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1988/06/20 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第5号
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1988/06/20 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第114回国会 地方行政委員会 第5号
平成元年六月二十日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     渡辺 四郎君     上野 雄文君
     柳澤 錬造君     抜山 映子君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     増岡 康治君
     沓掛 哲男君     水谷  力君
     松浦 孝治君     佐藤謙一郎君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     金丸 三郎君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君     鈴木 和美君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 和美君     山口 哲夫君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     上野 雄文君     八百板 正君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     渕上 貞雄君     安永 英雄君
     山口 哲夫君     小野  明君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     増岡 康治君     堀内 俊夫君
     安永 英雄君     渕上 貞雄君
     小野  明君     山口 哲夫君
六月十七日
    辞任         補欠選任
     堀内 俊夫君     増岡 康治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         向山 一人君
    理 事
                田辺 哲夫君
                松浦  功君
                山口 哲夫君
    委 員
                加藤 武徳君
                海江田鶴造君
                金丸 三郎君
                佐藤謙一郎君
                谷川 寛三君
                増岡 康治君
                佐藤 三吾君
                渕上 貞雄君
                八百板 正君
                片上 公人君
                諫山  博君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    坂野 重信君
   政府委員
       警察庁長官    金澤 昭雄君
       警察庁長官官房
       長        森田 雄二君
       警察庁警務局長  椿原 正博君
       警察庁刑事局長  中門  弘君
       警察庁刑事局保
       安部長      森廣 英一君
       警察庁交通局長  内田 文夫君
       自治政務次官   長野 祐也君
       自治大臣官房長  持永 堯民君
       自治大臣官房総
       務審議官     小林  実君
       自治大臣官房審
       議官       紀内 隆宏君
       自治省行政局長  木村  仁君
       自治省行政局公
       務員部長     芦尾 長司君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
       自治省財政局長  津田  正君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
       消防庁長官    矢野浩一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       総務庁長官官房
       参事官      坂野 泰治君
       大蔵省主計局主
       計官       水谷 英明君
       大蔵大臣官房企
       画官       竹内  洋君
       文部省体育局学
       校健康教育課長  石川  晋君
       厚生省健康政策
       局計画課長    入山 文郎君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    藤原 正弘君
       厚生省児童家庭
       局企画課長    沢江 禎夫君
       厚生省児童家庭
       局母子福祉課長  炭谷  茂君
       通産省産業政策
       局取引信用室長  山本 庸幸君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施
 策に関する件)
 (平成元年度の地方財政計画に関する件)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(向山一人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山口哲夫君及び抜山映子君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(向山一人君) この際、坂野国務大臣及び長野自治政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。坂野国務大臣。
#5
○国務大臣(坂野重信君) 自治大臣、国家公安委員会委員長を再び命ぜられました坂野重信でございます。
 地方行政委員会の委員各位には、かねてから地方自治行政並びに警察行政の推進に格段の御尽力を賜り、また私に対しましても格別の御指導、御鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 この通常国会の開会以来、当委員会におかれましては、地方税法の一部改正案の御審議等を通じ、地方自治行政の諸課題の解決のために御尽力を賜ってまいりましたが、今後なお地域主導の地域づくりの推進、いわゆるふるさと創生や国、地方を通ずる行政改革の推進、地方財政の健全化など解決しなければならない多くの課題を抱えております。
 また、国家社会存立の基盤である治安の維持につきましても、内外の諸情勢はまことに厳しく、現在の治安水準を低下させることなく国民の安全を確保していくためには、今後一層の努力が必要であります。
 私は、今後とも、これら地方行財政の諸問題の解決と治安の維持に最大限の努力を傾注してまいる所存でありますので、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、私のごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(向山一人君) 長野自治政務次官。
#7
○政府委員(長野祐也君) このたび自治政務次官を拝命いたしました長野祐也でございます。坂野自治大臣のもとで精いっぱい努めてまいりますので、何とぞよろしく御指導をお願い申し上げたいと存じます。
 地方行政委員会の委員各位におかれましては、豊富な御経験と高い御見識を持ちまして我が国の地方自治の進展のために大変な御尽力を賜っておりますことを厚く御礼申し上げます。
 今日の地方行財政を取り巻く環境は大変厳しく、今まで以上に先生方の大所高所からの御指導を賜る機会が多くなるかと存じます。今後とも何とぞよろしくお願いを申し上げましてごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(向山一人君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策について坂野国務大臣から所信を聴取いたします。坂野国務大臣。
#9
○国務大臣(坂野重信君) 委員各位には、平素から地方行政及び警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。
 この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 さて今日、我が国社会は、高齢化、国際化、情報化が急速に進みつつあります。今日の地方行政は、このようにさまざまな面で大きな変貌を遂げつつある社会情勢に的確に対応しつつ、個性豊かな活力ある地域社会の実現を図ることが期待されており、地方公共団体の果たす役割は一層増大するものと考えられます。
 一方、地方自治を取り巻く行財政環境には依然として厳しいものがありますが、国、地方を通ずる行政改革と地方財政の健全化を一層進めていくとともに、今後とも地方税財源の確保を図り、各地域において住氏が誇りと愛着を持てるふるさとづくりを推進するための施策を積極的に展開していかなければなりません。
 私は、二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため最大限の努力を払ってまいる所存であります。
 まず、国、地方を通ずる内政上の最重要課題であるふるさと創生の実現を期するには、各地方公共団体が地域の現状を踏まえ、それぞれの特色を生かし、独創的、個性的な地域づくりを自主的、主体的に進めていく必要があります。このため既に実施中でありますふるさとづくり特別対策事業に加え、このたび地域総合整備財団、いわゆるふるさと財団の支援を得て民間事業活動等に対し長期低利資金の供給を行うための地域総合整備資金貸付制度を創設いたしました。
 さらに、地方が知恵を出し、中央が支援するという、これまでとは異なった発想に基づく自ら考え自ら行う地域づくり事業を新たに実施いたしているほか、広域市町村圏の重点的な振興整備を図るためふるさと市町村圏を新たに選定し、所要の財源措置を講ずることとしているところであります。
 また、自治省、外務省、文部省が共同で実施している語学指導等を行う外国青年招致事業(JET事業)の招致人数を大幅に増加させるとともに、ドイツ、フランスの二カ国を加えて招致国を八カ国とし、地域レベルでの国際交流の進展と外国語教育の充実を一層推進してまいる所存であります。
 次に、地方行政の充実について申し上げます。
 地方公共団体がその機能を十分発揮し、住民福祉の向上、ふるさと創生の実現等を進めてまいるためには、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化を図るとともに、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図っていく必要があります。
 このためかねてより、用と地方公共団体の間の事務・権限の再配分などに努めてきたところでありますが、現在、臨時行政改革推進審議会においても、国と地方との関係等について審議が行われているところでありますので、このような機会にさらに地方公共団体への権限移譲等が進められるよう努力してまいります。また、機関委任事務制度の改革等所要の地方自治制度の改革についても進めてまいる所存であります。
 地方公共団体における行政改革につきましては、地方行革大綱に沿って自主的、総合的な取り組みがなされてきているところでありますが、今後さらに事務事業の見直し、組織・機構の簡素合理化、給与・定員管理の適正化等が積極的、計画的に推進されるよう強力に指導してまいりたいと考えております。
 次に、地方財政に係る施策について申し上げます。
 平成元年度以降の国庫補助負担率の取り扱いにつきましては、国から地方への恒久財源の移譲等による地方一般財源の充実を図りつつ、総合的な見地から所要の見直しを行い、もって国と地方の安定した財政関係を確立することとしたところであります。この見直しに係る額一兆三千七百八十六億円につきましては、国庫補助負担率の復元、国のたばこ税の地方交付税対象税目への追加、地方交付税の増額及び建設地方債の増発等により、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう措置することとしたところであります。
 また、地方財政は、累積した多額の借入金残高を抱えるなど依然として厳しい状況にあり、早急に財政構造の健全化を図る必要がありますので、平成元年度におきましては交付税特別会計借入金の返済等所要の措置を講ずることとしております。
 平成元年度の地方財政計画は、以上の措置を前提としつつ、おおむね国と同一基調により節度ある行財政運営を行うことを基本とし、次のような方針に基づき策定いたしました。
 歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、生活関連施設等の整備と地域の特性を生かした個性豊かで魅力ある地域づくり・ふるさとづくりを推進するため必要な地方単独事業費の確保に配意する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することであります。
 歳入面におきましては、地方債の抑制に努めるとともに、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額を確保することであります。
 この結果、平成元年度の地方財政計画の規模は、歳入歳出とも六十二兆七千七百二十七億円となり、前年度に比べて八・六%の増となっております。
 また、地方公営企業につきましては、住民生活に必要なサービスの安定的供給と経営の健全化、活性化を図ることとし、このため社会経済情勢の変化、住民ニーズの多様化に伴うサービスの需要動向等を踏まえ、企業債の所要額を確保する等所要の措置を講ずることとしております。
 次に、地方税制について申し上げます。
 平成元年度の地方税制改正につきましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、個人住民税均等割及び所得割の非課税限度額の引き上げ並びに法人事業税の分割基準、自動車税の税率構造及び軽油引取税の課税の仕組みについての見直し等を行うごとといたしました。
 また、基地交付金及び調整交付金につきましては、基地所在市町村の実情にかんがみ、所要の額を確保することといたしております。
 次に、公務員行政について申し上げます。
 従前に引き続き、公務能率の向上、厳正な服務規律の確保、正常な労使関係の樹立等に努めるとともに、地方公務員の週休二日制につきましては、各地方公共団体において創意工夫による公務能率の一層の向上を図りつつ、住民の理解を得ながら、月二回の土曜閉庁方式が導入されるよう指導してまいりたいと考えております。
 地方公務員共済年金制度につきましては、公的年金制度の一元化に向けた他の被用者年金制度との間における負担調整の措置等を実施することとしております。
 次に、消防行政について申し上げます。
 我が国の消防は、自治体消防として発足して以来四十年余りの間に、制度、施策、施設等の各般にわたり着実な発展を遂げてまいりました。しかしながら、社会経済の進展に伴い、災害は複雑多様化、大規模化、広域化してきております。
 私は、このような状況にかんがみ、何よりもまず人命の尊重を基本とし、安全な地域社会づくりを進めるため、消防力の充実強化はもとより、住民、事業所及び消防機関が一体となった地域ぐるみの消防防災体制を確立することが重要であると考えております。
 このため消防施設の整備・装備の高度化等による消防力の充実強化、防災まちづくり事業の推進、広域応援体制の整備、消防防災通信ネットワークの強化、救急救助体制の整備、危険物の安全対策の充実、消防団の一層の活性化対策の促進等を図ってまいる所存であります。また、防火対策の推進、国際化への対応、大深度地下空間の利用に係る消防防災対策等消防を取り巻く環境の変化に対応した積極的な消防行政の推進に努めてまいる所存であります。
 次に、警察行政について申し上げます。
 申すまでもなく、法秩序の維持は法治国家の根幹であり、国民の安全で豊かな生活の基盤をなすものであります。我が国の治安のよさは国際的にも高い評価を受けてきたところでありますが、最近における内外の諸情勢はまことに厳しく、現在の治安水準を維持していくためには今後一層の努力が必要であります。
 私は、このような情勢を十分に認識し、国民の皆様の御理解と御協力を得て、治安の確保に万全を期してまいる所存であります。
 初めに、犯罪情勢についてであります。
 昨年における刑法犯の認知件数は約百六十四万件と戦後最高を記録しております。内容的にも、朝日新聞襲撃事件や幼児誘拐殺人事件などの重要凶悪事件が相次いで発生し、また、国際的職業犯罪者による事件も多発するなどまことに厳しい情勢となっております。さらに、近年の科学技術の進歩、国際化、都市化の進展、国民意識の変化等に伴い捜査活動は困難の度を深めてきております。このような状況に対処するため、今後とも犯罪の広域化、国際化などに対応する体制の整備充実を推進してまいりたいと考えております。
 また、最近特に武装化の傾向を強め、国民の平穏な生活を脅かしている暴力団に対しましては、組織の壊滅を目指し、徹底した取り締まりを行うとともに、暴力団排除のための諸施策を強力に推進していくこととしております。
 覚せい剤、麻薬等の薬物乱用の問題は国際的に共通の課題でありますが、我が国でも覚せい剤の乱用が深刻な状況にあり、中毒者による無差別殺人事件が発生するなど社会に大きな不安を与えております。このような状況に対しましては、密輸入事犯の水際検挙、暴力団を中心とする密輸、密売組織の壊滅、末端乱用者の徹底検挙に努めるとともに、薬物乱用を拒絶する社会環境づくりを推進してまいることとしております。
 経済事犯につきましては、海外先物取引などをめぐる悪質商法が依然として多発し、国民に多大な被害を与えているところであります。このような犯罪に対しましては、消費者保護の立場から、被害の未然防止と拡大防止を最重点として広報啓発活動を推進するとともに、先制的取り締まりに努めるなど的確な対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、警備情勢についてであります。
 極左暴力集団は、組織の非公然化、軍事化を一層強め、成田闘争や皇室闘争などにおいて爆弾など殺傷力の強い凶器を使用し、あるいは対象を個人にまで拡大した凶悪なテロ、ゲリラ事件を引き起こしております。極左暴力集団は今後もこのようなテロ、ゲリラ事件を多発させるものと見られ、また日本赤軍も、丸岡修などの奪還を目的とした要人誘拐などに出るおそれがあり、厳重な警戒を要するところであります。また、右翼の一部には、反体制、国家革新を標榜して直接行動に走る危険性がうかがわれるところであります。
 このような状況に対しましては、今や国際社会共通の脅威となっているテロ、ゲリラを根絶することを当面の重要課題として、国民の皆様の御理解と御協力を得ながら、関係各国とも密接に協力し、的確に対処してまいることとしております。
 次に、少年の非行問題についてであります。
 我が国の将来を担う少年の非行を防止し、その健全な育成を図ることは国民すべての願いであります。しかしながら、最近の少年非行は依然として高い水準で推移しており、社会の耳目を集めるような凶悪粗暴な事件も後を絶たない状況にあります。
 このため青少年問題に携わる関係機関との連携のもとに、国民の皆様の御理解と御協力を得ながら、少年補導、少年相談、非行を誘発させない環境づくりなどの各種非行防止対策を総合的に推進していくこととしております。
 次に、交通問題についてであります。
 道路交通をめぐる情勢は、十三年ぶりの交通事故死者の一万人突破、都市部を中心とした交通渋滞や違法駐車など一層厳しさを増してきております。このため、交通安全施設の整備、交通安全教育、駐車対策などの諸対策を総合的に推進し、安全かつ円滑な道路交通の確保に努めてまいりたいと考えております。また、最近問題となっております暴走族につきましては、国民生活の静穏、安全を確保するため的確に対処してまいることとしております。
 以上、警察行政の当面する諸問題について申し上げたのでありますが、流動する社会経済情勢に迅速かつ的確に対処し、治安の万全を期するためには警察体制の整備充実を図ることが肝要であります。
 このため平成元年度におきましては、テロ、ゲリラ対策、広域重要事件対策及び覚せい剤事犯の根絶対策を最重点として、人的、物的基盤の整備を図ってまいりたいと考えております。さらに、職員一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう第一線職員の処遇の改善を進めるとともに、適切な市民応接の推進、職員の実務能力の向上、規律の保持などに努め、国民の期待と信頼にこたえる警察活動の推進に心がけてまいる所存であります。
 以上、所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別の御協力によりましてその実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#10
○委員長(向山一人君) 次に、平成元年度の地方財政計画について、政府から説明を聴取いたします。坂野自治大臣。
#11
○国務大臣(坂野重信君) 平成元年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 平成元年度の地方財政につきましては、累積した多額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することを基本としております。なお、消費税の影響額につきましては適切に計上することとしております。
 以下、平成元年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢等にかんがみ早急に実施すべき措置を講ずることとしております。
 第二に、国庫補助負担率の取り扱いの見直しに係る額については、補助負担率の復元、国のたばこ税の地方交付税対象税目への追加、地方交付税の増額及び建設地方債の増発等により地方団体の財政運営に支障が生ずることのないよう措置しております。
 第三に、地方財政の中期的健全化を図る見地から、財源対策債償還基金の計上、交付税特別会計借入金の一部返済等所要の措置を講ずることとしております。
 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、その特性を生かした地域づくり・ふるさとづくりを進めるとともに、住民生活に直結した社会資本の整備等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講ずることとしております。
 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。
 以上の方針のもとに平成元年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は六十二兆七千七百二十七億円となり、前年度に比し四兆九千五百二十九億円、八・六%の増加となっております。
 以上が平成元年度の地方財政計画の概要であります。
#12
○委員長(向山一人君) 次に、補足説明を聴取いたします。津田財政局長。
#13
○政府委員(津田正君) 平成元年度の地方財政計画につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしたとおりでありますが、なお若干の点につきまして補足して御説明いたします。
 まず、地方財政計画の規模は六十二兆七千七百二十七億円で、前年度に比較いたしまして四兆九千五百二十九億円、八・六%の増加となっております。
 歳入について御説明いたします。
 地方税の収入見込み額は、道府県税十二兆九千七百四十億円、市町村税十五兆六千七百二十一億円、合わせて二十八兆六千四百六十一億円であります。前年度に対し、道府県税は一兆三千二億円、一一・一%増加し、市町村税は八千四百五十四億円、五・七%増加しております。
 なお、平成元年度の税制改正としては、個人住民税の均等割及び所得割の非課税限度額の引き上げを行うとともに、法人事業税の分割基準、自動車税の税率構造及び軽油引取税の課税の仕組みについての見直し等を行うこととしており、三百六億円の減収を見込んでおります。
 また、地方譲与税の収入見込み額は、消費譲与税九千四十五億円を含み一兆四千五百三十四億円となっております。
 次に、地方交付税につきましては、平成元年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十三兆三千六百八十八億円に特例措置分二百三十億円、返還金四億円及び交付税特別会計の剰余金のうち六百八十六億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例措置額のうち返済を要する額の一部返済額二百三十億円、交付税特別会計の借入金の一部返済額一兆一千三百六十億円及び同特別会計の借入金の利子負担額千九百二十九億円を控除した額に、昭和六十三年度からの地方交付税の繰越額三千六百億円を加算した額十二兆四千六百九十億円を計上いたしました結果、前年度に対し一兆八千四百四億円、一七・三%の増加となっております。
 国庫支出金は総額十兆九百四十四億円で、前年度に対し二千七百七十三億円、二・八%の増加となっております。
 次に、地方債につきましては、普通会計分の地方債発行予定額は五兆五千五百九十二億円で、前年度に対し四千八百八十九億円、八・一%の減少となっております。これは、一般財源の充実と近年における公債費負担の増高の状況を勘案して発行額を抑制するとともに、国庫補助負担率の取り扱いの見直しに伴い、発行額を縮減することとしたことによるものであります。
 なお、地方債計画全体の規模は八兆八千五十一億円で、前年度に対し三千八百億円、四・一%の減少となっております。
 また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。
 以上の結果、地方税、地方譲与税及び地方交付税を合わせた一般財源の合計額は四十二兆五千六百八十五億円となり、歳入全体に占める割合は前年度に対し二・七ポイント増の六七・八%となっております。
 次に、歳出について御説明いたします。
 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は十七兆三千八百八億円で、前年度に対し六千五百九十六億円、三・九%の増加となっております。職員数につきましては、義務教育関係職員について第五次学級編制及び教職員定数改善計画の実施に伴う増員を見込むとともに、消防関係の職員について所要の増員を見込んでおります。
 また、一般職員については、国家公務員の定員削減の方針に準じ定員合理化を行い、職員数の純減を図ることといたしております。
 次に、一般行政経費につきましては、総額十二兆三千五十九億円、前年度に対し七千四百四十五億円、六・四%の増となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは五兆六千二百二十四億円で、前年度に対し二千五百億円、四・七%の増となっております。国庫補助負担金を伴わないものは六兆六千八百三十五億円で、前年度に対し四千九百四十五億円、八・〇%の増加となっております。
 この中では、社会福祉関係経費を充実するほか、高等学校以下の私立学校に対する助成経費として三千十七億円、自ら考え自ら行う地域づくりの推進に要する経費として二千六百三十四億円、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源として五千億円等を計上いたしております。
 公債費は総額六兆一千六百九十億円で、前年度に対し百六十三億円、〇・三%の減少となっております。
 次に、地方財政の健全化等に資するため、財源対策債償還基金九千六百五億円を計上いたしております。
 維持補修費につきましては、前年度に対し三百七十四億円、五・二%の増、七千五百三十七億円を計上いたしております。
 投資的経費は総額二十兆五千五百三十六億円で、前年度に対し一兆二百六十八億円、五・三%の増加となっております。このうち、直轄・補助事業につきましては、九兆二千七百七十九億円で、前年度に対し七百七十一億円、〇・八%の増となっております。
 地方単独事業につきましては、地方団体の創意工夫による個性豊かで魅力あるふるさとづくりや住民生活に身近な生活関連施設等の積極的な推進を図ることができるよう所要の事業量を確保することとし、前年度に対し九千四百九十七億円、九・二%増の十一兆二千七百五十七億円を計上いたしております。
 また、公営企業繰出金につきましては、上下水道、交通、病院等の国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額一兆六千九百九十二億円を計上いたしております。
 最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費については、税収入の状況等を勘案して所要額を計上いたしております。
 以上をもちまして地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
#14
○委員長(向山一人君) 以上で説明の聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(向山一人君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坂野自治大臣。
#16
○国務大臣(坂野重信君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 地方財政の状況等にかんがみ、今回の国庫補助負担率の見直しに伴う地方公共団体の財源の確保を図るため、新たにたばこ税を地方交付税の対象税目とし、あわせて平成元年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。
 地方交付税の総額については、地方交付税法第六条を改め、新たにたばこ税の収入額の百分の二十五を加えることとしております。
 平成元年度分にあっては、この改正後の第六条第二項の額に交付税特別会計における剰余金六百八十六億円及び特例措置額二百三十億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額二百三十億円、同特別会計借入金利子支払い額千九百二十九億円及び同特別会計借入金償還額一兆千三百六十億円を控除した額を地方交付税の総額とすることとしております。
 また、平成三年度分から平成十三年度分までの地方交付税の総額については、新たに六千八百四億円を加算することとしております。
 次に、平成元年度分の普通交付税の算定については、地域経済の活性化、自主的な地域づくりの推進等地域振興に要する経費、道路、街路、公園、清掃施設、下水道等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、教職員定数の改善、学習用教材用具の拡充、私学助成の充実、生涯学習の推進等教育施策に要する経費、老人保健施策の推進、長寿社会対策の充実等高齢化への対応、生活保護基準の引き上げ寺福祉施策に要する経費、地域社会における国際化及び情報化への対応に要する経費、消防救急対策等に要する経費、経常経費に係る国庫補助負担率の見直しに伴う所要経費、消費税導入に伴い必要となる経費の財源を措置し、あわせて投資的経費について地方債への振替措置を廃止することに伴う所要経費の財源を措置することとしているほか、地方財政の健全化等に資するため、平成元年度に限り財源対策債償還基金費を設けることとしております。
 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#17
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#18
○山口哲夫君 大臣の所信表明を聞きましてちょっと気になる点がありますので、二つほど質問しておきたいと思います。
 まず、地方公共団体の行政改革につきましてこれからも強力に指導していきたいんだということをおっしゃっておりますけれども、これは六十一年から六十三年で一応この行革大綱に基づく行政改革というのは終わっているはずだと思うんですけれども、さらにまだやるおつもりなんでしょうか。
#19
○政府委員(木村仁君) お答えいたします。
 現下の社会情勢、そして飽和状態に達している地方行財政の状況を考えますと、地方公共団体が新しい多くの地域的な課題に対応してまいりますためには、常に行政の簡素効率化という努力を続けていく必要があると存ずる次第でございます。したがいまして、この観点から各地方公共団体におきましては、行政改革大綱に沿っておおむね三年度の計画を立て実施してまいりましたが、その後も必要に応じ各団体の行政改革大綱を見直すなり、あるいはそれを公表するなり、実績を住民に公表する等の努力を続け、行政改革の推進に努力をしているところでございます。今後もそのような必要があるものと私どもは認識をしておりますので、そのような努力を慫慂してまいりたいと考えております。
#20
○山口哲夫君 大臣の所信表明についてお尋ねをしておりますので、できるだけ大臣に答弁していただきたいと思います。決してそれ以上の細かな問題に触れてはおりませんので、そのようにひとつお願いしたいと思います。
 政府は三年間という方針でやったはずなんです。その後もまだ必要性を感じているからやるんだというんですけれども、どうも政府のやることは何でも期限を切っても守らないんですね。補助金も何年までは協力してもらいたいと言えばそれで終わるはずなのに、また翌年にまた翌年にとなるんです。約束したことをみんな破っているわけです。一体どこを信頼していいのか見当がつかなくなると思うんです。私は、地方行革というのはもう既に終わっている、自治体はみんなそれなりに努力してやってきているんですからこれ以上の指導をする必要はない、そんなふうに思うんですけれども、その点について大臣にお聞きしたいことと、強力な指導をするというんですけれども、そんな指導をする権限というのは自治省にあるんでしょうか。大臣、どうですか。
#21
○国務大臣(坂野重信君) 三年間というのは、六十一年度からぴったり三年間ということでなくて、三年間かかってできるだけひとつ計画的に推進しようということのようでございますから、三年間が終わっても引き続いて行政改革の推進に当然努力すべきものと考えております。
 それから、強力な指導ということでございますけれども、もちろん私どもは地方公共団体の自主的な判断、あるいは総合的な行政改革というものをそれぞれの地方の立場で推進していくというような基本的な姿勢にあることは間違いございません。したがって、自治省が強力にやるといいましても、地方自治体自体で自主的にやっていただくという立場で推進していくというような考え方でございます。
#22
○山口哲夫君 こういう書き方をしますと、三年前に中曽根総理に私が地方自治体における行革の問題で質問したときに、中曽根総理はこういう答弁をしているんです。もともと自治省にある監督権に基づいて指導、助言するんだと言っているんです。そんな自治省に監督権なんというのはどこにもないですね。法律のどこを読んだってそんなものは出てこない。そんなものは昭和二十七年の大改正でなくなっているはずなんです。昔の内務省の考え方で当時の中曽根総理は考えていた。そういう間違った考え方が政府の中にあるということは、これは地方自治体にとっては大変な問題だと思うんです。だから、この強力な指導をしていくなんという言葉を使われますと、また中曽根総理時代の、自治省が監督権なんというものを持っているのだという、そういう考え方を持ってやるんではないのか、そういう不安が出てくるわけです。これどうですか。
#23
○国務大臣(坂野重信君) 私どもは、さっき申し上げたように管理監督ということでなくて、地方公共団体に対して行政改革の推進を要請するいう立場で、各地方自治体もこういう時期であるからひとつ協力していただきたいということを申し上げているようなことで、決して強制するとかという立場でございません。これから行革審のいろんな勉強の成果が年末に出てくると思いますけれども、そういう段階においても国と地方の関係をどうするとか、地方相互の行政分担、アンバラをどうするかというような問題も出てくると思いますけれども、そういう段階においてもひとつ地方自治体の皆さんは協力してもらいたいというような要請をしていくという基本的な態度でいきたいと思っております。
#24
○山口哲夫君 そういう考え方であれば理解できますけれども、言葉の使い方でしょうけれども、今後十分ひとつ注意をしていただきたいなと思うんです。特に、自治省は権力を持っているわけですから、今までの行革の例を見ておりましても、ちょっと給与が高いといえばそこの自治体に対しては起債をなかなか許可しないとか、あるいは特別交付税でもって減額をするんだとか、そういう権力の乱用があったわけですから、そういうことのないように指導という言葉をひとつ考えて使っていただきたいものだと思います。
