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1988/03/24 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 土地問題等に関する特別委員会 第2号
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1988/03/24 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 土地問題等に関する特別委員会 第2号

#1
第114回国会 土地問題等に関する特別委員会 第2号
平成元年三月二十四日(金曜日)
   午前十一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         古賀雷四郎君
    理 事
                小野 清子君
                志村 哲良君
                谷川 寛三君
                増岡 康治君
                赤桐  操君
                馬場  富君
    委 員
                井上  孝君
                石井 一二君
                河本嘉久蔵君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                下稲葉耕吉君
                永田 良雄君
                野沢 太三君
                森田 重郎君
                安恒 良一君
                片上 公人君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                内藤  功君
                三治 重信君
                野末 陳平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関
 する調査(派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから土地問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 先般、本委員会が行いました名古屋圏、大阪圏における地価動向及び土地利用状況の実情調査のための委員派遣につき、派遣委員の報告を聴取いたします。赤桐操君。
#3
○赤桐操君 去る二月六日、七日の両日、古賀委員長、谷川理事、増岡理事、馬場理事、石井委員、久世委員、野沢委員、和田委員と私、赤桐は、名古屋圏、大阪圏における地価動向及び土地利用状況の実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告いたします。なお、大阪府及び兵庫県において近藤委員が現地参加されました。
 名古屋圏及び大阪圏は、近年、東京圏が国際化、情報化の進展を背景に高次の中枢管理機能、金融機能等の集積を強めているのに対し、その相対的地位の低下が指摘されております。このような状況の中、昭和六十二年六月に策定されました四全総計画では、両圏は、東京一極集中を是正する重要な役割を担う圏域との位置づけがされております。すなわち、名古屋圏は、工業生産機能の高い集積を活用し、航空宇宙、ファインセラミックスを初めとする先導的産業分野に関する世界的水準の研究開発機能の集積、情報機能の拡充、国際交流機能等の充実を図り、産業技術の中枢圏域を形成する役割を担うとされております。また、大阪圏は、長い歴史と伝統を生かしつつ、関西文化学術研究都市を初めとする世界的水準の諸機関、研究所の立地を進め、経済機能の高度化と新たな集積を図り、二十一世紀に向けた独創的な産業と文化を創造する中枢圏域を形成するとともに、特色ある国際金融、証券市場等国際経済機能の育成や二十四時間空港としての関西国際空港の活用等による国際交流拠点としての機能の強化を図る役割を担うとされております。そして、このような役割を果たすために、名古屋圏においては第二東名、第二名神の高速自動車道、中央リニア新幹線、中部新国際空港等、大阪圏においては関西国際空港、関西文化学術研究都市、明石海峡大橋等の大型プロジェクトが構想され、推進されております。このような大型プロジェクトの推進により、両圏の発展と多極分散型国土形成の促進が図られるとともに、東京の土地に対する過剰な需要を分散することによる地価の適切な安定がもたらされることを期待いたします。
 次に、地価の動向について申し上げます。
 東京都心に端を発した今回の地価高騰は、現在では東京圏の周辺地域、名古屋圏、大阪圏、地方主要都市等に波及しておりますが、今回視察いたしました各府県においても商業地を中心に著しい地価上昇が見られます。すなわち、昭和六十三年都道府県地価調査によれば、愛知県では住宅地一三二%、商業地一九・九%、大阪府では住宅地三〇・九%、商業地三三・二%、兵庫県では住宅地一四・一%、商業地一九・五%という平均上昇率になっておりますが、中心商業地あるいは高級住宅地は五〇%から一〇〇%という高騰を示しております。さらに、最近発表されました平成元年地価公示速報によれば、各府県の地価の騰勢はますます急激なものとなっております。
 地価上昇の過程は、各府県とも、まず中心商業地が高騰し、次第に隣接商業地へ、そして周辺の住宅地に波及するというパターンをたどっております。この要因は、事務所ビルやマンション適地に対する根強い需要や居住用資産の買いかえ需要、また投機的な仮需要等により極端な需給のアンバランスが生じたためと考えられております。
