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1988/06/22 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 運輸委員会 第3号
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1988/06/22 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 運輸委員会 第3号

#1
第114回国会 運輸委員会 第3号
平成元年六月二十二日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         多田 省吾君
    理 事
                真鍋 賢二君
                松岡滿壽男君
                安恒 良一君
                及川 順郎君
    委 員
                伊江 朝雄君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                森田 重郎君
                吉川 芳男君
                吉村 真事君
                穐山  篤君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  山村新治郎君
   政府委員
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    丹羽  晟君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長
       兼内閣審議官   吉田 耕三君
       運輸省運輸政策
       局長       塩田 澄夫君
       運輸省海上技術
       安全局長     石井 和也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   説明員
       国土庁土地局土
       地利用調整課長  大日向寛畝君
       運輸大臣官房審
       議官       豊田  実君
       建設省建設経済
       局宅地開発課長  五十嵐健之君
       自治省財政局調
       整室長      嶋津  昭君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      永井  浩君
       財団法人鉄道総
       合技術研究所理
       事長       尾関 雅則君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○鹿児島地方気象台への天気相談所の設置と桜島
 の観測体制強化に関する請願(第九八号外四件
 )
○道路旅客輸送の安全確保に関する請願(第一二
 二号外四四件)
○旅客自動車運送事業に対する規制緩和反対に関
 する請願(第二七七号外三四件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(多田省吾君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁永井浩君及び財団法人鉄道総合技術研究所理事長尾関雅則君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(多田省吾君) 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案並びに特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○穐山篤君 二つの法律案が出ておりますが、私は前段の方の新幹線に関する法律について主として質問をしたいと思っております。
 先日、提案理由を伺いましたが、もう少し具体的に、こういうことになりました背景といいますか、経緯といいますか、もう一つ具体的な中身について、前回は説明ではごく簡単に触れておりましたので、内容をちょっと深く説明をいただきたいと思います。
#6
○政府委員(丹羽晟君) お答え申し上げます。
 整備新幹線の取り扱いにつきましては、今年度の予算編成の過程におきまして、北陸新幹線高崎−軽井沢間におきまして、平成元年度、今年度からその建設に本格的に着工するということとされ、また、財源問題につきましても、建設費はJR、国及び地域が負担すること、JRの負担比率は各路線とも五〇%とすることなどの内容が決定されたところでございます。
 今回御提案申し上げております一部改正法案は、この決定を受けまして新幹線鉄道の建設に関する事業の円滑な実施に資するために、この中の法律事項につきまして所要の措置を講ずることとしたものでございます。
 具体的に申し上げますと、まず、国が当該事業を行います鉄道建設公団に対しましてNTT―Bの無利子貸し付けができることとすること、それから、新幹線鉄道保有機構が鉄道建設公団に対して交付金を交付することができることとすること。それから、ただいま申し上げました交付金の財源を確保するとともに、整備新幹線の営業主体となるJRの負担力を確保するために、新幹線鉄道保有機構におきます既設新幹線の貸付料の概算総計年額及びそれを各社ごとに配分するわけでございますが、各社ごとの年額を決める、その基準につきまして特例を設けることといたします。そういう内容でございます。
#7
○穐山篤君 この法案をよく読んでみますと、整備新幹線の建設について財政上の一部が提案をされているというふうに思うわけであります。本来整備新幹線について、地域の住民、沿線の方々、そういう人たちの間からはもっと全体像がわかるようにしてもらいたい、そういう主張が強いんです。それは無理からぬ問題だと思うんですね。
 従来は、中曽根さんが言っておったように、夢を持たせるといいますか、希望に沿いたいという程度であったわけですが、いよいよ短い区間であろうとも工事に着手をするということになれば、全体像が欲しいということと同時に、全体像を踏まえてしかるべく改正しなければならない法律も準備をしてほしいのだけれども、その法律もまだ提示をされていない。そういう意味では非常に不安を覚えるわけです。平たい言葉で言えばいつごろまでに完成をするのか。あるいはどのぐらいの金がかかるのか。現在の価格において一兆何千億とか二兆何千億というのはわかるけれども、これから七年なり十年なり十何年かけてやった結果、国の負担は幾らになるだろう、あるいは地域の負担はどうなるだろう、こういうことも当然知りたいわけです。
 それから、後ほど申し上げますけれども、法律上新幹線の問題については昭和四十五年の新幹線鉄道整備法というのがあるわけですが、それで決められております規格と違う規格のものが今度出てくるわけですね。そういうものについての法律上の裏づけがない。そういう意味では今回の提案にもっとつけ加えてほしいものだというのが一般的な意見でありますし、私どももその意味では賛成であります。
 なぜそういうことができないのかという点について、背景というものを少し説明していただきたいと思うんです。
#8
○政府委員(丹羽晟君) ただいまの点でございますが、先ほども御説明申し上げましたように、今年度予算の決定の過程におきまして、北陸新幹線の高崎―軽非沢間の本格着工が決まったわけでございます。それで、その本格着工を実施するに要する財源の確保の仕方につきまして、必要な範囲内でのいわゆる法律事項という、つまり法律を改正しないとできない部分、それにつきましての御提案を申し上げたわけでございまして、法律を改正しなくてもできる部分、例えば国の予算措置だけでできるとか、そういった事項につきましては今回の法律案の中には含めてない、そういう関係になっているところでございますので御了承いただきたいと思います。
#9
○穐山篤君 さてそこで、整備新幹線のうち、とりあえず着手するものも決まったようでありますけれども、総合交通政策の中で整備新幹線というものがどういうふうに位置づけられるのか。当然今回の場合には、整備新幹線というのは、地域から考えてみますと割合遠隔の地である、それから部分的には過疎の地域も走行するというふうなこともあるわけでありますので、その意味からいいますと、航空との競合の問題というふうなことなども考え合わせまして、今回旋案をする中身から考えてみて整備新幹線の役割というのをどういうふうに理解したらよろしゅうございましょうか。
#10
○国務大臣(山村新治郎君) 整備新幹線の総合交通体系の中に占める役割ということでございますが、総合交通体系とは、各交通機関がそれぞれその特性を発揮することによりまして、国民生活あるいは国民経済上のニーズに的確に対応できる交通サービスを提供できるような交通であると考えております。このような交通体系、これは各種の政策措置を前提としながら、各交通機関間の競争が利用者の自由な選好に反映されることを原則として形成されることが望ましいと考えております。
 新幹線は、所要時間が四、五時間程度までの中距離区間におきます大量輸送にその特性が発揮され、特に、都市が連鎖状に分布している場合に、これらの都市を結ぶ一つの路線によりそれぞれの都市相互間についてサービスを頻繁に行い得る点が大きな利点となっております。
 整備新幹線は、以上のような総合交通体系上の観点を踏まえて整備さるべきものと考えております。
#11
○穐山篤君 わかりました。
 言ってみますと、国家的なプロジェクトになるわけですから、財政上の問題をちょっと別に置くとするならば、国家的に総力を挙げてやるべきものであろうというふうに思うわけです。たまたま財源の問題でいや応なしに厚い壁にぶつかっておりますので、その点が難点でありますけれども、本来から言えば、国家的なプロジェクトですから、公共事業方式で建設をするというのが本来の建前でなければならぬというふうに思うわけです。これは幹線道路の整備についてもしかりでありますし、それから国際空港あるいは国内主要空港その他の整備についても、金の出場所はいろいろあるにいたしましても、プロジェクト、大きな事業として取りかかっているわけですね。そういう意味では、常に財政負担というものがネックになっている、非常に残念であると。
 基本的に公共事業方式でやり得ない心理的な理由が、国民が納得できるような理由がありましたならばお示しをいただきたいと思います。
#12
○政府委員(丹羽晟君) ただいまの先生の御指摘は、いわゆる公共事業方式、国が全額負担というような形でやることとの関係のお話かと受けとめておりますが、整備新幹線の問題につきましては、国が助成すべき面というのは当然あるわけでございますけれども、整備新幹線の建設が同時に各地域におきます地域の振興とか、そういったメリットを及ぼす問題にもなりますし、また経営主体となりますJR側の方にもその受益が稗益するということが考えられるわけでございます。したがいまして、その負担のあり方につきましては、今申し上げました国と地域とJRがそれぞれ適正な負担をするという考え方で進めるのが合理的なものになるのではないかと私どもは考えたわけでございます。
#13
○穐山篤君 例えば、難工事の部分については国が財政負担を負うというような意味ではよくわかりますけれども、今後大きなプロジェクトが出てくるわけでありますので、きょうはその点はこの程度に終えておきたいと思うんです。
 さてその次に、昨年の八月とことしの一月十七日に政府・与党申し合わせというのがなされたわけです。新聞にも出ましたし、私どものところにも資料が前から届いているわけですが、政府・与党の申し合わせというのは、まあ言ってみますとこれは身内の話し合いの問題ですよね。少なくとも、国会に法案を提出する、その裏づけになる材料はこれでありますよという場合には政府が主体的に提案をする品物でなければならないし、また、そういう性格でなければならぬと思うんです。あらゆるものに政府・与党申し合わせというようなものが出るのは、これはどういうわけでしょうか。さらに申し上げておきますと、これは国家行政組織法の第何条というものに該当するのかしないのか。その辺はどう勉強されたんでしょうか。
#14
○政府委員(丹羽晟君) 整備新幹線の問題につきましては、私が改めて申し上げるまでもなく、国土の均衡ある発展、それから地域の振興開発、そういったような観点で、それらに資するものとして沿線地域の強い御要望があったことがございます。それから他方、この整備新幹線の計画につきましては多額の投資が必要となる、こういう点がございますので、国鉄改革の観点とか行財政改革の趣旨とか、そういった観点も踏まえて財源問題等につきまして慎重に検討しなければならない。そして、慎重に取り扱いを決定することとされてきたわけでございます。
 このように、整備新幹線建設の問題に内在する、慎重に検討すべき専門技術的な事項だとか、政府部内で調整を要する事項とか、そういったようなことが多々含まれているものでございますから、政府・与党間で整備新幹線建設促進検討委員会、こういう名前の委員会を設けまして検討してまいったわけでございます。
 それで、御指摘の昨年の八月とことしの一月の政府・与党の申し合わせというのは、このような検討委員会の検討の結果を申し合わせという形で確認したものでございます。運輸省といたしましては、この結論を得るに当たって、この委員会に関係地方公共団体の方々にも参加していただいたこともございますし、またJRの意見を聴取しながら検討を進めてきたというところでございますし、また、政府部内におきましても関係の省庁との調整も十分に行われたものでございますから、この申し合わせを踏まえた上で、先ほどの国家行政組織法の関係では運輸省の所管する事項、そういう必要な法律事項につきましては今国会にただいま御審査いただいております法案を提案したわけでもございますし、今後ともその所管する事項の問題につきまして適切に対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#15
○穐山篤君 経緯は私はよくわかります。
 それから、昨年の八月からことしの一月十七日の政府・与党の申し合わせの中身が少しずつ前向きに、具体的になってきているという意味もわかりますが、少なくとも国会にこういうものを出す場合には、国の責任において出すわけですから、申し合わせという文字は、自民党さんの中ではいいですよ、しかし、ここへ出すときには、申し合わせというように書いたものを出すというのは私は不謹慎だと思うんですよ。法律上の何の根拠も持っていない。法制局長官が来てくれればいいんですけれども、今後これは十分に気をつけてもらいたいと思う。それは、今後どういうふうに政権がなるかよくわかりませんけれども、与野党合意文書なんという話になったらまたおかしいですよ。これは次善の策として、いろいろなところと打ち合わせをして申し合わせをして、それを背景にして政府も毅然として対処しますと、こういう意味で提案をしなければならぬ代物だと思うんですね。
 少し嫌みを言いましたけれども、これはかつて中曽根総理のときに、私内閣委員会におりまして、国家行政組織法と私的諮問機関の問題というのは随分議論になっている。原則に戻ろうという話になったわけです。そういうことから考えてみて、この取り扱いが、今回こうやって印刷で出ていますからしようがないと思いますけれども、今後は十分にひとつ注意を払っていただきたいと思いますが、大臣どうでしょうか。
#16
○国務大臣(山村新治郎君) 十分なる配慮をいたしまして、今後やってまいります。
#17
○穐山篤君 次にお伺いしますのは、結果的にこの申し合わせの中身に入ることになるわけですが、最初の国の整備計画は、従来の新幹線というものを予定してあらゆる面から検討され、予算の目標についても一応明示されたわけです。しかし、その後省内なり政府の中で検討が進められて、結果としてミニ新幹線、スーパー特急、それから正規の新幹線、こういうふうに変わったわけですね。変わった理由は、財政上のこともあるんでしょうけれども、また別の理由もあるだろうと思うんですが、その点についてお伺いしておきたいと思います。
#18
○政府委員(丹羽晟君) ただいまの先生の御指摘のとおり、この新幹線につきましては全国新幹線鉄道整備法上の整備計画に基づく路線でございます。それで、各整備計画ごとに建設費を一応計算してございますけれども、その投資額が相当膨大な額に上るわけでございます。
 それで、先ほど来の経緯のところで御説明申し上げておりますように、整備計画をつくった後にいろいろオイルショックの問題とか国鉄の財政再建の問題といった客観的な事情がいろいろ出てまいりまして、それとの関係におきましては、膨大な投資の計画のまま進行させるということにつきましては、財源措置その他につきまして問題が大変多い形になっておりましたところで、ここまで延々と時間がかかってきたのではないかと考えております。
 そういう事情が背景にございますものですから、私ども運輸省の方といたしましては、この問題につきましては基本的には投資額を縮小する方向での効率的な幹線鉄道計画を考えまして、それでその投資額を縮小、したがってその鉄道の規格を縮小する、そういったことでの案を前提として今度の計画を考えていきませんと、現実的に財源との関係では財源確保がなかなか難しいんではないか、こういう判断をいたしたわけでございまして、そのことにつきまして、先ほど来の検討委員会の方に運輸省の案を提出して、それに従いまして進めるという形になってきたわけでございます。
#19
○穐山篤君 計画によりますと、時速二百キロ、それから時速百六十キロ、時速百三十キロ、こういうふうに今度ははいりましるわけですね。そうしますと、全国新幹線鉄道整備法でいう定義から外れるものが出るわけです。それから施行令の整備計画とも違ったものが出てくるわけです。当然のことながら、したがって百三十キロ、百六十キロに見合うものの法律を準備する必要があるだろうと思う。私は、昨年あるいはことし申し合わせが行われたときに、当然前向にこの整備計画、定義というものを今度はこういうふうに変えます、したがって、これで今後工事をさしてもらいますというふうに法律が出るのが手順だろうと思っておったんですが、今回出なかったわけです。この法律は新しい法律になるのか、あるいはその中で特別の定義をつくるのかよくわかりませんけれども、その種の法律はどういう際に提案をされる予定になっていますか。
#20
○政府委員(丹羽晟君) 先生の御指摘のとおり、全国新幹線鉄道整備法上の新幹線鉄道の定義を見ますと、「その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」、これが今の法律上の定義でございます。そういうことで見てみますと、私どもが提案いたしましたいわゆるミニ新幹線とかあるいはスーパー特急の問題につきましては、ミニ新幹線は最高速度が百三十キロメートル、それからスーパー特急の方の最高速度は、使います車両にもよりますが、車両の性能いかんで幅がございますが、百六十キロから二百キロメートル、こういったスピードを想定しておりますので、必ずしも二百キロメートル毎時以上で車両が走行するということになるものではございません。そういうことでございますから、必ずしも今申し上げました全国新幹線鉄道整備法上の新幹線鉄道の定義に合致するというものではないという点が確かにございます。
 それで、現在のところは、今年度の予算編成過程で決定されましたのは高崎−軽井沢間の本格着工ということでございますから、ここの部分は私どもの案の中でも普通の新幹線鉄道でございますから、着工を本格的にやるに当たっては特に法律上の問題は生じないわけでございます。
 それでその後、来年度以降におきまして、ミニ新幹線あるいはスーパー特急というものに着工することが決定された場合につきましては、その段階で全国新幹線鉄道整備法に関する立法措置の必要性について検討することとしたいと考えております。
#21
○穐山篤君 それから、在来型の計画でいきますと、二兆九千二百億円がかかるという計算をかつてされておりましたね。それがスーパーと、ミニを入れて整備をすれば財政的に相当節約ができるということで、一兆三千八百億円という数字を見ているわけですが、これは営業開始までの、建設工事完了までの見通しを立てて計算をされたものでしょうか。その価額の基準はいつに置かれて計算をされたのでしょうか。
