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1988/06/20 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第4号
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1988/06/20 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第4号

#1
第114回国会 建設委員会 第4号
平成元年六月二十日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     山田  勇君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     松浦 孝治君     石井 一二君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     馬場  富君     中野  明君
     山田  勇君     三治 重信君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         稲村 稔夫君
    理 事
                井上  孝君
                沓掛 哲男君
                志村 哲良君
                赤桐  操君
    委 員
                石井 一二君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                高橋 清孝君
                青木 薪次君
                中野  明君
                上田耕一郎君
                三治 重信君
                青木  茂君
   国務大臣
       建 設 大 臣  野田  毅君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  野中 英二君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     松野 一博君
       北海道開発庁予
       算課長      筑紫 勝麿君
       国土庁長官官房
       長        公文  宏君
       国土庁長官官房
       水資源部長    大河原 満君
       国土庁計画・調
       整局長      長瀬 要石君
       国土庁土地局長  片桐 久雄君
       国土庁土地局次
       長
       兼内閣審議官   藤原 良一君
       国土庁大都市圏
       整備局長     北村廣太郎君
       運輸省地域交通
       局長       阿部 雅昭君
       建設大臣官房長  牧野  徹君
       建設大臣官房総
       務審議官     木内 啓介君
       建設省建設経済
       局長       望月 薫雄君
       建設省都市局長  真嶋 一男君
       建設省河川局長  萩原 兼脩君
       建設省道路局長  三谷  浩君
       建設省住宅局長  伊藤 茂史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       大蔵大臣官房参
       事官       沖津 武晴君
       大蔵省主計局主
       計官       伏屋 和彦君
       大蔵大臣官房企
       画官       東  正和君
       厚生省社会局更
       正課長      福山 嘉照君
   参考人
       水資源開発公団
       総裁       高秀 秀信君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○水資源開発公団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○民間都市開発の推進に関する特別措置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (平成元年度建設省、国土庁及び北海道開発庁
 の予算に関する件)
 (住宅供給対策に関する件)
 (土地対策に関する件)
 (地価対策に関する件)
 (土地税制に関する件)
 (不動産に対する融資に関する件)
 (内部障害者の有料道路料金割引問題に関する
 件)
○大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一
 体的推進に関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(稲村稔夫君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君が退任されました。
 また、十七日、松浦孝治君が委員を辞任され、その補欠として石井一二君が選任されました。
 また、昨十九日、馬場富君及び山田勇君が委員を辞任され、その補欠として中野明君及び三治重信君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(稲村稔夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水資源開発公団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、水資源開発公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(稲村稔夫君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案及び民間都市開発の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 前回両案の趣旨説明は聴取いたしておりますので、これより両案の質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○赤桐操君 今回の水資源開発公団法改正案、民間都市開発機構改正案、これらはいずれもNTT−A型資金の活用を前提としているものであります。したがって私は、NTT株式の売却益を活用する法案でございまするから、まずNTT株式の状況について若干大前提として伺っておきたいと思います。
 このNTT株の売却益による利用の問題については、これは先般の法律によって定められたわけでありますが、その趣旨としては、内需の拡大によるところの対外不均衡の是正、さらに地域の活性化あるいは社会資本の整備促進、これらを図るために創設されたわけでございます。したがって、これにはA、B、Cいろいろありますが、特に無利子貸付制度については六十二年度にスタートを切っておる、こういう状況でありまして、最近は大分この資金の運用が軌道に乗ってきているようでありまするし、受け入れ側の体制も整備されてきているということでかなりの需要が高まってきておるように思います。
 そこで、建設省、国土庁関係の制度発足以来の貸付予算額と貸付実績をAタイプ、Bタイプ、Cタイプの三つに分けた報告をひとつ願いたいと思います。
#7
○政府委員(牧野徹君) 若干数字にわたって恐縮ですが、まず、ただいま先生お話しのとおり、NTT売却益は六十二年度の補正予算から始まったわけでございます。六十二年度の補正で建設省関係申し上げますと、Aタイプは八十三億でございます。それからBタイプは二千七百二十七億でございます。それから六十三年度の当初予算で申し上げますと、Aタイプは千十五億でございます。それからBタイプは七千三百六十四億でございます。
 そこで、それの使用実績ということでございましたが、実はBタイプは言ってみれば、俗に言えば補助金と同様に使えるということでございますので、これはもう完璧にすべて消化をいたしております。ただ、Aタイプにつきましては、直接間接の開発利益によって償還していくというタイプであること、非常に今までにないようなものでございますので、実は六十二年度の補正があった後、八十三億でございましたが、なかなか消化ができませんでした。が、この六十三年度に入りましてほとんどすべてこれは契約済みになっております。
 それから六十三年度の千十五億についてでございますが、これにつきましても、額が飛躍的にふえたこともございますが、六十三年度に新しくその使い道を考えたものに係る予算が大部分でございますので、六十三年度末におきましては四六%程度の消化になっておりますが、これも平成元年度に入りまして、鋭意消化するように努力し、そういう方向に向かっておるところでございます。
#8
○赤桐操君 いずれにしても大分需要が高まってきておるわけでありますが、そういう一般の情勢の中で今回この二法が提案されたわけであります。
 問題は、このNTT株の総数が千五百六十万株あるわけでありますが、この中で今まで売却された株数、これをひとつ年度別に明らかにしてもらいたいと思います。それから二つ目は、今後の売却の見込み、こういうものについてお願いをしたいと思います。
#9
○説明員(沖津武晴君) お答え申し上げます。
 売却の実績でございますが、六十一年度に百九十五万株、六十二年度に同じく百九十五万株、六十三年度に百五十万株、合わせて五百四十万株売却してございます。
 今後の売却計画でございますが、平成元年度につきましては、先ほど予算で百九十五万株の御授権をいただいたところでございます。その限度内で金融・証券市場の動向、国債整理基金の資金繰り、あるいはNTT株式が貴重な国有財産であること等を勘案して、売却量につきましては慎重に検討してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#10
○赤桐操君 今の御答弁ですと、元年度も百九十五万株を売却する、こういうように理解していいんですか。
#11
○説明員(沖津武晴君) 予算で御授権いただきました百九十五万株につきましては、あくまでこれは法律的な性格といたしましては上限ということでございます。その範囲内で、先ほど申し上げた種々の事情を勘案して慎重にこれから検討してまいる、そういう状況でございます。
#12
○赤桐操君 その次に、放出価格の予算上の株価の見込みでありますが、今までの経過の中で大変高くなったり安くなったりしてきている。この間の状況の御説明を願いたいと思います。
#13
○説明員(沖津武晴君) お答えいたします。
 まず、平成元年度における予算の計上の方法でございますが、これは予算編成直近一カ月の数字をとりまして、これは全くの仮置きでございますが、百八十一万円という価格に、売却量の上限であります百九十五万株を掛けまして、それにいわゆる安全率の〇・八を掛けまして、二兆八千二百三十六億円というものを予算に計上さしていただいているわけでございます。
 次に、株価の推移についてお尋ねがございました。六十一年の二月に上場したわけでございますが、上場価格は、上場時の売却初値は百六十万円ということでございました。その後同年の五月に三百十二万という最高値をつけたところでございます。六十二年度の売却は二百五十五万で、六十二年の十一月に行われてございます。六十三年度売却は、六十三年の十月に百九十万という価格で行われております。最近価格は、けさほど価格を見てまいりましたが、百四十六万円ということでございました。
#14
○赤桐操君 大分NTT株式の株価が低迷をしているようですね。それで、この低迷の状態についてどういうように理解をしたらいいんでしょうか。特に、今お話しのけさの状況で百四十六万、こうなっているわけですね。一時から見たら二分の一以下になってしまっているわけですね。これは一体どういうことなのかということです。
#15
○説明員(沖津武晴君) お答え申し上げます。
 NTT株式を含めまして個別の株式の銘柄の価格というものは、御高承のとおり、その企業の決算や潜在的な成長性あるいは一般的な人気度と申すようなもの、それと市場全体の動向など種々の要因に基づきまして、あくまで市場における需給関係で形成されるものでございます。したがって、その株価につきまして私どもの方からコメントするということは差し控えさしていただくということで御了解いただければというふうに存ずる次第でございます。
#16
○赤桐操君 あなたの方は、少なくともこれはNTTの株ですよ、普通の民間の株じゃないんです、それはやはり理由はちゃんと把握しておられると思うんですがね。こういう席上で私どもの公式の質問なんですから、大蔵省の見解はこうでございますとはっきり言うべきじゃないでしょうか。もう一遍お尋ねしたいと思います。
#17
○説明員(沖津武晴君) いろいろな機会にNTTの株価の現在の状況につきまして御議論いただいているということは私どもよく承知しておりますし、私どもなりに勉強しておりますし、今後もそのような勉強を怠ってはならないというふうに感じているのでございますが、売り出し人でもあり、大蔵省という私どもの立場からいたしまして、個別のどのような具体的な要因が株価に影響を与えているかということを申し上げさしていただくことは、やはり予断を与えるといったようなこともございますので、従来から具体的なことはコメントすることは差し控えさしていただくということでお許しいただいているというふうなことでございます。重ねてのお尋ねでございますが、そのようなことで御理解賜りますようお願い申し上げます。
#18
○赤桐操君 余り理解できないんだけれども、株価の低迷の大きな理由の一つに、私どもがいろいろ聞くところによると、真藤前会長を中心とするNTTとリクルートの関係にあるんだ、これは何といっても第一番の理由だということを私聞いたんですよ。
 そこでいろいろ調べてみたんですが、なるほどこの問題が発生した当時の状況を見るとダウンし始めているんですね。昨年の大体半ば過ぎから、この事件が発生したころから、秋口からことしにかけての状態はずっと低迷をしてきております。特にその下がりぐあいが激しい、こういうように実は見るんですが、これはどうお考えになりますか。
#19
○説明員(沖津武晴君) なかなか難しい御質問で、そのようなことに私どもが答えるべき能力があるかどうかなかなか難しゅうございますが、先ほど申し上げたようなことでございますのですが、あのようなことがあった後、NTTにおかれましても、企業再建と申しますか、そのようなことに懸命に取り組んでおられるというふうに伺っておりますので、私どもの立場としてもそのようなことで期待している、そういったことでございます。
#20
○赤桐操君 私は、少なくとも大変重大な問題だと思うんですよ。順調な足取りを続けてきた状態が一挙に半分以下に下がるんですから、ただごとではないと思うんですね。しかも、これは大きな期待の中でこのNTT株の扱いについては法律の制定を行ってきているわけです。私も大蔵委員会でこれを扱った一人ですからよく承知しております。そういう経過の中で幾ばくもないうちにこういう事態が発生しているわけですから、原因ははっきりと究明をして早く正さないと上向きにならないでしょう。これは国としても国民に対して大変な損失を与えることになるのですから、このまま放置して、私どもがいろんな理由を申し上げる段階ではないと、こう言って済まされる段階じゃもはやないんじゃないだろうか、こういうふうに私は思うんです。
 そこで、今後一体この問題はなお尾を引くと見るのですか。それともぼつぼつこの辺で事態収拾に入れるのかどうなのか。株価に対する影響はもうなくなるんだろうかどうなのか。私はこのリクルート問題との兼ね合いが大変大きな影響をもたらした、こういうふうに判断をしている一人なんですけれども、これはどう大蔵省は考えておりますか。
#21
○説明員(沖津武晴君) 大変難しい御質問でございますが、NTTは民営化されたわけでございますので、株主に対する責任というものは基本的には民営化されたNTTが真剣に取り組むべき問題でございますし、またそのように努力をされているというふうに承知しております。私どもも、売り出し人の立場からそのような御努力を十分見守っていきたい、このように思っているところでございます。
#22
○赤桐操君 これはNTTだけの責任じゃなくて、この株は大蔵省が実は大きな比重を持たなければならぬ立場にあるんじゃないですか、参事官。NTTの責任ばかりとは言えませんよ、少なくともこの問題は。NTTの職員や幹部だけがいかに努力しても、その努力の外にある問題だと私は考える。そうだとすれば、本問題に対しては大蔵省や政府が積極的に乗り出していって解決しなければこの解決はできないと思うんです。
 これは大蔵省あるいは政府関係はどうお考えになっておりますか。建設大臣のお考えを伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(野田毅君) 今大蔵省からお答え申し上げておりますとおり、基本的には、NTTの株価の形成というのが、先ほど来話がありましたように、そういういろいろな市場の情勢であったり、あるいはNTTという会社に対する人気度あるいは将来性、経営が今後どのようになっていくだろうか、そういった事柄が、総合的な評価が下されての株価形成になっておるだろうと思います。
 そういった点で、国も大株主でありますから、NTTという会社が今後の経営方針についても信頼性を高め、それにふさわしい評価を受けていくということが当然望ましいということは言えると思います。それ以上私の立場においてどうのこうのということまで申し上げるのはいかがかとは思いますが、我々国民からそういう信頼される会社として、堂々たる企業経営をやっていってもらいたい。そのことが株価にも反映されていくのではないかということを期待をいたしております。
#24
○赤桐操君 大臣としてはそういうような御答弁になると思うんですけれども、ここに大蔵大臣いるわけじゃありませんから、政府を代表する立場になれば建設大臣なんですよね。私は今の答弁だけでは納得できないんです。
 これはNTTの努力の外の問題ですよ、私に言わせれば。どんなにNTTの職員が頑張ってみたって、幹部がどんなに頑張ってみたって、この問題との兼ね合いをきれいに整理するということはできないと思います。これはやはり政府が本気になって乗り出していって整理しなければ、あるいは大蔵大臣、建設大臣が一緒になってやるぐらいの勢いでなければ、政府が乗り出さなければ私は解決できない問題だと思うんです。ですから、お互いにこれを逃げるというようなやり方ではなくて、積極、能動的に事態収拾に入らなければNTTの株はもっと下がりますよ。私はそう思う。
 この問題だけがすべてではもちろんありませんよ。今大臣おっしゃるとおり、いろんな条件が加味されて市場の相場というものは形成されると思います。しかし、この問題を契機として下がり始めたことは間違いないし、下がったものは上がらないんですから。ますます下がってきているんです。これはやはり少なくともNTTというものに対する評価が下がっている、こういうように理解しなきゃならぬわけなんです。
 これらの問題についてひとつもう一遍お考えを伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(野田毅君) これは、どの役所がどうということじゃなくて、先ほど申し上げましたとおり、主体的には、一応民営化された株式会社ということでありますから、その経営の責任ということは経営陣がしっかりと肝に銘じてやってもらわなきゃなりませんが、また同時に、これは単に大蔵、建設ということだけじゃなく、いろんな通信問題全体の枠組みの中でやっていかなければいけない。あるいはまた、現在日米関係でもいろいろ話が出ておりますように、そういうNTTの業務そのものの将来性、いろんな角度からこれは官民挙げて、せっかく民営化してスタートいたしましたNTTという会社が、そういう社会的にすばらしい業績を期待できる、そういう会社につくり上げていくということが大事なことであると心得ております。
#26
○赤桐操君 なるほどNTTは社長以下みんなおるわけですから、これは会社でありますから、一応そういうお考えは正しいと思いますけれども、しかし株主の一番大きいのは国ですよ、この中で。三分の一以上を大蔵省が現在持っているわけです。国が持っておるわけでしょう。今まで売りさばかれた状況というのは今報告があった程度でありまして、大部分残っちゃっているわけで、そういう状況から考えてみるならば、少なくとも国民のこれだけの財産をいろいろ扱うという立場にある以上は、国の責任というものを回避することはできない。これはNTTの責任でございます、こういう言い方は私は通らないと思うんですが、いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(野田毅君) 先ほど申し上げましたように、基本的、主体的にはもちろんその経営陣の方々が肝に銘じてやってもらわなきゃなりませんが、あわせて国の政策全体の枠組みの中で、NTTがそういう経営努力を積み重ねていくということが、その成果が上がるような枠組みを全体の政策の中でやっていかなければいけない。また、しかし一方で、同じ情報通信関係の企業でほかにもいろんな会社があるわけでありますから、NTTだけに着目したやり方ということもまた別の角度から見ればいろいろと考えなければならぬ部分もあるだろうと思います。
 そういう総合的な政策、経済政策なり情報通信なり、いろんな枠組みの中でやっていかなければいけないと思います。
#28
○赤桐操君 いずれにしても、国がこの問題については大変大きな責任を負う立場にあるということを重ねて私は申し上げるし、NTTだけで解決できる問題でもない、こう思いますから、これは政府においてひとつ考えをまとめていただいて、適切なる判断と対策を樹立していただくことを要望しておきたいと思います。
 それから二つ目に、私のちょっと考え方を申し上げたいと思うのでありますが、低迷の理由には世上こういうことが言われておるんです。株主の優遇策がほとんど考えられていない、そういう批判が大分あるようであります。具体的に言うと、増資、増配がない、こういうように聞いておりますが、この点については大蔵省はどうお考えになっておりますか。
#29
○説明員(沖津武晴君) お答え申し上げます。
 NTTにつきまして、増資、増配あるいは株主へのテレホンカードの配布等、広い意味での株主優遇策が行われるべきじゃないかというふうな議論がございますことは私ども承知しております。
 株主優遇策につきましては、政府保有株式の売却を円滑に進めていくという私どもの立場からいたしましても重大な関心を持っておるところでございますが、先ほど来申し上げておりますように、そのような株主との関係というものは、基本的にはNTTがその経営状況、あるいは具体的に申し上げれば、経営状態に照らして増資の適否あるいは他の公益企業との対比等における増配の可否等、会社のお立場からして判断されるのが基本的に第一義であろう、こういうふうに考えているわけでございます。
#30
○赤桐操君 どうもわからない。そこのところもう一遍。
#31
○説明員(沖津武晴君) 先生から御指摘のございましたように、増配につきましては、NTTは公益企業でございますので、他の公益企業は大体一割配当しているわけでございます。それとの対比において、一割以上の配当をすることが可能か、あるいは適当か、これはあるいは私どもというより郵政省の問題でもあるわけでございますが、そういった御判断、あるいは増資をする場合に増資をするような会社の状況にあるかどうか、そういう経営上の判断でございますので、そのようなことは基本的には民営化されたNTTがその経営状況等にかんがみて御判断されるべきことであろう、このように思う次第でございます。
#32
○赤桐操君 増資してもいいというふうな判断をNTTが持てば大蔵省はオーケーと、こういうことになりますか。
#33
○説明員(沖津武晴君) なかなか仮定の問題でお答えしにくい話でございますが、いずれにせよ、NTTとは、株主あるいは売り出しの立場から十分御相談、御連絡というものはしていかなければならないというふうに考えております。
#34
○赤桐操君 何といっても一番の大株主なんですから、その大株主がうんと言わなければこれはできないと思うんです。そういう意味でひとつこれは検討すべき内容ではないでしょうか。これもやはりNTT株の人気の一つをつくり上げていると思いますよ、実際問題として。何もかもがんじがらめになっていればだんだん魅力なくなってくると思うんです。まして真藤さんのような問題が発生すれば、これはもういささか離れるでしょうね、一般の人たちは。そこへもっていって、一般の民営といったって名ばかりの民営であっては、がんじがらめで押さえられちゃったというんじゃこれは話にならない。これはひとつやはり積極的に考えるべき問題じゃないでしょうか。これが一つ。
 それから、これは新聞に最近出ておりまして、海外の投資家から、NTT株式の保有を外国人に解禁せよという声が大分高まってきている。九日の宇野総理大臣の談話が出ておるのでありますが、今後の通信政策やNTTの組織のあり方を踏まえて取り組むべき問題である、こういうように幅広い見解を表明しているようであります。要するに、これからひとつ前向きで海外の投資家に対する門戸を開こうと、こういうことだろうと思うのでありますが、大蔵省はどう考えていらっしゃいますか。
#35
○説明員(沖津武晴君) お答え申し上げます。
