取られているのでしょうか。御所見を伺いたいと存じます。
 第二に、地方財政が地方団体のトータルな行政、経済行為をとらえているかという問題であります。
 現状の地財計画は普通会計分のみをあらわしていることは承知をしておりますが、地方公営企業等の投資や運営が拡大する中で、現状の地財計画の枠では全体がつかめなくなっております。私は、地方財政が大きく見えるか否かとか、普通会計と企業会計は別とかいう議論ではなく、区分けは区分けとして、地方団体及び関連企業の活動がトータルにつかめるように地財計画も改革を図るべきだと考えますが、自治大臣の見解を伺います。
 第三に、計画と決算の乖離の問題であります。
 最近ではその幅が小さくなったとは言われますが、依然としてあることは事実であります。こうしたことは、地方財政においては中期的な見通しのもとに計画的な事業の執行が求められているのに対して、政府においてはそのときどきの景気等によって増減を図り、しかも財政負担の変更等をもたらしていることも大きな原因であると考えます。地方自治の確立は、地方財政の安定した拡充と地方分権の確立にあります。したがって、私は、この際、地方財政の中期展望を明確にし、その展望に基づいて地方財政運営を推進するよう改めるべきと考えます。地方財政の中期見通しについては、過去さまざまな議論が行われていると思いますが、この際、自治大臣の決断を促したいと存じますが、いかがでありましょうか。
 最後に、私ども日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党、進歩民主連合の四会派は、参議院における連合参議院とも連絡、協議しつつ、政府の平成二年度予算案の組み替え要求を本日政府並びに与党に行いました。
 私どもの趣旨は、公約に反し、国民の反対を押し切り導入した消費税をことし九月三十日をもって廃止するとともに、老齢福祉年金の引き上げ、ホームヘルパーの増員、育児休業法の制定など歳出の充実を図ることであります。財政状況を見ても、消費税の存在の必要性はなく、国民は不公平税制の是正こそ強く求めております。政府・与党においては、この当然の予算案の組み替えについて真摯に検討し、速やかに実現されるよう要求し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#35
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 小林議員にお答えをいたします。
 社会資本整備につきましては、米国から指摘されるまでもなく、我が国自身の問題として、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据えて着実に充実を図っていく必要があるものと考えております。
 このような観点から、日米構造協議の中間報告におきましては、住宅、下水道、公園など、平成二年度末に期限が到来する八本の長期計画については、これらを更新し、現行規模を上回る計画を策定する、そして、今後十年間の新しい総合的な公共投資計画を作成することとし、最終報告においてその支出総額を明らかにすることとしているところであります。
 なお、関連して、米国は、公共投資について、その事業及び資金を中央政府にシフトするように要求しているとされておるが本当かというお尋ねでありましたが、そのような話は何も聞いておりません。
 歳出規模の抑制目標と公共投資拡大についての問題でありましたが、財政の健全性を確保しながら、国民負担率の上昇を抑制するために、国及び地方の歳出の伸び率を名目成長率以下とするとの原則が最終答申において新行革審より指摘されているところでもございます。
 今後の財政運営につきましては、国民負担率の上昇を極力抑制することを基本としながら、社会資本の整備、必要な財政需要に適切に対応しつつ、財政が効率的にその本来の機能を発揮できるようにすることが重要な課題でありまして、今後とも財政運営に、国、地方ともに全力を傾けてまいる所存でおります。
 昨日、新行革審から最終答申を受けました。大槻会長以下審議会委員の英知を結集し、正規の議事手続に従って統一的な意思としてこの答申が決定され、政府に提出されたものと承知いたしております。審議の過程においてさまざまな議論が交わされることは、これは当然のことであろうと思いますし、議論を尽くされて後、合議体としてその意思を決定されたものでありますので、政府としては、これまでの答申と同じように、今回の最終答申を最大限に尊重しつつ、その実現の推進に当たっていく考えでおります。
 本格的な高齢化時代を迎え、社会基盤を整備することは、御指摘のように緊急の課題であると認識いたしております。このため、昨年十二月、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、今世紀中に実現を図るべき目標を明らかにしておるところであります。この中で、在宅福祉サービスのみならず、施設福祉サービスの具体的目標も設定しておりますから、この両者が一体となった必要かつ総合的な福祉サービスを提供していく所存であります。
