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1988/06/09 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 本会議 第14号
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1988/06/09 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 本会議 第14号

#1
第114回国会 本会議 第14号
平成元年六月九日(金曜日)
  午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十四号
 平成元年六月九日
  午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国土審議会委員の選挙
以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、国土審議会委員二名の選挙を行います。
#4
○柳川覺治君 国土審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#5
○鈴木和美君 私は、ただいまの柳川君の動議に賛成いたします。
#6
○議長(土屋義彦君) 柳川君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、国土審議会委員に中村太郎君及び服部安司君を指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#8
○議長(土屋義彦君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。矢原秀男君。
   〔矢原秀男君登壇、拍手〕
#9
○矢原秀男君 私は、公明党・国民会議を代表して、さきの所信表明演説に対して総理に質問を行うものであります。
 私たち公明党は、平和と生命の尊厳の哲学理念を基調とする政党でございます。その立場から、以下諸問題について克明に総理に伺うものでございます。
 まず質問の冒頭に、中国の天安門で発生した流血事件並びに現状についてお伺いをいたします。
 新聞、テレビで報道される今回の事件を見て、まことに残念であります。軍が武器を持たない学生や市民に銃を向けることは異常な事態であり、許されることではありません。内政干渉してはいけないという理由で傍観してきた我が国政府の姿勢は、明確にすべきであります。
 在留邦人に対する安全について、また北京空港へのアクセス、北京以外の状況等はどのようになっておりますか。今回の中国問題に対する日本政府としての対応策、在留邦人の安全対策についてお伺いいたします。
 竹下院政内閣、中曽根亜流内閣などと酷評されながらも、竹下前総理の退陣表明から一カ月余、ようやく宇野内閣が誕生しました。総理、あなたの党が一致して伊東前総務会長の総理・総裁就任を求めたとき、伊東氏は、リクルート株をもらった議員の辞職と派閥解消を提唱、それが入れられなかったため就任を固辞したとされております。私はこの点は政治改革の最低の条件であると思いますが、総理、あなたはどうお考えでございますが。
 日本列島を震憾させたリクルート疑獄事件は、多くの有力政治家を巻き込み、際限のないすそ野の広がりを見せた割にはわずか政治家二人が立件されたのみで、巨悪を放置したままの幕引きは、国民感情からはほど遠く、割り切れないというのが実感であります。総理はどう考えておりますか。
 一般消費税は導入しないという公約違反、そして今回のリクルート疑獄による金権腐敗の実態により、政治に対する国民の信頼は、議会制度百年の歴史の中で今ほど地に落ちたときはありません。
 総理、あなたの第一の使命は、国民の政治に対する信頼の回復であります。そのための第一は、リクルート疑獄事件の全容を国民の前に明らかにすること。第二に、金権腐敗にメスを入れること。第三に、思い切った政治改革を断行することではないでしょうか。所見を伺います。
 政治改革を最大の仕事と掲げスタートした宇野内閣の新閣僚の中に、就任早々に、リクルートからの献金があったことが明らかにされています。リクルートに汚染された人を閣僚に任命すること自体、国民を愚弄するものであります。総理のこれまでの答弁では、リクルート事件発覚前の献金はよいと、反省は一つもないのであります。そのあげく、報道関係もそれまでは広告料をもらっていた云々の姿勢は許されないのであります。この問題についての総理の見解を求めます。
 政治改革に国民が求めているものは、単なるスローガンではない、実効性のある具体的な内容です。そこで、政治改革の課題について、総理の所見を求めたい。
 第一に、ロッキード事件及び今回のリクルート疑獄事件の反省に立ち、さらに政治資金規正法の精神からいっても、企業と政治の癒着の原因である企業献金を禁止し、個人献金に移行すべきであると考えるが、総理はいかが考えているか。
 第二に、寄附、会費、党費等は、その透明度を高めるために公開を原則とするものとし、その基準を思い切って引き下げ、個人及び個人の政治団体に対するものは年間五万円、政党及び政治資金団体に対するものは年間十万円を超えるものについてはすべて公開することにしてはどうかと思うけれども、いかがでございますか。
 第三に、国会議員の資産公開を行うべきであります。このため、新たに法律を制定し、収入については歳費や報告済みの政治資金以外のすべての収入を、資産については、配偶者及び同居の扶養親族の分も含めて、いずれも毎年公表するようにすべきではないか。第四に、衆議院の定数是正であります。衆議院の決議に基づいて、早急に抜本改革を図る必要があります。その原則は、六十年国勢調査に基づき、格差二倍以内とするよう、各選挙区定数の是止を行うべきであると思います。また、その際には、現行の五百十二人から、公職選挙法の本則に定める四百七十一人にまで削減すべきであると思います。あわせてお伺いいたします。さらに、参議院の選挙区間の定数不均衡も見過ごしにできない状態になっております。どのように是正されようとするのか、考えを示していただきたい。総理、現在国民の間に深く広がっている政治不信の回復のためには、政治改革の断行とともに、リクルート事件のけじめとして衆議院を解散して国民の審判を仰ぐことが必要であると思います。総理のお考えを伺いたい。
 次に、消費税問題について伺います。
 消費税がスタートして早くも二カ月。政府は、おおむね円滑に実施されているとしておりますが、我々が危惧したとおり便乗値上げが横行し、物価上昇は政府の予想を上回り、そのため国民の生計は厳しく圧迫され、まさに消費税に対する国民の怒りの声はちまたにあふれんぽかりの高まりを見せております。
 第一に、生活保護世帯、年金生活者、低所得者など社会的に弱い立場の人への過重負担は重大であります。
 政府は、逆進性の解消として年金生活者に二万円の臨時福祉特別給付金を支給したことを強調しております。例えば年金生活者が家賃月額三万円、年額三十六万円の借家に住んでいる場合、家賃にかかる一年間の消費税だけで一万八百円であり、福祉給付金は帳消しになってしまうのであります。食費、衣服などの生活必需品にかかる消費税は丸々負担増であります。これらの実態を見ても、政府の考え方は国民の感覚から大きくずれていると指摘せざるを得ません。
 生協連の調査によれば、一般家庭で負担した四月一カ月間の平均消費税額は約六千円、通常の消費支出を前提とすれば月額九千円程度、年間十万八千円になると推定しております。しかも、収入の低い世帯ほど消費税額の割合が高くなるという逆進性が明らかになつたと発表しております。これでどうして逆進性が解消されたと言えるのか、伺いたい。
 第二に、物価への影響、便乗値上げについてであります。
 政府は消費者物価の見通しを二%としており、そのうち税制改革の家計の負担に与える影響の中では、消費税の家計に与える影響は一・一%と試算しております。消費税実施後の物価についても、予想された範囲内での上昇としております。しかし、東京都区部の五月の消費者物価は前年比三・三%の上昇となり、これは政府の予想を上回るものであります。さらに、四月の二・七%から五月は三・三%と上昇傾向を示しており、政府の安易な認識は許されない。
 特に、批判の強い便乗値上げについては防止に努めるというが、東京都の商品価格動向調査によれば、調査九十三品日中三十三品目が三%以上の値上がりをしております。しかも、値上がり品目が四月の調査より十九品目もふえており、改善が進んでいないことを裏づけております。このような便乗値上げの実態についてどのように考えているのか。
 総理は、今までの答弁では、消費税は国民の中に定着したかの強弁が目立っております。総理、あなたは消費者の怒りがわかっておりますか。便乗値上げへの怒り、弱い青いじめへの怒り、不公平拡大への怒り、暮らしの不安への怒り、また混乱する業界、撤廃を望む声は国民の中に沸き起こっております。総理の見解を示していただきたい。
 第三に、税に対する信頼、消費者と事業者の信頼関係についてであります。
 消費税はその名のとおり消費者が負担する性格のもので、事業者は単に納税義務を代行するだけとされておりますが、実質的な負担者である消費者の納得は得られていないばかりか、免税点、簡易課税、限界控除などの諸制度によって消費者が支払った消費税が国庫に納入されないという消費者不在の心配もあります。納税者無視の欠陥税制となっているのであります。総理はこの問題をどのように考えているのか、所見を伺いたい。
 消費税は事業者に対しても大きな影響を与えております。準備期問わずか三カ月という慌ただしい導入にそれこそ必死の思いで対応に追われたのであります。そればかりではなく、納税事務の負担増、端数処理のロス、また何よりも売り上げの減少と、経営を圧迫しかねない状況すらあります。商店などでは、転嫁をめぐって消費者と取引先との間の枚挟みになっております。あげくの果ては消費者から疑いの目すら向げられる始末。消費者と事業者との信頼関係は大きく損なわれております。この事態に総理はどのような所見を持っているのか、伺いたい。
 私が指摘したこれらの諸点は消費税の持つ根本的な欠陥であり、この欠陥は消費税を廃止することによってのみ是正が可能であると言わざるを得ません。しかも、好況を反映して、昭和六十三年度補正後約二兆八千億円の自然増収が生じることが確実であります。平成元年度も大幅な自然増収が予想されるのであります。消費税導入を急ぐ必要はどこにもなかったのであります。竹下政治が国民の信頼を失って倒れたように、消費税は国民の納得と理解を得られず国民の強い反発を受けております。公約違反と三百議席のおごりでつくった消費税を廃止することが新政権に課せられた使命と考えますが、総理いかがですか。次に、国民の重大関心事である年金法改正問題について伺います。現在、国民の皆さんの感じている不安の最大のものは老後の生活であります。政府はさきに高齢化社会への財源対策と銘打って消費税の導入を強行しながら、一方において厚生年金の支給開始を六十歳から六十五歳へ引き上げることをもくろむなど、まさに言語道断であります。国民は定年退職後の生活に備え二十年、三十年と保険料を納めてきているのであります。それを給付を受ける段階になって給付水準を一方的に下げることは、まさに政府の契約不履行以外の何物でもありません。民間の生命保険では到底考えられないととであります。現在の若い人たちの間では、国民年金や厚生年金は我々が給付を受けるときにはもらえないのではないかとの不安がささやかれております。
 政府はなぜに給付水準を下げなければならないのか、見通しを誤ったのか、年金財源の将来は心配ないのか、明確に伺いたい。
 私は、高齢化社会を迎えた今日、定年制の延長は時代の要請だと思います。平均寿命が長くなることはお年寄りが元気であるということで、喜ばしいことであります。そして、元気なお年寄りは本人の希望があれば六十五歳、七十歳までも働ける環境をつくる必要があります。労働省では六十歳未満の定年を無効とするとの内容にとどまる高齢者雇用安定法の改正作業に入ったと報道されておりますが、安定延長や雇用ビジョンについてどのような方針、スケジュールを持っているのか、明確に示していただきたい。
 現在は、中高年齢者が働きたくとも働ける場所がない現状であります。私はこの際、政府としても、中高年齢者の雇用の場を確保するため、一定の職業については、例えば五十歳以上の人を優先的に雇用する逆定年制を検討すべきと思います。総理の考えを伺いたい。
 年金問題に関連して、約三百万人にも上る恩給欠格者問題について伺いたい。
 わずかの期間が不足するだけで恩給をもらえないということは大きな不公平であり、残されている戦後問題であります。戦後公務員になった人は軍歴の年金期間への算入が既になされていますが、民間企業に就職した場合でも加算できるようにすべきであります。シベリア抑留経験をお持ちの総理のこの問題に対する見解を伺いたい。
 次に、外交防衛問題について伺います。
 昨年来大きく進展しました東西間の対話と軍縮により、冷戦は終了したとも言われております。さらに、地域紛争解決への動きもあり、人類はようやく平和に向かって歩み始めました。しかも、これまで欧州が中心であった軍縮の動きは、ソ連の極東兵力削減発表などによりアジア・太平洋地域でも胎動を始めております。我々は、この方向を積極的に支援し、より強い流れにするため、世界の諸国との平和友好関係を推進し、軍縮へ率先して参加していくべきだと考えます。総理の世界平和に向けての基本的な考え、あわせてアジア・太平洋地域の軍縮問題に関する我が国の対応を伺いたい。
 さて、我が国の防衛政策は、このような世界の好ましい潮流に逆行し、防衛費の拡大を続け、今日では世界の第三位グループに位置しております。国民及びアジア近隣諸国の反対と危惧を押し切ってなされた防衛費一%枠の撤廃は、極めて重大な問題であります。防衛費を削減し、国民的合意であるGNP比一%枠内におさめるよう強く要求をいたします。総理の見解を伺いたい。