 それから、財政問題ですけれども、「国と地方の安定した財政関係を確立する」、これは現在三割自治と言われていますね。財源は三割しか与えられない、仕事は七割与えられる。そこに補助金行政という国の介入が入ってくるわけです。大臣としては、この「国と地方の安定した財政関係」というのは、現状で安定したというふうにお考えなんでしょうか。
#25
○国務大臣(坂野重信君) いろいろそれは議論はあるところだと思いますけれども、今般の国庫負担率、補助率の改定の問題等についてもいろいろ議論いたしました。基本は、地方財政ができるだけ健全な形で維持できるように持っていきたいというのが私どもの考え方でございまして、そういう面からいいますと、まだまだ非常に地方財政というのは逼迫した状況にあることは間違いありません。よく近ごろ、国の財政は厳しいけれども地方財政はよくなったんじゃないかというようなことが言われております。それは間違いでございまして、地方財政を見ると三分の一ぐらいは非常に厳しい状態にあるということを忘れてマクロの議論をしておりますので、マクロの議論じゃ困るということを私もあらゆる機会に申し上げているわけでございます。そういう立場からいいますと、国と地方の財政分担をどうするかということについて、これからの課題として私どもは真剣に取り組まなければならぬと思っているような次第でございます。
 このたびの補助率の復元問題については、大変皆さんからいろいろ御批判を受けているわけですけれども、私どもはやはり何といっても地方財政を確立する、健全化するというのをねらいまして、名目的な補助率の復元もさることながら、総合的な立場から検討しようという方針で措置しているような次第でございます。
#26
○山口哲夫君 地方の財政というのは三割自治では困るんで、できるだけ四割自治に、五割自治にというふうに財源率というものを高めていく必要があると思うんです。ですから、ぜひひとつそういう立場で、現状で甘んじないで、もっと地方財政の確立に向かって頑張っていただきたいと思うんです。
 もう一つ大臣、どこかで補助金行政について、現在のような補助金行政ではちょっと問題があるんじゃないか、むしろ補助金というのはメニュー化した方がいいんだというようなお話をお聞きした記憶があるんですけれども、どうですか。財源は三割だ、仕事は七割だ、どうしてもそれに許可権が出てくる、そこに国の介入が入って自治体の自主性が損なわれるということになるわけですね。自治体の自主性を少しでも高めていくというためには、同じ補助金行政でも、メニュー化をしまして選択権というのを自治体に与えた方が私は地方自治の本旨にのっとっているんじゃないだろうかというふうに思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。
#27
○国務大臣(坂野重信君) 私はよく申し上げるんですけれども、いろいろやっている事業の中で直轄事業と補助事業ということに大別できると思いますけれども、直轄の方はまさに国がナショナルプロジェクトとしてみずから計画しみずから実施すべきで、むしろ私は個人的な立場からいうと、余り県に負担金を持たせるということ自体が問題があると思いますけれども、しかしこれは長い間の実績でそうやってきたわけでございますから、これについてもできるだけ今後の国の負担割合をできることならばむしろふやしていく方向で検討したいと思っております。
 補助事業については、いろいろ中身が分かれておると思っております。単なる奨励的なものもあれば、直轄に準ずるような、一つの計画、一つの基準に従って進めなければならない問題があると思います。零細補助というようなものはできるだけ整理して、そしてできるだけ地方の自主的な財源のもとで、細かいことまでも国がみずから計画しなくても、地方公共団体でそれだけのもう能力があるわけでございますから、私はそういう意味で、補助事業についてはいわゆるメニュー化して、そして地方自体の自主的な考え方で執行していくという方式をとることができるものが相当あるんじゃないかと思っております。
 そういう中で、今後、年末にどういう国と地方との財源分担あるいは行政分担というような答申が出てくるかわかりませんけれども、その答申の出た段階で、これはこの辺で考え直すべきものは考え直さなきゃならぬじゃないかということをかねがね考えている次第でございますので、いろんな発言の場で発言していることがあるいは誤解されている面があるかもしれませんけれども、そういう気持ちで申し上げているような次第です。
#28
○山口哲夫君 ぜひメニュー化について一度自治省の方としても検討して、これは政府の各省庁にまたがることですから、そういう方面の御協力もいただきながらメニュー化をぜひ実現していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。所信表明についての質問は終わります。
 次に、千葉市のごみ処理問題でございます。
 もう報道されておりますのでよく御存じだと思うんですけれども、千葉市の生ごみが青森県の田子町に運び捨てられているという事件でございますが、私も千葉市に現地調査に出かけてまいりました。青森でもぜひ一度来てくれと言うんですけれども時間の余裕がなくて行っておりません。厚生省としてこの問題についてどんな指導をされているんでしょうか。
#29
○説明員(藤原正弘君) お答えいたします。
 青森県田子町というところに千葉市がごみを運搬いたしまして、そこへ最終処分をしたということでございます。これは千葉市におきますごみの排出量の増加及び清掃工場の定期修理のために同市内で処分できなくなったごみを民間業者に委託しまして、五月より輸送し行ったものでございますが、現在、田子町と千葉市との間で問題とされているところでございます。
 厚生省におきましては、五月二十三日の新聞記事により問題を知りまして、千葉県を通じ千葉市に対しまして、処理を委託した際の状況、それから青森県につきまして最終処分の状況について報告を受けまして、問題となっておる廃棄物を適正に処理するため今後の方策を早急に立てるよう指導したところでございます。
#30
○山口哲夫君 千葉県の担当の部長、次長ですか、課長にも会ってきたんですけれども、何もまだ連絡を受けていないんですね。厚生省から全然そういった話、指導をされていないんだなというふうに私どもは聞いていたんですけれども、市の方から相談があれば県としても考える、こんなような状態なので、厚生省として具体的に市の方を呼び出して一体どうなっているのかという、そこまでやっていないんですか。
#31
○説明員(藤原正弘君) 千葉県に対しまして、千葉県の担当部長、担当次長に対して厚生省の環境整備課長、私の方から、電話でございますが指示をいたしました。
 なお、千葉市に対しましては、千葉市の担当部長、課長を呼びまして状況を報告させ、また対応の指示をしたところでございます。
#32
○山口哲夫君 千葉市の方で、千葉市の清掃事業の現状というものを説明していただいたんですけれども、ごみの排出量というのが年間三十四万二千トンなんです。これはごみの基本処理計画に基づきますと、六十三年度は三十万三千トンということになりまして、約三万九千トンくらい計画を上回っているごみが出ているわけです。一日当たりのトン数を出しましたら現状が九百三十七トン、計画が八百三十トン、約百トン一日当たり多いんです。何でこんなに大幅な狂いが出たんですかと聞きましたら、実は人口もふえたり事業所もふえたりして、紙類がことし急にふえたんだと言うんですね。あそこは非常に人口急増地帯ですし、企業誘致も進んでおりますので、そんなことぐらい自治体当局で把握できないはずはない。しかも、いきなりこの年だけ百トンもふえるというのは考えられないじゃないかという話をしていたんです。
 どうもそういった状況を分析しますと、この町は分別収集というのをほとんどやっていないんです。テストとしてちょっとやっている程度なんです。テストをやっているんだったら、一年間ぐらいやったら翌年その成果というものを全市的に反映させるべきだと思うんですけれども、テストテストといって二年も三年もそれだけしかやっていない。大体ごみというのは、分別収集をやりますと一割から一割五分くらいまでは減るんです。一割から一割五分減るとちょうどこの基本計画どおりのトン数で、こんな緊急事態として他県にまでごみを運ぶ必要はなかったんです。他県に運んでいるこの分というのは分別収集をやってなかった分なんですね。厚生省としては分別収集を随分指導されておりますので、こういう分別収集の問題について改めて厚生省の考え方をちょっと聞かしてほしいと思います。
#33
○説明員(藤原正弘君) ごみの分別収集は、ごみの資源化、有効利用を推進する観点から大変重要な施策の一つであるというふうに考えておりまして、厚生省といたしましては、いろいろな機会を通じまして関係方面に通知または指導をいたしておるわけでございます。
 例えば都道府県の廃棄物担当部局長の会議がありましたような場合にこれをとらえて指示をするとか、また六十三年五月三十日付でその趣旨の通知を出すとか、その他いろいろな会議の際にそのような指示をいたしておりまして、分別収集の徹底を指示いたしておるところでございますが、分別収集をするかどうかということにつきましては、これは清掃事業そのものに深くかかわることでございまして、清掃事業そのものが市町村の固有事務ということになっておりますので、分別収集のやり方そのものにつきましては、市町村が地域の実情に応じた最善の方法を選択するのが普通のやり方でございます。しかしながら、先ほど申しましたように、この分別収集をしまして資源化するというのは望ましいことであるという立場から、市町村の実情に応じた方策によりごみの減量化を図るように指導してまいりましたし、これからもそのように指導してまいりたいと考えております。
#34
○山口哲夫君 廃棄物処理法によりますと住民もこの分別収集には協力しなきゃならないということになっているんです。法律で分別収集というものを積極的に進めるということになっているんですから、厚生省の方として確かに会議ではやっているようですね。二月二日の主管部局長会議ですか、これでもそういう分別収集の問題を出しているんですけれども、会議で話をした、一片の通知を出した、それで済むものでないと思うんですよ。これは今、首都圏なんかは特に非常に大きな問題ですね、ごみ問題というのは。ですから、厚生省が全国的にこの分別収集というのが進むようにもっともっと積極的な指導をしていかなければいけないんじゃないだろうか、そんなふうに思います。その点はぜひひとつやっていただきたいと思うんです。
 ただ、分別収集で一つひっかかりますのは、宝塚市の工場の改築のときにも私申し上げたことがあるんですけれども、最近こういう処理場を建設する企業が、混焼であっても、ごみはどんなものであっても一緒にして燃やしても全然ダイオキシンも出ませんし心配がありませんということで売り込みをやっているんです。そうすると、そんな便利な機械があるのであれば、分別収集をやらなくたって、一緒くたにしてごみを燃やして全然公害に問題ないというのであればその方がいいんじゃないか。安易に自治体がそれに飛びついて建設をするという傾向があるんです。ですから、そんなところからもこの分別収集というのはなかなか進んでいかない危険性があるんじゃないだろうか、そんなふうに思いますので、分別収集に対して法律でも財政的な援助を書いていますね。技術的、財政的な援助も厚生省としては自治体に対してしていかなければならないというふうに書かれておりますので、ぜひ分別収集の徹底をさらに進めていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。その点についての所見があれば後ほど一緒にお答えいただきたいと思うんです。
 実はごみを捨てた先の田子町というのは湧水の町と計われるように非常に水がきれいでいい水が出ていた。ところがここ数年間ここで焼却した灰だとか銅とか、そういうものを埋め立てをやっているために地下水に何かにおいが出てきているという話なんですね。これは田子町だけの問題ではないんじゃないだろうか。恐らく生ごみを捨てているようなところ、あるいは焼却した灰を捨てているようなところ、地下水を結構今でも飲料水に使っているところがたくさんありますので、そういうところをこの際全国的に一回調査をしてみる必要があるんではないだろうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#35
○説明員(藤原正弘君) お答えいたします。
 現行の制度としてどうなっているかというのをちょっと御説明さしていただいた後お答えさしていただきたいと思いますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきまして、一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令というのがございまして、これによりまして最終処分場の管理者は「定期的に最終処分場の周縁の地下水の水質検査を行うこと。」というのがございます。また、「最終処分場の維持管理に当たって行った点検、検査その他の措置の記録を作成し、五年間保存すること。」というのがございます。さらに、通知によりまして、水質検査の頻度は年一回以上とするということが定められております。
 厚生省におきましては、同法に基づきまして最終処分場周辺の地下水の汚染状況を定期的に監視するなどにより環境保全を図るよう市町村等最終処分場の管理者を指導してきたところでございますが、今後とも市町村等への指導を徹底してまいりたい、このように考えております。
#36
○山口哲夫君 どうですか、地下水を利用しているようなところ、しかも生ごみを捨てているようなところ、ある程度これはわかると思うんですね。県に連絡してそういうのを抽出してもらえばわかると思う。そういうところを一度検査してみる気はありませんですか。
#37
○説明員(藤原正弘君) 先生のせっかくの御指摘でございますので、先ほど申しましたように、最終処分場の管理者が実施しておる地下水水質の定期検査の結果につきまして全国的な調査を実施いたしたいと思います。
#38
○山口哲夫君 ぜひ実現してほしいと思います。
 そのついでといえばなんですけれども、けさ朝日新聞を読んでおりましたら酸性雨の問題が出てきておりまして、スウェーデンで酸性雨の被害によって地下水が汚染されている、その地下水を使っていたスウェーデンの住民は髪を洗ったらその髪が緑色になったという大変ショックな記事が載っていたんです。今酸性雨というのは世界的に大きな問題になっております。日本の地下水でも酸性雨による被害というのがあるいは出ているかもしれない。地下水問題というのは非常にこれから大きな問題になると思いますので、せっかく今、生ごみによるところの地下水の汚染問題について調査されるわけですから、こういった酸性雨対策というか、酸性雨による地下水の被害というか、そういう問題についてもあわせて一度検討してみてほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#39
○説明員(藤原正弘君) お答えいたします。
 先ほど私が答弁いたしましたのは、廃棄物処理場の維持管理等を所管しております厚生省としてできる地下水の関係の調査をいたしたい、こういうふうに答弁いたしましたが、後段で先生の御指摘の点は、かなりひどく地下水、環境保全上の問題であるというふうに思うわけでございます。その辺は環境庁の所管であろうと思いますので、ちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#40
○山口哲夫君 けさ読んだ新聞ですから、質問通告しておりませんでしたのでそういったお答えしか返ってこないかと思いますけれども、実はきのうこの地下水問題で環境庁に来ていただいてレクチャーをやったんですけれども、そうしたらごみの問題による地下水の汚染なんだからそれは環境庁でないんだと。全国的に地下水の影響を調べてほしいんだと言ったら、それは環境庁でない、厚生省だと言うものですから、政府の方でそう言うのなら厚生省でやってもらおうと思ったんです。だから環境庁に言わせると、酸性雨の問題も、それは地下水の問題は水を担当している厚生省だときっと言うと思うんです。それをよく環境庁と相談して、私どもの方はどっちでもいいですから、政府がやるんであれば。十分ひとつ協議をしてこの酸性雨の問題もぜひ取り扱ってほしい。そのことを強く要望しておきたいと思います。
 それから、ごみ問題が出てきたので、その機会にちょっと民間委託の問題でお聞きしておきたいと思うんです。市町村が収集する家庭から出される一般のごみを民間に委託しているところが最近非常にふえています。政府はそのことも積極的に指導しているんですけれども、廃棄物処理法を読んでおりますと、どうもこれは法違反でないのかなという感じがしてならないんですよ。これは何に基づいて自治体に対して民間委託を進めさせているんでしょうか。
#41
○説明員(藤原正弘君) お答えいたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律で、一般廃棄物の処理方式としまして、直営によるもの、それから委託業者によるもの及び許可業者によるものが規定されておりまして、固有事務として一般廃棄物処理事業を行う市町村がその実情に応じてこれらの三方式の一つを、またはこれらの組み合わせを選択できることとなっておるわけでございます。
#42
○山口哲夫君 廃棄物処理法の第六条に「市町村が一般廃棄物の収集、運搬又は処分を市町村以外の者に委託する場合の基準は、政令で定める。」と、こう書いているんですね。その政令の方を読みますと、確かに地方自治体に対してこうこうこういう形で委託できるというふうに書いているんですけれども、第七条、一般廃棄物処理業の2ですね。「市町村長は、前項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。」。要するに、民間の方から委託させてもらいたいという要請があっても次のような条件を満たしているときでなければ許可してはいけないというその第一に、「当該市町村による一般廃棄物の収集、運搬及び処分が困難であること。」、市町村で一般のごみを収集したり運搬することが困難であるときだけ委託してもいいんだと、こういうふうに書いてあるんですね。それはおわかりになるでしょう。
 ところが、六十三ページの(1)に、「一般家庭から生ずる通常の廃棄物については、原則として困難とはいえない。」と書いています。その次の(2)に、「工場又は事業場から生ずる一般廃棄物については、」「原則として困難とされない。」。これを読みますと、決して市町村が集めることは困難でないんだから、そういう困難でないものを民間に委託してはならないんだという、こういう法律の解釈なんですね。政令とこれ非常に矛盾しているんです。この点について検討されたことがございますか。
#43
○説明員(藤原正弘君) 先ほど答弁いたしましたように、市町村が廃棄物の処理をする場合には三つの方式が法律上認めれらておるということで、その中で許可業者を許可して処理をさせるという場合の条件としまして、市町村が独自でやるのが困難な場合とか、先生が今御指摘されましたようなことが法律上書いてあるわけでございますが、法律上、委託、許可、そして直営という三方式が認めれらておるのでございます。
#44
○山口哲夫君 一度研究してくださいよ、これ。あなた方簡単にごみの処理を民間に委託できるんだといって、今盛んに自治省なんかは民間委託、民間委託といって進めているんです。しかし、この法律をよく読んでみますと、市町村がまずごみの処理については責任を持っているわけです、法律でも。ただし、市町村が処理の責任を持つんだけれども、どうしても自分でできない場合に限って委託してもいいんだと。できない場合に限ってというのは、一般の家庭から、事業所から出るごみの収集というのはできないことではない、困難なものではないんだと、こう書いているんです。だから困難なものだけは委託してもいいけれども、困難でないものは当然それは市町村の責任なんだ。そのことを責任回避してはならないからあえてこういうふうに法律でうたっているんだということがあなた方の方が監修している、編集している本にちゃんと出ているわけです。
 どうも今、簡単に民間委託、民間委託と進めているけれども、これは法律違反だということを読んでいて気がついたものですから、これは一度厚生省でも検討してほしいと思うんです、今ここですぐ法律解釈するのは大変でしょうから。この点十分ひとつ検討して、今後ごみの処理を簡単に民間に委託させるようなことのないように、あくまでもこれは市町村の固有の事務と書いてあるわけですからね、地方自治法の第二条にも。ですから、そういう本来の精神に基づいて、自治体のごみ処理を民間に委託させるようなことのないようにしていただきたいと思います。そういうことを簡単にやるものですから今度の千葉のような事件が発生するんです。ぜひひとつその点を御注意をいただきたいと、こう思います。
 千葉のごみ問題は以上で終わります。
 次は交付税の問題です。
 交付税問題はたくさんあるんですけれども、まず、交付税の剰余金を繰り上げ償還していますね。昨年の補正で一兆一千八百三十七億円、それから平成元年度で一兆一千三百六十億円、合わせて約二兆三千億円も繰り上げ償還をしているわけです。何でこんなに剰余金が出るんですかということが質問なんですけれども、基準財政需要額を非常に低く見ている。必要なものをちゃんと平常に見ればそれだけ基準財政需要額が膨らむわけですからこんなに剰余金が出るはずはないというふうに思うんです。ぜひこういった剰余金が出たときにこそ自治体に対して配分をして、地方財政を健全化させるべきだと思うんです。
 特に公債費の負担比率が二〇%以上の自治体、二〇%以上というともう危険ですね、財政的に。起債の制限とか、いろいろ、いわば一般で言えば禁治産者の部類に属すると思うんですけれども、そういった二〇%以上の自治体が県で五カ所もありますし、市町村では約三〇%にもなっているんです。これだけ地方財政が今苦しくなっているわけですから、こんなに苦しいのであれば、剰余金出たらすぐそちらの方に配分するのが本当でないでしょうか。
#45
○政府委員(津田正君) 平成元年度の地方財政対策あるいは地方財政計画策定の基本に絡んでどういう考え方で処理したかと、この点を申し上げなければならないと思いますが、私ども主に次の三点の観点から今回の対策あるいは計画を組んでおるわけでございます。
 一つは、けさの新聞にもございましたように、昭和六十三年度の経済成長率四・九と言われておりましたが、実質五・一%で伸びておると、こういうようなことを背景にいたしまして、正直言って国税三税あるいは地方税の伸びというのは好調でございます。しかし将来を考えますと、六十数兆円の巨額な借金を地方財政は抱えております。これの将来の財政負担をどういうふうに軽減していくかと、こういう観点もやはり考えておかなければならない。また将来の地方財政の果たすべき役割ということからいたしますと、高齢化社会の到来であるとか、あるいは地域づくりの積極的な推進、多極分散型国土の形成ということが求められておるわけでございますので、将来の財政需要面でもそれ相応の余裕と申しますか、余裕ということはいろいろ誤解を生むわけでございますが、そのような増加する財政需要に対応するような見通しというものも考えていかなければならない。こういうふうに単年度の問題、借金の問題、そして将来の財政需要の問題、やはり三つの観点から考えなければならないかと思います。
 そこで、本年度は、先生の御指摘のとおり、さらに需要を上積みすべきではないかと、こういうような点でございますが、お示ししております財政計画におきましても、規模の伸びは八・六%ということで、国の一般会計の伸びよりも相当程度伸ばしております。特に投資的経費の単独事業につきましては九・二%増というようなことで、住民の生活に身近な社会資本の整備というものにつきましても、私ども十分配慮しておるわけでございます。
 そういうような本年度の地方財政運営に支障がないように措置しながら、しかし将来の財政負担あるいは財政需要ということを考えますと、昨年度の補正予算でお願いした件とあわせまして、本年度さらに交付税特別会計の借入金の償還、あるいは個別の地方団体の公債費負担の軽減を図る措置としての財源対策債償還基金を財政計画に盛り込むと、このような方法によりまして、中期的な地方財政の健全な運営というものを図っておるわけでございます。そういう意味におきまして繰り上げ償還等をやっており、将来の財政負担の軽減ということも図りつつ、本年度の財政運営に支障のないような財源措置を講じておるつもりでございます。
#46
○山口哲夫君 前の委員会でも一度この問題を質問したことがあるんですけれども、地方自治体の財政はそれほど楽ではないです。ですから、当然そういうときは自治体に配分するべきだと思うんです。何も七年間も先までさかのぼって返す必要はないんです。前にたしか大蔵省にもお話ししたんですけれども、資金運用部へ返されたって、金余っているところへ返されたって困るんで、当然そういうものは地方に配分するべきだと思うんです。
 地方財政法の四条の三、「地方公共団体における年度間の財源の調整」というのを読んでおりますと、あくまでもそういった剰余金が出た場合には、それはすべて地方自治体に配分をして、そして自治体として年度間の財源調整を図るように積み立てするものは積み立てをするんだというのが地方財政法の趣旨なんじゃないですか。三十五年にたしか財政法を改正されまして、昔はそうでなかったけれども、自治体の財源配分というものを年度間にわたって自治体ができるようにするんだと。ですから、こういう剰余金が出たときに国が勝手に処理するというのは、この財政法の趣旨からいっても私はちょっとおかしいんじゃないかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
#47
○政府委員(津田正君) 地方財政法の趣旨は御指摘のとおりでございます。
 ただ、これ自体先生方御意見あるかと思うわけでございますが、やはり地方団体共通の借金としての交付税特別会計の借入金ということでしのいできたのも事実でございますし、これは償還しなければならない、こういうようなことがあるわけでございます。したがいまして、私どもとしましてはそのようなマクロの地方財政の借金をどうするか、こういうような観点も考えまして補正予算等でお願いしたわけでございます。しかし、それのみならず公債費比率二〇%以上の団体が三分の一にも上る、こういうような事態も考え、また地方財政法の趣旨も考えまして、財源対策債償還基金という制度を今回交付税で配分することにいたしまして、個別団体におきます年度間の調整にも対処し、その個々の団体の借金返しができるような財政体質をつくろうと、このように考えておるわけでございます。したがいまして、地方財政法の趣旨のあれ自体は、個々の団体といういわばミクロでございますが、マクロの借金対策というものもあわせて考えておるところでございます。
#48
○山口哲夫君 地方財政法の趣旨として、あくまでもそういった剰余金が出た場合には全額を地方に配分をして、そしてその自治体において年度間調整に使うべきだという趣旨についてはお認めになったんで、そういう考え方でこの法律を解釈するのであれば、私はやっぱり今の七年間もさかのぼって、もう今せっぱ詰まって返すのを待ってくださいと言っているなら別ですよ。七年間かけて返せばいいという計画をおたくの方でつくっておきながら、それを剰余金が出たからといって法の趣旨はそっちの方に置いて先に返していくというやり方というのは、これはミクロであろうがマクロであろうが、こんな解釈の仕方というのは私はちょっと無理があるんじゃないかなと思うんですよ。ですから、今後こういうことが起きた場合においてはきちっと地方自治体に全額配分をして、自治体で年度間調整に使えるようなそういう措置をぜひしてもらいたい。そのことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、交付税が前年に比べて伸びたと言っておりますね。たしか一兆八千億くらい伸びているんですけれども、これを分析してみますと、どうも見かけだけなんですね、伸びているというのは。と申しますのは、投資的経費の調整債三千七百億、ふるさと交付金のうち八九年度繰越分二千四百八十億、それから一般職員の共済長期自治体負担分千百二十億、財源対策債償還基金の新設九千六百億合わせて約一兆六千九百億になるわけですね。こういうものは交付税でいわゆる自主財源として使えるものではないわけですね、ちゃんと目的が決まっているわけですから。そういうものを差っ引きますと大体千五百億くらいしかふえた額にはならないんですね。特交なんかを入れますと約千四百億くらいしかふえてないんです。ですから、交付税一兆八千億もふえたんですと言うけれども、実際に自治体として自主的に使えるものはわずか一千四百億にすぎないわけですね。
 そういう中で非常に問題になるのは、最近交付税が特定財源化しているんですね。例えばふるさとづくり特別対策事業、これは八八年につくられた事業なんですけれども、起債の充当率は七五%で、その元利償還は交付税で三〇%から五五%を措置する、こういうのがたくさん出てくるわけですね。ふるさとづくりだけで四つもあるわけです。それから、公債費が今までたしかこれ十四くらいしがなかったと思うんですけれども、六十三年度を見ますと四十八種類にもふえているんですね。例えばこういうのがありますね。これは前からあるのかもしれませんけれども、一般公共事業で港湾事業は通常充当分の元利償還金の三〇%を交付税で措置をする。地下鉄の事業の出資金、これは元利償還分の六〇%を交付税で考える。ニュータウン鉄道事業出資債、空港整備事業、こういうように次から次へと公債費というのは償還の一部を交付税で持つというのがふえているんですね。これはもう明らかに特定財源化しているんでないんでしょうか。国の政策をこういう交付税で押しつけていくというのは私はちょっと交付税の精神に反するんでないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#49
○政府委員(津田正君) まず、前段の交付税総額が見かけ上は一七二二%と高い伸び率を示しておるが、その中にかなり特定的なもの、あるいは臨時的なものがあるので、いわば通常の財政需要に伸ばす余裕がどの程度あるのか、こういう御質問かと思います。
 私ども、今回の地方財政対策あるいは地方財政計画におきまして特殊的なもの、臨時的なものというものを数え出しますと、見方はいろいろあるかと思いますが、一つは、補助率恒久化の補てん措置として国のたばこ税を交付税の対象税目にしたと、こういうことで二千三百三十億円確保しております。それから、税制改革の減収補てんとしての消費税に係る額が大体八千六百億円程度ございます。財源対策債償還基金に係る額が、これは先生御指摘のとおりでございますが、九千六百五億円。それから、前年度からの繰り越し、一億円の残り部分あるいは共済費の手当て、こういうものが三千六百億円あるわけでございます。この四つを足しますと、先生の数字とは若干考え方もぴったりしませんが、合わせますとこのような特別な要素分というのが二兆四千二百十八億円あるわけでございまして、交付税総額、平成元年度十二兆四千六百九十億円でございますので、この特別分を除きますと十兆四百七十二億円ということで、五一五%むしろ減になるのではないか、こういうような考え方も一つあるわけでございます。ただ、この内容を考えてみますと、補助負担率の恒久化に伴います措置のたばこ税の増分、これは要するに補助率の下がった部分等へ入れるわけでございます。まさしくこれは特殊要素でございますが、これがもしなければ国庫支出金の方でふえたわけでございまして、地方財政計画上の国庫支出金の伸びがその分だけ落ちて交付税の伸びに変わった、こういうような性格のものかと思います。ですから、交付税の通常ベースのカウントとしてはプラス・マイナス・ゼロというような考え方ができるかと思います。
 それから、消費税の導入という制度改正によるものでございますが、これは御承知のとおり、電気税であるとかガス税であるとか、そこいらを廃止いたす、あるいは料飲税をかなり大幅な調整をやる、こういうものの見返りでございまして、これは地方税で入るべきものが譲与税なり交付税へ変わってきた、こういうようなものかと思います。ですから、これは財政計画上から申しますと、税等であったものが譲与税なり交付税に切りかわったもの、こういうような考え方ができます。
 そこで、そういうものをはじきまして、特殊要素で残りますものが財源対策債償還基金を新たに設けたということ。それから、前年度からの繰越金というものが、これが交付税の通常の伸びに対応するものからしますと若干異質でございます。まさしく財源対策債の償還基金分の増というのはその需要で取られる、あるいは繰越分というのは繰り越してきた事業の需要に充てるというようなことでございますので、それを除きますと前年度に対しまして七%程度の増でございまして、これは財政計画の伸び八・六%でございますが、そこらとほぼ見合ったものでございまして、先ほど来申し上げましたように、投資的経費の単独等を九・二%伸ばせる、そういうような通常の財政需要というものにつきましては手当てできまして、地方団体の財政運営に支障を来すようなことはない、いわゆる通常ベースにおきましても必要な交付税総額というものを確保しておると、このように考えております。
#50
○山口哲夫君 今私が申し上げたような事業というのは、いわば特定した事業です。こういうものは本来補助事業として扱うべきだと思うんです。その返済の一部を交付税で見るということは、交付税の枠そのものが狭められてくるわけです。ですから、自治体にとっては自主的な財源というのはだんだん減らされてくるようなものですから、これは私は補助事業として見てほしいと思うんです。補助事業であれば、これは申請して交付決定されますし、それに不服があるときは審査請求だってできるわけでしょう。何らかの形で国に対して自治体が物を申すことだってできるんです。
 しかし、今のような起債事業でやりますと、申請は非常に複雑な手続ですけれども、国の方で一方的に配分することもできるわけです。そして、自治体としてこういった起債事業に対して是正の手続とか、そういった要素というのは一つも入っていないわけです。ですから、そういう点から見ても私はちょっと問題があるんじゃないだろうかなと、そして特にこの起債事業の問題については非常に制裁措置まで発動できるようなこともできるというようなことを考えた場合に、こういった特定する事業について元利償還金を交付税の中で見ていくというのは交付税の本来の精神にも私は反していると思うんですが、そういう点で一度お考えいただきたいと思うんです。
#51
○政府委員(津田正君) 交付税が特定財源化等何かひもつきの傾向があるのではないかという前の御質問に答弁するのを私落としまして失礼いたしましたが、再度御指摘がございました。
 多くの部分が投資的経費の問題でございます。投資的経費につきまして、交付税の需要をどのように算定するかということにつきましては、もうこれ何回も先生と議論したわけでございますが、かつてはいわゆる減価償却方式ということで、あるものが六十年で減価償却できる、六十分の一ずつを毎年度交付税の需要に算定していけばいいじゃないかと、こういう考え方が交付税制度発足当時の考え方でございます。しかし、やはり社会資本の整備というのは地域的に相当差が出てまいるわけでございます。
 特に投資的需要の算定におきましては、経常経費は、今ある、例えば小学校の生徒が何人ということに対して幾ら見るということができるわけでございますが、投資的経費はむしろこれからつくる防波堤をどう見るかということでございまして、いわゆる交付税の算定の基礎の客観的資料というものが必ずしも得られないわけでございまして、むしろないところの方が防波堤を長くしなきゃいかぬ、こういうような交付税算定上の限界というものもございまして、減価償却方式ではなくてむしろ事業費補正方式あるいはまず地方債で見まして、その元利償還を見る、こういうようなことが多くなっておるわけでございます。
 しかし、これは先ほど申しましたように、投資的需要というものの算定を合理的かつ個々の団体にもフィットするような考え方でやっておるわけでございまして、私どもあくまで地方交付税は一般財源でございまして、地方団体の自主的な判断で自由に使えるものという考え方でございます。需要の算定の一種の合理化あるいは個々の団体に的確に対応できるような算定方法ということで御理解賜りたいと思います。
#52
○山口哲夫君 交付税の枠がある程度決められてしまっている、そういった中での配分の問題が出てきますので、私は、そういうものをふやしていくことによって自治体として自由に使える金というのはだんだん少なくなってくる、そういう解釈に立つものですから、なかなか局長の言うようなことが理解できないんで、ぜひ検討しておいてほしいなと思うんです。
 それで、交付税そのものが実際には国税三税の三二%ということになっているんですけれども、ここ六年間は三二%を割っているんですね。一九八四年三丁三%、八五年が三一・五%、その次が三一・二、三一・五、三一・八、八九年度に至っては二九・一、非常に三二%を割っている。これは借入金の償還あるいは利子の充当分というものを差し引いていきますのでそういう結果になっているんではないかと思うんですけれども、交付税の趣旨というのはあくまでも三二%ということなんで、そういうものをもし割るということになりますと、当然その分は特例交付金かあるいは特例加算などを組んでいくか、あるいは交付税率をアップさせるかどうかしなければ、これはちょっと交付税の趣旨に反していくんではないだろうかというように思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(津田正君) 交付税率三二%の現実的な動きということでございます。御承知のとおり、昭和五十年代三二%では足らないために、臨時特例交付金あるいは交付税特会借入金ということで地方交付税の総額を確保したわけでございます。ですから、半面から申しますと、そのような法定分の三二%以外に、臨時特例交付金あるいは交付税特別会計借入金を合わせたものの国税三税に対する比率というもので見てまいりますと、例えば昭和五十二年度四三・六%、昭和五十五年度四三・四%と、こういうような率になっておりまして、全体としての交付税総額は確保したわけでございます。
