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1989/12/12 第116回国会 参議院 参議院会議録情報 第116回国会 地方行政委員会 第2号
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1989/12/12 第116回国会 参議院

参議院会議録情報 第116回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第116回国会 地方行政委員会 第2号
平成元年十二月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     清水嘉与子君     斎藤栄三郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 四郎君
    理 事
                竹山  裕君
                松浦  功君
                渕上 貞雄君
                諫山  博君
    委 員
                井上 章平君
                岩崎 純三君
                加藤 武徳君
                須藤良太郎君
                野村 五男君
                岩本 久人君
                栗村 和夫君
                佐藤 三吾君
                篠崎 年子君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                高井 和伸君
                秋山  肇君
   衆議院議員
       修正案提出者   渡海紀三朗君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    渡部 恒三君
   政府委員
       警察庁長官    金澤 昭雄君
       警察庁長官官房
       長        浅野信二郎君
       警察庁警務局長  仁平 圀雄君
       警察庁刑事局長  中門  弘君
       警察庁刑事局保
       安部長      森廣 英一君
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       警察庁警備局長  城内 康光君
       厚生大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   森  仁美君
       自治大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   遠藤 安彦君
       自治省行政局長  森  繁一君
       自治省行政局公
       務員部長     滝   実君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
       自治省財政局長  持永 堯民君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       総務庁恩給局審
       議課長      大坪 正彦君
       大蔵省主計局共
       済課長      乾  文男君
       大蔵省主計局主
       計企画官     原口 恒和君
       文部省体育局学
       校健康教育課長  石川  晋君
       厚生大臣官房参
       事官       浅野 楢悦君
       厚生省年金局企
       画課長      阿部 正俊君
       建設省都市局都
       市再開発課長   安達常太郎君
       自治大臣官房審
       議官       石田  淳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案(第百十四回国会内閣提出、第百十六回国会衆議院送付)
○地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百十四回国会内閣提出、第百十六回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月六日、清水嘉与子君が委員を辞任され、その補欠として斎藤栄三郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺四郎君) これより道路交通法の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、道路交通法の一部を改正する法律案の趣旨説明を政府から聴取いたします。渡部国務大臣。
#4
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における交通事故の実情にかんがみ、自動車等の運転について必要な技能及び知識が十分でない初心運転者による交通事故を防止し、その他交通の安全を図るため、初心運転者が自動車等の安全な運転に習熟することを助長するための初心運転者期間制度及び運転免許の取り消し処分を受けたことがある者等に対する講習制度を導入すること等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 まず、第一に初心運転者期間制度の新設であります。
 これは、免許取得後一年未満の初心運転者による事故が特に多いことにかんがみ、初心運転者に慎重に運転するよう動機づけを行うとともに、自動車等の運転について必要な技能及び知識が十分でないと認められる初心運転者については、適切な教育を実施し、以後の事故防止を図ろうとするものであります。
 その一は、普通自動車免許、自動二輪車免許または原動機つき自転車免許を受けた者については、免許の種類ごとにその取得後の一年間を初心運転者期間とし、その間に道路交通法等に違反する行為をし、政令で定める基準に該当することになった者について、公安委員会は、初心運転者講習を行うこととするものであります。
 その二は、公安委員会は、初心運転者講習対象者が、初心運転者講習を受けなかった場合、及び初心運転者講習受講後初心運転者期間が経過するまでの間に道路交通法等に違反する行為をし、政令で定める基準に該当することとなった場合は、初心運転者期間経過後、再試験を行うこととするものであります。
 その三は、公安委員会は、再試験の結果免許を受けた自動車等を安全に運転することができないと認められる者、または再試験を正当な理由なく受けないと認められる者については、その者の当該免許を取り消さなければならないこととするものであります。
 第二に、運転免許の取り消し処分を受けたことがある者等に係る運転免許試験の受験資格に関する規定の整備であります。
 これは、運転免許の取り消し等の処分を受けたことがある者の免許再取得後の事故率が高いことにかんがみ、これらの者に対して適切な教育を実施し、その事故防止を図ろうとするものであります。
 すなわち、運転免許の拒否もしくは取り消しまたは六月を超える期間の運転の禁止の処分を受けたことがある者は、過去一年以内に公安委員会の行う取り消し処分者講習を受けていなければ、運転免許試験を受けることができないこととするものであります。
 その他、公安委員会は、その指定する者に、初心運転者講習及び取り消し処分者講習を行わせることができることとする等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行日は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#5
○委員長(渡辺四郎君) 次に、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の趣旨説明を政府から聴取いたします。渡部自治大臣。
#6
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における社会経済情勢にかんがみ、地方公務員等共済組合法に基づく長期給付について給付の改善を図るとともに、平成元年度における特例としての年金額の改定の措置を講ずるほか、公立学校共済組合及び警察共済組合の地方公務員共済組合連合会への加入に係る措置等を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、地方公務員等共済組合法の長期給付について、平成元年十月より厚生年金及び国家公務員等共済年金と同様に、年金額の引き上げ等の改善措置を講ずることとしております。
 第二に、地方公務員等共済組合法の年金の額について、厚生年金及び国民年金と同様に、平成元年度における特例として、同年四月分より、昭和六十三年の対前年消費者物価上昇率を基準として年金額を改定する措置を講ずることとしております。
 第三に、短期給付について、健康保険組合及び国家公務員等共済組合の取り扱いを勘案し、事業主の負担を財源とする新たな財政調整事業を平成二年四月から実施する措置を講ずることとしております。
 第四に、地方公務員共済組合の長期給付に係る業務の適正かつ円滑な運営に資するため、地方公務員共済組合連合会について、平成二年四月一日から、新たに公立学校共済組合及び警察共済組合が加入するための所要の措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(渡辺四郎君) 次に、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員渡海紀三朗君から説明を聴取いたします。渡海紀三朗君。
#8
○衆議院議員(渡海紀三朗君) ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正の理由とその内容について御説明申し上げます。
 第一は、年金額算定に係る平均給料月額等の再評価等による年金額の改善措置についてであります。
 政府原案におきましては、地方公務員等共済組合法に基づく年金給付について、平均給料月額等の再評価等による年金額の改善措置を平成元年十月一日から施行することとしておりますが、年金受給者の生活実態等を勘案して、本修正案では、平成元年四月一日に繰り上げて実施することといたしております。
 第二は、在職中に支給される退職共済年金等の支給割合についてであります。
 政府原案におきましては、在職中に支給される退職共済年金等の支給割合を三段階から五段階とすることとしておりますが、支給割合をさらになだらかにするため、本修正案ではこの支給割合を七段階に改めることといたしております。
 第三は、施行期日についてであります。
 政府原案におきましては、平成元年十月一日と定められている施行期日が既に経過しているため、本修正案では、施行期日を公布の日に改めるとともに、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が衆議院における修正の概要であります。
#9
○委員長(渡辺四郎君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより両案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○渕上貞雄君 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案に入る前に、最近の幾つかの状況についてまず質問をしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 その第一点は、ここ近々のうちにマスコミ等で発表されておりますように、犯歴照会の極秘データが信販会社に流れていることについて御質問申し上げたいと思います。
 去る十二月の八日各新聞、同じく十二月九日付の新聞で、大手信販会社セントラルファイナンス、本社名古屋市、の高松支店などで香川県警のOBの、既に退職をされ、信販会社に就職をされている元刑事課の係長さんが、警察庁の内部資料である個人の犯歴照会データを同県警などから継続的に入手していた。それらの資料を同支店ではこのOBが入社する以前にも別の警察のOBが入手して、このデータに基づき契約をストップしたり、データを取り立て不能の資料としたり、本社や広島、中国地方にそれらの情報が送られていたと報道されています。
 また、十二月十日、十一日には、同社の近畿地区本部で、同じく大阪府警のOBの方が、親しい部下から情報を入手することが警察OBのできる仕事だとして、極秘情報を大阪府警現職警察官から入手したことを認めている報道もなされております。
 この極秘情報は高松支店だけでなく、担当の他の支店にも流していた事実が報道されていますけれども、これらは大変な問題でございまして、昨日のニュースでもございましたように、重大な人権問題ではないかというふうに考えるわけであります。情報がほかに使用され、そのことによって結婚が破談になったり、クレジット債務不履行者の息子がそれらの信販機関からの情報漏れで就職を断られた話も報道をされているところであります。
 また、高松支店の犯歴照会データでも、四国在住の三十一歳のセールスマン、同じく二十五歳のホステスの方が身体の特徴や被疑者の指紋コードや番号や犯歴の照会をされているなど、絶対に許しがたい人権侵害が行われているようであるし、報道のとおりだとすれば、私はゆゆしき問題であると思うわけであります。
 したがいまして、どのような方法で情報が具体的に外部に漏れたのか、警察庁として現在まで捜査の状況についてどのような認識を持っておるのか、事実関係についてできればお願いします。
#11
○政府委員(浅野信二郎君) ただいまお尋ねの件でございますが、香川県警察と大阪府警察におきましては、現在事実関係を究明中でございまして、その詳細についてはまだ明らかになってないところも多いわけでございますけれども、香川県警及び大阪府警の元警察官が再就職先の信販会社での資料とするために、それぞれの警察に勤務する職員を介しまして個人情報の提供を受けていたという事実があった旨の報告を受けております。
#12
○渕上貞雄君 今捜査中の段階でなかなか難しいことだとは思いますけれども、かなり具体的にマスコミで報道されておりますので、資料の入手方法ですね、犯罪捜査上、警察官であればだれでも自由にとれると思いますけれども、しかし、そういうような情報というものは一カ所に集められているだけに、具体的にどのようにすればそういう情報というのがとれるのか、その入手の方法についてお願いします。
#13
○政府委員(浅野信二郎君) 香川県警と大阪府警の元警察官からの事情聴取の結果によりますと、それぞれの警察に勤務する複数の知り合いの職員を介しまして、個人情報が印字された資料の提供を受けたり、あるいは電話により個人情報の内容を知らせてもらったということでございます。
#14
○渕上貞雄君 それでは、そういう個人的や電話の情報によってその警察官が持ち得る情報というものを、OBであるからといって渡してはならない情報などもあることは事実だと思いますけれども、そういうような情報の管理といいましょうか、それはどのようになっているんでしょうか。
#15
○政府委員(浅野信二郎君) 警察庁といたしましては、個人情報の安全確保のために、出力資料の複写の禁止、部外提供の禁止、端末機を設置してある部屋への入退室の記録等による管理などの措置をとることを通達をもって都道府県警察に指導を徹底してきたところであります。これに基づきまして各都道府県警察におきましては、具体的な管理の要領を定めるなど情報管理の安全確保につきましては平素から努めているところでございます。
#16
○渕上貞雄君 ただいま具体的にそういうプライバシーの保護や機密文書の扱い等について通達を出されたと言われますけれども、いつの時期にどういう形でお出しになったんでしょうか。
#17
○政府委員(浅野信二郎君) こういう個人情報の安全管理というのは私どもにとっても大変大事なことだと思っておりますので、ちょっといつからということは、こういうことを始めたころからいろいろ出しております。そのときどきの情勢に応じましていろいろ情報管理の仕方なんかも変わりますから、それに応じた修正というようなことはいろいろな機会にやってきておるところでございます。
 なお、特に今回の事態につきましては、大変重要な問題として深刻に受けとめまして、昨日の段階で個人情報保護の重要性の各警察職員への周知徹底と情報管理業務の調査、点検を指示する、そういう内容の通達を各都道府県警察に対して発出したところでございます。
#18
○渕上貞雄君 昨日の段階で出されたようでありますけれども、では、事件が起きまして警察庁として大阪府警、香川県警にどのような御指導と助言といいましょうか、犯歴資料というのは既に一カ所に集められておると思いますので、全国どこでも照会ができるのではないかという認識を持っています。したがいまして、大手信販会社も全国に支店等を持っているわけですから、今回のように極秘データの資料というものが全国の信販会社に流れているというふうに思っても過言ではないと思います。一部香川県や大阪府警だけではないと思いますけれども、その点についてはどうでございましょうか。
#19
○政府委員(浅野信二郎君) ただいま香川県警、大阪府警につきましては、事実の究明というものを徹底して行ってもらうようにこちらから指導しております。
 なお、他の府県につきましてはこういう事案は、我々としては知って大変驚いたわけでありますから、そういうことはないとは思いますけれども、この安全対策というのをこういうことが起こりました以上さらに徹底して行わなければいけないということで、昨日、調査、点検等の指示を出したということでございます。
#20
○渕上貞雄君 新聞の発表によりますと、かなり詳しいその人の属人的ないろんな要件というものが記されておるようでありますけれども、照会をしてくる警察官に対するチェック体制といいましょうか、そういう基本的なプライバシーにかかわる問題、人権にかかわるような問題の資料について、幾ら内部で知っておるといったにしても、警察官であるから犯罪捜査上必要だからということだけで簡単にとれるものかどうなのか。例えばそういう資料の請求のあり方といいましょうか、仕方といいましょうか、そういうものはどういうふうになっているんでしょうか。
#21
○政府委員(浅野信二郎君) 請求は、警察官が職務の必要なときに例えば照会センター等に照会して、これは非常に早く要る場合もありますので、そういうことも考えた体制をつくらなければいけないというのは御理解いただけるというふうに思います。先ほど申し上げましたように、現在両府県警で事実の究明中でございまして、我々も細部の改善すべき点があるかどうかというのは、事実の究明ができるだけ早く終わるのを待ちまして、いろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。
#22
○渕上貞雄君 先ほどの御答弁で、絶対に外部に漏らしてはならないという御答弁があったと思いますけれども、では外部に漏らしてはならないという処置について、本人が言わなければいいということであるのかどうなのか。例えば具体的に書類等が出てくると思いますけれども、そういう出てきた書類の管理等についてはどうなっているんでしょうか。
#23
○政府委員(浅野信二郎君) 端末機では、電話で照会に答えて内容だけを返答する場合もございますし、その書類そのものが必要だということで印字したものを出す場合もあるわけでございますけれども、こういうふうにして出てきました印字した資料につきましては、これはもう通常の文書取り扱いの厳重な安全管理という形で処置しております。
#24
○渕上貞雄君 そういう個人のプライバシーや人権にかかわるような書類の扱いについてほどうなっていますか。
#25
○政府委員(浅野信二郎君) ちょっと御趣旨が私も理解できないところがあったかもしれませんけれども、要するにそういう書類につきましては、警察の中では外部に漏れないように常に気をつけているというのは当然のことだと思っております。
#26
○渕上貞雄君 内部ではやっぱり極秘扱いということになっているのでございましょうか。
#27
○政府委員(浅野信二郎君) 秘密文書の扱いというのはそれなりのやり方を持っておりますけれども、極秘という言葉が出ておりますけれども、特にそういう言葉を私どもの方が使っているということではございません。しかし、外部に対してはそれは秘密を守るべきものであるというのはもうそのとおりでございます。
#28
○渕上貞雄君 それらと同時にあわせまして、今度事件が起きましたファイナンス会社におきましても、パチンコ問題同様幹部の方が再就職していると思うんですけれども、パチンコ事件のときにも問題が明らかになるに従って、警察の元大幹部の方がそういうところに役員として、幹部として就職していることが明らかになりました。事件が発生するたんびに、公正公平であるべき警察の日常の活動というものに対して、やはり国民として警察に対する不信感みたいなものが何か徐々にわいてくるような気がするわけです。
 今回の場合も、セントラルファイナンスの中だけでも地区本部に九人の警察のOBの方が就職をしておられますし、調査役として入っているようであります。私は、警察官みんなが再就職してはならないなどと考えておるわけではありませんし、一回退職されればそれだけのことでありますけれども、結局こういう事件が起きると、やっぱりそういう目ではだんだん見なくなるものですから、警察のOBから金融機関への再就職の状況について、どのような業種と人数と、とりわけ信販会社ではどういうふうになっているのか、調査でわかれば明らかにしていただきたいと思います。
#29
○政府委員(仁平圀雄君) 警察庁関係と都道府県警察の関係とあるわけでございますが、まず、警察庁の関係でございますが、警察庁があっせんして金融機関、信販会社へ就職しております警察庁OBの数は十二名でございます。そのうち信販会社の関係は二名であります。また、都道府県警察OBの金融機関、信販会社への就職状況につきましては、これは本人が直接就職先を探している場合が相当数あること、また就職した者が途中で退職している場合もあることなどの事情がございまして、警察庁といたしましてその全貌を把握することは極めて困難な状況にあるわけでありますが、警察官は大変まじめで信用がございますので、この種の業界にも相当多数再就職しておるのではないかと思っております。
#30
○渕上貞雄君 もちろん一般的な認識としては警察官は本当にまじめにやっていますよ。信用もあると思いますね。私は、自分の小さいときに大変警察にお世話になりましたから、それらの人とお話をしてみ、同時に生活を見ていますので、本当に苦労されている方が多いと思いますけれども、それだけに、やはりこういう事件が起きますと、社会からの批判というのは大変強くなるわけであります。
 もう一度、同じような内容でございますけれども、信販会社の関係の業者団体への警察OBの天下りの状況について、一つは日本クレジット産業協会、二つ目には全国信販協会、三つ目にはクレジットカード協会、これらの三つのところについて具体的に人数がおわかりになればお知らせ願いたいと思います。それからなお、信用情報機関といいましょうか、そういうところに警察官のOBが就職されておればそれらも明らかにしていただきたいと思います。
#31
○政府委員(仁平圀雄君) ただいまお尋ねの三つの協会へ就職いたしております警察OBは現在のところいないものと承知しております。その他信用調査機関への就職状況についてはその実態を掌握しておりません。
#32
○渕上貞雄君 今まで問題になりましたように、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律というのが昭和六十三年十二月十六日法律九十五号で制定されていると思いますけれども、個人の情報の安全確保について努力目標ということになっていますけれども、罰則規定がありませんね。しかし地方公務員法の守秘義務というのは、これは明確になっているわけでありますから、この個人情報の保護に関する法律についての認識とそういう地方公務員の守秘義務に対する関係の認識についてどのように思っておられるかお答えを願います。
#33
○政府委員(浅野信二郎君) ただいま御質問にございました昭和六十三年十二月十六日法律第九十五号、いわゆる個人情報保護法という略称で言っておりますが、これは直接国の行政機関を対象とするものではありますが、こういう法律が制定されたということから見ましても、情報化社会におきます個人情報の保護が重要であるということがそういう形でさらに明らかになったという点もございますので、この法律の制定及び施行に際しましては、通達で内容を知らせるとともに、特にこの安全管理については一層徹底するということを指導しておりますし、また各種いろいろな会議が警察の会議でもございますが、これの制定、施行ということに関連いたしまして、この個人情報の安全管理の一層の徹底ということについて指示をしてございます。
#34
○渕上貞雄君 今まで質問しましたけれども、この事件にかかわっては今捜査中の段階であるし、まだ明確にお答えできない部分もございますけれども、要はやはり基本的な人権にかかわる問題でございますから、そういう個人のプライバシーにかかわる、基本的な人権にかかわる問題についての取り扱いについてはこれを一つの意思として、きちっと今後こういう事件が再発しないように指導強化をお願いしておきたいと思うのであります。
 続きまして、パチンコ問題についてというよりも、この地方行政委員会における議論の経過というものがかなり大きくさきの予算委員会で話題になりましたので、事実関係について確認を少しさせていただきたいと思います。
 いうところのパチンコ問題という次元ではなしに、やっぱりこの場における私どもの審議をしていく審議の問題だとか、そういうものを、基本的にお互いがここで自由に発言したものに対して責任を持たなきゃならないことは当たり前でありますけれども、事実経過が後ほどまたいろんな形で蒸し返されるようなことは今後したくない、それは物によるとも思いますけれども。
 そこで、集中審議などを含めて議論になっておりますので、国家公安委員長と警察庁にお尋ねをいたしますけれども、やはり私ども国民は、先ほども明らかになったように、また御答弁もございましたように、非常にまじめで信頼をされる警察、これを信用しておるだけに、結局警察の任務は警察法の中でも明らかでありますし、不偏不党、公平中立と思っています。しかし先般のパチンコ問題事件を通じて、特にこの委員会で三年前に議論になったことが審議運営のあり方問題等をめぐって具体的に質問がされました。
 個々の問題について私は一つ一つ取り上げて質問しようなどと思っていませんけれども、新聞やテレビやマスコミ等で問題となりました本委員会の審議の過程やパチンコ問題に関する議事録等、それから警察庁の答弁を総括してみますと、私は、最初申し上げましたように信頼していた警察だけに、本当に参議院になって認識を少し新たにしているところであります。ですから、やはり警察法の言うように警察そのものが常に不偏不党、公平中立という点では含めて日常の行動がなければならないし、国会の答弁の中でもそのようなものでなければならないと考えておりました。少しその点では欠けた面があるのではないかというふうに思います。
 そこで、一つの例でありますけれども、十月二十日の本院の予算委員会での自民党の山岡委員の質問の中で、いろいろ圧力があったのではないか、遊技場業界の幹部に警察の担当者が無理に引き合わされたのは事実かなど、いろいろ質問をされておりますけれども、私が答弁不足ではないか、もう少し親切であるべきではなかったかというのは次の点からであります。それは、山岡委員がパチンコ店の営業許可問題での質問を繰り返し繰り返し、最後に山岡委員は、昭和六十一年十月七日の本委員会で道交法の政令改正、いうところのシートベルト着用に関する審議を行っていたのに、その内容ではない、突如として兵庫県の地方都市のパチンコ問題に関する質疑が行われた。パチンコのことをしなければ道交法の審議に応じない、まことに奇異に感じますと。パチンコの営業許可問題というのが突如出されたように議事録ではなっています。この点については、つい最近のことでありますから事実関係がどうなのか、明らかにしてもらいたいと思います。
#35
○政府委員(森廣英一君) お答え申し上げます。
 私ども答弁に際しましては中立性を保つように心がけて答弁をしてきたつもりでございますし、今後ともそのように注意をして答弁をしてまいりたい、かように考えております。
 さて、御質問の点でございますけれども、私どもは御質問に対して答弁するに際しましてはいろいろ事実関係につきまして御答弁申し上げたところでございますけれども、国会議員からのいろいろな働きかけの内容につきましては、これは私どもの方から御答弁をすることは差し控えるなど、いろいろ議員活動を尊重する立場からの答弁をさせていただいたというつもりでおるわけでございます。
#36
○渕上貞雄君 第二点目は、国家公安委員長に対して山岡委員は「以上で明らかなとおり、一パチンコ店のために警察に圧力をかけ、県条例を改正させる。そして、その圧力の手段として道交法の審議に応じないと、さらに大きな圧力をかけたことは間違いのないことであります。」、こういうふうに言っておるわけであります。大変な問題であると思うわけでございますが、国家公安委員長・自治大臣、いかがでございましょうか。こういうふうに質問されたことについては、大臣、間違いないと思いますが、どうでしょうか。
#37
○国務大臣(渡部恒三君) 今のような御質問をちょうだいした記憶がございます。
#38
○渕上貞雄君 予算委員会で山岡委員が取り上げました六十一年十月七日の地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会は、議事録によりますと小委員長のほか五名の小委員と地方行政委員長出席の中で開かれた委員会で、確かに道交法の一部改正の法律施行に伴う政令改正提案理由及びシートベルト着用率などの説明があり、その終了後に質疑が行われておるわけですが、そこで我が党の佐藤三吾議員が、「交通問題に入る前に一つ確認しておきたい点があるんですが、よろしゅうございますか。」、こういうふうに小委員長に了解を求めながら実は質問をしておるわけであります。政府委員からの答弁を入れましてもそんなに長いことパチンコ問題といいましょうか、議事録によると五分程度のことだと思いますけれども、時間はその程度ですが、中身が問題かもしれませんけれども、後は本論に入って実は審議に入っているわけです。このことは私は間違いないと思いますが、御認識はどうでございましょうか。
#39
○政府委員(森廣英一君) 当日の、すなわち昭和六十一年十月七日の審議の経過を読んでみますと、今議員が御指摘のような姿で進行しているというふうに私も認識しております。
#40
○渕上貞雄君 そこで御見解をお尋ねいたしますけれども、私は予算委員会で山岡議員が質疑を行った問題についてどうこうしたいとか、そのことを問題にしたい、そういうことではなしに、今御答弁がございましたように、風俗営業等に関する小委員会での佐藤三吾委員の質疑は本委員会において正式に行われたことには間違いないと思いますが、その点いかがでございましょうか。
#41
○政府委員(浅野信二郎君) ただいま御指摘のこういう小委員会の運営に関する具体的な経緯、手続というものにつきましては、私どもが答弁する立場にはどうもないのではないかというように思っておりますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、国会での御審議につきましては大変重要なことであると受けとめておりまして、これに的確に対応するように努めているところでございます。
#42
○渕上貞雄君 事がかなり答弁する側と質問する側と個々にかかわった問題でございますし、先ほど御答弁ございましたように非常に慎重に御答弁されているということは、そういう経過も含めて十分検討された上でのことだと私ども理解しておりますから、手続上だとか事務的なものは関係ないということではないと思いますけれども、まあそれはそれとして、結局、突如として兵庫県のパチンコ問題が出てきたことではないことだけは明らかでしょうか。
#43
○政府委員(浅野信二郎君) 私どもこの突如としてというのは平素よく使っている言葉でございますけれども、具体的にどういう意味かというのはやっぱりいろいろ多義的なところがございます。少なくとも当時の議事録や当時の話を聞いてみますと、警察庁から出席している政府委員がそういうお話が出るということは承知しておったということは事実であったと思います。
#44
○渕上貞雄君 恐らくいろんなやりとりの中でですから、いかにどうするか駆け引き等の中では出てきたかもしれませんけれども、具体的な表面的な問題としては出てきてないというふうに認識しています。
 そこで、やはり大事なことだと思うんですけれども、道交法の審議に応じない、こういうことはまことに奇異に感じますと、そういうふうに実は山岡議員は言われておりますけれども、そうではなかったということについて御理解いただけましょうか。
#45
○政府委員(森廣英一君) お答え申し上げます。
 パチンコ問題を解決しない限り道交法の、道交法といいますか、道交法関係の政令の審議に応じられないと言ったのかという質問に対しましては、私どもは議員から働きかけのあった内容についてはお答えできませんというふうに当時御答弁申し上げた記憶がございますが、今時点でお尋ねがありましても、そういった国会議員からの働きかけを受けた内容につきましてはやはり答弁すべきでないという立場は変わっておらないのでございます。
#46
○渕上貞雄君 働きかけという問題については、議員の活動として日常的に当然行われることの一部だという認識でよろしゅうございましょうか。
#47
○政府委員(森廣英一君) 働きかけという問題につきましても当時やはり論議をいたしましたが、圧力というような言葉は私どもは慎重に使わないようにしてまいりました。働きかけという言葉は非常に広いものでございまして、そういうふうな圧力というような御批評を賜るようなものも中には入っておるかもしれませんが、しかし、広く議員活動に伴って行われるいろんな陳情とか要望も含んでおる非常に広いものとして私どもは働きかけという言葉を使ったつもりでございます。
#48
