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1988/03/08 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員打合会 第1号
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1988/03/08 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員打合会 第1号

#1
第114回国会 外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員打合会 第1号
平成元年三月八日(水曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    小委員長        矢田部 理君
    小委員
                下稲葉耕吉君
                中西 一郎君
                堀江 正夫君
                中西 珠子君
                上田耕一郎君
                関  嘉彦君
                青島 幸男君
   政府委員
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房外政審議室
       長        藤田 公郎君
       総務庁行政監察
       局長       山本 貞雄君
       外務省経済協力
       局長       松浦晃一郎君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        荻本 雄三君
   説明員
       大蔵省国際金融
       局開発金融課長  内田 富夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際経済・社会問題に関する件
 (ODAについて)
    ―――――――――――――
#2
○小委員長(矢田部理君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員打合会を開会いたします。
 国際経済・社会問題に関する件を議題とし、最近におけるODAの執行について外務省から、経済協力に関する行政監察結果について総務庁から、対外経済協力関係閣僚会議について内閣外政審議室から説明を聴取いたします。
 それでは、まず外務省から説明を聴取いたします。松浦経済協力局長。
#3
○政府委員(松浦晃一郎君) 最近のODAの執行につきましてでございますけれども、昨年小委員会でお出しになられました中間報告を踏まえつつ、私どもが対応してきております問題について御報告いたしたいと思います。
 最初に経済協力の理念及び目的でございますけれども、歴代の総理及び外務大臣が国会、それから国際的な場で繰り返し言っておられますことでございますが、私どもは、人道的考慮と相互依存、この二つを理念として対応してきております。これは小委員会の中間報告に、「人道的立場から途上国の飢餓と貧困の克服、福祉の向上、経済的自立などのための自助努力を支援し、世界の平和と繁栄、国際的な格差解消を図る」というのが共通の意見として出ておりますけれども、まさにそれに対応するものと私どもは考えております。
 それから、経済協力の目的でございますけれども、これも総理及び外務大臣が繰り返し明らかにしておられる点でございますが、相手国の国民の生活水準向上のため、相手国の経済社会開発推進のためを第一の目的にしておりまして、それと同時に、相手国と日本の関係全般を推進するということを考えております。これも今申し上げました中間報告の共通の意見に対応するものと考えておりますけれども、諸外国の例を見てみますと、先進十八カ国のうちでほとんどすべての国が同様の理念、同様の目的を持って経済協力を進めております。
 ただ、それを具体的に法律に書いているかどうかという点になりますと、一般には何らかの形では理念、目的を表明しておりますが、法律にしっかり書いておりますのは三分の一でございまして、残りの三分の二は日本と同様基本法という形によらないでそういう理念、目的を表明しております。
 それからその次に、経済協力にかかわります諸原則についてでございますけれども、共通意見でいただいております主権尊重、内政不干渉、それから軍事的用途への転用の禁止、それから国際紛争の助長回避。私どもまさにこういうことでやらせていただいておりまして、今後もこういう諸原則を踏まえて対応したいと考えております。
 それから、情報公開につきましても、私どもこの二、三年努力をしてまいりまして、外務省におきましては「我が国の政府開発援助」という上下巻をこの二年出しております。昨年の十月六日にも二回目を発行させていただきました。それから「評価報告書」ということで、近く第七回目を公表させていただく予定でございますけれども、過去六回にわたりまして、日本が実施いたしましたプロジェクトの評価に関しまして百から百五十のプロジェクトを載せましたものを公表させていただいております。交換公文の署名の際の個別プロジェクトに関しましてもその都度概報を公表しております。それから企業名の公表につきましても、八七年度の分からは、新規のものにつきましては、円借款、それから無償資金協力等にかかわるものにつきまして企業名を公表してきております。それらは八八年度版の海外経済協力基金の年報、それから国際協力事業団の年報等に掲載されております。
 そのほか、意見が出ておりましたLLDCへの配慮につきましても私ども十分念頭に置いて対応しておりまして、LLDCにおきましては基礎生活分野に重点を置きまして一層の無償を推進する。さらには、債務救済措置をとるということで対応しておりまして、日本の二国間のODAにおきますLLDCのシェアもこのところ高まってきております。例えば八六年におきましてLLDC向けの二国間のODAのシェアは一五%でございましたが、八七年にはそれが一八・八%に向上しております。
 それから、援助の適正な実施確保についても御意見を賜っておりますが、私どもといたしましても、個々のプロジェクトにつきまして事前調査をできるだけ充実させる。それから交換公文におきまして適正な使用維持をしっかり相手側に義務づけております。それから入札におきましてできるだけ公正な入札を行うように手だてをする。入札後の契約の段階におきましてもしっかり審査した上で承認する。
 それから、先ほどちょっと評価のところで触れましたけれども、評価活動をさらに充実させるということで努力をしております。今後さらにこの方向で努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから次に、ODAの質的、量的改善と国際目標の達成の問題でございますけれども、最初に質の問題で、グラントエレメント、それから贈与比率の一層の向上ということで共通意見を賜っておりますけれども、残念ながら、御承知のように現時点では、グラントエレメント、贈与比率いずれにおきましても、DAC諸国中最下位ないし最下位から二番目というところに位置しております。私どもといたしましては、量的な拡大とあわせまして、このグラントエレメント、それから贈与比率の向上にさらに努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから、量的な拡大の点に関じましては、八〇年の国連決議の対GNP比〇・七%の早期達成について御意見を賜っておりますが、この点に関しましては、昨年の六月に第四次中期目標を設定していただきまして、八八年から九二年までのODAの実績の総額を五百億ドル以上にする、対GNP比を九二年までにDACの平均までに引き上げるべく努力するということでさらに努力をしていきたいと思っておりますが、この〇・七%につきましては、実はさらに昨年末の国連総会でも、〇・七%目標を達成していない援助協力国に対して、この目標を可及的速やかに達成するよう最善の努力を払うよう要請するという決議が採択されております。これに対しまして日本も賛成しておりますけれども、日本は、第四次中期目標の着実な達成を通じてODAのさらなる拡充に努めていく所存というステートメントを出しております。
 それから次に、援助行政及び実施機関の一元化の点でございますが、御承知のように、今ODAの予算は十六省庁に計上されております。今回政府原案では一般会計予算ベースでは七・八%の伸びということで出させていただいております。これが十六省庁にまたがっておりますけれども、よく予算を見てみますと、実は十六省庁にまたがっていると申しましても、外務省と大蔵省に大半の予算が計上されておりまして、具体的に見てみますと、無償資金協力に関しましては、一部が大蔵省に計上されてその支出の委任を受けまして外務省が実施を担当しておりますけれども、大半は外務省に計上され外務省が取りまとめてJICAを通じて実施促進も担当してもらって、一元的に無償資金協力に関しましては実施しております。
 それから技術協力に関しましても、政府ベースの技術協力に関しましては外務省に一元的に予算も計上され、外務省が関係各省と相談をしてJICAを通じて一元的に実施するという体制になっております。ほかの省庁で実施されておりますのは民間ベースの技術協力関連の予算あるいは調査費でございまして、政府ベースの技術協力というのは今申し上げましたように外務省に一元的に予算が計上され、JICAを通じて一元的に実施するという体制になっております。
 それから、円借款に関しましてはいわゆる四省庁体制でございまして、予算も出資金は大蔵省それから交付金は経企庁ということになっておりますけれども、具体的な実施の段階では相手国政府との外交折衝を通じて詰めてまいりますので、外務省が窓口になりまして外国政府と当たり、国内の取りまとめも外務省が取りまとめを行っており、それを海外経済協力に実施するという形になっております。したがいまして、一見十六省庁にまたがってばらばらのような印象を与えますけれども、二国間のODAは今申し上げました無償資金協力、技術協力それから円借款の三本立てでございますけれども、いずれも対外的な窓口になっております外務省が外交一元化のもとで国内を取りまとめて相手国と折衝するという体制になっていると私どもは考えております。
 ちなみに、諸外国がどうなっているかということを申し上げますと、DAC諸国十八カ国を見ますと、大半の国がそれぞれの外務省の内局ないし外局において一元的に対応するということになっております。しかしながら、それでは予算も外務省の内局ないし外局に全部集中しているかと申しますと、そういうところもございますけれども、かなり各省にまたがっているところもございますし、一元化されているところでも、関係各省とは外務省が随時協議した上で対応するという体制になっていると了解しております。
 それから、後で外政審議室長よりお話があると思いますけれども、本小委員会で出ました議論を踏まえまして、昨年の十二月に対外経済協力関係閣僚会議が設置されまして、既に二回会議が開催されまして、外務省といたしましてもこの閣僚会議の意義を高く評価して、今後に大いに期待しております。詳細については外政審議室長よりお話があると思いますので、私は省略させていただきます。
 それから次に、中間報告で触れておられますが、評価体制の整備の問題でございますが、先ほど触れましたように、外務省といたしましては既に六回評価報告書を公表しております。これは第一回目は八一年に公表いたしましたが、近く七回目の評価報告書を公表する予定で現在準備を進めております。確かに日本は、援助の評価におきまして他の先進国に比べまして出足はおくれておりましたけれども、直接担当しております私が申し上げるのは僭越ではございますけれども、近年急速に前進しております。
 ちなみに、DACの十八カ国のうち評価の年次報告書を出しているところは実は日本だけでございまして、ほかの国はいわゆる年次報告という形では公表しておりません。個別に公表している国も若干ございますけれども、大半の国は評価というのはあくまでも内部の参考にするためということで、公表をしておりません。したがいまして、国際的にも、日本は案件の数が膨大でかつスタッフも限られている中で、評価に関しましてはここ七、八年急速に体制を整備し、その結果を年次報告という形で報告しているということで、国際的には非常に評価されている点でございます。その評価の仕方に関しましても、私どもは、第三者を交えた機関による評価をさらに拡充させていただきたい、これは中間報告にも意見が出ている点でございますけれども、この点は、日本におきます学者その他の方々のみならず、第三国、さらには国際機関の専門家の方にも日本の援助プロジェクトの評価をしていただきまして、その結果を先ほど触れました年次報告に掲載させていただいております。こういう形の、日本におきます第三者による評価、さらには第三国の第三者による評価を、さらに私どもとしては力を入れてまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから次に、中間報告に触れてございます、国民の理解と協力を得る点に関連してでございますけれども、私どもも、まさにそういう認識のもとに広報活動を一層強化してまいりたい、こういうふうに考えておりまして、外務省といたしましても、できるだけODAに関します広報、資料の刊行を進めると同時に、いろいろな講演会を実施しております。
 それから御承知のように、五四年にさかのぼりますけれども、十月六日、日本がコロンボプランに入りまして技術協力を実施し出すきっかけになった日ということで、十月六日を国際協力の日に指定していただきまして八七年以来実施しておりますが、この国際協力の日にはそういう広報活動を大いに盛り上げる形で努力をしております。
 それから、開発教育の点に関しましても、まさにこれが重要と考えておりまして、私どももいろいろな形で努力をしておりまして、開発教育を進めるための体制づくりをそれなりに努力をしております。例えば、昨年の七月には開発教育情報センターというものを設置していただいております。
 それから次に、御意見をいただいておりますNGOの点でございますが、NGOの自主性、主体性を尊重し、財政面も含めたNGOの支援の強化ということで御意見を賜っておりますけれども、外務省といたしましてもこの点に関しましては、おかげさまでNGOが日本でもかなり数がふえてまいりました。海外でかなりしっかりした活動をするNGOもふえてまいりましたので、NGOの自主性をできるだけ尊重しつつ財政面においても支援してまいりたいと思っております。
