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1990/06/05 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 本会議 第22号
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1990/06/05 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 本会議 第22号

#1
第118回国会 本会議 第22号
平成二年六月五日(火曜日)
    ─────────────
 議事日程 第十四号
  平成二年六月五日
    正午開議
 第一 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出)
    ─────────────
○本日の会議に付した案件
 日程第一 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出)
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 臨時行政改革推進審議会設置法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時三分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ────◇─────
 日程第一 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出)
#3
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。環境委員長戸塚進也君。
    ─────────────
 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔戸塚進也君登壇〕
#4
○戸塚進也君 ただいま議題となりましたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案について、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止を図るため、スパイクタイヤの使用規制等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、国民の健康を保護し、生活環境を保全するため、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止を図るとともに、国民並びに国及び地方公共団体の責務を明確にすること、
 第二に、環境庁長官は、住居が集合している地域等で、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護すること等が特に必要であるものを、所要の手続を経た上で、指定地域として指定すること、また、指定地域に係る都道府県は、知識の普及、住民の意識の高揚及び調査の実施に努めること、
 第三に、指定地域内の舗装道路の積雪または凍結の状態にない部分においては、原則としてスパイクタイヤの使用を禁止することとし、これに違反した者については、罰則を科すこと
等であります。
 本案は、去る五月八日本委員会に付託され、六月一日北川環境庁長官から提案理由の説明を聴取した後、審査を行い、同日質疑を終了いたしましたところ、日本共産党から修正案が提出され、採決の結果、修正案は否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#7
○佐藤敬夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#8
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ─────────────
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#10
○議長(櫻内義雄君) 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長岸田文武君。
    ─────────────
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔岸田文武君登壇〕
#11
○岸田文武君 ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、本年三月二十三日付の人事院の「国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申出」にかんがみ、年金たる補償の額の基礎として用いる平均給与額を完全自動給与スライド制とするとともに、長期療養者の休業補償に係る平均給与額について、年齢階層ごとの最低限度額及び最高限度額をそれぞれ設定する等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、四月十八日本委員会に付託され、本六月五日塩崎総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、質疑を行いました。
 質疑終了後、日本共産党の三浦久君から、休業補償に係る平均給与額の最高限度額の設定に関する部分を削除する修正案が提出され、趣旨説明の後、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対して附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
#14
○佐藤敬夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#15
