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1988/06/21 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 社会労働委員会 第5号
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1988/06/21 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 社会労働委員会 第5号

#1
第114回国会 社会労働委員会 第5号
平成元年六月二十一日(水曜日)
   午後一時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        前島 英三郎君
    理 事
                佐々木 満君
                宮崎 秀樹君
                山本 正和君
                中西 珠子君
    委 員
                石井 道子君
                石本  茂君
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                対馬 孝且君
                浜本 万三君
                渡辺 四郎君
                中野 鉄造君
                沓脱タケ子君
                内藤  功君
                藤井 恒男君
  国務大臣
      労 働 大 臣   堀内 光雄君
  政府委員
      労働大臣官房長   若林 之矩君
      労働省労政局長   岡部 晃三君
      労働省労働基準
      局長        野崎 和昭君
      労働省婦人局長   佐藤ギン子君
      労働省職業安定
      局長        清水 傳雄君
      労働省職業安定
      局次長       齋藤 邦彦君
  事務局側
      常任委員会専門
      員         此村 友一君
  説明員
      文部省高等教育
      局学生課長     喜多 祥旁君
      労働省労働基準
      局安全衛生部長   草刈  隆君
      労働省職業安定
      局雇用保険課長   中井 敏夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○日本労働協会法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○労働問題に関する調査
 (労働行政に関する件)
○保育所制度の充実に関する請願(第四号外五件
 )
○老人福祉対策の充実強化に関する請願(第一一
 号)
○骨髄バンクの早期実現に関する請願(第一四号
 外七件)
○難病患者などの医療・生活の保障に関する請願
 (第二六号外四三件)
○社会福祉制度の拡充に関する請願(第三〇号外
 一件)
○保育と福祉の充実、育児休暇と看護休暇の制度
 化に関する請願(第四三号外一七件)
○年金・健康保険制度の改悪反対、改善に関する
 請願(第九九号外三六件)
○国立腎(じん)センター設立に関する請願(第
 一一八号外七件)
○臓器移植の促進に関する請願(第一一九号)
○国民医療の改善に関する請願(第十三七号外一
 九件)
○腎(じん)臓等の臓器移植の促進に関する請願
 (第一五四号)
○肝臓等の臓器移植の促進に関する請願(第一五
 五号)
○腎(じん)疾患総合対策の早期確立に関する請
 願(第一五九号外四四件)
○年金制度の改正反対に関する請願(第一七二号
 )
○寝たきり老人等に対する介護手当制度創設に関
 する請願(第一七三号)
○自動車交通労働者の労働条件改善に関する請願
 (第一九九号外六九件)
○厚生年金の支給開始年齢引上げ反対に関する請
 願(第二七一号外二〇件)
○年金制度の改悪反対、抜本改革の実現に関する
 請願(第三九一号外二四件)
○年金制度改悪反対に関する請願(第三九七号外
 七三件)
○中国帰国者に対する年金制度拡充措置に関する
 請願(第四四六号外二件)
○輸入食品の安全性確保対策の推進に関する請願
 (第四四八号外三件)
○育児休業法の早期制定に関する請願(第五一〇
 号外四三件)
○療術の制度化促進に関する請願(第五三二号外
 九件)
○年金制度改善に関する請願(第六七五号外二件
 )
○年金制度の改悪反対に関する請願(第六八六号
 )
○重度戦傷病者と妻の援護に関する請願(第六九
 四号外一五件)
○小規模障害者作業所等の助成に関する請願(第
 七〇二号外四三件)
○消費生活協同組合の育成強化に関する請願(第
 七四六号外三件)
○被爆者援護法の制定に関する請願(第七四八号
 外三件)
○亜急性硬化性全脳炎の子供とその家族に対する
 医療と福祉に関する請願(第八二一号外二件)
○児童福祉法の一部改正に関する請願(第八二四
 号外六件)
○国民健康保険制度の安定化促進に関する請願
 (第八二五号)
○地域型国民年金基金制度の早期創設に関する請
 願(第八二六号)
○寝たきり老人等の介護等に対する施策の充実に
 関する請願(第八二八号)
○国民年金等公的年金の改悪反対、改善に関する
 請願(第九九一号)
○輸入食品の監視体制強化に関する請願(第一一
 五二号)
○看護職員の大幅増員と労働・生活条件改善に関
 する請願(第一一七二号外六件)
○脊(せき)髄空洞症の難病指定に関する請願(
 第一一九九号外一一件)
○年金改悪反対に関する請願(第一三二一号)
○年金の改悪反対に関する請願(第一三八一号)
○パート労働法、育児休業法の早期実現に関する
 請願(第一四〇四号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前島英三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案、日本労働協会法の一部を改正する法律案並びに労働問題に関する調査のうち労働行政に関する件の三案件を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○山本正和君 堀内大臣、大変難しい労働行政御就任で御苦労さまでございます。きょうは、まず新大臣に若干の問題を、所信表明あるいはその他の記者会見等の問題も含めまして二、三点お伺いしておきたいと思います。
 まず、労働省始まって以来の大変残念な事件としてリクルート事件が起こりました。私はかねがね労働省というのはそういう利権とはおよそ関係のない最も清潔な省庁である、こういうふうに感じておりますし、国民の多くもそのことを期待していると思うわけでございます。そういう意味で、大臣、このリクルート事件について、今後の行政の信頼回復、そういう問題を含めまして御所見を伺っておきたいと思います。
#4
○国務大臣(堀内光雄君) お答えをいたします。
 今回の問題によりまして労働行政への信頼が損なわれましたことはまことに残念でございます。国民の皆様に対しましてまことに申しわけないという気持ちでございます。
 事件の発生以来、事実関係の解明に努力をしてまいりましたが、その結果、遺憾ながら企業との接触において一部に適切を欠く行為があったことは事実でございました。このため、関係幹部に対し厳重注意等の処置を行ったところでございます。
 今回のような問題を二度と起こさないために、幹部職員等に対し綱紀の粛正についてたびたび指示をいたしており、さらに綱紀の保持に関する委員会を設置いたしました。綱紀の厳正な保持の徹底を図っているところでございます。
   〔委員長退席、理事佐々木満君着席〕
労働行政への信頼を回復するためには国民の二ズにこたえて積極的に労働行政を展開することが必要でありまして、そのために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 よろしくお願いいたします。
#5
○山本正和君 ひとつ今後とも、今大臣の御発言にございましたような形で、労働行政への国民の信頼回復のために一層のお取り組みをお願いしておきたいと思います。
 つきまして、次はこの事件の発端ともなりました就職情報誌の問題でございますが、私どもは、この就職情報というのは本来的に言いましてやはり労働省が最も責任を持たなきゃいけない行政の分野である、就職という問題。かりそめにも昔のような人身売買から発したようなあっせん業、そういうものがあってはならないということから労働省の責任は極めて重大である、こういうことをかねがね指摘もしてまいりましたし、また五年前の雇用保険法改正案審議の中で、衆議院におきまして池端議員や永井議員からこういう問題も指摘をいたしました。また今国会におきましても、三月二十八日に衆議院で永井議員がこの問題を取り上げたわけであります。
 要するに、現在就職情報誌というのが大変町にあふれている。電車の中のつり広告、駅頭の広告を見ましても大変就職情報誌の宣伝がきついわけですが、私もちょっと調べてみまして、きょうは持ってこなかったんですけれども二、三冊買ってみた。百五十円とか二百円とかいう大変新聞紙並みの安い価格で、本当に厚い、色刷りの大変な本が売られている。結局これは企業から広告料を取ってやるわけですから本当からいえば値段は要らないんだけれども、これ売らなければいけないという、そういう法的規制を免れるために売価をつけているというような感じがいたします。
 しかもその内容たるや、これは大変私どもが使う言葉はいい言葉じゃありませんが、例えばカフェーの女給さんのことを横文字で何かラウンジレディースとかなんとか、いろいろな難しい言葉を使いまして宣伝している。就職の条件も随分かなり誇大に行われているように今日も私は思うわけです。
 こういう就職情報の規制の問題につきまして、これは確かにいろんな問題が背後にあります。ILOの九十六号条約とかあるいは言論出版の自由との関係、いろいろありますけれども、しかし本来就職という人間の一生にとって大変重要な問題、こういう問題についてどういうふうにお考えになっているのか。大臣が記者会見されまして法的規制の問題も若干触れておられますから、そういうことも含めましてひとつ大臣からの御所見を伺っておきたいと思います。
#6
○国務大臣(堀内光雄君) 就職情報誌への法的規制につきましては、言論出版等の表現の自由との関係や新聞などの求人広告提供媒体への対応策、こういうものの均衡の問題がございます。さらには、一部の例を除きまして情報提供媒体に対する法的規制の例がないということなど、いろいろ検討すべき問題がございます。一方では、求人広告を製作し掲載する立場から、広告内容が適正なものとなるよう努力すべき一定の責務があるとの議論がこれまたございます。
 そういう意味で、就職情報誌につきましてはこれまでも業界による適正化のための自主的努力を促してまいったわけでありますが、最近の労働力不足による求人広告件数の増加もありまして、トラブルがなお見られるという状態でございます。そういうこともございますので、トラブルがなくなるように業界に対する指導の強化や行政指導などの措置を講じつつ、いろいろな観点からやはり法的規制も含めて規制のあり方について十分検討してまいりたいと思っております。
#7
○山本正和君 文部省来ていただいていますね。
 高等学校の卒業生あるいは中学校の卒業生等の就職について、これは文部省からの指導もあって、少なくともこの種の就職情報誌等、いわゆる業界に対する便宜供与はしないようにと、こういうふうな通達がされておるということを聞いておるわけですけれども、大学については一体どういうふうな状況になっているか、少しお伺いしておきたいと思います。
#8
○説明員(喜多祥旁君) お答えいたします。
 就職情報誌の大学生への配付についてでございますけれども、基本的に配付を希望する学生が直接出版社に申し込み、その出版社から学生に対し直接送付するという方法により行われておるというふうに承知をいたしております。
 各出版社におきましては、送付を希望する学生の住所あるいは氏名などにつきまして把握するため、例えば申し込みに関する広告を出したり、あるいはまた大学内にポスターを張ったり、窓口に申込書を置くという方法などがとられておるようでございますが、大学内でこのような方法をとらせるかどうかということにつきましては各大学の判断により行われておるものでございます。
#9
○山本正和君 大学が就職情報誌等から要請を受けて卒業予定者の名簿を住所等も含めて渡すというふうなことが行われているやに聞くのですが、そういうことはありませんか。
#10
○説明員(喜多祥旁君) 正確に把握はいたしておりませんが、大学の就職担当者の話によりますと、一部の大学におきまして、これらの就職情報誌を直接学生に送付することが望ましいと判断いたしました場合には名簿を提供するということをやっておるところがあるというふうに聞いております。これもあくまで教育的判断ということに基づいておのおの大学が判断をいたしておるものでございます。
#11
○山本正和君 そういう表面的な言い方をすれば問題ないのですけれども、言われているところの癒着の問題があるわけですよね。就職情報誌から接待を受けて、そして大学当局がそういうものを配る。これはリクルートの二の舞みたいな要素がありますから、特にこれは文部省に強く要請しておきたいのは、いわゆる企業にとっての便宜供与、こういうふうなことはいかなることがあってもそういう誤解を受けることのないようにという趣旨の大学に対する指導を文部省としてやっていただきたいと思いますけれども、それについてはいかがですか。
#12
○説明員(喜多祥旁君) 特定の企業に対して便宜を与えるということはやっていないというふうに承知をいたしておりますし、複数の企業に対して名簿を提供する場合にいたしましても、とにかく
大学の学生に対する教育的判断、それに基づいてやっておるというふうに承知をいたしております。
   〔理事佐々木満君退席、委員長着席〕
#13
○山本正和君 どうも文部省、何か奥歯に物が挟まったような感じしますけれども、私が言っているのは、就職情報誌ですね、こういう企業、リクルートにしてもあるいはその他の企業にしても、それに対していやしくも大学が便宜供与をしていると思われることのないようにと、この指導を文部省としてはきちんとやるかやらないかと、このことを聞いているんですよ。
#14
○説明員(喜多祥旁君) 機会あるごとに指導してまいりたいと考えております。
#15
○山本正和君 ひとつそういうことでよろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、高齢者問題についても新大臣記者会見等で御発言でございます。大変積極的な御発言で、私は大変関心を持って読ましていただきました。ひとつ高齢者問題についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
#16
○国務大臣(堀内光雄君) 高齢者が安んじて生活が送れるようにするためには、安定した所得が確保されることが重要であると認識いたしております。高齢化社会においては、雇用から年金に円滑に移行することが重要であることは御指摘のとおりでございまして、昭和六十一年六月の閣議決定による政府の長寿社会対策大綱においても、雇用・所得保障システムに関する対策を一つの柱といたして、職業生活から老後生活へのなだらかな移行を図ることといたしているところでございます。
 私といたしましても、今後御指摘の点を十分念頭に置いて労働行政を推進してまいりたいと思っておりますが、特に重要な課題として取り組んでまいりたいと思っております。
#17
○山本正和君 高齢者問題はいろいろな観点からの議論があるわけですけれども、私は高齢者に対する所得保障の問題、それが高齢者対策の根底になくちゃならない。要するに、とにかく若いときからの大変な苦労の中で迎える高齢時代になって所得がない、こういうふうなことがあってはならない、所得はきちんと保障さるべきだと、こういうことを前提に置いて高齢者対策は考えていくべきものだと、こういうふうに思いますが、そういう考え方について大臣いかがでございますか。
#18
○国務大臣(堀内光雄君) 所得が保障されるということはもちろん非常に重要なことでございますが、雇用・所得保障システムというのはやはり大きな流れの中で行われていくものだというふうに思いまして、一つの法的な措置とかそういうことではなしに、そういうつながりを持って高齢者が安心して仕事ができるような体制、これをつくっていきたいというふうに思っております。
#19
○山本正和君 ひとつ高齢者に対しては所得保障というものを大前提として今後の制度の設計その他については取り組むと、こういうふうなことで受けとめてよろしゅうございますね。
#20
○国務大臣(堀内光雄君) 所得保障という表現が適切かどうかといいますと、ちょっと問題がありますが、これからの雇用・所得保障のようなシステムに関する対策を一つの柱として職業生活から老後生活へのなだらかな移行を図っていきたいというふうに考えております。
#21
○山本正和君 ちょっと若干私の申し上げ方が不十分なのかもしれませんけれども、私の方で申し上げたいのは、例えばヨーロッパでは雇用と年金は必ず接続する、そういうことが原則としてさまざまな仕組みが考えられている。ですから雇用と年金の接続、要するに雇用か年金かどちらかで必ず所得の保障はされているんだと、こういうことが前提となっているというふうに思うのですが、そういうふうな考え方というものについては大臣、先ほどのおっしゃった中身に触れておられるわけですか。
#22
○国務大臣(堀内光雄君) 高齢化社会においては、雇用から年金に円滑に移行するということが高齢者の生活安定にとって不可欠であるということは申すまでもないことだと思います。御指摘のとおりでありまして、高年齢者の雇用については、現在、高年齢者雇用安定法に基づきまして各種の助成措置等により、六十歳定年を基盤として六十五歳程度までの継続雇用の推進に努めているところでございます。