#22
○政府委員(丹羽晟君) ただいまの、私どもの推案いたしております新幹線の計画の価額は六十二年四月現在の価額でございます。
#23
○穐山篤君 そうしますと、一兆三千八百億円でもこれから数年あるいは十数年経緯するとすれば、全体のボリュームが大きくなるということは想定ができるわけです。その場合に考えられますことは、例えば一番最初に難工事をやった。難工事については国の費用、あるいは運輸省の予算の中のやりくりで処理をすることができたが、その後は銭がありませんからできませんというふうなことになったり、金がないので計画はさらに延期しますということになればますます財政は膨らむばかりであります。したがって、整備新幹線について着工する以上は毅然として計画どおりあるいは財政の裏づけもきちんとするということがなければ、今回の提案についても私ども不安を持たざるを得ないと思います。ですから、そういう点について基本的な考え方、今申し上げたような難工事が終わったその後どうするんですかと聞いたらその時点で考えますということじゃちょっとうまくないと思うんです。ですから、継続性、一貫性というものは十分持っていますというふうに毅然とした態度を堅持してもらわないとうまくないと思うんですが、その点どうでしょうか。
#24
○政府委員(丹羽晟君) 先ほど御説明申し上げましたのは、法的措置の面に限って申し上げたわけでございますが、今回の法案の中身となっておりますいわゆる財源措置の問題につきましては、その仕組みといたしましては高崎−軽井沢間だけではなくて、他の区間についてもその仕組みは適用され得るものと考えております。それで、現行の建設費とか収支採算性とか金利水準、そういったものを前提といたしますれば、今回の財源措置で、これはもちろん運輸省案を前提でございますが、三ルート全部の建設は可能であるというふうに考えております。
#25
○穐山篤君 今の点は、しっかり基本的な態度を堅持してやってほしいと思うんです。
 それから、費用の分担のルールでJR五〇%というふうになっていますが、これは国鉄改革の際の議論を踏まえてみて少しJRの負担が多いのではないかと私どもは見るわけですけれども、JRの将来の経営に重大な影響を与えないかどうかということが一つ。
 それからもう一つは、具体的に問題になっております高崎−軽井沢間でも在来線の一部の廃止、それから九州でも在来線の存続についての心配、不安というものが残っているわけですが、在来線の扱いについてはどう考えておられるでしょうか。
#26
○政府委員(丹羽晟君) 先生の御指摘のように、今回の高崎−軽井沢間の並行在来線でございます信越本線につきましては、その信越本線の横川−軽井沢間を廃止するということを考えております。それで、整備新幹線の建設に当たりまして私どもが基本的に考えておりましたのは、国鉄改革の趣旨にかんがみますればJRの経営に悪影響を及ぼす形ではやってはならない、こういうことで考えているわけでございます。
 それで、ただいまの北陸新幹線の高崎−軽井沢間、その並行在来線の横川−軽井沢間というのを仮に維持をしておいて、今回の高崎−軽井沢間の新幹線を建設いたしますと、両方を維持した場合におきましては年間十億円以上の赤字が横川−軽井沢間の在来線で生ずる。そういうことが見込まれますので、JR東日本といたしましてもこのような状況を踏まえて当該区間を廃止したい、そういう経営的判断をしております。
 それで、私どもの方といたしましても、先ほどの基本的な考え方からいたしますれば、それを維持させるということは国鉄改革の趣旨にそぐわない形になるということでございますので、この横川−軽井沢間の問題につきましては適切な代替交通機関を検討いたしまして、その導入を図った上で開業時に廃止する、こういうことを考えまして、そのために関係者、具体的には地元の長野県、それから群馬県、それから私ども運輸省とJR東日本、この四者間でそれまでの間に協議をしていく、こういうようなことを考えたわけでございます。
 それから、もう一つの御指摘の今回の区間以外のルートの並行在来線の問題ということがございますが、他の区間の並行在来線の問題につきましても、並行在来線についてのJR各社のまずは取り扱いについての経営判断、そういうものがございますからそれを踏まえまして、それから関係の地方公共団体の御意見もよくお聞きいたしまして、それで適切な結論を得る必要があるのではないかと考えております。もちろん、廃止が決定いたしますれば、その区間の代替交通機関につきましては適切な代替交通機関を導入するということを前提の考え方でございます。
#27
○穐山篤君 技術的な話で恐縮ですけれども、今の高崎−軽井沢間で新幹線の整備が行われる。在来線は軽井沢と横川で切れる。そうしますと、在来線の車両なり車両運用なり、あるいは運行ダイヤというものが相当変化をするわけですね。あそこの汽車へ乗ってみますと在来線廃止反対という横断幕が張ってあるぐらい非常に関心を持っているわけです。きょうは時間がありませんから、車両運用まで私はお答えをいただくつもりはありませんけれども、後々JRの経営に、経費負担の増になったり、地域住民の通勤、通学あるいは輸送に重大な影響がないように、在来線の問題については十分検討をしていただきたいと思うんです。
 それからまた、難工事の取り扱いは、申し合わせでは三区間が指定されているわけですが、とりあえずは工事着工になるわけです。先ほどくどいように伺いましたけれども、難工事のところを三年なり五年なり六年かかってやる、その後も継続性、一貫性を持たせます、こういうふうに御返事がありましたので基本的な点は理解をしますけれども、なお継続しますということを財政上あるいは何らかの方法で明示をしないと、この工事が終わったらもうその後はないというふうに言われますとこれまた問題がありますので、適当な時期にそういうものを明示するようなことを考えてもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#28
○政府委員(丹羽晟君) まず、難工事部分の問題でございますが、この難工事部分の取り扱いにつきましては、従来ボーリング調査とかそういうようないろいろな調査をいたしまして、ある程度特殊な地質の存在が判明しております。そういうトンネルで実際に工事を行った場合に相当な困難性が見込まれる、したがいまして工事費とか工期とか、そういったような点につきましては不確実な要素が出てくる、そういうような工事になるということにつきまして取り扱いを考えていく問題ではないかと考えております。
 そういうことで難工事になるかならないかということを究明するわけでございますが、その難工事部分を含む新幹線のルートの問題につきましては、今後各年度の予算編成の段階で予算の内容としてどのように決めていくか、こういう取り扱いになるのが一番妥当だと考えております。
#29
○穐山篤君 大筋わかりました。
 さてそこで、もう時間ありませんので鉄道総合技術研究所にお伺いしますが、宮崎の都農で長年にわたってリニアについて研究されておりまして、非常に敬意を表する次第でありますが、現在の研究調査の現状、それからもう一つは、リニアモーターカーというものが夢でなくていよいよ口入体的な交通手段として俎上に上がってきたわけですが、これからどういう点をさらに詰めていけば当初目標の最高速度の、あるいは安全性の高いリニアになるのかならないのかという点についてお話しいただきたいと思います。
#30
○参考人(尾関雅則君) お答えを申し上げます。
 宮崎実験線で五百十七キロの時速を記録いたしまして走行実験の可能性を実証いたしました後、ガイドウエーを改造いたしまして、人を乗せられる実験車による走行実験を進めてまいりました。この最初のものとしてMLU〇〇1という型式の三両連結によります浮上車両の連結走行を確認した後、現在では複数の台車方式による車両、MLU〇〇2の走行実験を続けております。この中で、ガイドウェーがふぞろいな段違い等の不整を設定いたしまして、安全性の確認実験や通常の電気ブレーキが故障をいたしました際に空カブレーキあるいは摩擦式のブレーキ、こういうものの実験、それからさらには乗り心地の確認、その向上の実験等を実施してまいりました。
 ただ残念なことに、宮崎の実験線は全長が七キロメートルでございまして、しかも単線でトンネルもございません。そのために、実用化に向けてさらに確認を行うためには不十分な点がございます。現在のところ、今後さらに実験により確認をする必要があると考えております主な項目を申し上げますと、変電所を渡っていく際の制御の問題それから高速走行で分岐ができる分岐装置の問題、それから超電導磁石を初めとします各種機器の信頼性、耐女性、あるいはシステム全般の信頼性、安定性というような問題の確認、それから高速でトンネルに突入する際、高速ですれ違いによる際の実験を行いまして、どういう影響があるか、トンネルの形状や軌道中心間隔等をどのくらい離せばいいかというような基本諸元の決定、それからさらには、複数列車で運転させるときの運転保安、列車群の制御というようなシステムの確認をしていかなければならないと考えております。
#31
○穐山篤君 そうしますと、研究課題というのはまだまだたくさんあるというふうに思うわけです。
 そこで、私も二度三度宮崎で見学したことがあるわけですが、直線ですから今言われたようなことを全部あそこでやるわけにはいかない。しかし便宜的にやるということになればそれの方法もあるだろうと思うんです。しかし、二十一世紀の交通機関としては、安全性、快適性というものを重視するとすればまだまだ研究の余地があると思うんですが、これがよしこれでよろしいというふうになるまでにはどのくらい期間がかかるものなんでしょうか。
#32
○参考人(尾関雅則君) 期間の点につきましてでございますが、その前に今の宮崎の七キロの実験線ではもはやそう十分なことが期待できませんので、それを行いますには新しい実験線をつくっていただきまして、そこで今後数年にわたって実験を重ね、確認をしていく必要があると考えております。
#33
○穐山篤君 運輸大臣、今お話しのように相当技術的にはハイレベルの研究をされているわけですが、まだまだ問題なしとしない。そういう意味で実験線というものは政治問題として挙がるのは当然だと思うんです。
 そこで、従来政府はリニアについては宮崎と札幌と山梨と、そういうふうに言われておったんですが、宮崎とかそれから札幌というのは割合に直線区間です。したがって、今お話がありますような勾配であるとか曲線であるとか、あるいはトンネルの中であるとか橋梁であるとかというふうなことになりますと、札幌、宮崎というのはおのずから列外に外れているというふうに見るのがごく常識だと思うんですね。残りますのは山梨ということになるわけですが、そういう理解でよろしゅうございますか。
#34
○国務大臣(山村新治郎君) 今その実験線の候補地についてはただいま申されました三カ所でございまして、これらにつきましては自然条件等の調査、自然条件から見て所要の実験項目がどの程度達成できるか、地元の協力の度合い、将来の有効活用の可能性、これらを総合的に勘案して建設適地を選定すべきものと、今学識経験者の皆さんにいろいろ御研究いただいておるところでございます。
#35
○穐山篤君 先ほどの技術的なことなども考えてみますと、宮崎の実験線で行うものはほぼ限界があるわけですね。したがって、新しい研究、試験ということになれば新たな地に実験線をつくるということになるわけです。そうなりますと、平成二年度の予算の中で当然これが一定の方向がつくられませんと、これからの交通機関としての位置づけが明確にならないというふうに思うわけです。そういう意味ではどうでしょうか。今私山梨と申し上げたわけですが、仮に山梨ということを想定しながら来年度の予算編成の中でかちっと決めていくというふうになるのは必然だと思うんです。平成二年度の予算の中ではそういうことをお考えになるんでしょうか。もう一度確認します。
#36
○政府委員(丹羽晟君) 新実験線の基本的な考え方は、ただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
 それで、今その三カ所の候補地をいろいろボーリングその他の地形、地質の調査とか電力事情の調査とか、そういったようなことをそれぞれについて行っている段階でございます。その調査の結果が出ませんと絞り切れないという問題でございますので、来年度予算をどのようにするかということにつきましてはその調査の進捗状況との関係で考えていくという問題ではないかと思っております。
#37
○穐山篤君 これ以上申し上げることはないと思いますが、宮崎なり札幌というのは地理的な条件から考えてみて実験線には最適だとは言いがたいと思います。しかし、今後リニアモーターカーを短区間運転することによって十分地域の交通の解決に貢献ができるということも含めればその二つの地もある意味では意味があると思うんです。それと同時に、宮崎なり札幌というのは地域の開発ということが中心になるわけですから、私はそういうふうに理解をして、ボーリングその他をしてというのは当然のことでありますけれども、余りスローモーにやっているわけにはいかない状況にありますので、ぜひひとつこの夏の予算編成の際に御努力をいただきたいと思います。
 それから最後に、公団の総裁に来ていただいているわけですが、一つは、公団も技術集団として青函トンネルでは国際的に非常に有名になりましたし、貢献もされているわけですが、現状についてちょっとお伺いをしたいのと、それからもう一つは、新幹線の建設につきましては建設主体は公団にいたしますという法律が成立をしているわけですから、その意味では非常に緊張されていると思いますが、整備新幹線のこれからの建設について公団としての要望といいますか、意見といいますか、いろいろな工事を手がけてきた上に立って、国はぜひこういう点を考えてほしい、あるいは国会はこういう分野で特別の配慮をしてほしいという問題がありましたならばあわせて御見解を承りたいと思っています。
#38
○参考人(永井浩君) まず、最初の公団の現状でございますけれども、平成元年度の当公団の予算は、現在運輸大臣に認可をいただいております建設費が千四百二十八億でございます。これは受託業務費も含んでおります。
 内訳の主なものは、AB線百五十億、これは地方鉄道新線でございまして第三セクターが運営主体となっているものでございます。それからCD線、これはJR関係の大都市交通線でございますが、これは二百三億、それから整備新幹線建設推進準備事業費二十億、それから整備新幹線難工事推進事業十八億、それから民営鉄道関係が九百十六億、これが主な内容でございます。以上のほかに、ただいま御審議をいただいておりますこの法案が成立いたしますと財源が確保されるわけでございまして、北陸新幹線の高崎―軽井沢間の建設費百二十七億を追加申請いたしたい、このように考えております。
 私ども、この法案が成立いたしまして財源確保されることとなりました暁には、従来から私どもいろいろ鉄道建設の技術を保留しておりますし、またその後も勉強いたしておりますので、各方面の期待にこたえるよう建設の推進を着実に図っていきたいと、このように考えております。具体的な問題についていろいろ問題があろうかと思いますが、各方面の御理解と御指導を賜りたいと、このように考えております。
#39
○安恒良一君 与えられました時間で二つの法律をやるのは大変時間が足りないわけですが、同僚の穐山さんから鉄建公団建設、それから新幹線保有機構の一部改正が中心にやられましたので、私はまず最初に、特定船舶製造業安定事業協会法の一部改正をやりまして、残された時間であとさらに今の法律について質問をしたいと思います。
 そこで、今回の法律改正の内容はいろいろ書いてありますが、簡単に要約しますと、高度船舶の技術に関する試験研究のための資金援助や研究等を行えるようにする、従来の特定船舶製造業安定事業協会の業務にこれを追加する、ですから名前も造船業基盤整備事業協会に改める、法律を要約するとそういうことだというふうに受け取っていいですか。
#40
○政府委員(石井和也君) 委員のお話しのとおりでございます。
#41
○安恒良一君 そこで、この改正案に基づく平成元年度の予算措置はどのようになっていますか。
#42
○政府委員(石井和也君) 平成元年度におきましては、一般会計から補助金といたしまして新形式超高速船の研究開発に五億四千六百万円、高信頼度舶用推進プラントの研究開発に二億円、合計七億四千六百万円の予算措置を講じております。また、高信頼度舶用推進プラントの研究開発につきましては、研究開発会社に対しまして日本開発銀行から一億円の出資及び二億円の融資が行われ、その他の研究開発について二億円の融資が予定されております。
#43
○安恒良一君 そうしますと、高度船舶技術の試験研究に関する業務については、私は、この制度を活用できるのは技術力を持った大手造船になるというふうに考えますが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#44
○政府委員(石井和也君) お答え申し上げます。
 本法律案では、試験研究実施者の要件につきまして特段の規定はされておりません。技術研究組合、研究開発会社、単一企業等の法人の形態あるいは大企業、中小企業等の法人の規模等を問わないこととなっており、制度上補助対象は大手のみを対象としたものではございません。ただ、当面の研究開発プロジェクトにつきましては、大手企業が参加するものと見込まれておりますが、高度船舶技術の研究開発は、船舶技術の高度化を通じまして造船業全体の活性化に資するものであり、中小造船業や関連工業のイメージアップにも大きく貢献するものであるというように考えております。
#45
○安恒良一君 私の聞いたことに答えてください。
 補助金を大手だけにやるなどとそんなこと聞いてないんですよ。この制度を活用できる技術力を持ったのは大手造船会社になるんじゃないでしょうかと、こう聞いただけですからね。どうですか。
#46
○政府委員(石井和也君) 平成元年度からのテーマであります超高速船とか高信頼度舶用推進ブラントにつきましては、非常に高い技術力が必要でありますし、最先端の技術でありますので大手が中心になりますけれども、今後中小が行います細かい技術でありましても、これが船舶技術の発展に大いに寄与するものでありますればこれを支援していきたいというふうに考えております。
#47
○安恒良一君 現在では、技術力を持った大手造船が中心になるということは間違いないんでしょう。だから、それならそうとお答えになられりゃいい。まだ質問これから続けるんですからね。
 じゃ、次に行きます。特定船舶製造業安定事業協会がこれまで果たしてきた業務の成果について伺いたいんですが、協会が果たしました過剰造船設備、土地の買い上げ、その譲渡の状況について、これも簡単に説明してください。
#48
○政府委員(石井和也君) 協会の買収及び譲渡実績を御説明申し上げます。
 昭和五十四年度にもつの造船所を三百六十八億円で買収し、さらに、昭和六十二年度には五つの造船所を百七億円で買収しております。そのうち現在までに、昭和五十四年度分については八造船所、昭和六十二年度分につきましては一造船所の跡地を譲渡しております。
#49
○安恒良一君 そうしますと、五十四年度の第一次買収それから六十二年度の第二次買収のうち、第一次買収はごく一部を除いて売却されておる、そして問題は、第二次買収の譲渡に今重点が置かれて業務がされている、したがってこの協会の業務はおおむね順調に進展をしている、こういうふうに理解をしていいでしょうか。
#50
○政府委員(石井和也君) 私どもも、協会の業務は順調に進展をいたしておるというふうに理解しております。
#51
○安恒良一君 それじゃ、最近の造船業の業績が急速に改善されているというふうに伝えられていますが、その現状を簡単に説明してください。
#52
○政府委員(石井和也君) 従来、不況対策としてさまざまな対策を講じてまいりましたけれども、このような対策の効果に加えまして、最近、海運市況の改善によりまして、昭和六十三年度には新造船受注量が四年ぶりに前年を上回り、また、昨年後半から受注船価が回復に向かうなど、ようやく不況の底を打ったと考えております。
#53
○安恒良一君 ようやく不況を脱したと言われますが、いわゆる日本造船工業会で発表をしているのを見ますと、少なくとも大手ですが、七社の八九年三月期決算は日立造船を除く六社までが経常損益ベースでは黒字に転化している、恐らくこの実情が続いて、九〇年の三月期では七社全部が経常黒字を計上する見込みだ、こういうふうに新聞で報道しておりますが、このような傾向は間違いありませんか。
