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1988/03/06 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 予算委員会 第3号
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1988/03/06 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 予算委員会 第3号

#1
第114回国会 予算委員会 第3号
平成元年三月六日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     平野  清君     青木  茂君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     下田 京子君
     青木  茂君     平野  清君
 三月四日
    辞任         補欠選任
     北  修二君     鈴木 貞敏君
     田代由紀男君     沓掛 哲男君
     中西 一郎君     大塚清次郎君
     林田悠紀夫君     宮崎 秀樹君
     降矢 敬義君     小野 清子君
     増岡 康治君     斎藤 文夫君
     志苫  裕君     野田  哲君
     和田 教美君     猪熊 重二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         初村滝一郎君
    理 事
                青木 幹雄君
                岩本 政光君
                遠藤  要君
                田沢 智治君
                野沢 太三君
                対馬 孝且君
                中野 鉄造君
                近藤 忠孝君
                勝木 健司君
    委 員
                石本  茂君
                岩上 二郎君
                小野 清子君
               大河原太一郎君
                大塚清次郎君
                沓掛 哲男君
                佐々木 満君
                斎藤 文夫君
                志村 哲良君
                下稲葉耕吉君
                下条進一郎君
                鈴木 貞敏君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                中曽根弘文君
                永田 良雄君
                林 健太郎君
                松岡滿壽男君
                宮崎 秀樹君
                千葉 景子君
                野田  哲君
                福間 知之君
                本岡 昭次君
                矢田部 理君
                山本 正和君
                猪熊 重二君
                及川 順郎君
                広中和歌子君
                下田 京子君
                吉岡 吉典君
                栗林 卓司君
                野末 陳平君
                下村  泰君
                平野  清君
   国務大臣
       内閣総理大臣   竹下  登君
       法 務 大 臣  高辻 正己君
       外 務 大 臣  宇野 宗佑君
       大 蔵 大 臣  村山 達雄君
       文 部 大 臣  西岡 武夫君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   羽田  孜君
       通商産業大臣   三塚  博君
       運 輸 大 臣  佐藤 信二君
       郵 政 大 臣  片岡 清一君
       労 働 大 臣  丹羽 兵助君
       建 設 大 臣 小此木彦三郎君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    坂野 重信君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 小渕 恵三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  金丸 三郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       坂元 親男君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  田澤 吉朗君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       愛野興一郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       宮崎 茂一君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  青木 正久君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  内海 英男君
   政府委員
       内閣法制局長官  味村  治君
       内閣法制局第一
       部長       大出 峻郎君
       宮内庁次長    宮尾  盤君
       総務庁人事局次
       長
       兼内閣審議官   服藤  收君
       北方対策本部審
       議官       鈴木  榮君
       防衛庁長官官房
       長        依田 智治君
       防衛庁人事局長  児玉 良雄君
       防衛庁経理局長  藤井 一夫君
       防衛施設庁総務
       部長       弘法堂 忠君
       防衛施設庁建設
       部長       田原 敬造君
       防衛施設庁労務
       部長       吉住 慎吾君
       経済企画庁調整
       局長       星野 進保君
       科学技術庁研究
       開発局長     吉村 晴光君
       国土庁長官官房
       長        公文  宏君
       国土庁長官官房
       会計課長     嵩  聰久君
       法務省刑事局長  根來 泰周君
       外務大臣官房外
       務報道官     渡辺 泰造君
       外務大臣官房領
       事移住部長    黒河内久美君
       外務省アジア局
       長        長谷川和年君
       外務省経済局長  佐藤 嘉恭君
       外務省条約局長  福田  博君
       大蔵省主計局長  小粥 正巳君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省関税局長  長富祐一郎君
       大蔵省証券局長  角谷 正彦君
       大蔵省銀行局長  平澤 貞昭君
       国税庁次長    伊藤 博行君
       文部大臣官房長  加戸 守行君
       文部大臣官房総
       務審議官     菱村 幸彦君
       文部大臣官房会
       計課長      吉田  茂君
       文部省初等中等
       教育局長     古村 澄一君
       文部省学術国際
       局長       川村 恒明君
       文化庁次長    横瀬 庄次君
       厚生大臣官房総
       務審議官     末次  彬君
       厚生大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   加藤 栄一君
       厚生省年金局長  水田  努君
       社会保険庁運営
       部長
       兼内閣審議官   土井  豊君
       農林水産大臣
       官房長      浜口 議曠君
       農林水産大臣官
       房予算課長    東  久雄君
       林野庁長官    松田  堯君
       通商産業省通商
       政策局長     鈴木 直道君
       通商産業省貿易
       局長       熊野 英昭君
       通商産業省産業
       政策局長     児玉 幸治君
       工業技術院長   飯塚 幸三君
       中小企業庁長官  松尾 邦彦君
       運輸大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   金田 好生君
       運輸大臣官房会
       計課長      永井 隆男君
       郵政大臣官房経
       理部長事務代理  木下 昌浩君
       郵政省郵務局長  田代  功君
       郵政省通信制策
       局長       中村 泰三君
       郵政省電気通信
       局長       塩谷  稔君
       労働大臣官房長  若林 之矩君
       労働省職業安定
       局長       清水 傳雄君
       建設大臣官房総
       務審議官     木内 啓介君
       建設大臣官房会
       計課長      鹿島 尚武君
       自治大臣官房長  持永 堯民君
       自治大臣官房審
       議官       小島 重喜君
       自治省行政局公
       務員部長     芦尾 長司君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
       自治省財政局長  津田  正君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮下 忠安君
   参考人
       日本電信電話株
       式会社代表取締
       役副社長     村上  治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十三年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○昭和六十三年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
○昭和六十三年度政府関係機関補正予算(機第1
 号)(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和六十三年度一般会計補正予算、昭和六十三年度特別会計補正予算、昭和六十三年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(初村滝一郎君) まず、理事会における協議決定事項について御報告いたします。
 審査期間は本日六日及び明日七日の二日間とすること、審査方式は総括審議方式とすること、質疑割り当て時間は総計百七十五分とし、各会派への割り当ては、日本社会党・護憲共同六十五分、公明党・国民会議三十七分、日本共産党二十八分、民社党・国民連合十八分、新政クラブ・税金党、二院クラブ・革新共闘及びサラリーマン新党・参議院の会それぞれ九分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#4
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#5
○委員長(初村滝一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十三年度補正予算三案審査のため、本日、日本電信電話株式会社代表取締役副社長村上治君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより順次質疑を行います。矢田部理君。
#8
○矢田部理君 本日は補正予算案の審議でありまして、補正予算につきましても、質量ともに補正の概念を超える異常異例の予算でありまして大変問題を感じているところでありますが、とりわけ四月の消費税導入を前提とする予算の下地づくりなども行われているだけに、私たちも論議としてどうしても無視することができないわけでありますが、それは同僚議員に譲ることといたしまして、私は時の政治課題であるリクルート問題を中心にお伺いをしていきたいと思います。
 それに先立って、外務大臣、日中戦争、それに引き続く太平洋戦争の性格について、外務大臣は私との外務委員会における討論で、日本軍国主義の侵略戦争であったと明確におっしゃられておりますが、そのとおりでしょうか。
#9
○国務大臣(宇野宗佑君) 外務委員会でそのようにお答えしております。
#10
○矢田部理君 ところで竹下総理、総理はこの戦争の性格を後世の史家の評価にゆだねるとおっしゃられました。これが内外から反発を受けることとなり、衆議院の手直し発言では、侵略的事実があったことは否定できないというふうに述べられたのでありますが、これは戦争の一つの現象を説明しただけで戦争総体としての規定をしていないと思います。特に今の外務大臣の発言と大きくかけ離れているのではないかと思われますが、この点いかがお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(竹下登君) せっかくの機会を与えていただきましたので、まず私から申し上げます。
 先般、私が国会の場で行いました、過去の戦争が侵略戦争か否かについては後世の史家が評価すべきものとの答弁が舌足らずでありました。それが今御指摘のとおり、アジアの国々等で批判的反応を招くという事態となったことはまことに遺憾であります。この際、改めて私の考え方を明確に申し述べます。
 我が国の過去の歴史に対する認識は、昭和四十年の日韓共同コミュニケ、昭和四十七年の日中共同声明に述べられているとおりであって、いささかの変更もありません。我が国が過去において、戦争を通じて近隣諸国等の国民に対し重大な損害を与えたのは事実であります。かかる我が国の過去の行為について侵略的事実を否定することはできないと考えております。我が国としては、かかる認識を踏まえ、平和への決意を新たにするとともに、このようなことは二度と起こさないよう、平和国家として世界の平和と安定のために貢献していく考え方であります。このことをお述べいたした次第であります。したがって、この問題はやはり基本的に私どもの主体性の中で申し述べた、こういうものでございます。
 先ほどの外務大臣の御発言というものは私も承知いたしております。軍国主義の侵略があった、こういうお答えは、私もそのとおりだと思って当時から聞いておりました。
#12
○矢田部理君 中曽根さんも、いろいろ揺れながら、侵略的事実について否定できないというような発言もありましたが、最終的には、我が党の木島委員の質問に答えて「侵略戦争だと思うということですね」、「まあ、簡単に言えばそういうことです」、こう述べているわけですね。簡単に言わなくたってそういうことなのでありまして、その点でどうも竹下総理のニュアンスは、いろいろ言っておられるが、戦争の基本規定が不十分だ。一部侵略的事実があったかのようなニュアンスにとれるのでありまして、その点では、日本軍国主義の侵略戦争だったと明確に規定をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(竹下登君) 実はこの問題は、これは矢田部さんも御案内のとおりです。いわゆる後世の史家がこれを評価するという発言は、私のみならず本委員会等で何回かあったことは事実でございます。それで、それらの背景というものを私なりにいろいろ精査してみました。それは、お亡くなりになった人に聞いてみるわけにもまいりませんけれども、やはり私は、私なりに整理してみますと、根底にある戦争そのものへの評価は、単純素朴に、罪悪である。大量消費であり反人間的、反人道的なものとして、私は戦争そのものを否定する。まずここにお互いが、矢田部さんも私も同じ根底がそこにあるだろうと思います。したがって、若干言葉の足らないところもございますが、たとえ国家民族の興亡であるとかあるいはいろいろな事情があろうとも、ぎりぎりに政治的平和解決への糸口を探し、おのれが手を編んでも戦争は避けるべきものである、これがお互いの共通の戦争史観であろうというふうに私は思っております。
 そこで、ただ私は、内閣総理大臣として言葉を選びました。それでは確かに、これは私からお答えするよりも、あるいは専門家から正確にお答えすべきでありましょうが、侵略戦争というものの定義についての安保理事会の議論も勉強させていただきました。そうすると、さればイラン・イラク戦争はどうだとかアフガン問題はどうだとか、そういう個々の問題について私が、専門の学者でもない者が侵略戦争の定義というものを断ずるということは、これは非常に、言葉を選んで申し上げますが、二つの言葉を用意しました、僭越でありおこがましいかなという気持ちも確かにあったと思います。
 したがって主体的には、やはり先ほど申しましたような戦争史観に基づいて、とにかく多大の損害を与えた、そういう侵略的行為があった、そういう原点に立って、すべてその後の憲法にしろ外交問題にしろ展開しておるという、その基礎的な立場を主体性の中で申し上げるのが一番的確だと、このように思ったわけでございます。
#14
○矢田部理君 中曽根総理が言った侵略戦争だという規定は、宇野外務大臣が明確にした規定と違うんですか、同じなんですか。
#15
○国務大臣(竹下登君) 宇野外務大臣の軍国主義による侵略、これは私はそのとおりだと思っております。
#16
○矢田部理君 同じだというふうに伺ってよろしいんですね。
#17
○国務大臣(竹下登君) 宇野外務大臣の考え方と同じであります。
#18
○矢田部理君 リクルートに入りますが、総理は先般の所信表明演説で、リクルートの疑惑解明をやりますということを一言も触れてないんです。これはどういうことなんでしょうか。
#19
○国務大臣(竹下登君) リクルートという言葉は触れておりません。政治改革という言葉の中にすべてインクルードされておるという考え方であります。
#20
○矢田部理君 リクルートの疑惑がこれだけ広範に広がっている、深まっているという状況について、みずから徹底的に解明の先頭に立とうという気持ちはお持ちにならないんでしょうか。
#21
○国務大臣(竹下登君) その考えがあればこそ、私は四つに整理をいたしました。その一つが証取法上の問題であり、二番目が税法上の問題であり、三番目が刑法上の問題であり、四番目が、最も土台にあるいわゆる倫理の問題であるという、そういう区分の上に、一の問題と三はちょっと混同いたしましたけれども、証取法そのものが、被疑事実になった事件そのものが進行中であるとしますれば、なかんずく四番目の倫理上の問題について、私はみずから解明に当たり、そしてそれの再発防止の基礎を築くべきものだと、こう思っております。
#22
○矢田部理君 どうも総理の話を聞いていますと、政治改革だとか、それから四つの問題だとかということだけを言っておって、疑惑の解明そのものに取り組んでいない、取り組む姿勢が決定的に弱いというふうに受けとめざるを得ないのです。解明なくして改革なしと、政治ですから改善や改革は当然考えなければなりませんが、その前提としては徹底的な疑惑の解明が必要だというふうに私は思うのですが、認識はいかがですか。
#23
○国務大臣(竹下登君) 解明なくして改革なし、結構だと私も思っております。問題は、三番目に位置づけしておりますいわゆる刑法上の問題ということは、これは検察当局を信頼し厳正適切な対応がなされているものというふうに思っております。やはり私ども自身にかかわる解明というのは、四番目の政治倫理観から出発したものであろうというふうに思っております。
#24
○矢田部理君 ならば伺いますが、総理自身が受けている疑惑についてはどのような認識をされますか。
#25
○国務大臣(竹下登君) 従来から私に関する問題点は幾つかございます。私が本委員会等で矢田部さんに申し上げていることは、私なりにいろんな考えはございますが、国政調査権に最大限協力するというのは当然のことでございますので国会で相談してみてくださいと、こういう趣旨のことを申してまいりました。私も、第三者にかかわる問題でありますだけに、率直に言ってどこまでそれを国会の場において明らかにしてもらうべく協力を頼むのかということについて私なりの考え方もございますが、先日衆議院でお答えいたしておりますのは、私の自発によって解明する方が妥当かどうか、そういう点について熟慮しておる、よしんば、相談相手になってくださいと、こんな意味も含めて申し上げておるところでございます。
#26
○矢田部理君 どうも総理御自身は、自分に関係はあるが基本的には第三者がやったことという理解に立たれているんじゃないでしょうか。別の言い方をするならば、政治倫理綱領第四項で「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」とあるわけですね。この「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合」だと総理自身認識しているでしょうか、いないんでしょうか。
#27
○国務大臣(竹下登君) これは、国権の最高機関たる国会でそういう前提の上に立って御質問があるということは、疑惑を受けておるということである。したがって、今、矢田部委員がお読みになったこと等を参考にして考えてみると、やはり自発的というのが本筋かなという感じであることも事実でございます。しかし、自発的の場合、必ずこれはいわば第三者にかかわる問題についての私の可能な限りの協力をいただいての調査もしなきゃならぬと、こういうことになる。そうすると、そこの辺に場合によっては限界があるかどうか、そういうことも含めて熟慮しておるというふうに申し上げておるところでございます。
#28
○矢田部理君 衆議院の質疑で幾らか前に進んだような感じもしないわけではありませんが、政治倫理綱領の「疑惑をもたれた場合」に当たる、その場合にはみずから疑惑を解明しなければならぬと、こうなっているわけです。ところが、総理の従前の態度を見ておりますと、みずから解明する努力ではなくて、国会にお預けする、理事会で協議してほしい、そこから何事かあれば場合によってはやらぬでもないというようなニュアンスが強かったのですが、これからは、国会の指示や意向よりも、みずから解明するという立場にお立ちになるというふうに伺ってよろしゅうございますか。
#29
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃった議論、私も自分の心の中で何度か繰り返してみますと、自発的というものが妥当ではないかという感じに立っておることは事実であります。今までは理事会で相談してくださいと、こう言っておったわけでございますが、その方がやっぱりとるべき筋かなと。ところが、その際に私は、いわば私自身の問題なら結構でございますが、いろいろな問題が出てくるだろう。例えば通帳の写しであるとかあるいは元帳であるとか、いろいろ私もやってみました。そういう点については私なりに相談してみたいなという気もしておることは事実でございます。
#30
○矢田部理君 決してこの問題と関係のない、あるいは総理と御縁のない第三者じゃないんですよね。一人は青木秘書であり、もうお一方は福田さんという御親戚の方で、総理とかかわりがあるがゆえをもってあそこに株が流れていったわけですから、それについてやっぱり積極的に解明をするという努力をするのは当然のことでありまして、第三者の関係していることだからということは少しく弁解に過ぎるように私は受けとめてきたんです。ですから、そのことも含めて、国会にお預けするのではなくて、みずから解明する先頭に立つ、その姿勢を示すことがこの問題のやっぱり基本だということをきちっと認識をいただきたいと思うんですが、いかがですか。
#31
○国務大臣(竹下登君) 認識はそのとおりで結構だと思っております。
 ただ、第三者第三者といいましても、その二人の使用しておる例えば銀行でございますとか、そういう問題がございますので、それらについては相談してみたいことがあると、このように申しておるわけでございます。
#32
○矢田部理君 そこでその場合に、衆議院で三点セットを出すべしとか、その扱いをいかがするかというようなことが議論になったようですが、私はそのことも大事でありますが、総理の場合はその前提となる事実関係を明らかにしていないのです。いつだれが来たのか、どういう話があったのか、お金の動きはいかがだったのか、青木さんや福田さんの役割、福田勝之氏に対する名義はなぜそうなったのか、最終的な利益の帰属はいかがだったのかということなどを含めて、私は数十項目にわたる質問を実はきょうは準備してきたのであります。
 まず、その事実関係を全面的に明らかにすること、そしてその上に立って総理のおっしゃっていることが真実かどうか、それを裏づける証拠、あかしとして実は三点セットとか、三点セットに限定すべきものではないかと思いますが、客観性を明確にするための資料が必要なのでありまして、三点セットだけを出せばいいというものではなくて、その前提となる事実関係を明らかにすることが極めて大事だ、生の事実とあわせて。国会における答弁にも随分総理は矛盾を持っておられました。きょうは逐一指摘をいたしません。いずれ本番の委員会があると思いますから、遅くともそのときまでには……(「委員会でやろうよ、リクルート委員会で」と呼ぶ者あり)ちょっと黙ってください。明確にするという約束をし、その上でやっぱりあかしを立てると約束をいただくことが極めてきょうは大事だと思いますが、いかがですか。
#33
○国務大臣(竹下登君) 本問題についての矢田部議員の御意見というのは、私は何も否定するものはないと思っております。しかし、私があえて御協議申し上げたいと言っておるのは、将来にわたる問題を種々考えた場合、私はそこにおのずからの節度というものもあるだろうというようなことについて御相談をしてみたいという気持ちがあるということであります。
#34
○矢田部理君 そのことだけは強くお願いをしておきまして次の話題に移りますが、先般中曽根前総理が記者会見をされて、一連のリクルート疑惑問題に対する弁明をされました。総理もお聞きになったと思いますが、どんなふうに受けとめられましたでしょうか。
#35
○国務大臣(竹下登君) 前総理の記者会見、これにつきましては二つの点に集約されて質問が衆議院等でも行われております。その二つの点とは、いわゆる任命権の問題が一つ、それから、つまびらかに私は技術的なことはわかりませんが、三号機か四号機かといったような問題の二つというものにつきましては、私が委員会の場で問答を聞いておりますと、外務大臣、外務事務当局の答弁、それからいま一つの人事権の問題については、私を含むとでも申しますか、政府側の答弁というようなもので二つの点の中曽根前総理会見の内容は大体整理されておるなという感じを持っております。
#36
○矢田部理君 その二つの点の衆議院の論議を私も聞いておりまして、どうもやっぱり納得できない点が多いわけでありますが、それ以外に、ここは事実と違う、この点は疑問が残るというような点は感じられませんでしたでしょうか。
#37
○国務大臣(竹下登君) その二つの点について聞き耳を私も立てております。他の点についてまだちょっとどこの点がどうかという整理はいたしておりません。
#38
○矢田部理君 後刻、私どもは中曽根前総理の証人喚問を求めたいと思うのですが、多くの点で中曽根前総理の弁明の中身は疑問があり、矛盾があり、こじつけがある、場合によってはうそもあるというふうに私は受けとめているのです。
