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1988/06/21 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 環境特別委員会 第3号
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1988/06/21 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 環境特別委員会 第3号

#1
第114回国会 環境特別委員会 第3号
平成元年六月二十一日(水曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     大浜 方栄君     原 文兵衛君
     勝木 健司君     山田  勇君
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     粕谷 照美君     久保  亘君
     山田  勇君     橋本孝一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林 健太郎君
    理 事
                松浦 孝治君
                田渕 勲二君
                広中和歌子君
    委 員
                石井 道子君
                石本  茂君
                梶木 又三君
                佐藤謙一郎君
                関口 恵造君
                宮崎 秀樹君
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                久保  亘君
                渡辺 四郎君
                飯田 忠雄君
                沓脱タケ子君
                近藤 忠孝君
                橋本孝一郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  山崎 竜男君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        渡辺  修君
       環境庁企画調整
       局長       安原  正君
       環境庁自然保護
       局長       山内 豊徳君
       環境庁大気保全
       局長       長谷川慧重君
       環境庁水質保全
       局長       岩崎 充利君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        菊地  守君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    坂本 弘道君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部産
       業廃棄物対策室
       長        三本木 徹君
       通商産業省生活
       産業局窯業建材
       課長       田中 正躬君
       労働省労働基準
       局安全衛生部環
       境改善室長    後藤 博俊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○水質汚濁防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林健太郎君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十日、勝木健司君、大浜方栄君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君、原文兵術君が選任されました。
 また、本日、山田勇君が委員を辞任され、その補欠として橋本孝一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林健太郎君) 大気汚染防止法の一部を改正する法律案及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○粕谷照美君 私は、大気汚染防止法案について質問をいたします。
 この法律は、アスベストによる大気の汚染、健康への影響について口比の関心が高まっているので今まで野放しだった大気中の石綿濃度を規制しようとするものである、こういうふうに環境庁は説明をしておられますが、私は、言葉じりをとらえるわけじゃありませんけれども、国民の関心が高まっておるから未然防止のための措置を講ずることが喫緊の課題になっているというのはやや消極的に過ぎるのではないかと思います。
 なぜなれば、国民の関心が高まっていなかったならばこの法律は出さなかったかもしれない、逆に言うとそういうふうに読み取れるわけでありまして、これはやっぱり国民の健康への影響が非常に問題であるから環境庁としては出したんだというような提案説明をしていただきたかった、こういうことをまず申し上げて、長官とは私麹町の宿舎でお隣同士であります。後ろの障子を開けますと、のっぽビルが建ちまして、そののっぽビルが建つに伴って今二つのビルが解体をされまして、どうやって解体をしているのかなと思って、このアスベストの問題がありますから、毎日毎日見ておりました。もう洗濯物はあの解体中は一切外へ出さないことにしているわけでありますけれども、それほどみんなが注意をしている事件に対して今回の法律が出されたということは、いろいろと言いますけれども一歩前進であるという点で評価をいたします。しかし、評価しながらも、もっとこうあってもらいたい、この点については心配だという立場についての質問をいたします。
 まず最初に、特定粉じんの規制に関する問題であります。簡単に言えば、工場のみを規制対象にしたのはなぜか、こういうことです。
 先年、アメリカの横須賀基地のアスベスト廃棄事件がありました。これはミッドウェー修理について二百七十五トンの廃棄物が千葉の処理場で粉粉に砕かれて建設廃材と同じように投げられていたわけです。そして五十トンは道路にあった、こういう事件でありますけれども、これに典型的に見られますように、一般環境中のアスベスト汚染問題の所在は、この法案が対象としておりますアスベスト製品製造工場だけにあるのではないと思います。無数のビルやビル解体、改修現場、廃棄物処理場、道路沿道あるいは家庭内の電化製品等、あらゆるところに広く存在をしております。にもかかわらず、今回の法案の規制対象として取り上げたのは四百足らずのアスベスト製品工場だけ、こうしているわけですけれども、それは一体なぜですか。
 これに絡みまして、提案理由の中には、「石綿製品等製造工場から発生する石綿による大気汚染の防止のための基本的な在り方について」中公審が答申をした、こういうふうに書いてあります。
限定されているわけですね、中公審答申は。それについての御説明をいただきたい。
#5
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。
 アスベストにつきましては、先生からもお話ございましたようにいろんな分野で使われております。先生のお話にございましたように、廃棄物の問題もございますし、あるいは建築の解体現場の問題、あるいは吹きつけ石綿、アスベストによります特に今学童を中心とした健康影響の問題等、いろんな分野で使われております中で、特に私どもこの今回の法改正でアスベスト製品等製造工場に限定した理由はというお尋ねでございますが、それ以外にもアスベスト製品につきましては、いわゆるお話の中にございました廃棄物の適正処理につきましては厚生省と環境庁で連名で適正処理のあり方についての通達を行っているところでございます。
 それから建築の解体現場等につきましては、私どもいろいろ調査をいたしているところでございますけれども、現在のところ、その調査の時点におきましては特に大きな濃度は見出されていないというようなことから、現時点ですぐにどうこうするという段階ではないんじゃなかろうか。引き続き、その建築解体現場周辺におきます環境濃度につきましては調査をして、例数を広く集めてなお監視なり調査を続ける必要があるということで、ことしの予算からは新たに計上して、また実施するつもりでございますが、現時点におきましては、そういう面での特に問題となるような事例は見つけられていないというようなこと。
 それから自動車の関係につきましても、道路沿道等において調べているわけでございますが、特別一般環境と比べますとそう大きな差はないと。自動車から出されますアスベストにつきましては、摩擦熱によりましてアスベストそのものが変わってくる、あるいは微細化するというようなことで、特に現時点においては問題はないけれども、でき得ればアスベストを使わない、あるいはアスベストによる周辺濃度の影響といいますものにつきましても、今後ともいろいろ調査をしながら必要に応じて対処していかなきゃならないだろうというぐあいに思っておるわけでございます。
 現在、私どもの調査の範囲内におきまして特に問題になっている、あるいは問題が明らかになりましたのは石綿製品製造工場周辺における濃度の問題でございまして、これは私ども六十二年度、六十三年度にかけまして工場の周辺等につきましていろいろ調査を行いましたところ、工場におきまして集じん機等の設置等があるわけでございますけれども、保守管理の問題あるいは建屋の開口部の開閉の問題等がございまして、工場の周辺にかなりの高い濃度で粉じんの排出が認められたというようなことがございますので、当面その工場につきましてはきちんとした保守管理なり周囲に粉じんを発生しないような対策を講じてもらう必要があるということから、特に工場につきましての石綿の規制につきまして法律改正におきまして対処してまいりたいということで今回の法改正をお願いいたしているところでございます。
#6
○粕谷照美君 局長御説明のように、確かに予算を見ますとアスベスト対策調査費上がっておりまますね。これは大きい額と言おうか小さい額と言おうか、非常に環境庁の予算の中では新規でありますし、大変大きなところだと私は努力を高く買いますけれども、しかし、それにしてもこの予算では私は十分なことができないのではないか、こういう心配を持ちながらもう一つ質問をいたしますが、いろいろとモニタリングをされたということでありますけれども、ではどのような方法で幾つの例を調査したのか伺います。
#7
○政府委員(長谷川慧重君) この製品製造工場につきましての調査の箇所のお尋ねかと思いますが、六十二年度にはアスベスト発生源精密調査におきまして石綿製品等製造工場十一工場、それから六十三年度におきまして四十五工場、計五十六工場で、全体の四百から数えますと大体一四%に相当する工場を対象といたしまして周辺環境濃度や排出抑制対策についていろいろ調査いたしたものでございます。
#8
○粕谷照美君 その調査をされました調査の信頼性ということについて御質問いたします。
 田尻宗昭さんという方が東京都公害研究所次長をしていた当時に、ビルの解体現場のアスベスト濃度を測定したところが、解体現場から五十メートル離れたところで基準の十六倍、中では六十四倍の石綿を測定したという報告があります。現在では除去対策が進んでこれよりも低い数値になっていると言われておりますけれども、撤去業者の中には規律を守らない業者もいて必ずしも信頼できないのではないか、国民はこういうふうに思っております。
 現在、東京都内では一年間に三千から四千のビルの解体工事が行われているという状況の中で、環境庁は調査の方法を改善して例数をふやすなど、もっと精密な調査を行う必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
#9
○政府委員(長谷川慧重君) 建築物の解体、改修現場あるいは廃棄物の周辺の濃度につきましては、先生のお言葉にございましたように、確かに箇所数をもう少し大きく、いろんな観点から調査する必要があるだろうという御指摘は私どももそのように考えておるところでございまして、現在までの解体現場周辺の濃度につきましても例数が少ないものでございますから、特に今年度予算で、お話ございましたように千二百万ということで、新規という形で、この中におきまして建築物の改修、解体工事に伴う飛散状況なり自動車摩擦材等における代替促進事業あるいは代替促進の調査事業というようなことにつきましていろいろ調査をいたしたいというように思っております。
 私どもとしましては、この予算額でいろいろ知恵を働かせながら調査をいたしまして、こういう建築物の現場におきます問題につきましては、できるだけ早くいろんな調査をし、データをそろえてまいりたいというように考えております。
#10
○粕谷照美君 今回の法規制によって排出減がなるのかどうかというその見通しについて次に伺います。
 アスベストの大気中への排出形態といたしましては、アスベスト製品の製造過程、使用過程、この使用過程というのは、建材の加工、建築作業、ブレーキライニングの摩耗など、こういうものがありますし、また廃棄過程の内容では解体作業、廃材の処理などがありますが、アスベストの採掘、生産過程、蛇紋岩の風化それから砕石など、幾つかの形態が考えられるわけであります。NOxなどの大気汚染物質では発生源別の排出寄与度が明らかになっていますが、アスベストについてはこれはどうでしょうか。そしてこの法律ができることによって排出量はどのくらい抑え込むことができるというふうに判断をしておられますか。
#11
○政府委員(長谷川慧重君) 今回の法改正によりまして石綿製品等製造工場が規制対象の施設となるわけでございます。現在、我が国におきます石綿の使用状況を見ますと、ほとんどが輸入品でございまして、原綿として輸入されておるわけでございますが、これらは全部一応製品製造工場等において製品に加工されるというぐあいに思っておるわけでございます。加工段階の汚染は今回の法改正によりましてほとんど規制対象ということで、規制は守っていただくことになるだろうというぐあいに思っております。
 そういうことで、それ以外のお話ございました廃棄なり解体のものにつきましては、現在のところ指導通知等によって対処いたしておるところでございますけれども、その面につきましては今後とも調査をしてまいりたいというように考えておるところでございます。
#12
○粕谷照美君 次に、ばらばら行政で健康が守れるだろうかという観点から質問をいたしますが、この法案による規制対象は工場だけになるわけでありますね。それ以外の発生源、これについてはそれぞれの所管庁が行政指導を行うということになっております。労働環境の分野は一応別に考えるといたしましても、一般環境の領域において、
アスベストという激烈な汚染物質に対してこういう統一性のない対応をしていては住民の生活、生命と健康が十分に守られないのではないかという観点から環境庁の所見を伺うわけですが、東京都がアスベスト対策大綱というのを五月の二十六日に発表いたしているようであります。大体この「アスベスト根絶ネットワーク通信」から私はそれを知ったわけでありますけれども、こういう運動をしている人たちが、一応自治体の対策としてはこういうものは画期的である、こう評価をしているんですね、十分とは言えないけれども。自治体に対してもこういうような指導の体制などというものも必要になるのではないかと思いますが、環境庁のお考え方いかがでしょうか。
#13
○政府委員(長谷川慧重君) 私どもは、従前からこのアスベスト問題はお話ございましたようにいろんな分野にかかわってアスベストの排出があるわけでございますが、私ども関係省庁それぞれと十分連絡をとりながら対策を進めているところでございます。私どもが窓口になりまして、関係省庁の担当課と連絡会議等も開きながら、それぞれの対策の進め方、やり方等について情報交換あるいはそれで足りないところについてはお互いにどういう形で対応していくかというような相談等もやりながら今まで進めてまいっているところでございまして、都道府県のレベルにおきましては、それは一つの知事さんのもとに要綱あるいは関係部局の間の連絡会議というようなものを設けながら対策を講じているというぐあいに聞いておるところでございまして、組織的といいますか、やり方につきましては同じような形で進められておるというぐあいに理解いたしておるところでございます。
#14
○粕谷照美君 次に、規制基準の根拠について伺います。
 環境庁は、発がん物質であるアスベストはこれ以下なら安全という閾値は存在しないと今までも説明してきておりますけれども、そしてまた、それゆえに今回環境基準も設定しなかった、こういうふうに言っております。にもかかわらず、この法案では空気一リッター当たり十本という規制値を予定している、こういうことになっているようでありますが、その根拠は一体何でしょうか。
#15
○政府委員(長谷川慧重君) アスベストは発がん物質でございますから、先生お話ございましたように閾値はないというぐあいに受けとめてございます。少なければ少ないほどいいということになるわけでございますが、そういう形で、行政はなかなか進められないということがございまして、閾値はないとは言われるものの、どの程度のリスクであればそういう発がんのリスクは少ないかということをいろいろ考えたわけでございます。
 一方におきましては、現在の技術をもってすれば、現在の製品製造等工場におきましてきちんと集じん機等の適正な維持管理、あるいは建屋の出入り口、窓等の遮へい等をきちんとやってさえいただければ敷地境界において十本の濃度をクリアすることはできるというような技術的なレベルもございますし、また、一方におきましてはWHOの方でアスベストに関しますクラィテリアがございまして、これによりますれば、環境中におきますアスベストの濃度は、得られているデータによれば、都市部における濃度が一リットル中一本から十本程度の範囲にあるか、時にはそれより高い状況にあり、一般住民においてはアスベストに起因する肺がん及び悪性中皮腫のリスクは、信頼できるほど定量化できないものの、恐らく検出できないほど低いであろうというような評価をいたしておるわけでございます。
 そういうことで、現在の技術をもってすれば十本をクリアできるでしょうし、WHOでもそういう評価をいたしているわけでございますので、十本ということをそれぞれの工場が敷地境界で守っていただければ一般環境におきます肺がん等のリスクは少ないというぐあいに判断をいたしまして、これは専門家の御意見もそういう形で受けとめまして、一応現時点においては敷地境界の規制値といいますか基準値を十本というぐあいに考えているところでございます。
#16
○粕谷照美君 もう一度お伺いしますけれども、そうしますと、そのWHOの見解ですね、この見解は私は推定にしかすぎない、こう思っているわけですけれども、一リッター当たり十本以下なら安全である、こういうふうに書かれているんですか。また、何かデータでもちゃんと出ているのでしょうか。
#17
○政府委員(長谷川慧重君) WHOにおきまして、データに基づきましていろいろ専門家の方々が御意見を交わして、そのまとめといたしまして、申し上げましたように、得られているデータによれば、一リットル中一本から十本程度の範囲にあるか、あるいは時にはそれより高い状況にあるという現状でございます。それで、その評価といたしましては、一般住民においてはアスベストに起因する肺がん及び悪性中皮腫のリスクは信頼できるほど定量化できないものの、恐らく検出できないほど低いであろうというように評価いたしております。
 先生お話ございましたように、はっきりしたデータがあってこうだと、あるいは安全だという言い方はいたしてございませんけれども、現在のデータから見ると、信頼できるほど定量化できないものの、恐らく検出できないほど低いであろうという言い方で評価をいたしておるわけでございますので、安全とは言っておりませんけれども、それだったら大丈夫だろうというようなニュアンスでございますので、それを受けて私ども技術的な評価と相まって十本という数値を考えておるということでございます。
#18
○粕谷照美君 この問題につきまして環境庁が一リッターに十本までなら安全と言っているというふうに言って、吹きつけ石綿の撤去に水を差す動きがいろいろ出ているわけですね。本当に安全かどうかということが私たちにはデータもないからわからない。もっとこれは下げてもいいんではないか、こういうふうに思っているときに、例えば環境庁の見解を根拠にしてアスベスト撤去業者は、これは安全だ、安全だ、こういうふうに言っているという報告が一つ出ておりますし、東京都でちょっと調査をした運動体があるわけですけれども、練馬区の撤去前の石綿濃度〇・五本、それから二・八本、こういうのは十本以下になるわけですね。一リッター当たり〇・五とか二・八とかは十本以下になる。そうすると、こういうところは撤去しないでいいということに逆に言うとなりはしないでしょうか、十本以下なんですから。
