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1988/05/24 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1988/05/24 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第114回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
平成元年二月九日(木曜日)委員長の指名で、次
のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 定数是正に関する小委員
      甘利  明君    鹿野 道彦君
      左藤  恵君    塩川正十郎君
      塩崎  潤君    戸塚 進也君
      山崎  拓君    佐藤 観樹君
      山花 貞夫君    伏木 和雄君
      岡田 正勝君    松本 善明君
 定数是正に関する小委員長   塩川正十郎君
―――――――――――――――――――――
平成元年五月二十四日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 中山 利生君
   理事 鹿野 道彦君 理事 塩崎  潤君
   理事 戸塚 進也君 理事 福島 譲二君
   理事 山崎  拓君 理事 佐藤 観樹君
   理事 伏木 和雄君 理事 岡田 正勝君
      甘利  明君    石井  一君
      上村千一郎君    左藤  恵君
      塩川正十郎君    額賀福志郎君
      村上誠一郎君    森   清君
      小澤 克介君    角屋堅次郎君
      堀  昌雄君    山花 貞夫君
      中村  巖君    松本 善明君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 坂野 重信君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 中門  弘君
        法務省刑事局長 根來 泰周君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
 委員外の出席者
        国税庁直税部所
        得税課長    阪田 雅裕君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  田中 宗孝君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  谷合 靖夫君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       太田 勝利君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月八日
 辞任         補欠選任
  渡部 恒三君     塩川正十郎君
三月三日
 辞任         補欠選任
  岡田 正勝君     西村 章三君
  永末 英一君     河村  勝君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  西村 章三君     岡田 正勝君
五月二十四日
 辞任         補欠選任
  山花 貞夫君     小澤 克介君
同日
 辞任         補欠選任
  小澤 克介君     山花 貞夫君
同日
 理事岡田正勝君三月三日委員辞任につき、その
 補欠として岡田正勝君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
二月二十七日
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号
 )
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十日
 衆議院議員の定数是正に関する陳情書(長野県
 岡谷市幸町八の一岡谷市議会内片倉久三)(第
 一二二号)
五月十七日
 選挙区制度に関する陳情書(宮崎市橘通東二の
 一〇の一宮崎県議会内堀之内砂男)(第一五三
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号
 )
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中山委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に岡田正勝君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○中山委員長 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。坂野自治大臣。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
  律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
#5
○坂野国務大臣 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。
 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。第三は、ポスター掲示場の経費の額について、候補者数が十三人以上の場合において、所要の額の加算を行おうとするものであります。
 以上が、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であり
ます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
#7
○中山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
#8
○堀委員 ただいま提案をされました案件につきましては、私ども社会党といたしましても適切な処置であると考えておる次第であります。
 そこで、きょうはちょっと時間がございますので、今私ども政治家にとって最大の案件は、今の政治制度、選挙制度、政治資金のあり方、これらのすべてを一遍原点に返って見直す必要があるのではないかということが、一般の国民もそういうふうに考えておられるようでありますし、さらに有識者の皆さんもそのようなお考えのようであります。それを受けて、自由民主党でも今回自民党政治改革大綱というのを御発表になりました。私どもは私どもの考えがございますし、特に私は当委員会で何回か既に私の考え方も述べておるわけでありますけれども、きょうはこういう問題を含めて、少し自治大臣との間に質疑を行わせていただきたいと思います。
 そこで、まず最初に、警察庁、法務省から御出席をいただいておりますが、実は私は、参議院における比例代表制という制度は、私が社会党の政策審議会長をいたしておりましたときに、参議院における比例代表制についてという私の試案を提案をしておりました。それがたまたま竹下さんが自由民主党の選挙制度調査会長になられましたときに、私に、堀さん、どうも参議院全国区という制度はお金がかかって仕方がない、何とかあなたの案である参議院比例代表制というのをひとつ自民党案として議員立法で提出をしたいけれども堀さんどうだろうか、こういうふうに竹下さんから御相談がありました。
 私は、実は昭和三十五年の一月から当委員会の委員となりまして、途中役職の関係で委員会に所属していなかったときも少しございますが、その他はおおむね当委員会に一貫して籍を置かしていただいておりまして、今日も公選の委員でございます。
 実はこの選挙制度の問題というのは、参議院よりも衆議院の方を改めなければならない、こう思っているけれども、現状ではなかなか衆議院の選挙制度の抜本改革というのは難しいだろうから、ひとつ参議院で比例代表という日本ではなじみのない選挙制度をやることによって国民に政党本位の選挙制度というものについての理解を得られる一つの手だてとしては、私はあなたの提案は大変前向きに受けとめたいと思うので、そこで私の案を自民党案にされてそれで社会党賛成というわけにはちょっと簡単にいきにくいけれども、そこは部分的に手直しをして我々としてもこの法案の成立については協力をしたい、私は竹下さんにこういう話をいたしまして、そしてこの参議院比例代表制というのは、実は参議院先議で提案をされることになりました。
 当時、しかし参議院におきましては公明党、共産党の方たちはこの制度に大変強く反対をなさいまして、残念ながらこの法案は参議院では強行採決を行って衆議院に回ってきたという歴史的な経緯がございます。私は、そういう関係もありましたので、みずから理事を買って出まして、私と佐藤観樹さんが社会党の理事ということでこの法案の成立について努力をしたい、こう考えたわけでございます。当時久野先生が公選の委員長でございまして、私は久野先生に申し上げたのは、参議院では不幸なことに強行採決という経過になったけれども、衆議院では私は、最大努力をして公明党、共産党の皆さんにも御理解をいただきながら整々とした採決が行われるようにしたいので、久野さんそれについてはひとつ私の考えを十分尊重してください、こういうふうにお願いをいたしましたら、久野委員長は、わかりました、もし強行採決でなしに整々とした採決が行われるということなら、私は全面的に堀さんの御意見を尊重します、こう言っていただいて実は審議をいたしたわけでございます。幸いにして、衆議院では公明党、共産党の皆さんにも御理解をいただいてこの法案は成立をしたわけでございます。
 最近の状態を見ておりますと、実は参議院におきましても公明党、共産党の皆さんもこの比例代表という制度については大体御賛成のように関係の皆さんから承っておるわけでございます。ですから、そういう意味でこの参議院比例代表制というものが日本で現在の中選挙区制、個人本位の選挙制度から初めて政党本位の選挙制度の姿になった。部分的でございますけれども参議院にはその選挙区制度がございますから、部分的ではございますが日本における政党本位の選挙制度が導入されたということでございまして、実は今回が三回目の参議院選挙が行われることになっているのであります。
 そこで私は、当初この制度について拘束名簿式ということを原案にしておりますけれども、率直に言いますと、政党が一方的に決めた拘束名簿の順位というものは、必ずしも国民が希望しておるような順位になっておるかどうかという点については非常に疑問がございます。
 さらに私は、竹下さんを含めて自民党の皆さんにちょっと苦言を呈したいのでありますけれども、竹下さんが私に話をされたのは、参議院の全国区は金がかかってしようがないからむだな金を使わないために比例代表をやりたいとおっしゃって、私は了解したわけでございます。ところが自由民主党は、参議院の選挙そのものにはお金がかからないのですけれども、要するに、リストの順番を決めるためにその候補者たちに、まあ細かいことは申し上げませんけれども、資金的な協力の成果によって順位を上げるなどという、まことにどうも私どもとしては理解、納得のできないやり方をおとりになったものですから、参議院全国区は金がかかる制度だというふうに理解をしている方が実はたくさんあるわけでありますが、参議院の比例代表の選挙制度そのものにはお金はかからないのであります。かかっているのは、自民党が皆さんから金を取り上げる手段に使ったというここに問題があるので、まさに私は、今度のリクルートの問題を含めて、自民党の体質の中に要するに金を集めることが党にとっては重要だという基本的認識があることが図らずも今回のリクルート問題で国民の前にはっきりとあらわれた、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
 そこで、ひとつ自治大臣、参議院の御出身でもございますから、参議院の比例代表制というものそのものの選挙にはこれまでの全国区に比べてお金はかからない、そう思うのでありますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#9
○坂野国務大臣 堀先生は、私なんかと違って、長年選挙制度問題につきましては本当に権威者でございまして、私もよくいろいろな先輩の方から話を聞いております。きょうはそういう意味で、堀先生の話を実はよく聞いて、それによって十分私どもの対応を考えようという基本的な考え方で来ております。きょうは自民党の先生方も委員もそうそうたるメンバーでございまして、私の方はむしろにわか勉強でございますので、そういうことをひとつお含みの上よろしくお願いしたいと思います。
 先生おっしゃるように、全国区制度というものがやはり大変な残酷区だということで、体力的にも大変だし金もかかるのじゃないかということで種々議論のあったことを私も承知いたしております。私も、きょう見えておる戸塚先生も一緒に、何とか名案がないかということで随分議論いたしました。そこでいろいろな議論が中にありました。
 参議院という性格からいって参議院が政党化することはおかしいじゃないかという議論も随分あって、それを踏まえた上で比例代表ということになったわけでございますが、やってみれば、やはり現職と新人と御案内のとおり両方あるわけで
