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1988/03/28 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 逓信委員会 第3号
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1988/03/28 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 逓信委員会 第3号

#1
第114回国会 逓信委員会 第3号
平成元年三月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     成相 善十君     二木 秀夫君
     西村 尚治君     野沢 太三君
     坂野 重信君     大島 友治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         糸久八重子君
    理 事
                岡野  裕君
                永田 良雄君
                大森  昭君
    委 員
                大島 友治君
                長田 裕二君
                志村 愛子君
                添田増太郎君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                守住 有信君
                山内 一郎君
                及川 一夫君
                大木 正吾君
                鶴岡  洋君
                山中 郁子君
                橋本孝一郎君
                青島 幸男君
                平野  清君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  片岡 清一君
   政府委員
       郵政大臣官房長  松野 春樹君
       郵政省郵務局長  田代  功君
       郵政省通信政策
       局長       中村 泰三君
       郵政省電気通信
       局長       塩谷  稔君
       郵政省放送行政
       局長       成川 富彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局宇宙企画
       課長       青江  茂君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    薄井 信明君
   参考人
       日本放送協会会
       長        池田 芳蔵君
       日本放送協会副
       会長       島  桂次君
       日本放送協会技
       師長・専務理事  中村 好郎君
       日本放送協会専
       務理事      小山 森也君
       日本放送協会専
       務理事      植田  豊君
       日本放送協会理
       事        高橋 雄亮君
       日本放送協会理
       事        遠藤 利男君
       日本放送協会総
       合企画室局長   郷治 光義君
       日本放送協会予
       算        中野 正彦君
       宇宙開発事業団
       理事       船川 謙司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(糸久八重子君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、成相善十君、西村尚治君及び坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として二木秀夫君、野沢太三君及び大島友治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(糸久八重子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会関係の付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として今期国会中、必要に応じ随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に宇宙開発事業団理事船川謙司君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(糸久八重子君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。片岡郵政大臣。
#7
○国務大臣(片岡清一君) ただいま議題となりました日本放送協会平成元年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について概略を申し上げます。
 受信料につきましては、現行のカラー契約月額千四十円を千七十円に改める等の改定を行うほか、新たに衛星カラー契約月額二千円などの衛星料金を含む受信料を八月から設定するなどとしております。
 一般勘定事業収支におきましては、事業収入は三千九百十四億三千万円、事業支出は四千五十六億九千万円となっており、事業収支における不足額は百四十二億六千万円となっております。
 この不足額につきましては、長期借入金をもって補てんすることとしております。
 一般勘定資本収支におきましては、資本収入は八百九十五億七千万円、資本支出は七百五十三億一千万円となっており、このうち、建設費として、衛星放送の継続に必要な設備の整備、老朽の著しい放送機器の更新整備等のために、五百六十一億円を計上しております。
 また、債務償還に必要な資金百七億六千万円につきましては、長期借入金をもって補てんすることとしております。
 次に、事業計画につきましては、その主なものは、全国あまねく受信できるよう、テレビジョンにおいては、衛星放送の継続に必要な設備の整備を取り進め、ラジオにおいては、中波放送局及び
FM放送局の建設を行うこと、視聴者の意向を積極的に受けとめ、公正な報道と豊かな放送番組を提供すること、国際放送について、受信の改善に努めること、受信料負担の公平を期するため、新受信料体系の定着と受信者の開発に努め、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めること等となっておりますが、これらの実施に当たっては、要員の削減等業務の合理的、効率的運営を徹底することとしております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等について、慎重に検討いたしました結果、平成元年度の事業運営に当たって特に配意すべき四点の事項を示した上で、おおむね適当なものと認め、お手元に配付されておりますとおりの意見を付することといたした次第であります。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。
#8
○委員長(糸久八重子君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。池田日本放送協会会長。
#9
○参考人(池田藏芳君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成元年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げます。
 平成元年度の事業運営に当たりましては、極めて厳しい財政状況にあることを十分認識し、一層収入の増加と業務の効率的運営を徹底することにより、現行受信料をさらに据え置き、視聴者の要望にこたえて、放送の全国普及とすぐれた放送の実施に努め、公共放送としての役割を果たしてまいる所存であります。
 衛星放送の経費につきましては、衛星放送を受信される方々に新たに負担をお願いすることとし、本年八月より衛星受信料を設けさせていただくことといたしました。
 次に、平成元年度の主な事業計画について、御説明申し上げます。
 建設計画につきましては、衛星放送の継続に必要な設備の整備を行うほか、老朽の著しい放送設備等の取りかえを実施することとしております。
 国内放送におきましては、夜間を中心に多様な番組を新設するとともに、特別編成を随時、集中的かつ機動的に実施するなど、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めてまいります。
 また、衛星放送については、その特質を生かした国際情報を中心に魅力ある番組を編成して、一層の普及促進に努めることとしております。
 国際放送におきましては、放送を通じて国際間の理解と親善に寄与するとともに、海外中継を拡充し、効率的な受信の改善に努めることとしております。
 契約収納業務につきましては、新受信料体系の定着と受信者の開発に努め、受信契約の増加と受信料の確実な収納を図ることとしております。
 調査研究につきましては、番組視聴状況等の番組調査と、新しい放送分野の技術開発研究、放送技術発展のための基礎研究を推進し、その成果を放送に生かすとともに、広く一般にも公開することとしております。
 以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたり、業務の効率化を積極的に推進し、要員について、年度内三百四十人の純減を行い、給与につきましては、適正な水準を維持することとしております。
 これらの事業計画に対応する収支予算につきましては、事業収支で収入総額三千九百十四億三千万円を計上し、このうち、受信料については、三千六百四十一億二千万円を予定しております。これは有料契約総数において、四十五万件の増加を見込んだものであります。
 これに対し、支出は、極力圧縮に努め、国内放送費など支出総額を四千五十六億九千万円にとどめておりますが、以上によってもなお生じる事業収支の不足百四十二億六千万円は、借入金をもって補てんすることとしております。
 また、本年度の債務償還のために必要な財源百七億六千万円についても、借入金により措置することとしております。
 次に、資本収支につきましては、支出において、建設費五百六十一億円、放送債券の償還など合わせて総額七百五十三億一千万円を計上し、収入には、これらに必要な財源及び事業収支の不足に充当するため、減価償却資金、借入金など合わせて総額八百九十五億七千万円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものでございます。
 以上、日本放送協会の平成元年度収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の事業が視聴者の負担する受信料により運営されていることを深く認識して、一層効率的経営を目指すとともに、すぐれた放送を実施して、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。
 委員各位の御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
#10
○委員長(糸久八重子君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○及川一夫君 片岡郵政大臣並びにNHKの池田会長には初めてお目見えをするということになるんですが、NHKの会長ももう数カ月たっておりますし、また郵政大臣も国会内の事情があるとはいいながら三カ月を超えておる状況、しかも郵政事業全体の所信もお聞きすることができない。きょう初めてNHKの池田会長には所信などを承ることになるのではないかというふうに思っていますけれども、そういう関係にありながら、最初から苦言を申し上げることになるということは、非常に私は残念だと思います。
 それは、経営委員長が御出席にならない、衆議院の逓信委員会にも病気を理由に御出席にならない、私は極めて不満なんであります。もちろん理事会での御討議は了とする前提でありますけれども、とりわけきょう委員部の方から連絡があって、参考人出席の再確認がございましたが、経営委員長が病気で御出席にならないということであれば、十五条第四項で決められている委員長代行、これが出席になるのは当然ではないですか。病気ですか、これは。大阪の方へ行っておられるそうですね。大体、委員長事故あるときはという前提に立った措置が決められているわけですから、我々が代行を出せなどというふうに言わずともごく自然に、経営委員会として委員長事故あるときは代行が出てくるというのは普通なんであります。民主主義のルールなんであります。それがどなたもおいでにならない。
 しかも、提案されている予算案全体を見れば徹底した赤字ということを前提にした予算でありますから、一体これでNHKの経営というのは、将来ともに本年度を含めて果たして確信を持って事業運営に当たることができるのかどうか。経営委員長そのものがむしろここへおいでになって質疑に参加をするということがあってしかるべきじゃないか。何のための承認案件ですか。議決案件じゃないんですよ、承認案件なんだ。それだけ経営委員会の役割、責任が重いと私は思っていますよ。極めて不満なんでありますが、まあNHKの執行部にこういうことを申し上げても、経営委員会の方が権限を持っているわけですから……。ということになりますと、政府並びに私ども国会議員が国会で人事を承認したという前提に立ちますと、郵政省自体はこの事態について一体どうお考えになるのか。
 私は、少なくとも予算に関する限り、事業計画に関する限り黙っていても経営委員会の委員長は能動的に質疑に参加すべきではないか、こんな気持ちがいたすのですが、この点大臣に見解をお聞きしたいと思います。
#12
○国務大臣(片岡清一君) ただいまの御意見、ごもっともなことでございまして、経営委員会委員長並びにその代理の方がどういう御都合で御出席にならないかということにつきましては、私は内部事情をよく存じ上げておりませんけれども、しかし、今仰せのとおりやはりそれぞれの立場において国民の代表であられますこの国会においていろいろ御意見のあるところを申し述べられて、そして御審議をいただくということは大変望ましいことと存じておりますが、きょうの御出席については私はどうも事情をつまびらかにしておらぬことをお許しいただきたいと思います。
#13
○及川一夫君 時間がもったいないですからこれにくどくど申し上げることはいたしませんが、いずれにしてもNHKの執行部の皆さんが常々経営委員会のメンバーの方々と論議もし合っている関係ですから、ぜひ経営委員会の役割と責任ということをお感じになるならば、皆さん方が出なくてもいいと言っても出るぐらいの、そういう発想を持った経営委員会であってほしいということが国会の逓信委員会の中で出たということをお伝えください。そして、これからの逐信委員会、NHK問題を論ずるときには、すべてとは言いませんけれども少なくとも事業計画や予算についてはという意見があったことも伝えていただきたいということを申し上げて、とりあえずこの問題は打ち切っておきます。
 そこで、そういう姿勢とも実は関係があると私は判断をいたしますが、「世界」という月刊雑誌がございますが、この四月号に「NHK・座礁寸前の巨船」という、梅原さんという方が書いておられます。つまり、NHK自体を、私から言えばめった切りということになるんですけれども、いずれにしても切り込んできています。まず、これをNHKの執行部の方々はお読みになったかどうかお尋ねしたい。
#14
○参考人(島桂次君) 御指摘のあれにつきましては、全部とは申しませんけれども大部分の役員が読んでいるというふうに考えております。
#15
○及川一夫君 感想はというふうに申し上げても、この委員会の方々は全部御存じかどうかわかりませんから、ちょっと私から紹介をさせていただきますと、聞くにたえないことも書いてあるんです。人の論文ですから手前本位で書いているところもありますから、全部が全部真実だとは思いたくないという気持ちもありますが、しかし我が国の唯一の公共放送部門を担当しているNHKが、しかも首脳の人たちがこれほど切り刻まれているということになると黙って見過ごすことはできない、こういう思いでいるわけであります。
 例えば会長さんのことについて、「就任以来、老化によるとみざるを得ないさまざまた言動を繰り返し、池田周辺は会長を人と会わせないことを仕事としている。止むを得ない時は介添えをつけ、紙に書いた文章を読ませる。」という書き方。あるいは副会長のことについてもあるのでありますが、「国会では島副会長の答弁も槍玉にあがった。公共放送の定義をただされたのに対して、「公共放送は質のいい番組を視聴者の負担を軽くして作ることだ」としか答えられず、質問者から「NHK生え抜きの人がその程度の認識では、NHKの将来に不安がある」と」、こういう書き方。
 さらには、専務理事は二人おられるんですが、その一つとして、「免除廃止を言い出したのは、「取れるものを取っていない」という財界出身の池田会長と、それに同調し「文部省には私が話をつける」と言った郵政次官から天下りの小山森也専務理事であるという。結局、この免除廃止をNHKは見送った。しかし、池田も小山もこのことについての責任を明らかにしてはいない。」、こういう書き方になっているんです。
 郵政大臣、これは私は喜んで読んでいるんじゃないんですよ。煮えたぎる思いで私は読み上げているつもりなんです。冠たるNHKがこういう切り刻まれ方をされて、そのほかいっぱいあるんです、これは。一体NHKとしてこの種問題に対してどう対応されたんですか。黙って黙認ですか、それとも何の反応もしなくて済むんですか、これは。もし何の反応をしなくて済むというなら、今読み上げたことに対する見解を私はお聞きしたい。
#16
○参考人(島桂次君) 私ども公共放送は、すべての受信者の批判を甘んじて受けなければいかぬ立場にございますけれども、ただいま先生が読み上げた中にはそれは反省しなければいかぬ点も若干あるかと思いますけれども、少なくとも私たちは国民の負託にこたうるべく公共放送の責務を全うしているということを考えておりますので、その種の雑誌に対しましては我々の考え方を相手側に一応伝えているところでございます。
#17
○及川一夫君 そうおっしゃるならそれだけの裏づけがやっぱりなければならないわけですね。その裏づけは、あなたは一体じゃどうこたえるんですか。
 今回の予算の提案に当たっても、例えば消費税という大変な問題があるじゃないですか。これ自体、この説明提案の中に消費税という問題について触れられておりますか。全く触れられておりませんね。それと同時に、触れられているとすれば、この「日本放送協会 平成元年度収支予算と事業計画の概要」、この中でさまざまな受信料金を並べていますね。それで新料金ということで出されておりますが、その項目の中に括弧して「消費税を含む」とだけ実は書いてあるわけであります。これで論議をしろというんですか。細かいようだけれども絶対細かくないんです。
 後ほども述べなければならぬ受信料の性格の問題と密接につながっているじゃないですか。受信料を払わないということで抵抗している人もいまだにいるわけでしょう。素直に払っている人もいる。それに消費税がかけられるというけれども、今まで受信料はこういう性格だということを言ってきたことの関係において、そんなにすらりと入るようなことなんでしょうか。万やむなら万やむということで提案説明の中に真摯な気持ちで提案をし、論議をしてもらいたいという態度がにじみ出なければおかしいじゃないですか。一つもないでしょう、これ。どう答えられますか。
#18
○参考人(島桂次君) 消費税問題につきましては、受信料がこれに該当するかどうかにつきまして、いろいろ決定に当たりまして我々は我々の意見がございましたけれども、最終的に法律として施行されている以上、こういう前提で予算を組まざるを得なかったということでございます。
 このことにつきましては、私どもこれから大変受信料を徴収して歩くときに相当な困難があるということを十分覚悟し、我々が今回の措置をとらざるを得なかった理由をそれぞれの受信者に一人一人克明に丁寧に説明しながら受信料を徴収せざるを得ないというふうに考えております。
#19
○及川一夫君 じゃどう説明するんですか、どう丁寧に説明されるんですか。その内容を言ってください。
#20
○参考人(島桂次君) NHKの財政は、ただいま会長から申し上げましたとおり赤字予算でございます。本来ならば、平成元年度予算の中で地上波の料金も値上げしたがったわけでございますけれども、これも国民全体の声を勘案しまして値上げを見送りしております。そういう厳しい公共放送としての財政状態をよく具体的に説明いたしまして、これ以上消費税の負担を我々が実質的にかぶるということは大変な事態になる。この辺につきまして、もちろん消費税の是非につきましては皆様方国会でいろいろ御論議のあることは私ども十分わかっておりますけれども、そういう立場でぜひこの公共放送を守るためにひとつ御協力願いたいという観点から御説明したい、こう考えております。
#21
○及川一夫君 納得できませんね。そんなこと言うたって、私の言おうとしていることに対して正確に答えているとは思いませんよ。
 改めてお聞きしますが、受信料の性格は一体何なんですか。これを答えてください。
#22
○参考人(島桂次君) 受信料は、公共放送を国民の皆さんから維持してもらうための必要な金であるというふうに私ども考えております。
#23
○及川一夫君 今のことに対してさらにありますが、ここでちょっと大蔵省に聞きたい。
 大蔵省は一体受信料というのをどういうふうにお考えになっていますか。
#24
○説明員(薄井信明君) NHKの受信料につきましての御質問でございます。
 私ども、その実体について考えますと、これは公共的放送を受信できる状態にあるものの便益に着目した料金であろうと思っております。消費税におきましては、同受信料を対価に類するものとして課税対象に規定しておるところでございまして、課税の対象になるということでございます。
#25
○及川一夫君 どこに対価と書いてありますか。今までの逓信委員会の論議、それから法律、それから各種の答申書、どこに対価と書いてありますか。
#26
○説明員(薄井信明君) 私が今申し上げましたのは、NHKの受信料の実体的性格を考えますとと申し上げたところでございます。
#27
○及川一夫君 大蔵省はそんな権限がありますか。
#28
○説明員(薄井信明君) 税制は、国民の生活あるいは経済活動、そういったものにすべてかかわってくるものでございます。そういたしますと、消費税の性格上、消費税法第二条にその課税の対象が書いてございますが、これの対象になるかどうかということにおきましては、私ども受信料につきましても考えなければならない立場にあると思っております。
#29
○及川一夫君 それは大蔵省の都合だけで考えているんじゃないですか。税を取るというだけの立場で考えているんじゃないですか。そうじゃなしに、受信料の性格ですよ。大変な論議があるんですよ。労働の対価なのか、サービスの対価なのか、そうじゃない、対価でないということだけは概ねはっきりしているんです、意識としてですよ。それが正しいかどうかはこれからも論議をしていかなければならぬ問題。
 そして、第三者による答申書、第三者で集まっていろんな論議をして、受信料というものをどういうふうに一体定義づけるんだという議論が、三十九年の九月八日に答申が出されていますし、それから五十七年の一月に長期ビジョン審議会でも出しているわけですよ。そういう中では、あなたがおっしゃるように対価なんという意見もあるけれども、そうじゃない、これは基本的にはNHKの業務運営を支えるための視聴者による費用の分担と考えるのが素直な性格づけだというふうにこれはなっているんですよ。分担なんですよ。対価じゃないんですよ。対価じゃなかったら消費になりますか。
#30
○説明員(薄井信明君) 今先生御指摘のように、放送法上の、制度上の趣旨にかんがみまして、政府がこれまで一種の負担金であるという解釈をしてきたことについては、私ども十分承知しております。
 ただ、私ども消費税という新しい税金を発足させるにつきまして、その解釈として私どもも考えなければいけない面がありまして、今御指摘のように、この負担金の意味合いについてはいろいろ御論議があろうかと思います。ただ、私ども税制の立場から見ますと、これは、先ほど申し上げましたように、対価に類するものと考えることが適当であるというふうに考えたところでございまして、これまでの御解釈、私どもの政府のとってきた解釈とここが違うということではない、税法上の立場からこれは議論しているということを御理解いただきたいと思います。
#31
○及川一夫君 極めて越権だと思いますよ。長い時間かけて受信料のあり方、しかも受信料は、実際にNHKを見ておっても見ていないといって納めない人もいる中で、NHKが苦労して一生懸命集めているのじゃないですか。あなたのような解釈をしたら一体それを法律事項にすることがいいか悪いかという問題だって出てくるのじゃないですか、これは。しかも、私どもから言えば、この受信料というのは実質的に法律事項だと思っていますよ。予算の基礎となった月決め幾らというのが受信料ということになっておるわけですから。予算自体が経営委員会で決められて、国会の承認を求めているということになれば、完璧な法律事項だとは言わないけれども、最も法律事項に近い性格のものですよ。それを解釈論で勝手に性格を変えてしまうなんということは許されますか、そんなことが。
#32
○説明員(薄井信明君) 解釈論と申し上げたとすれば言葉が足りなかったと思いますが、私ども、税制は国民生活あるいは国民の経済活動のあらゆる面にかかわってくるものでございますから、一つ一つ判断をしていかなければなりません。その際に、これは租税法定主義でございますから、法律の世界からこれをまず考える必要があろうということで、法律上「資産の譲渡等」という対象の中に入るかどうか、これを御議論いただきたいと思います。
 私ども、「役務の提供」あるいはその「資産の譲渡等」、この中に入るというふうに考えておりまして、法律では「代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。」と書いてございまして、このNHKの受信料につきましてはこれに類するものとして規定されているところでございます。
#33
○及川一夫君 役務じゃないんですよ。役務とは少なくとも言っていないんですよ、この逓信委員会では。法律もそうなっていない。各種答申でもそうしていない。それを何であなたが勝手にそんなことを言うんですか。役務じゃないところに大きな一つのポイントがあって、負担、分担という言葉が使われているわけでしょう。
 そこで僕は、郵政省にお伺いしたいんだが、一体あれでいいんですか、同じ政府部内の解釈として。いいということになればこれまでの郵政省の答弁は全部インチキということになりますからね。
#34
○政府委員(成川富彦君) 先ほど来お話が出ておりますように、NHKの受信料は、NHKを維持、運営するための特殊な負担金としての性格を有するわけでございます。したがいまして、消費税の課税対象とするかどうかにつきましては、いろいろと議論がありましたけれども、政府部内で調整を行いまして、最終的に今大蔵省の方から御説明がございましたように、消費税の対象とする方向で消費税法案に入りまして決定されて国会に提出され、本年四月一日から施行されることとなったわけでございます。
 その消費税の対象になったという理由でございますが、今回の消費税というものは、広く家計の消費に負担を求める税制でございますし、それから消費税法令におきましては、先ほど来大蔵省の方から御説明ございましたように、NHK受信料を資産の譲渡等の対価に類するものとして、対価そのものではなくて、対価に類するものとして課税対象に加えておるわけでございまして、受信料の性格そのもの自体には何ら変更があるわけではございません。
 そういう観点から問題はないと認識しておるものでございます。
#35
○及川一夫君 極めてあいまいじゃないですか。対価に類するもの、類するとは何ですか。こんなあいまいな言葉はない。いや、金を取られないならまだ黙ってますよ。金を取られるんでしょう、現実に。それを単にあなた方の、類するものだけで、この委員会で論議をした上でそう決まったのならまだしも、全く論議なしに、類するもので税の対象にしたということは定義自体を変えることになるわけですから、とても納得できません。
 ところで、経営委員会での論議はどうだったのですか。
#36
○参考人(島桂次君) 経営委員方におきましても、この問題は何回か議論されました。私どもとしては、やはりこれは当然消費税の対象にならないという考え方で臨んでいたわけでございますけれども、いろいろの経緯があったということは、ただいま政府委員から御説明があったとおりだと思います。
 最終的に法律ということになりますと、私どもは先ほど申し上げましたように、NHKの現在抱えている財政状況からしまして、これをNHKが負担するということは、これは公共放送をこれから維持するために相当の障害になるということで、やむを得ずこういう措置をとったというふうに御認識願いたいと思います。
#37
○及川一夫君 それは経営委員会の認識としてあなた方も含めて一致していることですか。
#38
○参考人(島桂次君) 我々の考え方としては、NHKとしてはそういう考え方をとっております。
#39
○及川一夫君 経営委員会の論議はどうだったんですか。会長とかみんな参加しているんでしょう。
#40
○参考人(島桂次君) 経営委員会の論議もほとんど全員がそういう方向の意見だったように記憶しております。
#41
○及川一夫君 ということなんですよね。郵政大臣、どうなんでしょうか、これは。現場を持っているのはNHKですよ。事業運営や何かに責任を持っているのは私は経営委員会だと思う。そういう現場や経営委員会の人たちが、これは問題があるではないか、そうではない、これだとこう言っているのに、何ですか、類するものとか、解釈論としてどっち向いたとかね。それでもって全体の意思を踏みにじるということは、国民のコンセンサス自体を踏みにじっていることでしょう。善処されなきやおかしいじゃないですか。郵政大臣、いかがですか。
#42
○国務大臣(片岡清一君) 受信料の本質につきましては、先ほどから御議論のあり、また及川委員がはっきりとおっしゃっておられるとおり、これはやはり公共放送であるNHKを支えていく負担金に当たるということは間違いないことであろうと私も存じますが、ただしかし、消費税というのはこれは新しい税として、どこまで原則的には国民に対して、今後のいろいろな国費の増高の状態からいいまして、これは国民全体が薄く広く負担をしていく、こういう新しい税金をつくろうと、こういうことの上でいろいろ検討が行われた次第でございます。
 私はどうも税調の幹部ではございませんでしたので、細かい意見については十分よく存じておりませんが、それらの問題も十分勘案をしながら、やはり例えば、福祉に対する免税とかあるいは学用品に対する免税とかいろいろなことが、前の売上税の問題で国民からいろいろ御意見があった点を十分参酌しながら、最小限国民の皆さん方に何とか御了解を得て御賛成をいただける。そういう方向で総合的に決定をせられて、そして先ほどからお話がありましたように、これはいわば電話料とかそういうものと同じようにサービスを受ける一つの対価というふうにも考えられるから、そういう結論になったかどうか、私はそういう言葉を使ったかどうか何も私は知らないんですが、私が今御論議を聞いておって、そういうふうにみんなで御了解を得てこの間の法案ができ、そして前国会でその法案が通過した。そして成立しておると、こういう事態でございますので、その事態のもとで予算が組まれた。こういうことを御理解賜りたいと存ずる次第でございます。
#43
○及川一夫君 どうもにこにこ答弁にだまされそうですけれども、私は別に消費税の御講義をお聞きしているわけではない。あなたは大蔵大臣じゃないじゃないですか。郵政大臣ですよ。
 それなら受信料の性格についてということで、現場は性格論からいっても、それからNHKの現状からいっても、消費税の対象にされたのでは困りますということを意思表示しているわけですよ。それを郵政省は類するとか、大蔵省のごときは、それは税を取る立場だから浅く広く議論を延ばしていますよ。とにかく一つでも税金を課せないものが出てくると、次から次に出てくるから、目をつぶってでもかけちまえという、そうしか聞こえない論なんですよ。余りにもひど過ぎますよ。
 だから、郵政大臣として法の建前というのはあるんでしょう。受信料というのはサービスじゃありませんと。サービスに対する対価じゃありませんと。NHKというものは公共放送なんだから、国民のものなんだから、かかっただけ分担してもらいましょうと、分担金なんですよ。消費じゃないんですよ。それがわかっていて、なぜ郵政大臣として消費税の必要論などぶつんですか。関係ないですよ、そんなものは。私は何ぼにこにこ答弁されてもこれはだめですね、私から言わせれば。もう一度お願いしますよ。
#44
○国務大臣(片岡清一君) 私の考え方に御賛成いただけぬということはまことに残念ですが、私はやはり新しい消費税というものは、そういう考え方のもとに先般の国会でも論議をいただいた結果決定をせられたと、こういうふうに思っておるわけでございまして、私はそういうふうに確信をいたしておるわけでございます。
#45
○及川一夫君 論議していないんです。論議しないのは勝手だと言われればそれまでですが、論議していません。ですから、これは絶対に私は譲ることができない。
 こういう前提を置いて、なお私は大蔵なり郵政の考え方を聞きたいんでありますけれども、さっきの話は横に置いて、今度は税を取る立場に立ったときに、何で内税にしなければならないんですか。その理由を聞きたい。何で税金を明示できないんですか。丸めて幾らというのはどういうわけですか。これは大蔵省に聞きたい。
#46
○説明員(薄井信明君) 消費税につきまして、その表示の仕方については、今御指摘のように内税とかあるいは外税という言葉が使われております。法律上の言葉ではございませんが、事実上ヨーロッパ等々でもそういう表現で言われているようでございます。
 今の御指摘の内税という意味は、商品なりサービスなり権利なりそういったものが売られるときの定価、これが税込みで表示されているということが内税だと承知しておりますが、私どもできる限りこれは税金分が外に出て外税の形で表示されるということが望ましいとは思っておりますけれども、ただし、業種業態によりましてはこれはなかなかそういう表示がしにくい問題があろうかと思います。例えば切手等につきましては四十円のものが四十一円になりますが、これは四十一円で内税ということがむしろ国民生活にとっては常識的な対応だと思っております。そのように物によっては外税、内税両方あろうかと思いますが、できれば外税が望ましいという、そういう立場でございます。
#47
○及川一夫君 それならこの「収支予算と事業計画の概要」の九ページですね、ここの受信料収入というところに、「消費税を含む」と書いてある。これを各項目ごとに税額を言ってくださいよ、そう言いたくなる。もちろん計算の仕方は知っていますよ。百三分の三にすればいいんだから、確かに税額は出てきますよ。だけれども、それを一々計算しなきゃいかぬのですか、これは。受信料を払っている人が一々計算をして、おれは税金を幾ら払ったと考えなければいかぬのですか。成川さんひとつ答えてくださいよ。
#48
○政府委員(成川富彦君) NHKの受信料でございますが、今もお話しございましたように内税ということでなっているわけでございます。NHKの受信料につきましては、金額が毎月同額で消費税額が利用者に明確でわかりやすいものであるということもございます。そういうことから事務負担の少ない方式を採用したものというふうに私どもは承知しております。
#49
○及川一夫君 そんなつまらない答弁を求めているんじゃないんですよ。最初から税額がわかるようにしておいたらいいじゃないですかと言っているだけですよ。そんなら何でNTTは税額がわかるようになっているんですか。同じぐらいの比重があるでしょう。何ぼ民間だと言ったって、NTTはNHKと同じぐらいの比重があるはずだ、公共という意味で、そこの料金の請求は電話料金と電報料金とその他工事代、これは全部はっきりする、それに三形掛けたものがはっきりする、これで合計額幾らですと、こう書いてある。要するに外税ですよ。なぜNHKは丸めて内税にしなきゃいかぬのですか。税金を調べようと思ったらなぜ一々計算しなきゃいかぬのですか。何が事務の簡素化ですか。税金を取るのに事務の簡素化もへったくれもありますか。取られる立場になってごらんなさいよ。わかるようにしたらどうですかということを言っている。
 同時に郵政大臣にもお聞きいただきたいんだけれども、これだけじゃないんですよ。郵便切手は何ですか、あれは。はがきはどうなるんですか。六十二円だそうですな。昨年までは法定料金ですよ。法律を改正しなきゃだめだったのを省令でいいということにした。そうしたら直ちに六十二円と改定しました。はがきは四十一円になります。あれははがき料金ですか。それとも封書料金ですか。封書料金、はがき料金と言うなら、省令でやる六十円と四十円はどうなるんですか。料金が二つあるんですか、はがきとか封書に例えれば。僕はそんなばかな話はないじゃないか、税金を明示したらどうですかと。六十円プラス二ですよ。四十円プラス一ですよ。
