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1988/06/16 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 農林水産委員会 第3号
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1988/06/16 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第114回国会 農林水産委員会 第3号
平成元年六月十六日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     大塚清次郎君     竹山  裕君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     竹山  裕君     大塚清次郎君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     佐藤謙一郎君     坂野 重信君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     本村 和喜君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     井上  裕君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     上杉 光弘君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     八百板 正君     上野 雄文君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     野田  哲君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     野田  哲君     村沢  牧君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     上野 雄文君     野田  哲君
     三治 重信君     小西 博行君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
  委員長           福田 宏一君
  理 事
                岡部 三郎君
                鈴木 貞敏君
                一井 淳治君
                刈田 貞子君
  委 員
                上杉 光弘君
                浦田  勝君
                大塚清次郎君
                熊谷太三郎君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                星  長治君
                本村 和喜君
                野田  哲君
                村沢  牧君
                下田 京子君
                三治 重信君
                山田耕三郎君
 国務大臣
        農林水産大臣  堀之内久男君
 政府委員
        農林水産政務次
        官       水谷  力君
        農林水産大臣官
        房長      浜口 義曠君
        農林水産省経済
        局長      塩飽 二郎君
        農林水産省構造
        改善局長    松山 光治君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    吉國  隆君
        農林水産省畜産
        局長      京谷 昭夫君
        農林水産省食品
        流通局長    渡辺  武君
        農林水産技術会
        議事務局長   谷野  陽君
        食糧庁長官   甕   滋君
        林野庁長官   松田  堯君
        水産庁長官   田中 宏尚君
        通商産業省基礎
        産業局長    畠山  襄君
 事務局側
        常任委員会専門
        員       片岡  光君
 説明員
        厚生省生活衛生
        局食品化学課長 内山 壽紀君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○農林水産政策に関する調査
 (平成元年度の農林水産行政の基本施策に関す
る件)
○肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案(内
閣提出)
○特定農産加工業経営改善臨時措濁法案(内閣提
出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福田宏一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十日、佐藤謙一郎君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君が選任されました。
 また、去る三月三十一日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として本村和喜君が選任されました。
 また、去る四月十三日、八百板正君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君が選任されました。
 また、本日、上野雄文君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(福田宏一君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に一井淳治君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(福田宏一君) 次に、堀之内農林水産大臣及び水谷農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。堀之内農林水産大臣。
#6
○国務大臣(堀之内久男君) このたび、農林水産大臣を拝命いたしました堀之内久男であります。
 農林水産業をめぐる内外の情勢が厳しさを増している折からその責務は極めて重大であり、身の引き締まる思いがいたします。
 農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料等を安定的に供給するという重大な使命を担っているほか、活力ある地域社会の維持、国土、自然環境の保全など、我が国の経済社会の土台を支える重要な役割を果たしております。
 私は、皆様方の御支援を得て、農林水産行政の責任者として、我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意でありますので、よろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(福田宏一君) 次に、水谷農林水産政務次官。
#8
○政府委員(水谷力君) 農林水産政務次官に再任されました水谷力でございます。
 我が国の農林水産行政は幾多の困難な課題を抱えておりますが、堀之内大臣を補佐いたしまして、引き続き全力を傾けてこの難局に当たりたいと存じております。委員各位のより一瞬の御支援のほどをお願い申し上げましてごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(福田宏一君) 次に、農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 平成元年度農林水産行政の基本施策について農林水産大臣から所信を聴取いたします。堀之内農林水産大臣。
#10
○国務大臣(堀之内久男君) このたび農林水産大臣を拝命いたしましたが、この機会に一言ごあいさつを申し上げます。
 国際化の進展の中で、農林水産行政が一大転換期を迎えており、その責務の重さを痛感している次第であります。
 私は、羽田前大臣の路線を受け継ぎ、関係方面の御協力を得て、この重責を果たすため最善の努力を尽くす覚悟でおりますので、よろしくお願いいたします。
 申し上げるまでもなく、農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料等を安定供給するという重大な使命を担っているほか、活力ある地域社会の維持、生きがいの充足、国土、自然環境の保全など、我が国の社会経済と国民生活の土台を支える重要な役割を果たしております。
 したがって、私は、このような役割を担う農林水産業の健全な発展なくして、我が国社会経済の調和ある発展はあり得ないと考えております。
 しかしながら、今日、我が国農林水産業は多くの問題に直面しております。
 農業については、食料消費の伸び悩み、生産性向上の立ちおくれ、労働力の高齢化などの諸問題に直面しており、内外価格差の是正、保護のあり方等につき内外から強い関心が寄せられております。
 このような現状にかんがみ、より一層の生産性の向上を進め、国内での基本的な食料供給力の確保を図りつつ、農業経営の安定を確保するとともに、国民の理解し得る価格での食料の供給に努めることを基本として、諸般の施策を強力に展開してまいる所存であります。
 まず、農業者が将来を見通しつつ、営農を展開できるような中長期展望を確立するとともに、地域の失態に応じた生産性の向上を図るため経営規模の拡大、小規模農家をも含んだ生産組織の育成、強化、経営コストの低減、生産基盤の整備等に努めてまいります。また、消費者の多様な需要に対応した高付加価値農業と高品質を生かした輸出を振興してまいります。さらに、農林水産業、食品産業等の生産性の飛躍的向上を図るため、バイオテクノロジー等先端技術の開発、普及等に取り組んでまいります。このほか、消費者対策を総合的に推進するとともに、食品産業対策については、その体質と経営基盤の強化を図るため、国内農業との連携強化等の施策を充実してまいります。
 今後の米政策及び米管理の方向については、農政審議会の小委員会において、需給及び価格の安定を図るという食糧管理制度の基本的役割を維持しつつ、市場原理がより生かされる仕組みとしていくとの観点から報告を取りまとめていただいたところであります。今後、食糧管理制度の基本的役割を踏まえ、報告の方向に沿って、十分検討の上、条件整備を図りつつ、逐次具体的施策を展開していきたいと考えております。また、水田農業確立対策後期対策については、農政審議会小委員会の報告の趣旨も踏まえつつ、今後の米需給の動向等を見きわめながら検討することとしております。
 貿易問題については、現在、ガット、ウルグアイ・ラウンドにおいて農産物貿易をめぐる交渉が進められており、四月上旬には、今後の交渉の枠組み等が決定されたところでありますが、我が国としては、世界最大の農産物純輸入国としての立場から、食料の安全保障等に十分に配慮した新しい農産物貿易ルールの策定に向けて積極的に参加、貢献していく考えであります。この場合、米については、各国が抱える農業問題及び制度について議論を行う段階になれば、討議するにやぶさかでないという立場ではありますが、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議等の趣旨を体し、今後とも生産性の向上を図りつつ、国内産で自給するとの基本的な方針で対処する所存であります。また、昨年輸入自由化措置等を決定した牛肉・かんきつ等については、その存立を守り体質を強化するための対策の推進に遺憾なきを期してまいる所存であります。
 また、農山漁村が、生産の場のみならず、活力に満ち、豊かで住みよい地域社会として、国土の均衡ある発展に資するため、農地の多面的利用を円滑に進めるとともに、農山漁村の総合的整備、リゾート地域の整備、農村地域への工業導入等を推進するほか、立地条件に恵まれず、効率的な生産展開が困難ないわゆる中山間地帯においても地域の創意工夫を生かしつつ農業・農山村の活性化を図ってまいります。
 このほか、開発途上地域の経済社会の発展に資するため、農林水産業協力を積極的に推進するとともに、熱帯林の減少、砂漠化等の地球環境問題についても積極的に取り組んでまいります。
 次に、林業については、森林や木材に対する消費者の関心の高まり等明るい一面も見られるものの、林業生産活動の停滞、国産材と外材との競合等なお厳しいものがあります。一方、国民の森林に対する要請は、ますます多様化し、かつ高度化してきております。
 このため、来るべき国産材時代に備えて、木材需要の拡大、木材産業の体質強化等を図るとともに、低コスト林業の確立と国民の多様な要請にこたえた森林整備の推進など森林・林業の活性化に鋭意努めてまいります。また、国有林野事業につきましては、一昨年改定強化した改善計画に基づき諸施策を着実に推進し、経営改善に努めてまいります。
 さらに、「みどりの日」が制定されたように、国民の「みどり」に対する関心が高まっており、これを契機に一層の緑化の推進に努めてまいる所存であります。
 次に、水産業については、二百海里体制の本格的定着による海外漁場の制約の増大、輸入水産物の増加、資源状態の悪化等まことに厳しい状況に置かれています。しかしながら、我が国の水産業は、国民の必要としている動物性たんぱく質の約半分を供給し、健康的で豊かな日本型食生活の一翼を担う重要な産業であることから、長期的視点に立って新しい時代に即応した水産業を確立することが急務であります。
 このため、漁業生産基盤の整備、「つくり育てる漁業」の振興、新技術開発の推進、水産物流通加工体制の整備等により、我が国周辺水域の漁業振興を強力に進めてまいります。また、厳しい状況に置かれている漁業経営について、漁業経営指導の充実等を図るほか、粘り強い漁業交渉による海外漁場の確保に努めるとともに、対外交渉に向けての資源調査等を充実してまいります。
 以上のような農林水産施策を推進するため、現在国会に提出しております法案につきましては、当委員会の場におきまして、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 最後に、農林水産業に携わっている方々には、我が国に一億二千万余の人口があり、国民のニーズも高品質かつ安全性の重視の段階に達していることから、農林水産業は、バイオテクノロジー等の技術開発の余地が大きいこと、担い手の技術水準が高いことなども考え合わせれば、創意工夫次第で今後とも発展可能性のある産業であることを再認識していただき、一層の努力を賜りたいと考えております。一方、国民の皆様には、農林水産業は自然に大きく影響を受ける産業であり、多くの農林漁家が懸命に生産性の向上に取り組んでいることに温かい目を向けていただきたいと思っていることを申し添えておきます。
 以上、このたび農林水産行政の責任者となるに当たり、所感の一端を申し上げましたが、農林水産行政を進めるに当たっては、広く国民の理解と協力を得つつ、来るべき二十一世紀に向け、我が国農林水産業の未来を切り開くよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、一層の御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
#11
○委員長(福田宏一君) 以上で所信の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は午後に譲ります。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(福田宏一君) 次に、肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。堀之内農林水産大臣。
#13
○国務大臣(堀之内久男君) 肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 肥料価格安定臨時措置法は、肥料の価格の安定を図るため、その取引を適正かつ円滑にするのに必要な措置等を講じ、もって農業及び肥料工業の健全な発展に資することを目的として、昭和三十九年に制定されたものであります。自来、四度の改正を経て今日に至るまで、この法律に基づき特定の肥料についてその生産費等を基礎とした価格取り決めが行われ、肥料の価格の安定が図られてまいりました。また、この法律は、構造改善を進めてきた肥料工業の経営の安定にも寄与してまいりました。
 この法律は、平成元年六月三十日までに廃止するものとされている時限法でありますが、最近における農業及び肥料工業をめぐる状況にかんがみ、この法律を規定どおり廃止する必要があると考えられます。
 すなわち、国際化の進展等経済社会情勢の変化に対応して、規制緩和や競争条件の整備が進められているところであり、この法律に基づく価格取り決め措置についても、その見直しが必要になってきております。
 このような状況のもとで、農業においては、内外の厳しい諸情勢の中で生産性向上により内外価格差の縮小を図ることが緊要な課題となっております。このような課題に的確に対処していくためには、重要な農業生産資材である肥料についても、今後、競争関係のもとで適正な供給及び利用が行われることが望ましいと考えられます。
 また、肥料工業においては、近年における輸入肥料の増加、緩和基調にある需給動向や供給源の多角化等の国際的な肥料事情の中で、輸入肥料が一定の供給源としてある程度参酌できる状況となったこと等の諸般の環境の変化を踏まえ、今後は、肥料の安定供給を図るために、競争関係の中で一層の構造調整を図り、健全な生産基盤を築いていくことが求められているところであります。
 以上、申し述べました理由から、肥料価格安定臨時措置法を規定どおり平成元年六月三十日をもって廃止するとともに、これに伴う所要の規定の整備を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#14
○委員長(福田宏一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○一井淳治君 本日は、肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案が審議されるわけでございますけれども、これまで行われてきた肥料価格安定制度を政府としてはどのように評価しておられるのか。特に、これまで形成されてきた肥料の価格が高過ぎるという評価があるのかどうか、そのあたりのことについて簡単に御説明いただきたいと思います。
#16
○政府委員(吉國隆君) 肥料価格安定法は、御承知のとおり農業生産にとって、不可欠な、基礎的な資材でございます肥料の価格安定を図る、そういう目的で適正かつ円滑な取引に必要な措置を定め、究極的には農業経営及び肥料工業の健全な発展に資する、こういう目的で昭和三十九年に制定されて今日に至っているところでございます。この法律に基づきまして、特定肥料につきまして生産費等を基礎にした価格取り決めが行われまして、肥料価格の安定が図られてきた、また他方で、肥料工業の構造改善の円滑な推進にも寄与してきた、こういうふうに私どもこの法律の果たしてきた役割について認識をいたしているところでございます。
 価格が高値安定されていたのではないかということがよく疑問として提起されるわけでございますが、若干具体的に申し上げさしていただきますと、私どもこの法律のもとでのそういった価格取り決めの中で、例えば過去におきます二度のオイルショックのときに肥料の価格も全般に上がったわけでございますけれども、他の資材に比べました場合には、値上がりの幅が抑制されたというような効果もあったというふうに考えておりますし、また国際価格が変動をある程度しやすい要素を持っているわけでございますけれども、国内の肥料価格の変動はこれをならす効果があったと、変動幅が小幅にとどまったというような効果があったというふうに見ております。
 また、最近の状況で申し上げますと、法律の対象となっておりました三肥料、硫安、尿素、高度化成肥料でございますが、この三品目と他の主要肥料の値動き等を比較いたしましても、六十一年度以降で見てみますと、法対象の品目は約二〇%の引き下げ、一般の、法対象以外のものについては一〇%の引き下げというような比較になっているところでございまして、そういう意味では、この法律に基づく価格取り決めというものが高値安定になっておったということは当たらないというふうに考えているところでございます。
#17
○一井淳治君 私も肥料の価格は高くなかったという考え方を持っておりますけれども、肥料の価格について、過去の価格の推移がどうであったか、特に他の諸物価に比べてどうであったかという点の御説明をいただきたいと思います。
 それから同時に、肥料のメーカーがこれまで相当の利潤を確保しておったのかどうか、さらに化学肥料業界の現状というものをどのように御認識なさっておられるのか、その点についてもあわせて御説明いただきたいと思います。
#18
○政府委員(吉國隆君) 他の価格と比べてどんな動きであったかというお尋ねの部分について、私からまずお答え申し上げたいと思います。
 この対象肥料となっております三肥料につきまして、第二次オイルショック以後という意味で、昭和五十五年度以降の動きをかいつまんで申し上げますと、昭和五十五年度を一〇〇といたしました場合に、硫安につきましては六十二年度で七八・七、尿素が六六・一、高度化成が九二・五という状況になっておりまして、これは農村物価賃金調査によるデータでございますが、これを同じ物賃によります生産資材の総合指数、同じく五十五年を一〇〇として、六十二年度で九三・五という数字になっているわけでございますが、高度化成はこれを若干下回る程度でございますけれども、硫安、尿素についてはかなりこれを下回っているというような関係に相なっている状況でございます。
#19
○政府委員(畠山襄君) 化学肥料工業の現状についてということでございますけれども、化学肥料製造業の出荷額は、御案内のとおり五千億円強ということでございます、若干のダブリ計算もございますが。それが、化学工業全体に占める比率は三%程度で低うございますけれども、農業生産に必要不可欠な生産資材を供給するという、そういう産業でございますので、またその一部はコンビナートの中で水素等を供給するユーティリティーセンターとしての機能を果たすというようなこともございまして、国民経済において非常に重要な役割を占めておるというふうに考えているわけでございます。
 利益の状況ということでございますが、これは個々の企業のこの部門の利益の数字を申し上げるわけにいきませんけれども、私ども承知いたしております、企業が部内で計算しております数字から見ますと、この肥料部門の利潤の状況というのは極めて厳しい状況になっておる。端的に申し上げればおおむね赤字になっているという状況でございます。
#20
○一井淳治君 今非常に厳しい状況に置かれていることの御説明があったと思いますけれども、この法律の廃止後に急激な変動が起こるとよくないいろんな影響があると思います。肥料の供給や流通や利用を円滑に進めるためにどのような対策をお考えになっておられるのか、御説明いただきたいと思います。
#21
○政府委員(吉國隆君) 私ども、この肥料が重要な生産資材であるということから、国内におきましても健全な肥料の生産基盤というものが育成されていくということが大切であるというふうに考えておりますし、また現在の国際競争の状況からいたしますと、輸入肥料もある程度含めた安定供給体制というものを考えていくことが、少なくとも当面は必要であろうというふうに考えている次第でございます。
 私ども、この法律廃止後の需給の安定あるいは流通、利用の改善、こういうことを、この法律がなくなった後のいわば競争条件の作用する中での合理化というものを生産、流通の両面にわたって進めていきながら、そういった健全な供給体制というものを確保していくということを基本にして進めていきたいというふうに思っているわけでございますが、具体的にそういった体制に向けまして混乱を防止しつつやっていくという意味で、一つは肥料の需給見通し、これを作成して安定的な需給に資してまいりたいというふうに思っております。また、国際的な原料を含めた肥料の需給等についても情報を収集し、これを関係方面に提供していくというような努力も行ってまいりたいというふうに考えております。
 また、流通面につきましても、なるべく合理化を進めていく必要がございますので、例えば交錯輸送をできるだけ排除していくという問題でございますとか、あるいは粒状配合飼料につきましてはら流通の導入、これは今可能性についての実験はやっておりますけれども、そういった形での努力も進めていきながら、なるべく合理的、効率的な形での生産、流通体制というもので健全な供給体制が確立されていくように努力してまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#22
○一井淳治君 これまでは生産業者、販売業者の話し合いということも行われておったわけでございますけれども、今後円滑に生産、供給、流通が進んでいくためには、メーカー側あるいは流通の側あるいは需要家の側、そういった各方面の情報等が一つの場に集まるというふうな機会もつくっていく必要があるのじゃないかというふうに考えますけれども、何かお考えがあるのでしょうか。
#23
○政府委員(吉國隆君) 私ども従来、今先生お尋ねになりましたような意味では肥料協議会というものを持っておりまして、制度の基本的な変わり目でございますとか、そういう場合には肥料の関係業界あるいは流通業者の方々、輸入業者も加わっていただいております。また、需要側である農業者団体の方々、こういった関係者にお集まりいただきまして、突っ込んだ御相談をしていただくというようなことをやってまいっております。
 今後、この法律改正後にそういったことをやっていく必要があるのではないかという御趣旨であったかと思いますが、私どもも特に肥料の国際需給等の問題もときどきの変動ということがあり得るわけでございますし、そういった意味で、特別に肥料の需給なり価格なりあるいは流通なり、そういった問題について大きな問題が出てくるというような際には、そういった関係業界でお集まりをいただいて御相談いただくというようなことも必要であろうというふうには考えているわけでございまして、先生今御指摘のような御趣旨も頭に置きまして、私どもそういった関係者の緊密な情報交換なり意見交換なりの場というものは、通商産業省とも御相談しながら今後とも適切な形で続けていくように努力していきたいという気持ちを持っております。
#24
○一井淳治君 協議会と申しましょうか、懇談会と申しましょうか、そういう場が必要でありますし、またそういう方向へお進めくださるとのことでございますけれども、将来、肥料の業界は整備をしていくということも起こるのではないかということが予想されます。そういたしますと、そこに雇用されておる労働者の立場ということも非常に重要になってくると思います。今申し上げました協議会なり懇談会には、やはり労働組合の代表にも加わってもらった方がいいというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
#25
○政府委員(畠山襄君) 御指摘のとおり、肥料工業の構造改善に伴います雇用の問題、これは非常に重要な問題でございますので、農林水産省とも御相談しながら、御指摘の肥料懇談会とでも言うべきその会議体の中には、雇用問題について造詣の深い方もお入りいただくような方向で検討を進めてまいりたいと思います。
#26
○一井淳治君 ぜひとも労働組合の代表の方をお入れいただきたいというふうに要望申し上げたいと思います。
 次に、今後この法案が廃止された場合の業界の問題でございますけれども、販売業者と個々の生産業者との間の価格交渉が行われるというふうになると思います。そういう中で、販売業者とすれば全農が最大手で七〇%のシェアを持っているというふうに聞いておりますけれども、非常に個々の生産業者に比べるとでっかいわけでありまして、その優越的な地位を利用して、弱小メーカーに対して不当な値下げを要求するようになるのじゃないか。また、商社系の場合は非常に厳しい経済戦争をやっておりますから、やはり弱小メーカーを泣かせるようなことが起こるのじゃないかという心配がありますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
