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1988/04/05 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第2号
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1988/04/05 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第2号

#1
第114回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第2号
平成元年四月五日(水曜日)
   午後一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月九日
    辞任         補欠選任
     大河原太一郎君    倉田 寛之君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         松前 達郎君
    理 事
                倉田 寛之君
                沢田 一精君
                及川 一夫君
                飯田 忠雄君
                橋本孝一郎君
    委 員
                遠藤 政夫君
                沓掛 哲男君
                熊谷太三郎君
                山東 昭子君
                鈴木 省吾君
                田沢 智治君
                田辺 哲夫君
                森山 眞弓君
                小野  明君
                対馬 孝且君
                小笠原貞子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        高橋 利彰君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (本調査会の過去三年間の調査における論点等
 に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(松前達郎君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告を申し上げます。
 去る二月九日、大河原太一郎君が委員を辞任され、その補欠として倉田寛之君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○会長(松前達郎君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
 理事の補欠選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に倉田寛之君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○会長(松前達郎君) 産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。
 本日は、これまで三年間調査を進めてまいりました論点の中から、委員各位がほぼ共通の問題認識を持たれている事項等について、自由討議の形式で御意見をお述べ願いたいと存じます。
 三年間の調査において取り上げられた論点については、事務局において便宜整理したものをお手元に配付してございます。また、このほかの問題につきましても、御意見等がございましたら、あわせてお述べいただいて結構でございます。
 議事の進め方といたしましては、まず最初に各会派に配分いたしました時間内で意見の開陳をしていただきます。意見開陳が一巡いたしました後、各委員においてさらに補足意見なり問題等がございましたら御意見をお述べいただく方法で、それを原則として行いたいというふうに存じます。
 それでは、まず意見開陳を行います。
 御意見のある方は順次御発言を願います。
#6
○対馬孝且君 きょうは、今、会長からございました自由討議の場ということで提言を申し上げたい、こう思います。
 会長に特に私要望しておきたいことは、これだけ三年間自由討論を重ねてきたわけですから、やっぱり調査会の目的、設置した意義から判断いたしましても、政府に一定の提言をする、同時にまた、重要緊急課題については議員立法で超党派でも提案をする、こういう意気込みでひとつ取り組んでもらいたい。調査会が討議をすることはもちろん大事でありますけれども、どうしたら国民の負託にこたえられるかという面でひとつ御検討を煩わしたいということを要望しておきます。
 それでは私から、時間の関係もございますので、第八次石炭政策の対応と位置づけ、今後の対策につきまして、それから炭鉱離職者対策と産炭地振興の諸対策につきまして、この二つに絞って申し上げたいと思います。
 第八次石炭政策がことしで第四年目に入りました。当初の八次政策の時点でも、我々は八次政策というのはこれは雪崩閉山につながる、ひいては産炭地が壊滅の状態になるのではないか、こう憂えておりましたが、まさしくそういう最近の現況になっているわけであります。
 それは、八次政策から今日まで、三井砂川炭鉱、真谷地炭鉱、そのほかに各炭鉱の出炭削減に伴う合理化によりまして九千百名の実は離職者が発生をいたしております。現在まで雇用対策としてついた方々が、端数を捨てまして三千四百名でございます。今なお六千名近くの方々が現実に失業のちまたにほうり出されている。これは、とりもなおさず八次政策の欠陥であります。我が社会党は、冒頭からこれに強く反対を表明いたしました。
 そこで問題は、なぜそうなるかという問題でありますが、これは基本はやっぱり経済合理性主義で政府の石炭対策が組まれている。経済合理主義で山が閉山をされ、地域社会が崩壊するというのであればまさに政治不在である、こう言わなければなりません。
 その観点から申し上げますと、まず柱としましては、第一には我が国の、日本の民族的な資源として今日まで明治以来百二十有余年石炭を採掘いたしてきました。戦後は五千五百万トン体制、これが世に言われる高度成長の原動力になったと言っても過言ではない、私はこう思っているわけであります。今日はまさに、三月二十三日、需給部会で決定をされましたいわゆる第八次の平成元年度需要枠は、御案内のとおり千百四十七万トン、まさに五千五百万トン体制から一千万トンに実は減っている。このことが結果は山をつぶし、そして首切りあるいは失業のちまたにほうり出されているという問題ですから、基本の第一は、国内資源を自国の資源として最大限活用する、これが第一であります。そのためにはセキュリティー、安全保障の見地に立つべきである。このことを第一の問題として申し上げたい。
 したがって、現状の八次政策の出口が昭和六十六年度、実は一般炭がこれは八百五十万トンであります。原料炭はゼロ、こういう八次政策を続けておったのでは、ますます石炭産業の崩壊を早める道だけである。したがって、私がここで申し上げたいことは、第八次石炭政策の見直しを図る第一は需要の拡大である。その需要拡大は、現在、海外炭がもはや一億八百三十万トン、海外の石炭が一億八百万トンも入っている。その一割にも満たない国内炭を確保し、維持できない、こんなことが一体許されていいか。
 これは率直に申し上げますが、資本主義あるいは自由主義陣営諸国でもございますが、端的に西ドイツの例を対象にいたしますと、今なお西ドイツは八千三百万トンの実は石炭を掘っているわけであります。その西ドイツの基本の考え方というのは、自国の資源を最優先する、その上に立って、足らざれば海外からのエネルギー資源を入れる、こういう基本的な柱がきちっとしているために、同じ自由主義陣営でありながら、片や八千万トン、我が国は残念ながら一千万トンという結果になっている。こういう基本の立て方をやはり私は、先ほど申しましたように、最低でも今日の段階ではいわゆる現状を、山を確保するという観点に立ちますと、やはり一千万トン以上、つまり千二百万トン現状体制は堅持をすべきであるということでございます。したがって、その千二百万トン体制以上堅持をすることにおいて現有山の閉山、合理化阻止を維持することができる、こういう考え方に立っているわけであります。
 そこで、これはもちろん千二百万トンと私が言っているのは、一般炭でもって一千百万トン、それから原料炭で百万トン、八次政策はこれゼロですから、やはりこの際原料炭を見直していくべきである。トータルで一千二百万トンということを私は申し上げているわけであります。それなしにはやっぱり雪崩閉山を食いとめ、山の再建、地域社会を守ることはできない、このことが第一点でございます。
 しからば、どういう対策をとることが一番いいのかという問題点でありますが、これは今、電源開発株式会社が国内炭もしくは海外炭のブレンドなどで電源開発を進めておりますけれども、私は最優先に、この需要の拡大は国の政策なんですから、やはり電発が需要の道を拡大強化すべきである、こう私は考えます。
 それは、今現実の問題としてちょっと申し上げますけれども、貯炭が現在御案内のとおり、今四百七十万トンを超えているわけです。四百七十万トン貯炭というのは異常貯炭であります。戦後いまだかつてないことであります。そのうちの三百三万トンが三池炭です。これはサルファーが多いとか、そういう品質の問題で直ちに活用することは困難であるという一面がございますけれども、これは電源開発、竹原とかあるいは九州にございます松島などを中心にして、燃料のいわゆる需要拡大を図るということをやれば貯炭解消の道にもつながる、こう思っておりますので、ぜひそういう施策をこの際政府は立てるべきである、この考え方を申し上げたいと思います。
 そこで、問題は諸外国に比較いたしまして、それじゃ一体石炭というのは過保護なのか、石炭政策というのは過保護になっているのかという問題点がありますが、そうではないのであります。私も西ドイツのルール炭田、現地に行ってきておりますし、諸外国の炭鉱にも行きました。
 これは一九八四年、IEA会議などで出した資料がございます。それはつまりどういうことかといいますと、その国の石炭トン当たりにどれだけの国の助成措置が講じられているか、これは一見明瞭にわかるわけでありますが、これでいきますと、イギリスの場合は一九八三年の統計でございますが、トン当たり四千二百五十六円、これは国が助成をいたしておるわけであります。それからフランスで九千八百六十一円、西ドイツで四千九百十四円、我が国は二千四百八円になります。これは一九八四年の統計でありますが、これを見てもおわかりのように、諸外国がこういったみずからの資源に対して、国内資源に対してそれだけの措置をなぜ講じているのか。この原点はやっぱり西ドイツの、先ほど私が申しましたみずからの資源はみずからが開発し、これを保護すると、この原則に立っているわけです。
 したがって、私も申しましたように、これを見た場合、日本の石炭というのは過保護ではないではないかと。むしろ国内炭最優先、国内炭需要は大事だと、こう今政府も言っているわけでありますが、これを見たら、諸外国から比較してトン当たりの助成措置というのは一番最下位である、自由主義陣営を含めて。こういう問題についてはもう一度やっぱり見直しをする必要がある。そういう点ではやはり国が、もちろん石炭特別会計が今日ございますけれども、それを含めて、諸外国の自由主義陣営で行われておりますような石炭対策に対する財政的措置の見直し強化をすべきであるということを私は第二に申し上げたいと思うのであります。
 そこで、第三の問題は何かと言いますと、今、貯炭問題が緊急の課題であります。先ほども申しましたように、四百七十万トンの貯炭を抱えているわけですから、これがなぜそうなったかという問題点なんでありますが、つまり、第八次政策を打ち出した六十一年、このときにもう貯炭過剰が二百万トンあったわけですよ。我々が当時主張したことは、なぜ反対したかといいますと、この二百万トンを第八次スタートラインに立って、この貯炭過剰を解消しない限り、国が基本的に解消しない限り、結果的にこれは山の雪崩閉山につながっていく、つまり、二百万トンがスタートラインで過剰なんだから、これは国策としてやっぱり解消すべきではないかと、これを主張いたしました。残念ながらできなかった。それが今ずっと結果的に貯炭のしわ寄せという形になりまして、先ほど申しました四百七十万トンという、まあ異常貯炭になっている。
 したがって、これの対策をしないことには結果的にやはり閉山が早まるということになるわけです。現にうわさに伝えられているのは、北海道幌内炭鉱がこのままで推移をするとどうもなかなか大変だという話が出てきているわけであります。したがって、八次政策のスタートラインで、国の政策として二百万トン貯炭を解消する、すべきであるという答えがあったにもかかわらず今日までやっていない。これは早急にやはり二百万トンの貯炭解消策については、現在貯炭買い上げ融資機構がございますけれども、特別対策としてこの二百万トンを国がいわゆる買い上げをするか、あるいは融資対策によって現存する貯炭買い上げ機構の中で措置をするか、これをやらない限り私は雪崩閉山を食いとめる道はない、こういう観点で、早急に政府として、この間も通産大臣、エネルギー庁長官にも我々申し入れをいたしておりますけれども、ぜひこういう貯炭対策を政府の政策として、二百万トンを解消すべきである。これが第三の問題でございます。
 そこで第四の問題は、残された山がどうして現状を生き延びていくかという問題があるわけでございまして、これは八次政策の政策の一環として出したのが、いわゆる残された山に対する縮小交付金制度、こういうのができました。ただ、これは一定の役割を果たしたんでありますが、基準がございまして、つまり、人員としては百五十名減になったときにこの対象になるという基準があります。ところがこの基準、制度ができたのだけれども、現実にこれが生かされないという悩みが今出てきております。
 それは御存じのとおり、競争の原理ですから、いわゆる海外炭と国内炭の比較において、これはもちろん円高、急激な円高傾向によっての原因でありますけれども、ここらあたりに対する対策がないわけですから、結局残された山にすれば炭価が据え置かれていると。物価上昇だけでも炭価が上がっていかなきゃならぬのに現状は炭価据え置きであります。そうすると、結果的に自助努力で現実にどういう結果が起きているかと言えば、先ほど私が申しましたように、九千人の閉山だけでなくて、ほかの山が一昨年来二割から三割の合理化、首切りをやっているわけです。そして期末手当、ボーナスに至っては他産業に見るべくもない、極めて低い、平均で去年は大体十五万であります。坑内で命を的にして働いている方々が十五万から十八万。こういう劣悪な条件で、しかも賃金未払いがまだ起きている、一部の炭鉱で。
 こういうことに対して、私は残された山の再建あるいは現状維持という対策をとらなければならないわけでありますが、それに対して、やはり残された山の縮小交付金制度というものをもう一度見直して、炭価でいうなら百円とか二百円に相当するようないわゆる手だてをしない限り、残された山は現状維持はできないと、こういう結果になるわけであります。そういう点での対策としまして、縮小交付金制度の見直しを考えてもらいたい。このことを第四に申し上げます。
 第五の問題は、時間もありませんから率直に申し上げますが、異常なスピードで炭鉱が閉山したために、地域社会が崩壊してきておるんですね。これは城下町と同じですから、五百、八百、何千人というのがこれつぶれちゃうんですから。ところが、今言ったように、現実に雇用対策が全くない。私も悪い言葉でいつも言うんだけれども、つぶすときは、とにかく産炭地振興のためにとかなんとかといってやる。ところが、山が閉山してしまったら、通産省は労働省にぜひひとつ雇用対策を促進してください、こういう後処理だけで終わっている。そういうことであってはならないんじゃないか。
 そこで、産炭地振興対策は何が必要かといえば、その町に企業を興すか、あるいは第三セクター方式で企業を興すか、あるいは企業立地をするか、あるいは企業誘致をするか、これ以外にないわけですから、それが雇用につながる、こういうことになるわけでありまして、そのためには、我々は何回も申し上げておりますけれども、一つは今、一昨年から通産の予算措置で、夕張の場合であればリゾート構想、あるいは芦別地区であれば「星の降る里」という、それなりのプロジェクトを今やっているわけであります。しかし、これも計画として四年も五年もかかるわけで、早くて三年程度かかるわけです。それまで離職者はもたないわけですよ。
 だから、私が言いたいのは、ここでミスマッチ現象その他もあるけれども、やっぱり産炭地優先の企業誘致、それから第三セクター方式による企業の立地、こういうものがなければ事実上、地域が、産業が振興することにならないし、雇用対策にもつながらないと、こういうことが今問題になっておるわけであります。
 対策はたくさんあるんでありますけれども、時間が参りましたのであれですが、いずれにしましても、産炭地域に最優先の第三セクター方式の企業立地、それから企業誘致というものを、国がやっぱり計画を立てて、五カ年計画なら五カ年計画というものを立てて、そして収拾をしてもらいたい。それが町の振興であり、雇用対策につながると。これだけですべてを解決することになりませんけれども、最低でもこれだけはやってもらいたいと、こういうことを以上申し上げまして、委員各位の皆さん方のこれからの御支援、御協力をお願いをしたい、こう思っておる次第であります。