○渕上貞雄君 以上申し上げてきましたように、国家公安委員長、審議の経過についてはおわかりのことだと思います。したがいまして、先ほども申し上げましたけれども、最後の締めくくりの質問で山岡委員はこのように述べているわけです。「以上で明らかなとおり、」「警察に圧力をかけ、県条例を改正させる。そして、その圧力の手段として道交法の審議に応じないと、さらに大きな圧力をかけたことは間違いのないことであります。」と断言されているわけです。ですから、今までの経過で明らかなように、事実経過として残っておるものが他の委員会で取り上げられて、さもそれが事実のように言われる。しかし、事実経過としては今まで述べられたようなことでございますので、私どもとしては、今御答弁がありましたように、いろんな幅広い日常議員の活動の中で多少声が大きかったりいろんなことはするかもしれませんけれども、結局、事実関係としてそのような事実がなかったと思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#49
○国務大臣(渡部恒三君) 一つの問題に対してもこれは共通した認識で必ずしもあるとは限りません、これはいろいろの立場からの認識がございますから。
 今の問題について私が論評することがこの場において適当かどうか、これも考えなければならないことでありますけれども、一方的にいずれの立場に立ってもどうこう断言できる問題ではないと思います。
#50
○渕上貞雄君 立場や今の状況などについて、大臣がそう言われることはわからないわけではない。わからないわけじゃありませんけれども、山岡委員が、事実があったと断言をした質問に対して、大臣は次のように述べておるわけです。「御指摘のようなことは決してあってはならないことであると思います。もしそのようなことが事実であるとすれば、大変遺憾な事態であると受けとめております。」と。非常に一般的なことを実は申されまして、今のような回答になっておりますけれども、まず大臣として、否定もしないで、一般論的に、決してあってはならないこととか、そのような事実があるとすればというような前提で答弁をなされているように思いますが、私どもが聞いてみたり、山岡議員としては具体的にあったのではないかというふうに言っているにもかかわらず、その山岡議員の質問について一般的に答えられてますね。そのような事実があるとすればとか、質問者に対して十分答えになってなかったんじゃないかという気がするわけですよ。
 これらの問題については、当時私どもが聞いててやはり事実関係がどうなのかということが一番大事ではないかな、こういうふうに思いましたので、そこらあたりは今答弁したようにできるだけ中立的な答弁ということでございますけれども、もう一つしっくりいかなかったのではないか。答弁がなぜそういう一般的なことになったのか、お答え願います。
#51
○国務大臣(渡部恒三君) 私も一〇〇%正確な記憶を持っておるわけではございませんけれども、今委員の御質問等をお聞きしながらあの当時の答弁を考えておりましたけれども、事実関係を見きわめた上で適正な処理をしなければならないというのが一つの考え方。また、今お話しのように、山岡委員のお尋ねのようなことが事実であるとすれば、これは極めてゆゆしい問題である、こういうような答弁をした記憶があります。
#52
○渕上貞雄君 私は、ゆゆしき問題である認識については賛成をします。
 それから、予算委員会での国家公安委員長の御見解というのは、今言ったように事実であるとすればやはりゆゆしき問題である。したがいまして、兵庫県の一パチンコ店の営業許可問題をめぐって、本委員会での審議とは無関係で、やはりあくまでも一般論で、そういうものについて大臣のお答えがあったということについて確認をまずしておきたいと私は思います。
 続きまして、パチンコに関連して、予算委員会での政府、警察庁の答弁について、先ほども申し上げましたように少し物足りない感じがするわけですね、私どもとしては。しかし、そうはいっても、何かしらこの地方行政委員会で審議したことがああいうマスコミに報道されますと、大体国会というところは何をしよるのか、国会審議に対する信頼性といいましょうか、そういうものが国民の側からすれば大きく侵害されたというふうに思うわけです。信頼関係がなくなったと思うわけです。その点、大臣の認識はどういう御認識でございましょうか。
#53
○国務大臣(渡部恒三君) 一人一人の委員の皆さんの御質問等について私が論評することはどうかと存じますけれども、せっかくお尋ねでございますので、一人の政治家としてお答えを申し上げるとすれば、国会議員である限り、国民の皆さん方が疑問に思っておることについてはそれぞれの場を通じてどんどんお尋ねをし、真相を解明していく、そういう国会議員のあるべき姿の枠の中での山岡委員の御質問であった、こう考えております。
#54
○渕上貞雄君 山岡議員がどういうことを言われようとそれは山岡議員の問題でございまして、ただ、この地方行政委員会で審議したことというのは私たちが来る前の先輩の方々が汗を流して努力しているわけですよ。そのことについて今までの審議の過程でも明らかなように、言うなら三年前に不満であったかどうかは別にして、道交法問題というものがどういうふうになっておったかということなども含めて、いろんなやはり政治家としての国会の中における取引みたいなものは、今私はひしひしとその厳しさといいましょうか、発言の責任の重さといいましょうか、そういうものを味わっているときでありますけれども、三年前に円満に解決をしたものが、それはいろんな経過があったでしょう、しかし今どうしてこういうふうに急に取り上げられたのかということがどうしても不思議でならないわけですね。
 そして、三年前決められたことが障害となって今なお幾つもの問題が出てきて、いろんなところで未解決のままになったり障害が起きているということであれば、三年前の決定は間違いであっただろう、こういうふうに思うわけですけれども、その後そういうようなことがないとすれば、それこそ汗を流して先輩の議員たちは努力をされたと思うんですけれども、なぜ今こんなに急にひょこっと出てきたんでしょうかね。その点についてのお考えはどうでございましょうか。
#55
○政府委員(森廣英一君) 三年前の本委員会の審議についての御質問が出た事情といいますか、動機といいますか、そういうものを私どもが御答弁する立場にはないのではないかというふうに存じます。私どもは御質問があったので事実関係につきましてお答えしたまでであるというふうに考えております。
#56
○渕上貞雄君 そう言われると身もふたもないことであって、質問者はかなり具体的に警察の方に質問しているわけですから。しかし、働きかけの認識については私は少し狭く考えてまして、非常に、圧力の次ぐらいというふうに考えてましたけれども、それは国会議員の日常具体的な国会の活動だというふうに認識を持つことができましたので、その点では一歩前進ではないかなというふうに思いますけれども、私はそういう業者の利害にかかわる問題について、業者の立場や利益誘導的な質疑が行われたかどうかというのは重要な問題だと思うんです。この審議の場はやはり公正中立でなければならない。しかし、そうは言っても、国民から依頼を受ければ、国民生活を守るという立場で日常活動を行うことは私は当たり前だと思います。その場合に、この委員会というものが何かずさんで、圧力があればその圧力に屈して議論したり、まじめに議論していないような印象を、私は今の政治の不信を取り戻すためにも、どうやって信頼を回復していくかということに努めなければならないと思うわけです。
 やはり一つの法律をめぐりましていろんな見解の異なることはあると思うんです。そしてその見解の異なったものについてお互いの解釈等をめぐって行政府とのやりとりというのも私はあると思うんです。したがいまして、立法府の持つ国会議員の国政調査権の保障といいましょうか、私ども議員としては当然国民の側に立って物事を判断していく、こういう立場でございますので、先ほど大臣からの議員の活動に対する一定の御所見は伺いましたけれども、いま一度、国会議員としてそういう政治信頼に対する考えについてどういうような御認識なのか。国民から依頼を受けた場合の議員活動について、何が正義かということで私どもは一生懸命やるわけですから、国民のためだと思って行動したことがやはりああいう形になるということについては少し疑問を感じます。したがって、私どもとしては、働きかけたりすることについては当たり前のことだというふうに思っておりますけれども、いま一度大臣の御所見をお願いします。
#57
○国務大臣(渡部恒三君) 国会議員は、申すまでもありませんが、国民の皆さんから選ばれ、国民の皆さん方を代表し、国民の皆さん方のために働くことを常に心がけ、行動していかなければならないものである、こう考えております。
#58
○渕上貞雄君 今の答えで納得いたしますが、では、そういう国会議員が一生懸命努力をしていく過程の中で、一部週刊誌で、三年間にも及ぶいろんなやりとりの経過といいましょうか、いつどこでだれがどうしたというようなものが、恐らく当事者でなければわからないような情報というものが出ている。場所だとか月日だとか、二人の関係だけでしかわからないような事実が出ていますけれども、同時に、若干の内容を含めてそれが出ているということに対して、私ども働きかけていろんなことを言われた場合に、そういうものが後から公表されて非常に不愉快な気持ちになるわけですが、一体だれかどこでどういうふうに流したのかわかりませんけれども、そういう情報のリークについて私どもは非常に不愉快な感じで実は見ているわけです。このことが一つは警察に対する不信にもつながる要素でありますから、事実関係があったのかなかったのか、一般的にこういうことがあってはならないということになるのかどうか、そこら辺もひとつ御答弁願いたいと思います。
#59
○政府委員(森廣英一君) お尋ねのような国会議員と警察庁の係官がいろいろ面接したような内容の記事が出まして、それにつきまして御質問があって私ども答弁をしたところでございますが、そのような記事が出るについてリークがあったのではないかという点につきましては、私どもで厳重に調査をいたしました結果、そのようなリークの事実はないというふうに承知をいたしております。今後ともそのようなリークはあってはならないし、今回もなかったというふうに考えております。
#60
○渕上貞雄君 それでは、道交法の関係に入ります。
 まず、非常事態宣言を発しなければならないほど今日の車社会は、交通警察官の方々の朝早くから夜遅くまでの御苦労にもかかわらず、なおこういう重大な状況、局面に達しているわけでありますけれども、まずは安全問題に関して、道交法を審議していく場合に私ども少し視点を変えていかなくてはならないのではないかというふうに思うんです。
 この前のシートベルトのときも、また今回の道交法の改正もそうでありますけれども、もちろん車を運転するのは人間であるから、その運転する人間をどうかしなければならないということもわかるわけでございますけれども、私どもがやはりいま一度考えなければならないのは、安全に対する考え方というものをただ単に運転する側だけに求めればいいのか。恐らく道路上の施設の問題もあるし車の問題もあるし、運転する人の問題もあります。しかし、社会全般の規範として、効率よりもスピードよりも、何よりもまず安全が交通の場合に優先されなければならないという認識がどうも最近逆転して、効率やスピード化やそういうもののようなことの方ばっかりに走っているのではないか、そのことを助けるための安全施設だとかいろんなことがやられておるのではないかというふうに考えますけれども、私は、やはりこの交通安全問題というのは、ただ一人の運転する者だけではなしに、家庭の中における安全教育というものが非常に大切ではないかというふうに思っているわけです。
 しかし、一般社会に出ますと、そういう安全教育に対してなどというのは本人の自覚にまたざるを得ないわけですけれども、十一月二十四日の毎日新聞の記事に、「日常生活の中で犯罪への恐怖感」という調査項目が載っています。それによりますと、「主婦の意識調査」でありますけれども、日常生活の中で非常に恐れているのは何かという問いに対して、第一番目が「交通事故」で五七・九%、第二番目が「火災・爆発」で四四・一%、第三番目が「暴行・殺人・誘拐」で二八・一%と上位三位を占めています。三番目のは最近の事件等から考えて警察の方々も一生懸命努力されていると思いますけれども、やはり第一番に家庭の中に交通事故というものが非常に恐れられておるものとしてある。同時に、普段の暮らしの中で気にかけていることは何かといえば、「家族の健康」が八八・八%、続いて「自分の健康」が五一・九%、次に「交通事故」が四〇・六%となっているわけです。
 そうしますと、何ぼ運転者にいろんなことをやって施設をどうこうしたにしても、家庭の中における安全問題に対する教育といいましょうか情報のサービスといいましょうか、そういうものがなければならないというふうに考えておりますけれども、そのことが私は小さい子供さんや老人の交通事故が、死亡事故が大変ふえている、それを減らすための一つの一里塚になるのではないか、こういうふうに考えていますけれども、安全についての認識についてどうでございましょうか。
#61
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のように、交通警察行政にとりまして道路利用者の安全を守ることは第一の責務であると考えております。現在、昨日まででございますが、ことしもまた交通事故死者数が一万三百九十七人で、十三年ぶりに一万人を超えました昨年を上回る数字を示しております。交通事故そのものも年間六十五万件ほど、人身事故でけがをされる方々が年間に七十五万人以上の方がございます。これは一日に三十人ほどの方が亡くなり、二千人以上の方がけがをするということでございます。まことに大変な事態であると認識しております。
 そこで、私どもの責務は交通の安全と円滑を図ることでございますが、まずその安全を図ることという点におきまして、施設の面、車の性能の面等に配慮をすることはもちろんでございますが、あわせて交通安全教育ということに力点を置いているところでございます。安全教育の手段といたしましては、一般的な広報啓発活動がございます。各種の団体に御協力をお願いいたしましたり、関係行政機関にも御理解をいただくなど、私どもと志、目的を同じくする各種機関、団体に呼びかけながら一般的な広報啓発活動を行っております。あわせまして私ども警察行政機関といたしましても、私どもの警察行政を通じて個々の御家庭にお伺いをして交通安全の意識を高めること等を行っているところでございます。御指摘のとおりに私どもも認識をしているところでございます。
#62
○渕上貞雄君 去る十二月六日の大阪市東住吉区における交差点の事故、本当に痛ましい事故だと思います。むちゃくちゃな事故だと私は思います。しかも車いすで渡っているときに介護の方を含めて亡くなった。この新聞記事を読んだときに、私も長年交通労働者をやっていただけに憤り以上のものを実は感じました。本当に腹立たしい問題であります。
 私はこういう痛ましい事故を一刻も早くなくさなければならないと思うし、車という現代社会にとって非常に必要なものが凶器に変わっている、このことに対し、同時に、大臣も各ところでいろいろなことを交通安全に対して述べられておりますが、一万人以上になった今のこのことについて、どうやって撲滅していくかという大臣の決意のほどをひとつ示して、そのことが全国津々浦々にわたって交通死亡事故が減っていく、こういうような決意をひとつ聞かせていただきたいと思います。
#63
○国務大臣(渡部恒三君) 人の命は地球よりも重い、今日政治に携わる者すべての心構えであり、行政に携わる者にとっても当然のことであろうと思います。
 残念ながら交通事故によって悲しい死亡者が増加をいたしております。よって来るところはいろいろあると思います。この狭い日本に七千万台を超す自動車がはんらんし、六千万人近いドライバー、こういうことになりますし、残念ながらこれだけのカー社会に対してそれに十分に道路が整備しておるであろうか、あるいは警察の側でもこれに十二分にこたえられるような高度な交通信号機あるいは高度な交通管制コンピューター、これらが十分なものであるか、こういうものをいろいろ反省させられますと、今後交通事故死を一人でも少なくするために、犠牲者を一人でも少なくするために、また、もう自動車は国民の足になっておりますから、国民の皆さん方ができるだけ交通渋滞のいらいらなしに会社に通勤できるように、奥様方が買い物に行けるように、こういうことを今内政上の大きな課題と考えておりますが、これは一つの省で解決できるものでありません。
 建設省で道路交通網の充実を図っていかなければなりませんし、また警察でも、この道交法の改正をお願いしておりますが、ドライバーの資質の向上あるいは国民全体の交通問題に対する深い御理解と御協力、そしてまた高度な、新しい時代にふさわしいこれに対処する対応等やらなければならない問題が山積をいたしております。
 御承知のように、政府は、このために総務庁長官を本部長とする交通対策本部をつくり、また警察本部長は第二次交通戦争と位置づけて今全力を挙げてこの対策に取り組んでおりますので、私どももこの交通事故をなくしていくことは、また国民の皆さん方の交通渋滞のいらいらを解消していくことは海部内閣の内政の大きな柱であるという認識のもとに全力を尽くしてまいりたいと思います。
#64
○渕上貞雄君 海部内閣の重要な内政の柱であるという認識についてはわかりました。
 去る一日に開かれました衆議院の決算委員会における自民党の議員の方の質問に答えて大臣は、一般財源で対処するには限度がある、特定財源を設けても考えていきたいと答えておりますし、今申されましたように、事故の原因というものはいろんなものが複雑に絡み合って発生するものであります。それを運転する人のことも大切だけれども、やはりただ一人交通取り締まり警察官が立っているだけでも大分事故は減るのではないかというふうに考えるわけです。しかし、それも四六時中というわけにはいかないわけであります。この交通警察官、指導員というものは、警察官の方も専門職としてやられた経験で、さっきのような悪いところに行くよりも、どこか特別の処置をとってこの第二次交通戦争と言われるものについて何か活用していただける場というのはないんだろうか。
 そうすることによって、人生八十年、しかしやはり警察官も同じ人間だと思いますから、そういう再就職の場が必要な方もおられると思うんですよ。無理してそういうところに行くより、政策のボタンのかけ違いで成田にあれだけの警察官を置くのなら、全国に置くことによって交通事故は半減するぐらいに私は思っています。しかし、そういう財源の考え方、特定財源について具体的に考えられたのか決意の表明をされたのかはわかりませんけれども、そういう財源の裏打ちがあって初めて具体的に現場の方々というのは活力が出てくるんじゃないか。その方策として、定年になられた後の警察官の方々の活用などをすれば、自分が就職をしていくときに、そういうファイナンスみたいなところに勤めなくてもいいような形になるのではないかというふうに思いますが、この財源の考え方について来年度の予算の中に組んでいくのか、特別にやっていくのかどうか、その点についてどうお考えでしょうか。
#65
○国務大臣(渡部恒三君) 平成二年度の予算については既にことしの夏から関係省庁と連絡をとりながらその要求を進めておるところでございますが、私が一般論として申し上げましたのは、私が来て勉強させていただいたことでありますけれども、昭和四十五年、交通事故によって亡くなられた方が一万六千人を突破した。そこで警察庁は、第一次交通戦争と名づけて関係省庁の御協力のもとに、これをなくするために全力を尽くして努力をした結果、交通事故によってお亡くなりになる方が一万人を切って八千四百人にまで減少できた。ところが、その後また自動車の台数が急激にふえる等のいろいろの事情で、残念ながら昨年一万人を超すことになってしまった。こういう過去の経験を考えると、行政努力によって交通事故を少なくすることはできるということの過去の教訓を踏まえて今後これに対処していくということになりますと、そのためにこれは精神面の努力も大事でありますけれども、精神面の努力と同時に、予算の面でもこれは充実していかなければならない。
 先ほども申し上げたように、今大都会において求められておるのは駐車場とか危険な道路の幅員の拡張とか、そういうものが要求されておりますけれども、今日の地価の高騰、また基本的人権、そういうものの中で、大都会の中で駐車場をふやすとかあるいは地方の都市でもバイパスをつくるとかいうことは大変膨大なお金のかかるものでありますし、また、警察の方で今やっておる交通信号機の高度化、交通管制等のコンピューター化、こういうのも非常に役に立っているんですけれども、予算面が限られておりますと、質の向上を図れば量が狭くなるとか、量的に拡大しようとするとなかなか質の向上ができないとか。したがって、でき得れば交通対策に対しての予算を十二分に獲得できるような独自な財源を持つということは、今後勉強しなければならない大きな課題であると私は考えておるわけでございます。
#66
○渕上貞雄君 どうか大臣、課題にして向こうの方に追いやるんではなくて、すぐさま、交通事故に対する認識がそういう認識でございましたら、後の総理大臣と言われている人でありますから、どうかひとつ努力をしていただきたいと思います。
 では、初心運転者期間の制度について、今回の制度の仕組みを設けた理由、それから無謀運転だとか死亡事故運転というのは昔からあったと私は思いますけれども、そういうものが改正につながった理由といいましょうか、初心者の交通事故が多いということであれば、免許の条件できちっと慎重にやればいいのではないかと思うのでありますけれども、それらについての御見解をお述べ願いたいと思います。
#67
○政府委員(関根謙一君) 初心運転者期間制度を設けたいと考えた理由についてのお尋ねでございます。
 まず、現在の交通事故の状況を見てみましても、九〇%以上が自動車の運転者によって引き起こされた事故でございますし、また、そのうちの四〇%が若年ドライバーによって引き起こされた事故でございます。若年ドライバーの事故は、そのまた半数近く、四三%ほどがスピード違反が原因でございますが、そういったもろもろの客観的な情勢を考えまして、特に運転免許取りたての一年未満のドライバーの方々について事故の統計等をとってみますと、一年未満の方々、初心運転者と申しますが、この人たちは年間に三百三十万人ほどでありますから、全免許人口の六%ほどでございます。その六%ほどの初心運転者が全事故の一二・五%ほどを引き起こし、死亡事故に至っては約一五%の事故を起こすという結果になっております。また、この初心運転者期間中に事故を起こさなかった方々といいますのは、その次の年には一般のドライバーの半分以下の事故しか起こさないという統計の結果もございます。そこで、運転免許取得後の一年未満の方々につきましては、その最初の一年間慎重に運転をしていただくということと、仮に違反等を犯した場合には教育の手法によって運転技術に習熟していただくということを考えましてこのような制度を設けたところでございます。
 運転免許試験の段階でチェックできるではないかとの御意見もございますが、運転免許試験の段階で一定の水準に達したと判断をした人々につきましては、その九十数%までは確かに運転技術について習熟しているわけでございますが、三百三十万人中の二十万人ぐらいの人たちについてはまだ未熟であるところがあるということが統計の結果でございますので、そういうことを踏まえまして、一年間慎重に運転をしていただくようなシステムとしての初心運転者制度というものを設けた次第でございます。
#68
○渕上貞雄君 再試験によってでも免許を取り消される者が出てくると思われますけれども、そのような者に最初から免許を与えていくということについて、それらの是非についての見解といいましょうか、例えば身体的な欠陥と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、そういうものがあらかじめわかるような、免許を取る段階でそういうことがわかるかどうかわかりませんけれども、そういうものについてはどういう見解をお持ちでしょうか。
#69
○政府委員(関根謙一君) 運転免許を取得する段階でチェックすべき事項といたしまして、道路交通法の八十八条でございますが、ここに一定の欠格事由が規定されております。このような方々につきましては免許取得の段階でチェックできるわけでございますが、運転適性というところにつきましては、これも九十七条の規定によりまして必要な適性について試験をすることになっておりますが、完全な適性検査というのはなかなか難しいのでございます。そこで、このような初心運転者期間制度を設け、再試験を行った結果、試験に落ちるであろうと思われる人たちは、三百三十万人中の一万人ぐらいはいるのではないかと私どもも試算をしておりますが、この人たちについては、確かに初めから運転免許を与えないことができるようなチェックの方法があればそのようにしたかった人たちと考えてよろしいかと思います。ただ、ただいま申し上げましたように、現在の学問の水準でありますとか技術の水準でありますとか、いろいろな客観的事情によりまして、事前にそのような方々を発見することは困難であるということでございます。
#70
○渕上貞雄君 初心運転者の講習内容が具体的にわかればお知らせ願いたいと思いますけれども、その講習内容の時間等はどれぐらいになるのか。それから初心運転者に再試験を行う場合、技能と知識といいましょうか、どちらを優先して行うのか。それから講習を受ける場合に支払う費用については実費を勘案する、具体的にどれくらいの程度の費用になるのか、お願いしたいと思います。
#71
○政府委員(関根謙一君) まず、初心運転者講習の内容についてでございますが、これは全体で七時間程度を考えております。その中身は、少人数、六人ないし八人程度でクラスを編成いたしまして、そこでまず路上で運転演習をしてもらい、さらに指導者がつきましてグループディスカッションをして、自分の運転についての特性、かっとなりやすい性格であるとか、そういうようなことに気づいてもらうということ、さらにシミュレーション技法を使いまして危険予知の訓練を行う等でございます。
 それから、あと講習の手数料でございますが、講習手数料につきましては、この法律では実費を勘案して政令で定める額としておりますが、まず実費ということでございますので、現在、現行の各種の講習手数料に要する額等と比較しながら検討中でございます。しかしながら、そう負担にならないような額ということを考えているところでございます。
#72
○渕上貞雄君 再試験問題でありますけれども、事故を起こす起こさないは別にして、一たん免許を取得したことの評価については、免許が取り消されるということになれば、一回取ったことに対する評価というものが全然なされないと思うんですけれども、その点についてはいかがでございましょうか。私は、評価するべきではないか、そして、その人の持つ欠陥というものをどういうふうに具体的にしていくという方が実効があるのではないかというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#73
○政府委員(関根謙一君) 一度免許を得て実際に運転をしたという特性はその講習の過程で活用してまいりたいと考えております。どのような傾向の違反を犯しやすい人であるか等でございます。そのような講習の結果を踏まえまして、本人がよく承知した段階でさらに違反を起こした場合に再試験ということがあるわけでございますが、その再試験そのものは将来において安全に道路における運転ができるかどうかをチェックするという試験でございますので、一般の試験と同じような基準というものを考えております。
#74
○渕上貞雄君 取り消し処分を受けた者の講習を行う指導員については運転適性指導員、初心運転者の講習を行う指導員については運転習熟指導員、これらの当該の資格の要件と人選と基準の方法についてまず伺っておきたいと思います。それが出てくれば、あとは指定機関に関する講習についてでありますけれども、指定機関について警察庁は、指定自動車教習所のうち要件に合致するものは指定講習機関として認定していくようでありますけれども、具体的にはその要件とは一体何か伺っておきたいと思います。
#75
○政府委員(関根謙一君) まず、講習指導員の資格要件でございますが、取り消し処分者講習を指導する指導員、これを運転適性指導員と呼んでおりますが、この人たちに期待をしております職務は、運転適性検査を行うことでありますとか、運転実技に基づく運転適性診断を行うことでありますとか、要するに取り消し処分を受けた人たちというのは、一般的には運転技術の点ではすぐれているけれども、性格でありますとか、その他適性について自分の特徴をよく知っていないという人が多かろうということから、そういったことに基づくカウンセリング等を行う専門家を期待しているところでございます。そこで、そういう心理学等の素養のある方々につきまして、公安委員会で審査を行い、それに合格した人というのを運転適性指導員として考えているところでございます。
 それから、初心運転者講習を担当いたします運転習熟指導員の方でございますが、この方々はその講習の受講者が運転技術がまだ未熟である人を対象としているということから、路上における運転実技演習等を中心に指導いたしますので、運転実技等の教授経験を持ち、かつ運転に必要な技能、知識に熟達した者として公安委員会の審査に合格した人ということを考えております。
 それから、指定講習機関としてどのような要件の機関を考えているかとのお尋ねでございますが、これはこのような運転習熟指導員でありますとか、運転適性指導員を備えていることと、一定の施設、それから機材等を備えていること等を要件として考えているところでございます。
#76
○渕上貞雄君 これで質問の最後にしたいと思いますが、私は、若い人たちの交通事故が多いというのは、やっぱり乗らない、取らせない、買わせないというのがかなり災いしているんじゃないか。したがいまして、交通安全の教育に対しては、幼児の段階、小学生の段階、中学生の段階、それから高校生の段階と教育の中にきちっとやはり組み込んでいくべきではないか。逆に高校生を規制することによって反発としてそういうものが出てくる。ですから、一番技能の高まる年齢であるし、一番物覚えがいいときにきちっとそのことを教えていくことこそがこれから先の交通事故撲滅の一つの施策になっていくのではないかと思いますけれども、ようやく少しはそういう状況が全国的に変わりつつありますので、学校教育の中における交通安全問題についての教育内容といいましょうか、そういうものをやはり変えていくべきではないかというふうに考えます。
 ただ注意しろと言うことよりも、逆に具体的に実施をしていくことによって考えていくべきではないかというふうに思いますし、具体的な予算等をつけないと、これまた難しい問題になるかと思いますけれども、私はやはり地域の警察の方と協力すれば案外そういうことというのは余りお金をかけずにやれるのではないかという認識を持っていますから、どうかその辺のことは、逆に高校生は、警察は捕まえるもの、おれたちを敵にしているという認識もそこでなくなっていくのではないか。そういうことによって、交通事故防止の環境というものを内側からつくり出していくことこそ大事ではないかというふうに思っていますけれども、文部省はどう考えられておるのか御見解をお伺いしまして、私の質問を終わります。
#77
○説明員(石川晋君) お答えいたします。
 文部省におきましては、学校の安全教育について従来から人命の尊重ということを主たる基本理念として実施してきているところでございます。特に先生御指摘のように、発達段階、小学校、中学校、高等学校それぞれ課題を考えつつ、小学校から始まりましていわば歩行者の安全教育、そして中学校においては歩行者あるいは自転車の安全教育というようなことの段階のもとに行っていくということを行っているわけでございます。そういう中で、さっき御指摘のような点がございましたが、学校の安全指導というようなときには警察の協力をいただきまして、実際に交通警察の方に来ていただきながらそこで指導するとか、そういう一体的な指導も含めて行ってきているところでございます。
 そういう経緯もございまして、現実に年齢別に見ますと、交通事故がふえてきているという中でも、六歳から十二歳までのいわば小学校段階で言えば死亡事故というのは相当数減ってきている。あるいは中学校では減っているというほどではないけれどもふえているということはない。反面高等学校になるとふえてきている。さらに高等学校卒業後になると相当ふえるというような傾向がございまして、そういう中で考えていかなきゃいけない。
 御指摘のいわゆる三ない運動というようなものがあるわけでございますが、これは、現実に死亡事故が高校生によって起きる、これを何とか防ぎたいということで、地域のPTAあるいは学校、教育委員会の取り決めというような形で行われている。それで、現実に乗らないわけでございますから事故が起きないという意味で、事故を未然に防ぐという意味でそれなりの効果を上げているという側面もございますが、現実に今日の高校生が、そのほとんどが数年で学生になり社会人になる過程では免許を取るという時代を迎えておりますし、生涯安全教育の一環としての学校教育というような観点から、いわば三ない運動だけではそれなりに限界があるということも事実でございます。
 そういうことで従来から、いわゆる三ない運動というようなものを実施している、あるいはしていない、そういうことのいかんにかかわらず、それとともに安全教育ということは十分やっていただきたいということで指導してきたわけでございますが、特にこういった現在の交通社会の実情ということを考えまして、高等学校における運転者教育のあり方、効果的に運転者教育をどう進めたらいいかということを検討していかなければいけないだろうということで、来年度以降概算要求を出しまして、高等学校における運転者教育の効果的なあり方というようなものを検討していきたいというように考えているところでございます。
#78
○委員長(渡辺四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、十二時四十五分まで休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十七分開会
#79
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、道路交通法の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#80