 この防衛費拡大の原因となっている防衛力整備の考え方について伺いたい。政府は防衛計画の大綱の水準達成を図るとの理由で防衛力の質的、量的増強を続けておりますが、そもそも防衛計画の大綱は策定当時既に量的には達成していたと説明されていました。しかるに政府は、質的向上との名目で、兵器更新のたびに世界で最優秀かつ最強の兵器を追い求めてきたのであります。総理、兵器の進歩に合わせて常に世界一流の兵器を追い求めていたのでは、防衛費は幾らあっても足りません。仮にそれが大綱水準だというのなら、大綱達成はいわば見果てぬ夢以外の何物でもありません。総理はいかがお考えなのか、所見を伺います。
 しかも、その結果、専守防衛という基本政策すら大きく揺らぎ出しているのであります。強力な兵器の所有とともに、防衛範囲は拡大を続けております。必要最小限の防衛力を堅持すると言いつつ、その必要が拡大解釈され、攻撃は最大の防御という考え方に移りつつあることを私は深く危惧するものであります。総理の見解を伺いたい。
 防衛問題の最後に、過日判明した沖縄近海での米軍水爆機水没事故について伺います。
 この事件は、国民に大きな衝撃を与えました。それは核汚染の恐怖、核持ち込み疑惑、非核三原則の空洞化の懸念であります。本件事故からも明らかなように、米軍艦艇が核装備をしたまま我が国に入港しているおそれは極めて濃厚であります。国民は、これまでのような政府の形式的説明だけでは到底納得できないのであります。私は長崎原爆の被爆者の一人でありますが、国民の核に対する特殊感情を考え、また日米安保体制が両国国民相互の理解と信頼の上に成り立つものである以上、政府はこの際米側に対して明確な事実関係の解明と対応を求めるべきであります。
 また、非核三原則の検証に関して、神戸市では港湾管理者の立場から、十四年前より米軍艦艇に対して核の不積載証明書の提示がなければ入港させない措置をとっております。市民の安全を守る立場から当然の措置であります。問題は、非核三原則を堅持し、核から国民を守るべき立場にある政府が、何ら実効性ある措置をとっていないことであります。政府は、法制化を含め、実効性ある措置をとるべきであります。総理の明確な答弁をいただきたい。次に、環境問題について伺います。去る五日は世界環境デーであります。今週は環境週間であります。サミットにおいても地球環境の問題が主要テーマとして予定されておりますか、人類が拡大し累積してきた産業・経済・社会活動は、地球自然の保全能力の限界を超え、危機田状況をもたらしております。もはや事態は議論や調査の段階ではなく、危機の回避のための具体出な行動が求められているのであります。特に、我が国は公害先進国、資源輸入大国、さりに経済、技術の大国として世界の先頭に立つべき責任があると考えます。しかしながら、オゾン盾の破壊の原因になっているフロンガス規制に関しても、全廃が世界の潮流であるにもかかわらず、我が国は、先進国間で最も遅い時期に全廃を表明するなど、積極的な対応に欠けております。フロンガス全廃の実現のかぎは代替品の開発にかかっており、開発には多額の資金が必要であります。我が国は、世界の先頭に立つ意味でも、開発に対する財政、税制上の思い切った措置を講ずるへきであります。総理の見解を伺います。
 また、我が国の木材主要輸入先である東南アジアの熱帯雨林地帯では、集中的な森林伐採が進行しており、世界自然保護基金は現地住民の生活を脅かすものとして、また自然破壊につながる我が国の政府開発援助のあり方に対して対日批判の報告書を発表いたしております。我が国は、これらの実態を直視し適宜、的確な対応をすることを強く迫られております。
 公明党は、地球環境問題について、地球の日の設定、地球環境再生基金の創設など、かねてより具体的な提案を重ねてきておりますが、政府は、我が国の環境問題に取り組む姿勢を改めて問い直し、サミットに臨むべきであります。総理の見解を伺いたい。
 最後に、私は、宇野内閣が国民が強く求めている消費税の撤廃、衆議院の解散に対して真正面からこたえることこそ政治刷新の出発点であると申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(宇野宗佑君) 矢原さんの御質問に答えたいと思います。非常に多岐にわたっておりますので、簡潔、要領よくお話しを申し上げたいと思います。
 まず中国でございますが,過般来これに関しましては、私は、中国軍隊の銃口が国民に向けられたことは甚だ遺憾なことである、したがいまして、これにつきましては当然人道の見地からいたしましても容認することができないと、そういう政府の見解を中国の大使にお伝えいたしております。それで、漸次この中国の様相は平静の方に向かっておるということも耳にいたします。まだいろいろ情勢がございますから慎重に対処していきたい、かように考えておりますが、我が国政府といたしましては、やはり大切な隣国でございますから、極力抑制した態度をとって今日見守ってまいりました。
 その間に、一番大切な我が国の邦人の方々の避難の問題でございますが、幸いなるかな、臨時便等々をフルに運転いたしまして、北京在住の我が国大使館も本当に努力をしてくれまして、運輸省と緊密な連絡をとり、今日まで十便臨時便を出して約三千百四十三名の邦人が日本に無事帰国されました。なおかつ定期便を含めると、外国人等々を含めまして約一万人の方が中国からお帰りになったということを聞きまして、一応この問題も現在一つの安定した状態を迎えておるというふうに我々は考えております。
 しかし今後も緊急事態にも備えなくちゃならないだろうと思いますが、私は、中国政府の自制によりまして一日も早くこうした状態が平穏なる状態になるよう心からお祈りし、また期待するものでございます。
 次に、伊東前総務会長の示したけじめ等に関しましてのお話がございました。
 私は、伊東前総務会長を畏敬いたしております。そして議員辞職は、やはり司法上の責任の有無にかかわりなく、リクルート問題に関係していらっしゃる方は、自分の議員としての名誉を重んじ、良識に基づいてみずから対処すべきであると、かように私は考えております。
 また、矢原さんが御指摘なさいましたとおり、まさにリクルート事件は大変な事件でございまして、本当に議会制民主主義をも揺るがしかねない、そういうふうな危機すら与えた事件であると私は認識いたしております。したがいまして、元内閣のときとは申せ、やはり与党といたしましても心から反省をしなければならない、かように考えている事件でございます。だから、我々は国民の方々の御要請におこたえいたしまして、むしろ我々の方から先んじてこうした反省のもとにいかに今後金権体質と言われる政界から新しい政界に生まれ変わるか、こうしたこともこれは大切な問題であると私たちは考えております。国民の方々はそうした意味で政治の大改革を今日要望なさっておられますので、我々といたしましてもまず、この内閣は政治の大改革をやりたい、だから改革前進内閣であるというふうに私は内閣の性格をまず定義づけたような次第でございます。
 また、リクルート事件は政財官にわたる構造的癒着だ、それに根差しておると多くの国民の方々が思っていらっしゃいます。刑事責任を問うべきものにつきましては、東京地検におきまして証拠に基づき徹底した捜査が行われ、先般それが終了した、かように考えておりますが、議会におきましても、私は、政府は議会のいろいろな御要請におこたえいたしましょうと答えておりますので、そうしたことをもとといたしまして、来る衆参の予算委員会においてその最終的な報告もなされるというふうに伺っております。いずれにいたしましても、政治の信頼回復のために私は不退転の決意を持って臨みたい、かように思っているような次第でございます。
 次に、組閣に当たってリクルートに関する閣僚がいたではないかという御指摘でございます。これはもう、私の内閣がリクルート事件に関してそうした経緯を踏まえながら誕生したことを考えますとき、やはりきちっとしたけじめをつけておかなければならないと、私はかように考えまして組閣をいたしました。したがいまして、その基準はリクルート問題における政治献金等に関する我が党の見解に従いまして、私もそれを尊重し、そしてそのような選考をいたした次第でございます。だから、前と以後というふうにこの事件が発覚したことに一つの線を引いておりますが、もちろん以前に関しましても、やはり国会議員である以上、その職務に関係していたとするのならばこれは重大なことである。また、たとえいなかったとしても、やはりその間における金額の各高においてそれが膨大なものであるというふうなことになればこれはもう許しがたいことである。私はそのような一つのことを考えまして、それを一つの基準といたしまして、そしてこの人に適材適所として御入閣賜りたいという方々には、一応私は私なりに打診をし、私の決意を伝えました。そして、御本人が自主申告をされるという形において記者会見においてもそのことをはっきりされたような経緯がございます。
 企業献金に関しましても、やはりこれは企業は悪いのだというんじゃなくして、企業は立派に我が国の産業界においても頑張っていてくれる企業がもうほとんどだと私は思います。したがいまして、企業悪ということは我々はやはりそのようには決めつけるべきではございませんし、企業にも行う政治活動がございます。だから、企業が行う政治活動に関する寄附がよくないと決めてかかるのは私は適当でないと、かように考える次第でございます。
 次に、政治資金の公開基準の引き下げ、矢原さんは十万円ぐらいからと、こういうふうな御指示もございましたが、自民党の政治資金規正法の改正案は、そのような点も考慮の上におきまして公開の基準の引き下げを行おうといたしております。いずれにいたしましても、政治資金の公開に関しましては寄附をする側のプライバシーの問題も勘案して判断しなければならない、そういうふうな面もございますので、既に具体的な数字も記しまして自民党の案は議会に提案されております。速やかにそうした政治資金規正法の改正案あるいは公選法の改正案が皆様方の御審議を得て、この国会でぜひとも成立することを私はお願い申し上げるものでございます。
 次に、政治家の資産公開でございますが、既に閣僚及び政務次官の資産公開は決定いたしました。それには従来と異なりまして、就任時また辞任時ともに発表せよ、同時にまた、その間におきましては配偶者はもちろん扶養家族の中の資産もあわせて公開せよ、こうしたことも決定いたした次第でございます。
 政治倫理の確立のための国会議員等の資産等の公開に関しましては、ただいまこの国会に提出すへく取りまとめが急がれておりますので、これもひとつ皆様方の御審議によりまして成立いたしますようにお願いを申し上げたいと思います。
 衆参議員の定数是正でございますが、これらに関しましては四百七十一名はどうするかとか、いろいろございました。しかしいずれにいたしましても、衆議院、参議院ともに、事柄の性格上これらはひとつ議会においてのいろいろと論議を踏まえて、そして私はそれに対処をしていきたいと考えております。
 衆議院では去る六十一年の五月二十一日の決議がございますから、これを踏まえまして各党間で十二分に議論をしていただくことが大切だと思っておるような次第でございます。参議院も重要な課題であると私は認識いたしております。
 続きまして、政治不信回復のために解散せよ、こういう仰せでございますが、私は、今日の選挙法なり政治資金なりそうしたものを含めた政治改革が大切だと、かように考えますので、やはり与野党が力を合わせまして一つの大きな政治改革をなし遂げたい、かように考えております。したがいまして、解散に関しましては全く考えておりません。
 消費税の逆進性は解消されていないのではないかというお話でございます。
 間接税には、高額所得者の吸うたばこにもあるいは新入社員のたばとにも同じ税金がかかっておる、だから逆進性ではないかという、そうした指摘は昔からあるのでございますが、税制の所得配分機能というものは一つの税目のみを取り上げまして議論すべきではなく、税制全体、つまり所得税、相続税、それらには累進性が十二分に加味されております。さらには社会保障制度等を含めた財政全体で考えるべきものである、このように考えておる次第でございます。
 こうした観点から今回の改革では、税制面では所得税、住民税の課税最低限の大幅な引き上げ、歳出面では六出二年度補正予算におきまして臨時福祉給付金を支給するとしたほか、平成元年度の予算におきましては御指摘のございました生活保護にかかわる生活扶助基準の適切な引き上げや在宅福祉施設の大幅な拡充等、真に手を差し伸べなければならない方々に対しましても十二分に配慮しているところでございます。
 なお、公的年金に関しましても、特例物価スライドや十月から財政再計算に伴う年金額の実質改善を行うということにいたしておりまするし、また平成元年の物価上昇分につきましては当然平成二年におきましてもスライドしていって給付改善に努める、こうしたことは当然のことでございまするが、政府といたしましてはそうした心がけでこれに対処したいと考えております。便乗値上げの実態についてどう認識しておるかという御質問がございました。物価ダイヤルなど政府の相談窓口、これに寄せられている苦情や、四月以降の消費者物価の動向から考えまして、特定業種、もう御承知であると思いますが、特定業種の一部の事業者に何か限られているのではないだろうか、その他の業種に広がっているという状況にはない、こういうふうに認識いたしております。総じて見れば、消費税は価格に適正に転嫁されつつあると承知いたしておりますけれども、しかし、一部に生じているのではないかという便乗値上げ的なそうした動きに対し費しても適切な指導を行うことが必要でございます。他に波及しないよう今後も我々といたしましては努力をいたしたいと思います。