#54
○政府委員(石井和也君) 委員のお話しのとおりのような決算状況でございますけれども、造船部門を取り上げますと、ほとんどの大手の造船所は現在、今なお赤字でございます。船価の改善が最近著しいわけでございますが、これの影響につきましては約一年から二年後にあらわれてくるということでございまして、その段階では造船部門についても黒字になってまいることになると考えております。
#55
○安恒良一君 今ここで、大手の各社の経営状態で、どの部門が黒字でどの部門が赤字だとか、どの部門がいつになって黒字になるというのを一々聞いておくわけにいきませんから、そういう御説明ならあとで資料で提示してもらいたいと思います。
 しかし、会社というのは一つの全体の決算をこれやっているわけですからね、その中においてこのような黒字が出てきているということは非常に結構なことだと思うんですが、何かその辺、担当局長さんは赤字赤字ということを強調しなけりゃこの法案がうまくいかないとでも錯覚を起こしているんじゃないかと思うんですね。経済というのは正確に見ていかなきゃだめなんだから。
 そこで、こういうふうに業績が回復していることは私はいいことだと思いますが、その原因はどこにあるというふうに思われますか。
#56
○政府委員(石井和也君) 最近、昨年の秋ごろからの海運市況の回復によりまして、受注量が六十二年から六十三年を比較いたしますと一〇%程度伸びているということが一つでございます。それから、設備削減、集約化等の実施の効果かとも思われますけれども、船価が最近では三〇%程度上昇しているということが原因であろうと思います。
#57
○安恒良一君 私は、例えば大手商社の造船の受注が非常に急増している、それから韓国の造船業の労賃の上昇、それで日韓の価格差が非常に狭まっている。一つは、最近円の状況も変わってきましたが、円安の進行という、こんなこと等が複合されまして、大体九二年前半納期分までほぼ建設予定が埋まりつつある、こういうふうに伺っていますが、そういうふうな状況の分析は間違っているでしょうか。
#58
○政府委員(石井和也君) 委員の御指摘のとおわでございます。
#59
○安恒良一君 そこで、運輸省としては、この好調な造船業の実態を踏まえて、新造船建造量の見直し、いわゆる増額修正が必要と私は考えています。でないと造船能力は需要に追いつかない、特に九〇年代には逼迫すると言われていますが、これらに対する運輸省の対応の方針を伺いたいのであります。
#60
○政府委員(石井和也君) 海運造船合理化審議会の意見書におきまして推定がなされておりまして、当面は標準貨物船換算トン数で三百万程度で推移して、本格的に需給が回復するのは一九九〇年代半ば以降になるものと予想されております。その時点において四百七十万CGT程度というように見込まれております。現在、設備削減はいたしましたけれども、日本の造船設備能力は四百六十万CGTございますので、設備の面では対応できるというふうに考えております。また、労働者の数も減っておりますけれども、当面一九九〇年代半ば程度まではいけるのではないかというふうに考えております。
#61
○安恒良一君 私はあなたの言っていることと大分違うんだけれども、海事産業研究所がいわゆる一九九〇年代の世界の造船需要と対応に関する調査レポートを発表していますね。そのレポートを見ますと、やはり九〇年代は造船能力は逼迫して需要に追いつかない、さらに、労働力の下降でも船価は非常に高くなる、こういうような状況でいろいろのことを考えなきゃならぬということで、例えば造船業としては、今後、適正な船価の確立を第一に、手持ち工事量を必要以上にふやさず、量よりも利益の経営に徹することが必要であるとか、日欧韓の国際協調はもとより、世界の海運、造船、金融機関等の相互連係と協調を進めなきゃならぬとか、いろいろこういう問題についてこの研究所は提起しているんです。
 そこで、何かそういうようにあなたたちも担当運輸省として方針をお持ちかなということを聞いたんですが、いや何となく今の設備能力で、それから労働力も今のままで大体うまくいけるんだと。運輸省として、こういう問題についての本当に掘り下げた研究をされているんですか。
#62
○政府委員(石井和也君) 現在の造船業の問題点といたしましては、技術開発投資が停滞しているとか、あるいは造船労働者の高齢化が進んでおって、さらに不況の影響で若年労働者がなかなか集まらない、造船離れが激しいというようなことが問題でございます。
 したがいまして、造船業を今後活性化していかなきゃいかぬというのが一つの課題になっております。また、中長期的に見ますと、委員御指摘のようにかなりの建造需要が発生すると見込まれておりまして、その際は労働力につきましても増加をしていかなきゃいかぬということでございますが、現状から考えますと、現状のまま放置いたしますと何らかの活性化対策を講じない限り労働者がなかなか集まらないというようなことがあって、造船業そのものの基盤が非常に危うい状態になっていくんじゃないかというふうに考えております。
#63
○安恒良一君 ある程度、九〇年代なら九〇年代の半ばまでを含めて、国際的な経済の中で造船とか海運は影響されるわけですね。もちろん、日本の経済が大きくなればそのことの影響を受けますが、海運業とか造船業というのはどうしても国際的なマーケットの中で問題が出てくるわけなんですから、その意味からいうと、少なくとも一九九〇年代の半ばごろまでの展望を持ってこういうものについての方針をお考えにならないと、景気が悪くなったら設備を削減して人を減らしゃいいんだと、そんな繰り返しだけの、目の先のことだけやっておったら、我が国の造船業界というのは世界に誇る非常に優秀な技術力を持っていますけれども、政府の施策というのを、今言ったように国内、国際の海運業、造船業等を運輸省は監督官庁として大きな眼で見ていただかないと、あなたたちの話を聞いていると本当に寂しいんですよ。目の前のことばかり言って、不況になれば設備、船台を減らして、労働者を減らしゃいいじゃないか、こんなことばかり。
 私たちは、きょう初めてこんな議論を吹っかけているわけじゃないんですよ。この法案が国会にかかるたびに長期的な展望を持って日本の優秀な造船業界というものをどうしていくかということを考えろと、こう言っているんですが、どうも議論が少しかみ合いません。このことは厳重に注意をしておきますからお考えください。
 そこで、当面大手に対して中手造船も活況を取り戻しているというふうに今の状況を見ていいでしょうか。中手。
#64
○政府委員(石井和也君) 中小造船業におきましては、第一次石油危機以降経済成長の鈍化、産業構造の変化などによる海上荷動き量の伸び悩みなどの要因によりまして新造船建造量が落ち込み、厳しい状況に直面してきておりましたが、昨今の内需拡大に伴い内航船の建造需要の回復を背景といたしまして、総トン数一万トン未満の新造船建造量は昨年末時点で対前年度同期比約四割増の約四十三万総トンの建造実績が上がっており、明るい兆しが認められる状況になっております。
 しかしながら、現在でも量的にはまだ十分と言える水準ではございません。また、我が国の経済の動向、漁業の見通しなど先行きの不透明な要素も多いために、中小造船業の見通しについては必ずしも楽観は許されないものと考えております。
#65
○安恒良一君 いや、大手七社の経営と、中手十九社の、中手についてもかなりの活況を取り戻していると見ていいのかということです。小まで入れておりません。
#66
○政府委員(石井和也君) 建造量的にはかなり伸びを示しておりますけれども、船価の回復がまだはかばかしくないという点がございまして、中小においても厳しい状況であるということでございます。
#67
○安恒良一君 これも数字の話ですから、私はそれなりの数字を持ってグラフも見ながら言っているんですが、そちらさんばそういうところを勉強されていないものですから一般論でどんどんお答えになっているわけです。私は、大手と中小がどういうふうになっているかということのグラフを見ながら言っているんです。中手の十九社もかなりだんだんよくなってきている。造船会社の経常利益の推移というのを、大手七社の場合、中手十九社の場合というのを見ながらあなたに質問をしているわけですから、その意味からいうと中手もかなりよくなりつつあるな、こういう感じを持ったから聞いたんです。
 そこで、具体的な問題でちょっとお聞きしたいんですが、昨年の九月に倒産しました来島グループの中堅といわれる金指造船所、会社更生手続開始決定を受けてからも既に三カ月半がたっています。一応落ち着きを取り戻しつつあるというふうに私たちも現地から聞いているんですが、長期的にこれを見ますとなかなか再建の道は険しい。特に、大型船の受注を受ける場合には、銀行の前受け金保証が必要であります。ところが、どうも銀行の態度がかたい。それから、親会社の来島興産も自分のところが大変だからといって協力するどころではないなんと言っているわけですが、来年の二月には更生計画表を作成することになるんでありますが、運輸省はこの金指造船問題にはどういう方針で今後対処されるつもりですか。
#68
○政府委員(石井和也君) 現在、管財人のもとで更生計画案の提出期限である二月に向けてその立案、作成が全力で進められていると聞いております。また、同社は更生法申請後も比較的順調に仕事を継続しておりまして、現在も当面の仕事は確保できるというふうに聞いております。また、委員御指摘のような点につきましては、現在管財人を中心に関係者間で熱心に話し合いが行われておるというように聞いております。
 運輸省といたしましても、できることがあればお手伝いをいたしたいというふうに考えております。
#69
○安恒良一君 できることがあればとか、どうも非常に消極的なんですね。例えば貨物船の手持ち工事は、会社更生申請時二隻だった。それがさらに四隻になっていまして、さらにどうもあと三隻ぐらい引き合いがあるというんです。そうすると、これが契約されれば来年の十二月までの仕事は十分確保できる。ただ一つ難点があるとすれば、何かというと前受け金保証の取りつけなんです。だから、管財人も大蔵省のOBの方でありますから、一生懸命銀行団の説得に当たられていますけれども、そういう状況はやはり運輸省としても大成省銀行局とも連絡をとって、せっかく仕事がどんどん入ってくるわけですから、そういう点については何かお手伝いすることがあればということじゃなくて、これを見ればわかることでしょう。今まででもこういう問題が起こると、そのたびに私は歴代の局長のところに私の方から乗り込んでいって、これ何とかしてやらぬかという話をし、あなたたちの手で負えぬなら、よしわかった、今度はこっちが大蔵省の銀行局長を呼んで、そしていろいろ救済をしてきたことは歴史的な事実でしょう。
 これは、大臣聞いておってください。やっぱりもうちょっと運輸省自体も担当局は積極的にやってもらわないと、結局造船というのが問題になると、田舎の方じゃもう街の灯が消えますし、大量解雇の問題が出ますから、こちら側が必死になって運輸省と話をする。さらに、銀行局と話をする。それから、必要に応じて私たちは銀行まで乗り込んで行くんですよ。ある場合には富士銀行に行ったこともあります。ある場合には静岡銀行に行ったこともあります。私たちはこういう問題には一生懸命になるんですが、どうも今のお話を聞いておっても、金指の現状からいってもう既に今申し上げたように引き合いがあるわけですから、あとはその前受け金保証の取りつけが一番大きい問題なんです。そうして、個々の諸君は、仕事さえあれば船以外でも何でもやる、おれたちは一生懸命頑張る、こう言っておるんです。そこで働いている従業員は、仕事さえあれば何でもやる、こう言っているんです。こういうことです。
 ですから、そういう点についてはどうですか。せっかく金指が再建の途上についていますから、いろいろ困難なことについては大臣もひとつ積極的にお取り上げになって、事態の解決に当たってもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#70
○国務大臣(山村新治郎君) ただいま、局長の方からいろいろお話し申し上げましたが、局長で足りないところは今度は私が乗り込んでまいるようにしたいと思います。
#71
○安恒良一君 よくわかりました。それじゃ、局長で不十分なところがあれば、これからは直接大臣のところに私ども行きますから、どうぞよろしくお願いをしておきたいと思います。
 そこで、いわゆる構造不況に苦しんでいる造船業界が二十一グループから大手七社をカットする八グループに再編をされてもう一年たつことになりますが、集約化による経営効率の向上の成果があらわれているというふうに見ていいんでしょうか、どうでしょうか。
#72
○政府委員(石井和也君) 集約化は、過当競争体質にあります造船業の体質を改善するという目的で行ったものでありまして、人材とか設備等の経営資源を有効に活用して、経営基盤の強化を図ることをねらって実施したものでございます。その効果を定量的に把握することは困難でございますけれども、昨年の後半から船価が急速に回復しつつあるのもその効果の一つではないかというふうに考えております。
#73
○安恒良一君 局長の御主張では、この法律を、集約化を極力進められた方ですから、成果がないとは言えないと思いますが、必ずしも集約化の成果があらわれていないのじゃないか。これは私だけじゃないんですね、専門雑誌なり一般商業紙なりに報道されておるんです。それはどういうことかというと、グループをつくったんですが、グループ内部の協力関係は情報交換程度にとどまって、何のための再編成なのかという疑問の声があるというふうに報道されてますし、また、その一方では今度は逆にグループを超えた大手同士の提携、協力関係が出てきている、こういうことも大きく報道されてますが、運輸省はこの点はどう把握していますか。
#74
○政府委員(石井和也君) 私どもも、このグループ化の中身、すなわち事業提携の充実強化を今後最大の課題として指導していかなきゃいかぬというふうに認識をいたしております。グループごとに見ますと、進んでおるところもございますが、おくれておるところもあるという状況でございまして、今後とも私どもその成り行きを見つつ、適宜その推進方を指導してまいりたいというふうに考えております。
#75
○安恒良一君 ここに、「思惑外れの造船業界再編」、こういう見出しで新聞が報道するように、大手同士の協力が非常に目立って、八つのグループ内の提携がおくれている。これは今局長もおっしゃったように、昨年から造船業界を取り巻く環境が好転しているということも一つあると思いますが、せっかく八つのグループに再編してきたんです。大手の協力関係は競争体質の緩和に貢献するという一面があることは私はわかります。しかし、やはり少なくとも八グループの提携が実際に実を結ぶように指導を強めていく、こういうことが私はぜひ必要だと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
#76
○政府委員(石井和也君) 委員の御指摘のとおりでございます。私どももそちらの方向で、今後集約化の効果が最大限に上がるように業界の指導に努めてまいりたいというように考えております。
#77
○安恒良一君 私が、なぜこのことを殊さらここで強調しているかというと、いわゆるグループ化というのは大手と中手を組み合わせて八つのグループをつくったわけですね。そしてその結果具体的に経営効率を推進する、こういうことであれはやったんです。ところが、取り巻く環境がよくなって急速に業績が回復する、そうすると大手ではついつい危機意識がなくなるわけですよ。そして今度は、大手同士では提携して、長期生き残りをかけて協力関係を進める。ところが、これは大手中手を組み合わせたんですからね。それだけやられますと、中手は今度はまた置き去りにされるんですよ。せっかくグループ化していったグループの中の協力関係を中心に考えないで、八つのグループにそれぞれ大手がおりまして、これがグループを飛び越えて大手だけの協力関係を一生懸命やる、提携関係をやるということになると、その一つのグループの中におる中手というのは今度は置き去りにされるんですよね。そこのところを考えないと、これはまたぞろ造船業界にとっても何のため再編成したのか。
 私たちがあのとき一番指摘をしたことは、この八つのグループというのは大手中小を含めて造船業界が発達をしていくことですねと、大手だけの生き残りじゃいけませんよということをあの法案を議論したときに時の大臣以下関係局長には十分に注意をしておったのですが、最近私が心配をしたことになりかねない動きがあるのでこのことを強調していますが、この点については大臣並びに担当局長としてはしかと心得てやっていただけますね。
#78
○政府委員(石井和也君) 委員御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、このグループ化を最大限度に経営改善に、グループ内の事業提携を進めて効率的な経営ができるように、大手中手を含めまして指導していきたいというふうに考えております。
 集約化、グループ化の中での事業提携につきましては、大手、中手それぞれの特徴を生かした形でお互いに提携し合ってその最大限度のメリットを得るというのが目的でございまして、私どもとしてもその方向で指導をしてまいりたいというように考えております。
#79
○安恒良一君 そこで、今回出された法律の中身を考えた場合に、私は、構造不況対策を進めてきた協会が高度船舶技術の試験研究のための業務をなぜ今になって新しく加えなきゃならないのかというのがどうも理解できないんです。その理由をまず挙げますと、第一は、高度船舶技術は、さきにも答弁ございましたように、現代では大手だけが使える、大手だけが恩恵を受ける制度だと私は思います、現在では。
 それから第二番目には、大手造船の急速な業績回復、今さっき私は平成元年度予算を聞いたんですが、合計で七億四千六百万円の助成金を出すというんですが、今の大手各社の経営状態の中でこれぐらいの補助金を出さないと研究が進まないという条件は私は全くないと思います。大手は自前で十分行える状態にあると私は思う。
 そして、今言ったようなグループ内の提携関係よりも大手同士の提携ということが中心になってきていますと、この制度というのは、あなたがおっしゃっているように、大手が中心に研究開発をしても、中手を含めた造船業界全体の大きな浮揚になるかということを考えると、今のようにグループを八つつくって、そしてそのグループがグループ内の提携よりも大手同士だけの提携を中心に考えてくると、下手をすると研究開発された成果は大手だけが使って中手はまた切り捨てられる、そういう促進をすることになりかねないと思いますが、そこのところはどう考えられますか。
#80
○政府委員(石井和也君) 技術開発につきましては、その支援につきましては中手あるいは小型の造船所を含めましていいテーマがあればこれを支援できる制度をつくることを今度の法律改正では目的といたしております。
 それから、今回のように非常に先端の技術一発になりますと技術開発期間が非常に長くなるということ、また開発リスクを伴うということがございまして、やはり大手といえどもなかなか次世代に向かっての技術開発が進んでいないような状況でございますので、これを促進させるために援助をいたすということでございます。
 また、中手小手に対します技術開発の波及効果につきましては、イメージアップという効果もございますけれども、開発されましたものにつきましての利用についてはいろいろな開発をしたところと利用しようとするところとの話し合いがあると思いますが、その段階で私どもとしても円滑にそれが行われるような指導をしてまいりたいというように考えております。
#81
○安恒良一君 通産省関係等でコンピューターなどのハイテク部面での技術向上のための研究組合制度がありますが、造船業が今必要なことは何かというと、ずっと議論してきましたように、構造改善対策ということで今日まで進めてきたんですね。そしてそのための大手中手のグループ化、それによって効率を求める、こういうことで、今まで私たちはこの委員会で何回となく議論して必要に応じて法律改正もやってきた。今私がずっと系統的に質問したように、そのことがどうも一とんざしつつあるんじゃないかという心配を与える。ですから、協会の事業を高度船舶技術研究に拡大をすることよりもその前にやるべきことがあるんじゃないか、それを忘れているように思われてなりませんが、どうですか。もともとこの協会をつくった趣旨、本来の業務、そういうものから考えてどうですか。