 今後さらに、人生八十年時代にふさわしい雇用のあり方や国の施策の方向を示す長寿社会雇用ビジョンの策定等を通じまして、労使の社会的合意の形成を図ってまいりまして、そして六十五歳までの雇用、就業の場を確保いたしてまいりたい。そして、必要とあらば法的整備も含めて必要な施策を展開してまいりたいというふうに思っております。
#23
○山本正和君 大体考え方としてはそういう考え方で私も大臣の今の御所見同感でありますけれども、もう少し具体的に申し上げますと、例えば「旬刊福利厚生」という雑誌がございますが、その十月十八日号に早稲田大学の鈴木先生が触れておられる中身をちょっと申し上げますと、「日本でのみ「終身雇用」といった雇用保障があるなどと思ってはならない。西欧では公的な所得保障」、これは年金のことを言っているわけですが、「が得られる年齢に達したときにはじめて企業論理である定年制が可能になる。」と。要するに定年制という思想は、年金があったときに初めて定年制というものが仕組みとしても考えられると、こういうようなことを指摘しております。
 そういう先ほどの大臣のお考え方も含めまして、雇用と年金の接続を大原則とするそういうこと、それからまた我が国の労働時間が大変長い。したがって、この労働時間の短縮をどういうふうにしていくかということで大変政府としても御苦労されるわけでありますけれども、いずれにしても、例えば四十八時間労働の発足にいたしましても、最終的には法的規制、こういうものでやっていかなければなかなかできない、こういう現実があるんじゃないかと、こういうふうに私は思うんです。
 今、直ちにこれを行えとかなんとか言いませんけれども、そういうふうな考え方については大臣どういうふうにお考えでございますか。
#24
○国務大臣(堀内光雄君) 現在、六十歳定年制が大体五五・八ぐらいですか、実施をされておりますし、ようやく予定されているものを入れますと大体八〇%近くなってきているという状態を踏まえて考えてまいりますと、それをさらに六十歳の前半の雇用というものをしっかり継続できる体制というものをつくり上げていかなければならない。これは私もそういうふうに考えて、しっかりその方向に進めてまいりたいと思っております。
 そういう意味で、六十五歳までの雇用、就業の場の確保というものについては最善を尽くして努力をしてまいりたいと思いますが、必要とあらば法的整備というものを含めて必要な施策の展開を図らなきゃならぬというふうに思っております。
#25
○山本正和君 大変積極的な大臣の御所見、私もぜひそういうふうな形で今後もお願いしてまいりたいと思います。
 もう少し、そこまで言っていいかどうかこれは問題あるかもしれませんけれども、公的年金の受給資格が得られるまでは、年齢を理由として一律に定年ということで退職させたりあるいは解雇するというようなことをやってはいけないと、ここまでいかぬことには本当は高齢者問題というのは解決しないというふうに私は思うのです。
 そういうことも含めて、今後要するに高齢者の雇用、それから年金、もっと言いますと生きがい、そういうものを含めてひとつ大臣ぜひ積極的な立場で今後の労働行政にお取り組みいただきたい。これを大臣に要望いたしまして、次の問題に入りたいと思います。
 雇用保険法の改正案に対する質問を少しさせていただきます。
 これは、大変衆議院で慎重な議論をしていただきまして、施行期日関係を含めて三点修正が行われております。私も、これは大変よく修正していただいたと、こういうふうに思うのであります。
 まずそこで、衆議院で若干議論があったようにも思いますが、少し不十分なような気もいたしますから考え方をお聞きしたいんですけれども、パートタイム労働者に対する雇用保険の適用基準の問題でございます。これは労働省の考え方は、労働時間の要件の問題、こういうことについてどういうふうに今お考えになっているのか、その辺をひとつまずお聞かせいただきたいと思います。
#26
○政府委員(清水傳雄君) 今般新たに適用対象とするパートタイム労働者の所定労働時間に関連いたします適用基準につきましては、通常の労働者の所定労働時間の二分の一から四分の三の範囲、この層を対象として新たに適用拡大を図ってまいりたいという考え方でございます。具体的には、現時点におきます通常の労働者の週平均所定労働時間が四十四時間でございますので、週二十二時間以上三十三時間未満の層、これはもう全国的に適用を図っていく観点から、こうした基準を定めましてその適用対象とする、こういうふうな考え方でございます。
#27
○山本正和君 ただいまの数字は、賃金労働時間制度等総合調査というのをもとにおやりになったのじゃないかと思いますが、これ少し御説明を願いたいと思うのですが、どういうふうな形でこれをやっておられるのか、何年に一遍やっておられるのか、一番最近はいっだったのか、その辺少し御説明願いたいと思います。
#28
○説明員(中井敏夫君) 賃金労働時間制度等総合調査でございますけれども、毎年やっておりまして、今一番新しい数字が四十四時間と二十分だというふうに記憶しておりますけれども、その数字をもとに今回の基準を決めております。
#29
○山本正和君 その二十二時間というのがこれは今の調査から来た数字であってと、こういうふうに言われますと大変反論がしにくいんですけれども、じゃパートタイムを実際にやっている人たちはどうかといえば、仮に二十時間やっているという人はこれの対象にならない、あるいは十八時間の人も対象にならない。こういうふうなことで、時間で厳密に切られると大変その辺がどうも、何で私がそれの対象にならないのかというふうな部分が出てまいります。
 ですから、二十二時間というものは基準なんだと、大体二十二時間ぐらいでもってパートタイマー、そこから上は対象にしていきましょうと。だから仮に二十時間であろうと、その辺は勤務の実態に合わせて若干の弾力性というのは持てないものだろうかというふうに思いますが、その辺の考え方はどうですか。これはもう数字できちっと決めちゃったものだからだめだということになりますか。
#30
○政府委員(清水傳雄君) 通常の労働者の半分は働いていただく、これは雇用保険が一個の言うならば一人前の労働者を対象として、パートタイム労働者であろうと、そういう人たちの所得保障を図っていく、こういう考え方でございまして、それで二分の一、半分と、こういうふうな考え方で対応してまいることにいたしておるわけでございます。
 確かにおっしゃるように、いろいろと境目の問題というのはどういう制度の場合にも必ずつきまとう問題ではございますが、やはり制度として適用をいたしてまいる関係上、その取り扱いというものにつきましては、一律性と申しますかそうしたものが制度運営の公正を期する観点からどうしても必要なわけでございまして、そういった意味で、具体的にこうした数値というものを基準としてはっきりと決めまして適用をいたしてまいりたい、こういうことでございます。
#31
○山本正和君 また後ほどもう少しこの問題はお聞きいたしますが、欧米諸国ではこのパートタイム労働者はどういうふうな形で扱われているのか。特に失業保険制度の状況ですね、こういうものにつきまして少し御説明をいただきたいと思います。
#32
○説明員(中井敏夫君) 欧米諸国におきますパートタイム労働者に関しまして雇用保険あるいは失業保険がどのように適用されているかということでございますけれども、国によって水準は異なりますけれども、労働時間につきましては大体平均の所定労働時間のおおむね二分の一程度というのが適用基準になっているようでございます。
#33
○山本正和君 それから、竹下総理の当時でございますが、経済運営五カ年計画というのを政府がお出しになって閣議決定をされた。それからまた、労働省の方はこのほど労働時間短縮推進計画というのを昨年発表された。ところが、それをずっと読んでまいりますと、「計画期間中」、これはどうも読み取りますと昭和六十七年、ですから平成四年ですか、までに「週四十時間労働制の実現を期し、年間総労働時間を計画期間中に、千八百時間程度に向けできる限り短縮する。」、こういうふうなことが書かれております。このため、週法定労働時間について四十時間を目標に段階的に短縮するように労働基準法をこの前改正したし、またことしになってから官庁の第二土曜日、第四土曜日の閉庁、それから金融機関の完全週休二日制、こういうようなこともやり、地方自治体にもこれを及ぼしていった、こういうふうになっております。
 ところが、こういう流れの中で諸外国の例その他をずっと見てまいりますと、大体こういう労働時間の短縮、さらには年間総労働時間というふうな問題を考えていくときに、今度の雇用保険法の中で週四十四時間、そしてその半分の二十二時間、こういうふうなものが出てまいりますから、そうすると今後のそういうものとの関連ですね、要するに労働時間の短縮ということと雇用保険法でいうパートタイムの時間の関係ですね、こういうものについてはどういうふうにお考えになるわけですか。
#34
○政府委員(清水傳雄君) 今般新たに適用対象とする短時間労働者の範囲につきましては、現在の労働市場それから労働時間の実態を反映した時間数をもとにいたしまして適用対象としていくという考え方でございまして、そうしたことで先ほど申し上げましたようなことにいたしておるわけでございます。
 ただ、御指摘のように、所定労働時間の基準、今後の労働時間短縮の動き、こうしたもの等、当然よく考えていかなきゃならない問題でございます。この所定労働時間の基準につきましては、今後引き続き労働時間短縮の動向等も把握をいたしまして、私どもといたしましては必要に応じた見直しも行っていく考え方でございます。
#35
○山本正和君 ですから、冒頭に確認いたしましたように、現在言っているこの時間、三十三時間以下二十二時間以上、こういうのは時間の問題じゃなしに、平均労働時間の三分の二、二分の一、こういう形で今後も対応していきたい、したがって平均労働時間が短くなればそれに伴って当然そういう形でもって、例えば週四十時間になれば二十時間以上、こういうふうなことになっていく、こう受けとめてよろしゅうございますか。
#36
○政府委員(清水傳雄君) 基本的な考え方といたしましては、御指摘のように二分の一以上四分の三、こういうゾーンを適用対象にしていくわけでございまして、今後の労働時間短縮の動向等もございますので、必要に応じたそうした見直しということは十分考えてまいりたい、今後の動向に応じまして対応をいたしてまいりたい、こういうふうに思っております。
#37
○山本正和君 これは省令でお決めになると思うのですが、いつごろお決めになる御予定ですか。
#38
○説明員(中井敏夫君) 上限の三十三時間と申し上げた点につきましては省令で決めます。それから下限の二十二時間というのは私どもの行政運営でやります。したがいまして、この法案は十月一日施行ということでお願いしておりますけれども、それに間に合うように省令を決め、あるいは運営の要領を決めたい、こういうふうに考えております。
#39
○山本正和君 この種の問題に大変関係の深い各種団体等の意見を聞く、そういう手だては講ぜられるのか、あるいは審議会等でこの問題を議論されるのか、その辺はいかがですか。
#40
○政府委員(清水傳雄君) この制度の運用につきましては、中央職業安定審議会という三者構成の審議会がございます。そうした各界の意見を十分反映した形でこの運営を図ってまいる、こういう考え方でございます。
#41
○山本正和君 それではその次に、年収要件ですけれども、労働省が年収九十万円以上、こういうふうにされていますけれども、ひとつこの九十万円以上の根拠をまず伺っておきたいと思います。
#42
○政府委員(清水傳雄君) 雇用保険は、労働者の失業ということに伴います所得の喪失を補てんし、その間の労働力の維持培養を図りつつ再就職の促進を図っていくための制度でございまして、そうした保険制度の本旨にかんがみまして、やはり一個の労働力としての実体を備えている、そういう方々がこれによる保護の対象になる、そういう性格のものでございます。
 そうした考え方に基づきまして年収要件も考えておるわけでございまして、その賃金によって生計を立てているかどうか、こういった意味合いでの判断をするためにこうした基準を設けることにいたしておるわけでございます。
 九十万円という適用基準につきましては、公務員なりあるいは民間企業のいわゆる被扶養者の判断基準ということになっておりますし、また所得税の非課税限度額ともおおむね一致をいたしておるわけでございまして、ただいま申し上げました制度の趣旨にかんがみまして、原則的にこの考え方で対応してまいることといたしておるところでございます。具体的な運営という面につきましては、十分に妥当な形で運営が行われるように今後とも配慮しつつ行ってまいる、そういう考え方でございます。
#43
○山本正和君 今度の改正は大変パート労働者にとっては一つの福音ではあるわけですね。ただ、実際にパートタイムでやっておられる方々の状況というのは、必ずしもこういうふうに九十万円、それよりもっと安くても頑張っているという人もかなりおります。それから週当たりの二十二時間の労働時間という問題にしても、二十二時間にはちょっと足りないけれども一生懸命パートで頑張っているという人もおるわけですね。
 そういうことを含めまして、ひとつ若干の弾力的運用といいましょうか、実際にほとんどそう変わらぬという人に対する救済の方途というふうなものは全く考えられないのかどうか、その辺はいかがですか。
#44
○政府委員(清水傳雄君) 御指摘の御趣旨は私どもとしても十分理解できるわけでございますが、ただ短時間労働者、これは御承知のように労働市場の実態から見まして、いわゆる臨時内職的な労働者、あるいは非常に頻繁に労働市場に出入りを行われる、あるいはまた乱給的な面についての配慮も考えていかなければならない。そうしたことと、今般適用拡大をしてまいりたい、こういうふうな考え方とどこに兼ね合いを求めて適正にこれを行っていくか、これが極めて重要なことであろうかと思うわけでございます。
 そういう意味合いから申して、先ほど来申し上げておりますようなやはり妥当な基準というふうなものを設定いたしまして運営をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、年収要件の点につきましていろいろと境目の問題もあるということも理解できるわけでございまして、その面につきましては御趣旨も念頭に置いて運営面の検討を行ってまいりたいというふうに考えます。
#45
○山本正和君 運用の面でいろいろと考慮できるところを十分にひとつ御検討を願いたい、こう思います。
 ちなみに、先ほど所得税の非課税の額というふうなお話がありましたけれども、住民税の非課税の額というのがありますが、これはたしか八十九万ぐらいじゃなかったかと思うのですけれども、そういうふうなものも含めてひとつ何とか少しでも救えるように、大変これはパートタイマーの方々にとったはいい制度ですけれども、そういう方々が少しでも対象になるように、ひとつ運用の面でよろしく。これは特に時間と金額の問題に大変関心を持っておりますので、今後の検討をお願いしておきたいと思います。
 それから、もう一つ要件がありますのが、雇用期間の問題がありますね。この雇用期間について一年というふうなことが要件になっておるわけですけれども、この考え方を少し御説明願いたいと思います。
#46
○政府委員(清水傳雄君) 御指摘のように、受給資格を取得するためには最低一年間の勤務を要件といたしておるわけでございます。これは、一つには短時間労働者につきましては労働時間が短いということ、それから一日当たりの賃金支払い基礎日数の要件を十一日以上といたしておりまして、これは一般労働者よりもその実態にかんがみ緩和いたしておるわけでございます。逆にまた、一般労働者との均衡もこの面について考慮する必要があるということ。それから、先ほど来申し上げておりますように、非常にこの層につきましては離転職のしやすいそうした労働者層でございまして、そういった面におきます、先ほどもおっしゃっておりますような乱給防止というふうな面についての配慮もまた必要であるということ。それから、単に裸でこのまま雇用保険を適用いたすといたしますならば、いわゆる収支計算の面におきましてはこの短時間労働者の場合には相当な大赤字をやっぱり考えなきゃならない、そういうことも予想されるわけでございます。
 そうしたことを総合的に勘案をいたしまして、当面新制度といたしましては最低一年間の勤務を必要とすると、こういう考え方でございまして、この点につきましては今後そういう考え方のもとでこの制度の施行状況を適正な運用を図りつつ見守ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#47
○山本正和君 これは一年以上雇用される見込みのある者、こういう形で対象とするのか、一年以上雇用されたということで対象になるのか、その辺の問題はどういうふうに考えておられますか。
#48
○説明員(中井敏夫君) 雇用保険制度でございますけれども、これはあくまでも反復継続して就労する方が例えば離職をした場合の生活保障というそういう制度でございますので、ある程度長期の就労というのが前提になろうかと思います。
 ただこの場合に、今先生も御指摘のように、一年経過した後に適用すべきかどうかということでございますけれども、そういった保険事項、要するに離職という事項に遭遇する可能性がある人はやはり事前に加入するというのが雇用保険の原則ではないかというふうに考えておりまして、こういった趣旨から、最初からこの方は反復継続して就労する人であるというふうなことを判断してその適用をしていくというふうに考えております。
 ただこの場合、例えば短期の契約を繰り返すというような方につきまして、一年以上継続雇用される見込み、たとえ有期の契約であってもそれが更新されて長く勤められるという見込みのある方については当然適用になるというふうに考えております。