 以上でございます。
#7
○及川一夫君 残された時間、三十数分になりますが、これを使って私の意見を申し上げたいと思います。
 まず私は、三年目を迎えたこの調査会がどんな役割を持っているかということは、先ほど対馬先生も御指摘になられましたように、参議院としての独自性を出すということももちろんでございますけれども、やはり政治的な課題について、産業政策はもとより、経済政策全般について、あるいはもろもろの政治課題について、各党足を突っ込みながらも一定の自由な気持ちで問題の整理を図って、よりよい政治への提言をしていくということが大きな目標であるというふうに理解をいたしております。ことしで三年目でございますから、ずばり言えば調査会としての報告を出さなければいけない、まとめなければいけない、こういう事態だというふうに考えておりますので、私もこれまで出た意見を踏まえながら、できる限り意見がまとまるようにという意味で、問題を整理をしてみたいというふうに思っております。
 そこで、第一に申し上げておきたいのは、第一次、第二次と中間報告が出されております。第一年目の第一次の中間報告というのは、各産業をめぐる情勢と課題、さらにはエネルギーをめぐる情勢と課題ということで、現状反映というものを中心に問題の提起がされているというふうに認識をいたします。第二次の昨年の報告は、その中から掘り下げるべき課題ということでもって掘り下げをしながら問題解決のための方策を追求する、こういう形で報告というものが出されていると認識をいたしておるわけであります。
 したがいまして、これをどうまとめていくかということになるわけでございますが、そういう意味で、きょう配付をされております自由討議用資料というものを見てみますと、内容的におおむね正確に記述をされているというふうに受けとめます。ただ問題は、出されたけれどもまだ細部的な論議がなされていない、少ないという問題もあろうかというふうに思っております。したがって、そういう問題を含めて、報告としてどうまとめていくかということを申し上げたいと思うのであります。
 私は、第一にやはり明確にしておきたい、こうすべきではないだろうかというふうに思っているのは、産業構造変化の必然性とその変化の方向というものをぜひ報告の中で打ち出していくべきではなかろうかというふうに思っております。
 つまり、鉄鋼などの第二次産業というものを中心にした産業構造というのは明らかに変化をしているし、また変化をさせなければいけない、こういう時代認識が必要だし、またそういう方向で問題はそれぞれ描かれているように私は理解をいたしました。とりわけ今日の時代は有資源の時代であります。同時にまた、旧来我が国の経済の基調としてまいりました高度成長時代も終えんだと言われ、そして安定成長、低成長こそが我が国経済の基盤としなければいけない、こういうふうに言われているわけであります。
 そういう意味合いからも、高度成長時の中心的な産業でありました第二次産業というものは、明らかに高度成長の終えんとともに変化をしてきている、また変えなければいけない。ただ問題は、だからといって別に鉄を必要としないわけではございませんから、当然依然として重要な産業として位置づけをしておかなければならないけれども、しかし産業構造全体の問題としては、やはり行くべき方向として情報産業への転化、またそういう方向に向かって我が国の産業構造というものは変わっていかなければいけない、また第三次産業を含めた構造変化に対応していかなければならないのじゃないかというふうに思うのであります。
 したがいまして、情報産業の面ではハイテク、あるいはテレトピア、テレポート、さらには先端技術としての新素材、バイオテクノロジー、こういった課題を取り入れない産業というのはないと言っても要するに過言ではなかろう、こういうことになっているわけでありますから、そういった点を正確に記述をしながら我が国の産業構造の行くべき方向というものをこの際整理をしておくべきではないだろうかというふうに思っているのであります。
 同時に、この産業構造の変化ということは必然的にさまざまな問題を起こしてまいるかというふうに思います。
 大きな問題でこれまでの議論をとらえるならば、やはり一つには労働の移動という問題が大量に想定されるということを考えなければいけないと思います。産業の面で、職業の面で、地域間において、住居の移動とか生活時間の変化とか、通勤事情の変化とかあるいは学校教育と家庭という問題でさまざまな問題を起こすわけでありますから、こういったことを意識する。
 さらには労働の変化、つまり平たく言えば職種の転換という問題が起きてまいりますし、この中には中高年齢層の労働力というものをどのように扱っていくのか。それこそ職業訓練、中高年齢層の人たちの労働の新しい事態に対する意欲の引き出し、こういったことも考えてまいらねばならないだろう。
 さらには雇用の保障という課題も大きく出てくるのではないか。つまり雇用の安定、さらには職業の紹介、若手労働者の需給の問題、こういうことなどについても含めながらこの産業構造の変化に対して対応しなければいけないというふうに私は思います。
 したがって、これらの課題をいかに円滑に、いかに充実、定着をさせるかということがこの問題の最終的な大きな課題になってくるわけでありますから、政治の面でも大いにこのことを意識した展開が必要ではないかというふうに思っております。
 第二の問題としては、産業構造がそのように変化をするということと同時に、やはり経済政策の面でも大きく転換をしなければならないということが言われてまいったと思います。現実に輸出主導型から内需主導型へ我が国の経済も変わってきているし、大きく変わろうということで踏み出している段階かというふうに思います。
 この点は二年前の当調査会の経済状況、情勢というものに比較をしますとかなり大きな違いを見せているという点がありますので、特にやはり問題意識を持つ必要があるのではないか。調査会全体としては、いずれにしてもそういう認識では確実に認識の統一ができているというふうに思っております。問題は、どのような内容で、どういう規模で、どういうテンポでこの内需拡大型に転換を確実に図っていくのかということが極めて大きな問題だし、それを持続的に維持するにはどういう方途が必要なのかということが問われてくるのではないだろうかというふうに思います。
 そういう基本的な立場に立ちまして、具体的に内需主導型とは一体どういう意味合いを持つのかということを国民にまた示していかなければならないだろうというふうに思うのであります。
 私は、端的に言って、内需主導型とは、国民の国内の消費を高めるということに尽きるのではないかというふうに思います。消費を高めるということは国民生活を向上させることだというふうにつなげて考え、同時にまた、今国際的にも我が国は大変豊かさを持った国、国民、このように強調、またそういう視点があるわけでありますけれども、現実にはどなたも訴えられているように、国民一人一人の体にはその豊かさというものが感じられない、こういう現状にあることを考えますと、内需を高めるということはやはり国民全体の消費を高めていく、高めることが国民生活の水準の向上につながるというふうに我々は考えるべきであろうというふうに思います。
 したがって、消費を高める、国民生活を向上させるという具体的な内容は、何といっても可処分所得の拡大ということが必要になってくるわけでありますが、確かに賃金の面では名目的にはもうヨーロッパに追いつき追い抜いている、アメリカと比較しても遜色は全くないと、こう言われるわけでありますが、一面やはり購買力平価という問題をとらえて、生活の水準、賃金の水準というものを見詰めることを含めて、この内需主導型という問題についての認識を統一すべきではないだろうかというふうに思います。
 さらに、国民生活の安定と向上ということを具体的に究明してまいりますと、一つには何といっても雇用の保障、安定ということを第一義的に考えてもらわなければならないし、政治的にも、あるいはその国民の雇用の保障という面からいっても大々的にこの問題をとらえて、しっかりした方策というものを定めなければならないのではないかということを考えます。
 そしてまた、今我が国に対して、国際的な目として働き過ぎという一つの指摘がございます。こういう指摘に対しては正確にとらえながら、やはり問題の克服をしていくということが極めて重要だというふうに私は思うのでありますが、具体的にはやはりどなたも、ほとんどの方々が主張されておりますように、労働時間の短縮、週休二日制というものについては早急に実施をすべきであるという意見、あるいはまた長期休暇の実施、つまり七日ないし十日間まとめて年休、有給休暇を付与するなどの問題、時間外労働の削減の問題、さらにはこういったことを実行するに当たって焦点となります中小企業、零細企業への実施の条件を保障してやるための施策とかという問題等が必要ではないだろうかというふうに思うのであります。
 そしてまた、国民生活の向上を図っていくという中でどうしてもとらえなければならない問題としては、物価水準という問題があるのではないかというふうに思います。世界一高い物価水準というふうに言われているわけですから、また事実我々はそういう体感的なものを持っているわけですから、いかにしてこの物価水準というものを引き下げていくか、そして物価をどう安定させるかということは国民生活を維持、向上させるための重要な大きな柱であろうというふうに思います。したがいまして、流通機構の見直し、改善の問題は、もとより調和は必要ですが、輸入物品の促進、そして物価の低廉化を図り、円高のメリット還元などなどについてあわせて論議をし、具体的施策を講じていかなければならない問題ではなかろうかというふうに思うのであります。
 そしてまた、衣食住が一つの我々の生活の基盤ということになるわけですが、とりわけその中で住宅、土地問題ということについて、もう少し土地というものについて、商品化している今日の事態に対して歯どめをかけなければいけない、こんなふうにも思いますし、少なくとも一世帯百坪程度の土地、そして家屋は、それこそ今言われている土地の値段で売り買いのできないような、あるいはまた相続が可能なような措置というものを具体的に講じていかなければならない問題だろうと思います。政府においても、とりわけ土地基本法の問題が提唱されてくるようでございますけれども、こういうものに対しても、土地はやはり公共的立場というものを抜きに考えてはならないという、そういう立場からのそれこそ基本的な歯どめというものが必要ではなかろうか。そういうものがなければ、国民生活の維持向上というものはなかなか期すことができないというふうに考えるわけであります。
 そしてまた、国民生活に必要な社会資本の整備と投資ということも先進国に比較をして、いずれにしても最下位の到達率になっているわけですから、これを大きく引き上げるような施策、措置というものがどうしても必要になってくるのではないかというふうに思うところであります。
 さらにもう一点指摘をしておきたいというふうに思いますのは、産業空洞化の問題であります。
 私は、この産業空洞化という問題については、企業の社会的責任という問題を含めて考えなければならないのではないかと思います。空洞化ということはもとよりあってはならない事態だと思います。企業が利益追求のために、国内の税金が高いといって、それを理由にそれこそ海外に投資をする、市場を確保するというやり方は、果たして国民的なコンセンサスとして成り立つのだろうかどうかということを底辺にしながら、少なくとも国民生活の維持、あるいは雇用の安定のためには企業が社会的責任というものを感じてもらわなければいけない。このようにすべきではなかろうかというふうに思っているところであります。
 この前提に立ちまして、したがってこの産業空洞化という問題に対しては、企業が海外に進出をする場合の条件というものを確立する必要があるのではないかというふうに思います。とりわけこの海外進出の問題は、うまくいけばいったなりに当該国との間に摩擦を起こす、起こしているという現実もあるわけですから、基本的な考え方としては、やはり積極的に乗り出すというよりは、受動的な立場で受けとめるということの方がむしろ諸外国との関係において我が国の立場というものがよりよいものになるのではないだろうか。求められればという言い方になりますけれども、多少消極的かもしれませんが、そのぐらいのテンポでむしろ海外進出という問題を考えることが極めて私は重要ではなかろうかというふうに思うのであります。
 三つ目の柱として申し上げたいのは、やはり地域格差の解消と均衡ある発展ということが盛んにこの調査会でも論じられたというふうに理解をいたしております。したがって、この地域格差の解消のためには、何といっても一極集中化という問題については避けながら、地方の過疎化というものを意識をして、解決のための地域振興策を早急にやはり立てていかなければいけないだろう。国土の全面平均した均衡化された使い方、その上に立った都市計画、産業計画あるいはまた住居計画、企業計画というものが立てられるように政治の面から誘導していかなければならないだろうというふうに思います。
 そしてまた、緊急的な課題としては、何といっても産業、企業、あるいは国の機関の地方分散の問題が必要だというふうに思います。そしてまた、地方分権の実現についても必要ではないだろうか、このように思いますから、この点は報告の中でできるだけ詳しい問題の提起ができるようになればすばらしい一つの報告ではなかろうか、こんなふうに考えたりするわけであります。
 そして、第四の柱として、資源エネルギー問題があろうかと思います。資源エネルギー問題では、先ほど石炭の問題では同僚の対馬議員が発言をされました。ぜひこのことを受けとめて、資源エネルギー問題としてとらえていただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 その上に立ちまして、まず私たちが資源エネルギーを考える基本的な立場というものは何かということを整理をいたしますと、一つには何といっても無資源国としての自覚というものが必要ではないのではないかというふうに思います。無資源国である以上、世界の状態は平和であってほしい、平和でなければいけない、また我が国はいかなる国とも友好的であらねばならない、このように考えるのは至極当然のことではないだろうかというふうに思います。
 さらに、今日の時代は有資源の時代であります。これは変わらないだろうというふうに思います。したがって、無資源国の我が国が財力という力任せ、金任せでそれこそ資源を買いあさり、消化をするということであっては、必ずや国際的な批判が浮き出てくるわけでありますから、有資源であるということを前提にした我が国の産業経済のあり方、あるいは国際的な役割の果たし方というものを考えていかなければならない立場だということも自覚をする必要があるのではないかというふうに思うのであります。
 さらに、資源の安定供給を各国から受けるには、やはり資源を大切にするという発想。一時オイルショックがあって、あの時代のことを考えますと、いずれにしても水より安いオイルというような発想のもとにかなり使われたと思います。しかし、オイルといえども有資源であるということでありますから、今とっているエネルギーの節約というものを土台にした立場でのエネルギー政策というものを踏まえながら、そして安定供給を求めていくという、そういう自覚が必要であろうということを強調しておきたいというふうに思います。
 第二の問題としては、やはり原発問題についてはほとんどこの中では触れられておりません。また各党間で、今日の状況の中で完全に意見を一致させるということはなかなか難しい問題であるかもしれません。しかし、五年前と今日では、大分原発問題も世界的な動向としても一つの変化を見せているというふうに思われるし、そういう意味でこの原発問題は、今回の報告では難しいかもしれませんけれども、いずれにしても将来的なエネルギー問題としては、大胆に踏み込んだ論議が必要になってくるということも強調しておくべきではないだろうかと思います。
 でき得れば、これ以上まずもって建設をふやさないという前提でいけるかいけないか、そして単に原発の建設についてとめるということだけではなしに、総合的なエネルギー政策というものを同時に組み立てて、エネルギーが必要ということと建設、エネルギーを創出する発電所の建設に枠をはめるというからには、しからば現状のエネルギー総量の中でいかなる生活、いかなる産業、企業が成り立っていくのかということを含めたそれこそ論議というものが十分されなければならないし、国民が負担すべきもの、企業が負担すべきもの、政治が負担すべきものということを区分けをしながら、このエネルギー対策というものを、そして原発に対するそれこそ結論というものを出していくべきではないだろうかと、このように思います。
 そして三つ目の柱としては、最後になりますが、やはり代替エネルギーの発掘の問題については、とことん手を緩めず強化をしていくということが必要ではないのかというふうに思います。原発にしてもあるいはオイルにしても、いずれにしてもそれぞれ問題点があるわけでありますから、これにかわる代替エネルギーというものを本気になって研究開発を進めていく必要があるのではないか。オイルが豊富になったからといって、これまでの研究をとんざさせるようなやり方というものはやはり避けるべきではないか。少々条件がよくなっても、求めるべき代替エネルギーに対する研究というのは、金をどれだけ出しても損はないというぐらいの気持ちで国が、そして我々自体も責任を持って保障すべきではないだろうかというふうに思います。
 以上、持ち時間が参りましたので、この辺でとどめておきたいというふうに思いますが、委員各位の御批判、御検討、御意見を賜りたいというふうに思います。
 以上です。
#8
○沓掛哲男君 本調査会で三年間調査したことを踏まえつつ、私なりに総括的にまとめさせていただきました。お手元に目次的なものをお配りしておきましたので、それに従って説明していきたいと思います。
 一番目の産業政策、その第一項目の中長期的課題、そのうちのイの我が国の経済、貿易の基本的姿勢から説明させていただきたいと思います。
 昨年の七月に、公明党の及川議員、民社党の栗林議員と私の三人で西ドイツを公式訪問いたしました。その際、英国、フランス、スイス等も訪問いたしました。この四カ国へ参りましたとき、この四カ国のどの国からも熱心に言われたことは、四年後、昨年ですから四年後、一九九二年のECの市場統合の問題でございました。調整しなければならない項目は三百項目ある、昨年までで既に八十数項目の調整が終わっている、これから精力的にその調整を進めていくんだということでございました。そこで、何のために今ECはこんなに一生懸命になって市場統合をなさるんですかという質問に対して、異口同音に言われたのは、我々は一九七〇年代においてエレクトロニクス分野において日本とアメリカに大きく引き離された、それに追いつき追い抜くために我々はこの市場統合をやり、そしてECの市場のいろんな面での活性化を図っていくんだということを言われました。
 ところが、今度は向こうから質問が参りまして、アメリカもカナダと米加自由貿易協定を昨年の一月結び、もう既にことしの一月から発効いたしておりますが、米加も自由貿易協定ができている、我々もこうして市場統合をやる、そこで世界における経済大国である日本はこれからどういうビヘービアをとられるんですかという質問がございました。準備はしてまいりませんでしたので、その場で、従来からの基本的スタンスである我が国は自由貿易体制の維持強化を図っていくんだということを申し上げたわけでございます。私らなりにも必ずしもこれでいいのかなという気持ちを持ちながらこちらへ帰ってまいりました。
 今の我が国を見てみますと、私たちの前には米国との貿易摩擦があり、後ろかちはアジアNICSが追い上げてきております。また、中国も開放体制を強め経済の発展を図っておりますが、余り急激過ぎたので、過熱ぎみだということで幾分のブレーキはかかるんでしょうが、やがてはやはり彼らもまた大きな成長を果たしてくるでしょう。その場合の市場は、彼らは日本とアメリカを頭に置いているわけでございます。アメリカはああいう状態でございますから、これからそういうものに対して日本がどう対応するかというのは、中国の経済問題にも大変大きな問題だと思っております。また、環太平洋構想の実現に向けて活動している民間機関である太平洋経済協力会議に昨年からソ連もオブザーバーとして参加しております。
 このように、アジア、環太平洋が世界の注目を集めているのは、この地域の人口が世界の過半数を占めていること、さらに近年、アジアNICSを中心とするアジア諸国の成長が著しく、世界のグロースポールとなっているからと思います。これらに対する経済大国日本の対応は、日本にとってもアジアにとっても世界にとっても重要な課題であると思います。
 我が国は、昭和の初めには軍事大国になりました。そして、あの第二次世界大戦に突入し悲惨な結末を遂げたのであります。今我が国は世界の経済大国となっておりますが、二度とあの過ちを繰り返してはならないし、そのための選択こそ最も基本的かつ最重要な課題であると思います。私は、この問題への対応は、次の四つが基本ではないかと思っております。
 まず第一は、先ほど申しましたが、基本的スタンスとしては、自由貿易体制の維持強化に努めることだと思います。
 二番目には、従来の延長線上として、経済や貿易について米国との太いパイプ、ECとのパイプ、さらにアジア等のパイプを維持しつつ、開発途上国に対し政府開発援助のODA援助をふやしていくことだと思います。
 三番目には、私はアジア諸国とは産業内分業を進めていくことが大切ではないかと思っております。
 産業間分業の推進を唱える方もありますが、これにはいろんな面で無理があるのではないかと思います。教科書的には私は産業間分業は非常にわかりやすいと思います。この産業間分業であれば、我が国は先端技術面にかかわる産業に特化していく、そしてアジアNICS等に対してはスタンダードの製品に特化していくように、我が国がいわゆる技術の面でもあるいは資本の面でも援助してあげる。あるいはASEANや中国といった国については労働集約的な産業に特化していく。そして、お互いに仲よく手を結び合っていくということなんでしょうが、どこの国においても先端産業に向いた人、それから一次産業に向いた人、いろいろいるわけでございますから、この産業間分業についてはなかなか問題が多い。私は、このアジアの人たちとは産業内分業を進めていくことが非常に重要ではないかと思っております。
 では、どんなことかと申し上げれば、同一の生産工程上で加工段階の異なる製品を相互に輸出するいわゆる工程間分業、垂直的産業内分業とも言われておりますが、この工程間分業を進めること。また、同じ製品分野に属しますが、デザインや品質、価格等の異なる製品を相互に輸出する製品差別化分業を進めていくこと、これは水平的産業内分業とも言われておりますが、こういうことを進めることではないか。
 もう少し具体的に言えば、工程間分業では、我が国国内においては技術集約的な生産工程を、アジア諸国においては労働集約的な組み立て、検査工程等を行っていく。製品差別化分業では、同じ電子機器でも、コンピューターや通信機器等の技術集約度の高い産業用電子機器については我が国で、家庭用電気機器等はアジア諸国に特化する、そういう分業を進めていくことが大切ではないか、地理的にも近いところですから。そういう意味での協業が大切ではないかと思っております。
 四番目には、留学生の受け入れを進めていくことだと思います。現在も留学生はいろいろ受け入れておりますが、必ずしも日本で学び満足して帰らない人が多いように思います。留学生の方々には、日本で十分勉強し、そしてまた国へ帰ってリーダーになってもらいたい、そういうために国内における留学生の質の向上についていろいろやっていくべきではないかと思います。心の通った、血の通った留学生受け入れをし、相互理解を深め、友好関係を深めていくことがこれから大切ではないかというふうに思います。
 それが第一番目のイの我が国の経済、貿易の基本的スタンスでございます。
 口の豊かな心を持った企業人の育成についてであります。
 日本の人たちの愛社精神は大変強うございます。いわゆる終身雇用制のこともあってそうなるんだと思います。しかし、ややもすると行き過ぎることがあります。あの東芝機械のココム規制違反事件等、まことにあってはならないことだというふうに思います。あれによって日本が世界的に失う信用は本当に大きなものがあるというふうに思います。これからは愛社精神とともに国を愛する、そして近隣諸国、さらに世界と友好関係を深めていける豊かな心を持った人たちを育成することが大切だと思います。特に国際化時代には最も重要なことだと思います。すばらしい物づくりに成功した我が国です。豊かな心を持った人づくりをし、そして世界に貢献していかなければならないと思います。
 次は、二番目の今日的課題でございます。五つの項目を挙げさせていただきました。
 第一番目は、大幅な対外不均衡を是正し、世界に貢献していくことだと思います。この大幅な対外不均衡は、頭で考えるより図で見ていただくと一番わかりやすいと思いましたので、この図を持ってきました。(図表掲示)これは縦には経常収支の対GNP比を書いてあります。こちらには年度を書いてあります。この黒は日本のでございます。赤はアメリカでございます。
 例えば昭和六十年ですと、我が国GNPの三・六%の額に相当する経常収支の黒字が我が国にあった。アメリカと日本を見てみますと、この前半は別として、昭和五十六年からアメリカはただただ赤字赤字、日本はただ黒字黒字になってきました。いろんな施策で少しは縮まる傾向にあります。
 この五十六年はどういう年であったかと申しますと、これはレーガンさんが大統領になった年であります。レーガンさんは三つのことをやりました。軍事力の拡大。そして、ドルの金利を高める。ドルの金利を高めるということは、為替レート上ドルが強くなった。そして大幅な減税をやった。この三つの結果がこういうふうに大きな、アメリカはどんどん赤字、日本はどんどん黒字になったわけでございます。
 これへの対応として、六十年の九月に五カ国蔵相会議が開かれまして為替レートの調整等がなされました。この後、これを直すためにマクロの経済対策は二つ、ミクロの経済対策も二つとられてきております。マクロ経済対策は為替レートの調整、それから黒字国の内需の振興。そして、ミクロ経済対策としては、日本であれば農産物とかあるいは建設市場の開放などが強く求められてきたわけでございます。そして、このことがこの数年日米間におけるいろんな争いのもとであり、この問題を解決していくことは両国間の友好を結ぶ基本だというふうに思っております。建設市場等については、今既にアメリカの方でシャール社とかベクテル社が日本の大規模な事業を受注するなど、この幅を狭める方向にはいろいろ動いております。
 それから、これへの対応ということで海外直接投資もありますが、それは次の海外直接投資のところで話させていただきたいと思います。為替レートで円高になったとか、あるいは賃金の問題とか市場の問題、そういうことがこの海外直接投資を進めているんだと思いますが、次のところで説明したいと思います。
 これへの当面の対応といたしましては、対外不均衡、資金不足に悩んでおりますアメリカ、発展途上国が自助努力によってその問題を解決できる展望が開けるまでの間、我が国としては輸入拡大努力によって世界の需要創出に貢献しつつ、長期安定的な資金を供給するという役割を果たしていくことがこの問題解決にとって重要なことだと思っております。
 次の口の豊かさを実感できる多様な国民生活を実現すること。
 我が国は、先ほどのお話にもありましたが、一人当たりのGNPは世界一と言われつつも生活実感はとてもの感がございます。それは我が国は先進国でありながら、先進国に比べて大変おくれている三つのことがあるからだと思っております。その一つは居住水準が低いこと、二番目には物価が高いこと、三番目には労働時間が長いことだと思います。
 まず、最初の居住水準の低さでございますが、下水道の普及率は我が国はまだ四〇%に達しない状態でございます。住宅もウサギ小屋などと言われております。道路、公園、その他まだまだ整備しなければならない社会資本がたくさんございます。
 住宅政策についても、我が国は戦後住宅政策としては、倉庫を直すことだけをやってまいりました。当時、西ドイツのエアハルト氏が、いわゆる経済復興と住宅復興を二本柱としながらやっているのを大変うらやましいと思っていたんですが、実は昨年皆さんと一緒に西ドイツへ参りまして、向こうの方々と住宅政策を話しましたところ、いや、我が国ではもう住宅政策は終わってしまったんだと、もうそこへ入る人たちがだんだん減ってきているんだということで、実は西ドイツは現在人口が激減しつつあります。我々が学んで、何でもいいと思った西ドイツにもそんな落とし穴があったのかなと思って実は帰ってきたわけでございますが、日本もそういう落とし穴にならないようにしなければならないと思います。
 さて、この居住水準の低さへの対応については、いわゆる社会資本の整備が必要であり、そのための公共事業費は、幸い昭和六十二年に補正予算等で五兆円追加がありましたし、六十三、六十四年度にも六十二年度補正後とほぼ同額の公共事業費が見込まれ、着々と進んでいるというふうに思います。しかし、この社会資本の整備というのは、一時的に金がふえただけではだめでございます。これはフローが問題なのではなくてストックが問題でございますので、この社会資本の整備というのは持続的に今のような状態を進めていってもらいたいというふうに思います。
 二番目の物価が高いことでございますが、OECDの購買力平価は約一ドルが二百円程度と言われております。今一ドル百三十円といたしますと、物価は五割ぐらい高くなっている。為替レートに比べて五割ぐらい高くなっているというふうに思います。もともと為替レートというのは購買力平価やそれにリスク要因としての累積経常収支、さらには期待収益に関連する金利等から決まると言われております。我が国では累積経常収支の黒字が大変多いので円が強くなっているのだと思います。金利の方は逆に低いですから弱含みになるんですが、相対的に為替レートは強くなっているのだと思います。しかし、この物価の高さを何としても早く下げていくことが必要でございますが、そのためには私は今の我々のなせることは二つではないかというふうに思っております。
 一つは、円高メリットを徹底させていくこと。一昨年の円高メリットは金額に直して十四兆円と言われておりますが、実際消費者に還元された分は十兆円と言われております。四兆円のお金が輸出業者からその物を取り扱う小売業者の間でどこがに少しずつたまっていったでありましょう。そういうものを消費者に還元しなければなりません。
 またもう一つは、過度の保護主義を是正していくことだと思います。いろんなものがあると思います。そのため製品輸入の増加や輸入競合品の価格引き下げ、その他流通業、農業、サービス業の生産性の向上を図っていくことがぜひ必要だと思っております。
 三番目の労働時間の短縮でございますが、昨年の日本人一人当たりの就労時間は二千百十時間と言われております。アメリカは千九百時間、西ドイツ、フランスは千六百から千七百時間と言われております。確かに働き過ぎの面もあると思います。しかし、私はこれを一番先に進めるにはいろんな問題があると思います。次に申し上げます産業構造の調整や、あるいは居住水準の向上、それから物価を下げていく、そういうことを進めつつ、それから半歩おくれてこの問題に対応していくべきではないかというふうに思います。
 それから次は、産業構造調整を円滑に進めることについて御説明したいと思います。
 国際化、情報化、都市化等に伴いましてマイナス成長産業、あるいはゼロ成長、あるいは高成長の産業が出てきております。それらの間での構造調整が必要になってきております。マイナス成長産業としては地下資源産業などがございましょう。ゼロ成長としては農産物あるいは重厚長大型の製造業がございましょう。高成長の部門としては都市型産業があり、都市的な集積を活用して高成長をしております。
 どういうものが高成長しているかと申しますと、先端技術産業を初めとする産業の高度化を支援するための情報処理、通信、経営管理等の高度な対事務所サービスでございます。二番目に、ファッション、外食、都市型レジャー等の多様化、高度化した消費需要にこたえる対個人サービスに関係した仕事でございます。それから三番目に、製造業部門の中では高付加価値製品をつくり出す先端技術産業等、こういうものが高成長いたしております。
 これらの産業構造調整を円滑に進めるには、産業、職業、地域、年齢間における労働需給のミスマッチを解消し、雇用の安定を図るため構造転換雇用対策を拡充強化するとともに、特に中高年層に対する職業訓練や職業紹介活動の一層の充実等によって労働移動の円滑化を図ることが重要であるというふうに考えます。
 次は、相手国の立場に立っての節度ある海外直接投資を行うことについてであります。
 国際化の中で、企業活動の選択肢の拡大に伴い、海外での事業展開が活発化いたしております。中でも海外直接投資の最近の伸びは目覚ましいものがあります。一九八五年は我が国の海外直接投資は百二十二億ドルでございました。一九八六年はその一・八倍の二百二十三億ドルでございます。一昨年の一九八七年は対前年比一・五倍の三百三十三億ドルになっております。この前、通産省の人にその後の海外直接投資の申し込み状況を聞きましたら、殺到しているということですから、どんどんふえているんだというふうに思います。
 円高によって製造業は低労働コストと安定的な販売市場を求めて直接投資を加速いたしております。対外不均衡是正にも一役買っていると思います。
 その動機でございますが、アメリカに直接投資をする人たちは現地市場の販売拡大を、またアジアNICS等に直接投資をする人は低労働コストを求めておるのでありましょう。賃金は、今シンガポールでは我が国の三六%、韓国では我が国労働賃金の二二%、フィリピンは我が国の労働賃金のわずか五・一%にすぎないのですから、そういうことが当然考えられると思います。
 米国ではバイアメリカン法あるいはバイステート法等がございまして、国内事業者の保護がいろいろ図られております。アジア等については、特に相手国の立場に立った投資、運営管理、利潤の配分等、細心の注意が必要であると思います。すなわち我が国は、需要面においてはアジア諸国の製品を吸収し、他方、供給面においては技術、資本、経営等の生産資源を提供することを通じてアジア諸国の内外需のバランスのとれた経済成長を促進するよう援助していくべきだというふうに思います。この場合、先ほどもお話がありましたが、過度にならないことが大切だというふうに思います。
 産業の空洞化が起こらないようにしなければなりません。そういう産業の空洞化が起こりませんかと質問をしますと、今我が国の製造業の海外生産比率はわずかに三・二%だと、アメリカは一八・一%、西ドイツは一九・三%、それでも余りアメリカや西ドイツには問題が起きていないから日本もまだそういうことは考えなくていいだろうと言われる方が多うございます。
 しかし私は、そこには問題があると思っております。西ドイツは、それはEC市場の中でたくさんの海外直接投資をしております。自分の庭先です。アメリカも南米等でたくさんの直接投資をしています。これも自分の庭先でございます。そういういろいろな長い間の経験、そして自分の身近なところでもやっている、そういうことがこれだけ大きな数字になっても産業の空洞化が大きな問題にならないのだと思います。しかし昨年、西ドイツへ行ったら、地方都市の市長さんは産業の空洞化を盛んに訴えておりました。日本から企業が来てもらえないか、仕事がなくて困っているんだということを私や及川さんや栗林さんに訴えておりました。
 そういうことを考えると、我が国はわずか三・二%ですから、今すぐ産業の空洞化は起こらないけれども、日本人というのはどうしてもやり過ぎる民族性がございますので、そしてまた競争が非常に激しゅうございますから、どうしても隣の会社が海外へ行って利益を上げれば、自分は黙っておれば座して死を待たなけりゃならない、よし、おれも行くぞという民族ですから、これがどっと流れていって非常に大きな比率になる。
 そして、まだ外国人とのつき合いの下手な日本人が外国へ行ってどんどんお金をもうけてということになれば、またいろんな問題も派生してくるので、やっぱり秩序ある、そして節度あるこういう海外直接投資が必要であり、そういうことについては本来ならば民間で自主調整をやっていただきたいと思いますが、それがなかなかできないというならば、余り好まないことであってもある程度公的にもそういうものへの調整がやがては私は必要になる時期があると思いますから、今のうちにしっかり勉強して対応を進めていくことが大切だと思います。
 それから、次のホの研究開発体制の整備と機能の強化を図ることでございます。
 戦後の日本経済の発展は、アメリカや欧州から新技術を導入し、それのスタンダード化が抜群にうまかったことによるものと思います。それは教育水準が高く、作業従事者がみんなでそれぞれの職場の能率増進に努めたからだと思います。これからはみずからが科学技術を創造し、そして生み出していかなければなりません。日本人はこの部門では不得意でございます。
 研究開発というのは基礎研究、応用研究、開発研究がございます。私も実は建設省に入りましたが、五年間研究機関におりました。その後また建設省の研究機関を総括する部局にもおりましたので、この点は私は自分の経験からも申し上げるんですが、この基礎研究というのはなかなか芽が出てまいりません。したがって、日本人はこの分野はみんなやることが嫌いでございます。基礎研究で出てきたものを応用研究する。そして開発研究になるとみんなもう必死にやりますし、いわゆる経営者も金はどんどん出してくれるという部門でございます。
 基礎研究というのは決してお金があるからといってできる部門ではありません。まず基礎研究というのは頭を使うのでございまして、せいぜい諸外国からのいろんなそれに関係した資料を集め、そしていろいろ勉強していく、そして頭の中でいろんなことを考えていく、そして頭の中でいろいろなひらめきが出たとき、それを検証するためにお金が欲しいのであります。研究家というものはいつでも考えております一湯川さんも朝の二時ごろにあの中間子論がひらめいたというんですが、私も本当にいい考えというのは夜中によく出るものでございまして、そうするとそのまま起きて忘れないうちに一生懸命整理するものです。そうすると、もうあしたからでもそれを実験したいんですね。それが研究者なんです。
 ところが、我が国の研究体制はそうなっておりません。ああそう、じゃ予算要求しなさい、そして来年やっとというのでは間に合いません。基礎研究というのは行きつ帰りつとかいろんなことがあるので、そういう悠長なことをしておっては間に合いません。ですから私は、この研究体制については弾力的な研究体制をつくってほしい。そして運営も弾力的にしてほしい。もう決めてしまってあるんではなくて、そういうすばらしいひらめきができたら、その人にすぐ研究費を出して検証するようなことをやらしてもらいたいというふうに思います。
 ノーベル賞学者は京都大学からよく出ます。東大は出ません。私は東大のこの研究体制は非常に硬直しているからだと思います。東大教授は偉過ぎて余り下の言うことを聞かない、そういうところに問題がある。京都大学の方はみんな、教授であれ助教授であれ講師であれそういう人たちがいろいろ話し合う。そういうところからあのすばらしいノーベル賞学者が出てくるのだというふうに思います。私は東大でございましたので、恩師等を見ていて、ああこれは硬直しているなと思います。幾ら東大教授でもやっぱりそういう硬直した対応はだめだと思います。これから研究体制にぜひひとつ弾力的なそういう体制づくり、そして運営を望むものであります。
 それから次に、国土政策とのかかわりについて申し上げます。
 我が国の国土政策の基本は、東京一極集中の是正と多極分散型の国土形成にあります。東京は慢性的交通渋滞、住宅不備、災害に対する脆弱性の三悪を備えた過大都市であると思います。一都三県、国土面積のわずか三・六%のところに三千万人の人が集まり、商取引額は全国の四〇%を超え、情報のデータベース源としては、もう八〇から九〇%を超えているとも言われております。
 また、先ほど東京の土地の価格が出ておりましたが、東京を含めたこの一都三県の土地価格で米国が買えてまだおつりが来る。日本の場合、一都三県と残りの四十三県の土地価格が一緒だという本当に異常な状態でございます。
 しかし、こんなことをしていると私はとんでもない大変なことが起きてくると思っております。災害は忘れたころにやってくると言われますが、実は一八五五年、いわゆる安政の時代ですが、ここに安政の江戸の大地震が起こりました。直下型地震でございます。死者は二万五千人以上、一説には二十万人とも言われております。それから六十八年後、この安政の江戸の地震が起きてから六十八年後の一九二三年、大正十二年に関東大震災が発生したのであります。十万人の死者が出たことは記憶に新しいところだと思います。もうあれから既に六十六年たっております。安政の江戸の地震から六十八年目に関東大震災、それから既に六十六年たっておるわけでございます。サイクルが同じとすれば、二年後にはあのような大地震が起きないとも限らないのでございます。
 直下型地震は予知はできません。そして小さなエネルギーでも莫大な被害が発生します。そういうことを考えると、東京には首都機能と金融、情報等にかかわる国際機能を残し、ほかはもう最大限地方に移していくべきだというふうに私は思います。本当に明治維新以来一生懸命になってつくった国民の資産、そしてこれを昭和二十年までのあの第二次世界大戦で何もかも失ってしまいました。戦後四十四年間日本人は一生懸命働いてきました。そして、その資産の大部分をこの首都圏に集めていて、それが地震一つで崩壊してしまう。そんな愚かな国土政策をとっておるべきでは私はないと思います。やはりこれは少々の、まあ強権とは申しませんけれども、ある程度みんなで首都から今申しましたような機能以外のものは地方へ出す努力をしていくべきだと思います。
 一方、地方の悩みは一口で言えばよい職場が少ないこと、所得水準が相対的に低いこと等であります。もちろん文化施設等が少ないということもございますが、優良企業の地方移転は、この二つの課題を同時に達成するものであります。
 地方に移転した優良企業に移転理由を尋ねてみますと、四つ言っております。一つは労働力確保の容易さ、二番目に用地の確保の容易さ、三番目に地方公共団体の協力のよさ、四番目に希少資源である水、電力の確保の容易さを挙げております。
 また、今後、優良企業の地方移転のために何が必要かとの問いに対して多くの企業が挙げておるのは、一番目に高速交通及び通信のネットワークの整備であり、二番目に都市の整備を挙げております。
 この一番目は業務に直結して必要だからだと思います。私は、地方が真に自立するためには、東北なら東北、九州なら九州、そのブロックごとに国際空港のあることがぜひ不可欠だというふうに思っております。何でも東京、いわゆる今企業にとっては新しい情報が金の卵でございます。それはみんな東京経由なんですね。それは東京にしか本当に使える国際空港がないからだと思います。西ドイツには本格的な国際空港が九つあります。アメリカには二十あります。世界一の経済大国といってまともに使える国際空港が成田一つの一本の滑走路というのは余りにも情けないことではないでしょうか。
 私は、東北そして九州、そういう各ブロックごとに国際空港をつくり、国際貿易港をつくり、そしてそれを都市と高速道路ネットワークで結ぶ、そしてそのブロック間の中心は新幹線で結んでいく、そういう高速交通ネットワークがぜひ必要だ、均衡ある国土の発展のためには不可欠なことだと思っております。
 二番目の問題は、よい都市には、私はよい労働力があることだと思います。
 地方移転に際し従業員も移動しますので、その生活環境がよくなくては協力が得られにくいことがあるのでしょう。しかし、近ごろは地域振興も多様化しておりまして、工場誘致だけではだめで、そのほか地域の特性を生かした地域内発型の産業振興や研究開発機能、人材の育成を重視した幅広い地域振興策の展開が必要であるというふうに思います。
 次に、二番目の資源エネルギー政策に移らしていただきます。これも五項目に分けて説明させていただきます。
 まず、第一番目は、国内及び海外の資源の安定供給でございます。
 第一は国内資源でございますが、先ほど来御説明のありましたように、我が国は資源の乏しい国ですから、その資源は大切にしていかなければならないと思います。
 まず第一に、我が国は鉱物資源の多くを海外からの輸入に依存しており、必要な資源の安定供給は資源政策の至上命題であると思います。非鉄金属の国内価格は国際市場に連動し、また円高の進行等により国内鉱業は大きな打撃を受け、主要鉱山の閉山が相次ぎました。我が国は地質学的には環太平洋プレートの火山性活動の中にあり、多種多様な豊富な金属鉱物が存在いたしております。その貴重な国内鉱物資源の開発は技術の保持、さらには海外進出への重要な足場にもなるものであります。このため新規鉱山開発は多額の投資を必要とすることからも数少ない国内既存鉱山を活性化し、国内の鉱物の探鉱開発に取り組む必要があると思います。
 第二に、海外の資源対策についても相手国の意向を十分に配慮し、発展途上国の潜在的な鉱物資源を適切な経済技術協力を通じ、開発基礎調査等のODA予算について既存鉱山の活性化など弾力的な活用を図り、あわせて自主開発を推進する等の積極的な措置を行うことが必要であります。
 また、海底鉱物資源につきましては、先進国としての役割を十分認識し、探査を含む研究開発を強力に推進する必要があり、特に公海上の鉱物資源については、外交交渉を通じて国連海洋法条約を尊重し、我が国を初めとする先行投資者保護スキームの成立が重要となっております。
 なお、先端技術産業の新素材であるレアメタルなどの新しい有望な鉱物資源については、国内のレアメタル備蓄の拡充強化を積極的に推進する必要があると思います。
 二番目の石油の備蓄対策について御説明いたします。
 石油備蓄は、我が国のエネルギー供給構造の脆弱性を踏まえ、経済安全保障上の重要政策として民間備蓄と国家備蓄の二本立てにより推進いたしております。民間備蓄は五十六年度以降九十日の備蓄水準を維持、国家備蓄は五十三年度から開始し、六十三年度末には三千万キロリットル、約五十三日分に達しております。官民合わせますと百四十三日分が備蓄されていることになります。
 今後の計画としては、一九九〇年代までに国家備蓄の増強、三千万キロリットルを五千万キロリットルに上げて九十日分を備蓄するということですし、民間備蓄については、段階的に七十日分まで軽減することが適当であるといたしております。民間の方は九十日あったのを七十日に下げる。それで当初は民間が九十日、国の方が五十三日で百四十三日であったのが、将来は民間を下げて七十日にして、国は九十日として百六十日分とするとなっております。なお、IEA加盟国の平均備蓄は百六十二日分となっておりますが、我が国も長期的な観点に立って石油備蓄の推進が必要であるというふうに思います。
 私は、石油備蓄については二つの考え方が必要だと思っております。
 一つは、当面の危機管理を乗り切っていくのに何日か分は要る。石油産出国で紛争が起きた、そこで石油がとまったからといって、一滴も石油がなくては動かなくなるというような意味では、私は二、三カ月ぐらいあればいいんだろうなというふうに思います。
 二つ目として、では一体何日分ぐらいの備蓄が必要か、持っていたらいいかということは、私はそれは相対的なものだと思います。ほかの国はいつまでたってもたくさんの備蓄を持って、石油がとまっても悲鳴を上げない。日本だけが悲鳴を上げ出すということはいろんな面で非常に不利になります。したがって、日本がもうなくなったころにはいろんな国、先進国のかなりの国も石油がなくなって悲鳴を上げる。そして国際的にその問題への解決の機運ができていく、それぐらいはぜひ必要だと思います。
 そういう点では、IEA加盟国の平均備蓄が百六十二日でございます。これらの国には石油産出国もありますから、備蓄以外にちゃんと自分の方でも産出できるわけですからもっと伸びているはずです。日本の場合は将来百六十日とするんですから私はもう少し必要だと思います。せっかく民間が九十日備蓄している。そして今度国家備蓄も九十日にするんですから、民間のものを二十日分減らさないで九十日、国家備蓄九十日、百八十日をいわゆる備蓄目標として、ぜひひとつ石油備蓄対策を進めていただきたいというふうに思います。
 次の三番目。石油代替エネルギーの導入促進及び省エネルギー対策の推進についてであります。
 エネルギー需要増勢と供給制約の高まりは石油への依存度を高め、それはまた産油国中東への依存を高めております。このことはエネルギーを取り巻く情勢が新たな段階に入ったことを意味し、国際化の中での資源エネルギー政策の検討が必要となってきております。新しいエネルギー文明社会に向けて、多様なエネルギー利用を可能にするソフト、ハード両面での開発政策を推進し、エネルギーのセキュリティーを図るとともに、経済性をも実現させるようなエネルギーの柔構造の構築に取り組んでいく必要性が一層望まれていると思います。
 我が国を初め先進諸国では先端技術産業、第三次産業等の産業構造の変革や民生需要のソフト化によって二次エネルギーは電力にシフトしております。その電源については原子力を中心とし、太陽光、地熱等のローカルエネルギーのような技術集約度の高いエネルギーと石炭ガス複合発電等の高度技術による石炭火力へ移行し、石油依存度をさらに減少させるべきであると思います。昭和六十一年では、我が国の電力供給の燃料別構成を見てみますと、一番高いのは原子力が二八%、石油が二四%となっております。昭和七十五年度には原子力を四〇%にもつていき、石油は一一%に下げていこうということになっております。
 さて、石油代替エネルギーについて、短期的には原子力、石炭、天然ガスの比重を高め、石油依存度を低下させるべくエネルギーの多様化を促進していくべきだと思います。中長期的には技術集約的なFBR、いわゆる高速増殖炉でございます。それから再生型の新エネルギーを開発することにより、エネルギー供給を安定させることが極めて重要だというふうに思っております。
 今原子力発電はウランを使っておりますが、三、四年たつと取りかえます。どれぐらいエネルギーを使ったかと申しますと、ウランの持っているエネルギーの一%も使っていないんですね。そして、もう取りかえなければならないわけです。そうすると、今から捨てるウランの中には、まだ余ったウランと、そしてその発電中にできたプルトニウムがあるわけです。この二つを再処理する。そういたしますと、もともと持っていたエネルギーの六十から七十倍ぐらいのものをまた使えるわけですね。それが高速増殖炉であるわけでございまして、これの開発実用化が本当に望まれるところだというふうに思います。これさえできれば、日本が一番弱いエネルギー問題もかなりの部分が解決できるというふうに期待しておるものでございます。
 それからまた、このエネルギー問題については、世界の人口からエネルギー問題を考えた場合、先進国は世界人口の一六%を占めるにすぎないのに、エネルギーの実に五〇%を消費しております。世界人口の過半数を占める発展途上国はわずか一五%しか消費しておりません。発展途上国の人たちは先進国の人たちの十分の一のエネルギーしか使っていないんですね。そして、発展途上国の人は先進国の人の三倍もいるわけですから、この人たちが先進国並みにまたエネルギーを使い出したら、これは大変なことになるというふうに思うわけでございます。今後先進国のエネルギー消費は確実に増加することが見込まれ、それ以上に発展途上国のエネルギー、とりわけ使いやすい石油などの化石燃料の消費が急増することが予想されております。将来発展途上国のエネルギー消費量が、世界のエネルギー需給にとって大きな存在になると考えられます。
 四番目、エネルギー政策における環境問題。フロンガスによるオゾン層の破壊と並んで、炭酸ガスによる地球の温暖化の問題があります。
 石油や石炭などの化石燃料の使用、発展途上国における森林の伐採により大気中のCO2濃度が上昇し、温室効果があらわれ、気候変動、海面上昇など地球規模で環境に大きな影響を及ぼす可能性があるとして国際機関等で論議されており、いろいろな意見が挙げられておりますが、具体的な対応策として、省エネルギーの推進やエネルギーの効率化とともに、CO2発生のより少ない燃料への転換や原子力発電などが挙げられております。
 このような発展途上国のエネルギー問題や化石燃料の使用による環境問題という地球規模の課題に対して、日本など先進国はエネルギー源の一つとして原子力を積極的に選択、推進していくことが極めて重要だと思います。
 私は、この環境問題については、グローバルなこの環境保全対策に日本が率先してリーダーシップをとっていくことがぜひ必要ではないかと思います。そして、私は、エネルギーとしてはこの原子力発電、原子力エネルギーの活用というのが非常に重要だと思います。
 その理由を簡単に申し上げますと、現在、石油の確認可採埋蔵量は三十四年分と言われております。これからこの石油というものは、石油でなければだめなもの、例えば内燃機関を動かすとか、いわゆる石油化学原料にするとか、そういうものに使うべきで、燃やして使うべきではないというふうに思います。この輸送ということを考えてみましても、仮に百万キロワットの発電所を一年間稼働するために必要な燃料というのは、原子力はわずか三十トンですね、トラック三台分。石油ですと百三十万トンでございます。いわゆる火力発電所をつくる、そしてそこで石油をたくとなると、一万トンの港をつくっても、百三十万トン要るんですから二・五日に一回、五日に二回一万トンの船で持っていかなきゃならないという、もう大変なことがあるわけでございます。
 それから三番目には、環境問題がございます。石油はCO2を出すが、原子力は出さない。さらに、備蓄についても大変容易でございます。
 フランスなどは、既に電力面では原子力発電の量が七〇%にも達しております。しかし、この原子力発電を使う上で何よりも大切なことは安全性でございますので、これからもその安全性確保、そして信頼を得るような対応がこれから一番大切だというふうに思います。
 五番目が環太平洋地域における新技術協力でございます。
 環太平洋地域は、世界的に見ても他の地域に比べ高い経済成長を維持すると予想されており、これを支えるためには、経済社会の発展基盤であるエネルギーの安定供給の確保が重要な課題となっております。特にASEAN地域の一次エネルギー供給に占める石油の割合が高いことから、長期的な観点に立って石油代替エネルギーの開発利用を促進することが重要であります。また、地域内のエネルギー開発利用の可能性を顕在化させていく上で、石炭の液化、ガス化、太陽、バイオマス及びローカルエネルギーといった各国の地域特性に適合した新分野での協力が重要性を高めていくことが考えられます。
 今後、我が国が太平洋諸国の期待にこたえて、太平洋地域の中核国の一つとしてその責務を果たしていくためには、これまでの太平洋協力プロジェクトのさらなる推進を行うとともに、新たな分野の協力についても積極的に取り組んでいくことが重要であると思います。
 その資源エネルギーについて、私は四つのことをまとめて申し上げたいと思います。
 まず第一番目には、石油とかレアメタルなどの資源備蓄はもう強力にやるべきだと思います。豊かになったら一番弱いものを補っていくことは当然で、日本が一番弱いのはとの資源がないことですから、石油やレアメタルの資源備蓄は何をおいても強力に進めていくべきだと思います。
 二番目は、石油はある程度底をついているんですから、もう石油は燃やさない。そして、それへの熱源としては原子力、石炭、LNGを使っていく。特に原子力については、高速増殖炉の実用開発を進めて、そしてエネルギーとしてのシェアを高めていくことが必要だと思います。
 三番目、国際的な資源エネルギー開発のために、日本は技術とか資本で協力していくことが重要だと思います。
 四番目、エネルギーにかかわるグローバルな環境問題については、我が国がリーダーシップをとっていくべきだと思います。
 以上でございます。
#9
○飯田忠雄君 まず最初に、産業空洞化という問題につきまして考え方を少しくお聞き願いたいと思います。
 通常、産業空洞化といいますと、我が国にあるところの産業を外国に移すということを意味しておるように思われますが、そういう空洞化もございますが、もう一つは、一番重要な問題は、例えば部品の生産を外国に依存をするという形をもしとったとするならば、その産業はまさに部品生産において空洞化しておると言わざるを得ないわけであります。そういうような形態をもしとりますならば、我が国の産業は決して内需中心の産業とはなり得ないと私は考えます。我が国の産業の場合に一番大切なのは、いわゆる部品生産、これを我が国の地方産業の重点として据えるべきだ、こう考えるわけであります。つまり、我が国の下請産業というものの技術的高度化を図ることが今日の産業空洞化への対応の一番大切な点ではないかと思います。
 そのために、結論的に申しますと、大学の地方分散はもちろん必要でございまして、いわゆる地場産業を各地で起こしまして、一つの自動車産業というものを考えますと、その自動車産業の本社あるいは支社のあるところに地場産業を起こしまして、その部品を必ずそこでつくらせる。その総合的な組み立てとかなどは、これは外国でやっても一向差し支えないということを私は考えます。外国へ産業を移す場合に、基本となる下請の仕事を高度化して日本国内でやるという、そういう体制をしっかりと打ち立てることが今日の我が国の経済を振興させる一番大きな基本ではないかと思います。
 ところが、この点についての従来の我が国の行き方を見てみますと、大変手が抜いてあります。地場産業の技術能力を高めるという努力がほとんどなされておりません。大学はすべて東京中心あるいは大都市中心であります。そういうところへ呼んで、そこで養成した者を大会社が雇うという形で、その大会社がそのまま外国へ進出するならば、我が国の国内における産業に穴があくのはこれは当然のことであります。そういう問題を政府が真剣に取り上げていただいて、いわゆる地場産業の振興というものを単なる、従来のような例えば兵庫県の三木は金物だとか、あるいは小野市はそろばんだとかいったようなそんなちゃちな地場産業の振興を考えるべきじゃない。例えば愛知県の豊田に自動車会社がございますが、これの部品を各県に割り当てて、各県の地場産業でつくらせるということが必要ではないかと思います。
 東京というところは、これは情報の機関のあるところです。情報及び管理をする場所でありまして、それから地方の工業都市が、これが工場の中心の存在であります。そこで組み立てをしたり発送したりする、部品はすべて地方の小さな産業がこれを全部受け持つ。ただし、その小さな産業は高度な技術を担う部分部分でもっておりまして、分業して高度な技術を持っておる。そういう形を日本国内でぜひつくり上げることが必要ではないか、こう考えるわけであります。これが産業空洞化への対応として現在の宿題だと思います。
 それから次に申し上げたいことは、情報機能の問題でございますが、情報機能に当たりまして、やはり宇宙開発が根本ではないか。今、通信衛星が上げられてやっております。テレビも利用されておりますが、こうした分野の宇宙開発、そればかりでなしにいろいろな基礎的な研究を宇宙で行うという問題、宇宙基地の問題、こういう問題があるわけでございますが、こういう問題についての我が国の政策を見ていますと、どうも本気になって取り組んでおるかどうかわからないような気がいたします。つまり、こうした部面の科学振興という問題につきまして予算の組み方がどうもみみっちいわけですね。つまり研究だけのための予算、研究、つまり技術を振興するということだけを考えておって、それを産業化するということを考えていない。これは我が国の一番大きな欠点だと思います。
 ちょうど私は大学紛争当時の大学教授として痛い目に遭った者でございますが、その当時、学生が言うたことは産学協同反対、これでした。私は、この産学協同反対ということはどうしてもわからないのですね。何のために科学技術を研究するのか、それは産業の発達のためであり人間の幸福のためではないか。そういうことに学問を使うのが、これが誤りだという、そういう思想を持つこと自体が私はわからないのであります。ところが、現実にそうであったわけです。そういうような時代に育った人が今支配的な地位におりますと、頭の中はどうしても狂っていきます。技術と産業は別だ、学問と産業は別だ、こうなる。そういう考え方では現在の困難な競争の社会においては太刀打ちできない。やはり産業政策としての科学技術の振興という問題を真剣に取り上げることが必要です。
 外国では、例えばアメリカなどではそういう観点から、あるいはヨーロッパでもそうですが、予算が組まれておるわけです。我が国の予算は、アメリカに比べますと技術振興は四十分の一なんですね。一対四十なんです。ヨーロッパの予算に比べましても四分の一なんです。大変貧弱な予算しか組まない。なぜそうなるかというと、科学技術振興のための予算なんです。産業対策としての予算じゃないわけです。したがいまして、例えばロケットというものの打ち上げの問題にしましても、現在では商業的な面から見ますというと、ヨーロッパとかアメリカにはもちろんかないませんが、中国にも負けておる、こういう状況ですね。中国では既に日本をはるかに抜いてやっております。
 こういういわゆる政策の根本に大変な偏向がある、考え方に偏向があるということを私は指摘いたしたいわけであります。結局、そうした偏向の生ずるもとは、資本主義経済はいけないんだと、こういう考え方、間違ったらごめんなさい。資本主義がなぜいけないのかという点ははっきりさせないで、ただお題目のようにそう考えてくるから、結局科学振興、学問は学問のためにやるのだ、こういう思想に陥るわけであります。学問のための学問なら、こんなものは個人用なんです。個人用のような学問に予算をつぐ必要は私はないと思いますね。こういう問題につきましてもっと政府で真剣に考えられて、予算のつけ方を大胆につけていただきたい。つまり、基礎的な学問に大胆に予算をつける。そのかわりに、その基礎的な学問で研究された成果は、大胆にこれを産業に応用する。そして、これを世界じゅうに公開する。そういう広い心が私は必要だと思いますが、その点についての対応がどうも足らぬのではないか、このように思います。
 それから、いろいろ研究しました技術を民間に移転する、こういうふうによく言われますね。ところが日本では、少なくとも私が今まで見てきました限りでは、日本の政府が研究したことを民間にどんどん移しておるということはどうも見たことがない。つまり、民間に移すという場合を見ますと、民間委託なんです。政府が予算を組みまして、あるものの研究を民間に委託する。民間はその間に金をもらいまして研究して、成果を上げます。そうしますと、それがいわゆる民間委託だと、こういうことになっているんですね。だから、本当の意味の民間委託じゃないのではないかと思います。
 ですから、我が国では、国の予算で民間委託をして物をつくりますから、できました成果について、これをほかの品物にその会社が応用いたしますというと、これは五%の手数料を取られます。これではまことにおかしな話で、国から頼まれてつくってやったらまた手数料を取る、これはおかしなことだと私は思います。そういうことはやめて、本当にいろいろな物をつくり上げた成果があるならば必ず産業は発展しますから、金がもうかるから、税金が上がるんです。だから、国として税金が上がればいいではないかというぐらいの広い気持ちを持ってどんどん予算を使ってもらったっていいじゃないか。企業がもうかったら、それでもって税金を取ったらいい。そういう考え方に政府はなぜなっていただけないか、こういうふうに私は思うわけですね。
 それから、時間の都合がありますので先へ行きますが、エネルギーの問題につきまして、今、今日までのエネルギーは、御承知のように有機エネルギーですね。石炭にしろ、昔の動物とかそうした生き物の残骸を燃やしておるエネルギーでございますが、こういうものは早晩なくなるし、また地球上にある程度存在させなきゃならぬものでございますので、なるたけ使わないようにするためには無機エネルギーを使うことが必要ではないか。そうなりますと、無機エネルギーの一番のチャンピオンが原子力でございます。原子力ですべてのエネルギーをつくるといいましても、現在では技術がまだ発達しておりませんので――こう言いますと、そんなことはない、立派に発達しておるとあなたはおっしゃいますが、発達しているのなら危険性がないはずなので、危険だということは、発達してないから危険なんです。ですからもっと研究をさせて、中性子の性質なり行動の本当の深い研究をもっとやらせる。そうして中性子の働きをきわめることによって、何かうまいことがないか。
 例えば、今までは核分裂による原子力発電でございました。核分裂である限り、分裂ですから、これは爆発につながる。当然のことであります。今日爆発が起こらないのは、ある人の話によりますと、我が日本国民の英知によって、努力によって爆発が防がれておる。少し怠けるならば爆発するかもしれぬと、こう言われるわけで、そんな危険なことはこれは困りますからね。やはりもっと研究をやらさせて、爆発しない原子力の開発が私は必要ではないかと思います。これは原子力学者の意見を聞きますと、核融合をすれば爆発しない原子力ができる。核が分裂するときも融合するときも発生する熱力は同じだ、同じように熱が出るからそれを利用して電気を起こせばいい、こういう話でございまして、これにつきましていろいろ今言われておりますことは、核融合などというものは夢の話で、今の現実の問題ではないと、こうおっしゃる。夢の話だからこそ私は研究が必要だと思う。
 昔、我が国は軍事予算に国の予算の六〇%を割いたといいますが、六〇%ぐらいそういう研究費に割いたらもう少し何とかならぬものだろうかと、こう私は思うのです。そうして、今まで核分裂を発見してきた人間の力ですから、核融合ができないはずはないという信念のもとに予算をつぎ込む、それが私は必要ではないかと思う次第でございます。
 そして、こういうものの研究機関というものを、やはり国として十分力を入れてつくり上げるということが私は必要であろうと思います。もちろん国家の機関でなくても民間の機関でも結構ですが、要は民間の機関だけに頼りますと、やはり産業中心、自分の会社が中心ということになりますので、広い意味における産業を向上させるということを忘れてしまって、自分のところだけにいかざるを得なくなる場合もありますので、そういうことを防ぐために国の予算を会社につぎ込む、つまり研究機関につぎ込むという、そういう政策をやはり思い切ってやっていただくことが必要ではなかろうかと思います。そして、民間が自由に活用できる大型の試験研究機関、試験をやる研究機関をつくる。学者がいろいろなことを思いついたところが、先ほどもおっしゃいましたが、すぐ実験したい、この場合にすぐ実験するものがないわけです。すぐ実験できる研究機関をつくっておいて、そこで学者の自由自在な研究をしてもらう、そういう方向への予算の使い方をお願いをしたい、こう考えるわけです。
 いろいろなまだ問題はございますが、そのほか私、公明党から頼まれたことがありまして、ちょっとそれを言わなきゃならぬ。
 それは、公明党では「創造的科学技術政策をめざして」ということで一つの提案をいたしております。その中に、「二十一世紀をめざす科学技術革新への提言」といたしまして、このように言っております。
  科学技術の進歩は、基礎研究への挑戦とその評価、さらに工学的研鑚といえます。
  しかし、その中心をなすのは人的資本の拡充にあるといえます。その意味から、先ずそれに応ずるには、従来以上にそのビジョン、体制、予算の再検討が必要と考え次の提案をします。
 こういうことで提案をしておりますものが、まず第一が国立科学財団というのでございます。これはローマ字でJNSFと書いてあります。国立科学財団の設立をしていただきたいという意見でございます。
 この財団は、日本における科学技術の進歩を推進するために、総理大臣のもとに第三者機関として独立した行政機構としていただきたい、こういうことでございます。この科学研究を助成すること及び科学教育の改善を奨励したり援助すること、それが目的でございまして、そこに機能がたくさん書いてありますが、これは読みません。これは後で、もしお入り用の場合は私の方で提供をいたします。
 研究内容としましてもいろいろございますが、特に、コンピューターその他の科学的手法の発達利用の促進をやってください、こういうことが書いてありますし、資料の収集、分析または政府に対して科学技術に関する政策の立案上必要な情報の提供を行う、こういうようなことがその国立科学財団でやる内容でございます。予算の全額は国庫負担として、研究者個人が自由にここに参加してできるようにさせたい、こういうふうに書いてございます。
 それから、環太平洋・アジア科学者総合機構を設立すべきではないか、こういう意見でございます。これは、環太平洋・アジア諸国間の科学技術協力を促進いたすために相互の知的専門顧問団、それから研究テーマごとの科学者集団、これを随時結成いたしまして、活発な科学者間の自由協力を行わせる、そしてそこから新しい科学思想、科学技術を目指そうと、こういうわけでございます。
 それから三番目に、科学技術交流促進センターというのをぜひつくっていただきたい、こういうことも提案しております。いわゆる研究交流の不均衡を是正するということの問題についてのいろいろの非難はあるとは思いますが、それに対してまじめにこたえる姿勢、これが必要であろうと。そのためには我が国での研究に魅力があることが大切だし、その研究を交流する、あるいは充実する、そしてそのいろいろの条件を満足させた環境整備をいたしたい、また情報収集の充実を図りたい、こういう提言でございます。
 それから、第四番目が工学アカデミー大学院の設置、こういうことを述べております。
 これは、国立の研究機関の人的活性化を図る、そのために工学系大学の講座システムによる効果を増大させるために国立研究機関に国際的な大学院的機能を持たせる必要がある、こういうことでございます。これは公明党の御意見ですが、工学アカデミー大学院というのはなかなか立派な発想と思いますけれども、私は工学じゃだめだと思うのです、私個人の見解を言えばね。工学じゃだめなんで、理学なんです。理学が根本です。私はそう思います。それはそうと、これは恐らくもっとほかの方でまたあるかもしれませんので、決して批判ではございません。まあいろいろこれは書いてあります内容が多いですから、今ここで全部は言いませんが。
 それから、基礎科学研究財団を設立してください、こういう問題提言がございます。これは、基礎研究を拡充するために国の基礎研究投資を増額することは当然でありますけれども、研究投資が各大学、民間へ多元的になされますように、この基礎研究促進投資制度を設けることを提案いたしますと、こういうわけでございます。
 それから次が、国際的研究指導者一万人のハイブリッドプランを実施することを提案いたします。こういうわけです。
 それから七番目が、国の研究開発投資の負担増加をぜひ考えていただきたいということの提案でございます。
 研究者一人当たりの年間研究費、現在は一二・九%、これも研究開発総額の二〇%程度に達するように飛躍的な増額を提案いたします。そして大学の自治を尊重し、大学内での研究活動は、文部省からの指導を極力排して学長に権限を現実的に持たせます。このような提案でございます。
 それから次が、インターナショナル科学技術情報体制の充実という問題、これは科学技術情報が社会的に有効に利用されるように、保存、蓄積、組織化が必要でございます。それでこのような提案をいたす次第であります。
 それから次が、科学技術発展基金の創設です。これを提案いたします。
 百カ国以上を数える発展途上国は、その経済、科学・技術等の発展段階が多種多様でありますから、そのために自国の自主開発に対しての必要な技術、その技術が国内産業育成に役立つことを考慮した技術、こういったそれぞれの国の特異性を考慮した技術協力や技術移転がなされるような御配慮を提案する次第であります。これがこの「創造的科学技術政策をめざして」というものの中の「二十一世紀をめざす科学技術革新への提言」というものでございます。
 このほか産業技術革新への提言もございますが、ちょっと時間が来たようですから、これは省略をいたしたいと思います。
 私のきょう非常にはしょった見解の陳述なものですから御迷惑をおかけしたと思いますが、主たることはそれだけの問題でございます。
 それで、この自由討議資料に掲げられておられますことは、私どもが余りこういう問題になれなかったために何を調査し、何によってどのようなことを提言するかということについての手探り段階であったことからこういう形になったと思います。これは大変よく簡略にまとめられております。おりますが、ただ、私どもの研究不足のために具体的な事実を知ることができませんので、もう少し具体的な事実をまぜた提案が必要ではないかというふうに考える次第でございます。
 それから、この中に書かれております問題は、一つ一つごもっともなことで、間違ってはおりませんので結構ですが、政府に対する提案として出す場合に、もう少し整理をされる方がいいのではないかということも言われると思いますので、その点は御検討をお願いいたしたいと思います。
 そのほか課員の方と話をした中にいろいろなことがありました。ありましたが、ここでは述べません。
 以上でございます。ちょうど時間が参りましたので終わります。
#10
○小笠原貞子君 私は、この三年間の本調査会の活動を踏まえて、我が国の経済、産業・資源エネルギーについての意見を申し述べたいと思います。
 まず初めに、今日のイザナギ景気並みと言われる好況をどう見るかという問題です。
 この問題は、今日の日本の経済、産業の持つ問題点を明らかにする上で重要な意味を持っていると思われますので、まず最初に触れておきたいと思います。
 現在の状況は、確かに経済成長率は高く、大企業は大きな業績を上げています。昨年の我が国の実質成長率は五・七%と十五年ぶりの高い伸びを示しました。先日の大蔵省の発表によっても、昨年十−十二月までの企業の経常利益は前年に比べて一九・二%の高い伸びで、十期連続の経常増益を出し、特に製造業は二六・一%増で、過去最高の利益を上げました。設備投資も製造業は三一・四%増で、あの円高不況に苦しんだ素材型産業、鉄鋼と化学が目立つとされており、その要因は好況な内需と国際的な需給の逼迫にあると見られています。
 このような状況のもとで、大企業は膨大な蓄積をしています。金融を除く一部上場一千六十五社の株式含み益は六十五兆円、都市銀行など二十三行の株式含み益は五十兆円。また、自動車十社の一年間の内部留保は六千億円、電機通信十六社は一兆二千八百億円にも及んでおり、トヨタ、松下電器、東京電力など四十五社の今までの内部留保は二十一兆円にもなると言われています。
 しかし、その一方で、貧富や地域格差は進んでいます。多くの国民は長時間超過密労働、出向社員や派遣社員、臨時雇用の増加など雇用の不安定性の増大に苦しんでいます。また、地場産業、中小企業の隠れ倒産は増加し、下請企業の経営困難は新しい形で深刻となっています。これらについては、後ほど少し触れることにしたいと思います。
 GNPの高い伸びに反して、その富を生み出してきた多くの国民は、それを生活に生かされるようにはなっていません。そのことを裏づけるように、総理府の経済構造調整に関する世論調査では、豊かさを実感していない人が六九・二%に及んでいるではありませんか。今日の我が国は、経済大国、生活小国を地で行く状態であると言わなければなりません。
 パチンコ機器メーカーの社長が創業者利得を税金なしで三千四百五十億円も懐にする反面、大多数の国民は生活必需品にも課税される消費税に今泣いているのです。国民の貯蓄を見ても国民一人当たりの平均貯蓄額は八百九十三万円と発表されていますが、六八%の世帯が平均以下、最も世帯数が集中しているのは二百六万円で、この層では前年に比べて貯蓄額は二十五万円も減っております。こうして貧富の格差など、両極の格差は一層拡大しているのです。決して、イザナギ景気並みの好況と言って喜んでいられるような状態ではありません。
 第二は、経済構造調整下の経済的自立基盤の崩壊と空洞化の懸念についてです。
 八五年秋のG5、いわゆるプラザ合意以来、前川リポートなど経済構造調整政策のもとでの農業、石炭産業、地場産業など国際競争力の弱い産業の衰退については、昨年、神谷議員から意見表明されていますので、ここではその後の状況について述べることにいたします。
 昨年六月の牛肉・オレンジ交渉は、一国の経済主権に重要な要素をなしている関税についてまでアメリカに文句をつけられるなど、とても独立国とは思われない日本側の全面的な譲歩のもとに、三年後の自由化を取り決めました。そして、今では米の自由化を迫られています。
 農水省の農業総合研究所の試算では、牛肉が完全自由化されると、我が国特産の和牛飼育頭数は十分の一に激減し、米の自由化では国産米の生産が三分の一に減ってしまうとされています。
 我が国の穀物自給率は、さらに昨年低下しまして、三〇%になりました。エネルギー自給率も八%に落ち込んでいます。第八次石炭政策のもとで出炭計画は縮小され、相次ぐ閉山で鉱山の町は惨状を呈しています。非鉄金属など資源産業の切り捨ても進行しています。先進諸国はもちろんのこと、食糧とエネルギーの二大資源で最低部類にあるのは日本だけです。アメリカの干ばつとシカゴの相場が日本の台所を直撃するようになるだけではなく、長期間輸送や貯蔵による変質などは国民の健康にまで影響を与えています。
 食糧とエネルギーは、その国の経済的自立に欠くことのできない経済基盤であり、これを認めようとしないアメリカの態度は、まさに経済主権の侵害そのものにほかなりません。日本政府は、アメリカの不当な米の自由化要求に対しては、毅然としてこれをはねつけるべきであります。また、経済構造上も食糧やエネルギーは、国民生活に直接かかわる物資の再生産構造に関するものであり、今日のゆがんだ経済構造は正されなくてはなりません。私は、農業の再建と石炭産業の復興が今緊急の課題になっていると思います。
 生産の海外移転と産業の空洞化の問題についても、既に神谷議員から、異常円高のもとでの大企業の海外進出による国内産業の空洞化や、第二次産業からの膨大な離職者をサービス業など第三次産業に吸収できるとする経済構造調整政策の矛盾が指摘されていますので、私は、今日の問題に即して少し検討していきたいと思います。
 日本の企業の海外直接投資は、ジェトロの発表によれば、前年度比八二%増の八六年度に続いて、八七年度は四九・五%増の三百三十三億ドル、特に製造業は二倍以上の伸びとなり、海外生産の増加を浮き彫りにしています。八八年度上期も四四・六%増と急激な増加を示しています。製品や部品の逆輸入も急増しています。自動車各社は海外からの部品輸入をふやし、八九年はトヨタは前年比二五%増、日産、三菱も二〇ないし三〇%増が見込まれ、国内部品メーカーの空洞化が心配されています。通産省の調査結果によれば、八七年度実績に比べて八八年度は七二・四%の増加が見込まれ、これを業種別に見ると、半導体など電子関係が四・二倍、自動車が三倍、電気が二倍となっており、調査に当たった通産省の当局者自身が、輸入がふえ貿易黒字の削減にはつながるが、産業の空洞化のおそれもあると懸念を表明するまでになっています。
 部品の現地調達もいや応なしに増加しています。例えば、日産自動車はアメリカ・テネシーにエンジンなど主要部品を製造する専用の工場を建設し、現地調達率は八〇%を超えることになるとされています。
 中小企業庁が昨年実施した下請取引のある大企業千三百十八社を対象とした調査でも、海外からの部品調達を検討中の企業がふえていることが示されています。この調査によると、今後の円高対策として、新製品の開発が四二%と引き続き高い回答を示したのに次いで、部品・原材料の仕入れ価格の引き下げよりも、海外からの部品調達増加と製品の海外生産割合の増加など、海外からの製品輸入をふやすと回答した企業が多くなっています。また、コストが安いとなれば海外へ生産拠点を移し、そこから逆輸入するという多国籍企業特有の生産構造がつくり出されています。
 国内の空洞化懸念をしり目に、アメリカ、カナダに進出した日本の自動車産業の現地における乗用車の生産台数は年間百三十万台で、アメリカのビッグスリーの一つクライスラーの百十三万台を凌駕。自動車各社はビッグスリーと合弁、提携して、QC、品質管理や無在庫生産を目指すジャスト・イン・タイムシステムなど日本的経営を持ち込んでさらに増産を続け、九〇年代半ばには年産二百四十万台になることが予想されています。こうして増産された乗用車は米国はもちろん、日本や欧州の自動車の販売競争を一層激化することになるわけです。
 以上、私は、日本企業の急速な生産拠点の海外移転と製品の逆輸入の増加、とりわけ大企業の異常円高を利用した海外進出、本格的な多国籍企業化について指摘いたしました。多国籍企業は、国境を越えて利潤追求中心のグローバルな経済活動を展開し、産業と雇用の空洞化を初め、貿易や財政の赤字を生み出し、ついには国民経済に困難をもたらすことはアメリカの例を見ても明らかです。
 今必要なことは、海外進出への援助ではなくて、大企業の海外進出や、労働者、下請企業に犠牲を強いている低コスト構造の改善のために必要な民主的規制を加えることです。日本に空洞化の心配はないとする意見もありますが、そのように見えるのは、一時的な好景気の影響によるものであって、中長期的に見れば日本においても空洞化は進行しているのであります。
 第三に、日米経済摩擦の激化と日本の従属性について考えてみたいと思います。
 大蔵省発表の二月分貿易統計によれば、輸出額から輸入額を差し引いた輸出超過額は前年同月比で三七・八%増と大幅にふえ、貿易黒字は六カ月連続増加となり、このまま推移すれば八八年度全体では、過去二番目の黒字となった八七年度の八百六十億ドルを超すのは確実で、再び輸出は拡大へ向かいつつあります。既に、日本政府の貿易黒字削減目標の達成は絶望的になっています。貿易黒字の拡大する原因は対米黒字の増加で、アメリカ向け輸出は半導体など電子部品の前年同月比三八・四%増や、自動車一一・一%増などが問題で、再びアメリカかちの黒字減らし要求が激しくなってくるのではないかと言われています。
 アメリカの不当な要求と日本政府の屈辱的な対応について述べたいと思います。
 こうして貿易の不均衡が再び大問題になりかねない状況になっていますが、もともと貿易不均衡の主な原因がアメリカの双子の赤字にあることは、この調査会でも我が党だけではなく多くの委員からも指摘され、本調査会の中間報告の中にも、その改善は世界経済全体の重要な課題とされてきたところであります。その後のアメリカの財政赤字を見ますと、八九年度も財政均衡法の目標千三百億ドルを超えて千四百五十四億ドルに達し、貿易赤字も一進一退の状況を繰り返しています。日本政府は経済摩擦の論議に当たっては、まずこの点を指摘すべきであります。半導体をめぐるアメリカの制裁措置と日本政府の対応もまた問題です。
 アメリカは、日本市場における米国製半導体のシェアが、日本が約束した二〇%に達しないとして制裁措置を継続し、それだけでなく石油化学、通信機器など他の分野にわたっても品目ごとのシェアを日本に押しつける案を検討し始めたといいます。日本に対してこのような理不尽な市場開放要求を突きつける一方で、アメリカは、自国内の市場保護のためには輸入商品に不公正貿易の烙印を押して、勝手にハンディをつけることができる、いわゆるスーパー三〇一条の適用をちらつかせています。
 米の自由化については既に述べましたが、ここでは全米精米業者団体の要求を入れたアメリカ政府の年三十万トン開放要求に押されて、ガットウルグアイ・ラウンドの非公式閣僚会議で、外相代理で出席した日本代表が、実質的にこの要求を受け入れるものと受け取れる三%参入検討発言をしていることを強く指摘しておかなければなりません。知的所有権問題、科学技術協力問題その他について、時間もありませんので省略をいたします。
 要するに、このようなアメリカの横車を許していては、双子の赤字のツケ回しをされ、日本はますます犠牲を押しつけられることになります。これではアメリカの五十一番目の州に甘んじるものと言っても過言ではありません。
 第四は、日本経済の輸出体質、低コスト構造の改善の問題です。
 経済摩擦を起こす日本側の要因が自動車、電機などの大企業の集中豪雨的輸出であったことは既に指摘してまいりました。そして、そのてことなったのが人減らし合理化や下請単価の切り下げなど、労働者と中小企業に犠牲を強いている低コスト構造であることも明らかにしてきました。しかし、その後の事態は決して改善されたと言える状態にはなっていません。むしろ海外進出やハイテク化、事業再構築の中で一層強化されてきています。
 これらの問題を中小企業や地場産業について見ますと、昭和六十二年度版の中小企業白書によれば、戦前から戦後、今日までを通して産地が最も深刻な状況に陥った時期はいっかとの問いに対し、戦後の時期よりも、第一次石油危機の後よりも異常円高の八六年度以降を挙げたところが飛び抜けて多かったと報告されています。一般に中小企業の倒産が減ったとされていますが、帝国データバンクが全国六百四十四産地組合を対象に行った八八年度上期、四月から九月の調査では、転業は六十二件、休業は二百件、廃業は四百四十三件の発生で、その合計七百五件は、倒産の四十件の実に一七・六倍にも達しています。同じく八七年度下期の調査では、転休廃業の理由として、繊維などを中心に、NIESの攻勢で見切りをつけたとするものが目立っていると出ております。
 次に、人減らし合理化について、鉄鋼の例、特に新日鉄について見てみたいと思います。
 我が国の八八年度の粗鋼生産は、八七年度に続いて一億トンを超え、鉄鋼大手五社は、昨年九月中間決算で三年ぶりに売上高は高水準となり、中間配当も復活しました。この三月期決算は、八年ぶりの大幅増益になる見込みと言われています。自動車用の表面処理鋼板設備の新設など鉄鋼各社の設備投資も活発で、八九年度の計画は前年度実績の二二・七%増となっています。ところが人減らし合理化の方は、円高不況時に立てた粗鋼年産九千万トン計画をそのまま今日も実施しており、新日鉄の場合、従来の高炉十二基から八基体制に減らし、九〇年までに一万九千人を減らす合理化を目下実施中です。この三月二十五日には百三十年間燃え続けてきた釜石製鉄所の高炉の火がついにとめられました。
 かつて最盛期には八千人働いていた製鉄所には八百人が残るだけで、鉄の城下町釜石市の人口も、かつての九万人が今後は五万人前後に減るものと見られています。これでは大企業が栄えて、労働者も町も滅びることになります。地域経済を無視した合理化や工場の閉鎖などは民主的に規制されなければなりません。これは、長年にわたって国や地方自治体から税制、財政、金融すべての面で優遇措置を受けてきた大企業の果たすべき社会的責任から見て当然と言わなければなりません。
 次に、労働時間について見てみます。
 先進諸国の中でも日本の労働時間が際立って多いことは既に御存じのところであり、昨年の本調査会の中間報告でも労働時間の短縮はうたわれておりました。政府も千八百時間の目標を立てています。しかし、実際には労働時間は増加しており、労働省の資料によっても、八五年の平均を一〇〇とすると、八八年七月から九月は製造業で一〇九・三にもなるとされています。これは、労働省が労働時間短縮を口にしながら、逆に長時間労働を強いる仕組みをつくった一昨年の労働基準法の改悪に原因のあることは多くの指摘するところであります。
 景気上昇の陰で、超過密労働のために労働災害で死亡する労働者も急増しています。六一年をピークに十数年にわたって減少してきたものが、八七年後半から増加に変わってきているのです。労働時間の短縮は実効のある対策がとられなければなりません。先日、労働省は、完全週休二日制を実現し年休二十日を完全消化すると、消費拡大で八兆三千億円の効果があるとの試算を発表しましたが、日経連は、これに机上の空論とか何か意図があってやったと勘ぐられても仕方ないなどと時間短縮を敵視しています。政府が真に時間短縮の実施を考えているのであれば、さきの労働基準法改悪を反省し、直ちに再改正をすべきです。
 さらに、雇用の不安定性も増大しています。
 中小企業の求人難が問題とされている中で、あたかも雇用不安が解消したかのような論議がありますが、事態は従来と変わった形で不安定性を増しています。労働省の就業形態の多様化に関する実態調査、その調査はこのことを示しています。出向社員、派遣労働者、契約、登録社員、臨時、日雇いなど正規でない労働者の伸びは正規社員の伸びを上回り、過半数の事業所でパートを雇っています。正規でない労働者の多い業種は飲食店、飲食料品小売業、パチンコ、ビリヤードなどの娯楽業、警備、ビル管理その他の事業サービス業など、給与、労働時間のよくない業種が高い比率を占めているとされています。
 このような不安定な雇用が労働者の賃金、労働条件悪化のてこになっていることは明らかです。また、中高齢者の就職難や北海道、九州の失業も深刻です。本調査会は、内需型経済構造への転換とそのあり方について論議されてきましたが、このような状況のもとでは低賃金、人減らし、合理化、下請単価の切り下げなど労働者と中小企業を犠牲にする日本の低コスト構造の改善こそ、国民本位の内需型経済構造への転換の第一歩と言えましょう。
 最後に、東京集中と地域経済の発展について簡単に述べます。
 この問題で、昨年十二月のこの調査会で参考人の先生に対し、東北自動車道を岩手から南に向いて走れば、仮に沿道のハイテク工場かち部品を集めて組み立てるとするならば、東京に着くころはハイテク製品が完成すると言われるほど東京集中が進んでおり、こうした大型プロジェクト中心の社会資本整備になってはならないことを私は指摘いたしました。大企業誘致依存型のテクノポリスは、かつての地域開発と同じく破綻するのではないかと質問したことに対して、参考人からは、工場誘致は地元への波及効果に問題がある、中小企業が地元に生まれ、成長し、ハイテク技術も地域に関連して生かされるような新しい地域経済政策をとる必要があるということが強調されたことは注目に値する点だと思います。
 日米軍事同盟の廃止、国際的経済秩序の確立というテーマについては、昨年、神谷議員から意見の表明がされておりますので省略することとし、ここでは、私の質問に答えて、日本の技術の開発は、民需を牽引力として発展したことに意味があるという参考人の意見があったことをつけ加えておきたいと思います。
 次は、エネルギーの問題について私の意見を申し上げます。
 資源・エネルギー問題については、これまで石炭政策を中心に石油問題、エネルギー需給など個別に発言してきましたが、調査会として報告をまとめるに当たり、改めて私の基本的な考え方を述べたいと思います。
 資源・エネルギー政策を考える場合、最も重要な課題は、エネルギーの自主的な供給基盤をいかに強化するかということだと思います。
 我が国の一次エネルギー供給は、一九六〇年代初めまで国内炭によって支えられてきましたが、七〇年代のエネルギー革命の中で、アメリカ系メジャーが供給する相対的に安価な輸入石油に取ってかわられ、油づけ経済になり、国内炭の切り捨てが進行しました。その結果、二回のオイルショックで日本経済が大きな打撃を受けたことは皆さん御承知のとおりでございます。政府は、これを機会に石油への依存を減らすため、石油代替エネルギーの開発を進めましたが、その中心は海外炭の輸入と原発の推進でした。しかし、この政府の対応は、ますます我が国のエネルギー供給の自主的基盤を掘り崩すことになっています。
 私は、我が国の資源・エネルギー問題を打開するためには、以下述べる対策が具体的に重要であると考えます。
 第一に、自主的な資源外交に転換することです。我が国はエネルギー資源や金属資源の埋蔵量が少ないため、資源産出国との平等互恵の立場に立つ経済・技術交流を発展させ、二国間協定を結んで合理的な価格による直接取引、政府間取引を拡大することです。また、エネルギー消費の主流は、当分の間石油が占めることになるので、原油や石油製品の生産、流通の各段階におけるメジャー支配の抑制を図る必要があります。さらに、アメリカの中東政策への加担をやめることが必要です。政府は、石油の供給安定化の名のもとに石油の国家備蓄の増強を図っていますが、これは我が国がアメリカの石油戦略に追随し、IEAに参加したため義務づけられたもので、年々必要のない過大な積み増しを進めてきており、私は賛成できません。
 第二は、国内資源の合理的な活用を図ることです。
 まず重視しなければならないのは、貴重な国内資源である国内炭を切り捨てる第八次石炭政策を転換して、積極的に復興、活用することです。そのため国の責任で安全技術、深部採掘技術など新しい技術開発を進めること。閉山鉱を初め、すべての炭田、炭層、鉱区の徹底的な再調査を行い、臨海海底を含む総合的な鉱量調査を実施すること。大手の石炭企業には、当面厳しい保安基準を守るよう義務づけるとともに、厳格な条件のもとで増産のための資金、技術などの援助を行い、国有化と石炭復興公社の設立を目指すこと。国内炭の需要を確保するため、石炭の大手需要家に適切な価格で一定量の引き取りを義務づけること。海外炭の輸入業務を一元化し、需給の安定化を図ることなどが必要です。
 さらに水力の合理的な開発を進めることや、地熱、太陽エネルギー、波力、潮汐力、風力、石炭液化・ガス化、水素エネルギー、アルコール燃料など新エネルギーや代替エネルギーの研究、技術開発を安全優先、基礎研究重視、国内資源優先の立場から、学者、研究者、技術者の英知を結集して、自主的、民主的に進める必要があります。
 第三に、自主、民主、公開の原子力平和利用三原則を厳しく守り、平和と安全優先の立場から原子力研究、開発政策を根本的に転換することです。我が国の原子炉は合計三十六基、全国の発電電力量に占める原子力の比重も約三〇%に達しています。
 私が指摘したいのは、我が国で稼働している原発がへ政府、電力会社の懸命の安全宣伝にもかかわらず、十分な安全性の保障のない、技術的に未完成な原発だという根本的な問題です。最近の事故の多発もそれを証明していると思います。今こそこの点を正面から直視する必要があります。スリーマイル事故、チェルノブイリ事故などにより、世界の多くの国々では、原発の増強停止や縮小、時期を決めての廃棄など、これまでの原発政策を再検討しようとする機運が国際的にも広範に起こっています。
 ところが、日本の政府と電力会社は、国民の不安に背を向け、国際的な深刻な教訓に対しても、日本は別だという態度で、従来どおりの無責任な安全神話の宣伝にいよいよ拍車をかけ、実際の原発行政でも、既存の原発の本格的な再点検をやろうともしなければ、日本のエネルギーの原発への依存を高める原発の高度増強政策を既定方針どおり継続するという、無批判、無反省な道を突き進んでいます。
 今、重要なことは、こうした政府、電力会社の無責任な原発推進政策を国民の安全を優先させる方向へ転換することです。
 私は、この立場から、政府、電力会社が直ちに次の措置をとるよう要求します。
 原発の新増設は一切行わないこと。青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設や、北海道幌延地区の放射性廃棄物貯蔵施設などの建設計画は即時中止すること。米ソ二大原発事故の教訓を酌み入れて、安全基準を科学的に信頼できる内容のものにつくり直し、新しい基準で、すべての既設原発の総点検を行い、それに住民代表も参加させること。その結果に応じて、永久停止、改修、出力低下など、緊急措置をとること。その任務に当たるための必要な権限と十分なスタッフを持った安全審査委員会をつくること。この委員会は、政府からも電力会社からも原子炉メーカーからも独立したものでなければなりません。
 原発事故の際の防災・避難対策を住民参加で再検討し、定期的な訓練を行うこと。この対策は、原発が立地している自治体だけではなく、立地点から一定の距離にある全自治体を含むものとする。輸入食料の放射能汚染検査を強化すること。原発安全神話は真剣な安全対策を推進する上で最大の障害になっており、原発関係者の間からこれを一掃するとともに、非科学的な安全宣伝は打ち切ること。原子力発電所や関連原子力施設で働く労働者を放射線被爆から守るため根本的な対策をとる必要があります。
 将来を展望して固有の安全性を持つ炉や、資源の有効利用を図る多様な炉型の探究を初め、熱核融合炉の研究開発や使用済み核燃料の再処理技術と高、低レベルの放射性廃棄物及び廃炉などの安全処理、処分や安全な有効利用技術の確立のための研究などを重視する必要があります。
 最後に、今まで述べてきた政策を総合的に進めるためには、エネルギー産業を利益を優先する私企業に任せるのではなく、総合的エネルギー公社を設立して、各エネルギーのバランスのとれた研究・開発・利用を総合的、民主的に進める必要があると考えています。
 以上、私は、この本調査会に与えられた任務としての産業・資源エネルギーの問題について、現状とよって来たその原因、そして今後どうあるべきかという問題についての意見を申し述べました。
#11
○橋本孝一郎君 全般の問題について触れておりますと時間が足りませんので、私は総合エネルギー政策の推進ということで、石油の安定供給対策、石油代替エネルギーの導入促進、省ネエ対策、それから余り触れられておりません環境問題、この四つを中心にして意見を申し上げたいと思います。
 エネルギーの問題についていろいろ触れられてきておりますけれども、少し消費と生産という問題について意見を申し上げたいと思います。その状況を申し上げたいと思います。
 特徴としては、生産国それから消費国とも、これは大国は米国とソ連だということなんであります。石油の生産額が一番多いのは、これは中東地域でありますけれども、一九八七年には六億四千万トンで、中東地域、全世界のこれは約二二%を占めております。ソ連が二一%、アメリカが一六%と、こう続いておりますが、結局この三つの地域で世界の六割を持っておるわけであります。
 消費面で見ますと、アメリカが七億六千万トン、これは圧倒的に多いわけでありまして、世界全体の二六%を占めております。続いてソ連、日本、西ドイツが続いておりまして、大産油国が集まっておりますいわゆる中東地域では全体の三・七%しか消費しておらない。石油の消費大国で自給できておるのはソ連と、英国が北海油田を持っておりますから、英国などの一部でありまして、これはアメリカでも相当量の輸入をしております。したがって、全地球的に見ると、石油の生産国と消費国が大きく偏っておるというのが特徴であります。
 一方、石炭でありますけれども、これまた石炭の生産国は石油に比較して世界じゅうにこれは分布しております。しかも、先進国でも相当量の生産をしているのが特徴でありまして、中国、アメリカ、ソ連といった大生産国は大消費国でもあります。西ドイツ、英国などは相当量の石炭を消費しますが、自国内でも生産しています。ところが我が国は、石油と同様、石炭の問題はいろいろと出されておりますけれども、微量でありまして、生産と消費のバランスとかいうことから考えれば問題になりません。そういう特徴を持っておりますし、最近では石炭の豊富な埋蔵量が確認されておるオーストラリアなどは、将来大生産国になるだろうと思います。
 次に天然ガスでありますが、これは特徴からして、長距離輸送が非常に困難であったという今までの経過からして、生産量と消費量というものがイコールになっておりまして、いわゆるソ連とか北米、西欧では全世界の七七%を消費しておりますが、生産しておりまして、近年になりまして輸送する技術が進歩してまいりまして、埋蔵量が多い中東やアフリカ、あるいはアジア・オセアニア州といった地域で今後生産量が大幅に増大していくものと予想されております。もちろん、日本にはほとんどございません。こういうふうな石油、石炭、天然ガスという化石燃料でございますが、生産国、消費国の状況を見ますると、先進国でありながらほとんど資源を持たない国は日本、それからフランス、イタリアぐらいでありまして、西ドイツは石炭を相当持っておりまするし、オランダは天然ガスというふうなものを持っておりまして自給しております。そういう意味で、我が国の置かれておる位置というもの、立場というものは極めて特異で不安定な状況と言わざるを得ません。
 そしてまた、生産国の自国内消費量がどんどんふえてまいりまするし、それに伴う輸出の減少、あるいは発展途上国の消費の拡大、あるいは人口増、こういった要素を考えますと、さらにエネルギーの我が国を取り巻く環境というものはますます厳しくなるということを認識していかなきゃならないと思います。
 このエネルギー消費が非常に増加しておるということについて一例を申し上げたいわけでありますけれども、大体今の状態で、三、四年で日本一国分のエネルギー消費量がふえておるということでございます。我が国は第一次、第二次のオイルショックを受けまして、それ以前に比較して伸び方は非常に微少であります。でありますけれども、世界のエネルギーの消費量を見ておりますと、オイルショック以降もオイルショック以前と同様か、それ以上の増加を示しておるというところがございまして、いわゆるそれが三、四年ごとに日本一国分がふえておるというわけであります。
 国別に見ますると、日本、米国を初めヨーロッパ、いわゆるOECD諸国の増加分が極めて少なくなっておりますが、その反面に中国、ソ連、そして発展途上国といった国では依然大幅な増加を続けております。世界全体の増加分のほとんどはそれらの国といっても過言ではありません。
 第一次オイルショック直前の一九七三年から一昨年の八七年までの十五年間における世界のエネルギーの消費量を見ますと、世界全体の増加分が石油換算で約十九億トンでありますが、OECD諸国全体の増加分はわずか二一%であります。中国が一八%、ソ連は三〇%、そしてOECD、中国、ソ連を除く国々、いわゆるほとんどは発展途上国に入る国々でありますが、その増加分の約四〇%であります。これは非常な勢いで伸びておりまするし、このことは、原油価格の急激な高騰で先進工業国の経済が一時的に低迷したことはありましたけれども、それに伴ってエネルギー利用の効率化と省エネ技術の開発に努力したから伸び方がその程度でとまったのではなかろうかと思います。そういう意味では、発展途上国や社会主義国も二度にわたるオイルショックで大きな打撃を受けたのにもかかわらず、その後の消費実態から見ると、エネルギーの効率化や省エネの技術開発の面で大きな成果が上がっておらないということが言えると思います。
 ところで、この過去十五年間に増大した世界のエネルギーの消費量ですが、その増加分をエネルギーの種類別に見ますと、石炭の増加分が三五%、これは最も高いわけであります。続いて天然ガス、そして原子力と続いております。この間の増加分に占める石油の割合は非常に低くて、水力程度であります。一九八〇年以降、つまり最近八年間の増加分だけを調べてみましても、石油は値崩れを見せ始めたにもかかわらず減少傾向に転じています。安くなったにもかかわらず減っておるわけでありますが、その反面、石炭や天然ガスの占める割合は相変わらず高い。中でも最近八年間の増加分に占める原子力の割合は二七%となっておりまして、大変大きな役割を果たしておるということが言えると思います。
 そういうような状況で、我が国は、もう多くの方々から申されましたように、石炭、石油はほとんどないと言うに等しいわけでありまして、そういった場合におけるベストミックスのエネルギー資源対策というものをふだんから心がけて考えていく必要がある。その中における原子力の役割というものは非常に大きいわけであります。しかし、原子力については安全の問題の追求を怠ることはできません。現在のでき得る最高の技術水準でもって、特に日本は地震国でありまするから、そういった国における安全率を高める過重な設備をし、そして安全運転を確保していかなきゃならないと思います。
 さらにまた、廃棄物問題、廃棄物という、これはもちろん原子力に限ったものではございません。化石燃料でも今日環境問題になっておるのは、これはいわば燃やしたごみでありまして、原子力の場合には、いわゆる廃棄物処理という大きな問題が残されております。これらの問題についてのやはり技術的な対策、そして、そういった世界的規模での研究というものをやっていかなければならないと思います。最近原子力問題で、放射能物質に対して、低レベル廃棄物は百年もすれば一般のごみと同様になるんでありますけれども、これはそういう意味では、管理さえきちっとしておけば問題はない。
 問題は、高レベルの廃棄物について、しかも長時間というものについての研究が最近国際的にも大変進んでおりまして、長い半減期、いわゆる半減期を持つ放射能物質を短い半減期物質に変換をする、いわゆる消滅処理という技術も随分進んでおりまするし、高レベル廃棄物の中に含まれておるレアメタル、希少金属ですね、これを取り出すという分離技術の開発も各国で進められております。こうなると、高レベルの容積も減ると同時に、半減期も短くなるから、高レベル廃棄物をめぐる環境問題も一つの大きな解決の道がついていくのではなかろうかと思います。
 昨年のトロントのサミットの後だったと思いますが、トロントのサミットが終わりまして、昨年の六月二十七日から四日間トロント市で、世界じゅうから三百人以上の科学者や国会議員が集まりまして、変化する大気国際会議というものが持たれました。残念ながら日本はこれに出席しておらなかったのでありますが、国際的にも大変これは批判された結果になったようであります。
 ここで、求められた各国の最終結論だけ申し上げますと、各国が協力して大気の防衛行動計画を緊急に作成すること。それからオゾン層の破壊から守るために、二〇〇〇年までに含ハロゲンCFCの放出をゼロにする、いわゆるオゾン対策。それから炭酸ガスの放出レベルを半分にするため、二〇〇五年までに一九八八年レベルの二〇%まで削減する。これは後でまた環境問題で述べますけれども、日本として非常に国際的にも役割を果たし得る技術水準と経験を持っておりますから、国際協力の一つの大きな目玉にもなると思います。