 私どもは、今まで限られた数のNGOに対しまして直接的な補助金を出しておりましたけれども、NGOの中にはまだ法人格も得ていない任意団体という形で海外で活動しているものもかなりふえてきております。全体といたしまして、法人格のあるもの、任意団体の段階のものを含めまして全部で二百七十あると了解しておりますが、その中で、いわゆる海外で援助活動を進めておりますのは大体八十から百ぐらいと私ども考えておりますが、その大半が任意団体でございますので、伝統的に外務省が直接的な補助金を交付して支援しているほかに、そういう任意団体も含めまして幅広くNGOを支援したいということで、今、来年度予算政府原案の中に一億一千万円の新しい事業補助金を計上して、お願いしたいと考えている次第でございます。
 以上でございます。
#4
○小委員長(矢田部理君) 次に、総務庁から説明を聴取いたします。山本行政監察局長。
#5
○政府委員(山本貞雄君) 無償資金協力及び技術協力を対象といたしました第一次の経済協力に関する行政監察結果の要旨につきまして、お手元に配付いたしました資料によりまして御説明いたします。
 政府開発援助は、国際社会への積極的貢献を目標とする我が国にとって重要な政策分野の一つであり、相手国やその国民からも評価されますとともに、我が国国民の理解と協力を得つつ国際的責務を果たしてまいりますためには、ODAが適正かつ効果的、効率的に実施されることが極めて重要でございます。
 この監察は、これに役立てます趣旨から、ODA監察の第一次分といたしまして、無償資金協力及び技術協力を対象といたしまして、アジア・アフリカ六カ国の我が国の在外公館等の調査を含め、外務省及び国際協力事業団の行う業務を中心に調査いたしたものでございまして、その結果に基づきまして、昨年七月十二日外務省等に対しまして勧告を行ったところでございます。
 なお、外務省等から、本年二月の二十二日までに回答を受理いたしております。
 それから、現在ODA監察の第二次分といたしまして、有償資金協力につきまして行政監察を実施中でございます。
 以下、この監察の勧告と回答の概要を申し上げますが、全体は、「無償資金協力事業の効果的・効率的実施」、「技術協力事業の効果的・効率的実施」、「援助事業の総合的・計画的実施」、「国際協力事業団の実施体制の見直し」の四つの事項に分けられます。
 次のページでございますが、一の、「無償資金協力事業の効果的・効率的実施」でございます。
 まず、「無償資金協力予算の事業団交付金化」でございますが、無償資金協力に係るコンサルタント及び業者の契約認証前審査などの実施促進業務は、外務省から国際協力事業団に移管されまして、その予算も事業団予算となっておりますが、本体予算でございます無償資金協力予算そのものは外務省に留保されまして、契約認証事務、支払い事務を外務省みずからが行っておりまして、業務を一貫して専門的に実施する観点から非効率と考えられます。
 「勧告」でございますが、外務省が政策立案、案件選定等に専念いたしまして、事業団は実施機関としての専門性を発揮いたします観点から、無償資金協力予算を事業団交付金に計上いたしまして、契約認証事務や支払い事務を事業団に行わせることについて検討すべきであると勧告いたしております。
 「回答」でございますが、無償資金協力予算を事業団交付金に計上することによりまして、無償資金協力をより一層効果的、効率的に実施し得ることが期待されるが、今後いかなる対応が可能であるかにつき総合的な観点より検討を進めている。
 二番目の「小規模無償資金協力制度の創設」でございますが、現在の無償資金協力は、小規模で緊急を要する援助案件につきましても、要請から援助の完了までに閣議決定、交換公文の締結等の手続を要する等のために比較的長期間を要しておりまして、途上国の緊急かつ比較的小規模な援助要請に対しまして、適期適切な対応が困難な場合が見られます。
 次のページ、「勧告」でございますが、簡易な手続で実施できる小規模無償資金協力制度の創設を検討すること。
 「回答」でございますが、被援助国の経済社会開発に関する多様なニーズに対し、迅速かつ的確に対応し、草の根レベルに直接援助するために、小規模無償資金協力制度を導入することとし、このために平成元年度予算政府原案において一般無償の内枠として三億円計上している。
 三番目の「援助終了案件の定期的把握」でございますが、援助終了案件の中には、相手国の財政事情の悪化等の理由によりまして、施設、機材等の利活用が低調なものなどがございますが、援助終了後の管理運営状況の定期的把握が行われておりません。例えば、供与されましたバスの半数余りが運行されていないなどの事例が見られます。
 「勧告」でございますが、援助終了案件につきまして、在外公館、国際協力事業団在外事務所におきまして、援助終了後の管理運営状況を定期的に把握し、その結果をスペアパーツの供与、補修等のアフターケアや今後の援助にフィードバックする仕組みを検討すること。
 「回答」でございますが、フォローアップ調査、相手国よりの要望等によりまして、無償資金協力実施済み案件に係る維持管理状況等に関するデータを計画的に把握し、必要に応じてスペアパーツ等の供与を行うなどの無償資金協力案件のフォローアップを行うこととする。
 四ページでございますが、以上のほか、無償資金協力事業の効果的、効率的実施のために、「二国間年次協議等を通じた政策対話の充実」、「基本設計調査の充実」、「文化無償資金協力の供与方式の見直し」、等につきまして指摘をいたしております。
 二の「技術協力事業の効果的・効率的実施」でございます。
 まず、「研修員受入れ事業における集団コースの定期的な見直し」でございますが、研修員受け入れ事業につきましては、集団コースに対する各国のニーズと定員とが相応していない状況が見られます。例えば、要望が定員を六・六倍と著しく上回るコースがある一方で、著しく下回るコースもございます。
 「勧告」でございますが、研修員受け入れ事業につきましては、各国の要望調査結果や参加研修員の意見等に基づく見直しの基準を作成し、集団コースの定期的な見直しを行うこと。
 「回答」でございますが、勧告を踏まえ、昨年、コースの改廃基準を策定したところであり、平成元年度計画策定時より関係機関の協力を得て、右基準に従いコースの改廃を行っていく方針である。
 二番目の、「専門家派遣事業における要請内容の的確な把握」でございます。専門家派遣事業につきましては、相手国からの要請内容と実際の業務内容とに乖離が見られます。例えば、調査対象といたしました専門家の四六%が内容の乖離を指摘いたしておりました。
 「勧告」でございますが、専門家派遣事業につきましては、要望調査の精度向上に一層努め、さらにその一助として、在外公館等において要請内容の明確な把握を行うことに資するための点検マニュアルを整備すること。派遣可能な専門家を提示するオファー方式の併用を検討することとなっております。
 次の五ページ、「回答」でございますが、要請背景調査の一層の推進のため、平成元年度予算政府原案にマニュアル作成費を新規に計上、オファー方式の導入についても現在検討中であり、一部民活専門家については平成元年度から実施する予定であるとなっております。
 以上のほか、「機材供与の迅速化」、「プロジェクト技術協力におけるオファー方式の導入、長期専門家の確保」、「開発調査事業におけるフィージビリティ調査結果の具体的事業への結びつけ割合の向上」などを指摘いたしております。
 三の、「援助事業の総合的・計画的実施」でございます。
 まず、「国別援助計画の策定整備の推進」でございますが、被援助国の真の開発ニーズに沿った効果的、効率的な援助を計画的に行うことが重要でございますが、政府全体としていまだ十分な国別援助計画は策定されておりません。外務省では既に対フィリピン援助計画について策定をいたしております。
 「勧告」でございますが、被援助国の発展段階、経済事情等の的確な把握及び相手国政府との十分な対話に基づく国別援助計画の策定整備を推進すること。
 「回答」でございますが、外務省は、国別援助計画の策定に資するため、国際協力事業団国際協力総合研修所において援助関係機関等の協力も得つつ行われる国別援助研究会及び国別研究委託調査等の研究結果等を踏まえ、国別援助方針の策定整備を進めているが、さらに、被援助国側との各種協議、政策対話等の場を活用するなどして、被援助国側の真のニーズ把握に努める。
 六ページでございますが、二番目の「無償資金協力と技術協力の連携強化」でございます。無償資金協力と技術協力との連携が適時に実施されていないものが見られる。例えば、無償資金協力によります病院が完成した後、プロジェクト方式技術協力の開始までに相当の期間、例えば二年以上とか経過している事例が見られます。
 「勧告」でございますが、無償資金協力と技術協力とをあわせて実施する方が効果的な案件につきましては、双方の可能性を一体として調査、審査する仕組みを確立すること。被援助国に対し、無償資金協力とプロジェクト方式技術協力とをあわせて要請してくるように働きかけること。無償資金協力とプロジェクト方式技術協力とを統合した新たな協力形態の創設を検討すること。
 「回答」でございますが、外務省及び国際協力事業団の無償資金協力、技術協力の各担当部門が新規案件についての協議の場を持つようにし一体的な調査の仕組みを確立するように努力したい。新しい協力形態の創設についてはいかなる実施形態が可能か鋭意検討したいとなっております。
 四の、「国際協力事業団の実施体制の見直し」でございます。
 まず、「事業団本部の分野別事業実施体制の見直し等」でございますが、本部の体制は、開発調査、プロジェクト方式技術協力等につきましては、協力形態別ではなく、農林水産、鉱工業等分野別の事業部となっておりますために、業務実施上の非効率、支障が見られます。例えば、総合計画調査等の実施に当たりまして、複数の分野にまたがる総合的なニーズに十分応じ切れないほか、各事業部間におきまして業務量と担当課の数あるいは要員数等との間にアンバランスが見られます。
 最後の七ページで、「勧告」でございますが、事業団本部の分野別事業実施体制の見直しを含めた組織運営の全般にわたる見直しを行い、効率的な組織への再編整備及び業務量に即した要員配置の適正化を計画的に行うこと。
 「回答」でございますが、特に業務量が多く、また、プロジェクト方式技術協力と開発調査を同一の部で所掌しております社会開発協力部を二分割し、右二事業をそれぞれ独立した部に所掌せしめるべく機構改革を行っている。
 二番目の、「本部から在外事務所への権限の委譲の推進」でございますが、在外事務所については、ほとんどの業務の実施に当たり本部の承認を必要としております。例えば援助終了案件のアフターケアもすべて本部で決定されるなどの状況が見られます。
 「勧告」でございますが、本部から在外事務所への権限、業務の委譲を積極的に推進すること。例えば在外事務所が現地機関としての機能を十分に果たします観点から、案件発掘やフォローアップ調査等の実施権限の一部付与、あるいはローカルコスト支援及び現地業務等予算の執行権限の一部付与等の推進が必要な旨指摘いたしております。
 「回答」でございますが、実施体制が十分整った在外事務所から委譲のための検討を順次進めていく方針である。
 このほか、事業団の実施体制の見直しにつきましては、特定の行政機関から特定の管理職ポストヘの固定的な出向を見直すとともに、事業団職員の育成及び内部登用をさらに推進する必要等を指摘いたしております。
 以上でございます。
#6
○小委員長(矢田部理君) 次に、内閣外政審議室から説明を聴取いたします。藤田外政審議室長。
#7
○政府委員(藤田公郎君) 内閣外政審議室が庶務を担当いたしております対外経済協力関係閣僚会議の開催経緯、目的、構成、開催状況等について、簡単に御説明をさせていただきます。
 経済協力につきましての閣僚レベルの協議体といたしましては、昭和四十四年五月に設置されました対外経済協力閣僚懇談会、昭和五十年七月に同懇談会を発展的に解消して設置されました対外経済協力閣僚協議会がございましたが、昭和五十二年一月の閣僚協議会等を一切廃止するとの閣議決定により廃止されたまま推移しておりました。
 その後、昭和五十七年七月でございますが、臨時行政調査会の基本答申におきまして、「経済協力は、多数の省庁・実施機関が関与しており、全体としての整合性・総合性・効率性を確保するため、基本政策に関する協議体制が必要である。」。このため「経済協力目標等経済協力の基本政策に関する重要事項について協議するため、関係閣僚からなる経済協力関係閣僚会議を設置する」旨の指摘がなされました。また、本外交・総合安全保障に関する調査会国際経済・社会小委員会におきましても、昭和六十三年五月の中間報告におきまして、「関係省庁が十六省庁にも及ぶことから、真に適正かつ効率的な援助を責任をもって実施するためには、実施体制の一元化が必要」であるとの共通の認識のもとで、その方策の一つとしまして、「当面、法律によらず関係閣僚会議を置くなどして運営上の改善を図るべきである」旨の御提言をいただいた次第でございます。
 このような種々の御提言を受けまして、経済協力に関する関係閣僚会議の開催につきまして政府部内において鋭意検討を続けてまいりましたところ、最近、経済協力の適正かつ効率的な執行に対する関心がとみに高まってまいりましたこと等を踏まえ、対外経済協力関係閣僚会議を開催することといたしまして、昨年十二月十三日の閣議におきましてこの開催が了解を見ることとなりました。
 閣僚会議の目的、構成等につきましては、この閣議の口頭了解におきまして以下述べられております。
 我が国の経済協力の規模が拡大し、また開発途上国のニーズが多様化する中で、我が国の経済協力をより効果的かつ総合的に推進していくためには、経済協力に関係する行政機関相互の緊密な連絡を確保することが不可欠であると認識する。このため、経済協力の基本政策について閣僚レベルで意見交換等を行うことを目的として対外経済協力関係閣僚会議を開催することとする。会議は官房長官が主宰することとし、構成員は官房長官を含め十四閣僚とするということでございます。
 本閣僚会議は、十二月十三日設置が閣議了解を得ました後、これまでに二回開催を見ております。
 第一回会合は昨年十二月の二十三日に、「最近の経済協力の国際的動向について」という議題のもとに開催をされました。初会合ということもございまして、冒頭、内閣総理大臣が出席の上、経済協力が竹下総理御就任以来提唱してこられております「世界に貢献する日本」の三つの柱の一つが国際協力構想の推進であるということ、それから六月にODA第四次中期目標を設定し、一九八八年から九二年までの五年間にODA実額総額を五百億ドル以上とする、あわせてODAの対GNP比率の着実な改善を図るということ等を目的として進めている。このような状況下で、本閣僚会議は、会議の開催趣旨に即し日本の援助がどうあるべきかという観点からの意見交換が活発に行われることを期待するという御発言がございました。その後、外務大臣から、「最近の経済協力の国際的動向について」ということで、十二月初めのパリのOECD開発援助委員会、DACの上級会合で議論されました国際開発援助の主たる動向及び我が国援助に対する各国の期待等についての御紹介が行われた次第でございます。