 また、物価モニターなどがございますが、増員、強化いたしましてさらに調査、監視を強化したい、かように考えております。
 免税点制度等納税者無視の制度をどう考えるかという趣旨の御質問がございました。
 これに関しましても先般来私は、この法律はなじみの薄い法律であるから、消費者にもあるいは事業者にもいろいろな戸惑いやいろいろな苦情が生じたことであろう、私たちはそれに謙虚に耳を傾けて、そしてひとつぜひともそういう観点におきましてもいろいろと今後私たちはそれらに対しまして機敏な対応を講じなければならない、かように申し上げてまいりました。今までこの制度というものは、公平、簡素という二つの要請の間で現実的な選択の問題として、中小零細事業者の消費税の計算や納税事務負担の軽減に配慮することが必要である、そうした政策的な観点から設置が適当と判断したものでございます。その必要性は御理解いただけるのではないかと思います。
 転嫁をめぐる消費者と事業者の信頼関係でございますが、消費税は円滑かつ適正に定着していくことが大切な問題でございます。したがいまして、物やサービスの価格の設定状況であるとかあるいは消費者物価指数等の動きとか、店頭あるいは事業者間における代金決済の状況等々を考えますと、いずれにいたしましても、冷静な御対応によりまして今日その転嫁は非常に適正に行われているのではないかと思料いたします。
 しかし、新税制実施円滑化推進本部を通じまして、引き続いて税制改革全体の趣旨、大幅減税の詳細、消費税に関する各種の指摘に対する考え方、これらにつきましては広く広報を用いてさらに私たちは御理解を深めたいと思いますけれども、我々といたしましても、便乗値上げの防止やさらに適正な転嫁、そうしたことがやがて国民生活に定着するように考えていきたいと思います。
 いずれにいたしましても、政府税調に早速、いろいろな問題があるのだからいろいろな苦情もある、だから戸惑いもある、そうしたことに対しまして早急に勉強会を開いて国民の声に耳を傾けていただきたい、こういうことを私は大蔵大臣を通じてお願いいたしておるところでございます。
 消費税の廃止と自然増収という問題も出てまいりました。
 自然増収があるから消費税をやめろというふうな御所見のようにも私は伺いましたけれども、やはり消費税は、将来の高福祉社会、国際化の日本ということを考えますと、これは豊かな長寿福祉社会をつくるためには必要な一つの財源であり、その礎であると私は思います。したがいまして、廃止する考えはございません。しかしながら、何回も申しますが、国民の方々の声に私たちはやはり耳を傾けていきたいと存じます。
 また、六十三年度の税収見込みはこれまでの収納状況を見る限りある程度の自然増収が期待される、かように思いますが、しかし恒久的にこのような好調が続くものではない、一時的な性格のものである、こういうふうにひとつお考え賜りまして、今回の税制改革におきましても、税の仕組みが大幅に変化しており、これまでと同様の伸びを期待する根拠がないと、このように私は思料いたしたいと思います。
 また、年金の支給開始年齢と年金財政に関しましてのお話がございましたが、現行の給付水準を維持しながら後代の負担を適正なものとしていくためには、支給年齢の引き上げを行うことが現実的な解決策である、これは私、先般来ずっとこのお話をしてまいりました。そのためには当然十分な準備期間が必要でございます。平成十年から平成二十二年、段階的に支給開始年齢が六十五歳になるということは御承知賜っているところでございます。これによりまして年金財政の長期的安定を図っていきたいと考えます。
 定年の延長問題でございますが、現在六十歳以上の定年を定めている企業の割合は約六割でございます。今後そのようにしようというふうな意図を持っていらっしゃる企業を含めますと大体入割でございまして、六十歳定年というものは定着しつつあると思います。したがいまして、今後は六十歳定年を基盤としまして、六十五歳程度までの雇用の場の確保に努めていきたい、これが私の考えでございます。
 人生八十年時代にふさわしい雇用のあり方等を示す長寿社会雇用ビジョン、こういうものがございますが、本年の夏ごろに中間の取りまとめを行うとともに、本年度末にはこのビジョンを策定いたしたい、かように考えております。
 中高年齢者の雇用確保ということがございました。
 特に矢原さんは、五十歳以上逆定年制を定めてはいかがかと、こういうふうなお話もございました。しかし、中高年齢者の雇用機会の確保に当たりましては、その知識、そして経験、能力、これが十分に生かされるような社会の実現を考えておかなくちゃなりませんが、今は、中高年齢者の従事される職業を決めてかかるというふうなことになりますと、かえってその能力が生かされないというふうなおそれがございますので、私は逆定年制というのは適当ではないなと、このように考えております。
 いずれにいたしましても、六十歳を基礎といたしまして六十五歳程度までの雇用の確保に努めたいと思います。恩給欠格者救済問題に対する御見解でございます。確かに、三百万に及ぶ方々が国家のために頑張っていただいて、帰ってきて何にもなかったと。これに対しましては、当然我々は戦後処理の中の重要な問題としてこのことを取り上げていかなければならない、かように考えております。
 今のところは、昨年五月に成立を見ました平和祈念事業特別基金等に関する法律に基づきまして特別基金を設立し、恩給欠格者を含む関係者に対しまして慰藉の念を示す事業を行っております。御承知のとおり、書状を出すことと七十歳以上に銀杯を出そう、そしてその労に謝したい、こういうことが既に決まっております。今後とも、ひとつ法律に基づく事業を引き続き適切に行うことによって対処してまいりたいと思います。この点に関する矢原さんのお心持ちに対しましては、本当に私も同感の意を表したい、かように思っております。
 アジア・太平洋の平和と軍縮に関しましては、当然我々といたしましてもその軍備管理・軍縮、まず我々のこのアジア・太平洋においてもしっかりとやろうではないか、これは大切なことでございます。しかし、日ソ間に北方領土問題というものもあります。さらに朝鮮半島の問題もございます。さらにカンボジア紛争というものもございます。こうした今までの諸問題が存在いたしておりまするから、当然我々はそうした国際的な政治情勢も改善をいたしまして、情勢の安定化というものを図ることが大切だと思います。
 常に日本は軍縮会議に積極的に参加いたしております。確かにいろいろな軍備というものは本当に、抑止力であるとは申せ、その抑止カは低レベルで維持することができるから、そういう理念に従ってアジア・太平洋等におきましても、二国間あるいは国連等々の場において積極的な外交努力を今後も払っていきたいと存ずる次第でございます。
 しかし、緊張緩和の流れがあるにもかかわらずGNPはどうなるのか、一%枠がどうなるのかという、そうした御提言もございました。
 私たちは、今日の米ソが対決から対話に向かっておるというこの流れを大切にいたしたいと思います。しかし、我々がわきの下を甘くしてよろしいという時代の認識でもないと、私はかように考えておりまするし、INFのグローバル・ゼロはこれは核軍縮の第一歩である、こういうふうに認識をいたしておりまするから、やはり国家、国民をお守りするという防衛をおろそかにするわけにはまいりませんが、我々といたしましては大綱の水準を達成すべく中期防の着実な実施をただいまいたしております。
 そして、その予算編成におきましても我々は節度ある防衛費をひとつ設けなければならない、こういうような気持ちを抱いております。五十一年には、一%を超えることはできない、そういうような規定までされました。この閣議決定は一応見送られましたけれども、そうした閣議においていろいろと配慮されました問題、その精神、これは私たちは今後も持ち続けていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
 大綱水準の達成に関しましても、量的には大綱の別表に示されている規模を備えます。質的には諸外国の技術的水準の動向に対応したい、かように考えております。そして、引き続きその水準を維持していくことが大綱の考え方であろうと思います。
 専守防衛とは何かというお尋ねでございます。
 もちろん我が国は、憲法におきましても、いろいろな面からしましても、専守防衛というその姿勢を変えてはならないと思う次第でございます。防衛力も自衛のための必要最小限のものに限られておる、また憲法の精神にのっとらなければならない、いろいろございます。私は専守防衛に徹する我が国の方針にはいささかの変わりもない、このように申し上げておきます。
 米空母水爆紛失事故とこれに関する核の持ち込み問題等々がございました。
 この紛失事故は大変私は重大な関心を持つというので米国にいろいろなことを照会申し上げ、なおかつ、その後の核物質による汚染問題に関しましても、我が政府下における専門家による調査を命じたこともございましたが、政府といたしましては、事前協議が行われない以上核持ち込みがないということにつきましては何らの疑いも有しておらないと、こういう立場でございまして、これは今日までずっとお答え申し上げておりました日米間の相互信頼に基づく問題である、かように私は理解をいたしております。また、非核三原則を法制化してはどうかということでございますが、政府の一貫した政策として既に内外に十分周知徹底されておりますので、私はその必要はないのではないか、かように考えております。
 フロン代替品開発への財政、税制上の措置ということでございまして、我が国としては、オゾン層保護の観点から、問題になっておりますフロンの代替品の開発、普及のために政府といたしましても財政、税制上の措置を講じております。そして今世紀末にはひとつ全廃すべきであると。フロンが、何回も何回も使うことによってオゾン層を破壊する、それがどれだけ私たちに大きな悪い影響を与えるか、このことは十分認識をいたしておりますので、今後も、国際的な動きを踏まえまして、さらに代替品の開発等についていかなる施策を講じていくべきか検討していく所存でございます。
 東南アジアの熱帯雨林の保全に関しましても、これは緊急の課題でございます、地球規模の問題でもございます。したがいまして、矢原議員が申されましたような認識のもとに、国際機関を通じました多国間の協力及び造林・林業研究等の二国間の協力、これを積極的に進めてまいりたいと思っております。そして、私たちは国際機関への一層の支援に努めると同時に、熱帯林の保全、造成に資する二国間の協力を一層充実しなければいけない、かように考えておるものでございます。従来、ODA等の経済援助がございますが、その実施に際しましても環境への影響、これを十分配慮するように努めておるような次第でございます。
 サミットで環境問題にいかに対処するかということでございますが、サミットにおきましてもこの環境問題は大きな問題として、また議題の大きな柱として取り上げられる予定でございます。我が国といたしましては、サミット以後の九月に東京におきましてこの環境問題の世界大会を開きまして、専門家に集まっていただきまして、このほかにも地球温暖化の問題もございます、そうした問題も含めまして環境問題に積極的に取り組んでいきたい。当然サミットにおきましても私は、二国間においても協力、さらには国際機関においても日本はその先陣に立ちたい、こういう気持ちで臨みたいと思うものでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(土屋義彦君) 内藤功君。
   〔内藤功君登壇、拍手〕
#12
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、宇野総理に質問をいたします。
 まず、最近の中国の重大事態についてであります。
 六月四日以来の非武装の学生、市民に対する中国当局の武力行使と流血の惨事は、人道上からも、また自由と民主主義を全面的に発展させる科学的社会主義の原則からも絶対に許すべからざるものであります。我が党は、社会主義的民主主義を踏みにじった暴挙として厳しく糾弾しています。
 ところが、日本政府の態度は、当初、事態がこれ以上悪化しないことを強く希望するなどというもので、世界で最もあいまいなものと批判をされました。総理は、その理由を日中戦争と在留邦人への配慮によるものと弁解しましたが、それは全く逆さまの議論であります。中国の民衆を暴虐に殺りくした過去の侵略戦争に対する本質的な反省がもしあれば、かつての侵略軍隊と同様とも言われる今回の虐殺行為に対しても厳しい警告ができるはずであります。在留邦人の安全も、断固たる国際世論と各国の態度で暴挙をやめさせることによってこそ、守ることができるのであります。
 私は、政府が、このような許すぺからざる暴挙に対して、中国政府に対して厳しい抗議の態度を明確にするよう強く要求いたします。
 竹下前総理は、十五年戦争並びにナチス・ドイツによる侵略について、最後まで侵略戦争であることを認めなかったのですが、宇野総理も同じ見解かどうか、伺います。
 今、日本列島全体にわたって、積年の自民党政治、とりわけリクルート疑惑に示された金権体質、公約違反の消費税強行実施に対して、国民の強い怒りが渦巻いています。今何よりも政治に求められるのは、リクルート疑獄の全容を解明すること、政治的、道義的責任を明らかにすること、そして消費税を廃止することであります。
 ところが、宇野内閣の組閣に前後して驚くべきことが明らかになりました。あなたの政治団体に千数百万円もの寄附をしていた後援会の会長がリクルートコスモス未公開株一万株を譲り受けていたことであります。総理は、私と無関係と昨日答弁しましたが、これで国民が納得すると考えているのですか。さらに橋本幹事長、塩川官房長官、梶山通産大臣、堀内労働大臣、野田建設大臣ら政府と党の中枢も、リクルートからの献金あるいはパーティー券購入を受けていた事実も明らかとなりました。その上、三日前には、橋本幹事長の一億六千万円パーティー券収入の無届けという違反行為も明らかになりました。しかも、総理は、この事実を承知の上で政府と党の要職に任命し、リクルート事件発覚前のものであり、額も多額でないなどとこれを合理化する驚くべき態度をとっています。こんなことで国民に通用すると思っているのですか。国民は宇野内閣もリクルート汚染内閣と断ずるでしょう。総理、リクルート事件への総理の認識とあわせ、明確な答弁を求めます。
