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1988/03/22 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第2号
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1988/03/22 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第2号

#1
第114回国会 建設委員会 第2号
平成元年三月二十二日(水曜日)
   午前十時開議
出席委員
  委員長 野呂田芳成君
   理事 金子原二郎君 理事 木村 守男君
   理事 北川 正恭君 理事 近岡理一郎君
   理事 中村  茂君 理事 古川 雅司君
   理事 西村 章三君
      遠藤 武彦君    大塚 雄司君
      大原 一三君    北村 直人君
      古賀  誠君    鈴木 宗男君
      武村 正義君    東家 嘉幸君
      中島  衛君    中村喜四郎君
      中山 成彬君    松永  光君
      保岡 興治君    小野 信一君
      木間  章君    小林 恒人君
      辻  一彦君    三野 優美君
      大野  潔君    鈴切 康雄君
      岡田 正勝君    北橋 健治君
      辻  第一君    中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣小此木彦三郎君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 内海 英男君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       公文  宏君
        国土庁地方振興
        局長      森  繁一君
        建設大臣官房長 牧野  徹君
        建設省河川局長 萩原 兼脩君
        建設省道路局長 三谷  浩君
        建設省住宅局長 伊藤 茂史君
 委員外の出席者
        環境庁企画調整
        局環境影響審査
        課長      櫻井 正昭君
        環境庁自然保護
        局保護管理課長 小原 豊明君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   薄井 信明君
        文部省教育助成
        局施設助成課長 伊田 和身君
        農林水産省食品
        流通局野菜振興
        課長      木田 滋樹君
        通商産業省生活
        産業局通商課長 棚橋 滋雄君
        運輸省地域交通
        局海上交通課長 小山 正宣君
        運輸省航空局監
        理部航空事業課
        長       圓藤 壽穂君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 小坂 英治君
        住宅金融公庫総
        裁       河野 正三君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     大久保一男君
        参  考  人
        (本州四国連絡
        橋公団理事)  岡田 哲夫君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三日
 辞任         補欠選任
  伊藤 英成君     川端 達夫君
同日
 辞任         補欠選任
  川端 達夫君     小沢 貞孝君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  鈴木 宗男君     中島  衛君
  田村 良平君     保岡 興治君
  木間  章君     辻  一彦君
  伏木 和雄君     鈴切 康雄君
  小沢 貞孝君     北橋 健治君
同日
 辞任         補欠選任
  中島  衛君     鈴木 宗男君
  保岡 興治君     田村 良平君
  辻  一彦君     木間  章君
  鈴切 康雄君     伏木 和雄君
  北橋 健治君     岡田 正勝君
同日
 辞任         補欠選任
  岡田 正勝君     小沢 貞孝君
    ―――――――――――――
三月十七日
 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五〇号)(予)
同月七日
過疎地域振興のための新立法措置に関する請願
 (園田博之君紹介)(第三五号)
 尾瀬分水反対に関する請願(佐藤隆君外一名紹
 介)(第一六七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振
 興特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一四号)
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一七号)
     ――――◇―――――
#2
○野呂田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨説明を聴取いたします。内海国土庁長官。
    ―――――――――――――
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振
  興特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○内海国務大臣 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 奄美群島につきましては、昭和二十八年の本土復帰以来、特別措置法のもと、各般の事業を実施し、これにより奄美群島の基礎条件の改善とその振興開発を図ってまいったところであります。
 しかしながら、奄美群島をめぐる諸条件は依然として厳しく、なお本土との間に格差が存すると考えられます。今後、その格差の是正を図り、国土の均衡ある利用を推進するためにも、奄美群島の特性とその発展可能性を生かし、積極的に社会基盤の整備と産業の振興を進める必要があります。
 このような見地から、現行の振興開発特別措置法の有効期限を五カ年延長することにより、振興開発計画を改定し、これに基づく事業を推進する等特別の措置を引き続き講ずる必要があります。
 また、小笠原諸島につきましては、昭和四十三年の本土復帰以来、特別措置法のもと、各般の事業を実施し、その成果を上げてまいったところでありますが、本土から極めて隔絶した外海離島であるという自然的条件等のため、人口の定着、産業の育成等が十分には達成されていないと考えられます。
 このような見地から、現行の振興特別措置法をさらに延長して題名を振興開発特別措置法に改めるとともに、新たに総合的な振興開発計画を策定し、これに基づく事業を実施する等特別の措置を引き続き講ずる必要があります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申しあげます。
 まず、奄美群島振興開発特別措置法の一部改正につきましては、第一に、この法律の有効期限を平成六年三月三十一日まで五カ年延長し、奄美群島振興開発計画の計画期間も現行の五カ年からさらに五カ年延長することとしております。
 第二に、奄美群島振興開発基金の業務に新たに出資業務を追加するとともに、理事は理事長が内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けて任命することとしております。
 次に、小笠原諸島振興特別措置法の一部改正につきましては、第一に、題名を小笠原諸島振興開発特別措置法に改め、所要の規定の整備を行うとともに、法律の有効期限を平成六年三月三十一日まで五カ年延長することとしております。
 第二に、新たに平成元年度を初年度として五カ年にわたる小笠原諸島振興開発計画を策定することとし、その内容についても振興開発を図るための計画事、項を定める等の規定の整備を図っております。
 第三に、小笠原諸島振興審議会の名称を小笠原諸島振興開発審議会と改めております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○野呂田委員長 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○野呂田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本道路公団理事大久保一男君及び本州四国連絡橋公団理事岡田哲夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#7
○野呂田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三野優美君。
#8
○三野委員 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法について質問をいたします。
 まず最初に、国土庁長官にお尋ねいたします。
 今、長官から御説明がありましたとおり、奄美群島は昭和二十八年復帰、二十九年六月に復興特別措置法を制定されて以来、さまざまな変遷をたどりながら今日まで約三十五年間、小笠原諸島につきましても昭和四十三年本土復帰以来、特別措置法に基づいて約二十年間、それぞれ地域振興がなされてきたのであります。これを、今提案のあったとおりそれぞれ振興開発特別措置法を五年間延長しようとするものでありますが、提案するに当たって国土庁長官はそれぞれ現地を視察されたようであります。何月何日にどことどこの島を見られたのか、これをまず最初にお尋ねをしておきたいと思いますし、さらに、現地視察をした結果、今日まで復帰以来それぞれの措置法に基づいてずっと措置をしてきたわけでありますが、その成果についてどういう認識を持っておられるのか。そして、今日のこれら関係地域の島民の生活状況は本土との格差があるというのだけれども、それは長官の目から見てどういうように映られましたか。さらに、その現状を見て本法案を提案するべきであるという決意になったようでありますが、そこらの心境についてお尋ねしておきたいと思います。
#9
○内海国務大臣 小笠原につきましては昨年六月二十五日、二十六日の二日間にわたりまして、返還二十周年記念の式典を契機にお伺いをして、現地を視察してまいりました。いろいろ地元の御要望等、あるいはこれまでの振興計画の実施状況というものについてもっぶさに見てまいったわけでございます。
 それから奄美群島につきましては七月九、十の二日間にわたりまして、新奄美空港が完成をいたしました際に参りまして、これは奄美の大島でございますが、そこを中心にいろいろと施設その他、道路、公共事業等を見さしていただきました。
 現地視察はそういうことでございますが、本土復帰後の両地につきましては、復興事業を初めといたしまして鋭意積極的な諸施策が講じられてまいりまして、相当の成果を上げておると私は認識いたしておるものでございます。