 国庫負担率の特別措置についてお触れになりましたが、公共事業に係る補助率等については、平
成二年度までの暫定措置として、昭和六十三年度に適用されている補助率等とすることにしているところでございます。暫定期間終了後の取り扱いについては、関係省庁間の検討会において今総合的に検討を行っているところでありますけれども、この場合、昭和六十二年度引き下げ分につきましては、平成三年度から昭和六十一年度の補助率等の水準に復元するものとしておるところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#36
○国務大臣(橋本龍太郎君) 小林議員から私に与えられました御質問は三点であります。
 第一点は、構造協議に関連いたしまして、公共投資拡大に対する地方負担の裏づけでございました。
 従来から、地方財政に関しましては、その円滑な運営に支障を生ずることのないよう各年度の地方財政計画を適正に策定しておるところでありまして、引き続き、公共投資に必要な経費を含め、地方財政について各年度の地方財政計画の策定を通じて適正に対処してまいりたいと考えております。
 また、元年十二月の行政改革推進審議会の御指摘にもありましたが、国と同様に、地方財政につきましても、国民負担率の抑制の見地から、全体として歳出規模の抑制を図っていく必要があるものと考えております。
 また、財政審の答申と今回の公共投資拡大との関連についてのお尋ねがございました。
 確かに、臨時行政調査会答申や今回の新行革審の最終答申におきましては、財政の健全性を確保し、国民負担率の上昇を抑制するために、歳出の伸び率を名目成長率以下とするという原則が指摘をされております。一方、公共投資につきましては、今般の日米構造協議の中間報告におきまして、今後の中長期的な公共投資のあり方については、本格的高齢化社会が到来する二十一世紀を見据えて着実に社会資本の整備を図っていくこととしております。
 こうした観点から、今後の財政運営につきましては、国民負担率の上昇を極力抑制することを基本としながら、社会資本整備など必要な財政需要に対応しながら、財政が効率的にその本来の機能を発揮するようにしていかなければなりません。そのためには、財政は時代の要請に応じて効率性の高い歳出構造としていく努力が引き続き必要でありまして、今後ともに制度改革や歳出の節減合理化を進めていくことが必要であります。また、こうした財政改革の努力を進め、中期的に見れば、公債依存度の引き下げなどにより国債費の比率を低下させ、政策経費の割合をふやす方向で財政運営を行うようにしていかなければならないことだと私どもとしては考えております。
 また、行革審報告にある二〇二〇年における国民負担率五〇%以下の抑制という目標は、政府の公約と受け取ってよいかという御指摘でありました。
 今後、高齢化社会の進展等に伴い、国民負担率は長期的にはある程度上昇すると考えられ、最終答申の目標は容易ならざる課題であると受けとめておりますけれども、今回の最終答申や財政審報告の趣旨などを踏まえながら、今後とも最大限の努力を払っていかなければなりません。
 新行革審の答申は、政府みずからの公約といった性格のものだとは私は考えておりませんけれども、従来から、政府は、臨時行政調査会あるいは行革審答申というものを最大限に尊重しながら着実に実施、推進してまいりました。今回の新行革審の最終答申につきましても、この趣旨を踏まえて努力してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
#37
○国務大臣(奥田敬和君) お答えいたします。
 まず、大店法の問題についてでございますが、日米構造協議の中間報告は、国・地方を通ずる規制緩和の方向で地方公共団体の独自規制についても是正するように協力を求め、最大限の努力を行うこととしたものと心得ております。私といたしましては、地方自治原則にも十分に配意しつつ、これまでの経緯等にかんがみて、地方における行き過ぎた規制の是正はすべきものであると考えております。
 次に、ホームヘルパーの増員についての御質疑でございました。
 ホームヘルパーについては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」や平成二年度の国の予算において所要の措置が講じられておりまして、平成二年度の地方財政計画においてもこれに対応した措置を講じてきたところでございます。
 次に、地方財政計画の決定が三月にずれ込んだということに関するお尋ねでございました。