 リクルート事件の検察による捜査が政治家に関してどのように行われ、なぜ二人の衆議院議員を除いて立件、起訴に至らなかったのか、国民と国会に関係政治家全員の捜査結果の全容を報告し、主権者国民の審判の資料となすべきでありますが、その用意はありますか。
 次に、総理がかつて自民党幹事長代理、民間活力導入調査会の会長として、また竹下内閣の閣僚として推進してきた、そしてリクルート事件の背景ともなった民間活力活用、規制緩和政策についてであります。
 東京改造について、山手線の内側は五階建て以上が建てられるようにせよという中曽根発言で有名になったこの政策は、悪徳地上げ屋の暗躍を誘発し、地価狂乱を引き起こしました。今も数年前の二ないし三倍の高値安定で、なお地方へ急激な勢いで拡大しております。住みなれた町から追い出され、マイホームの夢は打ち砕かれ、満員電車による長時間通勤を強いられるなど、国民の犠牲は耐えがたいものとなっております。リクルートの江副は土地臨調の参与に任命され、この政策のもとで急成長し、その裏で巨額の金をばらまいてきたのであります。この中曽根民活路線について、現在どのように考えておられるのか、総理の責任を問うものであります。高石前文部事務次官の起訴に見られるように、政府の教育政策もリクルート疑獄と無縁ではありません。高石氏などリクルート疑惑に汚染された新学習指導要領は、中国、朝鮮に対する明白な侵略戦争である日露戦争を美化し、軍神東郷平八郎を登場させ、日の丸、君が代教育とともに学校教育を通じて子供たちに侵略戦争肯定を押しつけるもので、憲法、教育基本法に基づく教育とは全く相入れないものであります。私は新学習指導要領の撤回を求めるものです。総理は、日露戦争の勝利をたたえ厳しい国際批判を受けた西岡文部大臣を留任させましたが、総理の日露戦争観、束郷平八郎と日の丸、君が代観を問うものであります。
 次に、総理が忠実に実行するとしている自民党の政治改革大綱についてであります。
 リクルート疑獄から引き出すべき重要な教訓は何か。造船疑獄、ロッキード事件等一連の汚職疑獄事件でも明らかなとおり、企業や業界団体が金で政治を動かすという、金権腐敗政治の氷山の一角がたまたま表面化したものだという問題であります。憲法の条項と精神からいって、政治献金はあくまで選挙権を持つ主権者国民の一人一人が行うものであり、営利を目的とする企業は、社会的存在ではありましても選挙権がないのと同様、政治献金をすべきでないのは当然であります。自民党は、金権腐敗政治への批判を逆手にとって、政治に金がかかるなどと理屈をつけ、世論の要求とは反対に、この企業献金を拡大したり、企業からの資金集めパーティーを合法化しようとしているのであります。
 総理は昨日、我が党金子満広議員に、企業献金はよくないと決めてかかるべきでないと答弁しましたが、この問題でも、禁止を求める圧倒的多数の世論に反して、企業献金をあくまで温存するというのですか、はっきり答弁されたい。
 大綱の言う小選挙区制、政党法の導入なども、自民党の一党独裁をねらうもので、断じて許せません。答弁を求めます。
 次に、消費税の問題であります。
 消費税が実施されて二カ月、理屈ではなく生活体験から、こんな税金に一生涯つきまとわれるのは真っ平だというのが国民の声であります。世論調査によっても、七割以上の人が消費税の不公平に怒り、その負担は大きいと痛感して、廃止を願っていることが明らかになりました。政府発表の消費者物価指数にも、当初見積もりを上回る物価の動きがあらわれております。国民の実際の負担が政府見積もりをはるかに上回っていることは、政府の試算がいかにでたらめだったかということを示しているのではありませんか。
 消費税導入の最高責任者の一人であります村山大蔵大臣の留任も、消費税廃止を求める国民の神経を逆なでするものだとの批判があります。宇野内閣が消費税定着内閣と言われるのも当然であります。
 特に深刻なのは、高齢者、年金生活者、身体障害のある方、生活保護を受給しておられる世帯、その他所得の低い方々でございます。食費と病院へ通う交通費を削るしかないよとよく私は言われます。多くの方からお話を聞きましたが、その一人、東京台東区に住む娘さんと二人暮らしの七十七歳の婦人であります。食料品の外税分だけで四月は二千五百五十七円、五月は二千七百五十八円の支出増。特売品二十円から三十円安の砂糖、しょうゆなどを半日がかりで求め歩くのだと。その上、親しんできたお店の人との間の人間関係も気まずくなっていくと話しておられました。
 また、大幅な学費値上げ、消費税に加えて二十歳以上の学生さんには、年金大幅改悪により、来年四月から月八千四百円、年間十万八百円の掛金徴収をやろうとする、これではまさにトリプルパンチではありませんか。
 総理、このような日本全国に広がる消費税に対する国民の苦しみ、批判、怒りについてどう考えられますか。何をもって円滑に実施されていると受けとめているのか、明確にされたいのであります。
 政府は、国民の批判を前に見直しの必要を強調しております。しかし、政府の言う見直しというのは、免税点の引き下げ、簡易課税制度の手直し、さらには伝票方式、つまり売上税に戻そうというものではありませんか。消費者にとっても事業者にとっても負担をかえって大きくするものであります。最近の新聞の世論調査でも、廃止すべしという人が五三%から六五%を占めるに至っています。一たん実施された税を廃止せよという世論が実施後かえって逆に次第に高まっているということは、四十年前の取引高税以来かつてなかった世論の動向であります。総理は、国民の皆様の声に謙虚に耳を傾けると述べていますが、そうであれば、見直してはなく、きっぱり廃止すべきであります。明確な答弁を求めます。
 国政選挙を目前に控えた今、特にただしておきたいことは、消費税の明白な公約違反という問題です。八六年衆参同時選挙で当選された自民党衆議院議員の八五%、二百五十七人の方が大型間接税反対を公約しました。しかるに自民党は、三百余議席を占めるや公約を弊履のごとく投げ捨て、消費税を強行しました。総理、国政選挙の公約とは選挙で多数を占めてしまえばこれを破ろうと無視しようと勝手だとお考えになっているのか。公約の重大さをどのように考えておられるのか。総理は所信表明で、民主主義体制の正当性や自由と民主主義の基本的価値を強調されましたが、国民の八割が反対している消費税をごり押しすることが総理の言う自由と民主主義ですか。率直にお聞きしたい。次に、国際、外交問題について伺います。中曽根派の最高幹部であった宇野総理は、日米運命共同体、不沈空母路線に沿って軍事同盟強化、対米協調、責任分担強化を積極的に推進してきました。アメリカは、財政赤字のため、軍事費の伸びを実質ゼロとし、日本など同盟国に責任分担強化を求めています。昨年十二月、当時外務大臣であった宇野総理は、米下院筋から、日本はODAと防衛費を合わせた支出を現状のGNP一・二%から三%くらいまで引き上げるべきだと要請されたと聞いています。事実かどうか明確にお答えいただきたい。既に日本の軍事費は世界第三位になっていますか、さらにその上に二十兆円を超える巨額の予算を投入する一九九一年度からの次期防衛力整備計画策定作業が始まっております。在日米軍に対する思いやり予算は急速に伸びており、米国防報告は、日本は米国が海外基地を置く国のうち世界で最も高い財政的貢献をしている国だと評価しています。総理はこのような分担増大の要求に応ずるのかどうか、はっきり答弁をしていただきたい。一アメリカの空母タイコンデロガの艦載機が水爆を積んで水没した事故は、日米安保条約のもと、我が党が暴露した核密約に基づいて、事前協議など全く無視して、横須賀、横田などがアメリカの核戦争の基地とされ、我が国が核事故の危険にさらされていることを示す重大な問題であります。当時の乗組員は、同空母が三十ないし四十発の水爆を積んで往路も帰路も横須賀に寄港したと証言しています。しかも、同艦の航海日誌によると、タイコンデロガは横須賀に四日間も停泊していたのであります。しかるに宇野総理は、今や世界の常識になっているタイコンデロガの横須賀入港の事実さえ認めないという、国際的に物笑いとなるようなかたくなな態度に終始しています。何を根拠に横須賀入港の事実をお認めにならないのですか。報道される航海日誌は本物でないとでもおっしゃるのですか。はっきり答えていただきたいと思います。
 総理、このようなアメリカ任せの態度では、非核三原則を国是とする日本国政府のとるべき態度とは申せません。少なくとも、タイコンデロガのアメリカ母港出港から帰港するまでの全期間の航海日誌の提供を求めるべきであります。総理、それもやらないのでは、国民の安全に責任を負う政府とは言えません。私はこの際、改めて日米の核密約と軍事同盟の廃棄を要求するものであります。
 来年は、広島、長崎に原爆が投下され、多くのとうとい人命が奪われてより四十五周年を迎えます。多くの被爆者の方が高齢化し、不安が募る今日、国家補償による被爆者援護法の制定こそ急務と思いますが、総理の見解をただしておきたい。
 三宅島の米空母艦載機の夜間離着陸訓練場の設置計画に対し、圧倒的多数の島民は、生活を守り自然環境を守るため、強く反対しておられます。島民の意思に従い、計画を断念すべきであります。また、世界文化遺産及び自然遺産の保護条約は、速やかに批准すべきであります。明確な答弁を求めます。
 アメリカのブッシュ政権は、五月二十五日、包括通商法スーパー三〇一条を我が国に適用し、人工衛星などを不公正貿易に指定するとともに、流通分野の規制緩和や米の自由化を要求しております。また、日本政府は流通分野の規制緩和要求にこたえ、大店法による出店規制の緩和を進めようとしておりますが、これは、我が国の中小零細小売業者に壊滅的な打撃を与えるものであり、断じてやめるべきであります。答弁を求めます。
 さらに、制裁措置を含む米の自由化圧力の問題です。日本の穀物自給率は先進国中最低であります。その上、国民の主食、米まで輸入依存ということになれば、国民は供給と価格の不安定にさいなまれることは明白であります。総理は所信表明で、米の問題に言口も触れない反面、輸入大国になることを表明しております。これまでも自民党政府は、農産物十二品目や牛肉・オレンジの輸入自由化など、アメリカからの不当な要求を次々と受け入れてきました。これでは、アメリカの要求に屈してしまうのではないかと国民が心配するのは当然であります。米の輸入自由化は絶対に認めないと断言できますか。明確な答弁を求めます。
 日本共産党は、党綱領の中に、農業を国の基幹的生産部門として位置づけ、国民の食料を守ることを強く主張しております。総理は、日本の産業の中で農業をどのように位置づけているのか、お答えいただきたい。
 ブッシュ政権がこのような内政干渉の要求を次々と突きつけ、日本政府がこれに屈服していく根本を尋ねると、そこに日米安保条約があります。我が国の主権を侵す日米安保条約は廃棄して、独立、中立の日本の進路を選択すべきであります。さらに、今や核軍事同盟となった軍事同盟を世界から解消し、軍事同盟の対抗のない世界のためにこそ努力をすべきであることを強く主張するものであります。
 総理、あなた方の国会での多数は、もともと中曽根内閣のもとで大型間接税はやらないと言って欺隔的宣伝で━━━取った上、竹下内閣、宇野内閣と、たらい回しに次ぐたらい回しで成り立っているものです。こうした内閣に国民が信頼をおけないことは、最近のすべての世論調査が証明しております。あなたは、それでも国民に信頼される政治改革などができると思っておられますか。総理の責任ある答弁を求め、私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(宇野宗佑君) まず、中国問題でございますが、自制によりまして一日も早く平静な状態が戻ることを隣国といたしましては心から祈念をいたしておる次第でございます。また、在中大使館、関係機関及び我が国の航空企業の大変な努力によりまして、一応帰国を希望される方は全員帰国されることができました。これも大切なことであると存じます。だから、隣国でございますから、内藤さんのよりに抗議をしろとか非難をしろとか、そういう考えは私は全く持っておりません。やはり、我々は小当に適切に慎重に対処してまいったと思いますし、今後もその成り行きは慎重に見守っていきたいと思います。過去の戦争に対する見解でございますが、もう既に日韓共同コミュニケもありました。韓国とは戦争しておりませんが、やはり三十六年間の植民地という暗い歴史がございます。このことは私たっはやはり反省をしなければならぬでございましょう。
 また、四十七年に日中共同声明を発し、日中平和友好条約を結びまして既に十年たっています。この関係も私は大切にしていかなければならないと思います。その共同声明あるいは友好条約等々の精神におきましてきちっと文言として出ておりますが、私たちはやはり過去の戦争を反省する、戦争を通じて国民の方々にいろいろな御迷惑をかけたことを反省する、そういうふうに申し述べております。
 私は、ではその戦争をどう思うかというお話でございますが、外務大臣のときにもはっきり申し上げましたとおり、軍国主義の侵略である、これが私の考え方でございます。
 続きまして、橋本幹事長を初め四閣僚いろいろとリクルートに感染しておるじゃないかということでございますが、私の内閣は汚染内閣ではございません。私の内閣は改革前進内閣でございまして、その点をひとつ御理解賜りたいと思います。閣僚も私はきちっとしたけじめにおきまして選任をいたした次第でございます。
 また、私のことにも触れられましたが、これは私の後援会の話でありまして、後援会は同窓が百社ばかりあります。百人ばかりの方々がつくっておられまして、私が会長さんを任命したものでもなければ何でもない。その後援会に会員から集められました会費の中から私にもそれぞれいろいろな献金があったというだけでございますから、リクルートの線で結びつけようと思われましても、そこに結びつける理由がどこにもないと、こういうふうに私ははっきり申し上げておきたいと思う次第でございます。
 また、リクルート事件の捜査報告、私は何回もこの参議院の本会議で申し上げましたが、国会の国政調査権に対しまして法令の許す範囲でできる限りの協力を行うべきものであると承知しております。そういうことでございまして、既に来る来週の月曜、火曜、それぞれの院の予算委員会でこの問題が議論されるということも承っております。
 次に、中曽根民活路線でございますが、私は、民活というものは二つに分けることができる。一つは規制緩和、一つは公共事業。私の担当は公共事業でございました。つまり、金に困っておる政府に幾ら公共事業を命じましてもできません。だから私は、あなたの税金を使うというんじゃない、あなたの預貯金を使わしてください、こういうことで民活をお願いいたしまして、新しい発想に基づきまして明石海峡に橋をつけること、東京湾に橋をつけること、こうした私たちの特別委員会の案が自民党で了承せられまして先般その夢がかなったということでございますので、私はよいことであったと考えております。
 その次に、新学習指導要領の撤回に関しましてでございますが、学習指導要領の改訂は、教育課程審議会の答申に基づきまして、多数の学識経験者の協力を得て、文部大臣の責任と判断で最終的に決定いたしました。したがいまして、リクルート事件とは無関係でございます。
 次に、総理の日露戦争等々のひとつ歴史観と申しましょうか、認識を問うということでございましたが、日露戦争は明治維新以降の我が国の近代史を理解する上で大きな出来事であったと認識しております。東郷平八郎は日露戦争を学ぶ上で中心的人物の一人であると認識しております。
 日の丸、君が代につきましては、明治以降の長年の慣行により、広く国民の間でそれぞれ国旗、国歌であると定着しているものと認識します。
 次に、企業献金の禁止でございますが、有識者会議によりまして、私たちは有識者会議の御提言をもととしましていろいろな政治改革をやりたいと、こう思っております。
 おまえにできるかというような話をなさいましたが、これはもう本当にそのようなお考え方は捨てていただきまして、私は本当に不退転の決意で政治改革に臨むのでございますから、むしろ御理解を賜りたいと思いますが、すべては有識者会議の御提言というもの、第三者の御提言というものを私は一つの重要な参考事項にしております。七つのうち三つは既に政府で実施しておりますし、あとの四つは選挙法と政治資金規正法改正、さらには倫理に関する法律、こういうものを今我々は議員立法として提出しています。したがいまして、この国会でぜひともこれは与野党を通じて御審議を仰ぎたい、こういうふうに私はお願いいたしておるところでございます。
 特に、企業も一つの社会的存在でございますから、企業が行う政治活動に関する寄附がよくないと決めてかかるのは適当でない、私はこのことはどのお方に対しましても申し上げております。
 小選挙区はどうかということでございますが、現時点では政府の方針として小選挙区制の導入の是非を申し上げる段階にはございません。選挙制度審議会、今までちょっと開店休業のような、開店もしておりませんでした。これではいけないので、私は、自治大臣にメンバーを整え早速仕事を始めてください、こういうふうにお願いしていますから、こうしたととろでこういう問題はひとつ公正に議論をしていただきたいと思います。
 消費税に関しましてもいろいろ御意見がございました。
 何度もお答えいたしておりまするが、私はやはり、将来の高齢化あるいはまた日本の世界的な立場等々を重んじますと、こういうふうな準備をしておくことが我々の今日の務めであると考えております。したがいまして、所得、消費、資産等のまずバランスをとること、そうした中におきまして私たちは、所得税の減税、法人税の減税、さらには最もいろいろなでこぼこがあったと言われる物品税の廃止、そうしたことを通じまして大きな減税をしておるんです。そうして、消費税によりまして増税もございますが、差し引き二兆六千億円という減税があることも国民の方々は御理解願っておると思います。したがいまして、今日消費税を廃止せよとおっしゃいますが、将来のことを考えますと、私は、消費税を廃止する考え方はございません。しかし、もろもろの問題があるでしょう、なじみが薄い制度でございますから。したがいまして、国民の声に私たちは耳を傾けまして、いろいろな問題につきましては早速ひとつ税調において勉強を始めてください、こういうことを先般大蔵大臣にお願いをいたしたような次第でございます。
 消費税のごり押しが自由と民主主義に即していると言えるかという御批判でございますが、消費税は民主国家の国会における議論を経て創設されたものであり、政府として皆さんの声に謙虚に耳を傾けて、今後その円滑な定着に努めていきたい、かように考えております。
 続きまして、ODAと防衛費の支出総額をGNP三%まで、そういう問題が私が外務大臣として昨年十二月訪米したときに話が出たかということがございましたが、これは一部下院議員から、日本は防衛費、経済協力費を合わせてGNPの三%ぐらいの支出はできないかという趣旨の指摘があったことは事実でございます。
 これに対しまして、私ははっきりと次のように申し上げました。経済大国日本は、軍事大国になりません。日本の防衛費に関しましては、憲法を初め幾つもの規制がございます。また、日本が軍事大国と見られることはアジアにおいて非常に迷惑なことですから、見られちゃいけない。アジアの人たちは我々の本当の平和外交を望んでいらっしゃる。そういう意味から申し上げましても、今おっしゃるようなことに私は、はい、そうですがと言うわけにはまいりません。したがいまして、非軍事的面ならば私は協力いたしましょう。だから、いろいろな意味で、余りそのようなことをおっしゃることは、幾らおっしゃいましても私たちはそれにオーケーをいたしません、こういうふうにもうはっきり答えてございますから、御安心賜ってはどうかと思う次第でございます。
 また、思いやり予算の分担増大の要求でございますが、やはり在日米軍の駐留経費の負担につきましては、我が国の防衛の基調をなす安保条約の信頼性から申しましても、我々は自主的な判断によってできる限り努力を行いたいと考えております。しかし、幾ら努力をするといいましても、財政負担という関係もございます。社会経済的な影響等もございます。諸般の事情を考えまして適切に対処してまいる、これが我々政府の考え方でございます。
 さらに、米空母の横須賀入港、航海日誌、非核三原則に対するお話でございましたが、これには私は大変重大な関心を持つということを外務大臣当時に表明いたしましたし、米国にも照会中でございます。航海日誌に関しましても照会をいたしております。
 また、非核三原則は常に守っております用地位協定によりまして事前協議がアメリカから発議されましても、核を搭載しているというときには非核三原則によって断固反対、これは毎度申し上げておるところでございます。したがいまして、私たちはやはり、日米の信頼関係におきまして、今後も核持ち込みがないこと、それは事前協議が行われない以上核持ち込みはない、このことにはいささかも疑念を抱いておりません。
 続いて、被爆者援護法の制定についてでございますが、これは、原爆被爆者対策につきましては、被爆者として、放射線で健康障害という他の戦争犠牲者には見られない特別の犠牲に着目いたしまして、広い意味の国家補償の見地に立って実態に即した対策を講じておることは御承知願っておると思います。したがいまして、特別の事情にない原爆死没者の遺族に対して補償を行うことを内容とする原爆被爆者援護法を制定することは、一般戦災者との均衡上問題があると、かように考えております。だから、政府といたしましては、今後とも現行の原爆二法を中心といたしまして、その施策の充実に取り組んでまいりたいと考えます。
 さらに、内藤さんからは、世界文化・自然遺産保護条約の批准、こういう問題が出されました。
 こうした条約のその趣旨は私は望ましいものである、かように考えておりますので、早期に本件条約を締結し得るよう関係省庁間において本件締結について具体的な検討をしてほしい、また、現在そういう作業が進んでおると承っております。
 スーパー三〇一条適用を拒否せよというお話でございます。私も、先般のフランスのOECDの会議におきまして、この問題はアメリカと二国間の問題として話し合うことができました。いやしくも日本を世界で数少ない不公正な慣行国であると示されたことは甚だ遺憾である、日米間のことを考えると、こういうことが今後まかり通るということはいけないことであるということを私ははっきり申し上げました。したがいまして、スーパ三〇一条に関しまし、も、我々は、アメリカ大統領あるいは外相間におきましては、お互いにいろいろな問題が今後出、こようが共同作業と。そしてお互いの縮小均衡ではなく拡大均衡ということを頭に置きながら、今後それぞれが政策協調もいたしましょう。そういう線で我々といたしましては、この問題に関しよしても、はっきりした線を立てながら、やはり日米親善のためにも話し合いということは今後とも続けていきたい、かように考えておる次第でございます。大店法規制緩和はやめろというお話でございます。今回は、中小小売業者の代表者の参加も得まして、関係審議会の場におきまして審議を行ってまいった次第でございますが、法の枠組みは維持すりけれどもその運用についてどうしたらいいか、その適正化を図ることが大切ではないか、そういうことで最終的な審議がただいま行われておりますので、御理解を賜りたいと思います。
 続きまして、三宅島のNLP基地建設は断念せよというお話でございますが、やはり艦載機の着陸訓練というものは大切でございまして、パイロットの練度維持、ひいては日米安保体制の円滑な運用効果ということからこれを考えますと、私はやはりなおこれを大切な問題と考えております。したがいまして、三宅島は立地条件が極めてすぐれておりますし、これはどの適地はないと判断いたしておりますので、ぜひ三宅島にお願いいたしたいと思いますし、建設に際しましてはもちろん環境を悪化させてはいけません。その環境をきちっと保全してまいることに十分我々も意を尽くしたいと思います。
 さらに、米の自由化でございますが、十二品目を初め皆押されっ放しじゃないかということでございますが、今日のガットというもののあり方、ガットにおける論議等々を考えてまいりますると、やはりそうした問題につきましても、日本は日本といたしましての国際化に対応し得るような体質を今後持つことも必要でございましょうが、今日まで農産物に関しましては、国内措置もとりました。また国境措置もとりました。肉のごときは御承知のとおり関税を上げてあります。これを順次おろしていくわけでありますけれども、関税によって国境措置をとりました。この関税ははっきりと当該業者に還元されるわけでございますから、そうした直撃弾を受けることのないようにしながら、十二分に私たちは農業を守ってきたつもりでございます。
 今後、米の貿易問題に関しましては、ウルグアイ・ラウンド等々、マルチの場におきましていろいろ議論がなされると思いますが、米問題につきましては、我が国における米及び稲作の格別の重要性というものにかんがみまして、国会における決議がございます、自由化反対、この決議の趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で私は対処してまいる所在でございます。この点もひとつ御理解賜りたいと思います。
 農業の位置づけに関しましても、共産党さんも非常にこれに対しまして御熱意があるかもしれませんが、私たちは与党といたしましてなお一層、農業というものが非常に大切な産業であり、また我が国の国民生活の土台を支える重要な役割を果たしていただく産業である、こういう認識におきまして、私は、今後もその生産性の向上を図り農業経営の安定を確保するとともに、国民の納得し得る価格での食糧の安定供給に努めることを基本として、営農者が将来を見通した営農を展開ができるよう、新たな農産物の需要と生産の長期見通しの作成、構造政策の推進、農村地域の活性化、技術の開発普及等、あらゆる施策を力強く今後も展開してまいる所存でございます。
 最後に、解散等のいろいろな話がございましたが、私は今日そういう考えを抱いておりません。
 以上でございます。(拍手)
#14
○議長(土屋義彦君) 答弁の補足があります。宇野内閣総理大臣。
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(宇野宗佑君) 公約の重大性、それをどう思うかというお話がございました。これに関しましてちょっと答弁が漏れておりまして、これは大変礼を欠いたと私は存じます。
 我々といたしましては、やはり公約はきちっとその線上において守っておると思っておる次第でございます。中曽根総理が、縦横十文字、網をかけたようなそうしたものはっくりませんというふうな話をなさいました。そうした線上にあることはあります。我々はそうした線上におきまして、さらにより磨かれた、よりいろいろな意味において検討されて何か知恵がないかというので、知恵を出してつくりましたのが今回の消費税でございますから、そうした意味で私たちは公約そのものを無視したものではない、かように存じております。(拍手)
#16
○議長(土屋義彦君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開議
#17