#82
○政府委員(石井和也君) 現在、我が国の造船業が抱えております問題点は、長期にわたります構造不況によりまして、研究開発投資の低迷とか就労構造の悪化の問題がございます。その結果、産業基盤の脆弱化が心配されており、このような状況を放置いたしますとどんどん活力が失われていくという懸念があるわけでございます。
 今度の技術開発を促進するという対策は、将来の海上輸送を担う船舶の技術開発を通じまして海上輸送の高度化を図る、そして、造船業構造対策実施後の造船業の活力の回復を図ろうとするものであります。技術開発を中心といたしました産業の活性化という観点において、従来の経営安定化措置と一体的な関係にあるものと考えております。
 このように、本法案によります研究開発の促進は、従来の構造対策と密接な関係を有しておりますために、従来、構造対策の中心として機能いたしてきました特定船舶製造業安定事業協会にこの業務を行わせることとしたものであります。また、これによりまして同協会の既往の資産を活用した助成を行うことも可能になるわけでございまして、この点からも同協会に研究開発促進業務を行わせることが適当であるというふうに思っております。
#83
○安恒良一君 時間がございませんから、質問も簡潔にしておりますから、お答えもひとつ簡潔にお願いします。
 それじゃ、この協会は、役員は何人おられますか。そのうち非常勤はどうなっていますか。それから、役員の一人当たりの給与は幾らになっていますか、六十二年度で。
#84
○政府委員(石井和也君) 常勤の役員につきましては、理事長一名、理事二名、監事一名でございます。三名の非常勤の理事がおります。合計七名でございます。このうち、給与支給対象役員いわゆる常勤役員の給与の一人当たりの平均は年約千四百四十五万円になっております。
#85
○安恒良一君 大臣、この協会は役員が七人おりまして、うち非常勤が三人おるんですね。それから職員が二十二人で今まで特定船舶製造業安定事業協会ということでやってきておったわけです。それで、今おっしゃったように、役員の一人当たりの給与は年間約千四百万、そのことをひとつあれをしておっていただきたい。
 そこで、この協会は、従来の業務は解撤や土地の買い上げ、こういうことを中心にやってきたんですね。主な仕事はそれであった。それが私が申し上げたように、所期の目的をほぼ達しつつある。つくった目的をほぼ達しつつあるわけです。そうすると、第一次買い上げも第二次買い上げも順調に目的を達しておると。むしろどっちかというと、こういうふうになればこの協会の組織というのは、私から言わせると縮小すればいいと思う、縮小すれば。
 ところが、この協会は、今言ったように、経営が立ち直っている大手に対する助成を行うことになるわけです、今回の新しい業務で。どうも私はその点が合点がいかない。というのは、本法の改正では、行革では整理統合しなさいということで公庫、公団、特殊法人については政府が非常に厳しく行政改革を唱えて以来やられてきていますから、なかなかそっちの方がやりがたい。そうすると、官僚というのはなかなかうまいことを考えまして、国民の目が届かないようないわゆる公益法人、これを存続させるだけじゃなくて拡充させる。そういうふうに今度の法律の中身について、今申し上げたように、本来の業務は順調にいって、むしろ業務内容は少し縮小しなきゃならぬところに来ている。ところが、今つくってもそれは主として大手しか使えないし、大手を助げることになるだろうと思われる方について新しい業務を追加して、そしてこの法人をさらに存続さしていく。こういうのは官僚の知恵として、パーキンソンの法則というのがございますからできるだけ人を減らしたくない、権限はあれしたくない、天下り先はできるだけ余計つくりたい、こういう本能的な考えを日本の官僚よく持っていますから、その意味からいうとどうもわからないですね。
 いわゆる、何回も申し上げますように、解撤、土地の買収も進んで、それから、一方ではもう造船業の業績も大手も中手も回復してきた。そうしますと、協会の本来の仕事は先細りになっていいんですよ。協会の目的も薄らいできた。ところが、何かないかということで考えついたら高度船舶技術の研究、これはいい問題だということでこれに飛びついて、業界の機能をそのままにしていくとか、さらに拡充していこうじゃないか、政府から予算もとれる、こういうふうに私は物事を考えるんですが、こういう点について考え方をひとつ聞かしてください。
#86
○政府委員(石井和也君) 特定船舶製造業安定事業協会につきましては、造船業の構造対策で中心的な役割を果たしてきたわけでございます。このような経営安定を図るための業務と、今回、造船業の活性化を図るために考えております技術開発の促進を支援するという業務につきましては、非常に造船業の経営を安定させるという面で近いものでございます。まあ表裏一体となって進めるべき政策であるというふうに考えております。
 また、この協会の現在あります基金を活用いたしまして、技術開発につきましても非常にきめ細かい、債務保証であるとか、あるいは利子補給であるとか、また、補助金を出しました場合に、その成果がございまして利益が上がった場合には納付金を協会に納めていただき、それをさらに補助金に回すというような財政負担を少なくするというような制度も協会を活用いたしますとできるということでございますので、現在あります特定船舶製造業安定事業協会を活用するということにいたしたわけでございます。
#87
○安恒良一君 私も、造船業界の明日を考えた場合に、決してハイテク船の研究が不必要だなどと、そんなことを言っているわけじゃないんですよ。それは当然研究しなきゃならぬだろう。しかし、現在、その技術力を持っているのは大手でありますから、そして、大手造船会社がいわゆる不況から立ち直って、今さっき申し上げたように黒字決算を出すであろう、こういうふうなことを客観的に指摘されている状態の中で、大手造船だけが利用できるという補助金の性格に一つ問題がありはしないか。ですから、私は大手、中手を問わず企業の業績を十分検討した上で必要とあれば助成制度がなされることをあえて私は否定をしません、業績を十分検討された上で必要だと。
 しかし、どうも運輸省の今までのやりとりを考えますと、企業の業績を赤字の延長というふうに考えているんですね、しかもごく短年で。私どもはある程度の一定の、九〇年代まで考えての議論をしているんですが、赤字の延長と考えて、そして助成をやった。こういうやり方には問題がありはしないか。本来の構造不況対策を行うための法人であったわけですから、そういう本来の業務が終了しつつある法人のために新しく仕事をこれに追加していくという改正は、私は国民の行政への信頼と財政民主主義の原則を損なうやり方だと言わざるを得ません。
 こういう点について、今私どもの議論をずっとお聞きになって所管大臣としてどういうふうにこのことについてお考えか、大臣のお考えをお聞きしたいんです。
#88
○国務大臣(山村新治郎君) 私としましては、今御審議していただいております法案によりまして研究開発を推進し、造船業全体に活力を吹き込むことをねらいとしております。したがいまして、従来の経営安定化対策と一体となって初めて造船業界の健全な発展に資するものであると理解しております。しかし、今言われましたようなこと、これも十分内容等も吟味して適切に対処していきたいと思います。
#89
○安恒良一君 協会が業務を拡充するという考えをお持ちなら、まだまだ構造不況対策をきちっと進めるべきだと。これは地域の活性化や労働者の生活安定を図ることになりますし、そういうことがこの協会をつくった本来の趣旨ですから、そういう方に業務を拡大すべきではないでしょうか。そちらの方のことを、例えば私はたまたま金指の例を一つ挙げました。そういういわゆる構造不況対策の中にその地域の活性化や労働者の生活の安定のためにまだまだやらなきゃならぬ仕事がたくさんあるんですよ。この協会をつくった目的からいっても、拡充するとするならば私はそちらの方により一段と力を注ぐということが必要ではないかと思います。ですから、私は本改正案についてはまあ賛成であります。しかし、それには今言ったような条件をつけながら賛成をしたいと思う。というのは、例えば今申し上げたように役員の数が多いならこれは減らすものは減らす、組織を縮小する必要があるならする、しかし、それは今できないというなら百歩譲って、協会の業務を中手造船の救済等を中心とした地域経済の活性化、労働者の雇用対策、こういうことに協会が本当に真剣に取り組んでいく、こういうことをぜひ約束をしてもらいたいと思うんです。
 どうぞ大臣、御就任されて間もなくですから、大体役人が言うことについてはあなたとしてはほぼ肯定せざるを得ない立場はわからぬわけではありませんが、やはり国務大臣というのは、役人が企画立案したものの取捨選択をするのが国務大臣としての私は重要な仕事だと思うんですね。役人が書いて持ってきた案が全部それでいいというんなら、果たして国務大臣がこんなたくさん要るんだろうかと実は思うんです。役人が企画立案したことであろうと、今言ったような国民的な立場に立って物事を検討していただく。この法案は既に大臣が就任される前にできておった法案ですから余り厳しいことは申し上げませんが、これからこの法案を施行していくに当たって、大臣としては私が今申し上げた点を十分御注意いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#90
○国務大臣(山村新治郎君) 確かに、これは従来からの経営安定化対策、これにより一層力を入れてまいります。それはそれといたしまして、本法案はやはり造船業界全体に活力を吹き込むということにもなりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#91
○安恒良一君 それじゃ、次は日本鉄道建設公団法について、時間が余りありませんから、穐山さんの質問とダブらないように要点だけを聞きたいんです。
 まず、整備新幹線問題は、昭和四十八年の十一月にいわゆる東北や北海道、北陸、九州の五線について整備計画が決定されて、それからもう十六年たっているんですね。そしてやっと平成元年で一部に着工が決まったわけですが、整備新幹線の建設着工が大幅におくれた原因を運輸大臣はどう考えられますか。また、十六年もの長期にわたって着工がおくれてしまった政治責任についてどのような認識をお持ちか、この点は大臣にお聞きをしたい。
#92
○国務大臣(山村新治郎君) 整備新幹線につきましては、昭和四十八年十一月十三日整備計画が決定されましたが、その直後におきますオイルショックによる総需要抑制策、国鉄の財政再建及び昭和五十四年以来の国の財政再建等により、建設推進の要望が強かったが財政問題等について結論を得られませんで今日に至ったものでございます。整備新幹線建設促進検討委員会におきまして、従来の規模の新幹線計画では問題の解決が困難であるということから、規格の見直しを行うことによりまして投資額を縮小し、それに見合う財源問題の解決を見たものであり、多少時間はかかったにしろ整備新幹線の第一歩を踏み出したものでございます。
 おくれたその政治責任ということでございますが、一歩を踏み出したということでひとつ御容赦いただきたいと思います。
#93
○安恒良一君 それじゃ、穐山さんの質問の中でもきょうも明らかにならなかったのは、第一順位は高崎―軽井沢、これはわかったんですが、各順位の路線別の着工の時期と完成の時期について考え方を示してください。全然そういう点が明らかにされておりません。これをひとつ明らかにしてください。
#94
○政府委員(丹羽晟君) ただいまの先生の御指摘の点でございますが、今現在はっきり決定されたものは北陸新幹線の高崎−軽井沢間の本格着工ということでございます。したがいまして、その残りのルートなり区間の問題につきましては、今後の、平成二年度以降の予算の編成過程におきまして、それぞれ具体的に関連する問題例えば並行在来線の取り扱いの問題とか、収支採算の問題とか、それから建設費の問題とか、そういったような問題を一緒に詰めて予算の編成過程で決めていくということで考えております。
#95
○安恒良一君 どうもわかりませんね。あなたが言っていること全然わからない。なぜかというと、私が聞いたのは、高崎−軽井沢はわかった、その次の各順位の路線別のいつ着工していつ大体終わるんだろうかと。
 なぜこのことを聞くかというと、一方においてはあなたがおっしゃったように全く見通しはないんです、今あなたが言うことは抽象的で、どの路線はいつからやっていつ終わるかということが全然ないんです。見通しも全くない。それなのに路線難工事部分十八億が計上されていますね。これは、着工の時期も完成の時期も全く見通しがないのに、どういう理由でこれだけ十八億の予算が計上されたんですか。というのは、着工しないかもしれないが、工事費の補助金がつきますと地元の人々は物すごく期待を持つんです。ですから、どうも私はこの十八億というのはややその易しのぎではないか、あっちからもこっちからもそれぞれ与野党問わず、先生方がおれのところおれのところとこう言ってくるわけですね、これは関係のある先生方。それを軽井沢−川崎をつけるのに、納得させるために何となく難工事の部分十八億だけ計上して、それでまあまあまあと、こういう感じがしてなりません。私はそういうことで国のお金が使われてむだな投資になってはいけないと思いますから、あえてこの難工事部分の十八億と、それから今後ほかの幾つかについては大体いつごろ着工していつごろ終わるのか、順位はどうするのか、やっぱりこういうものが国民に青写真として示されるべきだと思うんです。その点どうですか。
#96
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生が御指摘の難工事の部分の問題でございますけれども、これは昨年の八月に取り扱いについて決定したわけでございまして、「難工事の部分については早期に着手する。」、そういうことを決めたわけでございます。これは、トンネルなどの難工事の部分につきましては他の部分に比較いたしまして工事が長期にわたるということが出てくるわけでございますが、そうしますと全体の工事自身がおくれてしまうというような問題が起こるといけませんので、全体の工事を着実に進めるためにはこのような難工事の部分の工事を円滑に進めることが必要と考えまして、それで「早期に着手する。」ということを決めたわけでございます。
 このため、それではどこの部分が難工事区間になるかということを究明しなければなりませんので、これまでの調査から難工事になる可能性があるトンネルについて実際に掘削の工事を行いまして、難工事であるか否か、そういうことを見きわめることを目的といたしまして、長い名前でございますが、整備新幹線難工事推進事業、そういう事業を実施するということとしたわけでございます。
 それで、この事業の実施によりまして工期等の精査が可能となるとともに、掘削されたトンネルは将来本格着工が行われる場合には引き続き活用が可能でございます。先生、先ほどの御指摘の中にありました、むだな投資ということにはならないのではないかと考えております。
#97
○安恒良一君 いろんな言い逃れを一生懸命していますけれども、わずか十八億ぐらいの予算を計上して、よく聞いてみたらこれからボーリングしてどこが難工事になるのかを探すんだという……。余りにも、大臣、政治的妥協といえば政治的妥協だけれども、私は少なくとも新幹線をこういうふうにつくるならつくるで順位をはっきりし、そして路線別に着工の時期ぐらいは国民に明示すべきだと思うんです。その地域の国民はそれぞれ物すごい運動をして、物すごい考えを持っているわけです。それを財源問題がなかなかはっきりしないものだから、とりあえずお茶を濁して難工事部分、しかもどこが難工事になるかこれからボーリングするというんだから、トンネル。そしてその金が十八億要るんだと、それをしてみないと残りの新幹線はいつごろからつくるのかどうなるのか全くわからぬと。これでは余りにも国民が考えているあれと違うんじゃないですか。そんな場当たり的なやり方というのは私は間違いだと思うんです。
 つくるならつくるで、それは一遍にできなけりゃ計画年次、つくる箇所というものを明らかにして、そして財政をその見合いの中から順次つける。そうすると、その地域の国民はおれのところは大体いつごろになるとこうなるんだと。新幹線の持つ地域経済開発効果、いろんなことを考えると、それがあいまいにされたままとりあえず話し合いがついたところだけ予算をつけてやりゃいいじゃないか、あとは後でと、そんな政治のやり方、特に交通問題というのはないと思うんですがね。
 それは、引っ張り合いがあって大変な御苦労をされていることはわからぬわけじゃないですよ、私も国会議員の一人として。しかし、それにしても私は政府はこういうものについては毅然たる態度を示すべきであるのにこんなところで追及されたらわけのわからぬ言いわけばっかりしている。それでは私は国民にこたえる新幹線の整備にならないと思いますが、大臣どうですか、その点。
#98
○国務大臣(山村新治郎君) 確かに、おっしゃられるとおり、これいろいろ地域の住民の皆さんは夢を持っております。私どもといたしましては、一日も早くその地域の皆様方の要望にこたえるように努力してまいります。
#99
○安恒良一君 私は、この問題については抽象的じゃなくして、新大臣として、関係閣僚もありますからそこと十分相談をして、例えば、今国鉄総括審議官が言ったように、来年の予算は来年の予算として考えるんだということじゃなくして、来年度予算を提案するときには少なくとも私が申し上げているようないわゆる着工の順位、着工の時期、それから大体これはそれに従ってこのぐらいに完成できるというぐらいの青写真をつくって、平成二年度予算審議のときには議論ができるようにしてもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#100
○国務大臣(山村新治郎君) できるだけ努力してまいります。
#101
○安恒良一君 それでは次に、穐山さんからも指摘されたんですが、私は当初JRの負担が二〇が五〇に上がったことについて穐山さんとのやりとりを聞いておりましたがなかなかわかりません。わかりませんが、これはこれ以上あれしても……
 JRが果たしてこの負担に耐えられるかどうか、これは二日間にわたって穐山さんがJRの現状についていろいろ問題があると、例えば消費税導入問題がこういうふうになりはしないかとか、航空運賃との格差がこういうふうになりはしないかとか、それから、長距離バスとのいわゆる競合の問題とか、鉄道共済年金に対するJRの支出の問題であるとか、税法が変わることによってJRが負担する問題であるとか、いろんなことを穐山さんは指摘をしながらJRに対して負担が高過ぎるんじゃないかということを指摘をされたんですが、どうもあなたたちの答弁を聞いていると、いやいや、そうじゃない、JRの負担は可能であると、こういうふうに言われています。
 それならば、高崎−軽井沢間の工事について、もちろん将来金利の変動の見通しが若干困難だということは私は承知していますが、一定の前提を置いた資金収支計画、そういうものを出して、いわゆる高崎−軽井沢間はこのようになるんだと。例えば工期に合わしてJR、国、地方の負担、資金収入計画表、収支の見通し、そういうものを資料として、それを一々読み上げられてはかないませんから、あるならある、そして今言ったような数字に基づいて説明ができますか。
#102
○政府委員(丹羽晟君) 先生の今の御指摘の全部についての資料を持ち合わせておりませんが、まずは工事費の問題につきましては高崎−軽井沢間で千九百五十億でございます。それで、これのJR負担は五〇%でございますから、残りの五〇%の中の国と地方の負担、そういう内容につきましてはこれから精査はいたしますが、おおむね国が三五、地元が一五、こういう関係になっております。それからJR負担分の五〇%の問題につきましては、高崎−軽井沢間の収支につきまして三十年間にわたります開業後の、私どもは収支改善効果と言っておりますが、新幹線をつくった場合とつくらない場合とを比較いたしまして、つくった場合のJR東日本に行く受益を考えまして、受益そのものにつきまして貸付料という形でJR負担をしていただくというのがJR五〇%の中の一部になっております。
#103
○安恒良一君 私が言ったことを資料としてきちっと数字を出していただきたい。
 そこで、今回の整備新幹線の建設は、建設の主体は鉄建公団で行われる。保有主体はどこになるんですか。これも鉄建公団ですか。
#104
