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1988/06/22 第114回国会 参議院 参議院会議録情報 第114回国会 本会議 第17号
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1988/06/22 第114回国会 参議院

参議院会議録情報 第114回国会 本会議 第17号

#1
第114回国会 本会議 第17号
平成元年六月二十二日(木曜日)
   午後七時六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成元年六月二十二日
   午後三時開議
 第一 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第二 大気汚染防止法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第三 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第四 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収
  等に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第五 日本労働協会法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第六 新技術開発事業団法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 農用地利用増進法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 特定農地貸付けに関する農地法等の特例
  に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第九 平成元年度の財政運営に必要な財源の確
  保を図るための特別措置に関する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一〇 地方交付税法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第一一 北方領土返還促進に関する請願
 第一二 保育所制度の充実に関する請願(六件
  )
 第一三 老人福祉対策の充実強化に関する請願
 第一四 国立腎(じん)センター設立に関する
  請願(八件)
 第一五 腎(じん)疾患総合対策の早期確立に
  関する請願(四十五件)
 第一六 輸入食品の安全性確保対策の推進に関
  する請願(四件)
 第一七 小規模障害者作業所等の助成に関する
  請願(四十四件)
 第一八 亜急性硬化性全脳炎の子供とその家族
  に対する医療と福祉に関する請願(三件)
 第一九 寝たきり老人等の介護等に対する施策
  の充実に関する請願
 第二〇 脊(せき)髄空洞症の難病指定に関す
  る請願(十二件)
 第二一 日本の農林業の育成・強化に関する請
  願(三件)
 第二二 日本の農林業の育成・強化、米の輸入
  自由化反対等に関する請願
 第二三 米市場開放絶対阻止に関する請願
 第二四 米の輸入自由化阻止、食糧管理制度の
  基本の堅持に関する請願
 第二五 米の市場開放阻止に関する請願(四件
  )
 第二六 日本の森林の復元に関する請願(七十
  七件)
 第二七 過疎地域振興のための新立法措置に関
  する請願
 第二八 交通事故防止対策の強化に関する請願
 第二九 交差点事故防止対策に関する請願(二
  十三件)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第一〇まで
 一、放送法及び電波法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機
  構法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 一、特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備
  の一体的推進に関する特別措置法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時
  措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 一、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 一、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、中小企業事業団法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、常時有人の民生用宇宙基地の詳細設計、開
  発、運用及び利用における協力に関するアメ
  リカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政
  府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定の
  締結について承認を求めるの件(衆議院送付
  )
 一、外交・総合安全保障に関する調査の報告
 一、国民生活に関する調査の報告
 一、産業・資源エネルギーに関する調査の報告
 一、国際開発協力に関する決議案(加藤武徳君
  外九名発議)(委員会審査省略要求事件)
 一、日程第一一より第二九までの請願及び法務
  局、更生保護官署、入国管理官署の大幅増員
  に関する請願(三十五件)外六件の請願
 一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続する
  の件
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 日程第一 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。選挙制度に関する特別委員長森田重郎君。
   〔森田重郎君登壇、拍手〕
#4
○森田重郎君 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行基準額を、最近における公務員給与の改定、賃金及び物価の変動等の事情を考慮し、実情に即するよう改めることを主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、政府より趣旨説明を聴取した後、執行経費の交付基準の改善、執行経費の額の確定のあり方、政治改革等の問題について熱心な質疑を行いました。
 質疑を終局し、採決を行いましたところ、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(土屋義彦君) 日程第二 大気汚染防止法の一部を改正する法律案
 日程第三 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境特別委員長林健太郎君。
   〔林健太郎君登壇、拍手〕
#8
○林健太郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、環境特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、二法律案の内容について申し上げます。
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案は、石綿等による大気汚染を防止するため、石綿製品等製造工場から発生する石綿その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある特定粉じんにつきまして、規制基準を定めることとしております。特定粉じん発生施設の設置に当たっては届け出を義務づけ、規制基準に適合しないと認めるときは計画変更または改善等を命ずることができることとするとともに、事業者に測定義務を課するほか、所要の罰則等の措置を講じようとするものであります。