○岩本久人君 私は、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について質問をいたしたいと思います。
 衆議院本会議の関係で大臣が途中で中座されるということですので、通告をした範囲内で先に大臣にお聞きしたいことを取り上げていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、基本的な地財計画にかかわる問題だと思うんですが、十二月八日の一部新聞にいわゆる国と地方の財政規模のあり方についてちょっと出ていたんですが、自治省として国対地方という財政規模の割合をどのように考えておられるか。マスコミの報道によると、だんだん地方の方が国を超える額になってきた、これはいかがなものかというような意味を大蔵省が言っているという書き方なんですね、新聞では。それで、かなり歴史も積んでそれなりに定着してきておる地方交付税の三二%の問題も含めて、そのことに対する基本的な見解をまず最初に伺いたいと思います。
#81
○政府委員(持永堯民君) 国と地方の財政規模の比較のお尋ねでございますが、財政規模は、たまたま最近はほぼ同じような規模になっておりまして、若干今は地方の方が大きくなっておると思いますけれども、これは規模自体がどっちが多い少ないということが先にあるんではなくして、やはり国がどういう役割を持つか、あるいは地方がどういう役割を持つか、つまり国、地方を通じた全体の行政の中でどういうふうに役割分担をしていくかという、そこが出発点になるわけでございまして、その役割の持ち方によって当然規模も変わってくる、このように思っております。したがいまして役割の持ち方、その内容によりまして、例えば国が専ら金を出す事業がふえるような時代は国の方がだんだん歳出規模はふえていくと思いますし、逆の場合もあり得ると思いますけれども、いずれにしても、まず規模そのものについてどうあるべきだということではないんではなかろうかと思っております。
 それから三二%のお話がございましたけれども、これはまさに地方財政の状況によってどうかという観点から考えるべき問題だと思いますけれども、少なくとも現在の段階では、前々から御説明申し上げておりますように、地方財政はまだ六十数兆円の借金もあるというような事態でございますし、今の時点でこの交付税率を云々するような段階ではない、このように思っております。
#82
○岩本久人君 いずれにしても、今の問題はいわゆる地方自治というものの根幹にかかわる問題であります。大蔵省が単に財政的な見地で云々することではなくて、今局長言われたように、国と地方の役割分担というのが原則ですから、どのような分担をして住民にサービスするか、ここにあると思いますので、その点について今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、いわゆる補助金行政と言われるものについて伺いたいと思います。
 年末の予算時期を迎えて日一日と全国からの予算陳情合戦が大変熾烈になっている、そのことはきょうあたりでもこの辺のかいわい、特に霞が関とか永田町、そういったところを歩いてみれば、すぐそれとわかるような多くの人たちに出会うのでわかるんですが、そういったことに、私はかつて十年ばかり県会議員をやっていたときから大変多くの疑問を持っておりました。果たしてこのことがどれだけの効果を呼ぶことになるのか、あるいはまた本当にこれは必要なんだろうかということを思うんですね。
 実は先週も、私みたいなだれが考えてみてもとても力がありそうもない者のところへでも、島根県の市町村長さん方が随行員含めて一日に百人も来るわけです。それで、私も東京に毎月五往復していますから、どれぐらいお金がかかるかわかるんです。大体一人の人間が島根県から東京へ来て帰ると約十万円かかります。百人といえば旅費だけで一千万円でしょう。そういうのが年がら年じゅう全国の三千以上の自治体の人がこの予算を獲得するために日夜頑張っておられる。そうしてそれに費やされる経費、お金も恐らく何千万、何億、何十億あるいは何百億になるというふうに私は思うわけです。
 そこで、なぜそういうことになっているのかということを冷静に考えてみたら、やはり補助金制度というものについての理解が不足している面があるのではないか、あるいはそれに関係しているみんなの知恵がまだまだ十分ではないんではないかというふうに私は思っておりまして、このことについて若干お伺いしたいと思います。
 まず、我が国に国の補助金というのは一体数が幾らあるんですか、それを伺いたいと思います。
#83
○説明員(原口恒和君) 補助金の件数についてのお尋ねでございますが、いろいろな数え方がございますが、通常の件数の数え方で申しますと全部で二千三百五十六本ということでございます。
#84
○岩本久人君 私に与えられた時間は九十分ですので、ちょっと時間が足りませんが、せめて大きなところだけでもいいですから、大体どういったところが何件何件。それと補助金の額ですね、二千三百五十六件のうちの例えば農水省が幾ら、厚生省が幾ら、建設が幾らで、総額幾らになるというのをお願いします。
#85
○説明員(原口恒和君) 内訳のお尋ねでございますので、まず件数の方で申しますと、大きなところといいますか、本数の多い省庁でございますが、これは元年度の数字でございますが、農林水産省四百八十八、厚生省三百七十八、通産省二百二十二、文部省二百二十一、建設省百六十五といったようなところでございます。
 それから金額面で見ますと、補助金の総額が十四兆七千四百億円、このうち金額の大きいのは社会保障等の厚生省の六兆二千億、文部省三兆三千億、農水省が一兆六千六百億、それから建設省一兆四千九百億といったところが主要な省庁ということになっております。
#86
○岩本久人君 補助金の件数が二千三百五十六件で、補助金の総額が十四兆七千四百億というんですから約十五兆円ということですね。つまり、年がら年じゅう何万人という人が全国から集まってきてこの十五兆円という補助金をいかに獲得するかということで、オーバーに言わしてもらえば狂奔している、こういうことになるんではないかと思うんですが、補助金というものは陳情がないと出せないものですか、それをまず聞きたいんです。
#87
○説明員(原口恒和君) 御案内のように補助金というのは、それぞれ一つ一つ、社会保障でございますとか教育とか、そういう国の政策にかかわるものでございますし、またその大部分というのは法律でその交付というのも決定されております。それから、そうでないいわゆる奨励的な補助金もありますけれども、こういうものに関する政策決定というのは、当該補助金の補助目的に従いまして、所管官庁との協議を踏まえつつ適切に予算に編成し、またその官庁におきましてその補助目的あるいは効果等を十分に勘案して執行されておるところでございまして、その陳情の有無、多寡によってそういう政策決定が左右されることはないというふうに認識しております。
#88
○岩本久人君 私もそうでなければならないと思っているんです。そうすると、二千三百五十六件のうち、陳情があろうがなかろうが交付していかなければならない補助金、つまり法律で決まっている補助金は、この二千三百五十六件のうち幾らありますか。
#89
○説明員(原口恒和君) 今御質問のありました、そのうち法律で決まっておるものは十二兆五千五百三十六億で八五%でございます。ただ、それ以外のものが陳情があればつくということではなしに、すべて先ほど御説明申し上げましたように、法律補助だから陳情がなくてもつく、法律補助でないものは陳情があればつくということではございませんので、ひとつよろしく。
#90
○岩本久人君 十二兆幾らと言われましたか、それと何%。もう一回。
#91
○説明員(原口恒和君) 十二兆五千五百三十六億円、八五・二%でございます。
#92
○岩本久人君 約十五兆円のうち十三兆円弱、約八五・何%というものはきちっとした法律に明文化されておる、そして具体的には省令だとかいろんな規則によって決まっているわけだから、陳情が多かろうが少なかろうが、あるいは全くなかろうが、その法律に従って交付していくというのが原則ですね。その原則どおりに執行されておるんですか、それをまず聞きたい。
#93
○説明員(原口恒和君) 先ほどお答えしましたように、法律に基づくもの、奨励的なものを問わず補助金の執行については、各省庁においてその補助目的によって適切に執行されておるということでございまして、陳情の有無、多寡によって左右されているということはないと認識しております。
#94
○岩本久人君 そういう制度になっている、そういう仕組みになっているということですね。だけども、現実には年末になれば各県の知事から県会議長から市長から市議会議員、あるいはいろいろな団体の方々が大挙して東京へ東京へと来られる。どうしてだと思われますか。答えにくいですか、答えられればちょっと聞きたい。なぜそれだけの人が来られるのか。
#95
○説明員(原口恒和君) 我々陳情を受ける側の者でございますので私の方でお答えするのが適当かあれですが、やはりいろいろな施策を地方の方でなさっている場合に、できるだけその地域の実情なり補助金の必要性を訴えたいということで見えるんではなかろうかと思いますし、我々もそういう方が見えた場合には、やはりその実情等についてはできるだけこれを伺うように努めておりますし、また逆に、場合によっては厳しい国の財政状況等についてその場でまた理解していただくように努めるというふうにはしておりますが、ただ、陳情があったからどうということではございませんし、また陳情に見える方もそういう実情を訴えたいということで見えているんではないかと認識しております。
#96
○岩本久人君 財政局長にお伺いしたいんですが、私の経験からすれば、あるいは目の当たりにした状況からすると、特に年末の予算時期、ピークのときは、全国三千以上の自治体のほとんどの自治体がことしは我が町は、我が村は一回も東京に陳情に行かなかったというものはほとんどないと思うんですがね。そういう方が、表現が適当ではないですが、わくほどもうたくさん来られる。それでこの辺がいっぱいになるわけですね。恐らくそれは一万人以上だろうと思いますが、年末予算時期の陳情者の数ですね、その点どのように理解していますか。
#97
○政府委員(持永堯民君) 人数についてのお尋ねでございますけれども、私ども、実際どの程度の人がそういう時期に上京されておるかということを調べたことがございませんし、現実に掌握はいたしてないわけでございます。
 それから、確かにたくさんの方がお見えになっておりますけれども、今はお見えになっているのは、補助金の問題に限らずいろんな制度の問題、例えば国民健康保険制度をどうしてほしいとか、あるいはことしの場合ですと過疎の法律が切れますから、過疎法について引き続きやってほしいとか、そういうものも含めていろんな方がお見えになっていると思います。
 そこで、数字としてははっきり申し上げにくいわけでございますけれども、感覚的にといいましょうか直観的にといいましょうか、今お話しございました地方団体の数が三千ほどあるということやら、あるいはお見えになる方も自分の我が町だけの問題じゃなくして、例えば町村会としての活動とかあるいは水道協会としての活動とかそういうものもございますから、そういうことも考えますと、まあ感覚的には今おっしゃったような数字にはなるのかなと。ただ、これは自信を持ってお答えできない点は御理解いただきたいと思います。
#98
○岩本久人君 それで、こうしたことに関心のある人の試算でいくと、年間三百億以上というんですよ、この陳情に要する経費が。例えば、今の一万人の、一人十万円にしても十億円、これは旅費だけ。だから、そういうことが年がら年じゅういろんな形でやられておるという実態であるということをまず押さえてもらいたい。
 そこで、自治大臣にお伺いしたいんですが、この前私が質問をしたときに答えていただいたその中に、まあ選挙のときはお互いさまということもありますがと言われましたが、それは百歩譲ればそのこともあるかもわからないんですが、とにかく中央直結でないとその町や村が滅びるというような言い方が随分されますね、どこへ行っても。やっぱりそういうことはあるんですか。ちょっとそれをまずお伺いしたい。
#99
○国務大臣(渡部恒三君) 民主主義はやはりお互いに理解し合うことでありますから、中央の行政機関の諸君が地方の実情を知ることも大変大事なことでありますし、また、地方自治体の皆さん方が中央の政治や行政の動向や新しい仕組みを知ることも大変大事なことでありますから、やはり地方と中央とお互いの情報を交換し合い密接な連絡をし合うことが好ましいと存じます。
#100
○岩本久人君 必ずしもぴたっと答弁が合ってないと思うんですが、まあそれはそれで、お互いさまという部分もあるんでしょうからおきます。
 もう一度自治大臣に聞きたいんですが、小さな村にとって、年にわずか数回であっても、一回十万円の十人の陳情団を出すということは、一回でも百万円かかるわけですね。手土産その他でその倍はかかると言われているんです。それは大変な予算の割合になるわけです、小さいところでは。しかし、それをやらないとどうも置いていかれるようなムードがこの日本国全体にある。この間も島根県の八市の市長さんが八人一緒に来られた。どれだけのことになるんだろうかなと言いながら、そうは言ってもうちだけやめるわけにいかぬもんなと、こういうことでまた来られることになるわけですよ。そういうようなことで、年がら年じゅう三千の自治体がお互いにそういうようなことをやっておるという現実をまず認めてほしい。そして、このことにかかわってどれだけ多くの時間とどれだけ多くのお金とエネルギーが使われているかということにもっともっと真剣に思いをはせてほしいと私は思うんです。
 さっきも主計企画官がちょっと言われましたように、皆さんが求めてこられる二千三百五十六件の十五兆円というお金は、オーバーに言えば、陳情があろうがなかろうが、制度ですから、補助金は交付することになっているわけですから、そんなに何回も何回も来られる必要はありませんと、陳情を受けた側の人がそういうことを一言でも言われることによってこの陳情合戦というものの熱は冷めるんじゃないかと。そして、同じ来られるにしても、一つの町とか村がブロック単位で何十人とバスを仕立てて来られる、そんな必要はありませんよ。どうしても実情を言いたいのならそこの町長が一人でもいい。どうしても住民代表ということなら議長と二人でいい。そんなにバスを借り切ってまで小さな村が何十人も来られる必要はありませんというようなことも私は指導される時期に来ていると思う。東京で全国から集まられる何万人という方々が落とされるお金は、もしそれだけのお金をそれぞれの地元で使ってみなさい、大変なことになる、地元がどんなに喜ばれるかということも含めて、そのことを一つ。
 もう一つは、本省の職員の方に、私もここ一週間で四、五十人の方に聞きました。そうしたら、大きな声じゃ言われぬが、率直に言って仕事をしていく上でやっぱり支障があると言うんですよ。それなりの人が、市長だ、町長だ、知事だという方が名刺を持ってこられるとむげに断れない、もう忙しいんだがな、もう早く帰ってほしいと思っても、一生懸命一生懸命真剣に言われると聞かぬわけにいかないから聞くと、結局朝から晩までそういう陳情客との対応だけで五時六時になる。だから、自分に与えられた仕事は深夜に、あるいは徹夜ででもさばかなきゃならぬということで、実は本当に困っておりますという悲鳴にも似た言葉を随分聞きました。だから、それほどその陳情という行為は効果はないんですよということが一つ。
 それから、やり方についてももうちょっと工夫が必要なんではないかということ。そして、あなた方は遠路わざわざ来られるのかもわからないが、受ける側も大変なんですよということをやっぱり口にしてぴしゃっと言ってあげることが親切であり、これは全体的に見ればいろんな意味ではかり知れない利益があると思いますが、そのことについての大臣の見解をちょっと聞きたいと思います。
#101
○国務大臣(渡部恒三君) これも大変難しいことでありまして、二十年前私が初めて国会に出たころは大蔵省の主計官など、これは陳情に行ってもなかなか部屋に閉じこもって出てきてくれない、会ってくれない、大蔵省、官僚的でけしからぬと言って帰ってきた経験などを今思い出しますけれども、それぞれの地方の人はやはりみんな自分の地域をよくしたい、そのためにはこういうことをしてほしいという熱意を込めて来られるわけでありますから、岩本先生の地元の皆さん方が飛行場をぜひ早くつくってくれと陳情に来られたとき、大蔵省が忙しくて会えないといって追い帰したらこれもまた問題になる話で、その辺のところは。
 私は陳情政治が決していいとは申しません。しかし、やはり地域の人たちはそれぞれ地域が抱えておる悩みを担当する所管庁の皆さんによく知ってもらいたいという願いもありますし、またこれ中央官庁の人たちにも、やはり地方の市町村長や、あるいは消防団長や農協の組合長や、あるいはその地域の人たちの声を聞くことも、これは民主的な行政をやっていく上で非常に勉強になる、こういうこともありますし、これは私は、何事もそうなんですけれども、ほどほどと、こういうことがありますが、やはりおのずから節度というものはありますけれども、これを一概にいいとか悪いとか断定するものではないと存じます。
#102
○岩本久人君 私も、いわゆる直接訴えるという陳情の効用というものが皆無だとは言ってないんですよ。ゼロとは言わない。しかし現状は余りにもむだが多いと思いませんか。そのことに答えてもらえませんか、私が聞いたことに。
 もう一回言いますよ。補助金のうちの八五%は陳情があろうがなかろうが、まあさっきの方はそのほかのものについても陳情が多い少ないで決めるわけじゃありません、ちゃんとした法律と規則に基づいてやっているんですからそれは関係ありませんと言っておるわけですから。そのことが第一の理由。それから二つ目は、地域の実情を訴えたい、あるいは聞きたいというそのことについても、さっき大臣が言われたように、ほどほどというものがありますよね。それは百人も一緒に来て一遍に言えるわけじゃないわけですから、本当にその衝にある者が代表で二人か三人来て言えばいいことなんですよ。それがバスを借り切ったり、まあ飛行機までは借り切らぬにしても大挙して押しかけてうわっと来られる、それは私はどう考えてみてもむだが多過ぎると思うんです。そのことと、それからさっき私が言った、聞く方も大変なんですよという、対応する方も。この三つのことにおいて、私は現状は余りにもひど過ぎる、こう思うわけです。そのことについてどう思われますか。それだけ答えてください。
#103
○国務大臣(渡部恒三君) 私の二十年間の国会議員生活を振り返ってみますと、十年前、十五年前から比べると陳情も少なくなってきておるような気がいたします。
 また、これは人間がやることですから、全部コンピューターではじき出すものならこれは政治家も何も要らなくなってしまうので、やはりいろいろの制度や組織の中で、国民の熱意、地域住民の熱意というようなものをみんなで、村長さん一人では、やっぱりおれらも行かせてくれといって婦人会の代表、青年会の代表も来てくれる場合もあるでしょうし、消費税反対の意見でも、お一人の方が国会で質問していただければわかるわけですけれども、何千人もでこの辺くるくる回っていらっしゃる場合なんかもございますし、これは一概にどれがいい悪いということでなくて、それぞれその立場にある者がおのずからみずからの良識によって節度を持って律していくべきものである、こう考えます。
#104
○岩本久人君 大変失礼な話ですが、もうちょっと僕が言うことを素直に聞いて素直に答えてくれませんか。何かさっきから聞いていると、幾ら僕が言うことに利があっても、とにかくあいつの言うことはもう認めぬと、こういう姿勢に見えます。
 私が言っていることがわかりませんか。私が言ったのは、補助金というものは、まあ僕も時間がなくなるから言いませんが、とにかく陳情が多い少ないではそれが上がったり下がったりするものではないというこの原理原則がある。あなたも言われたように、国会議員が一人質問すればいいものを何百人、何千人と、そのことのむだがありはしませんか。それともう一つ、受ける方も大変ですよという、この三つのことは認められますか。まずそれだけ答えてください。
#105
○国務大臣(渡部恒三君) ですから、何度も申し上げているように、おのずから節度を持ってみずから律することである、こういうことでございます。
#106
○岩本久人君 財政局長さんにお願いしたいんですが、今大臣言われたように、私ももう今の陳情行政、陳情合戦といいますか、これは私は常軌を逸しておると思うんですわ、冷静に一つ一つのその陳情行為というものを見れば見るほどこれはもう大変なことです。ということですから、全国の各自治体に対して、あるいは自治体を通じて、自治体自身が陳情に走っておるところもありますが、そういうところとかそれ以外のところも含めて、やはりそれぞれ東京事務所等もあるわけですから、有機的に結びつけて、合理的に直接要請行動は執行されたい、こういう意味の指導を各自治体にしてほしい、こう思うんですよ。
 まあ私も十年ほど前に県会議員に初めて当選したときに、事務局の人が東京へ陳情に行くから、僕もその辺までついてきたんですよ。そうしたら、東京事務所の人が、あんた何しに来たの、大して役にも立たぬのに、邪魔ほどはせんこに早う帰ってごせ言うもんだから僕はすぱっと帰ったんですよ。確かに僕も言われてみたら、そういや何の役にも立たぬわ、本当。知事から、あと部長がおるわけでしょう。あと議員が十人も当時ついてきたら旅費が何ぼ要ると思うんですか。大変なことなんですよ。
 しかもその夜はせっかく花のお江戸へ来たわけだから泊まって会食せにゃいかぬわけです。それもただじゃないんですね。東京事務所の人はその対応に追われて大変なんですよね。だからそこの若い職員が来て、あんた邪魔ほどはやめてごしなさい、そんなに役に立たんけんと言われたもんだから、僕も冷静に考えてみれば本当に役に立っておらぬなと思ったから、その次から僕はやめたから、九年間も僕は来ておりません。僕が来なかったからといって補助金ががいに下がったとは思っていません。私が言うことよくわかるでしょう。
 だから、実情はそういうことですから、とにかく常軌を逸したような陳情については、やはり常識の範囲内、今大臣が言われたほどほどという問題があるんですよ。そのほどほどをかなり僕は超えておると思うんですよね。だから、もう何百億だと言われるような、それをみんなが少しずつ工夫することによって、力を合わすことによって、私は半分なり三分の一に落とすことは十分可能だと思います。それだけのエネルギーがあれば、もっともっとやらなければならないことがたくさんあるわけですから、その方に目を向けてやってほしいということを言ってもらいたいということを一つお願いしたいと思います、局長さんに。
 それと大臣には、この問題で最後ですが、陳情がたくさんたくさん来られても、よっしゃ、わかったとこう胸をたたくんじゃなくて、いや、あなたわざわざ来られたけれども、これはわざわざ来られなくても法律で決まっておるわけだから、それほどの大騒ぎをされなくても大丈夫です、以後そんなにたくさんで来ることは遠慮をしていただいても一生懸命頑張りますからと言ってほしいんです。そのことについて、まず財政局長から答弁をお願いします。
#107
○政府委員(持永堯民君) 私どもも地方団体の勤務の経験があるわけでございますけれども、そういう経験からいたしましても、先ほど大臣からもお答えがございましたが、例えば知事が陳情に行くという場合に、やはりどうしても議長さんも一緒に行かなくちゃいけないとか、あるいは担当の委員長さんも行かなくちゃいけないということが多いわけでございまして、なかなかそれは知事が一人で行けばいいんだというふうに割り切るのも難しい面もかなり現実にはございます。
 しかし、やはりほどほどというお言葉もございましたけれども、良識を持ってといいましょうか、節度を持って対応することは、それは必要だと思いますので、何らかの形でそういう趣旨のことを地方団体の皆さんにも伝えたいと思います。
#108
○国務大臣(渡部恒三君) もちろん、当然国がやらなければならないことについて陳情においでになった場合、これは当然国がやるべきことですから、皆さんもうおいでいただかなくても、心配いただかなくてもこれは大丈夫ですと、こう申し上げることもありますが、一方、全然だめな場合、これはやっぱりせっかく岩本先生がお連れいただいた場合など、余りだめですと、こう言ってしまっては身もふたもないという場合等もあって、これはなかなか対応は難しいところですが、私は比較的歯にきぬ着せず本当のことを申し上げているつもりでございます。
#109
○岩本久人君 今の財政局長の答弁は、現在の陳情というその状況を見ればほどほどを超えた部分も随分あると見受けられるので、いろんな機会を通じて各自治体に指導をしたい、こういうふうに言われたと思いますが、それでいいんですか。
#110
○政府委員(持永堯民君) 現在の実態がほどほどを超えているかどうかという点につきましては、これはそれぞれ地方団体によりましてお考え方もいろいろありましょうし、先ほど申しましたように、やはりだれかが陳情に行く場合には関係の団体の方とか、あるいは議会の先生方とか、どうしても一緒に行かなきゃならないというような場合もあるわけでございまして、そこらはほどほどであるかないかという判断も、まずはそれぞれの方々で御判断をいただくことが必要であろうと思っております。
#111
○岩本久人君 この分で余り時間とれないんですが、もうちょっと素直に聞いてもらえませんかね。僕が言う意味はわかりましたか、局長さん。僕が言う三つのこと理解できますか。それをちょっと聞きたい。
#112
○政府委員(持永堯民君) 先ほど来三つのことをお話しになっておりますので、理解いたしております。
#113
○岩本久人君 ということですので、ひとつ私は厳重に指導をしてもらいたい、こう思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、年金法の問題にちょっと入りたいと思っております。
 去る十一月三十日に衆議院を通過しましたこの法律については、この原案は百十四国会、具体的にはことしの三月に提案をされたものなんです。実に八カ月以上かかってようやくこの場で審議を今からするということになったわけですが、なぜこれだけ国民の関心の強い、また要望の強いこの法律がこのように時間がかかったか、そのことについて大臣はどのように思っているのか、まずお伺いしたい。
#114
○政府委員(滝実君) 大臣へということでございますけれども、私の方からその前にお答えをさせていただきたいと思います。
 確かにおっしゃるとおり、この御審議いただいております法律案につきましては、百十四国会のいわば終わりの方に提出させていただいたわけでございますから、おっしゃるような日時を経過しているわけでございます。私どもとしては、受給者の方々の御期待も強い、こういうこともございますので、できるだけ早くと、こういうことは念願してまいったわけでございますけれども、結果的にはこのようなことになったということでございますので、その辺の事情を御理解賜りたい、こう思うのでございます。
#115
○岩本久人君 いや、私は大臣に聞きたかったわけですが、私が言いたいのは何かというと、長くかかった一番大きな理由は、やっぱり六十五歳の問題でしょう、参議院選挙でリコールされたところの六十五歳の問題ですよ。
 それで、私が今聞きたいのは、もう一度大臣に、閣議決定をされた六十五歳という、まあ国民が到底納得し得ないようなものを強引に押し通そうとした姿勢がやっぱりこれだけ時間がかかったということだと私は思っているんです。もし万一参議院選挙でこのような政治状況をつくらなかったら、参議院において与野党逆転という状況ができなかったら、閣議決定に加わられた大臣としては、この法律案を含めて、もちろん地共済の問題だけじゃありませんからね、この年金関連法案全部を含めての話ですが、やはり数の論理で強引に押し通そうとしていたということなんでしょう。それをまず聞きたい。
#116
○国務大臣(渡部恒三君) これも若干お言葉に逆らうことになるかと思いますけれども、私は、人生五十年から八十年、やがて九十年にもなろうという時代でありますから、これからやはり健康に長生きし、健康である限りできるだけ働いていくことが幸せな活力ある二十一世紀であって、これはおのずから雇用条件にしても、年金支給年齢にしても人生五十年代の考え方のものを永久無限に続けるものではなく、新しい時代の変化の中で制度は変わっていかなければならないと思います。
 ただ、残念だったのは、私もこの問題を地方へ行って皆さんから言われて、しみじみ政府の広報活動の弱さというものを痛感するんですが、私が地方に行きますと、何か六十歳があしたにでも六十五歳に法律がなってしまうような感覚で国民の皆さん方は受け取って、これはけしからぬとおっしゃられてきたことも事実でございます。しかし、冷静にお話しして、これは平成十年から始まって、さらに一歳三年かかって二十五年後のことであるというようなことを話し、それまでには雇用条件を十二分に整えて六十五歳まで働けるのであって、働くことをやめて年金が支給されるまでの間に空間を生ずるようなことはあってはならないと思いますけれども、私は最初に政府が提出した考え方は少しも間違ってないと思いますけれども、残念ながら参議院の選挙で過半数を割ってしまいましたので、皆さんの圧力に屈したのかもしれません。
#117
○岩本久人君 答弁もほどほどの時間でひとつお願いします。
 いや私が聞いたのは、つまり閣議決定をされた内容というものには絶対的自信を持っているということですか、今でも。
#118
○国務大臣(渡部恒三君) はい。
#119
○岩本久人君 そうしますと、現在五年間凍結ということになっておるわけですから、あの閣議決定は今も生きている、こういうことですね。
#120
○国務大臣(渡部恒三君) 生きております。
#121
○岩本久人君 ということは、この地共済のこの年金も、将来的には六十五歳というあの閣議決定に基づいてやっていく、こういうことですね。
#122
○国務大臣(渡部恒三君) 残念ながら現在の国会の議席分野の中でこれはすぐにできることとは思いませんが、いずれ野党の皆さん方も良識を持って我々の考え方を御理解できた時期にはこれが実現できるものと期待をいたしております。
#123
○岩本久人君 時間がなくなりましたのでちょっと早口で質問しますので、答弁の方も早口で簡単にお願いします。
 公務員共済年金制度改定問題に係る雇用問題検討委員会が設置されておりますが、その検討状況とそのメンバーはだれか、ちょっと教えてください。
#124
○政府委員(滝実君) 関係省庁の局長クラスで委員会を構成し、その下に課長クラスの幹事会を設けているというのが現状でございます。
 現在までの検討状況は、実質審議が大体三回ほどでございまして、中身は主として厚生年金に関する基本的な検討、それから国公あるいは地公、これの共済年金関係の基本的な問題点の検討、こういうことを現在この幹事会でやっている、こういう段階でございます。
#125
○岩本久人君 メンバーは。
#126
○政府委員(滝実君) メンバーは、関係省庁の局長が委員で、その下に課長級の幹事会を設けている、こういうことでございます。
#127
○岩本久人君 つまりあて職ということですね。
 そうすると、この六十五歳問題は、地方公務員の定年制問題との関係はどのように考えているんですか。
#128
○政府委員(滝実君) その点が現在の一応最大の問題かと思うのでございますけれども、そういった問題をこの検討委員会で基本的に検討していこう、こういうことでございます。
#129
○岩本久人君 その定年の問題も、現在は経過措置で実質的には五十八歳になっているわけですが、そういう過程の中でこういうようなことを提案するということ自体が、その対象者から見れば極めて乱暴な提案だというふうに私は思っているわけです。そのことについての共済年金の受給者の方々がこの年金に対して持つ不信感というものが私は大変重要な問題だと思うんですけれども、そのことについてどのように思われますか。
#130
○政府委員(滝実君) もともと厚生年金法におきましても、大臣が申されましたように先のことでございますけれども、やはりあらかじめ期間を置いてそのスケジュールを明らかにする、こういう必要性から原案に盛られたわけでございます。これに対しまして地方公務員共済法におきましては、具体的にただいまおっしゃったような定年制の問題が各地方団体の条例で決められている、その大枠は法律でも決まっている、こういうような趣旨のことでもございますので、基本的には今回の審議にお願いいたします原案ではそのスケジュールを明示することはどうだろうか、こういうことで私どもの共済法にはスケジュールを明示せずに、この問題を含めて検討委員会でしばらく検討して、厚生年金法といずれは歩調を合わせようと、こういう趣旨でこの原案をお出ししている次第でございます。
#131
○岩本久人君 特に私が問題だと思うのは、今大臣が言われたように二十年先のことですから、ということは昭和二十一年四月二日以降に生まれた者たちから六十五歳支給になる、こういうことですね。つまり、現在四十三歳、四十四歳というような、まさに働き盛りの方であるということ、それから、現在の年金を支えているのも実はこの世代ですね。それらが現在の年金制度の中心的役割を担っているというようなことを考えた場合に、またさきの六十年改正時に大幅に水準を引き下げられたという世代でもあるということを考えた場合に、現在この年金を支えているここの世代のところが年金行政というものについて意欲を失ったとき、日本の年金全体がガタガタと音をたてて崩れるということに非常に強い危機感を持っているんですが、その点についてはどのようなお考えを持っていますか。
#132
○政府委員(滝実君) 確かにいわゆる団塊の世代が年金の受給者になるこの時期が要するに日本の年金制度が非常に財政的に苦しくなる、こういうことはおっしゃるとおりだと思います。そのために、昭和六十年の年金制度改正ということもそういうような事態というものを見据えて行われた経緯もあろうかと思うのでございますけれども、要は、その大量に将来出てまいります年金受給者に対して、いかに将来の安定した年金を保障するか、こういうことはおっしゃるように大事な問題でございまして、それを基本にやはりこれからの年金というものは考えられていく、こういうことだろうと考えております。
#133
○岩本久人君 さっき大臣が言われたように人生は八十年から九十年へと延びているということを考えてみても、六十五歳問題というのは第一線で頑張ってもらっている警察官とか消防職員にとってはこれは大変な問題だろうと思うんですが、この点はどのように考えておられますか。
#134