#27
○政府委員(吉國隆君) お話しのように、法律改正後は販売業者と個々のメーカーとの価格交渉ということになるわけでございます。
 御指摘ございましたように、全農の比重というものが現状で七割ということで、かなり高い比重になっていることは事実でございます。全農サイドとしましては、当然のことながら農業経営の安定という面から、メーカーサイドに対しまして企業努力を要請しながら、できるだけ安い価格で買い付けできるような価格交渉を進めていくということになろうと思うわけでございますが、メーカーによってこの価格に差をつけるということは、実際問題としてはなかなか全農サイドとしても起こりにくい。あるところから安く買っているのであれば、ほかの高いところから買うというところが説明がつかないという状況にもなろうというふうに思いますし、相手によって、同じ物に対して価格差をつけるというようなことは余り起こり得ないのではないかというふうに私ども考えているところでございます。
 なお、そういった面でもし不当な問題があれば、私どもも必要な指導はしていく必要があろうかなというふうには思っておりますけれども、通常、そういった使途による差は生じないというふうに私ども考えているところでございます。
#28
○一井淳治君 肥料業界は相当な過剰設備を抱えているわけでございますけれども、この法の廃止後にメーカーの間の競争が非常に激化して、一部ダンピング等が行われまして弱小のメーカーが追い落とされるのじゃないかというふうな心配もございます。もしそういうふうになりますと、地域の雇用や経済に対する影響は非常に大きいわけでございますけれども、そのあたりのことについてはどのようなお考えでございましょうか。
#29
○政府委員(畠山襄君) 確かに、御指摘のような懸念は存在するわけでございますけれども、他方、中小のメーカーは総合的な化学メーカーに比べまして、何と申しますか、小回りがきくという面もございまして、したがいまして農家のニーズにより即応した、例えば多品種少量生産への適応性にすぐれているというようなことがあろうかと思います。ですから、そういった特性を利用していただきまして、これからの厳しい競争にそれなりの特異性を発揮していただきたいというふうに思っているわけでございます。
 一つの例でございますけれども、全国ではシェアが一%ぐらいしかない、これは中小企業そのものじゃございませんが、大企業に比べますと相当規模の小さなある企業がございますけれども、それが特定の県では四〇%を超えるシェアを持っておりまして、それはその地域にやや特有の農産物に対する地域密着型の肥料の供給を行っておるというような事例もございまして、そういうような模範的な企業もございますので、そういった方向にやっていただきたいと思っておりますし、私どもといたしましても側面からそういうふうな指導をしてまいりたいと思っております。
#30
○一井淳治君 この法の廃止後に、ダンピングとかそういった経済秩序を著しく乱すような不当な経済行為が行われないように、十分な御指導をいただきたいというふうに要望いたします。
 次に、肥料の業界では過剰設備がどの程度なのか、御説明いただきたいと思います。
#31
○政府委員(畠山襄君) 設備の能力の計算というのはなかなか難しゅうございますけれども、大ざっぱに申し上げまして、私どもの試算でございますが、尿素の分野で過剰設備は四割弱、それから化成肥料では一割強、それから溶成燐肥でも四割強の設備過剰があるのではないかというふうに考えております。
#32
○一井淳治君 相当過剰設備が多いような印象を受けたわけでございます。そういたしますと、今後肥料メーカーが整理されるといいますか、業界から撤退したりあるいは事業を縮小したり、他業種へ転換したりいろんな必要が起こると思います。しかし、現在の非常に厳しい経済環境の中で、そういったふうな構造転換が円滑に行われるのかどうかということが非常に心配でございますけれども、その点についてはどのように対処なさるのでございましょうか。
#33
○政府委員(畠山襄君) 御指摘のように、現在も過剰な設備がございますが、これまでも過剰な設備があったわけでございまして、産業構造転換円滑化臨時措置法でこれまでもその過剰な設備の処理をやってきているわけでございます。少なくともこれまでのところ、その設備処理に関連いたしまして従業員の、言葉があれでございますけれども、完全な整理をしたというようなことはございませんで、社内で配置転換をいたしますとか、それから他社へ出向させますとか、あるいは自分のグループの企業に再就職をしてもらうとかいう形で、失業者が出るというような格好にはならない処理をしてきているわけでございます。
 今後とも、この過剰な設備の処理に当たりてもそういう方針でいくわけでございますけれども、それにつきましてもただいま委員御指摘のように、構造改善が、ほかの事業部門等がそれを吸収する能力がないといけないわけでございますので、やはり今後とも内需振興型の経済運用というものを基調に、その中でこういった構造改善を進めていくというのが基本であろうかと思っております。
#34
○一井淳治君 先ほど、雇用の確保についても御配慮いただいているという御説明がありましたけれども、肥料メーカーの場合には割合不況な地域に立地している、あるいは農村部の雇用を一手に引き受けているということが少なくないように思います。この雇用確保、労働条件の安定という点について、さらにもう少し詳しい御説明をいただきたいというふうに思います。
#35
○政府委員(畠山襄君) これまでの例でございますが、昨年九月に尿素と溶成燐肥とそれから化成肥料と、これらの製造業の主要設備について、産業構造転換円滑化臨時措置法の特定設備に指定して、その設備処理を図ってきているわけでございます。
 設備を処理いたしますると、御指摘の雇用の問題が出るわけでございますが、具体的にはその関係で当該設備に従事しておられました従業員の数が、大ざっぱに申し上げて百六十名ぐらいございました。この円滑化法対象業種の設備処理計画に関係する方々が百六十名ぐらいおられましたが、そのうち、そのグループの企業の中に再就職をお願いしたのが約五十名、それから配置転換をお願いしたのが約七十名、それから出向をお願いしたのが約二十名というようなことでございまして、定年退職の方を除いては失業というようなことになってないわけでございます。
 そこで今後とも、今御指摘にもございますように、個別企業の雇用転換が円滑にいきますように私どもとしても十分支援をしてまいりたいと思いますし、また労働省の法律でございますけれども、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法という法律もございますので、かつこの業種に肥料製造業は指定もされてございますので、同法に基づきます雇用安定事業、離職者対策等の各種支援措置の活用を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#36
○一井淳治君 ただいま百六十名について御説明があったわけですけれども、これは肥料部門に関して円滑化法が適用された会社全部の合計でしょうか、それとも一社の事例なんでしょうか。
#37
○政府委員(畠山襄君) 円滑化法に指定いたしましたのが昨年の九月でございまして、それ以来こういった事業の転換計画といいましょうか、そういうものをつくりました企業が三社でございます。その三社の合計が今申し上げた百六十名強でございます。
#38
○一井淳治君 その円滑化臨時措置法によりますと、たしか事業適応計画の承認申請を主務大臣に出して、主務大臣がこれを審査するというシステムになっておったというふうに思います。その中には、雇用の問題について適応計画の中に記入しなくちゃいけないというふうになっておったというふうに思いますけれども、通産省とすれば今後も、先ほどのお話によるといわゆる解雇によって社外に出した人はいないという御説明であったのですが、今後もそういう事業適応計画の承認という中において、雇用確保を十分御指導いただくというふうにお聞きしていいでしょうか。
#39
○政府委員(畠山襄君) 一井委員御指摘のように、産業構造転換円滑化臨時措置法の条項におきましては、事業適応計画に労務に関する事項を記載することにもなってございます。またその承認を行います際にも、要件といたしまして「当該事業適応計画に係る特定事業者の従業員の地位を不当に害するものでないこと。」ということもうたわれているわけでございまして、そういうことでもございますので、今御指摘のように、今後とも従業員の地位が不当に害されることのないよう十分私どもとして配慮してまいりたいと思います。
#40
○一井淳治君 質問を変えまして、今度は消費者の立場といいますか、国民の側の立場に立った場合に、やはり毎日毎日必要な食料を安定供給してもらいたいという強い要望が出てくるわけでございます。そのためには、肥料が国内の農家のために優先的に確保されなくちゃならないということが言えると思いますし、また食料安保と申しましょうか、そういった観点から、化学肥料の一定量は我が国で自給されるべきではないかという考え方も出てくるというふうに思いますけれども、そのあたりの対策はどのようになるのでしょうか。
#41
○政府委員(吉國隆君) 私どもも、今先生御指摘のように、消費者の立場あるいは農業生産者の立場からいたしましても、肥料の国内における健全な供給基盤というものが大切であるというふうに考えているところでございます。
 御承知のように、国際価格というものも不安定性を持っております。また品質の面で、我が国の農業は特に土壌条件も非常に多様でございますし、また作物も多様であるということの中で、我が国の農業生産のニーズに即した、品質のすぐれた肥料の供給ということが円滑に行われるということも非常に大切であるというふうに私ども考えているところでございます。現状では、国際競争関係という面から問題の出ている品目もあるわけでございますけれども、私ども日本の化学産業は非常にすぐれた技術も持っている産業であるというふうにも思いますし、国際競争力もつけた形での、国内での健全な供給基盤の育成ということを心から念願している次第でございます。
 また、内需の確保というような面につきましては、今の国際競争力の現状からしますと、当面はそういった状況の問題というのはないのかもしれませんけれども、歴史的に言いましてもそういった問題が生じかねないということが確かにございますので、そういった面につきましては輸出貿易管理令の制度もあるわけでございますが、通商産業省とも御相談しながら、そういった海外への供給との関係で、国内での供給に支障を来すことのないような方法について必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#42
○一井淳治君 もう一つ、国内対策として心配なのは、国際価格を見ますと肥料価格というものは非常に暴騰する、暴落するということがあるようですけれども、仮に我が国内でそういうふうに肥料価格が暴騰するというふうなことが起こるようになりますと、農家の大部分は小規模農家でございますから大変な危機にさらされるんじゃないか。今後、我々の生存に必要な食料の安定確保のためには、やはり肥料価格の安定ということが非常に大事ではないかというふうに思いますけれども、そのあたりについてはどのような対策をお持ちでございましょうか。
#43
○政府委員(吉國隆君) 先生御指摘のように、原材料の国際価格等も変動する中で、肥料価格のある程度の変動というのは避けられない点があろうというふうに思うわけでございます。
 基本的には、自由な競争原理の中で肥料価格が形成されるという形に移行するわけでございますので、従来に比べて、安定度の点で問題が出ないかという心配は確かにあるわけでございますが、私ども長期的な国際肥料需給という点からいたしますと、長期的には緩和基調にあるのではないか。開発途上国なりあるいは社会主義国家での肥料生産というものもかなりふえてまいっておりますし、また将来におけるFAO等の見通しにおきましても、そういった緩和基調という姿が出ているというふうに思っております。そういう意味で、特に肥料価格に急激、大幅な変動ということは余り起こらないことを期待いたしているわけでございますが、なるべく価格を安定した形で供給していただくという面からは、先ほども先生お尋ねがございましたような協議会等を通じまして、必要なまた可能な措置については協議も進めていきながら、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#44
○一井淳治君 肥料価格が暴騰するということが万々が一にも起こると大変でございますけれども、国民生活安定緊急措置法の発動というふうなことはどうなんでしょうか。
#45
○政府委員(吉國隆君) 一般論として、ただいま先生お触れになりました国民生活二法、国民生活安定緊急措置法では、標準価格を作成するというような法制がございますし、またいわゆる買い占め防止法につきましては、買い占めあるいは売り惜しみ防止ということで、売り渡しに関する指示、命令が出せるというような法制があるわけでございます。こういった法制の適用が可能かどうかという点につきましては、御承知のように一般的に物価が高騰しているとか、あるいは国民生活との関連性が高い物資であるというような位置づけがなされているわけでございますので、そのときどきの状況によるというふうに思いますけれども、こういった国民生活二法の適用関係についても必要な状態になれば、私ども関係省庁とも相談をしていくということはあり得ることだというふうに考えている次第でございます。
#46
○一井淳治君 それから、肥料の末端価格を下げていくというためには流通経費を削減する。肥料は重いですから流通経費を削減するということは、非常に重要であるということはかねてから指摘されておるわけでございます。そのためには、いわゆる交錯輸送の排除ということが大事であるというふうに思います。しかし、やりようによっては弱い業者が落とされてしまう、それによって強い業者が市場をだんだん自分のものにしていくというふうなことも心配がありますけれども、この流通経費の削減対策についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#47
○政府委員(吉國隆君) 御指摘のように、肥料の流通コストの節減というのは‘特に肥料がバルキーな重量のある物資でございますし、運送経費を含めました流通経費の占める割合が比較的高い物資でございますので、流通の合理化は非常に大切であるというふうに思っているわけでございます。
 御指摘ございましたように、交錯輸送の排除ということも確かに一つの課題であるというふうに考えておりまして、これを具体的にどう進めるかというのはなかなか難しい点もございますけれども、メーカー間の委託生産というような形ということも予想される一つの分野ではなかろうかというふうに思っております。また、別の領域といたしまして、工場から産地の農協への直行輸送、これは特に大量な単位での取引がされるというような肥料につきましては、農協へ直行輸送をするというようなトラック輸送がふえているという状況にもございますので、そういった展望が一つ描かれるわけでございます。また、少量のロットで流通するというようなものにつきましては、ストックポイントといいますか、物流拠点の整備をしていくということも必要になってこようというふうに考えております。
 また、容器の問題といたしましても、フレコンの活用でございますとか、あるいは先ほどもちょっと申し上げましたが、ばら輸送、これは特に粒状配合肥料につきまして私どもも今実験をやっているわけでございますけれども、ばら輸送によって輸送経費の節減ができないかというような、多角的な取り組みをしていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
 お話しの中小メーカーというものが、それによって弱い立場にならないかというような御趣旨だったかと思いますが、中小メーカーの全体の競争関係の中で苦しさが出てくるということは避けられない点があろうかというふうには思いますが、反面におきましては、中小メーカーはある意味では総合メーカーと比べました際に、農家のニーズにきめ細かく対応するような、いわば多品種少量生産というような形での適応性にすぐれているというような特性も持っているというふうに見受けているわけでございまして、こういった商品の特性というものを生かした経営戦略というようなことが、中小メーカーの対応としては一つ生まれてくるのではないかということにも期待をいたしているところでございます。
#48
○一井淳治君 ただいま御説明もあったわけでございますが、交錯輸送の排除という、これ自体は非常にいいことでございますけれども、このために不当な競争の制限とかあるいは弱者を排除するということが起こらないことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#49
○刈田貞子君 肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案について審議をさせていただきます。大臣、一番最後に質問させていただきますので、先ほどからお座りいただいていて恐縮なんでございますが、済みません。
 私も、ただいま一井委員の質問の冒頭でお話がございましたように、この価格安定臨時措置法、こういうものがこれまで果たしてきた役割というようなものについてお伺いしたいわけでございますが、先ほど来局長からのお答えもございましたので、私は逆に功罪――功罪というかデメリットというふうなことについて伺ってみたいと思うんです。
 その一つは農水省の方に、さっき言われたいささかやはり高値安定を続けさせた功罪があったのではないかということでございますが、それに対する答弁は先ほどありましたので、価格の問題は後にいたします。
 そこで、通産省の方にお伺いするわけですが、この果たしてきた役割という功罪の分ですね。独禁法の適用除外として、価格カルテルというものによってそれが一つの保護政策という形で業界をフォローしていたとするならば、いろんな形での設備の更新とかあるいはまた技術開発というようなものにおくれを来したのではないかというような、こういう果たしてきた役割というのがとかく論評されますが、そういうものが考えられるでしょうか、られないでしょうか、こういう形でお伺いしてみたいと思います。
#50
○政府委員(畠山襄君) 一般的に、政府が経済活動に介入いたします場合に、この肥料も一例でございますし、あるいは石油でございますとか石油化学でございますとか、そういう場合に常に言われますことは、冷たい風にその産業が当たらないものだから、今御指摘のようにかえって合理化がおくれるのじゃないかというようなことでございます。
 それで、これは非常に難しゅうございまして、私ども必ずしも政府がかかわり合います場合に、その産業を保護するためにかかわり合っているというふうには思っておりませんで、例えばこの場合でも、農産物価格の長期的な安定を目的としたということではございますが、御指摘のように、反射的に何となくぬるま湯につかるような部面が出てこないとは限らないわけでございます。
 そういうときに、そういうような措置が必要なような状況だからなかなか合理化もできない、だからしたがって、ほっておいても合理化もできないような厳しい状況にあるときに介入しているという部面が多いわけでございまして、この場合も農産物価格の長期的な安定、そのために肥料の価格を長期的に安定させるという目的でやっているわけでございますけれども、そのときに反射的な効果として、少し価格が安定するがゆえに合理化努力を怠ったことがないかということで言いますと、そういう企業が全くなかったということでもないのだろうと思います。
 ただ前回、それから前々回の延長来、刈田委員もお詳しいようにあわせて構造改善を実施してきているということでございまして、先ほど来御説明申し上げたような実績がだんだん上がってきているわけでございますから、この制度の陰で合理化努力が非常におくれたというようなことにはなっていないのじゃないかというふうに考えております。
#51
○刈田貞子君 合理化あるいは再編成の問題等については、後ほど時間があればまた伺わなければならないところでございますが、農水省の方にお伺いいたします。
 先ほどの価格が高値安定したのではないかというテーマですけれども、先ほどの局長の答弁では値上がり幅を抑制しつつやってきた、こういうことですね。それが一点確かに効果としてあったであろうというふうに思いますが、あわせて変動時に価格をならしてきたということを言われた。これは、確かに交渉に当たって全国の統一価格というものが採用されていた関係上価格がならされてきていたということは認めます。
 そこで、そういたしますと、今度この法律を廃止することによって逆に価格の地域間格差というのでしょうか、そうしたものが逆に出てきやしませんか。力関係ないしは競争力が働くことによって逆に地域間格差が激しくなりやしませんかという疑問がございますが、これはいかがでしょうか。
#52
○政府委員(吉國隆君) 原理的には、先生おっしゃいますように、この法律廃止後個々の販売業者、個々のメーカーの間での価格交渉ということになってまいりますので、いろいろな当事者間での契約が起こり得るわけでございまして、その間の価格がそろうという保証はないわけでございます。また、そういうことから地域間の格差が出るということも起こり得ない話ではないというふうに私ども考えております。
 ただ、農協系統の場合には、私どもの承知している限りでは、そういった地域による価格差が生じないような、各メーカーとの間で、全国どこの地域でも着地オンレールで共通の価格になるような価格交渉をやっていくという方針をとっているというふうに聞いているわけでございます。将来における流通コストの低減というようなこととの関係で、先ほどもいろいろ新しい流通形態が生まれてくるのではないかということも申し上げたわけでございますが、一概に価格差が出てくるということを統制しようとしますと、そういう合理化の方途がふさがれるという関係もあろうかと思いますので、一概に私どもそろえるべきだというふうに考えることもできないなというふうに思っております。
 同じ農産物の生産でそういった余り大きな格差が出るということは好ましくない面も確かにあると思いますので、今後の流通の指導なりにつきましても、そういった両方の視点を頭に置いて必要な指導等には努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#53
○刈田貞子君 今回のこの法律廃止に当たっては、現場の農業者からの廃止論がかなり強かったやに聞いておりますけれども、その意識の中には、生産者のコスト意識というものが非常に根づいてきたということに連動するものだろうというふうに思うんです。そういたしますと、やはりこの法律を廃止する暁には、肥料価格というものが生産現場にやっぱり安く提供されていく、そういう現象が起きてこなければ意味はないわけです。
 そこで、いろいろ価格の問題が気になります。通産省にお伺いするんですが、私、時間たくさん持っていないものですから大変飛び飛びで恐縮ですが、価格の問題でいわゆる肥料原料価格が、今度大変にいろいろな形でストレートに肥料そのものにかぶるのではないかという思いがあります。特に、肥料原料等は原油価格そのものの価格とか、それから今動いている為替相場の動き、こういうものをもろに受ける場面だろうというふうに思うんです。
 そこで、先ほどもお話が出ておりましたけれども、この現行法がもしなくなった後に肥料価格が高騰しなければならないような、そういう何というんでしょうか、場面になったとき、通産省としては業界をどのように御指導なさるおつもりでしょうか。これは考えられ得る要件じゃなかろうかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
#54
○政府委員(畠山襄君) 御指摘のように、今後は法律がなくなりまして、これまでの法律が期待をいたしておりました長期的な肥料価格の安定という法的な枠組みはなくなるわけでございますから、今後の価格形成は、御指摘のようにプライスメカニズムを基本として行われざるを得ない、また行われた方がいいという両方の側面があるわけでございます。それで御指摘のようなケース、つまり価格が暴騰したようなケースというようなときは、一般的な物価上昇も起こるわけでございましょうから、先ほど農林水産省の方からもお答えがございましたような、国民生活安定緊急措置法の発動も検討する。要件に該当するかどうかというときは、そのことはその場になって判断してみないといけないと思いますけれども、そういうことも検討するということであろうと思います。
 ただ、そういう状況になる前の、その要件に該当するような前の状況といいますのは、やはり今回こういう選択をするわけでございますので、この選択を今回こういうプライスメカニズムに任せようという選択をする際の、まあユーザー側の御認識と、少なくともユーザー側の御認識としては昨今の肥料の需給、なかんずく輸入を含めたような肥料の需給状況、それから基本的な肥料の原材料の価格の動向、それの需給状況、そういったものから考えると、恐らくこの法律を廃止してもある程度の価格の安定といいますか、むしろ低下が期待できる、そういう判断のもとにこういうプライスメカニズムの方に依存していこうという、そういう選択をなすったわけでございましょうから。
 だけれども、法律の存在するときのような、いわば法律が存在するときのような価格安定を期待したいという、その両方をとるというのはちょっとなかなか難しいのじゃないかというふうに思う次第でございます。
 ただ、冒頭に申し上げましたように、高騰時につきましては、政府としてきちっとした対策を講じることを検討しなくちゃいかぬと、そういう立場でございます。
#55
○刈田貞子君 私がつらつら勉強するに、そこのところが今回は一番心配な部分だというふうに思うんです。でなければこの法律を廃止することの意味もなくなってきてしまうわけでございまして、これが一番私は気になる部分でございます。大変に国際経済の中で依存していく部分というのが大きくなっている我が国の立場に立てば、ここのところは、やはり通産省としてもかなり神経を使っていただかなければならない問題であろうというふうに思います。
 そこで、これは農水省の方にお伺いするわけですが、肥料対策協議会の報告等を見ますと、法を廃止するに当たって無用な混乱等を未然に防止するためにと、こういうことで過渡的な経過措置をいろいろ講ずるべきではないかというふうなことが報告書にも出ておりますね。例えば、農水省では今の価格高騰等に備えたり、あるいは新しい流通体制等ができ上がるまで等の問題なども含めまして、その経過措置のようなものについてはどんなふうに考えておられますか。
#56
○政府委員(吉國隆君) 御指摘のように、この法律の廃止に伴いまして、過渡的な混乱が生じないようにすることが大切であるというふうに思っているわけでございます。そういう意味で私ども一つは従来、価格交渉の中で、いろいろ両当事者の交渉の参考となるデータを集めてこれを資料交付して、それを参考にしながら両当事者が交渉する、こういうような関係になっていたわけでございますので、そういった政府の機能というものを果たしていくという意味におきまして、今後とも国際需給なりあるいは原材料価格の動き等についての、あるいは運賃等もあろうと思いますが、そういう面での情報の収集、提供、それから需給見通しの作成、こういった形での協力をしていくということが一つの分野であろうというふうに思っております。
 また、先ほどもお尋ねがございましたが、肥料業界それから流通業界、実需者、そういった各方面の関係者で突っ込んだ意見交換をしていただく場というようなものも設置いたしまして、連携を密にしていくということをやっていく必要もあろうというふうに思っております。
 一つだけ、先ほど通産省の方から御答弁がございましたが、申し上げさしていただきたいのは、現行法のもとでも基本的にはコスト関係が上がっていくという場合には、取り決め価格が上がることを防止することは、従来の法律でもできなかったわけでございまして、刈田先生お触れにもなりましたように、現行のもとでそういう変動はある程度ならしていく。余り国際価格が急激に変わっても、それの変動幅をならしながら取り決め価格を決めてくるというような経過をたどっているわけでございます。