 もちろん、これは先生御指摘のとおり、それならそういうような交付税率に直すべきではないかという議論がございますが、これは国と地方との財政事情が両方ともどうにもならない状況でございますので、借入金等でしのいだと。そのいわばツケと申してはあれでございますが、今度は借金の償還というようなことで、総体としての地方団体へ配分されます交付税総額というものが若干率を割っておるわけでございます。
 これはもう先生御指摘のとおりでございますが、これはまさしく過去におきましてそのような特例措置をいたしまして、実質的に交付税率を三二%ではなくてもう四〇%台まで確保したと、そういうようなものが今償還の段階に入りまして三二%を若干下回るような数字になっておる。中期的な観点で御理解賜りたいと思います。
#54
○山口哲夫君 確かに、五十年代には四〇%台というのもありましたよ、まことに結構なことでね。だからといって、今それじゃその分を減らしていいのかということにはならないと思うんですね。さっき大臣所信表明で、国と地方自治体との財政的な安定化を図っていかなきゃならない、こうおっしゃっていますけれども、安定化を図るまず第一の条件というのは交付税三二%ということになっているんですから、実質三二%をきちっと確保するように大蔵省に言ってもらわなければいけない問題だと思うんですが、大蔵省、いかがでしょうか。
#55
○説明員(水谷英明君) 先生今御指摘の点、ただいま自治省の財政局長から御答弁になったとおりでございますけれども、五十年代に御承知のように非常に税収が鈍化いたしまして、国、地方ともに厳しい財政状況の中で、やはり各年度の地方財政の円滑な運営というのには配意しなければならないということで、当時の関係者が非常に苦しい選択をいたしまして、極めて異例の措置として、交付税特会が有利の資金を借り入れてそれを地方の団体に配る、こういう措置をとったわけでございます。
 年々の交付税特会の金利というのも大変なものになっておりまして、五十九年度改革でその後原則としてこういうことはもうやらないと、十二兆円に上る借金になったものでございますので。ということと同時に、その金利の負担も二分の一国が負担する、二分の一は交付税特会に残額を残して、交付税特会から年々その借入金を返すというシステムになっておるわけでございまして、昨今の税収の増に支えられまして平成元年度の地方財政は改善の方向に向かっておるわけでございますけれども、この税収の変動というものを考えますと、平成元年度の地方財政におきましても過去のこういう異例の借金の返済に充てるのが適当だというように考えて措置させていただいたわけでございます。
#56
○山口哲夫君 そうすると、五十年代の自治体の借金というか、そういうものの今ツケが出てきているような感じがするわけですね。しかし、自治体としては安定的な財政措置というものをしてもらわなければ毎年毎年これは大変なので、少なくともここ六年間三二%を割るような状態というのは私はちょっと異常だろうと思うんです。幾ら五十年代がよかったからといってその分今我慢せいと言われても困るのであって、今後三二%は最低限確保するということをこれは大蔵省としても少し努力してもらえないかというふうに思うんです。
#57
○説明員(水谷英明君) 改めて地方交付税法の趣旨等を申し上げるまでもないと思うわけでございますけれども、今も申し上げましたとおり、幸い税収増等に支えられまして交付税特会の借入金も六兆円近いものから三兆五千億に減らすことができましたので、その金利負担も大幅に減ってまいりますので、その三二%という入り口ベースと徐徐に相違のない数字になっていくのではないかと、こう考えている次第でございます。
#58
○山口哲夫君 毎年予算編成のときになると自治省と大蔵省とやり合っているでしょう。自治体の立場から見れば、法律で決められたことが実際には行われていないということを非常に残念に思っているわけです。自治体財政そのものが非常に苦しいということは先ほど大臣からもお話があったわけですから、そういうことが一つあるということと、しかも片方では剰余金が出て繰り上げ償還までしているということ。これを二つ突き合わせるとどうしても矛盾になりますので、そういうことのないように地方財政をもう少し真剣に大蔵省としても考えてほしいということを強く要望しておきたいと思います。
 それで基準財政需要額の伸びを非常に抑制しているだろうと、先ほど津田局長はそんなことはないようなことを言っておりましたけれども、その一つの例として、不交付団体が年々増加しているんです。自治省の報告によりますと、昭和六十二年度が百七十二団体、昭和六十三年度になりますと十団体ふえて百八十二、恐らぐことしはもう少しふえるんではないかなと思うんですけれども、基準財政収入額というのは大体六六%くらい伸びているんです。ところが、交付税の方は全然伸びていないんです。この交付税の伸び率が非常に少ないということは基準財政需要額の伸びを大幅に抑制している結果ではないのかなと、そういう感じがしてならないんですけれども、この辺どうでしょうか。
#59
○政府委員(紀内隆宏君) 御指摘のように、不交付団体の数は近年増加する傾向にございます。その理由は、やはり最近の地方税収の動向というものを背景といたしまして基準財政収入額の伸びが基準財政需要額の伸びを上回って、そのことによりまして従来から財政力指数の高い団体につきましては不交付成りをするというケースが見られることがその要因であろうかと思います。特に、市町村の場合には都道府県と比べて規模が小さいことから、地域間の業種の立地であるとかあるいはその業種にかかわる景況の状況とかというものを反映しやすいという状況にございますし、また、あるいは発電所の立地に伴い固定資産税収の増大等の影響が大きく出てくるというふうな事情がございまして不交付成りするケースが多いということでございます。
 したがって、収入との相対関係で不交付成り団体がふえたということでございまして、基準財政需要額の算定を抑制しているというようなものではございません。
#60
○山口哲夫君 そこで、基準財政需要額の算定についてお聞きしたいと思うんですけれども、この算定に対する基本的な考え方というのはどんなふうに考えていらっしゃいますか。
#61
○政府委員(津田正君) 交付税制度、特に基準財政需要額は個々の地方団体が合理的かつ妥当な水準の行政サービスができるような財源保障、そして財源調整の機能を持っておるわけでございます。
 そこで、合理的かつ妥当な水準をどう見るかということが先生の御関心かと思いますが、私どもとしましては、毎年度法令や岡の基準により示ざれた行政水準、国庫補助負担金に伴います地方負担、さらにはこれからの町づくり、地域づくりをどうするかという単独事業の必要量、こういうものをはかりまして基準財政需要額の算定をやっておるわけでございます。したがいまして、法律上「合理的、且つ、妥当な水準」ということで書いてございますが、中身はやはりその時代時代におきます社会的、経済的諸条件を前提に、それとの調和において初めて決められるものと考えておるわけでございます。
 先般も衆議院の委員会におきまして、学用品等をめぐりましてこの「合理的、且つ、妥当な水準」という議論も指摘されました。一番わかりやすく申しますと、例えば小学校の学用品、教材の施設水準、私の子供のころはピアノじゃなくてオルガンでございましたが、現在はオルガンというものよりピアノというものを基準財政需要額の需要の中に算定する。しかし、実は文部省の基準には小学校でもチェロを一台ぐらいというような、学習指導要領から申しますと必要なんだということがございますけれども、まだ現在の、先ほど申しました社会的、経済的条件ということになりますと、チェロに対する財政需要をカウントするまでには至っていない。要するに、端的に申しましてその時代時代に要請される行政水準をどのように的確に把握していくか、私ども今後ともその的確な把握について努力してまいりたいと思います。
#62
○山口哲夫君 今局長のお話の中に、妥当な水準というのは国の法令や基準を守っていかなければならないと、こうお話がありました。実際にこの国の法令、基準を守っていないものが結構あるんじゃないでしょうか。前に質問したらそれは実績なんだと、こう言っているんですけれども、実績よりもまず優先しなければならないのは、妥当な水準ということからいけば、当然今局長がおっしゃったような法令、基準を守るということが一番大事でないでしょうか。
 毎回私がその例として出すのは清掃車の一台当たりの人数です。法令、基準を守るというのであればなぜ三人置かないんですか。単位費用を見ると依然としてまだ二・六だ。これは私は直るまで質問を続けなきゃならないと思うのですが、毎回同じことを言うのはもういいかげんに嫌になりましたけれども、少なくとも国の基準を守るということを局長からおっしゃるのであれば、毎回取り上げているこの基準を直したらいかがですか、実績なんて言わないで。
#63
○政府委員(紀内隆宏君) ごみの収集車の一台当たりの運転手と作業人員の数は、私ども現在二・六人で積算をしております。おっしゃることは恐らくは、厚生省の安全マニュアルの作業についての三人ということをおっしゃっているんだと思いますけれども、私ども従前から申し上げておりますように、運転手を込めて三人であればよろしいというふうにこれを解釈しているところでございます。また、現実の実態も一台当たりおよそ二・六人であるということからこのような措置をとっている。また、他の法令との関係で申し上げますと、かつても道交法をめぐる御議論があったように伺っておりますけれども、道交法上の扱いにつきましても警察庁の御見解をいただいておりまして、要するに車をとめて運転手が作業に参加しても、何か事があった場合に直ちに戻ることができるような状況であればこれは道交法上の問題は生じないと、このように承っております。
#64
○山口哲夫君 今、運転手を含めて三人とおっしゃいましたね。三人でないんです。
#65
○政府委員(紀内隆宏君) 単位費用上は運転手を含めて二・六人で計算しております。
#66
○山口哲夫君 いやいや、運転手を含めて三人であればいいというふうにおっしゃっていましたでしょう。
#67
○政府委員(紀内隆宏君) 失礼しました。収集作業を二人以上で行うというのが厚生省の安全マニュアルでございまして、実際には作業員一・六人を措置し、このほかに運転手一人がございますので、私どもは運転手と作業員合わせて二・六人であれば安全マニュアルは満たしていると、このように考えております。
#68
○山口哲夫君 厚生省お帰りになったんですけれども、厚生省から出しているマニュアル、あのマニュアルからいくと運転手一、作業員二と。だから合わせて三なんです。これが基準なんです。今おっしゃっているようなことは余りにも地方自治体の現場にマッチしない考え方です。車をとめて運転手がおりて作業できるような状態じゃないんですよ、大都市になればなるほど。常時、運転手というのは運転をして、そしてエンジンをかけておかなきゃならないんですよ。エンジンをかけておかないと機械は動きませんからね。ですから、運転手が運転台から離れるなんということは、それは小さな町へ行けば別ですよ、しかし、少なくとも都市の中ではそういうことは不可能だと思う。だから、運転手がちゃんと運転台についておいて、作業員二人で詰めて、ごみを全部積み込んで、積み込んだらすぐに走って次の箇所に行かなきゃならないというのが実態なんですよ。
 そういう現場の実態を考えたときに、私は二・六人でいいんだということにはならないと言っているんですよ。これ一回検討してみたらどうですか。地方自治体に出かけていってどういう作業をやっているか。自治省はそういう作業のことを知らないかられ上の計算でそういうことになると、実績なんて言っているけれども、局長言っているように基準をまず守らなきゃならないと言っているんですから、法令や基準を守るということが合理的、妥当な水準だと言っているんですから、自治省の考え方、局長の考え方が実際に反映されていないんじゃないですか。
#69
○政府委員(津田正君) 法令の基準云々の点でございます。先ほど私申しましたのは、小学校の音楽教育のような場合、まさしく学習指導要領に基づく教材の一つとしてチェロまで要ると、こういうふうには書いておるものの、やはり現在の社会的、経済的水準ということからすれば、オルガンだけということはいかぬのでピアノというものは確保しますが、まだチェロという段階までには至らないのではないか。やはり基準自体はかなり高度なものを目指しております。それを私ども目指さなければなりませんけれども、しかし、反面におきましてはその時代時代におきます妥当な水準の確保というような考え方でおるわけでございます。
#70
○山口哲夫君 局長は楽器の話をとって話をするだけで、基準は高度なものじゃないですよ。最低基準という言葉があるでしょう。自治体にとってはこれが最低なんですよ。だから、二人乗せて走って作業をやったためにけがして死んだなんという例だってあるわけでしょう。だから、少なくとも厚生省でつくっているのは、決してこれは理想というかそんな高度な水準じゃないです。最低基準なんです。その最低基準を守らないというのはおかしいんじゃないですか。
 消防の基準財政需要額はどうですか。今、各自治体でもって消防はどのぐらい基準を達成しているのかと聞いたら、まだ五六%なんというのがあります。化学消防車五六%、それから消防水利七二・三%しか実際には達成していないんです。これは極めて高度な水準なんですか。消防庁さんどうですか。
#71
○政府委員(矢野浩一郎君) お尋ねの点は消防力基準に対する実際の整備状況を御指摘と思います。
 消防力基準と申しますのは、これは消防庁長官告示で定めておるものでございますが、「市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行なっために必要な最少限度の施設及び人員について定める」ということを目的としておるものでございます。
 なお、これに対する現実の整備状況でございますが、今御指摘のようにこの基準に対してまだ充足、達成せられてない部分が多いわけでございます。例えば救急車のようなものになりますとほとんどもう一〇〇%ということでございますけれども、消防の基幹をなしております例えば消防ポンプ自動車で九〇%、小型動力ポンプで七〇%、消防水利七二%といったような水準でございまして、一般的に申しますとこういった平均値でございますが、中には御指摘のように、例えばはしご車というようなことになりますと、二台なら一〇〇%になるが一台でありますともう途端に五〇%になるというようなケースなどもございまして、なおこの基準に達してない向きが多々ございます。私どもとしても、全力を挙げてその充実整備に向かって市町村の指導に努めておるところでございます。御理解を賜りたいと存じます。
#72
○山口哲夫君 だから、消防の方でも今出しているものが最高の基準だと、高度な基準だなどとは考えていないわけでしょう。
#73
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、私どもとしてはこの消防力基準というものは最低の目標を決めたものと、こういう考え方で指導に努めておるところでございます。
#74
○山口哲夫君 最低の目標で、それで一〇〇%達成するようにと言っているわけです。決して高度な基準じゃないんですよ。だから清掃車のものだって、厚生省今いれば聞こうと思ったんですけれどもいらっしゃらないので、少なくとも厚生省で出している安全マニュアルというものはこれは最低の基準なんです。最低の基準を自治省でも交付税できちっとつけてください。
#75
○政府委員(紀内隆宏君) ごみの収集につきましては、先ほど申し上げましたように、収集は二人以上によって行うということが厚生省の安全マニュアルに書いてあるわけでございまして、実際に厚生省から各府県あてに通知されたものの中身もそのようになっているかと承知しております。一方、実態につきましては、先ほど申し上げましたように、一・六人程度のものでございまして、単位費用上はこれによって対応しているというものでございます。
#76
○山口哲夫君 ちょっと聞き取れなかったんですが、最低基準を守ると言うんだから、厚生省の方としては最低基準として安全マニュアルをつくっているわけですよ。それを実績でやったら最低基準をずっと下回ってしまった。だから、国みずから決めた最低基準を国みずから交付税の方ではそれを破るようなことを指導しているわけですよ。だから私は、最低限基準だけは守ってくださいと言っている。
#77
○政府委員(紀内隆宏君) 最低基準は守られていると私どもは解釈しております。と申しますのは、収集人員について二人以上というのが厚生省の示している見解でございまして、私どもは一・六人に運転手が随時これに参加するという形で二人の基準はクリアしているものと、このように考えているわけでございます。
#78
○山口哲夫君 議事録持ってきませんでしたけれども、たしか二年くらい前の地方行政委員会で藤原課長が、これは最低基準ですと、運転手一、作業員二です、計三人ですと言っているんですよ。運転手を含めて二人でもいいなんて言ってませんよ。全然自治省の考え方と違いますよ。
#79
○政府委員(津田正君) 私ども実績と同時に、もちろんその考え方につきまして厚生省当局にも聞いておるわけでございますが、厚生省当局におきましても、要するに運転手を活用して二人以上あれば安全基準には該当する、そして運転手の道交法の問題につきましても警察庁の見解をただしまして、現在の私どもの交付税の需要額というものは十分その安全基準を満たしておる、このような考え方でございます。
#80
○山口哲夫君 それは納得できません、私はどうしても。いっかまた機会がありましたらやりましょう。同じことをもう毎年でもいいですよ、実現するまでやりますから、もう一度あなた方の方も検討をしておいてください。
 この最低基準という問題なんですけれども、交付税法の二十条の二ですか、「地方団体が法律又はこれに基く政令により義務づけられた規模と内容とを備えることを怠っているために、」云々。ここに一つの最低基準というものが出てきているんですけれども、厚生省の児童福祉の方いらっしゃいますか。――この二十条二に基づく最低の行政水準、児童福祉の方ではどういう考え方でこの最低基準というものをつくっていらっしゃるんですか。
#81
○説明員(沢江禎夫君) お答え申し上げます。
 児童福祉施設の運営費につきましては、私どもいわゆる児童福祉の水準を維持するといいますか、担保するために児童福祉施設最低基準というものを設けております。この中におきましては、安全面も含めました構造設備基準であるとか、あるいは職員の配置基準あるいは職員の資格というようなものを定めておるわけでございまして、この最低基準を維持するのに必要な経費ということで運営費が積算されているわけでございます。私どもは実態に即しましてその内容の改善なりあるいは適正な執行について努めておるというところでございます。
#82
○委員長(向山一人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#83
○委員長(向山一人君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○山口哲夫君 質問を中断してしまったものですから、午前中のつなぎがどこまでいったのか見当つかなくなってしまいましたが、たしか児童福祉法の最低基準のことで終わったと思うんです。
 児童福祉法の第四十五条に「最低基準を定めなければならない。」、こう書いてありまして、その法律を受けて児童福祉施設最低基準というのがございます。その第四条を読んでみますと、「児童福祉施設は、最低基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させなければならない。」、最低基準は決めたんだけれども、それを守っていればいいんではないんだ、常に最低基準を超えてさらに向上するように努力をせいというのがこの最低基準の趣旨なわけであります。そういうことからいきますと、先ほどの清掃車の問題についてももっと向上させるということを常々考えなければならないわけですね。
 先ほど津田局長がオルガンからピアノになった、しかしチェロまではまだいかない、さらにそれを目指して努力するんだという話をしておりました。教育の、音楽の器材等についてはそういった向上を常に心がけている。こっちの方を心がけているんですから、もう一方の方の清掃車だって当然心がけて向上に努めなければならないと思うんですけれども、それは時間もありませんから一応この程度にしておきます。
 保育所の職員の数の問題、最低基準の三十三条の二項に「保母の数は、」云々と書いてあります。年齢によって保母の数は一人、二人、そういうふうに書いてあるんですけれども、この最低基準の計算からいきますと、厚生省で基準財政需要額をはじき出した九十名を定数として想定した場合に六・一五人になるという、そういう説明があるわけです。しかし私どもとしては、六・一五人というのは最低基準であって、常にこの法律に基づくと、超えるように努力をせいというふうになっているわけですけれども、この定数というのは何年来一つも変わっていないわけです。前の委員会でも私申し上げたことがあると思うんですけれども、例えば学校教育の関係については、四十人学級が一人でもふえれば教室をもう一つつくって、先生をもう一人ふやさなきゃならないという法律があるわけです。同じ子供を扱っている保育所の方は、例えば四歳児以上四十八人、これは三十人に一人ですから、三十人に一人ということになると、四十八から三十を引いて十八人余るわけです。これは当然もう一クラスをつくらなければならない、こういうことになるわけです。そうすると、さっき言ったように六・一五人で計算しているようだけれども、私どもの計算からいくと七・〇二人でなければ合わないということになるわけです。最低基準との関係でどういうふうにお考えでしょうか。
#85
○説明員(炭谷茂君) お尋ねの保育所における保育の体制のあり方といいますか、についての御質問であろうと思いますけれども、私ども、保育所の保育におきましては、今先生が例に引かれました公立の小学校のクラス編制とは若干趣を異にしておるのじゃないだろうかと思っております。と申しますのは、やはり保育所と申しますのは、教育性もありますけれども、親御さんのかわりに幼児を保護するという面もあるわけでございます。また、したがいまして低年齢児も扱うわけでございます。また、保育所の園児はそれぞれ非常に個性がございますし、非常に低年齢児であればあるほど発達段階に個人差が生ずるわけでございます。また、入園時期も小学校と違いまして、すべての人が四月一日に入るというような性格のものでもないわけでございます。また、それぞれの保育所において年齢構成、人数等の違いもあるわけでございまして、クラスの編制に当たりましては比較的弾力的に行わなければならないというふうに考えておるわけでございます。
 例えば先生今例に引かれました三歳児と四歳児を三歳児の上の方の年齢と四歳児の下の方の年齢をもって一クラスにするとか、また場合によっては、最近保育学の進歩に基づきまして縦割り保育というものの重要性も言われております。つまり、家族の人数が非常に少なくなってきたということで、家庭のかわりに兄弟関係をつくるということで年齢を混合するというやり方も保育所によっては試みられているわけでございます。このような関係におきまして、クラス編制については弾力的にそれぞれの保育所の事情によって対処すべきではないだろうかというふうに考えているわけでございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、保育所の保育の質の確保というものについては最大限の努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
#86
○山口哲夫君 学童と違うんだということなんですけれども、学童と違うからこそなお職員というのは十分配置していかなければならないと思うのですよ。今あなたがおっしゃったように、乳幼児の保護をまず考えるわけでしょう。そうすると目を離せないわけです、非常に小さい子供たちを扱っているわけですからね。そういうところから、例えば三十人に一人の保母ということになれば、それを十人とか十五人超えた場合においては当然もう一クラスつくって保母を配置しなければ責任を持てないわけです。そういうことがあるからこの最低基準というものは常に基準を超えるように努力をせいと言っているはずです。だから、これでもっていいという考え方に立っているとすれば、法律の考え方を実際に生かしていないということになりはしませんか。
#87
○説明員(炭谷茂君) 先生今おっしゃいました例えば三十人を超える十五人分はどのように保育に当たったらいいだろうか。当然最低基準による考え方があるわけでございますので、その辺の十五人の扱いにつきましては他の年齢との混成というようなことで、保母が保育に支障のないようにそれぞれの保育所において工夫している。例えば年齢ごとにクラス編制を行うということは保育所の性格上必ずしもそのような必要性もないわけでございます。
#88
○山口哲夫君 混合にした場合であっても六人では十分その目的を達成できないということもあり得るわけです。だから、その辺やっぱり十分検討しまして、少なくとも法律で最低基準は常に超えるように努力せいと言っているんですから、何年間もこのままでいいということにならないので、一度検討をしておいてほしいと思うんです。
 もう一つの問題として、これは前にも取り上げたことがあると思うんですけれども、三歳未満児と以上児とでは給食の金額が違う。どうして違うんだと言ったら、三歳以上児は家庭から弁当を持ってこいというわけです。いろいろと担当の方と話をしておりましたら、それは一つには財政的な問題もあるんですということをはっきり言っているわけです。確かにそのとおりだと思うんです。財政的な問題があるとすれば、地方交付税そのものが剰余金が出てきて大分楽になっている、そういうときにこそこの単位費用というものをアップさせていかなければならないんじゃないかと思うんです。いつまでもこのまま放任しておくということにならないと思うんですけれども、どうでしょうか。
#89
○説明員(炭谷茂君) 保育所における給食の重要性ということは言うまでもないわけでございます。私どもといたしましては、お母さん、お父さんが働いていらっしゃるという関係上、手づくりのお弁当をつくっていただくということは非常に難しい。また、三歳未満児につきましては、離乳食という関係上弁当にはなじまないということで、せめてお母さん方に対しては余りお手数をおかけしない主食、大半は御飯もしくはパンになろうかと思いますけれども、それを持ってきていただいて、栄養的にバランスのある副食をそれで統一的に保育所で出すということでやってきたところでございます。
 これにつきまして、御指摘の点の主食についても出したらどうかということでございますけれども、私どもいろいろと保育所関係者、また実際保育所を訪問いたしましたときに、保育所において、親御さんが保育所に預けっ放しということじゃなくて、やはり家庭と保育所とが一体となって子供を育てるという心構えが必要じゃないだろうか、最近特にそのようなことが指摘されているわけでございます。現実に主食を持ってきていただいているという保育所は現在かなりの数に上っております。若干調査は古うございますけれども、五十七年度の私どもの調査したサンプリング調査では、約七割近くが主食を持ってきていただいておるわけでございます。
 このような保育所についてお伺いいたしますと、家庭から御飯ないしはパンを持ってきていただくということについて、やはり家庭自身が保育所の給食というものについて関心を持っていただける。また、弁当を持ってきたお子さん自身がお母さんの愛情を感じるというようなこともありますので、私どもは単なる財政的な事由だけではなくて、むしろ保育所保育の本来の趣旨にかんがみて、せめて主食ぐらい家でつくっていただくということが適当ではないだろうかと考えている次第でございます。
#90
○山口哲夫君 学校の子供たちだって給食として年齢に区別なくちゃんと主食も出しているわけです。保育所だって三歳未満児は主食を出しているわけです、中身は若干違うかもしれないけれども。どこの保育所だって三歳以上児の給食を出せないような厨房ではないです。大体三歳以上児の主食をつくろうと思えばつくれるような範囲でやっているわけです。ただ、なぜこういうふうに区別したかといったら、いみじくも課長補佐だったですか、お話ししたときに、それは確かに財政的な問題もありますという話をされているわけです。ですから、財政的なことであれば、財政的に少しでもよくなってきた段階で変えていくのが当然でないんですか、せっかく最低基準があって、常にそれを超えるように努力せいと言っているんですから。
 この保育所の給食一つとらえて、今までと同じような財政的に苦しいからということで抑えて、答弁からいけば親と子が一体となってやらなければならない、そんな理屈ではこれは通用しないと思うんです。何も弁当持ってくるだけが親と子の関係を密接にする問題ではないわけですからね。やっぱり親と子の一体感ということは、保母さんと子供の日常の動きをどう把握しているか、そんなことをずっと調整していくというか、よく話し合いしていくということが一番大事なんであって、弁当一つとらえて親子の関係とかなんとかという理屈には私はならないと思うんです。七〇%が持ってきているというのは、単位費用でもってそんなに抑えて、保育所の計算からいくとその程度しか交付税としては見てもらえないから、やむなく各市町村では、厚生省で言っているように主食だけは持ってこいと言っているんであって、これを直してごらんなさい、みんな喜びますから。そういう努力を常にする必要があるんでないですか。
#91
○説明員(炭谷茂君) 保育所の保育といいますのは、お子さんが結構長く、大体平均で八時間以上保育所で生活するわけでございます。したがいまして、より保育所の園児に対して家庭的な雰囲気を味わわせたい、また家庭とのつながりというのをできるだけ太くしたいというふうに私どもは考えているわけでございます。生活の中の基本はやはり食事であろうと。その中で昼食がやはり保育所のメインを占めるわけでございます。したがいまして、学校給食と保育所の給食の位置づけとは若干違うのではないだろうか。できるだけ家庭的な雰囲気というものを味わわせてやりたい、そのためにやはり各家庭でつくっていただいたお弁当というのが望ましいんではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
 三歳未満児につきましては、やはりその食事の性格上どうしても主食というものがないと、また衛生上問題もあるし、特殊な食事が三歳未満児については要求されますので、主食は持参させないで、すべて保育所で提供しているところでございます。
#92
○山口哲夫君 昼の主食だけを家庭から持たせたからそれで家庭的な雰囲気になったなんというのは、それは言葉は悪いかもしれないけれども、へ理屈としかとれませんね。私は、財政的な問題からいっても、今こういう単位費用というのは改正するちょうどいいチャンスだと思うんです。そういう点で法律に基づいて常にその基準を超えるように努力をしてほしいということを要請しておきたいと思います。
 学校給食の問題を交付税に関連してちょっと質問してみたいと思うんですけれども、「学校給食実施状況」というのが文部省の体育局から出ているんですね、六十三年の五月一日現在。これを見ますと、七百一名から九百名の小学校の一校当たりの給食調理員の配置人員というのは平均人員で四・七人になっているわけです。実績で組みましたということを自治省ではよくおっしゃるんですけれども、これは交付税では四・〇人しか組んでないんですよ。それはどういう違いがあるんですか。
#93
○政府委員(紀内隆宏君) お示しになりましたように学校給食につきましては、交付税の標準施設規模一校につきまして、小学校につきましては給食従事員四人という計算をしております。昭和六十三年度についてその算入の実態を見てみますと、小中学校合わせての数字でございますけれども、全国に配置されている実数、これは六十三年五月一日現在でございまして、小中学校総計で七万八千九百二十六人というふうになっております。私ども先ほど申しましたように、小学校については四人、中学校については二人プラス非常勤一という計算でございますけれども、それによって交付税に算入された人員が八万一千六口八十七人というふうに相なっておりまして、交付税の算入人員は総体としては配置の実数を上回っているものと、こう考えております。
#94
○山口哲夫君 四・〇で、実際の人数を上回っているということですか。文部省の調査によりますと四・七人ですよ。少ないんじゃないんですか。
#95
○政府委員(紀内隆宏君) 私ども実際に六十三年五月一日の調査の数字に基づいて今のことを申し上げたわけでございまして、標準団体について四人を計算する、これが種々の補正を適用された後に、補正後の数値に適用されて全国に措置された人員が幾らになるか、こういう計算をいたしますと、八万一千六百八十七人ということになりまして、実際の配置実数七万九千人弱を上回っていると、こういうことを申し上げた次第でございます。
#96
○山口哲夫君 そうすると、文部省のこの実態調査というのは違うということですか。
#97
○政府委員(紀内隆宏君) 今の文部省の数字というのは五百一人から七百一人校の平均の数字でおとりになった数字であろうかと思います。私どもは、実際には標準団体という、いわばモデルの団体におきましてはこれを四人と算入すれば全国の実際の人員を十分カバーし得る、こういう計算をしているわけでございます。
#98
○山口哲夫君 ちょっと違いますよ、五百一人から七百人というのは四・四人となっているんですよ。
#99
○政府委員(紀内隆宏君) ちょっとお手元の数字との違いが今とっさにわかりませんけれども、学校給食調理員数につきましては、文部省の体育局長から示されている基準によりますと、五百一人から九百人の間につきましては四人がその基準とされております。手元にあります数字では、小学校の場合は七百一人から九百人校、中学校の場合は五百一人から七百人校、平均で四・七人だと、こういう数字を持っております。
#100
○山口哲夫君 ちょっとデータのとり方が違うんですかね。六十三年五月一日現在、これは文部省体育局ですよ。五百一人から七百人が四・四、七百一人から九百人は四・七、九百一人から千百人は五・五なんですよ。まるっきりおたくのおっしゃっている実態とは違うんじゃないですか。
#101
○政府委員(紀内隆宏君) 数字の違いは後ほど究明してみたいと思いますけれども、私どもは標準団体において何人と、要するに人口十万人の規模におきまして。その四人なら四人を算入いたしますと実際の配置を上回る数が算定される、こういうことでございます。
#102
○山口哲夫君 数字の違いでしょうから、後ほど突き合わせてみましょう。
#103
○政府委員(紀内隆宏君) 今おっしゃったのは多分六十二年の数字だと思います。私の申し上げたのは六十三年五月一日の文部省調査の数字でございまして、その点で若干違っているのかと思います。
#104
○山口哲夫君 この印刷は六十三年五月一日現在と書いてありますよ。これは文部省からもらったんですよ。
#105
○政府委員(紀内隆宏君) 数字につきましては後ほど精査してみたいと思います。
#106
○山口哲夫君 いずれにしましても四・〇というのは実態に合わないんですよ。実態は四・七人なんです。
 そうすると、そういう非常に低い単位費用で組んでいきますと、学校給食全体にかかる経費というのはこの程度だということで、それで自治体の方が予算を組むときに、教育委員会の予算で学校給食はこういう基準財政需要額で算入されているんだからこれ以上は組めないということで、そういうところから職員の定数減をしてパートタイマー化している、そういう問題につながってくるわけです。
 ですから、非常に細かい問題ではあるけれども、単位費用のおたくの方のとり方いかんによっては自治体としてはそれを非常に上手に利用して職員の削減に使うわけです。そういう中から学校給食というのは非常にパートタイマーが多くなってきているんです。そこへ文部省の方から。パートタイマーに切りかえろというような指導もするものですから、なお一層各自治体のパートタイマー化が促進されているというのが実態なわけです。これを見ますと、非常に経済性だけを強調しまして、子供の安全性ということはもう二の次になっているんです。
 文部省いらしていますか。――学校給食のここ三年間の食中毒の数字をいただきました、おたくの方から。これは厚生省の食品保健課で調べた数字と違うんですね。例えば昭和六十二年の文部省の調べでは八件で二千三十七人。ところが厚生省の食品保健課の調べでは三倍以上ありますね。件数として二十七件、四千七百人なんです。それから昭和六十三年度も、文部省は二十六件しかないと言っているけれども、厚生省の方では四十五件もあるわけですね。このように食中毒が最近非常にふえてきているというのは、私はセンター化の中に問題があるのではないだろうかと思うんです。共同調理方式と単独調理方式とどっちが食中毒が多いかと思って調べてもらったんですけれども、これはセンター化の方が多いんですね。そういうことからいくと、センターの中で食中毒が多いということが言えるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
#107
○説明員(石川晋君) お答えいたします。
 まず学校給食の中毒の件数でございますが、先生が先ほどおっしゃいました厚生省の数字と申しますのは学校で起きた食中毒ということですから、幼稚園から大学まで入る。学校給食というのは、先生御承知のように小学校ではほぼ一〇〇%、食中毒の可能性があるという意味でいえば、中学校で六〇%でございますので、学校で起きた食中毒という厚生省のものとは数字が異なってくるであろう、こう思うわけでございます。