 第二回会合は、本年明けまして二月九日、「平成元年度ODA予算について」ということで、外務大臣より政府原案中ODA予算の概要について詳細御説明が行われました。内容は先ほど外務省経済協力局長が御紹介いたしましたとおりの概要でございました。その後出席閣僚から種々御意見の開陳がございまして議論が行われました。
 主たる議論といたしましては、ODAの予算はただいま外務大臣から御紹介のあったとおりであるが、今後は援助の効率的な実施のために関係政府機関が努力をしてもらいたいという希望の表明、それから援助の評価体制を強化する必要があるという御指摘、それから量の問題に加えて内外から指摘されておりますODAの質の向上にもあわせて取り組むべきであるという御指摘、それから我が国の経済協力におきましては、援助担当要員の確保、専門家の育成ということが指摘をされており、こういう面での実施体制の強化を望むという御指摘、さらに環境保全への配慮の必要性、特に地球環境の問題が最近各方面から指摘をされておりますが、こういう面での開発援助、開発協力が環境保全の面で果たすべき大きな役割を認識し努力すべきであるという御指摘、また情報通信分野の協力についての必要性等々について幅広い意見交換が行われた次第でございます。
 以上が対外経済協力関係閣僚会議の従来までの経緯でございます。
#8
○小委員長(矢田部理君) 以上で説明聴取は終了いたしました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○下稲葉耕吉君 ただいま三省庁からODAについて最近の状況を御説明いただきました。
 まず外政審議室長にお伺いいたしたいわけでございますが、ただいま対外経済協力関係閣僚会議についての御説明をいただきました。この小委員会あるいはまた親委員会でも、ODAの問題についていろいろ議論されました。そういうふうな中で、行政の一元化ということが何とか図られないかという真摯な意見がございまして、基本的に各党一致しているわけではございませんけれども、私はとりあえず、ODAの関係省庁が十六省庁にもまたがっている今日でもあるし、それから従来の経緯も踏まえ、さらに今後国際社会の中において「世界に貢献する日本」ということを目指して日本が活躍するわけでございますから、関係の閣僚会議を設置してODAの基本的な問題について議論し、そして政府として方向を指さし、積極的に推進する必要があるのじゃないかというふうな主張を申し上げていたわけでございまして、昨年末に閣僚会議が設置されたということは大変喜ばじいことであり、今後の活躍に期待しているわけでございます。
 そこでまず、「会議の目的は、経済協力の基本政策についての意見交換等を通じ、」、こういうふうに書いてございます。これは、私どもの理解するところによりますと、やはりODAについての基本的な理念であるとか目的であるとか、あるいは中長期的の政策の重点であるとか、さらにはまた当面のODAの重点についていろいろ議論されるのじゃなかろうか。中長期的な問題のみならずもう当面の、短期と申しますか、そういうふうなことについても議論なされるのじゃなかろうか、このように思うわけでございますが、その辺についての御意見をまず承りたいと思います。
#10
○政府委員(藤田公郎君) 本件閣僚会議の開催目的につきましては、先ほど御紹介を申し上げました本件閣僚会議設立の際の閣議口頭了解におきましても、また第一回会合における内閣総理大臣のごあいさつにおきましても、ただいま委員が御指摘になりましたように、経済協力の基本問題、基本政策についての意見交換を行い、方向づけを考えて、各出席閣僚により経済協力の基本的な方向づけを議論してもらいたいということが閣僚会議の目的として提示をされていると承知いたしております。
 現在までのところ、先ほど申し上げましたように二回の会合が行われたのみでございますが、現実に行われましたところは、中長期的な議論、例えば要員の確保の問題でございますとか評価体制のあり方等、本質的な問題についての議論とともに、平成元年度の予算の内容、さらには環境問題、これは中長期の問題でもございますが、特にここ一両年論議が盛んになっております環境問題と開発協力のあり方等について、当面の問題についてもあわせて議論がされているというのが現在までの状況であるというふうに承知いたしております。
#11
○下稲葉耕吉君 若干事務的なといいますか、会議の性格についてお伺いいたしたいと思いますが、新聞の報道によりますと、自民党の四役等が出席なさるということが報道されているわけでございますけれども、各関係閣僚会議ということになっておるわけでございますから、その辺の関連がどういうことかというのが第一点。
 それから、政府の方針の決定というのは閣議というものがあるわけでございます。閣議と閣僚会議との関係、この二点について御説明いただきたいと思います。
#12
○政府委員(藤田公郎君) 委員御高承のとおり、多くの関係閣僚懇談会あるいは関係閣僚会議におきましては、構成員であられる各閣僚に加えまして、自由民主党の役員の御参加を求めるという形になっているものが多くございます。本件対外経済協力関係閣僚会議におきましても、ただいま御指摘のとおり、構成員は十四閣僚でございますが、あわせて自由民主党の四役及び幹事長代理、対外経済協力特別委員長の御出席を求めるという形になっております。この点は、私ども事務局の理解いたしますに、他の閣僚会議等の例にならいまして、閣僚会議におきます意見交換等の過程で議論をより実効あらしめるために、議院内閣制のもとで、政府として与党の責任者の方々の御意見を拝聴することが重要であると考えられた結果かと承知しております。
 第二点の閣議との関係でございますが、閣議は当然のことながら内閣の最終的な総合調整かつ意思決定機関ということでございまして、本閣僚会議は、この閣議に至ります内閣の経済協力に関します意見調整の過程におきまして、重要な問題について第一次的と申しますか、最初の協議、調整が行われ、もし閣議決定、閣議了解等の手続を要する案件がございます場合には、その後閣議に付議されるという形をとるものかと存じております。
#13
○下稲葉耕吉君 次に、行政監察の関連についてお伺いいたしたいと思います。
 ODAにつきまして総務庁がいろいろ行政監察をなさった。役所同士のことでございますし、私も役所の出でございますのでよくわかるわけでございますが、大変難しい条件がいろいろあっただろうと思いますし、そういうようなことにつきまして外務省あるいは関係機関の方々が積極的に御協力なさいましてこういうふうな結果がまとまり、それに基づいて勧告が出されてきたということで、まずその労に敬意を表する次第でございます。
 そこで、読めば読むほど実はいろんなことがわかってくるわけでございます。一般的にODAにつきましては、国民の全体的なムードとしては、日本が戦後の貧困から今日まで経済大国として発展してきた。それには外国からのいろいろな援助もあったわけでございますし、今や外国に援助して差し上げることができるような国に日本が発展してきた。そういうようなことから、それぞれの援助を必要とする国々が、その自助努力を我々が助長して差し上げることによって、将来においては、例えば我が国のように援助を必要としない、むしろ援助をして差し上げる国へ発展する、そういうふうなところに経済協力の基本的な考え方があるのじゃなかろうか、このように思うんです。そういうふうなことで、日本の国民の方々も、今日まではどちらかというとODAについては非常におおらかな気持ちで賛成を示してこられたというのが国民感情じゃなかろうかと思うんです。
 ところが最近になりまして、一部のマスコミに見られますように、ODAの中身の問題、せっかく国民の血税でいろいろな援助をして差し上げたつもりなんだけれども、実際はそれが必ずしも適
時適切に行われていない。あるいはこういうふうなロスもあるんじゃないか、むだもあるんじゃないかというふうなことが報道されている。そういうふうなことから国民のODAに対する理解というものがだんだん薄れてきて、場合によっては批判的な方向になってくるというふうなこともなしとしないと思うのでございます。
 そういうようなことからいいますと、今回の行政監察の結果というふうなものは、地道に着実に効果のあるODAを推進するためには非常に示唆に富んだ内容であるわけでございますし、いろいろ勧告に対する回答というものも拝見させていただいたんですが、率直に言いまして、外務省なりなんなりの立場で回答されているようなことも受け取れるわけなんですね。
 ですから問題は、私はきょうは二つ取り上げてみたいと思うんですが、要するに二国間の援助についての政策協議といいますか、まず何を援助して差し上げようというふうな議論から出発するわけですね。その実態というのを見てみますとなかなか少ない。六十年には六カ国、六十一年には七カ国と、そういうふうな状態でございますね。そしてまた、日本が最大の援助国になっている十カ国のうちでも、そのうち四カ国はここ数年間年次協議が全然行われていないというふうな指摘がある。あるいはまた、基本設計調査といいますか、事前調査と本格調査、その辺について見ましても、私は当然、相手国のいろいろな事情があるにしても、援助案件については、一般無償の案件についてはほとんど一〇〇%に近い本格的な調査というものがなされているものだというふうに期待していたんですが、三七・三%は実施されていないというふうなこと。あるいはまた、援助案件の効果の確保、アフターケア、フォローアップ、そういうふうな面についても定期的な把握がなされていないとか、あるいは調査の実施件数、実施内容が不十分であるとか、アフターケアが不十分であるとか、いろいろ指摘がされているわけなんですね。
 そういうふうなことを考えてみますと、今申し上げましたように、国民がODAに対していささか懸念を持ち出している背景は、まさしく今申し上げましたようなところに原因があるんじゃないだろうかというふうな感じがするんです。その辺のところについて、行政監察をなさった立場からいろいろ書いてあるんですけれども、基本的に何が不足しているのか。みんな一生懸命やっていると思うんですけれども、何が欠けているのか、その辺のところがまず問題じゃなかろうかというふうなことが一つ。
 そしてその次に、これは外務省なり総務庁の御答弁をいただければいいと思うんですが、そういうふうなことと関連いたしまして、圧倒的に、もう話にならないほど実施体制が弱いということが言えるのじゃなかろうかと思うんです。例えばJICA一つとってみましても、JICAの当初発足の人員よりも、途中行政改革でずっと減りまして、現在の方がまだ少ない。毎年幾らかずつふえてきているけれども。ところが、発足当初の予算に比べてみますともう十倍以上なんですね。しかも、対外的に外国の先進国の実施機関なんかと比べてみましても、問題にならないような体制だ。そういうようなことで、毎年六名ふえましたとか、今度は十何名ふえましたとか、そういうふうな体制で、私は本当に国民の期待にこたえられるかどうか、大変疑問だと思うんです。
 その辺のところを何とか抜本的に解決しない限りODAについての今申し上げましたような問題は続き、それから国民の不満というのはだんだん醸成されてくるのじゃないだろうかというふうな感じがするんですけれども、時間も参りましたので、この二間についてひとつ率直な御意見を承りたい、このように思います。
#14
○政府委員(山本貞雄君) まず、最初の御指摘の点でございますが、委員御指摘のとおり、この監察を始めました動機というのは、ただいま御指摘のように、当時、玉置元大臣が、我が国は国際社会への積極的貢献を目標としておって、経済協力というのは非常に重要な政策分野であり、かつまたそれが年々非常に増額しておる。そして相手国やその国民からも評価されるとともに、我が国国民の理解と協力を得ながら国際的責務を果たしていくためには、この経済協力というものが適正でかつ効果的、効率的に実施されることが極めて必要だということで、そういった観点からODA監察を実施すべきではないか、こういう御指摘のもとに監察を始めたわけでございます。
 もちろん、外務省を中心に関係機関も大変熱心に取り組んでおられると思うわけでございますが、何分にも非常に多くの分野にまたがり、かつまた問題は多くの関係機関にも関係する問題でもございますし、また相手国の行政能力という点もいろいろございましょうから、非常に多くの案件あるいは新しい形態の協力というものもどんどんできておるわけでございまして、当然さまざまな問題が発生するわけでございますが、私ども行政監察を行いました観点は、先ほど申し上げましたように、適正で効果的、効率的に経済協力を実施していく、そういう観点から、関係機関の業務につきまして業務の実施体制、仕組み、手続、運営の実態というものを調査して、約八十項目にわたる具体的な改善を指摘したわけでございます。
 そのいろいろな問題の原因というのは一つや二つではないと思います。率直に申せば、やはりとにかく相手国のニーズというものを客観的に把握する努力、そしてそれを適切な援助計画に仕上げていくという努力、そしてそれを効率的、効果的に実施する、またアフターケアも十分行う、また評価も確実に行って新たな計画に対するフィードバックを行う、そういった基本的な地道な努力、これは体制につきましても手続、運営につきましても、そういった適正、効果、効率という観点から具体的に地道に行っていくということがやはり一番必要なことであろう。こういうことで、いわばシステム、運営の面からの具体的な改善事項の指摘を行ったということでございます。
 それから、二番目の事業団の実施体制の問題でございますが、御指摘のように、体制上の問題は極めて重要な問題でございますが、事業団の実施体制につきましては、業務の量的、質的な変化と、それから移住行政もやっておりますので、その環境変化等の情勢の変化に対応した事業実施体制の整備とそれから業務の効率的、効果的実施という観点から、今回の勧告では、一つは事業団本部の分野別事業実施体制の見直しを含めた組織運営全般の見直し、それから効率的な組織への再編成と業務量に即した部門間の要員配置の適正化を計画的に行うこと。それから在外事務所につきまして、一人事務所の解消等体制整備を図りますとともに、在外事務所への案件形成やフォローアップ調査等の実施権限等、権限、業務を委譲すること。そして三つ目に、調査団派遣等の事業団関係業務の民間委託を推進することなどを指摘しております。
 それからなお、経済協力に係る業務量の増加に対応しました定員の充実につきましては、御指摘のように大幅な増加ではございませんが、これまで事業団の経済協力部門につきましては、移住部門からの定員の振りかえや新規増員によりまして、四十九年の五百六十九名から六十三年度の八百八十五名へ三百十六名の増員が行われているところでございます。