 次に、水質汚濁防止法の一部を改正する法律案は、有害物質による地下水の汚染及び有害物質の流出事故による環境汚染の防止を図るため必要な措置を講じようとするものであります。
 まず、地下水の汚染防止につきましては、特定事業場からの有害物質を含む水の地下への浸透を禁止することとしております。これを担保するため、有害物質を使用する特定施設の設置の届け出を義務づけ、有害物質を含む水が地下に浸透するおそれがあると認めるときは、計画変更または改善等を命ずることができるとともに、報告の徴収及び立入検査を行えるものとしております。
 さらに、地下水の水質の汚濁の状況を常時監視することとし、このため、水質の測定、記録、公表を義務づけております。
 また、事故時につきましては、事業者に応急の措置及び届け出を義務づけるとともに、汚染拡大防止のための措置を命ずることができることとしております。
 委員会におきましては、以上両案を一括議題として審査を進め、各般の質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決を行いましたところ、両案は全会一致をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案に対し、それぞれ附帯決議が全会一致をもって付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(土屋義彦君) 日程第四 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第五 日本労働協会法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長前島英三郎君。
   〔前島英三郎君登壇、拍手〕
#12
○前島英三郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案の主な内容は、短時間労働者について、雇用保険法の適用拡大を図ることとし、失業給付の特例を設けること、雇用保険四事業を再編し、雇用安定事業と雇用改善事業を統合すること、雇用安定資金の残高について、統合後の三事業に係る保険料収入の一・五倍まで確保できることとすること等であります。
 次に、日本労働協会法の一部を改正する法律案は、日本労働協会の名称を日本労働研究機構に改め、雇用促進事業団の設置する雇用職業総合研究所を移管して、労働に関する問題についての総合的な調査研究体制を整備するものであります。
 委員会におきましては、両案を一括議題として審議を進め、パートタイム労働者に対する雇用保険の適用基準、雇用保険法改正内容の周知徹底、日本労働研究機構の中立性等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、順次採決の結果、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(土屋義彦君) 日程第六 新技術開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。科学技術特別委員長高桑栄松君。
   〔高桑栄松君登壇、拍手〕
#16
○高桑栄松君 ただいま議題となりました法律案につきまして、科学技術特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、新技術開発事業団がこれまで実施してきた新技術の開発、創意に資することとなる基礎的研究などに加えまして、新たに国際研究交流業務を付加しようとするものであります。そのため、新技術開発事業団の名称を新技術事業団に改め、また、同事業団の目的に試験研究に係る国際交流の促進に関する業務を加えるとともに、業務の範囲に外国の研究者の受け入れに係る支援、外国の研究者のための宿舎の設置・運営、国際交流に関する情報の提供等の業務を追加するなど所要の改正を行うものであります。
 委員会におきましては、基礎的研究の強化充実の必要性、国際研究交流の不均衡の実態、創造的人材の確保・育成の方策、国立研究機関のあり方、研究インフラストラクチャーの整備・改善等につきまして質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決をいたしました結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(土屋義彦君) 日程第七 農用地利用増進法の一部を改正する法律案
 日程第八 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長福田宏一君。
   〔福田宏一君登壇、拍手〕
#20
○福田宏一君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、農用地利用増進法改正案は、農用地利用増進事業の推進のための調整手続、遊休農地の利用増進のための措置等について定めようとするものであります。
 次に、特定農地貸付け法案は、農地法等に関し所要の特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、審査を行いました。
 質疑の主な内容は、両法律案の基本的な考え方、規模拡大の進め方と担い手の確保、遊休農地の有効利用、農協及び農業委員会による農用地利用調整、農作業受委託の促進、レクリエーション農園の振興策等でありますが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、農用地利用増進法改正案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して下田委員より反対である旨の発言がありました。
 討論終局の後、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、八項目にわたる附帯決議を行いました。
 次に、特定農地貸付け法案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して下田委員より反対である旨の発言がありました。
 討論終局の後、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、四項目にわたる附帯決議を行いました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(土屋義彦君) 日程第九 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長梶原清君。
   〔梶原清君登壇、拍手〕
#24
○梶原清君 ただいま議題となりました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成元年度における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、同年度における特例公債の発行、国債費定率繰り入れの停止及び政府管掌保険事業に係る厚生保険特別会計への繰入額削減の特例措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、平成二年度特例公債依存脱却の可能性と脱却後の新たな財政改革目標の内容、減債基金制度に対する基本的考え方と国債償還財源確保の具体的方策、国債の利払い費を通じて財政の再配分機能がゆがめられることの当局見解、いわゆる隠れ公債の解消策、為替の変動が我が国経済に与える影響等について、総理、大蔵大臣並びに関係当局に対して質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して本岡昭次理事、公明党・国民会議を代表して太田淳夫理事、日本共産党を代表して吉井英勝委員、民社党・国民連合を代表して栗林卓司委員よりそれぞれ反対、自由民主党を代表して斎藤文夫理事より賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(土屋義彦君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。本岡昭次君。