ございます。現職の方は、政治的な能力であるとか識見、力量ということは判断できるけれども、特に新人の皆さんは、どこの出身であるとかどういう方だというようなことも順位をつける場合の判定がなかなか難しいんじゃないかということもあって、そういう党員の数とかあるいは後援会の数とかには表向きはこだわらないということで今日も来ているわけでございますけれども、どういう順位をどういう基準によってつけるかということになると、やはりそれだけの努力をした、それだけ多くの皆さんの党員を獲得したとかというようなことが、何となしに一つの参考資料としてはどうしても考えざるを得ないというようなことが実情じゃないかと思います。
 私も順位決定のそういった場面の中に入った経験もございませんし、私なんかチンピラでございますからそういうおこがましい会合にはもちろん参画しとうございませんけれども、そういう中で何となしに、できるだけ多くの後援会あるいは党員の獲得をしなければならぬという風潮があることは確かでございます。
 そうなってくると、必然的に金がかかってくるというようなこと、そして、本当に党費を完全に御本人から納めたかどうかというような問題もいろいろ指摘されているところでございますので、結果的には、比例代表選挙をやってみたけれども、全国区に比べて、全国区ほどじゃないにしてもやはり相当金がかかるのではないか、当初のねらいとはかなり遠いような事態になっているのではないかということを私ども憂えているような次第でございます。それは御指摘のとおりでございます。
 そこで、比例代表については自民党あるいは各党でも今まで随分いろいろ議論をしてまいったわけでございますけれども、今日までには間に合わないということで、今度の参議院選挙が済んだら徹底的にこれはやはり改革について皆さんが十分討議しなければならぬのではないかというぐあいに私どもも考えておりますし、自治省としても当然そういう対応を見守りながら皆さんの御意見を踏まえて対応していきたいと思っている次第でございます。
#10
○堀委員 大臣、大変率直なお答えをいただきましてありがとうございました。
 実は、ですから参議院の全国区というのは、要するに選挙そのものに金がかかる制度であったわけですね。今度は、今の比例代表というのは、選挙制度そのものには金がかからないのですけれども、自民党が金がかかるような仕組みにして順位を決めている、そこをちょっとはっきり明確にしておきたいと思うのです。そのことは、私がこれから話します要するにお金と選挙という問題の基本問題のところでございまして、そこをひとつちょっと明らかにしたいと思っているわけでございます。
 そこで今度は、ちょうど第一回の参議院の選挙の終わりました後で、私は法務省、警察庁に来ていただきまして、この参議院選挙について選挙違反があったかどうかということを当委員会でお尋ねをいたしました。そのときの答弁は、選挙違反は一件もございませんでしたというのが実はそのときの答弁でございましたけれども、それから既に二回行われてきたわけでありますから、現在時点までの参議院全国区比例代表制度の中で選挙違反は果たしてあったのかどうか、ひとつ警察庁と法務省の方からお答えをいただきたいと思います。
#11
○中門政府委員 参議院の比例代表選挙につきましては、二回行われておりますが、まず五十八年の六月に行われました選挙につきましての違反の検挙状況でございますが、八十八件、百三十五人でございます。それから、昭和六十一年の七月に行われました選挙につきましては、違反の検挙は二十三件、三十人でございます。なお、これらの数字は、いずれも選挙期日後九十日現在における統計でございます。
#12
○堀委員 違反は違反ですけれども、私は買収、供応のようなことはあり得ない、こう考えておりますので、違反事件があったとしても文書その他の形式犯ではないかと思うのですが、その内容はいかがでございますか。
#13
○中門政府委員 違反態様の内訳でございますが、五十八年六月の選挙につきましては、買収が四十三件、六十九人、戸別訪問が二十四件、三十人、文書違反が十五件、二十四人、その他が六件、十二人となっております。
 また、六十一年七月の選挙につきましては、買収が十三件、十三人、戸別訪問が五件、十人、文書違反が四件、六人、その他が一件、一人という数字でございます。
#14
○堀委員 ちょっとお願いをしてなかったのですが、今のあれを伺って、六十一年七月は同時選挙ですから、衆議院選挙についての違反はどうでしょうか。すぐわかりますでしょうか。
#15
○中門政府委員 態様別の数字をちょっと持ち合わせておりませんが、トータルの数字で申し上げますと、衆議院につきましては五千百十四件、一万一千百七十六人の検挙となっております。
#16
○堀委員 大臣、お聞きのように、参議院全国区のときは、これは個人のあれですから買収その他があり得たと思うのですが、自由民主党とか社会党とかいう選挙に、一体買収ということが論理上考えられるのだろうか。自由民主党のために票を出してくださいといってお金を渡してみたところで、一体それがどれだけの効果があるのか大変疑問なのですが、しかし実際にはここで買収の問題等が出ているわけであります。しかし、案件から見ましても、今の参議院の六十一年の件数は二十三件三十人、これは全国の選挙に比べて大変わずかでございますね。同時に行われた衆議院選挙では五千百十四件で一万一千百七十六人と、これはけた違いに選挙違反がある。要するにこのことは、政党本位の選挙制度というものは本来的に選挙違反を招きにくい制度になっている。それは政党を選ぶのであって個人を選ぶのでないから、例えば今度の参議院選挙で自民党が金を出して比例代表の票をとろうなんといったってそれは無理な話でございますので、制度として非常に公正公明な選挙が行われるというのが政党本位の選挙制度というものの性格だと私は思うのであります。
 私は昭和三十五年に当委員会の委員になりまして、そこで当委員会として、当時の自治省の方から話が出たのでありましょうが、選挙制度審議会というものをつくる選挙制度審議会法というものが提案をされてまいりました。私、それは賛成でございましたから、党で一部反対の方がありましたけれども、代議士会で皆さんにお話をいたしました。当時成田さんが政審会長でございましたけれども、いや、堀さんのあの話でよくわかった、我々も賛成しようということで、選挙制度審議会法は社会党の賛成で成立をいたしまして、私、その選挙制度審議会の第一次、第二次、それから党の方針として二回続けて外部の委員をやった者は二回休んでくれということで三、四休みまして、五、六の選挙制度審議会の委員を務めておりまして選挙制度に参画をいたしましたが、この中の流れはすべていかにして政党本位の選挙制度をつくるかということが主要な命題でございました。そうして第七次まで来たわけでありますけれども、残念ながらまとまった成果が出ませんでした。
 それは一に、特別委員と称して政治家がここへ入っておりまして、私は審議会を一回も休んだことなく全部出席しているのですが、名前は申し上げませんけれども、自民党のかなり古い方が時々出てきてそうしてぶっ壊しちゃうわけです。もう話が大方まとまって、自民党の方も賛成をし、我々も賛成をし、学識経験者も賛成をしてできておるものを、審議にも参加しないでたまに来て、これは自民党としてはだめだ、こうおっしゃってばっとだめになってしまうのですね。今まだ現職でおられますから名前は言いませんけれども、たくさんの学識経験者や我々が努力をして時間をかけてやってきたことがただ一人の政治家のためにぶつ壊された。私は大変残念です。ですから、この間日曜日にNHKが政治討論会でやっております中で後藤田さんが、今度は選挙制度審議会に特別委員、要するに政治家を入れない、大賛成でござい
ます。こういう問題はひとつ学識経験者だけでやっていただいた方がいい、こういうふうに思うのであります。
 そこで、もう一つ伺いたいのでありますけれども、今のような検挙をされた者の司法的な処分というものはどういうふうになったのか、ちょっと法務省の方でお答えをいただきたいと思います。
#17
○根來政府委員 先ほど警察庁の方から御答弁がございましたけれども、私どもの方は少し時点が違いまして、選挙六カ月後の統計でございますので数が違うわけでございますが、五十八年の選挙の場合には百八十六人が検挙といいますか検察庁で受理しまして、そのうち裁判になりましたのが五十五件でございます。五十五件のうち二人だけが公判請求されまして、残る五十三人が略式請求という簡単な手続で裁判になっているわけでございます。したがいまして、残りの大多数は不起訴という結果でございます。大体そういう形になっております。
#18
○堀委員 大臣、お聞きのように、一応警察庁で検挙はしましても、それが検察の方で処理をされて結局裁判にかかったというのは二人だけで、あとは略式だ、その他の多数の者は不起訴だ、こういうことでありますから、要するに今までの警察庁、法務省の御答弁は、比例代表制というものについては衆議院のものと比較をしてみまして非常にそういう選挙違反のない公正な選挙だ、こう思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#19
○坂野国務大臣 お説のとおり、私もそういうぐあいに感じます。
#20
○堀委員 そこで、その討論会を開いておりましたら、後藤田さんがこういうことをおっしゃっているのですね。この第三者の審議会で案をつくってもらうのはいいけれども、しかし国会がこれに委任をして、何か決議をして審議会の答申はそのまま尊重するというようなことにしないとうまくないということを後藤田さんがおっしゃっているのですね。これは非常に重大な問題があると私は思います。きょうは時間がありませんから法制局その他入れておりませんけれども、要するに選挙制度というのは国権の最高機関である国会が決めることでありまして、それを白紙委任で第三者に任すなんということは、私どもは絶対に認められません。
 国権の最高機関としてそのような無責任なことを、たとえ自民党がおやりになるにしても徹底して反対して国民世論に訴えて、国権の最高機関で正式に答申を受けたらそれについての論議が尽くされて処理がされるというのが選挙制度のあり方でありまして、恐らく世界じゅうどこへ行っても、選挙制度そのものを第三者機関に白紙一任をして制度が変わるような国は一つもないと思うのであります。これは皆さんにお調べいただいておらぬかもしれないのですが、自治省の事務当局、どうですか、よその国にそんな制度があるのかどうか。選挙制度を白紙委任して、国会はもう出てきたらそれをそのままオーケーするというような制度は、今の議会の制度、議会制民主主義という基本原則からいってあり得ないと私は思うのですけれども、どうでしょうか、お答えいただきたい。
#21
○浅野(大)政府委員 詳細に調べてきたわけではございませんけれども、やはり選挙制度というのは大体最終的にはそれぞれの国の国会においてお決めになっていると思っております。
#22
○堀委員 ですから、どうかひとつ自民党の皆さん、御専門家がいらっしゃるのですから、あれだけは取り消していただきたい。やはり国権の最高機関の権威を、幾ら選挙制度といえども、我々は放す気はありません。それは国民もそう思っているだろうと私は思いますので、その点はひとつ後藤田さんによろしくお伝えをいただきたい、こう思います。
 その次に、実は自民党で大綱をお決めになっておるわけであります。大変いいところもありますし、ちょっと私ども納得のしかねるところもあるのであります。私ども大綱をいただいておりませんから朝日新聞に出た要旨で申し上げますけれども、
 国会開設百年にあたる明年十一月までをめどに、抜本的改革のための法律を成立させ、来るべき二十一世紀に向けて、活力にみちた政治制度を築いていく。このため、党に改革実現の母体となる政治改革推進本部を設置し、国会に第三者機関を設け、政府の選挙制度審議会とあわせて、党内外の英知を結集した万全の推進体制を敷き、全力をあげて改革の実現に取り組む。こういうふうに書いていらっしゃるわけであります。
 選挙制度というのはそんなに簡単に右から左にできることではありませんから、国会百年をめどにこういうふうになさるということについては私は賛成でございます。しかし、この場合にちょっと気になりますのが、後藤田さんの御発言は、小選挙区を主体としてそれに比例代表を加味するというお話が討論会でございました。
 今、森先生おられますけれども、森先生が「月曜評論」というところに小選挙区二回投票制という論文をお書きになっておりまして、私は考え方としては森先生の御趣旨に賛成なんでありますが、一つ問題があるわけです。それはどういうことかといいますと、今の中選挙区制度の最大の弊害はどこにあるのか。これは御承知の護憲三派のときに決めた法律ですから、三つの党が損をしないような仕組みということで、そうすると三名区なら三つの党が一人ずつ必ず出られるだろう、四名区は一人ずつ出た上にもう一人出られるだろう、そういうことで三、四、五名区ができたんでありましょうけれども、これが実は個人本位の選挙制度の典型で、世界中で日本だけやっている制度なんですね。私は、選挙制度審議会の委員になりました最初から、選挙制度審議会の皆さんと同じ意向で、実は政党本位の選挙制度論で、今日、昭和三十五年からですと約三十年やってきているわけでありますけれども、その中では、小選挙区の制度をとるならば、私は森先生の御提案のような制度がいいと思っているのです。
 ただ、ここには一つ問題がございます。これはどうして二回投票になるかというと、多党化しておる国における小選挙区は、比較多数にいたしますと二〇%、一八、一五、一三というふうに過半数をとらない人がずらずらといて、その上位が当選ということでは民意を反映していないわけであります。多党化していない、今イギリスも多党化してきましたけれども、労働党と保守党という二つなら二つでやっていればどっちかが過半数をとるわけなんですね、小選挙区なら。だからそれでよかったのですけれども、フランスでは多党化しておりますから、一回で過半数がとれない場合は二回選挙で上位二つで決戦する、そうすると必ずどちらかが過半数とるから、要するに過半数の支持が得られたということで、小選挙区制における二回選挙制というのは、多党化しておる国においてはどうしても必要な制度で、その点森先生大変御専門でありますので、明快な御指摘をしていらして私も賛成なんです。
