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1988/03/29 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第4号
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1988/03/29 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第114回国会 地方行政委員会 第4号
平成元年三月二十九日(水曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     二木 秀夫君     川原新次郎君
     佐藤謙一郎君     松浦 孝治君
     増岡 康治君     岩本 政光君
     水谷  力君     沓掛 哲男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         向山 一人君
    理 事
                田辺 哲夫君
                松浦  功君
                山口 哲夫君
    委 員
                岩本 政光君
                加藤 武徳君
                海江田鶴造君
                川原新次郎君
                沓掛 哲男君
                沢田 一精君
                谷川 寛三君
                出口 廣光君
                増岡 康治君
                松浦 孝治君
                水谷  力君
                佐藤 三吾君
                渕上 貞雄君
                渡辺 四郎君
                片上 公人君
                諫山  博君
                柳澤 錬造君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    坂野 重信君
   政府委員
       自治大臣官房長  持永 堯民君
       自治大臣官房総
       務審議官     小林  実君
       自治省行政局長  木村  仁君
       自治省行政局公
       務員部長     芦尾 長司君
       自治省財政局長  津田  正君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
       消防庁長官    矢野浩一郎君
       消防庁次長    平林 忠正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       斎藤 徹郎君
       厚生省社会局庶
       務課長      鏑木 伸一君
       運輸大臣官房審
       議官       木村  操君
       運輸省地域交通
       局鉄道業務課長  加藤  甫君
       運輸省航空局飛
       行場部管理課長  橋本 雅之君
       運輸省航空局飛
       行場部新東京国
       際空港課長    田口 弘明君
       労働省労政局労
       働法規課長    渡邊  信君
       建設省建設経済
       局総務課長    辻  光興君
   参考人
       新東京国際空港
       公団理事     中島 眞二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○消防施設強化促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の
 特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(向山一人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に新東京国際空港公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(向山一人君) これより消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次両案の趣旨説明を聴取いたします。坂野自治大臣。
#5
○国務大臣(坂野重信君) ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 初めに、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 市町村の消防施設の整備につきましては、昭和二十八年の消防施設強化促進法の制定により、国庫補助制度の確立を見て以来、逐次その充実強化が図られてきたところでありますが、昭和四十九年度から、人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、これらの市町村の消防施設の整備に係る国庫補助率を引き上げる特例措置を講じてきたところであります。昭和五十九年度から昭和六十三年度までの間においては、この特例措置による国庫補助率は、通常の人口急増市町村については二分の一以内とし、政令で定める人口急増市町村については七分の三以内としてきたところであります。
 しかしながら、平成元年度以降においても、なお相当数の人口急増市町村の存在が予想されますので、これらの市町村における市街地の拡大等に伴う消防施設整備の緊急性にかんがみ、国庫補助率の特例措置を延長する必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、平成元年度から平成五年度まで、引き続き通常の人口急増市町村における消防施設の整備に係る国庫補助率を二分の一以内に引き上げる措置を講ずることといたしておりますが、人口急増市町村のうち、政令で定める市町村に適用される国庫補助率については十分の四以内とすることといたしております。
 次に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な国の財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十五年三月に制定されたものでありますが、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととなっております。
 政府としては空港周辺地域整備計画に基づく整備事業の推進に努めてまいったところでありますが、諸般の事情により、成田用水事業及び一部の公共施設の整備事業が法律の有効期限内に完了できない見込みであります。
 このような状況にかんがみ、空港周辺整備計画に係るこれらの残事業を早期に完了させるため、この法律の有効期限を延長し、引き続き、国の財政上の特別措置を講じてまいる必要があると存ずるのであります。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 次に法律案の内容について御説明いたします。
 まず第一に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限を五年間延長し、平成六年三月三十一日までとすることといたしております。
 第二に、この法律の施行期日を公布の日といたしております。
 以上が消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(向山一人君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより両案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○渡辺四郎君 私は大臣にお尋ねしたいと思うんですが、さきに行われた福岡の参議院補欠選挙で、私は責任者として福岡県内を駆けめぐってまいりました。その中で、国民の政治に対する関心は非常に高いということを実は感じました、何で関、心をそんなに持ってきたのか、残念なことですが、その関心の高さというのが政治に対する不信であるということを非常に実は痛切に感じてまいりました。きょうもまた文部省の最高幹部でありました高石前文部事務次官が逮捕されたという報道もされましたが、多くの方々から私が言われたのは、一体今の政治はどうかしていないか、あるいは政治家は国民を何と思っておるか、こういう実は痛烈な抗議とも思われるような批判を受けました。これは私自身、末席ではありますが、立法府に籍を置く一員として私たち全体の責任だということを痛感して帰ってまいりました。
 そこでまず第一点、大臣にお尋ねしたいのは、どうしてこんなに国民の政治に対する不信が高まったのか、その原因について大臣はどういうお考えを持っておるのか。
 それから二つ目に、この国民の政治に対する不信をなくすために、竹下内閣の閣僚としてあるいは大先輩の一政治家としてどういう抱負あるいは決意をお持ちなのかお伺いをしたいと思うんです。
#8
○国務大臣(坂野重信君) 委員御指摘のとおりに、今、政治に対する不信は非常に厳しいものがあるということは、私ども皆さんと同じように感じているわけでございます。特に労働省に続いて、また元文部事務次官がリクルート疑惑で逮捕されたということはまことに遺憾であり、残念なことでございます。私ども政治家の一人として、また私も竹下内閣の閣僚の一員として深くこの問題については厳粛に受けとめている次第でございます。
 いろんな問題がありますけれども、何といっても、このリクルート問題を契機として、国民の皆さんから非常に政治全体に対する不信というものが広まってきたということを強く認識いたしておる次第でございます。この不信を解消するために、いろいろ本会議その他においても、またきのうも佐藤委員からも厳しい御指摘があったとおりでございます。
 私どもといたしましては、我々政治家自身の一人一人の倫理観というものの立場から、自分の行動というものを厳しく律していかなきゃならぬのは当然のことでございますが、与党は与党としてのけじめといいますか、政治改革に対する国民の皆さん、あるいは野党の皆さんのいろんな御意見というものを踏まえながら、いかにして政治改革というものに取り組むかということが一番大事なことだと思っております。いろいろ言われておりますように、けじめというものが大事だと思っております。私も内閣の一員でございますが、竹下内閣として最終的には総理が判断される事柄でございますけれども、何とかしてこの不信を解消するように精いっぱいこれからもひとつ頑張っていかなきゃならぬと思っている次第でございます。
#9
○渡辺四郎君 私は、わずかの時間しかありませんから多くを申し上げませんが、ぜひひとつこれはお願いをしておきたい。政治倫理綱領の中にも、そういう疑いを持たれた場合、政治家自身がみずから身の潔白をなすべきであるという倫理綱領もあります。今リクルート問題等でうわさをされておるという方たちがあれば、閣議決定をしてでもこの政治倫理綱領に基づいてみずから身の潔白を図る、そういうことをなすべきだということをぜひひとつ閣議でも議論して決定していただきたい。そういうことが国民に対する信頼の回復に大きくつながっていくんじゃないかというように思っておりますが、ぜひひとつこれはお願いしておきたいと思います。
 次に、二つ目の問題で、これも大臣にお尋ねしたいわけですが、補助金、負担金カット問題で、一昨日の本会議の中でも大臣なり、あるいは竹下総理の答弁もお聞きをしましたが、本委員会で今議題になりました消防施設強化促進法の一部改正問題でもまた補助金そのものが引き下げられる、こういうことが盛り込まれて提案されております。私も地方行政委員会におりまして、これは本会議の中でも補正予算で当時の中曽根総理あるいは宮澤大蔵大臣自治大臣にも質問を申し上げました。いわゆる補助金、負担金カットは約束どおり三年間で終わるのかということについて再三これは念を押してまいりました。
 ところが、今提案されております、これから後の議論にもなってまいりますが、一部を除いてなおかつカットが続けられておる。私は、今消費税問題とも絡んで各市町村の首長が非常に苦悩しておるという実例を申し上げてみたいと思うんです。市町村の首長は、議会の方から、例えばここの町道を拡張してもらいたい、あるいは舗装してもらいたいという、本当に地域の要求があるわけですが、しかしそれは三年間だけ補助金、負担金のカットが続くから三年間は待ってほしい。昨年であればもう一年間待ってほしいということで、議会の中で了解を得て続けてきた。ところが、今になってまたこの補助金、負担金カットが続くんだ。だから首長に対する議会側の不信が非常に実は強まっておるという嘆きを聞きました。これは一人ではありません。数多くの首長からお聞きをしたわけです。
 そういう中で総理が出しましたふるさと創生論、これも二千万、八千万ということで二年間にまたがっての一億円だと。これで何の計画ができるのかというのが多くの市町村長の意見なんです。そういうことをしていただくよりも、補助金、負担金をもとに戻して、五十九年以前に戻していただいた方が、市町村のいわゆる地域計画を含めた計画そのものが立てやすいんだ、こういうことが多くの首長から私らに強い要望が実は出されてきたわけです。
 大臣にお聞きをしたいわけですが、歴代の自治大臣も三年間だけだということで私らに約束してまいりましたけれども、一部を除いてなおかつ今後カットを続けていくということについて、大臣はこれについてオーケーというサインを出されたのかどうなのか、そこの真意を少しお聞かせ願いたいと思うんです。
#10
○国務大臣(坂野重信君) 御指摘のとおり、六十三年度までのこの補助率問題、暫定措置ということで、何とか全部一〇〇%復元いたしたいという願望は確かに私ども持っておりましたし、地元の地方公共団体の皆さんもそういう願いがあったわけでございますが、国の財政事情というものは、いろいろよくなったとは言われましても、御案内のような大きな負債を負っていることは間違いないわけでございます。そういう中で私どもは、何とか地元の地方の公共団体が、本当にどういうことをすれば地方の財政というものが補助率のカットの影響をなくすることができるかという、実はそういう立場に立って検討した結果、名目的な補助率を復元するということも大事だけれども、問題は地方の自主財源、地方の財源というものを確保するのが大事だという総合的な立場に立ちまして、約束と言えば約束だけれども、これはいろんな言い方がありまして、ともかく暫定措置であるけれども、それをどうするかということは関係各省間で十分検討してやろうというようなことになっておることもまた事実でございます。
 自治省としては広い立場に立って、むしろ当面は補助率を完全復元ということも大事であるけれども、一方において、それにかわるべく地方財源の充実ということもそれ以上に大事じゃないかという立場に立って、総合的な判断を大蔵省とぶっつけ、いろいろ折衝したわけでございます。その結果、暫定として残ったものも相当あります。特に、投資的経費については暫定ということになりましたけれども、一般経費については、補助率を復元するよりも地方の自主財源を充実するということの方がむしろより地方自治体にとっては大切じゃないかという観点から、御案内のようなことで補助率というものを恒久化し、そして、その補助率が完全に戻らなかった部分については地方財政、特に交付税というものを十分駆使いたしまして、交付税の対象の範囲というものを広げまして、たばこ税の二五%をこれに向けるというような措置もその一つでございますが、そういうことによって何とかその辺の被害がないように持っていこうということにしたわけでございます。
 投資的経費の問題は、事業量の問題もございまして、とりあえず二年間は暫定措置として残そう。そのかわり、地方には迷惑のかからないように交付税の面で一〇〇%面倒を見ようということにいたしました。二年たったら少なくとも六十一年度の状態までは戻そう。私は、まあいろいろ個人的な考え方もございますが、ナショナルプロジェクトとしてやるべきものは、本当言ったら地方が負担するなんというけちなことをしないで全部国が出す、そして補助事業というものはむしろ極力減らして、そしてもう地方の自主財源だけでやっていけるというのが本筋の姿じゃないかと思っているような次第でございますが、そういうような考え方も入れながら措置したわけでございます。
 その結果、地方六団体の関係者もございますが、自治省の今回やっていただいた措置も一〇〇%と言えないにしてもまあ評価できるもんだということを考えていただいているというぐあいに信じているような次第でございます。そういうことでおさめたわけでございます。
#11
○渡辺四郎君 余り時間がないもんですから、今大臣がおっしゃった、確かに自主財源をどう強化をしていくかという立場から、国のたばこ税の部分を交付税の税目に追加をした。これは本会議でもそういう答弁をなさっておりましたけれども、大体平成元年度で二千三百三十億程度だと。それで、今までの自主財源でありました電気税、ガス税、木材引取税、これは大体五千億近い、あるいは五千億をオーバーする。六十年度は五千二百九十億円あったわけですが、それからしますと、この部分だけでも二千六、七百億円、この自主財源部分はたばこ税を交付税の税目に入れて追加をしていただきましたけれども、なおかつ自主財源としてはそのくらいのマイナスを生じておるということもひとつ頭に置いておいていただきたい。
 時間がありませんから、次にちょっと厚生省にお聞きをしますが、これはもう予算も通過した問題でありますからあれですが、消費税導入問題で公党間で約束をし、最終的に国会で議決をした内容なんですが、臨時福祉特別給付金の支給等についてということで、全体として六百七十億の予算が通過をいたしましたが、これは国の施策としてやったわけですか。
#12
○説明員(鏑木伸一君) 今回の臨時福祉特別給付金は、今般の国税、地方税を通じます税制改革に伴い、老齢福祉年金受給者等の生活の安定と福祉の向上、そして低所得者の在宅寝たきり老人等に対します在宅介護の支援に資するため、本年一月十九日の閣議決定に基づきまして臨時特例の措置として支給することにいたしました。
#13
○渡辺四郎君 ちょっと調べたところでは、「地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」という地方財政法の二条の二項があるわけです。ところが、今度行った国の施策によって、自治体関係で五十億円一方的に転嫁されて負担をしなきゃいけないという状態が出てまいりました。これは地方財政法の二条の二項に私は明らかに違反をしておるというふうに思うんですが、この五十億円は、別途に大蔵省から自治省なり厚生省を通じて都道府県にその分を交付をするかどうかお聞きをしたいと思うんです。
#14
○説明員(斎藤徹郎君) お尋ねの点は、臨時福祉特別給付金一万円の一時金と合わせ生活保護世帯あるいは社会福祉施設の入所者に支給される一万円についての地方負担の問題であろうかと思います。
 生活保護について申し上げますと、この生活保護に対する一時金の支給につきましては、現行の生活保護制度に盛りまして、厚生省の告示、平成元年二月における生活保護法による保護基準の特例によりまして特別の基準を定め実施するものでございます。
 財源措置の面でございますけれども、国の昭和六十三年度補正予算の決定に合わせまして六十三年度の地方財政の補正措置が講じられまして、この生活保護世帯に対する一時金に係ります地方負担についても適切に財政措置がなされている。具体的に申し上げますと、国の補正予算に伴う地方負担増に係る交付税の再算定がなされているというふうに承知しておりまして、したがってこの点から、国の負担を地方に転嫁させたということはないわけでございます。
#15
○渡辺四郎君 交付税の再算定で見たというふうに言いますが、一月の二十六日に厚生省は説明会があったわけです。そして各自治体は二月からもう最後の補正予算組みに入っておる。その時点で自治省自身が交付税の――それは調整交付金もありますから、そういう問題で私はある自治省の幹部に聞きました。ところがことしの場合はもう調整しなくてもいいというような実は話もありました。今、あなたのお話では何か自治省の方で調整交付金の中でそれを見ておるというようなお話がありますが、私が言いたいのは、施設に入っておる方たちについては五割でしょう、自治体負担が。生活保護の場合が七、三で三割が自治体負担だ、合わせて五十億円です。そういう金を財政法の二条の二項に基づいて国がやる場合であれば、寝たきり老人に対する五万円、これは大変な問題であります。交付金じゃないと、こう言っておる。各自治体のだれかに、個人口座の中に振り込みなさいと。出た金利は一体どうするのかという問題だってそれはあるわけですけど、もうそこらは時間がないから申し上げませんが、そういうことで、なぜそれじゃ、寝たきり老人と同じような贈与という格好で支給しないのか。国の施策で一万円でやったわけですよ。自治体が要望したわけじゃない。寝たきり老人に対しては五万円全額国が見て、これは贈与だということで各人に五万円ずつ支給するということになったわけです。被生活保護者だけあるいは施設に入所しておる方たちについては、それぞれ一万円、七、三と五、五の割合で自治体が見なさいという、そういう一方的な決め方、そこに私は問題があるというふうに言っておるわけです。なぜそれじゃ、被生活保護家庭についても寝たきり老人と同じように贈与という格好で支給できなかったのか。
 それから、いま一つ聞いておきますが、寝たきり老人の調査で、厚生省の方の指導で二月一日を基準にして三月二十五日で締め切って、厚生省が三月の二十七日の日に都道府県から数の報告を徴収した。ところが、今自治体はもうてんやわんやの調査をやっておりますけれども、離島もありますし山の中もあるわけです、全部の役場の諸君がかかるわけにいかないわけです。いろいろと区長が手分けをしながらやっている。ところが、区長さんたちを集めて説明をしても、寝たきり老人の定義がわからないというんでお聞きをしておきたいのは、二十七日までに報告が上がらず、それ以後調査漏れがあった、申請漏れがあったという部分について認めていただけるかどうかというのが第一点。それから、二十三、四億程度の事務費をこの部分について組んでいただいておりますが、市町村は相当にこれは事務が今かかっておるわけですね、調査を含めて。その部分について超過負担部分が出た場合には、この部分について見ていただけるかどうか。この二つについてひとつお聞きをしておきたいと思います。
#16
○説明員(斎藤徹郎君) 前段の御質問は、生活保護世帯などに対しましても一時金を贈与の形で支給してはどうかということであろうと思いますけれども、今回の一時金の支給あるいは生活保護世帯、社会福祉施設入所者に対する一時金の支給、これはいずれも昭和五十三年度に行われました戻し減税の際の一時金の支給に準じてやるということになっておりまして、生活保護世帯などにつきましては、現行の生活保護の制度、仕組みにのっとって一時金を支給する扱いになっております。したがいまして、当然に地方の側の負担につきましては適切な財政措置が行われているというふうに理解しております。