○政府委員(丹羽晟君) 先生のおっしゃるとおり、鉄建公団が保有主体でございます。
#105
○安恒良一君 そこで、整備新幹線の保有主体として、鉄建公団じゃなくて、保有機構というものが本来存在するのになぜ保有機構の方にこれを持っていかなかったのかという点。保有機構法の総則の中にあるJRの経営基盤の均衡化、あるいは利用者の負担の適正化という目的は、ただ単に既設新幹線だけじゃなくて整備新幹線の場合にも該当するというふうに私は考えられますが、その点はどうですか。
#106
○政府委員(丹羽晟君) 保有機構はもう先生よく御承知のとおり、国鉄時代に国鉄が経営しておりました四新幹線があるわけでございますが、それはそれぞれ建設の時期とか工事費、そういったようなものの違いからその資本費に大きな格差があること、また、それの収益力につきましても相当な格差がありますので、そのままにしておきますとこれを経営する国鉄改革後のJR各社それぞれの資本費の負担に相当格差が出てきてしまいますので、ただいま先生お読みになりましたような法律の考え方で経営基盤の均衡をとる、それから、その利用者の負担に大きな格差が生じないようにする。そういったようなことで既設の四新幹線につきまして保有機構が保有して、それを貸すという形にしたわけでございます。
 それで、今度つくります整備新幹線の問題につきましては、鉄道建設公団法上の規定といたしまして、鉄建公団がそれを建設する能力といいますか、その業務も業務上ございますし、それからつくったものにつきましてそれを保有して貸すという能力もございますので、そういう現行制度をそのまま活用するということで考えたわけでございます。
#107
○安恒良一君 それじゃ最後に、私は鉄建公団がつくることが悪いなんと言っているんじゃないんですよ。でき上がったものの保有について、私どもが前回、新幹線鉄道保有機構法案をつくったときに、保有機構法案をつくったときの目的の第一条に明確に、今度つくるやつもここが保有しても何も問題ないと思ったから聞いただけです。
 いろいろまだ問題がありますが、時間が足りませんから、改めて後の委員会の中で議論したいと思います。
 以上です。
#108
○委員長(多田省吾君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
#109
○委員長(多田省吾君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案並びに特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○及川順郎君 午前の審議の流れから、若干お願いしてありました順序を変えまして、整備新幹線の問題から入りたいと思います。
 まず、昨年八月末の政府・与党申し合わせの中で、東北新幹線盛岡以北につきまして優先着工順位が二番目に位置づけられましたですね。優先順位第一となりました高崎−軽井沢間、明らかにこれは採算性の高いものからという認識を持つわけでございますが、そういう認識でこの順位というものが決められたかどうか、この点をまず確認をさせていただきたいと思いますのと、午前中の審議の中で、とりあえず一番目は決まっているんですけれども、二番以降いつごろからいつまでという完成の期間、目安というか、これがなかなか……。午前中からも指摘されておりますけれども、現地へ参りますと見通しというものが非常に大事な要素になってくる。まずこの点から伺っておきたいと思います。
#111
○政府委員(丹羽晟君) 先生御指摘の着工の優先順位の決め方の考え方でございますが、昨年の検討委員会の中でさらに学識経験者を中心といたします整備新幹線着工優先順位問題懇談会という懇談会でいろいろと御議論をいただきまして、その際の決め方としまして以下の六点を総合して判断するということを決めたわけでございます。
 それは、財政上の視点、具体的には工事費が中心になるかと思います。それから国土開発上の視点、それから鉄道事業の長期収支とそれから経済的内部収益率と言っておりますが、国民経済的な投資効果という点、それからJR各社の経営の見通し、それと新幹線建設に対する考え方、要するに、JR各社の意見でございますが、それと沿線の地域の新幹線建設に対するコンセンサス、これらの項目につきまして具体的に計量化できるものは計量化し、そうでないものも含めまして総合的に勘案して決めた結果でございます。
 それで、もう一点のこれから着工が決まった北陸新幹線の高崎−軽井沢以外の区間の問題につきましては、午前中も御答弁申し上げましたように、これからの予算編成の過程の中で並行在来線の問題とか、収支採算の問題とか種々の問題を検討して、次の段階のことは決めていくというつもりで考えております。
#112
○及川順郎君 何年にという特定はできないにしましても、二十一世紀前には具体化の着工の目安を立てたいとか、そのぐらいの青写真は持っておりませんですか。
#113
○政府委員(丹羽晟君) 先ほど来からの同じ答弁で恐縮でございますが、今のところ先ほどから考えているような具体的な予算編成の年々の考え方の中で取り扱っていくのが一番この際妥当なことではないかと考えております。
#114
○及川順郎君 これ以上押し問答しましても前へ進みませんので、ちょっと状況を変えまして、青函トンネルは新幹線規格でつくられておるわけでございますが、これを新幹線規格にしたためにどのぐらいの財源が余計にかかっているか、このデータはお持ち合わせありませんか。
#115
○政府委員(丹羽晟君) 申しわけございません。ただいまデータを持っておりませんので、また後ほど御説明したいと思います。
#116
○及川順郎君 ごれは、大変な投資をしているわけですよ。この投資効果から考えましても、新幹線をあの青函トンネルをくぐらせないで新幹線規格でトンネルをつくってそのまま十年も二十年も放置しておくということの損害、これを運輸省として検討し、試算をした経緯はございますか。
#117
○政府委員(丹羽晟君) そのような検討はいたしておりません。
#118
○及川順郎君 これは、ぜひおやりになっていただきたいと思うんですね。
 大臣、私たちが輸送機関として飛行機や鉄道機関を使うというこういう状況があるわけですが、最近の傾向としまして庶民の足は空に行って、リッチな旅は陸上をゆったりとという、こういうことが大変受けている。もう一つは潜在的、本能的に空を行くときの危険度と陸上を行くときの危険度、こういう状況がこれあり、一般の人たちの北国志向を反映してか、上野から札幌までの直通で参ります電車が申し込んでもいつも満員の状況が続いている。こういう状況から全体の人の流れというものを考えますと、東北新幹線青森以北の中における青函トンネルの活用というのは非常に重要な要素になっているんではないか。
 整備新幹線いろんな紆余曲折がございまして、最終的には現在検討されているような状況のところで落ちついているわけでございますが、やはり国土の総体的な発展という視点から考えますと青函トンネルの新幹線の利用、これを一日も早く実現するということが大事な要素になってくる。そういう要素から考えますと青森から函館、札幌に至るこの間の新幹線の建設、実用化、これはやはり時代の要請ではないかという感じがするわけでございますが、今の段階としては御発言しにくいこともあろうかと思いますが、そうした新幹線に対する時代の要請というものに対する大臣の所見がございましたら、どのようにこの点に対してはお考えになっておられるか、お答えいただきたいと思います。
#119
○国務大臣(山村新治郎君) おっしゃられるとおりに、青函トンネルは大変な費用をかけまして国民の税金を費やしたわけでございますので、そういうような意味でこれを十分に活用する、特に北海道の方のいわゆるのんびり心の豊かさを求めての旅などもこれはもう本当におっしゃるとおりでございますが、財政事情、御存じのとおりでございまして、許す限りにおいてはやりたいと思いますが、今のところなかなか難しい状況にございます。
#120
○及川順郎君 これは、ぜひ勇断をもって推進する姿勢をきちっと確立をしていただきたいと思います。これはやはりこれから大臣、歴代大臣にむしろその意向は伝えていくぐらいの姿勢をもって取り組んでいただきたいと思っている事項でございます。これはぜひ強く要望いたしておきます。
 次に、整備新幹線の建設のフレーム枠につきまして基本的な問題を承っておきたいと思いますが、建設財源のJR負担分五〇%という問題につきまして午前中も出ておりましたが、問題は各社別ではなくてグループの負担という形になっておりますね。九州の整備新幹線まで本州三社のグループ制をつくろうということになるわけでございますが、こういうグループ制の財源措置は一面から見ますと国鉄の民営・分割化という国鉄改革の考え方に逆行する状況になるんではないか、こういう指摘がございますけれども、この点に対しての御見解はいかがでしょうか。
#121
○政府委員(丹羽晟君) 午前中にも御説明申し上げましたが、整備新幹線の今回の財源措置につきましては、国鉄改革で民営化されたJRの各社の経営判断を尊重いたしまして、経営に悪影響を及ぼさない、そういうことを大前提に財源問題の検討を行ってきたわけでございます。
 それで、今回結論に達しましたJR負担五〇%という考え方でございますが、これもJR各社と十分調整を図った上で決めたわけでございますけれども、まずは長期的に収支が均衡するように設定された貸付料、それを支払うということで営業主体としての適正な負担と責任を負う、こういうことで考えております。もちろん、経営に悪一昔を及ぼさない範囲内ということになるわけでございます。
 それから、JR各社の利用者に対しては新たな負担増を求めるものではない、こういうことになるわけでございますので、これらの点から考えますとJR各社が経営に責任を持ってコスト意識を発揮させて経営努力を行う、こういうことになると思います。
 それで、整備新幹線の貸付料につきまして整備新幹線の営業主体となるJR各社が支払う、こういうことでございますけれども、これの関係の貸付料の総額というのは、整備新幹線の建設費の中でそれぞれの利子負担をするという前提で考えまして換算したところ、各社ごとに申し上げますと、JR東日本が三〇%強、JR西日本が一〇%強、JR九州が二、三%程度、こういうことを予測しております。それで、JRグループとして五〇%という中で各社別の負担は今申し上げましたような数字になるわけでございます。したがいまして、五〇%の負担の中で今の各社別の数字でございますから、それは一つの会社が他の会社に内部補助をするというんでしょうか、そういうような負担関係ということではありませんで、その足りない分は新幹線保有機構からの余剰という新しい別の財源で埋めるという形になっておりますので、こういう全体を考えて、今回の財源措置というのは国鉄改革のその趣旨に沿うものと考えております。
#122
○及川順郎君 そういう試算の負担の中身の問題ということも一面から言えると思いますが、は分割化の意味ですね。この点に対する疑念はやはり残ると思います。万々が一という危険な歯どめ、万一の場合の備え、こういうものが底流にある財源対策、安全度、言い方をスマートに言えば安全な財源対策と言えますけれども、見方によれば苦し紛れの財源対策ではないかという指摘はやはり強い、潜在的にあるということをぜひとどめておいていただきたいと私は思います。
 それから、もう一つの問題点ですけれども、低金利で生ずる保有機構の旧国鉄債務の借りかえによる利益の問題です。これは形を変えた国民の負担ではないか、こういう指摘がもう一点ございますけれども、これに対する御所見はいかがですか。
#123
○政府委員(丹羽晟君) 私どもは、先ほど来余剰と言っておりますが、新幹線鉄道保有機構から来る財源措置は、現在は金融市場が国鉄改革時に比較いたしますと低金利傾向に出てきているわけでございます。それで、保有機構が負っております債務につきまして、低金利のメリットを活用して確保する余剰の一部を用いるということで考えておりますので、旅客会社とかあるいは既設新幹線の利用者に対しまして新たに負担増を求めるというものではございませんので、この点は形を変えた国民負担というものではないと思っております。
 なお、この余剰につきましては、既設新幹線の貸付料の減額を介して最終的には既設新幹線の利用者に還元すべきだという考え方もございますけれども、既設新幹線の利用者にとりましても、今後整備新幹線が建設されるということで、既設新幹線と整備新幹線のネットワークとしての相乗的な便益というんでしょうか、そういうものが増加するということでございますから、この余剰の一部を活用するということ自身は合理的なものではないかと考えております。
#124
○及川順郎君 本年度の予算の中で高崎−軽井沢間の工事費に充てられる補助金ですけれども、NTT・Bタイプを使うということですね。このNTT・B型を財源とするというこれの基準ですね。何か特別の基準があるのかどうなのか、これをお伺いしたいと思います。
#125
○政府委員(丹羽晟君) 整備新幹線の平成元年度の予算の中で占めます国庫負担分、それをどのような財源で考えていくかということは当然いろいろな選択肢があるわけでございますけれども、その選択肢の中にありますNTT・Bタイプの事業というのは、これはもう先生御存じのとおり、一定のNTT・Bタイプを適用できる事業の範囲ということにつきましては基準がございまして、公共事業のうちの「一定の区域の整備及び開発の事業の一環として一体的かつ緊急に実施する必要のある」事業ということになっております。
 それで、今回の北陸新幹線の高崎―軽井沢間の整備ということについて見てみますと、地元の総合保養地域整備事業ということを初めとする種々の開発プロジェクトの一環として行うということで、他の公共事業と一体的に行う話でございますので、この今の簡単に御説明しましたNTT・Bタイプの考え方に合致するのではないかと思っております。
#126
○及川順郎君 考え方はわかりました。
 ただ、NTT・Bタイプ、御承知のようにあと三年程度で終了のはずですね。そうしますと、三年間で工事が終わっておらないと思うんですけれども、その関連のものも含めまして、その後の財源はこれはどういうぐあいにお考えですか。
#127
○政府委員(丹羽晟君) 今年度の予算を決定する際の物の考え方が予算編成の過程において決まったわけでございますけれども、国の財源については運輸省所管の公共事業に配分されるべき予算の一部を転用すると、こういう考え方が決まりましたので、今後の予算編成過程におきましてその考え方を踏まえて対処していくという形になると思っております。
#128
○及川順郎君 運輸省内の公共事業予算。そうしますと、将来的に考えますと、港湾とか航空整備とか鉄道防災の三事業の運輸省関係の事業に将来――近い将来と言っておきたいと思うんですけれども、大変しわ寄せがくる危険性が危惧されるんじゃないでしょうか。いかがですか。
#129
○政府委員(丹羽晟君) 国の負担分の建設財源につきましての考え方は先ほど御説明したとおりでございますけれども、その規模につきましては、今後の予算編成過程の時点ごとでの工事の進捗状況とか国民のニーズの動向、そういったようなものを総合勘案して決定されるべきものでございますので、必ずしも他の公共事業予算を圧迫することにはならないと考えております。
#130
○及川順郎君 現在の運輸省内で統括する港湾や空港や鉄道関係を見ますと、決して縮小傾向じゃないと思うんですね。これはもう社会的ニーズの中でますます拡大するという状況の中でそうした財源措置というのは十分であるかということを考えますと、今のような認識は私はやはり危険があるんではないかという感じがいたしますね。特に整備新幹線のような大量財源を使うものにつきましては、むしろ運輸省内という考え方ではなくて、国全体の予算の中で調整するというような弾力的な財政運用ができるようにやはり国自体としても考えておくべきではないかと、こういう点を強く考えるわけでございますが、これは所管大臣といたしまして、大臣、今後の国の全体の予算運用の中、財政運用の中でぜひこの点は省を代表する立場で国全体のバランスの上から強く主張していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがお考えになりますか。
#131
○国務大臣(山村新治郎君) 運輸省の所管外の公共事業等についてもそれぞれニーズが高く、御指摘のように国全体として弾力的に運用するというのは現実的には困難であり、また整備新幹線建設は運輸省の所管する鉄道施設の整備であることから、平成元年度の予算編成過程の考え方に沿いまして、国の財源については運輸省所管の公共事業に配分されるべき予算の一部を転用してまいりました。しかしまた、先生言われるように、運輸省としての公共事業等についてはそれはそれとして頑張ってまいりたいと思います。
#132
○及川順郎君 大臣にぜひ強い姿勢で臨んでいただきたいと思いますね。
 整備新幹線の建設費は総額で一兆三千五百億円、これはフル規格でつくった場合の二兆九千五百億円と比べ、確かに建設費は圧縮されておるわけですけれども、この数字は昭和六十二年度価格の推計でございますね。これ確認させていただきたいと思います。
#133
○政府委員(丹羽晟君) おっしゃるとおりでございます。
#134
○及川順郎君 今までの新幹線建設の過去の実績を見ますと、当初計画の算定のときからでき上がってみると三倍以上の費用がかかっているという現実があるということを私は忘れてはならないと思うんですね。この計画でもう少し突っ込んでこれを分析してみる意味におきまして、用地費とそれから主体工事費とに分けてこの一兆三千五百億の内訳をどのようにお考えになっておられますか。
#135
○政府委員(丹羽晟君) 一兆三千五百億の中で用地費は九百四十億、それからその他の主体につきましては一兆二千五百六十億と計算しております。
 なお、先ほど先生が何年度価格というお話、六十二年度というお話でございましたが、正確に申し上げますと六十二年四月の価格でございます。
#136
○及川順郎君 同じ年度内だったら費用、用地価格はそんなに違わないと思うんですけれども、それでは今の用地価格の分だけを見ますと、今おっしゃられた内訳の費用で十分賄えると、こういう見通しを立てておられるんでしょうか。
#137
○政府委員(丹羽晟君) 先ほど先生御指摘の過去の新幹線建設につきまして、工事費がその当初の予定よりも大幅に大きくなったという点は確かにございます。
 それで、もう少し私どもの方として内容を考えてみたわけでございますが、東北・上越新幹線の建設につきましては、その最盛期が昭和四十六年からおおむね昭和五十七年という間でございまして、この間に二度にわたるオイルショックがございまして、そのオイルショックによる一種のインフレ状況というのがございました。その中でその建設を行ってきたということで、これが建設費の高騰を招いたという大きな理由ではないかと考えております。それで、今の一種のインフレによります物価騰貴分を除いた場合、当初計画の三ないし五割程度増加しているということになるわけでございます。
 それで、これにつきましては、東北、上越の新幹線の建設計画というのは沿線の地方公共団体も含めまして、沿線の方々が、この計画自身は一種の頭越しと申し上げるんでしょうか、今回の整備新幹線のようにすり合わせた計画ではなくて、地元協議が実際上の建設の段階では難航して時間がかかるということが起きたわけでございます。それから、これは調査期間がそんなにとれなかったもので、短期間でございましたので、トンネル地質などの技術上の調査が不足している。したがって、建設を開始してから工事計画を変更する必要があったという事情もございました。それと、建設後の営業主体になります当時の国鉄でございますが、そういう国鉄の営業部門との協議が十分なされていなかった。そういうことから、工事着手後にやはり計画の変更という問題が出てきた。こういうようなことが今の建設費の高騰の理由ではなかったかと考えております。
 今、これから建設しようとしております整備新幹線の建設費につきましては、今のような事情がほとんどございませんので、この点につきましては、私どもの方としては先ほど御説明申し上げました工事費につきまして、その増加要素というのは極めて少ないものではないかと思っております。
#138
○及川順郎君 もし、建設費が当初計画よりオーバーしたらどうしますか。
#139
○政府委員(丹羽晟君) 建設費自身は、今計算いたしました建設費どおりに正確になるということまでは私どもの方としても自信があるわけではございませんが、それほど変わらないということに関しては自信を持っております。