 ただ、ここに一つ問題がありますのは、じゃ今、日本の状態はどうなのかといいますと、私の選挙区では、五名区ですけれども、前の前の選挙のときだったと思いますが、自由民主党から五人立候補されたんですよ、各派閥ずらっと。そこで私と土井さんとそれから公明党の方と民社党と共産党と、野党は五名出ています。自民党五名出ています。それで選挙をした結果は、自民党は原健三郎さん一人になりまして、私と土井さんと公明党、共産党、四名が実は五名区で通った、こういう実例があるわけですね。要するにそういう選挙をやられるという形はどういうことかというと、皆さんも御承知のように、後援会をつくって資金を流して後援会の数を広げることが自由民主党の場合は選挙の一番重要な課題だ、私どもはこう思っているわけで、事実はどうかわかりません。
 そこで、その典型的なのが実は奄美大島なんですね。それで、自民党の保岡さんと、私、大阪大学医学部でありますが、私の後輩の徳田君とが奄
美大島の一名の選挙区で熾烈な争いを起こしているわけですね。保岡さんに聞いてみますと、東京にいても気が気じゃない、こう保岡さんが私におっしゃる。私は尼崎市で、実は尼崎市というところは鹿児島県からおいでになった方が五十万のうちの十五万人ぐらいいるわけです。その主たるものは奄美大島から来ておられますから、私の後援者の中には奄美大島の皆さんが非常にたくさんいますので、そこへ行くと、保岡さん奄美大島なんだけれども、私ども尼崎の奄美の後援会の運動会やなんかにもちょいちょいお見えになって、そこで御一緒になると、堀さん、この選挙は何とかしてもらわなければかなわぬとおっしゃる。私もよくわかります。
 だから、要するにこれから新しい比例代表のような純粋な政党本位の選挙制度を十年とか十五年やって、そこで候補者と選挙民の関係が一回断ち切られる。比例代表では、候補者と地域の有権者は完全に断ち切られますから、政党の選択ですから、その期間を十年とか十五年ぐらいやりましたら、後は小選挙区で二回制ならちっとも構わないと思うのです。ここは一遍どうしても完全比例代表にして、有権者と候補者のお金の関係が断ち切られる期間を少なくとも最低十年、十五年ぐらいやらないと、今の日本の政治腐敗の問題というのは解決つかない、こういう考えを実は私は持っておるわけでございます。
 そこで私は、昭和五十五年に、当時鈴木総理に、当委員会で塩崎先生の御質問の後で私が質問に立って、ともかくも西ドイツ方式の比例代表小選挙区をやりましょう、こういうことを実は申し上げたわけでございます。それについて鈴木総理は、いや、堀さんの御意見は大変興味があると。私は法律を決めて施行は十年先がいいじゃないですか、大きな制度の変革ですから急にやるといったって現在の議員の皆さんなかなか対応できないから法律だけ決めましょう、施行は十年先ということについて、十年先は堀さんちょっと長過ぎますね、五年でいいんじゃないですかと鈴木総理がおっしゃったので、五年でいいとおっしゃったということはやる気かなと思ったら、何もおやりにならなかったというのが実は鈴木総理と私の関係です。
 昨年の四月二十二日の大蔵委員会で財源確保に関する法律の審議をいたしまして、竹下総理大臣、これは慣例で大蔵委員会に出てこられます。そこで、私は時間がちょっと余りましたから、また西ドイツ式比例代表小選挙区の問題を論議いたしました。そうしたら竹下さんは、自分は今内閣にいるのでそれは自由民主党が考えてくださることだが、お互い選挙学会の会員として十分問題意識は受けとめております、こういうお話でございまして、これらを受けて伊東正義先生がことしの予算委員会で、実は私の名前もお挙げになって、十年先に施行というのならかなり思い切った選挙制度の改革ができるじゃないか、こういう提案をしていただいておるというのが実は私が申し上げておる西ドイツ式比例代表小選挙区制の問題なんですね。
 この西ドイツ式というのは、一般に理解がされていない点があるのですけれども、表現が小選挙区比例代表ということになっておりますので、何か小選挙区が中心のようでありますが、これは実は四百九十六名の西ドイツにおける議員定数に対して、ベルリンの二十二名というのは、ベルリンというのは今本来の西ドイツの領土でございませんから別枠でありますが、四百九十六名が実は比例代表で選ばれる。そして比例代表で選ばれたその順位は政党が拘束名簿で決める。しかし、その半分の二百四十八は邦における小選挙区をつくって、そこで小選挙区の選挙をやる。小選挙区で当選した者は比例代表名簿の順位のいかんにかかわらず当選者になる、こういう制度でございますから、言うなれば政党が恣意的につくった比例代表の拘束名簿の順位に対して、小選挙区で出てきた半分の人については有権者が選んだ者が当選者になるということで、有権者が拘束名簿の順位に介入できるという非常にすぐれた制度でございます。
 私はこの制度を知っておりましたから、参議院比例代表の案をつくりますときに、当初二票制ということを実は考えたわけでございます。二票制というのは、一票は政党に、一票は候補者にということで、二票制にすれば順位は票の高い者からの順位で決まりますから、政党の恣意的な名簿ではないということで、そういう二票制の問題を考えておりましたが、最初の制度を余り複雑にしたのでは制度としてはなかなか処理が難しいと思って、実は拘束名簿だけにして案をつくったわけです。
 そこで、実はこの問題のときに、二回選挙後に見直すというのを今の参議院の選挙に加えていただいておりました。そこで二回選挙が終わりまして見直しの問題になりましたから、ちょうど友納先生が委員長をしていらっしゃるときに、私はこの場所で公式に二票制問題というのを取り上げて、参議院の制度改革の中で実は私はそういう考えで拘束名簿にしたけれども、この際二回やってもう国民もこの制度に習熟をしてきているから、ここではひとつ二票制で順位の高かった人が当選者になる、枠は比例代表で決まる、やや西ドイツに似た形の提案をしたのでありますが、参議院の方ではどうやら参議院の自由民主党の皆さんはその二票制についてかなり御関心が高かったようですが、党としてはまだ時期尚早ということで抑えられたように聞いております。自治大臣は参議院にいらっしゃるからよくおわかりだと思うのですが、そこらはいかがだったのでございましょうか。
#23
○坂野国務大臣 二票制ということよりも、名簿式か非拘束か拘束主義でいくかという議論の方がかなり多かったと思います。いずれにしてももう選挙も各党ともスタートを切っていることだし、今この段階でああだこうだと言ってみてもかえって選挙民の皆さんに対しても申しわけないことだし、選挙が終わったら直ちにひとつこれを各党一斉に検討に入ろうということで今来ているような状態でございます。
#24
○堀委員 そこで、実は私は二回にわたって当時の総理大臣に西ドイツ方式の提案をしておるのでありますが、もし衆議院に仮に西ドイツ方式を入れれば、参議院の制度は、同じような比例代表が衆参にあるのはおかしゅうございますから、これはおのずから変わらなければいけない。そこで私は、私どもの党内における方たちとの懇談の中で、参議院の方も御出席のところで、今ひとつ参議院の制度を抜本的に考え直したらどうだろうか、何か参議院というのは衆議院のコピーみたいだと言われておるけれども、今の制度ではなかなかそれは直らないと私は思うので、ちょっとこれは個人の考えだけれどもと言ってお話をした。
 アメリカの上院のように都道府県から二名ずつ、そうしますと、今四十七都道府県ですから総数が九十四名になります。今の二百五十名から九十四名というのは大変に減るのですが、九十四名で都道府県から一人ずつ三年交代で出ていただくという格好にする。そういたしますと、まず第一に、これはもう非常にステータスが上がると思うのですね。衆議院が五百近くいて参議院は九十四名だ、都道府県を代表している人たちだということになると、まず国民が見る目も変わりますし、同時に、いろいろと衆議院との話し合いの中で参議院のあり方を新たに検討していただくということにしたらどうだろうかという試案を話しましたら、その席におられた私どもの参議院の皆さんも、それは検討に値する。そうなると参議院の権威というものが非常にはっきりしてくるのじゃないだろうか。
 そこで私は、ただしこれは、森先生のおっしゃるように、多党化しておりますから、二回投票で過半数を得ればその方が当選、しかし、過半数を得る者がなかったら一番、二番で再選挙をしてやるということにすれば、その都道府県における民意が反映できる。実はこの方たちは都道府県を代表した議員でもあるということで、何といいましょうか、今の参議院のような、選挙区選挙もあるけれども全国区とか比例代表であるとか、一つ
の院の選挙制度を二つに分けたという最初の発想に非常に誤りがあったと私は思います。一つの院の議員は同じ選挙制度で出てきていなければ、公平、平等と言えないのですね。私は前からそう思っていましたけれども、いつだれが決めたか知りませんが、我々が知っている限り昔から全国区と地方区になっていましたから、なかなかこれにさわることができなかったのでありますけれども、衆議院がもし今のような西ドイツ式の比例代表小選挙区ということになれば、これは参議院の制度は抜本的に変えなければならぬ。このチャンスにひとつアメリカの上院式の形のものを考えたらどうだろうか。これは私の個人の試案でございまして党の関係ではございませんから、そこだけはちょっとはっきりさせておきますけれども、そういう試案でございます。
 その次に、実は政治資金に関係するところで、自由民主党の方はこれまで百万円だったのを六十万円にするとか、いろいろ御努力をされていることはよくわかります。この前、野党四党のそれの話に出ましたときに、私は野党四党案に大変不満を申しました。それはどういうことかといいますと、要するに、こういうときに根本的、抜本的な改革をしなければ改革なんということはできないのであります。
 そこで、この間後藤田さんもお話しになっておりましたけれども、私は伊東さんと後藤田さんのところへはいろいろな資料を持っては、先生、こういうふうにやった方がいいですよといって持ち込んでいますから、後藤田先生も御理解をいただいていたとみえます。
 そこで、政党法をつくって、ただし西ドイツの政党法は、規制部分と国庫補助の受け皿部分と二つの問題が入っている政党法なのですね。しかし、日本は憲法で結社の自由があるわけでありますから、規制の部分はだめです。だから初めから政党法に規制の問題はだめです。しかし、要するに企業からお金を集めるとかなんとかといっても、そこはやはりお金を出した側と受け取った側ではどうしたっていろいろとつながりができるので、できるだけそれを避けるためには、西ドイツの選挙に対する国庫補助の制度をこの際導入することが一番いいのではないか。その国庫補助を導入するためには、受け皿としての政党法だけはどうしても要りますから、受け皿としての政党法だけで、規制の部分のない政党法をつくって国庫補助を入れたらどうだろうか。
 今、西ドイツの制度でいきますと、有権者一人当たり五マルクを国が四年間の分を含めて政党に補助をいたしております。補助の仕方は、選挙の終わった最初の年度が二〇、次が二〇、次が二〇、選挙の年が四〇と、こういう配分で、有権者一人当たり五マルク、今七十円くらいでありますから、一人三百五十円の計算で実は国庫補助が行われている。金額は何も西ドイツを例示することはないのでありまして、みんなで検討すればいいことであります。
 このように、企業と政治というものを遮断いたしますためには、主たる部分を国の費用で出してもらっても、国民はその方が、政治の透明性という意味ではこの際ならば国民も納得していただけるのではないだろうか、私はこう思っておりますので、そういう意味で受け皿としての政党法、国庫補助制度というものをこの際つくりたい、これが一つでございます。
 同時に、しかしそうだからといって今の献金を遮断することはできませんから、献金は結構ですが、献金はすべて党に集中をする、個人に対する献金は全部遮断するということにこの際したいということでございます。そうしなければ、六十万とかなんとかいろいろありますけれども、やはり個人と企業とのつながりが遮断できない限り、今後また何が起こるかわからない。そこで党に対する献金を中心にして、我が方は十万円だったかな、十万円くらい以下のものは個人の献金でも問題ないと思うのでありますが、その程度にして、そうして党に献金をするが、これはイギリスもそうやっている制度があるのでありますが、こちら側は政党が献金の公表をいたしますね。同時に企業側に、今の財務諸表の中に政治献金という項目をつくりまして、企業側もどこへ幾ら出したということを法律で義務づける。ダブルチェックにするわけですね。イギリスはダブルチェックにしていますからね。要するに、政党の側がこれだけどこの企業からもらいましたというのを出すが、同時に、財務諸表の方を調べれば、どこの企業がどこの政党に幾ら出したというのがわかる。それがびしっと合えばもう疑惑はありません。透明度一〇〇%になるわけであります。私は企業献金を禁止しようとは思いません。
 この間、後藤田さんは大変誤解をしておられまして、どうも社会主義政党というのは企業についてはもう全然関心がないのでどうとかこうとかおっしゃっておりますけれども、私は大蔵委員会に昭和三十五年からおるのでありますが、三十六年以降、競争原理、市場経済論というのを大蔵委員会でずっとやっておりまして、とにかく大蔵委員会におけるデレギュレーションというのは、自民党の皆さんより私の方がはるかに前へ行ってデレギュレーション、デレギュレーションをやっているので、ちょっと後藤田さん、そこの御認識は、社会党は何か社会主義を目指してやっているというお話ですが、党はこれは機関でちゃんと大会決定にしておりますから、それはちょっと誤解があるわけであります。