 これに対して各府県は、監視区域の機動的運用等によって対処しており、名古屋市、大阪市、神戸市はもちろんのこと、周辺の地価上昇の著しい地域のほとんどが監視区域に指定されております。各府県担当者の説明では、監視区域制度の運用強化によって届け出件数、指導率ともに大幅に増加しており、一定の効果を上げているとのことでしたが、それだけでは不十分で、土地税制の強化、土地関連融資の抑制等幅広い国の土地対策が必要であるとの要望がありました。地価高騰は、住民のマイホームの夢を遠のかせるとともに、地域の活性化を図るプロジェクトの隘路ともなっているだけに、各府県とも地価対策を重要施策に位置づけて積極的に取り組んでおります。上昇率は東京を上回っているとは申せ、東京圏との価格差はまだ大きく、依然として割安感があるだけに、引き続き監視区域制度の機動的運用等地価対策を強化し、地価の適正な安定を実現していく必要性を痛感いたしました。
 次に、視察いたしました事業の概要について申し上げます。
 まず、白鳥地区給合整備事業は、既成市街地において都市機能の更新、居住環境の改善及び良好な住宅の供給を推進するため、住宅の建設と公共施設の整備等を総合的、一体的に行おうとするものであります。同地区は、名古屋市熱田区の堀川沿いに位置する百六ヘクタールの区域で、名古屋市、国鉄清算事業団、営林局所有の大規模な敷地を中心とした人口減少の著しい住工混在地域でありました。そこで、名古屋市と住宅・都市整備公団は、特定住宅市街地総合整備促進事業の手法に
より道路、公園等の公共施設の整備と約二千戸の二十一世紀を目指した新しい住宅建設を行い、歴史と水と緑に囲まれた魅力ある町づくりを進めようとしております。なお、同地区では、本年七月、市制百周年を記念して世界デザイン博覧会が開催される予定となっております。
 次に、淀川リバーサイド地区整備事業は、大規模な工場跡地や老朽住宅地を再開発し、水と緑に恵まれた職住近接の良好な住宅地として整備しようとするものであります。同地区は、JR大阪駅の北東二キロメートルの地点にあり、幹線道路と河川に囲まれた二十五・六ヘクタールの区域でありますが、工場跡地や老朽住宅等が混在し住環境が悪化いたしました。そこで、大阪市と住宅・都市整備公団は、特定住宅市街地総合整備促進事業や住宅地区改良事業の手法により、公共施設の整備と約三千二百戸の良質な住宅の建設を行い、職住近接の快適で利便性に富んだ人口約一万人の町づくりを目指しており、既に二千二百戸が完成しております。
 次に、国際花と緑の博覧会会場となる鶴見緑地は、大阪市の都心から約八キロメートルの至近距離に位置し、百五ヘクタールという市街地の中では有数の広さを有する都市公園であります。同緑地は、一面の低湿地であったところを地下鉄工事の残土や都市ごみ等で埋め立てて起伏に富んだ緑地公園として整備されたもので、市民の憩いの場として、また災害時には百万人の避難地としての機能も有しております。
 国際花と緑の博覧会は、いよいよ翌平成二年四月に開催されることとなっており、開催期間六カ月間に約二千万人の入場者を見込んでおります。博覧会の準備も博覧会協会、地元自治体、国等の協力で順調に進んでおり、博覧会会場整備事業及びアクセスとなる道路、地下鉄等の博覧会関連事業は、昭和六十三年度末で七〇%の進捗率となっております。
 次に、梅田貨物駅利用計画は、現在貨物駅として利用されている国鉄清算事業団の土地を再開発しようとするものであります。同貨物駅は、JR大阪駅のすぐ北に位置する約二十ヘクタールの土地であり、現在年間二百十一万トンの貨物を処理しておりますが、将来、その貨物駅としての機能を吹田に移転し、跡地を再開発する方針が立てられております。同貨物駅は、大阪の中心部にあり、関西新空港と新幹線を結ぶ重要な地点に位置しておりますとともに、東京の汐留貨物駅跡地とほぼ同じ面積を有し、大きな開発可能性を持つ土地であります。
 次に、六甲アイランドは、都市近くの海上に市街地背後の山を削った土砂で埋め立てられた五百八十ヘクタールの人工島であります。同島は、神戸市の経済的、社会的基盤を強化し、国際情報都市を推進する拠点として建設されたものであります。周辺部には、船舶の大型化や物流システムの多様化に対応する港湾施設や神戸市らしい個性ある地場産業を育てるため、あるいは既成市街地の工場再開発の受け皿となる産業用地を備えております。また、中央部には、高度情報化社会に対応した住宅、業務設施、文化・レクリエーション施設を持つとともに、潤いのある水路や大規模緑地も備え、多種機能型複合都市を目指した魅力ある町づくりを進めております。
 次に、神戸ハーバーランド計画は、旧国鉄湊川貨物駅跡を含む二十三ヘクタールの区域において、神戸市の西の新しい都市拠点を整備しようとするものであります。同区域は、かつては神戸市の中心地でありましたが、三宮ターミナルの発展、後背地の停滞等により発展が閉ざされておりました。そこで神戸市は、新都市拠点整備事業、特定再開発事業、特定住宅市街地総合整備促進事業の手法により、インナーシティーの再活性化と高度情報化社会への対応のため、文化、情報、商業、福祉、住宅等の複合的な施設を土地の高度利用を図りながら整備するとともに、水際環境を生かした景観形成を行い、特色ある町づくりを目指しております。
 ぜひ、これらの諸事業が順調に進捗し、良好な都市環境づくりと土地の有効利用が推進され、地価の適切な安定が図られることを期待いたします。
 以上、簡単ではありますが、報告を終わります。
#4
○委員長(古賀雷四郎君) ありがとうございました。
 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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