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1988/06/22 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第5号
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1988/06/22 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第5号

#1
第114回国会 建設委員会 第5号
 平成元年六月二十二日(木曜日)
    午前十時開会
    ―――――――――――――
    委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     中野  明君     馬場  富君
     三治 重信君     山田  勇君
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     高橋 清孝君     沢田 一精君
     井上 吉夫君     原 文兵衛君
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     沢田 一精君     高橋 清孝君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         稲村 稔夫君
    理 事
                井上  孝君
                沓掛 哲男君
                志村 哲良君
                赤桐  操君
    委 員
                石井 一二君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                高橋 清孝君
                青木 薪次君
                馬場  富君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                山田  勇君
                青木  茂君
   国務大臣
       建 設 大 臣  野田  毅君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      長瀬 要石君
       国土庁土地局長  片桐 久雄君
       運輸省地域交通
       局長       阿部 雅昭君
       建設大臣官房長  牧野  徹君
       建設省建設経済
       局長       望月 薫雄君
       建設省都市局長  真嶋 一男君
       建設省住宅局長  伊藤 茂史君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一
体的推進に関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○尾瀬分水反対に関する請願(第二八号)
○河川維持流量の確保に関する請願(第四四九号
 外三件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(稲村稔夫君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、三治重信君及び中野明君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君及び馬場富君がそれぞれ選任されました。
 また、昨二十一日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として原文兵衛君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(稲村稔夫君) 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案を議題といたします。
 前回、本案の趣旨説明は聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○赤桐操君 大都市地域におげる宅地開発促進及び鉄道整備の一体的推進法案ということで、大変大きな構想のもとに新しい法案が提出されることになりましたが、私が感じていることは、宅地開発の促進ということも大変これは難しい仕事だと思うんです。そこへもっていって鉄道の整備、そこに鉄道を通していくということですから、これまた鉄道を通すこと自体も大変な難しい問題だと思うんです、今日の段階においては。
 この二つの難しい問題をあわせて今法案としてできてきているわけでありますが、この法案で、今まで説明を受けた程度の内容をもってして、この二つの困難な仕事が同時並行してやれるんだろうかということを私は直観的に実は受けたのでありますけれども、その辺をひとつ御説明願いたいと思うんですが。
#5
○政府委員(望月薫雄君) 御指摘のとおり、宅地開発それ自体をとりましても、鉄道整備それ自体をとりましても大変困難を伴う事業でございます。それをあえて御提案申し上げていますような法律を準備することによって真正面から取り組もうというゆえんは、申し上げるまでもなく、大都市地域、とりわけ東京圏におきます厳しい宅地需給の関係の中で何とか大量の供給を図りたい、こういう熱意によるものでございますが、そうはいいましても、これを具体的にどう受けとめるかということにつきましては、今申しましたような難しさを伴うだけに大変体制が大事であろう、こういうふうに認識しておるところでございます。それがゆえに、この法案の中でも準備させていただきましたことは、やはり宅地と鉄道というものを総体的にとらえた一本の計画づくりをすることからスタートし、関係者が相協力し、知恵を出し合いながら取り組んでいこう、こういった構えのものを準備さしていただいた次第でございます。
 いずれにしましても、お話しのように非常に難しい分野でございますだけに、私どももそういった意味でも取り組み体制というものが大変重要である、こういう認識を持っている次第でございます。
#6
○赤桐操君 そこでまず、宅地関係といえば地価問題になるわけでありますが、特に東京圏については非常に地価問題が今日まで大きく論議されてきておるところであります。最近、東京都の方は鎮静化の方向にあると言われていますが、近郊地域、特に東京を中心とした各県の五十キロ圏くらいのところは逆に上がってきておる、こういう状況でありまして、大変実は地価問題は依然として大きな地方への影響を持ちつつある現状だと思っております。
 今提案されている宅地開発も勤労者を対象としたものだろうと思うんです。東京へ勤めている人たちあるいはこの近郊地域におげる勤めの方々に対するものだろうと思うんです。常磐線なんか二〇〇%といっているわけですが、それを緩和しようという対策だと思うのでありますけれども、問題は、宅地の開発が行われてもあるいは住宅建設が行われても、そこに入るだけのサラリーマンに一体所得が伴っているのかどうなのか、こういうことになるんです。私は千葉でございますから千葉周辺の状況を見ておりますが、今日まずサラリーマンの中堅どころの人たちの手には負えないものだ、こういうように思うのであります。
 今度の宅地開発というものを建設省は運輸と一体になってやるわけですけれども、その辺のところはどのように理解しているんですか。政策的な目標というのはどの辺に置いているんですか。つくってみましたけれども売れませんでした、宅地の開発はやりましたが人は住みませんでしたということになると、冒頭に私が申し上げたように、並行して行われる大事業であるだけに大変な問題になると思うのですけれども、大前提となる、住む人たちに届くものであるかどうかということについてまず伺っておきたいと思います。
#7
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、昨今の住宅価格というものが御指摘のような地価急騰、高値安定の中で非常に中堅勤労者にとっては厳しい環境にあります。例えば東京圏でいいますならば、五十キロ圏の総平均で見ても、年収の八倍くらい出さないと七十数平米のマンションも手に入らない、こういった状況にあるわけでございます。
 今回私ども御提案申し上げています地域として、具体的には当面常磐新線沿線地域といったものも頭に置いているわけでございますが、幸いにしてといいましょうか、この地域は現状においては相対的に足が弱い地域であるという特性からして、現状では地価水準も比較的安定しているというところでございます。それだけに私ども、こういったところについて計画的整備を積極的に手を打つことによって、何とか今先生のお話のような中堅勤労者向げの取得可能な価格水準のものを政策目標としてとにかく供給すべく努力していきたい、こういう姿勢で取り組んでいく所存でございます。
#8
○赤桐操君 八倍というのはちょっと高いですね。そんな高いものを買ったら生活が成り立ちませんよ。せいぜい最高で五倍ですよ。それは無理な話です。だから建設省も、労働者の懐に合った、所得に見合った住宅建設の指導、あるいはそういう価格になるような政策、それを裏づけなければ私はいけないと思うんです。これがまず大前提。
 それから二つ目は、そのためには、今はあの地域はまだ足の便が悪いし、したがって地価は上がっていない。千葉県寄りの方はそうじゃないです、かなり高いですよ、あの辺は。流山から柏のあの周辺といったらちょっと手が出ないほど高いです。おっしゃっていることはそれから先のことだろうと思いますが、いずれにしても広い地域を対象としたねらいはその辺のところだと思いますからそれはわかります。しかし、今のうちに地価対策というものに対して本格的にあの周辺に手を打たなければ私はできないと思います。もう相当入っているんじゃないんですか、買収に。公共機関が買収に入っていることは結構ですけれども、そうじゃない、いわゆる不動産関係の業者が入るということになりますと、これは値段のつり上げがそこに出てくる、こういうように私は考えます。
 この点の地価抑制策についてはどのようにお考えになっておりますか。
#9
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど私御答弁申し上げた中で、年収の八倍ということを引き合いに出さしていただきましたが、これはくどいようですが、現状がそういう水準になっているということで、私どもこの政策目標をそこに置くという意味では決してないわけでございます。そういった余りにも高い水準に対してどうするかという観点から御提案申し上げているわけでございまして、先生今おっしゃったように、私ども政策目標としてはやはり五倍程度というものを一つの目標に置いていきたい、こういう構えでおります。
 そこで、御指摘の地価の関係でございます。おっしゃるとおり、私ども非常にこれはこの事業の成否のかぎを握るキーポイントであると思っているわけでございますが、幸いにしてといいましょうか、関係公共団体におきましてもこれまで、この常磐新線の構想が出た前後から、この沿線地域については国土法による監視区域の導入を積極的にやっていただいておるということによりまして、いわゆる投機的取引については厳しい監視の目を置いていただいている、こういったことがありますし、今後、この法案におきましてもさらにそれをきめ細かく展開できるような準備もさしていただきたい、これが一点でございます。
 それから、問題はやはりどう土地をまとめていくかということが大変重要なわけでございます。現在関係公共団体、御指摘の一都三県すべてとはまだ申し上げにくいんですけれども、関係県においてはできるだけ土地の先行的取得に努めていこう、こういった積極体制もとっている中でございまして、この事業の成否のかぎを握るのは、一つは地価の監視体制の強化、それからもう一つは先行取得体制の取り組みの強化、この二点にかかっているというふうに考えている次第でございまして、その辺から私どもさらにこれを強めてまいりたいと考えている次第でございます。
#10
○赤桐操君 監視区域の設定によってかなりの効果を上げてきていることは、私どもも全国の状況等を目で見てもそういう感じがいたしております。しかし、鉄道を敷いて住宅を建てるという大団地構想を並行させるという中では、その程度のものでおさまりますか、現実問題として。もっと強力な対策を並行してとらなければ、鉄道も貫通しなくなってしまうし団地も中途半端になってしまうんじゃないかなと、私はこういう感じがしているんです。もっと強い方式は考えられないですか。
#11
○政府委員(望月薫雄君) 制度としては、もっと強い方式ということになりますと、御承知のとおりの国土利用計画法にあります規制区域の指定ということが制度としては当然あります。これを具体的に発動するかどうかということにつきましては、やはり個人の権利に非常に強烈な規制を加える、こういった側面もあり、今日まで全国的にも一件もまだ適用されてないという現実は先生も御存じのとおりでございますが、この地域にあえてそれを申し上げることについては、挙げて今後の動向と、それを発動するかどうかの知事さんの御判断にまたなきゃならないわけでございます。
 私ども、そのことはそういった認識の中でございますけれども、当面は、規制監視区域を機動的に発動するという中で、届け出面積をできるだけ引き下げていく、小さなものの取引まで監視の網にかけていく、こういったことが当面の最も重要な急がれる政策じゃないか、こんなふうに考えておる次第でございます。
#12
○赤桐操君 同時に、最近の新聞等で見ますると、建設省としては広域的な十カ年計画を別途考えるということを言っておりますね。これは要するに思い切った建設をやろうということなんだ、誘導政策だと思いますが、これはどんな内容になるんですか。
#13
○政府委員(伊藤茂史君) 広域十カ年計画という言葉は、多分百万戸構想ということで新聞に報じられましたときに出た言葉かと思います。その後建設省としましては、大臣の方から正式にこういうことを現在検討しているということで発表しております。
 それは、東京圏につきまして二〇〇〇年までに、四全総等の人口、世帯数をベースにしまして、二百七十万戸から三百七十万戸程度の住宅を供給するということによりまして、需給関係が将来に向けて非常に安定できる状況になるという見通しに立ちまして、それでは実際にその二百七十万戸から三百七十万戸がどういうところで可能であるかという試算をいろいろしておるわけでござます。市街化区域の中では、工場の跡地でありますとか、将来工場から他の産業へ転換する際に利用が転換される機をとらえて住宅開発ができないかとか、国公有地の活用でありますとか、そういった土地の利用、市街化区域内の農地の問題それから木造賃貸住宅なんかの密集市街地、そういうものをできるだけいろんな各種の事業手法を使いましてどのくらいの住宅供給が可能になるかというようなことを積み上げたものでございます。さらに、新市街地につきましても、現在御審議いただいておりますような常磐新線等々のようなもの、土地開発の問題ももちろんこの中には入っております。
 そういうことで、全体として住宅地で四万ヘクタール、戸数につきましては先ほど申しましたように二百七十万戸から三百七十万戸ということで見込み、これくらい供給をすることが可能になれば相当将来に向けて東京圏の住宅需給を緩和するインパクトになり得るという試算をしたわけでございます。したがいまして、実際に供給するとなりますと非常に難しい問題がいっぱいございます。そこで関係の審議会に、住宅宅地審議会それから建築審議会、都市計画中央審議会に、現状の制度の見直し、さらにそれに向けての新しい制度でより効果的に担保できるものは何かということで御審議をお願いしておりまして、六月いっぱいでおおむね基本的な考え方はまとまりつつございます。それで七月に入りまして御報告をいただけるというような段階に至っております。
 その中に幾つか大きな項目があるわけでございますが、一つは、大都市圏を広域的にとらえておおむね十年にわたります目標の供給整備量、あるいはどの地域に重点的にやるかという大まかな考え方を国の方で決めるというような方針を国が決定する。それに基づきまして公共団体と国との間でいろいろと協議が重ねられると思いますけれども、さらに具体的な即地的な計画を練っていくということにしております。
 それから第二番目は、市街化区域内農地に住宅を誘導するといったような問題、あるいは市街地の密集地域にできるだけ公共施設を整備しながら住宅を建てる手法その他で、現行の都市計画あるいは建築基準法上のいろんな制度で間に合うかどうか、新たな制度が要るかというような検討が第二点目でございます。
 それから第三番目は、税制等を活用しまして、社会的な農地の利用促進ということも重要な柱である。
 それから第四番目は、今ここで御審議いただいておりますような宅地開発の問題につきまして、新たな開発の手法的なものは何かというようなことが第四番目の柱でございます。
 さらに、ここで出てまいりますいろいろな住宅につきまして中堅勤労者層に相当部分手に渡るようにしなきゃなりませんので、第五番目の問題は、賃貸住宅政策その他の充実によりまして中堅勤労者に住宅が手に渡るような形にするということで住宅対策面での強化が要るだろうというようなことで、今現在検討中でございます。
#14
○赤桐操君 そうすると、今のお話によりますというと、大都市地域におけるところの住宅誘導関係の促進法案というものを準備しているんですか。近い国会に提案の準備が進められているんですか。
#15
○政府委員(伊藤茂史君) 審議会の御報告を得ました後、現行の住宅建設五カ年計画法というのがございますが、それとの関係をどうするか。現行の五カ年計画につきましても、その下敷きとしましては、長期の見通しに立って五カ年計画をつくりなさいというふうに法律上なっておりますから、当然に長期的な構想というものが下側にあるわけでございますけれども、今回のは、特定の地域にさらに詳細、即地的なプロジェクトの計画というものを想定するようなことになっておりますので、新しい法律の形になるのか五カ年計画法の中にするのか、その中身をよく検討いたしまして考えてまいりたいと思っております。
#16
○赤桐操君 そういった動きと今の新線との関係もあると思いますが、公的な機関の使い方はどんなふうに考えていますか。例えば住都公団であるとか、あるいは関連する各県の自治体の行っておりまする公的機関の関係についてはどんなふうに考えておりますか。
#17
○政府委員(伊藤茂史君) 今私が御説明申し上げました一番最後に、中堅勤労者に対する住宅対策の強化ということを申し上げましたが、その中で、今現在の政策の柱として住都公団やら地方住宅供給公社というのは当然に大きな役割を果たしておるわけでございますけれども、新しいこの構想の中でも、勤労者の手に渡るためにさらに役割がつけ加わってより重要なものになるのではないかというふうに考えられます。
#18
○赤桐操君 常磐新線ということに事実上この法案はなると思いますが、三大都市圏と言われているわけですから、やがては全国的な、特に三大都市圏を対象としたものになってくると思いますが、当面の方針としては常磐新線だけなんですか。これ以外にも考えられますか。
#19
○政府委員(阿部雅昭君) 本法の適用の対象となります鉄道につきましては、法律の三条第一号で書いてございますが、「著しい住宅地需要が存する大都市地域において、大都市の近郊と都心の区域を連絡するものとして新たに整備される大規模な鉄道であって、当該鉄道の整備により大量の住宅地の供給が促進されると認められるもの」という定義になっておりますが、このような鉄道路線は当面常磐新線というものが対象になり、その他のものについては、この要件に該当するものは当面ないというふうに考えております。
#20
○赤桐操君 例えば延伸なんかの場合でも、かなりのいろいろ影響をもたらす地域であってもそういうことは考えられないということですか。
#21
○政府委員(阿部雅昭君) 現在、首都圏、大阪圏を初めとして、かなり鉄道の整備ということで、既存線について複々線化するとか、そういう工事を鋭意やっているものもございますし、延伸が予定されている、延伸の工事をやっているものもございます。
 しかしながら、既存線の延伸につきましては、現在の対象としています助成措置その他の制度によってとりあえず何とかやれるもの、またそんな形で行われている、例えばニュータウン補助制度の適用を受けて横浜市あるいは神戸市などが地下鉄を延伸しておりますとか、あるいは民鉄でも多摩ニュータウン線の延伸を鉄建公団方式でやっておりますとか、千葉につきましても地下鉄東西線の延伸部分については鉄建公団が東葉高速鉄道という形でやっておるというようなこともございまして、既存線の延伸についてはとりあえず現在の助成制度なりそういう支援のもとで整備が行われているということで考えております。
 それ以上の大都市、この法律の適用として考えておりますのは、大規模な鉄道で、今の体制ではなかなか整備ができないというようなものに対する新たな支援といいますか、そのようなものを考えていかないと整備はできないだろう。そういう観点から、この法制で、住宅地の整備と開発を一体的に行います開発鉄道的なものについての支援を織り込もうということになったわけでございます。
#22
○赤桐操君 そうしますと、常磐新線についてひとつ概要の御説明を願いたいと思うのでありますが、新線の建設については当然採算も考えなきゃならないでしょうし、旅客数とか建設費とか当然絡まってきますね。したがって、建設主体がどういう形で持たれるかよくわかりませんが、そうした建設主体によってそれらのものが賄われることになると思いますけれども、出資とか、助成とか、そういった面についてどんなふうに行われるものであるか。
 それからまた、この新線が大体六十キロくらいのようでありますけれども、この両側に恐らく団地がつくられることになると思いますね、その場合におけるところの団地構想全体はどのくらいに見込んでいるのか、いわゆる宅地供給はどのくらいの程度に見込んでおるのか、これをひとつ伺っておきたいと思います。
#23
○政府委員(阿部雅昭君) 初めに常磐新線の経緯の点について若干触れさしていただきますが、常磐新線の整備につきましては、昭和六十年七月の運輸政策審議会の答申においてその必要性が示されまして、目標年次である西歴二〇〇〇年までに整備することが適当な路線として、東京から茨城県の守谷町南部までがとりあえず整備すべき路線として計画されたものでございます。守谷町からのさらに延伸部分につきましては、今後の需要の状況その他を見て検討すべき路線という取り扱いがなされたというのが当時の答申の取り扱いでございました。
 しかしながら、その後この検討を進める中におきまして、先ほどからの御指摘がございましたような土地問題あるいは住宅地の問題ということが指摘され、それらを総合的に解決する手段として、宅地開発と鉄道整備を一体的に推進すべきであるといった指摘が、臨時行政改革推進審議会、あるいはそれを受けました政府の総合土地対策要綱あるいは多極分散型国土形成促進法といった中で、新しいそういうシステムをつくるべきだという提案がなされました。私どももそういうものを受けて新たな検討に取り組んだ次第でございます。
 その中で、当面整備すべき区間は、都心部よりも、そのような政策目的に合致するという観点からいきますと、まず筑波研究学園都市から都心としては秋葉原までを結ぶ計画を第一次の計画として行ったらどうかというような形での取り組みになったところでございます。これらにつきましては、運輸省、JR東日本それから関係一都三県からそれぞれ副知事に出ていただきますし、JR東日本からは副社長、運輸省から私どもの地域交通局の審議官が出まして検討委員会をつくり、その下で幹事会、ワーキンググループ等をつくりまして各種の鉄道整備についての問題点の検討を始め、現在なお引き続き検討をしているところでございます。