 そういうことなので、私は企業の政治献金を否定するものではございませんが、問題は透明度だと思うのですね。国民が見て、ああこれは間違いない、それも政党に行くのでありますから、だからすべてを政党本位の選挙制度にして、資金も政党本位にする、そうしてその資金は政党が皆さんに分配をしてやることになればこういう問題はない。
 私は、実は大蔵委員会に昭和三十五年から今日までずっとおりまして、歴代大蔵大臣に大変申しわけないけれども、大蔵大臣として私が一番評価をしておりますのは田中角榮さんです。田中角榮さん、どうしてかというと、三年大蔵大臣をしておられましたけれども、普通の方は皆答弁は役人の書いたのを読まれるのですね。役人の書いたものを読んでもらうのなら、大臣に来てもらう必要ないのです。局長答弁で十分なんです。私どもが大臣に入っていただきたいのは、坂野自治大臣のように紙を持たないで自分のお考えで答弁していただくところに政治家としての大臣の答弁があるわけですから。
 ところが田中さん、一番象徴的なのは、証券取引法の改正問題をやりましたとき、当時の証券部長が横におりまして、大臣、ひとつ慎重にお願いします、こう言っているのですね。角さんの答弁は、いや、堀さん、御案内のように、事務方は今もここへ出る前に、一年や二年で免許制なんかやられたら事務局はとてもついていけません、だからその答弁だけはやめてくださいと言っていたし、今もそうだけれども、私は政治家として堀さんの免許制に賛成です、今内閣委員会に証券局設置法をお願いしておりますから、これができたら早速最初の仕事として証券の免許制に取りかかりますと言って、役人がどう言おうと政治家の判断ではちっとやっておられる。これがやってあったから、証券恐慌になったときに実は免許制の問題がかなり進捗していたので私どもは政府を責めることをしなかった、こういう経緯があるわけであります。
 ですから、やはり問題は政治家の答弁が極めて重要なことでございますので、きょうはそういう意味で自治大臣が大変明確に政治家としての御答弁をいただいておりますので、私は自治大臣を高く評価さしていただきたいと思います。
 そこで、今の政党本位の金の流れの問題、あとちょっと申し上げておかなければならないことは、今の小選挙区制の問題その他いろいろこれからありますけれども、今皆さんのあれの中に「国会に第三者機関をもうけ、政府の選挙制度審議会とあわせて、党内外の英知を結集した万全の推進体制をしき、」こうありますので、これは私、大
変結構だと思うわけでありまして、これはまたひとつ与野党の皆さんが御相談いただいて、要するに選挙制度審議会というのは内閣に設けられて自治省所管の審議会でありますけれども、やはり国会もそういう関係者をお招きして、当委員会の皆さんがここで参加をしながら、議員の立場からの問題提起をしていただきながら、それで選挙制度審議会の案と国会の第三者の案とそしてまた私どもの考え方というものを合わせて十分論議をした方がいいと思います。何も拙速で処理をしていいわけではございませんので、時間をかけていいのです。
 私は、これまで法律決めて十年と言っておりましたけれども、ちょっともうこの情勢では法律決めて十年は長過ぎますので、もし皆さんが御協力いただけるならば、どうやら次の選挙は来年になるのじゃないかという気がいたします。自民党の皆さんにすれば少し先の方がいいだろうというお気持ちもあるでしょうが、私はそうじゃないのです。四年という任期をやはりきちんと守る。特別のことがあれば別ですよ。それでなければ要するにみんな四年やろうではないか、こういうことになりますと、選挙の時期がはっきりしますと、日常そんなに選挙区へ帰って、ともかく金帰火来で国会をほったらかして帰る必要がなくなってくる。衆議院はいつ解散があるかわからぬものですからこうなるのですね。
 私は昭和三十三年五月に当選してきまして、当時、和田博雄先生が率いておられた政策研究会というのに入りました。そうしたら、その会の最初の会合で、亡くなられましたけれども、今度の選挙で横山利秋君が全国で一番たくさん票をとって当選した、だから横山君にひとつ二回目の選挙をどうやったらいいか、それを一年生は聞けと言われまして、そこで会合を開いて聞きました。そうしましたら横山さんが、これは難しいことではない、簡単なことだ、それは金帰火来だ、金曜日の夜行で選挙区へ帰って、そして土、日、月としっかり選挙区をやって、そして月曜日の夜行で東京へ帰ってくる、これだけを三年間くらいやれば絶対当選する、これが実は当時の横山先輩の私たちに対する言葉でございました。
 そのころは新幹線もなければ、我々は金がありませんので、どういうことをして金帰火来をやるかというと、夜八時ごろ出る銀河という神戸まで行く夜間急行がありました。寝台券なんかとても買えません。私、当選したときにお金の話なんて全然頭になくて、生活できるぐらいのお金があるんだろうと思って出てきたんですね。最初に歳費を見たら九万二千円、昭和三十三年五月。私は当時診療所をやっておりまして、私の診療所に眼科と歯科とを置いて三つの科で診療をやっていましたから、月収三十万円ぐらいあったのですね。そのぐらいはあるのだろうと思ってお金のことを全然考えないで出てきたら、九万二千円でしょう。いや、これはびっくりしましてね。ですから寝台なんか乗らないで、夜行列車の二等で実は夜帰ってまた夜出てくる。ところが、横山さんとよく一緒になるのですね。彼は夜中の三時ごろに名古屋でおりて家へ帰る。こういうことでございまして、金帰火来。
 これをやっている弊害がどこにあるのかというと、政治家が勉強する暇がないということです。勉強していたら落選するということです。私は政審会長を四年間やっておりまして、一生懸命党の政策のことを勉強していて、選挙区へ余り帰りませんでした。そうしたら選挙区の議員の皆さんが、堀さん、これじゃあなた落選するかもしれぬぞと言うから、それは仕方がない、党のために政策を一生懸命やっているのだから。もう一つ悪いのは、当時政審会長なものですから、テレビに月に一遍くらい出るわけですね。選挙中もテレビへ出た。たまたま新自由クラブが出てきて、土井さんの割り当て地域から刀祢館君という大変優秀な候補者が出てきました。そこで、要するに社会党支持者は全部土井さんの方へ行きましてね、土井さん危ない、堀さん政審会長だから心配ない。五十一年、ぽんと落選したわけですね。
 だけれども、私は落選しても大変勉強できたからいいと思っているのですけれども、問題は、要するに勉強する時間がない今の制度というのを、これを何とかしなければいけないということですね。ということはなぜかといいますと、日本がキャッチアップをする時期にはモデルがありますから、モデルを見ながらやっていくのなら官僚の皆さんというのは大変すばらしい能力がある。世界で一番すぐれた官僚制度だと私は思っているのですけれども、モデルがある間はいいのです。ところが日本が一番前へ出てしまいまして、前にモデルがなくなった。そうすると、今や日本は政治的にも経済的にも戦略がないのです。官僚の皆さん、戦略はとても立てられない。
 そちらに大蔵省の出身の方がお二人も並んでおられますが、私は大蔵省以外のことは余りよく知らないのですけれども、大蔵省は御承知のように完全縦割りなんですね。局あって省なしと言われる役所でございまして、完全縦割り。そこで政策立案は課長がする。課長はせいぜいで二年ですね。長くて課長二年。ここで政策立案する。それを決定するのは局長だ。局長も長くて二年。そうすると二年間のことは考えられても、十年、十五年のことを問題提起しても後の人がどうなるかわからないということで、これは今の官僚システムとしてはもう無理なんです。今の人たちに戦略をつくれというのは無理です。戦略は政治家がつくらなければいかぬですね。
 私もおかげさまで二十八年六カ月在職させていただいておりますから、歴史的な問題も、世界との関係でEC議員団の副団長だとか党の日朝委員会の委員長だとか、いろいろアメリカや欧州ともしょっちゅうやっておるものですから、私はそういう意味で世界の状態もわかりますし、そして日本での過去の歴史から将来展望できるわけですから、どうしても政治家が、今の金帰火来のような制度でなくて、要するに東京で勉強をして官僚を指導誘引できるような、政治主導の国会にしない限り日本は問題がある。
 今為替が百四十三円とかいろいろなっていますね。政府は、いやそれは関係ないとおっしゃいますけれども、私は今いろいろな、例えばおとといのお昼は、シャバンデルマスさんがフランスから来て、田中龍夫先生と柿澤弘治さんと私と実はフランス大使館に呼ばれて一緒に話をしているのですけれども、そこで話が出るのは、次のサミットにはだれが出るのですかと言われたら、さあ。柿澤さん、田中先生どうですかと言っても、さあそいつはわからぬ。これじゃ為替がうまくいかないのですよ、不透明ですから。だからひとつ早く自民党の皆さんに後継総裁を決めていただいてサミット対策をちゃんとしていただかないと、公定歩合を上げたって為替はなかなかそう簡単に動かない。
 こういう問題もありますので、そういう意味でひとつ政治主導の選挙制度をこの次の選挙、まあもう一つまではやむを得ないですが、その次には変えるという、五、六年タームぐらいのことでひとつ選挙制度の抜本改革をやっていただく。そうして同時に、政治資金の受け入れの問題は今でもできるのですから、政党法を改めて国庫補助を入れて、それは今の日本の国の予算から見ればそんなにたくさんのお金を我々が求める気はないので、国民の納得のいく範囲での資金をいただいて処理をするということにしたい。
 最後に、もう時間がありませんから終わりますけれども、本日のこの法案につきましては私ども賛成でございますし、あわせて、小選挙区が中心の制度をお出しになりましても、これは私どもは野党一致して反対をして成立をいたしませんので、そこのところは国民世論も十分ごらんをいただき、第三者委員会の意向も尊重していただいて、ひとつ与野党が一致してつくれる選挙制度改革をやるように、政治資金改革がやれるように、自民党の皆さんと私ども野党もそれなりの努力をして日本の政治改革をやりたいと考えておりますので、ひとつそれについての大臣の御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#25
○坂野国務大臣 先ほどから堀先生の大変高道な、洞察力のあるお話を賜りまして、傾聴いたしました。ただ、自民党も政治改革大綱というものを出しておりますし、それに基づいた法案づくりもぼつぼつ準備されておりますので、それをもとにして各党会派が十分議論を尽くされて立派な制度ができるように、私も期待したいと思っております。
#26
○堀委員 終わります。
#27
○中山委員長 中村巖君。
#28
○中村(巖)委員 まず最初に、本日の審議の対象であります国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 この法案が必要となるのは、国会議員等の選挙については選挙公営、こういうことでやられておりますから必要になるわけでございますが、この法律によって国費を出そうというものについては二種類のものがあるのだろうと思っております。一つは、選挙管理委員会が選挙の事務をやることについての国費の負担ということであり、もう一つは、選挙運動等についてやはり国費で負担をしていこう、こういうことだと思います。しかし、この法律に関する限りは、これは国会議員の選挙に関するものでございまして、そのほかの選挙についてはそれぞれ別の措置がなされているようでございます。
 今、選挙に関して国費の負担がなされるのは概略どういうものであるかということについて、まずお尋ねをしたいと思います。
#29
○浅野(大)政府委員 国政選挙の執行経費そのものが国費負担になっているということは申し上げるまでもないかと思いますので、お尋ねの趣旨はいわゆる選挙公営の部分に関するものだと考えて申し上げますと、非常にたくさんございますものですからすべてを網羅するのもどうかと思いますので、代表的なものを幾つか申し上げさせていただきますと、例えば国政選挙の場合ですと、無料通常はがきの交付、それから政見放送、それから新聞広告、ビラ、ポスター作成費の国庫負担などがあるわけでございます。
 地方につきましても、公選法上いろいろな制度は設けておるところでございますけれども、費用そのものを直接国庫から出すという仕組みは、現在とっておらないということでございます。
#30
○中村(巖)委員 現在選挙に対して金がかかるということがいろいろ言われておりまして、非合法な出費をするものについては関知したところでないわけでありますけれども、そういう意味では選挙をできるだけ公営にして国費で負担をしてもらうことが必要であると思いますけれども、現在国費負担をしているもの以外にもっと公営化を徹底して拡大する、そういう余地がないのかということでございまして、それは一面では国会議員の選挙に関してより国費負担をすることを検討する余地がないかということで、もう一つは地方の自治体の長あるいは議員の選挙について、現在は地方の負担でやられておりますけれども、これに対しても何らかの国費の負担を考えていく余地がないのか。例えば、具体的に言えば、道府県会議員の選挙についてテレビを導入してそれを国で負担していく、そういう措置等々も考えれば考えられるのじゃないかと思います。
 今の二点について、自治省のお考えを伺いたいと思います。
#31
○浅野(大)政府委員 まず、国会議員の選挙についてさらに公営部分の拡大ができないかということでございます。