#49
○山本正和君 結局、この人は一年以上は継続してパートで働いていただきます、あるいは労働時間も二十二時間あるいは金額も九十万、こういうふうな要件がありますということを雇用主が証明するということによってこの保険には入るわけですか。その辺いかがですか。
#50
○説明員(中井敏夫君) 具体的な資格の取得届というものを安定所に出していただかなければいけませんですけれども、その場合には、要するに何時間働くか、それから時間当たり幾らの賃金であるかというようなことに含めて、そういった有期契約であるかどうか、あるいは契約はないのかどうかというようなことも含めて総合的に安定所で判断する、そういうことでございます。
#51
○山本正和君 きのうもちょっとこれは厚生省と議論しているときにお話ししたのですが、看護婦さんが大変足りない。そしてまた、看護婦さんの資格を持った家庭婦人もかなりおるという中で、
病院等でパートタイマーとしての看護婦さんの採用というようなことを考えます。そのときに、一年間継続してパートタイマーとしてやっていただいた場合にはこういう雇用保険もありますよと、こうなれば割合に誘いやすいわけですね。ですから、そういうふうなことを含めて、人を採用する立場で考えた場合、なるべく有利な条件をつくってあげたいという場合に、この雇用保険がありますよと、こういうことを言えるか言えないかで大分違うんですね。ですから、そういうことが言えるんだなと、こういうことでよろしゅうございますか。病院で看護婦さんを、とにかく一週間に二十二時間以上働いて年収九十万円以上、こういう形で継続して働いてもらいますと、そういう人の場合にはこの雇用保険の対象になる、これでよろしゅうございますか。
#52
○説明員(中井敏夫君) 先生の御指摘のとおりだと思います。具体的なケースいろいろあるかもしれませんけれども、基本的にはそのとおりだと思います。
#53
○山本正和君 次に、私立学校等が特に対象になると思うのですけれども、女子の教職員ですね、この方が例えば育児休業というような形で一年間休業される。そのかわりの人を二人か三人採用する、こういうふうな形でパートタイマーとしての時間講師といいましょうか、そういうことを考える場合にはこれ当然対象になると。ただし、学校の場合は夏休みというのがありますから、八月なら八月の期間は切れる、こうなりますけれども、そういうものは一年間年間継続というふうに考えて差し支えないと、その辺はどうですか。
#54
○説明員(中井敏夫君) いろいろケースによって違うと思います。特に、今先生おっしゃったように、八月の契約をどういうふうに考えるか、ここで切れているというのか、そのままずっと続けて契約しているのか、そのあたりによっても変わってくると思います。
#55
○山本正和君 ですから、夏休みは一月ある。その間はもう一切学校に来ないでいいわけですよね、授業のあれですから。そうすると、一月切れたと、要するに一年間契約しているけれども一月切れたと。あるいはそういうことは余りないんですけれども、例えば春休み、冬休み等の問題がありますね。しかしその間は来ないでよろしい、こうなりますから、途中で切れる場合がある。少なくとも一月以上切れる場合があるというときですね。しかし、それは一年間を通じて契約しているんだと。パートタイマーとして週当たり何時間授業をしていただきたい、こういう格好でお願いしている。講義の時間は別ですけれども、実際に学校におる時間は勤務時間になりますからね。そういう形でもってお願いする場合に、この人は雇用保険の対象になるということで考えてよろしゅうございますか。
#56
○説明員(中井敏夫君) 例えば夏休みは切れずに、ただ仕事はないですから当然賃金はないという場合でございますが、もしそういうことでも、別に被保険者期間というのは賃金がなくてもいいわけですから、それがずっと続いているということであれば、ほかの要件が満たされれば雇用保険は適用になると思います。
#57
○山本正和君 それで大体労働省の考え方はよくわかったのですが、一年というふうな問題は、これはもう少し原則的な立場で議論してみますと若干問題があるようにも私は思うのです。
 というのは、失業保険、これは一般の労働者が雇用されて働いておって六カ月たって解雇されたという場合失業保険の対象になる、こういうふうな事柄がありますし、あるいはILOの百三十二号条約で六カ月働けば年次有給休暇の取得資格が与えられなきゃいけないというようなことが条約五条で触れられている。ただし、我が国の労働基準法では一年間働かないと年休権が発生しない、こうなっている。こういうふうに、いろんな意味で我が国の労働法制という基本にも触れるようなものがたくさんあると思うのですけれども、今後の考え方として、六カ月というこの期間、ILO等で言っているようなそういう問題も含めて今後検討されるというようなことは、そういう御用意はありませんか。
#58
○政府委員(野崎和昭君) 先生お尋ねのとおり、労働基準法では一年間の継続勤務を年次有給休暇の要件としております。条約上は、これも御指摘のとおり六カ月でございますが、労働基準法はその一つ前の古い条約に即しまして一年としているわけでございます。
 この労働基準法の労働時間に関する規定は、御承知のとおり昭和六十二年に全面的に見直していただきまして改正をしていただいたわけでございますが、その際、社会経済情勢の変化ということで、パートタイム労働者については年次有給休暇を労働時間の長さに応じまして比例付与するという改正をしていただいたところでございます。しかし、一年間継続勤務という要件については、その際は現状のままというふうにされたわけでございますが、これは新規学卒者を採用しまして長期にわたって雇用をしていくという雇用慣行を前提としているものというふうに考えております。
 したがいまして、御指摘のように長期的に雇用慣行が変化すれば、それを踏まえてさらに検討する必要がある、そういう考え方で今後対処してまいりたいというふうに思っております。
#59
○山本正和君 よくわかりました。労働事情が随分やっぱり時代とともに変わっていくということがございますから、我が国のように終身雇用制というのが当たり前というふうな発想じゃなしに、ひとつ今後も労働事情の推移に伴いまして御検討をお願いしておきたいと思います。
 それからその次ですが、この雇用保険の中にある所定給付日数、それから高年齢求職者給付金、受給資格期間など、正直言いましてまだ、確かに改善ではありますけれども、私どもとしては全く満足できるというふうな形とはこれは言えないわけであります。ただ、こういう新しいパートタイマーに対する保険の適用というふうな、今までから比べますと一歩前進と、こういう意味では私どもも大変結構な今度の措置であるというふうに思いますけれども、実は一応こうやって出発したと、出発してみたんだけれどもさらにもっとよくならないか、もう少しいい条件がつくれないかと、こういうようなことでこの法案について衆議院の修正で見直し規定が盛り込まれております。
 大変これは私も、随分いろんな考え方の中でこういうふうな見直し規定まで含めて提案されているということで結構だと思うのでありますけれども、やってみて大体どれぐらいの段階で一遍見直しをしてみようということになるのか。見直しの規定はあるけれども五年たっても十年たっても見直さないということになりますと、せっかくの見直し規定が意味がないように思いますので、まあ大体三年ぐらいたったら一遍十分いろんな実態も含めて検討していくんだと、こういうふうな形で受けとめていいんじゃないかというふうに私は思っているのですが、その辺については労働省としてはどういうふうにお考えでございますか。
#60
○政府委員(清水傳雄君) 今回の改正法案につきましては、御指摘のように衆議院におきまして修正をいただきまして、改正後適当な時期に施行状況を勘案して必要があるときは見直す旨修正をされたわけでございます。その見直しのタイミングにつきまして御指摘の御趣旨も念頭に置きつつ対応いたしてまいりたいと、このように考えております。
#61
○山本正和君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、この制度をよく読みますと、本当に今までから比べて、ああよくぞやってくれたという気が私はするんですが、ところがパートタイムで働いている人たちあるいはパートタイマーを雇用している事業者、その人たちがこれ知らなかったら、いつの間にやら何も知らない間に過ぎてしまったというようなことになると、せっかくのこの法律がもったいないということになりますから、この周知徹底についてどういうふうに労働省はお考えでございますか。
#62
○説明員(中井敏夫君) 今回のパートタイム労働
者に対する適用範囲の拡大につきましては、制度の内容について事業主等の方の御理解が一番大切でございますので、リーフレット、ポスター等の作成配布、広報紙への掲載、あるいは毎年十月に労働保険適用促進月間ということでいろいろ啓発活動をやっておりますけれども、そういったもの、あるいは年度当初の年度更新の説明会の場を活用いたしまして説明指導等やりまして周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#63
○山本正和君 ひとつ可能な限りの方法でもって趣旨の周知徹底をお願いしておきたいと思います。
 それから、雇用保険を実際現行の問題についてもついそれが十分に知らないままに大変残念な思いをしたというふうなことがよく言われます。
 最近、雇用保険についてよく知らなかったものだからこんなことになってしまったという報告を受けたんですけれども、ある事業所、仮にA社というふうにいたします。そのA社に働いている労働者Bという人は十年ほど前から働いている。ところが、その労働者が最近離職問題が起きて、そしてその事業所をやめると。ところが、やめるというふうになったものですから雇用保険どうなるかというので調べてみると、雇用保険料は十年前から労働基準監督署に納めていたと。ところが職安の方に資格取得届を出していなかった。これは雇用保険法の第七条違反というのがありますから、そのためその労働者については被保険者期間が二年前までしかさかのぼって認めてもらえなかった。労使とも残り八年間に納めた保険料の払い戻しも受けられなかったと、こういうふうになっている。
 こんなことが私のところに報告があったわけですが、こういうせっかく十年間納めておったと、しかしその手続上問題があったと。そういう手続しなかったといたしましても、何かかわいそうな気がしてならないんですけれども、遡及は二年前まではできたと、さかのぼって二年前までは気がついたもので戻ったと、こうなっているんですけれども、これは二年前までしかさかのぼれない、こういうふうなことは何か根拠があるのでしょうか。確実に十年間納めておったんだということがはっきりわかれば、証明されれば、もう少し何らかの措置が講じられてもいいような気もいたしますが、そういう根拠はどういうふうになっておりましょうか。
#64
○説明員(中井敏夫君) 雇用保険法におきまして、適用事業に雇用される労働者は法律上当然に被保険者となるわけでございますが、失業給付を受ける権利というのが労働大臣の確認、これは具体的には安定所へ届けていただくということですが、労働大臣の確認を得て初めて行使できるという、そういう仕組みになっております。この労働大臣の確認のあった日の二年前より前の被保険者であった期間は、その受給資格あるいは給付日数の計算の基礎としないというふうに法律上なっておるわけでございます。こういった遡及二年というふうにしておりますのは、受給資格の有無とか給付日数決定の基礎となります被保険者歴が確実に把握できる期間であること、あるいは保険料徴収の消滅時効と一致する、こういったことで二年という期間が定まっております。
#65
○山本正和君 確かにそういう一つの理屈があるのだと思いますけれども、やっぱりこの法律の趣旨、雇用保険制度の目的ということからいった場合に、もう少し何か考えてもいいんじゃないかと思いますが、これは全然この種の問題については検討の余地はないのでしょうか。いかがですか、その辺は。
#66
○政府委員(清水傳雄君) ただいま雇用保険課長が御答弁申し上げましたように、この二年というのは、ただいま申しましたようにいろいろな受給資検の有無なり給付日数決定の基礎となる被保険者としての経歴、これを確実に把握できる、そういう期間として二年まではさかのぼって措置をいたしましょうと、こういう仕組みでございます。保険料なんかにつきましても、納付をしていただかなかった場合におきましてもこれは法律上は当然被保険者でございますので、本来ならばさかのぼってずっと保険料もいただくとか、こういう場合もあるわけでございますけれども、これも二年までで打ちどめをいたしまして、それまでは徴収するけれどもそれ以前は徴収しないと、こういう区切りとして、ほかの制度の横並び、バランス等も考えまして、制度的に二年まで遡及と、こういう形になっておるところでございます。
 御指摘のように、保険料そのものはその前からも払っておったんだと、そういうふうな場合非常に気の毒じゃないかと、こういう御議論もわからないわけではないわけではございますが、現行の制度の他制度との均衡、バランス等も考えた、そういう一定の整合性を持った形でこういう法律上なっておるところでございます。
 御指摘のような場合につきまして、制度論として今後研究はいたしてまいりたい、このように考えます。現行の仕組みとしてはそういうことであることを御理解をちょうだいいたしたいと思います。
#67
○山本正和君 制度論という立場からひとつ検討すると、こういう局長のお話でございますから、いろいろこういったような具体的なケースがたくさんある、そんなものを含めましてひとつ今後の検討課題としていただきたいと思います。
 例えば、年金給付の時効が五年、こうなっている、それから年金の保険料の時効は二年、国民年金の免除期間については十年以内は追納できると、こんなようにいろいろなほかの問題も絡んでくると思います。それからまた、労働基準法百八条それから百九条によって使用者は賃金台帳を調製し三年間保存しなければならないと、こうなっているわけですから、確かにいろんな他の年金等の関係との横並びの問題は議論はあろうかと思いますけれども、少なくとも賃金台帳を調製し三年間保存しなければならない、こうなっているわけですから、理屈からいえば三年前まではさかのぼって確認ができるんじゃないだろうかというふうなことも思ったりもするわけですね、今二年とこうなっていますけれども。そんなことも含めて、これからひとつ整合性の問題も含めてぜひ見直しの段階で十分な検討をしていただきたい、こう思います。
 私の考え方としては、仮にも十年も払ってあったらその半分ぐらいは戻してやってもいいんじゃないかという気がいたしますが、これは一つの考え方として申し上げておきます。要するに、賃金台帳の関係からいえば三年間は確認できる方法がありはしないかと、こんなことも含めて御検討願いたいというふうに思います。
 そこで、労働基準監督署、ここで労働保険料を徴収する際、どうなんでしょうか、その雇用主に対して新規採用者があるのかどうか、こういうものを確認する、そういうふうなことは今まで行っておるのでしょうか。その辺いかがでございますか。
#68
○政府委員(若林之矩君) 労働保険料につきましては、監督署と県の方で分担をして徴収いたしております。
   〔委員長退席、理事佐々木満君着席〕いずれにいたしましても、ただいま先生御指摘になりましたようなケースにつきましては、労働保険料を納めていながら雇用保険の被保険者としての資格確認をされていないものを、労働保険の毎年の年度更新のときでございますとか、あるいは労働保険料の算定基礎調査というのをこれはスポットでやっておりますけれども、こういった機会に把握、確認いたしました場合には、これまでもその事業主の方に安定所長に雇用保険の被保険者の資格取得届を出すようにと、こういう指導をしてまいっておりますけれども、今後ともこういったケースにつきましては一層その努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 さらに、こういった御指摘のような事例が起きませんように、事業主に対する周知を徹底してまいりたいというふうに考えております。
#69
○山本正和君 ひとつ職業安定所からの指導、今官房長おっしゃったような形での徹底をぜひお願
いをしておきたいと思います。
 これで雇用保険法の改正案についての質問を私は終えたいわけでありますが、大変パート労働者にとってはこれはありがたい措置でありますが、なおこの法案の中にもう少しいろいろな意味での思いやりといいましょうか、さらに今後の改善というようなことを強く私は希望するわけでございます。
 ひとつ大臣、今後この種の問題についてまた十分に御検討願いたいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(堀内光雄君) パート問題は、今の産業活動の中でそれこそ外して考えられるような状態のものではありません。大変重要なものになっております。それだけに、先生のいろいろの御指摘いただいたような問題も含めまして真剣に取り組んでまいりたいと思います。
#71
○山本正和君 それでは、第三番目に労働協会法改正案に対して少し質問をさせていただきたいと思います。
 本来からいいますと、日本労働協会がどういう形でつくられたのか、あるいはこの日本労働協会成立の際の国会審議の状況、特に三十五条三項、このような問題につきまして質問してまいりたい、こう思ったんですけれども、衆議院においてかなり明確な答弁があったと、こういうことを聞いておりますので、若干そういう分野を避けまして御質問いたしますが、衆議院における労働省側の見解、そういうものを前提としての質問でございますので、その辺ひとつお含みおき願いたいと思います。