 そういう意味で、私どもなるべく急激な価格変動が起きないように、先ほどのような情報提供機能なり、あるいは相談の場というようなものを活用しながらやっていきたいというふうに思っておりますが、基本的には国際需給の長期的な趨勢からいたしますと、ときどきの為替とか原料鉱石の価格変動とかというものはある程度は避けられませんけれども、基本的な水準として大幅な上昇があるというようなことは、一応予測しないでいい時代になっているのではないかというふうに思っているわけでございまして、特に異常な変動がありました場合には、先ほど来御論議がありましたような生活二法というようなことも、極端なケースでは検討課題になってくる場合もあろうかというふうに思いますけれども、こういった新しい秩序のもとで、基本的には競争関係のもとで適正な価格が形成されていくということを期待し、またそういう考え方に立って必要な指導等を行ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#57
○刈田貞子君 時間がないので大変残念なんですけれども、もうちょっとお伺いしたいことがあるんですが、価格の問題もさることながら、国際需給関係もこれまたもろにかぶってくるわけですね。したがいまして、そういうことを考えますと、今局長の方からは情報の収集ということを強調されましたけれども、これは非常に大切なことになるであろうというふうに私思いますものですから、つけ加えさしておいていただきます。
 もう一つ、これも通産省の方に簡単にお答えいただきたいのですが、先ほど、業界に与える影響も今後大きくなっていくわけです。私は、この産業構造転換円滑化臨時措置法ですか、これを使って昨年九月適用の三社についての御説明をさっき伺ったわけですが、そういう問題とは別に業界全体のもっと大きなスケールでの、いわゆるこの化学肥料の業界がもっとスケールの大きい、何というのかな、この円滑化法を最大限に利用して、例えば共同販売会社をつくるとかあるいは共同で何かやっていくというような、業界全体の再編というような事柄が動いているのかどうなのかお伺いをいたします。
 最後に、私時間がございませんので、大臣にあわせてお伺いします。大変恐縮でございますが。
 今化学肥料の話をみんなでいたしております。けれども、我が国の農業にこの化学肥料が果たしてきた役割というのが非常に大きな意味を持っておることは、私もよく存じておりますが、あわせて今日、農業の一つの付加価値として有機農業のようなもので象徴されるような農法に対する一つの動きというものもあるようでございます。
 そこで、その有機農法というような問題を含めて、大臣に、我が国の農業における健康な土づくりというのは一体どうあるべきなんだろうかということをお伺いしてみたいと思いますので、御答弁よろしくお願いいたします。
#58
○政府委員(畠山襄君) 化学肥料工業全体として構造改善といいますか、個別の事業、設備処理というようなことじゃなくて、全体として構造改善を講ずる計画があるのかどうかということでございますが、現在一部の肥料につきまして、業界全体といえますのかどうかあれですが、かなりの企業がそれぞれで合理化計画をつくっておられる、つくりつつあられるという意味におきましては、その一部の肥料につきましては御指摘のような動きが出ております。ただ、高度化成ですとかそういうところではまだそういう動きは出ておりません。
 それで、この法律が今度円滑化法に変わりまして、この法律の精神が個々の企業がいろいろやってください、ほかの企業と提携するにしても業界ぐるみでやるというよりは個々の企業でやってくださいということでございますので、業界全体のビジョンを描くというような体制には法的になってはおらない点を付言させていただきます。
#59
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま刈田委員から御指摘ありました有機農業と健康な土づくりについてのお尋ねでありますが、いわゆる有機農業については多様化する消費者ニーズへの対応、あるいは手づくりで高品質な農産物の生産による地域農業の振興等の観点から、我々も非常に注目いたしているところであります。このため農林水産省におきましては、本年度より有機農業の担当部署を設けることといたしておりまして、いえば対策室というぐらいの部屋になるわけでありますが、現在この部署におきまして実態の調査や、そして技術の実証、調査等に取り組んでいる段階であります。
 他方、化学肥料は肥料供給の大半を占めておりまして、収量の確保や労働時間の節減等の面で農業経営の安定に重要な役割を果たしております。しかしながら、化学肥料への過度の依存は地方の保全、あるいは肥料費の節減等の面から問題を生じかねない側面もありますので、地力増進法に基づきまして土壌の改善目標等を定めますとともに、有機質の増設のための堆厩肥製造施設や地方診断のための土壌分析機器の整備等に対する助成を行っておるほか、新しい有機質肥料等の開発等に努めているところであります。
#60
○下田京子君 まず、大臣所信に対する質問なしで法案に入るということが大変異例で、残念なことでありますということを申し上げまして、以下、肥料価格安定臨時措置法に基づき質問を行います。
 日本共産党は、この法案に対して大変問題多いだけに今まで反対してまいりました。今回は、私どものかねての希望等もあってかこれが廃止になるという点で、多々問題はあるにしても評価を申し上げたいと思います。
 私はちょうど五年前に、この法案の第四次延長の際に反対した理由で三つの問題を指摘いたしました。
 その一つが、この法律は大手化学肥料メーカーの価格カルテルを認めて、それらの利益を保証するものである。二つ目には、この法律は、農民が相対的に割高な肥料を押しつけられている。そして三つ目には、大手肥料メーカーが利潤追求第一主義の中で大型化していく。そして、安い賃金と労働力を求めて国内から撤退し海外に、そういう中で化学肥料工場の過剰設備投資を処理していった。ですから、その裏には農民や労働者の多くの犠牲と負担が伴うものである。こう申し上げました。
 以下、この指摘がどうだったのかという点で御質問申し上げますけれども、まず、硫安、尿素、高度化成の三肥料の価格について、一九七〇年から一九八七年の十七年間にどういう価格で推移されたか、時間がないから私が申し上げますから御確認ください。
 硫安は、二十キログラム七〇年七百七十二円、八七年で二十キログラムが六百四十一円、一七%ダウンしております。ところが一方、尿素は二十キログラム七百二十六円、それが千百十四円で一・五三倍になっております。また、高度化成が二十キログラム七百十一円が千八百四十一円と実に二・五九倍になっております。間違いありませんね。
#61
○政府委員(吉國隆君) おおよその流れはそういうことでございます。若干高度化成につきましては、物賃統計の数字を先生今お述べになったと思いますが、規格の変更等がありますので、直の比較という面では若干精度を欠く面がございますが、おおよその価格の流れとしては先生おっしゃいましたようなことでございます。
#62
○下田京子君 全部経過は毎年の資料を農水省からいただいてお示しした資料ですから、大方間違いないなどと言わないで、このとおりなんだとおっしゃっていただいても差し支えないことでございます。いずれもお認めになりました。
 次に、大手肥料メーカーといいますといろいろございますけれども、特に一部、二部上場の大手といいますとおおむね九社になります。この九社の状況、特につかんでおられますか。つまり、九社の中で従業員等がこの十七年間にどのぐらい合理化されたのか、合理化つまり首切りされたのか、調べておりますか。
#63
○政府委員(畠山襄君) 突然のお尋ねでございますので、その九社で合計何人というような数字はただいま手元にすぐは出てまいりません。
#64
○下田京子君 きのうは通告もしておきました。肥料大手九メーカーの概要についてお調べなさいと。当然、これが廃止をするというわけですから、皆さん合理化を進めてきたんですからそうした資料は手持ちにあってしかるべきだと思いますが、私の方で申し上げますと、九社合計の中で実に七万三千七百三十九人おられた従業員が、一九八八年では五万三千三百五十七人で実に二八%減、二万三百八十二人合理化、首切りされております。
 次に聞きますが、この肥料メーカー九社の中で経常利益――大臣、資料お届きになったらちょっとごらんになってください。一枚目のやつです。「肥料メーカー九社の概要」というやつです。これは調べておくようにきのう言っておいたんです。恐らく出さないだろうから、有価証券報告等から苦労しながらまとめたものです。大臣ごらんください。
 今私が述べているのは一番下の列です。経常利益が実に四百十二億二千二百万円から一千七百六十六億七千百万円と、何と四・二九倍にも伸びております。つまり、この肥料によって労働者が合理化され、そして農民には高い肥料を、そして会社は大変な利益を上げているということがいみじくも示されたと思いますが、いかがでしょうか。
#65
○政府委員(畠山襄君) きのう調べておくようにという御要請があったのは、途中の連絡ミスかもしれませんが、三井東圧と宇部興産についてどうであるかというふうに伺いましたもので失礼をいたしました。
 ただ、今の御質問にお答えを申し上げますと、この数字はしたがいまして、九社合計でチェックをいたしておりませんが、仮にこのとおりだといたしましても、肥料の問題でこういうことになっているとはにわかには言えないのではないかというふうに思うわけでございます。
 例えばこの三井東圧、この肥料のシェアは三・六%でございます。それから日産化学は一一・七%、三菱瓦斯化学が三・四%等々。コープケミカルを除きましては肥料のシェアはいずれも数%台あるいは一〇%台のがもう一社ぐらいあると思いますが、そんなことでございまして、ですからこの数%台の肥料のおかげで、この経常利益が今御指摘のようなふうな倍率になっていったということではないということでございます。
#66
○下田京子君 三井東圧と宇部興産をお調べになったというから、さあそれじゃその数字見てくださいませ。従業員が五〇%減でしょう。そしてもって、経常利益は六・五二倍になっています。そうですね。この三井東圧化学というのは尿素のシェアで言うと四一%持っているんですよ。一番持っているところです。ですから肥料について、会社全体の肥料取扱部門がわずかだから、そのことによって経常利益が上がっているのでないという話でしたが、少なくともこれだげの経常利益を上げているのだったらもっと肥料価格は下げられてしかるべきではないか、私どもはかねてそう言っていたんです。また、尿素とか硫安等にすれば原価があってないような副産物でもあるわけです。ずっとそのことを指摘してきたんです。ですから、これは弁解をする余地はありませんよ。
 しかも、私がここで申し上げたいのは、大臣、いずれにしましてもこうした肥料メーカー九社の概要を見ていただけば、宇部興産の話もあったからついでに申し上げますけれども、合理化とは何か、やっぱり労働者が宇部興産の場合には四〇%も合理化されているんです。首切りされているんです。そして、経常利益はと言えば三・七四倍にもふえているんです。しかも、この宇部興産は硫安のシェア二五%持っているわけです。こういう状況の中でカルテルを結びながら、首切りをしながら、利益を上げながら農家への肥料価格は下がるどころかむしろ上げられてきたというのが実態である、これ否定できないと思うんです。
 私、大臣にここで聞きたいのは、こういう合理化とは何か、こういう労働者等々の合理化、首切り、それを進めていくことであっていいんだろうかという問題なんです。いかがでしょうか。
#67
○政府委員(畠山襄君) 先ほど申し上げましたように、三井東圧の肥料のウエートについては、その全売り上げに占めます肥料のウエートというのは三・六%でございます。したがいまして、この経常利益の、仮に同じ比率で出ているとしましても九六・四%というものはほかの部門から出てきているわけでございます。それから、宇部興産でございますが、肥料のシェアは二・七%でございます。ですから、九七・三%というのはほかの部門から出ているわけでございます。
 それで、今御指摘のその合理化等々ございますが、確かに。これも肥料の合理化ということもどざいましょう。ございましょうが、それ以外にこの企業、例えば石油化学でございますとか、ほかの兼業部門の合理化というものもございましてそういうことになっているわけでございまして、ちょっと恐縮でございますけれども、その三%とか二%台の肥料のシェアであるこれらの企業の利益が、こういうふうになっているから肥料価格が高くなっておるというふうに御推論いただくのでなくて、肥料価格はやっぱり肥料価格としてごらんいただきたいと思うわけでございます。
 それで、前回延長をお認めいただきまして、この五年間に肥料価格は硫安で二五%ぐらい、それから尿素で四割弱、それから高度化成肥料で二割弱それぞれ下がっておりまして、いずれも卸売物価指数の一五%弱のダウンよりは大きな下がりになっているわけでございまして、そういった点も御評価いただくとありがたいと思う次第でございます。
#68
○下田京子君 肥料のシェアがわずかだったら、逆に言ったら原価があってないようなものは、三肥料はもっと下げられるんです。それをずっとうちは指摘してきた。全体としては、あなた直近時だけのことを言いまして、いや下がった下がったと言っているけれども、この法律全体から見て、さっき申し上げたように上がっているじゃないですか。
 じゃ、重ねて聞きますけれども、海外進出はどうなっていますか。
#69
○政府委員(畠山襄君) 肥料関係の海外進出でございますが、私どもの調査でございますと四件の進出事例がございまして、セントラル硝子がタイで行っております化成肥料の事業、それから日東肥料化学工業が韓国で行っております化成肥料、溶燐等の事業、それから三菱瓦斯化学がアメリカで行っております尿素事業、三菱化成がやはりアメリカで行っておりますIBDUの事業、この四件が出ております。
#70
○下田京子君 大臣、今お配りした二枚目の資料ごらんになってみてください。通産省からは海外進出の肥料メーカーが四件だとおっしゃる。私どもの方では東洋経済、あるいは各社の有価証券報告などから作成しました。
 私ここで指摘したいんです。今話が出た三井東圧化学の場合です。三井東圧化学は海外に三社持っていますが、そのうちの肥料を中心にしている三井肥料、ブラジルにあります。そして、この従業員が八百三十二人おります。さらにセントラル硝子、これを見てください。これはタイにあります。これも化学肥料をほとんど中心的に生産しているところであります。このセントラル硝子は現地で約四百名雇用されております。特にセントラル硝子の場合はタイ工場に四百人おりまして、全部が肥料部門でやられているという有価証券報告になっております。
 それから、三井東圧の場合も国内で肥料をつくっているのは北海道工場と千葉工場、それに大阪工場などもございますけれども、特に肥料部門だけということになりますと大阪工場の場合には約百人なんですね。三井東圧関係で、国内で肥料部門とその他も含めてざっと七百人いるんですけれども、これらの人たちを大きく上回るのがブラジル工場で使われている八百三十二人です。だからトータルでいきますと、このほかにもまたあるかもしれませんが、肥料関係メーカーが八社、そして十三件海外進出し、それで使用されている労働者は実に七千九十三人、こういうことになります。つまり国内労働者の六分の一に相当するんですね。だから、改めてまた言葉をかえて言えば、国内で肥料企業は、統合、合理化、首切りをやってそして海外に進出している、こういう実態もまたここで明らかになると思うんです。
 大臣、これはお答えいただきたいんです。肥料工業といいますと農業関連の産業です。今農村地帯にあっては非常に雇用の場がありません。しかも経費の節減というか、それこそコスト軽減という流通経費等も含めて考えたら、これはもう農村雇用拡大とも相まって国内でこういうことを合理化するんじゃなくて、むしろ農業関連企業として育成すべきじゃないかとも思うんですけれども、いかがですか。
#71
○国務大臣(堀之内久男君) これはいろんな工業の健全な育成という立場から申しますと、今下田委員のおっしゃるような、農村に工業を導入して雇用の場を確保しろという御指摘でございますが、私は全体的なコストダウンを図り、そしてまた経営の健全化を図っていくという立場から考えますと、やはり肥料工業という特殊な工場であります。特に原材料等から申しましても、農村にこういう工場が設置されて果たして経営上成り立つかということになりますと、疑問が多いと私は考えております。
#72
○下田京子君 非常に残念ですね。大臣のおひざ元宮崎県には全く肥料工場ございませんか。いいか悪いかは別にしても、公害等々の関係をきちんとすれば、農村であります我が福島県にはたばこ関係の片倉チッカリンという肥料メーカーもちゃんとありますよ。ですから、工業の健全な育成といいますけれども、工業栄えて農村滅び、労働者を路頭に迷わせていいのかという問題にもなるのじゃないかと私は指摘しておきたいんです。
 ただ、そこで終わらないで、今後やはり農村工業導入促進法なるものなども政府は必死になってつくっていたわけです。本当に、そうした健全な工業の育成を農村地帯にもという点は本気になって考えなかったら、これはまさに肥料部門の空洞化でしょう。どんどん海外に進出していって逆輸入です。大変問題だということは申し上げておきます。
 さらに、私驚きましたのは、決して大手企業をつぶせなんていうことを言っているのじゃないんです。大手企業の社会的責任を今果たすべき時期ではないか、そういう点で行政もしっかりすべきじゃないか、こう言いたいんですよね。申し上げたいのは、肥料メーカーと農林中金の出資と融資の問題なんです。御報告いだだけますか。
#73
○政府委員(塩飽二郎君) 農林中金から肥料メーカーへ資金の貸し付けを関連産業貸し出しの一環としてやっているわけでございます。一部、二部上場企業ございますが、そのうち農林中金が肥料メーカーとして貸し付けを行っているメーカーは十四社ございます。この十四社の中には肥料のウエートの非常に高いもの、いわゆる産業分類で肥料メーカーとして分類されているものと、肥料はその一部門であるということで総合的な化学メーカーという分類をされておる企業と二通りございます。合わせて十四社ございますが、ことしの三月末現在で融資の残高でとらえますと、約千九百億円の融資が中金から行われているわけでございます。
#74
○下田京子君 若干、今私の方の資料と違いますけれども、一千九百億円の融資、うち短期借り入れ、この短期借り入れに当たっては担保物件ありますか、ないですか。
#75
○政府委員(塩飽二郎君) 通常、中金からの企業に対する融資に当たりましては、工場財団等、担保を見合いに貸し付けを行うというケースが多いわけでございますが、必ずしもそうでない場合もあるようでございます。
#76
○下田京子君 今言われた答弁は逆立ち、大体が担保物件なし、必ずしもそうでないケースがレアケースとして一、二ある、それが三枚目の資料です。ごらんください。以前にも商社への貸し付けのことでいろいろ議論しました。これは農民の資金です。それで近代化資金等を農民が借りようと思っても物すごい条件が厳しい。そして借り受けが現実にはできない、あるいは厳しい中には過大な設備投資をも強要しているという側面もある。自主的な農業経営に役立つような近代化資金等の借り入れにはオーケーが出ない。無条件でこれだけ貸して、しかも担保なしです。
 利子は幾らですか。
#77
○政府委員(塩飽二郎君) 貸し付けの具体的な利率について手元に数字を持ち合わせていないわけでございますが、中金の関連産業貸し出しの一つとしての資金の貸し付けの位置づけにつきまして、ただいま先生の方からお話がございましたけれども、私どもは、系統金融機関のいわば頂点としての中金の本来の使命というものは中金法にも定められているわけでございまして、十分そういった農業への資金の還元の役割を系統機関の一つとして果たしているわけでございますけれども、御案内のように、資金の余裕の範囲内におきまして、農業生産性の向上のためにも必要な関連産業への貸し出しということが重要な資金の使途として位置づけられているわけでございまして、具体的な貸し付けに当たりましては、それぞれの企業の企業能力等を判断した上で貸し付けを行っているわけでございますが、資金そのものの性格は、今申し上げたようなものであるということで御理解を賜りたいと思うわけでございます。
#78
○下田京子君 金利は、今持ち合わせてないということですから後で御報告くださいませね。これは非常に低利です。
 有効に云々とおっしゃっていますけれども、長期借り入れのところの資料をごらんになってください。三井東圧だけとってみましても、農林中金、農協系統資金、政府系統資金とを合わせますと、全体の比率は一五%ですけれども、ところによっては大変高いところもあるわけですね。呉羽化学とかいろいろありますけれども、四割とか七割とかというようなところで専ら政府におんぶですよ。そういう一方で、労働者を首切りし、その分を今度は海外に進出し、国内の肥料価格は副産物であるような硫安なんかを含めても下げるどころかむしろ引き上げてきたという実態。ですから、この法律が廃止になるというのはこれは当然でありますけれども、逆に言うとお役目完了。
 新たな自由競争の中で次に心配したいのは、これでもって、さらに円高等を利用しながら日本に高い肥料の押しつけがなされるのではないかということなんです。最近の新聞見ましても、燐鉱石なんかのかなりの価格引き上げが懸念されております。早速にきのうの農業新聞等にも出ておりましたが、三肥料についてはむしろ〇・五%引き下げというようなのが出ておりました。引き下げといいますけれども、肥料年度で引き下げても、肥料年度の水準というのは消費税抜きの裸の価格で比較して〇・五%引き下げです。消費税を入れた場合には逆にこれは引き上げになる。そういうことですね。
#79
○政府委員(吉國隆君) 平成元肥料年度、ことしの七月からの価格についての交渉が最近時点まで行われておりまして、ただいま先生お話のように法定の三肥料、尿素、硫安、高度化成でございますが、これの合計では対前年比、前肥料年度、つまり昨年の七月からことしの六月まで適用されました価格に比べまして〇・五%の引き下げということで、交渉が決着をしたように私どもも承知いたしております。
 この〇・五%は昨年の価格に比べてこれだけ下がるということでございまして、その間に御指摘のように、ことしの四月から消費税が上乗せになっておりますので、そういう消費税を織り込んで考えれば、昨年の肥料年度の価格に対しては上がっているということになっておりますが、これは消費税の関係でまさにそうなっているわけでございまして、ことしの七月から、つまり新年度に入りますと、この六月の価格に比べてこれだけ〇・五%下がるという関係においては変わりがないわけでございます。
#80
○下田京子君 ですから、引き下げじゃないんです、引き上げなんです。私が言いたいのは引き下げるべきだ、下げられますということです。農水省からもらった資料です。日米の肥料価格を比較してみてください。硫安で日本はアメリカの九%から四〇%高くなっております。資料お持ちかどうか、尿素で五〇から八四%も高くなっております。これは一体何ゆえなのか、今までも説明で聞いておりますと、為替レートに変動があるとか、流通形態が違うとか、品質が違うだとかといってきました。ところが、現実には品質はそう変わっていません。流通形態は確かに違います。
 私はつまり言いたいのは、流通経費の中で問題なのは包装費と運賃なんです。この包装費と運賃、例えば東京から郡山まで見ますと、ざっと計算しても肥料の産直運動をやっている皆さん方のあれから見て三千円から四千円なんです、トン当たり。運賃だけでも一万円だと言われていますが、それはもう半分減らされるのです。そういう点で流通コストの軽減だとかしますと、それから今、今度は円安傾向になってきておりましてもっと引き下げられる、そういう指導をして監視すべきだ。コスト軽減というならばまさに農産物生産にとって欠かすことのできないこの肥料、この価格引き下げのために大臣も決意を新たに取り組んでいただけるよう答弁を求めて質問を終わります。
#81
○政府委員(吉國隆君) 日米の価格比較の点でございますが、アメリカの場合には、これは窒素肥料が御承知のように中心でございまして液肥が多い、またばら流通というような状況でございますので、日本と直に比較するということは困難であるというふうに考えております。私ども輸入品の活用ということも価格関係によっては考えながら、なるたけ低廉な肥料の供給ということを考えていく必要があると思いますし、新しい法律廃止後の競争条件のもとで、生産、流通各段階においての合理化がさらに進むように努力をし、また期待もしていきたいというふうに思っている次第でございます。
#82
○下田京子君 大臣の言葉をいただいて……。
#83
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま吉國局長が御答弁申し上げたとおりでございまして、これからの需要供給のバランスは十分我々も監視をしながら指導してまいりたいと思っております。
#84
○三治重信君 民社党としては、肥料価格安定臨時措置法について、廃止は賛成でございます。こういうふうな統制が続くのは、外国産のやつが非常に日本の国内産よりかより速いテンポで安くなっている状況から見ると、やはり生産等についてどうも農家を、何といいますか、保護するよりか肥料工場をむしろ保護してきたのが、肥料の安定法に逆になってしまったと思うのであります。
 僕は、戦前はどうも通産省と農林省だと農林省の方が強くて、むしろ非常に値段なんかも厳しくやったのが、今度は、戦後は非常に肥料の価格は外国産と比べて高くなってきてしまったと。その理由は、恐らく化学肥料の国内の石油製品の原料高ということに原因があるのではないかと思うわけですが、いろいろそういう原因の議論はやめて、とにかく、ほとんど完全自給していた肥料のやつが、最近非常に輸入がふえてきた、こういうことです。硫安、尿素なんかも、尿素なんというのは戦後日本が開発して世界に窒素肥料として安く供給していたやつなんですが、最近化成肥料ということを、僕はよくわからないが、化成肥料はどういうふうな、何というんですか肥料の組成を持ってまたいつごろから使われて、これがどういう効果を尿素、硫安に対して、化成肥料というのは非常にふえているようなんだけれども、外国でもそういうことが、非常に化成肥料が増加になった大きな原因と、それから最近の硫安、尿素、化成肥料の輸入の割合とその国内の消費ですね。消費の国内産と輸入の割合、それをちょっと御説明ください。
#85
○政府委員(吉國隆君) ただいま先生お話しのような肥料の変遷があるわけでございます。この高度化成肥料がかなり伸びてまいったわけでございまして、現在肥料の半分強が化成肥料によって占められているという状況になっているわけでございます。
#86
○三治重信君 窒素肥料全部の半分ですか。
#87
○政府委員(吉國隆君) いや、全体の肥料の場合です。
 化成肥料は国内で使われておりますものは粒剤がほとんどでございますけれども、各粒の中に窒素、燐酸、カリをそれぞれ一定の割合で含んでいるというものでございまして、公定規格上は三つが必ずそろっていなきゃいかぬということにはなっておりませんで、二つ以上がそろっているということになっておりますが、流通しているものの大半はこの三成分を含んだものというふうに理解しているところでございます。
 この化成肥料のウエートが非常に高いという点は、ある意味では日本の特徴でございまして、諸外国では燐酸、カリ分が土壌中にかなり含まれているということから、必ずしも日本のように一粒の中に三成分が含まれているというようなものに対する依存をしないで、むしろ窒素肥料を中心に単肥で施肥をする、あるいはいろいろな配合でそれぞれの窒素、燐酸、カリ、別々の粒子を農家が自分で配合して施肥をする、こういったような形態がむしろどちらかといえば多いというような違いがあるというふうに承知をいたしております。
#88
○政府委員(畠山襄君) 各肥料の輸入の割合でございますけれども、硫安はほとんどございません。それから、尿素は三七%ぐらいが輸入でございます。それから今、高度化成でございますが、これは六%ぐらいが輸入ということでございまして、全体としまして、私ども成分比で三〇%ぐらいが輸入になっておるというふうに考えております。
#89
○三治重信君 そういうことで肥料の流通、生産それから輸出入が非常に変わってきたわけなんですが、そういう中で、今後肥料の流通状況は農協と商社の割合の変動といいますか、どうなっていくか。それから、現在がどうなっているか。