 先ほどすべてを申し上げたわけではございませんが、私どもの認識といたしましては、うまく制度化できるものについては大体公営化を図ってきているのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、従来から、例えば選挙事務所の経費は入ってないじゃないかとか、もちろん法定費用の中で積算されているようなもので公営の対象になってないものもあるわけでございますが、選挙事務所の例を考えてみますと、標準的な選挙事務所というものは一体どう考えたらいいのだろうかというようなこともいろいろありまして、もう少し研究してみないと、今すぐそこまで公営に入れようというところまでのものを私どもも持ってないわけでございます。ただ、有識者会議の御提言等におきましても、選挙公営の拡大をもっと検討すべきでないかというようなこともいただいておりますし、これは選挙運動のあり方ともかかわる部分があると思いますけれども、いろいろとさらに勉強はしてみたいと思っております。
 それから、地方選挙についての問題でございます。
 これは基本的に財源措置をどうするかということがあろうかと思っております。国の選挙は全く国の事務と考えられますから、執行を地方の選挙管理委員会にお願いするにいたしましても、それに対しては全額委託して出すというシステムをとっておりますことの反面といたしまして、地方選挙というのはいわばその地方団体の固有の事務であると考えられるものですから、それについての財源は、全体として地方財源措置はいたしますけれども、個別に国費をそれに出すということはいかがなものであろうかというふうに考えてきておるわけでございます。ただ、全体としての財源措置は必要でございますから、地方交付税の基準財政需要額等を算定いたします場合には、そういう公営分についてはきちんとその単位費用の中にも織り込むというような措置は講じておるところでございます。
 それから、お尋ねの、例えば県会議員に政見放送を導入するかどうかという問題でございますが、この点につきましては、一つはやはり放送局との関係もあろうかと思います。それから、いずれにしても、交付税措置をするといいましても、それは地方の負担として行われるものでありますから、そういう点から考えて、どこまでを法律でつくってしまうのがいいのかというようなこともありますものですから、いま少し勉強をさせていただきたいと思います。
#32
○中村(巖)委員 今の選挙事務所についての国費負担というようなものも、それは選挙事務所はいろいろでしょうけれども、標準の想定をして一定の基準で賃貸料について負担をするというようなことは可能なことではないかと思います。
 今回の法案は、国の負担に関して、投票所経費とか開票所経費、選挙管理の事務に必要な経費についての負担の基準というものを定めているわけですけれども、今の公営の話の中では、新聞広告公営費とか選挙運動用自動車使用公営費、ビラ作成公営費、ポスター作成公営費、こういうようなものがあるわけでございまして、これらについては当該法律の第十一条に、「衆議院議員及び参議院選挙区選出議員の選挙の新聞広告、選挙運動用自動車の使用、ビラの作成及びポスターの作成の公営に要する経費は、自治大臣が定める。」こういうふうになっているのでございまして、この法律の中にはこの部分はあらわれてこないわけで、自治大臣がお定めになるということですが、今回選挙管理事務の経費の基準がおおむね上がるということに伴いまして、これらの十一条所定の自治大臣が定めるという部分についても、これは金額を上げるというようなことをおやりになるのでしょうか。
#33
○浅野(大)政府委員 ただいま御指摘いただきましたのは、いわゆる新公営と称しておる部分にかかるものと思いますが、これにつきましては、実は法令上の措置としては公職選挙法の施行令の方で限度額を定めさせていただいております。具体に引き上げを考えました場合には、まず予算措置ということが必要でございますから、本年度の予算案の中には、単価の引き上げということを盛り込んで措置はさせていただいておるわけでございます。その上で公職選挙法施行令の改正をいたしまして、交付する限度額というものを決めまして、その上で自治大臣として負担の基準額を定めるということになります。
 内容を説明させていただきますと、ビラにつきましては、一枚当たりの基本単価が従来五円でご
ざいましたが、これを六円十八銭にいたしたい。それからポスターの作成費でございますけれども、これは企画費部分、それから印刷費部分と二つに分けて積算しておりますが、その企画費部分を十五万円から二十万六千円にさせていただきたい。それから印刷費につきまして、これも基本単価でございまして、枚数が多くなるとまたそこで割り落としがかかりますけれども、基本単価の部分は三百八十円のものを四百三十二円六十銭に改定いたしたい、こう考えております。なお、自動車につきましては、大体今の単価で間に合っているのではないかというふうに判断いたしておりますものですから、消費税分は別といたしまして、単価の引き上げそのものは予定をいたしておらないというところでございます。
#34
○中村(巖)委員 今回の法案によりまして選挙事務の経費がおおむね値上げということになるわけで、価格を上げる、こういうことになるわけでありますが、従来執行経費と言われるものが、いかなる根拠というか、いかなる方法論によってこういうふいに設定をされているのかということについてお伺いをいたします。
#35
○浅野(大)政府委員 執行経費の積算の基礎あるいは法律で算定基準を決めておりますが、まさにその具体的な積算の考え方はどうかということであろうかと思います。これは一般的な言い方をいたしますと、各経費ごとに通常必要と考えられる超過勤務手当、費用弁償、賃金、印刷費などを積み上げて基準額を定める、こういうことでございます。それからあとは、それぞれの選挙管理委員会によりまして投票所数あるいは開票所数等々が違いますから、そういうものの違いに応じて全体として交付する額を算定するという仕組みをとっておるわけでございます。
 若干細かくなりますが、もう少し具体的にどういうふうに積算するかということを申し上げますと、例えばこれは投票所経費を例にとって申し上げます。これは投票所の規模、規模といいますか投票所においでになる有権者の数によって違ってくるわけでございますが、例えば二千人から三千人ぐらいの有権者を持つ投票所というものを考えました場合に、投票管理者というのが必ず要りますから、その方は一名、その人に対しての費用弁償が、七千五百円と改定後はさせていただきたいと思いますが、それが七千五百円要るだろう。そういうものをまず入れる。それから投票立会人が要りますので、これは大体三人を見込むことになりますから、その三人に一人当たりの費用弁償を掛けた額一万八千三百円ぐらいを見込む。それから、今度は職員がいろいろお手伝いをいたしますものですから、お手伝いをする職員の超過勤務手当というものをはじく。それは、例えば日曜日でありますと、これはまた市あるいは町村の区別によって違うわけでございますが、例えば市の場合を例にとりますと九人ぐらいお手伝いする人が要るだろう、その人の超過勤務手当をはじくと十八万九千九百九十円になるというようなことを、ずっと必要と思われる経費を積算いたしまして、それを割り返していわば単価をつくっておる、こういうようなことでやっております。
#36
○中村(巖)委員 それは、人件費のようなものあるいは物件費のようなものとあるわけですけれども、例えば典型的にはポスター掲示場の費用というものは物件費であるわけでございまして、こういったようなものが実際現実にどのくらいかかるのかということを調査して、そしてそれで積算の根拠にしていかなければいけないわけで、地方自治体の人件費にいたしましても、その自治体自体によってそれぞれに違うわけでございます。そうすると、ある程度上限というかそういうものを見ないと、結局の話が地方自治体が超過負担ということになるのではないかというふうに思われますけれども、その点はいかがでしょうか。
#37
○浅野(大)政府委員 これは国の選挙をやっていただいておるわけでございますから、そこに超過負担が生じてはいけないと思っております。それで、どういう仕事をするのに何人ぐらい要るかということは、過去のいろいろな経験等に基づいて、先ほども申し上げたようなことで人数を積算しておるわけでございまして、これ自体大体適正になっているのではないかと私は思っております。
 もう一つの問題は、ただいまもちょっとお触れになられましたが、給与単価の問題があるのかと思います。これについてどう考えるかということでございますが、やはり私どもとしては一つの標準的な経費を定めるという側面を持っておりますものですから、それぞれの地方公共団体の実際の給与単価をそのまま使うということはやはり適当でないのではないかと思っているわけでございます。それで、やり方といたしましては、地方財政計画なんかを毎年組みますけれども、そのときには、いわば標準的という言い方がいいかどうかわかりませんけれども、例えば給与が国家公務員の基準に照らして高いところ低いところがありますから、そういう要素を除いて、しかし実際に払っている給与というものも参酌して一つの標準的な単価というものが出ておりますから、それをベースに給与単価というものははじいております。さらに、これは団体の個別事情というよりも、その所在する団体が都市部にあるのかあるいは町村部にあるのかということによって実際給与単価が違うということはありますものですから、そういう単価の差というものは反映させるのが妥当であろうということで、そこは考慮いたしまして標準的な給与単価を決めさせていただいているということでございます。
 なお、選挙が行われました後私どもも、すべてというわけではございませんけれども、各選管に出向きまして、いろいろな実情の調査もさせていただいておりますが、これまで調査させていただいた限りでは、超過負担として特に問題があるようなものは大体ないと見ていいのではないかと思っておるところでございます。
#38
○中村(巖)委員 一生懸命合理的に算定をするように努力をされておるんだろうと思いますけれども、不合理な部分もないわけではないというような気がしまして、例えばポスター掲示場の問題について言いますれば、候補者の数によって積算をするんだということでありますけれども、候補者の数なんというものは立候補届け出の締め切りをしなければわからないわけでありまして、それ以前に準備をするということになれば、それは立候補が考えられる人数よりもかなり多い枠をつくっていかなければならない。本来的にはつくった枠によって積算するのが本当じゃないか、こんな気がして、そういう意味ではちょっと不合理ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#39
○浅野(大)政府委員 ただいま御指摘いただきましたポスター掲示場の問題について、確かに従来の標準自体が十分でなかったということは私もあると思います。特にこれは比例代表選挙の導入等とも関連するところがあるのではないかと思いますが、名簿届け出政党としての要件を満たすというお考えがあるいはあるのかもしれません。まあ、こちらで一方的に意図をしんしゃくしてはいけないかもしれませんが、ともかく選挙区選挙において非常にたくさんの立候補者が出る、特に大都市等でそういう現象があらわれている。しかしながら、ポスター掲示場の経費算定の基準は、そういう人数が非常に多いところまでを十分織り込んだ基準になってなかったという点はございまして、そういう点については改善の要望も出ておりましたので、今回はポスター掲示場費について、候補者十三人以上の場合に候補者数に応じた加算規定を設ける、こういう改正をさせていただきたいと考えております。
#40
○中村(巖)委員 そこで、今回値上げと、それから一部燃料費関係ですか、値下げということになるわけですけれども、今回の値上げがどういう理由に基づくのか、また値上げ額の積算の根拠がどういうことに基づくのか、さらにこの値上げについては消費税が包含されておるのかどうか、また、値下げした部分についてはどういう理由で値下げをしたのかということについてお尋ねを申し上げます。
#41
○浅野(大)政府委員 単価改定に大きな影響を及
ぼしますものは、人件費のアップ、それから印刷費等の物件費のアップということがあるわけでございます。
 それで、まず人件費系統でございますけれども、一番大きな部分を占めますのは選管職員等の超勤分でございます。これにつきましては、前回改定以来三年経過するわけでございますから、三年間の公務員給与の改定を反映させるという考えをとります。出てきました数字は、平均して九・四%の引き上げということでございます。
 それからあと、選挙長でありますとか投票管理者でありますとか外部の方にお願いする部分、これは費用弁償という形で支出するわけでございますが、これにつきましても、国の方でもこういう費用弁償についての国の予算としての一つの基準がありますから、そういうものを考慮いたしまして七・一%の引き上げを行うことにしております。
 それから、印刷物などの物件費につきましては、これは物によっていろいろあるわけでございますが、物価の変動というようなものを勘案いたしまして引き上げを行っておるということでございます。
 第二番目に、値下がりをしたものは何かということでございますが、燃料費につきましては若干単価の引き下げをさせていただいております。理由は、円高が非常に進んでおりまして、燃料費が実際に相当下がっております。そこはやはり実態が下がっておるのであれば、それに応じて若干引き下げるのもやむを得ないのではないかと考えて、そういう改定をやらせていただいております。
 次に、消費税の導入に関連する事柄でございますが、消費税の導入による影響額についてはその所要額、これは申し上げるまでもございませんが、例えば人件費なんかにはかかりませんから、消費税が必要となるものにつきましてはその分をきちんと織り込んでやらせていただいております。
#42
○中村(巖)委員 少し法律プロパーの問題を離れまして、公選法に入るわけですけれども、まず最初に選挙人名簿の調製についてお尋ねしたいと思います。