○政府委員(滝実君) この問題も特定の職員のグループになるわけでございますけれども、大変難しい問題を抱えているということは私どもも認識をいたしております。これもあわせて先ほどの検討委員会を通じて御検討をいただくということになるわけでございますけれども、あわせて警察庁初め関係省庁の意見も十分にお聞きした上でこういったものの方向づけをしていく、こういうことになろうかと思います。
#135
○岩本久人君 衆議院でのいろんな経緯の中でこの問題は五年間凍結ということですから、五年後をめどにまた新たに議論をしていくことになるわけですね。
 ただ、これは地共済のみならず、それらが果たしている役割を考えてみたら地方行政全体にとっても大変重要な意味を持っておると思うんです。どうか閣議決定に加わられた大臣、それはまだ生きておると言っておられるわけですから、でありますからこそ、この問題はそういう大変重要な問題を含んでおるということにひとつ思いをいたしていただき、慎重の上にも慎重にひとつやっていただきたいということを特にお願いをして、大臣に対する質問は今後しませんので、よろしくお願いいたします。
 次の問題に移ります。制度間調整の問題ですが、いずれにしても、それぞれの制度ごとに生まれたときの思想とか経緯とか歴史とかいろんな問題の中でそれぞれが一生懸命頑張ってきた。それをあるとき突然制度間で調整せいというような、いわゆる財政的視点だけで強引なやり方というのは抵抗があるのが当たり前、このように思うんですが、その点についての見解をまずお伺いしたいと思います。
#136
○政府委員(滝実君) おっしゃるように、地方公務員共済につきましても地方公務員共済なりに努力をしてきたことは私どももそういう理解をいたしておりますし、それを誇りにしてきておりますから、おっしゃるとおりの面があろうかと思います。しかし、各年金の将来を考えた場合に、いずれも何がしかの不安要素を抱えているというのが恐らくは実態だろう。したがって、今の段階から、やはり将来に備えての財政調整というような仕組みというのは多かれ少なかれ考えていかざるを得ない、こういうことに立って私どもとしてはこの制度間調整というものを理解している次第でございます。
#137
○岩本久人君 いずれにしても、平成七年における公的一元化の問題というところが一番の大事なことですね。まずいわゆる公的一元化の姿をどのように考えておられるか。これは厚生省と自治省と両方答弁してもらいたいと思います。
#138
○政府委員(森仁美君) 公的年金制度につきましては、本格化する高齢化社会に向けまして就業構造あるいは産業構造の変化に対応できる安定したものでなければならないということが大変重要でございます。このために各制度間の給付と負担の両面におきます公平というものを確保する必要がございます。政府としましては、平成七年を目途に公的年金を一元化するということでやってまいりましたが、まず昭和六十年の改正で全国民に共通いたします基礎年金を導入いたしまして、公的年金のいわば一階部分に当たります部分についての一元化を図ってまいりました。今後の課題は、いわば二階部分に当たります報酬比例部分の二九化ということでございまして、これにつきましては既に給付面で将来に向けての公平化ということを図ってまいったところであります。
 今回、制度間調整法として御提案を申し上げておりますのは、一元化に向けましての中間的な措置といたしまして各制度間での負担の不均衡の是正を図るということから、被用者年金制度間の負担調整を行うという仕組みにしたわけでございます。被用者年金の一元化の最終的な姿につきましては年金審議会から示されておりますが、新たな単一の制度を創設すべきであるという考え方がございまして、今回の制度間調整事業の運営の推移を見ながら、さらには各制度間に残されました支給要件の差異などの調整を含めまして関係審議会で具体的な検討をお願いしてまいりたいと考えているところでございます。
#139
○政府委員(滝実君) 年金一元化の問題につきましては、ただいま厚生省からお話があったように私どもも理解をいたしております。ただその際に、一元化の中身につきましては必ずしも検討の余地がないわけではない、こういう理解をいたしておりまして、私どもとしてはこの個々の年金制度がやはり従来どおりの自律性を持って一元化に臨むべきだと、こういう考え方を実は持っているわけでございます。
#140
○岩本久人君 今若干答弁もあったのですが、特に組合が問題にするのは、その場合地共済がどうなるか、こういうことですね。特に二階部分、三階部分のところについて、あなたも言われたように自律性をとにかく確保するということが一番重要な問題だと思いますが、その点は、もう一度。
#141
○政府委員(滝実君) 私どもはそういうふうに理解をいたしております。
#142
○岩本久人君 平成二年から六年までの五年間の措置が今やられておるわけですが、それ以後の鉄道共済の見通しはどうなるんですか、それを聞きたいんです。
#143
○政府委員(滝実君) これは私どもからお答えするのはやや筋が違うんでございますけれども、担当所管省が来ておりませんので私の知っている範囲内でお答えをさせていただきたいと思います。
 現在の負担調整法によりましていわゆる鉄道共済については当面の財政的なしのぎ方ができる、こういうようなことになろうかと思うのでございますけれども、現在別途御審議をいただいております負担調整法、これにつきましては、とりあえず三年間の期限を付されておりまして、その後の問題につきましてはその段階において再度協議をさせていただく、こういうことになっているわけでございますので、将来の問題はまたその都度その段階で、こういうことになろうかと思います。
#144
○岩本久人君 今回の措置で地共済は二百十六億円を負担する、こういうことになるわけですね。これはどのように措置されるお考えですか。
#145
○政府委員(滝実君) 負担調整法によりまして基本的には平均二百十六億円を地方公務員共済からこの調整事業に拠出する、こういうことは御指摘のとおりでございます。
 問題は、お尋ねのございましたものはどういう形で支出するかということだろうと思うのでございますけれども、現在地方公務員共済組合連合会におきましては、この十二月から財政再計算をいたしまして既に財源率の改定を行っております。これにつきましては、厚生年金においてもそうでございますけれども、すべての年金がこの負担調整法による拠出金については財源計算にまだ算入していない、こういう状況でございまして、地方公務員共済も全く同じ状況でございます。したがいまして、出し方としましては、恐らくは現在の積立金の中からとりあえず支出する、こういうことになろうかと思います。
#146
○岩本久人君 とりあえず積立金から支出するということではあっても、その意味は組合が負担するということと変わらぬわけですよ、それは。
#147
○政府委員(滝実君) それはおっしゃるとおりでございまして、次期財政再計算の際に、当然積立金がそれだけ減ればそれを反映した財政計算をする、こういうことになりますので、おっしゃるとおりということだと思います。
#148
○岩本久人君 まあやむを得ないということなのかもわからぬですが、問題はやっぱり残ると思います。
 ところで、地方公務員共済組合連合会の資料によると、今回の将来収支見通しは平成三十二年で千分の三百九十となる。この千分の三百九十とはその二分の一が組合の負担であるということを思うと、この年金の掛金のために毎月毎月給料の約二割近くを負担せにゃいかぬということでしょう。そうすると、それだけでなくて税金の問題とかその他いろんなことから考えると、だんだんだんだん給料の手取りが少なくなるということから見れば、健康で文化的な生活を追求する権利があるといいながら、私は、この掛金の割合というものは最低限の限度を超えておるんではないかと思うんですが、そのことについてどう思われるか。適正な額とはどの程度までと思われるかということも含めてお願いしたいと思います。
#149
○政府委員(滝実君) おっしゃるとおり、今回の地方公務員共済組合の財政再計算によりまして将来見通しを立てますと、現在のまま推移いたしますと、五年ごとに千分の三十八ずつ財源率を引き上げていく必要がある。その結果、平成三十二年、今から三十年後になりますけれども、三十年後に千分の三百九十、こういう段階を迎えるというのが一応の推計でございます。
 これにはいろいろ前提があるんでございますけれども、おっしゃるとおり、その段階で端的に申せば個人の掛金が二割近くになる、こういうことは避けられない、こういう問題があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この問題はあと三十年後のことでございますのでその段階でどうなるか、こういうようなことではなかろうかと思います。
 それから、もう一つお話しでございました適正水準、これはなかなか議論があるところでございますけれども、いかほどが適正水準かというのはこれは一概に決められない問題かと思うのでございます。これは年金負担者にとっては基本的な問題でございまして、だれしも適正水準がいかにあるべきかということを基本的な問題とされているわけでございますけれども、ここら辺はなかなか結論が出にくい、こういうことでございまして、私どもの立場から今の段階ではなかなか将来の適正水準というのは申しにくい点を御理解賜りたいと思うのでございます。
#150
○岩本久人君 基礎年金拠出金に対する公的負担の割合ですね、現在の三分の一を二分の一に引き上げるべきじゃないかということでいろんな努力を関係者の中でやられておるわけですが、そのことについての見解を伺いたいと思っています。
#151
○政府委員(滝実君) おっしゃるとおり基礎年金につきましては現在公的負担がその三分の一、こういうことで昭和六十年の大改正がなされているわけでございます。従前は大体公的負担の平均をとりますと、これは制度的な問題でございますけれども、一五・八五%というのが公的負担の基本的な数字だったんでございますけれども、大改正によりまして基礎年金部分についてのみ三分の一の公的負担をする、こういう大改正がなされたわけでございます。
 その趣旨はここで申し上げますと長くなりますので省略させていただきますけれども、そういう大改正をした直後でございますし、その趣旨は、要するに将来の公的負担というものの継続が難しいというような背景でなされてきた問題でもございますので、私どもとしては、この三分の一そのものについてはいろいろ議論があろうかと思いますけれども、これを今おっしゃるような方向で考えていくというのは今の段階では難しいんじゃなかろうか、こういうふうに承知をいたしております。
#152
○岩本久人君 今回の年金額の引き上げの内容と、それから衆議院で修正をされた六カ月間さかのぼるという問題、これに対する所要額をお願いいたします。
#153
○政府委員(滝実君) 当初原案では、四月以来の物価スライドによりまして〇・七%の年金額の改定をする、それを十月からは今度は既往の、昔の給与を昭和六十三年度の価格に引き上げる、こういうことで給与の再評価をいたしまして改定をする、こういう二段構えであったわけでございます。その結果、衆議院の修正によりまして、先ほど最初に御説明がございましたけれども、十月と予定していたものが修正案では四月ということになっておりますので、その限りにおきましては当初原案でございました〇・七%の物価スライド分の引き上げはその五%にのみ込まれる格好になりますので、その〇・七のところが消えまして四月から五%の引き上げ、こういうことになるわけでございます。
 ただ、その詳細を申し上げますと、六十三年度価格に合わせるものでございますので、昭和六十一年のものについては五%、六十二年につきましては三%、こういうふうにその時期によって若干のずれがございますけれども、一口に申しますと六十三年度価格によって引き上げる、こういうことでございます。
 この結果、所要財源としては幾ら増加するかと申しますと、四百五十八億円でございますか、ちょっと私ども細かい計算をまだしかねておりますけれども、大体四百五十八億円ぐらいではなかろうか、こういうふうに考えております。
#154
○岩本久人君 今回の改正で引き上げの対象から外された部分がありますね、それをどのように理解しておられるか、お願いしたいと思います。
#155
○説明員(石田淳君) 今おっしゃったのは従前額保障の対象となりましてスライドの改定の対象にならなかった人のことをおっしゃるのだと思いますが、今受給者は全部で百二十九万ございますが、そのうち今度の改定の対象となる方は百八万でございまして、いわゆる従前額保障された結果対象とならない方は二十一万人でございますが、約一六%になります。
#156
○岩本久人君 次に、いわゆる恩給との格差問題ですね、時間がありませんのではしょることを許してください、それをどう思われるかということと、それから軍人恩給・遺族年金、これの引き上げの内容についてこの際お聞かせ願いたいと思います。
#157
○説明員(大坪正彦君) 後段の軍人恩給の引き上げ部分についてお答え申し上げます。
 恐らく先生の御趣旨は、今度の公的年金の十月を四月に引き上げるという観点で恩給の引き上げはどうなっているかという御趣旨かというふうに思いますが、恩給の改善の方式と申しますのは、公的年金におきますような毎年物価スライドをした上で五年ごとに給付水準の見直しをするというような二段階方式はとってございません。したがいまして、平成元年度の恩給改善につきましても、その基本額はすべて四月実施ということの一本でやってございます。その改善率は二・〇二%でございます。
#158
○政府委員(滝実君) 恩給と年金との格差の問題でございます。おっしゃるとおり年金につきましては物価スライド方式を採用してきた点もございますので、恩給とそういう意味では格差が生じているというのが実態でございます。これは昭和六十年の制度改正の際に、そういう物価を基準とした方式に変更したということもございまして、多少そういうところでは差が出てきている。しかし、今回のこの法案によりまして給与の再評価をする、こういうことでございますので、その再評価に関して言えばその段階で恩給とほぼ見合うような水準に改定される、こういう状況になっております。
#159
○岩本久人君 確かに再評価したときには追いつく、しかしまた次に再評価するまでこういう格好になるわけでしょう。そうするとここのところが結局谷間になって、格差というものが依然と残るという不満があるんですね。その点どう思われますか。
#160
○政府委員(滝実君) これは制度改正の際に、物価基準方式にするか賃金動向に準拠するか、こういうような議論があったわけでございますけれども、結論として、物価に強い方式ということで物価基準方式ということになっている事情がございまして、ある時期ではというか、現在ではもちろん恩給との格差が出ているという点もあるんでございますけれども、それはどういう原則をとるかによってのやむを得ない差ではなかろうか、こういうふうに感じておるわけでございます。
#161
○岩本久人君 やむを得ない差というふうに言ってもらうとそれこそ身もふたもないということになるんですが、特に恩給期間と共済年金がまたがっているものについては、やはりスライド的な措置をとる必要があるというように私は思うんですけれども、その点どのようにお考えでしょうか。
#162
○政府委員(滝実君) 恩給期間があって、いわば先ほどのお話のように、今回の再評価によってもなかなかその域に達しない、こういう方々の問題かと思うのでございますけれども、この辺のところはやはり後世代がいかに負担をしていくか、こういうようなことで制度改正されておる点がございますので、その辺のところはある程度やむを得ないところがあるのじゃなかろうか、こういう感じがいたします。
#163
○岩本久人君 時間があと十分しかありませんので、ちょっとまとめて質問させていただきたいと思います。
 次に、年金の支給回数の問題です。今回の改正で年六回になるということで、それなりに評価をするものですが、しかし、受給者の気持ちからいけば、やはり毎月支給ということに努力すべきではないか、こう思うんですが、その点についてお伺いいたします。
#164
○説明員(石田淳君) 受給者からいろいろ要望があるわけでございますが、最終的には毎月支給という問題も考えられますが、現在の共済組合の事務処理体制とか所要経費の問題もありまして、また、これ厚生年金、国共、全年金の共通の問題でもありますので、今後、毎月支給につきましては、事務処理体制の実態を十分勘案しながら、関係省庁と慎重に検討を行っていくことが必要だ、かように考えております。
#165
○岩本久人君 今言われた事務局体制の問題ですが、現在でも、本部に集中したということから事務量の増大で大変第一線現場では困っておられるというふうに聞くんですが、現在の事務局体制のまず現状と、それから今度改正されることに伴って業務量が一時的、あるいはその後恒常的にふえますね。そういうことについてどのような対応をされていくかお伺いいたします。
#166
○説明員(石田淳君) 各共済組合で年金事務を処理するわけでございますが、各共済組合も現在事務量が非常に増加して忙しい状況にはございますが、今回の四回から六回支給にすることにつきましては、我々としてはなるべく、事務処理の機械化とか合理化を一層推進することによりまして、できたら現在の人員とか体制の中で対応していきたいと考えておりますが、今後また実際事務処理をやります共済組合の実情等もよく聞きながら適切に対処していきたい、かように考えております。
#167
○岩本久人君 過去十年間における地方公務員共済組合の受給者の数と、それから、本部に集中された三年前と今とでは、対応される職員の数、その比較はどうなってますか、お伺いします。
#168
○説明員(石田淳君) 地方職員共済組合の年金受給者の数のお尋ねでございますが、五十四年度では九万六千人弱でございましたが、六十三年度では十七万六千人弱、伸び率にしますと約一・八倍となっておりまして、一方、事務処理の担当者の数でございますが、これは統計がきちっとしたのがあれですが、本部集中する前の昭和六十年六月現在では二百十四人でございましたが、本部集中した後では、平成元年四月現在でございますが、百九十五人、十九人の減となっております。
#169
○岩本久人君 それは機械化等の問題があるにしても、ふえたのに減っておるというのは、どこかに大変大きな支障が出ておるということが十分予想できますので、その辺はやっぱり十分体制の確立にもひとつ今後御努力をお願いしたい。要望しておきたいと思います。
 そこで、支給事務の費用の増加についてでありますが、これはどの程度か。また、これは′厚生年金等と同様に国の負担ですべきではないか、こう思うんですが、その点についてお伺いいたします。
#170
○説明員(石田淳君) 四回から六回の二回増によって必要となります経費は約五億円程度と見込んでおりますが、本来、この共済事務につきましては地方公共団体の負担ということになっておりまして、地方財政計画へ計上され、最終的には地方交付税で措置されるということになっております。
#171
○岩本久人君 次に短期給付問題について質問をいたします。
 地方公務員共済組合の短期給付の現在の財政状況はどのようになっておるのかお伺いいたします。
#172
○政府委員(滝実君) 現在の短期給付の財政でございますけれども、医療費の増高あるいは老人保健あるいは退職者医療、こういった拠出金が相当に伸びておりまして、そういう意味では財政そのものはこの数年来非常に悪化いたしておりまして、財源率を大幅に引き上げざるを得ない、こういう状況でございます。現在の状況から申しますと、平均的な掛金率で申しますと、昭和六十三年度に平均千分の四十九・八ぐらいの掛金率であったものが、一・五ぐらい上がりまして千分の五十一・三五、こういうふうに単年度間でも掛金率が上がってきている、こういう状況でございます。
#173
○岩本久人君 そこで、この改正案では、短期給付について全国市町村共済組合連合会において新たな財政調整事業を実施するとありますが、この新たなというのはどういう内容か、また、財政調整事業の内容で特に「自治大臣が指定するその他の組合」というものがありますが、これは何かということですね。それから、「自治大臣が定める基準を超えるもの」としている「短期給付の掛金に係る著しい不均衡」の問題ですが、この基準の内容とか数字の根拠は何か。また、交付金の交付を受ける組合の数は当初どの程度か。また、拠出金の拠出に要する費用は事業主である地方団体が負担することとなっているわけですが、この場合の財政措置はどうか。以上、その点一括質問いたします。
#174
○政府委員(滝実君) 今回、この法案で予定いたしております新たな財政調整の内容でございますけれども、これは従来市町村共済組合連合会の中でやってきました調整方法とほぼ同様の調整方法をとるわけでございます。要するに新しい方法というのは、組合員の掛金率を千分の五十六で抑えちゃう。それ以上には掛金は上げません。その分は連合会が補てんします。その補てんはどうするかといいますと、個々の事業主が拠出金を出すのでございますけれども、個々の市町村が出す拠出金につきましては新たに普通交付税で補てんします、こういうものでございます。要するに内容は二つございまして、最終的な財源は普通交付税で補てんします。それから千分の五十六を超える掛金はもうございません、それでもって頭打ちにします。こういうようなのがその内容でございます。
 それから、お尋ねのございました文言上の問題で、自治大臣が定める「その他の組合」というのは何かと申しますと、これは政令市の中でございまして、財政事情のよくない札幌市、名古屋市、こういうところが該当する、こういうふうに私どもは考えております。
 それから、千分の五十六の基準かと思いますけれども、これは既に健康保健組合におきましては、ほぼ千分の四十五の掛金で頭打ちにしているわけでございます。ところが、これは健康保険でございますから、それを地方公務員共済のベースに直しますと千分の五十六になる。こういうことから、要するに今回の改正は健康保険組合の掛金の頭打ちを共済の方にもそのまま導入してきたというのがその改正の中身というかその基準の数値になる、こういうふうに私どもは考えているわけでございます。
 それから、新しいこの調整の対象となる組合は七つぐらいの組合がございます。
#175
○岩本久人君 老人保健拠出金や退職者医療拠出金の増大というものが実はこの短期給付の財政の悪化の原因だ、こういうふうに聞いているんですが、御存じのように、現在老人保健審議会で老人保健法の見直しがされていますが、これがどうなっているのかお伺いいたしたいと思います。
#176
○説明員(浅野楢悦君) 老人保健制度につきましては、先生御指摘のように、昨年十月以来、老人保健審議会におきまして保健、医療、福祉にわたります幅広い観点から、今の財源負担の問題のみならず、高齢者にふさわしい福祉あるいは医療のあり方等、幅広い観点で御検討をお願いいたしておるところでございます。
 この審議会におきましては、既に十五回にわたって事細かな審議が行われておりますけれども、順調にまいりますれば、今月の十五日、十八日、二回予定をいたしておりまして、意見の取りまとめができようかと強く期待をいたしておるところでございます。
#177
○岩本久人君 それで、この老人保健拠出金の加入者按分率の問題ですが、これを一〇〇%にするということには私どもは反対をする立場をとっておるんですが、当面現行の九〇%から段階的に引き下げる、これは審議会の意見書でもそのようになっていると思うんですが、そのことについての見解をお伺いしたいと思います。
#178
○説明員(浅野楢悦君) その点につきましても、老人保健審議会の検討事項の重要な柱としていろんな角度、立場から検討が加えられておるところでございまして、先ほど申し上げましたように、意見の取りまとめを審議会でお願いをいたしておりますところでございますので、役所の立場からその見通しをただいま申し上げる状況にはございません。御容赦をお願いいたしたいと思います。
#179
○岩本久人君 今の問題で、所管する自治省としてどのように働きかけられるか、努力をされる方針かお伺いしたいと思うんです。
#180
○政府委員(滝実君) この問題は、自治省の立場としましてもいろんな立場があるのでございますけれども、私ども共済の立場からいたしますと、やはりこの短期給付事業に影響が極端に出るような制度というのは共済の立場からは望ましくない、こういうことに相なるわけでございます。したがって、基本的にはこの加入者按分率の一〇〇%というのは、私どもとしては確かにつらい、こういうことでございます。
 しかし、それ以上に、さらに私どもは、この短期給付が事業に影響のあるようなそういうような制度改正というものは今後ともできるだけ抑えてもらいたいという気持ちで、厚生省にはそういうような働きかけをいたしておる、こういう現状でございます。
#181
○岩本久人君 今の財政状況ですね、短期給付の。今後常識的に考えてみても悪化するということが十分予想されることを考えると、やはり組合健保と同じように、掛金割合についてはいわゆる労働者側の負担を軽減するということを自治省としても本気で考えてもらう必要があると思うんですが、その点についてお伺いして終わりたいと思います。
#182
○政府委員(滝実君) おっしゃるような御意見は当然あり得るわけでございますけれども、この短期給付につきましても、健康保険から始まって折半方式というのがいわば大原則になっている、こういう状況でございますので、確かに短期給付の立場からすれば大変ありがたい御提案であるわけでございますけれども、なかなか難しい状況ではなかろうか、こういうふうに私どもは理解をいたしておるところでございます。
#183
○常松克安君 長官、これでお会いするのは二度目でございます。本年七月、私はのるか反るか、生きるか死ぬか全国遊説の途上、金沢グランドホテルでお会いいたしました。そのとき私は民間人でございました。ところが、どなたが来ていらっしゃるかと聞いたら、長官がおいでだと。遠いところから会釈をいたしまして、私ごときまで気配りされまして、ぱっと会釈を返していただきました。ああ人柄のいい方だなと御信頼申し上げる方だ、かように思っております。
 そのお人柄のいい長官が交通戦争と。戦争でありますから、警戒警報ですか空襲警報ですか爆弾が落ちているのか。言うなら、戦争という言葉を使われるのはコピーのためにお使いじゃないはずだ。相当なる決意で、例えば一カ月間全国取り締まりをやる。完全に六十キロを五キロもオーバさせないというふうなほどまでの決意。昭和四十五年一万六千七百六十五名死亡、五十四年が八千四百六十六名、本年になりまして約一万、こういう裏づけで長官の並々ならぬ決意をされていらっしゃるわけでありまするが、交通戦争と言うのでありますから相当な御決意。よって、衆議院の議事録を全部読ませていただきました。お話も全部頭の中へ入れての重複しない御質問あるいは御意見をちょうだいしたい。
 まずその所感からひとつお願いしたいと存じます。
#184
○政府委員(金澤昭雄君) 交通戦争についての認識でございますが、ただいまお話がありましたように、昭和四十五年に一万六千人以上のピークでありました。五十四年にはそれがほぼ半減になった。また今お話がありましたように、ことしは、十三年ぶりの去年をまた上回る、もう既に去年を上回っておりますが、一万一千名の大台を超えるかどうか非常に厳しい状況でございます。
 そういうように一万一千名を超えるような厳しい情勢にやはり警察として、また国民全体としてどう対応すべきか、こういう問題で、これは国民全体が非常に厳しい心境といいますか、心構えを持って総ぐるみで当たらなければ交通事故の減少というものは成り立たないだろう、こういう切なる気持ちを持ちまして第二次交通戦争という名称を使ったわけでございます。まあやや表現において厳しさという点を強調し過ぎた点はあるかと思いますが、事態はそれほど厳しい状況になっておる、こういう認識で使っておりますので、ひとつその点は御理解をいただきたいと思います。
 事故防止につきましては、私どもの方が担当いたしております取り締まりでもってアスピリン的な即効的な効果を期待するということももちろんあるわけでございます。一つは十二月に入りまして全国一斉の飲酒運転の取り締まりというものをこの前約三万名の警察官を動員してやったわけでございますが、取り締まりによって事故を減らしていくというのは即効的なアスピリン的な効果はありましても、長期的に見ますとどうしても息切れがいたします。したがいまして、先ほど来お話が出ておりましたように、やはり安全教育の問題とそれから安全施設の問題、人の心と物の面からの対策があわせて行われる、それに取り締まりが行われる、こういう三位一体というような形でもって総合的に対策が行われるということでこの交通戦争を乗り切っていきたい、こういうところが心境でございます。
#185
○常松克安君 それでは、国民全体の理解と協力、認識が必要である。ならば警察庁、この問題を戦争と心得ているんですから、審議会というものをなぜおつくりにならないか。今お持ちになっていらっしゃいますこれ、非常に不満が残ります。交通警察懇談会がございます、免許制度研究会がございます。しかし、この中でやはり一番問われる人の命が大事、救急というお考え、これがここにはにじみ出とらぬわけであります。懇談会の中になぜ救急救命センターの医学博士が入らないのか、あるいは懇談会であるならば救急隊員が入って現場というふうなものをなぜもっと大きくできないんだろう。例えば我々地行のメンバーが調査会なり小委員会なりそういう中で平時から、年に何度かあるような委員会じゃなくして、平時からこういうふうな問題をもっと大きく取り上げていくということもこれは必要かと思う。
 ですから、こういうふうな中で、人間の顔が見える行政という立場においてこういうメンバーが入っていない。いないのは無理ないんです。つくられた経過、目的を聞きますとまだまだそういうふうな意識の発足じゃなかったわけでありますから、あえて御無理は申しませんが、すぐにもあすにでも、これは人の命、交通事故という問題、それを命が大事だから減らそうとして、与えられる各省庁の連絡を待っておったらなかなか縦割りで決まりませんので、本当に交通局長としてできる範囲の中で御努力をなさったこの制度については賛成でありまするが、お言葉の中から走る凶器という言葉は全然出てこないわけです、議事録を見ても。
 もっと極論しますと、経済というものを無視して申し上げますが、初年度一年間は六十キロ以上出ない車に乗車のこと、例えばですよ。何をむちゃな理想論言いなさんなと言われることわかって言っている。人の命という問題で救急センターというものは必死になっておるのだけれどもな、救急隊員の人はどういうふうになっているのだろうな、こう思うわけでございます。いかがでございましょうか。
#186
○政府委員(金澤昭雄君) これまでもできるだけ各方面の御意見を承っていろいろと案をつくっておるわけでございますが、ただいまお話のありましたような点、これはもう十分に参考にさせていただきます。幅広く御意見を承るというのが私どもの一つの姿勢でございますので、今後ぜひそういうことでやってまいりたいと思います。
 また、申し添えますと、衆議院の交通安全対策特別委員会でのいろいろな御議論がございます。また、衆参両議院の地方行政委員会でのいろいろな御議論がございますが、そういったいろいろな御議論もあわせて今までもやってまいったつもりでおりますし、今後も参考にしながら、大いに具体化に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#187
○常松克安君 委員会の設置はいかがですか、委員会、審議会、調査会の設置は。警察庁直属の審議会を設けることを御質問したい。
#188
○政府委員(金澤昭雄君) その辺も今後十分検討してまいりたいと思います。
#189
○常松克安君 では、救急隊からの、現場を調査いたしました上で申し上げます。
 交通事故で救急隊が走りまして、最初の初段、これの一分が人の命に物すごく関係してくるわけです。ところが今度搬送する場合、医療行為とひっかかって、心臓がとまりそう、やってあげたらいいがこれは医療行為であかん、これがために必死に血みどろな走行をするわけですが、ここのコンピューター化している制度ですから、これを何とかそういう緊急な場合はコンピューター装置でスムーズにしていただくというお考えはないだろうか、それでなくても大変な道路ですから。
 あるいは第二番目は、これは運輸省がいらっしゃらないとちょっとあれと存じますけれども、意見と聞き流していただいても結構でございます。
 高速道路における交通事故発生、これはひとえに距離が遠いのです。あの中に入っていけないのです、救急隊が。よって、何かのエリアいろいろございます、そこにヘリが発着するものをつけること。東海大地震においても必要であります。東京直下型とも言われている。こういうふうな面も交通という上からいって存念していただきとう存じます。
 それから、運転免許を取得するときに、通りさえすればいいというものですから、もう少し濃度を濃くして、救急車が走る場合の避譲、このことを試験の中には入れられぬか、試験点数の中に。これはただ注意項目は書いてありますよ。しかしアメリカのようにピーと鳴ってのかなかったら点数制度でやられちゃう、罰金で。こういうふうなところまでの考えが人の命を救うということについて重要じゃなかろうか。
 その次は、これはもう当然教育の中でございますけれども、何か一般の方々も、交通事故は大変なのだから、ちょっとやじ馬的に遠巻きには見ますけれども、それに対して飛んでいって助けて起こしてということは、下手にいらうと後で訴訟で訴えられたらかなわぬものですからいらえない。こういうふうなことに関するやはり交通局としての考えが必要じゃないだろうか。
 最後には、交通が渋滞をする、救急車が困ります。駐車違反、これはもう大変なことで、これは端的にいかぬと存じますけれども、少なくともこの道だけは緊急道路ということで、そういうところで特に取り締まりを厳しくしていただかないと、そのことによって一分でも三十秒でも助かるわけでございます。
 こういう考えをまとめて、これはもう長官一々立つの大変でございますので、局長どうぞ。
#190
○政府委員(関根謙一君) 緊急自動車の走行等につきまして幾つかの御質問がございましたので、順次お答えを申し上げたいと思います。
 まず、緊急自動車の走行をスムーズにすることができるように交通管制システムが工夫できないかというお尋ねでございます。現在私どもの方でも緊急自動車に発信機みたいなものをつけまして、それを車両感知機等でキャッチして、それで信号が自動的に変わるというような……
#191
○常松克安君 もうちょっと大きな声で言っていただけませんか。大事なところですから。