 例えば奄美群島につきましては港湾や空港の整備、民間テレビの基幹中継局の整備、県立大島病院等の医療施設の整備、その他産業基盤の整備等についても相当の成果を挙げておるものと考えております。また、小笠原諸島につきましては、二見港、沖港、こういった港湾の整備あるいは水産共同利用施設等の整備が進められ、また教育施設等につきましては小学校、中学校、高等学校の整備が完了いたしております。その他産業基盤整備及び生活基盤の整備等についても相当の成果を挙げておるものと認識をいたしておるものでございます。
 しかしながら、先生も御承知のとおり、奄美、小笠原両地域につきましては本土から遠く隔絶した外海の離島であるという考えの上に、さらに台風常襲地帯でもあるという厳しい条件下に置かれておるわけでございまして、その後進性を脱却するにはなかなか容易なことではない、こう考えておるわけであります。したがいまし工その特性と発展可能性を十分生かすことができずに本土との間にいまだにいろいろな格差があることも事実でございます。
 したがいまして、振興開発計画を改定というのは、奄美の場合は振興開発計画ということに既になっておりますが、今度小笠原につきましては、従来振興計画ということでありましたけれども、それに開発を加えまして振興開発計画を新たに策定をいたしまして強力にその実施をしようということで、五カ年間の延長がこれに対しては必要であるということでこの法案を提出いたしたわけであります。
 特に、奄美群島につきましては、自然的特性を生かして積極的に社会基盤の整備と産業の振興を進めると同時に、自立的発展を可能にする基礎条件を改善することにより本土との諸格差を是正する、また、均衡のとれた地域社会の形成を図ることを目的といたしまして、特性を生かした産業の振興、快適で住みよい生活環境の確保、均衡のとれた地域社会の発展を基本に同島の振興開発を進めてまいりたいと考えております。
 小笠原につきましても同様に、自立発展のための基礎条件の改善及び地理的、自然的特性に即した産業等の振興を図る、今後ともまた小笠原に帰島を希望する旧島民関係の帰島を促進する必要があると思うわけであります。
 このような見地から、小笠原及び奄美群島の特別措置法を延長しよう、こういうものでございます。
 以上でございます。
#10
○三野委員 ありがとうございました。
 就任後間もない早々に両島を視察されてありがとうございました。
 この際、運営についてちょっと委員長にお尋ねしたいのですが、この両法案を審議するに当たって、失礼ですが委員長は両島を御視察になったのでしょうか、これをちょっとお尋ねしておきます。
#11
○野呂田委員長 いや、私はかつて沖縄に長期滞在して法案をつくりたことがありますが、このたびは行っておりません。
#12
○三野委員 提案した国土庁の方は早速行って現地を見て、それに基づいてそれなりの提案をしておるのだろうと思いますが、審議する方もやはり私は、本来この法案を審議するに当たって現地をつぶさに見てそれに基づいて審議しなければならぬと思うのであります。
 今、委員長も、この法案を審議するに当たって行っていないと言うのですが、私も実は、奄美は昔県会議員時代に行ったことがあるけれどもその後行ったことがないし、小笠原はいまだ行ったことがないわけです。そんなことから考えてみると、法案審議に当たって、特にこういう特定地域の法案を審議する場合に、関係委員会、委員長初め理事の皆さんなり審議を担当する者が現地を見ないで審査に当たるということは国会の権威の問題でもあるし、あるいは関係住民に対しても非常に遺憾だと私は思うのであります。
 そういう点からいうと、本来ならばこの法案は委員長以下理事の皆さんが現地へ行って、そしてじっくり見て、それから法案を審議すべきであろう。提案する側も審査する方も、ともにそこでお互いに意見交換をしながらより前進した方向を出すというのが筋だと思うのですが、これについて委員長にひとつ見解を聞いておきたい。私は、そういう意味ではどうもこのまま進めるのはおかしいのじゃないかという気がするのですが、どうでしょうか。
#13
○野呂田委員長 大変貴重な御意見をいただきましたが、日切れ法案でございますので、この際はぜひ御協力いただいて、御了承いただいてひとつ御協力いただきたいと思います。
#14
○三野委員 特に委員長は日切れ法案だからやれということですから、私はやっていきたいと思います。
 ただ、この際申し上げておきますが、それならば、今後の取り扱いについては十分にこういうことを配慮しないと、私は、国会の方が空洞化してしまうのではないかという気がするわけです。そういう意味で、この際、委員長に特に注文をつけておきます。これは進めますが、どうぞ委員長以下、この法案が終わった段階で早速理事の皆さんなり現地に行ってきて、そして、法案は通したけれども、これからの運用の面について政府に何を求めるのか、どういうことをやらなければならぬのか、予算措置はどうすべきかということについて、私は、ぜひこの法案が通った後でも早速そういう措置をお願いをしたいと思うわけであります。そういう意味で、委員長の決意だけ聞いて次に進みたいと思いますが、どうでしょう。
#15
○野呂田委員長 大変貴重な御意見でございますから、後日理事会に諮りまして、できるだけ三野さんの御意見に沿えるような方向で協議したいと思っております。
#16
○三野委員 そこで、順次お尋ねをしてまいりますが、まずお忙しい中を通産省から御出席いただいておりますので、それを先に済ませたいと思います。通産省、御苦労さんです。
 奄美大島といえば、だれもが大島つむぎが頭に浮かんでくるわけであります。日本の伝統産業としてはもう内外ともに名を高くしているわけでありますし、また、これに基づいて関係島民がかなりの生活をここに寄せているという現状にあると思うのでありますが、しかし、近年韓国産の輸入がふえつつある、そのことによって国内における衣に対する状況が変化しておりますが、この韓国産の輸入について二国間協定が行われているのですが、どうもこれが遵守されてないのではないか、こういう意見があるわけであります。
 そこで、この際、今の伝統産業としての大島つむぎの現状、そして今後のこれを残していく、あるいは奄美大島における主要産業の一つとして維持するために韓国産との二国間協定の遵守についてどういうような措置をされようとしておるのか。このままずるずるいってしまいますと、ほとんど韓国産にやられてしまうのではないか、あるいは国内においては韓国産と大島つむぎとが素人にわからぬような状況で販売されているという状況もあるのですが、これらの指導をどうしようとしておるのか、ひとつお尋ねしておきたいと思います。
#17
○棚橋説明員 先生の御指摘の点につきましてお答えいたしたいと思います。
 まず、韓国との関係でございますが、十数年来韓国との間で絹織物につきまして二国間協議を行ってきております。特に大島つむぎにつきましては、絹織物数量の内訳といたしまして数量の秩序ある輸入を図ってきておるところでございます。ちなみに数字を申し上げますと、昭和五十五年と比較いたしますと、その大島つむぎが属しますかすり糸を使った絹織物の輸入につきましては四十数%のところまで減少しておるわけでございます。そういうように、大島つむぎ及び韓国からのかすり糸を使った絹織物の輸入につきましてはそういうことで秩序ある輸入が図られてきておるかと思っておるわけでございます。
 また、本年度におきましても、韓国との間で二国間の絹織物の協議が行われる予定でございますが、それにつきましても、産地の御要望に沿って私ども最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。
 一方、韓国側は毎回の絹協議におきまして、日韓間の貿易インバランスを背景にしまして、大島つむぎの内枠廃止とか絹織物の協議の廃止とか、いろいろ強硬に主張してきておるところでございますが、私どもこれに対しまして最大限の努力を払って、両国間でまとまった数量につきましては遵守するように韓国側に対しても要望をしてまいりたいと思います。
 さらに、先生御指摘がありましたが、大島つむぎの国内の問題でございますけれども、私ども通産省といたしましても、特定地域中小企業対策臨時措置法、これは六十二年六月に奄美北地域につきまして追加指定いたしておりまして、奄美北地域中小企業振興計画というのをつくってございます。その中で提案がありました大島紬技術指導センター、これからは現地の本場のつむぎにおきましてもやはり技術の高度化とか新たなる研究開発を促進していくという観点から大島紬技術指導センター、これの移転整備を本年度の予算及び来年度の予算にかけまして進めていくことといたしております。
 さらに、内需の振興でございますけれども、大都市における物産展あるいは本場大島つむぎ展の催事、これをやりましてその需要の喚起あるいは新しい形の需要の喚起に努めてまいりたい、そういうふうに考えております。
#18
○三野委員 ありがとうございました。どうぞお引き取りいただいて結構です。
 そこで、国土庁にお尋ねしたいのでありますが、御承知のとおり、この両地域とも市や町の財政状況は必ずしもいいとは言えないわけであります。とりわけこの奄美群島の中では宇検村が財政力指数が〇・〇九、住用村は○・○八と極めて悪い状況にございます。今度政府が補助金カットを、これもそのまま従来から直す直すと言いながら定着させようとしているわけでありますが、こういう特別措置を必要とするほど地域振興が強く求められて特別法を制定するわけなんです。その地域までもこの補助金カットというものを適用するということは、私はやはりこの両法案の趣旨からいっても最も不適切である、こう言わざるを得ないと思うわけです。この点について長官は、今度の補助金カットの問題に対して、この両地域に対しては除外するという考え方はなかったのでしょうか。政府と大蔵その他とどういうようにこれは交渉したのか、その経緯を聞かせていただきたいと思うのであります。
 言うまでもありませんが、この地域はいわば県民所得についてもかなり格差があるわけですね。したがって、納税能力についてもこれに伴って非常に低いわけですから、こういう結果が出ているわけです。これについてどういうように考えているのか、ひとつ聞いておきたいと思います。
#19
○森政府委員 今お話がございましたように、奄美、小笠原の市町村の財政力は全般的に申し上げますと極めて低い方でございます。特に本島の南部地域におきましては、先ほどお示しのような財政力の指数になっておるわけでございます。こういう地域でありますから、補助率等も、過去の経緯等にかんがみまして、他の地域とは格段上の補助の制度を設けておるわけでございますが、今お話しのように、この補助金のカットについて、これらの地域については言うなれば別枠にすべきではないか、こういう御意見でございます。
 これは従前、この補助率のカットが始まりましたときから大変な議論があったわけでございますが、御承知のように補助率カットがここまで続いておりまして、ことし、閣議決定によりまして、これまでの補助率を平成二年度まで暫定的に続ける、こういうことになっておりますので、今の段階でこれらの地域につきましての特例措置を改めて取り上げるということは極めて困難であったことを御理解いただきたいと思います。