#17
○説明員(鏑木伸一君) 臨時福祉特別給付金の支給は本年度の補正予算において措置されておりますので、本年度中に支給する必要があります。そういうことで事務処理の日程を考慮いたしまして一応三月二十五日を申請期限といたしておりますけれども、これを過ぎた場合でありましても、やむを得ない事情がある場合には、実情に応じまして極力弾力的に対応さしていただくというように考えております。
 それから、事務費の点のお尋ねでございますけれども、今回の特別給付金の支給につきましては、寝たきり老人の調査等大変な事務をお願いしておるわけでございますが、今回予算措置といたしまして前回の五十三年度に比べましても格段に増額いたしておりまして、二十三億五千万ぐらいを計上いたしております。こういうことで執行をやっていただけるんではないかと思っております。
#18
○渡辺四郎君 私の時間が来ましたから最後に、特にこれは厚生省なり各省に、大臣にお願いしておきたいと思うんです。
 今度厚生省もかなり苦労をされている、説明会でも問答集までつくっておるわけです。というのは、やっぱりトップダウン方式で来たものですから、どういう方向の支給方法があるのかというようなことで大変な苦労をされておるということもよく私も資料を見てわかりました。ですから言いますように、いわゆる寝たきり老人に対する五万円の支給なんかも、交付金ではないということまでわざわざ説明をしながら、そして支出官を任命をして、支出官と各自治体の市町村の責任者で契約書を結んで、口座は個人の口座に入れなさいというようなことまで指示をしながらやらざるを得ぬような今度のトップダウン方式のやり方なんです。こういう関係の部分というのは大いに潤してもらわなけりゃいけないわけです、あるいは弱者救済というのはやっていただかなきゃいけない。
 しかしお願いをしたいのは、こういうふうに国が施策を実施する場合には、自治省と関係各省と自治体関係と十分協議の時間が持てる、そして調査の時間が持てる期間をぜひともひとつ持ってもらいたい。寝たきり老人の調査というのはかなりの調査漏れが出てくる。お年寄りは五万円もらえるというのを知らないわけですね、寝たきりですから。幾ら広報をやってもわかっていないわけです。ですからケースワーカーかだれかが行って、そして調べて初めて申請が上がってくるという状況なんです。ぼけ老人なんかは特にそういう問題についてはわからないわけですから、ぜひひとつ今後の問題もありますから、これについては十分期間を持ってやるように、そして消費税の導入によってというのが理由ですから、何も六十三年度にあわてずに、平成元年度に支給しても悪くはなかったんじゃないかという気がしてなりませんから、ぜひこれは自治体を面倒を見ていただく自治大臣として、ここらについては十分ひとつ今後注意をしていただきたいということを最後にお願いをして、私の質問を終わります。
#19
○山口哲夫君 まず、新東京国際空港についてお尋ねいたします。
 第二期工事があと二年で概略完成、こういうことなんですけれども、進捗状況が四〇%くらいしかいっていないというのは、これは大変なおくれになっていると思うんですけれども、その辺の状況について報告してください。
#20
○説明員(田口弘明君) お答え申し上げます。
 新東京国際空港の本格拡張工事につきましては、六十一年の空港整備五カ年計画の決定に引き続きまして着手したわけでございます。ただ、この着手につきましては、御存じのとおり成田空港をめぐる治安問題がございます。過激派が常駐しており、工事を始めることによっていろいろと攻撃をしかけられるのではないかというようなおそれが大変ございました。したがいまして、この工事を始めるにつきましては、防護の施設をつくるとかガードマンを配置するとか、あるいは工事業者が果たして大丈夫かどうかというふうな点につきまして、非常に綿密な治安的な視点からの検討が必要でございまして、そのためのいろいろな協議等が必要なわけでございます。
 さらには、今用地買収等一生懸命やっておりますけれども、御存じのとおり一坪共有地とかあるいは敷地内にも農家がございまして、したがいまして工事を広い面で行えない面もございまして、そういう意味で設計変更とかいろいろな手続が必要だったわけでございます。
 そういったこともございまして、執行率につきましては昨年度のもの等も必ずしも十分に消化し切れていない点がございますけれども、若干のそういうふうな点がございましたけれども、昨年の十一月にはいよいよ建築工事、ターミナルビルの起工式等も行うことができまして、工事の進捗は最近におきましてはかなり進んできているというふうに考えております。
#21
○山口哲夫君 あと二年間で六〇%挽回して完成できるんですか。
#22
○説明員(田口弘明君) お答え申し上げます。
 来年度の予算につきましても、今年度を大幅に上回ります九百十三億円というふうなものをちょうだいしております。全力を挙げて空港の平成二年度の概成に向けまして努力してまいりたいというふうに考えております。
#23
○山口哲夫君 できるんですか。
#24
○説明員(田口弘明君) はい。空港の概成と申しますのは、大体の形ができるというふうなことでございまして、そこまでには確かに用地買収の問題もございますけれども、それにつきましてあらゆる努力をしてそのようにさせたいというふうに考えております。
#25
○山口哲夫君 この工事のおくれというのは、私はやはり運輸省の拙速性にあると思うんです。大体、営々として農業を営んでいる人の土地の上に、勝手にここに国際空港をつくるといって図面を先に書いちゃっている、運輸省はね。その上で用地を買収したいからぜひ協力してくれ、そういう話を持ち込んでいるわけでしょう。人の土地の上に勝手に図面書いて、それから買収に入ろうなんていったら、これは農業を営んでいる人だってだれだって頭にくるのが当たり前だと思うんです。最初にまずボタンのかけ違えをやっているわけですね。そういう点の反省というのは今までしたことはないんですか。
#26
○説明員(田口弘明君) いわゆる第一期工事の関係につきまして、用地の買収あるいはそのための行政代執行といった点におきましていろいろと地元での流血の惨事もあったとか、あるいはいろいろな反対運動が起こったという点につきましては残念なことであるというふうに思っております。現在いろいろ、いわゆる二期工事というのを進めておりますけれども、これの着手に当たりましては、地権者の方々との話し合いによる用地取得という点について十分に努力をしようということで、第一期の工事が完成し、さらに昭和五十三年に開港した後、その線にのっとりまして鋭意努力をしてきたというふうなことでございます。
 そういったこともございまして、地元の地方公共団体等からも早期に完全空港化を図れというふうな御決議をいただき、一方では航空の需要が大変伸びてきているというふうなこともございますので、六十一年の十一月に拡張工事の本格的な着手を行ったというふうにいたしたわけでございます。
#27
○山口哲夫君 私の聞いているのはそういうことではないんです。流血の惨事が起きたことについて残念に思うというのは当たり前のことであって、別に反省していることでも何でもないですね。私の言いたいのは、こういった事業を行う場合においては、まずその該当する農民の方々とひざを交えてきちっと話し合うことが先決でしようと。その前に勝手に図面を書いてしまって、ここにこういうものをつくるんだということをもう既成事実として国の方は決めちゃう、それから話し合いに入る、手順が違うでしようと。最初にまず話し合いをして、それから了解を得て初めてそこに図面というものを引くものであって、手順が違うんじゃないんですか、そういう反省はしてないんですかと聞いているんです。
#28
○説明員(田口弘明君) 空港をつくりますときの航空法に基づくいろいろな手続が定められているわけでございます。空港を新しくつくる場合にはどういう場所がいいのかという点につきましては、いろいろと調査を行った上で適当と思われるところを固めまして、それから地元にいろいろ御理解を得たりという手順になるわけでございますけれども、そういった航空法の手続が定められておりまして、そういうふうなことでやってきたわけでございますけれども、今回この三里塚におきましてさっき申しましたような事態があったという点については大変残念であるというふうに思っているわけでございます。
#29
○山口哲夫君 こういう話を聞いたことがあるんですが、ロンドンで新しい国際空港をつくろうと考えたときに、そのときに地域の住民の方と話し合いをして十年間かかったというんですよ。ところがどうしても納得してもらえなかった。それでそこはあきらめて別なところに今度はつくることにした。そのくらい、やはり民主国家と言われるイギリスなんかでは、国の施設をつくるに当たっても地域の住民の意思というものを尊重しているんですよ。日本の場合は全然違うんです。そういうことを考えたら、これからいろんな施設を運輸省としてもつくるでしょうけれども、例えばその地域の住民の皆さんの意向というものをまず聞くために住民投票制度というのがあるんですよ。これは地方自治体が条例をつくって、そして実行しようと思えばできるんです。その上で地域の住民の意思というものを聞くことになるわけです。そういう手続をとって、そして地域の住民の意思というものを聞いた上で着工する、そういうくらいのことを考えてもいいんじゃないですか。どう思いますか。
#30
○説明員(橋本雅之君) お答え申し上げます。
 一般的に申しまして、空港を設置するに当たりましては、航空法によりまして公聴会というものを開催いたしまして利害関係人の方々の御意見を伺う、こういうことにいたしております。この利害関係人の中には地元自治体のほか空港予定地及びその周辺の一定の区域に権利を有する方々が含まれておりまして、これによりまして地元の住民の方々の意見が反映されるというふうな仕組みになっております。
#31
○山口哲夫君 何か答弁になっていないんですけれども、大臣に最後に聞いておきたいと思うんです。
 国の施設をつくる場合に、成田のこの国際空港なんかいい例なんですけれども、地域の住民の意思というのは本当に尊重されていないですよ。どうですか、今後こういう施設をつくる場合にその地域の住民の意思というものをまず尊重する、地方自治の本旨からいっても。そういうことを考えたときにもう少し住民投票制度なんというものを真剣に考えてみる必要があると思うんです。そういう地域住民の意思に基づいて国が着工するような民主的な手続というものをとるべきだと思うんですけれども、そういうことについてお考えはどうですか。
#32
○国務大臣(坂野重信君) 公共事業全般について言えることだと思いますが、大きなプロジェクトとなってまいりますと、おっしゃるようにまず用地買収というのか、地元の了解を得るのに大変な時間がかかるわけです。大きなプロジェクトは大体十年から二十年、二十年とよく言われているわけでございます。ダムをつくるような場合でもなかなか地元の了解を得られないということで、当事者は大変な苦労をしながら一軒一軒回って了解を得るというようなことも行われているわけでございますが、成田空港の場合は、たまたま私もその当時役人をやっておりましたが、空港をどこに選定するかというのが大変な大きな問題で、東京湾を埋め立てるとか霞ケ浦を埋め立てるとか、今のような内陸に持っていくか、いろんなことがいろいろ検討されて、しかし国際空港をつくらざるを得ないということで、あの当時恐らく、住民一人一人の皆さんの意見までは聴取しなかったと思いますけれども、少なくとも県の御当局やら地元の区長さんやら、その程度のことまではやったと思います。
 先生のおっしゃるような住民投票制というのも確かに一つの地元の意見を吸い上げる方法だと思いますけれども、地方には地方の議会制度というものがございますし、その辺等の問題もございますから、これが地方自治法の定めるところと矛盾するかしないかというような問題もございますし、先生のおっしゃるような一つの大変大きな改革的な意見でございますので、十分ひとつ慎重にこれは検討さしていただく問題じゃないかと、このように思っております。
#33
○山口哲夫君 運輸省に強く要求しておきますけれども、もう少し地域の意思というものを尊重するという、そういう地方自治の精神に立ってこれからの工事に当たっても十分ひとつ地域住民とひざを交えて話し合って、その上で工事を進めていくようにお願いをしておきたい、そう思います。
 次に、人口急増市町村の消防の特例補助率の適用期間の延長問題ですけれども、今回のこの改正の中に、人口急増地域で財政力指数が一・〇〇以上のところと政令都市の場合は、補助率を七分の三、四二・八五%から十分の四、四〇・〇に減額をするというんですか、そういう提案なんですけれども、この種の人口急増市町村の消防力というのは必ずしも十分ではないと思うんですけれども、どうでしょうか。
#34
○政府委員(矢野浩一郎君) お尋ねの人口急増市町村における消防施設の整備状況でございますが、これは全国の消防施設の平均的な整備状況と比較をいたしてみますと、全国の消防施設の整備状況を消防力基準との対比で見ますと、これは六十二年の四月一日現在でございますが、消防ポンプ自動車、これが九〇・三%、はしご自動車が六一・一%、化学消防自動車が五六・八%、救急自動車九九・六%、消防水利七二・三%となっております。
 これに対して人口急増地域の消防施設の整備状況につきましては、実は昭和六十二年度指定の市町村が八十六ございますけれども、その整備の状況について調査いたしておりますものは、このうちの単独で消防本部を設置しておるもの四十四市町村でございます。組合の場合ですと、これは人口急増の指定は市町村ごとに行うものでございますが、非常に計算がしにくいということもございまして単独消防本部で計算をいたしておりますが、人口急増市町村の単独消防本部の場合には、消防ポンプ自動車で七三・四%、はしご自動車で七丁四%、それから化学消防自動車で六七・九%、救急自動車九六・四%、消防水利八一・八%となっておるわけでございます。
 例えば代表的な消防ポンプ自動車をとらえてみますと、これは人口急増市町村の方がむしろ整備率は低くなっておる、あるいは救急自動車あたりにつきましてはもうほとんど同じ、化学消防自動車などにつきましては逆に若干高くなっておる、こういったような状況を示しておるところでございます。
#35
○山口哲夫君 一番消防力の基準になる消防自動車、これが随分低いですね。一七%も低い。それから今やはり大きな課題になっている救急自動車も、これも三%くらい低い。そうしますと、むしろこの人口急増地域こそ消防力整備を急がなければならないところだと思うんです。そこを補助率を減額するというのは筋が違うんじゃないかと思う。むしろこういうところは高くしていかなきゃならないんじゃないかなというふうにさえ思うくらいなんです。
 大体この補助率というのを財政力で考えていくというのはちょっとおかしいんじゃないですか。これはそれぞれの事業の性格に基づいて補助率というのは決まるわけでしょう。おまえのところは少し財政的に豊かだから補助率はうんと下げる。一生懸命努力して財政力をよくするために頑張ってきたところを、頑張れば頑張るほど補助率を下げられたんじゃ一体何のために頑張ってきたのかわからなくなるので、どうもこういうやり方というのは私は本末転倒でないかなというふうに思うんですけれども、どうお考えですか、消防の立場から見て。自治省に余り遠慮しないで、どうですか。
#36
○政府委員(矢野浩一郎君) 国庫補助負担制度の目的というものはそれなりにあるわけでございますが、実際の現実の制度といたしましては、財政力というものを勘案した補助率の差が設けられておるということはその例が身られるところでございます。消防の場合にも、特に不交付団体と申しますか、財政力指数一・〇〇、過去三カ年間で一・〇〇を超えるもの及び政令指定都市、これにつきましては、昭和五十九年度から補助率を一般の人口急増団体との間に差を設けたところでございますが、これについて、そもそも財政力をとらえて補助負担率に差をつけるべきかどうかという、これは基本の議論かと思いますけれども、これは地方財政の立場から申しますと、例えば国庫負担金、こういったものについて財政力によって差をつけていくということは大きい問題がある。一方、いわゆる地方財政法十六条の補助金、奨励あるいは財政援助的補助金、こういったものにつきましては、その事業の性格あるいはその受ける団体の財政事情等を勘案してそういったことを行うことも、これは決して好ましいとは思っておりませんけれども、限られた財源の配分という観点からはやむを得ないこともあろうかと考えております。
#37
○山口哲夫君 随分苦しい御答弁ですけれども、矢野さん消防庁長官になられたんで、現場に行かれましたら、これは消防力を強化するためには今までの財政当局の考え方ではだめだなということで、後輩の財政局長にもう少しいい補助制度をつくるようにやってくれたんでないかなと思って期待していたんですけれども、これはどう考えても筋が通らないですよ。一生懸命これから急がなきゃならないところの補助率を下げていくというんですから、これは消防現場を預かっている人にしてみたら、これから頑張ってやろうと思った途端に補助率を下げられたんじゃ何にもできないという不満が恐らく各自治体にもあると思うんです。ですから、その辺十分ひとつ配慮をしてやっていただかなければいけないんじゃないかなと思うんです。
 それで、次の問題に入ります。
 前にも質問をいたしました消防の一当務当たりの勤務時間の問題です。消防の方で出されたというよりも消防庁消防課が編集した「人事教養一問一答」というこれを見ましても、消防職員の一当務当たりの労働時間、これは十六時間とされていますね。それで前の質問のときにも長官といろいろと論議しましたけれども、長官も一当務当たり十六時間が好ましいというような答弁をしているわけです。ところが全国消防職員協議会、略称全消協と呼んでいるんですけれども、そこで実は実態調査をやってみた。そうしましたら、十六時間というのが四十三カ所、三八%です。全部で百十三カ所を調査したんです。そして十五時間というのが二十九カ所、二五・七%、十四時間が二十七カ所、二三・九%、十三時間台というのが十カ所もあるんです。八・八%なんです。ずっと調べてみますと、残念ながら私の出身の北海道が非常に悪いですね。例えば稚内の地区消防事務組合なんというのは十三時間三十分です。十三時間台だけをずっと見てみますと、根室の北部地方消防事務組合、これも十三時間三十分、函館市もそうですね。江別市は十三時間五十分、小樽市が十三時間二十七分、室蘭市は十三時間五分、登別が十三時間三十五分、富良野地区消防組合十三時間三十五分。十六時間が好ましいと言っているのに十三時間台というのが実に多いんです。本来こういう労働時間というのは労使の間で決めるべきことだと思うんですけれども、残念ながら消防には労働組合がありませんので、これ自体非常におかしいと思うんですけれども、きょうはその問題は別にして、残念ながらそういう実態なんで、これはやはり消防庁がもう少し強力に自治体の消防に対する指導をやってもらわなければならないと思うんですけれども、どうも消防の方針を守っていないところが非常に多いために、そこに働く消防職員が苦労しているわけです。こういう点に対する指導についてどうお考えでしょうか。
#38
○政府委員(矢野浩一郎君) 一当務当たりの時間数が十六時間が最も好ましいというぐあいに申し上げた記憶は必ずしもございませんけれども、十六時間というのが典型的な、いわば標準的な場合だ、このように考えておるところでございます。
 ただいま御指摘のように、実態といたしましては十六時間を下回っておるものがかなりあるようでございますけれども、一当務当たりの勤務時間につきましては、これは御承知のように勤務時間の短縮ということで、できるだけ早い時期に四十六時間体制を実現するようにということはもうかねがね指導しておるところでございます。
 それとの関連もあるかと思いますけれども、この十六時間そのものを、勤務時間を短縮することについて法律上いい悪いの問題、悪いということは特にないと思います。ただ、問題は、その十六時間が短縮されております場合に、先ほどの勤務時間の短縮との関係から申しますと、これはやはり休日を増加するという形で勤務時間が短縮されていくということは望ましいことでございますが、そうでない形で勤務時間が短縮をされていくというふうなことは、これは先ほど申し上げたような趣旨に沿わないと考えておりますので、そういった点につきましては、私どもとしても都道府県等を通じて、あるいはいろいろブロック会議等を通じてよく指導をしてまいりたいと存じます。
#39
○山口哲夫君 法律的には別にどうということはないようなことを言っておりましたけれども、消防で出しているこの人事教養の指導書にも「消防職員の勤務時間については、一般的には、一当務二十四時間のうち実労働時間は十六時間とされ、」云々と書いているんですよ。はっきり消防は十六時間だと言っているんです。それからこれは「消防職員の四週一回・交替半休制の実施について」、昭和五十六年三月四日の消防課長の内簡を見ましても、二部制の問題について「十六週間に十六時間(一当務)を指定する。」と書いてある。だから一当務は十六時間だということをはっきり規定しているわけでしょう。
 それともう一つは、これは昭和六十二年の十二月の二十二日に消防課長の通知です。これは四週六休の問題についてです。こんなことを書いているんですね。「勤務日の勤務時間のうち少なくとも土曜日の勤務時間に準じた時間数について連続して勤務を要しない時間の指定を行うものであることに留意すること。」これは私質問したときにこういうふうにたしか答えていたと思うんですが、ということは、一当務十六時間というものを時間数だけを減らして、十四時間半とか十三時間三十分とかというふうに減らして、そういうようなやり方でやったんではだめだということですねと言ったら、そのとおりですというふうに答えていましたね。要するに、今言ったように、勤務を要しない日を休日をふやすということでなければ実際の勤務時間の短縮にはならないわけです。四週六休も実現していかないと思うのです。ところが、一年たって本当にこんなにたくさんの自治体が時間数を減らして勤務時間の短縮を図ったりしているというところが余りにも多いということに驚くわけです。
 ですから、こういうことはやはり消防の方で相当厳しくやってもらわなければいけないんであって、一片の通知を出しているからそれで済むという問題では私はないと思うのです。できれば各都道府県の消防関係者を呼び出して会議でも開いて、きちっとこの辺は指導してほしいと思うのです、強力に。その点の決意のほどをもう一度聞かせてください。
#40
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほどお示しのような資料等で一当務十六時間と書いてございますのは、それは一般的な場合にそうだということで、消防庁において十六時間を一当務の時間とするということを別に指定をしたものではないと存じます。また、同じく引用せられましたところの、これは昭和五十六年三月の消防課長通知でございますが、「消防職員の四週一回・交替半休制の実施について」、その中の文章で、御指摘のように、「八週間に八時間又は十六週間に十六時間(一当務)を指定する。」と書いてありますが、これは休日の例示として一当務当たり十六時間の場合の勤務を要しない時間を示したものでございます。この「指定する」という言葉の意味は、これは消防庁が指定をするという意味ではなくて、こういったようなやり方でということをあらわしたものと考えております。