#192
○政府委員(関根謙一君) どうも失礼いたしました。
 緊急自動車の走行をスムーズにするために、緊急自動車を検出いたしまして緊急優先通行の信号制御を行うこと等について研究中でございます。一つの手法でございますが、緊急自動車に発信機みたいなものを装備いたしまして、それを車両感知機が感知いたしまして交差点等での信号の制御に資するというようなシステムでございます。いろいろ一長一短がございまして、どの程度実用に供することができるかどうか現在研究をしている段階でございます。
 それから、第二点目のヘリコプターを利用しての救助の問題でございます。これも研究中でございますが、いわば費用の問題やらヘリポートの問題やらいろいろございますので、それを検討しております。
 それから、免許取得時における避譲義務についての教育、これを試験制度とつなげてはどうかとの御質問でございますが、避譲義務、道路交通法の四十条の規定がございますが、これに基づきまして各教習所における学科教習及び技能教習、両方で教習を行っているところでございます。その技能教習の過程でこれは路上訓練がございます。実際に試験も路上試験でございますので、その場に緊急車両が走ってくればおのずから避譲の措置を講ずるかどうかが判明するわけでございます。ですから、一部は試験に取り組まれていると考えてもよろしいかと思います。
 それから次に、渋滞の原因となる違法駐車を排除するために緊急車両が走行するための道路というかそういう車線を設けてはどうかとの御意見でございますが、これにつきましては今後検討をさせていただきたいと思います。
#193
○常松克安君 それでは少し本題に入ってまいりますけれども、初心者運転期間の制度の提案をちょうだいいたしました。これ一年で果たして効果が出ますか。論議の中で二年、三年という論議はなかったのか、まず一点。一年間ということで、若者なんかに聞いてみると、ほな一年間ペーパーで持っとって乗るまいと、こう言いよる。すると二年目やったらそんなもんにひっかからせんと。まあ人間というのはどこまでいっても法と悪知恵の戦争でございます。
 第二番目。一般一流企業では一年間絶対乗っけないんです。運転させないんです。社の用事で運転するときはですよ、個人は別です。助手なんです。社内でもう一遍訓練しよるんです。そうしてきますと、こういう人たちが避けられてくる。一番やっぱり聞いて、ふと思いをなすのは、二年、三年たってなれてきたときに非常にこういうふうな事故が多いということも聞かされます。それはそれなりのいろんな検討があってのことでありましょうけれども、これが一点。
 第二点、道交法九十八条に基づいて、教習所でこの受け皿を決めていかれるわけですけれども、その教習所の先生が必ずしも優秀なドライバーとは限りません。これをどういうところで訓練するか、中央でおやりになる。議事録を見せていただきました。
 ここで一つ問題点は、例えば三重県は二十二カ所あるんです。その二十二カ所はもう既に大体七カ所ぐらいにしようかといって話が進んでおるんです。北勢、中勢、南勢、紀勢と。そうしますと、今度はそれ一体持ち回りにしようか、どこが指定受けるか、物すごい下で引っ張り合いが始まっているんです。こういうふうな問題もあわせて、現場へ行きますと、人なり場所指定、こういうことも非常にありますから、施行はずっと先に延ばしていらして、これから調整にお入りになるんですから、その余分なところはもう結構です。
 私の言いたいのは、最後の今度罰則のようなものがつくものですから、一応。三点に達して講習を受けなかったら試験してこうしてこうと。それでもあかんかったら、それじゃこうと。
 そうすると、なぜ八千何百名減ったか。その当時に教習所に行って、おやめになったのが一三%と出ています。なぜ出るか。それは物すごいきつかった。ブレーキの踏み方が悪いと、もう教習所の先生は足をぼかっとけっ飛ばすんです。そのぐらいのインパクトを与えぬことにはあかんという一つの考えもあった当時でもありましょうが、そういうようにやみくもにこれがたんだん粗雑な運転をしておってひっかかりそうになってくると、試験を受けるといつもあかんと、五点、十点。ところが技術は百点満点。こういうふうにいろいろ性格がばらばらですから、法に定めて定めがつかない問題がございます。私が心配なのは、権限を持たせていただくのは結構だけれども、またそれでせっかく民主警察のようなイメージから、それが下請のような教習所で、ほとんどそれが警察署長のOBさんで、学校の校長さんが。そういうところでまた変なイメージを与えてしまうことというのが非常にせっかくのこの法が生かせ切れない問題にならないだろうかなと。
 以上、まとめて質問いたしました。
#194
○政府委員(関根謙一君) まず、お尋ねの初心運転者期間を一年とした理由についてでございます。現在の交通事故実態等を分析してみますと、交通事故の原因の九〇%以上が自動車の運転によるものでございます。その自動車を第一当事者とする事故の四〇%が若年者が運転する自動車によっているということがございます。さらに、初心運転者、つまり一年未満のドライバーでございますが、現在六千万のドライバーのうち三百三十万人ほど、毎年その程度が出てまいります。その人たちが全体の六%ほどでございますが、事故全体の一二・五%、死亡事故の一四・九%を起こしているということで、一年未満のドライバーの事故率が高いということがございます。さらに、二年以上の人と一年未満の人とで事故率を比較してみますと、死亡事故では約三倍、一般その他の事故で二倍ということで、要するに一年ということとしたものでございます。
 次にペーパードライバーの問題でございます。これも確かに問題点であることは私どもも重々意識しておりまして、運用上注意をしていきたいと考えております。ただ、私どものアンケート調査でございますが、運転免許を取得した人が一年間運転をしないという比率は三%前後でございます。ペーパードライバー全体は運転免許保有者の七、八%と言われておりますが、初心運転者に限っては非常に少ないということでございます。ただ、いずれにしましてもペーパードライバーであった方々が二年目から運転を始めるという場合、やはり危険でございますので、ペーパードライバーについての特別講習のシステムを強化したいと考えております。現在、全国で千五百二十三カ所ほどの教習所がございますが、そのうちの八百八十カ所以上の教習所がペーパードライバー用の特別講習を行っております。これを強化したいということで対応してまいりたいと考えております。
 それから、教習所の指導員の資質の向上の問題でございます。現在、技能教習を行っております指導員は三万人以上おりますが、その人たちの運転技術につきましては今後各種の研修機関を整備いたしまして、指導員としての資質の向上もあわせて図ってまいりたいと考えております。その一つの機関として、現在、自動車安全運転センターが筑波に建設中でございます中央研修所というようなものを考えております。
 以上でございます。
#195
○常松克安君 じゃ、次申し上げます。
 教習所におけるカリキュラムの中で一番やはり問題になっておりますのはスピードの問題だと思うんです。これをやりますと、東京都内交通渋滞が起こりやしませんやろか。五十なら五十、それよりちょっと見つかったらもう三点引かれまっせ。そうするともうそれは初心者制度パーン。ところが、流れに応じて走らぬと後ろで怒ってきますんや。現実の問題と理想で、ここで活字で物を言うふうに浮世はそんなに簡単に動いてないんです。もっとスピードなんです。あの小さなところで右回り左回り、技術を細々と教えますけれども、百三十キロ、百五十キロ横へ乗っけて、いかに怖いものであるか、それを現実的にやっているところがあるんです。本田のサーキットです。一泊二日で一万五千円費用が要る。二輪車、四輪車ともども先生が百三十キロで飛ばすんです、後ろへつかすんです。危ないと思うでしょう。五周、六周させるんです。その瞬間を前もって物すごく心理学の上で言うんです。妻の顔、両親の顔、子供の顔がドライブ中に少しでも頭にふっと浮かんだらやめてください、これが一つです。第二番目、水をばっとまくんです。百二十キロで飛ばすんです。ブレーキを踏まさせるんです。それは直線ですから危なくないんです。どれだけ車が横転しそうでくるくるいってとまり得ないか。あるいは乾いた道でもやるわけです。
 このスピードはもはや今の教習所の受け皿では、何が問題かといったらこのスピードだと。事故発生率は初心者が多いとおっしゃいました。ところが、お聞きしますと、見通しのいいところの事故発生率が八七%になる。混雑で技術の要るところは事故が少ないんです。といいますのはスピード感です。若い者はメカが好きです。とすると、今の教習所自体のその中の教育方針という問題がもうそぐわなくなってしまっているではないか。それなら走る凶器として一年間もう六十キロしか出せない車しか乗っけない、これの方が一番簡単ですけれども、そんなことを言っておったらこの日本国じゅう大変なことになりますから、私は意見を狭めましたとしても、このカリキュラムの中でこういうふうな問題をやってほしい。今中央研修所をつくっていますから、そこは物すごいところでして、そこで訓練して育てる、こうおっしゃる。何年同月竣工ですか、それは。
#196
○政府委員(関根謙一君) 中央研修所は平成三年の四月に竣工予定でございます。
 そこで、スピードの問題でございますが、先ほど若者が自動車事故の四割を占めると申し上げましたが、その若者の事故の原因の四三%がスピードでございます。そこで、そのスピードがいかに恐ろしいかということを教習所のカリキュラム等で指導する必要が確かにあるわけでございますが、現在、路上教習を中心としておりますからこれは不可能でございますし、現在の教習所の規模では非常に困難でございます。
 そこで、一部の自動車メーカーの行っておりますサーキットのようなところで、希望者を募って、その施設を利用してそういう危険体験と申しますか、それを実際に教えております。こういうことも私ども御協力をいただきながら、若者にそういう体験をしてもらいたいと考えておりますが、さらにドライビングシミュレーターというような、実際に自動車には乗らないのですが、乗ったのと同じような効果のある機械を利用いたしまして、これでスピードの危険体験というものを体験してもらうべくいろいろと検討しているところでございます。
#197
○常松克安君 そういうふうな方向でもう一段突っ込んで今度は申し上げますけれども、教習所で学ぶハンドル用の車と一般で売られておるのはオートマチック、AT車。一時、社会問題になりました。暴走して人をはねたとか、商店に突っ込んだとか。せっかくそういうところへ行かれましても、どうしても便利なメカがあるということで、今四〇%のシェアで乗車されている。これはそぐわないわけですね。こういうようなことの現実に対応できるような、AT車に対しては免許を限定して考えてあげるということも時代に即応した近代的な考え方ではなかろうか、こういうふうに思います。
 いま一つ。車ですから、どうしても長距離になりますから、自分の地域の中というのは、あの村この町この角ということはわかっていますけれども、家族で一緒に乗鞍へ行こうとか、いろいろレジャーということでどうしても遠くなります。こういうときにもう少し取り締まる前に、情報といいますか、ここはチェーンを巻いた方がいいぞとか、まだまだそういう情報が少のうございます。そういうふうなものをどんどん国民の皆さんに交通戦争とは裏腹に提供してあげて、少しでも意識を改革してもらいたいというふうな声もたくさん上がってきているわけですが、この二点、非常に重要な問題だと思いますので、お答えをお願いします。
#198
○政府委員(関根謙一君) まず、AT限定免許の点についてでございますが、御指摘のように全自動車の四〇%以上が現在AT車であるように聞いております。そのAT限定は、特に女性の方々やらお年寄りの方々には運転がしやすいという利点がございまして、私どももそれの安全性という点に注意をいたしながら限定免許の導入について検討しているところでございます。現在いろいろ各界の方々の御意見を伺いながら研究中でございますが、いずれにしましても、前向きに検討してまいりたいと考えております。
 それから、二点目の交通情報の提供についてでございます。私ども、交通の安全確保というのは大事な警察行政の責務の一つでございますが、交通の円滑の確保ということも交通警察行政のもう一つの大事な柱でございます。交通の円滑を図るためには、何よりも適切な交通情報をドライバーの方々に提供するということが必要でございます。現在は関係いたします各部道府県警察の交通管制センター等を通じまして、関連する数府県の情報を提供する等、交通管制につきましては各都道府県警察間で互いに連携を進めているところでございます。
 しかしながら、さらに、お話のありましたようなレジャー等のために、非常に広範囲に自動車交通は広まってまいっておりますので、その活動する可能性のある区域全体との関係でさまざまな情報などがリアルタイムでわかるような総合交通情報システムとも言うべきものを構築すべく検討を進めてまいりたいと考えております。
#199
○常松克安君 じゃ、もう一つ角度を変えて申し上げます。
 私たちが一番喫緊に、またあってはならないことだと思いながらその人の一言一句に耳を傾けざるを得ないのは、交通刑務所で自分が非常に悲しい体験をした人、もう見るに見かねます。しかしその中にも、そこを出られまして、改心されまして社会復帰された人もいますし、いない人もいらっしゃいます。しかし、中には勇気のある人で、君たちの一回の事故がどれだけ大変なことか、私はいまだに二十五年月賦でその御家族に慰謝料を支払っているんだよ、瞬間だれも起こそうとして起こしているんじゃない、機械というのは人間の意思より以上に、あってはならないハプニングが起きるもんだよということを涙ながらに訴えられていらっしゃる方もお見受けいたします。
 まことに失礼なんでございますけれども、点数をとられて一日講習でいいとか、二日講習でいいとか言っていらっしゃるグループ、半分以上は寝ていらっしゃるんですわ。教える方はショッキングなビデオを見せたり、一生懸命しゃべっておられるんですけれども、交通の腕章を巻いた警察官が。あれはもうやめた方がいいですな。時間さえたてば、帰りに印鑑をぽんと押して免許証を持って帰れる。もうほとんど聞いちゃいないという現場もあります。あれをもう少し人の心を、二度と起こすまいという、難しい法令だとか再度起こしたら今度は承知せぬぞと恐怖心を与えるんじゃなくて、もう少し上手な、上手と言ったら失礼でございます、違反を起こした者に上手も失礼もないんですけれども、再度起こすまいというそういうふうな面を、それこそ研修会を開いて、そういう話し方、話術、説得、そういうものもやっぱり信頼に足るものが必要じゃないんでしょうか。
 私は、皆さんからいたださました「赤い門燈」を隅から隅まで全部読ませていただきました。一ページ、じっと男涙にあふれるような場面がございます。暴走族の少年をあのお巡りさんが、警官というイメージじゃございません。お巡りさんが一年間にわたってその心に食い込んで更生さした。立派じゃございませんか。本署から命令があろうとなかろうと、幼稚園へ走り、そして保育所へ行き、小学校へ行ってそうしてそれを丁寧に教えていらっしゃる、そういうことが現場にあるということです。そういうふうな一面、違反を起こすその態度自体もいけませんけれども、そこをやはりならぬ堪忍をしていただいて、人の心を啓発するような、新しいそういう人たちを二度とそういうふうにならないように教えてあげるというふうな内容が今一番急務で求められているんじゃなかろうか、こういうふうに感ずるわけです。
 それとあわせて少し申し上げておきます。
 七十五歳、八十歳で、一回取ったら生涯の権利のようにお持ちでございますけれども、私の体験でございます。父が七十八歳になって単車に乗って、御近所からやめさせてくれと申し込まれました。なぜか。父が前を走るので後ろへ車十五台並ぶんです。安全運転やといって絶対スピード出さぬというふうに、これもまた取り上げると言ったら大反発を受けますけれども、今既にいろいろな施策をおやりになっていらっしゃるけれども、こういう高年齢の方々も取るときはえらい一生懸命取られますけれども、こういう高齢者の方々に対することもこれまた大変なお荷物だと存じます。こういうことをあわせてひとつお答え願います。
#200
○政府委員(関根謙一君) 交通刑務所を出所した方々の生きた体験の活用と申してはなんでございますが、教育の糧として有効に社会に役立てる方法について工夫すべきではないかとの御意見かと思います。私どもも交通刑務所を出所した方々の貴重な御体験を体験集として集めたものも参考とさせていただいております。みずからの体験に基づく教訓は人の心を動かす重みがございます。さらにこれが交通安全教育の教材として役に立つことができるよう工夫をしてまいりたいと考えます。
 それからもう一点の方の高齢者の方々の免許についての考え方でございます。高齢者の方々、特に七十歳を超えるような方々の心身の機能につきましては、これは個人差が大変ございます。非常にお若い方とそうでない方とができてしまうところでございます。そこで、一律に制度を設けることは必ずしも適当でないと考えます。臨時適性検査というシステムが現在道交法にございますが、こういうものの活用でありますとか、とにかく事故防止の観点と円滑化の観点、両方から高齢者の方々についてどのように考えていくべきであるかを今後とも検討してまいりたいと考えております。
#201
○常松克安君 じゃもう一度、長官どこか片隅にでも置いていただけたと思うんでございますけれども、国民総意の上における審議会とか、こういうような面でお考えを願いたい、こう存じます。
 それから、もう一つそちらへ申し上げておきますけれども、ヘルメット、これは中に耐用年数は一応三年という通産省の趣も出ておるわけであります。これは答え要りません。でありますから、その中のガラス繊維の収縮だとか科学的な上で研究なされたことがそろって、裏には必ず製造年月日を入れるようなことも必要であるという我々の同僚議員の質問もあったようでございますから、それもまたひとつ科学的な根拠として今後とも計算に入れておいていただくように、これはお願いしたいと存じます。
 あともう一つ。この中で僕はぱっと見て一番困りますのは、一統企業だとか、しっかりしたところはいいんですけれども、高校を出て就職しますでしょう。三点いうたらこれはすぐなんですな。私たちが皆さんのお声で一番困りますのは、事故に遭った。警察は民事不介入。ああいいです、もう大丈夫、大丈夫、お帰りになる。明くる日には一カ月の医者の診断書が来まして、警察へ行きますと、これはもう重傷です、九点ぱっと上がっちゃう。しかし、それを我々民間人はとやかく言えないわけです、医者の診断書がついていますから。そういうふうになってきまして、今度は会社へ勤めたら、会社の就職の欄の中に普通免許は必要事項としての要求があるわけですよ。取らなくて済むならそれでいいですよ。この社会に生きていくのならなけりゃならぬ。いい会社へ勤めておる。一年間、二年間教えてもらう。ところが、一般ですぐ駐車違反一点、信号無視一点。やっと勤めて二、三年ですぐぼっと七時間いらっしゃい。
 私はこれは言っとくけれども、お金は無料。金を取るというのは、実費を取るというのは冗談じゃない。金を出してしまうから、何しろ若い者は金、金、金で済んじゃうんです。でありますから、今度は調べるときはカリキュラムは厳しゅうせなあかん。
 こういうような問題を重ねて、時間が参りましたから、答弁は要りません。
#202
○政府委員(金澤昭雄君) どうも貴重な御意見をありがとうございました。国民各層からの広い御意見を承っていくということにつきましては、今お話にありました審議会等を含めまして、今後大いに考えてまいりたいと思います。
#203
○神谷信之助君 地公共済法関係について質問します。
 第一の問題は、掛金と公的負担の問題です。自治省の資料によりますと、十二月一日から地公共済連合会に一本化されるすべての組合が財源率は千分の百七十七・〇、掛金率は八十八・〇に引き上げられる。同じく自治省の将来収支の見通しによりますと、三十年後の二〇二〇年には財源率は千分の三百九十まで上がっておる、こういう見通しになっています。この財源率が上がる要因ですが、これは比率でいくとそう大きくないようですが、給付の改善、成熟度の高まり、それから平均余命の伸び、これが大きい。これは考えてみるとどれも必然的であります。しかし、だからといって掛金が上がっても仕方がないというわけにはいかない、こういうことだと思うんですね。
 そこで、この間も十二月四日の朝日の社説で、年金問題を取り上げて、「参院の年金論議に注文する」という社説が出ています。特に私はその中で思ったのは現行の基礎年金、これは国庫負担が三分の一にすぎないんですね。朝日の社説では、基礎年金は各年金共通のものだと。だから、
 各年金共通のこの基礎年金は、国民全員が給付を受けるという性格から、大部分の国が税金で賄っている。
  基礎年金を全額税金で賄えば、厚生、共済年金の保険料は低く抑えられる。国民年金の保険料は不要となり、滞納も免除も無年金者もなくなる。大学生の国民年金強制加入をめぐってのトラブルも避けられる。
こういって基礎年金の全額国庫負担を提案しています。
 同じようなことが十二月九日の毎日の社説にも載っていまして、基礎年金は現行三分の一を二分の一、あるいは全額を国庫で負担するということも、もっと議論されていいテーマだというように言っています。
 そこで厚生省にお尋ねしますが、こういった考え方について厚生省はどうお考えなのか。仮に全額国庫負担をすぐやれといってもそれは無理にしても、大企業の負担の分も含めて国庫負担を二分の一にするというような方向を検討すべきではないかと思うんですが、この点についてのまず見解を聞きたいと思うんです。
#204
○説明員(阿部正俊君) お答え申し上げます。
 我が国における公的年金に対する国庫負担というものは、従来、制度ごとにまちまちであったものでございますが、六十年のいわゆる年金制度の大幅な改正のときに基礎年金制度という改めて全国民共通の一つの年金制度に構築した際に、国庫負担はその基礎年金に全部集中するということに相なりまして、そのときに三分の一を国庫負担で賄い、残り三分の二を保険料財源ということで整理されたものでございます。
 したがいまして、一つの年金制度の全体の改革という流れの中で、基礎年金制度の中の三分の一というのは国庫負担だということで整理されたということでございますので、私どもはその制度論としてもまだ発足間もない面がございますし、しかもその額といいますのは現在の三分の一の負担でも相当これから先増高するというふうに考えられますので、現在の国の財政状況はそう楽ではないということでしょうし、今後もその状況が継続する中ではこの国庫負担率を引き上げるということは大変難しいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、もし仮にこれを全額国庫負担というふうなことにするならば、それはもう年金制度として本質的に新しい制度として再構築するということでございますので、大変困難なことではないかというふうに考えておりますし、先生の御指摘に他の外国の制度では基礎年金は全部国庫負担だというふうな御指摘もございましたけれども、正確な調査は今手持ちございませんけれども、私どもの認識でも、いわゆる基礎年金制度を持っている国がすべて一〇〇%国庫負担だというふうには認識しておりません。
#205
○神谷信之助君 国際比較は難しいですから、国際的にどうなのかよくわかりませんが、全部とは言ってないんですね。朝日の社説でも「大部分の国が税金で賄っている。」と言っているんで、また全額とも言ってないんですから。だから、やっぱり共通の年金ですから、相当程度これに対して再検討をしていかないと、例えば既にもう国民年金でも掛金がどんどん上がって負担に応じられない者がふえてきていますし、減免措置を受けている者も含めますと既に三割、五百十万人に上っているんですね。だから、これがどんどん上がっていくというような状況になっていきますとぐあいが悪いし、しかも今の状態でどんどん掛金だけ上がっていくような状況になっていきますと、給付に対する魅力も欠いて、私的年金に流れる傾向というのがどんどんふえていきます。
 私的年金の方は掛金が税額控除になりますから、それだけのメリットはありますからそっちへ流れていく。同じ給付内容であっても私的年金に流れる傾向というのが出てくるわけです。つまり、二階建ての国民年金基金構想というのも、これは一部の恵まれた層が任意で加入する国民年金基金は、公的年金というより私的年金だというそういう指摘もあるわけで、国庫負担を上げればそれだけ費用が余計要るというのは当然のことなんですけれども、しかしそれは厚生省自身がそれではもう無理だというように考えておっては、どの省も考えてくれない。それぞれの省がそれぞれの自分の必要なやつはこれだけ予算が要る、そのようなことを言って要求するわけですからね。もう厚生省の方が初めからシャッポを脱いでしまったんでは、無年金者がどんどんふえていくという状態をつくっていくだけにすぎないというように思うんで、これは真剣にさらに検討してもらいたいというふうに思うんです。
 そこで、厚生年金、共済年金はもう一つ考えにゃいかぬのは、労使の負担割合の問題ですね。これは我が党がいつも主張しているわけですけれども、少なくとも三、七の負担割合に向けて検討する必要があるということで主張しているんですけれども、財源率がふえていく、それをどう消化するかといえば、その場合に被用者の方の掛金率は据え置いて使用者負担を引き上げていくというようなことで徐々に七、三に近づけていく、そういう方法を考える必要があると思うんです。
 厚生省も既に御承知だと思いますが、ILOによる労働費用のコスト構成の国際比、これを見ますと、企業の法定社会保障とそれから企業の福利厚生費の負担、これが一体国際的にどうなっているかというと、日本は一六%ですね。欧米諸国は大体二五%から三〇%ぐらいになっている。これもILOのコスト構成の国際比で出ていますが、そういう点からいっても日本の企業、とりわけ大企業のこういった企業負担というのは非常に低い水準で、長時間労働と相まって国際的にも非難を受けるテーマの一つとなっているわけですが、こういった点も含めてさらに厚生省の方で御検討いただきたいというように思いますが、検討していただけませんか。
#206
○説明員(阿部正俊君) 年金に関する保険料負担の労使負担割合を変更せよということでございますが、ただいま先生が挙げられましたILO関係の資料、手持ちではございませんけれども、私どもの承知している限りにおきましては、確かに国によりましてはある一定の部分につきまして全額事業主負担で構成するというふうな国も中にはございます。ただ、年金の保険料につきまして労使ともに負担するというふうな制度を持っている国におきましては、そういう例で申し上げますと、イギリスとかあるいはその他の国におきましても従来七対三あるいは六、四ということで、相当事業主負担が多かった国も存在しておりましたけれども、最近の動向といたしましてはこれが折半負担に徐々に近づきつつあるというのが現実でございます。西ドイツと我が国は従来から労使折半というのでずっと経過しているわけでございますけれども、国際的にもそういった傾向があるということもやっぱり念頭に置かなきゃいけませんし、かつ現実問題としても、事業主負担をさらにふやしていくということになりますと、いろんな意味での経済的な影響なり、特に中小零細企業の事業主に多大の負担を強いるというふうなことにもなりますので、私どもとしては、現在の労使折半負担というのは既に長く定着しておりますし、これを一つの原則にしてこれからも運営すべきではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#207
○神谷信之助君 今の厚生省の答弁では、無年金者がどんどんふえることを防ぐことはできない。だから所得に余裕のある人たちは私的年金制度を利用したりどんどんやれますわね。その恩恵を受けることができる。厚生省が考えなきゃならぬ問題は、社会的弱者と言われるそういう人たち、掛金率、負担金がどんどんふえていくことに対してたえられない人たちに対してこの年金制度をどう適用していくか、拡大維持していくかということを考えてもらわなければいかぬので、それを議論するわけにもいきませんから、その点だけをさらに検討してもらうようにお願いしておきたいと思います。
 次に、自治省に聞きますが、地公共済年金の公的負担がこの改正までの六十年度の以前は一五・八五でありました。当委員会はしばしばそれを少なくとも一八まで引き上げるという附帯決議までしたこともあります。ところが今度の改正といいますか大改悪になって、それが現行の制度では一体公的負担はどのぐらいの負担率になっているのか、この辺について聞かせてもらいたい。
#208
○政府委員(滝実君) 改正後間もないことでございますので、定着した数字というのはまだなってないと思いますけれども、現在段階で算出いたしますと、結果的には一三・四%ぐらいの平均、こういうふうに私どもは算出をいたしております。
#209
○神谷信之助君 だから一五・八五だったのが、これ基礎年金のところへ一緒にばっと行きますからね、だからなかなか計算はしにくいんで、自治省の説明も聞きながら我々も計算をしてみましたけれども、大体一五・八五だったものが現在一三%台ですね、一四%まで行ってない。だから結局何というか年金の一元化構想ということでずっとやってきてこういう方法を導入されたけれども、結局結論としては国庫負担、公的負担を大幅に削減をするという結果になってしまった。ですから、これは当院の社労委員会で沓脱委員が試算をしたんですが、一九八六年から四十年間、これから以降、改悪になってから四十年間に国庫支出は従来制度に比べて約十二兆円減る。この数字自身は厚生省もお認めになったわけですけれども、結果としてはとにかく国庫負担、公的負担を大幅に引き下げる、そして結局年金の低位の水準が下がっちゃうし、それから既得権を剥奪するということにならざるを得ないという状況になっています。したがって、我々は年金一本化反対の立場から、この法案に出ております公立学校共済、それから警察共済の地公共済連合会への加入には反対だという立場を明らかにしておきたいと思うんです。
 それから、次の問題は併給調整の問題ですね。これもやられてみて実際にどんな現象が起こっているかというのを調べてみますと、非常に大変なものだというように思うんですね。これは京都の市町村組合の中で二つの例を調べてもらいました。
 Aのケースは、夫が共済組合の退職年金受給者で、昭和二年生まれです。組合員の期間が十七年九カ月。奥さんの方が厚生年金の老齢年金の受給者で、在職期間は十五年です。ところが、御主人が昭和六十三年の九月に死亡されまして、そうすると遺族共済年金は九十七万二千七百円。奥さんの方は昭和五十七年の十一月に五十五歳に到達をして老齢年金を受けておる。これが七十万七千七百円です。ですから、従来の方法でいきますと、受給額はこの両方を足した百六十八万四百円、百六十八万円になるわけですね。ところが、今度は併給調整によって、御主人は亡くなっておりますから、奥さんの方は六十五歳までは御主人の遺族共済年金と奥さんの老齢年金の高い方ということで御主人の遺族共済年金九十七万二千七百円に減っちゃうわけですね。百六十八万円の予定のところが九十七万二千七百円に減ったわけです。六十五歳以上になりますと、それにプラス奥さんの老齢年金のうちの半分が加わって百三十二万六千五百五十円というこういう状況です。ですから、従来ですと百六十八万円、こういうことになっておりますが、それが六十五歳までは九十七万二千円に減り、六十五歳以上でも百三十二万円で、大幅に減っているという状況です。
 それからBの例ですが、これは御主人が厚生年金の加入です。奥さんの方が共済組合の退職共済年金、ところが御主人が昭和三十八年の一月に亡くなって、それによって厚生年金の遺族年金が六十二万六千五百円、奥さんは六十三年、去年の三月に退職なさって退職共済年金が三十四万五千七百十二円もらえるようになった。ところが、平成三年一月までは若年一部支給ということでもらうことでやりまして、合計すると従来ですと九十七万二千二百十二円になるんですね。ところが、併給調整で御主人の厚生年金の遺族年金分とそれから退職共済年金の方は、そのうちの職域年金部分の一万七千九百七十三円だけが支給されて、合計六十四万四千四百七十三円になる。だから、この人も三十五万円ほど減額になります。
 問題は、そこで生活保護は一体どうなのか。高齢者の単身、これで調べてみますと、一級地の場合、六十歳以上で九十五万六千三百四十円なんです。それから七十歳以上になりますと百十四万七百八十円。これを見ますと、片一方は掛金ずっと払っているわけでしょう、長い間ずっとね。少なくなっているでしょう、生活保護の単身より。単身同士ですよ、高齢者で。こういう状態が起こってきている。だから、これはちょっと併給調整を一律に全部やってしまうというのには大分そういう点でいくと実態に合わない、無理が起きるんです。
 だから、一定の金額を決めて、例えば生活保護なら生活保護のなにと比べて、それに掛金があるんですから、それをどう考慮してどれぐらいの線と、それ以下はもう併給調整をしないとか、そういったことを検討しないと、せっせと働いて掛金を納めている人がいわゆる生活保護でなにしている人たちよりも、同じならまだいいけれども、低いんですからね。こういうことになるとなかなかこれは納得できない問題が実際に起こってくるんですよね。だから、この辺は、きょうは時間がありませんからそれ以上の議論はいたしませんが、自治省の方でもひとつ事例なんかも調べてみてそういった不合理を是正をするための検討をしてもらいたいというように思うんですが、いかがですか。
#210
○政府委員(滝実君) 制度改正に伴いまして、確かにお話しのような問題はあろうかと思います。ただ、先生もおっしゃいましたように、もともと今度の制度は併給を原則として認めない、こういうところから出発しているものですから、そういう具体的なケースについてはいろいろ問題があろうかと思っております。この問題は、今もお話しのように、各制度間にまたがる問題でございますから、私どもとしてもケースはそれなりに情報を収集していきたいと思います。
#211
○神谷信之助君 これは京都の市町村共済だけで、それも併給調整でこういう事例になっているのが一三%余りですか出ているんですよ。ですから結構あるんですね。御検討いただきたいと思います。
 その次、短期給付の財政調整事業の問題です。先ほど同僚議員の質問もありましたから重複を避けますが、千分の五十六を超える組合が対象で、札幌、名古屋その他ですか、大体七、八の対象組合だと、現在の時点では。