 ただ、私ども、これらの地域につきましての市町村の財政的な措置につきましては極力配慮をいたしておりまして、補助率カットに伴いまして当然ながら地方負担がふえるわけでありますけれども、それらの地方負担につきましては十分その措置ができるように対策を講じたつもりでございますので、御了解をいただきたいと思います。
#20
○三野委員 今この地域の財政力が非常に弱いということをお認めになりながら、なおかつそのことを知りながら、特別の措置をしてきたと言ってみても、結果的には補助金がカットされているわけですね。私は、本来はせめて原則にすべきだ、原則に戻すべきである、補助率については。さもなくば沖縄並みにはすべきであるという考え方を持っておるわけです。そう言えば、恐らく沖縄は軍事基地があるからだろうと言うのだろうと思うが、私は、それは議論の対象にはならない、軍事基地があるから高くしているということは危険度が高いからやっているということにつながるのであって、そうではないと思うのですよ、政府の考え方は。したがって、私はこの際、この両島にこの特別措置でさまざまな事業をやるとしてみても、もうこういう財政状況の中では振興事業の導入に当たっても地元負担に耐えられないという声さえ聞くわけなんです。私も実は電話をかけて聞いてみました、行ってないものですから。何とかしてもらわないと、特別措置でいろいろと事業をやれやれと言ってみてもそれに耐えられぬがねこう言っておるわけなんですが、長官、どうですか、これはこういう特別法を制定しなきゃならぬような劣悪な環境にあり、財政事情も悪いわけですから、その特別措置に基づいて補助金についてはもとに戻すために、ひとつ大蔵なりその他と交渉する決意はありませんか。
#21
○内海国務大臣 この漁港関連道というようなものを今度新しくこの地域に補助採択をすることになりましたし、それから奄美群島園芸振興モデル事業というようなものも創設をする、それから奄美群島振興開発基金の出資機能を付与する、こういった点の事業あるいは出資面でのある程度の配慮を加えて振興開発計画を進めておるわけでございますし、沖縄並みにしたいということは、もう当然我々は考えて主張もして財政当局ともしばしば協議も進めておるわけでありますが、国全体としてその補助金の問題については今回はぜひ勘弁をしてくれということになったことは、先生も御承知のとおりだと思います。我々は、その点なかなか理解に苦しんで努力をしたわけでございますが、全体としてそういうようなことということでございますので、やむを得ないというふうに考えておりますが、小笠原島につきましては、東京都の財政が相当余力がございますので、特に小笠原につきましては東京都にも相当配慮をしていただいて、都心の地域の膨大な経費と比べれば一握りの経費で済むわけでございますから、そういう点も東京都等にも相談をいたしまして、国の施策で行き届かないところについては、地方の財政の余力のあるところにはそういった面でもお考えをいただくということでこの際急場をしのぎたい、こう考えておるわけでございます。
#22
○三野委員 小笠原については東京都かですから、今大臣言われるように、ぜひこの点についてはこの延長法の施行に当たって、私は特に大臣から直接東京都に当面要請してもらいたい。後は来年以降、今大臣の決意もわかりましたから、これはやはりせめて沖縄並みにしたいと、大臣がそう言っているわけですから、来年以降はぜひ沖縄並みにするために最大限努力する、委員会は皆協力しろ、こういうことでひとつ大臣の決意をそのまま受けて了としたいと思いますが、ぜひ来年は沖縄並みに返してもらいたい、これをぜひお願いをしておきたいと思います。今の大臣の言葉をそのまま島民に伝えておきますから、ひとつその点をお願いしておきたいと思います。
 さて、国土庁さんに聞きたいのでありますが、この振興法に基づく事業内容を見てみますると、やはり道路、港湾その他公共事業が非常に多いわけであります。とりわけ建設事業が非常に多いわけです。土木を中心として多いわけです。そうなりますと、この事業に参加している、特に建設業にかかわっている部分が、どうも両地域外の労働者が季節的に雇用されている、こういう傾向が人口の分布状況を見ても明らかなわけです。したがって、この振興事業というものが、島内がそれぞれ整備されつつあるけれども、事業そのものが域内住民の安定的雇用なり所得向上に十分な役割を果たせておるかというと、若干疑問があるわけです。ここにもやはり所得格差が出てきている、こういう現状があると思います。その点について、この事業を執行してきた経過から見てどういうように理解しているのか、ひとつお尋ねしておきたいと思います。
#23
○内海国務大臣 両地方も、御承知のとおり大変過疎になって高齢化社会になっておる。もろもろの格差を是正する意味においても、基盤整備をやらなきゃならない、こういうような矛盾した両面がございまして公共事業はふえる、ただし地元の労働力は流出して少なくなっておる、こういうようなことで、特に小笠原島につきましてはそういう季節の労働者を含めまして二千人程度のところでございます。やらなきゃならない仕事は大変多い。また、奄美につきましても、道路その他港湾、もろもろの整備を進めなきゃならない地域でございますが、やはり所得格差というような面からいきまして、若者の流出が非常に多い。したがいまして、公共事業をやるときには季節労働者がそこへ入り込んでやるというような非常に矛盾した結果もあるかと思います。できるだけ地元の労働力を吸収して所得の水準を上げるようにという意味の公共事業の中身も含めまして、そういうつもりでおるのでありますけれども、実態はそういうような現実の問題からしまして、そのとおりいかないというようなことで、私どもも非常に苦慮しておる、こういうのが実情でございます。
#24
○三野委員 さて、大臣も今率直に言って、公共事業の性格というものが地域の生活基盤、いわゆる地域住民の職の安定というものに必ずしもつながっていないということを率直にお認めになったわけでありますが、やはり私は、公共事業を進めることも必要なのですが、同時に、地場産業の振興を進めていかなきゃならぬ。そのための基盤整備、いわば非公共事業部門への投資というものが、これは行政の立場からいうとやりにくいことでもあるわけです。しかし、やはりそこのところをやらなければ、若い人たちが定着しないわけですな。本当の意味の、住民が求めているような地域振興にはならない。おたくの方の数字でも示されていますように、奄美などでは生活保護率が全国の一一%に対して五三%という異常な高さを示しています。こういう点から見ると、若い人が定着するためにはやはり地場資源を活用した地域産業の基盤づくりをどうするのか、そのためにこの振興法がどうお手伝いをし、先導役を果たすかというところが一番問題点だろうと思うのですね。そういう点について、これから新しく五年間延長してやろうとするのですが、どういうねらいを持っておやりになろうとしているのか、その点ひとつ島民によくわかるように説明してもらいたいと思います。
#25
○森政府委員 お話しのように、今後はこれらの地域につきまして、産業の振興というのを一つの大きなテーマにいたしましていろいろな措置を講ずべきであるということは、私も全く同感でございます。これまで以上に交通基盤なり社会基盤なりの整備は当然進めなければならないわけでありますけれども、今後におきましては、今お話しのような産業振興という面に目を当てる。例えば奄美について考えますと、奄美につきましては、これまで農業はサトウキビが基幹産業になっておりました。ただ今後は、サトウキビを基幹産業として位置づけながらも、なおそれに果物であるとかあるいは花であるとか、こういうものを組み合わせましたいわゆる複合農業と申しますかそういうものを展開する必要があるのではないかと考えておりますし、また豊かな農林水産物を一・五次産業化といいますか、言うなれば特産品づくりというものも今後進めなければいけないだろうと考えております。幸いにいたしまして、新奄美空港がジェット化されまして、これまでのように貨物の運びがなかなかスムーズにいかないということも解消されつつありますので、言うなればフライト農業のようなものも展開できるのではないか、こう思っておるわけでございます。
 それからまた、奄美につきましては、地場産業の大きなものといたしまして、先ほどもお話がございました大島つむぎの問題がございます。これにつきましては、先ほど通産省の方からもお答え申し上げましたが、新しい販路の開拓であるとか技術の高度化であるとか、こういういろいろな工夫をいたしまして大島つむぎをできるだけ国民に親しまれるようなものにして販売をしていく、こういう努力なり工夫なりが必要であろうと思いますし、さらにまた流通システムというものを改善していく必要があるのではなかろうかと思っておるわけであります。
 それからまた、奄美につきましては、さらにもう一つ、観光、リゾートの問題につきましても、豊かな亜熱帯地域の資源を持っておるわけでありますので、この観光、リゾート開発につきましても、奄美の産業振興の一つの大きな柱になり得るのではなかろうか、こう考えておるわけであります。
 一方、小笠原につきましては、東京から一千キロ離れておるという大変隔絶した孤島でありますので、なかなか産業の振興といいましても一挙にとはまいらないと思いますが、例えば漁業にいたしましても、最近ではシマアジの放流というものも新規の事業としてやっておりまして、こういう新規の漁業なりあるいは。パパイやその他の亜熱帯の果樹等を中心にいたしました農業の振興というのが一つの柱になろうと思いますし、さらにまた観光、リゾートの面におきましても、豊かな資源を持っておるところでありますので、今後その面における開発というものも一つの大きな課題として考えていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。
#26
○三野委員 今たまたま奄美の新空港の話が出たんですが、この新空港についてお尋ねしていきたいんですが、去年の七月に開港したこの奄美新空港は、御承知のように埋め立てであります。そのことによってサンゴがほとんど死滅してしまったと自然保護団体から指摘されましたね。そして、場合によってはこれは再調査する必要があるんじゃないかという話があるわけです。私もテレビなどの特集で見せてもらいました。まことに惨たんたる状況になっていると思うのであります。
 そこで、環境庁にお尋ねしたいのでありますが、実は小笠原諸島にも兄島に新空港建設予定という話も出ているわけです。もちろん石垣島も今話題になって、せんだって十五日に大阪の弁護士会三百六十五人から新石垣空港を見直せ、こういうことで環境庁、運輸省、建設省へそれぞれ意見書が提出されておると思うのでありますが、この奄美新空港が今供用されておる現状の中で、自然保護団体の指摘、そしてあのテレビにより国民の前に示された現状というものを見て、環境アセスメントをやったのでありますが、それとの落差がかなり現実はあるのではないかと思うのですが、環境庁は今の状況をどういうように見ておるのか、ひとつお尋ねしておきます。
#27
○櫻井説明員 お答えを申し上げます。
 新奄美空港は、現在沖縄県によって環境アセスメント手続が進められております新石垣空港と同様にサンゴ礁の一部を埋め立てて建設されたものでございます。その関係で、このアセスメントの参考事例として現地調査を環境庁といたしましては昨年の十月十一日から十五日にかけて行ったものでございます。環境アセスメントの終了後、公有水面埋立法に基づきまして環境保全の観点から環境庁は意見を求められることとなりますので、昨年秋に行いました調査は、その際環境庁としての審査を行うための基礎資料を得るためということで現地調査を行ったものでございます。