 御高承のように、日本電信電話株式会社法第四条によりまして、いわゆる外国人、外国法人等によるNTT株式の所有は禁止されているところでございます。大蔵省の立場はというお尋ねでございますが、本件に関しましては、外国人投資家等において規制を緩和し、NTT株式投資を行い得る道を開いてほしいという声は私どももっとに伺っているところでございます。外国人保有規制の緩和がなされれば、NTTの株式の売却、NTT株式の円滑な売却を行っていくという上で私どもはプラスになる、このように考えている次第でございます。
 いずれにしても、日本電信電話株式会社法を所管しておられます郵政省が関係者の意見を聞かれ、それらを総合勘案しつつ今後検討される事項と思っておりますが、私どもも郵政省と御相談してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#36
○赤桐操君 重ねて伺いますが、新聞の報道しか私は見ておりませんからわかりませんが、ただ、郵政省は電気通信事業の公共性を重視する観点から消極的で、政府部内の意見が分かれておる、こういうようにここには出ております。これは六月十日の新聞に出ておったわけでありますが、九日の衆議院本会議での答弁をめぐっての話のようであります。
 そういう状況のようでありますので、ここで大蔵省と郵政省の考え方に違いがあるのかどうなのか、政府部内ではこういうことについては論議されているのかどうなのか、この辺ちょっと大臣に伺いたいと思います。
#37
○説明員(沖津武晴君) 私からお答えさしていただくことをお許しいただきたいと思います。
 私どもを含めまして政府部内に対しまして、外国人投資家等から、NTT株式の外人保有規制の緩和につきましては要望が伝えられているところでございます。私どもの方から郵政省に対しましてもいろいろ御相談もしているところでございます。郵政省のお立場は、私の方から申し上げることはいかがかと思いますが、私どもの理解しておりますところでは、郵政省は通信政策全体との関連において総合的に検討したいと、こういうふうにおっしゃっているというふうに理解しております。
#38
○赤桐操君 もう一遍重ねて参事官に伺いますが、そうすると郵政の方でもかなり今検討が進んでいるんですか。きょう本当はここへ郵政関係来てもらえば一番よかったのでありますが、ちょっと間に合わなかったので、あなたに郵政省のことまで伺うのはどうかと思うけれども、まあ大蔵省ですからやっぱりあなたがかわってひとつ、ついでにというと語弊があるけれども、折衝は重ねてきているんでしょうから、ぐあいぐらいはお話しできるでしょう。
#39
○説明員(沖津武晴君) なかなか難しい御質問でございますが、郵政省としては、先ほど申し上げたように、問題の所在というものは当然御了解の上、先ほど申し上げたような観点から御検討をしておられるというふうに理解しております。
#40
○赤桐操君 いずれにしましても、この問題にいたしましても、それからさきの増資、増配の問題等にいたしましても、その前のリクルート関係の問題にいたしましても、いずれもやはりNTTの評価というものをあらわしていると思うんです。
 そういう意味で、先ほど建設大臣からのお話の中にも、市場の評価は総合的なものだ、こういうことを言っておりますが、まさにそのとおりだと思うのであります。例えば外国の投資家がどんどんこれをねらってくるようなことになって売れることになればもっと値上りすると思います。値上げすることが私たちの目的ではありませんが、やっぱり評判が悪いから下がってくるんでしょうから、そういう評判は除去していくべきでしょうから、そういう意味でこうしたものについても前向きの態勢をとるべきだ、一般の株式の状態と同じような形に早くもっていくべきだろう、こういうふうに思うのであります。したがって、政府部内においても、この新聞やそういうのを見るとそれぞれの立場があるようでありますが、総理も本会議席上で述べておられるわけでありますから、これはひとつ前向きで政府の方針として進めていただくべきだろうと思うんです。
 次に、NTT株式の株価の低迷がこのように続いておるということについて私は大変いろいろな角度から意見も申し上げてきておるわけでありますが、村山大蔵大臣の再任後における記者会見の中で、本年度に予定している第四次放出については見送らざるを得ない、こういうことを示唆しているように思うんです。国民の財産であるので処
分には慎重でなければならないと述べ、株価低迷が続けば今秋に予定していた第四次放出を見送るとの考えを強く示唆した、こういうぐあいに蔵相の見解が出ているわけであります。こういうぐあいに将来なってくることになりますと、一体本年度以降の無利子貸付制度の原資は一体どういうようなことになるのだろうか、今後の見通しは一体どういうことになるか、こういうことになりますね。これをひとつ経過を含めて明確にお示し願いたいと思います。
#41
○説明員(沖津武晴君) 直接先生のお尋ねとやや外れるかもしれませんが、先生が最初におっしゃった大臣の御発言につきまして、私どもの承知している範囲のことで御説明さしていただくことをお許しいただきたいと思います。
 先生の言及されました新聞等につきましては私どももちろん拝見しているわけでございますが、大臣が御発言になりました大蔵委員会の議事録等を私ども拝見いたしますと、大臣のお考えを私どもの立場で勝手に要約することは大変潜越でございますのですが、NTT株式が貴重な国民財産であることにかんがみて、慎重にこれから検討していかなければならないということをおっしゃっているということとして、そのようなことで議事録は理解ざれるというふうに考えております。
#42
○赤桐操君 私が今お話ししたのはそこらのいいかげんな新聞に出ている内容じゃないですよ。村山蔵相が三日、日本経済新聞とのインタビューで話した内容です。日経が報道している内容なんだ。もう一遍申し上げましょうか。「日本電信電話(NTT)の政府保有株の元年度売却については」、国民の財産なので「「処分には慎重でなければならない」と述べ、株価低迷が続けば、今秋に予定していた第四次放出を見送るとの考えを強く示唆した。」と、こう出ているんです。だから私は、これは第四次は見送る腹だな、こういうように理解したし、国民の多くの皆さん方もそういうふうに受けとめているんじゃないでしょうか。
 まあ予算委員会で答弁された内容がそうあるとすれば、それが大臣の公式の見解かもしれないけれども、日経に対するインタビューで言ったことも公式な見解でしょう。そこでこういうふうに出ている。別にこれは訂正の記事は出ていませんから間違いないと思うんです。そういうことです、私が今言わんとするところは。だとすれば、第四次以降、これから将来のことはどうなりますか。きょうここでもって二つの法案を可決決定していよいよ始まる段階になったところが、金がなくなりましたということではこれは話にならない。だから私は念のために聞いている、一体これはどういうことになりますかと。
 大蔵大臣がこういうことを言っているということは重大な問題じゃありませんか。NTTの売却益を裏づけてこの二つの法律は運用されているものです。その大前提がなくなっちゃったら見通し困難だ、霧の中に隠れてしまうということになったんでは、この法律を制定する意義がなくなるんじゃありませんか、こういうように考える。だからこの大臣の発言は大きな問題ではありませんかと、こう言ってあなたに伺ったわけですがね。
#43
○説明員(沖津武晴君) お答え申し上げます。
 先生の言及されました新聞記事はもちろん私どもも拝見しておりますところです。大臣の記者会見、新聞社の方はそれなりのお考えで要約され、見出しをつけられておられるところでございまして、それについて私どもがちょうちょうするつもりはございませんのですが、あるいは余計なことであったかもしれませんが、大蔵委員会で大臣が述べられたこと、議事録という格好で残っておりますので、御参考までにと思いまして申し上げたまでのことでございます。御了解いただければと思います。
#44
○赤桐操君 大蔵省からいただいている資料、大変詳細な資料をいただいておるわけであります。その資料に基づいて今いろいろ頭をひねりながら見ているわけなんです。これはけさいただきましたので、私の方でもちょっと十分じゃないんですが、定率繰り入れの表がありますけれども、それから今後の見通しというか、これから平成三年度までの状態を見るというと、ずっと一兆三千億ずつこれが入るようになっているんですね。入るようになっているということではないようだけれども、一応ここに出ていることは間違いない。しかも、財政の中期展望という中に入っている数字ですから、我々としてはこれはやはり中期展望の中の一つのきちっとした考え方に立っているんだな、こう判断せざるを得ないわけでありますが、それが一兆三千億ずつ平成三年度まで続くことになっているわけです。
 この売却の全部のあれはまだ、この状態でいくというと、三分の一を残して全部売り終わるということになるんですか。これはどういうことになりますか。
#45
○説明員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 先生今御質問されましたように、この中期展望は政府の方から国会へ提出申し上げております資料でございますが、そこでは、現在政府が保有している株式のうち、三分の一を残して売却するという機械的に一応計算をいたしまして、かつ無利子貸付事業の方も機械的に計算して計上さしていただいているものでございます。
#46
○赤桐操君 大蔵省の方の言い分はわかりますが、中期展望ということでせっかく国会へ出してもらっているんですから、私の方は一応やっぱりこれを基準にして考えざるを得ないし、こういうようにいってもらいたいということで期待をするわけです、結局は。
 だから、そうなってくるというと、今だんだん値が下がってくるということは大変困ることなんであって、このとおりいかなくなってしまう、こういう意味でいろいろ気をもみながら今質問しているわけなんです。要するに、今後のNTT株の状態を見ると先細りの感がある、今の審議官の説明も余り自信と確信に満ちた説明ではないようなので。そうすると金がなくなってしまうんじゃないだろうか、こういうように実は危惧をするわけであります。
 せっかく今これだけ時間をかげながらみんなで論議して法律を通す、決定することになると思うんですけれども、その後金がなくなるんじゃこれは話にならない。これは一体大蔵省の考え方としてはどういうように処理しますか。これは大蔵の影響になりますね。そういうことになるでしょう、NTTから金が出ませんから。でき上がった法律について、約束したその金額は出せませんというわけにはいかないでしょうから、これはどういうことになるか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。
#47
○説明員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 御質問のNTTの無利子貸付事業といいますのは、御承知のように、NTTのまさに株式売り払い収入を国債の償還財源に充てるという基本原則は維持しているわけでございます。一方、当面、これは国民の共有の貴重な財産である、資産であるという考え方に立ちまして、国債整理基金の円滑な運営に支障を生じない範囲内で売り払い収入の一部を活用して内需拡大の要請にこたえ、社会資本の整備に充てるという制度がつくられているわけでございます。
 先生御質問の今後のNTT株式の売却は、まさに先ほど大蔵省の方から御答弁申し上げましたように、今後の株価の動向等を見きわめながら慎重な検討が必要であるわけでございますが、御指摘のように、無利子貸付制度はこれを財源としているわけでございますので、その財源が今後どうなるかということでございますが、今後という面で、まず元年度と二年度以降に分けて考えますと、平成元年度に必要な財源につきましては、これは既にもう六十三年度末に確保されておるわけでございます。したがいまして、元年度中においては、この株式の売却のいかんにかかわらずNTT無利子貸付制度の財源はあるということでございます。二年度以降につきましては、これはまさに先ほどのお話のように今後慎重に検討していくということで、またその財源につきましても、元年度の売却の状況を踏まえながら平成二年度予算編成過程で検討していく問題であると考えております。
#48
○赤桐操君 というような経過であるとすると、建設大臣、国土庁長官、両大臣としては、このきょう出されている法律をつくってみたところで一年だけしか使えなくなるんですよ。先に延ばすと言っているんだ。金がなくなるわけだ。この点については両大臣はどのようにお考えになっていますか。
#49
○国務大臣(野田毅君) 今大蔵省からも御答弁申し上げておりましたけれども、今年度中の株式の売り払いについて今慎重に御検討いただいておるわけでありまして、その上で来年度以降の予算編成をどうしていくかということでありますが、我我は第一の前提は、本年度の予算でお認めをいただきました株式についての売却が行われるという前提でまず第一に考えていきたいし、やはりそういう長期的な事柄を頭に置いておるということが一つであります。それから、そういう途中のいろいろな経済事情の変化等によってどういうことになりますか、あるいは将来的にこれも有限のものでありますから、もちろんいつまでもNTTの株式の売り払い収入ということだけを当て込んで未来永劫続くものではないということも十分認識をしております。
 したがって、我々少なくとも社会資本の整備を計画的に着実に実施していかなければいけない、その任務を負っております立場といたしましては、そういう社会資本整備のための計画的な実施のための財源、この確保についてはいろんな形で我々もいろんな努力を積み重ねていかなければいけないと思っております。ただ、それが具体的にどのような財源で裏づけをしてもらえるか、これはやはりその都度その都度のまた予算編成の過程において大蔵省とも折衝していかなければならない事柄であると心得ております。
#50
○国務大臣(野中英二君) ただいま委員の方から大蔵省に対して御質問がありました件につきましては、大変傾聴に値すると思っております。しかし、国土庁の立場からまいりますと、行政の継続性、そして国民ニーズにこたえていかなきゃならぬ、こういうことでございますから、あらゆる努力をしながら継続をしていきたい、こう思っているわけでございます。さようなことで御了承願いたいと思うわけでございます。
#51
○赤桐操君 私は、大蔵の事務当局の答弁としてはもう限界に来ていると思いますから、これ以上伺ってもしようがないと思いますが、いずれにしても、政府としては、金がない、将来見通しがないような法律をつくったってしようがないと思うんですよ。つくる以上はその裏づけをつくっておかなきゃ意味がないと思うんです。そういう意味で、もうちょっとやはり責任のある形が答弁として出てこなければおかしいんじゃないですか、こういったものの審議については。財源がないところに論議はないですよ。それは無責任ですよ。あらゆる限りの努力するといったって、そんなものは答弁にならないと思いますよ、大臣。
 こういう具体的なものが将来展望されますから、NTTの株の売却益がなくなっても心配ございませんと。どだいこれは平成三年度で終わりになるんですから。もっともあとまだ保有株がございますから、それを何年か売っていけばできないことはないと思いますけれども、それにしても限度があると思いますね。これが将来継続していくとするならば、一体そのほかにどういう財源を求めていくかということぐらいは、無論検討されていると思いますけれども、ここでやはり明らかにされるべきじゃないんですかね。
 NTTの株というものには限度があることは最初からお互いにわかっているんです。しかし、これは大変貴重な財源であるから、ぜひひとつこれは有効に使おうということでAタイプ、Bタイプ、Cタイプの使途方式ができ上がったと思うんです。とするならば、これはもう限度があることはわかっているわけなんですから、その後をどうするか、こういうことについて当然検討がなされておるべきだと思います。きょうそういう質問が出ることくらいはおわかりだろうと思うんですけれども、それに対する答えが準備されていないということは少し政府としては責任上の問題がありゃしませんか、こういうことなんですがね。
#52
○国務大臣(野中英二君) 先生のおっしゃるとおり、このNTTの資金というものは有限なものであります。しかしながら、事業は継続してやっていかなければならない。そこで資金的な面を考えますと、これは回収されてくる金でございます。ですから、この金を転がしていくことによってNTTの資金が枯渇した場合にはやっていける、さように考えておるわけでございます。
#53
○赤桐操君 ちょっとおかしいところがあるように思います。回転するとか転がすとかと言ったって、四年度はもうないんです。それから、この放出をやらなければ二年度の予算はとれないんですよ。二年、三年はもうなくなるんです。村山大蔵大臣の言うとおり、これを放出しないということになれば当然そうなりますから、これは大臣ちょっと話がおかしいと思うんですよ。
 いずれにしても、将来展望の中でそれではNTT株以外の財源について何か本格的に検討しているものはないのか、こう言って今私は伺っているわけですから、問題はその御答弁をいただけるかどうかなんですよ。
#54
○説明員(伏屋和彦君) 財源についての先生のお話でございますので、失礼とは存じますが私から一般論として申し上げさせていただきたいと思います。
 仮にNTT株式売却収入が何らかの形でなくなった場合におきましても、今回の法律も含めまして、無利子貸付制度が目指しております地域の発展とか開発等の目的が図られるよう一方では留意してまいらなければならないと考えております。しかしながら、他方で先生御指摘のように財源問題があるわけでございますので、その点は財源問題も含めました本制度の具体的な取り扱いを、現段階では、その時点における経済情勢とか財政状況等を総合勘案して検討しますという答弁でお許しいただきたいと思います。
#55
○赤桐操君 ちょっと私は大蔵省の方に伺いたいと思いますが、今資金運用部資金は全体でどのくらいあるのか、そしてこういうものに回す余裕はあるのかないのか、これをちょっと伺っておきたいと思うんです。余り細かいことは要りませんから、概略でいいです。
#56
○説明員(沖津武晴君) 私、理財局の参事官でございますが、担当の者が参っておらないものでございますから、不正確な数字ではかえって失礼かと思いますので、お許しいただきたいと思います。
#57
○赤桐操君 大体今全部で二百兆くらいあるんじゃないかと思うんです。私もちょっと離れておりますから最近余り細かなことはわかりませんが。としますと、この資金運用部資金というのは、戦後の四十年間の経過を考えてみると、いろいろやはりこういった社会資本の問題や何かが必要なときにかなり大きな役割を果たしてきている。特に戦後の復興、これは産業基盤の整備に比重を持ったと思いますし、その後のオイルショックやいろんな変化がありましたが、そうしたものから日本が脱却できたことに対しても私は大きな力があったと思うんです。さらに、最近では生活基盤への投資がかなり大きな比重を占めてきているように思っております。
 そういう意味からするならば、例えばここに求められているような財源であるとか、あるいは建設省がやっております第一義的な住宅政策に使うとか、そういうのは当然対象になってくると思うんです。だから、この金がかなりいろいろ政府関係の金融機関を通じて貸し出されておりますが、率直に言って、整理すべきものは整理しながら、合理化というのはそういう方面にも私はやるべきだと思うんです。これは大蔵省は余りやりませんが、もうそれはやるべきだと思うんです。そして、整理して余るものは早く余らせてこういうところに金をつぎ込んでいくとか、そういう形をとるべきだと思うんです。
 それから住宅政策なんかにしても、これはきょうここでやる論議じゃありませんから避けますが、少なくともその金が大きな比重を占めるべきだと思うんです。庶民が積み上げた金ですよ。その金を庶民の身近なところに還元していくのが資金の運用の原則でなきゃならない。
 そう考えるならば、私はやっぱりこういういわゆる環境整備の問題であるとか、今この二法案が提案されておりますけれども、こういったものにこれが裏づけられていくということは当然あってしかるべきじゃないかと思います。それに対しては金利がつきます、確かに。しかし、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプと出ておるように、この金だって国の金ですから、Aでもって無利子でやるんですから、このくらいの利子の補給をやれば当然この金に肩がわりはできるはずです。二年度、三年度でもしだめだったとするならば、いたずらにこれを売るということについて支障があるというならば、便法としてそういう方法だってありゃしませんか、こういうことを私は申し上げなきゃならぬと思うんです。
 大蔵省としても、二百兆の金を黙って握っているだけが能じゃ、まあそういうことを言うと大変失礼だけれども、能ではない。やはりこれはいろいろの角度に、その時宜に適応した使途を考えるべきではないのか。そして、事業官庁が求めるものに対しては積極、能動的に対策をとっていくということが必要ではないのかな、こういうように私は考えるんですが、いかがですか、この点は。
#58
○説明員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、国民生活とか国民経済の基盤となります社会資本の整備というものは非常に重要な課題であるということは認識しております。したがいまして、財源問題も含めまして本制度の今後の具体的な取り扱いにつきましては、基本的には、私どもの立場といたしましては財政改革を推進するという立場でございますので、その立場を堅持しつつ、今後総合勘案して検討してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#59
○赤桐操君 それでは、私はこの法案の点については余りまだ触れておりませんので若干伺いたいと思うのであります。
 両法案は、水資源公団が行う水資源開発施設等に関する事業を促進するため、及び民間事業者が行う公共の用に供する施設の整備を促進するため、こういうことでAタイプの金が使われるわけでありますけれども、いろいろ法文や何かを読んでみて、若干の説明は伺ったんですがよくわからないのであります。対象とする事業の内容、これをわかりやすくひとつ説明してもらいたいと思うんです。
#60
○政府委員(大河原満君) お答え申し上げます。
 水資源開発公団が行いますNTT−Aタイプ事業の概要でございますが、これには二つございまして、建設省関係の開発関連ダム事業、それから農林水産省関係のかんがい排水施設の他目的利用のプロジェクト、この二つを考えているところでございます。
 それで、開発関連ダム事業は、水資源開発公団がNTTの無利子貸し付けを受けまして、ダムなどの特定施設、この周辺の環境整備に資する護岸とか河岸の整備、緑化などを行いまして、この事業に要する費用を収益事業によって生ずる収益をもって償還してまいろうというものでございます。
 それからもう一つのかんがい排水施設の他目的利用プロジェクトは、かんがい排水施設、特に水路などのふたかけを行いまして、そのふたかけをした上のオープンスペースをほかの目的に、例えば駐車場とかいろいろレクリエーション施設といったようなものに利活用して、その事業に要した費用はそういった施設の利用料等で支弁していこう、こういったようなものが事業の概要になってございます。
#61
○政府委員(真嶋一男君) 民間都市開発事業部門についての御説明を申し上げます。
 民間都市開発推進機構が具体的な事業を実施するわけでございますが、それは、第三セクターが行います都市開発事業のうち、道路、公園等の整備に係る都市計画の特許の事業というもの。それからもう一つ、土地区画整理組合が行います土地区画整理事業のうち、道路、公園等の整備に充てるものに対して貸し付けるというものでございまして、もう少し具体的に申し上げますと、おおむね四つに大別されまして、一つは、宅地造成に関係して必要となってまいります道路、下水道等の整備を行って、宅地の分譲から出る利益によりその償還を行う事業が一つ。二には、リゾート・レクリエーション施設の整備と一体的に行います河川改修、治水ダム等の整備を行いまして、当該リゾート・レクリエーション施設の収益によりまして償還を行います事業。それから三番目としまして、公園内の運動施設等の整備を行いまして、当該施設の利用料金等によりその償還を行う事業。四番目といたしまして、土地区画整理事業として道路、公園、下水道等の整備を行い、保留地の処分金によりその償還を行う事業等がございます。
 以上でございます。
#62
○赤桐操君 いろいろ説明はあったんですけれども、結局は収益を上げて償還するわけでしょう。収益を上げて償還しなきゃならぬわけです。そうすると、場所も選定しなきゃならぬわけですね。収益が上がらないところでやったってしようがない。それからダムや何かの関係があるわけですけれども、これは山の中ですね。そういうところが一体そういったような環境がつくられたときにみんなが利用することができるかどうかという問題もあるでしょう。そういう意味で、ちょっとやはり事業を遂行していく上においていろいろ疑問点もないわけではない。また、周辺環境整備事業なんというのは従来もやってきているわけでありまして、これと一体どんなふうな関係になるのか、こういうことも疑問を持つわけであります。あるいは公団とその事業主体との関係はどんなふうにするのか。こういうことについて明らかにしていただきたいと思います。
 以上をもって私の質問を終わります。
#63
○政府委員(萩原兼脩君) 今回の改正が河川関係にまつわるものが多うございますのでお答えをいたします。
