くにさくロゴ
1988/05/23 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 環境委員会 第3号
姉妹サイト
 
1988/05/23 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 環境委員会 第3号

#1
第114回国会 環境委員会 第3号
平成元年五月二十三日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 菊池福治郎君
   理事 小杉  隆君 理事 園田 博之君
   理事 武村 正義君 理事 平林 鴻三君
   理事 持永 和見君 理事 川俣健二郎君
   理事 春田 重昭君 理事 北橋 健治君
      小川  元君    唐沢俊二郎君
      齋藤 邦吉君    鈴木 恒夫君
      田中 直紀君    月原 茂皓君
      平沼 赳夫君    岩垂寿喜男君
      金子 みつ君    永井 孝信君
      遠藤 和良君    斉藤  節君
      大矢 卓史君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 青木 正久君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       渡辺  修君
        環境庁企画調整
        局長      安原  正君
        環境庁自然保護
        局長      山内 豊徳君
        環境庁大気保全
        局長      長谷川慧重君
        環境庁水質保全
        局長      岩崎 充利君
 委員外の出席者
        文部大臣官房文
        教施設部計画課
        長       西口 千秋君
        文部省教育助成
        局施設助成課長 伊田 和身君
        文部省高等教育
        局私学部私学助
        成課長     渡邉  隆君
        厚生省生活衛生
        局企画課長   小沢 壮六君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部産
        業廃棄物対策室
        長       三本木 徹君
        通商産業省生活
        産業局窯業建材
        課長      田中 正躬君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生課長   松村 明仁君
        労働省労働基準
        局安全衛生部化
        学物質調査課長 露木  保君
        建設省住宅局建
        築指導課長   鈴木 俊夫君
        自治省財政局財
        政課長     遠藤 安彦君
        環境委員会調査
        室長      川成  昭君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     田中 直紀君
  塩川正十郎君     月原 茂皓君
  鈴木 恒夫君     小川  元君
  金子 みつ君     永井 孝信君
  北橋 健治君     大矢 卓史君
同日
 辞任         補欠選任
  小川  元君     鈴木 恒夫君
  田中 直紀君     江崎 真澄君
  月原 茂皓君     塩川正十郎君
  永井 孝信君     金子 みつ君
  大矢 卓史君     北橋 健治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五五号)
     ――――◇―――――
#2
○菊池委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、大気汚染防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府より趣旨の説明を聴取いたします。青木環境庁長官。
    ―――――――――――――
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○青木国務大臣 ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 大気汚染防止法は、昭和四十三年に制定され、以来、工場及び事業場の事業活動に伴う大気汚染の防止等に大きな役割を果たしてきたところであります。
 しかしながら、近年、石綿、いわゆるアスベストによる大気の汚染、ひいては人の健康への影響に関する国民の関心が高まっており、その未然防止のための措置を講ずることが喫緊の課題となっております。
 石綿は、有用な物質として多くの製品に使われていますが、発がん性などの健康影響を有する物質であります。
 このため、中央公害対策審議会において、石綿製品等製造工場から発生する石綿による大気汚染の防止のための基本的なあり方について答申が取りまとめられたところであります。
 今回の改正はこの答申を踏まえ、石綿等による大気汚染を防止するため、石綿その他の人の健康に被害を生ずるおそれがある物質について規制基準を定めるなど、所要の改正を行うものであります。次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
 第一は、定義の改正であります。
 現行法においては、物の粉砕、選別その他の機械的処理または堆積に伴い発生し、または飛散する物質を「粉じん」としておりますが、改正案においては、粉じんのうち石綿その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれのある物質を「特定粉じん」とし、それ以外の粉じんを「一般粉じん」とすることとしております。
 また、これに伴い、一般粉じんを発生する施設を「一般粉じん発生施設」、特定粉じんを発生する施設を「特定粉じん発生施設」とすることとしております。
 第二は、新たに規制対象として位置づけられた特定粉じんの規制措置に関する改正であります。
 まず、特定粉じんに係る規制基準は、特定粉じんの発生または飛散の態様を踏まえ、特定粉じん発生施設を設置する工場または事業場の敷地の境界線における濃度について定めることとしております。
 次に、特定粉じん発生施設を設置しようとする者に対し、あらかじめ都道府県知事への届け出を義務づけるとともに、都道府県知事は、当該届け出に係る施設について、特定粉じんの濃度が規制基準に適合しないと認めるときは、計画の変更または廃止を命ずることができることとしており、また、特定粉じんの濃度が規制基準に適合しないと認めるときは、特定粉じんを排出し、または飛散させる者に対して改善または施設の使用の一時停止を命ずることができることとしております。さらに、特定粉じんを排出し、または飛散させる者に対して測定義務を課すこととしております。
 以上のほか、特定粉じんに関する規制の導入に伴い、罰則規定その他の規定及び関係法律について所要の整備を行うこととしております。
 この法律案の施行期日は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内で政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○菊池委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○菊池委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
#6
○岩垂委員 アスベスト問題というのは、考えてみると今から三年前、昭和六十一年の十月二十八日に本委員会で、実はミッドウェーの廃棄物の処理の問題に関連をして質問をいたしまして、それがいろいろな意味で反響を巻き起こしまして社会問題にもなったということが一つのきっかけになっているものですから、私なりに大きな責任を感じています。私はその面では決して玄人ではございません。全くの素人なんですが、アスベスト問題の研究会などに参加をしたりあるいは現場をこの足で確かめさせていただいたり、いろいろ勉強をいたしてまいりました。非常に不十分だと思いますけれども、何といいましょうか、私なりの問題意識と、それから揚げ足取り的な質問ではなくて、できれば具体的な提案をしながらぜひひとつ政府に御検討を煩わしたい、こういう立場でいろいろな問題について御質問を申し上げてまいりたいというふうに思います。
 大臣にその前に一言だけお断りをしておきたいのは、ここに小杉さんもいらっしゃいますけれども、やはり地球環境の問題で国際的な会議を日本のイニシアチブで開いたらどうかということを、鯨岡さんやなんかと竹下総理に直接申し入れしたことがございまして、私、自然保護議員連盟の仕事をしておるものですから、早速この九月に国際会議が開かれることになりました。地球環境というのは私どもにとって非常に重大な問題であり、二十一世紀の人類が生き残れるかどうかという大きな瀬戸際に立った条件のもとで、日本がイニシアチブをとってそうした会議を開くことについて環境庁がきちんとこたえてくれたことに対して敬意を表したいし、お礼も申し上げたいと思っております。ただ、フロンだとか炭酸ガスだとか、あるいは熱帯雨林だとか砂漠化現象だとか、いろいろな問題がございますけれども、その会議を開くためにも日本の環境問題、アスベスト問題というのは実は日本だけの問題ではございませんで御承知のとおりでございますので、これらの問題についてやはりきちんとした取り組みをしておいていただきたいな、法律の問題はもちろんきょうから始まる議論の中でいろいろな討議が重ねられるでしょうけれども、政府の対応としてぜひ積極的な対応を求めておきたいな、このことを最初に申し上げておきたいと思います。
 大気保全局長にお伺いをいたしますが、環境庁は、これはもちろん言うまでもないのですが、国としてアスベストというものを発がん物質であるとお認めになったというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#7
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。
 先生はこのアスベストの問題について非常にお詳しいわけでございますが、アスベストと発がん性との関係につきましては、世界的にも我が国におきましても、このアスベストの暴露によりまして、当然一般環境におきまする暴露におきましては肺がんなり中皮腫の発生が起こるということはいわゆる定説という形になっているというぐあいに理解いたしております。
#8
○岩垂委員 国際的な文献、セリコフ教授などを含めての文献などがあるわけですが、我が国でこの因果関係をどのような形で確認なされたのか、若干の例を挙げていただければ大変ありがたいと思います。
#9
○長谷川(慧)政府委員 労働環境といいますか、職場に働いている方々の中におきましてアスベストによります肺がんといいますのは確認されておるということは承知いたしておりますけれども、一般環境においてアスベストによる肺がんという事例は承知いたしておりません。
#10
○岩垂委員 私の言ったのは、因果関係をどのような形で確認されたかということを伺ったわけでございまして、労働環境の中で明らかに確認をしてきた、その事例を挙げてほしいと申し上げたのですが、それはいろいろな例があると思いますから、ここではそれ以上お尋ねをいたしません。ただ、日本のいろいろなデータあるいは日本の資料、日本のいわば調査で因果関係が確かめられたということだと私は受けとめておきたいと思います。
 これは、私は専門家じゃないからむしろお尋ねしたいのですが、アスベストの場合は、これ以下の濃度ならばがんに対して安全といういわゆる閾値、この前からいろいろやりとりしたことがある閾値というのはない。これはアメリカのEPA、環境保護局が適用しているわけですが、その点は同じ認識でございますか。
#11
○長谷川(慧)政府委員 日本の学者におきましてもそのような意見で、コンセンサスになっていると思います。
#12
○岩垂委員 今申し上げたように閾値はないということは、今日では比較的低濃度暴露の場合でも肺がんあるいは悪性の中皮腫になるということがあり得るというふうにお認めになっていると理解してよろしゅうございますか。
#13
○長谷川(慧)政府委員 理論的にはあり得るというぐあいに理解いたしております。
#14
○岩垂委員 実は、これはWHO、世界保健機関の一九八六年ですか、アスベストの人体への影響についてというまとめがございますね。この中に、アスベストは有害ではないみたいな形に受けとられかねないような説明がなされている部分がございます。これは文言どおりに私たちはきちんととらえておく必要があるのではないかという意味で、釈迦に説法ですけれども読み上げてみたいと思うのです。
 一つとして、職業暴露集団においてアスベスト肺、肺がん、悪性中皮腫が起こり得ると考えられる。これらの病気の発生率は繊維の種類、量、加工過程に関連している。二つとして、アスベストの製造、使用をする工場近隣の人々、家庭においてアスベスト関係労働者に接触する人々は、間接暴露を受ける可能性の高い集団であるが、悪性中皮腫及び肺がんのリスクは職業暴露集団より一般的にかなり低い。アスベスト肺のリスクは非常に低い。三番目は、一般居住環境においてアスベストに起因する悪性中皮腫及び肺がんのリスクの確実な数量化はできないが、恐らく検出できないくらい低いであろう。一般人口において肺がんの主な原因は喫煙である。アスベスト肺のリスクは実質的にゼロであるとまとめていますね。
 確かに一般環境の中で実質的にはゼロだというような指摘があるものですから、全く一般環境は問題ないのだ、問題なのは要するに製造過程、つまり事業所だけだというふうに、オール・オア・ナッシングに受け取られる可能性あるいはそういうふうに宣伝されている嫌いがあるのです。これは実は、そういう宣伝に使う材料ではなくて、私はむしろWHOのこのまとめというのは、一般的にはかなり低いけれどもやはり危険はあるのだぞということを言っている文言だというふうにこの際きちんと受けとめておいていただきたいな、文言どおりに受けとめていただきたいなというふうに思いますが、局長、その点はどうですか。
#15
○長谷川(慧)政府委員 先生のお尋ねに直接お答えになるかどうかわかりませんけれども、WHOの評価はただいま先生が読み上げられましたとお
りでございますけれども、私どもは、やはり一般環境におきますアスベスト濃度といいますものにつきましては絶えず監視をして測定をやっていくということで、一般環境におきます濃度が高くなってきますれば当然、実質的にゼロというような表現になっておりますけれども、そのリスクは高まるという懸念があるわけでございますので、そういう面で、従前から先生の御指摘も受けまして、私どもとしましてはモニタリング調査というような形でいろいろ環境濃度の測定を、常時ではございませんけれども定期的に監視をやっているという状況にございますので、先生のおっしゃられました趣旨につきましては私ども同じ考えを持っておるというぐあいに御理解いただきたいというふうに思っております。
#16
○岩垂委員 私の選挙区は神奈川なんですが、神奈川県の悪性腫瘍実態調査報告というのがございまして、それは突っ込んでいろいろお伺いするつもりはございません。ただ一般的傾向としてちょっと指摘をしておきたいのですが、この調査によりますと、横須賀、川崎、それから横浜の南部の工業地帯は他の地区と比べて肺がんの発生率が高くなっている。これは一つのデータでございますから、こういうデータは環境庁は取り寄せて検討したことございますか。
#17
○長谷川(慧)政府委員 先生からお話のございました悪性腫瘍実態調査という報告につきまして私ども実は知らないのでございますけれども、私どもとしましては、厚生省の方で人口動態統計から算出しました各市町村別の標準化死亡率といいますものにつきましては、全国のマップ等をつくっていろいろ紹介いたしておりますので、そこら辺の資料は私どもの方も見ていろいろ勉強させてもらっておるという状況にございます。
#18
○岩垂委員 今申し上げた横須賀というのは、御存じのとおりに、戦前戦後を通してアスベストを非常にたくさん使う造船業がいわば地場産業になっております。そこでの老人健診、これは特定の人ではなくて一般の市民なんです。その老人健診のエックス線写真の所見の中で、アスベスト暴露のいわば証拠と言っては言葉が強いのかもしれませんけれども、胸膜肥厚所見が多く見られる。これは、そういう人たちがおやめになっても市民としてそこで生活しているから多いという傾向は確かに言えると思います。つまり事業所だけで問題を見てはいけないぞということをここでは教えているような感じがいたします。
 それから今度は、これも局長が一番御存じだと思うのですけれども、去年広島大学医学部のグループが、過去四年間に広島県内の病院で死亡した人の肺から九九%の高率でアスベストが検出されたという発表をしたことは恐らく御承知のとおりだろうと思うのです。問題は、それが死に至る因果関係だというふうに私は断定するつもりはございませんけれども、人間の肺の中にアスベストが蓄積されてきているぞということはやはりこの事実の中で指摘ができると思うのです。
 二つのことを結びつけていいますと、今やアスベストの拡散といいましょうか、それがかなり広範囲に広がっているぞということをこの二つの資料というのは教えているように思いますけれども、そういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
#19
○長谷川(慧)政府委員 非常に難しいお尋ねかと思いますが、石綿の日本における使用量といいますのは、過去からずっとかなりの量が使われておりますし、日本の場合におきましては特に木造建築というような関係からも、防災あるいは軽量化というようなことでかなりアスベストを含有している建築資材が多く使用されておるわけでございます。それも至るところに使われておりまして、それがだんだん建てかえの時期等になってまいりますと破壊されるというようなこともございますし、一方におきましては自動車におきましてもそういうアスベストをかなり使っておるというようなこともございますので、そういう面でアスベストは一般環境に放出されるといいますか、そういうことにつきましてはそれなりの頻度はあるだろうというぐあいに思っておるわけでございます。
 そういう面でいろいろなモニタリング等をやって一般環境の濃度を調べておるわけでございますけれども、先生のおっしゃられました二つの事例を組み合わせてアスベストによる環境汚染が進行しておるというところまではなかなか行ってないんじゃないかな、それなりに使われておるから、汚染は現状で横ばいと言ったら語弊があるのかもしれませんけれども、ある程度存在するとは思いますけれども、それが健康を悪化させておるというようなところまではまだ至ってないんじゃなかろうかなというぐあいに考えておるところでございます。
#20
○岩垂委員 局長、今環境汚染が広がっているということは言えないみたいなことをおっしゃったので、これは誤解を受けますから。環境汚染は広がっているのですよ。今おっしゃったように、健康被害との関係で実証すべき手段というものがまだ十分でないという意味だと私は受けとめておきますので、ぜひそういうお言葉であったというふうに受けとめさしていただきたいと思います。
 私の言いたいのは、アスベスト粉じんの汚染が実はかなり広範囲に広がっていますよということを言いたかったわけです。そのことについて、この前私が提案申し上げたように、モニタリングを全国的にもきちんとやってほしいなということを強調したいということだけ申し上げておきたいと思うのです。
 しかし、そうだとしますと大臣、せっかく御提案いただいたのですが、今度の法案は事業場のところですから、全体的な国民の健康あるいは生命ということから比べると極めて局地的な対応、それはいろいろな過程があって仕方がなかったのかもしれないが、そういう感じがしてならないわけであります。
 そういう点は、実はアスベストというものを総合的にとらえた法律がないのです。みんなばらばらなんですね。労働環境についていえば労働省でしょう。これは特化則だとか、あるいはその他のいろいろな法令がある。厚生省も廃棄物の問題。私は、アスベストのフロー全体をとらえた法律というものがつくられないと、発がん性物質だといった認識を前提にして国民の生命や健康を守るという点ではどうも部分的だという感じがするわけですが、それはこれ以上言っても仕方がありませんから、問題意識だけ申し上げておきたいというふうに思います。問題は、今度の法律はせっかく提案をいただいたが、部分的な対応ということになっていますよ、アスベスト全体を総合的にとらえた対応というのはどうしても必要ですよという問題点を指摘しておきたいと思います。
 規制基準について、工場または事業場の敷地の境界線、つまり敷地境界で平均の一リットル十本ですか、十ファイバー以下とするという基準は、国際的に見たらどうですか。
#21
○長谷川(慧)政府委員 基準値の問題でございますが、国際的には、外国の事例等を見ますといわゆる排出量の規制をやっているところもございまして、そういうところにつきましては、国によって違うわけでございますが、リッター当たり十本という敷地境界域の排出濃度規制といいますのは世界的に見ましても低い数値、緩い数値であるというぐあいには思っていないところでございます。かなり技術的な点できちっとやってもらえればこの基準値は守られるでしょうし、この基準値であれば、先生先ほどお話しございましたWHOのクライテリアにおきましても検出できるほどのリスクは認められないというような言い方をされているわけでございますので、この基準値が守られますれば一般環境におきますアスベストによる健康影響についてはそう心配はないというように考えているところでございます。
#22
○岩垂委員 アメリカが去年でしたか、これは許容基準というのは恐らく許容濃度でしょうね、これをかなり引き下げている。立方センチ当たり二ファィバーを〇・二ファィバーに下げているのですね。これはどういうことなんでしょうか。やはり厳しくやっていかなきゃいかぬということで、これは管理濃度ではないと思いますけれども、規制基準を強化していますが、知っていますか。
#23
○長谷川(慧)政府委員 先生の今お話しの〇・二本といいますのは、職場環境、労働環境における基準値というぐあいに理解していいと思います。ですから、日本の場合ですとリッター当たり二千本でございますけれども、アメリカにおきましては〇・二でございますから、リッター当たり二百本という形で規制を厳しくするというぐあいに理解はいたしております。
#24
○岩垂委員 国際的に比べてみてリッター当たり十本というのは緩いという指摘もあるわけです。だから、これは出発点ですからこれから検討を待たなければなりませんけれども、その辺は今のアメリカの動きなどというものも念頭に置いてお考えをいただきたいな、一遍決めればそう簡単にひっくり返すことはできませんけれども、やはりその点は御配慮を願いたいなということだけ申し上げておきたいと思います。
 それで、敷地境界ではかるということになさった理由というのはどこにありますか。
#25
○長谷川(慧)政府委員 先生が一番お詳しいかとは思いますけれども、アスベストを使っている工場におきましては、いわゆる排出口、普通のばい煙みたいに煙突からの排出ということのみならず、それ以外に建屋あるいは屋根に蓄積しているもの、それから工場敷地内というところに堆積しているものが、巻き起こりというようなことで排出形態が粉じんと同じような形でいろいろなところから出てくるおそれがあるわけでございまして、そういう面で普通のばい煙みたいな排出口規制、煙突規制ということではなかなか全体を把握するわけにいかぬだろう、いろいろな排出の場所がございますので、そういうものを総体的にとらえるためにはやはり敷地境界での規制基準というものを設けるのがベターであろうということでこういう措置を考えているところでございます。
#26
○岩垂委員 長谷川さん、今御指摘いただいたように、例えばその作業過程だとか建屋だとか材料置き場だとかいうところはもっとひどいということなんですよ、率直に言うとね。つまり、今申し上げたように敷地境界で一つの限度があるわけでしょう。今私が指摘してあなたも指摘したところというのはもっとひどいということなんですよ。だから私はやはりそれはできるだけ、大気汚染防止法も御存じのようにばい煙規制というのも煙突のところで、排出口でやっているわけですから、その流れからいうと排出口濃度ということであっておかしくないのじゃないかという点はあるのです。そういう問題意識を持っている人もいます。つまり、敷地境界でリッター当たり十本というのは、材料置き場だとか建屋の中はもっとひどいんだぞ、そこに従事している労働者はどうしてくれるんだという議論もある。一方で、そのはかり方では汚染の状態というものを正確に受けとめることはできないのじゃないか、やはり大気汚染防止法のように排出口のところできちんと押さえたらどうかという意見もあります。これはいろいろありますが、私の問題指摘としてぜひ今後の検討課題としてお考えをいただきたいというふうに思います。
 それで、長谷川さん、特化則の管理濃度――これは労働省おられますか。特化則の管理濃度はリッター当たり二千でしたかね。今度の法律は、リッター当たりでいきますとそれよりもはるかに少ない二百になりますね。この整合性どうするのですか。つまり特化則の二千と、その十分の一の今度の法律の二百ということの整合性というのはどう考えても私にはわからぬ。だからその辺の整合性をどういうふうにお考えになるか。人間の健康に及ぼす影響という視点でとらえて、その整合性をどのようにおとりになるおつもりなのか、御答弁をいただきたいと思います。
#27
○長谷川(慧)政府委員 環境庁の立場におきましては、一般環境でございますとお年寄りの方も子供さんもそれから病気の方もいらっしゃるという面で、一般環境におきますいわゆる管理濃度といいますかそういう数値といいますのは、元気な方々が働いている職場環境とはかなり違った形でのものを考えなければならないだろうというぐあいに考えております。そういう面で、二千本対十本の比率がいいか悪いかは別にしましても、私ども一般環境におきましてはかなり厳しい数値というものを実際的には考えておきたい。
