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1988/03/23 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 社会労働委員会 第2号
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1988/03/23 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 社会労働委員会 第2号

#1
第114回国会 社会労働委員会 第2号
平成元年三月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月六日
  辞任           補欠選任
   渡辺 四郎君       上野 雄文君
 三月七日
  辞任           補欠選任
   上野 雄文君       渡辺 四郎君
 三月二十二日
  辞任           補欠選任
   田代由紀男君       佐藤謙一郎君
   浜本 万三君       及川 一夫君
   渡辺 四郎君       渕上 貞雄君
 三月二十三日
  辞任           補欠選任
   斎藤 十朗君       大浜 方栄君
   石井 道子君       小野 清子君
   岩崎 純三君       寺内 弘子君
   中野 鉄造君       中野  明君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          前島英三郎君
   理 事
                佐々木 満君
                宮崎 秀樹君
                中西 珠子君
   委 員
                石井 道子君
                石本  茂君
                遠藤 政夫君
                小野 清子君
                大浜 方栄君
                佐藤謙一郎君
                関口 恵造君
                曽根田郁夫君
                田中 正巳君
                寺内 弘子君
                及川 一夫君
                対馬 孝且君
                渕上 貞雄君
                中野  明君
                沓脱タケ子君
                内藤  功君
                藤井 恒男君
 国務大臣
        労 働 大 臣 丹羽 兵助君
 政府委員
        労働大臣官房長 若林 之矩君
        労働省労働基準
        局長      野崎 和昭君
        労働省婦人局長 佐藤ギン子君
        労働省職業安定
        局長      清水 傳雄君
 事務局側
        常任委員会専門
        員       此村 友一君
 説明員
        労働省労働基準
        局庶務課長   五十畑 明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、労働基準監督署並びに公共職業安定所及び
 その出張所の設置等に関し承認を求めるの件
 (内閣提出)
○社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関
 する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前島英三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十二日、田代由紀男君、浜本万三君、渡辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤謙一郎君、及川一夫君、渕上貞雄君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、中野鉄造君が委員を辞任され、その補欠として中野明君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(前島英三郎君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署並びに公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。丹羽労働大臣。
#4
○国務大臣(丹羽兵助君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署並びに公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在、労働省の地方支分部局として、労働基準監督署及び公共職業安定所が全国に配置されておりますが、これらに関して、現下の重要課題である行政改革の一環として、その一部を整理統合するとともに、近年の地域の実情の変化に伴い、その配置の適正化を図る必要が生じてきております。
 この案件は、昭和六十三年度において行う予定の右の理由による再編整理に伴い、中央労働基準監督署ほか労働基準監督署六カ所並びに府中公共職業安定所ほか公共職業安定所及びその出張所四カ所の設置等を行うことについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものでございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認下さいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(前島英三郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○対馬孝且君 本日は、ただいま議題となりました承認案件の問題に絞って質問することに一応理事会で決定をいたしております。したがって、その前に一問だけ、私はこの機会に大臣の所見を承っておきたい。
 それは、言うまでもなくリクルート事件により労働行政への信頼が大きく損なわれていることについて、極めて残念であると言わなければなりません。さらに、国民の不信と怒りが極度に高まり、一部には労働省不要論まで言う人まで出てきております。また、現実に労働行政の第一線で働いている職員の皆さん、監督署の職員の方々が極めて肩身の狭い思いをして働いているという、こういう報道もなされております。今こそ、労働行政への信頼回復のためには、労働者の切実な課題に誠実に政策でこたえていくことが極めて大事であると考えます。
 したがって大臣に、今日の置かれている状態を踏まえ、政治姿勢並びに決意の一端を一問だけ求めたいと思います。以上であります。
#7
○国務大臣(丹羽兵助君) お答えさせていただきます。