   〔本岡昭次君登壇、拍手〕
#26
○本岡昭次君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 今国民が国会に求めているものは、逆進性の強い大衆増税である消費税の廃止とリクルート疑惑の徹底究明、そして政治家の政治的、道義的責任であります。しかし、政府・自民党は、この国民の声を無視して、平成元年度予算案を衆議院において、委員会のみならず、憲政史上例のない本会議単独採決という形で強引に可決するとともに、国民や我々野党が求めた参議院での中曽根証人喚問を拒否し続けてきました。そのため、予算案は一九五四年以来三十五年ぶりに自然成立をしたのであります。このような国会審議の形骸化をもたらした責任は挙げて政府・自民党にあると指摘せざるを得ないのであります。
 今ここで議題となっている財源確保法案は、このような政府・自民党が議会制民主主義のルールを破って成立させた予算案と一体をなすものであり、絶対に認めることができません。
 これが反対する第一の理由であります。
 第二は、本法律案を十分な審議を行えないまま本国会で成立させる必要はないということであります。
 一九七五年に提出されて以来、今日まで十五年間、毎年この特例公債発行授権法が提出され審議されてきましたが、ここ数年、税収の好調さも手伝って、政府が目標としてきた一九九〇年度に特例公債依存から脱却するということが手の届くところまで来ております。したがって、政府目標からすれば、特例公債発行授権法の提出は今年度が最後になるはずであります。そうであるならば、今年度の審議は、これまで以上に十分な時間を確保することにより、今日までの特例公債発行の歴史を振り返り、その上で財政の対応力の回復の方途を含めた今後の財政政策のあり方を考えていかなければならなかったはずであります。
 さらに、今年度の特例公債の発行限度額は一兆三千三百十億円が予定されていますが、最近の税収動向から見れば、特例公債を発行しなくとも歳出は十分賄えるはずであります。
 政府は特例公債依存体質からの早期脱却の必要性を再三述べてまいりました。その観点に立つならば、特例公債脱却年度は一九九〇年度にこだわるべきでなく、むしろ本年度において発行を見送るぐらいの決意を示すことこそ、十四年の長きにわたって特例公債を発行してきた政府の責任の処し方でもあるはずであります。
 第三は、特例公債依存からの脱却が表面的なもので、本当の財政再建にはほど遠いということであります。
 政府は今日まで、表面的な国債発行額の削減のために、国債整理基金への定率繰り入れ等の停止や厚生年金の国庫負担の返済繰り延べ、あるいは地方財政への負担の転嫁など、約二十六兆円にも及ぶ歳出繰り延べ策を講じる一方、一九八四年度の財源確保法において、特例公債は全額現金償還とし借りかえは行わないとのそれまでの約束を一方的にほごにし、借りかえを強行しました。仮にこのような歳出の繰り延べ措置や借換債の発行がなければ、本年度の財政赤字は約十七兆円にも達し、表面上の赤字額七兆一千億円の実に二倍以上となるのであります。
 第四は、特例公債依存からの脱却後の財政の改革の方向性が何ら示されていないことであります。
 かつて税制改革論議が盛んなときに、政府が考える税制改革の方向を示すべきであるとの我々の主張に対し、絶えず、税制調査会で審議中であり税調に予見を与えてはならないとして、政府みずからの改革内容を示すことを拒んできました。今回も、我々の、特例公債脱却後の新たな財政改革の方向性を示すべきであるとの主張に対して、財政制度審議会で検討中であるとして、政府みずからの考え方を示そうとはしませんでした。税制改革も財政改革も、国民の理解と合意がなければその実現は困難であり、審議会を隠れみのにするようなやり方では国民の理解は何ら得られません。また、さきに指摘した隠れ借金と言われている歳出の繰り延べ措置の処理のための具体的プランも明らかにされませんでした。
 第五は、八年連続で行われた国債費定率繰り入れ等の停止措置が減債基金制度をないがしろにしているということであります。
 政府は、特例公債発行に依存せざるを得ない財政事情のもとで定率繰り入れ等を行うことは、その財源をさらに特例公債に求めざるを得ず、したがって臨時的措置として繰り入れを停止するが、減債基金制度は今後とも維持するとしております。しかし、国債整理基金の資金繰り仮定計算例によれば、NTT株式の売却が当初の予定どおりに進めば、一九九一年度まで定率繰り入れ等を停止しても国債の償還に支障はないということになっております。その年の償還財源さえ確保できればよいとしてきた財政当局の姿勢からすれぼ、特例公債からの脱却後も一九九一年度まで定率繰り入れ等を停止することが十分予想され、その場合には、十年間も繰り入れが停止されることになります。これでは減債基金制度に対する信頼は得られませんし、減債基金制度は維持するという政府の方針も全く説得性を持たないものとなります。
 第六は、五年間続けての政府管掌健康保険事業に係る国庫補助の繰り延べ措置についてであります。
 本年度は四百億円が予定されております。四百億円を後年度に負担先送りするのであれば、例えば法人税の引当金制度などの不公平税制を早急に是正することによりその財源は確保できるはずであります。いたずらに繰り延べを行うことを避けていくのが財政当局のとるべき方向であります。さらに、政府管掌健康保険事業の収支に余裕があるのであれば、それは一般会計の繰り延べに回すのではなく、保険料の引き下げや給付内容の改善等に充てるべきであります。
 以上、本法律案の反対理由を申し述べてきましたが、今日までの政府の財政運営を振り返った場合、財政の憲法とも言われる財政法の趣旨にももとる措置を次々と講じてきました。その結果が二十一世紀の孫子の代まで国の借金をツケ回すことにもなりました。
 政府はみずから改革前進内閣と名づけていますが、今日の状況を見る限り、それは単なるキャッチフレーズでしかありません。真に改革前進内閣であるならば、国民の大多数が反対する消費税廃止と二十一世紀に向けての財政改革のビジョンを国民の前に大胆に提示すべきであります。それができないのであるならば、政府は衆議院を解散し国民に信を問う以外にとるべき方策のないことを強く主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#27
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局いたしました。
#28
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#30
○議長(土屋義彦君) 日程第一〇 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長向山一人君。
   〔向山一人君登壇、拍手〕
#31
○向山一人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方交付税の総額について、地方交付税法第六条を改め、新たにたばこ税の収入額の百分の二十五を加えること、平成元年度分にあっては、この改正後の第六条第二項の額に交付税特別会計における剰余金六百八十六億円及び特例措置額二百三十億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額二百三十億円、同特別会計借入金利子支払い額千九百二十九億円及び同特別会計借入金償還額一兆千三百六十億円を控除した額を地方交付税の総額とすること、また、後年度の地方交付税総額について、新たに六千八百四億円を加算するとともに、普通交付税の算定について、地域経済の活性化、自主的な地域づくりの推進、高齢化への対応等に要する経費等の財源を措置するほか、平成元年度に限り、財源対策債償還基金を設けること等を主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、基準財政需要額の算定、国庫補助負担率の暫定措置、地方税源の拡充・地方への配分等の諸問題について熱心な質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して渕上委員、公明党・国民会議を代表して片上委員、日本共産党を代表して諌山委員、民社党・国民連合を代表して柳澤委員よりそれぞれ反対、自由民主党を代表して松浦委員より賛成の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対しましては、地方財政の充実強化を図る旨の五項目の附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長糸久八重子君。