 現実問題としましては、一般環境におきます濃度といいますのは、十本とは言いませんけれども一けた前後にあるわけでございますので、そういう一けた前後にあるものにつきましてはやはりそういうレベルで工場の周辺におきましても守るべきであろうし、守っていただきたいというぐあいに考えまして、WHOの評価なりあるいは防止技術の観点からいいましてもその数値が妥当であるということの御評価をいただきまして、そういう数値を決めたものでございます。
#28
○岩垂委員 長谷川さん、中皮腫なんというのは刺さるのですから、子供だとか大人だとか年寄りだとかは余り関係ない。むしろ三十年の蓄積の中で、全くそんなものに差別なく、なる可能性だってあるわけでしょう。がんだって同じでしょう。だから、そういう言い方は労働省の方に少し肩を持ったつもりでリップサービスしたのじゃないかと思うのだけれども、労働省はこれからも二千で通すつもりですか。これでいいと思っているのですか。
#29
○露木説明員 我が国の石綿の基準濃度につきましては、管理濃度ということで先生御指摘のとおり一cc当たり二本を採用してございます。この管理濃度は、作業環境の状態を評価いたしまして改善するための基準濃度、こういうことで設定してございます。一方、アメリカ、ヨーロッパ等につきましては個人暴露、個人が暴露する基準として濃度を定めておりまして、先ほど先生御指摘のとおりアメリカにおきましては一九八六年に〇・二本に改められたところでございます。
 したがいまして、我が国の管理濃度とアメリカの暴露濃度では測定方法それから評価方法その他若干違ってございまして、そのまま単純に比較することは適当ではないのではないか、このような考え方でございますが、ただ、管理濃度につきましても諸外国の状況を見つつ、やはり数字自体は動いていく、こういうふうに考えてございます。
#30
○岩垂委員 アメリカは下げていますね。イギリスも下げていますね。それを教えてください。どのくらいに下げましたか。
#31
○露木説明員 現在、アメリカにおきましては一cc当たり〇・二本ということでございます。イギリスにつきましてはたしか〇・五本と聞いてございます。
#32
○岩垂委員 つまり労働省にお願いしたいのは、国際的な状況というものを踏まえてというふうにおっしゃいました。だから、リッター当たりでいいますと二千という数字に固執することなく、今リッター当たり二百という一これは作業環境と一般環境と違うにしても、人間の健康や生命に影響を及ぼすという点ではやはりソフトに対応しなければならぬというふうに思います。だから、そういう見直しをこの大気汚染防止法の改正と見合ってぜひお考えいただくというおつもりはございませんか。
#33
○露木説明員 現在、我が国の管理濃度の設定につきましては、日本産業衛生学会というのがございます、アメリカでは米国産業衛生専門家会議、ACGIHというのがございますが、これらの示している許容濃度を参考としてきてございまして、今後ともこれらの動向を踏まえて知見の集積に努めまして検討いたしたいと考えております。
#34
○岩垂委員 課長、恐縮ですが、数字だけでなくて、管理濃度から許容濃度へ、つまり暴露という方向に変えていく可能性も含めて検討なすっていらっしゃいますか。
#35
○露木説明員 変えるということではなくて、先ほど申しましたように、我が国の基準濃度につきましては一応管理濃度で労働安全衛生法は設定してございまして、その管理濃度を国際的な動向を踏まえて下げていく、こういうことでございます。
#36
○岩垂委員 しかし、今の課長の発言はもちろんそれはそれで置いておいて、管理濃度ではなくて、なくてとは言いませんが、管理濃度を許容濃度に、国際的にはそうなってしまっているわけです、また、そういうふうな傾向が強いわけですから、そういうことも考えてなさるんですねということを、ちょっと畳みかけた質問で恐縮だったのですが、二つをお尋ねしたわけでございますが、そのとおりだと考えてよろしいですか。
#37
○露木説明員 現在のところ、我が国におきましては個人暴露の濃度というものにつきましては考えてございません。
#38
○岩垂委員 今やりとりをいたしましたように、アスベストは危険なものだという意味でアメリカは全面禁止の方針を検討していること、これは大臣には釈迦に説法だと思いますが、スウェーデンやデンマークなどの資料を調べてみると、一部の用途を除いてやはり全面禁止というふうな政策をとっているわけです。日本は、全部がしているとは思わないが、まだまだ使うという方針をどうやってクリアするのかという努力をしているようなところもある。そういう意味では、今度の法改正というものを機会にして政府が禁止の方針に誘導していく必要があるのじゃないだろうかと私は思うのです。
 大臣、これはあしたから全部やめろといったって無理な話ですから、一つの例として、紀元二〇〇〇年までには何とかする、全面禁止の方向に持っていく。これは例えばですが、そのために切りかえられるものについてはほかの代替品に切りかえていくとか、それから不必要なアスベストの使用というものはやめる、あるいはクロシドライトの使用をやめるとか、全部吹きつけをやめるとか、家庭用電器製品をやめるとか、とりあえずそこから始まって、それで代替品があるものについては一定期間の後使用を禁止していくとか、あるいは代替品の開発が十分可能なものについては何年までに開発をしてかえていくとか、そして一定の目標を立てて、二〇〇〇年なら二〇〇〇年ということで全般的にひとつかえていこうじゃないかというふうなプログラムをぼつぼつお考えになることが必要じゃないだろうか。二〇〇〇年というとかなり長いので、私自身の提案もそれじゃ悠長だとおしかりを受けるかもしれません。しかし、現実対応のことを考えてみれば、やはりその辺のところは真剣に考えてみる、そういうプログラムも立てて、自動車排ガスじゃないけれども、ある種の追い込みをしていくというふうな努力目標が必要ではないだろうかと思いますが、その点についてはどういうお考えを持って本法案を提案なすったのか、大臣の御所見をいただければ大変ありがたいと存じます。
#39
○青木国務大臣 御提案申し上げました法律は、御指摘のとおり発生源周辺を対象としたものでございます。六十二年に環境庁でやった調査によりますと、建物の改築とか改造とか、その辺に対してのアスベストは問題がないという結論が一応出ております。しかしながら、石綿の飛散でございます、これは広い意味ではやはり環境全般の問題でございますので、今回にとどまることなくさらに調査を進めていきたい。特に都市開発が盛んになってまいりますと建物の改廃が盛んになってまいりますし、しかも、アスベストといいますと非常に種類が多くて製品だけでも三千種に及ぶということもございまして、建築全般にわたっている。さらに、日本の輸入量を見ましても、世界の生産四百万トンのうちの三十二万トンといいますから一割近くになっている。一時減ったわけでございますが、また去年あたりふえているということを考えますと、これから調査を進めていかなければならない。また、自動車のブレーキの関係も、高い熱が出るので大丈夫だという話もございますけれども、これも問題なしとはしないので、これらを含めまして、先生御指摘のような全般的なアスベスト対策についてさらに強力な調査を進めていきたい、こう考えております。
#40
○岩垂委員 大臣、私の言っているのは、全般的な調査は結構ですが、国際的にも使用禁止、フロンほどの国際的な世論が盛り上がっているとは思いませんけれども、国によってはそれどころではない、アメリカでは裁判で六万件も提起されていて火がついちゃっているわけですから、そういうかなり深刻な状況を正確にとらえて対策を進めようというところがあるわけです。大変しつこくて恐縮ですが、あしたからやめろと言っているわけではないのです。どうしてもしようがないところはしようがないです。それがないと困るとか代替がない、あるいは安全上それ以外にはない、そういうところはあると思うのです。スウェーデンやデンマークの例を見れば明らかだと思うのです。かなり長期なプログラムのもとで、だんだん減らしていって、そして禁止の方向へ政策的なインセンティブをやるというぐらいのことはお考えいただかぬと、アスベストは発がん性物質だと決めてその対応をしようとしている御努力に画竜点睛を欠くような感じがしますが、いかがでございましょうか。
#41
○青木国務大臣 オゾン層破壊のフロンの場合は、先生の御承知のとおり今世紀末までに全廃をするということで進んでいるわけでございます。フロンとアスベストは、物質的には制限しなくちゃならないという点では同じでございますので、アスベスト全般につきましても当然全廃の方向に向かって調査を進めるべきだと思います。ただ、代替物の開発はなかなかできておりませんし、フロンのように見通しがついていないという点もございますので、いついつまでということを申し上げることはできませんけれども、そういう方向に沿いまして調査を進めていく、こう考えております。
#42
○岩垂委員 それ以上申し上げてもちょっと御無理なようですから、大臣がおっしゃったように、統計によると日本はこれまでに五百万トン以上のアスベストを輸入して使ってきたと言われています。実はちょっとびっくりしたのですけれども、最近まで気がっかなかったのですが、おととし、一九八七年の実績二十七万トンという数字で押さえて質問しようかと思ってひょっと考えてみたら、八八年は何と一七%ふえて三十一万七千トンになっているのです。カーブが下がってきたのかと思ったらまたふえてきている状況というのは、一体このままにしておいていいんだろうかというふうに私はかなり深刻にとらえます。
 大臣に申し上げたいのは、東京都内だけで今一年の間に三千から四千軒のビルの解体工事があります。これは実績です。恐らくここ十年ぐらいかかるのかもしれませんけれども、十五万棟ぐらいのビル解体、つまり建て直したと思うのですが、そういう状態がある。その状態というのは東京都だけじゃなくて、全国的にそうだろうと思うのです。その解体工程の中でアスベストの飛散というものが深刻になっているという意味では、この狭い日本でこのまま輸入も続けます、片方で既に蓄積されているアスベストも空気中にあるいは人体に影響を及ぼすということなのですから、ぜひひとつ禁止の方向にインセンティブ、つまり誘導をしていただきたいものだということを重ねて申し上げます。
 これは長谷川さんで結構ですが、今度の法改正で環境庁はもう百点満点だぞというふうにお思いになっていますか。
#43
○長谷川(慧)政府委員 アスベストにつきましては、先生のお話もございましたようにいろいろなところで使われておりますので、こういうものの排出実態といいますのは絶えず私ども監視していかなければならないだろう、こういうぐあいに思っております。そういう面で、私ども現在持っているデータから申しますと、例えば先生お話しもございました解体現場の周辺というところにつきましては問題はないというふうに考えておりますが、まだその例数が少のうございますし、お話しございましたようにこれからこういうものがどんどんふえてくるということもございますので、そういう面での調査をことしの予算でお願いいたしましてさらに続けてまいりたいというぐあいに思っております。
 それから、自動車につきましても、私どもとしましてはできるだけ早く代替品に切りかえということをお願いしているわけでございまして、そういう面で、業界におかれましてもこれから一九九二年末までには乗用車なり小型の自動車につきましてはアスベストを原則的に禁止したい、あるいはそれ以外の車につきましては一九九四年末までには禁止をしたいというようなことを業界の中でもそういう考えを持っておられまして、そういう形でいろいろ新しい対策なり代替品の開発をやっておるということを聞いておるわけでございます。
 それから、スレート協会等におきましても一九九一年末までには内装材につきましてはもうアスベストを使わないとか外装材については含有率を下げる、あるいは波形のスレート、住宅用屋根材につきましても含有率を下げるというようなことで、それぞれの業界におきましてもいろいろ工夫をいたしましてアスベストをできるだけ使わないような形で持っていこうというぐあいに考えておるところでございます。
 そういう面での全般的な流れといいますのは一方にございますし、先ほど申し上げましたように解体現場の周辺の問題あるいは自動車周辺の問題等もあるわけでございますが、現時点におきましては私ども、そういうアスベストを使う工場におきます排出の本数はかなり高いもの等もあるわけでございますので、そういう面は、当面そこはまず規制を加えてきちっとした対応をとっていただく必要があるだろうというぐあいに思っておるわけでございます。今後ともいろいろな面での知見なりあるいはデータ等をそろえまして、必要に応じまして私どもさらに法律にするかあるいはその他の方法をとるかは別にしましても、そのアスベスト対策全般につきましても今後ともデータをそろえながら対策を強めていく必要があるだろうというぐあいに思っております。そういう意味で、現在やれるところ、当面急ぐものということになりますれば工場にかかわる規制であろうというぐあいに思っておるところでございます。
#44
○岩垂委員 自分で点数つけるのはなかなか難しゅうございますから、そこまで申し上げるつもりはございません。ただお願いしたいのは、業界がそういう方針を決めていますからそれに大体ピントを合わせてというのではなくて、やはり政府としても業界をリードする、そういう誘導をしていくというようなことであってほしいな、例えば年限を繰り上げるとか、含有率を下げるあるいは使用の場所についてきちんとした規制をつくる、規制というか指導をするとか、いろいろな方法はあると思います。だから、製造過程だけではなくていろいろな意味で使用を全面的に禁止していく方向に、ゼロに近づくための努力を限りなくしてほしいものだということを申し上げたわけでございます。
 それからもう一つは、局長のお言葉からいみじくも出たのですが、さっき申し上げたように、部分的な法律がそれぞれの行政の対象の中で対応されているものですから、いわゆる縦割り行政の弊害というのは、アスベストに限らずなんですが、特にアスベストの面で強い、それが非常に大きな壁になっている。こういう点をしっかりととらえたときに、一本の法律にしていく、総合的な対応ができる法律にしていくということは絶対必要だと私は思います。だからそういうことの検討課題として、検討していくとおっしゃったんでぜひ御答弁を大切にしっかりと持って、これからできるだけ催促をいたしてまいりたいと思いますので、その点御理解をいただきたいと思いますが、大臣、それでよろしゅうございますか。
#45
○青木国務大臣 環境すべてそうでございますけれども、関係する業界あるいは関係省庁が非常に多いわけでございます。これがお互いに協力していかなければ環境の保全ということはできないわけでございます。このアスベストにおきましても同様でございますので、連絡会議もございますけれども、これからさらに連絡を密にいたしまして、できれば本当にアスベストを使わなくていいようなそういう代替物が開発され、かつまたそういう世の中になることを心から願って、それを目標に前進していきたいと思っております。
#46
○岩垂委員 今、私、法律のことを言いました。だけれども、今すぐ法律ができるとは思っておりません。皆の努力、協力が必要だと思うのです。ただ私は、どうも縦割り行政だといって批判をいたしましたが、さっき労働省の特化則と今度の防止法との整合性ということをちょっと申し上げました。これは一つの例ですね。あらゆる意味で縦割り行政の弊害というものがあってなかなか壁が破れないという点があるわけです。ですから、アスベストに対するある種の基本政策みたいなものを政府が立案してほしい。これはタイムテーブルの長い短いのことで僕らいろいろ言うつもりはございません。もちろんそのとき、でき上がれば意見を言うかもしれませんが、問題なのはアスベスト問題に対する基本政策を示していく。今の状態というのは、安全に使用すればいい、どうぞ御自由に、これだけの違いがあるわけでしょう。だからできるだけ基本政策を確立するための努力をしていただきたいということを前提にして、大臣、今連絡会議というのを指摘されました。これは労働、厚生、環境、通産、建設、文部ですか、たしかそうだろうというふうに思いますが、政府レベルのいわゆるアスベスト連絡会議ですが、法案がまとまったからあとは、という感じがどうも強いのですが、そうではございませんか。これからも常置されるのですか。
#47
○長谷川(慧)政府委員 これはアスベスト問題担当者連絡会ということでございまして、環境、防衛、文部、厚生、通産、運輸、労働、建設という省庁が集まって情報交換をやるということで、お互いの対策あるいはそういう面での整合性といいますか、お互いの対策の進め方につきましてのいろいろ情報交換をやるという会をやっているわけでございます。
 そういうことで過去何回かやってございまして、この法案がお認めいただけますればまた担当者連絡会といいますのを設けまして、お互いに情報交換、あるいは法律を適正に動かすためには各省の御指導も必要でございますので、そういう面での調整を図ってまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#48
○岩垂委員 これは大臣にお願いを申し上げておきますが、成立した法律のある種のアフターケアという性格の担当者連絡会議というところからもう一歩踏み出していただいて、さっき申し上げたように、法案について言えば局地的なあるいは部分的なものだ、トータルなものというところから見ると部分であるというふうに考えた上で、基本政策をすぐつくれと言ったってなかなかできないでしょうけれども、やはりそういう方向を議論し、そして私は、最低限調査活動をやっていただく、それをトータルでとらえていただきたい。
 例えば、調査活動というのは使用の状況、どういうふうに使われているか、あるいは環境や濃度測定などのデータの集積あるいは健康被害、健康障害と言っていいのですか、あるいは廃棄物の処理の問題あるいは代替品の開発、それからもう一つ、私はやはり国民に対する、あるいは特に労働者に対してもそうなんですが、教育と訓練の活動というものをもっと重視しなければいけないなという感じがするのです。それから、広報活動も必要でしょう。啓蒙活動ももちろん必要でしょう。そしてこれから申し上げますけれども、私は資格制度ですね、許認可みたいなものをここでつくれと言うつもりはございませんが、ある種の資格というようなものを、解体業者にしてもあるいはこれを取り扱う業者にしても持つべきだということを後で提案をしていきますが、そういういろいろな問題があるわけですから、そういう問題も含めて連絡会議というところが議論をいただくわけにはいかないか。つまり討議の中身をもう少しレベルアップして、テーマを立ててそしてやっていただきたいなというふうに思うことが一つと、もう一つは、さっき私、防衛を落としておりました。それに加えてやはり運輸と自治を入れませんと、
これはやはり自動車の問題がありますし、それから地方行政の問題もあるわけですから、そういうようなことについて、法案がもし成立した暁には連絡会議をもうちょっと権威のあるものにしていただいて、トータルな基本政策の議論を、すぐ飛びつくかどうかは別にして、今私が問題提起をしたようなことを議論するそういう性格のものに変える、変えるというか、充実させていくということで、長官、御努力いただけませんでしょうか。
#49
○青木国務大臣 先ほど来先生の申されていること、よくわかります。私どもも基本的には同じ考えに沿ってやっているわけで、ですから、今度今御審議いただいております平成元年度の予算にもアスベストの対策調査費として千二百万円余りを新規に入れまして、力を入れようとしているわけでございますので、総合的な対策をぜひつくれということもよくわかりますので、そういうことを念頭に置きましてこれから対処していきたいと思います。
#50
○岩垂委員 もし国にそういうものができれば、例えば県庁だとか市役所だとか自治体がそういうトータルな受け皿というようなものをつくることになる。それが住民との接点で、不安やあるいは問題、トラブルを解消していく上でもとっても大きな役割を果たし得るだろうと思いますので、その点をぜひお願いしたいと思います。
 そこで、とりあえずすぐにもできること、窓口を自治体にきちんと設けるように、これは、自治省さんお見えなんですが財政局ですから、大変恐縮なんですが環境庁でかわっていただいて、そういう努力を自治省とやるということをお約束いただけないでしょうか。というのは、住民がいろいろ不安に思って、これどうなんでしょうかというような形で役所へ相談に持ってくるケースがあるわけです。だからできれば、いろいろなものを持ち込んでくることが好ましいことではないけれども、しかしそれにはきちんと受け答えができるような、例えば類型別の分析方式みたいなものも役所の中できちんと、完全にはできないにしても、相談を持ち込まれたらこういうことですよというふうにできるような、そういうシステムを含めた窓口をぜひやってほしい。今起こっているトラブルや不安はかなりそういう役所とのトラブルとして起こっていると思いますので、それはいかがですか。
#51
○長谷川(慧)政府委員 私ども全国的に調査は必ずしも十分ではございませんけれども、聞いているところによりますと、都道府県レベルにおきましてもそれぞれの担当部局との連絡会議というのを設けまして、そこでお互いの各部局の対策なり情報交換等をやって調整を図っておるというぐあいに聞いておりますし、それから住民の窓口ということになりますと、これは健康影響の問題となれば保健所になるでございましょうし、それから解体の相談ということになると土木あたりになるのでございましょうか、そういう面で、内容によりましては相談を持っていく窓口一本化はなかなか難しいのかなという気もしないではございませんけれども、先生のお話を承りましたので、今後とも関係省庁ともできるだけ十分連携をとってまいりますし、都道府県に対しても、そういう面での連絡会議なり窓口一本化といいますか、そういうものの問題があったときにはたらい回しということでなくて、きちっと受けとめて対応できるようにということの指導をさらに強めてまいりたいと考えております。
#52
○岩垂委員 通産省に、長いことお待たせして済みませんが、最近の輸入の傾向を、さっき申し上げましたようにふえていますが、今後どんな傾向が予想されるかという判断がもしおありなら教えていただきたいのです。やはり輸入を減らしていくというふうなことを考えなければいけないのじゃないか。輸入すれば使うわけですから、それは一方的にこっちがシャットアウトというわけにはいかないだろうけれども、やはり行政指導として輸入を減らしていくという努力を前提にして、代替品の開発というものについて方針というか具体的な対応をすべきだというふうに思いますけれども、その点、通産省はどんなお考えでこの問題に対応なすっておられるか、御答弁を煩わしたいというふうに思います。
#53
○田中説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、ここ数年輸入が非常にふえておりまして、特に一九八七年から一九八八年にかけては非常にふえているわけです。これは一つは、今現在、経済の状態が非常に好況でございまして、需要が非常にふえている。先生御承知のようにアスベストの大きな需要分野は建材関係でございまして、そういう好調な経済の状況の中で建築関係の需要というのが非常に伸びている、こういうことでここ数年非常に急増したということだと思います。
 先生御指摘のとおり、アスベストの我が国での使用について、できるだけ少ない方がいいというのは御指摘のとおりだと思いますけれども、輸入を制限するというのは非常に難しいわけでございまして、やはり先生の御指摘のように代替物をスムーズに開発していくというのが本来の筋でございまして、我々もそういう面に向けて努力をしていきたいと思っております。
 ただ、石綿というのは、寸法安定性とか耐女性とかその他耐化学性とか、非常にすぐれた物性を持っている材料でございますし、さらに価格という面で非常に安いということで、これまで非常に広い分野に使われてきた。それを代替をしていくということになりますと、今、石綿以外のものを用いたときの性能が悪くなる、それをどういうふうにしてリカバーをするかというような問題、それからやはりコストが大幅に上がりますと、なかなかそういうものを使いたがらない、そういうことをどういうふうに考えるかというような問題がありまして、先ほど環境庁の局長が言いましたように、幾つかの業界では、こういう石綿問題の重要性にかんがみまして自主的に規制をして石綿を減らすとか代替物を開発していくという動きが既にございますし、我々行政的な一つの政策として、特に中小企業の場合になかなか代替が進まないというようなこともございまして、昭和六十二年から、石綿の需要分野の大半を占めますスレート業者、そういうものに対して中小企業近代化促進法に基づく構造改善計画をやっておりまして、その構造改善計画の非常に重要な柱がこの石綿の低減化、代替化ということでございまして、ノーハウを相互に開示をするとか共同研究開発をやるとか、そういうことで中小企業のレベルにおいても代替というのが今鋭意進められているということでございます。したがいまして、そういう代替とか低減化というのを国内的に進めることによって輸入も減らしていくというふうに我々考えております。
#54
○岩垂委員 大臣、ちょっとこれは申し上げておきたいのですが、私がこの前アスベスト問題を取り上げたのは、あるいはお聞き及びかもしれませんけれども、アメリカの航空母艦ミッドウェーが横須賀の基地の中で大規模な改修工事をやったわけです。その改修工事の場合は、基地の中は治外法権でアメリカの国内と同じですから、物すごい厳しいチェックですね。その作業に従事した人は、外へ出るときはちゃんとふろへ入って今まで着ていた防護服は置いて出なさいとか、細かくは言いませんけれども、スクラップ、つまり廃材は全部赤い二重の袋に入れて、赤と黒があるのですが、入れてちゃんと管理する。基地の中はアメリカの管理と同じ厳しい対応をやっているわけです。