 事業団の体制につきましては、既に指摘いたしましたように、今後とも業務量に対応して、特に在外事務所を中心に体制の整備を図っていく必要があると考えておりますが、あわせて本部を中心とした分野別事業実施体制の見直しや定員配置の適正化を進めることが必要であり、また、国別の専門的知識を含めた経済協力事業に精通した人材の育成を図っていくことも必要であると考えております。
#15
○政府委員(松浦晃一郎君) ただいま下稲葉先生から大変貴重な御意見を賜りまして、私どもといたしまして、先生がお話しになられました諸点を心に銘じて今後対応してまいりたいと考えております。
 先生も御指摘のように、日本の援助はこれからもますます伸ばしていかなければならないわけでございまして、そういう際に国民の支持を得ていくことが本当に肝要でございまして、万が一にも国民の間に、日本が実施しております援助に対しまして不信の念が出てくるということは、私どもといたしましてもぜひとも避けたいことであると考えております。
 毎年秋に、総理府が、外交全般に関しまして世論調査を行っておりまして、これは一昨年の十月になりますが、経済協力に関しましても積極的に進めるべきであるというのが三八・四%、それから現在程度でよいというのが四一・六%、合わせまして、我が国の経済協力に対します支持率は八〇%というふうに出ております。昨年の秋も同様の調査を総理府が行って、これは近く発表されると伺っておりますけれども、大体同様の結果であったと承知しておりますので、いろいろ報道はございますけれども、全体として言えば、私どもとして今我が国が行っております経済協力の方向に関しましては基本的に国民の支持を得ているのではないかと思っておりますが、先生御指摘のようなことがこれから起こっては本当にいけないことであって、そういうことにならないように、誠心誠意努力してまいりたいと思っております。
 それから、行政監察の勧告に対します外務省の対応につきましては、先ほど来総務庁から御披露がございますので、この点については触れることは避けたいと思いますけれども、全体として申し上げますと、今回の無償資金協力と技術協力に関します勧告につきましては、全体として申し上げれば、外務省がまさに目指している改善の方向と合致している、こういうふうに私どもは考えておりまして、したがいまして、個々の勧告を受けまして具体的な改善策をできるだけ早く実施していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
 具体的な諸点は先ほど御披露がございましたけれども、その中でも小規模無償資金協力の創設というのは非常に重要な点でございまして、これはおかげさまで来年度の政府原案に計上させていただいている点でございます。その他の諸点についても、私どもさらに検討を進めて、具体的に実施していくよう努力してまいりたいと思っております。
 それから、下稲葉先生から御指摘がございました具体的な点に関してでございますが、この年次協議は先生御指摘のとおりに本当に重要な点でございまして、私ども、先生から最後に御指摘ございましたまさに実施体制の関連で、外務省の経済協力局にも十分なスタッフがいれば、本当に重要な、無償受取国とはすべて年次協議をしたいわけでございますけれども、御指摘の年次協議と銘打っておりますのは七カ国でございまして、これが全部合わせますと日本の無償資金協力の半分近くにはなりますけれども、そのほかビルマ、ネパール等の大口がございます。私ども、年次協議とは銘打っておりませんが、局長、審議官、課長クラスが機会あるたびにそういう国を訪問したりあるいは相手国から責任者が日本に参りましたときに協議を行っております。
 例えば先般の大喪の礼の際にも、これはちょっと脱線いたして恐縮でございますけれども、私自身が、通常余りコンタクトしておりませんウガンダとかニジェールの、これは実は総理及び担当大臣とでございましたけれども、まさに無償の話を細かく詰めさせていただいておりまして、そういう機会をとらえて私どもとしてはさらに努力していきたいと思っております。
 それから……
#16
○小委員長(矢田部理君) ちょっと、全体の持ち時間が二十分ですので、最後の一間の答弁が十分以上かかったのでは困るので、もう少し端的にやってください。
#17
○政府委員(松浦晃一郎君) はい、わかりました。
 基本設計に関しましても先生御指摘のような方向で努力したいと思っておりますが、無償の中に機材関係が三割もございますので、これは基本設計を必要としないで対応できるということでやっておりますが、施設案件はすべてもう基本設計をやっております。
 それからフォローアップ調査も、先生御指摘のようにさらに努力して拡充していきたいと、こういうふうに考えております。
   〔小委員長退席、下稲葉耕吉君着席〕
#18
○矢田部理君 私の方から何点か質問いたします。
 第一は経済協力、量的には大分拡大をしてまいりましたが、既にお話がありましたように、質的な強化がいま一というところであります。そこで私どもはかねてから言っておるのでありますが、無償協力の割合をふやす、あるいはグラントエレメントを高めるというようなことを努力するというだけではなくて、計画をきちっとして、目標値を定めるなどしてやるべきだというふうに言っておるのですが、そういうめどは立てられないものでしょうか。あるいはどうなっているのか、それが第一点。
 それから、同様の問題でありますが、LLDCに対する無償協力を額、比率ともに大幅に引き上げるべきだということを指摘してきたのでありますが、これに対する考え方。そしてこれも計画を明らかにして数値等を示しつつやるべきだと考えているのですが、これは外務省でしょうか、この二点をまず伺いたいと思います。
#19
○政府委員(松浦晃一郎君) 最初の御指摘の無償資金協力でございますけれども、私どもといたしましては、先生御指摘のように、さらに無償資金協力の拡充が必要だと考えておりまして、一般会計におきまして、先ほどちょっと触れましたように全体の伸びは七・八%でございますけれども、外務省に計上しております無償資金協力は八・五%の伸びを確保させていただいて、政府原案に計上いたしておりますが、この中長期の問題に関しましては、第四次の中期目標に関しまして、その中におきまして引き続きその拡充を図る。
 特に今先生御指摘のLLDCにつきまして援助の一層の無償化を進めるほか、債務救済措置を拡充するということがうたわれておりまして、私どもこれを踏まえて対応したいと思っておりますが、何分、先生御指摘の、中期の計画をぴしっと立ててそれに沿って予算を伸ばしていくということは残念ながらできない状況でございますので、こういう中長期の、第四次中期目標にあります点も踏まえまして、毎年毎年の予算折衝の過程で最大限の努力をしていきたいと、こういうふうに考えております。
 それからLLDCの点に関しましては、先ほど冒頭の私の発言でちょっと数字を御披露させていただきましたが、あのときはシェアだけに触れましたけれども、数字で申し上げますと、八六年はLLDC向けのODAは五億七千八百万ドルでございましたが、八七年には、これはドルで表示してありますのでもちろん為替レートの問題がございますけれども、九億八千八百万ドルということで、四億ドル以上ふえております。その結果、日本の二国間のODAに占めますLLDCのシェアも一五%から一八・八%にふえたということでございまして、私どもといたしましては、このLLDCに対しましては今の無償資金協力を中心にさらに拡充を図っていきたいと、こう考えております。
#20
○矢田部理君 中身は知っているので、要するに計画を立ててもう少しきちっとやれぬかということだから、それについてだけ答えてもらえばいいんです。それを希望しておきたいと思います。
 もう一つは情報公開でありますが、一部企業名の公開などに踏み切ったことは多としますが、どうもまだ全面的でないという指摘もありました。例えば基金関係などについては依然として企業名を明らかにしていないということでもありますが、情報公開をどんなふうに考えるか。企業名の公開も、全面的に公開すべきだと思うがいかがか。以上二点をお伺いします。
#21
○政府委員(松浦晃一郎君) 私どもは、企業名の公表は、円借款、無償資金協力、それから開発調査、いずれについてでもございますが、原則としてすべて公表するということにしておりまして、今先生御質問の政府借款に関しましても、六十二年度以降の円借案件は、これは事前に包括的に関係国政府の了承を取りつけておりますけれども、公表しております。
 ただ、何で私が原則としてと申し上げておりますかと申しますと、コンサルタントに関しましては非常に細かいのは公表しておりませんで、一億円以上、それ以外に関しましては十億円以上、こういう契約ということにしておりますが、これで大半はカバーされているものと承知しております。
 ちなみに、無償資金協力に関しましてはすべての企業について公表をしております。それから開発調査はコンサルタント関係でございますけれども、これもすべて公表しております。
#22
○矢田部理君 情報公開が非常に大事なので、これは引き続き全面的な公開、でき得べくんば例外を少なくしていくような努力をいただきたいと思っております。
 もう一つは環境問題。これは先ほどの閣僚会議でも出たそうでありますが、どうも今まで日本の援助というのは、環境問題を相手国、当該国の問題ということで、日本自身が責任を持って対処してこなかった経緯があるわけです。それがタイとかブラジルとかまたマレーシアなどにも端的にあらわれておって、私も何回か取り上げてきているのでありますが、環境に与える影響について事前にどのような調査、評価の体制をつくっているのかというようなことが一つ。
 それから、これは環境だけではありませんで、やっぱり地域住民の生活とかあるいは文化とか、さまざまなそういう状況も破壊しないで問題に対処していくという体制も非常に重要なテーマでありますので、そこら辺について対応がどうなっているのか。最近進んだ状況があるのかどうかというようなことを伺っておきたいと思います。
#23
○政府委員(松浦晃一郎君) 環境との関係におきましても私どもそれなりに努力してきているつもりでございまして、多国間援助につきましては、私ども国連のUNEPに対しましてかなりの拠出を行っておりますし、そのほかFAO、ITTOに対しても協力しております。
 それから二国間の協力に関しましては、私ども従来力を入れておりましたのは、森林保全とか自然環境の保護に役立つような分野での資金協力、それから技術協力をさらに拡充していくということで、この分野に関しましては私どもはそれなりに国際的に評価を受けていると思っております。
 例えば技術協力ですと、フィリピンのパンタバンガンの植林プロジェクトというのはもう数年前からやっておりますし、今度の円借款でも、初めてでございますが、フィリピンの植林事業に対しましてアジア開発銀行と協力して資金協力をすることになっております。
 技術協力についても、できるだけ環境関係の研修コースその他努力をしていきたいと思っていますが、先生今御指摘のは、もう一つの側面の、日本が援助を行う際の環境アセスメントをしっかりやるべしという御指摘かと思いますが、これはまさにそのとおりでございまして、これはOECDにおきましても八五年に環境アセスメントの理事会勧告が出ておりまして、これは当然ですが日本も受諾しておりまして、円借款、それから無償資金協力等を実施するに当たりまして、先生が御指摘の点をも踏まえてしっかりした環境アセスメントをやっていくということがこれからますます重要になってまいりますので、私どもさらに力を入れていきたいと思っております。
 その関連で、国際協力事業団におきまして環境関係専門家の方から成る環境援助研究会というものを昨年設置いたしまして、十二月にその報告書が出ておりますけれども、まさに先生が御指摘のような点がいろいろ出ておりまして、こういう研究会の報告書もさらに踏まえて対応していきたいと、こう考えております。
#24
○矢田部理君 まだ幾つか聞きたいことがありますが、時間の関係がありますからかいつまんで伺います。
 これは藤田さんに。行政の一元化問題にかかわって、当面関係閣僚会議でやっていくということですが、ここの任務というのはどうなんですか。私どもは、閣僚会議をつくってそこで基本計画ですね、中期的な計画とか年次計画を立てて、それをもとに運営したらどうかということなども議論の中に、あったわけですが、伺っておりますと、どうもそういう基本計画を立てるところは別にあって、何となく連絡調整機関というような、意見交換機関というような程度に受け取れるのですが、この閣僚会議の任務とか性格についてもう少し説明をいただきたいと思います。
 それからもう一つは、やっぱり与党が入ってやる閣僚会議というのは、行政府と立法府との、まあ与党、政府の関係はあるにしても、これはいかがなものかというふうに思います。
 それからこれに関係して三点目に、従前この種のものがあったのが廃止されたのはなぜだったんでしょうか。何か余り役に立たなかったからとか、問題があったからやめたんだろうと思いますが、その点は今回はどんなふうに克服をして従前と違ったものにしているのかというようなことも含めてちょっと御説明をいただきたいと思います。
#25
○政府委員(藤田公郎君) 第一の御質問の、この閣僚会議の任務、目的いかんという点でございますが、これは冒頭申し上げましたように、経済協力につきましての基本政策を閣僚レベルで御討議いただくということでございますので、当然のことながら、基本的な問題点についてはこれは話してはいけないとか討議してはいけないということが言われているわけではございませんので、すべての基本的な問題というのは御討議いただくものと、私ども事務方ではそういうふうに理解をしております。
 年度計画につきましての御言及がございました。本小委員会におきましてもそのような御議論が出たということをこの中間報告で承知しておりますが、このような問題も含めまして、閣僚の方々が議論をしたいというお話が出てまいりましたら当然お話しになられるものと私どもは考えております。いずれにせよ、その議論の対象が何らか限られているということはないということでございます。
 それから第二点の、与党が入っている云々ということでございますが、これは本件閣議了解が行われました以降、国会の場におきましても種々御質疑がございまして、本件についての種々報道等があったものでございますからそれに関連してかと思われますが、冒頭申し上げましたように、最近のいろいろな問題について設立されております閣僚会議におきましては与党役員が入っておられるのがむしろ通常の姿でございまして、閣僚だけで行われている閣僚会議というのはむしろ少ないということかと思います。この目的は、構成員は当然のことながら十四閣僚で行われる、しかしながら、与党の役員及び経済協力特別委員長及び幹事長代理の方から有益な御意見の開陳を得て効率的に進めていこうというお考えから与党役員の参加も求めるということになったかと私どもは承知しております。