 それから、ただいま先生のお尋ねの点でございますが、確かに御指摘のとおり、若干共同調理場の方が多いというようなことは私どもも言えるのではないかと思っているわけでございます。御指摘のとおり、昭和六十一年度は、件数で申しますと、単独校が六件、共同調理場が五件、合計十一件。六十二年度は、単独校が六件、共同調理場が二件、この年は単独校の方が多いということでございます。また六十三年度になりますと、単独校が十二件、共同調理場が十六件、こういったことでございますので、比較すれば確かに若干多いということは言えると思うわけでございます。
#108
○山口哲夫君 共同調理場方式というんですか、やっぱり食中毒が出る原因というのはその辺にあるんじゃないかなというふうに思うんです。
 例えば北海道の室蘭地方で昭和六十三年の六月二十九日から七月十六日にかけまして七十の小中学校で八千九百二名、自治体の数としては三市一町にわたって錦糸卵による食中毒事件というのが起こっております。私も現場にすぐ飛びましていろいろと調べてみたんですけれども、これは全部センター方式でやられているわけです。センター方式でやりますと大量につくらなきゃならないわけでしょう。そうすると、きょう食べるそういった品物をきょう調理するわけにはいかないわけです。前日のうちに調理をしておいて、そして冷ましておいて前の日のうちに運んできて、朝早いところは九時からもう小学校に配送するわけです。だから、つくって保存しておくというものが非常に多くなる。そうすると、暖かくなりますと当然そういった食中毒の原因というものがそういう中から発生してくると思うんですけれども、もし単独校でやるとすれば、ある程度手間暇かけてやれるわけなんです。そういうことから見ると、調理場方式の方にこういった食中毒が多いということについては御理解いただけると思うんですけれども、この室蘭地方で起きた問題も納入業者の方にやっぱり問題があったと、調理場方式との関連の中で、その点はお認めになりますか。
#109
○説明員(石川晋君) 先生御指摘の室蘭地方で昨年起きた食中毒、これは四市にまたがり、共同調理場でいえば六カ所の調理場がかかわり、八千九百名と大変膨大な数の子供たちが食中毒にかかりました。大変遺憾なことだと我々も感じているところでございます。
 ところで、先生御指摘の点でございますが、確かに共同調理場の場合、特に規模が大きくなれば配送地域も広い、したがって調理の期間が単独校に比べれば前倒しになるであろうというお話でございました。確かにそういう面があろうかと思うわけでございます。また、共同調理場というのは、一たん食中毒が起きた場合には対象となる児童生徒数が多い、すなわち大規模なものになりやすいということで、私ども特に食中毒の防止という観点から、安全衛生の徹底ということについては、共同調理場においてはそういうことをよく自覚し、安全衛生の徹底をお願いするということをやってきたわけでございます。
 ところで、本件の中毒原因と申しますのは、御指摘のとおり錦糸卵、要すれば細切りにした卵焼きでございますが、このものは、私どももどうなんだろうかということで調べてみたんですが、共同調理場だけでなく、つくる上でいろいろと大変手間暇がかかるということで、どちらかといえば学校給食で使われる品物としては外部の業者から購入する例が多い、そういうものでございます。
 ところで、この食中毒は原因菌がサルモネラ菌だとはっきりしているわけでありますが、これは加熱すれば防げるものである、したがって、通常であれば業者から受け取ったものを、もちろん信用すれば何もしなかったということもあるのかもしれませんが、学校でどうするかといえば、スチーム加熱をして安全を期すというようなことをするわけでございます。したがいまして、特に共同調理場であれば、もちろんそういう菌のついた品物を送った業者、選定とかそういったことの問題はありますが、共同調理場においてもそういうような安全衛生上の配慮をすればこういう問題は起きなかったんではないか。現実に当該業者から受け取っているセンターというのはこれ以外にも六つほどありますが、安全衛生の徹底している方で一は起きなかったというようなこともありますので、置かれた条件が違いますので、センターと単独校を同じには論じられませんが、それぞれ安全衛生について配慮をして、周知徹底を図ってきたというふうに考えております。
#110
○山口哲夫君 例えば今加熱すればこういう事件は起きなかったと言うんですけれども、実際問題、加熱する時間的な余裕がないんですよ、センター方式でやりますと。非常に大量につくらなきゃならない。配送時間がもう単独校方式と比べるとずっと早いわけです、何時間も早いわけです、自分のところでつくっているんじゃないですから。そういういろんな条件を考えていきますと、調理場方式というのは食中毒が発生する条件が単独校方式よりもあると思うんです。
 そういうことを考えたときに、現在の文部省が調理場方式を盛んに進めているということは経済性の追求であって、子供たちの安全性ということが二の次になっていやしないだろうか。あなた方は調理場方式でも安全になるように一生懸命やれと言うんですけれども、そういう一片の通達だけで解決できる問題ではないんで、いろんな発生する条件というものをきちっと取り除いて初めて安全性というものが確保されるんじゃないだろうか。そういう安全性を確保するための努力というものをこれからするとするならば、単独校方式に切りかえた方が私は極めて安全だと思うんです。
#111
○説明員(石川晋君) 単独校が共同調理場ということにつきましては、六十一年、私ども臨時行政調査会の御指摘を受け合理化の通知を出しているところでございますが、御承知のように、市町村で行っている学校給食の事業というのはある意味で、給食費は別ですが、管理、運営に要する経費に膨大な税金を使っている事業である。そういう意味で効率的に節約しながら税金を使うということはいかなる事業でも必要であろう。そういうことで合理化を進めているということは先生御指摘のとおり事実でございますが、私どもその通知の中でも、学校給食の質を落とさないように地域や学校の実態に合わせて進めていただきたいということを申しているわけでございまして、もちろん合理化の目的は経済性にあるわけですけれども、その際、学校給食の質なりそういったものは十分維持するように配慮しながらということでお願いしているところでございます。また、そういう配慮の内容としては、先ほど申しましたように、センターならセンター、単独校なら単独校、置かれた条件が違うわけですから、それに合わせた安全管理を含め工夫をしていくということは、私どもだけでなく、税金を使う各市町村としてもそういうことを自覚しながら仕事をしていくべきではないかというふうに考えているところであります。
#112
○山口哲夫君 文章上とか言葉の上では安全性というのは幾らでも言えると思うんですけれども、くどいようですけれども、安全性を阻害しているようなものを取り除いていって初めて安全性が確保されるんであって、調理場方式というのは、そういう点からいけば、単独校方式に比べて極めて安全性の面から見るとマイナスの面が多いと、私はそういうふうに思うんです。だから文部省としても、子供たちの健康のことを考えて本当にいい給食ができるようにするためにはもっともっと改善するべきことがあるんであって、六十年の一月二十一日に通達出していますね。こういうような通達を出すこと自体が、文部省自身が安全性というものを全然頭に置いていないという一つの証拠にもなると思うんです。この点、考慮してほしいと思うんです。
 週刊現代という週刊誌がありまして、その五月号だと思うんですけれども、皆さんもよく知っているジャーナリストの郡司和夫さんが大変おもしろいことを書いています。ちょっと読んでみますので、感想を聞かせてください。
  東京・練馬区の小学校低学年の給食単価(センター方式)は一食当たり百六十六円である。これに対して、全国の少年刑務所における受刑者の食事は一日五百一円前後となっている。一食当たりにすれば百六十七円とほぼ同じ。しかし、少年刑務所の場合は受刑者の健康を考慮して、加工食品は極力使わないし、府中刑務所などはパンまで自前で作る。安全性と経済性の矛盾などないのだ。
こう言っているんですね。どうお考えになりますか。
#113
○説明員(石川晋君) 郡司さんの御意見を知らないわけではございませんが、一般論として加工食品だから安全性を配慮していないとか危険であるとかというふうな認識は持っておりません。その記事には、その後何か私どもの調査官の発言が歪曲された形で報道されているという部分もあるわけでありますけれども、一般論として言えばそういうことはない。
 それから、私ども考えておりますけれども、常常、もちろん加工食品だからといって不必要な添加物があるようなものは使わないようにという点での指導、一方食事というのは当然ながら栄養のバランスがとれていること、あるいは食品のそのときのおかずとしての文化性と申しますか、御飯があって一つおかずがどんとあるという、それでいいというわけではなく、やはりそれなりの形というものがあるわけですけれども、そういうことに配慮して、栄養のバランス、安全衛生、それから文化性、こういったものが十分バランスをとれるように給食の実施をお願いしているということでございまして、その記事についてはどうも我々の給食に対して誤解が多いんではないかというふうに感じている次第でございます。
#114
○山口哲夫君 私はこれを読んだときに誤解はないと思うんです。
 これから申しますと、とにかく加工食品を極力少年刑務所とかというところでは使ってないんだと。これは加工食品は食品添加物を使われていますね。残念ながらその論議をする時間的余裕はありませんので、それは別な機会に譲りますけれども、一般的に言われているのは、家庭でもってつくる食事よりも加工食品を使う方が健康上からいけば問題があるというのは、これは通説ですよね。いろんな食品添加物が使われているわけですから、加工食品に。確かに家庭でも使っているかもしれないけれども、人間の健康管理の面からいけばできるだけ加工食品は使わない方がいいというのは定説ですね。その定説まで否定されるんですか。
#115
○説明員(石川晋君) いや、私の申した意味は、現在の経済生活の中ですべてがすべて手づくりで賄えるというような私ども生活を送っているわけではなく、例えば食品というものについていえば、我が国は自給率が大変低いわけでありまして、おかずのたぐいを諸外国から輸入しているわけでございます。そういったときにこれはどういう形で来るかといえば、加工されるなり、同じ加工食品ですけれどもチルド、冷食の形で我が国に来るわけであります。こういうものを使用している。そういうことですので、加工食品が悪いということではなく、不必要な添加物を使っていない、できるだけいわば天然に近い状態で、例えば冷食のように加工してあるもの、こういった形での使用ということを考えているのであって、加工食品だからいい悪いとか、あるいは添加物があったから、添加物がいい悪いということをいえば、これはできるだけ避ける方がいいということでございますが、だから加工食品を使わないというわけにはまいらないだろうというふうに考えておるわけであります。
#116
○山口哲夫君 加工食品が悪いとは言っていないんです。加工食品というのは食品添加物が含まれていることは、天然の食品を使うよりも当然のことです。ですから、極力使わないようにしていくことが大事なんじゃないですかと言っているわけです。だから、子供の健康を考えた場合には、少年刑務所でもできるだけ加工食品を使わないようにしているということからいけば、学校給食だって当然加工食品はできるだけ使わないように努力をするというのが文部省の指導でなければいけないと思うんです。
 もう少し読んでみましょう。
  東京都消費センターには、「生後六カ月の乳児にフルーツゼリーを食べさせたら、顔が真っ赤になり、酔っ払った状態になった」
  東京都消費者センターで菓子や清涼飲料などのアルコール含有量を調べたところ、「最高でスポンジケーキ一個にビール半杯分のアルコール(三・二g)。ドリンク剤(健康ドリンク)にも一本当たり〇・八mm、濃度〇・六%のアルコールが表示なしで含まれていた」と書いてありますね。どうお考えですか、こういうこと。
#117
○説明員(石川晋君) ただいま先生御指摘のように、今現在、食品に添加されているさまざまなもの、これは私どもの所管行政でございませんけれども、表示義務のあるもの、ないもの、いろいろあるわけでございます。したがって、例えばアルコールというのは、今のお話のように、表示義務がないからそういうことが起こるんだろうと、こういう御指摘でございますが、学校給食については、現在、そういうことがあってはならないであろうということで、表示義務のあるとかないということではなく、使用した材料はすべて記載するようにという指導でやっておりますし、私どもの方の所管法人でそういった物流のことを研究しているところが提唱いたしまして、現在、学校給食用の物資についてはそういった団体が指導しているものはもちろん、それ以外のものも含めておおむね使用している材料をすべて表示するという形で、学校給食用の物資については、今先生の御指摘のようなことが起きないようなそういう努力をしているところでございます。
#118
○山口哲夫君 その続きにこういうことも出ているんです。
  アメリカではすべてのアルコール飲料の警告として「先天異常を引き起こす危険性があるから、妊娠中の女性は摂取すべきではない」というラベルを表示させる、などを盛り込んだ「有害表示法案」が上院を通過しているのだが……。
  日本母性保護医協会の統計によると、昭和四十七年に七百三十一人だった奇形児出産は、五十八年には千百五十七人と五割以上も増加して
 いるのである。
  国立遺伝研究所で蚕を使ったAF2(防腐剤)の変異原性試験を行ったところ、三代目の世代で爆発的に奇形が現れた。
  高度経済成長期以来、このAF2をはじめとする食品添加物や農薬など多種多様の化学物質を、われわれは体内に取り込んできたのである。いま、その二代目が生まれてきているわけだが、三代目、四代目の世代にいったいどのような影響が出てくるのか。こう書いています。非常にショッキングな報告なんですけれども、こういうことを聞いて担当の課長としてどうお感じになりますか。
#119
○説明員(石川晋君) 担当課長としての感想ということでありますが、担当課長は食品衛生行政については担当していないので、いわば今言ったことが事実であるのかどうかということについて判断する立場にもありませんし、そういう正確な知識も持ち合わせておりませんので、どうかと言われても大変難しいわけでありますが、一般論として学校給食の場合、学校給食に関して言えば、不必要な添加物が使われたり、そういうことがないように、先ほど言ったような一般的な指導とともに、使用されている食品の材料が全部わかるようにすることだとか、そういうことを通じて不必要なものが入らないというような努力はしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
#120
○山口哲夫君 この問題にそんなに時間とれませんのでこれでやめますけれども、一般的に加工食品というものは食品添加物が使われているので健康上必ずしも好ましいとは言われない、できるだけ天然のものを使うようにすることが一番人間の健康上からいくならばいいだろう、経済性ではなくして、やっぱり食品の安全性ということを考えるとこういう趣旨だと思うんです。
 そういうものを発育盛りの子供たちにも一番徹底してやらなければならないのが学校給食だと思うんです。その学校給食の中で食品添加物の入った加工食品をできるだけ多く使わなければやっていけないようなセンター方式というのは、これは経済性というものを余りにも追求し過ぎるのであって、子供たちの安全性というのは二の次になっているのだ、そういうことを私は考えるわけです。ですから、これからの文部省の学校給食に対する指導については、こういったことも十分配慮をしながらやってもらわなければならないので、六十年の一月に出した通達というのは全く我々の考え方とは全然違う立場に立っている。子供たちの将来性を考えたときに非常に危険であるということだけは私は警告をしておきたい、こんなふうに思います。
 学校給食は終わります。
 それから、交付税の国の基準を下回って単位費用が決められているという中に保健所の問題があるわけです。保健所というのは、これは保健所法施行令では、十万人におおよそ一カ所の保健所を置かなければならないと定められているんですけれども、この政令はまだ生きておりますか。
#121
○説明員(入山文郎君) 「保健所は、人口おおむね十万を基準として設置するもの」とされていることを定めた政令でございますが、現在も生きております。
#122
○山口哲夫君 生きているとすればこの標準団体、県として百七十万人ですね、百七十万人ですから十万で割ると十七カ所保健所の単位費用として出てこなきゃならないんですけれども、なぜ十四カ所ということになるんでしょうか。
#123
○政府委員(紀内隆宏君) ただいま厚生省からお答えございましたように、保健所の設置基準につきましては、施行令の規定によりまして人口おおむね十万人を基準とするとありますが、その同じ政令ではさらに続けて「但し、交通事情、他の官公署との関係、公衆衛生状態、人口の分布状態等を考慮し、特別の事情があるときは、この限りでない。」ということにされております。
 現実に全国の保健所総数を見ますと、標準団体におきまして十四カ所の保健所を設置すれば現に置かれているものを十分カバーできる数字になっております。
#124
○山口哲夫君 金の面からいけば現有の保健所をカバーできるかもしれないけれども、少なくともこの政令からいけば十七カ所置かなきゃならないんじゃないですか。
 最低基準、さっきお話ししましたけれども、国の最低基準というものは特に福祉の関係においては常に上回るように努力せいと言っているんです。これ何も努力してないんじゃないですか。厚生省で決めた政令も全然満たしていない。こういうことで交付税を決められていいんでしょうか。
#125
○政府委員(紀内隆宏君) 施行令の書きぶりは、人口おおむね十万を基準として設置すると。ほかの要因を勘案することあるべしということになっているわけでございまして、現実に置かれている保健所の数を見ますと、全国総数、六十三年度の数字で八百五十一カ所であろうかと思います。これを標準団体別に単純に置きかえますと、実は十二そこそこでございます。したがって、現実の財源措置といたしましては、十四カ所をやれば先ほどのおおむねという基準にもおおむねクリアいたしますし、かつ実態にも沿うものと考えております。
#126
○山口哲夫君 実態が私はいいと言っていないんです。
 さっき消防の問題出ましたですけれども、消防では妥当な水準、これだけは最低基準ですといってちゃんと組んでいるわけでしょう、交付税を。そうですね。それでみんなその目標に向かって、今まだ五十何%しか達成してないけれども、一〇〇%達成しようとして各自治体とも消防の基準財政需要額に合うように努力をしているわけです。保健所だって最低基準というのは十万人に約一カ所というんですから当然十七カ所組んで、各県が保健所をもっともっとふやして十七カ所を満たされるように、その地域住民の健康を管理できるようにしていくのが政府の役割じゃないんですか。現実がそれなんだからそれだけ組めばいいんだと言うけれども、片方では財政的に苦しいから保健所を合理化して統廃合を進めているところだってあるわけです。それ自体に私は問題があると思うんです。金の面からいって統廃合を進めるようなことを自治省の交付税の方は促進させているという結果になりはしないでしょうか。
#127
○政府委員(紀内隆宏君) 再々申し上げますけれども、保健所法施行令の書きぶりは、「人口おおむね十万を基準として設置するものとする。」として、ただし書きで他の諸条件を勘案することになっているわけでございまして、現実に各団体の置かれている条件を見ていった場合に現在の設置数になっているんではないかと、このように考えております。したがって、私ども決して現在の実態をさらに下回るような水準を設定して統合を進めていくような考え方というものは毛頭とっていないところでございます。
#128
○山口哲夫君 保健所が大体十万人に一つだと、他の要素も加味するんだというのだけれども、他の要素を加味してそんなに減りますかね。十七カ所が十四カ所まで三つも減らなければならないという理由はないと思いますよ。それどういうふうに検討されたんですか、他の要素を。
#129
○政府委員(紀内隆宏君) 私の方で検討したというよりは、交通事情、その他のいろんな事情が列挙されてございますけれども、そういう事情等によって現実にそういう設置の数になっているんじゃないかと申し上げたわけでございます。
#130
○山口哲夫君 新潟で保健所の統廃合を物すごく進めているんですね。それで十八カ所あったものが十三カ所に五カ所も減らされているんですよ。その結果地域でどういう問題が起きているかといえば、保健婦の受け持ち区域が非常に広がったわけです。そのために住民も保健所がだんだん遠くなってきた、それだけサービスが低下しているというんですね。特に山間僻地、これはもう高齢者が多いんですけれども、一番保健所が大切にしていかなければならない高齢者が保健行政から取り残されているという実態になっているわけです。私は、本当に高齢者がもっともっと健康で暮らせるようにするためには、保健婦の家庭訪問というのをもっと強化するべきだと思う。ところが、割り当て地域が広くなっているし、職員の数は減らされるし、実際には本来保健婦としてやらなければならない家庭訪問がだんだんできなくなっているというのが実態なんです。したがって、家庭訪問しなければならない軒数が残ってきているんです。それだけ保健婦に負担がかかっている。それでも少しは無理して回り切れるならいいけれども、回り切れないというような実態なんですけれども、こういうようなことを厚生省の方としては、保健所担当の方いらっしゃいますか。――どうですか、こういう新潟の実態を見たときに、こういうことを全国にさらに普及さしていくつもりなんですか。
#131
○説明員(入山文郎君) 一般論で申し上げますと、保健所の設置につきましては、各都道府県あるいは保健所設置市の判断において、地域の実情を踏まえて行われるものでございますが、厚生省といたしましては、保健所は地域保健におきまして今後とも重要な役割を果たす機関であると考えているわけでございます。そういったことから、地域保健施策の推進に支障を生ずることのないように、その適正な配置につきましては今後も指導してまいりたい、このように思っております。
#132
○山口哲夫君 地域の保健上非常に重要だから努力をしていく、ということは現状よりもふやしていくということですね。十万人に一カ所という、それを目標として、これを最低基準として努力をしていくということですね。
#133
○説明員(入山文郎君) 現在、地域保健将来構想検討会というものを設けまして、保健所の将来像につきましても検討願っているところでございますが、近くその報告書が示される予定になっております。この報告書に盛られます保健所の新たな機能に十分に配慮をして保健所の設置数等につきましても指導してまいりたい、このように思っているわけでございます。
#134
○山口哲夫君 そうすると、近く出されるであろう何すでか、今何とおっしゃいましたか。
#135
○説明員(入山文郎君) 地域保健将来構想検討会でございます。
#136
○山口哲夫君 そこで出される結論をよく見ながら保健所の強化に努力していくということですね。
#137
○説明員(入山文郎君) そういうことでございます。
#138
○山口哲夫君 ということは、少なくとも厚生省で持っているその最低基準というものに近づけていくという努力ですね。
#139
○説明員(入山文郎君) 保健所に対します国民のニード、あるいは取り巻く環境等につきまして、保健所発足当時と比較いたしますと相当に変わっている面もございます。そういったこともこの検討会の検討のテーマにしているわけでございますが、その結論を踏まえまして、私どもは一層この地域保健の水準が低下しないように指導してまいりたい、このように思っております。
#140
○山口哲夫君 新潟の保健所の問題について書かれている「新潟県における保健所再編整備の概要」というのが「保健衛生ニュース」で出ているんですけれども、それを見ますと二次保健医療圏というものを設定しているんですね。こういう新潟の考え方によって保健所の数というのが大分少なくされてきたと思うんですけれども、この構想の中でも二次保健医療圏の考え方というのは取り入れられるんですか。
#141
○説明員(入山文郎君) この検討会の報告書につきましては現在まだ検討中でございまして、近々出る予定になっているわけでございますが、内容についてのコメントは控えさせていただきたいと思うわけでございます。
#142
○山口哲夫君 いずれにしても、どんな検討の結果が出てくるにしても、保健所としては十万人に一カ所というのを一つの最低基準として持っているわけですから、それにできるだけ近づけるような努力を私はしていただくことを強く要望しておきたいと思います。保健所の問題は終わります。
 それから、公募地方債の問題についてちょっと質問いたします。
 過般、公募地方債が二カ月連続休債になっております。これはBIS、国際決済銀行の総裁会議の決定によるとして、大蔵省が通知により我が国の地方債リスク評価を一〇%に改めたために、自治体とシンジケート団との間に話し合いがっかなかったことによるものとのことであります。しかし、地方債のリスク決定は各国の自由裁量に任せたようでありますが、なぜ一〇%ものリスク評価がなされたのか、これが一つ。
 我が国の地方債の発行は諸外国の場合と異なり、地方財政計画の枠組みの中で、地方交付税などによって政府保証債と同じように財源保障がなされているのではないか。また、過去に債務不履行に陥った事例があるのかどうか、これが二つ。
 最後に、五月の公募地方債については政保債より二十五銭安と格差がついたまま発行されておりますけれども、六月分はどうなったのか。かなり改善されているようにも聞いておりますけれども、今後の発行条件についてどのように対応していくのかお聞かせください。
#143
○政府委員(紀内隆宏君) 一括してお答え申し上げます。
 まず、銀行の自己資本比率規制に係る地方債のいわゆるリスクウェートにつきましては、昨年の七月に開催されました国際決済銀行、BISといいますが、このBISの総裁会議の合意におきまして、国によって地方団体の性格、信用力等が異なることから、〇%、一〇%、二〇%、五〇%とその範囲で各国の裁量にゆだねられたと聞いております。これを受けまして大蔵省といたしましては、英米等が地方債のリスクウェートを二〇%といたしましたので、その中で日本が〇%とするということは大変難しくて、諸外国との調整の結果一〇%にしたんだというふうに聞いております。
 一方、第二点に係るわけでございますけれども、大蔵省が具体的に我が国の地方債のリスクウェートを決めるに先立ちまして、私どもといたしましては、御議論の中にありましたように、我が国の地方債というのは、地方自治法に基づく許可制度のもとで、その元利償還につきましても総体として地方財政計画によって元利保証についての財源保障がされておりますし、また、個別の団体につきましても地方交付税によって所要の財源措置がなされている。そういう意味では、政府によって保証がなされていることと実体的に何ら変わりがないということ。また、元利償還について、最終的には課税権が実質的な担保となっているという意味では国債とやはり変わりがないではないかということ。その結果、現に我が国の地方債におきましてはこれまで債務不履行を生じたこともございませんし、今後においても債務不履行を生ずるようなことはあり得ないということなどから、国債、政府保証債のリスクウェートとの間に差を設けるべではないと大蔵省に対して主張したところでございます。しかしながら大蔵省は、昨年十二月に銀行局長通知によりまして、国債、政府保証債のリスクウェートはゼロ、地方債のリスクウェートは一〇%としたところでございます。
 三つ目の御質問に係るわけでございますが、五月の公募地方債につきましては政府保証債よりも二十五銭安ということで格差がついたまま発行されることとなりました。六月分はどうかという御質問でございますが、政保債並みの発行ということにつきましてシ団側に理解を求めるべく努力をした結果、六月の市場公募債につきましては、表面金利が五・〇%、発行価格で九十九円七十五銭、応募者利回りで五・〇三七%ということに相なりました。
 一方、政府保証債は、同じ六月分で表面金利が四・九%、発行価格が九十八円七十五銭、応募者利回りが五・○八八%ということになっております。
 先ほど申し上げたように、市場公募地方債が五・〇三七%でございますから、結果的には応募者利回りでは下回っております。しかしながら、国債、政府保証債は、今申し上げましたように四・九%という表面金利で発行しておりまして、五・
〇%という別の表面金利、旧来より上の表面金利で発行せざるを得なかったということがございます。いわば私どもとしては名を捨てて実をとったという結果に相なっております。
 それから、今後の発行条件についてでございますが、このような五月債あるいは六月債のクーポンレート等を見ても考えられることですけれども、地方債のリスクウェートというものが政府保証債ないし国債と同じであればこのような事態には至っていないわけでございます。それで、一方地方債についてのリスクの度合いということについて考えますと、これは政府保証債との間に何ら変わりがあるべきものでもないということでございますので、銀行局長通知が出ておりますものの今後に向けて政府保証債と同じ取り扱いをするよう求めてまいりたいと考えておりますし、また当面の市場公募債の発行に当たりましても、この間の事情についてシ団側の理解を求めて有利な発行条件を確保すべく努めてまいりたいと、このように考えております。
#144
○山口哲夫君 最後に簡単な質問を一つしておきます。
 地方口治体二、三から照会されるものですから、こういうことはないと思うんですけれども、念のためにお伺いしておきます。
 自治省が各自治体に対しまして、例えば下水道事業なんかで消費税を住民から取らないとか、そういう自治体に対しましては、下水道事業をやる場合の起債は許さないんだ、こういう指導が自治省からなされているんだということをある首長は盛んに言うんだそうです。こんなばかなことは恐らくしてないと思うんですけれども、念のためにお聞きしておきます。
#145
○政府委員(津田正君) 消費税の転嫁は、今回の税制改革の趣旨あるいは住民間の負担公平という観点から、私どもとしては下水道事業についても消費税転嫁について指導をしておるところでございます。ただ、お尋ねの下水道事業債の許可という問題につきましては、私ども下水道事業に係る地方債につきましては、補助事業にあっては地方負担額、それから単独事業にありましては整備進捗度を考慮して必要な事業債を許可するつもりでございます。
#146
○山口哲夫君 だから、こういう制裁的なことで起債を許さないなんということはしませんと、そういうことですね。
#147
○政府委員(津田正君) 転嫁について指導いたしますが、それを地方債の許可等と絡めてという話ではございません。
#148
○山口哲夫君 終わります。
#149
○渕上貞雄君 ただいま国民の間では、リクルート事件以来、同時に消費税の導入以来、国民の政治改革に対する関心というのは非常に実は高まっているわけであります。今度のこれらの一連の事件の反省として、今我々に対して求められておるものは政治改革であろうと考えられます。したがいまして、今回起きました一連の不祥事件に対して、今私どもが考えなければならない政治改革について、反省のあかしとして具体的にわかりやすく改革を示すことが何よりも今の政治不信に対する、同時に政治に対する信頼を取り戻すことになるのではないかと思いますので、大臣の政治姿勢としての御所見をお伺いします。
#150
○国務大臣(坂野重信君) お答えいたします。
 渕上先生御指摘のとおりでございまして、まず一番大事なことは、政治家自身が倫理観に徹して、自分の反省すべきことは反省して、行動をみずから規制していくというのが大事でございますが、政治改革の制度的な面でも、政治家に対する信頼を回復するという立場からはどうしてもこれは必要であると思うわけでございます。
 そこで、内閣といたしましても、まず政治改革というものが内閣に与えられた最大の政治課題であるという姿勢で、総理総裁就任以来専らそれに努めているわけでございますが、自治省はその中で公職選挙法であるとか政治資金規正の制度については主管の役所でございますから、各党でいろいろ今御意見が出ておりますし、また御案内のとおりに議員立法で法律が自民党から二本、また各党から共同提案が出ておるようでございます。これらを踏まえてできるだけ早目に十分議論していただきまして、まず緊急な問題としてこれらの法案をできるだけ早い機会に議論して、法案の議決というものを図っていただくことが当面の最大の重安な課題ではないかと思っているわけでございます。
#151
○渕上貞雄君 まずもって、ただいまお聞きしました大臣の政治家に対する倫理観の問題については私自身も同感であります。したがいまして、今いろんな形で政治改革の案が出ておりますし、自民党案、それから野党四党の共同提案、それぞれ提案がなされていますし、同時に改革ということは大変必要なことではありますけれども、選挙活動は本来自由で無制限であることが原則でなければならないと考えていますけれども、やはり今の時代でございますから、公平と信頼を期するために一定のルールというものをつくることについては現在必要であろうと考えます。今国民の間で盛り上がっております世論というのも考慮に入れていただきまして、同時にあわせて第三者の意向というものも尊重していただきたいと考えるわけであります。
 したがいまして、自民党並びに野党四党から出ている政治主導型の改革案、それから昨日の朝日の夕刊にも載っておりましたけれども、政府が行います選挙制度審議会、二十七名のメンバーも決まったようでありますが、どうも参議院選挙が終わった後のようでございますが、私はこの改革問題について拙速に処理することはどうも国民の意に沿わないのではないか。したがいまして、それぞれの持って寄る案を十分に議論をしていただく、そのことがやはり一番大切ではないかというふうに考えます。
 したがいまして、野党四党が出しております意見につきまして大臣としてどのように考えられておるのか。同時にあわせて、選挙制度審議会の結論というものを出された場合の具体的な取り扱いの処置についてお伺いしたいわけであります。そうした上で、やはり今回の事件の反省として、制度上できちっと事件のけじめをつけていく、こういうことを明らかにすることが今一番大切ではないかというふうに思いますし、その上で国民が納得のいく改革案でなければならないというふうに考えています。政治家自身の倫理観ともあわせて、やはり制度上にもそういう倫理性の高い制度にしなければならないと考えておりますので、大臣の御所見をお伺いします。
#152
○国務大臣(坂野重信君) 率直に申し上げまして、自民党から出されております政治資金規正法の改正、公選法の改正は、どちらかというと当面の現実にできそうな急ぐものを重点にして盛り込まれておると思います。それに対して野党四党が提出されたものは、自民党と同じように出と入りの資金についての規制というものももちろん入っているわけでございますが、自民党の立場からいうとやや長期的な問題、非常に厳しい議論が出ております。自民党と比べて野党さんの方がお出しになったものが厳しいというぐあいに私どもは受け取るわけでございますが、いずれにしてもさっきおっしゃいましたように、金のかからない選挙制度、そしてそれと同時に政治資金の制度のあり方ということになってまいりますと、かなり時間をかけて十分な議論をやっていただこうと。そういう立場から私どもとしては、恐らく二十八日になるかと思いますが、選挙制度審議会を再開に持ち込みたいと今努力中でございまして、後はもう参議院選挙に入ってまいりますから、実質的な審議は参議院選挙が終わってからということになるかと思いますが、そういう中で中長期的な課題をとらまえて、金のかからない選挙制度というものはいかにあるべきかという問題と、そうして選挙のいわゆる政治資金問題を含めて、出と入りについての規制といいますか、その辺の考え方をひとつはっきり根本的に見直そうという方針で、当面はいわゆる学識経験者、第三者機関に相当するような立場で、選挙制度審議会も、与野党とも入らないでじっくり議論をしていただいて、それがある程度素案ができた形で与野党で議論をしていただく機会は必ずあると思っております。また各党は各党で、自民党の方も御案内のとおりに政治改革推進本部というものがようやく今できかかっておりますから、それはそれでまた政治的な立場でいろんな議論をしていただきまして、そして一方において学識経験者の、全く与野党の立場を離れた原案というものをおつくりいただいて、そしていずれかの日には両方突き合わすような形で、できるだけ与野党の合意のもとに金のかからない選挙制度、政治資金制度というものを何とか確立していきたいというのが私どもの目下の方針でございます。
#153
○渕上貞雄君 時間がございませんので簡単に。
 一つは政治と金の関係でありますが、今大臣おっしゃいましたように、金のかからない選挙ということを考えた場合に、当座、国がかからないのか、個人がかからないのかという問題がありますけれども、できるだけ公営の費用による拡大をすべきではないかというふうに考えますが、お考えを伺いたいと思います。
 次に、公職選挙法における選挙等の執行経費については、人件費、物価変動に伴って基準の改革、改定を行っておりますけれども、法定選挙費用について昭和五十八年に改定をされて以後、人件費、物価の変動等もありますけれども、とりわけ四月一日から消費税導入ということになりますと、日常生活はもちろんでありますけれども、選挙活動における費用の減ということも出てまいりますから、法定費用について今回最高限度額を引き上げておりませんけれども、上げるべきではないかというふうに考えますが、そこらあたりの考え方について質問します。