○議長(土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。井上計君。
   〔井上計君登壇、拍手〕
#18
○井上計君 私は、民社党・国民連合を代表して、宇野総理の所信表明に関し質問をいたします。今や、リクルート汚染によって明るみに出た政界の腐敗体質は、国民の間に政治家全部に対し侮べつの風潮が生じ、政治への不信と怒りは頂点に達しております。いわば民主主義の危機とも言わさるを得ません。このような重大な時局に突然指名を受けられたにもかかわらず、乃公出ずんばの気概を持って欣然と火中のクリを拾われた総理の決断に、私個人としては心から敬意を表し、まことに御苦労に存ずる次第であります。
 しかし、宇野内閣誕生に際して残念ながら国民の期待は薄く、評価はまことに厳しいものがあります。中には、総理の決意に冷水を浴びせるような批判もあります。総理はしかしそれに憶することなく、所信表明で述べられた決意を速やかに実竹に移されるよう期待をいたします。
 そこでまず第一に実行していただきたいことは、すなわちリクルート問題に関係した人たちのけじめのつけ方であります。自民党の考えるけじめ、永田町のけじめでは国民は到底納得し得ないでありましょう。国民の皆様方が納得するけじめのっけ方、これが実行されなくては、総理がいかに政治改革を唱えられようとも、改革前進内閣と命名されても、国民の耳には空念仏としか聞こえません。その国民の声の中に、現在の政治家に欠けているものは議員としての使命感、責任感、倫理観と指摘する人が多くあります。このように言われても、今私たちは弁解のしように困ります。
 一日も早くこのような風潮を解消し国民から敬愛される政治家像をつくるためには、与党、野党を問わず深い反省と強い決意を持たなくてはならないと考えます。総理にはこの先頭に立っていただきたい。心から期待をいたすものであります。
 また同時に、国民にわかりやすい政治と理解される国会運営も緊急な課題と考えます。この一年近くの間の国会の状況は、税金のむだ遣いと非難が高まり、国民の怒りを買った事態が数多くありました。いたずらに自説を固執し、対決ばかりしていたのでは国民のための政治、国益優先の政治は実現できません。今や国民の大多数の人たちからは、かつてないほど政治への関心が高まっております。私どもは謙虚にこの国民の声を受けとめなければならないものと改めて痛感をいたしております。
 さらに、現在の国の縦割り行政に対しても国民の不満が増大しています。確かに時代が大きく変わり、国民の行政へのニーズが変わっているのに依然とした古い縦割り行政で、多くの弊害が生じており、国民は甚だ迷惑をしております。この際、この改革も政治改革の大きな目的として努力されることを要望いたします。
 次に、政治腐敗とともに国民の大きな怒りとなっている消費税について、意見を交え質問をいたします。
 自由民主党の数のおごりと徴税する側の論理のみによって我々の反対を押し切り、強行導入された消費税は、私が懸念したとおり、否、それ以上の混乱と消費者の怒りが爆発をしてしまいました。総理は所信表明において、全体として見ればおおむね円滑に実施されておると受けとめていると述べられましたが、これは国民の真実の声を聞いておられないのではないかと思います。現在、多くの人たちが、今度の参議院選挙で消費税の廃止を言わない人は絶対に支持しないと言っております。そのために心ならずも消費税廃止を叫んでいる立候補予定者が数多くあります。
 なぜこのような情勢になったのか。今さら論ずるまでもありません。多くの欠陥点に目をつむり、国民、特に消費者の理解と納得を得る努力をしないまま拙速に強行導入したことへの報いであります。これに対し、政府は、明年五月以降に見直しをするとの意向を示しているようでありますが、そのような悠長なことを言っていたのでは廃止運動はやがては反税闘争へと進展し、大きな禍根を残すおそれがあります。
 そこで提案をいたします。
 参議院選挙後に開かれる臨時国会を消費税の見直し国会と位置づけ、依然残っている不公平税制の是正と消費税の抜本的な見直しを行うべきであります。その際、特に重要な点は、低所得層の人たちに対して還付制度を設けること、一定の食料品は非課税にすること、水道料金等の公共料金についても非課税にする、次に高級品並びにぜいたく品等に対しては段階税率の制定をすること、さらに納税者の不信を買っている免税企業ラインと簡易課税制度の見直し等々、これら国民の真実の声を取り上げていかなくてはなりません。すなわち、徴収する立場からの議論ではなく、納税する立場、納税義務者の立場を強く尊重した見直しをしなくては国民の怒りは容易におさまらないでありましょう。
 また、その際、十年後、二十年後の社会を想定して、まじめに働いた人が損をしなかったと言われる社会、すなわち、健康で豊かで潤いのある社会をつくるためには何が必要なのか、特に高齢化社会に対応する医療、年金等々をどうすべきかという点も明らかにし、国の財政の見通しと必要な税制のあり方をわかりやすく国民の前に示し、理解を求める努力を、政府機関だけでなく、私たち政治家全員の義務と考えるべきであります。
 私は、今回の消費税騒動の中で驚いたことがあります。それは、憲法第三十条にある納税の義務を知らない人が余りにも多くあることであります。さらに、消費税は直接税であり、主人の納める所得税が幾らであるのか、減税が幾らあったかを全く知らない家庭の主婦がこれまた多くありました。このことは、先般の税制改革が国民の間にほとんど知らされていなかったということであります。野党の議員である私も大いに反省させられております。以上の点について総理の御所見を承りたいと思います。次の質問は、産業構造の転換に関連してお尋ねをいたします。三年半前からの円高対策と貿易摩擦解消の手段として、多くの重要産業が海外に生産拠点を移しつつあります。これは企業が生き延びるためには自然のことでありますから、あながち非難すべきではありません。しかし、移転の限度を超えると、当然のこと国内の産業の空洞化が生じます。現在の好景気がやがては下降線をたどり、国内需麦が減退したときには、雇用不安が発生し、大きな問題となることが確実であります。重要産業の海外生産移行の限界はどの程度までならいいのび、またこの問題について政府はどのように指導にしておられるのか、あるいはまたどのような方針でおられるのか、お伺いをいたしたいと思います。さらに、産業界にとって緊急重要な課題は、労働時間の短縮であります。一昨年閣議で決定がなされた、一九九三年には所定内労働時間を千八百時間程度にするという国体公約を果たすことは容易なことではありません。従来、労働時間の短縮は主として各企業の労使間の問題として処理されており、政府は労働政策としてのみこれを考えております。しかし、この際産業政策の重要な柱として時間短縮問題に政府全体が取り組むべきだと考えますが、いかがでありましょうか。
 さらに、コスト上昇を抑え、時間短縮を実行するのには、より一層の企業努力と省力化、合理化が必要であります。これらに対する設備投資や改善に対し各種の助成が必要であり、特に中小企業に対しては特別の助成制度を設けなくてはなりません。戦後我が国の復興と経済発展の大きな力となった中小企業、そとに働く三千五百万人の従業員のためにも、あわせて新しい時代に対応できる新しい中小企業政策の設定の緊急性を特に強調しておきます。この点について総理の御所見を承りたいと思います。
 次に、日米、日欧間に新しい摩擦が起きつつあるという報道を目にいたしました。それは、我が国の生命保険各社の海外への不動産投資が激増し、アメリカ、ヨーロッパ各国においてひんしゅくを買っているようであります。生保各社がより高い利回りで資金運用を行うことは、これまた当然であり、特にこれを非難するつもりはありません。しかし、これが国益を損じる場合には政府が指導に乗り出すべきであります。しかも、生保各社の運用資金の中には、厚生年金基金や企業年金等よりの受託が多くあります。したがって、簡易保険や政府の厚生年金に準ずる公的性格の資金でありますから、一定の規制を行ってしかるべきでありましょう。そうして、海外への不動産投資を減少して、国内の社会資本の充実や住宅建設等、民間事業にも低利資金を供給する指導を行うべきと考えますが、いかがでありましょうか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、農業政策の転換について提言をいたします。
 現在、国民大衆の不満の大きなものの一つに、円高差益の還元が十分でなく、特に食料品の高いことに問題が生じております。昨年度の統計資料によりますと、全国の勤労者世帯標準家庭の平均一カ月の支出は約二十九万六千円であり、その中で一番支出の多いのは食料費の約二五%、七万三千五百円となっております。これは、同じく昨年二月のアメリカ・ニューヨーク市における食料費と比較をいたしますと、平均して約四倍であります。もちろん私は、直ちにアメリカ並みにするということは不可能であることは承知をしております。しかし、少なくとも現在の支出の約三分の一、二万五千円程度を減らすことは政策の転換によって十分可能と考えます。
 現在、我が国の農業者には自由化反対の声が高く、政府がその対応に苦慮しておられることも十分承知をしております。我が国の主要食糧である米の自由化には私も反対であります。しかし、他の産品については政策の転換を行うべきと考えます。特に小麦の自由化については、三年前私は本院予算委員会において提言をいたしましたが、その後一向に検討されておりません。
 総理、御承知だと思いますが、小麦は十年前と比べて輸入価格は六〇%も安くなり、トン当たり約二万一千円程度であります。しかるに、国産小麦の買い入れ価格は約七〇%値上がりしてトン当たり約十七万三千円、しかもこれを一緒にして政府は約六万円程度で売り渡しをしておるわけでありますから、この現状は余りにも消費者を無視した政策と言わざるを得ないのであります。国の政策に自助努力を促進する助成政策は時に必要でありますが、いつまでも過保護政策を続けていてはかえって農家の自立を妨げることになります。物価の優等生と言われる卵は四十年前とほとんど同じであります。百年前と比べても千二百倍程度の値上がりであるのに、米は約七千倍以上となっていることを知ると、農業政策の転換の声が強く起きるのは当然と言わざるを得ません。
 また、年々肥大化した農協組織のために、割高な肥料や農耕機具等の購入が農業経営を圧迫しているとの声が多くなっております。一昨年志半ばにして殉職された玉置和郎総務庁長官の遺志を継いで、宇野内閣は農政の転換とあわせて、農協組織の改革に勇断を振るっていただくことを多くの国民が期待していることを申し述べておきます。
 以上、いささか意見を交えて質問いたしましたが、一日も早く政治不信を解消するため、総理は裂帛の気合いを持って政治改革に邁進され、政府も行政も、さらに国会もスリムに、そうして国民を豊かにするために、宇野内閣は暫定政権ではなく長期政権を担当する決意で多くの障害を乗り越え、目的を達成されるよう期待し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(宇野宗佑君) 井上議員の御質問に対しましてお答え申し上げたいと思います。
 リクルート問題はまさに民主主義の危機である、また議会制民主制度に対しましても多大の影響を与えておる、これに対しましては私ももちろん同じ気持ちを抱いております。したがいまして、国民の間に高まりました政治不信、これを払拭することが私に与えられた任務である、かように思いまして、私の内閣は政治大改革、これを一つの大目標といたしまして不退転の決意で臨んでいきたい、かように思うものでございます。
 特に、与野党を問わず深い反省と強い決意を持つべきであると。御示唆に対しましても私はありがたく承りたいと思いますが、なかんずく与党である私たちは、やはり政権を担当しているわけでございますから、国民の方々に対しましても深き反省の念を持たなければならない、かように私は考えておる次第でございます。
 また、わかりやすい国会運営をどのようにするかということでございます。
 確かに、日本の国会は非常に複雑だと外国の国会からも言われるようなことがあってはならないと思います。私は、常に与野党が相寄りまして議論を闘わしまして、国民のためにいかなる歯車を組み合わせてその利益を還元していくかということが議会制民主主義の最大のかなめであると‘かように考えましたときに、さらに一層与野党の皆さん方の御健闘をお祈りする次第でございます。もちろん、それにこたえるためには、我々政府も常に不断の努力を怠ることがあってはなりません。続いて、そうした問題に関しましても、私は、国会議長さんのお骨折りをいただきましていろいろな問題が与野党間で協議されることを期待いたすものでございます。
 特に、日本の行政は縦割りであってはならない、したがいましてもっと横割り的な機能を果たすべしという問題も指摘されました。私も、確かにそういうような面におきましては、今日までのいろいろな問題についてやはり反省をしながら伸ばすべきところは伸ばしていかなければならない問題がたくさんある、かように思っておりますので、今後は、縦割り行政面からの総合調整機能の確保に引き続きまして努力はいたしますが、それと同様に、政治面からも行政を横断する横割り的な機能をもっと発揮せしめるよう努力もしなくてはならぬ、かように存じております。
 また、消費税に関しましても、廃止か存続かで論じるのではなく必要な見直しによる改善を図れ、こういうふうな仰せでございます。
 我々といたしましては、さきに売上税の法案をめぐりましていろいろな国民の方々の御意見をちょうだいし、また批判を私たちは招くことになりましたが、そうした法案をめぐるさまざまな批判を踏まえまして、広く薄くとの基本的考え方のもとで、非課税取引につきましても極力限定いたしまして消費税の検討をしてまいりました。さようなことでございますから、食品等につきましてもこのような考え方に立って課税をいたしておるわけでございます。