 御質疑にもありましたように、総選挙が行われたこともございます。平成二年度の地方財政計画の決定は、御指摘のように三月初旬にまでずれ込みました。おくれたことは決して好ましいことではない、当然でございます。しかしながら、地方財政計画の前提となる地方財政対策の内容などを地方団体に密に連絡をいたしまして、地方団体の財政運営には支障が生じることがないように適切に処理して対処してまいったということでございます。
 次に、地方財政計画の対象範囲の拡大に関するお尋ねでございました。
 地方財政計画は、翌年度に必要と見込まれる普通会計ベースでの地方財源を保障することを目的として策定されるものでありますから、地方公営企業はこれに含まれないわけでございます。
 なお、地方公営企業につきましても、地方一般財源において負担すべき部分については、地方財政計画を立案の上、公営企業繰り出し金として適切に計上してまいったところでございます。
 最後に、地方財政の中期展望についてのお尋ねでございました。
 地方財政は、三千三百の地方団体の財政の集合でございます。それぞれ自主的な判断に基づいて財政運営を行っているために、全体として中期的な収支見通しを定量的にお示しすることはまことに困難でございます。しかしながら、今後とも、小林議員の御指摘のように、中長期的な視点に立った地方財政運営を心がけてまいりたいと存じております。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
#38
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えいたします。
 今回の日米構造協議におきまして、大店法につきまして規制緩和をすることにいたしておりますけれども、これは国だけではいけない、今自治大臣からも御答弁がありましたように、地方自治体
においてもいろいろの規制が行われておりますので、これを緩和していただきたいと考えておるわけでございます。
 そこで、今の御質問は、私の談話の表現と今度の中間報告にある表現と少し違うじゃないか、こういう御指摘でございますが、これは私といたしましては、地方公共団体を尊重いたしまして丁寧に申し上げたつもりでございまして、その趣旨は全く同じでございます。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(櫻内義雄君) 河上覃雄君。
    〔河上覃雄君登壇〕
#40
○河上覃雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明のありました平成二年度地方財政計画並びに地方交付税法等の 一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 我が国経済は、世界のGNPの一五%を占める経済大国に発展を遂げてまいりましたが、反面、私たちの生活からは経済大国にふさわしい豊かさが実感できないのが実情であります。
 大都市では地価高騰が続き、サラリーマンのマイホームは今や夢にすぎない状況になっております。また、下水道、公園などの生活関連施設の整備等、社会資本の整備が極めておくれているのが実情であります。さらに、来るべき高齢化社会の具体的な対応が迫られていながら、医療、年金、老人福祉等、社会福祉制度は不十分であると言わざるを得ません。
 こうした問題の原因の多くは、これまでの政治、経済の目標が、経済や生産を優先する余りに、生活者という視点を欠いていたためであると思うのであります。今こそ生活者に光を当てた政治、生活者の視点に立った経済に転換することが強く求められていると私は考えるものであります。
 これは、単に我が国の内政問題にとどまらず、日米構造協議に象徴されるように、国際的にも大きな課題となっていると言っても過言ではありません。こうした課題に取り組むためには、中央主導型の行政では限界があります。国からの権限や財源の地方移譲による分権と地方自治の確立がいや応なしに迫られていると思うのであります。
 海部総理は、総理就任初の施政方針演説で、「創造性豊かで多様な選択可能性に富む地域づくり、ふるさと創生の具体化に努めてまいります。」と述べております。この総理の発言を実行しようとするならば、地方自治体の権限、財源の強化こそ急務であると考えるものでありますが、海部総理の地方自治に対する基本的理念及び地方自治制度に関する現状認識とそれを踏まえての対策について、この際、明確にしていただきたいのであります。
 次に、地方自治体への権限の移譲についてお伺いいたします。
 地方制度調査会では、過去数次にわたり地方自治体への権限移譲について改革案を提示してきましたが、その中で、土地利用、町づくり、産業、交通の各分野で具体的に十六項目を挙げ、これらについて特に速やかに実施するよう求めております。一方、新行革審の答申の中にも積極的な地方への権限移譲がうたわれておりますが、この答申では、地方制度調査会の答申で指摘された十六項目のうち、ガス事業の許可、信用金庫の事業免許に関する二項目は含まれていないのであります。今後の地方自治体の置かれた立場を考えたとき、少なくとも地方制度調査会の答申に基づく改革は必要であると考えますが、総理の所見をお伺いしたいのであります。