 これは諸外国にも例がありまして、もちろん切手とか封書なんというのが税金の対象になっているのは、世界的に見てもニュージーランド、二番目に我が国ですよ。それもだんごでしょう、これ。なぜ別々に印刷できないんですか。公共機関ですよ。法律で決められたことをやるんでしょう。守るんでしょう。守るんならわかるように守ってくださいよという要求が出てきても不思議ではありませんね。どうですか、この辺は。
#50
○政府委員(田代功君) 消費税相当額をわかるように明示するか、あるいは消費税込みの料金にするかという選択はあろうかと思いますが、郵便について申し上げますと、例えばデパートやスーパーで品物を買ってまとめて幾ら、それに三形幾らというような形での取引というのはほとんどございませんで、お客様が自分で料金相当額を手紙に張ってポストに入れてもらうという非常に簡便で大量に扱う種類のものでございますので、しかも料金が四十円とか六十円とかいった大変少額なものが多うございますので、これに一々いわゆる外税方式で計算いたしますと細かい端数が、一円未満の端数もついてまいります。そういうこともございまして、郵便事業全体として消費税相当分を値上げさしていただくことにいたしまして、個々の料金については消費税込みの料金に改めさしていただいた次第でございます。
#51
○及川一夫君 もう全部あなた方は取られる側じゃなくて取る方の論理ばっかりですよ。それが税全体に対する不信、それから今回の消費税をめぐる問題に対する政治不信が起きてきているんですよ。これではわからないんです。
 この点は、時間の関係もありますから、郵政大臣にぜひ考慮していただきたいのは、何もこれは法律を変える話じゃないんですからね。封書で言えば、六十円プラス二円として切手をつくればいいだけですよ、印刷のときに。極めてわかりやすいことじゃないですか。
 それから、NHKが受信料を請求する場合には、さらには振りかえなんかで銀行にほうり込まれているときには、いただきましたという通知の中には受信料本来のものと税は幾らですということを明示するように私はしていただきたい、このことを強く要請しなければならない。もちろん私は、消費税の導入についてはこんな形ではいくはずがないというふうに思っていますからね。それはそれとして、仮に実施するようになったらそういうような手続にしなければ、やはり取る側の論理だけで取られる側のことは全然考えていないということになって、それがまたNHK全体の不信につながっていくということになりかねない。そう思うだけにぜひ池田会長も経営委員会の方にも報告されて、郵政省の指導もその辺に重きを置かれてやっていただくことを強く望んでこの問題はとりあえず打ち切りたいというふうに思います。
 次に申し上げたいのは、実はNHKの予算全体の問題でございます。
 この辺になりますと、執行部はつらいわけですよね、赤字とさっき言ったんだから。しかも、赤字というのは昨年は百二十四億でしょう。ことしは実質四百億だと僕は思っておる。そのぐらいの赤字を抱え新しい事業をいっぱいやらにゃいかぬ。窮屈で窮屈てしようがないでしょう。それでもなおかつ経営委員会はこれでやれと言ったんだから、経営委員会のメンバーの人の見解を聞きたいんだよ、信頼をしたいから。ところが出ておいでにならぬ。議論になりますかいな、これ。
 私はそういう意味で、経営委員の人がおらぬから僕は余り言えないのかなと思ったりしますけれどもね。いないところでやるとろくなことはないから言えないんだけれども、どっちにしてもNHKの側も議論にたえられるような体制というものを常に考えておくということ、注文が出たことに対してそれを消化できる体制をつくり上げておくということ、これは経営にとっては非常に大事なことじゃないでしょうかね。そういう前提を置きますけれども、いずれにしても実質赤字は四百億。
 ところで、一体固定資産とか、流動負債あるいは有価証券などなど含めて見ましても、僕は勝手に計算しているんだから当たっていないところもあるかもしれませんけれども、どっちにしても一千億から一千五十億ぐらいの余裕だと。しかし、売れるものと売れないものがあるわけでね。まさかあなた、代々木のNHKの本体を売り払うわけにいかないですから。そういうものを含めての資産関係を洗っても確かに黒にはなっている。
 それから、資本も昨年から見れば約五十八億ほどふえている。そういう実態も見られるけれども、私から言えば大変な状態じゃないか。もし今年と同じように赤の穴埋めのために売れるところがあるとすれば桶川の六千五百坪の土地だけというふうに見られるわけですよね。しかも一般経常費の方の改善というものはされていない、こういう状況にあるわけですから、一体この赤字体制というものをどう克服されるのか、この展望を示してもらいたいんですよ。どうお考えなのか、どう克服するのか、あったら示していただきたいと思います。
#52
○参考人(島桂次君) 先生御指摘のとおり、我々の財政状態というのは平成元年度予算を通じて見ましてもかなり深刻な事態になっております。不動産の売却その他につきましても、私どもの持っているそういう種類のものはほとんど数少なく、そういうものに依存するということはほとんど不可能に近いわけでございます。
 したがって、これから一体どうするんだというお話でございますけれども、当然私どもはこれから先できるだけ、もちろん経営の効率化、もろもろの点について節減を指示することをいろいろ考えますけれども、長期的に見れば、これはこのままの状態ではなかなかやっていけないんではないかということで、私どもこの平成元年度の予算を国会で御承認いただければ直ちにこれから五年あるいは七年間、情報化社会あるいはニューメディア時代と言われる中で、新しい意味での公共放送を再構築するためにどういう方法があるかということを具体的にこれからつくって、秋ごろまでにはそれをまとめたい。
 しかし、いずれにしても現時点で私が考えていることは、やはりこのままの形では、つまり現行料金をそのまま続けていたんではなかなか難しいなという実感は持っておりますけれども、いずれにしましても、その時期までにはこれから先の我々の進むべき道をきちっと明示したいというふうに考えております。
#53
○及川一夫君 質問をされればそういうお答えが返ってくる。提案をするときには、それとは全く逆ですよね。立派じゃないですか、これ。「現行受信料をさらに据え置き、視聴者の要望にこたえて、放送の全国普及とすぐれた放送の実施に努め、公共放送としての役割を果たしてまいる所存であります。」、別に長期展望は必要としない、この提案は。聞かれれば出てくる、こんなばかな話ありますか。私から言えば、言葉は悪いけれども、人をなめてるじゃないかということになるわ
けですよ。
 昨年、前会長の川原さんは、決意を述べながら、何とか赤にならないようにしたい、百二十億何とか切りたい、こういうことを強調しながら、ただしということを一言つけ加えているんですよ。「恐らくこの努力も、六十三年度がいっぱいいっぱいの努力であって、六十四年度にはやはり財政的には何らかの措置をお願いせざるを得ない」、こうはっきり、これは速記録に残っておるんですよ。だから、そういう提案、問題が出てくるのかな、我々はどう処すべきなのか、単に切り詰めだけでは多額の赤字を抱えたらできっこない、ある意味では応分の負担を国民に求めなければいけないのじゃないかというようなことを当時細々ですけれども思ったんですよ。
 今回は絶対大丈夫だと書いてあるんだ。あっちへ行ったりこっちへ行ったり、いいですよ、それは会長がかわったんなら会長の新方針というのはあるんでしょうから。しかし、経営委員会というのはどうも川原さんのときとあんまり変わっていない。それこそどこに基本を置いてNHKの経営を考えようとしているのか皆目見当がつかない。このような中で料金の値上げなんて言われても真っ平御免だ、こうにも実はなりかねないんですよね。だから、私はもう後に引けない一つのNHKの状況が来ているというふうに考えるんです。
 細かい質問で恐れ入るけれども、オリンピックの経費六十七億円、それから大喪の礼の放送、天皇の崩御にかかわる放送経費二十一億五千万、これらとの関係でまだ決算は出ていないんですけれども、百二十四億赤字になると言われた六十三年度予算、この百二十四億はふえるんですか、減るんですか、どうでしょうか。
#54
○参考人(島桂次君) オリンピック、大喪の礼の問題の前に、ちょっと一言先生にお答えしておくのは、この平成元年度予算につきましては先ほど会長が申し上げましたとおり、この方針でいくわけですけれども、私が先ほど申し上げたのは、それから先どうするんだということで、私はこの平成元年度のこの予算の執行の間に、平成二年以降のこれからNHKの歩むべき姿をいろいろ考えたときにはこういうことが想定されますということを申し上げているので、私はきょう会長から説明した平成元年度のこの問題と決して相矛盾するものではないというふうに考えているわけでございます。
 なお、オリンピック並びに大喪の礼がどういう決算措置をとられるかにつきましては関係の方からお答えいたします。
#55
○参考人(高橋雄亮君) 先生御指摘のとおり、オリンピック並びに大喪の礼ではNHKは公共放送としての使命を達成すべく、特にオリンピックについては既に六十三年度予算に計上された額の中で努力いたしました。
 御指摘の六十三年度の決算はまだ最終的に締めておりませんけれども、この赤字についてはできる限り経費の節約をして幅を狭めてまいりたい、そういう考えで今最終的な調整をしている段階でございます。
#56
○及川一夫君 ということは、百二十四億が百十五億になるとか百億になるとか、そういう努力をしているところだと、こういうわけですから、縮まるというふうに理解してよろしいですな。
#57
○参考人(高橋雄亮君) 六十三年度予算の御審議のときに、一般勘定といたしましては百二十四億円の赤字でございますが、それに債務の借り入れ充当ということでさらに百三億の民間借り入れがございますので、トータルとしては二百二十七億円の赤字であるということを御説明申し上げたと思います。
 六十二年度の決算で百八十三億円の余剰金が出ておりましたので、これで埋めますと実質的には六十三年度単年度で見ますと四十四億円の赤字になるのかと思っております。これをさらに縮小すべく努力しておるということを今申し上げたわけであります。
#58
○及川一夫君 そう説明されるとなおのこと平成元年度予算の赤字部分というのは大変だなと、こういうふうに理解をするわけですよね。つまり百二十四億どころではない、あるいは二百五十億どころじゃない、実質的にはもっとあるんだというふうに聞こえてくるんですけれども、そこで経営委員会の論議として料金の値上げ問題というのは論じられたんですか、どうなんですか。
#59
○参考人(島桂次君) これはことしだけではなくて、私も川原前会長時代から役員をやっておりますけれども、この二、三年NHKの財政論議をやるときには必ずといっていいぐらい、そろそろ料金改定をお願いしたいということがずっと続いてまいりましたし、ことし、つまり去年の秋ごろからも本格的にやはり受信料の負担をふやしていただかなきゃいかぬのじゃないかという方向で進んできたことは事実でございます。
#60
○及川一夫君 マスコミの報道というのはどこまで信用するかということがあると思いますが、ただ、私もNHKの皆さんとおつき合いがありますから、それとなくいろんなことを聞くんですけれども、どちらにしても一体あなた方経営陣の方は、今回の予算の編成に当たって地上放送の値上げという問題を考えたんですか、考えなかったんですか。それとも経営委員会には少なくとも提案しているんですか、提案していないんですか。さらには郵政省にはどういう態度をとられたんですか。
#61
○参考人(島桂次君) 我々執行部といたしましては、経営委員会には料金改定につきましては当然申し上げましたし、経営委員会もぜひそれでやれということで内々郵政省の方にもそれを申し上げていた事実がございます。
#62
○及川一夫君 それが結果としてつぶれた格好になっているわけですよね。そこでマスコミが登場してくるんですけれども、郵政省と政府・与党の皆さんの会合の中でつぶされたという話が出てくるわけですよ。少なくとも私は政府・与党とかあるいは郵政省にそういう値上げということを意識してやるからには、経営委員会もその意思であったというふうに理解をしているわけですよ。むしろあなた方執行部の方は少し値上げをしないことも含めて案としては持っているという点ではゆらゆらしておったんですが、逆に経営委員会の方はやるべきだということでハッパをかけたような話も聞いている。それが政府・与党と郵政省との話し合いでつぶれたということは、一体経営委員会って何ですかというところにいっちゃうわけですよ。
 これは、経営委員会というのが重視をされ、また経営の軸であればあるほど働く労働者にとっても大変な影響があるんですよ。石は投げたと、やったらつぶされたと。そして結果的にはそのしわ寄せが、いや合理化であるとか、いやそれこそ賃金の引き上げを抑えられるとか、あるいは番組編成費を削られるとか、一体労働として見ても、あるいはまた公共放送を本当の意味にしていこうという面でも意欲がわいてこない。そういう認識というものを経営委員会自体が持っておられるのかどうか。池田会長以下、執行部が持たなきゃおかしいんであって、持っているとこう言いたいが、経営委員会自体が、それこそそういう事態には前面に出て、郵政省と政府・与党に当たるぐらいの私は立場にあるんじゃないだろうか。
 私は料金値上げをやれやれと言っているんじゃないんですよ。言っているんではないんですが、しかし、経営委員会が経営委員会としての責任の持ち方として、それほとお考えになったのなら、やはり実現のために執行部だけに任せるんじゃなしに、経営委員会自体が責任を負うという立場をとっていただかねば、何のための法律に保障された経営委員会かということになるじゃないですか。そんなインチキ経営委員会だったら、全部ここでやったらいいんですよ。そうしないために承認案件と、先ほども言ったようになっているんじゃないですか。
 経営の自主性というか弾力性というか主体性というか、そういうものを少しでも保障してあげなければいけない。またそうしなければ公共放送としての立場が守れない。だから、会長自身の選出
についても政府とか国会がやるんじゃなしに、経営委員会がやるんじゃないですか。ただし、経営委員会だけは政府が提案をして国会で承認をすると、こういうぐあいに実はなっているわけでして、それが一体今日の段階で生かされているのかいないのかということを考えると、ちっとも生かされていない。郵政省、いかがですか、これは。大臣いかがですか。
#63
○政府委員(成川富彦君) 先生から今NHKの経営委員会のあり方につきましてお話がございましたけれども、先生もお話ございましたように、経営委員会というのは、NHKの経営方針、その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する重要な機関であるわけでございます。経営委員の任命につきましても、先ほど先生からもお話ございましたように、両院の同意を得て任命されるというようなことで、大変重要な機関であることは間違いないわけでございます。
 NHKの運営につきましてはいろいろと課題がございます。ニューメディア時代における公共放送のあり方等々、考えていかなければならない課題を抱えているわけでございます。したがいまして、経営委員会としてこれらの課題につきまして十分検討をしていただくとともに、国民に支持される経営方針の策定をしていただくように私どもも期待していかなければならないというふうに考えているということでございます。
#64
○及川一夫君 提案が料金値上げをしない提案になっていますからね、地上放送については。それはそれなりに認めますが、そういう財政事情のもとで、値上げ自体も拒否をされたという理由は一体どこにあるのかということも本来聞きたいところですよ。だけれども時間の関係があるからこれはちょっと横に置きますが、いずれにしても経営委員会の人のいないところでわめいていてもしようがないんだけれども、郵政省の指導としても、それからNHKの執行部の皆さんも、やはり厳しく反省してもらって、それで堂々とやはり問題提起をするし、問題を先送りするようなことをしないということをぜひ配慮の中に、これからの運営の中に入れてもらいたいということを強く要請して次の課題に移ります。
 次の課題は衛星放送の問題であります。
 まず、衛星放送を八月一日から有料で開始するということなんですが、宇宙開発事業団の方にお伺いします。2bの安全性の問題について、大丈夫ですか、これをちょっとお伺いします。
#65
○参考人(船川謙司君) 現在、NHK及び通信放送衛星機構で運用されておりますBS2bでございますが、昨年の十一月十九日にテレメトリーエンコーダーに若干のふぐあいが生じまして、大変御心配をおかけしましたけれども、これは衛星の各部の状態を知るためのデータの一部が送られてこなくなったということでございますが、幸い今、欠落しましたデータは、その衛星各部の温度などの状態のものだけでございまして、肝心の衛星の姿勢制御、軌道制御に必要なデータは正常に送られてきておりまして、通信・放送衛星機構の方で現在順調に運用されております。現在のまま推移すれば、運用には差し支えないというふうに関係者は判断しておりまして、今後もそれについて慎重に見守っていくこととしております。
#66
○及川一夫君 この2bのトラブル状況というのが打ち上げたときからずっとあるんですけれども、最近ですか、三百三十七個分の各種データのうち、百三十の送信がとまったと言う。ただし放送には影響はない、こうなるんですがね。
 私は技術者でないからわかりませんけれども、機械というものは、一カ所悪くなると時間を追って、次はここ、次はここというふうに大体故障が起きてくるものですね。そういう観点に立つと、地上でやれないだけに、故障が起こりますと、修理をするというのがなかなかこれはまた難しい問題なんだろうと思うんですよ。そういった点で、大変不安を感じてるんですけれども、そういうことを前提にしながら、実は2Xというものを新しく打ち上げて補完をするという話がついているわけですね。大丈夫だと、こうおつしゃられているんだけれども、NHKは補完をする、こう言ってるんです。これはどういうふうに解釈をすればいいんですか。
#67
○参考人(船川謙司君) 先ほど申し上げましたように、衛星が現在の状態のまま推移すれば、といいますのは、これ以上新しい故障が起きなければということでございますが、今後も運用には支障ないというふうに我々は判断しております。ただし、先生おっしゃいましたように、軌道上にございますやつは、故障が起こりましたときに、どうしても修理しに行くということができませんので、絶対今後故障が起こらないということを保障することはなかなか難しいということもございまして、NHKの方で緊急避難的にそういう方策を講じられたんだろうというふうに我々は考えております。
#68
○及川一夫君 よく技術者の皆さんには、こけんにかかわるという技術屋かたぎみたいなところがありまして、よく思っている人と悪く思っている人と二つ私はあるだろうと思うんだけれども、宇宙開発事業団としては、今回の2Xについては興味をお持ちですか。
#69
○参考人(船川謙司君) 実用に供せられている衛星につきましては、軌道予備といいますが、いつでもすぐバックアップできるような態勢がとられることが望ましいので、そういう意味におきまして、NHKが今回の計画のBS2Xが成功裏に打ち上げられるように事業団としても望んでおります。
#70
○及川一夫君 NHKにお伺いしたいんですけれども、もしこの2Xというあなた方のお好みのものがなかったら、これはどうされたんですか。
#71
○参考人(島桂次君) 今、世界で補完的に使う衛星がなければ、これは万やむを得ず現在の態勢のまま続けざるを得なかったと思っております。
#72
○及川一夫君 意地悪言うわけじゃないんですが、それほどの御決意がおありなら、赤字体制の中でわざわざ、何カ月間ですか、数カ月でしょう、買わぬでもいいんじゃないですか、上げなくてもいいんじゃないですか。
#73
○参考人(島桂次君) 私どもは、一年半ばかり前に、この衛星を使いまして、モアサービスといいますか、独自チャンネルを始めました。その結果、衛星のパラボラアンテナをつけている方は、CATVも含めまして今や百三十万を突破しております。これが、ある日突然見えなくなったということは、我々ブロードキャスターとして、これは大変な迷惑をそういった方々にかける。これを補完するためにやはり最大限の努力をしなきゃいかぬ。これは、やはり財政も苦しく、いろいろな意味で大変でございますけれども、私どもは、やはり放送事業者といたしましてそういう御迷惑をかけないように万全の対策を立てるというのは当然のことではないかという観点から上げたわけでございまして、その辺は御了承願いたいと思います。
#74
○及川一夫君 いや、なかったら仕方がないとこう言っているんだから、そんな力むほどじゃないんじゃないですか。私は赤字だから言っているんです。余裕があれば別に何も言いませんよ。多少むだ遣いだと思っても技術のために目をつぶるみたいな話だってできぬことはないんですよ、新しい問題があるときには。しかし、宇宙開発事業団の方がおっしゃられたように、もしものことがということはやっぱりあるんですな。あなたの方ではこういう問題を提案すると、いや絶対大丈夫だというふうに思うけれども万が一があるから百四十五億打ち上げる、こういうお話になるわけです。片一方は赤字なんだ。そんな無理していいんだろうか。じゃ、これはなかったらどうするんですかと、こう聞いたら、いや、なかったら仕方がない、2bだけでやると、こう言っているんでしょう。じゃ、それでやったらどうですかというふうになるのは、僕は嫌がらせでも何でもないですよ、普通の物の考え方じゃないでしょうか。
 一体この補完機は補完機としてわかるけれども、こんなことをどこで思いついたんですか、百四十五億の安物があるというお話。いつどんな動機でこれは生まれてきたんですか。これをお聞きしたい。
#75
○参考人(島桂次君) 先ほど申し上げましたように、私どもは一年半ばかり前から独自サービスを始めた時点で、これは万全の措置をとらなきゃいかぬ、BS計画も私どもは基本的にはこれは完全なものである、何とかこれでできるんだろうとは思いながら、これは衛星でございますから万一のことも想定しなきゃいかぬ。その時点から私はこの補完作業というものを真剣に考えました。
 具体的には、それで私は全世界のロケットメーカーとかあらゆるところをいろいろ探してまいりました。その結果、昨年の秋ごろGEにこういう機種がある、これを少なくとも上げる可能性があるということになりましたので、その後技術担当の役員にGEに行ってもらいまして、具体的にそれを煮詰め、その方法が大体可能な段階で、ことしになってからですか、改めて政府機関その他の関係者と話し合いに入り、なおかつ相手側の業者と覚書を一応交わすという段階になってきたわけでございます。
#76
○及川一夫君 いろいろ私の方も意見を持っているんですが、まだ詳しくお聞きしたいこともあるので、別途の機会ということになるんでしょうが、したがってその動機の問題とか何かはちょっと横に置きますが、少なくとも2bというものについてNHKとしては自信を持っているけれども、万が一にということで2Xを打ち上げる、こうおつしゃられているわけですな。ということは、万が一というのは何にでも当てはまるんでして、例えばコンピューターは絶対絶対と、こう言っているけれども、ちっとも絶対ではない。この前のフジテレビの二十五分間の停止は何ですか、あれは。私現場へ行って見てきました。お聞きもしてきました。幸いフジテレビの場合には、機械は故障はつきものという、そういう前提でやっていますからね。やっていると言うんです。それでも二十五分間映像がおかしくなって声も出なかったというのはまだまだ私は甘いと思う。しかし心構えとしてはそういう考え方ですから、それに対応するだけのものはつくらなきゃいかぬということでつくっていたが二十五分かかっちゃったということなんで、これをどうするかという議論ですよね。それはそれなりに立派ですよ。だから、そういう意味合いを含めてあなたが補完機が必要だというふうに提案されている以上、これからBS3を上げても補完機は必要ですね。
#77
○参考人(島桂次君) 今度新しく上げることになった衛星につきましてはあくまでBS2の補完ということで一応今やっているところでございまして、それから以降この星をどうするか、BS3をどうするかは、これはもちろんNHKだけではなくて関係機関その他と十分話し合った上でないと決まらぬ問題でございます。
#78
○及川一夫君 だからわからなくなってしまうんですよ。2bの方はちょっと問題があるから万が一に備えて、2bを上げたところでこれから考えましょうなんて、そんなばかな話はないんじゃないですか。そしてまた2Xがオシャカになったりしたらどうなるんだ、これは。これは本当に責任問題になりますよ。
 私は価格の問題でも、いかにキャンセルされた残り物とはいいながら、余りにも安過ぎますな。昔から安物買いの銭失いという言葉がある。それだけに、こういうハードな技術ですから、何か中身を変えなきゃいかぬのでしょう。日本向けの方向に変えるために中身も変えなきゃいかぬのです、あれは。だから私は、百四十五億という値段は安いけれども、果たしてどうなのかなという素人なりの疑問と、売る方にしてみればゼロになるやつを百四十五億ですから、そんないい話はないですよ、確かに。しかもその百四十五億でできると仮定するなら、相手も損がないというのなら、日本の宇宙開発事業団なんかが組んでやっている衛星の打ち上げについてはえらい値段が高いじゃないか。四百億、五百億かかっているんでしょう、国産品は。どういうことになるんだろう。まあ二割引き、三割引きというんならまだわかるような気がするんだけれども、何と三分の一ぐらいでしょう。それで本当にこれが機能するのかどうか、まあ打ち上げてみなければわかりませんけれども。どっちの主張が正しかったのかということで大騒ぎにならないようにこれは強く私は指摘をしておきたいと思います。
 なおこの問題については問題は残っていますけれども、次に移りたいと思います。
 そこで問題は、衛星放送に関する取り組みの姿勢の問題なんですよ。確かに資料をいただきました。これから六年後には八百五十万も衛星放送を見る人が出るという想定のもとに、六年後にはいずれにしても黒字になる。ただし投資をしてきた経過があるわけですから、そのお金を返すことまで含めると六年後でも三十三億の赤字が残る。三十三億ですからそういう意味では大したことはない。まあ一見して立派な事業だということにこれは見れる。果たしてそうなのかどうかね。
 予想される衛星放送視聴者が八百五十万になるのかならないのか。初年度は六十億だが、六年後には七百二十一億の要すれば収支になると、こう言われているんだけれども、本当にそうなんだろうかということで、実は一体どのぐらいの加入者が、予測じゃなしに、実際に契約される方はどのくらいになるのかということを私なりに計算をしてみました。そうしたら、平成元年度は六十億です。ですから、何かNHKの考えで言うと五十六万の加入を四月からという前提で考えているようですが、そんなのは考えるだけの話であって、実際に料金を取るのは八月一日からですからね。したがって、平均的に言えば最低でも八十二万四千加入、これだけ毎月取っていかないと六十億すら要するに収入が上がらないということになる。
 この手法で、二年、三年、四年言いますと、二年後には予測の五六彩を契約数として予定されていますね。それで四年後には七五彩ですか、あと一%ぐらいずつちょっちょっと上がっていくという程度です。つまり二五%ぐらいは契約ができない。言葉は悪いけれども、ただで見られるという予測のもとにこれは立てられているわけですね。果たしてこれで取り組む意欲の問題として立派だと言えるだろうかどうだろうかというふうに思うんですが、決意のほどをお伺いしたい。
#79
○参考人(島桂次君) 衛星の問題について、先ほどの先生の御質問の中でちょっと補足説明さしていただきたいのは、今度の上げる星が中古であるとか、安過ぎるのじゃないだろうかというのは、これは決して我々はキャンセルされた余り物を買ったわけでも何でもない。ほかに売るべく用意していたものを相手側と話し合って、まずNHKの方に譲っていただいたという経緯もございますし、国産の問題は別にしまして、国際価格としては、これは極めて常識的な値段でございます。私はもうちょっと安くしようじゃないかと思ったぐらいの値段でございます。この前の御質問に関しましてちょっと申し上げておきたいと思います。
 それから、衛星の収支計画につきましては、関係役員から御説明申し上げます。
#80
○参考人(小山森也君) まず、衛星放送の普及の見通してございます。
 現在、大体一カ月五万台程度というような増加状況でございますが、かつてソウル・オリンピックの際には月に十一万台から十二万台の増加を示しておりました。二月末現在の実数が百三十七万台になっております。これは、私どもが三月末で百四十万台になるんではないかという予測をしたのを若干上回っている状態でございます。
 なお、今後試験放送から本放送へと移行いたしまして、放送内容の充実も伴うということから、初めはそれほど多くはないと思いますけれども、月平均いたしまして八万台の増加になっていくのではないかというのが私たちの見通しでございます。
 これはなお、外部の研究機関等も動員いたしまして、いろいろな意向調査というものに基づいておりますが、無論部外任せではなしに、NHKの内部に文調研というのがございます。そこでもさらにこの数字を精査した結果、このような予測が出ておりまして、先ほど先生の数字よりも年度が若干変わっておりますけれども、平成五年には約七百十万台ということになるのではないかというふうに見通しております。
 以上でございます。
#81
○及川一夫君 いや、NHKから出た資料を見て言っているわけだから、別に違っても何でもないんですよ。だから問題は、こういう見方があって、そうなってくるかどうかは実際動いてみなきやなかなかわからぬでしょう。しかし、わからぬのだが、せっかく出た予測だから、じゃ、どのぐらいこの数字に近づけるための予算になっているのかと、見通しになっているのかということを収入金額を見て、それに対して月々の衛星の料金一年分、これで割れば大体どのぐらいの契約数かということが出てくるわけでしょう。それがおおむね七五彩、七八%ですか、ぐらいのところでいずれにしてもとまっている。私から言えば、二五%も二〇%も到達しない内容で見通しが組まれているということについて、もともと姿勢の問題として弱いんじゃないか、もっと厳しくてもいいんじゃないかという気がするということを申し上げているわけですよ。
 だから、今ここでいい悪いは申し上げませんけれども、どちらにしても甘い見方はできないと思うんですよね、現実の問題として。放送番組の中身との関係がかかわってきますからね。しかも、階層がばっと割れるというふうに私は見ていますんで、地上放送のように極めて大衆化しているカラーテレビとはちょっと趣を異にすると、こんなふうに思っていますから、その辺はひとつ気を配って頑張ってもらいたいということを申し上げておきます。
 それから、島さんのおっしゃられた点ですが、そこで突っ張られると私も言わなきゃいかぬのです。キャンセルと言われているんだよ、私は、あなたの方から。それで、各種資料を全部集めてもキャンセル物ですよ。何を言っているんですか。だから、どういう動機でこうなったんですかということをお聞きしているんであって、しかし、きょうは議論しませんよ。だから、余り突っ張ると、値段の問題も含めて国産品は一切この際やめてくれ、それならみんな外国製品にしてください、その方がNHKの財政のために役立ちますと、こういうことになるんですから、事実は事実として認め合って最良の方法をとるということを考える。それがこれなのかどうかということなんですから、そういうふうにひとつ受けとめてくださいよ。そういうことで最後の質問に移ります。
 それは一言で言えば、私は労使関係の問題だと思っています。つまり、とにかく財政が厳しいですから、どうしても人件費がかかるようなところ、効率を上げるために合理化施策をやらにゃいかぬ。NHKの労働組合という日放労の皆さんもそのこと自体は十分お知りになっているようですよね。そして、みずからNHKのあり方というものについて検討されている。できれば経営協議会で提起もしたいということで懸命になっているお話を再三聞いているわけですよ。立派じゃないですか。まともに私は受けとめるべきだと思っています。
 そこで、一万五千人体制というのを一年引っ張ってきて早目に実施ということになるわけですけれども、他人の目から見ても仕事はふえるわけですよね。しかし、減り方はともかくとして人は減る。仕事がふえて人が減るんですから労働率が高まってくることだけは間違いない。統廃合も起こるでしょう。ある意味では住居の変更もしなければいけない。こういう問題が出てくるわけです。僕は労使関係というものは人一倍それこそ心してやらなきゃいかぬと思っているんですよ。
 本来、池田会長は労使関係についてどういう基本的なお考えをお持ちなのかということを聞きたいところですよ。民間でやってこられたわけでしょう。NHKも官公労とは言わないですよ。まあ半官半民と言ったらいいのかね、ちょっと公務員とは違う。しかし、現実にはいろんな法律で枠組みがあるわけでして、その限りでは完全な民間とは違うわけで、そういう中の労使関係のあるべき姿というのはどうなのかということについてお考えがあるんであろうと。いい例が、悪いことをしちゃったけれども、NTTの会長さんがおる。なぜあれだけのことができたか。悪い面は徹底的にやってもらわにゃいかぬのですけれども、この面も考えていかないと、思い切ったことというのはなかなかできません。労働組合の信頼がなければ絶対にできない。ましてや、経営者の中にごたごたがあったらなおのことできないと私は思っているわけですよ。
 したがって、労使関係の問題を重視するという、そうして、この統廃合については理解と納得ずくでやろうじゃないか、提案についても重視をして、少しでもとにかく取り上げて一緒になってやろう、こういうことで対応してもらいたいというふうに思うがいかがかということと、これと裏腹の問題ですけれども、やはり統廃合の問題が起きてまいりますと、地域住民との関係が出てまいりますよね。もちろん、統廃合したからといってNHKの放送がとまるわけじゃない。別に不便を与えるわけじゃない。
 しかし、実際にはNHKが歴史的にその地域でどう発展をしてきたかという問題がある。特に、統廃合が東北に集中しているなと思うから、私は東北の出身だから言うわけじゃないんだけれども、いろんなことを言われるわけですよ。NHKというのはやっぱり国家公務員かと、頼むときはああでもないこうでもないと一生懸命頼んでおいて、取り上げるときには、去るときには勝手気ままにさっと行ってしまう。町や市からしてみると、NHKの局があるかないかというのは、言葉は悪いけれども、町の体面を含めていろんな意味でやはり何となく抵抗があるというのがあるわけですわな。こういうものは理屈じゃないんですよ。したがって、理解と納得、これも私はどうしても必要だというふうに思いますね。下手をすると、受信料を納めるのはやめようみたいな、変な行動に発展しかねない、そういう要素もあることを私自身が回りながら感じてきているわけですよ。
 はしなくも日放の皆さんにお聞きしたら、どこからそういうことを先生持ってきたんですかみたいな話だったが、現実に日放の中でもそういったことが論じられているということを知りました。したがって、ぜひともこれは、地域住民のつながりというのはこれからいろんな意味でプラスになっていくわけですから、統廃合するにしても地域住民の意見というものを十分にそんたくをしてもらうということ。
 それから、最後になりますが、人件費の問題で、一・八%増になっていますね。まさか一・八多の賃上げで終わらすというふうには思っていませんが、もちろんこれは労使関係で決めてもらえばいいことですけれども、ただ、それがストレートにそっちに行くんだということになると、予算即人件費みたいになって、賃上げみたいになって、それだったらいろんなことをやらされるのにとんでもない話じゃないか。痛めつけるときは痛めつけておいてそれに見返りが全然ない、そういう労使関係というのは私は成り立たないし、労働意欲もわいてこない、こんなふうに思うものですから、最後になりましたけれども要望して終わりたいと思います。
#82
○大木正吾君 なるべくかいつまんで二、三点だけお伺いしておきますが、要するにさっき島きんが途中でお答えになりました五、六年から七年ぐらいを見ながら秋ごろに新しい方向づけをしたい、こういう話がございましたですね。あれの中身のことについて、私なりにいろんな資料を拝見しながら、想像といいましょうか、大体こういう考え方でおられるのかなと、こういうふうに感じる面があります。
 放送の受信者がどういうふうなニーズでもってこれから変わっていくのかということについてはなかないはっきりはわかりませんけれども、要するにNHKの今後の業務、経営、特に経営関係に絡む、言えば受信料絡みの問題については、やつばり衛星放送中心でいくという考え方が会長なり島さんの頭の中にはあるわけじゃないですか。
#83
○参考人(島桂次君) もちろんニューメディア時代と申しますか情報化社会といいますか、これはメディアの数がこれからどんどんふえていきますし、新しい時代を迎えつつあります。