 ところが、それを運び出しましたら、基地の一歩外へ出たら今度は自由なんですね。だから、産廃の業者が覆いもつけないでトラックの上に積んで廃棄物の処理場へ持っていく。たまたま見つかったのは、その業者が事実上倒産いたしまして、道路のど真ん中に赤い袋のアスベスト材を山ほど積み上げてあって、これは何だろうということから問題になって、それでこれを追跡していったらミッドウェーから出たアスベストの廃材だということが明らかになって問題になったわけです。
 つまり、一つは作業環境、労働環境があると思うのです。それから、それが基地の外へ出たら自由だという、日本の場合は作業現場ではそれなりの労働省の対応もありますけれども、そこから外へ出ればこれはもう安全だということになってしまっているわけです。細かくは申しませんが、追跡調査をしたところが、業者は横須賀から横浜の中間処理場へ持っていく。それで赤い袋を取って粉々にしてしまって、そしてそれを今度は千葉の佐倉の最終処分地ですけれども、処理場でそれこそトラックの上から捨てている。近所に家もあるわけです。そういう状態というのが問題になって、これは何とかしなければいかぬなということになった経過がございます。
 だから、私は一つは労働現場、せっかく労働省からお見えでございますから一つ一つお尋ねし、そしてもう一つは廃棄物の問題というふうにフローに従って少しお尋ねをしておきたいと思うのですが、労働省さんに私がこの前お尋ねしたときに、ILO条約の百六十二号条約というものをぜひ批准してほしいというふうにお願い申し上げたところ、国内法で一部クリアできないものがあるが批准のために努力をするということなんですが、その後批准の方はどうなっていますか。
#55
○露木説明員 今回のILO条約の内容につきましては、日本の現行の労働安全衛生法関係と対応関係につきまして少し細部に検討いたしておりますが、なお若干の問題点もございまして、現在条件整備を図っているということでございます。
#56
○岩垂委員 この前、あなたの前任者の富田さんですか、何とかクリアしたいというふうにおっしゃっていますけれども、批准ということに大体どんな日程で持ち込みたいというふうにお考えですか。もうあれから三年たっていますので。
#57
○露木説明員 先ほど申し上げましたように、現在条件整備を図っているわけでございますが、実は昨年安全衛生法を改正いたしまして、その中に作業環境測定結果の評価、こういうことを、実はILO条約の中につきましても暴露濃度ないしは作業環境の評価、そういうものを権威ある機関が定める、こうなっておりまして、実はそれも条件整備の一環として昨年法律改正をしたわけでございます。それ以外にもいろいろ私どもの規則、国内法と若干違った点もございまして、現在そういう違いの点につきましていろいろ業界その他の指導を進めているということでございまして、いずれにしても法、規則の整備が必要だ、こういう段階に至っております。
#58
○岩垂委員 三年前に聞いたときに、何とかクリアできるんじゃないか、時間的にもそんなにかからないんじゃないかという感じを持ったのですが、大変だと思いますけれども、やはり国際機関の勧告でもございますから、日本の国際的な地位という立場から考えてもできるだけ早い批准をぜひお願いしたいと思うのです。
 個々の問題についてお伺いしていく前に、労働省の健康管理手帳交付対象業務等検討委員会というのがございますね。ここでコークスあるいは石綿、いわゆるアスベストの取り扱い業務というのは健康管理手帳の交付対象業務に追加される、その可能性が強いというふうに、あるニュースというか、労働安全衛生広報ですからおたくの出しているものだと思うのですが、これはそのとおりに考えてよろしゅうございますか。
#59
○松村説明員 御説明申し上げます。
 健康管理手帳と申しますものは、労働者が一定の有害物を取り扱う業務に一定の期間以上従事したこと等によりまして特定の重篤な健康障害を発生するおそれのある労働者に対して離職後定期的に健康診断をする、こういうものでございます。したがいまして、一定の有害物という問題と一定の期間という二つの条件が必要だということでございます。
 この健康管理手帳の交付対象業務につきましては、昨年度専門家によります委員会を設置いたしまして、現在検討中でございます。
#60
○岩垂委員 課長、済みませんけれども、松村さんですか、法律がこういう形ででき上がるわけです。大気汚染防止法という法律が改正されるわけです、まだわかりませんけれども。そういう状況というものを踏まえて、もちろん労働省と環境庁とは全然お立場が違うけれども、対象も違うけれども、やはり国民の健康とか国民の生命とかいうことで労働者も国民の一人ですから、そういう意味でアフターケアとして、潜伐期間が三十年ということですからもう退職なすってお年寄りの人たちが多い、そういう人たちが肺がんやらさまざまな病気に悩んでいるわけですから、健康管理手帳をぜひひとつ交付していただく。今申し上げたように一定の有害物であることは間違いないわけです、一定の期間のところでどれだけのチェックをするかは別として。つまり石綿、労働省の言葉で言うと石綿ですが、私たちはアスベズトと言ってしまう。どちらでもいいのですが、そのアスベストの作業に従事した取り扱い業務というのは健康管理手帳の交付対象になるだろうというふうに考えてよろしゅうございますか。
#61
○松村説明員 御説明申し上げます。
 アスベストにつきましては、御指摘のように発がん性は認められているということでございますけれども、もう一つの条件でございます業務に従事した期間というものが、業務に従事いたしました期間と健康障害の発生との因果関係といいましょうか、どのくらい業務に従事したらそういうことが起きる蓋然性があるのかというあたりがまだちょっと不明確ということでございまして、これらの知見の収集というようなことに努めてまいりたいと思います。
#62
○岩垂委員 松村さん、さっき私WHOのことを言ったのです。都合のいいときにはこれを使って、都合の悪いときにはこれを使わないというのでは困るので、期間のことでははっきりと期間とは書いてないけれども、これらの病気の発生率は繊維の種類、量、加工過程に関連している。加工過程ということの中に、あるいは種類ということの中に期間というものがおのずからそれなりのものが出ているというふうに私は理解するのですよ。だから、長い短いはいろいろありましょう。だけれども、有害な物質だということを認定した以上は、それはそれとしてその対象にぜひ加えていただきたい。そのことを申し添えておきたいと思いますが、もう一遍御答弁をいただきたい。
#63
○松村説明員 法律ができるというような環境の変化とか、その他いろいろな知見も集積されておるというようなことでございますが、そういうものを十分に検討してまいりたいと思います。
#64
○岩垂委員 労働省、せっかくですからちょっとまとめてお願いをしますが、労働現場での対策というのは、今はアスベストを製造し、または取り扱う作業ということになっていますが、それはアスベストの暴露を伴う場所におけるすべての作業というようなぐあいに広げるおつもりはないか。ちょっと幾つかお伺いしますので、まとめて答えてください。
 それから許容濃度、これは日本では今管理濃度にしているが、これをもうちょっと厳しくするというおつもりはないか。あるいは測定を、これはちょっと重要なことだと思うのですが、今は常時アスベストを製造し、または取り扱う作業、作業環境測定法による年二回、こうなっていますね。これを今申し上げたようにアスベストの暴露を伴う場所にいる人々、あるいは条件、その中で個人暴露とか濃度というものを測定するということにすることができないか。
 それから年の回数をもうちょっとふやすことはできないか。
 この三つ、労働現場のいわば認識として、あるいは労働現場の解釈としてそういうふうにすることはできないかという三つについて、とりあえず質問しておきたい。
#65
○露木説明員 まず第一点でございますが、現在特化則という規則がございますが、この規則はアスベスト製造、取り扱い、こういう対象にしてございます。そこで製造、取り扱い、当然労働者が暴露しなければ問題ないわけでございますが、一応製造、取り扱い、暴露するところはすべて適用がある、こういう対象になっております。
 それから管理濃度を厳しくというふうなお話でございますが、これも先ほど申し上げましたように、諸外国、国際動向、それから我が国における知見の集積、そういうものに努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから測定につきましては、この測定の目的がそもそも作業環境を改善する、こういう目的でございまして、現在測定義務をかけておりますのは、繰り返し作業が定常的に行われる、そういう対象を考えておりまして、現在屋内作業場を考えております。定常的に作業が繰り返し行われる、そういうところにつきまして現在六カ月に一遍の測定義務をかけまして、その結果について評価をいたしておるわけでございます。
 なお、解体工事その他建設作業等ございますが、そういうところにつきましては作業環境を改善するという意味でのいわゆる測定になかなかなじみにくいということで、現在はむしろ暴露しない対策面、防じんマスクをつけさせますとかそういう対策面に重点を置いて行政を進めている、こういう段階でございます。
#66
○岩垂委員 露木さんとはいろいろやり合ってきた仲ですからもう何ということはないのですが、やはりここのところはきちんとしておきたいのは、それはそれでいいでしょう。その次、アスベストの表示ですね。今五%以上になっていますが、一%ぐらいを、外国の例を引用するまでもなくお考えになったらどうか。
 それから、レッテルに多量に長時間吸入すると健康を損なうおそれがあるというのを、少量の吸入でもがんになるおそれがある、つまりがんになるおそれというものの方向にウエートを置いた商品の表示というようなことをお考えになっていく必要があるのじゃないかということと、それからさっき申し上げた一定期間というのは、松村さん、例えば年五十時間以上というようなぐあいにして、何年というようなつくり方というのはこれは健康管理手帳との関係があるわけだけれども、健康管理をそこでして対応していく。健康診断年に二回というふうになっていますけれども、そういう人たちにまで広げる。健康診断を今はアスベストを製造または取り扱う作業に従事する者年二回、それで記録の保存は三十年、こうなっているでしょう。それを例えば年に五十時間以上アスベストの暴露を受けた者というぐあいに、もうちょっと健康診断の状況というのを広げてみる必要があるのじゃないかということを問題提起しておきたいと思うのです。これは露木さん、特化則の作業主任者というものはあるわけですが、アスベストの作業主任者みたいなもの、あるいは主任者というふうに言っていいのかどうかわかりません、作業者でも結構ですが、そういうことは制度としてお考えになっていらっしゃいませんか。お考えになっていないとすればそれでいいかどうか。簡単にお答え願いたいと思います。
#67
○露木説明員 初めに表示の件でございますが、表示につきましては、現在労働安全衛生法という法律の中で石綿または石綿をその重量の五%以上含有するもの、そういう製剤につきまして表示義務を課してございます。名称でありますとか成分、含有量、それから人体に及ぼす作用でありますとかあるいは貯蔵、取り扱い上の注意、こういうことを義務づけてございますが、確かに五%ということで現在すそ切りをしてございまして、先ほどもお話ございましたように五%以下に含有率を下げるという努力も現在業界の方でされてございまして、それ自体非常にいいことでございますが、ただ法的には表示義務がなくなるではないか、こういうことがございまして、現在五%未満のものにつきましても表示をするようにということで業界の指導に当たってございます。近々表示をするというふうな動きもあるようでございます。
#68
○松村説明員 年に二回の健康診断ということで、その対象といいますのは常時そういう作業に従事しておる、こういう労働者を対象にしておるわけですが、それを今五十時間というふうな先生の御指摘でございますが、そういったことができるかどうかわかりませんけれども、常時という考え方、こういったことをいろいろ分析することによって先生の御意見を検討してまいりたいと思います。
#69
○岩垂委員 取り扱い……。
#70
○露木説明員 失礼しました。
 作業主任者の件でございますが、現在は特化財で特定化学物質等作業主任者、こういう制度がございまして、この特定化学物質、先ほどお話ございましたようなコールタールでありますとか、かなりたくさん数がございます。一つ一つ個別につくればいいのですが、なかなか物質が多いものですから、アスベストにつきましても特定化学物質等作業主任者、こういう制度でございまして、実は講習につきましては講習を受けて作業主任者になれる、こういう制度にしてございまして、石綿については石綿特有の有害性でありますとか取り扱いでありますとか、時間をプラスしまして講習を行っておる、こういう状況でございます。
#71
○岩垂委員 ちょっと時間が……。できるだけ短縮したいと思っておりますが、文部省お越してございますのでお尋ねしたいと思うのです。
 私は学校のアスベストのことで大変やかましいことも申し上げてきたのですが、これまでにどの程度、教室の数でも学校の数でもいいのですが、吹きつけアスベストを解体してこられたか、これからどんな計画をお持ちか、トータルでどんなスケジュールをお持ちかということをまずお尋ねしておきたいと思います。
#72
○伊田説明員 公立小中学校及び高等学校におけるアスベスト処理の実施状況でございますけれども、文部省におきましては昭和六十二年度に全国の公立学校約四万七千校に悉皆調査をいたしまして、吹きつけアスベストの使用状況調査を実施いたしました。この調査結果でございますけれども、六十二年の十一月にまとめられたわけでございますが、該当いたします公立の小中高等学校等は千三百三十七校でございました。
 それで、アスベスト対策の実施状況でございますけれども、国の補助制度の中で校舎等の大規模な改修事業に対する補助制度がございますが、この制度によりまして、昭和六十二年度と昭和六十三年度中に全体といたしまして四百九十二校の公立学校で対策工事が行われた次第でございます。
 それで、このほかにも対策工事といたしましては、補助事業ではなくして単独の事業もございますし、その他の補助事業も一部ございますので、そういう学校もかなりございまして、これらを全部含めました対策工事完了の学校の数でございますが、六十二年度調査を行いました保有校数のおおむね八割程度は達していると思っております。したがいまして、アスベスト対策といたしまして緊急に処置すべきものにつきましては完了しているものという理解でございますが、まだ残うておりまして、文部省といたしましては今後ともアスベスト対策につきましては、補助申請がございますれば補助事業といたしまして優先的に採択をすることによってその促進を行ってまいりたい、そのように考えている次第でございます。
#73
○岩垂委員 これは小学校だけでなくて、中高大学を含めてというふうに受けとめてよろしゅうございますか、まとめてお答えいただければいいのですが。
 それで、八割ですから、二割残っているわけですが、いろいろなトラブルが起こりましたよね。PTAとの関係や地域の人たちとの関係でトラブルやなんかが新聞に随分出ました。今後、教室だけではまずいので、調理室だとか講堂だとかいろいろなところにまで広げていかなければいけないのではないかという課題は文部省としてどのようにお考えになっていらっしゃるか。つまり、緊急に特に小学校の教室を中心にしたという対応だったと思いますから、それをもっと、例えば学校施設全般に、しかも学校は小学校だけでなくてというふうにお考えをいただくわけにはいかないのか。
 それから、神奈川などでは私立の学校にも助成しております。それらのことについても目配りというものが文部省の場合には必要ではないだろうかということで、ぜひお考えをいただきたいな、それが二つ目。
 三つ目は、監督責任者がいないからトラブルが起きるのですよ。これは役所と校長さんとの間のいわば責任のなすり合いみたいな面もあるわけです。私は、できれば学校の先生を校長さんが大変だろうけれどもお願いをして任命して、そしてそれがPTAの皆さんや住民とのトラブルに対応、学校の場合はそういうふうにする、同時に役所もそれをカバーしていく、そういうシステムを考えなければいけないのではないかというようなことも考えますので、それらについて簡単で結構ですから御説明をいただきたいと思います。
#74
○渡邉説明員 お答えいたします。
 私立学校におきますアスベストの使用状況につきましては、昨年の五月に調査をさせていただきましたところ、全国の私立の高等学校等二千百校のうち二百六十四校の校舎等にアスベストが使われていることが判明をいたしました。
 そこで、文部省といたしましては、こうした学校施設等に使用されているアスベストの児童生徒への健康被害が懸念されておりますので、今年度の予算で、学校施設に使用されているアスベストの撤去回収工事に対する緊急対策といたしまして、工事費の一部を補助するために四億五百万円ほどの補助金予算を新規に計上いたしまして、今後三カ年間の計画によりましてアスベストの撤去回収を進めてまいりたいというふうに考えております。
#75
○西口説明員 文部省は、国公私と三つの設置者別の分野がありますので三人の課長が来ておりまして、それぞれお答えするということで、まことに錯綜して申しわけございません。
 私は国立大学に関する担当をしておるわけでございますが、国立学校につきまして、大学、高等専門学校その他の機関がありまして、全体で百六十六校あるわけでございますが、特に吹きつけアスベストについては、調査の結果ではそのうちの百二校に使われております。およそ六割ということです。面積的に申しますと、全国の国立学校の施設の面積の総計が一千八百八十万平米あるわけでございますが、調査の結果では約三十万平米の吹きつけアスベストがあります。パーセントで言いますと一・六%ということでございます。
 この処理につきましてはいろいろ関係省庁から処理方法が示されてきたところでありまして、私ども文部省におきましても昭和六十二年、六十三年におきまして、このうち六十一の学校につきまして緊急度の高いところから処理を行っております。また、今後の処理につきましても、先ほど先生おっしゃいましたように教室あるいは寄宿舎あるいは食堂というふうに非常に長時間生徒、学生等が住むところ、あるいはいわゆる衛生面で管理を十分しなければいけないようなところを優先しながら、そのうちでも特に劣化の進んでおるところを重点的に整備していきたい、そういうふうに思っております。
#76
○岩垂委員 お三方の答弁が何かちょっとあっちこっち向いてしまうのですが、要は学校の施設というのは、吹きつけの部分だけでなくて、アスベストを使った場所を全体的にきちんと点検した上で徐々にそれを撤去していくということをお願いをしたいな、これが一つです。
 二つ目は、東大のトラブルも、私も承知をしております。そういうトラブルはどうして起こるのかといえば、大学はちょっと別ですが、特に小中学校の場合はPTAなどとの問題も起こっています。小中高の場合、PTAと学校当局あるいは市役所との連絡会議みたいなものをきちんと持って、その中で撤去する手順だとかそれに対する対応とかいう予備知識を共有できるように窓口をきちんと確立をしていただきたい。それで、学校に監督責任者というものを置いていただきたい。そうすれば、その人が責任を持つ、その人が終始対応ができるということになると思いますので、考慮をいただきたい。
 最後に、学校について言うと、一般でもそうなんですが、測定のデータが問われるわけです。そこのところが不安の一番のもとになりますので、工事の前つまり事前、工事の最中、事後に測定をきちんとして、そのデータを公表する、そういう積極的な対応が行政の中から求められれば、いろいろトラブルはあるけれども一定の改善が見られるのではないだろうかと思います。ここまで三人出てこられて時間とられちゃかないませんから、みんなうなずいておられますからその点について御努力いただけるというふうに受けとめておきたいと思いますが、よろしいですね。−ありがとうございました。もう時間もなにですから、学校の方はこの辺で……。
 文部大臣、社労の専門家がいるものだからやりにくくてしようがないのですが、やはり廃棄物の問題を最後にちょっと申し上げておかなければならぬと私は思うのです。
 これはさっきミッドウェーの例で申し上げましたけれども、業者がとにかく本当に小さい、小さいなんて言うと怒られちゃうけれども、零細業者でございまして、東京都の場合でも、私ちょっとあるところへ見に行ったらペンキ屋さんが解体作業をやっているのですよ。あるところではメッキ屋さんがやっているというのですね。それが下請よりも日雇いを使っているのです、解体のところを。普通なら例えば何万とかかるものを何千円で請け負っているケースがあるのです、私、お聞きしました。そういうケースは、やはり全体的にそうじゃないかなと思うのです。東京都内で二百社ぐらいそういうところがあるけれどもまともなのは数社だというふうな話も、話題としてありました。それは私が見たわけでも確かめたわけでもないからそれ以上申し上げませんが、とにかく測定の器械も持っていない、専門的な知識も持っていないという形で、仕事だけ安く請け負って解体をするというようなことではやはりまずいと思う。だから、これはどなたの御答弁をいただけるのかわからぬけれども、東京都は登録制をとっておりますね。これは建設省になるのかな。東京都の登録制のことは建設省御存じのはずですから、せめて全国的な解体業者の登録制といいましょうか、そういうものを導くようなマニュアルだとかあるいは基準だとかをお示しになるおつもりはございませんか。
#77
○鈴木説明員 お答え申し上げます。
 吹きつけアスベストの飛散防止につきまして、六十三年の六月でございますが、財団法人日本建築センターの中に学識経験者等の委員会をつくりまして、そこで「吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針、同解説」というものを取りまとめました。これを関係団体に配布するあるいは講習会等の実施を通じましてその普及に当たる、あるいは、建築指導部局でございます全国の特定行政庁にこの指針をもちまして適切な指導を行うよう通知もいたしたところでございます。そういう普及を図っておるということでございます。
#78
○岩垂委員 自治省の遠藤さん、一つだけ質問するのに長いこと待たせてしまって済みません。また建設省に戻りますが、その前に自治省。
 公民館だとか、役所ももちろんそうですが、解体をやってそして処理をしているという面がありますね。これは特交の対象にもちろんなっているのだろうと思うのですが、そういうものについて地方自治体を指導するというか、そういうものの連絡をしていく体制が今十分に行われているかどうか。もし実績があるならお示しいただきたいと思います。
#79
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 アスベストの問題につきましては、健康に及ぼす影響が非常に重要だということで、地方公共団体におきましても公共施設につきまして早急に除去などを行っているという実績があるわけでありまして、基本的には普通交付税の算定で修繕等の経費を見ているわけでございますけれども、問題の緊急性という点に着眼しまして昭和六十二年から、地方団体の強い要望もありましてこれを特別
交付税の算定対象にいたしております。本年度も当然算定対象にしたわけでありますが、実績といたしましては特交の中で県分で約十三億ぐらい、それから市町村分で三十五億くらいということで、先ほど文部省の方からお答えがありましたけれども、小中学校等の学校施設のうち地方団体が一般財源で持つべき部分、あるいは先生御質問ありました公民館だとかそういう補助のつかない施設におけるアスベストの除去作業において一般財源を要する額について、特交の算定対象にしているということでございます。
#80
○岩垂委員 ありがとうございました。
 建設省、ちょっともう一遍戻りますけれども、通達を出していただいたのはそれなりの意味があると思うのです。ところが通達は机の中へ入れられればそのままなんですよ。実際に行われているのは全く変わったことはない。だって吹きつけ工事だってそうでしょう、禁止になったはずなのにいまだにやっているというケースが間々あるじゃないですか。そういうような意味で、行政指導というのは文書一片のそれではなくて、それをどうやって検証していくかという努力が私は必要だと思うのです。
 そういう解体をする場合の業者の選定と同時に、そういう専門家、専門家というほどのことはないと思うけれども、そういう体制を強めていかなければいけないと思いますが、そういうものを扱うための専門取り扱い主任みたいなもの、そういう責任者というようなものをちゃんと決めて、そしてそれが解体作業の手順というようなものをやはり届ける、そしてそれを点検していくというようなことを考えないとどうにもならぬだろうと思いますけれども、その辺の指導を一層強化していただきたいと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
#81
○鈴木説明員 お答え申し上げます。
 先ほども御答弁を申し上げましたように、技術指針というものは出したわけでございます。それで先生御指摘のように、民間が開発し、あるいは技術導入もございますが、その持っている技術というのは千差万別でございますので、その業者がどの業者がいいのかというのは確かにわからないというのは事実でございます。
 それで、私どもの方では民間企業がそういう開発しました個々の工法、例えば除去工法でございますとかあるいは封じ込めの薬剤の性能でございますとか、そういう技術が本当にいいのかどうか、適切なのかどうかということにつきまして、昨年の九月に、私どもが持っております民間の建築技術についての審査、証明事業という制度がございまして、その制度に基づきまして、これは公的に認定するという団体といたしまして財団法人日本建築センター、それから財団法人建築保全センターというところがそういう技術認定をやっていく、どの業者が持っているどの技術が適切かどうかということを認定するということを始めておりまして、この四月から受け付けを始めております。その技術評価を待ちまして、どの技術が適切であってそれを持っている業者が適切であるということを世の中にPRしていきたいと考えているわけでございます。