#19
○政府委員(長谷川慧重君) 私ども工場を対象にいたしております。工場は通常一年じゅう活動をいたしておるわけでございますので、その工場から周辺に及ぼす影響ということを考えましたときに、工場の敷地境界、工場の建っているところと敷地境界までの距離はいろいろあろうかと思いますけれども、敷地境界におきます濃度を十本以下にするということにいたしているわけでございます。したがいまして、工場の敷地から外側の一般の道路とか一般住宅になりますと、これは数字的に何本になるかということはなかなか言い得ないわけでございますけれども、それよりも少なくなるであろう。一方におきましては、先生からお話ございましたように、〇・何本とかあるいは一本、二本というようなのがいわゆる工場と関係のない一般環境においても見つかっておるというような状況にございますので、一般環境中に十本以下であればいいということじゃなくて、敷地境界において十本以下であれば、それが拡散等によりましてさらに薄まることも含めまして、一般環境におきましては安全がといいますか、リスクが検出されないほど少なくなるだろうということで工場の敷地境界につきまして十本というのを決めているわけでございます。
 ですから、例えばそれは室内の問題あるいは吹きつけアスベストの撤去工事、学校の建物の問題、そういうことになりますと、これは必ずしも一般環境と同列というわけにはまいりませんので、私どもの考え方につきましてさらによく説明をする必要があるというぐあいに受けとめたとこ
ろでございます。
#20
○粕谷照美君 工場と一般環境では違いますという説明になっているわけですけれども、しかし、住んでいる、生きている人間にとってみれば工場であろうと道路であろうとビル解体現場であろうと同じことなんですから、そういう説明というのはやっぱりみんなが納得、簡単にすとんと落ちるお話ではないのではないか、こういう感じがいたします。
 大体、石綿業界団体から、科学的な根拠がない、少し厳し過ぎると環境庁はおしかりを受けているんじゃないんですか。そして、設備の改善なんかも経営を圧迫する、こういった反対陳情なんかもあれこれしているというような報告もありますので、一つの法律をつくるというのは非常に難しいことだと思います、いろいろなことが関係いたしますから。そういう点で、私は環境庁の努力に敬意を表しますけれども、一人の生きていく人間として考えてみればまたそれは話は別ですので、特にそういう点の注意をもっと払っていただきたい、こういうことでお願いをいたします。
 もう一つ、続きまして、敷地境界での規制では不十分ではないか、先ほどいろいろ御報告がありましたが、そういう観点に立っての質問をいたします。
 まず、ECの規制値との比校をしてみますけれども、海外でどんなふうに規制をしているかということですが、排出口規制で一リットル当たり大体〇・一ミリグラムという数値をとっているようであります。これに比べて今度の日本の規制値、これは少し、少しなんというものじゃなくて大変緩過ぎるのではないか、いかがでしょう。
#21
○政府委員(長谷川慧重君) 先生お話ございましたように、西ドイツ、フランス等ヨーロッパにおきましては、いわゆる排出口における規制を行っているところでございます。排出口の規制の濃度がお話ございましたように〇・一ミリグラム・パー・立米でございまして、これは本数に直しますと一リットル当たり千七百本ぐらいに相当するんじゃないかなというように思うわけでございます。
 しかし、日本の場合を考えますと、排出口の規制も必要でございますし、いわゆる建屋の開口部、窓、出入り口等からの粉じんの漏出ということも実際的にはいろいろ見られておりますので、排出口の規制だけでは必ずしも十分でないということで、排出口の規制あるいは建屋の開口部からの粉じん排出というのもひっくるめまして敷地境界で濃度を規制する、それを守っていただければ周辺環境の安全が図られるということで、敷地境界におきます規制基準といいますのを考えましたのは日本で初めてかなというように思うわけでございますが、ある程度日本におきます工場の実態等を踏まえながら、周辺環境を守るためにはやはり排出口規制よりも敷地境界の方がいいのではないかというぐあいに判断いたしまして、そこら辺で専門家の御意見も聞きながらそういう形でいたしたものでございます。
#22
○粕谷照美君 排出口規制の一リットル当たり〇・一ミリグラムというのは、この日本の規制価、敷地境界濃度でやっていくと一リッター当たり七百本になるんですか、今の御説明はちょっとはっきりしなかったんですけれども。
#23
○政府委員(長谷川慧重君) 〇・一ミリグラム・パ一・立米は、本数でカウントしますとリッター当たり大体千七百本ぐらいというぐあいに私どもはカウントいたしております。
#24
○粕谷照美君 千七百本ですね。そうしますと、環境庁が敷地境界での規制とした理由は理解をいたします。しかし、排出口規制というのは行為制限でありますね。直罰制がとれるわけですけれども、敷地境界での規制というのは行為制限でなくて遵守義務ではありませんか。そういう意味では直罰制が導入できないわけであります。こういうことになりますと規制の効果を緩めるということになりはしませんか。
#25
○政府委員(長谷川慧重君) 直罰方式をとらないと事業者側が規制を守らないということにはならないんじゃないか。やはり法律で決まりました規制といいますのは、事業者はそれをきちっと守るということで、そのためにはいろいろな法律がきちっと守られているかどうかをみずから測定する義務というのも課しましてやっていただく、あるいは当然都道府県もそういう面では随時監視あるいは立入検査等も行いまして、事業者がやっております。そういう排出抑制対策措置につきましてはチェックをするというような形で考えておるところでございますので、直罰方式をとらなかった理由は先生のおっしゃるとおりでございますけれども、それによって法規制が緩くなるということはないというぐあいに私ども考えて、そのような形でまた都道府県、事業者に対して指導等をやってまいりたいというぐあいに思っておるところでございます。
#26
○粕谷照美君 法律をつくる立場で言えば法律をつくったんですからみんな守るだろう、こういう考え方は当然だというふうに思いますけれども、また、事業をやっている側からいえば、法律はあるけれどもこれは厳し過ぎる、法律の抜け道などを一生懸命考えるわけですから。だから、そういう意味で遵守義務というだけでは非常に緩過ぎる、こういう観点に立っての先ほどからの意見及び質問だったわけであります。大臣、いかがですか、この辺は、提案されているんですから提案どおりということであっては問題になりますけれども。
#27
○政府委員(長谷川慧重君) ちょっと言い忘れましたけれども、県が立入検査あるいは周辺濃度を測定しましたときにおきまして、この規制基準が守られていない、あるいは守られないおそれがある場合におきましては改善命令というような措置等もございますので、一年じゅう工場の周りを監視するわけじゃございませんけれども、随時監視をすることによりまして工場側が規制を守っているかどうかをチェックしまして必要な措置等も講ずることができますので、緩いということはないかというぐあいに私ども考えているところでございまして、指導の徹底、監視の徹底につきましては十分都道府県等もよく指導をしてまいりたいというように考えております。
#28
○粕谷照美君 局長、それでは各県が、自治体がそういうおそれがある場合にというのは、前もってそういうことを知るということになるわけですね。前もってその危険性を知っているとそこのところに行って指導をするということになるわけですけれども、そんな実態に今なっているというふうにお考えですか。
#29
○政府委員(長谷川慧重君) 先生当初のお話にございましたけれども、このアスベストにつきましては非常に国民的な関心も高まっているところでございまして、都道府県におきましても、NOx対策も大事でございますけれども、アスベスト工場を持っている場合におきましてはその周辺におきます濃度はどうなっているかというのに非常な関心を持っていろいろ調査をいたしているところでございます。我が方としてもそういう面での情報をいろいろ県からいただきながらいろいろ対策を考えてまいっているところでございまして、頻度の問題はよくわかりませんけれども、都道府県も、そういう製品製造等工場におきます。辺住民の考え方もあるわけでございますから、いろいろ関心を持って調査等をやっているわけでございますので、ある程度この問題につきましても都道府県が自発的にいろいろ対策を講じ、事業者とも話し合いをやっておるというぐあいに受けとめているところでございます。
#30
○粕谷照美君 今の御説明を伺いながら、私は提案理由の中の国民の関心が高まっているという部分が非常に大きな意味を持ってくるように思いますね。住民運動が大きくなっていかなければやっぱり法律はきちんと守れないんだ、こういう感じがしてなりませんが、法律だけで大丈夫ですか、住民運動起きなくても。
#31
○政府委員(長谷川慧重君) 誤解を招く言い方で大変恐縮でございます。
 そういう国民の関心が非常に高まっていること
によるというわけではございませんけれども、私どもそういう関心が高まっていることを踏まえ、あるいはそのアスベストによる健康被害の問題があるということもわかっているわけでございますので、従前からいろいろな調査等をやってまいりまして、最終的にやはり工場について規制をしなきゃならないという形で踏み切りまして法律改正をお願いいたしているわけでございます。
 都道府県におきましても同じようにやはりアスベストに関するいろんな文献、データ等を知っておりまして、肺がんの問題が非常に大きな問題であるということも十分認識いたしているわけでございますので、都道府県も非常に関心を持つ、あるいは周辺地域の住民の方々の関心も強いということを十分認識した上でいろいろやっていくという意味でございます。
 それから、先ほども申し上げましたように、法律によりまして、おそれある場合には改善命令あるいは工場の中に入ります立入調査、あるいはいろいろな記録等についてのチェックというようなことでいろんな他のばい煙と同じような法的措置を講ずることができるわけでございますので、十分に專業主も守っていただく、あるいは県も十分監視をしていただくということはできるのではないかというぐあいに考えております。
#32
○粕谷照美君 その法律に関連いたしますけれども、法案の十八条の六によりますと、特定粉じん発生施設の届け出に関して、一定規模以下の施設は届け出なくてもよいとするいわゆるすそ切りを検討しているという話であります。これじゃ私は規制がしり抜けになるんではないか。環境庁は一体このことについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
 また、十八条の十二の特定粉じん濃度の測定義務に関して、通産省は中小零細企業者には猶予することを求めていると言われております。これはまた事実でありますか。これも規制の形骸化を招きかねないというふうに思いますが、いかがですか。アスベストの製品種類別、従業員数別の工場数というのを私見てみましたけれども、圧倒的に十人から五十人という小さい工場が多いわけですよね。この辺のところを非常に心配しているんですけれども、いかがですか。
#33
○政府委員(長谷川慧重君) 大気汚染防止法におきましては、政令で定める種類の施設で一定規模以上のものについてはこれを規制対象として決めることになっております。一定規模以上ということでございますから、例えば従来の粉じん発生施設のような施設におきましては定格出力ということをベースに置きまして一定の規模というものを決めているところでございますので、そういう過去の例も参考にしながら、その一定規模についてはどういう形のものにするかといいますものにつきましては法律施行後政令で定める期間におきまして十分いろいろ検討してまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
 それからもう一つは、測定義務のお尋ねでございますが、確かに、お話のございましたように、製品製造等工場におきましては非常に零細規模の工場が多いというようなことから非常にそういう面での負担等の問題もあるわけでございまして、非常に難しい問題でございますが、私どもとしましては、零細企業といえども測定義務を免除するということは考えていないところでございますけれども、ただ、現在の測定方法が光学顕微鏡を用いる石綿の測定法を使っているわけでございますが、これはばい煙測定法と比べますと熟練を要する方法でございますために、中央公害対策審議会の答申におきましても、「測定義務等の措置の内容に関しては、適正な排出抑制対策の実効の確保の観点から必要な検討を行いその結果を踏まえて施行に移すことが適当である」という付言をいただいているところでございまして、この測定義務の内容や実施方法が中小企業にとって過重な負担とならないように、しかしながら測定はやってもらわなきゃならないというような形で、それにつきましては今後法律が通りました以降、政令等を定める過程でいろいろ検討して、ある程度の、測定義務は守っていただくけれども、過重な負担にならないような方法といいますものにつきましてはいろいろ検討してまいりたいというように考えております。
#34
○粕谷照美君 この法律が通りましてその後で政令できちんとする、こういうことでありますけれども、随分それが長引いたら意味がなくなるのではないか、こんな感じがしてならないわけでありますが、大体どの程度のめどをつけておられますか。
#35
○政府委員(長谷川慧重君) 半年以内に法律で定める日から法律が施行されますので、それに合わせまして政令等も定めてまいりたいというぐあいに考えております。
#36
○粕谷照美君 今の説明でよくわかりましたから、きちんと出していただきたいということを要望いたしまして、私の質問をこの辺で終わるに当たりまして、この大気汚染防止法の一部を改正すす法律案を提案されました長官の私は決意を伺いたいと思います。
 先日の所信表明の中で、長官のお話にもあった産婦人科の医者をしているので生命の問題については特に深い何といいますか造詣をお持ちのようでございますから、その決意をお伺いして終わりたいと思います。
#37
○国務大臣(山崎竜男君) お答えいたします。
 事生命に関することでございますから、何ほど力を尽くしてもそれでおしまいということがない問題であると思います。殊に大気の問題などは、先ほどのアスベストの問題でも非常に難しいのは、発がん性物質だということで、御承知のとおり、がんというものの原因の物質が我々の肺の中に入りましてからがんをつくり出すのに相当年月がかかる、五年とか十年とかかかるものですから、それに対して予防する面でどの辺まででそれを抑えるといいか、これはゼロが一番いいわけでございますが、そうもいかないというところが事がんに関する研究の最大の悩みでございます。そういう意味で、粕谷先生の御質問を聞いておりまして、アスベストの問題のいろんな工場規制の問題でもそういう点がかかわりがあるんじゃなかろうか、そう考えておったところでございます。
 いずれにしましても、環境汚染を未然に防止するということが一番大事なことでございますから、適切に対処して国民の健康に万全を期してまいる所存でございます。
#38
○粕谷照美君 終わります。
#39
○委員長(林健太郎君) 両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。
 午前十一時三十分休憩
     ―――――・―――――
 
 午後零時五十分開会
#40
○委員長(林健太郎君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、大気汚染防止法の一部を改正する法律案及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#41
○広中和歌子君 まず、水質汚濁防止法について質問させていただきます。
 先端産業などの工場から排出される有害化学物質そのほかトリクロロエチレンなど、有害と考えられる化学物質などで地下水が汚染された事態を重く見て環境庁、厚生省が水質汚濁防止法の改正に取り組んだことを非常に高く評価しておりますけれども、まず最初に、全国の地下水汚染の実態、それについてどのような調査をなさったか。特に環境庁が行ったとされている五十九年地下水の調査に基づいた結果の御報告をお願いいたします。
#42
○政府委員(岩崎充利君) トリクロロエチレン等によります地下水汚染の問題につきましては、五十七年度と五十八年度に私ども環境庁といたしまして地下水の調査をいたしまして、全国にわたって広範な汚染があるということが判明いたしたところであります。したがいまして、五十九年度以
降都道府県が行っておりますトリクロロエチレン等の地下水汚染の調査の実態を私どもまとめて公表いたしております。
 五十九年度から各地方公共団体が行いました地下水汚染の実態調査の結果を見まして六十二年度までの四年間をまとめてみますと、約一万六千本の井戸の調査をいたしておりますが、そのうちトリクロロエチレンにつきましては三・二%、テトテクロロエチレンにつきましては三・九%の井戸で水道水の暫定水質基準を超える濃度が検出されている、地下水の汚染が各地に見られているという状況になっております。また、そのうちに一般の飲用に供されております井戸について見ますと、やはり同程度の割合で基準超過が認められておりまして、調査井戸七千五百本のうち、トリクロロエチレンにつきましては二・九%、アトラクロロエチレンにつきましては四・〇%の井戸で基準を超える濃度が検出されているという状況でございます。
#43
○広中和歌子君 今回の法案では排出規制と監視体制の充実、それと特定施設からの有害物質を含む水の監視体制を強めるというふうになっておりますけれども、小さな町工場など、そういうところまでも徹底して調べられるんでしょうか、規制されるんでしょうか。
#44
○政府委員(岩崎充利君) 私ども特定施設につきましては政令でどういうものかというものを決めておりまして、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンを使用いたします事業場につきましても決められているということでございます。例えば、大きいところではIC産業等々の施設、それから小さいところではクリーニング業等々のそういう施設等々を決めているということでございます。
#45
○広中和歌子君 汚染源の規制というんでしょうか、監視体制、それもありますけれども、現実に出ている地下水の汚染、その汚染の発生源、それを確かめる方法にはどんなものがあるのか、そしてまた、過去において確かめた例があるんでしょうか。
#46
○政府委員(岩崎充利君) なかなか難しい問題でございますが、汚染源を特定いたしますには、周辺の地下水の汚染状態とか、当該工場におきます汚染物質の使用状況とか、あるいは当該地域の地質構造がどうなっているか、あるいは地下水の流れがどうなっているか、そういうようなことを把握することが必要でありまして、そのための方法として、通常既存の井戸を用いた水質調査なりあるいは工場への立入調査、あるいは必要に応じてボーリング調査や土壌の分析というようなこと等、詳細な調査が行われるということになります。
 ただ、地下における物質の挙動というのはなかなか複雑であるためにその正確な把握が困難であるということで、ほとんどのケースでなかなかその汚染源の特定ができない、一生懸命やっておりますけれどもなかなかできがたいというような問題がございます。ただ、汚染源が特定された例といたしましては千葉県の君津市の事例がございまして、君津市では、地質ボーリング調査なり工場内敷地の面的汚染分布の把握等の詳細な調査を実施いたしまして、汚染の機構を解明するとともに汚染源の特定に至っております。その結果として本年一月と四月に地下水汚染機構調査結果報告書というような形で公表されていると。
 私ども環境庁といたしましても汚染が発見された場合の原因究明というのは非常に重要であるというふうに考えておりまして、現在、汚染機構解明のための基礎的な調査を行っているところでございますが、今後さらに汚染機構の解明のための調査研究を進めてまいりたいというふうに思っております。
#47
○広中和歌子君 この法律を勉強している際にたまたまアメリカのEPAに勤めていた外国人のスタッフの方に話を聞いたんですけれども、アメリカの場合は、例えば地下水、井戸水、そういうものに汚染があった場合には、小さな町のレベルでも徹底的にその水の流れなどからその特定の工場などの地下水の水質並びに地質、それを調べる、そういうふうにして確かめる方法があるし、また実際に行っているということを聞いたんですけれども、日本の場合には難しいというふうに何か決めてかかっていらっしゃるんではないかという気がするんですが、いかがでしょうか。
#48