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ─────────────
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#17
○議長(櫻内義雄君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長島村宜伸君。
    ─────────────
 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔島村宜伸君登壇〕
#18
○島村宜伸君 ただいま議題となりました両案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、地方交付税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、第一に、平成二年度分の地方交付税の総額について、交付税及び譲与税配付金持別会計における借入金の一部を償還する等所要の措置を講ずることとし、地方公共団体には十三兆七千五百九十四億円を交付することといたしております。
 また、平成三年度分から平成八年度分までの地方交付税の総額については、新たに二千二百七十九億円を加算することといたしております。
 第二に、平成二年度分の地方交付税の算定について、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、普通交付税の単位費用の改正等を行うことといたしております。
 本案は、四月十九日に当委員会に付託され、同月二十四日奥田自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行いました。
 質疑におきましては、地方財政の健全化対策、地方公共団体の行政経費の増大に即応した基準財政需要額の算定の必要、国庫補助負担率の復元問題、高齢者福祉に係る地方財源の充実策等について広範な論議が行われ、五月三十一日質疑を終了しました。
 本日、本案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四党共同により、消費税に係る今回の税制改革に当たっては、平成二年度以降における地方交付税の総額の安定的な確保が図られることとする旨の規定を附則に加える修正案が提出され、趣旨の説明を聴取しました。
 次いで、原案及び修正案について討論を行い、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本日、当委員会において、地方財政の充実強化について決議が行われたことを申し添えます。
 次に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、国家公務員災害補償制度との均衡を考慮して、第一に、地方公務員災害補償制度に関し、年金たる補償の額の算定の基礎として用いる平均給与額について、年度ごとの四月一日における国の職員の給与水準の変動に応じて計算することといたしております。
 第二に、療養開始後一年六カ月を経過した職員の休業補償に係る平均給与額について、年齢階層ごとの最低限度額及び最高限度額を設定することといたしております。
 本案は、四月十八日に当委員会に付託され、本日奥田自治大臣から提案理由の説明を聴取し、質
疑を終了した後、日本共産党から修正案が提出され、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案中、地方交付税法等の一部を改正する法律案の委員長の報告は修正、他の一案の委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
 臨時行政改革推進審議会設置法案(内閣提出)の趣旨説明
#21
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、臨時行政改革推進審議会設置法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣塩崎潤君。
    〔国務大臣塩崎潤君登壇〕
#22
○国務大臣(塩崎潤君) 臨時行政改革推進審議会設置法案について、その趣旨を御説明します。
 これまで、政府は、行政改革を国政上の最重要課題の一つとして位置づけ、臨時行政調査会及び二次にわたり設置された臨時行政改革推進審議会の答申等を最大限に尊重しつつ、累次にわたる行革大綱に沿って、三公社の民営化、財政の赤字国債への依存からの脱却等、逐次具体的方策を実施してきたところであります。しかしながら、国際的調和、国民生活の質的向上などのための公的規制の緩和、行政運営の透明性、公正の確保などを初めとして引き続き行政改革の推進が要請されている現下の情勢にかんがみ、新たな決意で幅広い観点から思い切った改革に取り組む必要があります。
 そのためには、各界有識者の御意見を聴取しつつ諸般の施策を推進することが重要かつ有益と考える次第であります。
 去る四月十九日をもって存置期限を迎え解散した第二次の臨時行政改革推進審議会も、その最終答申において、今後とも国民の協力を得つつ行政改革の推進を図る観点から、政府は新たに行政改革推進のための審議機関を設置する必要がある旨を提言しているところであります。
 そこで、政府といたしましては、現在国政上の最重要課題の一つである行政改革の主要課題の達成を推進するため、今般総理府に改めて「第三次行革審」ともいうべき臨時行政改革推進審議会を設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明します。