 まず、この日本労働協会法三十五条三項において労働大臣の監督権に関して、「協会の業務の運営の自主性に不当に干渉するものであってはならない。」と、こういう大変変わった条項が入っております。他の特殊法人にはない不当干渉禁止規定が設けられている。あるいは独自の財源を確保するための十五億円の基金に関する第四条の規定、あるいは協会の中立性を確保するため、役員については「労働問題に関し、公正な判断をすることができ、かつ、深い学識経験を有する者のうちから任命する。」と、こういうふうなことがございます。そして、議員や公務員、政党役員等は排除すると、こういう十三条及び十五条の規定、さらに第十条により設立される理事会のほかに、その理事会の諮問機関として学識経験者で構成する「評議員会を置く。」と、こういう二十二条の規定、こういう規定をずっと見てまいりますと、自主性、中立性を確保するための措置が講じられているわけであります。その後、今日までの間に基金の増額が行われなかったため独自財源が不足するようになり、事業収入への依存が高まったり、国庫補助金が導入されたり、これに伴って財政面からひょっとしたらこういう自主性が損なわれやせぬかというような心配も若干したこともありますが、そういうこともなく、本来のこの制定当時の論議、こういうものが尊重されてきたと、こういうふうに私は思っているわけであります。
 ただ、今度の法改正によって雇用促進事業団の雇用職業総合研究所と統合され、日本労働研究機構に衣がえしたと。こうなりますと、そういう従来の大変立派な精神を盛り込んだこの労働協会法、これが一体今後もそのまま続けられるかどうか、こんなことを若干懸念いたしますので、まずその辺の問題についてお伺いしておきたいと思います。
#72
○国務大臣(堀内光雄君) 日本労働協会法の制定に際しまして、協会の自主的、中立的な業務運営、これが果たして確保できるかというような懸念が表明された経過につきましては十分承知をいたしております。このため、労働省といたしましては、従来から協会の業務運営については自主性、中立性が損なわれないように監督等に当たって十分配慮をしてきたところでございまして、こうした方針は今回の改正によっても何ら変更されるものではないということを改めて申し上げておきます。
#73
○山本正和君 ぜひ今の大臣の御答弁のような形で運営をしていただきたいと思います。
 若干懸念をされておる分野といいますのは、労働保険特別会計から国庫補助金が正式に導入される、こんなふうな問題、あるいは労働大臣が任命する理事長ポストが新設されるなど、若干の懸念がございますが、今の大臣の御答弁のような形で運営されますことをひとつぜひともお願いしたいと思いますし、ただいまの大臣の御発言ということで法を運用されるものだとこういうふうに承ってよろしゅうございますね。もう一遍確認いたしますが、どうぞお願いいたします。
#74
○国務大臣(堀内光雄君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#75
○山本正和君 さて、改正案に組織統合とは直接関係がないと思われるような改正規定も若干見られます。
 理事の任期が従来四年であったのが、これを二年に短縮するとこうなっておりますが、これは一体どういうふうな理由によるんでしょうか。
#76
○政府委員(岡部晃三君) 理事のポストにつきましては、常に適切かつ活力ある人材を登用しなければならないわけでございます。この任期を四年から二年ということは、これは臨調の最終答申におきまして役員の任期は二年とするということが提言されているわけでございまして、そのような提言をこの際この改正の機会に取り入れたという経緯でございます。
#77
○山本正和君 他のこの種の機関もすべて二年ということに今後はなるわけですか、労働省ばかりではなしに政府関係の問題につきましては。
#78
○政府委員(岡部晃三君) そのとおりでございます。
#79
○山本正和君 それから、前と違っておりまして改正案では監事の意見提出権規定というものがある。監事の意見提出権というこの規定、これは一体どういうわけでこういうふうになってまいったのか、またその監事の人選はどんな形でもって選んでまいるのか、あるいは任命は大臣がおやりになるのか、その辺ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#80
○政府委員(岡部晃三君) 監事機能を強化いたしまして機構の運営の適正化を図るという観点かち、監事の意見提出権についての規定を新設したわけでございます。
 この根拠といたしましては、やはりこれも臨調答申でございますが、最終答申におきまして、すべての法人について総裁等または主務大臣に対する監査結果に基づく意見の提出を行えるよう制度化すべき旨が提言されているわけでございまして、これに従ったわけでございます。
 監事の人選につきましては、御承知のとおり、会計経理に詳しくまた法令に詳しい者が適性適格な者として任命されるということは従来とも方針としているところでございます。
 なお、監事の任命権でございますが、これは労働大臣の任命でございます。
#81
○山本正和君 それから、二十七条関係になろうかと思いますが、資金計画導入問題、これをちょっと御説明をいただきたいと思います。
#82
○政府委員(岡部晃三君) 資金計画に対する労働大臣認可の要件でございます。
 これは、やはり他の特殊法人の立法例に倣いまして、現在既に実行上このような労働大臣の承認というふうなことは行われているわけでございますが、これを法文上明定したものでございます。
#83
○山本正和君 それから、従来になかったのが、三十三条の二で給与及び退職手当の支給基準というものが設けられていますが、これも何か意味がございますか。
#84
○政府委員(岡部晃三君) 給与、退職手当の支給基準の規定でございます。
 これは三十三条の二に規定がございますが、他の特殊法人におきましても、最近の立法例はこのような規定を設けるということになっているわけでございます。現在、既に実行上このようなことは行われているわけでございますが、これまた法文上明定したものでございます。
#85
○山本正和君 次に、新機構の事業内容について
御質問をするわけでありますが、「日本労働協会の事業内容を見直し、雇用促進事業団雇用職業総合研究所との再編統合を行うことにより、労働問題に関する総合的調査研究機関とし、あわせて情報提供機能及び国際交流機能の拡充を図る。」と、こういうふうに労働省からの説明資料をいただいております。この情報提供機能の拡充、こういう問題についてはどのようなことをお考えになっているのか、少し御説明をいただきたいと思います。
#86
○政府委員(岡部晃三君) この新しい機構の研究成果につきましては、労使を初めといたしまして関係者に幅広く御利用をいただく、それでこそ生きるものであろうと考えるわけでございます。
 このため、新機構におきましては、出版やビデオあるいはまたオンラインシステムの構築というふうな多様なメディアを活用いたしまして、研究成果の提供に努めてまいりたいと考えております。例えば、情報コーナー等の形で窓口における情報提供体制の整備を図る、一般の方々に対するレファレンスサービスを積極的に進めるというふうな形で御趣旨を達成したいと考えております。
#87
○山本正和君 こういう形でいわゆる労働問題に関する総合的調査研究機関としての役割が果たされると、大変これは結構なことだというふうに思います。
 ただ、心配しておりますのは、例えば各地の商工会議所あるいは中小企業団体連合会、そういう事業者のさまざまな団体がありますね。そういうものに対してこれは大変有効に機能するんじゃないか。もちろん労働組合関係も大変待望している情報だろうと思いますけれどもね。そういういろんな団体とこの新しい機構との関連というふうなものについてはどういうふうにお考えでございますか。
#88
○政府委員(岡部晃三君) 具体的な成果の配分、配付につきましては、今後ともいろいろ研究してまいらなければなりませんが、この今度の新しい機構は、日本労働者協会と雇用促進事業団の傘下にございます雇用職業総合研究所が統合合体して新しい機構ができるわけでございます。そういたしますというと、例えば雇用促進事業団の雇用促進センターというものが全国に設けられておりますが、そういうようなルートをもちましてお尋ねの商工会議所あるいはまた各労働組合と直接の接触を保つというふうなことも事業団と連携の上可能かと思うわけでございます。あらゆるチャンネルを通じまして成果の提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
#89
○山本正和君 それから、国際交流の問題もこの中で出てまいりますが、海外労働事情の調査の拡充というものをやっていかなければ、特に韓国、台湾、あるいは中国、ASEAN、そういう国々の労働事情、欧米はもちろんでございますけれども、そうなりますと従来の取り組み以上に大変大きな任務がかけられてきたというふうに思いますが、そういうふうな海外労働事情の調査の拡充ということについては具体的に何か考えはございますか。
   〔理事佐々木満君退席、委員長着席〕
#90
○政府委員(岡部晃三君) 御指摘のように、海外労働事情についての調査研究はますます充実をさせなければならないと考えております。具体的には、海外委託調査員、これは既に十五カ国に労使及び学識者の委嘱を行っているわけでございますが、このようなものの委嘱をさらにふやしていく、あるいはまた海外労働事情調査団の派遣をふやしていくというふうなことで海外労働情勢の情報収集に当たりたいと考えております。
 それからまた、従来から非常に喜ばれております労働問題研究者あるいは労働関係者の招聘、派遣の事業を拡充していく、あるいはまた労働問題研究者等による国際シンポジウムの開催というふうなことも頻繁に行っていきたいというふうに、思っているわけでございまして、例えば今後の事業といたしましては、各国と我が国との制度の比較研究、そのようなことも取り組んでまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、その成果は広く提供してまいりたいと考えております。
#91
○山本正和君 それから、今のそういう研究の成果というもの、先ほど局長おっしゃいましたけれども、ぜひひとつ広く国民に提供できるということでのお取り組みを重ねてお願いしておきます。
 それから、国際交流を推進する場合、大変今国際情勢が微妙になってまいりまして、例えば労働団体でも幾つかの系列がある、あるいは労使関係そのものも国によっては大変微妙な問題を抱えている、そういうふうなことがございます。したがって、ともすれば政府から政府という格好でのつながりになりやすいおそれがないでもありませんので、実は本当にその国の実態を知るためには、その国の各団体、各層、そういうものとの調整をしながらお取り組みいただく、こういうことで、ODAじゃありませんけれども政府間でもってやっていったら実際はみんなが欲しがっているところに行かないでとまってしまったというふうな、あんなことのないように、要するに各国の労働事情は政府や経営者から聞くのじゃなしに、労働組合の方から聞く。労働組合もいろんな系列がありますから、それぞれいろいろ聞くというふうに、如才ないと思いますけれども、その辺の慎重な配慮を要望しておきたいと思います。
 それからまた、この機構の任務からいきますと国際交流を進めなければならない、こうなってまいります。そうすると、今局長おっしゃったように、海外にいろいろ行く、いろいろな人を置いていろいろやるということもありますが、我が方に受け入れるということも考えなくちゃいけないのではないかと思います。その辺は何かお考えございますか。
#92
○政府委員(岡部晃三君) 国際交流、特に世界各地域からの受け入れにつきましては、今度の新機構の大きく拡充される事業分野の一つでございます。この事業は非常に今後とも重要性を増すというふうに考えまして、特段の私ども力点を置いてまいりたいと考えております。
#93
○山本正和君 ひとつどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それから最後に二つほどまだお尋ねしたいのですが、労働協会とそれから雇用職業総合研究所、その二つの団体の職員の雇用あるいは統合に伴う労働条件の変化、そんなことをちょっと若干懸念しておりますけれども、その辺についてはどういうふうなお考えでございましょうか。
#94
○政府委員(岡部晃三君) この両団体の統合でございますが、若干労働条件に差異がございます。したがいまして、その辺大いに気配りをしなければならないわけでございますが、そのためにはやはり適切に指導いたしますとともに必要な予算を確保しなければならぬ、また定員も確保しなければならぬということで、これは私どもの責務と考えておる次第でございます。
 実は、今回の改正に当たりましては、関係する労働組合、つまり日本労働協会労働組合及び雇用促進事業団労働組合に対しまして、改正の内容等につきまして説明を行ってきたわけでございます。
 今後とも、十分な話し合いが労使間でなされますように環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
#95
○山本正和君 ひとつ関係組合と十分な話し合いをしていただきまして、両団体の職員がこの新しい機構の中で十分な活躍ができるような体制をつくっておいていただきたいと思います。
 それから次に、役員問題ですが、臨調第三次答申を見てまいりますと、「役員の選考については、既往の閣議了解に基づく措置を徹底し、特に組織の活性化を図るため、内部からの登用を推進する。また、部課長等中間管理職についても、法人の人事運用の実態に応じて内部登用を推進する。」、こういうふうになっております。それからまた臨調の最終答申を見てまいりますと、「職員からの管理職等への登用を一層推進する。」、こういうことが書いてございます。これは大変組織の活性化、職員の士気の高揚ということからこの内
部登用の推進というのは大変大切なことだというふうに私も思います。臨調答申のこの部分については大変いいことが書いてあるというふうに私は感心して見ておるのでありますが、ただ、臨調答申の中にせっかくこういうふうなことが書いてあるわけでありますから、この機構の新しい人事あるいはあり方、そんなことも、せっかくこういういいことが書いてあるやつを今後生かしていく、こういう立場に立ってお願いしていきたいというふうに思いますけれども、どうも役員については、何か天下りで来るのじゃないかというふうなことがつい懸念されてまいります。
 こういう新機構に移行することを契機に、役員について職員からの内部登用が積極的に検討されてしかるべきだというふうに思いますが、そういう問題については大臣はいかがでございましょうか。
#96
○国務大臣(堀内光雄君) 機構の役員につきましては幅広く人材の登用をしていくことにいたしておりまして、御指摘の内部登用も十分念頭に置きつつ検討してまいりたいと思っております。
#97
○山本正和君 大変ありがとうございました。
 そこで、大体労働協会法あるいは雇用保険法等につきまして質問を終えたいと思いますけれども、高年齢者キャリアセンター、ちょっとこのことについてお伺いしておきたいと思うのです。
 今年度の予算で、事業主間の話し合いの促進による定年退職予定者等の再就職あっせんを行うための高年齢者キャリアセンターを公共職業安定所内に設置する、こういうことが予定されておりますけれども、この事業の趣旨をちょっと御説明いただきたいと思います。
#98
○政府委員(清水傳雄君) 高年齢者の雇用対策の基本といたしまして、現在行っておりますのは、一つは六十歳定年の定着てございます。それを基盤としつつ六十五歳まで六十歳代層の継続雇用を図っていく。それから次が、高齢者の再就職の促進、高齢者の需給調整の機能の強化を図っていかなければならない。高齢者層の求人倍率は御承知のように非常に低い水準でございますし、その労働市場の状況も非常に未整備な状況でございます。できるだけ定年延長それから継続雇用を図っていくそのプロセスの中で、当然のことながら高齢者の離職者も発生し、定年延長未達成のところから出てくる離職者の方々も多い。そういう方の再就職の促進を図っていかなければならない。そうした場合に、できる限り一たん離職というプロセスを経ないで離職する前に次の再就職先というものを見つけて、そして再就職されるようなそういうことがやっぱり望ましいであろう。そうしたことで現在の高年齢者雇用促進法におきましても、企業、事業主の労務の担当者に対しまして再就職のあっせんについての御努力をお願いすると、こういうことも義務化いたしておるわけでございます。
 そうした企業同士の横のつながりの中でそうしたことも行われるようにしていかなきゃならない。そのこと自体をまた我々公の安定所の手でもってバックアップをしていくというために、既に定年到達前の段階から、どういうふうな方々が離職をされるか、そうした情報を把握し、そしてまたそういう人材を欲しがっておられる企業の方々の情報を把握し、事前にそうしたあっせん活動を行っていく、そういう機能を安定所につくっていこうと、これがこのキャリアセンターの趣旨でございます。
#99
○山本正和君 そうしますと、例えば五十歳過ぎた、あるいは四十代であってもこの高年齢者キャリアセンターに申し出てそして他に転職する、こういうふうなことが今後行われる余地はあるんじゃないか。あるいはまた、経営者の方からうちにはこういう人がおるけれども今五十三だ、どこかいいところないだろうかと、こういうふうな話が来たりはしないかと思いますが、その辺の問題についてはいかがでございますか。
#100
○政府委員(清水傳雄君) 具体的な業務として考えておりますのは、一つは、定年退職予定者がどういう方々がおられるかへそういう人たちについての能力面なりあるいは職歴の情報を把握していって、そしてその人たちの再就職についての相談を事前に行っていく。それから地域のいろんな業種別の団体と連携をいたしまして、そういう人材のニーズも情報を収集していき、またそういう人たちに対する情報提供をしていく。それから具体的な事業主相互の話し合いのあっせんを行っていく。こういったことを主たる業務といたしておるわけでございまして、基本的には定年退職予定者を主として今申しましたような業務に乗せていこうと、こういうことでございます。
#101
○山本正和君 今のお話で大体理解できるのですけれども、大体どこの事業所でどういう方が今定年になろうとしている、そういうデータをみんな集めておいて、そしてそれを今度他の事業者からこういう人がおらぬかと言われたときにあっせんする、そういうものがほとんど中心だと、こういうふうに受けとめてはおるのです。ただ、そうは言っても今度は労働者の方が五十代、五十四、五歳になってきて他に転職したいと、そしてどこかいいところないかと、こう言ってくる場合もあってもいいんじゃないかというふうに私は思うのです、本人の意思であればね。
 ところが、一番心配しております懸念は何かというと、雇用主の方、経営者の方がなるべく早くやめてもらいたい、そういうことのために、本人の意思じゃなしに、とにかくこのセンターへ持っていって何とかこういう人をどこかないか、こうなると大変ぐあいが悪いというような気がするわけです。
 ですから、雇用主の方は労働者を定年までは確実に働かせる義務という言葉がいいかどうかは別にいたしまして、責任があると、こういうふうな思想だけはきちっとつけておかないと、何かこのセンターに行って、五十過ぎたら早く向こうでやってくれと、こういうふうな発想になると困るのじゃないか、その辺を私は懸念するわけなんです。ですから、労働者本人の意思によって職を求めようとしているという者は定年前でも場合によっては聞くことがあるけれども、雇用主が定年まで働かせる責任や義務を免れる行為としてセンターへ話を持っていくというようなことはこれはまずない、そういうことを予測していないセンターであると、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#102
○政府委員(清水傳雄君) 御指摘のような御懸念が現実のものにならないように、私どもこのセンターの運営に当たりましては、先ほど申しましたこの業務を行っていく本旨にかんがみまして、十分に留意してやってまいりたいと思います。
#103
○山本正和君 それでは、最後にもう一遍大臣に、高齢者問題も含めまして今大変難しい時代になっておりますし、それから私どもも大体同僚がほとんど定年退職したという年代でございますからいろんな意見を聞いたりいたします。そうすると、ほとんど六十代というのはまだ元気で、働きたい。それから自分としては力もあるんだ、社会のために働きたいと。もちろん報酬も得たいことは得たいわけでありますけれども、それよりも生きがいとして働きたい、こういう気持ちを持っている高齢者が大変今ふえている。体力も随分あると。そういうことを含めまして、我が国のこれからの労働問題の中でどうしてもいやでも応でも高齢者雇用問題というのが労働省の重大な任務になってくる、こう思いますので、大臣にひとつ、高齢者問題は労働省の中心の柱としてしっかり取り組んでいきたい、こういう御所見を伺いたいのでございますが、最後にその御所見を伺わしていただいて私の質問を終わりたいと思います。
#104
○国務大臣(堀内光雄君) 先生のおっしゃるとおり、人生八十年時代になってまいりまして、高齢者の方々、特に先ほど申し上げましたように六十歳定年が定着してまいっておりまして、逐次完成されつつあるような状態でありますが、今度は六十代の全般にわたりまして、これからの高齢者の方々の生きがい、働く意欲、こういうものが生かされるような方向に向かって取り組んでまいらなければならないと思っておりますので、先生方の
御指導をいただきながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
#105
○山本正和君 終わります。
#106
○中野鉄造君 まず最初に、私は大臣にパートタイム労働者対策についてお尋ねいたします。
 いろいろなアンケート調査によりますと、現在このパートタイマーの人たちは事業所によって取り扱いがばらばらなもとにありまして、そして一般的にはどうかすると安上がりな労働力、こういったような認識でもって取り扱われているのが残念ながら多いというのが現実じゃないかと思いますが、こうした中で労働省としては、あるいは大臣は、このパートタイマーという雇用形態をどのようにとらえ、どういう対策をお考えになっているのか、まずそこをお尋ねします。
#107
○国務大臣(堀内光雄君) パートタイマーにつきましては、現在の経済社会の中においてもう欠くことのできない重要な労働力になってきているというふうに認識をいたしておりまして、今後ともこの傾向はさらに進むものと見込まれております。
 こういう面で、これからのパートタイマーの方々の環境整備、こういうものをしつかり仕上げていかなければならない、そういう面に力を尽くしてまいりたいと思っております。
#108
○中野鉄造君 現在、我が国に約八百万のパートの方々が推計されておりますが、この八百万の方々は、まあ非常に大ざっぱなお尋ねですけれども、大別して、本当にこうした現代の余剰時間を価値的に何とか消化しようという人もいらっしゃるかもしれないし、あるいはレジャーの資金づくりのためにというような人たちだっていらっしゃるかもしれない。しかしながら、本当に切実な毎日の生活の補完のためにという方々もいらっしゃると思うんですけれども、今申しました本当に切実な生活の補完のためにパートをやっているという人たちがどのくらいいらっしゃいますか。
#109
○国務大臣(堀内光雄君) 先ほどのお話のように、八百万人という数字は私の方も理解をいたしておりますし、またその中で約六百万人近くが女性の方だということも理解をいたしております。女性勤労者の中の大体三分の一ぐらいの方に当たるわけであります。さらに四分の一ぐらいの方は週三十五時間以上の勤務をなさっていらっしゃるということも理解をいたしておりますが、その中でさらに事務的にどういう分類をするかということになりますと、婦人局長の方から御説明を申し上げたいと思います。
#110
○政府委員(佐藤ギン子君) 今資料を当たっておりますけれども、確かに先生おっしゃいますとおり、パートタイム労働をしている方の中には余暇を積極的に活用したいというような方もおられますし、また、その他さまざまなレジャーのための資金をという方もおられますけれども、中には教育のための資金、それから住宅ローンのための資金というようなものを稼いでいきたいということで働いておられる方もありますので、そういう方にとってはパートタイム労働による収入というのは家計においてなくてはならない収入になっているということでございます。
 私どもの調査によりますと、生活費の補てんということを第一位の働く理由に挙げておりますものが五一・四%ということでございますから、過半数は生活のためということになるかと思います。
#111
○中野鉄造君 それで、先般からこのパート労働法の制定というものが望まれておったわけですけれども、残念ながら日の目をまだ見ていない。この理由というのはどういうところにあるんですか。
#112
○政府委員(佐藤ギン子君) パート問題につきましては、労使の代表にも入っていただきました専門家会議で御熱心な御討議をいただいてまいったわけでございますけれども、その中で、この法制化の問題につきましては労使の御意見がかなり乖離しているというようなこともございましたので、今後さらに合意形成を図りながらこの問題につきましては引き続き検討していくべき課題であるということで考えております。
#113
○中野鉄造君 では、今回の法案の中身について二、三お尋ねしてみたいと思いますが、私どもの党のいろいろな調査によりますと、このパートタイマーの人たちで、例えば賃金の面でいわゆる文書で明示されていない人たちが約八〇・二%、これは基準法第十五条の「労働条件の明示」については、賃金のみに限らずすべての労働条件を書面で明示する、こういうようにすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#114
○政府委員(佐藤ギン子君) 今の問題につきましては、労働基準法で、今御指摘のありましたような重要な事項につきましては労働条件を明示するというところまでは決まっておるのでございますけれども、書面で明示というところまでは決まっておらないわけでございます。
 ただ、労使の方々がやはりパートの場合にはどうしても働き始めるときにお互いに契約の内容を十分にお話し合いにならないで仕事を始めるためにさまざまな問題が起きるということで、先生の御指摘ごもっともだと思います。
 私どもといたしましては、さらに法律の規制を事実上は強化するという考え方で雇入通知書、こういうものの様式をつくって使用者にお配りをいたしておりまして、これに必要事項を記入していただくと、結果的には労働条件が書面で明示されるという形になるものをお配りしておりますので、今後さらにこうした点での周知徹底を図るように今その方向で検討、それから準備をいたしているところでございます。
#115
○中野鉄造君 今おっしゃったように、いわゆる口頭契約による採用というのは、これはとかく後になっていろいろなトラブルを生じやすいわけですけれども、私どもの調査では、この雇入通知書、これの交付を奨励はされていますけれども、それが履行されているというのはほとんどなくて、約九割の人たちがそういうようなものはもらってないという方々が多かったんです。ですから、今おっしゃったその奨励ということではなくて、パート労働法が将来制定されるまでの過渡的な措置としてこの雇入通知書の交付を義務づける、こういうようなことをすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
#116
○政府委員(佐藤ギン子君) 現在私ども、パートタイム労働対策要綱にのっとりまして、今先生がおっしゃいましたような内容のことを使用者に特に徹底するようにということでいたしておりますが、近々このパートタイム労働対策要綱をさらに拡充強化いたしましたものを告示ということで格上げをいたしまして、労使、特に使用者側にそれを徹底していきたいということで考えております。
 このことは、先ほど申し上げましたパートタイム労働者のための専門家会議、ここでも労使の御意見を伺いましてまとめたものによってこのような形にしていきたいというふうに考えているところでございます。
#117
○中野鉄造君 次に、パートタイマーのための職業相談、職業紹介を専門的に扱う施設として労働省はパートバンクを設置しておりますけれども、その設置状況は、現在、平成元年度で五十二カ所というふうに聞いておりますが、これと並行して、これからどんどんやっぱりパートタイマーの人たちにまつわる諸問題も起こってくるわけですけれども、そういう意味からパート労働一一〇番といったようなものを設置するお考えはないのかどうか、お尋ねいたします。
#118
○政府委員(佐藤ギン子君) パートタイム労働者につきましては、これまでも先生御指摘のようにパートバンク、その他一般の公共職業安定所でもさまざまな相談に応じているわけでございますが、このほかに、各都道府県には婦人少年室がございまして、こちらにもおいでをいただくようにいたしております。また、私どもはパートタイム労働者のための労働条件の改善、雇用の安定ということを図るための特別の旬間も持っておりますので、そういう旬間を中心に労使の方からいろいろな御相談を受けるようなことは毎年いたしてき
ておるのでございますが、もちろんまだ十分ということではございませんので、これからさらにそういう御相談の窓口を充実していくということは努めていきたいと考えております。
#119
○政府委員(清水傳雄君) パートタイム専門のあっせんを行っておりますパートバンクの中にも今御指摘のようなもろもろの御相談を受ける体制をつくっておりまして、パートバンクに雇用労務相談員という専門員を配置いたしまして、そこで一一〇番的な業務も行うようにいたしておるところでございます。
#120
○中野鉄造君 それで、これは先ほど同僚委員の方からもお尋ねがあっていましたけれども、我が党の調査によりますと、六十歳を超えるところの高齢のパートタイム労働者は、約七割近くの事業所でもう既にそういう方々は雇用されていないという回答が寄せられておりますけれども、高齢者の生きがいと雇用機会の確保という観点からもパートタイムというのは一つのふさわしい就労形態でもありますし、国や企業が積極的に高齢者のパートタイム労働ができるような環境づくりをする必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(堀内光雄君) 先生のおっしゃいますように、このパート問題は、女性の勤労の機会を選ぶというものだけではなくて、高齢者の雇用機会にもつながるものだというふうに思っております。そういう意味で、この問題は先ほども申し上げましたように重要な課題として積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#122
○中野鉄造君 それで、今回のこの法案が成立したその結果、どの程度のパートの人たちが適用拡大となると労働省では見込まれているのか。
#123
○説明員(中井敏夫君) 今回の適用拡大につきましては、一週間の所定労働時間が先ほどから申し上げておりますように二十二時間以上三十三時間未満、年収九十万円以上、それから継続反復して雇用される、こういった方々でございますけれども、こういった要件を満たす適用対象者数は約七十二万人と推計しております。
#124
○中野鉄造君 先ほどもお尋ねがあっていましたけれども、せっかく今回のこういう改正ができても、事業主に周知徹底しなければこれは実効が薄いと思われますけれども、先ほどの答弁ではそれをチラシだとかパンフでというようなことでしたけれども、果たして小さな零細な企業あたりにはそれで周知徹底できるのかなという懸念があるんですが、いかがでしょうか。
#125
○政府委員(清水傳雄君) パートタイム労働者に対する適用拡大に伴いまして、周知徹底を図ることが極めて重要でございます。したがいまして、平成元年度の予算の中身におきましてもそのための経費といたしまして三億円余を計上いたしました。具体的にはやっぱりパンフレットとかポスターとかそうしたものももちろん活用いたしてまいるわけでございますし、そういうものを使い、かつ安定所が説明会等を全事業主を対象として行う機会をできるだけ多く持ちまして、その適用拡大の周知徹底ということについて持続的に強力に行ってまいりたい、このように考えております。
#126
○中野鉄造君 それで、冒頭申し上げましたように、現実にはパートの人たちというのは企業側からも、またどうかすると一般からも非常に軽視されている、言うなれば非常に弱い立場にある方々なんですけれども、こういう人たちを守るための、また少しでも向上さしていくための今回の法改正でもありますけれども、こういうことをやってもなかなかいろいろなそういう施策というものが末端では履行されないというようなケースも想像できるわけですけれども、それが履行されないというような場合には何か罰則を適用するというような、今後そういうようなお考えはないんですか。
#127
○政府委員(清水傳雄君) 適用そのものは、法律上適用拡大いたしますならば、これは法律上当然適用されていくという形になるわけでございまして、任意的な性格のものではございません。当然に適用していくわけでございまして、具体的にその保護に欠くることがないよう、事後的に漏れていた形の方がおいでになりましても、これはもちろん遡及期間の問題とかいろいろな技術的な制約がございますが、この雇用保険の恩恵にあずかれるように私どもといたしまして努力をいたしてまいるわけでございます。
 もちろん、さまざまな諸届けその他の面、全体の安定法体系の中で当然罰則を伴う諸規定もございます。必要があればそうしたものも活用していく場面もこれは時と場合によってはあるだろうと思いますけれども、いずれにいたしましても周知徹底ということについては全力を挙げてまいりたい、このように考えます。
#128
○中野鉄造君 雇用保険の適用条件を、どうかするとこれを乱用していくというような事態が起こってくるんじゃないかと思いますが、例えば、企業によってはこのパートタイマーの年収を意図的に九十万円以内に抑えて、そして雇用保険を適用しなくても済むようにしている、こういうところが現実にあるわけです。それが一般労働者との賃金格差をさらに広げていくという結果にもなっているわけですけれども、つまり労働省が示した雇用保険の適用条件が逆にさらなる一般労働者との格差をもたらすような懸念もあるわけですけれども、その辺どのようにお考えになっていらっしゃるか。
#129
○政府委員(清水傳雄君) この幾つかの適用に当たっての基準を設けております趣旨につきましては先ほどから御説明を申し上げておるところでございまして、制度全体を公正かつ効率的に、しかも保護の欠くることのないよう全体を総合してこうした基準でもって運営をいたすことといたしておるわけでございますが、御指摘のように、具体的な局面においてはさまざまなケースもこれは生まれてくることも我々としてはやっぱり十分心していかなければならないことだと思います。この制度の本旨が十分に生かされるように周知徹底に当たりましてはその点も踏まえましてやってまいりたい、このように考えます。
#130
○中野鉄造君 それで、先ほどの質問とちょっと重なってきますけれども、今回の法案で賃金支払いの基礎となった日数が十一日必要とした上に、さらに一年を要すること、こういうようなことになっていますけれども、十四日を一カ月として計算して被保険者期間が六カ月以上あれば受給資格を得られる一般被保険者と比較して、これは非常に厳しいんじゃないのかな、こう思うんです。十一日の月が六カ月あれば支給する、こういうようにしてもいいんじゃないのかと思うんですけれども、この辺いかがでしょうか。
#131
○政府委員(清水傳雄君) お答えとしては先ほど申し上げたところでございますが、一般の被保険者に比しまして賃金支払い基礎日数をパート労働者の実態にかんがみまして十一日以上というふうな形で一つの面においてはこれは緩和をしている、そういう側面があるわけでございますが、それとのバランスという面もございますし、それから労働時間が当然のことながら一般の被保険者に比べて短いということ、それからパート労働者の場合の労働市場の実態というものが一般の被保険者と比べまして、これは求人倍率あるいは離転職の状況、そうした面からも端的に数字的にも出てまいりますように一つのそうした特別の層をなしている。そういう労働市場の実態そのものが一般の被保険者の場合と異なっているということ、またそのことからくる乱給防止、こうした面についての配慮も必要になってまいります。
 それから非常に出入りが多いわけでございまして、いろいろな一年の問題を含めましての諸条件を取っ払った形で裸のままでこれを適用いたしてまいりますと収支の面で非常に大幅な赤字ということも予測される、計算上これは明らかに出てまいるわけでございます。
 そうしたことを総合的に勘案いたしまして、最低一年間の勤務を必要とする、こういう要件を付しまして新しい制度につきましては運営を行っていくことといたしたところでございます。
#132
○中野鉄造君 今申し上げた問題と並行して、私
どもが昨年調査した結果によりますと、パートタイマーの雇用保険の適用率が一八%、何と二割にも満たない。特にその調査では、三十人未満の事業所に勤める人が回答者の過半数以上を占めておりますので、パートタイム労働者の中でも一番底辺に位する人たちの劣悪な実態を示している、こういうように想像できますけれども、こうした零細企業で働く人たちにこそ照準を当てて取り組むべきが肝要じゃないかと思うわけです。
 もちろん、大企業というのは組合がありまして年々労働条件は幾否かにしても向上していくわけですけれども、こういう零細企業で働くパートタイマーの労働条件の向上といえばほとんど無に等しい、こういうことでありまして、そういうところから考えても国がもっと積極的にリーダーシップをとっていくことが重要じゃないかと思うんですけれども、労働省としてこうした零細企業の労働条件向上のためにどのように取り組まれようとするのか。
 そして、今まで私がいろいろとお尋ねしましたこういったようなもろもろの実態というものは、零細企業になればなるほど非常に把握しにくい面があるんじゃないかと思いますが、そこらに働く人たちが一番弱い立場であり一番困る人たちなんですが、その辺に対する取り組みをお尋ねします。
#133
○政府委員(岡部晃三君) 中小企業対策を所管しておりまする立場から一言答弁を申し上げますというと、御指摘のように中小企業あるいは零細企業の労働条件というのは大企業労働者に比べまして格差が非常にあるわけでございまして、これをいかに縮小していくかということが行政課題として重要でございます。そのために、いろいろな中小企業の団体を把握いたしまして、これにつきまして各般の福祉的な事業、あるいはまた使用者を把握いたしまして、人事・労務管理の指導等を積極的に昨年から新たなる室を設けまして実施をいたしているところでございます。
 なお、賃金面につきましては、ことしの春闘の状況を私ども見てまいりますというと、大企業よりも中小企業における賃金アップがむしろ上回ったというふうな状況でもございまして、中小企業の労働条件の改善もだんだんにこの格差縮小というふうなことを私ども期待をしている次第でございます。
#134
○政府委員(佐藤ギン子君) 先ほど労政局長から申し上げましたように、中小企業対策年々拡充しておりますが、婦人局といたしましても、今年度からは中小企業のパートタイム労働者の労働条件、雇用の安定、こういうことを図りますために特に中小企業を構成員といたします使用者の団体あるいは業種別の団体に対しまして予算措置もいたしまして、そうした構成員であります中小企業のパートタイム労働者の労働条件の向上、雇用の安定を図っていくということをいたしたいと考えております。
#135
○中野鉄造君 それで、労働省はパートタイム労働者について、この方々は一般被保険者と比較して、例えば失業保険の受給の際あたりでも一般被保険者と比較して再就職が容易であるというような考え方を持たれているようですけれども、このパートの人たちの再就職の中身というのは、あくまでも自分に合った職を選択できるものとして理解されるべきではないかと思うんです。この点を抜きにして再就職が容易であるというのは、言いかえればパートはいつまでたってもパートであると、こういうような発想からきているんじゃないのかなという考えさえするんですが、いかがです
#136
○政府委員(佐藤ギン子君) パートタイム労働についている方たちの意識を伺った調査がございますけれども、その調査結果を見ますと、フルタイム労働者になりたいという方は比較的に比率が少ない、一割か二割程度ということでございまして、パートタイム労働につきたいという方が大多数を占めておるわけでございます。
 といいますのは、パートタイム労働者の大部分の方たちが家庭の主婦でございまして、働きたいけれども同時に家庭の責任、家事とか育児と両立させたいという方が多いためにフルタイムは今のところはしたくないという方がパートタイム労働についているということは言えると思うのでございますが、ただ一部ではございますけれども、フルタイム労働につきたいけれども、なかなかそういう仕事につけないためにやむなくパートタイム労働をしているという方もあられると思いますので、そういう方につきましてはフルタイムにできる限り機会がありましたら転換できるような方法をこれからは企業にもお勧めをしていきたいと考えております。
#137
○中野鉄造君 ぜひそういうような前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
 もう一つ、個別延長給付のうち特定個別延長給付については短時間労働被保険者に適用しない、こういうことになっておりますけれども、しかし、これはまず雇用調整の対象となって失業するのはパートタイム労働者であるという、こういう実態から考え合わせるときに、短時間労働被保険者、これにこそ適用をされるべきではないのかなと思うんですが、いかがですか。
#138
○説明員(中井敏夫君) 雇用保険法二十二条の二の特定個別延長給付でございますけれども、これは昭和五十九年の法改正時に給付体系を改めました。その際に、給付の切り下げとなる方がおりまして、その切り下げになった方の中から一定の基準に照らして就職が困難と認める方に限りまして、切り下がった日数をもとに戻すというような、日数もこれを延長給付という形でもとに戻した、そういう経緯がございます。したがいまして、今回新たに短時間の方が適用拡大になるわけでございますから、この規定の趣旨から適用する余地がない、こういうふうに考えてお願いをしておるということでございます。
#139
○中野鉄造君 昭和五十九年の雇用保険法改正において、六十五歳以上の者については雇用保険の適用を除外することとされたのでありますけれども、六十五歳以上の者でも職安長の認可を得た者は高年齢継続被保険者となることができる、こういうふうにされたわけですね。任意加入の認可を受けた高年齢継続被保険者の数の推移についてお尋ねしたいんです。
#140
○説明員(中井敏夫君) 六十五歳に新たに雇用保険に入る任意加入の方でございますけれども、昭和六十年度一万九百五十九人、六十一年度八千九十八人、六十二年度八千二百九人、六十三年度九千四百九十二人でございます。
#141
○中野鉄造君 それで、任意加入できる期間については政令で定める日までと、こうされておりますけれども、この期間はいつまでとなるんですか。
#142
○説明員(中井敏夫君) 当初、法の施行時から三年間という予定で三年間の日を決めておりましたが、その後二回延長して、本年の三月末で終わっております。
#143
○中野鉄造君 期限は延長されなかったということなんですね。その理由は何でしょう。
#144
○説明員(中井敏夫君) 五十九年の法改正で六十五歳に達した方につきましては新たに雇用保険の適用はしないという、そういう法律改正が行われました。ただ、そうは言っても急にそのようなことになって困る場合がありますものですから、激変緩和の措置として附則で任意加入の制度ができたわけでございまして、これは法律の改正が円滑に定着する、そういうことを目的とした制度でございました。当初、先ほど申し上げました三年間という予定でございましたけれども、その後二回にわたり延長しまして、これ以上延長を行うということになりますと五十九年の法改正の趣旨が定着しないということになりますものですから、中央職業安定審議会の意向を踏まえながら、先ほど申し上げましたように本年三月末の期限満了をもって終了したということでございます。
#145
○中野鉄造君 六十五歳に達した日以後に雇用をされる者の就業及びその生活の実態や、今回のパートタイム労働者への適用が拡大されたというようなことから勘案しますと、任意加入制度をこ
れは継続すべきじゃないかと私は思うんですが、この点いかがですか。
#146
○政府委員(齋藤邦彦君) 六十五歳以上の高齢者の方につきましては新たに保険の加入を認めない、こういう制度になったわけでございますが、これは六十五歳を超えてある一定年数就職をして、その後離職をして、さらにフルタイムといいますか雇用の場を探したいという方のことになるわけでございます。そういたしますと、実際問題としてそのような雇用の場というのもなかなかないという実態もございますし、また逆に、本当にそういうような雇用の場を求める活動をしておるかどうかということについても非常に疑問がある。むしろ、六十五歳以上になった方につきましては一時的に給付を一時金としていたしまして、それによって保険としての役割は終わりにする、こういう形がいいだろうということで五十九年当時法律改正が行われたというふうに承知しておる次第でございます。
#147
○中野鉄造君 私は重ねて申し上げるわけですけれども、今後の高齢化社会の進展を考えたときに、労働省で言っている雇用対策の守備範囲を六十五歳まで、こういうようにしていいのかどうか。まだ今日では六十五歳といえば、それは個人差はありますけれども、ぴんぴん働いている、働ける人たちもいらっしゃるわけです。ですから、六十五歳以上についても多少はそこに、六十五歳でぷっつんとじゃなくて少し弾力的に考えてもいいんじゃないか、こういうことをお尋ねしているんです。
#148
○政府委員(齋藤邦彦君) 先生おっしゃいましたように、確かにいろいろ六十五歳以上の方につきましても個人差がございます。ただ、一般論として申し上げますと、六十五歳以上の方につきまして労働政策としてとかくの政策をやるということの妥当性というのは一つの大きな議論としてあるのだろうというふうに思います。今後高齢化社会がどういう形になっていきますか、そういうような状況も踏まえなければならないとは思いますけれども、現段階におきましてそこまでいくのはどうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
#149
○中野鉄造君 今も申し上げますように、これからのさらなる高齢化社会に対応する、そのときそのときに順応した施策をひとつ前向きに検討していただきたいと思います。
 最後に、私は大臣にお尋ねいたしますが、今後生涯一職業時代から生涯多職業時代へ移行していきまして、雇用システムがどんどん変化してまいります。生涯多職業時代に対応できる就労形態として最も有効なのはやっぱりパートタイムじゃないかなということが考えられるわけです。そうしますと、今後パートタイム労働者はまさに二十一世紀の基幹労働力としてますます重要な位置に位することになるわけですけれども、そうである以上、やはりパート労働を新しい時代に不可欠な雇用形態として位置づけて、保護と能力活用の両面から総合的な対策を立てていく必要があると私は痛感いたしますが、これに対する労働大臣の取り組みの決意をひとつお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
#150
○国務大臣(堀内光雄君) 先生のおっしゃられたとおり、これからのパートタイムの方式を活用するいろいろの組み合わせのようなものも発生してくるのではないかと思いますし、パートタイム労働というものが産業的にも非常に重要な位置を占めてくることはおっしゃるまでもないと思います。
 そういう意味合いで、整備についてしっかりと労働省として取り組んでまいりたいと思いますが、パートタイム労働者の就業条件の整備を図るための法的整備の問題については、労使の合意形成を図りつつ、関係諸法令についての検討を含めて引き続き検討する課題であると認識いたしておりますので、さらに積極的な取り組みをいたしてまいりたいと思っております。
#151
○中野鉄造君 終わります。
#152
○内藤功君 まず、国鉄労働組合及び同組合員から申し立てられていた不当労働行為の救済事件について、現在まで地方委で三十一件、中労委で一件、合計三十二件の救済命令が発せられておると承知しております。救済対象となった組合員は約五千人に近いんじゃないかと承知しております。今後も約百六十件余の案件について命令が次々と発せられるであろうという見通しも聞いております。
 戦後四十三年、たくさんの不当労働行為救済命令が出されましたが、JRの不当労働行為事件はその性質、規模におきまして今や全国的な社会問題、さらには政治問題であると思います。JRは国が一〇〇%株主の全国的な基幹大企業であります。このように全国各地労委で短期間に次々と連続的に救済命令が出されたということは例を見ません。しかも命令文を読みますと、極めて明々白々の不当労働行為が大半であります。証拠上も極めて明白である。今の労働組合法の存在のもとでは、中労委へいっても裁判所へいってもまず結論が変わることはないと思われるのが大半である。しかも、被申立人JRあるいは清算事業団側では、労働委員会の審問廷に出席をせず欠席である。こういうふうにして、反論の機会をみずから放棄してそして負けるというケースがかなり見られる。それから、出席しても有効な反論、反証をなし得ないで負けるというケースさえある。
 やがて二百件近くになるでありましょうが、将棋で言えばJR各社側は王様が完全に詰む前に投了すべき形勢だと私は思います。そして、十分に反論もしないで負けると今度は地労委を不当呼ばわりする、中労委に申し立てをする。初審で十分闘わないで、どんな見通しがあって再審するのかと問いたいですね。時間、労力のむだであります。申立人国鉄労働組合と組合員にただただ引き延ばしによる苦痛を加えることのみを目的とすると言わなければなりません。
 ところで、大臣に質問いたしますが、衆議院社会労働委員会で去る五月二十三日、前労働大臣の丹羽大臣は、できるだけ前向きの姿勢でそれぞれの方面に働きかけていきたい、運輸省とも十分な連絡をとりながら労使関係の安定に全力を挙げて努力すると述べておられる。また野党委員から、JR各社の社長を労働大臣が集めて、株主である政府の立場から改めて強く指導する方法をとってもらいたいという問いに対しましても、もっともだと思う、どういうぐあいにやったらよいか時間をかしていただき検討さしていただきたい、こういう前向き答弁をしておるのでありますが、堀内新大臣は当然丹羽前大臣から引き継ぎを受けておられると思いますが、前大臣と同じお考えと思いますが、いかがでございますか。また、具体的にどのように大臣として政治的、社会的な対処をお考えか、お伺いしたい。
#153
○国務大臣(堀内光雄君) JR各社の不当労働行為事件の救済命令につきましては、当局側がこれを不服といたしましてまさに争っているところでありまして、このような係争中の事案について行政がとかく見解を表明することは適当でないと考えております。
 ただ、JR各社の事業が円滑に行われるために労使関係の安定が重要なことは当然でありまして、今後とも一般的な行政指導は行ってまいる考えでありますが、いずれにいたしましても全国にわたり複雑微妙な問題を抱えている現状でございまして、時間をかしていただいた上で検討してまいりたいと思います。
#154
○内藤功君 個々の係争中の事案についての論評という言葉がありましたが、そんな次元の問題を出しているんじゃありません。一大社会問題、政治問題としての命令履行の実現を求めているのであります。
 労働者の福祉を任務とする労働大臣として、私はJR各社、清算事業団に命令を守らせるという働きかけを速やかにやっていただきたいということなんであります。もちろん今すぐというわけにはいかないでしょうが、速やかに始める、そこから始めるということが大事でありますが、いかがですか。
#155
○政府委員(岡部晃三君) お尋ねは不当労働行為制度の問題に絡みますので、技術的な面についてお答えを申し上げたいと思うのでございますが、このJR各社の事案につきまして、これは中労委あるいは地裁に係属しているわけでございます。地労委の命令につきましてはそのようなペンディングの状況にあるわけでございまして、地労委命令につきましては使用者の任意の履行にまつというシステムであるわけでございます。したがいまして、現在のところ法的な意味におきましてはそのような使用者の任意の履行にまつという段階でございますが、なお今大臣から申し上げましたような一般の労働省としての対応ということは、これまた時間をかしていただいて適時適切にやってまいるということであろうかと思います。
#156
○内藤功君 ペンディングだとか任意の履行だとか言いましたが、そうじゃないでしょう。労働組合法二十七条五項、中労委への再審申し立てば地労委命令の効力を停止しません。行政事件訴訟法二十五条、地労委命令取り消しの訴訟の提起は処分の効力を妨げない。まことに明白に法律に定められておるわけであります。地労委、中労委の命令は行政処分としての効力を持つんですね。公定力と言われておる。
 労働行政機関の長である労働大臣は、確信を持っていいんじゃないですか。確信を持って、厳然としてこの行政委員会の命令の効力を守って履行せよということをJR各社、清算事業団の長に迫る権限を持っているにかかわらず、時間をかしてもらいたいなどというのは甚だこれは態度として弱い。所管大臣の運輸大臣と協議して、関係各社社長を全部労働省なり運輸省に呼んで、そして強く要請するのは当たり前じゃないですか。何をぐずぐずしているのかと言いたいのでございます。あと百六十件全部命令が出て終わるまで待つというんですか。そんなことはだめですよ。今がチャンスです。どうですか、再度答弁を求めます。政治的な問題でしょう、これは。
#157
○政府委員(岡部晃三君) この問題、やはり係争中の事案であるということは申し上げているとおりでございまして、労組法二十七条の規定はおっしゃるとおりでございますが、しかしながら、これはあわせて行政訴訟にいき、あるいは中労委に再審査の申し立てをするという道も開かれているわけでございまして、やはりこれはまだ確定せざる事案でございます。
 したがいまして、大臣から申し上げましたように、こういう問題の処理につきましてはやはりタイミングあるいはまた諸般の情勢ということが重要でございます。時間をかしていただきたいと思うのでございます。
#158
○内藤功君 公定力というものについてのお答えが全然なかったですね。私は引き続きこれは次の機会にまた追及をしたいと思います。
 次の問題に移りますが、最近、原子力発電所の重大事故が相次いで発生しております。昨年度以降、報告義務のあるものだけで五十四件、本年一月六日の東京電力福島第二原発三号機の事故、六月三日の同原発二号機の冷却用放射能汚水漏れ事故、炉心ないし炉心の近くでの事故が生じておるのが特徴であります。事故処理など現場従事者への放射線被曝の増大は必至であります。
 そこで質問いたしますが、全国で原発従事者は社員、下請それぞれ何名いるか。それから労働省として労働者の放射線被曝防護面での対応はどのようにやっておられるか。それから原発が設置されている管内担当の労働基準監督署は何カ所あるか。もう一つ、放射線管理専門官は労基署に何人配置されているか。事実関係でございますので、まとめてお答え願いたい。
#159
○説明員(草刈隆君) 全国の商業用原子力発電所の放射線業務従事者、昭和六十二年度でございますが、電力社員、元請でございますが五千三百十一人、下請の方々、関連企業でございますが五万三十九人、計五万五千三百五十人でございます。
 次に、原子力発電所で働く方々の放射線業務に従事する労働者の被曝管理でございますが、電離放射線障害防止規則によりまして、まず被曝限度の遵守、二番目が管理区域内における線量当量の測定、被曝防止の実施、作業環境の測定、健康診断の実施等の規制を行っております。特に、原子力発電所の定期検査の時期等をとらえまして下請業者を含めて監督指導を行いまして、規制事項の遵守を期しているところでございます。
 また、下請の方々につきまして、原子力発電所等の元方事業者が労働安全衛生法に基づきまして下請事業者に対して必要な指導指示を行うよう指導しているほか、原子力発電所におきましては、まず関係請負人間の連絡調整に関すること等、元方事業者としての対策の強化や放射線作業管理計画の作成と、それに基づく作業の実施、放射線業務にかかわる労働衛生教育の推進が図られるよう指導しているところでございます。
 先生御指摘のように、原子力発電所で働く労働者の被曝管理、特にトラブル発生時等被曝の増加が懸念される場合における労働者の被曝管理体制について、関係事業者に対して監督指導を一層徹底してまいりたいと考えております。
 それから、原発を管内に持つ監督署の数及び放射線管理専門官の配置数でございますが、現在原子力発電所を管内に有する労働基準監督署の数は十一でございます。そのうち、放射線管理専門官は現在のところ六署に配置されているところでございます。
#160
○内藤功君 原発を現に管内に持つ監督署には専門官を最低一名、特に福島原発の区域には現状にかんがみて複数配置すべきではないかと思いますが、そういう点についてはいかがですか。
#161
○説明員(草刈隆君) 放射線管理専門官が配置されておらない監督署におきましては、基準監督官初め労働衛生専門官、作業安全専門官等によりまして原発対策を実施しているところでございます。これらの職員についても放射線関係業務に必要な専門的知識及び技術を修得させる目的のラジオアイソトープあるいは原子力の研修を実施しておりまして、職員の資質の向上に努めているところでございます。現在、そのような研修を終了した者が二百四十一名おりますが、原発所在局署に原則として配置しておりまして、どの監督署にも一名以上の研修修了者が配置されておるところでございます。
#162
○内藤功君 今あなたが挙げられた方は本務がそれぞれ忙しくて、やはりこういう多発地域には複数の配置をすることが望ましいと私は思いますね。
 そこで、電離放射線障害防止規則、略称電離則第三条三項には、管理区域には必要のある者以外の者を立ち入らせてはならないと定めておりますが、確認ですが、ここに言う「必要のある者」というのは、放射線業務従事者それから緊急作業に従事する労働者、もう一つ一時的に立ち入る労働者、これ以外は立ち入り禁止というふうに理解していいですね。
#163
○説明員(草刈隆君) そのように我々規制しているところでございます。
#164
○内藤功君 昨年、中部電力が静岡の浜岡原発の放射線管理区域の原子炉建屋に研修名目で二千名の女子社員を立ち入らせる計画を安全PR計画の目玉として発表したんですね。これに対して母性保護上から強い反対の声が上がって、結局中止されたということはあなた御存じですか。
#165
○説明員(草刈隆君) 新聞紙上並びに所管する局からの報告で承っております。
#166
○内藤功君 そこで、ことしの二月に我が党国会議員団が東京電力福島原発を現地調査いたしました。その際に、私どもの方から東京電力でも中部電力と同じようなケースがあるかと聞いたところが、広報担当の女性社員からぜひ見せてくれと言われて案内したという答えが返ってきましたが、人数は幾らかという答えは拒否したのであります。
 東電は金に糸目をつけないPRをやっています。社員の原発研修などの費用を普及開発費としまして、八八年一月認可の電力料金原価には百五十九億円計上しておるんですね。電気料金としてこの分は利用者が負担させられているわけでござ
います。東電はこの研修の実態を明らかにすべきだと思いますが、労働省として御調査いただきたいと思います。いかがでしょうか。
#167
○説明員(草刈隆君) 電離放射線障害防止規則に違反しているかどうかということにつきましては、常に各局署におきまして関係事業場と緊密に連絡をとっておるところでございます。私どもそのような事実は把握してないところでございますが、なお一層必要のない者の立ち入りを十分に規制するかどうかにつきましては、今後とも監督指導を強めたいと思っております。
#168
○内藤功君 今指摘した点、調べてください。
#169
○説明員(草刈隆君) 調査しておきます。
#170
○内藤功君 東京電力では、十年間で五%、二千二百人の人員削減が進められていまして、その結果、業務量や時間外労働が増加して、サービス残業が横行している、こういうことが言われております。
 ここに、私は「業務マップの作り方」と「業務マップ作成マニュアル」の二つを持ってまいりました。これは内部文書であります。まず、「業務マップの作り方」と題する昭和六十三年十月、東電世田谷支社改善活動推進会議事務局作成に係る文書。もう一つは、昭和六十三年十二月、業務改善「武蔵野slim25」推進事務局作成の文書、これを私今持っております。これにはサービス残業のことが公然と書いてあるんです。各個人が自分の担当している業務について一つ一つ所要時間を入れ、一年間の時間業務量を出す。記入事項として、勤務表上の残業時間のほかにサービス残業時間というのがちゃんと書いてあって、所属長の承認を得ることと書いてあるんですね。
 こんなことが許されますか。例えば、一日三時間の残業のうち一時間がサービス残業、明白な労働基準法違反の疑い、表に出ないと思ってやっているんでしょうが、こういうことを知っておりますか。
#171
○政府委員(野崎和昭君) 先生御承知のとおり、労働基準法上の労働時間というのは使用者の指揮命令下で仕事をした時間でございまして、ただいま御指摘のケースについては詳細存じておりませんが、いろいろ自主的な集団活動等を行う場合に、これが労働時間かどうかというのは直ちには判断しがたい場合もあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘のケースについては承知いたしておりませんので、もし労働基準法違反等について御疑問がございます場合には、具体的事例を添えまして所轄の労働基準監督署へお申し出いただければ必要な調査をさしていただくことになると思います。
#172
○内藤功君 もう明らかに労働基準法の所定の残業手当、時間外協定届け出、こういうものを免脱することがありありのものだと思います。手続はもちろんあなたのおっしゃるとおりですけれども、本省としてやっぱりこういう大会社の問題ですから承知をしておいていただきたい。
 そこで、東電のこういう安全軽視、営利優先、労基法違反の疑いある経営政策に批判的な労働者がふえてきているわけですが、そういう方に対して徹底した思想信条による賃金差別、仕事の取り上げなどの人権侵害が行われているということの報告を受けております。特に、日本共産党員、同調者と認定した労働者にはその思想信条、所属政党を理由とする差別取り扱いをやっておるということを私は黙視できないのでひとつ御質問をしたい。
 東京電力北電力所の国武道義さんという方ですが、昇格へのワンステップである社内研修派遣の条件といたしまして、上司から二つの条件を受けた。一つ、東京電力の人権侵害差別撤廃訴訟の原告である親友との交際を絶つこと、二つ目は東電労組の政治連盟に入ることを強要されて、拒否をすると、それでは研修に参加させないということになりました。
 そこでこの案件は、一九八二年三月、亀戸労働基準監督署に三条違反で申告をしたんですね。そうすると同署は、労基法違反の強い疑念があるということで、条件を一切つけないで話し合って円満解決してくださいと東京電力に亀戸署はちゃんと行政指導していただいたんです。ところが東電は全く誠意を示さない。国武さんはやむなく今度は東京弁護士会人権擁護委員会に訴えました。私も人権擁護の副委員長をやったことがありますが、ここは非常によく調べるところです。八六年の六月十八日に同会は、思想信条による不当な差別的取り扱いがあったと認められるとして救済の勧告書を東電に対して出したんですね。こういうことがあります。
 それからもう一つついでに言いますと、昭和六十三年二月五日、東電の営業所長が女性労働者に、あなたは日本共産党員であるかどうかをただして、党員ではない旨の書面を持ってくるように要求を繰り返したということが事件で問題になり、最高裁判所第二小法廷は、そういう要求を繰り返しなすことは調査方法として不相当であると判示いたしました。こういう事件です。
 もう一つ言いますと、東電の社員採用内定者に、共産党員あるいは同調者であることが判明し、あるいは企業運営上不適当と認められたときは採用を取り消されても異議なきこと、こういう文書を提出させていた。昭和四十三年まで提出させていたんですが、さすがに昭和四十四年以降は、共産党員あるいは同調者であることが判明しというところは削ったんですね。ところがその後も、その後段の企業運営上不適当と認められたときという中に入っていると、共産党員、同調者と判明したときというのは、その前は削ったが後の方に入っているというふうに解釈しているというんですね。この解釈しているというのは、昨年、一九八八年十二月十九日、甲府地方裁判所の口頭弁論におきまして、東電本社人事計画課長内藤久夫、私とちょっと名前が似ている、内藤久夫氏の証言で明らかになったわけです。
 憲法十四条の法のもとの平等、差別禁止、憲法十九条の思想、良心の自由、言うまでもないことであります。労働基準法三条の均等待遇条項、これらに明白に違反することが私の手元に証拠で固めたやつでもこれだけある。これを最高裁判所はさっきの六十三年二月五日の判決でかように言っております。企業内においても、思想信条等の精神的自由は十分に尊重されるべきであると判示しておるわけでありますが、これは御存じですか、労働省としては。大企業がこういうことをやっていることについて憲法の観点でいいですか、これで。
#173
○政府委員(野崎和昭君) ただいま先生がお挙げになりました具体的事例につきましては、いずれもただいま初めてお聞きしたケースでございまして、労働基準法三条では御指摘のとおり信条等を理由として労働条件について差別的取り扱いをすることを禁止しているわけでございますが、現実の具体的判断ということになりますと非常に困難な場合もございますので、やはりそれがこの三条に抵触するかどうかという問題につきましては、具体的事例に即して詳細に調査をさしていただいた上で判断をさしていただきたいと、そういうふうに考えます。
#174
○内藤功君 重大事態ですよね。東京電力は、地域独占という恩典、特権を受け、国の手厚い保護を受けております。そして利益を上げている日本有数の大企業であります。ここで働く個々の人々の技術、能力、そういうものを私どもは評価をいたしますが、しかし、それなるがゆえに厳しい労使関係での他の企業の模範にならなくちゃいけないはずであります。資本金六千五百億円、経常利益四千億円、従業員四万人の日本有数の大企業であります。労使関係で当然模範となるべきところがこういうことをやっておるということは重大なことであります。重ねて調査を要求し、労働省として労働省設置法の精神に基づく適切な対応をなされることを要望いたします。
 次に、労働省労働基準局監督課監修、「まんがで綴る労働基準法働く人の基本法」について御質問いたします。
 ここに持ってきたのがその問題の本でございます。これは昨年四月発行され、売れ行きも大変よ
ろしく、それは結構なことでございます。それを文句言うんじゃない。ただ、この中の四十八ページから四十九ページにかけて、これが問題であります。
 これは労働者の残業についての記載でありますが、この問題については学説、判例が三つに大きく分かれている。そのうち一つだけを取り上げて、しかも係争中で最高裁判所に上告中で判断がいまだ出ていない事件、日立武蔵事件という判例上有名な事件です。地裁判決もあるんですが、この東京高裁判決だけをここに引用しております。普通の本ならいいんですが、労働省監修とありますから無視できないのです。これは言葉を穏やかに言えば極めて不適切、読む者をして誤解を与えるばかりか、残業規制により労働時間短縮の国際的方向に大きく進もうという労働省のあり方、日ごろのお話から全く逆行をいたしますし、労働省設置法に定める労働条件の向上、労働者の保護を内容とする任務にも反する内容だと私は思うわけであります。
 この件につきましては、去る六月十六日に工藤晃衆議院議員及び本係争事件の原告、弁護士、関係者の方々が労働省担当官に文書をもって厳しく記載箇所の削除訂正等を求めたところであります。その際対応された担当官は、漫画という性格上言葉を尽くしていないとの認識を表明されました。しかし、漫画だって絵だけじゃありません。字がいっぱいあるわけですから、幾らでも表現の方法はあるんですから弁解になりません。そういう認識を表明されましたとともに、今後の措置については追って連絡したいというお答えだったそうであります。労働省としてはどのようにこの問題に対応されるのか、まずお答えをいただきたいと思います。
#175
○政府委員(野崎和昭君) ただいま先生御指摘のございました書物につきましては、御指摘のとおり労働省で監修をいたしました。労働基準法の普及啓蒙に役立つという見地から監修をさしていただいたものでございます。
 それから、御指摘の箇所の趣旨でございますけれども、時間外労働、休日労働を命ずる場合には、単に労働基準法三十六条に基づく協定があるだけでは不十分でできない、そのほかに労働協約、就業規則等にその法的な根拠がなければならない、そういったことを一般の方に知っていただくことが目的でございまして、それはそのページの下の文章のところをごらんいただければ一目瞭然であるというふうに考えております。
 そういうことでございまして、さらに先生御指摘のような時間外労働を命じた場合に労働協約、就業規則等に根拠があればいいのか、それだけでは足りなくて、労働者本人の同意が必要なのかというような点について一部学説が分かれていることも承知しておりますけれども、そういった点につきましては、やはりわずか一ページの中の何分の一かの部分でございますので、存在する学説、判例を全部そこに書いてもらうということは適当ではないと。私どもの解説書等には当然全部紹介してございますけれども、それこそ漫画の中におけるごく限られた字数の解説でございますのでそこまではできないと。ただ、労働省としては、従来そこに書いてございますような見解で指導をいたしております。また、判例といたしましてもそういう見解が有力であるというふうに認識いたしております。そういうことで、そのページのそういった記述についてはそれで差し支えない、そのように判断したところでございます。
 ただ、今後の問題といたしまして、そこで引用されております判決の当事者でございます一方の方が、そこで引用されることについて御異論を私どもの方へ申し出られましたので、今後の取り扱いにつきましては、そういった御意向を尊重いたしまして、版を改める場合にはその判決の引用は削除する、そういう方向で出版社の方に申し入れをすることを検討いたしております。
#176
○内藤功君 もう出ているものは日にちがたって大体売れていると思いますが、これを回収するというふうな措置をとるべきじゃないですか。いかがですか。
#177
○政府委員(野崎和昭君) ただいま申し上げましたように、そこに書いてございます記述自体は間違っていないというふうに思っております。また、その判決につきましては、その書物に引用されているのみならずほかの多くの書物にも当然引用されている判決でございまして、そういう意味でもあえて回収等の措置をとるまでの必要性はないというふうに考えております。
#178
○内藤功君 あなたは事態をやっぱり軽く言おうとしておりますが、重大性はお気づきだと思うんですよね。三六協定が成立しても、それだけでは残業の義務が発生しないということはもう当然わかり切ったことです。残業を命ずるにはどんな要件が必要か、これは最高裁判例は直接なくて、下級審の判例は三つに分かれているわけですよ。あなたはそのうちの一つしか言わない。就業規則、労働協約で時間外労働を命ずることがあるということを書いておけばいいと言う。
 そのほかに、個々の場合に明示または黙示の労働者の合意を要するという有力な判例、学説がありますよね。下級審の判例が分かれているんですから。それからその真ん中の、具体的事由や必要性や時間制限を三六協定上にしておく必要があるというような限定的な中間説というのがありまして、これは労働省発行のコンメンタールにちゃんと書いてあるわけでしょう。紙数が少ないから、あるいは漫画の本であるからというのは理由にならないですよ。それなら、書けないなら書かない方がよろしい、それから初めから誤解を与えるようなことは書かない方がよろしい、そういうふうに私は繰り返し申し上げるわけであります。
 特に、一番適切な説だと言いますけれども、これは議論になりますから長くなるからやりませんけれども、あなたがいいと言われるこの説、これについては全国の労働法学者百二十一人の方から最高裁判所に対して批判的見解意見書が提出をされて、百二十一人の労働法学者から批判のあるのがここに出されている判例なんですね、東京高裁の判例なんです。
 政府は去年の六月に、一九九二年度までに年間総労働時間を千八百時間に短縮するということを目標にする労働時間短縮推進計画を発表している。それから、一月十一日に労働時間短縮政策会議が、長過ぎる残業をなくすということを含む時間短縮の提言をまとめていますね。労働時間短縮のためには残業を規制するということが大事なことは、この場所でやった労働基準法改正案のときの審議であなたと私の間で論戦をしたこともありますし、附帯決議にもちゃんと書いてあることなんです。繰り返して言うけれども、労働省は労働者の保護を任務とする役所なんですから、私は最も労働者保護に厚い説をとってしかるべきだと、個々の合意がなきゃ残業を命ぜられないという、そういう説をとって当然だというふうに思うんです。
 ところが、この二つの学説、判例は全く無視をして一つだけの説を載っける、くどいようですけれども言いますよ。そして、こういう態度は、読者の誤解による労働者の権利に対する影響は少なくないと思うんですね。ですから事は重大です。今後かような同種のことが起きないように、十分私は警告を労働大臣以下に申し上げたいと思うんですね。かような、労働省が監修し、あるいは編集、出版するという場合に、労働者の重要な権利にかかわり、判例、学説が非常に複雑多岐に分かれている、私はここへ論文を持ってきましたがいろいろこれだけ論文が随分あるんですね、専門家の論文が法律雑誌にいっぱい出ているこういう問題について、一つの見解だけを出して誤解を与えるようなことは断じてあっちゃならぬと思うんですが、これは大臣いかがですか、今の論戦を聞いておられて大臣の判断、最高責任者どうですか。
#179
○政府委員(野崎和昭君) 今先生の御指摘の点でございますけれども、最初に申し上げましたように、その項目で一番述べたかった真意は、労働基準法三十六条の協定があればそれだけで時間外労働を命ずることができるという誤解が一部にござ
いますので、それだけでは手続として不十分ですと、労働協約、就業規則等できちんと規定をしておくことが必要ですと、そのことを言いたかったわけでございます。
 先生御指摘のさらにその先の話、それだけでいいのかという点につきましては、確かに学説上異論があり、裁判例の中にもそれと異なるものがあることも承知はいたしておりますけれども、労働省としてはそういう個別の同意までは必要がない、そういうことで現実に私ども指導をいたしておりますし、世間でも通常そういう形で運営がされているというふうに承知しております。したがいまして、そういった意味においてはその今回の内容については誤りとか不適切とかそういうことはないというふうに思っておりますが、判決の直接の当事者の方から引用されることを好まないという御意見がございましたので、その御意向は尊重したいというふうに思っているところでございます。
#180
○内藤功君 それでは次に、いわゆる過労死と呼ばれる脳、心臓疾患の業務上認定基準の問題についてお伺いをいたします。
 これは申すまでもなく、一九六一年基発第百十六号が八七年、昭和六十二年、基発第六百二十号に改正されたわけであります。旧基準では、倒れる直前または二十四時間以内に従来の業務と比べて過激な出来事、いわゆる災害、アクシデントがなければ業務上と認定しなかった。これに対して批判が厳しく、新しい基準では、倒れる前一週間に所定の業務に比べて過重な業務に従事した場合に業務上と認定される、こういうことになったと理解をしております。さらに、一週間以上前の業務についても付加的要因として考慮されることになり、旧基準が緩和されたということは一歩前進であると評価をしております。
 しかし、なお新基準にも問題が残っていると思います。まず、一週間と限定をして、それ以前の業務を付加的要因にとどめたということが問題であります。労働省は医学経験則から一週間と限定したというふうにおっしゃっているようですが、そういうような医学文献が一体あるのかどうか。最近の実例としては、一月十八日に神戸の東労働基準監督署の決定で、被災前一週間以前の業務の実態も踏まえて、総合的に判断して過労死である、こういう過労死を業務上死亡であると認定している事例も出てきております。単純に一週間ということで区切るんじゃなくて、被災者の業務の質と量というものを総合的に評価をするこういう運用、さらにそういう運用に見合う近い将来での基準の見直しというものを要望したいと思いますが、いかがでございますか。
#181
○政府委員(野崎和昭君) いわゆる過労死と言われておりますものの具体的な、実質的な内容と申しますのは、脳溢血あるいは心不全というような持病をお持ちの方が、いろいろな理由があるわけでございますけれども、その中に業務上の過重な負荷ということも加わりまして突然死亡される、そういう状態が過労死という言葉で現在問題になっているかと承知しております。
 これの認定の考え方につきましては、従前は先生御指摘のとおり発症の当日に異常な出来事があった場合に限っていたわけでございます。しかしながら、この認定基準だけで適切かということで、専門の方々にお集まりいただきまして五年間にわたって検討に検討を重ねまして、六十二年十月に先生御指摘のような現在の認定基準に改めたわけでございます。
 心不全と申しますか心臓疾患と申しますか、そういうものは恐らく加齢であるとか日常生活上のいろいろな原因であるとかによりまして徐々に症状が蓄積されているものでございまして、基本的には私傷病と見るべきものというふうに考えますけれども、その増悪ないし発症が業務に起因している場合も存在し得る。それをどういう時期でとらえるかということでございますが、従前は前日だけの出来事しか見なかったというのに対しまして、直前の一週間以内における過重な負荷ということも十分検討して認定に資そうと。なお申し添えますと、一週間以前の状態についても参考にはいたすことにいたしております。
 しかしながら、病気の発症の原因が今申しましたようなことでございますので、非常に古い、長い時間たった前の出来事というのがその発症に結びついているということはなかなか考えにくいわけでございまして、そういう意味でやはり現在でも発症当日の状態、それからその次に重視すべきは一週間前の状態、なおそれ以前の状態についても検討する、そういう運営をいたしております。これで現在の状態においては最善の認定基準であるというふうに思っておりまして、これを今直ちに見直すことは考えておりません。
#182
○内藤功君 そのほかコンピューターなど精神的負担の重い仕事、あるいはふだんからの所定労働自体が非常にきつい労働というふうに、現代労働の質と量というのは日々変化しておりますので、これはひとつそういう観点で柔軟に見直しも含め検討していただくことを要望します。
 最後の質問ですが、日本労働協会法の一部改正法案についてお尋ねいたします。
 今回、日本労働協会と雇用職業総合研究所が統合される。いずれも労働問題、職業、雇用問題に関する総合的多面的な調査研究を行っている特殊法人であります。そこで、四点まとめて質問いたしますので、ひとつお答えいただきたい。
 一つは、調査研究の成果というものが社会労働委員会初め広く国会、国民に知られていないという点であります。労働省の啓蒙PRが弱かったんではないか。もっと積極的な改善、例えば社会労働委員にはこういう研究の資料の主なものを配付するとか、あるいは一般国民が気軽にこういう研究機関を利用できるという方法を考えていただけないか、これが第一点。
 二点目は、協会や機関の研究を公開するということは、これらが科学的、客観的かつ公正中立な立場の研究であるのか。他の研究者や国民の納得が得られるものかどうか。国民の前に公開することによって多くの人の批判を受けるということが、今後の調査研究に一層生かされるという点で非常に大事なことだと思います。この点についてどうお考えか。
 三点目は、協会や研究所での調査研究の成果などで、これは労働者の保護のためになると判断されたものについては政府として積極的に労働行政に反映し吸収させるという基本的立場を当然おとりになると思いますが、この点大臣の明確な答弁を求めたいと思います。
 最後に四点目ですが、統合したからといって予算の削減あるいは職員、研究者の削減を行ってはならぬということであります。機構のますますの充実にこそ力を注ぐべきだと思いますが、大臣の御決意のほどをお伺いいたしたい。
 以上四点の質問をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#183
○政府委員(岡部晃三君) 最初の二点についてお答え申し上げます。
 まず、この新機構の成果というものが十分に一般に公開され、気軽に利用できるようにという御示唆でございました。これはまことにごもっともなことでございます。新機構におきましては、各種出版あるいはビデオとか、あるいはまたオンラインシステムをつくるというふうなさまざまなメディアを駆使いたしまして、御期待に沿えるように一般に公開をしてまいりたいと考えるわけでございます。
 第二点につきましては、これはやはりこの新機構の中立性あるいは公正性の確保ということと関連があるわけでございまして、この点につきましては法律の定めるとおりその中立性、公正性の確保に努めつつこの成果を公開してまいりたいというふうに考えております。
#184
○国務大臣(堀内光雄君) 労働省といたしましては、社会経済構造の変化及び情報化、国際化が急速に進展する激動の時代にありまして、新機構が来るべき二十一世紀を展望しつつ、調査研究、情報提供、国際交流の諸事業を行い、時代の要請にこたえていくことができるよう、必要な予算、人
員の確保、そういうものについて援助に努めてまいる所存でございます。
#185
○内藤功君 雇用保険法の質問を用意していたんですが、時間の関係でできませんでした。
#186
○委員長(前島英三郎君) 以上で、ただいま議題となっております三案件のうち、労働行政に関する件について質疑を終了することとし、両法律案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより順次採決に入ります。
 まず、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#187
○委員長(前島英三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本正和君から発言を求められておりますので、これを許します。山本正和君。
#188
○山本正和君 私は、ただいま可決されました雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、近年著しく増加しているパートタイム労働者等については、その処遇及び労働条件等をめぐり、種々の問題が生じていることにかんがみ、これらの者の雇用の安定、労働条件の確保を図るため、法的整備を含め必要な措置について検討すること。
 二、今回のパートタイム労働者に対する雇用保険の適用拡大については、改正の趣旨にかんがみ、労使等に対する制度の周知徹底を図ること。
 三、パートバンクの一層の増設を含め、公共職業安定所における職業紹介機能及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等をめぐる諸問題に対応するため必要な規制を行うこと。
 四、小零細企業労働者及びパートタイム労働者の雇用保険への加入促進に格段の努力を払うこと。
 五、いわゆる多重就労の実態を早急に把握するとともに、法的整備を含む必要な対応策を検討すること。
 六、不正受給の防止対策については、一層の強化を図ること。
 七、本格的な高齢化社会の到来を迎え、高齢者の雇用と生活の安定を保障する観点から、公的年金制度との連携を図りつつ、定年延長、雇用延長を初め、高年齢者の雇用就業対策について、法的措置を含め抜本的な拡充強化を図ること。
 八、雇用保険三事業については、経済社会の変化、事業の実施状況その他の事情を考慮して、適宜、各種給付金の整理統合を初め、制度及び運営の両面にわたり必要な見直しを行うこと。また、各種給付金制度の中小零細企業における活用を促進するため、職業安定機関等における指導援助を拡充強化すること。
 九、本法の実効ある運営を確保するため、定員増を含め行政の実施体制の充実強化を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
#189
○委員長(前島英三郎君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#190
○委員長(前島英三郎君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、堀内労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀内労働大臣。
#191
○国務大臣(堀内光雄君) ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
#192
○委員長(前島英三郎君) 次に、日本労働協会法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(前島英三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#195
○委員長(前島英三郎君) 次に、請願の審査を行います。
 第四号保育所制度の充実に関する請願外五百五十三件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第四号保育所制度の充実に関する請願外百二十三件は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第一四号骨髄バンクの早期実現に関する請願外四百二十九件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#197
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#198
○委員長(前島英三郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、これら二件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#201
○委員長(前島英三郎君) この際、委員会を代表して、このたび御勇退になります石本茂君、藤井恒男君の長年にわたる御活躍と御労苦に対しまして、一言謝辞を申し述べたいと存じます。
 石本君は、本院議員といたしまして昭和四十年以来二十四年にわたり在職され、その間、懲罰委員長、社会労働委員長として院の要職を、行政府においては厚生政務次官、環境庁長官の要職をそれぞれ歴任され、その職責を果たされました。特に、社会労働委員会には長く籍を置かれ、委員会の運営に寄与するところ多大であり、感謝する次第であります。
 一方、藤井君におかれましては、本院議員として昭和四十六年以来十八年にわたり在職されました。その間、社会労働委員会を初め各種の委員会で御活躍され、商工、内閣、議院運営委員会では理事としてその職責を果たされました。また、民社党の議員会長を初め党の要職を歴任され、国会運営の中心として遺憾なくその手腕を発揮されたところであり、敬意を表するとともに、そのお骨折りに感謝する次第であります。
 お二方がこのたび去られることは、惜しみても余りあるものがございます。お二方とも一層健康に留意されますよう祈念いたしまして、感謝の言葉といたします。(拍手)
#202
○石本茂君 皆様にお世話になりましたことを深く感謝しております。厚く御礼申し上げます。まことにありがとうございました。(拍手)
#203
○藤井恒男君 本当にありがとうございました。(拍手)
#204
○委員長(前島英三郎君) 続きまして、私ごととなりますが、任期満了と同時に委員長を退任することになります。時期としては閉会中に当たりますので、今後ごあいさつの機会を得られませんので、この場をおかりいたしまして一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
 一年足らずの間でございましたが、理事の方々を初め委員各位の御協力を得まして、無事委員長の職責を果たすことができました。ここに改めて厚く御礼申し上げる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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