#90
○政府委員(吉國隆君) 肥料の流通におきます農協系と商系の取扱割合でございますが、現状におきましては、六十二肥料年度の数字でございますが、おおむね農協糸が七、商系が三という割合になっております。これは元請段階、メーカーから出荷をされる段階での比率でございまして、農家段階におきましては、農協系の割合が九、商系がというような状況になっております。
 今後、これがどういうふうに推移をするかという点につきまして、私ども必ずしも的確な見通しを立てることは難しいわけでございます。自由な価格形成という中で、若干の変動が出てくる可能性が全くないとも言えませんけれども、一方におきまして農協系統におきましては、これは従来もそうでございますけれども、農薬共同購入運動というような形でなるべく営農に先立って計画的な肥料の買いつけをやる。また、それによって価格交渉力を強化していくというような戦略をとっているわけでございまして、農協サイドでのこういった努力は今後も続いていくというふうに思われるわけでございます。
 また肥料は、これからまたこれもどうなるかということはございますけれども、どちらかといえば差別化商品的な性格の少ないものでございますので、そういった意味からも、現在の農協の高いシェアということがあるのかなというふうにも分析をいたしているわけでございますが、こういう点をいろいろ考慮しますと、余り大きな変動はないようにも思われますけれども、今後のこういった競争条件下で、いろいろ流通の合理化も進めていかなきゃいかぬという環境の中で若干の変動が出てくることは、可能性としてはあり得るのではないかというふうに思っております。
#91
○三治重信君 それで価格の問題なんですが、ずっと資料を見ると、大体最近一貫して肥料価格は下がっていますね。これはやはり国内の生産事情よりか海外の輸入価格の低廉に国内価格がそれに沿わざるを得ないというように感ぜられるんですが、実際の価格の低下の圧力というものがどうなっているのか、今後さらに農業生産材としての肥料の値段は現状から、そう生産事情が変わらない限りやはり低廉化傾向を持つものかどうか、その点についてお伺いします。
#92
○政府委員(吉國隆君) 肥料の価格が、最近においてお話しのように下がっているわけでございますが、直接の要素としては、やはり肥料工業の構造改善による合理化も進んできたということがあると思いますし、また円高によりまして原材料価格が下がってきた状況を反映したということもあると思います。
 背景的に申し上げますと、先生お話しになりましたような輸入品との競合ということも背景としてはある程度作用したかなという感じもいたします。また一方で、農業情勢が厳しくなりまして、農家のコスト意識ということを先ほど別の先生がお触れになりましたけれども、そういった背景の中で、先ほど申し上げましたようないろいろな要素を反映して価格が下がってきたということではないかというふうに思っております。
 今後の見通しということになりますと、短期的な変動というものは、ごく最近は円安傾向が生まれておりますし、また鉱石の山元価格が引き上げれらているというような動きがございますので、そういったことの影響というものがあらわれてくるというような関係もございます。ただ、長期的に見ますと、開発途上国また社会主義国の肥料生産というものもかなりふえてまいっておりますし、国際的な需給展望といたしましては、長期的にはどちらかといえば緩和基調と見ていいのではないかというふうに思っておりますので、そういった傾向と、また国内におきます一層の肥料工業の合理化あるいは流通の合理化というようなことによりまして、なるべく低廉な肥料の供給ということに努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#93
○委員長(福田宏一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(福田宏一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 一井淳治君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。一井淳治君。
#97
○一井淳治君 私は、ただいま可決されました肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、最近の農業及び化学肥料工業をめぐる厳しい諸情勢にかんがみ、農業生産の基礎資材である肥料の供給及び流通における競争条件の一層の整備を促進するとともに、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努め、肥料対策に万全を期すべきである。
 一 今後における肥料の安定的需給の確保に資するため、農業、化学肥料工業等の動向を的確に把握して肥料の需給見通しを作成するとともに、これに基づく輸出貿易管理令の適切な運用等により、国内需要の優先確保を図ること。
 二 健全な国内の肥料生産基盤の確保に資するため、化学肥料工業の構造調整の一層の推進等を図るとともに、それらの成果が肥料価格に適正に反映されるよう指導すること。
 三 化学肥料工業の構造調整の推進に当たっては、雇用及び地域経済に及ぼす影響を十分考慮し、雇用の安定と労働条件の確保に遺憾なきを期すること。
 四 流通経費を削減するため、交錯輸送の排除、バラ輸送による大量輸送の推進等流通体系の簡素化、集約化等を積極的に指導すること。
 五 農業経営の安定を図る観点に立ち、肥料費節減のための施肥の合理化、多様な形態の農業の展開方向に対応した新肥料の開発等に関する施策を拡充強化すること。
 六 肥料価格安定制度の廃止に伴って生ずるおそれのある混乱を回避するため、関係者による情報交換の場を設けるとともに、肥料及びその原料の需給、価格、流通等の動向に関する内外の情報の収集、提供等に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#98
○委員長(福田宏一君) ただいまの一井淳治君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔質成者挙手〕
#99
○委員長(福田宏一君) 多数と認めます。よって、一井淳治君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、堀之内農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。堀之内農林水産大臣。
#100
○国務大臣(堀之内久男君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#101
○委員長(福田宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二分開会
#103
○委員長(福田宏一君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農林水産政策に関する調査のうち、平成元年度農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#104
○一井淳治君 農産物の輸入が毎年増加しておりまして、我が国の農産物の自給率が低下しているという現象が顕著になっております。ほかの文明国に比べまして例えばカロリーベースで四九%、穀物ベースで三〇%という非常に低い状態になっているということが広く皆様方から言われるようになっておりますけれども、自給率の低下が、同時に農家の農業所得減少の大きな原因になっているというふうに思うわけでございます。農産物の自給率の向上の努力を相当頑張ってやっていただく必要があるというふうに思いますけれども、そのあたりについてのお考えはいかがでございましょうか。
#105
○政府委員(浜口義曠君) ただいま一井先生から、我が国におきます農産物の自給率の低さについての御質問があったわけでございます。
 この自給率の見方でございますけれども、数字におきまして全体で金額ベースで表示する、あるいは物別に、重量的に表現するといったようなことから各種の数字があるわけでございます。ちなみに食用農産物総合自給率におきましては七〇%を超えておりますが、一方、主食用の穀物自給率、これは重量ベースでございますが、七〇%をわずかに切って六八%という数字がございます。
 ただいま先生御指摘のとおりカロリー的な表現といいますか、供給熱量の自給率は六十二年度におきまして五〇%を割りまして四九%になっておりますし、一方、飼料穀物を含めました穀物全体の重量ベースの自給率は三〇%という低い数字になっているわけでございます。特に三〇%の数字について見ますと、この場合におきまして米の消費量が減少傾向にある。一方、畜産物の消費量が、戦後の食生活の大きな変化、改善といったようなものに伴いまして、我が国におきます国土条件の狭隘さといったようなものの影響を受けまして、その生産に要する飼料作物の大部分を安価な輸入に仰ぐといったようなことからこんな数字になっているわけでございます。
 こういった状況を踏まえまして、輸入と多面的な国内生産とによって我が国におきます豊かな食生活を享受するべく、現在までの種々の施策がなされてきているところでございます。この場合においても、国民の主食であります米につきましては自給体制を確立しておりますが、野菜、魚介類等、我が国の伝統的な食生活の中心をなす食品についても高い自給率を維持しているところでございます。したがいまして、通常における豊かな食生活の保障という観点からは、国内生産と輸入の適切な組み合わせによる供給の確保ということが、現下の農政の一番の重要なものというふうに考えております。
 また、中長期的に見ました場合に人口の増加等、農産物の国際需給は極めていろいろな要因を抱えております。そういった点を念頭に置きますと、制約された国土条件のもとでも可能な限り、先生御指摘のとおり生産性の高い農業を展開するとともに、一たん緩急がある場合においても必要な熱量を国内で供給し得るよう、国内での基本的な食料供給力の確保を図ることが重要だというふうに考えておるところでございます。
 これに関連いたしまして、農政を挙げまして例えば水田農業確立対策の推進による稲作、転作を通ずる生産性の向上であるとか、あるいは食料供給力の中心をなす優良農地、水資源の確保であるとか、あるいは最も基礎的な農業生産基盤の計画的な整備である等々の施策を総合的に展開していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
#106
○一井淳治君 私が申し上げたいのは、決して自給率の数字の性質とか、あるいは外国から農産物が輸入されることに対する防御体制というのではなくて、足腰の強い農業を確立していただきまして国内の農産物をもっと増産してもらえる。外国の農産物の輸入に対しては、一つは輸出輸入という国境での問題があると思いますけれども、あわせて国内の農産物をどんどんつくれるような農村を振興するとか、あるいは現在高齢化している農業の担い手をもっと若い人たちが積極的にやるようにするとか、農業の再生のためにもつと積極的な御努力をお願いしたいということの要望かつ質問なわけでございますけれども、この点について大臣にもひとつ何といいますか、決意のほどというものをぜひともお聞かせいただきたいというように思います。
#107
○国務大臣(堀之内久男君) 先ほど官房長から全体的な問題については御答弁申し上げましたが、これからの農業の展望というか、長期ビジョンということについてのお尋ねでございます。
 我が国農業が内外とも厳しい情勢にあることは、もう十分承知いたしておるわけでありますが、一方で、バイオテクノロジー等の技術革新が急速に進んでおります。また、農地の賃貸借あるいは農作業の受委託により規模拡大を図っている地域や、あるいはまた地域によっては果実などの輸出を試みている地域もございます。こうした技術進歩や農業者の創意工夫によりまして、地域の特性を生かしながら農業を魅力ある産業とすることは十分可能であると考えております。
 このような状況を踏まえまして、先般の農政審報告でも明らかにされておりますように、より一層の生産性の向上を進め国内での基本的な食料供給力の確保を図りながら、農業経営の安定を確保するとともに、国民の理解し得る価格での食料の安定供給に努めることを基本といたしまして、諸般の施策を強力に展開してまいりたいと思っておるところであります。
 また、農業者が将来を見通す営農を展開することができますよう、現行の長期見通しにかえまして、平成十二年を目標年次とする新しい農産物の需要と生産の長期見通しを策定することといたしております。この計画は今年度じゆうに作成を終えたい、こういうように考えております。
#108
○一井淳治君 大臣の言葉にもあったわけでございますけれども、やはり私は農業というものは、これからは地域から振興していかなくちゃいけないというふうに思うのでございます。大臣の自給率向上のための一層の御努力を要望申し上げたいと思います。
 次に、お米の輸入自由化についてはどのような御所見でございましょうか。
#109
○国務大臣(堀之内久男君) 米の貿易問題についてのお尋ねでございますが、米の貿易問題についての我が国の立場は、現在進行中のウルグアイ・ラウンドの場で各国が抱えております困難な農業の問題及び諾制度、さらにこれに米国の抱えておりますウエーバー品目、これが約十四品目あるようでありますが、その他牛肉、砂糖類等、こういうものも一緒にひっくるめて議論する段階になれば、米の問題についてもあらゆる農業問題で討議することについて、我が国といたしましてもこれに参加することに変わりはありません。
 米は国民の主食でありますし、かつ我が国農業の基幹をなすものでございます。また、水田稲作は国土自然環境の保全や、そしてまた稲作農業というものが日本文化の源泉をなしておるということ。そのような事情を踏まえ、また地域経済上不可欠の役割を果たしておるのが稲作農業であります。このような米及び稲作の重要性にかんがみまして、さらに国会における決議等の趣旨を十分体しながら、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対応してまいりたいと存じます。よく牛肉・かんきつあるいは農産物十二品目と比較される場合がありますが、このような産物とは米はもう基本から趣を異にいたしておる、こういう強い認識のもとに進んでまいりたいと思います。
#110
○一井淳治君 国会でもお米の輸入自由化はしないという趣旨の決議がなされておるわけでございますけれども、輸入自由化をしないという趣旨ですね。要するに、米の輸入を自由にしないというだけであって、部分的に限定的な輸入は認めてもよいという趣旨とお考えなのかどうか、そのあたりについて御説明をいただきたいと思います。
#111
○政府委員(甕滋君) 基本的な方針はただいま大臣から申し上げたとおりでございます。
 国会の御決議につきましては、昨年ちょうだいいたしましたほか、前回五十九年あるいは前々回五十五年の御決議にもございますように、我が国における米あるいは稲作の重要性にかんがみまして、米の供給を外国からの輸入に依存するという事態が今後生ずることのないようにという御趣旨と受けとめておりまして、その趣旨を体して遺憾のないように対処してまいりたいと考えておるところでございます。その意味で、一部であれば輸入を認めてもよいという考えをとっているものではございません。
#112
○一井淳治君 ただいまの限定的な米の輸入もしないという御方針を聞かせてもらって安心したわけでございますが、これまでも、例えば牛肉について言いますと、牛肉の自由化はしないということをずっと継続して御説明があったけれども、最後は自由化になってしまうということが重なっておりますので、米の輸入自由化につきましては、これまでの牛肉のようなことがないように厳重な態度で進めていただきたいというふうにお願いをいたします。
 それから、食管制度についてはどのような方針でお進みでございましょうか。
#113
○政府委員(甕滋君) 食糧管理制度につきましては米の需給及び価格の安定を図るということが、この基本的な役割であるというふうに承知しておりまして、これは今後ともその基本を維持していく必要があるというふうに端的にお答えを申し上げておきたいと思います。
#114
○一井淳治君 最近の農政審議会企画部会第一小委員会の報告を見させていただきましたけれども、これによりますと、生産調整は生産者側が主体的に取り組んでいく。それから米の流通は民間流通を主体にする、価格も需給や市場評価を反映する、間接統制、部分管理という方向に行くようです。そうなりますと、食管制度の根幹がぐらついていくのじゃないかという非常に強い心配がありますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
#115
○政府委員(甕滋君) ただいまお触れになりました先般の農政審議会の第一小委員会の報告についてでございますが、この報告は農政審議会が、一昨々年になりますが、「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」という報告が出されまして、私ども当面の食管制度の改善を進めておりますが、それとあわせまして、今後中長期的な米管理の方向についても検討する必要があるということで、一昨年の二月から二年余りかけまして、各界の有識者の皆さんを中心に御検討いただいてまいったものでございます。
 先般、この報告がまとめられましたが、その内容は、米についての我が国における格別の重要性というものを踏まえまして今後とも国内自給を基本とする、また米の需給価格の安定を図るという制度の基本的役割を維持する必要があることとした上で、市場原理がより生かされる仕組みとするよう制度運営の改善を図っていく必要があるという考え方のもとに、今後の米政策あるいは米管理の方向について基本的な考え方を取りまとめていただいたものでございます。
 こういった基本的な考え方のもとに、現実に食糧管理制度あるいはその運営上直面しております問題を的確に解決していく上で、どのように改善を図っていったらいいかということにつきましてその方向が示されておるわけでございますが、いずれにいたしましても、食糧管理制度の基本的役割を維持する上で、むしろそういった改善を図ることによって、今後ともにそれを維持していかなければならないといった考え方のもとに取りまとめられた内容であるというふうに受けとめておるところでございます。
 したがいまして、私どもこの報告の内容を今後十分検討の上条件整備を図りながら、その具体的な施策の展開に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#116
○一井淳治君 食糧管理制度は消費者に対するお米の安定供給という、そういう大きなねらいもあるというふうに思いますけれども、そういう観点からしてはどうでしょうか。例えば、お米の相場ができるというふうなことに進んでいって、消費者に低廉なお米を安定的に供給するということができなくなる、そういったところから食管制度が崩されていくというふうな心配はないでしょうか。
#117
○政府委員(甕滋君) ただいま申し上げましたように、この報告の中で提言をされておりますのは、米全体の需給あるいは価格の安定を図るという制度の基本的な役割は維持する必要がある。ただ、現実に多様化した需要に対応いたしまして米の生産流通が行われるように、市場原理がより生かされる仕組みとしていく必要があるという改善の考え方が示されておるということでございます。
 具体的には、自主流通米について、これがより需給動向あるいは品質評価が反映されるような価格形成が行われる必要があろうということで、その価格形成の場が整備されることが望ましいという提言がございます。それで、その価格形成を通じまして、需要に対応した生産流通が弾力的に、しかも安定的に行われるということがそのねらいとされておるところでございまして、そういったねらいを実現できる価格形成の場というものを具体的に、どのように考えるかということが課題であろうかと考えております。
 この問題につきましては、私ども現実に学識経験者あるいは実務家も含めました検討組織のようなものをつくりまして、これから早急にかつ慎重に、その内容について検討の上対応してまいりたいと考えておるところでございますが、御指摘にありましたように、これが米の安定供給といった観点から支障を生じさせるというものであってはなりませんので、そういった点についても十分配慮を加えながら、今後検討してまいりたいと思っております。
#118
○一井淳治君 食糧管理制度の基本を堅持するという方向で今後ともお進めいただきたいというふうにお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
 米価に関してでございますけれども、新米価算定方式を導入するということが一昨年、昨年ということで、ことしはどうかということでございますけれども、現在はどういう御方針でいらっしゃいますか。
#119
○政府委員(甕滋君) ことしも米価を決定すべき時期が迫ってきておるという中で、新算定方式をどうするのかといった御質問でございます。
 この新算定方式につきましては、昨年も当委員会でも御論議をいただいたところでございますけれども、米価審議会におきまして、今後の米価の算定方式につきまして、米をめぐるもろもろの情勢を十分踏まえた上で今後の稲作の将来展望を示し、担い手の育成を図るという観点に立ちまして、十分検討の上昨年取りまとめられまして、実は昨年産米から適用するということにされておったものでございますが、諸般の事情から、本年産からこれを適用するということとされておるものでございまして、こういった昨年の経過がございますので、これを踏まえまして、これからの米価算定に私どもは当たってまいりたいと考えておるところでございます。
#120
○一井淳治君 米価につきましては、新聞等でもう結論が出ているようなことが書かれておるわけでございますけれども、この米価は農民にとりましては非常に重要な問題でございますので、農民の要望も十分聞いていただきたいと思います。
 それから結果として、米価については現行水準以下にならないように、特にこれは消費税を加算した額以下にならないようにすべきであるという強い世論もあるような感じがいたします。今後の進み方とかあるいは見通し等について簡単で結構でございますけれども、御説明いただきたいと思います。
#121
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま一井先生のお話がありましたように、きょうの一部の新聞等で、農水大臣が米価を据え置きに決定した、腹を決めた、こういう報道がなされておりますが、これは全く誤報でございまして、私はそういう新聞記者等の皆さんと会っておりません。ある党の代表団の陳情は受けましたが、陳情の御趣旨はよくわかりましたと申し上げただけであって、それがそのままあのような報道になりまして心外に存じております。
 したがって、これからの米価決定に当たりましては、御案内のとおりの米価審議会の検討をお聞きいたしまして適正に決めていかなきゃなりませんが、その基礎になります農業経営の安定を確保し、そしてまた国民の理解を得る価格、これが私は両方必要だと思っております。そういう基本のもとに立ちまして、これから慎重にそして適正に決定してまいりたい、こういうふうに思っておるわけであります。
#122
○一井淳治君 現行水準に消費税を加算した額にならないような御努力を要望いたしまして、次は場外馬券売り場の問題について質問をさしていただきます。
 これは、岡山の現在問題になっておる案件とも深い関係があるわけでございますけれども、岡山では場外馬券売り場の建物の建築がだんだん進んでおるという状況がございます。そして、地元の人たちの心配なのは、建物ができてしまうとそれが既成事実になって農水省の方では設置承認をしてしまうのではないかという心配でございます。そういったことはないということを私どもはこの委員会でもお聞きしているわけでございますけれども、大臣がかわられましたので、改めて、仮にこの建物が建築されてしまったという既成事実ができても、それとは関係なしに地元の調整がない限り、場外馬券売り場の設置承認申請に対しては承認をしないんだという、はっきりした御見解の表明を希望する次第でございますし、それからもう一つ、この馬券売り場の設置の問題についての基本的な姿勢というものをぜひとも、この際お聞かせいただきたいというふうに思うわけでございます。
#123
○政府委員(京谷昭夫君) お尋ねの点、二点あるわけでございますが、まず岡山市で今いろいろ御論議のございます中央競馬会の場外馬券売り場の建設問題でございますが、これまでも申し上げてきておりますとおり、私どもとしては、この場外馬券売り場の設置について中央競馬会が承認申請を出すかどうか、その申請を出した場合に、農林水産大臣として承認をするかどうかという二つのプロセスがあるわけでございますが、岡山市の現在の実情についての認識としまして、私ども一つは、この問題について六十二年の七月に市議会が反対決議をしておるわけでございます。それからまた、地元調整の手続がいろいろ行われておるわけでございますけれども、一定の賛成者がいる一方で相当強い反対もある、こういう一連の事実がございます。
 したがいまして、私どもの認識としましては、建物の有無にかかわらず、このような事実がある限りにおいては地元調整が十分にできているという判断はしがたいということでございます。したがいまして、中央競馬会の方から本件の承認申請が出されることはない。また、仮に出されるようなことがあってもその時点で私ども判断をせにゃいかぬわけでございますけれども、ただいま申し上げました事実関係がある限りにおいては、承認が下されることはあり得ないことであるというふうに認識をしておるところでございます。
 それから第二点目の、一般論として場外馬券売り場の建設設置についてどう基本的に対処していくのかということでございますが、私ども中央競馬を初めとします競馬その他の競馬につきまして、大衆娯楽として漸次定着しつつあるというふうに考えておりまして、これが健全な発展を遂げていくために、妥当な範囲で場外馬券売り場というものが設置されていくことも必要なことであると考えております。
 ただその場合に、既に従来から私ども公営競技等に関するいわゆる吉国答申にも示されておりますとおり、こういう施設については、地元の調整が十分に行われていることということを前提にして弾力的な考え方をとっていってよろしい、こういう答申があるわけでございますが、この原則に沿って適切に対処していくことがやはり不可欠の条件であるということでございまして、この方針については、私ども今後とも堅持してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#124
○一井淳治君 ところで、この岡山市内で場外馬券売り場の建物を建築していこうとしております株式会社日隈の場合でございますけれども、これは国会質問その他の場面で明らかになっておるわけでございます。農水省の方では、中央競馬会に対して建築の強行をしないように指導するように指示してくださっておる。中央競馬会の方では、日隈に対して建築をやめるようにという文書や口頭での申し入れを重ねておるということがはっきりしておるわけでございます。それにもかかわらず、この株式会社日隈は依然として建築工事をやめないでどんどん既成事実をつくろうとしておる。そして、これは五月二十四日の農林水産委員会、衆議院でございますけれども、この会議録を拝見させていただきますと、通常は、これは会議録のあれではありませんが、通常は中央競馬会と建物建築業、施主との間にどのような建物をつくるかについて基本設計をし、実施設計をし、それについての協議を行い、また建築が進むについては、各段階においていろいろ中央競馬会と建設施主との間で話し合いをしながら、そして立派な馬券売り場ができるように建築を進めていくということであるとのことでございますけれども、この会議録を見ますと、日隈の場合には事前の打ち合わせも、連絡等も一切やらないで建築工事を進めておるというふうなことが書かれておるわけでございます。