#82
○岩垂委員 通産省も大変長い時間お待たせしてしまったものですから、廃棄物が最後にちょっとありますが、その前に通産省に日用品の扱いの問題です。
 東京都の生活文化局というところが「昭和六十二年度生活関連物資に関する安全対策等の調査報告」というのを発行しているのですが、私ちょっとびっくりしたのです。「家庭用電化製品へのアスベスト部材の使用実態調査結果」。これは消費者モニターでやっているわけですが、ヘアドライヤーはアスベスト使用のものが二八%、トースターのたぐいが二三%、オーブンでは一二%、これはモニターに答えた数字なんですけれども、これだけ日用品に使われている。ベビーパウダーのことはもう言いません。飛び散らないように使ってくださいと書いたレッテルが張ってありますけれども、それで本当に大丈夫なのかなと言いたくなるのです。
 こういう日用品の扱いというものについて通産はどのようなお考えを持っておられるか、お答えいただける方いらっしゃいますか。
#83
○田中説明員 日用品にアスベストがいろいろ使われているということでございますけれども、先生ずっと御指摘のとおり、アスベストというのは人が吸収しますといろいろ発がん性の影響というようなことで、使い方、特に日用品については注意をしなければいけないということでございます。
 今御指摘の電気製品、そういうところにアスベストが使われているということでございますけれども、我々の調査では例えば水道のパッキングとか石油ストーブの燃焼用のしんとか、それから小学生が実験のときに使う何か網、そういうようなものにアスベストが日用品的に使われていたというような分野があったわけですが、こういうものについては既に代替は進んでおりまして、今現在なくなってきておる。それで今御指摘の家電製品とかベビーパウダー、こういうものは不純物としてアスベストが入っているというようなことでございますけれども、こういうものが一体どういう格好で人の健康に影響を与えるのかという問題でございますけれども、我々の役所というのはそういう医学的な専門知識というのは必ずしも持っておりませんで、そういう問題に対しては今後関係する省庁ともいろいろ連絡をとりながら検討していきたいと思っております。
#84
○岩垂委員 ぜひ減らす方向で御指導をいただきたい、これはよろしゅうございますね。
 それでは最後に廃棄物処理のことをまとめて厚生省、長いことお待たせして済みませんが、お願いしたいというふうに思います。
 一つは、アスベストのまざっている廃棄物は、実際は一部分は産業廃棄物、あるいは一部分は、今の日用製品などは一般廃棄物みたいな形になっている。これを有害廃棄物に指定するということはできないかどうか、またそういう気持ちはないかどうか、これが一つ。まとめて聞きますからちょっとメモしてください。
 それで実は佐倉の例でこの間のミッドウェーのことで申し上げますと、処分地の、これは御存じのように産業廃棄物ですから安定型です。これではだめです。やはり遮断型というかそういう処分場にしていかないと、だって埋めたところを宅地かなんかにすればまたほじくり返すわけですよ。それから水から漏れていくわけですよ。そういうことを考えると、いろいろ問題があろうけれども、遮へい型にする必要がある。遮へい型にするということになれば、これはアスベストの処分場というものは山の中でというようなことを簡単に言えないかもしれませんけれども、一般の住民のところから隔離した形の特別のアスベストのための処理場というようなものが要るのじゃないだろうか。今のような形で産廃全体の最終処分地でがちゃがちゃやっておったらやがて問題が起こってくるよ。今はとりあえず二メートル土を盛れという指導で何とかなるかもしらぬが、やがて問題が起こってきますよという意味で、その処分地というものをアスベストのための処分地というものにしなければいけないのじゃないか。これが三番目。
 四番目に、これは実は横須賀から横浜へ行って、横浜から千葉県の佐倉、これはそれぞれ責任をとるところがないのです。やはり責任というのは、もともとを言えば横須賀から出ているわけですからそこのところを尋ねていって問題にしなければならないという意味では広域的な行政が対応し切れていない。千葉の県会でも問題になり、横浜の市会でも問題になり、もちろん横須賀の市会でも問題になる。もとはミッドウェーだということがわかったからそれなりの詰め方はできた。しかし、一般の廃棄物について言えば、どういうふうに流れてきたのか、流れ流れてきたものについて私が何で責任とらなければいけないんですかというような地方自治体の反発や気持ちもあると私は思うのです。だから広域的な行政を通して、例えば運搬のルートあるいはいわば発生源責任の明確化とでもいいましょうか、どこがその原因者であるかということも含めてきちんと対応しなければいかぬと思いますが、いろいろ難しい問題があると思います。だからできることから一つ一つ手をつけていっていただきたいなと思うのです。しかし、待ったなしの行政を求めていますけれども、それにしても最低限そういうことをぜひ考えてほしいなということを申し上げたいと思いますが、その点についていかがでございましょうか。
#85
○三本木説明員 ただいま先生四点ほどの御質問があっだわけでございますが、まず最初に、廃棄物処理法という法律におきまして、既に御案内のことと思いますが、家庭から出てくるものは一般廃棄物としてその市町村が主体となって処理をするという体系になっております。それから、工場から出てくるものは産業廃棄物として十九種類のものが現在特定されているわけでありますが、それは排出者責任のもとで処理をするというようなことで、廃棄物処理法の現在の法律では、だれが処理をするかというところ、処理の責任をだれに与えるかというところでまず分けております。それからあわせまして、処理の上では大変大切なことでありますいかなる処理基準に従って適切に環境上問題なく処理させるかということで、そういった処理基準もつくっておるところでございます。そういう面で現在、このアスベストを含むもの、それ以外のものも実はたくさんあるわけでございますが、廃棄物処理というのは衛生上問題なく処理をするということとあわせて、その中に入っております微量なものもどう処理するか、そういうことも全体をあわせながら処理をするということで現在の基準をつくっているわけであります。
 そういう意味で、現在の処分基準あるいは処理の責任体制の持たせ方に特段問題があるというようなことよりは、むしろ現在の責任体制のもとでより徹底させていく、確実にやらせるということ、それから現在の処理基準に沿って厳格にそれを守らせるということで対応すべき事柄ではないかなと考えているわけであります。
 それからなお、この現在の処分基準は、廃棄物の種類が大変多様でございますのでかなり包括的一般的な基準になっている部分はございます。私ども、そういう部分を埋めていくために、いろいろな形でガイドラインを出したりあるいはいろいろな機会をとらえて知識の普及、そういったことをやってきておりまして、そういう面でこのアスベストなど、その他もろもろありますが、いろいろなものを含む廃棄物対策は実施していきたい、このように考えておるわけでございます。
 それから二点目の遮断型処分場というものにつきましては、現在物の考え方といたしまして、重金属を中心とした産業廃棄物については特別のプールのようなものの中に処分をするという形をとらせているわけであります。これは、実は重金属の場合は水に溶けて溶出しやすいとかそういった問題がございますので、かなり特別の配慮を要するということでやっております。
 このアスベスト廃棄物の特徴といたしますと、やはりこれは飛散しやすい、水に溶けるというよりむしろ飛散しやすいという点に注意をしなければならないわけでございまして、そういう面で飛散を避けるために、方法といたしましては具体的に廃棄物処分場に入れる場合にはきちんとした容器に入れてその上で入れるとか、あるいは速やかに覆土をするとか、そういった基準をきちんと守らせるということで現在いろいろと指導しているところであります。
 それから、でき上がった処分場の跡地管理の問題でありますが、確かに先生御指摘のように、その土地が次から次と手に渡って、その結果何か不祥事が生じてしまうのではないかというような問題提起というものはいろいろな場面からなされているところであります。現在私ども、このアスベスト廃棄物につきましては、昨年の七月に示しましたガイドラインにおきまして、できるだけ飛散をさせない形で処分場の中で一カ所に集めて処分をさせるという考え方で基準をといいましょうかガイドラインを示しております。さらには、それが次から次と手に渡りまして、問題が起きないような形で次から次へと情報が伝わるということで、帳簿を備えておくとかあるいは都道府県は問い合わせに対してきちんと対応できるように情報を把握しておく、そういうようなことで跡地の問題については対応をとっていきたいと考えております。
 それから広域的な行政。先生御指摘のようなケース、神奈川県から東京都、千葉県、こういうふうに流れていく、現在の産業廃棄物の流れは、地域におきましては広域的な流れというのは一般化する傾向にございます。私ども広域行政という意味におきましては各都道府県に対しまして、地域ごとにブロック会議を設定いたしまして各行政機関同士の情報交換、情報連絡あるいは行政の水準を画一化していく、そういうようなものを提供する場をいわばセットするように指導しておりますし、さらに個々のケースにおきましては発生源に対するいわば指導監督等強化といいましょうか、そういう観点からマニフェストのシステム、これは廃棄物の流れに沿っていわば伝票をつけていくという欧米でよくやられている方法でございますが、こういったものの導入を通じて排出事業者に対する指導の強化、こういったことを今後検討してまいりたい、このように思っております。
#86
○岩垂委員 これで終わりますが、大臣、この法律の改正はいわばアスベスト問題の端緒といいましょうか、手がついたということだろうと思います。世論の動向に対してそれなりに対応していただいた環境庁の御努力に敬意を表しながらも、しかしやはり緒についたばかりでございまして、また私が申し上げたようにほんの一部分という意味でございますから、関係省庁連絡会議の機能を充実して総合的なアスベスト対策の推進のために長官の御努力をいただきたいと思いますし、同時に、そういう作業が進むとあわせてやはり全面廃止という方向を目指すある種の総合的な立法ということを御配慮いただきたい、このことを最後にお願いを申し上げて、最後に御答弁をいただければ大変ありがたいと思います。
#87
○青木国務大臣 今環境問題が、特に地球環境を中心といたしまして世界じゅうの大合唱になっているわけでございます。我が国も、温暖化、オゾン層保護などにつきまして世界の先頭に立ってひとつ努力をするという決意を固めているわけでございます。そういう意味からもまず国内の環境問題に万全を期するというのは当然でございまして、今先生の御指摘のとおり、このアスベストを初めといたしまして空気の問題、大気の問題、それから水の問題、そういう国内の環境整備をすることがまず先決でございますので、先生の御趣旨に沿いまして全力を挙げるつもりでございます。
#88
○岩垂委員 ありがとうございました。
#89
○菊池委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。川俣健二郎君。
#90
○川俣委員 問題はこの法律で実効が上がるだろうかどうかということですが、かつてよろけ病というのが日本の国にありました。これはけい肺法です。よろけ病がけい肺になり、それがじん肺になって鉱山保安法からじん肺法の労働安全衛生法――労働省来ていますけれども。ところがどうも、大気汚染という名目だから環境庁でしょうけれども、問題はアスベストを規制できるだろうかということ。さっき専門的に岩垂委員が質問しておるのを聞いておりましたが、これはどうも食い足りない質疑応答。それは環境委員会だから、大気汚染だからなあなあで、いやいや賛成賛成、こう言うだろうけれども、問題は、果たして規制できるだろうか。労働省なんか、ちょっと答弁を聞いておると甘い。我々、金子委員とか私なんか社労に籍を置いておりますが、遅きに失したけれども、まず法案が出たからぜひひとつ早急に法案を上げて実効あるようにしようという意味で、今岩垂委員が質問したことを確認していきます。時間がないので一つ一つは言いませんが、項目だけ申し上げます。
 問題は、さっきの岩垂委員の話だと三十一万七千トンですか、現在使われているわけですね。これを規制すると、どうしても影響を大きく受けるのは中小零細企業なのです。果たしてこれに配慮しているのだろうか。技術上の助言あるいは金融上、税制上、こういったものに大分配慮しないと実効は上がらないという意味で確認したいと思います。
 二つ目ですが、代替品を開発する、開発するというのだけれども、一体どこでやっているのだろうか。環境庁長官がやると言ってみたって、これはやはり一体どこでやるのだろうかなと思ってさっきから聞いているのだが、その所管の官庁はやる気があるのだろうか。果たして代替品ができたとしても、今のアスベストと変わらないものだったら何ら意味がない。転ばぬ先のつえで安全性の確認ということが前提ですから、その辺をいま少し聞いてみたいと思います。
 三つ目ですが、石綿の濃度の測定を、この法案ができたからというので安心するのではなくて、やはり今後も継続測定をしなければならぬと思うのだが、これは皆さんもそのとおり思っていると思いますから確認したいと思います。
 四番目ですが、今話がありましたように製造工場、事業所、これ以外から発生する石綿がありますね。この状況を調査し、対策をし、その実態を把握して、必要に応じ適正な措置が必要じゃないだろうか、こう思います。
 最後ですが、今回はアスベストの規制でございますから大気汚染防止法等ですが、しかし、この次に我々が審議しなければならない水濁法がありますね。これにはトリクロ、テトラという規制があります。このように広く文字どおり地球、宇宙全体の視野に立っていわゆる未規制の物質に対する配慮がおありかどうかを確認したいと思います。
 せっかく大臣に質問に立ちましたのでお伺いしますが、せんだってフロンガスの国際会議で、我が日本の環境大臣が全面禁止ということで非常に好評を得たようです。問題は、フロンガス規制というのを提案されれば、この委員会か通産か、共管か知りませんが、そういう法案を出す用意があるものなのかどうかということ、以上六点を確認する意味で私は質問をしたいと思います。
#91
○青木国務大臣 第一点の中小企業関係でございますけれども、今回の法律によりますと、一定規模以上の施設を有する中小企業に対しましても規制がかかるわけでございます。この中小企業に対しましては、規制のほかに、同時に地方公共団体による技術指導、国のレベルでは税制上の優遇措置、さらには低利融資等、この法律が実効あるようになるための措置、援助を講じたいと思っております。
 それから二番目の代替品についてでございますけれども、今代替品としてはガラス繊維とか炭素繊維とかありまして、一部に使われておるようでございますけれども、単一の製品でこの石綿にかわるものはまだないと聞いております。しかしながら、環境庁といたしましても、いろいろ代替品の開発、製造、普及につきましてこれからも情報収集に努めていきまして、ぜひこの代替品をつくりたい、そのための予算も、先ほど申し上げましたように平成元年度の予算で御審議を願っておるわけでございます。
 それから、濃度の測定、モニタリングでございますけれども、これまでもやってまいりましたけれども、これからももちろん、これは大きな問題でございますので、引き続いてやっていきたいと思っておるわけでございます。
 さらに、工場以外の石綿の発生源でございますけれども、今回の法律は今まで御審議いただきましたように発生源を中心とする周辺、境界が中心でございますから、このほかに、きょうの御質疑でもありましたとおり建築物の改修とか解体あるいは自動車の運行に伴ういろいろな問題がございますので、こういう点につきましても、これも平成元年度の予算に計上してございますのでさらに検討してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 それから、未規制の物質に対する対策、これももちろんアスベストだけが全部ではございませんで、水銀初めいろいろございますので、これに対しましても積極的に進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 フロンガスにつきましては、今御承知のとおり国際会議があちらこちらで行われているわけでございますので、何としても今世紀末までにフロンを全廃するという大目標を掲げまして、それに向かいまして着実に一歩一歩前進していきたい、こう考えております。今のところ法案は考えておりませんけれども、積極的に取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、青く美しいこの地球は、我々人類の共通のふるさとでございます。人類だけではなくて、すべての生きとし生けるものの共通の生活基盤でございます。かけがえのない地球を守るために全力を挙げたいと存じております。よろしくお願い申し上げます。
#92
○川俣委員 終わります。
#93
○菊池委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十二分開議
#94
○菊池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。斉藤節君。
#95
○斉藤(節)委員 法案の審議に入らせていただく前に、先日起こりました事件についてちょっと大臣の御所見などをお伺いしたいと思っているわけでございます。
 私はここに四月二十日の新聞を持ってきております。これでございます。これはごらんのように、朝日新聞社のカメラマンがこのようにサンゴに傷をつけてしまった。私はこれは大変残念だと思うわけでありますけれども、これを読んでみますとこういうことが書いてあるのですね。最後のところでありますけれども、
  日本人は、落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない。だけとこれは、将来の人たちが見たら、八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の……。
  にしても、一体「K・Y」ってだれだ。
このように書いているわけでございます。
 そのほかのいろいろな新聞は、これはそういう落書きしたのは、そういう人はいないのじゃないか、恐らくこの写真を撮った人が怪しいのではないかというような記事があるわけでありますけれども、その後五月十六日に「本社取材に行き過ぎ」ということで記事がほんの小さく出ているわけです。
 取材に当たったカメラマン二人のうち一人が、そのうちの「KY」という落書きについて、撮影効果を上げるため、うっすらと残っていた部分を水中ストロボの柄でこすり、白い石灰質をさらに露出させたものです。
というふうに弁明しているわけですね。我々はそうかなと思って新聞記事を読んでいたのですけれども、その中にまた、これは朝日新聞東京本社編集局長伊藤邦男さんの記事として「サンゴ撮影行き過ぎ取材について」という弁明記事があります。これには
 どんな目的があろうと、新聞人として、事実に手を加えるなどは許されることではありません。
  一市民としても、守るべき環境、天然記念物、文化財に傷をつけるといったことが許されないことはいうまでもありません。
このように言っているのですね。そして
 「自然を守ろう」という企画記事の中でのこのような行為は、弁解の余地のないものです。というふうに言っているわけでありますけれども、これも、事実に手を加えるなどは許されない、つまり、ちょっとうっすらと書いてあったところをさらに手を加えてはっきりさせたということをここで述べておるわけですが、これも最終的にはうその弁明だったということが明らかになったわけです。
 そういうことで最終的に五月二十日、十六日に続いて二十日ですから四日後、「あらためておわび申し上げます。」ということで、「傷のないサンゴに文字を彫りつけたのは、撮影した本社カメラマン自身であったことが明らかになりました。」と、今までうそを述べて弁明していたことに対する釈明をここでやっているわけでありますけれども、これは大変遺憾なことだと私は思うわけでございます。自然保護法違反の疑いもあるのではないかなという気もするわけでありますけれども、これにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#96
○青木国務大臣 環境問題が世界の関心を集めており、特に沖縄のサンゴは国際的にも非常に注目をされている、そういう最中にああした事件が起こったことは極めて遺憾でございまして、環境庁といたしましても厳正に対処する必要があると考えております。
#97
○斉藤(節)委員 そこで、引き続いてこれについて御質問申し上げますけれども、私は専門外の者でありますからよくわかりませんが、この記事にもありますように、「百年単位で育ってきた」と言っております。この損傷されたサンゴが一体どのくらいでもとに戻るものなのか、その辺教えていただきたいと思います。
#98
○山内政府委員 もちろんこの回復といいましても、今先生もおっしゃったように、長年かかってでき上がったものに人手が加わったという事実はもとに戻るというわけじゃございませんが、それにしてもああいう傷が加えられた場合に大体わからなくなるような期間がどのくらいかということは、私ども二、三の専門家に当たったのでございますが、実ははっきりした定説がないようでございまして、ただそれにしてもかなりの時間がかかる、つまり一年とか二年という単位ではない時間がかかるということは共通した見方でございます。
#99
○斉藤(節)委員 つまり今の局長のお話のように、もとへ戻らないんじゃないかと私も思うわけでございます。この記事にもありましたように、全く皮肉なように「八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。」御本人がこのようなことを書いているわけでありますから、恐らくこれは永久にこのままの状況にあるんではないかな、それを心配するわけでございます。こういうことは大変な損失と言わなければならないと思うわけでございます。
 そこで、当該新聞社は自然保護に力を入れているということでありますけれども、これだけのことをしたのでありますからこれに対する厳粛な反省もしていると思うわけであります。したがいまして、関係機関並びに団体に対してこのような自然保護のために何とか援助したいというような、そういう申し出か何かあったかどうか、その辺のこともちょっとお尋ねしたいのです。
#100
○山内政府委員 お尋ねの点の何らかの形での自然保護を進めるための援助については、私どもは今全くそういう御意向は承っておりません。ただ、これは私は間接的に聞いておりますけれども、今回の事件の経緯でもわかりますように、地元には民間のダイバーの方が自発的な組合という形でいろんな方の案内もすると同時に現場を守るということを心がけておられるようでございます。そういう方がこの事件の経緯の中で、非常に残念である、あるいは自分たちにも何か力不足のようなことがあったのかということを心配されておったということで、そういった方と新聞社の責任者の方がお話し合いになった過程でそういうお気持ちのあることがあったかとは聞いておりますが、それ以上私どもにお話はございません。
 ただ、先ほど大臣から申し上げましたように、この件はやはり何と申しましても自然環境保全法という法律の禁止規定に触れることでございますし、またれっきとした罰則もある事件でございますので、私ども現段階では何よりも権限を持っております県当局において厳正な調査、場合によっては刑事的な手続に入るためのアクションをとるように強く指示しておるところでございますので、そういったことのすべてを私どもよく報告を受けました段階で、またどういうことを新聞社がお考えになるかも聞くべきかなと思っております。
#101
○斉藤(節)委員 やはり私はこれにつきましては具体的なけじめをしっかりつけるべきじゃないか、そんなふうに思うわけでありますけれども、その辺、環境庁におかれましてはしっかりした指導方をお願いしたいと思うわけでございます。
 以上でこの件につきましては終わらしていただきまして、この法案の方の問題に入らしていただきたいと思うわけでございます。
 まず、今回の法案でございます大気汚染防止法の一部を改正する法律案でございますが、これはなぜ、と言ったらおかしいですけれども、今日になって本法案が提出されるに至ったのか、その辺をお聞きしたいと思うわけであります。
 この大気汚染防止法の一部を改正する法律案の提案理由説明の中で「しかしながら、近年、石綿、いわゆるアスベストによる大気の汚染、ひいては人の健康への影響に関する国民の関心が高まっており、」ということでございまして、これは国民の関心の高まりがあったからこういういわゆる具体的な法案になったのか、その辺のことをお聞きしたいのです。つまり、高まりがなければこういった法案が出てこなかったのかどうか、その辺の経緯、ちょっとお聞きしたいと思うわけであります。
#102
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。
 この法案提出に至る経緯というお尋ねでございますが、このアスベスト、石綿によります健康被害といいますのはいろいろなところでの知見等がございまして、広く知られているところでございます。そういうことで、環境庁におきましては五十六年度ごろからいろいろこの排出の実態といいますか、立地特性別、いわゆる山間部あるいは工場周辺というような立地特性別の環境濃度の測定なりあるいは流通経路調査というような調査をいろいろ実施してまいりました。その結果、五十六年度から三カ年計画で調査した結果を踏まえまして、その時点、六十年時点におきましては、現状では一般環境におけるリスクは少ないが、未然防止の観点からアスベストの環境大気中への抑制が必要である、さらに環境濃度の推移を把握していくために長期的なモニタリングを継続することが必要であるというような判断をしたわけでございます。この結果を踏まえまして、六十年度から隔年でモニタリング調査というのを実施してまいっております。