 現在、沖縄県も事業者として新奄美空港周辺のサンゴの状況につきまして独自に調査を行いまして、その結果を環境アセスメント評価書に盛り込むためにまさに取りまとめを行っている段階でございますので、評価書の公表に先立って環境庁が事前に結果をコメントすることは現時点では差し控えさせていただきたいと思います。
#28
○三野委員 この際環境庁に申し上げておきますが、後追いになる危険性がありますので、やはり我々素人があのテレビの特集を見る限りにおいてかなり深刻な事態が出ているということは否めない事実だと思うのですね。したがって、これからの石垣島の新空港建設、そしてまた兄島にもこういう話題が出ているわけなので、その点については十分慎重に対処してもらいたい。そうでないと、せっかくのこういうものが空港建設によって破壊されて取り戻しがつかないということになってはいけませんので、その点を特にお願いをしておきたいと思います。
 大臣、どうもいろいろとありがとうございました。私実は、せっかくの機会でありますので道路公団その他に消費税問題について、もう目前に控えておりますので質問いたしたいと思います。この両法案が本当に住民が延長してくれてよかったと、先ほど大臣が言われたような施策が具体的にこれから五年間展開されることを特に期待をし、終わりたいと思います。ありがとうございました。
 そこでこの際、建設省並びに道路公団などにお尋ねしておきたいと思うのですが、御承知のとおり消費税法がいよいよ四月一日から施行されようとしているわけであります。
 そこでまず道路公団にお尋ねしたいのでありますが、消費税の取り扱いについて東名、名神などは料金改定を含めて消費税を転嫁する、こういうふうになっているわけですね。いわば内税制度をとろうとしているわけですが、なぜ外税にしなかったのか。納税者の立場から言うならば、幾ら税金を納めたかということが明確にならなければならぬ。本来ならば税金の領収証も納税者にちゃんと渡すべきだろうと思うのでありますが、これは外税なんでしょうか内税なんでしょうか、その点も含めてひとつお尋ねしておきます。
#29
○三谷政府委員 それでは全般的なお答えをいたしますが、まず高速自動車国道の料金問題につきましては、現在道路公団で、車種区分の問題とか車種間の料金比率の改定とかあるいは消費税の転嫁、こういうものを加えましていろいろ料金改定の検討を行っております。まだ私ども、その料金改定の申請を受けておりませんので若干仮定の問題が入ると思いますが、仮にもしこの申請が出ました後に、私ども、関係省庁と共同をいたしまして公聴会を開催いたしまして、平成元年度の上半期の早い時期に料金改定を行いたいというふうに考えておりますが、先生の御質問のございました消費税につきましては、この料金改定とあわせて利用者に転嫁をしたいというふうに考えております。
 そこで、御質問の内税、外税の問題でございます。
 道路公団のこれからの検討でございますが、一応方針といたしまして内税方式を考えているようでございます。もし仮に高速自動車国道の料金にかかわる消費税を料金と別途に徴収する方法、これが外税方式というふうにすれば、細かい端数が生じることとなるもので適当ではないというふうに考えております。高速料金に含まれます消費税額につきましては料金表あるいは領収証に表示をしないことにしておりますが、これは消費税が消費一般に広く薄く負担を求めるものであり、各種の交通料金に消費税が課税されることになっておりまして、特段の表示を行わなくても支障はないのではないかというふうに考えております。もちろん、各区間の料金に消費税が含まれておることにつきましてはPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
#30
○三野委員 そうすると、局長、あなたの今の説明を向いていると、まだ建設省へ相談もない、今準備しているからそのうちあるのだろうと思いますと言っていますが、今三月二十二日ですね。では、一口からは間に合わない、技術的に間に合わない、こう思っていいのでしょうか。局長なり道路公団からひとつ。
#31
○三谷政府委員 高速自動車国道の料金にかかわる消費税についての御質問でございました。
 これにつきましては、先ほど申し上げましたように道路公団で、料金問題につきまして消費税も含めまして検討をしておりまして、本年度の三月末に私どもとそれから運輸省、両大臣に対しまして料金改定の申請をする予定というふうに伺っております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、今は聞いておりません。それから後の手続がございますので、料金改定時、四月一日ではなくてそれより後の料金改定時にその検討をされることになろう、かようにお答えしたわけでございます。
#32
○三野委員 さてそこで、公団にお尋ねしますが、あなたの方はまだ申請をしていないということで、いよいよ申請をする準備をしているようですが、これは四月一日には間に合うのか合わないのか。そして、どうも最近の話を聞いていると内税らしいのだけれども、内税にした理由をちょっと述べてもらいたい。
 なぜかというと、税金というのは法律が決まったら国民が納めなければなりませんね。納める側が幾ら幾ら納めたという意識がなければだめでしょう、幾ら納めたかわからぬでは困りますからね。もちろん私は本来的には外税にして、スーパー、百貨店は外税にするようですが、そして明示して、税金ですから本来ならば納めた領収証ももらわなければいかぬね、国民の側から言えば。それをなおかつ内税にするというその理由を明確にしてくれませんか。
 もう一つは、もし料金改定を準備しているとするならば、車種間における調整はいいですね。これは今までこの委員会でもどうもおかしいのじゃないかという議論はされているからいいですね。車種間における料金調整のための料金改定だけなのか、それとも、この際消費税に乗っかって便乗値上げをしようと考えているのか。もし値上げをしなければならぬという理由があるとするならば、公団の収支決算はどうなっているのか、これも明らかにしてくれますか。
#33
○大久保参考人 お答えいたします。
 最初の料金改定の時期でございますが、先ほど道路局長も申しましたように、私どもとしましては、この三月中、年度内に建設大臣、運輸大臣に申請をいたしたいと思っております。その申請いたしました後は、両省が審査をなさるわけでございますが、公聴会等も開かれるやに聞いておりますので、その実施につきましては四月一日は間に合わないというふうに考えております。
 それから、内税、外税の関係でございますが、先ほど局長が御答弁申し上げましたけれども、私ども寄り器り建設省等とも御相談いたしまして、大体運輸省関係の交通料金等も内税で処理されているようでございますので、そういう方向で私どもやりたいということでございます。これは、仮に料金と別途に外税方式ということにいたしますれば、細かい端数が生じまして、先生御案内のように、今でも例えば東名の東京料金所ではずっと並んでおりますが、あそこで今、川崎くらいまでつながっておるわけですが、仮に細かいお金のやりとりをやりますと厚木くらいまでつながっちゃうというような計算も出ておるわけでございまして、そういうようなことからも内税にいたしたいというふうに考えております。
 それから、次のお尋ねの車種区分、車種間料金比率の見直しはいいけれども、それ以上やるのは便乗値上げではないか、こういうお尋ねでございますが、高速道路につきましては、これまでおおむね三年ごとに、比較的緩やかな料金改定を行いまして採算の確保を図ってまいったわけでございます。たまたま、前回は六十年に改定させていただいておりますので、昨年、六十三年が、三年が経過したわけでございまして、その後、この三年間の間に新規路線が追加いたしましたり、あるいは用地費が高騰いたしましたりしたために採算に影響を与える要因も大きく変化してきたということで、料金改定につきまして鋭意検討してまいったところでございます。
 一方、消費税につきましては、この検討を行っている間に実施が決定されましたものでございますから、短期間に二度にわたる料金の変更を重ねることを避けるという観点から、料金の改定にあわせまして消費税の転嫁を実施することにいたしたものでございます。
#34
○三野委員 赤字なの、黒字なの。どうしても料金改定しなければ赤字でパンクして、もうどうにもならないの、どうなの。それだけでいいです。聞いておきます。
#35
○大久保参考人 これを御説明しますと大変長くなりますので手短に申し上げますと、要するに私ども高速道路は三十年間で償還をするということにいたしております。それで、今申し上げましたけれども、昭和六十年につくりました計画で今実行しておるわけでございますが、その後新しく六百三十三キロというものが取り込まれました。これは、現行の償還計画、償還対象路線の五千七百七十七キロに対しまして一一%に相当する長さでございますが、その六百三十三キロが取り込まれたということが第一点。
 それから、第二点としては、先ほど申しましたが、地価の高騰で今まで見ていたよりもはるかに多くの建設費がかかるようになったというようなことで、その償還計画に、要するにかなりの不足額を生じております。六十年度、六十一年度、六十二年度と逐次ふえてまいっておりますが、この三年度で当初計画しておりましたものに対しまして二千八百億円ほどの不足額を生じておるということで、三十年償還が相当程度、大幅にずれ込むということで、それを三十年に戻したいということでございます。
#36
○三野委員 私は、今のこの地価の状況から見ると、三十年ではかなり無理があると思う。しかも、地方にだんだん延ばしていますからね。これはやはり場合によると、三十年を三十五年なり四十年に延ばすことも含めて考えざるを得ない、そういう社会的な変化があっておると思うのですが、この議論はまた別にしましょう。
 そこで、六十年にやっているから、もうちょうど三年が来ているからそろそろやらなきゃならぬなんて、そんな時間的なことで料金改定をする必要は全くないと思うのですがね。しかも、消費税とあわせてやるということは、国民からへ利用者から見ると非常に疑惑を招くわけです。まさに世間で言う便乗値上げではないか、こうなるわけですね。ですから、私はこれは切り離すべきである、まず第一点、これを申し上げておきたい。切り離すべきである、これは建設省もひとつ考えておいてもらいたい。申請があったら切り離すべきである。
 それから二つ目は、内税にすると便利で、外税にすると端数がついちゃってだめになっちゃうわね。それほどだめな法律なんだ、これは、消費税というのは。本来、道路とかそういうものにはかけるべき性格のものではない。本来、道路というのはただで通らなきゃならぬわけなんで、国民からいえば。それから通行料取って、また税金取るなんというのは全くおかしいわけなんでして、納税者の立場から言うと。しかも、それをどうしてもやはりやるというのであれば、正確にしてもらわぬと困るわな、国民の側は。どうもつながるけん。もうとにかく、大蔵省も来ておりますが、十円もあるし一円もあるけんね、ちゃんと計算して、しかもみんな頭のいい人ばかりあそこにおるんだから、ちゃんと計算できるわけ。何ぼつながってもやったらどうですか、どうしてもやらなければならぬというんだったら。それが無理だったら延ばしたらいいわけ。しかも、一日に間に合わぬじゃったら、どうですか、一年か二年延ばしてやったらどう。十分にやれるような、しかも利用者が納得できるような状況を考えてやったらどうだと思うのです。
 私は、どう考えてみても、つり銭の方でおとましいていかぬわ、道のところ、みんなつながるけん、内税でわからぬようにしておくわなんて、こんな理屈は全く納税者の立場だったらわからぬと思いますよ。やはり納税者はちゃんと自分が納めた税金がその都度その都度明確になって表示されて、しかもあえて言うならば、物を買ったって領収証もらうわけでしょう。スーパーへ行って大根やネギやお豆腐買ったってちゃんとレシートをくれますよ。ちゃんと明示すべきじゃないですか。それは明示しないというのはやはりおかしいと思う。これはちゃんと答えてもらいたいと思います。
 それから、二つ目に聞いておきたいのでありますが、首都圏高速なんですけれども、回数券だったら二十四枚で案としては、これはまだ案かもしれませんが、一万二千円のが一万二千三百五十円、神奈川の方は八千円が八千二百五十円、こうなる。私がちょっと計算したら――私の数字が間違いだったら、学校へ余り行っておらぬものですから、指摘してください。三%だったら三百四十円になるのですね、高速道路二十四枚券が。それを三百五十円取って十円余計取るというのはどういうことなんでしょうか。それから神奈川線も八千円が八千二百四十円になるのを二百五十円と十円余計取るのですが、これはどうして余計取るの。これちょっとわからぬね。ちょっと聞かしてもらいたい。ところが、同時に現金の方は六百円で据え置きだというんですね。どうして現金が据え置きで回数券で余計利用する人だけは余計税金払え、しかも三%以上に払え、めったに乗らぬ、現金で払う人はもういいわねなんていって、これはどういうふうに説明するのですか。これをちょっと説明して。
#37
○三谷政府委員 まず、消費税の転嫁問題でございます。これは、利用者間の負担を極力公平にすることを配慮しなければいかぬと思っております。
 具体的な例として今、首都高速の問題が出てまいっております。首都高速は現在、東京線で例を申し上げますと六百円でございます。仮にこれに三%の消費税を乗せるといたしますと六百十八円、これは調整しまして、十円未満を調整しても六百十円あるいは六百二十円となります。確かにこのとおりを取りますと、例えば例示で申し上げまずと、三号線の用賀のインターで例えば三キロぐらいの渋滞がさらに二キロ延びて実際にその徴収が非常に難しい、利用者に多大の不便を与えることになるということで、現金支払い金額については当面据え置くことといたしまして、回数券については三%の上乗せをしたわけでございます。
 回数券でございますが、回数券もいろいろ種類がございます。例えば一つの例といたしまして九回券であるとかあるいは二十四回券、これらは九割以上が実は実際の料金所で売られております。したがいまして、そこでもまた余り細かい数字をつけると非常に時間がかかつて同じような支障が出る、そういうこともございまして、料金単位を五十円といたしたわけでございます。
 したがいまして、先ほど御質問がございましたように、回数券についてかけるのは不公平ではないかということでございます。ただ、回数券は、一つの例示でございますが二十四回券、今まで東京線で申し上げれば、六百円の現金に対しまして一七%弱ぐらい割引になっておりましたのが一四%になり、依然として割引は一四%であるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、やはり今回の処置、これは利用者サービスの見地からやむを得ずとったものでございます。もちろん将来、今いっというわけではございませんが、料金改定時にこれらを適切に対処してまいらなければいかない、こういうふうに考えております。
 それから高速道路の料金問題でございます。先ほど道路公団からお答えになりましたように、現在建設省としては申請を受けておりませんので、中のコメントは差し控えさせていただきますが、私ども一応やはり考えておりますと、事業運営の合理化とかあるいは国費の助成、つまり非常に安く道路をつくる、あるいは非常に国費で助成をする、こういう状況でもなおかつ料金改定をこの前の車種区分も含めまして行う必要があるのではないかというふうに私どもは考えております。その際、やはり消費税の転嫁とあわせた方が利用者の至便等を考えていいのではないかということで、四月でなくて延ばしたわけでございます。
 したがいまして、そういうことで、先ほどの外税、内税の話も同じことでございますが、そういう面で我々なりにいろいろ考えてやらせていただきたいというふうに考えておりますので御理解をお願いしたい、こういうふうに考えております。
#38
○三野委員 首都高速でなり阪神高速で、今度の案によりますと五十円単位でやっていますね。私は学校時代に、四捨五入というのをよく聞くんですね。何か今度も四捨五入でいけなんという話なんですが、二十四捨二十五入というのは余り聞きなれないわけなんですね。二十四捨二十五入ということになると五十円単位になってしまうわけです。造幣局は十円なり一円なりつくっているわけです。五十円単位でなければならぬというのはどういうことなんですか。二十四円までの人はもう払わぬでいいわね、まけちゃうわね、二十五円以上の人は五十円を払うのでは、ここでも私は公平を欠くと思うのです。
 この際、大蔵省が来ているのですが、大蔵省は、こういうふうに消費税を実施する場合に、国会で竹下総理が繰り返し巻き返し、また時の大蔵大臣も、公平公正に、公平公正に、こう言ったのです。そればかり耳に入るのです。さっきから聞いておって、余計乗る方の回数券はこういう税金を取る、時たま乗る現金の分は取らない、ここでも四捨五入でなしに二十四捨二十五入というのは、公平公正というのを繰り返し繰り返し言ったのですが、ここらについて大蔵省の見解はどうなんですか。もう何でもいい、取れるところから取ればいいということなんですか。取れるところから取って、とにかくおれのところへ入ればいいわ、こういうことなんですか。やはり公平公正に、しかも納税者が明確にわかるようにという方針をとるべきだと思うのですが、それはどうですか、簡単に答えてください。
#39
○薄井説明員 お答え申し上げます。
 今回の消費税は、消費者に御負担をいただきたいということで、御指摘の有料道路につきましても、その料金につきましては消費税をかけさせていただくということでお願いしているわけでございます。ただいまの御質問は、その料金にかけるときにどういうぐあいにかけるのが公平であるかという御質問であったかと思います。
 私ども、これは三%料金に乗せていただくことが原則ではございますが、例えば電車の料金だとか、いろいろ現在でも十円単位なり百円単位あるいは五十円単位で、世の中の生活なり経済活動ということから決まっている面がありますので、そういった面で合理的であって、国民の方がどちらを選んだ方がいいかということも含めて、公平で簡素であった方がいいかと思っております。
#40
○三野委員 本四公団にお尋ねします。
 本四公団も御承知のとおり、まあみんなが走ってくれぬで困るのですが、それはどうして走らぬのだといったら、料金が高い、こう言う。とりわけトラックなど事業者が走らぬ。フェリーの方が随分安いわな、こうなっているわけです。ところが、今度また、これも消費税を乗せて大幅にアップするわけです。もう既に新聞でも、本四公団も御存じだろうと思いますが、乗ったけれども、ほんならまた船の方へ行こうかねと。船もかかりますよ、かかるけれども割引率が違いますからね、こういうふうになっているのです。
 地元では、御承知のとおり、香川あたりの調査でも出ているように、各行政機関も、何とか大幅に値下げをしてみんなが、地方の人が使えるようにしてくれと言っているのだけれども、その上になおかつ今度でアップしてまた減る危険性がありはしないかと思うのですが、その心配はないですか。いやあ任しておいてくれ、こういうことですか。
#41
○岡田参考人 お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘のように、本四の通行料金につきまして、消費税分も転嫁していきたい、こういうことで料金の認可申請を三月十四日に行ったところでございます。
 料金が高いために交通量が減るのではないかということでございますけれども、今回は本四道路だけでなしに、JR、それからフェリーその他の交通機関も消費税を同時に転嫁するわけでございますので、その点に関しましては、本四道路の交通量について大きな影響はないのではなかろうか、こういうふうに考えております。
 なお、瀬戸中央自動車道の利用交通、交通量も少ないということがいろいろ言われているわけでございますが、利用の促進を図りたい、こういうことで割引の拡充についても、消費税の申請を行うと同時に認可申請をしたところでございます。
#42
○三野委員 もう時間が終わったようですからこれで終わりますが、今ちょっと最後に出ましたが、本四公団は割引率を引き上げてということで料金を下げる方、高速道路の方は便乗で上げる話、どうもやはり政府関係機関でありながら中身はばらばらなんですね。しかも、先ほどから指摘していますように、まことに住民にはわかりづらい。しかも、便乗値上げはある、取るものと取らぬものが明確になっている。こういうずさんな消費税というのは、もう一遍洗い直す必要があると思うのです。
 したがって、道路公団のこの四月一日からの実施について私は反対でありますから、もう一遍根本的に再検討することを求めて、終わります。ありがとうございました。
#43
○野呂田委員長 鈴切康雄君。
#44
○鈴切委員 大臣、日切れ法案の取り扱いで与野党が合意されて、そして本法案の審議にきょう入ったわけでございますが、時間の制約もありますので、奄美群島及び小笠原諸島の振興に関する特別措置法の中、特に小笠原の諸問題に限ってお聞きしたいと思います。
 小笠原諸島が返還されたのは昭和四十三年六月二十六日、その後政府は、昭和四十四年度から復興事業を十年間、さらに、昭和五十四年度から振興事業を十年間、計二十年間で六百七億円の事業を実施してまいりました。そして今年度から、小笠原諸島振興開発特別措置法と名称を改め、五年間の事業計画を新たに始めようとするときに当たりまして、今までの政府及び東京都が行ってきました十年間の振興事業の総括を大臣はどのようにお考えになっているのか、お伺いを申し上げます。
#45
○内海国務大臣 お尋ねの小笠原諸島につきましては、御指摘のように、昭和四十三年に本土復帰して以来二十年を経過したわけでございますが、その間、最初の十年間は復興事業として、その後の十年間を振興事業というような形で鋭意積極的な施策を講じてきたところでございます。
 このうち昭和五十四年度から六十三年度までの十カ年の振興事業についてのお尋ねであったように承りましたが、総事業費で約三百三十億円、国費で約二百二十二億円を投じて、小笠原の二見港、沖港の整備、水産業共同利用施設等の整備を行ってまいりました。また、教育施設といたしましては、小中学校を初めといたしまして高等学校の整備も完了したところでございます。その他、産業基盤の整備及び生活基盤の整備を図りまして、指定病害虫であったミカソコミバエの撲滅にも成功したところでございます。
