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1988/05/19 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 環境委員会 第2号
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1988/05/19 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 環境委員会 第2号

#1
第114回国会 環境委員会 第2号
平成元年五月十九日(金曜日)
    午後零時三分開議
出席委員
  委員長 菊池福治郎君
   理事 小杉  隆君 理事 園田 博之君
   理事 平林 鴻三君 理事 持永 和見君
   理事 春田 重昭君 理事 北橋 健治君
      唐沢俊二郎君    鈴木 恒夫君
      平沼 赳夫君    岩垂寿喜男君
      金子 みつ君    遠藤 和良君
      斉藤  節君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 青木 正久君
 出席政府委員
        公害等調整委員
        会委員長    勝見 嘉美君
        公害等調整委員
        会事務局長   高島  弘君
        環境庁長官官房
        長       渡辺  修君
        環境庁企画調整
        局長      安原  正君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 目黒 克己君
        環境庁自然保護
        局長      山内 豊徳君
        環境庁大気保全
        局長      長谷川慧重君
        環境庁水質保全
        局長      岩崎 充利君
 委員外の出席者
        環境委員会調査
        室長      川成  昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  遠藤 和良君     平石磨作太郎君
同日
 辞任         補欠選任
 平石磨作太郎君     遠藤 和良君
五月二日
 辞任         補欠選任
  永末 英一君     春日 一幸君
同日
 委員春日一幸君が死去された。
    ―――――――――――――
三月二十四日
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五五号)
同月三十日
 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第七三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十日
 広域的大気汚染の防止に関する陳情書(宇都宮
 市塙田一の一の二〇栃木県議会内神谷正二)(
 第一一八号)
 スパイクタイヤ粉じんの発生防止に関する陳情
 書(長野県更級郡大岡村議会内鳥谷越一)(第
 一一九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 環境保全の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○菊池委員長 これより会議を開きます。
 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、環境庁長官から環境保全の基本施策に関する所信を聴取いたします。青木環境庁長官。
#3
○青木国務大臣 第百十四回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたしたいと存じます。
 昭和の時代が終わり、新しい平成の時代を迎えたことは、環境問題の観点からも感慨深いものがあります。
 顧みれば、昭和の時代は、大戦の惨禍と廃墟からの復興期を経て、高度経済成長の反面としての深刻な公害と自然の改変という試練に遭遇した時代でありました。この試練の克服に官民挙げて努力し、今や経済的な繁栄を達成するとともに、環境の状況も過去に比べて大きく改善されるに至ってきております。
 新しい平成の時代を迎えて、私は先人の英知と努力に深く敬意を表するとともに、かけがえのない環境と美しい地球を守り、はぐくみ、後世に引き継いでいくという崇高な使命を改めて自覚し、その達成に向けて着実に前進していくことを決意する次第であります。
 環境問題は、近年、国内、海外を問わず大きな関心を呼んでおり、環境重視の思想は、世界的な潮流と言っても過言ではありません。環境問題の解決は国民各層の支持を抜きにしては考えられず、私は、この環境問題に関する大きな流れを見失うことなく、その要請にこたえることが、環境行政に託された最大の任務であると考えております。
 さて、内外の環境の現状を見ますと、まず、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、海洋汚染、熱帯林の減少、開発途上国における公害の進展等が地球環境を大きく脅かしつつあることを改めて指摘せざるを得ません。
 このような地球環境問題については、本年三月、私が竹下総理の代理として出席いたしましたハーグにおける環境首脳会議や、ワシントンにおける日米環境合同企画調整委員会を初めとして、首脳レベルや閣僚レベルの国際会議がたびたび開催され、国際的にも特に重要な課題として取り組みが進められているところであります。
 また、国内においては、大都市を中心とする窒素酸化物による大気汚染、湖沼・内湾、都市内中小河川等における水質汚濁等改善がおくれている問題があるとともに、有害化学物質等によるいわゆるハイテク汚染のような新たな問題も生じてきております。
 一方、生活に潤いと安らぎを求める国民の声の高まりにこたえ、質の高い快適な環境を創出していくとともに、すぐれた自然や身近な自然を適切に保全・活用していくことの重要性が高まってきております。