 このような農水省の御指導にも従わない、中央競馬会、これは将来この建物を賃借することになるのでございましょうけれども、中央競馬会の申し出も一切聞き入れないで建築を続行する、既成事実をつくろうとしている、そういうことがあるわけでございます。この際、そんなことが起こらないように、こういったことが重ねて行われますと本当に競馬の問題全般について非常に市民の間から不信も強まるでしょうし、こういったことがないように農水省としても重ねて強力な御指導をいただかねばならないというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#125
○政府委員(京谷昭夫君) 先生から御指摘ございましたように、通常の場合におきましては所定の承認手続を経た上で、構造上も問題のないような設計上の打ち合わせをした上で、この施設が整備をされていくというプロセスをとるべきものと私ども考えております。
 本件につきましては、地元調整が完全に終了しないままに、建築基準法上の手続を踏んで事実上の建設行為が行われておる実情を見ますと大変残念な事態である。私どもとして、可能な範囲で中央競馬会を通じましてこういった事態を惹起しないように注意をしてきておりまするし、また先ほど申し上げました私どもの基本的な考え方、あるいは現状に対する認識というものも十分に先方に伝わっているはずであるというふうに思っておるわけでございます。
 ただ残念ながら、現在の建築基準法の体系その他のもとで、一定の手続を踏んだ建物の建設工事そのものについて強制的に差しとめるという手段がないわけでございます。私ども、ただいまのまたお話を踏まえまして、競馬会を通じて所要の指導を進めていきたいと思いますが、いずれにしましても、現実に今起こっている事態というものを踏まえれば、このままで場外馬券売り場としての機能、機能といいますか、承認をしていくということはあり得ないことであるということを重ねてお答え申し上げたいと思います。
#126
○一井淳治君 新しい場外馬券売り場の設置の許可権限というのは農水省にあるわけでございまして、通常であれば農水省の意向に反して建築を強行するということはしないのが普通ですけれども、本件の場合は明らかに農水省あるいは中央競馬会の意向に反して建設を強行しておるわけでございます。ですから、うがった人は、何か裏でどうこうあるのじゃないかというふうなことを憶測するわけでございますけれども、私どもはそういったことは決してないというふうに確信しておるわけでございます。農水省の方から強い指導を重ねてぜひともやっていただきたいと、そういうふうにお願いしたいんですが、いかがでございましょうか。
#127
○政府委員(京谷昭夫君) 先ほど申し上げましたとおり、御指摘を踏まえ、中央競馬会を通じて所要の指導をしてまいりたいと考えております。
 また、実態的に本件の決着を図るためにも、当然関係者と話をしていかなければいけないと思いますが、その点につきましても平穏のうちに事態が解決されるよう、私どもとしても競馬会を指導してまいるつもりでございます。
#128
○一井淳治君 岡山でもそういうふうな紛争が起こっておりまして、市会議員に対して三百万円という金額の現金を渡したとか、あるいはいろいろ地元で反目が起こりまして、小学校でも子供同士が賛成派と反対派が口をきかないというふうなことも現実に起こってくるわけでございます。競馬というのは本当に人間の楽しみをふやすということで、遊びの要素といいますか、余り深刻な紛争を持ち込むほどの価値があるものとは思いませんけれども、現実には地域でそういったふうな深刻な紛争を各地で起こしておるわけでございます。岡山でも市議会で取り上げられて多数の反対決議がなされるとか、あるいは地域によってはリコールにまで発展するというふうな地域もございました。
 現在の場外馬券売り場の設置の仕方を見ますと、中央競馬会が直接現地へ出て行っていろいろな工事の交渉とか地元の調整をするのではなくて、一定の業者が、その業者が地元の調整をしたりあるいは建築をするというふうになってまいります。地元が反対しておってもそういった業者はとにかく既得権をつくったらいいというので、新規に土地を買いまくったり、あるいは岡山でも見られますように、反対派が非常に強いのにもかかわらず、建設工事を進めていくというふうなことがございまして、地域に非常に大きな不安や紛争が発生しているわけでございます。
 私は考えるんですが、業者に地元調整とか建設を任せてしまっておるとどうしてもそうなってしまう。とにかく既得的な事実をつくって、後は議員さんの、これは余り大きな声では言えないことかもしれませんが、あり得ないことを希望するんですけれども、議員さんに金額を提供して了解してもらうとか、あるいはいろんな利害を通じての誘導が行われるということで、反対派を抑え込んでいくというふうなことが行われる可能性が非常に強いというふうに思うわけでございます。
 そういったことがないように、例えば建築にかかる場合には、建築の前に地元の調整を済ませて許可をとった後に建築をするようにするとか、あるいは中央競馬会自体が地元で調整や建築をするとか、何か今までのやり方をかなり変えてもらわないと、楽しみをふやすはずの競馬が実は地元にいろんな不幸を巻き起こしているというふうな状況がありますし、また岡山でも実際に出てきたんですけれども、議員さんに三百万円のお金を出すというふうなことも非常にこれはぐあいがよくない、モラルに反することであると思います。これは、業者にそういうことをさしているからそういったふうな問題が起こるわけでありまして、この際設置の仕方について、手続について御検討いただいて、今後こういったことが起こらないように、例えば審議会でどうこうするとか、やり方についての何らかの検討をお願いしたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#129
○政府委員(京谷昭夫君) 一般論として、中央競馬会の場外馬券売り場の設置の仕方についてのお話であろうかと思います。
 現在までのところ、御承知のとおりこの場外馬券施設の設置のプロセスについては、こういう施設の提供者の発意を基本にして物事を進めてきておるという体制になっておりまして、したがいまして、設置に当たっての最大の重要条件でございます地元調整も、発意をした施設提供者の側の仕事として進めていただいておるという状況にあるわけでございます。
 その中で、実は地元調整の中でどういう調整が行われるかというのは大変地域によりまして千差万別でございまして、現在二十三カ所ほどの純粋の場外馬券売り場がございますが、相当の期間をかけて調整をしたもの、あるいは全く円滑に問題なく調整が済んだもの、千差万別でございます。そういった中で、定型的な手続、プロセスというものを固定的に設定をするということが適切かどうかよく検討してみる必要があると思いますが、いずれにしましても、無用の地域内対立を惹起して住民の方に御迷惑をかけるというふうな事態が起こることは、大変遺憾な事態であると私も考えております。
 そういった地域ごとの非常に多種多様な事情の違いというものも踏まえながら、どういう方途を講ずることによって、そういった深刻な地域内対立にならないような手順なりアクションの仕方についてどうしていくべきか、先生のお話のあった点も踏まえて少しく私どもとしても競馬会にも検討を命じ、我々自身もまた検討してみたいというふうに考える次第でございます。
#130
○一井淳治君 施設提供者が人を得ればそういう問題はないんでしょうけれども、なかなかそういったこともありませんで、現実にいろんな不幸がまき散らされておる。全部が全部じゃこれは決してありませんけれども、非常にそういったことが最近問題になりつつありますので、御検討のほどをどうかよろしくお願いしたいというふうに思います。
 それから次に、お酒の原料について質問さしていただきます。他用途利用米を日本酒の原料として使用する量をふやしてほしいということを、私は昨年の三月二十二日のこの委員会で要望したわけでございますけれども、その後これはどのようになっておるのでございましょうか。
#131
○政府委員(甕滋君) 日本酒の原料米としまして、従来、自主流通米を主体にいたしまして一定の要件が満たされた場合に、より安い政府米を供給するということになっておるところでございます。清酒業界からはより安い原料米が欲しい、こういう強い要請があるわけでございまして、六十二年度から純米酒等の増加を図りましてアルコールの添加を減らし米の使用量をふやす、こういう目的で酒造用の他用途利用米三万トンというものを導入したところでございます。ただいま先生からもお話がございましたように、これをもっとふやせないか、こういう御要望も確かに承りました。そこで、六十三年度におきましては純米酒等の需要量の増加に対応しまして、米需給均衡化緊急対策の一環といたしまして酒造用の他用途利用米をふやすということにいたしました。数量は三万トンから六万八千トンとしたところでございます。
 本年産以降どうするかということでございますが、この六万八千トンを基礎にいたしまして、その後の純米酒等の需要動向を踏まえる必要がございますし、また指定法人と酒造組合中央会等の実需者との話し合いがベースでございますので、そういったところと七協議をいたしまして、今後対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#132
○一井淳治君 外国の酒に比べて非常にお酒は原料の値段が高い。しかも、日本酒のコストの七〇%から八〇%は米にかかっているということが言われておりますので、日本の食文化の中心である日本酒を守るためにも、安い原料の確保をぜひとも重ねてお願いしたいというふうに思います。
 それから、他用途利用米を酒屋さんに供給する場合にとぎ方の問題でございます。最近では、純米酒とか吟醸酒とかということで、五〇%ぐらいあるいは五〇%を超えるようなとぎ方をしているというふうなことが多くなっておるようでございます。各お酒のメーカーともにょい酒をつくる、個性ある酒をつくるということで、何とか生き残ろうということで激しい戦略を立てて頑張っておるような状況になってきつつありますけれども、そういったお酒の業界の状況に対応するためには、やはりこの他用途利用米を提供する場合の搗精度についても購入者の希望に沿うように、もっと多様なとぎ方をしていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
#133
○政府委員(甕滋君) この酒米向けの他用途利用米でございますが、お話しのとおり実需者の要望にこたえたきめ細かな対応が望ましい、そういった方向で対応すべきであるというお話は、基本的にはそのとおりだと思っております。
 初年度、六十二年度に最初三万トンと申し上げましたけれども、その際のやり方としましては一律七〇%の歩どまりで供給をしたということでございました。実需サイドの要望もございまして六十三年度にふやしました際には、搗精度合いは六〇%から七五%というふうに実需サイドの要望も入れまして、そういった弾力的な供給が行われたということでございます。また、試験的でございますけれども、玄米での供給も行われたところでございます。これからもそういった実需サイドの要望にどこまで応じられるか、それからまた一方では、こういったほかの米と価格の大幅に違う安い米の流通でございますので、その適正流通を確保する必要がある、こういった観点も兼ね合わせましてどういう方法が一番いいか、さらに関係者とも話し合いの上指導を加えてまいりたいと思っております。
#134
○一井淳治君 酒のメーカーは、大体自分のところで米をとぐ機械を持っておりましてとげるわけです。ただ、この六分にといだ米をあと一分だけ自分の工場でとぐということはできないんで、これはもう玄米をいただいた方がいいというふうになってくるのではないかと思いますけれども、そういったふうな状況にうまく即応しながらお酒の原料を、安いよいお米を提供していただくように要望いたしたいと思います。
 次に、木材の関係でお尋ねいたしますけれども、木材の国内の需要の喚起のために、学校、公営住宅、その他の公共建築物に対してもう少し木造建築を普及するように努力をいただきたい。特に現在補助率が、たしか公営住宅の補助率が木造とコンクリートづくりの場合は同率であるというようなこともあると思います。例えば、この地元の木材を使った場合は補助率を大幅に上げるとかそういうふうな御努力をお願いしたいわけでございます。これは建設省の方へ言うべきことではないかというふうなお話も出るかと思いますけれども、農水省としてもできる範囲の御努力をお願いしたいから御質問する次第でございます。
#135
○政府委員(松田堯君) 木材需要の拡大は、我が国の森林資源を有効に活用いたしまして、林業あるいは木材産業の活性化を図る上からいっても極めて重要でございます。したがいましてこれまで中央、地方を通しましてその拡大活動の促進を図ってまいりましたし、公共的建築物の木造化促進のシンボルとなりますようなモデル木造施設の建設等も実施してきたところでございます。関係省庁に対しましても、その利用促進について協力を要請いたしているところでございまして、木造公営住宅の建設、これもこの数年まだ絶対量は多い状況にはなっておりませんけれども、五十五年、五十六年当時は約二百戸程度でございますが、六十二年では千七百戸という形で非常に増加いたしております。
 また、学校施設につきましても、従来は木造の校舎の場合単価がRCよりも低かったわけでございますが、RCと同じような形で単価をアップしていただいたおかげで、この数年学校施設の木造化が増加している、このような状況になっております。また建築基準の規制の合理化といったことにつきましても積極的に取り組んだところでございます。そのようなことで、木材の需要拡大につきましては努力いたしておるところでございますが、木材をもっと国民の生活の身近なものに位置づけるといったような努力も進める中で、これからまた関係省庁と連携を保ちながら進めてまいりたいと考えております。
#136
○一井淳治君 それから、最近大量の木材が日本に輸入されておりますけれども、低開発国からの輸入が多いわけでございます。新聞記事なんか見ますと、熱帯雨林が大幅に伐採されて後植林が行われていない。これは地球の環境保全に非常によくない影響を及ぼしているということがよく問題になっておりますけれども、木材を輸入した場合、特に特定の地域から木材を輸入する場合には一定の金額を課して、その徴収した金額を伐採地の植林に充てるという、そういったふうな一つのアイデアが衆議院のたしか農水委員会でも出てまいりましたし、その他の場面でも提示されておるわけでございます。この間、たしか衆議院の本会議でもそれと同じような見解の表明があったんですが、それについては答えられませんでしたけれども、これについての御見解をこの際いただきたいというふうに思います。
#137
○政府委員(松田堯君) 輸入木材に課徴金を課しまして、それを熱帯雨林の伐採跡地の植林に使ったらどうか。こういう御意見でございまして、一つの立派な御意見だと思うわけでございますが、輸入木材の生産国がそれに対してどのように考えるのか、あるいはそのことが消費者の納得を得られるものかどうかというようなことで、現在の世界貿易全体の流れからの妥当性といったようなこともあるわけでございまして、慎重な検討が必要ではないか、このように考えている次第でございます。
#138
○一井淳治君 おっしゃるとおり慎重な検討の必要なものだとは思いますけれども、検討だけは継続して前向きにお願いしたいというふうに思います。
 それからあと一点、飲用乳ですね、飲用の牛乳の価格の問題について質問をさしていただきたいと思います。
 メーカーと、メーカーというのは飲用牛乳を販売する業者です。これと牛乳を集荷した業者との間で、現在は各県一元集荷体制ができておりますけれども、その価格の交渉が行われます。その交渉の中で炭疽病の問題が出てまいります。炭疽病にかかった牛の牛乳が万一混在しておった場合には、その牛乳を全部捨ててしまって、あるいはビスケットなんかに加工しておった場合にはビスケットなんかも廃棄するというふうな問題が起こりますので、炭疽病がもし発生した場合の危険負担をどうするかということが、乳価を決める交渉の中で非常に大きな問題になってきておって交渉がスムーズにいかないということもあり得ると聞いております。
 私は、そういったふうな極めて例外的な問題で、乳価の交渉が円滑にいかないということは非常に幸福なことではないというふうに思いますので、この炭疽病が発生した場合の乳価の危険負担の問題、これについては公の段階、例えば政府あたりで対策を考えていただいて、民間での乳価の交渉は、その問題は考えなくてもいいというふうにしたら非常にいいんじゃないかというふうに思いますけれども、何か御見解をいただきたいというふうに思います。
#139
○政府委員(京谷昭夫君) 牛乳の取引、生産者とそれから乳業者の間の生乳取引の中におきまして、炭疽病といったような問題の危険負担をどうするかということが話題になるということ、私どもも承知をしております。
 ただ、炭疽病といいますのは、家畜衛生上の問題でありますし、また食品衛生上も大変警戒すべき、その発生を防止すべきものということになっておりまして、私ども家畜衛生の観点で予防注射の接種等を自衛防疫あるいは家畜伝染病予防事業の一環として進めてきておりまして、その発生の実態というものは大変現在まれな事例になってきております。最近私どもの聞いております報告では、乳用牛について見ますと、昭和六十一年度で全国で三件、それから六十二年度で一件、六十三年は特段の報告なしと、こういう状況でございます。
 そういった中で、炭疽病の発生した場合の危険負担の問題でございますが、実は炭疽病だけではなくて、やはり食品としての品質上の瑕疵担保責任をいかにするかというふうな問題が一般的にあるわけでございまして、炭疽病だけを取り上げて、先生のお話にあるような国の介入をしていくということは、必ずしも適当ではないというふうに私どもは考えておるわけでございます。基本的には、発生の件数も大変まれでございますし、やはりケース・バイ・ケースに、品質上の瑕疵担保責任の問題として、関係当事者間の取引条件の設定の中で適宜考えていかれるべき問題であるというふうに考えておるところでございます。
    ―――――――――――――
#140
○委員長(福田宏一君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君が選任されました。
    ―――――――――――――
#141
○鈴木貞敏君 本日の大臣の所信表明におきまして、その冒頭で、国際化の進展の中で農林水産行政が一大転換期を迎えておる、こういうことをおっしゃっておられたわけでございますが、まことにここ数年、私も本当に狂乱怒濤の時代であったなと、こういう感を抱いているわけでございます。牛肉等の自由化に伴う国内対策に関してのある会合で、堀之内大臣は、酪農というのは楽じゃなくて苦しい苦悩である。週休もなく、三百六十五日働き続ける職業であると。これについて温かい目を注がなくてはいかぬということで、大声を出して獅子奮迅されていた姿を私想起するわけでございますが、そのお言葉をかりれば、この農業の「農」というのはまさに苦悩の「悩」を強調しているような、本当に大変な時期であるなということを痛感している者の一人であるわけでございます。
 私はきょう、そういう意味で所信表明をお伺いしまして、農林水産業が我が国の社会経済あるいは国民生活を支えておる、これは当然でございますけれども、さらに根本的には国民精神の、何といいますか、基本を培っておる、こういうものであるというふうに思っている者の一人であるわけでございます。金銭でははかり得ない数々の重要な役割を果たしている農林水産業、これにつきましてやはり確たる将来展望を示して、農林漁家が自助努力を基本にしながら、誇りと自信を持って生業にいそしめるようにしていただきたいということを心から願うものでございます。
 所信表明をお伺いしまして、とにかく経綸豊かにして農林漁家に温かい目を向けて努力をされてこられた大臣が、ひとつ国民のコンセンサスを形成いたしまして、国際場裏において、何といいますか、日本型農業といいますか、こういったものの約束手形をしっかり取りつけられていかれることを心から期待するわけでございます。
 私は、本日は与えられた時間で、米をめぐる諸問題あるいは農産物の輸入自由化対策、今後の農業政策あるいは構造政策あるいは農林水産技術開発、こういった問題等につきましてお伺いしたいと思うわけでございますが、まず第一に、先ほどいろいろこういった点に同僚議員からも質疑がございましたけれども、生産者米価についてお伺いいたしたいと思います。
 米につきましては、需給が依然として過剰基調にあるわけでございますが、何といいましても最大の関心事でございます。先ほど来の説明でも、新算定方式というふうなことの説明もあったわけでございますが、市場では参議院選公示前に米価決定が行われるというふうなこともあるわけでございますが、この機におきまして、本年の生産者米価につきましてどのような方針で臨まれるか、大臣の御所見をまずお伺いしたいわけでございます。
#142
○国務大臣(堀之内久男君) 今年度の米価決定についての基本方針についてお尋ねでございます。
 米価そのものは、やはり米そのものが農業の基幹をなすわけでございますので、これは農家の皆さんが重大な関心を持っておることはもう百も承知いたしております。特に最近、昨年来牛肉・かんきつ等の自由化を行い、あるいは農産物十二品目の一部自由化を行いました。まあそれなりには十分な対応をしてまいりましたけれども、なかなか十分な理解を得られずに大変農家自身が不信を持たれ、あるいはまた将来に不安を持っていらっしゃいます。したがって、これからの、将来の米価問題あるいは米問題等においても大変な心配をされておるところであります。そういう時期にことしの米価と、こういうことに相なるわけでありまして、通常ならば七月上旬の後半ということになるわけでありますが、たまたま七月五日に参議院選挙の告示、こういうことに相重なりましたので、精いっぱいの努力をさせていただきまして、選挙前に何としてでもできないかということで、今事務当局で鋭意検討いたしておるところであります。
 したがって、この生産者米価の決定に当たりましては、先生も御案内のとおり、昨年、党と政府との合意事項と申しますか、生産者米価の新算定方式というものが一応合意されておるわけでありますが、当然この算定方式によって計算を進めなきゃならないわけでありますけれども、しかしそれに当たりましても、私は稲作の一層の生産性の向上を図ることはもう当然でありますが、農業経営の安定を確保し、そしてまた国民の理解を得る価格、そして安定供給が行える、こういうような三つの面を考えながら、そして米価審議会の意見をお聞きしながら最終的に適正な価格を決定したいと存じております。
 しかし、先般来米価審議会の小委員会でも出ておりますように、私どもがこれから考えなきゃならぬのは、もちろんこれは需給、価格を安定していくという食管の基本は当然守れとなっておりますが、市場原理を導入しろということは、これは買い上げた米の先の方だけの市場原理では私はだめだと言っておる。やはりもとから、生産指導の中にそうした生産の原理というか市場原理ということになりますと、そこに品質格差を十分今後配慮すべきだ。このことが良質な農産物を提供する、こういう方向にいくであろうと存じます。したがって、先般の麦価決定に当たりましても、そのような考え方を一部導入させていただきました。これから十分党の方とも協議をさせていただき、冒頭申し上げましたように適正な価格を決定したい、こういうように思っております。
#143
○鈴木貞敏君 ひとつよろしくお願いします。
 次に、米の自由化、輸入の自由化問題でございますけれども、この件につきましても質疑があったわけでございますが、私からも再度確認しておきたいと思います。
 昨年、RMAが米国通商法三〇一条に基づきまして提訴を行うということがあったわけでございますが、この提訴につきましては、政府・与党等各方面の強い働きかけもありまして却下されておるわけでございますが、関係農家としてはなお不安を抱いておるというのが実情でございます。そういう点から昨年の九月でございますか、参議院の本会議でも米の自由化反対に関する決議というものを全会一致で可決しておるというふうな状況もあるわけでございます。
 私は、米の輸入自由化は断じてなすべきではないと思っておるものでございますが、この点につきまして再度大臣の御決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#144
○国務大臣(堀之内久男君) 米の輸入自由化問題についてのお尋ねでありますが、米の貿易問題につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、我が国の立場といたしましては、現在進行中のウルグアイ・ラウンドの場におきまして、各国いろいろこの農業問題には非常に問題点を抱えておるわけであります。そういう問題点あるいは制度等について、さらにまた私どもがいつも念頭に置いております米国のウエーバー品目、あるいはウエーバー品目外の牛肉、砂糖類、そういうようなものも一緒にひっくるめて議論をこのガットの場で行うという段階になれば、米の問題をひっくるめてあらゆる農業諸問題を討議するということにおいては、我が国の方針としては変わらないつもりであります。
 米は、御承知のとおり何といっても国民の主食であり、米に対しては生産者、消費者とも特別な感情を持っておるわけであります。しかもまた、我が国農業の基幹をなすものでございます。また、水田稲作農業というものが国土あるいは自然環境の保全、あるいはまた稲作農業というのは昔から伝統ある農村の民謡とかあるいは芸能というものは、この稲作にまつわったものが非常に多いわけであります。そういう地域経済上も不可欠の役割を果たしておると承知いたしておるわけであります。
 このような米及び稲作の重要性にかんがみまして、さらに先般、先ほど御指摘ありましたように国会における決議等の趣旨を十分体しまして、今後とも国内産で自給するというような基本的な方針で対処してまいりたいと存じております。先ほど冒頭申し上げましたが、今日農民の皆さんが非常に不安、不信を持っておりますが、私は牛肉・かんきつやその他の農産十二品目とはもう全く趣を異にしておる、こういう考え方でありますので、今後ともそうした農民の不安解消に努めて対処してまいりたい、こういうふうに思っております。
#145
○鈴木貞敏君 次に、農政審議会の今後の米政策に関する報告についてお伺いいたしたいと思います。
 食糧管理制度は、国民の主食である米を政府が責任を持って管理することによりまして、生産者の再生産を確保するとともに消費者への安定供給を図るという重要な役割を果たしておるわけでございます。この食管制度につきましては、これまでも経済事情の変化や需給事情に即応しまして改善が行われてまいりました。しかし、大幅な過剰基調と内外価格差の拡大、多様化する需要に対する生産、流通面での不適合、不正規流通の発生等の問題に直面しているわけでございます。こうした中で、去る五月に農政審議会の小委員会から「今後の米政策及び米管理の方向」が報告され、食管制度につきまして制度の基本を維持しつつ運営等の面で改善を図っていくという方向が示された、こういうふうに理解しているわけでございます。
 しかし、関係者の受けとめ方は複雑でございまして、自主流通米の市場がどのような形になるのか、いまひとつ構想が具体的に把握できないために、米について投機的な状況が起きるのじゃないかとかいうふうな不安を抱いておるということも聞くわけでございます。また、新しく検討されている米市場の内容につきましても、どうも余り定かでないというふうなこともあるわけでございますが、そういった点を含めまして、この報告についてどのように考えているのか。また、これを今後どのように具体化していくのか、そういった面につきましての御見解を伺いたいと思います。
#146
○政府委員(甕滋君) 食糧管理制度の基本あるいはその食糧管理制度の運営に当たっての諸問題について御指摘がございましたが、そういった御認識を踏まえまして、今回の農政審議会の報告もなされたものというふうに私ども感じております。その報告は、お話にもございましたが、米の需給、価格の安定を図るという食管制度の基本的役割はしっかり維持しながら、当面する諸問題に的確に対処するため所要の改善を図っていく必要がある、こういう趣旨であろうかと思います。
 その中で、御指摘にもございましたが、自主流通米の価格形成あるいは流通の問題、特に価格形成の場をどのように考えていくかといった点をめぐりまして一部に不安もある、こういう御指摘でございますが、私どもまさにそういった不安が今後ない、また自主流通米の価格形成、流通が本来の需給動向あるいは品質評価を反映した形で適切に形成されていくような価格形成の場を考えていかなければならないというふうに思っておるところでございまして、それではそのためにどういった価格形成の場を考えていくのか、具体的な姿を描いていく必要があると考えております。