 今般設置しようとする臨時行政改革推進審議会は、行政改革に関し臨時行政調査会の行った答申並びにこれまで二次にわたり設置された臨時行政改革推進審議会の述べた意見及び行った答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申することを任務としており、審議会の意見または答申については、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないこととしております。
 審議会は、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員九人をもって組織することとしております。
 また、審議会は、行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときは、みずからその運営状況を調査することができることとしております。
 なお、審議会は臨時の機関として設置されるものであり、政令で定める本法律の施行期日から起算して三年を経過した日に廃止されることとしております。
 このほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。
 以上が臨時行政改革推進審議会設置法案の趣旨でございます。(拍手)
     ────◇─────
 臨時行政改革推進審議会設置法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#23
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。北川昌典君。
    〔北川昌典君登壇〕
#24
○北川昌典君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました臨時行政改革推進審議会設置法案について、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。
 昭和五十六年に第二臨調が発足して以来、既に十年が経過しようとしております。私は、第二臨調以来の行財政改革の軌跡を正しく総括することが最も肝要であると考えます。そこで、私は次の三点をその視点として提起いたしたいと存じます。
 第一には、行革が天の声のごとく国民に印象を与えた背景には、「総理の犯罪」と言われたロッキード汚職事件がありました。しかし、行革の推進の中で再び発生したのが、戦後最大の政権構造汚職、リクルート疑獄であります。国民の行政不信は、臨調設置以前にも増して高まっております。政府や財界主導の行財政改革は、みずからの腐敗体質を浄化できないことを国民の前に露呈させたのであります。行革の目指したものと、規制緩和、民活という行革路線の中で生まれた新たな腐敗の構造は、どのように総括されるべきでしょうか。
 第二の視点は、「増税なき財政再建」という問題であります。
 臨調始まって以来の大目標、政府の公約が薄紙を引き裂くがごとく軽々と被られたことは、行革をよりどころに長期政権を維持した中曽根内閣の売上税、竹下内閣による消費税の強行導入で明白であり、行革審もこの大増税を追認したのであります。財政再建を名目とする緊縮財政の果てが大型間接税という国民生活を圧迫する大増税であったことは、この間の行革が何であったか、重大な疑問を呈しております。
 第三には、国民から見て行政のむだは本当に解消に向かっているか、生活水準の向上が着実に進行しているかという問題であります。
 土地問題一つとっても、行革審はその効果を上げることができず、野党提案の土地基本法を骨抜きにして提唱したのみにとどまっております。年金、医療、福祉も、臨調並びに行革審は何らの提案もできず、いまだに我が国においては具体的なビジョンも総合計画も未確立の状態にあります。行革によって国民生活は潤いをもたらされたのか否か、明々白々であると考えます。
 この十年間に行われてきた行財政改革は、極めていびつで、国民が求めた改革にはこたえることができず、行政や政治への国民参加を阻害する役割すら果たしてきたと言わざるを得ないのであります。このことについて総理はどのような所見をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
 次に、新行革審は、本当にその役割にふさわしい慎重な議論と見識ある運営が行われてきたのか否かという点であります。
 第二次行革審を締めくくることし四月十八日の最終答申は、一部委員の意見申し立てにもかかわらず、五対二の採決をもって決定されました。最終答申に反対した二人の委員は行革審という権威ある機関にふさわしい委員間の議論を求めたにもかかわらず、官僚の作文がそのまま最終答申として追認されたのであります。もともと密室審議で進められた新行革審の答申は、天の声でも何でもありません。しかも、国会で委員を承認するような権威ある審議会において、わずか七人の委員の中で意見が分かれているにもかかわらず採決で答申を決するということは、行革審の権威を完全に失墜させたものと言わざるを得ません。総理はこのような異常な運営についてどうお考えであるか、総務庁長官はどのような要請を新行革審に対して行われたのか、明らかにしていただきたいと思います。
 また、政府が提案している第三次行革審においても、委員の反対を押し切り採決が行われる事態が予測されるのか否か、政府はそのような非民主的な運営を期待するのか否か、総務庁長官の明確な答弁を求めます。
 次に、政府の考える今後の行財政改革についてお伺いいたします。
 第一には、活力ある福祉社会の建設を目指すとされておりますが、十年たってもヨーロッパの水準に達しないような政府の福祉十カ年戦略では、ゴールドプランどころか、十年後には腐食が生ずる安メッキのプランにしかなり得ません。少なくともその計画については二倍の速さに短縮し、第二次プランを早急に策定すべきであります。また、時間短縮や高齢者雇用、障害者雇用の推進のための制度の確立、完全週休二日制や定年の規制法等が必要であり、医療や年金を含めた福祉の総合計画が必要と考えますが、総理はこれらの課題にどう取り組まれるのか、所信をお聞かせいただきたいと思います。