 御指摘の鉄道の構想でございますが、鉄道の事業主体、資金調達の方法、助成方策、用地取得の円滑化等各種の課題がございますが、鉄道の整備主体につきましては第三セクターをつくって建設することが適当であろう、運営についてはJR東日本が行っていただくということがまた適当であろうという方向での検討が進められております。第三セクターについての出資規模ですとかあるいは出資の構成等につきましては、事業の公益性等の観点から、できるだけ広い範囲からの出資の御協力もいただいてこのプロジェクトを進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 建設費その他の点についても若干触れさしていただきますと、建設資金につきましては、六十二年度価格で約六千億程度になろうという見積もりをいたしております。このための資金調達につきましては、国としては財投資金を活用し、日本鉄道建設公団の工事としてこの建設に取りかかるのが適当であろうという考え方をとっております。そのための支援策としての財政投融資あるいは政府関係金融機関からの出資ですとか、低利融資等も必要に応じて考えていきたいと思っております。関係地方公共団体からは特定鉄道事業者への出資、補助、無利子または低利の貸し付けといったようなことをこの法律の規定にも盛り込んでございますが、そのような支援措置も考えてこの計画全体を進めていきたいというふうに考えております。
 なお、沿線の宅地開発の見込みその他につきましては建設省の方からお答えをお願いしたいと思います。
#24
○政府委員(望月薫雄君) いわゆる常磐新線沿線地域で宅地供給の見通しにつきましては、私どもこれまで関係県とのいわゆるヒアリングといいましょうか、情報交換、打ち合わせを積み上げてきておりまして、最終的にこれがどうなるかということについては基本計画で定めることになりますが、今日の段階で一応のオーダーで申し上げさしていただきますと、この沿線で大体七千ないし八千ヘクタールの宅地開発が可能である、こういうふうに見込んでいる次第でございます。ちなみに多摩ニュータウンが三千ヘクタールということでございますので、大体その二つ半分、こんな状況に相なるわけでございます。
 それから、これについてどういうふうな住宅を供給し、何戸くらいが供給できるかという見通してございますけれども、一応現在のところ、中低層住宅というものを基本において試算しているところでは、おおむれ十五五尺人口にして五十万ないし六十万人、こういうふうに想定されるところでございますが、いずれもこれらの点については基本計画で細部を詰めていきたい、こう考えている次第でございます。
#25
○赤桐操君 これは運輸省の方に伺った方がいいと思うんですけれども、この新線のいろいろ資金調達に絡まってくるんですが、関連の地方自治体はどのくらいの割合を受けるようになるんですか。
#26
○政府委員(阿部雅昭君) 先ほど申しました検討委員会においてなおいろいろ検討している課題の大きなテーマの一つでございますが、内々従来試算しております試算の一例を申し上げますと、建設費六千億とした場合に、やはり第三セクターの経営その他の点を考えまして、一割から二割の間の出資は得たい、無利子の金をその程度は調達することが今後の会社の経営のためにも必要であろうという試算をいたしまして、第三セクターの資本金の規模をおおよそ八百億というような試算もいたしました。
 その際に、八百億についての出資金について、二分の一は地方公共団体からの出資をお願いできないか、残りの二分の一につきましては、その半分、四分の一を鉄道のグループ、残りの四分の一を一般経済界、広く経済界からの出資協力をお願いできないかというような試算をいたしておりまして、現在のところはそういう構想をさらに詰めていきたいというふうに考えております。
 なお、地方公共団体の支出につきましては、一都三県ありますが、一都三県の配分ですとか、あるいはそれをさらに市町村へどのような形で配分されるかといった問題につきましては、今回の法律には自治大臣が主務大臣として入っていただいておりますし、自治省からしかるべくその辺についての配分等についての御指導をいただけるものというふうに考えております。
#27
○赤桐操君 今六千億を大体標準に考えておられるようでありますけれども、これは六十二年度ベースでしょう。これが十年ないし十一年、紀元二〇〇〇年までかかるわけですから、そうすると六千億ではとてもじゃないけれども上がらないでしょう。三倍ぐらいかかるんですよ。今までのいろんな状況から見ると、当初計画から見て大体普通三倍から四倍ぐらいかかっているように私は思っておりますが、そういうような状況になるような感じがしますが、この点はどうお考えになっていますか。
#28
○政府委員(阿部雅昭君) 六十二年度価格で六千億と申しましたが、その中にも土地代あるいは工事費代あるいは車両代その他のものもいろいろ含まれておるわけでございますが、私どもやはり一番心配いたしますのは、土地の取得価格がどの程度でおさまるかといった問題かと思います。
 六十二年度から周辺地価もある程度上がってきている。具体的にどの場所でどの程度という把握は私どもいたしておりませんけれども、土地代がどの程度値上がっていくか、また、今後私どもこの計画を着手するに当たりましては土地取得のめどをはっきりつけるということが鉄道建設のためにはぜひ必要でございまして、土地の確保が相当程度明確になりませんと鉄道の建設には着手できない。やはり鉄道建設に着手するためには土地の確保についての的確なめどをつけていく必要があろうという視点に立っておりまして、現在一都三県の方にも、具体的なまだ路線、ルートは決まっておりませんけれども、どういうところに線を引けば土地の取得が一番容易であるか、また価格的にも安くできるかというようなことを含めまして御検討を願っておるところでございます。
 したがいまして、土地の取得ということをできるだけ早期に行い、場合によっては、この法律でも書いてございますが、地方公共団体等による先行取得等もお願いし、あるいは区画整理の中で鉄道用地を生み出すという手法もこの法律に組み込まれておりますが、そのような形でやっていただければ土地の値上がりについてもそれほど先生御指摘になったような数字になるものではないというふうに考えておりますし、鉄道建設につきましても工事中の物騰その他がございましょうが、全般的に見てそれほどの大きな金額になるものとは考えておりません。
#29
○赤桐操君 今局長御答弁のとおりだと思います。私もそういうふうに心配しております。
 重ねて伺いたいと思うんですが、いろいろな費用が上がっていく場合において、並行して自治体、ここに構成団体となっている団体は同じように負担を受けていくんですか。スライドするんですか。
#30
○政府委員(阿部雅昭君) そういう一般的な値上がり等があった場合の負担増につきましては、一般原則的に考えると、その値上げに応じた形というものを想定するのは一つかと思いますけれども、具体的にはどのような形でその値上がり分を負担するのがいいかといったことにつきましては、検討委員会等における今後の検討でさらに詰めてまいりたいというふうに考えております。まだその詳細を決めているわけではございません。
#31
○赤桐操君 そうすると、自治体の方の負担は場合によってはさらにスライドで上がっていく、こういうことも考えられるわけですね。今の御答弁によると、決まってはいないけれども、そういう危惧の状態にあるということじゃないんでしょうかね。
 それから、この鉄道の関係については私の同僚議員が後から、専門家がここにいらっしゃいますから、そこからお話がございますので、これ以上触れることを避けたいと思いますが、学者の意見になるんでしょうけれども、この種のある専門家の意見によると、鉄道の敷地というものをいわゆる道路とか公園とか公的な公共用地と同じように扱っていかなければ、とてもじゃないが建設はできないだろう、こういう言い方が出ておる。というと、これは沿線区間における宅地に対するところの要するに上乗せになるんですね。開発利益といっても、実は上昇分というものについては沿線の住民、そこに入る人たちの負担になるのであって、私どもはこれはなかなか難しい問題だと思って考えております。
 ですから、指摘したいと思いますことは、いわゆるそういった意味におけるねらいの中で、その開発利益を新しくできる新線の事業主体に還元していく形をとって建設費を安くしていくということが、逆に言えば、住宅団地をつくるに当たって公共負担分を受益者に負担させるということと同じ理屈なんですよ。だから、そういうおそれはないのかどうなのか、この点ひとつ伺っておきたいと思うんです。
#32
○政府委員(阿部雅昭君) 開発利益の問題につきましての私どもの検討の経過を御説明申し上げますが、本件のような鉄道、常磐新線のようなことを頭に置きますと、鉄道整備による開発利益といったものは相当幅広く生じるものだ。どんな形で生ずるのかと申しますと、土地の利便性がそれなりに増大するという形で一般的には地価上昇という形で土地の所有者に帰属していくものだというふうに考えられますから、その発生する範囲といったものはこの沿線に広く及ぶということが予想されますし、極めて広域にわたるというものだと思います。
 また、それらを現実に何らかの形で負担してもらうというようなことを制度化できるのかという点につきましては、その土地の所有者の要件あるいは負担の程度ですとか、あるいはその開発が行われるというのは鉄道の場合は鉄道の開通ということになりますので、その開発を待って負担をしていただくのかどうかといったような負担の時期の問題があるかと思います。またその他極めて多くの問題があるという認識でございまして、これらを合理的な制度として当面すぐ何らかの形で具体化できるかということにつきましては、私どもこの辺は否定的にならざるを得ないというふうな考え方でございます。
 先生が御指摘になりました、そのようなものが何らかの形で新しい住民といいますか、居住者に負担させられるのかというお話があったかと思いますが、私ども今この制度を直接税実化することは極めて困難だと思っておりますので、今後そのようなものがどういう形でいくかということについては、ちょっとここで見通しを述べることについては差し控えさしていただきたいというふうに思います。
#33
○赤桐操君 この法案の中によく特別措置という言葉が出ているんですが、いろいろほかにはない手法でここではやるんだろう、常磐新線というのは特別の新しい方式で行われるというように受けとめられるものだから私も伺っているわけですけれども。
 そこで、これは宅地の関係になりますが、先ほど十五万世帯という御答弁がありましたけれども、これはそうするとどういうふうになりますか。鉄道ができ上がったところから宅地がつくられてくるということになるでしょうね。その辺はどんな手順、段取りでいくんですか。
#34
○政府委員(望月薫雄君) まず、七千ヘクタール前後の住宅宅地、住宅戸数にして十五万前後というものがどういうふうに供給されるかということにつきまして、これは正直言って、二十一世紀の初頭といいましょうか、二十一世紀の二〇一〇年代までかかるだろうと私ども見ております。
 その間にこれをどういうふうに定着させていくかという御質問でございますけれども、やはり正直言ってこれは段階的ということが現実的だろうと思っております。常磐新線の全線がどういうふうな手順で進んで整備されるかということとの絡みもありますが、場合によっては、例えば北部地域の方が部分的に早くできたというようなこととか、南部地域だけ早くできるだとか、いろいろなケースがありますけれども、そういったときには鉄道全線の開通を待たないでとにかく宅地の供給というものをしなきゃならぬというふうに私どもは考えているわけでございまして、それに伴っての関連の交通的な面でのサービスの拡充ということも必要になる場面もあるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
#35
○赤桐操君 鉄道全線の開通といいますけれども、これなかなか大変だと思うんです。
 これは全長六十キロというからちょっとスケールが違うかもしれませんが、紀元二〇〇〇年までに諸外国でもこういう計画を立ててやっておりますね。パリを中心としてパリ近郊に五つの衛星都市をつくっているんです。もうそのうちの二つぐらいはどんどん始まっておりますけれども、あと三つ四つと計画が進んでいるようです、状況を聞いてみると。これもやはり紀元二〇〇〇年までにつくる。パリ市の人口は七百五十万人以上にはしない。そこで二〇〇〇年を目標にそういう仕事をしているんですが、エブリーという町を私二回見にいった。ここの手法は、まず公共的なものを全部つくってしまう、でき上がったところへ計画的に住宅を建設していく、こういう状況で来ているんです。
 私が最初に行ったのは四十八年でしたが、このときには本当にまだ公共的なものの準備が行われている段階で、鉄道はどうするんですかと聞いたら、それはパリの中心から発車するようになります、こういう説明を受けておる。それが五年後に行ったときにはもう鉄道が走っておるんです。それで家もできている、その団地にはいろいろ各種の仕事をする場所もたくさん誘導されている、こういう状況でありまして、結局五十万都市ですからかなりの規模であるわけなんです。そういうようなことで、公共的なものが先行して行われる、これはパリ市とフランス政府との両者で事業主体になってやってきたようであります。
 そういうようにやらないと、入っている者に大変な迷惑かけることになるんです、今度誘致された人たちに。これは私は千葉県でしばしば見受けているんです。後で公団に申し上げますが、大変実はいろいろな問題を惹起しておる。そういう意味でしつこく伺うんですけれども、やはり私は鉄道建設が先行すべきだと思うんです。相当金を投じても、金利を伴うかもしれぬけれども、鉄道建設を先行させる。今局長が言われたように土地の取得に全力を挙げる、それがまず第一番です。その見通しがついたときに団地の造成が行われていくという形をとらなきゃならぬ。それには公的な機関がともに協力して連携プレーをやらなければ、その複合した仕事はできないだろうというように私は考えるんですが、この点局長どうお考えになりますか。
#36
○政府委員(望月薫雄君) 私先ほど御答弁申し上げたのが、人口定着の方のお話として受けとめて御答弁させていただいたものですから、ちょっと食い違いがあったかと思いますが、おっしゃるとおり、開発整備の根幹的部分については全く御指摘のとおりだと思います。
 私ども、そういった意味で、この地域について、言ってしまえば、この法律では協議会もつくり協定も結び、いわゆる開発関係事業者が本当に力を合わせてやる、こういうシステムを入れているわけでございますが、とりわけこの地域は、一般的に申し上げますと大体区画整理事業で対応せざるを得ない、あるいはそれが現実的なところでございますので、そういった意味合いにおきまして、この両者相まっての事業展開というのが非常に重要になってくるだろうと思います。とりわけまた、区画整理事業地区等については、鉄道用地をどう生み出していくかということはある意味ではこの事業の成否のかぎを握る大変大事なポイントでございまして、そういった意味で、御提案申し上げているような新しい区画整理手法も入れるとかいうこともやらしていただいているわけでございますが、御指摘のとおり全く同じように考えている次第でございます。
#37
○赤桐操君 それから、先ほど局長の御答弁にありましたが、なるほど金もかかりますね、六千億じゃとても済まないと思いますけれども、そのはね返りが地価に、あるいはまた地価を誘発するようになっても困る問題なのでありますが、地価上昇をとめていかなければこの仕事はできません。そうすると、新聞などで見ると、開発利益が二十兆を超えるなんということも出ているようでありますけれども、そういうことよりも何よりもまず地価を抑えなければ話にならない、こう思うのであります。先ほどの話では規制までは考えないということですけれども、規制というものと公共機関が一緒になって団地造成に対しては大幅な助成を並行して行うということは考えられませんか。
 もっと具体的に申し上げるというと、公共負担分については思い切って国が助成を行っていく、あるいはまた金利を一%ないし二%安くする、そういうようなことを片方で行いながら、片方では規制を強化していく、要するに規制区域の適用を拡大していく、こういうことはできないんですか。例えば住都公団などに今使っている金利の一%を下げると家賃は一万四、五千円安くなりますね。それから、公共負担分を全面的に国が負担することは今できないかもしれないけれども、半分程度負担するということになるとそれだけでも土地費の四分の一は安くなりますね、二五%安くなる。そうすると、全体でこの価格は相当低廉なものになってくると思うんです。
 そういう方式を一方においては行いながら、一方においてはそのかわりに土地については規制を行うという併用した形のものはできないのか。監視区域というものについては個人の基本的な問題が絡まってくるでしょうから、権利の問題があるでしょうから、これはある程度の問題があるかもしれぬけれども、今言ったような形でもって、一方においては強力な社会的な保障を行いながら、片方においては規制を行うということは、これは国際常識だと思うんですが、この点は考えられませんか。
#38
○政府委員(望月薫雄君) 土地に関する規制につきましては、国土庁の局長がお見えでございますので、そちらから御答弁させていただくとしまして、今おっしゃったお話の公団等公的機関の積極的活用、私どもは全くそういう姿勢で臨みたいと思っています。
 ただ、あえて申し上げさせていただきますと、七千ヘクタール前後ということを申し上げましたが、これは言ってしまえば、鉄道の影響圏域といいましょうか、かなり広がりのある地域の中でございますので、その中にはいろんな立地条件が考、えられます。私ども特に重視したいのは、鉄道と一体的に開発する、まあ駅周辺と言った方がわかりやすいかもしれませんが、そういった一団のまとまりの地域、こういったところについては住宅都市整備公団あるいは住宅供給公社、こういった公共団体の機能というものを積極的に使っていきたい、また活躍していただきたい、こう思っておるわけです。
 そこで、今先生のそれに対する財政援助のさらに切り込んだ御提言でございます。例えば公団の事業について、宅地部門について利子補給等の助成措置を考えたらどうかというふうな御提言については、率直に申しまして、これまで宅地事業については、個人の所有にかかわるものということで現実余りやってないわけでございまして、この辺のことについては、まだまだ私ども堂々とそういう方向で取り組める考え方の整理ができておりません。いずれにしましても、申し上げたいことは、先行的取得ということをやることによってできるだけ目的に沿った宅地供給に結びつけたい、こう思っているわけです。
 と同時に、おっしゃった第二点目の公共施設でございます。これは大変地価コスト、宅地コストを下げる上で有効なものでございます。先生にも大変関連公共事業費等のことで御指導を賜っているわけでございますが、私ども、この常磐新線沿線の公的宅地開発については、民間も含めてでございますが、とりわけ公的なものについては重点的にこの関公の投入ということは努めてまいりたい、あるいはさらに言えば通常費の活用も積極的に考えていきたい、こういう考えでございます。
#39
○赤桐操君 そこで、これは後で予算の関係なんかになりますからきょうは避けますけれども、関連公共費はふえていないんですよね。今一千億ちょっとでしょう。本当はあの設定された当初の考え方でいけばもう二千億は超えているはずですよ。こういうものは、民間のところには使いにくい点があると思いますけれども、公的な機関がやる場合においては積極、能動的に発動されていくべきだと思うんです。そうすれば全部価格が安くなる、料金が安くなる。そういう需要と供給の関係で十分満たされることになれば、例えば千葉なんかで見ておりますけれども、百六十倍とか二百倍とかという公団の入居についての争いはなくなってくると思うんです。そういうものから解決していかなければ土地はどうしても上がるんです。だから、需要と供給のバランスを十分にとって、そしてそういう社会的な保障が与えられるということがなければ、私はやっぱりこの問題もうまくいかないだろうと思うんです。
 それからもう一つ、一体型の土地区画整理事業ということですから、そういう建前は、もっと具体的に言えば、土地の値上げをやってなかなか売らない人もおると思うんです。あるいは業者が入ってつり上げをやらせているところがあるんです。そういう場合においては、そういうところには例えば駅をつくらないとか、その地域の開発はもうやらないとかというような腹を決めた方法まで考えるんですか。この点はいかがですか。
#40
○政府委員(望月薫雄君) この法律で御提案申し上げておる内容に、例の重点地区の思想、考え方がございます。これはまさしく駅を中心とする拠点的地域でございまして、これができるかできないかということは挙げて土地の確保、事業の見通しが立つかどうかということにかかわっているわけでございまして、法文でも、相当量の宅地供給が見込まれるところというふうに条文で明記していますように、私どもこの重点地区の設定に当たっては、まず前提として見通しの確実性といいましょうか、可能性が相当高くなきゃならぬ、こういうふうな考え方でおります。
 具体的に言いますならば、こういったものを詰めていく過程では、土地の取得の状況あるいは地元地権者の意向、こういったものが大変重要になってまいるわけでございまして、その辺をにらみながら重点地区を設定する。言いかえれば、駅の設置予定地区もそこの中で明らかにしていく。こういったような運びで対応していく必要があるんじゃないかと考えているわけでございます。
#41
○赤桐操君 私は実はこの問題について、並行してやるには大変な難事業だろう、こういうことを申し上げているわけですけれども、千葉に例があるんです。千葉ニュータウンというのが今日大変がんだみたいになってしまって困っている状態なんです。がんだというのは余りわからないかな、大変不十分な状態になっておるわけで、非常に問題を残しております。
 例えば千葉ニュータウンの例で申し上げるというと、これが最大こういう形になってしまった理由は鉄道と宅地開発の整合性がうまくとれなかったところにあると思うんですよ。したがって私どもは、これは大変実はこれからに問題を残しているなと。先ほど運輸省の局長のお話によると、常磐新線のような大規模なものはないから、これからについてはほかのものを考えていない、当面は東京圏においてこれが対象だ、こう言われておるわけでありますが、この千葉ニュータウンの振興との関係はどんなふうにお考えになっていますか。
#42
○政府委員(阿部雅昭君) 千葉ニュータウンの計画は当初から比べますと相当小規模になったという状況だと思いますが、そのようないきさつとしましては、やはり足が不十分であった、鉄道の整備がそれに相応して進まなかったということだったと思います。しかし現在は、立ちおくれましたけれども北総開発鉄道の整備も順調に進んできておりまして、再来年の春の開業を目指しましてこの北総開発鉄道が京成の高砂まで直通乗り入れが参りますと、都心までの直通乗り入れも可能になるという状況になりまして、足も非常にそれができれば便利になるという見込みのもとで最近非常に人気が高まってきたというようなことだと思います。
 私どももそのようなものを教訓といたしまして、今後の宅地開発と鉄道というものは一体的に行っていく必要があるということを念頭に置きまして、今後常磐新線の計画を進めるに当たりましてもそのようなこと、千葉ニュータウンの教訓をひとつ頭に置きまして、建設省と共同して、今までの協力体制をさらに大幅に前進させた形で鉄道計画を進めていきたいというふうに考えて本法案を提出するに至ったところでございます。
#43
○赤桐操君 最後に私は申し上げておきたいと思うんですが、これは本来千葉の成田から全線が開通するはずのものだったと思うんです。ところが現在できているのは千葉ニュータウンまででとまっちゃっておるという状況でありまして、いわゆるこの成田新線というものがここに通ずることになれば、この地域もまた相当の大量の土地の供給ができる地域ですよ、現実に。今言われたように、例えば地下鉄を延ばすとか、あるいは多摩ニュータウン等に対するいろんな対策をとるとかいうことで非常に順調にいっているということを言われておるけれども、首都圏の中でこれが一番今順調にいってないでしょう、三十二万の都市計画が十七万に落ちているんですから。それでなおかつ今困っているわけです。
 運輸省としては、成田新線の問題については積極的に取り上げて、この法律の適用の中で行うならばなお結構であるけれども、いわゆる既存線の延長というか、当初からの計画の中にも入っておったわけですから、こうしたものを含めてやるということは考えられませんか。
#44