 また、機関委任事務制度における議会の検閲・検査権、監査請求権及び監査委員の監査権の確保、地方議会における参考人制度、地方議会の充実強化が求められております。地方自治を充実強化するためにこれらの施策を早急に推進すべきでありますが、この点についての見解もお伺いしたいのでございます。
 さて、地方財政の当面する問題について何点かお尋ねいたします。
 本年度の地方財政は、借金の繰り上げ償還を行うなど健全化を進めているところではありますが、地方の借金は、昨年度末の六十六兆八千億円から本年度末では六十七兆三千億円と、依然としてふえ続けているのが実態であります。このような中にあって、最近、地方財政に余裕が生じているという地方財政余裕論が言われております。私は地方財政には余裕はないと考えるものでありますが、これに対する自治並びに大蔵大臣の所見を伺いたいのであります。
 また、地方自治体の財政の健全化のために地方債の繰り上げ償還を行えるようなシステムをつくるべきであると考えるものでありますが、この点についての見解を伺いたいのであります。
 今後、地方自治体は、一極集中を是正するための多極分散型国土の形成や生活者に視点を当てた行政に転換するために必要な社会資本の整備、高齢化社会の急速な進展に対応した福祉施策の充実等、長期的に財政需要の増大が見込まれているのであります。これに対しては、地方税源の充実を中心とした地方一般財源の充実が必要であると考えますが、これに対してどう対処するのか、見解を伺いたいのであります。
 次に、補助率カットについてお伺いいたします。
 昭和六十年度以降補助率カットが行われ、公共事業については昨年度さらに二年間延長され、本年度も補助率カットが暫定的に行われているのであります。さきに合意した日米構造協議の中間報告では、公共事業の拡大がうたわれており、政府もこれに積極的に取り組むことを表明しておりますが、このように事業を推進するためには、補助率カットの恒久化やカットの割合をさらに強める等地方自治体への負担を強化する措置はよもやとられることはないと思いますが、これに対する総理の御決意をお伺いしたいのであります。
 また、日米構造協議中間報告に伴い直轄事業も当然増加することになるわけでありますが、直轄事業は国家的立場から行うものであることから考えて、我が党が従来から主張しておりましたように、これを機会に直轄事業の地方負担分については早急に廃止すべきであると考えるものであります。さらに、公共事業等の増大に伴う地方負担増に対しては一般財源の拡充により対応すべきであると考えますが、この点についてもあわせて御見解をお伺いしたいのであります。
 次に、国民健康保険会計についてであります。
 これまで暫定的に地方負担が導入されていた保険基盤安定制度が今回恒久化されようとしておりますが、国保事業は、本来、国の負担金と保険料
で賄うべきものであります。このように地方負担を恒久化することは制度の根幹に触れるものであり、こうした措置を講ずるならば、医療制度全般にわたる抜本的見直しを行う中で改革すべきものであると考えますが、これに対する見解を伺いたいのであります。
 次に、固定資産税についてお伺いいたします。
 平成三年度は固定資産税の評価がえの年に当たります。この評価がえは平成元年七月一日を基準日として行うことになっておりますが、この時期は東京都心の商業地に端を発した地価高騰が広域化したときでもあります。来年度の固定資産税評価がえに伴う負担緩和についてどのような方針で臨まれるのか、見解を明らかにしていただきたいのであります。
 私どもは、生活権を守るという観点から、固定資産税については、一定規模以下の居住用の土地及び建物については軽減措置を拡大すべきであると考えております。また、長期的な展望に立って、資産を用途別、所有形態別に区分して、固定資産税の負担の適正化を図るべきであると思います。それぞれについての見解をお伺いしたいのであります。
 最後に、消費税についてであります。
 今回の地方交付税改正案並びに地方財政計画は、消費税の存続を前提とされております。しかし、消費税については、国民は依然として廃止を強く望んでおります。自民党の公約である消費税の見直し案では、食料品が値下がりする保証はなく、さらに、消費税の持つ多くの欠陥を何一つ解消するものでもありません。しかも、逆進性の緩和には何ら役立つものではなく、かえって制度を複雑化させ、逆に中小零細企業などの事務負担の増大を招くものであります。
 本日、我が党は、社会党、民社党、進歩民主連合と共同で、消費税廃止関連四法案を本院に提出するとともに、予算委員会理事会に平成二年度予算案に対する組み替え共同要求を提出いたしました。(拍手)