 このような振興事業の達成につきまして相当の成果を上げておるものと私は考えておるわけでございますが、しかしながら、御案内のとおり東京から千キロ離れておる、本土と隔絶をした大変不便な外海の離島であるというようなことを考え合わせてみますと、まだまだ本土との格差は非常な差がある。そういうところを配慮いたしまして、今後は人口の着実な増加を図っていかなければならない。現在、短期の滞在者を含めても二千人そこそこということでございますが、今度の振興開発計画の目標といたしましては、定住を含めまして三千人ぐらいの人口に持っていきたいということで目標を掲げておるわけであります。新しいこの振興開発計画に基づきまして、人口の定着の促進、産業の振興といった面で積極的にこれを推進してまいりたい、また、交通問題の解決のためにも空港の建設というようなことも念頭に置きながら地域の発展の具体的施策を進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#46
○鈴切委員 確かに政府が今までとってこられた御努力に対しては私はそれなりに評価するものでありますが、当初、小笠原につきましては定住人口三千人ということでありましたけれども、現在もまだ実は二千人足らずでございます等考えますと、今大臣が言われたように、三千人の定住人口を何とか達成したいという目標に向かって取り組むということであるならば、私は何といってもやはり財政的な措置というものは欠くべからざるものであろうというふうに思います。
 政府は、財政窮迫を理由に離島に対する補助率を、昭和五十七年度から特定地域にかかわるかさ上げ補助率の六分の一をカットしたのを初めとして、昭和六十年度には二分の一を超える補助率に対して一律一〇%カット、さらに六十一年度から六十三年度においても前年度の補助率に対して二分の一を超える補助率の削減を行ってきました。特定地域の小笠原においてもその影響は大きく、六十一年度から六十三年度の補助率が平成元年度も継続されました。道路事業は通常四分の三が五分の三に、漁港及び港湾施設の水域・外郭については十分の十が十分の九に、漁港施設の係留、臨交通施設は四分の三が三分の二に、空港事業は十分の十が十分の八・五というふうになったわけでありますが、このような状況をいつまでも続けていくと、先ほどもお話がありましたように、御努力をされておっても結局財政的な裏づけがないということになるわけでございまして、国の財政事情も好転をしたわけでございますから、平成二年度からは補助率を通常に復元をすべきではないかというふうに私は思います。さもなければ、やはりこの問題がなかなか解決できない大きなネックになってくる、私はそのように思いますが、いかがでしょうか。
#47
○内海国務大臣 御指摘の点は、私どもも十分同じような考え方のもとに、この問題については財政当局とも話し合いを進めてまいったわけでございますが、国全体の中で特にこうということも、いろいろな折衝の過程におきまして今回はぜひ国全体の中での考え方で取りまとめを行いたいということで先生御指摘のような形になったと思うわけでありますが、幸いに東京都というところは大変財政力の豊かなところでもございますし、東京都の知事さんとも、この間、小笠原復興の二十周年記念で御一緒をいたしましたときにもいろいろ御相談も申し上げてまいったわけでありますが、これから空港建設あるいはその他今御指摘のような公共事業の推進といった問題につきまして都の御協力も得なければならないというような立場で、いろいろと御相談も申し上げておるわけでございます。
 地元負担というような御指摘でございますが、小笠原につきましては、東京都の財政力の豊かさというものも多少念頭に置きまして、東京都にもその間の事情を御賢察をいただいて応分の御協力を賜りたい、こういうようなことで、都とも関係省庁とも十分協議をしてできるだげ御要望に沿うような形で、国の補助率そのものは動かせないといたしましても、そういった面で御協力を賜ればということで折衝してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#48
○鈴切委員 東京都が非常に裕福な自治体だということはわかりますけれども、これは何も小笠原だけではないわけでして、奄美群島もやはり同じ補助率で制約されているわけですから、私はそういう考えよりももう少し高所な立場に立って、この際こういう問題については見直しをしていかなくちゃならない、またもとのとおりに戻さなくちゃいけないというふうに基本的に考えているのですが、将来どういうふうにお考えでしょうか。
#49
○内海国務大臣 もちろん、国の補助金等の問題が全面的に改定されるような時期あるいはそれ以前におきましても、こういう特殊な地域につきましては今後とも引き続き補助率の確保につきましては交渉してまいりたい、こう思っております。
#50
○鈴切委員 振興事業十年の中で、当初の結果どういう問題が積み残されているのか、またそれは振興開発計画の中でどのように対処していかれるお考えでしょうか。
#51
○森政府委員 小笠原につきましては、昭和十九年に強制疎開がありまして、その後、言うなれば四半世紀に近い空白期間がございました。加えて自然条件もありまして、これまで各般の施策を展開してきたところでございますけれども、所得の水準であるとか、道路の整備状況であるとか、農業、漁業の一戸当たりの生産額であるとか、医療水準であるとか、こういう面で本土とのいろいろな格差がなお残っている、こういう認識をいたしておるわけでございます。
 そのために、私どもといたしましては、今後、これまでの振興計画にかわります振興開発計画という名前で、これまでにありました格差を解消いたしますための諸般の計画を立案いたしましてそれを実施してまいりたい、こう考えておるわけでございますが、その中でもなかんずく産業の振興の問題を一つ大きなテーマとしてやはり取り上げざるを得ないだろう。先ほどもお話ございましたように、人口の定住がこれまでの期待どおりにはいっていないという裏には、一方では所得水準の問題があり、その裏には産業の振興の問題があろうかと思います。という点に目を向げまして、産業の振興に大きなウエートを置かねばなるまい、こう思っておりますし、さらにまた、空港を含めました交通施設等の問題につきましても、これまで以上になお努力をいたしていかなければならないということを考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、この振興開発計画、この法律案を通していただきました後できるだけ早くつくりたいと思っておりますが、その中で先生の御指摘のような問題も十分踏まえて措置をいたしたい、かように考えております。
#52
○鈴切委員 今、小笠原で残されている問題は、先ほど大臣が言われたように、定住人口三千人の目標を達成するために産業の振興ということが必要であるということと、やはり一千キロも離れたところで交通の便が全く悪い、東京都でありながら本当に孤島にいる都民といいましょうか、そういうふうな問題もあるでしょう。それから、そういう問題についてはやはり飛行場の整備が必要でしょう。それからもう一つは、硫黄島の問題があるはずです。これは小笠原の行政区でございますから。この三つが一つの大きな柱である、私はそのように思っているわけでございます。
 そこで、今回期限切れになるに当たりまして、振興開発特別措置法ということになりましたね。「開発」が入りました。その趣旨というのはどういうふうにお考えになっているのでしょうか。また、基本方向及び主要部門についてどんなことを盛り込んでいこうとされているのでしょうか。
#53
○森政府委員 御指摘のように、これまでの計画は振興計画という名前になっておりました。このたびこれを振興開発計画というふうに改めたいと考えておるわけでございます。それで、この振興開発計画の中では、これまで以上に公共施設なり産業基盤の整備を引き続き積極的に進めていくというのが一つのポイントになろうかと思いますが、それ以上に産業を振興したり、観光開発や一・五次産業、一・五次産品の開発というものにも努力を注いで、住民の生活水準なり所得水準の向上を積極的に図っていかなければなるまい、こう考えておるわけでございます。
 そのために、前向きの姿勢を示そうということで、「振興」から「振興開発」という名前に変えたいと考えているわけでございますが、この振興開発計画の中でこれまでの振興計画にない面を幾つか申し上げてみますと、例えばマリンリゾートの開発の問題がございます。すぐれております立地条件、自然資源等を十分に生かしたマリンリゾートとしての開発の可能性があるんじゃないか、こう考えておることが一つございます。それから、母島の漁港をさらに整備をいたしまして、漁業の振興等を含めました交通基盤の一層の整備を図っていくことも肝要だろうと考えております。さらにまた、現在の集落がやや手狭になっておりますので、新しい集落をもつくりまして、そこで定住者の受け入れを図るような措置も講じていきたいと考えております。最後に、空港の整備をいかにして進めていくか、こういう問題があろうかと思います。
 振興開発計画の「開発」と変えました理由は今申し上げましたようなもので、主な中身は今申し上げたところだろうと考えております。
#54
○鈴切委員 この小笠原が、今日までいろいろ振興計画に基づいて進められてきたわけでございますけれども、一島一集落であった。これはもう、定住人口を定着させるためには一島二集落は必要であるということで、父島の扇浦及び周辺地区、並びに母島の静沢地区を集落地域に編入するということで一島二集落ということで検討されているわけでありますけれども、やはりあそこは何といっても大変に生活環境のいいところでございまして、非常に自然の畳かなところである。ですから、生活環境、なかんずく上下水道についてはこれはぜひ心しなければ、せっかく開発されても島に魅力がなくなってしまうというのでは困りますので、その点はどうお考えですか。
#55
○森政府委員 今お話がございましたように、これまで小笠原におきます集落地域というのは一島一集落、こういうことを原則にしてまいりましたが、今御指摘のように、新しい振興開発計画の中では現在の振興計画の土地利用計画は基本的には踏襲をいたしたいと考えておりますが、父島の扇浦地区及びその周辺の地区、それから母島の静沢地区につきまして新しく集落地域として編入をしたい、こう考えておるわけでございます。
 このために、集落の地域でありますから当然のことながら上水、下水、その他生活を営むにつきましての必要な施設というのは整備をしなければいけないと考えておりますし、ただいま先生御指摘のように、特に上水、下水につきましては生活の基本的な問題だろうと考えておりますので、十分意を注いでまいりたい、かように考えております。
#56
○鈴切委員 小笠原空港の問題についてお伺いいたします。
 現在、本土から小笠原諸島への交通手段としては、週一便程度、しかも片道二十九時間を要する船便のみでありまして、先ほど申し上げましたように、まさに世界的に遠い東京都の自治権下にあると言わざるを得ません。去る二月二十一日でしたか、東京都が小笠原空港を兄島に設置する方針を正式に決めたというニュースは、小笠原村民にとっては悲願であっただけにまことに喜ばしい報であったわけでありますが、振興開発計画にはどのように盛り込もうとしておるのか、また、空港建設の概要についてはどのように承知をされておりましょうか。
#57
○森政府委員 今お話ございましたように、小笠原の空港の整備構想につきましては、去る二月二十一日に都の方におきまして結論を出したところでございます。