 まず、今回の改正で都市計画区域内という条件が外れますので、山の中のリゾート施設等が入ってくるのではないかという御質問でございますが、大前提といたしまして、その地域にその開発のニーズが大変強いということ、それから都市局長が申しました収益性が十分確保できる確信があるということがやはり大きな縛りになろうかと思いますので、その辺でおのずから選ばれてくるかと考えております。
 それから、従前も河川環境整備などをやっておったではないかというお話がございます。当然でき上がりますものは、これからこの形でやらしていただくものも同じものができてくるわけでございますが、やはり私ども公共事業という目で見ました場合の着工順位の問題になってこようかと思います。従前必要だと思われるが拾い切れなかったものが、今回こういう形の適用をさせていただけることになると拾えてくるということになってこようかと考えております。
 以上です。
#64
○中野明君 ただいま同僚委員から財源の問題について種々議論がありました。本当に私どもも株価の低迷、これによって大蔵大臣の発言等も勘案しますと非常に心配な面があります。しかしながら、行政の継続性ということを先ほどもおっしゃっておりましたが、最初に大臣に、その問題について行政の継続性で心配要らぬということを確認しておきたいと思います。
#65
○国務大臣(野田毅君) 一つは、今回のNTTの売い払い収入を財源とした無利子貸し付けというこの枠組みについては、先ほど大蔵省からもいろいろ御答弁ありましたように、少なくともこのNTTの売り払い収入を財源としてやっていく部分、あるいはその後においても、その他いろんな角度からこの枠組みというものをどのように存続していくかという側面、それからもう一つは、別途社会資本の整備をどのように計画的に着実に進めていくかという、その財源確保という両方の部分があると思っております。
 前者につきましては、これは財政事情全体の枠組みの中で主として財政当局が責任を持って判断していかなければいけないし、我々もできるならばこういった手法というものはずっと継続して存続していかなければいけないと思っております。後者の全体的な社会資本整備のための財源確保ということにつきましては、この種の手法によろうがよるまいが、いろいろな角度からの財源確保ということについては我々は全力で投球してこれからも努めてまいらなければならないと考えております。
#66
○中野明君 NTTの問題はこれは限度があるのですから、当然そのようにお考えいただくのが妥当だと思います。
 法案の中身に入りますが、NTT株式の売却収入を活用した国のこの制度というものは、六十二年度に創設をされて以来毎年毎年拡充されておるんですが、これまでのNTTのA型事業の執行状況を改めてもう一度説明をいただきたい。
#67
○政府委員(牧野徹君) 先生お話しのとおり六十二年度の補正から始まったわけでございますが、六十二年度の補正では建設省関係でA型八十三億、これは道路が八十億、それから公園が三億、こういうことでございます。率直に申し上げまして、執行状況ということですから申し上げますが、六十二年度で全部使い切れたかというと、先ほどちょっと申し上げましたように、新しい制度であったものですからこれは使い残しも出ました。ただ、今現在でといいますか、六十三年度、翌年度ではほとんど一〇〇%これは契約済みになっております。
 それから六十三年度、これは平年度ベースで建設省で申し上げますと千十五億円つきました。中身としては、道路、河川、公園、下水道あるいは宅地開発関連の公共施設整備各般にわたるものでございますが、これの当該六十三年度末の契約済みは約四六%。これも実は、先ほども申し上げましたが、六十三年度に非常に拡大され、かつその使い道も六十三年度に新規におつくりいただいたというものがあるものですから、なじみが薄い面もありまして、これも次の年度、すなわち平成元年度では順調に消化しつつある、このような状況でございます。
#68
○中野明君 今回の改正によって具体的にどのような事業をどのようなところで行おうと考えておるのか、その辺もう一度おっしゃってください。
#69
○政府委員(萩原兼脩君) まず公団法改正関係ということでお答えをさせていただきますが、水資源開発公団がダムをつくりますときに既にダムの周辺の環境整備等を行っております。この事業の中の関連いたしますリゾート等の収益事業によりまして、そういう事業について、収益によって償還できることが認められるもの、そういうものをNTTのA型資金の導入を図ることで増強してやらせていただこうと思っておるわけでございます。
 また、御指摘の具体的にどこでということでございますが、法案成立を待ちまして具体的に検討いたすことになろうかと思っておりますが、例えば琵琶湖ですとかそういうところでいろいろ実現を図ることになろうかと考えております。
#70
○中野明君 このNTTのA型事業の推進を図っていく場合に、地元の要望というものを十分にくみ上げていくということが必要だと思うんですけれども、具体的にどのように進めていこうと考えておられるのでしょうか。
#71
○政府委員(萩原兼脩君) 本来、私ども公共事業をやります場合にも関係いたします住民の方と十分御相談をしてやらせていただいておるわけでございますが、そのような形で従前の公共事業と同じような御相談を周辺地域の住民の方にはさせていただくことにまずなろうと思います。さらに、第三セクター等をつくっていただくとか、いわゆる収益事業を行いますために新しい組織が要るわけでございますので、そういうものができるということは、当然地元がそういうことに対して大変な熱意を持っておられるということが大前提になりましょうし、またそんな点でいろいろ具体的に地元の意向を吸収できる機会が十分にあろうかと考えております。また、間違いなくそういう手続を経た上で事業実施に持っていかなければいけないと考えております。
#72
○中野明君 このA型事業というのは収益回収型の事業でございますので、事業の採算性をチェックするのはだれがどのような基準に基づいて行うのか、その辺はいかがなっておりますか。
#73
○政府委員(大河原満君) お答え申し上げます。
 Aタイプ事業の採算性のチェックについての御質問でございますが、水資源開発公団がこのNTT−A型事業を実施するに当たりましては、収益事業者とNTTの無利子貸付金の償還のための負担金の負担につきまして契約を締結するということになりますが、その際、収益事業の採算性について水資源開発公団が当該契約を締結しようとする際に、詳細に検討を行い判断するということになろうかと思います。さらに、国が水資源開発公団に貸し付けを行うに当たりまして、収益事業の概要、それから償還計画等につきまして十分審査を行いまして、採算性についてもその際に確認をするということになります。
#74
○中野明君 現在水資源開発公団が実施しているダム事業の現状、これはどのようになっておりますか、ちょっと教えてください。
#75
○政府委員(萩原兼脩君) お答えをいたします。
 公団が実施しておりますダム事業の現状でございますが、六十三年度末で完成いたしましたものが十五事業、十五ダムございます。また、今年度建設中でございますものが十五事業、十六ダムでございます。さらに、実施計画調査中でございますものが二事業、二ダムでございます。そのような現状になっていると思います。
#76
○中野明君 これまで水資源開発公団の事業はNTTのB型を活用する制度になっておったんですが、今回A型事業を導入するということになるわけですが、この重立った理由をおっしゃっていただけますか。
#77
○国務大臣(野中英二君) 最近国民生活というものの水準が上がってまいりまして、ライフスタイルが大変変わってまいったわけでございます。
 そこで、自然志向であるとか健康志向だとか、あるいはリゾート開発だとか、そういう方向に進んでまいりましたので、水源地の持っております豊かな自然あるいは緑、そういう自然環境というものが国民の皆さんから大変ニーズが高まっておりますので、この水資源施設というものの整備、あるいはまた水資源施設の持っている施設の対応機能というものも有効に利用していかなきゃならない。このために、水資源公団に新たにNTTのA型を導入いたしましてこの水資源施設の有効利用を図っていこう、こういう考え方に立ちまして、そして国民の皆さん方の潤いのある豊かな国民生活というもののニーズにおこたえ申し上げたい、さように考えまして、同時にまた内需拡大をしていかなきゃならないな、その一環にもなるのかなということで導入を図ったわけでございます。
#78
○中野明君 それでは、A型の事業を導入することによって水資源開発公団の事業はどの程度促進されるというふうに考えておられるのか。
#79
○政府委員(大河原満君) 水資源開発公団は、従来、交付金あるいは補助金、利水者の負担金等によりまして水資源開発施設等の整備を行ってきたところでございますが、その整備には非常に多額の費用を要するということで、現下の財政制約上ではなかなか十分な予算を確保することが難しいというような状況もございました。このために、水資源開発施設等の整備に当たりまして、これと密接に関連する事業から生ずる収益によってその費用を支弁できる、こういった制度を活用していこうということでございます。
 したがいまして、NTT−A型事業の導入によりまして、この事業は従来のそういった交付金とか補助金の事業とは別枠でございますので、このAタイプ事業が導入された分だけ水資源開発施設の整備が促進される、こういうことになるわけでございます。
#80
○中野明君 これから夏に向かうわけですが、渇水期を迎えるに当たって、各ダムの貯水状況はどうなっておるのか、ことしの夏がまた渇水となるおそれはないのかどうか、その辺ちょっとお尋ねいたします。
#81
○政府委員(萩原兼脩君) お答えをいたします。
 ダムの貯水状況でございますが、全国的に見ますとほぼ平年並みの貯留状況ということでございます。また、地域別に見ましても、主要水系と申しますか、利根川、木曽川、淀川などでございますが、ほぼ平年並みか、やや平年を上回る貯水状況となってございます。したがいまして、今の時点で渇水を心配しなきゃいけないような兆候はどの水系にもないわけでございます。
 ことしの夏どうかということになりますと、こういうお答えだとちょっと無責任に聞こえる部分もあるわけでございますが、やはり今後の降水状況、例えばこの後の梅雨が空梅雨だとかということになりますと、夏の後半において心配をしなきゃいけない水系が一、二出てくるかという気もいたしますのですが、気象庁の長期予報によりますと、七月、八月は平年並みかそれ以上の降雨量があるという予想も気象庁の方で立てておられますので、こんなことかと考えております。
#82
○中野明君 心配ないようなお話でございます。
 先日、鶴見川の浸水予想区域図というものが公表されました。こうしたマップは防災上非常に効果があると思われるのですが、これまでの公表の実績と今後の公表予定、これはどういうふうになっておりますか。先日もちょっと新聞等で発表になっておりますが、鶴見川のことについては出ておりましたけれども、その点説明してください。
#83
○政府委員(萩原兼脩君) お答えをいたします。
 御指摘のように、鶴見川につきまして本年の五月十五日に浸水予想区域の公表をいたしておりますが、今までに浸水予想区域の公表をいたしましたものは、六十二年に新河岸川、これは埼玉、神奈川を流れている川でございます。それから六十三年に中川、綾瀬川、これは東京、埼玉を流れている川でございます。この鶴見川を五月にやりました後に、つい最近でございますが、六月十七日に、大阪、兵庫を流れております猪名川という川につきまして計四本浸水予想区域の公表をいたしております。
 これからの予定でございますが、実は予想区域を現地で確認しますのに相当な作業量を要しますので、準備の整った川から順次公表することを考えておりますが、年一、二本ずつのピッチになろうかと思っております。
#84
○中野明君 これはぜひ実行していただきたいなと思います。
 その次は、資金融通業務と無利子貸付業務がいずれも道路、公園、下水道等の公共施設の整備を伴うものを対象としているんですが、その仕分けはどうなっているのか。これらが競合することはないのかどうか、その辺ちょっと気になりますので。
#85
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。
 民間都市開発推進機構が行います業務のうちの資金の融通業務と申しますのは、民間事業者が行います優良な都市開発事業に対して長期低利の資金を融通するということを主たる目的にしておりまして、公共的な部分につきましてはごく付随的なことを対象にするということにいたしております。
 これに対しまして無利子貸付事業は、本来公共事業で実施すべき公共施設の整備につきまして、予算等の制約によって直ちには補助として採択されないというものに対して、民間の事業とあわせて行うことができるというようなものに対して無利子の貸し付けを行う。本来公共事業が主たるというか、ねらいであるというところでございますので、そういう意味から申しまして、思想的には基本的に同業務は異なるものでございますが、ただ、周辺的な業務において重複することがないとは言えないところがございますので、もしそういう場合がございましたならば、それは本来の業務の性質から見てどういうふうな形の貸し付けがいいかということを十分検討した上で、事業の効果が本来の趣旨に従って発揮されるように適切に選択をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#86
○中野明君 ただいまおっしゃったように、資金融通業務が本来の業務でございますが、無利子貸付業務というのは臨時の業務というふうに我々理解しておりますが、この臨時の業務が本来の業務を圧迫しているようなことにならないかどうかという心配ですね、その辺もう一度。
#87
○政府委員(真嶋一男君) まず融通業務の実態でございますが、借り入れの御要望が非常にたくさんございまして、昭和六十三年度においては貸し付けの契約額は四百二十八億の実績となっておるところでございますが、平成元年度予算につきましてはさらに需要が見込まれるために、対前年度比一・三七倍という大幅な増加を見込んだ予算を組んでおるところでございます。無利子貸し付けの方も要望も多うございますけれども、このような実態から見まして、また運用してきた経験からしまして、融通業務を圧迫しているということはないと考えております。
#88
○中野明君 本改正案は、第三セクターが都市計画区域外において行う河川等の公共施設の整備に関する事業に対して民間都市開発推進機構が無利子貸し付けを行うことができるようにする、こういうことなんですが、なぜ民間都市開発推進機構が都市計画区域外で事業を行う必要があるんだろうか、こういうことなんですが、お答え願いたい。
#89
○政府委員(真嶋一男君) お答え申し上げます。
 民間都市開発推進機構は、これまで原則として都市計画区域内において業務を行ってまいりましたところでございますが、都市計画区域外におきましても、近年の都市住民の余暇需要等にこたえるものとして、スポーツ、レクリエーション施設あるいはリゾート施設ということに関連いたしまして、河川等の公共施設の整備に関する事業の重要性がますます高まってきておるという状況にございます。こうした事業の中にはこの法の目的でございます都市機能の維持、増進に寄与するというものもございますので、こういうものにつきましては都市計画区域外であっても民間都市機構が無利子貸付業務を行うことができるというふうな改正をお願いしているものでございます。
#90
○中野明君 今回の改正によって、河川敷等を利用して今まで無料で使用してきた野球場とかゲートボール場あるいは公園等のレクリエーションの施設が有料化されることが心配されるんですが、そのような懸念はないですか。
#91
○政府委員(萩原兼脩君) お答えをいたします。
 今回お願いしておりますこのA型資金を導入できる事業と申しますのは、あわせて行います開発事業に貸付金の償還に足る収益が見込めるというものに限定をいたしておりますので、無料使用ということがむしろ一般的であるような性格の事業、それに関係いたしましてA型資金が導入されることは私どもはないと考えておるわけでございます。
 したがいまして、現在既に河川敷等に、例えばおっしゃいますゲートボール場ですとか公園がつくられておりますものは、ほとんどが地方公共団体が現に設置しておりまして、事業そのものの性格から無料使用というのが大前提になっております。こういうものをA型資金導入の対象にされるということはこれからもないというふうに考えております。
#92
○中野明君 その心配がないということですので、それでは結構でございます。
 今回の拡充されるNTTlA型の事業というものは、河川とか砂防とか地すべり、急傾斜地、海岸等の防災上の非常に重要な、まかり間違えば人命にもかかわる工事でございますが、このような工事を民間事業者である第三セクターに任せてよいのかどうか。本来公共がやるべきものではないかと私どもも思うわけですが、その辺はどうお考えでございますか。
#93
○政府委員(萩原兼脩君) 先生御指摘のとおり、私どもの事業はいずれも人命に重要なかかわりを持っておりますので、私どもそれぞれ、河川でございましたら河川管理者がというような形で、その管理主体が実施するのがやはり大原則だろうと考えております。
 ただ、従前からの法律体系、河川法におきましては第二十条ということでございますし、それぞれの法律におきましてそれぞれ決めがございますが、河川管理者でない者も河川管理者の承認を得た上で工事を施行できるという条項がございます。今回第三セクターにやらせますときには、この条項を適用いたしまして十分厳正なチェックができると考えております。
 ただ、どう考えましてもやはり管理者が自分で施行した方がと思われます場合には、第三セクターから逆にその施設の管理者、つまり河川管理者なり私どもが工事を受託いたしまして、実際の施行は私ども管理者がやるということも可能なわけでございますし、現に六十三年度実施しておりますものの中にはそのような事例がたくさんございますので、そんなようなことで安全の確保、そういうものは十分担保できるかなというふうに考えております。
#94
○中野明君 もう一度お尋ねしますけれども、仮に民間にやらせるとしても、今そういう例もあるんですけれども、公共の側から安全の確保に対する厳重なチェックというものがぜひ必要ですね、公共は受けなくても民間でやらす場合。どのようなシステムでこれを行おうとされているのか、もう一度。
#95
○政府委員(萩原兼脩君) 今回こういう形で第三セクターに私どもの仕事の一部をやっていただくという制度をお願いします以前から、法律的にはただいま申しましたように河川法で申しますと第二十条、また地すべり等防止法で申しますと第十一条、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律によりますと第十三条、また海岸法によりますと第十三条といいますように、要するに管理者以外の者が必要に応じてそういう管理施設を施行していいという条項を設けておりまして、過去にもそのような条項を適用して、デベロッパーとかそういう方がそういう管理施設を施行しておられる実例が現にございます。ございますということは、そういうチェックの体制も既に整っておるということでございますので、新しくお願いします第三セクターが施行いたしますこの種の事業につきましても従前どおりのチェックを行っていこうと考えております。
#96
○中野明君 そうすると、そんなことは予想しちゃいかぬのですけれども、もし何か事故があったときは責任はどうなるんでしょうか。
#97
○政府委員(萩原兼脩君) いろいろなケースが考えられると思いますが、本来的に河川管理者もその責めを免れない立場になろうかと考えております。
#98
○上田耕一郎君 私ども共産党は、電電公社の民営化についても、それから政府持ち株の売却についても、結局国民の共有財産を財界に売り渡す結果になる、それから新しい利権構造をつくるものだと言って反対してきたんです。
 先ほどから議論もずっとありますけれども、このNTT株の無利子貸し付けで公共事業を拡大する政策も、株価格の低迷という点でも、また株式全部を売却済みの後の事業費の確保の問題、それから特にB型資金の返済財源の見通しなども、これは将来の補助金によるんだということになっておりまして、なかなか大きな問題が一層はっきりしてきて、もう破綻しつつあるように思うんです。しかも、今提案されている法案についても公共施設の計画的整備を乱すという問題も生まれるように思うんです。
 それで、幾つかちょっと具体的な質問をしたいんですが、建設省の説明を聞きますと、この大臣の提案理由説明にもありますけれども、第三セクターが河川等の公共施設の整備の事業をやる、その事業に関連する事業によって生ずる収益で費用支弁ができるというケースになっているんですね。それで、公共事業と民間事業の接点にある全く新しいタイプの公共事業を開発したものだという説明もお聞きしたんです。どうもそういう新しいカテゴリーがここで導入されてきているようなんですが、じゃこのNTTのAタイプ資金を使うという事業は、この資金がなければ一体どうなるのか、資金がない場合はそういう事業は行われないということになるのか、この点をまずお伺いしたいと思います。
#99
○政府委員(真嶋一男君) まず、この売却資金がない場合ではどうなるかということにつきましては、端的に申しますれば、開発事業者がこれまではみずから負担してやる場合もございましたでしょうし、あるいは事業そのものが見送られる場合があるということになろうかと思います。
#100
○上田耕一郎君 いろんなパターンが考えられているようなんですが、例えば公共事業が必要だというので収益事業を新たに工夫してA資金でやるというケースとか、公共事業としてはもともとそれほど高くなかったけれども、第三セクターの開発事業の整備の必要性で高くなった、それでA資金を導入してやろうというようなケースもあるようなんですね。
 それでお伺いしたいのは、例えば大規模な民間宅地造成事業などの場合、A資金が投入されるような公共施設の整備は、A資金がなかったころは民間デベロッパー自身が負担してその公共事業についても行うということだったんじゃないですか。
#101
○政府委員(真嶋一男君) A資金がない場合にはどうなったかということですが、結局コスト全体として考えた場合には、無利子貸し付けという制度が活用されますので、宅造全体としてはコストの引き下げになって事業の進捗に相当貢献するということは申し上げられると思います。
#102
○上田耕一郎君 建設省は大分気に入らないでいろいろ通達なども出していたようですが、いろんな自治体で宅地開発要綱というのがあって、民間デベロッパーが開発するような場合に、負担金を出さして、それで公共事業の負担をいろいろさせるというようなことをやってきたわけですね。今度無利子貸し付けというのは相当な優遇策なんですね。私、以前ここで小笠原の漁民の船の建造で、島民でない人がいろいろ困っているんで、こういうのは低利あるいは無利子でどうだと言ったけれども、なかなかそういうことはできませんという返事だったんですが、民間デベロッパーや大企業の場合には今度こういうことで無利子貸し付けという優遇策が出てきたわけでしょう。
 このA型資金を使わないケースでは、先ほども局長お答えになったように大体自分で負担していたわけですな。ところが今度は、負担して採算がとれるようなケースでも無利子貸し付けをやるということになりますと、従来自分で負担していた大規模な民間デベロッパー、宅造業者の救済に結果としてなることは非常に明白だと思うんです。
 そこで、建設省担当の民間都市開発の推進に関する特別措置法の方についてお聞きをしたいのだが、河川関係事業については都市計画区域以外まで対象を拡大されたんですね。なぜ河川関係事業についてのみ拡大されたんでしょうか。先ほど局長はレクリエーション施設、リゾート施設、そういうこともお挙げになったけれども、結局一番大きいのは、リゾート関係があるので河川関係事業についてのみ都市計画区域以外にまで拡大をしたということではないでしょうか。
#103
○政府委員(真嶋一男君) 初めに、実はこの融資の対象、Aタイプの無利子貸し付けを受けられますのは第三セクターに限られて行われる、大デベロッパーを対象に無利子貸し付けを行うものでないということでございます。したがいまして、公共事業そのものが対象であって、そしてその公共事業を行う、まあ公共団体でございますが、そういうものの採択基準から見るとまだ直ちには採択できない、しかしそういう民間の地域開発等から見てどうしてもやる必要が起きている、そういうところであわせてひとつ河川の例えば護岸もやりましょうとかという話に出てまいるものでございますので、大規模のデベロッパーに直接貸しするものではございません。
 ただ、レクリエーションとかそういうものについてどうだということでございますけれども、その場合におきましても、デベロッパーが自分が事業主体に直接なるということではなくて、そこは公共団体が常に参画してやっているということでこの運用をするという基本的な考えでございます。
#104
○上田耕一郎君 局長は、私が民間デベロッパーと言ったら、いや第三セクターと言われましたけれども、第三セクターだって、自治体が出資をしているけれども、民間事業者がかなり出資しているケースが非常に多いんですよ。
 大臣の提案理由説明にこう書いてある。「また、民間活力をも活用しつつ、社会資本の計画的かつ着実な整備を推進していく所存」だと。それで電電会社の「株式の売払収入を活用した国の無利子貸付制度については、民間事業者が行う河川等の公共施設の整備に関する事業の一層の促進を図るため」と書いてあるじゃないですか。民間事業者が入っておりますね、形は第三セクターになっても。大臣の提案理由説明でそう言っているので私が質問したら、何か私があたかも、第三セクターなのにまた共産党が民間大企業ばかり言っているかのように局長がお答えになるのはいかぬですよ。大臣、こう書いてある。民間事業者やっぱり入るんでしょう。