 また、行革審は、国民負担率について、二十一世紀初頭では四〇%台半ばとしておりますが、政府はこれをどう受けとめ、国民にどのような約束をされるおつもりか。さらに、二十一世紀初頭での四〇%台半ばということは、その後においてさらに上がることを想定されておられるのか、また、四〇%台の国民負担でどのような社会保障を国民に約束されるおつもりか、総理及び大蔵大臣の所見と決意をお伺いいたします。
 第二に、土地・住宅問題についてであります。
 土地税制については、政府税調において審議中、こういうことで御答弁をされるのでしょうけれども、政府税調が示さなかった消費税を導入した自民党政府でありますから、あえてお伺いいたします。
 地価暴騰の原因をつくった法人の土地投機をどのように規制し、どのようなペナルティーを科すのでしょうか。土地から生まれる利益の社会的還元の具体策は何に求められるのでしょうか。
 さらに、来年一月には再び固定資産税が大幅に引き上げられる予定になっております。年金生活者や勤労国民にこれ以上の税負担をもたらし、住宅からの追い出しを平然と行うのでしょうか。
 海部総理は、年収の五倍以内の価格、収入の二〇%以内の家賃の住宅を首都圏に百万戸建設する、こういう公約をいたしましたが、公団、公営、公社、金融公庫は、少なくともこの水準をガイドラインとして今後の施策推進をされるものと受け取ってよいのでしょうか。国民が最も関心を持っている土地・住宅であります。明確なお答えをいただきたいと存ずるのであります。(拍手)
 第三に、日米構造協議の中で、政府は、四百兆円とも五百兆円とも言われる公共投資を約束されておられます。この財源はどうされるおつもりか。地方公共団体の裏負担や単独事業の財源はどのように手当てされるお考えか。公共事業の補助負担率の暫定措置は当然廃止されるべきものと理解しておりますが、この約束は果たされるのでしょうか。また、財源問題に絡んで、NTTの株価の不安定な状況の中で、JR並びにたばこ産業の政府保有株はいつごろ放出されるおつもりか、総理の答弁を求め、あわせて大蔵大臣にも御存念をお聞かせいただきたいと思います。
 第四に、国際化時代に当たって産業として自立できる農業の確立、こう言われております。具体的にどのような方向を言うのでしょうか。
 今日、農業問題は、日本農業の再建、農村の活性化、安全で安定的食糧の供給という見地から推進されるべきであります。行革審の言う行革イコール縮小削減というイメージからの脱却が必要と考えますが、総理並びに農林大臣の見解をお尋ねいたします。
 最後に、仮に第三次行革審が設置されるにいたしましても、私は従来のような委員の選任は好ましくないと思います。
 第三次行革審は、第二次行革審の最終答申によってその設置が促されております。第二次行革審は、採決という致命的な誤りを犯しました。第一には、第二次行革審がその最終場面で荷崩れを起こした以上、前委員を再び任命することはあり得ないということであると考えます。第二に、政令で専門委員を設けるとしておりますが、リクルート疑惑の教訓を踏まえ、専門委員の選任も、政令事項であっても、公明正大さが求められるべきであります。そして、第三に、行革審においては採決もあり得るとするならば、国会同意事項である以上、九名の委員の人事については、国会の同意を得られてしかるべき人選であると考えます。
 この三点について、海部総理の所見と決意を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#25
○内閣総理大臣(海部俊樹君) お答えいたします。
 行政改革を推進するためには、御指摘のように、国民の理解と協力が不可欠なものでありまして、このため、臨調や行革審を設置をし、各界有識者の皆さんの声を十分にお聞きしながら進めてきたところでありまして、政府は、「増税なき財政再建」をてことして行政改革を推進し、この結果、財政改革の第一段階である特例公債依存体質からの脱却ができましたことや、また、三公社の民営化のほか、電気通信事業における規制緩和など、各方面で成果を上げ、役割を果たしてきたと考えております。
 また、活力ある福祉社会の建設についてのお尋ねがございましたが、福祉十カ年戦略の問題につきましては、新たな整備目標の追加や上乗せなど、具体的な目標を盛り込み、今後十年間で従来の目標を大きく上回る水準を確保しようとするものでありまして、今後は、この目標の実現に向けて推進を図ってまいりたいと思っております。
 時間短縮問題についての御指摘がございました。高齢者、障害者雇用の推進にもお話が及びましたが、活力ある経済社会を実現するために達成しなければならない国民的課題であると認識をいたしております。特に労働時間の短縮については、週休二日制の普及を基本として、また、高齢者や障害を持つ方々の厳しい雇用関係にある方々については、その促進に向けて最大限の努力を傾注していきたいと考えております。
 完全週休二日制の法的規制については、改正労働基準法に基づき、法定労働時間を段階的に縮小していく考えでございます。
 福祉の総合計画についてもお触れになりましたが、さきにお答えしましたように、昭和六十一年六月に長寿社会対策大綱を閣議決定をし、さらに、六十三年十月に国会に提出しましたいわゆる福祉ビジョンにおいて、長寿・福祉社会を実現するための基本的な考え方を明らかにしつつ、年金、医療、福祉等につき具体的に掘り下げた目標を示したところでありまして、この目標に従って政策努力を続けていきたいと考えております。
 国民負担率については、租税負担と社会保障負担とを合わせて今後のあり方の究極的なものは、国民が必要とする公共支出の水準と表裏一体の関係をなすものでありまして、受益と負担のバランスを眺めながら、そのときどきの情勢のもとで国民的な選択が行われるべき事項であると考えております。今後、高齢化社会の進展に伴い、負担率は長期的にはある程度上昇するものと考えられますけれども、新行革審の答申の趣旨を踏まえて、その上昇を極力抑えるべく今後とも最大の努力を払っていく考えでおります。