 今回の問題によって、先生もおっしゃいましたように労働行政への信頼が損なわれたことはまことに残念でございます。国民の皆様に対して申しわけないという気持ちでございます。このようなことは二度と起こしてはならないというのが私の切なる願いでございます。私から幹部職員に対して綱紀粛正を強く指示してきておるところでございます。今後は、綱紀粛正の一層の徹底を図るとともに、国民の期待に沿える労働行政を推進するため全力を尽くしてまいりたいと考えております。どうぞよろしく御協力のほどお願いいたします。
#8
○対馬孝且君 今大臣から決意を申されましたが、その決意を踏まえてひとつ今後頑張ってもらいたいということをこの機会に要望しておきます。いずれ日を改めまして、大臣の所信表明など一般質問等を含めて質問してまいりたい、このことを申し上げておきます。
 それでは、承認案件事項でございます。
 第一の問題は、再編整理の基本姿勢につきましてお伺いいたしたいと思います。
 労働基準監督署及び公共職業安定所の再編整理問題でありますが、これは言うまでもなく臨時行政調査会答申、五十八年三月十四日を受けて、五十九年一月二十五日付の行革大綱、実施方針において昭和六十三年度まで五年間これを実施いたしてまいりました。そこで、労働基準監督署の関係の整理統合は十五カ所、公共職業安定所等が六十カ所とされております。そして、六十二年度までには労働基準監督署九カ所、公共職業安定所等が四十九カ所実施されました。ことしは最終年度の六十三年度でございまして、残りの労働基準監督署が六カ所、公共職業安定所等が十一カ所というふうに私は把握をいたしておりますが、この問題に関しまして労働省としてどういう基本姿勢に立って対応していくのか、この考え方をまず第一問お伺いいたしたい、こう思います。
#9
○国務大臣(丹羽兵助君) 今回の労働基準監督署及び公共職業安定所の再編整理は、地域の実情の変化等に対応して、円滑かつ効率的な行政体制を整備する観点から、行政需要の動向等地域の実情に即した労働基準監督署及び公共職業安定所の配置がなされるように行ったものでありまして、私としては、今回の再編整理によってこれまでと同様、行政の後退を招くようなことがあってはならないものと考えております。ただいま先生の御指示のありましたように、そういうことがあってはならないと考えております。特に統合等がなされる地域については、住民に対する行政サービスの低下が生ずることのないよう十分配慮してまいりたいと考えております。
#10
○対馬孝且君 今大臣から基本的な姿勢について答えがございました。
 そこで、具体的な問題として私が申し上げたいのは、そういう基本姿勢に立ってこれから承認案件事項について行われるわけでありますが、第二の問題として、この承認案件は昭和六十三年度、先ほど申しましたように最終年度の年である、そのための再編整理ということが対象になっているわけでありますが、この六十三年度のしかも終わりに近づく二月二十二日にこの承認案件が国会に提出されている。これは今までの例として十二月段階、この五カ年間の実績その他を見ますと、承認案件というのは年内に提案をして、それで十分事前の理解を得られて、そして承認を求めるというのが当然でありまして、もう国会始まって二月二十二日初めてこの承認案件が出てくる、こういった姿勢について私はやっぱり問題がある。
 したがって、なぜこういう承認案件が二月二十二日まで提案されなかったのか、その点ひとつお伺いしたい。
#11
○政府委員(若林之矩君) このような監督署あるいは公共職業安定所等の再編整理につきましては、できるだけ早く御承認をいただきまして地元等についてのPR等の準備を進めるということが必要でございますことはただいま先生御指摘のとおりでございます。私ども、このような監督署あるいは安定所等の整理統合につきましては、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、地元の働く方々あるいは事業主の方々の御関心が大変に強い問題でございますので、事前に十分調整をいただき、御理解をいただきました上で承認案件を取りまとめて国会に御承認をお願いしているところでございますが、今年度につきましてはこの承認案件の提出がこの時期になりましたのは、こういった地元の関係者の皆様方との調整に時間を要した、手間がかかったということでございまして、この点御理解を賜りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(前島英三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、斎藤十朗君が委員を辞任され、その補欠として大浜方栄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#13
○対馬孝且君 今なぜおくれたかということについては、地元の了解を得られるため、一言で言うとそういう答弁でございますが、私は五十九年行革大綱、六十年行革大綱、六十一年、六十二年、六十三年を持っていますが、承認案件の提案の時期というのは大体今までのところずっと十二月ですね。六十一年が十二月二十八日、六十二年がこれまた十二月二十八日と、大体この時期に提案をされているんだよ。
 だから、今官房長が言われたけれども、事前の了解を得られなかったということは、これはかなりぎりぎりまで問題があったということになると、これはやはりすんなり承認案件としていかがなものか。こういう問題について、一口で言うならどういう点が問題点であるのか。おくれた理由の端的な例をひとつお聞かせ願いたい、こう思います。
#14
○政府委員(若林之矩君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、こういったような再編整理をいたします場合に、廃止をいたしますような監督署あるいは安定所につきまして、自後のその地域における行政サービスを低下させないということが大事でございまして、それをどういったような形で確保していくかということがポイントでございまして、そういった点、念には念を入れて地元の関係者の方々とお話し合いをしたというようなケースがございます。
#15
○対馬孝且君 私も現地からちょっと聞いておりますけれども、かなりもめごとがあったというような報告を私なりに聞いています。
 しかし、いずれにしましても了解を得られたわけですから、やはり今後この種の問題は、承認案件が二月二十二日に出てくるなんというのは、これはやはり承認を求める姿勢ではないのではないか。これは今後改めていただいて、やはり年内に出して承認を求める。しかも日切れ法案として提案しているわけですから。だから特にその点ひとつ、今後年内に承認案件を提出してもらいたい。この考え方についてどうですか。
#16
○政府委員(若林之矩君) この点御指摘のとおりでございまして、今後できる限り早く調整いたしまして御承認をお願いするようにしたいと存じます。
#17
○対馬孝且君 そこで、これにまつわる六十三年度の予算がどういう内容になっていますか。六十三年度、平成元年度の予算の現状について、この問題に関連する予算措置、これをお聞かせ願います。
#18
○政府委員(若林之矩君) 監督署及び安定所の新営費の関係予算でございますが、六十三年度につきましては一億四千六百万円、平成元年度につきましては六億五千五百万円でございます。