   〔糸久八重子君登壇、拍手〕
#36
○糸久八重子君 ただいま議題となりました放送法及び電波法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、人工衛星の無線局により行われる放送の円滑な実施に資するため、受託放送事業者及び委託放送事業者に関し所要の措置を講ずるとともに、放送番組の収集、保管などの業務を行う法人に関し所要の措置を定めるほか、日本放送協会の業務の委託などに関する規定を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、放送の将来見通し、放送事業者の自主性の確保、放送番組センターの円滑な運営のあり方などの諸問題について質疑が行われました。
 質疑を終了し、日本共産党山中委員より人工衛星による放送に関する部分を削除する旨の修正案が提出されました。
 続いて、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山中委員より原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、委託放送事業者の番組編集の自由の確保、放送の調和ある発展など五項目から成る附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案
 特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長多田省吾君。
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#41
○多田省吾君 ただいま議題となりました二法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案は、国が日本鉄道建設公団に対し日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入を原資とする無利子貸付金を貸し付けることができることとするとともに、新幹線鉄道保有機構が同公団に対し建設費の一部に充てるための資金を交付することができることとする等所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案は、協会の名称を造船業基盤整備事業協会と改称し、新たに、民間において行われる高度船舶技術に関する試験研究を促進するため、必要な資金の助成等の業務を追加すること等所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、以上二法律案を便宜一括議題として審査を行い、整備新幹線建設に関する基本的考え方、新幹線建設に伴うJR会社への影響及び造船業活性化対策等各般の問題について質疑が行われました。
 討論に入りましたところ、二法律案について、それぞれ日本共産党を代表して小笠原委員より反対の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案については、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
 次に、特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案については、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#43
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
     ―――――・―――――
#44
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長稲村稔夫君
   〔稲村稔夫君登壇、拍手〕
#46
○稲村稔夫君 ただいま議題となりました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、住宅地の需要が著しい首都圏等の大都市地域において、宅地開発及び鉄道整備を一体的に推進することにより大量の住宅地の円滑な供給と新たな鉄道の着実な整備を図るため、都府県が基本計画を作成し、主務大臣がこれを承認する制度を定めるとともに、宅地開発及び鉄道整備の一体的推進のための協議会の設置、土地区画整理事業の特例、鉄道整備に対する地方公共団体による助成等の特例措置を講じようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、日本共産党を代表して上田委員より特定鉄道整備についての国の助成規定を追加する等の修正案が提出され、内閣の意見を徴しましたところ、野田建設大臣より反対の意見が表明されました。
 採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、六項目の附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#47
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#48
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#49
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案
 小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案
 中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案
 中小企業事業団法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長宮澤弘君。
   〔宮澤弘君登壇、拍手〕
#51
○宮澤弘君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案は、コンピュータープログラムの需給ギャップ、ソフトウエア技術者の不足等の事態に対処するため、地方において、人材育成、ソフト技術の地域への定着化等のための事業を行うソフトウエア供給力開発事業に対し、情報処理振興事業協会及び雇用促進事業団の機能を活用して、出資その他の支援を行わせる等の措置を講じようとするものであります。
 次に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法改正案は、小規模企業共済契約の掛金月額の最高限度を引き上げるとともに、共済金の分割支給制度を導入するほか、中小企業事業団の余裕金の運用方法を拡大する等の措置を講じようとするものであります。
 次に、中小企業投資育成株式会社法改正案は、中小企業投資育成株式会社の新規事業として、設立段階にある株式会社に対する出資を追加しようとするものであります。
 次に、中小企業事業団法改正案は、中小企業事業団に、中小企業構造の高度化を支援する事業を行う者に対する出資及び融資の業務を追加するとともに、出資資金の設置等財源の安定的確保を図るための規定整備等の措置を講じようとするものであります。