 選挙人名簿は、永久選挙人名簿ということで、各選挙管理委員会で調製されておるわけでありますけれども、これについて電算化をすることはできないのかということをお聞きしたいと思うわけであります。
 各市町村の末端に至るまで、今日ではコンピューターを導入していろいろなものをやっている、あるいは住民登録というようなものもコンピューターでやっているという実情にあるわけで、そういう時代になりましてもなお選挙人名簿は手書きというか、そういった形でつくらなければならない、これでは時代に合わないのではないか。なおかつ、電算化をすれば、選挙人名簿の調製をする、選挙時の選挙人名簿なんというのをつくるときに極めて迅速にできるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#43
○浅野(大)政府委員 御指摘いただきましたように、各市町村とも事務の改善、特にOA機器の利用が非常に進んでおりまして、電算機を導入しておるところも極めて多いわけでございます。また、選挙人名簿がリンクいたしております住民基本台帳における電算化というものも非常に進んでおります。そういう意味で、電算化の問題をどう考えるかというのは一つの重要なテーマであると私どもも認識いたしております。
 若干技術的な話で恐縮でございますが、今公選法上、カード式によってつくれという規定がございますから、その規定のことをどう考えるかということがあると思っております。電算機を事実上その作業に利用して、仕上がりをカードの形にすれば、そういう意味では今でももちろん電算機が使えないことはないわけでございますが、ただ、それをさらに進めまして、住民基本台帳とうまくリンクしたような形で電算機をどう上手に使えるかという問題もあろうと思うわけでございます。この点につきましては、確かにいろいろと考えなければいかぬところがあるわけでございますが、一方で、選挙人名簿が選挙権行使の資格に係る重要な名簿でもございますし、やはりこれは市町村の選挙管理委員会で調製、保管に当たるというシステムが正しいと思いますので、そういう面もありますので、今申しましたようなことを前提に、一体制度上、技術上どう考えていったらいいか検討すべき点があるわけでございます。これまでもさまざまな角度から検討を加えてきたところでございますけれども、今後さらに詰めた検討をしていきたいと思っております。
#44
○中村(巖)委員 選挙人名簿の調製の能率という問題と関係あるのかないのかわかりませんけれども、次にお尋ねしたいことは、地方自治体の長なり議員の選挙については、その地域に三カ月居住し続けないと選挙権自体が発生しない。これはその自治体に属する住民というためには三カ月が必要であるということはわからないでもないわけでありますが、国政選挙については、住所を移転した場合におきまして、選挙権は終始一貫あるわけですね。選挙権そのものは終始一貫あるのだけれども、三カ月たたないと選挙人名簿に登載されない、したがって選挙権を行使することができない、こういうふうになっているわけです。これはなぜだろうかということを私は大変疑問に思っているわけで、このことについてどうしてこういう制度にしてあるのか、それを伺いたいと思います。
#45
○浅野(大)政府委員 この点につきましては、一つは今質問の中でもお触れいただきましたけれども、地方選挙について三カ月の住所要件を必要としておるということとの絡みが一つございます。それからもう一つは、やはり選挙人名簿の正確さを期する必要がある、そういうための事務的ないろんな手数も考慮してやっておるということでございます。なぜかといいますと、その三カ月の問題について、確かに国政選挙についての選挙権は、住所がどこに変わろうととにかく選挙権はあるわけでございますから、すぐにやってもいいじゃないかという、ごもっともだとも思うのでございますが、実際事務を処理する場合をお考えいただきますと、今は国政選挙にも地方選挙にも両方使える選挙人名簿というのを一本でつくっておるわけでございまして、それも毎年九月に定時につくっておるわけでございます。もしこれを要件を変えまして、地方選挙は三カ月だけれども国政選挙は転入すればすぐだということにいたしますと、そこのところで両方つくらなければいけないというような問題もございますものですから、そういうようなことで今のようなシステムをとらせていただいておるということでございます。
#46
○中村(巖)委員 それは私は、基本的におかしいと思うのですよね。地方選挙の場合選挙権がないんだ、新しく移ってきたところではそこの住民として新住民で選挙権がないんだ、ところが国政選挙では、選挙権はあるけれども選挙の投票ができないんだ、こういうことになっちゃって、本質的にそれは違うと思うのですよ。選挙権はあるのだけれどもそこでは投票ができない、こういう制度自体はおかしい。例えば東京から北海道に移っていった者が、あなたの投票は東京ならできますよ、あなたは北海道ではもう投票はできません、こういうふうに否定されちゃうということは、選挙権の行使に対して大変に阻害をしている、こういうことになるので、事務能率上の問題と言われるならば、これは先ほど私が御指摘を申し上げた電算化等の措置によって、仮に三カ月というのが不当とすれば、全くゼロとすることはできないにしても、あるいは一カ月なり二十日なりで投票ができるようなそういう事務機構というもの、システムというものは構築できるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#47
○浅野(大)政府委員 確かに国政選挙につきまして、住所を移転いたしまして三カ月以内に選挙が行われますと、前に住んでいらしたところで投票していただかなきゃいかぬ、こういう形になるわけでございます。ですから、御質問の御趣旨もよく理解はできるのでございますが、ただ、やはり選挙人名簿を二つつくらなければいけないかという問題と、それからもう一つは、正確性を期する
という面におきまして、事務処理の作業のスピードそのものもありますが、あと事実確認というのを場合によってはしなければいけないようなこともございますものですから、そういうものを含めての事務処理期間というものもあるということを御理解いただきたいと思います。
#48
○中村(巖)委員 それともう一つ、この選挙人名簿の登録の抹消ですが、これは四カ月たつと抹消するんだ、こういうふうに書いてあるわけですけれども、それは三カ月ということに伴って、それにプラスーカ月をくっつけて四カ月たったら抹消するんだ、こういうことにしたんだろうと推定をしますけれども、これもまたおかしいことで、やはり事務のいろんな問題、あるいはまた本人自身が転居をしてもすぐには届けないという問題があって一カ月アローアンスがあるのかもしれませんけれども、そんなことをすると二重に選挙人名簿に登載をされているという期間というものを生ずることになる。この辺のことについてはいかがお考えでしょうか。
#49
○浅野(大)政府委員 住所を移転いたしました場合に移転先では三カ月後、それからもと住んでおったところでは四カ月後抹消、その一カ月の問題でございます。おっしゃるように、その一カ月間は両方の選挙人名簿に名前が載っているという可能性はあるわけでございますが、これはただそういう余裕期間を設けておりませんと、まさに転入の手続等がおくれた場合にどこでも選挙ができないという事態が起こってもいけませんものですから、そういう余裕期間のようなものを設けておるということでございまして、新しい住所地で登録された方は当然従前の住所地では選挙できない、こういうふうに法令上も定めさしていただいておるところでございます。
#50
○中村(巖)委員 それについても三カ月を短縮するということ、あるいはそれに伴って本来住民票というものを十四日間以内で次の住所地へ移さなければならないんだ、こういう法律になっておりますから、そういうことも含めてやはり登録の三カ月あるいは抹消の四カ月というものを短縮をする方向でお考えをいただくべきではないか、こういうふうに考えます。
 それはそれとしまして、次に、この夏、東京都議会議員選挙、さらには参議院の選挙、いずれも任期満了によって行われる、こういうことになるわけですけれども、その両選挙とも、都議会選挙は地方選挙ですが、選挙の期日というものは全く今の段階で決まっておらない、こういう状況なんですね。それは国会が悪いんだという、参議院選挙についてはこういう部分もあるかもわかりませんけれども、こういうふうにもう任期がいずれも満了が間近でありまして、にもかかわらず選挙期日が決まらないということになると、要するに選挙直前になって、公示の直前ですけれども選挙期日が決まる、こういうようなことになると選挙管理委員会というのは事務が非常に困るんじゃないか。こういうことで今現在、例えば任期満了の前三十日以内に選挙をやれということが法律に書いてありますけれども、それだけでは足りないんじゃないか。実は公示の前何日以前には選挙の日というものは決めておかなくちゃならぬのじゃないかという、こんな気がするわけですけれども、今の法律だともう決めてすぐ公示だ、こういうことが可能になってしまうので不合理ではないかと思いますが、いかがですか。
#51
○浅野(大)政府委員 制度的な面から申し上げますと、実際に特定することの話でございますが、選挙の期日をいつ定めなければならないということは書いてございませんから、かなり早い時期にもう決めるというケースもございます。それから逆に、なかなか公示日の近くにならないと決められないというケースもあるわけでございまして、確かに選挙管理委員会としてはできるだけ早く選挙の期日を定めて、それに焦点を合わせて事務を進めるということが好ましいことだと思いますが、いろんな事情でなかなか決められないという場合もございますものですから、その場合はいろんなケースに対応できるように事務的にはしっかりやっていく、そういう態度で選挙の管理、執行機関としてはいくしかないのかなというふうに思っておるわけでございます。
#52
○中村(巖)委員 ちなみにお尋ねをしておきますけれども、今次都議会議員選挙で今の議員の方々の任期がいつ満了するのか、そして仮に日曜日を選挙の投票日と仮定をいたしますと、前提に置きますといつが選挙の投票日になり得るのか、その辺のことをお尋ねすると同時に、参議院選挙についてやはりお尋ねをしたいのですけれども、なかなかこれは難しい点はあろうかと思いますけれども、任期満了というものがありまして、任期満了前三十日の期間が国会の開会中にかかる場合には、閉会の日から三十一日ないし三十五日でやらなければいけない、こういうことになっております。大体任期満了前三十日がもう既にかかっておりますので、どういう日が想定されるか、これも日曜日を前提とするわけでございますけれども、お答えをいただきたいと思います。
#53
○浅野(大)政府委員 まず、都議会議員選挙の場合でございますが、任期満了日は、本年七月二十二日となっております。したがいまして、選挙を行う日は、六月二十二日から七月二十一日までの間ということになります。その間の日曜日ということでとらえますと、六月二十五日、七月二日、七月九日、七月十六日が入ろうかと思います。
 それから、参議院議員の場合は、御案内のとおり、国会の閉会の日から三十一日以降三十五日ということでございます。
#54
○中村(巖)委員 これから本当は政治資金規正法関係もいろいろお尋ねしたいこともありましたが、時間になりましたので、これで終わります。
#55
○中山委員長 岡田正勝君。
#56
○岡田(正)委員 先ほど御質問の中にありましたけれども、国の選挙の執行のために地方団体が自己財源を持ち出すというような事態は生じていないのかということをひとつ明確に答えてください。
#57
○浅野(大)政府委員 私ども、実態の調査なども選挙の後やらしていただいておりますが、まずないと判断してよいのではないかと思っております。
#58
○岡田(正)委員 先ほどもないと思いますという御答弁であったのですが、都道府県などの選挙管理委員会等からの要望書を見てみましても、相変わらずあるのですよね。時間がありませんから簡単に言いますと、例えば人件費、物件費などを実情に見合うように改正してください。非常に簡単なことですね。それから、選挙公報というのを出しますな。この選挙公報の印刷経費について大幅に不足額が生じます、何とかしてください。これは今この中の二つだけ言うたのですが、これなど見ても、実情に合ってないのをそのままにしたのじゃぐあいが悪いが、今回の場合はそれに対して対応ができておるからもうないと思う、こういう意味のないと思うという答弁なのかどうか、それを言ってください。
#59
○浅野(大)政府委員 従来から私は、選挙の執行経費というのは、超過負担の問題はほかの国庫支出費に比べて非常に少ないと思っております。ほっておきますと、三年間の物価上昇その他もあるわけでございますから、当然これは不足を生ずるということになりますので、それはこれまでのところ三年ごとにきちんきちんと改定さしていただいております。そういう意味では前回、三年前もまずなかったと思いますけれども、それから三今回の選挙についても大体大丈夫じゃないかと思っております。
 ただ、給与単価の問題は、先ほどもちょっと触れましたけれども、国家公務員の水準に照らして多い場合にどうなるかということは、それはあるかと思います。
#60
○岡田(正)委員 それではもう一遍確認をしておきますが、例えば公職選挙法等改正に関する要望書などというのが、例えば全国市区選挙管理委員会連合会とかいうふうにして出てきますね。その要望書に対して当局の方はどういう対応をするの
ですか。受理いたしました、はいと言ってごみ箱に行くだけですか。どうやるのですか。
#61