#140
○及川順郎君 予測はそのとおりにならないという場合もあるわけですから、建設費の財源措置につきましては、この趣旨説明にもございますように、第二の国鉄は絶対につくらない、赤字鉄道にはしない、赤字の整備新幹線の運用にはしないという状況を考えますと、やはりもっともっと財源については周到な備えが必要だろう。少なくとも、JR会社の経営に大きな支障を来すような事態、これから建設費がかさんで。そういう状況のときには、これは国や地域の負担率、比率等も含めまして状況をきちっと見直す、そうした弾力的な建設費等を含めた財政措置のできるような備えがやはり必要ではなかったか。
 こういう点から考えますと、今回の法の趣旨、果たして大丈夫かなという疑念は払拭し切れないものがあるんですけれども、この点について再度見通しと、もしそうなった場合にどう対応するか、このことを承っておきたい。
#141
○政府委員(丹羽晟君) 先ほど、過去の新幹線建設につきまして建設費が増高したことの理由の御説明を申し上げたわけでございますが、整備新幹線の建設費につきましては、今は経済の安定成長の中で行われますので、過去の二度のオイルショックの場面でのような物価の騰貴というんでしょうか、そこまでのことは考えられないんではないかと思います。
 それから、昭和四十八年、先ほど随分長くかかつたじゃないかというお話もございましたが、昭和四十八年以来十数年にわたる長期間の調査を行っておりますので、技術的検討は十分行われておりますので、それが工事の計画の変更に結びつくというそういう要素はほとんどないということ。
 それから、地元との関係につきましては、環境アセスメントというのを行っておりますので、沿線の関係者につきましては十分計画の周知がなされておりますので、地元協議の関係で、前の既設新幹線にあったような問題は出てこないのではないか。
 それから、営業主体との関係では、国鉄並びにそれを引き継いだJR各社と十分協議を重ねてまいりましたので、それがまた工事計画の変更に結びつくというおそれはない、こういうことになるのではないかと思っておりますので、先ほど申し上げましたように、工事費の増高の要素というのは極めて少ないのではないかと思っております。
 しかし、建設費が増高するということ自身は、やはり先ほどの先生の御指摘のように、阻係の国、地域、JR、それぞれの負担が大きくなるということでございますから、運輸省としては建設主体となります鉄建公団に対しまして、建設費の増高が生じないように最大限の努力をするように適切に指導してまいりたいと思っております。
#142
○及川順郎君 ぜひ、安全な上にも安全弁を忘れずにお願いしたいと思います。
 次に、JR各社の株式売却問題で質問をいたしたいわけでございますが、一月二十四日に閣議決定されました内容を見ますと、平成元年度行革大綱の中で、「できるだけ早い時期に適切な売却が可能となるよう引き続き必要な条件整備等を進める。」とあるんですが、この「条件整備」というのは具体的に何を示しているんでしょうか。
#143
○政府委員(丹羽晟君) JR株式の売却をするには、まずは株式の市場に上場しなければならないという問題があるわけでございます。それで、上場するためには会社として安定的な経営の実績を積み重ねていって、投資家にとって魅力ある会社経営の基盤が確立されるということが不可欠の条件ではないかと考えております。それで、その上場に当たっては、御高承のとおり証券取引所の上場基準というのがございますので、その上場の基準で純資産の額とか、それから毎年度の利益の額とか、配当に関する事項とか、そういった経営基盤にNする上場基準ということをまずは充足しなければなりませんし、そのような経営基盤の整備を進めていくということを閣議決定で、先ほど先生が御指摘なさったような表現になったわけでございます。
#144
○及川順郎君 株式売却はいつごろという時期については、今念頭にございますか。
#145
○政府委員(丹羽晟君) 先ほど申し上げましたように、株式の上場のための基準をクリアする、そういうことを今やっている段階にございますので、そういう意味では六十三年度決算が終わった段階でも、経営基盤に関する主要な上場基準を充足するというところまではまだ行ってないわけでございます。ですから、そのためにはなお若干時間を要するのではないかと考えております。
#146
○及川順郎君 会社設立後五年以上とか、一定の利益水準が達成されるという、こういう状況は承知しておるわけでございますが、NTTの場合には、これは特別措置が講ぜられたわけですね。今回も、JRの株式上場についてもそのようなお考えは念頭にございますですか。
#147
○政府委員(丹羽晟君) NTTの株式上場の際の話は私どもが直接所管しているわけではございませんが、NTT自身が純資産の額とか、そういった経営基盤に関する主な上場基準を当時十分充足していたということもあって、会社発足後五年間の事業継続期間の基準、それにつきましては特例措置が講じられたものと聞いております。
 それで、JR各社につきましては、今の純資産の額を含めまして経営基盤に関します主要基準をまだ充足しておりませんので、まずJR各社が経営基盤を確立して、これらの基準を充足することが先決ではないかと考えております。
#148
○及川順郎君 私は、JRの株式売却については早ければ早いほどいいという考え方はむしろ持つべきではない、こういう考え方を持っております。少なくとも東証の上場基準をすべて達成した段階で慎重に株売却のタイミングを図る、このような方向を選択すべきではないかという考え方を個人的には持っているわけですが、この点に対してはどのような認識をお持ちになっておられますか。
#149
○政府委員(丹羽晟君) JR各社は、先ほどから申し上げておりますように、純資産等のそういう主要な上場基準をまだ達成していないという状況でございます。したがいまして、JR株式の売却のタイミングということについての具体的な考え方はまだ持ち合わせていないわけでございます。
 このJR株式は、先生もよく御存じのとおり、国鉄の残された長期債務につきましての償還の貴重な財源でございます。それでこの長期債務の方は、その償還を急がないでいますと利が利を生むような状態が生じてくるような関係にございますので、こちらの方は時間との競争といいましょうか、できるだけ早目に償還をしていかなければならないという問題がございます。したがいまして、JRの株式につきましても、その償還の貴重な財源でございますので、できるだけ早目に上場基準を達成していただき、それで国民負担の軽減に資するようなそういう方向で処理をしていきたいと私どもは考えております。
#150
○及川順郎君 考え方はわかりました。
 もう一つ、これに関連しまして、新幹線保有機構が国鉄清算事業団に三十年間で支払う長期債務二兆九千億円について、今回、清算事業団の都合によりまして七千二百億円の繰り上げ償還を行うということでありますけれども、具体的に事の経過と理由を御説明いただきたい。
#151
○政府委員(丹羽晟君) ただいま御指摘の七千二百億の償還の問題につきましては、先ほど私が申し上げましたように、清算事業団においての長期債務といいますか、国鉄承継債務などにつきましての利子が利子を生む、そういう状態を避けるために、まずは国鉄改革時にその利が利を生むような状態にしないようなことを考えた助成のスキームを考えたわけでございます。その中に土地売却も当然一定額を予定したわけでございますけれども、その土地の関係につきましては、これも先生よく御存じのように、地価対策との関係が生じたものでございますから、そういう意味では売却予定に達しなかったという事情がございます。それで三年間で考えた土地を売却する予定のうち今の七千二百億が売却ができない、そういう状態になりましたものですから、ここの部分につきまして清算事業団の債務とか利払いの累増を回避しようということで、新幹線保有機構からの早期償還を同額について考えたわけでございます。
#152
○及川順郎君 結局、保有機構も国などから借金して対応するということになると借金のたらい回しみたいな感じがどうしても免れないんですね。ですから、今後も清算事業団の収入不足が生じたり、あるいは特別な何か理由ができて償還を繰り上げてもらうというような状況が今後はない、あるいはまたそういうことは避ける、こういうことについて現時点できちっと確約できる、そういう見通しはお持ちですか。
#153
○政府委員(丹羽晟君) 清算事業団の長期債務の償還の問題につきましては、昨年の一月に閣議決定いたしまして、私どもは償還基本方針と言っておりますが、そういう基本方針をつくっているところでございます。
 この基本方針では、清算事業団の引き継ぎました長期債務につきましての自主財源となります土地なりの売却の見通しがおおよそつく段階、あるいは清算事業団は御存じのように雇用対策も同時にやっておるわけでございますが、この雇用対策につきましてもおおよそ見通しのつくという段階で新たな財源措置につきましての検討と、国全体の歳入歳出との関係も検討して行っていくということを閣議決定いたしているわけでございます。
 そういう意味では、今ただいま御説明申し上げました再就職対策の方の問題につきましては、国鉄改革後三年間で行うという特別措置法がございまして、その特別措置法のその考え方に従って今やっているところでございますが、三年たちますのが来年の三月ということになるわけでございますので、平成二年度の問題につきましては一つの節目になるのではないかと考えているわけでございます。
 したがいまして、平成二年度以降のその問題につきまして、この際、私どもの方としても若干検討を進めていかなければならないと考えております。
#154
○及川順郎君 やはり、清算事業団そのものの運用状況を考えますと、まだ今後に心配の火種を残している、こういう感じが率直にいたします。
 これは御答弁は要りませんけれども、清算事業団に委託される土地ですね、大変な一等地、駅の周辺等のところ、それから軌道を少なくして、そしてそこのところを更地にして将来これを整理する、こういうようなところが、全国的に見ますとところどころ見えてきているという状況ですね。これが民間にというような話もちらちらと耳に入ってくるわけです。一等地の土地が動くという状況を考えますと、これが土地高騰の引き金になっては相ならぬことですし、また、これが一たん民間に手放された状況から考えますと、今度はその地域に将来鉄道の改革等の中において土地が必要になった場合にはもうどうにもならない、こういうような形での拙速はぜひ避けなければならない、こういう感じを強くするわけでございますが、この点に対する大臣の所見がございましたらお述べいただいて、この整備新幹線問題は終わりにしたいと思います。いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(山村新治郎君) この事業団用地というのは、これは国鉄の抱えます長期債務等の重要な償還財源でございまして、その処分に当たりましては国民の負担の軽減を図るということからも、公正さを確保するための公開競争入札、これを原則とはいたしております。しかし、地方公共団体等が公用や公共用の用途に供することが確実な場合につきましては随意契約、これによって適切な価格で売却するということでございます。また、今おっしゃいました都心の大規模用地につきましては、地元地方公共団体の参加もしてもらいまして土地利用に関する計画を策定し、都市計画に反映された上で処分するというぐあいにもしたいと思います。
 それからまた、公開入札については、今先生がおっしゃいましたように、地価対策の観点から緊急土地対策要綱に従いまして地価高騰地域での処分を原則として見合わせております。また、土地信託を活用した方法、そのほか建物つきの土地として処分する方法など、地価を顕在化させない処分方法による土地処分を積極的に進めておるところでございます。事業団の借金債務の累積を防ぎ国民負担を軽減するそのために、その他の地価を顕在化させない処分方法についても、今積極的に具体的にどういうぐあいにしたらいいかということも検討しております。
#156
○及川順郎君 ぜひ慎重な上に慎重、その上に大胆に進めなきゃならないということでございます。
 次に、常磐新線の問題につきまして、きのうも同僚委員から質問が行われ、きょうは建設の方で審議が進められているということでございますが、鉄道輸送等に関する事項等につきまして関連のあるところを二、三質問をさしていただきたいと思います。
 法律案の第三条の一号には、「大都市の近郊と都心の区域を連絡するものとして新たに整備される大規模な鉄道であって、当該鉄道の整備により大量の住宅地の供給が促進されると認められるもの」と、こういう規定がございますけれども、昨日の議論の中で特定されました常磐新線以外に、現在この計画の俎上にのっている地域あるいは鉄道等がございましたらお述べいただきたい。
#157
○説明員(豊田実君) 今回特別措置法としてお願いしてございます鉄道、今御指摘ございましたように、三条の第一号で定義づけがされております。この特別措置法の目的は、大都市地域における宅地開発と鉄道整備の一体的推進ということで特別措置をお願いしておるわけで、この大都市地域という定義は第二条にございまして、首都圏のほかに近畿圏、中部圏も対象地域になっております。
 ただ、今私どもで具体的に検討を進めている地域内鉄道というものは今お話しございましたように、いわゆる常磐新線、東京と筑波学園都市を結ぶ路線を具体的な対象としております。
#158
○及川順郎君 当面の、具体的な根拠法としては常磐新線ということで理解してよろしゅうございますね。
#159
○説明員(豊田実君) 今回、特別措置の法律全体の対象としては常磐地域に限るということではないわけですが、私ども具体的に今準備を進めているという……
#160
○及川順郎君 当面。
#161
○説明員(豊田実君) 第一号は常磐新線ということでございます。
#162
○及川順郎君 では、このような法律が俎上にのって具体的にでき上がってまいりますと、やっぱり危惧されるのは計画沿線の土地高騰であるわけですね。
 国土庁に伺いたいわけですけれども、この国土利用計画法の監視区域の指定や期間の特定、通常五年のものを十年にというような対策だけでこの高騰を防ぐことは十分であるというぐあいに認識しているかどうか。もし今回計画されております常磐新線沿線の土地高騰を抑える、あるいはニュータウンづくりに向けて特別に考えられている手だてがございましたらお伺いしたいと思います。
#163
○説明員(大日向寛畝君) お答えいたします。
 地価が急激に上昇し、またはそのおそれのある地域におきましては、国土庁といたしましては積極的に監視区域の指定を行うとともに、既に監視区域が指定されている地域につきましては、必要に応じまして届け出対象面積の引き下げ等の運用強化を図っておるところでございまして、このような方法で従来より関係地方公共団体を指導しているところでございます。
 常磐新線の予定地域につきましても、現在、茨城県において筑波市等の四市町村が、埼玉県におきましては八潮市及び三郷市が、千葉県におきましては柏市及び流山市が市街化調整区域も含めて監視区域に指定されると、全線にわたりまして監視区域制度の積極的な逆用がなされているところでございます。
 今後とも、このような監視区域制度の的確な運用を図ることによりまして地価の安定が図れるよう私どもは期待しているところでございまして、このような線に沿いまして関係地方公共団体を指導してまいりたいと考えておるところでございます。
#164
○及川順郎君 それでは、沿線のニュータウン、言うなれば、都市づくりについて建設省のお考えを伺いたいんですけれども、具体的な青写真等がございましたらお示しいただきたいと思いますし、また、住都公団等とのかかわりの中で、快適な都市づくりをこれからどう具体化しようとしているのか、その点の考え方もございましたらあわせて伺っておきたいと思います。
#165
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。
 現在、具体的に先生おっしゃいますようなニュータウンというような形で計画しているものではございませんで、鉄道を軸といたしまして広域的な広い都市づくりをやるというような感じで進めているところでございます。現在、各地方公共団体の方からどのような事業があるかというのを聞いておるところでございます。ヒアリングによりますと、大体七千ないし八千ヘクタールぐらいの宅地開発の事業量があるというような状況にございます。
 それから第二点、住都公団等を活用すべきではないかという御指摘につきましては、私どももそのように考えておりまして、特にこの沿線の開発におきましては、中心となりますのは重点地域という、駅を周辺としました面的整備を行おうとしているところでございますが、この重点地域におきましては、住都公団でありますとか、県でありますとか、そういう公的主体によります能力をフルに活用したいと考えているところでございます。
#166
○及川順郎君 それでは、「大規模な鉄道」というのは具体的にどのような鉄道を指しておられるんでしょうか。
#167
○説明員(豊田実君) 今回お願いしております法律の条文の中で、「大規模な鉄道」という言葉が出てまいりますが、私ども今、具体的に検討しております常磐新線の例に見られますように、大都市地域におきまして都心と大都市の近郊を直接結ぶというような鉄道でございまして、常磐新線の例で言いますと約六十キロというキロ程を直接結ぶような鉄道でございます。
#168
○及川順郎君 鉄道のキロ数ではなくて、形として今論議されておりますリニアモーターカーの実用等は念頭にございますか。
#169
○説明員(豊田実君) 今、私どもで検討しております常磐新線、再三議論をされておりますが、内部的な検討委員会で議論している過程におきましてはいわゆる在来型の鉄道というものを前提にしていろいろ経費等積算してきております。
 それから、構造につきましては、都心部と郊外を結ぶということで、都心地域では地下構造、外部では地上を走るというような普通の鉄道を前提にしております。
#170
○及川順郎君 予想しておりました答弁でございまして、これはやはり住宅のパイを広げながら、都心部に通う時間を短縮してすっと入ってくるというのがこの法律の趣旨の大きな柱になっていると私は認識しておるわけでございます。そういう趣旨を考えますと、この常磐新線のほかにも該当地として考えられる地域がこの東京都心部を中心にした周辺にはあるようにも思うんですけれども、いかがでしょうか。
#171
○説明員(豊田実君) 大都市の住宅地対策と申しますか、そのために鉄道が非常に重要なポイントになっているということは私ども十分認識しております。これまでも既存の鉄道を可能な限り活用するというようなことで、既にある鉄道を延伸するとか、複々線にするとかいうようなことで対応してきておりますし、私ども今後ともそういう手段につきましては引き続き努力してまいりたいと思います。
 今回、特別措置法をお願いしますのは、従来の手法ではなかなか対応しにくいといういわゆる大規模な鉄道ということで御理解いただきたいと思います。
#172
○及川順郎君 大規模な鉄道というものを、六十キロが大規模であるという、こういう設定の仕方というのはいささか私は問題があるんじゃないかと思うんですね。この点についてはどう思われますか。
#173
○説明員(豊田実君) 単にキロ程が長いというだけではございませんで、都心に直接住宅地から足を結ぶというような機能を持たせるために、どうしても都心部分が地下構造という、かなり長い距離を地下にしなければならないという状況にあります。したがいまして、そのキロ程の長さももちろん長いわけですが、全体の工事費がかなり莫大なものになるというような状況の鉄道でございます。
#174
○及川順郎君 都心部と連結する鉄道新線、例えば七号線の埼玉への延伸なんかがありますね。条件として考えますと、本法を適用する条件に入ってくるんじゃないかと思うんです。まあキロ数は確かに多少縮まりますけれども、住宅のパイを広げる、それから都心部へ直通で入ってくる、こういう点から考えますと、効果というのは常磐新線に匹敵するぐらいの地域開発の効果を持っている。今回のこの法律をこういうところに適用できるような、やはり私は早い時期にこの法案の修正をすべきじゃないか、こういう意見をこの法律案を読ましていただいたときに強く持ったわけです。この点に対して、もし不都合があるならばその不都合な理由、また、こうした考え方に対して最後に大臣の所見をまとめとして伺いまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#175