 私は、この際、消費税は一たん廃止し、地方財政の強化にも十分配慮した国民合意の税制再改革を行うべきであると強く主張するものであります。消費税廃止関連四法案、予算組み替え要求にどのように対応されるのか、総理の見解を伺いたいのであります。
 以上、当面する重要問題について質問をいたしましたが、政府の率直なる答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#41
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 河上議員にお答えを申し上げます。
 地方自治は、民主政治の基盤であり、内政のかなめであると考えております。平成二年度においては、創造性豊かで多様な選択可能性に富む地域づくり、ふるさと創生の具体化のため、ふるさと創生一兆円構想を実現してまいりたいと考えております。地域の創意工夫を生かした個性的で魅力ある地域づくりのためには、なお一層の地方の自主性、自立性の強化と地方財源の充実が必要であると認識をいたしております。
 行革審においては地方制度調査会の答申も踏まえて審議が行われたものと心得ておりますが、地方制度調査会の答申がそのまま行革審の答申に盛り込まれたわけではありません。今後とも地方に対する一層の権限移譲を推進していく考えでおります。
 社会資本整備については、これは米国から指摘されるまでもなく、我が国自身の問題として、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据え、着実に充実を図っていく必要があると認識をいたしております。
 なお、公共事業に係る補助率等については、平成二年度までの暫定措置として、昭和六十三年度に適用されている補助率等とすることにしているところでありますが、暫定期間終了後の取り扱いにつきましては、関係省庁間の検討会において総合的に検討を行っているところであり、この場合、昭和六十二年度引き下げ分については、平成三年度から六十一年度の補助率等の水準に復元するものとしておるところであります。
 国民健康保険の保険基盤安定制度につきましては、この二年間の実施状況を踏まえ、また関係審議会や地方公共団体等関係方面の御意見を十分お聞きした上で、国庫助成の強化と同時に安定的制度化を図るものでございます。これにより国と地方が協力して国保の運営の安定化を図ろうとするものでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 平成二年度の予算は、内需を中心とした景気の持続的拡大の維持に配意するとともに、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、歳出の徹底した見直し、合理化により特例公債依存体質からの脱却を実現し、公債依存度の引き下げを図ることとして編成をしたものであります。
 消費税の創設を含む先般の税制改正は、来るべき高齢化社会を展望してすべての人々が社会共通の費用を公平に分かち合うとともに、税負担が給与所得に偏ることなどによる国民の重税感、不公正感をなくすことを目指したものでございました。消費税については、国民各層の御指摘を踏まえ、見直し法案を国会に提出いたしております。消費税は、現在及び将来の我が国にとって不可欠の税制でありますので、廃止といったことではなく、その存続、定着という前提に立って、提出しました見直し法案の十分な御審議を賜りたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
#42
○国務大臣(奥田敬和君) お答えいたします。
 地方自治の充実強化方策につきましては、御指摘の事項を内容とする地方自治法の一部を改正する法律案、さきの衆議院解散によりまして審査未了、廃案となったところでございます。しかしながら、これらの改正は、地方自治の充実強化に権限移譲も含めて大変重要な内容を含んでおりますので、新たに必要が生じた事項も含めて早急に検討いたしまして、できるだけ早い機会に地方自治法改正案を今国会に提出したいと考えておるところでございます。
 次に、地方財政余裕論についてのお尋ねでございました。
 地方財政は、御存じのとおり三千三百余の地方団体の財政の総体でございます。その中には財政力の弱い市町村がたくさんあるわけでございます。単一の財政を主体とする国家財政と単純に比較すべきものではないと考えております。
 また、地方財政は、平成二年度末でまだ六十七兆円の借入残高を抱えておることなどから、依然として厳しい状況にあります。したがって、これらの健全化に努めていかなければならないことは当然であると認識いたしております。
 また、地方債に係ります政府資金の繰り上げ償還につきましては、資金コスト等貸し付け側の事情から一般的に困難な面もあるかと考えられますけれども、地方財政健全化の観点からも、河上議員御指摘のように、引き続き関係機関と協議してまいりたいと存じております。
 次に、地方団体の財政需要の増大に対応した地方一般財源の充実についてのお尋ねでございました。
 多極分散型国土形成、社会資本の整備、高齢化社会への対応等の課題に地方団体が今後とも積極的にこたえていけるように、地方税、地方交付税の地方一般財源の充実強化に努めてまいります。
 次に、直轄事業負担金の廃止と公共事業等の拡大に伴う地方財源措置についてのお尋ねでございました。
 国直轄事業については、地方に受益があるという観点から、地方団体がその経費の一部を負担するということにされているものでありますが、このあり方については、公共事業における国と地方の役割分担、費用負担のあり方等を踏まえまして、今後とも検討すべき課題であると存じます。
 また、公共事業増大に伴う地方負担の増については、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして、一般財源を初めとする所要地方財源の確保を図ってまいりたいと考えております。
 固定資産税の土地の評価がえに伴う負担増に対しまして、従来からなだらかな負担増加となるように一定の負担調整措置を講じてきているところであります。平成三年度の評価がえに係る調整措置については、今後評価がえに伴う負担状況の推移などを見きわめながら、税制調査会の検討も踏まえつつ、いわゆる緩和の方向で慎重適切に対処してまいる所存でございます。
 居住用住宅に対する固定資産税の件の御質疑でございましたけれども、恐らく同じく負担適正化についての御論議の中に属すると思われますので、今後とも居住用住宅あるいは居住用住宅用地についての特例の措置、軽減措置については検討もし、できるだけの措置を講じてまいりたいと思っております。しかし、これ以上軽減できるかどうかについては、負担の公平及び市町村財政への影響も考えまして、慎重に検討すべきものと考えております。
 次に、資産の用途別、所有形態別の負担の適正化についてのお尋ねでございました。
 固定資産税は、固定資産の有する価値に着目いたしまして、そのことに担税力を見出して課税する物税でございます。したがって、資産の用途、所有形態によって課税のあり方を異にすべきものじゃないと考えております。ただ、先ほども申しましたように、居住用固定資産に対しては、住宅政策の観点から従来とも特例措置を講じて負担軽減を図ってきたところでございますので、よろしく御理解賜りたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#43
○国務大臣(橋本龍太郎君) 河上議員に御指摘をいただきましたのは二点であります。
 一つは、地方財政余裕論についてでございますが、地方は三千三百の地方団体の集合でありまして、それぞれの財政状況にはかなりの差異がありますことから、地方財政といいましてもその財政状況を一口で申し上げるのはなかなか難しい点があると思います。しかし、そうした前提の上で、あえて地方財政計画ベースで最近の地方財政を見てまいりますと、公債依存度、公債費比率などの指標は従前よりも低い水準となっておるところでありますし、また、平成元年度、二年度を通じまして大幅な余剰も見込まれておりまして、比較的健全な状況にあるのではないかと思われます。
 いずれにいたしましても、国と地方は車の両輪としてともに行財政改革を積極的に推進することが必要でありますし、中長期的に見て財政の健全性を確保し国民負担率の上昇を抑制するためには、臨時行政改革推進審議会の答申に沿いまして、国と同機、地方財政におきましても、歳出規模の伸びを抑制していくべきものであると考えております。
 もう一点は、地方債の繰り上げ償還についての御質問でございました。
 これは、議員が地方財政に対して熱意を抱かれ提起をされた問題として、私も真剣に検討いたしました。しかし、既発の地方債の資金運用部への繰り上げ償還につきましては、一つは、資金運用部による貸し付けが長期固定金利かつ貸付金利が預託金利と同じでありまして利ざやのない貸し付けであること、同時に、借り手側の地方公共団体もこの有利かつ長期固定という借り入れを前提にして長期的な事業計画を策定されるなど大きなメリットを受けておられること、こうした状況を考えてみますと、これを認めますことはやはり非常に困難でありますということは御理解をいただきたい、こう存じます。(拍手)
#44
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
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#45
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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