 逆進性の問題等々もお触れになられましたけれども、これらは税制全体の問題としてよくバランスを考え、さらには歳出面においてもそうした面のバランスを考えていかなければならない、かように思う次第でございます。
 特に、低所得者層に対する還付制度の実施ということが言われました。私もかつて、欧米各国の税制を直接視察いたしまして調査したことがございますが、こうしたやり方を一部においては、マイナスの所得税、こういうふうに呼んでおられた国々もあったことは事実でございます。つまり低所得者等に対し消費税相当分を何らかの形で返還すべしという御指摘であろう、こういうふうに思っておりますけれども、今のところは、先ほど来申しますとおり、やはり消費の大きさに応じて広く薄く負担を求めるという消費税の趣旨や間接税制度の仕組みから、いかがなものかと私は思料いたします。
 ただ、真に手を差し伸べてあげなければならない方々に対しましては、歳出を含めた財政全体で対応することが必要である。だから、生活扶助基準の適切な引き上げ、こうしたことも今後の施策として講じていかなければならないと考えております。
 消費税に関しまして、さらに高級品等に対する段階税率の設定という御指摘もございました。
 これはいろいろ御指摘もございましょうが、やはりその具体的範囲ということになってまいりますと、私は客観的基準をどのようにして定めるのかということにつきましても極めて困難な問題ではなかろうか、かように存ずる次第でございます。また、もし複数税率等々を設定いたしますと、やはり仕入れ税額控除を行うのに仕入れを税率ごとに区分することが必要になってきて、その場合の事務負担はどうするのであろうか等々の問題も出てくるのではなかろうかと思っております。
 EC型によりますと、インボイス形式でございますからいわゆる送り状をつけてくるわけでございますが、今そうしたことを我々は考えておりませんので、いろいろな意味のコンセンサスが得られることがその前提ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
 免税企業等の線引き見直しに関しましても、これはそもそも税制改革法に規定されております。したがいまして、本来ならば来年五月ということがその時期になっておりますけれども、私は、来年五月を待たずに、早目に勉強を始めてはどうかと政府税調にそのことをお願いするということを先般も村山大蔵大臣にお願いしたところでございます。
 続きまして、産業の空洞化、これは我が国といたしましても非常にいろいろな面から考えなければならない問題であろうと私は考えます。今日まで円高、二百四十円から百八十円、百四十円、百二十円、そして今日は百三十円、そういうふうな過程におきまして、本当によく我が国の企業は構造調整をやっていただいたなという謝礼の心が私の胸には常にいっぱいでございますけれども、円高等を背景にいたしまして製品輸入が増加し、また海外生産の動きが活発化していることなどから、さらに産業構造調整は加速化されつつありまして、一部業種がその影響下にあるということは私たちは常に認識をしていかなければならないと思います。
 したがいまして、内需主導型産業構造への転換が着実に進んでおるのも現実でございますが、政府といたしましては、「世界とともに生きる日本」、昨年閣議決定したばかりでございますがこういうような経済計画を持っておりまするし、今後とも内需主導型の経済成長というものを図っていきたいと思います。もちろん、その間には、技術革新、情報化の成果を生かす産業の新たな発展分野の開拓などにより産業構造調整の円滑化に努めてまいる、このことは当然のことであろうと考えております。
 しかし、産業の空洞化の反面におきまして、東南アジア等々に我が国の企業が進出されまして、そこから逆輸入をして私たちが輸入を増大していくことも必要でございますし、また半製品が送られて我が国において完成品となる、そういうような過程もございますから、空洞化と言わずに、そうした面におけるところの、今後のアジア等々の関係諸国とのやはり貿易ということも一つの大きな転機を迎えておりますので、いろいろと検討し、研究をしなければならない面がたくさんあると私は考えております。
 産業政策に労働時間政策を導入すべしということでございますが、経済運営五カ年計画におきましても、労働時間の短縮は大切なことでございますから、おおむね計画期間中に週四十時間労働制の実現を期し、年間総労働時間を千八百時間程度に向けてできる限り短縮する、こうしたことに今後努力をいたしたいと考えております。
 市場の自由化の中での中小企業政策、これまた大切なことでございます。
 最近の中小企業の景況は、内需拡大を背景といたしまして全体としては堅調でございます。私が国会に出ましたころ、我が国の中小企業の存在と大企業の存在とを私たちは二重構造と呼んだことがございますが、その後の国会また議会のいろいろな御努力によりまして、中小企業の位置は富士山のすそ野を支え、さらに大きく飛躍、発展する基をなす、二重構造にあらずというような時代を数年前に迎えたのではないかと思います。したがいまして、今後ともそうした意味で全体としての堅調な発展を望むものでございます。
 しかし、輸入品との競合が激しい業種におきましては、例えば繊維等におきましては、なおかつ中小企業と大企業との間には多くの格差がございます。また、国際化、技術革新の進展、消費者ニーズの多様化、高度化等、中小企業は厳しい環境変化に直面をいたしておる、このことも事実でございますので、我々といたしましては、今後そうした環境変化に的確に対応できるような健全な発展を遂げるよう、中小企業の構造転換対策の推進や中小企業の経営基盤の充実や小規模企業の自立的発展の推進等、中小企業政策に全力を挙げてまいらなければならないと考えております。
 生命保険の問題でございますが、確かに投資が最近日米摩擦の一つの話題を生んでおることも事実でございます。アメリカの各都市におきまして、極めてシンボリックな、また記念とすべき建物にまで手が出ていくから、何だ日本人は、というふうな感情があることも事実でございます。
 しかし、生保関係におきましては今日まで総資産の三割以内に限るという資産運用規制を設けておりますが、その枠内での具体的な運用につきましては保険会社みずからが経営判断して決定するのが基本でございます。しかし、やはり今申されましたような日米摩擦を起こすというようなことがあってはなりません。単にアメリカに限らず、ECあるいは豪州あるいはアジア等々に関しましても、私たちは、投資をされる場合には、された以上はその国のよき市民となっていただきたい、その気持ちで臨んでいただきたい、こういうふうに御指導申し上げているところでございます。
 今度は、農業政策にお話が移っておりますが、もちろん、米の自由化に関しましては我々といたしましても、厳しい国会決議がなされております、この趣旨を守っていきたいと思います。
 また、お米自体に関しましては、自給、そのことを中心として考えていきたいと存じます。そして、その間にもやはり体質の改善なり生産性の向上を常に考えることが必要である、かように考えておるような次第でございます。したがいまして、小麦等々の例もお引きになりましたが、やはり農業は我々国家の最も基本的な産業である。その経営の安定と、また価格におきましては国民の納得し得る価格で食糧の安定的供給がなされる、こうしたことにも私たちは今後全力を挙げてまいりまして、農民の方々に安心してこの国土をひとつ耕してくださいというお気持ちをさらに強く持っていただくような体制をしいていかなければならない、かように考えている次第でございます。
 最後に、農協組織が年々肥大化したために割高な肥料や農耕機器等の購入を通じて農業経営を圧迫しているのではなかろうかどうだろうというふうなお問い合わせがございますが、最近における農業を取り巻く厳しい情勢の中で農協系統組織もみずからその厳しさを十二分に自覚されまして、昨年十二月の全国大会におきましては低コスト農業の実現等を決議されております。そして、自主的な改革に取り組まねばならぬ、こうした決意を新たにしておられます。
 政府といたしましても、農協が農業者の協同組織であるという原点を踏まえまして、地域農業における中心的な役割が十分に発揮されるよう今後も指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
 最後に、私たちの内閣に対しましても大変強い御激励のお言葉がございました。私は、そうした趣旨をありがたくちょうだいいたしまして、本当に皆さんとともどもに政治の改革に万全を期したい、かように決意をいたしておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(土屋義彦君) 久保田真苗君。
   〔久保田真苗君登壇、拍手〕
#21
○久保田真苗君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、宇野首相に質問いたします。
 宇野首相、私は三日間の国会代表質問と答弁に耳を傾けて、痛感せざるを得ないのであります。それは、現在の国会の議席数が民意と余りにもかけ離れたものであるという事実です。
 三年前に自民党は、国民に対し大型間接税はやらないと約束して、国会での絶対多数をとりました。その三年間に二度も公約違反の売上税と消費税を提出し、ついに消費税を強引きわまるやり方で押し通しました。昨年夏からは、憲政史上類例のないリクルート大疑獄が発覚し、国民の憤激を買ったばかりか、国際社会における我が国の信用を全く地に落としめたのであります。
 この公約違反の消費税と自民党の全身に広がった腐敗政治に対して、国会はとっくに解散され、この重大事態に改めて国民の審判と信託を仰ぐべきでありました。このことは何度繰り返しても言い過ぎることはないのであります。国民は、三年前の選挙で自民党政権に一切を白紙委任したのではないのであります。数を頼んでいわれなき証人喚問の拒否、証拠提出の拒否などやりたいほうだいをやるのならば、選挙の後は国会を開かず、自民一党が独裁政治をやるに等しいのであります。
 この三年間、政局はそのとおりになりました。もはや汚染されない人の少ない自民党内での政権のたらい回しによって、国民の意思にかかわりなく、宇野総理、あなたは三人目のリリーフ首相として登場されました。リクルートのけじめも自民党内だけの異動でごまかされ、まるで国民なきがごとしてす。既に、宇野内閣発足後数日を出ずして新たなリクルート汚染が新閣僚などについても明らかになりました。
 政治改革は緊急の課題であります。しかし、自分の座っているいすを自分で持ち上げることはできないということもまた真理であります。自民党製のざる法を幾つ重ねても、水をくむことはできません。ただの時間稼ぎにすぎません。
 それならば宇野首相、あなたも認める「議会史上例を見ない政治不信」、それを正すのはもはや主権者国民の手によるしかありません。あなた方の口から国民の意識改革の必要、選挙制度の欠点、一億総ざんげ論を説く前に、直ちに定数を是正し、裂帛の気合いで解散総選挙を断行し、真に有効な政治改革が新しい勢力分野のもとで実行されるべきであります。あなたの説く民主主義そのものが危殆に瀕している今、あえてもう一度総理の決断を求めるものであります。このことなしには、宇野内閣から暫定の二文字が消えることも決してないのであります。
 さて、私は暫定内閣に対して焦点を絞って幾つか質問をいたします。
 まず、最近の国際情勢と我が国の針路についてです。
 所信表明で言われるように、「今日の国際情勢は、戦後最大の転機」に至っています。戦後の国際関係を規定してきた米ソを中心とする東西関係は大きく変化し、中ソ関係は三十年ぶりに正常化され、第三世界の地域紛争は解決に向けて急速に動いています。そして、我が国自身が歴史的転換期を迎えていることもそのとおりであります。
 このように世界の潮流が大きな転換を見せている中で、ひとり我が国が混迷政局の長期化で外交の空白を招き、不公正慣行への疑念を一層深めたことは遺憾のきわみであります。今、世界に吹いているよい風、それを増幅するために協力することこそ我が国の責任であります。近隣諸国に対して軍事大国にならないと口でサービスするよりも、緊張緩和と軍縮に努力する各国に実のある協力を示すべきであります。冷戦は終わりつつあるという共通の認識が広まり、対話と協調の機運が高まっている今こそ、米ソを初めとするさまざまの軍縮提案に相呼応して、年々異常な伸びを示している我が国の軍事費を思い切って削減し、冷戦構造に根差す軍拡路線を根本的に見直すべきではありませんか。
 我が国には、国民合意に成る非核三原則、武器輸出三原則があります。これは中曽根内閣時代に空洞化されましたが、宇野首相はこれらの原則を誠心誠意守る決意がおありですか。なし崩しを防ぐ意味からも、これらの原則を盛り込んだ法律をつくりシビリアンコントロールの基礎とすべきではないか、お伺いします。
 二十四年前、タイコンデロガが水爆搭載機を沖縄沖で水没させた後、水爆を抱えたまま横須賀に入港したことは、米国で情報公開された資料によって明らかです。政府は、米国政府にもっとその事実関係について期限つきで回答を求め、国会に報告すべきであります。明快な答弁を求めます。
 ODAについても大きな伸びが見られますが、どこでどのように活用されているかは国民が本当に知りたいところであります。あのマルコス疑惑に日本の企業が深く関与していた事実、政府が資料の国会提出を拒んだ事実、密室の中で行われるODAの配分、まして現在、ODAこそ第二のリクルートになるのではないかという疑問を持たれるのは当然であります。思い切った情報公開を求めるとともに、納税者である国民が納得できるものにするためにも、国会にその内容を報告させる、そういうことを盛り込んだ国際開発協力基本法が絶対に必要であることを申し上げます。どうお考えですか。