○説明員(豊田実君) 御指摘のございましたいわゆる七号線ということにつきましても、今回の常磐新線と同じ運輸政策審議会の場で議論され取り上げられている路線でございます。したがいまして、私どもの立場としては、常磐新線と同様その七号線につきましても実現を目指して関係の地方公共団体とも意見を調整さしていただいております。実は、その七号線自体は、地下鉄方式と申しまして一定の助成制度のもとで着工しておるところでございますが、その延伸部分の進捗というものを早めるためにどういう手段がいいのかどうか、関係者で今鋭意努力しておりますので、七号線の延伸につきましてはいろいろ別途工夫をしていきたいと思っております。
#176
○国務大臣(山村新治郎君) ただいまの七号線の問題でございますが、ひとつできるものはもうどんどんやっていくという基本姿勢で前向きに取り組んでまいります。
#177
○小笠原貞子君 私たち共産党は、新幹線問題について、これは交通手段の近代化である、技術革新の成果であると、歴史的方向としては当然賛成できるものだと、こう考えております。住民の望む真の整備新幹線づくりのために、私たちも一生懸命やっていきたいと考えているんです。ところが、本法案はその期待にこたえるものかというと決してそうはならない。まあほど遠いと言わざるを得ない。とりわけ国の責任が全く放棄されていると言わざるを得ない。
 そこで、具体的に伺っていくわけですけれども、この法案の前提となっている整備新幹線は、昨年八月の運輸省案に基づいているものでございますね。その運輸省案の建設費一兆三千五百億円を捻出するための法律だというふうにわかりやすく解釈できると思うんですけれども、いかがですか。
#178
○政府委員(丹羽晟君) 私ども、先生の御指摘のとおり運輸省案というものを昨年提案いたしまして、それに基づきましての鉄道整備を行っていきたいと考えているわけでございます。
 その財源の問題につきまして、国と地方とJRとそれぞれの負担を考えているわけでございますが、そのうちJRの負担部分とそれから国につきましては、平成元年度予算につきましてはNTT−Bの無利子貸し付けの問題がございますので、これも法律事項でございますので、その財源問題のうち法律事項になるもの、それを今回の法案で提案さしていただいたというところでございます。
#179
○小笠原貞子君 いわゆる財源問題という問題を具体的にどうするかということで本法案が出されたということになるわけでございます。この法案で運輸省案以上のものはできないということになると思うんです。しかし、この案も本当に実現できるのかなというのが今のところ心配なんです。ましてや北海道、九州の長崎ルート、北陸の小松−大阪ルートなど検討の視野にも入ってこない、いつ順番で、いつということも考えられていない。
 そこで伺いますけれども、運輸省案での北陸、東北、九州の三ルートというのを見ますと、本来の新幹線は全体八百四十二・六キロのうち二一丁九%なんです、本来の新幹線になるところは。在来線が四〇・四%、ミニが一五・二%、スーパーが三〇・五%と、この全体の距離でいいますとね。
   〔委員長退席、理事及川順郎君着席〕
そうすると全体の半分以下ですね、スーパーも入れてそして新幹線と加えても四四・四%にしかすぎない。あとミニなんというのは本当に新幹線の速度から比べてもずっと遅くなりますしね。そうすると、こういうことで整備新幹線と言えるのかどうか、ちょっと誇大広告ではないかというふうに思いますが、これで整備新幹線と言えますでしょうか。
#180
○政府委員(丹羽晟君) 全国新幹線鉄道整備法に基づきます整備計画による新幹線計画というのはございます。その整備計画の路線が五つあるわけでございますが、その整備新幹線の計画の企画どおりで実施いたしますと相当な投資をしなければならないという、建設費が相当大きいということになるわけでございます。
 それで、私どもが運輸省案というのを提出いたしましたのは、先生の御指摘のように、ミニ新幹線とかスーパー特急というような名をつけたものがその中にございますけれども、それは、その整備新幹線計画は今まで財源の問題でなかなか解決が難しくなり、先ほど来の議論でも相当時間がかかっているというお話もございますように時間がかかるもので、それにつきまして問題の打開をするために企画を圧縮して建設費を少なくして、それでそれを前提とする財源措置をつくる、こういう考え方で進めることにしたわけでございます。それで、その考え方の中にもちろん今までの整備計画によります整備新幹線といいましょうか、整備計画そのものにつきましては従来どおり維持していくという考え方をとっております。
#181
○小笠原貞子君 まあ申し上げれば、本来新幹線とは言えないようなものに自治体が莫大な財政負担ということで大変な問題だと言わざるを得ないわけなんです。さっきも出ましたけれども、ミニとスーパーについてその速度からいいましても、これは全国新幹線鉄道整備法というのは二百キロ以上、こうなっていますからね。そうすると、当然これは法改正ということになると思います。先ほどお答えになったようだったけれども、もう一度確認して、簡単に……。
#182
○政府委員(丹羽晟君) 先ほども御説明申し上げましたように、全国新幹線鉄道整備法の「新幹線鉄道」というのはその中に定義がございまして、「その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」、こういうことでございます。
 それで、いわゆるその他ミニ新幹線とスーパー特急という問題がございますが、ミニ新幹線につきましては最高速度は百三十キロメートル毎時、それからスーパーは百六十キロから二百キロ、こう思っておりますので、必ずしも今の定義に合わないので、その建設をそういう形で行うことが決定された場合においては法改正の措置につきましても検討することが必要かと考えております。
#183
○小笠原貞子君 それで、次は建設費なんだけれども、これは六十二年度そのものの価格というふうにさっきおっしゃいましたよね。そうすると、物価騰貴というものは見ていないということになりますね。六十四年の四月の価格ですね。確認。
#184
○政府委員(丹羽晟君) 先ほど私が御答弁申し上げて後で訂正いたしましたように、六十二年四月の価格でございます。それで、それから現在までの物価騰貴分は入っておりません。
#185
○小笠原貞子君 そこで問題なんだけれども、今すぐできるわけじゃなくて、工事にかかるということになっていくとこれから先のことですよね。そうすると、当然物価の上井というのが考えられると言うんだけれども、考えられていない。経済企画庁の消費物価上昇率でさえ、八八年から五年間で平均一・五%アップというふうに見ていますよね、それと加えて、今問題になっている消費税というのが三%早速かかってくるわけでございますね。この三%が今三%だけれども、四%になるか五%になるか、小さく産んで大きく育てるとおっしゃるんだから小さくなるはずなくて大きくなるばっかりだということになると、このアップというものは見ていかなければ大変なことになるというふうに思うんですけれども、どうですか。
#186
○政府委員(丹羽晟君) 先ほどるる御説明いたしましたが、整備新幹線の建設費は、今までの新幹線ですと建設の途上のときにオイルショックとかそういった事情があった段階で行ったということでございまして、先ほど来御説明しておりますように、いろいろな問題を含みながら行われた建設でございますので、そのために当初の計画よりも建設費が高くなった、こういう関係があったわけでございます。
 現在、私どもが考えております整備新幹線の建設費につきましては、インフレの問題とか、それから調査不足の問題だとか、沿線の方々との協議の問題とか、それから営業主体との協議の問題とか、そういった問題については相当の時間をかけてじっくりやってきたわけでございますので、それが建設費の増高に結びつく要素というのは極めて少ないと考えております。
 なお、建設費を何年何月現在ということで表示いたしますのは、一般的には工事費というのは将来の物価騰貴というものを含めて表示するというようなことはやっていないと伺っております。
#187
○小笠原貞子君 いろいろ検討していらっしゃるというのはわかるけれども、いろいろ検討したから今度は大丈夫だなんてみたいなことをおっしゃるけれども、じゃ、石油ショックのあのときだれが予測していたか。全く予測しないことが起こって二倍、三倍、四倍、こうなっちゃったわけですよね。そこで丹羽さんは、衆議院の議事録を見たらいろいろ言っていらっしゃるのよね。建設費が変わった場合でもJR、国、自治体の負担比率は変わらない、そう議事録見たら書いてありましたよね。
 確かに、負担比率は変わらない。だけれども、建設費が予想以上に上がると絶対額としての自治体やJRの負担というのはふえていくわけですね、負担割合は変わらなくても。そうなるとやっぱり三%の消費税が上がっていく。何か事があったときにこれは持てないよということになると工事はストップにならざるを得ないということね。お互い神様でないから絶対という言葉使えないですよね。絶対上がりませんなんて言ったって、私も絶対上がるとは言わないけれども、もしも上がったら工事ストップになっちゃうということにならざるを得ない、そこを私は心配していると。まことにそういう意味では英知を集められてもずさんそのものと言わざるを得ないということなんですね。ここまで絶対大丈夫とは言い切れないでしょう。時間がないから簡単に。
#188
○政府委員(丹羽晟君) 私も、先ほどから絶対に数字が変わらないとは申し上げておりません。
#189
○小笠原貞子君 それじゃその次なんだけれども、JRの負担、先ほどから問題になっております。この余剰金というものは新幹線保有機構が抱えている高金利、七%ですよね抱えているのは。七%の債務の一部を低金利五%の資金に借りかえるといいましょうか、操作することによって生まれる差益なんですね、JRの負担というのは。すなわち低金利が続くと差益というのは続くけれども、もしもこの金利が、五%でずっと続くかどうかというのはこれまた差益ができないですね、七%になったら差益なしになっちゃうということになる。
 そこで、具体的に伺うけれども、五%の低金利がずっと続くというふうに考えていらっしゃるのか。
#190
○政府委員(丹羽晟君) 金利の問題につきましては、金利の将来がどうなるかということ自身につきまして、私どもの方として特にこうなるということを確定的に申し上げることはできないかと思います。
 ただ、一般的に低金利傾向にあるということは言える話でございまして、現在までの新幹線保有機構におきましての資金調達の効果というのがその中に含まれていろんな資金調達するわけでございますけれども、その中に財政投融資のその部分、これは資金運用部のことで申し上げますとその償還まで二十五年かけて償還するわけでございますから、一たん低金利で調達したものの効果というのは相当長く続くということがあるわけでございます。したがいまして、今の新幹線保有機構におきます余剰の問題につきましては、当分の間は大丈夫ではないかと考えているわけでございます。
#191
○小笠原貞子君 衆議院でも、低金利による影響が長く続き、余剰金が出なくなる心配は今のところないと。今も今のところないと、そうおっしゃいましたよね。ところが、この法案が衆議院を通ったその血後に公定歩合が引き上げになっていますよね。〇・七五%だったかしら、引き上げになった。そうすると、これもうおっしゃった途端に公定歩合上がっちゃった。そうすると、五%大丈夫ですよというのがここのところでもう危なくなっちゃっていると言わざるを得ないのね。そこで今の七%を五%に借りかえて差益を出そうとするんだけれども、七%になっちゃったら全然差益出ないということになるわけよね。余剰金だって出なくなる、それはそう考えていいですか。
#192
○政府委員(丹羽晟君) 私が御説明申し上げていますのは、六十二年四月の国鉄改革時に新幹線保有機構が国鉄の長期債務を承継したわけでございますけれども、そのときの平均金利というのが七・一%程度であったわけでございます。それから二年程度たったわけでございますが、その間の借りかえの金利差がございまして、ただいまの現在では六・九%程度の平均金利に落ちているわけでございます。その間の借りかえの効果は、先ほど申し上げましたように長期で償還するという話になっておりますから、一番長いのが資金運用部の二十五年とかそういったことがございます。それで、資金運用部を含めまして財投は全体の資金調達の七〇%でございますから、したがって、低金利で借りかえた分の効果というのが相当長く続くことになるので、そういう意味で当面は心配がないということを御説明申し上げたわけでございます。
   〔理事及川順郎君退席、委員長着席〕
#193
○小笠原貞子君 当面、心配ないということをおっしゃったんだけれども、考えてくるとJRの財源というのは今七%の高金利を五%に借りかえることによって生まれる財源だと。そうするとこの低金利がいつまで続くかということによって今のところ大丈夫だと、こういうお答えになったわけよ。そうすると、申しわけない、悪い言葉で言えば、これで金利が、低金利がだんだん上がっちゃったといったらもうすべて御破算になってしまうわけだし、いわゆる結局財テクで、大臣、言葉悪いけれども金利差を見積もってこれでお金あるんだと言ったけど、財テクを見積もっての新幹線をつくろうと、こういうことになるのよ、この財源というものの出どころを見ると。そうすると私は、住民は希望している、我々もそれにこたえる、本当のいい意味での整備新幹線になってほしいと思うんだけれども、財テク新幹線じゃちょっとふまじめ過ぎるじゃないかと、そう思うでしょう。本当にそうなんだわ。財テク新幹線と名前変えた方がいいんじゃないの。そこで、当分は低金利五%で大丈夫だと、こうおっしゃって私もそれを願っております。
 そこでちょっと伺うんだけれども、北海道、九州、四国の三島基金というのがありましたよね。私は北海道で物すごく大変だった。その三島基金の金利というのは何%ですか、見通しは。
#194
○政府委員(丹羽晟君) 七・三%と承知しております。
#195
○小笠原貞子君 そこで、私それを思い出しちゃったんだけれども、分割・民営のときこの三島の経営が成り立つかどうかというのですごく大変だったわけですよね、北海道、九州、四国というのは。それで成り立つかどうかといったら絶対成り立たせてあ、げますと、それには三島基金を出しますと、それでこの三島基金の金利は今おっしゃったように七・三%の金利で払いますよと、大丈夫だとおっしゃったわけです。大丈夫だと言ったのがそのとき七・三%、今度は五%で大丈夫だと、こうなるわけだわ。どう考えたらいいんだろう、そこのところ。もしもこの五%になっちゃったら三島だめになっちゃいますよ。七・三%でもってやっとやっていけると、一%の利益を含めてということになっているんだから、これが五%になったら三島基金はがたがたになっちゃうし、五%になったら財源余剰金というのができていなくなるし、だから簡潔に伺いたいことは、あのときは七・三%大丈夫だと、今は五%大丈夫だと、これはどういうことなんですか。
#196
○政府委員(丹羽晟君) 先ほどから御説明申し上げておりますように、新幹線保有機構の余剰は今までここ二年間の借りかえでも既に相当な余剰が発生しており、それにつきまして長期の償還ということでございますから、二十五年とかそういったことを予定している約定でございますから、したがいまして、一たんもう借りかえを行った効果がまだ相当続くと、こういうことを申し上げたわけでございます。
#197
○小笠原貞子君 それも調べてみたんだわ。そうしたらそれは百億ちょっと、その余剰金ね、今までのところであるの。それはそれでいいの。私が言いたいことは、お金が何ぼ何ぼというんじゃなくて、あのとき七・三%大丈夫ですと、今五%大丈夫ですと、ここのところの矛盾をどう考えますか。全くずさんきわまりないし、ちょっとなめているんじゃないですか、はっきり言ったら。何十年前の話じゃないですよ。この間ですよ。この間三島基金七・三%大丈夫、今になって五%大丈夫、国会を侮辱しているし、我々をなめている。私は本当にこれ調べていったら腹が立ったの。
 大臣、どうですか。こういう両方大丈夫だっていうのどうなんですか。いや、話簡単だから大臣わかるんじゃない。
#198
○政府委員(丹羽晟君) それは、三島基金の金利の計算は確かに七・三%でしているわけでございますけれども、現実の問題としましては、三島基金が与えられたその会社はそれをまた自主運用をいたすわけでございますから、その自主運用につきましていろいろな利益の上げ方というのは当然あるわけでございますので、そこは一応の計算をした、その計算の根拠が七・三%という一つの計算があったということでございまして、今後、三島会社の問題につきましては今幸いにして各社とも相当しっかりした経営をしておりますので、その点につきまして今の七・三%でなくなることが仮にあった場合でも、特にそんなに問題が生じないんではないかと考えております。
#199
○国務大臣(山村新治郎君) 決してなめてはおりませんで、みんな一生懸命やっております。
#200
○小笠原貞子君 なめてるよ。本当に女だけどなめられてたまるかと思うよ、この大事な問題。あの分割・民営のときにあれだけ真剣に討論したでしょう。そのときに七・三%ということで大丈夫だと言ったのよ。各会社がどういうふうに運用しているからそれくらいまでいきますということを言っているんじゃないの。そのとき七%の金利保証してこれは大丈夫だと言って、今は五%大丈夫だと言う。たった何年間かの間にこの二つの見解を出しておいて、それで全部ごまかしちゃうという、全くごまかしよ。それがおかしいと言うのよ。だからあのとき七・三%、今は五%、ここだけ言っているのよ、私。運用したらそこまでいきますとか何とかじゃなくて、そこがおかしいと言っているの。おかしいと思わないですか。
#201
○政府委員(丹羽晟君) 再三同じ答弁を申し上げて恐縮でございますけれども、今回私どもが提案しておりますのは、金利が五%になったまま続くとかそういったことを申し上げているわけじゃございません。要するに、借りかえした効果ということが今相当効果を発揮しているということを申し上げているわけでございます。
#202
○小笠原貞子君 何とかかんとか言って認めないけれども、常識的な人が私の話を聞いたらみんなにこにこ笑っておかしいという顔しているわよ。一人ずつ発言求めようかな。
 大体、あのとき七・三%、今五%、これでおかしくないと思う頭で政治やられたらおかしい政治になるね、私に言わせれば。そういうことをもう本当に時間があったら私いろいろ聞きたいんだわ。その借りかえのどれぐらいのものが七%でどれぐらいのものが五%で、そういうものを調べたいと思ったときに資料を出さないのよ。大臣、資料出さないの。それでこう言うとうまいこと何とかかんとか言っているけれども、ここで余り言えないけれども、でもはっきり言えることは、もう何回も繰り返すけれども、七・三%大丈夫、今五%大丈夫。いかにも矛盾しているし、ずさんだし、財テク新幹線なんていう無責任な国の姿勢ではだめだということを私重ねてここで申し上げたいと思います。
 我々は、住民が一生懸命新幹線を要求して、そしてきちっとした新幹線をつくりたい、我が党もそう思っている。しかし、こういうのでは私はまずいと思うのね。そういう要求に対して必要であるならば国が責任を持って財政対策を本当にまじめにやろうじゃないかと私は言いたいわけですよね。これが狂ったら、丹羽さんあのときあんなこと言ったけれどもなんて私執念深く言いたくなるから、だから本当に国が責任を持った財政対策をやってほしいという気持ちで私は言っているんですよ。
 それで、余剰金というものもJR負担というふうにおっしゃるけれども、この性格も何のことない。これきちっと分析すれば保有機構に所属する差益なんですよ、余剰金なんて言っているけれども。それで何でかといったら、保有機構が抱える国鉄の長期債務八・五兆円の返済にかかわる金利差なんですよね、そうですよね、保有機構が抱える八・五兆円の返済にかかわっての金利差。だから本来長期債務返済に充てなければならない。ここで差益が出たとすれば保有機構の借金の返済に充てなきゃならない。まして清算事業団が債務を雪だるま式に今抱えて大変なことでしょう。もしこの債務に充てないのであれば既存の新幹線の運賃値下げに使うべき財源なんですと。財源余剰と言うけれども、本来借金返済に充てる保有機構に属するものだし、そこで要らないと言うならば、これだけの利益というものは新幹線の運賃値下げに使うべき財源なんだと。だからJR負担なんということではないんです、この性格をはっきり見ると。
 そこで、自治省にお伺いしたいんですけれども、自治省は新幹線の財政負担について、自治省も参画して決めたので地方団体の財政運営に支障が生じないように責任を持って対処したいと、五月二十三日の衆議院の運輸委員会の議事録を見るとそうお述べになっていらっしゃいます。そして同時に、こうも言っていらっしゃる。一〇%を限度として表明しているが、希望よりやや多い負担となっている、こうもおっしゃっている。すると、仮に予定の工事費が上がった場合、比率は変わりません、先ほど言っているように。比率は変わらないけれども、工事金額という絶対額は上がると。それに対して支障のないよう責任を持つと自治省おっしゃるから、その上がったときに自治省どういうふうになるんですか、責任を持つということま。
#203
○説明員(嶋津昭君) お答えいたします。
 新幹線の地域負担につきましては、申し合わせによりまして基盤工事といいますか、主体等工事につきまして一〇%負担、それからそれ以外の工事、駅等について国と地域で二五%ずつ負担する、こういうふうな取り決めをしたわけでございますので、金額で取り決めましたり、あるいは一五%という負担を地方全体で持つという取り決めをしたわけではございません。したがいまして、一種の公共事業でございますので、地方団体いろいろな公共事業をやっておりますが、いろいろ物価騰貴等に伴いまして工事費がある程度上がっていく、それは上がらない方が望ましいわけでございますが、上がっていくことに対する地方負担については、このルールに沿う限りにおいては地方団体については特に異存はないんではないかと考えております。
 それから、財政措置につきましては、この地方負担の地域の負担のうち、地域の負担と地方負担と私ども使い分けておりますが、地方公共団体が負担する部分につきましては地方債措置で九〇%、通常の地方債措置ですと大体七〇%程度の起債措置が限度でございますが、特別に高い充当率で地方債の発行を許可することとしておりますので、いわゆる負担が均てん化される、そういうような効果がございますので、工事費のある程度が上がったことについても地方財政には支障ないように対処することは可能というふうに考えております。
#204
○小笠原貞子君 その中で、先ほど言ったけれども、消費税が入りましたから工事費間違いなく三%上がると。例えば高崎−軽井沢間では千九百五十億の工事費が三%の消費税というと約六十億になりますよね。その六十億のうち一五%持つということになると九億円が既に新たな負担になるわけですね、自治体の分が。そういうものも含めて今おっしゃったように支障のないようにやっていただけるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#205
○説明員(嶋津昭君) 今お話しの全体の地方負担は、その新幹線工事費のうち消費税の影響に係る分は人件費なりあるいは用地費を除いた分でございますので正確には三%にならないわけでございますが、今おっしゃいますように実際に毎年度これだけその地域に工事がかかったら、それで主体工事だったら一〇%とか、それから駅舎の工事だったら二五%というふうに負担いたしますので、自動的に消費税の分は地方負担の方にはね返ってきて、その消費税が入った分について地方財政措置をする、例えば地方債の許可をするとかということに相なっております。
#206
○小笠原貞子君 いろいろ調べてみると、収支見通し、工事の計画そのものも全くわからない、そして新幹線でいつどれぐらいの黒字が出るのか、それともずっと赤字なのか、そういうのはもちろんわからないという状態なんですね。運輸省の案でいきますと、在来線より新幹線の場合収支改善効果がある、その効果が上がる分JRが負担するというふうに言っているわけだけれども、その収支見通しでは、質問はここなんだけれども、収支見通しでは在来線は含まれているのかそれとも含まれていないのか。そこは、もう時間がなくなったので済みません、簡単にお答えください。
#207
○政府委員(丹羽晟君) 収支見通しの中に在来線の問題が入っているかどうかということでございますけれども、基本的に、新幹線の建設によって輸送需要が少なくなる在来線の維持の問題を、JRに維持さして過重な負担をすることを避けたいと私どもは思っているわけでございます。収支試算におきましては、並行在来線というのはいろいろなやり方があるわけでございますが、とりあえずJRから経営を分離するというものと仮定して計算しております。
 ただ、並行在来線の問題につきましては、線区によって輸送需要も違いますし、それから経営合理化の可能性のある線区もあるわけでございます。この辺の判断は基本的にはJRの経営判断ではないかと思っておりますので、今後の並行在来線の問題の判断につきましてはJR各社の経営判断をまずは尊重していかなければならないと考えております。
#208
○小笠原貞子君 今の答えでは、分離、すなわち経営上は離す、わかりやすい言葉で言ったら廃止という言葉で言われることになるわけだ。すると、北陸線では糸魚川―魚津の間、それから高岡―金沢、東北では沼宮内―八戸、九州では八代―西鹿児島が廃止という形になってくるわけね。廃止という言葉がいけなかったら分離という言葉でもいいですよ、そういうことになるわけですよね。これ分離しての計算だと今おっしゃったから、そういうことになると。
 そうすると、これはまた大変な問題なんですね。九州の場合、JR九州の貸付料は、さっきも二ないし三%とおっしゃいましたね、JR九州の貸付料は二ないし三%。あとは余剰金となるわけです。直接の負担は二、三%が九州JRの場合。一方、自治体は一五%負担だと。まことにばかげている。その上スーパー特急なんというものは新幹線ではない。加えて、今言ったように八代―西鹿児島、これが在来線廃止ということになると何のための法案かと。初めわっと言っていたけれども、これがわかったら、いやこんなんだったら要らないわというような声が出てきたりしているわけなんですよね。そういうことについてどういうふうにお考えになりますか。
#209
○政府委員(丹羽晟君) 今後の、高崎−軽井沢間以外の新幹線ルートの問題につきましては、今後具体的に予算編成過程で決めていく問題でございますから、個々の問題について今こういうふうにすると決まっているわけではございません。
 並行在来線問題も当然そういうことでございますが、今、並行在来線は一つの仮定計算としてそうしただけのことでございまして、具体的な取り扱いの問題につきましては、先ほど来御説明しておりますように関係のJR各社の意見とかそれから地方公共団体の御意見とか、そういったことを踏まえて対処していくべき問題であろうと思います。
 現に、ただいま決まっております高崎−軽井沢間の建設の関係の並行在来線の問題も、高崎−軽井沢間の分離とかそういうことではないわけでございまして、溝川−軽井沢の一区間だけの問題としてこれはJR東日本がここの部分については維持することが非常に負担が重くなるから、先生御承知のとおり、この辺は昔はアプト式というような形でやっていた相当な急勾配の区間でございますから、今現在運行するに関しましても機関車その他が非常に要る、そのためのまた取り扱いの人手が多くかかるとか、そういったような問題がありますから、維持していくと幾ら経営合理化しても十億円ぐらいの赤字が出る。そういうところに限って代替の輸送機関を用意してそれで分離していく、こういうことを考えているわけでございます。
#210
○小笠原貞子君 具体的には高崎−軽井沢間が十億になってしまうよと、それじゃ大変だから分離するということになるけれども、今言った北陸、東北、九州のところもJRが出せるような経営じゃないですよね、三島基金もらってやっとだというようなところだから、JRの力でどれだけできるかといったら、結局今計算されているように、これらの地方のこれらの区間というのは分離されていくということでないと計算ができないということは否定できないと思うんですよね。
 問題は、時間がなくなったから次に移りますけれども、先ほどから言われているNTTの融資制度というのは平成三年度までということになっておりますね、当然。そうしますと、その後の検討がされると言うけれども、一体どういうふうにされるのかということですね。先ほどもちょっと出ていましたね、国負担分の財源は運輸省所管の公共事業費の一部を転用するというふうになっておりますが、これはもうそのとおりですね。
#211
○政府委員(丹羽晟君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#212
○小笠原貞子君 そこで、運輸省の公共事業費を転用すると言うけれども、運輸省の公共事業費というのは港湾、空港、鉄道だけですよね。鉄道枠は防災事業費のみだというふうになっておりますよね。そうすると防災事業費の予算は本来八十六億円あります。しかし、平成元年度予算は三十六億円、すべて使っても八十六億円しかないわけですよ。それ皆使ってしまうわけにいきませんよね、防災費だから。だからこれはみんな使うと安全上大変なことになります。だから今年度はそのうち五十億円を整備新幹線に使用するということになっているわけですよね。そうすると仮に毎年五十億ずつすると、高崎−軽井沢間千九百五十億、五、六年で開業なんということになっているけれども、十四、五年かかるんですわ、計算でいくと。八十六億全部使っても八、九年はかかるということにならざるを得ないですよね。その辺のところの問題ね、運輸省の公共事業費の枠を転用すると言っても限界ありますよね。限界がある。そうするとそれを使うと全部使ったって八十六億、これで大体五、六年で開業と言っているけれども、八、九年かかるだろう。安全上大変になるから防災費全部使うわけにはいかない。五十億ことしみたいに使うと十四、五年かかる。
 そこで、大臣に対して最後の質問になるんだけれども、港湾や空港から転用することにならざるを得ないわけですよ。運輸省の枠内だけではできない。これは大変なことになるわけですよ。よその枠までちょっと借りて転用さしてもらわなきゃならない。
 そこで、これ私読んでいたら、「政界ジャーナル」の八九年三月号で、前の運輸大臣の細田さんが言っていらっしゃるんですよね。どう言っているかといいますと、いろいろ言っていらっしゃるけれども、「今後工事が本格化し予算がどんどん増えていくときに、運輸省の中でやれと言ったって、それはできませんよ。港湾や空港を減らしていけと言ったって、そうはいかない。」、こうおっしゃっている。また、云々おっしゃって、「来年、再来年も、ずっと運輸省の枠の中で出すかどうかという問題は、大問題ですよ。港湾、空港だけがわり食って、新幹線に行くというのは、これはとてもおさまらんですよ。」と、こうおっしゃっているわけですよ。
 そこで、港湾、空港から転用ということになったら重大問題、細田さんもそうおっしゃっている。肝心の国が一番無責任だとここでも露呈したわけだけれども、こういうことについて港湾、空港に割を食わしていくというのか、最後に、大臣としてのこの辺のお考えを聞かせていただいて、終わりたいと思います。
#213
○国務大臣(山村新治郎君) 平成二年度以降、建設財源についても、今のこの考えに沿って運輸省としては所管の公共事業費関係の枠内で措置されることとなりますが、その規模につきましてはその時点での工事の進捗状況、また国民のニーズの動向等を総合勘案して措置していくべきことであり、対応可能であるというぐあいに考えております。
#214
○委員長(多田省吾君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#215
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、鉄建公団法及び新幹線保有機構法の改正案に対して反対の討論を行います。
 我が党は、鉄道の近代化は技術革新の成果であり、国民の足の利便の増進からも新幹線建設そのものについて賛成の立場を明確にしています。しかし、本改正案は新幹線建設に必要な資金を確保するためと言いながら、真の財源対策や経営見通しなど将来のきちっとした展望もないまま見切り発車するという従来どおりの無責任なやり方によるものです。また、整備新幹線の最大の課題である財源対策が、国の責任で財源を確保するものとは大きくかけ離れ、住民の望む真の新幹線づくりにならないことが反対の第一の理由です。
 この改正案の最大の欠陥は建設費の五〇%に当たるJR負担分が好景気による乗客増、低金利という経済見通しを絶対条件のもとに計画された不安定きわまりないものであります。その上、JRの経営が悪化し赤字等に転落した場合、五〇%の負担は破綻し財源確保ができなくなり、工事ストップにならざるを得ないのです。その場合、鉄建公団が借金を抱え第二の国鉄となることは明らかです。
 反対理由の第二は、国の財源対策の裏づけが全く不明であり、ずさんきわまりないものであります。その一方で自治体や住民へ加重な負担と犠牲を強いるものです。
 国の負担分の財源は、当面NTT無利子貸し付けを充当することになっていますが、あと三年限りの制度で無責任です。三年後の対策も運輸省所管の公共事業費の一部を転用するとしていますが、既設の公共事業費、港湾、航空、鉄道の枠内で莫大な新幹線建設費用に転用することは、当委員会で明らかになったように、今もってどの費用を転用するのか明確になっていません。結局、先のしっかりした見通しも計画もないままの強行着工となっている。我が党が主張するように、財源を含めて国が責任を持って建設する見地に立たない限り真の整備新作線はできないことをますます証明させています。
 自治体負担も平均一五%と過大な負担を押しつけ、しかも、建設費の見通しも甘く、物騰率も見ていないことが明らかになり、加えて消費税の導入により自治体への負担は一層増進していく仕組みとなっているのです。
 反対理由の第三は、住民合意の民主的手続きなど全く無視し、新幹線とは名ばかりの継ぎはぎの新幹線を一方的に押しつけ、その上在来線の切り捨てが事実上条件となっており、絶対容認できません。
 この法案の前提となっている運輸省案は新幹線部分はわずかに一四%にすぎず、あとはスーパー特急や在来線などを継ぎ合わせたもので、到底整備新幹線とは言いがたいものです。さらに、重大な問題は在来線の廃止が新幹線建設に当たっての事実上の条件となっていることは、本改正案の大きな問題点であり反対せざるを得ません。
 以上を指摘して反対討論を終わります。
#216
○委員長(多田省吾君) 他に御石見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#217
○委員長(多田省吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 安恒良一君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒良一君。
#218
○安恒良一君 私は、ただいま可決されました日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を旅出いたします。
 案文を朗読いたします。
    日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
 一、整備新幹線の建設に当たっては、JR会社の意見及び経営状況を十分御酌するとともに、財源の確保に努め、円滑な事業の推進を図ること。
 二、整備新幹線の建設に対する国の財源の捻出については、公共事業費の中から十分支出できるよう努力すること。
 三、地域負担については、地方財政を圧迫しないよう十分な対応措置を講ずること。
 四、並行在来線の取扱いについては、JR及び地域の意向を十分尊重して、地域経済の活性化を損なうことのないよう努めること。
 五、リニア・モーターカー、在来幹線鉄道の高速化等鉄道技術の向上の促進を図るとともに、必要な費用の確保に努めること。
 六、国鉄長期債務の処理については、償還計画を策定するとともに、財源手当の強化等次年度以降の予算編成において最大限の努力を行うこと。
 七、日本国有鉄道清算事業団の再就職を必要とする職員については、国の責任において、全員の再就職先の確保に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
#219
○委員長(多田省吾君) ただいま安恒良一君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#220
○委員長(多田省吾君) 全会一致と認めます。よって、安恒良一君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山村運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山村運輸大臣。
#221
○国務大臣(山村新治郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に体し、実現に努力してまいる覚悟でございます。
 どうもありがとうございました。
#222
○委員長(多田省吾君) 次に、特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#223
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案に対し反対討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案の改正は大企業の技術研究開発に対して新しい補助金を導入して大企業奉仕をより一層進めるものとなっていることです。
 もともとこの法律は、造船業界の生き残り作戦として手厚く補助してきた上に、新たに民間の船舶技術の試験研究を促進させるための業務を加えるものです。改正の主な内容は、大手造船企業を対象として研究開発の五〇%を国が補助し、その上全体の五〇%を無利子融資してもらうというまれに見る優遇措置となっています。既に八九年度の具体的施策の超高速船は大手七社、エンジンの開発は大手三社に決定しており、中小は参加できないことが明らかとなっています。
 反対理由の第二は、しかも国民共有財産であるべき研究開発の成果が大企業に独占されることです。その上、利益を上げた場合の収益納付基準は国会に提出されないまま審議が進められたことも重要です。
 反対理由の第三は、本法施行後十年間の経過を見ても、本法による大企業本位の造船業界再編が労働者に多大の犠牲を強いたばかりか、大手本位の再編を保証したものと言わざるを得ないことです。造船大手と言われる大企業、大資本への生産の集中、市場の独占化を一層促進するために中小造船業の整理、淘汰を大規模に進めてきました。
 本改正案は、中小造船業の活性化にはつながらないばかりか、引き続く設備廃棄事業によって造船業労働者の雇用不安をさらに増大させるものと言わざるを得ないことです。
 以上述べてきたことからも、我が党は本法案に反対し、討論を終わります。
#224
○委員長(多田省吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(多田省吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#226
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#227
○委員長(多田省吾君) 次に、請願の審査を行います。
 第九八号鹿児島地方気象台への天気相談所の設置と桜島の観測体制強化に関する請願外八十四件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、すべて保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#229
○委員長(多田省吾君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんが。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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