○浅野(大)政府委員 要望書が出てまいりますと、必要によってはその要望された方に事情も聞いてみます。それから、三年に一遍単価改定をやるわけでございますから、予算要求をする場合に、要望の中でこういうものは改善点としてやるべきじゃないか、ここはちょっと無理かなという検討をいたしまして、それで予算を組ましていただいておるということでございます。
#62
○岡田(正)委員 そうすると、例えば都道府県の選管とかあるいは市町村の選管というものに対して、要望書が出てきたものに対しては真剣に対応を、三年ごとの改正のときには対応をしておるが、今の都道府県連合会とかあるいは市町村連合会とかいう選管の連合会、その要望書をお出しになったところには直接回答するということはないのですな。
#63
○浅野(大)政府委員 その要望書自体に対して、例えば第一の点についてはこう、第二の点についてはこうという形での回答はいたしておりませんが、予算を組みました場合に、こういうふうに単価の内容を改定いたしております、例えば今回の場合ですと、ポスター掲示場につきまして、十三人以上候補者がある場合にはそういうランクをまたつくる加算規定を設けるということをしましたから、そういう改定をしましたということは各選挙管理委員会に御通知しております。
#64
○岡田(正)委員 大蔵省、お見えになっておりますか。
 今いろいろと問題になっておりますことにちょっと関連をして、政治資金の問題についてお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、こういう場合はどうなるのでしょうかということをよくわかるようにおっしゃっていただきたいと思います。
 献金をしますね。お金ですね。あるいはこのごろ有名になった未公開株を差し上げる、こういうようなことがあります。そういうときに、企業の方から受け取った人が、秘書が秘書がというのが非常に盛んなのでありますが、秘書が受け取ったという場合の未公開株の利益いわゆる収益、それから献金、現金を秘書が受け取ってそのまま秘書が懐に入れたときには課税問題はどうなるんだろうか。これは税金のいろいろな種類がありますね。所得税や法人税、そういうのを分けて教えていただきたい。
 それから、その秘書が真っ正直に、はい、これだけのものをいただきましたからといって直接議員に持っていって、議員が懐に入れた場合、そのときの課税は一体どうなるのであろうか。
 それから、秘書が、こういうものが来ましたよという報告は議員にはするけれども、政治団体にそれを入れたという場合にはどうなるのでしょうかということについてお答えいただきたいと思います。
#65
○阪田説明員 今のお尋ね、企業からの献金等という理解でよろしゅうございますでしょうか。
 今、二つお話があったわけです。一つは献金といいますか現金そのもの、もう一つは株式のお話でございました。
 まず、献金の方から申し上げますと、献金、あるいは株式でも同様ですが、ただで株式を受け取ったというような場合を想定してお答え申し上げたいと思います。
 先生にあてられたものをかわって秘書が受け取った。第一番目は、議員じゃなくて秘書がそれを自分のものにしてしまった、自分のポケットに入れたということかと思いますが、その場合は、その政治献金相当額あるいはただでいただいた株式の時価相当額、これが秘書の所得ということになりまして、所得税の課税の対象になるということかと思います。
 それから二番目は、秘書はただ預かっただけであって、それをそのまま議員の先生御本人に渡したという場合でございますが、その場合は、その政治献金なりあるいは株式の時価相当額、これは当該議員の雑所得に係る収入ということになりますので、当該収入、まあその他にも収入があるでしょうが、そういった収入から政治活動のために費消した金額、これを差し引いて残りがあれば、雑所得としてやはり所得税が課せられるということになります。
 それから最後に、議員秘書を通じて政治団体等にお金が行ったという場合、この場合は、政治団体は通常人格のない社団等ということになりますので、法人税法で、特定の収益事業を営む場合以外は課税をしないということになっております。したがって、政治団体が企業から政治献金を受けるあるいは株式を無償で譲り受けるという行為は、その行為自体収益事業に該当しませんので、また法人税の課税関係は起こらないということでございます。
#66
○岡田(正)委員 大変よくわかりました。
 その次に、今度はかの有名なパーティー券でありますが、このパーティー券の収益というものが、預かり金にしておりますというようなことがこのごろはやり言葉になっておりますね。金は一体どこに行ったのか、それは預かり金にしてある、こういうようなことをよく聞くのでありますが、恐らくそれは秘書さんが預かり金として持っておるんではないかなというふうに思うのですよ。それで、そういうパーティーの収益金を秘書さんなりあるいは自分の参謀なりが預かり金として持っておる場合、個人の人格で預かり金として持っておる場合は、一体これはどうなるんでしょうか。
 それから、いま一つの問題は、その収益金を取り扱った秘書がこれ幸いと自分の懐に入れてしまった場合はどうなるでしょうか。それから、秘書がそのまま正直に議員さんにそれをそっくりお渡しをして、議員さんが所得をされた場合には一体どうなるんでしょうか。それから、同じくその預かった秘書がそれを政治団体にほうり込んだ場合はどうなるんでしょうかということをお答えください。
#67
○阪田説明員 今のパーティーの収益でございますが、要するに人格のない社団等、後援会や何か、そういうものがパーティーを開催することが多いと思うわけですけれども、そういう後援会なんかがパーティーを開いて、その上がった収入から費用を引いた残りのお金、これを秘書にお渡しになるという前提かと思います。
 まず、最初の預かっているという状態でございますけれども、これはそのお金がだれに帰属するかというのとだれが保管しているかというのはおのずから別なことである。だから、預かるあるいは預けるという行為自体は損益には関係はしません。要するに、そのこと自体によって所得が発生したりあるいは所得が減ったりというようなことではありませんので、保管するあるいは保管させるという行為自体によっては、所得税や何かの課税関係は生じないということかと思います。
 最終的にそれがだれに帰属するかということが課税の上ではポイントになるわけでございますが、それは、先ほど申し上げましたように、政治献金を企業から受け取るという場合と全く同様でございまして、秘書が自分のポケットに入れた場合は秘書の所得として課税される。それから、政治家に渡れば政治家の雑所得に係る収入になって、そこから政治活動に要する費用を引いた残りに、もし残りがあればですが、課税される。それから、政治家の政治団体等に入るという場合は、これはやはり人格のない社団等として課税関係は起こらないということでございます。
#68
○岡田(正)委員 どうも大変ありがとうございました。結構でございます。
 次に、今度は大臣にちょっとお尋ねをいたします。
 政治改革についての質問でございますが、大臣は現在のような国民の政治不信を招きました最大の理由、それは一体何であるとお考えになりますか。
#69
○坂野国務大臣 やはり問題のリクルートに端を発しまして金にまつわる問題が政治家に対する不信を買った、これが最大の原因じゃないかと思います。
#70
○岡田(正)委員 竹下総理は、政治改革はみずからの政治生命を賭して取り組むということを明言していらっしゃるわけですね。そこで大臣としては、その政治改革に取り組む、これは竹下さんが言ったのですからおれは知らぬといったらそれまでですけれども、こういうことに一番関連の深い大臣として、政治改革をこの際やるとすればこれとこれとこれとこれだけはやらなければいかぬぞというようなものを考えておられるならば、それをお考えを聞かせていただきたい。
#71
○坂野国務大臣 予算委員会等で竹下総理自身が抽象的な問題、できるだけ早急に政治改革の緒につけるというような立場で項目をおっしゃっているとおりでございますが、総理自身がけじめをまずつける、それに続いて、当面やるべきことはできるだけ現内閣の時代においても緒につけたい、それから、新しい法制化をやるような問題については新内閣で取り組んでいただきたいというようなことでございますから、そこで言われたことは、とりあえず資産の公開というような問題については、内閣がかわるときには、今までやってなかったけれども、最初の組閣したときとそれの終わったときの関係がわかるようなことぐらいはやっていきたいというようなことはおっしゃっているとおりでございます。そのほか、申し合わせでできること、自民党の政治改革大綱の中でもうたわれておりますが、その中でも当面できる問題と中長期の問題と二つに分かれておりますが、ああいう問題を中心にして、できるものからやはり手をつけるべきだという感じがいたします。
#72
○岡田(正)委員 今大臣がお話しになりましたけじめですね。このけじめという問題について、どういうようなことが今回の場合けじめとして考えられるか、甚だ言いにくいでしょうけれども、あえて発言していただけませんか。
#73
○坂野国務大臣 これは自治大臣としては大変コメントをしにくいわけでございますが、政治不信を除去するためのまず第一の重要な課題じゃないかということでございます。自民党の中でも、御案内のとおりに四役が皆さんの意見を聞かれたときに、後任の総裁を決めると同時に、むしろそれよりも早くできるけじめというものを考えるべきだという意見も出ております。ちょうど今自民党の中にも小委員会ができてスタートを切ったばかりでございますから、その成り行きを見守っているということでございます。
#74
○岡田(正)委員 けさほどから小選挙区制の問題についていろいろと高邁なお話を承ったところでありますが、大臣も、大変よく聞かせていただいた、勉強になった、非常に感服をしていらっしゃったようでございますが、小選挙区制というのはいずれやらなければならぬものだなというように大臣は認識をしていらっしゃるかどうか、それで、もしいずれやらなければいかぬなと認識しているとするならば、なぜやらなければいかぬと思っていらっしゃるかということをお尋ねをいたしまして、時間が参りましたので、御答弁を聞いて終わりにさせていただきます。
#75
○坂野国務大臣 これもちょっと自治大臣としてはコメントしにくいのですが、坂野個人ということで……。
 いろいろ自民党の中で議論された中で、やはり中選挙区制という今の制度はいろいろな弊害が出てきているのではないか、いい面もあるかもしれませんけれども、派閥の問題であるとか、政策本位じゃない、個人本位というようなこともいろいろ指摘されて、必ずしも自民党全体が、全員が賛成ということじゃないと私は思いますけれども、しかし大勢としては、政治改革大綱にも出てきたように、やはり小選挙区制に比例代表というものを加味した方向で、将来の問題として、中長期課題として検討すべきじゃないかということも出ております。
 私も入閣早々、おまえさんは一体小選挙区と中選挙区とどっちが経費がかかると思うかというようなことを質問されて、まだ勉強しておりませんからそのようなことはよくお答えいたしかねるという答弁をしたことがございますが、しかし客観的な見方としては、やはり中選挙区の方が経費がかかるのじゃないかということも言われていることも事実だと思っております。
 この問題は、やはり各党各会派の衆議院の皆さんに直接かかわる大問題でございますから、暇をかけてひとつ御議論をいただきたい、そういう考え方でございます。
#76
○岡田(正)委員 ありがとうございました。
#77
○中山委員長 松本善明君。
#78
○松本(善)委員 執行経費の問題でありますが、我が党は、昨年一万三千人余りの署名で障害者のための公選法の改正の請願を紹介をいたしました。点字公報の発行だとか、裁判官の国民審査の点字投票制度の改善等々であります。残念ながら、自民党が反対で採択されなかったのですけれども、やはり障害者の投票というのは非常に重要な問題で、多くの地方公共団体で投票所にスロープをつけるとか車いすを置くとか、あるいは実質的な点字の選挙公報となるような点字新聞、雑誌の配布なんかをやっているという話ですね。
 これは執行経費との関係ですが、本来国の選挙の経費だから執行経費の中で見るのが当然だというふうに私は思うのです。しかし同時に、すぐそうならなくても、これらの施策で自治体の負担がふえた場合には、さっきはそういうことはないと思うというような答弁をしていましたが、その分は調整費その他国費で見ていくというふうにすべきだと思うし、その点は自治省はどう考えているか、お聞きしたい。
#79
○浅野(大)政府委員 私どもも基本的に、障害者の方々に投票に参加をしていただく、いろいろな政見等がそういう方々にもよく伝わるように努めるということが大事だという認識は持っております。ただ、執行経費基準法という制度で考えました場合には、あるいは経費を標準化して定めておるということでもございますので、果たして制度としてその中に織り込めるかどうかということになりますと、現段階ではそれは難しいという認識をいたしております。ただ、実際に選挙管理委員会によりましては、それぞれの実情に応じまして必要な場合には適切な便宜供与もやっておるというふうに承知をいたしております。
 ですから、これは基準法として標準的には見れませんけれども、例えば点字による選挙のお知らせ版の経費というようなものにつきましても、それが必要だというような事情がきちっと認められるところでありましたら、執行経費全体というのはある程度地方団体の裁量で流用して使っていただいてもよろしいわけでございますから、その中で間に合うようであればそういう使い方をしていただくということでございますし、どうしても不足するというような場合には調整費の中で措置するということもやっております。
#80