○政府委員(阿部雅昭君) 先ほど申し上げました北総開発鉄道が公団線とつながって、現在千葉ニュータウンまで行っておるわけでございますが、それをさらに印旛松虫の地点まで延伸する。さらに長期的には成田空港へ乗り入れる。
 成田空港の足の対策として、いわゆるBルートといいますか、B案としての検討も私ども進めておるところでございますが、当面北総開発鉄道が京成高砂までつながるということになりますと、それからの延伸もしやすくなるということでございますし、住都公団の方もいよいよ鉄道の第二期計画として千葉ニュータウン中央から印旛松虫までの延伸について具体的な調査にも入ろうという準備を内々進めていただいているということかと思います。
 それ以後のさらに成田空港に至る延伸につきましては、当面のCルートとして、JR成田駅あるいは京成成田択から現在のターミナル地下へ入れようと、成田高速鉄道という会社もつくって、現在これはこれで工事が進められまして、これも再来年春の開通を目標に鋭意進めておりますが、その会社が印旛松虫と成田空港間の鉄道建設についての調査も行おうと、調査費も県の助成その他もありまして始まったところでございます。長期的にはそのような調査等を踏まえましてこの延伸問題についても考えていきたい。ただ、延伸部分につきましては、鉄建公団といったものを活用することによって、常磐新線とは事業規模その他もけたは違うでしょうし、現在の助成制度の延長線の上で行えるものではないかというふうに考えております。
#45
○赤桐操君 これはひとつぜひ、常磐新線の構想と同じ構想でスタートを切っているものでありますから、それが途中でこのように挫折しているものでありますから、この点を改めて再検討してもらって、今のようなお話であるならば大変結構でありますから促進をしていただきたい。このことをひとつお願いしておきたいと思います。
 質問を終わります。
#46
○青木薪次君 今同僚の赤桐議員からもお話があったわけでありますが、常磐新線の建設が言われましてから非常に久しい年月がたちました。具体的な前進がないまま今日に至っているのでありますが、この間に既設の常磐線の混雑度というのは二倍というように言われておりますけれども、実際は二六〇%から二七〇%、いわゆる三倍になんなんとする混雑度を示していると思うのであります。このために車両の長編成あるいはまた複々線化等で急場をしのいできたわけでありますが、その打開の手は新たな新線以外に解決の方法がないというところに追い詰められてきたと言っても過言ではないと思います。
 一方、北千住の駅は東武の伊勢崎線と交差するところの重要な駅でありますが、常磐線と東武線の膨大な客が乗りかえをする、あるいはまた地下鉄の皆さんも乗りかえをするというようなところでありまして、その混雑ぶりというものは私たちが想像する以上に非常に激しいと言わなきゃならぬと思うのであります。いわば危険と隣り合わせということだと思うのでありますが、この点について私は建設大臣と運輸省の地域交通局長から御答弁を願いたいと思います。
#47
○政府委員(阿部雅昭君) 常磐線の混雑ぐあいと北千住駅の混雑ぐあい、二つ御指摘ございました。
 現状を簡単に御説明申し上げますと、常磐線につきましては、確かに昭和六十二年の段階では快速電車が混雑率二七〇%になっている、もうこれは身動きもできない大変な状況であったと思います。しかしながら、常磐線の快速電車も十両編成から十五両編成に昨年の二月の段階でやっと輸送力の増強が一歩進みました。その関係で昨年秋ぐらいの実績では二〇〇%をちょっと超える程度まで落ちてきているということであろうかと思います。しかしながら、二〇〇%といいましても相当な混雑度合いでございまして、週刊誌が辛うじて読めるかといった程度の混雑ぐあいが二〇〇%になっておりますが、決して快適な通勤通学ができる状況ではないというのが事実でございます。JRとしましても、この快速電車初め鈍行電車あるいは中距離電車、いろんな形態の電車を運行し、極力輸送力増強を図っておりますが、今後とも常磐線についての輸送力増強で取り組んでいることは事実でございます。
 しかし、長期的にはやはり新線が必要にならざるを得ないということだと思います。運輸政策審議会の答申におきましても、常磐線の混雑緩和対策として常磐新線を取り上げるべきだという形での指摘が昭和六十年になされ現在に至っているわけでございます。
 また、北千住の駅の混雑の状況につきましては、東武鉄道の伊勢崎線が終点が浅草になっておりまして、非常に浅草からの通勤が乗りかえで不便であるということで、皆さん北千住で乗りかえて地下鉄の日比谷線なりあるいは千代田線に乗りかえるという形での大量の流れとなっております。また、東武伊勢崎線の沿線の開発が相当進みまして、伊勢崎線も複々線化がどんどん進むというようなことで、確かに北千住駅の混雑は限界に近い、限界をあるいは超えていると言っても過言ではない状況になっておるかと思います。
 今鉄道会社としましては、駅のホームでのいろいろ整理あるいはドアにおきます乗務員の指導要員を置いたり、あるいは階段における入門規制を懸命にやりながらラッシュ時間を何とか安全にお客様に乗っていただけるような努力を進めております。今計画しております駅の改良工事といたしまして、地下鉄日比谷線をその二階に上げるということで、東武伊勢崎線を一階、営団線を二階というような形での工事を当面進めようということで、これは先般国会でお認めいただきました鉄道整備の準備金制度を活用してそのような工事を進める計画を今立てまして、鋭意それに取り組もうということでございます。しかしながら、やはりそういう形での混雑緩和にも限界がありましょうし、将来的には直通運転という形で都心へ入ってこれる鉄道、そういう意味では常磐新線というものができますと北千住駅の抜本的な混雑の解消ということにも大いに役に立つんではないかという考え方をいたしておるところでございます。
#48
○青木薪次君 この法律の制定による鉄道建設の効果について答弁を願いたいと思うのであります。
 一般の土地区個整理事業に特別な手法を追加することによって一定の目的に資する土地区画整理事業としては、土地区画整理促進区域を制度化して、しかも共同住宅区、集合農地区を設けることができるようにするとともに、例えば義務教育の施設の用地とか公営住宅等の用地を確保するために特別の措置を認めて、大都市地域において大量かつ良質な宅地の供給と良好な市街地の整備促進を図ろうとするものである、このために特定土地区画整理事業等があるんだと、こういうふれ込みです。確かに一体型の土地区画整理事業のイメージが整理前と整理後では相当規則正しく、鉄道の用地を確保する、公共団体等に対する用地を確保するといったようなことが並べられているわけであります。要するに鉄道用地の取得が円滑に行われ、建設が早くできるようにするということがこの目的じゃないかと思うのでありますけれども、その辺について両省のひとつ見解を承りたいと思います。
#49
○政府委員(阿部雅昭君) 先生御指摘のように、鉄道建設につきましてはまず用地の確保が最重点課題でございまして、鉄道は細長い用地でございますが、その一カ所でも取得ができなければ鉄道が通れない。そのような例は先般も開通した半蔵門線の例などでもあるわけでございます。
 私ども、鉄道整備をしていくために何としても土地取得の円滑化を図る制度をいろいろ活用したい。ただ運輸省だけではそういうことはできませんので、特に土地の問題、区画整理を初めとして、所管しておられる建設省の方の協力をどうしても得たいということを考えまして、この法律におきましても、区画整理という中で鉄道用地を生み出していただくというようなことが鉄道のための用地取得の円滑化の上で非常に効果があるのではないか。そういう意味では、この法律での一体型の区画整理あるいは集約換地と言われますような制度といったものが鉄道建設に対する助成方策の一つとして新しいものだと。私ども、そのようなものがこの鉄道建設に当たって有効に働くように今後よく協議し、実施に移してまいりたいというふうに考えております。
#50
○政府委員(望月薫雄君) この地域の宅地開発に当たりまして鉄道整備というものが宅地のサイドからも是が非でも必要な事業である、こういった基本線に立っているわけでございまして、そういった意味で、鉄道用地の確保については、宅地のサイドからも全面的に協力といいましょうか、みずからの仕事としての対応をしていきたい、こういう構えでおるわけでございます。
 そういった中で、もう制度の内容については御案内のとおり、基本計画をつくり、それから協定を結びというふうなそれぞれの事業者間の緊密な連携をとることが基本でございますが、あわせて土地区画整理事業について鉄道のための集約換地制度というものをあえて特別に開かしていただいた、こういう次第でございます。
#51
○青木薪次君 今赤桐委員との質疑応答を聞いておったわけでありますが、この第三条は、「この法律による特別措置は、次に掲げる鉄道及び地域について講じられるものとする。」、一として、「鉄道著しい住宅地需要が存する大都市地域において、大都市の近郊と都心の区域を連絡するものとして新たに整備される大規模な鉄道であって、当該鉄道の整備により大量の住宅地の供給が促進されると認められるもの」ということになっているわけであります。
 そこで、このような鉄道は常磐新線だけで他には今のところないという答弁でありました。既存線の延伸は、現在助成でやっているから、しかも大規模でないからだめなんだという運輸省の阿部局長の答弁でありました。
 私は、鉄道建設に当たっては、いろんな問題があるわけでありますが、なぜ常磐新線だけかという点については依然として疑問が残ります。常磐新線は言うに及ばず、既設の地下鉄と直結させれば宅地開発が大きく進展する路線はまだ多くあると思うのであります。一本で郊外と都市を結ぶものでなくても、この法律の適用を図ることは当然だと考えるのでありますが、例えば今計画中の地下鉄七号線というのがありますね。この地下鉄七号線は常磐新線と同じ宅地開発を考えている地域だと思うのであります。都市部では岩淵町と山手線の駒込駅、この辺については既に着工しているんです。平成三年には完成を目指しているということでありますが、ほかにも平成元年から平成七年ごろまでに完成したいという地域もあるわけでありまして、こういう点について、なぜ常磐新線だけか。第三条の関係ですね。そういう点についてこれも両省から説明してもらいたいと思います。
#52
○政府委員(阿部雅昭君) 先生から御指摘ございました地下鉄の延伸部分といったようなこと、工事が幾つか過去行われ、現在行われているものがございます。神戸市でも地下鉄の延伸が西神ニュータウンに向けて行われましたし、横浜では現在港北ニュータウン経由の延伸が行われております。また七号線につきましても、答申でも浦和の東の部分まで持っていくというような計画が打ち出されておりまして、これは今後どうするかということは検討課題になっておるわけでございます。
 先ほどの市営地下鉄の延伸部分につきましては、いわゆるニュータウンルールといいますか、ニュータウン補助制度というのが地下鉄に準じた形で設けられておりまして、それなりの支援措置を国、地方公共団体でやって整備が進められているものでございます。
 また七号線の延伸問題につきましては、ちょうどこれは営団の、東西線の千葉、勝田台への延伸、現在これは工事が進められておりますが、これと似たような形態のものではないかというふうに考えておりますが、現在その部分の百船橋から勝田台への延伸につきましては、東葉高速鉄道という第三セクターをつくりまして、そこが鉄道建設公団に工事を委託し、鉄道建設公団の工事に対しましては、これまた利子補給という形で国、地方が行っているという方式での建設が現に進んでおるわけでございます。
 私ども、ある程度の延伸部分につきましては、やはり工事の規模なり資金調達の問題等を考えますと、あるいは特に土地所有者に対する権利制限を強く働きかけるといいます、先ほどの区画整理事業の特例まで設けなければどうしてもできないのかどうかということにつきましては、そこまでの特例措置を考えないでもやれるのではなかろうか。
 ただ、常磐新線のようなものになりますと、全く新規に起点、終点の整備を大規模にわたってやらなければなりませんし、また相当の部分がこれから開発される鉄道であり、輸送需要も当初からそれほど大きくなることは期待できない。やはり段階的にふえていくような鉄道になりますと、従来の鉄道とはちょっと違った形での強化した助成措置が必要であろう。また、そのような特別措置がない限りそのような鉄道新線の建設は困難であろうということで、この法律の提案に踏み切ったわけでございまして、延伸部分につきましても全然問題がないということではないかと思いますが、このような法律をそのまま適用してというところまでやらなくても、現在の助成制度なり、あるいは現在ある制度の運用なりで対応できるんじゃないか、そのように考えた次第でございます。
#53
○政府委員(望月薫雄君) この法律で対象にしていますのは、御指摘のように大規模な鉄道ということで、当面常磐新線を念頭に置いているということになるわけでございますが、私どもは、それはそれとして、おっしゃるように、首都圏等大都市地域では、鉄道を初めとする大量輸送機関と宅地開発というものの緊密な連携の中で仕事を進めることでまだまだ開発の可能性が高まるところはございます。またあると認識しております。
 そういったことからしまして、私ども、この法律に基づく事務措置等、必ずしもずばりこれということではなくて、一般的に鉄道、宅地開発というものについての相互の調整、連携というものは非常に重要になっている、こういう認識に立っておりまして、そういった観点からこういった法案を御提案申し上げている今日でございますので、運輸省、建設省の間の緊密な連携体制というものにあえて積極的に取り組んでいこうということで、先般も整備させていただいて、取り組み体制ができたところでございます。
#54
○青木薪次君 私まだなかなか納得できないわけであります。首都圏や大阪とか名古屋圏でも、常磐新線のような直通線でなくても、既設の鉄道と結んで直接乗り入れ運転できるところはこの法律の適用をすべきじゃないかというように考えているのでありますけれども、もう一度どうですか。
#55
○政府委員(阿部雅昭君) 延伸にして相互乗り入れるという鉄道、それはまさに利便の増大にもなりますし、その延伸部分の開発地域のメリットというのも十分あるわけでございますので、私ども、そのような鉄道についても鋭意整備する計画が打ち出され、取り組んでおるところでございますが、延伸部分だけどりますと、いわゆる工事費その他を入れましても必ずしもそう大きくない。このような常磐新線、私どもの試算では六千億という規模でございますが、延伸部分を抱えております鉄道の事業費といいますと大体が数百億円台というものが多いかと思います。そのような鉄道の延伸部分につきましては、先ほども申しましたが、従来の設けております幾つかの助成策等によりまして対応できていけるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 首都圏以外での話としまして、大阪圏における鉄道計画も、実は先般、五月の末でしたが、運輸政策審議会で大阪圏における鉄道計画の答申をいただきました。これは二〇〇五年を目標とした計画でございます。その中でも、多くの鉄道の整備の必要性が指摘されており、私どもそのような計画の実現に向けて関係者ともども努力していかなければならないと思いますが、大阪圏につきましては、この常磐新線と並ぶような大規模な宅地開発を沿線に予定し、しかも都心直結で直通で乗り入れるという形での鉄道計画はその中ではありませんでした。
 名古屋圏につきましては、現在大阪圏に引き続いて、見直しを行うべく、その前段階の調査をしておるところでございますが、名古屋圏についてまたどのような計画が出てくるか、どのような必要性があるか、このような法律の要件に該当する鉄道があるかどうかということは、今後の検討を待って判断したというふうに考えるところでございます。
#56
○青木薪次君 次に、財源調達の問題でありますが、最終的には、今阿部局長は六千億円から八千億円、先ほどこの三倍ぐらいかかるんじゃないかというような話も出たけれども、少なくとも一兆円を超えるビッグプロジェクトとなることについては、これはもう言をまたないというように考えているわけでありますが、整備主体の第三セクターはどのような形で建設費の資金調達をしていくのだろうか。開発利益を吸収するとか補助金の問題とか、いろんな問題があるわけでありまするけれども、その点について伺いたいと思います。
#57
○政府委員(阿部雅昭君) この鉄道は第三セクターという形で整備に取りかかりたいというふうに考えておるわけでございますが、第三セクターへの出資の規模、これも先ほど八百億というような試算があると申し上げましたが、鉄道の採算を考えますと無利子の金をできるだけ投入する。また、その無利子の金で用地取得を行うことを前提としてできるだけ進めたい。しかし、それ以外の資金につきましては、鉄道建設公団というものを活用し、鉄道建設公団の資金調達力、あるいは人的、技術的な力を活用して鉄道をつくっていくのが妥当であろう。そのような出資金によります無利子の資金の調達と、残りは鉄道建設公団が行います財政投融資等によります資金調達、それによる資金によって整備を図りたいというのが基本的な考え方でございます。
#58
○青木薪次君 第三セクター自身が今の話のように資金対策をするということでありますが、債券発行等を行って資金を調達する方法もあると思うんです。自分で借金するというんですかね。それから先ほどから局長の答弁の中にありましたようにP線方式、鉄建公団が民鉄の譲渡線として建設して完成後第三セクターに譲渡する制度であると思うのであります。
 常磐新線の資金調達の方法について考え方を伺いたいと思いますが、先ほどから説明がありましたように、地下高速の鉄道の建設費の補助金とか、ニュータウンの今話のあった鉄道建設の補助金というような問題等、いろいろあるわけでありまするけれども、その点についてはいかがですか。
#59
○政府委員(阿部雅昭君) 整備主体の第三セクターが資本金として調達する無利子の資金のほかに、あるいは債券発行というようなことも、会社でございますのでできるかと思いますし、その債券による資金をまた土地取得を初めとするそういう事業費に充てることは可能かと思います。しかし、そのような方策と鉄道建設公団による資金の活用、どちらがより調達が容易であるか、あるいは安い金利の金で調達ができ、会社としても有利であるかというようなことは、今後その資金計画等を詰めていく中で検討すべきものだというふうに考えております。
 また、助成制度として地下鉄補助あるいはニュータウン補助というような御指摘がございましたが、確かに現在地下鉄につきましては、これは東京都の場合の営団と公営の都市に限られておりますが、地下鉄建設費に対する補助金は、建設費の中から約一割の自己資金分といいますか、資本出資分相当を除きまして、残りについて建設費の約七〇%相当分を国と地方が半分ずつ、三五%ずつを十年間にわたって補助するという制度が地下鉄建設についての現在の補助制度でございます。また、ニュータウン補助といいまして、ニュータウンを新たにつくる場合の鉄道建設につきましては、一部ニュータウン建設者の負担金といいますか、そのようなものを前提としながら、残りの建設費につきまして、やはり補助対象経費の三六%を半分ずつ国と地方が補助する、これも六年間にわたって補助するというような制度が設けられまして、現在各都市の地下鉄あるいはその延伸といいますか、ニュータウン線という形での整備が進められております。
 常磐新線についてそれらと比較いたしてみますと、常磐新線の建設は、都内の部分はおおよそ地下構造にならざるを得ないということで、実質地下鉄の建設に見合うものと考えなければなかなか建設が困難だと思います。また延伸部分、埼玉、千葉、茨城県に至る部分につきましてはニュータウン補助といったような制度が適用される、またそれを適用していいような実情ではなかろうかというふうに考えまして、私ども、その地下鉄補助とニュータウン線の補助、現在二つ持っております。その補助制度をにらみ、それらとのバランスを考えながら、鉄道建設公団が建設する場合の国、地方の補助といったものを、実質それらに相当するような形で行うことによって建設が可能なのではないか。また、国、地方は協力してその程度の助成をすることによってこの鉄道建設に対する支援策が講じられることが望ましいのではないかという考え方で、現在その助成の方式についても財政当局と鋭意詰めているところでございます。
#60
○青木薪次君 問題は、法案だけ通しても鉄道が建設されなきゃ何にもならぬですからね。
 新聞報道では、鉄建公団の民鉄譲渡線として建設して、現在、説明もあったわけでありますけれども、五%超の金利について国、地方折半で二十五年間で償還するという措置を考えつつも、まだいい方法があるかということで、今政府が考えている方法としては、もっといい条件ということは、四%超の金利につき国、地方折半で、助成については二十五年でなくて四十年間償還にする。二十五年を四十年にする、五%を四%ということで下げていくというようなことを考えていいんじゃないかというようにちょっと見たのでありますけれども、その辺いかがですか。
#61
○政府委員(阿部雅昭君) 現在の鉄道建設公団のいわゆるP線に関する補助制度でございますが、先生御指摘のとおりでございまして、一般的には、鉄道建設公団に鉄道をつくっていただき、それを二十五年で支払うという形で民鉄の場合は建設が行われておるわけでございますが、ただニュータウンの場合はそれを十五年で償還するというような短縮されたケースもございますが、利子補給につきましては五%を超えるものについての利子補給という制度が現在の民鉄の整備に対して適用されている制度でございます。
 それで、常磐新線につきましては、その制度だけでは、先ほど言いました地下鉄あるいはニュータウン線を組み合わせたバランスから見るとまだちょっと手薄いというのが私どもの考え方でございまして、償還期限につきましても、これは開発型の鉄道であるということを考慮して、支払い期限も二十五年を四十年程度に延ばしてもらう。したがって、整備主体の年々の負担は薄く、長くということでやっていくことによって何とかその資金の回収を図るということが妥当であろうということでございます。また利子補給の程度につきましても、先ほど言いました五%ではなおちょっと手薄いということから、私どもそれを一段上乗せした形での利子補給をぜひ実現したいということで、これにつきましては現在財政当局とそういう方向での詰めをやっているところでございます。
#62
○青木薪次君 今の局長の五%を四%超にして二十五年を四十年の償還ということになると、建設所要資金を運輸省の言うように六千億ということに仮定いたしまして、現在五%、二十五年元利均等償還で年間四百億円の負担ということで考えてみますと、これが四%、四十年償還ということになりますと約三百億円の負担となってかなり軽減されると思うのであります。しかし、これでも投資の重圧は相当厳しいというように考えているのでありまして、営業主体となるJR東日本の経営に重くのしかかってくるんじゃないかというように考えているわけです。この点についてはいかがですか。
#63
○政府委員(阿部雅昭君) 建設公団に支払いする主体は整備主体でございまして、整備主体が鉄道建設公団に四十年、使用料といいますか、譲渡代金を払うということでございます。一方、JRはその鉄道を借り受けまして、運営主体としてその鉄道運営、鉄道事業に当たる。鉄道事業法上は第二種事業者として鉄道の運営をする主体になるわけですが、今度JR、その鉄道の運営主体と整備主体との関係は、毎年使用料を幾ら払うか、その整備主体と運営主体との関係についての使用料を幾ら払うかというのは、これはまた別な観点から決めるべきものでございます。
 これをどのように決めるかということにつきましては、一定の確定額でいくのか、あるいは毎年漸増するでありましょう運賃収入にある程度見合った形でいくのか、この辺につきましても今この線でいこうという決められたものはございません。今後運営主体としてもできるだけ負担の軽減を図りながら、特にJRの場合はJRの事業運営に支障が来さないようにということを基本としながらも、長期的にどのような収支採算を確保できるかというようなことをいろいろケースごとに試算いたしまして、その中で決めていくことになろうかと思います。
 いずれにしましても、JRの経営全体の事業運営に対する影響とかいったことも十分配慮された使用料をそこでまた設定していく必要があろうというふうに考えております。
#64
○青木薪次君 整備主体は第三セクター、いわゆる業者の立場ですな、これを鉄道公団がやる、それから運営はJR東日本がやる、こういうことですね。運営といっても、例えば現在の常磐線に乗っている三〇%のお客さんをこの新線に移すということと同時に十五万世帯の宅地開発をやる。これを鉄道建設と宅地開発を一体的に進めていくんだということでありますが、実際問題といたしまして、赤字にはならぬと思うのですけれども、三十年間ぐらい投資をして懐妊期間があるというのが鉄道の大体考え方ですから、これはただ線路の上をトロッコのように走るだけじゃなくて、信号の設備、ATC、CTCを初めといたしまして、車両その他人員の養成、訓練等も相まって、私はやっぱり運営には相当な金がかかると見ているわけであります。
 JR東日本は昭和六十三年度に八百五十六億円の経常利益を出しました。しかし、税金を抜いた後の当期利益は四百十三億円であります。住田社長はいろいろと言っているんですね。新聞でしか見ないのでありますが、整備新幹線の来年度の着工とか鉄道共済年金を含めて二百億円の負担とか、出費がメジロ押しだ、株式の早期上場を目指しているJR東日本にとって過度の投資はできない、お断りしたいという話も聞いているわけでありますが、そのお断りしたいということについては、このJR東日本の過度の負担とあわせて、運輸省は主管庁としてどう考えていますか。
#65
○政府委員(阿部雅昭君) 現在のJRの置かれている立場というものを考えますと、基本的に二つの点を考えながら私どもその問題点を詰めていかなきゃならないというふうに思います。
 その一つが、鉄道事業者であるJR東日本は公益事業を遂行することでの使命を有しており、地域の混雑緩和対策についても最大限の努力を払わなければならないという一つの立場でございます。しかし一方で、民間会社であるJR東日本の行う投資については、経営者の自主的判断が尊重されるべきであり、運輸省としても第二の国鉄は絶対につくらないという国鉄改革の趣旨を十分踏まえなければならないということでございます。
 このような点を十分踏まえまして、常磐新線につきましては大きな投資であるということ、しかし、先ほど申しました混雑の解消その他の観点からの対応ということにつきましては、やはり長期的に考えていかなきゃならない使命もあるわけでございます。JRの現在の経営あるいはさらに将来への負担といったものがどうなるか、その辺についての的確な見通しなり的確な数字といったものを今後さらに関係者がよく詰めて、この問題についてはJRとしても検討していくというのが現在の立場でございまして、まだその点についての詰めば今後の課題であるというふうに考えております。
#66
○青木薪次君 この全体の基本計画は、地方自治体、常磐新線の場合は東京、茨城、千葉、埼玉の一都三県がやっている。それから鉄道の整備主体は第三セクター、宅地の開発主体は住宅・都市整備公団などの公的な工事として、これら関係者の協議会を組織する。沿線自治体がつくる基本計画には、路線概要と主要駅、宅地開発の計画、鉄道整備の目標年次などを示す。駅などをつくる重点区域では、自治体が集約換地と呼ぶ区画整理事業を実施する。区画整理では、土地所有者に換地を与えて道路、公園などをつくるが、これと同じ手法で駅などの用地を確保すると言っているわけでありますが、この第三セクターは地方自治体の出資も仰いでいるから、常磐新線沿線の宅地開発地域でニュータウン線の建設助成の制度で行うこともできるように思われるんですけれども、この点についてはいかがですか。
#67
○政府委員(阿部雅昭君) 先生お話しのように、確かに沿線の地域にニュータウンができるという面ではニュータウン鉄道といった色彩も持っているわけでございますが、その鉄道が都心まで一本の鉄道としてつくられる。都心部はいわゆる地下鉄構造、一般の公営の地下鉄に準じた地下鉄と類似のものでございます。都心部の工事費その他が莫大になるということでもございますので、ニュータウン鉄道と地下鉄の補助と比べますと、地下鉄の補助制度の方がより強化された補助になっております。
 したがいまして、ニュータウン鉄道の補助、部分的にそういう補助といった形の組み合わせではなしに、総体的に地下鉄補助とニュータウン鉄道が組み合わされた形での一本の補助制度といったものを鉄道建設公団に対する助成を通じて行うのが、この鉄道建設についての適切な補助制度ではなかろうかというふうに考えております。
#68
○青木薪次君 そうしますと、例えばニュータウンの地域の指定をしないからできないということなのか、あるいは部分的にはできるということなのか、その辺の可能性、持ってますか。
#69
○政府委員(阿部雅昭君) いわゆるニュータウン補助という制度は、特別なある程度の規模、大規模といった方がよろしいかと思いますが、その大規模なニュータウンヘの足としてその部分へ向かって敷かれる鉄道ということを予定しておるわけでございますが、この常磐新線につきましては、そのような形での大規模ニュータウンの建設をねらいとし、そこへの足として敷かれるものではございません。筑波研究学園都市へ結ばれ、その沿線に、大規模というよりはあるいは中小規模と言った方が適切なのかとも思いますが、そのようなニュータウンのようなものが建設されるということかと思いますので、ニュータウン補助といったものをそのままの制度としてこの鉄道に適用するというのは、技術的にもあるいは助成制度のウエート等から見ましても適切ではないのではないかというふうに思っております。
#70
○青木薪次君 そうしますと、都内の人家密集地域の区間が地下鉄となるわけですね。その場合、公営地下鉄の建設助成の制度、さっきから説明がありましたが、これは適用できないかどうかという点が残ると思います。例えば足立区北千住から都心にかけては地下鉄となる。全線をP線にするのか、三つに分けるのかというような点も疑問として残るわけであります。この点いかがですか。
#71
○政府委員(阿部雅昭君) 都心部につきましては、北千住−南千住間は従来の常磐線と並行して地上を走る構造を予定しておりますが、それ以外の部分については地下構造になり、いわゆる地下鉄と類似の鉄道になるわけでございます。その部分については地下鉄補助といったような形そのものを適用するわけではございません。地下鉄補助制度についてはまた公営鉄道というようなことを原則として制度化されたものでございますので、このような第三セクター鉄道にその制度をそのまま適用することは今の制度上問題がございますが、先ほど来申し上げておりますように、この鉄道を一本の鉄道としてとらえ、鉄道建設公団の補助制度を拡充することによりまして、実質的に地下鉄補助とニュータウン補助を組み合わせた形での実質的な補助が行われるということで、補助制度間のバランスはとれていくものというふうに考えております。
#72
○青木薪次君 結局、鉄建公団の民鉄線建設方式で全線やるというなら、どうしても別途特別の財源手当てを用意しないととても無理じゃないかというように考えられるんですけれども、この点はどうですか。
#73
○政府委員(阿部雅昭君) 鉄道建設公団が建設する場合のとりあえずの資金でございますが、これは鉄道建設公団が毎年度予算で特に財投資金を中心とした形で財政投融資、あるいは鉄道建設公団の発行します債券の引き受けという形で鉄道建設公団の予算として調達されておりまして、それがこの鉄道を建設することになりますれば、そのような資金が充てられるということでございます。いずれ完成した段階で、今度整備主体が鉄道建設公団に資金を払っていくことになるわけですが、その払う際に一定の利子補給をしてこの整備主体での負担を軽くするということでこの整備主体の事業を助成していくという形になる、そのような仕組みを考えておるところであります。
#74
○青木薪次君 それじゃ改めて聞きたいわけでありますが、運政審の答申で、「鉄道の建設・運営に対する助成措置の財源対策」として、「何らかの特別な財源を見出す必要がある。」と述べているのであります。答申は六十年七月ですから、四年たった今日、特別な財源を常磐新線に適用さすべく運輸省には腹案が当然あると思うのであります。
 この「鉄道の建設・運営に対する助成措置の財源対策」という項に、「今後増大する輸送需要に対応して所要の鉄道整備を着実に推進していくためには、鉄道整備に対する国、地方公共団体の助成措置のための安定的な財源の確保が必要である。
 国においては、財政逼迫の折から、一般財源に依存している鉄道整備に対する国の補助金等は全体としては年々減少しており、抜本的な対応が求められていることに鑑み、長期的な展望に立って、国民的な合意を得ながら何らかの特別な財源を見出す必要がある。」と実は指摘をいたしているのです。ここの点から考えて、腹案はいかがですか。
#75
○政府委員(阿部雅昭君) 昭和六十年の答申の中に、このような鉄道整備をするための幾つかの提言といいますか、そのような示唆が織り込んであります。鉄道整備のための財源がいろんな面で苦しいということから、特定の財源を新たにつくれという御提言があったことは事実でございまして、運輸省としてもそのような方向での検討はいたしておりますが、何せ税金あるいはそれに類似のようなものをこの時代に取り入れるということについては極めて大きな問題があるということも事実でございまして、私どもまだその提言に対する成案をまとめるというところには至っておらないわけでございます。私ども従来の制度の延長の中で、一般会計あるいは財投資金といったものを政府の厳しい予算の枠内で何とかやりくりしながら、その助成制度を運営して今日に至っております。
 しかし、運政審で答申されましたそのようなことにつきましては、なお今後私どもが真剣に取り組んでいかなければならない課題であるという認識をいたしておるところであります。
#76
○青木薪次君 開発利益の還元がこの法案の目玉の一つであったはずでありますが、この法案の欠陥といいますか、私たちが非常に心配いたしているのは、開発利益の導入のための思想が欠落をしているという点だと思うのであります。難しいことは理解はいたしますが、このための本案ということになれば国民はなかなか期待が強かったと思うのでありますが、この点については建設省も余り積極的ではなかったんじゃないかというようにも考えるのでありますが、大臣いかがでしょうか。
#77
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、常磐新線のみならず、およそこういう公共事業に関連いたしまして、開発利益の還元というものの重要性がいろいろの方面で言われている昨今でございます。私どももこの法案を検討の過程でそれ自体が当然大事なテーマであろうという認識は終始持ってまいっているわけでございますが、何さま、今先生もおっしゃいましたように、この開発利益を還元させる手法あるいはこの開発利益の認定、その前提になります開発利益をどうとらえるか、どう概念するかなどなどがまだ技術的に非常に問題が難しく残っております。
 建設省関係の例えば公共事業関係の法令を見ましても、類似の思想としての受益者負担金制度みたいなものが大体多くの法律に入っているわけですが、これも現実なかなか今日導入できてない。下水道がごく部分的にやっているのがいわば例外的にできているくらいでございまして、いずれにしても、その受益というものをどうとらえるか、あるいは受益区域をどう限定、確定できるかというようなことなどをまず整理できない現状では、これをさらに具体的にどう徴収するかということなどを含めて非常に難しい問題がまだ克服されていないというのが現実でございます。
 そういった観点から、私ども今回の法律の検討の過程におきましても、一つの理念としてはともかくとして、これを一つの手法として具体的に導入するということについては、まだ今日踏み切れるほど整理できていないというのが現実でございます。
#78
○青木薪次君 この法律は、鉄道事業者等が重点地域内で保有している土地を鉄道用地に換地集約できることになっている。考えてみれば、鉄道事業者もどうもこれから土地を入手するわけですね。相当な値上がりをするというように見込まれておりますけれども、この点はどんな認識を持っておりますか。
#79
○政府委員(真嶋一男君) この本法案に申し述べております一体型の土地区画整理事業につきましては、事業計画でもって駅とか鉄道用地に充てまする鉄道施設区というものを定めまして、鉄道事業者、地方公共団体、住宅・都市整備公団等の所有いたしまする換地をその中に集約的に持っていくことができるということの特例を有する区画整理事業でございます。
 今お話しのとおり、鉄道事業者等が買いに入るときにどうなるのかということでございますが、鉄道事業者が一般の直買いでございますと場所が特定されておりますので、なかなか買収交渉が大変だという点はございますが、この方式でございますと、区画整理の施行区域内でございますれば、その中でどこでも求められるという利点があって、相当効果があるものというふうに考えております。
#80
○青木薪次君 この開発利益をどう還元されるか。いわゆる土地を所有している企業や個人が、鉄道や道路などができたことで労せずして膨大な利益を手にすることほどいい話はないですね、大臣。したがって、私たちはそんな例をいろいろ見たり聞いたりするたびに、羨望の眼を持っているわけじゃありませんけれども、ため息をつくというのが今日の日本人の特筆さるべき事情だと思うんです。
 このように公共施設が整備されまして、その土地の利便性が増した。地価上昇分がいわゆる開発利益となって、いろいろそういう立場で呼ばれているが、開発事業には主として税金などの公費が充てられるのに、開発利益が土地所有者という特定の人に帰属するのは、社会的に不公平を助長するばかりか、土地は値上がりするものだという土地神話を定着させてくることになるということだと思うのであります。何らかの方法で社会に還元するのがやっぱり筋ではないだろうかというように思うわけでありますが、日本としては開発利益の社会還元が十分に行われてこなかった。これが社会資本のある意味では充実をおくらしている根本的な原因だという人さえあるわけでありますが、この見解について大臣どう考えますか。
#81
○国務大臣(野田毅君) おおむねその御指摘は妥当だと思います。そういう角度からも、今国会御提案申し上げております土地基本法の一つの理念の中に、そういった開発利益の社会還元という問題を一つの柱として掲げてあるわけであります。
 ただ、現実にそれをどのように具体化していくかということになりますと、今のお話にもありましたように、基本的にはまだ開発利益が顕在化されていない、つまりまだ土地保有という段階の中での地価の上昇という形での利益である、それはまだ実現されていない。それに対してどのように社会還元を求めていくのかということになりますと、ある意味ではいろんな手法はあろうかと思います。地価が保有課税に反映をされて、それがひいては回り回って地方団体の財政に反映をされる、それを通じてまた歳出に充てられていくという、これも一つの還元の方法であるかもしれません。そういった場合どういうような対応が行われるのか、それからまた、この前も申し上げたかと思うんですが、その保有課税、特に固定資産税そのものについて、昨年来のいろんな東京における論議なんかを聞いておりますと、逆に固定資産税を上げるのはけしからぬとか、そういうような論議が一方である。
 そういったことをあわせ考えていきますと、これを具体的にどのような形で還元を求めていくのかという手法についてのコンセンサスを得るのはなかなか大変だな、しかしこれは事柄の重要性から考えて我々もその努力をしていきたいと思いますし、ぜひひとつ、青木委員初め各先生方あるいは国民の理解と協力を求めていかなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。
#82
○青木薪次君 きょうの議論の中にあったわけでありますが、開発利益二十兆円ということが大体皆さんの心の中にあると思います。ですから、これがどうなるんだという点はある意味では興味を持って見られているということを政府は考えるべきであると私は思います。宅地開発だけが進んでも、同時に鉄道が整備できなければこの法案の価値、意義はないわけであります。鉄道用地を取得できやすい効果、従来より割安で土地が入手できる効果がいま一つ私には不明確に映ってまいります。その上に財源調達やその他の支援措置等が、これまた、先ほど地域交通局長の話を聞いておっても、まだ私どもが本当に考えていることについては、なかなか法の壁といいますか、現実の行政の壁という意味で、運政審の提起した問題だって明確な答えがまだ出ていないというように考えます。
 したがって、こういう問題が不十分では常磐新線はいつまでも具体化しないで、先ほど赤桐委員も指摘いたしましたけれども、二十年、三十年かかっていくということでは大変残念な話であります。この法律は何のためのものかと国民から見られることになると非常に残念でありますが、この点について大臣からひとつ明確に決意の表明をしていただいて、そして私の質問を終わります。
#83
○国務大臣(野田毅君) まさに今のままで放置しておきますと、話ばかりがありまして現実には事柄が前に進んでいかない、こういうことであっては甚だ残念なことでありますから、今回この法律を成立させていただきまして、これに基づいて、新たな手法を取り入れながら、積極的に国も全力を挙げてこの問題の推進のために取り組んでいきたいと考えております。
#84
○委員長(稲村稔夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#85
○委員長(稲村稔夫君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#86
○馬場富君 まず、本案につきまして、いわゆる地価高騰から起こってきます。その対策の一つとして今回の法案が提案された。住宅用地とあわせて輸送力を高めていくための鉄道を併設していくという考え方については私も賛成でございますけれども、それにしても何点か、この法案が非常に理想的なだけに問題点があります。そこで、この法案を政府が提案されるについて一番のポイントとする要点についてちょっと御説明願いたいと思います。
#87
○政府委員(望月薫雄君) 要点だけ申し上げさせていただきますと、特に住宅宅地事情の厳しい大都市地域、とりわけ首都圏を念頭に置いているわけでございますが、そういったところで鉄道の整備が不十分であるがゆえにまだ十分に利用されてない、いわゆる開発利用可能性の高い地域というのが結構存在する。こういったところに新しい鉄道を敷くことによって利用可能性を高め、計画的な宅地開発を一体的に進めて、中堅サラリーマン向けの住宅宅地を大量に供給しようという趣旨でございます。
 これを具体的に進めていくための手法、手段としまして、基本的には、国のみならず地方公共団体の意向、姿勢というものを大いに重視し尊重していこう。なぜならば、鉄道、宅地の整備は、見方を変えれば、単に宅地供給のみならず地域の振興整備にかかわる部分である、こういった観点も踏まえまして、都道府県、関係市町村の意向を十分重視といいましょうか、尊重した仕掛けを考えてみたいということで考えているわけでございます。その内容としましては、まず鉄道あるいは宅地供給に関する基本的な方針を決めます基本計画を、鉄道、宅地合わせて一本のものとして都道府県がおつくりいただく、これが第一でございます。それから、その中では、内容はちょっと法案に即しますので省略いたしますが、それを受けまして具体の事業を展開していくために、関係のそれぞれの都県におきまして、事業者、公共団体によります協議会をつくって相互の緊密な連携体制を確立する。さらにまた、事業段階に向けて事業者相互間で協定を結んで全きを期していきたい。これを骨子としているわけでございますが、これらのことを進めるに当たりまして、鉄道整備、宅地開発を円滑に進めるために、一番大きな課題の一つに用地の確保、とりわけ鉄道と宅地を重点的に進めるべき地域について、用地をどう秩序ある格好で確保し鉄道の用に供するかという観点が重視されます次第でございまして、その意味において、区画整理事業の手法の中に鉄道集約換地制度を新たに創設するということなどなどでございます。
 いずれにしましても、これに伴います地価監視の問題等も含めまして準備させていただいている次第でございますが、基本は、国、地方公共団体一体になりまして、しかも事業者相互間の緊密な連携体制を確立して取り組んでまいりたい、こういう考え方を持っております。
#88
○馬場富君 宅地造成とあわせて常磐新線を並行して進められていくということで、この意味はよくわかりますけれども、しからばその住宅用地というのはどのようなものを想定されておるか。例えば、大臣が所信表明の中でも、記者会見の中でもおっしゃうていますように、庶民の手の届くような住宅ということは実にいい言葉だと思います。じゃ、この計画の中には、そういう鉄道とあわせて住宅用地というのは、どんなような住宅を想定されて建設なさろうとしておるのか。もう一つは、鉄道は聞くところによると秋葉原から筑波学園都市だというようなことですが、その間にどんなようなところの宅地造成が考えられておるか。それから内容ですね、もしつくるとしたらこんなものだというのをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#89
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、この路線は延長六十キロにわたる長大のものでございまして、地域も東京都から埼玉県、千葉県、茨城県と、それぞれ土地利用の状況あるいは地域の状況が大変違うところを通っていくわけでございます。そういった中で、ここの沿線で開発し供給する住宅宅地というものについて一律にこういうイメージの住宅、こういうイメージの宅地ということを申し上げることについていささか問題があろうかと思いますが、ごく大ざっぱに言えば、非常に土地利用が高度化されている地域においては再開発型集合住宅というものが供給されるゾーンでございましょうししますが、だんだん北の方に向かっては中低層住宅ゾーンという格好で一つのイメージがなされるわけでございます。
 これらにつきましては、法案で御提案申し上げさせていただいていますように、基本計画を都道府県がつくる中で明確に方向づけされるものでございますが、私ども、そういった大ざっぱなイメージの中ではございますが、即地的に申し上げますと、多くの地域について計画的宅地開発事業というものを起こすべき地区がかなり存在するということで、現在の段階ではおおむね七千ないし八千ヘクタールの開発可能地を持っている、こういうふうに理解をしておるわけでございます。その間において、くどいようですが、住宅をどのような供給をしていくかということにつきましては、例えば庭つき二戸建てというふうに一律に申し上げるわけにはいかないわけでございまして、地域地域の状況を踏まえながら、また地価の動向、実情等も踏まえてこれからのいわゆる中堅サラリーマン向けの住宅供給ということを軸に対応してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#90
○馬場富君 それは六十キロ圏ですね。先日も統計等で、東京の地価が安定したといっても東京十キロから二十キロ圏では中高層住宅がサラリーマンの年収の十倍ということがデータでもはっきりとしてきておりますし、ここらあたりは購入限度をはるかに上回っておるわけです。だから、今政府がこの法案を出されるからには、そういう人たちを救済するための法案だと見るわけです。
 だから、それについてどのような、例えばこの計画の中には、通勤距離を二時間圏とか二時間以上かかるとか、そういう問題のところをどのあたりまでにとどめて、そして家賃や住宅価格がどのぐらいのものを想定してこの計画が立てられておるか。それはあなたの説明でいくと、地方の方に任せてやっていくというふうな意見にとれますけれども、そうじゃなくて、やはり国が法律を出し、こういう計画を立てる以上は、そこらあたりのところが現状よりも一歩前進するという計画がなされなければ、これは一つの法案のみに終わってしまいますね。ここらあたりの認識はどうですか。
#91
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、これは中堅サラリーマンというものを特に重点的に頭に置いて御提案申し上げさせていただいているわけでございますが、取得可能の安定的な住宅宅地供給ということと同時に、地域の整備、いわば計画的市街地の整備というようなことも当然のように重要な課題であるわけでして、ここを両にらみでこの施策を推進していきたいというものでございます。
 そういった意味で、私申し上げたいのは、国のみのサイドでなくて、地方の意識、事情というものも十分反映するような仕組みを考えさせていただいているということを言わせていただいているわけでございますが、その際に、私ども基本は、今先生お話しのように、やはり中堅サラリーマン等を頭に置いたときの宅地住宅供給というものはせいぜい一時間半圏に安定的な住宅を供給する、これが基本でございます。そういった意味では、これは地方に任せるということよりも国の政策目標として、私どももおおむね年収の五倍程度というものを頭に置いてこれから進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#92
○馬場富君 構想は今聞きましたが、庶民という感覚では、今のあなたの御答弁ではちょっとほど遠いんじゃないかという感じを距離からも思うわけです。だけれども、それは別にいたしまして、この計画が、常磐新線ができて住宅開発ができて、現実に今東京都民の住宅に困っておる方がそこに入るとしたら何年後に入れますか。
#93
○政府委員(望月薫雄君) これはまさしく基本方針を定め、何か協議会をつくり協定を結びという中で明確になっていくわけでございますが、私どもの今現在での考え方としては、二十一世紀の初頭、まあ二〇一〇年代には、ここで想定されております十五万戸、六十万ないし七十万人の人口定着というものが実現することを目指してまいりたいと考えているところでございます。
#94
○馬場富君 二十一世紀結構ですが、これはやはり計画としてそういう法律も考えて取り組んでいかなきゃいかぬ。私は、その二十一世紀の範囲に入るものは、暫定的なこういう問題よりも、国が考えていくいろんな土地に対する認識とかそういうものは、もっともっと基本的な改革がなされるべきだと思うんですね。だから、この法案を出すなら、これを暫定的に応急処置として考えるべき法案ではないかと思うんです。それからいくと非常に期間がかかり過ぎるという問題が一つあるわけです。今東京都で困っておる人は、二十一世紀、十二年も先に何とかできてそこに入れたんでは、そのときにはもうその人たちはだめになってしまうことは幾らでもあるんです。そこらあたりのところを考えると、これはそれでは間に合わぬのじゃないかと思うんです。
 今東京都に二時間もかけて通勤して、そして膨大な家賃で困り果てておるような人たちに対して、先般も大臣に私は申し上げましたが、もっともっと公が力を入れるべきじゃないかと思うんですね。これとてやはり第三セクターのような民活を考えた話ですね。
 私はそこで大臣に、とかく批判が多い問題で、この前大臣になられたときの記者会見等でも述べられておりました、中曽根民活に対するかなり厳しい批判が、東京の土地問題とあわせましてございますが、大臣はその点どのように御認識か、ちょっとそこらあたりを聞かしてもらいたいと思います。
#95
○国務大臣(野田毅君) 中曽根元総理の進められた民活方式についていろんな批判があることは承知をしておりますが、基本的な発想として、やはり日本における社会資本の整備のテンポというものがまだまだ十分な水準には達していないましたがってそういうものをしっかりやっていかなければいけない、そういう一方の要請があるわけであります。また一方では、しかしそれを進めていく上の財源的な手当てを一体どのようにしていくのか。ただでさえいろいろ税制なりそういった形で財源を求めていくということについては、なかなか諸般の事情もあり、国民の十分なる理解を得られない環境の中にある。
 そういった環境の中で、少なくともマネーフローという側面から見れば、日本の国内は相当のマネーがあるではないか。そして一方で貿易摩擦は極めて深刻な環境の中にある。そういった中で、何とか日本のそういった余剰の資金を活用することによって、そして内需主導型の経済成長を目指していかなければいけない。これをどのように組み合わせていくのか。すべて何でもかんでも国家的財政、そういう形でやっていくだけが果たしてベストなのであろうか。
 そういった角度から、民間における活力を大いに発揮してもらって、そしてそれを創意工夫という側面だけでなくて、資金的な面においても大いにその活力を発揮していただこう。そしてまた同時に、そういった創意工夫なり民間の活力が発揮できるような環境づくりを一方ではしておかなければいけない。何でもかんでも規制を強化するだけが能ではない。そういった中からもっと都市も活性化をしていく、そういった角度からの発想はなかろうか。これが基本的な中曽根元総理の言われた民活の発想であったと理解をいたしております。したがって、基本的にこの発想はやはり引き続いて、今の日本国の環境というものは変わってはいないわけでありますから、基本的にはこれは十分に評価されてしかるべきであると我々は考えております。
 しかし、同時にまたその中から幾つかの問題が発生してきた。それが直ちに直線的に因果関係が対応するものであるとは限らないと私は思いますが、しかし、その辺が一緒になってすべてそこの責めに帰せられるような言い方がなされておるということも承知をいたしております。
 そういった形でありますので、私は基本的にはこの民活という問題は大いにこれからも発揮をしてもらわなけりゃならないテーマであると考えております。
#96
○馬場富君 大臣、私は民活を否定しておるわけじゃないんです。だけれども、東京の土地というのは異常現象が起こったわけです。それは東京一極集中という問題もありまして、この前も私質問しましたが、これは解決したわけじゃないんですよ。ほかの大きな問題が出てきたから今はちょっと影を潜めたのではないか。高値安定のままにしくそのまま置ぎざらしにされておるのが東京の土地問題じゃないか。やっておるとしたら、あなたが今おっしゃる規制強化が何とかちょっとその上昇を抑えておるにすぎぬのではないのか。
 あなたは先日もいろんな記者会見の中で、中曽根民活に対する質問の中で、土地払い下げというのは、これは国有地だと思いますが、土地払い下げが高値をつけたからそれが今日の広がった高値になったという図式ではないと。一方でそういう否定をしながら、もう一方であなたは、国有地の払い下げ等については必ずしも賛成しかねるという相反する言葉を一つの発言の中でおっしゃっています。確かに、東京の中の国有地が安く払い下げされたり民間で競売されたり、そうすることによって川崎だとか蒲田だとか、いろいろな国鉄用地が競争入札によって民間に払い下げるために大変高値になった。それが東京の土地高騰に拍車をかげたことはもうみんなが認めるところなんです。
 そういう問題については、あなたは国有地の払い下げには反対なのか、国有地に対しての問題はどのように今お考えになっておるか、そこのところをお聞かせいただきたいんです。
 それからもう一つは、規制緩和が地価を上げるということで、大都市の規制緩和ができなくなってしまう、だから中曽根民活が地価高騰を招いたというのは短絡的な見方だ、こういうようにあなたは記者会見の中でおっしゃっていますけれども、僕は東京の土地を扱いまして多くの人の意見を聞いた。金融筋や専門的な方々に聞いたけれども、かつて国は、非常に円安のころに、いわゆる円高の五十八、九年の前に、国としては、日米間の経済摩擦の解消のために外国債を、特にアメリカ関係を買うべきだと、金融等にもそういうような指導をしておった。そのために損保や生保やそういうところまで随分外国債、特にアメリカ国債を買った。だが円高によって、二百四十円から百二十円になって、これが半分に下がってしまった。
 そのときに、どうするかという問題があって、皆さん方の生命、財産を預かる、土地を預かっておるそういう人たちが、これでは困るんじゃないかというような意見等が出てきて、その応急処置として、そのときに土地の規制緩和だとか、融資が国内に向けられてきたという流れがあるわけです。
 だから、政治というのは、公共というのは、まさしくそういう東京の土地にしても、かじをとり、そしてそのときに指導性を持って対処するのが政治のあり方なんです。民間の方々が民活やいろんなことによって土地を買い、住宅をつくるのは、これはそのときの活力でしょう。だが、国が対応するときのかじ取りとしては私は大変まずいかじ取りをしたんではないか。
 緩和よりも規制を強化しなきゃいかぬようなときに、金がだぶついて、国外でもって国債を買う金がだぶついて、国内の金融機関や損保や生保、そこらあたりに金があったときに緩和をして、建物や事務所や、国際的な都市東京にそういうオフィスの必要性を感じておるときに一挙にそれをやったためにこういう規象が起こったということは、もう専門家の共通した認識なんです。ここらあたりに対して、大臣、あなたは土地の担当の大臣ですから、先輩のことだからと言っておらずに、あなたは現在の立場で東京の土地や現在の高い土地の値段を眺めながら、担当の建設大臣としての認識を聞かせてもらいたいんです。
#97
○国務大臣(野田毅君) 土地問題に対する直接の担当大臣は国土庁長官でありますので、私がその政府の公式的な立場を今ここで代表して申し上げるという立場ではないわけでありますが、せっかくの御質問でありますから、若干今お話のありました事柄について私なりの受けとめ方を申し上げてみたいと思うんです。
 その中で、これは私は専門家ではありませんので、見方が異なるのかもしれませんが、少なくとも東京における地価高騰のタイミングというものと、それから円高のタイミングというものは必ずしもパラレルに推移しているものではない。むしろ私は当時逆の受けとめ方があったような気がいたしております。国内には確かにいろいろな余剰資金がある、金はあるが、その使い道が国内にはなかなか発見できない、そういったところから海外にお金が流れていく、こういうような背景があったように我々は理解をしております。
 そういった中で、国内における投資機会をもっとつくるべきである、このことが金の流れからいってもノーマルな姿ではないのか、こういう考え方があったようにも実は感じております。基本的には、金融機関に対する融資のあり方の問題は、これは直接的には大蔵省から答えなければならない問題でありますので、これをどうこうすべきということは御遠慮させていただきたいと思いますが、当時の背景としては、私は必ずしもそういったいわゆる民活という事柄が地価という問題に直接的につながったというふうな受けとめ方は、そういう受けとめ方もあるかもしれませんが、私自身はそれがすべてではないというふうに感じておるわけであります。
 国有地の払い下げの問題については、私は基本的に、国有地を長い目で見て、土地利用という角度から有効な利用が図られるということが一番大事なことである。しかし同時にまた、大事な国民全体の財産であるということも事実であります。そういったもろもろの角度から国有地というものの払い下げに当たっては検討してもらわなければならない課題であると思います。短期的な判断に従って、今ここに国有地が遊んでいるから今すぐこれを何に使えということで、国有地を現時点における判断だけでその利用方法をすべて決めてしまっていいものかどうかということについてはちゅうちょを感ずるわけであります。しかも、国有地そのものが全国的な都市という連関の中で見ると極めて偏在をしておることも事実であります。
 かつて国有地問題を取り扱ったことがあるんですが、どうしても国有地のたくさんある地域では、公園ということになると無償貸し付けなり無償譲渡の対象になりやすいという側面から、どうしてもそういう部分に公園という網をかぶせやすい。公園が必要であるが、国有地のないような地域においては自分たちで金を出して公園をつくらなければいけない。そういった地域間におけるアンバランスという問題も一方である。さまざまな角度の中から国有地の処分方針というものは検討されてしかるべきものである。だから、これをただ単に、すぐいわゆるその上に上物を建ててやればいいという発想だけで処理するのはいかがなものかという感じを私は個人的に持っておったわけでありますし、今もやはり何かそういう国有地についての処分方法というのは、そういう国全体の立場から極力都市計画にのっとった形も大事だけれども、長期的な視点で判断をしてもらいたいなと。
 いろいろ具体的な、国有地の問題についてどこの土地がどうだとかいう利用計画もあるようでありますが、私は拙速はとるべきではない。これは個人的な考え方でありますが、極力そういった長期的な視点の中で御判断をいただきたいものだ。これは基本的には大蔵省、国土庁の皆さんがどのようにお考えいただくかという問題であるとは思います。
#98
○馬場富君 大臣の今の説でよくわかりましたが、今の東京の土地の異常性というのは、正常であるとお考えではないと私は思うんです。なぜかといったら、そういう基準となる、いわゆるサラリーマンやそういう人たちが、そこに住宅が建ったとしても、収入からして入ることができないということ自体がもう異常だということです。
 国に災害が起これば緊急対策が設けられるわけです。だから、国民生活を脅かすような問題があれば、次に私は考えなきゃならぬ問題があるだろうと思うんです。例えば物価が高くなってしまうとかあるいは生活ができなくなってしまう諸条件が起こった場合には、これは公共が責任を持って発動しなきゃならぬ問題だと思います。だから、災害に続く次の問題として、東京に住むサラリーマンの住宅問題というのは緊急かつ重大な問題だというふうに私は認識しておるし、答弁も聞いてきております。
 そういう問題に対して、私は今この法案の問題は反対ではありませんけれども、二十一世紀の問題です。そのときに、今困り果てておる緊急かつそういう対応を迫られておるサラリーマンの人たちの住宅問題については、これでは間に合わぬ。しからばいかなるような考えをお持ちか。そこで今民活の問題を私は話しておるわけですよ。上がってしまった土地に対して、幾ら民活があなたがいいと言ったとしても、これは効果が上がったところで、建物を建てたって、入れないような建物が幾ら建ったってどうしようもないということです。サラリーマンの人たちの平均水準の給料でもって入れるような住宅というのをどうやってお建てになっていくお考えがあるか、お聞かせ願いたいと思います。
#99
○政府委員(伊藤茂史君) 今先生御指摘の大都市圏の、特に東京圏の勤労者の住宅問題でございますが、この点に関しまして、政府としては総合土地対策要綱というものを昨年の六月に決めておるわけでございます。この中には土地対策、都市対策、いろんなほかの施策もあるわけでございますけれども、住宅対策につきましては五つの柱から成っております。
 一つは、政府によります対策目標と計画の樹立ということで、端的に申し上げまして、現行の五カ年計画を着実にやっていきなさいと、こういう中身だと私ども理解しております。
 それから二番目は、住宅供給の積極的推進ということでございまして、今国有地の問題も出ましたけれども、「住宅地に適する国公有地、工場跡地、埋立地の活用等による住宅プロジェクトを積極的に推進する。」ということでございます。それから、住宅供給に係ります優良プロジェクトというのがあるわけでございますが、例えば総合設計でありますとか、佃島みたいな再開発的なものもございますし、いろんな事業がありますけれども、それにつきまして容積率規制の重点的緩和措置その他の公的支援措置の活用、拡充によりまして推進をしなさい。それから、土地所有者による良質な賃貸住宅等の供給については特に一生懸命やりなさい。再開発事業を重点的に実施しなさい。それから住宅供給の三番目でございますが、東京等大都市圏の一部地域において、言うなれば業務開発が進んで居住空間が食われてくるという問題があるわけでございますけれども、これにつきましては住宅と業務との調和ある開発ができるような新しい措置を検討しなさい、こうなっておるわけであります。
 それから大きな三番目の柱といたしまして、公的住宅供給の推進をしなさいというのがございまして、当然に五カ年計画で決まっております公営住宅、公団住宅、公社住宅のノルマの達成というのがまず大事だろうということで進めておるわけでございます。
 それから大きな柱の四番目は、住宅取得対策の充実ということで、大都市に立地します企業に、持ち家取得について自助努力といいますか、企業も援助をしなさい、あるいは従業員住宅として貸与を行うことを奨励しなさいというようなことをうたっております。
 さらに五番目の大きな柱として、借地借家法の見直しをしなさいということで、これは法務省で法制審議会を中心に今検討が進められておるということでございます。
 私どもは、現行やっておりますいろんな住宅対策をより一層進めると同時に、ここに盛られております新しい施策あるいは検討を要するものにつきましては今鋭意検討を進めておる、こういう段階でございます。
#100
○馬場富君 あなた住宅局長でしょう。あなたの言葉の末尾はみんな、しなさい、しなさいですよ。どこにしなさいとおっしゃるんですか。そのしなさいという先ほどこなんですか。それは結局民営でそうやってやれというのか、どこでどうやってやれというのかということをお聞かせいただきたいんです。私が言っておるのは、サラリーマンの生活の上でそういう高い家賃や遠くから通わなきゃならぬというような切迫した緊急問題に対して、住宅の担当局である建設省の住宅局長にその具体策を私は聞いておるんですよ。そういう人たちが住めるような住宅は何年先にどういうふうにつくるんだ、またどういうふうな対応を考えておるんだということを私は聞いておるわけであって、しなさいを聞いておるのではないんです。
 しなさいと言っておる先ほどこなのか。例えば、小此木さんは住宅を三百七十万戸つくる、宅地を四万ヘクタール新規供給する構想を発表されたが、それでもいいですよ。その中の三百七十万戸というのはどういう内容のものなのか、公営なのか公団なのか民営でやるのか、それはどのような計画のもとに建てようとするのか、それをちょっと聞かせてもらいたいんです。
#101
○政府委員(伊藤茂史君) 今私が御説明申し上げましたのは、政府を挙げて取り組んでおります総合土地対策要綱の中の住宅対策部分を申し上げたわけでございます。したがいまして、土地対策を初めとしまして政府を挙げていろんな施策をとるということでございます。住宅対策につきましては、今申し上げた中には官民ともどもということでございまして、制度の改善等は国が進めなければなりませんし、予算の手当ては国がしなきゃいけませんし、公共団体は公共団体が持っておりますいろんな住宅対策の仕事をやらなきゃなりませんし、これは主体はいろいろでございます。
 今先生が三百七十万戸についてどういうふうにだれがやるのかというお話でございますが、これは私どもこの前一般質問の際にこの席で先生に御答弁したかと思いますが、東京圏におきます現在の土地利用状況から見て、住宅サイドから見て、高度利用すべき場所、利用可能な土地というものを拾い出しまして一応そこで積算をしたものがベースになっております。ただ、そこはちゃんと地主さんがおられるわけでございまして、今後それが具体的なプロジェクトとして上がってくる過程で事業主体というものは決まってまいりますから、何戸が民間で何戸が公団で何戸が公社でということは、今の段階では申し上げかねます。
 ただ、私ども最終的にもくろみとしておりますのは、三百七十万戸を目標にいろんな施策を考える場合に、その三百七十万戸を取得する方々あるいは賃貸住宅として入居される方々のいろんな各層、所得の段階もいろいろあるわけでございまして、そういう住宅需要に見合った形でどのくらい中堅所得層対策として確保すべきであるか、あるいは公団や公社や公営がどのくらいその中で住宅を確保すべきであるかというようなことは、最終段階――最終段階といいますか、プロジェクトが上がってくる段階までには当然にそういうものは需要に対応しながら考えていかなきゃならない問題であるというふうに考えております。
#102
○馬場富君 これからはそういうことを考えるということですが、非常に急を要することですから、だから先般も私何遍も、くたびれるくらい言った。それで土地国会の最後で竹下総理がそれは確約された。それはいろんな意を尽くして私説明したが、民活という言葉は非常にいい言葉かもわからぬが、土地の上がらないところについては民活の適用によって持ち家だって何だつてできちゃう。そこに住めるような家賃でできるところも名古屋周辺でもあります。東京でも遠くに行けばあると思う。
 だが、そういう一時間なら一時間の通勤圏内で、東京では到底考えられないような状況になってきておる中で、ここで真剣にやはりそういう人たちのことを考えてやるとしたら、やはり公のものがまず先行する以外にないんじゃないか。私が中曽根民活のこともお聞きしたのは、民間にお任せすれば、土地代が高ければそれに比例した家賃のものしか出てこない。持ち家住宅にしても結局何億円もするマンションしか買えない。それでは、庶民の手に届くような住宅を供給したいという大臣の思いやりが一つも生きてこないわけですよ。
 そうだとしたら、私は早急にそれをやれというんじゃなくて、まず東京都内やそういう家賃に苦しんでおる、それで遠くから通って困っておるこういう地域に対しては、私は公が責任を持ってどれだけでもいいからこれだけはやりましたというものをやるべきじゃないかと竹下さんに言ったら、それは本当にそうだということで、都営住宅はそういうようなことを非常に確約されました。
 先般私はその例を引いて大川端の話をしましたが、同じ三DKでも、土地が高いもんですから、都営住宅で六万八千円、これは国の補助が三分の二か二分の一入ってますよ。そこへもってきて、東京都の庶民に対する家賃政策というものの協力がなされて六万八千円が成り立っておるわけです。その土地で民活で建てたら二十八万円の家賃になるわけです、民活で建てたのが同じ大川端にあるわけです。公団が十八万円の家賃です。これら三つを例に私は話しておるのですが、あなた方政府の取り組みの中でこの三点を一つの基準にしたらどうか。
 緊急措置としてはそういう都営住宅のようなお金は要りますよ。だけど、災害が起こったら緊急発動で予算を出すんじゃありませんか。それと同じように、あの狂乱物価のときにはそれ相応の緊急措置をとったじゃありませんか。この東京の土地の狂乱状況というのは私は狂乱物価と一緒だと思うんですよ。家賃が高度に上がってしまって、住む人たちが遠くへ行かなきゃならぬ、とても入れないという状況になってしまったということは、狂乱物価にも似た状況じゃないんですか。国民生活を圧迫しておる問題じゃないですか。そこに予算を投入したって国民が怒る人がありますか。みんなそれこそ政府が本当に立派な政策をやってくれると喜ぶんじゃないですか。
 私は今政府に欠けておるものはそこらあたりの態度だと思うんです。ほかのいろんな疑問、疑惑もありますよ。あるが、それ以上に大事なのは、国民生活が今当面しておる問題についてなぜ思い切って勇気を出した政策と予算がとれないのか。大川端のようなあんないいところで六万八千円の家賃で入れるところができるじゃないですか、都営で。それは国の補助金と東京都のそれだけの家賃政策の配慮があればできるわけです。
 もう一つは、公団に対してはそういうものがないから、公団に対しての取り組みをもう一遍政府が考え直したらどうか、臨時的でもいいから考え直したらどうか。民活の住宅については住宅金融公庫の措置やそういうことで補うしか方法はないと思うが、少なくとも私は、公営と公団住宅については公共が前へ出て、これだけはやりましたというものを今出さなかったならば、この東京の土地問題の不信というものを解決せずに終わってしまうんじゃないかと思うし、一段と政府や政治に対して不信を増すばかりじゃないか。大きい政策上の一つの柱として、現実の予算の実行の配慮として取り組むべき問題は、大臣がおっしゃっておる庶民の手の届くような住宅を与えることに勇気を出すべきじゃないかと私は思うんです。
 今局長に聞いても、これは将来的な話だし、また小此木さんが三百七十万戸と言ったけれども、それはどこにどうやってつくらせるかわからぬというような構想じゃなくて、あなたにこれ以上聞いておってもむだですから、大臣がこの問題について取り組む姿勢、公営住宅なら公営住宅をもう少しふやすように考えるとか、公団についてはもう少し配慮してやらなきゃ、公団もやはり公ですから、ここでやっていけば土地問題の解決は、それは二十一世紀にわたって時間がかかるかもわからぬ。私有権の強い日本においてそれを公でさせるということはなかなか難しい問題があり、時間がかかるかもわからぬ。だが、公営住宅や公団住宅をつくれば土地も上物も一緒に解決できる問題ではないか。上がった土地の問題よりも、いわゆる予算の措置によってできることじゃないか。これを大臣として一歩でも前進させてもらう。私は大量にすぐやってくれ、国がつぶれてもやってくれと言っておるわけじゃありませんよ。