 そこでお伺いをするんですけれども、この交付金を受ける前提条件、それはどのようなものか、あるいは交付要綱、これは一体どうなのか。ということは交付を受ければそれだけ助けてもらうには何かせんならぬということになるわけでしょう。その場合どういうことが要求されるようになるのかという問題、この内容についてちょっとお伺いしたいと思います。
#212
○政府委員(滝実君) この法案で予定いたしております新しい財政調整は組合員の掛金率が千分の五十六を超える組合、こういうことになるわけでございまして、それが要件になります。
 具体的に何かしなきゃならぬだろう、こういうことでございますけれども、おっしゃるとおりでございまして、私どもとしては経営安定化計画をおつくりいただいて、それを市町村連合会の方と自治省の方とに出していただく、こういうことを予定いたしております。中身は私どもはそう厳しいことを言うつもりはございませんで、とにかく組合としても当然全体の問題は認識していらっしゃるはずでございますから、そういう全体の厳しい中でこの組合をどういうふうに今後持っていくのか、こういう観点から、例えば健康管理事業を今後どうするとかそういうようなこと、あるいはレセプトの点検なんかはどうやっていくのかとか、こういうようなごく普通考えられるようなことを経営安定化計画の中に盛り込んでもらいたい、こういうことを考えているわけでございます。
#213
○神谷信之助君 単位組合の財政状況が悪くなってきて掛金率を上げざるを得ない状況が生まれてきた、しかしそれは法律で決まっている事業で法定給付、それに対してまた決まっている給付水準で出すわけでしょう。だから、赤字にならざるを得ないというのはその単位組合自身に赤字にならざるを得ないような経営上の弱点とか欠陥、こういうものがあるということなんですか、どういうことですか。
#214
○政府委員(滝実君) 赤字の要因としては当然その経営組合自体の問題もあるでしょうし、その地域的な状況もあるでしょうし、それは一概に言えない問題があろうかと思います。
#215
○神谷信之助君 そうすると、安定化計画といっても単位組合自身で言えばどうにもならぬ問題がようけあるわけでしょう。例えば先ほどおっしゃられましたレセプトの問題とか、あるいはできるだけ病気にならぬように健康を維持していくようなそういう健康管理のための計画とか、それはそれなりに若干やられたって、レセプトのものとかは医者の方から出てくるからね、これとやかく健康保険組合が言えるものじゃない、こうなってきますね。
 だから、安定化計画を出せとかどうとかおっしゃるけれども、実際上はどういうことなのか。結局国保における医療費抑制の事業としてできるだけ受診抑制をするというような、そういう方向に走っていく傾向が出てこないのか、あるいはそのために単位組合に不必要な事務量の増大をもたらすようなことはないのか、こういったいろんな心配が実際現場では起こっているんです。その辺についての見解はいかがでしょうか。
#216
○説明員(石田淳君) この安定化計画によりまして短期給付事業の財政安定化を図るわけでございますが、今、公務員部長が言いましたように、疾病予防とかそれから職員の健康管理を増進するという観点を進めることによりまして医療費の適正化を図っていく。そちらの方を重点的にいろいろ先ほど言いました具体的、例えば人間ドックとか成人病健診などの健康診断とかそれから医療についてのPR、医療通知、いろいろありますし、レセプトにつきましても、ある程度共済組合でレセプト担当者の研修などによりまして能力を向上するということもございますし、できる範囲で職員の健康増進、疾病予防の方を重点的に進めることによって、最終的に医療費の抑制を図るというような形で進めていこうというふうに考えているわけでございます。
#217
○神谷信之助君 これは何回か国会でも取り上げられた沢内村の経験から言っても、予防管理といいますか、こっちの方をうんと強化すれば、医療費をもっと抑えられる。現実的にも抑えられると、こういうふうになっている。そういう結果が出ていますから、この辺は今おっしゃったような方向でやってもらうというのは結構だと思うのですよ。ただ、厚生省がやっているように、何か逆に医療費抑制のためのいろんなやり方をやられると、現場はもう大変混乱しますから、この点だけは申し上げておきたいと思います。
 最後に、これはちょっと大臣に、冒頭にお聞きしようと思いましたが最後になりましたが、十二月の十一日付、きのう付で事務次官の方から、地方公務員の年末年始における綱紀の粛正についてという通達を出されました。これは、依然として地方公務員の不祥事件の発生が後を絶っておらず、国民の批判を招いていることはまことに遺憾であるというそういう認識のもとに出されたわけで、例年出されてもおるんですけれども、お出しになったんですよね。
 それに関連してひとつお尋ねしたいと思うのですが、実は昨日、京都の市議会での決算委員会ですが、ここで接待行政に対する公金の支出の問題が議論になったわけです。これは我が党の議員の方が決算で審査をして、その中身もようけありますから、氷山の一角ではあるけれども見つかった二、三の例があるんですが、ここでは二つ、そこへ出ている例を申し上げます。一つは昨年の夏に、ビール券三十九組、これを厚生省、通産省、自治省、建設省、文部省、これらに二回に分けて配っていたという問題が明らかになっております。それで、これに対して市当局は、ビールを持っていくかわりに券を渡しただけや、社会常識の範囲だと、こういう答弁をしているんですね。社会常識として認められる範囲ということで許されたら、先ほどの同僚議員の質問じゃないけれども、それこそますます陳情合戦、それから接待競争というか土産物競争になっておるでしょう。こういうことになっていくわけです。
 もう一つの例は、同じこれは昨年の夏ですが、厚生省の社会福祉施設監査、これに監査官二人が京都に来たわけです。その二人の人を京都市が二度にわたって祇園などの料理屋で接待をした。市の方は、これは国側の考え方などを知るためにやったもので、監査に手心を加えてもらうつもりはなかった、助役はこういった答弁をしているんですよね。この二人の監査官の滞在期間中の昼食代を含めて、接待費総額は全部で二十万九千円に上っているんです。考えてみたら、この二人の監査官には当然厚生省の方から出張費は出ておるわけですから、だからわざわざ全部、昼飯も、晩飯まで食わせなきゃならぬということはないわけです。しかも助役が言うように、国の考え方を知りたいために接待せんならぬというのは、そういう必要もなかろうというように思うんです。
 そこで大臣、聞きたいのは、これは恐らく全国の市町村でも、府県、市町村、自治体と国との関係でこういうことは今までも何遍も出ていますし、それから最高裁の判決でも、常識の範囲だというようなことで許されるかのような判決もありますからね、まあいいやということになっているわけでしょう。しかし、社会常識あるいは社会通念上のことであれば、税金ですから、税金分で国の役人と地方の役人が一緒に飯を食い懇談をする、社会通念上それが許されるならどんどんおやりなさい、結構ですという代物ではなかろうと、こう思うんですよね。
 それで逆に、例えば手土産をもらったり持っていったりするのはやっぱり国と地方自治体との関係をうまく進めていく、仕事をしやすいようにする潤滑油の役目だから認めないわけにもいかぬけれども、しようがないんじゃないですかという考え方もあるんだけれども。しかし、これはそうやって皆それを持っていったとすれば、それで行政のやり方が変わるのか、補助事業の採択をしてもらえるのか、もしそんなことになったらこれは重大問題です。汚職ですよね。だから、これはもうおかしいんじゃないだろうか。社会通念上許される範囲ならいいんだということでやっていますと、日常的にそれが通っていくと感覚が麻陣していくわけです。それが綱紀を乱すもとになる、汚職を生む土壌をつくってしまうというように思うんでね。
 国と地方自治体の関係、これどちらも税金で仕事をしているんですからね。だから、この点ではこういう公費の接待をやめる、あるいはとりわけそういう贈り物についても国の機関の方も、どこももろうとるんやからしようがない、いいでしょうというように簡単にやるんじゃなしに、とりわけ自治省あたりで、相手は自治体ですから、自治省はもうそういうものは一切受け取りませんよと、そういう態度を明らかにしてそういう指導をやっていただくのがいいのではないか。国政の方は今裁判が始まりましたリクルートの問題もあればパチンコに至るまでいろいろあるわけでしょう、政治家の方は。
 そういう意味では、国と自治体の関係でも、公的機関同士ですから、税金を預かってそれで仕事をしている機関ですから。そういうことでは社会通念上許されるとかどうとかいうようなことで甘い顔をするんじゃなしに、そういうことはもうやめようじゃないか、そういう御指導をなさったらいかがかというように思うんですが、大臣の所見を伺います。
#218
○国務大臣(渡部恒三君) 御指摘の点について、具体的な問題は今初めて委員からお聞きするお話でありますので論評を差し控えさせていただきたいと思いますが、公務員たる者常に良識を持って節度ある行動をとっていくのは当然のことであると存じます。
#219
○神谷信之助君 大臣、一般的にはそれでいいんだけれども、僕は政治家渡部恒三の信念を聞きたかったんです。そういうのはやるべきじゃない、私が自治大臣である限りはそういうことはできるだけないように、根絶するのは難しいかもしらぬけれども、ないように指導していきたいという答弁が欲しかったと思いますが、まあおっしゃることがあれば、もう一遍言われますか。――それじゃこれで私の質問を終わります。
#220
○諫山博君 交通事故の死亡者が二年連続して一万人を超しました。とりわけ深刻なのは、高齢者の置かれている状況です。交通事故対策のかなめは歩いている高齢者、自転車に乗っている高齢者、こういう人に対する行き届いた対策だと思います。
 今、OECDなどの各種の機関が強調していることは、個人の注意、取り締まりの強化、これももちろん大切でありますけれども、もっと重視しなければならないのは歩行者保護、歩行者優先の交通環境をつくることだ、こう言われております。そういう立場から、交通事故防止対策を物理的な面からも抜本的に改めるということが今求められていると思います。
 こういう観点から、国も地方自治体も新たな町づくりに取り組むということを私は強調したいと思います。そのためには、例えば関係各省の連絡組織をもっと強化する。そして特定の省庁だけではなくて、すべての行政機関が協力し合いながら歩行者優先の交通環境をつくり上げるということが望ましいと思いますけれども、自治大臣にぜひこの問題で音頭をとっていただけないだろうかということを要望いたします。
#221
○政府委員(森繁一君) 今お話しのように、老人が交通事故に遭わないためにいろんな組織を設けて強力に運動を展開したらどうか、こういうお話でございます。
 御承知のように、現在、交通安全対策基本法に基づきまして、国におきましては内閣総理大臣を長といたします中央交通安全対策会議というのが設けられております。それから同じような組織が県段階あるいは市町村段階でも設けられておるわけでございます。中央交通安全対策会議は、県なり市町村の同じような会議に対しまして必要な勧告をすることになっておりまして、現在各省庁の協力のもと、国、地方を挙げまして交通安全対策を推進する体制がとられているところでございます。さらに、別な組織というよりも、むしろ現在ありますこの組織を最大有効に活用することによりまして、委員御指摘のような問題も解決しなければならないのではなかろうか、こういうふうに考えておるところでございます。
#222
○諫山博君 現在の組織について説明がありましたけれども、こういう状況の中で交通事故はやはり激増しているという立場から、もっとその観点を強化すべきではないかという政治的な立場からの答弁をお願いしたわけです。自治大臣いかがでしょうか。
#223
○国務大臣(渡部恒三君) 人間優先、したがって歩行者優先、歩行者の中でもお年寄りの方あるいは子供さんを抱えているお母さん、そういう者を大事にしながら交通の安全と円滑化を期していかなければならないのは当然のことでございます。
 今、総務庁長官を中心にして交通事故対策のための各省庁による会議等もございますので、私もただいまの御意見等も十分反映するように努力してまいりたいと思います。
#224
○諫山博君 横浜の坂本弁護士が家族とともに姿を消してもう一カ月以上経過しました。今なお具体的な情報がないようです。こうなりますと、坂本弁護士一家が何らかの犯罪に巻き込まれた、このことはもう否定できないと思います。しかも、その犯罪というのは、恐らく多人数による組織的、計画的な、しかもプロによる犯行ではなかろうかと私は思います。警察庁長官はこの事件をどのように認識しておられるのか、基本的な立場を御説明ください。
#225
○政府委員(金澤昭雄君) 坂本弁護士の一家が失踪されて以来一カ月以上過ぎておるのは、今お話しのとおりでございます。
 これは社会的に見ますと、弁護士という非常に重要な仕事をされておる方が一家ともども忽然と失踪するという非常に特異重要な事案、こういうふうに認識をしております。したがいまして、神奈川県警祭におきまして現在捜査本部を設けて、必要な公開捜査等を行って、鋭意捜査に努力をしておる最中でございます。
 また、広く各方面からの情報収集もやっておるわけでありますが、お話しのとおりなかなかこれはという情報にいまだ接していない。しかし全国の警察も挙げて組織捜査ということで、神奈川県警に協力をして現在捜査をやっておる状況でございます。
#226
○諫山博君 朝日新聞襲撃事件のときには言論の自由に対する許しがたい攻撃だというとらえ方がされました。今度の場合、国民の生活と権利を守るために頑張っている弁護士活動に対する重大な攻撃だという認識を警察としてはお持ちでしょうか。
#227
○政府委員(金澤昭雄君) 人の命はどういう職業にありましても、これはとうとさというものは同じだと思いますが、ただ、今お話しのありましたように、その仕事の性格によってまたその状況いかんによっては、これは警察として捜査の力の入れ方というのはおのずと違ってまいることもこれも必要なことと思います。
 したがいまして、そういうような意味において、今委員のお話のありましたようなことで、これは私どもも非常に重大な事件、特異な事件、こういう認識でございます。
#228
○諫山博君 今、一番取り組まなければならないのは坂本弁護士一家の身の安全だと思います。同時に、これが犯罪行為だとすれば速やかに犯人を逮捕して刑事事件を解決する、これが大切です。
 私は、この問題について広く公開捜査を行うために、捜査に支障がない限りなるべく警察の持っている資料は公開していただきたい。そして、国民の協力あるいはマスコミの協力などによって真実の究明をもっと急ぐということが必要だと思います。さらに、警察は家族の写真入りのビラを十万枚つくったと言われておりましたけれども、この問題に取り組む弁護士たちが強調しているのは、十万枚では少な過ぎる、もっとたくさんこういうものをつくって広げてもらえないのかということです。こういう点でいろいろ、なるべく警察の情報を公開し、さらに国民に広く協力を求める立場から、写真なんかも大量に増し刷りするということを要望したいと思いますが、いかがでしょう。
#229
○政府委員(金澤昭雄君) 先ほどもお答えをしましたとおり、神奈川県警は現在非常な強化された体制をもって捜査をやっております。百二十名という、これは一つの捜査本部としましては異例と言っていいぐらいの体制強化でやっております。また、捜査の中身といたしましても、できるだけの公開捜査を行うということで、情報をマスコミその他の方に提供して、広く国民からの情報収集、協力の依頼、こういうことでやっております。
 今後も捜査に支障のない限り、または国民の方に参考になるようなそういう情報につきましてはできるだけ公開をすることにいたしまして、広く情報を収集しながら捜査をやっていきたい。一刻も早い一家の無事な発見、これを願ってやっていきたいと思います。
#230
○諫山博君 次に、警察の秘密資料が民間企業に流出した問題について質問します。
 午前中もこの問題が取り上げられましたけれども、私は流出したという警察の資料を今持っています。これを見て驚くというかあきれるというか、こういうことが起こったのかなということで憤りにたえません。これ、警察庁に渡してください。これに基づいて質問します。
 これはページが打ってありますから二枚目を見てください。
 香川県に住んでいるMという人に対する個人的な資料です。これを見ますと、昭和四十何年○月○日、売春防止法、窃盗、○○地裁、懲役二年六月、同年○月○日強姦、売春防止法、○○地裁、懲役二年六月、そのほか生年月日や指紋番号も記載されています。さらに驚いたことに、この中には、手術痕(腹、不明)、入れ墨(右もも、ハート)、ほくろ(右目〇・三センチメートル未満)、そのほか指紋番号も記載されています。
 警察が保管しており民間企業に流出したという資料の一部はこれでしょう。違いますか。
#231
○政府委員(浅野信二郎君) 実は私どももこの場でこれがそのとおりの資料であったかどうかを確認する知識、能力を今持っておりませんので、その点については御了解願いたいと思います。
#232
○諫山博君 これは独特の形式、独特の符号が使われています。これは警察が使っている符号でしょう。その点どうですか。例えば指紋番号と思われる数字がちゃんと書かれております、生年月日も書かれております。警察が管理している個人資料というのはこれじゃないですか。形式について説明してください。
#233
○政府委員(浅野信二郎君) 私自身の現在での知識等では、これが直ちに警察の資料であったかどうかはちょっとこの場で判断することができないのでございますので、御了解願いたいと思います。
#234
○諫山博君 これが形式を見て警察の資料ではないと否定できますか。その点はどうですか。この現物についてはわからないにしても、これが警察が使っている基礎資料とは違うということが言えますか。どなたでも結構です。
#235
○政府委員(浅野信二郎君) 先ほど申し上げましたように、判断がつかないということですから、否定もできないということでございます。
#236
○諫山博君 次に、資料のBと符号のついているところを見てください。
 これも香川県の人でSという人です。身長は百六十五、手術痕(腹三・〇)、手術痕(背中六・〇)、殺人、そのほか本人の特徴がさまざま記載されています。警察はこういうのを保管しているわけでしょう。
#237
○政府委員(浅野信二郎君) 警察におきましては犯罪捜査に必要な資料というものは収集しておりまして、犯罪捜査のために活用してございます。それに必要なものは保管しているということでございますが、ただいま資料等で指摘されたような内容も犯罪捜査に必要なものの一部になっている点がございます。
#238
○諫山博君 私は@からFまで符号をつけて今警察にお見せしていますけれども、六番目を見てください。F、ホステス、異名何々、火傷(腹、三・〇センチメートル未満)、手術痕(腹、一・〇センチメートル未満)、犯罪記録数二件、その他犯歴はゼロ、そして詐欺、懲役二年、詐欺、懲役二年、こういう記載があります。こういうのは本来警察しか知り得ないデータでしょう。警察以外にこういうことを知り得るところがあると思いますか。例えばどういう手術痕があるとか入れ墨がどこにどうあるとか、どれだけの刑を受けたというようなことが警察以外でわかりますか。
#239
○政府委員(浅野信二郎君) まあ警察以外でこういうことを大変よく知っているということはちょっと考えられませんし、警察の情報であったと思います。
#240
○諫山博君 これは六番目だけではなくて、私が見せたファックスは全部警察の資料でしょう。それ以外に考えられないでしょう。それとも、まだ今になってもこれは警察の資料かどうか断定できないと言われますか。そうだとすれば後日回答を求めますけれども。
#241
○政府委員(浅野信二郎君) まあ警察の資料ではないかと思っておりますけれども、正確にこの場でちょっと照合するものもございませんので、正確なお答えができないということを申し上げております。
#242
○諫山博君 はい、わかりました。これは後日、委員会以外で結構ですから、私に知らせてください。
 そこで、こういう資料が外部に漏出するということがいかに重大なことかという問題です。
 私はAの人物について今説明しました。毎日新聞の記者がこの人に会っているようです。そのときのことが新聞に詳細に報道されております。私はこれを読んで本当に警察のやり方に憤りがわきました。紹介しますよ。「「二十年も前のことじゃないか。今、まじめに働いているのに」。」、これが本人の談話です。毎日新聞の記者が訪ねていったときに「一瞬絶句したこの男性は怒りを通り越して悲しそうな口調で話し始めた。」、「出所後に連れ添った妻や現在の職場の同僚には前科があることはもちろん隠している。」、「「自分の胸にだけしまって、がんばってきたのに。こんなものが出回ったら表を歩けない」。」、こう言っているんですよ。確かに、今私が示した二番目の資料の中には、昭和四十年代の前科があります。本人は、二十年前のことだ、もう自分は立ち直った、女房にもこのことは知らせていない、ところがこの資料が出回って表を歩くこともできない、こう言っているんですよ。警察庁長官、どう思いますか。
#243
○政府委員(金澤昭雄君) 警察が保有をいたしております個人情報は、これは個人のプライバシーにかかわるもの、これが多いのは事実でございますし、したがってそういう観点からこの個人情報、特に警察の保管する情報の保管の管理の適正、これにつきましては従来から厳しく各都道府県警察に管理の適正について指示をしているわけでございます。
 今回流出をいたしましたこの個人情報につきましては、警察といたしましては非常に重大にまた深刻に受けとめております。昨日、緊急の通達を各都道府県警察の方に発しまして、中身は大きく分けて二つでございますが、個人情報の保護と適切な情報管理の重要性について職員に周知徹底させることというのが一つであります。もう一つは、各都道府県警察において情報管理業務の調査、点検を徹底してやるようにということを昨日、全国の警察に通達を出して徹底をさせたわけでございます。
 今後、この点検の結果によりましてどこに欠陥があったか、どこに問題があったかを十分に検討いたしまして、こういった状況が二度と起こらないように十分に措置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#244
○諫山博君 秘密を漏らされた人のことを私は紹介しましたけれども、この人たちに対しては申しわけないと警察は思っていますか。
#245
○政府委員(金澤昭雄君) 個人のプライバシーに関することでありますので、関係された方々にはまことに申しわけないと、こういうふうに考えております。
#246
○諫山博君 午前中の答弁で、警察はどうしてこういうことになったかを調べているそうですけれども、これは地方公務員法違反の犯罪捜査をしているんでしょうか、それとも警察内部の調査をしているだけですか。
#247
○政府委員(金澤昭雄君) 両方を含めて現在やっておる最中でございます。
#248
○諫山博君 これが警察から漏れていることは明らかですけれども、だれが漏らしたかということは確認できましたか。
#249
○政府委員(金澤昭雄君) 現在のところ確認できておりません。
#250
○諫山博君 警察官の守秘義務違反としてはこれは最も重い類型の一つだと思いますけれども、長官の認識はどうですか。
#251
○政府委員(金澤昭雄君) そのような認識で、現在関係警察が捜査を実行しておるわけでございます。
#252
○諫山博君 警察庁にはこういう個人のデータが何人分ありますか。新聞にはいろいろ何百万人分という数字が出ておりますけれども、何人分のデータを集めていますか。
#253
○政府委員(浅野信二郎君) 状罪捜査のための資料につきましては、その内容についての公表を差し控えさせていただきたいと思います。
#254
○諫山博君 新聞には六百万人のデータが集まっていると書いてありますけれども、それは否定されますか。
#255
○政府委員(浅野信二郎君) ただいま申し上げましたように、その数字について言及することは差し控えさせていただきたいと思います。
#256
○諫山博君 これは地方公務員法違反として関係者が懲戒処分を受けるのも当然だし、さらに守秘義務違反として犯罪人として取り調べられるのも当然だと思います。警察の内部で起こった事件でだれがやったかわからないというようなうやむやな処理は絶対にしてはならないと思いますが、どうでしょう。
#257
○政府委員(金澤昭雄君) 先ほどもお答えをいたしましたとおり、現在、今お話がありました地方公務員法違反また内部の規律違反、両方の面から捜査、調査を行っておるわけでございます。これは多少時間がかかってもはっきりこの結果については出していきたい、こういうふうに考えております。
#258
○諫山博君 時間がかからずに処理されることを私は希望しますけれども、とにかく警察内部で起きた事件ですから、警察が責任を持ってきちんと処理するということを要望します。
 ところで、この個人データはどこに原簿が保管されていますか。
#259
○政府委員(浅野信二郎君) 警察庁のコンピューターにデータが入力されております。
#260
○諫山博君 警察庁の何というところにどういうデータとして管理されていますか。
#261
○政府委員(浅野信二郎君) 先ほども申し上げましたように、こういう犯罪捜査のための情報につきましては、その内容等については公表を差し控えさせていただきたいということでございますが、警察庁の情報管理課という組織がございますけれども、そこでコンピューターを保有しておりまして、そこに入力されておるわけでございます。
#262
○諫山博君 ファイナンスの警察OBは県警、府警から情報を入手したようですけれども、県警、府警は警察庁から情報を入手したわけですね。
#263
○政府委員(浅野信二郎君) そのとおりでございます。
#264
○諫山博君 端末機はすべての県警本部あるいは一部の警察署にあると報道されていますけれども、間違いありませんか。
#265
○政府委員(浅野信二郎君) 原則として各県警本部に照会センターというのを置きまして、そこに端末機を置いております。
#266
○諫山博君 そうすると、端末機で対象者の氏名とか生年月日とか本籍などを打ち込むと、数秒間で今私がお見せしたような個人データが集まるという仕組みだそうですけれども、そのとおりでしょうか。
#267
○政府委員(浅野信二郎君) 特に犯罪捜査活動に使用する場合は、現場の警察官が迅速に事を処理するときの照会に応ずるという面もございますので、その情報伝達を迅速に行うということがこのシステムになっております。
#268
○諫山博君 そうだとすれば、ファイナンスに流出した個人データというのは警察庁が保管しているもの、保管責任は警察庁ということになります。そうすると、いつだれがどこで、どういう目的でこのデータを引き出したかという記録が警察庁に残るはずだと思いますけれども、残っていますか。
#269
○政府委員(浅野信二郎君) 警察庁におきましては統一的に、大変な数でございますから、その詳細な記録は残しておりませんが、それぞれの都道府県警察でそういう記録をつくっておくというシステムになっております。ただし、期間につきましては余り長く置くということにはなっておりません。
#270
○諫山博君 そうすると、本件の場合は、いつだれがどういう目的でこのデータを引き出したかということは警察庁では記録されないけれども、地元の県警、府警に記録が残っているということになりますか。
#271
○政府委員(浅野信二郎君) そういうことも含めまして、現在事実関係の究明を行っているところでございます。
#272
○諫山博君 仕組みはどうなっていますか。私は今の答弁を聞いて、警察庁に記録が残るような仕組みになっていないとすればこれは極めて重大だと思いますけれども、警察庁なり県警本部の仕組みはどうですか。
#273
○政府委員(浅野信二郎君) 安全対策上現在の仕組みで十分であるかどうかというのは、今回の事実関係の究明というものをベースにして真剣に考えてまいりたいと思っております。
#274
○諫山博君 とにかく、個人情報の保護というのは今国際的な大問題ですね。外国ではさまざまなプライバシー保護法ができて、こういう問題は非常に厳格に処理されているわけです。
 私ずばり聞きたいけれども、いつだれがどういう目的でこのデータを引き出したかということは警察庁に記録は残りませんか。
#275
○政府委員(浅野信二郎君) 若干技術的な問題もありますが、理論的には可能であると思います。膨大な数になりますので実際的であるかどうかという点も含めて考えなければいけませんけれども、技術的と申しますか実際的かどうかということでございますけれども、まあその辺はどういう形にした方がいいかというのは、先ほど申し上げましたように、今回の事案の事実関係の究明というものを前提にしながら検討してまいりたいと思っております。
#276
○諫山博君 私は是非じゃなくて、今調べようと思えば調べる資料はあるということになるのか、あるいはそういう資料はないということになるのか、どちらですか。
#277
○政府委員(浅野信二郎君) 警察庁自体にはございません。
#278
○諫山博君 それは県警なり府警にはあるという意味ですか。
#279
○政府委員(浅野信二郎君) 県警、府警の方では原則としてそういうことがわかるようにということで指導をしております。
#280
○諫山博君 その指導が貫かれておれば、今回のファイナンスにだれがだれの資料をいつごろ引き出したか、目的は何だったか、これは調べがつくはずなんですね、指導どおり行われておれば。どうですか。
#281
○政府委員(浅野信二郎君) 私どもの指導のとおりでありましたら安全管理というものはかなり徹底したものだというふうに思っておりますけれども、こういう事案が起きているところを見ますと、やっぱりその辺に徹底していない点もあったのではないか。ただ、いずれにいたしましても、事実関係解明の上ではっきりしたことは申し上げたいというふうに思います。
#282
○諫山博君 長官にお聞きします。
 大体今答えられたとおりです。もし調べようにも調べる材料が残っていないとすれば、これは極めて重大です。犯人の追及ができないというだけではなくて、国民の個人のプライバシーの管理がこういう形でやられているのかと。恐らく私のデータも入っていると思いますけれども、私のデータをいつだれがどういう目的で調べたかというようなことが全然痕跡も残らないというのは、今国際的に問題になっている個人情報保護という点から見れば非常におくれていると言わざるを得ません。長官、今後を戒めることはこれは大事です。しかし同時に、現に起こっている問題について厳正に事実を究明する、このことが先決だと思いますけれども、どういう立場で今後処理されますか。
#283
○政府委員(金澤昭雄君) 今お話しのありましたように、私どもといたしましては厳正な態度で厳正に真相の究明をしてまいりたいと考えております。
#284
○諫山博君 国家公安委員長にお聞きします。
 これは警察の問題ですけれども、やはり国民全体のプライバシーがかかわっている問題です。そして、今このプライバシーの保護のあり方が大きく問われているわけです。公安委員長としても積極的にこの問題に発言して、こういうことが絶対に起こらないように、それは警察官のいわば良心でこういう問題が起こらないようにというだけではなくて、こういう問題が起こり得ないようなシステムを研究させる、これが必要だと思いますけれども、国家公安委員長の答弁を求めます。
#285
○国務大臣(渡部恒三君) プライバシーの保護は今日の社会において極めて重要なことであります。今まで御質疑にもありましたように、そのプライバシーが守られなかった、これは大変残念なことと受けとめております。国家公安委員会は、申すまでもありませんが、国民の皆さん方を代表し、国民の皆さん方が安心して暮らしていけるような民主警察を管理する立場にございますから、今警察庁長官からも強い決意が述べられましたけれども、速やかに真相究明の努力をすると同時に、再びこのようなことが起こらないように今後いろいろの面で検討をし、こういうことが再び起こる心配を国民の皆さんにおかけしないような努力をしたいと存じております。
#286
○諫山博君 次の委員会では、あのファイナンスの問題はこういう処理をいたしましたということをぜひお聞きしたいと思います。資料は回収してください。
 次に、ほかの問題に移ります。
 国民は行政機関に対していろいろ要求したり提案したり抗議したりします。もちろん警察に対しても例外ではありません。ところが、警察に対して文書で申し入れをするとそれが突っ返される、これが今弁護士会で大問題になっています。
 幾つかの実例を紹介します。
 大阪弁護士会の伊賀興一ほか一名の弁護士が、昭和六十三年三月十八日付内容証明郵便で大阪府警と豊中南警察署長あてに申し入れ書を送りました。ところが、数日後にこの内容証明郵便は開封の上書留郵便で送り返されました。その中には、前略、申し入れ書は読みましたが、事実無根につき受理できませんので返送いたします、こう書いた書面が同封されていました。
 岩手弁護士会が、ことしの三月二十七日、岩手県警本部長に要望書を送りました。失火事件の捜査に関して、今後このような人権侵犯が行われないよう適切な措置をとるよう要望いたします、こういう趣旨の書面です。ところが、要望書は開封の上送り返されました。その中には、いずれも警察の正当な職務執行であり、内容に承服し得ませんので、返戻いたします、こう書かれていました。
 福岡県弁護士会が、一昨年三月三十日、若松警察署と福岡県警本部に要望書を送りました。ところが県警本部は、受領いたしかねますので返送いたします、こういう返事をつけて送り返してきました。
 ことしの六月二十九日、福岡県弁護士会が福岡県警本部に警告書を送りました。ところが、県警本部の総務部広報課長から、本件捜査は適正妥当に行われたものでありますので、受領いたしかねます、こういう返事がありました。もっとも現物は送り返されなかったようです。
 こういう事例が神戸弁護士会でも起こっていますし、幾つかの弁護士会で大きな問題になっています。弁護士会が出した書面が警察で受け取りを拒否される、許されるのか、こういって日弁連に報告されている例もあります。