 委員会では、以上四案を一括して議題とし、質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案に対し、日本共産党市川理事より反対の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案は多数をもって、中小企業関係三法案は全会一致をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#52
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 まず、地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#53
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#54
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、三案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#55
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 常時有人の民生用宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用における協力に関するアメリカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とすることについてお諮りいたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#56
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本件を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長堀江正夫君。
   〔堀江正夫君登壇、拍手〕
#57
○堀江正夫君 ただいま議題となりました協定につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、昨年九月、我が国、米国、欧州諸国及びカナダの合計十二カ国によって署名されたものでありまして、国際法に従って平和的目的のために宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用を行うことに関する協力の枠組みについて定めたものであります。
 宇宙基地は、低重力、真空等の宇宙環境を利用した材料科学等の実験、長期間の天体観測等を可能とするものであります。
 委員会におきましては、我が国の宇宙開発計画、有人宇宙基地活動に参加することの意義、宇宙基地の平和的利用と宇宙空間の非軍事化問題、研究成果の利用方法と知的所有権問題、実施取り決めの公表等につきまして質疑が行われ、また、参考人を招いて意見を聴取いたしましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 本日、質疑終局の動議が提出され、多数をもって可決されました。
 質疑を終え、直ちに採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#58
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#59
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#60
○議長(土屋義彦君) この際、外交・総合安全保障に関する調査会長から外交・総合安全保障に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。外交・総合安全保障に関する調査会長加藤武徳君。
    ―――――――――――――
   〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔加藤武徳君登壇、拍手〕
#62
○加藤武徳君 外交・総合安全保障に関する調査会における調査の最終報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 本調査会は、参議院改革に係る本院独自の新しい機関として、外交・総合安全保障に関する長期的かつ総合的な調査を行うことを目的に、昭和六十一年七月に設置をされ、自来三年間にわたって調査を重ねてまいりました。
 この間、調査会の開会は三つの小委員会を含め四十七回に及び、また、賓客として御出席をいただきましたアメリカ、ソビエト及び中国の駐日大使三名を加え、招致した参考人は二十六名に上りました。そこで、これまでの三年間の調査を取りまとめ、課題、提言等を含む調査報告を議長に提出いたした次第であります。
 本調査会の発足以後二年間の調査につきましては、既に本議場において一昨年及び昨年の二回にわたり御報告を申し上げましたが、その後も引き続き、外交・軍縮、安全保障及び国際経済・社会の三つの小委員会を設置して調査を進め、最後に各小委員会及び調査会において委員が意見を表明いたしました。
 三年間にわたり調査会及び小委員会で取り上げられた問題は、「世界の中の日本の役割」という視点から、国際情勢の認識、地球規模の環境破壊、軍縮・軍備管理問題、INF条約と我が国の安全保障、累積債務問題、日米外交関係における緊急課題、東アジアにおける二国間外交、自衛隊の現状と問題点、日米安全保障体制の現状と問題点、開発途上国に対する経済協力のあり方、新デタント情勢のもとにおける我が国の安全保障、アジア・太平洋地域の軍縮問題、外交機能の強化等であり、これらについて活発な論議が展開されました。
 調査会は、これらの論議を踏まえまして、今後さらに討議すべき課題を提示するとともに、政府に対し国政に反映されるよう若干の提言を行った次第であります。
 その提言にかかわる主なるものは次のとおりであります。
 安全保障政策を進めるには、シビリアンコントロールの原則、武器輸出三原則、非核三原則を堅持すること。
 緊張緩和への流れを定着させ、相互信頼を高めるために努力すること。
 国連等を通じて世界の軍縮促進のための条件を整備すること。
 軍縮検証手段開発のため、我が国の先端技術の活用を図ること。
 地方自治体による国際親善都市、姉妹都市など国際交流への積極的な支援体制を整備すること。
 議員外交の充実のため政府は積極的に支援すること。
 安全保障論議の充実のため、政府は国会の国政調査になお一層協力すること。
 開発途上国の累積債務解消には、債権国を含めた世界経済全体の問題として努力すること。
 地球規模の環境問題には、国際協調の観点を踏まえ、精力的に取り組み、環境破壊を招かないための技術開発を図ること。
 また、特に国際開発協力に関し調査を進めた結果、国際開発協力の理念・目的、諸原則、ODAの量的拡充及び質的改善、国際開発協力行政及び実施体制等、国会と行政府との関係、国民の理解と協力等に関して各会派の間で合意が得られたのでありますが、その詳細は報告書で御承知を賜りたいと存じます。
 以上でありますが、政府は、調査会の提言を十分検討の上、今後の施策に反映されるよう強く要望するものであります。
 申すまでもなく、本調査会の設置目的である外交・総合安全保障には、我が国の独立と安全を守りつつ世界の平和と繁栄に貢献するためのあらゆる問題が含まれております。このため、この三年間の論議によりすべてを調査し尽くすことができませんでしたが、今後とも、来るべき二十一世紀を視野に置いた全地球的見地からさらに論議を重ね、国民の意思に基づいた外交・総合安全保障政策の形成に努めることによって国民の負託にこたえていかなければならないと信ずるものであります。
 三年間にわたる調査会長として本報告を終えるに際し、理事、小委員長及び委員各位並びに各国大使、参考人の方々を初め関係者の御協力に対し深甚なる謝意を表して、報告を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
     ―――――・―――――
#63
○議長(土屋義彦君) この際、国民生活に関する調査会長から国民生活に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。国民生活に関する調査会長長田裕二君。