○政府委員(岩崎充利君) 日本におきましても、汚染が発見されますればやはりただいま先生がおっしゃいましたようなことを中心として調査を実施する。順序立てて申しますと、汚染が発見されました場合に、まずすぐ飲用指導等を行いますとともに、周辺の事業場、工場等にも立入調査をする、それから周辺の井戸もさらに調査をするというような形の中でどの辺の汚染の状態があるかということを中心に調査をいたします。それから、必要に応じまして先ほど申しましたボーリング調査その他等々も行いながら、汚染源がどこにあるかというような形で突きとめていく。こういう手順をとりながら各それぞれの地方地方で、地域で一生懸命その調査等々を行っているという実態でございます。
#49
○広中和歌子君 その調査の予算それから補助金、そういうようなものについても伺いたいわけですけれども、先ほどの、地下水の水質の調査をなさって三%とか二・九%とかというふうに汚染が発見されたわけですけれども、それについては対応をなさったわけですか。
#50
○政府委員(岩崎充利君) 先ほどもちょっと御説明いたしましたが、汚染が発見されますれば早速飲用指導等々を行いますとともに、その事業場等等への立ち入りも行って必要な措置を講ずるということで対応いたしております。さらに、その汚染がかなりひどいというようなところにつきましては必要に応じましてボーリング調査等々も実施していくというような形で対応しているということでございます。
 それから私ども、全般的に当該汚染井戸そのものの調査や一般的にその地下水質の状態がどうなっているかというような形の中で地下水質の監視を行うということを中心にやるということでございますが、ただ、現在まで、昨年度まではこれは制度的に確立していなかったということもありまして、予算措置は、汚染究明のための調査予算というのは一部私どもで計上はいたしておりますが、そういう地方公共団体が地下水質の監視をするというための予算は計上いたしておりませんでした。
 こういう法改正を契機といたしまして、平成元年度予算ということで新規に地下水質の監視関係の予算ということを要求いたしまして、これは大体千二百万程度の予算を計上したということでございます。
#51
○広中和歌子君 地下水を飲料にしているところは非常に多いと思うんですけれども、一方、個人の持っている井戸でございますね、東京なんかでも結構郊外になりますと終戦後も井戸水を使っているというところが多かったわけですけれども、個人の井戸の水質検査については義務づけられているんでしょうか。それとも広報活動を行って検査を奨励するようにしているのか。そしてまた、検査に要する費用ですね、それは個人負担なのか。それとも地方自治体で面倒を見るのか、そのことについてお伺いいたします。
#52
○説明員(坂本弘道君) 厚生省といたしましては昭和六十二年の一月に、今先生おっしゃいました家庭用井戸でございますが、そういう飲用、飲み水に使っております井戸につきまして総合的な衛生確保というようなものを図りますために飲用井戸等衛生対策要領というものを策定いたしました。この要領に基づきまして、都道府県等は井戸の設置者に対しまして、施設の適正管理、それから定期的な水質検査の実施を指導いたしますとともに、この汚染が判明したときには水道の方に切りかえるようにというような措置を指導しておる、こういう状況でございます。
#53
○広中和歌子君 ついでに伺いますけれども、例えば地方などで井戸しかないというようなところもあるんじゃないかと思うんですけれども、水道
の普及率はどのくらいになりますか。
#54
○説明員(坂本弘道君) 普及率ですか。
#55
○広中和歌子君 質問通告していませんでしたけれども、ちょっと興味がありますので伺います。
#56
○説明員(坂本弘道君) ただいまのところ、全国の総人口に対しまして昭和六十二年度末で九三・九%まで来ております。
#57
○広中和歌子君 ということは、水道に切りかえるようにといった指導が実効性があるわけでございますね。
 名水百選などに選ばれているようなところでもトリクロロエチレン等が見つかっているということが報道されたりしておりますけれども、河川の水質チェック、そのほか何と言うんですか名水、わき水ですね、それをいろいろスーパーなどで売っておりますけれども、ああいうようなもののチェックはどういうふうになされているんでしょうか。
#58
○政府委員(岩崎充利君) 名水百選の件でございますが、環境庁は昭和六十年に名水百選を選定いたしました。これは名水の選定を通じまして国民の水質保全への認識を高める、またあわせて優良な水環境を積極的に促進するということを目的といたしまして選定いたしたわけでございます。この趣旨からも、名水そのものといたしましては地域住民によります日常の保全活動というものが行われている地域から選ばれているということでございます。
 今先生お話がございましたように、名水の中で、例えば静岡県の柿田川におきましてトリクロロエチレン等が、これは人の健康に影響を及ぼすような状況じゃない極めて低いものでございますが、それでも自然界にはないようなトナクロロエチレン等が検出されているところでございます。柿田川の場合は、これを契機にいたしまして周辺自治体五市四町で地下水汚染防止対策協議会というものを結成いたしまして、実態調査にも取り組むというふうに聞いております。いずれにいたしましても、こういう問題、地元自治体と十分連携をとりながら名水保全のために必要な対応策を図ってまいりたいというふうに考えております。
 河川、湖沼等々の水質のチェックの問題でございますが、現在、河川、湖沼、海域を含めて有害物質につきましては五千二百八十三地点で調査いたしておりますし、また、生活環境項目BODとかCODとかそういう形のものにつきましては六千八百六地点での水質測定をやっている、その結果を取りまとめた形で水質測定等々をやっている、チェックをしている、こういうことでございます。
#59
○広中和歌子君 いろいろ規制、指導などをなさっているということをきょう伺うわけですけれども、現在、河川、湖沼などにおける水質の汚染の一番大きな原因というのは何ですか。
#60
○政府委員(岩崎充利君) 私どもの調査も実は二つの範疇がございまして、一つは有害物質に係るものでございます。有害物質に係りますものにつきましては、河川湖沼等々ひっくるめましてもほとんど満足すべき状況ということで、環境基準を満足いたしております。
 それから、もう一つ問題になりますのがいわゆる有機汚濁という形でのBOD、CODの汚濁関係でございます。これにつきましては、達成率がこれは押しなべて七〇%程度、こういうようなことになっております、環境基準を達成いたしておりますのが。
 その汚濁原因が何かということにつきましては、もちろん私ども水濁法等々におきまして産業系への排出規制というものをやっておりますが、これとあわせまして、一つは家庭用の雑排水が出てくるというような状況で、地域地域にもよりますが、例えば東京湾等をとってみますと、そういう生活糸での汚濁というのが全体で七割ぐらいになっているというような状況で、東京湾の場合高い場合でございますが、という形の中で私ども産業糸への排出規制というものを当然これからもしっかり拡充してやっていかなければならないこととあわせまして、そういう生活糸への雑排水対策というものをどう進めていったらいいかということも一つの大きな課題であるというふうに受けとめておる次第でございます。
#61
○広中和歌子君 まさにそのことなんでございますけれども、本当に対象が個人、家庭でございますから、なかなか大変だろうと思うんですけれども、抜本的改良策というのでしょうか、それはどういうところにあるというふうに思っていらっしゃいますか。具体的な規制を考えていらっしゃるのか、それとも広報活動とか教育とか、そういったものなんでしょうか。もし具体的な今後に向かっての案がございましたら教えていただきたいと思います。
#62
○政府委員(岩崎充利君) 大きく見ますと二つの側面がございます。
 一つは物理的というのか、ハード面と申しますのか、下水道とかあるいは例えば農村集落排水整備とかというような形での排水処理を計画的に整備するという問題が一つございます。
 それからもう一つは、個人の問題といたしましては、合併処理浄化槽等の普及というような形のものをやっているということもございますし、それから、ただいま先生がおっしゃいましたような形で、やはり家庭というところでございますので、家庭の方々に、地域住民の方々にこういう形にしたらやはり水が汚れるんだということを十分認識していただきまして、やはりみんなで水は汚さないことにしようという形での啓発普及活動、もちろん環境教育ということもございますが、啓発普及活動というものが大きなウエートを占めてくる。
 そういうような状況の中で、一つはそういうハード面の整備等々につきまして関係省庁の協力を求めるということとあわせまして、私ども自身もそういう普及啓発のためのいろんなこれから事業も仕組んでやっていかなければいけないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#63
○広中和歌子君 それでは最後に、環境庁長官にお伺いしたいのでございますけれども、河川など少なくとも目に見える濁りというんでしょうか、そういうものもございますし、それから目に見えるごみですね、さまざまなものがぷかぷか浮いていたり、特に海岸など地元の人が投げ捨てたものではないものが来るということも聞きます。そういう中で、やはり何か環境庁が中心になって日本の国土の美化運動というんでしょうか、そういうものを推し進めていかれることが必要ではないかというふうに思うのでございますけれども、環境庁長官、新しく長官になられた基本姿勢をお伺い申し上げます。
#64
○国務大臣(山崎竜男君) 先生おっしゃられるとおりのことをふだんから私も考えておりました。日本の美しい環境は我々共通の財産であり、これを保全し快適な環境を形成する上で、海岸、河川や道路に散乱するごみの問題の解決は極めて重要な課題であると認識をいたしております。
 この問題は、消費者、企業、関係行政機関が環境美化の観点からそれぞれの立場でごみの投棄防止等の取り組みを展開していくことが必要であり、何よりもごみの投げ捨て等を防止するための国民のモラルの向上を図っていくことが重要であると思っております。
 先生御専門の教育の部門でも、小さいときからそういうごみを捨てないような教育も家庭と相まってやっていかなきゃならぬじゃないかというふうに考えておりますが、環境庁といたしましては、環境美化に取り組む日として環境美化行動の日を環境週間中に設定し、各地で展開されている各種の環境美化運動を支援、推進しているところでございます。今後におきましても、環境教育の推進を含め環境美化のための各種対策を総合的に推進してまいる所存でございます。
#65
○広中和歌子君 観光立国などとされているスイスとかそれからアメリカなんかも、州によりますけれども、ごみを投げたりすると罰せられる。その罰則がかなりきついような例もあるんですけれども、罰則規定などを今後導入するおつもりはございますか。
#66
○政府委員(渡辺修君) やはり基本的には一人一人が心がけるべき問題でございまして、罰則によって強制をするというような措置は最後の最後ではないか。これから検討はいたしますが、まずはモラルの向上、それから事業者その他、私ども行政機関も責任を逃げるわけではありませんけれども、行政機関のみならず事業者、一般国民と力を合わせた自発的な取り組みというものが基本になるべきではないかと考えております。
#67
○広中和歌子君 自発性というのは性善説を唱えるならば大変結構なんですけれども、しかし、例えば自動車の違法駐車なんか見ておりましても、あれは全く取り締まらない限りなくならないという気がいたしますし、こういうごみとかそのほかの汚染、そういうものに関してももうちょっと断固とした態度というのがそろそろ必要な時期に来ているんじゃないか、そういうふうに思いますので、環境庁、これからますます頑張っていただきたいとお願いして、次のアスベストについて質問させていただきます。
 アスベストは発ガン性物質として大変危険があるということがわかって注目されてきているわけですけれども、具体的にどういう形で汚染しているというふうにとらえていらっしゃるんでしょうか。
#68
○政府委員(長谷川慧重君) アスベストにつきましてはいろんな形で使用されておりまして、それが製造の過程あるいは使用後に廃棄物となりまして排出された過程において一般的に社会に出てまいってくるわけでございますけれども、使用の過程あるいはそれをつくる過程、製造する過程からその廃棄の過程等におきましていろいろ調査をいたしまして、必要な指導等を関係省庁と連携をとりながら環境庁とってまいったところでございます。
 特に一番大きな問題といたしましては、吹きつけ石綿によります建物の補修あるいはその吹きつけ石綿を除去することというようなことが過去におきましては非常に問題になった事例がございまして、関係の各省、文部省あるいは厚生省あるいは建設省と連携をとりながら、そういう石綿の吹きつけの除去作業につきましては万全の注意を払いながら対策を講じてまいったという経緯でございます。
#69
○広中和歌子君 このアスベスト公害ということが言われて大分たっているわけですけれども、アメリカでは既にビルの壁や天井などへの吹きつけ材の使用、それは一九七一年に禁止されていると伺っています。我が国の対応はどうなんでしょうか。
#70
○説明員(後藤博俊君) 労働省のアスベストに関する対策の経緯について御説明させていただきます。
 アスベストにつきましては昭和三十一年に特殊健康診断指導指針というものを定めまして、アスベストを特殊健康診断の対象といたしております。その後、昭和三十五年に制定されましたじん肺法に基づき、じん肺の健康管理という観点から、労働者に対するじん肺検診の実施を事業者に義務づけております。さらに、昭和四十六年に制定されました特定化学物質等障害予防規則におきまして、アスベストをその対象物質としまして、アスベスト粉じんの発散抑制設備の設置などの規制を行ったところでございます。その後、アスベストの人体に対する発がん性が問題となりまして昭和五十年に特定化学物質等障害予防規則を改正いたしまして、アスベストの吹きつけ作業につきましては、アスベストの粉じんの発散が著しいということから、原則として禁止の措置をとっております。
#71
○広中和歌子君 アスベストというのは日本では産出しないものなんですか。現在の使用量、どういうところに多く使われているか、そして輸入量はどうなっているのか。
 使用が諸外国では減っているというふうに伺っておりますが、日本ではむしろふえているんではないか。そういうことについてお伺いいたします。
#72
○説明員(田中正躬君) アスベストの国内生産でございますけれども、かつては我が国でもアスベストの生産はございましたけれども、現在ではもうほとんどございません。したがいまして、我が国が消費しているアスベストの消費量はほとんど輸入に依存をしているという状況でございます。
 アスベストの需要の動向でございますけれども、一九八〇年ごろからアスベストの輸入量というのは減少をしていたわけですが、それが最近また増加傾向にあるという状況でございます。
 この輸入量の増加というのは、ひとえに国内の需要が増加したということでございまして、特に近年のアスベストの消費量の増加は、国内経済の好調さ、特に建築需要が非常に好調でございまして、そういうことでアスベストの輸入が非常にふえているというのが現状でございます。
 アスベストの需要先でございますけれども、アスベストというのは耐熱性とか耐摩耗性とか耐薬品性、それからセメントと非常によくまじる、そういう非常にすぐれた特性がございまして、非常に広い分野に使われておるわけでございますけれども、約八〇%が建築材料に使用されております。そのほかの分野でございますけれども、紡織品でありますとか自動車のブレーキライニング、化学工場等のジョイントシート、そういった分野に約一〇%強使われておりまして、その他非常に細かい用途に数%が使用されているという現状でございます。
#73
○広中和歌子君 代替品の開発についてはどうなんでしょうか。何か委員会をおつくりになったということですが、どういう方向で今後向かわれるんでしょうか。
#74
○説明員(田中正躬君) 今申し上げましたように、アスベストは非常に商品として物性的にすぐれているということでございまして、アスベストを代替するときに幾つかの考慮要因があるわけですが、そういう性能が落ちないものをつくらないと代替品自身が逆に問題を生じる、そういう問題が一つございます。それから二番目の点でございますけれども、アスベストは物性がすぐれていることと価格が非常に安いという特性がございまして、今現在アスベストにかわる幾つかの繊維状の物質はございますけれども、大ざっぱに申し上げまして値段が非常に高いというようなことで、性能面の低下それから経済性という面でやはり可能性がないと、うまく代替が進まないというのが一番重要な点でございます。
 今現在こういう問題があるわけでございますけれども、石綿を使った建材を生産している業界では、三年から五年後を目標にいたしましてその建材を無石綿化する、それから石綿自身を含む割合を非常に少なくするというような目標を掲げて技術開発をやっているというようなことがございますし、特に、昭和六十二年度からでございますけれども、石綿スレートを扱っている中小企業を中心に中小企業近代化促進法に基づきまして構造改善事業を行っておりまして、この重要な一つの目標が石綿の代替品を用いた新しい商品開発を中小企業が中心になって行うというようなことで、我我通産省といたしましてもこれら民間における代替品の開発をバックアップしていきたいというふうに考えております。
 先生御指摘の委員会でございますけれども、本年四月に石綿対策検討委員会というのを通産省の生活産業局の中に、こういう代替をスムーズに進めるための方途とか計画、そのボトルネックは何かといったような問題を総合的に検討するためにこの委員会を設けたわけでございますけれども、こういう場を通じて種々の方策を検討していきたいと考えております。
#75
○広中和歌子君 アスベストの人体に及ぼす健康への影響でございますけれども、何か国によって問題意識というんでしょうか、危機感が違うような気がいたします。規制基準でございますけれども、アメリカの方が日本よりも十倍厳しい、そういう状況なんでございますけれども、それについて環境庁のコメントをお願いいたします。
#76
○政府委員(長谷川慧重君) 今回の法律でお願い
しておりますのは、いわゆるアスベストを使う製品等製造工場におきます敷地境界におきまして一定の濃度以下に排出抑制をしていただきたいということで、その敷地境界基準につきましては、私ども現在一リットル中に十本というような考え方をしているわけでございます。
 一方、外国におきましてのアスベストの規制のやり方でございますけれども、国によって多少違うわけでございますが、アメリカあるいはEC等においても規制を行ってございまして、アメリカにおきましては、一九七三年にアメリカの大気清浄法によりまして、石綿製品等製造工場については目に見える排出がないことというような基準を設けているところでございまして、定量的な基準はないというぐあいに承知いたしております。
 それからフランスとか西ドイツ、ECの関係でございますけれども、こちらの方につきましては、一九八七年に基準を設定いたしたわけでございますが、この基準はいわゆる排出口の排出基準でございまして、それは〇・一ミリグラム・パー・立米でございまして、光学顕微鏡で本数でカウントしますと大体一リットル中に千七百本ぐらいというぐあいに思うわけでございます。
 そういうことで、各国それぞれの状況に応じまして規制のやり方は異なるわけでございますけれども、我が国におきましては、いわゆる排出口からの排出あるいは建屋の出入口等の開口部からの飛散という問題もございますので、それを総体的にとらえるという意味で石綿製品等製造工場の敷地境界においての規制を考えているところでございます。
#77
○広中和歌子君 私が得た情報によりますと、一九八六年にアメリカは、アスベスト労働環境濃度を、ミリリットル当たり二本を〇・二本に強化したというふうに伺っているんですけれども、そうですが。
#78
○説明員(後藤博俊君) お答えを申し上げます。
 アメリカの方は、先生今御指摘いただきましたように一立方センチメートル当たり〇・二繊維ということになっております。アメリカのこの規定というものは、個人に着目しました許容濃度でございまして、我が国の十倍と言われましたのは、労働安全衛生法で規定をしております管理濃度というものでございます。管理濃度というのは、これは作業環境の測定をいたしまして、その測定の結果を評価する場合の一つの指標でございまして、アメリカでいいます個人に着目した許容濃度というものとは意味合いが違うところでございます。
#79
○広中和歌子君 よくわからないんですけれども、おっしゃったことが。
 アメリカの場合ですと、個人がよく訴訟を起こしまして、肺がんがアスベストによるものであるかどうかというようなことが裁判で争われるということを聞くわけですけれども、日本では、アスベスト取り扱い労働者は三十万人と言われておりますけれども、現在までに労災保険の給付対象に認定された肺がん患者というのはおりますでしょうか。
#80