 私は、弁護士会からの申し入れの内容が警察と見解が一致したかどうか、こういうことを問題にするのではなくて、こういう申し入れがあった場合に書面を突っ返すというのは非礼ではないか、そんなことは民主警察であるならやるべきではない、こう思います。大阪では警察と弁護士のこの問題についての話し合いも行われたようです。警察庁としては、この問題で通達を出したこともあるようです。今までの経過がどうであれ、こういう非礼なことはやめるべきではないか。私はそのことを強く警察庁長官に要望いたしますけれども、どうですか。内容の是非を言っているのではありません。内容が警察と一致しようがしまいが、こういう形で申し入れを受けた場合には、やはりそれは受け取るべきだと、こういう提案です。
#287
○政府委員(金澤昭雄君) それぞれ各地の弁護士会から要望書、警告書といったような形でいろいろと警察の方に申し入れがあることは事実でありますし、またその場合には、今お話しのように、すべてにわたって検討もせずにお返しをするというようなことではなしに、これは必ず受け取ってその内容についてそのケースを検討し、その検討した結果に基づいて適切な処置をとるという、その適切な処置と私たちが考えております中に、その封を切ったままでお返しをするという、そういう結果が入っておるわけでございます。
 もちろん警察といたしましては、警察の職務執行につきましていろいろな御意見を承るのはこれは当然でありますから、それについては率直に意見を私どもも受け入れるという立場はやぶさかでございません。したがいまして、今後もそういった申し入れを受けた場合には当然必ず受け付けをしましてその内容を検討し、その内容に応じて適切な処置、その適切な処置というところにいろいろと意見の食い違いがあろうかと思いますが、適切な処置をとっていきたい、こういうふうに考えます。検討をせずに送り返すというようなことはこれはしない、こういうことでございます。
#288
○諫山博君 問題は適切な処置の中身ですよ。書類を突っ返すというのはこれは社会常識に反しますよ。幾ら警察で内部で検討したところで、突っ返されたのでは問題にもされなかったと理解するのが常識です。中には封も切らずに突っ返された例があるんですよ。私はその封筒を今持っております。だから、適切な処置は結構だけれども、突っ返すような非礼なことはしない、こう言えませんか。
#289
○政府委員(金澤昭雄君) 長い間のいろいろないきさつがあるわけでございます。私も前に刑事局長をやっておりますときに、日弁連の人権擁護委員会と毎年、大体こういった問題が主体でいろいろとざっくばらんな意見交換をやってまいりました。そのいろんな意見交換の場合に、警告書、要望書といったようなものの警察へ持ってこられるいきさつ、そういういきさつ等から考えて、やはりそれの結果が今非礼とおっしゃったような格好になってあらわれることもこれは一つ考えられるというケースがございます。
 また、私どもの方といたしましては、一方的な警告書、要望書というものを私どもの方で正式に受理をいたしますと、その職務執行自体、その関係の職務執行が国民から見ますと、あたかも何か最初から間違った職務執行であったかのごとき誤解を受ける、こういう立場もございますので、これはケース・バイ・ケースでございますが、中身によって、ケースによりましては、そういうふうに物そのものを正式に受理をせずに中身を検討した結果お返しをする、こういうケースもこれはあるわけでございます。その点は御了承いただきたいと思います。
#290
○諫山博君 「自由と正義」のことしの一月号に、大阪での出来事が詳しく報告されております。そこで大阪弁護士会が言っていることは、書類を突っ返すというのは非常識だ、意見があったら堂々と論争し合ったらどうか、こう言っているわけです。私は今弁護士会の例を挙げましたけれども、むしろ弁護士会でさえこういう取り扱いを受けていると言った方が正確だと思うんです。
 私の手元に国民救援会の岡山の人たちが勝山警察署にあてて出した手紙が二十通ばかりあります。全部附せんがついておって、受領拒絶。これも国民の声に耳を傾けない態度だと思う。私は非礼だということを言いましたけれども、これは単に非礼であるにとどまらない、国民の批判に耳を傾けない態度のあらわれだというふうに思っております。
 最近、警察が取り調べをして関係者が自白をした、ところが裁判所では無罪の判決が出た、こういう場合の警察の対応に非常に大きな不満を私は持っております。裁判所が検察官の起訴した事件について無罪判決をするというのはこれはなかなかのことです。今無罪判決というのは非常に少なくなっております。ところが、警察はこの無罪判決を謙虚に受け取っていないのではないか。裁判所が間違っているんだ、弁護士がうその入れ知恵をしたんだ、本人が自分の罪を逃れるために勝手な弁解をしたんだ、こういう立場で無罪判決を受け取っているように思います。
 その一例として、非常にマスコミで大きく取り上げられた綾瀬の母子殺人事件というのがあります。これは東京家庭裁判所が無罪判決に相当する決定を出した事件として大変問題になりました。私のところに東京家庭裁判所の決定があります。主文は少年三名を保護処分に付さない、普通であれば少年三人は無罪だ、こういう決定をしたわけです。問題は、この事件の捜査の責任者である人のこの判決に対する対応です。ことしの九月二十五日の「警察官の友」の中に、警視庁刑事部捜査第一課長橋爪茂という人の講演らしい内容が載せられています。これを見ると、
 被告の主張は共通して取調官に暴行、脅迫、誘導を受けた。無理やりにハンコを押させられたという、私達には身に覚えのない固定的な主張であります。そういったことを、一部の法曹会、弁護士の先生方が入れ知恵をして言わせているのかもしれない。真実を求めて共通の立場にあるといいながら、だれのための自由と正義なのか。
これは無罪判決に毒づいているわけですよ。裁判所で無罪の判決を受ける、少年が自白をしているのに裁判所はこの自白は信用できないという決定をした、こういうときには警察官は謙虚に反省すべきではないですか。弁護士が入れ知恵をしたんじゃないのか、だれのための自由と人権か、こういう開き直りでは誤った捜査はいつまでもなくならない。そして、このことが国民からの要望書を警察が突っ返すという問題と私は共通していると思うんです。
 警察はもっと国民なり裁判所の声に謙虚に耳を傾けるべきではないか。間違った点は間違っていると反省して過ちを繰り返さないようにすべきだ、こう思いますけれども、長官の見解を聞かせてください。
#291
○政府委員(金澤昭雄君) ただいまの「警察官の友」という中に担当の課長が書いておりますことにつきましては私の方も承知をいたしておりますが、これは本人の感想を述べたということでございまして、どうも舌足らずという感が私どもの方もしておるわけでございます。
 それと、全般的に無罪判決または不処分決定、こういうことを受けた事件についての警察の態度でございますが、これにつきましては謙虚にその内容について十分に検討をし、その検討の結果出てまいりました事項についてはこれは次の捜査に十分に生かしてまいるということで、全国的なこういう問題につきましての検討会を開き、その検討会の結果を今後の捜査に生かしてまいる、こういう姿勢でやっておるわけでございます。
 今後も、こういう問題は出てもらいたくないわけでありますが、出ました場合には謙虚にその問題について検討し、これを次の捜査に生かしていきたい、こういう態度でやっていきたいと思います。
#292
○諫山博君 よくわかりました。すべての警察官がそういう受けとめ方をすれば、いわゆる冤罪事件というのは少なくなると思うんですよ。ところが、橋爪さんの場合はたまたま言い間違いではなくて、例えば少年三人に無罪という判決が報道された朝日新聞の中で、「捜査は適切」、こう言っているんですよ。「極めて残念な結果である。捜査は適正かつ綿密に行われており、少年三人が犯人であることは間違いないものと確信している。」、これは裁判所の無罪判決に対して謙虚に耳を傾ける態度ではないと思うんです。
 長官が警察は事件に強くなれと強調していることを私たちはそれなりに評価しております。これは結構です。ただ、犯人を捕まえさえすればいい、点数を上げさえすればいい、こういう立場に偏って誤った捜査が行われたら大変だということを私は同時に懸念しているんです。事件に強くなる警察、これは必要です。同時に、いささかでも間違った捜査はしない、このことがあわせなければだめだと思う。長官どうですか。
#293
○政府委員(金澤昭雄君) 私も、昨年長官就任以来、事件に強い警察の確立ということを標榜してやってまいりました。この事件に強いという意味は、ただいまお話しのように、適正捜査による事件の解決ということがもう当然のこととしてあるわけでございます。したがいまして、現在この適正捜査の推進、それと適切な捜査指揮のできる幹部の養成、これもあわせて現在やっておるわけでございますので、今後ともこの面については一つでも不適正な捜査の事例、問題事例というものが出ないように、今後十分に第一線を指導教育をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#294
○諫山博君 最後に、国家公安委員長にお聞きします。
 私は、国家公安委員会が現実に警察行政に対してどのような関係にあるのか、どのような影響力を行使しているのかよく知りません。しかし、国家公安委員会が制度としてつくられたというのは、個人データが外に漏れる問題にしても、あるいは誤った警察官の捜査が行われるというような問題にしても、やはりそれを監督しチェックするというような任務が期待されていたと思うんです。実際どういう役割を果たしているのかよく知りませんけれども、そういう立場で今の一連の質問と答弁を国家公安委員長としてどのように受けとめられるか、最後に私は聞きたいと思います。
#295
○国務大臣(渡部恒三君) 国家公安委員会は、国民を代表し、国民の皆さん方が平和で安心して暮らしていけるように、全国二十五万の警察職員が誇りと責任を持ってその職務が遂行できるような環境をつくっていくこともその仕事でありますし、同時に、民主警察として善良な国民の皆さん方の平和な生活を守っていくのが警察の任務でありますから、その責任から外れるようなことがあったら当然国民の立場でいろいろと努力をしなければならないと存じますが、ただ、ただいまの問題等について、これは謙虚に反省はしなければならないと存じますけれども、犯罪を防止し、また犯罪が起こった場合、これを善良な国民の皆さん方が安心して暮らしていけるためにこそ、起こった犯罪を検挙するために警察官の皆さん方はその前線に立って不眠不休の努力をするのでありますから、いたずらに無原則に妥協をさせるわけにもまいらないと思います。
 いずれにしても国民の平和な生活を守るために、特に善良な国民の皆さん方の生活を守るために警察がその職務を立派に遂行し、信頼される民主警察としてやっていけるように努力するのが私どもの務めであると考えております。
#296
○高井和伸君 警察庁の方にちょっと申し上げますが、私も弁護士をやっておりまして、事件でかなり緊迫したことがございます。私も一週間ほど身の危険を覚えたこともございまして、ぜひとも坂本弁護士一家の失踪事件の早からんその解決をお願いしたいと思います。
 厚生省の方にお尋ねいたしますが、今回衆議院で厚生年金の保険料の引き下げ修正が行われました。これに対して、先ほども給付負担の額、私の聞き間違いでなければ四百五十七億円ぐらいじゃないかというようなことをおっしゃっておられましたけれども、こういったまあ政府原案というんですか、そういったものに対して料率が引き下げられたことに対して厚生省ほどんなふうにお受け取りなんでしょうか。
#297
○説明員(阿部正俊君) 私どもが御提案申し上げました年金関連二法につきまして衆議院段階で修正があったわけでございますが、それの主な点は、保険料率の引き上げ幅の問題と、それから厚生年金の支給開始年齢を将来引き上げていくためのスケジュールを明示しておったのでございますが、そのスケジュールの関係の規定が削除されまして別途見直し規定が入ったという点、それから第三点目がいわゆる制度間調整法につきまして、鉄道共済とそれから制度間調整による拠出の額が自助努力の額の拡大によりまして拡大するという修正が行われ、その結果として拠出金の方の額が減額になった。この三点だろうと承知しているわけでございます。
 先生のお尋ねは特に財政への影響ということでございましょうかと思いますので、特に保険料収入の減ということにつきまして少し私どもの考え方並びに内容について御説明させていただきたいと思うのでございますが、今回の修正によります保険料収入の減少ということになるわけでございますけれども、およその額をはじいてみますと、平成元年度では五千八百四十億円、それから平成二年度から六年度までの累計では約七千億円という程度と見込まれると思っております。これはまあ大変な額でございますが、この保険料収入の減少額以外にも一つの修正として給付改善の四月さかのぼり実施ということも含まれておりますので、年金財政に対する影響は小さくはないというふうに承知しております。
 ただこの点は、やはり国権の最高機関でございます国会の一院の一つの意思決定でございますので、冷厳な事実として受けとめるべきであろうというふうに考えておりますが、ただ私ども財政に責任を持つ者としては、その影響については無視できませんので、結果的には次回の財政再計算の際に、通常五年以内に行われると思われますが、その時点でその影響額というものを織り込んだ上で、新しい将来展望をまたその時点で設計をしていくということになるのではないかというふうに思います。
 ちなみに将来の保険料の引き上げ幅、私どもの提案としては将来とも二・二ということで予定しておったのでございますが、その予定しておったものが若干二・二九ぐらいの幅に拡大せざるを得ないのではなかろうか。今のところはそんな見込みを持っておるところでございます。
 以上でございます。
#298
○高井和伸君 今の保険料率の問題に絞りますと、二・二から一・九になったという点、しかしながら、この一・九も料率として非常に高いものじゃないかという意見が出ているんですが、この点についての高くないんだということをおっしゃられると思うんですが、その根拠についてお尋ねしたいと思います。
#299
○説明員(阿部正俊君) 私ども厚生年金の財政展望をいたす場合に、年金制度は現在毎年といいましょうか、順次成熟化の過程にございます。成熟化といいますのは、一言で言いますと、保険料を御負担いただく現役の方と、それから年金を受け取る、特に老齢年金でございますが、老齢年金を受け取る方との比が、現役を分母とし受給者を分子といたしました比率で見ますと年々相対的に高くなっているというのが現状でございます。この傾向がここ二十年ないしは三十年間、我が国の場合の現在の人口構成を前提といたしますと継続していくのではなかろうか、こんなふうな見通しを持っておるわけでございます。
 そういう見通しの中で年金財政の展望をするわけでございますが、そのときにまずポイントとして申し上げさせていただきますと、成熟度の一番ピーク時にはどういう状態になるのであろうか。私どもの見込みとしては、平成三十二年前後であろうというふうに見込んでおるわけでございますけれども、そのときがいわば保険料負担の面でも、あるいは財政支出の面でも一番大変な時期になるわけでございますが、そのときの保険料率をどう見込むのか、必要な給付費を賄うに足る保険料率というのはどうなのかという見込みを立てるわけでございますが、それを通称私どもは最終保険料率とこう呼んでおります。
 私どもの今回の財政再計算では、その最終保険料率を二六・一というふうに見込ましていただいておったわけでございまして、その前提といたしまして、一方でいわゆる支給開始年齢の引き上げということも織り込んだ上で、最終保険料率を適正な負担の限度ということも頭に置いて二六・一ということにしてございまして、それから現在を見通しまして、各五年の一回ごとの保険料率の改定はこれは避けられないわけでございますので、その上げ幅というのをどう見込むべきなのかという純粋な数理で計算をいたしまして、その上げ幅を必要な上げ幅として二・二ということを見込んでおりますので、それがいわば根拠といいましょうか、二・二というのが私どもとしては必要な保険料の改定幅であるというふうに認識しておりましたし、今回の修正によりまして、それが若干修正されるとするならば、いずれその分を、結果的には後代の負担になりますが、これから先の財政再計算の際にまたいわばそれを織り込んだ上で新しい上げ幅を決めていくというふうなことにならざるを得ないというふうに認識しております。
#300
○高井和伸君 そうしますと、料率の問題については将来に問題が先送りされているということでございますね。その点で結構です。
 それで、先ほど年齢引き上げの上でのそのピーク時における保険料率二六・一とおっしゃられましたけれども、現行のままでいきました場合三一・五というふうな数字を聞いているんですが、そういう数字はございますでしょうか。
#301
○説明員(阿部正俊君) 私が平成三十二年時点における最終保険料率の見込みを二六・一と申し上げましたのは、私どもが当初予定しておりましたいわゆる支給開始年齢の引き上げ措置を、平成十年から平成二十年までにかけて段階的に五歳引き上げていくということを織り込んだ上での最終保険料率が二六・一でございまして、もし仮に支給開始年齢を現行の六十歳のままで平成三十二年を迎えるということでありますれば、最終保険料率は三一・五ということに相なろうかと思っております。
#302
○高井和伸君 労働組合の団体でございます日本労働組合総連合会、通称連合と言われているところでございますが、そこがぜんたっての年金改革関連法案の衆議院通過のときに談話を発表いたしまして、通称連合の計算によれば、今の三一・五という数字が二八%でいけるんじゃないか、このようなことを考えておられます。そういった談話も発表されておられるんですが、この点について厚生省はどのようにお受け取りになっておられるでしょうか。
#303
○説明員(阿部正俊君) 十一月三十日付の新連合の事務局長さんの談話というのは承知しております。三一・五ではなくて二八%程度で済むのではないかというふうな一つの御意見でございますけれども、私どもとしては、ここは計算式を御説明する場ではないと思いますけれども、結論的に申し上げますと、私どもの行っている財政試算の方式と、それから多分連合が行っておるであろう二八%程度で済むという前提になった財政の推計方式と、基本的にやはり違う点がございます。私どもは、これまで長い間積み重ねてまいりました財政計算方式、いろんな蓄積がございますが、それを駆使いたしまして各年各年、これから五年先どうなるか、十年先どうなるか、二十年先どうなるか、それで最終的に三十二年先どうなるかという一つの、通称動態計算と言っておりますけれども、それを積み重ねていくわけでございます。
 一方で、私どもが承知しております連合の計算方式は、そういった各年各年の動態計算を積み上げていく方式ではなくて、三十二年という一時点をとらえまして、何というんでしょうか、そのときの被保険者数とか所要給付費というふうなものをいわばその時点のワンポイントで推計いたしましてやっておりますので、そういう手法の違いが一つあるということ。その結果といたしまして、途中経過の中で生じてきます財政支出要素というふうなものを一部相当ノーカウントにされている面があるのではないかというふうに思う点が一つ。
 それからもう一つは、厚生年金といいますのは老齢年金だけではございませんで、障害年金あるいは遺族年金というものもあるわけでございますが、それに対する所要経費の見積もりを私どもが見込んでおるよりも相当低く見積もっているものではなかろうかというふうに思っておりまして、そういったふうな結果から、多分私どもが想定しております三一・五というよりも二ポイントちょっと低い二八%程度で済むのではないかという推計になったのではないかと思っておりますので、私どもとしては、三一・五というのが今までの私どもの積み重ねてまいりました財政再計算の結果による正当な、いわば正しいといいましょうか、数字ではないかというふうに認識しております。
#304
○高井和伸君 承りました。
 それで、その談話の中にもう一つ、年金数理の基礎資料の公開と財政再計算のやり直しを求めるというような談話がございまして、その前段の年金数理の基礎資料の公開という側面、今るる動態計算で各年ごとにやってその積み上げであるというような計算方式、非常に細かいもので我々わからないだろうということはわかっておりますが、わかる人が見ればわかるわけでありますので、そういった資料の公開ということを連合の事務局長が言うわけなんですが、この点についてどのようにお受け取りすればよろしいでしょうか。
#305
○説明員(阿部正俊君) 私どもは計算方式を特に秘したりあるいは意図的に隠したりというようなことをしているつもりはないのでございますが、基本的な基礎データ、特に私どもの計算の前提になっております物価の見通しとか、あるいは資金運用の運用利回りとか、あるいは年金の改定率をどう見込むか、その前提となっております賃金の上昇率をどう見込むかというふうなことを公表した上で行っておりますし、途中の経過につきましても、被保険者数とかあるいは年金財政、厚生年金の財政の収支とかいうことも審議会等に説明をし、その関係の資料については公表もしてやってまいっておりますけれども、その点は御理解いただきたいと思うんです。
 ただその詳細なデータにつきましては、私どもは過去においても年金の改正が、いわば財政再計算の結果が法律改正ということで結実していくわけでございますけれども、その法律が完成した段階で、例えばこうしたような厚生年金、国民年金、何年度何年度財政再計算結果報告書というふうな綿密なものをつくりまして、過去にも出版をしてきております。その手法そのものに何か問題がございますれば、そういったものをごらんいただきまして御指摘いただければ、私どものそれなりの数理の専門もおりますので御議論をさせていただくことになろうかと思いますけれども、どうかひとつ、意図的に隠したりなんかしているものではないということをぜひ御理解をちょうだいしたいというふうに思っております。
#306
○高井和伸君 先ほどの御説明の中で、厚生年金に特にかかわる制度間調整、九百十億円の持ち出しというような話を聞きます。それから、年齢の引き上げを先送りするというような大きい三点があった。ある意味では、厚生省の意向に反したそういった政治的合意のもとに立法府の言うことを聞いた結果、財政的な面では非常に重いものを感じておるというようなことでございました。先ほどから、一方では純粋数理的な世界じゃないかというような言われ方をしておりまして、政治と保険制度、――厚生年金を代表して聞いておるわけでございますけれども、こういった絡み合いというものは政治が優先するというふうには思いますけれども、先ほどいみじくもお言葉の中にありました財政担当責任者として考えるときにじくじたるものがあるというような御見解だったと思うんですが、幾ら他方できめ細かい計算をしても政治的道具の一つの要素にされるということではたまったものではないという見解はあるんでしょうか。
#307
○説明員(阿部正俊君) 大変難しい問題でございますけれども、私どもとしては、やはり公的年金制度といいますのは、最終的には国民の合意といいましょうか理解、特にこれから先高齢化社会の到来に伴いまして、給付もふえてまいりますけれどもその負担面についても現在以上に相当重いものを求めていかなきゃならぬというふうな関係からしますと、やはり政治云々という前に、国民全体の最大限の合意を得るための努力をした上で、その納得を最大限求めた上でやっていかなきゃいかぬということからしますと、そういったものは完全に無視をいたしまして数理計算だけでやるというふうなものではないということは十分わかっているつもりでございます。
#308
○高井和伸君 自治省にお尋ねしますけれども、地方公務員共済組合の財政再計算は本年十二月に行われると聞いているんですが、その再計算の結果はいかがでございますか。
#309
○政府委員(滝実君) 財源率におきまして千分の三十八を引き上げる、こういうことでございまして、組合員一人一人の掛金率は千分の十九の引き上げ、その結果今までの一般的な地方公務員の場合にはどうなるかと申しますと、千分の六十九が千分の八十八になる、こういうことでございます。今回は、それに学校共済、あるいは警察共済も同一、全く同じ財源率で計算をすることにしておりますので、結果的には一般の地方公務員も警察職員も学校共済の職員も全部一律に千分の八十八で頭をそろえる、掛金率ではそういう結果になっております。
#310
○高井和伸君 今回、厚生年金の方が保険料率の引き上げ幅を下の方に減じたということになりますが、今のお話との関係で言いますと、地方公務員の共済年金制度においても同様に引き下げられるべきではないかというような一般論を言いたいんですが、いかがですか。
#311
○政府委員(滝実君) ただいま厚生省からもお話しございましたように、基本的にはそういたしますと問題を先送りにすると申しますか、いわば世代間の負担の公平という点からすると今の現役の掛金を削って後に続く者の掛金にそれだけ多くかぶせる、こういうことに結果的にはなるわけでございます。したがって、そういうことは必ずしも好ましくないんじゃないだろうか、やはり厚生年金は厚生年金としての事情があるという前提で私どもは考えているのでございますけれども、地方公務員の場合にはそこのところは、恐らく掛金率千分の十九のアップというのは必ずしも低い数字じゃございませんけれども、地方公務員というのは今までもそれなりの努力をしてきたわけでございますから、この際負担は忍んで、ほぼ計算どおりの数字でお願いをする、こういうことにさせていただいているわけでございます。
#312
○高井和伸君 私の方での資料をいただきましたが、地方公務員の財源率の引き上げ幅も非常に大きなものになっているというふうに見るわけでございますけれども、将来の収支の見通しはどうなんでしょうか。その点についての地方公務員の皆さん方の理解は得られているのかどうか、その点についてお伺いします。
#313
○政府委員(滝実君) 将来のめどとしましては、現在の数値で申しますと、ただいま申しましたように今回財源率全体で、事業主の負担金も含めて千分の三十八の引き上げをする、こういうことになっているわけです。それを五年ごとに今後繰り返して引き上げていく必要がある。その結果、三十年後でございますけれども、平成三十二年に千分の三百九十になるだろう、こういう見通しを持っているわけでございます。これを、仮に今回引き上げずにこのままずっと突っ走りますとどうなるかと申しますと、平成十一年ぐらいには赤字になる。積立金に手をつけなきゃいかぬ。平成二十何年かにはその積立金も食いつぶしちゃう、こういう事態にならざるを得ない、こういう見通しを立てているわけでございます。
 こういうようなことを踏まえて、地方公務員共済組合連合会の運営審議会で将来見通しも含めていろいろ御議論いただいたわけでございます。もちろん組合員側からすれば、それは少しでも低い方がいい、こういうことでございますから、必ずしも将来の見通しについて完全に合意を得ているというわけではありませんけれども、少なくとも今回の引き上げについてはやむを得ない、こういうような御理解をいただいているんではなかろうか、私どもはこういう理解をさせていただいているわけでございます。
#314
○高井和伸君 厚生省にちょっとお尋ねしますが、先ほども出ました鉄道共済年金の救済のために各公的年金制度から調整するということになっておりますが、各制度からの拠出する金額、承っておりますが、これはどういう基準で出てくるんでしょうか。
#315
○説明員(阿部正俊君) 算式を申し上げてもどうかと思いますが、基本的な考え方をちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 制度間調整法といいますのは、被用者年金制度の各制度の持っております負担と給付面の構造的な差異を直していくということが被用者年金制度の一元化の一つのポイントでございますけれども、その際に、給付面につきましてはいろんな手直しを過去にもやってまいりましてある程度そろえてきております。ただ、負担面、特に端的に言いますと成熟度、受給者とそれから現役との割合が制度間で大きく異なっておりまして、それが一番構造的な負担面の格差といいましょうか、というものを生んでいるわけでございますので、その点を調整していくというのが一元化の一つのねらいでございます。そういうねらいを持った上で、当面合意できる範囲内で負担の調整をしていきましょうというのが、今回御提案させていただいております制度間調整法の基本的な考え方です。
 その際に、一言で申し上げますと、共通する給付は現実には六十歳以降の分の老齢年金の給付費でございますけれども、これを共通のものとして負担し合っていきましょうということで、その部分についてだけいわば制度間で調整対象といたしまして、その費用については各制度で基本的には持ち合うことにしましょうということで、各制度間の出入りを、その結果として出てくるものを最終的には拠出金、交付金として出したり受け取ったりしましょう、こういうことになるわけでございます。したがいまして、確かに例えば鉄道共済年金等において財政が窮迫をしているというふうな状況がございますが、それを対象に、何か理屈なしにあるお金を差し上げましょうというものとは基本的に違っておるということをぜひ御理解願いたいと思っております。
#316
○高井和伸君 そうしますと、今度は政治の世界にちょっといきまして、与野党合意によってそれが三百億ほど修正されたという点ほどのように受け取ればよろしいんでしょうか。
#317
○説明員(阿部正俊君) 制度間調整法は、そういうことを前提といたしまして、一方で現実問題として、特に鉄道共済年金が一番、構造的にもそうでございますけれども、財政的にも極度に窮迫した状態にあるということを念頭に置きまして制度間調整の範囲というものを決めておるというのも現実でございまして、実際は鉄道共済年金が当面年間で約三千億の赤字を生ずるということが確認されておりまして、それが政府案の策定の段階では、そのうちで千五百五十億は最大限のいわゆる自助努力をいたしまして、残りの千四百五十億ということを制度間の調整によりまして国鉄に拠出するというふうな結果になっておったわけでございます。
 ただ、衆議院段階におきまして、院の一つの意思といたしまして千五百五十億の自助努力というものでは足りないということで、さらに三百億上積みされまして自助努力が千八百五十億にふえ、そのふえた分だけ逆に拠出金の方は三百億減額されたわけでございますが、制度の基本的な考え方は変わっておりませんで、当面三年間はその今増額されました自助努力を前提といたしまして三千億の中の残りの部分を制度間拠出で出していこうということで、いわば附則の処理として行われておりますので、制度間調整の基本的考え方には特段の基本的な変更はなかったのではないか、こんなふうに認識しております。
#318
○高井和伸君 大蔵省にお尋ねしますが、今のお話に出てきました鉄道共済年金の財源の破綻、年間三千億というのを三年間にわたって手当てしようということになっておりますけれども、これはこういった鉄道共済年金の制度的な運営の不適正さがあったんだろう、それに伴う政府の政策の失敗があったんだろうと、こう考えるわけでございますが、その点はそのとおりなんでしょうか。
#319
○説明員(乾文男君) 鉄道共済年金が破綻いたしました原因といたしましては、ただいま委員御指摘のように、鉄道共済年金問題懇談会の報告書にも述べられておりますとおり、鉄道共済時代の制度、運営上のいろいろな問題点があったということ、それからもう一つは、モータリゼーションの急激な進行等、産業構造の変化によりまして鉄道産業というものに対する需要が減少したことが大きな影響を与えた。またさらには、最近におきます日本の社会の急速な高齢化の進行ということがございまして、これが、例えば厚生年金という大きな年金単位がございますけれども、鉄道という小さな年金制度で分立していたがためにその影響をいわばもろにといいますか、大きなインパクトを受けて今日の事態になったと述べられているところでございまして、私どももさように認識しているところでございます。
#320
○高井和伸君 責任問題で、国が全部負うべきじゃないかという単純な議論がございますし、まあ私もその方がいいんじゃないかと思うんです。こういった大幅な拠出をよそのチームからいただくということは、国の責任の一つのとり方なんだろうと一応思うんですが、それぞれの制度が持ってきた歴史的な経過、そういったものから考えますと、それぞれの構成員は非常に割り切れないということになるだろうというふうに思うわけです。その点、政府の責任とともに国鉄の責任もあるんだろうと思うんですけれども、わかりやすくその責任論を解説していただけませんか。
#321
○説明員(乾文男君) わかりやすくというところがどこまでできるか自信がございませんけれども、私どもの考え方を端的に申し上げますと、今申し上げましたような要因から考えますと、まず本問題は鉄道共済関係者自体の厳しい自助努力によって対応しなければならないということが出てくるわけでございまして、今回制度間調整で結果的に他制度からの拠出をお願いするに当たりましては、委員十分御案内のように、鉄道共済で、例えば年金受給者の給付の見直し、その中には退職時に特別昇給をしていたことが結果的に年金にはね返り、それが年金財政を圧迫していたという他の制度ではないような仕組み等を是正させる。あるいは、これは従来からやっていることでございますけれども、五十九年の統合法のとき以来一〇%スライド停止、端的に言えば一〇%カットでございますが、そういうこともやらせる。あるいは、現在共済年金制度は支給開始年齢が五十八歳でございますけれども、今回の処理の機会にこれを鉄道については原則として六十歳、厚生年金と同様にする等、いろいろな措置を講じておるところでございます。
 このように、鉄道共済自体の厳しい自助努力を行っているわけでございますが、それと同時に、例えばJRにつきましても、現在事業主としてそれなりの保険料を払っているわけでございますが、今回のような制度間調整によって他制度からの拠出を求めるということでございますと、通常の保険料に加えて特別の負担を行う。また、清算事業団につきましては、旧国鉄時代にやはり年金数理から見まして保険料の負担不足があったと。これは事業主である国鉄も、それから従業員である国鉄の職員も負担不足があったわけでございますけれども、その旧国鉄の事業主部分の負担部分を今回御審議いただいております法律の中で清算事業団に負わせることによって清算事業団も政府の原案では年間八百億円ずつの拠出を行っているということによりまして、私どもといたしましてはぎりぎりいっぱいの自助努力として千五百五十億円というものを御提案したわけでございます。