    ―――――――――――――
〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔長田裕二君登壇、拍手〕
#65
○長田裕二君 国民生活に関する調査会の調査結果について御報告申し上げます。
 本調査会は、参議院改革の一環として昭和六十一年七月に発足して以来、長期的かつ総合的な調査を行うとの観点から、六十二年五月には「国際化に伴う国民生活の対応」、同年八月には「内需拡大」、六十三年五月には「出生率の動向と対応」についてそれぞれ報告を取りまとめ、議長に提出し、議院の会議に報告したところであります。
 本調査会の最終年に当たり、課題として「労働と余暇」を取り上げることとし、昨年九月から六回にわたって参考人及び政府から意見を聴取し、質疑を行うとともに、各委員による意見表明を行ったはか、委員派遣による実情調査を行う等鋭意調査を進めてまいりましたが、これまでの調査結果を報告として取りまとめ、昨日の調査会において決定した後、直ちにこれを議長に提出いたしました。
 以下、報告書の主な内容について申し上げます。
 まず、本調査会が「労働と余暇」を課題として取り上げた理由とこれに対する基本的な考えについてであります。
 人生八十年時代の到来、国民の経済面における生活の向上及び週休二日制等による休日増が予想される中で、国民一人一人の価値観は個性化、多様化し、真の豊かさとは何か、人間らしく生きるとはどのようなことか、自分のライフスタイルはどうあるべきかといったことについて、今国民は真剣に考えるようになってまいりました。
 このような国民の意識及び生活の動向を踏まえて、最終年に当たる今回は、潤いのある社会と心の豊かさの実現を求めて、余暇問題を取り上げ、余暇との関係が深い労働時間につきましても調査を進めてまいりました。
 労働と余暇の関係につきましては、余暇が労働のあとの余りという労働に従属したものではなく、休息、休養、保養的な余暇から人間の創造、自己実現的な余暇を含めて、余暇についてもっと積極的な意味づけが必要と考えております。
 ただ、余暇問題はすぐれて個人の自由裁量に属するものであり、自主性、自発性こそが余暇の本質であることを十分認識した上で国を初めとする行政側が余暇意識の高揚や余暇の環境・条件整備等余暇活動の支援を積極的に推進することは、真に豊かな国民生活の実現や福祉の向上につながる重要な政策課題であると考えます。
 次に、労働時間の短縮について申し上げます。
 我が国の年間総実労働時間は、現在二千百時間以上で、主要先進国と比べて年間二百時間から五百時間も長く、労働のあり方について、もっとゆとりのあるものにするなどその改善が求められております。また、今後、技術革新、高齢化、国際化等大きな社会変動が進行していく中で、労働者の健康増進、余暇生活や家庭生活の充実、長期的な雇用機会の確保、国際的視野に立った対応といった観点からもその必要性はますます増大しております。
 政府は、昭和六十三年五月の経済運営五カ年計画に基づいて、年間総労働時間を平成四年度までの五カ年で千八百時間程度に向けできる限り短縮することとしております。
 本調査会としては、労働時間短縮を実現する具体策として、時短に対する企業及び労働者の意識改革を初め、時短の進めにくい中小企業に対する生産性向上、経営基盤の拡充、大企業や発注元の特別の配慮など各種の支援措置の強化、休日労働に対する割り増し賃金率の引き上げの検討など所定外労働時間短縮のための条件整備、年次有給休暇の完全消化を図るための有給病気休暇の普及促進、学習休暇制度、リフレッシュ休暇制度など特別有給休暇制度の積極的導入、連続休暇の取得促進のための指導強化などが重要な政策課題と考えます。
 次に、余暇問題について申し上げます。
 昭和六十三年の総理府の世論調査によりますと、今後の生活の力点を「レジャー・余暇生活」に置くと答えた者が、昭和五十八年以降「住生活」を抜いてトップとなっており、国民の余暇に対する関心は近年とみに高まっております。
 一方、国民の余暇活動の実態を見ますと、平日、週末、連休には「テレビ・新聞」を見たり、「何もしないでのんびり過ごす」人々の比率が依然として高く、特に高年世代ほどその傾向は強くなっております。以上のように、余暇に対する関心の高さと裏腹に、消極的な余暇活動が大半を占めております。
 また、これからやってみたい余暇活動の分野では、スポーツ、旅行、社会参加活動、生涯学習が大きな割合を示し、今後こうした国民の余暇活動に対する積極的なニーズに的確に対応する必要があります。
 そこで本調査会としては、具体的な余暇振興策として、最も余暇機会に恵まれない中高年勤労者の余暇対策の確立、自由時間の活用の仕方を含めた生涯生活設計システムの研究開発のための支援、身近で安く利用できる余暇関連サービス及び施設の整備、国民が気軽に利用できる魅力あるリゾート開発の確保、余暇行政の推進体制の整備などが重要な政策課題であると考えております。
 本調査会は、これらの調査を踏まえて十項目にわたる提言を行いました。また、全会一致で本報告を取りまとめることができましたことを付言させていただきます。
 報告書の詳細につきましては会議録で御承知願います。
 本調査会の提言の実現方につきましては、関係方面におかれまして格段の御尽力と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
 最後に、三年間本調査会の活動を温かく支えていただいた議長を初め議員各位に心から感謝申し上げますとともに、今後さらにその機能を発展させるためには調査環境の一層の充実が必要と考えますので、議員各位の格段の御理解と御協力をお願いして、私の報告を終わります。(拍手)
     ―――――・―――――
#66
○議長(土屋義彦君) この際、産業・資源エネルギーに関する調査会長から産業・資源エネルギーに関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。産業・資源エネルギーに関する調査会長松前達郎君。
    ―――――――――――――
   〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔松前達郎君登壇、拍手〕
#68
○松前達郎君 産業・資源エネルギーに関する調査会の調査の経過と結果について、その概要を御報告いたします。
 本調査会は、産業・資源エネルギーに関する諸問題につき長期的かつ総合的な調査を行うため、第百六回国会において設置され、以来三カ年にわたり、参考人からの意見聴取、関係政府当局からの説明聴取、委員間の意見表明・自由討議、委員派遣、地方公聴会を通じて調査を進め、その調査結果を報告書としてまとめ、去る六月十九日に議長に提出いたしました。なお、その間、昭和六十二年五月と六十三年五月に中間報告書を提出し、議院の会議に報告をいたしております。
 以下、その調査の主な概要について申し上げます。
 まず、初年度、第二年目にあっては、我が国の産業・資源エネルギーをめぐる情勢は、対外不均衡の是正、大幅な円高に伴う地域経済の停滞・内需主導型経済構造への転換、長期エネルギー需給見通しの実態との乖離、疲弊する国内の炭鉱及び金属鉱山の経営悪化等、幾多の諸問題に直面してまいりました。
 このような状況下において本調査会は、拡大局面の我が国経済動向、経済構造調整の推進、国民生活の充実に結びつく内需主導型経済構造への転換、円高を乗り越え構造調整の進展する地域経済、我が国の資源問題の特質と課題、エネルギー政策とその課題、第八次石炭政策下における国内石炭問題等、産業・資源エネルギーをめぐる情勢の経過と課題について調査を行いました。
 次に、第三年目においては、大幅な貿易黒字を抱え、世界のGNPの一割以上を占め、世界最大の債権国となった我が国の国際化の問題について取り上げ、投資摩擦等の我が国企業の国際的展開に伴う問題、構造調整下の地域経済及び国際化の中の資源エネルギー問題について調査を行いました。
 なお、この間、本調査会では広島市、名古屋市、富山市において地方公聴会を開会し、多数の公述人から貴重な意見を聴取して報告書に反映させる等、参議院の調査会として初めての試みを実施いたしました。
