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1988/05/19 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 安全保障特別委員会 第3号
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1988/05/19 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 安全保障特別委員会 第3号

#1
第114回国会 安全保障特別委員会 第3号
平成元年五月十九日(金曜日)
    正午開議
出席委員
  委員長 大村 襄治君
   理事 有馬 元治君 理事 椎名 素夫君
   理事 月原 茂皓君 理事 山崎  拓君
   理事 加藤 万吉君 理事 伊藤 英成君
      柿澤 弘治君    玉沢徳一郎君
      増岡 博之君    武藤 山治君
      松前  仰君    鈴切 康雄君
      神崎 武法君    
      東中 光雄君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 宇野 宗佑君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 田澤 吉郎君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        長       依田 智治君
        防衛施設庁総務
        部長      弘法堂 忠君
        外務省北米局長 有馬 龍夫君
        外務省情報調査
        局長      山下新太郎君
        
 委員外の出席者
        特別委員会第三
        調査室長    中島  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三日
 辞任         補欠選任
  米沢 隆君      伊藤 英成君
五月十九日
 理事米沢隆君三月三日委員辞任につき、その補
欠として伊藤英成君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大村委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。委員の異動に伴い、ただいま理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大村委員長 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に伊藤英成君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○大村委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 外務大臣から我が国の安全保障政策について、また防衛庁長官から防衛政策の基本に関し、それぞれ説明を求めます。宇野外務大臣。
#5
○宇野国務大臣 衆議院安全保障特別委員会の開催に当たりまして、我が国の安全保障政策について、所信を申し述べたいと思います。
 安全保障に万全を期することは、国家の独立と繁栄を維持し、国民の生命・財産を守るために必要不可欠な条件であり、外交の基本的課題であります。私自身、我が国の安全保障政策遂行の任に当たる者として、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意であります。
 最近の国際情勢には、安定化に向けての新しい動きが見られます。すなわち、米ソ間の対話の定着等、東西関係が進展するとともに、中ソ関係が正常化し、また、アフガニスタン問題、カンボディア問題等、世界各地の地域紛争について解決への具体的努力などが見られます。ゴルバチョフ書記長が昨年十二月、ソ連軍五十万人の一方的削減を発表し、先日の中ソ首脳会談の際に極東ソ連軍十二万人の兵力削減を表明したことは、妥当な方向への第一歩だと考えます。しかし、これらをもって直ちに東西関係の基本的対立構造が根本的に変化したとは言い得ず、国際情勢の将来については依然楽観は許されません。
 このような国際情勢のもとで、我が国の安全を確保するためにまず第一に必要とされるのは、我が国を取り巻く国際環境をできる限り平和で安定的なものとするための積極的な外交努力であります。
 東西関係の改善のためには、東側諸国との相互理解の増進が不可欠であります。我が国としても、東側諸国との対話の促進に努める考えであり、特にソ連との間では活発な対話が進められており、私自身昨年十二月以来、三回にわたりシェヴァルナッゼ外相と会談いたしました。もちろん、北方領土問題を解決して平和条約を締結することにより、ソ連との間に真の相互理解に基づく安定的な関係を確立することが我が国の不動の方針であり、両国間の対話の拡大強化を通じ、今後ともこの方針の実現のため粘り強い努力を続けていく所存であります。
 軍備管理・軍縮については、地球的規模で検討されるべきものであり、また、東西間での軍備管理・軍縮合意実現のためには西側諸国の結束が不可欠であります。かかる観点から我が国としては、今後とも西側諸国との一層の連帯と協調を図るとともに、米国の努力を支援しつつ、軍備管理・軍縮の進展に貢献してまいる所存であります。本年四月の国連軍縮京都会議は、まさに我が国の軍縮に取り組む真剣な立場のあらわれであります。もとより、軍備管理・軍縮は抑止力を維持しつつ、全兵器体系のバランスを包括的に考慮に入れながら軍備のレベルを均衡のとれた形で下げていくことにより関係国の安全を高め、世界の平和と安全に資するものでなければならず、またその合意についても検証が可能でなければなりません。我が国としては、かかる立場を踏まえ、真に実効的な軍備管理・軍縮の促進を図る考えであります。
 さらに、我が国は、経済協力の拡大を通じて、開発途上地域の一層の発展と安定に寄与する考えであります。政府開発援助の実施に際しましては、これまでも、第四次中期目標のもと、量の拡充のみならず、質の改善に努力してまいりました。我が国の政府開発援助は、近年その規模を著しく拡大し、開発途上地域の経済的・社会的安定に寄与し、その平和と繁栄に一定の役割を果たしております。我が国の国際的地位にふさわしい貢献を行うことは国際的な責務であり、一層の努力を行っていく所存であります。