#105
○政府委員(真嶋一男君) 第三セクターも、そういう意味では先生おっしゃったようになります。
#106
○上田耕一郎君 私は先ほど宅地開発のこともちょっと触れたんですが、従来、スキー場などの建設で河川の流出量がふえている、こういう場合には、原因者である開発主体に必要な河川整備とか砂防工事など開発許可の条件としてやらしてきたんではないですか。
#107
○政府委員(萩原兼脩君) ダム計画等で私どもの公共事業として吸収できるものについては公共事業でやったケースもあろうかと思いますが、開発地域が奥地等でそういう私どもの公共事業の施行のペースと合わないものについては、原則的に新しいリゾート施設なりを施行される方にやっていただいてきておったと思います。
#108
○上田耕一郎君 そういうケースがあったわけですね。
 リゾートにはCタイプの無利子貸し付けも投入されるんですね。私ども開銀に聞いたんです。一体どことどこに無利子貸し付けがリゾートの場合投入されているかと聞きましたけれども、個々の融資については明らかにできないというので、総額しか明らかにされなかったんですが、リゾートをやる、第三セクターではあるんだが、かなり民間企業主体であるケースに無利子で貸し付けする。これは特別な優遇措置ですよね。少なくとも金利負担分というのは事実上の補助金と同じことになるわけなので、補助金をあげているみたいなものなんだから、個々の融資を明らかにしてほしいと言ったんですが、明らかにしてくれなかった。これは非常に不当だと思うんです。
 新聞でもかなり大きな全面広告がありまして、個々のケースがわかったんですよ。「NTT株売却益による無利子融資だ。」というんで、「日本開発銀行はリゾート法の対象事業になっている群馬県沼田市の玉原東急リゾートと三重県鳥羽市の鳥羽水族館にそれぞれ九億五千万円、二十一億円の融資を実行した。」と、全国不動産の新聞広告にちゃんと書いてあるんです。開銀は公表してないんだけれども、私ども電話で相手に聞いて確認しました。群馬県沼田市の玉原リゾートのスキー場整備、開銀の九億円の無利子融資。調べてみますと、第三セクターといっても沼田市は出資は一〇%で、あとは東急不動産なんです。そうすると、実際上東急不動産に無利子の融資を、事実上の補助金を与えたということになるんじゃないでしょうか。
#109
○政府委員(真嶋一男君) 玉原リゾートの内容は詳しく承知しておりませんけれども、その場合でも、公共施設部分について本来補助対象としていずれはなるものが、それは現在の状況ではまだ直ちには補助対象としがたいというものがあって、それについて無利子貸し付けをして、その償還を全体の第三セクターの収益の中から出してくるという格好になりますので、いずれ償還されたときはその施設は公的なものになるということでございますので、それについて東急に補助金を出したということにはならないと考えております。
#110
○上田耕一郎君 私は先日の委員会で、建物、道路の一体的な整備、あれは道路行政に民間活力導入を入れてきたケースだ、非常に曲がり角になるということを言ったんですけれども、これも建設省は公共事業と民間事業の接点になる全く新しいタイプだなんて言いますけれども、実際上こういうやり方に民間活力導入で民間企業が入り込んでくるんですよ。三重の鳥羽水族館、これはもともと民間会社がやっていた。それを県と市がそれぞれ新たに五%ずつ出資して第三セクターということにして、それで無利子の資金を導入しているんですよ。鳥羽の水族館もそうだし、沼田市の玉原リゾート、もそうです。
 あなた方の今度提案している法案は、都市計画区域外まで拡大して河川事業だ、第三セクターだと。結局これも大きいのはリゾートだと思うんです。先ほど引用しましたけれども、提案理由説明でも、民間活力も活用しつつ、社会資本の整備を図る、こういう公共事業にまた民活導入で入ってくるわけだ。そこにやっぱりいろんな利権構造その他の問題点が生まれてくるわけです。
 時間が参りましたのでもう終わりますけれども、こういうことをやっていきますと、大企業が主導権を握ってスキー場開発をやる、その際河川の公共事業もくっつくからそれをひとつやるといって手を出す形にして無利子の資金をNTT資金でもらう。河川敷にいろいろなものができるかもしれないけれども、そこだけ護岸整備は進むかもしれぬけれども、結局虫食い的に進むことになるだろうと思うんですよね、河川整備ということが。そうなりますと、公共事業の計画的整備という建設省の一番大事な仕事が、虫食い的にこの無利子資金を使えるというので民間活力導入でこそこそ始まって、本当に計画的整備が乱されるんじゃないか、そういう危惧を持つんです。
 だから、計画的な河川整備を着実に推進するためには、こういう怪しげな民間活力導入、無利子資金、NTT−A型資金活用等々というんじゃなくて、道路整備の四分の一ぐらいにしかすぎない貧弱な河川整備事業の予算そのものをふやすということをしていきませんと、先ほど建設大臣は継続性ということをおっしゃったけれども、政策そのものの乱れが生まれるんじゃないかと思うので、この点最後に大臣の見解をお伺いして質問を終わります。
#111
○国務大臣(野田毅君) いろんな社会資本、特に公共施設の整備につきましては、基本的には国とか地方公共団体、そういう公的主体がその必要に応じて計画的に整備をしていかなければいけないと思います。しかし現実問題、ざっくばらんに言えば、じゃその財源をどうやって調達するかということについてもまた別途非常に大きな課題もあることは、これはもう御案内のとおりであります。そういった制約を受け、その中で優先順位をつけながら逐次やっていく、こういうことであります。
 しかし現実には、全体として社会資本整備の水準というものにまだまだこれから大変な力を入れてやっていかなければいけない、こういう環境にあるわけでありまして、他方で、最近は特に地域の活性化のためのいろんな開発整備ということが、その必要性も今出てきておるわけであります。そういった事柄と一体的に、しかも早急に公共施設を整備していかなければいけない。こういうものについては、それとの整合性を見ながら、お話しのような虫食いとかなんとかいうようなことにならないような形でのきちっとした計画に基づいて本制度を活用してそういった公共施設を整備していくということも大変大事なことではないかと考えております。
#112
○青木茂君 どうもこういう必ずしも範囲が広いとは言えない法案、一番最後ではもう出るべき質問は皆出尽くしてしまって、何をか言わんやというところがあるわけなんですけれども、それをあえておくといたしましても、この法律によるいわゆるNTT資金、これは収益回収型なんですね。先ほどもちょっと実は出たんですけれども、収益回収型というのは、つまり裏からいえば利益追求型ということなんだから、その利益追求のためにちょっと庶民の方にしわ寄せが来ないであろうか。
 河川敷なんか、みんな一般の方々が土曜、日曜になるといろんなものに利用して楽しんでいらっしゃるわけだ。それがだんだんそういう楽しみに敷居が高くなる。今までただで自由に使えていたものが、だんだん規制が強くなって金取るぞというようなことになってきはしないか。さっき大丈夫だというお話もございましたけれども、大きな傾向から見るとどうもその危険性というものは強いんだけれども、再度ひとつぴしゃっと大丈夫だということを繰り返していただきたいと思います。
#113
○政府委員(萩原兼脩君) 先生御指摘のように、特に都市周辺の大河川におきましては、大変多くの方にも現に自由使用という形で川を使っていただいております。これは本来河川法の本旨から申しましてもそういう形がやはり最善なわけでございまして、それを逆戻りさせて有料化させるということは私ども全く考えておりませんし、これからもないことだと思います。
 当然、こういう形で新たに開発されますところというのは、現にそういう利用がされていますところよりもう少し遠いところでございますとか、そういう他の手が少し加わることで新しく利用が可能になるところまでだと考えておりますので、御心配のようなことは絶対にいたさないようにしようと思っております。
#114
○青木茂君 役所の方は絶対にしないでいいんだけれども、そこに利益追求企業が仮に参入してくるとすれば、これはやっぱり利益追求が第一目的になるから、何だかんだの理由をつけて、本来ならば無料で使えるものがだんだん有料に積み上げられていくという心配はないですか。そこまで民間的なものを規制できるかどうかということですね。
#115
○政府委員(萩原兼脩君) 先生おっしゃいますように、私どもといいますか、一番目につきますのはやはり多摩川ですとか江戸川ですとか、日ごろ私どもが生活している周辺でございまして、既にそういう利用がされているところが目につくわけでございますが、全国的に考えますと、河川の敷地というのは大変広うございまして、いわゆる未利用のまま放置されている状態のものが圧倒的に多いわけでございます。ですから、おっしゃいますような利益追求型と言えるかどうかあれでございますが、しかるべき収益を得て事業として成り立たせるという考え方のものが現に無料で利用されているものの方へ割り込んでくるという可能性は私どもはないと思っております。
 それはなぜかと申しますと、先ほど申しましたように、本来川というのは無料でそういうふうに不特定多数の方に自由に使っていただくことが一番好ましいわけでございますので、その管理状態を放棄してまで有料施設を誘い込むということは、本来私ども河川管理者としてしてはいけないことでございます。絶対にそのようなことはないと考えております。
#116
○青木茂君 逆のケースはどうなんですか。割り込んでくることはないにしても、新しく大きな河川敷が仮にできるとしますね、そこへ何かできた、それが有料になるというようなことはないですかね。割り込んでくるんじゃなしに。
#117
○政府委員(萩原兼脩君) これは大河川についてでございますが、先生御存じのように、私どもは昭和五十六年ぐらいから大きな川については河川環境管理基本計画というものをつくることをやってきております。たまたま現在のところ百九水系ございます大河川のうちの半分が既にそういうものができております。
 これはどういう趣旨かといいますと、やはり川の利用というのは沿川の皆さんの合意を得た上で適正に利用されるということが必要かと考えまして、そういう沿川の皆様の合意も得たマスタープランみたいなものをなるべくつくりまして、その中で、例えばこの地域は自然のままに残す、あるいはこの地域は運動場として利用するとか、合意の上でそういう色分けをしてきております。したがいまして、おっしゃいますような、一つの企業が急に割り込んできて急に状況を変えてしまうというようなことは事実上あり得ないという自信を持っておるわけでございます。
#118
○青木茂君 私はずっと見ておりまして、公益公共の事業という非常に美しい名前があって、その公共公益の中に私益が紛れ込んできて公益というものを私益がむさぼり食ってしまう、結局そこに利権構造が生まれるというさっきの話も出てくる状況もあるんだから、これは十分ひとつ御留意をいただきたいと思うわけなんです。
 今はこの法案そのものはNTTのA型資金でございますけれども、ちょっと視点を変えまして、いわゆる補助金型と申しますか、NTTのB型資金がどういう配分で活用されているかということをちょっと伺いたいんですけれども、B型資金総額の中でいわゆる治山治水にどれぐらい使われているわけですか。
#119
○政府委員(牧野徹君) 平成元年度の建設省関係のNTT−Bは総額七千五百五十一億でございますが、その中で治山治水は、端数切り捨てですが、千八百八億円、割合は二四%ということでございます。
#120
○青木茂君 道路はどうですか。
#121
○政府委員(牧野徹君) 道路は三千五十三億円、四〇%でございます。
#122
○青木茂君 住宅はどうですか。
#123
○政府委員(牧野徹君) 住宅は七百五十四億円、ちょうど一〇%でございます。
#124
○青木茂君 ここらあたりのところ、治山治水に二四%、道路に四〇%、住宅に一〇%というふうに考えてみますと、どうも庶民が一番欲しいところが薄くて、大分整備され尽くしたというところがパーセンテージとしては多いような感じがあるんです。それは個々のコストの大きさが違いますからこういうことになるのかもしれませんけれども、治山治水二四%、道路四〇%、住宅一〇%と、こうきてしまいますと、ややそこにバランスが欠けるんじゃないかという感じもあるんだけれども、これは大臣、どうですか。
#125
○国務大臣(野田毅君) これはもう既に御案内のとおり、公共事業予算の各事業別の配分というのは、それぞれの社会資本の整備の状況あるいは国民のニーズ、いろんなことを総合勘案しながら、そういったそれぞれの道路なり河川なり住宅なりあるいは下水道、公園というものに配分がなされておるということであります。
 そういった中で、今Bタイプの方の配分がちょっと住宅の方に薄いではないかというお話ですけれども、これはこれとして、全体としての住宅対策の予算をどのようにふやしていくか。これは補助金を含め、もろもろのものを含めてどういうふうに住宅対策を進めていくかという次元の話でありますから、その点では、たしか今年度の住宅対策についての事業費、これは建設省関係全体の一般公共事業では五%増ということでありますけれども、住宅対策費全体で見ますと八%増と、こういうことでありますから、住宅へのそういう意味での資源配分の状況ということは十分に我々は配慮いたしたと考えておる次第であります。
#126
○青木茂君 我々が予算全般について考えるときにベースになるのが対前年度比何%ということなんですけれども、もとが小さければ前年度比何%という比較は、これで政策が厚くなったぞということはなかなか言い切れない点がある。そこら辺が、これはこの問題だけでなしに予算全般を審議するときに気になるところなんです。単年度予算で対前年度比幾らということが政策の濃淡を示すということはどうも気になるんだけれども、例えばNTT−B型資金、これで住宅というのはどういうふうに使われているんですか。何をつくるんですか。
#127
○政府委員(伊藤茂史君) 住宅対策費の中でどうNTT−Bのお金を使っているかということでございますが、公営住宅及び団地の中の共同施設でございますが、そういうものの建設、それから公営住宅の改良事業、それから住宅地区改良法に基づきます住宅地区改良事業のうち不良住宅の除却及び改良住宅の建設、それから改良住宅の改良、こういうものに要する費用がNTTを活用して無利子貸し付けを受けているのでございます。
#128
○青木茂君 実は私は三年前に建設委員会なるものに初めて出していただいたときにこういう総括質問をした記憶があるんです。つまり、建設省というのは、現業官庁というのか、仕事を実施することをメーンに置いた官庁なのか、あるいは建設行政なら建設行政に大政策、基本の理念を伴った大政策があって、それを要求する政策要求官庁を目指すのか、こういう質問を三年前にしたことがある。そしてもう一つは、同じように三年前に、道路重点官庁なのか住宅重点官庁なのかということを時の建設大臣に伺ったことがある。
 そこから三年間振り返ってみると、そこに大きな建設行政の質的転換はどうもなかったような気がするんだけれども、新大臣にひとつここら辺の基本的なところの抱負を、これから一年も二年も、あるいは二カ月か知らぬけれども、とにかくやっていただくわけだから、抱負をひとつ聞かせてください。それで終わります。
#129
○国務大臣(野田毅君) 基本的にはもう既に幾度か申し上げておりますけれども、現在の我が国におけるさまざまな社会資本、道路、河川あるいは公園、下水道、住宅を含めまだまだ残念ながら十分な状況にはない。したがって、それらを計画的に、しかもできるだけ早期に推進していかなければいけないわけであります。
 そういった側面と同時に、先般来申し上げておりますが、特に最近の国土の形成について、どうしても東京一極集中ということではさまざまな弊害が出てくる。そういった中で、国土庁を初め関係省庁とも連絡をとりながら十分日本列島全体を多極分散型の国土形成を目指してやっていく、それがまた都市住民にとってもあるいは地方に住む国民にとっても非常に大事なことなんだ、そういった事柄を計画的に社会資本整備を進めていくということが大眼目でありまして、そのために我々一生懸命努力をしていかなければいかぬと思います。
 そういった過程の中で、どうしても先立つものが一方では必要なわけでありまして、財源調達をどういうところに求めていくのか。税制なりあるいは国債なりいろんな形があろうかと思います。しかし、税にしてもなかなか国民に理解をされながらすぐ増税結構ですよというわけにはいかない側面がある。そういった中で、じゃ社会資本の整備がその部分だけ立ちおくれてもいいのかと言われると、それはぐあいが悪い。そういった中で、全体的な日本の経済の構造を頭に置きながら極力そういう公共施設の整備を地域の活性化と一体的に図っていかなければならぬ。そういったものについては、ひとつ民間のそういったNTTの株の売却収入を含めて、民間の活力をも活用しながら公共施設の整備を進めていくということが大きな目で見て非常に大事なことではないかと考えておるわけでありまして、今回の法案もそういう考え方にのっとったものであると理解をいたしております。
#130
○委員長(稲村稔夫君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#132
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、民間都市開発の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法律案は、日本電信電話株式会社の政府持ち株の売却益を財源とする無利子貸し付けの対象事業を、昨年の法改正に続いて再度拡大しようとするものです。我が党は、日本電信電話公社の民営化、政府持ち株の売却が、国民の共有財産を財界、大企業に売り渡すものであり、新たな利権構造をつくるものだと批判してきました。リクルート疑獄はそれを実証しました。また、無利子貸し付けの拡大は、NTT株の売却益を国債の償還財源に充てる法案を国会に提出した政府の矛盾をさらに拡大するものです。
 この無利子貸し付けで公共事業を拡大する政策は、NTT株の価格の低迷という点でも、また予定株式の売却完了後の公共事業費の確保やB型資金の返済財源などの見通しが全くないという点でも既に破綻していると言わざるを得ません。また、公共施設の計画的整備を乱すという点でも大きな問題です。
 本改正案について言えば、第三セクターとは名ばかりの大企業主導の大規模なリゾート開発のために、関連公共施設整備に無利子という超優遇資金を提供するものです。対象事業の中には住民生活に必要なものもありますが、そうしたものは当然に補助金で措置すべきであるのは言うまでもありません。
 以上が、本改正案に対する反対の理由です。
 なお、水資源開発公団法の一部を改正する法律案は、本質的には同じ問題点を有してはいますが、本来公共施設の整備を推進する公団自体が行う事業であること、対象事業も限られていること、愛知用水の場合などは、子供の水死事故の防止という側面があることなどを考慮し、賛成いたします。
#133
○委員長(稲村稔夫君) 他に御意見もなければ、両案の討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案の採決に入ります。
 まず、水資源開発公団法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#135
○委員長(稲村稔夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、民間都市開発の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#136
○委員長(稲村稔夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、以上両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、国土庁長官及び建設大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。野中国土庁長官。
#138
○国務大臣(野中英二君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会において熱心な御審議の上、ただいま全会一致をもって議決され深く感謝申し上げます。
 審議中におきます委員各位の御意見につきましては、その趣旨を十分体してまいる所存であります。
 本法案の審議に関し、委員長初め委員各位から賜りました御指導、御協力に対し深く感謝の意を表しまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
#139
○委員長(稲村稔夫君) 野田建設大臣。
#140
○国務大臣(野田毅君) 民間都市開発の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#141
○委員長(稲村稔夫君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#142
○委員長(稲村稔夫君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 平成元年度建設省関係予算の概要について説明を聴取いたします。牧野建設大臣官房長。
#143
○政府委員(牧野徹君) 建設省関係の平成元年度予算について、その概要を御説明いたします。
 建設省所管の一般会計予算は、歳入二百十六億百万円余、歳出三兆七千五百四億五千三百万円余、国庫債務負担行為五千五十七億七千二百万円余でありますが、建設省に移しがえを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係の一般会計予算では、歳出四兆三千七十九億二千五百万円余、国庫債務負担行為五千二百八十九億六千五百万円余を予定いたしております。
 次に、建設省所管の特別会計予算について御説明いたします。
 まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも三兆二千八百十八億九千百万円、国庫債務負担行為四千六十七億四千六百万円、うち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法第二条第一項に該当する事業に要する無利子貸付金は、歳入歳出とも三千八百九十七億五千九百万円を予定いたしておりますが、歳入については、臨時的な措置として揮発油税収入の一部直接組み入れを行うことといたしております。
 また、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆四千五百十二億三千七百万円余、国庫債務負担行為ニ千九百六十二億九千六百万円余、うち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法第二条第一項に該当する事業に要する無利子貸付金は、歳入歳出とも千八百四十三億千八百万円を予定いたしております。
 都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも千四十八億八千万円余、うち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法第二条第一項に該当する事業に要する無利子貸付金は、歳入歳出とも百四億八千万円を予定いたしております。
 次に、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出三百十五億八千八百万円余、国庫債務負担行為ニ百二十五億二千六百万円余を予定いたしております。
 以上のほかに、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法第二条第一項に該当する事業のうち、建設省所掌の事業に要する無利子貸付金は、歳出二千八百十六億九千二百万円を予定いたしております。
 建設省といたしましては、以上の予算によりまして、都市対策、住宅宅地対策、国土保全・水資源対策、道路整備等、各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。
 第一は、都市対策であります。
 全国的な都市化の進展と経済社会の変化に的確に対応した都市の整備を推進するため、平成元年度においては、予算額一兆六千五十八億千八百万円余のほか、財政投融資資金六千四百九十九億三千三百万円で、下水道、公園、街路、都市高速道路等の都市基盤施設を計画的に整備するとともに、民間活力を活用しつつ市街地再開発事業、土地区画整理事業等により都市開発を積極的に推進することといたしております。
 第二は、住宅宅地対策であります。
 国民の居住水準の向上と住環境の改善を図るため、平成元年度においては、予算額八千四百三十四億二百万円余のほか、財政投融資資金五兆八千九百九十二億二千七百万円で、住宅宅地対策を積極的に推進することといたしております。
 まず、住宅対策については、すべての国民が良好な住環境のもとに安定したゆとりある生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを基本目標として、公庫住宅、公営住宅、改良住宅、公団住宅等、建設省所管住宅合計六十五万六百九十戸の建設を行うとともに、住宅需要の多様化に対応した住まいづくり、地域に根差した住まいづくり、住環境の整備等の施策を推進することといたしております。
 次に、宅地対策については、住宅・都市整備公団等の公的機関による宅地開発事業の計画的な推進、政策金融等による優良な民間宅地開発の推進を図ることといたしております。
 第三は、国土保全と水資源対策であります。
 まず、治水対策及び水資源開発については、近年の都市化の進展等に伴う激甚な水害、土砂災害の多発と渇水被害の頻発に対処するため、平成元年度においては、予算額一兆三千七百六十億四千四百万円余で、河川、ダム、砂防等の事業と水資源の開発を推進することといたしております。
 また、海岸保全対策については、津波等に対する海岸域の保全と海岸環境の整備を図るため、予算額三百二十六億九千六百万円で事業を推進することといたしております。
 さらに、急傾斜地崩壊対策等については、予算額三百七十七億七千三百万円で急傾斜地崩壊対策事業及び雪崩対策事業を推進することといたしております。
 第四は、災害復旧であります。
 平成元年度においては、予算額四百七十七億八千四百万円を予定し、被災河川等の早期復旧等を図ることといたしております。
 第五は、道路整備であります。道路整備については、交流ネットワークの強化等により、多極分散型国土の形成と地域社会の活性化を促すとともに、内需主導型経済成長の定着に資するため、第十次道路整備五カ年計画に基づき、平成元年度においては、予算額三兆千六百二十二億千八百万円のほか、財政投融資資金二兆五千六百三十億円で高規格幹線道路から市町村道に至る道路網の計画的な整備を推進することといたしております。
 特に、交通安全対策については、第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づき、事業の着実な推進を図ることといたしております。
 また、都市の交通渋滞の緩和を図るため、交差点の立体交差化等各種渋滞対策事業を重点的、総合的に実施することといたしております。
 第六は、官庁営繕であります。
 平成元年度の予算額は、一般会計二百十億八千八百万円余、特定国有財産整備特別会計三百十五億八千八百万円余で合同庁舎等の建設を実施することといたしております。
 以上をもちまして、平成元年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算の説明を終わります。
 以上、よろしくお願いいたします。
#144
○委員長(稲村稔夫君) 次に、平成元年度国土庁予算の概要について説明を聴取いたします。公文国土庁長官官房長。
#145
○政府委員(公文宏君) 総理府所管のうち、国土庁の平成元年度予算について、その概要を御説明いたします。
 国土庁の一般会計歳出予算は、二千三百七十九億三千二百万円余を予定しておりまして、前年度予算に比べ、四十億九千九百万円余の増となっております。
 さらに、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法第二条第一項に該当する事業のうち、国土庁に係る無利子貸付金について、歳出三百四十億四千六百万円余を予定いたしております。
 次に、平成元年度予算の重点について御説明いたします。
 第一に、国土計画の推進についてであります。
 第四次全国総合開発計画を強力に推進し、もって本計画の目標とする多極分散型国土の形成を図るため、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域の開発整備を初めとする諸施策を推進するとともに、国土総合開発事業調整費の活用等による公共事業等の調整を推進すること等とし、予算額百二十四億三千三百万円余を予定しております。
 第二に、総合的土地対策の推進についてであります。
 最近の大都市圏、地方主要都市等における地価高騰に対処し、地価の安定と適正な土地利用の促進を図るため、監視区域制度の積極的活用等、国土利用計画法の的確な運用を行うこと等とし、予算額三十八億九千四百万円余を予定しております。
 また、最近の地価動向にかんがみ、地価公示等を整備拡充することとし、予算額二十一億一千万円余を予定しております。
 さらに、第三次国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査等の国土調査を推進することとし、予算額八十一億六千二百万円余を予定しております。
 第三に、総合的な水資源対策の推進についてであります。
 水需給の安定を図るため、全国総合水資源計画等に沿い、水資源開発の推進、水資源の有効利用の促進等、総合的な水資源対策を積極的に推進することとし、予算額七百三十三億三千百万円余を予定しております。
 なお、水資源開発公団については、前述の予算額のうちの七百三十億六百万円余の補助金等と財政投融資資金等と合わせて三千三百四億六百万円余の資金により、ダム、用水路の建設事業等を計画的に促進することとしております。
 第四に、大都市圏整備の推進についてであります。
 大都市地域における良好、安全な都市環境の整備と大都市圏の秩序ある発展を図るため、大都市圏整備計画等の実施を積極的に推進するとともに、住宅宅地供給のマスタープランの策定等、大都市地域の総合的居住環境、整備、国の行政機関等の移転、業務核都市の整備、筑波研究学園都市の育成整備、関西文化学術研究都市の建設等を推進することとし、予算額六億二千万円余を予定しております。
 第五に、地方振興の推進についてであります。
 まず、人口の地方定住と活力ある地域社会づくりを促進するため、新しい地方開発促進計画に基づく振興施策を推進するとともに、地方都市と農村の総合的整備及び地域の特性に応じた個性的な地域づくりの推進を図るほか、総合保養地域、新産業都市等の整備を推進することとし、予算額九億八千九百万円余を予定しております。
 次に、立地条件に恵まれない過疎地域、山村地域、豪雪地帯、半島地域、離島、奄美群島及び小笠原諸島における生活環境整備、産業振興のための諸施策等を引き続き推進することとし、予算額千六百三十七億九千四百万円余を予定しております。
 第六に、災害対策の推進についてであります。
 最近の災害の状況等にかんがみ、震災対策の強化、活動火山対策、土砂災害対策等の推進、防災情報収集・伝達システムの充実強化及び防災に関する国際協力の推進等、災害対策の総合的な推進を図ることとし、予算額九億三千六百万円余を予定しております。
 第七に、地域振興整備公団の事業についてであります。
 地域振興整備公団については、十六億九千八百万円の国の一般会計補給金と財政投融資資金等と合わせて千二百八十億四千五百万円の資金により、人口及び産業の地方への分散と地域の開発発展に寄与するため、地方都市の開発整備、工業の再配置、地域産業の高度化及び産炭地域の振興のための事業を推進することとしております。
 以上をもちまして、平成元年度の国土庁予算の概要説明を終わります。
 よろしくお願いいたします。
#146
○委員長(稲村稔夫君) 次に、平成元年度北海道開発庁予算の概要について説明を聴取いたします。松野北海道開発庁総務監理官。
#147
○政府委員(松野一博君) 平成元年度の北海道開発予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成元年度総理府所管一般会計予算のうち、北海道開発庁に計上いたしました予算額は、歳出六千九百九十七億四千六百万円余、国庫債務負担行為百五十五億七百万円であります。
 このほか、大蔵省所管の産業投資特別会計社会資本整備勘定に計上されております北海道開発事業関係予算が、九百三十二億八千七百万円となっており、これを合わせた歳出予算は七千九百三十億三千三百万円余であります。
 次に、これら歳出予算の主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、国土保全事業の経費に充てるため、予算額一千三百七十四億四千百万円を予定いたしております。
 これは、石狩川や六十三年の洪水により激甚な災害が発生した留萌川などの重要水系及び都市化の著しい地域や災害多発地域の中小河川に重点を置いた河川改修を初め、治水対策とあわせて今後の水需要の増大に対処するための多目的ダム等の建設、昨年末から噴火が続いた十勝岳の火山泥流対策等の土砂害対策、急傾斜地における崩壊対策等の治水事業を促進するほか、森林の公益的機能の拡充強化を図るための治山事業、並びに侵食、高潮対策等の海岸事業を推進するための経費であります。
 第二に、道路整備事業の経費に充てるため、予算額二千六百八十八億八千八百万円を予定いたしております。
 これは、交通体系の軸となる高規格幹線道路網の整備を推進するとともに、一般国道及び地方道における不通区間、冬期交通不能区間の解消、防災・震災対策、交通安全対策及び都市周辺のバイバス建設等の事業を促進するほか、連続立体交差等の街路事業を推進するための経費であります。なお、この道路整備事業の経費及び後に述べます生活環境施設の整備事業の経費の中には、快適な冬の生活環境づくりを行う「ふゆトピア」事業を促進するための経費を含んでおります。
 第三に、港湾、空港の整備事業の経費に充てるため、予算額六百三十三億六千九百万円を予定いたしております。
 これは、室蘭港及び苫小牧港の特定重要港湾、石狩湾新港その他の重要港湾の整備を推進するとともに、地域開発の拠点となる地方港湾の整備を促進するための経費、並びに新千歳空港の建設及びその他の空港の建設整備を実施するための経費であります。
 第四に、生活環境施設の整備事業の経費に充てるため、予算額七百九十五億六千四百万円を予定いたしております。
 これは、下水道、都市公園等の事業を推進するための経費、公営住宅の建設及び関連公共施設の整備を進めるための経費、並びに離島における環境衛生施設等の整備を進めるための経費であります。
 第五に、農林漁業の基盤整備事業の経費に充てるため、予算額二千二百七十八億九千三百万円を予定いたしております。
 これは、多様で生産性の高い農業の展開を図り、畑作・酪農経営の安定的発展と水田農業の確立等に資するための土地改良事業、経営規模の拡大による地域農業の振興と農業経営の安定を図るための農用地再編開発事業及び特定地域農業開発事業、沿岸漁業等の振興を図るための漁港施設整備及び沿岸漁場整備開発事業、並びに造林、林道の事業を実施するための経費であります。
 以上をもちまして、北海道開発庁予算の概要説明を終わります。
 よろしくお願いいたします。
#148
○委員長(稲村稔夫君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#149
○青木薪次君 私は、まず住宅問題について質問をいたしたいと思います。
 具体的な質問に入る前に、住宅に関する国勢調査と言われる昭和六十三年住宅統計調査の速報が五月二十七日に総理府の統計局から、また六月一日には住宅統計調査と、あわせて今後の住宅政策の基礎資料となる昭和六十三年住宅需要実態調査が建設省から発表されたのでありますが、まずその概要について簡単にひとつ説明をしていただきたいと思います。
#150
○政府委員(伊藤茂史君) まず、六十三年の住宅統計調査の方でございますが、六十三年におきます全国の住宅の総数は四千二百三万六千戸でございます。そうしまして、普通世帯数が三千七百六十万戸ということでございますので、世帯数をオーバーした住宅総数がございます。その結果、空き家が三百九十四万戸あるというような数字が出ております。
 それから一世帯当たりの平均世帯人員は三・二三人ということで、ますます規模が小さくなってきております。
 それから住宅の所有関係別の比率を見ますと、持ち家比率が全国で六一・四ということで、五年前に比べますと一%ほど減少をいたしております。
 それから一住宅当たりの居住室数でありますとか、一住宅当たりの畳数でありますとか、一住宅当たりの延べ面積は、持ち家、借家それぞれ項目別に見てみましても順調に規模拡大が行われております。
 それから住宅政策上の一つの大きな項目でございます居住水準でございますが、六十三年現在、誘導居住水準未満の世帯が二千五百五十三万世帯ということで、六八・二%ということで、五年前よりも三%ほどふえております。
 それから最低居住水準未満でございますが、三百五十七万世帯ということで、五年前に比べまして二%ほど減っております。初めて全世帯に占めます比率が九・五ということで一〇%を割る状況になっております。
 以上が住宅統計調査の概要でございます。
 それから、今お話ございました住宅需要実態調査でございますが、この調査でいつも使われております数字として住宅及び住環覧に対する評価というのがございます。住宅分については、今現在住んでおる自分の住宅について非常に不満がある、あるいは多少不満がある、こういう世帯の比率を計算してみますと、両方合わせまして五一・五%という数字になりまして、五年前に比べて若干の増になっております。それからその不満の中身でございますが、今回初めて住宅の収納スペースというのが不満のトップに躍り出まして、不満率は五八%ということでございます。物と住宅のスペースとの関係が相当窮屈になっているというふうに思われます。それから、従来一位でございました住宅の遮音性、断熱性が二位、それから住宅の傷みぐあいが三位というふうな形になっております。
 その他もろもろ、中身は非常に詳しゅうございますので全体はしゃべりませんが、概要をかいつまんで申し上げますと以上のとおりでございます。
#151
○青木薪次君 持ち家比率が減少いたしまして、今も局長が不満と思っているのについてのパーセンテージの発表がございましたが、国民の過半数、五一・五%が住宅に不満を持っているということでありまして、大都市地域ではサラリーマンの住宅取得はますます困難になっておって、まさに高ねの花だというように考えております。マイホームを持とうとすれば、五十キロとか六十キロ圏まで行かないともうマイホームは持てない。通勤時間も二時間以上ということは、勤めることが非常に苦痛になるということが第一番に挙げられると思うのであります。このため、現在東京では五、六十キロメートル圏で地価が実は急騰をしている、そういうところへ殺到するものですから、逆にその辺がまた上がり始めたということでありまして、大都市地域の住宅問題は今や最重要課題になっている。
 大臣としてはこの問題にどう取り組むかということについて御所見を伺いたいと思います。
#152
○国務大臣(野田毅君) 仰せのとおり、今特に大都市圏において住宅宅地の取得ということが非常に困難な情勢になってきた。このことがいろんな意味で国民に不満をもたらす大きな要因にもなっておるわけでありまして、そういった角度から私どもは、政治の最重要課題の一つとして、そういった住宅宅地の取得の夢を何とか実現できるように手だてを講じていかなければいけない。これはもちろん地価対策等との兼ね合いもあろうかと思います。
 そういった中で、現在御審議をお願いいたしております宅地開発と鉄道の整備を一体的に推進していこう、これもいわば大都市地域において宅地の供給を少しでもふやしたいという願いのあらわれでもありますし、あるいはまた長期的に見れば、一極集中を避けながら国土の均衡ある発展を期していきたい、そういうことをやっていくことによって地方の活性化も図られるし、そしてまた大都市における地価にも好影響を与えるのではないか。こういった角度から、長期的には一万四千キロという高速道路網を整備していかなければいけない。さまざまな角度からこういった住宅宅地対策というものを我々も精力的にしていかなければいけない。やはりそういうようなゆとりのある住宅というものがないということが、本当に生活実感としての精神的なゆとりというものをなかなかもたらしにくい環境ではないか、こういう問題意識を持っております。
#153
○青木薪次君 四全総では、二十一世紀までに各種の集中抑制策を講じても東京では三百万人ふえるだろうと言われているのであります。これだけの人口増を見込んでいるのでありますが、よほど思い切った対策が必要だと思うのであります。
 小此木前建設大臣は三百七十万戸の構想を発表したのでありますが、この点について野田大臣もこれを継承しますか。
#154
○国務大臣(野田毅君) 御指摘の構想は、小此木前大臣が指示をされまして、建設省において関係局が検討いたしておるわけでございまして、現在検討中でありますが、極力この構想の趣旨を生かして推進してまいりたいと考えております。
 現在、この問題をも含めて、御案内のとおり、もう既に住宅宅地審議会に対して次期五カ年計画の策定に向けまして諮問をいたしております。それは「経済社会の発展に対応したゆとりある住生活を実現するための住宅・宅地政策はいかにあるべきか」、こういう諮問をいたしておるわけであります。この七月に中間的にでも特に大都市地域における問題については御報告を願えないか、こういうことで、そのほか都市計画中央審議会等関係審議会を含めて、この小此木構想の具体化といいますか、これを念頭に置きながら大都市地域における住宅宅地の供給問題について対処してまいりたいと考えております。
#155
○青木薪次君 住宅対策は、今官房長が説明した、「すべての国民が良好な住環境のもとに安定したゆとりのある生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを基本目標として、」四つの建設省所管の住宅六十五万六百九十戸の建設を行うといたしているわけでありまして、住宅需要の多様化に対応した住まいづくり、地域に根差した住まいづくり、住環境の整備等の施策を推進する、今しゃべったばかりでありますから、これに基づいてひとつ質問をいたしたいと思うのであります。
 居住水準の向上とか居住環境の改善と同時に、私はやはり職住近接が重要であるというように考えます。私は静岡県なんですが、静岡市から新幹線で一時間で東京へ来てしまう。ところが東京近郊五、六十キロ圏では通勤に二時間かかる。こういう問題はやっぱりアクセスの問題です。そのためには、既成市街地の再開発とか低利用地とか未利用地とか、市街化区域内の農地とかあるいは工場跡地の活用などに重点を置いて住宅建設を進めなければ、既成市街地で住宅用地を求めようとしても、幾ら規制緩和をしても、これはもう全く不可能という状態だと思うのでありますが、この点についてどう考えますか。
#156
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど大臣から御答弁申し上げました三百七十万戸の構想から考えますと、一都四県の近郊整備地帯まででございますが、既成市街地の中で二百万戸から三百万戸程度でございます。したがいまして、三百七十六万のうち三百万戸程度は既成市街地の中で供給できる余裕があるというふうに踏んでおります。
 それから現在の交通条件、これは先生おっしゃいますように、新幹線が敷かれ、あるいは新しい鉄道が敷かれ、スピードアップされれば確かに拡大するわけでございますが、現状のままで、ほぼ山手線内から三十分圏内、それから徒歩十五分ぐらいの範囲内、つまり都心まで一時間ぐらいで行けるところでございますが、その範囲内で百万から百八十万戸ぐらいのスペースがあるということでございます。このスペースというのは、現在何かには利用されておりますけれども、将来産業構造が変わりますれば当然に工場用地ですけれども変わってきましょうし、あるいは木造の賃貸住宅が密集している地帯を再開発をする、あるいは空き地でありますとか屋外駐車場でありますとか資材置き場でありますとか、そういった低・未利用地を使う、それから市街化区域内の農地を使う、こういうことで、そういうものを勘案しまして住宅戸数をはじいてみますと今言ったようなことになりますので、まだまだ近間を利用すれば相当量のものが供給できると思います。
 これに加えて、先生申されましたように、交通機関の整備をして時間距離をうんと短縮するということも極めて効果が高いというふうに考えております。
#157
○青木薪次君 既成市街地で大部分を確保するというような話でありますが、権利関係が非常にデリケートに複合しておって、なかなかそう簡単なものではないというように考えますので、どうしても重点地区を絞ることになるだろうというように思うのであります。各種の規制を緩和いたしましてインセンティブを付与して国の助成措置を厚くすることが実は考えられると思うのでありますが、具体的にはどのように考えているか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
#158
○政府委員(伊藤茂史君) 今先生の御意見でございますが、私ども先生のお考えは非常に見識の高いお考えではないかと思います。
 今現在の制度からまいりますと、既成市街地の中で再開発をしながら、いわゆる市街地住宅と申しておりますけれども、そういうものを供給する手法というものはいろんなものがございます。まず法定事業として市街地再開発事業がございますし、それから建築基準法上の市街地住宅総合設計制度というようなものも大いに活用しております。それから予算制度上いろんな事業がございます。特定住宅市街地総合整備促進事業でありますとか、市街なら市街地住宅密集地区再生事業でありますとか、市街地住宅供給促進事業でありますとか、こういうプロジェクトでございますが、こういうものを既成市街地の中で、国有地を確認して、あるいはJRの跡地を確認しましたり、木造の賃貸住宅地域の再生をねらったり、いろんなねらいがございますけれども、今現在プロジェクトが動いております。
 そういうことで、今までもこういう手法を駆使して努力してまいりましたが、今後ともそういう事業手法を改善しながら既成市街地の中の再開発をしていきたいと思います。
 その際に、今先生おっしゃいましたのは規制緩和と申しますか、一番端的に申し上げまして、容積率の割り増し等を、住宅開発をする際にその住宅の質それからオープンスペースが確保されるかというようなことを勘案しながら割り増しをするということだろうと思います。今現在、この制度は市街地住宅総合設計制度というのが一番ぴたっと合っている制度でございます。公共団体によりましては非常にこれをよく活用しております。東京都もできるだけ近間の区域でこれを活用しようということで一生懸命指導しておりますし、それから大阪市もこれを積極的に活用しております。東京都の場合には今までに約八千戸がこの制度で供給されておりますし、大阪市の場合には約二万七千戸ほどがこれで供給されているということで、相当の効果が上がっておると思います。
 それから昨年創設されました再開発地区計画制度というのがございますが、これは今から動くわけでございますけれども、工場用地が利用、転換される、あるいはJR跡地を市街地住宅に再開発をしよう、こういう場合にこの制度も大いに使っていきたいというふうに考えております。
 したがいまして、これらの今の制度を再検討しながら、先生おっしゃいましたように、既成市街地の中で規制緩和をし、良質な住宅と環境を保ちながら供給していくにはどうしたらいいかということで、今現在、先ほど大臣も申しましたような関係の審議会でも議論が進んでおりますので、その中から今現行の制度の見直しが出てくるものというふうに考えております。
#159
○青木薪次君 日本の住宅は遠くて狭くて高い、これが今空き家率が九・一%でしたか、それくらいあると思うのでありますが、そういうことになっている。
 東京の中央区とか台東区あたりでは、一定の敷地面積以上のビルの建設には住宅併設とか緑地を確保するということを義務づけているんですね。住宅併設義務制度を実施しているけれども、住宅問題がこれほど深刻化している現状の中では、こうした住宅併設制度を国レベルの施策に取り組んで実施する必要があるんじゃないか。いわゆる住環境の改善という問題は、国がどういうようにこの問題をスポイルして国の方針として補完していくかというところに来ていると思うのでありますが、いかがですか。
#160
○政府委員(伊藤茂史君) 今先生おっしゃいましたのは、例えば東京都の中央区、港区、文京区、台東区というようなところで、言うなればその区の人口減少ということに対応する、既存の公共施設が非常に効率的に使えないとか、コミュニティーがなかなか成立しなくなってくるというような問題を危惧いたしまして、指導要綱によりまして、一定規模以上の開発につきまして住宅の建設を義務づける、いわゆる住宅附置義務と言っておりますが、あわせて公園等のオープンスペースの確保を義務づけておるということでございます。
 私ども調べましたところ、平成元年の二月末現在で約四千二百戸程度の住宅供給がなされております。確かに都心の空洞化対策あるいはオープンスペースの確保という意味で一応それなりの意義があることは否定できないわけでございますが、反面、住宅附置義務に関しましては、その開発に際して指導要綱で義務づけるということで、例えばオープンスペースの問題なんかをとりますと、法律上決められているようないろんなことから考えまして、過度の権利制限になるという面もあります。したがいまして、これの一般的な制度化につきましては慎重な検討が要るのではないかというふうに考えます。
 ただ、昨年閣議決定されました総合土地対策要綱では、業務系開発、つまり業務ビルの開発でございますが、そういったものと住宅開発というものが調和ある形で双方が開発が進むということが非常に重要なんだ、片方だけがどんどん進み、片方が進まないということでは本来の町づくりにならないではないか、こういう御指摘がございまして、双方の調和ある開発が保たれるように新たな措置を検討しなさいということが入っております。したがいまして、附置義務ということにはならないと思いますけれども、業務と住宅との調和ある開発ができるような方向で、先ほど申しました審議会の中では議論が行われているということでございまして、この方向に沿った措置が出てくるものと私ども考えております。
#161
○青木薪次君 今説明のありました併設住宅は、現状では賃貸住宅とするのが望ましいと思うんです。というのは、分譲住宅ではサラリーマンには手が出ない。場合によっては、いろいろ私ども視察して歩きまして、例えば金もうけの手段にするというようなことも実はあるようであります。一方、国民の賃貸志向が強まっているのに世帯向けの良質な賃貸住宅が不足しているという側面もあるわけでありまして、せっかくの併設住宅も家賃が高くてはこれまたサラリーマンには全然縁がない。したがって、良質でかつ低廉なものということが望ましいわけでありまするけれども、やはり負担にたえないということではどうにもならぬわけであります。
 そういった立場についてどういうように考えますか。
#162
○政府委員(伊藤茂史君) 今先生御指摘ございましたように、いわゆる住宅附置義務で建設されました住宅というのは、場所が都心四区というふうなことでございますので、当然に地価が高うございまして、家賃も高いし、あるいは分譲の場合にはもちろん高いということでございます。したがって、本来の住宅対策といいますか住宅供給対策としては、量的にも少ないし価格的にも問題が多いというふうに承知をいたしております。
 したがいまして、私ども先ほど来申しております市街地住宅の供給をこれから大いにやっていくというときに、やはり先生御指摘の家賃の適正化といいますか、中堅所得層がそこに住めるような価格であり家賃であるということが非常に重要だろうという問題認識を持っております。したがって、できるだけ公的な賃貸住宅の供給を行うことはもちろんでございますけれども、今現在、地域特別賃貸住宅制度というのがございまして、一部公社に管理を委託しまして、それに対して公共団体が家賃補助をするというような制度もございます。
 それから、土地を借り受けまして、公営住宅でありますとか公団住宅を供給するというようなものもございますし、それから一部の区におきましては、地価の高騰を背景にしまして相当に財政も潤ってきております。それを原資といたしまして、例えば借り上げの賃貸住宅に単身老人を入れて安く貸す。したがいまして、そこに差額が出るわけですが、これは当然に公共団体の負担になりますし、あるいは人口対策として家賃補助をするというようなところも出てきております。
 そういうことで、一般勤労者にどうやってできるだけ都心の近いところに住めるようにするかということ、いろんな努力をいたしております。今後とも、こういった今までの制度それぞれメリット、デメリットいろいろございますが、そういうものをおさらいをしながら、できるだけ中堅勤労者に受け入れられるような住宅価格にしたい、あるいは家賃にしたいということで努力をしてまいりたいと考えております。
#163
○青木薪次君 住宅問題の解決には、先ほども話があったわけでありますが、多極分散型による地方の工場跡地それから農業地帯、そのほか既設の市街地の改良を加えていくとか、いろんなことが考えられているわけでありますが、何としてもやはり安い宅地を提供する。それから東京圏のみを考えていくと、東京一極集中が加速されるということになるし、これまたある意味ではアクセスに至る問題も相当発生するわけであります。そういうことを考えていくと、東京圏を何とかしたいということだけでなくて、やはり近傍の関東北部とか東海等に至る各地区に着目いたしまして、この方面で、例えば農業者とか工業者とか、いろんな皆さんの協力を得て一体的に住宅環境の改善という立場に立って、低廉な、しかも環境のすばらしい住宅宅地の拠点をつくっていく必要があるんじゃないかというように考えているわけであります。
 私の田舎の方で、農家が全面協力するからリゾート式の新しい市街地の形成をしていただきたいという声が相当出てきております。私はこれを知事にも話をしたわけでありますが、知事も賛成だ、こういうふうに言っているわけであります。こういうところは山間地を造成して、しかもここにいわゆる用水の関係やあるいは学校その他教育文化施設の関係、それから雇用問題等について、人が足りないくらいなんですから、そういったような問題を兼ね合わせて、しかも週休二日制という問題を考えたときに、新たなリゾートとしてもその近傍に配置をしていくというような一挙両得的な考え方というものが今非常に盛んになってきているわけであります。これは建設省の住宅局で指導するのか、国土庁の各局において指導するのか、その点についてはどういうように考えますか。
#164
○政府委員(長瀬要石君) 先生御高承のように、四全総におきましては、国土の均衡ある発展を図る、このような見地から東京一極集中を是正し、そして地方圏を戦略的、重点的に整備する、このような考え方に立ちまして、多極分散型の国土形成ということを目指しているところでございます。
 このような方向を進めてまいりますためには、何と申しましても一つは雇用の場をつくるということが重要でございまして、そのような意味合いからいたしまして、それぞれの地域において雇用機会をつくり、所得機会を創出をするというようなことが大変重要だと考えております。さらに第二に、そのような点を踏まえながら、都市や農村を通じまして、都市的な機能、都市的な環境が整備されるというようなことが大変重要になってくるわけであります。そのようなことを前提としながら、いわば地方定住の基礎となりますような魅力的な生活環境というものをつくり出していくことが重要でございまして、それらの意味合いにおきまして、ゆとりのある良質な住宅、そしてまた円滑な宅地の供給ということを、単に東京圏のみならず全国それぞれの地域の特性に応じて進めていくということが重要ではないかと考えております。
 ただいま先生から御指摘ございましたような、農家が主体になりながら新たなリゾート的なところを開発するというような動きがありますことでございますとか、あるいはマルチハビテーションというようなことが言われておりますけれども、そのような点も含めまして、多様な住まい方というものをこれから追求していく時代になっていると思われるわけでありまして、私ども国土庁といたしましても、関係省庁ともどもこのような点につきましても十分検討してまいりたいと考えております。
#165
○青木薪次君 計画・調整局長の今の答弁でまことに結構だと思います。
 問題は、どこもまんべんなくというわけにいかないでしょうから、例えばそういうことについて農家が自発的に協力したい、そういう方向で新しい都市づくりをしたいというような地域や、あるいは全体的に見てこれはすばらしいところだというようなところが、これから建設省の高規格道路一万四千キロという案が策定されたわけであります。そうなってくると、今まで開発不可能と言われたようなところが新しい市街地形成の条件を与えられるという中で、高速道路と高速道路を結んだ肋骨道路というものは、さらにこれをある意味では都市街路としてこれに補完を加えていくというようなことで、率直に言って、二十坪か三十坪しかないような東京圏に胴ける住環境の条件の中において、今度は百坪も二百坪も持って住める。しかも、それは非常に遠隔な地で交通過疎地帯かというとそうじゃない。
 そういうことになってまいりますと、ここに新しい住宅問題を解決する一つの我々の将来の目標が開けたというように考えておるわけであります。そういうところから新しい日本の躍動というものが始まるというように私は考えているわけでありますが、そういう点で、建設大臣それから国土庁長官、今計画・調整局長のおっしゃったようなことをやることが私は新しい住宅開発になる、また地方振興になるというように考えているのでありますが、一言ずつちょっと答弁してください。
#166
○国務大臣(野中英二君) 今うちの局長から答弁いたしましたように、その線に沿って、雇用の場あるいは都市環境の整備あるいは定住、こういう観点に立ちましてしかと実施をしていきたい、こういうふうに考えております。
#167
○国務大臣(野田毅君) ただいま青木委員おっしゃいましたとおり、そういう夢を何とかして実現していかなきゃいかぬ。ただ、これをどうやって具体化していくかということ、これが我々の仕事でありますから、真剣に対処していきたいと考えております。
#168
○青木薪次君 次に、住宅問題に関連して伺いたいと思うのであります。
 東京都が六月十四日にまとめました昭和六十三年度被保護世帯生活実態調査というものが、地価高騰のあおりでアパートなどから追い出しを受けている生活保護世帯が急増していると報告されているのであります。この種の問題は、公営住宅への入居など地方公共団体の対応にまつべき事柄とは思いますけれども、国として何らかの手を差し伸べる必要があるんじゃないだろうかというように思いますけれども、建設省の見解はいかがですか。
#169
○政府委員(伊藤茂史君) 先生御指摘のとおり、基本的には公共団体の住宅政策の中で福祉関係施策と連携をとりながらやっていくべきものと思います。
 東京都の方の実情をちょっと調べてみましたら、一つは、いわゆる特別第二種住宅と言っているんですけれども、生活保護世帯を優先的に入れる特目住宅というのがございます。それから、通常の公営住宅に入居した後、生活保護世帯と同様の収入になった場合ということで、その場合も特別の家賃減免をしておりますが、そういう制度の中で本当に困っている人を優先して入居せしめるということで、ポイント方式、中身はちょっと私どもつまびらかでございませんけれども、言うなればより低額所得でより住宅に困窮している方々ということになろうかと思いますが、その選考をして優先的に入れておるということでございます。したがいまして、こういう制度を着実に実施していくことが一番かと思います。
 それからもう一つは、その場合もあくまでも公営住宅というのは転居、まあ表現は悪うございますけれども、今先生のお話ですと、民間賃貸住宅から追い出されるという形になった場合に、その追い出された後の資産状況あるいは収入の状況がもちろん公営住宅の収入基準に合わなければなりませんし、それから資産を含めて生活保護世帯に該当するものでなきゃならぬということは当然でございます。それと同時に、その古い賃貸住宅を取り壊しをして住宅困窮者になった場合にやはり優先的に入れる、公営住宅に本当に入居資格のある者を入れるということについては、私ども前々からそういう方向で行ってほしいという指導をいたしております。
 ただ、公共団体によりまして、全体のストックがまだまだ量が多くない、あるいはその他もろもろの地域地域の過去の歴史がございますので、そういう中から、多くの公共団体ではそういうものを採用しておりますけれども、採用していないところもあるということでございます。したがいまして、今後公団住宅の建てかえでありますとか、公社住宅の建てかえでありますとか、民間賃貸住宅の建てかえ等に際しまして、新しい住宅困窮者が出た場合に、適格であるならば公営住宅の方にあっせんをするというようなことも指導してまいりたいというふうに考えております。
#170
○青木薪次君 次に、私ども三月でしたかね、大宮方面へ土地調査に実は行ったわけです。これは土地特の関係でありました。
 住宅宅地を勤労者の手の届くものにするためには、地価水準を高値安定ではなくてやはり適正な水準に引き下げなきゃならぬ。東京の地価が下がれば、それとの価格のバランスで地方の主要都市がどんどん下がっていくということで、埼玉の県知事さんにも、東京が下がっているんだから、あるいはまた神奈川県も下がっているんだから、この辺ももっと下げなきゃいかぬという話も実はしたばかりなんです。ところが、このごろ東京の地価は既に下げ渋りが目立っている。なぜだろうかということで、下げ渋りについてはどういうように所管省である国土庁はお考えになっているか。これは国土庁長官からお伺いしたい。
#171
○国務大臣(野中英二君) 政府は一体となって、総合対策要綱に基づきまして、まず第一に監視区域の積極的な活用、それから二番目には諸機能の分散を図る、それから三番目には住宅宅地の供給を促進をしていく、こういうことで今日まで強力に土地対策を進めてまいったわけでございます。今後はさらに一層強化を図ろうということで、土地の公共性あるいは共通の国民意識の確立、こういうことに基づいて土地基本法をつくりたいということで御提案申し上げたわけでございます。また、この線に沿いまして国土利用計画の一部改正も御提案申し上げているところでございます。
 今後は、土地に関するところの施策の基本方向というものを定めまして、そして土地利用計画あるいは土地取引の規制あるいは土地税制等々の各施策と相まって土地の安定を図っていきたい、かように思っておるわけでございます。
#172
○青木薪次君 地価の適正化のためには多くの施策を組み合わせて実施する必要があるのでありますが、今国土庁長官の言われました監視機能、機能分散、供給体制というようなこともその一つであることは間違いありません。ぐんと土地が上がって、そしてこれを何とかして下げなきゃいかぬということのためにはこういうことも即効的には役に立つ場合があります。しかし、なれてきますと今度はこれを何とかひとつくぐり抜けようという知恵が働くんですよ。
 ですから、土地対策の基本というものは、不動産融資の抑制という問題と土地税制、この野田論文も見せてもらいました。ところが、一時的に自粛効果があったところの不動産業者がこのごろまた非常に暗躍を始めた。この点については、需要と供給の関係だと言えばそれまでですけれども、このごろの株価のように円安ドル高の影響や、あるいはまた国内の政治動向がごたごたしたり、中国の動向がいろんな問題が発生したりすると、ぐっと下がってみたりまた上がるというようなことだとは考えますけれども、そうではなくて、地価というものは、これは資産の基本でありますから、こういう問題については厳しくて含蓄のある政策提言をしなければならないところへ来ている、私はそう思うんですが、建設大臣、答弁してください。
#173
○国務大臣(野田毅君) 仰せのとおり、地価対策というものに対して快刀乱麻を絶つがごとき、そういう一刀両断の対策というのはなかなかないかと思います。いろんな形の施策を組み合わせながらやっていかなきゃならない。今御指摘のありました土地に対する金融機関の融資のあり方、これもやはり厳しくチェックをしていかなければならない部分の一つだと思います。
 それから基本的には、この土地というものが単なる私有財産権の延長線の上にだけあるという発想ではなくて、やはりこの土地というのは国民みんなのものなんだという基本的な認識、したがって、資産的価値と同時により利用を重点に考えていかなければいけない。しかもそれは公共の福祉のために活用してもらうんだという精神が必要であるし、同時にまた投機対象にするようなことがあってはならない。あるいはその開発利益というものをできるならみんなに還元してもらう。こういった基本的な考え方というものがやっぱり国民の中できちっとコンセンサスを得て定着をしていかなければいけない。
 そういう角度からこの土地基本法を審議をお願いしているわけでありますが、こういった考え方がまず国民の中に定着をしてくる、それに基づいて、先ほど来国土庁からも御答弁がありましたが、規制区域なり、特に監視区域についての的確なる運用をしていただく。あるいはまた、土地税制についても今言及されましたけれども、保有課税といったものについて、もう少し従来よりも負担を多くしていただくということについてのコンセンサスを得ていかなければいけない部分は当然出てくると思います。ただ、それも全般的な保有課税を強化すればいいというようなものではなくて、できるならばそれに土地の有効利用なり高度利用というものを絡めたような、それを促進していくような、そういった保有に対する課税のあり方、あるいは取得あるいは譲渡、それぞれについてもできるだけ利用促進という角度からの考え方というものが、税制なり金融なりあらゆる規制の面においてもあらゆる角度から、今仰せのとおり、地価の上昇圧力をいかに緩和し鎮静化させ、そして引き下げる方向に持っていけるか、こういうことを総合的に考えていかなければならないと思っております。
#174
○青木薪次君 今申し上げたんでありますが、一時的に自粛効果があった不動産業者がこのごろ増勢を強めているということについて、大蔵省の銀行局としてはどんな認識を持っているのか。
 私はあえて特定の金融機関のことは言いませんけれども、どんどん不動産の地上げのために金を貸しているというところがあるんですよ。そういう点については、大蔵省はやっぱり呼んで、どうなんだということを注意したり指導するようなことをしなければならないと思うのでありますが、これはいわゆる企業の自由の中に入るのかどうなのか、この点について大蔵省の銀行局から意見を聞きたいと思います。
#175
○説明員(東正和君) 御指摘の金融機関の土地関連融資につきましては、大蔵省といたしましては、六十二年七月以降個別の融資案件にまで踏み込みました特別ヒアリングを実施しております。これを通じまして、投機的土地取引等に係る不適正な融資を厳に排除すべく強力な指導を行っているところでございます。特に本年二月以降でございますが、このような特別ヒアリングの一環といたしまして、最近の地価動向等を踏まえ、より一層効果的な指導を行っていくべく、地価の上昇傾向が懸念されております大阪、名古屋等の地域をも念頭に置きつつ、融資の伸びが比較的高い一部金融機関を重点的かつ集中的にヒアリングしているところでございます。
 その状況でございますが、最近における金融機関の土地関連融資につきましては、あるいは貸しビル、マンション用地等の購入資金、さらには再開発案件、そういったものに対する融資等、いわゆる実需の盛り上がりを反映いたしまして若干の上昇が見られるところでございますが、実際にこれらの融資を行うに当たりまして、各金融機関はいずれも具体的チェック項目を示した融資基準を末端の営業店に徹底するとか、あるいは融資に際しましては一律に本部に事前協議するというシステムをつくるとか、さらには融資実行後の状況につきましてもフォローアップ体制を強化するとか、そういった措置を講じておりまして、全体といたしましては健全な融資態度が維持されている、そういうふうに認識されるところでございます。
 大蔵省といたしましては、今後とも、融資の実態、さらには地価動向等を踏まえつつ、より一層機動的あるいは効果的な特別ヒアリング等の実施に努めまして、投機的な土地取引等に係る不適正な融資が厳に排除されるよう厳正に指導してまいる所存でございます。
#176
○青木薪次君 今の話について努力したことは認めます。しかし、その後ちょっと大蔵省銀行局は手を緩め過ぎたと思うんです。下がってきたから、これはどうも大分下がるんじゃないかというように思って手を抜いたんじゃないか。特別ヒアリングをやったというけれども、やったには違いないけれども、その後持続的に厳しくやらなかった。国民が一時は安心した、よかった。もっともっと下がっていかなければ、高値安定になってしまっては困るという心配を実はしておったんです。ところが、このごろ大体横ばいになったということの理由を銀行局としてはどういうように見ていますか。
#177
○説明員(東正和君) 先ほどお答え申しましたとおり、最近の状況につきましては、基本的に実需を反映した、逆に申しますといわゆる排除すべき不適正な投機的土地取引等でございますが、そういったものに係る不適正な融資には該当しない、そういうふうに認識しております。
 さらに申しますと、ことしの二月以降まさに集中的、重点的に特別ヒアリングを改めて実施しているわけでございますが、その中で、個別の話に立ち入って御答弁することはなかなかできにくうございますが、一般論として申し上げますと、不適正な融資が仮に発見された場合にはこれを厳に排除すべく強力に実際指導しているところでございます。
#178
○青木薪次君 適正に融資が行われているという解釈をとっているという話でありますが、やはり地価が適正水準に引き下がるまで特別ヒアリングを実施すべきだ、こう思うのでありますが、この点いかがですか。
#179
○説明員(東正和君) 大蔵省といたしましては、融資の実態あるいはそのときどきの地価動向等を踏まえまして、実効性ある指導を実施すべく、そのときどきにさまざまな工夫を凝らしつつ、今後とも引き続き特別ヒアリングを実施してまいる所存でございます。
#180
○青木薪次君 住宅宅地対策とかなんとかいっても、こんなに急激に狂乱物価の上をいくような上がり方では何をやってもだめだというように考えます。その点で、銀行の融資の実情というものが非常に、もうかりさえずればいいというような自由主義経済の悪い面だけが前に出てきた傾向というものが今日国民的ないろんなひんしゅくを買ったということで、大蔵省でもこれに対していろんなヒアリングその他行政上のある意味の努力をしたということは認めます。
 土地対策として、ある意味で今申し上げましたように税制面からの対策は極めて有効だと思うんです。土地税制の抜本改正が最大の課題であると考えるのでありますが、キャピタルゲインに対する課税を強化して土地投機を規制するとか、あるいは土地保有コストをある意味では重くして土地の吐き出しを促す必要があるんじゃないだろうかというように私は考えますが、大臣どう考えますか。
#181
○国務大臣(野田毅君) 一般論としては、保有課税を厳しくして譲渡課税を易しくするといいますか、緩和するということをすれば、大体需給関係からいえば供給が促進されるであろう、これは一つの基本的に考えられる事柄だと思います。しかし他方で、税制面、譲渡所得課税をどのようにするかということになりますと、他の所得課税とのバランスで一体どういうことなのか、さまざまな、逆に公平という角度からの問題点も考えておかなければなりませんし、また保有課税強化論についても、キャピタルゲインそのものは売ったときに初めて発生するわけでありまして、保有しておるという、利用しておるという段階ではまだこれは顕在化しておらないわけでありまして、財産処分をしなければ払えないような保有課税が果たしていいのかどうか。そういう意味で、現在の基本的な保有課税であります固定資産税については、売った中から払うというよりも、むしろその土地から発生してくる収益性というものをも頭の中に入れて現在の固定資産税の体系が成り立っておるというふうにも考えております。
 そこで、先ほど申し上げましたように、この保有課税については、ただ高ければいいというものじゃないので、いろいろと工夫を凝らしていかなければいけない。そこで、高度利用なり有効利用なりを促進していくような形での保有課税のあり方を研究していかなければいけないだろうと思っております。
#182
○青木薪次君 私は、土地保有コストの強化だけすればいい、こういうように言っているんじゃないんです。しかしながら、大前提としては、土地を吐き出してもらう、宅地として提供してもらうという至上課題がある。
 これにはどうしたらいいかという点をいろいろと考えたときに、私は、野田建設大臣が今のお話のように土地保有コストの強化について消極的な意見を持っているということばかりと思いませんが、しかし一般的にはそうとられると思うんです。今日税制の課題としては、この土地保有に対するコストをある意味で強化しなければ土地を提供してもらえないというような問題がいろいろ出ております。例えば農地の問題もあるし、いろいろあると思うのでありまするけれども、そういう点については、東京周辺に勤労者も住めるんだという夢と希望を与えませんとこの点に対する不満がだんだん増幅されてくるというように考えます。
 この間の新聞に出ておりましたけれども、日本の政治の将来に対して非常に希望が持てない、悪くなっているというように答えた人が実は六十何%。この点が増幅されてきたら大変なことだということも考えつつ、ついぜんだってまでは大した金持ちじゃないと思ったけれども、このごろ頭を使って、急に豪華な大邸宅に住み、高級車に乗り、そして別荘を持ち、非常にぜいたくな暮らしをしている。この人たちは税金はどうかといったら、我々が思ったような税金は出していない。また、土地を持っていることについては、今大臣が言ったように、土地を持っているというゆえをもってそれを売らなければほかの方へ転地もできないというような人もあるわけです。私はただ一概にこのことを言っているわけじゃないんですけれども、その点については非常に危機感を持っているということを申し上げて、もう一回大臣に答弁してもらいたい。
#183
○国務大臣(野田毅君) 私自身も大体基本的には同じような認識だと思っております。そういう意味で、低利用とかそういった土地をさらに高度利用に供してもらうための保有課税の強化とか、いろんな角度からの知恵が出せるのではないかと思っております。
 現在、建設省の関係審議会で、宅地供給の方策としていろんな角度から、税制面をも含めて勉強していただいておりますが、少なくとも政府としても、ことしの暮れの税制改正作業の中ではこの土地、住宅税制についてひとつ抜本的に前進をさせたい、このようにも考えておるわけでございます。
#184
○青木薪次君 次に、大深度地下利用の問題について、政府が昨年六月に決定した総合土地対策要綱の中で、今国会に関係法案の提出が求められていた大深度地下利用法案は、これは今もって提出されていないのでありますが、建設省はこの提出を断念したんですか。
#185
○政府委員(望月薫雄君) 東京を初めといたしますいわゆる大都市地域は、現状のように大変土地利用が稠密化しているし、また地価も高い、こういった中で必要な社会資本整備が思うようにいかない。こういったことからいたしますと、大深度地下空間というものがいわゆる道路、鉄道等の整備のために非常に着目される空間だという認識に立って私どもいろいろと検討し法案の準備をいたした経過がございます。
 率直に言いまして、私ども、この大深度地下利用については、残されたといいましょうか、大変貴重な空間である、こういったことを前提に考えますと、今後の利用のあり方というものをどう考えるかという点につきまして二、三点の基本線を踏まえているわけでございます。
 その一つは、やはり公共的な利用を中心に考えていくべきだろう。あるいはまた私権との調整。言うなれば、大深度地下といえども所有権が及んでおるという法制上の前提を置きますと、その権利との調整をいかにするか、こういった点が大変大事だろう。さらにまた言えば、できることならば権利調整の手続等は政府として一元的な手続が望ましい、こういったことで私ども法案を準備してまいったわけでございますが、他省庁におきましてもいろいろと御構想がございまして、七省庁から法案の提出の構えが出たということで、その後いろいろと調整の場に入ったわけでございます。今日までずっと内政審議室を中心にいたしまして調整手続が進められてまいっておりますが、残念ながら今国会には成案を得るに至っていないという現実でございます。
 私どもこの問題を今後どう考えるかということでございますが、冒頭申しましたように、大都市地域におきます社会資本等を整備するに当たって大変大事な空間であり、大変重要なテーマであるという基本的な構えば今でも少しも変わっていないところでございますので、引き続き私どもとしては関係省庁との調整に努めながら、できるだけ早く成案を得られるように努力してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#186
○青木薪次君 私もどこかがまとめ役にならなきゃならぬということだと思うんです。やはりこれも土地対策の一環であり、大深度の地下利用ということはそういう意味で国土庁とか建設省がその役割を果たさなければ、例えばその地上なり、その地下深度の上にあるものとの権利関係というものは保障されない。地下鉄にしても何にしてもそうでありますが、ただ穴を通せばいいというものばかりではないわけでありますから、そういう意味で、国民の権利を守りながら、そこに非常に整合性のある深度利用というようなものが行われていかなきゃいかぬのじゃないかと思うのでありますが、この点についてはいかがですか。
#187
○政府委員(北村廣太郎君) ただいま望月建設経済局長の方から御答弁したとおり、政府として調整中でございますが、内政室が中心となりまして関係各省集まりましてかなりの程度に調整作業が進んでいるところでございます。ただ、基本的な点で一、二そういう点がございまして、既にその辺につきましても取りまとめの基本的な考え方をそれぞれの省庁において御整理いただきまして、最終的な詰めをできるだけ早い機会に仕上げたいということで作業中でございます。
 国土庁におきましても、大都市圏の整備という点あるいは土地対策という点からこの点につきまして御参加させていただきまして、鋭意調整の一役を担わせていただいておる現状でございます。
#188
○中野明君 代々の建設大臣の所信表明における住宅に関する所信を調べてみましたところ、六十一年の江藤大臣までは、「良質な持ち家取得の促進を図る」云々ということが述べられておるわけです。しかし、それ以後の大臣の所信からはこの持ち家取得の促進という言葉がないわけです。先日の野田大臣の所信でも持ち家取得という言葉はなくて、かわって公共賃貸、民間賃貸住宅の供給促進が強調されておるわけです。このことは、建設省の住宅政策の重点が、六十一年を境にして持ち家から賃貸重視に変わったんではないか、このようにも考えられるんですが、建設省の住宅政策の基本スタンスについて野田大臣の御所見をお伺いしたいんです。
#189
○国務大臣(野田毅君) 大変中野委員の今の敬服をいたしました。私も、歴代の建設大臣の所信の中でどういうふうに書いてあったかちょっと自分でも確認をしておりませんでしたので、御教示ありがとうございます。
 ただ、基本的に、あるいは言葉の上で持ち家という言葉が強調されておらなかったかもしれませんが、基本的に、公共賃貸の問題とそれから持ち家取得促進、これはもう大きな二本柱でありまして、既に先ほど来いろんな角度から御議論をちょうだいしております中の大きなテーマとして、特に宅地の供給とか、あるいは住宅をいかに中堅所得者でも手が届くような形で供給できるか、これが現下の最重要課題の一つであるという認識を申し上げておるわけでありまして、この点は従来と基本的なスタンスに変わりはないということで御理解をちょうだいいたしたいと思います。
#190
○中野明君 私も今見せてもらったんですけれども、江藤大臣以後は全然この大臣の所信から持ち家取得の促進という言葉が意識的に削除されているんじゃないかというふうに私は受け取ったものですからあえて申し上げているわけでして、それでなければ結構ですけれども、その点をこれから具体的にちょっと質問してみたいと思います。
 総理府の統計局が五年ごとに行っている住宅統計調査によると、住宅全体に占める持ち家の割合が、五十三年の調査では六〇・四%、五十八年の調査では六二・三%と上昇を続けてきたんですけれども、六十三年の調査では一転して六一・四%と減少しているわけです。特にこれを都道府県別に見ますと、東京は四〇・五%、大阪が四九・五%といずれも半分以下の比率となっております。持ち家率が低下した原因について建設省はどう見ておるのか。結局この持ち家が低下してきているということ、地価が高騰して持ち家が持ちにくいということで、あえてもう持ち家を重点に置くんじゃなしに、公共住宅でかえていこうというような考えがあるんじゃないかと、こう見ているんですが、この点はどうなんですか。
#191
○政府委員(伊藤茂史君) 持ち家率が先生おっしゃいますように統計上下がってきております。
 この原因でございますが、先生おっしゃいましたように、最近の地価高騰で持ち家取得、持ち家を持ちたいんだけれども持てないということで延期しているという面も確かにあろうかとは思います。ただ、この統計は五十八年と六十三年という二時点間の変化でございます。この二時点間の動向を見ますと、持ち家建設あるいは貸し家建設がどういう状況だったかといいますと、持ち家につきましては、五十八年以降大体七十万戸台の下の方を低迷しておったわけでございます。これはどういうことかといいますと、六十一年以降地価は上がってきておりますけれども、それまでの間五十八、五十九、六十というのは地価が非常に安定をしておりまして、五十年代後半というのは持ち家が非常に持ちやすい、取得しやすい状況にあったわけです。しかも住宅価格も低うございますし、安定しておりますし、それから住宅ローンの金利も低利であったということでございます。
 ただ、私どもいろいろその当時分析しました結果から見ますと、将来自分たちの所得がふえるかどうか、所得の伸びの期待感というものがございますが、これが大きゅうございますと、それではそれを当てにしてという、表現はなんでございますけれども、見込んで、この際持ち家を持とう、こういうことになるわけでございますけれども、住宅価格は安定しておりますからいつでも持てる。金利も安定しておりますからこれまたいつでも持てる。しかし、所得は将来そう大きくは伸びる見込みはない、こういう状態なわけです。ところが、六十一年、六十二年と急速に地価が上がりまして、住宅価格もそれで上がってきたわけでございますが、それではならじと持ち家建設もふえ、持ち家取得もふえた、そういうことになっておった。したがいまして、私が考えますに、五十八年から六十一年までの前半三分の二ぐらいの部分は国民の持ち家取得の意欲が非常に冷えていたということから、その後確かに持ち家取得は進んでおりますけれども、それでは追いつかなかったという面がちょっとあるというのが一点でございます。
 それから二点目は、世帯主の年齢別に、その世帯が持ち家を持った時期というのがあるわけでございますけれども、それが最近に至るまでの間はだんだんと若年化傾向があったわけでございます。若い時分に持ち家を持つということで持ち家率が上がってきた傾向があったわけでございますが、三十代の半ばを中心にしまして今までの傾向と非常に違った傾向が出て持ち家率が下がったということでございます。これは六十三年に改めて出たわけではなくて、もう五十八年時点からその傾向は出ておったということでございます。そういうことで、社会構造的な問題だと思いますけれども、長男長女化が進んでみたり、それから生活の態度が変わってみたりということがあるのではないか、こう思います。
 今先生ちょっと地域的なことを申されましたが、地域的な分布を見ますと、以前から大都市地域は持ち家率というのが低くて、世帯主の年齢で見ますと、地方に比べて大都市の方は五歳ないしはそれ以上ちょっとおくれて持ち家率が同様になっているという傾向がございましたので、それは、今回も全国的に持ち家率が下がったということで、ほぼバランスした形で下がっているのじゃないかと思います。そういうことで、単純に最近におきます地価高騰で持ち家をあきらめて持ち家率が下がったということはないのではなかろうか。いろんな要因が重なってそういう状況になったのではないかと思います。
 別途、現在借家に住んでいる人がそれでは将来の居住水準の向上をどういう形でやりたいと思っているかというような調査を見ますと、持ち家を持って居住水準の改善をしたいというような方がまだ相当ありますし、どの調査なんかでも依然として持ち家意識は高いということでございますので、基本的な考え方は変わってない。今言いましたように、いろんな要因が重なって出てきたのではないかというふうに考えております。
#192
○中野明君 東京、大阪方面では、これはもう御承知のように、結局、地価高騰のために家を持ちたくても持てないというのが主たる原因だ、私はこのように見ております。
 それでもう一つは、空き家が九・四%と過去の最高になっておるんですが、この原因はどう見ておられますか。
#193
○政府委員(伊藤茂史君) 住宅統計調査上の空き家と申しますのは、今賃貸住宅として借家人を募集しておる最中であるとか、あるいは持ち家を建てて売りに出しておるとか、それから中古住宅を売りに出しているとかいったような、言うなれば棚卸し的な市場に出ておるものがございます。それから別荘などの二次的な住宅というのがございます。セカンドハウスでございます。そういうものと、それからもう一つは、人が住んでいない、つまりもう出稼ぎに行ってそのまま空き家にしておるとか、それから将来は建てかえたいので、賃貸住宅ですけれども、借家人を入れないでそのままにしておるとか、それから長期にわたって不在のままであるときまた戻ろうと思っておるとか、いろんな要因あると思いますが、現在空き家で、しかし市場には出てない、こういうものがあるわけでございます。
 今回の空き家はその三種類のうちどの部分がふえたかといいますと、別荘などの二次的住宅とそれからその他の空き家というのはほとんどふえておりませんで、言うなれば賃貸または売却用の要するに市場でお客さんを募集しているというところがふえております。これが百八十三万四千戸から二百三十三万五千戸ということでございますので、住宅総数に対する比率で見ますと五・二%から六・二%、一ポイントふえたということでございます。
 これがどうしてそういうふうになったかということでございますが、先ほども五十八年から六十三年までの間の住宅建設の状況を申し上げましたけれども、ちょうど先ほど言いましたような経済環境の時期というのは賃貸住宅を建てるのに非常にいい時期なわけでございます。つまり住宅価格が安定しておりますし、それから金利も安いということでございますので地主さんは喜んで賃貸住宅を建てる、そういうことで民間の借家建築ブームが起きた時期でございます。大量の貸し家が市場に供給されたということでございます。したがいまして、これが新築のまま空き家になっているか、あるいは古い住宅から新築の方に移って古い貸し家が空き家になっているか、その両方あると思いますけれども、いずれにしましても、貸し家に相当あきが出てきておるという状況でふえたものというふうに解釈をいたしております。
#194
○中野明君 住宅政策の目標の一つとして最低居住水準未満世帯の解消というのがございます。現在の第五期住宅建設五箇年計画、これは六十一年から六十五年ということになっておりますが、最低居住水準については計画期間中にできるだけ早期に解消する、このようになっておるんです。前回の五十八年の調査では最低居住水準未満の世帯が三百九十九万世帯、世帯総数の一一・五%となっておりますけれども、六十三年の調査ではこれはどうなっておりますか。
#195
○政府委員(伊藤茂史君) 今回の住宅統計調査で見ますと、全世帯の九・五%、三百五十七万世帯ということになっておりまして、初めて一〇%を割ったということでございます。
#196
○中野明君 次に、大都市地域では最低居住水準の確保すら難しくなってきているのが実情でありますけれども、GNPが世界第一位の経済大国、きょうも朝、新聞でも出ておりましたように、年率に直したら九・一%とかなんとか大変な経済大国になったということになっているんですが、国民は少しもその豊かさというものを実感できない。こういうような実情の最大の原因というのは、土地やら住宅問題が大きな原因になっているんじゃないだろうか、そういうふうに考えます。
 すべての国民が健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を確保するということ、所信で先ほどもおっしゃっておりました。それから福祉国家日本の条件であるというふうにもなっておりますけれども、そのためには、住宅政策は全国一様に持ち家政策を推進するのではなくして、大都市地域では公共賃貸住宅を重視して、それ以外の地域では持ち家を促進する、推進するというような政策の色分けも必要じゃないだろうか。土地の価格との関連もありますけれども、そういうふうに一応思うんですけれども、大臣はこの点どうお考えになっていますかね。
#197
○国務大臣(野田毅君) 御指摘の視点も一つの考え方だと思いますが、大都市地域においても我々持ち家取得を促進をしたい、やはりこの政策努力を怠るわけにはまいりませんし、地方においても低所得層に対する公営住宅に対するニーズもあるわけでありますから、実情に応じて進めていかなければならない問題だと思います。ただ、そういった中で、特に最近の地価事情等から、大都市地域について今御指摘のような角度のニーズが非常に高まっておるということを十分認識はいたしております。
#198
○中野明君 それで次は地価の動向ですが、最近の地価動向はどのようになっておるかということなんです。
 地価の高騰が大阪圏、名古屋圏その他の地方の主要都市にも波及をしていっているように見えます。人口あるいは業務機能が東京へ集中している傾向にありながら、地価高騰は地方に分散していくというこの現状、これをどう見ておられますか。
#199
○政府委員(藤原良一君) 先生御承知のとおり、東京圏では地価の鎮静化が顕著に見られるわけでございますが、それでもなおかつ四十キロ圏から六十キロ圏あたりではなお上昇が続いておるという状況でございます。また、地方部では大阪圏、名古屋圏、それとブロックの中枢都市等では相当の値上がりが見られます。
 この要因でございますが、東京圏で順次都心から住宅地あるいはその外周部に広がっていった過程では、都心からの買いかえ需要とか、あるいはそれを少し先取りした状態での買いかえ、さらには投機的な要素、そういうものもいろいろ複合的に原因しただろうと思います。もちろん金融の緩和状況もございましたし、そういう複合的な要因で上がっていったのだと思いますが、地方部にそれが波及する段階では、東京圏と地方圏の格差といいますか、割安感というのが相当地方部の需要を引き起こしたんじゃないか。また、地方部で都市の整備等も相当進んでおりますので、そういうやはり将来の期待というものも加味されて地方部の高騰を引き起こしておる、そういうふうに見ております。
#200
○中野明君 結局、東京の地価と比較して割安感からくる役機的な要素、これは確かにあると思いますが、投機的な土地の取引に対しては監視区域制度があって、大阪圏、名古屋圏等についても早い段階からその監視区域というものを指定していたと思いますけれども、それでもなおかつ大幅な地価高騰があったというのは、これはどのような理由だとお考えになりますか。もう一度。
#201
○政府委員(藤原良一君) 私どもの方でも、できるだけ地方への地価の高騰が波及しないように、できるだけ前向に先取りして監視区域を指定するように公共団体とも打ち合わせをしてきたわけでございます。そういうことでかなり事前に監視区域の指定がなされた地域が多いわけでありますが、ただ監視区域の運用には人手も予算もかかります。また地域住民のコソセンサスもある程度必要だということもございまして、指定はしたけれどもやや区域的に不十分だとか、あるいは届け出面積の下限が広過ぎるとか、そういう不十分な点もあるいはあったかもしれません。ただ、その後の地価動向を見ながらそういう不十分な点をさらに補い、機動的にこれを運用していこうということで努力をしておるわけでございます。
 ただ、監視区域の指定というのは一応対症療法的な対策でございますので、やはりより抜本的には、需要を分散し、あるいは仮需を徹底的に抑えるとか、あるいは供給をより一層促進していくとか、そういう抜本的な対策が必要じゃないかというふうに考えております。
#202
○中野明君 先ほども議論になっておりましたが、一時は大蔵省の指導等によって金融機関の不動産融資が減少しておったんですが、最近再びこの増加が見られるという報道もあります。地価高騰を抑えるためには不動産融資の自粛というものは有効な方法でございますけれども、自粛の指導を引き続いて重点的に行う予定があるやに先ほどおっしゃっておりましたが、この地価高騰の地方分散を防ぐためには、地方の不動産に対する投資の流れに十分注意を払う必要があると考えておりますが、この方策を含めて御所見をお伺いしたいと思います。
#203
○政府委員(藤原良一君) 土地関連融資につきましては、確かに融資残高もなお多額でございますし、またマネーフローも一二%くらいと二けた台でございますので、金融の緩和状況は依然として続いているというふうに見るべきだと考えております。そういうことで、大蔵省とも連絡を密にしながら一昨年から行っております特別ヒアリングというのを重点的にやっていただきたいということでお願いしております。また、融資をする際には、監視区域における取引につきましては、行政庁が不勧告通知をした、この取引価格は適正だ、そういう不勧告通知がなされたかどうかを確認して融資していただく、そういうふうな指導も行っております。
 いずれにしましても特別ヒアリングをさらに引き続き強化してやっていただきたいと考えております。
#204
○中野明君 特に、東京の地価の上昇は一応頭打ちになったというものの、地価の水準というのはこれはもう異常なものであります。この東京の地価を現状のままで置くんじゃなしに大幅に引き下げる対策、これが必要だと思うのですけれども、現在政府はどのような施策を重点的に行ってこの地価を引き下げる努力をなさっているのか、その辺をちょっとお伺いします。
#205
○政府委員(藤原良一君) 土地対策を効果的に行うためには総合的な対策が何よりも必要でございますので、昨年閣議決定いたしました総合土地対策要綱に基づきまして、先ほど来話に出ております監視区域制度の積極的な活用、あるいは人口、産業の地方分散、住宅宅地の供給促進等、各般の施策を推進して地価の安定を図ろうとしておるわけでございます。
 なお、これらの施策を強力に推進するためには、土地の公共性を明確化して、国民が土地についてより強い公共性、社会性を有しておるという認識を持っていただく必要がある。そういうことで今国会に土地基本法案を提案さしていただいているわけでございますが、この法案が成立いたしますと、基本法に基づいて各般の施策がさらに展開されていくものと我々の方は期待しておるわけです。土地利用計画に関する施策あるいは土地取引に関する施策、土地税制、もろもろの施策が相まって地価の安定、ひいては引き下げ、そういう方向に持っていきたい、そういうふうに考えております。
#206
○中野明君 今も話が出ておりますように、もう一つ大切なことは、我が国では土地は公共の財産であるという意識が非常に低い。また制度的にも土地投機や土地転がしが禁止されてはおらない。このために余裕資金の運用手段の一つとして土地の投機が横行して、結局地価狂乱の大きな要因となったということは事実であります。したがって、土地をもうけの対象にさせない、言いかえれば土地でもうけさせないための仕組みを確立することが重要ではないか、こう思うわけですが、土地でもうけさせないためには税制面からの措置というのが一応効果的な一面も持っております。
 村山大蔵大臣は土地税制の抜本見直しを示唆しておるんですが、野田建設大臣も税制通で有名な方でございますが、建設省として土地税制をどう見直して拡充強化する方針か、御所見をお伺いしたいと思います。
#207
○国務大臣(野田毅君) そう税制通というほどではありませんが、土地については、課税の仕組みとしては、取得、保有、譲渡、それぞれの局面において考えていかなければならないということと、それから税制だけでうまくいくというものでもないので、税制に先立つ、例えばどういう角度から有効利用を進めていくのかとか、あるいは投機的な取引に対する、税だけではない、そういう規制なりといったものとどういうふうに絡み合わせていくのか、そういったことが総合的に必要なことだと思います。そういった意味で言えば、既にこれは現在の税制の中でも実施されておるわけでありますが、超短期に対する重課、これはいわば投機的な土地取引でそういった金もうけはさせないという趣旨でありますし、そういう意味での超短期に対する譲渡課税の強化ということは既にやっておるわけであります。
 それから、先ほど来いろいろ御議論をいただいておりましたが、保有課税についてもさまざまな角度から検討を加えていかなければならないと思います。そういう同じ保有課税でもいろんな局面があると思うんです。画一的な取り扱いというのはなかなか難しいと思いますので、きょうこういう場でありますから、余り細かいことを具体的に申し上げるのはいかがかと思いますが、特に高度利用、有効利用という土地の利用促進ということに主眼を置いた保有課税の強化ということは配意していかなければならない問題だと思います。特に、年末は土地税制あるいは住宅税制を含めて抜本的に見直しを行いたいと考えております。
#208
○中野明君 次に、野中国土庁長官にお伺いしますが、地価適正化のための総合的な施策の指針として昨年の六月に総合土地対策要綱が決定されましたが、それからちょうど一年が経過しております。その実施状況と効果について簡単に御説明いただきたい。
#209
○国務大臣(野中英二君) 今御指摘のありました総合土地対策要綱に従いまして、まず第一に監視区域の積極的活用をやってまいりました。今御指摘がありました大阪圏の問題にいたしましても、東京圏の方は鎮静いたしておりますが、大阪圏の方が高騰いたしておりますので、過日大阪知事とお話をいたしまして、監視区域の引き下げを行ったわけでございます。
 なお、諸官庁の機能を分散していこう、こういうことを考えまして、七十九機関、十一部隊、これを八月三十一日までに移転先を決定いたしたい、かように考えておるわけでございます。
 なお、住宅宅地の供給を促進していこう、こういう努力をしてまいったわけでございます。
 こうしてある程度の効果は上がってきたと考えておりますけれども、何といっても、土地に対する国民の認識というものをどう決定づけていくかという、いわゆる憲法二十九条におけるところの財産権を二項によって公共福祉のためにどう制約していくか、こういう大問題を抱えましてこのたび土地基本法案というものを提出いたしたわけでございます。これによりまして、土地というのは再生産のきかないものだ、商品価値として、商品として取り扱われては困るじゃないか、こういう土地に対する公共性というものをまず認識してもらう。それから同時に、土地に対する共通の国民の認識というものを確立していただきたい、こういうことで土地基本法案を提出いたしたわけでございます。この線に沿って土地利用計画法の一部改正を行うんだ、こういうことを提案いたしておりまして、できるだけ地価の安定に実効ある政策を行っていきたい、かように思っておるわけでございます。
#210
○中野明君 終わります。
#211
○上田耕一郎君 きょうは内部障害者の有料道路料金の割引問題を取り上げたいんですが、十一年前にこの有料道路料金問題というのは当委員会でも大きな問題になって、私も一、二回質問したんですが、その年の、七八年ですが、十二月に建設省の検討会の結論が出て、七九年から、最初は足の障害の方について割引になったんです。五〇%割引です。我々免除を要求したんですが、五〇%割引。八六年度からは上肢の障害者にも適用が広がったんです。
 最近も請願が毎国会出てまいりまして、介護者にも拡大してほしい、内部障害者にも拡大してほしいというんですね。昨年の百十三回国会では、与野党の理事、オブサーバー一致で前向きに検討しよう、それから建設委員長も特に要望をされて、そういう経過があるんですが、その後この検討の結果はどうだったでしょうか。
#212
○政府委員(三谷浩君) 今お話がございましたように、有料道路通行料金の身体障害者割引制度につきましては、自動車の運転装置の改良、それからノークラッチ、パワーステアリング等の普及によりまして、従来は自分で運転することが極めて困難であった肢体不自由の方々が自動車を運転することが容易となり、その数も増加してきた状況を踏まえまして、昭和五十四年六月から、身体障害者手帳の交付を受けている方のうち主として足の不自由な方について、みずから自動車を運転する場合に有料道路の通行料金を五割引きとする制度として設けられたものであります。それから六十一年の十二月からは、手の不自由な方がみずから自動車を運転する場合も対象とすることとし、適用範囲の拡大を行ったわけでございます。
 この制度は、これらの方々にとって自動車はいわば移動のための不可欠な足がわりであり、自動車を運転する場合、ハンドル操作や各種装置の運転操作に困難を伴うために、一般道路より走りやすい有料道路を通行せざるを得ないことが多いから特に設けられたものであります。それから、この件につきましては、肢体不自由の方が運転する場合には走行条件のよい有料道路を通行することが交通安全上も望ましいという判断が働いています。
 なお、この割引措置は、償還主義のもとで、他の利用者からの負担によって行われるために、割引制度につきましては一般利用者の理解と協力が前提でございます。
#213
○上田耕一郎君 厚生省、来ていますか。――心身障害者対策基本法、それから身体障害者福祉法がありますが、身体障害者に対する福祉対策の中で各分野でいろんなものがありますね。その中で、内部障害者には適用しないというようなものがありますか。また、差別する法的根拠がありますか。
#214
○説明員(福山嘉照君) お答えいたします。
 厚生省としては、身体障害者福祉法に規定します各種施策については、例えば点字図書館は、視覚障害者の利用に供するものであるなど、身体障害の種類等に応じた個別の需要にきめ細かな対応を行っているところであります。基本的には、いわゆる内部障害者も含めた身体障害者全体を対象としているものでありまして、類型的に内部障害者のみを対象から除外しているものはないと考えております。
#215
○上田耕一郎君 基本法の二十三条並びに福祉法の第三条で国及び地方団体の責任が決められていまして、これは身体障害者全体に対する施策なんですね。
 それで、私も調べましたけれども、税の控除、公営住宅の入居資格、雇用促進法の適用、自治体の医療費助成誰々、内部障害者だけ区別したのはないんですよ。ただ一つあるのは交通関係なんです。鉄道運賃と有料道路利用料金、ここだけ内部障害者はあかんということになっているわけだ。厚生省は運輸省に対して、内部障害者にも適用すべきだ、鉄道運賃について、そういう要望を出したことがありますね。
#216
○説明員(福山嘉照君) 過去にございます。
#217
○上田耕一郎君 何回も出しているんですね。昭和四十二年、四十八年一四十九年、五十一年。運輸省鉄道監督局長あて、厚生省の三名の局長の方が、内部障害者だけ除かれている、身体障害者福祉法上の範囲に含まれているにもかかわらず当該優遇対象となっておりませんということになっているんですね。建設省の有料道路料金については要望はないんだけれども、これはやっぱり同じ交通上の優遇措置として鉄道運賃と横並びと考えていいんじゃないですか。
#218
○説明員(福山嘉照君) お答えいたします。
 障害者の移動、交通対策につきましては、関係各省の取り組みに加え、障害者の自立と社会福祉参加の観点から、厚生省といたしましても、個別には障害者の住みよい町づくり事業や身体障害者社会参加促進事業などを実施しているところであります。身体障害者の社会参加の促進を図る観点も含め、通行料金割引自体については、当該料金のあり方に責任を有する主務官庁において検討をされるものであると理解しております。
#219
○上田耕一郎君 ですから、野田大臣、ここまでやっぱり来ているんですね。今度JR東日本は内部障害者への適用拡大の意向を表明した。共産党も五月二十四日に申し入れをして、運輸大臣にも申請を出して、検討するという約束なんです。JR東日本がようやく、これまで本人とそれから介護者、介護者は本人と若干違いますけれども、割引があって、内部障害者に対する適用を前向きにやろうというところになってきた。そうすると、建設省所管の高速道路の有料道路、これの割引問題で内部障害者問題が残っているんですね。
 私、先日建設省の方に来ていただいていろいろ理由を聞いたんです。発想が違うんですよ。つまり障害者という人に対する施策ではなくて自動車に対する施策だ、まず車だと、相手は。車を運転する運転の仕方について、足の悪い人、しかし足が悪くても車に乗れるようになっている、だからこの際は高速道路を通らなきゃいかぬだろうからまずやったと。だんだんいろいろ発達して、手の悪い人もハンドルがちゃんとやれるようになって、そういう車ができてきて、だから手の不自由な方にも拡大した。車と運転の角度からいろいろ分析して進んでいるんです。これはやっぱり発想が非常に限定されているんですね。
 それで、障害者の基本法第二十三条は、「国及び地方公共団体は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は心身障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。」。福祉法の第三条も、「国及び地方公共団体は、前条第二項に規定する理念が具現されるように配慮して、身体障害者に対する更生の援助と更生のために必要な保護の実施に努めなければならない。」、こうなっている。
 ところが、建設省所管の高速道路関係は人ではなくて車だというんですよ。やや専門的過ぎて、そこからの議論をずっと詰めていくと、いや心身障害者と運転との関係で内部障害者とかいろいろなことになってくる。そういう議論はそれはあるだろうけれども、まず基本は、基本法、福祉法の国の施策の基本に立ってやらなきゃならぬと思う。もちろん建設省も、車相手のことだけでなくてこういう基本観点も一応書いてある。検討会の結論がここにありますが、「近年における有料道路の整備の進展に伴い、歩行機能が失われているため自動車を運転する身体障害者が有料道路を日常的に利用する機会が増大している実状に鑑み、有料道路の料金がこのような身体障害者の社会的経済的自立を阻むことのないよう」と、ここには「社会的経済的自立を阻むことのないよう」、という理念が入っているんですけれども、それでこうなったわけです。
 こういうことを進めますと、今まで建設省がこの問題について検討してきた観点、人ではなくて自動車が対象だ、特に運転の能力や運転技術あるいは自動車の技術的改善、発達、障害者の利用の普及度等々、そういうことに着目して詳細な研究をおやりになっていたと思うんだけれども、その上にもう一つ基本法の精神、それから厚生省の要望も踏まえて、この際、内部障害者の問題もこの有料道路料金の割引に加えるというところに、JR東日本が始まったときでもありますし、進むべきときに来ていると思うんです。これはひとつ大臣いかがでしょうか。
#220
○政府委員(三谷浩君) 今の心身障害者対策基本法二十三条に基づきます国及び地方公共団体のことでございますけれども、日本道路公団、これは直接国ではございませんけれども、国が設立した特殊法人でございますので、この基本的な精神はやはりできるだけ尊重しなければいかぬ、こういうふうに私どもも認識しております。
 それで、障害者の方々の福祉の増進を図る観点から、有料道路におきまして、例えば車いすで使用できるトイレの増設であるとか、あるいは利用しやすい段差の改良であるとか、あるいは非常用電話、こういう整備を進めておりますほか、身体障害者の割引制度につきましても、この考え方にのっとりまして障害者福祉の増進を図る観点から講ぜられているわけでございます。この割引制度、他の利用者の負担による内部補助として行われております有料道路制度の基本的な考え方や、それから身体障害者の方々の有料道路の利用の実情から割引制度の対象とされる範囲、こういう考え方、これはやはり負担の考え方、こういうものについては、割引制度の拡大に当たりましては一般利用者の理解と協力というものが当然前提になろうかと思っております。
 そこで、今先生からお話がございましたように、内部障害者とかあるいは介護者の問題、こういうものにつきまして、いろいろ拡大について要望があることは承知しております。ただ、この拡大につきましては、内部障害者の方々にもさまざまな障害をお持ちの方がいらっしゃると思いますし、またどのように有料道路の利用とかかわり合っているか、あるいは障害者の方々や介護者の方が運転をされる場合どのように考えるか、あるいは割引制度が先ほど申し上げましたように利用者の負担によって行われているわけでございますから、対象範囲の拡大についてどこまでほかの利用者の方々の理解と協力を得られるか、こういうふうに大変難しい問題があることも事実でございます。したがいまして、なお慎重な検討が必要であろうというふうに私ども考えております。
#221
○上田耕一郎君 最後に、大臣に検討をお願いしたいんですが、今局長が、実際どういうふうに利用されるか等々の研究が必要だという。
 私も障害者団体のアンケートその他を今度かなり調べたんです。一番要望が多いのは、心臓機能の障害者とそれから人工透析をやっている腎臓障害者です。心臓の場合には、例えば県によって、県では大体一、二カ所ぐらい専門病院がある。年に一、二回は東京、大阪の高度の専門病院で診てもらわなきゃならぬという人がかなりあるんです。毎週一回程度通院。それから、足の悪い方と違って短距離は歩けるけれども長距離の歩行は困難だ、階段の昇降は心臓に負担がかかるというので、公共交通機関の利用は苦しいので高速道路利用を望んでいるケースがかなりある。
 人工透析の場合は大変です。一回四時間から六時間かかる人工透析を大体週三回、月十三回の方が多いんです。社会復帰している人は夜間透析が多いわけでしょう。終了が遅くなるので早く帰りたい。それから会社を早引けしなきゃならぬ点もあるので、なるべく通院にかかる交通時間を少なくしたいというケースですね。
 私ここに具体例を持っていますけれども、例えば東京の人工透析のある患者、首都高速を使っていて往復千円、十三日で一万三千円。大阪で阪奈道路を使っている方、一万五千六百円。兵庫で生野から姫路、往復二千百四十円で二万七千八百二十円かかっている。福島の方は白河から黒磯、東北道路なら短い時間なんだけれども、高いので国道四号を使っているというケースなんかあります。そういう実情があるということをよくご存じいただきたい。
 それから、財政問題も局長言われましたけれども、道路公団は三年ごとに料金値上げで、今回九・六%値上げ、増収額年平均一千億円。今躯体障害者の免許状を持っている方が三十万人ですけれども、内部機能障害者というのは全部入れても三十万なんですね。ですから、今九億円かかっているというんだけれども、内部障害者を必要なケースを取り入れてもそうめちゃくちゃに広がるということはないだろうと思うんです。
 もう時間がございませんので、先ほど申しました厚生省の要望、基本法、福祉法の基本規定、JR東日本が前向きの状況等々、それから去年当建設委員会の理事会で満場一致でぜひこれは前向きにという要望もあったことを踏まえて、ぜひ真剣に検討をいただくよう大臣の答弁を求めたいと思います。
#222
○国務大臣(野田毅君) 実情を我々の方もさらに分析し研究して、検討をいたしてまいりたいと思います。
#223
○上田耕一郎君 終わります。
#224
○青木茂君 不動産の媒企業者と消費税の関係についてちょっと伺いたいんですけれども、最近サラリーマンが家を借りたり買ったりする場合、媒企業者に依頼する。どう考えても一人ぐらいでぼそぼそやっていて年商三千万円以下としか見られない業者が、宅建法で決めた上限を超えて三%の消費税を取るというケースが間々あるわけなんですけれども、これは宅建業法から見て合法なんですか、違法なんですか。
#225
○政府委員(望月薫雄君) 御案内のとおり、宅地建物取引に当たっての媒介あっせん手数料につきましては、建設大臣の告示でもって上限額というのが決まっておるわけでございます。先生御存じのとおりでございますが、例えば四百万円以上の物件でありますならば三%プラス六万円、これが上限であるということでございまして、ずばりそれでやれということは決めてないわけでございますが、上限として設定しておる、それ以上は取ってはいけない、こういう告示をしておるわけでございます。今おっしゃったように、今回の消費税導入に伴いまして、このあっせん料につきましても、消費税相当分は、いわゆる免税業者でないならば、課税業者であるならばその上限をかさ上げしてあげましょう、かさ上げしてそこまでよろしい、こういう告示をし直した次第でございます。
 今先生のおっしゃった中で気になりますのは、つまりその告示の上限を超えてあっせん手数料を徴収しているということがあるとすれば、これは許されないことでございます。ただ、現実は、そういった業者のあっぜん手数料というのは、実態的にはその上限あるいは上限以内で取られているべきものであるし、またそれが徴収されるというのは妥当な線であると、私どもこういうふうに考えておりますので、その間において免税業者が特にそういう姿になるということはちょっと考えられない次第でございます。
#226
○青木茂君 考えられないけれども、実例はあるんですよ。
 建設省がお出しになっている小冊子「建設・住宅・不動産と消費税」、これの二十二ページに、課税業者が上限プラス三%オンすることは問題ないわけですよ。問題ないんですけれども、免税業者がそれに便乗するというのかな、そういうのは明らかに宅建業法違反と考えていいわけですね。
#227
○政府委員(望月薫雄君) このあっせん手数料につきましては、宅建業法上いわゆる重要事項という非常に重い事柄に位置づけられているものでございます。当然売買に当たりましてはそのことを関係者に説明もしなきゃならぬという非常に厳しい規定を置いているところでございまして、おっしゃったようなことがあればこれは業法違反ということになるものでございます。
#228
○青木茂君 それで、そういう人に例えばクレームをつけるわけなんですよ。クレームをつけたらこれが持ち出されるんですね。
 建設省告示二百六十三号の第六項に、「宅地建物取引業者は、」「当該代理又は媒介に係る課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税に相当する額については、この限りでない。」、つまり三%オンしてもいいと。ここに課税業者と免税業者には触れていないというわけなんですよね。触れていないから、免税業者だって三%乗っけてもいいんだというような説明がなされるんです。一般のサラリーマンはそんなことよくわからないものだから、それで三%払っちゃうというようなケースがなきにしもあらずなんだけど、これは今の局長の御答弁によると、免税業者は上限を超えた場合は取っちゃいけないんだから、もう少しはっきりした指導をなさった方がいいんじゃないですか。
#229
○政府委員(望月薫雄君) 今の告示第六に書いています「課されるべき消費税に相当する額」というこのくだりは、「課されるべき」というのは、要するに課される業者についての話である、こういうことで書いていますが、確かにおっしゃったような誤解があってはならないということで、私どもも当然ここは重視しておるところでございまして、二月十七日付で担当課長名の通達を出しましてそこは明確にいたしております。要するに、免税業者の場合は従前どおりであるぞということを言っておりますところでございまして、御理解いただきたいと思います。
#230
○青木茂君 よくわかりました。ただ、不動産取引というのは、具体例へ来ると、末端へ来ると、そういうことがどうもなかなかはっきり浸透していない。悪徳業者と言うと語弊がありますけれども、ちょっとごまかし屋が多いから、特にそういう点においては明確な監督をお願いしたいと思います。
 次の問題ですけれども、今まで非常にたくさん住宅問題は出たわけですが、とにかく日本は国も富んだ、企業も富んだ。ところが、世界一の富裕国と言われながら、その国の首都東京に住む普通の人が住宅を持てない、これは一つの非常に大きなパラドックスなんですね。こういう逆説を大臣はどうお考えですか。
#231
○国務大臣(野田毅君) できることならばそういう住宅取得の夢を早期にかなえてあげなければいけない、これはもう政治家として当然のことだと思っております。しかし現実に、既に先ほど来いろいろな角度から御議論をいただいておりますが、基本的には宅地をどのように低廉な価格で供給できるか、これに尽きておる部分もあるわけですから、そういった意味でいろんな角度から今その施策を講じようとしておるところであります。
#232
○青木茂君 この問題は、我々が例えば保有税を強化して譲渡税を安くしたらどうでしょうかというふうに質問をするといろいろなお答えがあるから、とにかく豊かな日本を支えてきたまじめなサラリーマンが家を持てない、このパラドックスに対して私どもの方から今度は逆に、大臣はどうやったらいいというふうにお考えですかという質問に切りかえましょう。
 大臣はどういう方法をやったらそういうことになりますか、少しでも緩和されますか。どういうふうにお考えですか。何をやったらいいか。
#233
○国務大臣(野田毅君) なかなかこれは答え方が難しいと思うんですけれども、それは先ほど来申し上げておりますとおりなかなか一刀両断に対策が、これというものが出てこないと思います。
 したがって、短期対策、中期対策、長期対策、いろんな角度からそういった平均的な中堅勤労者の住宅取得に対する夢を実現していくということをやっていかなければいけないわけで、そのために、先ほども申し上げたんですけれども、一つは、より長期的なことからいうならば、国土の均衡ある発展といいますか、そういう多極分散型の国土形成を図っていくということが、大都市地域における地価問題にも好影響をもたらすことにつながるわけであります。あるいはまた、今度御審議をお願いいたしております宅地開発と鉄道整備とを一体的に推進していきましょう、これによってもかなりの量の宅地を供給できる展望が開けてくる。あるいはまた、現在関係審議会にお願いをいたしておるところでもありますけれども、特に前大臣の小此木大臣が指示をいたしました、首都圏においてできれば少なくとも三百七十万戸という数字がありますが、これの数字はともかくとして、そういった大都市地域における住宅供給のための今の容積率の問題であったり、いわゆる土地の高度利用促進、いろんな角度からこういった事柄をやっていかなければならないと思っております。
#234
○青木茂君 いろんな角度からいろんなやり方はあると思います。その中で一つだけセレクトして、ずばり野田建設大臣としてはこれだけは一つだけやりたいというのはないですか。
#235
○国務大臣(野田毅君) これだけという単純なものはなかなかないと思うんですが、率直に言ってあれもこれもやりたいわけでありますが、そのうちでどれができるのか、そういった中で一歩でも二歩でも前進させたいと思っております。
 まあいろいろありますが、ことしの暮れに向けて、先ほども申し上げたんですが、土地に対する規制の問題とあわせて特に税制の見直しをぜひことしはやりたいと考えております。
#236
○青木茂君 本当は私が伺いたいところは、税制の見直し、ずばりこの点を見直すんだというところを伺いたいけれども、時間が来てしまいますからそれはあさってに譲るとしても、建設省のいろいろなプロジェクトがございますよね。東京湾だとか伊勢湾だとかいろいろプロジェクトをおつくりになって、夢を持ったプランニングが目下建設省にはある。それはよくわかった。よくわかったんだけれども、その建設省の数多いプロジェクト、建設行政の夢、その中にストレートに住宅を見詰めたものがないんですよ。かつて民間デベロッパーが夢を持って田園調布を開いた、成城をつくった、ああいうような夢のプロジェクトというものを建設省がリーダーシップをとって何か一つぐらいは打ち出せないか。
 道路のプロジェクトは本当にたくさんあって食傷したんですよ。住宅をストレートに見詰めたプロジェクトというものを、ないものをここで言ってくれといったって無理な話だから、これからはそういう方向の建設行政というのもこれまた必要なんじゃないかと思うわけなんです。私はないと断定しちゃったけれども、何かひとつあったら言ってください。
#237
○政府委員(伊藤茂史君) ないと言われますとちょっと困るのでございますが、東京の近辺でいいますと、多摩ニュータウンでありますとか港北ニュータウンでありますとか千葉ニュータウンというような大規模なニュータウンがございまして、その中で公的な主体、民間主体、いろんな主体が良好な環境で良質な住宅の供給に努力しております。
 それから個別の住宅の、個々の単体の問題としましては、ハウス55なんというのは非常に有名な話でございますが、最近におきましては、二十一世紀に向けて、つまり都市居住型のマンションでございますけれども、マンションをどういう形でどういう構造の、それから供給処理システムはどういう形でそこに取りつけ、将来のいろんな技術革新に応じてどういうスペースを用意しておく必要があるかとか、耐用年数をできるだけ長くし、かつその問いろんな生活の需要にこたえるために間取りも変えられる、供給処理施設も取りかえがきくということで、しかも世帯の構成は時間がたてば変わるわけでございますから、そういう変化にも対応できる、そういう新しい型のマンションというものは建てられないかということで勉強もしております。あるいは、木造住宅に対する国民の志向が高まりますれば、木造住宅でもっと耐女性のある住宅というものはできないかという研究開発もやっておりますし、個々の単体につきましてもいろんな勉強をやっております。
 先生のお耳に達しておりませんのは若干宣伝が下手だということかもわかりませんが、これから大いに宣伝をさせていただきたいと思っております。
#238
○青木茂君 私がないなんて言ったものだから、非常に御答弁を丁寧に長くいただいたわけなんですけれども、今お話の出ました千葉ニュータウン、多摩ニュータウン、これは都心から三十キロ離れまして、通勤時間一時間半。そうすると、これがサラリーマンのストレス、肉体的疲労、ひどい場合になると過労死の遠因になるんですよ。
 そういう意味におきまして、多摩ニュータウン、千葉ニュータウン、非常に結構なんだけれども、サラリーマンのそういう心身の健康ということを考えますと、都心から六キロ以内ぐらいのところにそういう大構想の夢というものができないだろうかということを非常に強く期待もするし、どうせ勉強なんだから、具体的にできないという結論を先に出してしまうより、ひとつそっちの方の勉強もしっかりやっていただきたいということをお願いして、終わります。
#239
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど大臣からもお話ございました小此木前大臣の、三百七十万戸構想の中の一時間圏内に百万戸という話を申し上げましたが、その大部分は臨海部の工場用地が非常に大きなウエートを占めております。したがいまして、あの部分につきまして、公共施設を整備しながらいい環境の住宅を供給するということが新しい、非常に時間も距離も近い場所のフロンティアだというふうに考えておりますので、そこら辺で夢を実現させるように努力したいと思います。
#240
○青木茂君 よろしくお願いします。
#241
○委員長(稲村稔夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#242
○委員長(稲村稔夫君) 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野田建設大臣。
#243
○国務大臣(野田毅君) ただいま議題となりました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 首都圏等の大都市地域における土地対策につきましては、政府において、昨年六月に総合土地対策要綱を閣議決定し、各般の施策を総合的に推進しているところであります。中でも住宅地の計画的供給は極めて重要な課題であり、このためには、都心からの距離等から見れば宅地開発適地であるにもかかわらず、交通手段としての鉄道が未整備の地域において、新たな鉄道の整備を行うとともに、宅地開発を促進することが極めて有効な方策であります。
 このため、大都市地域のうち、新たな鉄道の整備により大量の住宅地の供給が促進されると見込まれる地域において、宅地開発と鉄道整備を一体的に推進するために必要な特別措置を講ずることとし、ここに大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案として提案することといたした次第であります。
 以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、都府県が、大都市の近郊と都心の区域を連絡する新たな鉄道の整備と当該鉄道の周辺地域における宅地開発との一体的推進に関する基本計画を作成し、運輸大臣、建設大臣及び自治大臣の承認を申請することができるものとしております。この基本計画は、鉄道の計画路線及び駅の位置の概要、住宅地の供給目標等を定めるほか、特に、駅予定地の周辺の地域における計画的開発に留意して作成することとしており、また、鉄道事業の免許申請については、基本計画に従った内容のものでなければならないこととしております。
 第二に、鉄道の周辺地域における地価の安定を図るため、監視区域を積極的に指定することとす
るとともに、監視区域の指定期間について特例を設けることとしております。
 第三に、宅地開発及び鉄道整備の推進のために、次の措置を講じております。
 その一は、承認を受けた基本計画に従い両事業を一体的に推進するため、協議会を組織するとともに、両事業者による協定の締結を義務づけていることであります。
 その二は、駅予定地の周辺の地域における土地区画整理事業について、鉄道用地の確保のため鉄道の用に供する土地の区域に一定の者の有する土地を集約して換地する特例措置を講ずることであります。
 その三は、鉄道の周辺地域を大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法及び大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法の大都市地域とみなして、両法の規定を適用することであります。
 その四は、地方公共団体による鉄道事業者に対する出資、助成及び土地の取得のあっせん等の措置並びに鉄道整備のために必要な経費についての地方債の特例措置を講ずることであります。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#244
○委員長(稲村稔夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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