 そこで、今後学識経験者あるいは実務者も含めました検討組織のようなものを発足させまして、早急にこの具体的なあり方について検討をし、今後の米流通が整々と円滑に行われていくような姿を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#147
○鈴木貞敏君 まあひとつよろしくお願いいたします。
 次に、農産物の輸入自由化と関連対策につきましてでございますが、昨年決定されました牛・かん、農産物十二品目の輸入自由化措置をめぐりましていわゆる農政不信といいますか、そういったことが言われておるわけでございます。農産物の輸入自由化措置の決定に当たりましては、農政の基本に触れる問題であるとして政府・与党の総力を挙げて取り組みまして、その間農業団体とも相談しながら大変厳しい国際世論の中、本当に農業者の利益を考えて、我が国農業の存立を守るための万全の国内対策を講じた上でぎりぎりの決断をしたものであったわけであります。しかし、残念ながらこうした国内対策の内容が十分農家に正しく伝わらず、自由化への不安感だけが増幅されたというふうなうらみがあったわけでございます。
 今後、国内対策を実施するに当たりましては、その内容が十分農家に伝わるよう関係機関を通じましてPR活動を積極的に行うとともに、状況に応じた臨機応変な対応を行うべきだと考えるわけでございますが、ここで改めて農産物の輸入自由化の決定に至る経緯とこれに対する大臣の所信を伺いまして、この問題に対する理解というものを深めてまいりたいと思うのでございますが、大臣よろしくお願いいたします。
#148
○政府委員(塩飽二郎君) 自由化の経緯につきまして私の方からお答え申し上げます。
 牛肉・かんきつ並びに十二品目の一部につきまして自由化の決定が行われたわけでございます。
 まず、牛肉・かんきつにつきましては大変長い経緯があるわけでございます。一九七〇年代の終わりに東京ラウンドの一環といたしまして、日米並びに日本と豪州との間で牛肉・かんきつを中心にいたしまして輸入枠を拡大する協定を結んだわけでございます。当時から既にアメリカ等は単なる輸入枠の拡大ではなくて自由化の要求を強く主張していたわけでございますが、枠の拡大ということで協定を結んだわけでございます。さらに、その協定の切れました一九八四年に再度同様の交渉を行いました。この際は、アメリカ等の主張もさらに自由化に向かっての大変強い主張がございましたけれども、基本的には、牛肉につきましても、かんきつにつきましても輸入枠を継続いたしまして拡大を図るということで妥協をしたわけでございます。
 その協定の最終期限が一九八八年、昨年の三月に参るということで、一昨年の秋からアメリカ、豪州との接触があったわけでございますが、率直に申し上げましてアメリカは、今回はもはや輸入枠の撤廃以外は受けつけないということで大変強い主張がございまして、それ以外では交渉のテーブルにも着かないという強い主張がございました。
 そういう関係国からの大変厳しい要求に加えまして、国内における世論の動向あるいはガットにおける輸入制限についてのルール、そういったものを考慮いたしまして今回の自由化の決定がなされることになったわけでございます。その間、御承知のように昨年の三月並びに四月の二度にわたりまして、当時の佐藤農林水産大臣がワシントンに行かれて大変厳しい交渉を展開したわけでございますが、今申し上げたような諸般の事情を考慮いたしまして、かつ国境措置の輸入枠にかわる新たな国境措置の導入と国内対策を実行することによりまして、現行の輸入数量制限に代替し得る可能性を探求した結果、牛肉・かんきつ生産の存立を守るためのぎりぎりの線ということで妥協を図ったのが経緯でございます。
 それから一方、農産物の十二品目につきましても牛肉・かんきつとほぼ並行いたしまして、主としてアメリカの方から、この十二品目の輸入数量制限の撤廃の問題が提起されたわけでございます。それが最終的には一昨年ガットにその合法性の判断を求めるということで提起がなされました。パネルにおける審議の結果十品目についてガット違反というパネルの報告が出されました。それが昨年の二月にガットの理事会において採択をされたわけでございます。
 その採択に当たりまして、我が国はガットのパネルの判断に必ずしも納得できない考え方が含まれておるということで、一部の主張については我が国の立場を留保する考え方を明らかにしたわけでございますが、ガットの自由貿易体制を維持していくという我が国の基本的な立場もございますし、また紛争処理手続に従っていくという本来の義務もございますので、これにつきましてこの報告を踏まえつつアメリカとの間で交渉を行いました。自由化後の国境措置等につきまして所要の措置を講ずることによりまして、最終的な合意を行ったというのが経緯でございます。
#149
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま経過につきましては経済局長から御説明申し上げましたが、私どもも、先生も御承知のとおり一緒になって政府をバックアップしながら自由化措置ということで努力をいたしたわけでありますが、十品目はとうとうガットの場でクロの裁定が出てしまった、こういう経過からいろいろと国内対策をこれからさせていただいたところであります。
 特にまた、牛肉・かんきつの場合もあれだけ党内挙げての大変な反対でありましたけれども、これがガットの場でやりますと、結果的にクロの裁定はもう火を見るより明らかだ。そういうことで、これならば少しでも条件のよい方向でということで、三月、五月、六月と三回にわたり二国間で大臣が渡米されまして、そして党からもたくさんの関係者に一緒に参加をいただきながら応援をいただいたところでありますが、ただいま局長が申しましたように、この二国間でそれにかわる国境措置いわゆる関税打直でならば何とかこれは守れる、こういうことで、ぎりぎりの線でこれを受諾したというのが経過でありました。
 したがって、それによって大分農家の不信を買っておるようでありますが、しかし我々はその自由化をのみましたけれども、結果は一番これに対する対策というものが非常に手厚くなされておりますので、特に私の地域は畜産とかんきつの大きな産地でありますが、大体我々も十分説明を申し上げましたので、幾分そういう面の不信は解消したと思っておりますけれども、全国的には我々の説明不足やPR不足によって大変不信を買っておるようであります。
 これからも我々は精いっぱい努力をいたしまして、我々の意のあるところを農家の皆さんに御理解を賜りまして、これからもそうした信頼回復というか将来の米に連動されておりますが、このことは先ほどから御答弁申し上げておりますように、米とほかの農産物との立場というのはもうおのずとこれは立場を異にいたしておるわけでありますので、この辺は先ほども答弁申し上げたとおりやっていきたいと思っております。
 そこで、この国内対策につきましては、生産、流通等の各般にわたりまして万全を期しておるところであり、このための財源措置といたしまして、所要の緊急に推進すべき対策につきましては、昭和六十三年度において補正予算で千四十六億円を措置いたしましたほか、別途、畜産振興事業団の指定助成対象事業につきましても二百八十六億円を措置したところであり、さらに計画的に実施すべき生産対策等については、平成元年度予算等により所要の経費を措置いたしておるところであります。
 主たる国内対策については、畜産関係対策といたしまして肉用子牛生産者補給金の交付等を内容とする畜産二法の制定のほか、肉用小牛価格安定対策及び肥育経営安定対策の拡充強化、低コスト生産の推進等の措置を講じているところであります。また、オレンジ及びオレンジ果汁対策といたしましては、適地適産の考え方に立ったミカン園等の再編整備の推進、品質及び生産性向上のための生産流通対策並びに果汁原料用かんきつの価格安定対策の拡充強化の措置を講じておるところであります。
 また、農産物十二品目につきましても、落葉果樹、パイナップル、加工用トマト、でん粉原料用芋類等、各品目ごとに生産流通対策、価格安定対策等につき所要の措置を講じているところであります。
 以上の対策とあわせて、農産加工業者対策を講ずることが必要であることから、事業転換、新技術導入等に必要な資金面、税制面にわたる制度を創設することといたしました。このための法律案を今国会でお願いいたしておるところであります。
#150
○鈴木貞敏君 次に、今後の農業政策についてお伺いしたいと思います。
 冒頭にも私申し上げたわけでございますが、国際化、一口に国際化国際化と言いますけれども、やはり国際化ということはある面において血を流すといいますか、そういう面はどうしても避けられない、すべての面でそうであろう、こう思うわけでございますが、今後における我が国農業というものが国際化の進展に的確に対応しながらも、これを乗り越え、いかに国内農業の育成を図っていくかという非常に難しい問題に直面している、こう思うわけでございます。
 この課題に的確に対応していくためには、内外の厳しい情勢を克服しながら、農業者が意欲を持って農業に取り組むことができるようにする必要がありますが、農業生産の現場からは、先行きが不透明であるという不安あるいは不満が寄せられておるわけでございます。このため、まず将来を見通しながら営農が営めるような長期の農業ビジョンといいますか、そういったものが示されるということが必要であろうと思うわけでございますが、このことにつきましての御見解をお伺いしたいと思います。
#151
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま鈴木先生の御指摘のとおり、今後の後継者あるいは農業の担い手に将来の夢を持たせるような方向でという御指摘でありますが、私は基本的に生産の合理化をやり、あるいはコストダウンを図っていくということ、これはもう当然の結果でありますが、農業というのはしょせん土地を利用して行うものであります。したがって、よく言えば、国際化、自由化ということを余りにも強調し過ぎるために、私は農村の皆さんが不安を持っておると思うわけです。日本の二十五、六倍もあるアメリカの国土、あるいはまたそれ以上にあります豪州やアルゼンチン、そういうようなところの農産物と、日本が幾ら合理化していきましてもしょせん価格で競争ということにはこれは相ならない。こういうことを私は強くお互いがまず基本的に認識しなきゃいかぬと思います。
 したがって、これからも農産物はなるべく価格は縮めていくが、これを先般経済同友会ですか、こういう方々が出しておる提言なんぞというのは、これはもう非常識も甚だしい。きのうちょうど経団連の会がありましたから、ちょっとそこであいさつの順番があれば私も言おうかと思いましたけれども、斎藤会長やら来ておりましたから。とんでもない提言をやっておるわけであります。私は、ああいう提言は非現実的であると、こういうことを強く抗議したいと思っております。
 この狭い国土で、そして農家の皆さんが営々汗を流しながら、食料を安全に、安全な良質なそして衛生的なものを安定的に供給してくれる、そこにやっぱり国民全体が理解をしてくれなければこの国土というものをだれが守ってくれましょう。この狭い国土を、これを担っておるのは日本の農林水産業に携わっておられる農民の方々、漁民の皆さんあるいは林業の皆さん方だと私は思います。そういう国土保全という大きな多面的な役割をこの農村の皆さんが担っていらっしゃる。これはもう、こういう公益性というのはとても金では評価できないわけです。
 私も末端の市長をしておりましたときに、第一次の水田、稲作の休耕制度が四十年代にとられましたが、あのときに三年間、あの当時は休耕を三年しても全部金を支給した時代であります。ところが、この三年が終わりましてから、それからまた水田に復旧しようとしたら大変なこれは労力を費したんです。もともともう山みたいになってしまいますから。やはり私は農家の皆さんが鋭意こうした稲作なりあるいは畑作なり、いわゆる山村を守っていただくというのは国土保全という大きな役割を果たしておるということをもう身をもって感じております。
 そういうことを考えますときに、私どもは今後、余り価格政策というのは強調すべきものではない。今現在、私どもは良質の品物を提供する、安全、衛生で、そしていかなる事態が起こっても、我々生命の基本になります食料を供給していくのが農林水産業だという深い御認識をいただけるように、我々まず国民全体にこのPRをしていかなきゃならぬ。特に、経済、財界団体等が、装置産業は二十四時間操業なんです。我々農業というのは、これはもう自然を相手にして年一回しかできない産業である。だから、そういう特殊な事情にありますということも御認識を賜わりますように、これから我々が、外からそういう農業の置かれておる立場というものを御認識賜わるような方向で、まず努力をしていこうと、こういうように思います。
 そういう中にあって、私どもはこれからの政策は進めていかなきゃなりませんが、一方では非常に技術革新が進みまして、特にバイオテクノロジー等の技術が相当進んでまいっております。また、農村では農地の賃貸借あるいは農作業の受委託によって規模拡大を図っておる地域もあるし、あるいは農家の意欲によっては、地域によっては果実を積極的に輸出を試みている地域もあります。こういうようなことを考えますときに、今後この技術進歩や、あるいは農業者の創意工夫によりまして地域の特性を生かしながら、農業が魅力ある産業として私は十分可能であると考えております。
 このような状況を踏まえて、さきの農政審報告でも明らかにされておるとおりでありますが、より一層の生産性の向上を進め、あるいは国内での基本的な食料供給力の確保を図りながら農業経営の安定、これはもうどうしても欠かすことはできませんが、これを確保するとともに、国民の理解し得る価格での食料の安定供給に努めることを基本として諸般の施策を強力に展開してまいりたいと存じます。また、農業者が将来を見通しつつ営農を展開することができるよう、現行の長期見通しに変えまして、平成十二年を目標年次といたしまして新たな農産物の希要と生産の長期見通しを策定することといたしております。この計画につきましては、今年度じゆうに新しいこうした長期見通しを策定してまいりたい、こういうように考えております。
#152
○鈴木貞敏君 ただいま国際化あるいは自由化、こういった問題、大臣のいろいろ深いお考えを聞いて感ずること多いわけでございますが、またあわせて規模拡大あるいは構造政策、こういった面につきましても、狭い日本の国土、自然的条件の中で、それぞれのお考えがあるわけでございますけれども、やはり日本の国土を考えました場合に、アメリカのような国土と比較してもう本当に自動車で三十分、一時間もかかるようなところに出かけていって農耕をするという、そういう状況、大きな土地を持っているというようなことは考えられないわけでございまして、やはり日本の国土という条件で考えた場合に、何といいますか、いろいろの人間関係のもとに豊かな温かい生活環境というか、そういうものを想定した活性化、活力のある農村といいますか、そういうものが土台でなくちゃならぬ、これがやはり土台でなくちゃならぬ、こういうふうなことを思うわけでございます。
 この構造政策、とにかく規模拡大、いろいろの面で今立法政策その他努力し、また流動化が進められておるわけでございます。三十六年でございますか、農地法ができましてからの今までの進展を見ましても、やはり土地利用型農業というものが決してそう簡単なものじゃないうちを挙げて農業を離脱するということをあの当時想定したのかもしれませんが、やはりそう簡単なものじゃないということが歴史的にも証明されているわけでございます。そういう面につきまして、この構造政策への取り組みといいますか、そういう面につきましてのお考えをひとつお伺いしておきたいと思います。
#153
○政府委員(松山光治君) ただいま大臣から、これからの農政の進め方につきましての基本的なお考えの御答弁があったわけでございますが、そういう考え方に立ちまして物事を進めてまいりますにつきましても、やはり幅広い国民の皆さんの御理解というのをどのようにして得ていくかということが非常に主要だと考えておりますし、そのためには、やはり零細農耕というふうに一言で言われますような我が国の農業構造の特色をいかに改善していくかということが、非常に重要な課題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 おっしゃいましたように、いろいろと地域の条件が異なっておりますので、そういう意味では地域の条件に即しながら従来からもやってきていることではございますけれども、農地の売買なり貸し借り、あるいは農作業の受委託といったようなものを進めてまいりまして、中核農家の規模拡大あるいは生産面の組織化といったようなことを促進していく必要がある、このように考えておるわけでございます。こういう観点から、農用地利用増進事業を基軸といたしまして幾つかの課題に積極的に取り組んでまいる必要があると、このように考えております。
 その一つは、やはり地域の条件がいろいろと違ってございますので、これからの地域農業の展開方向につきまして、あるいはまた、そういう展開方向のもとでの担い手のあり方といったようなことにつきましての各地域における合意形成を急ぐと同時に、担い手あるいは地域リーダーの育成確保という課題に対処する必要がある。また、農作業受委託の促進を含めました多様な農地流動化の掘り起こし活動を強化していく。これまでも一定の成果をおさめておるわけでございますけれども、兼業の進化あるいは高齢化といったような農地流動化を進める上での契機になるような事情も出てまいっておりますので、そういう契機をとらまえながら農地流動化の掘り起こし活動の強化を行っていく。
 また、土地基盤の整備は構造改善を進めていく上での非常に重要な基礎的条件を整備するものでございます。さらに農地の出し手になる方々への安定的な就労機会の確保、こういった幾つかの課題に積極的に取り組んでいくことが必要であろう、このように考えておるわけでございます。
 元年度におきましても、予算なり金融なり、税制なりの各般の面にわたりまして関係施策の一層の拡充を図らしていただいたつもりでございますけれども、さらに関係機関なり団体によります農用地の利用調整活動の活発化ということを中心といたしまして、構造政策を積極的に推進していくための法制整備といたしまして、今般農用地利用増進法の一部改正法案を御提案さしていただいておる次第でございまして、ひとつよろしくお願いしたいと、このように考えておる次第でございます。
#154
○鈴木貞敏君 零細小規模自作農といいますか、そういう形態の中で、構造政策の必要性は十分わかるわけでございますが、今おっしゃいましたような総合的な施策、そしてまた大臣の所信表明の中にも触れられておりますが、効率的な生産の展開が困難な中山間地帯、こういったものに対する配慮、そういったものを含めまして構造政策、本当に総合的な施策をひとつよろしくお願いしたいということをお願いしたいわけでございます。
 次は、農林水産技術の開発という点についてお伺いしたいと思います。
 大臣の所信表明の中では、数カ所にわたりましてバイテクを初めとする技術開発という言葉が水産行政の中にも含まれておりますし、触れられておられるわけでございます。また、農林省におかれましても、農林水産技術会議を中心にいたしまして、各分野で各種の非常にいろいろの開発に取り組んでおられるということを聞いておるわけでございますが、この面につきましては、何といっても開発には時間がかかる。しかも、我が国の零細経営の農家にとりましては、こういった開発というのは大変これは負担が大きい。先ほど大臣がおっしゃいましたように一年に一回しか作物がとれない。したがって、これにかける何といいますか、思い入れというものは大変なものであるわけでございまして、それだけにこういった品質改良を含めたもろもろの技術開発ということは、国の立場で相当力を入れてやっていかなくちゃならぬというふうに思うわけでございます。
 そういう面で、今の体制なり陣容なり予算なり、そういったもので果たしてどうなんだというふうなことを心配するわけでございます。そしてまた、開発に当たりまして、博士論文を取るためのアカデミックな研究ということじゃなくて、やはり現場に絶えず還元するようなそういうひとつ研究でなくちゃいかぬと、こう思いますし、また研究対象というものも、やはり現場のニーズに応じた、本当に生き生きとしたそういったものでなくちゃいかぬと思います。そういう面の配慮、さらにまた産学協同といいますか、大学なりあるいは民間との協力、あるいは他省庁とのそれぞれの協調、こういった面も大変大切であろうと思うわけでございます。いずれにしましても、こういった非常に大切な技術開発、バイテク、こういった面につきましてひとつ見解をお伺いしたいと思います。
#155
○政府委員(谷野陽君) ただいま御指摘がございましたように、現下の農林水産業を取り巻きます情勢の中で、研究開発、特にバイオテクノロジー等の先端的、革新的技術への期待は極めて大きいわけでございます。
 ただいま御指摘がございましたように、農林水産業の研究開発につきましては、農家その他の段階での技術開発につきましては限りがあるわけでございまして、従来から国を中心とする体制の中で技術開発を進めてきたわけでございますが、このような最近におきます諸情勢の変化に対応いたしまして、私どもの関係の研究機関につきましても体制の再編成を行ったところでございます。例えば昭和五十八年には、バイオテクノロジーの専門研究機関でございます農業生物資源研究所を設置いたしましたし、また最近に至りましても、筑波におきます各研究機関あるいは各地域にございます農業試験場の体制につきましても逐次見直しを行ってまいりました。この十年間でかなりの体制の再編が進んだというふうに考えておるわけでございます。
 また、その内容につきましても、ただいま御指摘がございましたように、バイオテクノロジー等の新しい技術を使いまして、品種改良を進めるというような新しいプロジェクト研究を進めてきておりまして、例えばバイオテクノロジーを使いましたバイテク育種二〇〇〇年計画というようなプロジェクトがあるわけでございますが、毎年四億五千万円程度の研究費を投入いたしまして、十五年間という長期の計画での育種、改良の計画を現在進めているところでございます。
 また、農業の場合には、ただいま御指摘がございましたように、現場に近いところでの研究というのは大変重要でございます。バイオテクノロジーにつきましても、国の段階だけではなくて、各都道府県の試験研究機関に対しましても地域バイオテクノロジーの研究開発の推進というようなことで、私どもの方からも一定の助成をするとかあるいは各試験場の研究者の資質の向上ということで、研修等を私どもの方の研究機関で引き受けるというようなことで、国、県相携えてこれに努力しているところでございます。
 また、民間、大学等につきましても、これらの機関の持ちますいろいろなノーハウ、特徴等を活用いたしまして国と一体となって研究を進めたい、こういう考え方で進めてきているところでございます。民間につきましては、昭和六十一年にいわゆる生研機構という名前で呼んでおりますが、このための組織を新しく創設したところでございます。
 ただいま申しましたようなことで、この数年間体制整備はかなり進んだわけでございますが、今後はこの中で予算を重点的に投入いたしまして、我が国農業の将来に展望が開けるような研究開発に一層努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#156
○鈴木貞敏君 いろいろお伺いしたいこともあるわけでございますが、最後に御要望申し上げたいと思うわけでございます。
 現在は価値観の多様化の時代とかこんなことで言われているわけでございますが、私はそういう中でやはり公正といいますか、そういった価値をどういう格好で貫くか、これが一番政治なり行政の要請かな、こんな考えも持っているわけでございます。そういう意味で全国隅々まで愛情のある政治、行政といいますか、そういったものを浸透させていくということが、何といいましても信頼される政治なり行政を具現するかなめであろうと、こう思うわけでございます。
 大臣、先ほど経団連等のお話もございましたけれども、農業過保護というようなことでまことに誤った、十四兆円を補助しているなんというとんでもない数字を挙げて、過保護を批判している本を読んでびっくりしたようなこともあるわけでございますが、いずれ商工業に比しましていろいろのやはりハンディキャップといいますか、そういったものを背負う第一次産業、農林水産業というものに対していろいろの対策というものは、決してこれは保護じゃなくて公正の実現であると、こうも思うわけでございます。
 そういう意味で、ひとつ堀之内大臣のもとに農水省の皆さん結束を固めて、国民のコンセンサスを得て、これから未来に向かって推進していただくように心からお願いしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#157
○刈田貞子君 午前中に引き続き、大臣御苦労さまでございます。
 大臣は、所信の中で「農業者が将来を見通しつつ、営農を展開できるような中長期展望を確立する」ということを言っておられます。確かに、今日の農業にとって展望は非常に大切なものでございまして、猫の目農政と言われてはばからなかったこれまでの日本の農業、ぜひ展望が必要だというふうに思います。しかし、中長期展望を出すにはまず短期的展望がなければならないであろうというふうに思います。
 そこで私は、平成元年度農業観測に従って今日の農業、短期的展望をどう考えられるかということをまずお伺いしなければならないと思うんです。先ほど平成十年ですか、までの中期的展望というようなものも作成なさるということをおっしゃっておられましたけれども、私はこの平成元年度の農業観測を読ましていただく限りにおいては、なかなか夢のある展望というのは作成しにくいという要因が多過ぎるのではないか、こんなふうに思っております。我が国の農業を取り巻く情勢、主要農産物の価格の低下あるいは農業資材の値上がり、あるいは農業就業人口の減少、あるいは農産物輸入の増加等々と、これはみんな挙げますとなかなか厳しい条件がそろっていようというふうに思います。
 そこで、まず中長期というよりは短期的展望についてお伺いしておきたいと思います。
#158
○国務大臣(堀之内久男君) 農業というものはいかなる作物をつくりましても、短期というのはまずまずこれは難しいわけであってどうしても中長期的にならざるを得ない。これは「桃栗三年柿八年」といって、同じ作物を植えましても三年か四年しなければこれは出てこない。したがって、私どもはやはり中長期的に嗜好の変化というものを考えていかなきゃならない。
 例えば、ミカン対策でありますが、私が市長をしておる時代でありましたが、ちょうど今農林公庫の総裁をされております松本さんが企画室長をされておられた。その当時、昭和四十六年でしたけれども、もうこれ以上ミカンを奨励したらこれは無理ですよと、国民がみんな黄色くなるんじゃないかといって私は抗議に行ったことがあります。そのとき松本室長は、いやもうそれはわかっておるんだけれども、どうしても今いいものだから、ミカン農家がいいから各地方の国会の先生方がどうしてもおれのところもさせろ、おれのところも金を出せと言われるものだから、どうしても歯どめがきかないということを言われた。
 私はそのときのことを考えてみますと、一時ミカンも三百六十万トン生産しておるんです、生産がですね。それが全部消化された時代がある。今は二百万トンなんです。だから、もうずっと嗜好の変化というか、経済とあるいは国民の所得の変化とか新しい技術の開発によっていろんな作物が生まれてまいりました。例えば最近は、食卓に一番よく出ますのがイチゴでありメロンなんです。農家の皆さんがかんきつを、ミカンを自由化したらけしからぬとよく言うけれども、ミカンと競争をしたのはメロンなんです、イチゴなんです。何もアメリカのオレンジじゃなかったわけです。もう二年前からだめなんです、ミカンは、私のところは。
 だから、そういう嗜好の変化というもの、あるいは所得等いかんによって国民の食が豊かになってまいりますと、そのときそのときで農産物は変わってまいります。したがって、これからも短期的な見通しということを言われますと、その年その年、あるいはここ二、三年の見通しというのはやっぱりそのときの経済事情、あるいはまた食生活の変更、そういうのを考えながらやっていかざるを得ないわけであって、我々としてはやっぱりある程度の中長期的な見通しというものを立てる。
 役所が言うたことの反対をつくればいいとよく農村では言っておりましたけれども、確かにそういうことが言われるぐらい、ある程度方向を出しますとみんながそれを生産しまして過剰になる事態もあるわけです。この辺はなかなか見通しが難しいわけで、例えば最近の例で、我々が一番悩んでおるのが生糸なんです。二年前まであれだけ厄介者にいたしておった生糸が今日では大変な事態が起こってまいりました。これを今度どうしようかと、役所としても大変なこれは苦労をいたしております。私もこの役所に入るまで、党の中でも大変この生糸問題というのは最近のこれは大きな問題になっておるわけです。事ほどさように見通しというものがなかなか容易ではないということは御理解いただけると思います。
 したがって、これからも我々は中長期的な、これはもう長期というものじゃなくて中長期ですね、こういうものの見通しを立てながら、また時代の変遷に応じてこれは変更していかなきゃならない、こういう形で取り組んでいかざるを得ないのが実情だと思っております。
#159
○刈田貞子君 いろいろ言いたいことがあるんですけれども、時間がございませんので先へ進めますが、例えばやっぱり短期的な問題でも数字で一つ一つ押さえていくというようなものの積み重ねということは、私はできるのじゃないかなというふうに思います。
 そこで、私昨日、大変関心があったものですから、農林水産省のこの「平成元年度農業観測」の中で、農家経営あるいは農業経営、農家の家計にあわせて及ぼす消費税導入の負担をどういうふうに計算しておられますかということをちょっと伺ったわけでございます。そうしたら、そういうものは余り出ていないようなお話なんですね。この農業観測で調べてみますと、この中では、消費税導入によって前年度をわずかに農業生産資材価格が上回るというようなことで、その下にいささか数字が出ている。それで、私は概算してはじきますと二%ぐらい農業資材が上がるのかなというような感じを自分で計算してやってみたんです、三%の消費税導入で。
 お伺いいたしますが、例えばそういう試算をした上で、本年度は農家経営にこういう影響があるのではないかというくらいの私は数字をもって、その年度年度を推測していくということはしていかなければならないし、できるであろうというふうに思いますが、これはいかがでしょうか。
#160
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のように、ことしも例年のとおりでございますけれども、農業生産者やあるいは農業関係者に対しまして、農産物あるいは農業資材の需給、価格の見通し等の情報を総合的に供給し、需要の動向に対する的確な対応を期するというようなことで、今御指摘の農業観測というものを発表さしていただいたわけでございます。
 先生御指摘の消費税の問題等々におきます資材の問題でございますが、資材につきましてはやはり農業生産の基本的な、重要なパートを占めております。そういう意味で私どもといたしましては、各省庁、特にこれを所管しております他省庁との連絡をとりながらこの中におきます、政府が見通しております消費税の影響等々できる限り織り込みまして、新たなことでございますので、従来と連続性があるというようなこと、あるいは経験があるということではございませんが、そういったものを見通しながらできる限りの経営の内容というものに反映する数字を掲げたつもりでございます。
 ただし、この中の観測でございますが、当然のことではございますが、実態にある数字といったようなものにつきましては、ごらんのようにはっきりとこれまでの問題というようなことで、「(経過)」という言葉で数字を挙げさしていただいておりますが、これからの問題につきましては、特に行政価格等についてはこれから政府が決めていく問題でございます。そういう意味で、それについては従来からこの観測におきましても全然入れておりません。そういう意味で、表現も数字的な意味での其体的なことを掲げるわけにはいかないものでございますので、一般の約束ごとというようなことから「わずかに」とかあるいは「やや」とか「かなりの程度」というような表現で、ある程度の予見を農家の方々が持っていただくように努力したところでございます。
 そういう意味でこの観測等につきましては、私どもといたしましては役所のデータを提供いたしまして、農業観測の諸先生に御議論を賜りまして、今日の先生お手元にお持ちのこの観測をつくった次第でございます。
#161
○刈田貞子君 大蔵省は、一般家庭で家計に及ぼす影響を一・一というふうにはじきましたけれども、私どもが計算した、私の試算では一般家庭に一・三四という数字が出てきたわけです。これは一般家庭ですね。農家は、私どもの党で試算した農家に及ぼす影響というのは、これはまだ導入前の試算でございますけれども、東北、北海道とそれから全国平均といろいろ条件をつけて、モデルを設定した上で計算したものが私どものところにございますわけですが、それよりは全国で家計に一・五という影響を及ぼす。これはもちろん所得税、住民税減税分相当額を引いて後の影七でございますけれども、やっぱりそういうふうな試算をわからないながらやってみているということですので、ぜひ農水省でも今後、農家経営あるいは農家家計に及ぼす消費税の導入というものが、私は大きなウエートを持ってくるだろうというふうに思いますので、こういうものの把握をきちっとしてみていただきたいということを要望いたします。
 それから、大変次々になって申しわけないんですが、この観測を下敷きにしながらお伺いするとすれば、外国との関係の問題で、先ほど来輸入農産物の問題が出ておりましたけれども、私が一つ関心がございますのは、例のMOSS協議の対象になっておりました木材に関する問題でございますけれども、スーパー三〇一条の対象にされております例の木材問題ですね、これは一体どのように理解すればよろしいのか。それから政府としてはこれを今後どういう形で対応していかれるのか。
 例えば、関税の分類の問題であるとか、それから建築基準あるいは製品規格に至るまでさわられてきておるということになりますと、これはいささか内政干渉にかかわってくるという思いがございます。したがいまして、これをやはりきちっと言っていく姿勢というものが必要でございますが、ぜひこの今三〇一条対象になっているスパコン、通信衛星とあわせて我が農水にかかわりのあります木材ですね、この問題について御見解を伺っておきたいと思います。
#162
○政府委員(松田堯君) アメリカとの間におきます林産物の貿易問題につきましては、ただいま先生お話にございましたように、六十一年の一月にMOSS協議の合意がなされたところでございます。その後、我が国といたしましては二度にわたる大幅な関税の引き下げを行うほか、日本農林規格あるいは建築基準の改正等も行いまして、合意事項を誠実に実行してきたところでございます。その結果、米国からの木材輸入につきましては、特に製品輸入でございますが、六十三年には六十一年に対しまして約二・二倍と大幅に増加いたしておりまして、米国が指摘するような不公正な貿易の実態にはない、このように考えているところでございます。
 さらに我が国は、米国との良好な関係を一層推進する観点から林産物貿易問題の技術的側面につきまして、両国の専門家間で意見を交換することがこれは有益であると考えまして、そのための会合を持つことをお願いしているところでありますけれども、まだ米国からのそれに対する返答が参っておりません。いずれにしても、この問題に関しましては冷静な話し合いを通じて問題の解決を図る姿勢を示しているところでございます。
 このような中で、今回スーパー三〇一の決定を行いましたことは極めて遺憾でありまして、米側が一方的な制裁打にの発動を辞さないとの前提で協議を求めてくるのであれば、かかる前提での協議には応じられない、このように考えているところでありまして、先日の日米次官級経済協議においても当方からそのような主張をいたしたところでございます。これからの具体的な対応につきましては、米国の決定内容あるいは我が方提案に対する米国の回等等をよく分析して対応してまいりたい、このように考えております。
#163
○刈田貞子君 今までのか産物交渉経過も、さっき細々とまた改めて伺ったわけでありますけれども、非常に強い姿勢を持ちつつ押しまくられてしまうという何か経過があるように思うんです。私は、この木材に関しては、かつて川上から川下までというキャッチフレーズで随分対策をやったわけですよね、日本としても。今なおかつ、ここでさらにこの木材の問題が取り上げられてきているというのはどういうねらいがアメリカ側にあるのかな。
#164
○政府委員(松田堯君) 実は、私どももスーパー三〇一の対象に林産物が取り上げられたということについてはまことに心外なわけでございます。その真意をはかりかねると、こういう状況でございます。それは、先ほど申し上げましたように、MOSS協議を誠実に実行しておりますし、その結果の効果というものがはっきり出ているところでございます。そういう中で対象品目になったということについてはよくまたそれを問いただしてみなければいけない、そういう中で冷静な対応をしていかなければいけない、このように考えております。
#165
○刈田貞子君 林業の方でもいろいろな計画、政策を積み上げて、そして国内的にも努力してきているところでございますので、やはりこういうもので、そうしたものまでも何かつぶされてしまうということでは大変遺憾でありまして、今後の交渉に非常な私は責任を持ってこれに当たっていただきたいということを願っている者の一人でございますので、よろしくお願いいたします。
 それから、新大臣でいらっしゃいますので、本当にお伺いしたいことがたくさんあるんですが、三十分ほどしか時間がいただけないということは大変遺憾に思います。それで、最後に私は一年に一度ずつ農村婦人政策についてお伺いをすることになっております。ことしは、予算編成時に農村婦人対策について伺えなかったものですから、大臣も新しくなったところでございますので、大臣に農村婦人というものについてどんな御認識を持っておられるかということをお伺いしながら、私の見解も少し述べてみたいなというふうに思うわけでございます。
 これは農水省の調査のようで、生活改善グループが中心になって調査なさったもののようでございますが、農業婦人、農家婦人生活実態というものがいろいろな形で出てきておるものを私は、資料はちょうだいしないのですけれども新聞で読みました。そこで、これについて少し伺ってみたい。婦人の農家経済に関する意向調査というものでございます。これですが、農家経営についてはいろいろな相談を農村婦人も受けているようだ。しかし、いわゆる農業支出の決定権、こういうものがなかなか農村婦人に与えられていない。あるいは自由裁量権のあるお金というものが農家婦人はなかなか持ちにくいというようなデータがあります。
 我が国の農業というのはその六〇%が女性農家労働、女性によって農家の労働力を支えている〉いう実情がございます中で、しかし農村におけるあるいは農家における女性の地位というものが、果たしていかがなものだろうかということを私は常々感じておる者の一人で、地方を歩きますたびごとにそういう対話をしてきているものでございますが、この資料によりますと、農家婦人が農業所得から一年間に受け取る金額、つまり自分のお金として受け取る金額が二十万円以下という人が二八%、それから二十一万円から五十万円までという人が二六%、それから五十一万円から九十万円までが二四%、こういうふうなことが書かれてありまして酪農家系統では多く米麦では少ない、こういうふうな資料、これはいい資料ですよなかなか、おつくりになってあるわけです。
 そうした取り分に対して、農家主婦は四六%が満足しているということは五四%が不満だということですね。半分以上の農家主婦は自分の農業所得からの取り分に対して大変不満を持っている。こういうことが書かれているわけです。
 私は、地方を歩きますと女性の自立というのはやはり経済的自立ということも連動してくる、したがって自分の自由裁量権の及ぶお金をつくっていくんだということで今はやりのニラ貯金、あぜまでニラを植えなさい、庭先までニラを植えなさい、それは売った物は自分のお金だよというニラ貯金とか漬物貯金、自分たちで加工してつくった物はこれは自分の懐に入るものだよ、こういうもの、それから牛乳貯金、こんなふうなことを農村の主婦たち、特に若い主婦たちが積極的に取り組んでいて私も大いにそれを奨励しているわけでございます。こんなことが進んでいる中で、しかし実態はなおかつこうだということ、こういうことも含めまして、大臣の農村における婦人の地位向上、こういう問題についてどんな御見識を持っておられるのか、お伺いしてみたいと思います。
#166
○国務大臣(堀之内久男君) 刈田先生の今御指摘の農村婦人の問題でございますが、これは私は先生の認識が大分間違っておると思うんです。その資料がどこから出たか、ちょっと間違っております。私は、もう二十三歳のときからずうっと農業もやってきたしあるいは村長、市長という末端をやってきました。一番農村でしっかりしておるところは、奥様がしっかりしておる農家の家庭は皆自立ができて全部繁栄しておるわけです。今農村の中で、農家で奥さんの地位というもの、奥さんを認めない家庭というのはその経営は成り立ちません。特に畜産なりあるいは施設園芸なり、こういうものは奥さんのセンスの細やかな愛情というものがあって初めて畜産は成り立つ、あるいはそうした細やかなセンスというか、神経を配る配慮があって施設園芸というのは成り立っておるわけです。
 これは、田舎の言葉でかかあ天下といっているんですが、かかあ天下の農業でなければ亭主関白の農業というのはとてもじゃない。男性というのは非常に油断が多いわけです、油断が。あくまで忠実にやっていただいておる農業経営というのは主婦が中心になっております。したがって、経営の財布あるいはそういうものの経理もしっかり奥さんが握っておられるところはむちゃな負債を抱えるとか、そういうことはないわけです。やはり御主人がその経営の主導権を握るというか、経理を握っておるところはなかなかまめにそうした記録がなされていないというのが、これはもう我々が末端で実際経験したところであります。
 したがって、昔言われるようなしゅうと、小じゅうとという状態は、もうそういうところの農業というものはあるいはそういうところには立派な後継者は育っておりません。やはり若い後継者に、特にそうした一切をお任せするというところに立派な農業経営というものが育っておると我々は考えておりますし、我々も末端の行政機関の長をしておりますときは常にそのことを申し上げて、あるいは婦人会活動あるいは農村の婦人の技術指導、例えば畜産なんかもうおやじを教育、いわゆる技術的な指導をするよりは、奥さんを集めて奥さんに新しい畜産技術というか、そうした講習というのが非常に盛んである。
 だから、そういう面では非常に農村婦人というのは大きな負担というんですね、経営の方にも携わらにゃいかぬ、育児もせなきゃいかぬ、家庭も守らなきゃいかぬ、そういう面では農村婦人は大変な役割を担っていらっしゃると思っております。
 その中の可処分所得の分け方というんですが、私はこれはほとんど奥さんが握っておると言ってもいいんじゃないでしょうか。大概の家庭が私はそうだと思っております。そういう意味で私は昔のようなしゅうと、小じゅうとという時代では、もうほとんど現在の農村では成り立たない、こういうように認識をいたしております。幸い年金制度というのが発達してまいりましたおかげで、農村のやはり高齢者になりますと、あるいは農業者年金あるいは国民年金という形が出てまいりましたので、農村の高齢者はもうまさしく最近の高齢者の引退というか老後というものは、極めて楽しくやっていらっしゃる。そのことが今のゲートボールの盛んなこと、これは農村ほど盛んです、広場がどこでもあるわけですから。
 だから、そういう意味でもう農業経営は一切若い後継者あるいはそうした者にお任せだという実態でありますので、私は今後農村婦人というものはまだまだそういう意味で大変な責任というか、そういう方向へ行きつつある、こういうふうに私は理解いたしておりますので、今刈田先生の言われましたことはちょっと合点がいかないところでありますが、我々はそういう意味では、やはり改良普及指導員を通じまして生活改善あるいはそういう環境の問題も女性を中心にした、婦人中心のそうした教育活動というのも精いっぱいやらしていただいております。
 今でも、組織的に一番活発なのは農協婦人部です。一般的な社会教育の婦人会活動より農村の農協婦人部活動の方が非常に盛んであります。そういうことを考えても、私は今後の農村婦人というものの地位というものはますます大きくなるし、また農村の婦人を無視して日本のこれからの農業を語ることはできません。アメリカのような広大な農地でありますと、これはもう機械農業でありますから、ここになると割といろいろ男性が中心になるかもしれませんが、現実では日本の農業は何といっても零細農業でありますから、やはり婦人中心の農業になります。
#167
○刈田貞子君 大臣の認識も私はわかるんですけれども、確かに基幹的労働力ですよ。そして、経営権持っていますよ。だけど、やっぱり基本的な立場で、今言った例えばじゃ農協の婦人部は活発なんだけれども、その農協を動かすまでの決定権持っているかと言えば持っていないわけですね。組合へ入ったとしても、そういう場にはまだいないということね。これはやっぱり大臣、もうちょっと認識改めなければいけませんと思いますよ。
 それから、家庭のやっぱり支出の決定権だって最終的にはそこの長がやる、こういう形になっているし、慣習、慣行に至ってはもっとひどいところがいっぱいあるんですから、もっと農村婦人の立場をしっかりと御理解いただきまして、今のお言葉忘れませんので、ぜひ日本の農業、主なる立場でしょっていく女性に応援をいただきたいことをお願いいたしまして終わります。
#168
○下田京子君 ことしも米価の季節がまたやってまいります。言うまでもありませんけれども、お米は国民の主食であり、日本農業の基幹的な作物であります。
 昨年、既にもう大臣が他の委員に答弁されておりますけれども、政府と自民党は、先般米価審議会において了承された新算定方式は、六十四年産米から適用するというような確認事項をされていると思うんですけれども、改めてそういうことがございましたかどうか御確認ください。
#169
○政府委員(甕滋君) 昨年の米価決定に当たりまして米審が提言をされました新しい算定方式、これを昨年から適用したいということで調整いたしましたが、諸般の事情から、本年産からこれを適用するということになりました。ただいまお話のありました政府・与党間の確認というものがその際にございます。
#170
○下田京子君 そこで、大臣に聞きたいんですけれども、参議院選挙前に米価を決着したいということが、私どもが米価に対する申し入れに行ったときにもお話しになっておりました。これらについて各紙が参議院公示前の米価決定は反対だ、米価で票を売ってよいのかなこというふうに論評されております。私は、これら中身についてはあれこれは言いませんけれども、いずれにしてもこれは党利党略と言われても仕方ないのではなかろうかと思うんです。
 確認したいのは、昨年並みの米価で据え置きかという話も出ております。しかし、いずれにしても大臣、ことし昨年、政府・自民党間で約束した新算定方式なるものは採用するのかやめるのか、どちらなのか御答弁ください。
#171
○国務大臣(堀之内久男君) 時期につきましては、党利党略というんじゃなくて、各党皆さん参議院選挙前にやれといって申し入れを受けておるわけです。我々も例年ならば、私は就任のときに粛々と今までどおりやれば七月十日か九日だということを申し上げておったんですが、それでは各党皆さん、国会、東京におられないので、国会の諸先生方がおるときに決めるべきだ、こういうことを言われまして、我々もやはり政治家でありますから、それぞれ関係機関と相談いたしまして参議院選挙告示前に何とかして米価を決めていこうということを決めさしていただいたわけであります。これは、例年より四、五日早いというだけであって、何も党利党略ということにはならないと思います。
 次のお尋ねの新算定方式でありますが、これは昨年度、先ほど長官が申し上げましたとおりでありまして、一応我々はその新算定方式を参考にしながら事務的に進めていかなきゃならないと思いますが、その後のことはやっぱりいろいろ政治的な配慮もあるでしょうし、今後十分また米価審議会等の意見を聞きながら適正に決めさしていただきたいと思います。
#172
○下田京子君 そうしますと、新算定方式はやめない。昨年の資料をいただきますと、一・五ヘクタール以上の規模になりますと六十キロ当たりのお米が約一万五千八百円、こう相なるところだけれども、いろいろ諸般の事情をかんがみて昨年並みに据え置く、つまり一俵六十キロ一万六千七百四十三円だよ、こういうお話が流れているんですが、私はこれは据え置きじゃなくて、仮に昨年と同じ価格だった場合に引き下げだと思う。単純に見て引き下げ。どれだけ引き下げかというとあれこれの問題じゃない、消費税分は引き下げになります。そうですね。
#173
○政府委員(甕滋君) 本年産の米価の決定につきましてはその算定基礎が六月いっぱいには手元に参りますので、その算定基礎をきちんと踏まえまして価格決定を行ってまいりたい、米審にかけて決定を行ってまいりたいということでございまして、それがどういう数字になるかといったことについては何ら予断を持っておるものではございません。
 それから、消費税についてお触れになりましたが、御承知のとおり米の政府買い入れ価格につきましては生産費を基礎に算定するということになっておるわけでございまして、したがって、原則論を申し上げますと、消費税の導入に伴います生産者の税負担、これは生産者米価算定の基礎になります生産費に織り込まれることになりますので、当然価格に含められることになる、こういうことが申し上げられるかと思います。
#174
○下田京子君 仮に、昨年産米価を算定に使った場合は評価がえ生産費で試算いたしますと、皆さんのところから資料をいただいているんですが、物財費はざっと五四%、十アール当たり七万八千百五十九円になります。これに消費税がかかったといたしますと十アール当たり二千三百四十五円なんです。一俵六十キロにしますと二百五十八円で一・六%アップに相当いたします。ですから、行政価格には必ず算定要素の中に消費税分を織り込むと言っておりますけれども、昨年と同じ価格であれば逆にその分は引き下げになるというのは、今の私の説明で御理解いただけると思うんです。
 そこで、さらに申し上げたい点は、農水省が監修した「農業と消費税」というこのパンフ、このパンフを見ましても行政価格の中に織り込みなんだ、こういうことを言われておりますけれども、私が聞きたいのは物財費等々消費税値上がり分が農産物価格においては、皆さん方が言われている性質に乗って価格に転嫁できると完全に保証できますか、保証した価格決定をいたしますか。
#175
○政府委員(甕滋君) 先ほど申し上げましたように、生産費調査が基礎になりまして直近の物価あるいは労賃のレベルにこれを修正する、こういった算定方式をとっておるわけでございます。したがいまして、物財費が値上がりするといった面は最近の物価修正といったものを通じまして消費税導入の影響が織り込まれる、こういうふうに相なります。したがいまして、農家が負担いたします消費税相当分の負担は、そういった実際の調査の数字に基づいてこれに織り込まれるというふうに御理解をいただきたいわけでございます。
#176
○下田京子君 決定米価に消費税分がきちっと反映されたものになるかどうかというのは別な話ですね、今お答えになった。私は、今農家の皆さんがどんなことで怒っているか、私言うまでもないと思うんです。リクルートで怒って、消費税で怒って、米価初め各価格の引き下げから農産物輸入自由化で、皆さんずっと現地回ると、いやもう自民党は三重苦でありまして大変つらいですが、しっかり頑張ります、こう演説されているのもよう聞きますよ。そういう農家の皆さん方が、果たして米価算定に当たって国民が納得いくような、労働賃金をきちっと織り込んで価格決定されることが国民の理解を得ないのかどうかという点なんです。
 私は、具体的に申し上げますと、昭和五十二年の際には製造業の全国平均を使っておりました。特に、従業員五人から千人未満、これは中小企業の労働者の賃金です。とにかくその全国平均を使って米価算定をやっておりました。ですから、五十二年産と同じ算定要素を入れて昨年産米価を決めたら幾らになるのか、お幾らですか、数字だけ。
#177
○政府委員(甕滋君) 五十二年産の方式ではじいたらどうなるかというお尋ねでございます。
 五十二年といいますと米の需給事情あるいは経済事情等大きな違いがございますので、それを無視して計算してみるのも何だと思いますけれども、お尋ねでございますのであえて計算をしてみますと、五十二年産米の政府買い入れ価格と同様の方法によって試算しました場合に、基準価格で六十キログラム当たり二万六百円という数字に相なります。
#178
○下田京子君 周辺の事情がいろいろあるという弁解をしましたが、私は五十二年のお米の算定をした際の最も大事な部分は、お米生産にかかわった農家の人の労働賃金をどう評価するか、その労働賃金の評価の仕方がだんだん変わっているんです。
 五十六年からまた変わったんですけれども、変わりましたから前年の五十五年産方式でやってみても、というのは大臣、五十六年のときには必要量生産費方式というのを入れてきたんです。つまり、生産調整やっているんですからできてきたものが、もうこれは必要なものなんです。だから血を流して減反やっているわけです。それにもかかわらず、生産なかりせばという論拠をもって必要量方式を入れてまいったんですが、そのときの算定要素を見ましても一俵六十キログラム幾らかというと実に一万八千五百円になるんです。これもいただいている数字ですから間違いありません。
 そこで問題にしたいのは、農林省からいただいた資料を見ましたら生産者米価算定に用いた労賃がどうなっているか、昭和五十五年一時間当たり男女込みで千九十三円でした。それが五十六年には九百四十九円です。だから、この年は二二・二%の賃下げになりました。一方、五十五年から五十六年の間に労働者は平均で賃上げが幾らあったかといいますと、賃上げは六・一%なんです。農民は一三・二%賃下げ、労働者は六・一%賃上げ、それを合計すると実に二割近い低い労働賃金しか農民には補償されなかった。
 私は、今あえて申し上げるつもりはありませんけれども、先ほどの論議で婦人がしっかりしていると農家もいいという話ですが、その婦人が、農村に嫁さん来ないですよ、後でまた私やりますけれどもね。そのぐらい賃下げされていて何が農業過保護ですかと申し上げたいんです。
 具体的に申しますと、福島県に例をとりますと、六十二年に福島県の農家平均販売数量は五十八俵でした。そして、計算いたしますと実に農家二戸当たり二十二万円損失になります。どういうことかというとその内訳言いますね。五十二年方式でやれば昨年の米価は二万六百円だった。にもかかわらず、一万六千七百四十三円で皆さん泣かされた。ですから、その差が実に三千八百五十七円になるということなんです。そして、それを五十八俵に掛けると二十二万円の損失なんです。
 ということを申し上げまして、私大臣にお答えいただきたいのは、きのう農民連合会の方々が申し入れ等に行ったときに、二種兼農家は趣味で農家をやっているようなお話、何か出たかに思います、正確に伝わってない部分もあるかもしれませんけれども。二種兼農家というのは本当にかつては専業農家だった、農業を農外収入で支えているというのが実際なんです。こういう人たちは趣味だと、やめろということになったらば日本の農業どうなりますか。
 さっき経済同友会の話へありゃけしからぬとおっしゃいました。しかし、現実には今三百五十万戸ある米作農家、稲作農家が十万戸になるじゃありませんか。そして現に今、政府管理米四割だと言っていますけれども、順次それを減らしていくとなったら今だって二百八十万トンしか政府が管理してない、あとは自主流通米です、二百万トン。やがて百万トンで経済同友会が言っているのと全く私同じじゃないかと思うんですが、そうじゃないと言えますでしょうか。大臣、お答えください。
#179
○政府委員(甕滋君) 大臣の御答弁の前に、先生のお話の中に一つ中心にございましたのが米価のレベルの問題。
#180
○下田京子君 時間がないんです。私は大臣に聞いておるんです。
#181
○政府委員(甕滋君) それからその中心が、また労賃の問題ということがございましたので、まあ一言だけ申し上げておきますと、五十二年産あるいは五十五年産のようにいわゆる全国賃金ということでございますと、これは東京や大阪等の米生産にほとんど関係のない大都市地域の賃金水準が強く影響いたしまして、米生産の地域的実態が反映されない、こういう問題があるわけでございまして、またこのことが、当時はちょうど水田利用再編二期対策で生産調整面積を大幅に拡大したときでございましたけれども、大幅な過剰基調の中で生産刺激的な要素をとることはできない、こういったことでいわゆる地方労賃ということにしたという経過がございます。
 やはり生産費・所得補償方式で農家の生産費、あるいは所得を補償していくということになりますと、その要素のとり方につきましては米の需給事情、経済事情、こういったものを反映して適切な算定を行うということで今日までまいっておりますので、その辺は基本としてひとつ御理解をいただいておきたいと思います。
#182
○下田京子君 理解できない、大臣。
#183
○国務大臣(堀之内久男君) 二種兼業農家の問題を御指摘になりましたが、これはやっぱり農家の中心というものをある程度基準に置いてこれを計算していかないと、二種兼業の方々は一応農外所得を中心にしてその他の経営を支えていらっしゃるわけでありますから、ただいま長官が言いましたように、やはり農家の中心をなす大体の平均をとりながら、そして生産費並びに所得補償方式をとっていきますれば、やはりそのときの可処分所得がどうなるかということでこの比較をしないと、ただ単一的に二十万減ったというような形ではこの計算はならないと私は思いますし、またこれからの消費者の問題というものもこれを十二分に念頭に置いてこの価格決定は行うべきだと思います。
#184
○下田京子君 ですから、消費者というか生産者というか、全国民から、大企業ちょっとおいでおいでもだれもが納得できるものは、労働費をきちっと評価する、それから物財費の値上がり等々を評価すること。だからあれこれ言われましたが、労賃のほかに昨年米価のあれに当たりまして、昨年の一万六千七百四十三円というのは十年前の水準ですから、この十年間にどのぐらい上がったかといいますと、米生産の物財費が四二・四%上がっています。ここのところを申し上げておきます。そして、製造業労賃が四五・九%上がっております。これらを償う米価をというのは当然でありますし、国民から支持されることであるということを申し上げまして、そうした米価決定になりますように強く希望します。
 次に移ります。
 大臣、先ほどからお話伺っていますと、大変国民の食料の安全性については深い理解をお示しになっておるようです。私たち共産党も、農業は国民に対して安全で新鮮な食料を安定的に、そしてできるだけ安く供給できるように、そのために農業というのは基幹的産業として位置づけなきゃなりませんよと、こういう考え方を持っております。大臣もこの点については特別異論はないと思うんですが、念のために簡単に御答弁ください。
#185
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま下田先生の言われましたとおり、これからも農業の基本はやはり国民に安定的に食料を供給する。しかも、良質で安全で衛生的なもの、これを今後とも基本にいたしまして農家経営の安定を確保しつつ国民の理解できる価格、こういうことでやっていきたいと思っております。
#186
○下田京子君 具体的に聞きますけれども、輸入農産物の自由化とさらに輸入されてくる食品の安全性に対して国民は大変不安と怒りを持っております。特にプレハーベストはもちろんですが、ポストハーベストも含めまして、日本は自由化はまずやるけれども、そうした農薬等の使用実態等について調査されてないという点で大変不安をお持ちなんですが、実態を胸張ってつかんでいるというふうに農水省は言えますか。
#187
○政府委員(吉國隆君) ポストハーベスト、農薬の使用実態ということでございますが、私ども農薬取り締まり行政という立場から申しますと、国内における農薬の使用についての規制をやっているわけでございます。
 輸入食品、外国で農薬が使われてその農産物が輸入される、そのことによる食品の安全性との関係ということは重要な問題でございますけれども、これは、基本的には食品衛生行政の分野に属する問題であるというふうに認識いたしているところでございます。
#188
○下田京子君 厚生省に転嫁して農水省の方は自由化だけ決めちゃってどんどん入ってくる、入ってくる物の安全チェックは厚生省でおやりなさいという論ですよね。
 それじゃ、厚生省聞きますけれども、農水省はポストハーベストに八百万の予算をつけました。厚生省は二千五百万つけました。そして、三年ぐらいかかりましてまず穀類についてのポストハーベストの実態調査等を行おうと、こういうことでございますけれども、わずか二千五百万円程度で実態調査、現地への調査官派遣も含めてやれるんだろうかというのと、実はその中で、私は臭化メチルについて聞きたいんです。
 アメリカで、小麦に対するポストハーベストの臭化メチルの基準値、どのようにお決めになっているか。私の方から申し上げます。小麦が五〇ppm、イチゴが六〇ppm、チェリー、サクランボが二〇ppmです。しかし、その薫蒸の実態について御存じですか。――これは厚生省じゃないんです。小麦の輸入やなんか農水省なんですから。
#189
○政府委員(吉國隆君) 私どもの承知している限りのことを申し上げますと、臭化メチルについてアメリカにおきます残留基準は、先生先ほどおっしゃいましたような基準になっているということを私どもも把握をいたしております。使用の実態につきましては、私ども必ずしもつまびらかには承知いたしておりませんが、こういった使用基準に基づきまして適正な使用が行われているものというふうに理解しているところでございます。
#190
○下田京子君 薫蒸の現実を見てきましたか。
#191
○政府委員(吉國隆君) 物別にどのように対応しているかということをちょっと私、突然のお尋ねでございますので、承知をいたしておりません。実情を調べて御報告したいと思います。
#192
○下田京子君 やってないんです、薫蒸の実態なんて見ていませんよ。
 八百万円でアメリカに行って見てくる旅費もあるのかねと聞いたら、旅費にはなるだろうけれども、どうなのかと。厚生省が二千五百万円組まれましたけれども、ポスト八一ベストの実態調査に現実に海外に派遣する予定がありますか。
#193
○説明員(内山壽紀君) 私どもの予算の中では、実態調査とともに外国との協議費という形で外国旅費をいただいておりますから、これにつきましては、私どもは適正にそれを使っていきたいというふうに考えております。
#194
○下田京子君 適正に使うったって現地に行ってないでしょう。行ってないですね。
#195
○説明員(内山壽紀君) このポストハーベストの予算というのは、平成元年度でいただいた予算でございますから、これからの業務というふうに私ども考えております。
#196
○下田京子君 要はね、行ってないんです、農水省も厚生省も。それなのにです、農水省に聞きます。
 臭素米汚染時のときに、さあこれはということで基準づくりがようやくなされました。しかし、臭素に対する農薬残留基準というものは、臭素問題が起きるまではその中に入ってなかったわけです。だけれども、臭素そのものはいつ登録されましたか。どの業者によって登録されましたか。そのときの毒性データはどうでしたか。公表してください、端的に。
#197
○政府委員(吉國隆君) 臭化メチルが我が国におきまして農薬登録をされましたのは昭和二十七年でございます。毒性データの公表というお尋ねでございますが、この点につきましては、毒性データというのは開発しました農薬企業におきまして多大の経費を費やしてデータを受検のためにつくる、こういうことでございますので、これはいわば企業の知的所有に属するものということで、第一次的には公表云々は企業の御判断にゆだねるべき問題であるというふうに考えております。私どもとしては、企業に対しましてできる限りこれを公表するように指導はいたしているところでございます。
#198
○下田京子君 二十七年に、登録時にきちっと毒性データがあったと思いますが、そのデータを見ては危険でないという判断だから基準値をつくらなかったんでしょう。ところが、五十三年産コケコッコ米と言われるのが大問題になって、さあ調べてみたらFAOでもWHO、あるいはアメリカでも五〇ppmの基準があるということで都衛研だとか国立衛研だとかそれぞれのところで厚生、農水協議をして五〇ppmという基準を決めたんじゃないですか。そして、そのときの毒性データがどうなのかというようなのは厚生省を通じていただいています。企業の秘密だなんてとんでもないです。それでもって国民の食料に安全が持てますか。ずっとこのことでこの質問にかかわってやってきたんです。問題ですよ。きちっと公表しなさい、させなさい。させますか、させませんか。
#199
○政府委員(吉國隆君) 農薬に関します毒性データの公表についての一般論は、先ほど申し上げたことを繰り返す以外にないわけでございます。
 私ども、臭素につきましては先生おっしゃいましたような経緯もあったわけでございますが、その後もいろいろなところで試験が行われておりまして、臭素に関しましては南係の工業界で最近三年の時日を費やしてやられた調査結果がまとまったように承知いたしておりますので、これの公表について指導を行っているところでございまして、このデータについては近く発表される予定というふうに承知いたしております。
#200
○下田京子君 最後に、大臣お答えください。
 私、実を言いますとびっくりしたんです。きょう細かく厚生省なんかに聞こうと思ったんですけれども、チェリーが、サクランボ、これはアメリカから九千九百一トン輸入されています。国内物とほぼ同じ数量です。この中から今の臭化メチル、臭素の残留も出ているんです。それからべリー、イチゴです。私、イチゴまで輸入されていると思わなかったんですが、イチゴの量は二千五百八十トンです。念のために大臣の宮崎県ね、どのくらい生産されているか、千九百十六トンなんです。だから、大臣のところで生産されている量より多いんです。何に使われているのか、生食用もありますがケーキ屋さんがほぼ大きいんですね。それで、輸入商社どこなのか知らせろと言ったらいや調べてもわからぬ、輸入商社を調べてもわからぬなんて言って薫蒸について指導なんかできますか、薫蒸が何回やられてという。
 臭化メチルの毒性がいかなるものなのかというのは、実は厚生省からいただいたんです。なぜかというと、お米の残留臭素の暫定基準をつくるときに、農水、厚生とあわせて試験研究をやっているんです。その毒性についても事詳しくここに書いてあります。問題なのは、薫蒸の濃度、薫蒸の回数、それに相関してともに残留がふえていくというやつなんです。臭化メチルそのものは揮発性で残留しないと今まで言われてたんですけれども、いろんな化学物と合って臭素という形で残留するということになりまして、最近オランダで一九八八年に発がん性が問題にもなりました。それを受けてアメリカではEDBの禁止に続いて今度は臭化メチルも禁止かということで、代替物の開発問題等も今検討されているというのが実態なんであります。
 私ども、安全性がはっきりしないものをやみくもに危険だ危険だとは申し上げる気はないんです。しかし、安全性が確認されてないものについては、やはりこれは中止するとか代替物に切りかえるとか、ましてやそういう実態について調べるとか、これは行政の責任できちっとやるべきじゃないだろうかという点で、大臣が冒頭に申し上げられましたその線に沿って私は、この臭化メチルということを例にとって申し上げたんですけれども、万全な対応をしていただきたい、御決意を聞かせてください。
#201
○国務大臣(堀之内久男君) 輸入食料品の安全性の確保については、厚生省において適切に対応していただいておると、かように考えておりますが、先ほども申しましたように、私は我が農林水産省としてもこれは重要な問題でございますので、こうした安全衛生というその基準については、さらに厚生省を督励いたしましてこの基準を作成してもらうと。
 したがって、私はその前にいかに国産が安全で衛生であるかということのPRが大変大事なんで、先般来食品流通局長に指示して検討を命じておるんですが、私は国産の産地証明、これが全部できないかどうかということを今やっておるわけです。できれば外国のものは、これはアメリカ産あるいはこれは中国産と、こういうことまで表示できないか。そういうものができることによってそれから先は一応厚生省の示した基準に合格しておれば、これは消費者の選択に任さざるを得ません。やはり自分たちが日本の価格はある程度高いかもしれぬけれども、あるいはその場合にはしかし安全で、しかも衛生的であるというようなこと。
 先ほど、いろんな防腐剤とかあるいは農薬その他を大分使うと言われますが、やはり我々が今日農産物、野菜をつくるんでも、なるべく農薬を使わない方向ということを今やっておるわけでありますから、そういう意味では消費者の方も賢くなっていただいて、我々ももちろんそうしたはっきり消費者のサービスという立場で産地証明、こういうことを今後強くまず、外国のものにやるのではなくても、国産に産地証明をぴしゃっとつければ、それのついてないものは輸入品だと、こういうように区別がつくわけでありますから、そのような方向を何とか検討してみないかということを指示しております。それしか現時点において安全ということあるいは衛生的であるということ、新鮮度ということには、今のところそれを担保する方法はありませんので、こうした方向から一歩一歩進めていきたいと思います。
#202
○山田耕三郎君 私は、所信に関連をしてお尋ねいたします。
 ただいま本年産米価の決定についての御論議がございました。我が国の米価は二年連続の引き下げで経過をしてまいりましたのは御承知のとおりであり、その理由は、簡単過ぎるかもしれませんけれども、我が国の生産者価格が国際価格に比べて高価であるからであります。日本には国際価格に比べて高いものは幾らでもあります。だからといってすべてが下げられるものではないことは、それぞれにはそれぞれの条件があるからであります。
 だから、高いから引き下げるという単純な思想では、所信で述べられましたような農業経営の安定を確保するどころか、農業の健全な発展など期待し得ないのではないかとさえ思いますし、ましてや巷間伝えられる、選挙前だから据え置きするというこの心情は、お互いに選挙を戦う者としてわからないではございませんが、我が国農業は今やこのような小手先の対応では済まされない状態に立ち至っておるのではないか、私は深刻に考えております。価格の構成要素はそんなに簡単、明快なものではありません。たとえ価格の引き下げが必要だという観点に立たれたとしても、価格を構成する要素を克明に調査し、農業の健全な発展が可能となる将来を見通した広範な総合施策でなければいけないと思います。
 時間の関係で詳しく申し述べることはできませんので、意は尽くせませんけれども、価格を構成する主要な要素の数点だけを申し述べ、この指摘をなおざりにしていただかないよう、価格の引き下げは我が国農業の健全化を図るどころか、国民いじめ以外の何物でもないことを批判されないようにぜひお願いをいたしたいと思います。
 まず、どういうことが関係しますかというとやっぱり今の日本の物価高であります。本来、円高は喜ぶべき経済現象だと私は理解いたしております。にもかかわりませず、国民は世界の先進国の中でも最高の物価高に悩まされておるのもまた反面の真理であります。これは円高差益の還元が不十分だからであります。
 このごろ、週刊誌の広告を見ましても二ページにわたって、あの焦げ茶色の広々としたオーストラリアのビール麦農園が写し出されております。モルトの広告でありますけれども、「麦芽一〇〇%」と書いておりますんですが、もしオーストラリアの麦芽一〇〇%であったといたしましたら、このごろでこそ若干円安にはなっておりますけれども、ひところと比べたら三分の一の値段で輸入をされておらなければならないのでありますが、実感としてそのようなことが私たちには感じられません。例えば、今日本での三百五十ミリリッター入りの缶ビールは、これは二百三十円でありますけれども、アメリカの同等の缶ビールはわずかに六十円、やっぱりこういうものを飲みながらの農民生活でもありますことを考えてみる必要があります。
 もう一つは、社会資本の充実のおくれであると思います。
 午前中の質疑の中にも出てきましたように、コストに占める流通経費の論議がございました。今日、我が国では高速道路は有料というのが常識であります。アメリカやドイツでは無料が常識であります。したがって、日本では通行料の値上げのたびに利用者の抵抗が絶えません。ただの遠距離輸送と有料の遠距離輸送とでは、競争で既にもう負けておるということは事実であります。このように、確かに我が国は経済大国とは言っておりますけれども、社会資本の充実に関しては、これから政治がまだまだ解決していかなければならないものがたくさん残っておることを実証しておるように思います。
 もう一つ、小さいことかもしれませんけれども、軽視できないものに人の心の荒廃があります。
 私は、ただいま会派に所属をいたしておりませんということだけで参議院の公用車の利用の権利を奪われております。日本のある官庁ではタクシーで横づけすることを禁じておるところさえあります。ただ、そのことの不満を申し上げようとしておるのではありません。私自身、私の一つの信念がありますので、こういう立場を守っておるのでございますけれども、ただこのような関係で、東京駅と議員会館との往復はタクシーに依存をいたしております。
 最近、特に感じますことは、普通の料金でありましたらこれは八百円程度の行程であります。しかし、車の流れのよいときには最低七百三十円で済みます。けれども、流れが悪いというよりは、一番高いときは千百五十円を支払うことがあります。四百円の格差がありますけれども、その原因は運転手さんが稼ぎを少しでも多くしようということから不必要なところを回ってしまうということであります。心が悪くなったとはいえやっぱり農民はまだまだ素朴でありますし、善良だと思います。そんなところへ心の荒廃した悪徳商人が入り込んできて収奪をしていきます。気の毒で見ていられないようなこともございます。
 このように我が国の人の心が荒廃することは、やっぱり一つはぴりっとしない今日の日本の政治にも責任があるのではないか。このように思いますと、やはりその一員として責任を感じるものでございます。こういったところも何とかして直さなければやっぱり農林行政もそのとばっちりを受けるのではないか。とは申し上げましても、以上のようなことは農林大臣の直接の所管の仕事ではありませんので、あえて御所見を求めようとは思いません。ただ、このような所管外の要素が生産農民に重くのしかかっていることを御理解いただいた上で、今後の施策に配慮してほしいと思うのであります。
 その他にマイナス条件といたしまして、やっぱり日本農業は経営規模の零細性、狭隘な国土が持つ極めて困難な自然的条件がありますことは、先ほども大臣も申されました。それなりの対応をしておいでになりますけれども、規模の拡大はなかなか遅々として進みません。
 さらに、もう一つの問題は、内外格差の高まっておる肥料だとか、さらには農薬、農機具、一般農用資材等は直接関係のある分野です。生産コストとの連動性の極めて高い、これらの価格の動向とは無関係に生産者米価だけの引き下げで終始することでありましては、日本農業の安定や健全化はあり得ないところか、角を矯めて牛を殺すたぐいのこととならざるを得ないと思います。確かに米価の国際価格は高いが、国内価格としては他の物価との比較から若干低くなっているとさえ私たちは思っておりますのでありますし、相互関係には何の矛盾もございません。他の物価がむしろ値上がりしておる中で米価だけを引き下げていくという、こういったことで所信に申されましたような、日本農業の安定とそして健全化を期待できると思われるのかどうか、担当の方からの御所見を承りたいと思います。
#203
○政府委員(甕滋君) 米価につきまして、先生の方から的確な根拠、基礎数字に基づいて整々とこれを算定していくべきであるというお話がございましたが、私どもも所定の算定方式に従いまして基礎データを踏まえた算定を行い、米価審議会の御審議をいただいた上で、これは適切に決定していかなければならないものである、このように考えております。
 それから、この米価のレベルについての御意見、御感想をちょうだいしたわけでございますが、私どもこの米の生産、流通、消費、こういったものを全体として考えました場合に、やはり日本におきます主食である米、農業生産の基幹をなす稲作、また大臣からも再々申し上げておりますように、水田稲作というものが国土保全あるいは環境の保全、さらには地域経済上重要な役割を果たしているといった米の我が国における格別の重要性を踏まえますと、稲作の将来展望をきちんと見定めてもろもろの施策を進めていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
 その際、やはり内外価格差といった御指摘の点もございますし、またそれに対する先生の評価もちょうだいしたわけでございますが、もう一つ私ども頭の中に置いて進めてまいらなければならないのは米の需給事情がございます。国民の主食ということで、これが日本人の摂取カロリーの三〇%を占める、こういう食品としても重要な地位を占めるということは言うまでもございませんけれども、残念ながらその消費が次第に減少しておりまして、現在トータルで一千万トンレベルということでございます。それに対しまして潜在的な生産量が四百万トン近いものを持っているという大幅な過剰基調にあるという現実がございまして、これはやはり国民の必要とするものについて生産を行うという農業生産の基本の一つから申しますと、需要に合った生産を進めていくという中で、日本の稲作の将来展望を切り開いていくという必要もまたあるわけでございます。
 今日本の社会経済の中で、価格は需給によって調整されまた需給が価格を通じて調整される、こういうことが基本となっているかと思いますが、米につきましては、この大幅な需給の格差を生産調整、需給調整といった方向で行いまして一定の米価のレベルを維持しているというふうに言うこともできるかと思います。したがいまして、これにつきましては各方面からいろいろ御意見がございまして、やはりより需給事情を重視した米価政策をとるべきである、こういう御提言もございます。
 先般の農政審等におきます御論議の中でもそういった要素は十分考えていくべきである、しかし稲作の担い手がその再生産を確保し将来の担い手としてこれを育成していくために必要なことをあわせ考えますと、生産調整を行いながら生産費を基礎とした米価決定を行うことが適当ではないか、こういう御意見が大方の御意見として集約されたのではないかと考えているところでございまして、担い手の育成を図りながら需給調整機能も、しかしより強化した運用を行っていく必要がある。こういうふうに取りまとめられておるところでございますので、全体の価格の中で米価の比較、こういったこともございますけれども、稲作の将来展望を開いていく上でいかなる米価が今後適切なものであるか、生産性の向上を図りながら消費者にもそのメリットを還元していくということが、やはり必要なのではないかという考え方を私ども持っておるところでございます。
#204
○山田耕三郎君 御丁重な答弁をいただきました。ありがたいことではございましたが、時間が参りました。
 国有林野事業についてお尋ねをいたしますつもりであらかじめ連絡をさしていただいておきましたが、できませんので御理解をいただきたいのと、今申し上げましたことを、また大臣におかれましても十分御勘考をいただきたいことを申し述べさしていただいて、私の質問を終わります。
#205
○委員長(福田宏一君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。
#206
○委員長(福田宏一君) 次に、特定農産加工業経営改善臨時措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。堀之内農林水産大臣。
#207
○国務大臣(堀之内久男君) 特定農産加工業経営改善臨時措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 先般の日米協議等により、牛肉・かんきつ、農産物十二品目について、輸入数量制限の撤廃、輸入アクセスの改善等が決定されたところであり、自由化等関連対策として、農業者に対する影響を緩和するため、農産物の生産性向上のための産地条件整備等を行うこととしております。
 しかしながら、今回の自由化決定等により、農業者ばかりでなく、地域農業と密接に結びついている農産加工業者も大きな影響を受けることが懸念されており、生産対策等とあわせて農産加工対策を講ずることが重要な課題となっております。
 本法案は、このような状況にかんがみ、自由化の影響をこうむる特定の農産加工業者に対し、その経営の改善を促進するための金融、税制上の支援措置を講ずることにより、新たな経済的環境への円滑な適応を図り、もって農業及び農産加工業の健全な発展に資することを目的とするものであります。
 次に、この法案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、輸入に係る事情の著しい変化により影響を受ける業種を、特定農産加工業として指定することとしております。
 第二に、特定農産加工業者またはこれを構成員とする事業協同組合等は、経営の改善を図るための措置または事業提携に関する計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることができることとしております。
 第三に、特定農産加工業者等が承認を受けた計画に従って経営改善措置等を行う場合に、長期かつ低利の資金を農林漁業金融公庫が貸し付けることができることとするほか、設備廃棄に係る欠損金の繰り越しの特例、取得した機械等についての特別償却、その他税制上の特例措置を講ずることとしております。
 第四に、この法律は、自由化等に対応するための臨時緊急的な措置であり、施行の日から五年を経過した日に、その効力を失うこととしております。
 以上がこの法案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#208
○委員長(福田宏一君) 次に、補足説明を聴取いたします。渡辺食品流通局長。
#209
○政府委員(渡辺武君) 特定農産加工業経営改善臨時措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法案を提案いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足をさせていただきます。
 第一に、特定農産加工業の指定であります。
 輸入自由化、輸入アクセスの改善等農産加工品をめぐる輸入に係る事情の著しい変化により、事業者の事業活動に支障を生じ、または生ずるおそれがあると認められる業種を特定農産加工業として農林水産省令で指定することとしております。
 第二に、経営改善措置及び事業提携に関する計画であります。
 特定農産加工業者またはこれを構成員とする事業協同組合等は、特定設備の廃棄、事業の転換、新商品・新技術の研究開発または利用、事業の合理化その他経営の改善を図るための措置に関する計画または生産の共同化等事業提携に関する計画を作成し、これを都道府県知事に提出して、承認を受けることができることとしております。第三に、金融措置であります。
 特定農産加工業者等が承認を受けた計画に従って経営改善措置または事業提携を行うのに必要な一定の資金について、農林漁業金融公庫が新たに長期かつ低利の資金を融通することができることとしております。第四に、税制の特例措置であります。
 特定農産加工業者等が承認を受けた計画に従って行う措置に対し、国税については、特定設備の廃棄による欠損金の繰越控除期間の延長、新たに取得した機械等についての特別償却、試験研究のための負担金についての特別償却等の措置を、また、地方税については、特別土地保有税の非課税等の措置を講ずることとしております。
 なお、この法律は公布の日から施行し、施行日から五年間の時限立法としております。
 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
 以上でございます。
#210
○委員長(福田宏一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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