 そういうことで、モニタリング調査を実施してまいりました過程におきまして、六十年度の調査におきましてはアスベスト製品製造工場等発生源周辺におきまして他と比較して一部ではございますけれども高い値も散見されたということから、六十二年度におきましては石綿製品製造工場あるいは建築物の解体、改修現場等の発生源周辺につきまして精密調査を実施いたしたところでございます。その結果一部の工場周辺におきまして一般環境の数十倍なり数百倍に上るような数値が見出されたというようなことから、石綿製品製造工場等におきましては確実に排出抑制対策が行われることが必要であるということで、法制度の整備を図る必要があるというととでいろいろ準備を進めてまいったということでございます。
 そのバックグラウンドには先生もお話ございましたように国民の関心というものがあるわけでございますけれども、国民の関心が吹きつけアスベストによって非常にクローズアップされたというか、喚起されたというととはあったとは思いますが、その前からこのアスベストと健康被害との関係で私どもいろいろ調べてまいりまして、法的規制が必要であるということで今回の法案提出に至った次第でございます。
#103
○斉藤(節)委員 国民の関心の高まりだけではないということでございますけれども、やはり国民の関心はこれについて相当高まってきていたことは事実であります。そういう点で、このいわゆるアスベスト問題が本委員会で五十六年といいますから一九八一年ですね、そのころから問題になったようでありますけれども、今まで他の委員会も含めましていつごろからこのアスベスト問題が起こってきたのか。社労あたりでもやられたと思いますけれども、その辺はどんなふうに把握しておられるのでしょうか。
#104
○長谷川(慧)政府委員 かなり古い話になるわけでございますけれども、四十七年四月に環境保全特別委員会と科学技術振興対策特別委員会の連合審査で、このアスベスト問題が自動車のブレーキ使用と肺がんの関係ということで取り上げられたことが一回ございます。それから五十年代に入りまして二回ほど、環境委員会あるいは社会労働委員会におきましても質問、指摘等がございました。それから六十年代に入りまして、ビルの解体等に伴いますアスベスト、それからこのアスベストの暴露の長期追跡調査というようなことが六十一年四月の時点で当委員会において議論になりまして、その暮れに横須賀基地のアスベスト廃棄物の処理というようなことが取り上げられ、それ以降年に数回この委員会におきましてアスベストの問題がいろいろ取り上げられたという経緯でございます。
#105
○斉藤(節)委員 私が調べましたあれでは、一九七二年すなわち昭和四十七年ですね、今お話ありました公害特別委員会と科学技術特別委員会の連合審査で取り上げられたというのから、一九八八年、六十三年四月二十一日参議院の文教委員会で我が党の高木健太郎さんが取り上げましたのを含めまして、大体通算四十七回取り上げられているわけでございます。これほど国会の委員会において取り上げられまして、非常に関心が高まってきていたということは事実じゃないか、そんなふうに思うわけでございます。
 本委員会におきましては、近くは昭和六十一年ですか、先ほど午前中に質問されました岩垂委員が米空母ミッドウェーの改修工事に伴うもの、あるいは建築物の改修、取り壊しにおける工事の際の飛散する石綿の問題について取り上げられてきているわけでございますけれども、一方、大量消費国であります。アメリカにおけるアスベスト対策についてはいつごろからどのような対策がとられてきていたか、その辺御存じでしょうか。
#106
○長谷川(慧)政府委員 アメリカにおける状況でございますが、アメリカにおきましては、清浄大気法という法律に基づきまして石綿製品製造工場等についての排出規制、表現が「目に見える排出がないこと」ということでございますが排出規制を行っておりますほか、有害物質規制法に基づきまして学校建築物につきましての吹きつけを禁止という措置をとっているところでございます。それ以外に、アメリカにおきましては、環境保護庁から石綿使用禁止につきましての提案が八七年十月に出されてございます。その提案につきましては、現在アメリカの政府内でいろいろ検討しておるという状況にあると聞いております。
#107
○斉藤(節)委員 アメリカは大量消費国であるわけでありますけれども、アルベスト対策につきましては、一九七〇年代以降、石綿労働者の許容濃度の強化とか学校施設の石綿についての法規制を実施する等の対策を進められまして、大幅に消費というものが減ってきているわけであります。そういうことで、今もお答えがあったわけでありますけれども、アメリカにおきましてはアスベストに対してそういう大変厳しい規制をしてきているというふうに思われるわけでございます。
 このように、アスベスト対策につきましては、外国でもそうでありますけれども、国会におきましても先ほど申し上げたように大変頻繁に取り上げられてきたわけでありますが、そういう点では、我が国の政府の対応は少し慎重過ぎたのじゃないか、そんなふうに思うわけであります。その辺はいかがでございますか。
#108
○長谷川(慧)政府委員 アメリカの規制のやり方等につきましては、ただいま先生からお話のあったとおりというふうに私ども承知いたしております。我が国におきましては、アスベストに対する規制といいますか取り締まりの対応につきましては、ある程度日本におきます科学的知見の集積あるいは実態というのを踏まえて対処してまいったということでございまして、我が国の実態なりそういう問題につきましては先ほど申し上げました形で五十六年、一九八一年ごろから調査をしたということで、調査のスタートは多少おくれたかもしれませんけれども、我が国の実態を踏まえた上でそれぞれ対応を講じてまいったという経緯だろうと思います。
 そういう面で、五十六年から調査をして、その結果を踏まえて六十年以降、関係方面に対する排出抑制なり届けに対するそういう面での指導、通知というのをやってまいって、なおかつその過程におきましての実態調査もやっておって、そういう指導ではなかなか難しいということから、今回法律によります規制を実施してまいりたいということで提案したという経緯でございます。
#109
○斉藤(節)委員 そこで、ちょっと観点を変えますけれども、本法案はアスベスト製品の製造業者に対する規制措置であるというふうに思うわけでありますけれども、本法案施行によって対象になる業種はどんな業種で、どのくらいの数になるか、またどのくらいの資本金の企業が多いのか、その辺を教えていただきたいと思います。
#110
○田中説明員 お答えいたします。
 石綿製品の製造業の企業の従業員別と業種別、今どういう分布になっているかということでございますけれども、この石綿を使って各種の製品をつくっている業種といたしまして、石綿セメント板、それから波板石綿スレート、その他細々とした石綿を使ったセメント製品、そういうものがございます。こういうものは主に建材として使われております。それから石綿糸、石綿のブレーキライニング、その他非常に細々とした石綿糸とか石綿布を使った加工品がございます。
 六十二年の工業統計表によりますと、事業所にして三百八十一の事業所がございます。先生御指摘の規模別でございますけれども、このうち、いわゆる大企業と中小企業という区別をいたしますと、三百人以上の企業が七事業所でございます。あとはすべて中小企業ということでございます。
#111
○斉藤(節)委員 私の手元の資料も、このようなアスベスト製品をつくっているような企業というのは中小零細、むしろ零細企業が多いのじゃないかな、そんなふうに思うわけでございますが、私の資料では、従業員数別に見ますと、大体十人未満が七十一工場で一八・一%、十人から五十人が百三十二工場で三三・七%、五十一人から百人が六十四工場で二八・三%、百一人から三百人が六十五工場で一六・六%、三百一人以上が五十二工場で一三・三%というわけで、非常に小規模なところが多いわけでありますけれども、こういうような企業に対して本法案が実施されますと、規制基準の遵守のため施設の改善だとか整備を行っていかなければならない場合が出てくるわけでありますけれども、それに対する行政指導はどのようになされるのか。例えば資金援助をなさるとかいろいろあると思いますけれども、この法案は罰則規定もございまして大変厳しくなっているわけですが、その辺はどのように考えておられるのですか。
#112
○田中説明員 今先生御指摘の、非常に零細企業が多くてこういう企業に対する規制を実効あらしめるためにはどういう措置をとるのかという問いの答えでございますけれども、現在石綿製品の大半を占める石綿スレートの製造業につきましては中小企業が多いわけでございますけれども、中小企業近代化促進法に基づきまして昭和六十二年度から構造改善事業をやっております。この構造改善事業のもとで、各種の施設の整備を行うために金融、税制といった措置を講じるということを現在行っております。
 それから、規制が非常に厳しいとか、最近は輸入も非常にふえているものですから事業転換をす
る場合がございますけれども、この件につきましては、特に大阪府の石綿布糸製造業というのがございまして、この業種について、特定中小企業者事業転換対策臨時措置法という法律がございまして、これに昭和六十一年六月にこの業種を指定いたしまして、必要な事業転換計画をこの法律に基づいて承認いたしますと転換をするための税制、金融上の措置が講じられるということになっておりまして、今まで既に大阪府の知事が三件の承認を行っている、こういう業種に対して既に八千万円を超す融資が現在行われております。また、石綿布糸の製造業につきましては、雇用保険法に基つきまして雇用調整助成金の対象業種として平成元年度の一月に指定をしておりまして、教育訓練を行うということに対して助成を行うということを現在やっております。
#113
○斉藤(節)委員 次に、健康問題についてお伺いしたいと思うわけであります。
 「石綿の一般環境中及び発生源と考えられる箇所周辺における昭和六十二年度測定結果」というのを私いただいておるわけでありますけれども、これによりますと、いわゆる幾何平均値、つまり変動計数、これが一以上のところあるいは一に近いところを言いますと、幹線道路沿線が〇・九六、それから蛇紋岩地域のいわゆる砕石場周辺、これが一丁一六と非常に高いわけです。それからアスベスト製品の生産事業所周辺、これが二・八九、廃棄物処理場等の周辺は一・〇〇、それからアスベスト製品製造事業所のいわゆる散在している地域が一・九一、商工業地域が一・一〇ということでございますけれども、これを見たところ、変動計数が一近くあるいは一以上のところ、この法律もそういうところにはかかってないところがあるようでありますが、その辺はどんなふうに考えられますか。
#114
○長谷川(慧)政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、六十二年度におきます平均値が先生からお話ございましたような数値で、それぞれの立地状況、場所によりまして数値が異なっておるわけでございます。六十年度もモニタリングをやりましてその結果を出しているわけでございますが、これにおきましても、それぞれの立地特性別に見ました場合におきましても六十年度と六十二年度で数値の動きがあるということでございます。
 一本未満あるいは一本を超えて二本というところでの数値のばらつきがあるわけでございますが、これにつきましては私ども今後ともそれぞれのモニタリングを実施いたしますとともに、あわせまして現在もこのモニタリングをやります場合におきましては、その測定者に対しましては特定の機関できちんと研修した上で行っているわけでございますが、そういう面での測定技術の教育といいますか、そういうものについても今後続けてまいりたいと思っておりますし、こういう面で数値をさらにいろいろ例数を集めるといいますか、そういうものを追跡していって、ここら辺のばらつきのファクターについてもいろいろ考えてみたいというぐあいに考えております。
#115
○斉藤(節)委員 WHOの基準はどうなっているのでしょうか。いわゆるアスベストのリスクが低いとしている濃度範囲はどのぐらいなのか、WHOの設定はどのぐらいになっているのですか。
#116
○長谷川(慧)政府委員 WHOでいろいろ有害物質につきましてのリスク評価を行っているわけでございますが、WHOにおきます評価におきましては、環境中におきますアスベスト濃度は、得られているデータによれば、都市部における濃度が大気一リットル中一本から十本程度の範囲にある、時にはそれより高い状況にあるところもあるというような環境濃度の測定をやっておりまして、その後におきまして、一般住民においてはアスベストに起因する肺がん及び悪性中皮腫のリスクは、信頼できるほど定量化できないものの、恐らく検出できないほど低いであろうというような評価をいたしておるというぐあいに理解いたしております。
#117
○斉藤(節)委員 つまり、一リッター当たり一本、これは大体非都市ですかね。それから都市では大体リッター当たり一本から十本ぐらいですか。今局長が御答弁になったとおりであるようでありますけれども、いわゆるこの辺であれば一時的にせよ住民が大量に吸収したとしても大丈夫だというようなことでありますが、このアスベストが発がん性物質であるという理由、これは一体どういうところにあるのですか。
#118
○長谷川(慧)政府委員 アスベストは先生御存じのとおり鉱物繊維でございまして、非常に細い繊維でございますので、人間が呼吸の際に吸収しますとそれが肺の中に入る。鉱物繊維でございますからそれがいろいろな生体作用によって分解されるということはございませんで、生体内にそのままの状態で長期保存されておるというようなことでございますので、それによります刺激に基づきましてがんの発生が起こるというようなことが言われているわけでございます。実際的には職場環境におきます。そういういろいろな知見あるいは動物実験による知見というような形で、正確なメカニズムはなかない難しいのでございますが、アスベストと肺がんとの関係については、世界的に学者がそういう面での団果関係ありというコンセンサスがあるというぐあいに理解いたしております。
#119
○斉藤(節)委員 私も専門家ではありませんからよくわかりませんけれども、化学的な成分を見ますと粘土鉱物と大体同じなんですね。カルシウム、マグネシウム、珪酸ですか、それに水が含まれている。いわゆる普通の粘土鉱物と化学成分は全く同じでありますけれども、やはり問題は針状結晶で、非常に物に溶けないわけです。しかも針状でも特にファイバー状、繊維状になっておりますから、その短いやつが肺に入った場合に組織に刺さり込んでそこに炎症みたいな何かが起こって発がん性があるのかな、そんなふうに思うわけですけれども、今局長御答弁されましたように余りはっきりしてないかもしれませんね。わからないわけです。
 そこで、さらにお聞きしたいのでありますが、このアスベストは大変危険だと言われているわけでありますけれども、これが建材として大量に使用されるようになったのはいつごろからですか。
#120
○田中説明員 お答えいたします。
 石綿を含有する建材が市場に初めて販売されたのは、我が国では大正三年、屋根材として石綿スレートの小平板というものが最初でございます。
#121
○斉藤(節)委員 その使用量はどうですか。最近特にふえてきたというようなことはないですか。輸入のあれを見ますと大変ふえてきているように見えるわけですけれども。
#122
○田中説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、石綿の使用量はここ近年増加をしております。
 その増加をしている理由でございますけれども、まず石綿の輸入がなぜふえたかということでございますが、理由は二つございまして、一つは、主な需要先であります建設需要が非常に今好調であるということと、もう一つは、為替レートによりまして安くなったり高くなったりするわけですから、こういう二つの要素が大事でございます。それで統計を見ますと、昭和五十八年ごろからずっと増加をしているのですが、六十一年だけ減少している。これは一つは為替、円高になったために買い控えが起こったということと、円高不況ということで需要面それから為替レートの面から輸入が減ったわけですけれども、そのほかの年は非常に増加をしている。その原因は需要分野の大半を占める建材が非常にふえた、そういう理由でございます。
#123
○斉藤(節)委員 その輸入についての関連でございますけれども、日本に入ってきている量の一番大きいのはカナダでありますけれども、南アフリカからもかなり輸入しているわけです。その南アフリカはいろいろアパルトヘイトとかそういったことで問題になっているわけですけれども、その辺ちょっとどんなふうに考えておられますか。余談みたいな質問になって申しわけないのですけれども。
#124
○田中説明員 先生御指摘のとおり、我が国の石綿はカナダが第一位の輸入国でございまして、二位が南アということでございます。この南アフリカにつきましてはアパルトヘイトの撤廃に向けた改革を促すということで、我が国といたしまして諸外国と協調しながら特定品目についての貿易制限を行うという措置が一つ、それから他国の対南ア措置を損なわないように関係業界に要請をするという、二つの国としての政策を講じているわけでございます。石綿につきましてはこの特定品目には当たらないわけでございますけれども、特に昨年来南アからの輸入が非常にふえておる理由は、最大の輸入国でありますカナダにおきまして鉱山ストライキが発生して非常に供給不安が生じた、そういうことで他の主要生産国であります南アからの輸入に一部依存せざるを得なかったということが、南アフリカからの石綿の輸入がふえた理由でございます。
 それで通産省といたしまして、今後とも南アフリカをめぐる情勢の推移を見守りながら、これまで講じてきた先ほど申し上げました二つの南アの規制措置を堅持するということが非常に大事だと考えておりまして、石綿につきましては、今後の輸入動向を我々よく注意して見守りながら関係業界に慎重な対応をしていくように要請していく所存でございます。
#125
○斉藤(節)委員 輸入についてはそういうことで大体わかったわけでありますけれども、アスベストは大変危険であるということでありますので、これの代替品の開発、そういうことを通産省としてはお考えになっておられるわけですか。
#126
○田中説明員 お答えいたします。
 石綿の輸入がふえるというのはよくないということでございますが、これを解決するためにはやはり代替品の開発を行うというのが一番根本的な解決でございます。
 ただ、石綿は、先生御承知のとおり寸法安定性が非常にいいとかセメントと非常によくまじるとか耐女性があるというようなことで物性面で非常にすぐれた素材でございまして、その上、価格的に石綿というのは他の代替繊維に比べて非常に安いというのが現状でございます。現在、石綿の主な使用分野でございます建築材料、それから自動車のブレーキ等に使われる摩擦材といった分野について代替品の開発が民間企業で鋭意進められているのが現状でございますが、ただ性能という意味で、石綿以外のものを使ったときにかえって性能が落ちて問題が起こるというような問題をどう考えるか、それからコストがかなり大幅な上昇をするということが考えられますので、こういう問題をどういうふうに考えるかという二つの問題がございますけれども、こういう種々の問題を前提にいたしまして石綿建材を生産しております主要な業界団体でありますスレート協会では、三年から五年後を目途にいたしまして、あるものは無石綿化をする、あるものについては含有量を五%未満にするというようなことで、自主的な目標を掲げて今現在技術開発を行っております。また一方、国といたしまして、先ほど若干御説明いたしましたけれども、我々中小の石綿のスレート業者に対しましては中小企業近代化促進法に基づきまして構造改善事業を行うという御説明をいたしましたけれども、その一つの大きい柱が代替品の開発ということになっておりまして、この構造改善を行っている企業がノーハウを相互にオープンにいたしまして共同研究開発を行う体制を組みながら現在鋭意研究開発を行っている、そういうことを行っているのが現状でございます。
#127
○斉藤(節)委員 もう時間がなくなってきましたのであれでございますが、建設省さんにお尋ねしたいのですけれども、建材としてこういうアスベストを使うということについてどのように考えておられるか。
#128
○鈴木説明員 お答え申し上げます。
 建設省といたしまして建築材料として純技術的な観点からだけで見ますと、先ほど通産省の田中課長からもお話しございましたように、安価ですぐれた防火性能を有するといういい材料であるということが言えると思います。
 ただ、御案内のとおりでございまして、吹きつけられたアスベストについては飛散防止のための除去技術等の開発をやっております。あわせまして代替品開発につきましても民間の方で先行して行われておりますが、これを断熱性能あるいは耐火性能といった観点の、一種のガイドラインでございますが、民間が行います技術開発の性能評価といいますか、そのための技術開発は、この平成元年度から行うことといたしております。
#129
○斉藤(節)委員 もうこれでほとんど時間がなくなってきたわけであります。まだ水道水の中にアスベストがあったなんという報道もありましたのでその方も御質問申し上げたかったわけでありますけれども、いずれにしましてもこのアスベストは汚染しますと大変問題になりますので、環境庁といたしましては、単なる発生源の今問題になっているこういうアスベスト製品の製造工場とかそういう加工ばかりでなくて、これを建材として使っていてその解体をすることによって一時的に飛散しまして付近住民に影響を与えるといったようなこともありますので、その辺は厳重に監視していただきたいということをお願いして私の質問を終わりたいと思うわけであります。
 どうもありがとうございました。
#130
○菊池委員長 春田重昭君。
#131
○春田委員 まず限られた時間でございますので、ひとつ簡潔に御答弁いただきたいと思います。
 まず大臣にお聞きしたいと思いますが、今回大気汚染防止法の一部改正が出たわけでございまして、特定粉じんとしてアスベストが、従来行政指導であったのが今回法律の中で規制対象になった、こういうことでございますが、いわゆる今回の法規制によりましてこのアスベスト対策が万全になるのかどうか、それともこれをスタートとして今後いろいろな問題点があればさらにそういった面も含めてより充実していく、講じていく、こういったお考えをお持ちなのか、まずその辺の御所見をお伺いしたいと思います。
#132
○青木国務大臣 アスベストにつきましては、今まで議論が出ましたとおり断熱性あるいは絶縁性、柔軟性が非常に高い物質だということで広く使われているわけでございます。しかしながら、一方におきまして発がん性の問題が社会的な問題になっている。そこで環境庁としては、六十二年にいろいろ調べましたところ、発生源周辺で一般の環境を数十倍あるいは数百倍上回る濃度のアスベストがあるということがわかりましたので、このたびこれを対象にいたしまして法制化を決断したわけでございます。
#133
○春田委員 その趣旨はわかるのですけれども、それでは、その問題は最後にも聞きますのでもう一回きちっとした御答弁をいただきたいと思います。
 さて、我が国のアスベストの消費量は年間約三十二万トンといわれております。世界的にはソ連に次いで先進国では第二位と言われておるわけでございますが、なぜ我が国はこういった先進国の中でトップレベルで消費量が多いのか、この辺の理由をお示しいただきたいと思います。
#134
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。
 日本の消費量が多い理由ということでございますけれども、石綿の消費量の国際比較のためには諸外国の正確な消費量なりあるいはその用途別の内訳、経年的な動向といいますものを検討することが必要であるわけでございますが、今のところ私どもとしましては諸外国のそこら辺のデータにつきましては十分なデータが必ずしも得られていない現状にございまして、なかなか比較は難しいわけでございますが、我が国におきましては先生からお話ございましたようにかなり消費量も高いということが実質的にございまして、しかもその中身を見ますと、石綿スレートその他の建材に全体の八割近くが使用されておるということが我が国の大きな使用量の要因になっているというぐあいに思うわけでございます。
 そうなりますと、石綿スレートその他の建材が我が国で多く使われている理由は何かということになるわけでございますが、これはいろいろな方々の御意見等がございましてはっきりした固まった御意見というわけではございませんけれども、日本におきましては防火性能あるいは軽量で丈夫で安いというような点でかなり使われておる。しかも日本の場合におきましては、欧米と違いまして石とかセメントでつくられている建物ではございませんので、そういう面で先ほど申し上げました防火性能なり軽量、丈夫、安いというようなことがバックグラウンドといいますか背景にございましてスレート等建材にかなり使われておる、それが全体の消費量を引き上げているのではないかというような見方をされておるところが多いというふうに思っております。
#135
○春田委員 アスベストは、御案内のとおり肺がんを初め特定疾患があるわけですね。そういった点で他の国では非常に規制が厳しい、あえてアスベストを含んだものを使ってないのではないか、日本は規制が今まで緩やかといいますか、行政指導であったがゆえにこういったものが使われていたのではないかというような感じを持つわけでございますけれども、それは別として、アスベストの発生する装置、事業所、それからまた工場でございますが、全国にどれぐらいあるのか、また、全国では大体どの辺に集中しているのか、御説明いただきたいと思います。
#136