 今、一つ一つ問題にしていきたいと思いますが、中曽根氏は、コスモス株の譲渡の事実を知ったのは総理をやめた後、上和田君に任せていた首相在任中の会計財務の報告を受けたときに聞いたと、こう述べているのでありますが、上和田氏に任せていたのは政治家としての中曽根氏の会計財務なのであって、この報告のときに秘書個人の株売買の話を聞くというのはおかしい、この株が中曽根氏あてのものであり、中曽根氏の政治資金の会計財務に組み込まれていたということではないかと思うのですが、総理、いかがお考えですか。
#39
○国務大臣(竹下登君) それは私からちょっとお答えできません。
#40
○矢田部理君 一方で秘書個人のものだと言っておられる、秘書個人がやったことだと言っておられる。だとするならば、総理をやめたからといって総理に会計や財務の報告をする立場にはないのでありまして、報告を受けたということの意味は、当然のことながら中曽根個人ないしは中曽根派の政治資金として使われた可能性は非常に強いと見るのが常識なんじゃありませんか。
#41
○国務大臣(竹下登君) それは私に聞かれてもどういうふうにお答えしていいか、ちょっと私自身が判断しかねます。(「中曽根発言は明快だと言ったんだ」と呼ぶ者あり)
#42
○矢田部理君 今、不規則発言がありましたが、あなたは中曽根さんの弁明は明快であると、それを支持するような発言をされている。だから、場合によっては国会の証人喚問も必要でないかのごとき話にも連動させているわけでありますが、そういう事実関係を押さえずして私にはコメントできないならば、そういう発言はむしろおかしいんじゃありませんか。
#43
○国務大臣(竹下登君) その議論をいたしますと、そういう疑惑というものは、何か客観性がないままに疑惑を投げかけて、それを自己解明しなさいというようなことになってはいけないと、私はそういう気持ちがかつてからあるわけでございます。私自身は何ぼ責められてもいいんですが、そういうある種の風潮というものが起こることはいけないというふうに思っております。
 したがってまず、これをもとに必ずしもおっしゃっているとは思いませんが、きのうの記者会見だけ明確にしておきます。
 中曽根前首相の証人喚問を野党側は強く要求しているが、中曽根氏のリクルート事件に絡む疑惑について総理はどのように考えていますか、喚問問題にはどう対処するつもりかと。中曽根総理、これは前総理です、前総理自身の問題についてはいろいろ議論されております。それぞれ国会の審議の場あるいは中曽根前総理自身の記者会見等で明らかにされておるというふうに私は思っておりますと。あの二つの問題が念頭にあったことはこれは事実であります。
 喚問の問題というのは、国会がお決めになるべき問題を行政府の長がこれがこうであるどうであるということはコメントすることを慎むべきだというのが長い間私は行政府側が答えるべき決まった答えであるというふうに、皆様方も何回も言ったんだから御理解を願わなければなりませんと、その辺の節度だけは私自身今まで長い間守ってきておるつもりであります。
#44
○矢田部理君 にもかかわらず、総理の発言の新聞記者、マスコミの受けとめ方は、証人喚問に否定的というきょうは見出しや記事になっておるんですね。
 建前としては国会がお決めになることと言いながら、前総理ともあろう人を証人喚問するのを軽々しくやるべきでないというようなニュアンスの発言もあったのではありませんか。
#45
○国務大臣(竹下登君) 取材される記者の方のとり方はそれなりに私はけしかるとかけしからぬとか申すべきものでない、これもお互い長い間知っておることでございます。そしてまた、私が申しましたのは、やはり正確を期すために私の会見には必ず録音がついておりますから、それで一遍起こしましてただいま正確に申し上げたということでございます。やはり、この国会と行政府の関係だけは、昔から、昔といってもそう大昔ではございませんが、国会議員になりましてから私はその節度というものはきちんとしていなきゃならぬという気持ちは今日まで持ち続けてまいっております。
#46
○矢田部理君 幾つか総理が外で述べられたことのニュアンスが伝わってきているから、だからこそ私は、総理がどの程度この問題に対する認識をお持ちなのか、事実についての信憑性について見ておられるのかということをお聞きするために質問をするのでありまして、もう二、三関連して伺いたいと思いますが、幾つも述べておられる事実関係に相当の食い違いや問題があるわけです。
 例えば、六十年の三月に官邸に出向いて、午前十一時から十二時過ぎまで中曽根さんと江副さんが会談をしているわけでありますが、その会談直後、中曽根さんが記者に語った言葉をフォローいたしますと、教育問題だったと、こう述べておられるわけです。ところが、この間の記者会見では土地問題だと、全然中身が違うんです。一時間以上も一民間人と話をするということになれば、この時期はコンピューターも俎上に上り始めたところでありますから、いろんな話が出たかもしれませんが、コンピューター問題が出たかどうかということなども当然焦点にならなきゃならぬと思うし、軽井沢の別荘に行かれたときも、どうも私どもの調査によれば、たまたまそこに浅利慶太氏が来ておられて三者で話をしたというのでありますが、調査をしてみると、浅利さんがそこを去られた後に江副氏が来て中曽根さんに会っておられる疑いが強いのでありまして、ここでも違いが出てまいります。
 ゴルフも同じですよ。ゴルフについてはこう言っている。「五十九年四月十五日にゴルフをやったと報じられているのはまったくのウソだ」と中曽根さんは強弁しているんですよ。ところがそのとき、これは茅ケ崎のスリーハンドレッドクラブというゴルフ場だそうでありますが、中曽根さんが組まれたのはジェトロの赤澤氏あるいは野村総研の中川氏など四人で組まれたのでありますが、その前のグループには藤波官房長官、森喜朗氏、牛尾治朗氏そして江副氏と、このリクルート問題で中心になる人たちが全部勢ぞろいしている。そして、食事の際には一緒に中曽根さんたちも会っているということから見れば、全くのうそだなどと言われる性質のものじゃないじゃありませんか。
 こういう事実関係をどういうふうにお考えでしょうか。
#47
○国務大臣(竹下登君) 私は、やっぱり国会の場で議論をされておることに対する整理というのが私のお答えする限界ではなかろうかというふうに思っております。
#48
○矢田部理君 中曽根さんの会見の一つ一つの事象をとらえても、私も断定できない部分もありますが、これほど幾つかの疑問があるわけですから、だからこそ、証人として来ていただこうではないかというふうに私たちは言っているのでありまして、コンピューターの問題も同様なのであります。
 むしろこれからが本論なのでありますが、六十年の一月に日米首脳会談が行われました。このとき日米摩擦で問題になった四分野とはどんな分野だったのでしょうか。外務省からお答えをいただきましょう。
#49
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答え申し上げます。
 当時、日本の市場開放の問題が日米間の話題の一つでございましたが、先生今御指摘の六十年一月の会談におきましては四つの分野、すなわちエレクトロニクス、電気通信、それからもう一つは木材分野でございます。
#50
○矢田部理君 そこで、この首脳会談がスタートになってMOSS協議というのが始まるわけでありますが、ここで話題になったエレクトロニクスというのは具体的にはどんな内容がイメージされておったでしょうか。
#51
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答え申し上げます。
 先ほどの答弁の補足をさせていただきますが、もう一分野の医療機器の分野がございましたことを御報告申し上げておきます。
 それから、ただいまお話しのありましたエレクトロニクスの分野につきましてこの首脳会談でどういうことが話題になったかというお尋ねかと思いますが、首脳会談自体におきましては、この個々の今申し上げました四つの分野におきましてこういうことが問題じゃないかという余り具体的なやりとりにはなってないわけでございます。したがいまして、その後の過程の中でこのエレクトロニクス分野の日米協議が始まっておりますけれども、そういう過程の中で半導体でございますとか、あるいはコンピューターの部品の問題でございますとか、あるいは電気製品一般の関税の取り扱いでございますとか、そういうことが話題になったということでございます。
#52
○矢田部理君 分野別のテーマとしてはエレクトロニクスとか医療とか木材とかということになるわけでありましょうが、当然その中身が共通の認識、相当程度やっぱり一致した認識になっていて議論になるわけでありますが、このエレクトロニクスの中には半導体の製品としてのスーパーコンピューターも含まれているというふうに考えてよろしゅうございますね。
#53
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答え申し上げます。
 一般的にエレクトロニクスといった場合にどういうものが含まれるかというお尋ねと思いますけれども、私ども俗にエレクトロニクスといえば、当時は半導体であるとかコンピューターのソフトウエアの問題であるとかいうことが話題になってございましたが、一般論として言えばコンピューターといった問題も含まれていようかと思います。
#54
○矢田部理君 それから、中曽根総理はその首脳会談の直後にロサンゼルスで記者会見をされておりますが、この貿易摩擦についてはどんな内容の記者会見をされておるでしょうか。
#55
○政府委員(佐藤嘉恭君) 六十年一月の首脳会談の後の記者会見についてでございますが、恐らく記者会見におきましては会談の模様を反映した記者会見であることは間違いないわけでございますから、ただいま御報告申し上げました四分野といったようなことを中心に経済問題の御説明があったものと承知をいたしております。
#56
○矢田部理君 具体的に、正確に言ってください。
#57
○政府委員(佐藤嘉恭君) 当時の記録を見てみないといけないと思いますけれども、私どもの得ている記憶では四つの分野、すなわちただいま申し上げましたエレクトロニクスほか三つの分野につきまして一層の市場の開放の要請があったということについて、総理大臣の方もこれに具体的に対応していこうという趣旨の御答弁があったというふうに記憶をいたしております。
#58
○矢田部理君 内容を正確にできませんか。
#59
○政府委員(佐藤嘉恭君) 当時の記者会見の概要をまとめたものでございますけれども、日米経済問題につきましてはいろんなフォローアップが必要だということを御指摘になり、諸懸案、これは一つには半導体の問題で当時報復措置が講じられておったというような事情もございましたので、そこで全体を見ながらこういった問題についても十分対応していく必要があるというような趣旨の御発言が一つあったと思います。総理の方からは、日米経済関係全体を円滑に進めていく必要があるという趣旨の御会見をされているように承知をいたしております。
#60
○矢田部理君 どうもあなたは想像に基づいて言っているようですが、こう言っているんですよ。日米貿易摩擦の懸案事項として衛星通信、電気通信などと並べてハイテクを列挙している。このハイテクというのは当然のことながらスーパーコンピューターが入る、それは日米間の共通の認識だったのではありませんか。
#61
○政府委員(佐藤嘉恭君) ただいま先生から御指摘がございましたが、まさに衛星の問題あるいはハイテクの問題といったような新しい分野で日米の経済問題というのがいろいろ話題になるであろう、こういう趣旨の御発言があり、これらにつきましてはそれぞれの日米行政当局の間で十分な話し合いをしていこうではないか、こういう趣旨の御答弁があったと思いますし、このハイテクの問題ということの中に半導体といったことも当時大きな話題でございましたからそういうこともございましょうし、あるいはスーパーコンピューターという問題ももちろんあったと思いますが、ここで個々にそういう問題に触れていることではないことは御理解をいただけると思います。
#62
○矢田部理君 個々に触れていないということを盛んに強調するのでありますが、この首脳会談直後の一月三日付のニューヨーク・タイムズを読んでみますと、首脳会談に関する米政府高官の談話が出ております。その談話では、日米双方の努力が集中する分野は電気通信、コンピューター、エレクトロニクス、医療機器、木材製品など幾つかの分野になるであろうと、明確にコンピューターというのを挙げているんですよ。何かコンピューターというのを消そう消そうと意図的にやっているんじゃありませんか。
#63
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答え申し上げます。
 当時、いろんな報道が出ておりましたことは私どもも十分承知をいたしておるわけでございますが、いわゆるハイテクという分野で当時話題になっておりましたのは、スーパーコンピューターもそろそろ話題になっていたとは思います。ただ、全体として、いわゆる汎用のコンピューターという分野における日米両企業の関心あるいは政府当局の関心といったようなことがあったことは事実であろうかと思います。
#64
○矢田部理君 もう日米間の当然の理解――言葉が出たとか出ないとかということは一つありますが、その後コンピューター問題というのはもう中心的な位置を占めるわけですから、それを殊さらに消そうとするからおかしくなるので、中曽根さんもそのことを盛んに言っている。
 次の問題に移りますが、電電公社時代でありますが、NTTが一台目のコンピューターをお買いになった、この経過を御説明いただきたいと思います。
#65
○参考人(村上治君) お答え申し上げます前に、去る三月四日に私どもの元役員二名が起訴されましたわけでありますが、この事実を大変重く受けとめておりまして、重ねて申しわけなく、おわびいたします。
 今後、裁判等で事実関係の詳細が明らかになると思われますが、このような事態を招くに至りましたことを厳粛に受けとめまして、綱紀のより一層の粛正はもとより、NTTの信頼の一日も早い回復に向けまして、役職員一同一丸となりまして今後とも業務に邁進いたす覚悟でございます。
 今、お尋ねのNTTの一台目のコンピューター、スーパーコンピューターかと思いますが、これは武蔵野電気通信研究所の研究用に購入いたしまして、五十九年の四月に購入契約をいたしまして、機器の搬入が五十九年の八月ということで、五十九年の暮れから研究用に供しておるわけでございます。
#66
○矢田部理君 購入の契約交渉を開始したのはいつごろですか。
#67
○参考人(村上治君) 私、今子細に承知いたしておりませんが、少なくとも契約に達する二、三カ月前ではなかろうかと存じます。その辺ちょっと今不正確でございますが、そのぐらいの期間は必要かと思っております。
#68
○矢田部理君 今度は二台目の購入について伺いますが、六十年の九月にリクルートから話があったという向きの内容の答弁をされているのですが、それ以前には全く何らの接触もなかったのでしょうか。
#69
○参考人(村上治君) お答え申し上げます。
 六十年の九月に話があったというふうに聞いておりまして、それ以前には特段そういうふうな話はなかったと承知いたしております。
#70
○矢田部理君 この種リクルートとの話し合いの窓口はどこですか。
#71
○参考人(村上治君) 窓口といたしますと、これは外国製品でございますので、調達といいますか購入の手続等につきましては国際調達室というのがございます。さらに、先生も御存じのとおりでありまして、私どもはコンピューターをクレイ社から購入いたしまして、設置工事その他をいたしまして二台目のものはリクルート社にお引き渡しをしたわけでありますが、そういった設計建設工事関係、こういったものは、当時データ通信本部が担当をいたしておりました。
#72
○矢田部理君 九月に山口さんにあったということですが、当時は国際調達室の責任者、担当取締役でしょうかね。それ以前にデータ通信本部にあったのではありませんか。個人的にもそういう窓口を通しても全くありませんでしたか、九月前に。
#73
○参考人(村上治君) 六十年九月ごろにそういう話がクレイ社からあったわけでございまして、それ以前にはそのようなことは一切なかったというふうに承知しております。
#74
○矢田部理君 問題になっている長谷川さんとかデータ本部の窓口とかが全く接触していなかったですか、それまで。いきなり山口さんにリクルート社から話があったんでしょうか。
#75
○参考人(村上治君) 六十年の九月に山口常務を江副氏が訪問いたしまして、その際にクレイ社のコンピューターをNTT経由で購入してほしいという依頼がございまして、それから当時山口常務から国際調達室長に指示をいたしまして、それ以降、データ本部等も含めましてそういった御依頼に対する検討を開始したというふうに承知いたしております。
#76
○矢田部理君 それは正式の話でしょう。それ以前に下話があってしかるべきじゃありませんか。いきなりそんなトップのところに来て申し入れるなどということではなしに、事前の段取りがあったんですよ。山口さん自身、関係者自身が六月ころから既に話があったと言っている。
 もう一点あわせて伺いますが、同時に、あなた方のところに話がある前に、リクルート社はクレイ社と交渉しておったというんですが、その交渉はいつごろから行われ、どんな経過をたどり、どんな機種のものを交渉していたのでしょうか。
#77
○参考人(村上治君) 六月ごろにそういう話があったということは、そういうことは全然ございませんので、六月ごろのお話というのは事実でないと思っております。
 それから、リクルート社がクレイ社と交渉云々というのは、これは他社のことでございますので、ちょっと私は承知いたしておりません。
#78
○矢田部理君 おかしいじゃありませんか。自分たちがこれから交渉するに当たっては、前にどんな交渉があったか、当然引き継いでやるのが当たり前じゃありませんか。他社のことだからわからないじゃだめですよ。
#79
○参考人(村上治君) 私どもが御依頼を受けましたのは九月でございまして、それ以前の、リクルート社がどのような交渉をやっておったかということは必ずしも必要ではございませんで、そういうことはございませんで、九月以降、リクルート社とももちろんそれらのいろんな打ち合わせばさせていただきますが、それから開始したというふうにお考えをいただきたいと思います。
#80
○矢田部理君 だめです。いろんな人に聞いたが、これは私の分野ではないとか、昔のことはわからぬと言うから、一番わかる人にきょうは来てほしいと言ったんです。それから、いろんな自分の関係しない分野も調べてきてほしいと言っているんです。(「わからぬものはしようがない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)黙っていてください。私は質問しないぞ、余りうるさいことを言うんなら。余りぐずぐず言わないでください。
#81
○委員長(初村滝一郎君) お静かに願います。
#82
○矢田部理君 何か関係でもあるんですか。
 前にリクルート社がクレイ社と交渉してきたと、それがとんざしたのでNTTに持ってきたというのでありますから、その交渉の経過、いつごろ、どんな交渉を行ってきたかというのは聞くのが当たり前じゃありませんか。必要があるとかないとかという問題じゃないでしょう。常識を聞いているんですよ。
#83
○参考人(村上治君) 再三の先生の御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、九月にそういう申し入れがありましてから具体的な行動を開始したわけでございます。
#84
○矢田部理君 完全に隠しているんですよ。山口さんは、かつて六月ごろに江副氏から話があったと、失礼な話なので断ったという事実関係も私どもはつかんでいますよ。まして、前の交渉がとんざしてそれを引き継ぐ場合に、前の交渉を聞かずに、それから先のことしか知りませんというばかなことあるかと。私は、参考人だから静かにしていたけれども、だめですよ、そんな答弁じゃ。調べ直してきてください。
#85
○参考人(村上治君) お答え申します。
 六月に、当時山口常務に話があったということは、国会の席でしたか、そういうふうな話がございましたので、私も現社長にその点を確かめておりますけれども、六月という話はないということで明確に否定しております。
 なお、当時山口常務が否定的なお答えをしたというのは、そうではなくて、九月にそういう話がありましたときに、NTTは商社ではないので、単に購入して右から左ということはできないということで、何らかNTTの付加価値がつく、例えば設計建設等をお引き受けするということであれば検討をしてみましょうということを答えたというふうに私は聞いております。
#86
○矢田部理君 そうすると、以前、リクルート社がクレイ社と交渉していた経過についてはだれも聞いてないんですか、NTTとしては。
#87
○参考人(村上治君) 先生御指摘のような、六月ぐらいから話があったのではないかという点につきましては、そういう事実はございません。
#88
○矢田部理君 いや、そうじゃなくて、経過。
#89
○参考人(村上治君) ちょっとその辺は私も今承知しておりませんが、少なくとも六月ごろにそういう話があったということはないと聞いております。
#90
○矢田部理君 私の質問は別の質問だ。クレイ社からいつごろ、最初の話をだれが受けたのか。山口さんが九月にいきなり受けるはずはないんです。国内窓口は、私たちの調査ではデータ通信本部なんです、外国のクレイ社から買うときには国際調達室が担当するけれども。データ本部にはもっと前からあるはずなんです。それがいつあったかということ。
 もう一つは、話を受けるについては前の交渉経過を引き継ぐはずだ、それについて話を聞いているのではないか。
 二つとも否定されるんですか。
#91
○参考人(村上治君) 二点ございますが、データ本部に当時話があったのではないかということにつきましては、これはございません。
 それから、私どもがそういった話に加わります前のクレイ社とリクルート社でございましょうか、これにつきましては、ちょっと私そういった経緯を引き継ぐ必要もなかろうと思うのでございますけれども、そういった経過を承知しているのかどうかにつきましても、私今存じておりません。
#92
○矢田部理君 さっきと答弁が違うじゃないか。
 先ほどは、そういう交渉経過を引き継いでいないと。今度は、引き継いでいるかどうか知りませんということと違うじゃないか、答えが。
#93
○参考人(村上治君) 大変失礼しました。引き継いでおりません。
#94
○矢田部理君 リクルート社があなた方に頼む前に、どういう機種を買うべく交渉していたかも引き継いでいないんですか。
#95
○参考人(村上治君) どのような機種につきまして交渉しておられたのか、承知いたしておりません。
#96
○矢田部理君 そんなばかなことありますか。何を買うか、こういう交渉をしてきたがうまくいかなかった、今度はこういう機種を買うとか、従来の機種をぜひ買ってほしいとかという話があるのは当然じゃありませんか。そんな、歴史がある時間でぴしっと切れるなんというばかなことはないんですよ。おかしいですよ、答弁が。
#97
○参考人(村上治君) どのような機種を選定するかというのは、やはりリクルート社が御計画になる業務なりあるいは業務量なり、そういったことを私どもの専門家がお聞きをすれば、どのような機種が最も適当なのかということの判断はつこうかと思っております。したがって、以前どういうふうな経緯があったかというふうなことは、これは必要がないことだと承知しております。
#98
○矢田部理君 全く説得力のない拒否の答弁ですから、それはそれとして受けとめておきます。
 六十年の五月段階で、既にNTTは二台目のコンピューターを買うという計画なりクレイ社との交渉は、水面下でありましたか。
#99
○参考人(村上治君) 六十年五月には、NTTといたしましてはそういった計画は全くなかったと承知しております。
#100
○矢田部理君 五月六日付の電経新聞という業界紙によりますと、二台目を購入するためクレイ社と交渉中という記事がありますが、もしそれがなかったとすれば、既にリクルート社に落とすコンピューターの転売をやる交渉の下話が水面下で進んでいたのではありませんか。
#101
○参考人(村上治君) 六十年五月に、電経新聞にそういった二台目のコンピューターを購入することで交渉を進めているというふうな記事が先生御指摘のようにございましたけれども、このような記事にあるような事実は全くございません。
#102
○矢田部理君 この年の九月十二日に、真藤さん、山口さんが訪米をされますが、このときにコンピューターの話は出ませんでしたか。
#103
○参考人(村上治君) 先ほど来の山口常務のところに江副氏から話があったというのは、当時の記憶では、この日米といいますか、NTTの調達セミナーに出席直前であったというふうに申しております。
#104
○矢田部理君 だから、アメリカへ行って話は出なかったか。
#105
○参考人(村上治君) 調達セミナーでは、そういったコンピューターの調達に関するような話は、セミナーの席では一切なかったというふうに聞いております。
#106
○矢田部理君 セミナーの席以外でも、米政府筋やクレイ社関係者と会ったことはありませんか、山口さんなり真藤さんなり、その関係者は。
#107
○参考人(村上治君) その際の、六十年九月のNTTの調達セミナーには真藤前会長も出席いたしておりますが、セミナーの席ではそのような話はなかったというふうに聞いております。
#108
○矢田部理君 セミナーの席以外も聞いている。
#109
○参考人(村上治君) セミナーの席以外でもなかったと聞いております。
#110
○矢田部理君 ところが、九月二十六日にクレイ社の発表、ロールワーゲン会長の談話などが出るわけですが、NTTはクレイXMP一を購入する予定、値段も八百万ドルという発言をしているんですが、どうですか。
#111
○参考人(村上治君) 今、先生がおっしゃったのはXMP一……
#112
○矢田部理君 XMP一。
#113
○参考人(村上治君) 六十年の九月にそういったお話がありまして、その後いろんな検討をいたしまして購入契約に達しますのが翌年の五月でございますので、多分いろいろな検討に着手をした段階でございますから、そういった機種だとかあるいは金額が幾らというふうな話が出るには大変早過ぎる時期だ、このように存じます。
#114
○矢田部理君 「PRニューズワイヤ」という新聞に出ているわけですが、早過ぎる時期に発表になったから、もっと早くから話があったんじゃないかと私は言っているんです。
#115
○参考人(村上治君) 何度も同じ答えを繰り返しまして大変恐縮なんでございますけれども、九月からそういった検討をいたしておりますので、今、先生御指摘の九月下旬かと思いますが、そのころに、まだ機種も決まっておりませんし購入を決定したわけでもございませんので、どうしてこのような発表が行われたのか、全く私どもとしては理解に苦しむところでございます。
#116
○矢田部理君 それは、あなた方がわざわざ殊さら隠しているか、場合によっては知らないところで動いていた可能性も多いわけですが、少なくとも相手方の会社の会長がそういう発言をしていることは重いんですよ。
 絵解きをすれば、もう日米首脳会談直後からいろんな動きが出ておって、それを長谷川氏かしかるべき人がリクルート社とつないできてここに至っているのであって、表面化した正式な話以降の話だけするからあなたたちはおかしくなってしまう。その春先には、先ほど申し上げた江副さんが総理官邸を訪ねて一時間余にわたって面談をしているというふうなことも入るわけでありますが、この辺の状況をあなた方はほとんど知らないか、隠しているんじゃありませんか。しかも、最初の機種は、後で買う機種ではなくて、もう少し小型のXMP一という型だったのではありませんか。そういう話だったのではありませんか。どうですか。
#117
○参考人(村上治君) 今御指摘のような、前段にいろいろな検討があったのではないかということでございますが、私どもといたしましては、九月以降種々検討いたしまして、リクルート社のコンピューターシステムの構築につきまして御要望等をお聞きした上でいろいろな機種決定その他をやっておるわけでございまして、私どもの知らないところではあったんではないのかというような、ここでは先生には本当に私ども承知していることを申し上げているわけでございます。
#118