 大臣として精いっぱいの答弁をお願いしたいと思います。
#103
○政府委員(伊藤茂史君) ちょっと実情だけお話し申し上げますと、先生は予算措置をうんとすれば公営住宅が建てられるというふうにおっしゃったと理解しておりますが、現実の問題として、公営住宅予算をできるだけ大都市地域に配分をして仕事をしてもらうということで臨んでおります。
 ただ、実際の公共団体がやっております仕事ぶりを見る限りにおきましては、やはり土地の取得ということが非常に難しゅうございます。これは公団についても同じ問題が言えまして、土地が上がった後には特に難しくなってきております。したがいまして、今お金としては足らないということではなくて、東京都にもっと配分をする、あるいは公団にもっとお金を使ってもらうということは可能でございますけれども、実際は土地取得ができないというのがまず第一の大きなネックではないかと思うわけでございます。したがいまして、先ほど三百七十万戸のお話をしたわけでございますが、今現在検討しておりますのは、土地を買わなくても公共的な主体が居住空間をつくれるような手法はないかというような方向でいろいろ検討しておりますし、土地の取得というのはやはり地主さんがおられるわけでございますので、強権をもってするということは、言いはやすく実際はなかなかできないわけでございますので、いろんな工夫をして公共的な主体が住宅空間を確保できるように努力をしてまいりたいと思っております。
#104
○国務大臣(野田毅君) 実情は今局長が申し上げたとおりであります。
 ただ、基本精神は、先ほど来おっしゃっておりますように、我々住宅政策を進める上で、一つは、何とか庶民にも中堅所得者にも手の届くような住宅宅地を供給しなければいけない。やはりこの基本精神を忘れてはいけない。それと同時に、公営住宅、いわゆる公共の賃貸住宅、これもやはり一方で充実していかなきゃいかぬわけであります。そういう点で、御案内のとおり五カ年計画にのっとってやっておるわけでありますが、次期五カ年計画をつくっていく上でそういう点をどのような形でやっていくか、現在審議会で御検討いただいておりますし、特にこの大都市地域においてどのようにそういった問題をクリアしていくかについて勉強いただいておりまして、近くそういう高度利用方策だとかいろんな形で中間報告をちょうだいをする運びになっておるわけであります。
 今馬場委員おっしゃいました基本精神は我々も共通しておるところあるわけでありますから、その御趣旨を十分体して、我々もこれからさらに具体的に実効性のある措置を検討してまいりたいと考えております。
#105
○馬場富君 大臣の説明で理解しますが、ひとつぜひ一歩前進できるような形で、全国的に総括的にやれるという問題じゃないです。全国的には民活でも今のサラリーマンの人で取得できるところはあります。例えば私の住んでおる名古屋あたりでも、名古屋駅から自動車で三十分ぐらいのところで、サラリーマンの人の収入で入れるような家賃のところが随分あります。だから、そういうところまで何も公ですぐ全部やってしまえという話じゃなくて、東京都内の異常物価のような状況が起こっておるところに限ってそういう目を向けるべきじゃないか。
 局長は一生懸命やっておると言われるけれども、一生懸命やっておることは認めますけれども、この大川端の話でもそうですが、私たちがずっと回っても、あそこは活用の仕方によっては、民活に任せれば結局事務所やそういうところにいってしまうわけですよ。そういう建物を建てますよ、民間は。どうして家賃の安い住宅をわざわざ好んで民間の人たちが建てますか。そういうところをずっと見て歩いて感ずるのは、まだ研究すれば公営住宅や公団住宅が建てられるところがあるんじゃないかと言いたいところは幾らでもあります。
 だから私は、国が挙げて東京の土地問題についてはもう一歩、この法案は二十一世紀の法案ですが、二十一世紀前になさなきゃならぬ緊急課題はやはり庶民の住宅です。大臣のおっしゃるとおりですよ。だから、それに本腰を入れてしっかりとひとつ取り組んでもらいたい、こう思うんですが、大臣の御決意をひとつここでもう一遍お聞きをしたいと思うんです。
#106
○国務大臣(野田毅君) 基本認識は全く同じでありますので、その趣旨を十分念頭に置いてこれからも努力をしてまいりたいと思います。
#107
○馬場富君 それでは、大臣も記者会見で触れられております土地税制の見直しです。
 この問題について、大蔵大臣も積極的に住宅取得を中心としたそういう問題についての税制改革をやっていく、特に市街化農地等の洗い直し等についても積極的に取り組んでいくという意向を表明してみえますが、この点については大臣はいかがですか。
#108
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、次年度の税制改革の中では土地税制、住宅税制について基本的な見直しを政府としてもやりたいと考えておるわけでありまして、私どもの方からも関係省に対してはその旨を今御相談申し上げておるわけであります。
 そういった中で、具体的に何をどのように改めるのかということについて今勉強中でありますが、基本的に土地の取得、保有、譲渡、それぞれ三つの局面があるわけです。しかも関係する税目も広範多岐にわたっております。先般来いろんな角度から、特に保有課税についての御議論もちょうだいいたしております。
 そういう中で、私どもは少なくとも、一口に土地税制と言ってもいろんなものがあるわけですから、その中で最重点を置きたい問題の一つは、土地の有効利用あるいは利用の高度化を促進するような税制というものを考えられないかということを重点に考えていきたい、こう思っておるわけであります。そのほか、もちろん時限措置でありますので、現在の地価高騰の中で公共用地の取得難ということが非常に大きな課題でありますから、これらに対する税制上の手当てもしていかなければなりません。
 そういう意味で、一口に土地税制という中でも、もう少しそれを分解して、公共用地取得促進のための税制あるいは住宅取得促進のための税制、あるいは土地の高度利用、有効利用を促進するための税制のあり方、さまざまな角度からこの問題に取り組んでいきたいと考えておるわけであります。
#109
○馬場富君 最後に、この法案の関係で、例えばそういう新線つきの住宅が建ったとしても、かつて市街地に建った公団住宅で、入居者というのが遠隔地だとなかなか難しいという問題等があるし、また鉄道がおくれたということなんかがあると、そういう問題については大きい支障を来してくるわけです。
 かつて公団住宅がつくった愛知県の保見団地なんかにおきましては、住宅をつくったときに、五十一年にこれはできましたけれども、最初の年なんかはその大きな団地で二十九世帯ぐらいの入居者しかなかった。結局は埋めるまでに十年もかかった。その間、小学校や中学校、それから下水道やそういう負担が地方都市に重なって大変な問題があったわけです。先生方が就職試験を通ってすんなりいっても、生徒の方がいないという問題があった。入居者がないために、下水道や地域のそういう費用等も出てこないということで、市が長い間負担しなきゃならなかったというようなことで、非常に大きな問題を起こしたことがありますが、こういう点については配慮されておりますか。お伺いします。
#110
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、鉄道を中心にするいわゆる交通手段の整備と宅地開発との連携というものは、前々からいろいろな面で跛行性がゆえに問題が指摘されたという事例はたくさんあるわけでございます。
 そういった経験、反省等も踏まえまして、今回の常磐新線沿線開発ということについては、やはり私ども関係者がしっかりと受けとめていかなきゃならぬということがまず基本として必要だということは、先生の御指摘のとおりだと思います。そういったことから私どもも、この事業はただ計画がすばらしいということだけじゃなくて、むしろ計画を実現していくプロセス、そういった意味で事業者が本当に相互に協調しお互いに手をとり合っていく、こういう態勢が基本的に不可欠である。こういうことからして、協定を結んで具体的に手当てするとかあるいは協議会で緊密な連携をとっていく、こういう仕掛けをとらしていただいているわけでございます。
 おっしゃるように、鉄道がなければ住宅団地いわゆる宅地の開発も機能的に、あるいは快適な環境ができませんし、逆に、住宅供給の方がうまく即応しなければ鉄道の経営にも問題が出る。こういったことが基本に伴うものでございますので、その辺につきましては関係者の協調態勢に慎重に一生懸命努めてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
#111
○上田耕一郎君 この法案が当面想定しております常磐新線の早期整備については、私どもの党も積極的に賛成であります。ただ、この法案の目指しているのも鉄道整備に民活方式の導入という基本性格を持っておりまして、私前にも指摘しましたが、六月十六日に本委員会で審議した立体道路制度、あれは高速道路の建設に民活導入という新方式でした。これはおととい指摘しましたけれども、NTTの無利子資金を使う河川における第三セクターによるリゾート設備その他の推進、これは河川行政にいわば民活方式を導入したものだということを指摘しましたが、きょうの法案は今度は鉄道整備なんですね。ですから、やはり建設行政の各分野に民活導入問題先ほど大臣もコメントされましたけれども、非常に拡大しつつあるという感を連続して三つの法案で深くしているわけです。
 私どもこの法案を非常に重視しまして、衆参両院の建設部会で現地調査も行いました。五月二十五日、茨城県のつくば市、伊奈町、谷和原村、守谷町、五月二十七日、千葉県の柏、流山の両市、六月二日、埼玉県の三郷、八潮両市、これは私は参加できなかったんですけれども、建設部会とそれから現地の市町村の議員などと参りまして、いろいろ市町村の担当の方とも会ったり現地を調べたわけです。それで、常磐新線に対する要望は非常に強い、これはよくわかりましたが、なおいろんな問題点があります。調査報告も私のところに参っているんですけれども、この調査の結果並びに法案に対する問題点を勉強さしていただいて、やはり幾つか問題点がありますので、修正案を準備させていただく次第となった経過です。
 まず大臣にお伺いしたいのは、こういう大都市地域における新線整備と宅地開発の一体的整備というのは、二つの側面を考えなきゃならぬ。一つは、その地域の発展と今まで住んでいた住民の生活向上ですね。もう一つは、通勤難の緩和と新しく住もうとする住宅要求、これの実現。両方あるわけです。そこで、地方自治体の負担が過重にならないこと、これまで住んでいる住民に犠牲を負わせないこと、地価の暴騰を招かないこと、乱開発の防止、適切な開発利益の吸収、適切な価格の住宅供給、それから鉄道ですから運賃の適正、これらの問題点がやはり満たされることが必要だと思うんですけれども、大臣どういう認識をお持ちでしょうか。
#112
○国務大臣(野田毅君) 今さまざまな角度からの御指摘をいただいたのでありますが、その前に、今回のこれも民活導入方式をどんどん広げるんじゃないかというお話があったんですが、むしろ、今までの鉄道事業を民間で独自でやっていくとか、あるいは宅地開発が民間で自由に行われていくとかいうようなことではもう物事に限界がある。そういった中から、宅地開発と鉄道整備とを一体的に、民間に任せるとかいうことではなくて、むしろ国も地元の地方団体も一体となって共通のプロジェクトとしてやっていきましょうと。
 しかも、その中に、地方団体の負担の話がありましたけれども、先ほど来いろいろな角度から御議論がありましたけれども、開発利益の吸収ということをどういう形で表現をしていくのか、いわばこれを直接どういう形で国が取り上げるのか、どういう形になるのか、そういった中から、基本的には固定資産税なりなんなりの形でやはり地方団体の歳入の中には表現をされてくる部分の問題でもあるわけであります。それから同時に、地方団体自身が基本的に計画をおつくりをいただくといった中で、地方団体の主体的な判断というものが十分に反映される、むしろそれが基礎になってこのプロジェクトが進んでいくんだというふうに我々考えております。
 また、地価の問題については、これまた先ほど来御議論がありましたように、整備をされてからだとどんどんもう値上がりをしてしまう。したがって、そうならないようにあらかじめ国土利用計画法に基づく監視区域の導入の措置にしても弾力的に適切な対応をしていただくとか、いろんな形で地価の上昇、あるいは今回の重点地域なりいろんな形をとることによって乱開発を防止していく、こういうことによって適切な価格で宅地を供給していく。我々少なくとも、むしろ従来どおり民間に放置しておったんでは大変だ。そういう点で、国としてもどういう形で大都市地域における宅地を適切な価格で供給できる体制をとれるのか、あわせて地域住民の方々の利便といいますか、御協力をいただいていく手法としてはどういう手法がいいのか、そういう中から今回の仕組みを考えて御提案申し上げておるわけであります。
#113
○上田耕一郎君 今大臣も触れられた東京中心の首都圏の地価の高騰問題、これは先ほど馬場委員も指摘されましたが、国の責任が非常に大きいわけです。前の天野建設大臣はこの建設委員会でも、地価問題は中曽根内閣の失政であると、中曽根派に属されながら何回も断言されておって、中曽根首相が、山手線の内側は五階以上にするとか、あるいは規制緩和問題というのはそれこそ民間デベロッパーが最も望んでいた方向で、それをずばりと言われたことがあったんです。地価暴騰で大きな役割を演じたのは、だぶついた銀行、生保その他からの融資なんです。
 岩波新書の宮崎義一教授の「ドルと円」によりますと、彼も非常に強調しているんですけれども、急激なドル安円高に際して機関投資家が手控え始めた、日銀が出動する、日銀の出動によって外為会計を通じて円資金が膨大に出てくる、これが財テクと土地買いに流れていったんだということが詳細に立証されているんです。そういう点で言うと非常にやっぱり国の責任が大きかったんだと思うんです。
 そこで、そういう国の責任を踏まえながら、鉄道建設と住宅供給を一体化してやろうという今度の新しい事業に対しても、国が責任をどう果たすのかということがまず第一の問題だと思うんです。
 そこで、私は自治体の負担問題これを具体的にお聞きしたい。
 第三セクターの出資、これはどうやら資本金六百億円と言われていますけれども、その五割が地方自治体の出資、一都三県で約三百億円ですね。国は設立出資金十億円のうち開銀の出資が一億円、それだけになっているようです。そのあと、例えば地下鉄方式、これは北千住までそうなんですが、もし地下鉄方式で補助するとなるとこれも国が幾分持つとか、あるいは鉄建公団に委託した際に、P線方式と言うんだそうですけれども、資金コスト五%を超す分を開業後二十五年間国と自治体で折半で補助するとか、そういうふうなことが考えられているというんですけれども、自治体の負担が非常に大きいようです。
 去年の十一月十四日に第三回検討委員会が開かれて、ここで常磐新線整備方策の基本フレームということで討議した。出資問題のほかに、出資金以外の無償資金として、用地費相当額約八百八十億円については自治体において調達というのが出されて、自治体が非常に大変だということで、これは合意できなかったということも報道されているんです。
 それで、ととしの二月十五日の茨城新聞を見ますと、地元負担の割合は建設費の二五%、千五百億円。そうすると、建設費が六十二年度価格で六千億と言われているんだけれども、八千億になるんじゃないかとか、JR東日本は二十一兆円を超すということなども、多少自分の方のリスクをなるべく負わないようにという立場からの計算かもしれませんが、言われているんだが、六千億に対して二五%に当たる千五百億が地元負担、このうち民間もあるようですけれども、そういうことなども報道されているんです。
 その後の経過を含めて、自治体負担は一体どうなるのか、国がこの程度の負担しか考えていないのか。ここで国の責任の問題この新線建設に対する建設省、運輸省の基本態度をお伺いしたいと思います。
#114
○政府委員(阿部雅昭君) 常磐新線の建設につきましては、六十年の運輸政策審議会の答申におきましても、このような鉄道を設立するためには地方公共団体、民間企業、それから当時は国鉄と書いてありますが、現在のJR東日本、このようなものから成る第三セクター方式によることが一つの方式ではないかという提案もされておりまして、私どももそのような線に沿って検討を進めてきておるわけでございます。
 具体的には、運輸省、JR東日本、それから一都三県というところで検討委員会をつくりまして、この鉄道をつくるための諸問題について検討しているわけでございます。この鉄道をつくるに当たっての建設費がどのぐらいかということについての試算もその委員会で行っておりまして、六十二年度価格で約六千億であろうと、こういう数字が出ております。
 これらについての資金をまたどのような形で調達していくかということにつきまして、私ども、これも決まったものじゃございません、今後さらに鋭意関係者で詰めていくというものでございますが、けさほどもちょっと御説明いたしましたが、資本金の規模としては八百億ぐらいを、これは六千億の一割と二割の間に当たる数字ですが、その程度の無利子の資金を調達する必要があるのではないか。
 そのためにどのような負担をそれぞれにお願いしなければならぬかということにつきましては、自治体、これは一都三県及び関係市町村全体ででございますが、半分の約四百億。それから残りの四百億については、二分の一が鉄道の関係者、残りの四分の一ですが、これが広く経済界からの協力もいただいて第三セクターを設立し、無利子の金ではできるだけ土地の取得等を精力的にやって、将来の鉄道の負担、ひいては利用者の負担の増にならないような配慮をしていこうということでございます。
 当面、そういう資本金による調達資金以外は、鉄道建設公団のP線方式で建設いたしますと、所要の資金は当面は鉄道建設公団が、これは財投資金、具体的には財政投融資資金なり鉄道建設公団の発行する債券とか、そういう形での資金調達が図られますので、そのような形での資金調達をしながら鉄道を建設していく。いずれは鉄道ができた段階で、そのようなものが利用者からの運賃収入をべースといたしまして運営主体から整備主体に使用料として払われ、整備主体がそれをまた鉄建公団に分割して払っていくというような仕組みでございまして、先生言われました六千億の四分の一を地方公共団体が直接負担するというようなことは全然考えておりませんし、先ほどのJR東日本の二十一兆幾らとおっしゃった数字というのはちょっと……
#115
○上田耕一郎君 数字間違えました。一兆円以上ですね。二十一兆は開発利益です。
#116
○政府委員(阿部雅昭君) 六千億というのは昭和六十二年度価格でございますので、土地の価格の上昇その他がありますので、六千億ということについての現時点での見直し的なことをなお現在鋭意やりたいと思っておりますけれども、土地価格が若干は上がりましても円滑に取得ができ、鉄道建設というものが順調にいきますならば、それほど大きな建設費の増にはならないものであろう、このように私ども考えております。
#117
○上田耕一郎君 先ほど間違えました。二十一兆円というのは開発利益で、一兆円以上というJR東日本の事業費についてはそういう試算なんですね。
 新聞報道を見ると、第三セクターにJR東日本以外に東武鉄道、京成電鉄の参加が決まったということが報道されていますけれども、大体そういう方向で決まったんですか。
#118
○政府委員(阿部雅昭君) 先ほど申しましたように、八百億というのを内々まだ検討している段階でございまして、そのようなことで決めたい、あるいは関係者に要請しようというところまではまだ至っておりません。しかしながら、その過程の段階で全くめどがないものでは困るわけでございますので、例えば東武鉄道に、こういうものを発足させるに当たっては、東武鉄道も非常に沿線に隣接した地域の鉄道事業をやっている社でございますし、この鉄道に対する利害なり関心も非常に強いわけですので、内々打診をし、応分の協力はしたいという話をしていることは事実でございます。
 その他の鉄道会社については私どもまだそこまでも至っておりませんが、やはり鉄道がそれぞれの地域で果たしておる役割なり、あるいはその地域で関連する鉄道事業を営んでおるという意味で、何らかの形で参加してもいいというようなことを自主的な判断で新聞等に話しておられるということは情報としては私ども聞いておりますが、まだその辺まで正式にお願いするなり要請するといったような段階にはなっておりません。
#119
○上田耕一郎君 ちょっとお答えがなかったんですが、この第三回検討委員会で問題になってまとまらなかった、用地相当額約八百八十億円を自治体において調達する、これはどうなりますか。
#120
○政府委員(阿部雅昭君) 検討委員会におきましては、用地費についてはできるだけ無利子の金で調達するということは必要であろうという議論がべースにございます。しかし、そのための資金を先ほどの出資金以外でどんな形で調達なりできるか、そういう形での議論についてはなお現在関係者で議論しているところでございまして、その辺については今後の検討課題という形で残っております。
#121
○上田耕一郎君 本委員会でも議論した東京湾横断道路の場合、会社に道路公団が三分の一の二百億円出資する、国は千二百五十億円の無利子貸し付けを行う、赤字のリスクも公団が負う、会社に対して割引債発行の特例、国の債務保証など、非常に至れり尽くせりなんですね。あの例なんかから考えてみますと、今度の場合は非常に格差があり過ぎる。もっと国が責任を持って、自治体や地域住民に不当な犠牲が負わされないようにぜひ努力をしていただきたいと思います。
 次は地価の問題です。
 国土法の監視区域の指定ということが法案に盛り込まれているわけですが、今の地価を調べてみますと、ここに東急不動産がつくった、ことし一月現在の地価分布図というのがあるんです。これを見ると、大体三十五キロぐらいのところに当たる守谷駅周辺で一平米十万から二十万という数字が出ているんです。法案では監視区域の指定は十年以内ということになっているんだけれども、新線の開業は二〇〇〇年ですから、だから開業のときにはもう監視区域は期限は過ぎていることになるんだが、新線ができて開業するころ、都心から同距離の鉄道沿線と同程度まで経済の法則によって上がってしまうんじゃないか、そういうおそれが強いと思うんです。
 既存の鉄道の駅周辺の一平米の地価を見てみると、都心から四十キロのところで一平米三十万から四十五万円のランク、五十キロまで行って十五万から二十一万円のランクということになっているんですね。駅から外れると一ランク下がるというんですが、これは鉄道が通るとこのランクに近づくだろうと思うんです。
 勤労者世帯の年収は、もう一々申し上げませんけれども、試算してみると、第四分位で計算しますと、結局年収の五倍程度で適切な住宅価格のレベルということになっておるので、それを計算しますと、第四分位で一平米十五万円ぐらいということになるんですね。だから、年収の五倍で家を建て土地を買う、このケースに当てはめてみると、建設省がかなり雄大な住宅供給のプランをお立てになって、これは非常に積極的なことだと思うんだけれども、開業時の地価問題を考えると、さあ果たして本当に適切な価格の住宅を勤労者に供給できるかどうか。非常に暴騰するおそれが実際にはあるんじゃないかと思うんですが、建設省いかがでしょう。
#122
○政府委員(望月薫雄君) この沿線の地価の状況というものは、いろいろなデータございましょうし、今先生おっしゃったのもその一つだと理解いたしますけれども、率直に言いまして、この辺の開発を行っている地区というのは、現実には既存宅地のところもなしとはしませんが、多くは山林、原野、平地林、こういったところを中心に事業を展開されるというふうに私どもも想定いたしておるわけでございます。そういったところの地価が現在幾らであるか、あるいはこれを幾らで取得し、幾らで造成し、幾らで処分するかということについては、これはいろいろとまだ差しさわりもあることですし、これからまた具体に詰める話でございます。