○長谷川(慧)政府委員 私どもが都道府県等に依頼をしてアスベストを使っている製品製造工場といいますのを調べますと、大体三百九十一とか二とか、大ざっぱにいいますと約四百というぐあいに承知いたしております。この四百の工場の中におきましては、アスベストをいろいろ解綿したり混合したり、切断、研磨、切削、粉砕、紡織というような形での機械、施設がございまして、そういう機械がそれぞれの工場ごとに平均して三ぐらいかというようなことを考えておりますので、そういう面での申し上げました解綿、混合等の施設、機械につきましては、大体それの三倍見当ぐらいがあるのではなかろうかなというような感じで今おるところでございます。
 それから、そういう工場がどこに集中しておるかというお尋ねでございますが、阪神地域あるいは東京周辺の関東圏等に立地しているものが多いというぐあいに承知いたしております。
#137
○春田委員 アスベストを発生する工場または事業場について今回新たな定量的な規制基準を定めるとなっておりますけれども、その基準につきまして総理府令で定めると聞いておるわけでございますが、その内容につきまして御説明いただきたいと思います。
#138
○長谷川(慧)政府委員 総理府令で定めます基準についてのお尋ねでございますが、私ども先ほど申し上げました都道府県を使いましてそれぞれの工場につきまして精密調査をやった、それ以降に実態調査ということでまた全国でかなりの工場につきましての排出濃度を調査したわけでございますが、そこら辺の数字につきましては私どもの中で検討会を設けていろいろ専門の先生方の御意見を承りまして、それを踏まえて中公審にお諮りし、中公審からお答えをいただいたわけでございますが、現在の排出の規制のやり方につきましては、いわゆる工場等事業場におきます敷地境界におきまして一リッター当たり十本を基準値ということで考えたいと思っておるところでございます。そこら辺は総理府令で定めることになるわけでございますが、その数値を一応目途に考えているところでございます。
 その数値につきましては、検討会の中でもいろいろ御議論賜りまして、現在の処理装置、いわゆる集じん機が適正に活用運用されておる、あるいは工場の建屋等におきます開閉部、窓とか入り口でございますけれども、そういうところがきちんと管理をされて、作業中にはそこら辺がきちんと閉じられておって、そういうところから外に飛び出さないような形になっておる、あるいは工場周辺におきましてもきちんと清掃等がされまして、工場敷地辺におきますアスベストがないような状態に保たれているというような維持管理、そういう面がきちんと保たれておられれば、私どもが考えております十本という基準値をそう難しくなくクリアすることができるだろう。その十本という数字自体について見ますと、WHOの方でいろいろの評価をやっておるわけでございますが、十本であれば検出されるほどのリスクはないというような評価もございますので、そういう面から、基準値につきましても工場自体も守れる数字であるだろうし、それによって住民の健康影響についても心配はないということを考えておるところでございまして、そこら辺の数値につきましてはいずれ総理府令できちんと定めたいと思っております。
#139
○春田委員 ただいま御説明あったようにアスベストの量が一立方の中に十本以内、しかも測定場所を敷地の境界線としているわけですね。工場または事業場の敷地の境界線とした理由をもう少し詳しく述べていただきたいと思います。
#140
○長谷川(慧)政府委員 アスベストにつきましては、普通のNOx、SOxみたいな形で、いわゆる工場からのばい煙という形で煙突から排出されるということとは別にしまして、工場におきます排出口、煙突的なところから排出されるものもあるわけでございますが、それ以外に、先ほど申し上げましたように建屋の開閉部からも飛散してくる、あるいは敷地内に堆積しておったものからも飛散するということで、発生形態が煙突の方式とはちょっと異なるところでございますので、そういう面で排出口、煙突規制というわけにはなかなかまいりません。その工場から出されます排出の形がいろいろあるわけでございますので、それを総体的に把握するためにはやはりその工場の敷地境界というところで把握する必要があるだろうという考え方のもとに、敷地境界における濃度を決めたという経緯でございます。
#141
○春田委員 ヨーロッパでは大体排出口を測定場所として規制していると伺っているわけです。排出口で抑制しなかったならば、例えば極端なことを言ったら敷地が物すごい大きい工場、事業所というのは何ぼ出してもいいのであって、空気中で拡散されますから、境界線の段階では非常に薄められる、こうなるわけですね。したがって私は、ばいじんが煙突から出ることについて排出口で規制しているわけでございますから、集じん機の排出口で規制すべき、こういったことも考える必要があるのではないか。そういったいわゆる総量規制もある程度やらなかったならば、先ほど言ったようにでっかい工場だったならば何ぼ出してもいい、境界線で十本以内だったらいい、こうなるわけですね。この辺で総量規制もあわせて考える必要があるんではないかと思いますが、どうでしょうか。
#142
○長谷川(慧)政府委員 先生から御指摘ございましたように排出口規制というされ方は、ECあるいはフランス等におきましてそういう排出口規制というものを実施いたしているわけでございますが、この排出口規制におきましては先ほど申し上げましたように排出口以外のところから飛散する石綿をとらえることができないというようなことから、排出口規制よりも環境と接する工場敷地のところで把握するというのは、考え方によりますればそれは一つの総量規制ということにもなるのじゃないかなというぐあいに思っておるわけでございます。そういう面で、私ども先生のお尋ねの件につきましてもいろいろ検討してまいったわけでございますが、やはり日本のいろいろな調査、先ほど申しました精密調査あるいは緊急実態調査等の資料にもありますように、どうも日本の場合には排出口から出るものプラス建屋の開口部から出るものもかなりあるというようなことから、日本としては敷地境界でとらえて基準をきちっと守っていただく方が周辺環境に及ぼす影響が防げるのじゃないかという判断のもとに行った次第でございます。
 それからもう一つ、敷地が大きい場合には確かにおっしゃるように敷地境界まで届くまでの間に
拡散されて薄くなる可能性もございますけれども、先ほどもお尋ねございましたが、我が国におきますアスベスト製品製造工場というのは比較的小規模のところが多うございまして、大きい敷地を持っているところはなかなかないわけでございます。大きな敷地、小さな敷地とそれぞれ事業者によって実態は異なるかと思いますけれども、そういう面で両面の見方があるわけでございますが、私どもそれらをまとめまして敷地境界できちんと把握をし、そこで基準を守っていただければその周りの一般環境、周辺住民に対する影響は少ないということで、現在のような考え方をまとめ、それにつきましては専門家の御意見あるいは中公審でもいろいろ御審議いただきまして、その方法については是ということでお認めいただいた次第でございます。
#143
○春田委員 万全を期そうと思えばそういった総量規制もあわせてやるべきではないか、今後の検討課題にしていただきたいと私は思います。
 さらに、我が国の規制ですが、これは今言ったように欧米とそれぞれ違いがあるわけでございますので単純に比較することはできないとしても、我が国はヨーロッパやアメリカと比較した場合アスベストに関しては厳しいのか、それとも緩やかなのか、全体、トータルでどんな感じをお持ちですか。
#144
○長谷川(慧)政府委員 ECなりフランスにおきましては排出口規制ということで、〇・一ミリグラム・パー・立方メーターという規制値が設けられているわけでございます。これは光学顕微鏡で見れば一リットル当たり千七百本という数に相当するのではないかなと思うわけでございます。これは排出口規制でございまして、それから敷地境界までの間にある程度拡散をして薄まるということになりますので、この千七百本と私どもで考えている規制、敷地境界における十本というのをストレートには比較できませんけれども、敷地境界におきまして十本という数字は排出口千七百本と比べましてそう遜色はないという言い方もおかしいのですけれども、緩くもない。まして、考え方によればかなりきつい数字じゃないかなと思うわけでございます。だけれども、まあそうきついということでもない。実際の事業の実態から見ますと、先ほど申しましたようにきちんと管理されればこの基準値、規制値は守ることができるという実態もございますので、そういう面で厳しいということでもございませんけれども、EC、フランス等と比べますと緩くはないというぐあいに思っておるところでございます。
#145
○春田委員 いずれにいたしましても、先ほど大臣がおっしゃったように、今地球的な規模からの環境問題、そして国内の大気、水、緑、そういったさまざまな環境問題があるわけでございます。そういった中で、日本は公害防止先進国、環境を守る先進国として長官も海外で胸を張っていろいろな御演説をなさっているわけでございますから、アスベストが行政指導からいよいよ規制の対象になってくるわけでございますが、そういった面では欧米にまさる内容にすべきであろう、こう主張したいわけであります。
 さらに、アスベストの利用先は建材が八割と先ほど言われましたけれども、自動車のブレーキ、クラッチ等も建材に次いで多いわけですね。したがってブレーキをかけたときにアスベストが空中散布されることが考えられます。こうしたことを考えたときに、今回の法改正では事業者が義務づけられておりますけれども、事業者というわけにはいきませんので、自動車交通量の多い幹線道路についても行政側として当然定期的に測定する必要があろうかと思いますが、その点どうお考えになりますか。
#146
○長谷川(慧)政府委員 アスベストにつきましては、私ども、工場におきます排出規制をきちんとやっていただくということとあわせまして、一般環境中におきます濃度がどう移り変わっているのかということを絶えず把握する必要があるだろうというぐあいに思っておるわけでございます。そういう面で、六十年度から隔年おきではございますけれども、日本のあちこちの場所におきまして、先生の御指摘ございました幹線道路付近におきましても地点を選びぼして環境濃度の測定を行っておるところでございます。私どもがそういうことで全国的に地点を選んで測定を行っていることにあわせまして、自治体におきましても、そういう地域の住民の健康を守るためにもいろいろな形でのモニタリング等をやっているわけでございますので、自治体のモニタリングあるいは私どもがやっておりますモニタリングを両方あわせながら、我が国における一般環境中のアスベスト濃度の推移を見守ってまいりたいというぐあいに思っておるところでございます。
#147
○春田委員 さらに、環境庁は昨年の秋から冬にかけましてアスベスト濃度の緊急調査を行っておりますね。その結果につきましてひとつ簡潔に御説明いただきたいと思います。
#148
○長谷川(慧)政府委員 アスベスト製品製造工場におきましてそれぞれの工程はいろいろ違いがあるわけでございますが、そこらの工程の違いを考えながら、全体で四十五工場につきましての緊急実態調査をやったわけでございます。
 その結果を概括的に申し上げますと、それぞれの地点ごとに見た場合におきましては、一地点におきまして十本を超えている地点があったということでございまして、それ以外の、四十五工場多数の地点におきましては現在考えております規制値の以内であったという結果を得ておるところでございます。
#149
○春田委員 ただいまの説明では、四十五の事業場を検査した、一カ所だけが今回基準としようとしている一リットル当たり十本の基準値をオーバーしたところがあった、こういうことでございますが、最大値として一回でも基準値一リットル当たり十本を出た工場がやはり何カ所かあると報告されているわけでございますね。それは何カ所ですか。
#150
○長谷川(慧)政府委員 先ほど説明を落としたわけでございますが、一工場につきましては大体五地点、三日間調査するわけでございますが、そういうことで調査をしまして、今先生お尋ねがございましたように一回の検査でも十本を超えているところといいますのは、八つの工場がございました。ただ、そのそれぞれの地点ごとに三日間を平均しまして十本を超えるところは一地点でございましたけれども、それぞれ単独に見てまいりました場合には、一回でも十本を超えているところの工場数と言われますと八工場ということでございます。
#151
○春田委員 平均値では四十五の中で一カ所だけが十本を超えた、しかし、やはり一回でも超える、しかもいわゆる調査の内容は先ほど局長がおっしゃったように集じん機を適正に稼働している、またそういったもの等の開閉部をきちっと遮へいする、そういった中で調査をしたその結果が一回でも最大値十本以上にオーバーしたのが八カ所あるわけですから、そういった面ではやはり心配される向きもあるわけでございます。
 そういったことで、これは法改正する前の調査でございますが、今回要するに法改正をされていけば、従来からのそういった集じん機の適正稼働、それから開閉部の遮へい等、それ以外にさらに新たな、何といいますか、規制というものが今回の法改正によってされるかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#152
○長谷川(慧)政府委員 このたびの法改正によりまして、そういう施設を有する工場から事前に届け出をいただく、その事前届け出の中身といたしましては、そういう排出抑制のための設備、あるいはその工場で使われている石綿の使用量、作業工程、それから窓等の開閉部に対する取り扱い方あるいは敷地内におきます清掃の状況といいますものにつきまして、いろいろなデータをいただくということになっておるわけでございます。そういう面で資料をいただきましたときに関係の都道府県におきましていろいろ相談に応ずるわけでございますが、その場合に、先生おっしゃいましたようにただいまはそういう集じん機の機能の維持
管理の問題、あるいは開閉部の閉鎖の問題、あるいはその集じん機から出てくる出口の方向の問題等細かな問題もありますので、そういう面で各施設の実態といいますものをいろいろ資料をいただきまして、それぞれに応じまして個々の事業体で指導してまいるという形になろうかと思います。そういう面で細かなケース指導的なものにつきましては、私ども過去のいろいろな調査等もやっておりますのでそこら辺の蓄えにつきまして関係都道府県と十分連携をとりながら、指導面に遺漏のないような形でやってまいりたいというぐあいに思っております。
#153
○春田委員 いずれにしても万全を期していただきたいと思います。三百九十二工場の中の四十五カ所でございますから、そういった面でまだまだそういった調査もしてないところもたくさんあるわけですから、もっともっと基準値をオーバーする工場等がやはりあろうかと思いますので、そういった面で万全を期していただきたい、こう思います。
 さらに、新たに設置される集じん機、これについては税制上の特別償却措置が今回の法改正で認められておりますけれども、今年度予算でどれくらい大体優遇措置は見ているのか、その辺御説明いただきたいと思います。
#154
○長谷川(慧)政府委員 税制上の優遇措置ということで、今年度の税制改正におきまして、この法案が成立いたしました場合におきましては石綿の処理用設備にかかわる特別償却措置が認められているところでございます。その場合には初年度の百分の二十一の特別償却措置というのが行われるわけでございますが、これによります減税額と申しますのが、集じん機の大きさによっても異なるわけでございますが、一般的に七百万から一千万円というぐあいに言われているところでございまして、この七百万から一千万円の集じん機でございますと、平均的な法人税率が四三・三%と見込みますと減税額は一年当たり六十三万円から九十一万円ぐらいのところであろうというぐあいに計算いたしておるところでございます。
#155
○春田委員 こういった形で優遇措置が今回盛られたわけでございますけれども、さらに私は国税だけでなくして、この集じん機をそういった地方税、固定資産税面でもやはり対象とすればもっともっと集じん機の設置がふえていくのではなかろうかと思っております。そういった点で今後この地方税、固定資産税、こういった面でもひとつ優遇措置ができないものだろうかどうか。この辺は大蔵省との折衝になろうかと思いますが、どうお考えになっておりますか。
#156
○長谷川(慧)政府委員 先生から御指摘いただいた点につきましては、関係部局との調整の問題もあるわけでございますが、できるだけ先生の御提言を生かすように努力してまいりたいというぐあいに思っております。
#157
○春田委員 さらに、アスベストは繊維製造工場以外からも発生いたします。例えば、先ほど岩垂先生がもう長いこと御質問もなさっておりますけれども、建築物の改修、解体等によって出てまいります。さらにアスベストの廃棄物の処理場なんかからも出てくるわけでございまして、これらの二カ所につきましては従来どおり行政指導でございまして、いわゆる規制の対象には入っておりません。過去こういった場所も調査されておりますけれども、いわゆる従来どおり行政指導でいいものかどうか、規制対象に含めなくていいのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#158
○長谷川(慧)政府委員 まず建物の解体、改修の方でございますが、それにつきましては私ども過去いろいろ調査を実施してまいりまして、その調査の結果現在得られておるデータに基づきますれば、周辺環境濃度とそう大差がなく、環境に及ぼす影響は少ないというぐあいに思っておるところでございますが、これからも解体、改修工事がだんだんふえてくるというような傾向にもあるわけでございますので、なお引き続きそういう面で例数といいますかそういう事例をいろいろ調べてまいりまして、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたいというぐあいに思っておるところでございます。
 それから廃棄物の関係でございますが、これにつきましては従来からも厚生省の法律等もございまして、それによってそれぞれに指導が行われておるところでございます。私どもも廃棄物終末処理場の周辺等についても調査を行っておりますが、それにつきましても特異なデータを得られてないというようなことから、そういう面で一般環境中における問題はないというぐあいに思っておるわけでございますが、今後とも、先ほど申し上げましたが工事の解体あるいは廃棄物の処理場、両方につきましてもいろいろ調査をやるなり関係方面の理解を求めて、さらに適切に処理をしてまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
#159
○春田委員 いずれにしても、これらの場所は不特定多数の方が出入りする機会が多いわけですから、そういった面では行政指導をもっと強化する、行政指導でも問題があればいわゆる規制の対象にしていく、こういったことも考える必要があろうかと思っておるわけでございます。
 さらに測定義務でございますが、これは事業者のみに、事業者に課しているわけでございますけれども、行政側としてはこのいわゆる測定義務につきましてはどうお考えになっているのですか。行政側としては私は積極的にもっとやるべきではないかという考え方を持っておりますけれども、どうでしょうか。
#160
○長谷川(慧)政府委員 測定義務に関するお尋ねでございますが、もともと大防法におきまして測定義務をそれぞれの事業者に課しているわけでございます。それは、大防法をきちんと守っていただく、事業者が大気汚染防止対策を講じまして規制基準を守っていくというためには、その実情を把握するために事業者みずからが測定をするということが必要であるという考え方のもとにこの測定義務を課しているわけでございまして、そういう面では、煙突のようなばい煙における考え方とこのアスベストにかかわる考え方についても全く同じでございます。そういう面で、事業者はみずからの事業活動を行うに当たりまして基準等を守っているかどうかを確認するという意味で測定をやっていただくということでございます。
 それにあわせまして、行政府におきましてもそういう規制基準の遵守など法律の適正な執行を図るために工場に随時立ち入り、測定を行うことができるわけでございます。必要に応じまして自治体におきましても工場等に立ち入り等を行うわけでございますので、そういう面で十分監視していくことはできるだろうというぐあいに私ども考えておるところでございます。
#161
○春田委員 今回の法改正でも立入検査が認められているわけでございますが、問題や苦情があったときだけ立入検査をやるのじゃなくして、事前に届けもされているわけでございますから、行政側としてもきちっとそういったところでピックアップしながら随時この立入検査はやるべきである、積極的に対応すべきである、私はこのように主張しておきたいと思っておるわけでございます。
 それから、最後になりますけれども大臣にお伺いしたいと思います。
 先ほどから質問しているとおり、アスベストの消費量は先進国で我が国がトップでございます。しかもアスベストは発がん性があって、人間の健康に大きな影響があるという証明もされておるわけでございます。我が党としても早くからその対策の必要性を主張してきたところでございまして、今回の法改正は大きく評価しますずけれども、時期的には遅過ぎたくらいであると苦言を呈しておきたいと思います。環境庁としても、この法で十分把握できない生活環境への影響も積極的に、しかも万全の対策を講じてもらいたい、このようにお願いをしたいわけでございます。
 冒頭にも大臣にお伺いしたとおり、諸外国と比べて我が国の今回のこのアスベスト規制が果たして本当に万全なのかどうか、それとも今後問題が出ればそういった問題等を一つ一つ検討しながらさらに充実したアスベスト対策をやっていく、総合的な対策をやっていく、こういったお考えなのか、もうこれで大丈夫なんだというお考えなのか、その辺の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思っております。
#162
○青木国務大臣 石綿粉じんの大気中への排出の抑制の問題でございますけれども、今まで地方公共団体あるいは関係業界を指導する、それとともに各種の調査を実施してきたわけでございます。ちょっと遅過ぎるんじゃないかというお話でございますけれども、もっと早く出せればなおよかったかと思いますけれども、ただやはりいろいろ科学的知見を集約してこういう法律をつくらなくてはなりませんので現在になったわけでございます。
 それから、お話にあります総量規制とかあるいは工場以外のものはどうか、これも御指摘のとおり工場だけやっておしまいだというわけじゃなくて、広い意味の大気汚染でございますので、これからも工場以外の場所につきましても全般的に総量のことにつきましてもさらに調査を進めまして、万遺漏なきを期していくように努力をしたいと思っております。
#163
○春田委員 終わります。
    〔委員長退席、小杉委員長代理着席〕
#164
○小杉委員長代理 北橋健治君。
#165
○北橋委員 民社党・民主連合の北橋でございます。私どもは、このたび世界的に関心が高まっておりますこのアスベストの規制につきまして、政府が関係省庁と合意の上でその規制にかかわる法案を提案されたことは一歩前進であると評価をしております。ただ、諸外国の規制の状況等もいろいろ調べてまいりますと、これからまだまだ多くの課題が山積をしておると感ずるものであります。その観点から以下質問させていただきますが、同僚委員の質問と若干重なる点が出てまいりますときは御容赦をいただきたいと思います。
 まず青木長官の率直な御所見を伺いたいと思いますが、世界的に環境保全の問題に非常に関心が高まっておる中で、長官も国内はもとより諸外国の会議におきましても積極的にリーダーシップを発揮されておられる、まさに世界の青木として御活躍をされていると伺っておりますが、このたび政府が提案をされましたアスベスト規制の法案につきまして、日本のこのたびとろうとしている措置というのは世界の中でも環境問題での先進国と言うにふさわしい内容という自信をお持ちかどうか、率直な御感想をまずお伺いしたいと思います。
#166
○青木国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、地球環境を中心といたしまして、今環境問題が国内だけではなくて世界の大きな関心を呼んでおります。そういう中にあって、GNPの一四%を超える経済的な成果を得ている日本、あるいはこれまでのいろいろな公害を克服してきたというその技術、そういうことを考えますと、日本としてもやはり世界に貢献する日本として努力をしなくてはならない、そういう責任があると思うわけでございます。
 そういう中にあって、さしあたってやらなくてはならないことは国内の環境整備でございまして、大気あるいは水をきれいにする問題とか、あるいは自然保護の問題とかいろいろな問題がございますけれども、そういう流れの中にありましてこのたびアスベストが、昭和六十二年の調査結果に基づきましてその発生源周辺地域におけるアスベストの濃度が非常に高くなっているという事実が出てまいりましたので、さしあたってここに着目をいたしましてアスベストの規制の一部改正法案を提出したわけでございます。大きな流れの中の法案でございますけれども、特にこういう地球環境が大きな関心を呼んでいる現在の法案でございますので、一日も早くひとつ御審議を進めていただくように心からお願い申し上げる次第でございます。
#167
○北橋委員 それで、今回の法律の規制によりまして今後我が国でアスベストの使用が減少していくことが期待をされると思うのですけれども、最近の推移を見ておりますと、世界の使用量は、一九七〇年代五百五十万トンだったのが現在は四百万トン程度にかなり減少してきておりますが、我が国の場合は御案内のとおり、最近の建設需要ブームもあるでしょうけれども、むしろ急増しているのが現実でございます。それで、今回の法規制を踏まえまして、関係省庁の行政指導とあわせまして我が国におけるアスベストの使用というのは今後かなり減少していくと期待をしてよろしいのでしょうか、お伺いします。