 それから第三番目の、前あったのを廃止された件でございますが、これは私当時東京におりましたが、福田内閣が組織をされまして、福田総理のお考えで、当時閣僚会議、閣僚懇談会、協議会のたぐいのものが多くございまして、非常に閣僚の方々が負担になっておられる。かつ、閣僚会議、協議会等々が若干形式化しているというお考えかと思いますが、報道等によりますと。そういうことで、福田総理の御指示で一括全部廃止ということになりまして、この経済協力についてだけ廃止されたということではございません。
 それまでの間の経済協力協議会ないし会議についてはいろいろ有益な意見の交換等々が行われたと承知しておりますが、当時の閣僚会議ないし協議会は、委員御高承のとおり非常に小さな会議でございまして、たしか六閣僚が構成員で行われていたと承知しております。今回の閣僚会議は十四閣僚が構成員ということで、党役員の方の御参加も得ておりますが、これは本小委員会それから臨調、その他対外経済協力審議会、これは八条審議会でございます、等々、国会、審議会それから臨調、いろいろな機関からの閣僚会議設置の強い御主張に応じて設立されたものでございますので、やはり以前廃止されたものとはおのずから重みも違うものと思われますし、毎回の会議が行われました後の、例えばマスコミの取材の対応等につきましても極めて世の注目を集めているという状況でございますので、同じような運命をたどって早急に廃止されてしまうというようなことは万ないのではないか。私どもは庶務でございますが、そういう感じでおります。
#26
○矢田部理君 時間があれば外務省にもう少し伺っておきたかったんですが、特に国会と行政府との関係をいかにするかが焦点の一つでもありますから。しかしこれは国会自身の問題でもありますから、我々仲間で議論をすることといたしまして・・・。
 せっかく総務庁がおいでになっているので、これも各論的にはいろいろお聞きしたいこともあるわけですが、この行政監察結果報告書というのは「第一次」となっておりますね。そうしますと、当然のことながら次の報告が期待されるわけですが、それは、これと違ってどんな観点でどんなことを中心的な中身として作業をおやりになっているのか。おやりになっているとすれば、いつごろその報告が期待をされるのかということを伺っておきたいと思います。
#27
○政府委員(山本貞雄君) この経済協力行政監察の第二次は、有償資金協力について行っておるものでございますが、これも基本的には有償資金協力行政が適正で効果的かつ効率的に行われているかという観点から、関係省や実施機関の業務を中心にいたしまして業務の実施体制、仕組み、手続、運営の実態等を調査いたしております。
 勧告の時期でございますが、実は昨年十一月から十二月にかけましてアジアあるいは中南米六カ国の在外公館等の調査を実施いたしまして、現在その結果を取りまとめておる段階でございまして、現時点でははっきりと時期を申し上げることはできないわけでございますが、できるだけ速やかに取りまとめまして勧告にこぎつけたい、このように思っております。
#28
○矢田部理君 もう一点だけ、あと若干時間があるようですから。
 これは外務省に伺いますが、先ほどNGOの問題について触れられました。きめ細かなプロジェクトが可能になることが大事だし、それから国民の自主性、国際性を酒養することになること、国民同士の交流と友好関係の増進、深まることなど、その活動の可能性と価値は非常に大きいと思うんです。ただ、政府が直接的に資金を供与したり行政的に介入することは望ましくない面もありまして、一たん民間の受け皿をつくって、NGOの自主性を保障する形で予算の配分とプロジェクトの整合性を図るなどの方途を考えるべきではないかと思いますが、その点はどうなふうに進めようとしておられるのでしょうか。簡単で結構です。
#29
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘の、新規の補助金一億一千万円の配賦に当たってのガイドラインを今鋭意NGOの関係者とも相談しつつ詰めておりますが、その際、先生御指摘のように、できるだけNGOの自主性は尊重しつつ対応したいと考えております。
#30
○矢田部理君 民間の受け皿づくりというのはいかがですか。
#31
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御承知のように、今民間にNGOのグループが二つできておりまして、一つはNGO活動推進センターでメンバーが十一ございます。それから関西に関西国際協力協議会、メンバーは十四ございます。いろいろ相談しておりますけれども、私どもはこの補助金はやはり個々のNGOに直接出すようにしたいと考えておりますが、こういうNGOがそれぞれのグループをつくっていろいろ連絡体制を強化していくというのはそれ自体非常に望ましいし、私どもとの連絡体制もそのおかげで密にはなっておりますが、この補助金自体は個々のNGOに出したいと思っております。
#32
○矢田部理君 その辺はもう一度、やっぱり民間に真接渡すというやり方よりも、民間に受け皿をつくって間接的に問題を処理することも十分検討の必要があるというふうに考えておりますので、その点はひとつ検討課題ということでお願いをして、私の質問を終わります。
   〔小委員長代現下稲葉耕吉君退席、小委員長
   着席〕
#33
○中西珠子君 時間が大変限られておりますので、同僚委員が既にお聞きになったことはもうお聞きしませんで、これまでの御答弁をもってそのお考え方というふうにとらせていただきます。
 まず、私は五年半前に参議院に来て以来、ODAに関しましては第三者を含めた客観的な評価が絶対必要だということをもう何度もあらゆる機会を通じて強調してきたわけでございますが、最近外務省は第三者を交えた評価というものを既になすっておりますし、それも日本人の学者とか学識経験者の第三者のみならず、第三国だとか国際機関というものの専門家を交えた評価というものをなすっているという点におきましては非常に高く評価しているわけですが、例えば英国のクラウンエージェントだとかUNDPの専門家というものを交えて評価をなすった場合どういうふうな評価が出てきているか。その内容につきまして少しお教えいただけませんですか。
#34
○政府委員(松浦晃一郎君) 今先生御指摘の第三者による評価、まさに先生御指摘のように、日本における第三者のみならず外国の第三者にもだんだん拡大しておりますが、八七年度にイギリスの外務省の外局の海外開発庁の顧問をしておられたアンソニーさんという方がインドネシアの農業案件を評価しておられますけれども、これは今度公表いたします報告書に載せますのでぜひごらんいただきたいと思いますが、全体としては、日本の農業協力案件は評価をいただいております。
 それから、八八年度になりますけれども、今先生御指摘のUNDPのラヒーム評価課長にネパールに行っていただきまして、ネパールの無償技術協力案件を評価していただいておりまして、これも同様な評価をいただいております。これは八九年度に発表いたしますものに載せますけれども、この内容につきましては別途先生に御連絡させていただきたいと考えております。
#35
○中西珠子君 先ほど矢田部委員が情報公開の必要性ということをおっしゃいましたけれども、私も、本当に国民の貴重なる血税その他の貴重な財産である資金を使っているODAでございまして、毎年毎年これの額がふえているわけですから、英国のクラウンエージェントを使ってこういう評価を得たとか、UNDPのラヒームさんからこういう評価を得たなどということは一部の人しか知らないわけです。国民は何もわからないわけです。一体何に使われているのか、本当に喜ばれているのかというふうなことが非常に今問題になってきておりますから、この情報公開につきましては、企業名の公開も含めできる限りの情報を国民に提供していただきたい。
 それから、ただいま環境問題などが非常に国際的な連携を持っておりまして、途上国の環境団体と先進国の環境団体が非常に横の連携を密にしているわけです。そういう人たちが日本に来まして、日本のODAがこういう環境破壊を起こしている。先ほど矢田部委員もおっしゃいましたけれども、例えばマレーシアとかいろんなところでそういう環境破壊が起きているという実例を持ってきます。そして、環境関係の官庁それからODA関係の官庁に、いろいろ情報をもらいたいからということで、とにかくアレンジしてほしいというようなことやら紹介してほしいというようなことを要請されるときもあるわけです。ところがなかなか情報が提供されないというふうな事情もございます。これは環境問題はバイラテラルでもマルチラテラルでも非常にこれから大きな問題になっていきますし、市民運動の横の連携というものもあるものですから、やはり日本の国際的な評価というものにつながっていきますから、大いにこれはやっていただきたいと思うわけでございます。ただUNEPがやっているからとかどこがやっているからというのではなくて、プロジェクトを初めに選定なさるときに環境のアセスメントを必ずやっていただきたい、これは要望として申し上げておきます。
 最近OECDのDACが、「プリンシプルス・フォー・プロジェクト・アプレーザル」というのを昨年の十二月に出しましたね。これは何か簡単な概要を経済協力局の方でお出しになったのがありますけれども、「OECD開発援助委員会の案件審査原則について」というわけですが、これにつきましては外務省はどういう対応をなさろうとしているんですか。その点につきまして外務省からちょっと御答弁願います。
#36
○政府委員(松浦晃一郎君) DACのプロジェクトのアプレーザルのガイドラインは、DACの事務局が日本も含めまして関係国といろいろ相談いたしまして、そして関係国がやっているところを集大成し、さらに改善すべき点があればそれを改善するということで出しております。
 私どもといたしましては、具体的に申し上げれば円借款のアプレーザルに一番適用されますけれども、従来から、DACで今回採択されましたラインに沿って基本的にはやっていると考えておりますが、さらにDACのガイドラインを踏まえて改善すべき点は改善したいと、こういうふうに考えております。
#37
○中西珠子君 やはりODAをやっていく上の基本的な理念とか原則とか、そういったものもはっきりしろと。それからプロジェクトを選定する場合も、またそのプロジェクト実施中も、またプロジェクトが一応完了した段階においても、またフォローアップにおいてもこういうふうにしろというふうなことが細々と書いてあるような気がいたします、私は。日本語の方を読みますとよくわからないんですけれども、英語の方を読みますとそういう気がするんです。
 それで、三月三日の朝日新聞の社説に、「このガイドラインの主たる標的が日本であることは公然の秘密だ。」と、こう書いてあるわけです。これは本当にどうだかわからないのでございますが、外務省といたしましては、これを慎重に受けとめて、そして直すべきところは直すという態度をとっていただきたい。これは要望でございますが、いかがでしょうか。
#38
○政府委員(松浦晃一郎君) これはまさに先生御指摘のように、私どもこのDACのガイドラインを踏まえてしっかり対応していきたいと思っております。
 ただ、今先生、新聞の報道の引用がございましたけれども、実は全く根拠がございませんで、一時そういう報道がございましたのでむしろDACの事務局の方も驚いているぐらいで、どうしてそういう報道が日本で流れたんだろうかと驚いていたぐらいでございまして、報道自体は全く根拠がございませんで、先ほど申し上げましたように、いろいろな国とよく相談いたしまして、いろいろな国がやっているところを集大成し、かついろいろな国がさらに改善していくべき点を改善していくということで、何も日本だけを対象にしたものでも、特に日本を批判するためにつくったものでも全くございません。
#39
○中西珠子君 それから、これは既に前の委員の方がお触れになった問題でもありますが、ODAがどんどん量的に拡大していきますとやはり人材の育成が追いつかないわけですね。そういたしますと、とにかく技術協力の専門家の育成も追いつかないし、それぞれの国のマクロの経済分析をやったり、社会、文化の分析をやり、また歴史の勉強もやるというふうなそういうカントリースタディーをやる人も足らないし、それからODAのプロジェクトを管理していく担当官も足らないというふうなことになってくるわけでございます。これの育成については、国際大学ですか、何かODA研究会が提唱した大学を考えていらっしゃるということでございますが、それが果たしていつ発足するものか、今現在どういう検討段階にあるのかという点が一点。
 それから、人材が足らないという面から、国際機関の専門性、政治的中立性というものを利用して国際機関とタイアップしてやっていくということも、やはり年々ふえていくODAの予算を消化していい援助をやっていくという上からいいますと、もちろんNGOを大いに活用するということも大事です。そしてまた、NGOの活用を今度の予算からお考えくだすって補助金がふえているということは非常に多とするわけでございますが、その国際機関の利用ということも最近徐々にふえてきておりますけれども、国際機関の利用という場合にいろいろな国際機関があるわけですね。例えば世界銀行、これは大いに協調してやっていらっしゃるわけですが、世銀に対する国際的な批判、殊に開発途上国の市民団体やなんかの批判というもの、また先進国の市民団体の批判というものが非常に大きいということは御承知と思うのでございますが、世銀なんかに対しても無条件でやるということではなくて、やはり一応国際機関の評価というものを考えてやっていらっしゃると思うんですけれども、こういうものに対する御方針につきまして外務省から御答弁をお願いします。
#40
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生最初に御指摘の、人材の点ではまさに御指摘のとおりで、私ども、人材の養成、確保にさらに努力してまいりたいと思っております。先生具体的に御質問の、国際開発大学につきましては鋭意準備を進めておりまして、来年度も引き続きその準備に当たりたいと思っております。私どもとしては、基本的に開発途上国の開発問題にかかわります大学院コースを新設するか、それを単独の大学として新設するか、あるいは既存の大学に新たにつけていただくか、幾つかのオプションは考えられますけれども、ぜひ国際開発大学は何らかの形で実現させたいと思って鋭意検討を続けている状況でございます。
 それから、国際機関の点につきましてはまさに先生御指摘のとおりでございまして、御指摘のような点も踏まえまして、私どもとしては国際機関と協力を進めていきたいと、こう考えております。