○矢田部理君 知らないとすれば調査不十分なんでありまして、これから検察庁の捜査もおいおいわかってくれば、あなた方がうそを言っているかどうか明確になるんです。
 最初は小型のもの、しかし、どこかから政治的なプッシュか何かがあって、最終的には大型のXMP二一六という、値段にしても倍前後のものをやっぱり買うことになる。これは、いろんな日米間の政治的な背景や動きがあったればこそなんでありまして、そう理解しなければつじつまが合わないんです。それをあなたは、前の経過を知らぬとか、もっと遅くからしか交渉は始まらなかったと言うから状況がおかしくなるのでありまして、これを徹底的に調べてほしいというのが第一点であります。
 二番目は、四台目を中心にして伺いますが、日米首脳会談で、これは六十二年の五月であります、スーパーコンピューターの話があったということでありますが、このときの話の内容等について外務省から御説明をいただきたいと思います。
#119
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答えを申し上げます。
 六十二年の五月に首脳会談がとり行われました。そのときに日米間の経済問題がいろいろ話されましたけれども、アメリカ側、つまりレーガン大統領の方から御関心事項として、日米間で当時いろいろ話題になっていたことが指摘をされました。その中で、前総理から、スーパーコンピューターについての調達の手続を明確化する作業が今事務当局で進んでいるということが一つ。それから、当時既に話題になっていたことではございますが、補正予算が組まれると、その中でまず政府として輸入促進という観点から特別な政府調達のプログラムをつくる考えが検討をされているという趣旨のお話があり、それに加えまして、当時NTTが一台買うと聞いておるという御趣旨の御説明を総理からされたというふうに承知をいたしております。
#120
○矢田部理君 三番目に言われた、NTTが一台を買うことになっているというその一台について、三台目とか四台目とかという特定をして総理は述べたのでしょうか。それとも、そういう特定はしなかったのでしょうか。
#121
○政府委員(佐藤嘉恭君) そのような特定はございません。
#122
○矢田部理君 ところが、中曽根さんはこの間の記者会見で、それは三台目のことを言ったんだと述べて、三つの根拠を挙げておられるんです。その根拠の一つ一つを問題にしていきたいと思うんです。
 一つは、衆議院でも問題になった新聞です。これは私の方が衆議院の方に話をして問題にしてもらったのですが、この日経新聞、総理もごらんになったでしょうが、三台目のことが記事にも出ているじゃないかという趣旨の御発言なんですが、そう思われますか。
#123
○国務大臣(竹下登君) 私は国会の問答を聞きながら、そういう明らかになりつつあるなという印象は持っておりますが、その日経新聞そのものは実は読んでおりませんので、お答えすることができません。
#124
○矢田部理君 一部差し上げますから読んでください。(資料を手渡す)
 この記事は、何も説明するまでもなく、読めばわかることですが、コンピューターをNTTなどは買ったが、政府機関は買っていない。そこで、政府機関や国公立大学用に購入する方針を固めた。通産省なども裏で動くわけです。それを総理大臣が訪米したときに表明すると、こういう記事なんですよ。三台目の根拠なんかじゃ全くないのでありまして、その点は宇野外務大臣、いかがですか。
#125
○国務大臣(宇野宗佑君) しばしば衆議院でお答えしていますが、その当時の日米首脳会談の会議を総括して私は申し上げた。それを今、佐藤君が申し上げたわけで、衆議院でもそのとき、脈絡、文脈からして私たちは三台目であると、こういうふうにお答えしております。前総理は、私も日経新聞そのものの記事をコメントするつもりはありませんが、そうした意味でそれをこの間の記者会見で用いられたのであろう、このように考えております。
#126
○矢田部理君 中曽根さんは、これをテレビの前に出して、これこそ本物のあかしだみたいなポーズでやったんです。よく読んでみたら、全然根拠にも何にも全くなっていない、縁もゆかりもない、そのことについて。そういう新聞だということを認められますか。
#127
○国務大臣(宇野宗佑君) この間衆議院で同様の質問がございましたときに、後ほど調査してお答えしましょうと、こういうふうに申し上げておきました。
 なお、詳細は型式等がございますから局長からもあろうと思いますが、一応私は、日経のこれに限って申しますと、「NTTはこのほど、最新鋭のクレイU型の導入を決めた。しかし、政府機関の導入がなく、日米交渉の焦点となっていた」というのが日本経済の解説でございますから、つまり、「U型」と書いてあるのが三台目であると、こういうふうに聞いております。
#128
○矢田部理君 その三台目を買うことをアメリカに行って正式に総理が表明すると、そういう記事じゃないでしょう。正式に表明すべき中身は、これから政府で調達する新しい構想を表明するというのがこの新聞のことであって、三台目の根拠になどは何一つなりませんと、そういう新聞じゃありませんかと言うんです。それはそのとおりですとお答えいただけばいいんです。
#129
○国務大臣(宇野宗佑君) いや、私が申し上げておるのは、この新聞に書かれていることは、その当時の日米間の経済摩擦のことが日経で報道されておるということでございますから、したがいまして、全般的なその当時の背景として日経の記事を用いられたと、こういうふうに私は感じたんです。
#130
○矢田部理君 記者会見の文書をよく読んでください。これが証拠だと、書いてあるじゃありませんかと言って、ゼスチャーを交えながらやられたので、だから私は問題にしているんです。証拠になってないんです。郵政大臣、どうですか。
#131
○国務大臣(片岡清一君) 郵政省といたしましては、外務省からいろいろ伺っておることを郵政省としてもそのように理解しておると、こういうことでございます。
#132
○矢田部理君 この新聞を根拠だと、三台目の根拠だというふうに言っている。NTTにかかわりのある郵政省、そういうふうにこの根拠だと思いますかと郵政大臣に聞いている。郵政大臣の認識を聞いている。
#133
○国務大臣(片岡清一君) お答えいたします。
 この中曽根前総理の会見で引用されました六十二年三月二十九日の記事に改めて目を通しましたが、当該記事で触れられておりますところのクレイU型は、NTTが六十二年三月に自社研究所用として購入契約を行った三台目のスーパーコンピューターのことであると、こういうふうに認識をいたしまして、そういうふうにこの間お答えしたわけでございます。
#134
○矢田部理君 この記事のどの文章の部分が三台目の根拠になるんですか。中曽根さんが表明したのは三台目だという根拠にどの部分がなるんですか、指摘してください。――局長じゃない、大臣の認識を聞いている。
#135
○国務大臣(片岡清一君) お答えいたします。
 今申し上げましたとおりでございまして、したがって前総理は、当時の状況からして既に公表済みであったが、よいニュースとしてこれを大統領に伝えられたものとの従来の外務省の答弁は、郵政省としてもそのとおりと理解しておるのでございます。
#136
○矢田部理君 全然質問に答えてない。だめだ。
 この、どの部分がその根拠になるのかと聞いている。
#137
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#138
○委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
#139
○国務大臣(片岡清一君) 要するに一外務大臣のおっしゃったとおりでございます。
#140
○矢田部理君 外務大臣は何とおっしゃったんですか、とおりの前提は。
#141
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答え申し上げます。
 新聞記事そのものについて私どもが……
#142
○矢田部理君 いや、記事以外のことは要らないよ。
#143
○政府委員(佐藤嘉恭君) はい。
 御答弁する立場にもないわけでございますが、今、先生御指摘になりましたこの新聞記事に書かれております最新鋭のクレイU型の導入を決めたと、NTTがでございます。そのことが問題にされていると思いますし、外務大臣から先ほど御答弁がございましたが、これがまさしく私どもNTTから伺っているお話ではいわゆる第三台目、武蔵野研究センターに設置をされているというふうに承知しておりますが、三台目でございます。
 そして、その四台目の機種が何であるかということがその次の問題になろうかと思うんですけれども、これはクレイUという機種でないことは先生御案内のとおりだと思います。まさしくこの三台目がクレイUであり、武蔵野研究センターに設置されたものというふうに私どもは承知をいたしているわけであります。
#144
○矢田部理君 当時の概況や問題点をどういうふうに受けとめているかを聞いているんじゃないんです。この新聞が根拠だと言うから、この新聞は根拠にも何にもなりませんぞと。特にクレイの三番目の機種だ、それを訪米時に首相は表明すると書いてあるじゃないかと、こう言っているわけですよ。
 訪米時に表明する内容は何ですか、この記事で。わかりますか、あなた。読めばわかるでしょう。三号機ではないでしょう。
#145
○政府委員(佐藤嘉恭君) まことに恐縮なのでございますが、私どもこの新聞の見出しにつきましていろいろコメントをする立場でないわけでございます。
#146
○矢田部理君 だから出てこないでいいんだ、あなたは。
#147
○政府委員(佐藤嘉恭君) しかし、当時私ども、総理大臣の御訪米ということを控えていろいろな準備をしていたわけでございます。その過程の中で、まさしくこの調達手続の話題であるとか、あるいは政府調達において政府の調達が可能になるようにしたいということを準備してまいったわけでありますから、そういったことをあるいはこの新聞の見出しとして書かれていたのかもしれません。
#148
○矢田部理君 全然答えになってない。
#149
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#150
○委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
#151
○国務大臣(宇野宗佑君) 今、「首相、訪米時に表明へ」、これですとおっしゃったが、だからこれが証拠になるかという話でございますが、衆議院でもそうした話が出ましたので、私、中曽根前首相のこの間の新聞記者会見をきちっととりました。で、それをちょっとだけ、時間がかかりますが読んでみますると、もうずっと書いていますから、後から、そのとおりだと思いますけれども、当時のことを申しますと、三月二十九日付の日経新聞の記事があり、「米スーパー電算機購入 摩擦緩和ねらい政府機関向けに 首相、訪米時に表明へ」と、今おっしゃったことでありますが、というのがある。これは三台目のコンピューターについても書いてある。中には、「政府は米国クレイ・リサーチ社製のスーパーコンピューターを政府機関や国公立大学用に購入する方針を固めた。総合経済対策の柱の一つとして盛り、四月末の中曽根首相の訪米時に正式表明する方向で調整を急ぐ」と新聞に書いてある。自分はこういうものを新聞で読んで知っており一この自分は中曽根さんでありますが、NTTについても、「NTTはこのほど、最新鋭のクレイU型の導入を決めた。しかし、政府機関の導入がなく、日米交渉の焦点となっていた」とある。これは三台目の話である。この新聞記事を見れば、私がなぜ言ったかおわかりになると思うと、まあこういうふうに答えておられます。そのままお伝えしておきます。
#152
○矢田部理君 ですから、それを前提にして、前総理大臣がアメリカで語ったのは三台目だと。これが証拠ですと言うから、その証拠ではないんじゃありませんかと。訪米時に表明する内容というのは、よく読めばわかりますように、政府機関の新しい調達について表明するというのがこの見出しなんですよ。それを三号機に結びつけるから、結びつくがごとき根拠として示すからとんでもない話だと。大道商人が、これが本物だと言っているみたいな話だというふうに私は言うんですよ。
#153
○国務大臣(宇野宗佑君) もう、会議録をお調べください、私の言っていることは終始一貫いたしておりますから。
 この記者会見は、既に衆議院において同様の問題が出た後、三か四かというので、いろいろ私は外務省の記録をまとめてお答えしました。それについての質問があったときに、このようにそれは三ですとお答えになったと、このように私は承知いたしております。
 なおかつ、公的機関による調達手続の明確化の作業中だということもおっしゃいまして、そしてこの五月一日の日米首脳会談の後に、御承知のとおり補正予算を政府でつくりまして、政府機関による調達を検討、このことを申されておりますが、事実、補正予算に十億ドル対外問題として組みまして、その中から政府機関として東工大並びに通産省の工技院に新しいコンピューターを買うと、こういうふうな順序になっておりますから、大体文脈からして、私別に私見を交えませんが、あえて申すならば、先ほどからのお答えを、このとおり私も答えておるし、前総理のお答えもそれでいいんじゃないかと、かように思います。
#154
○矢田部理君 時間がもったいないですから、もう一回整理をして申し上げますと、首脳会談でクレイ社のコンピューターを買いますと言ったのは三号機か四号機か。三号機の根拠としてこの新聞があると言ったのは根拠になっていないことが一つ。
 それから、ここの見出しで「訪米時に表明」をすると言ったのは、その三号機のことではなくて、政府機関の調達について表明をするといった記事である。
 その二つをお認めになりますか。
#155
○国務大臣(宇野宗佑君) 政府機関についてはそのとおりでございますが、三号機がそこで出てくるのは、先ほど申しましたように、それに先立つ衆議院において三号か四号かという話がございました。そのときに私はこのように申しています。ある党の質問に、御本人に電話ででも確かめたらどうかという話がございましたから、そういうような感じもいたしましたから、実は御本人に電話で確かめて、三か四かどちらですかと私が言ったら、三だとお答えになりましたと、こういうふうに衆議院で答えております。
 だから、その後に記者会見があったものですから、三か四かという問題でございましょうから、その背景として、既にその当時、NTTが買い入れるその型式はクレイUだと、こういうふうに書いておるじゃございませんかとおっしゃったものであろうと、私はこう思います。
#156
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#157
○委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
 委員会を午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十九分開会
#158
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を再開いたします。
 昭和六十三年度補正予算三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#159
○委員長(初村滝一郎君) この際、宇野外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。宇野外務大臣。
#160
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほど来のいろいろ御質疑にお答えいたします。
 昭和六十二年三月二十九日付の日経新聞の記事において、「四月末の中曽根首相の訪米時に正式表明する方向で調整を急ぐ」との記述は、その前段にある「政府は米国クレイ・リサーチ社製のスーパーコンピューターを政府機関や国公立大学用に購入する方針を固めた」との記述を受け、政府が総合経済対策の柱の一つとしてスーパーコンピューターの購入を盛り込む方針であることを述べている。
 二、いずれにせよ、同日経新聞の記事は、中曽根総理(当時)が日米首脳会談でレーガン大統領に表明した「NTTが一台買うと承知している」というスーパーコンピューターがクレイU型(三台目)であることを直ちに示すものではない。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#161
○委員長(初村滝一郎君) 休憩前に引き続き、矢田部理君の質疑を行います。矢田部君。
#162
○矢田部理君 ただいまの外務大臣の答弁で、日経新聞の記事を根拠として、首脳会談で出たNTTのコンピューターは三台目であるという裏づけにはならないということが明確になったわけでありますが、さらに中曽根前総理は、もう一つ根拠を挙げているんです。四台目でないということを今度は言うわけです。なぜ四台目でないかというと、下の方でまだ話が始まったばかりで、不安定な問題を公式の折衝の場で言えるものではない、役所が明確にやれるというもの以外当てずっぽうに言うわけにはいかない、だから四台目でないんだと、こう言うわけです。そうでしょうか。
 当時、政府調達が今の話でもかなり問題になっておる。その方向づけをして首脳会談で出すわけでありますから正式な表明をするわけでありますが、政府部内でどの程度固まっていたか、まず通産省工業技術院が買うことになるわけでありますが、結果的には、この作業はいつから始まりましたか。
#163
○政府委員(飯塚幸三君) 私どもが購入いたしましたスーパーコンピューターについての経緯でございますが、もともと私どもの筑波にありますコンピューターセンターの容量は、計算の需要に比べて非常に不足をしておるという事態は既に昭和六十年度あたりから生じておったわけでございまして、ただ、何分にも非常に大きな予算を必要とするものでございますので、私どもが具体的にこれを検討し出しましたのは、緊急経済対策を受けた前後でございます。
 したがいまして、昭和六十二年五月の緊急経済対策を受けて補正予算が組まれることとなったため、私どもといたしましては、私どもの研究所の要求を取りまとめてお願いをした次第でございます。
#164
○矢田部理君 ですから、それはいつですか。
#165
○政府委員(飯塚幸三君) 昭和六十二年の五月でございます。
#166
○矢田部理君 文部省はどうですか。
#167
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。
 昭和六十二年の七月に一般競争の入札の手続をとっております。
#168
○矢田部理君 いずれにしましても、五月の一日に首脳会談があって、帰ってこられてしばらくしてから、私の調査では六月十八、九日ごろ、それぞれの省庁で言うならば、機種選定委員会というのができてそれからスタートするわけです。
 そして、通産省が入札したのはいつですか。
#169
○政府委員(飯塚幸三君) 入札の説明会は昭和六十二年八月に行っておりまして、九月の二十八日が入札日でございました。
#170
○矢田部理君 その入札は、当然アメリカから買うということを前提にした入札ではありませんね。
#171
○政府委員(飯塚幸三君) 私どもの研究所の必要な計算に対応できるコンピューターの仕様書をつくりまして、入札を内外のコンピューターメーカーにお勧めしたわけでございます。
#172
○矢田部理君 文部省も同様ですね。
#173
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。
 文部省といたしましても、内需拡大ということを中心として、この問題には対応をいたしております。その時期は昭和六十二年の九月でございます。
#174
○矢田部理君 ということでこの入札には日本企業も応募している、応札できる態勢にあったわけです。現に文部省などは応札しているわけです。通産省は少しやり方が妙でありまして、これはまた別途問題にいたしますが、全部おろしてクレイ社一社だけ入札させるというひどい話になるわけであります。
 いずれにしても、態勢としては、時期的にも総理が戻ってきてからようやく部内に選定委員会が発足をする。しかも、NTTの場合は随意契約ですが、全部これは競争入札方式だから、到底アメリカから買うなどということを断言できる性質のものではない。方向づけはわかりますよ。だから、ここでも中曽根さんは、まだはっきりしないものを首脳会談などには出せませんということならば、はっきりしないのはNTTよりも政府の方なんでありまして、ここでも中曽根さんの言い分は違っているんです。根拠はないのであります。どうですか。――改めて中曽根さんにお出ましをいただくことにこの辺はいたします。
 そこで、NTTに伺いますが、四台目の購入の話は、つまりリクルート、二台目を転売するわけですが、NTTとしての四台目の交渉の話というのは、いつごろからどういう経過で始まったんでしょうか。
#175
○参考人(村上治君) 四台目といいますか、リクルート社向け二台目と言うんでしょうか、これは昭和六十二年の四月ごろに最初に入りました一台目のコンピューター、XMP二一六でございますが、これの論理装置などの増設をやりまして全体の処理能力を向上させるということにつきまして検討依頼がございまして、それからいろいろな検討が始まったということでございますので、四月ごろと承知しております。
#176
○矢田部理君 四月ごろに既に二台目購入の話があった。つまり、四台目の話が始まっておったと、こういうことですね。
#177
○参考人(村上治君) 私のちょっと説明がまずかったかもしれませんが、四月ごろに一台目の処理能力、これは御存じのようにマルチプロセッサーということになっておりまして、プロセッサーが二台あるのが二一六でございますが、こういったプロセッサーなどを増設いたしまして処理能力を向上させたいという、要するにもうちょっと処理能力を大きくしたい、そういう検討を依頼されましたのが四月でございますので、そういった増設、言うなれば増設といいますか、一台目を増強するかどうかというふうなことについての検討を依頼されたと、そこからいろんな検討が始まるということでございます。
 したがって、もう一台買うかどうかということは、その時点ではまだ明確になっておらないということでございます。
#178
○矢田部理君 ですから私は、二台目はいつから始まったのかと聞いている。四台目ですね。
#179
○参考人(村上治君) 二台目といいますか、リクルート社向けの二台目ですが、四月にそういう能力増強に関しての御依頼がございまして、それで検討を始めまして、一台目の能力を増強するのか、あるいはそれはやめてもう一台増設するかどうかというふうな、そういった検討に着手いたしましたのが四月ごろだ、こういうことでございます。
#180
○矢田部理君 中曽根さん自身が、記者会見で五月一日の時点では四台目について下話が既にあったという前提で物を言っているんですよ。ですから、その時期にはもうずっと話は進んでおったんじゃありませんか。
#181
○参考人(村上治君) ただいま申し上げましたように、四月にそういった依頼がありまして検討いたしておりますところでございますから、まだ正式に、正式にといいますか、一台増設するかどうかということについて検討に着手した段階というのが四月ではなかろうかと思っております。
#182
○矢田部理君 もっと早い時期という指摘もあります。きょうの新聞には、既に二月段階で長谷川さんを中心に四台目、リクルートにとって二台目の検討に入っている、交渉に入っている。これはどうですか。
#183
○参考人(村上治君) お答えいたします。
 本日の朝刊にそういった趣旨のことが出ておりましたのは私も承知しておりますが、そういった事実はございません。
#184
○矢田部理君 ただ、今の答えとしては四月段階、つまり、首脳会談の前の段階では既に二台目を購入するかどうかという話には入っておった、こういうことですね。
#185
○参考人(村上治君) 再三申し上げますが、一台目を増強するかあるいはもう一台購入するかというようなことの検討に入っておった時期でございます。
#186
○矢田部理君 もう少し状況は実は進んでいるのでありまして、あなたは長谷川さんの動きなどを調査していないんじゃありませんか。その状況を中曽根総理は相当程度知っていた、時期的に見ても内容的に見ても可能性があるわけでありまして、その立場からいえば、昔話の三台目を買うということはもうアメリカの新聞などにも全部出ているわけですよ。NTTともう一つ日本の企業が二台買うという話はもう三月段階で出ておった。アメリカでも公表されている事実を、わざわざ首脳会談などに行って、相手は知らないだろうから教えてやるなどという不遜な態度で言える立場ではない。むしろ新たに買うことをつけ加えることにこの会談の意味があったというふうに見るのが至当なんでありまして、あなたもう少し過去にさかのぼって経過を調査してみる必要があると思いますが、どうですか。
#187
○参考人(村上治君) この件につきましては、私自身も調査をいたしましたけれども、四月から始まったというふうに承知しております。
#188
○矢田部理君 そのほか中曽根さんの記者会見には税調特別委員の任命の問題なども含めて多くの疑問点、問題点、こじつけ、場合によっては事実に反することが随所に出てきているのでありまして、ここまで来ますとどうしても中曽根さんに証人に出てきていただいて、我々の質問に答えて事実関係をもっと鮮明にしていただく、指摘をした誤りは正していただくということ以外にないと思うんですが、いかがでしょうか。
#189
○国務大臣(竹下登君) 節度を持っていつもお答えをいたしております。証人喚問という問題は国会自体でお決めになるべきものであって、行政府がそれに対してコメントする立場にはありません。
#190
○矢田部理君 という建前論を言われるのはいいのですが、総理はまた自民党の総裁でもあるわけです。その立場からいえば、とりわけ先ほど積極解明論、みずから解明する立場に立つということもお述べになったわけでありますから、総理としてよりも総裁としてもこれについては実現方に努力してもいいのではないか。そして、この政治不信を一刻も早くやっぱりみんなで回復していくという努力の先頭に立つべきではないか。
 ところが、総理の最近の言動を見ておりますと、どうもこれにふたをして、真相の解明よりも政治改革を先行させて、それに取ってかわろうとしている、こういう傾向が見えるのであります。私たちも政治改革、問題の中身を明らかにすることだけで終わるというわけにはまいりません。しかし、事実を全面的に解明することが先決でありまして、その上に、そこから何を学びどう総括をして次の改善策なり改革策を出していくのかがポイントなのでありまして、解明をせずして政治改革を進める、とりわけ総理はまだ疑惑に包まれておるわけでありますし、内閣そのものにも重大な責任なしとしないわけであります。一、二の閣僚がおやめになったということで済まされるような状況ではない。
 私たちは、その意味では総理に政治改革を語る資格なしということまで言っておるのでありまして、そういう点で、解明とそれから総理の責任ということをやっぱり明確にしてこれから臨んでいただきたい。
 以上、私は申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
#191
○委員長(初村滝一郎君) 以上で矢田部理君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#192
○委員長(初村滝一郎君) 次に、中野鉄造君の質疑を行います。中野鉄造君。
#193
○中野鉄造君 今回のリクルート疑惑事件に関連いたしまして、私は、政治倫理について二、三お尋ねいたしたいと思いますが、まずその前に法務大臣にお尋ねいたします。
 過般のロッキード裁判では、総理の犯罪と総理の職務権限というものが大きな争点として取り上げられたわけでございますが、その際、総理みずから直接全日空に働きかけることは準職務行為である、こういうような解釈が打ち出されたわけでございます。
 そこで、今回の場合、中曽根前総理が郵政省やNTTに対しましてリクルートのためにスーパーコンピューター購入を働きかけたとすれば、これは準職務行為であり、また未公開株式の譲渡はわいろとなると、こういうような判断も成り立つわけですが、この認識に誤りございませんか。
#194
○国務大臣(高辻正己君) お答えを申し上げます。
 ロッキード事件は現在最高裁判所に係属中であります上に、具体的事実関係を抜きにしてお尋ねの点を判断すべき事柄でもございませんので、司法機関でもございませんし、捜査の実務機関でもない法務大臣としては御答弁することができませんので、これはあしからず御了承いただきたいと思います。
#195
○中野鉄造君 その辺の解明をするためにも、また先ほどからもいろいろ論議がされておりますが、このスーパーコンピューター購入の前後の事情というものをいま少し明確にする必要がある、そういう意味からも、私は中曽根前総理の国会に対する証人喚問を委員長に要求いたしたいと思います。
#196
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの中野君の申し出につきましては、理事会において協議をいたします。
#197
○中野鉄造君 昨年夏以来今日までの間に、自民党首脳の方がこのリクルート疑惑に関連いたしまして、地方のいろいろな講演会の席上等で、これは単なる経済行為にすぎないじゃないかとか、あるいはまた持たざる者のひがみではないのかとか、あるいはまた国民生活に直接影響を及ぼすようなことではないといったような発言があっておるわけですが、こういうことに対して総理はどのようにお考えになりますか。
#198
○国務大臣(竹下登君) 経済行為であるということは、株の譲渡、譲り受け、その行為そのものは私も経済行為であると思っております。ただ、経済行為という言葉が国民の皆様方に与えておる印象というものは、言ってみれば政治不信につながるものの外に置かれておるような印象をあるいは与えておるではないかという自覚は私どもにも十分あるわけでございます。
 したがって、施政方針演説におきましても、リクルート問題等を起点として、政治に対する信頼感が揺らいでおるということを前提に演説もいたした次第でございます。したがって、この問題はいつも四つに分けた問題として整理をいたしておりますが、政治に対する信頼感を失った大きな契機になっておる問題であるという自覚のもとに対応すべきであると思います。
#199
○中野鉄造君 私がお尋ねしているのは、こういういわば開き直ったような、国民の感情を逆なでするような発言がしばしば行われている。これに対して総理は、今おっしゃった確かに経済行為であるかもしれないといったような、そういう発言もまあ少なくとも不適当ではないというように、そのようにお考えになっていますか。
#200
○国務大臣(竹下登君) これは厳密に言いますと、株式の譲渡、譲り受け、これは経済行為そのものであると私は思いますが、国民が今リクルート問題等について感じておるのはそうした感覚ではないということを私の自覚の上に立ってお答えをしておるわけでございます。
#201
○中野鉄造君 そうすると、こういう発言は余り不適当ではないと思われますか、思われませんか。今、私申しましたように、この経済行為だけじゃなくて、持たざる者のひがみだとか随分と騒いでいるけれども、国民生活に直接影響はないことじゃないかとか、こういったような発言に対してです。いかがですか。
#202
○国務大臣(竹下登君) 第三者の発言についてとかくコメントしようとは思っておりませんが、確かにそれそのものは経済行為であるといたしましても、所信表明で申し述べておりますように、リクルート問題等を契機として今日政治に対する信頼感が失われておるという事実の上に立って、国会においてもまた私どもがほかの場所における質問においてもお答えするのが妥当だ、私自身はそのように思っております。
#203
○中野鉄造君 とにかく、この疑惑事件に関連いたしまして、竹下内閣の閣僚の三人の方が辞任されております。ところが、辞任した閣僚の方々がそれぞれ辞任の記者会見の際におっしゃっているいろいろな辞任の弁を聞いておりまして、国民の側から見れば、悪いことはおれはしてないんだとは言わないまでも、何かしら不本意ながらもやめざるを得ないんだといったような、そういう感じを受ける人たちが大半のようだったんですけれども、任命権者としての総理の政治責任というものは、これは非常に重大であると思うんですが、総理がこれらリクルート事件に関連した閣僚の辞任を承認したその理由は一体何でしょうか。
#204
○国務大臣(竹下登君) 閣僚の辞任、これは任命権者たる私がその識見を信頼して任命したわけでございますから、私自身の不徳である、まずその前提に立っておるわけでございます。
 昭和四十七年の五月から六月へかけまして本院の法務委員会、私は当時内閣官房長官でございました、いわゆる秘密とは何ぞやという議論を何回かされまして、理事会にもお呼び出しを受けて議論をいたしたことがございますが、いわゆる守秘義務問題からくる話でございましたけれども、法律以前に秘密というものを守らなければならないものは二つある。
 一つは外交交渉、あるいは取材をする立場にある人が情報を得てもその情報源を明らかにしてはならない、これは法律以前の問題だ。
 もう一つは人秘、正確に申し上げれば人事秘密というものであります。その人秘というのは最終的に任命権者が総合判断して決めることであるから、その経過等については法律以前の問題として、これはプライバシーもあるでございましょうし、これは法律以前の問題としての秘密として守るべきものである。
 だから、かつての時代には、いわば辞表を出す場合も一身上の都合によりと、これが限度であった。それは任命権者も任命される方も人事の経過については秘密を守るべきであるというのがこれは長い間の私自身の考え方で、当時の昭和四十七年の五月から六月でございましたが、本院における法務委員会においてもこの考え方はもっともだという理解をいただいたと思いますので、信頼しておる私、任命権者の不徳であって、その方々の辞任の弁がいかがあろうともそれについてコメントはすべきでない、このように私は考えております。
#205
○中野鉄造君 辞任された閣僚の方々のその辞任の経緯についての状況というのは、これは先ほどからお話が出ておりましたけれども、竹下総理自身にもそのまま当てはまるようなものではないのか、こう思うわけですけれども、にもかかわらず、総理はこれらに対して具体的には政治的にも道義的にもその責任というものを明らかにされていない。国際的に見ましても、こういうような閣僚辞任が三人も続いている、こういう内閣が存続しているということ自体非常に不思議だというような厳しい海外の論調もあるようなわけでして、また、同じ疑惑を受けている総理自身はなぜ辞任しないのか、こういう目をもって見ているのも事実でございます。
 竹下総理、重ねてお尋ねしますが、総理の責任はどのようにお考えになっておりますか。
#206
○国務大臣(竹下登君) 閣僚の辞任については今申し上げましたが、私自身は国会及び国民に対して連帯して責任を負う内閣の長たる立場にございます。したがって、すべてのこの問題が起きたのは、私が内閣の長となった後に起きた問題でございますだけに、その責任については避けて通れないものだというふうに考えております。その避けて通れない責任ということは、これに対応して私はかねがね四つのことを申し上げておりますが、それらの端緒をみずからの手でつくるということ、これが私のとるべき責任のあり方だと、このように考えております。
#207
○中野鉄造君 本会議でも今と同じようなことを再三言われておりますけれども、それを言われると、私も言いたくはないけれども、また言わざるを得なくなってくるわけです。それは確かに総理の立場として現在のお気持ち、いわば私情あるいは総理御自身の心情かもしれません。しかし、それは私もよくわかりますけど、今国民はもう政治に対する不信感はその極に達しているわけでして、竹下内閣に対する怨嗟の声というものは日ごとに広がっていっているわけなんです。
 そういう中で今、日本の政権を支え得る人は竹下総理以外余人をもってはかえがたいというのであればこれはいたし方ございませんけれども、政道は地に落ちたといえども人材はまだ雲のごとくいらっしゃる。私はこう思いますけれども、今のこの政治不信を回復するためには、今おっしゃったいろんな政治改革だとか、どうだこうだということも大事でしょうけれども、竹下総理自身、竹下内閣が総辞職して、そして国民にその責めを表明する、これがもう百方言の政治改革にもまさると思うんですが、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(竹下登君) 中野委員のお考えというのも責任というものの一つのあり方であるということは私自身も十分承知をいたしております。すべて承知の上で、みずからの責任というのは逃れることなく、今のお言葉をおかりするならば政治改革等端緒につける、その責任を全うすべきだと、このように考えております。
#209
○中野鉄造君 私は、今日の国民の政治不信を回復するためには、今もおっしゃったその政治資金法の改正だとかあるいはパーティー券の規制だとか、そういったようなしょせんは技術論の域を出ないような小手先の政治改革で国民の政治の信頼を取り返すというような、そういう段階ではもはやないと思うんです。そういう言い方、そういうやり方をされればされるほど国民感情との乖離の大きさを増していくばかりじゃないか、私はそう思うんです。
 それで、私は百歩譲って、そういうような口頭禅としか聞こえないような、そういうようなことじゃなしに、今、総理が本当にそういうお気持ちを持っておられるとするならば、総理の諮問機関でありますいろいろな審議会、そういったようなところからの答申だとか、ほかの審議会からの結論だとか、そういうものを待つのではなしに、総理御自身の政治倫理、あえてフィロソフィーとでも申しましょうか、それに裏打ちされた改革の全体像というものを示すべきときではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#210
○国務大臣(竹下登君) 今、先ほど申し上げたことに対して一つだけつけ加えておきたいと思いますことは、人材雲のごとくある、それはそのとおり、この中にいらっしゃる全員が内閣総理大臣の有資格者でありますし、そして私は、議会制民主主義というのは政権の交代というものは当然あることでありますから、その論理は私もそのままいただいて結構だという前提の上に立って、先ほどの論理を展開したというふうにお考えいただきたいと思います。
 ただいまのお尋ねの問題は、さはさりながら、確かに今、一刀両断になかなか処理することができないということもかねて申しておりますが、今の政治に対する信頼感の喪失という問題が、私が所信表明で申し上げておりますとおり、リクルート問題等を起点として起きたものであるという問題意識を私自身も持っておるところでございます。
 さて、それには私自身がこのような考え方を持って政治改革をやりたいという具体的な提案というものを私自身、私だけの力で、知恵でこれを表明するということは、いささか自己過信であろうと私も思っております。したがって、国会においてもいろいろな議論もございます、また私の私的に御相談申し上げたい機関もあります、そして政党の中におけるそれぞれの機関もございます、それらの意見を集約してみずからの考え方を、あるいは法律にするものは法律にし、あるいはみずからの行動であらわすべきものはみずからの行動であらわして対応すべきであるというふうに思っております。
#211
○中野鉄造君 次に、四月一日から施行予定になっております消費税についてお尋ねいたしますが、租税原則として定着しているアダム・スミス、ワーグナーの学説は現在でも生かされているとお考えになっていますか。
#212
○政府委員(尾崎護君) ただいまにおきましても租税原則ということについて語られますときに、スミス、ワーグナーらの唱えました租税原則がよく話に出てくるわけでございます。
#213
○中野鉄造君 このスミスまたワーグナーは公平の原則のほかに明確の原則というものを掲げておりますけれども、この明確の原則について、現代の租税理論の立場から、政府はこれをどのように受けとめていらっしゃいますか。
#214
○政府委員(尾崎護君) 何分にもアダム・スミスは十八世紀の方でございますし、ワーグナーも十九世紀の方でございますから、その明確の原則と申しましても、ちょっとただいまと物の考え方が違う点がございます。当時の話でございますから徴税人なんという言葉が使われておりますが、収税官吏が恣意的に税金を決めてしまう、それを防がなくてはいけない。したがいまして、納税義務者がだれかとか、課税物件が何かとか、課税標準が何であるかとか、それから税率が何%であるか、そういうようなことをきちんとだれが見てもわかるように定めなさいというのが明確の原則でございまして、現在は租税法定主義のもとにこういうものはきちんと定められておりますので、ワーグナー、スミスの言いますような明確の原則はもうはっきりと満たされているものというように考えております。
#215
○中野鉄造君 確かに今から百年、二百年前の人のことではありましょうけれども、その原理原則というものはちゃんと生かされている、生かされていなければならないはずなんです。税が明確でなければならない、あるいは各個人が支払わなければならない租税は、その金額はだれにでも明瞭でなけりゃならないというのは、いわゆるこれは課税上の必須条件のはずなんです。
 特に、税が国家権力によって直接国民に対しての反対給付がなくて強制的に徴収をされるものであるだけに、民主主義国家においてはその重要度は極めてこれは大きいわけなんですけれども、ところがこの消費税については、消費者が支払った消費税の額が実はそのまま国庫に入るわけではなくて、そのかなりの部分が業者の懐に入ってしまう。そして消費税を支払った消費者は、現実に幾らが国庫に入って消費税として納入されるのか、それもわからないままに事業者に納税を委託するわけなんですね。これでは今申し上げたような明確の原則なんてものは完全に葬り去られているんじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。
#216
○政府委員(尾崎護君) 消費税におきましても、納税義務者でありますとか課税物件でありますとか課税標準、税率、すべて明確に定められているわけでございます。
 御指摘の消費者にとっての負担、それがよくわからないのではないかという点についてでございますけれども、今回の消費税は非課税取引の範囲が極めて限定されております。それから、税率も基本的に三%の単一税率ということになっておりますので、ほとんどの場合個々の商品あるいはサービスの価格に含まれる税額は販売価格の百三分の三と考えればよいわけでございまして、消費者にとりましても取引にかかる税額はわかりやすいものというように考えられます。
 簡易課税でございますとか非課税でございますとか、これは制度の簡素化というようなことから考えられているものでございまして、ワーグナーやそれからスミスにおきましても、明確の原則と並びまして便宜の原則というようなものも挙げられているところでございます。
#217
○中野鉄造君 しかし、そうおっしゃいますけれども、今回の消費税はそういう単純明快なものじゃないんですね。
 ちょっと方向を変えて聞きますけれども、この平成元年度の消費税の収入見込み額は四兆五千二百二十五億、こういうように計上されておりますけれども、じゃ、消費者が事業者に支払う段階での消費税額はどの程度と見積もっておられますか。
#218
○政府委員(尾崎護君) 税収といたしましては、まさに消費者に負担していただいている税収を計算しているわけでございます。
#219
○中野鉄造君 そうじゃないんです。私が聞いているのは、税収は四兆五千二百億ですけれども、消費者が消費税と称して業者に納める金額はどのくらいと見ているんですかと聞いているんです。
#220
○政府委員(尾崎護君) 税収の計算をいたしますときに、各種の経済資料によりまして課税対象額を計算いたしまして、その課税対象額から免税、要するに三千万以下の分でございますね、それとか、それから簡易課税の影響額とかをその課税対象の段階で落としております。税収の段階で調整しているわけではございません。
#221
○中野鉄造君 だから、先ほどから私が言っているように、消費者は消費税とそう思い込んで納めるわけなんです。だけれども、その一部分しか国庫に入らない。だから、消費者が消費税と思って納めた額と国庫に入る消費税というものはそこに差が出てくる。その差が幾らですかと聞いているんです。
#222
○政府委員(尾崎護君) 免税事業者に対する支払いも仮に消費者の方がその分も消費税だと思って払ったという前提に立って考えますと、全体の課税ベースの計算上、昭和六十二年度のベースでございますが、中小事業者の特例につきまして、免税点、簡易課税、限界控除に係る課税対象額の減少分を全体で十六兆というように私ども見ております。それが丸々三%分が先生の御指摘のお話だといたしますと、それに三%でございますから四千八百億ぐらい、大体五千億弱ぐらいの影響額があるはずでございます。
#223
○中野鉄造君 じゃ、私が一つの事例を示しますから、これはもう単純なものですから計算をしてください。
 仮に売上高が一億二千万の業者がおったとします、一億二千万、売上高が。そして、この業者の仕入れ高が八千四百万円、マージンが三千六百万円であったとします。この業者が本来の課税方式で三%で計算をした場合の税額が幾らになるのか。そして、この業者が今度は簡易課税による計算方式でやった場合に幾らになるのか。どうでしょうか。
#224
○政府委員(尾崎護君) マージン率、マージンが三千六百万というようにおっしゃいましたから、その三%といいますと百八万であろうかと思います。それから、簡易課税でやりますと、一億二千万の売り上げに対しまして〇・六%で計算いたしますから、七十二万ということになろうかと思います。
#225
○中野鉄造君 確かにそうですね。ですからこの事業者は、簡易課税方式を選択したことによって、消費者から三百六十万円の消費税を預かっている。そして、仕入れの際に支払った税額二百五十二万円を差し引いて百八万円の納税をしなければならない。ところが、簡易課税方式でやりますと七十二万円でいいということになりまして、その差額の三十六万円はその業者の懐に入るわけなんです。しかし、これは小売段階の一例でありまして、その前の卸売段階でも同様のことが行われるわけで、消費者は三百六十万円の消費税を支払いながら、そのうち幾らが税として国庫に納まるのか、これは皆目見当はつかないわけなんですね。そういうことになるんじゃないですか。
#226
○政府委員(尾崎護君) 簡易課税は売り上げに対します仕入れの率を一定率にみなしてございますから、実際の計算と差が出てくることはあろうかと思います。しかし、それは法律上きちんと認められた手続でございますので、納税者の方は簡易課税による方式で納税をしていただけばそれでよろしいわけでございます。その納税者の方といたしましては、御自分のお支払いになった額の百三分の三が税金であるというようにお考えいただいたらよろしいことでございます。
#227
○中野鉄造君 消費者は踏んだりけったりなんですね。
 それじゃ、この簡易課税一つをとってみてもそうなんですが、仮にこの業者が今申しました三千六百万円のマージンを確保したままその業態を委託販売方式に変えたとしますね。そうしたら一体どういうことになるか。もう時間がありませんので私の方から申しますけれども、委託販売方式ですから売上高はぐんと落ちて、仮にこれが四千万円になったとします。委託販売をするにしてもいろいろな備品購入等があるから、これ四百万円仮に備品購入があったとして、そしてマージンが今申しますように三千六百万円あった、こうします。そうするとこの場合、簡易課税制度を選択したとき、簡易課税制度と限界控除方式を併用したとき、これでそれぞれ税額は変わってくるんです。簡易課税方式だけを採用した場合には二十四万円納めればいいんです。ところが、この簡易課税方式と限界控除制度を併用すればわずか八万円でいいんです。そうすると、この事業者は結局簡易課税方式を利用し、さらに限界控除制度を利用するために経営形態を変えるということもありますけれども、先ほどもございましたように、本来百八万円納めるべき税額がただの八万円で済むことになる。つまり、百万円が不当利得として懐に入るわけなんです。
 こういうような例は、これは委託販売方式に変えてという条件つきではありますけれども、いずれにしても業者に対してはこういうようないわば優遇措置といいましょうか、あるいは救済措置といいましょうか、選択肢が与えられている。だけれども、消費者は何にもそういうものはない。とにかく何でもいいから商品の価格に三%の上乗せをした価格でしか商品は買えない、こういうことになっているんですね。
#228
○政府委員(尾崎護君) ただいまの先生の設例でございますが、小売業者のような方でございますと、物の売買を委託方式に変えるということができないわけでございます、消費者に直接物を売るわけですから。ですから、生じてまいりますのはどこか途中の中間の段階で、先生のおっしゃいますように、従来仕入れをし売り上げを立てていたというのを委託方式に変えるということはできるかもしれません。しかし、その場合には確かに売上額が委託方式に変えることによってマージン相当額は減りますが、その委託をした方が自分の売り上げから引く仕入れ額、それも減ってくるわけでございます。したがいまして、最終的に消費者が納める税額と今のお話とは関係がないわけでございます。
#229
○中野鉄造君 しかし、委託販売方式に経営の業態を変えるというようなことはそう数は多くないとは思いますけれども、その前に私が計算で示しましたようなこういうことはもうあちらでもこちらでもあると思うんですね。結局、消費者はとにかく三%の消費税を納めなければならないけれども、業者には簡易課税の選択だとかそういうようなことがちゃんと法で認められている。消費者はどれだけ自分の納めた金額が国庫に入っていくか、そういうものもわからないままにただ納めなくちゃいけない。こういうものが果たして税金と言えるかどうか非常に私は疑問に思うんです。
 それで、この消費税の名のもとに消費者から事業者への所得移転、つまりこれはいわれなき贈与、あるいはチップとしか言いようがないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#230
○国務大臣(村山達雄君) 今度の消費税を仕組むに当たりましての基本的な考え方をまず委員に御理解願いたいと思うのでございます。
 売上税が失敗いたしましてから、我々は政府の税調の方から六十三年の四月に中間答申をいただきました。このときに税額票発行方式、つまり売上税と同じようなやり方かあるいは帳簿方式であるかという点につきましては、政府税調は両論併記であったわけでございます。我が自由民主党の税調におきまして、四団体を初めといたしまして百何十にわたる業種別の会議を開きまして、なぜ売上税が失敗したかということを聞いてまいりますと、もう異口同音に事業者の手数が余りにもかかり過ぎる、だから事業者の手数を減らすことに全力を挙げるべきである、こういう心証を得たわけでございます。
 この観点からいたしまして、一つは帳簿方式を採用することにいたしました。それから課税期間は、なれております所得税それから法人税と同じ課税期間を選択いたしました。納税もまたそれと同じ時期にいたしたのでございます。税率は単一税率で複数税率はやらない。非課税はもうほとんど例外なしに認めない。こういう方針を打ち出しましたが、中小企業のものについてはなお手数がかかる、こういうことからいたしまして免税点、それから簡易課税制度、これが中心でございます。
 ただ、免税点が三千万ということに決まった関係からいいまして、免税点を境にして納税義務者については激変緩和を設ける必要があるであろう、これが限界控除制度を採用したところでございます。
 そして、今、委員が御指摘になりましたことは、そのとおりに行われればそのとおりになるわけでございます。我々が心配いたしましたのは、やはり免税業者といえども、もしこれを免税業者でないという仮定をいたしますと、これは相当の手数を要することで、この種の税になじみの薄い事業者でございます。特に日本は、御案内のように、中小企業者が最も多いところだということでは国際的にも定評のあるところでございます。もしこの経理事務のために人一人を雇おうといたしましたら、これはその方からしてコストアップが来るに違いない。そういうことからいたしましてやったわけでございます。
 また、簡易課税方式につきましても幾つかあるわけでございます。すなわち、非課税取引、仕入れというものは当然伴うわけでございますけれども、それを一々もし売り上げからだけ計算するという方式でなくて、そして法律が言っているようなことを全部やりなさいということになりますと、非課税仕入れの分を全部これは整理しなくちゃなりません。それから、当然のことでございますけれども、課税売上割合が九五%になるかどうか、これを一遍計算する必要がございます。そしてまた、仮に九五%以下であるといたしますと、課税仕入れについても案分計算を必要とするのでございます。これもやはり相当なれたところはあれでございますが、日本のようにまだなれていないところでこれをもし法律でやりなさいと言うと、やはりコストが非常にかかるんじゃないだろうか。そのことは結局別の意味でコストアップを招来して、そしてこの制度を設けるよりもあるいは消費者にとってコスト増という、物価騰貴という形ではね返るかもしれぬ。
 そういう意味で、ぎりぎり考えまして、まあこの程度のことなら受忍いただけるんじゃないかな、こういうことでつくったわけでございます。しかし、おっしゃることの意味はよくわかっております。
 したがいまして、今度の税革法十七条の第三項に、与野党協議の上で、この事務負担に関して特別の制度を設けておるけれども、これは仕組みの定着を待って果たして直すべき点がないかどうかまたよく考えなさい、こういう規定が十七条三項に入っているところでございます。我々は、この与野党協議の末挿入されました十七条三項というものを十分念頭に置きながら、この定着状況を見てまいりたいと思います。
 ただ、一言だけ申し上げておきますと、委員がおっしゃいましたのは、それ自身もうそのとおりでございます。ただ、免税点以下の取引というものは、全体では数で言いますと六五%ぐらいでございますが、二・七%という取引、それから限界控除五億円以下でありましても、これは九十何%納税義務者になりますが、取引の額で言いますと二〇%を切るわけでございます。ですから、経済の常識で申しますと、恐らく税込み価格が支配するであろうということを我々は考えておるのでございます。いずれにいたしましても、委員のおっしゃったことはそれ自身あり得る話でございます。
 ただ、この問題につきましては、今、総理を本部長とする推進本部におきまして外税方式でやれるものは外税方式でやってくださいよと、これは納税者にはわかるわけでございます。しかし、小売の段階になりますと、外税方式というものは、その辺考えてみますとできないところはたくさんあると思います。むしろいろんな関係で、経済の実勢を見ながら税込みで決めることがあるかもしれぬ。このときはもちろん計算は課税業者の場合は百三分の三で計算するわけでございますけれども、さっき申し上げたような原則で恐らく税込みで多くの場合決まるのではなかろうか。そして、このことについてはそれが便乗値上げであるとは言えない。
 このことは、既に公取の方も言っているわけでございまして、何しろ新しい税でございますので、我々この消費税を設計するに当たりましては、先ほど言ったような考え方に基づいておるということを御理解いただければ幸いだと思います。
#231
○中野鉄造君 今、大蔵大臣から御説明がありましたけれども、どちらかといえば一から十まで消費者のことよりかいわゆる業者のこと、業者の利便だとかそういったようなことを中心にお考えになっているんじゃないかなと、そういう気がしてならないんです。大体消費者というものに対するレクチャーというものは今まで余り聞いたことがありません。地方のあちらこちらで税務当局でいろんな消費税に対する講習会なんか行われていますけれども、これはほとんどがいろいろな中小あるいは大企業あたりの担当の人たちを集めてのレクチャーなんですね。消費者はまだ知らないんです、はっきり言って。
 例えば、今おっしゃったような免税点の業者というのがもう半分以上を超す我が国において、そこで物を買う、自分は消費税を納めた、お金に色がついているわけじゃないけれども、その消費税として納めた金はどこからが税金になっていくのか、ただ単なるその業者に対するチップなのか、国が認めたチップみたいなものなのか。今こういう仕組みを消費者が知ることになれば、これは大変な騒ぎになると思うんですが、いかがですか。
#232
○国務大臣(村山達雄君) 今度の消費税というのは、単純に消費税だけを創設するという意味でないことはもう御案内のとおりでございます。実はこの裏には昨年の抜本改正で所得税、住民税で三兆三千億という減税が行われているわけでございます。もちろん税率の緩和、課税最低限の思い切った引き上げ等が行われているわけでございます。
 したがいまして、消費者、一般の家計といたしましては所得税、住民税の減税とそれから消費税を新たに設けた。しかし、その裏には大体五兆四千億ぐらい昨年度のベースで見ておりますが、既存の間接税八つをつぶし、それから一部吸収したものが八つある。つまり、十六の既存間接税に手当てをしておるわけでございますから、その差し引きがネット増税になるということを一つ我々は納税者の方にPRいたしているところでございます。
 しかし、残念ながら消費税は独立のものとしていろいろ言われていることもよく承知しておりますが、今度やりましたのは消費税だけを設けるということでなくて、今の体系がいかに不公平であるかということを考えまして、またこれからの国際化の問題あるいは高齢化社会というものを踏まえまして体系そのものを直していく。
 それから消費税そのものは、個別消費税をとっている国というのは先進国で我が国だけでございます。ですから、そういった世界の潮流にも合わせてやっていく。これはやはり初めてのケースでございますから非常に問題になると思いますけれども、遠い将来を考えるときにこれは避けて通れない道である、このように思ってやったところでございます。
#233
○中野鉄造君 とにかく四月一日からこれを実施するということですけれども、今までいろいろと御説明がありました。しかし、それらの今までのお考えは、これは本当に私に言わしむれば永田町的な感覚でありまして、一家の主婦の人たちが今どういうような生活をしているのか。朝、新聞が配達されると、政治面を見るわけじゃありません、社会面を見るわけじゃない、まずイの一番に見るのは折り込み広告で、一円でも二円でも安い、そういうスーパーマーケットの広告なんです。一円でも二円でも安いところに走り込もうというそういう人たちに、わけのわからないこういうような消費税が今度できてきた、しかも自分たちが納めているたとえ一円であろうと二円であろうとそれがどこに行くかわからない、こういう仕組みをだんだんに知ってきたときには、これは大変な騒ぎになると思うんです。それこそ、これがこのまま四月一日から実施されると、もう政治不信どころの騒ぎじゃない、これは世の中が乱れますよ。どこかでだれかが手ぐすね引いて待っていますよ、こういうことを強行すれば。
 私は、この際もう少しこれは検討して、私どもの党が申しておりますようにせめて一年ぐらいは凍結して、もっともっと消費者の皆さん方も業者の皆さん方も納得のいくように、そういう騒ぎを起こすような、やらなくてもいいようなこういうものを拙速でやるものではない、こういうことをまず強く要望しておきたいと思います。
 次に、補正の問題に入ります。
 六十三年度補正予算についてお尋ねいたしますが、今回五兆一千五百二十億円という巨額のしかも過去最大の補正を組まれた。この理由は一体何でしょうか。
#234
○政府委員(小粥正巳君) お答えいたします。
 お尋ねのように、六十三年度の補正予算におきましては五兆一千五百二十億円の規模の補正追加を行っておりますが、これにつきましては、まず地方交付税が六十二年度の決算剰余金一兆八百八億円でございますが、これに加えまして税収の補正増に伴う増額一兆四百四十八億円によりまして全体として大幅な増額二兆一千二百五十六億円に上っていることが第一でございます。
 それから次に、いわゆる歳出の繰り延べとして指摘もされておりました厚生年金の繰り入れの特例措置につきまして一部の繰り戻しを行いまして、特例公債の縮減とあわせまして財政体質の改善に努めることといたしました。この繰り戻し額が一兆五千七十八億円に上っております。
 それから六十二年度の決算剰余金、これの二分の一につきまして財政法の規定に従いまして国債整理基金特別会計へ国債償還財源に充てるための繰り入れ九千四百六十九億円を行っております。
 以上三項目を合計いたしますと四兆五千八百三億円に上っておりますが、これが先ほど大変大きな規模という御指摘を受けましたが、今回の補正予算の歳出追加の大半を占めているところでございます。
 さらに、その他の歳出につきましては、災害復旧等事業費、給与改善費等のいわば義務的な経費がございます。これに加えまして、最近におきます諸情勢の変化に適切に対応するために、消費税創設に関連をいたします税制改革関連経費といたしまして一千六百二十五億円、それから農産物輸入自由化等関連対策費一千四十六億円等、現在特に緊要と考えられます経費について所要額を計上することといたしたものでございます。
#235
○中野鉄造君 今、財政法に基づいてと、こうおっしゃいましたけれども、私は、今回のこの補正はそれこそ財政法を無視した暴走的予算である、こういうように思います。すなわち、本予算と補正予算の本質的相違はどこにあるのか、その点をまずお尋ねしたいと思うんです。
#236
○政府委員(小粥正巳君) お尋ねでございますが、本予算は、当然のことでございますが、毎会計年度政府が予算を作成いたしまして国会に提出し、御審議、議決をいただいて成立するものでございます。いわば国家活動の財政的基盤というべきものでございます。
 一方、補正予算につきましては財政法に規定がございまして、「次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる」と定められておりまして、その要件といたしましては、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」を行う場合でございます。
 先ほど概要を御説明申し上げました今回の六十三年度補正予算の内容は、財政再建を着実に進めながら、現在の諸情勢の変化に適切に対応するために、特に緊要と考えられます経費につきまして補正追加を行うこととしたものでございまして、ただいま申し述べました財政法二十九条の補正理由に当たるものと考えておる次第でございます。
#237
○中野鉄造君 今回のこの補正は、私は決して今おっしゃったようなそういうものじゃなくて、財政法上補正予算に計上がなじまない、そういうようなものがかなりあるんじゃないかと思うんです。つまり、今回の補正予算では少なく判断しても一兆六千億円がこれは義務的経費外の政策的経費である、私はこういうふうに思うんです。本来、補正予算への計上はなじまない政策的経費をこれだけ余計組んでおる。
 そこで、この補正予算の中で今申しました補正予算にはなじまないと思われる幾つかについてもう時間がございませんのでお尋ねいたしますが、まず初めに貿易保険特会、これに対して九百億円もの繰り入れを行っておりますが、この理由は何でしょうか。
#238
○政府委員(小粥正巳君) お尋ねの貿易保険特別会計への繰り入れでございますけれども、六十三年度におきましては、保険事故の増大によりまして、当初の予定額を大幅に上回る多額の保険金支払いが必要となることが見込まれるに至りましたので、これに適切に対処し、保険事業の円滑な運営を図る観点から、臨時緊急の措置として一般会計から九百億円の繰り入れを行うこととしたものでございます。
#239
○中野鉄造君 この補正予算の執行期間というのは、きょうは三月の六日でございますから、あと二十数日しかございません。この九百億円を一刻を争って繰り入れなければならないほど貿易保険特会というのは危機に瀕しているのか。もしそうだとするならば、貿易保険特会に融資している資金運用部にとってもこれは重大な問題だと思うんですが、いかがですか。
#240
○政府委員(熊野英昭君) 貿易保険特別会計につきましては、これまでのところ大変多くのりスケ事故が発生しておりますけれども、これらがありましても、回収の見込みのあるものにつきましては資金運用部からの借り入れによって対応してきたところでございます。
 しかしながら、今年度の保険金支払いにつきましては長期間回収の見込めない部分が多額に上ってまいりまして、これにつきましては全額資金運用部借り入れのみによって対応することは適切でないと判断いたしまして、一般会計からの繰り入れにより補てんすることとしていただいた次第でございます。
#241
○中野鉄造君 この貿易保険特会は、この制度そのものにも私はいろいろ問題があると思うんですが、それは一応おくとしまして、こういうような、今お答えになったこういう事態は今唐突に起こった問題じゃないと思うんです。六十三年度当初予算の時点でもこれはわかっていたはずなんです。それが急に今ここに九百億円を補正に繰り入れなくちゃいけないと、ここら辺が私はよくわからないんですが、その辺はどうですか。
#242
○政府委員(熊野英昭君) 昭和六十三年度の当初予算の編成に当たりましては、それまでのりスケジュールの動向等を踏まえまして保険金の支払いを見込んだところでございます。
 しかしながら、その後、石油を初めとする一次産品価格が低迷いたします中で、御案内のとおりでございますけれども、世界的に金利水準が高騰いたしまして、債務国をめぐる経済情勢というのは大変悪化をしてきていることは御案内のとおりだろうと思います。
 これらの事情によりまして、昭和六十三年度の保険金支払いが当初の予定額を大幅に上回る見込みになったために、補正予算の措置を講じていただいた次第であります。
#243
○中野鉄造君 そうじゃないでしょう。五十七年以降というものは保険金支払い額が保険料収入と回収金の合計額を上回る借金体質になっていたんです。にもかかわらず、今おっしゃったような、どうしても急にそういうことになったと言われるけれども、そうじゃないんです。そういう借金体質が唐突に起こったことじゃないはずだと言っているんです、私は。
#244
○政府委員(熊野英昭君) 先ほど来申し上げておりますように、六十三年度におきましては、保険事故が増大いたしまして、当初の予定額を大幅に上回る多額の保険金支払いが必要となってきたわけであります。他方、保険金支払いのうち長期間回収が見込めない部分がこの中でも非常に多くなってきているということが見込まれているということでございます。それから資金運用部からの借り入れば、その制度の趣旨から申し上げまして、本来回収が見込める範囲内で行われるべきものであるということになっております。
 これらの事情によりまして、こういう状況に対応するために、保険金支払いを全額資金運用部資金からの借り入れのみによって行うことは不適切であると判断いたしまして、補正予算において一般会計からの繰り入れを行うことにより対処したいということでございます。
#245
○中野鉄造君 だから、私が申し上げているように、そうであるならば、六十三年度の当初に既にわかっていたはずなんだから、六十三年度の当初に組むか、ないしは平成元年度の予算に組めばいいものを、平成元年においてはこれはもうわずか三十二億しか組んでないんです。そして、あと補正の執行期間は二十数日しかないという今になって九百億組んでいる。ここがどうしても解せないんです。
 それで、今おっしゃった、これがこういうようなことの繰り返しをしておると第二の食管会計と、こういうようなことになりゃしないかということを非常に危惧するわけですが、こういうことには絶対にならないと言い切れますか。それが一つ。
 それともう一つは、今おっしゃったような回収不能になっているいわゆる焦げつき、この残高が幾らあるか、それをお聞かせいただきたいと思います。
#246
○政府委員(熊野英昭君) ただいまの御質問の後者の方からお答えを申し上げます。
 焦げつきということではなくて、保険金を支払いますとこれを回収していくわけでございます。回収していくわけでございますけれども、これが本当に幾ら回収できるかということは、債務国の事情等もありますから、必ずしも幾らというふうに申し上げるわけにはまいりません。ただ、現時点で支払いをいたしまして未回収になっているものは八千億円でございます。
#247
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御指摘であります。
 財政法二十九条、緊急やむを得ないという諸状況、国際的な日本の置かれておる使命、また債務国、さらに貿易保険を得ることによりぜひ回収不能と言われるような状態から脱し循環を果たしていきたいという大変多くの国からの御要請がこれあり、ぎりぎりいっぱいのところでさような判断をさせていただいた。これは私どもから特に大蔵省にお願いを申し上げ、財政法の許す範囲内と。でありますから、自後かようなことのありませんように、委員御指摘の食管法などということは断じてないということを申し上げまして、御理解を得たいと思います。
#248
○中野鉄造君 この貿易特会と同様に、本来当初予算に計上すべき性質のものとして厚生保険特会への繰り入れがあります。これも借金を返すということだからいいことには違いありませんけれども、今まで財政難を理由に拒み続けてきておったのに急に厚生保険特会への借金を返すという気になった、これは一体どういうことなのか。
#249
○政府委員(小粥正巳君) 先ほど申し上げましたように、今回の補正予算におきましては、厚生保険特別会計への従来の繰り延べ措置のうち、一兆五千七十八億円の繰り戻しを行うこととしたものでございます。
 この点につきましては、歳出のいわゆる繰り廷べ措置に関しまして、これは隠れ特例公債的なものではないかというような厳しい御指摘も従来から受けているところでもございます。
 今回の平成元年度予算編成に際しましては、次の年、平成二年度特例公債依存体質脱却に向けまして、あらゆる機会をとらえて特例公債の着実な減額に努めてきているわけでございますが、本年度補正予算におきましては、先ほども御説明申し上げましたように、いわば一時的な財政事情の余裕が当面生じたと言えるわけでございます。この機会をとらえまして、従来法律的にもその繰り戻しにつきまして緊要性が極めて高うございましたこの厚生保険特別会計の繰り延べ措置につきまして、この機会に適切な処理を進めまして、もって全体として財政体質の改善を図っていきたい、そのことが適当であると考えたわけでございます。
 さらに、実は公的年金につきましては、現在中長期的展望に立ちまして、今後支給開始年齢の引き上げ、あるいはいわゆる公的年金一元化の地ならし、これは鉄道共済組合の救済対策にもつながるわけでございます。さらに、保険料率の引き上げ等を主な内容といたします年金制度の改革案が現在政府部内で検討されているところでございますが、このような機会に国民の年金財政に対するいわば信頼を確保することが必要不可欠であると考えまして、このために過去の繰り延べ額の繰り戻しが特に強く求められております時期でもございますので、申し上げましたように、この機会にできるだけの繰り戻し措置を行うことが適切であると考えたわけでございます。
#250
○中野鉄造君 今いみじくも言われましたように、この機会にと、これが本音じゃないかと思うんですね。極めて便宜的なんです。
 大蔵大臣にそこでお尋ねしますが、この約二十五兆円にも及ぶ国の負担の繰り延べ額、いわゆる別名隠れ国債とも言われていますけれども、これを返済すること、これを今後の国の財政運営の第一目標とする姿勢のこれは表明であると、こういうように理解してもよろしゅうございますか。
#251
○国務大臣(村山達雄君) とりあえずは来年度の特例公債の脱却に全力を挙げてまいりたいと思います。しかし、その後におきましても百六十兆に上る国債費、この問題が一つあります。それから今、委員がおっしゃいましたいわゆる隠れ借金じゃないかと、この問題があるわけでございます。こういう問題は、いずれも財政再建にとりましては極めて大事な問題でございます。
 したがいまして、国会におけるいろんな議論を踏まえ、また各方面から恐らくこの問題は当然特例公債脱却後出てくると思いますので、これらの意見を踏まえまして、財政審議会に諮りつつ、この問題を大きな課題として取り組んでまいりたいと思っております。
#252
○中野鉄造君 とにかく、厚生保険特会はこの六十三年度の補正で一兆五千七十八億円返済をしておいて、再び平成元年度には三千二百四十億を今度は借金する、こういうようなことで、どうも本当に、先ほども申しておりますように極めてこれは便宜的な取り扱いじゃないのかなと、こういう気がしてなりません。
 また、これと同じようなことが宇宙開発事業団への出資金にもこれは言えるわけでして、つまり今回の補正で出資金百五十億円の追加をしているんですが、これだって、あと一月足らずのうちに宇宙開発事業団が開発試験でも何か行うかということになるわけなんですが、それもないはずなんですが、いかがですか。
#253
○国務大臣(宮崎茂一君) お答えいたします。
 宇宙開発事業団はロケットとかあるいは衛星を打ち上げております。この衛星につきまして思わぬトラブルがございましたので、それを解決するためには追加的な研究が必要になってまいりまして、期限もございますし金もまた不足いたしておりますので、私どもの方から大蔵省にお願いをいたしまして緊急にひとつそういう追加的な研究とお金をお願いいたした次第でございまして、どうしてもこれは次の三号の打ち上げに間に合うように一生懸命、研究者の方も今脂が乗り切っておりますので、事故の後で、そのようなことでお願いをしたわけでございますから、御理解をお願いします。
#254
○中野鉄造君 とにかく、当初予算の編成時にはシーリングによって本来計上すべき政策的経費を先送りにしておいて、そうして自然増収が出たからというので緊急性等も度外視して先ほどから二、三例を挙げましたようなこういう補正に計上すると、こういうやり方はもうシーリングそのものを無意味にすると同時に、財政の真の姿をこれは隠ぺいしてしまうようなことになるんじゃないか。そういう小手先の手段は財政法上許されないと思うんですけれども、こういうことはひとつ今後は改めていただきたいと強く私は要望いたします。
 もう時間がありませんが、次に、赤字公債依存体質脱却についてお尋ねいたしますが、今、日本の財政は、体質強化のための第一の目標としていることは、先ほどもおっしゃいました平成二年赤字公債依存体質脱却、こういうように私も認識しております。しかしながら六十三年度では、二兆円に達する途中の減税分を除いても、三兆百六十億円の税収見積もりの誤りによるところの自然増収があったわけなんですね。この自然増収によって今回の補正で公債発行額が幾ら減っているのか、その点をお尋ねします。
#255
○政府委員(小粥正巳君) 今回の補正予算におきましては、お尋ねの公債の減額は特例公債につきまして一兆三千八百億円の縮減を行ったところでございます。
#256
○中野鉄造君 赤字公債を一兆三千八百億円減額している一方で、建設公債を今度は五千六十億円追加発行する、これがまた理由がわからないんです。どうしてもそうしなければいけないんでしょうか。
#257
○政府委員(小粥正巳君) お答え申し上げましたように、赤字公債の減額一兆三千八百億円を行います一方で、確かに災害復旧等事業費に充てますために五千六十億円の建設公債の発行をいたしているわけでございます。
 政府の考え方は、申すまでもなく経常支出は経常収入により賄うべきである、こういう考え方に立ちまして、先ほどもお答え申し上げましたように、平成二年度特例公債依存体質脱却という努力目標の達成に全力を傾けているところでございます。そういう中で、今回の補正予算におきましても特例公債をできるだけ縮減するということを目標にいたしました。
 しかし、その傍ら、先ほども概要を申し上げましたけれども、各種の歳出需要に当面緊急やむを得ないものにつきましては的確に対応する必要もございます。歳入歳出両面にわたりまして、その点についてできるだけの工夫努力を行ったところでございます。その結果、先ほど申し上げましたように、災害復旧等事業費の財源といたしましては建設公債を充てることにいたしました。仮に、この災害復旧等事業費の財源に建設公債を充てないことにいたしますと、特例公債の減額幅が先ほど一兆三千八百億円と申し上げましたが、これがその分だけ小さくなってしまうということで、最初に申し上げました、できるだけ特例公債を縮減していくというもう一方の要請に必ずしも対応できなくなる、こう考えたわけでございます。
 ただ、もちろん御指摘でもございます建設公債といえども、利払い費を伴うという点では特例公債と何ら変わるところはございません。政府といたしましては、さらに引き続き、特例公債の縮減とあわせまして公債全体の依存度の引き下げに努めるなどいたしまして、財政体質の改善を図る必要が今後とも極めて肝要であると考えている次第でございます。
#258
○中野鉄造君 しかし、わざわざ建設国債を発行しようとしている一方では、歳出の補正で七千四百九十九億円の既定経費の節減だとかあるいは予備費の節減を行っております。これを仮に災害復旧等事業費に充てれば、建設公債の発行はこれはせずに済んだはずじゃないですか、どうですか。
#259
○政府委員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの既定経費の節減、予備費の取り崩し、不用、それから節約、合わせまして七千五百億円の歳出の削減を今回の補正予算で計上したところでございます。したがいまして、この歳出の削減はいわば緊急やむを得ざる、先ほど概要を御説明申し上げました歳出のちょうどその財源に充てられたということが言えるわけでございます。
 したがいまして、歳入歳出全体を通じてできるだけの工夫努力を行い、何よりも財政体質の改善を主眼にいたしまして、さらに先ほどお尋ねもいろいろございました当面の緊急性の極めて高い歳出にこれらの財源を充てたわけでございます。
 したがいまして、再度のお答えで恐縮でございますけれども、今回の災害復旧等事業費についてやむを得ず建設国債を発行させていただきまして、全体としてできるだけ特例公債の縮減に力を注いだという事情は、御理解いただきたいと存じます。
#260
○中野鉄造君 先ほどから言われておりますように、財政運営上の当面の目標が赤字公債依存体質脱却ということであるならば、私が今申しましたのとは今度は逆に、例えば災害復旧等事業費の追加分は建設国債で賄う。そうして厚生保険特会への繰り入れや宇宙開発事業団出資金等政策的経費は、本来計上すべき平成元年度予算に計上する、こういうふうにすれば、もう既に六十三年度で赤字公債依存体質脱却の目標はほぼ達成されているはずなんですけれども、なぜそうしないんでしょうか。
#261
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますが、先ほど来関係省庁からも御答弁がございましたように、厚生年金保険の繰り延べの繰り戻しにつきましては私も申し上げました。その他の当面やむを得ざる緊急性の極めて高い歳出項目につきましては、これは確かに今年度も時間的には残り少ないわけでございますが、申し上げましたようにどうしても年度内から手当てをする必要がある。その意味で緊要性の高い歳出項目と考えているわけでございます。これを含めまして全体として、先ほど申し上げました一兆三千八百億円に上る特例公債の縮減を行いまして、歳出削減につきましての姿勢はこれは当初予算同様全く変わってないつもりでございます。
 今後とも可能である限り、財政上の余裕が少しでもあります場合には特例公債の減額に振り向けていきたい。しかし、政策的に緊要性の高い歳出事業にはどうしても当面的確に対応せざるを得ないということを再三申し上げました。
 それからもう一つ、歳出の繰り延べ措置につきましては、これも申し上げましたように、この補正予算におきましていわば当面一時的な財政事情の余裕が生じたわけでございますが、その機会をとらえまして、可能な範囲でこれらの措置につきましても適切に処理を進めることが全体として財政体質の改善を図っていくことに極めて有効であると、こういう判断をしたわけでございまして、全体として補正予算につきまして、このような歳入歳出両面にわたっての可能な限りの工夫を行い、全体として財政体質の改善を図りました。あわせて当面、必要緊急やむを得ざる政策的な歳出項目について手当てをしたゆえんでございます。何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
#262
○中野鉄造君 とにかく、赤字公債脱却を一年でも早く実現する、そしてその上で今までの負担の繰り延べをどう一日も早く返済するか、それを本予算で検討する、これが筋じゃないかと思うんです。そうはしないで、故意にこの脱却をおくらせているのは、あなた方がいろいろつじつまを合わせたような答弁をなさるけれども、しょせん結局その本音のところは、歳出増加圧力の拡大に対する予防措置にほかならない、私はこういうように結論づけたいと思うんです。今回の五兆幾らにも達するような膨大な、しかも財政法を無視したようなこういう補正の組み方は、ひとつ今後は改めていただかなくちゃ困ると思うんですね。
 こういうこそくな手段をとらねばならないというのも、しょせんは今後の財政運営に対する基本的ビジョンを持っていないからじゃないかと私は思うんです。赤字公債脱却後、何を目標として、また負担繰り延べをどう返済していくのか、そうした具体的なものがあるならば、大蔵大臣、示していただきたいと思います。
#263
○国務大臣(村山達雄君) 今、政府委員が申し述べましたように、問題は今度の政策経費が緊要であるかどうか、そこに尽きると思うのでございますが、我々はこれは緊要である、このように思っているのでございます。
 それから、今お尋ねの今後の財政運営のビジョンでございますけれども、先ほども申し上げましたように、当面は何といっても景気というのは本当にこれはわからぬわけでございますから、単年度主義でございますから、特例公債の脱却に全力を挙げてまいります。
 しかし同時に、脱却後どういう問題があるかといえば、委員御指摘のとおり、隠れ国債の問題がございます。それからまた、百六十兆に上る金利圧力というものがございます。この問題も、その残高と平均利率の関係でございますので、金利とも非常に関係してまいります。それからまた、現在はNTTの売却益の関係で繰り入れをやっておりませんけれども、いずれはこの問題が、やはり繰り入れ所要額として歳出圧力になってまいるわけでございます。これらの問題は、当然脱却後の大きな問題になるに違いないと思っております。
 しかし、そこには非常に慎重に考えねばならぬいろんな問題が私は伏在してくるであろうと思いますので、この国会における皆様方の御議論あるいは各界における有識者の議論がこれから展開されると思いますので、それらのことを踏まえながら我々は、とりあえずは財政審でこの問題をひとつ御審議いただいて間違いのない対応策をつくってまいりたい、このように考えているところでございます。
#264
○中野鉄造君 今、大蔵大臣が言われたこの補正に盛り込むべきいわゆる政策的経費、この一兆六千億に及ぶ額というものは、全部が全部、緊要であるとは必ずしも私は思いません。中には今おっしゃった科学技術庁みたいな緊急を要するものもあるかもしれませんけれども、全部じゃないと思う。そういうような解釈でもって、今後もまたこういう補正の際に便宜的なことをやられちゃ私は困ると思うんです。ですから、ひとつ財政法にのっとった補正の組み方を今後は厳守してもらいたいと思うんです。平成元年度に組むか当初に組むか、そういうことであればこれは間に合う経費がこの中にあるんです。それをしなかった。それをお認めいただけますか。
 それともう一つ、いろいろなことをなされますけれども、今ははっきり申しまして緊縮予算じゃなくて、こういう補正の額から見ても今は膨張型の予算である、この点をお認めになりますか。
#265
○国務大臣(村山達雄君) 前段の問題につきましては先ほど申し上げたとおりで、私は緊要だと思っております。
 それから今ののは、膨張型だとおっしゃいますけれども、私はそうではないと思っているのでございます。それは、全体の計数をずっとごらんになればおわかりのように、我が国は、一般歳出でございますけれども、これは極めて厳しく抑えているところでございます。交付税の関係あるいは利払いの関係、これはいわば義務的経費でございまして、問題は一般歳出にあるわけでございます。今度の一般歳出も元年度予算は三・三%、それも消費税を除きますると二・四%ということでございまして、これはどれくらい締めておるかということは、いろんな判断基準がございましょう。しかし、諸外国との関係で見ます限り、日本の一般歳出は締まっておると。それであればこそ特例公債がだんだん減っていき依存度がどんどん減っていくんだろうと、こう思うわけでございます。
 今後とも、民間の事業というものを拡大する意味では、やはり効率的な財政運営というのは引き続き一番大事なポイントであろう、このことが、今後の日本の経済にとって長い意味での拡大局面を続けられるかどうかの一つの大きな要素であると考えておるのでございます。
#266
○広中和歌子君 関連。
#267
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。広中和歌子君。
#268
○広中和歌子君 今回の大喪の礼の受けとめ方は、内外、各層さまざまだと存じます。その壮厳な儀式は、波乱、激動に満ち、悔いの多かった昭和という一時代を超えた長い伝統が我が国にあることを国民に思い出させるものとなり、かつ海外には、日本の古式豊かな伝統文化が現代にも立派に生きていることを知っていただくことになったと思います。私の聞いた範囲でも、この儀式をこの世のものとも思われないといったような表現で言われる方もございました。多くの外国の元首、国際機関の代表もこの儀式に参加され、外交的なインパクトも与えたと存じます。
 今回の大喪の礼が示しますように、我が国の中にある伝統文化を大切にすることが国民にとってすばらしいことであるのみならず、文化的に世界に貢献する一つの道でもあり、かつ文化国家としての日本を世界に知っていただく、つまり現在日本に必要とされる文化発進、その発進の大切な手段の一つになると思うのですけれども、総理並びに外務大臣の御意見をお伺いいたします。
#269
○国務大臣(宇野宗佑君) 大喪の礼には全世界から百六十四カ国参加していただきました。それだけ考えましても、国連参加国より多かったという意味においても、いかに今日、日本というものに世界の関心が集まっておるか、また期待があるかということを如実に示すものであったと思います。特に、皇室のいろんな行事を目の当たりにされました元首、外務大臣等の方々は、私たちに次のように言われました。今、我々は歴史の特別席に招かれている。そういう表現も私は、諸外国の方が持たれた大切なことではないかと思います。
 一つには、一九四五年以来、徹底して平和憲法のもとで平和に貢献せんとした日本をやはり高く評価をしておられます。文化はその平和の象徴であると私たち申してもよいと思いますし、また昭和天皇が、一九四五年、徹底して平和の先頭に立たれた、そういう象徴を国民が抱いていたということもよく世界の方々は知っておられます。同時に、今上陛下も、新しい平成という年号のもとに決意を新たにしてやはり世界に貢献をしなければならない、そういうお気持ちであられることも世界はよく知っておると存じます。私たちは、経済も大切でございますが、今御指摘のように、古き伝統、さらには歴史、そうしたものの上に立った文化というものを今後全面的に掲げて出発することも必要だと。竹下内閣の外交方針の三本柱の一つに文化交流というものがあるのもそのゆえでございます。
#270
○国務大臣(竹下登君) 私が大喪の礼委員会の委員長でございました。昭和天皇の大喪の礼は、いつも申し上げましたように、憲法の趣旨に沿い、皇室の伝統等を尊重して厳粛の中に滞りなくとり行うことができましたことを、この際、国民の皆様の御理解と御協力に心から感謝を申し上げる次第であります。
 参列された多くの外国元首、弔問使節団の方々からは、その伝統文化に対し高い評価を与えられたということは、外務大臣からるる申し上げたとおりであります。
#271
○広中和歌子君 総理の私的諮問機関として国際文化交流に関する懇談会があると伺いました。そこでは、京都、奈良といった日本の伝統的な文化都市でございますけれども、それを日本の伝統文化として世界に向けてどう積極的に文化政策、文化戦略として位置づけていくおつもりでしょうか、お伺いいたします。
 古都京都の持つ文化的価値、文化発進能力の大きさを思いますとき、つまり京都は一地方の一政令都市ではなくて、日本の京都であり、また世界の京都である、そのように私は受けとめているわけでございますけれども、来年とり行われる即位の儀、大嘗祭は伝統にのっとり京都で行われるのか、総理また官房長官にお伺いいたします。
#272
○国務大臣(竹下登君) 大喪の礼委員会の委員長を務めたと申し上げました。したがって、即位の礼の儀式のあり方、これにつきましても、大嘗祭を含めましてやはり今後しかるべき時期に委員会を設けその中で広範な議論を行ってみたい、このように考えております。まだ委員会はできておりません。
#273
○広中和歌子君 来年のことでございますので、よろしくお願いいたします。
 六十三年度補正予算では五兆一千五百二十億円が組まれておりますけれども、残念なことに文化庁予算は八億円の減額修正がされております。そもそも日本の文化予算は、先進諸国、イギリス、フランス、アメリカと比べてどのようなものなんでございましょうか、大蔵大臣にお伺いいたします。
#274
○政府委員(小粥正巳君) まず最初のお尋ねでございますが、六十三年度補正予算におきまして、文化庁につきまして八億円の修正減額が計上されておりますが、この内容は、節約七億八千七百万円及び不用四千九百万円でございまして、この節約は実は文化庁だけではございませんで、各省庁いずれも同様の基準によりまして給与のベースアップ分などの計上に際しましてその財源の一部に充てるという趣旨で、近年、例年、各省庁に御理解、御協力をお願いしているところでございます。
 それから、文化予算の規模のお尋ねでございますが、諸外国との比較は、申しわけございません、財政当局として直ちにお答えする用意がございませんが、文化予算の規模につきましてとりあえずお答えさせていただきます。
 文化の定義ということになりますと、私どもも十分にこれを画然と区分しがたいわけでございますので、便宜文化庁予算ということで申し上げますならば、ただいま御審議をお願いすべく提出しております元年度予算における文化予算は四百九億四千五百万円でございまして、前年度当初予算に比しまして八・三%の伸びでございます。これは先ほどございましたように、政策経費の集合でございます一般歳出の全体の伸び三・三%をかなり上回るものになっております。
#275
○広中和歌子君 先進諸国との比較の数字をお願いしてあったのでございますけれども。
#276
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。
 委員御承知のとおりに、我が国の予算の組み方と各国の予算の組み方とが必ずしも同じような組み方でございませんので一概に申し上げることはできませんけれども、政府の予算から申しますと、例えばイギリスの場合でございますと日本の約二・五倍、あるいはフランス等はかなり高い率でございますし、イタリアの場合もそのような数字が出ておりまして、政府といたしましても特に委員御指摘のとおりに文化を重視していくという観点から、今後とも御理解を賜りながら、お力添えをいただきながら努力をしてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#277
○広中和歌子君 今、文部大臣がお答えになりましたように、先進諸国と比べて文化予算が非常に低いということは前から気になっておりました。こうした予算では大胆な文化政策を組もうと思っても組みようがない。外務大臣は先ほどおっしゃいましたけれども、今後世界に貢献する日本の政治課題として、三つの柱の一つとして文化面での貢献を言われた。文化面での貢献と言うのなら、それにふさわしい文化戦略と予算の裏づけ、この両方が必要だと思います。戦後の貧しい時代ならいざ知らず、大幅に税収のふえている今、文化予算の増額というのは横並び的であってはならない。先ほど八・三%というので少し横並びではないというような御指摘でございましたけれども、それにしましても元が小さいのでございますから、このところは抜本的な再編成、それと同時に、画期的な文化戦略というものが必要なのではないか。
 ですから、ぜひ大幅な文化予算を計上するとともに、日本の伝統文化の振興に力を入れていただきたい。総理、文部大臣にお願いし、御所見をお伺いいたします。
#278
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおりでございまして、文部省といたしましてもこれまではややもいたしますと文化庁の予算の枠を前提とした予算の編成をしていたわけでございますが、先ほど主計局長から御説明を申し上げましたように、平成元年度の文化庁の予算につきましては、文部省全体の予算との関連の中で特に文化庁の予算を、十分ではございませんけれども、これまでに比べますと積み増しをして御審議をお願いいたすべく提出をしているところでございまして、今後ともそうした考え方に基づきまして努力をいたす考えでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
#279
○国務大臣(竹下登君) 今も御指摘がありましたとおり、国際協力構想、これの三本柱と、こういうことに位置づけをいたしております。したがって、これもまた先ほど御意見の中にございました国際文化交流に関する懇談会、私的諮問機関ではございますが、ここで有識者の意見を伺いながら、今のお言葉をおかりしますならば、戦略という問題について今種々御議論をいただき、時には中間報告等をいただいて今日に至っておるわけであります。
 具体的な施策といたしましては、これは文化庁の予算ではございませんが、先ほどの中野委員の財政論からすれば若干気に入らない点もあろうかと思うのでございますが、例えば国際交流基金、この追加出資五十億円というもの、これは基金の果実をもって行うことが年度内に必要という、先ほど御理解いただいた宇宙事業団の話と似たような性格のものでございましたが、これを今御審議いただいておるわけであります。それから日欧交流特別計画の二十億八千万円、これを御審議いただいておる。
 それで、平成元年度予算は今も文部大臣からもお答えがありましたが、国際文化交流実施体制というところに主眼を置きまして、これの強化、それから留学生、研究者、芸術家等の人的交流の促進と、文化の相互理解というので、文化庁のみでなく各般にわたって三本柱の一つとしての意義づけができるようにと、こういうことで大幅な増額をして政府原案に盛り込み今御審議をいただいておると、こういう実情でございます。
#280
○中野鉄造君 もう時間もありませんので、最後に私は年金問題について少しお尋ねしたいと思いますが、今回の年金支給開始年齢引き上げについてこれからいろいろ審議されることになろうかと思うんですけれども、この間ある新聞に六十歳定年でさえまだ六割なのにと、こういう見出しで大きく掲載されていました。これはいわゆる老後の不安を示すものでございますけれども、総理並びに厚生大臣に伺いますが、定年制延長を含めた雇用環境の整備がこれは支給開始年齢引き上げを行う上で不可欠である、こういうふうに私は思うわけなんです。
 特に厚生大臣にお伺いしますけれども、厚生大臣が就任間もないころ、年金支給開始年齢引き上げについては、雇用環境の整備を待つというのではだめで先に支給年齢引き上げの方針を決めればよいと、こういうお考えを示されたことがありました。しかし、これは非常に乱暴な議論であると私は思うんですが、年金受給者の気持ちを逆なでするような、厚生大臣就任早々のこういう発言ではあったとしてみても、これが厚生大臣の真意なのか、その点をひとつ伺いたいと思うんです。我が国のような定年制に当たる制度の有無は別として、引退と年金とが一体であるというのが、これはもう欧米諸国の実情ではないかと思います。支給開始年齢の引き上げを計画的に行うこと、それと引退年齢の延長を計画的に進めること、これは並行して行うべきものであろうと思うんですが、いかがでしょうか。まず厚生大臣のお答えをお願いします。
#281
○国務大臣(小泉純一郎君) 就任早々の際の記者会見についてのお話でありますが、日本人というのは非常に対応力がありますから、一つの目標を掲げてそれに邁進するとうまく環境の変化に適応していく実にすぐれた面を持っていると私は思います。そういう意味におきまして、私言いましたのは、実態に合わせてそれを待って六十五歳に引き上げるべきだという意見もわかりますが、週休二日制の場合を考えてみましても、実態に合わせていたならばなかなか実現できなかったと思います。むしろ、労働時間を短縮しようという目標があったからこそだんだん週休二日が定着していった。また、一番大事な金融機関におきましても、ほかの実態に合わせていったらなかなか金融機関の週休二日制は実現できなかった。しかし、大事な金融機関だからこそ先に実行することによってほかの業種もそれに対応していくであろうという形で金融機関の週休二日制も実行され、そして今、官庁も週休二日制に移行するべく努力が進められている。
 ですから、私は、今後雇用の問題につきましても、若年労働人口の減少と労働時間短縮によって六十歳代前半層の雇用の場は確保が可能であると思っております。また、これと支給開始年齢の引き上げをうまく適応させていかなきゃなりませんし、そういう変化に対して日本人は適応できるだけの英知と賢明さを私は持っておると思います。
 また、お言葉でございますが、六十歳で年金を受給できる体制であったならば企業も六十歳以上の雇用の場を確保しようという努力がなかなか進まないのじゃないか。むしろ避けられないのだったらば目標を早目に提示して、国民にこういう方が安定した年金が確保できますよ、また負担する方もそれほど高い負担ではない、給付と負担のバランスがとれて揺るぎない年金制度を確保できますよという面からも、この支給開始年齢の六十五歳引き上げというのは今やって早過ぎるということは決してない。しかも、だれも損する人はいない。この六十五歳支給開始という法案がことし成立したとしましても、五十歳以上の方々は六十歳から支給される。そして、四十二歳以下の方が、今六十歳でもらえるだろうというのが六十五歳になる。早く準備ができる。
 しかも、今回六十五歳がだめで依然として六十歳支給でやれというのだったらば、現行の給付水準を維持するのだったらば、若い層の負担は一挙に倍近くに引き上げなきゃならない。その負担にたえ得るかどうか。逆に、現在程度の負担で済ませたいというのだったらば、現在の年金を受ける方々は七割程度の給付水準を五割程度に下げなきゃならない。どちらにしてもなかなか理解が得にくいであろう。それだったらば、現行程度の給付水準を維持して、なおかつ若い方々の負担もそれほど上げないという形で段階的に六十五歳へ一歩一歩進んでいく方法をとった方が、より国民にとって親切ではないか。しかも、年金も安定している、揺るがない、破産しないという安心感を持っていただく。
 そういう意味におきまして、時間をかけて、できるだけ早い時期に国民の皆さんに官民一体となって用意しよう、六十五歳の支給開始年齢が避けて通れないのだったらば早い段階にした方がいいと。今でも私のあの記者会見の考えに変わりはございません。
#282
○中野鉄造君 今の厚生大臣の発言には二、三の重大な問題点がございますが、この席ではちょっともう時間がございませんので、これからの委員会の席でじっくり今の発言に基づいて私は議論をしていきたいと思います。
 最後に、労働大臣と総理に一言ずつ、今回の年金支給開始年齢の引き上げ、そして雇用条件の整備についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#283
○国務大臣(丹羽兵助君) それでは、せっかくお尋ねくださいましたので、考えを正直に率直に申し上げさせていただきたいと思います。
 今、厚生大臣から詳しくお話ございましたけれども、私の方はやはり労働省という立場で物を考えますので、ある程度食い違いがあるかもしれませんが、しかし食い違いがあってはならぬ。あくまでも外部と調和をとっていかなくちゃならぬと、こういうことでございまして、労働省の基本的立場は、年金支給開始年齢の引き上げの有無にかかわらず、基本的に高齢化社会において我が国経済社会の活力を維持していくには高齢者の雇用環境の整備を図る必要があるというものでありまして、この観点から先生も御指摘のように六十歳代の前半層の雇用対策を最重要課題として推進していきたいと、こう考えております。それと同時に、そのために厚生年金支給開始年齢の引き上げの方針と並行して従来以上に高齢者雇用対策の拡充強化に努める所存でございます。
 具体的には、平成元年度における長寿社会雇用ビジョンの策定を通じて、労使の社会的合意の形成を図りつつ、定年延長、勤務延長を含め六十五歳までの雇用就業の場の確保について思い切った施策の展開を図る考えでございます。この点については厚生省の方も御協力いただくように私どもから頼んでおりまして、厚生大臣もよくわかる、それはそうだと、こう言っておっていただきますので、一体になって進めていきたいと、こう思っております。
#284
○国務大臣(竹下登君) 今、労働大臣からお答えがありましたが、私どもも年金財政という角度から見てみます場合、ある種の目標を設定する、平成二十二年あるいは平成二十五年、そうした一つの目標設定というものには私はそれなりの意義を認めておるところでございます。
 一方、それは御説にもありましたとおり、高齢化社会の到来に向かって、それが並行して進むという形が最も望ましいものであると。その点は労働省におきまして、二十一世紀を展望した雇用ビジョンというものに積極的に対応していくべき課題だというふうに思っておるところであります。
 いま一つ、この基礎年金問題が終わり、平成元年以後の問題は今後の議論でございますが、いわゆる国鉄共済の対応の問題、そして財政再計算期が来ておるこの時期、そして平成七年度の年金の一元化というようなものを、そこにそういう課題を設定しながら、やはり長期的な一つの目標、目安というものをお示しするのが、むしろ官民一体になってそういう社会をつくっていくためにいいことではなかろうかというふうに私も思っておるところでございます。
#285
○中野鉄造君 五十五歳定年から現在の六十歳定年と言われていますけれども、六十歳定年をとっている率というのは今どのくらいになっておりますか。
#286
○政府委員(清水傳雄君) お答えを申し上げます。
 現在の段階でございますけれども、六十歳以上の定年年齢である企業の割合は五八・八%ということでございまして、改定を予定している企業まで含めると七六・七%に達する、こういう状況でございます。
#287
○中野鉄造君 最後に一つ。
 今おっしゃったこの率に到達するまで何年を要したんですか。
#288
○政府委員(清水傳雄君) 六十歳定年を企業に御協力を呼びかけてまいりましたのは五十年代の初めぐらいだったと思うわけでございますが、五十三年には、十年前の状況を申し上げますと、六十歳以上の定年の企業は三八・五%というような状況でございました。五十九年に先ほど申しました六十歳以上の定年が半数を超える、そういうふうな状況に進捗をしてまいったという状況でございます。
#289
○中野鉄造君 終わります。
#290
○委員長(初村滝一郎君) 以上で中野鉄造君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#291
○委員長(初村滝一郎君) 次に、本岡昭次君の質疑を行います。本岡昭次君。
#292
○本岡昭次君 先ほど我が党の矢田部委員から、中曽根前総理の記者会見における弁明について数々の問題が指摘されました。社会党として正式に中曽根前総理、真藤前NTT会長ら関係者の証人喚問を委員長に要求をいたします。
 委員長のこれについての御答弁をいただきたい。
#293
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの本岡昭次君の申し出につきましては、理事会において協議をいたしたいと思います。
#294
○本岡昭次君 まず、補正予算について、基本的なことを二点ばかり総理に伺います。
 先ほども随分詳しく補正予算についての質疑がありました。今回の補正予算の規模は五兆一千五百二十億円と、金額で見て空前の大きさになっています。しかも、当初予算に対する補正予算の比率は九・一%を示し、最近かつてない高い率で極めて異常であると思います。
 また、補正予算の中身を見ると、消費税創設等税制関連経費千六百二十五億円、貿易保険特別会計への繰り入れ九百億円、厚生保険特別会計への繰り入れ一兆五千七十八億円といったいわば政策的経費の計上が目立っています。このやり方は俗に言う十五カ月予算、多年度予算という性格を持っており、財政法十二条の会計年度独立の原則、また補正予算の要件を定めた財政法二十九条の規定、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」という規定に照らして問題があると思うが、この点について総理の所見を伺っておきたいと思います。
#295
○国務大臣(竹下登君) 今、御指摘がありました五兆円を超える補正予算、そういうことについて一つは財政の緩みというのが生じはしないか、一つは今おっしゃった財政法十二条、二十九条という精神に反するではないか、こういうことであろうかと思うわけであります。
 確かに、六十三年度補正予算におきましては、予期せざる税収の増等が生じたことは事実でございます。本来、財確法にしましても、私どもが議論をしていただく折には、基本的には自然増収というようなものが出れば、これは赤字公債、特例公債の削減に結果としてなるような運用をすべきであるという考え方は、私もひとしくいたしておるわけでございます。
 そこで、それがために一兆三千八百億円の特例公債の減額ということを行いましたので、歳出抑制に向けての姿勢にはいささかも変わりはないというふうに考えます。
 そして、今お挙げになりました政策経費でございます。私も補正予算については、十五カ月予算というような言葉が出ることを予測しながらも参画をさしていただきましたが、それぞれまさに年度内にそれぞれのところへ届いておる必要性のある、緊急性のある政策予算だというふうに、私はこれを結論づけておるわけでございます。したがって、十五カ月予算と言えば平成元年度予算の肩がわりと、こういう趣旨のものではないというふうに考えておるところでございます。
#296
○本岡昭次君 今の総理の説明は納得できませんが、ほかにやりたいことがたくさんありますので次の質問に入ります。
 本予算の歳入には六十三年度の自然増収三兆百六十億円、六十二年度剰余金二兆九千七百四十五億円が計上されています。これらはいずれも政府の税収見積もりの間違いによって生じたものであります。政府は適正な税収見積もりを怠って、当初予算をはるかに上回る自然増収を発生させ、シーリングのかかった当初予算は抑制しながら、それを補正で追加をしている。こうした政府のやり方は財政運営の基本をゆがめるものであると私は考えますが、総理の考えをただしたいと思います。
#297
○国務大臣(村山達雄君) 今の問題につきましては二つ論点がございまして、一つは当初予算とそれから補正後のときの名目成長率がかなり上がっております。しかし、これだけの自然増収というのは名目成長率だけでは恐らく説明がつかないだろうと思います。ということは、やはり今の土地価格の上昇あるいは株価の上昇、こういった一時的な要因が非常に左右していると思うのでございます。これがいつまで続くか、なかなかこれの予測は難しいのでございます。
 後で政府委員に説明してもらいますけれども、それぞれの税目につきまして増減を立てておるのでございます。抜本改正による減収も当然見込んでいるわけでございまして、その問題は個別の税目についてどういう税収を見積もったか、こういうことで御判断いただくのが適当ではないかと思いますので、政府委員の主税局長からその辺のことを説明させたいと思います。
#298
○政府委員(尾崎護君) 御指摘がございましたように、六十三年度補正予算におきましては三兆百六十億円の増額補正を計上いたしているわけでございますけれども、これは補正のときまでにおきます課税の実績でございますとか、それから改定されました経済見通しにおけるいろいろな指標、それから大法人に対する聞き取り調査というのを行っておりますが、その結果を踏まえまして個別税目ごとに積み上げにより見直しをしたものでございます。
 ただ、六十三年度の当初予算は、御承知のように六十二年度の補正後の税収見込み額を基礎としてつくられたものでございます。今回の補正予算の見積もりは六十二年度の税収実績を基礎としてつくられているものでございますが、委員の御指摘にもございましたように大変大きな自然増収がそこにございまして、三兆七千百九億円という土台の積み上げがあったわけでございます。それをもとに計算いたしておりますので、減税等を入れましても先ほど申しました三兆百六十億円の増収が見込まれると、こういう結果になったわけでございます。
 内容的には、法人税が三兆七千八百十億円の増収を見込んでおりまして、源泉所得税、相続税等につきましては減税を見込んでいるわけでございますが、全体として先ほど申しました三兆百六十億円の増収となったということでございます。
#299
○国務大臣(竹下登君) いま一つの観点で、今、大蔵大臣それから主税局長からお答えがあったとおりでございますが、税収見積もりというものがそもそも甘いじゃないかというのが恐らく根底にあってのお尋ねだと思います。
 私が大蔵大臣時代に、今でも言わなきゃよかったと思っておりますのは、一%は誤差のうちというようなことを言ったことがございます。本当に言わなきゃよかったと今思っておりますが、しかし従来の体験からいたしまして、いわば増の方であったというのは本当は心の救いが私自身にあることも事実でございます。したがいまして、聞き取り調査、積み上げ等をいたしまして今後とも税収見積もりについては、あくまでも見積もりではございますが、可能な限り精微な結果が出るような努力を重ねていくべきものである、このように考えております。
#300
○本岡昭次君 私どもは、この補正予算の組み方、また内容に対して数々の問題を持っていますし、これについて賛成することはできないわけですが、この中身をきょうは詳しく追及することは避けたいと思います。そして、これから残されました時間、消費税問題に絞って政府に伺いたいと考えています。
 まず、総理に伺います。
 総理は、消費税を審議した前国会において、この消費税に対する懸念の中で、逆進性の消費税が所得再配分機能を弱める、また所得税のかからない入に新たな消費税負担を強いる、また中堅所得者の不公平感を強めるという三つの懸念を示されたのであります。そして、この三つの懸念については、税制以外の予算措置で中和できると言明をされてきました。来年度予算案が出されたわけですが、どこまでそれでは中和されたのか、総理にお伺いいたします。
#301
○国務大臣(竹下登君) 具体的にはこれは事務当局の助けをかりなければならないというふうに最初申し上げておきます。
 今おっしゃいました三つ、いわゆる消費者そのものの持つ懸念ということから私が整理して申し上げたものであることは事実でございます。これが消費税というものの本来持ちますところの、あるいは間接税の持つ本来の逆進性というようなものに対するためには、総合的な税体系全体の中で中和できるもの、それから歳出予算において中和できるものと、こういうような区分をいたしたわけでございます。なかんずく、今おっしゃいました中堅所得者の方々の問題については、やはり私は各種控除の引き上げ等がこれを中和した一番わかりやすい例ではなかろうかというふうに思います。
 それから、生活保護基準の引き上げ等については、これはもちろん歳出を伴うわけでありますが、課税最低限も上がりました。そして生活保護基準も上がりました。この中間とでも申しますか、そこに対しましては、御審議いただいております補正予算を含め、それぞれ歳出の中で対応をされて、それがその消費者の持つ三つの懸念に対する中和する対策である、このように考えております。
#302
○本岡昭次君 総理はこういうふうに言っておられるんですよね、前の国会の参議院の税制調査特別委員会で、「私は六十四年度予算の中でほとんどのものは消化できるのではなかろうかというふうに考えております」というふうに答弁をされているんですよね。私たちが見る限りにおいて、来年度の予算の中でそのほとんどのものが消化できたと到底考えられないのでありますが、この点はいかがですか。
#303
○国務大臣(竹下登君) これこそ具体問題でございますが、六十三年度の補正予算の中で対応すべきものもあると考えまして、ただいま御審議をいただいておるところでございます。
 平成元年度、当時申しました六十四年度予算でございますが、その中ではいわば税制そのものの中の各種控除の引き上げの問題でありますとか、あるいはそれぞれの生活保護基準等の引き上げでございますとか、そういう中で、だから私が六十四年度予算と申しましたが、六十三年度補正予算を含め、この問題については平成元年度予算とあわせた形で、今御指摘がありました三つの問題については中和すべき対応がなされておるというふうに考えております。
#304
○国務大臣(村山達雄君) ちょっと技術的な関係でございますので私が補足して申し上げます。
 抜本改正は昨年度から行われたわけでございますけれども、この問題は、所得税に関する限りは実は与野党の協議によりまして税率だけの改正でございます。したがって、控除の関係はすべて平成元年度に送られているわけでございます。しかも、その税率も最高税率は六〇%ということでございまして、先般通りました抜本改正によりますと、その分が来年度は五〇まで下がってくるわけでございます。また、住民税の減税は、当然のことでございますけれども一年おくれでございますので、これが平成元年度から出てくるという問題がございます。
 それから、生活保護者につきましては来年度予算で四・二%上げることになっております。物価は御承知のように見通しが二%である。そこの境目の問題につきまして、先ほど総理から御説明がありましたように六十三年度予算で一律一万円あるいは介護手当五万円、こういうことをやりましてその間の緩和を図っている、事務的にはそうなっておるということを御理解願いたいと思います。
#305
○本岡昭次君 逆進性の心配はない、解消するというふうにおっしゃったわけで、具体的にどういう逆進性があるものを今言われた措置によってどの程度中和したのか、完全に解消したのかといった問題を示してもらわなければ、総理が言っているようにほとんどのものが消化できるのではないかというような答弁の中身として納得できません。
#306
○国務大臣(村山達雄君) この逆進性の問題は、私はほとんど解消されたと実は思っているのでございます。数字的に説明することが非常に困難な問題を含んでいる、そういうことで遠慮させてもらっておりますが、逆進性というものをどう定義づけるか。まあ言いますと、あるいは累進的というのは所得が多くなれば多くなるほどその負担割合は層で低い人に比べて倍数が高くなる、それを累進的と言い、ですから逆の傾向になるのを逆進的と言っているわけでございます。
 したがいまして、今度の所得税、住民税を見る限り、間違いなく大変累進性が増しておるのでございまして、第一分位とそれから第五分位を比べてみますと、従来は大体第一分位の負担割合を一にした場合には第五分位は六・五倍でございますが、今度の改正では二十五倍ぐらいにいっているのでございます。
 そこで、今度は消費税の関係でございますが、この問題は物価が一様に一・二%なりあるいは一・一%上がるという形で負担が出てくる。この種の間接税は物価騰貴という形で負担を求めているわけでございますので、その試算はこの前の国会で既にお示ししてあるところでございます。
 それらの問題を差し引きいたしまして、所得税、住民税の負担減とそれから消費税、それから既存間接税のめり込みぐあい、その差し引きの物価騰貴という形であらわれるそれとの負担の増、単純にその二つだけを計算いたしますと、所得税の納税義務者あるいは住民税の納税義務者、いずれの階層をとっても手取りがふえる、こういう形では示されているのでございます。
 問題は、既存間接税を含めて今の累進度がどれぐらい増したのか、ここのところが一番難しいところでございまして、常識的には言えると思うのでございますけれども、既存間接税の階級区分ごとの配賦状況、これがなかなかわからぬわけでございます。ですから、物価騰貴という形で一様に出しているところ、ここのところがなかなか計数的に説明ができない。しかし、大局的に見れば、我々はずっとこの問題は扱っておりましたので、計数的な根拠を明らかに示すわけにはまいりませんけれども、まず逆進的になることはなかろう、このように思っておるところでございます。
#307
○本岡昭次君 その逆進性が一番厳しく出るところは、減税の措置を受けるというふうな形でない部分ですよね。生活保護の部分とか年金の部分とかといったところでしょう。そこのところに対して一番逆進性が強いわけで、そこに今言ったように生活保護の引き上げをやったとか、さまざまな控除をやったとかいうふうなことが出てきています。
 しかし、物価上昇を一・二%、個別間接税をなくし新しい消費税を入れたときの計算がそういうところに出ているようですが、しかし私たちが一番問題にするのは、今まで高級品を買って多額の物品税を払っていた層が三%の消費税で済むということと、今まで生活の実態からいってそういうことと全然関係のなかった層との、三%の負担というものの持つ逆進性というものは一層大きくなるんではないかというところを問題にし、そのことが具体的にどう解決されるかという問題を前国会から追及をしてきたのであります。
 竹下総理は、それは来年度の予算を見てもらえば安心できると言われたけれども、先ほど言われたようなことも含めて、来年度の予算に含まれているさまざまな施策というふうなものは、我々が見る限りにおいてはほとんどその逆進性というものについて政府が財政支出の面から対応し得たというふうに考えられない。こういう立場で、総理は、消費税を導入するために、これはもう何でもそこで答弁をしておかなければいかぬということでああいうことをおっしゃったのかなという厳しい批判を私たちが持っている、このことを申し上げているわけなんであります。
#308
○国務大臣(村山達雄君) 生活保護の人たちだけに対象を絞って申し上げますと、今度の消費税はほとんど例外なしでやっているわけでございます。したがいましてその形は物価騰貴の形であらわれるであろう、その負担というものは。そして、ここ三年ぐらいの間、まだ自動車に対する消費税六%は残っておりますので、三年ぐらいは一・二であろう。しかし、別の意味で消費税の及ぼす影響、ほかに影響がありまして、来年度の消費者物価は二%ぐらい上がるであろうというのが政府の見通しでございます。つまり、物価騰貴という形で生活保護者に来るわけでございます。生活保護者でございますから、もちろん所得税なり住民税を納める人たちではございません。
 そこで今度は、生活保護に対して一体幾ら給付を上げるんですか、そこの問題とぶつかってくるわけでございます。その点は来年度予算で四・二%引き上げるということを元年度予算で申し上げているわけでございまして、つまり二%と四・二%の差額、それで恐らく賄えるんじゃないでしょうか、こう申し上げているところでございます。
#309
○本岡昭次君 この問題は、予算案を実際審議するときにはた論議できますので、今の大蔵大臣あるいは総理大臣の答弁を私は納得できませんが、次の質問に入っていきたいと思います。
 次に、消費税導入について、具体的な疑問点やどうしても納得のできない結果について伺っておきます。
 いよいよ四月一日から消費税を具体的に施行されるという日が近づくにつれて、転嫁の問題とかいろいろなことで論議が高まってきております。私の見るところ、このまま実施をすればこの消費税によって損をする者、得をする者、ばかを見る者というふうにいろいろな状況が起こってくる。だからこそ今大変な混乱が起きていると考えるんですが、総理の現状認識として、四月一日これを実施して、私が考えているように混乱が起きないというふうにお考えになっているかどうか、四月一日実施に向けての現状認識を総理に伺っておきたいと思うんです。
#310
○国務大臣(竹下登君) 十二月二十四日に本院を通していただいた税制改革関連六法でございます。所得税、法人税等減税部分の問題は別といたしまして、いわゆる新税でありますところの消費税、その消費税そのものが、いわば国民の暮らしの中にどの程度習慣となったかといいますと、四月一日でございますから、まだ習慣にはなっていないわけでございます。それが習慣となって溶け込むためのその準備期間というのが一月、二月、三月、大変大事な時間であるという考え方の上に立ちまして、円滑化推進本部をつくって、私を初級講師といたしますならば上級講師というようなものをいっぱいつくりまして、どんな小さな会合にもすぐ行ってこれが御説明ができるようなことを今やっておるわけでございます。
 それは、特に今三つおっしゃいましたいわば消費者自身の持っておる懸念というものは、税制の中、歳出の中で処置いたしました。あるいはインフレになるんじゃないか、あるいは税率が上げられるんじゃないかという懸念も消費者全体の持つ懸念として国会等でも御説明申し上げ、今度は手続が面倒ではないかというのと転嫁ができるかやという五つ目と七つ目の懸念について、今、円滑化推進本部がフルに活動をしておるというのが現状でございます。
 したがって、本当に単品ごとにいろいろな質問に対して答えるだけの、我々の方もそれだけの能力を持って対応しなきゃならぬわけでございますが、今日国民の暮らしの中に定着したわけではございませんが、仕組みそのものが国民の皆さん方に理解されてきたと、特に納税義務者の方の大体の理解はほぼ行き届いてきたんではなかろうかという感じを持って、毎日毎日を一生懸命努力しておるというのが現状でございます。
#311
○本岡昭次君 今のところをこれから詰めてみたいんですが、最も事務混乱が起こると考えられているのが政府・大蔵省のおひざ元の税関ではないかと言われているんですが、税関の問題として、現在の日本の輸入総額というのはどれだけですか。
#312
○政府委員(長富祐一郎君) お答えします。
 昨年、約二十四兆円余りになると思っております。
#313
○本岡昭次君 その二十四兆円に対しての消費税を徴収することになります。輸入業者等に言わせますと、この前も大蔵委員会の視察で税関に行きましたが、この税関の事務がパンクするのは間違いないと、こういうふうに言っているんです。膨大な事務量を円滑に処理できるような税関の体制ができていないと、こう言っているんですが、どうですか。
#314
○政府委員(長富祐一郎君) 現在、四月一日の導入を控えまして鋭意広報、相談、指導を行っておりますが、税関は、従来から物品税、酒、たばこ等の内国消費税に全くなじみがないわけではございませんで、八七年度の実績で、関税約七千六百億円に対しまして、内国消費税は五千百億円で税関の収納税額の大体四割近くに達しております。
 しかし、御指摘のとおり、消費税の導入というのは大変に大きな問題でございまして、今鋭意検討、対応を進めております。
 一つは、激増しております航空貨物への対応の問題でございます。これは、現在コンピューターによる処理を行っておりますが、この処理は、四月一日から間に合うようにプログラムの変更を大体終わってきているところでございます。
 それから二つ目に、さまざまな収納事務がふえてまいりますが、これにつきましても、全国の主要税関官署には新しくコンピューターシステムを導入いたしまして、税関業務の電算処理の一層の推進を図っております。さらに、これに対しまして定員の確保を図りますとともに、輸入部門が大変でございますので、輸入部門を中心としました重点的な人員配置を三月一日をもって了したところでございます。
#315
○本岡昭次君 また大蔵委員会の場で、改めて今の問題をさらに詳しく質問をしていくことにいたします。
 それから、最近の新聞に盛んに出てきているのが公共料金の消費税転嫁問題であります。きょうもある新聞に、「消費税転嫁見送り、十八都道府県に」というようなことが出ているわけですが、実際自治省としてつかんでおるのは、この消費税見送りはどういう実態ですか。
#316
○政府委員(津田正君) 各地方団体の使用料等の改定は条例等によるものが中心でございます。条例については、各団体の議会における審議を経て決定されるものでございまして、各団体において二月あるいは三月に議会をもう既に開会しているところ、準備しているところ、あるいは知事選のために既に終わったところと各様でございます。そしてこの問題は、正直申しまして、執行部と議会との折衝のいろいろな場面があるわけでございます。そういう意味におきまして、このように各団体の動向を統一して何か一定の物差しで見るということはなかなか困難な面もございまして、また今後状況変化ということもあることが考えられます。
 そういうような前提で、あえて二月末時点での概況を申し上げますと、都道府県の普通会計におきまして、四十七都道府県中四十一団体が四月一日から使用料等の改定等により消費税分の転嫁を行うと、このように報告を受けています。ただし、うち十五団体は一部の使用料等について当面四月一日からの実施を見送るとしております。残りの六団体は四月一日からの使用料等の転嫁を見送ると、このように私どもは承知しておる状況でございますが、前段申し上げました前提条件、今後の状況変化というものもまたある可能性も考えていかなければならないと、かように存じます。
#317
○本岡昭次君 そうすると、転嫁を見送ったところが六団体、一部見送ったところが十五団体、合わせて二十一地方自治体ということになりますが、見送った六団体、一部見送った十五団体の県名をここで報告してもらいたい。
#318
○政府委員(津田正君) 見送った六団体でございますが、知事選を抱えております宮城県、千葉県、これは見送っております。そのほか東京都、愛知県、京都府、兵庫県、この六団体でございます。
 十五団体につきましては、内容的には大体公営住宅が見送られておる内容かと思います。ちょっと十五団体の方の個別的な表が手元にございません。もし必要であれば調査して御回答申し上げます。
#319
○本岡昭次君 残りの十五団体について県名を挙げて資料としていただきたい。よろしゅうございますか。
#320
○政府委員(津田正君) 資料としてお届けします。
#321
○本岡昭次君 問題は幾つかあるわけでありますが、まず第一点として、東京都の場合、初め知事は値上げをする、要するに三%転嫁をするという方針であったものが、その後いろいろ論議があったんですが、最終的に新聞で見るところ、渡辺自民党政調会長が直接出向いて、三%を転嫁したら選挙に勝てないというふうなことで強引につぶしたということなんです。選挙に勝てるとか勝てないとかというふうなことが転嫁をするしないの理由になるということは、一体これどういうことなんですか、具体的に教えてほしい。
#322
○国務大臣(坂野重信君) お答えいたします。
 本岡先生の御意見、筋論でございますが、実態的にはなかなか情勢も難しいことがございまして、東京都知事も当初は全面的に上乗せをして転嫁したいという方針で頑張っておりましたが、なかなか議会情勢も難しいということだったと思います。政調会長がおいでになってどういうことを言われたか、それは私は存じませんが、いずれにいたしましても、実態的には部分的にどうも四月早々からの実施は一時見送りたいということで今進んでいるような次第でございます。
 おっしゃるように、地方公共団体というのは一種の事業者でございますし、また一面、法律にうたっているように、地方公共団体自体が国と一緒にこの円滑な転嫁を進めるような環境づくりの責任があるわけでございますから、これはいろんな難しい面があっても、ひとつルールに従って何とか頑張っていただきたいということを強く私ども指導しているわけでございまして、今後とも各地方公共団体に対して、この東京都の影響があちこち出てこないように強く指導してまいりたいと思っているような次第でございます。
#323
○本岡昭次君 転嫁してもしなくても、具体的にはその料金が上がっても上がらなくとも、これは消費税をその事業の中から取るということであるのかどうか。どうですか。
#324
○国務大臣(坂野重信君) これは、企業努力によって公共料金を下げようと下げまいとにかかわらず、三%というものは既定のルールでございますから、これはいただくわけでございます、売り上げに対してということでございますから。
 東京都は、どういう方法でそういう場合におやりになるのか、あるいは場合によっては一般会計で払うということもあり得ると思いますけれども、それは好ましいことではないわけでございまして、やはり公営企業ならば公営企業からその三%分を取るということで進めていきたいと思っているわけです。
#325
○本岡昭次君 今、好ましくないというふうな発言がありましたが、見送ったところは消費税法というこの法律に基づいて具体的に徴税をするわけですが、納めていく地方自治体の納め方というのは、どういう形が好ましくてどういう形が好ましくないんですか。
#326
○政府委員(津田正君) 地方団体が行いますサービス・財貨の提供というものは原則課税でございます。課税でございますので、その料金というものの中には三%最終消費者に転嫁していかなければならないということでございます。
 したがいまして、東京都のような場合も転嫁するということはやる。しかし、その元金でございます料金、現在の料金そのものを内部合理化で下げる、そして結果的にその下げた料金に一・〇三を掛けたものが現在の水準、あるいはもうちょっとそれを下回るぐらいにしようと、こういうことでございます。したがいまして、あくまで財貨・サービスの提供でございますので三%分、それがもとの料金かあるいは下げられた料金かは別といたしまして、これは国税当局に納税しなければならない、こういうような性格のものでございます。
 ですから、東京都の場合にも転嫁することははっきりしておるわけです。そのもとになる従来の料金というのを下げられるかどうか、こういうような内部努力をしようということでございます。
#327
○本岡昭次君 政府のおひざ元の自治体の中から、選挙絡みというふうな、税金と全然関係のない側面からこれを見送るとか転嫁をしないとかといった問題がこの四月一日を控えて具体的に起こっているわけで、これを大蔵省は、転嫁しようとしまいと事業者なんだからそこから三%の消費税を取ると、こう言っておりますけれども、いずれにしましても、政府も言っているように、公共料金への一律適正な転嫁というものがやっぱり必要だという観点に立ってもなおかつこういう状態が起こっているということは、明らかにこれはもう四月実施という問題をめぐる一つの大きな混乱であるというふうに私は思うんですが、総理、いかがですか。
#328
○国務大臣(竹下登君) 確かに地方公共団体というのは二つの側面があって、みずからが適正に転嫁すべき事業者であるという面と、それからもう一つは、税制改革の円滑な推進に資するための環境づくりを指導、相談、助言、そういうことを整備しなければならぬという二つの側面があるわけでございます。
 政府としては、税制改革法の趣旨に沿って、料金等につきましては基本的には円滑な転嫁、こういうことをもとより指導いたしますが、その自治体の中においてコストをいわば生産性向上努力とでも申しますか、そうしたもので下げられて、三%が乗っかっても結果として現行の水準どおりあるいはそれ以下というようなところがあるのは、いわゆるコストダウンの点の努力であるとそれは見るべきではないかと。ただ安易に、富裕団体であるからとか、あるいはいろんな事情がございましょうが、一般会計の中から消費税分を支払いに充てるという考え方については、恒久的な財政運営から見れば好ましいことではないと申し上げるべきであろうと思っております。
#329
○本岡昭次君 公共料金というのは、私は余り詳しくありませんが、原価主義というんですか、そこに利益を上乗せしてというふうなことじゃなくて、これはもうぎりぎりのところで大体価格がついているんだと、こう思うんですね。それを企業努力によって転嫁しなくてもいいというなら、現在ある価格というものは一体何なのかという問題をこれは問われてくる、僕はこういうふうに思うんです。だからこの問題は、ここで深くする時間もありませんので、また次の機会に譲りますけれども、これもいわば現在起こっている混乱の非常に具体的なあらわれであるということで申し上げたわけであります。
 それでは次に、免税事業者の問題について伺ってみたいと思います。
 まず、この免税事業者をつくる理由は何ですか。
#330
○政府委員(尾崎護君) 今度の消費税の納税義務者は事業者になるわけでございますが、我が国にとりましては全く新しい税金でございますし、その税金の計算、納付等におきましていろいろ事務の負担というものがあるわけでございますから、非常に規模の小さいところ、具体的には課税売り上げ三千万円以下というような事業者の方々は免税とするということにいたしたわけでございます。
 免税とすることによりまして、税務署に対して税金を申告納付するというような手続から解放されるということでございます。
#331
○本岡昭次君 売上高三千万未満とした理由は何ですか。
#332
○政府委員(尾崎護君) 事業規模といたしまして、事業主を含めまして三人ないし四人ぐらいの事業というのを頭に置いて考えてみますと、大体三千万円ぐらいの年間の売り上げかというようなこと、その他いろいろ考えまして三千万円といたしました。
#333
○本岡昭次君 免税事業者となる割合の高い業種はどういう業種ですか。
 そして、その業種ごとの付加価値率を示してもらいたい。
#334
○政府委員(尾崎護君) 法人企業統計の事業分類で申しまして、農林水産業、不動産業、それから電気、ガス、水道、サービス業という区分がございますが、それらのものが三千万円未満の事業者の割合が高い業種でございます。
 数字を申し上げますと、農林水産業で申しますと、三千万未満が八五%で五分の四ぐらいになります。それから不動産業で申しまして八一%になります。それから電気、ガス、水道、サービス業で七七%でございます。
#335
○本岡昭次君 付加価値率。
#336
○政府委員(尾崎護君) 御質問の趣旨は、三千万円以下のものの業種別の比率というように伺ったのでございますが、付加価値率でございますか。
#337
○本岡昭次君 付加価値率。
#338
○政府委員(尾崎護君) 失礼いたしました。
 付加価値率で申しますと、農林水産業が二三・五%、それから不動産業が二六・五%、それからサービス業で申し上げますが三〇%でございます。
#339
○本岡昭次君 この免税事業者は納税義務を免除されるわけですが、この人たちにも消費税三%の転嫁を認めたということですが、そのとおりですか。
#340
○政府委員(尾崎護君) 免税業者につきましては、免税業者と申しましてもその仕入れにつきまして税金を負担しているわけでございます。非常に厳密に申しますと、その仕入れで負担をしております税金分だけを売り上げに乗せるということをしますと、従来とマージンが変わらないわけでございますが、何分にもこの税金の計算に伴います事務負担が大変であろうと、そこまで負担させるのはお気の毒だという規模の事業者の方でございますから、仕入れについての税金をきちんと計算して、その分を上乗せしろといっても実際上難しい話でございます。
 そこで、そういうような方々が新しく消費税が始まりました後に値づけをするというときに、御近所の同業者の値づけ等を参考にいたしまして三%上乗せをしたといたしましても、それが不当であるというところまで申し上げることでもないのではないかというように考えている次第でございます。
#341
○本岡昭次君 この免税事業者に消費者の納めた消費税の一部を利益として取り込むことについて、それは許されるんじゃないかという話でありましたが、それは全体として幾らになるんですか。
#342
○政府委員(尾崎護君) 減収額の計算をいたしますときに、先ほども申し上げましたが、課税ベースをまず計算いたすわけでございますけれども、六十二年度ベースの、六十二年度の数値をもとにいたしまして、中小事業者の特例について約十六兆円の課税ベースの脱落があるだろうというように考えております。
 それをもとにいたしまして、その三%分が幾らかということになりますと、四千八百億ぐらいになるわけでございますが、免税業者だけでございますと、多分二千数百億という感じではないかというふうに思います。
#343
○本岡昭次君 免税事業者をつくったことによって、今、二千数百億という消費税が国に納入されないということがそこで一つ明らかになったわけであります。そのこと自身、私はこの税制の持つ大変な欠陥だと。それは要するに、売上高を三千万と高く設定したことに起因すると思うんですね。しかも、今度はそれが業種ごとに全部変わってくるということになる。
 例えば、農林水産業の付加価値が二三・五%とすると、そこにかかる仕入れの消費税は二十二万三千円。例えばこれは私、売上高一千万円というところでセットして考えてみたんですが、売上高一千万というふうにすると、農林水産業は仕入れに対する消費税は二十二万三千円、電気、ガス、水道等三三・一%の付加価値のあるところは十九万五千円の仕入れ消費税で済む、こういうふうになってくるわけです。
 結局、このことは何を意味するかというと、農林水産業は、仕入れたものを価格に転嫁する場合に二・二三%の価格転嫁をしなければならない。電気、ガス、水道の場合は一・九五%で済む。また、五〇%の付加価値率のあるところであれば一・五%の価格転嫁で済むというふうに、それぞれの持っている付加価値率によって価格転嫁の金額が非常に違ってくるということなんです。そのことがコストアップに対するそれぞれの事業をどういうふうに圧迫するかということになってきて、付加価値率の違う多様な業種に対して非常に不公平な仕入れ消費税の圧迫が起こる。
 逆に、三%全部それを転嫁したとすれば、それぞれの事業者によって全部取り込むことのできる税金の差益というものが非常に変わってくるということで、私は、消費税の中の一つの欠陥として、免税事業者をつくったということの中で、二千数百億という消費者の納めた消費税が国に納まらないということと、各業種間におけるこれに対するさまざまな不公平が出てきたという、この問題を一体どう考えるかということであります。
#344
○政府委員(尾崎護君) ただいまのお話は、免税業者もすべて三%転嫁をしたということを前提としてのお話でございますが、そのようにすべて転嫁ができるかどうかという問題がまた別に一つあるのではないかというような感じがいたします。
 それから、付加価値率の逆でございますけれども、仕入れの率が業種によって違うことは確かでございますので、仕入れに対する税の負担、それはそれぞれに違ってくるわけでございます。課税業者でございますと、仕入れ控除ということをいたしますから、そこの調整がきちんと行われることになるわけでございますが、免税業者の場合には、その仕入れ分を転嫁するのかしないのか、あるいはよそに倣って三%という、いわばある意味では過剰な転嫁をするのか、それとも、小さな業者でございますから、その点無関心で全然しないというようなことにもなるのか、それはいろいろであろうかと思います。全部が三%というわけにもいきませんし、いろいろの問題がそこにはあろうとは思っております。
#345
○本岡昭次君 要するに、大蔵省は、免税業者といっても業種ごとにさまざまな問題がそこに起こるということを今認められたと考えてよろしいですか。
#346
○政府委員(尾崎護君) 業種別に仕入れの率が違うということは、免税業者についてもそのとおりでございます。課税業者の場合ですと、そこが仕入れ控除で調整されるということを申し上げたわけでございます。
#347
○本岡昭次君 次に、簡易課税方式で問題を検討してみたいのでありますが、今言いましたように、消費税の持っている根本的な欠陥は、各業種によって付加価値率が全部異なるものを一律に三千万円以下であるとか六千万円以下であるとかあるいは五億円未満であるとかという金額によって設定したことによる混乱が非常に大きい、私はこういうふうに見ているわけであります。
 それで大蔵省、まず業種別付加価値率、今、免税業者の分を言っていただきましたが、大蔵省が資料として今出し得るものの中で、二〇%以上の業種、二〇%以下の業種について業種ごとに付加価値率をここで公表しておいていただきたい。
#348
○政府委員(尾崎護君) 法人企業統計に基づきまして業種別付加価値率を申し上げますと、卸売業では、六十二年度でございますが、六・六%、小売業一七・八%、農林水産業二三・五%、鉱業、マイニングでございますが二六・七%、建設業一八・八%、製造業二二・四%、不動産業二六・五%、運輸・通信業四三・五%、電気業三六・四%、ガス・水道業三三・一%、サービス業三〇%、全産業を通じまして一七・五%でございます。
#349
○本岡昭次君 今、小売業が一七・八%というふうに言われたわけで、この小売業は、平均的に二〇%付加価値率がないことによって簡易税制を受けるメリットがない、原則的に課税方式で計算しなければならぬということになるわけなんです。
 ところが、小売業は企業数で二百二十三万七千事業者あると言われています。そのうち売上高五億円未満は二百二十一万九千事業者と言われておりまして、ほぼ九九%が全部五億円以下なのであります。五億円未満ということは、それは簡易課税方式でもって税の計算ができることになるわけですが、しかし小売業は、今言いましたように、付加価値率の平均が一七・八%であるとすれば、ほとんどの小売業は簡易課税の方式を採用したら逆に高い税金を納めなくてはならなくなる。いわゆる原則方式でもって納めなければならぬということがこの数字から出てくる。このことは大変な不公平ではないか。小売業を排除した形での一つの簡易課税方式ということになりはしないかという点、いかがですか。
#350
○政府委員(尾崎護君) 簡易課税制度は、あくまで事務手続、事務負担の簡素化ということで考えられている制度でございます。
#351
○国務大臣(村山達雄君) 少し聞きにくかったのじゃないかと思いますが、簡易課税の納税者は五億円以下というのは全体で九十何%でございますけれども、免税者についてはその問題はないわけでございます。したがいまして、個人で言いますと八三%、それから法人で言いますと三〇%ぐらい、通じて六五%はもう簡易課税から外れてしまうわけでございます。そっちの方の問題は免税点の問題、それから課税業者として簡易課税の問題、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#352
○本岡昭次君 私は、事務負担の問題だけであればいいんですけれども、簡易課税方式を採用することによって税制度の中でメリットが生じるでしょう。その問題を言っているんですよ。
 そしてまた、今、大臣が言われましたけれども、簡易課税方式というものを適用できるのは、事務負担の問題でとおっしゃるけれども、今言いましたように、それならば小売業者が全部原則課税の方式を採用する場合、それから簡易課税方式でする場合、それでは大蔵省、平均の一七・八%で一遍計算を出してみてください、一体どれだけの税額が違うのか。
#353
○政府委員(尾崎護君) 全員が簡易課税をとった場合と、全員が本則によりまして計算した場合のその差額でございますが……
#354
○本岡昭次君 いや、そんなこと聞いてないよ。
#355
○政府委員(尾崎護君) それが全体で幾らになるかということではなかったですか。
#356
○本岡昭次君 課税売上高一億円と設定したら、その業者は簡易課税制度を採用できる業者になるわけです。ところが、小売業で付加価値率一七・八%という平均のところの業者が採用した場合に、原則課税方式で税金を納めるのと、それから簡易課税方式で税金を納めるのと、それがどう違いますかということを計算してみてください。あなたは事務負担の問題だと言ったけれども、事務負担だけの問題じゃないですよ。
#357
○政府委員(尾崎護君) 失礼いたしました。
 一億円で計算いたしますと、二〇%の簡易課税でございますと〇・六%に当たる六十万円ということになろうかと思います。一七・八%ということで計算いたしますと五十三万四千円になろうかと思います。したがいまして、そこには六万六千円の差が出てまいります。
#358
○本岡昭次君 だから、その事務負担が軽減されて便利だと言われている方式を採用したら、高い税金を払わなければならなくなるんですよ。そして原則課税という、仕入れがあって課税されて、売り上げに課税、引いて引いてという、そういう大企業がやるべきことを小売業はやらなければならなくなる、おかしいではないかと、こう言っているんです。
#359
○政府委員(尾崎護君) 小売業は、全部で二百数十万者あろうかというように思いますけれども、その中には、平均値といたしまして付加価値率一七・八でございますが、いろいろバラエティーもあろうかと思います。したがいまして、大体平均値に近いところでございますと、簡易課税を選びまして事務負担を減らした方がよいというように御判断になると思いますが、もしも非常に大きな差がありますと、そこは選択で、本来の方式で計算するということも認められているわけでございます。
#360
○本岡昭次君 今の答弁は、私は納得できませんね。
 それでは、これを計算してください。四三・五%ある運輸・通信業一億円の場合、これはどうなるんですか。
#361
○政府委員(尾崎護君) 本来の方式で計算いたしますと、百三十万五千円ということになります。簡易課税方式をとりますと、先ほど申し上げましたように、六十万ということでございます。
#362
○本岡昭次君 総理、今言いましたように、同じ五億円以下で課税事業者にこの簡易課税を選択した場合に、運輸・通信業は百三十万納めなければならない税金が六十万円で済む、こういう仕組み。それで、今度は小売業になると、簡易課税をとったら六十万で原則課税にしたら五十三万。簡易課税をした方がたくさんの税金を納めなければならなくなる。これが各事業者に中立て公平な税制と言えるんですか。
#363
○国務大臣(村山達雄君) この問題は、私たちが今度の消費税を設計するときに、あらかじめ事業者の負担をどれだけ少なくするか。特にこの免税点、簡易課税は、そのうちでも中小企業者の事務負担をいかに少なくするかということで、これを仕組むときに初めから設計の中に織り込まれておるのでございます。
 それで、先ほどからしばしば申し上げておりますように、もし免税事業者を設けない、あるいは簡易課税方式を認めないということにいたしますと、初めてのあれでございますのでかなり計算が難しい面がございまして、人を一人雇うとかなんとかいうことになりますと、その方のコストアップの方が大きいという面もあるのじゃないか、そういうことを考えてやったわけでございます。
 それで、今、委員御指摘の、その場合に三千万という免税点、それから簡易課税の問題については付加価値率との関係で一律五億というのがおかしいじゃないか、こういうお話なのでございますが、そういうところもあろうかと思います。しかし、今度は別に、それならいわゆる企業統計に基づいて付加価値率を全部違えて、それで簡易課税をそれに合わせてやるということになりますと、兼業関係がたくさんあるわけでございます。したがって、おれは一体どこに属しておるのか、これがまた大変な手数を煩わすであろうというようなことを考えまして一律にしているということでございます。
 そこで、それが一体どう働くであろうかというところでございますが、これは競争場裏の関係でございまして、価格をどう設定するかということは、経済の競争関係が非常にやってまいります。もちろん、そのときに不当の買いたたきをやるとか、こういうことは認めるわけにはいかぬわけでございます。
 それからまた、適正な転嫁をするために転嫁のカルテルあるいは表示のカルテル等を設けているわけでございますので、おっしゃるようなことは比較的、極端な場合を考えるよりも、かなり少なくなるのじゃないだろうか。
 仮にもし、これは仮定の問題といたしまして、完全にこれを利用してそこで利益が出ると仮定いたしますと、その人たち、法人、個人についてはもちろん所得税なり法人税が働くわけでございますので、その差は税引きで考えますとさらに小さなものになるであろう。それと、それを強制することによりまして出てくるコストアップ、そういうことを考えますと、やはり何といっても一番なじみの薄い消費税でございますので、今度は事務負担に専ら力を入れて設定していただいた。
 御指摘のようなことももちろん懸念されるわけでございますので、税革法十七条三項で、与野党協議の上で、中小企業者の事務負担に配慮した免税点、簡易課税方式、限界控除等については、その定着状況を見た上で見直しなさいと、こういうことが入っているわけでございまして、ごもっともであると、こういうことで今入れて実施状況を見守りたい、かような考えでおるところでございます。
#364
○本岡昭次君 総理、私はどうしても認められないんですよ。
 それは、事務量の軽減とかいろいろあるでしょう。しかし、消費者は三%の消費税を納めるんですよ。それがそういういろんな仕組みによって五千億円もそこから消えていく。それが各業種ごとによって、付加価値率の高い低いによって、より多くそれを利益として取り込むことのできるところ、できないところ、また、小売業のようにそういうメリットを活用できない業種が初めから存在しているというふうなことは、これは消費税というものが一つの法律であるならば、法律の名によってもうけを保証するというようなことは、これは消費者にとっては我慢ならぬですよ。消費者の納めた三%はそのまま国に納まるということでなければね。そのために各段階で転嫁をしていくんでしょう、きちっと。そういうように書いてあるじゃないですか、この説明の中には。
 それが、今言ったように転嫁を途中でずっと企業のもうけとなって取り込む。そのもうけを、所得税をかけるからいいだろう、そんなものじゃないでしょう。法人税かけたらと。私は、こんなでたらめな法律というもの、だから業者の人が怒っているんですよ。小売業は、損だからといって運輸・通信業にかわれないでしょう、得なところに。経済的に非常な不公平を生み出した。
 総理、答えてください、あなたは専門家でしょう。
#365
○国務大臣(竹下登君) まず、消費税のあるなしにかかわらず、業種別の付加価値率というのはそれは現存しておるわけでございます。
 そこで、今、大蔵大臣からもお答えがありました。確かに税法が通るまでは私が大蔵大臣であったわけでございますが、比較的我が国になじみの薄いこの税制をどうして定着さすかということについての五番目の懸念として、手続が面倒じゃないかと、こういう、特に売上税の反省から考えてきたのがいわゆる限界控除の問題と簡易課税方式の問題である。したがって、これらの問題で若干の精微さが欠ける点はありましょうと、こういうことを私どもも今日まで申し上げてきたわけでございますが、そもそも、選択制の問題がございますものの、本則によってすべてやるということは、あれだけ御批判を受けたインボイス方式というものを初めからやっていくというようなことは、第五番目の懸念として申しましたところのいわゆる手続によるコストアップとか、面倒という問題はコストアップも含めておるのでございますけれども、そういうことを考えて議論し出てきた結論でございますので、物の値段の中にこの消費税というものが吸収されて、今でも実際問題、例えば、ビール一つにしましてもこれは百四十五円が税金だとか、たばこは一本何ぼだとか、そういうことを全部知っておって間接税を意識していらっしゃる人は本当は少ないだろうと私も思うんですが、物の値段の中でそうしたものが定着していくならば、見直し規定もございますが、スタートさせていただくときにはこの五番目の懸念に対しての簡易納税制度というのは御理解がいただけるものではないか、こういう考え方に立っておるわけでございます。
#366
○本岡昭次君 そうしたら総理は、税の仕組みを利用してもうけるということは、この消費税が基本的に持っている性格だというふうにおっしゃるわけですか。
#367
○国務大臣(竹下登君) 免税点があり、そうして簡易課税方式があるところに若干の精微さを欠く点はあるということは、私が大蔵大臣を兼務しておりましたときにもお答えをしてきたことでございます。
 その問題は、確かに仕入れ段階における消費税の問題も含まれております。そうしていわゆる事務量の問題等を考えてみますと、やはり価格の中へ今度はコストアップの形で影響が出てくるであろうということを、いずれを選択するかというところでぎりぎり詰めたのがこの問題であるというふうに御理解をいただきたいというふうに思っております。
#368
○本岡昭次君 いや、総理は私の質問にまともに答えていないわけで、私は、消費税というのはこの税の仕組みを利用してもうけることができる税制ですかと尋ねておるんですよ。
#369
○国務大臣(竹下登君) そこのいわゆる税の仕組みの中で一物二価というような問題ではなく、利益がそれぞれによって若干の相違があってきた場合、それをいわゆる所得として計算した場合には、今、村山大蔵大臣から言われた法人税の世界とかあるいは所得税の世界へ入ってまいりますからへ私は、こういう税制を始めるに当たってのスタートの場合、これが議論した上で最も適切な対応である、こういうふうに考えて御提案申し上げ、そして成立させていただいた法律だと、このように考えております。
#370
○本岡昭次君 そうすると、今、私が時間をかけて論議した、税の仕組みを利用して消費者が納めた消費税がそれぞれの各企業の流通段階で五千億円も国に納められないというその問題は、それは私たちが言っているもうけだとか不当利益だとか、そういうものでないとおっしゃるわけですか。
#371
○国務大臣(竹下登君) いわゆる納税事務の煩雑化というものを避けるための手法であって、これが不当利益だとかいう考えには立っておりません。
#372
○本岡昭次君 事務の煩雑さから解放をしてやるというのは、どの事業者を対象にして考えているんですか。
#373
○国務大臣(村山達雄君) 一つは免税事業者でございます。もう一つは簡易納税者、簡易課税の方式をとった納税者でございます。
#374
○本岡昭次君 私の手元にこういう資料があるんです。「消費税額分加算に関する調査について(お願い)お取引先各位」ということで、こういう文書が出ています。「消費税額分を加算してお支払することになりますが、その加算率を算定する為に別紙申告書に必要事項をご記入いただき、二月二十七日まで」連絡してください。そしてここに書かれてあることは、「消費税額分お支払についての具体的な方法は、後日正式にご連絡致しますが、基本的には消費税負担増額分は当社負担とし、貴社にご迷惑をおかけすることはありませんので、念のため」、そしてこういうことが書いてあるんですね。「課税売上高三千万円以下の会社(免税事業者) 仕入れにかかる消費税額分を当社負担とします。A課税売上高三千万円をこえ五億以下の会社(簡易課税業者)(簡易課税方式により算定された消費税額分プラス仕入れにかかる消費税額分)を当社負担とします」、こういうように書いてある。
 これはどういうことかというと、先ほど私がもうけたもうけたと言ったことを全部この上の業者が取り込む手法なんですよ、計算したら。そうでしょう。そして、発生するのは事務の負担軽減だといって中小零細のところで発生させて、それを全部上が吸い取っていく、こういう仕組みを今やろうとしているんですよ。一体、これはそんな簡単な事務負担軽減とかいうものじゃないでしょう。
#375
○国務大臣(村山達雄君) この問題は既に問題になっておりまして、もしそれが任意であればこれは違法とは言えないが、もし強制にわたればこれは大変な問題である。言ってみますと、経済的弱者に対してそれは強制するものである、いわば買いたたきの一種に通ずるんじゃないかというようなことで、もう既に公取とそれから中小企業庁の方から厳重に警告を発しておるということでございます。
#376
○本岡昭次君 なぜこんなことが起こるのかということは、先ほど言ったように、それぞれの事業者によって税というものをその事業の中に取り込むことができるから、それの分捕り合戦が起こっているんじゃないんですか。そうでしょう。そういう点から決定的な致命傷を持った税制だと、私はこういうように思うんです。どうですか。
#377
○国務大臣(村山達雄君) その問題は、先ほどの免税業者なり簡易課税納税義務者、それがもし実際のコストの分、免税者についてはコストの分の負担増を超えて売り上げの三%を全部やった場合、あるいは簡易納税者については正規の場合のマージンと簡易課税によるマージンの差の三%、それをねらって経済力のある者がそれを自分の方の取引に有利に取り込もう、こういうことだろうと思うのでございまして、もちろんこれを設計するに当たりましては、そういうことは初めから見越されているわけでございます。
 ですから我々は、適正な転嫁、過剰転嫁はいけませんよ、それから買いたたきはいけませんよと、こういうことで、総理を本部長とする新税制実施円滑化推進本部で、それらの弊害がないように極力その導入に向けて今一生懸命やっているということでございます。
#378
○本岡昭次君 今言いました五千億円というものが、本来国に納めなければならない消費税が納まらない、それは要するに、その間における事務負担の軽減に充てるんだというふうなことでありますが、しかし考えてみれば、五兆何がしかの税収のうちの、本来入るべきものが五千億円もそこに入っていない。もちろんそれを引いた上での税収だと思いますけれども、消費者の納めた税が一〇%も事務負担の軽減のために使われているというようなことは、これは納得できないでしょう。
 総理、これはどういうふうにして皆さんに具体的に説明なされますか。今言ったようにはっきりしておるでしょう。五千億円なんですよ。全体が五兆でしょう。一〇%も事務負担軽減のための経費が要るような税制って、一体何ですか。
#379
○国務大臣(村山達雄君) しばしば申し上げていますように、この種の税金は日本としては初めて取るところでございます。もし逆に、それらの制度を設けないとしたときには、かなりの事務負担がかかるであろうということは容易に推察できるところでございます。そのことの結果、もし人を一人雇うとかいろんな事務費がかかるといたしますと、消費税ではなくて、その方からのコストアップがやはり大変なことになりはしないか。そういうことをあれこれ試行錯誤いたしまして、今度はこの種の税、要するに付加価値税というものについて税額票控除方式、これは、この前は事務負担が多過ぎるということで決定的な批判を受けたわけでございます。したがいまして、帳簿方式にするとすれば、当然のことでございますけれども免税者から仕入れたものもこれは引かざるを得ない。そういうことになるわけでございますので、そういった意味で、そういった点との調整をあわせて免税点制度を設け、簡易税額制度を設けているのでございます。
 それからもう一つ申し上げますと、これは値決めの問題でございますので、現在でも、先ほど総理がおっしゃいましたビールにいたしましても何にいたしましても、恐らく場所によって値段が違うことは御案内のとおりでございます。この辺は、価格というものはやはり市場原理で大体ならされる、こういうことだろうと思うんです。
 また、委員がおっしゃいました、免税者がすべて自分の売るものについて三%値上げするとも限っていないだろうと思います。今のお話は、全部値上げした場合にはそういうことになるでしょう、こういうことでございますけれども、この辺は価格の競争関係でございますので、隣近所を見ながら値決めをするのではなかろうか。要は、価格現象として競争場裏においてこの消費税の仕組み、それから競争関係から今でもそれぞれ値段を変えているところはあるわけでございますので、そういう中でこの消費税というものがどういうふうに定着していくであろうか、こういう問題であろうと思っておるのでございます。
 ですから、一方では不当利得だというお話もありますし、もう一つは、小さい人は転嫁できないんじゃないかという両方の不安、いろんなことが言われておりますが、それらの問題はさっき言ったようなことでございまして、競争場裏における価格形成がどうなるか、そしてその結果として今度の消費税の事務負担に配慮したものがどのように定着するか、そういうものを見守りながら我々は見直し規定をまた注視してまいりたい、こういうことでございます。
#380
○本岡昭次君 税については総理は初級だとおっしゃるけれども、私はもう全然初任者ですよ。しかし、税というのは、負担する人にとってまた扱う人にとって中立てあり、そして公平であるということが二大原則じゃないですか。そのことが事務負担ということによってゆがめられたこの税制というものは何ですか。
 事務負担というところに重きを置いたばかりに不当利益とかいうふうなものが生まれてきて、その取り合いが起こってくる、消費者は我慢ならぬということになったのじゃないですか。
#381
○国務大臣(村山達雄君) これはやっぱり付加価値税の一種でございますが、一般に中立性というのは、累積にならないという意味で普通使っているわけでございますが、その意味では、帳簿方式であろうが税額票発行方式であろうが、これは累積にはならないことは御案内のとおりでございます。
 ただ、今おっしゃっているところは、納税者の事務負担、特に中小企業者の事務負担に配慮した今度の制度が、場合によると実際のコスト以上の転嫁をするという問題があるかもしれぬ、こういう問題として提起されているわけでございます。それ自身も、厳密に言いますと中立性の観点からどうかという問題もありましょうけれども、我々は、その経済全体に及ぼす影響は比較的少ないのではなかろうか、そういう観点でこの設計をさしていただいているところでございます。
#382
○本岡昭次君 全然納得できませんね、今の論理というのは。
 それで、価格転嫁の問題にしても、法律は、個別の消費に三%を転嫁できるということになるのかと思えば、一括してもよろしいと。店によって、あるものは〇%、あるものは五%、あるものは一〇%でも構わぬというふうな行政指導がなされている。
 この間も新聞に出ておりましたけれども、缶ジュースはそのまま百円で、三%転嫁できなかった分はほかの商品に上積みして、その店全体として三%になったらいいと。こういう話になってきますと、消費者は三%消費税を払っているんじゃなくて、おれの買おうとするものは一体何%なのかというふうなことを一々点検しなければ物を買えないということになるのじゃないですか。そのとき一〇%で買わされている人が、そんなことは不当だと言えることになるんですか、どうですか。
#383
○政府委員(尾崎護君) 消費税は、商品やサービスの種類にかかわりなく一律に三%課税されるものでありますから、消費税導入に伴う値上げの率は、原則として三%になることが望ましいというように考えられます。
 しかしながら、現実の取引におきましては、十円単位未満の端数がつけにくい商品もございますし、また一円単位未満の端数の整理等もございまして、値上げ率が厳密に個々に三%というわけにはいかないということもあろうかと思います。したがいまして、社会的に認められている合理的な値づけや端数処理の結果であれば、しかもその事業全体としておおむね三%ということであれば特に問題とする必要はないというように考えております。
 法の建前そのものは、全体としての売り上げの三%から全体としての仕入れの三%を引くということで、個々個別に計算するということでないことは、委員御承知のとおりでございます。
#384
○本岡昭次君 事業者の立場はいいけれども、最終負担者となる消費者はそれで納得できますかと言っている。どういうふうにして納得させるのか。
#385
○政府委員(尾崎護君) 消費者もいろいろなものを購入するわけでございますから、全体としてやはり三%ぐらいになるということであろうかと思います。法律の仕組み方といたしまして、先ほど申し上げましたように、全体の売り上げ、全体の仕入れから計算するということになっておりまして、個々の一品ごとに三%ということにはなっていないわけでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、消費者等の立場に立ってみますと、個々のものが三%上がる方がわかりやすい話でございますけれども、端数その他の問題がありましてなかなかそのとおりにいかない。そこは全体として非常識なことになっていなければ許されることではないかなというように考えているわけでございます。
 今度の税制改革全体といたしまして、公平中立ということとともに、簡素ということが一つの柱になっているわけでございまして、その公平と簡素というようなことになりますと、時に考え方がぶつかることもあろうかと思いますが、そこは常識的な範囲内でおさまることであれば、若干の精緻さを欠くことがあっても許されることではないかというように考えている次第でございます。
#386
○本岡昭次君 いや、消費税というのは消費者が最終負担で三%を負担するというあの図式がずっと出てきましたわね、川上からずっと川下へかけて。そういうものだと皆思っているんですよ。ところが、実際それが簡素化のために全部崩れてしまって、便宜主義的に扱われてしまっている。そして、さまざまな欠陥を今生み出してきた。これは若干の精微さを欠いたとかいうものじゃないと、私はこう思うんですよ。
 今のやり方というようなものをこのまま四月一日から実施すれば、これはもう大変な混乱になると思いますが、この税金問題で、今のような事柄に対して不当な値上げであるとか、あるいは不当に私は消費税を払わされているとかいったときに、どこか申し立てていくところはあるんですか。
#387
○政府委員(尾崎護君) ただいま新税制の円滑実施のための推進本部が設けられておりまして、各省を挙げてこの問題に取り組んでいるところでございます。
 したがいまして、問題となります点が、あるいは大蔵省でございますとか、あるいは価格の問題で経済企画庁でございますとかあるいは公取の問題でありますとか、いろいろそれぞれに応じまして御相談をいただけるような体制をつくっているところでございます。
#388
○本岡昭次君 さっき示したこういうふうな事態は絶対に起こらぬという保証がありますか。
#389
○政府委員(尾崎護君) そのようなケースが優越的な地位を利用しての押しつけというようなことでございましたら、先ほど大蔵大臣から御答弁申し上げましたように、公正取引委員会の通達も出ていることでございますので、その公取の地方事務所等に御相談いただけたらと存じます。
#390
○本岡昭次君 ちょっと待てよ。今何を言っているか。御相談いただけたらと。何も相談しに行く問題と違うじゃないか。私は、こういうことが起こらないようにやるのかと言っているんだよ。やれるのかと言っているんじゃないか。何を言っているんだよ、本当に。
#391
○国務大臣(三塚博君) ただいまの論議は衆議院の予算委員会でも行われました。
 その際も申し上げたわけでございますが、大蔵大臣が言われましたとおり、公取委員会また中小企業庁ということで万全を期するということにいたしておるわけでありますが、通産大臣といたしまして、強い立場を利用した形でその下請中小企業を圧迫するようなことは断じてあってはならぬ。大企業の倫理、こういう問題もあります。そういう点で、私から再三にわたりまして、本問題がどれだけの案件に相なっておるか、また、本問題は、どういう企業がさようなことを行っておるのか、至急調べ、提出するようにと。また、予算委員会において既に言明をいたしたとおり、断じてあってはならぬと、法律が施行されるに当たりまして火事場泥棒的なことは許せないと、こういうことでやっておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
#392
○本岡昭次君 いや、火事場泥棒は大企業であるとかだれじゃなくて、そういう原因をつくっておるのは税制そのものがその原因をつくっておるんですよ。この税制がなければこんなことは起こらない。税の取り合いをやっているんですよ、不当なもうけを。
 それで、私が言っておるのは、免税業者であり、簡易課税業者のところで発生をして、それを大企業が取り込んでいくという、そういうふうなことを中身に包んだ税制改革なんというものは、これはほんま欠陥上の大欠陥だし、また、こんなことを言ったら怒られるかしらぬけれども、こんなでたらめな税制はないというふうにも思うんですよ。税については一番の権威者であると言っている竹下総理大臣のもとで、こんなでたらめな税制、私のような者が見てもこういうふうなことがすぐわかるようなこんな税制は、四月一日から私は実施すべきでない。あなたの見識においてもこれは見送って、もっと各階層が納得する状況を待つべきである、こう思います。
 総理の答弁をいただきたい。
#393
○国務大臣(竹下登君) それでは逆に考えてみまして、現行の税制がすべての税制に比して公平であるか、こういう議論がございます。やはり経済的には中立てあり、公平、公正、簡素、選択、活力、このものを置いて仕組んだ税制でございます。今の個別物品税等を考えてみたところの不公平性というのが存在しておっても、それが暮らしの中に入ってしまったから、我々は客観的な不公平さを感じつつも、今日なかなか手直しができなかった。
 したがって、新税は、それが国民の暮らしの中に溶け込むまでは、これは新税はことごとく悪税であると言われがちなものである。しかし、国民の暮らしの中にこれが溶け込んでいくならば、私は、大幅所得減税と相まって、税制改革をしてよかったと、これはいつかわかりません、しかしそれを確信して、あとわずかな日にちでございますが、四月一日に向けて円滑実施のためにあらゆる努力を払っていこう、こういう考え方でございます。
#394
○本岡昭次君 最後に私は、これはもう世界の中の最悪の税金であって、弱肉強食、そしてあなたもおっしゃった、現在ある不公平な税制を、さらに不公平を拡大させていく税制であるということで、政府は勇断を持ってこれを中止すべきであるというふうに申し上げて、終わります。
#395
○委員長(初村滝一郎君) 以上で本岡昭次君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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