 その内容は、お示しのとおり、建設経費であるとか気象の状況であるとか、あるいは自然公園法上の規制の問題であるとか、さらには自然環境の問題であるとか、こういう問題を多面的に比較検討いたしまして、空港設置場所は兄島として、滑走路の規模は千八百メートルというのを想定しておるわけでございます。その建設経費は、東京都が試算をしておるところによりますと、アクセスの施設を含めて大体三百三十億から三百四十億、これは現在の価額でありますけれども、になるのではなかろうか、こういう試算をいたしておるわけでございます。
 一方、この問題につきましては私どもの方もかねてから気象予備調査等を継続して進めておりまして、今後新しい振興開発計画につきましては、先ほどの東京都のつくりました案をもとにいたしまして、小笠原諸島振興開発の審議会や各省庁の御意見も積極的にお伺いしながら、空港整備構想の推進に向けまして適切に位置づけをしてまいりたい、かように考えております。
#58
○鈴切委員 現在就航中の定期船おがさわら丸は就航して十年たっておりますけれども、片道二十九時間かかることから、さらに時間短縮のための快速船の就航と船の中における娯楽施設の必要性が、今現在島民の中にはかなり大きく声が上がっております。東京都は代替船について検討を行う考えを示しておりますが、政府は新しい振興開発計画の中でこれをどのように考えていくつもりでしょうか。結局、これにつきましては空港とのいろいろ関連はあるにしても、これを両方にまたがって考えていかなければならない時代に入っているんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#59
○森政府委員 御指摘のように空港との関係もございますが、現在、島民の唯一の足というのがこのおがさわら丸でございます。お示しのように、おがさわら丸は昭和五十四年から就航いたしております。その当時時間が大幅に短縮になりましたが、なお片道二十九時間前後を要する、こういう状況でございます。船の中の快適性の問題あるいは運航時間の短縮の問題等につきましていろいろな御意見が出ておるということも私ども承知をいたしておりますが、ただ、この船の耐用年数が税法上は一応十五年、こういうことになっております。現在十年しか過ぎておりませんので、今後このおがさわら丸の代替船をどうしていくかにつきましては、東京都の方とも十分相談をしながら話を進めてまいりたい、かように考えております。
#60
○鈴切委員 小笠原の農業や水産業は基幹産業の一つとして位置づけられているわけであります。先ほどからも小笠原の産業振興という中においては、第一次産業でありますところの農業並びに水産業、これの振興は欠くべからざるものであります。と同時に、観光立地といいましょうか、そういうものが小笠原の特異性ではないかと思いますが、しかし小笠原の農業基盤の脆弱化と高齢化が進んで、農業の見通しは余り明るいものではないように思います。農業の活性化の問題は振興開発計画の中でどのように方向づけようとされているのか。
 また、水産業の発展については一島二港ということが必要欠くべからざる条件になっておりますから、母島の東港、北港、これをいわゆる母島漁港ということで第四種漁港に指定をされましたけれども、整備の進捗状況と漁法の近代化についてはどのように取り組んでおられましょうか。
#61
○森政府委員 農業、漁業につきましては、今後とも小笠原の産業の振興の一つの柱になろうかと考えておりますが、まず農業について申し上げますと、現在のところ農業世帯が五十三世帯、生産高が六十二年実績で一億三千万円程度でございます。
 お話しのように、自然条件が厳しく気象災害を受けやすい、こういう立地条件がございますし、さらにまた、農業者が高齢化しておることもございますし、また後継者がなかなかいないということもございまして、非常に厳しい条件であるというのも現実の課題であろうかと思います。そのために今後定住を促進いたしまして、農業後継者等を含めました農業従事者をふやしていくということが肝要であろうかと思いますし、さらにまた、適地の農用地につきまして、さらに基盤整備等を進めていくということも必要であろうかと思います。
 小笠原の農業につきましては、このような土地柄でありますので、花とか観葉植物であるとか、あるいはトマトであるとかあるいは最近ではメロンであるとかバナナであるとか、あの地域でしかできないこういう農業というのがあるわけでございまして、こういう農業の特産品といいますか、非常に消費地で高く売れる、こういう農業の振興という面も目を向けていかなければいけないと考えておりまして、父島に御承知のように亜熱帯農業センターもございます、そういう農業センターの技術陣をも協力を願いまして、今後農業の振興になお一段の努力を重ねる必要があろうと考えておるわけでございます。
 漁業につきましては、これまで漁港施設等を整備してまいりました。漁獲高が六十二年の実績で約四億八千万円程度でございます。ただ、御承知のように漁船の規模が非常に零細でございまして、また操業範囲も島の周辺部分を中心に操業しておる、こういう状況でございますので、今後これらの漁業のあり方等につきまして、これまで以上に基本的な考え方を改めまして、もっと積極的に漁船を近代化したり、あるいは漁法の改善、普及というのを図っていく必要があるのではないかと考えておりますし、さらにまた、流通特に本土との間の流通の問題がございます。こういう問題を具体的にどう解決していくかということにつきまして、振興計画の中でも一つの大きな柱として考えてまいりたい。
 いずれにいたしましても、農業、漁業というのは観光、リゾートと並びまして小笠原の産業の中軸的位置を占める、こういうふうに理解をいたしておりますので、振興開発計画の中で漁港の整備等を含めまして十二分に考えていきたい、こういうふうに思っております。
#62
○鈴切委員 今お話がありましたけれども、農業について確かに小笠原は亜熱帯にありますから、今までは内地でとれなかった、例えばカボチャとかトマトとかというのが冬にどんどん出せたわけでありますけれども、しかし、今や国際化の時代になってきた。どんどんと輸入が促進される状態になってきた。それからまた内地においても当然いわゆる温室とかそういうものが技術が進んできますと、必ずしも小笠原の今までの四季以外の野菜といいますかそういうものについて、それだけを考えておりますと、これはもう大変に認識が違うわけでございまして、もっともっと視野を国際化に目を向けて、そして産業基盤というものをこれから育成していかなければ、農業の発展というものはなかなか隘路にぶつかってしまうだろう、私はそういうふうに思うわけですが、それは意見は意見としてぜひ考えてください。
 それから、今確かに漁船も小さいわけですから一本釣りというような形がほとんどですが、定置網、今や定置網が必要ということになってきたわけですが、今現在使っているのはつぼ網といいまして中層をさらうような形ですから余り漁獲高が上がらないという状態です。本格的な定置網という問題についてやはり考えていかなくちゃならないときに来ていると思うのですけれども、その点についてはどうでしょう。
#63
○森政府委員 漁業は今お示しのように、底魚の一本釣り、こういう漁業形態が一般的でありますし、また網にいたしましても、つぼ網という極めて規模が小さい、こういう形になっております。今後、これまでの周辺地域の漁業ばかりでなく、養殖をやったりさらにもっと大規模に漁業振興を図るということになりますと、お示しのような相当程度の大きな定置網というのもやはり考えていかなければいけないと考えております。台風その他のいろいろな厳しい条件があろうかと思いますが、そういう困難を克服しながら漁業の振興に、今申し上げたような方向で努めてまいりたい、かように考えております。
#64
○鈴切委員 観光、リゾートの開発促進という点も産業の振興の重要なポイントでありますけれども、空港ができれば客の大半は父島に来るわけです。定期船は父島に入る。父島の扇浦にはヨットハーバーの計画案があり、さらに小港には海中公園の計画案があるわけでございますが、これを聞く限りにおいては父島主体であって、人口の少ない母島は余り重要視されていないんではないかというように考えられます。もっとバランスのとれた観光、リゾートの開発が必要ではないかと思うのです。
 例えば母島の南崎の海岸の整備と道路の延伸、遊歩道の整備、また平島のカメのふ化場の確保、観光客の誘致と海水浴場の整備、小型観光船の接岸可能な桟橋の設置、観光客の憩いの場の整備、学童の自然観察の適地としての活用等を図るいわゆる公園計画の見直しをやっていくべきじゃないだろうか。これは現地に行ってつくづくそういうふうに私どもは感じてきたわけですが、その点はどうお考えですか。
#65
○森政府委員 小笠原につきましての観光客は五十七年がピークでございまして、約一万六千人余りございました。これが現在では一万四千人程度に落ち込んでおるわけでございます。特に母島につきましては、父島と約五十キロ離れておる、こういう条件もありまして、一般の観光が父島中心になっておるというのは御指摘のとおりであろうかと思います。ただ、小笠原の観光開発を考えていきます場合に、父島ばかりでなく、隣にあります母島にも十二分にすぐれた景観があるわけでございまして、そういうところにも注目をいたしまして今後観光開発を進めていくということが必要であろうと思いますし、お話しの大変景勝地であるとされております南崎への遊歩道などの整備というのはまず最優先の課題になってくるんではなかろうかと思います。
 そのほか諸般の観光ルートを整備したり、あるいは海中公園の整備なども進めていかなければならない、こう考えておるわけでありますが、そのために必要な公園計画につきましては、自然環境が小笠原の一つの大きな財産であるということを十分認識しながらも、やはり観光資源の中心となるものでありますから、公園計画の見直しにつきましても必要に応じて措置をしてまいりたい、かように考えております。
#66
○鈴切委員 今、南崎の海岸の整備ということも一つはお考えになっておるということですが、万年青浜の海中公園、これは手をつけられるという方向性でやられるわけですけれども、平島の海域も実は海中公園の指定区域になっているわけですけれども、そういうものもあわせて、やはりこれから積極的に取り組んでいく必要があるんじゃないだろうか、こういうように思うのですが、いかがでしょうか。
#67
○森政府委員 お話しのように、各地のすぐれた観光地域を有機的に結びつけ合わせながら観光ルートを形成していって、お客さんに来ていただくということが何よりも必要だろうと思いますので、先生のお話しのような方向で措置をしてまいりたい、かように考えております。
#68
○鈴切委員 硫黄島についてですが、小笠原諸島振興審議会では、五十九年五月三十一日、硫黄島は火山活動による異常現象が著しい上、産業の成立条件も厳しく、一般住民の定住は困難と結論をまとめて国土庁長官に提出しました。それを受けて振興計画では、「硫黄島及び北硫黄島については、一般住民の定住は困難であると考えざるを得ないことに鑑み、旧島民に報いるための措置及び集団移転事業に類する措置を講ずるものとする。」として、硫黄島旧島民に一人当たり四十五万円の見舞い金が支給されましたが、実は遺骨の収集とか土地の買収とか特別賃借権の問題等が未解決の問題になっているわけであります。さらに、今防衛庁が進めようといたしておりますNLPの硫黄島の移駐の問題は、これは暫定実施ということでございますけれども、やはり漁業補償の問題も実は出てきているわけでありますが、これらの問題についてはどういうふうに解決されるつもりでしょうか。