 御承知だと思いますけれども、今の日本のODAの約三割が国際機関向けの出資、拠出でございますけれども、私ども、それに加えまして二国間援助に当たりましても、まさに国際機関の持っている人材、ノーハウを積極的に活用させていただきたいと考えておりまして、例えば最近でもアフリカのバッタ災害の際にはFAOに十億円出しまして、FAOが各国のバッタ災害対策プログラムをつくってそれに協力するということをやりましたし、それからイラン、イラクの関係でも、ユニセフがそれぞれにおきまして、婦人と子供が被災地で大変ひどい目に遭っておりまして、そういう人たちの医療対策にイラン政府、イラク政府とそれぞれプログラムをつくりましたので、そういうユニセフに対しましてやはり無償資金協力で協力する。こういう最初の段階から出資、拠出するのに加えまして二国間援助もそういう国際機関のノーハウ、人材を活用する形で今後さらに拡充していきたいと、こう考えております。
#41
○中西珠子君 国際開発大学構想、大変結構だと思うんですけれども、一つだけ私申し上げたいことは、結局人材を開発途上国に対する開発のために養成する場合、過去のいろいろな国、殊に日本のODAの実績に関するデータ、そのデータベースがフルに使えないとやっぱり訓練、教育に役に立たないと思うんですね。その点をやはりお考えいただきたいということを一つ申し上げたいと思います。これは私自身の経験から申し上げているわけです。
 それから世銀ですね。これに対してはどう思っていらっしゃるのか。非常に世銀に対する反対運動がございましたね。これは外務省としてはもう反対運動をやる方が悪いと思っていらっしゃるんですか。
#42
○政府委員(松浦晃一郎君) 世銀に関しましては、一義的には大蔵省が対応しておりますけれども、外務省も必要に応じ協議を受け、必要に応じ世銀ともいろいろ話し合いをしております。
 私どもは、先生御指摘のようなことが一部あるというのは承知しておりますけれども、しかし、全体として世銀が途上国の経済開発に果たしてきた役割については大きな評価を受けているのではないか、こういうふうに考えております。
#43
○中西珠子君 もう余り時間がなくなりましたから、一つ申し上げたいのは、このOECDの案件審査原則の中にも、援助の対象になる人々として一々婦人をも含む婦人をも含むと、こう書いておりますね。DACばかりじゃなく、一九八五年にナイロビで世界婦人会議が開催されて、そのときに採択された二〇〇〇年に向けての将来戦略につきましても、やっぱり開発援助というものが女性というものを開発の成果から取り除いてはいけない、開発の成果は女性にも等しく及ぶものでなければいけないということが一つと、そればかりでなく、先進国がやる開発援助、開発協力の立案、企画の段階から実施の段階、また完了後の段階、そういったものに、早く言えばデシジョンメーキングにもっともっと婦人を参画させた方がODAがもっとよくなるということを言っているわけでございます。
 それで最近、国連自体も、また国連の婦人関係の部局も、また御承知と思いますけれども、日本に国際婦人年のあの決議を実施するための連絡会議というのがございますね。これは日本全体に全国組織を持っている五十一の婦人団体から成る連絡会議なんですが、ここも婦人と開発の問題をこれから取り上げていきたいということで大いに勉強を開始なすっているわけなんですが、日本におきましてはやっぱりODAの企画、立案、実施の段階、それからフォローアップの段階、そういったものに余りにも女性の参画が少な過ぎると思うんです。
 国会自体は余りODAに参画していないと私たちは思っていて、もっと参画させていただきたいということを申し上げているわけですが、その中にも女性はほんの少ししかいないということでございまして、今この中でも女は私がたった一人ですから申し上げているわけですが、外務省として、また経済協力関係閣僚会議としても、女性と開発という問題についてはどのようなお考えなんでしょうか。まず外務省からお聞きして、それから外政審議室長からもお聞きしたいと思います。
#44
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘の、婦人の役割と開発というのは、私どもも重々問題意識を持っておりまして、先生がお触れになられました八五年の「国連婦人の十年」のほかにも、DAC自身でもいろいろ検討しておりまして、八三年には開発における婦人の役割支援のためのガイディングプリンシプルというものができております。
 それから、先生の御指摘になられました、昨年採択いたしましたあのアプレーザルの中にも、やっぱり婦人の役割を考えるべしというのが入っているわけで、その点、私ども問題意識を持っております。
 それで、時間も限られていますので全部御披露はいたしませんけれども、技術協力の中でも女性関係を私どもかなり念頭に置いて進めておりまして、例えば留学生、研修生を受け入れております中で二〇%から二五%は女性でございますし、それからこちらから派遣しています青年協力隊は二五%が女性でございます。それから、プロジェクト方式、技術協力、無償資金協力などでもかなり女性関係のプロジェクトを推進しております。それから外務省がODA関係でいろいろ検討会、研究会を開きます際にも、できるだけ女性の有識者の方にも入っていただきたいと思っておりますし、現に、安倍外務大臣のときに設立してその後も活動を続けていただいておりますODA実施効率化研究会のメンバーの中には女性が二名入っておられて、そういう方々の御意見を聞きつつ私ども対応していきたいと考えております。
#45
○政府委員(藤田公郎君) デシジョンメーキングという御指摘でございますが、外政審議室が所管しております経済協力関係では対外経済協力審議会、これは八条審議会でございますが、がございまして、審議会等における婦人の委員の数をふやすようにという指針が採択されております。残念ながら、ただいま二十名の委員のうち緒方貞子元上智大学教授お一人でございます。前は中根千枝先生もメンバーでいらっしゃったんですが。ちょっと何と申しますか、二十分の一ということだものですから、もう少し増加していただかなきゃいかぬなという感じではおります。対外経済協力閣僚会議の方は、残念ながらメンバーには閣僚がおられないものですから。事務局の方は、九名審議官がおりますが、一名は女性の審議官でございまして、通産省出身でございます。
 現状はそういうことでございますが、私ども、ただいま松浦局長が申しましたような意識で今後とも臨んでまいります。
#46
○中西珠子君 まだお聞きしたいことがありますけれども、時間が来ましたから、残念ながら終わります。
#47
○上田耕一郎君 ODAの予算が、去年のトロントのサミットで竹下首相が、今後五年間、その前の五年間の二倍以上の五百億ドルということを表明して、今年度の予算案では事業予算がドルベースにすると百十一億ドルを超えて、どうやら世界最大ということになったわけで、非常に重要な位置を占めてきたと思うんですね。ところが、この調査会、小委員でずっと問題にしてきたように、法律もない、担当省庁の一元化もされていない。それから国会の参加がほとんどないということで、この問題、いよいよ世論も目を向けてきていると思うんです。
 私どもは、前からこの最大の問題の一つは、アメリカの要望にこたえた戦略援助、ここにあるということを指摘し続けてきました。二月二日の竹下・ブッシュ会談でも、「大統領が」「安全保障や対外援助の分野で日本の一層の努力を促したのに対し、首相は「最大限の努力」を約束した。こうした認識に立って首相は日本の経済協力の対象地域を従来のアジア集中型から米国と西側の安全保障にとって重要な中南米や中東にも幅を広げる方針を伝え、日米両国がフィリピンに対する多国間援助構想の実現に協力し合うことでも一致した。」ということになっているんですね。
 ところがこの問題は、今までも幾ら聞いても、宇野外相も戦略援助なんてない、自主的にやっているんだというような答弁ばかりなんですが、どうですか、ここまで来ても外務省はアメリカの要望に応じた戦略援助という性格は全くないと平然と言い張るおつもりですか。
#48
○政府委員(松浦晃一郎君) これはまさに先生が指摘されました、宇野大臣が繰り返し言っておられることを私もまた申し上げることになりますけれども、私自身、戦略援助というそもそも言葉自体が非常にはっきりしない言葉であるし概念もはっきりしないと、こういうふうに考えております。
 先生が今引用されました日米首脳会談、私はもちろんその場に居合わせておりませんけれども、私が了解しております限り、総理は、西側の安全保障にとって重要な地域に対してそういう点を考慮して援助するということは言っておられませんで、総理がおっしゃられましたことは、日本は非軍事面、すなわち経済面において国際的な協力を行っていくと。これは総理が昨年表明されました国際協力構想の三本柱の一つがまさにODAであって、そういうODAを通じて国際的な貢献を行っていく、そういう意味で言われたと私は了解しております。
 それから、引用されましたのは日本の援助の地域的な配分の問題でございますけれども、日本は御承知のようにアジアを中心にやってきておりますが、日本のODA全体が、経済力が大きくなったことを反映いたしまして大きくなっておりまして、先生御指摘のように、事業予算ベースでは米ドルに直しまして百十億ドルということでアメリカをオーバーする形になって、したがいまして、それに見合って日本の国際的な責任もすそ野が広がってまいりまして、アジアのみならず中近東、アフリカ、中南米の国々に対しても援助する必要が出てきた、それらの国の日本に対する期待が高
まってきていると、こういうふうに言えることで、まさにそういう点を踏まえて総理が発言されたわけで、何も西側の安全保障のために中近東、アフリカ、中南米の国々を援助するということではないと了解しております。
#49
○上田耕一郎君 外務省の対外経済協力の白書も、去年出たのが初めてそういう意味をはっきり書いた。「我が国としては、」「我が国の総合安全保障を目指すのみならず、より広い視野から、先進民主主義国の主要な一員として、如何にして地域の平和と安定ひいては世界全体の平和と安定に貢献していくかという座標軸を」「しっかり持っておく必要性が益々増大してきている。」という言い方で、そういう政治的性格がますます大きくなっているというようなことを公然と書き始めている。まあこの問題は今までもずっと追及してきましたし、きょうは余り時間がございませんので、総務庁がせっかく無償経済協力並びに技術協力についての監察報告をされたので、きょうはその問題について具体的にお聞きしたいと思います。「選択」という雑誌がありまして、去年の七月号に政府部内から出た内部告発の批判文書、この紹介をしているんですね、「無償資金協力の問題点とそのあり方」と。それで、案件ごとに非常に詳細に述べてあって、引用がある。これを読んでみると大変な例が多くて、例えば援助案件選定に大体問題があると。「リベリア、教育テレビ放送網拡充計画、八五年度、」「もともと最初からテレビ受像機などほとんどなく、それどころか電線さえ十分に配備されていないという現地の事情を考慮せずに」放送設備をつくったと、こういうケースなどが出ている。それからタイでは、「新村建設計画。八三年度、十億円」と。そして用水確保にダム建設用資機材を供与。水路が確保できないで国連の給水車で給水されているという例とかね。それから「パキスタン、小児病院建設、」「病院の完成後、日本人専門家が計画にそって引き揚げてしまうと、病院としては機能しなくなった。」。もう一々申し上げませんけれども、こういう例がずっと挙げてあるんですよね。
 私どもこの例を、この監察結果のリストがありますね、これをずっと見て、それから外務省の白書とも照らし合わせてみますと、どうやらここに指摘されているものは、リベリアの例はどうも五億円じゃなくて八億幾らと書いてあるようですけれども、例えばリベリアの例は総務庁の報告書の十九ページの表の三番、外務省の白書は下巻四百六十四ページのもの。タイの新村建設は総務庁報告書二十一ページ、外務省の白書は下の五十五ページの表にあるもの。それからパキスタンの例はこれは総務庁報告書十九ページ、表の五番、外務省白書の下の百五十一ページ、百五十五ページ等々と大体該当するものがあるんですよね。
 どうですか、総務庁。この内部告発、ここに書かれているものの実例は大体事実を出しているんじゃないですか。
#50
○政府委員(松浦晃一郎君) 私から最初に、先生の具体的な御指摘にお答えをさせていただきたいと思います。
#51
○上田耕一郎君 簡潔にやってください、時間がないから。
#52
○政府委員(松浦晃一郎君) はい。
 この雑誌に載ったのは承知しておりますので、今先生が御指摘のものに触れさせていただきますと、それぞれいかに誇張があるかということがおわかりいただけると思います。
 例えば最初のリベリアでございますけれども、リベリアではもう十三年前にテレビの保有台数は既に三万六千台になっておりまして、その後も着実に増大しておりまして、おととしの末では四万二千台、世帯数に直しますと約四世帯に一世帯がテレビの受像機を持っている。それから、首都のモンロビア及びモンロビアの近郊だけ見れば、人口六十万のうち半分以上の人にテレビが均てんする形になっておりまして、したがって、リベリアに供与いたしました教育テレビは非常に先方もアプリーシエートして、国民がまさにこの日本の援助のおかげでテレビが見られるということで非常に喜んでいるプロジェクトでございまして、「選択」の指摘は全く当たっておりません。
 それからタイの新村計画につきましても同様、私どもはこれは大きく寄与したと考えております。
 それからパキスタンの小児病院も同様でございまして、パキスタンにはかなりお医者さんがいますので、大統領の名前でお医者さんを募集したところ希望者が殺到したというふうに聞いておりますので、人手が足りないということは事実に反しております。
#53
○上田耕一郎君 まあこれは内部告発の文書と外務省のお答えがまるっきり違うんだけれども、これ、実際我々調べてもいないので、本当は我々も実際に見に行って、こういうものの実態はどうなのかということを調べる必要も実は生まれていると思うんですがね。しかし、こういう無償援助その他にいろいろずさんなものが出てきていることはもう明らかだと思うんです。
 今の内部告発の文書でなしに、「選択」には一人の某官僚の証言、無償援助の実行者として携わった某官僚の証言も出されているんです。これはこう言っているんだな。「無償援助の最大の欠陥は何か。予算の単年度主義だ。」と。それは、有償の場合は、財投機関を使うので、五年が実行単位だ。無償援助は一般会計なので、すべて単年度主義だ。ことし決まった予算に基づいてことしじゅうに話を決めて契約して、その年度内に事業が終わらなきゃならぬ。そういうことで、無償援助というのは全部タイド。アンタイドじゃなくなる。日本の業者がやる。そうでなければ一年間でやれないというわけですよ。だから、形式的には相手国から言われて案件を決めることになっているが、実情は、業者が相手国と一緒になって案件を探して、外務省に要請して、話がまとまると業者が乗り込んでつくるというのがこの無償資金援助になっている。だからそういう点ではこの単年度主義というのが一番問題だと。大きな、一年でできないものは小さく分割して、単独の計画で二年三年かけてやるようになっているというんですね。