 私どもは、衛星放送を一昨年から本格的に始めましたが、やはりこれから衛星放送、それに引き続くハイビジョン、こういったものが当面、放送のこれから先のひとつ大きな我々の取り組まなきゃいかぬ問題であろうというふうに考えております。ある意味では、私はNHKの命運を衛星放送とハイビジョンにかけていると言っても言い過ぎじゃないぐらいの決意を持っているわけでございます。
#84
○大木正吾君 割合に簡単に考えられてもこれは困ると思うし、どう推移するか、ちょっと私も想定がなかなかできかねますけれども、平成元年の一月に百三十二万の衛星放送受信者がおられる。この方々は、現在料金は幾ら払っておられますか。一千七十円ですか。そうなりますと、八月から二千円払うわけですな、結局。九百三十円の違いが出てくるわけですが、最近の新聞の値上げのやり方を見ていると私たちも頭にくるんですけれども、三千円超す新聞、私も自宅と事務所とあっちこっちで十二種類ぐらいとっているんですけれどもね。とにかく少し今度整理しようという話をしているわけです。あれから比べたら確かにNHKは安いですよ、二千円に今度上がりましてもね。
 しかし、現在千七十円の方が二千円というやつをぽんと持ってこられたときに、あるいは私が、仮に銀行振り込みやっていたときに、紙ぺら一枚でもってぽんと通知が来ました、二千円になりましたと。こうなったらどうでしょうね、うちの家内は黙って払うだろうかどうか、ちょっとわからない、率直に申し上げましてね。まして払い込みを銀行振り込みでやっていない方々の場合には、なお集金人の方々は大変な苦労をするだろうと思うんです。
 私がもし島さんの立場におればこうしますよ。まず、ことしは千四百七十円でいこう、来年は二千円でいこうと。もうちょっとソフトランディングの形で持っていった方がむしろ六〇%ぐらいは恐らく納めてくれるであろう。あとの四〇%はとりあえず取れぬかもしれない、払わないかもという問題含めてありますが、と想定しているようですけれどもね。その辺の、現在払ってきてしまった、ずうっと二年ぐらい払ってきてしまった方々が、急激に倍近いものを納めることについてのディスカッションになりあるいはシミュレーションなり、そういったことについてはアンケートとかそういった何かこの料金を決めるについては御努力はされたのですか。
#85
○参考人(島桂次君) ただいまの先生の御指摘、私たちも衛星放送の料金につきましてはいろいろの検討もいたしましたし、NHKの調査機関を通じていろいろの調査もいたしました。
 しかし、私の少なくとも結論は、やはり今度我々が本格的に始める衛星放送の中身、これが本当に聴視者の方々に喜んで支払っていただけるだけの内容を出せるかどうかというこの問題がやはり一番大きいんじゃないか。もちろん徴収方法、今先生の御指摘のようないろいろな抵抗感、それもたくさんあると思います。しかし、要は二千円払っても惜しくないという形に何とかこの八月までに、今まで出しているものだけではこれは到底私は難しいと思うんです。それをどう充実させるかというところへ今現在、私は全力を挙げてこれからやっていこうというふうに考えておるわけでございます。
#86
○大木正吾君 島さんの御決意なり努力目標というもの、わからぬわけじゃありませんが、私たちもテレビはニュースなどを中心にして見ますけれども、これはすばらしいからこの画面にしようと、よその家に行って見た場合に、私の家のやつはもうおんぼろですから、五、六年前のやつでもうほとんど画面もちらちらするぐらいですからね。よそへ行ってすばらしいやつを見るんですね。ところがこの二十何インチもあるでかいやつを見て、画面もきれいたし、ああいうのを買いたいなと思うけれども、なかなか買えないんですよね、受信機は。そういったことがございますから、それは確かに島さんがNHKにささげてきた情熱あるいは今までやってきたキャリア、そういった面から見れば確かにこの放送番組の中身を充実させていけば何とかなるだろうという、こういう気持ちはそれはわかるんですよ、あなたのお気持ちとしては。私たち受信者の立場からしますと、まずがちんとくるやつは、千七十円のものが二千円になったり、これがまず問題なんですよ。
 その辺のちょっと立場の違いというものにおいて、私にしてみれば、これは六〇%ぐらいが残ればいいんだと、こういうふうな計算のようですけれども、その数字が守れればいいわけでも何でもないんで、相当これには抵抗があれば問題が起きる心配があるということを指摘しておきたいと思うんですね。
 それで問題は、これが仮に十年たったあるいは七年たった場合に、今は大体三千万世帯ぐらいございますから、そういったものの中でもってほとんど八割が衛星放送に変わっていくんだろうか、あとほんの二、三割が普通の地上のカラーでもっていくんだろうか、あるいは白黒でいくんだろうかと、そういった問題については、何か皆さん方の場合に、今、及川さんとの話でも若干お話がありましたけれども、小山さんもおっしゃったけれども、相当綿密なといいますか、どこの会社でもどこの企業でもこういった大きな改革といいますか、物を方向づけするときには相当綿密なシミュレーションなりあるいはアンケートなり、あるいは直接行って話を聞くとか、何らかの形でもってデータというものはあるべきでしょう。六〇というものが仮に残るんだと、こういうデータを何で出したのか、その辺のデータというものが一体あるかないか、あったらそれ示してみてもらいたいですね。
#87
○参考人(小山森也君) 二つに分けて御返事申し上げたいと思います。
 一つは負担可能な月額に関する調査でございますが、これは二回にわたって行っております。大体月に千円支払ってもよいという計算が東京、金沢、それから福井、それから全国推計ということろで三四・六彩の方が月に千円は支払ってもよいというアンケートの結果が出ております。またその翌年にも行っておりますが、千円まで衛星放送は払ってもよろしいというのが全体として四三・七%でございます。
 このようなことから大体千円を見当としたわけですが、全体の加重平均を求めますと千五百円になっているというのが統計上の問題でございます。統計上の問題でございますから、これがすなわち払う方の気持ちであるかどうかということになるとまた……
#88
○大木正吾君 途中で悪いけれども、それは現在の千七十円プラス千五百円でもいいと、こういうことなんですか、どうなんですか。
#89
○参考人(小山森也君) さようでございます。衛星放送の負担可能料金の月額はというアンケートでございます。
 なお、それではこれから先数年を見通してというのはなかなか困難でございますけれども、現在、私どもが平成元年ではどれくらいの契約を見込んでいるかということでございます。これは大体見通しとしては普及世帯は二百三十万世帯、年度末として見ておりますが、契約は約六〇%にとどまるであろう、こう見ております。
 と申しますのは、御承知のことと存じますけれども、衛星放送の料金をいただきましてからすぐ直ちに、各家庭から契約をいただいて料金をいただくということには実際問題としてならないわけでございます。八月からでございます。したがって、これが全部一〇〇形というのはまずあり得ない話でございますが、それじゃ六〇%ということですが、お支払いいただく側も、それから私どもいただきに参る側もこれは初めての料金ですから
非常になじんでいないと私は思います。その結果、大体最大限の努力をして六〇%になるのではないか。しかしこれは非常に難しい数字だと思いますが、私どもは予算として御提出して御了承を求めておるんですが、石にかじりついてもやらなきゃいけないことだと思っております。
 なお、それにつきましてなるべくそのような契約をしやすい方法は何かないかと思いまして、なるべくその事前、八月よりも事前に現に見ていただいているお客様に事前契約というようなことでお願いし、その場合には何らかのお礼を差し上げるような方法はないかなと今考えている次第でございます。また、団体といたしまして十五名以上の団体がある場合におきましてはこれは月額百五十円割り引きというようなことを考えておる次第でございます。
#90
○大木正吾君 小山さんのそういった説明がありますとか何かわかったような気もしないでもないですが、私は人間の習慣としましてやっぱり家計簿をつけている奥さん方も結構今いらっしゃるわけだし、消費税でもって物価がどうなるかということもちょっと心配でございますし、景気はよろしいですから日銀も困っているでしょうが、公定歩合が日本だけここ二、三年ほとんど上げていないですからね、ドイツもアメリカもどんどん上げてきているわけですから。そういった中でどすんとやっぱり千円近いものが上がっていくということにつきましては、初めから二千円ならいいんです。途中からなるから非常に心配なんですよ。そこのところだけは、これはそんなにすらすらと名答弁でもってあなた答えたけど、そう簡単にはいかぬという感じがしますので、十分にこの辺の問題については御注意を願っておきたいということでありまして、これが失敗しますと結果的には新しい加入者に対しても響きが出てきますからね。
 さっき島さんおっしゃった七年、十年、今後の経営方針、NHKのあるいは放送の関係の中心が結果的には衛星通信、衛星カラー通信になるんだ、こういう問題について、これは私が勝手に想像するんだけど、そうあなたはっきり言っていないんですよ。言っていないけども、こう見ている書類を拝見しますと、大体普通の地上契約というものを衛星に切りかえていくんだな、それでもって相当程度言えば赤字を減らしていくんだな、どうしてもだめなときにどうするんだということでもって飛び出したのが会長発言の一〇%のあれですよ、結局、別の副次収入というかいわば内職はないかという話もあった。これはもうこういうことをとやかく言いませんけど、そういったこともあったわけでしょうけれども、そんな感じがするものですからちょっと心配な面もありますので申し上げておいたわけであります。
 私が聞きたい最大の問題が一つありますのでこれだけ聞かしてもらいたいんですが、実は皆さんが赤字で苦労されていることについて、よくやってくださっておる問題については、私たちも確かにユニークな、世界にも例がないような形の言えば経営の仕方、システムですから尊敬しているわけですが、ただ問題は、最近のNHKの報道全体を私も朝から晩までずっと毎日見ているわけじゃございませんけれども、しかし例えばの話が参議院の消費税の強行採決、これおたくの放送時間の中に入っておったんですよ。そのときにアナウンサーの方もキャスターの方も一言も物を言わないんだ。一体これはどういうことなんですか。
 スターウオーズの問題じゃなくてニュースウォーズの問題を私この前取り上げたとき、前の会長は笑っておったけど、いまだもって久米宏君の問題抜けないじゃないですか。そして言えば放送法の改正以来の流れをずっと見ていますと、やっぱり経営が苦しいということもありましょうが、商業放送化していく面ですね。同時に一面には何か管理体制というか、自民党政府の中にあるNHKなんだ、こういう気持ちでもってそっちにばっかり気をとられていて、消費税に七割も八割も反対しているんだという問題についての配慮がない。
 例えば最近私は一こま一こまでもってやっている朝のニュースの前後にやります消費税のあれを見ましたよ。見たけど、答えているのは、あれは確かに国税局の職員か、あるいは大蔵省の職員ですよ。もしあの周辺に消費税反対の方の意見がどこかの街角にありましたと、一方にまた賛成論者もおりましたと、そういった組み合わせの中でもってそういう方の事務的な答えが出てくるならわかるんだよ。でないと、何だか知らぬけれども、官製NHKになってしまうんです、結果的には。アナウンサーは結果的に何も消費税問題を知らないらしい、話を聞いていると。疑問点を書いてもらったものを読み上げる。答える方は国税庁職員だ。そんなものでもって結局公正な公共放送と言えますか。しかも国民は、リクルート問題もございますけれども、消費税問題にどういう反応を示したかということについては大体感づいているわけでしょう。国民のニーズに従って報道するのは、これはNHKとしての任務じゃないですか。
 そういったときに、私もある人にちょっと注意を申し上げたんですが、言えば一般の町の方の声を聞いてきて、そしてもう少しこういったものを教えてほしいとか、こういったような疑問だとか、もっとバラエティーに富んだ問題でもって、そして国民全体がNHKはいろんな形でもって報道をしているなと、何も結論がなくたっていいんです、こういった問題については。
 そういったふうに考えていきますと、一つ心配なことは、しまったと今思っているんですけれども、実は放送法の一部改正問題について、あれを通してしまったことはまずかったと思っているんですよ。今反省している問題点であるんですよ、えらいことをしてしまったと。あれはむしろなかった方がよかったと。あの当時の説明では、いろんな新しいメディアが出てきたし、これはばらばらしているからまとめていこうというだけの説明だったんですよ。
 まさか報道の流れが、三百名自民党といいながらも、国民の七割から八割近い方々が、日本じゃ機関銃持って暴れないけれども、それは選挙というやつでやっていますからいいですよね、まだこれは。もしこれが二・二六事件のようなときだったらどうなりますか。結局は何のことないですよ。上層幹部が腐敗すれば、下級将校が反乱することもあるかもしれないですよ、本当に今の日本の国民の全体の状況を考えればね。
 だから、そういったことを考えたときに、私たちは放送法の一部改正というから認めてしまったんだけれども、大変な失点を犯してしまった。こういうふうな心配をしているんですが、しかし法律あるいはそういったものは人間がやっぱり運用するものでございますから、幾つか例を挙げたんですけれども、まだほかにもございますけれども、そういったらゃんと公共放送としての公正さを守るように、島さんあなた一番古いキャリアを持った方だし、実際NHKのことは神のごとく頭の中に全部入っているんですから、腹を据えてやってもらいたいんですよ。会長の答えを聞いておきます。
#91
○参考人(池田芳藏君) 私は去年の七月にNHKに参りましたからまだ八カ月目でございまして、島さんのように三十年以上いる人とはテレビ放送に関する知識はまことに貧弱でございますが、一つだけ覚えておることは昭和二十五年にできました放送法の第一条に「目的」というのがございまして、これはもう先生に言うのは釈迦に説法だと思いますが、その中で一番大事なことは僕は暗唱しているんです。
 それは「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」ということになっております。いかなる場合でもそれを頭に入れて、まだまだ私のリーダーシップというものはNHKの中では通じないと思っておりますけれども、勉強だけはしておりますので、その意味におきまして、表現の自由のほかにもう二つばかりございますが、それは最大限に,国民に放送を送れということですね。それから民主主義の発達に貢献しろということが三つの条項の中に書いてありまして、これらにつきましては、今の不偏不党ほどぴんときませんけれども、我々はそれに向かって日々努力をしておるつもりでございます。
 新聞、雑誌などによりますと、何新聞はこう言っている、何新聞はこう言っているというお互いに新聞自体のカラーがあります。我々はそういうことはあり得ないんです、公共放送でございますので。先ほど申し上げた不偏不党一点張りで公正な情報を送っておるわけでございますので、今後ともそういうことをやることによって、今や世界に唯一の公共放送になりつつあろNHKの存在の重要性を認識してやりたいと思いますので、今後ともよろしく御指導をお願いいたしたいと思います。
#92
○大木正吾君 島さんどうですか。
#93
○参考人(島桂次君) ただいま御指摘された問題は、まさに公共放送の一番大切なところを先生は指摘されていると思います。我々も長年、特に戦後我々なりに一生懸命公共放送のあるべき姿を追ってきたわけでございますけれども、最近やはり世の中全般が管理社会と申しますか、そういう面も出てきまして、若干放送の面で残念ながら先生の御指摘のようなことが全くなかったとは言いません。
 しかし、私どもはその都度反省し、まさに今会長が申し上げたような放送法の精神にのっとってこれからやっていかないと、これはもう財政問題がどうの衛星の普及がどうのということを超えた本当の我々の命でございますから、しかと心にとめていきたいと思っております。
#94
○大森昭君 いろいろな問題がたくさんあるんですが、時間がありませんからちょっと私が一番危倶することについて質問したいのであります。というのは、財政基盤が弱いので幾つかの問題が出てくるわけですね。財政基盤がしっかりしていると、いろいろ議論がありましても割合いいんですがね。
 そこで、これは郵政大臣の意見書、毎回これを読ましていただいているんですが、NHKの自律性を保たにゃいかぬから余り郵政大臣がいろんなことを言うのもよくなかろうという気持ちもわかるんですが、そうかといって適当に意見言っとけばいいというわけでもないだろうと思うんです。
 そうすると、郵政大臣が意見を言った場合に、次の年また意見を付すときに、去年言ったやつはどうなっているのかとか、おととし言ったやつはどうなっているとか、全然何も触れていない。結果はどっちでもいいということじゃないんだろうけれども、ということでこれはやっているのか。毎年同じような意見書なんだ、これを見ていますと。
 とりわけ、さっき島きんは、いずれにしても長期的に少し展望して経営計画をやりましょうと言われたから、多分大臣の意見書にこたえて新たな決意を言われたんだろうと思うんだけれども、これはどういうことなんですか。この真意はどこにあるんですか。この郵政大臣の意見書というものについての真意は一体何なんですか。なきやまずいからやっているだけなんですか。それともNHKで判断するだけでは公共放送という立場からすると、やはり郵政省が少し上と言うとまたちょっと協会に怒られちゃうけれども、全体を見て協会に何か言っておいた方がよかろうということなのか、この真意は何ですか。意見を付すというのはどういう意味なんですか。
#95
○政府委員(成川富彦君) 先生御案内のとおり、放送法三十七条で、NHKの予算につきましては郵政大臣の意見を付して内閣を経て国会で御審議いただきまして御承認いただくわけですが、その際の参考にしていただこうというような趣旨で放送法にこのような規定がなされているというふうに理解……
#96
○大森昭君 そういうことはわかっているんです。
#97
○政府委員(成川富彦君) 先生御案内のように、それで毎年いろんな意見を述べさしていただいているわけですが、先生御指摘のようにここ二、三年同じような趣旨の意見を付させていただいております。
 NHKは平成元年度におきましても、御案内のとおり実質二百五十億円という赤字予算を組んでおりまして、厳しい財政事情にあるわけでございますが、その打開策として安易に料金値上げ等々というふうなことで国民に負担を求めることは適当ではないわけでございます。したがいまして、NHKとしてはまずみずから経営努力によりまして合理化、効率化を図っていただきたい。それから、メディアの多様化時代における公共放送のあり方という観点から、長期展望をしていただきまして検討していただきたいということで、今回の意見でもそのようなことを述べさしていただいているわけでございます。これらを踏まえまして、経営計画を策定して現状の打開を図っていただきたいということで、その策定を求めたところでございます。
 私どもは、効率化、合理化というのは、ここ平成元年度の意見だけではなくて、従来から言っているわけでございますけれども、経営の効率化につきましては公共放送であるNHKとしては常に心がけていかなければならない課題というふうに考えておりまして、また意見を付した結果、それなりの効率化の結果といいますか努力の跡も見られるわけでございます。現下の財政事情が大変厳しいということから、一層その点での意を用いていただきたい、一層の努力をしていただきたいということで今回もそのような趣旨の意見を付さしていただいているわけでございます。
 それから、長期展望に立った事業運営につきましても、今回述べているわけでございますが、衛星放送に関しましてはそれなりの展望が示されておりまして、一定の前進が図られたというふうに思っておりますが、なお合理化、効率化といったものをあわせて、地上放送を含む長期展望に立った総合的な経営計画の策定を求めているものでございます。
 NHKとしては、これらの意見につきましていろいろと努力をしておられる跡は認められるわけでございますが、なお真剣に取り組んでいただかなければならない課題ということで、今回もこのようなことを述べさしていただいているような次第でございます。
#98
○大森昭君 私、中身を言っているんじゃないんだよ。どういう理念とどういう目的でこういう意見書を付しているんですかと聞いているんですよ。中身はわかってるんです。とりわけ「協会は、国際放送の重要性にかんがみ、その充実・強化に努めること。」というんだ。国際交流基金というのは、これは協会の方が国際交流基金を出すとか出さないとかってやるの、郵政省がやるのかどっちがやるんですか。例えば今までは国際交流基金から国際放送の援助があったんだよ。ことしからない。これ、郵政省が悪いんじゃないの。国際交流基金がなくなったということは郵政省の責任じゃないの。
#99
○政府委員(成川富彦君) 先生今お話しございましたように、国際放送の充実を図るために国による命令放送の拡大とともに、NHKの自主放送部分につきまして国際交流基金からの助成を受けてきたところでございますが、今年度予算ではそういうことは考えておりませんが、これはNHKが国際交流基金に申請を出しまして了解を得るという形でいただいているものでございます。
 平成元年度においても助成措置の継続を仮にするとすれば千五百万円程度の金額になるわけでございますが、国際交流基金の資金事情から助成の継続は中断されることになってしまいまして、まことに残念な次第でございますが、今後とも財源の多角化といった問題につきましてはいろいろと考えていかなければならないというふうに思っております。関係省庁、NHK等ともあわせて検討していきたいというふうに思っております。
#100
○大森昭君 だから協会に言うのもいいけれども、郵政省自身が、歴代の郵政大臣は何と言ったんですか。国際放送を充実するために最大限国の交付金を獲得することに努めることと言ったじゃないですか。ちっとも努めていないじゃないです
か。こういう国際交流基金だって、協会がこういう基金の団体に折衝していたら郵政省が少しふやしてくれと言うならいいけれども、今まで出ていたやつが減っちゃってなくなっちゃったんでしょう。だから、協会に言うのもいいけれども、郵政省みずからがやらないで、それで協会にばっかり国際放送の重要性にかんがみて強化しろとか何とかと言ったってNHKの持ち出しは大きいんだよ。だからこういうことを協会に対し言うんなら、一体郵政省は何の役割をしたのかと言いたい。
 まあ、そんなことはいいんだよ、そんなことを言ったら切りがないし、いっぱいあるんだから。だからそうじゃなくて、まず郵政省が意見を付すということについて郵政省自身も公共放送を守るためには何をやるべきかという理念がなかったら協会にばかりいろいろなことを言ったって、格好いいかもわからない、郵政大臣がそんなことを言ってるんだから。だけれども、協会の方だって一生懸命努力したって限界があるんだからね。だからまず、こういう意見を付すときには郵政省が協会のために一体何をなすべきかと、公共放送を守るために一体どういう立場で協会を助けてやるかという理念がなかったら、何ですかこれ、毎年毎年同じような文句を並べて。僕は郵政大臣が意見を付すということは単に予算だとか、収支計画持ってきたときに問題点を指摘するだけじゃないんじゃないですかと、それ以上に公共放送守るという立場に郵政省が立たないと何のために、余計な意見なんか言ってもらいたくないと言いたくなつちゃうと思うんだよ、今、答弁は島さん言えないだろうけれども。
 それで僕が一番心配するのは、どこの文句の中にも、会長がさっき言った中にも書いてあるんだが、一層の効率的経営ってみんなこれなんです。効率、効率、効率なんだよ。効率で何が問題かというと公共放送を守る範囲での効率化ならいいですよ。むだなところもあるでしょう、恐らく協会も。ないという企業はないんですよ。だけれども、一般の経営でいくと入るをはかって出るを制するというのが一般原則なんだね。ところが入るをはかって出るを制するというわけにいかないんでしょう、公共放送を守るという立場になると。入るものは例えばさっきの話じゃないけれども、値上げをしたいと思っても値上げができない。衛星放送も値上げ、新しく取るんだから地上はそのままにしておけよという判断だと思うんですよ。
 これは判断と決断の問題だから、いい悪いと言ったってあれだけれども。そうすると、当然財政基盤は弱くなるのは当たり前なんですよ。そうでしょう。そうすると、入るをはかってにならない。何をやるかというと、出るを制する方ばかりやっているわけだ。例えば一万五千人の体制にするときに、今のように衛星放送の料金を取ってやるという計画は、植田さん、あったんですか。
#101
○参考人(植田豊君) 私どもが公共放送として国民の文化、福祉の向上を真に念願して本当の公共放送ならではのサービスを追求するということが私どもの存在理由そのものだと確信しておりますが、一方で先生御指摘のように、効率的な事業運営に努めなきゃならぬということで、御承知のとおり一万五千人計画でやってまいりました。
 今からいいますと、五十五年からこの効率化計画に着手をいたしました。その後、見直しを重ねながら一万五千人計画を昭和六十五年に達成するべくやってまいりました。それを一年加速いたしまして、平成元年度において一万五千人を達成いたしたい、これが経営努力のあかしである、国民の皆さんにぜひ私どもの経営努力を御理解いただきたいと思ってこの努力をいたしておるところでございます。
#102
○大森昭君 だから、郵政省も大臣の意見書には効率化を進めなさいと書いてある。今あなたが言ったように、あかしで公共放送を守っていくんじゃ困るんですよ、あかしだけで。いいですか。今ここに持っていますよ、効率化実施計画で何人、何々と書いてあるでしょう。これを見たって、ふえるところは何も書いていないけれども、衛星をこれから上げて料金を取ってやるんだけれども、全然ふえないんですか、これは。増員要素なし。
#103
○参考人(植田豊君) 私どもの効率化計画は、ことしの予算で三百四十という数字をお出ししてございますが、この純減以上の効率化を実施してございます。この差をもちまして新規業務に充てております。従来とも、衛星放送、ハイビジョン等に重点的にこの増分を割り当てておるところでございます。
#104
○大森昭君 人件費もさっきの及川先生じゃないけれども、一・八%なんだよね。そうすると、定期昇給というのはどうなっているの。NHKの職員の人たちの定期昇給というのは何%になるの。いいですか、例えば郵政職員は、普通の定期昇給は二・一%なんだよ。それを、ことしは戦後最大の好景気だというので、今、春闘やっていますわな、各企業とも。そうすると、郵政省だって定期昇給は当たり前の話だから、これは賃金が上がれば上げるんだよ。それから見るとこれは、郵政省の賃金体系と協会の賃金体系とは違うだろうけれども、郵政省でさえ二・一考の定期昇給の原資があるんだ。一・八多というと、一体これは定期昇給分も入ってなの、これ。
#105
○参考人(植田豊君) まず、定期昇給分につきましては二二多で、同様でございます。
#106
○大森昭君 それじゃ、それを含めると三一九多予算があるわけ。
#107
○参考人(植田豊君) はい。給与の増が一・八%見込んでおりますので、先生おっしゃいますように、三・九%に相当いたしますが、このほかに私どもといたしましては、業務の抜本見直しをさまざまな角度からいたしたい、あるいは関連団体との協業もさらに積極展開をしたい、外部パワーも積極的に使いたい、これらの業務総体の見直しをいろいろ工夫いたしまして取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#108
○大森昭君 あなたは言っておることが非常に独断なんだよ。二・一%の定昇があるなら、二・一%の財源を組むの。二・一%の定期昇給だけではことしは間に合わないだろうと、まあ恐らく賃金もベースアップしていくだろう。それで一・八%組むの。いいですか。それで、今あなたが言ったような効率化だとかいろんな問題でもって人件費が減る部分があれば、減る部分でもって組めばいいの。
 あなたのところは違うじゃないですか。予算編成の仕方を見ると一緒くたで、要員の問題もそう、賃金の問題もそう、全部絡めて賃金は一・八%しか上がりませんよ。要員は三百四十名減ですよ。見てごらんなきい、郵政省だって要員は、今、国家公務員というのは全部、第七次計画で三千名減なんだよ。しかし、減は減で三千名あったとしても、とにかく都市近郊でマンションが建ったり、ビルが建ったりするから、増員分は何名といって、そこで決着がつくんですよ。ところが、実際はことしは郵政省が決められた三千名が、増員分が二千名あるから差し引きで千名減だとか、今まではずっと増だったんだけれども。
 そういうように基本の部分をきちっとやらないと、あなたは三百四十人はみんなやめていくでしょう、年とった人もやめていくだろうという前提に立つ予算を組んでいるわけだ。だけど、これは私どもこんなことを一々国会でできないですよ。対応する機関があるわけでしょう。賃金を上げるには一体どうするのかといったら、労働組合と協議するんでしょう、団体交渉事項でしょう。要員の削減問題だって労使間でもって決めなければならぬ問題でしょう。そういうものが決まってもいないのにこの予算を出されて、だから、私は一口で言うと、効率化とはいろいろなことを言われている中で、どんどん公共放送の質を低下する方向に行ってるんじゃないかと言っているんだ。そこを一番心配するの。ところが、これを読んでも、さっきの会長の読まれたやつでも、すぐれた放送を実施すると書いてあるんですよ。
 だから、私が今一番心配しているのは、個別的な問題もあるけれども、問題は、公共放送というのは一体何かと。値上げができないから賃金も上げない。大体、今あなた、民間放送とNHKの賃金比較なんかをしたことがありますか。今民間放送と比較したら、賃金のとり方はありますよ、いろいろ。しかし、NHK職員の方が低いんだよ。ことしの春闘でも恐らく民間放送は一・八なんて、そんなばかげたことはないですよ。少なくとも、今言われたように大形ぐらいいくだろうと言っているわけだ。だから、そうなってくると僕は、NTTの問題じゃないけれども、真藤さんがどういうわけでああなったかわかりませんが、そりゃNTTだって大変でしょう。もう一般の職員の士気が物すごく低下したという話で、管理者の人がみんな挙げて今NTTの士気高揚に、とにかくオルグに行っていろいろ話しているらしいけれども、この予算書を見たり、それからきつき及川先生が読まれたもの、真実はわかりませんが、何か知らないけれども、トップの人事は何だかもう――いや言っていることですよ、そうかどうかというのは別にして。それで、予算書を見れば、衛星をやるというのに人はどんどん減っているわ、賃金は何だかわからないけれども、一・八%しか上がらないわじゃ、これじゃ事業は人なりとよく言うけれども、意識が上がるわけがないじゃないですか。
 だから、私は少なくともそういうふうに予算上は、例えば定期昇給が二・一、上がるのが一河か二形かわからぬけれども、想定して上がるのは幾ら、仮に上がる分が想定できないとすれば別個に財源がありますと、これは労使間でもってよく話をして、一般的な相場として賃金をお支払いしましよう。人の削減だって、例えば一チャンネルから三チャンネルができたときには千八百人もふえたというんです。これは昔のことだから、当時の情勢を今にすぐ当てはめられないけれども。しかし、少なくとも衛星放送をやるということになったら、これはもう膨大な人手がかかることはだれが見ても明らかでしょう。あかしもヘチマもないんだよ。そんな格好をだれにつけているの。政府に格好をつけているの。政府に格好つけて予算が通ると思っているの。そんな格好なんてものはやめなきいよ。
 公共放送を守るんだったら、しっかりした公共放送を守る理念がなけりゃならない。何か郵政省から言われた、政府・自民党の逓信部会から言われたからといって、一年早めて人を減らした方が格好がいいじゃないかとか、そんなくだらないことでもって公共放送を守れますか。もう少しまじめにやりなさいよ、まじめに。だから、私は、そういう予算になっているときに、単に郵政省がそれを見て、ただ効率的にやれとかなんとかいうんじゃなくて、もう少し職員の給料を上げてやれと。今、週休二日制の土曜閉庁なんだ。時間短縮一つとったって人数がふえることは明らかでしょう。できなきゃできないてしようがない。労使関係で世の中週休二日になって、時間短縮になるけれども、我慢してくれと言って、ああそうですがといって我慢すればいいけれども。郵政省はそれを見たときに、週休二日制になっていくだろうし、時間短縮になっていくだろう、君のところが一年早めて三百四十人も減らして格好つけたって、それはなかなかうまくいかないよ、だから、そんなに一年早めなくたってもう少し様子を見て、仕事がふえているんだからとか、そういう意見書をつけたっていいじゃないですか。違うんですか。そういう意見書をつけると問題になるんですか。格好のいい意見書で、そんなものどこかで読んだなと思ったら、去年もおととしもみんな同じ文句さ、これ。ただ衛星があるから少し違うんだけれどもね。
 こういうことをやっていると、いろいろな問題がさっきから指摘されていますが、公共放送とは一体何か、疑問なんです。それは確かに逓信委員会で今のNHKに対して非常にむだがあるという委員の方の御指摘もありますよ。それは私も否定しません。むだなところもあるでしょう。ないとは言っていないんです。減らすところは減らしゃいいんですよ。しかし、ふえるところもやっぱり見なきゃ。民間放送との比較、これだって逓信委員会始まって何回も言っているんだよ。民間放送に従事している類似産業の人たちと比較してどうなんですかという話、しょっちゅうしている。
 もう少し物事というのは、そういうきれいごとだとか格好つけたんじゃ公共放送なんか守れません。しまいには賃金ももう安くたっていいじゃないか、赤なんだから。人なんかもう五百入減ったって六百入減ったっていいじゃないかということになる。島さんは長期計画を出すというわけだから、今度一万五千体制から一万二千体制になるのか、衛星放送が上がったその仕事の状態から見て。これは郵政省の意見書にも書いてあるけれども、「衛星第二テレビジョンにおいては、難視聴の解消のために必要な放送を確保すること。」、これだってよく見ると、第二放送というのは今は再放送をやっているでしょう。再放送ばっかりやっていたんじゃ衛星の第二チャンネルはうまくないから変革していこうというんでしょう。変革したら人が減るに決まっているじゃないですか、再放送をぼんぼん流しているんじゃないんだから。第一が変わっていく、第二が変わっていくんでしょう。そういうところを見ないでやっていくんだったら、NHKはしまいにはなくなっちゃいますよ、本当の話。
 だから、もう少し財政が厳しくても守るところは守る、そういう立場で、これは赤をつくることを奨励しているわけじゃないけれども、多少赤があったって公共放送を守るためにはやむを得ないという決断がなきやね。株式会社じゃないんだから、いつも黒ではかりいこうなんて考えたってそうはいかないんだよ。そうでしょう。歴史を見てごらんなさい。NHK予算でもっていろんなことをしながら、公共放送をサービスしながらやっていって、三カ年計画をやって、四年延びて五年延びて、非常に立派な予算執行をした場合でも六年目になれば上がるんだよ。なぜかといったら赤が出るから上がるんでしょう。だから、赤をなるだけ少なくしよう少なくしようとやってい。たら公共放送なんか成り立たないんだ。
 時間がないから答弁は要らない。僕が言っているのは、個々の問題はたくさんあるけれども、問題は公共放送を一体いかに守るか。それにはいろんなところから圧力があるでしょう。公共と企業の経営とは一体何か。学者問だってみんな一致しませんよ。そうでしょう。公共放送は、だれかが言っていたよね。公共料金だなんてそんなことばっかり言っているから経営がうまくいかないんだと言う人もいるんだよ、本当の話。そのかわり親方日の丸だからといって、公共放送なんだから予算には関係ないといえばこれは堕落するわけだから、そこで、どこで接点を求めるかというのが公共放送の一番難しいところなんだよ。だけれども、その理念がなくて何か予算編成がされるところに私はもう最大の危機感を持ちます。
 だからどうかひとつ、苦しいときには確かに効率化も必要でしょう、削減することもやむを得ないときもあるけれども、そんなあかしだなんてだめだよ、植田さん、言葉がよくないよ。そんなあなた、義理と人情の世界でもってやっているんじゃないんだからね、公共放送というのは。あかしを立てるなんていったって、そんなもので立っていくかい、もっと減らしたらどうかと言う人だっているんだから。
 そうじゃなくて、もう少し業務の実態とそれから今置かれている従業員の人たちの気持ち、その意欲を盛り上げるような政策を立ててくれなきゃ、それはとてもじゃないけれども、一万五千人の働いている人が何だと、おれはNHKに入っているけれども、何が何だかさっぱりわからぬということになっちゃうから、もう少し理念を持って予算編成にも臨むし、それで、そこに働いている人たちともよく意見の交換をして、本当はもう少し予算編成をする前にやってもらいたいのだが、それで、組合側の言っているのはこうだけれども、経営者はこうせざるを得ないとか、全然やらずにこんなのをぽんと出されたら、とてもじゃないけれども僕らは本当に取り扱いができないですよ。