 土地基本法につきましても、土地は投機的取引の対象とされてはならないことを基本理念の一つとして明記しておるところでありまして、これの一層の強化、活用によって、監視区域制度の厳正な運用、金融機関、不動産業者に対する指導の徹底、超短期重課制度など土地税制の活用等により、今後とも投機的な土地取引の抑制には尽力してまいりたいと思います。
 土地から生まれる開発利益の還元は、社会的不公平を是正をし、社会資本整備の財源を確保するとともに、土地の資産としての有利性を減殺し、適正利用の推進を図るなどの観点からも重要でございます。そのような御指摘がありましたからお答えを申し上げておるわけでありまして、社会資本整備等の実施に伴う開発利益の社会還元について、受益者負担金制度や土地区画整理事業方式など既存制度の積極的な活用を図るほか、新たな方策について検討する旨申し合わせて積極的な取り組みを行っておるところであります。
 特に住宅問題が深刻な大都市においては、東京圏で新たに百万戸を供給することを含め、総合的な住宅・宅地促進策を強力に展開してまいる考えであります。
 固定資産税の評価がえにつきましては、その固定資産税の本来の性格を考慮して、その均衡化、適正化が推進されるように努めてまいりたいと考えますが、評価がえに伴う負担増に対しては、従来からもなだらかな負担増となるよう一定の負担調整措置を講じてきておるところでありますが、平成三年度の評価がえにおいても、その状況などを見きわめながら適切に対処してまいります。
 第三次行革審の委員選任の考え方については、各界有識者の声を広く聞き、行政改革に関する世論の結集を求めることが必要であり、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者を広く各界から登用することが重要であると考えておるところであります。
 なお、御指摘の専門委員の必要性については、今後十分に検討を続けていきたいと考えております。
 残余の問題については、関係大臣から答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣塩崎潤君登壇〕
#26
○国務大臣(塩崎潤君) 北川議員にお答えいたします。
 まず、去る四月十九日をもって解散いたしました新行革審は、その三年間にわたりまして、行財政改革全般にわたり、その推進に大きな貢献を果たしてこられたものと高く評価し、また敬意を表するものであります。
 その最終答申についても、今後の行財政改革の基本的方向を示すものとして重要な提言であると考えております。政府としては、これを最大限に尊重して、逐次その実現に努めることといたしております。
 新行革審は、この最終答申の決定に当たっては、各委員ともに国民の立場に立って真摯に論議を尽くし、その上で、合議機関としての適切な手続に従って決定されたものと承知しております。その答申の意義はいささかも薄れるものではないと理解しているところであります。
 なお、政府といたしましては、審議会の審議、決定などの運営については、従来から審議会自身の御見識と御判断にゆだねるべきものと考えてきたところでありまして、新行革審に対しましても、同じくこの立場を遵守し、その運営について特段の要請は行っておりません。
 さらに、現在提案を申し上げております第三次行革審についても、その審議、決定などの運営については、審議会自身の御見識と御判断に基づき、審議会においてお決めいただくべきものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 北川議員からの御質問のうち、一番最初にお答えをいたすべき、二十一世紀初頭及びその後における国民負担率につきましては、先刻総理が御答弁をされました。
 そこで、今後の国民負担の水準を考えてまいります上で、社会保障との関係をどのように考えていくかということは、確かに議員の御指摘どおり大切な問題であります。今後の高齢化社会の進展などに伴いまして、社会保障にかかる費用も増大していく、当然考えられることでありまして、これに伴い、国民負担率も長期的にはある程度上昇するものと考えられますが、新行革審答申、また財政審報告の趣旨などを踏まえ、国民負担率の上昇を極力抑制すべく今後とも最大限の努力を払っていく必要があると考えております。
 国民負担率との関係におきまして、今後社会保障の水準、あり方をどのように考えるかにつきましては、国民負担のあり方が、究極的には、社会保障の水準だけではなく、国民が必要とされる他の歳出を含めた全体としての公共支出の水準と表裏をなすものでありますから、受益と負担のバランスを考えながら、そのときどきの情勢のもとで国民的な選択が行われるべき事項であると考えております。
 いずれにもせよ、社会保障につきましては、今後の高齢化社会をすべての国民が健康で生きがいと喜びを持って過ごすことのできるような水準を確保していく必要があるわけであり、その際、これを実現するための国民の負担を経済の発展、社会の活力を損なわない程度にとどめることが必要であると考えております。
 また、日米構造協議につきまして金額にお触れになった御質問がございましたが、今、構造協議の中間報告におきまして、公共投資の十カ年計画の取りまとめを我々は決心をしておるわけでありますが、この作業につきましては、経済企画庁を中心として作業が進行中であります。
 しかし一方、我が国は、先進国中最高水準の国債残高を抱えているのでありまして、確実に到来をいたします高齢化社会に大きな負担を残さないようにするためには、国債残高の累増の抑制を図ることが重要な政策課題であります。