#19
○対馬孝且君 なぜ聞いたかというと、今統廃合という、この予算で実施段階に入るわけですが、今説明された予算措置の内容で十分行政サービスを低下させないということで処理できる予算の措置である、こういう理解でよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(若林之矩君) その点につきましては十分措置をいたしております。
#21
○対馬孝且君 それでは次の問題に移らせていただきます。
 この承認案件の内容、新設の具体的な基準というものはどういうふうに考えているかということを質問いたしますが、第一の問題は、国会承認案件の労働基準監督署の新設、統合、廃止、それから公共職業安定所等の新設、統合、廃止、それぞれあるわけでありますが、この背景なり事情というものがどういうふうにあるのかという点が一点。それからあわせまして、監督署及び安定所についてのそれぞれ新設、統合、廃止の場合の、つまりどういう基準、どういう考え方でこれを示されているのか、この点お聞かせ願います。
#22
○政府委員(野崎和昭君) 労働基準監督署の関係につきましてお答え申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、労働基準監督署は地域の労働条件の確保を図るという見地に立ちまして労使初め関係の方々に行政サービスを提供しているわけでございます。そういう中で、行政の組織の簡素化ということを常に念頭に置くと同時に、長い間には産業事情、交通事情の変化等によりまして監督署の現在の配置が適当でないというような事態も生ずるわけでございます。そういった監督署につきまして、スクラップ・アンド・ビルドの原則に立ちまして必要なところには新しく監督署をつくる、またそれに伴う必要度の変化しているところにつきましては別の監督署へ統合する、そういう見地に立って統廃合を進めているところでございます。
 なお、この再編整理によりまして行政サービスが低下することがあってはなりませんので、新しく設けられる監督署の内部組織等につきましては、従来の行政サービスを低下させないよう定員等につきまして十分配慮しているところでございます。
#23
○対馬孝且君 今の局長の答弁を要約しますと、産業構造の変化、地域の労働市場の動向、それから労働人口、雇用保険の受給者、事業所数、大体こういう基準を一つの物差しとして今日の統廃合が行われた、こういう確認でよろしゅうございますか。
#24
○政府委員(野崎和昭君) 監督署について申し上げますと、先生御指摘のとおり、事業所数それから労働者数、さらにその事業場の中で監督の必要度の高い事業場、大きな工場等でございますが、そういったことを勘案して行っております。
#25
○対馬孝且君 そういうことでそれでは確認をいたします。
 そこで問題は、平成元年度以降の再編整理の方針、今後の全体像をどういうふうに考えているかということをお伺いします。
 ことしの一月の閣議決定に伴いまして、また平成元年から五カ年間を見通して、私が聞いているのは、監督署が七カ所、それから安定所関係が二十五カ所、おおむね平成五年度までというのが閣議決定の方向であるというふうに確認していますが、この点そういうことで間違いありませんか。
#26
○政府委員(野崎和昭君) これまでの臨調最終答申に基づきます再編整理は今回で終わりでございますが、新たに平成元年度から五年度にかけまして監督署につきましては七カ所の再編整理を行うということが定められております。
#27
○政府委員(清水傳雄君) 公共職業安定所につきましても、御指摘のように平成五年度までに二十五カ所を整理統合する、こういう考え方でございます。
 これにつきましても、再編整理を実施するに当たりましては、必要度の低い地域につきましては整理統合いたしますが、しかしこれまでの間の労働市場あるいは交通状況その他、社会経済情勢の変化の中で必要度が高まってまいっております地域については積極的にビルドも行っていく、こうした考え方でございまして、各地域の実情を十分にお聞きをし、そうしたところからの盛り上がってきた考え方に基づきましてこうしたものを進めていく、こういうふうな考え方で行ってまいることといたしております。
#28
○対馬孝且君 行政サービスを低下せしめない、こういう答弁でありますけれども、例えば六十年行革大綱の場合に北海道の倶知安、江差、あるいは五十九年は赤平、三笠、天塩などありましたね。このときには、サービスを低下せしめない具体的な対応とは一体何なんだということで、私もこの問題で触れています。そのときに申し上げたのは、例えば岩見沢なら岩見沢の一番近距離にある三笠へ出向しまして、一週間に三回とか派遣をして、そして労働、雇用の相談とか、あるいはミスマッチの今日の現象ですから、そういう問題の相談に乗るとか、そういうきめ細かい対策をやるということで現実行われています。
 それから、今安定局長言われるように、そういうきめ細かい対応がやっぱり雇用相談なり雇用窓口なり、特に北海道の場合は御案内のとおり求人倍率が全国一低いわけですから、これは九州も同じでありますけれども、そういう現況を考えた場合に、サービスの低下をせしめないということは、そういうきめ細かい対応を具体的にとって万全を期してまいりたい、こういうことなのかどうかひとつ確認をしたいと思います。
#29
○政府委員(清水傳雄君) 新しく新設するところはそうした必要性が高まっているところに新設をいたしておりますと同時に、必要度が相対的に低下しているところについて整理を行ってまいったわけでございますが、そうしたところにつきましても住民に対する行政サービスの低下が招来するようなことになってはならない、こういう基本的な考え方でございます。
 今御指摘のように、職員を現地に派遣をいたしまして、職業相談、職業紹介を行う、必要な事務処理体制をとる、こういう基本的な考え方でございまして、今回御承認をお願いしております箇所につきましても、それぞれ例えば出張所を廃止いたしましても分室という形で残しますとか、あるいは日雇い労働者の関係で低下いたしておりますところにつきましても詰所を持ちましてそこに職員を派遣いたしまして対応するとか、こうした措置を講じて配慮をいたしてまいりたい、このように考えております。
#30
○対馬孝且君 そういう統廃合あるいは廃止に伴う雇用相談なり雇用窓口に万全を期すということですから、そういうきめ細かい対応をぜひひとつ実施して、影響はない、むしろサービス低下をせしめないということで対応してもらいたいと強く要望しておきます。
 そこで、時間もありませんので二つだけ簡潔に申し上げますが、いわゆる地域労働市場のシェアを高めていくということか政策的課題でありますけれども、この職安における入職者数の割合の推移がどのような状況になっているかということが一点と、安定所としてのシェアを高めるための方策をどのように講じているか、この二点簡潔にひとつ答えていただきたい。
#31
○政府委員(清水傳雄君) 就職をされた方がどういう経路を経て就職されたか、こういう割合を雇用動向調査という調査によって実施をいたしております。これによりますと、公共職業安定所を経由して入職をされた方々の比率というのは五十五、六年以降おおむね二〇%という形で推移をいたしてまいってきておりまして、特段に低下をしているとかそういうふうな実情になっておるわけではございません。
 しかしながら、御指摘がございましたように、私どもといたしましてさらに労働市場における安定所のシェアを高めるということが極めて重要であるというふうに存じておりまして、特に求人者、求職者に対しますマクロ的なあるいはミクロベースでの雇用に関する情報を積極的に提供する措置を講じていく。それから、以前からやはり安定行政の基本は職業紹介である、このように言われてまいったところでございまして、予算的にはいろんな、例えば三十万人雇用開発でございますとか、そうしたところが目を引くものでございますけれども、いずれも結びつける、紹介ということのための手段である、このように考えておるわけでございます。
 幸い、昨年の六月に最新のコンピューター技術を活用いたしました総合的雇用情報システムを全国的に展開しつつございまして、これによりまして求人者、求職者の方々に大変好評をいただいてまいっておるところでございます。さわやかサービス運動におきましても評価が高まった上位に安定所がランクされつつある、こういう状況でございまして、こうした機器を積極的に活用しつつ、ただいま御指摘ございましたような方向で努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
#32
○対馬孝且君 私も入職経路別入職者数のデータがあるのですが、率直に申し上げて、五十七年は職安の関係の入職紹介経路を見ますと、率にして二一・四%、六十二年は二〇%に下がっているんですよね。それから逆に広告紹介によるもの、世に言われるリクルート就職雑誌などにまつわることにつながるわけですけれども、これを見ますと、五十七年が二四・八%、ところが六十二年は二八・一%に上がっているんですよ。逆に職安紹介の方が減って、広告紹介がやっぱり率が上がっているわけだ。こういう現状というのを、私もう時間来ましたから申し上げませんが、こういうことをしかと見直して、職安の紹介というものを充実強化させる必要が、まあ答弁もありましたけれども、より積極的にひとつやってもらいたい。これが一点。
 それから第二は、時間ありませんから率直に申し上げますけれども、労働基準監督署に関する事業現場の監督実施状況の推移、それから監督実施の年々実施率を引き上げるための努力の対策というものをとるべきではないかということを、時間もありませんから申し上げますが、私これデータ持っている、労働省調べですけれどもね。これもそうなんだね。監督実施状況は昭和三十五年には監督実施率が一二%なんですよ。ところが六十二年は五・四に下がっているわけだ。違反率は逆に三十五年は五七・二%で六十二年度は五八・二%にふえているんですよ。
 これはどういう現象かというと、やっぱり結果的には労働省の職員なり監督官のそういう言うなれば統廃合に伴う合理化あるいは切り捨てということがこういう監督実施状況にあらわれているのではないかという懸念をしているものですから、この点ひとつ、なければ結構だけれども、数字はうそを言わぬと思いますけれども、いずれにしましても私のデータにはそういう問題が出ておりますので、これにしかとひとつ対応してもらいたいということを含めて御回答いただいて質問を終わりたいと思います。
#33
○政府委員(野崎和昭君) 労働基準法の監督実施状況は、ただいま先生のおっしゃいましたような数字で推移いたしております。
 監督実施率が近年は五%台まで下がっておりますけれども、これは申し上げるまでもなく労働基準法適用事業場数が逐年増加する。監督官の方も増員に努めているわけでございますけれども、監督官の増員が事業場の増加ほどは及ばない。それから監督以外の業務、労働時間短縮のための指導というような業務がまた監督署にふえておりまして、そういう関係でも人手をとられているということでございます。しかしながら、それによって実質的な監督指導の内容が低下することがあってはならないということで、監督対象の把握につきまして重点的、計画的に把握するように努めております。
 違反率のお話がございましたが、違反率が高いということは、そういう意味では違反の多い事業場を集中的に監督をしているということだというふうに御理解いただければと思います。
 いずれにいたしましても、今後とも事業場がふえると監督官の増加は恐らくそれに追いつかないだろうということは避けられないと思いますので、労働基準局としましても、監督対象事業場をコンピューターに入力するというような方法を現在検討しておりまして、そんな方法で工夫をしながら重点的、計画的に監督を進めてまいりたいと思っております。
#34
○対馬孝且君 今答弁がございましたけれども、いずれにしましても、私が今指摘を申しましたような内容を、コンピューターその他の利用あるいは人的強化、そういう対策は必要だと思いますけれども、ともあれ積極的な監督実績の効果、特に危険な職場への対応、危険有害な現場をなくするという、こういう対応にひとつ力点を置いて最大限の対応をしてもらいたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#35
○中西珠子君 私といたしましては、この承認案件につきまして、職業安定所の新設などは非常に紀権たし、基準監督署も新設されるところもあるわけでございますが、中小零細企業で働いているような労働者は非常に基準監督署や職業安定所に信頼感を持っているわけです。リクルート疑惑その他で労働行政全般への不信感が増大している中で、殊に上層部に対していろいろ不信感を持っている人もふえている中で、そういった中小零細企業で働いているような労働者は、第一線の職員の方々がリクルート疑惑なんかで肩身の狭い思いをしないで頑張ってやってほしいという気持ちを持っているわけです。
 それで、殊に女子労働者の八五%近くが未組織の中小企業や零細企業で働いているわけですけれども、この人たちの賃金、労働条件は御承知のように劣悪なんです。基準監督署に駆け込めば何とかしてもらえる、基準監督署に対して大変信頼感というか、頼りにしているわけです。
 それで、とにかく今度臨調答申に基づいて約六十ばかりの統廃合をやらなくちゃいけないという、その数の達成のために何とか統廃合をやろうという感じを私どもは受けます。殊に東京におきます飯田橋基準監督署というものが廃止になりまして、中央と新宿というふうになってしまうということになるわけでございますが、飯田橋基準監督署の職員の数とかそれから業務量、こういったものをちょっと御説明いただけませんか。
#36
○説明員(五十畑明君) 数字なものですから、私の方からお答えさせていただきます。
 飯田橋署の職員数は現在三十四名でございます。それから業務量ということで、事業場数あるいは適用労働者数でございますが、事業場数は四万一千百七十でございます。それから適用労働者数は五十三万八千人でございます。
#37
○中西珠子君 これをやめてしまって、そして中央と新宿というふうにすると、非常に中央の方も新宿の方も管轄する区域が広がってしまうわけです。そして、飯田橋署の管轄していたところは割合と中小零細企業が多いわけですね、御承知のように。そういうところの人が組合もないから頼りにするのは基準監督署。実際において非常に危険有害業務に従事している人もいて、そして通風のための換気扇もないようなところで働かされている人がいたり、長時間労働をやらされている人がいたりする。それで基準監督署に行けば、監督官が少ないから大変だけれども、時間をかけても何とかしてもらえるというふうな、そういう頼りにする気持ちを持っているところへ、飯田橋の労働基準監督署は廃止するということで、そして中央の方に行きなさいということになりますと、中央のカバーする管轄区域は非常に多様で多岐にわたっているし、きめの細かい対応の仕方が果たしてこれでできるのか。
 それからまた中野の方も、これまでずっと杉並区と中野区をカバーしていたのが今度は新宿というところもカバーしてしまう。そうすると、新宿のような大きなビルがうんと建っていて、そして近代的な企業も入っているようなところと、中野区、杉並区のような零細企業、中小企業の多いところと一緒にしてしまって、果たして駆け込みをしたときに細かい対応ができるのかどうかという心配を非常に持っているわけです。
 殊に私の周りにおります働く婦人、中高年の人たちで零細企業、中小企業で働いている人たち、こういった人たちも非常に心配しているわけですね。それで、とにかくどんなことになるのかということで、私たちは絶対に反対したい、先生も反対してくださいというふうなことで、私は労働省から納得のいく御説明を伺わなければこれに対して賛成するわけにいかないわけですね。ですから、東京の飯田橋基準監督署を廃止して、そして中央と新宿というふうにすることによってきめの細かい対応ができなくならないかという心配、そういったことについて御説明をいただきたいと思います。
#38
○政府委員(野崎和昭君) 東京につきましては、先生御指摘のとおり、確かに飯田橋署を廃止いたしますが、全体の構想は、御指摘にもございましたように、新宿区が新しい副都心ということで非常に事業場が現にふえておりますし今後ふえてまいりますので、まずここに新しく監督署を設ける必要があるということがございます。そこで、飯田橋監督署の管轄しておりました新宿区を管轄し、かつ従来の中野署の管轄をそのまま引き継ぐ新しい新宿監督署というのを設けるというふうにいたしております。そして、飯田橋監督署のもう一つの管轄区域でございました文京区につきましては、中央の労働基準監督署に管轄させるということにいたしているわけでございます。
 これによって行政サービスが低下しないかということでございますけれども、実は私ども監督署の内部組織は地域ごとに、方面性というふうに言っておりますけれども、各方面ということでそれぞれの地域を管轄しているわけでございます。飯田橋監督署は従来四方面性署と言っておりまして、四つの課と考えていただいてもよろしいかと思いますが、地域分担があったと。その地域分担はそのまま、中央の監督署で二方面ふやし、それから新宿の監督署でさらに二方面、中野の監督署を引き継ぐほかに二方面ふやしまして、したがいまして内部体制としては従来と変わらないように措置いたしております。
 その他、交通事情等を考えましても、幸いいずれも都心でございますので、それほど大きな御不便をかけることはないということでございます。そういうことで新宿に生じている新しい行政需要に対応するという形で、また行政サービスの低下面はなるべく少なくするということで措置をしているところでございますので、よろしく御理解のほど申し上げます。
#39
○中西珠子君 日本はILOの八十一号条約、労働基準監督の条約を批准していますね。そして、情勢の変化に対応したような基準監督をやっていかなくちゃいけない。その情勢の変化というのは、もちろん技術革新とかそれから社会情勢の変化、それから経済情勢の変化ということでございますけれども、しかし基準監督官の絶対数が足りないということはこれは困ったことであり、私は毎年労働省の応援をさせてもらって、基準監督官をふやしてくださいということをこれまでも予算委員会でも言ってきた。とにかく基準監督官をふやすことと、それから技術革新に取り残されないようにどんどん訓練をしていく、研修をしていくことの必要性というのをいつも訴えてきたわけなんですね。
 しかし、とにかく新宿の方が非常に業務量がふえたから中野と一緒にして新宿という名前にする、それから飯田橋はとにかくやめるということの理由が私にはちょっとまだ納得がいかないわけなんですが、飯田橋の労働基準監督署、あそこの庁舎は廃止したらどうなさるおつもりなんですか。
#40
○説明員(五十畑明君) 当面、そのままに残すつもりでございます。
#41
○中西珠子君 当面、締め切って残しておくんですか。あそこは物すごく地価が高いところなんですよ。まさかお売りになるつもりはないでしょうね。
#42
○説明員(五十畑明君) ただいまの御質問でございますが、そのままに当面残置させていただきまして、将来の対応については今後検討させていただきたいというふうに考えております。
#43
○中西珠子君 その答えも納得がいきませんね。
 それで、新設される基準監督署がありますから、これも結構だと思う。それから職業安定所についても、やはり職業安定行政をもっともっと強化していただきたいし、そしてもっと清潔な純化したものにしていただきたいというふうに私望んでいるから、新しいものができたときに本当に庶民のために役に立つような機能を果たさしてもらように要望したいと思うのです。とにかく臨調が約六十ということを示して統廃合しろと言ったからそのとおりにしなきゃいけないということでは絶対ないと思うんですね。というのは、必要なところ、重要なところ、また庶民が必要としているところには重点的に人員もふやす、またオフィスもふやすというふうにしていただく。オフィスはやめるということをやった方が臨調答申に沿うからとにかくやめる、統廃合をするというふうなことは私は納得がいかないんです。
 とにかく、中央と新宿ということで二つに分けてしまってなさるということでは、どうしても私はきめ細かい対応ができないと思います。中央は人員は何名ですか。
#44
○説明員(五十畑明君) 中央の監督署は現在職員数は五十八名でございます。国会の御承認が得られれば、四月一日からは中央の監督署は六十四名にふえる予定でございます。
#45
○中西珠子君 中野はどうですか。中野の現在の人員と、それから新宿が幾らになるかお答え願います。
#46
○説明員(五十畑明君) 中野の監督署につきましては職員数は十八名でございます。国会の御承認が得られた場合、新宿につきましては四十五名の職員数になります。
#47
○中西珠子君 きめの細かい対応ができないということばかりでなく、働いている人が例えば三十分ちょっと早引けをもらって、そして労働基準監督署に駆け込むということが地理的に遠くなるとできないんですね。だから、やはり便利さということ、そしてきめの細かい対応ができるという面で、飯田橋はもうやめてしまって統廃合なんということはやらないでいただきたいと私は要望したいのです。
 ほかの面では新設もあるし、殊に職安は必要なところだと思いますからこれは賛成したいと思うんですが、とにかく労働行政への信頼感というものを回復するように、そして第一線の人がまた肩身の狭い思いをしないように、そしてその第一線の人が肩身の狭い思いなどをしなくてもいいと思うほど庶民が第一線の基準監督署とか職業安定所に対して頼りにしているということを忘れないでいただきたいのです。
 もう時間が来ましたからこれ以上言いませんけれども、とにかく数合わせのために統廃合するということは私は反対です。
#48
○政府委員(野崎和昭君) 確かに今回の再編整理につきましては行政の簡素合理化という見地もございますが、そのほかに、やはり長い間に生じました産業事情の変化、あるいは将来生ずる変化ということも考えまして、それに必要な再編措置を講じているところでございます。
 それから、これに伴いまして労使の方に対するサービスが低下することがあってはならないということで、ただいま御説明申し上げましたとおり、内部体制につきましては十分措置しているつもりでございます。そういう事情でございますので、サービスの低下については絶対に起こさないように今後とも努力してまいりたいというふうに考えます。
#49
○中西珠子君 労働省は、労働省の設置目的というものをもう一度原点に立ち返って考え直していただきたい。そして、効率的な効果的な労働行政を展開して国民の信頼感を回復していただきたい。私は労働省の味方として今まで頑張ってきたつもりなんですね。ですから一層そう思いますので、労働省の本来の目的というものをもう一度原点に立ち返ってお考えいただき、そして労働行政を効果的に効率的に、また最底辺の労働者のためにもなるような行政を展開していただきたいと思いますが、一言、大臣からお考えをお伺いさしていただきます。
#50
○国務大臣(丹羽兵助君) ただいま先生から労働省に対する希望ごときじゃない情熱を込めての励ましをいただきまして、まことに私、こういう問題を起こしました労働省の担当大臣として、国民の皆様方に長年かかって築いてまいりました労働行政への信用を落とした点もありまするし、また第一線で努力しておってくれる大勢の方々の御苦労に対しても非常に私は申しわけないことと思っております。
 さような先生からの励ましをいただきましたので、労働省設置の原点に返りまして、その原点を見失うようなことがあっては何にもなりませんから、十分お諭しのように心得て、これから信用を取り戻すようにもいたしまするし、また国民から信頼される、心のこもった温かい労働行政のできるように努力させていただくことをお誓い申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。
#51
○中西珠子君 ありがとうございました。今の大臣のお答えで本当に私も力を得て頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#52
○沓脱タケ子君 今回提案されております承認案件というのは、労働基準監督署が七カ所、公共職業安定所五カ所でございます。承認を必要とするのは新設だけで、実際には労働基準監督署三カ所、職業安定所一カ所、職安の出張所五カ所、計九カ所が減少になります。
 臨調答申による統廃合というのは六十三年度で終了するわけですが、六十三年一月、閣議決定で、いわゆる新行革大綱で新たに基準監督署七カ所、職業安定所及び出張所二十五カ所を整理統合するということを決定したようですが、多様な行政需要のある労働行政、とりわけ労働基準、それから職業安定業務というのが極めて住民、労働者のニーズからいいまして重要になっているときです。そういうときに、これをどんどん減らすというふうなこと、これは大変心配です。ですから、何よりも国民サービスの低下にならないということが基本だと思います。したがって、関係職員の増員、それから厳正、迅速な行政体制の充足、これが必要だと思います。
 時間の関係もありますので余り詳しくお聞きできませんが、こういった国民のニーズに対して抜かりなくやってもらいたい。そして、これをスムーズにしていくためには地方自治体あるいは関係労働組合などとよく協議して、手抜かりなくやっていただきたいということをまず指摘しておきたいと思うのでございます。
 職業安定業務ということになりますと、これは今日、リクルートに触れざるを得ないというのが状況でございます。大臣は御就任になられまして初めての機会でございますので、一言お聞きをしておきたいと思うわけでございます。
 政局は、もう私申し上げるまでもなく、竹下内閣の支持率が二二%と急落をする、あるいは過日の千葉の県知事選挙や、あるいは宮城県での知事選挙では自民党が候補者を戦う前から引きおろすというふうなことをせざるを得ないほど、国民の怒りというのはリクルート疑惑、それから消費税で本当に憤激がかつてなく高まっているというのが情勢でございます。
 労働省で言いますと、事務方のトップが逮捕されている。こんなことは労働省始まって以来だと思うんですよ。大臣、いわゆる労働省ルートで言いますと、国民の怒りを買っているリクルート事件の本質、根源というんですか、これは一体どこにあると思いますか。要するに、国民から見ますとこうなんですよ。法律や行政が買収をされている。つまり、お金で法律や行政がゆがめられたということに国民の怒りというのが燃え上がっている。そこに本質があるわけです。ですから労働者から見ますと、労働者の要求はさっぱり聞いてもらえないけれども財界の要求はよく聞くではないか、財界寄りになっていると思っても当然になるわけですよ。当然でしょう。大臣、この点をどうお考えになっておられるか、所見を伺っておきたい。
#53
○国務大臣(丹羽兵助君) ただいま先生からいろいろと聞かしていただきましたが、なるほど労働省といたしましては、事務側のトップの立場にあった人が逮捕されたなんというようなことは、本当にこれは労働省をただいまお預かりさせていただいておる者としては、こんな情けない、またこんな不名誉なこと、そして国民にこれほど申しわけないことはないと思っております。
 それと同時に、それはある特定の者の犯した疑いでございまして、まだ捜査中でございますけれども、こういう疑いを受けたことによって、長年国民とともに労働行政をやってまいりました、何と申しますか、一人一人は第一線の方々ですよね、これは東京の人が云々じゃなくして。とにかく第一線で全国で労働行政をやってきてくれた方々に対して、こんなことがあったということは非常に肩身の狭い思いをさせておりまするので、申しわけない、こう思っております。だから、私はその方々に深くおわびを申し上げまして、どうかそのことにひるむことなく、起きたことは起きたこととして、これからしっかりと労働行政やってくれよ、おれもおまえたちと一緒にやるからなと言って私はお願いしてあります。
 特に私としては、ただこういう事件がどうして起きたかということは、今先生のおっしゃいましたような本質的な問題はそういう考え方があるかもしれませんけれども、私の立場においては、捜査当局のまだ捜査中でございますから、どうしてこういうことが起きたかということは今言わしていただくことは差し控えさせていただきたいと思いますが、二度と再びこのようなことの起きないように、私は責任を持って皆様方、第一線におってやっていただく方々と思いを一つにし心を一つにして、国民の大事な働く仕事を世話する労働行政でございますから、いかに労働というもののとうとさ、いかに労働というものの大切さということをよく理解されるような仕事をやらせていただきたい。二度と再びこのようなことが起きないように誓って努力させていただくことを申し上げて、私のきょうの答弁にさせていただきたいと思っております。
#54
○沓脱タケ子君 ちょっと話が変わりますが、昭和六十二年六月二十六日に労働省主催で第二回男女雇用機会均等推進全国会議が中央合同庁舎第五号館の講堂で開かれております。この集会はシンポジウムや記念講演などが行われたようでございますが、記念講演のときの講師はどなたですか。
#55
○政府委員(佐藤ギン子君) 当時のリクルート江副社長でございます。
#56
○沓脱タケ子君 リクルート株式会社の江副浩正でしたね。それで、江副さんと均等法というのはどんな関係があるのかなと、確かに妙な取り合わせを感じるんです。当時は加藤元次官が在任中でございましたが、江副さんは加藤次官の口添えで決まったんですか。
#57
○政府委員(佐藤ギン子君) ちょっと長くなりますが、その経緯を御説明させていただきたいと思うのでございます。
 労働省では、男女雇用機会均等法が施行されましたときに、一番重要なことはこの法律の趣旨、内容が企業に正しく周知徹底される、そして制度が改善されるということだけではなくて企業が積極的に女子を活用していく、そういう態度になっていただくということと、それからもちろん女子が新しく開かれた機会を十分に活用して努力していただくということでございました。そのために一つの方法といたしまして、雇用機会均等法が公布されましたのは昭和六十年の六月でございましたので、その後、六十一年から毎年六月を男女雇用機会均等月間と定めまして、企業の人事担当者それから女子の方たち、その他広く一般の方たちをお招きいたしまして、さまざまなシンポジウムですとか記念講演をやっていくということによりましてこの法律の円滑な施行を図ろうと考えたわけでございます。
 六十一年の第一回会議では、人事担当者と女子労働者とのシンポジウムを開催いたしまして非常に好評を博したのでございますけれども、ただそういう女子を活用している企業でも、残念ながら女子がハイクラスの管理職とかあるいは重役になっているところはなかったわけでございます。そこで第二回の会議では、女子が十分に活用されている、しかも重役とか部長とかそういう高いレベルの管理職に十分ついている、それからもう一つは、お客様を私ども集めなければならないイベントでございますから知名度というのが重要でございまして、余り中小零細で、皆さんが、え、どこの方ということでは困るわけでございますから、当時マスコミ等でもしばしば女子を活用して発展している企業であるということで取り上げられておりました、しかも実際に企業規模も大きいリクルートぐらいしかそういう条件に当てはまる企業が残念ながらなかったわけでございまして、その社長にお願いをして来ていただいたという経緯でございます。
#58
○沓脱タケ子君 それで、そのときの記念講演というのはたくさん聞いておられまして、それで記念講演にふさわしからぬ内容もあったなどということを私も聞いておりますが、それじゃ、そのときの記録がありましたら資料としてお示しいただきたいと思うのです。
 それで、こんな江副さんを呼んだというのは労働省何回ぐらいあったのか、それからリクルート関連企業に労働省の幹部が講演に行った実績なんていうようなものはどのくらいあるのか、五年ぐらいにわたって資料をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#59
○政府委員(若林之矩君) 現時点、私どもそういったような資料を持ち合わせておりませんので、検討させていただきたいと存じます。
#60
○沓脱タケ子君 ないはずがないんだけれども、出す気がないんですね。
 それで、時間がありませんから、それじゃ婦人局長にお聞きしますが、東京地検から婦人局の関係書類の提出の要請がございましたですか。
#61
○政府委員(佐藤ギン子君) このリクルート事件につきましては既に東京地検で捜査中でございますので、回答につきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
#62
○沓脱タケ子君 あなたは別に捜査をされているわけでないので、要請されましたとか、いやされませんとか言って当たり前だと思うんですがね。言わないということになると、やっぱり疑惑にふたをするというふうにしか理解ができない。それはいいです、時間がありませんからね。
 しかし、一部の報道によりますと、職安法だけではなくて男女雇用機会均等法まで指針がゆがめられ、そして女性の転職情報誌であります「とらばーゆ」の廃刊が救われた、こういうことが報道されていますね。事実であったら極めてゆゆしいことだと思うんです。
 大臣、私もう時間がありませんから、こういうことが報道されるというふうなことは極めてゆゆしいことだと思いますので、大臣の御決意の具体化の一つとして、この問題については徹底解明をして調査報告をぜひ御提出いただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#63
○政府委員(佐藤ギン子君) その前に婦人局の方からお答えさせていただきたいと思いますが、男女雇用機会均等法の指針の作成に当たりましては、リ社に便宜を図った事実は全くございません。
#64
○国務大臣(丹羽兵助君) 先生のお尋ねのことに関して、事実関係は婦人局長が今こうして委員会で述べておられるとおりでございますから、事実関係においては相違ないと私も信じております。政治家としての姿勢も必要これありで、そういうものが調査して出せるか出せぬか、ひとつ検討をさしていただきたいと思っております。
#65
○沓脱タケ子君 もう時間ですが、こういうことが言われるということになりますと、丹羽大臣大変御決意かたく、労働行政の国民的な信頼を回復したいという御決意、それの具体的なあらわれというのは、やっぱり一つ一つ出てきた疑惑については省内挙げて事実関係を国民の前に明らかにして疑惑を晴らす、こういうことがその第一歩だと思いますので、ぜひその点について御決意の具体化を要望しておきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
#66
○委員長(前島英三郎君) 以上で本件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#67
○委員長(前島英三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石井道子君、岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として小野清子君及び寺内弘子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#68
○委員長(前島英三郎君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署並びに公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#69
○委員長(前島英三郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(前島英三郎君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題とし、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。佐々木満君。