 私は、途上国への経済協力は、二国間方式よりも、現在はむしろ国際連合等を活用するマルチ方式を思い切ってふやして、有為な日本の青年を国際機関へ大幅に送り出し、国際人として養成する方がよいと考えますが、いかがですか。
 七月のサミットでは累積債務問題、環境保全問題が議題となるでしょう。累積債務についての対処及び債権国、債務国双方にとって難問を惹起した援助方式についてもお考えを伺います。
 地球環境保全のためにも日本の責任は重大です。今、世界では森林の破壊、砂漠化、土と水の汚染、大気汚染、地球の温暖化による異常気象、そしてオゾン層の破壊などが大きな関心事になっています。こうした事態がさらに進むことになれば、自然の生態系も大きく変化し、種の大量絶滅も予想され、さらに人類の未来もどうなるかということになります。高い経済成長をなし遂げた我が国が、地球環境悪化に相当の責任があることも事実です。我が国は先頭に立って、国連環境計画が進めるフロン規制の国内法の整備や、太陽熱、海洋エネルギーなどのクリーンエネルギーの開発促進、無公害自動車の開発などに真剣に取り組むべきであります。
 しかし、残念ながら、我が国には先進工業国並みの環境アセスメント法すら存在していません。社会党の法案はいつも自民の多数で廃案にされています。まず、みずからの姿勢を正し、早急に環境保護立法を成立させるべきではありませんか。明確にお答えください。
 また、政府は国際会議において原発推進を鼓吹していますが、核エネルギーに対する日本国民の懸念に余りにも無神経なはしゃぎ過ぎではありませんか。もっと慎重に検討するよう反省を求めます。
 最後に、私は宇野首相の女性観について伺わなければなりません。
 総理、今度の内閣もまたしても完全に女性抜きの内閣でした。衆議院で自民三百議席といいながら、その中に女性議員は一人もなく、その上、参議院では該当する女性が複数いて難しいからと閣僚登用を取りやめてしまったとか。何事でしょうか。女性が一人もいないで何が清新な内閣ですか。
 思えば、前の売上税も今の消費税も女性抜きの内閣で決められたものでした。市民とは四けたも五けたもずれた与党男性議員の金銭感覚で決めたことですから、家計簿の痛みも女性や高齢者の怒りもわからないのが当然です。消費税が悪税であるのは、国民になじみがないからではなく、これが出産費から埋葬料まで、文字どおり揺りかごから墓場まで、毎日の水、食べ物、交通費まで、生活ののっぴきならないところ、生き死ににかかわるところに食い込んでくる冷酷な税だからです。早く解散によって信を問い、やり直すべき税であります。総理は、政治という最も国民生活に影響の大きい分野への女性の参加についてどう考えておられるのですか、お聞かせください。
 この際、もう一つぜひ伺いたいのは、女性をお金で買うこと、売買春の風潮についての総理の御認識であります。
 戦後、全国的な女性の総決起によって売春防止法が制定されました。しかしその後は、法網を巧妙にくぐり抜ける売買春が発達し、最近はアジアの人々の国内流入に伴う悪質な性の搾取が横行して、国際的な非難を受けています。残念ながら、我が国には、金で女を買うのは男のかい性といった風土がなきにしもあらずですが、総理もそうお考えですか。そんなかい性にはもう終止符を打つべきではありませんか。
 宇野首相、あなた御自身にかかわる問題がアメリカの有力新聞ワシントン・ポストなどにもこんなに大きく掲載されました。国民、特に女性は悲しく恥ずかしい思いでこれを見ています。これはもう一国の首相の国際的な信用問題になってまいりました。もし、あなたがこれを事実でないとおっしゃるのならば、首相の立場ではっきりと抗議しなければなりません。あなたは抗議なさいますか。そこをしっかりと伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(宇野宗佑君) 最初に、リクルート問題でございますが、これは各党の御質問に対しましても私は反省の意を込めてお答え申しましたとおり、大変な政治不信を招いた大事件でございます。したがいまして、政府の最高責任者として何よりもまずなすべきは、そうした問題を端緒とした事件に対し、深い反省を込めて、私は、二度とこうしたことが起こらないようにしっかりと政治改革をやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
 また、自民党には汚染されていない人が少ないというふうな表現がございましたが、これは大変な認識違いだと思いますので、ひとつこうした御発言に対しましてはいろいろとまた自粛をお願いいたしたいと思うものでございます。
 特に、解散に関しましては、私は、はっきり申し上げまして、今のところ考えておりません。それよりも、今国民が一番求めておられます政治改革に私は不退転の決意を持って臨みたい、これが本内閣の決意でございます。
 続きまして、冷戦の終わりと軍拡路線の見直し、こういうふうなお話もございました。
 私は常に軍拡路線というものは見直されなければならない、かように考えております。特に、仰せのとおりに地球上のいろいろな風はどんどんとよい方向に吹きつつあることは私たちも認識するところでございます。特に一昨年のINFのグローバル・ゼロのごときは、まさに地球の風向きを変えてくれた大きな米ソの和解の一つである、こういうふうに私は考えております。しかし、これはあくまでも核軍縮の第一歩であって、久保田議員が今申されましたいわゆるデタントでない、こういう認識も私は持っております。決してそのような甘い認識ではなく、我々はやはりそうした風潮をさらに強めるためには、西側陣営と協力をいたしましてさらに対決状態を解き、対話状態へ大きく我々の路線を開く、こういうような気持ちが必要であろうと私は思います。
 したがいまして、我が国の防衛に関しましても、私は、その予算は節度ある防衛費を今後私たちは求めていかなければならない、これが私の気持ちでございます。いやしくも防衛費過大にならば、アジアの方々が日本に対する不信をお抱きになるのは今もう論をまちません。やはり私たちは西側陣営にそのスタンスがあり、さらにはアジア・太平洋諸国の一員であるという、そうした誇りとそうした責任からも、常にその路線におきましては自粛した路線を私たちは求めていきたい、節度ある路線を求めていきたいと思います。
 非核三原則は我々の一貫した政策でございまして、既にこれは国是と見てもよろしいと私たちは考えておりますから、既に内外に十二分に周知徹底されておりまするから、今後も守っていきます。
 また、武器輸出三原則等に関しましても、具体的には外国為替及び外国貿易管理法により極めて私たちはこれに厳格に対処いたしておりますので、そのことも御認識賜りたいと思います。
 また、米空母タイコンデロガの核兵器水没事故に関しましても、どうなのかというお問い合わせがございました。
 私は、この事故は大変重大な関心を持たなければならない事故であるというふうに申しまして、その後、アメリカにいろいろな問題を照会中でございます。ただ、核の問題に関しましては、事前協議がございます。事前協議が行われない限り米国による核持ち込みがないことについて、何ら疑いを有しておりません。
 さらに、国際開発協力基本法の制定をしてはどうかというお話でございます。
 これに関しましても、私たちといたしましては、外交の三本柱の一本として今日まで努力をしてまいりました。すなわち、世界に貢献する、二番目、文化交流、三番目、ODAの拡充でございます。ことしは予算の上におきましても七・八%と大幅に伸ばしておるのも、そうした三本柱を強化するためでございます。したがいまして、これらに関しましてはいろいろと国会にも十二分の御報告をいたしておりまするし、我が国経済協力の実施体制は全体として順調に機能しておると考えます。したがいまして、なお一層効果的、効率的実施のためには、現行の関係法令等の枠内で運用改善を図っていきたい、いわゆる援助基本法の制定は必要ないと、かように考えております。
 その次に、国際機関にもっと邦人を派遣せよ、こういうふうなお話でございます。
 確かに、私たちは四十年ばかり前に青年のためにアジアあるいは途上国に対しまして青年海外協力隊なるものを編成いたしました。自来その人たちが累計八千出ておられまして、今日もアフリカ、中東、アジアにおいて大変大活躍をしてくれています。まさにこれは、青年をして海外雄飛の道を開き、あわせて善隣友好の実を上げしめんと我々が考えたことが本当に実現できてうれしく存じております。
 それと同様に、やはり国際化の日本としては国際機関にもっと人材を派遣せよ、この意見に関しましては私も同感であります。したがいまして、現状を申しますと、国連事務局に約九十名、さらには国連諸ファミリー、国連諸ファミリーと申しますとガットとかあるいはWHO等々の国際機関でございますが、そこに合計約四百三十名、中にはこの間次長を採択してくれました機関もございますし、また、中には日本人が事務局長に就任することができたという国際機関もございます。仰せのとおり、今後も十二分にこの面に関しましては、多国間援助の拡充と、そして国際機関への邦人派遣、私は大切な問題であると考えております。
 サミットにおいての累積債務問題に対する取り組み方及び債権国、債務国双方への援助方式、こういう御提案でございます。今まではもちろんいろいろと各国の民生の安定、そのためには経済の安定、そして政治の安定、そして途上国の御要望にこたえまして、自助努力を応援しようということでODAを拡充してまいりましたし、そのほかにも御承知のとおり、総額三百億ドル以上の資金還流措置やODAの第四次中期目標の着実な実施、さらには民間資金フローの拡充、こうしたことをやってまいりました。これらは非常に高く評価されております。昨年のサミットにおきまして、前総理大臣は、御承知のとおりLLDC、後発開発途上国に対しまして五十五億ドル分の救済措置をとりました。これなんかも大変諸国から評価されているような次第でございます。
 もちろん、日本は世界の御協力によりまして今日の地位を得た次第でございますから、今私たちもそうした御協力のことを常に念頭に置きながら、経済大国たりとはいえ、謙虚に世界に貢献する道を探し続けていくというのが私たちの使命であろうと考えております。
 地球環境問題への取り組みに関しましても、今御指摘なさいましたような問題がいっぱいございます。温暖化の問題、そしてフロンガスによるところのいろいろな問題、私たちはそうした問題に関しましても、二国間におきましても協力をし、さらに国連環境計画等の国際機関の活動を通じましてもやはり協力をしていかなければならないと思います。サミットも近づいてまいりましたが、ここでは一番大きな問題の一つになるであろうと心得ております。
 続きまして、環境アセスメント法の制定、これを急げということでございますが、現在のところは、環境アセスメントにつきましては、昭和五十九年八月の閣議決定の円滑な実施を期する等その推進に努めております。そして、過般の石垣島の環境保全に関しましても、こうした閣議決定に基づきましていろいろと検討をしまた配慮をした次第でございます。今後も環境汚染を未然に防止していくよう努力する所存でございます。
 原子力発電推進の姿勢というのを問われましたけれども、過般のIEAの総会あるいはOECDの総会におきまして、やはり地球の汚染問題、環境問題に対して、最もクリーンなエネルギーは何かということが議題になりました。したがいまして、いろいろございましょうが、原子力もその中の有力な一つであるということを私たちも主張いたしましたし、なおかつ、我が国には核燃料サイクルの確立という大きな問題もございます。幸い順調に進んでおります。特に原子力は平和利用でなければならぬ、そうしたことを私たちは念頭に置き、なおかつ安全でなければならぬ、そうしたことでこの問題は進んでおります。
 しかしながら、チェルノブイリ原発の被害を受けられました国々においてはやはり反対であります。こういう反対、賛成の方々が寄った会議でございまして、国際会議はやはり満場一致ということが必要でございましょう。合意ということが必要でございますから、私みずからそのほかの問題として、まず省エネルギー、さらにはいろいろ仰せになられました新技術の開発、そして原子力の見直し、こういう三つをバランスをとりまして、IEAにおきましてはそれを一つの包括的な合意にいたしたという経緯も御認識賜りたいと存ずる次第でございます。
 最後に、女性をもっと大切にして閣僚にも登用せよというお話でございまして、今回一名も入っておられないのは甚だ遺憾であるという御意見がございました。
 こうした問題に関しましても、私は今後十分考えていかなければならない問題であると思っておりますし、特に、大使におきましては十分その点に配慮をいたしまして、そしてやはり日本女性ここにありというふうなポストについていただいて頑張っていただきたいと、かように存ずる次第でございます。
 なお、東南アジアからの女性をめぐりまして、暴力団が介在した等々の事件もございます。こういうことは国際的な非難を招きかねませんので我々も憂慮をいたしておりますが、十二分に今後いろいろ対策をとらなければならないと考えております。
 最後に、私自身のことに関しましてもお触れになられましたが、こうした種類の報道に関しましては公の場でお答えすることは差し控えたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#23
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
#24
○議長(土屋義彦君) 午前の会議における内藤功君の発言につきましては、速記録を調査の上、議長において適切な措置をとります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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