 ただ、それが衆議院の通過段階におきまして、与野党間の合意で、さらに努力をせよということでもって三百億円上積みをされた。三百億円の上積みの財源といたしましては、清算事業団二百億円、それからJR二十億円、それから鉄道共済自体も、なけなしの積立金ではございますけれども、これを百億円取り崩すことによって対応しようということで、精いっぱいの努力をせよという合意がなされたわけでございます。
#322
○高井和伸君 他方、今度は自治省にお尋ねしますが、今のような次第によりまして二百十六億円という拠出金額になってきておるわけでございますが、責任論からいうと自治省としてはどのように受け取っておられるのか。本当は出すいわれはないんではないか、このように考えるわけでございますが、そこはどのような我慢をしてお出しになるのかお尋ねをいたします。
#323
○政府委員(滝実君) 私どもとしては二つの理由があろうかと思うんです。
 一つは、地方公務員共済、非常に私どもなりに頑張っておりますし、そう簡単にバンザイはしないという自信があるのでございますけれども、しかしいずれの共済組合であっても何がしかの不安要素は皆抱えているわけでございます。したがって、将来の年金一元化ということを踏まえて、しかも遠い将来の財政的な事情ということを考えるならば、やはり負担調整というものは、今回そういう仕組みができるならば当然そういうものには参画すべし、こういうのが一つのポイントでございます。
 それからもう一つは、やはり責任論でございます。私どもの地方公務員共済組合連合会の運営審議会におきましてもこの問題については何回も議論をいたしまして、当初は当然反対という立場をとってまいったわけです。反対の立場はやはり責任論をどうするんだと、こういうことでございます。その結果が、一千五百億円強のそれぞれの自助努力なり責任論がそういう格好でまとまってきた、こういうことを受けまして地方公務員共済組合連合会といたしましても、こういう状況あるいは責任ということからすればこれはやむを得ない、こういう考え方に立っておりまして、結局二つの理由で私どもとしてはこの問題はやむを得ない問題だと、こういう結論に達しているわけでございます。
#324
○高井和伸君 最後に連合参議院という立場から一言述べておきたいんですが、実は衆議院の与野党合意というレベルは衆議院の意思としておありだったと思うんですけれども、政党レベルからいいますと、連合参議院は政党じゃございませんけれども、参議院を束ねている一つの会派である。それがその合意に参加していないという事実だけは御承知おき願いたいと思うんです。そんな意味からも、先ほど言った連合の事務局長談話が出ている。労働組合の連合体としては一番大きい八百万人というような数字が出ておりますが、そういったところが納得していない面が多々あるという政治的合意が衆議院だけで行われたことについては非常に遺憾に思っているわけですね。
 先ほどから、こういった年金問題は国民の合意のもとにいろいろ進めていかなきゃいけない、数理の公開も同じだと思うんですけれども、そういった面で、政治的な問題のレベルにおいてもこれから国民合意を得ていくためにも、いろんな面で、ある一方ではその数字がおかしいというような言われ方をして、かえって紛争が拡大しないようにするためにも数理の公開を願い、さらにいろんな意思形成する場合において、これは皆さん方に言ってもしようがない話ですが、それなりの配慮が必要じゃなかろうかというふうに考えております。
 この点について、もしどなたかお答え願えればと思います。
#325
○説明員(阿部正俊君) 公的年金をこれから運営していく場合に、特に先ほどから出ておりますいわゆる一元化というふうなことを進めていく場合には、今委員から御指摘がございましたような、私ども決して隠しているわけではございませんけれども、各種年金全体を通観した場合には、統一的な形で数理の公開なり、あるいは検証なりというものが必ずしも今の段階では十分行われているとはちょっと言いにくい状況ではないかというような感じがしております。
 現実問題として、私どもの審議会でございます年金審議会、そこには今例示されましたいわば労働界からの参加も得ている審議会でございますが、そういう席でも、数理の公開を原則にした上でそれについての一定のチェック機能を持つ行政委員会というふうなものもつくるべきではないか、こういう御提案もいただいております。私ども、やはりこの点については今後の一元化を進める際の一つの重要な課題ではないかと思っておりますので、今の御指摘も踏まえまして、各省にも働きかけ、できれば一元化の過程の中で実現していくように努めてまいりたい、こんなふうに考えております。
 以上でございます。
#326
○高井和伸君 自治大臣に最後にちょっとできたら御意見を伺いたいんですが、地方公務員等共済組合法等の一部改正ということでございまして、年金全般につきましてやはり国が運営しているということ。戦前の国債が戦後紙切れになったように、こういった年金制度が破綻するということは国の信用にかかわる大問題だろうと思うんです。日本のお金が非常に信用をなくするときは、こういった内部的な崩壊から始まるのではないか。インフレ要因にもなるだろうと思いますし、そういった面での御決意というか、こういう年金問題に対する所管大臣としての基本的な御見解を最後に伺いたいと思います。
#327
○国務大臣(渡部恒三君) 言うまでもありませんが、年金は老後の生活の命の綱でありますから、であればこそ、国民のみんなが安心して将来信頼できるような年金制度をつくるために国は一生懸命努力し、それぞれの立場で御辛抱を願う人、協力する人、そういう中で二十一世紀の高齢化社会を揺るぎなきものにするために、立派な年金制度をつくっていかなければならないと考えております。
#328
○高井和伸君 道路交通法についてお尋ねします。
 もう多々聞かれておりますが、最後に一つ懸念の面がございます。初心運転者期間の中で三点の点数をくっつけられちゃったというか、その人が初心運転者講習を受けないときには再試験にいってしまうというこのペナルティーは非常に大きなペナルティーだろうと私は考えるわけですね。この制度を適用する場面において、初心運転者ですから若者が多いと思うんです。遵法精神というか法律生活というか、そういった面に非常になれていない人が多いわけですね。呼び出しないしは通知があって、それをロスすると本当に初めから再試験を受けなきゃいかぬという、このグラフをいただいていますが、この線が非常に気になるんですよ。
 私も法律家の端くれでございますので、道交法の全体の構成からいいますと、スピード違反で捕まればこれは運が悪かった、駐車違反がいっぱいあって非常にその取り締まりもルーズである、運が悪いときはひっかかるというような、そういう道交法における遵法精神を喚起するほどの立派な道路取り締まり行政が行われていないと私は確信しているんですよ。そういったところでこの三点もらった人が講習を受けないばかりにぱっと再試験のところへいってしまうというのは、これは何としても大変気になるところなんで、これに対する御処置というか運用の中身というか、そこをちょっとお聞かせ願いたいんです。
#329
○政府委員(関根謙一君) 基準点数を三点とするかどうかは現在検討中でございます。三点以上になると考えております。
 それで、それ以後講習を受けなかったために再試験を受けることとなるというのは担保措置として重いではないかとの御意見でございます。十分にこのシステムを広く国民の方々に御理解いただくように広報活動に努めた上、この制度を適用してまいりたいと考えております。
#330
○高井和伸君 最後の質問にいたします。
 今、交通事故による死亡者がまたふえ出してしまっているという中で、その対応の一つとしてこういった諸制度の新設が行われているというふうに考えるわけでございますけれども、交通事故の原因が初心者だけに、初心者というか、先ほどの言葉で言うと初心運転者だけに集中するものじゃないということは先ほどからの答弁で聞いているわけでございますが、そこら辺に気をつけていただいて、ある意味では余り強力な規制をなさいますと、運転免許なしでは商売できない人手不足の流通産業の方々が非常に、現在においてもいい車を買って与えないことには人が集まらないという時代が来ています。そういった中で余りにも厳し過ぎる点数だとかえって日本の全体の経済構造をおかしくしてしまうんじゃないかというような懸念も私はひょっと個人的な体験の中から感じているわけでございます。
 そういった面で、こういった制度だけの中に交通事故の防止、死亡者の増加を抑えようということが、ないようにという言い方はおかしいんですが、集中し過ぎないようにという御配慮と、それから運転免許を取り上げられたら失職する人が非常に多いわけでございますので、そういった面も御配慮の上での制度運用をお願いしたいということを最後に述べまして、終わります。
#331
○秋山肇君 道路交通法の一部を改正する法律案に関連して幾つかの質問をさせていただきます。
 まず事故率について伺いたいんですが、既にこれまでに述べられているとおり、交通事故死がここ数年激増しているわけですが、先進諸国の事故率及びそれと比較して日本の事故率はどうなのか。特に死亡事故について分析しているのであれば説明をしていただきたい。
#332
○政府委員(関根謙一君) それぞれの死亡事故のとり方は国によって違うわけでございますが、人口十万人当たりの死者数を一九八七年で見てみますと、フランス十七・七人、西ドイツ十三・〇人、イタリア十一・六人でございます。アメリカは一九八六年の数字でございますが、十九・一人。これに対して日本は人口十万人当たり七・七人でございます。
 それから自動車一万台当たりの死者数で見てみますと、アメリカは、これも一九八六年の数値でございますが二・六人、西ドイツ二・七人、フランス三・九人、これは一九八七年の数値。日本は一・九人でございます。しかしながらこれは、日本の場合には二十四時間以内の死者数をもとにしており、フランスの場合には事故発生後六日以内の死者、イタリアの場合には事故発生後七日以内の死者というような数値でございますので、日本もこの数値よりは若干高い数値になろうかと思います。
#333
○秋山肇君 データのとり方、死亡時間のとり方でこれは数値が違ってくるわけですけれども、日本は先進諸国に比べて低いということですけれども、現実には交通事故死が昨年は一万三百四十四人、ことしはもう一万人を超しているということです。
 そこで、諸外国での初心運転者対策はどのようになっていますか。効果を上げている例があれば説明をしていただきたいと思います。
#334
○政府委員(関根謙一君) 諸外国におきましても最近に至りまして初心者に対する免許制度について工夫をしてきております。ノルウェーの場合には一九七九年から、西ドイツの場合には一九八六年十一月から、フランスの場合には一九八六年一月からというようなぐあいでございます。この中でそれぞれの国で成果を上げているように聞いておりますが、特にはっきり数字で聞いておりますのは西ドイツの例でございまして、西ドイツは、バイエルンでこの新しい初心運転者と申しますか、運転免許取りたての人たちに対するシステムを変えたことによりまして、改正前の事故に比べ約一三%改正後は事故が減少したように聞いております。
#335
○秋山肇君 これまでの交通事故対策といいますと、取り締まりの強化、規制が叫ばれておりましたが、ここまで来ますといわゆる強制力だけに頼る対策では対応できなくなっているんだと思います。
 そこで、今回の改正というのは、諸外国が取り組んでいる対策と比べてどのような特色があるのかお伺いをいたしたいと思います。
#336
○政府委員(関根謙一君) 私どもが今回御提案を申し上げております初心運転者期間制度の特色は、諸外国の制度に比べまして誘導的手法、教育的手法を強化し、強制的な手法を少なくしているという点でございます。
 具体的に申し上げますと、例えばオーストラリア等諸外国の場合には、初心運転者と言われるような免許を持っている人たちにつきましては、最高速度例えば七十キロ以上出してはいけないとか、高速道路での運転を禁止する等といったような強制的なシステムを講じておりますが、私どもの方は、いわば初心運転者の期間には安全運転を心がけていただくように誘導をしていくということを目的といたしまして、再試験というようなことを考えておりますし、また教育的手法というものを十分に考慮して講習のシステムを加味している等でございます。そういった点が諸外国に比べての今回御提案をしております私どものシステムの特色であろうかと思います。
#337
○秋山肇君 今までですと、交通安全講習会へ行ってみても、話を聞いていてもおもしろくない、そういうような声が聞こえるわけですし、実際に私たちが行ってみても余りおもしろくないですね。ですから、これからは講習に興味の持てる特色を、また魅力のある講習会の内容にしていくべきだと思うんですが、この点は何かいいお考えをお持ちなんでしょうか。
#338
○政府委員(関根謙一君) 従来公安委員会等が行っております道交法の百八条の二の規定によります各種の講習は講義が中心でございますので、大勢の人を一カ所に集めまして講師が話をするということで、余り興味があるとはいえない内容であったという批判があると考えます。
 そこで、今回私ども初心運転者講習及び取り消し処分者講習等で考えております講習のシステムは、まず受講者の数を少人数に限るということ、それから各人の特性に応じた個別的な講習ということを主として、講義形式を避けるということ、それからディスカッション、体験学習等を盛り込んだ受講者の参加型の講習にするということ、さらに実際に運転をさせること等により、聞くことと一緒に体を動かすということも講習の内容として加えるということ等を考えているところでございます。
 こうした講習のシステムが成功するということについて見通しが立ちますれば、従前行われておりましたその他の講習につきましても可能な限りそのようなシステムを取り入れていくように考えてみたいと考えているわけでございます。
#339
○秋山肇君 とかく警察官の人が講師になるとかたい話ばっかりするわけですから、婦人警官だとかがそういうところに出てこられてソフトに話をされたりして、子供さんたちの交通教育なんかでは成果が上がっているんだと思います。
 それともう一つは、先ほども質問の中にありましたけれども、適性の問題。運転というのが、自動車に乗るんですと、オートバイと違ってひっくり返らないから、ある程度動かせれば免許証をもらえるというようなことがあるわけです。スピードを出し過ぎるとか、マナーを守らないとかということもいずれ事故に直結する原因であると思いますけれども、性格的なもの、心理的な指導の充実というもの、教習所では難しい部分があるかと思いますが、しかし今後このようなことも未然に事故を防ぐ上で検討していくべきだと思うんですが、どのようなお考えでしょうか。
#340
○政府委員(関根謙一君) 確かに運転者が自分の運転の特性、自分の性格の特徴というものを十分承知して運転していただくということは大変大事なことであると考えております。現在、性格的運転適性検査という検査を考えて、警察庁の科学警察研究所におきましてその検査方法をいろいろ開発しているところでございます。
 考え方といたしましては、まず状況判断力がどの程度備わっているかを自分で知ること、つまり複雑なシミュレーション等を考えまして、そこで、その場合にどういうふうにとっさに判断しているかということでありますとか、精神的な安定度でありますとか、具体的場面に対応した適切な動作がとれるかといったような点につきまして、いろいろその適性試験を受ける人たちの特性を把握し、それを指導、助言の糧として運転の教育を行うというようなものでございます。現在開発している運転適性検査もあるわけでございまして、これは教習所に入所するときにはほぼ一〇〇%各教習所でこれを利用していただいておりまして、それによって実技教習等で具体的に技能指導員等が講習生を指導するときに利用しているというようなところでございます。しかしながら、今回このシステムをさらに初心運転者講習やら取り消し処分者講習についてもっと一般的に活用したいと考えておりまして、科警研におきましてはさらにそのための適性検査のシステムを現在研究中でございます。
#341
○秋山肇君 若い人が二輪車なりオートバイに乗りたいという、またオートバイに乗りたくないなんという元気のない若者でも困るわけですね。だけれども、運転未熟のために相手を傷つける、また自分でも命をなくしてしまうという、そこここで見るわけですけれども、一つの何というのですか、東京なんかで言えば警視庁の白バイ訓練所、あのくらい厳しい訓練をしなきゃオートバイは動かせないんだぞというような、ああいうのもひとつ、自動車教習所なんかとタイアップしてあの訓練の厳しさ、鈴鹿まで行くんじゃ大変ですから、東京の場合はすぐ近いところでそういうことも大事なんだろうなというふうに思うんで、ぜひその点もお考えをいただきたいと思います。
 今回の改正案を見てみますと、いわゆる若年運転者層の対策に重点を置いた内容を持つように思います。今後高齢運転者、二輪運転者への対策としてどのような対策を講じていくのかお伺いをしたい。特に先ほども常松先生のお話にあった高齢者、年をとって運転をされている、お元気であるということはいいんですけれども、その点もちょっとお考えをいただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#342
○政府委員(関根謙一君) 高齢ドライバーについての対策と二輪運転者についての対策についてお尋ねでございます。
 まず、高齢ドライバーについての対策でございますが、先ほど常松先生の御質問にもお答えいたしましたとおり、高齢ドライバーは個人差が非常にございまして、心身機能が低下している方から、決してそうでなくて非常に判断力の確かな方もおられるわけでございます。ただ、心身機能が低下している方々は、早くそのことを御本人に自覚していただく必要がございますので、更新時講習時における高齢者特別学級の編成でございますとか、臨時適性検査のシステムがありますので、そういったようなもので適性検査を活用していただくということでありますとか、さらにはやっぱり更新時の際等でございますが、運転適性検査の機械を本年一月から導入しておりますので、そんなものを利用していただくこと等を考えているところでございます。
 それから二輪車対策の方でございますが、二論運転者の事故は確かにここ十年間でも一・六倍にふえるなど大きな問題がございます。特に七〇%ぐらいが若者による事故でございます。そこで、現在幾つかの施策を講じているところでございますが、まず、二輪運転免許の段階取得ということを昨年二月から実施しております。これは十六歳から二輪免許は取ることができるわけでございますが、十八歳未満の方が二輪免許を取得する場合には、まず小型限定を取っていただき、一年以上たったら中型限定に入っていき、最後に限定解除へ進ませるといったような指導を行うということが一つでございます。
 それから自動二輪車の安全運転講習等の機会におきまして、先ほど先生が言われました警視庁の白バイ隊の人たちの実技のほどをデモンストレーションしていただきまして、二輪車を完全に運転するのにどのくらい高度な技術が必要であるかということをよく知ってもらうということ等を行っております。
 さらに、二輪とはちょっと違いますが、原付免許の方でございますが、この原付免許を取得する際に安全技能講習を実技を含めて受けていただく、これは原付免許は実技試験がございませんので、それを実技講習でカバーしていただくというようなことで二輪車そのものになれていただくということを工夫しているところでございます。
#343
○秋山肇君 こんなことを言ったらお年寄りに怒られるかもしれませんけれども、ゴルフに行けば年が六十を過ぎると幾つプラス、七十を過ぎたらハンディを幾つ上げますというようなことがあるわけですね。ですから、七十歳を過ぎた人がもし違反をしたらペナルティーはプラスをつける。逆にもうお年寄りのその人のため、御自分のためだと思うんですよね。ですから、そういう周りの人のこともあわせて、ゴルフのハンディだけはそういうふうにもらっていて、交通違反をしたらおれは年をとっているんだからまけてくれというようなことじゃなくて、逆にそのくらいの厳しさを高齢者の方にですね。これはその点数というのは、先ほど高井先生からお話もあったけれども、若い人に厳しくする、初めて取った方に厳しくするのだったら、高齢者の人たち、のろのろ運転しかできない人たちにはもっと、事犯をしたらこうですよというようなことで画一的に考えないで、年齢差で判断するとか、そういう運用もこれからはもう道路交通法の運用の中にお考えいただいたらいいんじゃないかなというように思います。
 このことを聞きましたら、多分年寄りの元気な人から抗議の手紙か電話がかかってくるだろうけれども、私は、そうしたならば、ゴルフのときにハンディは余計もらわないでちゃんと自分のハンディでおやりくださいと反論しておきますから、どうぞ遠慮なしに警察庁も取り組んでいただきたいと思います。
 それから交通事故の増加、交通渋滞の悪化等の原因となっている都市の違法駐車の問題、この間何か警視庁が都内の路上駐車と駐車場の実態を調査されたようですが、その結果について御説明をいただきたいと思います。
#344
○政府委員(関根謙一君) 警視庁が本年四月に、都内の幅員四・五メートル以上の一般道路を対象として行いました駐車の実態調査についてのお尋ねかと思います。
 これによりますと、瞬間路上駐車台数が都内の四・五メートル以上の一般道路、これは一万キロとちょっと程度だと思いますが、ここで二十一万二千台。このうち違法駐車台数が十八万四千台、八七%が違法駐車ということでございます。
#345
○秋山肇君 それだけ違法駐車が十八万台もあるというと、これは駐車場あるいはパーキングメーターがいかに効率的に稼働しても違法駐車の問題は簡単に解決はできないのではないかと思います。大量の違法駐車車両に対し警察は取り締まりやレッカー移動等の措置をとっていますが、その体制は十分確保されておりますのでしょうか。
#346
○政府委員(関根謙一君) まず、レッカー移動の件でございますが、この瞬間当たり十八万台の違法駐車があるということは、この十八万台が仮に三十分ずつ違法駐車をしたとしますと、二十四時間で一千万台になるわけでございます。その一千万台をレッカー移動するとしますと一千万台分の駐車場がなければいけませんが、現在都内では七万八千台分の駐車場しかないのでございます。この七万八千台のうちの七割ぐらいが常時埋まっておりますから、警察署長がレッカー車で持っていける台数というのは一日に二万台ちょっとぐらいでございまして、一千万台に対してはもうほとんど物理的に不能でございます。
 そこで、対策でございますが、こういうレッカー移動で物理的に場所から排除するという違法駐車車両は、特に交通の安全と円滑に重大な影響を及ぼすと考えられます交差点でありますとか、そういう非常に重要な場所を中心にレッカー移動を行っております。それからその他の場所、特に一一〇番でうちの前のを早くどけろというようなのが非常に多いわけでございますが、そういったもの等を含めまして、昭和六十一年にお願いをいたしました道路交通法の改正によりまして、違法駐車標章の張りつけ、取りつけというシステムが現在あるのでございます。道交法の五十一条の規定でございますが、これを活用いたしまして違法駐車標章を取りつけるということで、これは、それを取りつけますと取りつけられた人が自主的に車を移動させまして移動させた旨を警察官に報告するというシステムでございますが、今まで余りこの制度は活用しておりませんでしたのですが、実態がこういうことでありますと、少しこういった制度も活用して違法駐車の問題に対応してまいりたいと考えております。
#347
○秋山肇君 一千万台あって二万台しか処理できない。それじゃ、引っ張られていったのは運が悪いんだというような感じで、またおれはとめておいてもいいやなんというのがありますと事故につながる。
 これは駐車場の整備をしなければいけないというふうに思うんですけれども、この辺のところは警察だけではやっぱりできぬのかなというふうに思うんですが、駐車場の問題については、昭和三十三年に駐車場法というのが施行されて、それにより都市計画駐車場の整備、駐車場の附置義務条例の制定が図られていたわけですけれども、三十三年の車の台数と現在の車の台数とでは、今の交通局長の御説明で、二十四時間、三十分ずつで一千万台というようなことから考えますと、三十三年と今とでは大変違うと思うんですが、この点については何かお考えになっておりますか。
#348
○政府委員(関根謙一君) この昭和三十三年当時というのは、駐車場法が制定された当時ということかと願います。現在の駐車場法は、路上駐車場についての規定、それから路外駐車場についての規定、それから一定の施設につきまして駐車施設を附置すべく義務づける条例を制定することができる規定等が設けられているところでございます。
 その路上駐車場の問題につきましては、現在パーキングメーターでありますとか、やはり昭和六十一年の道交法改正によりまして制定されましたパーキングチケット発給設備の設置等によりまして、実質的には路上駐車場というのは今ほとんどないに等しいものでございます。
 そこで問題は、路外駐車場の整備と一定の建物に駐車施設の附置を義務づける条例の制定の問題でございます。こちらの方は昔のものと余り実態が変わっていないのではないかと考えておりまして、私どももこれは地方公共団体の条例でございますからいろいろと見直し等もお願いをしているところでございます。
#349
○秋山肇君 建設省の方、今交通局長のお話にあったように、三十三年が三十万台で現在四千万台、百倍以上になっているわけですけれども、相変わらず駐車場設置義務基準というのは変わっていないということからしますと、これは警察の問題じゃなくて建設省がどうお考えになるかということなので、この点についてどのようなお考えをお持ちなのかお答えいただきたいと思います。
#350
○説明員(安達常太郎君) お答えいたします。
 駐車場の整備につきましては、駐車場法に基づきまして昭和六十三年三月現在、全国で約百三十四万台分の路外の駐車場等が供用されております。議員御指摘のとおり、駐車場法の施行された昭和三十三年度末に比べて約二百二十倍という状況になっておるわけでございます。駐車場の整備の水準を見てみましても、昭和六十三年三月末現在で、自動車一万台当たりの駐車スペースと言っておりますけれども、一万台当たり二百六十七・三台、昭和三十三年度末に比べて約六・五倍ということで整備水準も上がってきているところでございますけれども、とは申しましても大部分の都市におきましては駐車場の整備は依然として十分とは言えない、また、路上の違法駐車等による道路の混雑等が生じているということで、建設省としてもこれを十分認識しているところでございまして、こうした状況を受けまして現在駐車場附置義務基準の見直しの作業をしているところでございまして、今年度末を目途に結論を得て必要な作業を進めてまいりたいと考えております。
 この基準の見直しとあわせて駐車場の整備の推進方策、これを検討しておりまして、附置義務基準の見直しとそれから総合的な駐車場対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#351
○秋山肇君 現在の法律では、繁華街においても、三千平方メートル以下の商業ビルでも一台分の駐車場もつくらなくていいというわけですね。繁華街に行くと、三千平方メートルというと坪数で約千坪近いわけですから、これ以下の商業ビルというのは結構多いですよね。ですから、この辺を踏まえて、今のお話しの附置義務の強化、駐車場建設の助成の制度の拡充なんというのはどうかなと思うんですが、この点についてはどうでしょう。
#352
○説明員(安達常太郎君) 百貨店とかあるいは劇場のような特定の建物のための駐車需要に対する駐車施設、これは原則として建物側が附帯して設けるべきであるという考え方から、駐車場法におきましても、建物の新増設の際の駐車場の整備に対しまして、公共団体が条例によりましてその建物の規模に応じて駐車場の附置を義務づけることとされておるところでございます。この基準の設定に当たりましては、駐車場法の規定によりまして、一般の建物用途に対しましては、委員の御指摘のとおり、三千平方メートル以上の建物に対して附置義務が課されることになっておりますけれども、百貨店とか劇場とか、こういった駐車需要の程度の大きい用途、特定用途というふうに法律で申しておりますけれども、特定用途に対しましては三千平方メートル以下の建物にも附置義務を課してよいとされているところでございます。
 したがいまして、建設省といたしましては、条例のひな形をつくりまして公共団体にこれを通達いたしまして、特に駐車需要の程度の大きい用途に関しましては基準を二千平方メートルにするように指導しているところでございまして、現に実例が各都市に出てきているところでございます。またさらに、地方都市におきましては、建築活動の大半がそれ以下のものがございます。発生する駐車需要に適切に対処できない例が多いわけでございまして、都市によってはその二千平方メートルをさらに下げて千五百とかあるいは一千平米で基準を設定している都市もあるところでございます。そういう指導をしているところでございます。先ほど申し述べましたように基準の見直しを行っているところでございまして、今後、調査結果をもとに、附置義務条例に基づく附置義務駐車施設の整備の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
 それから自動車駐車場の整備に対する助成でございますけれども、現在融資を中心にこの整備を行っているところでございます。無利子の融資制度といたしまして、一つは道路整備特別会計からの無利子融資、二つ目にNTT株式の売り払い収入の活用による無利子融資。そのほかに低利の融資制度がございます。民間都市開発推進機構からの低利融資あるいは道路開発資金からの低利融資、日本開発銀行からの低利融資等が講ぜられているところでございます。
 拡充でございますけれども、平成元年度におきましてはNTTのCタイプによります融資制度の拡充を図ったところでございます。今後とも、各種助成制度の拡充によりまして、民間によるものも含めまして駐車場の整備を推進してまいりたいと考えております。
#353
○秋山肇君 新幹線なんかで行きますと、地方の、自治大臣の福島でもそうだと思うんですが、この間広島に行ったら、福山の駅前なんかで車の置く場所が、駐車場が満杯になっておるとか、地方の方が皆さん車をお持ちの率も高いわけですから、今のこのビルの地下の利用の場合等、この容積をふやしてあげるとか、また今私がいろいろ申し上げましたけれども、これは自治大臣か国家公安委員長の立場か、どちらでも、建設省を初めとした都市計画に関連するほかの部局と連携をして、諸政策を今後とも実施していく必要があるんだろうと思うのですが、大臣のこの点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#354
○国務大臣(渡部恒三君) 御指摘のとおりこれは一省庁、一機関でできることではございません。関係各省庁と十分連絡をとって、快適なカー社会になるような努力をしてまいりたいと思います。
#355
○秋山肇君 次に年金問題でお聞きをいたしますが、年金の支給開始年齢の引き上げについてですが、公務員の共済年金についても、ことし三月の閣議決定を踏まえて、厚生年金と同様の趣旨で措置を講じるようにしていく方向と聞いております。ただ地方公務員の方々で消防や警察職員等、現場の方ですと、年齢が高くなるにつれて、すべてを事務職へ移行するというわけにもいかない面があると思います。雇用の問題とあわせて、今後どのように検討されるおつもりでしょうか。
#356
○政府委員(滝実君) 確かに消防職員あるいは警察職員、そういう職務の特別性からなかなか難しい職種というのがございます。したがって、私どもとしては、当然この検討委員会におきましてこの問題は御検討をいただくということが前提でございますけれども、関係省庁の意見を十分反映した格好で今後の問題を詰めさせていただくということにさせていただきたいと考えております。
#357
○秋山肇君 また、今回の財政再計算に伴う将来の見通しについてですが、地方公務員共済組合については十二月以降新しい財源率を持った方式に従ってそれぞれ掛金もしくは負担金を納めるという形になると思いますが、引き上げを行わない場合と行った場合の比較、あわせて今後この制度を健全に運営していくためにどのような考えを持っておるのでしょうか、お聞かせください。
#358
○政府委員(滝実君) 今回の財源計算によりまして、将来とも五年刻みでもって千分の三十八、個人の掛金率にしますとそのちょうど半分になるのでございますけれども、これを五年ごとに引き上げていく必要がある、こういう計算見通しを持っているわけでございます。その前提は、やはり単年度でも赤字にならないように、積立金に手をつけないように、こういう前提で計算しますと五年ごとに千分の三十八ずつ上げていく必要がある、こういうことでございまして、これから三十年後でございますけれども、平成三十二年にはこれが千分の三百九十になる、こういうことでございますから、個人の掛金はその半分といたしますと相当高い率になる、こういう問題がございます。
 それから、このような引き上げを行わない場合はどうなのかと、こういうことでございますけれども、これも平成十一年には赤字になる。したがって、そこからしばらくは積立金を食いつぶしながら進むと。したがってその場合には平成二十二年には現在の積立金がゼロになってしまう、こういうことでございまして、その際には今度は積立金がなくなった際のこの財源率というのは千分の四百をはるかに超える数字になりますので、これはもう問題にならない、こういう事態になろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この将来の見通しという問題は、今申しましたように、三十年目にいきなり千分の三百九十になるわけじゃございませんで、その間五年刻みで上がっていく問題でございますから、いずれにいたしましてもこの問題は、そのときそのときの問題等も踏まえて十分検討していかなきゃならぬ問題だろうと考えております。
#359
○委員長(渡辺四郎君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#360
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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