 それから、さっきも大蔵の役人も何かいろんなことを言っていたけれども、消費税の問題だって何かさっきは外国じゃみんな取っているというけれども、これはフランスしか取っていないんだよ。あとのヨーロッパというのは全部公共放送の受信料なんか取っていないんだよ。だから郵政省が世界の情勢を見ながら、それからさっき及川先生が言ったような受信料というのは分担金なんだから、だから視聴したけれども、時の政府は、いや、そんなことを言ったってとにかくかけるのだって言われちゃったから、島さんじゃないけれども、協会がそれに、何を言うか、ふざけるなと、政府がやろうとおれはやらないなんて、それは鈴木都知事みたいなことは言えないのだから、あなたは。だからしようがないけれども、まずそういう視点で消費税の問題についても対応してきましたと、しかしながら最終的に政府はその意見を了承しないで、消費税が決まっちゃったから仕方がないんですと言えば、じゃ、しようがないなということになるけれども、何か言っていることが初めから仕方がないんですよと、もう政府が決めちゃったんですよというのじゃ、何だか委員会をやっていたって、消費税の質問をしたってばかみたいになっちゃうのだからね。
 消費税をやられるけれども、一体協会だとか郵政省はどういう立場で臨んでいたかということを明らかにしないがゆえにみんな質問しているのだから、政府の答弁みたいなことをしているのだったら、竹下総理大臣にここに出てきてもらってやった方がいいんで、そういうようにけじめをきちっとつけて、とにかく公共放送を守ってもらうことだけをお願いして、答弁いただくとまた僕も言いたくなるだろうから、どうせろくな答弁じゃないんだろうから、ここでやめるけれども、とにかくしっかりやってくださいよ、本当に。終わり。
#109
○委員長(糸久八重子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十五分より再開することとし、休憩いたします。
 午後零時三十七分休憩
     ―――――・―――――
 午後一時三十五分開会
#110
○委員長(糸久八重子君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#111
○岡野裕君 岡野裕であります。質問の御通告は三、四点についてきのう申し上げているところでありますが、申しわけありません、ちょっと順序が前後いたしますことをお許し願いたいと思います。
 といいますのは、きのうあれから、夕方でありますが、西ドイツから放送調査団の皆さんが、ジュッセルドルフ周辺の先生方も含めて十五人ぐらいの方々がおいでになりました。逓信委員会の皆さんからも話を聞きたいということでありまして、あいにく糸久委員長御不在ではありましたけれども、私ども五、六人でお相手をいたしました。当初の予定は懇談四十分だということでありましたが、話が弾みまして一時間以上になってしまいました。
 放送番組の規律の問題でありますとか新技術の開発の問題でありますとか、いろいろな話が出たわけでありますが、一番おもしろかったというと失礼なのでありますが、向こうさんの言われるのには、おれのところには公共放送が二つある。公共放送だけれども広告収入が三〇%で受信料というものに七〇%頼っている。ただ、その受信料の方は値上げをするのがなかなか難しくて困っているのだけれども、おまえの国はどうであるかというような話でありました。
 実は、あなたの御質問は極めて時宜に適した御質問だということでお答えをしたわけでありますが、といいますのは、その受信料の引き上げの問題はちょうど皆さんがおいでになるこの場所で、あした丸一日かげて受信料を含むNHKの予算について議論をすることになっているのだ。NHKの、言いますならば事業計画だとかあるいは財政、内部事情でありますとか、あるいは国民の皆さんの負担でありますとかいうようなものを総合的に勘案をして、我々もできるだけ精巧な判断を下したいものだというような、そんな話をしたところであります。
 西ドイツの場合には放送施設そのもの、ハードが全部、言いますならば郵電省であって、向こうの民間放送は全部CATVですし、公共放送だと言われるのも、言いますならば番組の提供をしているだけだというようなことも勉強になったわけでありますが、ハイビジョンについての関心がやっぱり非常に深いようで、質問が出ました。特におまえの国ではハイビジョンについてあれやこれやいろいろやっているようであるが、我々のところでもやっているのだ。しかも、その規格は走査線千百二十五本などというおまえのやり方と違って独自なものでやっている。今、国際的には規格の標準化みたいな動きがあるが、なかなかおまえの方の規格をおれたちは受け入れるわけにはまいらないが、おまえの方はどういうふうに考えているのであるかというような、そんな非常にドイツ人らしい御発言もあったりなんぞしました。
 まあ私はこんなお話をお答えとしてしておいたわけでありますが、正直言うと私も何度かあなたの国へ行ったんだと。何度か行ったけれども、テレビは、ハイビジョンはおろか、いわゆる人工衛星BSを通ずるテレビジョン放送というものをいまだかつてこの目で見たことがないのであると。しかし、ようこそ皆さんお越しをいただいて、わずか一週間ぐらいの御予定の由だが、我が国にはもう既に皆さんの目につくところに立派なハイビジョン放送を実験と申しますか、試験放送でやっているのだと。去年の秋、ソウルのオリンピック大会の、言いますならば試験放送で非常に好評だったし、時たまたま甲子園ではハイスクールの選抜野球をやっている。多分、全国で二百台ぐらいのハイビジョンテレビがあるので、NHKへ行ってもあるし、郵政省へ行ってもあるし、京都、奈良の方へ行くが、そちらの方にもあるので、ぜひ一遍見てくれよと。多分あなたのところは密室のまあ試験的なものだろうけれども、うちの方はオープンなんだと。やっぱり見てみた上で、お互いにざっくばらんな話し合いで標準化なら標準化というものをやっていこうではないかと、そんなことを言った次第であります。
 正直言いますと、私は、BSによりますところの放送でありますか、最初はあれは難視聴地域の解消だというようなふうに説明を伺っていた時代がありまして、そうか、難視聴ではまことに残念なことだ。それじゃ、そういう世帯を一つでも減らすためにはぜひパラボラアンテナをみんなにつけてもらわにゃいけない。その場合に、衛星放送用のチューナーに物品税がかけられるというようなことでは普及もままならぬだろうというようなことで、もう初当選の五十八年ごろでありましたけれども、税制調査会でも大きな声を張り上げた思い出があります。五年間ぐらい〇%ということで、よかったなあと、こう思った時代があったわけであります。
 そのうちに、いや難視聴地域よりはハイビジョンの方がどうも優先的に考えているみたいな趣もあったりして、いやあ、NHKに一杯食わされたかなあというように思ったのでありますが、きのうの西ドイツからの訪日調査団とのお話で、やっぱりハイビジョンについて世界に先行をしている日本だということになると、NHKさんもなかなか先見の明るさというものがあったのかなあ、こんなふうに思ったりなんぞした、そんな一幕でありました。
 さあしかし、そのハイビジョンというものが、今しからばNHKさんとしてはどういうふうになっており、我々はどのくらいの時間を待てば各家庭でこれが見られるようになるのか。そうしてまた、郵政省さんの方ではなるべくこれを普及しようというようなことでハイビジョン・シティ構想などというようなものも持っておられるというようなことを承っているわけでありますが、その辺につきまして、ひとつNHK御当局並びに郵政省の皆さんの御見解もお聞かせいただければありがたい。
 以上であります。
#112
○参考人(島桂次君) ハイビジョンにつきましては、先生御存じのように、我々が十数年かけてつくり上げました我ながら実にすばらしいシステムであるというふうに考えております。この技術のすぐれているところは、これは単に放送だけではなくて、映画とか、それから静止画とか、あらゆる分野にこの技術が利用できまして、全世界的に少なくとも二十一世紀にかけての情報産業の中心的な存在に恐らくなっていくんじゃないかということが言われております。したがって、この規格統一問題につきましては、今のテレビも残念ながらいろいろ分かれておるわけでございますので、ぜひ私ども世界規格の統一ということで、数年前からいろいろと各国に呼びかけてきたわけでございますけれども、ただいま申しましたように、この問題は放送だけではない。もはやもう政治的な、経済的なあらゆる問題になってまいりまして、かなり日本の方式による世界統一というのが現在難しい段階に入ってきております。
 しかし、それはそれとしまして、私どもは、NHKといたしましてはあくまで放送業者、ブロードキャスターでございますから、我々はこのハイビジョンによるソフト、そういうものをどんどんこれからつくりまして普及、発展させていく。さしあたっては、もしできれば衛星放送の第二チャンネルでことしの六月ごろから三十分ないし一時間の実験放送を始めたいと、どういうふうに考えておるわけでございます。
 郵政省その他の御協力によりまして、ソウル・オリンピックが予定どおりできたことは皆さん御存じのとおりでございまして、そのときの機材、器具、それだけではなくていろいろそういうハードもふやしまして、さしあたっては個人の各家庭で見るということではなくて、ハイビジョンシアターとかあるいは地方自治団体の特別な施設のあるところとかあるいはデパートの展示場とか、そういうところを利用しながら順次普及さしていきますけれども、何せこれはまだ一つのシステムをつくるだけでもかなりの金額を要しますし、大量生産に入るなんというのはまだ先の先の話でございまして、早くて五年、まあ十年ぐらいかかるのではないか。これを一般家庭に普及していくという、つまり今の衛星放送と同じような段階になるには早くとも五年、まあ十年ぐらいかかるのかなということでございますけれども、先ほども申しましたとおり、このメディアは放送だけではございません。映画の共同制作とか、その他ソフト制作についてはいろいろの形で既にNHKもいろいろの映画業者その他の方々と協力しながらやっておりますので、大体そんなスケジュールで考えておるわけでございます。
#113
○政府委員(成川富彦君) 今NHKからの話にもありましたように、ハイビジョンは大変すぐれたメディアでございます。高画質、高音質の次世代の映像メディアとして期待されているところでございます。
 私どもは、まず国民に理解していただくことが第一だということで普及活動に努めてまいったわけでございます。ソウル・オリンピックのデモンストレーションあるいはハイビジョンウイークにおける展示あるいはテレコム旬間におけるハイビジョンフェア等々いろいろと努力してまいったわけでございますが、今回ハイビジョン・シティにつきまして、懇談会の報告をもとにいたしましていろいろと支援策を講じて、ハイビジョンを視聴者にあるいは美術館等の公共的な施設あるいは観光施設に導入いたしまして、活気と潤いにあふれた先進都市を構築したいということでハイビジョン・シティ構想を打ち出したわけでございます。これによりまして地域の活性化と魅力ある都市づくりに資していこうということでやっているわけでございますが、先般二十二地域の申請に対しましてハイビジョン・シティを指定さしていただきました。三月の二十三日でございますが、全国二十二地域から指定をしてほしいということで希望が出てまいりまして、そのうち十三カ所をモデル都市として指定さしていただいたところでございます。
 モデル都市におきましては、平成元年度からハイビジョンシステムの構築に着手する予定でございまして、郵政省ではモデル都市と連携をとりながらシステム構築に対する財政あるいは税制上の支援措置等各種の支援措置を講じていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、ハイビジョン都市に指定されたところは、自分たちでソフトをつくって積極的に導入を図っていこうということでございますので、いわばふるさと創生づくりにも役立っていくんじゃないかというふうに私どもも期待しているところでございます。
#114
○岡野裕君 伺っておりましたら、我々が家庭で見られるようになるのにはまだ五年、十年かかる。ちょっとがっかりとしたような感じにもなるわけであります。
 副会長さんがおっしゃるように、ハイビジョンというのはあにひとりテレビ部門だけではない、印刷あるいは医療、教育、非常に大きな可能性を秘めているというお話であります。だとすると、きのうの西ドイツの皆さんがおっしゃった国際標準化という問題に我々はおくれをとっているんではえちいことになるという感じを強くするものであります。しからば、その標準化の問題について、ECはこんなである、アメリカはこんなである、多少の雑誌等の紹介はあるわけでありますが、そういう雰囲気の中で、郵政省としてはどういう御努力を標準化についてなさっておられるかお尋ねしたい。
#115
○政府委員(成川富彦君) 先生既に御承知かと思いますが、日米加共同提案で千百二十五本、六十ヘルツの番組制作規格を昭和六十一年にCCIRに提案したところでございますが、まだ時期尚早というような観点からECが反対いたしまして、勧告案にはまとまらなかったわけでございます。欧州は昭和六十二年の中間会合で、独自に開発中の千二百五十本の走査線の数と、それから五十ヘルツの番組制作規格を提案したところでございます。
 私どもは世界に先駆けて開発されたハイビジョンの千百二十五本、六十ヘルツの規格が大変すばらしい、すぐれたものでございますので、これをぜひとも国際統一規格として取り上げていただくようにいろんな場を利用いたしまして理解を求めてきたわけでございますが、残念ながら欧州側の態度は大変かたくて、国際的な規格統一はなかなか実現が難しいような状況にあるわけでございます。
 日本とECとの電気通信定期協議あるいは作業部会等々、三回ばかり会合を重ねてまいりましたけれども、両者が意見を主張し合うということで、私どもは私どもの立場を理解してもらうように努めたわけでございますが、残念ながら説得といいますか、理解を得るという段階には至っていない状況にございます。
 米国におきましては、先ほど申し上げましたように、日米加で過去において提案したことはあるわけでございますが、今日、米国議会とか産業界の一部から独自技術の開発によるハイビジョンづくりを目指しておりまして、これが米国の立場に影響を与える可能性もあるという感じがしているわけでございます。ただ、米国はすべて私どものハイビジョンの規格に反対しているわけではございませんで、国務省の一部におきましては私どもの考え方を支持しておりますし、また民間の規格協会でありますANSIというところにおきましては、私どもの千百二十五本、六十ヘルツの番組制作規格を支持しているような状況にございます。
 しかしながら、見通しは決して楽観を許すというような状況にはなっておりません。今後ともいろんな機会を利用いたしまして、私どもの規格が国際統一規格として取り上げられるように努力をしていかなければならぬというふうに思っているわけでございます。CCIRの場あるいは二国間の場等におきまして、私どもは会合のたびに私どもの立場を主張し、理解を求めていきたいというふうに思っております。
 先般、三月におきましても、ECとの定期協議で次官が出席いたしまして、いろいろと議論を重ねてきたところでございますが、近くアメリカにおきましても私どもの職員が向こうのFCCあるいは国務省と意思疎通を図るという機会を設けておりまして、その場におきましても私どもの立場が理解されるように今後とも努力していきたいというふうに思っている次第でございます。
#116
○岡野裕君 いろいろ御努力をいただいている趣でありますが、せっかく今の時点では技術的にも実際的にも先行をしているということでありますので、一層頑張っていただくようにお願いをいたします。
 そのハイビジョン、まあ狭い範囲の勉強ではありますが、各家庭で楽しめるというようなふうにするためには、一つには光ファイバーを利用したCATVだという説もあるようでありますが、何だかんだ言いましても、これは衛星を通じてのものが中心だろう、こう思いますと、これからやはり我々はBSが十分な機能を維持して大きく発展をしてもらわなければならない、こう思うわけであります。
 昭和五十二年に我が国BSの第一号が三万六千キロのかなたに発せられてから、もう四つの衛星があるわけでありますが、我々はこの四つの衛星について、うまく上がってよかったなと思う反面、この十年ばかりはらはらのし通しでありました、やれトラポンがどうだとかというようなことでありますが。現在NHKさんとしては、衛星について新しく料金を取ろうというような考えだということでありますが、料金は取ったわ、衛星を通ずるテレビの方はポシャったわじゃ目も当てられないと思うのであります。
 何か新しくアメリカからでき合いの衛星を買って、それで何とか補完をするなどという話も聞いているところでありますが、要するに、衛星放送が十分に国民の皆さんに全うできるということのためにはどんな手だてを講じておられるのか、その辺について御意見を伺いたい。
#117
○参考人(中村好郎君) お答えいたします。
 ただいま衛星放送はBS2bで安定に動作をしております。昨年の十一月にテレメトリー回路の一部故障があったわけでありますけれども、既に四カ月を経過しまして、このまま推移すれば衛星放送は順調に推移するだろうというように思っておりますが、軌道上のことでございますので、万が一のことを一応考えまして、現在一機体制となっておりますBS2bの軌道上での緊急対応可能な衛星が不可欠な条件であるというようにただいまのところ考えております。このためにBS2Xを補完的にことしの十二月に打ち上げたいということで、この予算が御承認いただければ直ちに作業に入ってまいりたいというように思っておるところであります。
#118
○岡野裕君 日本の宇宙開発計画のもとで、言いますならば、BSを上げるにつきましては非常に長いこと開発期間を設けた上で一号から今の二号のbまで来ているわけでありますが、でき合いのものを求められる、これは非常に、言いますならば緊急措置だということだとは思うのでありますが、慎重の上には慎重を期されて、国民みんな待望をしている衛星放送でありますので、万遺漏なきように頑張っていただきたい、こう思うわけであります。
 問題を変えまして、私どもが、この逓信委員会でもそうでありますが、長いこと関心を持ち、鼓吹をしてまいった国際放送、大森先生からもお話があったところでありますが、この国際放送は、やれガボンでありますとか、中継基地をギアナに設けたりしまして、大きくふくらんでいるようではありますが、ついこの間、国際放送の実施概要というようなものをちょうだいをいたしました。それを見ておりましたら、非常にこの国際放送の評判がよくて、外国の各地から喜びの便りが寄せられている。ちょっと読んでみたいと思うのでありますが、これはブラジルのサンパウロだとか、西インド諸島だとか、リビアあたりの在留邦人から寄せられた喜びの声であります。
 例えば、「九六八五キロヘルツにダイヤルを合わせて待ちました。受信時間が来てあっと驚きました」。「聞こえました。聞こえました」。「少しオーバーに言えば一二〇%の感度と言えるでしょう。南米の聴取者も、これでNHKに見捨てられずに救われた、ということです」。大分皮肉もあるようでありますが、「他の周波数はジージーザーザーと雑音でも、ギアナ中継になるとすっきり美しく入感します」。「仲間から電話が入り、口々におめでとう、万歳、乾杯の連呼でした」。「来月の大相撲も、これなら千秋楽まで完全に聞くことができるでしょう」。本当にその昔、我々鉱石ラジオで聞いていたのが、おやじから三球国民スーパーを買ってもらった、そんな感じを思い出したりなんかしたところであります。
 故昭和天皇の御不快のときにも、非常にこのラジオジャパンを聞いて一喜一憂をしているというような便りも寄せられているようでありますが、いわゆるラジオジャパンといいますのは海外在留邦人のものだけではありませんで、外国との相互理解の促進には本当に役に立つと思うのでありますが、これらについてこれからこんなふうに持っていくのである、例えばASEANではまだまだうまく声が聞こえないというところもある由に聞いておりますので、その辺の計画、抱負等々についてNHKさん及び郵政省からお聞かせをいただきたい。
#119
○参考人(遠藤利男君) 国際放送の充実について岡野先生から御指摘いただきましたけれども、非常に深い関心を払っていただきましてありがとうございます。私どもも全く先生の御意見、御趣旨と同様でございまして、国際放送の充実は、一つには日本というものを国際間でよりよく理解してもらうためにもますます重要でありますし、なおかつ海外にいる在留邦人に的確に日本の情報を伝えるという意味でも重要だと思っております。
 国際放送の充実、規模の拡充ということはここ数年順次行ってまいっておりますけれども、六十三年、今年度は、前年度に比べまして一日当たり三時間の拡充をして、四十三時間というふうになっております。
 ただ、先生御指摘のように、受信状況の改善ということが放送時間の充実以上にまた重要でございまして、ここ数年、海外の中継所の借用あるいは放送局との交換中継ということを通じましてその改善を図ってまいりましたのが先ほど先生お読みいただきました在留邦人からの手紙などに寄せられている好評の原因だと思います。これによりまして、中南米、それからカナダからの中継によりまして北米、それからヨーロッパと、随分改善されてまいりましたけれども、まだインド、中近東あるいはソビエトの中部地帯というものに対してはなかなか受信状況が改善されておりません。そういう意味では、平成二年度にODAの資金によりましてスリランカに短波送信所ができるそうでありますが、そういうところとの、借用あるいは交換中継も含めまして今後さらに受信状況の改善を図っていきたいというふうに思っております。
#120
○国務大臣(片岡清一君) ただいま岡野委員から我が国の国際放送の在留邦人が受けておられる非常な感激の状況をお知らせいただきまして、本当にますます国際放送の重要性の認識を新たにいたしたわけでございます。
 国際国家を目指します我が国といたしましては、諸外国に我が国の姿を正確に理解してもらい、そして認識をしてもらうということが非常に大事なことでございまして、このためには直接情報発信を行いますところの国際放送というものが非常に重要であることは今さら言うまでもないわけでございます。これまで、まず世界において我が国の国際放送が聴取可能となることが重要と考えまして、先生方の御支援もいただいて、国内送信所の整備及び海外中継局の拡充に努めてまいったところでございます。
 平成元年度の予算におきましても、新規施策として中南米向けの六時間の海外中継――これは仏領ギアナ等を目標といたしまして、を行う等の交付金予算を計上いたしております。今後はさらに受信状況の改善のための海外中継局確保を進めるとともに、内容の一層の充実強化を図っていくほか、テレビの映像メディアを活用した情報提供についての促進を一層図っていく必要があると存じておりまして、これらの検討に目下着手をいたし、努力をいたしていきたいと思っておる次第でございます。
#121
○岡野裕君 大臣おっしゃいました本当に日本の実情を生でぶつけるというところで初めて日本の理解も諸外国からもいただけるのではないか、こう思うのであります。
 大臣からせっかくの御答弁をいただきましたので、脱線をすることをお許しいただきたいと思うのでありますが、大臣はその昔、青春時代を金沢で送られた、会長は京都だとか、こう伺っているわけでありますが、私も十代の終わりを雪の山形で送ったことがございました。山形と言えばNHK「おしん」で有名な地元になるわけでありますが、あの「おしん」のテレビは、やっぱり小林綾子ちゃんの、言いますならば山形なまりあたりが非常に魅力的だったように、こう思うわけであります。ただしかし、山形で生活をしたことがあります私あたりからしますと、あの「おしん」の山形弁は大分格好がよ過ぎて、本当を言うと、本当の生の山形弁は我々外から行った者からはちんぶんかんぶんの山形弁で困った。このちんぷんかんぶんの山形の皆さんの言葉をどうやらこうやら標準語に近いものに持ってきたのは、どうも昔で申しわけありませんが、ラジオ体操の江木アナウンサーの発声であり、あるいは村岡花子さんの話った「コドモの新聞」あたりで、日本語というものはこういうものかなというようなことで、このごろは我々にわかるような話もできるようになったという意味合いでは、NHKさんの力というものはやっぱり大きいなと思いました。
 最近、テレビになりますれば、山形へ行きましても、若い女性のファッションというのはもう六本木や原宿と全然変わらないわけです。やはりファッションということになりますと、耳ではなくて目になってくるわけですね。そういう意味合いでは、国際放送もこれだけ映像の時代になればいつまでも、言うならばラジオ、耳だけの時代じゃないのではないか。
 去年もNHKの予算審議の附帯決議の中で、大森先生は、幾らこんなものは書いたってちっとも変わらないんで同じだというおしかりをいただいたわけでありますが、映像画でひとつ頑張ろうではないかというような言葉があるわけであります。というようなものを受けて、いつも同じじゃない、こういうふうに進歩させるぞというような意味ではどんな構想をお持ちでありましょうか。これはどちらかというと郵政省さんでありましょうか。お答えをいただきたいと思います。
#122
○政府委員(成川富彦君) 今大臣からお話がございましたように、国際放送につきましては、全世界どこでも十分に聞けるようにということで努力をしているわけでございますが、世の中変わってまいりまして、映像時代に入っているわけでございます。映像は御承知のとおり直接目に訴えるということから影響力も非常に強いものであるわけでございます。したがって、国際的にも映像交流が可能となるようにするのが国際的に、外国に日本の立場を理解していただくことからいって望ましい姿ではないかというふうに思っているところでございます。
 ただ、国際映像交流につきましては、民間企業、民間放送会社あるいはNHKにおいても一部やっておりますが、組織的、体系的に実施できている状況にはないわけでございます。したがいまして、外務省等とも協力し合いながら、先ほど大臣がお話申し上げましたように、国際交流に関する調査研究を現在始めたところでございます。
 ただ、いろいろと問題点がございまして、直接映像放送というのは国際的に認められていないわけでございます。DBS原則というのがございまして、直接電波を他国に受信できるように降らすということが可能ではないわけでございます。したがいまして、相手国との理解のもとに映像交流を進めなきゃいかぬ。相手国の放送制度あるいはその状況等々をつぶさに研究いたしまして映像交流が可能となるような施策を講じていかなければならないわけでございます。現在その研究に着手した段階にあるわけでございますが、できるだけ早急に結論を得まして早い時期に国際映像交流が組織的、体系的にできるようにしていかなければならないというふうに感じているところでございます。
#123
○岡野裕君 世の中はもう重厚長大の時代はさらばだ、これからは情報の時代だ、ソフトの時代だと言われるわけでありますが、きょうおいでをいただいたNHK会長さんを初め、また郵政大臣、お越しの皆さんはそういった情報化社会の先駆けだ、こういう位置づけになろうかと思うわけであります。例えば先ほどお話をしましたハイビジョンなどにつきましてもそうでありますが、今後とも一生懸命、時代の先端を行く御努力を重ねていかれますことをお願いをいたしまして、質問にかえる次第であります。御苦労さまでございました。
#124
○鶴岡洋君 大臣がおいでなんで、私の質問の前にちょっと一言お尋ねしたいんですが、昨日NTTの前会長の真藤氏が地検によって起訴されたわけです。これは収賄罪でございますけれども、このことについて大臣の御感想を一言お願いしたいと思います。
#125
○国務大臣(片岡清一君) リクルート問題につきまして、先日二十七日にNTTの真藤前会長が起訴になったということでございまして、NTTのトップであった人がこういう事態になったことにつきましては深く遺憾としておる次第でございます。この事件は、真藤さんが社長時代に起こったことであるようでありまして、それらのことが起訴の事案を起こしておるようでございます。
 何といいましてもNTTは我が国の基幹的な電気通信事業者でありますので、民営化されたNTTが本当に国民のお役に立つ、立派な信頼を得てその発展を図ってもらいたいということを常に念願をいたしております次第でございまして、今回の事案につきましては十分そのよって来たるところを分析、検討いたしまして、NTTが本当に国民の利用者から負託を受けて、そうしてその信頼にこたえていくというようなことになるように今後十分指導、監督を尽くしていきたい、かように思っておる次第でございます。
#126
○鶴岡洋君 それでは、きょうの議題に入りますけれども、本年の一月四日、会長さんの年頭のあいさつの中で、昨年七月四日に会長に就任して以来いろいろな施設を見たり話を聞いたりして、NHKが国民の文化、福祉を向上させる言論放送機関であるとの認識を深めている。NHKは昨年も国民に信頼される報道や文化面では他の追随を許さぬ質の高い放送を行ってきた。「我々は自助努力によって部内の改革を進め、公共放送を守っていかなければならない」。こういう発言を会長さんはされておりますけれども、この「部内の改革を進め」というのは具体的にはどういうことか教えていただきたいと思います。
#127
○参考人(池田芳藏君) 御質問の趣旨は、NHKが番組をいかなる手続あるいはいかなる研究を通じてやっておるかということだろうと思うんですが、私どもの方には番組については特別の局がございますし、それからNHKの外に三つの審議会がございまして、中央放送番組審議会、地方放送番組審議会、それから国際放送に関する国際放送番組審議会、この三つの審議会がございます。これらには各界からの有識者が参加しておりまして、我々は月に一回それらの方々に集まっていただいて、我々の放送の内容に関して御意見も聞き、これをやったらどうかというふうな御示唆もあったりしまして、非常に幸せをしております。これは法律で定められた制度によりましてこの三つの審議会があるわけでございますが、そのほかにも全国各地で五十五、六あると思いますが、各支局、支局で有識者にお願いして来ていただいて、その人たちからも同じように番組についての御意見あるいはおしかりをこうむったりしている次第でございます。
 番組というものは、視聴者に払っていただいておりまする受信料に対するいわば配当でございまして、企業流に申しますとそういうふうなことになると思いますが、あらかじめいただいた受信料というものが投資であるとすれば、それに対する配当であって、それは高いほどいいし、感心して聞いていただけるような番組をつくりたいということで、放送総局はもちろんのこと、番組を担当しておる部の人たちは、社会に目を配ってあらゆる情報を集めながら、最高の、これ以上NHKでないとできないと言われるほどの、NHKの番組は非常に頼りになるよというふうな批評をいただけるような番組をつくりたい、かように思っておる次第でございます。
#128
○鶴岡洋君 番組の改革だけではなくて、会長さんは新しく、昨年の七月ですからもう一年近くたちますけれども、民間から選ばれた会長さんですから、確信を持ってこれならば国民の期待にこたえられる改革をしていきたいと、こういうことで審議会の御意見を聞くのも結構、それから諮問機関の御意見を聞くのも結構ですけれども、そういうことで改革をしていただきたいと、こういうふうに我々は願っているわけです。
 そこで、会長さんと同立場にある副会長の島さんにお聞きしますけれども、会長さんにお願いして英語でしゃべられても私はわかりませんので、副会長、けさほどからいろいろ苦言がありましたけれども、私も今のNHKの経営方針、経営状況、それから受信料の件にしてもそうですし人事問題にしてもそうですけれども、苦言を呈さざるを得ないわけです。
 今部内の改革ということで会長が答弁されましたけれども、私はこの平成元年度のNHK予算審議をするに当たって思うことは、この予算案が大幅赤字予算であるとか、また衛星放送を有料化にする予算であるとか、こういう問題もこれは大切な問題であることは当然でございますけれども、その前に、今の自民党政府、竹下内閣が、平成元年度予算、これがまだ三月も末になってままならず、リクルート問題も大揺れに揺れている。目前に迫った消費税の実施問題に絡んでこれも大変な問題になっている。竹下内閣瀕死の状態にあると同様、それ以上かもしれませんけれども、今のNHKには問題が多過ぎるように思えてならないわけです。
 一つ一つ具体的に申し上げるつもりはございませんけれども、人事問題を初めとして、財政赤字の解消、料金値上げの問題、経営全般にわたる懸案事項、さらに放送内容にしても、いわゆる不偏不党、公正とこういう公共放送という大使命を持ちながら、公共放送らしからぬ放送だと指摘される面も多々あるわけです。
 私は、今回の平成元年のこの予算については消費税導入ということで、この消費税導入には我々は反対でございますので今回の予算は承認はできませんけれども、私は今日までNHKは唯一の公共放送であり、日本国民みんなのNHKとしていろいろな面で苦言も批判もしてまいりましたけれども、より一層の発展と今日まで積み上げてきた信頼されるNHK放送として支援もし協力もしてきたつもりでございます。
 そこで私は、今申しましたように、新会長と同様、新体制の中心者である島副会長に率直な御意見をお聞きしたい。
 国民の支持率が一二%とか十三%とか歴代内閣で最低の支持率になってしまった竹下内閣同様、先ほど及川さんから話があった雑誌「世界」ですか、あれを私も読ませてもらいましたけれども、座礁寸前のNHKをどうするのか。この点について、午前中は再構築をするとか、また秋ごろまでには具体的に再構築の案を出すとか、こういうお話もございましたけれども、今のNHKをどうするのか、島副会長に篤と御意見を聞かしていただきたい、お願いします。
#129
○参考人(島桂次君) ただいま先生御指摘のように、公共放送であるNHKに対して皆様方のいろいろの御批判もございます。それよりも何よりも、NHKが大変な今曲がり角に来ているという認識を私は十分自覚しております。
 それは具体的に何かと申しますと、やはりこれだけ価値観が多様化し世の中の非常な流れが激しいときに、本当に国民の皆さんが我々NHKに何を求めているかということを、今まで戦後四十何年やってきた仕事を改めて白紙に返して、ここで我々が今何をやるべきかということを真剣に今考えつつあるところでございます。
 さしあたって、平成元年度予算はこのような形で皆さん方にお出しするわけでございますけれども、この平成元年度予算を基盤にしまして、今ニューメディア時代、情報化社会、いろいろ言われておりますけれども、放送をめぐる環境というのが非常に激変して、我々が今までやってきたことをこのまま続けていくというのではNHKの将来はあり得ないという、まさに平成と同じようなNHK元年に立って今物を考えなきゃいかぬということで、経営全般にわたりまして御指摘の人間の問題、それから設備の問題、あるいはもっと必要なことは、NHKは何といってもいい放送を出すために立派な放送人を今までも育ててまいりましたけれども、これからより一層育てなきゃいかぬ、そのためには現場にもっと活力を持たせなきゃいかぬ、それを持たせるために一体何が必要か、もろもろ話せば切りのないたくさんの課題に真剣にやはり取り組んでいかなきゃいかぬ時期であるという意味において、深刻に受けとめていることだけをこの際はっきり申し上げておきたいと思います。
#130
○鶴岡洋君 事業は人なり、人は事業なり、こういう言葉もございますけれども、人事問題を初めとして、今私が申しましたように経営内容についてもそうですし、受信料の問題にしてもそうですし、今決意されたことについて早急に具体化されていただきたい。そして本当に国民に慕われるNHKにしていただきたいと希望申し上げます。
 次の問題は、これも午前中問題になりましたけれども、BS2Xの件でございますが、現在BS2bが上がっております。これは衛星放送には支障がないけれども、幾つかの故障、トラブルを起こしているということはこれは承知をしております。そこでこの補完措置として、先ほども岡野先生からもお話がありましたようにBS2X、これを打ち上げる、こういうことを郵政省の方も認めておるようでございますけれども、十二月に打ち上げて運用開始が来年の一月、その後にBS3aですか、これを来年の八月に打ち上げて運用が来年の十二月、こういうことになるわけです。
 現時点から考えれば、この2Xを上げるまで九カ月これからあるわけです。それから2Xを打ち上げてから3aの打ち上げ、運用まで約一年、物理的にいえば一年九カ月のために百四十五億という、品物は別問題にして百四十五億という、このBS2Xのために支出するわけです。これは厳密に言えば2Xを上げて3aまで一年でございますけれども、私はこの一年のために百四十五億というのはむだのような気もするんです。この点についてはきちんと検討されて、その後どうするかということまで検討されてやったことだと思いますけれども、その辺はいかがですか。
#131
○参考人(島桂次君) このBS2Xにつきましては、やはりあくまで緊急補完的な措置として我々は上げるわけでございます。これは午前中の審議でもお答えしましたように、我々はモアサービスを初め百何十万かの衛星が普及した段階で、ある日突然これがだめになるということは、これはもう大変な混乱を招くわけでございまして、やはり今作動しているやっとそれから予備機というもの、こういうものをやっぱり二つそろえて置いておくというのが衛星放送の常識でございますので、あえて一年云々の中で百四十五億のお金を云々するのはむだではないかということを十分わかった上でやむを得ず上げるということもあるわけでございます。