 総務庁、どうですか。こういう無償援助の単年度主義についてですね。そういう問題、これは改善する必要があるんじゃないかということなどで報告書、勧告が出ているんですけれども、こういうことは監察の結果出てきておりませんでしょうか。
#54
○政府委員(松浦晃一郎君) 私からちょっと一言。
#55
○上田耕一郎君 総務庁に聞いているんだから。監察の結果どうだったのか、こういう問題。
#56
○小委員長(矢田部理君) では、外務省ちょっと待ってください。
#57
○政府委員(山本貞雄君) 援助予算は繰越明許となっておりまして、援助の閣議決定を行った翌年度までに執行することができると、こういうことでございます。
 監察の中身では、相手国の要請のおくれ等から援助実施の期間が十分にとれないなどの問題点も指摘はいたしております。
#58
○上田耕一郎君 外務省どうですか。
#59
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘のように、ODAの無償資金協力のみならず日本の予算全体が単年度ではございますけれども、私どもは多年度にわたるものは、つまり大きなものは国庫債務負担行為ということで、三年ないし四年にわたる形で要求させていただいておりますし、単年度の分でも、万一その年度内に執行が終わらないものは明許繰り越しという形で繰り越さしておりますので、この枠の中で私どもとしてはそれなりに対応してきましたし、今後も対応できると考えております。
#60
○上田耕一郎君 この問題はもうちょっと研究する必要があると思うんだけれども、もう一つ、これらの問題で大きいのは、マルコス疑惑のときに問題になった政治的介入といいますかね、そういう問題があるわけです。
 毎日新聞のことしの一月十二日号に非常に大きな記事が載っていて、「ずさん対比ODA 三十
七億円投入の航海訓練所」、これ、イメルダ夫人出身のレイテ島につくられた。受講生は予定の五%。もう惨たんたるものだというんですね。副見出しが「外務省、「失敗」隠しに訓電」と、こうなった大きな記事ですね。
 これは当時の中曽根首相の関連の問題なのでお聞きしたいんだが、五十八年五月、中曽根訪比の際マルコス大統領と円借款、このとき無償援助の検討を約束した。それで、「外務省の内部資料や関係者の証言によると、プロジェクトはイメルダ夫人の「再三にわたる要請」を受け、中曽根前首相の訪比を前に他の類似プロジェクトを先送りして進められた政治色が色濃い援助。」だと。それでやったところが――一々触れませんけれども、「六十二年九月のまとめでは訓練の実施状況は予定の五%弱という惨たんたる有り様」で、このため外務省は六十二年十一月二十日、比大使館に対応策を講じるよう指示して、船員に訓練を受けることを義務づけろ、訓練を何らかの待遇改善につながるよう持っていけ等々、慌ててやったというんですけれども、この新聞報道について、事実並びに経過、それから外務省のとった対応ですね。事実はどうだったでしょうか。
#61
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘のフィリピンの航海訓練所の計画は、フィリピンの国立訓練所でございまして、フィリピン自身が昭和五十三年に、つまり日本が援助として取り上げる五年前に訓練所をまず設立いたしまして訓練を開始しております。どうしてフィリピンが船員の訓練、特に再訓練に力を入れているかと申しますと、外航船用に船員が七万人おりまして、この船員が外航船に乗って外貨を稼ぐというのがフィリピンにとって大変な外貨収入源になっておりまして、フィリピン政府としてはこれをぜひ拡充したいと、こういうふうに考えていたからでございます。
 確かにイメルダ当時の大統領夫人からも要望ございますけれども、それに先駆けまして事務的にフィリピンの外務省から文書で、ぜひこのプロジェクトに対する協力をお願いしたいということを言ってきておりまして、それを踏まえまして私どもきちんと調査をいたしまして、その調査結果を踏まえて無償資金協力を供与することを決めたわけでございまして、これは今申し上げましたように、フィリピンが既にもう訓練所をつくっておりまして、教室四棟とか職員宿舎二棟等々あったところに日本が協力いたしましたのは訓練棟とか発電機棟ということでございまして、今の、船員の集まりぐあいがどうかという点に関しましては、これはフィリピンがつくった教室の棟が四棟、その後フィリピンの自力で二棟つくっておりますので、この六棟に対してどのくらい集まったかという話でございまして、確かに出だしにおいては集まりが悪かったようでございますけれども、その後非常にふえてまいりまして、今のところ逐次、再訓練のために来る船員の数はふえてきていると承知しております。
 なぜおくれたか、なぜ最初の段階で集まりが悪かったかと申しますと、もちろんフィリピンにおきます政権交代がございますし、それから海運不況がなかなかフィリピン側の思惑どおり回復してこなかったとか、それから政権交代にも関連しますけれども、フィリピン側の行政事務の停滞等々がございまして、出だしにおいては船員の集まり方が必ずしも芳しくなかったというふうに承知しておりますけれども、いずれにしましても今非常にふえてきておりまして、私どもとしては、これはもうアキノ大統領みずからが、ぜひこの訓練所をてこにフィリピンの船員の再訓練を強力に進めたいということをアキノ大統領みずからが言っておられて、私ども書簡もいただいておりますが、そういうアキノ大統領御自身の努力にも協力するということで、さらに技術協力という形で専門家を派遣しておりますけれども、引き続き私どもとしては協力していきたいと、こういうふうに考えているプロジェクトでございます。
#62
○上田耕一郎君 今の局長の答弁で、イメルダ夫人からの要請があったことはお認めになりましたな。政府からも言われていたけれどもイメルダ夫人からも言われていたと。イメルダ夫人の出身地のレイテ島ということもこれも事実ですよね。
 それで、今まであったものの拡張事業だというんだが、この新聞記事では、「拡張事業だが、事実上の新設といえる事業。」というふうに、確かに拡張なんだけれども事実上の新設だということを述べてある。
 それで、今言われなかったけれども、中曽根・マルコス会談のときに無償援助検討を約束した、これも事実ですね。それが事実かどうかということと、それからもう一つ、アキノ大統領の方も支持をしていたというんだけれども、フィリピンの日本大使館にこの問題で、入所を義務づけるよう要請するような訓電を出したということも事実ですか。
#63
○政府委員(松浦晃一郎君) イメルダ当時の大統領夫人から要望があったという点は先ほど申し上げましたように事実でございますが、それに先駆けまして、フィリピンの外務省からも口上書という正式文書でぜひお願いしますということを言ってきております。
 それから中曽根総理がいらしたときに確かにこれが話題になったのは事実でございますけれども、いろいろな有償資金協力関係、無償資金協力関係とあわせてこれも取り上げられたということでございまして、これが単独で非常に大きな注目を浴びて取り上げられたということではございません。
 それで、さっきも申し上げましたように、フィリピン側が五年前からここで始めておりまして、私ちょっとフィリピン側が建設した施設を一部読み上げましたけれども、教室四棟とか職員宿舎二棟、食堂一棟、それからさらにその後、教室二棟、職員宿舎二棟、それから学生用寄宿舎一棟などをフィリピン政府がみずからの資金で建設しております。ただ当然ながら、日本がつくりましたのが訓練棟、発電機棟、それから事務棟一棟というのがございますけれども、特にこの訓練棟がもちろん中心でございますから、この訓練棟というのがその柱であるという意味で日本の協力がかなり大きな重みを持っているのは事実でございます。
#64
○上田耕一郎君 今の経過からも、いろんな問題がありそうだということは明らかになったと思うんですね。前にマルコス疑惑のときにも、中曽根前首相のいろんな問題点が国会でも相当追及されたんですけれども、こういう問題が無償援助についてもあるというのは私は重要な問題だと思う。
 もう時間が参りました。この「選択」の文章は、やっぱり私どもと同じ問題意識を最後に書いてありまして、「単年度予算主義に勝るとも劣らない問題が、無償、有償を問わず肝心の援助計画の中身が国民の目の届かないところで決定されてしまう」。それで、予算額については国会で審議されるが、中身については閣議で決定される、けれどもマスコミも報道しないと。参議院の外交・総合安全保障に関する調査会の中の国際経済・社会小委員会では昨年来この問題を討議しているということまで紹介しているんですけれどもね。この今の政治腐敗防止の問題も、また非常に効率的な、本当に意味のある発展途上国の自立に役立つような海外協力、経済協力をするためにも、やはり本当に国会が、国民を代表する国会が、もっともっとこの問題について発言をし、目も配り、自分たちで物事も調べるという方向に行くことがどうしても必要だということを重ねて強調して質問を終わります。
#65
○関嘉彦君 大蔵省見えていますか。――食糧増産援助とかそれから食糧援助という項目、これは大蔵省の所管になっておりますね、予算の上では。これはなぜ大蔵省の所管にしておかなくちゃいけないのかということなんです。歴史的な理由は、これは私たしか決算委員会で取り上げたと思います。そのときに詳しくお伺いいたしましたから、歴史的な経過は結構です。なぜ現在大蔵省でこれを所管していなくちゃならないかという理論的な根拠をお知らせいただきたいと思います。
#66
○説明員(内田富夫君) 先生御指摘の食糧援助及び食糧増産援助の予算関係でございまするが、この二つの援助は、国際約束等に基づきまして、米などの穀物、肥料、農業物資を無償で開発途上国に供与するというものでございますが、この際国内で生じまする見返り現地通貨、見返り資金の積み立てを同時に先方政府と約束しておりまして、この見返り資金を使って当該国の経済社会開発を支援していこう、こういうパッケージと申しますか、そういう性格の援助として実施いたしております。したがって、この援助は食糧援助及び食糧増産でございますが、お金の動きとして見ました場合には投資的な性格、まあ財政としての投資なんですが、そういう投資的な性格を有するというとらまえ方をいたしまして、大蔵省の設置法第四条百十八号に基づきまして当初予算に計上されているものでございます。
#67
○関嘉彦君 その見返り資金の積み立て、向こうで積み立てているのは食糧援助だけですか。ほかのあれもやっているんじゃないですか。
#68
○説明員(内田富夫君) 見返り資金の積み立てにつきましては、食糧増産援助及びいわゆる食糧援助、両方につきまして細かく先方政府と合意いたしましてやっております。
 そのほか大蔵省が関与しておりますもので申し上げますと、円借款で商品援助などをいたします場合に見返り資金の積み立ての管理をいたしております。
#69
○関嘉彦君 それでは外務省にお伺いしますけれども、大蔵省所管以外のやつで見返り資金を積み立てているものがありますか。
#70
○政府委員(松浦晃一郎君) 今大蔵省から御答弁ありましたとおりで、無償資金協力に関しましては、見返り資金の積み立てを行っておりますのは食糧援助と食糧増産援助だけでございますが、そのほかの円借款で商品借款、さらには最近セクタープログラムローンという形でも出しておりますけれども、これらは見返り資金の積み立てを求めております。
#71
○関嘉彦君 こういう問題、私はなぜ大蔵省が持っていなくてはならないかという理由がさっぱりわからないんですけれども、外務省としては、これを引き受けるのは負担になってお困りですか。外務省に一本化したらどうかと思うんですよ。
#72
○政府委員(松浦晃一郎君) この点に関しましてはさらにいろいろ大蔵省と相談していきたいと考えておりますけれども、現時点では、大蔵省に計上はされておりますが支出は外務省が行っておりまして、その他の通常の無償とあわせて、全体として外務省で運営している次第でございます。
#73
○関嘉彦君 外務省で運営しているのであるならば、なおさら予算だけをそちらの方につけておく必要はないじゃないかというのが私の質問の趣旨です。まあこれはこの前も同じような答弁だったんです。わかりましたから大蔵省よろしいです。
 それでは次に総務庁に伺います。
 この行政監察の説明をされたときに、これには書いてありませんでしたけれども、一番最後のJICAの効率的な事業体制の見直しのところですね。その説明のところで、各省から出向している人たちが管理職なんかにいるということをちょっと触れられましたけれども、現在の管理職の中で何割ぐらいがほかの省から出向してきている人たちなんですか。
#74
○政府委員(山本貞雄君) 本部の管理職ポストの大体四分の一に特定行政機関からの出向が慣例となっているわけであります、課長級以上。それから部長級ポストにつきましては、事業団創設時の状況がそのまま継続いたしておりますが、十八ポストのうち十一ポストが出向者によって占められております。
#75
○関嘉彦君 JICAができてからもうかなりたっておりますわね。二十何年ですね。まだそれ必要ですかね。JICAの内部で相当人が育っているんじゃないかと思うんですけれども、依然として、例えば農水省なら農水省が押さえているポストはもうずっと農水省でなくてはならない、そういう必要性があるんですか。
#76
○政府委員(松浦晃一郎君) 現状に関しましては今総務庁から御説明のあったとおりでございますけれども、全体の方向としては、人材の活用というところで勧告いただいていますように、できるだけ内部登用を図っていくということで外務省も努力しておりますが、現状におきましては、やはりJICAもそれぞれの分野で関係省庁と密接に連絡をとって関係省庁の方々の御協力を得てやっていくということは依然としてあると私どもは考えております。
#77
○関嘉彦君 外務省としては答えにくいかもしれないけれども、確かに協力を得ることは必要ですけれども、例えば農水省なら農水省から出向してくる人ですね、これは援助行政ばかりやってきた人じゃないだろうと思う。援助行政をやるのはキャリアのうちのせいぜい二、三年から四、五年ぐらいじゃないかと思うんです。JICAで育った人はずっとその問題ばかりをやってきた人なんですよね。私は、そちらの人の方を管理職に登用した方がはるかに士気も上がるし、能率的にもやれるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょう。