○松本(善)委員 それから、点字の解読ができない人に公報などの録音テープの配布の希望があります。これは公選法の規定にないからということで選管が直接できないでいるという話なんですが、奉仕団体、社会福祉団体などのボランティア団体がやっている、そういうものに対してはやはり援助をして普及すべきじゃないかと思いますが、これも本当は制度的に認めるべきだと思いますが、そういう援助についてもどう考えていますか。
#81
○浅野(大)政府委員 基本的に制度化の問題があるいはあるのかと思いますが、現段階で私どもが考えておりますところでは、選挙の期間が非常に限られておりますものですから、その限られた期間内にそういう点字による選挙公報あるいはそれを録音したテープを間違いなく調製することが一体できるかどうか、また調製したものを選管が責任を持って配布するということでありましたら、これは公平に配布ができなければいけないわけでございますが、それが可能かどうか、そういう技術的な問題がありますものですから、私どもとしては今のところそういうものの制度化は必要ないということでございます。これからも関係方面の御意見を伺いながらいろいろと勉強はしてまいりたいと思います。それから経費の点につきまして
は、先ほど一般的な考え方を申し上げたとおりでございます。
#82
○松本(善)委員 ボランティア団体への援助というようなことはどうですか。
#83
○浅野(大)政府委員 ボランティア団体への援助という形ではなかなか難しいのではないかと思いますが、選管がどういうふうに関与できるか、その選管の選挙執行経費としてどういう出し方ができるかという話かと思います。
#84
○松本(善)委員 そのほか、聴力障害者のための立会演説会の復活というような要望もあるのですが、手話の場がなくなって、テレビの実況放送もなくなったので、演説会の復活とともに、テレビの政見放送に手話通訳や字幕を導入してくれ、そういう要請があるのです。自治省でも政見放送研究会というのをつくって検討しているという話なんですが、今どうなっていますか。
#85
○浅野(大)政府委員 聴覚、言語に障害がある方と政見放送の問題につきましては二つの側面があったわけでございます。そういう方御自身が立候補された場合にどういう方法で政見放送を伝えるかということでございますが、これは御案内のとおり、一昨年でございますが、そういう候補者から提出していただいた原稿を放送局の方で録音をして、それを使うという方法で解決したわけでございます。
 残っております問題は、政見放送等をテレビでごらんになる場合、手話通訳というようなものを例えばそこにつけられないか、あるいは字幕を入れられないかという問題であろうかと思います。この点は私どもも、そういう障害を持った方々に政見が伝わるように努力をするということは大事だと思っておるのでございますが、問題は、これまた限られた期間ということを申し上げざるを得ないのでございますけれども、ともかく一定の限られた期間内に多くの候補者について、しかもこれまた公平、公正に制作しなければいかぬということがございます。そのために、そういうところからまいります政見放送制作上の問題、技術上の問題等がいろいろありますものですから、政見放送研究会をつくって勉強してきたわけでございます。
 これまでそれぞれ関係の方からいろいろな御意見もいただいておるわけでございますが、一つの問題として、手話通訳をされる、その手話通訳を導入する場合には、ある程度のレベルと申しますか、その方にお願いすれば政見放送として皆さんにお伝えするのに大丈夫だろうという方々を確保するというような問題もございます。その辺になりますと手話通訳者の認定というような問題等もありまして、これは厚生省がやっていることでございますが、その辺のところの仕組みのでき上がりぐあい、そういうものもにらみながらなお今検討を続けておるということでございます。
#86
○松本(善)委員 余り顕著な前進がないようなんですが、やろうと思えばできることだと思うので、やはり今度の選挙で一定の前進ができるようにすべきだと思います。自治大臣もそういう努力をされるべきではないかというふうに思います。
 もう一つ聞きたいのは、寝たきり老人の在宅投票問題ですが、寝たきり老人とか妊産婦、一時的な疾患の患者にも郵便による在宅投票を認めるように我が党は修正案を出したこともありますが、そのときに附帯決議で「在宅投票制度については、政府は、その実施状況の推移を勘案して今後さらに拡充の方向で検討する」ということになっております。六十歳以上の棄権の理由は、明るい選挙推進協会の世論調査によりますと、病気が半分なんですね。やはりこれをもっと進めなければならないというふうに思いますが、どこまで進んでいますか。
#87
○浅野(大)政府委員 在宅投票といいますか、郵便投票の対象の範囲を拡大することにつきましては、これまでもいろいろ御意見をいただいております。ただ一方で、これは終戦間もないころですが、一回在宅投票制度というのが広く実施されまして、それがかなり悪用されたという実績もあるわけでございます。そういう点を考えますと、やはり選挙の公正をどう確保するか非常に考えなければいかぬところもあるわけでございます。そういうことで、私どももいろいろと考えてはみるのでございますけれども、今のところまだそれを解決する道は見出せないという状況でございます。やはりどうしても、一体対象となる方をどう客観的に把握したらいいのか、またそういうものをどういう方法で証明すればいいのかというようなところを十分見出せないでおるということでございます。
#88
○松本(善)委員 自治大臣に伺いたいのですが、今私がいろいろ選挙部長相手に質問していたことについてどうお考えなのかという点。
 それからもう一つ、自民党は政治改革大綱で企業献金のむしろ枠の拡大を提起している。私ども、今度のリクルートの問題は、企業献金がいかに政治を毒するかということの一面を証明したというふうに思うのですね。それは世論の中でも出ております。朝日新聞の五月十一日に載っております世論調査では、政治家は献金企業の影響を受け過ぎる、それが八六%です。日本世論調査会が三月の二十五日、二十六日にやった世論調査では、企業献金を一切禁止すべきというのが三六・六%、規制を強化すべきだというのが三〇・一%、合わせますと六六・七%ということになります。それから朝日の三月二十八日の世論調査では、企業献金の規制強化が七五%ということで、企業献金の禁止ないし規制強化と害悪を指摘するというのが七〇%から八〇%という世論調査の結果が出ております。自民党の提案したものはこういう国民の声とは全く相反する方向へ行っているのではないかというふうに思うのですが、自治大臣に先ほど申しました二点を伺いたいと思います。
#89
○坂野国務大臣 選挙部長とのやりとりは私も聞いておりました。検討すべき課題があると思いますので、できるだけ検討すべきものは検討させていただきたいと思っております。
 それから、企業献金の問題政治献金は個人献金を重点にすべきだということは、再々いろいろな機会に話が出ておることは私も承知しておりますけれども、それに対して今までのいろいろな予算委員会とかその他の機会で、我が方としては、特に自民党の立場から申し上げますと、やはり企業も社会的なれっきとした存在でもあるし、そしてそれぞれの立場で企業から浄財をいただいて、それに基づいて正常な国会活動を行う、あるいは党の活動、政治活動を行うということは当然なことじゃないかという議論が強いわけでございまして、先生の御意見もわからぬわけではございませんが、この問題、非常に重要な問題でございますし、自民党としては御案内のとおりに党の改革大綱の中では、できるだけ一本化して、そのかわり政党法とかなんかをつくって、入りの方の、受ける受け皿というものを明確にして、そしてできるだけ公明正大な形で、公開すべきものは公開をしながら、企業献金の枠については今後の問題として検討したい。できることならば、やはり企業献金の拡大についても検討すべきじゃないか。
 いろいろ今考えてみますと、私ども自身が、やはり前回の政治資金規正法、これも全く個人的な見解でございますが、改正されたそれ以降に急にパーティーとかなんとかというものが、ああいう現象が発生したのは、確かに今各党が検討されている出の規制といいますか、政治に金がかからないような方策が余り十分行われなかったために、やむを得ずそういうパーティーも行われたということも言えないことはない面もあるわけでございます。その辺を総合的に考えながら、大変重要な問題でございますから、急に結論が出る問題じゃないと思っておりますけれども、各党会派で十分この問題は議論を尽くして結論が出されるものじゃないかと思っている次第でございます。
#90
○松本(善)委員 公選法や政治資金規正法でも、国からの請負契約を持っている者とかあるいは国から補助金などをもらっている会社とか、そういうものの政治活動に対する寄附を規制しておりますけれども、それはやはり企業献金の害悪が出てきておるところを一部押さえている。やはりここ
のところをもっと規制するということをしなければならないし、我が党は、企業献金を禁止すべきだ、どうしても営利企業が献金をすればわいろ性を持たざるを得ないというふうに主張していますが、自治大臣の御見解は自民党のあれを否定するものではない。私は遺憾にも思います。
 もう一つお聞きしたいのは、金のかからない制度をつくるということで今度の自民党の案では、政党法も結社の自由を侵す危険がありますし、政治活動のポスターの規制強化とか、いろいろこれに便乗してといいますか、逆行するようなことが幾つもあります。
 最大のものは、私は、小選挙区制ではないか。先ほど来も議論がございましたけれども、後藤田さんが委員長なんですが、自治大臣も参議院議員だから覚えておられるかもしれませんけれども、四十九年の参議院選挙でいわゆる徳島戦争というのがある。これは後藤田さんが立候補して、次点で落選したわけですね。そのときに二百六十八人の逮捕者を出しまして、金権政治の象徴だと言われた。これは「後藤田正晴全人像」という書物の中で書かれているものです。間違いないですね。金権政治の象徴だと。
 小選挙区だったら一人区だから金がかからないと、さっきもちょっと中選挙区の方がかかりそうなことを言っておられましたけれども、「自民党金権の構図」、これは毎日新聞が連載をしたものをまとめた本ですけれども、その一番最初が長崎地方区の選挙ですね。これはやはり一人区。宮島滉さんの言葉を入れながら、河本派と田中派が宮島さんをどちらがとるかということで金が流れた話が事細かに書かれている。
 だから、一人区だから金がかからないなんというのは全くうそですよ、二つの例だけでありますけれども。だから竹下総理でさえも、二月十七日の衆議院予算委員会で、選挙区が大きいから小さいから、それで金がかかるかからないと一概に断定できないという趣旨の答弁をした。大臣もお聞きになっていたと思います。
 私は、小選挙区になったから金がかからないということは絶対にないと思うのです。そのほか金がかかるところが、自民党の総裁選挙とかあるいは野党工作費なんか盛んにいろいろ議論になっていますけれども、そういう金のかかるところにメスを入れなければならない。選挙区を小選挙区にしたら金がかからないというのは全くうそだと思いますけれども、自治大臣の見解を伺いたいと思います。
#91
○坂野国務大臣 さっき私も御答弁いたしましたように、一番最初に、私は入閣早々から、小選挙区と中選挙区とどちらが金がかかるんだ、小選挙区になると本当に金がかからぬのかという質問を受けて、まだ勉強しておりませんから今直ちにお答えできないということを申し上げたのですが、やはりそれは確かにケース・バイ・ケースで、小選挙区といえどもいろいろなその地区の実情によってはかえって金のかかるところもあるかと思います。
 しかし、相対的に申し上げると、中選挙区についてはいろいろな指摘をされているように、例えば同じ党からたくさんの候補者が出て、政策の戦いじゃなくて個人の戦いだというようなことにもなってくる可能性もある、そういうことも指摘されておりますし、そういうことを考えると、少なくとも平均的な形からいうと中選挙区の方がそういうケースが多いということからいって、小選挙区よりも相対的には中選挙区の方がそういった弊害が出てくるのじゃないかということを指摘されているのは御承知のとおりでございます。そういうことを踏まえて、自民党の方が大綱の中でああいう案が出てきたわけでございます。
 しかし、最終的には各党会派でお決めになる問題でございますから、私が自治大臣としてどっちがいいとか悪いとか、そういうことを決めつける、また小選挙区の方と中選挙区とを比べてどっちの方が確実に金がかかるとかかからぬとかいうことは、まだ的確な資料を持っておりませんし、その辺は各党各派で御議論いただく問題だと思っております。
#92
○松本(善)委員 時間が来ましたので終わりますが、その小選挙区問題企業献金問題についての自治大臣の見解とは全く違う。小選挙区問題というのはやはり自民党の永久政権ということになる、私どもは絶対反対だということを申し上げて、質問を終わります。
#93
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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#94
○中山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#95
○中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#97
○中山委員長 次回は、広報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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