 ただ、この星の寿命は極めて長いので、これから先のいろいろな問題につきましては、これはNHK一存でできる問題ではございませんので、この問題につきましては郵政省を初め関係機関と話し合いながらこれから考えていくと、こういうことになっているわけでございます。
#132
○鶴岡洋君 そうすると、補完ということになると、今故障している、厳密に言えば2bは、いつまでもつかわからないわけです。先ほど及川先生からお話があったように、機械というものは、一つ壊れればそこからいろいろ波及してきて機械というのは壊れるものだと、こういう話もありましたけれども、まあ九カ月は大丈夫だろうと、この一年の補完のためにやるわけですから、それにしてもそれでは一年後このBS2Xというのは、これは寿命が八年ですから、あとの七年間はどうするんですか。
#133
○参考人(島桂次君) 我々はあくまで当面緊急避難措置だけを考えておりまして、その後のことにつきましてはその時点で郵政省その他政府機関とお話をせざるを得ないということでございます。
#134
○鶴岡洋君 私が言うのは、緊急避難は、それは確かに八月から有料化になって皆さんからお金をいただく、もしそのときにポシャっちゃった場合には、これは日本国じゅう迷惑をかけるわけですから、それは緊急避難でやらなきゃいけないと思いますけれども、それにしても3aのこの一年間ですよ、それに百四十五億ですよ。あなたにすれば百四十五億何でもないと思いますけれども、私どもにとってはこれは大変なものですよ。
 ましてや赤字だと言っているときにそういういわゆる簡単な、その後今度は七年間どうするか、これは未決定なんでしょう、どうして利用するかと。その後考えれば、BS3bというのも予定されていると聞いております。これは平成三年の八月に打ち上げて平成十年の寿命と、こういうように聞いております。ここはダブるわけですから、そのいわゆる予備機にするとか、ましてや2Xというのは、これも先ほどお話がありましたけれども、米国のSTC社ですか、これが直接衛星放送事業を行うために購入を予定していたものが採算に合わないと、こういうことで買わなかった、キャンセルした、こういうものを充当するわけですけれども、私は一番心配なのは、2Xを上げて、じゃ一年間補完措置ができたから戻ってきてくださいというわけにいかないわけでしょう。したがってあと七年間をどうするのか。これはやはりきちんと決めて、そうしていわゆる裏づけのもとに言うならば多少説得力はあると思うんですけれども、そういうこともなしにただ緊急避難的にと言われても、これは私は納得がいかないです。
 それと同時にキャンセルされたもの、高かったからキャンセルされたのか、使用する予定だったのがその仕様に合わないからキャンセルされたのか、そのキャンセルされた理由ですね。これが一つ。
 それから採算が合わないと、こういうことでキャンセルされたようでございますけれども、じゃ日本のNHKが使えば採算に合うのか、こういうことにもなるわけですけれども、この二点についてお答えいただきたいと思います。
#135
○参考人(島桂次君) 最初の点については、繰り返し申し上げて申しわけございませんけれども、これは私たちとしては案がないわけではございませんけれども、やはり郵政省を初め政府関係機関ときちっと意見の一致を見た上でないとこれを明らかにすることはできませんし、まだその段階になっておりませんので、私はその後のことはそのときになって考えるということを言わざるを得ないという点で御了承願いたいと思います。
 それから、もう一つの点につきましては中村技師長から。
#136
○参考人(中村好郎君) 2Xにつきましては、STCというアメリカの放送会社が発注しておったものでありますけれども、この衛星放送をアメリカで実現、開始するに当たって、当時CATVがかなりのテンポで普及を始めたというような背景もあり、収支見通しがその段階でつかなくなったということで計画を中止したというように聞いております。
#137
○鶴岡洋君 それでは郵政省の方にちょっとお聞きしたいんですけれども、このBS2Xについては、補完措置をするということについて、ここでこの書面でいくといたし方ないというか、緊急避難的な措置として星を上げるのにはその考え方は妥当である、こういう文書も出ておりますし、また一もちろん金がかかるわけですから、この予算を組むことについては不可欠なものである、こういうふうに言っておりますけれども、この話はもちろんありましたでしょうし、何か内々的にも注文かなんかつけましたか。要するにこの2Xの補完について妥当であると、ただNHKから言われて、はいそうですか、結構です、そういったわけじゃないと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
#138
○政府委員(成川富彦君) 私ども、NHKからお話しございましたように、いろいろと検討させていただきまして、結論的には先生おっしゃったように妥当な措置ということで判断をしたものでございます。
 衛星放送、百三十七万の受信者が現在あるという話でございまして、NHKとしては、これらの受信者に対しまして、安定的、継続的に放送を提供する責務があるんではないか。現在BS2bは、先ほど来お話しございますように、現状のまま推移すれば安定運用に支障がないと考えられるわけですけれども、軌道上のことでございますので、万が一という事態に備えて、緊急避難的な措置としてこのような措置をすることは必要じゃないか。百三十万を超える受信者とか今後の衛星放送の普及発達等に与える影響が、2bが故障で動かなくなるというようなことになりますと、支障が非常に深刻なものになるというふうに考えましてこのような措置を妥当なものと考えたわけでございます。
 そのほか、現在、通信衛星等におきましても、大体デュアルシステムといいますか、バックアップシステムを持ちながらやっているわけでございます。コンピューターにいたしましても、大体民間金融機関におきましてもバックアップシステムを持っているというようなことでございますので、現に稼働している設備のほかに予備がないというのは、まことに安全の面といいますか、万一の事態に備えるという観点からしますと問題があるというようなこと、バックアップシステムが通例であるというようなことも考えまして妥当な措置というふうに考えたところでございます。
 NHKの方から私ども話を承りましたところでは、2bの補完措置として使うものであるというふうに伺っているところでございます。BS2bの予備以外の利用は予定していないものというふうに聞いているところでございます。しかしながら、今のお話ですと八年ぐらい、八年というか、若干有効期間、寿命も残るというようなことでございますが、これにつきましては、現在国際調整を行うことなくできるというのは一九九一年の一月末まででございます。BS2と同一の諸元として運用するわけでございますので、BS2Xの使用の有効期限というのは国際的な調整をしないとすれば一九九一年の一月末まででございます。それで、一九九一年の二月以降の使用につきましては、そのためには国際調整を必要とするわけでございます。
 それで、国際条約上、国際周波数の国際調整を必要とするわけでございますが、国際調整の見通しについては現時点においては極めて困難でございますが、仮に国際調整がついたといたしましても、BS3の電波が使用できなくなった場合、BS3の電波が出なくなった場合と出せなくなった場合に使用することは可能ではございますが、今回の措置はあくまでも緊急避難的な措置として打ち上げたものでございまして、BS2bの予備以外の利用は予定していない、NHK自身もそういうふうに申しておるところでございます。
#139
○鶴岡洋君 しつこいようですけれども、じゃ国際調整ができなかった場合には、短期間で緊急避難的に上げるわけですけれども、ますます百四十五億というのはむだになるんじゃないかなという理屈になってくるわけなんですよね。これは言ってもしようがないから、その後七カ年というのは国際調整をきちっとやって、それで3bの補完にするとか、またほかの利用方法をもう上げることを予定しているわけですからしていただきたい、こういうふうに思います。
 次に、NHKの関連事業の展開と関連団体の再編成についてでございますけれども、NHK企業集団に関する検討委員会の報告が昨年の十月に外部の有識者の審議を経て提出されました。この報告を受けてNHK側としては、NHKは今後の経営の策定に反映させるとともに、直ちに取りかかるが、可能な提言については早急に具体化を進める方針である、こういうふうにNHK側は言っておりますが、まず郵政省に先に聞きたいんですけれども、この検討委員会はNHK会長のいわゆる私的諮問機関だと私は思いますけれども、この位置づけはどうなっているのか、これが一つ。
 それから、監督官庁である郵政省がこの検討委員会で出された報告書についてどういうふうに理解しているのか。ということは、この報告書の中には大変重要なことが報告されているわけです。例えば、一番目にはNHKの「現行業務を大胆に見直すとともに、関連団体との思い切った分業体制を確立する」とか「番組制作についても、さらに関連団体の制作比率を高めていく」とか、こういう重要事項が含まれているんですけれども、郵政省側としてはどういうふうに理解しているのか、この点をお伺いしたいんです。
#140
○政府委員(成川富彦君) 今先生お話しございましたNHK企業集団に関する検討委員会といいます委員会は、昨年の八月下旬から十月上旬にかけまして、NHK会長の委嘱により、NHKの関連団体のあり方について調査、検討を行うたものと承知しております。あくまでもNHK自身の内部的な検討のための委員会であるというふうに私どもは受けとめております。
 それで、報告の中身でございますが、今申し上げましたように内部資料と受けとめておるわけですが、報告書を一見したところでは、関係団体相互の関連づけの必要性だとか経営基盤の弱い団体が目立つという問題点を指摘いたしまして、その再編成などを提言しているところでございますが、あくまでも公共放送としてのNHKのあり方というものを基本に据えて、その内容についてNHK自身において検討をしてもらうべきものというふうに承知しております。
 私ども、NHKの具体的な検討結果を待ちませんと、どのような中身かわかりませんが、その上で郵政省としても必要な点があれば検討をして、生かしていただきたいというふうに考えております。
#141
○鶴岡洋君 それではNHK側にお聞きしますが、この報告書が提出されて六カ月まではたちませんけれども、五カ月たっているわけです。先ほど言いましたように早急に具体化を進める、こういうことでございますけれども、何が具体化されたか、進められたか、その点はいかがですか。
#142
○参考人(島桂次君) 関連団体の再編成につきましては、ほとんど部内的な大体の考え方をまとめまして、今既に現在まである関連団体の人たちと密接な連絡をとりながら、四月早々本格的な作業に入って平成元年度中には新しい関連団体の再編成を終えたいという段取りになっております。
#143
○鶴岡洋君 それに関連して、副次収入の点でございますけれども、池田会長は就任あいさつの中で、経営改善の一つの方向として、いわゆる副次収入、増収計画、この問題で、収入の大部分を受信料一本やりではなく、NHKの資産や蓄積したノーハウをさらに活用させ、関連企業から収入を、現在一考ですけれども、それを五彩、一〇%にもしたい、こういうふうに言っているわけですね。ここでお聞きしたいのは、今申しましたように現在のNHKの予算の額の中では副次収入の占める割合というのは一考前後であるわけです。しかし、放送法の九条二項に各種の附帯業務を行うことができる、こうありますけれども、その反面、また第四項では、「営利を目的としてはならない。」と、こういうNHK放送には枠があるわけです。
 しかし、現実はどうかというと、財政が非常に厳しい現状でございますけれども、この点について、一つは一考から五彩、五彩から一〇彩、こういうふうに言っておるわけですけれども、今の予算額でいくとどの程度まで副次収入の額を、パーセンテージを持っていったらいいと思っているのか、適正と考えているのか、それが一点と、もし一〇%にするならば、その一〇%にするいわゆる増収計画、いわゆるタイムスケジュールが私はなくてはならない、こういうふうに思うんですけれども、この二点についてお伺いいたします。
#144
○参考人(島桂次君) ただいま申し上げましたとおり、関連団体の再編成は当然のことながら郵政省その他の皆さん方と連絡しながら平成元年度中に終えたいというふうに考えております。
 一応池田会長が就任されたとき申し上げましたことは、全く根拠のないことではなくて、我々の努力目標という意味合いで会長はおっしゃったんじゃないかと思います。したがって、我々の関連団体の再編成が順調にいけば、これはかなりの、かなりと申しますのは今までの一%、二%という単位ではなくて、四形、五彩、その辺にまではこの二、三年中には必ず持っていける。
 この際、念のために申し上げますと、私どもは利潤を図っているんではございません。ニューメディア時代というのは、NHKのつくる放送素材、これが多角的ないろいろな意味での利用価値を持っているわけでございます。例えば外国の放送局で使っていただくとか、あるいはケーブルテレビに使っていただくとか、そういうふうに、もっと極端に申しますとメディアミックスと申しますけれども、これが印刷とか写真集とかいろいろの分野に我々がつくった素材が、NHK放送だけではなくてそのもの自体がいろいろな利用の仕方ができる。その結果としてある程度の金が入ってくることは事実でございます。
 その金を我々は株主配当をするわけでもなければ、我々の月給を上げるためでもありません。主としてこれは受信料を上げなきゃいかぬところをできるだけ少なくする、あるいは上げないで済むというために我々は行うんであって、これは一般企業のいわゆる関連会社をつくって利潤を図るという性格ではないということをこの際御認識願いたいというふうに考えております。
#145
○鶴岡洋君 私が申し上げるのは、そういう努力目標は結構なんですけれども、やはり財政と予算というのはあるわけですから、もちろん放送法の九条四項というのも、これも今私申しましたように枠があるわけですから、本当に公共放送としてあるべき姿、ないとは言っていませんけれども、あるべき姿で国民に親しまれる、いわゆる国民の利益になる、文化向上のための公共放送としてやってもらいたい、これはもうけさから言っているわけです。
 ですけれども、ここには予算があるわけですから、それが赤字ならばやっぱり結局、結論は受信料値上げで国民に負担がかかってくるということになるわけです。しかも今、島さんがおっしゃったようにいろいろな利用方法があるのも承知しています。また、利用方法を考えて、そしてそこから収益を上げていけばそれだけ赤字は減っていく、こういうことになるわけです。
 そういうことで、経営者として目標はどのぐらいにするのか、そしてそれにはタイムスケジュールをこういうふうにつくっていくのだという、これがなければ私は経営者として資格がないと思うんですけれども、その点を私は聞いているんです。特に今度の会長さんは、民間からおいでになってそういう点に関心を持っておられるから私はこういう発言が出たんじゃないかと思うんですけ
れども、もう一度答弁してください。
#146
○参考人(島桂次君) ただいま御指摘の具体的な数字は、少なくともこの秋ごろまでには三カ年、五カ年、七カ年、そのぐらいのスパンにわたってそういった副次収入がどの程度見込めるか具体的にきちっとはじき出そう、こう考えているわけで、一応当面平成元年度は予算に計上したとおりの額であるというふうに御認識願いたいと思います。
#147
○鶴岡洋君 次に、衛星放送の有料化が八月からのようでございます。簡単にお聞きしますけれども、試験放送のときの事業支出は百四十七億円、平成元年度には二百五十八億円、有料化になったにもかかわらず試験放送のときより赤字の額が多い。有料化になってお金が入ってくるにもかかわらず事業支出が多い、こういう結果になるわけですけれども、具体的にはどうなのか御説明いただきたいと思います。
#148
○参考人(島桂次君) 衛星放送のモアサービス、モアチャンネルは、先生方御存じのようにNHK自身がつくる素材もございますけれども、七割以上はNHK以外のところ、主として外国の放送局その他から素材の供給を受けているわけでございます。
 この放送素材の値段というのは、ただいまは金を取っておりませんから、これはただに近い値段で一応分けてもらっているわけでございますけれども、これが有料となりますと、同じニュースにしても、ドキュメンタリーにしても、あるいはドラマにしても映画にしてもかなり幾何級数的に放送権料が上がっていくわけでございます。これは百万のとき、五百万のとき、言うならば幾何級数的に放送素材代というのが上がりますので、そういうことを考慮に入れますと、金を取るようになったから必ずしも赤字が少なくなるというものではない。これはあくまで放送素材の特殊性によりそういう予算額になるというふうに御認識願いたいと思います。
#149
○鶴岡洋君 これに関連してもう一点、難視聴地域の問題についてでございますけれども、衛星放送は、NHKが公共放送として難視聴地域を解消するという、こういう目的で開発、打ち上げられたものだ、こういうふうに私は最初理解してまいりましたし、また今日もそういうふうに理解しています。
 すなわち、最初五十九年五月ですか、試験放送として総合一波で放映しました。それから六十一年の十二月、さらにそれが前進をして六十二年の七月には一般視聴地域並みに衛星放送を放映できる、こういうことになったわけですけれども、六十二年から六十四年――平成元年、あれから二年近くたつわけでございますけれども、今回の、平成元年度は衛星放送の普及を一層促進し、公正なニュースと豊かな放送番組をお届けします。さらにハイビジョンの実験放送等、いろいろ期待に膨らむ目標を掲げておりますけれども、当初の目的であった難視聴地域の解消のことには一言も触れておりません。この点はどうなのか。というのは、六十二年の七月のときには四十万世帯あった。それが現在まだ十万世帯残っているわけです。
 そこでお尋ねしたいのは、難視聴地域の解消というのはもう既に終わった、こういうふうに判断しているのかどうなのか。私は、先ほどから何回も言っていますように、不偏不党、公正、そして事実を放送するのがやはり公共放送の使命だ、こういうふうに思っておりますけれども、この難視聴地域の解消はこれで済んだ、こういうふうに判断されているのかどうなのか。その辺はいかがですか。
#150
○参考人(島桂次君) NHKとしましては、難視解消がもう済んだというふうには考えておりません。これは、公共放送の重要な任務として、我々は今でも考えております。
 我々は、地上難視の問題につきましても今までどおり引き続き取り組みますけれども、同時に衛星の第二チャンネルの方で最小限度の難視解消的な対策、つまり地上波の主なニュースとか、主な番組内容はそのまま衛星の第二チャンネルでも引き続き伝える。ただ、第二チャンネルの一部をモアチャンネルとして使うというような案で今考えているわけでございます。
#151
○鶴岡洋君 ひねくれた見方をすると、ハイビジョンであるとか衛星放送、今百三十七万世帯ですかになった。これが将来には相当な伸びを見せるんじゃないかということで、またお金も取る、こういうことですけれども、ひねくれた見方をすると、金の方が先行して、弱い立場というか、見られない、そういう立場の人は後回しになる、こういうようにも考えられるわけです。
 そこで、私今こういう質問をしたわけなんですけれども、この難視聴地域の解消は今解決したとは思っていない、こういうことでございますので、難視聴地域を解決する努力を並行してしていただきたい、先ほど申し上げましたように、ことしは難視聴地域解消については一言も触れていません。これはやっぱり片手落ちじゃないか。あくまでも公共放送として私はあるべき姿ではない、こういうふうに思っておりますので、その点は注意をしていただきたい、こういうふうに思うわけです。注文をしておきます。
 それから、これも関連ですけれども、衛星放送の受信契約でございますが、現在衛星放送の受信世帯は本年二月まで百三十七万所帯、平成元年の年度末には二百三十万世帯、こういうふうに予想されておりますけれども、単独で受信しているところもあるし、また衛星放送を受信可能ないわゆるマンション、CATV、共同で受信をしているところ、この世帯などを含めて、いわゆる受信契約というのは今の目標では百三十八万、ということは六〇%、こういうことになるわけですけれども、受信契約者を六〇%にした根拠、これはどういうことですか。
#152
○参考人(小山森也君) 大体平成元年度末におきまして二百三十万台というものが衛星受信者になるであろうと見ておりますが、これに要します要員がやはり必要でございますので、約二百九十名の特別な新規契約の受信のための人員を臨時に労働力を増加させたい、こう思っております。
 なお、これは先ほども大木委員からの御質問のときに申し上げましたが、何分とも八月からの本放送でございます。したがいまして、現在受信している方に、ある月に全部と契約することは事実上不可能でございます。したがいまして、事前契約等をお願いする次第でぐざいますけれども、しかし実際はやはり八月からの契約ということになってまいります。
 そういたしますと、今までの能率、効果その他を合わせますと、六〇%を目標とするということが数量的に算出されました。ただ、しかしこの六〇%というのはかなりハードな目標でございまして、最大限の努力をしなければならない、こう思っております。そのためにいろいろ集団割引等を考えまして、十五人以上のところは百五十円の割引を適用するとか、あるいは事業所等において十台以上のところについては割引をするというような私どもの労力とそれから現に受信している皆さま方の御協力、両方を得まして計算いたしますと六〇彩、これが最大限の努力の数値ではないか、こういうことでございます。
#153
○鶴岡洋君 まだたくさんあるんですけれども、もう一問だけお聞きしてやめます。
 受信料の収納関係でございますけれども、もちろんNHKは受信料によって運営されておるわけですから、大半の経費は受信料で賄われておる、これはそのとおりでございますけれども、その受信料の収納関係でございますが、昨年でしたか、新営業体制というのがスタートしてことしで二年になるわけですけれども、問題は三つあるわけです。
 一つは単身世帯が八百九十万世帯、共働きが九百三十万世帯、いわゆる昼問いないために集金ができない、こういうところ。
 二つ目は、世帯の異動、これは三千二百万受信者の中で約一〇%、こういうふうに言われておるわけです。
 それから三番目は契約拒否、これはふえておるようですけれども、現在十五万と聞いておりますが、これらの課題に新営業体制が昨年発表されて二年になりますけれども、その成果は現在どうなっておるのか。成果は上がっておるのか上がっていないのか。これからの受信料収納について、今も申しましたように衛星放送の有料化の問題も含めて、これは大変関心のある問題でございますし、そちらでも重大な関心があるところでございますので、この点についてお聞きをしたいと思います。
#154
○参考人(小山森也君) 実は新営業構想、昭和六十三年度から出発したわけでございまして、まだ丸一年たっておらないわけでございます。したが
 いまして、すべて現在御指摘の点につきまして、効果のほどというのは、満一年たっておりませんので資料はまだでき上がっておりません。
 ただ、しかしながら六十二年度において、経費率、百円取るのに十八円九十銭かかっておったものが大体十八円六十銭、一八・六%に低下するという見通しは立ってまいりました。
 なお、この新営業構想と申しますのは、やはり一番の焦点になりますのは、従来代々木の本部ですべて全国を統括して同じような形で行ってもらいたいという方針を、やはり各地域地域、これは非常に様子が変わっております。東京の渋谷区内と、やはり同じ東京でも世田谷では大分様子が変わっております。いわんや東京とそのほかの府県というのもいろいろと違う。これを同じような条件ではなしに、それぞれの地域に自主性を持って、それぞれの地域に適した形で契約事務を進めるということが趣旨でございまして、そのことによって行うならば、いわゆる中央で考えること以上に能率的に、しかも放送と営業行為というものが非常にリンクするというようなことからこの構想を立てたわけでございます。
 したがいまして、まことに御質問に対して正確な数字をもってお答えできないのが申しわけございませんが、まだ一年たっておりませんので集約してある段階ではありません。ただ、目標とした一八・六%の経費率にはほぼ達するであろうということが推定されているということが現状でございます。
#155
○鶴岡洋君 どうもありがとうございました。
#156
○山中郁子君 NHKの予算案の審議に入ります前に、片岡郵政大臣に直接御意見を伺う機会としてはきょうが初めてでございますので、一点だけ大臣の見解をお伺いし私の方からもお約束をいただきたいということがございます。
 それはNTT問題であります。
 御承知のように、真藤前会長が起訴をされるというそういう状況のもとで、今国民の大きな批判と関心が集まっているわけでありますし、また例えばきょうの新聞なんかを見ましても、昨年亡くなられた参議院議員に、問題になっております電通協ないしはボランティア基金から一億円のお金が出されたというようなことが改めて報道されるという事態が生まれてきております。
 私はぜひ郵政大臣に認識をしていただくと同時に、改めて確認もしたいと思いますことは、私自身この当逓信委員会におきまして電通協問題につきましては昨年の三月二十二日にこの問題を取り上げました。そして、詳細にわたることは今申し上げるつもりはありませんけれども、この点についてのNTTのやみ献金問題を追及いたしました。それと同時に、またさらにさかのぼって、今申し上げました、きょう新聞などでも報道されているというその亡くなられた参議院議員に対する献金という問題につきましても、一九八六年の同時選挙のときでありましたけれども、その年の予算委員会でもいたしましたし、この当逓信委員会でもそのことについて追及いたしました。そのときに既に明らかにしておりますから申し上げますけれども、昨年亡くなられた自民党の福田幸弘さんをめぐるNTTのいわゆる企業ぐるみ選挙ということについて私が追及したところであります。
 この問題に関して先ほども鶴岡委員の御意見に対して大臣もお答えになっておられましたけれども、それからこの問題が起こってからのたびたび大臣の意見は、遺憾に思うと、郵政大臣としては今後そういうことについてちゃんとした立場でもって二度と再びそういうことが起こらないようにしたいと、そのようにお答えになっていらっしゃいます。私はそのことが単に遺憾に思うという言葉だけの問題ではなくて、私自身今若干部分的に紹介したにすぎないんですけれども、当委員会で既にかなりの時間をかけて具体的に問題にしてきたことなんですね。そのことで、郵政大臣もちゃんといらっしゃるところで、郵政省もいらっしゃるところで私はNTTの問題について取り上げてまいりました。
 しかし、そこに適切な郵政省としての、郵政大臣としての御指導ないしは把握がなかったからこそ今事態はこのようにして明らかになって、国民の重大な不信を招くというところになっているという点について、これは明確に認識をしていただき、そういう具体的な問題を踏まえた上で、何回もおっしゃっていらっしゃる郵政大臣としての今後の決意を伺わせていただきたい。とりわけ郵政大臣には、NTTの事業内容に対する問題、例えば予算にしても事業計画にしても、それをよしとするかどうかについての権限がおありなわけです。
 ですから、私といたしましては、この電通協の問題あるいはその一連の質疑の中で、NTTが電通協に対して賛助団体として年間二千万円のお金を出しているということを児島副社長が答弁の中で認めていらっしゃるわけです。少なくともそういうようなことについては郵政大臣としては、郵政省としては今後そういうことはやらせない、やめるべきだということについて、事業計画の中身を責任を持って認める立場にある郵政大臣として、国民に対するお約束をしていただきたい。そういうことがまずNHKの予算の審議に入る前の、初めての郵政大臣と質疑を交わす機会でありますので御見解とお約束を賜りたいということであります。
#157
○政府委員(塩谷稔君) 事実関係にわたるところもございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 先生おっしゃいました電気通信協議会でございますが、これはOBと現役が一体となってやろうということで、友好団体、一種の任意団体でございまして、政治団体ではございません。したがいまして、これにNTTからも年間二千万円の賛助会費を拠出されている趣でございますが、何ら問題はないのではないかというふうに考える次第でございます。
 若干これに何か紛らわしいものとして管理者の有志の資金カンパというのがあるようでございますが、これはやはり今申し上げました任意団体でございます電通協とは別なものであるというふうに私ども承知しておるところでございます。
#158
○山中郁子君 私は大臣にお伺いいたしましたので大臣から再度お答えをいただきたい。
 こういうことの細かいことは別な機会でやるつもりでありますから、きょう細かいことをお答えいただくつもりはありません。しかし、今これだけ問題になって連日報道されて、真藤さんが起訴されるというそういう事態になっているもとで、郵政省がそのことについて何ら問題ないという考えを持っていらっしゃるのか、大臣、そうなんですか。遺憾に思う遺憾に思うと何回もおっしゃりながら、今問題になっている電通協に二千万円NTTが毎年出しているということを郵政大臣としてお認めになる、何ら問題にならないというふうにお考えになっていらっしゃるんですか。そのことは明確にしてください。そうでなければあなたが遺憾に思うと言ったって一体何を遺憾に思っているのか国民は少しもわからない。そうでしょう。
#159
○国務大臣(片岡清一君) ただいま局長から御答弁申し上げたのは、全国電気通信協議会という団体がNTTの現役の職員とOBとの親睦の団体である、こういうことであるようでございます。したがいまして、これは私も職員同士の親睦の団体であるならそれは我々がどうのこうのという干渉がましいことを言うべき筋合いのものではないんじゃないか、こういうふうに思います。
 ただ先生がおっしゃっておるように、NTTがこういう公の団体である以上、そう簡単にあちらへこちらへと金を出すということに、そしてしかもそれが普通考えられるような少量のお金であるならともあれ、二千万というような大きな数字というようなものは、これはやはり普通の民間団体であるならいざ知らず、そうでない場合には十分お互いに注意しなければならぬものである、こういうふうに基本的には私は考えております。
#160
○山中郁子君 単純な親睦団体でないからこそこれだけ問題になっているのだということをよくよく御認識をいただきたい。
 私が申し上げましたように、一九八六年の予算委員会並びに逓信委員会そして昨年の通常国会の逓信委員会、この議事録についても再度精密に御検討いただきたいと思います。
 NHKの予算の問題に入りますけれども、既に午前中から多くの方から御議論がありました。私も若干重複する部分があることはお許しいただきたいと思いますが、まずやはり初めに、消費税の問題についてお伺いをしなければならないと思います。
 それで、受信料に消費税三多分が上乗せされているということで、まず第一に明らかにしたい問題は受信料の性格でございます。
 午前中、及川委員の御質疑の中でその点についても触れられておりましたけれども、私どもも今まで長い経過の中でこの受信料の性格というものがどういうものであるかということをさまざま論議をしてまいりました。それで、私たちもその受信料というものについて今後いろいろ解明しなきゃいけない問題点、さらには整理しなきゃならない問題点がいろいろあるということを前提にしつつも、その受信料の性格というものがサービスの対価ではなくて特殊な負担分あるいは分担金というものであるということを了として今日までまいりました。
 これが一番はっきり示されているのは、私は、例えばテレビがあればNHKを見ても見なくても契約を結ぶということですね。結ばなければならないし、そのためにNHKの方も今まで大変苦労していらしたわけですよ。契約を結んだ以上は、NHKのテレビを見ても見なくても、やはりそれは受信料を払う。そういう受信料制度によって具体的にNHKの運営が成り立っているものである以上、この受信料の性格の根幹に触れるところで安易に対価であるということで、今大問題になっている消費税がそのまま上乗せされるということについてはどうしても了としがたいわけであります。
 これもまた多くのというか、ほとんど圧倒的多数の視聴者、国民の声であろうということを私は確信を持っておりますが、もしこのような形で対価であるということで受信料が上乗せされるというままに進むならば、今までいろんな意味で論議をされてきた受信料の性格そのものが変わる、ないしはそのことについて考え直すみたいなところへ導かれていかざるを得ないということについてはどのようにお考えでしょうか。私はそうなっていくんじゃないかという気がするんですけれども、もしこれを当然のこととして対価であるということで上乗せするならばね。その点いかがお考えでしょうか。
#161
○政府委員(成川富彦君) 先ほど来お話が出ておりますように、NHKの受信料はNHKを維持、運営するための特殊な負担金あるいは分担金としての性格を有するわけでございます。
 消費税の課税対象とするかどうかにつきましていろいろと議論があったことは事実でございますが、最終的には政府部内で調整を行いまして、これを消費税の対象とする方向で、消費税法案が国会に提出されて、本年四月一日から実施されることになったわけでございます。消費税法案におきましては、NHKの受信料を資産譲渡等の対価に類するものとして、対価そのものではなくて、対価に類するものとして課税対象に加えておるわけでございます。今回の消費税は、広く家計の消費に負担を求めるという税制でございます。そういうような意味合いからも、このような対価に類するものとして課税対象としているわけでございます。
 NHKの受信料につきましては、性格についてサービスの対価でないという性格そのものにはいささかの変更もないわけでございます。したがいまして、今回このような措置がなされたからといって、受信料制度を見直す必要はないものというふうに考えております。
#162
○山中郁子君 対価でないという性格はいささかも変わらないのにもかかわらず、なぜ対価に類するものになるのですか。私はこういう不毛な議論に時間を費やすつもりはないのですけれども、余りにもそれは理屈が通らない、ばかにした話ですよ。対価でないということはちっとも変わらないというんでしょう。それなのになぜ対価に類するものなんですか。少なくとも対価により少し近づいた解釈をしたから対価に類するものになったんでしょう、今までは対価じゃないということになっていたんだから。私はそういうごまかしで委員会の答弁をやってもらうのは困るんですよね。
 国民の代表として私たちは今ここへ来ています。視聴者の代表として来ています。消費税がこれだけ大問題になっているのよ。ちょっと少し基本的な姿勢が不謹慎じゃないですか。大臣からお答えいただきましょう。そんな理屈はないですよ。
#163
○国務大臣(片岡清一君) 先生がおっしゃるのは、転嫁の方法のことになると思いますが、消費税というものは、これは既に前国会で通過いたしまして、これは四月一日から実施せられるという段階にありますことは、これは御存じのとおりでございます。
#164
○山中郁子君 まだわからないですよ。
#165
○国務大臣(片岡清一君) いやいや、それはあなた方のお立場はどうあろうとも、やはり法治国家において法律として成立したものを守ることは、これは法治国家の当然の義務であり、守らなければならぬのは当然でありますし、私は閣僚でありますから、したがって、法律には忠実にこれを履行しなければならぬという義務を負うておるわけでございますから、私は当然そういうことについては御理解をいただかなければならぬ、かように思っておる次第でございます。
#166
○山中郁子君 この問題だけで時間は使えませんが、一つは、そもそも大臣そうおっしゃるけれども、今地方自治体の流れを見てくださいよ。それだから、もう自民党だっていろいろ慌てていらっしゃるわけでしょう。それで、自民党の、与党の方からも消費税の問題を何とかしてくれとか、やれ凍結だとか、やれ延期だとかという話が出ているというそういう事態なんですよね。そもそも消費税自体が廃止されるべきであるというのが今の国民の圧倒的多数の声ですよ。
 それと同時に、この問題は二重の問題点があるんです。というのは、けさほどからずっと議論があるように、NHKの受信料には消費税はなじまない、そういう根本的な受信料の性格にかかわる問題があるんですね。一般的に消費税に対する国民の批判とか怒りとかということだけじゃない、その上にさらに加えて受信料の性格そのものがなじまないという問題があるので、やはりその立場、国民の声、それを率直に受けとめてぎりぎりまでやっぱり努力をなさるべきだというふうに思います。