 いずれにしましても、私ども現在の情報でいろいろ点検している中では、鉄道ができた時期、言うなれば宅地造成後に処分する価格というものとその時点での想定される勤労者の年収というものを、大胆かもしれませんが一応設定いたしますと、先般来申し上げているような一つの政策目標というのはそう不可能な線ではないというふうに考えておる次第でございます。
 なお、当然のことでございますけれども、鉄道ができて四十五分くらいで例えば筑波学園までつながるというふうになりますと、必ずしもすべての地域が庭つき一戸建てのゾーンとも思えませんし、当然ながら中高層というか中層中心の集合住宅というものもいわゆる持ち家志向という中でも大いに考えていく一つの方向ではないか、こんなこともあわせ考えながら、私どもはトータルとして政策目標はそうむちゃなものではない、実現可能性が十分あるもの、こういうふうに考えておる次第でございます。
#123
○上田耕一郎君 これはいろんな新聞も指摘しているように、今度の計画の最大の問題は開発利益をどうしていくか、どう使うかということだと思うんです。先ほど申しましたように、二十一兆円というJR東日本の試算も公表されているんです。これがどの程度なのかわかりませんけれども、私ども現地で調査したところでは、心配した土地買い占めの動きは現地で余り見られませんでした。それでも柏市北部では三井不動産系の土地取得が既に行われていたり、茨城でも幾つか民間の宅地開発が予定されております。
 今後、重点地区の周辺で民間業者が土地を買収して宅地造成等々の動きは当然予想されるところなので、今局長がお答えになったような政策目標を実際に保証するためには、新線建設による地価の上昇前に適切な価格で公的に買収するとか、あるいは地価上昇による特別な開発利益、これが企業の懐に転がり込まないような何か特別な手段をもっと工夫する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#124
○政府委員(望月薫雄君) この開発を進めるに当たりまして大事なことは、土地を適正な価格でどう確保できていくかということであるわけでございまして、そういった意味では、この法律で予定しています駅の影響を受ける特定地域、とりわけ駅周辺の重点地区、こういったところについて監視区域制度を積極的に活用していこう。幸いにして、関係都県におきましては既に監視区域制度を積極的に使っていただいているわけでございまして、これをさらにまた機動的に運用していただくということを当然頭に置いていただくという中で、できるだけ妙な土地取引というものについてはまず排除しよう、こういう構えで取り組んでいるわけでございます。
 そういった中ではございますが、とりわけ重点地区については私どもも、今先生おっしゃったことと相通ずるわけでございますけれども、ここには公的な機関、具体的に言うと住都公団あるいは住宅供給公社あるいは地方公共団体、こういったところのいわゆる積極的な先行取得というものが極めて重要な課題だと思っております。また、そういったことによって駅周辺の重点地区の整備というものが計画的に進められますし、あるいはまた安定的価格での住宅宅地供給に結びつく、そういった意味での公的主体の役割というのは極めて重視してまいりたい、こんなふうにも考えておるわけでございます。
 なおまた、民間等がそういう中で当然事業をする部分というものはあるわけでございますし、この法律でもいわゆる優良宅地開発事業としての民間デベロッパーも大いにあり得ることを想定しているわけでございますが、これも含めまして、宅地の処分ということになりますとこれは国土法による届け出等の一連の手続によってできる限りの対応ができるものと考えておるところでございます。
#125
○上田耕一郎君 大いに努力を要望しておきたいと思います。
 現地では、この区画整理組合の設立あるいはその準備等々、各市町村でかなり進んでいる実態がわかりました。一番進んでいるのは茨城の伊奈・谷和原丘陵地区の区画整理の事業で、こういうきれいなパンフもできております。これは二百七十一ヘクタール、地価も一、二年前までほとんど上がらなかった地域です。四割先買い、四割減歩方式でやっている。それで県が町に委託して先買い交渉を進めていまして、価格は大体民間取引価格の三分の一から二分の一程度。非常に安い価格で先買いが行われておりまして、山林、畑地で一平米一万円から一万三千円、宅地で二万三千円。しかし、皆さん新線要求が非常に強いので地価の三分の一ぐらいでも大半の地権者が先買い交渉に応じている現状なんです。
 非常に期待が大きいということはわかるんですけれども、ただ四割の土地は安値で手放して、残った土地も四割減歩ですから、そうすると三六%しか手元に残らぬのですね。将来の地価上昇の期待ももちろんあるでしょうけれども、しかし固定資産税は高いのがかかってくるということなので、こういう点でやはり進んで先買い交渉に応じた農民が犠牲をこうむらないようにすることが必要だということを痛感しました。
 それからこの区画整理区域には百三十一戸の一般住宅があるんです。これは先買いの対象になっていないけれどもやはり減歩はかかってくる。減歩率は二割程度になるんじゃないかというんですけれども、それでも二割減ると、住めなくなる場合には出ていくか、あるいは精算金を払うかということになってくるわけで、まだ余り問題になっておりませんが、これが進んでいきますとどんどん問題になる、ここは住宅は少ないですけれども。もう時間がないのでほかの千葉の市内、埼玉の市内など触れられないけれども、そこは航空写真を見てもかなり住宅が張りついているところが多いんです。
 そうなってくると、やはりこの新線建設で、水田や山林が多いところがかなり多いですけれども、住宅に住んでいる人々に対する犠牲等々、非常に重要な問題であると思います。建設省としてこういう人々に対する犠牲を少なくするという施策、それをお伺いしたいと思います。
#126
○政府委員(真嶋一男君) 先生の御質問の第一点の、農民から安い土地を買って犠牲になるのではないかというお話でございますが、土地の先買いにつきましては、区画整理事業が始まる前に土地所有者との任意の買収交渉によっておるものでございますし、また区画整理事業というものは、余り申し上げるまでもないことですが、公共施設の整備の改善及び宅地の利用の増進を図るために実施しているものでございまして、利用増進の範囲内で減歩ということでございます。いずれにいたしましても、その土地区画整理事業というものは地権者の御理解、御協力なしては進められないということでございますので、そういう方向は市町村においても実行しているところであるということでございます。
 それからもう一つ、建てつけ地につきまして過小宅地の問題が生ずるのではないかということ、生じた場合にどうするかということでございますが、既存の建てつけ地につきましての事業の施行に伴いまして宅地の利用増進が行われますので、その割合に応じた減歩をするということが原則でございますが、過小宅地を避けるために換地設計上配慮する場合もございます。しかし、そのような場合には、では精算金の問題が生ずるのではないかという御指摘でございますが、そのとおりでございまして、精算金の問題は出てまいります。出てまいりますが、その場合でございましても、精算金の徴収等については地権者の資力等に配慮することが法令上認められておりまして、精算金の分割納付を認めるというような措置を講ずることといたしております。
#127
○上田耕一郎君 時間が参りましたので終わります。
#128
○山田勇君 この法律案によれば、鉄道整備と宅地供給を一体に進めるものとしていますが、実際にこの宅地供給量はどの程度になると想定していますか。宅地供給量七千から八千ヘクタールと想定していると先ほど来の質疑の中でもございました。この見積もりの根拠はどうなっておるんでしょうか。
#129
○政府委員(望月薫雄君) 今御提案を申し上げています法案が当面対象に置いていますいわゆる常磐新線沿線地域について申し上げさしていただきますと、七千ないし八千ヘクタールというものが見込まれるわけでございます。
 この見込まれる背景でございますけれども、これは正直言いまして、今まで私ども関係都県との間で現地に即したいろいろの適地の可能性を詰めてまいっておりまして、そういった意味では一種の積み上げによってできている数字でございます。
#130
○山田勇君 今回の宅地供給の主な部分は、民間デベロッパーか、それとも住宅・都市整備公団や地方公社など公的なものになるものかどうか。これは先ほど来公社的なものになるであろうというようなことですが、こういう場合の民間デベロッパーの役割といいますか、どのぐらい公的なものに対して民間というのは、これは期待度でいいんですが、期待をなされるわけですか。
#131
○政府委員(望月薫雄君) 今の七千ヘクタールないし八千ヘクタールというものについては、これから基本計画を詰める過程でより具体的に整理していくものでございます。そういった中で、私ども構えとしましては、いわゆる駅を抱く駅周辺地域、これは蚕点地域と軽く観念させていただいていますが、こういったところについては、しばしば申し上げさしていただいていますように、やはり住宅・都市整備公団、県の供給公社あるいは県、市町村、こういう公的主体が積極的に取り組ましていただく。具体的にはこれらの事業は区画整理一業という格好で展開するのでありますが、いずれにしても、そういった公的機関が重点的、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 そのほかに重点地域以外の地域、地区というのがあるわけでございます。これらにつきましても当然公的機関が大いに関心を持っているところでもありますが、片方で、昨年当委員会でも御審議いただき、お認めいただきました大都市地域における優良宅地化促進法、この関連の実は制度も別途あるわけでございまして、民間の優良開発事業、こういったものについても当然活躍していただく部分というのも想定させていただきたい、このように考えている次第でございます。
 ただ、総体的に言いますと、やはり公の役割が全体についてかなり重い、こういう認識に立っている次第でございます。
#132
○山田勇君 宅地の価格はどの程度になるのか、これは中堅勤労者の年間収入の五倍程度と先ほど来御答弁いただいておりますので、割愛させていただきます。
 地価を抑えながら宅地の供給を図っていくためには効果的な地価対策が必要であります。国土利用計画法に基づく地価の監視区域の指定はもちろん、土地税制の見直し、また都市計画法制度、現在の社会経済情勢に合わせてきめ細かくすることが必要だと考えますが、その点はいかがでしょうか。
#133
○政府委員(片桐久雄君) この第二常磐線の沿線につきましては、沿線の各県が積極的に監視区域の発動を現在やっておりまして、茨城県においてはまだ地価がかなり安定している、それから埼玉県、千葉県におきましては、東京の影響ということもありましてかなりの地価上昇があるというような状況になっております。
 私どもといたしましては、こういう地価の動向を注視しながら、必要に応じまして監視区域の届け出面積を引き下げるとか、そういう運用を強化してまいりたいというふうに考えている次第でございます。それからまた、こういう監視区域の積極的な活用でもさらに地価が急激に上昇するというような場合には、規制区域の指定ということも検討してまいりたいというふうに考えております。
#134
○山田勇君 これも先ほど来の御質問の中にありましたが、鉄道整備について第三セクター方式、出資、構成、いろいろあります。これは先ほど来御答弁いただいておりますが、第三セクターとしてJR、すなわち旧国鉄が加わることになるとするならば、国鉄改革の趣旨にもかんがみ、JRに過重な負担を強いるようなことがないよう配慮が必要と考えますが、その点いかがですか。
#135
○政府委員(阿部雅昭君) 民営化されましたJRの投資につきまして、原則的に運輸省としては次のような考え方を持ちながら対応していきたいということでございます。
 一つは、鉄道事業者であるJR東日本もまさに鉄道という公益事業を遂行しておる会社でございまして、その使命はきちっと有しており、地域の混雑緩和対策等については最大限の努力を払っていただかなければならないということが第一点でございます。もう一点としましては、民間会社になりましたJR東日本の行います投資につきましては、経営者の自主的な判断というのがやはり基本的に尊重さるべきものでありまして、運輸省としても第二の国鉄は絶対につくらないという国鉄改革の趣旨は十分踏まえていかなければならないというのが第二点でございます。
 このような二つの要請といいますか、基本的な考え方のもとに、現在常磐新線の計画につきましては、JRも入りました検討委員会がつくられておりますので、その中での検討過程におきましても、そのような配慮の上、基本的な考え方の上での計画をまとめていかれるように十分な関係者間の話し合いを私どもは期待しておるところでございます。
#136
○山田勇君 次に、鉄道整備に伴う沿線の開発利益の吸収ということについての認識をお尋ねします。
 今回の常磐新線建設のスタートなどをなされた昭和六十年七月十一日の運輸政策審議会の答申によれば、鉄道の新線建設に当たっての開発利益の吸収のことについて指摘していますが、今回この答申の趣旨はどのように生かされておりますか、お尋ねをいたしておきます。
#137
○政府委員(阿部雅昭君) 昭和六十年の答申の中で、ここでも多くの鉄道の整備計画が打ち出されているわけでございますが、その鉄道整備をするための一つの方向として幾つかの提言をいただいておりまして、開発利益の還元ということについても十分検討していかなければならない課題として私ども受けとめております。
 具体的に鉄道整備についての開発利益の還元といいますのを個別に見ますと、例えばニュータウン鉄道の整備などを行う場合には、ニュータウン鉄道の建設者に負担金という形で土地の提供についてもしかるべき価格で提供していただくとか、いろいろな形での負担は既にしていただくというような形での開発利益の還元というようなものも制度化されておるものもございます。
 しかしながら、本件のような鉄道をとってみて考えた場合には、この開発利益といいますのが、非常に鉄道が長い、沿線開発も特定の開発者のためにやるという色彩も極めて薄いような鉄道でございまして、開発利益の具体的な把握なり計量的な把握あるいは負担する老の範囲ですとか、負担させる時期ですとか、負担していただく以上は強制徴収もできるようなものでなければならないというようなことをいろいろ考えますと、制度化ということについてはなお検討課題が極めて多いということで、この法律の中にはそのようなものを制度としては織り込んでおりません。しかし、運政審の答申にも書かれておりますし、今後この問題については、運輸省としても各省と十分御相談しながら制度化という方向での努力をしなければならない課題だという認識をいたしております。
#138
○山田勇君 これは国土庁はどうお考えになっておりますか。
#139
○政府委員(片桐久雄君) 開発利益の社会還元ということは土地政策上極めて重要であるというふうに認識しておりまして、今国会に提出しております土地基本法案の中にもその考え方を盛り込んでいるわけでございます。ただ、その考え方を具体的に実行する場合にいろいろ難しい問題があるということも事実でございます。
 やり方といたしましては、受益者負担とか開発者負担とか、それからまた税制を通じて譲渡益課税とか、保有に対する課税とか、そういういろいろな方法を通じて還元していくということだと思いますけれども、今後ともいろいろな手法を工夫しながら開発利益の還元ということに努力してまいりたいと思っております。
#140
○山田勇君 次の問題ですが、新たな住宅地の供給に当たって、ただ単に住宅団地の供給を講じていくというのではなく、職住近接とか都心部の集中是正などをあわせて考えるべきだと思います。さらに、事業所の移転とか誘致などについても考慮すべきだと思います。そういう視点から複合ニュータウン開発というような構想で事業を進めるべきだと考えますが、その点はいかがでしょうか。
 先日上げました新住宅整備法案、例えば空港の土取りの跡なんかの小規模なものでしょうが、そういうのなんか大いに僕は入れていただきたい。というのは、これは後の問題にまたちょっと関連して言いますが、そういう点はいかがなものでしょうか。
#141
○政府委員(望月薫雄君) 今先生お話しのとおり、いわゆるニュータウン開発というものは単に住宅だけつくればいいというものではもともとないわけでございまして、特に昨今のように国民の二ズが非常に環境をめぐって高まっている、あるいは職場の近接性を志向するということなどを考えますと、お話しのように、住み、働く、学ぶ、憩う、言ってしまえばこういった機能を兼ね備えた複合的開発を私ども志向したい。
 今先生おっしゃったように、新住法の施行令の改正をさせていただきましたが、これなど一つの例でございますが、私ども一連の施策はそういう方向にのっとって進めてまいります。そういう方針で臨みたいと思っております。
#142
○山田勇君 今の問題に関連してますが、住宅だけの供給なら、東京へそれが通勤圏内として行くんですから一極集中型はちっとも解消されない。少しでも大規模な住宅政策の中にそういう職住も入れていくということになれば、多少一極集中も免れていくということになろうかと思います。
 そこで最後に、今回の特別措置法は一極集中排除の観点からすれば若干の今言ったように疑問がありますが、大都市地域における著しい住宅地需要に対し新たな鉄道の整備と宅地供給をあわせて進めていく、そのための法的な根拠を与えることになるわけですが、これは従来民間鉄道関係の開発の際にもとられていた方法であります。御承知のとおり、例えば泉北ニュータウンと千里ニュータウンを比べますと、泉北ニュータウンはアクセスがきちっとした第三セクターでつくられて開発が著しく、千胆ニュータウンよりはいいということになります。そういうような民間との鉄道関係の開発の際にもとられてきた方法であります用意義あるものだと私は思います。その意味からも、この事業が遅滞なく進められ、かつ住みよい良好な町づくり、また交通体系の整備にも力を尽くしていただきたいと思いますが、最後に建設大臣の御答弁を伺って、私の質問を終わります。
#143
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、最近におきます大都市地域の大変な地価の高騰という状況は、国民の住宅取得の夢を遠のかせておるわけでありまして、国民生活の上でも極めて重大な問題になっておるわけであります。建設省といたしましても、本法案の成立を受けまして、大都市地域における宅地供給にさらに積極的に取り組んでまいり、そして国民の期待にこたえてまいりたいと考えております。
#144
○青木茂君 一昨日もぼやきましたが、この法律案に対する出るべき質疑は出尽くした感があるわけです。したがいまして、若干通告外にわたるかもしれませんけれども、その点はひとつお気軽に御答弁をいただきたいと思うわけであります。
 この法律案は、とにかく鉄道建設費が六千億、それから宅地開発が十五万戸、予想される開発利益が二十一兆円、まずここら辺の数字のバランスの中にこの法律案の問題点のもろもろが含まれておると思うわけなんです。
 この十五万戸という宅地、これを私ども見てみまして、例の宅地並み課税と比較をしてみますと、例えば東京圏の市街化区域内の農地およそ三万五千ヘクタール、これを宅地にしたら二百十万戸ぐらいは、これは面積によりますけれどもできると思う。その二百十万戸の十分の一が現実の住宅になったって二十一万戸ですね。これだけの大プロジェクトを組んで常磐新線をつくる、それが十五万戸。宅地並み課税という一つの法律をちょいと動かすだけで二十一万戸。まずここら辺の数字のバランス、大臣どうお考えですか。
#145
○政府委員(望月薫雄君) 先生が今御疑問を御指摘いただいたわけでございますけれども、まず東京圏の今後の住宅宅地供給をどうマクロとしてというか、全体として考えていくかということについては、先ほども住宅局長の方から御答弁申し上げましたけれども、四全総の一つのフレームを前提にいたしましても三百七十万戸の住宅供給が必要だ。建てかえも入れますとたしか五百七十万戸を超えると思います。いずれにしても、新規に供給するのは三百七十万戸くらい必要だ、またそうすべきだ、それに伴う宅地が四万ヘクタール必要だ、こういうふうな一つのフレームが前提としてございます。
 私ども、そういったものの中でこれをどう対応していくかということについては、既成の市街地についての土地の高度利用というものももちろんあります。さらに、今御指摘の市街化区域内農地、大体東京圏で三万六千ヘクタールくらい存しているというふうに私ども承知いたしておりますが、この有効利用といいましょうか宅地化促進、これももちろん進めていかなきゃならぬ。あわせて、それを超えたといいましょうか、いわゆる市街化調整区域にわたる、今この鉄道沿線が予定されているような地域についても一つの宅地供給の場として重視していかなきゃならぬ。まあ言ってしまえば、全面展開、総合展開で取り組んでいかないとならない課題である、こういうふうに考えているわけでございます。
 そういった意味では、先生の御指摘はそれなりにわかりますけれども、私ども、やはり首都圏の地域に住む中堅サラリーマンの方々の二ズにこたえてどういう供給をしていくかという絡みの中でこの施策はまた重要な位置を占めるものである、こう考えているところでございます。
#146
○青木茂君 そのとおりでいいんです。総合的あるいは両々相まってということで私も何ら異存はないんですけれども、大臣としては、宅地並み課税という問題について前向きに検討をなさるか、これでいいと思っていらっしゃるか、ここだけちょっとお伺いしたいと思います。
#147
○国務大臣(野田毅君) 市街化区域内の農地の宅地並み課税の問題は、現状でいいとは思っておりません。先ほど来いろいろ保有課税の問題について私なりに申し上げておりますことの一つの部面は、そういう部分も含んでおるということで御理解をいただきたいと思います。
#148
○青木茂君 わかりました。
 これは一昨日の積み残しというのか、続きになるわけなんですけれども、東京のベッドタウン、千葉だとか多摩ですね、これは大体都心から三十キロ圏、通勤時間はどう見ても一時間以上、一時間半かかるんじゃないか。サラリーマンがそれだけかけて通勤をすると、そこで失われるエネルギーがストレスとか疲労とか、ひどい場合になると過労死の原因になる。だから私は、とにかく六キロ圏程度のところに何かさっきの総合的な一つとして住宅ができないだろうかと思うわけです。
 それで、あそこの埋立地のところに、あれは近いところにあるわけなんです、晴海の。例えば東京テレポートだとか世界的規模の展示場だとか、東京コンベンションパークだとか、ああいうものは浦安の方へ、ディズニーランドは東京の中になくても成功しましたよね。だから、いわゆる産業関連設備をできるだけ遠い、首都圏の近隣に持っていって、あの近いところを住宅化したらかなり近距離住宅というのができてくるんじゃないかと思うわけなんですけれども、どんなものですか。
#149
○政府委員(望月薫雄君) 先般のこの委員会でも先生がその種の御発言をされ、私どもも承っているわけでございますが、率直な感想で申し上げさせていただきますと、確かに人間が住み、働き、憩うということを考えたときに、近ければ近いほど望ましいことはもう議論の余地がないと思います。ただ問題は、大東京都市圏という地域について、現実のこの厳しい地価の問題、宅地需要圧力の強さあるいは供給の不足、こういったことを踏まえて私ども対策を考えているわけでございまして、おっしゃることの意味は非常によくわかるのでございますけれども、この現状を踏まえて考えたときに、六キロ圏の中でまずそれを最重点に、そしてあとの業務機能あるいはレジャー機能等は郊外にということは、言うほどなかなか実は簡単でないというのも現実だと思います。
 そういった意味で、いわゆる既成市街地の中での低・末利用地の利用というものによる住宅供給、これも大きな政策課題として建設省挙げて取り組んでまいるわけでございますが、あわせて、市街化区域的な農地あるいは一時間圏を超える地域、一時間半くらいになりましょうか、こういったところまですべてをにらみながらの住宅地対策を展開するのが現実的であり、また急がれる政策ではないかというふうに考えているところでございます。
#150
○青木茂君 言うはやすく、行うはかたし、これはよくわかるんだけれども、それでなれてしまわずに、今後の建設行政の一つとして、近距離住宅、これを十分ひとつ頭の中に入れておいていただきたいと思うわけでございます。
 それからこの法律ですけれども、今まで既に出ておりますように、開発利益の還元という点がどうもあいまいもことしているというのがあるわけなんです。二十一兆円という数字がどうであるかは別問題として、出てくる開発利益を何らかの妙手妙案でもって鉄道建設費にバックすることができないだろうかということです。私に妙案があるわけではないんですけれども、御検討されている中において、こんな手があったんじゃないかというようなことは出てきませんでしたか。
#151
○政府委員(阿部雅昭君) 先ほども申しましたが、ニュータウン鉄道といったようなことで特定のニュータウンをつくるために鉄道を引くとか、そういう場合はあえて範囲が限定しておる、負担者も特定できるということで、現実にはそういうものが制度化され、それを前提とした助成制度もとられておるんですが、このような常磐新線という形で、これは筑波研究学園都市を結ぶ鉄道で、その周辺での開発が行われるということにつきまして、その開発利益といったものの把握なり、あるいは負担者の範囲ですとか負担していただく方法等を考えますと、非常に困難な問題があるというのが事実でございます。
 また、それがすべて鉄道による利益だと、こう運輸省が言いますと、必ずしもそうでもないという話も必ずあるわけでございますし、またそれをどういう形で吸収するかというのは本当に難しい問題でございますが、運輸省は運輸省なりに今後いろいろ検討してまいりたいというふうに思っております。
#152
○青木茂君 今まで出ておりましたように、開発利益の吸収がどうも固定資産税だけというのも寂しいんですよね、壮大なプロジェクトであるだけに。固定資産税というのは御承知のように実勢価格の三分の一程度の評価ですからね。そういう意味において、どうも固定資産税だけが唯一の具体策であるというのは、僕は政策として寂しいと思うんです。
 開発利益というのは、公共施設が整備されればされるほどあれがでかくなってくるので、僕はタイムラグ、時間のずれがあるんじゃないかと思うんだ。つまり社会資本の整備ということと開発利益の発生ということに時間のずれがある。この時間のずれを何とか活用できないだろうかと私は思うんです。だから、この時間のずれを活用することによって、その利益というものを地権者とか業者だけに任せてしまわずに、まず先に公が乗り出すというようなことはどうなんですか。先行投資。
#153
○政府委員(阿部雅昭君) 本法案におきましても、地方公共団体からいろんな支援をいただくという中で、二十一条の三項でございますが、地方公共団体は、この鉄道の施設に要すべき「土地の確保に協力するため、当該土地の取得のあっせんその他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」ということで、先行取得等も地方自治体でやっていただくようなことも考えておるわけでございます。
 また、そのための財源といったことにつきましても、起債の特例を認めていただくというようなことが次の条文にも認められておるわけでございます。先行取得という形で、財源的には起債を認めていただく。その起債の償還というのは、いずれそういう何らかの形で、地方税収というような形で入ってくるものでまたその返済に充てられるというような、それ自身開発利益の還元と言っていいのかは議論があると思いますけれども、一つの仕組みとしてはそのようなことも考えておるわけでございます。
#154
○青木茂君 この開発利益の還元とともに、やはり地価高騰ということがこういうことをやる上においてネックなんだから、地価のドミノ現象ですね、沿線の地価がぱあっと上がっていって、それがドミノ的にどんどん広がっていく、これをどこで食いとめるかということなんですけれども、国土庁としては総合的な地価対策、どういうふうにお考えですかね。
#155
○政府委員(片桐久雄君) 地価の安定を図るためには、需給両面にわたる対策が必要であるというふうに考えておる次第でございます。
 特に需要面では、東京の一極集中傾向を是正するといういろんな対策も必要であろうと思いますし、それから地価の上昇局面では、いわゆる仮需要といいますか、投機的需要といいますか、そういうものが発生いたしますので、それを抑制するためのいろんな手法、現在監視区域制度、それからまた金融機関に対する強力な指導とか、そういうことを実施しております。それから税制上の措置もいろいろ工夫しておりますけれども、超短期重課制度を初めとして、そういう対策を講じている次第でございます。
 さらに、供給面の対策ということでは、先ほど来議論しておりますように、既成市街地の高度利用といいますか、それも非常に重要でございますし、それからまた、現在この法案で議論されておりますような、周辺部の新規開発ということも極めて重要でございます。いずれも、そういう供給対策を実施するに当たりましては、土地の所有者、ほとんどが民有地でございますから、そういう民間の土地の所有者の方々の理解と協力を得ながら進めなきゃいけない。そういう理解と協力を得るためには、やはり土地の社会性、公共性といいますか、そういう意識を深くしていただきまして、土地対策を強力に進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
#156
○青木茂君 いろいろな委員会の質疑というのは、質問者が抽象論で質問すると回答者が抽象論で答えられる。質問者が具体論で質問をするとメリット、デメリットの比較で終わってしまう。質問者が抽象論で質問した場合に、回答としてほしいのは実は具体論なんですよ。そういう角度から見るとどうも物足らないわけなんですな。
 この計画の中で、駅はいつごろどんな形で決定されますか。
#157
○政府委員(阿部雅昭君) 法律で、一都三県がつくります基本計画の中には、駅の位置の概要というようなことで書かれるということを予定いたしております。具体的な位置の決定というのは、これを受けまして、鉄道の事業としての免許を受け、さらに最終的には工事施行認可を受ける段階できちっと確定するという段取りになります。
 駅の位置につきましても、非常に利害が錯綜するということがありますし、あらかじめ駅の位置を決めますと、その部分だけが値上がりするということもございますし、いろんな意味での賛成反対論に巻き込まれるということもございますので、最終的な駅の位置の決着につきましては、十分地方とも内々相談し、駅の位置の用地の取得及びその価格も適正な形で取得できる方法をこれからいろいろ工夫しなきゃいけないということを考えております。あらかじめここが駅だというようなことをばんと決めるような形でそこだけが値上がりするとか、いろいろ抵抗に遭うというようなことは極力避けていくような形で鉄道建設を進めていきたいというふうに考えております。
#158
○青木茂君 駅の所在を忍者部隊に使ったらどうですかね。ここが駅だと発表しちゃうんですよ。そこがぱあっと上がりますね。そうしたら、やめたというふうにしちゃう。また、ここが駅だと言って、ぱあっと上がったら、ここはやめたと言って、がたっと開発損失を少し業者に与えるのもいいですよ。そういう手だって僕はあり得ると思いますよ。
 そうすると、とにかく地価上昇の抑制ということが緊急の課題だとするならば、とにかくこれが投機の対象にどうしてもなりやすいんだから、公が乗り出してできるだけ先行取得をやってしまうということを抽象論ではなしに具体論で考えてもらわなきゃいかぬと思いますが、それについてはどうでしょうか。
#159
○政府委員(望月薫雄君) おっしゃるような意味で全く私どもも同様に考えております。とりわけ先ほど来申し上げている重点地区というふうなところ、非常にこれは大事な地域でございますので、こういったところなどは公的機関が積極的に活動していくという中では極めて大事なことだと考えております。と同時に、宅地開発に当たりましては区画整理手法というものがやはり基本的な手法となる地域でございますので、その区画整理事業をまた成功させるためにも先買いがぜひ必要である。両方の意味において本当に真剣に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#160
○青木茂君 地価の上昇を監視区域のシステムを使って抑制しようというお考えは多々あるわけなんだけれども、監視区域というのは、その監視範囲の単位がでかければでかいほど監視にならぬわけですよ。だからこれをできるだけ小さくもっていく。その小さくもっていくために国は自治体にどういうような協力を考えていらっしゃるかということなんです。
#161
○政府委員(片桐久雄君) 常磐新線沿線の監視区域の実施状況につきまして申し上げますと、現在、埼玉県の八潮市、三郷市、それから千葉県の流山市、柏市では、市街化区域は三百平米以上届け出、それから調整区域は五百平米以上届け出。茨城県の沿線地域では、市街化区域三百平米以上届け出、それから市街化調整区域は千平米以上届け出、一部分の地域だけ五百平米以上届け出、こういう実施状況でございます。
 私どもも地価の動向を見ながら届け出の面積基準を指導しておるわけでございますけれども、いわゆる土地取引全体の中で届け出を義務づけられるカバー率といいますか、それが例えば二〇%とか三〇%とか、それからまた東京、神奈川のような百平米でやっているところは大体五〇%のカバー率になっておるわけでございますけれども、この地域も、今後の地価動向を見まして、現在の三百平米とか五百平米、千平米、この面積を地価の動向によりましてはもう少し引き下げるということを指導してまいりたいというふうに考えております。
 どういう援助をやっているのかということでございますけれども、監視区域の届け出を実施いたしますと非常に事務手数が増大するわけでございます。そのための事務経費といたしまして、国の方から交付金という形でほぼ経費の二分の一に相当する額を交付している次第でございます。
#162
○青木茂君 確かに監視の目を厳しくしようとすれば事務経費が増大して自治体でしょい切れないという部分もできてくる。こういう国の援助というのは決して税金のむだ遣いじゃないんだから、国と自治体相まって監視制度の活用によって地価上昇はできるだけ抑えていただきたいと思うわけです。
 いわゆる常磐新線、これに対してややJR東日本は及び腰だという話を聞いていますけれども、現実はどうですか。
#163
○政府委員(阿部雅昭君) 先ほどJRに対する運輸省の姿勢ということも申し上げましたが、混雑緩和対策等は公益的使命ということで当然果たしていただかなければならない。しかし一方で、投資というものはまさに民間会社としてのJRが判断することでございますし、その判断の結果というものが最大限尊重さるべきものだということもまた事実でございまして、第二の国鉄になるようなことを無理強いすることはできないという基本的な立場でございます。
 この計画実施については、六十二年度価格で六千億程度の建設費がかかろうということでございましたが、その後の土地の価格の騰貴状況だとか、その他いろいろなお今後具体化するについては現状を見直すべき点も幾つかあるかと思いますし、それらに対する負担問題等については今後さらに明確にしていく必要があろうと思います。また、JRも参加するに当たっては将来の事業経営、特に今後一割配当しなければならないとか上場しなければならないという要請もございますし、将来のJRに対する経営にどういうインパクトがあるのかといったことについてもきちっと見きわめて対応したいというのがJRの考え方でございますので、ある程度そういう立場から慎重になっているということは事実でございますが、今後、関係者による協議、調整が何とか円滑にいきますように私どもとしてもさらに努力してまいりたいというふうに思います。
#164
○青木茂君 JRも民間企業になったんだから、嫌がる女性を力でねじ伏せるようなことを、運輸省は余り強腰で民間企業に干渉すべきでないと僕は思います。その点はうまく調整してください。
 それから、この仕事に対する経済界の出資意欲に対して感触を持っていらっしゃいますか。
#165
○政府委員(阿部雅昭君) 第三セクターに対する出資につきましては、まだ現在関係者の協議中でございますので、正式にどれだけ依頼するとかいうところは決まっておりませんので、お願いなり要請というものを正式にいましたわけではございませんが、こういうことを進めるにつきましても内々の感触は得たいというような形でのコンタクトはとっております。その中では、やはりこういう計画の重要性なり地域経済、あるいはさらにもう一つ広いいろいろインパクトも考え、経済界としても関心を持っており、それなりの協力をすべきだというような感触を持っておるということは事実だと私ども受けとめております。
#166
○青木茂君 少し楽観論に過ぎるようだけれども、それはやっぱり仕方がないですね。
 要するに、僕はずっとこの委員会で地価上昇のことを心配し続けてきたわけなんです。この法律でも、開発利益の何割か、七割なのか八割なのか、いわゆる地主という人たちに帰属してしまうわけですよ。これは努力を伴わない資産格差の拡大にどうしてもつながっていくんです。これが非常に国民全体のマインド、心理から見まして、毎日満員電車に揺られて、額に汗して働いているサラリーマン、たまたま親が土地持ちであったということだけで全く、のんべん――のんべんと言ってはいけませんけれども、のんびりと暮らしていける人たち、この格差が二十一世紀に向けまして国民の中の変な対立というのか、変な亀裂にならなければいいがということを私は大変心配しておるわけです。これは私だけじゃない、皆さんそうだと思います。
 そういう危惧を受けてこの法律を具体的にもっていく場合にどこに注意すればいいかということは、大臣どうでしょうか。
#167
○国務大臣(野田毅君) 地価の高騰による資産格差の拡大という問題、この点は、御指摘のとおり、特に土地を持たざる者方々から見れば本当にふんまんやる方ない部分だと思いますし、これは本当に政治課題としても非常に大きな課題であります。
 そういった角度から、今回御案内のとおり土地基本法を政府としては御提案を申し上げ、まだまだやるべきことはたくさんあると思いますが、まず国民の土地に対する基本的な認識についてのコンセンサスを一歩でも前に進めなきゃいけない。だから、まだまだその具体的な実効性ということからはいろんな御議論あろうかと思いますが、まず何よりも土地というものに対する考え方が、国民全体の共通の財産なんだ、あるいはこれは資産という形よりもむしろ利用という形に重点を置いて考えてもらわなくちゃいけないましたがってまた投機的な対象にされては困ります、あるいは開発利益についての社会還元ということも一歩も二歩も踏み出さなくちゃならぬ、こういった基本理念というものを中心にした法案を御提案申し上げておるわけであります。
 まず、少なくともせめてその第一歩だけの共通認識は得ておきたい、それからまたさらに前進していかなければいけない、こう思っておるわけでありますが、今回の法律に基づいてこれを成立させていただきまして、宅地開発と鉄道整備とを一体的に進めていこう、こういう手法の中でそういった考え方をどのように生かしていくか。
 先ほど来御議論がありましたように、一つは、開発利益そのものを極力生み出さないというと語弊があるかもしれないが、少なくともそういった開発に必要な地域の土地について先行的に取得していくための金融なり、いろんな仕組みの上での手だてを講じていかなければいけませんし、あるいは監視区域の運用に当たってもこの点に十分配慮した対処をしていかなければならないと思っております。そうはいっても、地価は整備される前と後で比べれば、当然のことながら全体的な上昇ということは避けがたいことであると思います。
 そういった中で、既存の住民の方々、いわゆる既存の地権者の方々が保有しておる土地が何も努力しないのに価値が上昇するわけですから、ほかの方々から見ると少し釈然としないものがあるのかもしれないけれども、これが現実であります。しかし、そのことは、先ほど来御指摘がありましたように、結果的に固定資産税なりという形ではね返ってくるでありましょうし、あるいは資産価額の上昇というだけでなくて、また事業活動なりいろいろな取引も経済も活発化していくでありましょう。また、住民税という形での地方団体の収入にもはね返ってくるでありましょう。先ほど運輸省からも御説明がありましたが、直接それが社会還元の一形態だと断言できるほど胸を張れるものではないかもしれませんが、少なくとも起債措置で先行的な資金手当てまする、その償還財源を今申し上げたようなところから生み出していくというのも、ある意味では開発利益の還元の一形態であるということも否定はできない側面である、こう思っております。
#168
○青木茂君 ありがとうございました。終わります。
#169
○委員長(稲村稔夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について上田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上田君。
#171
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対する修正案の趣旨説明を行います。
 原案は、大都市地域において、宅地の開発と鉄道の整備を一体的に行うための新たな制度を創設するものです。我が党は、地方自治体の計画に基づいて計画的に宅地と鉄道を整備することに反対するものではありません。また、常磐新線の建設は積極的に推進すべきであります。この事業を、真に国民の要求にこたえる効果的な事業として推進するためには、幾つかの重要な問題があります。
 大都市圏における宅地開発と新たな鉄道整備の一体的な推進が、かなりの財政負担を伴うことは疑いありません。これを自治体に負わせるならば、関連公共施設の増大とあわせて自治体の過重な負担となりかねません。新駅周辺の重点地区の区画整理手法による開発は、農民や住民に過大な減歩や精算金の負担を強いることになります。また、せっかく整備された宅地も地価高騰で一般勤労者には手が出ないという事態を招き、ひいては鉄道の経営にも困難をもたらすおそれがあります。
 こうした問題点を解消するためには、政府が責任を持って財源措置を講ずること、強力な地価抑制策を実施すること、大量の公的住宅を建設すること、適正な運賃水準とすることなどが必要です。そのためにも、地元市区町村、住民の意向を反映して民主的に事業を行うことが重要です。
 以上が修正案を提出する理由ですが、引き続き簡潔にその内容を説明します。
 第一に、国は、承認特定鉄道の整備を促進するため、特定鉄道事業者に対して補助、貸し付けその他の助成を行うよう努めなければならないこととします。
 第二に、特定地域の地価高騰を厳しく抑制するため、地価上昇のおそれがある等の場合には国土利用計画法第十二条の規制区域として指定しなければならないこととします。
 第三に、都府県が基本計画を作成するとき及び関係市町村が基本計画について意見を述べるときは、あらかじめ当該地方公共団体の議会の議決を経なければならないこととします。
 第四に、国及び関係地方公共団体は、承認特定地域において、公的住宅の大量建設の促進に努めなければならないこととします。
 第五に、運輸大臣は、特定鉄道事業の運賃の認可をしようとするときは、関係都府県があらかじめ当該都府県議会の議決を経た上で述べる意見を聞かなければならないこととします。
 以上が本修正案を提出する理由と修正案の内容の概要です。
 委員各位の御賛同をお願いいたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
#172
○委員長(稲村稔夫君) ただいまの上田君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。野田建設大臣。
#173
○国務大臣(野田毅君) ただいまの修正案については、政府としては反対であります。
#174
○委員長(稲村稔夫君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案について採決に入ります。
 まず、上田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(稲村稔夫君) 少数と認めます。よって、上田君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(稲村稔夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、赤桐君から発言を求められておりますので、これを許します。赤桐君。
#177
○赤桐操君 私は、ただいま可決されました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、サラリーマン新党・参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、大都市地域を中心に住宅・宅地問題が深刻化している現状にかんがみ、国民が良質な住宅・宅地を取得できるよう、地価対策に十分配慮しつつ、各般の施策を積極的かつ強力に推進すること。
 二、首都圏における住宅・宅地問題の緊要性にかんがみ、特に首都圏における鉄道新線の整備と沿線の宅地供給の促進を図るため、本法による措置を速やかに講ずること。
 三、宅地開発及び鉄道整備が整合性をとりつつ円滑に推進されるよう、関係者間の緊密な連絡調整を図ること。
 四、良質な宅地の大量供給を図るため、低利融資等の助成措置の強化に努めるとともに、宅地開発事業に関連して必要となる公共公益施設の整備促進について特段の配慮を払うこと。
 五、円滑な鉄道整備を図るため、関係地方公共団体とも協力しつつ、鉄道事業者に対する助成その他必要な措置を講ずること。
 六、宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に当たっては、近郊農業との調整について十分配慮すること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#178
○委員長(稲村稔夫君) ただいま赤桐君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(稲村稔夫君) 全会一致と認めます。よって、赤桐君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野田建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田建設大臣。
#180
○国務大臣(野田毅君) 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力する所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#181
○委員長(稲村稔夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#183
○委員長(稲村稔夫君) これより請願の審査を行います。
 第二八号尾瀬分水反対に関する請願外四件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしました結果、第四四九号河川維持流量の確保に関する請願外三件は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第二八号尾瀬分水反対に関する請願は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#186
○委員長(稲村稔夫君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いましたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(稲村稔夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十四分散会手
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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