 この観点から、特例公債発行下において続けられてまいりました建設公債を公債発行限度額いっぱい発行いたします財政運営というものは、特例公債を発行していた時代における緊急避難的な措置としてはやむを得なかったものではありますが、世代間の負担の公平を確保し、また再び特例公債を発行することがないようにしていかなければならない今日の我々として、特例公債依存体質脱却後におきましては、早急にこれを是正し、社会資本整備の財源として税財源をできるだけ充当し、公債依存度を引き下げていく必要があると考えております。
 いずれにもせよ、社会資本の整備につきましては、今後中長期的な課題として着実にその充実を図る必要がありますが、各年度における公共投資の水準やその財源をどうするかということにつきましては、各年度の予算編成の過程におきまして、歳入歳出両面にわたる財政状況、またその時期その時期の経済情勢というものを十分総合的に判断して決めていくべきものであると考えております。
 また、地方公共団体の財政についてのお尋ねでありますが、従来から、地方財政につきましては、その円滑な運営に支障を生ずることのないよう、各年度の地方財政計画を適正に作成しているところでありまして、引き続き、公共投資に必要な経
費を含め、地方財政につきましては、各年度の地方財政計画の策定を通じて適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、公共事業などの補助率などにつきまして、国の財政は今申し上げましたとおりなお大変厳しい運営を迫られると考えておりますし、事業費確保の要請に当面基本的な変化がないと考えられることなどから、平成二年度までの暫定措置として昭和六十三年度の補助率等を適用することとしております。暫定期間終了後の取り扱いにつきましては、関係省庁間の検討会において総合的に検討を現在行っております。
 また、JR株式につきましてお尋ねがございました。
 昨年十二月十九日の閣議決定におきまして、JR株式というものにつきましてはできる限り早くかつ効果的な処分を行うこととする、遅くとも平成三年度にJR株式の処分を開始する方向で早急に調整を図り、多角的な視点から検討、準備を行うと決めてまいりました。具体的な処分の時期等につきましては、今後のJR各社の経営状況、株式市場の動向などを見きわめつつ検討していくべき課題であると考えております。
 また、日本たばこ産業株式会社の株式の売却につきましては、たばこ事業の関係者に不安を与えることのないように、会社の経営の実態、たばこ事業の実態などを踏まえて慎重に検討を進めているところでありまして、平成二年度に売却を実施することは予定をいたしておりません。
 また、今後たばこ消費の停滞、輸入たばこの販売シェアの拡大など厳しい経営環境のもとにおきまして、たばこ産業株式会社として経営基盤の強化に向けての努力を進められているところでありまして、この結果として株式が売却できる状況になることができるように、その日の来ることを期待しているところであります。(拍手)
    〔国務大臣山本富雄君登壇〕
#28
○国務大臣(山本富雄君) 北川議員の御質問にお答え申し上げます。
 経済社会の国際化が進む中で、我が国農業の健全な発展を図るためには、昭和六十一年十一月の農政審報告にあるように、産業として自立し得る農業を確立するよう、生産性向上の促進を図り、効率性の高い農業構造を確立することが必要であります。今回の新行革審答申は、これと同じ趣旨のものと理解をしております。
 このため、今後の農政の推進に当たりましては、経営感覚や技術にすぐれた担い手の育成、経営規模の拡大や生産の組織化、生産基盤の整備、バイオテクノロジー等先端技術の開発普及など、諸般の施策を総合的に進めてまいります。
 また、生活環境の整備や就業機会の確保等を通じ、農村の活性化を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(櫻内義雄君) 菅原喜重郎君。
    〔菅原喜重郎君登壇〕
#30
○菅原喜重郎君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました臨時行政改革推進審議会設置法案に関し、総理並びに関係大臣に質問を行うものであります。
 臨調は、昭和五十六年に発足以来九年間、「増税なき財政再建」をてこに、再建第一段階の達成、国鉄、電電、専売など三公社の民営化、年金、医療制度の改革等、一応の成果をおさめましたが、しかし、新行革審の最終答申でも指摘され、また、政府自身も答弁で認めているように、行政改革はいまだ道半ばであります。
 総理、あなたは国政の最重要課題として政治改革を積極的に推進する姿勢を見せておられます。政治資金や選挙制度の改革にも確固たる意志をのぞかせていますが、政治に対する国民の信頼を取り戻し、より豊かな社会形成のために健全なる国民の意識を涵養する、税制を含めた土地対策、地方分権や民間活力を妨げている中央集権機構の改革、陳情行政のもとになっている補助金、許認可権の行使とこれによって生ずる政官財の癒着構造の打破、総合調整機能を強化する方向での縦割り行政の改善、林業、漁業を含む農政の近代化などについて、これまでの慣習にこだわらず、大胆な発想に基づく行政改革の断行こそが今必要であります。海部総理のこの点についての認識をまずお聞きしたいのであります。
 中でも、規制緩和の推進につきましては、一昨年十二月の規制緩和推進要綱の閣議決定と昨年十二月の平成二年度行革大綱の閣議決定など、政府として積極的に推進するという姿勢は評価されるわけであります。しかし、実態は、平成元年度末いまだ一万四百四十一項目もの許認可科目が減らずに存在しております。また、何度も足を運ぶ陳情行政、さらに補助金申請のため、例えば公共下水道の場合、実施計画書の作成に四人で百日間、交付申請書は二人で二十日間、人件費換算で四百万円という報告もあるように、我が国は官公庁の統制支配社会となっています。経済的、社会的必要性を速やかに検討し、整理していくことを求めるものであります。