 一つだけ伺っておきたいのは、NHKの方にこの予算の消費税上乗せの経過についてレクを受けたときにちょっとおっしゃっていたように思うんですけれども、大蔵省と経企庁と郵政省といろいろ議論があった結果、先ほど局長の方からもお話があったそのことだと思うんですが、受信料は対価に類するものというふうな結論になったというようなお話がございましたけれども、この経過は具体的に言うとどういうことだったんですか。郵政省は受信料に消費税はなじまないという態度で臨まれたけれども、結果的には、そういう協議の結果、こうなったんだということですか。端的にちょっとその経過を教えていただきたいと思います。
#167
○政府委員(成川富彦君) 私どもは、先ほど来御答弁申し上げておりますように、NHKを維持、運営するための特殊な負担金である、NHKの受信料はそういう性格であるということでございます。言ってみれば、役務の提供、サービスの提供の対価そのものではないという立場をとっておりまして、そういう立場で話をしてきたわけでございますが、今回の消費税法では、消費税は広く家計の消費に負担を求める税制ということから、午前中大蔵省の方からもお話しございましたように、NHKの受信料を資産の譲渡等の対価に類するものとして課税対象に加えまして消費税を転嫁するということになったわけでございます。
 先ほど来いろいろと大蔵省の方からも理由等について御説明ございましたけれども、NHKの受信料の性格を考えると、受信料はいつでもナショナルミニマムとしての公共放送を受信できる状態にある者の便益に着目した料金である。そういうようなことなどの観点から、譲渡等の対価に類するものとして課税対象に加えられたものというふうに私どもは考えております。
#168
○山中郁子君 NHKにお伺いをしたいのですが、NHKは、当然のことながら受信料は消費税の対象にはならないという立場でずっと御主張されていたというふうに午前中の議論ではお伺いをいたしました。その点は、私の見解としてはもっとしっかりした立場で視聴者を代弁する強力な姿勢でそういうことに臨むべきであるというふうに思っておりますけれども、その点についての御見解をお伺いしたいということが一つです。
 それから、あわせて今まで私どもが何回となく問題にしてまいりました予算委員会のNHKの放映に関する問題について、この機会にもう一度確認というか、お伺いをして改善方を要求したいと思います。
 これは御承知のように、かねてから私どもが主張しておりましたし、NHKに改善方を要望しておりましたが、国会での予算委員会の総括質問のトップの人々の質問がNHKのテレビで全国に放映されるわけです。そのことが六時になると、若干の例外はありますけれども、基本的に私どもが申し上げたのは、六時になると打ち切られてそれが真夜中になる。特定の政党がそういうところに当たっちゃうわけでしょう、結局予算委員会の運営によって。だからそういう点は改善するように、そういう不公正が生じないように解決をする道を考えてくれということで私ども具体的に幾つかの案も提起をしながら、こういう改善の方法もあるじゃないかということも申し上げながら再三主張してまいりました。
 最近の経過で言いますと、昨年の臨時国会、ことしの通常国会の衆議院の予算委員会、これは予算委員会の運営自体が大体基本的には六時で終わるという形で運営されましたので、私たちが主張してきたような一部の党が夜中に回るみたいな大きなそういう不公正が、昨年の臨時国会とことしの通常国会の衆議院に関しては、一部ありましたけれども、大きくはなかった。でもこれは予算委員会の運営の側の問題でありまして、私どもは予算委員会の運営に対してもそういうことはずっと一貫して主張してまいりましたけれども、NHKの放映の姿勢としては、予算委員会の運営次第ではまた前のような不公正が生まれてきてしまうということは十分心配できることなのでありまして、そういう点についてのNHKとしてのお考えと、それから御努力があればその内容と今後の解決の方策についての御見解をお示しいただきたい。
#169
○参考人(島桂次君) 受信料が消費税になじむかという問題につきましては、私どもはなじまないという態度でまいったわけでございますけれども、最終的には郵政大臣その他のような経緯をたどったわけでございます。
 それから、予算委員会の中継でございますけれども、これは国会をテレビで中継したときから、午前中は午前十一時五十五分、午後は午後一時に再開しまして午後六時ということでまいっているわけでございます。これは当然、国会審議というのは国会の皆さん方が国会審議のスケジュールをお決めになるんであって、我々がそれにどうこうするなんというのはとんでもない話でございまして、私どもは六時になると自動的に切らしていただいているわけでございます。しかし、これから先ニューメディア時代とか情報化社会とか、メディアの数もふえてまいりますし、またいろいろ国会審議の重要性というのは私たちも認識しておりますので、いろいろこれから考えたいと思っていますけれども、現段階では少なくともそういう方針でやっていきたいということを申し上げておきたいと思います。
#170
○山中郁子君 私はこの問題についての経過を、今改めてNHKの首脳の方に申し上げる必要はないと思うのですけれども、そもそもこれは超党派の予算委員会の理事の方々からNHKに、そうした事態にならないように何らかの善処をされたいというものがもともと衆議院の予算委員会の理事会としてあったという経過がございます。それから、私どもも長いことそのことについて提起をしてまいりました。何回も直接NHKにもお伺いをしてそういうことでお話もしてまいりましたし、だからこれから考えるみたいなことをおっしゃらないで、もうちょっとちゃんと改善をすると、今すぐどういうふうに今度からするよということをあなたがおっしゃれなければ、それはそれとしてやむを得ないという面はないでもないけれども、いずれにしても基本的な方向としては、私どもが主張してきたことで予算委員会としても要求したことのあるそういう公正な報道を確保するために御努力をするし、検討も早急にするということはぜひお示しをいただきたいところでありますけれども、いかがでしょうか。
#171
○参考人(島桂次君) ただいまのお話、よくわかる面もございますので、検討したいと思います。
#172
○山中郁子君 それは、先ほどから会長もあるいは副会長も繰り返し繰り返し述べておられる放送法の理念、不偏不党、それで民主主義を前進させるためのNHKの公共放送としての任務、そうしたものに照らして第一義的に重要な問題の一つであるということは、私が申し上げるまでもなく御認識のところだと思いますので、早急にその方向で善処をすることを重ねて要望をしておきますが、きょうその保証がいただけないのは大変残念であります。
 次に、私は、いわゆる天皇報道と言われております前天皇の死去、そして前天皇から現天皇への代がわり、それらの問題についての報道について、ぜひともNHKに考えていただきたいし、また伺っておきたいということがございます。
 昨年の九月に、前の天皇の病状が非常に悪化をしてそれから一月七日に死去という事態に至るまでの間の天皇の病気に関する病状を報道する事態は、非常に異常であって異常報道という言葉きえが生まれるような、国民のさまざまな批判や不満がNHKを初め各放送局に寄せられていたというのは事実でありますけれども、大切なことは、こうした視聴者の声を放送事業者が謙虚に受けとめてそれを番組制作に生かしていく、これはどんな批判であっても同じでありますから、天皇をめぐる報道にあってももちろん同じだという意味と同時に、さらに憲法その他にかかわる重要な問題であるから、より一層やはり謙虚に受けとめていくべきだということで、お答えをいただきたいと思います。
 具体的に天皇の病状の報道、九月のたしかあれは十九日から始まったと思いますけれども、二十四時間、深夜に至るまでNHKはずっとスタンバイというか放送を続けていたという状態が続いているわけですけれども、これが非常に異常でありました。
 それからまた、特に死去の当日と翌日の二日間の報道、これが最初NHKは三日の特番を組んでいたけど、二日に結果的に途中で批判が多くてなったというふうな報道もありますが、この事の真
偽もお尋ねをしておきたいと思いますが、そういう報道。
 それから、その特番の中でも、同じような人が同じようなことで繰り返し繰り返し出てきて、それで、一つの重要な問題である天皇の戦争責任だとかあるいは天皇制についての意見だとかいうものについては、もちろん全くなかった、一つもなかったとは私は言いませんけれども、しかしそれは全く例外的なことであって、基本的にはすべて一斉に天皇の美化という状況が行われました。これに対してやはり相当な批判の声が上がったということは確かであって、それがまた葬儀にも関連して続いてきたというふうに思いますが、まずこういう事態、つまり天皇をめぐる報道のあり方についての視聴者からの多くの批判や不満、そうしたものはどのように認識されていて、そしてどのようにそのことを受けとめておられるか、ひとつぜひ基本的なお考えをお伺いしたい。
#173
○参考人(遠藤利男君) 御指摘の点でございますが、私ども天皇の御病状が悪化して以来さまざまな報道をやってまいりましたが、この報道につきましては、私どもは、放送法に定められております公正で中立て不偏不党の態度をとっております。なおかつ、天皇に関しましては、日本国憲法の第一条にありますように、日本国の象徴でありなおかつ国民統合の象徴である、さらにそれは主権者である国民の意思によってそうなっているんだという日本国憲法第一条の趣旨にのっとって、この報道をやってまいりました。できるだけ公正、中立、冷静に報道したいというふうにやってまいりました。
 さまざまな御意見を私どもいただいておりますけれども、例えば崩御されました二日間につきましては、約一万八千件の電話の反響をいただいております。初日では、急に番組の変更をいたしましたので、約七〇%が番組の変更に対する問い合わせでありましたけれども、二日目になりますと特別編成の時間が長いという御批判の御意見も六〇%ありました。そういうことで私どもは、どういう御意見であろうと、御批判の御意見、それはきちっと私どもの中で受けとめまして、私どもの自主的な編成に対する考え方にのっとって、皆さんの御意見を番組に反映していきたいというふうに思っております。
#174
○山中郁子君 三日の予定だったけれども二日にしたというのは本当ですかと伺ったけれども、それはどうだったんですか。
#175
○参考人(島桂次君) もちろん天皇報道につきましては、事前に幾つかの案があったことは事実でございますけれども、天皇がお亡くなりになった早朝、私と遠藤理事と二人で番組の構成案を最終的に決めました。三日間あったものを二日に短くしたという事実はございません。
#176
○山中郁子君 これはNHKの天皇報道にかなり中心的に当たられたキャスターの方が書かれた文章です。これはもちろん御承知だと思います。NHKの第一の外郭団体とも言うべき、また広報雑誌とも言うべき「新放送文化」でありますけれども、これが新しい号で「総特集「天皇崩御」と放送」ということでされています。ここの中にこういうことを書いておられます。
 今年一月七日、昭和天皇の崩御が発表された直後の、午前八時からの一時間、NHK総合テレビの視聴率は、四〇・二%だった(ビデオ・リサーチ関東地区)。この時間、テレビで天皇報道を見た人は、あわせて六四%余り。しかし、夕方六時から二十四時までの、平均の視聴率は、すでに前日六日のそれを、下まわっていた。レンタルビデオ店は、大繁盛だった。いずれも、平成元年の、テレビの風景だった。このキャスターの方はそれなりの一種の感概も込めてこのような文章を締めくくられたと思うんですけれども、視聴率は夜になったらもう前日を下回っていたということです。
 あなたはそういうことで国民の批判はちゃんと受けとめてやっているし、よく知っているというふうにおっしゃるけれども、それではNHKは、NHKのそういう関係する人たちが書かれている、あるいはあなた方の外郭広報誌とも言うべきこういうものに書かれているものが、一体どういうことが書かれているかということを一番率直に受けとめるべき立場にあなた方はおられると私は思います。
 それで、今これから私が引用することは、何も自分の主張に都合のいいことだけを引用するわけじゃないんです。私はこれを全部読みました。読みましたけれども、あの特番はなかなか立派だった、やっぱりあああるべきだったという声は一つもないと言っていいです。やはり全部批判的見地です。
 それで、その中でビデオ・リサーチ調べを抜粋して書かれている論文がありますけれども、その中で「特別番組の放送時間についてどう考えますか」ということに対して、「長すぎた」と考える人が五三・七%で半数を超えております。それから、「特別放送を実施した二日間、どんな行動をとりましたか」という設問に答えて、「テレビを見るのを途中でやめた」という人が六一・三%です。六〇%を超える人がもうテレビを途中でやめたんです。それから、「録画ビデオを見た」という人が三九・七彩に達しています。それから、「レンタルビデオを借りた」という人が一八・七%に達している。そういう状況が出ております。それから、「通常の番組が放送されなかったことについてどう考えますか」ということに対して、「不都合だった」という人が五九・七彩に達している。
 これがビデオ・リサーチの結果でありますけれども、こういうことの中でどういうことをいろんな方がここで書いているかといいますと、例えばこれは事実としてあなた方はお認めになっているわけだけれども、通常編成だったNHKの教育テレビの視聴率が八日はテレビ東京を超えた、そして将棋番組がふだんの三・五倍になったとか、あるいは夜のアメリカの映画が七・九%の高率を示したとかいうことがここにも示されていますけれども、そういう事態が生まれております。
 それから、大阪の状況を書いている人の中に、朝鮮の方、韓国の方の心境を代弁するようにして書いておられるわけですけれども、「私たちの国の中にだって天皇の死に対する様々な思いがある。どうしてテレビはそれを伝えようとしなかったのだろうか。」ということだとか、あるいは「あの日、大勢の人がビデオショップに走ったということを私は健全な社会現象と見る。少なくとも若い人たちを中心にしてテレビを拒否したのである。」というようなことだとか、あるいは「テレビ人をはじめ電波に携わる人たちは、どうか今度のビデオ屋大繁盛の一件と二万通にのぼる抗議電話を重く受け止めてほしい。もう二度とあの日のような押しつけはするべきではない。そしてテレビはジャーナリズムに欠かせない批判精神をいま一度取り戻すことだ。」と。私は恣意的に今文章を取り上げたわけではありません。そのほか多くの人たちのこうした観点に立つ天皇の報道をめぐる批判的な論調が生み出されている。
 これをNHKとしては当然であるという立場でやったのであってということと、批判は批判としてそういうものがある、一万八千件もの電話があって、これはもう史上最高ですよね。そして仮に、あなたのおっしゃるように全部が批判じゃなくて、抗議じゃなかったとしても、最高のやはりNHKに対する視聴者の声だと思うんです。そういうものは謙虚に受けとめるんだとおっしゃりながら、片方でそういう立場で放映したことにいささかの問題もなかったんだということは、これは明らかに矛盾するということを私は言わざるを得ないのでありますけれども、その点についていかがでございましょうか。
#177
○参考人(島桂次君) 先生のお尋ねの中に、初め三日間の編成を二日にしたという点につきましてもう一度私申し上げておきますのは、これは幾つかの案があったことは事実でございます。ただ、最終的に決定するのは、編集権は会長にございます。会長代行をいたします私が、放送の責任者の放送総局長に指示したのは初めから二日間だったということでございます。キャスターその他に編集権があるわけでも何でもございません。
 それから、我々がやったこの二日間の天皇報道についていろいろの御批判があったということは事実でございますし、それはそれなりに我々もこれからの問題の一つの反省の、反省といいますか、なるほどこういう見方もこんなに多かったのかという意味で、我々はそれを受けとめていきたいと思います。
#178
○山中郁子君 NHKの人が言っているんですよ。視聴者の心情の流れは当初考えていたよりも古いものから新しいものへと急展開していったと、NHKの実際の現場に当たった人たちがやはりそういうことを感ぜざるを得ない放送の実態だったということを心して受けとめるべきであるし、それでもなおかつ、それは間違っていなかったんだということを強弁なさるべきではないと私は重ねて申し上げておきます。
 天皇の死に関していろいろな意見があるのは、これは当然であります。私はそのことを、今ここで天皇問題について議論するつもりはありません。しかし、私がここで強調したいのは、例えば、私自身も天皇の戦争責任だとか、あるいは戦前の絶対主義的天皇制のもとで多くの人々が人権を抑圧された、そういうようなさまざまな本質に迫ることなくほとんど天皇の美化に終始する、しかも、それもNHKだけでなく、各民放が全部そういうスタンスでたくさんの時間を使ったということは、これは相当やはり肌寒いという思いをせざるを得なかった、そういう人たちはたくさんおられました。それは次々と今私が御紹介したこの「新放送文化」だけではありません。多くのところに出されております。
 それは逆に、では一体天皇というのはどういう問題であったのか、天皇の戦争責任というふうによく言うけれども、どうだったのかというようなことについても、知る権利を一方的にやはり抑え込んで、それで天皇に対する弔意を強制するという風潮をつくり出していく、そういう事態が生まれてきていたということを、私はNHKは十分に公共放送として、けさほどから強調されている立場に立って理解をされるべきだというふうに思います。
 そういう点では、今いろいろ問題になっております、先ほどどなたかは憲法のことをお出しになりましたけれども、憲法の法のもとの平等、そしてそれなのにもかかわらずなぜ異常なこのような取り扱いがされるのか、あるいは死語に等しい敬語が使われる、また戦争責任や人権抑圧、そういうものを問い直すことがされていない、あるいは美化や、弔意の強制、こうしたものがまさに憲法の主権在民の、その根幹を空洞化していく勢力に激励を与える以外の何物でもないではないかということを私は重ねてここで強調をしておきたいと思います。NHKの反省を促したい。
 最後になりますけれども、これもけさほどからさまざま議論をされているのですけれども、やはりどうしても私はわからないので重ねてお尋ねをするんですが、BS2Xの購入の問題ですね。
 これは既にBS3の開発が進んでいて、要するに一年弱というそういうところであるんだけれども、その後一体どうなっていくのかということはさっきから議論があるんですけれども、どうももう一つ私はよくわからないんです。その辺のことについてはどういう経過でこうなって、そして今後それはどうなっていくのかということについてちょっと聞かせていただいておきたいと思うんです。補完衛星の問題です。
#179
○政府委員(成川富彦君) 購入に至る経緯につきましてはNHKの方から答弁してもらった方がいいんじゃないかと思いますが、その取り扱いについて私の方から答弁させていただきます。
 BS2Xは、先ほど来議論ございますようにBS2bの不測の事態に対処するため、現在運用中のBS2bのバックアップとして、いわば緊急避難的な措置として打ち上げる予定のものでございます。BS2Xの周波数につきましては、改めて国際調整を行うことなくBS2と同一の諸元として運用することを前提としております。BS2bの予備以外の利用は予定していないものでございます。
 先ほど来必要性につきまして御説明させていただいたんですが、BS2Xの有効期限といいますか、周波数の調整を必要とせずに使える有効期限は一九九一年の一月末まででございます。それまでは国際調整を必要とせずに使えるわけでございますが、その後の使用につきましては、国際条約の関係から周波数の国際調整を必要とするわけでございます。国際調整の見通しについては容易ではございませんが、仮に国際調整がついたといたしましても、BS3の電波が出せなくなった場合に使用することは可能ではございますが、今回の措置は先ほど来申し上げておりますようにあくまでも緊急避難的な措置として打ち上げるものでございまして、BS2bの予備以外の使用は予定しておりませんし、NHK自身もそのような考え方というふうに私どもは承っております。
#180
○山中郁子君 NHKの御答弁をいただく前に、もう一度ちょっと重ねて伺っておきたいんです。
 私もNHKの方から予算のレクチャーを受けたときにお尋ねしたんですけれども、それから午前中にもちょっと御議論があったように承ったんですが、安くこれが買える。緊急避難的にどうしても必要なんだということを片方では強調なさるわけね。だけれども、片方ではたまたまあったということになって、たまたまなかったらどうするのかと私はレクチャーを受けたときに伺ったんですけれども、それについては合理的なというか整合性のあるお答えはいただけなかったんですけれども、どう考えても、たまたまあったし、片方がどうしてもやっぱり必要なんだ、こういうふうにおっしゃるわけね。そうすると、今の局長の御答弁もあるけれども、今のところは国際調整があるからそれ以降どうやって使うかということは何とも言えないけれども、そもそも主要な目的はその後のことをにらんでこういう事態になってきたのかというふうに思われないでもないわけですよね。
 そういうようなことが、どうしても合理的な答弁がやっぱりけさほどから伺っていても受けとめられないんですけれども、その点どうなんですか。たまたまそういう安いのが見つかった、片方は断固として必要だったと。だったら、たまたまなかったらどうなったわけですか。
#181
○参考人(島桂次君) この衛星放送につきましてはおととしの夏、モアサービス、独自チャンネルをつくったときから、これは前会長の川原さんの時代だったんですけれども、私はニューメディア推進本部長としてこれはもう完全なパックアップ体制をとらなきゃだめだということを決心しまして、およそ一年間、世界のあらゆるロケットメーカーその他関係社を私は歴訪していることは事実でございます。
 それがなかなか、新しく発注しますとかなりの長期間を要するということでそれを発注しかねたところへ、昨年の秋ごろたまたま一部の会社が計画していたやつが挫折しそうになって、それを転用できそうだという話がありましたので、これはつまり今度上げることになったGEの星でございますけれども、早速それを使おうということで、たまたまあったからというような表現はそれはだれが言っておるのか知りませんけれども、この衛星の推進の責任者として私はそのバックアップ体制を初めから現在に至るまできちっとやってきたつもりでございます。
#182
○山中郁子君 NHKの方が説明してくださったときにたまたまというふうにおっしゃったの。だからそう怒らないでください。
 この問題はいろいろまた議論がたくさんあると思いますよ。だけれども、この予算の中の衛星放送の料金設定、それとも結局絡むわけでしょう。そういうことで、今、島さん強調なさったけれども、バックアップ体制が必要なんだ、金取る以上は万一のことがあったら大問題になる、こういうことと絡むわけですね。そういうことと、それからけさほどから議論になっているこの補完衛星の問題もいろんなまだみんなが納得できないというか、十分合理的には受けとめられないいろんな問題がある。そういう点で、私はやはり衛星放送自体こういう補完衛星の打ち上げその他も全部含めた、そして衛星放送の料金設定の問題も含めたそういう問題について、よりよい形でのというか、より深いというか、より十分な国民的コンセンサスが必要であろう。そういうことに視点を合わせて姿勢をきちんとしていくことがこの問題に関しては一番重要なことではないか。つまり一言で言うならば、まだ国民的なコンセンサスはでき上がっていないのではないかということは十分考えるべきことであろうということを指摘しておきたいと思います。終わります。
#183
○橋本孝一郎君 大分もう午前中であらかじめ通告してある内容が消化されておりますけれども、できるだけ重複しないようにしてお尋ねをしたいと思います。
 その前に、一つ意見を申し上げておきたいと思います。
 消費税問題ですけれども、なじまないということをNHKの方はおっしゃっているし、我々もなじまないという考えであります。幸いこれは見直し条項があるんですから、これはいつでもやれる見直し条項でありますから、見直しをぜひしていただくようにお願いしたい。やはりその行動をとられるようにお願いをしておきたいと思います。これは特に郵政省にもお願いしておきたいと思います。
 それから第二番目ですが、NHKの経営というのは受信料を主体にして行われておるわけであります。これはいわゆる負担金であります。もっと別なわかりやすい言葉で言えば会費みたいなものです。国営ならば税金で消化されるんですね。国営でない特殊な形態ですから、受信料という形態で負担金として認めて運営しておるわけですから、いわば会費のようなものである。ところが一方、衛星放送というのが非常に実用化してまいりまして、ハイビジョン、ニューメディア時代に向かって、そういう認識のもとにどういうふうな役割を果たしていくべきかということについて郵政省並びにNHKからお考えをお聞きしたいと思います。
#184
○国務大臣(片岡清一君) ニューメディア時代におきましては、NHKは豊かでよい番組の提供、国際放送の実施等これまで公共放送として役割を確保してきたわけでございます。また、NHKの衛星放送、ハイビジョン放送を初めといたします放送ニューメディアの進歩発達に関する先導的な役割への期待も極めて大きいものがございます。
 郵政省といたしましては、NHKが厳しい財政状況の中においてこれらの公共放送としての役割を果たしていくことに努力をしていただくことを期待いたしておる次第でございます。
#185
○参考人(島桂次君) 先生おっしゃるニューメディア時代、情報化社会、いろいろ呼び方はございますけれども、これはまさにNHKにとって戦後初めての大きな転換期に来ているんじゃないか、これは時代の大きな私は流れじゃないかと思っております。
 それは、我々ラジオから出発しテレビを昭和二十年代の後半に始めまして、それがカラーテレビになり、それ以上の、ラジオからテレビになった以上の今変革の時代を迎えている。極端に申しますと、放送事業と通信事業がもはや接点がなくなるような、いわゆるそういう情報革命の時代に突入してきた、こういう時代にありましては、我々は単に今までの延長線上で、つまりラジオをやりテレビをやる延長線上ではなかなかこれからの新しい時代の新しい公共放送を構築するわけにはいかぬ。少なくともこの四十何年間、戦前は別にしまして戦後四十何年間に我々がいろいろやってきた放送のノーハウをつくるこの力、パワーというものを、これから来る新しい情報化時代の先導的役割としていろいろこれをフルに発展、活躍させていくというのが我々の任務ではないかというように考えているわけでございます。
#186
○橋本孝一郎君 私のお聞きしておるのは、ある程度の枠組みがある中でそういうものをやっていかなきゃならない、金がかかる、その中でどういうふうにしようとしているのかということをお聞きしておるわけです。
#187
○参考人(島桂次君) 当然NHKは公共放送でございますから受信料を主な収入源にしております。したがって、私が先ほど述べたこれからの時代を、公共放送を再構築していくためにはいろいろのことをやらなきゃいけませんけれども、当然おのずから限度がございます。その限度の中で今私どもがやっているのはさしあたってこの衛星放送であり、それに引き続くハイビジョンの準備段階、もちろん現在やっている地上波、総合・教育テレビあるいは音声各波の充実、国際放送その他もろもろございますけれども、現在やっている仕事に加えて、そういう財政の許す範囲の中でぎりぎりのつまり新しい挑戦ですね、新しいものに対する先導的役割を公共放送として果たすということをいろいろ考えている、こういうことでございます。
#188
○橋本孝一郎君 その関連でお尋ねしたいんですけれども、郵政省の放送の公共性に関する調査研究会というのがございますね。この中間報告によりますと、「本格的衛星放送時代においてNHKの実施すべきテレビジョン放送を、衛星放送、地上放送を合わせて三波とするなどその保有の在り方について早急に検討する必要がある。」としておる。これはスリム化の上に、何でもかんでもNHKが抱え込むというんじゃなくて、今日民放も質的にもあるいはまた技術的にも非常にレベルが上がってきております。ですから、一部のものをそういう方向に回しても不可能ではなかろうと思いまするし、そのことはまたラジオ放送についても言われております。
 現在、ラジオとテレビ合わせて九波あるわけですけれども、全部それをいつまでも持っていなきやならないと思っておみえになるんでしょうか、その点についてNHKと郵政省にお尋ねしたいと思います。
#189
○政府委員(成川富彦君) 昨年末に、放送の公共性に関する調査研究会から中間報告を受けまして、その中で先生おっしゃっておりますように、NHKの保有すべきメディアのあり方につきまして御提言をいただいております。
 NHKの実施すべきテレビ放送につきましては、一つの事業体にテレビという重要なマスメディアが集中することからくる問題、あるいは今後のNHKの経営見通し等を踏まえまして、本格衛星時代におきましては衛星と地上と合わせましてテレビ三波とするなど、その保有のあり方について早急に検討する必要があるという旨の提言をいただいているところでございます。
 その報告書におきまして、NHKにおきましても早急にその具体的な実施計画を含めたメディアの再編成計画の策定を行うべき旨の提言をしているところでございます。ラジオにつきましても、先ほど先生御指摘ございましたような三波を保有すべきかどうか早急に検討しろというような提言もいただいているところでございます。
 郵政省といたしましては、同報告の提言だとかそれからNHKの検討の結果といいますか、意向等も踏まえまして早急に検討していきたいというふうに考えております。
#190
○参考人(島桂次君) もちろんNHKは、このニューメディア時代、情報化社会で何でもかんでも抱え込んでやっていくということは、これはもう西側先進国でその情報機関の巨代化ということは許されない、そういうことは私も十分わかっております。ただ、現在はまだ衛星放送もほとんど緒についたばかりでございますし、ハイビジョンに至ってはまだスタートラインに立ったということで、これから先一体どういう展開になるのか、まだまだ霧がかかって見えない部分がございます。
 この霧がかかって見えない部分で、初めからNHKの波の数だとかそういうものを規制するというのは私たちの立場からするとこれはどういうものかなと、これはもうちょっと現在の我々の仕事、つまりテレビ地上波二波ですね、これから衛星も二波、実験放送じゃなくて本放送へ入っていくわけでございますけれども、それと現在やっている音声波、つまり現在のNHKの仕事を確実にやりながらどういう一体これから先展開するか、このニューメディア時代が、そういうものを見きわめてある段階に来れば当然、言葉は悪いんですけれども、スクラップ・アンド・ビルド、スクラップするところも当然出てくる。また新しくビルドするところが出てくる。それがあくまで国民の中に適正な必要な公共放送としてあるべき姿という形で国民の皆さんに納得していただくものをこれから先にいろいろ考えていかなきゃいかぬ、こう考えておるわけでございます。
#191
○橋本孝一郎君 今ここで結論を出せというわけじゃありませんけれども、ラジオ放送なんかFM等なんかも当然私は離していってもいいような代物だと思うんです。しかし、一たん既得権を取られるということになると大概抵抗があるものです。それは思い切って私はやっていただきたい、スリム化を図ることが大事だと思います。
 それから、先ほどから出ておりますけれどもBS2X、この価格とかなんとかというような問題は別にして、私の率直な感じを言うと、結局八月一日から衛星放送をするためにこれを購入する、いわゆる2bの信頼度が薄いものですから2Xを購入していく、そのために百四十五億要る、一年間、むだだと、こういう話。仮に衛星放送料金を3a上げるまで待てばいいんじゃないでしょうか。そうすると百四十五億要らないわけですよね。待てばいいわけです。それが一つ、そういう疑問が出てきます。
 百三十七万台になったとおっしゃるんですけれども、百万台ぐらいになったら有料化するということはここではちょいちょい聞いておりますけれども、視聴者は一回もそんなことは聞いていない。どういうふうな視聴者に対するPRをされていくとするのか。されてこなかったと私は思うんですが、何かペテンにかかったような感じがするわけです。その点についてどうもはっきりしないので解明していただきたいと思います。
#192
○参考人(高橋雄亮君) 料額設定につきましては、かねがね協会といたしましては、普及台数が百万台に達した段階では受信料を御負担願わなきゃならないかということを公の場で表明してきたところでございます。現在既に百三十七万台に普及し、今私どもの推定では平成元年度三月、つまり来年の三月末では二百三十万台に達するだろうというようなことが予想されているわけであります。
 それでは、衛星放送にどの程度の金がかかっておるかということでございますが、六十三年度の予算の中で衛星放送に支出している金はすべて含めまして百四十七億円を支出しておるわけでございますが、これが六十三年度予算の中でかなり大きな赤字の要素になっておるということでございます。一方、NHKは衛星放送の先駆的普及役を務めろと、そういう公共放送としての使命がございます。今後さらに衛星放送を普及させるためには、番組の内容充実というものを詰めていかなければならないだろうというふうに考えるわけであります。
 現在、そういうことで考えるならば、地上の御負担を衛星に振り向けるということではなくて、そろそろやはり衛星は衛星としてNHKの付加料金として衛星の受益者感を持っている方たちに見ていただく、お金を払っていただく、そういう段階に達したのではないかという経営判断のもとに今年度衛星料金の設定をお願いした次第であります。
#193
○橋本孝一郎君 私は経営判断をも聞いているんじゃないんです。どういうふうにPRをされてきたか、またされようとするのかということをお尋ねしておるわけであります。
 そこで受信料の徴収ですね。これはもう最初、物事はスタートが大事であります。でなくても今までの地上波による受信料、現在七三・三%程度まで銀振りになっておるようでこれは結構でありますけれども、その割に銀振りはふえているのにこの徴収のための費用がことしの予算を見るとふえておる。これは矛盾している。合理化の跡がないわけですが、これは難しいところに何回も足を運ばなければならぬから金がかかるのかもしれませんけれども、これ一点についても矛盾しておるんです。銀振りが上がったら当然その人件費に要する経費は減っていって当たり前であって、そこらあたりも私ちょっと問題があるような気がするんですが、さてこの衛星放送をどうやって契約をキャッチして、そして正確に徴収していこうとしておるのか、お尋ねしたいと思います。
#194
○参考人(小山森也君) 衛星放送の把握につきましては、先生おっしゃるとおり極めて重要なことと思っておりますし、これからの衛星放送の本放送に当たりましては今度は受信者間相互に不平等が生じるということのないようにしなければならないと思っております。
 もし、現在御審議いただいております協会の平成元年度予算の承認がいただけますならば、直ちに本放送の前でありましても要員等を増加いたしまして、臨時要員でございますけれども、この衛星受信者の確認を急いでいきたい。またさらに、ある時期になりましたら事前契約というようなものをお願いいたしまして契約をしていきたい。それで、ただしかし何分とも来年度末二百三十万台ということを見込まれますと、八月一日で一斉に皆様方と契約を結ぶということは事実上不可能でございます。そこで全力を挙げてそれぞれの個別の方たちには個別の御協力をいただく、また集合住宅あるいはCATV、ホテル事業者等の方たちにも御協力をいただくということで、相当なPRが必要ではないかと思っております。
 その結果、大体従来の労働力によりますところの成果等を見ますと、六十年度末で約六〇%の方に契約をいただけるのではないかと、こう思っております。
#195
○橋本孝一郎君 これは非常に難しい問題ですけれども、特に今の百三十七万台の内訳を見ましても、室内アンテナあるいは共同、それからCATV、これらの種類のところに多いように聞いておるわけであります。
 例えばCATVですね、事業者が衛星料金徴収に協力しないというところがあるんですね。衛星放送料金の徴収に関してCATVの事業者が協力してくれるならば、これは逆ですね、CATVからの料金徴収はスムーズにいくと思う。これは集団ですからいいと思います。しかし、報道されているところによれば、CATV事業者は衛星放送の有料化に反対し、料金徴収に協力しないと言っておるので、NHKはこういう集団的な事業者との協力関係、なぜそういうふうになっておるのか、これからどういうふうに進めようとしているのか、お尋ねしたいと思います。
#196
○参考人(小山森也君) CATVの方たちとNHKとの関係、これは基本的には相補いながら放送文化の発展に寄与していくという基本的なスタンスに立っております。したがって、今後とも密接な協力関係を保持していきたいと考えておる次第でございます。
 ただ、今回のことにつきましていろいろ意見の相違はございました。いろいろCATVの中にもスケールの差とか、いろいろ生い立ちの差等がございまして、いろいろな御意見があったことは事実でございます。