#72
○佐々木満君 去る二月一日から三日までの三日間、前島委員長、宮崎理事、山本理事、沓脱委員と私の五名は、老人・障害者の福祉並びに地域雇用及び高齢者・障害者の雇用等の実情調査のため、愛媛、高知の両県に行ってまいりました。
 まず、初めに両県における老人・障害者の福祉の概要について申し上げます。
 愛媛県の高齢化は、全国水準よりも十年ほど先行し、高齢化率は一二・九%で全国十五位の長寿県となっております。このため、長寿社会対策推進懇談会を設置し、高齢者の社会活動の促進と生きがいの向上に努めております。また痴呆性老人対策委員会を設置し、痴呆性老人対策の検討を行っております。その他、デイサービス、ショートステイの拡充、移動入浴車の購入等、サービス調整体制の整備を進めております。
 心身障害者対策としては、特別障害者手当の支給、日常生活用具の給付などの重度障害者対策等を行っております。また、県単独事業としては、小規模作業所の運営費の助成、重度障害者の医療費の助成を行っております。
 なお、同県は地方腎移植センターの設置等、腎移植に強力に取り組んでおります。
 高知県は、高齢化率が一五・四%で全国第二番目であり、高齢化対策は、県政の中でも重要な課題となっております。県単独事業としては、移動入浴車派遣事業、老人ホーム地域開放促進事業などに取り組んでおります。すなわち、老人ホームの持つ技術、設備を活用し、給食、入浴サービスを地域にも提供するなど開かれた老人ホームの運営に努めております。
 老人医療費につきましては、一人当たり六十八万七千百五十四円、対全国比一二九・七%で、全国で二番目に高い数値となっております。
 心身障害者対策としては、重度心身障害児・者の保健医療事業、在宅障害者の地域福祉事業、心身障害者の通所援護事業等を積極的に実施しております。また、県単独で小規模作業所に助成し、その育成を図っております。
 次に、両県の雇用問題の概要について申し上げます。
 愛媛県においては、昭和六十年後半から、中小造船業について大規模な合理化が行われ、延べ三千四百人に上る離職者が発生しましたが、その後、内航船受注が増加するなど、有効求人倍率が十八カ月連続して前年実績を上回り、雇用情勢は回復の傾向にあります。
 高齢者雇用につきましては、六十歳以上の定年制をとる企業が四四・三%となっていますが、なお、全国平均に達しておりません。このため、六十五歳程度までの同一企業グループ内での継続雇用制度の普及推進に努めております。
 障害者雇用の状況は、県、市町村関係では法定雇用率を上回っておりますが、民間企業は一・五六%と法定雇用率の一・六%を下回っております。職業紹介、職業相談、手話協力員の配置などきめ細かい対策を講じ、障害者の雇用促進に積極的に努めております。
 次に、高知県は、昨年開通した本四架橋瀬戸大橋の効果や、内需拡大策の波及効果により、有効求人倍率も〇・五四倍と昭和五十年以降最高の率となりましたが、この数値は、全国平均の約二分の一程度であり、依然として雇用環境状況は厳しいとのことでありました。
 高齢者雇用については、五十五歳以上の有効求人倍率は〇・一二倍と極めて低く、大きな課題となっております。このため、定年延長、継続雇用の推進等に努めております。
 障害者雇用率は一・三八%であり、法定雇用率未達成企業が五〇%となっており、企業への指導強化と企業の積極的な対応が求められております。
 次に、訪問先及び視察先の概要について報告いたします。
 まず、第一日目は、愛媛県総合福祉センターを視察いたしました。ここには八つの福祉施設が集中しており、そのうち、身体障害者福祉センター、障害者更生センター、精神薄弱者更生訓練校、老人児童福祉センター高齢者総合相談センターの五カ所を視察いたしました。この総合福祉センターは、松山市内の住宅街の中にあり、交通の便もよく、合理的、機能的に、心配りのきいた施設であると認められました。
 第二日目は、まず、株式会社梅野精陶所を視察いたしました。砥部焼の製造販売業を行っている会社であります。昨年、愛媛県知事より、高年齢者雇用優良企業として表彰を受けております。全従業員百五名のうち五十五歳以上は五十三名で全従業員に対し五〇・五%であります。そのうち六十歳以上は三十七名であります。一応、六十歳定年制を実施しておりますが、希望すればだれでも定年後の再雇用を認めており、その後は、終期の定めはないとのことでありました。その地域の伝統工芸産業で、高齢者が豊富な知識と長い経験を存分に生かし、行きがいを持って働いていることがうかがわれました。
 続いて、高知県佐川町において同町老人クラブ連合会役員と懇談いたしました。同クラブ連合会長から人生八十年時代の到来により、老人みずからが築き上げる社会福祉を目指し、健康と生きがいを増進するため、体育、教育の両面にわたって多彩な活動を行っている。また、地域との触れ合い、子供との交流にも積極的に努めていると、活動状況の説明がありました。同会長から、自立できる、元気で気の合った老人同士がお金を出し合って、建物を確保し共回生活をしたい。例えば、グループホームのようなものをつくりたい。そしてその場合、運営費等について国や県から何らかの助成をしてもらいたいという要望がありました。
 第三日目はへ初めに特別養護老人ホームやすらぎの家を視察いたしました。入所状況は定員いっぱいの五十名、その構成は、六十四歳以下一人、九十歳以上六人で、全体の平均年齢は八十・五歳であります。特に、入所者の家族とは絶えず連絡がとれるように心がけているとのことであります。
 続いて、高知中高年齢労働者福祉センター、サンライフ高知を視察いたしました。運営は社団法人高知市シルバー人材センターが高知市より委託を受けて行っており、職業講習室、研修室、職業相談室等を設けて、利用者の便に供しております。
 最後に、身体障害者通所授産施設すずめ共同作業所を視察いたしました。本作業所は、重度でかつ重複した障害者を対象としております。年齢は、若い者で十九歳、年長は四十三歳、大部分が二、三十歳台であります。通所施設ではありますが、定着率はよく、ほとんど人の移動はないとのことであります。授産事業は印刷、西洋陶芸等であります。本作業所は、当初、無認可の小規模作業所としてスタートし、今日の成長を見たとのことでありますが、障害者の自立のために職員の献身的な努力があった旨の説明がありました。
 なお、同作業所から、仕事開拓の調査研究費等の助成、施設の障害種別を超えた混合利用、施設職員の増員の三点について要望かありました。
 なお、両県知事から提出されました要望書につきましては、会議録末尾掲載方を委員長にお願いを申し上げまして、私の報告を終わります。
#73
○委員長(前島英三郎君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、佐々木君の報告中、御要望のありました愛媛県及び高知県当局からの要望事項を本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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