 御指摘のように、先ほどもお答え申し上げましたけれども、勤務時間の短縮には、それは労働基準法の改正に基づく勤務時間の短縮、さらにはいわゆる四週六休制を、究極にはこれと性質は違いますけれども、それを頭に置きながらもちろんやっていかなきゃならないものでございますので、やはり休日の増加につながるという形で勤務時間の短縮を行うということが望ましいという考え方、これはもう昨年申し上げましたのと変わっておりませんし、その方向で指導いたしております。
 なお、個別の指導と申しますか、ブロック会議等を通じまして、よくそのことは周知を図っておりますが、同時に、勤務時間の短縮なり、あるいはひいては四週六休制等休日の増加については、現在の行政改革の厳しい状況下におきまして、できるだけいろいろ勤務体制に工夫改善を加えて行ってほしいと申しておりますが、端的に申しまして消防のような交代制部門の場合においては、昨年もいろいろ御指摘をいただきましたけれども、なかなかそれだけではやはりうまくいかないことがあろうかと考えまして、具体的にそういった勤務時間の短縮を図るために、現実にやはり増員を必要とするというケースもあろうかと思います。したがいまして、平成元年度の地方財政計画及び地方交付税の措置を通じまして、そういった勤務時間の短縮のために増加を必要とする人員の一部を財政的にも措置をしていくという形でその促進を図ってまいりたい、こういう決意でございます。
#41
○山口哲夫君 人員の増加のために財政的な措置も図っていく、それはそれとしてぜひやってほしいんですけれども、既に交付税の基準財政需要額の中である程度見ているところもあるわけでしょう。ところがそれにも満たないような消防職員の人数なんです。行政改革が厳しい中なんて言っているけれども、そんなこと関係ないですよ。行政改革に何も関係ない。少なくとも、交付税を基準財政需要額でもって算定して出している、その人員にさえ全然満ちていないというところがあるんですから、それはまずそこを達成させると同時に、さらにそれでも不足するところについて、今、長官が言ったような財政措置を講ずるべきだと思うんです。それはぜひやってほしいと思います。
 今も問題が出たんで、ちょっと順序を変えまして、今、長官が言ったように、確かに人員の不足ということを認めているんですけれども、そのために一体どういう問題が起きているかということなんです。きのう連絡して、私の方から文書もコピーして差し上げておりますので、恐らく長官見ていらっしゃると思うんですけれども、栃木県の石橋地区消防組合、ここで三十二歳の上田光一消防士長というのが昭和六十三年の六月の十六日の午前三時ころ職場で仮眠中に死亡している。病名はくも膜下出血。この人はどういう状態であったのかということについてなんですが、この石橋地区の消防組合の鈴木消防長から、地方公務員の災害補償基金の栃木県支部長あてに文書が出ているんですね。それを読んでみまして非常に驚いたんです。
 こういうことを書いています。「公務災害事案と認められる理由」として、「消防力の基準から見た当消防組合の職員数」という中に、「消防力の基準を準用すると、当消防組合の総職員数は二百九十一名であり、」「百三十六名不足しており、消防力の基準からの充足率は四一・八パーセントである。」、半分にも満ちていないんですよ、職員数が。「このことは、人員不足及び二十四時間制という不規則な勤務体制、何時発生するか分からない災害への緊張勤務が長期にわたり行なわれたことによる、肉体的精神的疲労が想像以上に蓄積されたものと思われる。」と、こんなふうに書いてある。
 それで、一体この職員はどのぐらい休暇をとっているのかと調べてみましたら、何と休んでいるのは二十日間のうち三日間ですよね、一年に二十日間与えられたその休暇をわずか三日間しかとっていない。なぜとれなかったかといえば、やはり職員数が足りないから非番の日でも駆り出されたりなんかするわけです。こういうことを考えたら、いかに消防職員というのが今現場では人数が不足しているか。そのために勤務についている職員がどれだけ労働強化を強いられているかということがわかると思うんです。
 これは栃木県の例だけではありません。三重県でも、やはり夜中の一時まで勤務して、そして次の日は非番に当たっていたのに午後の一時から登山訓練に参加して心臓麻痺で亡くなってるんですね。こういうのがあちこちに出てるんですよ。一体こういうことを考えたときに、職員の不足という問題をもっと真剣に消防庁として取り上げて、消防力の基準をまず充足させることが必要でないでしょうか。いかがでしょう。
#42
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘の栃木県石橋地区消防組合消防本部の例につきましては、私もその内容を見たところでございます。
 確かに消防力基準からの充足率四一・八%、これは全国の平均に比べましてもかなり低い数字であること、御指摘のとおりだと思います。かなり低い部類にこれは属すると考えております。いろいろ各地方自治体の財政の中で、増員の抑制というような考え方が厳しく浸透いたしておりますので、消防職員の人員の増加につきましてもいろいろ各消防本部は苦労いたしておると思います。私は消防の行政をお預かりする立場でございますので、消防というものの基本的な使命、性格にかんがみまして、必要な人員は確保していかなきゃならないという観点から、消防職員の人員の確保については、いろいろ勤務体制の工夫その他とあわせて、やはり現在の消防力基準を念頭に置いて必要な努力を払ってまいりたいと考えております。
 財政措置につきましてもそういったことの一つのあらわれと考えておりますけれども、なかなか個別にはそれだけで一気に達成できるものでもなかろうと思いますので、引き続き努力を続けてまいりたいと考えております。
#43
○山口哲夫君 消防の考え方というのは、常備消防をまず重点において体制を強化しようという考え方がありますね。ところが、ずっと見てみますと、その常備消防に該当する基準財政需要額に対して実際に決算額はどうかというと非常に低いんです。一番力を入れなきゃならないところの金を各自治体とも余り使っていないんです。逆に、非常備消防というか消防団、そういう方なんかは意外に基準財政需要額よりも逆に金を出しているところも中にはあるわけですね。どうもこれ逆なんですね。中心になるのは常備消防ですから、結局は消防職員に無理がかかって、そして今言ったように死亡事故につながっていくということを考えた場合に、もう少しこの問題は大きな問題として、それこそ各都道府県の消防長会議あたりでもう少し早くこれは浸透させる必要があるんではないでしょうか。ちょっとなまぬるいと思うんですね、消防庁の指導の仕方というのは。どうですか、もう少し真剣にやっていただけませんか。
#44
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防に対する各地方自治体の財政的な措置を交付税の場合と比べまして、実際の措置の方が下回っているではないかという御指摘はそのとおりでございます。全体平均いたしますと大体現在の状況では基準財政需要額に対しまして大体九〇%程度で、約一〇%程度の開きがございます。
 ただその中で、御指摘のように、消防団といいますか、非常備の方に力を入れて常備の方に力を入れないということは必ずしもこれはないのではないかなと考えております。私ども、やはり常備消防のネットワークと申しますか、体制を全国的に拡大していくということは大変大事なことだと考えてまいりまして、従来からそのための努力をし、現在全市町村の約九三%が常備消防を持っておるという時代になってきておるわけでございますが、残念ながら、一方非常備の方は人数的にもいろいろな社会情勢の変化に対応して減少してきておるわけでございます。非常備の消防団の方も常備消防と並んで車の両輪として大変大事なものでございますから、各市町村ともその人員の確保、あるいは必要な装備、訓練等に力を入れておるということはあろうかと思いますが、そのために常備の方をなおざりにして非常備に力を入れるということはないかと思います。
 ただ問題は、御指摘のように、せっかく非常備をそういうことで整備をしてまいったわけでございますから、こういった常備部門の消防の体制が十分に機能するように、物的な面、人的な面、両方あわせまして努力をしていく必要があること、御指摘のとおりでございまして、必ずしも十分力至っておりませんけれども、今後とも大いに努力を重ねてまいりたいと考えております。
#45
○山口哲夫君 次に、休憩仮眠中の出動に対して超過勤務を支給する問題についてなんですが、これもおたくの方で出している「人事教養一門一答」の中に、七十二ページにこう書いてあります。「仮眠時間中やその他の休憩時間中に出動した場合は、」「一般的には時間外勤務手当を支給することが必要である。この場合に出動手当が併給されることは当然である。」と書いてあるんですけれども、実際には超過勤務の対象にしていないところが非常に多いんです、先ほどの調査によりますと。これは、消防庁の指導とは全く反するんで、この点は法的にも誤りでしょうか。指導する意思はどうですか。
#46
○政府委員(矢野浩一郎君) 仮眠時間等の休憩時間に火災出動等の勤務を行った場合には、当然これは時間外勤務手当を支給すべきものでございます。
 御指摘のような例が多いということを伺いましたが、消防庁の指導方針としては当然ただいま申し上げたような考え方でございますので、この線に沿って指導してまいりたいと存じます。
#47
○山口哲夫君 最後に、これは昨年佐藤委員から質問をした問題ですけれども、夜間の通信業務に臨時職員や嘱託員を使っているというのは違法だと思うんですね。具体的には北海道の羊蹄山麓消防組合、これはニセコ町、京極町、留寿都村それから真狩、この四町村で組織しているんですけれども、これは臨時職員でやるべきものではないと思うんです。本来、当然正規の職員でやらなければいけない問題だと思うんです。これに対して長官は、そういう問題についてはもし事実だとすれば非常に問題があるので調査してみたい、こういうふうに去年言っていたんですけれども、その後どうなっているのか。
 その後、調べてみますとあちこちにあるんですよ。例えば北海道の音威子府の消防署にもあるんです。それから徳島の美馬東部消防組合にもあります。それから高知の土佐市の消防本部にも同じように臨時職員が当たっている。これは法的にはっきり違法だと思うんですよ。ですから、こういうことのないようにもう少し、一年間たっているんですけれども、調べてみたらまだやっているというんですが、消防庁、一体何やってたのかなと思うんですが、どうなんですか、これは。
#48
○政府委員(矢野浩一郎君) 昨年のこの委員会で佐藤委員からお尋ねの羊蹄山麓消防組合等の件でございますが、これは道を通じまして事情調査いたしましたところ、この羊蹄山麓消防組合におきましては、三つの支所で、職員の四週五休とそれから年休を消化させるために本来人員増が必要だと考えておったようでございますが、それまでの暫定措置としてこれは消防団員と委託契約を結んで宿直をさせていたという事実でございます。この羊蹄山麓につきましては、平成元年度、明年度から消防職員を一名増員するという予定であると、このように聞いております。
 なお、そのほかにもそういう例を私どもの方で聞いておりますが、いずれにいたしましてもそういった正規の消防職員でないという形でその人に消防の業務を行わせるということはおかしいと考えますので、そういう事例に付してはよく指導してまいりたいと存じます。
#49
○山口哲夫君 私どもの調査で明らかになって、指摘されて初めて動くんでなくして、消防庁としてやはり全国的にこういう問題があるということがわかっているはずなんですから、具体的にもう少し調査をきちっとして、一々言われなくてもそういう問題をきちっと把握して改善するように指導するのが私は消防庁の仕事ではないかと思うんですよ。まだあるんですけれども、時間の関係できょうはこの程度でやめますけれども、とにかく消防職員が非常に不足しているということが一つ。それから労働条件が非常に劣悪であるということが一つ。福祉施設がこれまたお粗末、もうふろもない。ですから、夜中に寒い北海道なんか出動して帰ってきて一体どうするんだというようなことだってあると思うんです。そういうように労働組合がないために非常に労働条件が劣悪ですから、そういう点を考えたときに、もっと消防として真剣にいろんな問題を調査して、そして逐次改善するような努力をしていただくように、特にそのことを強く要請して終わりたいと思います。
#50
○佐藤三吾君 時間がないもんですから、長官なかなか多弁ですから余り時間とらぬようにひとつお願いします。
 一つは、私が懸案にしております熊本の高遊原、どうも組合解散は取りやめになったように聞いておるんですが、そういうことなのか。だとするならばこの問題を解決する一番いいチャンスじゃないかと思うんですがいかがですか。
#51
○政府委員(矢野浩一郎君) 熊本の高遊原の消防組合につきましては、いろいろといきさつがあったところでございますが、その中の一つで組合を分けるという話がございました。その組合を分けるということは、その後そういう事態にはいっておりません。ただ、そういった方向がなお検討はされておるというぐあいに私どもの方としては聞いております。
#52
○佐藤三吾君 それは私は、とんざした、もとに戻ったというふうにも聞いておるわけです。これひとつ調査して、もとの起こりは消防庁の問題ですから、この辺でひとつ頭を冷やして本来の姿に正常化する、こういう努力をぜひひとつ長官の方で指導を強化してほしいということをお願いしておきたいと思います。
 それから、今山口さんの方からいろいろ問題ございましたが、何か山口さんの方で通告をしておったようですが、時間がないので私の方に回ってきましたので、私は通告していないんですがお聞きしておきたいんですが、宮崎県の東児湯消防組合、ここで統合問題が起こったんですが、これは一応撤回なさったようですね。問題は、いわゆる現在の職員を八名二年間で削減するんだということで、今現地ではもめておるようです。現在の職員数は八十五名、さっき山口さんの方で言った消防力基準でいくと百四名のところなんです。百四名のところで八十五名ということは、これは十九名も少ないわけです。それにプラス今度はまた八名減という、こういう無法な計画があるようですが、これについてどういうような指導、対処を消防庁でなさったのかお聞きしておきたいと思います。宮崎は長官の足元じゃないの。
#53
○政府委員(矢野浩一郎君) 宮崎県の東児湯の消防組合、全部で新富、木城、高鍋、川南、都農といったような町から構成をされておりますが、御指摘のように職員八人削減、役場との人事交流ということが提案されました。これに伴って分遣所の廃止ということがあわせて問題になったわけでございますが、結果的には分遣所の廃止というものは白紙に戻すというようなことになったように聞いております。この東児湯の消防組合の場合に、これは昭和四十五年に組合をつくったものでございまして、したがいまして、その後短期間の間に多くの職員を採用しておる、いわゆる職員の高齢化がだんごになって進むというような状況にあるわけでございますが、そのためにこういったような問題が関連して起きてきておるものと考えております。ただ、分遣所を廃止しないで職員の数だけ減らしていくということは、これは消防の体制から申しますと非常に不十分な形になりますので、そういう点につきましては県を通じてよく指導してまいりたいと考えております。
 なお、具体的な問題点はよく調べてまいりたいと考えております。
#54
○佐藤三吾君 ぜひひとつ調べてほしいと思う。何かあなたが長官になった途端に、宮崎県の消防の皆さんが消防協に対して、いろいろなことをやっちゃいかぬ、長官の名誉にかかわるからとかいって張り切っておるようです、逆な意味で、ですから、あなたも長官を何十年もやるわけじゃないんだし、我がふるさとに返り咲くときだってあるわけだから、そのときにかたきをとられぬように、厳正にひとつしておってください。その点ひとつお願いをしておきます。
 それから、労働時間の問題、さっき出されましたが、率直に言って、これは労働省と私も少し別な意味でやり合ったことがあるんですけれども、御案内のとおりに六十三年ですか、消防庁にかかわるんですが、一日八時間、週四十時間という基準法の改正で、ただし当分の間四十六時間となりましたね。その際に消防庁だけは、ちょっと準備が間に合わぬから三年間延ばしてくれということで六十六年までの経過措置をとりましたね。この際にも私は労働省にやかましく言ったんですが、その前の八一年の特例廃止のときも、消防庁はやっぱりちょっと間に合わぬからということで二年間の経過措置をもらったわけですね。しかし、さっきも議論ございましたが、あなたのところといつも対照になる警察関係を見ると、その特例措置を待ってくれなんて言わなくて、ちゃんと彼らは、もう労働組合もないということを前提として、定員増を含めて事前の周到な準備でこの特例措置のときには一万八千人増員しているわけです、警察は。そうして三部制に切りかえている。ところが消防庁は何にも準備していないものだから慌てて経過措置で待ってくれと。今度はまた待ってくれと、こう言っているわけですね。そこに土曜閉庁も加わってきた。そういうようなことで、どうも消防庁は時間短縮、それに伴う定員増を含めて短縮の意味合いへの措置が非常に毎回ともに対応が遅れているわけです。それがさつき言ったような事例にも出てきておるんじゃないかと思うんですね。ようやく地方財政計画から見ると平成元年度における消防職員の増員で常備化で二百六十三、勤務体制改善で千七百二十三名措置されようとしておるんですが、これがまたそのままそっくり完全に末端まで貫徹するとは限らない、今度は。こういうまた厄介な問題が起こってくるんですね。これらの場合に警察ではぴしっとできるのに消防庁でできない、そして消防庁でやったものが今度は末端まで徹底しない、あなた自身こういう意味で悩んでおるんではないかと思うんですが、どこに問題があり、どうすれば改善できるか、どういう認識なんですか。いかがでしょうか。
#55
○政府委員(矢野浩一郎君) 勤務時間の短縮を促進するための方法として、私どももいろいろ考えまして指導しておるところでございますが、率直に申しまして、先ほど御指摘のように、三年間の経過措置を設けざるを得なかったということでございます。したがいまして私どもの方としては、単に勤務体制の工夫、改善だけではこれは難しい面があるということから、従来消防の場合は常備化以外の増員というのをほとんど行ったことがございませんでしたけれども、先ほど御指摘のように、平成元年度の地方財政計画におきましては、常備化のほかに総数千七百二十三人の増員を図る、また地方交付税の基準財政需要額、消防費におきましては二名の増員を図るということで、この地方財政計画に盛り込まれましたものが交付税を通じて末端に財政措置をされるように具体的に仕組んでおるところでございます。
 ただ問題は、地方交付税でございますから、これは財源の使途を強制するわけにまいりません。したがいまして、これとあわせて、やはり勤務時間の短縮につきましては私どもの方としても、これは法律で定められたことでございますので、しかもそれをできるだけ早く、経過期間がございますけれども、経過期間に至るまでの間のできるだけ早い時期に実現するよう、あわせて必要な指導を続けてまいりたいと思います。
#56
○佐藤三吾君 これはもう何遍もあなたと、その前の関根さんともやりとりしたんだけれども、やってもやっても事態が一向に進まないと、こういう経過ですから、もっと決意を込めて、やるならきちっとやらないとできないと思いますし、その点ひとつとりわけお願いしておきたいと思います。
 ここにありますように、今度の基準法改正は四十六時間に改正したんじゃないんです。原則は四十時間ですよ。そうして、土曜休日というのは今二回ですけれども、もう銀行その他は完全週休二日制ですよ。そういう時代の流れというものをしっかり受けとめなきゃいかぬと思うんですよ、消防庁自体が。消防庁だけが何とか経過措置経過措置で、そんなことではもう間に合わなくなってきているということをぜひひとつ認識してほしいと思うんです。
 それからもう一つ経過でお聞きしておきたいと思いますのは、私と関根さんとの間で六十歳定年制、年金支給開始年齢の引き上げの際に確認をした約束事があります。それは何かというと、消防職員高齢化対策をどうするのかという問題。これは検討委員会をつくって報告をいただきました。問題は、六十三年五月、消防庁一二三号で通知が出されておりますが、それを見て特に私が感じるのは、年齢構成是正のための市町村長部局との人事交流、これがなかなかあの文書を見ただけでは意味不明なんですね。意味不明というよりも、意味はわかるんだけれども、実効性があるかどうか私はあれだけでは納得できないような感じがするんです。
 何年計画で具体的にどういう方法でやるのか、障害になるのはどういうところなのか、とりわけ、例えばいっか問題になりましたように、市町村とやったところが、組合活動家をやって、そのために不当労働行為じゃないかという問題が起こっている。そこら辺の問題はどうするのか。これは消防庁だけでは大変で、難しいから自治省としても全力を挙げて取り組みますという時の大臣の約束ももらったんですけれども、その後、自治省側の通達はないんです、これに対する。消防庁一二三号で出されておるので、こうこうこういうことについてはこういうふうにこうするというものがないんだよ。この辺について、時間がございませんがひとつぜひ、きょうここで答弁で間に合わなきゃ、この詳細聞きたいんです、大臣の方も含めてですね、これいかがですか、時間がある範囲内で結構ですから。
#57
○政府委員(矢野浩一郎君) 高齢化の問題に対応するいろいろな方法はございますけれども、その中で人事管理の問題が一番やはりポイントになろうかと思います。単に抽象的な指導をしておるだけでは徹底を期しがたいのではないかという点もごもっともだと思います。私どもとしては、現実にいろいろそれに基づきまして地方の部局との人事交流、あるいは組合消防間での人事交流などいろんな例を最近では調査をいたしておりますので、そういった具体的な事例というものを各組合、そういった対象になるようなところをよく示しまして指導してまいりたいと考えております。
 確かにこの問題、特に地方の部局との計画的な人事交流を考えるとすれば、消防の機関だけでは対応できない問題でございます。市町村長部局との間の連携を密にするよう、私どもの方としてもまた本省の方とも十分協議をして対応してまいりたいと考えます。
#58
○佐藤三吾君 これは大臣の方も対応した協力をしないとできないことですから、これはひとつお願いしておきたいと思うんです。
 最後に一つ、問題は消防からちょっと離れますけれども、さっきの成田議論を聞いて、成田問題でちょっと私、大臣にも国務大臣という立場と国家公安委員長という立場の二つでお願いしておきたいと思いますのは、ああいう鳥取県本部と同じぐらいの警察が常時飛行場を警備しなきゃならぬようなそういう飛行場というのは私、世界にあそこしかないんじゃないかと思うんですよ、あんなばかげた状態にあるのは。これは歴史的に言って、皆さんが全部お国のためにということで満蒙開拓に行って、そうして関東軍はそれをほっぽり出して逃げて帰ってきちゃったものだから、結果的には今孤児問題が起こっていますが、命からがら帰ってきて、たどり着いてあそこに開拓に入った。そうしたら今度またお国のためにひとつ対応してくれと、こういうんだから、それは大臣だろうとだれだろうと、私どもだって、人間なら徹底的に抵抗しますよ、あそこの農民。
 そういう類のものですから、何ぼ警察をあそこに配置したからといってどうにもなるものじゃない。ここはやっぱり一番被害受けるのは大臣の持っている国家公安委員会でしょう。そして、それを負担しているのは国民ですよ。ボタンのかけ違いのためにですね。これは自治大臣としても、国務大臣としても強くこの是正を内閣に求めなきゃいかぬと思うんです。そうしてそういう農民の皆さんの胸中を察して、そしてそこに何らかの打開の道がないかを、悪い点は悪い点で謝って、ボタンのかけ違いはかけ違いできちっともとに戻す努力をしなきゃいかぬと思う。そうしなきゃ、このままの姿勢の中ではいつまでだって続きますよ。このひとつ大臣の感想、決意だけ聞いて終わりたいと思います。
#59
○国務大臣(坂野重信君) 先ほど山口委員にお答えし、議論したとおりでございますが、やはり基本的には公共事業、こういう大きなプロジェクトは、粘り強く地元との調和をいかに図っていくかというのが基本だろうと思います。しかし成田の場合も、いろんないきさつはありましたけれども、地元の農民の皆さんとしてみれば、自分の先祖伝来の、幾ら国際空港の重要な施設であっても、確かに純粋な気持ちからして自分の土地は失いたくないという気持ちはあっただろうと思いますけれども、特にあの場合は極左集団のいわば拠点ということにされてしまって、純粋な人たちまでも洗脳されたという言葉がいいかどうか知りませんけれども、まさに世界に類を見ないような極左集団の一大拠点にされてしまったわけでございます。
 そういうようなことで、大変警察当局も苦労しながら何とかしてこれを排除しなければならぬということで今日にきておりますが、しかし、この第二期の工事についても強制収用するんじゃないかということが頭にありますから、地元の皆さんも含めて非常に心配されている。そういうことをまたうまく利用して極左集団が攻撃をかけてくるということでございますから、その辺のところは本当に総合的な立場で極左集団に対する防衛といいますか、それはもう本当に徹底して公安委員会なり警察当局としてもやらなきゃなりませんけれども、根本は話し合いで解決するというようなことをもう一度徹底しませんと、収用関係の皆さんが恐れて、もうおれたちはそういう仕事をやりたくないというようなことになっているものですから、その辺を総合的に考えて、何とかこれは内閣全体として考え直さにやならぬ時期に来たんじゃないかと思っている次第でございます。
#60
○委員長(向山一人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#61
○委員長(向山一人君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として川原新次郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(向山一人君) 休憩前に引き続き、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#63
○片上公人君 成田財特法は五年間の延長ということになっておりますが、五年間で終了する見込みはあるのかどうかお伺いいたしたいと思います。
 また、その残事業につきまして、それぞれ事業の進捗の状況、完成の見込みを具体的に説明をお伺いしたいと思います。
#64
○政府委員(津田正君) 財特法によります補助率かさ上げ措置の適用を受けている空港周辺地域整備事業で現在未完了となっております主な事業は、成田用水事業、それから河川事業、そのほか若干の小中学校事業でございます。本法案を提出するに当たりまして、あらかじめ千葉県から今後のこれらの事業の進捗見込みということを確認しておるわけでございますが、その完了にはなお五年の期間が必要と全体的に判断されますことから、今回財特法の有効期限五年延長をお願いしておるわけでございます。
 残事業の進捗率は、昭和六十三年度末の見込みで、成田用水事業が大体八五・二%の進捗率になっております。これを完成するにはやはり平成五年度までかかるであろうと、このように見込まれております。それから河川事業でございますが、九〇・五%の進捗率になっておりまして、これは平成三年度完成と、このように見込まれております。それから成田ニュータウン内の小学校整備事業、この進捗率は既に九八・四%、あるいは中学校整備事業は九五・七%の進捗率となっておるわけでございますが、この小中学校の整備につきましては、成田ニュータウンの人口動向を見ながら整備する予定と聞いておるわけでございます。いずれにしましても地元千葉県からは、五年あればこれらの事業の完成が見込まれる、このような報告を受け、これによりまして今回法律案を提出した次第でございます。
#65
○片上公人君 成田空港の利用状況についてでございますが、このままでは利用客や発着便の増でパンクに近いということも伝えられておりますが、限界をどのように見ていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#66
○説明員(田口弘明君) お答え申し上げます。
 成田空港の利用状況あるいはその限界ということでございますけれども、最近円高による海外旅行等の増大等を背景に、航空需要の伸びが著しくなってきております。成田空港の昭和六十二年度の取り扱いの旅客数は千五百五万人、対前年度比で二二%の伸びでございます。六十三年度には約千八百万人に上るというふうに予想されております。また、発着回数の方につきましては、六十二年度に九万五千回というふうなことでございまして、対前年度比で一二%の増ということで、これが六十三年度には十万五千回に上るというふうに見込まれております。
 この結果、ターミナルビルはいろいろと増改築等をいたしまして混雑緩和対策を重ねてまいりましたけれども、既に適正処理容量を大きく上回っておりまして、非常に混雑している。また滑走路の処理能力につきましても、処理能力の限界に近づきつつあるという状況になってまいりました。成田空港は我が国の表玄関の役割を果たしておりまして、残る二本の滑走路と第二旅客ターミナルビル、これを早急に完成させる必要があるというふうに考えております。
#67
○片上公人君 現在の空港の状況が限界だとしますと、当初計画どおりB滑走路、横風用のC滑走路、第二ターミナルビルの建設を行う第二期工事の完成を急がなくてはならないわけですけれども、完成の見通しについてお聞きしたいと思います。なお、この完成が大幅におくれた場合には国際的に何か問題が生じないかという心配がありますか、あわせて説明をお伺いしたいと思います。
#68
○説明員(田口弘明君) 成田空港の現況につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、なおさらに、現在成田空港に乗り入れている三十五カ国、四十五の航空会社のほかに、新たに三十九カ国から乗り入れを求められているというふうな状況でございます。さらに、現在既に乗り入れている航空会社からも増便が強く求められているという現状でございますので、このままではこうした要請に対応することができませんので、国際摩擦を生じる可能性があるというふうに考えてございます。したがって、一刻も早く完全空港化を達成する必要がございます。このため平成二年度の末に概成を図るという目標を空港整備五カ年計画で示されているところでございまして、六十一年に将来のエプロン地区での用地造成に向けまして本格工事を開始したということで、現在工事可能な区域のほぼ全面的な区域で工事をやっておりまして、第二旅客ターミナルビルの建設工事でありますとか、B、C滑走路の横断地下道等についても鋭意工事を進めておりまして、工事自身は比較的順調に進んでいるところでございます。
 また、平成元年度につきましては、前年を四一%ほど上回ります九百十三億円の予算をいただきまして、引き続き滑走路、エプロン等の基本施設、第二旅客ターミナルビル等の整備を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#69
○片上公人君 第二期工事の完成のかぎは言うまでもなく用地の買収であると思いますけれども、未買収地の状況の説明をお願いしたいと思います。
#70
○説明員(田口弘明君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、成田空港につきましては空港の概成を図るように努力をしているわけでございますが、これが達成できるかどうかという点につきましては、適切な時期に用地取得ができるのかどうかという点が大きな要因の一つになるわけでございます。空港用地につきましては、全体の面積が千六十五ヘクタールでありまして、その九八%を既に取得しておりまして、未買収地は現在二十一・三ヘクタールでございます。
 内訳を申し上げますと、敷地内に八戸の方が居住しておられますが、その方が持っておられるのが十六・二ヘクタール。敷地の外に住んでおられて中に用地を持っておられる方、十二件で二・九ヘクタール。それから一般共有地というのがございます。これは五件で〇・八ヘクタール。そのほかに一坪運動の共有地というのが三十件ございます。面積は一・四ヘクタールというふうな状況になっておりまして、未買収地の取得につきましては話し合いによる解決ということを基本といたしまして現在鋭意交渉を進めておりまして、計画遂行に支障が生じないように全力を傾注してまいりたいというふうに考えております。
#71
○片上公人君 土地の買収に当たりまして、千葉県の収用委員会の委員長の小川さんが重傷を負ったということでもあるし、また他の収用委員の方々もいろいろな嫌がらせを受けて辞任するに至って、昨年十一月から委員全員が辞任したままになっているということだそうですが、空港以外の公共事業にも影響が出るんではないかと心配しておりますが、この件についてお伺いいたします。
#72
○説明員(辻光興君) お答えいたします。
 千葉県の収用委員会につきましては、先生御指摘のような経緯がございまして委員の全員辞任という遺憾な事態に至っておるわけでございます。
 それで当面、今収用委員会の審理に継続しておりますのはこの成田の第二期工事でございますので直ちに影響ということはございませんが、当然今後の県下の公益公共事業の進捗に影響を与えることは懸念されます。こうしたことから、速やかに体制の整備が図れるよう、千葉県ともよく協議してまいりたい、このように考えております。
#73
○片上公人君 空港公団にお聞きいたしますが、公団は第二次強制収用の後話し合いの方針を打ち出したのに話し合いの努力をしていなかった、こうも伝えられておるわけでございますが、この辺の事情の説明をお願いします。
#74
○参考人(中島眞二君) 空港公団といたしましては、かねてから農家の方々には適切な代替地を用意いたしまして、千葉県を初めといたします地元の方々の協力を得ながち用地交渉を進めてまいっておるところでございます。
 開港いたしましたのが昭和五十三年でございますが、その時点におきます未買収地が約四十ヘクタール、その敷地内の農家は十七戸でございましたけれども、その後の話し合いの進展によりまして、今日におきましてはこれが二十一・三ヘクタール、それから敷地内の農家の数は八戸というふうに減少してまいってきております。
 用地交渉の方法といたしましては、長い間の経緯がございますけれども、従来は農家などの地権者との表立った交渉ができにくいというような情勢がございました。そういうことで、主として地縁血縁に頼った方法をとってきたわけでございます。しかし、最近では地権者との表立った直接交渉にも重点を置いてまいってきております。昨年四月以降その直接交渉を行うとともに、六月、七月にかけましては一坪運動の共有者を含みます全地権者、約千二百名ございますけれども、に対しまして公団の総裁名で協力の要請をするとか、あるいは用地部長名で具体的な買収価格の提示を行うというようなことを行いましたし、さらに八月以降は全国に散在しております一坪運動の共有者に対しまして私どもの職員が直接訪問して買い取り交渉を行うということもいたしてまいっております。
 特に、昨年の十月には副総裁を本部長といたします。地交渉推進本部を成田に設置いたしまして、敷地内の農家、敷地外の居住者、それから一般共有地の地権者などに対しまして集中的、精力的に交渉を行ってきておるところでございます。しかしながら、過激派によります話し合いに対する妨害、地権者に対する監視が強まってまいっておりまして、交渉をめぐる環境は厳しいものがございます。
 公団といたしましては、何としても話し合いによる用地取得を目指しまして、千葉県並びに地元の市町村、さらには各方面にわたります関係者の方々の協力を得ながら、残る八戸の敷地内農家を初めとする地権者と引き続き誠心誠意話し合いを進めますとともに、代替地につきましても現在既にかなり整備しておりますけれども、農家の方々の要請に応じましてさらに必要な整備を行うべく来年度予算にも若干の金額を計上しておりますけれども、そういうことでその充実を図りまして円満解決に向けて努力していくことといたしております。
#75
○片上公人君 こうした状況を踏まえまして、昨年十二月に千葉県定例議会では「成田空港関連諸問題の早期解決を求める意見書」が可決されて関係省庁に送られているわけであります。その内容は、「特殊な状態にある国家プロジェクトとしての成田空港問題の解決は、国が法治国家の威信と責任において、法の整備などを含めた対策を講じ、早急に完成させることを強く要請する」というものでございますが、この県の要請に対しまして自治大臣を初め運輸省、建設省としてはどのような見解を持っておられるのかお伺いしたいと思います。
#76
○政府委員(津田正君) 成田空港の残る用地の解決策としましては、関係各省、空港公団そして地元地方団体と十分連絡をとりながら、話し合いを基本として進めてまいらなければならない問題でございます。しかし、ともかく収用委員会が機能を果たせない状況になっておることは非常に異常な事態でございますし、先ほどお話がございましたように、千葉県内の各般の事業分野において事業執行に支障を来すおそれがあることが極めて憂慮される状況でございます。自治省としましても、地元千葉県及び関係省庁ともよく連絡の上、適切に対処してまいりたい、かように考えております。
#77
○説明員(田口弘明君) 今回の委員の辞任の契機となりました過激派による襲撃事件、それからその後の脅迫行為、これは法治国家にあるまじき行為でございますので、このような事件の再発防止のためには政府全体として毅然たる対応が必要であるというふうに考えております。
 なお、今後の対応でございますが、収用委員会の大事につきましては、これは直接的には運輸省の所管ということではございませんけれども、運輸省といたしましても関係機関及び県と緊密に連携いたしまして、総力を挙げて完全空港化の推進に当たりたいというふうに考えております。
#78
○説明員(辻光興君) 先生御指摘のとおり、法の整備などを含めた対策を国においてという意見書をいただいておるわけでございますが、考えられることの一つには、その収用手続を国においてという立場の御意見があり得るかと思うのでございますが、仮にそういう趣旨でありますとしますと、収用に伴う具体の補償額の決定等は地域の実情に詳しい専門家によって決定していただくことが必要でございまして、現在各都道府県に置かれております公正中立な収用委員会で行っていただくことが適当であると考えております。
 また、法の整備を含めてという御意見でございますので、それが成田空港についての特別立法みたいなお立場があるいはあり得るかと思いますが、仮にそういうことでありますとすると、成田空港の今日のような状況のもとでの用地取得について新規立法を行うということでありますとすれば、例えば違法行為によって委員が欠けるといいます極めて異常な事態を前提とすることになるなど、基本的に問題があると存じております。このことについては極めて慎重に取り扱うべきであると考えております。
 なお、収用委員会の再建につきましては、先ほど御説明したとおり、何とか早くひとつ再建の手だてが図られるよう、県を初め関係機関とも御相談しながらその方向で進めていく必要があると考えております。
#79
○片上公人君 昨年の五月に総理府の広報室が新東京国際空港に関する世論調査を行っておりますが、まず同調査で、成田空港が日本の表玄関としてふさわしいかを聞いたところ、ふさわしいという回答が三三・六%、ふさわしくないと答えた者がその半分の一六・五、わからないと答えた人が全体の二分の一に相当する四九・九だったということでございます。ふさわしくないと答えた千二百七十五人にその理由を聞いたところ、「空港までの交通が不便であるが七四・六%を占めておるようでございます。
 この問題の解決策の一つである鉄道の空港乗り入れにつきましては長年の懸案になっているわけでございますが、昨年末に成田線、京成線の空港乗り入れに免許を与えたということでございますが、完成の見通しはどうなのか。また、地元市町村では、五十九年に京成線、北総開発鉄道の空港延伸ルートを推進しておりまして、これがおくれてもいいということになっていくのではないかというような心配をしているわけでございますが、この点についてもあわせて御答弁願いたいと思います。
#80
○説明員(加藤甫君) 先生御指摘のまず鉄道によるアクセスの整備でございますが、昨年十二月に免許関係の手続を行いまして、現在、工事施行認可を受けまして、ついこのほど着工の運びになりました。これから二年ほどかけまして、成田空港工事の二期概成、その時期に合わせまして、平成元年度末には開通の運びにこぎつけたい、このように思っております。
 それから、第二点目の別途の構想でございますが、成田空港から千葉ニュータウン地区を経まして都心部に直結するというルートがかねてから運輸省の構想として検討がなされてきております。この点につきましては、先生御指摘のように、地元も相当な期待を持っているということでございますし、また運輸省としましても当該地域の開発といったような面からも非常に重要な路線であろうというように考えておりまして、先ほど申しました鉄道の整備の推進にあわせまして、これと同時に、このルートにつきましても平成元年度においてもう既に調査に着手するということで、その推進に力を入れていきたい、このように考えております。
#81
○片上公人君 今回の法律延長に当たって、先ほど言った交通が不便であると言われる問題が解消されるのかどうか、もう一回聞きます、運輸省。
#82
○説明員(加藤甫君) 今回のとりあえず行いました先ほど申し上げました措置によりますこの計画は、空港整備五カ年計画に基づいて、空港公団の二期工事の概成後の利用客の増加あるいはその見通し等に基づいて計画がなされております。したがいまして、空港の利用客のアクセス利便というようなものについては現在よりは格段に向上するものと考えております。
#83
○片上公人君 そのほかの表玄関としてふさわしくないと答えた人を見ますと、「滑走路が一本しかなく、需要に対して規模が小さ過ぎる」が三五%、「空港内の混雑がひどい」というのが二九・三%、「空港周辺の環境整備が悪い」が二二・四%、「日本の社会、経済、文化を象徴するような特色がない」というのが一三・九%、「空港ターミナルビルの設備や機能が悪い」が一〇・八%となっております。それぞれどのような御見解をお持ちなのかお伺いしたいと思います。
#84
○説明員(田口弘明君) 御指摘の世論調査の結果、成田空港が日本の表玄関としてふさわしいかどうかという点につきましてでありますが、ふさわしくないと答えた人が全体の二割弱ほどおりましたけれども、ふさわしいと答えた人の半分以下というふうなことでございますので、現在の成田空港は、基本的には日本の表玄関として国民に広く受け入れられているというふうには考えております。
 しかし一方で、ふさわしくないという理由として挙げられております、規模が小さい、あるいは混雑がひどいといったような問題につきましては、これは昭和六十二年度で既に千五百万人の旅客あるいは九万五千回の発着回数、これを一本の滑走路と一つのターミナルビルで取り扱っているという現状にございますために、利用者の中にはそのような不満を持たれる方がおられるというふうに考えております。このために運輸省といたしましては、残る二本の滑走路と第二旅客ターミナルビルを完成しまして早急に完全空港化を図るために現在鋭意工事を進めております。これが完成いたしますと、こうした不満も解消するのではないかというふうに考えております。
 それから、世論調査の中で第二旅客ターミナルビル等の施設の内容等につきまして触れた部分もございますけれども、この調査の結果に示されました要望をできるだけ反映させたいということで、現在いろいろと作業を進めているところでございます。
#85
○片上公人君 空港関係ありがとうございました。
 消防関係に移ります。
 消防関係の補助金は、昭和五十六年度の二百五億円をピークに減少し続けておりまして、昭和六十三年度は百三十五億円まで低下しております。消防庁としては、今回の予算編成に際してどのような基本方針で取り組んだのか、また、消防補助金の低落傾向につきましては、今後は防災まちづくり事業への振りかえや交付税への算入等を進めて補助金は減額していく方向なのかどうか伺いたいと思います。
#86
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防の予算に関するお尋ねでございますが、平成元年度の予算編成におきましては、消防行政の当面する諸問題に適切に対応するため、重点施策を中心に概算要求をいたしまして予算編成に取り組んでまいったところでございます。特に消防関係予算の中でも消防関係の補助金につきましては、これは消防の役割の重要性にかんがみまして、その確保に重点的に取り組んだつもりでございます。御指摘のように、消防関係補助金は、昭和五十六年度をピークといたしまして、その後国の財政事情から減少を余儀なくされてきておるところでございますが、この間、昭和六十一年度からは、こういった補助金の減少をカバーするという意味もございまして、地方債とその元利償還を交付税をもって措置する防災まちづくり事業を実施いたしまして、補助金と相まって消防防災施設の整備を推進するという財政措置を講じてきたところでございます。また、昭和六十三年度予算におきましては、これは前年度に対し一・二%というわずかな減にとどめまして、それまでの長期的な低落傾向に歯どめをほぼかけたところでございます。さらに、平成元年度予算案におきましては、特に補助金関係の確保に重点的に取り組みまして、これは消費税相当額を含んだ額ではございますけれども百三十七億円ということで、前年度に対しまして一・九%の増となった次第でございます。これは昭和五十六年度以来八年ぶりの増額を見ておるわけでございます。
 消防関係補助金のあり方について今後どう考えるのか、こういう御質問でございますが、もとより消防関係補助金につきましては、消防施設の充実の観点から極めて重要な問題でございますので、その確保につきましては今後とも最大限の努力を傾注いたしますとともに、あわせて先ほど申し上げました防災まちづくり事業にふさわしいものはそちらの方でも行っていく、例えば防火水槽のようなものであるとか、あるいは同報系の消防防災無線でありますとか、こういったようなものにつきましては、防災まちづくり事業も積極的に活用していって、総体として消防施設の整備充実の推進に力を入れてまいりたいと考えておるところでございます。
#87
○片上公人君 今回の改正案は、人口急増市町村に対する補助率のかさ上げ措置の五年延長とともに、財政力が豊かな市町村に対するかさ上げ措置の前回延長時に続く二度の引き下げという二つの内容を持っておると思いますが、これらの措置は予算編成において最終的には大臣折衝で認められたと聞いております。またこの過程では、財政力が豊かな富裕団体への風当たりが強かったとも言われておりますが、この財政力が豊かな団体に対するかさ上げ措置の一部カットは、前回の昭和五十九年の延長時からとられたもので、当時の説明では、全く国の財政が悪くなったの一語に尽きるとのことでございましたが、今回はどのような理由によるのか御説明いただきたいと思います。
 また、この一部カットは金額にしてわずか五百六十六万円弱にすぎないとのことであります。これだけの削減のために補助率を改定するということは、将来、財政力が豊かな団体についての特例措置は廃止される考えであるのかどうか確認したいと思います。
#88
○政府委員(矢野浩一郎君) 今回のこの法案をお願い申し上げておりますのは、大臣の提案理由説明でも申し上げましたように、人口急増地域における消防施設の整備を急がなければならない。往時に比べますと、人口急増団体はかなり数は減ってきておりますけれども、それにいたしましても、平成元年度におきましても八十程度の団体が予定されるわけでございます。そういう観点から、この法律の延長と申しますか、引き続く補助率のかさ上げ措置は、国の厳しい財政事情、一般歳出の抑制という状況の中ではございますけれども、ぜひこれはお願いしたいということで、この点をまず重点にしたところでございます。
 その中におきまして、御指摘のように、財政力指数が一を超える市町村及び政令指定都市につきましては、昭和五十九年度から適用してきております七分の三の補助率を十分の四に引き下げたわけでございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたような国の一般歳出抑制といったような状況のもとにおきまして、これらの団体、政令指定都市や不交付団体につきましては、人口とか、あるいは財政規模、財政能力等の点におきまして、一般の市町村に比べて大規模であり、あるいは機動的な、弾力的な財政運営が可能であるということを勘案して、延長に際しまして、この点のみについては見直しを行ったところでございます。もちろん、この場合におきましても、消防施設の緊急整備の必要性を考慮いたしまして、財政負担に大きな変動をより生じさせない範囲においてかさ上げの見直しを最小限にとどめたつもりでございます。
 人口急増市町村は、いずれも人口急増に伴う消防施設の整備が緊急に必要となってきておるものでございますので、このような人口急増という社会動態が続く限り、仮に財政力のある不交付団体でございましても、やはり整備を促進するための特別の措置は引き続き必要であると考えております。
#89
○片上公人君 消防庁は、昨年の二月に、消防審議会に消防ヘリの全国配備について諮問され、先日答申がなされたとのことであります。内容は、各県最低一機を目標に、今後十年間で四十から五十機を配備する必要があるとのことでございますが、結論に至るまでの議論や維持費を含めた財源措置及び各県一機とすれば、県下の市町村消防の現実の利用方法などについてはどう考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
#90
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防ヘリコプターの整備につきましては、今後の消防行政の重要な課題と考えまして、昨年二月に消防審議会にそのあり方につきまして諮問を申し上げました。先般、三月の二十日にその答申をいただいたところでございます。
 消防ヘリコプターの整備につきましては、従来から国庫補助やあるいは地方債の制度がございまして、その充実に努めているところでございますが、「今後ともその充実強化に努め、必要な場合には新たな財源措置のあり方についても検討すべきである。」という答申をいただいておるところでございます。
 また、消防ヘリコプターの、御指摘のありましたような修繕費とか、あるいは操縦士、整備士の人件費を含めました維持管理経費につきましては、現在は団体数が限られておるということもございまして、特別の財源措置が行われていないために、「消防ヘリコプターの整備を進めるうえで、一つの支障となっていると考えられるので、今後、各地域がいかなる整備運用方式を選択するか、その状況も踏まえながら、」「所要の財源措置を講じることが必要である。」というぐあいに答申では指摘をされておるところでございます。
 消防庁におきましては、今後の整備状況を踏まえながら、消防ヘリコプターの全国的な配置が達成せられますよう、二十一世紀初頭において一県の区域に少なくとも一機というようなことでございますが、その全国的な配置が達成されますように必要な財源措置について検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、消防ヘリコプターの活用につきましては、消火、人命の救助、災害時の情報収集、救急業務等の消防活動全般を幅広く対象とすることになるわけでございますが、その現実的な利用につきましては、例えば大阪市が行っておりますように、消防ヘリコプターの出動基準、市町村間の連絡調整の方法等の連携協力体制について、大阪府下の市町村を加えて運航の要綱を定めまして、消防ヘリコプターの管理運航機関が、これはまあ中心となるような市、大きな市あるいは場合によりましては県、こういったところが市町村の消防機関からの応援要請によって出動をするようになる、こういうような体制を含めて答申をいただいておりますし、そのような方向でこのヘリコプターの運用体制を検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#91
○片上公人君 新規施策として災害弱者緊急通報システムモデル事業の創設がありますが、高齢化社会の進行等を背景として、お年寄りや体の不自由な方々などのいわゆる災害弱者への対策が急務とされております。
 昭和六十三年の消防白書によりますと、放火自殺者を除く火災による死者のうち、実に六割近くがこれらの災害弱者の方々によって占められていると言われておりますが、消防庁が来年度から三年間実施しようとしているこのモデル事業の趣旨、内容、財政措置について伺いたいと思います。これを伺って質問を終わります。
#92
○政府委員(矢野浩一郎君) 高齢化社会を迎えてお年寄りの増加という現象が切実になってまいるわけでございますが、そういったお年寄り、なかんずくひとり暮らしのお年寄りあるいは体の不自由な方々などの災害弱者に関する対策といたしまして、消防庁といたしましては平成元年度よりスタートさせる災害弱者緊急通報システムモデル事業を考えておるわけでございますが、このモデル事業は、今後予想される本格的な高齢化社会の進展等を踏まえまして、緊急事態に機敏に行動することが困難と認められる、ただいま申し上げましたようなひとり暮らしのお年寄り、身体障害者などの災害弱者と消防機関との間に新たな緊急通報システムを整備することによりまして、これらの災害弱者が突発的に災害、事故あるいは急病等に見舞われた場合におきまして救急救助活動をより一層迅速化し、その災害弱者の方々の救命率をこれまで以上に向上させようというものでございます。
 システムのあらまし、特徴をかいつまんで申し上げますと、利用者は手のひらに入る程度の小型でワンタッチ方式で作動いたしますペンダント式の発信装置、これを常時身につけていただきまして、それと同時にその発信を消防に自動的に送信をする装置を自宅の適当な場所に設置をするということにいたしております。消防機関の方では緊急通報を自動的に受信をいたしますと同時に、発信者の氏名、住所、年齢等あらかじめインプットしてございます情報をすぐ画面に表示をいたすことが可能な専用の受信装置と、これと一体となって発信者の状況を声で確認ができるような装置を設置いたしまして、通報がありましたときにはこれらの装置を活用して事態に即応して、救急自動車あるいは消防自動車等を直ちに出動させるという体制でございます。医療機関、福祉関係機関あるいは近隣の協力者の方々、消防団員等との間にネットワークを形成することによりまして、必要に応じ近隣の協力の方々等に発信者の状態の確認やあるいは介護をお願いするなど、地域ぐるみの福祉社会づくりに寄与することになるものと考えております。
 消防庁におきましては、市町村のこのようなシステム整備に対するいわば先導的な取り組みを当面モデル事業として位置づけるということにいたしまして、これに対する財政支援措置を講じてまいりまして、その普及、促進に資すると同時に、実際の運用実態等を踏まえながら、システムのより望ましいあり方、将来にわたる整備推進方策等について積極的に検討して、このシステムの整備確立に努めていきたいと考えております。
 この財政措置につきましては、この事業を先ほども申し上げました防災まちづくり事業の一環として位置づけまして、システム整備に必要な緊急通報装置及び専用の消防機関側の受信装置の購入経費につきまして地方債、特に地域総合整備事業債を充てる形により行うことといたしております。これによりまして、この事業債の元利償還費の相当部分が地方交付税によって後ほど措置をされる、こういうような仕組みになるわけでございます。平成元年度におきましては約五十市町村、事業費の額で約六億円程度を見込んでおるところでございます。
#93
○諫山博君 消防組織法第四条の十三号は、市町村の消防に必要な人員及び施設の基準を消防庁の所管事務にしています。これを受けまして、消防庁長官の勧告で消防力の基準が定められています。これは必要最小限度の消防施設、必要最小限度の人員を定めたものだと理解しますけれども、そのとおりでいいでしょうか。
#94
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防力の基準は、市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行うために必要な最小限度の施設及び人員について定めることを目的としたものでございます。
#95
○諫山博君 したがいまして、これは市町村の整備目標である、あるべき消防力の基準を示したものである、この基準が充足されていない市町村はできるだけ早くこの基準を充足しなければならない、しかも計画的に整備を図りなさいという指導がされていると思いますけれども、この実態はどうなっていましょうか。
#96
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防力の基準は先ほど申し上げたような性格のものでございまして、この基準を達成するために指導を行い、あるいは財政的な支援措置を講じておるところでございますが、お尋ねの、この基準に対してしからば実態の方がどうなっておるのか、こういう点でございますが、全国の消防施設の整備状況をこの消防力基準との対比で見ますと、昭和六十二年四月一日現在でございますが、消防ポンプ自動車につきましては九〇・三%、はしご自動車につきましては六一・一%、化学消防自動車につきましては五六・八%、救急自動車につきましては九九・六%、それから消防水利につきましては七二・三%となっております。また、人的な要素、職員数につきましては、現有車両を有効に操作し得る要員の確保という観点からすれば、七四・八%の充足の状況でございます。
#97
○諫山博君 整備状況は、救急自動車の場合は九九%を超している、消防ポンプ自動車は九〇%をわずかに超した、その他の消防資材は充足率が非常に低いわけです。私は、きょうはこの問題よりかむしろ消防車に対する消防職員の充足の問題について質問いたします。
 消防操作員が車両ごとに基準人員を決められていますけれども、私の調査によりますと、消防ポンプ自動車は一台につき五人、手引動力ポンプは五人、はしご自動車または屈折はしご自動車も五人、化学消防車も五人、救急自動車は三人、こうなっているはずですけれども、この現実の充足率はどうなっていますか。
#98
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のように、消防ポンプ自動車の操作員について申し上げますと、これは消防力の基準では五名とされておるところでございます。この五名は同時に地方交付税の算定におきましてもそのような算定方法をとっておるところでございますけれども、現実にはこの五人が必ずしも五人になっていないケースもあろうかと思います。これは全体として見た場合に、先ほど申し上げました消防力基準と職員数の関係で、約七四・八%という数字になっておるわけでございますけれども、実際にポンプ自動車を運用いたします場合には消防機関によっていろいろな工夫をいたしております。
 例えば、現場にポンプ隊と救助隊の両方が一遍に出動するというような場合には、まず救助隊員が先に検索を行いまして、その後消火活動を行うという段取りでありますために、救助隊員の一部がポンプ隊を兼ねることができる、こういうために例えば四名で済むというようなことになるわけでございます。そういう観点から、一々個別には調べておりませんけれども、実情に応じてそのような体制になっておる場合があるわけでございます。
#99
○諫山博君 今の長官の答弁は重大です。あなたの名前で最少の基準人員が指定されています。そして、初めに質問しましたように、これは整備目標であり基準に達していない市町村はできるだけ早く基準を充足しなさいという指導をしているのがあなたです。ところが、今の答弁を聞いていると、充足率は七四%程度だ、しかしいろいろ現場で工夫しているから何とか間に合っています、一〇〇%にしなくても結構やっていけていますという答弁になっていますよ。一〇〇%にしようという熱意が全くないじゃないですか。一〇〇%にしようという希望なり熱意はお持ちですか。それとも何とか間に合っているから今のままでいいという認識ですか。
#100
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防力の充実につきましては、これは私どもとしてはできるだけ早期に目標が達成されるように指導もいたしておりますし、またそれを強く期待をしておるところでございます。ただ、端的に申し上げますと、消防の物的な施設の整備に対しまして、これに見合う職員数の方の消防力基準との対比から見た比率が低いということ、先ほど申し上げたとおりでございますが、これらの点につきましても、できるだけ多くの消防職員を確保いたしまして円滑な運用体制をとることはもちろん必要と考えますが、ただ大変厳しい財政事情、人員抑制の中で、一方におきましては勤務時間の短縮を図り、また四週六休体制を実現していかなければならないというような状況がございます。その中において、各地方自治体の消防機関におきましては、ただいま申し上げましたようないろいろな工夫を凝らしまして、それによって職員の処遇の改善というものの余地をつくり出すということもしておるということを申し上げたわけでございます。
 私どもとしては、そういった工夫、改善というものを決して否定をするというわけにはまいらないと考えておるところでございます。要は合理的に、無理のない形で実施ができなければならないわけでございますから、そうでないというような場合には、これはやはり必要な指導をしていく必要がございましょうし、また全体として消防の物的人的な面の確保については、引き続き力を入れてまいりたいという考え方でございます。
#101
○諫山博君 消防力の基準を達成しようという熱意は全く感じられません。
 そこで、長官は車両ごとの充足率を御存じないとすれば、ほかの方で、消防庁関係で、例えば消防ポンプ車の人員の充足率はどうだとか具体的に御存じの方がおられたら説明してください。全体の統計が七四・八%と出ているわけですから、当然車両ごとの数字があるはずです。
#102
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほど申し上げましたとおり、全体としての充足率は出ておりますけれども、個別の消防車両の種類ごとの充足率というものは数値がございませんのでお答えがいたしかねる次第でございます。
#103
○諫山博君 これもまた驚くべきことです。あなたの名前で車両ごとに最少の人員が決められている。ところが車両ごとの充足がどうなっているのか、これがわからないということで行政指導ができましょうか。例えば消防ポンプ自動車にはほぼ人員が充足されている、化学消防車の場合はそうでないとか、何か具体的なことがなければ行政指導のしようがないじゃないですか。私は今までの答弁を聞いて、どうも長官自身が基準の充足というのは到底達成できない遠い目標だというような認識を持っておられるように聞こえてしょうがありません。
 そこで、何とか間に合っていますという答弁のようですけれども、実際は間に合っていないのではないか。間に合っているとすれば、この基準そのものが間違っているのではないかということになるんじゃないですか。例えばあなたの答弁では、この人数というのは必要最小限度のものだと言われました。必要最小限度のものだというのは、五名いなければならない車両に四人しかいないとすればどこかに支障が出てきますよという数字でしょう。その支障はどこに出てくるか。一つは消防能力の低下だと思います。もう一つは労働者に対するしわ寄せです。こういう結果が出てくることは避けられないと思いますけれども、これは何とか済んでいますので処理できるんですか。
 例えば私は福岡県でこの問題を調査しました。ポンプ車一台について指揮者が一人、通信員が一人、機関員、運転手が一人、筒先要員が二人ということが決まっていますけれども、これが充足されている例というのはむしろ少ないようです。大体四人ぐらいで操作している。場合によったら三人になることもある。例えばレンジャー訓練とかなんとかで休む人もおりますし、当然法律に従った年休をとる人もおりますから、こういうことのために必要最小限度の条件が充足されていない、こういう実態を把握しなければ何のために最低基準をつくったんですかと聞きたくなるし、あるいはどういう行政指導をしているんですかということも疑いたくなりますけれども、この問題は自治大臣に見解をお聞きしたいと思います。
#104
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防の人員の確保につきましては、私どもも先ほど申し上げましたような厳しい事情の中でできるだけの確保が行われるように指導し、支援をしておるところでございますが、現実の各地方自治体の実情におきましては、先ほど申し上げましたような消防車両あるいは救急車両等が増加をいたしてまいります。したがいまして、そういう中で、例えば乗りかえ運用、一種の兼務方式でございますが、そういったようなことで実際の出動に当たっての人員を確保する。これは静態的に見てまいりますと、一つ一つとらえてみた場合には、消防力の基準で言っておりますところの五人とか三人とかいうような数が数字の上では確保されていないというふうな形になろうかと思います。そういった点もございますので、先ほども申し上げましたような充足率ということになっておるわけでございますが、決してこの充足率がこれで十分なのだということを私どもは考えておるつもりはございません。
 ただ、現実に市町村の中でそういった事案の、特に救急等の事案の増加がございますけれども、それに備えた運用体制の工夫改善をし、それをまた職員の処遇改善のために用いていくというような工夫をしておるということを申し上げた次第でございます。
#105
○国務大臣(坂野重信君) 諫山委員、大変心配いただいて、消防が苦労しながらやっているわ、もうちょっとその辺の充実を図るべきではないかという御趣旨だと思っております。
 それについては、今長官が答弁いたしましたように、自治省としてもこの充実に努力をしている最中でございますが、なお一層現場が過重労働にならないように精いっぱい充実に対して頑張ってまいりたいと思っております。
#106
○諫山博君 政治的な発言であっても、今大臣のような答弁をすべきです。あなたが、基準を充足できないのはもうどうしようもない問題だというような立場で言われたら、全国の消防職員はこれを聞いてどう思いますか。財政が逼迫していることはわかります。そういう政治しかされていないことは私も知っております。そういう中で、あなたは最低基準を決めたんだから、この最低基準が充足できるような努力をしているような格好ぐらいしないと、これはもうどうにもしようがないじゃないですか。あなたの方は毎年人員増加を政府に要求しているんじゃないですか、どうですか。
#107
○政府委員(矢野浩一郎君) 人員抑制という状況のもとにおきまして、従来、ここ七、八年をとってみますと、消防関係におきましては、地方財政計画の上で、いわゆる常備化に必要な増員、これは要求してまいりましたが、それ以外の要求はいたしておりませんでした。ただ、平成元年度の地方財政計画におきましては、先ほど申し上げましたような勤務時間の短縮といったような要請がございます。法律上の義務ということになっております。そういうことを踏まえましてこれはこういうものを達成し、同時に処遇を、その者に無理がこないようにするためには人員の増加が必要と考えまして、平成元年度の地方財政計画につきましては約千七百人余の増員を要求し、これが地方財政計画に盛り込まれ、かつ、地方交付税の標準団体におきましてこれを反映するために二名の増加を行っておるところでございます。
#108
○諫山博君 消防職員の人員が非常に不足しているということは、一面では消防力の低下になっていますけれども、反面では労働者に対する極端な労働過重になっているわけです。消防職員の勤務が二部制だ、一部には例外があるけれども大体二部制だ。三部制を目指すべきではないかということは当委員会でしばしば議論されております。
 こういう中で、消防職員がどういう生活をしているのか、どういう勤務をしているのか、私たちは詳細に調べました。これはなかなか非人間的ですよ。二十四時間拘束されます。その中には仮眠時間もありますけれども、仮眠時間には二時間の睡眠中断があります。仮眠時間の睡眠中断というのは、私も軍隊の不寝番で経験したことがありますけれども、これは安眠とはほど遠いですよ。熟睡の途中で起こされて、二時間勤務させられる。もう一遍ベッドに戻るけれども、なかなか安眠は得られないというような生活サイグルがずっと続いているわけです。食事はどうしているか。朝食はうちでとってくるけれども、昼飯は弁当、夕食は普通のサラリーマンは外の食堂に出て行きますけれども、外には出て行けない。これは法律的に拘束される。そして、こういう非人間的な生活がずっと繰り返される。
 これを三部制に移すべきだというのは、消防職員の非常に強い要求です。しかし、三部制が実現できないというのも結局は財政上の理由だというのが当局の答弁のようですけれども、東京都はずっと三部制のようです。東京都でやれていることがどうして全国的にやれないんですか。それを説明してください。
#109
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防職員の勤務条件を少しでも改善をするために現在の二部制を三部制にしていくべきではないか、これは私どもとしても今後の目標としては十分考えていかなければならないことだと思っております。御指摘のとおりだと思います。現在、全国的に三部制をとっておりますのは一部の団体であり、また団体によりましては特定の部分のみ三部制をとっておる。例えば救急業務というものだけ三部制をとっておるというようなところもございますけれども、現在の一般的な形は二部制でございますし、地方交付税の基準財政需要額の算定におきましても、二部制を前提とした財源措置を講じておるという形でございます。
 そういう意味で全国的には二部制が普通になっておるわけでございますが、東京都のような場合には、これは御指摘のとおり三部制が実施されております。東京都の場合には財政力という点もございましょうが、交付税の措置で見ております二部制以上の体制、したがって、それには当然人員の増加が伴うわけでございますが、東京都のいわば交付税の枠の外にある独自の税源というようなものもございますので、そういった形で東京都におきましては実現をしておるものと思います。また、東京都におきましては、そういった三部制を実施していくだけの日本の首都としてのそれなりの必要というものも特に強かったものと思われます。
#110
○諫山博君 一挙に三部制にすることは難しい、しかし、三部制は望ましいということのようです。これは消防力の基準を満たす観点からいっても望ましいはずです。東京都でやれているとすれば、例えば段階的に政令都市でやってみるというような構想はありませんか。そのくらいのことはやるべきだと思いますが、どうですか。
#111
○政府委員(矢野浩一郎君) 端的に申しまして、二部制を三部制に移しかえていくということは相当の人員増加を伴いますので、一気に行うことはなかなか難しいかと思います。政令指定都市の場合には、御指摘のように、消防に関する職務の実態から見て、より早期に三部制に移行するということが望ましい立場にあるということは、私どももそう考えておりますが、一方では、政令指定都市におきましては相当の職員数、多くの職員数を抱えておるところでございますので、それを三部制に移してまいりますためには、やはりかなりの財源措置なり、あるいは人員の増加というものを必要といたします。私どもも、御指摘のような点についてはいずれ我が国の、消防のみならず一般の勤労者が将来は週休二日制に向かって進むという中におきまして、こういった消防に関しましてもそういう時代の趨勢に即した勤務体制をとり、また必要な財源措置を講じていくための努力を続けてまいりたいと考えております。
#112
○諫山博君 この問題で最後に大臣にお聞きします。
 基準の人数が充足されていませんから、例えば火災が起こったときに、ホース、筒先を握る人、これは長官の定めた基準では二人になっている。ところが、実際は一人でやる場合が相当多いんだそうですよ。そうすると、あの長いホースを押さえる人もいるし、筒先を握る人もいる。これが一人でやられるとすれば当然仕事は渋滞しますよ。いろんな問題が起こり得ると思う。
 人員の問題というのは労働者の問題であると同時に、まさに消火力の問題です。消防資材を充足するというのは非常に大事です。しかし、車はあっても人がないというようなのがどうも現在の状況じゃないかと思います。私は率直に言って、長官はみずから定めた最低基準を充足するという熱意に欠けているという感想を持ちましたけれども、これはぜひ前向きに積極的に取り組んでいただきたいと思います。
#113
○国務大臣(坂野重信君) 長官以下消防の問題については本当に日夜心を砕いているということを私もつくづく……。実は私も東京都の消防の実態を先般見てまいりました。警察も一方で一生懸命やっているけれども、それと同じように消防も大変な活動をやっている。しかも技術的にも日進月歩でございますから、そういう意味で一方において技術革新、技術開発というものを考えながら、一方において、消防はいろんな面で例外的な措置は認められておりますけれども、その範囲内でもさっき長官が言ったように少しでも人員の充足をやってまいりたいということでございますから、ひとつ自治省全体としてもこういう問題に真剣に今後取り組んでまいりたいと思っております。
#114
○諫山博君 大臣は一番いいところを見てこられたわけですけれども、今度は悪いところをぜひ視察してもらいたいと思います。
 そこで、労働省にお聞きします。
 消防職員というのは憲法第二十八条に言う勤労者です。したがって、消防職員に団結権を保障しないのは、公共の福祉に反する場合に限るというのが憲法解釈のイロハだと思いますけれども、どうでしょう。
#115
○説明員(渡邊信君) 勤労者の団結権を初めとします労働基本権につきましては我が国の憲法二十八条でこれを保障しておりまして、したがいまして、我が国では原則的に勤労者には労働基本権が保障されております。ただ、最高裁の裁判例でも明らかにしておりますように一この勤労者の労働基本権もそれ自体は目的とされる絶対的なものじゃないということでありまして、国民全体の共同利益の見地からする制約を免れないというふうに言われております。
 消防職員の現在の団結禁止の法制もそういった見地からなされているというふうに理解をしております。
#116
○諫山博君 消防職員に対する団結権というのは当委員会でしばしば議論されてきています。私はすべての消防職員に団結権、団体交渉権は保障さるべきだと考えております。今の労働省の答弁でも団結権を保障することによって国民全体の利益と相反する結果が出てくる、こういう例外的な場合に限って団結権を保障しないことができるという趣旨だと思われますけれども、消防職員に団結権を保障するとすれば、公共の福祉なり国民全体の利益にどういうマイナスが出てくるんでしょうか。
#117
○政府委員(芦尾長司君) 我が国の消防職員に団結権は地方公務員法上付与されておりませんが、その理由といたしましては、一つには我が国が国土が狭く、密集する木造建築物等が多くて、地震等が多発する国でもありまして、大規模災害が発生する危険が非常に多いということ。さらには我が国の消防がその任務を十分に果たしてまいりますためには、高度の規律と統制を保持いたしまして、あらゆる状況に応じまして迅速果敢な部隊活動をとることができる常時即応の体制を確保していくことが不可欠であるということでございます。消防職員に団結権を付与するということになりますと、勤務条件等をめぐりまして当局と職員の間、あるいは職員相互の間に対立的な意識が生じまして、常時即応の体制に緩みが生ずるばかりではなく、ひいては消防活動の遅延等によりまして国民の生命、財産等が脅かされることになるというふうに考えられます。
 なおまた、我が国の場合、消防任務の遂行は百万人を超えるボランティアであります消防団の献身的な協働があって初めて可能となるわけでございますけれども、消防職員に団結権を付与した場合、その相互の信頼関係を損なうというようなことも生ずることも考えられまして、両者の緊密な協働関係に重大な影響を与えるおそれがあるのではないかな、こういうふうに考えられます。そこで消防職員の地位及び消防業務の特殊性にかんがみまして、災害等から国民を守るという国民全体の共同の利益を確保する、そのためには消防職員の団結を禁止するということは立法政策上合理的であるというふうに考えております。
#118
○諫山博君 驚くべき答弁ですよ。大学の労働法の試験問題の解答だったら落第ですよ、これは。あなたは消防職員に人格的な従属を求めているじゃないですか。対立的な意識が出てくるとか消防活動が遅延するとか、迅速果敢な活動ができなくなるとか、こういうことは団結権の保障と関係ないです。争議権が保障されれば状況は変わるかもしれません。私は争議権は除いて団結権、団体交渉権と言ったんですよ。団結権が保障されればなぜ対立的な意識が出てきますか。例えばあなたの職場の労働者には団結権が保障されているでしょう。これで迅速果敢な行動ができませんか。対立的な意識が出て何か問題がありますか。団結権というのはそういうものじゃないです。あなたの職場を考えてみてください。団結権が保障されて何かそういう問題が出てきていますか。
#119
○政府委員(芦尾長司君) 消防職員の活動というものはただいまも申し上げましたように、組織的に一種の部隊活動として行われなければならないという特殊性があるわけでございます。一般の我々の公務員の組織とその点が違う面があるだろうというふうに思うわけでございます。そういう面から、私どもも争議権の禁止ということと団結権の付与ということとの区別があるということは十分存じておるところでございますが、そういうことを考えましてもやはり消防職員がそういう組織活動を行う非常に重要な職務であるということからして、団結権を付与することは問題があるというふうに考えております。
#120
○諫山博君 私が聞いたときは、消防職員というのは警察官の仕事と似たような面がある。警察官には団結権が保障されてないから消防職員に団結権が保障されないのも整合性があるという話を聞きました。私たちは警察官にも団結権は保障さるべきだと思っています。しかし、それは別問題としましても、そういう説明がありましたから今の日本の法体系を調べてみました。ところが麻薬取締官には団結権がありますね。麻薬取締官は消防職員と違って文字どおり司法警察員としての職務を行うことのできる人です。小型武器まで携帯することができます。場合によったらピストルを発射することもできます。この麻薬取締官に団結権があることは御存じですか。
#121
○政府委員(芦尾長司君) 行政法学上の警察行為に当たる職務を行っておる、そういう地方公務員というのが存在することは承知しておりまして、ただいまおっしゃいました麻薬取り締まりの問題でありますとか、伝染病予防の問題でございますとか、そういう警察行為を行う職員がおるということは十分承知をいたしております。しかし、警察官と同じように広く国民の生命、財産を保護いたしまして広範な行政権限が与えられておりまして、しかも警察官と同様の組織形態をとっておる、そういう形で行動しなければならないというのは、やはり消防職員の特殊性であるというふうに存じておるところでございます。
#122
○諫山博君 例えば郵政監察官というのがあります。この職種も部分的に司法警察官の権限を持っていますね。警察官職務執行法も適用される。鉱山保安監督官、労働基準監督官、こういう人たちも部分的に警察権を持っているでしょう。しかし現に労働組合をつくっています。
 労働省にお聞きしますけれども、労働基準監督官は労働組合つくることができるし、現に労働組合に入っている人がいるでしょう、どうですか。
#123
○説明員(渡邊信君) 労働基準監督官につきましては団結権が保障されておりますし、現に組合に加入しております。
#124
○諫山博君 労働基準監督官は、例えば職場に対する立ち入りとか部分的には警察官と似たような仕事もやりますけれども、団結権を保障して労働基準監督官の仕事が支障を来したことがありますか。
#125
○説明員(渡邊信君) ごく一般的に言いますと、団結権を保障することが特に職務に重大な支障があるというふうには言えないと思いますが、いろいろ沿革的な問題、組織や権限の問題、こういった問題から制限がされることは十分に理解しております、
#126
○諫山博君 労働省は労働問題の専門部隊ですから少し突っ込んでお聞きしますけれども、団結権を保障すれば使用者と労働者の間に対立的な意識が出てくる、こういう考え方が近代的にあるいは国際的に通用しますか、どう考えますか。
#127
○説明員(渡邊信君) 労働者の労働基本権が認められました趣旨は、労働者は一般的にいいますと使用者よりも経済的弱者であるということで、これに対しまして団結権を保障しまして使用者との取引を行う、こういったことでございますから、使用者と労働者との間に対抗的な関係が生じるということは一面の事実であります。
 ただ、我が国の憲法に則して申しますと、労働者の労働基本権と、それから経営者側にはいわゆる経営権というものが認められておりまして、この二つの権利は相調和を保ちながら行使されるということが憲法上期待されているのではないか、こんなふうに考えております。
#128
○諫山博君 余り私の期待する質問には答えておりませんけれども、例えば団結権を保障したら迅速果敢な職務執行ができなくなるというようなことは労働者に従属を求めるわけで、こういう考え方というのは近代的ではないはずです。何かありますか。
#129
○説明員(渡邊信君) 勤労者全般につきましてどのように権利を保障していくかということは国際的にもいろいろ議論になるところでありまして、現に労働者の団結権を一般的に保障しましたILOの八十七号条約におきましても、軍隊と警察については団結権の取り扱いを各国の国内法令にゆだねるというふうにしておるわけでありますから、国際的に見ましても団結権の保障の範囲から外れていく労働者があるということは承認されている原理ではないかというふうに考えております。
#130
○諫山博君 ILOの一番新しい見解は日本の消防職員の団結権についてどう言っていますか。一番新しい見解を説明してください。
#131
○説明員(渡邊信君) 消防職員の団結権の問題につきましては、ILOの場でも従来からいろいろと議論がありますが、一番新しいILOの見解は一昨年の一九八七年に出されたものであります。
 まず、条約勧告適用専門家委員会の意見でありますけれども、要旨を申し上げますと、「団結権から軍隊及び警察以外の「種類の労働者を除外することは、それが国内法令の下で軍隊あるいは警察の一部を構成するものと認められない限りは、通常とはいえないだろう。」」、こういった見解を述べております。さらに、この専門家委員会の意見を受けまして、一昨年六月の総会の条勧委員会の報告では、「委員会としては、国内においてこの問題」、消防の団結権ですが、「この問題について引き続き討議が行われ、政府が関係労働者にこの条約のもとで与えられる権利を十分に保障するために適切な措置がとられたと近く報告出来るよう、希望を表明し得るのみである。」、こう申しております。
#132
○諫山博君 ILOの見解はいろいろ変わっているようですけれども、一番新しいところでは、日本政府が消防職員は警察と似たような仕事だということを言っているけれども、それはとらない。日本の国内法で消防職員にも団結権を保障する方向で検討すべきだと言っているはずです。
 時間がありませんから最後に大臣に聞きます。
 衆議院の地方行政委員会のこの問題の論議の中で、最高裁長官をした横田喜三郎さんの昭和四十八年の文章が紹介されております。横田喜三郎さんがこんなことを書いていたのかなと思って私は調べてみましたけれども、なかなかいいことを書いているんです。「ILO条約勧告適用専門家委員会に出席して」という表題で、日本政府が消防職員に団結権を保障しないのは正しくないというようなことを言っています。
 さっきの説明を聞いて私が驚くのは、およそ近代的な労使関係に対する理解がないと思ったんですよ。何か消防職員というのは人格的にも思想的にも使用者に従属しなければならないものであるかのような前提に立っていると思うんです。私が言っているのは争議権じゃないんですよ。労働組合をつくる権利、団体交渉をする権利です。これは国際的にも保障さるべきだと言われているし、横田喜三郎さんのようなお方でも日本政府は保障すべきだと言っているんですから、ぜひ本気で考えていただきたいと思いますけれども、大臣の見解を聞かせてください。
#133
○政府委員(芦尾長司君) お亡くなりになられました横田元委員がそういう論文をお書きになっておることは十分に承知はいたしております。一九七三年のことでございます。いずれにいたしましても、私どもその前にILOのこの八十七号条約を批准するに当たりましては、ILOの意見を二度ただして、そうして問題がないということを前提にして八十七号条約に加盟をいたしたわけであります。それ以後、一九七三年にILOは見解を変えまして、それからこういう問題が起こってきておるわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましてはILOの会議が開かれる都度、私どものその経緯とか日本の消防活動の実態といったようなものを説明いたしながら、我が国の基本的な態度というものにつきまして理解を求めながら、またILOでもそういうふうにしてきておりますけれども、団結権問題が国内問題であるということで引き続き検討を続けておる状況であるというふうにお答え申し上げます。
#134
○国務大臣(坂野重信君) この問題は衆議院でもかなり議論がございました。先ほどから諫山委員からいろいろお話がありましたし、我が方からもまた考え方の説明があったわけでございますが、いずれにしても、これは私も聞いてみますと長い間の経緯があるようでございますし、問題はなかなかそう簡単な問題じゃないということでございます。しかも、政府部内では公務員問題連絡会議というのが、御承知のとおりこれは自治省だけの問題じゃございませんので、そういう場でひとつ十分検討いたしまして結論を出すように持っていきたいと思っております。
 何か聞きますとILOの事務局長が近く来日されるということで、早くお見えになるようで、とてもそれまでには間に合わぬと思いますけれども、いずれにしても大変重要な問題であることはよく存じております。しかし、なかなかいろいろな経緯があって各省間のいろんな意見もあるようでございますが、一つの解決しなきゃならない問題として私ども認識いたしておる次第でございます。
#135
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、増岡康治君及び佐藤謙一郎君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君及び松浦孝治君が選任されました。
#136
○柳澤錬造君 私が最初にお聞きしていきたいのは、成田の新東京国際空港の問題なんです。
 成田空港が開港になったのは五十三年の五月二十日なんです。あのときに第二期工事をいつまでにといって決めたのか今ちょっと思い出せないんですけれども、ともかくあれから十一年たっていまだに二期工事が完成をしない、使い物にならない、この点についてどういうお考えをお持ちなのか。それから、これだけ大幅におくれていることについての損失というものはどのぐらいあるというふうに判断をなさっているのか。さらには、こういう大幅な工事の遅延ということについての責任はだれがおとりになるんですかということからお聞きをしていきます。
#137
○説明員(木村操君) 先生御指摘のとおり、成田空港は五十三年の五月二十日に開港し、本年の五月で十一年目を迎えるわけでございます。開港後引き続きいわゆる二期工事に着手するというのも一つの方法でございましたが、地権者の方々とは話し合いで問題を解決しようという方針のもとに各種の努力をしてまいったことと、また燃料の安定供給という面から石油パイプラインの建設を急がなければいけない、こういう事情がございまして、供用後直ちに本格工事に着手しなかった、こういうことでございます。
 その後話し合いの努力も実ってまいりまして、未買収地は開港時におきまして三十九・九ヘクタール、用地内に十七戸があったわけでございますが、その後の努力によりまして二十一・三ヘクタール、八戸に半減をいたしております。
 一方、航空需要の方も非常に高い伸びを示しておりまして、早期完成がぜひとも必要だ、こういうことであると同時にまた地元の地方公共団体の議会等におきましても空港の早期完成について決議等もいただきまして協力の機運が盛り上がってきたわけでございます。このような状況を踏まえまして、昭和六十一年十一月に第五次空港整備五カ年計画の中で昭和六十五年度、平成二年度までに概成することが閣議決定をされまして、同月本格工事に着手いたしました。もちろん引き続き話し合いによる用地問題の解決を図りながらということでございますが、一刻も早く完全空港にすべく鋭意工事を進めているところでございます。
 十一年間二期工事が完成しなかったことについての損失という話もございましたけれども、そういう事情で工事が遅くなったという事情でございます。おっしゃるとおり最近の成田空港の利用状況を見てまいりますと、六十二年度には航空機の発着回数が九万五千回、六十三年度で見ますと、これは推定でございますけれども十万五千回ぐらいになるであろう、また旅客数につきましても六十二年度で約千五百万でございましたが、六十三年度では千八百万ぐらいにはなるんじゃなかろうか、こういう状況でございまして、既に発着回数、旅客ともに今非常に高い伸びを示してまいっております。このような状況から、ターミナルビルにつきましては適正な処理能力と申しますか、処理容量を大きく上回るという状況にも立ち至っておりますし、滑走路の処理能力につきましても限界に近づきつつある、こういう状況で、既に航空会社からの増便要請等もなかなか十分には受け入れがたい、こういう状況に立ち至っているわけでございます。
 成田空港は国際的なネットワーク上の重要な拠点として定着をいたしてまいっておりますし、今後とも国際航空旅客数、また貨物も増加が当然見込まれるわけでございます。また我が国の表玄関でもあり、国際的な重要な拠点でもある、こういうような十分な役割を果たしていくことが内外から期待をされているわけでございます。こうした要請にこたえるべく一刻も早く完全空港化を図っていきたいということで最善の努力を尽くしているところでございます。
#138
○柳澤錬造君 今お話しなさっていたようなことは私も十分承知をしているわけなんです。
 それで、パイプラインのことも今おっしゃったんだけれども、あの一期工事のときも飛行場のところはあのとおりのことでもってそれが今も続いているんだけれども、反対運動があってなかなかできない。だけれども道路の整備だとか、パイプラインでどうせガソリンはお倉に運ばにゃいかぬのですから、そういうことは事前にやれるところはどんどんやればよろしいのにもかかわらずやっていなかったんです。そして、いよいよ五十二年の三月末開港になるということになって、あの成田のあそこの道路やなんかもう突貫工事でもって拡張工事をやっていたわけでしょう。それで、結局パイプラインの問題ももう間に合わなくなって、それもまたいろいろ土地の買収の問題なんか絡んでがたがたして、あげくの果ては航空用ガソリンというものについての認識がないからあんな深いところへ掘って、川の底まで通して運ぶようなことをした。そういう滑走路をつくるのには反対運動があっておくれたかわからぬけれども、道路の整備だとかガソリンを運ぶパイプラインだとかなんかはもうとうに事前にやれることだった。それが一期工事のときもそういうぐあいでもって延びに延びた滑走路ができたにもかかわらず、その附帯ができなかった。ですから、そういうことが今度の十一年ものなにする理由にはならないのである。事情がわからぬじゃないんだけれども、こうやって反対されてやったらずるずるいつまででもこうやっている。これお金使うわけでしょう。国の税金を使ってこれはやっているんです。それでだれも責任もとらない、だれにも責任がないんだという、そういうことでは私は困ると思う。
 それで、二期工事の方でさっきからもう同僚議員も質問して、用地のあれは九八%確保していると聞きましたんですが、その滑走路になるところは全部用地は確保できたんですか。
#139
○説明員(木村操君) 御承知のようにBラン、Cランを建設しているわけでございますけれども、BランはAランの並行滑走路でございますが、この滑走路の中心線上に農家が四戸ほど残っております。家自体があるという場合は少し外れておりますけれども、所有しておられる農地が滑走路の中心線にかかっている。また、Cランの方につきましてもやはり二戸の農家がございますが、農家の用地と申しますか、農地がやはりCランの滑走路上にある、こういう状況でございます。
#140
○柳澤錬造君 一期工事のときに公団の用地の中にも団結小屋をつくられましたよね。それで今の二期工事の方のこちらではいわゆる通称言うところの団結小屋というのはもうなくなったんですか、それともまだあるんですか。
#141
○説明員(木村操君) 現在いわゆる空港の敷地内に十一戸の団結小屋がございます。これは反対派農民の所有地あるいは一坪運動共有地の中にございます。
#142
○柳澤錬造君 いや、公団の敷地の中で。
#143
○説明員(木村操君) それはございません。
#144
○柳澤錬造君 前のときは公団の敷地の中にかなり団結小屋をつくられて、それでその始末すらもできないでどうにもならなくなっていたわけだけれども、今度はそうすると公団の今所有しているところにはない、あとのさっき言ったところの二%の中にまだあるという、そういう理解でよろしいんですね。
 それから、これは大臣もお聞きになっておいていただきたいと思うんですけれども、話し合いをしているということはもう同僚議員の質問の中で聞いておりましたから結構だと思うんだけれども、これは大臣、一期工事が終わってその次のときもそうなんだけれども、話し合いは公団は十分にしていなかったんです、長いこと。そして、私も何で話し合いをしないのかということを言った。
 それからもう一つは、ここへ空港ができたならばこの地域住民の人たちがよかったなと思えるようなこと、何でそういう政策をとらないんだ。だから、成田のところでもってあれだけの航空機に積み込むために使う肉だとか卵だとか野菜なんというものは大変な量なんです。そういうようなものは地元から全部購入するからそのかわりちゃんと用意をしてくれ。恐らく千葉県のあの周辺だけではとてもじゃないけれども牛肉なんか調達できないほど大変な量なんです。卵だってできないくらい。そういうものを地元の千葉県のここからもう私たちは買いますというふうにすれば、ああ、空港ができてよかったなとこう思う。
 それからもう一つは、公団の総裁にも言ったんだけれども、これだけの大きな飛行場をつくるんだから成田のあそこに大きな病院でも建てなさい。そんな事故なんかあったら困るけれども、万が一飛行機の事故というのはどうせもう重大災害になるんだから、そういうときにもすぐ病院に運んで救助作業ができる。それから普段は一般の市民にもその病院を使わせたらいいじゃないですか。そうすれば成田の市民の人たちも、ああ、やっぱりここへ飛行場ができて、多少うるさいところもあるけれども、何かにつけて私たちも病院が使えて便利になった、そういうふうに思うようになるんじゃないかと言ったんです。運輸省の方で所管をなさっておって、そういうことについての政策は少しは変えたんですか。依然としてそういうことは何もしていないんですか。そこはどうなんですか。
#145
○説明員(木村操君) 私ども常々、先生おっしゃるように地元との共存共栄ということでともに発展していこう、こういうことでいろいろ施策をやってきたところでございます。
 一番従来からやっておりましたのは農業振興策ということで、周辺の成田用水事業を展開すると同時に、公団が送油用地などで過去買収した土地などにつきましても、農業振興策ということで地元の農民の方々に利用していただくということで、現在もそういう政策を進めております。
 そのほかには、開港時のいろいろな御要望もございましたけれども、航空博物館の建設とか、あるいは芝山鉄道と申しますか、芝山の千代田へ空港から抜ける鉄道の建設等々、いろいろと私どもでできる限りの施策と申しますか、はやらせていただいている。また、国際空港でございますので本来はないんですが、いわゆる譲与税に準じたような形の周辺対策交付金ということで、農業の振興とか、あるいは消防施設の整備等々の対策も打っていただいておる。
 それから先生のお話にもございました地元の農産物の活用と申しますか、そういうことにつきましてもそういうエアラインに乗せる食事をつくるところでいろいろやっていただいておる。ただ量が多いとか品ぞろえとか、いろいろな問題はあるようでございますけれども、徐々に進展をしているように伺っております。
#146
○柳澤錬造君 そういうことで大臣のお考えをこの際お聞きしておきたいと思うんです。
 それから病院の件は、これはもうこの前のときに公団の総裁はそういうことは定款にありませんのでやれませんと、こういう答弁をしたから、もう公団にそんなこと二度と言ったってらちが明かぬからきょうも別に呼んでいないんだけれども、その辺も運輸省の方でもお考えをいただいたり、それから自治大臣の方でもお考えをいただいたり、要はさっきから言っているとおりに、いろいろ空港をつくったがゆえに地域住民の人が迷惑を受けるわけです。迷惑を受けるけれども、こういういろいろな点でもっていい点があって、結果的にはここへ空港ができたことによっておれたちもよかったなと地域住民の人が思うような、そういう政策をおやりになる。今その答弁を聞いておっても、この十一年間そういうことを何もしていなかった。自治大臣からそういうことについて御見解をお聞かせいただきたい。
#147
○国務大臣(坂野重信君) 運輸省の方からも説明がありましたが、周辺整備事業であるとか騒音対策、これもやっぱり地元に対する迷惑を受けるその代償としてやろうという、一般の公共事業でも規模の大きいものについては、近ごろできるだけその周辺の整備をやることによって地元を潤すようなことを考えようということでございますから、特にこういう状態になってまいりますと、おっしゃるように地元に対して何らかの、これはできてよかったと思わせるようなことを政策として考える必要があると思うわけでございます。しかしこの空港は特殊の事情でございまして、午前中にも答弁申し上げたわけですが、恐らく地元の住民の皆さんも初めは第一期の工事でもこれほどの状態になるとは思っていなかったと思いますが、いわば専門家の極左の過激集団が入ってまいって、それによって地元の純粋な農民の皆さんも洗脳されたと、まあそういうことを言っていいか悪いかは別として、それは確かでございまして、しかも拠点にして闘争しようということでございますから、まさにこれは思想的な背景に基づいてやっていることでございます。
 そういう中で政府としては、できるだけスムーズにいくためにこれに対して警察当局は懸命の努力を払いながらそれを排除することに今までやってきたわけでございます。しかし、地元にしてみれば、また強制収用、強制執行をやるんじゃないかというようなこともあって、それをまた一つの種にして過激派が御案内のようなことで収用委員の皆さんにいろんな攻撃を加えるというようなことも出てきたわけでございます。
 これはこれとして徹底的に排除しなければならぬと思いますけれども、今おっしゃるように、地域の住民の皆さんを少しでも、まあ今後はできるだけ話し合いでやっていきますというようなことが徹底するようにすると同時に、今先生が御指摘になったようなできるだけ地元に対する周辺整備といいますか、その辺のところを同時に考えていくべきだと思うわけでございます。
 何しろこれは関係する各省が運輸省を中心にして非常にたくさんあるものですから、余りにも規模が大き過ぎた、関係する省庁が多かったということも、今にして思うとなかなか事業が推進できなかった一つの原因じゃなかったかなという気がしているわけでございますが、これはそういうことを言っておれませんから、各省協力して問題の解決に当たらなければならぬという感じでございます。
#148
○柳澤錬造君 建設省の方にお願いしたいのは、これももうさっき質問が出ておりました千葉県の土地収用委員会のことです。むしろ私、建設省にお聞きしたいのは、先ほどの同僚議員の質問に当面余り何か影響がないような御答弁をなさっていたんだけれども、土地収用委員会というものは本来ちゃんとなくちゃいかぬわけでしょう、当面今必要があるかないかとかというようなことでなしに。それが少なくとも全員が辞表を書いておやめになっちゃう。これは異常な状態だと思うんです。今土地収用委員会を開く必要があるかないかということではないんであって、そういう一人か二人かだれかが体が弱くなったからやめるとかではなくて、言うならば過激派のそういう脅迫のようなもので恐れをなして全員が辞表を書いてやめてしまう。ただごとではないんであって、そうしたらそれにきちんと対応していって新しく土地収用委員会をちゃんとつくらなければいかぬ。それの対策というのはどうおとりになっているんですか。
#149
○説明員(辻光興君) お答えいたします。
 先ほど直ちには影響ないという趣旨のことを申し上げましたが、舌足らずの御説明で申しわけございませんが、あのときお答えいたしましたのは、当面収用委員会の審理にかかっている案件がほかにあって、それが収用委員会が機能を果たせなくなってその審理さえができなくなっているという意味ではそういう案件は今のところないというようなことでございまして、こういう異常な事態に立ち至りましたことを非常に重大に感じているのは先生御指摘のとおりでございます。
 それで、委員の皆さん方全員がやめられたという異常な事態の原因が過激派による直接的な暴力あるいは脅迫だというような経緯の中でございまして、いろいろ困難な問題がございますが、これはまた先生御指摘のとおり収用法に基づきましてなくてはならないものでございますので、いろいろな困難はございましょうが、速やかに体制の整備が図れるよう千葉県ともよく協議をしてまいりたいと考えているところでございます。
#150
○柳澤錬造君 じゃ、具体的にいつごろまでに土地収用委員会をきちんと整えますという、その見通しというかめどをどうお持ちですか。
#151
○説明員(辻光興君) こういう事態に至りました経過が経過だけに非常にいろいろ困難な問題がございますので、今の御質問に対してはいつまでと明確にお答えはできませんが、その方向で関係の機関と御相談しながら努力をしていきたいと思っておるところでございます。
#152
○柳澤錬造君 それ以上は申し上げないからなんだけれども、しかし、これ辞表出されてからもう大分たっているんでしょう。当然それにすぐ対応した対策を講じて、そうしてそれをぴしゃっと、こんなもの二週間か三週間ぐらいでもってつくらにゃいかぬ。それができないということが、あんたたち自体が過激派に恐れをなしているからそれに取り組めないでいるということのあらわれになる。だからそういう点から、それ以上もうその問題お聞きしませんから、速やかに土地収用委員会を成立させて正常な状態に戻すようにやってください。それ希望しておきます。
 それから運輸省の方もう一回。二期工事が完成して二本目の滑走路が使えるのはいつごろをめどにしているんですか。少なくとも国際空港で滑走路一本なんという空港はないんだから。成田の場合も本来ならば初めからちゃんと二本つくって、それから飛行機を飛ばすようにする予定だったんだけれども、延びに延びて、もうしようがないから一本でスタートしたわけでしょう。本来ならばちゃんと予備の滑走路と二本つくって、それでやっとまともな空港になるんであって、そういう点からいくと、今言っているように、開港して十一年たってもまだ二本目もできない。いつになったら二本目の滑走路ができてそこで飛行機が飛ばせるんですか。
#153
○説明員(木村操君) 先ほども御説明申し上げましたように、いわゆる昭和六十五年度、平成二年度に二期工事の概成を図るということで現在鋭意工事を進めているところででございます。
 ただ、先生御承知のように、まだ敷地内に二十丁三ヘクタールの未買収地がある。この買収がいつできるかということが工事の進捗の一つの大きな要素になっているわけでございます。この解決を急ぎながら、私どもといたしましては、この概成がおくれることのないように最善の努力をしたい。その概成をして完成、慣熟、供用と、こういう過程を踏むわけでございますが、現時点では具体的にいつ供用開始ができるかというところまでは詰めた議論にまだ至っていないというのが実情でございます。
 いずれにしましても、目標どおり概成をしたいということで、用地交渉なり建設工事に最善の努力を尽くすというのが現在の状況でございます。
#154
○柳澤錬造君 これは国務大臣としての坂野大臣にお聞きをいただいて、それこそさっきのお話じゃないけれども、もう内閣全体で取り組まなきゃならないようなことで、今のこの時点に来てもまだ二期工事のそれがいつでき上がって、そこに滑走路ができて飛行機が飛べるようになるかも、その見通しすらも立たない。これは、もしそういうことならば、最初にあそこにああいう国際空港をつくろうということを政府が判断をしてやったことが間違いだということにならないか。あそこをやるんだといって、それで先ほどお話があったように地元の、それこそ大臣の言葉のとおりですよ、一人一人そんなものできやせぬけれども、それぞれの地方自治体関係者のところへ話をして、そして大体合意が取りつけられた、やるんだということになったならばやらにゃいかぬ、少なくとも。これでもって法治国家と言えるんですか。私は大臣、第一次のときにも言ったんです。私があの宮城前広場へ行って縄で囲って、これはおれのものだといってそこへ掘っ立て小屋を建てたら黙ってつくらせるか、そこへちゃんとあの団結小屋みたいに電話を引いてくれる、電気も引いてくれますかと言ったんです。恐らく私がそんなことをやったら、何のことはない、始めたら途端に機動隊がやってきてぶつつぶすでしようと。まともな善良な市民が何か違法性を持ったことをやれば、すぐそんなものは機動隊が出てきてぶつつぶしてしまう。過激派の連中があそこでやって、言うなら公団の土地へ持ってきてああやって団結小屋を建てて、そこへ電気は引くわ電話はつないでやるわ、郵便も配達してやるわ、それが法治国家ですか。ですから、そこのところを政府もきちんと履き違えないようにしてほしいと思う。
 亡くなった方のことを言っちゃいかぬけれども、かつて東京都の美濃部都知事は、一人でも反対する人がおったらやりませんと。公共事業を何かやるのに九十九人賛成しても一人が反対した場合はやりませんという、そういうことが民主主義政治ですか。あれはアルジェの革命家が言ったんですよ。あの川に橋をかけるというときに、一人でも反対する人がいたら橋はかけるのをやめます、そのかわりみんな泳いで渡ろうなと。それを美濃部さんは前段の言葉だけ利用して使って、その後段を言わなかったから話がややこしくなった。ですから、そういう点でもって、ここまで来ていまだに二期工事ができない、飛行機が飛ばせられない、そんな状態でもって関係省庁が責任を果たしたと言えるんですか、どうですか。その辺をやはりきちんとしていただきたいし、法治国家だったら法治国家らしいことを政府もやっていただかなきゃいけないので、そういうことについてお答えいただける面があったならばお答えを聞かせてください。
#155
○国務大臣(坂野重信君) 先ほどから柳澤委員のお話を身にしみて私も拝聴したわけでございます。
 これは運輸省が何といっても中心の役所でございますが、関係各省にかかわる問題でございますから、運輸省を中心にして、内閣の全体の問題として、これは真剣に対応をやらなけりゃならぬと思っている次第でございます。
 国家公安委員長としての立場は、先ほど申し上げたとおりでございます。
#156
○柳澤錬造君 そういう点でもって、今大臣御答弁があったように、運輸省中心で本気になって取り組んでください。
 それで、ここまで来てまだ二期工事がいつできるかわからぬ、その見通しすらも言えないようなことでは困る。お帰りになって公団の方にもよく言い、運輸省の中でも関係者の中でそういう点御相談して進めるようにしていただきたいと思います。
 次に、消防関係の方で、長官なかなかいい答弁していたから、少しお聞きしないといけないと思うんで、一、二点だけ。
 補助率の点はもう同僚議員や山口先生も言っておったしするから私もうやめます。ただ、意見だけ申し上げておきますけれども、何でこんなみみっちい七分の三から十分の四に引き下げなんてやったんですか。計算したら七分の三というのは四二・八%、十分の四といったら四〇%、もっとやらにゃいかぬのを、引き上げるなら話はわかるけれども、何もこんな二・八%削ったってどうということないんであって、そういうみみっちいことやらないで、この予算を見ると七億七千万、予算自体が少ないですよ。だからそういう点でもって、この三十六年の八月一日ですか、消防力の基準というのをおつくりになって、この基準に照らして、先ほどももう若干御説明もありましたから細かいことはよろしいですけれども、この達成状況が全国的に見てどうなんですか、それから人口急増地域の達成状況がどうなんですかという、その辺のところをお答えいただけばと思います。
#157
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防力の基準との対比における全国の消防施設の整備状況でございますが、昭和六十二年初めの状況で、消防ポンプ自動車が九〇・三%、はしご自動車が六一・一%、化学消防自動車が五六・八%、救急自動車が九九・六%、消防水利七二・三%でございます。この状況を、ざっと見ますと、一番基本になります消防ポンプ自動車は九割を超えており、また地域住民の非常にニーズの高い救急自動車、これはもう非常に高くて一〇〇%にほぼ近い達成率でございますけれども、いわゆる化学消防の最先端をまいりますところのはしご自動車あるいは化学消防自動車等につきましては、ただいま申し上げたように五割台ないしは六割台という程度で、まだまだこれは力を入れていく必要があろうかと思います。
 一方、人口急増地域の消防施設の整備状況でございますけれども、昭和六十二年度にこの急増地域に指定されました八十六市町村のうち、いわゆる広域組合でない消防、単独消防本部でございますが、これが四十四市町村ございます。これについて実情を調べて集計いたしました結果、消防ポンプ自動車については七三・四%、全国平均の九〇・三%に比べますと低いわけでございます。はしご自動車が七一・四%、これはむしろ全国平均より逆に高くなっております。それから化学消防自動車が六七・九%で、これも全国平均よりは高くなっております。最後に救急自動車九六・四%、これは全国平均よりやや低いですが、かなり一〇〇%に近い数字でございます。また、消防水利は八一・八%でございます。これを見ますと、人口急増地域におきましては基本になる消防ポンプ自動車の達成率が低いわけでございますが、急増地域におきましては、人口がふえますので、また市街地の面積もふえてまいりますので、消防力の基準そのものがどんどん短期間に上がっていくという状況にございます。それに対して現実の消防施設の整備が短期間には追いつかないという状況を示しておるところでございまして、そういう意味におきまして、人口急増地域について特にかさ上げの措置をさらに継続する必要ありということで、今回お願いを申し上げておるわけでございます。その中におきまして、不交付団体あるいは政令指定都市、若干の補助率の見直しを行ったわけでございますが、これは国の財政事情、特に一般歳出抑制という状況下において、いろいろ議論がございましたが、その中で、しかも若干の見直しをするとしてもこれらの大都市あるいは不交付団体についての急増団体について消防力施設の整備の促進を妨げない範囲でということで、ぎりぎりのいろいろ議論をした結果が、御指摘のように大変みみっちい数字ということになろうかと思いますけれども、わずかに二・八%だけの引き下げを行うということにしたわけでございまして、以上御理解を賜りたいと存じます。
#158
○柳澤錬造君 もう時間もないですから最後に要望だけ申し上げておきますけれども、基準に達成がまだ行ってないんだけれども、いわゆる投資をして整備をしていったことによって火災がこれだけ減ってきましたという、そういうデータがあると思うんですよ。昔から見るならばこれだけ火災が減り、どれだけ言うならば財産が救われたことになるんですから、だからそういう点で、こういう消防のようなものについてはお金を使っても決してむだではないんだという、そういうデータをおつくりになって、そして大蔵省へ突きつけて、もっと大蔵省から銭を引き出したらいい。そして、早いところ基準は達成させて、もうこれからは、そういう防火作業のための消防自動車なんかの整備も必要だけれども、もっと国民全部が火事を起こさない防火対策といいますか、そういうところへみんなが思いをめぐらして、火災を出さぬようなことについて消防庁がいろいろな点でもってもう施策を指導しなくちゃならぬ。そういうことのできるような予算をもっと取って、それで火災がなくなるような方向で御努力をしていただきたい。そういう要望だけ申し上げて終わります。
#159
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水谷力君が委員を辞任され、その補欠として沓掛哲男君が選任されました。
#160
○秋山肇君 消防施設強化促進法の関連から二、三お聞きをしたいと思います。
 先ほど来、消防職員の充足について御質問があったわけですが、この消防職員、消防学校というのは、消防庁長官、各県にあるわけですか。そして、その応募の状況といいますか、その採用、入学を許可された、何か相当難しい試験だというふうに聞いておりますけれども、その辺はいかがですか。
#161
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防行政に関する都道府県の役割の一つに御指摘のような消防学校を設けて市町村の消防職員の教育訓練を行うということがございますが、これは各県に一つずつございますし、また大都市が消防学校を持っております。この消防学校におきましては、消防士としての最も基本的な訓練を行う等の教育体系を持っておるわけでございますけれども、この採用の状況、今手元に数字は持ち合わせておりませんけれども、その試験等が非常に難しいということではございませんので、これらの消防学校の定員から見まして、一方では常備消防の拡大がございます。どんどん常備消防がふえてまいります。したがって消防士になる人たちの数も同時にふえてくるわけでございます。その消防士になる方の入校、これはぜひども入校してもらわなきゃいかぬわけでございますが、地域によりましては消防士の数のふえ方が大きいために入校に際してある程度制約が出てくるというような例はあるようでございますが、しかしおおむね府県の消防学校におきましては市町村の要請は満たしていると考えております。
#162
○秋山肇君 学校の修業年は半年でしたか、どれくらいでしたか。それから卒業してすぐ現場に配属をされて、一線に出て即戦力として使い物になるという言葉がいいのか悪いのかわかりませんが、そういう一線部隊に配属されて、先ほど来のそれぞれの消防ポンプ、化学車、はしご車とかそういうのに応じられるようになるわけですか。
#163
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほど申し上げましたように、消防官として採用されまして、そして一番最初の基本的な、基礎的な研修を受ける、すなわち初任科でございますが、この初任科の研修期間は御指摘のとおり半年、六カ月でございます。この初任科を終えましてそれぞれ配属されるわけでございますが、消防の仕事は非常に技術性の高いものでございますし、また危険を伴うものでございます。したがいまして、配属されて最初から非常にそういった危険を伴うような状況のもとにいきなり出るということではなくて、上司、先輩の指導を得ながら逐次そういう経験を積んでいく、その後に立派な一人前の消防官になってくる、こういうような過程を踏むというぐあいに考えております。
#164
○秋山肇君 その訓練を積んで一人前という、いろいろあると思うんですね。今特にいわゆる普通の火事だけじゃないわけですから、そういうものにたえられるのにはかなりの年数が必要なんだろうというふうに私は思うんですが、その辺は何年ぐらい、その人個人の能力によっても違うんでしょうけれども、どのくらいを見ていられるわけですか。
#165
○政府委員(矢野浩一郎君) 消防官として必要な知識並びに実技を学ぶわけでございますが、消防官としての必要な知識、技術というのは、いわゆる警防部分と称する消火の面のみならず、いわゆる予防行政、いろいろ事業所を調べて回りまして必要な消火設備、消防設備がなされているかどうかを調べて指導なり勧告を行う、そういうような面の知識ももちろんこれは必要でございますから、かなり広範な知識が必要でございます。消防官として採用されまして最初は消防士という階級になるわけでございますが、この消防士という階級の上の副士長クラスになりますまでに、これは人によっても違いますけれどもやはり数年程度はかかってくると。副士長クラスになりますと、ある程度消防の第一線で活動できるという資格をも十分備えてきているものと考えます。
#166
○秋山肇君 何でそんなことをお聞きしますかといいますと、私も都議会におりまして、消防士の殉職をされた公葬に出まして、若い奥さんが赤ちゃんを連れて参列をされている姿を見ると涙なしにいられないわけですし、そういうことがあってはいけないわけですから、ぜひひとつ訓練というのは十分して、そして現場に出ていっていただきたいというふうに思うわけであります。
 それと関連をして、人口急増地域に特例措置ということですが、今リゾート構想、例えば、聞くところによると新潟県苗場あたりにものすごい高い高層マンションができてきている、そういうところにはしご自動車があるのか、あるいははしご車でも届かないような、北海道あたりには百メーターを超えるリゾートマンションができているわけですから、そういうことに対しての消防行政としてどういうふうにお考えをいただいていますか。
#167
○政府委員(矢野浩一郎君) 一般的な市町村のほかに、最近では、御指摘のように従来どちらかといいますと過疎的な要素を備えておりました農山村地帯におきまして急激にそういったリゾート地としての開発が行われ、同時にマンションというような形態での高層ビルがたくさんできるというような形が出てきておるわけでございます。人口急増でございますと、人口そのものがふえるわけでございますから、この人口急増に対応した措置というものがあるわけでございますけれども、昨今幾つか見られますような事例の場合には、それは地域住民の増加ということよりはむしろ建物そのものがまずふえてきて、そしていわゆる滞在者がふえる、こういう形になりますものですから、まことに新しい形態でございます。もちろん消防力の基準におきましては、そういう人口のほかに、市街地の面積であるとかあるいは高層建築物の数、こういったものによって消防力の基準を算定をしている。例えば、はしご車といったようなものにつきましては、高層建築物が半径一・五キロメーター以内におおむね十棟以上ある場合にはしご車一台というような基準が決まっておりますから、そういう意味で消防力基準に対応した整備ができるわけでございますが、そういった点については、国庫補助等をやっぱり重点的につき込んでいく必要があると思います。
   〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
 ただ、一方におきまして、そういった国庫補助のほかに、当然地元の市町村としても財政的な負担が出てくるわけでございます。こういった財政的な負担については、消防ももちろんその大きな部分を占めますが、それ以外の面の行政の財政的負担も随分やっぱり出てこようかと思います。そういった点を総合的に考えた何らかの特別の財政的な支援措置対策というものが必要になってこようかというぐあいに考えておる次第でございます。
#168
○秋山肇君 消防庁のお考えより、リゾートという違った、常住人口ではないかもしれないけれども何万人という人が集まってくる、そこに危険をはらんでいるということが出てくるわけですね。
 それで、三月二十日に消防審議会から「消防におけるヘリコプターの活用とその整備のあり方に関する答申」というのが出ていますね。これを見ますと、現在は東京、川崎、横浜その他八大都市消防本部が保有するヘリコプターが十七機ですか、こう出ていますけれども、こういう高層ビルに対して、あるいははしご車その他が整備ができていないところに急遽応援に行くというような体制というのは、ヘリコプター消防というのは大都市だけではなくて、逆に言うとリゾート、山村僻地と、そういう言い方をしたら怒られるかもしれませんが、そういうところの事故のためにもぜひ必要だというふうに私は思うんですが、その点についてのお考えはいかがでしょうか。
#169
○政府委員(矢野浩一郎君) 我が国の社会経済が大変複雑化してまいりまして、いわば世界にも例のないような一種の高密度社会というものを形成しておるわけでございますが、それに対応する経済活動なり国民生活の安全を守るための消防の整備というものについては、どうしてもそういった状況に対応して航空消防という面の充実を図っていく必要があるだろう。
 御指摘のように、現在、大都市の一部しか消防ヘリコプターを持っておりません。しかし、この消防ヘリコプターは大都市の区域内においてももちろん活動いたしますが、同時に非常に広域性を持っておりますので、大都市以外の地域に応援出動をしばしば行っております。
   〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
特に、救助あるいは林野火災等につきましては、非常に広範な活動を行っておりますが、しかしそれにいたしましても、全国的な点から考えますと、そのネットワークで全部覆われているわけではございません。そういう観点から、今後のヘリコプターの整備の必要性を痛感をいたしまして消防審議会に諮問申し上げまして、去る三月二十日答申をいただいたわけでございます。
 この答申におきましては、かいつまんで申し上げますと、消防ヘリコプターを積極的に整備して、消火や人命の救助、救急業務等各種の消防活動に幅広く活用していくことがこれからの消防にとって重要な課題であるという認識に立ちまして、二十一世紀初頭、もうあと十数年後でございますけれども、この初頭までには各都道府県の区域に少なくとも一機以上の消防ヘリコプターが配置されるということを目標にして今後整備を図るべきである、その場合のヘリコプターの整備、運用を円滑に進めるための方式といたしまして、現在大都市が持っておりまして必要に応じて応援を求められたら飛んでいくわけでございますが、大都市のないところもあるわけでございます。そういう場合に備えて、市町村の共同方式による整備と、さらにそれもなかなか実際に難しいという場合には、むしろ都道府県が整備をして市町村の消防活動を応援していく、そういうような体制をも考慮すべきであるということをこの答申では指摘をしておるわけでございます。
 そのほか、消防ヘリコプターの整備あるいは維持管理に対する財源措置、現在財源措置が維持管理についてはございません。交付税上でも措置をしておりませんが、そういった財源措置の問題あるいは高層建築物の屋上や高次医療機関における離着陸場の確保等、いろいろヘリコプターの有効活用に必要な諸条件の整備について提言がなされた次第でございます。今後、この答申を踏まえて、私どもとしては全国的なヘリコプターのネットワークの形成につきまして、その方式あるいは財政措置等すべてを含めまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#170
○秋山肇君 二十一世紀初頭というと十年先でしょう。今私が言っているのは、苗場にしても、例えば大臣の選挙区の大山のふもとにだって高い、それこそ十何階建てのマンション形式のホテルができているわけです。そういうことからすると、ヘリコプターの消防というのは十年先じゃなくてもっと早く、さっき私消防官の話もしたのはなぜかというと、ヘリコプター消防になれば消防学校半年なんていうものじゃないでしょう。ヘリコプターの操縦免許を取るのにどのぐらいかかって、これはただ乗るだけじゃなくて、消火活動にしたり救難活動にしたりしても高度の技術が必要ですよね。そういうことからすると、訓練に要する時間というのはかなりかかるだろうと思います。ヘリコプターなんていうのはお金を出せばすぐ買えるものでしょう。予算づけすれば買えると思うけれども、機材があったってこれを満足に生かせない、人材がなかったら何にもならない、宝の持ちぐされになるわけで、その点についてのお考えを聞かせてください。
#171
○政府委員(矢野浩一郎君) できるだけ早く整備をすべきであるという御趣旨を踏まえて努力をしてまいりたいと思います。
 なお、整備に必要なお金、もちろん機体そのもの、ヘリコプターそのものを購入するお金も、従来の考えからいえばかなり高いものというぐあいに一般には受けとめられるかもしれませんが、今日の日本の経済力あるいは地方財政の力から申しまして、こういったヘリコプターが整備できないほどのものではなかろうと思っております。ただ、ヘリコプターというものに対する認識、理解というものが必ずしもまだ十分でない。現実にこれを使っておりますところは非常に有効なものだと、あるいは応援出動を受けたところでは大変これはいいものだということがわかりますけれども、なかなかそこまでまだ理解が行き届いてない面もございますので、そういう点についても努力する必要があると思いますし、また同時に、いかにヘリコプターそのものの物的な整備を行いましても、これを操縦する操縦士あるいは整備士がいなければこれは宝の持ちぐされになること、御指摘のとおりでございます。
 現在、ヘリコプターの整備士につきましてはそのための訓練の施設がございますが、現在大都市等で持っております消防用のヘリコプターはほとんど、例えば自衛隊の退職者というような方が多いわけでございます。しかし、今後はこういった整備を進めていきます場合には、もっと本格的な養成が必要になってこようかと思います。そういう点は一消防庁だけではなかなか難しいかと思いますが、関係省庁などとも十分協議をしていく必要があると思いますが、そういう養成面につきましてもあわせて必要な人員が確保できるような努力を重ねていく必要があろうかと存じます。
#172
○秋山肇君 私も、東名の車両事故で、火災事故で上下線がとまってしまって、数時間閉じ込められた経験があるんですよ。そのときに、周りみんなとまっていますから周りの人と話していまして、消防自動車、上り線に入ってきたのと下り線に入ったのとで両方がダブって何か事故を起こしちゃって、その渋滞がなお長くなったわけですけれども、ああいうときなんかヘリコプターを東京消防庁に頼んでやればいいのになと周りの人が話していたわけです。実際には行われていない。
 今この答申を見ていると、「大都市の消防ヘリコプターが、消防庁長官の要請を受けて他の都道府県の災害に応援出動した場合には、宝くじ収益金を活用した応援交付金が交付され、消防ヘリコプターの広域的な運用の促進に少なからず寄与している」と、こう書いてあるんですけれども、何かみみっちい宝くじの資金じゃなくたって、予算づけで消防庁本体で全体のバランスをとるためにもう少しそういう基金を持っているということは、先ほども柳澤先生のお話にあったけれども、大蔵省にそういうことを、使わなきゃ使わないでいいんですから、なきゃないでいいんですから、その辺のことも、予算の裏づけについては消防庁長官どうお考えですか。
#173
○政府委員(矢野浩一郎君) ヘリコプターの整備あるいは運用に対する財政的な面でございますが、答申にも引用されております広域応援交付金、これは五年ほど前にできたものでございますが、いろいろ工夫をいたしました結果、宝くじ資金を活用して、よその県に飛んでいった場合にはそこから資金を出すことによって応援を要請する側も要請しやすいようにしていこう。何かお金がかかって、そのお金の分は自分の方で負担しなければならないんじゃないかというような気になりますと、例えば山火事等がどんどん延焼するというような場合に、ヘリコプターの応援を要請するのをついためらうというようなことがあってはならないという観点からそういう仕組みを設けたものでございます。
 宝くじ資金も、これも地方自治体の財源でございますし、特にヘリコプターの広域応援のために交付金として用いられておりますのは、いわゆる市町村に交付される宝くじ資金の一部をプールしたものを使っておるわけでございます。もとより、ヘリコプターの整備に当たりましては現在も国庫補助と地方債、二つがございますけれども、これらの点についての充実を図る一方、さらにこの維持整備費の面については、先ほど申し上げましたように、現在非常に数が少ない、一部の団体のみでございますから、交付税の対象には実はなっていないわけでございます。しかしながら、これがある程度全国的に整備されるということになりますと、当然地方交付税のシステムを用いた財政措置というふうなこともあり得るわけでございますし、またそうしていく必要があろうかと思いますので、そういった点全体を含めて財政措置には大いに努力してまいりたいと考えております。
#174
○秋山肇君 最後に、この施設法にぜひひとつヘリコプターがもう入る、そして今私がお願いをしたように、いざ火事だ、事故だというのに、まず個人がお金のことが頭にくるならともかく、各自治体がお金を払わなきゃいけない、お金を取られるんじゃといって、電話するのに一分おくれたら災害が大きくなるわけですから、その辺自治大臣、ひとつ各自治体の総大将としてどうお考えになるか、最後に自治大臣のお考えをお聞きして質問を終わります。
#175
○国務大臣(坂野重信君) 先生の御意見まことに的確な御意見でございますので、趣旨を体して頑張ってまいりたいと思います。
#176
○委員長(向山一人君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。
 これより消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#178
○渡辺四郎君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一郭を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。以下、簡潔に反対理由を述べます。
 本案においては、政令で定める人口急増市町村に係る補助率を現行の七分の三以内から十分の四以内に引き下げる措置が盛り込まれており、政令で定める市町村とは過去三年間の平均財政力指数が一・〇〇を超える市町村及び政令指定都市とされております。こうした市町村、とりわけ人口急増市町村に対して国の補助率に格差をつけることは極めて遺憾であります。
 第一には、国の補助負担事業はその事務事業の性格に基づき行われるものであり、財政力で格差をつける合理性がありません。近年、財政再建に名をかり、国と地方の財政秩序の乱れが拡大しており、本案においても国の補助金であるから変更は自由であるかの錯覚がまかり通っております。国と地方の財政関係の変更については、当該関係自治体の意見を十二分に尊重すべきであります。
 第二に、財政力指数は反面、その自治体の経営努力をもあらわすものであり、財政力で格差をつけるということは自治体の努力を無にすることともなりかねません。そして、現行補助率自体、財政再建のため八四年度に設けられたものであり、今日の順調な税の自然増収及び財政再建など国の財政状況を勘案すれば廃止して当然の措置であり、これを拡大するなどは言語道断であります。国は、補助負担金のカットにおいても不交付団体についてはその大半を借金で賄うよう負担転嫁を行っており、極めて問題であります。
 また第三に、将来、政令指定都市が人口急増市に指定された場合、財政力にかかわらず不当な差別を受けることとなり、本案は極めて整合性を欠いた措置と言わざるを得ません。同時に、最近、地方財政富裕論がまことしやかにささやかれ、地方財政への負担転嫁がさまざまな形で行われようとしており、地方自治の基盤たる地方財政は極めて深刻な状況となっております。したがって、かかる傾向を助長しかねない今回の措置には断固として反対であります。
 そして第四に、消防力の整備基準が定められておりますが、この基準が極めて低く、またその充足率も低率であることは御承知のとおりであり、これ自体大きな問題であります。加えて、このような状態においていたずらに格差をつけることは、ますます消防力の整備をおくらせることとなり、国民の安全に大きな不安を与えることとなります。人口急増市町村においては、急激な開発によって防災安全上の不安が大きい現状のもとでかかる措置は都市防災体制の拡充に逆行するものであります。
 以上が本案に反対する理由であります。
 最後に、消防職員の問題があります。その労働条件は極めて劣悪であり、その改善が急務でありますが、定員補充も不十分な状態となっており、極めて過酷な勤務体制となっております。しかも年金支給開始年齢の繰り延べに係り、人事計画を策定することが約束されておりますが、これもなかなか進んでおりません。施設の整備推進とあわせてこうした職員の拡充と待遇改善が急務であることを指摘して私の討論を終わります。
#179
○田辺哲夫君 私は、自由民主党を代表して、政府提出の消防施設強化促進法の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。
 人口急増市町村につきましては、今後におきましてもなお相当数存在することが予想されますので、これら市町村において、市街地の拡大等に対処するため、消防施設の整備を緊急に行う必要があると思われます。
 本法律案は、人口急増市町村の消防施設に係る国庫補助率引き上げの特例措置をさらに五年間延長するものであり、人口急増市町村において、住民の生命、身体及び財産の保護に欠かせない消防施設の整備の緊急性にかんがみて、妥当なものと考える次第であります。
 以上の理由により、私は政府原案に賛成の意を表するものであり、私の政府原案に対する賛成の討論といたします。
#180
○片上公人君 私は、公男党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行うものであります。
 反対理由の第一は、消防施設等に対する国の補助金は、昭和五十六年度の二百五億円をピークに減少の一途をたどり、来年度予算ではこのときに比べ三割強が削減されていることであります。
 消防の使命は、申すまでもなく、住民の生命、身体、財産の安全を確保することであります。この任務は、住民福祉の向上を目的とする地方自治の根幹でもあります。しかし、消防施設の整備状況は、消防力の最小限度を定めた消防力の基準さえいまだに達成していないのであります。
 さらに、消防を取り巻く社会経済の環境は、都市化、情報化、高齢化の進展に伴い著しく変貌しており、地域住民はこのような情勢変化に対し、消防の適切、迅速な対応を求めているのであります。
 消防施設に対する国庫補助金の削減は、まさに生命の削減とも言えるのであります。
 反対理由の第二は、特例措置の延長に際し、一部の市町村に対する補助率をさらに引き下げている点であります。
 人口急増市町村は、多くの行政需要を抱え、その財政負担は大きなものとなっております。この中でも、消防施設の整備は住民の生命に直接かかわるものであり、いっときも手を緩めてはならないものであります。
 今回、五十九年の延長時に続き、これら一都市町村の補助率がさらにカットされることは、消防施設の充実をさらにおくらせるばかりではなく、将来これらの市町村に対しては特例措置自体が廃止されるのではないかという懸念さえ生ずるのであります。
 以上が反対の主な理由であります。今後の政府の真摯な努力を切に要望いたしまして、私の討論を終わります。
#181
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、人口急増市町村の消防施設に対する国庫補助負担率の特例措置の適用期限の延長は当然として、政令指定都市等一都市町村に対しては補助率を一九八四年の引き下げに引き続いて今回もさらに下げようとしていることです。
 臨調の第一次答申では、「補助負担率の地域特例については、終期到来時には廃止を含め抜本的な見直しを行うとともに、財政再建期間中現行の嵩上げ率を引き下げる。」と述べています。今回の措置はこれを忠実に実行したもので、地域特例の廃止へとさらに一歩進めるものにほかなりません。
 反対理由の第二は、質疑の中でも明らかにしたように、全国的に見ても、消防施設及び職員について、いまだに必要最小限とされる消防力の基準さえも満たしていませんが、特に補助率が引き下げられる市町村の消防施設整備の現状は、他の市町村に比べて進んでいるとは言えず、補助率を引き下げる状況には全くないことであります。
 消防力基準の未達成にもかかわらず、臨調・行革のもとで、消防施設等整備費は一九八一年度をピークに年々減らされ、来年度予算では最高時と比べて三割以上も削減されています。消防職員の増員抑制とともに予算、定員の増加を抑えるよう指導し、市町村の消防力強化の意欲を後退させてきた政府の責任は重大です。
 反対理由の第三は、人口急増市町村を対象とする本法の補助の適用団体数が一九八四年度比で四四・二%に激減しているにもかかわらず、今回の措置は指定要件の改善も全くなく、適用団体がさらに減少することです。人口急増市町村の財政負担を軽減し、消防施設整備を促進するという本法の趣旨に照らしても、指定要件の改善を図り、一都市町村の補助率の引き下げをやめ、二分の一に戻してこそ人口急増市町村の要望にかなうものです。
 以上、本法律案に反対する理由を述べて私の討論を終わります。
#182
○委員長(向山一人君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 消防施設強化促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#184
○委員長(向山一人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(向山一人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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