 そこで、私どもとしては、CATVの方で一括して取るということは協力できないという事業者もございますれば、もし割引というようなことで集団割引というようなことならば協力してもよいというようなことがございます。しかし、私どもはどこの団体に属しておろうと、基本的には私どもがそれぞれの受信者の方とそれぞれに契約を結び、お支払いいただくということが基本的な考えでございます。CATV側のいろいろな御要望を聞きますと、やはりソフトの提供あるいは技術的な支援などCATV事業の発展に寄与していくということと、NHKが非常に友好関係にあるということになるということがすべての話の出発点であるというように私ども受けとめておりまして、そのような形で今後とも努力してCATV、その
他集合住宅の方たちにも御協力を得たいと、こう思っております。
#197
○橋本孝一郎君 まあ今までの地上放送でもそういうようなことをやってきたわけでありまして、これから特に新しい試みとしての衛星放送の有料化でありますから、相当私は厳密にいかないと、最初がぐずぐずすると、NHKの受信料だってそうなんです、結局こんなことを言っちゃいけませんけれども、払っていないのを自慢しておるようなことを仲間同士で話をするような連中が、いわゆる払わぬでもいいというやつが普及してしまうと、見れるのだということになると、これまたそれ以上に大変な苦労がかかりますから、最初からそういう点について私は厳密にやってもらいたい。別にペナルティーを課すのを好むわけではありませんけれども、相当なそういうものについては思い切ったことをやらないとかえって不公平をそのまま温存していく危険性があると思いますので、あえて確認と料金徴収の正確性を特に強調したいわけであります。
 BS2Xのことでちょっと一つ落としたのですけれども、何か聞くところによりますと、こういう衛星放送というのは一対つくるのだそうですね、いわゆる二つ。ですからNHKの買われたのは一つであって、他の一つはどこへ行っておるのか、そしてそれがどういうふうな試験あるいは実験例があるのか、まだそのまま上げられずに保有されておるのか、そういう点ちょっと疑問点がありますので、お聞かせ願いたいと思います。
#198
○参考人(中村好郎君) ただいま衛星は2bで放送をやっておるわけでございますけれども、2bとペアになっておりました2aは昨年の八月に寿命が尽きまして今軌道外に離れております。そういう意味で現在2bが一機体制になっているわけでございますが、先生今おっしゃいましたように衛星につきましては通信衛星の場合も同様でございますけれども、軌道上で二機体制で運用するということが常識になっているわけでございます。
#199
○橋本孝一郎君 いやいや、僕の言っておるのは違うんですよ。だから、一対だと言っている。日本が一つ買ったんでしょう。だからもう一つどこかへ行っているんでしょう。百四十五億円の相手。
#200
○参考人(中村好郎君) わかりました。大変失礼しました。
 2Xにつきましては、アメリカのGEがつくったものでございますけれども、発注はSTCというところが発注しまして、これが半ばにして事業を中止したためにこれをこちらに転用する、こういうことになったわけでありますが、これも二機つくっておりまして、そのうちの一機をNHKが購入予定でございます。
#201
○橋本孝一郎君 だから、もう一機、その一機はどこかで使われた実例があり、安全なのかどうかということについてはどうですか。
#202
○参考人(中村好郎君) もう一機につきましては、聞くところによりますとアメリカの宗教団体ドミニオンというところが契約をしているように聞いております。
#203
○橋本孝一郎君 まだ使用していないのですか。
#204
○参考人(中村好郎君) まだ使用しておりません。
#205
○橋本孝一郎君 きょうは科技庁が来なくてなんですが、先ほど、購入した2X、これが寿命八年あるけれども一年しか使えない。しかし、これをもっと厳密にいきますと八月から料金を取る。そして、今2bで細々、細々という言葉はどうかわかりませんが、ひやひやしながらやっておる。2Xを打ち上げて、これが実際作動するというのか、有効になるのはまだ大分先なんでしょう。いつ打ち上げるか知りませんが、その間にもし事故があったらどうするか。これはちょっときつい質問かもしれませんけれども。
#206
○参考人(島桂次君) その場合はしばらくの間放送を中断せざるを得ません。
#207
○橋本孝一郎君 それならば私は、しばらくならば、もう一年もてば3b、和製で高いですけれどもやれるんじゃないか。
 それとやはり、これはNHKは関係ないんですけれども、科技庁との、いわゆる国費でこういう技術開発をやっていくわけですけれども、3a、3bと次々計画されておるわけでしょう。これとの関連で何かこう押し込まれているような感じがするんです。もっとずらしておってもいいじゃないかというふうな気がするわけで、科技庁おりませんからこの点省略しますが、いずれにしても何か急ぎ過ぎているような気がいたします。したがって、料金問題も相当トラブルが起こると思いますので、厳格にひとつやっていただきたいと思います。――科技庁の方来ているんですか。じゃ、それをちょっと教えてください。
#208
○説明員(青江茂君) お答え申し上げます。
 今般のBS2Xの購入ということにつきましては、私どもも郵政省の方から御説明を受けてございます。その内容は、郵政省の方からもお話があったと思いますが、いわゆる2bの不測の事態に対処するための、現在運用中の2bのバックアップとしてというお話でございました。したがいまして、私どもといたしましては、現在の宇宙開発計画で進めてございます3a、3bの計画というものに影響を及ぼすものではない、かように理解をいたしております。
 以上でございます。
#209
○橋本孝一郎君 影響を及ぼさないと言うんですけれども、我々から見るとそんなものはむだだ、こういうふうな感じがどうしても聴視者からは抜けないわけであります。
 次に、NHKの長期ビジョン審議会調査報告書によりますと、放送及び放送受信の進歩に必要な調査研究は、放送法に定められたNHKの本来業務であるが、特に放送技術の調査研究については多額の費用がかかること、また、それは広く国民の利益に還元されることを考えれば、放送技術の調査開発研究費については受信料で賄うのでなく、国及び関係機関の経費負担とするよう求めるべきである、こういうふうに言っておるわけであります。
 私は、冒頭いわゆる今の九波ももっと時代の流れとともにやはりスリム化のためにやれということを申し上げました。と同時に、もう一つこのことも調査研究、特にハイビジョン等お聞きすれば放送だけでなくて印刷、医療等々非常に広範囲にこれが利用されていくという、そういうものであるとするならば、むしろNHKがその費用を持つんじゃなくてもっと国がその費用を負担していくべきではないか、こういうふうに私も思うわけですから、この点について郵政省のお考えをお尋ねしたい。NHKにもお尋ねしたい。
#210
○政府委員(成川富彦君) NHKの実施する放送技術の調査研究につきましては、先生今お話ございましたように受信料によって賄われておるところでございます。このほかに放送技術に関しましてはいろんなところで調査研究といいますか、技術開発の研究がなされております。例えば郵政省通信総合研究所の調査研究、これは国の予算等によってやっているわけでございますけれども、また大学だとか放送機器関連メーカーだとか一般放送事業者等においても、みずからの経費負担によって放送技術の開発が実施されているところでございます。
 今先生お話がございましたように、ハイビジョンだとかいろんな放送技術の開発が今後出てまいりまして、その放送技術も多岐にわたり、また大規模化していくんではないかというふうに思います。NHKにおきましてもすぐれた放送技術者を抱えております。そういう意味合いからも放送技術の開発について今後とも先導的な役割を果たしていただきたいというふうに思うわけでございますが、これとともに、国の予算による通信総合研究所等における基礎研究等の充実だとか、あるいはNTTの配当をもとにいたします基盤技術促進センターからの出融資によりまして民間による研究開発もできる道がございますが、それらを活用するとかいうようなことを考えていかなければいかぬというふうに思います。
 また、放送技術開発協議会という、BTAというのがございますが、それらが中心となってNHKと他の機関との共同研究を促進するなどの道もございます。それら総合的に放送技術の研究開発をやっていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
#211
○橋本孝一郎君 NHKはどうですか。
#212
○参考人(高橋雄亮君) ただいま郵政省の方からお答えがありましたとおり、基本的にはそういう認識でございますが、私どもといたしましても放送技術につきましては体系的にさらに公共放送として研究を進めてまいらなければならないだろうと思っております。
 しかし、最近のニューメディアの発達その他研究内容が大変大規模になり、しかも長期化してくる中では、外部との共同研究なりあるいは外部の資金を入れての計画も必要になってくる。そういう意味で言うならば、国にそういう意味での御協力を一層仰がなければならないだろうというふうに考えております。いずれにしましても、NHKは引き続きましてNHKが開発した技術については社会還元を積極的に図ってまいりたいというように考えております。
 以上でございます。
#213
○橋本孝一郎君 それからもう一つ、経費削減の方法の一つとして、どれだけの経費になるかわかりませんけれども申し上げたいのは、午前中も出ておったと思いますが、国際放送だと思います。これは私は国が責任を持ってやるべきで、技術はNHKの技術を使用し、その費用というのは国がやるべきだ。これも私は理屈としては通ると思います。そういうふうにしてやはりできるだけ経費節減を図りながらNHKとしての運営をなさるように意見として申し上げまして、終わります。
#214
○青島幸男君 午前中の質疑から、NHKの経営委員会の問題に触れられる委員の方の御発言が多かったんですけれども、私はかねがねNHKの経営委員になられる方々は、視聴者のニーズを反映するNHKの意向からして、当然公選されるべきだという持論を持っておりまして、そのことをもう数年も前から申し上げているわけですけれども、郵政省としてはいや法律でそういうふうになっているわけだから公選の方法はこの際なじまないんではないか、こういうお答えを始終いただいているわけです。
 今回のようなことになりますと、ますます私はNHKの行おうとしておることと国民が本当に願っていることの間には大きなずれが生じているんではなかろうかという気がいたしまして、そのずれを修正する手段がないというもどかしさを国民は感じていると思います。受信料の領収証をもって投票券にかえるという立場で、一般の受信者の方々が適当な方を経営委員に推すという格好で公選をすれば、自分の投じた一票がNHKの経営に反映するんだという認識を持てば、これこそまさに私どもの公共放送だという認識は深くなりますし、よってもって不払いなんということはなくなるでしょうし、もっと深い関心と信頼をつなげるに違いないと思います。
 このことは法律事項でありまして、常に伺いますと、どういう方が経営委員になるのかと聞いてみますと、郵政省の方々は欠員ができたときに即に応じられるように常々経営委員にふさわしい方をチェックしております、人格高潔で不偏不党で卓抜した識見をお持ちの方を、私に言わせればそういう神様みたいな方はおいでにならないと思うんですけれども、そういう方を常時探しておりまして、欠員ができた際にそれを推薦して両院の承認を得る、こういう格好で推移しているわけですね。
 こうなりますと、実際に経営委員というのはNHKの最高意思決定機関であるにもかかわらず、どういうことを論議しているかということを私ども委員会を通じてつまびらかにしていただきたいと申し上げても、議事録は公開いたしません、何が論じられたかは発表することはできません。実際雲の上にいるような存在で全く私どもとは遠いところにいるわけですね。ですから、巷間言われるように、格好だけはそのようだけれども、経営委員というものを祭り上げておいて、一部有力な理事たちが自分勝手にいいようにやっているんじゃないかというような非難を受けても、何とも言いようがないというところに追い込まれるのではないか、こういう気がしますが、いまだに郵政省はこの考えを変えようとなさいませんですか。
#215
○国務大臣(片岡清一君) 青島委員さんのかねてからの経営委員の公選制についての御意見を承っておりますが、既にこの法律関係等については十分御承知とは存じますが、郵政省といたしましては、NHKの経営委員は、教育、文化、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮いたしまして、公共の福祉に関して公正な判断をすることのできる、広い経験と知識を有する人の中から両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命するということになっておりますことは、既に御承知のとおりでございます。
 このように、任命に先立ちまして国民の代表者であられますところの両議院の方々の同意を得ることによって国民の意向が反映せられておるものと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 NHKに対しては、今後とも視聴者関係業務や契約収納業務など、日常の活動において国民のニーズを十分把握いたしまして、放送を初めとする業務の中でそれにこたえていくことを期待していくということの、今までに変わらないような答弁で甚だ恐縮でございますが、どうぞよろしく御理解を賜りたいど思います。
#216
○青島幸男君 その辺の理解が行き届きませんので私こういうことを申し上げているわけでして、ほかにも各種審議会の委員の人選につきましてもいろいろ紛らわしい問題がありまして、前首相という立場においでの方までも疑いの目で見られているというような状況の中にある今日、その人格高潔で神のごとき方々がおいでになってちゃんと決めておるんだということに国民のすべてが納得するとは限らないということですし、議会を通じて衆参両院でそういうことになっているんですから、それはもうルールとして仕方がないと思いますけれども、いつまでも自民党過半数を持っておられるとは限りませんし、最近の状況なんかを見ますと、近い将来には私が野党の皆さん方の御協力を仰いで議員立法をして突きつければ、あるいはそれが可能になるという時期も近いと私は信じているんですけれども、最近の選挙のありようなどを見ましてね。いつまでも自民党が過半数の上にあぐらをかいて勝手なことをしているということは多くの国民が許さないのではなかろうかというのが今や常識になっているように週刊誌などでうたわれております。
 その問題をちょっと離れまして、衛星放送の問題に質問を進めますけれども、衛星放送の問題一つとっても私はそうだと思うんです。もともと衛星放送というのは、難視聴解消のためにその施策として打ち上げられる筋合いのものでございました。まさに難視聴解消にとっては有力な武器であることは事実でございました。一々小さなサテライトをつくったり、あるいは有線でつないだりという煩雑なことをやらなくて済みますし、あるいは離島などということで、物理的にはそれが不可能なところまでも衛星をもってすれば事なく難視聴解消の実が上がるということで大変強力な武器ではありました。
 しかし、それと同時に大変大きな可能性を持っております。ほかの衛星を通じての放送ができるんだというこの可能性に着目して、いつの間にかNHKさんは衛星放送という全く別の一波を獲得してしまわれたわけですね。私は最初に発足したときに疑義を持ってこの問題についていろいろとお伺いをしたんですけれども、難視聴地域を解消するということと、別に一波を持って別の編成内容のものを放送するのとは全く別の問題ですよということを申し上げてきたつもりです。
 しかし、いつの間にか郵政省とNHKさんの間でどういう話し合い帆あったかわかりませんが、ずるずるべったりに今のような格好になりました。可能性があれば何でもやっていいということと、私はそれは結びつかないと思いますね。受信者の多くの間からそういう意見がほうはいとして起こってそうなったというならいざ知らず、今の地上波で十分にエンジョイしておるし、多くの方々がそのことを認めてNHKと信頼関係を結んで受信料を払ってくだすっているわけですね。その受信料を勝手に使って別の一波をつくって、しかもそれをちゃんと補完して金を取る手段にまで持っていかなきゃならないから、補完するための衛星まで上げなきゃならないという勝手なことをしているのはなぜなんですかと私は言いたいですね。
 一般の受信者の間から、今の絵は見られない、色が悪い、音が悪い、不安定だ、衛星は非常にいいから衛星放送にかえてくれないかという意見がほうはいとして起こったわけではありません。ただ単に、衛星放送でやった方が事が簡単で便利だ、しかも将来にはハイビジョンというところまで結びつけられる可能性を持っておるから、だからといって独断専行していいとは私は絶対に思いませんね。
 そのために金がかかるんだから料金を値上げしますと言ったら、そんなものはやめてくれ、そんなもので金がかかるなら今の放送で十分だという意見が圧倒的多数を占めるに違いないと私は思いますけれども、そういう受信者の意向などを全く無視して、独断専行で突っ走り続けているというNHKの姿勢はどうしても理解しかねますが、その点どうお答えになられますか。
#217
○参考人(島桂次君) 衛星放送につきましては、先生御存じのように十数年前この計画ができたときに難視解消という目的で発足したことは事実でございます。その後これは地上的な措置でかなり解消してまいりまして、一番最近の調査では恐らく一〇%をもう完全に割ってしまっている。一方、衛星は、これは国の計画に従いまして我々は現在まで推移をしてきたわけでございます。
 そこで、やはり難視解消という目的がほかの手段で、全部ではありませんけれども、かなり解消されている段階で数百億もかかる衛星を上げるというのはちょっとむだではないかということになりまして、いろいろ話し合いを政府側ともいたした結果、御存じのように一昨年の夏から一つのモアサービスといいますか、独自チャンネルとしてやってまいったわけでございます。
 この間、今先生がおっしゃいますように、当初難視解消がいつの間にか形が変わってきたじゃないかという御指摘はもっともだと思います。しかし、このことは先生御存じのようにこの十年間、特にこの数年間、放送とか通信とかを取り巻く科学技術の発達といいますか、これは全世界にいろいろの形で展開されてきております。これはやはり一つの大きな時代の流れでございます。
 これは十数年前我々が難視解消のために上げた時代とはかなり放送とか通信とか、午前中の審議で私も申し上げましたとおり、まさに一種の情報革命の時代に突入してきたということだというふうに私は考えております。したがって、今のこの時点では、今や地上波だけのサービスを続けている公共放送というのは、これから十年、二十年後先を展望しますとなかなか難しくなってくるんじゃなかろうか。つまり世の中の技術革新に伴って我々の仕事の内容もまた変わっていくというのもこれまた一つの時代の流れでなかろうかという感じで、そういう大きな流れの中で私どもは展開されてきた。
 しからば、先生がさっきおっしゃるように、おまえたちが勝手にそれを考えていて、国民のニーズが全くないのに独走しているんじゃないかということではございますけれども、私どもは既にこの国会審議を通じてこの数年間、この話は今日突然出しているわけじゃなくていろいろの形で御審議を願っておりますし、特に衛星の有料化につきましては、私もニューメディア推進本部長として、もう三年ぐらい前からこれが普及が百万を超えた段階ではぜひ料金を設定していただきたいということを、国会でもあるいはあらゆる機会にそれぞれ我々の考え方を述べてきたつもりでございます。
 以上でございます。
#218
○青島幸男君 私もその経緯は承知しております。ずっと私はほかに移らずこの逓信委員会におりまして、NHKさんの御意見を十分に承っているわけですけれども、その経緯が国民の、あるいは受信者の方々の意向を反映してなされたとは決して思いがたいし、一方的になさってきたという認識しか持てないんですよ。
 ということは、ほうはいとして起こったわけではないと先ほど申し上げましたけれども、今の受信機は大変性能もよくなりましたし価格も安くなってまいりました。私もそんなにハイビジョンがすばらしいのか、そんなに衛星がすばらしいのか見比べてみました。確かに衛星で見ますとゴーストは少ないですし、きれいに見えます。しかし、一般の御家庭の方々はかなりひどい調整の絵でも十分ごらんになっているわけですよね。
 それからもう一つは、契約というふうに皆さん方おっしゃいますけれども、このNHKさんと受信者との間の契約は、民法や商法で言う契約とは違いますね。これは、お宅でNHKを見られる設備をお持ちになったんですから当然見られます、ついては契約をしてお金を払ってください、わかりましたという方から聴視料をいただく。先ほどから問題になっている、これは放送のサービスを受けたということの対価ではなくて、NHKを存続させるための協力費だという認識のもとにきているわけですね。
 ただ、今問題になっている、ここで消費税の問題をまぜては申しませんけれども、そうなりますと新たな契約を、八百円ですか、千円ですか、上乗せして衛星にかけるという、衛星放送を試験放送でありながら地上波を使っていかにもNHKの、ワールドシリーズの野球をやりますよ、あるいはワグナーの全編をやりますよ、音はサラウンドで絵はきれいですということを盛んに宣伝して、いかにも衛星放送がいい、衛星放送を見たら地上波は見られませんというような、一ランクも二ランクも上のような格好で宣伝をするというふうにし続けてこられて、そこには衛星放送として新たな一波として確立させて、それから新たな料金を徴収するに違いないという意図が見え見えだったわけですね。ということは、そういうふうに国民は思ってもいないのに別波を一つつくって新たな料金体系をつくるまでどうしてしなきゃならないのかという、この問題もあるわけですよ。
 衛星放送は確かにいい。だったら衛星放送に地上波を全部かえるということになれば各支局は全部要らなくなるみたいなことはありますね。衛星放送だけで、中央から流す、中央から衛星に送るという、一カ所だけで日本全国隅々まできれいな絵が映るようになりますから実に経営的には効率的だと思いますけれども、地方局を全部廃止するというようなことになりますと人員転換から何から大変ですね。
 しかも、それでなくとも情報が一局集中しがちだ、都市に集中しがちだということから地方の伝統とか文化というものがないがしろにされがちだ。地方の伝統、文化を大事にしていかなければ日本の国の隅々までの人々の幸せを平等にはぐくみ、育てていくことはできないという趣旨から地方の時代だとまで言われるほど地方を大事にしているという、そういうことから離れていきますね。ですから、効率一辺倒で物事を処しては人々の幸せはあかない切れないということも御認識いただかなきゃならないし、便利だからといって、絵がきれいだからといって、どんどん先行してそこから金を取る手段にのめり込んでいくというのは一般の視聴者の考え方とうんとずれていると言わなきゃならないという認識を持っているわけです。その点はどうお考えですか。
#219
○参考人(遠藤利男君) 先生御指摘のように、総合テレビを使いまして衛星放送のPRもさせていただいておりますけれども、これは先生のおっしゃるように衛星放送は地上放送よりも上等であるという意味でしているわけではございません。先ほど島副会長が申し上げましたように、衛星放送
が持っている機能としての能力というものは非常に幅が広く高いものがございます。それを有効に使って日本の放送文化というものの向上に貢献したいというのが私たちの念願でありまして、そういう意味でもう一つ付加されたメディアの内容について皆さんにわかっていただきたい。現在は新聞とか雑誌等のテレビのスペースの中には限度があります。そういう意味で、私どもの自分のメディアを使ってそういう我々のやっている仕事について御理解いただきたいというつもりでやっているわけでございます。
 それからもう一つ、衛星放送時代の地域の放送の問題をお取り上げいただきましたけれども、私どもも衛星放送が成熟する段階では今のメディアのいろんな役割は変わってくるんではないか、そういう意味ではメディアの保有についてもその成熟段階では見直せという御意見もございますし、私どもも見直そうと思っているわけですが、地上放送につきましては、そういう中で地域に密着した、地域の文化あるいは生活に貢献するための放送局として地上の放送をこれからますます充実させていきたいなというふうに思っております。そういう意味で、平成元年度の予算の中でも地域放送の充実、特に衛星放送が成熟した時代には地域の放送局はどうあったらいいのかということをこれからますます追求するような事業計画も立てておりますので、御理解願いたいと思います。
#220
○青島幸男君 しかし、体制としましてはやはり効率的であるわけです、衛星放送は。この八月からお金を取っていくわけでしょう。そうすると、金を取るなら取るだけの内容の充実を図らなきゃならないんじゃないかということになりますね。今千四十円取っても消費税入れて千七十円ですから、その上に重ねて八百円だか千円だか取るということになりますと、そんなに払うなら要らないよ、おれはその設備を外して見ないからいいよという方も出てくるかもしれませんし、いや二千円払っても幾ら払ってもいい、見たいものは見たいからいいよという方もおいでになるかもしれません。
 しかし、NHKとしては銭を取るんだったらあるいは普及させていくためには、衛星放送を魅力的なものにしていかなきゃならないことは確かですね。魅力的なものにしていかなきゃならないというのはそれだけ金もかかるわけですし、それだけ人手もかかるわけですね。そうすると、二兎を追うもの一兎をも得ずと申しますが、従来の地上放送から手を抜かなきゃならないんじゃないかということまで出てくるんじゃないかと思うんですね。
 それからもう一つは、金を取るのは結構なんですけれども、それはやっぱり一般視聴者の方々に衛星放送を見るための設備を受信者の負担において設備させなきゃならないわけですね。そうすると、そういう経費までも負担をさせ、しかも新たな料金を負担させていく。しかもそれ以上魅力的なものにするということになりますと、じゃ今までの地上波はどうなるんだ、当然地上波はないがしろになって、貧乏人は地上波を見ていればいいんだ、金持ちと有識者は衛星テレビでいいものを見ればいいんだ、それこそ差別につながっていってしまうのではないかと思いますね。まして先々の目標としましてハイビジョンを念頭に置いているから、十年後、二十年後の先を見たら今やっておかなければいけないんだという御意見を島さんはあるいはお持ちかもしれません。
 アメリカでもヨーロッパでもハイビジョンに取りかかろうとしているということもよく承知しております。しかし十年後にハイビジョンが取ってかわるかというと、私は非常に懸念を持っているんですよ。というのは、私も関心を持っていますからいろいろ見比べてみますけれども、確かにハイビジョンは画像がきれいです。音もきれいになるでしょう。非常に解像力のきれいな絵が得られますけれども、そのためには十五インチ、二十インチというテレビじゃ差はないですね。やっぱり三十インチ程度のものを持つと本当にハイビジョンの意味はあるかもしれない。しかし、ハイビジョンを例えば三十インチ以上のもので、しかも奥行きが四十センチも六十センチもあるものを今まで四畳半に置いていた人はどうなりますかね。
 しかも今の金額で普及するようになっても、やっぱり車一台くらいの金額はかかるんじゃありませんか。安くなっても軽自動車一台分ぐらいだろう。それだけの経済的な負担とかさですね。四畳半に、それでなくても今住宅事情が非常に悪いですから、そこへそんな大きなものを入れて、しかも、確かに先ほどから言われましたように、ラジオ放送から始まって白黒テレビになり、白黒テレビが四十年あたりを境に圧倒的にカラーになりました。確かに白黒とカラーを見比べますと、カラーの魅力はもうそれこそ比較にならないほどすばらしいと思いますけれども、それと同じ程度の差がハイビジョンに果たしてあるだろうか。それだけの犠牲を払ってハイビジョンを見ようという方々の増加率というのはそんなに見込めるだろうか。今一般の地上波を受けている受像機でも解像力が非常によくなりましたし、いい機械でいい調整をしますと、ほとんど二十インチから三十インチ未満のテレビではそう見劣りがしないぐらいの絵で見られますね。ですから、カラーに変わったときほど劇的に人々がそれを求めて殺到するとか需要が増すとはとても考えられません。
 そうなりますと、ただ衛星がそれだけの機能を持っているからといって、衛星に一チャンネルも二チャンネルも新たなチャンネルを設けて、しかもそれで新たな料金を徴収して、NHKの受信料の入りの方はもう頭打ちですから、ですから値上げをしないで何とか懐を潤そうと思ったら、放送衛星を上げてそこから別途料金を取らなければしょうがないんだという苦しいお家の事情はわかりますけれども、その経営的な事情だけで人々にそれを押しつける、あるいは一般の受信者の方々が思ってもみないものを一方的に押しつけて基盤を整備しようというようなやり方は、一般の視聴者の方々の意向と合わないというふうに私は思います。ですから、そんなに急いで衛星放送の普及をしゃにむに図ろうとしなきゃならない必然性は私はないと思いますけれども、その点どうお考えですか。
#221
○参考人(島桂次君) まず最初に、衛星放送の放送内容が立派でなければこれは全く意味がない、これはそのとおりだと思います。ですから、この八月以降、我々が本当にお金をいただくだけの価値のあるものをぜひ出さなきゃいかぬということで鋭意今一生懸命になって、全員力を合わせて考えているところでございます。
 ただ、先生のお話の中で、我々は衛星、ハイビジョンに力を入れ、地上波をないがしろにするんじゃないか、要するに二兎を追えないんじゃないかというお話もございましたけれども、私はそれはやや違うんじゃないかと。このニューメディア時代、情報化社会というのは、言うならば多メディア時代、言葉をかえて言いますと、今までは我々のつくった番組を我々が編成をして、一方的に皆さん方に流して見ていただく、そういう時代から、今度は視聴者の側が自分の好きな時間に好きなものを自由に選択する時代に変わってくる、これは衛星とかハイビジョンだけではなくて、いろいろの意味でそういうものが技術的に可能な時代を迎えておることは先生御存じのとおりだと思うんです。
 したがって、これはまさに情報革命と申しましょうか、私はその中で放送自体のありようがこれからかなりいろいろの面で変わってくるんじゃなかろうか、そのはしりといいますかその先駆けに位置するのがこの衛星あるいはハイビジョンではないかというふうに考えておるわけでございます。
 考え方によれば、先生おっしゃるように、地上波だってこの日本の場合はテレビでNHKの二波以外に五波も民放があるわけですね。もう十分だという声があることは事実でございます。しかし、やはり今我々が出している放送というのは総合波的なもの、つまりニュースもあればスポーツもありエンターテインメントもある、そういうものから、だんだんこれからの時代はより専門波と申しましょうか、つまり今私が現在やっております衛星チャンネルは、世界の主な国の主なニュース、主な放送局の主なニュース、例えばNHKで言えば「ニュース・トゥデー」とか朝の七時のニュースとか、それをそのまま生に近い状態で見られるというような、いわばニュースの専門波的な形としての実験を続けてきたわけでございます。これはスポーツにおいてしかり、エンターテインメント、映画とか演劇とかあるいは歌とかいろいろの分野があると思うんです。
 多メディア時代というのは、そういう専門波がどんどんどんどんふえていく、聴視者が自由な選択のできる時代、そういう時代にいずれにしてもどんどんなっていくんじゃなかろうか。ハイビジョンにつきましても、大きな受像機を狭いウサギ小屋みたいなところへ入れられないじゃないかということもございますけれども、受像機自体も既にNHKの技研では壁かけテレビ的なものが実験的ではありますけれども既に完成している。
 こういうふうに、どうも先生のお話と私の考え方とは、現時点での時代、この情報化時代というこの時代そのものに対する基本的認識とこれから行われるであろういろいろの技術革新、それに伴う放送の変化、そういうものについて若干考え方を異にしているんじゃないかと思いますけれども、先生の御指摘の点も十分私は頭に入れながら慎重にこれから先の展開を図りたいというのが現在の心境でございます。
#222
○青島幸男君 専門的になっていって多種多様なニーズにこたえられるようになるというのは、確かにアメリカにおけるCNNの急速な発展なんかでも私は十分認識しております。そういうことも必要だろうと思います。
 それで、島さんが一技術者であったり一研究者であったり一マニアであったりするのは一向に構わないと思うんです。ただ、一億二千万、三千五百万から四千万台の受像機を持って実際に今見ておられる視聴者の方々の現在の意向とニーズというものを十分にお考えいただかなきゃならないと思うんですね。それでなくても、今おっしゃられましたように、地上波は今は東京で七波見られるわけでしょう。それから大喪のときにビデオソフトに人々が殺到したといいますけれども、ビデオも見られるわけですし、自分の部屋なり家で、しかも時間を予約しながら好きなものを好きなように録画もできる状況にありますね。そうなりますとかなりのニーズに対応できるように現在でもなっているわけですね。特に英語のわかる人なんかは衛星放送を見ている方が便利だと思いますけれども、それでなくても十チャンネルなんかはかなり細かく紹介しております。ですから、見ようと思えばかなり対応できるということは今でも言えるわけです。
 それからもう一つ、本当にこれだけは申し上げたいのは、確かに将来的展望に立ちますと、研究者であったり技術者であったりしたら島さんみたいなお考えで事に臨まなきゃならないと思います。しかし、決定権をお持ちで重要な立場においでになられる方だから、その意向というのは大変な影響力を持つと思うんです。ですから、今現在見ている視聴者の方々の意向、それを十分に御勘案になって、そう拙速に事を運ばれて、将来は十兆円だか八兆円だかの産業に結びつくぞと言いまずけれども、それは国の施策であって、そんなことを一般の受信者が望んでいるわけではございません。
 ですから、一般の受信者が何を望み何を求めているかということをまず足元をしっかり踏まえて、ニュースの内容の傾向にしてもそうですけれども、与党にくみするような偏った放送があってはならないとか、会長が先ほど心境を披歴されておられましたけれども、そういう公共放送として何を最優先に考えなきゃならないか。先々はそれは確かにメディアの先鋭として事に当たっていかなきゃならないところもあるかもしれません。今何が一番大事なのか、今何が求められているかということに思いをいたして、その足場をしっかりと踏み据えるというところから御勘案願いたいということを要望しまして、質問を終わります。
#223
○平野清君 まず、池田会長に御質問をしたいと思います。
 あなたは就任に当たって、経済人としての経験を生かしてNHKの従来の親方日の丸姿勢を正して官僚主義を正す、すなわちそれはビジネスライクに徹することだというふうに発言をされています。七月から御就任になったそうですが、既にもう何カ月もたっていらっしゃる。就任のときこういうふうに発言されたことと現実のNHKの会長にお座りになった感想といいますか、それをぜひお聞かせいただきたいと思います。
 そういう意味でちょっとお聞きしたいんですけれども、今回私たちにお示しになっている平成元年度予算に、民間経営者としてのお考えが予算の中にどのぐらい生かされているかということをお聞きしたい。
#224
○参考人(池田芳藏君) 失礼しました。ちょっと私書類を見ておりましてお話を聞きませんでしたので、もう一度おっしゃっていただけませんですか。大変失礼いたしました。
#225
○平野清君 それじゃ後で議事録を読んでいただいて、御意見、それとも私のところへぜひ伝えたいということがありましたら文書でお答えくだされば結構です。皆さんが聞いていらっしゃって、質問に立ったら会長が聞いていないなんてそんな失礼なことはないと思うんですが、ぜひ今後気をつけていただきたいと思います。衆議院で一日、今度参議院で一日、初めてで長時間お座りになってお疲れのことはわかりますけれども、私で終わりなんですからもうしばらく御辛抱のほどをお願いいたします。
 それでは島参考人にお聞きしたいんですが、先ほど、今の状態は深刻な事態になっているというような意味の発言をされました。たくさんの課題を抱え込んでいると。私これを民間経営的に考えますと、何かちょっとお言葉がおかしいような気がするんですよ。といいますのは、前の川原会長も内部の御出身であって一生懸命NHKの再建に努力されました。その前の会長さんもそうだった。その間、島さんも重要なポストにいらっしゃった。今になってどうも大変経営面でおかしくなってしまったという受けとめ方をなさっている。毎年毎年予算を出しながら、郵政大臣もNHKはこうしたらいいじゃないか、こうしたらいいじゃないかという御意見を出されておりますね。じゃなぜ何年も前から同じことが放置されて、今日重大だと御認識される事態になってしまったのか。やっぱり経営者としての大きな責任が皆さんにおありになるんじゃないかというふうに普通の人間なら考えるんですが、どうですか。
#226