 また、行政上の申請あるいは処分等の手続の整備は、行政運営の公正と透明性を確保し、国民権利の保護を図るとともに、行政に対する国内外からの信頼を確保するために早期に行われるべきであります。そのためには、処分期日、理由付記を定めた行政手続法の制定が必要であります。総理の御見解はいかがでありましょうか。
 次に、地方自治の改革を図るために地方自治への権限移譲を積極的に推進していくべきであります。あわせてシティーマネジャーシステムを導入すべきであると考えるものであります。
 この制度は、かつてアメリカが一九二〇年代、行政の積年の赤字と汚職に悩んだとき、このシステムの導入によって財政の再建と行政の浄化がな
されたと言われているものであります。幸い我が国においては、マネジャーに国と県の管理職クラスの公務員が十分対応できるよう育成されておりますし、平成元年十二月に、地方制度調査会の「小規模町村のあり方についての答申」の中にも、いわゆる支配人制の導入等の基本的な組織形態のあり方も検討するよう触れられております。この点についても総理の所見を伺いたいと思います。
 次に、林野行政問題でありますが、その中で特に総理の所見を伺いたいことは、森林による国土保全についてであります。
 現在、世界的な規模で地球環境の保全が重視されているわけでありますが、熱帯林の減少や酸性雨による森林被害の増大が人類全体の生存にかかわる問題とされております。
 我が国の森林面積は国土の三分の二を占め、大気浄化や水資源の確保など公益的機能に果たしている役割は多大で、経済ベースでの試算でも二十数兆円の恩恵を国民に与えていると言われております。しかしながら、森林・林業、林産業に携わる労働者は年々減少化、老齢化の現象を強め、国有林、民有林を問わず、我が国の森林・林業は衰退の一途をたどらざるを得ない状況に追い込まれております。我が国の森林を守るための施策、とりわけ国有林野事業特別会計の二兆七百二十六億円もの累積債務の解消は、緊急の課題だと言わなければなりません。
 緑の平和的国土防衛費という観点に立って、国有林野事業のサラ金財政の解消を含め、森林保全への安定的な投資と施業改善をする必要性について、総理の見解を求めるものであります。
 今日、経済大国になった日本ですが、昨年後半からの世界の変動とそれは続く株式、債券、為替のトリプル安は、資本大国としての日本の信頼性の弱さをあらわし、これにより時価総額百八十兆円が消えたと言われ、その一因に利上げの際の大蔵と日銀の不手際も指摘されています。財政無策と警鐘もされますが、むしろ当局の規制を緩め、自由な金利機能が働く市場形成を求められてもいます。
 また、地価高騰は、バブルの地価と言われても、ジャパン・マネーとも関連するストック資産の形成でもありますから、その対応には知恵を必要とします。しかし、この地価高騰は、大都市地域ではもはや一般の勤労者が新たに住宅を取得することを不可能にし、蓄積の要因でもあるマイホーム取得の夢を破り、持てる者と持たない者との資産格差を決定的なものといたしました。さらに、このことは、公平、公正であるべき税負担において、特に住民税などは、土地を持たざるサラリーマンの公共社会負担の比率増大となり、勤労者一揆が起きても不思議でないと思うものであります。
 そこで、土地資産の評価がえには周辺地価にできるだけ見合った価格評価をなしていくと同時に、住民税の引き下げ、居住家屋等専用宅地への税率軽減は、現行法内で措置できるものでありますので、ぜひ実行すべきと思います。政府の見解を伺うものであります。
 行政改革を推進するに当たっては、全体としての公的部門の意味での行財政規模、中央省庁のあり方そのものを再検討することが必要であります。
 公務員定数の規模からすれば、サミット開催国の中で我が国は最低であります。すなわち、一般政府の支出がGNPに占める公的規模を見ますと、西ドイツやフランスは約四五%、アメリカは三五%に比べ、我が国は約三〇%であります。公務員数が全就業人口千人当たりに占める数は、西ドイツやアメリカは約二百人、フランス約百七十人に対し、日本は百人と非常に小さいわけであります。
 この観点からすれば、日本は既に小さな政府と言えるわけでありますが、しかしながら、時代の変化、行政需要の変化に即応した定員管理は適正に実施されるべきであり、最近の法務省所管の出入国に関する部門の要員不足は、国際関係の上でも重要な問題と言われておるわけであります。公務員の定員管理について総務庁としていかなる方針をお持ちか、総務庁長官にお伺いするものであります。
 また、国家公務員の採用試験に際し視覚障害者の点字試験を導入すべきと思いますが、政府の方針をお伺いいたしたいと思います。
 総理、行政改革は、時代の変化や社会経済情勢の進展に伴って不断に対処していかなければならない課題であり、同時に、高度な福祉社会の建設と国際社会への貢献という確固たる目的を持って行わなければなりません。
 総理、この際、行政改革の理念及び目的、国と地方公共団体の責務、行政改革の原則等を明らかにした行政改革基本法の制定を提唱するものでありますが、総理の行政改革に対する不退転の決意と御見解をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#31
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 菅原議員にお答えを申し上げます。
 冒頭、政治に対する国民の信頼を取り戻すためには行政改革の断行が必要ではないか、その認識を持っておるかという角度のお尋ねでございました。
 二十一世紀を展望した活力ある経済社会を構築していくため、第二次行革審の最終答申をいただき、今後の我が国行政の目指すべき目標として、この答申を最大限に尊重し、国と地方を通ずる行財政の改革を引き続き推進する旨の基本方針を既に閣議決定をいたしておりますが、本日の御質問の御趣旨も踏まえ、今後とも新たな気持ちで行政改革の推進に当たってまいる決意でございます。
 森林についてお触れにたりましたが、森林は、木材生産はもとより、国土の保全、水資源の涵養