○説明員(後藤博俊君) 最近の労災保険の認定者数からいきますと、昭和六十一年度にアスベストによる肺がんにおきまして五名の認定をしております。それから昭和六十二年におきましては八名の認定をしております。
#81
○広中和歌子君 それはどういうところですか。工場ですか、建築現場ですか、それとも解体のときの作業員でございますか。
#82
○説明員(後藤博俊君) そこのところ、今はっきりとしたデータは持っておりませんけれども、アスベストに暴露する作業に関連した労働者ということで申請のあった数でございます。
#83
○広中和歌子君 先ほど同僚議員の質問に対してお答えになったかもしれませんけれども、アスベスト労働者に対する健康診断を特に強化するとか義務づけるとか、そういうことはやっていらっしゃいますか。
#84
○説明員(後藤博俊君) アスベストを製造したり取り扱ったりする作業に従事する労働者につきましては、特定化学物質等障害予防規則に基づきまして半年に一回ずつ健康診断を行っております。そのほかにまた、じん肺法におきましても健康診断の対象となっております。
#85
○広中和歌子君 生産工場などでは、非常に規制というのですか、コントロールしやすいということが言えると思うんですけれども、これから問題が起こるとしたならば、現在建っている建物、それが老朽化し、例えば既に天井からささくれて、古くなってアスベストの粉じん公害があるんじゃないか、そういうようなことと解体ではなかろうかと思うのでございますけれども、どの建物にどういう形でアスベストが使われているかという実態調査みたいなものを建設省ではなさるおつもりがございますか。特に公共の建物、子供たちが一日のうちの半分を過ごす学校などにおきましてそれが必要ではなかろうかと思いますけれども、いかがでございましょうか。――じゃ、環境庁、そういうふうな方向でなさるかどうかということをひとつ。
#86
○政府委員(長谷川慧重君) 私ども、建設省の方から先生のような調査をやりたいということで、ことしはやるというぐあいにお話を承っております。
 ただ、私ども従来の経過から申し上げますと、いわゆる吹きつけ石綿によります。そういう建物の使用状況といいますのは、もう二年、ちょっと手元に正確な資料がございませんけれども、学校関係あるいは保育所、病院、それから公共建築物におきます吹きつけ石綿の使用状況といいますのはいろいろ調査されておりまして、かなりの量で使われており、それらの今後解体等に当たりましては、その解体の取り扱いについての注意といいますものにつきましても、建設省あるいは厚生省といろいろ協議をしながら必要に応じて連名で通知を出すなどして万全を期しているところでございます。
#87
○広中和歌子君 万全を期していただきたいわけですけれども、特に解体作業などでは下請のまた下請の、そしてその労働者も特定の会社に所属していないというようなケースが多いんではなかろうかと思います。そういう人たちの健康チェックも含めまして今度の法案は規制が及ぶのかどうか、そういう点をまずお伺いし、どういう対策をそういう人たちのためにしようとしていらっしゃるのかもお伺いいたします。
#88
○政府委員(長谷川慧重君) 私ども、過去の調査によりまして、建築物の改修、解体工事に伴う石綿の飛散につきましては、限られた例数で、これだけで全般を推しはかるわけにはまいらぬわけでございますが、現在のところそう高い濃度のものが見出されておりませんというようなことで、今回の法案におきましては、そういうアスベストを使って製品をつくる工場につきましての排出規制をいたしたいということで法案をお願いいたしておるわけでございます。
 先生御心配の、これから建築物の改修、解体等がだんだんあるわけでございますので、そういう面につきましては、私ども六十二年十月に吹きつけ石綿を使用した建築物の解体等工事の実施に当たっての大気汚染防止上の留意点ということで都道府県の方に通知申し上げましたし、また六十三年二月には、厚生省と連名で環境汚染や室内汚染防止の観点から建築物に使用されております石綿に係る当面の対策についてということで地方自治体の方に御通知申し上げたところでございます。
 それから、ことしの予算におきまして、建築物の解体、改修現場についてさらにいろいろデータをとりそろえまして今後の対応を考えてまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#89
○説明員(後藤博俊君) 労働省としまして、建築物の解体または改修の工事に従事します労働者のアスベスト粉じんへの暴露の防止対策につきましては、昭和六十一年の九月に関係業界に対しまして、アスベストが使用されている場所をチェックしなければなりませんので、アスベストが使用されている状況につきまして作業者に対し事前に知
らせて作業方法などについて指導をすること、アスベストの破砕とか解体作業時には当該場所とかその周辺をほこりが立たないように湿潤化すること、作業場所ごとにビニールシートなどで覆うこと、アスベスト粉じんを集じん機で吸引することなどによってアスベスト粉じんの飛散を防止すること、作業中のアスベスト粉じんの測定を行うこと、防じんマスクや保護衣を使用させること、アスベストを含む廃棄物の容器や袋の収納を適切に行って発じんを防止すること、一定の教育を受けた有資格者が作業の指揮に当たること、これらの対策を徹底するように指導しているところでございます。
 それから、これらの解体工事につきましてはマニュアルを作成しまして、昭和六十二年からこれらの工事の作業指揮者に対します教育を建設業労働災害防止協会を通じまして実施しております。そして、この教育を受けた方が作業の指揮に当たるというような指導もしております。このような対策をとっているわけでございますけれども、今後ともこれらの施策を通じましてアスベスト粉じんへの暴露の対策については徹底を図ってまいりたいと思っております。
 なお参考までに、この教育を受けた方は、始めまして以来ことしの三月までに約六千数百名の方が教育を受けておるわけでございます。
#90
○広中和歌子君 大変いいお答えをちょうだいして、もしそれが実行されるんだったらすばらしいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ただ、これは大分前のことになりますけれども、NHKかどこかのテレビで見ましたところ、解体された後の廃棄物ですね、そういうものの捨て方とか何かで、必ずしも今おっしゃったようなことが守られていないというようなことが報告されておりましたが、これもまた罰則規定などはあるのでございましょうか。
#91
○説明員(三本木徹君) 廃棄物になりますれば廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規制を受けることになります。
 その中ではいろいろな処理の方法についての基準を定めておりまして、その基準に従うことができない、あるいは基準に違反いたしますとまず改善命令がかかることになっております。さらに、その改善命令に違反いたしますと罰則がかかる、このような内容になっておるところでございます。
#92
○広中和歌子君 今は何省の方でいらっしゃいますか。――厚生省ですか。
 アスベストは一般廃棄物なんでしょうか、産業廃棄物なんでしょうか。そして、どこの管轄になっているのか伺います。
#93
○説明員(三本木徹君) その発生の形態、性状等によって産業廃棄物であったり一般廃棄物である場合があるわけでありまするが、一般的には建設解体工事等から出てまいります廃棄物はおおむね産業廃棄物として規制を受けることになっております。
#94
○広中和歌子君 それは個人の住宅の場合なんかでもそうですがというのは、この前環境庁で視察に夢ノ島へ参りましたときに、あそこでわあっといろいろなごみが捨てられていまして、しかもあれは海岸べりでしたから非常に風が強いんですね。ビニールなんか破れて、そこではあっと風が回っていて、ごみがたまっていてという中で大変ひどい環境なんじゃないかなと思ったんですが、そういうときに、ごみ袋というんですか、解体されたアスベストが入った袋などが破けるというようなこともあり得るんじゃないかなと。そのほか、アスベストだけじゃなくて、さまざまな有害物質なんかもまざっているんじゃないかというような気がいたしまして大変心配になったんですが、その点についてコメントしていただきたいと思います。
#95
○説明員(三本木徹君) アスベストを含む廃棄物の処理の方法について御説明をさせていただければと思うわけでありますが、現実の現場におきましてはいろんな方法で従前は処理をされていたというふうに聞いておりますが、実は昭和六十三年、昨年でございますが、私どもの方からこの廃棄物処理法で規制をされているものにつきまして、それをより徹底させる、具体的に定着をさせるということで実はガイドラインを示しております。
 これは、最も現時点で考えられる実行可能な適当な方法としての保管の方法であるとかあるいは運び方、さらにはそれを処理処分する方法、それから実際にそれをどのような手順で行うか、そういったことをガイドラインの形できめ細かく指導をすることにしてきております。例えば保管の方法なり、それから運ぶ場合には十分な強度を有するプラスチック袋で、しかもそれを二重にこん包する、そういったことで飛散を防止させるということをやらせております。
 それからさらに、アスベストを含む廃棄物を収納するプラスチックの袋であるとか、あるいはその容器には他のものから見てそれがアスベストが含まれている廃棄物が入っているということを表示しなさい、わかるようにしなさい、そういったことであるとか、あるいはその埋め立てた後に飛散しては大変これは問題がございますので、飛散をさせないように速やかに覆土をする、しかも相当の厚さの覆土にしなさい、実はこれは他の廃棄物とは異なりまして、二メートル以上の覆土をしなさい、そういうようなガイドラインを示して指導をしてきているところでございます。
#96
○広中和歌子君 これはガイドラインですけれども、当然下請業者などにも拘束力というんでしょうか、通達が行っているものと考えてよろしいんですか。
#97
○説明員(三本木徹君) 廃棄物処理法の施行令で処分基準を定めておりまして、その中では飛散をしたりあるいは流出してはならないというような、いわば抽象的、包括的な規定を置いております。このガイドライン等の通知は、いわばその処分基準をより徹底させていく、そういうようないわば運用通知に近い形のものというふうに私ども考えて指導しているところでございます。
#98
○広中和歌子君 最後に、それじゃ環境庁長官に、今まで安全だと思われていたものが安全じゃないというふうなことが今後幾らでも出てくるんじゃないかと思います。ですから、アスベスト以外にも今後大気汚染物質と認定されるようなものも出てくるんじゃないかと思いますけれども、絶えずこういう行政というのは前向きでなければならないと思うのでございますが、そういうことについて調査それから研究など、環境庁の今後の方針、抱負などを伺いたいと思います。
#99
○国務大臣(山崎竜男君) お答え申し上げます。
 大気汚染が懸念される未規制の物質につきましては、今後とも科学的知見の集積や継続的なモニタリングに努めるとともに、その結果に基づいて環境汚染を未然に防止する観点から適切に対処して国民の健康保護に万全を期してまいる所存でございます。
#100
○広中和歌子君 最後に、新石垣空港建設問題について御質問させていただきます。
 この委員会でも非常に関心を持ち質問してまいったものでございますから、その後の対応について、今度の変更計画に対する環境庁の御見解はいかがなんでしょうか。
 そして、今度新たに移動した埋立地でございますが、そこにもサンゴがあるというふうに承っておりますけれども、そのサンゴの保護、また最初のオリジナルなところのサンゴへの影響、そういうものがもう十分検討されたのでしょうか。いきさつ並びに評価ですね、そういうことについてお答えいただきたいと思います。
#101
○政府委員(山内豊徳君) 石垣島の新しい空港の建設につきましては、古い計画におきましてもいわゆるアオサンゴの存在に着目いたしまして、県当局では初めの二千五百メートル計画を五百メートル短縮するというふうな計画があったことは御承知のとおりでございますが、その後アオサンゴを含め古い計画の埋立予定地の現状のハマサンゴの存在についても非常にこれを重視すべきじゃな
いかという指摘が内外にございましたために、環境庁としましては、異例のことではございましたが、みずから石垣島周辺のサンゴ礁の状態を調査することを昨年十一月おおむね一カ月をかけて実施したわけでございます。
 これは、指摘されているように、古い白保の予定地のサンゴが石垣島あるいは沖縄県のサンゴ礁にとってどのような評価をすべきものであるかという観点から行われた調査でございますが、私ども現地調査とその結果を吟味しました結果、アオサンゴを含めまして古い予定地のサンゴの状態が、一つ一つのサンゴが非常に特異であるというだけではなくて、その特異なサンゴが非常に全体として一つの場所に連なって生態系を維持していること、これは相当高く評価すべきであるということの心証を得たわけでございます。そのことを私どもの調査結果の感触として沖縄県当局に伝えました結果、沖縄県当局では、もちろん県当局としても八重山海域のサンゴ礁を一つの自然的な資源として重視する立場をとっておられましたものですから、その感触に応じて実は全く前の計画をあきらめて位置を約四キロメートル北に移す決断をされたわけでございます。
 四キロメートル移される新しい場所の予定地につきましては、私どもも先ほど言いましたみずから調査しました結果のデータを持っておりましたものですから、短期間ではございましたが、それを私どもの調査結果にも当てはめて判断をさせていただきました結果、私どもとしましては、かねて申し上げておりますように、前のアオサンゴを中心とする白保のサンゴを守れるということで高く評価し、かつ、新しい予定地については古い予定地のサンゴに比べれば価値的な評価においてはかなり劣っている状態と判断いたしまして、この沖縄県知事の決断を全面的に支持する立場をとっているわけでございます。
 そこで、新しい予定地について一部に指摘がございますわけでございますが、重ねて申し上げますと、まず新予定地の場合、非常に埋め立てが陸側に大幅に寄せられておりまして、埋め立ての面積で申しますと、古い案が約八十ヘクタールであったものに対しまして、新しい案では四十数ヘクタールに縮小されることがはっきりしております。そして、まさに埋め立てられるその場所には砂底とか海藻群落の存在しか、これは航空写真その他で確認したわけでございますが、認められませんものですから、埋め立てられる予定地そのものにはサンゴがないということが私ども判断ついたわけでございます。
 ただ、新しい予定地の南側にも枝状のハマサンゴとかミドリイシの類が、どちらかと言えば若干比較的良好な生息があることは私ども知っているわけでございますが、これは岸から離れましたリーフ、つまり沖に並んでおりますサンゴ礁の縁でございますが、そこに分布していると。具体的に申し上げますと、なぎさ線から約六百メートルは離れた位置であるということから、埋立工事に十分配慮すればその保全には支障がないという判断をしたわけでございます。もちろん、その前提には、冒頭に申し上げましたように古い予定地のアオサンゴあるいは現状ハマサンゴに比べれば新予定地の南の海域にあるサンゴは評価においてはかなり低く判断していいという前提がございます。
 それからもう一点、この新しい予定地につきましては、実は今先生も御指摘のように、そこでの工事が今まで議論をしていたアオサンゴを中心とする前の案の海域に影響するんではないかという指摘があることも事実でございますが、これにつきましては私どもかねてから、新しい予定地と今までの予定地の間には轟川という川がございまして、そこの河口部の状態はこれは航空写真その他で確認しているわけでございます。それから、サンゴ礁の形をたどっていきますと、ちょうどそのあたりに二つの大きなリーフの切れ目、これは沖合に並んでおるサンゴ礁の縁の水道部で水が出入りするところでございますが、それが二つございます、現地ではモリヤマグチ、イカグチと言っておりますが。そういう状態から見まして、まず地形的な議論をするのは別といたしまして、生きているサンゴの領域としてはこれは古い予定地と新しい予定地では別物であるという判断をとっておるわけでございます。
 それからもう一つは、轟川の河口でかなりの土砂が年々排出しておりまして、これが非常に不幸なことには北側のサンゴ礁に影響がございまして、河口のあたりではほとんどサンゴ礁が生息できない状態になっておるわけでございますが、その領域が北側へ向かっておるわけでございます。かなり多量の土砂が出てきているんだけれども、それは北側に広がってサンゴ礁に影響しているということから、それ自身は何とか防止できないかという議論があることも事実でございますが、それよりさらに南の方への影響はないというのを、言いかえれば轟川の河口部からの土砂の動きをもとに我々判断したわけでございます。
 その三点から新予定地については古い予定地への影響はないという判断を私どもとしては現在とっているところでございます。
#102
○広中和歌子君 このニュースを伺いましたときに大変すばらしい妥協だなというふうに思ったんですけれども、今非常によく説明をしていただきまして、環境行政の一つの勝利と言っては大げさかもしれませんけれども、大いに評価させていただきたいと思います。今後とも大いに、私どもも環境行政をバックアップしてまいりますけれども、御健闘をいただきたいと期待しております。
 質問を終わります。
#103
○渡辺四郎君 私は、本法案の改正は遅きに失したんではないかという実は感じがするわけであります。しかし、現在の水質汚濁防止法の表流水に加えまして新たに地下水の汚濁防止が加わった、このことについてはそれなりに評価をいたしたいと思います。
 なぜ私がこのようなことを申し上げるかと言えば、問題は、トリクロロエチレンなど有機塩素糸溶剤による地下水汚染は、アメリカではもう九年前から、日本でも一九八三年に兵庫県の太子町で見つかって、いわゆるハイテク汚染として問題化してから既に五年近くが経過をしておる。ところが、昨年九月の千葉県君津市での地下水汚染問題をきっかけに、千葉県内だけでも十三の市町で有機塩素系溶剤による汚染が確認をされ、ここで初めて環境庁が中央審議会に地下水問題で諮問をし本年二月十五日付の答申が出された、そして今回の改正案として出てきたのではないかというふうに私なりに実はまとめてみたわけです。そういう点から見て、若干やはり遅きに失したんではないかというふうに実は評価をしたわけです。
 そこで、長官にまずお尋ねをいたしたいのは、これは私の考えかもしれませんが、環境行政は、大気を含めて、先ほどもお話がありましたが、後手になってはならないというふうに私は思うわけです。起きた汚染あるいは被害をもとに回復するためには早くて十数年、汚染の物質や性質によれば、場合によっては数十年あるいは場所によっては数百年の時間がかかるとも実は言われておるわけです。だから環境行政は先手先手と未然に防止するのが役割だと思いますが、同僚議員からもたくさん長官の環境行政に対する基本的な見解のお尋ねがありましたが、いま一度ひとつ長官の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#104
○国務大臣(山崎竜男君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、環境行政は、国民の健康を守り、すぐれた自然環境を保全し、さらに進んで良好で快適な環境をつくり出していくとともに、地球環境の保全に貢献するという極めて重要な使命を有しております。このような責務を深く認識して、健全で恵み豊かな環境を二十一世紀に引き継いでいけるように環境汚染の防止に重点を置いて積極的に取り組んでまいる所存でございます。
#105
○渡辺四郎君 これも私の主張がかなり入っての質問になるかもしれません、あるいは見解をお伺いするということになるかもしれませんが、地下水については御専門でありますからもう私が言うまでもないと思うんですが、表流水と違いまして
人工的なコントロールが非常に困難なんです。そういう面も確かにありますが、私はやつぱり地下水保全を初めすべての資源確保については質と量との両面での保全施策が重要ではないかというふうに実は思うわけです。しかし、現状の施策全体を見てみましても十分だというふうにはどうしても見えない部分があるわけです。
 現在、例えば地下水関係だけを見てみましても、地盤沈下をするような地域については地下水のくみ上げ問題については一定の規制がありますが、それ以外の地域での地下水のくみ上げ等については何の規制もない。あるいは今問題になっておりますように、たくさんのゴルフ場がどんどん新設をされてきておる。このゴルフ場新設についても、表面上のいわゆる薬剤散布等については一定の規制等がありますが、地下水を含めた水量、いわゆる量の保護についての規制が何かあるかどうか。そういう点から見て、先ほども申し上げましたが、環境行政全体について特に私は質と量とに保全対策等の規制を含めた施策が必要ではないかというふうに思うわけですが、これらについての御見解をお伺いしたいと思います。
#106
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のように、地下水というものにつきましては地下水質という面と地下水量という両面とがございます。
 私ども、今回水質汚濁防止法で規制いたします部分につきまして、地下水質の保全という形で法改正を御審議願っておるということでございますが、地下水の水量の方につきましても必要に応じてやはり規制をしていくことが必要だろうということもございまして、若干先生お触れになっておられましたが、やはり地下水の過剰採取というようなことが典型的にあらわれますのが地盤沈下だと。この地盤沈下につきましては今、典型七公害の一つということで規制いたしておりますので、こういう観点から建築物用地下水の採取の規制に関する法律、いわゆるビル用水法なり工業用水法というような形での地下水の規制もやっております。また、そういうところとあわせまして、地盤沈下防止等の対策関係閣僚会議で地盤沈下の被害が著しい濃尾平野とか筑後・佐賀平野につきましても要綱を決定してやっているというようなことで、全面的に網をかけたということではないですが、必要なところについては必要な対策を講じているということでございます。
#107
○渡辺四郎君 確かに必要なところについて必要な対策を講じておる。しかし、それ以上の部分として検討してみる必要があるんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、現在の環境破壊そのものを振り返ってみますと、日本の経済成長が特にハイテク産業を中心に伸展をしてきたその中で過去の生態系に全く存在しなかった多種多様の化学物質が使用されまして、その中でも特に利便性ばかりが優先をされまして危険性が十分解明されないままに大量に使用されてきた、あるいは放出されてきた。その結果がやっぱり現在の環境破壊をもたらしたんだというふうに言って間違いないと思うんです。
 その中で、例えば千葉県の君津の場合、工場を開設しまして既に十五年以上経過をしておる。ところが、この工場から放出された汚染水が、地下水による被害そのものは例えば妊婦の方たちの流産とか死産とか、あるいは池の金魚の死とかあるいは変形の金魚とか、以前からそういう発見はされておりましたけれども、なかなか原因が見当たらないまま放置をされてきたということで、トリクロロエチレン等に対する毒性の知見がWHOやアメリカのEPAで明らかになって初めて行政として手をつけたといいますか、問題化されていった。そういうふうに後手後手に回ってきたというのが冒頭申し上げましたように今までの環境行政の繰り返してはなかったかと。私が冒頭長官にお尋ねしたように、環境行政に対する基本姿勢というのは後手後手では過去のこういう状態を繰り返すんではないか。だから環境庁として、例えば現行の水質汚濁防止法での特定有害物質、先ほどもちょっとあっておりましたが、あるいは廃棄物処理法での有害廃棄物の指定物質、いわゆる特定の有害物質のみの指定で事足れりというふうにお考えなのかどうなのか、ひとつお伺いしたいと思います。
#108
○政府委員(岩崎充利君) 環境庁といたしましては、いろんな化学物質がございますが、そういう化学物質等によります環境汚染の実態というものをまず把握いたしまして、その実態に応じて必要な措置を講じるということにいたしております。したがいまして、例えば相当程度の化学物質等々がございますが、その中から環境汚染のおそれがあるようなものを選び出しつついろんな形で調査している、そして現実に環境汚染のおそれがあるというようなものにつきましてはさらに精密な調査をしながらどうするかということを決めていくということにいたしております。
 それで、水濁法上の有害物質につきましては、今まで九項目でございましたが、そういうような情勢の中で、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンにつきましてはやはり追加すべきであるということで、本年の三月に政令改正をいたしまして有害物質として指定し、あわせまして廃掃法上の有害物質としても取り扱うという形にいたしたような次第でございます。
 今後とも、確かに先生御指摘の面というのは私ども十分認識もしているところでありますし、必要な調査研究は引き続き実施いたしていかなければなりませんし、関係省庁との密接な連携のもとに総合的、予見的な有害物質対策というものを進めてまいりたいというふうに考えております。
#109
○渡辺四郎君 であれば、これから後も新たに開発される有機溶剤等もたくさん出てくると思います。ですから、過去の例から見て、先ほど私が申し上げたわけですが、やはり被害が出て問題化しなければ、あるいは毒性の知見が出なければ問題化しない、あるいは事実上そのまま放置されてきた、そういうような実績から見て、今見解が出ましたから、これから後新たに開発される有機溶剤そのものについても十分な対処の方法を厚生省も含めてここらについてはぜひ御検討を進めてもらいたいと思うんです。これは要望しておきたいと思うんです。
 私が先ほどから再三申し上げますように、なぜ未然防止と早期発見に力を入れるべきだと主張するか、皆さんわかり切ったことだというふうに実は思うわけですけれども、これも先ほど申し上げましたように、地下水は表流水と違いまして、汚染を発見するにも、あるいはまた除去するにも相当の年月がかかる、あるいは大変な費用も要る。見解はお伺いしましたが、現在ある地下水保全のための水濁法による未然防止の訓示規定や、あるいは損害賠償責任の規定だけではなく、私が言いたいのは、これに新たに先ほど言いました化学物質使用全体について届け出とかあるいは監視の面などで法律で義務づけしたらどうか。
 なぜこういうことを私が申し上げるかと言いますと、これは例えば熊本の例を御存じだと思うんですけれども、国の基準の十倍以上の厳しい規制をやっておるとか、あるいは有害物質についてはかなり専門の研究機関の検査を経て、その結果報告を必ず月に一回しなさい、こういう義務づけを全企業とやっておるという報道もテレビでされておりましたが、やはり新たに発見されるでありましょう有機物質なんかを含めまして、もしも被害が出た場合にはいち早くその発生源を確認できる、あるいは被害が出る前にその企業で毒性の知見が出た場合にはすぐそこの企業に対して手当てができる、そういう点から見ても私は早期発見、未然防止という立場からそういう必要があるのではないかというふうに思うわけですが、御見解をひとつお伺いしたいと思うんです。
#110
○政府委員(安原正君) 先生御指摘の、化学物質による環境汚染の未然防止が重要であるという御指摘、そのとおりかと考えております。
 この関係の法律といたしましては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というのがございます。これによりまして新規の化学物質につきましては製造業者あるいは輸入業者がそれぞれ届け出をすることになっておりまして、その届け
出を受けまして必要な審査が行われるという仕組みになっております。この審査の結果問題があるということになりますと、難分解性あるいは高蓄積性、そして第三の要件として慢性毒性等もあるということになりますと第一種特定化学物質に指定されまして、製造、使用の禁止を含む厳しい規制がかかるわけでございます。
 それから、難分解性はあるが蓄積性は低い、それから慢性毒性の疑いがあるということでまだ確定できないものにつきましては指定化学物質ということになりまして、製造、輸入実績の届け出を求めることになりまして監視を行っていくということになるわけでございます。
 それにつきましてさらに有害性の調査が行われまして、その結果やはり広範な環境汚染が認められまして慢性毒性が明らかになりますと第二種特定化学物質ということになりまして、これにつきましても製造、輸入実績のほか、予定数量につきましても届け出を求めるということで、必要な環境汚染防止のための措置に関する技術上の指針も定めまして、ケースによりましては勧告もしていくということになっているわけでございます。
 それが新規の化学物質についてでございますが、既存の物質につきましても、必要によりましてこういう法律に基づく審査手続に乗せていくということも行われるわけでございます。
 それから、まだ未規制の既存物質がたくさんございますが、それにつきましては年次計画をもちまして、特に試験、調査の必要性の高いものをピックアップいたしまして、その中から重点的に総点検作業をしておるということでございます。
 そういうことで、先生が御指摘のような趣旨のいろんな審査、それに基づく必要な届け出等の措置がとられておるということでございます。御理解いただきたいと思います。
#111
○渡辺四郎君 そういうふうにやられておれば問題がなかったんです。毒性の知見なんかがはっきりしておるとか、あるいは疑いがある、そういう物質については今あなたのおっしゃったような規制なりあるいは第二種指定なりがあるわけです。しかし、例えばトリクロロエチレンだってそうでしょう。長い間使ってきたわけでしょう。毒性があるという知見が出まして初めて規制の対象になってきたわけですよ。ですから、私が申し上げておるのは、確かに今研究機関も非常に緻密な研究をやっておりますからそういうことはないとは思いますけれども、もしもあった場合は後手では間に合わないのじゃないか。特に地下水が汚染された場合には先ほど言いましたように何十年、何百年と場合によってはかかりはせぬですか。だから、そういう全体的な注意をする必要があるんではないかということを申し上げたかったわけです。
 そこで、関連する問題ですが、具体的にトリクロロエチレン等の毒性が明らかとなりまして、その代替品としての1・1・1トリクロロエタンが開発をされました。現在もう生産、販売されているというふうに聞いておりますけれども、この新品種で水に対する毒性は解消され、水質としてはオーケーとなりましたけれども、同じ環境行政の中で問題にしなければいけないのは今国際的に問題になっておりますオゾンの破壊物質だというふうに言われておりますね。一方がよければ一方が悪いというふうに言いますけれども、しかし環境行政全体としては、これはいずれも私は許されない物質だというように思うわけです。これに対して何か対応なりあるいは措置を考えておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
#112
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。
 先生御指摘の1・1・1トリクロロエタン、別名メチルクロロホルムと言っておるわけでございますが、このトリクロロエタンは現行のモントリオール議定書では規制対象となっていない物質でございます。しかしながら、先生御指摘のように、成層圏へ上がりますとオゾンを壊すという物質でございまして、現在モントリオール議定書によりまして規制をいたしておりますフロンなりあるいはハロンの今後削減が進むにつれまして、オゾン層の破壊に及ぼす影響はこの1・1・1トリクロロエタンが相対的に増大するというようなことがいろいろなところで科学者により指摘されておるところでございます。
 ことしの五月にヘルシンキで開催されましたモントリオール議定書第一回締約国会議におきまして、フロン、ハロンの全廃のみならず、この1・1・1トリクロロエタンを含めまして、オゾン層破壊に大きく寄与するようなその他の物質の規制、削減をできるだけ早く実施することということがこの会議に出席したすべての国により合意されているところでございます。
 私どもといたしましては、このような国際的な動向、あるいは我が国における知見等を踏まえまして、このような物質をモントリオール議定書の規制対象とする問題につきましても環境保全の立場から積極的に検討してまいりたいというぐあいに考えております。
#113
○渡辺四郎君 そこら付近の問題は厚生あるいは通産との関連があるかもしれませんけれども、やっぱり環境庁として強い姿勢といいますか、態度でぜひ臨んでいただきたい。これは要望を申し上げておきたいと思います。
 そこで、私は今日まで二年間この環境委員会にお世話になってまいりましたけれども、かなりの回数にわたって水質汚濁防止の問題でいろいろと今まで申し上げてまいりました。いま少しやっぱり国として力を入れるべきではないか。河川は死に、人間生活に重大な危機をもたらす、こういう観点から力を入れるべきではないかというふうに申し上げました。
 特に近年の水質汚濁の中心が、先ほどもお話がありましたが、家庭の雑排水と産業廃棄物あるいは廃棄物、特に不法投棄なんかを含めてそこら付近が中心になっておるというふうに言われておるわけですね。先般来、厚生省が産業廃棄物の調査の結果を報告をしておりますけれども、六十年度一年間で三億一千二百万トン、これは何と東京ドームの二百六十杯分だというふうに報道されております。これは現認された部分だけでそうなんです。不法投棄によって、例えば地下に埋めてしまったりなんかする分を含めると恐らく四億トン近い莫大な数字になるんじゃないか。しかし、この三億一千二百万トンのうちに再処理や焼却あるいは中和なしで処理をされた部分、全く処理をされないままに直接処分をされた部分が全体の二三%、何と七千二百万トンもの産業廃棄物がそのまま投棄をされたわけですね。
 そういう点から見れば今後ますます産業廃棄物は増大をするであろう。あるいは不法投棄の対策強化、あるいは産業廃棄物全体に対する問題、あるいは家庭雑排水の処理施設を急ぐようなことで今まで申し上げてまいりましたけれども、こういう点について、例えば浄化施設の問題等もやっておるようですが、もう少し御見解をお伺いをしたいと思います。
#114
○政府委員(岩崎充利君) 産業廃棄物につきましては、確かに先生御指摘のとおり、総排出量でも三徳トン以上というような形の中でやっておりますが、やはり何といっても回収してできるだけ再生利用するというのが一つの大きな方向ではないかというふうに考えておりまして、この辺のところをまた中心に大いに努力しなければいけないのではないかというふうに考えております。
 それから家庭雑排水のお話が出ましたが、これは今まで私ども産業糸ということでの排出規制等等を中心にやってきたところでございますが、やはり家庭からの排水というものが河川等の水質汚濁の一つの大きな要因であるということもございまして、これの対応も当然考えていかなければならない。一番これに対しましての対応策というのは、もちろん下水道整備というような形でございます。ただ、日本におきましての下水道整備率が三九%というような形で、諸外国に比べてかなりおくれているということも事実でございますが、この辺のところをどうこれから拡充していくのか。それから、農村でございますれば農村集落排水整備なり、あるいはまた厚生省でやっており
ます各種施設の整備、それからもう一つは、そういう整備とあわせまして、やはり合併処理浄化槽というものの処理というものをどう進めていくか。これも厚生省の方でかなり一生懸命取り組んでおられまして、例えば昨年五億円の予算でありましたが、四倍増というような形で二十億円ぐらいの予算が組まれているというようなこととあわせました形でのそういう施設整備、それからあとは、先ほど答えたところでございますが、家庭での普及啓発をどういう形で持っていくかということと両方相まったような形での対策が必要ではないかというように考えております。
#115
○渡辺四郎君 ちょっとこれは質問の通告をしてなかったから私の意見だけ申し上げておきます。ぜひひとつ長官の頭にも入れておいていただきたいと思います。
 きのう部屋に帰りましたら官報資料版で、「環境白書のあらまし」という中で公害の年次報告の総説というのが出ておりますが、「新たな対策を講じていくことが必要となっている」と、現状の水質汚染の広がりに私は警鐘を鳴らしておるというふうにこの結果を見て感じたわけです。いわゆるいろいろ手当てはしておる、しかし、これでもなおかつ水質の汚濁は広がっておるというようなことを公害の現状の中でも指摘をしております。
 それからいま一つは、先ほど同僚議員から質問があっておりました例えばアスベスト問題でも、これは環境庁としていずれ私はやっぱり建設省を中心に、あるいは文部省を中心に注文をつけてもらいたい。前の委員会で私は東京大学の問題をやりましたけれども、例えば取り壊し問題について、そのコストのいわゆる私ら歩掛かりと、こう言うんですけれども、一坪なら一坪を取り崩すのに、百円なら百円という同じ単価でいった場合に、アスベストを使用したのを除去するには、これは労安法でもやりましたけれども、マスクをはめてそして安全性を確保しなさいというのが労働安全衛生法で決まっておるわけです。ところが、業者の方は請負単価がそういう単価をもらってないものだから、もらってないんでなくて、公的な発注工事費にそれは単価が組まれていないという実態があるわけです。わかりますか。いわゆるコストの面として、普通のこういうところを一坪崩すのには例えば百円でできる。ところが、アスベストの入った部分を取り崩しをするのは、防毒マスクまでして、被服まで着なければいけない。そうしますと非常に作業の工程が落ちるわけです。しかし単価は同じ単価しか組んでない。それでは業者としては仕事ができないわけです。だから、そこら付近はやっぱり環境庁の方から、建設省を含めて、特に学校関係の取り崩し関係がたくさん今から出てまいりますから、まずもって私は公的な場から率先して範を示すべきではないか。そして一般の建設業界まで広げていくような、そういうひとつ姿勢を示していただきたい、これはひとつ要望しておきたいと思うんです。
 それで、いろいろ申し上げてまいりましたけれども、私は現在の表流水を中心とした水質汚濁防止法に先ほど申し上げました二つの有害物質を加えて地下水問題まで含めてきたということに一定の評価はしましたが、しかし、これでは限界じゃないかということを先ほどから実は申し上げてきたわけです。
 水濁法には、事業者に対する例えば排出規制とか、あるいは土地の利用規制等がもう全くないと言っていいように実は私は受け取っておるわけです。例えば山を切り開いて水源地の上流に大規模開発をする。こういう場合でも、現在の規制の対象となるのは公害防止に関する基本施策の中での排出規制と土地の利用及び施設設置の規制しかないと思うんです。これで果たして水の質と量の確保なり保全が守られるかと。そういうことを考えますと、先ほど申し上げましたように限界に来ておるんではないか。だから、環境行政というのは質の問題と量の問題をあわせて進めるのが基本ではないかというふうに実は感じておるわけですが、もう一度こういう点についてお伺いをしてみたいと思います。
#116
○政府委員(岩崎充利君) 確かに、水濁法上、土地利用規制という構成をとっておりません。水濁法の建前というのか、法律の構成から申しますと、これは全国的に見まして排水規制ということを行いながら、この排水規制を確実にするために、特定施設の事前届け出制なり計画変更なりあるいは改善措置というような形の担保措置を講じているというところでございまして、そういう形の中で排出規制というものを全国的な立場でやるということでございますれば、そういうところの排出規制と実効担保措置ということで対応し得るというふうなことで、土地利用規制は置いてないというような状況になっております。
 確かに、先生お話しのように、一つの考え方として、土地利用規制というものを講じる形の中でそれに合ったような形のやり方というのも一つの方法ではあろうかというふうには思っておりますが、諸外国でもそういう例はございますが、ただ、日本の場合から見ますれば、やはり全国的にナショナルミニマムというのか、全国一律基準というような形の中で私どもは水質汚濁防止を図っていくという仕組みにしています。
 したがって、その地域地域で、ここのところは守る、ここは守らないということでなくて、例えば有害物質につきましても、排出基準は飲める水を頭に置きながら環境基準としてという形の中での排出の基準というものをつくってやっているというような形で、これは全国一律でやっているということでございますので、その特定地域、特定地域で土地利用規制ということまでは決めていないというのが実際でございます。
 それから水の質と量の問題でございますが、私どもも量の問題につきましては十分その重要性というのは認識しているところでございまして、やはり量については、先ほど必要なところについて必要な措置は講じているということでございますが、先生の御指摘もあり、これからの一つの研究課題ではないかというふうに思っております。
#117
○渡辺四郎君 それは、提案理由の説明にもありましたように、世界各国と対比する内容ではない。特に日本は山岳地帯で地下水の多いところですから、しかも国民の三千万人以上の方たちに飲料水を供しておる。そういう点から見ても私は量の問題も重要ではないかということを実は強調してきたわけですから、ぜひひとつそこらを頭に入れて今後の御検討を願いたいと思います。
 それから法案の中身について幾つかの質問をしてみたいと思うんですが、その前に、参考のために、現行の水質汚濁防止法の第十五条に基づく公共用水域における常時監視についての実施状況ですね、これについて、具体的にどうなっておるのか。こういう法律がありますから、それに基づいて各都道府県で実施をされておると思うんですが、例えば全国的に何千カ所ぐらい常時の設置箇所を設けてやっておるのか。あるいは監視体制のあり方ですね。あるいは常時というのは内容は大体どういうことなのか。一般的に常時というのは四六時中やるのが常時というふうに私ら思うわけですけれども、法律はそうなっておるものですから、そういうふうに解していいのかどうか。
 それと同時に、現在のこの十五条に基づく常時監視の中に地下水についての監視、これは熊本なんか出ておりますけれども、そういう部分があればどういう方法で監視をしておるか、お聞かせ願いたいと思います。
#118
○政府委員(岩崎充利君) まず、法律で言う常時監視の意味でございますが、この常時監視という意味は、公共用水域の監視義務が常に都道府県知事にあると、帰属しているということを明らかにしているものでございますが、実際の監視行為を一切の切れ目なく連続的に行うということまでも要求しているものではございません。
 それから常時監視というものを実のあるものにするために都道府県知事は公共用水域の測定計画を策定する。測定計画においては、都道府県がみずから行う測定のほかに、河川管理者その他の省庁の出先機関の行う測定とも総合的な統一的な調整を図って、全体として常時監視が遂行されるの
に十分な測定計画が策定されるように都道府県を指導しているところでございます。
 具体的に、昭和六十二年度の測定結果では、水銀とかカドミウム等の健康項目、これは有害物質の関係につきましては全国で五千二百八十三地点、それからCOD等の生活環境項目につきましては全国で六千八百六地点で測定を行っているというところでございます。
 今回、地下水質につきましてこの常時監視の規定に地下水監視を組み込むということでございますが、地下水質の監視もやはりただいま申し上げましたような公共用水域と同じように都道府県知事が測定計画を立てるということにいたしております。
 それで、現在までに地下水域につきましては、これは五十九年から六十二年までにおきまして大体一万六千本ほどの調査がなされているということでございます。
 ただ、地下水質の場合は公共用水域の場合と違いまして非常に地下の流動が遅いということもありまして、大体一地点で一回程度の測定が行われているというような形になっております。
#119
○渡辺四郎君 その最後の部分、一地点で一回程度というのは、どの期間で一回という意味でしょうか、ちょっとそこらを……。
#120
○政府委員(岩崎充利君) 一年間でございます。
#121
○渡辺四郎君 これは今若干の説明はありましたが、今度の改正法の中の地下水問題ですね。
 それで、今現在、都道府県から出ておる測定計画の箇所数が約一万六千カ所というお話でございますが、これはあくまで都道府県に場所の選定は任せて、そして監視の方法については従来やってまいりましたような例えば井戸水とかあるいは湧水、そういうものを中心にやるのか。あるいは場合によっては、所によってはボーリングをやりながら地下水をくみ上げてやるのか。ボーリングをやりながら地下水をくみ上げてやるというのは、例えば上流の方に工場団地があった場合地下水を、地下水といいますか、わき水も出てない、あるいはそこら付近は井戸も非常に少ない、しかし非常に危険性があるから監視をしなければいけないといった場合にはボーリングなんかをしてでも監視をするかどうか、そこらをひとつお伺いしたいと思います。
#122
○政府委員(岩崎充利君) 地下水質の監視につきましても、やはり都道府県知事が立てました測定計画に基づいてやるということでございまして、私どもはできるだけ都道府県の自主性というものを尊重していきたいというふうに考えております。これにつきましても、全国統一的な事務局基準みたいなものは要るとは思いますが、これをつくりますにつきましても都道府県の意見を聞きながら、地域の実態に即したような形で測定がなされるように検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから監視の方法でございますが、これは井戸の監視というものを中心として考えております。わき水というようなこともございますが、わき水になりますとその時点でなかなか地下水とも言いがたいようなところもございますので井戸を中心としてやりたいと。それから、そういう井戸を中心としてやりますが、汚染が見つかったり、どうしても必要だというようなところについては必要に応じてボーリングということもなされますが、これもやはり地域の実態に即した形でやっていただくということでございまして、基本的には井戸水を中心とした調査というふうに考えております。
#123
○渡辺四郎君 なぜ私がこういうことをしつこくお聞きをするかというと、やはり法律で常時監視義務が都道府県にあるというふうに明確になっておるものですから、確かに都道府県もそういう責任はありますが、有害物質の発生源がわからなくて具体的に実は被害が出たと。そういう時点で常時監視の責任がある都道府県にいわゆる責任追及が出てくるわけですね。私素人ですからわかりませんけれども、これは裁判になってもそうだと思うんです。法律で常時監視義務が都道府県にある、その監視の義務を怠ったから、だから被害が出たんだと。いわゆる有害物質の発生原因がどの企業かわからないわけですから、そういう点もあるからくどいようでしたが実は見解をお聞きをしたところです。
 それでは、環境庁としては、余り金を持たぬところですが、大体どのくらいの年数で、どのくらいの予算がかかるか。都道府県で常時監視体制をとっていって、現在やっております十五条に基づく、例えば福岡の例ですけれども、遠賀川の水質が非常に汚濁をしておるというようなことで、いわゆる検査箇所を決めまして、そしてある日のある時間に一斉に水をくみ上げてその水質検査をやっておるというのが現在やっておる方法なんですが、そういうのを含めまして大体どのくらいの事業費といいますか費用がかかるというふうにお考えなのか、大まかで結構ですが、お聞きをしたいと思います。
#124
○政府委員(岩崎充利君) 公共用水域につきましては今まで助成措置は講じておりました。二億何がしという金での助成措置になっております。
 それから地下水につきましては、法律に基づきまして監視をするというのが今回の改正法が通ってから初めて実行されるということでございますので、今まで予算措置は講じておりません。全く公共団体の予算でやっていただいていたということでございますが、今回初めて平成元年度に初年度の予算ということで一千二百万円ほど計上したということでございます。
 それから、これからどのぐらいの計画、数でどのぐらいかかるかということにつきましては、先ほどからも申し上げていますように、私どもは監視のやり方につきましては三つほどの調査というものを考えております。一つが一般概況調査ということで全体としてどの程度の、これは汚染があるないにかかわらず一般的に調査してみるという一般概況調査が一つ。それから二点目が汚染が見つかったときに濃密に調査をする、要するに汚染井戸周辺調査というのか精密調査と申しますか、そういう調査。それからもう一つはその後のモニタリング調査、この三つを考えております。
 性格上、一般概況調査をどのぐらいの間隔でとればいいかということも、工場の配置の状況とかその他いろいろありますから、なかなか国でこのぐらいだという形で決めがたいという面もあります。それから汚染周辺井戸調査も、汚染が出るときにどの程度やるかということで、これもなかなか国で何カ所やれという形にはなりがたいというようなこともございまして、現実に計画としてこのぐらいで、全体としての金目がこうだということはなかなかここで計算できないというような状況でございますので、御理解願いたいと思います。
#125
○渡辺四郎君 だから、私がこの問題で申し上げておきたいのは、予算がたくさんつけば全国の都道府県でもたくさんの監視箇所を設置してやると思うのです。しかし、金がなければ自治体の財政は厳しいものですからどうしてもやっぱり絞ってくると思うので、ぜひひとつたくさんの金をつけて、そして汚染を繰り返さないために、未然に防止するために努力してもらいたいと思います。
 そこで、質問の通告の中に、長官に最初にお尋ねをした後、私の考えを述べようというふうに実は思っておりましたけれども、一緒に私が申し上げて、最後にひとつ長官から御見解をお伺いしたいと思うのです。
 大変失礼な言い方かもしれませんが、今日まで環境庁はいろいろと意見や注文はするが金は出さないという、これは自治体初め企業、団体の皆さんや国民の中にもこういう批判がある。そして、近々には国際的にも環境行政に対する日本の姿勢を批判するような指摘が実はされつつあるわけです。ですから、自然保護あるいは環境保全行政は地球的視点から見ても長官のおっしゃったように、やっぱり生物の命の源だ。そうであれば、例えば環境保全とか資源保護については国として私は基金制度を設けてでも今やるべきではないか、そういう時期に到来をしておるんではない
か。そういうふうに実は私自身、そのくらい重要な行政の一つだ、あるいは政治の一つだという気がしてならないわけです。
 しかし、それは横におきまして、今の予算の説明にもありましたけれども、何か環境行政そのものに投資をすること自体が直ちに実ははね返ってこない、がために消費的経費だというような見方をしておる一部の人がおるようです。私は、長官は絶対そういうことはないと思うんですけれども、地球全体の保護あるいは国民全体の生存にかかわるような問題ですから、環境行政に投資をすることこそが私は本当の投資的経費だ、こういうふうに、今の閣僚の皆さんあるいは大蔵の官僚の皆さんも含めて、環境庁は皆なっていただいておりますけれども、発想の転換をしなければ大変な取り返しのつかないような状態を招くのではないか。そういう中で、残念なことですが、環境庁努力してもらいましたけれども、本年度の予算というのは国全体の予算の伸び率よりも低いです、三・四%の伸びで四百八十五億円程度ということでは。全体を合わせれば約一兆円近い、各省の分も合わせればありますけれども、環境庁そのものは四百八十五億程度しかない。サミットに行って総理がどうおっしゃるか、あるいは環境問題が今国際的な問題になっておりますけれども、これでは余りにも寂しいような気がするわけですが、ここに、先ほど若干私、官報の資料でも申し上げましたが、国内でもそういうふうな問題が出ておるし、また、国際的には国連環境計画、UNEPと地球環境財団等で行った、日本を含めた四大大陸十四カ国で実施をした世界環境意識調査の結果が発表されております。その中でも、日本は環境悪化や環境についての危機感というのは、これは国民だけでなくて政治家も学識経験者もそれから労働組合の幹部も入れて抽出をした意識調査なんですが、十四カ国中最低だということが、環境悪化について楽観的な日本というふうに見出しで批判された結果が出ておったわけですが、これは、先ほどから申し上げますように、私は国会議員、立法府の一員として大変な実は責任を感ずる。同時に、行政の長としての長官も大変なこれはやっぱり責任があるのではないか。そういう点から見て、環境行政に対する予算にもう少し内閣そのものが力を入れるという姿勢をぜひひとつつくり出していただきたい。
 その中で、一つだけ具体的な例で長官に要望しておきたいと思うんですが、環境庁のいわゆる国立研究所でトリクロロエチレンを分解する世界で最も分解力の高い新種の土壌細菌を発見、分離することに成功したということが報道されておりました。あそこの室長さんのお言葉ではありませんが、やはり活用に向けてぜひひとつ努力をしていきたいというような抱負も述べられておったわけですが、問題は、環境庁の研究所ですから、私らから見ておのずとわかるわけです、どのくらいの予算がつくかというのは。ですから、これはたくさんの金をつぎ込んででも直ちに実用化に向けていく、そういうふうな方向で長官ひとつぜひ努力をしていっていただきたい。そして平成二年度の環境庁の予算は猛烈にふえることを私は大いに期待をしたいと思うんです。最後にひとつ長官の御決意をお聞きして質問を終わりたいと思います。
#126
○国務大臣(山崎竜男君) お答え申し上げます。
 環境庁は、先生おっしゃられるように我々の生命に直接関係あるような官庁だというふうに私も思っておりまして、地球全体の環境保護、そういう行政を預かっているところだというふうに感じております。最近私たちの仲間でも私に対して、環境庁このごろ日の当たるところに出てきましたねという御激励を賜っておること、今の先生の予算も獲得しろというお話、大変ありがたく感じております。
 そこで、附属機関たる国立公害研究所のことでございますが、これを中心として各省庁の研究機関等の協力も得て各種公害の発生メカニズムや影響の解明等に関する研究の推進を図っているところでございますが、近年地球環境の保全など環境行政に対する新たな要望も高まっており、これらの分野を含め研究に取り組んでいる国立公害研究所の状況等を私自身近く視察をさせていただくつもりでございます。これらも踏まえて、環境保全研究の一層の推進に努めてまいる所存でございますし、先生から御激励を賜った予算獲得も全力を尽くして努力したいと思っております。
#127
○沓脱タケ子君 それでは、大気汚染防止法の一部改正案について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 アスベストによる大気汚染が問題になってから随分久しいわけでございますが、今回の改正は初めて特定粉じんとして規制基準を定めるということになりました。この際、アスベストについて、アスベスト肺あるいは悪性中皮腫、発がん性物質ということで、そういう人体にとって大変危険な有害物質であるということにかんがみ、これを規制するという基本的な立場に立っておられるかということですね。その辺はどうなんでしょう。当たり前のことなんですけれども、確かめておきたいと思います。
#128
○政府委員(長谷川慧重君) 先生からお話ございましたように、アスベストはがん、あるいは悪性中皮腫の原因と言われている物質でございます。それに着目いたしましていろいろな行政指導等もやってまいりましたけれども、今回は法改正におきまして、一番影響の大きい部門、それをとらえまして規制を加えたいというぐあいに考えているところでございます。
#129
○沓脱タケ子君 なぜそのことをお聞きしたかといいますと、アスベストがこういうふうに人体被害を起こす危険有害物質であるということはわかっておりますけれども、しかし、一方では大変有用な物質として各分野に、しかも三千種以上にわたって使用されている。しかも、その物質が比較的安いといいますか、そういう大変利用価値の高い物質であるという点があるわけですね。私はそういう点で、そういった危険有害物質であるんだけれども今非常に産業界に広範に使用されているという中で、今後の石綿使用についての将来展望ですね。危険だからもう代替物質をつくって、いわば将来は製造、使用禁止をやるというふうなことにいけるのかどうか、この辺が非常に大事な点ではないかなと思いまして、それをお聞きしたいわけです。
 というのは、諸外国の規制の実態をごく簡単に拝見いたしましても、例えばスウェーデンは原則使用禁止を決めたとか、あるいはアメリカの環境庁では採鉱と輸入は十年後に全面禁止するという提案をしているとか、かなり全面的な製造、使用禁止というふうなことに踏み切っておられるように見受けるわけですね。
 しかし、それをよくよく拝見してみますと、原則使用禁止という言葉などが使われているという点も含めまして、危険有害物質なら使わぬようにしてほかのものにかえれば一番いいわけなんですよね、早く言えば。ところが、それができないので諸外国でもこういう原則禁止というような非常に難しい表現を使って態度を決定しているということにも見られますように、将来の展望というか、将来、製造、使用禁止というような方向へ持っていける可能性があるのかどうか。その辺のところをちょっと今の段階でお伺いをしたいと思うんですね。これは環境庁と違うのかもしれませんな。
#130
○政府委員(長谷川慧重君) 非常に難しいお尋ねでございますが、基本的には、やはり石綿は発がん性の物質でございますから、将来的には安全な材料あるいは石綿を使用しないで製品をつくるということが望ましいというぐあいに考えております。
 ただ、先生のお話にございましたように、現在石綿が非常に有用で価格も安いというようなことからいろんな用途に使われておりますが、それを使うに当たりましては、製造する場におきましては労働省の方で労働環境の管理を十分にやっていただきますし、私どもは、周辺の住民に対する影響がないような形でのものをやらなきゃならないだろうということとあわせまして、関係の業界等
におきましても、代替品そのものあるいは代替品の技術的なもの、いわゆるアスベストを使わないでも似たような性能を持つようなものをつくるというような点でいろいろ苦労といいますか、検討いたしているところでございます。私どもとしましては、業界の方の自主努力も必要でございましょうし、あるいは代替品の安全性についても私どもの方でまたチェックする必要もあるだろうというようなことで、文献の収集、知見の収集というものをやりながら、そういう新しいもの、新しい代替品の開発状況といいますものを絶えずチェックしながら、そして、そこら辺の状況を見ながら、できるだけ早くアスベストを使わないほかの製品に切りかわっていく方向に進めていく必要があるというぐあいに思っているところでございます。
#131
○沓脱タケ子君 例えばPCB、これは危険有害物質だということで代替品で、一切製造、使用禁止をしましたね。そういうふうに簡単に切りかえられていくと。PCBだって工業製品では有用で、しかも比較的安くて随分広く使われていたわけですけれども、しかし国民生活にとって大変だということになればそういうことにもなったわけですね。
 そういう実例を考えてまいりますと、例えば石綿という物質はそういうことができるのかできないのか。私、これは合成化学物質ではございませんから大分違うと思うんですが、非常に規制の進んだ欧米諸国でも原則禁止などという決定をしなきゃならないというのは、これは有用な物質として将来ともかなり使われていくのではないか。代替物質等も開発に努力をされているそうですけれども、なかなか同等あるいはそれ以上に優秀な製品というのはできていないというのが現況のようでございますから、その辺のところというのはやっぱり規制をかけて監視をしていく上で大事だなと思っているんです。製造、使用禁止の方向へ向かって一潟千里なんだというのと、いや、そうじゃなくて、これは相当期間やっぱりずっと使っていかなきゃならない製品だというのとでは対応がおのずから違うんじゃなかろうか。
 そういうことで、ちょっとお門違いで申しわけなかったんですが、通産省にでもお聞きすれば一番よかったかもわかりませんが、しかし環境庁の立場として規制をかけるという場合に、そういうことを度外視してはできないんではないかと思って実はお聞きをいたしたのでございます用意のあるところを酌み取っていただけたらもう一言お願いしたい。
#132
○政府委員(長谷川慧重君) お答えがまた難しいのでございますけれども、先生のおっしゃる意味はわかりまして、私どもとしましては、現時点有用であり、そのかわるべき代替品、代替物が不十分であるという現状においてはある程度使わざるを得ないだろう。そして使うに当たっては、それが環境に悪影響を及ぼさないような形で使うことが望ましい。そのためには、工場の規制なりあるいは廃棄物の問題、解体現場というようないろいろ問題があるわけでございまして、そういう面での手当てといいますか対策をいろいろ講じることによりまして、危険な物質であるけれども使わざるを得ない物質を使って環境を守るという考え方でございます。将来の話はもっと代替品の技術の進展状況を見ませんとちょっと何とも言えないだろうというぐあいに考えます。
#133
○沓脱タケ子君 簡潔にそう言ってくれたらいいんです。
 すぐにはとてもやめられない、相当期間使わなきゃならぬであろうということを前提にして、しかも大気汚染を防止するために規制をかけるんだ、規制基準をつくって大気汚染防止をやるんだという立場、そういうことで御理解申し上げていいんでしょう。それではぐあいが悪いですか。
#134
○政府委員(長谷川慧重君) 先生のおっしゃるとおりで、現在は使わなきゃならない、使う以上は環境を守るためにそれに対する対策をいろいろ講ずるということで進めてまいりたいと思っております。
#135
○沓脱タケ子君 そうですね。私もそうだということがどうやらわかったんでお聞きをして確かめているわけです。
 そういう危険有害物質だとわかっているけれども、これは一切使うことをやめるということはできない、製造も使用も禁止することが、当面というか、かなり長い期間できないんではないかということになれば、本当に規制を強化するということが人体被害をなくしていく上でも極めて大事だという立場でこれは対応するべきだなということを私自身も感じたから、念のために環境庁はどういうおつもりかなと思ってお聞きをいたしました。
 それで、ちょっと観点が変わるのですけれども、新しい法律をつくるときとか、あるいは新しい基準を決めるというふうな場合に環境庁は大体どういうことをするのかなと思うんです。
 一般的に言ったら、新しい法律をつくる、あるいは今度のように新しい基準をつくるという場合には、その基準をつくることによって影響を受ける関係諸団体あるいは業界だとか、もちろん国民各層にどのような影響が起こるかということを御調査になるというのが当然だと思いますし、そういった調査をして得た状況から、これに対応するためにそれぞれ関係する各省庁と協議をして今回決めようとするこの新基準の実効を上げるために対応なさるんではなかろうかなと。これは一般論です。私、政府の立場はわからないんで、一般論としてそういうものじゃなかろうかなと思いますが、いかがですか。
#136
○政府委員(長谷川慧重君) 環境汚染を未然に防止するという観点から、考え方としましては、そういう汚染物質を未然に防止するためにチェックする技術、あるいはそれを抑える技術というものがない場合でもやらざるを得ない場合もあるかとは思います。あるいはそれが非常にコストがかかるというようなこともあり得るかと思います。しかしながら、このアスベストの法律に関して申し上げますれば、私ども、このアスベストの工場等におきます規制が必要であるかないかということを事前に十分チェック、調査をいたしまして、やはりある法律に基づいての規制が必要であろうと。
 その場合に、じゃその規制の程度をどうするかという話になりますと、このアスベストは先生御存じのとおりがん原因物質でございますから閾値はないものではございますけれども、ないからといって全部外へ出すことはまかりならぬというわけにもなかなかまいりません。周辺環境にリスクが生じない程度のところの数値というものをある程度決めなきゃならないという問題があるわけでございます。それから一方では、現在それぞれの工場がやっております対策技術といいますものもある程度にらまなきゃならないと思いますけれども、現在工場のやっております対策技術等をきちっと守っていただければどの程度まで抑えることができるのかというようなところの調査、そういうことで守られる程度のレベルといいますのと周辺住民の健康に及ぼす影響がどの程度ならリスクが少ないというぐあいに判断できるかというところのレベルをにらみながら規制値というものを決めざるを得ないだろうというふうに思うわけです。
 ただ、今回の場合は、たまたまと言っては語弊があるのかもしれませんけれども、現在技術で守れるようなレベルというのとWHOで健康評価のリスクの評価のレベルが一致したといいますか、大体イコールでございましたので、健康も守れるし現在の技術でもってそう新たな設備投資等をやる必要もない。設備投資をやるかやらないかというのは環境庁が考えることじゃないのかもしれませんけれども、そう過分な負担もかからないで済むだろうし、現在技術をきちっと守ってもらう、出入り口のドアをきちっと閉めてもらうということで対応していただければ守れるということで、この規制のやり方、規制の数値というのを決めている次第でございます。
 ただ、細かい点ではまだ測定の方法やら何やら
いろいろあるわけでございますので、そういうことで大筋私ども考えて、専門の先生方にお集まりいただきました検討会で御議論いただく、あるいは関係の省庁とも事務的に技術的な話についてもいろいろ相談をするという形で各省調整をやってまいりまして、最終的に今回お諮りしているような形でお願いしたいというぐあいに考えているところでございます。
#137
○沓脱タケ子君 私、一般論でお聞きをしたんだけれども、今回のアスベスト規制に当たってのお立場をお話しいただきましたね。当然関係省庁との連携もやって今度の新基準を決めたというふうにおっしゃられたんですね。国民の側から言いましたら、新しい規制基準が決まれば少なくともこれを守ってもらえるだけの諸条件を整えてもらう、これを担保されるということでなかったらこれは国民の健康を守る上で実効が上がらないという点で、当然それは関係する諸条件を守らせるということが大事だと私は思うんですね。
 ちょっと時間がありませんので、そういう立場から私はお聞きをしたいなと思っているんです。というのは、従来環境庁が新しく設置されて以後、大気汚染防止のためにいろんな仕事をやってこられましたし、私もかなり長い間関与してきて感じておりますのは、従来は大気汚染の規制というのは大変てこずったという感じがしているんですよ。例えばSO2を低減させていくためにも、NO2を何とか防圧していくためにも、いまだにどうにもならぬという問題もあるんですが、随分てこずってきたという思いがしているんですね。それは、主としてそういった発生源というのは大企業ですよ、従来ね。そういう汚染原因者は大企業である、汚染物質を規制するのに随分てこずってきたという思いがあるので、そういう立場からいえば今度のアスベストというのはそういった大企業相手では必ずしもないんだなという感じがいたしまして、本当にこのアスベストの被害をなくしていく上での対応がきちんとやられるのはどこを押さえるんだろうかということを考えたんですよ。
 それで、そういう立場から、いわゆる石綿紡織工場というんですか、そういうところが一番汚染の原点と言ったらちょっと言い過ぎかな、しかし原綿を解綿するんですからね。そういう原点とも言えるようなところがやはり大気汚染の発生源として重要ではないのかなと思って、実はそういうところがどうなるかという点で見てみたわけです。
 たまたま大阪の泉州南部地域、ここにこの業界というのが固まっているんですが、泉州というのは日本の石綿紡織工業の発祥の地だと言われているんですね。それで創業の開始は明治四十三年ですよ。だからもう八十年ですね。八十年の間にそういったところがずっとやってこられて、今まで非常に有力なその地域の地場産業として広がって発展をしてきたわけです。しかし、そういうふうに発展をしてきたのだけれども、企業自身は家内工業中心的な非常に経営的には脆弱な、中小と言いたいけれども零細企業が非常に多いということになっているんですね。しかも、聞いてみたら石綿紡織製品の日本の全産量の八〇%から八五%をここでつくられているというのですね。
 そういうところが一体どうなるのかなと思って実は調査をしてみた。そういう零細企業、そこの実態を知っていただくために申し上げますが、大体民家の密集したところに工場はみんなあるんです。野っ原の中に工場があるという状況じゃないんですね。一つ一つの工場は今申し上げたように家内工業的な姿から発生をしておりますから、中で働いている労働者の数というのは平均十人内外という工場なんです。しかし、そういう工場であっても汚染源としてはやっぱり非常にきついですよ。だから当然これは規制がかかるということになるんですね。規制をかけなかったら、生の綿ですからね、早く言ったら。法律が制定されたらそういう規制をかけなきゃならぬというふうに思うんですが、そういうところの業者の意見なんというのを環境庁聞いたことがありますか。私はちょっと工場の現場を見て、これは相当大変だなと思った。それをお聞きしたことがありますか。
#138
○政府委員(長谷川慧重君) 石綿協会あるいはスレート協会というところで私ども先生のお話にございましたような現実の実態的なお話をいろいろ承りました。その際には泉州の方も入っていらっしゃいまして、そういう面でのお話を私どもも承っております。お尋ねはそういうことでございますので、一応お話は承っております。
#139
○沓脱タケ子君 私、拝見しましたけれども、これは大変だなと思った。というのは、輸入した原綿の包み、これがわっと積み上げてあります。それをあけて解綿するんですよ。その解綿は機械化できないと言うのです。あの地域では一番大きい工場に行ってみたんですが、この部分だけは手でやらなきやしようがないんだ、その後の混紡ですね、少々綿を入れたりなんかする混紡は機械でできる。だから、その仕事場へ入りましたら、やっぱり昔の紡織工場のように綿ぼこりがふわっと立っているというふうな環境にありました。そういう中で石綿の糸をつくり、よりをつくり、用途に基づいて何本のよりにするかというふうなことをやって、それが今度は布に織られていくというふうな工程になっているわけですね。
 そういうところに皆さんの方でこれは測定を義務づけるということになるでしょう、当然。業者はどう言っているか。時間がありませんから簡潔に言いますが、これは大変なことだと言うわけです。何で大変かと言ったら、敷地境界線で測定を義務づけられるということになったら、これ一カ所じゃいかぬわけですね。工場全体の周りの敷地境界線を正確を期すために何カ所かやらなくちゃならない。私が伺ったところでは少なくとも十一カ所はやらなくちゃならないだろうと言っていました。工場内のいわゆる労安法に基づく特化則では十一カ所やっているんだそうですから、だから、そういう点では十カ所は最低やらなきゃならぬかなと言っていましたがね。
 そうしたら、測定料というのが、そこの社長が言っていたのは一カ所が一回二万四千円だと。これは安い方だそうですけれども、十カ所やったらそれだけで二十四万円。年二回義務づけられているということになったらそれだけで四十八万円かかる。我々零細な企業の中ではこれだって負担になる。以前から労基局からのいわゆる特化則に基づく工場の基準調査をやっていますね。それも十一カ所はやっているんだそうですけれども、それは一カ所八千円。これも年二回で、八万八千円の二回分で十七万六千円、合わせて七十万ぐらいですよ。そういうものがすぐに負担になる、こういうのが一つです。
 それから工場対策、敷地境界線で基準値に合わそうということになれば、今もかなり大きな集じん機をつけておりましたし工場の中には大きなダクトをつけておりましたけれども、恐らくこれではいわゆる期待される数値にはならぬであろう。風向きやら何やらで敷地境界線の測定なんというのは随分違うと思うんだけれども、安定してそういう基準に合わそうと思えばこの集じん機では恐らくだめだと思うと。
   〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕そうなったら当然のこととして集じん機を変えなくちゃならない。設備更新をしなくちゃならない。それはどのぐらいかかるんですか、三百万か五百万でいきますかと聞いたんです。だけれども、これ以上にしようと思って近代化すれば一千万はかかるだろう、こう言うんですね。その一千万の経費を例えば低利融資が得られたとしても返していく見通しがなかなか立たない。その上に、時間がないから皆言いますよ。今の工場を運転している電力の馬力というのは四十馬力だと。ところが‘千万ぐらいの集じん機を据えたらその馬力だけで五十馬力になって電力料が物すごく食う。そういう新たな支出というのが大変頭に乗ってくる、かさんでくる。規制されるということで守らなければならぬと思うけれども、これだけかかってきたらどうにもなりません、こう言っているんですよ。
 それを聞いて私はびっくりした。発生源を何とかしなくちゃならないと言ったって、発生源企業の小さな零細企業はこれはもうどうにもならない。これ以上やられたらつぶれるしかしようがありませんと言われたらこれはもうどないもできないですよね。そういうことについてはどう考えているのか。一つは、環境庁はそれをどう思っているのか簡単に言ってください、もう時間ないからね。それから通産省ですよ。各省で連絡調整したと言うから、通産省なんかこの機会に、そういうところに本気で発生源対策のできる対応というようなものを考えているのかどうか、それをちょっと聞かせてください。
#140
○政府委員(長谷川慧重君) 非常に難しいお話でございますが、私どもとしましては、その地域周辺の健康を守るためにはどうしてもやはりある程度の対策をそれぞれの事業者に講じてもらわなきゃならない。
   〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
ただ、講じるに当たってはその事業者にできるだけ負担をかけないように、先生お話もございましたように、低利融資、あるいは公害防止設備に対しましては特別償却という税制上の特典も考えて、それにつきましては平成元年度の税制でお認めいただきまして、法律が施行されればそういう面での税制が適用になる。それから低利融資等につきましても、関係のところにおきましてそれを考えていただくということで、事業者の負担ができるだけ少なくなるような対策というのを一応講じているつもりでございます。
 そういうことで、非常にきつい条件にあろうかと思いますけれども、何とか私どもの考えでおります規制を守っていただきまして地域の環境保全を守っていただきたいというように考えております。
#141
○説明員(田中正躬君) 今先生御指摘の、大阪の泉南地区の石綿紡織をやっている企業のことでございますが、この法律の議論を関係省庁、特に環境庁を中心にやる段階で、非常に我々そういう実態をよく知っているものですから我々いろいろ御意見を申し上げまして、測定義務でありますとか、スムーズに対策が進む措置をどうするかという議論を随分やってまいりました。
 それで、我々通産省といたしまして、こういう規制が実効がある規制でないと意味がないということでございまして、幾つかの融資制度でありますとか、企業がどうしても成り立っていかない場合はそこが大きい社会問題になりますので、そういう税制、金融上の措置をうまく使っていただいてスムーズに対策が実効が上がるように指導をしていきたいと考えておりますが、金融関係について申し上げますと、政府系の中小企業の金融機関によりますと一般の貸し付けで一般の市中金利よりもかなり低い金利、五・七%の融資ができる制度がございまして、貸付限度額で三千五百万円以内ということになっておりますけれども、十年以内でその設備資金を融資するという制度がございます。
 また一方、事業転換をやる企業でございますけれども、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法という法律がございまして、既に大阪府の石綿の布糸製造業というのはこの業としての指定を受けているわけでございまして、この体系の中で年率四・一二五%の金利で融資を同じように受けられることになっております。既に大阪府が三件の計画を石綿の業者に対して承認しておりまして、八千二百五十万円の融資実績があるというのが現状でございます。
 このように幾つかのこういう金融的な措置及び企業に対する指導を行いまして、スムーズに規制の実効を上げるべく我々努力してまいりたいと思っております。
#142
○沓脱タケ子君 ここで話を聞いてたら何やらうまいこといきそうな話に聞こえるでしょう。ところが実際上は、通産省の融資も何で三件しかないかという問題がある。これはもう多く言う時間がありませんから、返済能力の見通しが立たないといって借りてないんですよ、せっかく制度があっても。そこまで来ている。それから環境庁が、若干の税制だとかあるいは公害防止事業団等からの低利融資等があるというお話ですが、これはとてもじゃないけれども、それでいくのかどうかなという気がしてるんです。これは業者の意見非常にシビアです。
 さらに、私きょう具体的に聞こうと思って厚生省に来てもらったけれども、例えば廃棄物ですよ。そういう工場だから、一〇〇%石綿ですから廃棄物も一〇〇%石綿のものが出るわけですよ。これに対する廃棄物処理ですね、これは特別の対策をせよということで、一定の指導をなさっているようです。私、社長に聞いてみたら、指導されたとおりにこん包、何とか言ったな、水性セメントか何かで固めてビニールの袋へ入れて、その上に何とかのこん包をやって出せと言われたんで、そのとおり四十キロやったそうですよ。労働者が五人ないし七人かかって、一日じゅうがかりでやっとこん包ができた。そうしたら製品よりも高くついたと。そういうことはとてもじゃないけれどもできないというふうに言っている。
 もう一つは、これの処理業者、アスベストが危険有害物質ということで規制されたら従来どおりの処理費では済まないと。さっきもお話が出ていましたが、そのとおりです。コストアップになって、これまた大変ということになっているわけですよ。
 それなら製品のコストを上げたらいいじゃないかということになるんですが、これができないようになっている。それは、御承知のように韓国から輸入製品が今、日本の使用量の大体四割ぐらい来ているんだそうですね。それはもう物すごい労働力が安いということで、コストが低いということで今でも太刀打ちできないのに、それじゃ公害防止のための投資をやって、それでコストアップをやって販売ができるかと言ったら、とてもじゃないけれどもできないと。そういうことになると、これはもう規制をかけられたら、健康被害をなくするためにということで法律に基づいて誠実にやろうとしたら、これは日ならずしてつぶれるよりしようがないんだということを言っているんです。
 私が言いたいのは、そんなことをやるような公害対策ではだめだなということを感じたんです。今からでも遅くないからもう一遍きちんと私は要望を聞いてあげてほしいと思いますが、そのことが一点です。
 私、時間をオーバーしているんで、近藤先生が来られましたから、最後に長官にお伺いをしたいんですが、大気汚染防止、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、随分したたかな苦労をしてきたなという気がしているんです、相手がしたたかだから。
 今考えてみたら、自動車の排ガス五十一年規制をやると言ったら自動車メーカーの大企業が、いや、まだ技術的にまずいんだとかなんだとか一社、二社が言ったということで二年間延長させるというような、汚染発生源のところの言い分を聞くわけですね。その次は、NO2はついに汚染源者の言い分が通って、それまでの環境基準の〇・〇二ppmが〇・〇四から〇・〇六に緩和をするというようなやり方になっていますし、一番最近では、公害が終わった、終わったと言って指定地域を全部解除するというようなことをやっている。解除したけれども患者はやっぱり依然としてふえているし、しかも、大気汚染はよくなるんじゃなくて、十年前に逆戻りするというようなことになっているわけです。
 私は、新長官に考えてほしいと思いますのは、大気汚染で今まで国民の側には、大企業の発生源の言うことは非常に中心的に聞かれるけれども、被害者国民の意見というのはなかなか聞いてもらえないという思いがあるんです、率直に言って。
 今度のアスベストのやり方を見ていたら、一番ひどい発生源はこれはもうひねりつぶされるような結果になると。こんなことをやっていたんでは私は環境行政だめだなと。国民の健康も守らなくちゃならない。発生源対策についても、大企業あ
るいは中小零細企業にはそれなりに対応をして、この大気汚染の防止に本当に担保してもらえるような対応というのがなければこれは実効が上がらないというふうに思うんですが、そういう点でひとつ長官の御見解と御決意などを伺っておきたいと思います。
#143
○国務大臣(山崎竜男君) あちらを立てればこちらが立たずという、まことに難しい問題の御提起でございますが、我々としましては、やはり大企業だとかなんとかということが頭の中にあるわけじゃございませんで、国民全体が自然環境の中でいかに健康ですぐれた生活ができるかということを念頭に買いて環境行政をやらせていただいておるつもりでございますから、先生の御要望の趣旨はよくわかります。要するに大所高所からの判断でこれはやっていかなきゃならぬことだと思っておりますが、先ほど来申し上げておりますように、そういう零細な方々に対しては、やはり税制上の優遇措置とか低利子融資等とか、援助を行うことにもしておりますので、そういうのを十分活用されて両方ともうまくいくようになるということが私の希望でございます。
#144
○沓脱タケ子君 終わります。
 水質をやろうと思ったのでお願いをしておりました厚生省の方々、どうも済みませんでした。
#145
○近藤忠孝君 私は、水質汚濁防止法を中心に質問をしたいと思います。
 まず、今回の法律改正案から除外されている有機溶剤に関する排ガスによる大気汚染問題、それから廃棄物になった場合の処理問題、これが私は問題だと思うんですね。
 と申しますのは、半導体製造の全工程におけるトリクロロエチレンの使用量は四省庁の調査でも五十一工場で年間三千七百六十四トン。問題は、その行方がどうなのかということであります。投入量の二割が排ガスになって、そのうちの七八%が無処理のまま排出される。投入量の八割は液状物ですね。そのうちの三分の二は回収され再生利用のため有価売却されますが、残り三分の一は業者委託処分に回されます。
 トリクロロエタンは、使用量はこれは百八十五トンと少ないけれども、投入量の四八%が排ガス。そのうちの八割は無処理のまま排出。投入量の残りのうち液状物となった部分の七割は業者委託処分、三割は再生利用のための有価売却となっているという、この実情からまず考える必要があると思います。
 まず、有機溶剤の大気汚染対策です。この有害性につきましては、もういろいろ指摘をされております。そして、実際この汚染が相当進んでおる状況で、WHOが飲料水で設定しているガイドライン一日当たり二〇マイクログラムをこれは調査の中で全測定点で上回っておった。それで、住民はこれらの測定物質全部を呼吸していることを考えますと、これは発がん危険率は十万人に一人のレベルをかなり超えるんじゃないかというような状況だと思いますね。
 となりますと、排ガス処理では、トリクロロエチレンについては約半数の工場でこれは蒸散装置、蒸気の散装置による処理を行っていますが、除去効果は必ずしも高くないと言われています。しかし活性炭吸着処理の場合には除去率は九〇%から九五%と高くなっておると思います。ですから、要するに除去技術はあるんですね。あるんだから、半導体産業からの有機溶剤の大気への排出を法律で規制し削減する対策が必要じゃないかと思いますが、まず御答弁いただきたいと思います。
#146
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。
 先生からお話ございましたように、IC一貫生産工場の調査の結果でございますけれども、いわゆる工場の排出口とそれから周辺環境におきます調査、両方あるわけでございますけれども、トリクロロエチレンとかテトラクロロエチレンにつきましては、排出口の直近におきましては先生のお話にございましたように比較的高い濃度で検出されている事例はあったわけでございますけれども、周辺環境におきます濃度といいますのは押しなべて相当に低いレベルでございまして、これにつきましては、大気環境におきます望ましい濃度というものについての基準というか、物の考え方がまだ世界的にはっきり定まってないわけでございますけれども、一応労働環境の管理濃度と比較してみますと約七千分の一程度であるということでございます。
 こういうことで、これらの物質につきまして、大気中の濃度の推移を長期的に把握する必要があるというぐあいに考えているところでございまして、そういう面で今年度より未規制大気汚染物質モニタリング事業の対象ということでこれを取り上げまして、継続的に監視、測定をやってまいりたいというふうに考えております。
 このような調査結果、あるいはこれに関する大気由来の健康影響といいますものにつきましての文献等もできるだけ集めまして、今後環境汚染を未然に防止する観点から適切に対処してまいりたいというぐあいに考えております。
#147
○近藤忠孝君 現在の知見でまだ有害性が立証されていないからということで放置しておくと大変なことになるというのが私は公害問題の一つの重要な教訓だと思います。
 次に、廃棄物処理の問題ですが、相当部分が業者委託処分に回っておりまして、これは厚生省に対する質問です。十工場についての廃棄物実態調査でも、廃油にトリクロロエチレン、真空ポンプオイルに砒素、イオン注入工程の布類に砒素、六価クロムなどが検出されておりまして、有害産業廃棄物として厳格な処理がやっぱり必要だと思うんです。ただ、実態は業者委託処分の場合の最終処分地が確保されているかどうか、有害産廃の最終処分の実態はどうなっているか、これは実際詳細な調査がない状況だと思います。茨城県などの東京周辺で有機溶剤の不法投棄がしばしば問題になっておりまして、やはりまず大事なことは、こういう有機溶剤の業者委託処分の実態調査を実施すべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
#148
○説明員(三本木徹君) ただいま先生御指摘のトリクロロエチレン等を含む産業廃棄物の業者委託の実態でございますが、私どもも実は全国ベースで精密な形でフローを押さえているという状況ではないわけでございますが、しかしながら、廃棄物処理法では、許可を受けた業者は年に一度都道府県知事に報告をするとか、あるいはまた都道府県知事が法律に基づきまして報告の徴収あるいは立入検査、こういったことを実施しております。そういう過程で全国的に我々いろいろ各都道府県から聞いておるところでございますが、その結果、先生御案内の四月に私ども廃棄物処理法の施行令を改正いたしまして規制を強化したわけでありますが、そういうもろもろの各県等からのヒアリング状況等を現在調べてきておるところでございます。
#149
○近藤忠孝君 現状から見ると今の答弁でもかなり不十分なようですから、これはひとつ実態調査を実施し、正確な対応をしてほしいと思います。
 それから次に、人の健康にかかわる有害物質の指定は、今回の政令改正で若干ふえて十物質十一項目ですが、外国は相当進んでいますよね。アメリカではこの八年間に三百物質増加して四百五十物質、西ドイツでも八十五物質もあるという状況で、これは水質汚濁防止法、廃棄物処理法などによる規制対象の範囲に大きく関係する問題で、改善が必要ではないかと思うんです。これについて見解を承りたいと思いますし、とりわけ、アメリカのシリコンバレーにおけるフェアチャイルド社、IBM社周辺でトリクロロエタンなどによる地下水汚染による奇形児の多発が社会問題になって裁判も起きて、これは損害賠償がされた、こういう経過もあり、日本でも転換が進み今後とも使用量の増加が予想されているトリクロロエタンが規制から漏れているんですよね。これは問題じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#150
○政府委員(岩崎充利君) 確かに、米国等でのそういう物質が多いということも事実でございます。ただ、私どもの法律というか水濁法は、物質なり相当ありますが、水を通して環境汚染が
出てくるというものについてやっておるということでございまして、ほかのいろんな形での法律、例えば劇毒法その他いろんな形での法律の規定等等とも相まちながらやっておるということでございます。
 それで、もう一点の1・1・1トリクロロエタンにつきましては、これは私どもトリクロロエチレンとテトラクロロエチレンとあわせて三物質につきましては五十九年から行政指導をやってきました。
 今回、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンを有害物質にして、1・1・1トリクロロエタンはしていません。これは発がん性ということからいきますと、発がん性という形から行政指導をしたということではなくて、水道水での異臭味ということの観点からやりましたので、今回の有害物質とはちょっと違うということで落としたような次第でございます。
#151
○近藤忠孝君 問題は、これが規制対象になっていないとなりますと、現在まだ使用量が少ないからいいじゃないかという問題もあろうかと思うんですが、規制対象になったものからこのトリクロロエタンへ転換していくという問題があるでしょう。なかなかほうっておけない問題だと思うんだけれども、どうですか。
#152
○政府委員(岩崎充利君) そこで、私どもといたしましては、確かに先生御指摘のように代替物質ということでこれは使用量がふえていくという可能性もございますので、行政指導で十分これは抑えていきたいというふうに思っております。
#153
○近藤忠孝君 次に、日本国内で発生した過去の事例からどう教訓を学ぶかということが必要だと思うのです。その点では兵庫県太子町の東芝太子工場の問題ですね。これについては今のところまだ原因関係は不明確なままで対策も不十分であるというんですが、しかし、実際ここに調査報告書もありますし、そのときの県の水質課長補佐の小林悦夫さんという人が「公害と対策」に論文を書いておりますけれども、ごれ、原因究明はもうほとんど間違いない。ただ、肝心のそのものがその後除去されてしまったりなどしたので、そこの完全な究明までいっていない。しかし全体の状況から見まして、トリクロロエチレンの貯蔵タンクが地下埋設され、そのタンク、配管からの漏れが汚染を引き起こした原因じゃないかというのは、ほぼこれで間違いないという推測が成り立つんじゃないかと思うんですが、その点はどうか。
 この解決としましては、原因関係が不明確になったまま企業の方は寄附という形で水質浄化装置を設けておるんですね。私はこれは問題だと思うのですよ。原因究明されないまま、そういう状況がある。つまり、かつて水俣病その他で見舞い金契約があって原因究明しないままわずかな金で解決したと。それが水俣病の被害者を相当長期間にわたって苦難の状況に落とし込んだと同じように、また、それが原因究明をおくらせたということと同じように、私はやっぱり国が中心になって指導的な態度をとって原因究明を明確にすべきじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#154
○政府委員(岩崎充利君) ただいま先生からお話がありましたように、太子町の地下水汚染につきましては、東芝太子工場におきまして使用上の問題があったものと考えられますが、今申しましたような形のところは確認されていないということでございます。それから原因究明の問題でございますが、兵庫県において今地下水汚染機構の解明のための調査がなされておりますので、私ども、兵庫県とも十分連携をとりながらやっていきたいというふうに思っております。
#155
○近藤忠孝君 この対策として土壌を除去したのですが、七メートル以下は残してしまったんですよね。しかし問題は、いろいろな調査によると、その下も問題じゃないか、それより深いところも。途中で除去作業を打ち切ってしまった七メートルより深いところの汚染土壌の完全な除去がない限り地下水汚染は長期にわたって続くんではないかと思うのですが、こういう意味の徹底した対策が必要じゃないでしょうか。
#156
○政府委員(岩崎充利君) 確かに深さ七メートルのところで切っていると。これにつきまして私ども県から報告を受けておりますのは、そこのところでちょうど地下水が出てきた、湧出してしまったということで、実質的に物理的に工事が不可能になったということを承っております。そういうような形で掘削は打ち切ったということでございますが、ただ、確かにまだ汚染がそれで解決しているわけじゃないわけでございまして、現在工場内の井戸で汚染地下水の揚水処理、くみ上げた形で処理しているというようなことをやっているわけでございます。兵庫県においては、今後ともこのような処理を行いながら地下水質の監視を行い、その推移を踏まえ適切な対策を講ずるように検討しているというふうに聞いております。
#157
○近藤忠孝君 この点につきましては大阪大学工学部の中辻助教授も、七メートル以下についても大変危険だということをかなり実証的に明らかにしておりますので、ひとつこの対策をとってほしいと思います。
 それからもう一つの事例としては、東芝コンポーネンツの君津工場でやっぱり同様の汚染が問題になりました。太子工場でとった東芝の対応がここでも繰り返されている。しかも、当時の東芝太子工場の総務部長がこちらの東芝コンポーネンツの総務部長で同じような対応策で、結局責任の明確化−企業の中で内密にしてしまったというところが問題だと思うんです。この点につきましては、太子工場の汚染が問題になったときに、これは一九八四年四月十六日の参議院決算委員会で我が党の安武洋子議員が汚染の解明、企業責任の明確化、トリクロロエチレンなどの排出規制を要求いたしました。当時、佐竹さんですが、水質保全局長が答弁いたしました。立法対策も含めて、まだそのときはかなりいろんな困難な状況があると言いながら、しかし立法対策も必要だ、またそういうことをやるという答弁があったわけです。
 ところが、佐竹さんといえばあなたの前の前の前のずっと前の局長であって、随分たっているんですよ。対策が引き延ばされてきた結果同じような汚染問題が君津で再発した。ある意味では慌てて今回の法律改正になったのではないかと思うんです。法律改正したことはそれはよろしいんだけれどもね。しかし、ずっと前に、八四年に指摘をし、その当時既に立法化が必要だという議論があったのが今日まで来てしまったということは、これはやっぱり環境保全に責任を持つ環境庁として反省があってしかるべきだと思うんです。ただ、あなたは最近局長になったばかりだから、ちょっとそれはなかなか立場上難しいかもしれぬけれども、環境庁としては反省があってしかるべきだと思うんですが、どうでしょうか。
#158
○政府委員(岩崎充利君) 五十九年の四月に質問がなされまして、いろいろやりとりがありました。私どもそういうことを受けまして、五十九年の八月に暫定指導指針というものを策定して行政指導に踏み切ったということでございます。ただ、行政指導で、これは関係省庁やはり相連携しながら行政指導に踏み切ったところでございますが、やはりなかなか汚染状況がある、三%強台の汚染が見つかるということで今回の法律改正に踏み切ったところでございまして、ただいまおしかりの言葉はおしかりとして受け取りますが、これから一生懸命やってまいりたいというふうに思っております。
#159
○近藤忠孝君 この太子工場の汚染問題でも、最終的に地下水や環境中に排出されたトリクロロエチレンなどの量はどれくらいになったのかわからないんですね。したがって、汚染土壌除去作業や揚水でどのくらいが取り除かれ、あるいは地下にあとどれくらいの量が残っているのか推定すらできない状況だと思います。そういう意味では、物質収支をはっきりつかむ上で、こういう有害物質の購入量、保有量、使用量、回収量、廃棄量、環境への放出量など、これをやっぱり系統的に報告され掌握されることが重要だと思うんですが、こういう義務づけを行うべきではないんでしょうか。
#160
○政府委員(岩崎充利君) 水濁法上で申しますと、水質保全を図るという観点から排出基準を定めまして、それに必要な届け出あるいは立入調査等々を決めておるわけでございます。そういうような状況の中から、特定施設の届け出がある場合につきましては、使用状況その他いろいろ報告がございまして、また必要に応じて立入調査等々も時に合わせて聞き、あるいは報告というような形でやっておるということでございます。ただ、一般的に先生がおっしゃいましたような形での広い範囲での報告義務という形まではなかなか水濁法上義務づけられないということにつきまして御理解願いたいと思います。
#161
○近藤忠孝君 時間も来ましたのでそろそろ終えますけれども、現状は、化審法、化学物質の審査に関する法律ですか、それでは製造と輸入しか把握できないわけで、私が今列挙したことをつかんで初めて対応ができるので、これはひとつ今後検討してほしいと思います。
 あと、最後に大臣、各地でこういう工場が進出するに伴って自治体とこういう企業の間にかなり進んだ協定が結ばれております。相当多くの物質のデータを市の方へ示すとか、あるいはもう完全なクローズドシステムを義務づけるとか、あるいは住民の立入調査も認めるとか、こういうのが自治体では進んでおるんですよ。ということは、やればできるということなんで、そういう意味ではやっぱり環境問題に責任を持つ環境庁が今までの議論も踏まえましてもっともっと積極的に取り組んでしかるべきだと思いますが、答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
#162
○国務大臣(山崎竜男君) お答え申し上げます。
 地下水は、先生十分御承知のとおり身近にある貴重な水質源であり、また一度汚染されるとなかなか回復が難しいという特徴がございますので、地下水汚染の未然防止を図ることが極めて重大だと私どもも思っております。今回の水濁法の改正により、地下浸透の規制とか地下水質の監視等について法整備を図ってその着実な実行を図ることにしておりますけれども、お話しのように地方自治体との連携を密にして、この法律が完全に守られるように私どもも今後一層の地下水保全対策の推進を図る所存でございます。
#163
○近藤忠孝君 終わります。
#164
○委員長(林健太郎君) 以上で両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#165
○委員長(林健太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#166
○委員長(林健太郎君) これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより両案について順次採決に入ります。
 まず、大気汚染防止法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#167
○委員長(林健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松浦孝治君から発言を求められておりますので、これを許します。松浦君。
#168
○松浦孝治君 私は、ただいま可決されました大気汚染防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、石綿等の特定粉じんに係る規制の実施に当たっては、特に、中小零細企業者に配慮し、技術上の助言、金融上及び税制上の優遇措置等の実施に努めること。
 二、石綿の代替品の開発、普及を促進すること。その際、安全性の確認を十分行うこと。
 三、建築物の改修・解体、廃棄物の処理など石綿製品等製造工場・事業場以外から発生する石綿による大気汚染についても、その汚染の状況及び対策の実態を把握し、総合的に対策を推進するため、必要な措置を講ずること。
 四、石綿以外の未規制の大気汚染物質について、その健康影響、排出実態等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要な排出抑制等のための規制措置を講ずること。右決議する。
 以上でございます。
#169
○委員長(林健太郎君) ただいま松浦君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(林健太郎君) 全会一致と認めます。よって、松浦君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山崎環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山崎環境庁長官。
#171
○国務大臣(山崎竜男君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力する所存でございます。ありがとうございました。
#172
○委員長(林健太郎君) 次に、水質汚満防止法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
#173
○委員長(林健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 田渕勲二君から発言を求められておりますので、これを許します。田渕君。
#174
○田渕勲二君 私は、ただいま可決されました水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社本党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、有害物質の排出過程のみならず、製造、使用、廃棄過程においても環境を汚染しないよう万全を期すること。
 二、未規制の水質汚濁物質について、その健康影響、排出実態等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。
 三、地下水汚染の未然防止のため、地下における物質の挙動及び地下水文の解明等の研究を積極的に促進すること。
 四、地下水が汚染された場合は速やかに汚染源を究明するとともに、原因者負担の原則に立った費用負担のあり方について検討すること。
 五、地下水の重要性及びその特質にかんがみ、地下水汚染物質の除去技術及び代替品、代替技術の開発を促進すること。
 六、本法施行により、都道府県等地方公共団体に過重な負担がかからないよう特に配慮すること。
 右決議する。
 以上でございます。
#175
○委員長(林健太郎君) ただいま田渕君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(林健太郎君) 全会一致と認めます。よって。田渕君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山崎環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山崎環境庁長官。
#177
○国務大臣(山崎竜男君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力する所存でございます。ありがとうございました。
#178
○委員長(林健太郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(林健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#180
○委員長(林健太郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 公害及び環境保全対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(林健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(林健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
 午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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