 以上で終わります。
#154
○国務大臣(坂野重信君) 法定選挙費用の問題は事務当局からお答えいたしますが、先生のおっしゃるようにできるだけ金のかからない選挙、そうするには選挙公営というものをもう少し充実すべきじゃないか、徹底すべきじゃないかという御意見も私も全く同感でございまして、これからどういう場で議論するかは別といたしまして、やはり選挙に金がかからないということになれば、必然的にどこかで、個人個人が金を出さなくても、公的な立場で選挙費用をひとつ見ていただくと、そうしてまた一方では、候補者自身ができるだけみずから規制することによって金の出を抑えていけるような制度をつくっていく、この両面で考えていくことが非常に大事だと思っております。いずれにいたしましても、そういう問題についてはやはり抜本改革の中で検討さるべき問題だと思っております。
#155
○政府委員(浅野大三郎君) 選挙費用の法定制限額の問題でございますが、実はこの制限額につきましては、毎年あるいは定期的に何年に一遍という形ではございませんで、いろいろ実際にかかる費用の状況を勘案しまして、かなりそれが物価等によって上昇してきたという時期あるいは非常に大きな制度改正がありまして従来のような積算ではそぐわないというようなときに改定をすることといたしておる次第でございます。
 実は昭和五十八年、御指摘のように制限額の改定をやったわけでございますが、それはその前の年からいきますと五年ばかりたっておるわけですが、その間の物価上昇が一二五%、つまり二五%ぐらい物価上昇があったと、そういう状況のもとにおいて改定をいたしております。今回はまだ費用制限額自体を改定するまでには至らないだろうという判断をしたわけでございます。
#156
○佐藤三吾君 大臣、きょう初めてですね。大分待ち遠しかったんですが、なかなか中曽根喚問がありまして開かれずにおりました。
 そこで、今の問題でちょっと私からも一つ加えていきたいと思うのは、たしか四年か五年前だったと思うんです、撚糸工連事件が起こったときに、やはりこの問題が大変世論の指弾を受けました。私は予算委員会で選挙制度調査会を早急に発足させて検討すべきじゃないか、こういう問題提起をやったんですが、結果的に無視されて、恐らくこれは七、八年ぶりでしょう。言いかえればようやく眠りから覚めたのか、二十七名の委員の内定の顔ぶれを見ると皆さんそう思うんじゃないかと思うんで、今さら何だという気持ちがあると思いますよ、この皆さんもね。そうすると、国民の方から見ると、ははあ、これは参議院選挙のリクルートかくしたなと、こう思うかもしれませんね。そういう疑惑の眼で見られておるわけだ、この問題は。それはだれがそうしたかといえば、自民党政府が歴代これを無視してきたその罪はかぶらなければならない、そういう意味のものですから、これは生易しい決意じゃいかぬと思いますから、その点の大臣としての覚悟を込めてひとつやってほしいなと、これは私の注文です。
 そこで、きょうは二時間ですか、もらっておりますが、山口さんの方で交付税問題を中心にやってまいりましたから、私の方は所信表明とあわせてちょっと別の角度から質問してみたいと思います。
 一つは、大臣の所信表明をお聞きしましてけちをつける意味じゃございませんけれども、実は松田さんが在任中にやりたいと思って構えておったんですが、さっき言ったように中曽根喚問で引っ張られてついにできなかったわけですから、ちょっとこれニュースとしてはおくれておるんですけれども、まあしかしただしておかなければならぬと思いますから、大臣の見解も聞いておきたいと思います。
 それは一つは、四月十五日付の新聞にこういう記事が出たんです。「自治官僚招き酒宴 交付税増額 お世話になりました しかも本島市長は排除」と、こういう見出しなんです。これは中身を見ると何かといいますと、特交が決まった、そこで長崎関係で三億一千万ふえたと。それで松田政務次官、大林事務次官を呼んで長崎県と六市の市長が宴会を設けたと、こういう趣旨なんですね。私は交付税というものはそういうものじゃないと。精密にやって、そして処理されてきておる経緯からいうと、率直に言ってこの記事は甚だ誤解を生む内容になっておると思うんですよ。こういうことがやられますと、私は、交付税、特交制度そのものに対して、まさに国民の不信を招く、こういう感じがするんですけれども、大臣はどのようにこの問題を認識しておるんですか。
#157
○国務大臣(坂野重信君) 私は前政務次官にその問題についてついに聞いたこともありませんし、新聞にえらい華々しく出ておったなというぐらいのところで、どういうおつもりでやったのか、何となく政務次官就任のあいさつというようなことをちらっと言っておりましたけれども、はっきり意図はにらんでおりません。
 ただ特交の配分の問題は、後で事務当局から説明があると思いますけれども、どこにどうするとかなんとか、政務次官がおるからどうということでなしに、一定の基準に基づいて私は公正に配分しているということを信じているような次第でございます。
 なお、事務当局からまた補足答弁をいたしたいと思います。
#158
○佐藤三吾君 事務当局はいいです。
 私も交付税、特交の配付基準については知っておりますから、そうむちゃなことできないと思うんですけれども、しかし、こういうとられ方をするということだけはひとつ省内できちっと対応していかぬと制度そのものがゆがめられて認識されていく、こういう感じがしますし、不信の原因になります。そこら辺ひとつ大臣が受けとめていただければいいわけです。そこら辺まず気がつきましたから、所信の質問の中に少しそれをつけ加えておきます。
 そこで本題に戻りますが、交付税につきまして、先ほど山口委員からも随分剰余金の精算問題をめぐって議論がございました。私も聞きながら同感なんですけれども、例えば六十三年度決算剰余金が二兆円予想されておりますけれども、そのために地方財政も大幅な精算額が生じるわけですが、これを恐らく特会借入金返済優先という今までのルールでやるというのは少し知恵が足らぬのではないかというような感じがします。やはりもっと別の方途の検討をする必要があるんではないか、こういうことを考えるわけですが、これはいかがですか。
#159
○政府委員(津田正君) 当該年度の地方財政需要につきまして的確に措置するとともに、将来の財政負担の軽減ということも念頭に置きながら処理をしてまいってきておるわけでございますが、かねてから当委員会の御議論でも、いわゆるマクロと申しますか、共通の借金の問題、それと同時に個別団体も相当な公債費負担に悩んでいるじゃないか、それの繰り上げ償還等の措置も考えるべきじゃないか、こういうような御意見もかなり私ども承っておるわけでございます。
 ただその場合に、じゃ個々の団体の地方債を繰り上げ償還をいたしますと、まさしく地方債が流通しております市場で、かつての高い金利のものがそれなりに現在有利に流通している、ところが現段階は割に利息が安いものですから、それで繰り上げ償還をしてしまいますと、たまたま地方債を持っておった人が損をする。そがひいては新しい地方債を出すときに、地方債というものは何か十年間で返すと言っているけれども、場合によっては三年ではあっと戻されちゃう。要するに金利情勢いかんによっては地方団体に有利なように戻されるということで危険が、それこそ先ほどBISの話も出たわけで、それとは別でございますが、何か要するに債券の保有者としては信用できないということになりますと、地方債の発行条件自体が上がってしまう、そういうような難点がございます。
 私ども個別団体の公債費措置ということにつきましては、そのような難しい点があるということで今までやっておらなかったわけでございますが、今回そういうようなお話も踏まえ、かつ地方債市場に混乱を起こさせないように財対債償還基金、こういうような考え方を生み出しまして御提案申し上げておる次第でございます。
 実は今回の財対債償還基金も、昭和五十五年度までのもの約一兆円を手当てしておるわけでございますが、まだそのほか五十六年度以降三兆円以上の現在高というものを抱えておりまして、これも将来の財政負担を考える上にどう処理していくか、こういう点もございます。若干経済情勢が正直言って何か頭打ちになっているような傾向もございまして、そろそろ私ども税収等も警戒をしていかなければならない局面に来たのではないか、こういうふうには思いますが、もし今までのような好調な税収等が期待できるといたしますと、マクロの面あるいはミクロの面、あわせて将来の地方財政の円滑化のための負担軽減ということも考えていかなければならないのではないか、かように考えております。
#160
○佐藤三吾君 そこで、六十年度までは計上しておったんですけれども、人件費のうち給与改善費、これは六十年度までは地方財政計画策定の際に一%計上したし、交付税の基準財政需要額にも当然同様の措置をとってきたんですけれども、六十一年から事実上廃止になっておる類のものですが、これらもそろそろひとつ検討する時期に来たんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#161
○政府委員(津田正君) 六十年度まで地方財政計画上計上しておりました給与改善費につきましては、その後追加財政需要額と、このような形に改めておるわけでございます。これは国におきましても、六十年度まで給与改善費という形でございましたが、その後予備費に包括されております。やはり財政の弾力性というものを保つためには年度途中のいろんな臨時対策的なものもあるわけでございますので、そういう意味におきましては追加財政需要額という方が私どもとしては対処しやすい、このように考えております。
 御承知のとおり平成元年度におきましても、五千億円の追加財政需要額というものを計上してございます。これの扱いにつきましては、今後考えられる臨時応急の措置ということであるわけでございますが、今までとってまいったような人事院勧告の問題についてのこの追加財政需要額の処理ということも含めまして、従前どおりしておるところでございます。
#162
○佐藤三吾君 お答えはお答えでわかりますが、そこら辺もひとつ検討する時期に来ておるというような感じがしますから申し上げておきます。
 そこで、ちょっと飛びますけれども、今度の交付税改正案の附則第八条の改正で、六十三年度分の基準財政収入額の算定から新たに道府県民税の利子割及び市町村民税の利子割交付金について精算措置を講ずるということになっておりますね。これまでは法人関係税の精算については景気変動ということもございまして、これはまあ当然だと思うんですけれども、増減収の幅が余りない利子の場合、これ、精算規定の導入というのはいかがなものかというような感じがするんですが、これは今年だけの措置なんですか。どういうことなんですか。また、利子課税のこれまでの徴収実績があればこれもひとつ御報告いただきたいと思います。
#163
○政府委員(津田正君) 利子割の交付税におきます基準財政収入額の算定の仕方でございますが、これは何分にも昨年ですか、発足したものでございますから実績がないわけでございます。そういう意味におきまして、需要額を的確に算定するといたしましても限度がございますので、一応の算定はいたしますが、やはり実績が出てまいった段階で精算をいたそうと、このような考え方でございます。しかし、この利子割というのが定着してまいり、実績というものが各団体ごとに固まってまいりますれば、私どもそれに応じました算定をするつもりでございまして、そういう意味で附則で掲上しておるところでございます。
 ちょっと利子割の実績の数字は手元に資料を持っておりませんので、また後ほど別途御報告申し上げます。
#164
○佐藤三吾君 じゃちょっと後ほど資料を委員会に提出していただければ結構です。それはわかりました。
 もう一つ聞いておきたいんですが、ここにございます交付税の単位費用の積算について、職員の退職手当の算入に当たって、これまで都道府県、市町村が千分の盲五十六・二と同一であったのが、今度は都道府県が一・九上がって、市町村が下がっていますね、百三十五・六と。これはどういう理由なんですか。都道府県の職員の方が上であるというのが当然ということなんですか。
#165
○政府委員(津田正君) これは県職員と市町村職員の間で退職手当率で差があるものでございますので、その実態に合わせたわけでございます。
#166
○佐藤三吾君 退職手当率で差があるというのはどういうことですか。
#167
○政府委員(津田正君) 全体的な傾向としては、どうしても都道府県の職員数というものの動ぎから見ますと、高齢者というものが一定割合出てくるわけですが、市町村の職員につきましては、御承知のとおり昭和四十年代等いろんな仕事がふえた関係もございまして、若い職員の方が多いと、こういうことでございまして、その点で退職手当率が県と市町村の職員の場合変わっておるわけでございます。その実態に合わせたわけでございます。
#168
○佐藤三吾君 わかりました。そういうふうな説明で、実態がどうかということについてはもう少し私の方でまた調べてみたいと思います。
 そこで、補助負担率見直しの覚書の問題で二、三ちょっと教えてほしいと思うんですが、大蔵大臣と自治大臣の一月十八日の覚書がございますね。その中で、義務教育関係の共済費追加費用等で今後二年間の暫定措置となっておるわけです。これはなぜ二年間なのかということをちょっと。それから、暫定終了後引き続き検討するということは一体どういうことなのか。いかがですか。
#169
○政府委員(紀内隆宏君) 義務教育費国庫負担法関係の補助負担率で今回議論になったものは三つございます。共済の長期負担金の話それからおっしゃった追加費用の話、もう一つは恩給費の話でございます。
 共済の追加費用につきましては、私どもは義務教育を進めていく上で必要不可欠なものとして国庫負担が必要であると、人を雇う以上必然的に随伴する経費ではないかというふうに考えてそういう主張をいたしております。一方、大蔵省からいたしますと、共済の追加費用につきましては、長期の負担金の場合には今からの話である一方、追加費用につきましては既往の勤務期間に対応するものであって支出の形態も違うと、いわば過去債務であるというふうな方式の議論を展開しているわけでございます。平行線をたどりまして、いわば物別れという形での暫定措置期間の延長ということになっているわけでございます。
 二年間としたのは、とりあえず例の国の特例公債脱却の年度、脱却の年度自体がまだそれが脱却するための負担も大きいわけでございますのでそこまで一応検討しようじゃないかということでございまして、私どもとしては今後に向けては従前の主張を変える考えはございません。なお強く迫っていく考えでございますが、具体的には関係省庁との間で検討していくことになろうかと思います。
#170
○佐藤三吾君 そうすると、この問題は共済の追加費用だけじゃなくて、今まで地方負担に次々にやられてきた経緯もありますから私ども気にするわけですが、学校事務職員とか栄養士の一般財源化問題というのが予算の編成ごとに問題になりますね。その問題とこの問題は絡んでおると、こう見ていいんですか。
#171
○政府委員(津田正君) 実は、国庫当局の側からいたしますと、文教予算関係、特に人件費系統が非常に大きなシェアを占めておる。そのためにいわゆる一般歳出の抑制の中でどうおさめるか、それを苦慮しておるということが実態かと思います。そういう意味におきまして共済の長期あるいは追加費用、恩給等の問題につきまして引き下げということが行われておったわけでございます。そういうような全体的な話と、もう一つの点といたしましては、臨調の第三次答申におきまして、地方公務員に対する人件費補助はなるべく一般財源措置に移行しろと、こういうような答申がなされておるわけでございます。
 そういうような地方団体に定着した特に人件費ということでございますので一般財源になじむのではないかと、こういうような議論と、もう一方におきましては、事務職員にしろ学校栄養職員にしても、教職員と同様、学校運営上必要不可欠な職員であるのではないか、こういう主張がございまして、現在のところやはり学校運営上必要だ、義務教育の負担制度は守るべきだと、こういう主張になっております。
 しかし、国庫当局としましては、この臨調答申というものもあるわけでございますので、今後いろいろな面で話が出てくるのではないかと、かように思います。
#172
○佐藤三吾君 わかりましたが、もう一つ二項の問題でちょっとそれも気になるわけです。一項では公共事業、義務教育とも引き続き検討と、こう書いてある。ところが二項ではいわゆる検討会の検討事項というのは公共事業だけに絞っているわけですね。こうなると何で義務教育がここで落ちたのかという問題も起こってくる。同時に、六十年の際に閣僚会議の下に検討会というのがございましたね、補助金問題の。あのときの経緯からいうと、各省庁のOBが中に入り込んで、言いかえれば縄張り論争で、結局並立提起みたいな格好の経緯があったわけですが、そういうこと等を考えてみると、今度はやっぱり各省庁等の影響をどう遮断していくかということを含めてこの検討会では構成から考えていかなきゃならぬと思うんですが、この点はいかがですか。
#173
○政府委員(津田正君) 追加費用の問題につきましては、先ほど審議官から御答弁申し上げましたように、大蔵側の主張と私ども側の主張というものがついに接点を見出せないまま二年間暫定ということでございます。これの問題、かなり一種の局地戦みたいな形でございまして、私どもとしては主張を頑張りたいと思うわけでございますが、大蔵省は大蔵なりにまた頑張るんだと思います。
 一方、公共事業関係でございますが、この問題は今後におきます我が国の社会資本整備というものにつきましてどのように考えていくのか、それから国と地方とのその間の役割分担というものをどうするのか、あるいは地域的な配分等の問題もあるわけでございます。御承知のとおり、関係省庁としましても、建設省だけじゃなくて運輸、農林等も土木関係を抱えてございまして、多数の役所が関係するわけでございますので、総合的な見直しをするための検討会を設ける、このようにしておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、こちらは公共事業関係の総合的な検討という観点だと思います。検討会の具体的なやり方ということにつきましては、まだ正直言って具体案を持っておらないような状況でございます。先生の御指摘もよく頭に置きまして、今後どのような形で検討会を設けるか考えて各省と連絡、協議してまいりたいと、かように考えております。
#174
○佐藤三吾君 大臣のこの問題に対する見解を一緒に聞いておきたいんです。
#175
○国務大臣(坂野重信君) 公共事業の問題は、今局長が答弁したとおりでございます。これは影響するところは、各省庁に響いできますので、事業量を確保したいという意見も非常に各省強いわけでございます。そこで一挙にやってしまいますとそれだげの国費をぽんと一年出さないかぬということもあって、まあまあそうもいかないからということもあって検討しようということで、二年間は検討期間にしよう。それが終わったら、まず、最初に六十二年度分はもとに返そうというようなことで大蔵大臣との約束を取り交わしたわけでございます。そうしているうちには今の行革審の答申も出てくると思いますし、国と地方はどうあるべきかという問題、財政分担、行政分担、そういうものも踏まえて検討しなきゃならぬと思っております。そういう中で、私どもはともかく何とかしてできるだけ復元すべきものは復元したいと。特にその中で直轄事業についてはもともとこれは本来国が責任を持ってやるべき問題ですから、大体負担金を出すのは、私は個人的に見ますとおかしいと思うんですよ。しかし、これは歴史的な経緯がありますから一挙にそこまではいきません。補助事業については、零細補助というものは整理をしながら、これはある程度できるものは一般財源化、メニュー方式としてできるものはやらざるを得ないんじゃないか。そういうものを検討する中でできるだけ地方の財政を確立する。財政がマイナスにならないように負担がかからぬように持っていきたいというような考え方でございます。
 義務教育の問題は先ほどから出ておるようなことでございますので、これは文部省と自治省と大蔵省で、三省だけの問題でございますから、それはそれでまた並行して協議していきたいと思っている次第です。
#176
○佐藤三吾君 地方自治体の場合に中央の財政のしりぬぐいじゃないけれども、しわ寄せで大変苦労をしておりますから、ひとつ今大臣の見解で頑張ってほしいなということだけつけ加えておきたいと思います。
 そこで、きょうの新聞ですか、ついでで悪いんですが、これは通告してないんですが、地方税の超過課税見直しが大きく出ておるわけですね。この問題で、法人税を五〇%以下に引き下げた経緯からいって、そういう意味でやるんだと、こう言っておるんですが、これは率直に言って四十七都道府県の中でも四十五団体が制定をしておるし、市町村を見ると千二百七十五団体が自主的に超過課税をやっておるわけですから、これをやるとするとそれにふさわしい財源をどうするのか、そういった問題も起こってくるんじゃないかと思うのですけれども、これは真意はどういうことですか。
#177
○政府委員(津田正君) ちょっと税務局長がおりませんので、私、便宜、前に税務局長をやったことで御答弁申し上げますと、この法人関係税の超過課税問題というのは、まさしく財政危機に陥ったときに各団体が自前の財源を出すと、こういうようなことでやってきたわけでございます。他方におきまして、今回の税制改革におきましても法人関係税の総合負担というのを五〇%以下にしたいというような方向が打ち出されておるわけでございます。その場合にも、あくまで地方税のカウン十分は標準税率ベースでございます。
 そこで、法人負担全体と考え、実際的には超過負担もカウントしなければならないわけでございますが、私どもとしましては、この超過課税の問題というのはまさしく地方税の本質論につながっておる問題でございまして、これを一律に下げるとか、そういうようなことはできない。しかし、超過課税をやりました原因としまして、例えば静岡県ですと地震対策、神奈川県ですと高校急増対策、それぞれの所要の財源を確保するための超過課税をやっておるわけでございますが、具体的にそういうような財政事情というものがどうなったか、そして全般的な税収の状況がどうだったか。これはやはり見直しつつこの超過課税の問題というのは個々の団体において考えていただかなければならない、かような問題かと思います。しかし、先ほど申しましたように、これは地方税、地方団体の自主財政権の一つの柱でございますので、私どもが一律に下げるべきだということではございません。しかし、そういうようなかつての財政状況と今の財政状況、あるいは財政需要がどうだか、その面での検討というものは個々の地方団体は絶えずしてほしいと、このような考え方でございます。
#178
○佐藤三吾君 坂野自治大臣の写真入りで「九〇年度にも実施指導」と、こういうふうに出ると、ローラーかけるんじゃないか、また特別交付税その他を使って押しまくるんじゃないかというような感じを持ちます。今あなたの答弁を聞いてみるとそうでないと。ちゃんとそこはわきまえておられるようですが、私はやっぱり今おっしゃったように超過課税にはそれだけの理由があると思うのです、その自治体の。また経緯もあると思うのです。歴史もあると思うので、そこら辺は尊重して対応して指導に当たってほしいと思う。そうしないと自治体という意味がないじゃないですか、率直に言って。地方自治というもの、そのものを認めない、そういうようなやり方はひとつぜひ避けてもらいたいと思うのですね。その点はよろしいですか。
#179
○国務大臣(坂野重信君) 今局長から答弁したとおりでございます。実は私はこの新聞を今見たところでございます。私自身がこれを知らなかったわけでございますから、こんなむちゃなことをやるつもりはありませんし、もともと各自治体の自主的な対応に任せるべぎ問題ですし、自治省が統轄して一律に軽減、見直すというような方針は全く今のところはとっておりませんけれども、今後の勉強課題であることは、この超過課税問題についての勉強はしますけれども、そういう方針を決めているとかそういう方向で前向きにやっておるとかということはございません。
#180
○佐藤三吾君 今度は国民健康保険制度の見直しの問題で一つ二つ聞いておきたいと思うんですが、本年度で切れる暫定措置の見直し手続は社会保障制度審議会で審議されておるわけですが、老人医療の扱いなどもありまして、老人保健審議会、社会保険審議会、行革審、地方制度調査会、こういうところでもこの問題の審議が行われてくると思うんですけれども、ここら辺の調整をどうするのか。それから加入者代表の意見をどういうふうに反映するのか、見解を聞いておきたいと思います。
#181
○政府委員(津田正君) 国民健康保険につきましては、二年間の暫定措置の間でございますが、現在、御指摘のとおり社保審の中に特に国民健康保険問題を中心として議論をする場を持ちまして、地方団体の関係者も入っていただきまして、地方団体サイドの御意見というものも申し上げて討議されておる段階でございます。私どもとしましては、国民健康保険というのは、やはり医療につきます国民皆保険の一環としての性格というものを持っておるわけでございまして、国の責任は極めて重いものだと、こういうような考え方でございます。加入者案分率の一〇〇%問題というものも当然絡んでくる問題でございますが、やはり今後の国民医療の医療費の動向、医療のあり方ということの中におきまして、皆保険の最後を担う国民健康保険の役割というものは大きいわけでございますので、国の適切な責任というものは今後も維持していただかなければならないものと考えております。
#182
○佐藤三吾君 今度の暫定措置で、地方財政法十一条の二ですか、執行停止によって国保に交付税の導入をしておるわけですが、来年度はこれはどういうふうになるのか。続けるとすると、ちょっと国保税の性格からいっておかしいものになるんじゃないかというような感じがするんですけれども、いかがですか。
#183
○政府委員(津田正君) 暫定措置におきまして、高額医療の共同事業あるいは保険料の軽減対策というものにつきまして従来の地方財政法の考え方を変えまして、一般財源の投入やむなし、このような形にしておるわけでございます。
 共同事業の問題は、これは高額医療費をどのように負担調整をするか、こういうような問題で、保険者の財政力というものを総合的に均衡化する、調整する、こういう問題に絡んでおります。
 それから、軽減保険料の問題は、御承知のとおり、所得が低いために保険料を払えない、しかし、恐らく医療費というのは余計にかかる方々かと思いますが、それをほかの被保険者の保険料だけで賄い得るかどうか、こういう問題がございまして、私ども暫定措置とはいいながら一般財源投入やむなし、このような観点に立ったものでございます。ただ、この問題も、かねてから地方団体等では保険料あるいは保険税の水準というものをもうちょっと全国的にならしていくべきではないか、こういうような意見もあるわけでございまして、今後の保険料あるいは保険税のあり方とも関連する問題でございます。
 私どもといたしましては、暫定期間はこのような措置で続けてまいるわけでございますが、終了後の扱いにつきましてはそのような国民健康保険財政の基本に絡まる問題でございまして、適切に解決するとともに、地方団体の財政運営に支障のないよう措置はしてまいらなければならないものと思っております。
#184
○佐藤三吾君 そこで、今あなたが口に出した問題ですけれども、国保の負担金の調整方法が、現在、国保料と国保税になっていますね。それにこんなに大変な差が出てきておる。この二方式を今あなたは一本にする、ならしていく、こういう言い方をしたんですが、現在九〇・七%が税による徴収になっているわけです。それを自治省は税方式をやめて保険料に一本化する、こういうふうに方針を決めたというふうに向いておるわけですが、その理由は一体どういうことなのか。
 それから、恐らくさっきの言葉ではございませんが、負担水準の全国一律化、こういうところにねらいを置いておるんじゃないかというような感じもするんですけれども、逆に言えば、収納率の低下という心配も起こってくるような感じがします。ここらについて、そういう方針を決めており、固まったものでなくても結構だと思うんですけれども、考え方をちょっと聞かしてください。
#185
○政府委員(津田正君) 先ほどの答弁で、私舌足らずでございますが、機械的に一本化ということは、やはり保険制度の仕組みをとっている限りは受益と負担という関係があるかと思います。病院施設やなんかが非常に多くてサービスのいいところと、病気があっても病院がない、そのために医療費がかからぬというところとはやはり保険料に若干差があってしかるべきかと思います。しかし、今あるような格差はちょっとひどいのでございまして、これはもうちょっと直していくべきではないか、こういうような方向づけかと思います。
 それから、保険税と保険料の問題でございますが、たしか大都市等は保険料を相当程度やっておりまして、先生おっしゃるよりはもっと保険料の比率というのは高いかと思います。ただ、それはそれといたしまして、これが保険料から保険税という形態でもいいという制度改正をされた昭和三十年代の段階では、強制徴収の最後の担保手段というのが保険料と税では違っておりました。むしろ税の方が最終担保は強い、こういうことで当時国民皆保険を発足し、徴収というものについての不振というものがあった事態におきまして、やはり最終的な担保手段が強い税という形態の方がいいのではないか、このようなことで税もとれるということでございます。ところが、現行法の保険料の仕組みにおきましても、まさしく地方税と同様な最終担保を持っておりますので、その面の差別はないと思います。
 それで、保険料がいいか保険税がいいかということですが、やはり受益と負担というような、いわゆる保険制度という仕組みからすると、保険料というのが常識的にいいのではないか、こういう議論があるわけでございますが、地方団体におきましても必ずしも意見統一されておりませんで、処理するところも税務課あり国民健康保険課あり、いろいろあるわけでございます。そういう意味におきまして、私どもまだ保険税をなくして保険料一本にする、このように踏み切ったわけではございません。ただ、徴収の最終担保としては、担保だけの理由では税としておく意味はない、こういうような考え方は持っております。
#186
○佐藤三吾君 わかりました。事がそれぞれの自治体にかかわる問題でございますから、対応については十分ひとつ意見をくみながら慎重な対応をしてほしいということだけつけ加えておきたいと思います。
 そこで、国会の方も事実上あさってで終わるわけでございますから、ちょっとその先を含めて二、三聞いておきたいなと思うので、通告なしで大変申しわけないんですが、一つは、十四日の新聞にこういうふうに、「法人事業税 課税方式を抜本改革」というのが堂々と出ておるわけです。これはどの程度の議論になっておるんですか、自治省の中で。「自治省方針 赤字法人に網」となっている。考え方は、外形標準課税の導入という我我の主張しておった部分もあるわけでございますけれども、そういったことなのかどうか、これを一つ聞いておきたいと思います。
 それからもう一つの点は、昨年の年末に土曜休日法を含めて地方自治法の改正をやったわけでございますが、その結果、広島では二十二年以来八月六日が事務休停日として条例化しておるわけですが、それが結果的に法律に触れるということになって、今、現地では大変な問題になっているわけです。同時にまた、沖縄も六月二十三日の守備隊が全滅した日が休日ということで条例化しておるわけです。これも問題になってきているわけですが、ここら辺についてもし自治省、大臣として何かあれば教えてほしいと思います。
#187
○政府委員(津田正君) 法人事業税の外形問題、これも税務局長が答弁すべき問題でございますが、ちょっと不在でございますので私から答弁させていただきます。
 御承知のとおり、地方税の中におきます企業課税としましては、現在のような所得課税よりも、赤字の法人であってもやはり地方団体の行政サービスを受けるわけでございます。そういう意味におきまして企業活動をあらわすような指標であるべきではないか。要するに赤字法人でもやはり企業活動をしている限りはそれ相応の税負担を負うべきではないか。もつどうんと巨額な所得が出てもやはり企業活動を標準として税負担があるべきではないか。こういうような議論がかねてからあるわけでございます。
 ところがこの問題は、昭和四十年代はむしろ法人事業税の所得課税から外形課税化の研究がずっと行われてまいったわけでございますが、そのころになりますと、いわゆる付加価値税の問題、一般消費税の問題が出てまいりまして、実質的に見ますと、事業税で考えておりました事業活動は付加価値で取ろう、こういうような研究がなされたときに、いわゆる消費税型の付加価値税の話が出てまいりまして、この問題をどういうふうに調整するのかということで、政府税調答申におきましては、一般消費税の中に地方消費税的なものを設けて、実質的に外形標準問題というのを一つの解決にしよう、このような意見があったわけでございます。ところがその後、売上税ないし消費税というような議論の中におきましては、やはり法人事業税の外形課税の問題というのは別ではないかというような議論が出まして、結局は取り残されたというようなことでございます。そして、まさしく消費税は純粋の消費税、こういうような形になったわけでございますので、やはりこの際、今後の課題としましては、法人事業税が現在のような所得課税でいいのかどうかということはやはり再検討する必要がある。
 そういう意味におきまして、何か新聞報道はすぐやるというような論調でございますが、実はこれ多年の経緯がございまして、いろいろな立場の意見、赤字法人からも税金を取るのかという意見からまずあるわけでございまして、均等割の問題、また全般的な国税、地方税を通じます赤字法人に対する税負担の問題等いろいろな面でのかかわりがあるわけでございます。そういう意味におきまして、自治省としましては、来年度以降からまた心を改めまして、消費税問題ということと切り離して外形標準課税の問題について勉強してまいる、このようなスタンスであると思います。すぐ結論が出たということではなくて、むしろ難しい問題を一つずつ解決するために勉強をしていこう、このように聞いております。
 それから、土曜休日制の施行に絡みましての各地域の特殊事情への対応でございますが、ちょっと公務員部長がおりませんで、今、私ども公務員部長に出席するよう要請したところでございます。答弁を保留させていただきまして、公務員部長の到着をお願いします。
#188
○佐藤三吾君 通告なしですからやむを得ません。もし公務員部長が来れば、そのとき聞かせてください。
 いろいろまだ残っておりますが、時間の割り振りもございますので、ここら辺で一応交付税問題を終わらせてもらって、警察関係に移らせていただきたいと思います。
 金澤長官、久しぶりですね。きのうもテレビで見まして、大変な時期だと思うんですが、率直に言って警察官の犯罪というんですか、この二、三日だけを見たってちょっと目に余るものがある。大阪の元警察官の殺人事件、それから埼玉の女子高校生に対する強制わいせつ、茨城の婦女暴行、いろいろ起こっておるわけですが、その前に、テレビを見ておると、公安委員長がこの問題について発言なさっておりましたね。きょうの昼のテレビですね。人事の刷新を含めて云々という、いわゆる事件に強い警察官を育てたい、こういう表現だったですが、これはどういう認識と対応なのか、せっかくおいでですから聞かせていただきたいと思います。
#189
○政府委員(金澤昭雄君) 最近、一連の警察官の不祥事案が相次いで発生しておりまして、私どもといたしましては、国民の方々に本当に申しわけなく思っておる次第でございます。一日も早く懸案の事案につきましては解決をし、またこういう不祥事案につきましては、今後二度と発生しないように十分にいろいろな体制を整え、また施策を尽くしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 ただいまの御質問にございました事件に強い警察、これは昨年以来事件に強い警察の確立ということで、今全国警察にいろいろと指示をしておるわけでございますが、グリコ・森永事件を初めとしまして、一連の社会的関心の大きい事件が解決をしておりません。そういったことで、何とかこういう重要事件を早く解決したいということで、今までの体制を反省いたしまして、その反省の上に立って施策を立てていく、こういうことでございます。
 大きく分けると三つございまして、一つは、現在の捜査体制、捜査の手法、それからいろいろな捜査で使っております資器材、そういったものの改善というのが一つでございます。物の関係。二つ目が人の関係でございまして、これは捜査員の質の向上ということでございます。そこで、今お話に出ましたような人事の問題というのは、警察官の昇任の問題に絡んでいろいろと今までのやり方を改善していこう、実力といいますか、捜査指揮能力中心の幹部を養成していこう、こういったのが発想のもとになりまして、今の人事の関係というのがございます。それに教養、教育の問題。この辺が人の問題でございます。それから三点目としましては、国民の理解と協力。警察の活動にとりまして、国民の理解と協力がなければ全然活動自体の成果が上がりませんので、この国民の理解と協力を得るためにどのような方策をとっていけばいいか、例えば交番制度の改善の問題、地域に密着した外勤警察の問題、こういったこともその検討の一つでございます。そういうことを含めて一日も早く事件に強い警察を何とか確立してまいりたい、こういうことでございます。
#190
○佐藤三吾君 私も、たしかあなたが刑事局長時代だったと思いますが、大阪のグリコ問題についてここでやり合ったわけですけれども、そのときも私が申し上げましたように、やはりどうも戦後警備警察、それを重視し過ぎている、いわゆる警察の一番中心でなきゃならぬ刑事の方の警察が弱体化しておるんじゃないか。ですから、そういうことがグリコ事件を起こしたり、いろいろの事件の迷宮入りをつくっておる一つの原因じゃないかという点を私は当時あなたとここでやり合った経験を思い出すんです。そういう意味で、今あなたの挙げられました三点というのは非常に重要だと思いますから、ぜひひとつそういう観点で強化をしてほしいと思うんです。余りにも綾子ちゃん事件じゃございませんけれども、迷宮入りが出てくる。そこに出てくるのは何かといえば、国民の皆さんがいらいらしているところに今度は警察官の犯罪が出てくるわけですからね。これは国民から見たらたまったものじゃないですよ。それはテレビを見ながらまたかという、皆こういう心境だと思うんですね。そういう意味では国民の信頼を取り戻すためにも私はひとつ長官の意思をぜひ具体的に強化をしてほしいと思うんです。
 私が知っておる刑事さんの中でも、結局警察官の場合には昇進が全部試験なものだから、刑事の皆さんは余りあれが得意じゃないんですよ、言いかえれば。あんなのに試験で勉強するぐらいだったら、もうこっちの本職の方がだめになっちゃう。ですから、そういう矛盾が平然と行われているわけです。私は大分で県警本部長などにも言うんですけれども、ちょっと実態が合わないんじゃないか、ぺーパーだけで人をはかっていくのは。やっぱり実際の働く姿を見て、それが登用していく一つの条件にしたらどうなんだと言うんだけれども、なかなか実施をしてない。ここら辺ひとつ、あなたの今おっしゃった人の質の向上の問題の方法として私はぜひ検討していただければいいんじゃないかということをつけ加えておきたいと思うんです。
 そこで、話題ががらっと変わりますが、大成省見えていますか。――マスコミの報道によりますと、PCカードの規制のために抜本的な法改正を検討しておると、こういうのが報道されておるんですが、これはどういうことなんですか。その中には最近テレホンカードの偽造が広がっておるということも出ておるわけですが、こういうものまで含まれておるのかどうなのか、いかがですか。
#191
○説明員(竹内洋君) お答えいたします。
 先生御指摘のいわゆるプリペイドカードの問題でございますが、御承知のように、昭和五十七年のNTTのテレホンカード以来、大変急速に普及している状況でございます。それを受けまして大蔵省といたしましては、昨年の三月に大蔵省の銀行局及び証券局の私的研究会といたしまして、消費者あるいは有識者あるいは業界の方にお集まりいただきまして、近年急速な普及が進んでおります決済手段として重要なプリペイドカードについてどう考えるかということで、法制上の論点を初めとして諸問題について検討を行ったわけでございます。
 本年の二月十七日にプリペイドカードに関する研究会の報告書というのを取りまとめております。この研究会の報告書のポイントだけ御説明いたしますと、現在プリペイドカードに関係いたしましては商品券取締法、これは皆様御承知のデパートの商品券あるいはギフトカードでございますけれども、これの発行者の倒産等に対応するために購入者を保護する観点から発行額の、発行未利用額でございますが、二分の一の供託を義務づけている法律がございます。ただ、この法律が必ずしも、これは昭和七年の法律でございまして、実態に十分適応していないということから、この研究会におきましても、そのプリペイドカードといわゆる商品券とを統一的に取り扱うことが適当である。具体的には現行の商品券取締法を発展的に改組して対処することが適当であるという指摘を受けまして、特に立法に当たってはカードの購入者、まあ消費者の保護、それからカードが非常に汎用性の高いものがこれから出てくるわけでございますが、その点から信用秩序の維持を図らなくてはいけない。
 そういう観点からプリペイドカードの発行に係る前受金の保全措置等適切な規制を盛り込むべきことが適当であるという報告を二月の十七日に受けたわけでございます。大蔵省といたしましては、このような研究会の提言を受けまして、現在立法化のための準備作業を鋭意進めているところでございます。できますれば、次期国会以降できるだけ早い機会に法案を提出いたしまして御審議いただきたいと考えております。
#192
○佐藤三吾君 通産省見えていますか。――通産省いかがですか、この問題について。
#193
○説明員(山本庸幸君) プリペイドカードは今や国民経済にとって非常に重要な取引手段になっております。そうした観点で私どもとしては今先生から御指摘のあったようなカードの偽造問題につきましては、これは非常に重要な問題だと考えております。
 そこでカードの偽造問題につきまして、やはり第一義的には現行刑法上の罰則を適用することによって対処すべきだと考えておりますが、それに加えてやはり需要者の側からも技術的に十分な不正使用防止対策を講ずることが重要であると考えております。私どもかねてからいわゆるカード社会の対応を考える研究会というものを開催いたしまして、いろいろプリペイドカードに関します制度上、技術上の問題を検討しておりますので、そうした中で今の偽造の問題につきましても専門家の技術的な知見を集めて検討していこうということになっておりまして、現在それを実施しているところでございます。
#194
○佐藤三吾君 そうしますと、このPCカードについては現行法では対応に不十分、こういうふうな観点から大蔵省としては法改正を急いで次期国会に出したいと、こういうことで受け取っていいんですか。
#195
○説明員(竹内洋君) まさに御指摘のとおりでございまして、現行の商品券取締法は、一応紙の商品券を念頭に置いておるわけでございますが、プリペイドカードは磁気カードということで金額が可変的である。それからまた最近は汎用型のプリペイドカードと申しまして、発行専門会社が発行いたしまして、多数の加盟店で使えるというようなことで、非常にニュービジネスとしてはこれから急速に進展していくわけでございますが、そういう中で購入者が、カード会社が倒産すること等により不測の損害をこうむらないような新たな法整備が必要と、そういう観点から商品券取締法を抜本的に改正したいと考えている次第でございます。
#196
○佐藤三吾君 わかりました。大蔵、通産結構です。
 そこで警察庁にお聞きしたいと思うんですが、去年の十月、日本レジャーカードシステムという会社が発足しておるわけです。これはどういうような会社なのか、主要な出資はどうなっておるのか、何の目的を持ってつくられたのか御報告いだだきたいと思うんです。
#197
○政府委員(森廣英一君) お答え申し上げます。
 お尋ねの日本レジャーカードシステム株式会社、昭和六十三年十月四日に設立をされておりますが、発起人は日本電信電話株式会社、三菱商事、第一勧銀ほか数行の銀行、そういうような会社が発起人でございまして、いわゆるパチンコホールにおきましてお客さんがこのカードを現金のかわりに使ってパチンコゲームが楽しめるような、そういうプリペイドカードを発行いたそう、そういう計画の会社でございます。
#198
○佐藤三吾君 今あなたは第一勧銀と言ったんですが、たいよう共済、防犯協会、こういう類もこの中に入っておるわけだし、社長、副社長の構成についてはどうなっておりますか。
#199
○政府委員(森廣英一君) 今名前を挙げられましたたいよう共済につきましては、出資会社の一つでございます。
 それから役員の構成といたしましては、社長には三菱商事の副社長であられました谷口さんという方がなっておられます。また副社長には警察出身OBの中平さんという方が就任をしておられます。
#200
○佐藤三吾君 端的に言えばこの会社は、さっきあなたが言ったように、パチンコを現金でなくてカードでやる、そのカード会社と。その出資をしておるのは三菱商事、それが一番大株主で一二%、それから二番目に大株主がたいよう共済、これは警察のOBでつくっておる団体ですね、これが九%。そうして取締役を見ると、それに大体NTTですね。この三者でもって主要ポストを構成しておると、そういうふうに私は認識しておるんですが、いかがですか。
#201
○政府委員(森廣英一君) 主要ポストということはいかがかと思いますが、今具体的に御指摘になられたような人たちが役員として就任しておることは事実でございます。
#202
○佐藤三吾君 そうしますと、中平和水さんというんですか、副社長、元刑事局長。例えば、谷口さんは三菱商事ですね、ですから社長でわかりますよ。これはどこをバックにしているんですか。
#203
○政府委員(森廣英一君) 中平和水さんは何をバックにして出ておるかと、バックという意味がちょっとよくわからないんですが、警察出身の元刑事局長でございます。
#204
○佐藤三吾君 だから、例えば出資者の構成で一番大株主である三菱商事さんが社長、そして本来ならないよう共済が二番目だから、たいよう共済からだれ、NTTは常務の松本さんと、こういうふうに出ているわけですね。中平さんというのはどういうことになるんですか。
#205
○政府委員(森廣英一君) いわゆる出資元の一つを代表して出ているという意味のバックはないと思います。
#206
○佐藤三吾君 これはどういう経緯で出てきたんですか。要請を受けたんですか、どうなんですか。
#207
○政府委員(森廣英一君) 御指摘のとおり、要請を受けて入ったわけでございます。
#208
○佐藤三吾君 それから、北海道から九州まで八つのカード販売会社というのがありますね。それぞれ六百口持っていますね。これはどういう会社なんですか。
#209
○政府委員(森廣英一君) これは、将来このカードが全国的に流通をした場合におきまして、各地方ごとにそういうカードを発行したり、いろんな業務を地域的に分担する予定の会社であるというふうに聞いております。
#210
○佐藤三吾君 これにも警察のOBが入っておるわけですか。
#211
○政府委員(森廣英一君) 将来、そういう会社ができる予定でございますけれども、まだ会社もできておりませんし、警察の者が入るかどうかという具体的なことは何も決まっておりません。
#212
○佐藤三吾君 これ、できてないのがどうして六百口株を出資しておるんですか、会社がないのに。
#213
○政府委員(森廣英一君) ただいまの御質問につきましては、まだ会社はできておらないわけで、三菱商事等が預かり株としてかわって出資をしているというふうに聞いております。
#214
○佐藤三吾君 東日本、東海、西日本カードシステム(株)というのは、これは何ですか。
#215
○政府委員(森廣英一君) ただいまお話しのありました地域会社の一つでございます。
#216
○佐藤三吾君 いや、さっき言ったのはカード販売会社ですよ。しかし、東日本、東海、西日本カードシステム株式会社というのは別ですよ。これはどういう会社ですか。
#217
○政府委員(森廣英一君) ただいまの会社は、三菱商事と技術提携をした会社であるということでございます。
#218
○佐藤三吾君 会社の経営者はわかりますか。
#219
○政府委員(森廣英一君) ちょっと、ただいま聞いておりません。
#220
○佐藤三吾君 どうも私の方の情報によると、このカードシステム会社というのは、コスモECの熊取谷さんが出資をしておる会社のように受けとめておるんですけれども、違いますか、これは。
#221
○政府委員(森廣英一君) 伺っておりません。
#222
○佐藤三吾君 この熊取谷さんというのは、もう御案内のとおり、リクルートの事件で出てまいりましたいわゆる真藤さんの影の人ですね。長谷川さんというあそこの常務が銀座の女性事件が起こったときに一億円で処理した人です。この熊取谷さんがカード会社をつくりたいという陳情を去年の七月に警察の方に出しておるわけですね。熊取谷さんだけじゃなくて五人で出しておるんですけれども、その方が、十月に発足すると同時に表から消えておるわけですよ。いわゆるコスモECという会社が消えておるわけです。ところが、今言ったように、ここにこういう形で出てきておる。こういうような感じがしておるんですけれども、違いますか。
#223
○政府委員(森廣英一君) 今御指摘の人物がカードを発行する会社を設立したいという話があったことは事実でございます。しかしながら、警察庁の方で指導いたしまして、やはり先ほど大蔵省の話もございますように、資本の信用のある会社がやらなければいけない。それから、技術的に偽造防止が十分できるような技術力のある会社がしなけりゃならないというような見地からただいま御指摘の人物が、ほか何人かと一緒に申請したその者が会社を設立しないように指導いたしまして、大手の会社が指導する結果になったわけでございます。
#224
○佐藤三吾君 しかし、今あなたは知らぬと言ったじゃないですか。この東日本、東海、西日本カードシステム株式会社はどういう会社ですかと、役員はどうなっていますかと聞いたところが、知らぬと言ったでしょう。この中に私は熊取谷さんの影が見えるような感じがするんですけれども、違うんですか。
#225
○政府委員(森廣英一君) 知らないと申しましたのは、出資の関係につきましてはすべて三菱商事の方が取り計らってやっていることでありまして、こちらが一々どこが出資しているかということを全部知っているわけではないわけでございます。
#226
○佐藤三吾君 いいでしょう、まだきょうは始めたばかりですから。
 ちょっとついでに聞いておきたいんですが、こういう三菱商事その他の方が、今あなたがおっしゃった預かり出資というんですか、をやっておるのはこの中のどれですか。実際にここの会社で金を払っておるのはどこですか、この株式の中で。
#227
○政府委員(森廣英一君) ただいまも申し上げましたけれども、そういうような関係はすべて三菱商事の方が取り計らってやっておるわけでございまして、私の方は承知をいたしておりません。
#228
○佐藤三吾君 わかりました。いずれにしましても、これが日本レジャーカードシステム株式会社の実態ですね。
 ここに私が先ほど指摘したように、たいよう共済、防犯協会、これがこの中の二番目に多い出資金として入っておるわけですが、これは長官に聞きましょう。このだいよう共済というのは警察のOBの共済でしょう。これがなぜこの中に入ったのか、ここら辺をちょっと教えてくれませんか。
#229
○政府委員(金澤昭雄君) たいよう共済は、お話しのとおり警察のOBが役員を占めておる団体でございますが、これは警察関係のいろいろな福利関係の仕事を専ら民間ベースの事業としてやる、こういう会社でございます。したがって、このプリペイドカードの趣旨に賛同してたいよう共済が出資者の一つとして入った、こういうことでございます。
#230
○佐藤三吾君 これはパチンコの専用カードの会社でしょう。それを承知でなぜ入ったのかなと思うんですよ、そのたいよう共済が。
 もっと行きますと、保安部長は知っておるかどうか知りませんが、一体どういうふうな構成でこの会社ができておるのか。一番大事な点は、例えばテレホンカードをNTTが出しましたね。それはNTTで出したわけですよ。これは本来もしゃるとすれば、当然パチンコ屋の皆さんが集まって自分たちの商売繁盛のためにやるんならわかるんですよ、言いかえれば。そこにその人たちが一人もおらぬで警察OBが入っていくというのはどういうことだろうか、そういう疑問を持ったわけです。その点いかがなんですか。
#231
○政府委員(森廣英一君) パチンコ業界の方々もこの会社に出資をして、一緒に事業を始めることはいいであろうということは、御指摘のとおりだと思います。そういう話もしてみたんですが、実はパチンコ業界全体で出資についての意見がまとまらなくて、パチンコ業界からの出資は現在のところまではされておりません。
#232
○佐藤三吾君 そういうことなんですね。よく大臣聞いておいてください。後でまた一括質問しますから。
 もう一つ、次の問題に移りましょう。
 日本遊技業経営者同友会というのが、これも前後して昨年の九月に設立されたわけですね。これはどういう会なのか、構成と目的についてお聞きしたいんです。
#233
○政府委員(森廣英一君) お答えします。
 日本遊技業経営者同友会という会は、遊技場経営者と遊技機の製造業者、それから遊技施設関連設備製造業者、その他遊技営業に関連するいろんな事業の経営者が相互の連携を図りまして、遊技関連事業の適正な運営を確保し、もって国民的な娯楽産業としての遊技場営業の社会的な地位の向上と健全化に寄与するということを目的とするとして設立をされた団体でございます。そういう関係で今申し上げました遊技場関係が八十九社、機械設備業者三十三社、それからパチンコの景品に使われるような菓子、食品の関係業者等が二十五社、合計百四十七社で構成をされておるというふうに伺っております。
#234
○佐藤三吾君 そういう今森廣部長のお話のように、三者が集まって健全な協会をつくるということなんですが、ここに去年の十二月二十二日、日工組発第二八七号というのがあるんです。これによると、いわゆるさっき言った三つの組織の中の日本遊技機工業組合、この武内理事長名の通達によると、「日本遊技業経営者同友会について(ご連絡)」として、十二月二十日開催した会議におきまして検討した結果、「同会への入会につきましては、友誼団体である全遊協との関係もあり、業界の円滑な運営を図るためにも、入会することにつきましては、時期尚早であると思われますので慎重に対応して頂くようお願い致します。」、こういう通知なんです。そうして「各社におかれましては、出先機関にも徹底して頂きますようお願い致します。」。というのは、これに入るなという通知です、これは。これが二十二日です。
 そうしたら、六日後の二十八日に、今度は二九八号という通達で、そこで同じように武内さんが、「十二月二十二日、日工組発第二八七号でご連絡致しました、日本遊技業経営者同友会についての文書につきましては、全面的に取消し致します」、こういう文書を出した。これは一体何ですか。言いかえればこの文書は工業組合の皆さんで集まって議論をした、その結果これは時期尚早、入らないということで徹底してもらいたい、それが総会の意思ですという通知です、前のは。ところが後のはそんな理由は何も書いてないんです。さっき出した通達は取り消しますのでお願いします。これはここにいらっしゃる保安課長さんの圧力、そういうことですか。
#235
○政府委員(森廣英一君) そのようなことは全くございませんで、団体の自主的な御判断でなされたというふうに受け取っています。
#236
○佐藤三吾君 それは部長、無理ですよ。この二つの文書を見てそんな判断できるはずないじゃないですか。一方は組合員全員で集まって協議した結果、時期尚早と。一週間後はそれを取り消す。こんなばかなことはあり得ぬのです。ですから、こういうことがやられてできたのが同友会ということになるんじゃないですか。そうするとこれは一体どういうことなのかということなんです。
 そこで私は、この団体が警察の方に陳情しておる趣旨のことを聞きましたから、保安課長に言ってこの経緯を求めたところが、このような文書を私のところにいただきました。それを読むと、遊技業に携わる者だけで解決することが困難な状況にある。したがって、遊技業に関連する業界にかかわる者が緊密な連携をとり、一体として遊技業の適正化と健全化に努め、国民に安心して楽しめる娯楽を提供しなければならないと考える。そのために社団法人、今度は社団法人です。日本遊技関連事業協会を設立したい、こういう申請が来ておる。これについては目下検討中である、こういうのが保安課長の回答なんですが、これは部長認めるつもりなんですか。どういうことなんですか。
#237
○政府委員(森廣英一君) 日本遊技業経営者同友会が社団法人日本遊技関連事業協会というものの設立許可申請を行いまして、警察庁といたしまして受理をいたしておりますが、現在これの民法に基づく審査を開始しております。現在のところ認めるか認めないか結論を出しておりませんで、目下検討いたしておるところでございます。
#238
○佐藤三吾君 わかりました。それはそれでおきましょう。
 もう一つお聞きします。
 全遊協というのがございますね。これはパチンコ業界の一万五千の店の自主組織なんですが、この全遊協には警察の天下りというか、言いかえればかなめどころ、専務とか事務局長どころに人を配置しておるわけですが、これは一体今何名出ておりますか。
#239
○政府委員(森廣英一君) 全遊協には各都道府県の都道府県遊協というのがございますが、警察出身者がこれの事務局長とかあるいは専務理事とかいうような立場で入っております者を合計いたしますと、現在全部で六十七名入っておられます。
#240
○佐藤三吾君 ここに、こういう数字の入った文書がある。これは「自民党都本部納 一万二百十二名分」と、こう書いてある。そして「自民党入党問題につきましては、大変御苦労をおかけしましたが、木表のとおり所期の目的を達成することができましたので心から厚くお礼申し上げます」という添え書きがついておる。東京一帯の、丸の内とか神田とか万世橋とか細かく書いて、それに数字を入れておるわけです。これは都遊協というんですか、都遊協だけで党員が一万二百十二名ですから、これは六十三年九月五日付ですから、そういうことでは非常に自民党さんにとっては頼もしい団体ということが言えるのではないかと思うんです。
 その都遊協が集まったのが全遊協、そこに今六十七名の警察のOBの方が事務局長、専務でいらっしゃる、こういうことなんです。その全遊協の皆さんが、さっきの話に戻りますけれども、このPCカードの設立に当たってどうして参加しなかったのか、これはどう思いますか。
#241
○政府委員(森廣英一君) カード会社の出資になぜ参加しなかったかということは、要するに組合員のいろいろ討議の結果、全員がまとまってそれをよしとして賛成をしなかったということから出資はしなかったということだろうと思います。
#242
○佐藤三吾君 そういうのを部長、木で鼻をくくった答弁と言うんですよ。そうではなくて、中身をよく知っておるんでしょう。
 今度は、ここでもう一つあれしますが、去年の十二月二十日に、さっき申し上げたように、日本遊技業経営者同友会、ここでそこにいらっしゃる課長の平沢さんが講演をなさっておる。その講演文があなたの写真入りで出ている。よくしゃべっておるなというぐらいにしゃべっていますね。
 これを見ると、要点は、この業界には玉石混交、良貨と悪貨、玉と石が混在しておる。したがって石は排除する。いわゆるこのPCカード導入について反対する者は排除する。二番目に、PCカード反対はこの業界だけだ。ほかはもうどこでも皆賛成なんだ。何で反対するのかわからない。三番目に、押しつげたり推薦を受けたり、そういうことは毛頭考えていない。賛成の者だけがこのカードを入れればいいんだ。反対の者は入れなくたっていいんだ。四番目に、どんなに抵抗があっても断固それは排除する。警察は反対派の陳情は何だって受けない。何一つ認めない。全遊協は反対すれば相手にしない、こういうこと。
 それから五番目に、これまで警察の内部でも反対があった。それには自分は弱った。しかし、私はこの業界、十兆円産業を十五兆円、二十兆円産業にするんだということで決意をした。六番目に、PCカードは業界にとって革命と言うけれども、警察にとっても大革命なんだ。今まで場当たり行政をやってきたが、今後は長期的展望に立って警察行政をやるんだと、保安行政をやるんだと。そのために第一にやらなきゃならぬのは、この業界と暴力団の隔離というか決別というか、それをひとつやっていきたい。もう一つは、今までは取り締まりだったけれども、今後は健全育成だと。それを七割か八割、取り締まりは二割か三割、大体こういう演説の趣旨ですね。
 これで見ると非常に警察がこの同題について、まさにここにありますように、業界も大革命だけれども警察にとっても大革命だというぐらいに熱を入れているというのがありありとあらわれてきている。そうしてこれに反対する者は悪玉として排除する、こういうところまで入っているわけですが、そういうのが、今さっき申し上げたように全遊協の皆さんの中で警察の皆さんが六十七名入って、そして専務をやっておるんですが、そういう皆さんに対しての警察の姿勢ですか。
#243
○政府委員(森廣英一君) ただいまの御指摘、プリペイドカード問題に反対する者を排除するというような趣旨ではないわけでございます。排除する石とかいうような表現になっているものは、いろんな話の文脈からいたしまして、やはり法令を遵守しないとか暴力団と結びつくとか、そういう質の悪い業者は排除しなければならぬということを言っておりますけれども、単にプリペイドカードの発行に反対する者を排除するというような趣旨ではありません。
 そもそもこのプリペイドカードというものは、カード会社ができまして将来カードを発行いたしましても、お客さんが使ってくれなければ広がっていかない。またパチンコホールの経営者の方が任意に採用しなければこれは使われないという性質のものでございまして、全くお客さんとかパチンコの経営者の皆さんの意思によってしか発展し得ない、だれも強制し得ないものでございまして、警察としてももちろん強制するつもりもありませんし、とれまでもそういうものを強制するような、反対者は排除するというような姿勢を示したことは全くないつもりでございます。
#244
○佐藤三吾君 それを部長は知っておって言うのかもしれぬが、ここにちゃんとそういうことが書いてあるんですよ、講演の要旨が。これは同友会の会場でしゃべっていることですよ。講演をやっているわけだ。皆さんは賛成だから大切にします、ここに入っていないのはけしからぬ、こうなっておるわけです。ですから玉石混交という、中身はそこら辺で非常に明確になっている。それはもうプリントしてきちんとしているわけですから、皆さんお手元に持っていると思います。
 ここからちょっと長官に聞きたいんですけれども、全遊協と今トラブルがいろいろ起こっておりますが、八四年の風営法の審議の際に、私どもは、これで立入検査その他で、言うなら警察が取り締まっていく強化になるんじゃないかということで随分議論をやりました。その結果、なおやつぱり今後の監視をする必要があるということで、この委員会のもとに風俗小委員会をつくって今日まできておるわけです。
 そこで、あの議論を思い起こしていただくとわかるんですが、附帯決議もしました。「風俗営業者への指導に当たっては、営業の自由を最大限尊重するとともに、管理者制度については、営業の自主性を損うことのないように、また、営業者の立場を尊重して特に慎重に運用すること。」、それから「本法の運用に当たっては、職権の濫用をいましめるとともに、表現の自由、営業の自由等憲法で保障されている基本的人権を侵害することのないよう慎重に配慮すること。」とか、いろいろ心配する事項を確認しましたね。そういうことを警察もひとつきちっと守っていきましょう、こういうことでスタートを切ったんですが、今度のPCカードについては、率直に言って、七月八日の日に平沢さんが全遊協側にこれを入れるぞ、いいじゃないかという問題提起をして、そうしてそれを八月五日までに返事をせいと。そして九月にはもうカード会社の設立準備に入っている、こういう式なんですよね、実質的に。
 そうしますと、こういうカードというものをこの業界の皆さんが入れるとすれば、これは率直に言ってまさに革命です、大変なことなんですよ、機械を全部取りかえなきゃならぬわけですから。そういう類のものだから、やっぱり二年、三年ぐらいは議論したいというのは、それで飯を食っている連中から見れば当然の考えだと私は思うんです。だから慎重に審議をしようと。これが平沢さんの気に入らずに、結果的にPCカードの会社は見切り発車。さっきみたいに見切り発車です。だから全遊協の皆さんはだれも入れない。こういう中で、引きずったような形で今日まできておるわけです。
 これはどう考えてもノーマルじゃない。平沢さんがおっしゃるように十兆円産業、十五兆、二十兆円産業にすると言うなら、それはまず業界の人が先を争ってやるはずなんですよ、そんなにうまい話なら、ほっといても。そして、みんな自分たちが金を出してつくりますよ、カード会社を。それがそうでないのは一体何なのか。ここら辺について長官はどういう認識をなさっていますか。
#245
○政府委員(金澤昭雄君) 私が認識をしておりますのは、そもそもこのプリペイドカードの構想は、業界の方から、こういうプリペイドのシステムを採用してほしい、それについて所管官庁の警察庁としてそれを認めてほしい、こういう陳情があってこの話が始まった、こういうふうなところの認識から始まっておりますから、その後は、先ほど保安部長が申しましたとおり、このシステムを採用するかどうかはそれぞれの個々のパチンコ業者の判断によるということであります。したがって、警察庁が監督官庁というようなことでこの加盟とか加入を強制する、こういうことは今までもしていない、こういうふうに理解をしております。
 また、今後の問題でありますけれども、趣旨がそういった個々の自由な自主判断のもとで行われるべき問題でありますので、今後私どもとしましては、社会的な影響というものを考えながら適切、妥当な指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#246
○佐藤三吾君 長官の認識を聞いてみると、極めて常識的ですね。私はそういう姿勢がなきゃならぬと思うんですよ、警察というのは。主管官庁でもありますし、よくリードしていく役割ですから、健全に。
 ところが、この事件が起こってから、OBの皆さんが六十七名おる全遊協の総会、五月二十三日に総会があったとき、自治省と通産省はちゃんと来賓であいさつに来ても警察は行かない。そして陳情に行っても受け付けない、会わない、おれの言うことを聞かないようなやつに言う必要はない、これですよ。こういうことが果たして今の長官の言葉と実態が合うだろうか。私は、どんなに言うことを聞かないいら立ちがあったとしても、考えてみれば、今言うように、七月に出して八月に、一カ月でしようといったって無理ですよ、一年、二年、三年ぐらい議論するなら別ですけれども、全国の一万五千の店舗の皆さんが議論するのには。そういう時間もなし、見切り発車して、同友会という、さっき言ったパチ遊技機の皆さんと、八十幾つですか、それに工業会その他関連を入れて一緒くたのやつをつくっちゃった。こういうやり方というのは私は真っ当な方向じゃないような気がするんです。それぞれの団体にはいろんな違いはあるかもしれぬけれども、そういう皆さんを納得させていく指導、それが私は警察がとるべき態度だというふうに思うんですけれども、どうですか、部長。
#247
○政府委員(森廣英一君) パチンコ業者の方々がこのカード会社のシステムを受け入れるかどうかということは、今後、個々のパチンコ経営者の方が本当に自由な立場から自己の事業の繁栄につながるかどうかということを考えて、利害損得を考えて自由な契約を行って導入していけばいい問題であるというふうに思っております。また、パチンコ組合全体としてこのカード発行会社に出資までして積極的にやるのかどうかという問題は別でございまして、これはパチンコ業界がいろいろ検討して、総意でもってやっていけばいいと。もし将来そういうことになった場合には、このカード発行会社の方では大分時間がおくれてもそういう出資は受け入れる用意があるというようなことも聞いておりますし、そういう問題は将来随分弾力的に業界を指導することは可能であるというふうに考えております。
#248
○佐藤三吾君 それなら部長、どうして二月二十八日が起こるんですか、どうして五月八日が起こるんですか。これはあなたが一番よく知っているでしょう。言うならば、全遊協側が言うことを聞かない、そこで、労働組合でいうと第二組合だ。それを強引につくろうどする。そこにあなたの方が有形無形に援助している。これが二月二十八日の起こりかけなんですよ。それから五月の八日の日は今度は関東の第二組合、第二遊協、それも今言うようにそこにいらっしゃる平沢さんが直接指導でやる、こういうやり方をどうしてしなきゃならぬのか。それは力づくになる。そうじゃなくて、今言うように、あなたのところのOBの皆さんが六十七名もその全遊協の中で専務や事務局長をやっておるんだよ。そういう人たち等含めてどうして議論して全体的に意思統一をしていこうという姿勢にならぬのか、この点は御返事できますか。
#249
○政府委員(森廣英一君) ただいまお話しの二月二十八日といいますのは、全遊協の中の不満に思っている人たちが全日遊連という名前で、これはパチンコ業者の方だげの団体ですが、そういう新しい団体をつくって分離をしたということだろうと思います。また、五月八日と申されるのは、関東地方の地域における今の全遊連の支部が同じく分離をした、こういうことでございますけれども、これにつきましては、なるほどこのプリペイドカードの問題も一つのきっかけにはなっているかもしれませんが、随分昔からこの団体内部におきまして、多数決その他が守られてないというような組合運営の民主化と言われる問題をめぐりまして非常な対立がございまして、そして、ついにこの時期に分離をしたということに伺っております。
 私どもといたしましては、このパチンコ屋さんの組合員が全部非常に和気あいあいと団結して仲よくやって、しかも警察と一致協力してパチンコ業界の健全化、繁栄のために尽力してくれる方がよほどいいと思っておりますけれども、今までのように非常に氷炭相入れない二つの勢力が一つの団体に無理にまとまっているがゆえに、中で争いばかり繰り返しまして、そういった警察行政のパイプ役も果たせないというような状態よりは、分立するのは一番望ましい姿ではないですけれども、仲のいい者同士が一時的に分かれてもやむを得ないなと。しかし、これが望ましい姿ではございませんから、将来、これが団体の自治によりましてまた話し合いで団結するというようなことはあろうかと思いますが、現在のところそういう状態でございまして、決して警察側が使嗾してこれを分裂させたとか圧力をかけて分かれさせたとかいう性質のものではございませんので、その点は御理解をいただきたいと存じます。
#250
○佐藤三吾君 そんなこと部長、だれも信ずる者ないですよ、関係者の中では。率直に言って、この業界というのはいわゆる北朝鮮系の方々三五%、韓国系の方々がやつぱり三〇%から三五%、そして日本人が三五%、中国人が一〇%ぐらいです。こういう複雑な要素を持った団体ですよ。だから意見が違うのはそれは当たり前ですよ、一つの問題について。しかし意見が違いながらも今までそういうことはなかったのです、議論しながらも。それはなぜかといえば、この人たちが敗戦からはい上がってくる中で随分苦労もし、痛めつけられてやってきておるだけに、ちゃんとわきまえておるわけです。その皆さんがなぜことしの二月になって今あなたが言ったように第二組合をつくらなきゃならなかったか。どうして皆さんの自主組織でそんなことになりますかね。なるならとうの前になっていますよ。しかし、それは平沢さんが来て、そしてこのPCカードを強引に入れる、その作業が始まってからこういうふうな状態になったんですよ。しかも、今なぜそうなるかといえば、一番肝心の遊技協の皆さんが自分たちの売り上げを上げるためにカードをつくるとかいうならいいんですよ。そうじゃなくて、第三者がこっちの了解を全然とらぬまま見切り発車です。カード会社を三菱商事や警察のOBの会と組んでつくったけれども、カード会社をつくって始めればどういうことが起こるかといえば、それにふさわしい機械をつくらなきゃならぬ。今まで百円入れておったのが、今度はカードにしなきゃならない。その機械会社は機械会社でつくらなきゃいかぬ。同時にまた、カードをつくっていかなきゃならぬ。ところが、それを使用するのは何かというと、ホールなんだよ、そうでしょう。ホールも一万五千全国につくって歩くわけにいかぬわけだから。ところが、このホールが言うこと聞かない。それならひとつ力づくでと、こういうことがちゃんと描かれているじゃないですか。だから、それを私は警察の行き過ぎと言っておるんですよっそれは私はやっちゃいかぬと思う。やっぱり警察というものは公平公正でもあると同時に、こういう業者を健全育成するという意味での主管官庁としての役割もあるわけです。だから犯罪防止の面で、例えば暴力団が云々とかいう意味で、これを隔離しようという作業は本当は警察はやるべきだ、もっと前から。この中で平沢さんは記者の質問に答えて言ってますけれども、そのとおりだ、前からやるべきだった、それをやってなかった、今度私がやるんだと、こう言っておるんです。しかし、これは今度私じゃない、ずっともう十年も二十年も前にやるべきだった。だからそういう意味では私はわからぬでもないんですけれども、しかし、今申し上げたように、とにかく今のやっておることは少し警察というものを逸脱しておる。
 それから、第一にたいよう共済がこの中に入るということも疑惑を招く。何か警察が直接このPCカードの会社を乗っ取るんじゃないかというような印象を国民に与える。そういう意味でも私はやはり引き揚げるべきだと思いますね、どうですか。
#251
○政府委員(森廣英一君) 警察といたしましては、パチンコゲームにカードを導入すること自体は、これはお客の利便でもあるし、またパチンコ業者の方に事業の繁栄をもたらすものでもあるという意味で望ましいというふうに思っております。しかしながら、だからといってこの導入を個々の業者の方々に強制するとか圧力をかけるとか、そういう気持ちは毛頭ございません。むしろこの会社ができましても、カードを採用するかしないかという選択権はパチンコホールの経営者の方々にあるわけでございまして、いわば非常に強い立場にもあるわけでございます。
 私どもはこのパチンコホールの方々を監督する官庁でございますから、パチンコホールの方々の不利になるようなことを努力するというようなことは毛頭考えておりません。そういう意味でも、決してそんな強制をするとかなんとかいうことは従来も考えておりませんし、今後ともそんなことは絶対にしないという立場で監督行政を進めてまいりたいというふうに考えております。
#252
○佐藤三吾君 絶対にホールの業者についてはこのPCカードを強制することはしない、もしくはそのことを受け取らないことによって不利益な、強制的な行為は一切とらない、こういうふうに受けとっていいですか。
#253