 以上の調査の結果を踏まえ、調査報告において「我が国産業・資源エネルギーの今後の課題と政策的対応」として九項目から成る提言をしておりますが、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、労働時間の短縮、内外価格差の縮小等に努める等、可処分所得の拡大によって国民生活の充実に結びつくような内需主導型経済構造への転換・定着を図る。
 第二に、産業構造調整の円滑な推進を図るため、新規産業の育成や労働力需給のミスマッチを解消するための施策の充実に努める。
 第三に、研究開発体制の整備と機能を強化するため、研究人材の育成・確保、研究支援基盤の整備等、基礎的、独創的研究を行うのに適した所要の制度や研究環境の整備充実を図る。具体的施策として、研究開発費の政府負担割合を欧米先進国並みに引き上げるように努める。
 第四に、国土の均衡ある発展を図るため、地場産業の振興、情報インフラの整備、高速交通ネットワークの整備、地方公共団体の行財政基盤の強化等に努める。
 第五に、投資摩擦の未然防止の観点から、国際的投資ルールづくりに参画していく等対外投資環境の整備に努めるとともに、投資が一部地域に集中しないように金融、税制面からの政策的対応を図る。
 第六に、将来の資源安定供給のため、国内既存鉱山の活性化、国内資源の積極的な探鉱開発等貴重な国内資源の活用を図り、政府開発援助資金の活用等により、海外における資源対策の充実に努め、さらにレアメタル、海底鉱物資源等新しい有望な鉱物の開発推進に努める。
 第七に、エネルギー需給見通しを実態に適切に対応させ、供給源の多様化等石油の安定供給対策、石油代替エネルギーの導入促進、省エネルギーの推進という総合エネルギー政策を国民的合意を求めつつ推進を図る。
 第八に、石炭政策下において厳しい経営環境に置かれている国内石炭鉱業について、保安の確保を前提とした適切な石炭鉱業合理化対策の推進、実情に即した炭鉱離職者対策の実施、産炭地域振興に関するきめ細かな施策の実施等、石炭政策の積極的な推進を図る。
 第九に、エネルギー政策の国際協力の進展、コールフロー構想の実現を初めとする環太平洋地域における新技術協力への積極的対応、炭酸ガス、酸性雨など地球環境問題への対応など、国際化の中での資源エネルギー政策の積極的な推進を図る。
 以上の九項目について、政府が長期的かつ総合的観点からより一層積極的な対応を行うよう希望するものであります。
 なお、本調査会の三年間の軌跡を振り返りますと、産業・資源エネルギーに関する諸問題が広範多岐にわたり、また時間的制約等から、例えば最近の貿易黒字縮小への対応、規制緩和の問題、国民生活の充実を図るための方策、原子力問題等、必ずしも十分に調査が尽くされなかった課題もあることを付言いたします。
 以上で報告を終わります。(拍手)
     ―――――・―――――
#69
○議長(土屋義彦君) この際、お諮りいたします。
 加藤武徳君外九名発議に係る国際開発協力に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。加藤武徳君。
    ―――――――――――――
 国際開発協力に関する決議案右の議案を発議する。
 平成元年六月二十二日
    発議者
     加藤 武徳      板垣  正
     大木  浩      下稲葉耕吉
     矢田部 理      和田 教美
     上田耕一郎      関  嘉彦
     田  英夫      喜屋武眞榮
    賛成者
     植木 光教      鈴木 貞敏
     中西 一郎      永野 茂門
     林健 太郎      林田悠紀夫
     堀江 正夫      真鍋 賢二
     松浦 孝治      松岡滿壽男
     最上  進      山内 一郎
      久保田真苗     野田  哲
      本岡 昭次     山口 哲夫
      黒柳  明     中西 珠子
      吉岡 吉典
   参議院議長 土屋 義彦殿
    …………………………………
   国際開発協力に関する決議
 今日、国際社会におけるわが国の役割と責任は一層重大となっており、今後果たすべき国際的貢献に大きな期待が寄せられている。
 また、自ら軍事大国になることなく、国際平和と諸国民の経済的繁栄に貢献することを外交の基本とするわが国にとっても国際開発協力の重要性は一段と増大している。
 よって、本院は、国際開発協力に対する関与を強めることとし、このためこれに関し審議する場が必要である。
 政府においては、平成元年六月二十一日、本院外交・総合安全保障に関する調査会において、国際開発協力について合意をみた、国際開発協力の理念・目的と諸原則に基づき行うこと、ODAの量的拡充及び質的改善を図ること、国際開発協力行政及び実施体制等の充実を期すること、国会と行政府との関係を強めること、国民の理解と協力を得るよう適切な措置を講ずること、の各事項に基づき、適正かつ効率的な施策の推進に最善の努力を払うべきである。
 右決議する。
    ―――――――――――――
   〔加藤武徳君登壇、拍手〕
#71
○加藤武徳君 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ・税金党及び二院クラブ・革新共闘の各党会派共同提案に係る国際開発協力に関する決議案につきまして、発議者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    国際開発協力に関する決議案
  今日、国際社会におけるわが国の役割と責任は一層重大となっており、今後果たすべき国際的貢献に大きな期待が寄せられている。
  また、自ら軍事大国になることなく、国際平和と諸国民の経済的繁栄に貢献することを外交の基本とするわが国にとっても国際開発協力の重要性は一段と増大している。
  よって、本院は、国際開発協力に対する関与を強めることとし、このためこれに関し審議する場が必要である。
  政府においては、平成元年六月二十一日、本院外交・総合安全保障に関する調査会において、国際開発協力について合意をみた、国際開発協力の理念・目的と諸原則に基づき行うこと、ODAの量的拡充及び質的改善を図ること、国際開発協力行政及び実施体制等の充実を期すること、国会と行政府との関係を強めること、国民の理解と協力を得るよう適切な措置を講ずること、の各事項に基づき、適正かつ効率的な施策の推進に最善の努力を払うべきである。
  右決議する。
以上であります。
 今日、相互依存関係にある国際社会にありまして、南北問題の解決に積極的に貢献し、もって世界の平和と繁栄に寄与することが我が国に課せられた国際的責務であることは申すまでもないところであります。
 それはすなわち、国際社会における我が国の役割と責任が一層重大となり、今後果たすべき国際的貢献に大きな期待が寄せられていると言えるのであります。
 このような期待にこたえるために政府が行ってまいりましたODAは、今や世界最大規模に達しようとしております。これに伴い、我が国のODAを中心とした経済協力(国際開発協力)に対しまして、内外の期待と関心が日々高まっております現状に照らしまして、国際開発協力はなお一層適正かつ効果的、効率的に推進されることが求められているのであります。
 このような情勢のもとにありまして、本院において国際開発協力に関する決議を行うことは、時宜にかなったものであると存じ、かつまことに意義深いことであると思うのであります。
 政府は、今後、国際開発協力を進めるに当たっては、これに対する国民の理解と協力を得るためにも、本院の意を体し、最善の努力を払うべきであると存ずる次第であります。
 以上が本決議案を提案する趣旨であります。
 何とぞ皆様の御賛同を賜りたくお願いを申し上げる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#72
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#73