 第四番目に原子力発電を見直す、つまりこれは環境問題との関連で出てきた問題だと思いますけれども、そういう空気が国際的に出ておるということを申し上げておきたいと思います。
 そこで問題は、いわゆる日本の安定供給のためにはやはりベストミックスを常に心がけなければならないということと、既に触れられておりますように、一九九〇年後半には再び石油需給が逼迫する可能性があるということは盛んに言われております。そういう意味においては、安定供給上備蓄対策も大事でありまするし、石油への依存というものをさらにもっと減少さしていくということが必要であります。これはただ単に我が国だけじゃなくて、今の石炭の問題もそうでありますが、幸いにして石炭は、我がアジア地域でも非常に各地に分布しておりまするから、経済計画とエネルギー計画と言うのでしょうか、そういった問題に対する日本としてのノーハウの輸出とでも言うのでしょうか、協力と言うのでしょうか、そういうこともひとつできるんではなかろうかと思います。
 これは先般のこの調査会で、日本エネルギー経済研究所常務理事の富舘孝夫さんがおっしゃられたと思いますけれども、日本のエネルギーの国際協力の今後の方向について、幾つかの点を指摘されました。例えばその一つは、発展途上国の計画の策定の段階から我が国が協力を推進していく必要があるのではないか。つまり、途上国では経済計画とエネルギー計画の整合性がとれておらない、それぞれの計画も不十分なものがあるというのが現状であるので、整合性のあるエネルギー計画のマスタープランやその実施計画の作成、それから政策を実施していくというノーハウ、こういったものに関する親密な協力を行う必要があるということをおっしゃられておりましたけれども、幸いそういうことにも、太平洋コールフロー構想まではいけませんけれども、そういう面で協力できる分野があるのではなかろうかと思います。
 時間が過ぎてきましたので、では環境の問題に入りたいと思います。
 最近、地球的規模での環境の保全問題が急に浮上してきております。すぐれた科学技術や豊かな経済力を生かして地球の保全に貢献すると言うのでしょうか、ちょっと大ぶろしきかしれませんけれども、そういう面で私は日本の技術というものをもう少し見直してみる必要があると思います。
 我が国はすぐれた科学技術力と豊かな経済力を持っておるわけでありまするから、これらを活用していくことによって我が国は地球環境の保全に大きく貢献することができると思います。例えば、今世界には地球環境に関していろいろな国際的な調査研究の仕組みがたくさんあります。そしてまた、国連等においても早くからこの問題は取り上げておりますけれども、そういった国際的な科学者の組織の中においては、大気圏、海洋圏、地圏、生物圏を総合的にとらえようとする国際共同研究計画というものも、これはIGBPと言いますけれども策定しておりますが、こうした国際的な調査研究の動きに対して、我が国としても積極的に寄与していく必要があると思います。
 かつまた、我が国はかつて深刻な公害問題を経験し、試行錯誤を繰り返しながらそれらを一応、十分とまでは言えませんけれども克服してきたという貴重な経験を持っております。その経験は、現在我が国における公害防止のための技術に大きく生かされておりますし、例えば、大気汚染の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物を工場や自動車からできるだけ発生させないようにする技術、大気や水の汚染状況を把握するために観測し分析する技術は、これは世界をリードしております。このような従来の公害対策技術は地球の温暖化抑制にも十分貢献できると思いまするし、そういう意味での協力ができると思います。
 さらに、植林関係でもそうでありますが、植林とかいわゆる育林についても、我が国は古くから森林資源を育成管理して持続的利用を実践してきた技術と経験も持っております。さらに我が国は緑の国勢調査という、国内の動物や植物を把握するための非常に精度の高い調査を持っております。この経験を開発途上国における野生生物の調査に活用しようという試みも進めることができまするし、その他必ずしも環境保全をねらいとして行われてきたものではありませんが、省エネルギーについても我が国は世界に誇れる実績を上げております。
 こうした直接的に貢献できる分野以外にも、我が国の豊富な経験やすくれた科学技術力を活用して応用していけば、我が国の地球環境保全に貢献できる分野は少なくないと思います。これはまさに世界に貢献する日本という実践になるのではなかろうかと思いまして、そういう面における環境についての国際協力というものも非常に重視する必要があろうかと思います。
 原子力問題についてもいろいろ申し上げたいことがございますけれども、これはちょっと時間が長くなるので省略いたします。
 ただ、ヨーロッパ等において、例えばスウェーデンの二〇一〇年における休止、あるいはオーストリアの国民投票による廃止等々いろいろなOECD内における原子力問題の反響がございますが、日本と一つ違うところは、あそこは全部電線がつながっておりまするので、足らないところはどこからでももらえるという非常に安易な問題が一つあります。特にフランスにおいては今やもう七〇%の原子力、彼らは世界でも一番誇りを持って運転をしておりますが、今やもう、一昨年あたりでも六十億フランという電力が大貿易品になっておる。これはイタリア、ユーゴスラビア、西ドイツ、オーストリア等々へ輸出をしておる。さらにこれがふえていくであろう、こういう傾向でありまして、もちろんフランスも資源ということに関しては先ほど申し上げましたように日本と同じでありまして、ほとんどない。それがやはりそういう状況になっておるという一つの例を申し上げました。
 時間が参りましたので、終わりたいと思います。
#12
○会長(松前達郎君) それでは次に、ただいま述べられましたそれぞれの御意見に対しまして、補足等御意見がございましたら、割り当ての時間内で順次御発言を願いたいと思います。
#13
○及川一夫君 わずか十分ですから、また私自身もそうたくさん補足することはないのですけれども、ただいろいろ資料を介して見ますと、実は先ほどから論議になっておる原発問題は全く触れていない課題だったように私も見ました。第一次の中間報告にもほとんどというよりも一言も実はないわけでして、ただ、第二年目の場合には参考人の方をお呼びして、原発の状況、安全性などについて意見を少し交わしたというようなことがあったと思うのですが、文字面にはほとんど出ていない、こういうことなものですから、実は先ほどから原発に対するそれぞれの委員の方々のお話を聞いていて、もっともっとやっぱり掘り下げてみるべきだなという気持ちがしてしようがないわけです。
 ただ私どもも、総合的なエネルギー政策というのは、単にエネルギーだけで存在しているわけじゃないので、生きた人間がどう生活をしていくか、生活のために必要なものをどうつくるかというすべてがかかわっていることなものですから、そういった点では、別に観念的にイデオロギーが先行しちゃって、それでは反対だなどという気持ちは一切実はないんですね。やっぱり単純な意味で言うと、お互いに原子力発電所が爆発をすればどうなるかはわかっているわけですから、その安全性というものが非常に疑い深くなっているということだけは事実だろうと思うのですね。そして、大都会には置かないで地方へみんな廃棄物をやるようなこと、あるいは海に投棄するなんというようなお話が出てくるものですから、なおのこと怖がるというのが現状なのじゃないか。首相官邸は今度建て直しされるそうですが、そこに穴でも掘って埋めてみて、総理大臣が大丈夫だというような宣言でもすれば、これはまた国民的な物の見方もやや変わってくるんじゃないか。まあそれは笑い詰みたいなものですが、やっぱりそのぐらい素朴な問題から出発して、特に関係する地元の地域の住民の人たちは反対をしているんじゃないか、こんなふうに実は思うのですね。
 それと同時に、この前科技特に行きまして、実は福島第二発電所の例の事故のやりとりを聞いておったのですけれども、どうもあれ自体は、なれでもってああいう事態にまで行ってしまったというのが実態だと思うのですね。人間のなれが非常に怖いのですが、警笛が鳴ったときに完全にとめてしまってやれば、あんな金属破片が炉内に散乱するようなことは本来なかったんだろうと思うのですね。それがわずか二日といい三日といいながら、電圧を下げただけで運転をそのまま継続したことがああいう大事故につながるような、心配されるような実態になっている。こういう問題が出てきますと、世界各国の動き、橋本先生がおっしゃられたように、私もよく存じ上げているつもりなんですけれども、ただ怖い方から見れば減っていく、とめられるということがどうしても目につきますよね。ですから、それを我々がどういうふうに一体考え、話をし、わかってもらうのかというようなことがなかなか解けないわけですよ。ただエネルギーの総合政策、エネルギーは必要だ、でなきゃ今の暖房でも冷房でも全部きかなくなっちゃうという話だけではなかなか説得のできない問題ですね。
 しかし、生活も政治に結びついているんですから、いずれどちらにしてもはっきりした結論というものを出さなきゃならぬ問題だろうと思っているので、そういう意味では、きょう御意見をお聞きしていろいろ勉強になった点もあるし、恐らく今回の報告には盛ることは難しいだろうと、こう思っていますけれども、したがってどういう場になるか、いずれにしても各党で突っ込んだ論議をし合うということが非常に大事だなということをつけ加えておきたいというふうに思います。
 それで、私なりに各委員の先生方の御意見を聞いていますと、どうやら報告めいたものをその気になればできるんじゃないかなというふうに実はお伺いしておったんですけれども、例えば構造変化への対応という問題では、とにかくそれを意識して円滑にやることを考えなければいかぬということを意識されて、それぞれ問題提起されているわけですから、これはまとめようと思えばまとめられる。
 あるいは内需拡大と国民生活というものを結びつけて、こうあるべきだということもそれぞれの先生がおっしゃられておりますし、少なくともやっぱり向上させなきゃいかぬというようなことがとりわけ強調されているという点。
 そして三つ目には、企業の海外進出の問題では、空洞化はもちろんいけない、同時にまた相手側の立場に立たなきゃいかぬ、したがって慎重にやらにゃいかぬよというようなことをおっしゃられているわけですね。文字面の強弱はある、言葉の強弱はあっても、大体この問題に対しても意見が一致するような気がする。
 さらに研究体制の問題では、大いに金を出せ、大いに体制を充実強化せにゃいかぬというのが一応の意見だということになると、それ自身をどういうふうに整理するかということはあったにしても、確かに求められる一つの結論ではないか、こんなふうにも思う。
 そして最後になりますけれども、地域格差の解消と活性化という問題でもそれぞれの先生方が認識されているというふうに大体受けとめているわけでありまして、なかなか調査会としてもこれ以上議論する場が率直に言って予定されないような気がするというふうに考えますと、私ども党内に対する報告としても、今申し上げましたような大体認識で受けとめて報告もしてみたいな、こういうふうに感じているということだけを申し上げて私の補足を終わります。
#14
○山東昭子君 ゆとりある生活を望むのは国民の常であろうと存じますが、労働時間の短縮については、今までのように大企業に勤める労働者中心に考えることは問題であろうと思います。
 現在、週休二日制によって、中小零細企業に働く人たちに大変なしわ寄せができていることは皆さん御存じのことでしょう。また、日給で働いている人は、ゴールデンウィークが近づくと憂うつになると言っております。先日労働組合の幹部からも話を聞きましたが、年収五百万以下の人たちは、労働時間は長くても収入をふやしたいと考えているそうでございます。また最近では、土曜日が休みになったからアルバイトを探しているという労働者の話も聞きました。これから中高年やパート労働者のことも考え、やはり労働時間の短縮と雇用の問題というものは同じ土俵で論じなければいけないんではないかなと考えております。
 また先日、東南アジアで木材の輸出禁止の記事を読みましたが、私も三月にアメリカへ行ってまいりまして、あちらでは今木材、それも丸太のままでの輸出を禁止するという法律を各州で導入しつつあるということを聞きました。まだ連邦政府そのものでは法案はできていないそうでございますけれども、これは今非常に建築ブームの我が国にとって、やはりカナダ、アメリカに木材というものを大変かけている国にとっては大変な問題であろうかと思います。これから日本の木材関係者の意見も聞きながら真剣に検討すべき問題ではないかな、そんなふうに考えております。
#15
○田沢智治君 いいですか、まだちょっと時間あるね、いいでしょう。
#16
○会長(松前達郎君) じゃ、田沢委員。
#17
○田沢智治君 同じ自民党の中だからね。
 二つ私言いたいんだが、一つは代替エネルギー等の中で今までいろいろ議論されてきておるけれども、特に地熱エネルギーの開発、上川町から僕は随分陳情を受けているんだよ。それで、ここでもいろいろ議論するけれども、既存のエネルギーに対して石油がどうなるかとか、あるいは石炭がどうなるかというのがあるけれども、新たなる分野への挑戦をこの調査会でひとつ掘り起こして、やはりこの調査会そのものが新たなる分野へメスを入れるなりあるいは開発への道を切り開いていくというような積極的、前向きの調査会の姿勢というものを私は出してもらいたいなと思うのですよ。
 特に日本は火山国家で温泉がいっぱい出ているんだから、極端に言うならば、地熱というもののエネルギーというものは、はかり知れないものが私は内在していると思うのです。そういう意味では、なかなかこの問題は環境庁とのバランスの問題で温泉流しちゃいけないとか、開発すると環境が悪くなるとかいうことだけで抑制されちゃっているわけですよ。この間オーストラリアへ行ってこられた小笠原先生かなんか報告されたあの中でも、やっぱり公害にならないような装置を考えて地熱というものをやっているというような、皆さん方が行った現場の中で各国もそういうふうに工夫しているという報告があるんだから、あるならばそういう分野に対してやはりひとつこれ考えたらどうだろうかなと。橋本先生なんかはそういう意味じゃよく理解されていると思うのですよ。
 ですから、私はそういうような新たなる分野への調査研究をしていくという、もう一歩突っ込んだ新しい分野へのやはり研究開発をこの調査会がやるというところに魅力が出てくると思う。また、地域性の開発という意味では、今度の内閣でも一億円を出しているんだから、そういう意味で出せばいいというものじゃなくて、それを有効的に活用できるというならば、やはりそういう分野へ貢献していきながら地域性の中で活力を与えていくというような道を切り開いていくというのも一つの方法だろうと、私はそういう意味で、そういう面をひとつ出してもらいたい。今までのあれの中にないようだから、ぜひ盛ってもらいたいというのが一点。
 それから、あと研究開発体制というもの、僕も大賛成なんですよ。アメリカは二十一兆円のうち政府が七〇%ぐらい、日本は七兆円のうち政府がどうですか、二〇%ちょっとしか出してない。民間がほとんどですよ。それは言うとおり、こんなような金で何が開発できるかということで、技術開発についてはもっと予算をつけろというのは、これは超党派で大いに叫ぶべきであって、そういうものに勇敢に取り組んでいくということ、これからの新しい世界を考えた場合、やはり技術立国日本だから、こういうような次元で私は大いに賛成をいたします。
 以上。
#18
○橋本孝一郎君 私はかねがね思っておるんですけれども、日本は無資源国の最も資源を多く必要とする工業国、これが生きていくには三つの条件がある。それが全部調査会になっておるんです。外交・安保、つまり平和でなければ、平和が保っておらなければ日本へ資源が入ってこないからパンクする。外交・安保。
 それから産業・資源エネルギー、これも経済体制の問題について、きょう資本主義の話が出ましたけれども、そこまで触れぬにしても、エネルギー政策でもいろいろ問題がありますが、先生おっしゃられた、そういう合うものと合わぬものとありますけれども、やはりそういう基本的な問題ですから、資源エネルギーという、いわゆる自由市場が確保されて、そこで経済活動ができる、そのために必要なエネルギー政策という、これも基本だと思います。
 それから、もう一つは国民生活、これは福祉社会ですから、これは基本的に皆看板が合っております。ですから額の問題だけですね。そうしますと、この二つが合っていけば、私はある程度すばらしいと思うのです。それはなかなか最後まで合わすことは難しいでしょうけれども、それぞれのそういう問題を研究して、そして提言なり意見反映ができれば非常に私はいいことだと思っております。そういう意味で原子力もよろしく。
 以上です。
#19
○会長(松前達郎君) それでは、本日は各委員から貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。これをもちまして自由討議を終わらせていただきます。
 なお、今後さらに問題点等ございましたら、会長に申し入れをいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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