などの公益的機能を有しており、森林を整備していくことは極めて重要と考えております。このため、今後とも、林業生産基盤の整備、森林の整備保全と総合利用の促進、林業担い手の育成と山村の活性化などの施策を講じてまいる考えでおりますが、特に国有林野事業については、経営の健全化を確立するため、累積債務対策を含めた総合的対応策について、現在林政審議会において具体策の検討を願っておるところであります。
 行政改革に基本法をつくってはどうかという御指摘がございました。
 行政改革は、不断に行政の見直しを進め、簡素で効率的な行政の実現を目指すものでございます。行政の課題、重点の置き方などは変化し得るところでありまして、これに弾力的、機動的に対応する必要もございます。このために、行政改革の基本原則などを法律で固定的に規定してしまうことはいかがなものかと私は考えております。
 残余の問題については、担当大臣より答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
#32
○国務大臣(奥田敬和君) 総理への質問の中で、自治省関連分について菅原議員にお答えいたします。
 地方への権限委譲等につきましては、昨年十二月の行革審の「国と地方の関係等に関する答申」を受けまして、政府において改革推進要綱を閣議決定したところでございます。
 要綱に掲げられた事項につきましては、例えば公有水面埋立免許に係る国の認可対象の縮小が既に実施されておりますほか、特別養護老人ホーム等への入所措置権の町村への権限委譲につきまして、現在関係法案が国会に提出されております。
 その他の事項についても、例えば農地転用許可権限の一部都道府県知事への委譲が行われましたし、都市計画について市町村が決定する範囲の拡大など、着実に実施されるものと見ております。
 今後とも、地方への権限委譲が一層推進されるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、シティーマネジャーシステムの導入についてのお尋ねでございました。
 いわゆるシティーマネジャー制度につきましては、昨年十二月、地方制度調査会の「小規模町村のあり方についての答申」におきまして、組織形態の簡素効率化が行われるよう、今後検討すべき課題とされているところでございます。本制度は、市町村の行政制度の根幹にかかわる重要な問題でもありますので、今後ともいろいろな観点から検討を重ねてまいる所存でございます。
 なお、固定資産税の見直し強化等、住民税等の軽減を図ることはどうかという御質問でございました。
 まあしかし、固定資産税は、資産の保有を前提にいたしまして毎年課税する市町村の基幹的な税でもございます。今後とも、この税の性格に即した評価の均衡化、適正化、先ほど総理は御答弁の中で、なだらかに変えていくべきものであるという、その方向で考えております。
 また、仮に固定資産税を強化してあるいは住民減税に回すというようなことをすれば、大都市ではプラスでございますけれども、地方ではマイナスとなり、税収格差を一層拡大することになるのではなかろうかと危惧いたします。また、納税者レベルで見た場合、例えば年金生活者などにとっては、固定資産税の増加分を住民税の軽減分によってカバーできないケースも生ずるなど、いろいろな問題が起きることが予想されますので、慎重に検討、対処すべきものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣塩崎潤君登壇〕
#33
○国務大臣(塩崎潤君) 菅原議員にお答えいたします。
 第一に、許認可の整理についてであります。
 許認可等については、社会経済情勢の変化に対応して不断の見直しを行うとともに、新設されるものは真に必要なものに限定される必要があります。このような観点から、既に、政府内部において許認可等の新設の審査及び定期的な見直しについての具体的な方針を申し合わせ、各省庁が着実な実施に努めてきているところであります。
 さらに、許認可等を含め広く公的規制について、その制度、運用の改善を図るため、第二次行革審の答申に基づきまして規制緩和推進要綱を策定し、その実施に努めてきておりますが、今後ともその一層の推進に努めてまいる所存であります。
 第二に、行政手続法を制定すべしというお尋ねでございます。
 臨調答申が行政改革を進める観点の一つとして信頼性の確保を掲げておりますように、行政に対する国民の信頼を確保することは、行政運営の当然の基本であります。
 第二次行革審最終答申におきましても、行政の透明性の向上、公正の確保等を図るため、行政手続の統一的な整備に向けて、専門的な調査審議機関を設置し、検討すべき旨の提言をいたしております。政府といたしましては、この答申の趣旨に沿って前向きに取り組んでまいる所存であります。
 第三に、今後の定員管理の基本方針についてであります。
 国家公務員の定員につきましては、政府は、従来から、厳しい行財政事情を踏まえ、定員削減計画を推進する一方、真に必要な部門に対応するための所要の増員を措置しつつ、行政需要の消長に対応した政府部内の定員の再配置を強力に推進してきたところであります。
 今後とも、先般の第二次行革審最終答申を踏まえ、行政需要の動向、行政の適正かつ円滑な運営等に十分配慮し、引き続き厳正な定員管理を行って、総数の膨脹を抑制しつつ、定員の適正配置を進めてまいる所存であります。
 第四に、点字試験による国家公務員の採用についてお尋ねがございました。
 視覚障害者の点字試験は現在実施されておりませんが、今後人事院において検討を進める、こんなふうに伺っております。(拍手)
#34
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
#35
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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