 私は、以上のような状況を踏まえ、今後、特に次のような事項に重点を置いて、環境行政を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 第一に、地球環境の保全を図るための取り組みの一層の強化・推進であります。
 青く美しい地球は、人類共通のふるさとであり、人類の生存基盤そのものであります。世界経済において極めて大きな役割を占め、かつ、種々の面で地球環境と大きなかかわりを有する我が国としては、地球環境問題を特に重視し、人類と地球の未来のために一層主体的かつ積極的に役割を果たしていくことが必要であり、このことが、世界の期待と要請にこたえるとともに、「世界に貢献する日本」を実践する道であると信じます。
 このため、本年秋には、地球環境保全に関する国際会議を東京において開催し、世界の有識者の英知を結集して、地球環境問題の解決に貢献してまいる所存であります。
 また、フロンの削減、人工衛星を活用した観測研究の充実強化等のオゾン層保護対策、地球温暖化対策、酸性雨対策、海洋汚染防止対策等を推進するとともに、国立公害研究所を初めとし、関係省庁の研究機関等における地球環境保全に関する調査研究の促進を図ってまいります。
 さらに、国連環境計画等の国際機関や国際条約を通じての国際協力を進めるとともに、開発途上国の持続可能な開発に向けて環境保全計画の策定を支援する等環境問題に関する国際協力を積極的に進めてまいります。
 第二に、ふるさとの環境づくりの推進であります。
 私は、日本人一人一人がみずから住む地域をふるさとと感じることができるような真の豊かさを実現するため、環境面から積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
 このため、地域に存する環境資源の適切な保全と活用により快適で良好な地域づくりを進めるとともに、環境教育の推進などにより住民みずからの手による環境づくりを推進してまいります。
 また、新たに、蛍などが生息するふるさとの特色ある自然を保護し、あわせて自然保護のための教育の場として活用していくための「ふるさといきものふれあいの里」の整備に取り組んでまいります。
 さらに、環境影響評価の適切な実施、公害防止事業団による環境保全事業の推進等多角的な環境保全手法を積極的に活用してまいります。
 第三に、公害防止対策の強力な推進であります。
 大気汚染対策のうち、大都市地域における窒素酸化物対策につきましては、昨年末に「窒素酸化物対策の新たな中期展望」を策定し、今後の対策の方向を示したところであり、これに基づき、ディーゼル車等の排出ガス規制の強化を初めとして各種対策をさらに進めるとともに、自動車交通の抑制方策等につきまして、抜本的かつ総合的に検討を進めてまいります。
 また、アスベストによる大気汚染を未然に防止するため、石綿製品等の製造工場からのアスベストの排出抑制について、大気汚染防止法の一部を改正する法律案を提出いたしているところであり、速やかな審議をお願いしたいと存じます。さらに、スパイクタイヤ紛じんの発生の防止対策につきましても、一層の推進を図る所存であります。
 水質保全対策につきましては、東京湾を初めとする内湾・内海の水質改善のための水質総量規制の推進、湖沼水質保全対策、生活雑排水対策の推進に加え、汚濁の著しい都市内中小河川における対策を進めるとともに、特に近時問題となっているトリクロロエチレン等による地下水汚染を防止する等のため、水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を提出いたしているところであり、速やかな審議をお願いいたしたいと存じます。
 また、有害化学物質対策を進めるとともに、先端技術の進展に対応した環境保全施策を着実に展開していくほか、交通騒音等各種公害対策、監視測定体制の整備等を積極的に推進してまいります。
 第四に、自然環境の保全と適正な利用の推進であります。
 国民の自然志向の高まりにこたえ、自然公園の適切な利用の推進等により自然との触れ合いの増進を図るとともに、そのために必要な施設の整備を進めてまいります。
 また、絶滅のおそれのある野生生物の保護対策や第四回自然環境保全基礎調査の推進を初めとして、野生生物の保護管理、生態系の保全を含めた自然環境の体系的な保全のための施策を推進してまいります。
 第五に、総合的な環境保健施策の推進であります。
 公害健康被害補償予防協会に設けられた基金を活用した健康被害予防事業や大気汚染と健康との継続的な監視体制づくり等、健康被害の未然防止に重点を置いた施策を進めてまいります。
 また、健康被害の救済にも引き続き万全を期してまいります。特に、水俣病対策につきましては、認定業務の一層の促進等に努めてまいります。
 以上、環境行政の主要な課題と今後の取り組みの基本的方向について所信を申し述べました。
 環境問題は、一層複雑化、多様化しつつあり、環境問題をめぐる世界の国々の相互依存関係も一段と深まりつつあります。このような中において、近年環境問題をめぐる議論や関心が高まってきていることは、私には、新しい時代の胎動のように感じられます。この大きな流れを見失うことなく、宇宙船地球号の軌道を敷設することは、我々に課せられた重大な使命であると考えます。
 私は、このような観点から、現状に甘んずることなく、現実的かつ建設的に、国民と手を携えて来るべき豊かで輝かしい二十一世紀へ向けて最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
 本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、何とぞ、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
#4
○菊池委員長 これにて大臣の所信表明は終わりました。
 次回は、来る二十三日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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