#168
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。
 先生からお話がございましたように、我が国におきましては、近年いろいろな状況によりましてアスベストの使用量、輸入量が非常にふえておるというのが現状にございます。今後どうなるかというお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、この法律規制によりまして工場がきちんと管理していただくということとあわせまして、主に使っておりますスレート協会等におきましては、これから三年とか五年、一九九一年末までには現在使っている製品の中で石綿を使わないようにする、あるいはその含有率を下げるというようなことで協会の中でもいろいろ検討いたしておるところでございますし、また自動車業界におきましても、自動車業界の全体の使用量の市場に占めますシェアは非常に少のうございますけれども、それにおきましても今後何年かの間にはできるだけ減らしていくというような方向を打ち出しておるところでございますので、そういう面からも私どもとしましては石綿の使用量といいますのはだんだん減っていくのではないかなと期待いたしているところでございます。
#169
○北橋委員 重ねてお伺いしますが、政府当局としても使用量が減少することを期待されているというようなことでございますが、それでは、できるだけこれを減らしていくという決意はお持ちなのでしょうか。そのためには条件整備として、先ほど来委員の質疑にございましたように、当然代替製品の開発を急速に進めなければならないということがあるわけですけれども、お伺いします。
#170
○長谷川(慧)政府委員 先生御指摘のとおりだというふうに思っております。代替製品の開発が進みませんとなかなか減少することは難しいというように思っているところでございまして、そういう面で代替製品の開発の状況といいますものにつきましては通産省においてもいろいろ調査を行っておるわけでございますが、私どもといたしましても、現在国会で御審議いただいております法案の中におきまして、解体工事現場の状況を調べますのにあわせましてそういう代替製品の開発あるいは代替製品の安全性についてのレビューといいますものを実施してまいりたいというぐあいに思っておるところでございます。
#171
○北橋委員 外国の規制の状況を調べていきますと、先ほど来政府の答弁にありましたように少しずつ減らしていくというようなものではなくて、かなり厳しい規制を加えているようであります。つまり、今回の法案の内容というのは、排出について規制を加えるものでありますが、当面アスベストの使用そのものについてはその必要性を容認していることを前提にしております。諸外国の例、私どももちろん詳しい調査データがあるわけではありませんが、手元の資料によりますと、例えばアメリカの例を見ますと、二十世紀の終盤まで、つまり一九九六年ぐらいまでにはアスベストの採鉱と輸入は全面的に禁止するという提案が今アメリカの行政の方からなされていると聞いております。それから、例えばイギリスの方にいきますと、アスベストにかかわる作業を行う業者というのはすべて許可制にしている、これは一九八三年に許可制にして、かなり厳しい規制を加えているというように聞いております。それから西ドイツにおきましても、一九九〇年までに建築材料中のアスベストはなくしてしまう、そしてまたセメント業界の方におきましては、アスベスト含有量の三割から五割を削減するという内容を政府と業界との間で自主的に協定を結んでいる、こういうのが西ドイツの実例と聞いております。またノルウェーにおきましても、アスベスト含有製品につきましては輸入及び販売はすべて政府の許可制になっているということで、こういうような諸外国の例を見てまいりますと、当面どうしても代替のものが確保できないというよほどの場合を除いて、原則的には行政としても何とか業界の皆さん方に働きかけて納得ずくでアスベストの使用を極力減らしていく、できればない方がいい、これくらいの力強い決意を持った取り組みをしているわけでございます。その意味からしますと、通産省あるいは関係省庁の間でも代替品の開発について一定の予算をとり関係方面で研究されていることは評価をするものでありますけれども、予算面その他におきましてまだまだ極めて不十分ではないか。諸外国のアスベスト規制に関する物の考え方は極めて厳格である、その外国の考え方を即この日本において採用せよと主張するものではありませんが、そういう意味からしますと、諸外国の規制については今後日本としても十分研究をして学ぶところも多々あるように思うのです。政府としては、これまでこの法案の立案に当たりまして当然諸外国の規制のあり方についても検討を加えてこられたと思いますが、このような厳しいアスベスト規制の内容についてどのような評価を率直にされているのでしょうか、お伺いをいたします。
#172
○長谷川(慧)政府委員 アスベストに関します諸外国の規制の状況でございますが、先生からお話がございましたように、石綿につきましては石綿製品等製造工場に対して排出抑制をするという考え方がECなり西ドイツ、フランス、アメリカ等においてもあるわけでございます。それから石綿の使用につきましては、全面禁止あるいは一部禁止、許可禁止というような形で、国によりましていろいろの違いがあるわけでございますが、概括的に申し上げますと、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンにおきましては、特定の用途に使用されている場合や技術的、経済的な面から代替が困難な場合を除き原則として禁止ということでございまして、その他のEC、西ドイツ、アメリカ、イギリス等におきましても一部の分野で禁止という形になっておるわけでございます。そういう面で、こういう世界各国におきます状況といいますものを踏まえながら私ども日本の対応をいろいろ検討してまいったわけでございます。
 繰り返しになるわけでございますけれども、この石綿につきましては、断熱性なり絶縁性、柔軟性等すぐれた性質を持っているものでございまして、現在約三千種類の製品に使用されているという実態にございます。これに代替する製品につきましてはいろいろ検討されているわけでございますけれども、完全にこれにかわるものがいまだ確認されていないという状況にございまして、こういう面で、現時点で石綿の使用を禁止するということは非常に難しい問題というぐあいに考えているところでございます。石綿につきましては、環境濃度の状況やら発生源の態様等から見まして、引き続き排出抑制対策を推進するということとあわせまして、特に問題があると考えております。石綿等製品製造工場につきましての規制をこの大防法の改正によって行いたいということで今回御提案申し上げている次第でございます。
 現在私どもとしましては、世界の趨勢を見ながら、代替品の開発の状況を見ながら将来におきましてはできるだけ減らす、なくしていくという考え方を持っているわけでございますけれども、現実問題といたしましては、適正な管理のもとでやはりある程度使用しつつ、将来的には安全な代替品にかえることが望ましいというぐあいに考えているところでございます。このために先ほど申しましたように今年度予算におきましてもそういう面での調査研究費を要求いたしているところでございますので、そういう面で今後とも引き続き諸外国あるいは開発状況、研究状況といいますものを絶えず追っかけまして適切に対処してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#173
○北橋委員 ぜひその御答弁のような方向で御努力を続けていただきたいと思います。
 平成元年度の予算においても調査研究費を計上されているということでございますが、私ども民社党・民主連合は、これまでの予算の質疑におきましてもう既に大蔵当局との話し合いで予算がついたものについてはよほどのことがなければ削られるということはないわけでございますが、新しき状況に対応して新規の予算をとっていくということはなかなか大変であります。その意味で青木長官の決意をお伺いしたいと思います。今後政府内部におきまして、なかんずく財政当局に対して、このアスベスト規制、そのために必要な代替品の開発、普及、これは極めて緊急な内容である、そしてまた世界の中の日本の環境保全対策は非常に注目されている、事の重大性にかんがみましてもっともっとこの予算の確保について御奮闘をお願いしたいわけでございますが、長官の決意をお伺いしたいと思います。
#174
○青木国務大臣 今長谷川局長からお話のありましたとおり、アスベストというのは発がん物質でございますので、終局的には明らかに全廃するのが目標でございます、はっきりわかっているわけですから。ただ、いろいろ産業界との関係とか、今まで日本がこれだけ大きく経済大国になってきたいきさつとかいろいろ考えますと、そう一気にはできない。そこで、今度御提案申し上げましたような法案になったわけでございますけれども、代替品の開発が非常に大切なわけでございますので、お話のように、平成二年度の予算折衝におきましてもこういう方面の予算を一銭でも多くとるようにひとつ大蔵当局と交渉をしてまいりたい、そういう決意でございます。
#175
○北橋委員 ぜひ御奮闘をお願いしたいと思います。
 法案の内容について触れてまいりたいと思います。
 まず第一に、排出の基準について、立方当たり十本と施行令で定めるというふうにお伺いをしているわけでありますが、この根拠については一部の世論の中に、果たしてこの基準を設定した場合に付近住民の健康被害をこれで十二分に防げるかどうか疑問であると指摘する人もおります。そういった疑問にこたえる意味において、環境庁がこのたび施行令で立方当たり十本と定めようとしているその根拠についてお伺いしたいと思います。
#176
○長谷川(慧)政府委員 昭和六十二年度に実施いたしましたアスベスト発生源精密調査におきましていろいろ工場の実態を調べたわけでございますが、私ども、専門家の検討会を設けましてその結果の評価あるいは今後の取り組み方についての御意見をいろいろ賜ったところでございます。その中におきまして、現在一般に使用されております対策技術に基づきまして適正な維持管理等を行うことによりまして、この調査対象となりましたアスベスト製品製造工場につきましてはおおむね敷地境界における濃度をリッター当たり十本以下にすることができるというお答えをいただいているところでございます。
 それから、石綿発生源周辺及び一般環境におきます石綿暴露に関連して健康影響ということで注目されますのは、先生御案内のとおり肺がんなり悪性中皮腫の発生のおそれであるわけでありますが、この健康影響につきましては、WHOにおきましては、環境中におけるアスベスト濃度は、得られているデータによれば、都市部における濃度はリッター当たり一本から十本程度の範囲にあるか、時にはそれより高い状況にあるというように環境の動向を把握しておりまして、そういうような状況にありまして一般住民においては、アスベストに起因する肺がん及び悪性中皮腫のリスクは信頼できるほど定量化できないものの、恐らく検出できないほど低いであろうというぐあいに評価いたしているわけでございます。
 そういうことで環境庁といたしましては、WHOの評価あるいは現在適用されております対策技術といいますものを総合的に判断いたしまして、大気一リッター中十本程度以下であればアスベストに起因する肺がんあるいは悪性中皮腫のリスクは検出できないほど低いというぐあいに考えているところでございまして、そういう面で、現在考えております基準値が守られればその付近住民の健康被害を防ぐことができるというぐあいに考えているところでございます。
#177
○北橋委員 この排出基準につきましては、リッター当たり十本という規制に加えまして、アスベストの長さについても非常に関心を持たれていると聞いております。五ミクロン以下の微小なものにつきましてもやはり健康被害の影響があるのではないか、相当の学識経験者の中にもそういう意見を述べられる方がいるわけでございます。この長さの規制について、将来何か御検討されるお考えがあるかどうかということをお伺いしたいと思います。
 あわせまして、政府の御説明は今お伺いしたわけでありますけれども、例えば原子力発電一つとりましても、政府の責任ある広報活動につきましては私どもはまだまだ不十分であるという理解を持っておりますが、このような問題は、一般の市民は、発がん性が本当にこれで除去されるのかどうか、専門的な知識をほとんど持ち合わせていないわけであります。その意味で、WHOがこう言った、ああ言ったということも一つの説得材料になるかと思いますけれども、やはり政府としても丁寧な、周到な関係者等の研究による広報活動を積極的にしないとやはり不安というものは残ると思うのでありますが、あわせましてお伺いします。
#178
○長谷川(慧)政府委員 アスベストと私ども普通言っておりますものにつきましては、先生お話しございましたように長さが五ミクロン以上、それから太さと長さの関係が三対一以上の細長い繊維というぐあいに限定いたしておりまして、アスベストという言葉を使ってやっているわけでございます。そういう面で先生お話しございましたように、規制対象あるいはいろいろな環境中におきますモニタリング等におきましても、そういう長さ五ミクロン以上、それから長さと幅の比が三対一以上というものについての調査なり規制等を行っているわけでございますが、先生御指摘の五ミクロン以下のアスベスト繊維についてのことでございますけれども、このアスベストにつきましては、アスベストが生体内で分解しにくく、かつその形状が繊維性をなしているということで、細くて長い繊維ほど発がん性が強いというぐあいに言われているわけでございます。さはさりながら、五ミクロン以下の小さな繊維についてはどうかということでございますが、これにつきましては、私どもも今動物実験等におきまして発がん性といいますか生体影響についての調査研究を行っているところでございます。あわせまして、世界各国におきます。そういう文献等につきましてもできるだけ集めるということで努力いたしておりまして、そういう面で、そこら辺の知見がまとまりますれば、それを今後どうするかについての考えを明らかにしてまいりたいというぐあいに思っているところでございます。
 それからもう一点は、こういうWHOの見解あるいは現在の対策技術といいますものを含めまして一般によく周知徹底を図る必要があるという御指摘でございますが、おっしゃるとおりでございまして、私ども、この法案が通りますれば関係自治体等を集めましてそこら辺の趣旨、内容についての説明を十分したい、あわせまして、どんな形か、新しい改正大防法につきましてのPRも努力してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#179
○北橋委員 その方向で頑張っていただきたいわけでありますが、例えばこのアスベストの問題について非常に関心を持っている学者グループなどもおるわけです。私どもの方にも、これは東京大学の工学部機械工学科の研究者の方から声明文を送ってきているわけでありますけれども、専門家ではない自分にとりましてはこれを見てもよくわからない。
 それで、私は思うのですけれども、いろいろと広報活動で努力されるというのはわかるのですが、一部の方々がこういうふうにどんどん本を書かれたり講演されているわけでありますから、現在の政府の排出基準が妥当であるとお考えになっているわけでありますから、例えば討論に応じるとか積極的に政府の考え方を知らしめるという努力がいろいろな問題、諸問題についてやはり乏しかったのではないかと率直に思います。そういった意味で、一部の考えだと決めつけるのではなくて、いろいろな機会にそういった考え方の人たちと大いに議論をして政府の考え方を知らしめるという努力をしていただきたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
#180
○長谷川(慧)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもとしましては、例えば先ほど申し上げました検討会の報告書につきましても公表もいたしておりますし、それから、アスベストの私どもで集めたいろいろの資料等につきましても本、パンフレット等において公表いたしているところでございます。そういう面で私どもとしましては、いろいろな機会を設けてできるだけ私どものやっている仕事の内容についてのPRをしてまいりたいというぐあいに思っております。
 それからまた、先生のお尋ねにございましたように、そういう専門の方々の御意見が私どもと違う場合におきましては、私どもとしましては、機会を見ましてそういう方々との対話といいますか話し合いを十分やってまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#181
○北橋委員 ぜひその面での御尽力を期待申し上げたいと思います。
 労働省の方に安全衛生上の行政についてお伺いをいたします。
 労働省におかれましても工場敷地内のアスベストにかかわる作業につきましていろいろと指導されていると聞いております。特に、もう既に労働省の方から通達を出しまして非常にきめ細かく労働安全衛生上の対応を各自治体に促していることは積極的に評価するものでありますが、その中でちょっと一点お伺いしたいと思いますが、通達の中で一つこういうのがあります。建築物の解体がこれから相当ふえてくるわけでありますけれども、そういったときにアスベストの問題について非常に詳しい資格のある人をどんどん養成すべきだという項目が一つございます。この状況について、また今後の見通しについて教えていただければ幸いでございます。
 といいますのは、アメリカの場合でも、建設現場にかかわるこの問題につきまして、アスベストの取扱責任者を選任して、なおかつ教育訓練を実施いたしまして、建設現場におけるアスベストの暴露の問題が出ないような努力をしていると聞いております。これは一九八六年の措置だと聞いておりますが、我が国の法令体系では、通産省所管の法律だと思いますが、公害防止管理者という制度がありまして工場内はいいのですけれども、それ以外のいろいろな作業場においては労働省がかなり積極的にイニシアチブをとっておられると思いますが、アメリカでもそういうふうにしてかなり細かくやっているわけであります。労働省自身が既に自治体に通知をされて、この有資格者というものをどんどん養成していくという行政指導をされてこられて、現時点でどこまで進捗しているのでしょうか、そしてまた、このポイントについて今後積極的に進めていくお考えがあるかどうか、お伺いします。
#182
○露木説明員 今、先生から御指摘ございましたように、石綿製品製造工場などにつきましては労働者の健康障害防止対策につきまして、労働安全衛生法とこれに基づきます特定化学物質等障害予防規則、これによりまして昭和五十年から規制をしているわけでございます。規制の内容につきましては、例えば石綿を取り扱う労働者の作業環境を良好に保つために粉じんの発散源を密閉する設備でありますとか、局所排気装置の設置とか、作業環境測定の定期の実施でありますとか、健康診断等ございます。先生お尋ねのこの規則の中に作業主任者の制度がございまして、特定化学物質等障害予防規則の中で、作業主任者を選任しなければならない、こういうことになっております。
 それから、先般解体工事等につきまして通達を出しております。この通達の中では、マニュアルをつくりまして、このマニュアルの中で工事の作業指揮者に対しまして教育を行ってございます。これは労働省の外郭団体でございますが、建設業労働災害防止協会というのがございまして、この協会を通じまして教育を実施しているわけでございますが、現在までのところ六千五百人ばかりこの作業指揮者教育をいたしているわけでございます。平成元年度につきましても今後数多く教育をいたしまして、養成していきたいと考えている次第でございます。
#183
○北橋委員 ぜひ、これは通知にも既にありますように、特定化学物質等作業主任者の制度というのがあるわけでございますから、強力にこれを推進して万遺漏なきを期していただきたいと思います。
 最後になりました。これは質問通告をしてなくて大変恐縮なんでございますが、発展途上国へ汚染を輸出しているという指摘も一部にあるわけであります。例えば、日本国内でもこのように規制をしていきますと、現在は子会社あるいは資本関係にある企業をどんどん海外につくりまして、そこで逆輸入するというものもいろいろな製品についてふえてくると思っております。これは要望にとどめておきたいと思いますけれども、これから世界の中の日本としてこの問題に対する対応が注目されてくると思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思うのです。
 例えばアメリカのアスベストの最大の会社は偽装倒産をしたと言われているのですけれども、その一方で子会社を発展途上国につくって、そこで製品をつくっているということも報告されております。また日本企業におきましても、紡織製品、絶縁材といったものは日本ではもう余りつくらなくなって、逆に今度は子会社あるいは関連企業を台湾と韓国につくって、アスベスト紡織製品を何と国内シェアの九割以上をそこから輸入している。一九七二年には三十二トンだったものが、最近では七百トン近くになっているということが指摘をされています。
 詳しい調査資料は私ども手元にないわけでございますけれども、こういった問題についていろいろと国際機関についても議論されてきていると思いますが、これからますます企業の海外進出が問題になってくる。そこにおける日本と関連のある企業がもしも指摘されているような方向でどんどん外国でつくって日本に持ってくるとなれば、今度は日本国内で規制した部分を逃れるために外国に行っていると逆にそしりを受けることになって、日本としては大変まずいことになると思います。また国内におきましても、建設解体工事現場におきましては劣悪な労働条件で外国人労働者が使用されていたというような報告が一部にあるようでございます。
 そういった意味におきまして、今後このアスベストの規制を加えるに当たりましては外国との関連において慎重に事を運ぶ必要があると思いますので、その点をぜひ要望いたしまして、もし環境庁の方でこの問題についての御見解がありましたら聞かせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#184
○渡辺(修)政府委員 大変貴重な御指摘をありがとうございます。私どもかねがね、発展途上国に日本の企業が進出をするというときに環境上の配慮を十分するようにすべきだというふうに考えております。政府が関与するものについてはいわゆる環境配慮ということで具体策を今練っておりますし、民間企業の場合につきましても、関係経済団体の方で既にガイドラインというのをつくって指導をいたしております。なお不十分な点もあろうかと思いますので、これから一層その徹底を期していきたい、こう考えております。
#185
○北橋委員 ありがとうございました。終わります。
#186
○小杉委員長代理 以上をもちまして北橋健治君の質疑は終了いたしました。
 岩佐恵美君。
#187
○岩佐委員 まず最初に長官に、石垣島の白保のサンゴ礁の問題についてお伺いをしたいと思います。
 沖縄県は、新石垣空港建設予定地を白保の旧予定地から四キロ北側のカーラ岳東側に変更する、こういうことを決定し、発表しました。
 環境庁は白保海域の調査を実施し、高被度のサンゴ群集の広がりと連続性、他に例のないアオサンゴ、現状ハマサンゴの特異な群集の存在、またこれらが一つの礁池のユニットの中にまとまって存在し、その他のサンゴを含め全体として健全で特異な生態系を維持している、こういう結論を出しました。
 ところが沖縄県はこれまでずっと、空港をつくってもアオサンゴは大丈夫だ、アオサンゴ以外の白保のサンゴは大した価値がない、こう主張し続けてきたことは周知の事実であります。
 今度の計画案では、埋立面積が五十ヘクタール未満となるため法律上は県が勝手に進めていい、こういうことになるわけです。今までの県の態度に対して不信感を募らせていた地元住民は、あるいは自然保護団体は、サンゴを守る点で心配だと言っておられます。これは当然だと思います。環境庁として、貴重な自然環境を守るための責任ある対応をすべきだと思いますけれども、まず長官の基本姿勢についてお伺いをしたいと思います。
#188
○青木国務大臣 石垣新空港の問題ですけれども、この問題は、白保の大事なサンゴを守らなければならないという一つの命題と、それからまた地元の皆さんのどうしても新しい空港をつくってくれという熱望と、その間に入りまして我々といたしましても大変苦悩したわけでございますけれども、幸い沖縄県知事が英断をもって北の方に動かしてくれたということで、大変沖縄県に対しまして敬意を表する次第でございます。
 今までいろいろないきさつがございましたけれども、環境庁といたしましても、昨年の暮れからいろいろ独自に調査をしまして、その内容をこの春沖縄県の方にも感触を伝えてあるわけでございまして、それに基づいてああいう決断をされたと思いますけれども、何といってもやはり白保のサンゴは世界第一級のものでございますので、守れたことは大変喜ばしいことだと思っている次第です。
#189
○岩佐委員 長官、今私が申し上げたのは、五十ヘクタール未満ということになると県の権限でこれからものを進めていくということになるわけですね。そうした場合に環境庁としてきちんと対応していくべきだと思いますけれども、その点環境庁はいかがですかということをお伺いしているわけです。
#190
○青木国務大臣 半分ぐらいになったわけでございますけれども、環境庁としては、従来のいきさつもあり、新しい建設計画についても、相談があれば必要な助言を行っていく考えでございます。
 また、埋立工法等につきましても、関係省庁と相談いたしまして、環境への影響をできるだけ少なくするように助言をしてまいるつもりでございます。
#191