#78
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生の御指摘は非常にごもっともな点がございますので、まさに私どもはそういうことも踏まえまして、全体としては内部登用をどんどんふやしてきておりますので、さらにその方向で努力したいと考えておりますが、先ほど申し上げた繰り返してはございますけれども、そういう援助関係をやると同時に、やはり農業関係をやるのであれば国内行政を通じて農業について蓄積がある方々の協力もあわせて得たい、こう思っております。
#79
○関嘉彦君 まあそれ以上はお答えになりにくいでしょうが……。
 それでは藤田外政審議室長にお尋ねしますけれども、関係閣僚会議ですね、これは我々調査会の中間報告で、実施体制の一元化ということも言っていたわけですね。計画の一元化ということもあったと思いますけれども、そういうことを踏まえて、関係閣僚会議ができたとするならば、まあ二回ぐらいですからちょっと無理かとも思いますけれども、事後評価はどうですか。果たして実施体制の一元化に寄与するような議論がなされておるか、どうですか。
 例えば、今二つの例を挙げましたけれども、食糧援助予算を大蔵省につけておくのは不合理だからこれを外務省に移したらどうかと、そういう議論がなされたかどうか。あるいはJICAに対して各省庁から管理職に二、三年出向している、これは非常に不合理じゃないか、お互いにこういうことをやめようじゃないか、そういう議論がこの関係閣僚会議でなされたかどうか。まあ事後評価ですね。閣僚会議の事後評価は、それはどういうふうに考えておられますか。
#80
○政府委員(藤田公郎君) 事実の問題として申し上げますと、二つの点につきましては、まだ閣僚会議でもって議論されたという事実はございません。今後この経済協力についての基本問題を種々御討議をいただくと思われますので、ただいま委員御指摘の点も含めて、いろんな問題が今後閣僚間での御討議の題材として上がってくるかと思いますが、今までのところ、今御指摘になりました特定の問題の討議が行われたということはございません。
#81
○関嘉彦君 私は率直に言いまして、関係閣僚会議をつくられた意図は了とするんだけれども、せいぜい閣僚の期間は八カ月ですわね、大部分。まあ外務大臣とか大蔵大臣は比較的長く務められますけれども、普通の人たちは大体長くて一年間。そういう人たちがこういった経済協力というふうな問題について、計画の一元化であるとか実施体制の一元化であるとか、そういうことについて意見を交換して、果たしてどの程度先ほどの目的に寄与するのか。まあ私決して時間の浪費だとは申しませんけれども、これだけやってお茶を濁すというのは、この報告書の趣旨に合致していないんじゃないだろうか。
 それから十四閣僚ですか、これは閣僚の大半ですわね。そうすると、単に意見の交換だけではなしに、最終的には閣議で決定しますけれども、関係閣僚会議に参加していない人たちは、そういう問題に全然関係ない人ですから、よくわからないまま判を押すんじゃないかと思う。とするならば、むしろ形式的には閣議で決定するにしても、実質的にはここで決定ができるぐらいの内容のある議論をする必要があるのじゃないか。としますならば、私はやはり自民党の三役の人たちがそこに入ってくるのは適当ではないのじゃないか。単に意見の交換をするだけでしたならば自民党の人たちが入ってきてもよろしいですけれども、実質的には私はそこで決定すべき性質のものじゃないかと思うんですけれども、その二点お伺いいたします。
#82
○政府委員(藤田公郎君) 直接委員の御提起になりました問題にお答えすることになるかどうかわかりませんが、先ほど冒頭の外務省の経済協力局長の説明を御聴取いただけたかと存じますが、日本の経済協力、その円借款につきましては四省庁体制、それからODAを予算として計上しております省庁が十六省庁と俗に言われておりまして、非常に多元的で複雑だ。ほかの国に比較しますと一元化がおくれているということが内外から指摘されておりまして、当小委員会でも累次にわたって指摘をされております。その点を否定するものではございませんが、十六省庁と申しましても、この予算の中でODAという性格づけを持っている省庁が十六省庁あるということであって、援助行政を実際にやっている省庁、直接行っている省庁が十六省庁ということではございません。
 日本の経済協力、ODAのうちで一〇%が技術協力でございますが、ほとんどの、十三省庁ぐらいはこの一〇%の技術協力の中の一部分を所管しておられる、ないしはその予算の中に開発途上国との人事交流をその省庁の固定の本来業務としてやっておられて、たまたま開発途上国から来られる者をODA予算として要求をする方がシーリングの点からもいいというようなことからODAという形で行われているというふうにも見られるわけでございまして、十六省庁にODAの予算が計上されていることが必ずしもODAが非常に複雑怪奇だということにはならないんだと思います。アメリカの場合におきましても、非常に多くの省庁がODA予算を計上しておりますが、実際の実施は経済開発庁、AIDがやっている。
 先ほど冒頭の外務省経済協力局長の説明にもございましたように、実際の実施は、やはり日本人の知恵と申しますか、形式の面でのいろんな権限関係はなかなか手を触れることが難しゅうございますけれども、現実の実施においてはかなりの程度一元的に実施をされてきているというのが最近の状況ではないかと思います。予算の折衝におきましても、五年倍増計画につきましてもほぼそういうような形で行われておりますし、ODAについて非常に不都合があるといってしかられる場合には大体外務大臣がいろいろ御批判を浴びるということでございますので、そういう点からいいますと、かなりの程度一元化の方向にあるのではないか。
 それに、そういう傾向に対しまして、当小委員会からの御指摘その他の御指摘に従いまして閣僚会議というものが今度創設をされまして、極めて高次の基本的な政策について閣僚レベルでの御意見を交換していただくという意味はやはり一つの前進じゃないかと思いますし、もう一つは、この十四閣僚全部ではございませんで、問題に応じて小人数の閣僚の協議を行うことができるということが決定ございまして、恐らくこれは今後いろんな、問題によりましては小人数の分科会的な会議が開かれて、かなり機動的な意見が行われるのではないかというふうに事務当局としては予想をしている状況でございます。
 自民党の四役及び経済協力特別委員長等の御参加の問題も、そういう意味から申しますとかなり機動的に対処をいただけるという話ではないかなというふうに感じておりますが、何分まだ二回の会合だものでございますから、若干期待感も、事務当局として期待しているのはそんな感じでございます。
#83
○関嘉彦君 これ、藤田さんとしてはなかなか答えにくい、せいぜいそこまでしかお答えになりにくいでしょうから、私、これはいずれ官房長官に別な機会に質問することにします。
 別な問題ですけれども、この委員会では国会がODA予算を十分にコントロールすることができるようにというので、国別、国別といいましても全部の国といったらそれは無理だろうと思いますので、非常に巨額のODAの資金が渡されているような大きな国で結構ですけれども、そういう国の国別、それから事業別の大体の経過を予算と一緒に予算の参考資料として、議決してしまう議決案件として出してもらっては確かにちょっと問題があるだろうと思いますけれども、参考資料として提出したらどうかということが我々の間で議論されているわけですけれども、これに対して外務省としては、それは非常に困る、あるいは不可能だと思われる点がありましたならば、外務省の方の説明をお伺いしたいと思います。
#84
○政府委員(松浦晃一郎君) 国会と行政府の関係全般につきましては、中間報告で、共通の意見として、国会でODAについての議論を一層深め積極的に関与することを強化すべしといただいておりますが、私どもも、基本的な考えといたしましては、これは従来から国会の場で総理、外務大臣から繰り返し御答弁されておられることでございますが、ODA予算も予算全体の中で毎年国会で御審議いただいて承認していただいて、そのODA予算の枠の中で、私ども対応するのは外交権なり行政権の枠の中で相手国政府ともう最後のぎりぎりまで折衝をしてまとめているというのが現状でございますので、繰り返しになりますけれども、国会で御承認いただいた予算の枠内であくまでも対応しておりますので、これはいわば憲法の第七十三条で言っております、内閣の職務の一つになっております「外交関係を処理すること。」の一環として内閣の行政権の枠内で対応してきておりますし、今後も対応させていただきたいと思っております。
 ほかのDACメンバーはどう対応しているかと申しますと、ほとんどの国が大体日本と同じように対応しておりまして、予算全体は国会の承認を得ておりますけれども、ほとんどの国が今申し上げたようなその枠内で外交関係の処理あるいは行政権の処理の一環として対応するということで対応しております。
 先生今御指摘の、参考資料としてという点でございますけれども、私先生が頭に描いておられるのが具体的にちょっと頭に浮かばない点がございますけれども、今申し上げましたように、国別計画になりますとやはり外交折衝を通じて最後の最後までぎりぎり折衝するというのが通例でございますので、最初の段階に、参考資料といたしましてもう特定の国にこれだけの枠を考えているということを公にすることは、その国との折衝あるいはその国との折衝を見ております隣国との関係におきましても、残念ながら私どもとしてはちょっとまずいのではないかという感じがいたします。
#85
○関嘉彦君 ただいまのお答え、藤田さんが経済局長をしておられたときの答弁と全く同じだと私は思います。まだこの問題は取り上げたいと思いますけれども、もう私の時間は三十一分までですので……。ちょっとあと一分間。
 私は、こういう経済援助といいますか、開発援助というのは、被援助国の人間をつくっていく、人材を養成していく、これがやっぱり根本じゃないかと思うんです。いろんな技術を習得させるとか一般的な教育水準を高めるとかですね。そういう意味からいいますと、青年海外協力隊、この仕事は非常に地味ですけれども、それから大きなプロジェクトなんかに比べると金額としては大したことはないかもしれないけれども、これをやはりもっともっと拡大していくことが、被援助国のためになるだけじゃなしに日本の青年の自己教育にもなっていくんじゃないかと私は思います。その点でこれをもっとふやしてもらいたいと思うんですけれども、向こうに需要がなければいかにふやしても仕方がない。また、こちらで供給するのと向こうの需要とがミスマッチであればこれは仕方がないんですけれども、私が回った限りにおいては、もっともっとふやしてもらいたいという国が多い。これ、隊員募集や研修所の問題とかなんとかあると思いますけれども、これは飛躍的に増大していただきたい。それを希望しまして、大いにやるということをお返事いただければありがたいんですけれども。
 これで質問を終わります。
#86
○政府委員(松浦晃一郎君) この点はもう先生御指摘のとおりでございまして、このところかなり急速にふやしておりますが、来年度予算では九百十名からさらに三十名ふやして九百四十名を原案に計上させていただいておりますが、引き続きさらに拡充していきたい、こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#87
○青島幸男君 いろいろ議論がありましたとおり、行政の一元化を進めた方がいいとか、あるいは国会の関与の部分を含めたらどうだろうかという私どもの進言、これはODAの公開性と申しましょうか民主化ということについて進言をしてきたんですけれども、どうも遅々として進まないというか、その方向ではないように受けとめているわけです。そうなりますと、ますます増大化していきますこの経済援助、一般の国民の血税でもあるわけですから、国民の理解を求めて、少しでも内容をつまびらかにして国民の方々から理解を得られるようにしていくという方向で検討しなきゃならないと思うんです。だからこそ、外務省が窓口になっていますけれども外務省一本だけじゃどうも心もとないといいますかね、非常に煩雑な仕事であるからそこまで手が回りかねる。そういうことで閣僚会議などという場にもこれが持っていかれるようになって、あらゆる機会を通じて国民の理解を得られるようにしていきたいという、そういう御意識だと私は思っているんです。
 まあ十月六日でしたか、これを記念の日としてPRなさるというようなことも大変結構なことだと思うんですけれども、先ほどのお話の中に、伺いますと、第三者の機関だとかあるいは第三国にまで評価を得られるような格好にして、内容がつまびらかになるようにということでお骨折りいただいているようですけれども、もっとマスコミに密着した恒常的な評議機関みたいなものを、実態調査まで行われるようなそういうものを常設して、これも中曽根内閣時代の審議会みたいな格好になってしまうのは考えてはいないんですけれども、そういうことで、これ、国会審議も関与できない、一元化も進まないということになりますとね、国民の側としては、少なくとも自分たちにかわってチェックしてくれる機関というようなものが望ましいというふうに思うのは当然だと思いますし、だからこそ第三者だとかあるいは第三国への評価を求めたりもなさっているんだろうと思うんです。
 それで、この一点だけをお尋ねするんですけれども、そういうような意味合いで新たな構想とかあるいは今後の施策とか方針みたいなものがありましたらお尋ねしたいと思いますし、もしそれが納得のいくものであれば大いにやっていただきたいと思いますので、持っておられる構想があったらここでつまびらかにしていただいたら結構だと思います。よろしくお願いします。
#88
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生にもしマスコミとの関係でいいアイデアがあればぜひ私どもも教えていただきたいと思っております。
 先ほどちょっと御紹介いたしました評価報告書の関係で、第三者による評価、先生御指摘のように、力を入れてふやしておりますけれども、この関係でかなりマスコミの方に参加していただきまして、マスコミの代表の方もまさにそういう第三者の評価担当者として入っていただき、書いていただいたことは報告書に載せておりますが、それ以外に、マスコミの方がそういうことを通じて蓄積された知識、意見を通常のマスコミ活動に生かしていただければ大変ありがたいと、こういうふうに考えております。
#89
○小委員長(矢田部理君) 以上で質疑は終了いたしました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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