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 ただいまの決議に対し、外務大臣から発言を求められました。三塚外務大臣。
   〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕
#74
○国務大臣(三塚博君) 政府といたしましては、ただいまの決議につきまして、これを本院により示されました一つの方向として承りますとともに、今後、対外経済協力の実施に当たっては、憲法に定められた立法府と行政府との関係を踏まえ、適正かつ効率的な施策の推進に努力してまいる所存であります。(拍手)
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#75
○議長(土屋義彦君) 沖縄及び北方問題に関する特別委員長外三委員長から報告書が提出されております日程第一一より第二九までの請願及び本日法務委員長外三委員長から報告書が提出されました法務局、更生保護官署、入国管理官署の大幅増員に関する請願外四十件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
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#77
○議長(土屋義彦君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
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#79
○議長(土屋義彦君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
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 内閣委員会
  一、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査
  一、国の防衛に関する調査
 地方行政委員会
  一、地方行政の改革に関する調査
 法務委員会
  一、検察及び裁判の運営等に関する調査
 外務委員会
  一、国際情勢等に関する調査
 大蔵委員会
  一、租税及び金融等に関する調査
 文教委員会
  一、教育、文化及び学術に関する調査
 社会労働委員会
  一、社会保障制度等に関する調査
  一、労働問題に関する調査
 農林水産委員会
  一、農林水産政策に関する調査
 商工委員会
  一、産業貿易及び経済計画等に関する調査
 運輸委員会
  一、運輸事情等に関する調査
 逓信委員会
  一、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査
 建設委員会
  一、建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 決算委員会
  一、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査
 議院運営委員会
  一、議院及び国立国会図書館の運営に関する件
 科学技術特別委員会
  一、科学技術振興対策樹立に関する調査
 環境特別委員会
  一、公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 災害対策特別委員会
  一、災害対策樹立に関する調査
 選挙制度に関する特別委員会
  一、選挙制度に関する調査
 沖縄及び北方問題に関する特別委員会
  一、沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査
 土地問題等に関する特別委員会
  一、土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関する調査
 リクルート問題に関する調査特別委員会
  一、リクルート問題等に関する調査
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#80
○議長(土屋義彦君) 本件は各委員長要求のとおり決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 よって、本件は各委員長要求のとおり決しました。
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#82
○議長(土屋義彦君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年十二月三十日に召集されました今常会も、本日の議事をもちましてここに円満に終了する運びとなりました。これひとえに議員各位の御協力によるものでございまして、とこに心から感謝の意を表する次第であります。
 また、私が昨年九月末議長に就任して以来、今日まで大過なくその職責を果たすことができ得ましたことは、副議長初め皆様方の御厚情と御支援のたまものでございまして、ここに重ねて厚く御礼を申し上げます。
 今年は本院議員の改選期に当たり、皆様のうち半数の方々は来る七月九日をもって任期を終えられるわけであります。皆様が名誉ある本院議員として国政の審議に尽くされました数々の御功績に対し、深甚なる敬意を表する次第であります。
 今回の改選を機に勇退される方々には、まことにお名残惜しい限りでございますが、内外の情勢多端の折、くれぐれも御自愛の上、今後なお一層議会政治発展のため、また本院発展のため御支援をくださいますよう心からお願い申し上げます。
 また、来るべき選挙に重ねて立候補されます皆様方におかれましては、御健闘、御当選の上、この議場において再びまみえることができますよう心からお祈り申し上げまして、私のごあいさつといたします。
   〔拍手〕
 徳永正利君から発言を求められております。発言を許します。徳永正利君。
   〔徳永正利君登壇、拍手〕
#83
○徳永正利君 僭越でございますが、今回任期を満了する議員を代表いたしまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
 ただいまは土屋議長より私どもに対し御丁重なごあいさつをいただき、まことにありがとうございました。
 私たちは、今日まで本院議員として使命達成のため微力を尽くしてまいりました。この間、議長、副議長を初め同僚議員各位から賜りました御厚情を顧みるとき、まことに感慨ひとしおのものがございます。ここに謹んで厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 現下、我が国の内外情勢はまことに多事多難でございます。殊に、リクルート事件に端を発した国民の政治不信の声は、まさに天の警鐘と言えましょう。論語に、孔子の高弟子貢が政治の要請を問うたのに対し、孔子は、「民、信なくぱ立たず」と教えています。私は、今その言葉を、これまでになく痛切な気持ちでかみしめております。
 内にあっては、どんな困難があろうとも勇気を持って改革を断行し、国民の政治への信頼を回復し、国際社会にあっては、畏敬される日本国を確立しなければなりません。
 第十五回通常選挙を迎えるに当たり、選挙に臨まれる各位は御当選を果たされ、引き続き在職される諸君とともに、現下の情勢を正しく把握して、本院権威の高揚と民主政治発展のため一層の御奮闘あらんことを心よりお祈り申し上げる次第でございます。
 また、私どものうち幾人かはこのたびの改選を機に議席を離れますが、それぞれの立場において国家社会のために精進する所存でございます。変わらぬ御指導と御鞭撻を切にお願い申し上げます。
 ここに改めて同僚議員各位に対し、長年にわたる御厚情に深甚なる謝意を表しますとともに、各位の栄光と御健勝を衷心より祈念いたしまして、お礼のごあいさつといたします。
 本当に長い間ありがとうございました。
   〔拍手〕
#84
○議長(土屋義彦君) これにて散会いたします。
   午後八時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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