○岩佐委員 新予定地について大臣は、サンゴ礁等自然保護上の問題はないと判断をされる、こう述べられたわけです。しかし、新予定地を五月一日から四日、五月十一日から十四日の二回に分けて現地調査を実施した財団法人日本自然保護協会は、結論として、「今回の変更地についても、白保地先の旧計画地同様、健全なサンゴ礁生態系である一連の白保サンゴ礁を破壊する計画として自然保護上極めて問題が多いと考えられる。」「白保地先から計画地を移動させた点については評価できるが、科学的調査を十分にした上で変更地を選定したとは考えられない。したがって、この変更案には賛成できない。」との見解を表明しています。また、財団法人世界自然保護基金日本委員会、WWFJも、ことしの三月十一日から十六日に実施した水中調査の結果から、「今回の調査は、代替地における空港建設が同一生態系に属する沖合サンゴ礁並びに白保サンゴ礁に重大な影響を与えるおそれがあると警告している。」と指摘して、沖縄県や国に対して「十分かつ慎重な調査をし、社会的にも国際的にも納得されるような厳正な評価を実施されるよう強く望む。」こう言っているわけであります。
 私も現地を五月八日から十日にかけて調査しました。水にも潜って見てまいりました。新予定地も白保と同一のリーフ内にあります。旧予定地の北端と新予定地の南端とでは一・五キロメートル程度しか離れていません。そういうところで空港建設をすれば、白保のサンゴに影響が出ないと断言をすることはできないと思いました。
 環境庁もカーラ岳の北東側は調査をしておられます。しかし、自然保護団体がすぐれていると指摘をしている南東側については調査をしておられない、そういう状態です。ですから、きちんとした調査をしないで、ただ大丈夫だと沖縄県の計画にお墨つきを与えるような発言を大臣がされる、これは大変大きな問題だと思います。だれもが納得できる資料をちゃんと積み上げて、それらの資料を公表して、きちんと国民が納得できるような対応をしていくのが筋ではないでしょうか。大臣のお考えを伺いたいと思います。
    〔小杉委員長代理退席、委員長着席〕
#192
○青木国務大臣 新予定地の北端部付近は、環境庁が実施いたした調査の二十二点の中の一つに入っているわけでございます。今御指摘の南東部でございますけれども、この地域も潜水により調査をしているわけでございます。
 自然保護団体が反対をしている御意見は、大きく分かれて二つあると思います。一つは、白保と新予定地は一連の生態系にあるということ、それからもう一つは、新予定地も石垣島周辺でも第一級のサンゴの生息地である、この二つにあると思います。
 一連の生態系であるという第一点ですけれども、これにつきましては、よく調べますと途中に二カ所のリーフの切れ目といいますか、水道部があるわけです。それからもう一つは、轟川河口というものがそこには存在しております。さらに三番目は、流れは轟川の河口から北向きに流れるのが一番大きな流れになっているということから、私どもは別の生態系だ、隣ですから同じという判断もあると思いますけれども、我々は別の生態系である、こう判断をしておるわけであります。
 それから、第一級のサンゴがあるという話ですけれども、これは白保のサンゴに比べると問題にならない、評価が低いことは、これはもう万人の認めるところではないかと思うわけでございます。今回の埋め立てられる海域は、海藻がいっぱい生えていて、また砂で、サンゴのあるところは、全部とは言いませんけれどもほとんどないということ、それから、新予定地の南寄りの海域に見られる枝状ハマサンゴ、枝状ミドリィシはリーフ寄りに分布しておりまして、なぎさ線から六百メートルくらい離れておる、こういうことから、自然保護上白保に比べると問題なく、空港建設地としては適しているのではないかという判断をしているわけでございます。
#193
○岩佐委員 私、環境庁から調査の結果表をいただきました。やはりカーラ岳の、きちんと皆さんが公表されたものは北東部になっているわけですね。南東部についてはきちんとしたこういうような調査が出ているわけじゃないですね。どこどこの地点を何カ所調べてこうであったということにはなっていないわけであります。それから、先ほど潮流の話もありましたけれども、自然保護団体の皆さんや現地の方々は、潮流もそう簡単に解析できるものではない、複雑なんだ、だからよく調べてちゃんと物を言っていくべきである、もし環境庁が大丈夫だと言われるのでしたら、前に調べたと同じちゃんとしたデータをそろえて物を言ってほしいというのが基本だと思いますし、私もそう思います。
 次に、新空港の建設は現空港の安全性の問題などから実現すべきこと、この点は私たちもそう思っているのです。それはもう現地の方も、空港を利用された方は皆さんそう言っておられるわけですね。ただ、十年間も実現できずに来た大きな原因は何かというと、沖縄県が地元住民との合意をつくる努力をしないで、一方的に今まで計画案を押しつけようとしてきたことにあるわけです。ところが、今回の計画変更でも過去のことが反省されていない、また同じことが繰り返されるという状況にあります。今度の位置変更について、新たに地元となる大里とか星野などの住民に事前に何の相談もなかった。突然発表した。市は謝ったとか言っておられますけれども、地元の住民は、この問題一つとってみても民主主義の問題だということで、一方的押しつけの繰り返しに非常に怒っているわけです。
 住民の意思を尊重して空港建設は進められるべきであります。そうでなければ、また空港建設もおくれるし、先ほどの自然保護団体の皆さんがいろいろ指摘されている問題について、確実なデータに基づいてちゃんと解明をして、納得ができる結論が得られるというようなことができなくなってしまうわけですね。まさに上意下達的なやり方、これはやめるべきだと思うのですね。その点について、再度大臣の御所見を伺いたいと思います。
#194
○青木国務大臣 突然であったという点は残念でございますけれども、これからは地元の皆様に詳しく説明をして、理解が得られるように沖縄県が努力をしていただけるものと確信いたしております。
 また、岩佐先生が現場を見て、大きな目で事実を見たという話でございますけれども、この点はいずれ沖縄県が公有水面埋立法の手続に先立って環境調査を実施するということになっておりますので、環境庁としては、県におきます調査結果を踏まえて、今後の設計や工事施工の段階で細心の配慮がなされることを期待している次第でございます。
#195
○岩佐委員 大臣、本当に心してやっていただきたいと思います。
 それで、大臣はまた白保海域について、海中公園地区に指定して保護したいという方針を明らかにしておられます。日本自然保護協会の資料によりますと、付記のところで「現在白保地先の轟川から、大量の赤土が海に流れ出し、白保地先のサンゴ礁生態系にとって危機的状況が生まれている。これは河川改修や、轟川の上流域で配慮のない土地改良工事が行われている結果である。早急にこの赤土流出を止める手だてを講じなければ、白保サンゴ礁生態系の健全さは維持できない。今後の保護対策上、最も緊急に改善すべき事項である。」こういうようなことを付記として意見の中に入れているわけです。
 私も石垣に行ったときに、白保だけじゃなくて他の地域も見てきましたけれども、白保は他の地域に比べてオニヒトデの被害もほとんどない、水もきれいということで、素人の私の目から見ても白保のサンゴは大変生き生きしていたという印象であります。しかし、今こういう轟川の問題とか現在の状態すら危機に瀕しているのではないか、そういう指摘もあるわけであります。ですから、白保地域を保護する、これはもう緊急に必要な課題であると思います。
 ただ、どうやって保護をすればいいのか、これも地元住民の意見をよく聞きながら具体化を図っていくべきだというふうに思います。今後どういう段取りとテンポで具体化を図っていかれるのか、御見解を伺いたいと思います。
#196
○青木国務大臣 白保地区、今お話しのとおり大変立派なサンゴがあるということでございますので、できるだけ早く国立公園の海中公園地区に指定する方向で地元の市や県あるいは国の関係省庁と相談をしていきたいと思うわけでございます。
 それから、轟川から出る汚れた土の水ですか、それにつきましても、もしそういうことがあればせっかくの白保のサンゴがやられてしまいますので、よく調べた上で、あくまでも白保の立派なサンゴを守るという観点に立ちまして関係省庁あるいは沖縄県と相談して政策を進めていきたいと思
っております。
#197
○岩佐委員 アスベストの問題について伺います。
 先ほどから議論をされてきたところですが、環境庁はアスベストの規制基準値を一九八六年のWHOの報告に基づいて一リットル当たり十本とする予定にしています。しかし、この十本という値は、WHOが基準値として示したものではありません。十本以下で安全と確かめられているわけではない、これも先ほどからいろいろ議論がされてきたところであります。アメリカの環境保護局のまとめた死亡推計によりますと、一リットル当たり十本の濃度のアスベストを週四十時間、一生涯浴びたとき、男性では十万人当たり二十六人から二百六十人、女性では二十四人から二百三十四人が肺がんまたは悪性中皮腫で死亡する、こういうようなデータが出ております。これは、WHOの発がん物質の判断基準である十万人中一人ということからすれば、かなり高いわけであります。ですから、こうした問題について、今後一リットル当たり十本でいいんだということで確定するんじゃなくて、いろいろなデータを検討しながら再度よく煮詰めていく必要がある、こういうふうに思っているわけですけれども、この点について御意見を伺いたいと思います。
#198
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。
 リスクアセスメントをアメリカのEPA、環境保護局においてやっておったということでございますが、そのデータ等につきましても私どももいろいろ調べて勉強いたしているわけでございます。このリスクアセスメントにつきましては、リスクアセスメントの技法自体にいろいろまだ問題もございまして、日本の研究者におきましてもこのリスクアセスメントにつきましてはやり方等についてのいろんな御意見等もございまして、なかなか固まっていないわけでございます。
 私どもの検討会におきましても、このアメリカのリスクアセスメントの結果等につきましてもいろいろ御意見を賜ったわけでございますけれども、アメリカ側でも言っておりますように、計算のもとになりました労働環境におきます暴露が推定に基づくものである、あるいは宿主による発がんの差があること等によりまして大きなばらつきがあるということでございますし、また喫煙などの交絡因子を考慮しますとさらに大きくばらつく可能性もあるというようなことから、アスベスト対策検討会におきましては、実際にリスクアセスメントが行われてきたが、現在行われているモデルを使ったリスクの試算では数多くの不確定な要因を含んだ上で行われているため、健康影響面から排出抑制の目標を定量的に設定するためにはなお今後とも引き続きリスクアセスメントそのものについての研究を進める必要があるというような評価を行っているところでございまして、そういう面で私どもといたしましては、今後ともリスクアセスメントにつきましてはいろいろ勉強してまいりたいというぐあいに思っているところでございます。
#199
○岩佐委員 厚生省は昨年六月に室内空気環境リスクアセスメントに関する研究という研究班をつくって、アスベストなどによる低濃度での発がんの可能性、安全量などについて検討しておられるということですが、この作業がどうなっているのか、また結論が出ているのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
#200
○小沢説明員 お話のように昨年、六十三年度の事業といたしまして、空気環境リスクアセスメントに関する研究委員会というものを発足させまして研究をしていただいております。
 研究の内容といたしましては三点ございまして、一点は、ただいまお話のございましたアスベスト粉じんによる健康影響に関する過去の情報の整理というのが一点でございます。それから二点目は、低濃度のものでございますので、アスベスト粉じんの測定方法の検討というのが二点目でございまして、それから三点目といたしまして、室内で掃除をするとかいろいろの行為が行われた場合にアスベスト粉じんの負荷がどのように変わるか。そういった三点につきまして検討をお願いをいたしておるところでございます。
 六十三年度の事業でございますから大体の作業といいましょうかは終わっておる状態でございますが、概況で申し上げますと、低濃度のアスベスト粉じんの暴露による健康影響の定量的把握というのは、これは過去の文献をいろいろとってみましてもなかなか一律に結論を出すのは困難である、グラフにかきますといろいろさまざまな線が出てくるというようなことでございまして、なかなかその定量的な把握が困難であるというのが現況でございます。
 それからまた、特に私ども今回のこれで一つの重点にしておりますのは、アスベスト粉じんの濃度測定方法について迅速かつ容易な方法がないものかというようなところでございますが、これについては幾つかの方法をお願いをいたしておりますが、最終的にこれがいいというところまではまだ至っていないという段階でございます。
 いずれにいたしましても、この研究会の御報告をいただきましたらそれをもとにいたしまして、さらに利用できるものがあればそれをもとにいたしまして関係者に対して適切な指導をしてまいりたい、このように考えております。
#201
○岩佐委員 今回提出をされた法案では、規制基準違反に対する直罰ではなくて改善命令に従わなかった場合に罰せられる、そういう仕組みになっています。直罰規定がないということは、改善命令が出されなければ幾ら排出していても罰せられない、そういう心配があるわけです。都道府県がきちんとチェックをしないとざる法になる、そういうおそれがあると思います。自治体による監視等の制度が必要だというふうに思いますけれども、その点についてどう考えておられるのか、伺いたいと思います。
#202
○長谷川(慧)政府委員 直罰制の問題でございますが、この直罰制につきましては、現在の大防法の中におきまして、いわゆる従来のばい煙発生施設のように煙突から排出されるものであれば非常に可能性はあったわけでございますけれども、石綿による大気汚染といいますものはそういうように煙突から排出されるものではなくて、集じん機の出口あるいは建屋の開口部というようなところから飛散するということで、排出口といいますか発生源が非常に広くわたっておるということで対策上にもいろいろな問題があるわけでございます。
 今回の大気汚染防止法改正によります規制につきましては、こうしたさまざまな発生源からいろいろな形で出てくるという石綿の全体について、処理施設の設置なり建屋開口部の密閉化、敷地内の清掃などいろいろな対策を総合的に講じて対応するように促しまして、最終的には敷地境界におきまして規制基準を満たすというようなことを求めておるところでございます。
 先生お尋ねの直罰制の問題でございますが、いわゆる直罰制は一定の行為に刑罰を科するものでございまして、構成要件といいますものを明確に定める必要がある、それから、特定な定型的な行為、例えば煙突から高濃度の排出というように特定の定型的な行為を対象とするものにはなじむものでございますけれども、今回の規制のように排出口以外の発生源も含めまして工場全体に広く規制の網をかけまして、また、基準の適用のためには発生源の排出を直接に抑制する対策のみならず、建屋の密閉化なり散水というような広範囲の対策を動員させる必要があるというようなものでございますので、特定の行為の有無に着目したような定型的判断を行うことができないということから、直罰制の採用については非常になじまないというふうに思って、直罰制につきましては見合わせたといいますか、法の中に取り込んでいないということでございます。
 そういう面でございますけれども、一応改善命令等もかけられるわけでございますので、都道府県と十分連携をとりながら、法の規制が円滑に、適正に執行されますように対処してまいりたいというぐあいに考えております。
#203
○岩佐委員 先ほどからの環境庁の御説明で、環境庁が規制の対象と考えているのは全国で三百九十幾つ、約四百工場だということでありますけれども、しかし、アスベストを排出する可能性のある事業場はこれだけではないと思います。自動車の修理工場やビル解体現場なども先ほどからの議論のとおりあるわけでございます。
 労働省に伺いたいのですが、特定化学物質等障害予防規則による石綿を使用する事業所数は、全国で幾つあるのでしょうか。
#204
○露木説明員 御説明申し上げます。
 石綿を製造し、または取り扱う事業所につきましては、先生御指摘のとおり特定化学物質等障害予防規則に基づきまして、現在特殊健康診断という健康診断をやってございます。特殊健康診断を行っている事業所につきましては報告を求めてございまして、その数を把握してございます。その数につきましては、昭和六十二年度におきましては二千九百十四事業所になっております。
#205
○岩佐委員 環境庁の調査によりましても、石綿の汚染が出るという、そういう地域についてはかなり多岐にわたっているわけです。例えば幹線道路沿線などというところは、最大の汚染については、事業所とか工場周辺とか廃棄物処分場周辺とか、そういうのを入れても全体の三番目に当たるんですね。要するに一番多いのがアスベスト製品の生産事業所周辺、それから蛇紋岩地域、その次に幹線道路沿線とかというふうになるわけです。ですから、先ほどからビルの解体現場とかそういうところもあるわけですけれども、あるいは廃棄物処分場とかいろいろあるんですが、そういう道路の沿線についても、環境庁自身の調査でも問題があるわけです。こういうことについてぜひ今後とも検討していってほしい。これは先ほどからも御意見は伺っておりますけれども、再度指摘をしておきたいというふうに思います。
 次に、アスベストは多く吸えば確実にがんになる、そういう可能性がふえていくわけです。通常では燃えたり分解したりしないということでありますから、使えば使うほど環境に蓄積をしていく、そういう状態になります。日本ではアスベストはほとんどが輸入品ですけれども、過去の輸入量は合計どのくらいになっているのか、伺いたいと思います。
#206
○長谷川(慧)政府委員 昭和三十五年から六十三年までの石綿の輸入実績でございますが、日本石綿協会の調べによりますれば、約六百七十七万トンという形になっております。
#207
○岩佐委員 これは一九六〇年から一九八八年までですから、六〇年以前も入れますと大体七百万トン以上になるのではないかと推計できると思います。これを国民一人当たりに単純に計算してみますと、約六十キログラムにもなるわけです。これが狭い国土の中に存在をしている、輸出などもありますから単純にはいかないかもしれませんが、こうなるということです。
 アメリカではアスベスト問題が早くから深刻な社会問題になっていたわけですが、国土面積比でいうと日本のアスベスト使用量はアメリカの数十倍にもなります。しかも、輸入量の統計を見ると一九五〇年以前はほとんどゼロで、六〇年ごろに十万トン、現在の二十万トン以上になったのは六〇年代後半のことであります。ですから、大量に使うようになってからまだ二十年くらいしかたっていないということであります。過去に建築材料に使用されたアスベストが解体、廃棄されるのは、本格的にはこれからであるということが言えると思いますし、また、アスベストによる肺がんや中皮腫は二十年から三十年の潜伐期間がある、これはもう言われていることであります。日本ではこれから患者が多発をする、そういう危険があるわけで、そのときになってから問題にするのでは遅いと思います。
 ところが、先ほどからも指摘されていますが、ここ数年アスベストの輸入がふえ出して、昨年は三十二万トン、史上第四位になっているわけであります。欧米諸国では使用が減ってきています。日本は逆行しています。根本的にはアスベストの使用そのものを抑制していくことが大事であります。その点について、何度も大臣に伺っておりますけれども、改めてここで大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
#208
○青木国務大臣 今御説明になりましたような状況でございますので今回この法案を提出したわけでございますけれども、これだけではもちろん十分ではないわけでございます。今御指摘の建築現場の解体の問題あるいは自動車の摩擦材の問題、いろいろございますので、こういうことを引き続き調査を進めていきまして、少なくとも地球が汚れないようにひとつ努力をしていきたい、こう考えております。
#209
○岩佐委員 アスベストは三千種類もの用途に使用されています。身近なところに使用されているのですけれども、国民にはよくわからないという状態です。労働安全衛生法の対象となるのはアスベストが五%以上含まれている場合だけです。先ほど労働省が五%以下でも表示をするよう指導していきたい、こういう答弁がありましたけれども、これはぜひそうしていくべきだと思います。
 さらに、一般消費者向けの製品にも表示をきちんとする必要があると思います。先ほど話に出ました家電製品はもとよりですけれども、スレート材など日用大工のために小分けにして買ってくる、こういう場合もあるわけです。その場合には表示がないということになります。通産省ではこういう表示について何か検討すべきだと思いますけれども、しておられるのかどうか、この点について通産省にお伺いをいたしたいと思います。
#210
○田中説明員 お答えいたします。
 今先生の御指摘のとおり、五%以下の場合、それから石綿製品が組み込まれている機械機具、機械等に取りつけるだけで石綿製品の加工がなされないような場合、それから最後に一般消費者の生活の用に供する場合、こういった場合には、労働安全衛生法では今現在規制の対象になっていないということでございます。
 それで、先生御指摘の消費者保護の観点から石綿製品の表示をすべきかどうかということでございますけれども、この点に関しまして、通産省の生活産業局の中にこの四月から石綿対策検討委員会を設けて、石綿の問題というのは先ほどから御議論ありますように代替品を開発するとか石綿の含有量を減らすというようなことで抜本的に解決していく必要があるということで、こういう検討委員会を設けているわけで、今検討が進んでいるわけです。今御指摘の、消費者保護の観点から表示制度をどのようにしたらいいかということを含めて、検討していきたいと考えております。
#211
○岩佐委員 この点、非常に重要な問題でありますので、環境庁の方からもぜひそうした問題について監視をしてというか注意をして一緒に進めるというようなことをやっていくべきだと思いますけれども、環境庁、いかがですか。
#212
○長谷川(慧)政府委員 アスベストに関しましては各省連絡会を設けておりますので、その場等におきまして関係各省におきます対策、今後の取り組み方につきましての情報交換等を行うわけでございますので、そういう面でいろいろ意見交流、意見交換をしてまいりたいというぐあいに思っております。
#213
○岩佐委員 今お話が出ていますアスベストの代替品の問題です。
 代替品というのはいつも安全性がどうなのかということが問題になるのですね。代替品だからいいということでは必ずしもないということがよくあるわけです。ですから、代替品の安全性についてもきちんと調べていく必要があると思います。例えば天然に存在をするゼオライト、この繊維性のゼオライトについてはトルコなどの事例で中皮腫の原因になる、こういうふうに言われているわけです。このゼオライトについては日本でも産出をして、建築材料その他に使用されているわけです。法案では特定粉じんとして今後アスベスト以外の物質についても指定していく、そういう可能性が開かれるわけでありますけれども、これらの物質の安全性をきちんとチェックをする、そういう必要があると思いますし、また、必要に応じて指定をしていく、こういう必要があると思いますけれども、この点について環境庁のお考えを伺いたいと思います。
#214
○長谷川(慧)政府委員 アスベストの使用をどんどん減らしていくためにはどうしても代替品の開発が必要である。その代替品の開発に当たりましては、新たな代替品が逆にまた環境影響、健康影響を及ぼすようなものであってはならないということで、安全面の評価をきちんとやっていかなければならないという先生の御指摘は全く同感でございまして、そういう面で私どもといたしましても、国内外のそういう代替品の文献のレビュー等につきましていろいろ勉強してまいりたいというぐあいに思っているところでございます。今年度の予算案におきましてそういう面での調査費もお願いいたしているところでございますので、先生の御指摘を踏まえまして今後とも代替品の開発、その安全性についてのチェックはきちっとやってまいりたいというぐあいに思っております。
#215
○岩佐委員 今度の法案は、アスベストについて規制に踏み切った、そういう点で積極的な内容を持っています。しかし、これまで議論してきたように、今後さらにかなり検討していかなければならない、そういう課題も課せられているというふうに思います。この点についてはぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、これを機に他の未規制の化学物質についても問題のあるものは素早く規制をする、そういう積極的な対応が求められているというふうに思います。こういう点について最後に大臣の基本姿勢をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#216
○青木国務大臣 ほかのものとして水銀とかダイオキシンとかありますけれども、それについては今のところ、大気を調べたところでは問題ないということでございますが、長期的に見ますといろいろな問題が出てくる可能性もございますので、今後引き続き慎重に調査して対策を立てたいと思います。
#217
○菊池委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#218
○菊池委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#219
○菊池委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#221
○菊池委員長 次回は、来る二十六日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト