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1988/04/06 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 本会議 第9号
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1988/04/06 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 本会議 第9号

#1
第114回国会 本会議 第9号
平成元年四月六日(木曜日)
   午後四時二十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
  平成元年四月六日
   午後四時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、元議員田中一君逝去につき哀悼の件
 一、日程第一
 一、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時
  特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員田中一君は、去る二日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 同君に対する弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は我が国民主政治発展のため力を尽くされ特に院議をもって永年の功労を表彰せられさきに建設委員長逓信委員長等の重任にあたられました元議員勲二等田中一君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
     ―――――・―――――
#5
○議長(土屋義彦君) 日程第一 国家公務員等の任命に関する件
 内閣から、検査官に矢崎新二君を、
 原子力委員会委員に大山彰君及び林政義君を、
 原子力安全委員会委員に寺島東洋三君及び都甲泰正君を、
 また、国家公安委員会委員に富田朝彦君を
それぞれ任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 まず、検査官、原子力委員会委員のうち大山彰君及び国家公安委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
 次に、原子力委員会委員のうち林政義君及び原子力安全委員会委員のうち都甲泰正君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
 次に、原子力安全委員会委員のうち寺島東洋三君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、全会一致をもってこれに同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長梶原清君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔梶原清君登壇、拍手〕
#11
○梶原清君 ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における財政状況及び累次の臨時行政調査会答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図り、あわせて国、地方間の財政関係の安定化に資するため、昭和六十三年度まで暫定措置が講じられてきた事業に係る補助率等について、改めて一体的、総合的な見直しを行うこととし、補助率等につき、生活保護等に係るものは恒久化し、義務教育に係る恩給については一般財源化を図り、公共事業等については六十三年度適用の補助率等を引き続き平成二年度まで適用することとするとともに、厚生保険特別会計等、一般会計から特別会計への国庫負担金等の繰り入れについての特例を定めようとするものであります。
 なお、本法律案においては、四十七法律に係る補助率等の見直し等を一括して行うこととしており、また、別途、地方交付税法の改正によりたばこ税を地方交付税の対象に加えることとするほか、地方公共団体の財政運営等に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。
 委員会におきましては、平成元年度暫定予算と本法律案との関係、多省庁にわたる補助率等の改正を一括して提案することの当否、高齢化社会の進展に対応した財源確保のあり方、補助率に係る大蔵、自治両大臣の覚書の性格、補助率引き下げがもたらす住民負担への影響等について大蔵大臣ほか関係各大臣等に対し質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して志苫裕理事、公明党・国民会議を代表して太田淳夫理事、日本共産党を代表して吉井英勝委員、民社党・国民連合を代表して栗林卓司委員よりそれぞれ反対、自由民主党を代表して斎藤文夫理事より賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(土屋義彦君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。志苫裕君。
   〔志苫裕君登壇、拍手〕
#13
○志苫裕君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、反対の討論を行います。
 この法案は、暫定予算絡みでいわゆる日切れ法案扱いとされ、わずかの審議日程で処理を求められたものであります。
 補助金等の一律カットは国の財政事情だげを優先したものであることから、本院においては、この措置が地方公共団体の運営や国民の暮らしに多大な影響を及ぼすことを重視し、特別委員会を設けて慎重に取り扱ってきたいきさつがあります。しかるに、四十七法律にわたり、しかも補助金カットは三年間とした政府の約束を公然と破る本法律案の審議において、特別委員会の設置はおろか連合審査もままならぬ日程で、国民生活に支障が出るから上げてくれとは一体何事でありますか。与党の数を頼んで一潟千里に事を運ぼうとする内閣のやり方は、国会軽視、審議権侵害も甚だしいと言わなければなりません。そもそも暫定予算には政策経費を計上しないのが財政法の精神であり、新たな立法を予定してはならないものとされております。それは、予算案の否決とか内閣の総辞職、解散など、真にやむを得ない場合に緊急避難的に編成を許される暫定予算の性格によるものであります。予算案が否決されるということは、その内閣の目的遂行を認めない、すなわち不信任と解されるのが通説であるが、今度の場合のように疑獄事件のあおりで予算審議すらできずに暫定予算を余儀なくされる事態は、まさに不信任と同じ意味を持つものであります。リクルート疑惑の解明を避けて国会の審議機能を停止させ、予算審議も滞らせてひたすら忍の一字で無為無策を続ける内閣は、総辞職もしくは解散によって民意を問うべきものであって、政策予算を組んだり本法のごとき新たな立法を予定してはならない。本法律案に反対する第一の理由であります。
 さて、国の補助金等のカットは、一律というやり方が示すように、あくまでも国の財政事情による緊急避難でありました。したがって一年限りの約束でしたが、三年にも延長され、あげくの果てに復元どころかその多くを引き下げたまま固定化しようというのであります。これは重ね重ねの約束違反であり、断じて容認できません。しかも、カットの要因だった国の財政事情は史上まれに見る増収に恵まれ、もはや一方的に地方に対して負担転嫁を強いる状況ではありません。財政事情を言うのであれば、不足財源の大半を財源対策債に頼り、補助金カットだけで五兆円にも上る国の肩がわりを強いられてきた地方団体の方がより厳しいのでありまして、財政的にはなおカットを続ける理由は全く存在しません。
 私は、国の補助金等をすべてもとどおりで継続せよ、補助率引き下げは断じて相ならぬなどと主張しているものではありません。個別にその根拠や合理性を吟味し、地方自治の本旨に基づいて、国と地方の役割分担とそれに伴う権限、財源の調整を念入りに行うことによって改廃もしくは増減の措置をとることはけだし当然でありましょう。しかしながら、本法がそのような入念な作業や合理的判断を行ったものとは認めがたいのであります。足して二で割るか、半分半分か、さもなければ先送り。いかにも場当たり的、その場しのぎの論法で補助負担割合を律することは将来に禍根を残すものと憂えるのであります。次に、個別の内容についての意見を述べます。生活保護は憲法二十五条の要請を満たす国の基軸的事務であり、補助金とはその性格を全く異にするものであります。この負担割合をめぐってはしばしば国と地方及び政府部内での論争や綱引きか行われ、昭和二十九年には時の厚生大臣が職を賭すという事態も発生いたしております。このよりな先人によって守られた負担率を引き下げ、恒久化を図ろうとする本法において、現職厚生大臣の使命感はいかなるものであったのか、その片りんすらも認めることができないのは慨嘆にたえません。生活保護は全額国庫負担の基調を貫くよう主張いたします。
 義務教育費国庫負担の大半をなす給与費について、その重要な構成要素である共済費用等を区分けし、国と地方の負担変更を行う合理性は認められません。
 児童福祉、老人福祉などの事務が団体事務とされたゆえをもって引き下げたまま固定化させることも、国民のナショナルミニマム達成に国と地方がどのような役割を果たすのか、その相互関係も未整理のまま補助率だけを先行させるうらみが強いのであります。
 二年間の先送りとなった公共事業は、年々予算総枠の変化はあっても各事業分野の配分比率は常に一定であります。ということは、国民のニーズや事業の緩急軽重にかかわりなく役所の縄張りにこだわった予算配分が行われていることを示すものであって、この際思い切った対象事業の見直しを行い、可能な限り地方公共団体の分野に組み入れることを主張いたします。
 以上、個別の事項についての問題点を指摘し、主張を行いましたが、本法案はあらゆる意味において合理性に乏しく、納得できるものではないので、一たんはカット以前の姿に戻して再検討を行うべきであります。
 最後に私は、政府が日本列島を消費税パニック一に陥れたままその実施を強行したことに抗議し、速やかに廃止の措置をとるよう強く要求するものであります。
 政府は、消費税に対する納税者、国民の反乱を甘く見て、新税への納税者心理やなじみ薄さ、ネット減税に対する理解不足のせいにしているようだが、これほど民意に鈍感で見当違いなものはない。
 鈍感といえば、消費税を払わぬ客には売らなければいいと公言した大蔵事務次官も相当なものでして、消費税で客と気まずい立場に置かれる事業者の気持ちが全然わかつちゃいない。昔、貧乏人は麦を食えと言った大臣がいたが、民意に鈍感なのはどうやら大蔵省の伝統のようである。とまれ、国民は政府が期待するようにいずれはなれて納得するだろう、実はそうはならない。毎日この税と顔を会わせながら反乱の輪をどんどんと広げていくでありましょう。
 今さら消費税の欠点をあげつらうこともないが、国民の強い拒否反応は、この税が税制の命ともいうべき公平、公正、そしてわかりやすさの原則にことごとく反するからであります。あえて公正に関してつけ加えるならば、国民はリクルート疑惑へのいら立ちと政治不信を強め、この税を定めた政府の公正を全く信じないのであります。限りなく低い内閣支持率をまつまでもなく、このことだけでも消費税に対する国民の合意形成はおよそ不可能であります。
 政府は、また、消費税の導入によって日本の税制が先進国並みになったかのように言うが、その付加価値税の長所をことごとく取り去って、不公平税制の見本のように仕立て上げたのが消費税であります。先進国並みを言うなら、事税制改革に関して政権党の多数を頼んで法案を成立させた例がないことを見習うべきであります。
 地方自治体の消費税転嫁が消極的なことを息巻く前に、地域と自治体には消費税を実施する政治的基盤がなくなっていることに気づくべきであります。
 税の公平、公正を認識した国民の合意なくして税制は何一つ目標を達成することはできません。重ねて消費税の廃止を強く主張し、本法律案に対する反対の討論といたします。(拍手)
#14
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#15
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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