○政府委員(森廣英一君) まことに申すまでもないことでございますが、そのとおりでございます。
#254
○佐藤三吾君 長官、一つの企業を起こしていくことは、これは今の日本の自由社会の中では不自然であっても、これは抑えることはできないと思いますよ。だからそのことを言っておるんじゃない。だからといって今言うように、でき上がってていく、しかしカードができても使うところがないわけでしょう、逆に言えば。そうすると、恐らく警察の方としてそれじゃ困るということで、これを強制的に何らかの圧力をかけてやる、そのために第二組合をつくろうとしておるじゃないかと私は思っておるわけです。ですから、そういうことがあってはならぬ。やはり警察の方針についていけない、もしくは反対だというところがあったとしても、何か暴力団との関係とか社会悪のことなら別ですよ、こういう問題のときには、これは警察としてもそれを押しつけたり抑え込んだりすることは許されてはならぬと思うんで、その点はひとつここで確認しておいてほしいと思う。
 それともう一つは、もう全遊協の総会にも行かぬとか一切会わないとか、こういう態度というのは私はよくないと思うんですよ。会って意見を聞くべきです。会って説得をすべきだし、交流をしていかなきゃいかぬと思うんですよ。ですからそういう意味では、私は風営法の関係庁として公正にやってほしいというふうに思うんですけれども、そこら辺について長官と国家公安委員長の御見解を順いて、私の質問を終わりたいと思います。
#255
○政府委員(金澤昭雄君) ただいままで保安部長がいろいろと答弁を申し上げましたとおり、もともと警察としては健全育成というような観点からこの制度についての推進を図っているという状況でございますので、あくまでも個々の業者の主体性、これを中心としながら健全化というようなことで私たちの行政は進めてまいりたい、この方針に変わりはございません。
 また、全遊協その他の団体との関係でございますが、過去のいろいろないきさつがあったようでございます。その辺は私の方もいろいろと承知をしておりますが、できるだけ意思の疎通は図ってまいりたい。ただ、いろいろといきさつがありまして、非常に難しい点も多々あると思いますけれども、その辺のところはまたいろいろと話を聞きながら一歩一歩進めていきたいというふうに考えております。
#256
○国務大臣(坂野重信君) 私は、きょうのやりとりをただ聞いただけで、詳しいことは全く把握しておりませんが、警察庁という公正な立場で、余り民間の細かい問題に立ち入らないで、ひとつこの問題に対応できるような方向でいってほしいと思っております。
#257
○佐藤三吾君 公務員部長来ておるならちょっと答弁聞かしてください。答弁だけいただいて終わります。
#258
○政府委員(芦尾長司君) 土曜閉庁との関連におきまして、広島市と沖縄県のことにつきまして御質問があったというふうに伺っておるわけでございますが、地方公共団体の休日を定める地方自治法の一部改正の法律が定められたわけですが、これは地方公共団体のいわば行政機関の休日を定める、こういうことになったわけでございまして、日曜日とか国民の祝日、それから年末年始、そして第二、第四土曜日が休みと、こういうことになったわけでございます。そこで、私どもといたしましては、この法律が定められたからといって、独自の地方団体の記念日等を否定することはいささかもございませんということを御説明を申し上げてきておるわけでございます。
 そこで、沖縄県と広島市の問題でございますけれども、沖縄県におきましては慰霊の日を定める条例というのがございまして、我が県が、人類とずっとありまして、六月の二十三日を慰霊の日とするというふうに定められており、それに伴いまして職員の勤務時間条例でそこが休日になっておるということでございます。私どもとしては、この沖縄県の慰霊の日を否定するわけではございませんということを申し上げております。したがって、職員の勤務条件に関する条例についてこの日を休むということはこれは休みにはいたしません。しかし、そのかわりに土曜閉庁の第二、第四は休みます。この慰霊の日につきましては、これはこの意義を大切にして行事、式典等は引き続き行っていただきたいということで御理解を県当局の方にも求めまして、県といたしましても所要の改正条例、それから閉庁条例等を今回の議会に出すというふうに聞いております。
 ところで一方、広島市の場合でございますが、広島市の場合は広島市役所事務休停日条例というのがございまして、これはちょっと違っておりまして、これは八月六日でございますけれども、「本市の平和記念日として市役所事務を休停する。」記念日の条例ではなくて休停日条例ということになっておるわけでございます。この点につきましては、今度の地方自治法の改正に伴います法律改正と若干これは調整を要する部分が出てくるわけでございます。したがいまして、その点につきましては、現在市当局の方とも協議をこれから進めていかなければならぬというふうに思っておるわけでございますが、いずれにいたしましても、広島市の平和の記念日というものを私どもとしては否定をするわけじゃないということはかねて申し上げておりますし、市当局の方にもその点は御理解をいただくように強く申し上げておるところでございます。
 以上でございます。
#259
○佐藤三吾君 状況はわかりましたが、八月六日であれだけの国際行事にもなっておる。沖縄の場合でもそうですが、それを支えていくためにはやつぱり休日にしないとどうにもならぬというのが自治体の実態です。ですから、休日条例をつくってやっているわけです。あなたは今、その日は否定しないけれども休日は困ると、こう言っておるわけです。だから、事実上そのことはあの行事も困るというふうになるわけです、実際問題。だから、そういうことで自治体の方で御苦労なさっておりますから、うまい解決方法を知恵を出し合って、そうしてひとつ円満に、さすがだなと言われるぐらいな知恵を出して解決してほしいということだけ要望しておきます。答弁はいいです。
#260
○海江田鶴造君 ただいま同僚議員からいろいろ詳細にパチンコ業界について御質問があり、当局のお話も承りましたが、私も昭和三十八年以来、この業界に担当課長、担当部長としてやってきておりましたから、大変な関心を持って見守っているわけでございますが、私のころは、今でもそうだと思うんですが、暴力団を徹底的に排除する、それから景品買いは絶対許さぬ、こういうことできておったわけですが、現在の遊技業界についてどのように今警察庁は指導をしてきておられるか、まずそのことからお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
#261
○政府委員(森廣英一君) パチンコ経営者の方々に対しましては、風適法の規定に基づきまして適正に経営をするとともに、暴力団と手を組んだり暴力団の利益になるような献金をしたりしないように厳重に指導をしておるところでございます。
#262
○海江田鶴造君 時々脱税のワーストにお医者さんとかパチンコが出てきます。実は私は昔から健全育成の主唱者でありましたから、私が課長になったときには風営の許可は三カ月しかもちませんでした、三カ月更新。そして、税金を払ったという証明書をつけないと許可は更新しなかった。まことに言語道断なこれは議員立法でありました。私はこんな非人道的なことはないということで、やっと私のときにこれを六カ月更新にいたしました。それから数年して一年更新になり、四年前の風営適正化法でめでたくこれが撤廃されて、一人前の営業になったわけであります。私は非常にこういう点では一生懸命努力してきたわけでありますが、今、脱税ワーストということでは大変残念に思っておるわけであります。どうかひとつその点は温かい健全育成と同時に、やっぱり厳しい指導もしていただかなくてはならぬと、このように思っておるわけであります。
 今、プリペイドカードの問題が出てきましたが、私、いろいろ前々から伺っておりますと、プリペイドカードが出る前からどうも警察庁と全遊協というのか、この執行部との間にいろいろ意見の食い違い等があって、そしてその後、プリペイドカードが出てきたのでそれがさらに悪化したんだと、このように私は大体承っておるんですが、それに間違いないですか。
#263
○政府委員(森廣英一君) そのとおりと聞いております。
#264
○海江田鶴造君 できれば、なぜ警察庁と全遊協執行部との間で意思の疎通あるいは問題、私が聞いたところでは、昨年の四、五月ごろに警察庁OBの専務理事が突然辞職したというふうに聞いておりますが、そういう点でどういう状況であったのか。そして現状は、全遊協執行部との間にどういう考えを持っておられるか、これだけちょっとお伺いしたい。
#265
○政府委員(森廣英一君) 業界の内部で、現在の執行部に対する非民主的な組合運営について批判がいろいろありますと同時に、警察の行わんとする施策につきまして大変誤解といいますか、ある意味では意識的な曲解みたいなことが随分ございまして、意思疎通がだんだん壊れていったというふうに思います。
 具体的な人名を挙げてここで申し上げることは差し控えたいと存じますが、そういう幾つかの具体的な施策の問題につきまして非常な曲解がありまして、こういう団体を通じてはなかなか警察の行政がしにくいというような積み重ねがありまして、意思疎通が非常にない状態に現在追い込まれておる、こういう不幸な事態だというふうに考えております。
#266
○海江田鶴造君 そういう状況の中でプリペイドカードを推進しようとしたことでそれが非常に激しくなったんだと、このように私は理解しております。
 私も時々、地方の業界の幹部にいろいろ聞いておりますと、大体流れがいろいろあって、一つは、やはり時勢の流れだから、遠からずプリペイドカードというものを業界の中にも入れざるを得ないだろう、だから、できればよく勉強して、それに伴う法改正等もいろいろ要望したいというような考え方の層もあれば、これはあくまで反対で、全遊協で決議して全部反対で統一して、警察庁の考え方に絶対反対していくという、そういう考え方の指導もなされておる。
 私は、先ほどお伺いして大体わかったんですが、長い目で見ればプリペイドカードはそういう方向に行くんでしょうが、先ほど同僚議員が言われたように、拙速は避けて、そしてあくまで賛成、反対で強制してはならない、このように思っておるんですが、この点についてもう一度警察庁の御意見を確認しておきたいと思います。
 これで私の質問は終わります。
#267
○政府委員(森廣英一君) 私どもといたしましては、プリペイドカードというものがパチンコに導入されればお客さんの利便にもなるし、あるいは経営の健全化、近代化、繁栄にもつながるというふうには思いますけれども、だからといって、これをパチンコ業界の方々に強制するとか押しつけるということは決して考えておりません。むしろ、これを採用するかしないかということは、個個のパチンコホールの経営者の皆さんが自分の御判断で会社と契約をして導入をされると、こういうことでございます。
 いろいろうわさに聞いておるところによりますと、これを早く入れたいという人もおります。また御指摘のように入れたくないという人もおります。また中には、興味はあるけれども怖いから、半分は現金のシステムにして半分はこのカードを入れるような、例えば百台のうち五十台だけカードをやってみようというような考えのお方もあるように聞いています。いずれにいたしましても、パチンコ業者の方が自由に判断して契約によってこれを入れていかれる、そういう性質のものだというふうに考えておりますので、決して強制などということは考えておりません。
   〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
#268
○海江田鶴造君 終わります。
#269
○片上公人君 大臣にお伺いいたします。
 六月二日の本会議におきまして宇野総理が指名され、自治大臣は再度要職を全うすべく任命されたわけでございますが、竹下前内閣の一員としてこれをどのようにお聞きになったのか、率直な感想をまずお聞かせ願いたい。
 引き続き宇野内閣で自治大臣に任命されたということは、他の閣僚以上に大きな責任と実行力を期待されてのことと思いますけれども、留任に当たっての抱負なり決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#270
○国務大臣(坂野重信君) 私は全く図らずも再任の光栄に浴したわけでございますが、竹下前内閣は御案内のようなことで総辞職を決行したわけでございます。そこで新内閣としては、御案内のようにリクルートによって失われた国民の信用を回復しなきゃならぬ。そのためには個人個人が倫理観に徹していかなけりゃならぬ。それと同時に、新内閣として政治改革にひとつ責任を持って取り組んでいこうという、その決意を披瀝したわけでございます。
 そういう中で、自治省は御案内のとおりに選挙制度問題、政治資金問題を担当いたしている役所でございますから、担当大臣として身を引き締めて、各党の皆さんと一緒になって自分の所管する省の仕事にひとつ挺身してまいりたいと思っている次第でございます。
 もう一つは、ふるさと創生問題でございます。これも、自治省がお世話役をするような事務局的な役割を、公共団体に何といってもふるさと創生をやっていただこうということでございますから、そのお世話をしなきゃならぬと思っている次第でございまして、そういう意味で、各省と一緒になってひとつこの問題には全面的に、前内閣同様に取り組んでいきたいというぐあいに考えている次第でございます。皆さんの御鞭撻をよろしくお願いいたしたいと思います。
#271
○片上公人君 ただいま大臣のお話にありましたように、この内閣にとって坂野大臣の立場は非常に重大であると思いますので、御健闘をお願いしたいと思います。
 政治改革につきましては、宇野内閣全体で、また与野党が協力して取り組まなければならない問題でもございますが、政府・自民党という現状の政治形態からいえば、自治大臣、自治省がかなりのリーダーシップをとらなければならない問題でもあると思います。
 宇野総理は、就任後初の記者会見で、公職選挙法、政治資金規正法の改正等を発言されていましたが、大臣はこれらにつきましてどのように取り組まれるのか。また、金のかからない選挙のためにも選挙制度審議会を速やかに再開し、諸般の検討が必要と思いますが、今後の手順はどのようになっているのか、宇野総理から選挙制度審議会の再開についてはどのような指示を受けているのか、御答弁を願いたいと思います。
#272
○国務大臣(坂野重信君) 自民党は自民党で議員立法として、御案内のように二本法案を提出しておりますし、また野党の方から共同提案が最近なされました。まあ当面はこの問題、議員立法でございますから、もちろん与野党が協力しながら、なるべく早い機会に審議に入っていただいて、この法案で何とか与野党のコンセンサスを得ながら、緊急的な課題としてぜひ通過させることが、参議院選挙があろうとなかろうと、それはもうそれとして、これはそういう立場じゃないかと思うわけでございます。
 そこで、中長期の課題として、もうこれだけ世論の批判を政治家として受けたわけでございますから、金のかからない選挙制度はいかにあるべきかと、また政治資金制度はいかにあるべきかというようなことを、今度再開いたします選挙制度審議会においてひとつ学識経験者の皆さんに、各党の立場を離れてまず十分議論していただく。そしてその成案ができたら、それに基づいて各党がそれぞれの立場でこれを批判し、そして何とかできるものからこれを実行に移していくというのが基本的な態度じゃないかと思うわけでございます。
 もちろんその中で、内閣としてできるものは、法律が通らなければできないという以外の問題については、できるものから実行に移しつつあるのは御承知のとおりでございます。そういう立場で今後進んでまいりたいと思っている次第でございます。
#273
○片上公人君 五月の二十四日に自民党から政治資金規正法の一部を改正する法律案が提出されたわけでありますが、その実効ある規制についてはなかなかと思うところがございます。政府提出法として抜本的な政治資金規正法の改正案を提案すべきではないか、こう思いますが、これについてはどうですか。
#274
○国務大臣(坂野重信君) 政治改革ということでございますから、一義的にはやっぱり何といっても各党各会派で十分御議論いただいて、当面の急ぐものは今度出された法案を中心として御議論いただいて、そして私どもは政府の立場でございますから、それに対応しながら自治省としてもこれに取り組んでいくべきだと思っている次第でございますが、中長期的な課題については、さきに申し上げた選挙制度審議会で思い切って広い立場で金のかからない選挙制度、資金制度というものをひとつ議論していただきたいと思っているような次第でございます。
#275
○片上公人君 定数是正こそがまず急がねばならぬことだと思うわけですが、自治大臣としてはこの問題に今後どのように取り組んでいく決意か、まずこれを伺いたいと思います。
#276
○国務大臣(坂野重信君) 定数是正の問題も、政府というよりもこれは各党各会派の国会の方の問題でございますから、国会の方で十分議論していただいて、そしてまた決議のあることも承知いたしておりまして、その対応を私どももまた見守りながら政府としての対応を考えていきたい。幸いに自民党の場合はいよいよ政治改革推進本部もできるようでございますから、その中で恐らくは綿密な議論が展開されると思っております。政府もそういった問題に連携を保ちながら対応してまいりたいと思っている次第でございます。
#277
○片上公人君 総務庁にお願いいたしますが、新行革審では各方面に対しまして国と地方の関係等につきましてアンケート調査を行ったとのことでございますが、その結果については総務庁はどのように分析しておるのか伺いたいと思います。
#278
○説明員(坂野泰治君) 御指摘のアンケート調査は総務庁行政監察局が実施したものであるというふうに考えております。新行革審に対する各般の協力を総務庁としていたしておりますが、その一環として実施をし、去る三月十五日に審議会の小委員会に概要が報告されたものでございます。新行革審の小委員会は、国と地方の関係などに関します問題につきましては幅広く各界から御意見をお聞きすることにいたしておりまして、その一環として、このアンケート調査の結果についても十分参考とさしていただいて、今後論議を進めていく予定というふうに理解をいたしております。
#279
○片上公人君 地方からのアンケートの中には、地方財政制度につきまして地方税も含めてすべて交付税化するとか、ある程度以上の余剰財源は国が吸い上げ、それを貧しい団体に回すなどのいわゆる逆交付税とも言える内容が含まれ、こうした点が検討課題になるとも伝えられておりますが、これは自主財源を否定するものであって、財政自主権ひいては地方自治を脅かす大変な問題ではないか、こう思いますが、自治省はどのように思っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#280
○政府委員(津田正君) 新行革審で行った、あるいは総務庁で行ったというアンケート調査の回答の内容については承知しておりません。ただ、先生の御意見のように、私ども、地方団体間の財政力調整ということは必要と、このように考えておりますが、地方税の交付税化や逆交付税については地方財政運営の自主性、自律性の幅を狭めるものでございますし、また、税源培養意欲というような基本的な自治意識という観点からしましても問題があるわけでございまして、私どもとしては賛成できないことでございます。
#281
○片上公人君 国と地方の機能分担につきましてはこれまでの懸案の一つであったわけでございますが、総論的にはいろいろな答申等でも既に言われておるわけでございますが、いざ実施となりますと改革の実をなかなか上げておらないと思います。自治省として真剣にこれから取り組もうというものがあれば、昨年五月の地方制度調査会答申で示された地方への権限移譲の必要性を指摘した、例えば国際観光ホテルの登録事務などわずか十六項目ぐらいにつきましては、これはすぐにも実現させるべきではないか、こう思いますがいかがでしょうか。
#282
○政府委員(木村仁君) 御指摘の昨年の第二十一次地方制度調査会が提出いたしました地方公共団体への国の権限移譲等についての答申は、従来の諸論議を踏まえ慎重な審議を行いました結果、多極分散型国土形成を推進するためにも当面至急に十六項目について権限移譲を行ってはどうかという提言でございまして、私どもはこれが一日も早く実現することを期して努力をいたしている次第でございます。
 ただ、これらの指摘事項につきましては、やはり各制度の趣旨を十分に踏まえながら具体的に検討する必要があるのではないかという意見もございまして、その結果、その具体的な検討の場として新行革審の小委員会がつくられたことは御承知のとおりでございます。現在この小委員会の中で国と地方との大きな機能分担のあり方を見直す中で十六項目も審議されておりますので、私どもといたしましても関係者の深い御理解を得て十六項目の実現にさらに努めてまいりたいと考えております。
#283
○片上公人君 新行革審におきましては、既に各省庁からのヒヤリングも終わった、地方六団体や経済団体あるいは学者等から意見を聞いている段階にあるようでございますが、自治省としては新行革審に対しましてどのように主張をされてきたのか、お伺いしたいと思います。
#284
○政府委員(木村仁君) 自治省といたしましては、小委員会の地方行財政全般にかかわる審議の前提として、現行の地方行財政制度及びその主要な問題点について詳細な説明を行いますとともに、地方分権の推進につきましてはその必要性を御説明申し上げ、国と地方の機能分担の見直しの中における地方への権限移譲について強く御要望をいたしている次第でございます。
#285
○片上公人君 次に、地方自治体の消費税導入に伴う使用料、公営企業料金の改定につきましては必ずしも一斉に転嫁というわけにはいかなかったようでございますが、自治省はどのように把握していらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#286
○政府委員(津田正君) 私ども、現在把握しております状況は、各県の当初県議会あるいは当初市町村議会が終わった時点でございます四月一日現在の状況を把握しております。その状況を申し上げますと、都道府県、指定都市の使用料、公営企業料金等への消費税の転嫁の状況は、普通会計分では五十八団体中一部実施のものを含めて四十二団体、公営企業関係につきましては、典型的な事業でございます上水道事業、三十七団体が上水道事業を経営してございますが、そのうちの三十団体、工業用水道事業を経営しておる団体、四十八団体中四十四団体が料金の改定を行っております。
 市村町につきましては、都道府県を通じて把握して承知しておるところでございますが、一部実施も含めまして、普通会計で約七割、公営企業関係の上水道事業で八割、下水道事業で七割、病院事業で約八割の市町村が料金の改定を実施しておる、このように把握しております。
#287
○片上公人君 多くの団体で消費税の転嫁がなされているとはいえ、転嫁に踏み切ることのできない団体も決して少なくないわけでございまして、このような結果になったのは国民の理解を得ないまま性急に消費税を導入したことにあったのではないか、こう思いますが、これについてお伺いします。
#288
○政府委員(津田正君) 昨年の十二月に関係法律が制定されまして、その後、地方団体への周知、連絡等をしてまいったわけでございます。事業者の方々も随分御苦労もあったかと存じますが、地方団体の予算編成その他議案の準備ということになりますとさらに時間が限られておった、こういうような事情は確かにあると思います。しかし、先ほど御報告申し上げましたように、七割ないし八割の進捗状況でございます。
 この問題は、本質的には地方団体も消費税の事業者としての立場がある、また国と同様、新税制の円滑な推進に資するための環境の整備に配慮すべき立場にあるというようなことを考えますと、やはり消費税の導入に合わせてその円滑かつ適正な転嫁を行うべきものであり、多くの地方団体においても税制改革の趣旨についてなお住民の理解を求めつつ転嫁を実施していただきたい、かように考えておるわけでございます。大部分が条例改正、議会の御審議をいただくわけでございまして、議会方面、そして何よりも住民の理解を得つり、適正な転嫁の措置がとられるよう私どもとしてはさらに指導をしてまいりたい、かように考えております。
#289
○片上公人君 消費税導入の際に、事業税の外形標準課税につきましては、昭和六十三年四月二十八日の税制調査会の中間答申で、この問題につきましては「今後、別途検討を行う必要があると考える。」とされて、当分期待できない、こう思っていたわけでございますが、最近の新聞を見ますと、「自治省は地方の法人事業税の課税方式を抜本的に見直し、現行では課税していない赤字法人にも課税の網を広げる方針を固めた。」と伝えられておりますが、具体的に説明願いたいと思います。
#290
○政府委員(湯浅利夫君) 事業税の外形標準課税の問題につきましては非常に古いいきさつがございますが、この問題につきましては、企業関係税でございますとか、あるいは間接税などの税制全般に非常に関連する問題である、特に課税ベースの広い間接税との関連でこの検討をすべきであるということで、従来から議論がなされてきたところでございます。
 その間、例えば昭和五十三年におきましては、一般消費税構想が出されたときに、この事業税の外形標準課税の現実的な解決策といたしまして、この一般消費税の一部を地方消費税という形にするということで、これを現実的な解決にしたらどうかというような話もあったわけでございますが、その後の問題といたしましては、最近まで課税ベースの広い間接税との関連でいろいろ検討すべきだという形で推移をしてきたのは御指摘のとおりでございます。今回の税制改革によりまして課税ベースの広い間接税といたしまして消費税が創設されたわけでございますので、外形標準課税の問題につきましては、ただいま御指摘のように、税制調査会の中間答申におきましてもこの点については今後別途検討すべきであるという中間答申をいただいているところでございます。
 そういう意味におきまして、私どもも今後は課税ベースの広い間接税とは別途の観点からこの問題につきまして検討していかなければならないわけでございますけれども、現段階におきましてこの問題について一定の結論を得たというものでは決してございません。事業税というのは企業活動と地方の行政サービスとの受益関係に着目して課税される税制でございますし、また他面ではそういう外形標準課税を導入すれば地方税源の安定的な確保ができるんじゃないかというような御指摘もございますので、今後これらの御指摘を踏まえて幅広い観点から検討してまいらなければならないと考えているわけでございます。
 このために、事業税につきましては、そういういろいろないきさつもございますし、事業税のもとでございます国税でございまして、営業税でございますとか、あるいはシャウプ税制では実施はされませんでしたけれども付加価値税というようなものもございまして、これらの税制というものを踏まえまして今の事業税ができているわけでございますので、この間の事情もよく調べなければならないという点もございまして、事業税の基礎的な研究を行うために実務者レベルの研究会をこのたび設けまして少し基礎的な研究を始めよう、こういうことで研究会を発足させたわけでございます。まだ決して一定の方向づけが得られるというのではございませんで、基礎的な研究をした上でよくこれから検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#291
○片上公人君 地方自治体へ一律一億円が配分されることになっておるわけでございますが、これは地域おこしのいわゆるアイデア検討費なのか、また施策の実行費なのか、性格が非常にわかりにくい。この辺をもう一回わかりやすく御説明願いたいと思います。
#292
○政府委員(小林実君) 御質問のいわゆる一億円事業でございますが、地方が知恵を出して中央が支援するというこれまでとは異なった発想で、自主的、主体的に地域づくりへの取り組みをしてもらう、これを支援するために創設したものでございます。現在、各地域におきましては、広く住民の参加のもとにそれぞれの地域に必要な施策を検討いたしておるところでございます。
 御質問の点でございますが、この経費につきましては、地域おこしのアイデアを検討するために活用していただいても結構ですし、さらにアイデアを実行することを検討していただいても結構なわけでございます。ちょうど各地域におきましては住民のアイデア募集あるいは住民も参加しての審議会とか懇談会とかいろいろやっておりまして、地域によりましては提案が二百もあったというようなところもございます。多くの団体はこれからそれを絞り込んでいきまして、その中でいいものは実行に移したいというところが多いのではないかというふうに考えております。この事業につきましては、六月末ぐらいの時点で中間報告を各団体に求めたいというふうに考えております。
#293
○片上公人君 今お話にもございましたように、私のおる兵庫県でもほとんどはまだ検討中というのが非常に多うございます。なかなか決まりにくいところもあると思うんです。
 今後のフォローについてどう考えておるかということをお聞かせ願いたいと思います。
#294
○政府委員(小林実君) この施策につきましては、国といたしましては、各省庁にも協力をお願いいたしまして、引き続き支援する施策を総合的に展開していく必要がある、支援をしていく必要がある、こういうふうに考えております。自治省自身といたしましては、平成二年度以降、今までもふるさとづくり特別対策事業とかあるいはふるさと財団等の仕組みをつくったわけでございますが、これらの関連施策を積極的に活用いたしまして支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#295
○片上公人君 過疎地の問題ですが、過疎地の抱える深刻な問題はいまだこれは解決しておりませんけれども、今年度で期限の終了する過疎法の拡充、延長が必要と思うんですが、これについてはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。
#296
○政府委員(津田正君) 過疎地域につきましては、近年人口の減少こそ歯どめがかかりつつある状況でございますが、何と申しましても若年層の定着が難しい、結果的に地域が高齢化しておると、こういうような問題を抱えておるわけでございます。このため過疎地域振興特別措置法が失効することとされております平成二年度以降におきます過疎対策のあり方については、これまでの対策の成果あるいは今申し上げましたような過疎地域の現状を踏まえまして、御指摘の法的措置の問題を含めて、国土庁初め関係省庁ともども適切に対処してまいる必要があると、このように考えております。
#297
○片上公人君 地方債についてお伺いしたいんですが、地方自治法第二百五十条で、普通地方公共団体が地方債を起こすときは、当分の間、自治大臣等の許可を得ることになっておりますが、その理由についてお聞きしたいと思います。
 また、事務の簡素化の観点からも許可制を見直す考えはないのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#298
○政府委員(津田正君) 地方債の許可制度におきましては、地方財政上地方債というものが相当大きな比重を占めておりますし、大きな役割を果たしておるところでございます。そして、この許可制度を通じまして地方財政計画において地方債の元利償還財源を保障する、こういうような機能。また、地方公共団体の資金需要と国の資金需要あるいは民間の資金需要との間の調整を図る。また、地方公共団体相互、財政力もいろいろあるわけでございますが、財政力のあるなしにかかわらず住民に必要な社会資本の整備をバランスよくやっていかなければならないという意味におきまして、公平な資金配分を図る上からも必要でございます。
 したがいまして、地方財政全体及び個々の地方団体におきます適正な地方債の発行規模、発行水準を維持するとともに、この許可制度がなくなりますと、当然のことながら金はただで借りられるわけではございませんで、金融機関が貸す。金融機関の判断というのは、いわば担保力がある、財政力がある団体に金を貸しまして、財政力のない団体については幾ら必要な事業であっても金を貸しづらい、あるいは金利を高くするというようなこともあるわけでございますので、やはり許可制度というものが必要であるのではないか、かように考えております。ただ、この許可審査のあり方につきましては私ども相当枠配分等で簡素化を図っておるわけでございますが、今後におきましても努力してまいらなければならないと、かように考えております。
#299
○片上公人君 このたび自治省は、第三セクターへ地方公共団体が出資や貸し付けをするための資金につきまして地方債発行による調達を認めるほか、第三セクターが金融機関から資金を借りる際には自治体が債務保証をすることを認める方針と伝えられておりますが、具体的にこれを説明していただきたいと思います。
 なお、現在第三セクターが金融機関から借り入れている資金額がどれぐらいになっておるのかも伺いたいと思います。最近は民活方針によりまして自治体の仕事の一部を第三セクターに任せる方針が進んでいるようにも思いますけれども、これは第三セクターが資金を借り入れるにつきましては自治大臣の許可が不要であるということは一つのルールになっているようにも思われます。このような抜け道を用意するのであれば、起債の許可に自治省はこだわる必要はないんではないかと、こう思われますが、この件について伺います。
#300
○政府委員(津田正君) 御指摘の地方公共団体の第三セクターの運営等に関する研究会報告におきまして、第三セクターに対する出資、貸し付けのあり方、損失補償のガイドライン等について検討すべき旨の提言がなされているところでございます。自治省としては、第三セクターの債務に係ります損失補償契約等の債務負担行為の設定につきましては、各地方団体の将来の財政への影響も十分考慮して慎重に対処するよう指導しているところでございますが、今後この報告の趣旨を踏まえ、現在制限しております法律には法人に対する政府の財政援助に関する法律というものがございまして、そこいらの法律の適用関係もどうするかという問題もあるわけでございまして、こういう問題も含めまして検討を続けてまいりたいと思っております。
 それから、第三セクターの資金調達の状況でございますが、この第三セクターというものをどの範囲ととらえるか、実はここにまず議論がございまして、私ども計数的な的確な資料把握というものはまだ把握しておらないような状況でございます。まず第三セクターをどの範囲まで網をかぶせるか、こういう問題が非常に基本的に議論されなければならないわけでございます。
 それから、地方債の許可との関係でございますが、第三セクターの効用というのは、やはり民間活力を活用する、こういうような点があるわけでございます。単にお役所の仕事、お役所の発想ではなくて、民間のアイデアを活用しまして、地域の振興、活性化等の行政目的を達成する、このような観点から第三セクターが生まれてきておるわけでございまして、単に資金調達の便宜のためのものではないと考えておりますし、資金調達のあり方としましても、やはり公的部門としての責任を持つものと、民間部門として活動していただくための責任分担部門というものは分けて考える必要があるのではないか、かように考えておりまして、第三セクターの資金調達はそれぞれ団体の努力が行われておる状況でございまして、地方債の許可制度とはかかわりがないものと考えております。
#301
○片上公人君 地方債の分類につきましては、従来、事業の性質に応じまして、一般会計債、準公営企業債、公営企業債というように分けてきたように思いますが、今年度はこのうち準公営企業債の分類をやめて、公営企業債に統一してしまった。その理由を伺いたい。
 準公営企業というのは、企業ではあるが、その経費については、当該公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費とか、当該公営企業の性質上能率的な経営を行っても、なおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費というものが含まれてきた。今回の変更はこうした経費の考え方を否定して、経営に伴う収入をもって充てることを強化していくことになるのではないかと思いますが、これについて伺いたいと思います。
#302
○政府委員(紀内隆宏君) 今年度の地方債計画におきまして、従来の準公営企業債と公営企業債というものを一つの公営企業債という項目に統合いたしましたのは、実は公営企業といわゆる準公営企業の区分は法律上は存在しておりません。準公営企業債の対象とされていた事業につきましても法律上は公営企業という位置づけを与えられておりまして、企業意識を持って独立採算を確保すべく経営に当たるべきものでありまして、従前公営企業債の対象とされていた法定の七事業と何ら変わるところはないわけでございます。
 従前の公営企業債の中には、いわゆる法定の七事業以外にも市場事業あるいは観光事業なども含まれておりまして、法律上も実態上も公営企業と準公営企業を区分する意味はございません。かえって公営企業の経営原則への誤解を生ずるおそれがあるということで、今回地方債計画におきましてわかりやすいように公営企業債に統合したものでございます。
 なお、今お話しになりましたその性質上、当該公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費あるいは能率的な経営を行ってもなお経営に伴う収入のみをもっては賄えないというものにつきましては、従前の公営企業そのものにつきましても、それは除いた部分について独立採算制でやるべきである、こういう位置づけになっております。したがって、今回地方債計画上の区分を統合したことは、別に従前準公営企業債の対象とされていた準公営企業につきましてその独立採算のやり方につきまして変更を加えているというふうなものではございません。