○参考人(島桂次君) 先生にさよう申されれば私自身責任を感ぜざるを得ない立場であります。ただ私も何もしないでいたわけじゃなくて、精いっぱいやってきたつもりでございますけれども、いろいろNHKを取り巻く諸条件が非常に難しくて、私の力では先生の御期待に沿うだけの改革が今までできなかったということについての責任は十分考えております。
#227
○平野清君 そうしますと、先ほど青島委員が御質問になったときにも衛星放送の推進の速度とか、そういうこともNHK内部で、例えば会長と専務とかいろんな経営者の中で対立があったんではないかというようなことが予想されるわけですね。そういうことが根本的な経営改善とかいろんなことに支障を来したというふうに受け取れかねないんですけれども、その点はいかがですか。
#228
○参考人(島桂次君) もちろんNHKは一万五千人以上の組織ですし、各役員のそれぞれの問題についての意見は必ずしも一致していない場合もございます。しかし、最終的にはそのときの会長の判断に従って我々は会長を補佐してまいりましたので、そういう意味で言いますと、今までのNHKのやってきたことについての責任というものは先生御指摘のように、私も長い間要職にございましたのであると、こういうことでございます。
#229
○平野清君 郵政省はどうですか、今までのNHKの経営のあり方について。
#230
○政府委員(成川富彦君) NHKは公共放送として国民に期待されておりますし、また信頼される放送をやっていただかなければならないわけでございますが、その面におきましてNHK自身はそれなりの努力をしてきたというふうに思っております。
 先ほど来、私どもの意見につきまして御質問がございまして、答弁させていただいたわけでございますが、一定の努力はなされて効率化の面でも成果を上げているわけでございますが、なお現時点におきまして見ますと厳しい情勢下にあるわけでございますので、一層その点におきまして長期的な展望に立って、公共放送のあり方という観点に立って今後の経営計画なども策定していただき、あるいは効率化計画なども準備していただきまして、この危機を乗り切っていただきたいというふうに期待しているところでございます。
#231
○平野清君 ただいまこの経営危機を乗り切っていただきたいというふうな御発言がありました。今回予算書には一般の聴視料の値上げが盛り込まれておりませんね。川原前会長はこれだけの苦しい経営だから何とか来年度お認めいただくようになるかもしれないというようなことをたびたびこの委員会でも御発言になりました。ことしは予算書に盛り込まれない、NHKとしては恐らくのどから手が出るほど聴視料を上げたいとお思いになったと思うんです。その裏には郵政省が圧力を加えて、消費税が今これだけの問題になっているときに新聞と同じようにNHKも値上げをされたのでは困るというような圧力があったんでしょうかなかったんでしょうか。
#232
○参考人(島桂次君) もとより私どもこの平成元年度予算で地上波の値上げをぜひやってもらいたいという意思があったことは事実でございます。ただ、その後のいろいろな展開の中で地上波も値上げする、衛星料金も設定する、それに消費税の御負担も消費者にしていただく、こういうことではとても納得できないということで、私は私の判断で経営委員会に諮りまして、今回は衛星料金の設定にまず第一陣を置きましてそれでやっていくということを私は自主的に決めましたので、別に郵政省とか政府とかその他の圧力とかなんとかそんなものは一切ございません。
#233
○平野清君 そうしますとちょっとおかしいんですよね。先ほどからも衛星放送の料金は一年延ばしても、ちゃんと衛星が安定するまで延ばしたらいいじゃないかという意見もありますよね。それで、一般の料金というのは物すごい大きな比重を占めているわけですね。それを抑えてしまって衛星料金も取りたい、消費税もかかるからそっちはやめた、順序がおかしいんじゃないですか。矛盾していると思うんですよ。
 何としても経営が苦しくて何百億という赤字になってしまう。だから国民の皆さん、聴視料を上げてください。その時点で、じゃ衛星放送の方は仕方がないけれども来年に延ばしたい、そういうふうにお考えになるのが筋じゃないでしょうか。
#234
○参考人(島桂次君) 私が衛星放送の料金設定を優先させましたのは、このメディアはかなり将来発展する。つまり、時代の先導的役割を担うものであるということを私は非常にこの衛星について感じたことと、これがニューメディア時代の先導的役割を果たすということで、確かに御指摘のように地上波の値上げをしてもらった方がNHKの経営のためにはさしあたったはいいわけです。しかしそのことと、これから十年、二十年後を見通した将来の問題を考えたときにどちらが大事かということは、単にこの一、二年間のNHKの財政的な見地からだけでは見られない側面もあるんじゃないかということをあれこれ総合的に考えた結果、衛星を優先させる。もちろん、私は同時に地上波も上げたかったんですけれども、これらを一度にできないという苦しい選択の中で私は長期展望に立った選択として衛星を選んだと、こういうことでございます。
#235
○平野清君 そういう選択をされたと、十年、二十年の先のことを見越して何しろ衛星を先にやってほしい。十年、二十年だったら一年待っても同じじゃないですか、それだけの長期展望があったら。わずか一年お待ちになってもそんなに支障がない。その間に基礎研究もしておけばいいし、諸外国の状態も研究すればいいことであるし、何かやはり衛星を有料化してどんどん進みたいという意向がそういうところにもはっきりあらわれているような気がするんですね。
 それで、これはこのくらいにして、先ほど会長が日本放送協会の収支予算を説明される中に、「現行受信料をさらに据え置き」と書いてございますけれども、消費税については一言も書いていないですね。郵政大臣のお読みになった方には「現行のカラー契約月額千四十円を千七十円に改める等の改定を行うほか」とはっきり明示されている。郵政省は先ほどからお答えのように、消費税は、改定というか、僕たちのサラリーマン感覚では改定というのは値上げですよね。要するに、三十円値上げして消費税が入っていますよ、だからよろしく。NHKの方はそのことは一言も書いていない。どこを探しても消費税が上乗せされますということが予算の提案書に一言も出てこない。何か大変おかしい気がするんですけれども、これはNHKが消費税は本当は乗せてもらいたくないということの抵抗精神のあらわれなんですか。
#236
○参考人(島桂次君) ただいま冒頭、会長が説明申し上げました中に消費税が入っていなかったというのは、これは補完的な説明でございまして、我々の正式の予算の中にはきちっと消費税を織り込んだこういうものを添えておりますので、そういう意味で省略したので別に抵抗云々のことではございません。
#237
○平野清君 いや、抵抗があるとかじゃなくて、そういう大事なことは、消費税というものは極めて国民の大多数が反対して、恐らくNHKさんだって反対だとさつき言われているんだから、そういうのを堂々ときちっと議会に説明するときには、中をあければわかるでしょうというんじゃ困るんですよね。そういう点はぜひ今後気をつけていただきたい。
 消費税について関連して御質問いたしますけれども、受信料は前払い制度をおとりになっている方がいらっしゃる。六カ月ごとに例えば自動引き落としてお払いになっている。もう既に払っている方がいらっしゃると思いますけれども、一月に六カ月分、二月に六カ月分、三月にも六カ月分払っている。その方は現行料金で六カ月分もう引かれちゃっている。四月の料金から消費税がかかってまいります。それはどうやってお取りになるんですか。
#238
○参考人(小山森也君) 前払い済みの方につきましては、次の支払い期に四月にさかのぼって消費税分をいただくという考えでおります。
#239
○平野清君 そのときに、あれは欠陥税制であって私たちはその消費税分は認めないという人があった場合どうしますか。それとも、そういうことがあったことによって、何だ、NHKの料金まで消費税がかかるんだったらおれはもう払わないという人がどんどんふえてくることが予想されないとは限らない。そういうことについてはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
#240
○参考人(小山森也君) 私どもの立場といたしますと、消費税というのは税制として既に成立しているものでございます。したがいまして、ぜひともこれにつきましては御協力をいただくということで、専らこれは私どもが契約していただいているお客様でございますので、説得にこれ努めて現在の法律に沿った形での御協力をいただきたいということでお願いする、これ一点張りでございます。
#241
○平野清君 一点張りでうまくいけばいいですけれども、ただの普通料金でさえなかなかうまく取れない。フクロウ部隊を出したり、夜共稼ぎのところへ行くとかいろんな問題があるわけですね。だから、そういうことをきちっと納得させないで、国会では数回にわたって御説明しているからとか、そういうことだけでは一般視聴者はわかりませんよね。NHKの料金まで消費税がかかるなんということを全部が理解しているとは限らないんで、必ずトラブルが起きて、いや、先払いするのは損しちゃったとかいろんなことが出てくると由旧いますので、それこそ一対一で説明するぐらいの覚悟を持ってお臨みにならないと、いろんなトラブルが起きると思います。
 もう一つ、ついでにトラブルが起きそうなことを申し上げます。別におどかすわけじゃないんですが、衛星放送が有料化になります。先ほどもマンションや何かで共同で見ていらっしゃる方がある。そうすると、今チューナー内蔵型のテレビがありますね。それで引っ越してきて、コンセントにテレビが見られるように差し込む、そうしますと、自動的に衛星放送はチャンネル五なり九なりを押せば映るということになります。それで、本人は知りませんから、普通のチャンネルしか見ていない。それで、ここの共同アンテナの方には全部それが入っているんだから、当然見ているはずだということで、この衛星料金を、強制ということもないでしょうけれども、お払いくださいといった場合にいろんなトラブルが起きてくると思うんです。
 例えば議員会館は、半年ぐらい前ですかね、仕事していましたら、三人ぐらいが仕事に来まして、ちょっとテレビを直させていただきますと。おかしいな、何をするんだと言ったら、衛星放送が見られるように直しているんですと。だから私、ちょっと待ってくれ、もしかして、衛星放送になったって私は見ないかもしれないし、払いだくないかもしれない。それを議員会館を勝手に直しておいて、僕のテレビまで直していって、僕が払わない、逓信委員が払わないというときは君たちはどうするんだと。そうしたら、作業員は、私は作業に来ただけだからわかりません。
 宿舎に帰ったら宿舎もそうなっていました。宿舎は私国家から借りている部屋ですから、自分の意思でどうやって、ぱちっとやったら感電するのかどうかわかりませんけれども、会館で、管理課だかどこかわかりませんが、全部の議員の先生のところのテレビが衛星放送が見えるようになってしまう。これは独断専行というか、どっちが悪いのか知りませんよ。参議院の方が気をきかして、議員だから衛星放送ぐらい見るだろう。見なきゃ仕事にならぬだろうと言うけれども、私たち普通の地上波でさえ見ている暇がないんですよ、はっきり言って。お昼のニュースだ、七時のニュースだ、だれか捕まっていないかなと、そういうときに見るんであって、衛星放送だからと寝っころがってアメリカの野球放送をずっと見ている暇はありませんよ。そういうトラブルだって起きる。それが議員会館ならいろんなことで片がつくかもしれません。だけれども、大きなマンションや新しく建つマンションでそういうことが起きかねないと思うんです。どうしますか。
#242
○参考人(小山森也君) 私どもの基本的な考えは、いわゆる受信料というのは、先ほどの消費税がありましても、基本的に負担金であるということに変わりはないという理解でおりますので、そういった有権解釈のもとに衛星放送をごらんいただける受信機がある方からは衛星受信料はいただくという基本でございます。
 ただ、CATVの場合等でいわゆる所属している団体の皆様方が何もそこまで入れなくてもよろしいということでスクランブルをかける。それでスクランブルをかけることによって見たい方は見るということになりますれば、その方はやはり受信することのできる受信機をお持ちでございますから、その方たちからは受信料をいただくということになります。そういう理解のもとで進めてまいります。
#243
○平野清君 いや、それは日本語で答えればそうなりますよね。だけれども、現実の場合はそうじやない。それじゃ参議院議員会館へ行って、じゃ、各党派はどうするかなんていうことになったらお笑い物だ。議員個人がするのか。じゃ、その会館の管理者が決めるのか、いろんな問題が起きてぐると思うんですよ。ただ一例として卑近な例を挙げたんですけれども、いろんなトラブルが起きてきますから、十分それに対応できるような理論武装をしてくださいということを申し上げたんです。
 もう一つ衛星放送でお聞きしたいんですけれども、この日本の衛星放送は日本だけじゃないですね。台湾とか韓国で、沖縄の人や鹿児島の人と東京の人も同じように鮮明に映るわけです。香港の人や台湾の人というのは非常に日本語がわかりますので、ちょっと言葉を選ばないとまずいんですけれども、自分たちの国内放送よりも仮に日本の放送の方が娯楽性があったり、おもしろいと思った場合、日本の衛星を見ますよね。ちょっとした装置をつければいいんですから。そうなりますと、その人たちの受信料はどうなるのか。恐らく、新聞によりますと、十万人から十五万人が見ているんですね。そういうものはほっぽっておかれるのか。けち精神を出して軌道修正をしてしまって、その人たちには見せないのか。それから、見せたままいたら、日本語が通じますので、国際問題化しかねないというわけですよね。
 例えば、最近の昭和天皇の御大喪の葬列のことやなんか言っている暇はありませんけれども、ああいうものがずっと台湾や香港にも長時間流れた。じゃ、その人たちが聴視をすることによって天皇制に対する、日本に対するいろんな批判が出てきたとします。そうしますと、台湾の行政府、香港の政治をあずかっている人たちがそういうものを問題にして、日本の衛星は見せないでほしいというようなことがあり得ないとは限らない、ないとは限らないと思います。そういう問題をお気づきになっていらっしゃいますか。
#244
○政府委員(成川富彦君) 放送衛星では放送を国内向けにやっておるわけですけれども、現実には戸は立てられないということがございまして、電波はいろんなところにスビルオーバーするものですから、台湾とか香港でも見えるのは現状でございます。事実、私どもの方にも、台湾あたりから見えるという話も聞かしていただいているわけでございます。
 しかしながら、NHKの受信料は放送法の適用対象となる、日本国内の受信者の契約締結義務を規定しているものでございますので、それ以外の地域においてたまたまスビルオーバーといいますか、漏れる電波といいますか、届く電波を見ている人には適用できるものではございませんので、受信料の関係はございません。
#245
○平野清君 いや、政治問題化した場合の……。
#246
○政府委員(成川富彦君) 先ほど申し上げましたように、直接放送してはいかぬというDBS原則がございまして、本来国内向けにやっているわけでございますけれども、たまたま見える部分については甘受せざるを得ないんじゃないかというふうに思っております。台湾の方からも一時期見えないような措置はできないかという話がございましたけれども、それは現実的にできない相談でございますので、その後はそういう問題は起こっておりません。
#247
○平野清君 何か普段はなくても特別な放送をやったときに大きな反響が出ないとは限らないわけですね。例えばソウルのオリンピックなんかはもう喜んで見ていたそうですけれども、それはオリンピックだから問題は起きないですけれども、何か政治問題だったら当然反発が来るかもしれません。そういうことはやっぱり十分予測なさっておいた方がいいと思いますけれども、これは老婆心です。
 ところで、懐がだんだん厳しくなるということになりますと、副次収入をふやしたり、いろんな補助金をカットしたり、いろんなことをお考えになるのは当たり前だと思うんですが、NHK学園の助成金などを見てみますと、年々、年々と言っちゃおかしいですけれども、六十年度二億七千万円あったものがもう半分以下に落ちてしまっているというようなこともあります。
 それから、赤字を減らす意味においていろんな方策があると思うんですけれども、今NHKは有線テレビについて難視聴者対策だということで相当なお金を使っていらっしゃると思うんですけれども、地域によってはもう難視聴地域は解消してしまったんですから、そういう設備その他はNHKが保持しているんじゃなくて、もうNHKの手から切り離す方法とかいろんなことがあると思うんですが、そういうことについてはどうなんでしょうか。
 片一方で何か非常にけちくさいことを、けちくさいと言うと語弊がありますけれども、放送学園のような補助金は減らす、そうかといって何十億かかる放送設備をそのまま保存しておく、そういう矛盾が見られるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#248
○参考人(遠藤利男君) 最初に、まずNHK学園に対する助成金の削除のことでございますが、NHK学園を設立して以来、高等学校の通信教育番組と一緒になって通信教育による高等学校の教育の充実を図ってまいりました。そのための助成金を出しておりましたが、一方では、NHK学園そのものが、通信高校講座だけではなくて、生涯教育の講座を通信教育でするという事業をいろいろ発展させてまいりました。NHK学園の方は、そういうことで助成金が要るんですが、一方で、生涯教育の講座によって収入の増加がかなり図られました。それによりまして、協会の財政状況の厳しさもありまして、NHKが出しておりました助成金を削減していくということができたわけでございます。そういう努力をNHK学園が行っているということで御理解願いたいと思います。
#249
○平野清君 私はほとんど宿舎に泊まっておりまして、赤プリのそばを通りますと放送塔が立っているNHKの用地があります。NHKはNTTと違って、長い伝統があるくせに資産は余り持っていませんね。鳩ケ谷を売ってしまって、昨年の百九十何億をやっとかろうじて赤字を埋めたり、今度は川口の三分の二を売ったり、もう残るところあと一カ所か二カ所だということになっています。そうすると、ああいう一等地をただアンテナを立てて、緊急の予備施設として置いておくなんていうのはもったいないような気がするんですが、あれを含めて、もっと何か信託制度でもって活用する方法が考えられないかどうか。郵政省管轄の郵便局なんかは土地信託やなんかをやって上を民間に貸すとか、いろんな方法を考えていますけれども、ああいうところの活用方法というのをお考えになっていらっしゃいますか。
#250
○参考人(島桂次君) 先生御指摘のとおり、NHKには資産らしきものは余りありませんけれども、まだまだ残っているところも若干ございます。それにつきましては、御指摘のとおり、これを多角的にいろいろの形で利用しよう、もう土地を売るなんということはいたさない形でNHKの経営の健全化を図りたい、こう考えております。
#251
○平野清君 先ほど番組の内容のことではいろんなことが各委員から出ました。番組審議会の活性化のことでぜひお聞きしたいんですけれども、昨年放送法が改正されまして、番組審議会の活性化を図るために番組審議会の答申または意見の概要を郵政省令で定める方法によって公表しなければならないとされました。NHKさんも放送番組審議会のことを一応いろんな新聞の広告だとか、自分たちでお出しになっている雑誌では発表されていると思うんですけれども、実際に電波を使ってこの番組審議会の中身を報道されていますでしょうか。
#252
○参考人(遠藤利男君) 番組審議会の公表につきましては、おっしゃるように、新聞、雑誌、あるいは私ども毎月毎月、地方の番組審議会も含めまして、要約をいたしまして新聞記者に発表して、それをまた何らかの形で記事にしていただくということはやっております。
 それからもう一つ、私どものメディアにつきましては、毎年、例えば今度の四月から新しい番組編成をいたします。そのために番組審議会からどういうふうに編成をしたらいいのかという御意見をいただき、それに基づいてまた私どもが編成案をつくり、その編成案の御承認をいただいてやっておりますが、この内容につきまして、例えば先日私がNHKの放送を使いまして、その審議会の御答申の御趣旨を要約してお伝えして、なおかつ私どもの編成の新しいあり方についてお話しするというような時間を持たせていただきました。
#253
○平野清君 たまたまそういう番組の変更の時期だったから、多分二月二十一日のあれを指すんだと思いますけれども、せっかく電波をお持ちなんだから、一カ月に一遍とは言いませんけれども、番組審議会があるたびにそこで指摘されたことを、皆さんが見られる時間、聞ける時間に御放送なさるのが本筋じゃないかと思います。民放など、何か夜中にやったりするところがあって全然妥当性がないこともありますので、NHKがおやりになるなら、例えばニュース解説の後の五分を割くとかいろんな方法が考えられると思いますので、番組審議会の活性化を図るためにもぜひそういうことをやっていただきたいと思います。
 ちなみにNHKに一年間に来る投書が百九十八万通、電話が二百六万回、おたくの発表した文書に書いてあります。これほどの反響があるんですから、番組審議会でもいろんな意見が出ていると思います。そういう意味でぜひそれを実行していただきたいと思います。
 それから、余りもう時間がありませんので、あと一つは意見ですけれども、NHKが大変な赤字を抱え経営が苦しい。先ほども意見が出ましたけれども、国際放送などは、私もやはり国家の責任、国家の財政でもってきちっとやるべきだ、外務省予算なら外務省予算にきちっと位置づけて、国際放送は政府の責任でやるべきだというぐらいに考えております。
 そういう意味で、NHKは遠慮ばかりしていないで、政府に要望するときは、例えば交付金の増額を認めてくれないのなら国際放送の時間を少しはカットせざるを得ないぞと、何か居直りするぐらいの意地を持って、少し郵政省とちょうちょうはっしゃってもらいたいと思います。これは意見だけです。
 最後に、新聞でちょくちょく見て心配しているんですけれども、NHKとソニーがモスクワでハイビジョン実験を行っている。これについて米議会や商務省ではココム違反だというようなことが報道されております。私ちょっといろんな新聞見ましたが、NHKそのものは特別関与していないような気もしますが、新聞見出しは常にNHKとソニーというふうに出てまいります。この実態はどうなのか、なぜこんなにアメリカがこの問題で騒ぐのか、御説明をいただきたいと思います。
#254
○参考人(島桂次君) 先生、ハイビジョンの技術を輸出するということと、ハイビジョンのデモンストレーション、それを見てもらうということとは、おのずから性質が違います。我々は、ハイビジョンのデモンストレーションとか、例えば「大黄河」とか「北極圏」とか、そういう番組制作については、既に現地の放送局とも共同制作をやっております。したがって、ハイビジョンのシステムそのものを輸出するということは、ココム条約に云々ということになりますけれども、これはもう政府マターの話で、我々のマターではございませんけれども、デモンストレーションについては、これは今までもやっているし、これからもやって差し支えないんじゃないかというように考えております。
#255
○平野清君 郵政省はいかがですか。
#256
○政府委員(成川富彦君) モスクワにおけるハイビジョンのデモでございますが、これは、ソ連国家ラジオ・テレビ委員会が、世界の放送事業者の団体の協力のもとに、例えばアジアですとABUとか、ヨーロッパですとEBUですが、協力のもとにCCIRに提案されている日米加共同提案の、先ほど来お話の出ています千百二十五本の六十ヘルツの日米加方式と、それから千二百五十本の五十ヘルツのヨーロッパ方式のHDTVにつきまして、評価試験を行うというふうに聞いております。
 ココム問題でございますが、出展する機器はココム審査の結果問題ないというふうに聞いております。
#257
○平野清君 終わります。
#258
○委員長(糸久八重子君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#259
○委員長(糸久八重子君) 速記を起こして。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#260
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#261
○及川一夫君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となっておりますNHK平成元年度予算の承認案件につき、反対の立場から意見を申し述べます。
 我が党は、戦後の新しい議会制が発足して以来、常にNHK予算に賛成の立場をとってまいりました。その理由は、予算に対する賛否を通じNHKの不偏不党性の確立を妨げてはならないこと、そしてまた、NHK労使が公共放送の使命遂行に最大限の努力を払ってこられたことに一定の評価をしてきたからであります。
 ところが、今回の予算には、NHKの収入基盤の大半と言える受信料に問題の多い消費税を付加した予算を提出されました。我々は消費税そのものに反対の立場を変えていません。
 この立場から見て受信料への付加は、第一に、受信料の性格を否定し、NHK経営の骨幹を覆しかねない暴挙とも言える意味を持っていること、第二に、内税方式にしたことは、税金を負担する視聴者の立場を理解しないやり方であると断ずるからであります。
 つまり、受信料についての性格規定は長い論議の積み重ねがあり、公共放送を運営するために必要な国民の特殊な負担金という結論が出ています。これは国民のコンセンサスにもなっており、昭和五十七年、NHK長期ビジョン審議会の答申もこの規定によって公共放送を守っていこうと言っているのであります。断じて放送サービスの対価などではなく、資産譲渡、役務提供の対価に類するものといった大蔵、郵政省当局の法的な解釈になじむものではありません。
 重ねて言いますが、受信料に対する消費税の付加は国民のコンセンサス、逓信委員会における論議の歴史に反するだけでなく、間違いなくNHK事業、特に現場に混乱を持ち込むものであり、何としても了解できないのであります。
 さらに、直接的な反対理由とはしないまでも、次の諸点について大きな危惧の念を表明せざるを得ません。
 その一つは、経営体制の不備であります。
 経営委員会の責任の範囲がはっきりせず、会長を中心とする執行部に対する信頼が日増しに薄らいでいく現状を私は見逃すことができません。報道機関としてのNHKのトップの動静が他のマスコミの好餌となるような状態は俗に言う名誉税であるなどと称し、座して鎮静化を待つなどというものであってはならないと思います。それこそNHKの名誉のためにも一日も早く脱却していただかねばなりません。
 その二つは、赤字体質克服の問題であります。
 財政が厳しいと昨年から言いながら最も重要な課題を先送りにしてしまった姿勢は、自主的な経営責任者のとるべき態度ではなく、また放棄と言わざるを得ません。
 その三つは、にもかかわらず確実かつ裏づけのある見通しもないままに、新規事業の計画だけが先行していると見られる整合性のある事業運営がなされていないと思う点についても触れておかなければなりません。
 私は、以上のことを指摘をしながら、NHKに対する国民、視聴者の期待は極めて強いことを指摘し、それだけに国民の代表である当逓信委員会におけるコンセンサスを一層尊重されることを特に強調し、反対討論を終わります。
#262
○岡野裕君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につき、これに承認を与えることに賛成の意を表明するものであります。
 この日本放送協会平成元年度収支予算、事業計画及び資金計画は、「おおむね適当なものと認める。」との郵政大臣の意見が付されて、国会に提出されたものであります。
 日本放送協会の財政は、極めて厳しい状況にありますが、平成元年度の収支予算において、消費税の転嫁と衛星料金を含む受信料の設定を除いて現行受信料を据え置いており、受信者への負担増を抑制しております。このような状況の中で、協会は、引き続きテレビジョン及びラジオの放送網の整備を図り、国内放送においては、視聴者の意向を吸収してニュース・報道番組を刷新し、大型特集番組を計画しているほか、衛星放送についても、本格的放送の開始によって、一層の普及促進を図ることとしております。
 国際放送においては、国際間の理解と親善に寄与し、諸外国との経済、文化交流を一層促進するため、海外中継の拡充による受信改善など、その充実を図ることとしております。
 また、業務全般にわたって要員の効率化と経費の削減を図り、さらに受信料負担の公平を期するため、新受信料体系の定着と受信者の開発に努めるなど、厳しい経営環境に対応した適切な方策を講じております。
 なお、本件の審議においては、各委員から、日本放送協会のあり方に関して有意義な示唆を含む質疑が行われましたが、協会は、これらをその事業運営の上に的確に反映し、一層国民の信頼にこたえるよう期待するものであります。
 我が党は、かかる観点から、日本放送協会の平成元年度収支予算等について、その適切な執行を要望し、これを承認するに賛成する次第であります。
#263
○鶴岡洋君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につき、これに承認を与えることに反対の意を表明するものであります。
 我が党は、昨年までのNHK収支予算には、その厳しい財政状況への努力を認めつつ、公共放送としての役割を評価し承認してまいりました。しかしながら、平成元年度収支予算におきましては、現行受信料を維持しているとはいえ、消費税分が受信料に転嫁され、実質上の値上げになっているのであります。受信契約件数は三千二百万件に近づき、ほぼ我が国の全世帯に及んでいるのであり、受信料の実質的値上げは極めて重大な影響を持っているものと言わざるを得ません。
 我が党は、今日まで国民生活を圧迫する消費税の導入に対し強く反対してまいりましたが、なお多くの問題を抱える消費税法の撤廃を要求しているところであります。NHKにおいては、消費税を含んだ予算を編成することなく、経営の合理化、効率化を一層推進し、極力長期にわたり視聴者の負担増を抑制すべきであります。
 このような観点から、NHK予算の承認には反対の意を表明するものであります。
 今後、NHKにおいては、長期的展望に立った経営計画を早急に策定し、健全な財政運営を確立するとともに、視聴者ニーズに対応した放送サービスの充実を図ることを期待するものであります。
 また、新年度から設定される衛星受信料を含む新料金体系については、視聴者に対し積極的な理解と協力を求めるとともに、衛星放送の普及発展に努めるよう要望いたしまして私の反対討論を終わります。
#264
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、一九八九年度のNHK予算案を承認することに反対する討論を行うものであります。
 承認できない第一の理由は、受信料への消費税上乗せの問題です。
 言うまでもなく、責めを負うべきは国民大多数の強い反対を押し切って消費税導入の強行を図る政府・自民党でありますが、それを理由に消費税分の受信料値上げは当然とするNHKの態度も容認できるものではありません。今、消費税実施を目前にして多くの自治体が公共料金への消費税分の転嫁を見送る方針を決めたり、また多くの地方議会では消費税廃止が決議されるなど、その矛盾がいよいよ明らかになっています。廃止を求める声の高まりとともに、四月一日から果たして実施できるのかというような疑問や不安も日に日に高まって深刻さを増しているのが現状であります。
 こういう状況のもとで、消費税込みのNHK受信料を我が逓信委員会が早々に承認するなどということがあれば、まさに視聴者、国民の願いを体現するべき任務に照らしてかなえの軽重を問われかねない事態になるでありましょう。
 予算案を承認できない第二の理由は、我が党がかねてから改善を要求してきた予算委員会の中継問題であります。
 第百十三回臨時国会の衆参予算委員会と第百十四回通常国会の衆議院予算委員会は、基本的には中継時間内の午後六時までに各党の質疑が終わり、結果として大きな不公平な事態は起こりませんでした。しかし、これは予算委員会の運営の面での結果であり、予算委員会の運営次第では今後一部の党が深夜に放送されるという今までと同じような事態が起こらない保証がない以上、現時点で従来の反対の態度を変えるものでないことを明らかにしておきます。
 以上が反対する主な理由でありますが、さらに、私はこの機会に天皇報道に関するNHKの姿勢について一言せざるを得ません。
 先ほども強調いたしましたように、昨年の病状急変からことし一月の死去、二月の葬儀に至るこの間の天皇報道は、天皇の戦争責任問題を初め国民世論が大きく分かれている重要な諸問題が介在しているにもかかわらず、ほぼ一方的な天皇賛美の視点に立って何十時間も流し続け、結果的に視聴者、国民に弔意を強制するものになりました。それはまた、天皇と天皇制が歴史上果たした役割とこれに関する批判的見解もあわせて公平かつ客観的に報道する姿勢を欠落させたものだと言わなければなりません。
 これらの事態が憲法の主権在民の理念にもとり、放送法の精神からも大きく逸脱したものであったからこそ多くの人々の厳しい批判にさらされたことを会長初めNHKは肝に銘じ、今後の番組編成や運営に当たるべきことを指摘して、私の討論を終わるものであります。
#265
○委員長(糸久八重子君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#266
○委員長(糸久八重子君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、大森君から発言を求められておりますので、これを許します。大森君。
#267
○大森昭君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及びサラリーマン新党・参議院の会各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一、放送の不偏不党と放送による表現の自由を確保するとともに、放送の社会的影響の重大性を深く認識し、国民の放送に対する信頼を一層高めるよう努力すること。
 一、協会は、厳しい経営環境にかんがみ、事業運営と営業活動の効率化を一層積極的に推進するとともに、ニューメディア時代における公共放送としての役割を踏まえ、長期的視野に立った計画的な経営方策を早急に策定すること。
 一、協会は、衛星契約の設定による新受信料体系について、視聴者の理解と協力を求め、衛星放送受信者の的確な把握と契約・収納に万全を期すること。
 一、衛星放送の普及・発達を図るため、その安定的運用、効率的実施に努めるほか、難視聴解消に配意しつつ、ハイビジョンの実用化を促進すること。
 一、進展する国際化に対応するため、国際放送について、交付金の増額と一層の受信改善を図るとともに、映像メディアによる国際交流を推進すること。
 一、協会は、地方文化の向上に資するよう、地域に密着した放送サービスの充実に努めること。
 一、協会は、協会の業務に携わる者の意欲の高揚にも配意しつつ、良質な番組の確保に努めること。
 右、決議する。
 以上でございます。何とぞ賛成をお願いいたします。
#268
○委員長(糸久八重子君) ただいま大森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#269
○委員長(糸久八重子君) 全会一致と認めます。よって、大森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片岡郵政大臣並びに池田日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片岡郵政大臣。
#270
○国務大臣(片岡清一君) 日本放送協会平成元年度収支予算につきましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認をいただきましたことに対しまして厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じまして承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。
#271
○委員長(糸久八重子君) 池田日本放送協会会長。
#272
○参考人(池田芳藏君) 日本放送協会平成元年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程で種々御開陳いただきました御意見並びに郵政大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これを体しまして執行の万全を期したいと考えている次第でございます。まことにありがとうございました。
#273
○委員長(糸久八重子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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