 以上に述べた積極的な外交努力とともに、我が国は日米安全保障体制の堅持、及び節度ある防衛力の整備をもって我が国の安全を確保することとしております。
 我が国は、日米安全保障体制は我が国の安全保障に必要不可欠であるとの観点から、日米共同訓練等の防衛面での日米協力を推進するとともに、在日米軍に対する支援強化に努めてきており、今後とも日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用を図っていく所存でありますが、米軍の我が国駐留に関しては、空母艦載機の夜間着陸訓練場の確保等、解決すべき問題も残されております。政府としては、日米安全保障体制の基礎をなす米軍の我が国駐留を効果的なものとするため不断の努力を重ね、沖縄等施設・区域周辺住民にも十分配慮しながら、これらの問題について関係各位の御理解を得て解決を図ってまいる所存であります。
 さらに、我が国の平和と安全を確保する上においては、日米安全保障体制の堅持と並んで、みずから適切な規模の防衛力を整備することが必要であります。我が国は、平和憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念に従い、文民統制、非核三原則を堅持しつつ、節度ある質の高い防衛力の整備に努めてきております。我が国防衛力の整備は、日米安全保障体制と相まって、結果的に自由民主主義諸国全体の安全保障の維持に寄与し、アジアひいては世界の平和と安定にも貢献するものであると認識しております。
 以上、我が国の安全保障政策につき所信を申し述べました。国際社会において相互依存関係が深まる中で、我が国は国際関係全般にわたってこれまでにない大きな責任と役割を有しており、世界の平和と安定の維持・増進のため積極的に貢献していかねばなりません。かかる状況のもとで、安全保障問題に精通され、多年にわたってこれに真剣に取り組んでこられた本委員会の皆様の御指導と御鞭撻を引き続き賜り、外務大臣の重責を十分果たせますよう、皆様の御協力をお願い申し上げます。(拍手)
#6
○大村委員長 次に、田澤防衛庁長官。
#7
○田澤国務大臣 平素から我が国の安全保障に深い関心を持たれ御指導をいただいている安全保障特別委員会の皆様に、私の所信の一端を申し述べさせていただきたいと存じます。
 御案内のとおり、現下の国際情勢については、米ソ間の対話の進展、中ソ関係の正常化及び世界各地紛争解決への具体的努力など評価すべき動きが見られ、今後の展開が注目されるところであります。しかしながら、依然として、今日の国際社会においては、力の均衡が世界の平和と安定の基本的な条件になっている事実に変わりはありません。
 このような国際軍事情勢をも踏まえ、政府としては、我が国の平和と安全を守るため、引き続き、みずから適切な規模の防衛力を保有するとともに、日米安保体制を堅持することが必要であると考えております。
 防衛力の整備に当たっては、現在、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標とする中期防衛力整備計画の着実な実施に努めているところであります。
 現在参議院で御審議をいただいております平成元年度の防衛予算案におきましても、厳しい財政事情のもと、国の他の諸施策との調和を図りつつ、中期防衛力整備計画の第四年度目として、質の高い防衛力の着実な整備に努めることとし、諸外国の技術的水準の動向に対応し得るよう正面装備の質的充実に加え、指揮通信・情報機能の充実、練度の向上、隊員施策の推進等の後方部門を重視するとともに、あわせて基地対策の推進にも配意し、所要の経費を計上したところであります。また、中期防衛力整備計画終了後の平成三年度以降の防衛力整備につきましては、昨年十二月の安全保障会議において、引き続き現行のような中期的な計画を策定する必要があるということで意見の一致を見たところであります。その内容については、今後検討を進めていくこととしておりますが、いずれにせよ、今後の国際情勢等の動きを慎重に見きわめながら、著しく進展する軍事技術の動向等も十分に勘案し、有効かつ効率的で質の高い防衛力の整備を図ることを基本として検討を進めていく必要があると考えております。
 また、我が国は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用とその信頼性の維持・向上のため、不断の努力を行う必要があると考えており、このため、「日米防衛協力のための指針」に基づく共同作戦計画の研究、日米共同訓練の積極的実施、装備・技術面における日米協力等を通じて、日米の信頼関係をより確かなものとするための努力を傾注しているところであります。米国におきましては、本年、ブッシュ新政権が誕生したところでありますが、今後も、あらゆる機会をとらえて間断のない対話を行うなど、従前に引き続いて日米間の十分な意思の疎通を図り、良好で緊密な協力関係を築いてまいるべく努める所存であります。
 なお、先般、FSX共同開発に関し、クラリフィケーションのための日米政府間の話し合いが終了したところでありますが、本共同開発は、日米防衛協力関係を推進させるという観点からも重要なものと考えており、その円滑な進展に努めてまいりたいと考えております。
 また、我が国の防衛にとって必要不可欠な自衛隊や在日米軍の施設を確保するとともに、その安定的使用のため、防衛施設と周辺地域との調和を図るべく、防衛施設周辺の生活環境の整備等の諸施策につきましても、引き続き積極的に推進してまいる所存であります。
 今日、我が国は、自由主義諸国の一員として世界の平和と繁栄に貢献すべき責務を負っております。このような国際的貢献を果たすに当たっては、まず、自国の平和と安全を守る努力が必要なことは言うまでもありません。政府としては、今後とも、憲法及び専守防衛等の基本的防衛政策に従い、節度ある防衛力の整備を進めてまいる所存であります。私は、以上のような基本的考えのもと、国民の理解と協力を得ながら、全力を尽くしてまいる覚悟であります。
 終わりに、我が国の安全保障に関し、幅広く論議される場である当委員会での御審議を通じ、委員長を初め委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜ることをお願い申し上げて、私の所信表明とさせていただきます。(拍手)
#8
○大村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
 午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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