#303
○片上公人君 一般会計から公営企業への繰出金は、昭和六十一年度地方財政計画と決算の比較では計画額一兆三千三百七十二億円に対しまして同年度決算は一兆七千八百六十二億円となりまして、四千四百九十億円、約七七%の歳出オーバーになっておるわけでございます。これは従来の歳出基準だけでは割り切れない繰り出しがあるからなのであろうと思いますが、この点について自治省はどのように見ているのか。
 また、昨年の本委員会の附帯決議では、「地方公営企業の健全化と経営基盤の確立を図るため、国庫補助制度の充実強化を図るとともに経費負担区分を検討し、一般会計からの的確な繰入れに努めること。」としていたわけでございますが、改めて御見解を承りたいと思います。
#304
○政府委員(紀内隆宏君) 公営企業に対する繰り出しは確かに地財計画よりも決算において大きい数字を示しております。地方公営企業の経営に要する経費のうち、法の規定等に基づきまして一般会計が負担することが適当な経費につきましては所要額を毎年度地方財政計画に公営企業繰出金という形で計上しているところでございます。実際には、各地方団体におきましては、これらの繰出金のほかに経費負担区分の原則等に基づかない補助等を別途行っている団体があるということもございまして、決算上の繰出額は計画額を上回るという姿をとっております。
 なお、昨年の附帯決議についてどのように対応しているかということでございますが、まず国庫補助制度の充実強化につきましては、かねてから関係省庁に要請しまして所要額の確保を図っているところでございますが、今後とも公営企業の経営の健全化あるいは経営基盤の確立という観点から強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、経費負担区分の運用につきましては、一般会計においても経費負担区分に基づくものは的確に繰り入れを行う。あわせて企業会計におきましても安易に一般会計に依存することがないよう一層自助努力によって経営の健全を確保するよう引き続き指導してまいりたいと思っております。
#305
○片上公人君 地方債の発行につきまして、市中公募債の三月分、四月分が休債に追い込まれたのはまだ記憶に新しいところでございますが、なぜそのようになったのか、説明をお願いしたいと思います。
#306
○政府委員(紀内隆宏君) 先ほども御議論があったところでございますが、実は金融の自由化が国際的に進展していっているという中で、銀行の経営の健全性を確保して各国の金融機関間の競争条件を整えるということで、銀行の自己資本比率規制に関する国際統一基準というものを定めようということになってまいりまして、この基準を満たさない銀行につきましては国際的な業務への参加が制限をされる、こういうことになってまいりました。それで、昨年の七月にBIS、国際決済銀行というところの総裁会議という場におきまして自己資本比率についての扱いが協議をされたところでございます。
 自己資本比率というのは、単純に言いますと分母の方に資産があり、分子の方に自己資本がある。その場合の分母の資産というのは、従前は日本などでは総資産をとっていたわけでございますが、この国際的な申し合わせでは、資産によってもリスクの度合いがそれぞれ違う、絶対に取りっぱぐれのないものは分母に入れることはない、しかし民間への貸し出しみたいなものは一〇〇%危ない可能性もあるからこれは一〇〇%算入する、そういうやり方をするわけでございます。
 その場合に、公的な存在に対する貸し付けのリスクというものをどう考えるか、こういう議論がございまして、例えば国債などの場合にはそのリスクのウエートはゼロというふうに計算をする。さて、そこで地方債についてどうするかということにつきましては、昨年七月のスイスで開かれた会議におきましては、〇%、一〇%、二〇%、五〇%というふうなパーセンテージの中で、各国のそれぞれ事情も異なることだからその幅の中から選択をするということになったわけでございます。
 それを受けまして、大蔵省はイギリスやアメリカ等と一緒に協議をして、イギリス、アメリカの場合はこの地方債のリスクウェートというのは二〇%と計算したわけでございますが、それとのバランスもこれあり一〇%としたということになったわけでございます。ところが、一方では政保債がリスクウェートはゼロ、分母に加算されない、片や地方債は一〇%ということに相なりますと、それは実際に引き受ける側にとってみれば自分の財務内容が悪くなる要因を持っているわけでございますから、どうしても市中での取引の場合には地方債の方が政保債より割を食うということがございまして、引き受け者側からしますと、流通市場においてそういうやや遜色のあるものであれば発行の段階でもやや差があってしかるべきではないか、こういう要求をしてくるわけでございます。
 一方、発行者側、地方団体、あるいはそれを代弁する私どもといたしましては、そもそも地方財政計画なりあるいは地方交付税の算定を通じて元利保証がされているような地方債というのはリスクにおいては政府保証債と何ら変わるところはない。つまりリスクはない。そういうものであるからその条件について差があるべきものではないという主張をいたしまして、実はその辺で発行者側と引き受け者側の意見が調わないということのために三、四月に休債になった、こういうことでございます。
#307
○片上公人君 先ほどお話がありましたように、我が国の地方債はこれまで国債と同様に評価されてきたわけでございます。その理由は、お話がありましたように、言うまでもなく地方債の発行自体が自治省のコントロールのもとにあり、地方財政計画、地方債計画の範囲内で、個別にも地方交付税の配分などを通じまして償還財源が保障されてきたことによると思います。また、実際過去におきましても債務不履行に陥ったこともなかったと思うわけですが、自治省としてはこの点どのように感じていらっしゃるのか、お答えをお願いします。
#308
○政府委員(紀内隆宏君) まさにお話のように、自治省といたしましては、地財計画、地方交付税の算定を通じて元利が保証されるという性格のものでございますから、政府保証債とそのリスクにおいて何ら変わるべきところはないというふうに考えております。実際に過去において債務不履行を生じた例もございませんし、今後においてもその仕組み上債務不履行を生ずるようなことはないというふうに考えております。
#309
○片上公人君 五月、六月の発行条件はどうなったのか。六月分につきましてはかなり国との乖離を縮めたようにも聞いておりますけれども、地方債の人気が落ちてしまうことのないようにこれは努力すべきであると思いますが、この点についてはどうですか。
#310
○政府委員(紀内隆宏君) 三、四月の休債を経まして、五月はどうしても地方債は一定の量を確保しなければいけないということでいろいろ折衝いたしまして、私どもは従前の主張を繰り返したわけでございますが、なかなか引き受け側の理解が得られないということで、諸般の情勢を勘案しまして政府保証債と比べて発行価格で二十五銭下回るということにいたしました。その結果、応募者利回りでは政府保証債を〇・〇三八%、わずかながらこれを上回るという姿をとるのはやむを得ざるに至ったわけでございます。
 一方、六月の地方債につきましては、先ほどもお答え申したところでございますが、政府保証債が表面金利が四・九%、それに対して地方債は五・〇%と表面金利では譲ったわけでございますが、発行価格の方を勉強させまして、その結果、実際には応募者利回りでは政保債を〇・〇五一%下回るという格好に相なりました。ただし、表面金利で幾らか譲ったということはやはり向こうに名をとらせたということには違いはございません。
 なお、実際に理論上リスクウェートをかけるのは不都合だとは言い条、現実に自己資本比率を斗算する上でそういう扱いをされると、どうしてもそれは引受者側としては政保債との間にやや条件の違いを主張せざるを得ないということはわからないではありません。したがって私どもといたしましては、理論的な性格からいって政保債に何ら遜色あるわけではありませんから、このリスクウェートのつけ方について大蔵省にもう一遍見直しを迫り、それによって発行環境を整えてまいりたいと思いますし、当面の問題といたしましては、そのような事情を引受者側に十分理解していただくようさらに説明に努めて、いい発行条件を獲得していきたい、このように考えております。
#311
○片上公人君 大臣に伺いますが、まず地方財政の現状に対する認識をお伺いしたいと思います。
#312
○国務大臣(坂野重信君) 最近、よく国の財政に比べて地方財政はよくなったというような議論をされる方がありますが、私どもはそういう認識を持っておりません。地方公共団体の約三分の一は地方債比率が二〇%を上回るという状態でございますし、全体のマクロで見ても六十八兆ばかりの借入金残高を持っているわけでございますから、そういう意味ではなかなか安定した状況にないということでございます。そういう中で私ども補助率問題とかいろんな問題に対応してまいりましたけれども、できるだけこの地方財政の確立といいますか、自主財源を強化していく、充実していくというのが大きな方向じゃないかと思っているわけでございます。
 そういう中で、いろいろ補助率カットの復元問題についても御批判はありましたけれども、地方交付税、そういうものを充実するという方向の中で何とか地方財政を充実していかなきゃならぬと思っている次第でございます。これからも中央と地方との財源配分をどうするとかという問題がだんだんまた議論されてくると思いますけれども、そういう中で何とか地方財政の確立に頑張ってまいりたいと思っている次第でございます。
#313
○片上公人君 昭和五十年代に入りまして以降、地方財政は終始財源不足が生じておりまして、交付税特別会計の借り入れや財源対策債の発行によりその手当てを行ってきたわけでございますが、最近では、国庫補助負担率の引き下げなかりせば収支均衡であるとか、特に元年度は交付税特別会計の借入金の返済や財源対策債の償還基金費を措置するようになってきております。
 平成元年反の地方財政の状況はこれまでとは変わってきていると考えてよいのかどうか伺いたいと思います。
#314
○政府委員(津田正君) 先ほど大臣が申しましたとおり、地方財政は、基本的に巨額な借金を全体としても抱えておりますし、個別団体も公債費負担に悩んでおるような状況でございます。そういうような意味で、やはり財政構造の健全化、弾力性の確保を図る必要があるわけでございます。
 このため、平成元年度の御提案申し上げております法案におきましても、交付税特会の借入金返済あるいは財源対策債償還基金の設置等の措置を講じまして中期的な財政の健全化というものを図っておるわけでございますが、他面におきましては、やはり住用生活に密着しております地方行財政でございます。一日一日の行政サービス水準が低下しないよう、また着実に充実ができるよう、端的に申しますと、代表的な例で、地方単独事業につきましては平成元年度におきましても九・二%の増を確保しまして住民の身の回りの生活環境施設等の整備を進めていく、このようなことでございます。当該年度の財政運営に支障がないようにという配慮をし、また中期的な財政の健全化を図ってまいる趣旨でございますので、御理解賜りたいと思います。
#315
○片上公人君 地方財政につきましては、五十年代に入って以来、大変厳しい財政運営を続けてきたわけでございますが、今年度につきましては財政の好転が伝えられております。事実、地方財政計画を見ましても地方税が八・一%、地方交付税は一七・三%と大幅な伸びを示しておりますし、これに地方譲与税を合わせました一般財源の構成比で見ましても六七・八%ということで、過去最高のシェアを占めておるわけでございます。
 しかし、よく考えてみますと、これまでの財政構造とどこが変わったのかということになるわけでございます。たまたま日本経済は好景気が続いているだけで、景気の動向によってはまたもどのように戻る可能性を残したままではないか、こういう気もするわけでございますが、地方財政の体質改善につきましてはどのような認識を持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#316
○政府委員(津田正君) 国の財政におきましても昭和六十五年度特例公債脱却というようなのは到底できない、絶望的だと言われておったわけでござますが、六十一年十一月以来の景気の好転によりまして平成二年度脱却ほぼ可能ではないか、こういうことが言われておる。それと並行いたしまして、地方財政につきましても、やはり好調な経済情勢を背景に地方税、地方交付税等一般財源の伸びが大きくなりまして、御指摘のとおり、いわゆる地方財政の自主性を判断する一つの大きな基準でございます一般財源比率も六八%程度と過去最高の状況になっておるわけでございます。
 そういう意味で、好転の兆しが見られるという意見もあるわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、借入金残高というのはなお六十数兆円抱えております。個々の地方団体におきましても二〇%以上の公債費負担比率の団体が三分の一ある、千団体ぐらいある、こういうような状況でございます。
 また、最近におきます一般財源の伸びの内容を見てまいりますと、株式であるとか土地等の価格の急騰、いわば実質的経済というよりは名目的な経済価値の急激な上昇によります企業収益の向上というような一時的な要因にあるものが多分にあるわけでございまして、果たしてこれが地方税あるいは国税三税におきます根っこのいわゆる税収基盤の強化になっておるかどうか、これはやはり慎重に考えなければならないかと思います。
 財政支出の面におきましても、先ほどの借金返しの問題だけじゃなくて、やはり多極分散型国土の形成の推進あるいは高齢化社会への対応というようなことで重要政策課題を数多く抱えておりますし、特に地方行政というのは住民の生活に密着しておりますだけに一日として停滞が許されないわけでございます。そしてまた、国と地方との行政分担あるいは役割分担を考えますと、むしろ地方行財政の果たすべき役割がなお大きくなってくることが考えられるわけでございまして、多額の財政需要が見込まれる状況でございます。
 特に経済情勢も、企業収益あるいは個人消費の状況も好調でございますが、御承知のとおり、今回の経済好況を支えました要因でございます円高あるいは原油が安いということ、あるいは低金利というような情勢がむしろドル高に変わってきておりますし、原油もたしか一バレル十二、三ドルから一七、八ドルまで上がるような状況も見せ、また、景気、物価両にらみで公定歩合の引き上げ等も行われております状況を考えますと、若干経済の基調というのが変化の兆しもあるわけでございます。
 私どもは短期的な経済情勢というものも十分慎重に見ていかなければならないとぎが来ておる、このように考えます。前段申し上げました中長期的な観点、そして短期的な経済の動向というものを十分注目してまいりまして、今後とも地方財政の構造あるいは体質というものが改善されるよう図っていかなければならない状況と考えております。
#317
○片上公人君 国庫補助負担率の一括引き下げを行うようになりましてから四年経過したわけですが、最初は単年度の暫定措置だったのが六十一年度からは三年間の暫定措置ということになった。しかも、この間は補助負担率の変更はしないという約束を交わしながら翌年度はもう一段引き下げておるわけです。その都度自治省は覚書を交わしてきたわけでございますが、今回また社会福祉関係の補助負担率の引き下げを恒久化して、公共事業につきましてはさらに二年間の暫定措置を続ける。こういうことを見ますと、覚書というのは随分軽いものだなという感じを持つわけですが、大臣、この点についてはどうでしょうか。
#318
○国務大臣(坂野重信君) 確かに覚書は交わしておるわけでございますが、暫定措置であると。それで、暫定期間が終わったら検討するということになっておりまして、表向きは確かに復元の約束はしていないわけでございますが、当然、地方公共団体の地元の皆さんは、暫定だから暫定が終わればもう復元できるだろうという大変な強い期待があったわけでございますけれども、御案内のようなことで、私どもとしてはそういう要望を踏まえながら一〇〇%復元できればそれに越したことはないけれども、大切なことは、復元しないことによって地方が財政の圧迫を受けちゃ困る、総合的な立場から、むしろ地方の自主的な財源というものをふやした方が結果的にはやむを得ないんじゃないかという立場に立って、御案内のようなことで、地方交付税についてはたばこの税の一部を持ってくるというような措置を講ずることによって、総合的な立場で地方財政に圧迫を与えないようなことで、そして恒久化できるようなものはそういう中において恒久化したと。
 ただし、御案内のとおりに、公共事業については事業量の確保の問題がございます。事業量を確保しなければ一挙にできたかもしれませんけれども、事業量をダウンさせるということは忍びないという今の国内の内需拡大ということを考えてまいりますと、やはり結論を先送りにして、その間にできるだけまた協議を続けていこうということで、少なくとも六十二年度分については二年たった後において復元をいたしましょうということを大蔵大臣と、今度は復元のお約束でございますから今までの覚書とは違うわけでございます、それを取り交わした上で、今後ひとつ検討しようというようなことにした次第でございます。いろいろ批判もありましょうけれども、そういうことで、国、地方全体の状況を勘案しながら総合的に今回は措置をしたということでございます。
#319
○片上公人君 お話がありましたように、国庫補助負担率の決着については、生活保護など完全復元ができなかったわけですし、投資的経費等につきましてはさらに二年間暫定措置を続けるという結果になっておるわけです。今年度の扱いについて大臣としてどのような感想を持っておるのかお伺いします。
#320
○国務大臣(坂野重信君) さっき申し上げたとおりでございまして、結果的に地方財政の運営に支障を生じないような措置を講ずることができたと思っておるようなことでございます。一〇〇%ではありませんが、見方によっては、地方の財政の自主的な財源が恒久的に確保できたという面では、まあまあやむを得ない措置になったということを考えておるような次第です。
#321
○片上公人君 総理の諮問機関である地方制度調査会は昨年十二月二十日に「地方行財政に関する当面の措置についての答申」をまとめて、提出しました。同答申は、国庫補助負担金等のあり方を第一に取り上げておりまして、これによりますと、国庫補助負担率の引き下げ措置は、「昭和六十三年度までの暫定措置として行われてきたものであり、従来の経緯、本措置の性格にかんがみ、国と地方の信頼関係を損なわないためにも、本年度限り廃止すべきものである。」としておりましたが、これをどのように受けとめられたのかお伺いしたいと思います。
#322
○政府委員(津田正君) 地方制度調査会の答申は、元生が今お述べになったとおりでございますが、その場合におきましても、かねてからの地方制度調査会の基本的スタンスは、前回の答申におきましてもその後に続いて書いておるわけでございますが、「国庫補助負担率のあり方については、当調査会がかねてから述べてきた原則に立ちかえって、各事業の性格、国と地方の役割分担等国庫補助負担制度本来の意義に即して措置すべきである。」と、こういうような基本的スタンスを持っておるわけでございます。
 そして私どもといたしましては、経済情勢の変化あるいは国の財政事情の変化というようなことでございますし、地方団体の要望等も含めまして単純復元ということがわかりやすいわけでございますが、正直申しまして、国庫当局がまだ特例公債を脱却するに至っていない、まだ来年を残しておるというような状況におきまして、従来のいわゆるシーリングによります予算編成方針というものを変える段階ではない、ここいらから議論が国庫当局、私ども、また関係各省等間でも難航したわけでございます。
 そこで私どもといたしましては、いわゆる簡単明瞭な復元というような段階からさらに議論を詰めてまいります際の観点を申しますと、いわゆる経常経費系統、生活保護であるとか社会福祉等でございますが、ここいらはまさしく生活保護の措置をしなければならない人がいる、あるいは保育に欠ける児童がいるということになります。地方団体としては待ったなしで措置をしなきゃならぬわけです。ところが、その裏にございます国庫補助負担率が何年間かの暫定措置というようなことでふらふらしておるのでは、そういうような福祉行政を中心といたします経常経費、安定した行政運営もできませんし、財政関係におきましても安定ができないわけでございます。
 それから、先生方からも御指摘いただきましたように、経常経費系統の暫定措置に係ります財源措置につきまして、残念ながら地方債の増発も入れておかなければならなかった、経常経費に赤字地方債的なものを入れるのはおかしいじゃないかという厳しい御批判も受けておったわけでございますので、何としても経常経費系統は問題をこの際片づけたい、かように考えたわけでございます。そういうことで、生活保護費、これは国の責任が一番重いものでございますから、七〇%と切り下げられたものを七五に戻す、しかし八〇まではいかない。これの考え方は、国庫当局の基本的スタンスは、国庫補助負担金は二分の一が原則、国の責任が重いものは三分の二、地方の責任が重いものは三分の一、こういう単純な見解でございますが、私どもは、やっぱり生活保護というのは三分の二の話ではない、もう一段上ということで実は四分の三という数字、これは何も八〇%と七五%を単純に足して二で割ったわけではございませんで、むしろ大蔵側の主張の三分の二ということではなくてもう一段上の四分の三、こういうようなところまで引き上げる努力をし、また八〇%の差額につきましては交付団体にすべて財源が行き渡りますよう、たばこ税の交付税化につきましては、全額交付団体もカウントするという措置をとったわけでございます。
 それから、保育所等の関係につきましては、これは六十年に設けられました補助金問題検討会におきまして、もっと権限移譲をしろ、こういう答申がなされておりました。そして、それに基づきまして、行革関連の権限移譲一括法、六十一年十二月に成立した法律でございますが、権限移譲させたわけでございます。権限移譲させた方は暫定措置じゃなくて永久措置としてさせた。今回、この保育所等の関係を補助率を戻す、それじゃ権限もせっかく地方に渡したものを国にまた戻すかと。これは地方自治の本旨からすれば、やはりまず権限移譲というものは定着させる。そして今後、福祉関係につきましてはコミュニティーケアというような観点の方向に進むのだと思います。さらに地方団体への権限移譲を進めていく必要がある。そういうような基本的観点におきまして、補助率としては二分の一ということでのんだわけでございますが、これにつきましても一定限度の財源措置を講じたわけでございます。
 義務教育につきましては、三つに分けてそれぞれ対策をとったわけでございます。
 それから公共事業につきましては、これはうちの大臣が一番強硬なわけですが、直轄事業みたいに、国がナショナルプロジェクトで責任を持つべきものは国の責任がもっと強くあってしかるべきだ、こういうようなことで臨みました。ところが補助事業につきましては、まさしく端的に言えば、補助率が下がって嫌ならばやらなきゃいいわけでございます。ところが直轄事業はそうはいかないわけで、国がやるといった場合に、地方で幾ら持て、こういうふうに決まってしまうものでございますから、補助事業については私ども弾力的に、そして事業量の確保という点もございまして、二年間の暫定措置。ただし、六十二年度の引き下げ措置というものは、これはもう景気がいよいよ悪いので何とかしてくれということでやったものですから、それはもうだめと。
 ただ六十一年度は、若干補助金問題検討会等で議論したという経緯もあるものですから、これはどうするか今後の課題。しかし六十二年度は、少なくとも平成三年度にもう一度見直しのときにはこれは戻す、こういうような約束をさせ、かつ直轄事業につきましては、交付団体一〇〇%元利償還金について国が責任を持て、このような解決策をとったわけでございます。地方制度調査会の基本的なスタンスという国庫補助制度本来のあり方、国と地方との役割分担、こういうものを念頭に置きつつ解決に努力したわけでございます。地方団体の要望した、あるいは地方制度調査会が端的に答申いたしました結果とは若干異なった結果でございますが、基本的なスタンスとしては間違ってない措置ができたのではないか。しかし、まだ公共事業の問題を抱えておりまして、これについても今後適切な検討を進めていかなければならないと考えております。
#323
○片上公人君 また同答申では、補助負担率の引き下げ措置以前の問題として「国庫補助負担金等の整理合理化については、国・地方を通ずる行財政の簡素効率化、地方公共団体の自主性、自律性の尊重の観点から、一般財源に移行することを基本として積極的に推進すべき旨、これまで当調査会において度々答申してきたところであるが、未だ十分な成果が上がっていない。」とも言っておるわけでございますが、この点についてはどのように対応してきたかお伺いしたいと思います。
#324
○政府委員(津田正君) その問題につきましては、まさしく国庫補助負担金につきまして、補助率の問題と、またいわば国庫補助負担金に頼らないで地方団体が自主的に財政運営できる、こういう基本的な観点、また補助金行政に伴います縦割り行政あるいは地方団体側からいたしますと補助金待ちというような弊害がかねて言われておるわけでございます。そういう意味におきまして一般財源化ということが必要でございます。今回の補助率問題は補助金そのものをなくすという段階まで至っておりません。これはまさしく生活保護費等福祉系統、国の責任もあるわけでございます、残す。しかし、その財源措置としましては、従前の暫定措置がとられておりましたように、毎年特例加算をするとかあるいは地方債の増発、こういうような対応では私ども納得できなかったわけでございまして、恒久財源としてたばこ税の二五%を交付税として確保した、そういうことも含めまして平成元年度の地方財政計画におきます一般財源比率が六八%、このような高い率を確保できまして、地方財政の自主性、自律性の強化ということも図ったつもりでございます。
#325
○片上公人君 補助負担率のこの低率恒久化ないし暫定措置の継続をなぜ行わなければならないか、当初は国、地方の財源難ということで始まったのではないかと思うわけですが、今年度の財政状況を見れば補助負担率をもとに戻すいい機会だったと思うわけですが、自治省の努力が足りなかったんじゃないか、こうも思いますが、どうでしょうか。
#326
○政府委員(津田正君) 御指摘のように、私どもとしましては、六十年度あるいは六十一年度あるいは六十二年度の財政状況とは国の財政事情も大きく変わった、このように考えておるわけでございます。しかし、地方財政と同様国の財政も百六十兆円の借金を抱えておりますし、特例公債脱却の目標年次が平成二年度、こういうようなことで、まだそこに到達しておらないという状況があるわけでございます。
 そしてまた、政府全体といたしましても、国民の理解と協力を得て税制抜本改革を円滑に実施するためには行財政改革を引き続き推進しなければならない。財布のひもが緩むようなことでは抜本改革の趣旨に沿わないと、こういうようなことで国庫当局としては一般歳出抑制を継続しなければならない。このような責任と申しますか、彼らなりのやはりスタンスというものを崩すわけにいかない状況であったわけでございます。
 そういうような状況の中におきまして、地方団体の要望に沿い、そしてまた一般財源強化というような地方財政の自主性、自律性を強化すると、こういうような選択の中におきまして、先ほど来申し上げましたような補助負担率問題の解決を図った次第でございます。
#327
○片上公人君 公共事業について見ますと、長期計画で行う空港、下水道、港湾など平成二年度に期限が切れる事業は、五カ年計画の四年目にしまして進捗率は八〇%を超えて、最終年度には投資予定額を上回る見通したということでございます。他の事業についてもおおむね順調であり、こういうときに暫定措置を続けてまでも事業量を確保しなければならないのかどうか、この辺疑問に思うわけです。
#328
○政府委員(津田正君) 御指摘のとおり、国費ベースでの予算措置に限りますと、計画に対する進捗率は進んでおるわけでございますが、これは主としてNTT資金の寄与によるもので、また公共事業五カ年計画には調整費等も含まれておるわけでございますので、全体としての五カ年計画の達成状況としてはやはり過剰というような状況ではないと思います。この事業量確保の問題につきましては、経済情勢が好転いたしました。ただ、やはり我が国の国際的な立場といたしまして、外需に依存しない安定成長のための経済構造調整というものが進んでおる状況でございます。景気を刺激することなく、そしてまた、外需依存で輸出をふやしていくということではなくて、やはり内需を持続的に拡大していかなければならない、こういう中におきまして事業量を減らすわけにはいかなかったと、このような事情でございます。
#329
○片上公人君 現在が大変好景気であるということはだれしも認めるところでございますけれども、このようなときに公共投資刺激策というものが必要なのかどうかということについてお伺いします。
#330
○政府委員(津田正君) 結果的に公共事業関係費の事業量は大体前年度水準、消費税負担がございますので国費ベースで若干ふえてございますが、事業量としては大体前年度水準でございまして、内需の持続的拡大に配慮しておる、また逆に景気を刺激することもないような水準におさめておるわけでございます。先ほど来申し上げました、いわゆる外需に依存しない我が国の安定成長を図る上におきまして、国際的な要請もある中におきまして、フィスカルポリシーとしては本年度の公共事業の事業量というものは適切、妥当なものであると、このように考えております。
#331
○片上公人君 国庫補助負担率の削減に伴う補てんとして過去の覚書に基づきまして暫定加算としてきた八千四百四十億円につきましては、今回は遺憾ながらその半分に値切られてしまったのでございますが、私は、暫定期間終了後に大蔵、自治両省間で取り扱いを話し合うことになっていたのは承知していましたけれども、これは加算の時期についてであると思っていたところ、額そのものまでも話し合いの対象としたのは心外である。これでは覚書とは言えないものであって、口約束よりもひどいものではないか。当時どういうつもりで暫定加算としたのかということを改めてお聞きしたいと思います。
#332
○政府委員(紀内隆宏君) お尋ねのいわゆる暫定加算は、補助率の引き下げ措置が昭和六十三年度までということで、暫定的な措置であったということにかんがみまして、暫定的に平成三年度以降に精算すべき地方交付税交付金の額に加算されるものとして、その取り扱いについては暫定期間終了後両省の間で調整するとされていたものでございます。
 今回、暫定期間が終了することに伴いまして、この暫定加算の取り扱いについて両省間で調整をした結果、平成元年度以降の国庫補助負担率取り扱いにおいて恒久化されたもの、経常費中心でございますが、これについての財源措置を見ますと、おおよそ影響額の約四分の三が恒久財源によって措置されているということとのバランスを考えたわけでございます。と申しますのは、従前、暫定期間中におきましては、経常経費に係る影響額の二分の一は既に確定的に措置済みでございました。例えば、たばこの税率特例であるとか、国のたばこの税率特例分を交付税としてもらうとか、あるいは法定加算であるとか、そういうものが影響額の半分は確定したものとして措置されていたわけでございます。残りの半分は暫定加算とされていたわけでございまして、今回、その残りの二分の一のさらにその半分を加算するということにいたしますと、経常経費分については四分の三程度を財源措置したことに相なるということで、今回の恒久化の場合の財源措置の度合いとバランスがとれるということ、その他の事情を勘案して半分、四千二百二十億円を加算するという形で調えたものでございます。
#333
○片上公人君 どうもその辺の説明がよくわからぬのですが、今回、二分の一加算としたことにつきましても、過日、四月五日ですか、大蔵委員会で中野明議員の質問に対しましても、自治省は「今回恒久化を行いました国庫補助負担関係につきましては、その恒久化された負担増に係る財源措置が全体として約四分の三ということでございました。」と。また、「総体として四分の三の手当て率になるということになぞらえてこのような決着を見たものでございます。」と答弁されておるわけですが、との四分の三補てん方式というのはどういう根拠なのか。また、今後の復元措置につきましてもこの数字が基礎になるのかどうかということをもう一回伺いたいと思いますが、ちょっとわかりやすく説明してくれませんか。
#334
○政府委員(紀内隆宏君) なかなかわかりづらい措置かと存じますけれども、まず今回の補助負担率の恒久化に当たりましては、先ほど来局長お答え申し上げておりますように、生活保護などのように事務の見直しを行っていないもの、そういうものにつきましては、結果として補助率がもとのレベルに復さなかったということによってふえる地方負担につきまして、交付団体分は全額を措置するという考え方をとっているわけです。
 それから、児童福祉とか老人福祉、いわゆる措置費の系統でございますが、これにつきましては昭和六十一年度において事務の見直しが行われたということもございまして、恒久化に伴う地方負担増につきまして、交付団体分の二分の一を措置するという考え方を基本として恒久財源措置を行っているわけでございます。
 そこで、四分の三というのはどういうふうなことから申し上げているかといいますと、今回国庫補助負担率の恒久化に係る額が六千三百七十四億円あるわけでございます。そのうち国庫補助負担率の復元を行うものが約千三百億円ございます。これは平成二年度の姿でございます。実は共済の負担金のたぐいは一度ステップを置いていきますので平成二年度の姿で申し上げておりますけれども、細かい数字で申し上げますと、千二百八十二億円、それから新しい恒久財源措置としてたばこ税を地方交付税対象税目とするということによりますものが、これも平成二年度ベース、これはことしも同じですが二千三百三十億円でございます。それから、それ以外、これを差し引きますと残りが二千七百六十二億円という数字に相なります。この二千七百六十二億円というものが地方一般財源で対応するということになるわけでございますが、実は昭和六十三年度までの補助負担率の暫定引ぎ下げ措置による影響額の補てんといたしまして、地方たばこ税の税率特例によるものが千二百億円ございました。直接今回の国庫補助負担率の見直しに伴ってこれは措置したわけではございませんが、先般の税制改革のときに地方のたばこの税率特例千二百億円を含むレベルにおいて税制改革のバランス表が組まれたわけでございます。したがって、これも恒久化された補助負担率に係る負担増に対する財源措置とカウントすることができるということで、これらの数字を合わせますと、総体の影響額六千三百七十四億円に対しまして四分の三に相当するということを申し上げているわけでございます。
#335
○片上公人君 そのたばこの件でもちょっとわからぬのでもう一回聞くわけですが、補助負担率の恒久化財源のうち、国のたばこ消費税の交付税算入につきましてはわかるとしましても、一般財源の地方持ち出しの中に、地方たばこ税一千二百億円が含まれているという説明がどうもわからないわけです。国のたばこ消費税の算入と異なりまして、地方については昨年の税制抜本改正のときに話がありましたように引き上げたものでありますし、いまさらこれは補助負担率恒久化財源であるということになると、既に昨年の法案提出時点で補助負担率恒久化を考えに入れていたということになるわけでございます。
 確かに昭和六十一年度から六十三年度まで地方のたばこ税が補助負担率引き下げの財源として充てられてきたという経緯は承知しているわけですが、昨年の税制改正は補助負担率とは関係なしに税率調整をやっていたはずである。そういうものを含めた結果、昨年末の税制改正は地方税として二兆一千百九十九億円の減収と計算したはずである。これを今また恒久化のための財源としてカウントするのであれば、これは二重カウントになるのではないかと思うわけです。昨年は減収額に対する措置率を国六七%に対して地方七三%で、地方は六%多いと説明したわけでございますが、地方税の減収額を一千二百億円多くすれば地方は七〇%に下がることになるというようなことになるんではないかと思いますが、この辺についての説明をお願いします。
#336
○政府委員(津田正君) 地方たばこ税の千二百億円の問題でございます。これは抜本税制改革の中におきまして新しい消費税との調整において現行水準を維持する。その現行水準というのをいわゆる補助負担率の引き下げ措置に伴って上げた部分の水準というものを確保しておったわけでございます。しかし、これは財源的に見ますと、いわゆる抜本的税制改革の収支、結果的に八千七百億円ばかり持ち出しになっておりますが、あの収支計算においてはカウントしておりません。あくまで臨時措置というものが恒久措置になったというようなことでございます。
 それで、今回の補助負担率の財源として結果的に活用したわけでございますが、しかし、逆にさかのぼって、当時その千二百億円ちゃんととっておいたから補助負担率の復元をもうあきらめておったんだ、こういうことではございませんで、補助負担率はそれぞれの事業の見直しに伴ってやった。しかし、税負担調整はやりましたが、財源としては残っておりました地方のたばこ税を活用しておる、こういうことでございます。
#337
○片上公人君 終わります。
#338
○委員長(向山一人君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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