#69
○森政府委員 硫黄島につきましては、昭和十九年に、北硫黄島を含めまして千二百五十四人の方が本土に強制疎開をされたわけでございます。その後、同島の旧島民が帰島できない状況が現在まで続いておるわけでございますが、今お話しのように、昭和五十九年に小笠原諸島振興審議会から答申をいただきました。火山活動による異常現象が著しい、あるいは産業の成立の条件が厳しい、こういうことの理由によりまして一般住民の定住が困難である、ただ、帰島できない旧島民の特別の心情に報いるための措置と集団移転事業に類する措置を講じるべきである、こういう意見具申をちょうだいしたところでございます。
 それを受けまして、ただいま御指摘のありましたように見舞い金の支給を既に行っておりますが、さらに集団移転事業に類する措置の具体化につきまして、現在この審議会の中で硫黄島対策専門委員会というものをつくりまして、その専門委員会の中でいろいろな議論をちょうだいしておるところでございます。財産権、例えばお話のございました特別賃借権の問題につきましても議論がされておるところでございます。現在まで、集団移転事業に類する措置といたしましては、当面父島等につきまして一時宿泊所を設置したり、農用適地を購入する事前の準備をしたり、職業体験の訓練をやったりということをいたしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、この硫黄島対策専門委員会でなお財産権等の問題につきまして御議論をいただいた上で、私ども対処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 NLP等のお話がございましたが、NLPにつきましては防衛庁が米軍と相談して今後どうするかということであろうかと思いますので、私どもの方から硫黄島のプロパーの、旧島民の問題として現在ここでコメントする立場でないことをお許しいただきたいと存じます。
#70
○鈴切委員 今日までの振興計画事業をするに当たって、小笠原の発展のネックとなってきた問題に、実は環境庁の規制の問題があります。今回の小笠原諸島開発計画では集落の拡大や道路の延伸、観光、リゾート開発等を考えておりますが、環境庁の規制との関係が当然大きな問題となってくると思います。本法律で開発という部分が大きく取り上げられた以上、私は少なくとも全面的に規制の見直しをする必要があると思うが、国土庁長官はどのように考えておられましょうか。
#71
○内海国務大臣 御指摘のように、小笠原の振興開発に当たりましては、その恵まれた自然との調和を図りつつ進めることが最も肝要であると考えております。その点に留意しながら必要に応じて各種規制の見直しを図っていくということは当然のことだと思っております。
 また、改正後の小笠原振興開発特別措置法におきましても、土地の利用計画につきましては原則として現振興計画を踏略してまいりますけれども、より一層の振興開発を進めるためには、先生のお話にもありました父島の扇浦及びその周辺地域、母島の静沢地域、こういったところの今後の集落の編成というようなことも念頭に置きながら、規制の見直しというようなものも配慮しつつ、関係省庁とも連絡をとって小笠原の振興開発を進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#72
○鈴切委員 時間も来たようでございますから、最後に一つ。
 環境庁に伺いますが、自然公園法の規制については、原則的には五年に一度の見直しをするということになっておりますけれども、小笠原関係については実は見直されていません。環境庁としては、小笠原における開発との関連で規制の見直しを当然進めていかなければならないのじゃないかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#73
○小原説明員 お答え申し上げます。
 小笠原諸島は、大小三十余りの島々から成っておりまして、美しく豊かな自然を持っておりますところから、その大部分の地域は小笠原国立公一園、それから国設の鳥獣保護区に指定されております。また、この地域は、固有の動植物が多数生息、生育しているところから、もろもろの開発については風致景観や野生動植物の保護の観点から適切に対処していかなければならないと考えているところでございます。
#74
○鈴切委員 国土庁長官、今環境庁はそのようなことを言われたわけですけれども、昭和四十七年に小笠原国立公園に指定になったわけですね。開発と規制の関係については審査指針に照らし合わせてやっていく、ただし、公益的な機能のものについては審査指針にはよらず個別に審査するということになっているわけです。だからそういう意味からいいますと、先ほど長官が言われたように、扇浦と静沢地区ですか、これが一島二集落になってくるということになりますと、当然それに基づく環境整備とかいろいろな問題が出てくるでしょうし、観光立地としてこれから小笠原が進んでいく上においては当然この問題が出てくると思います。ですから、こういう点はぜひ努力して、関係各省庁との話し合いの中で、今通り一遍な環境庁の、環境庁はあれですから言えないと思いますよ、環境庁のお話ではいわゆる開発という部分は進まないというふうに思うのですが、その点について御努力いただけますか。
#75
○内海国務大臣 今後とも関係省庁とは緊密な連絡のもとに努力をしてまいりたいと思います。
#76
○鈴切委員 どうもありがとうございました。
#77
○野呂田委員長 西村章三君。
#78
○西村委員 奄美群島及び小笠原諸島の振興開発に関しましては、本土復帰以来特別措置法に基づきましてさまざまな事業が実施をされ、多くの効果を上げてまいっておりますことは私どももよく承知をいたしておるところでございますが、しかし、まだまだ本土との格差は解消されたとは言えません。
 そこでお尋ねをしたいのでありますが、一昨年、六十二年六月に策定をされました第四次全国総合開発計画の中で、いわゆる離島の位置づけあるいは奄美群島、小笠原諸島の位置づけはどうなっておるのか、さらに、離島対策としてどういう施策が示されておるのか、まずお尋ねをしたいと思います。
#79
○内海国務大臣 一昨年決めました四全総の中におきまして、四全総は多極分散型国土の形成をするために、特に豪雪地帯、離島、半島等の特定地域についての活性化が必要であるとしておりまして、御指摘の小笠原、奄美につきましては、その中に文言としてうたっておりますことは、「特に、外海離島である奄美群島及び小笠原諸島については、特有の亜熱帯気候や我が国南端に位置する地理的特性を生かした振興開発を推進することが重要である。」こういうふうに位置づけておりますとともに、ブロック別整備の基本方針の中で、小笠原につきましては「小笠原諸島に至る島しょ地域等においては、東京圏との交通の利便性を高め、都市住民の新たな居住ニーズにも対応しつつ、豊かな自然環境や観光資源を活用し、レクリエーションゾーンなど余暇活動に対応した整備を図る。」また奄美につきましても「外海離島である奄美群島については、周辺地域との連携交流を進めつつ、花き、果樹栽培などの亜熱帯性農業、地場産業や海洋性レクリエーション等その特性に応じた振興を図る。」こういうふうにうたっておるところでございます。今回のお願いしております法案の延長後の施策の方向につきましては、四全総にうたっております方向に沿いまして展開する必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#80
○西村委員 四全総の中における小笠原諸島あるいは奄美群島の位置づけ、またその施策の方向につきましては私どもも非常に評価をするものでございます。ただ問題は、その改正法が成立した後、振興計画の策定がいつごろまでに講じられるのか、本法案が成立した後、具体的な計画の策定がいつごろまでに講じられるのか。またその計画の内容は、具体的な整備水準というものを示されることになるのかどうか、各事業ごとの整備水準が示されるのかどうか、その点はいかがでございましょうか。
#81
○森政府委員 振興開発計画の策定の時期のお尋ねでございますが、この法律案を成立させていただきましたらば、できるだけ早く地元の都や県の案を踏まえまして関係各省庁と協議をいたしまして、さらに審議会の審議を得て改定する、こういう手続になるわけでございます。二カ月から三カ月間ぐらいの期間を要するか、こう考えておりますが、できるだけ早く地元の関係者の方々の御意向を踏まえ、期待にも沿えるようなものをつくってまいりたい、かように考えております。
 その中での具体的内容につきまして、まず奄美につきましては特性を生かした産業の振興、これは農林水産業、観光、リゾート開発、大島つむぎ等を含めました特性を生かした産業の振興というのが一つの柱になりますし、さらにまた快適で住みよい生活環境の確保というのが第二の柱になり、さらに奄美群島全体それから本島の中でも特に南部地域等につきまして、均衡のとれた地域社会の発展ということが第三の柱になろうかと思います。
 小笠原につきましては、目標人口を三千人とする、こういうことを基本にいたしまして、土地利用計画の問題、それから自然的特性を生かした農業、水産業それから観光、レクリエーションの問題等が主なテーマになると考えておりますが、ただ文言形式で計画をつくるのがこれまでの例でございまして、具体的に例えば数値をそれぞれの項目に明確に挙げるということよりもむしろ文言形式でどこをどういう形で整備をしていきたい、こういう表現形式になろうかと存じております。
#82
○西村委員 その辺がちょっと気になるところでございまして、いわゆる文言形式の場合は極めて抽象的にならざるを得ないということでありまし出て、そういった整備の内容が抽象的なことになってしまいますと、その目標の時期でありますとかあるいは金額的な配分等に支障が出てくるのではないか、具体的な振興策がそれで図られるのだろうか、こういう疑円があるわけでございますが、その辺はどうでしょうか。
#83
○森政府委員 文言形式と申しましても抽象的な書き方ではなく、できるだけ具体的な実情に即した書き方、例えば地名を入れるとか路線を入れるとか、こういう具体的な書き方にしてまいりたいと思っております。それから、できるだけ整備水準が浮き出るような振興計画の形でつくり上げたい、こう考えております。
 今お示しの御意見は、私ども十分意にとめてこの計画をつくってまいりたいと考えております。
#84
○西村委員 文言形式でありましても、鋭意具体的な整備水準に近づけるような方向の中で御努力をお願いいたしたいと思います。
 次に、離島振興の柱となるべきものの一つに内地とのいわゆる交通の確保、これが非常に重要でございます。先ほどからもお尋ねがございました。奄美群島につきましては主要な四島に今空港がそれぞれ整備をされておりますが、小笠原につきましてはいまだ空港の整備が緒についておりません。小笠原空港整備の見通しについて運輸省にお尋ねをしたいと思います。
#85
○小坂説明員 お答え申し上げます。
 小笠原諸島における空港の整備につきましては、東京都が過去長年にわたり調査を進めてきております。小笠原諸島は本土から千キロ余の距離にある外海離島であるため、通常の航空需要の少ない離島航空路と異なっておりまして、航続距離の短いプロペラ機による対応ができません。このためジェット機利用が前提となり、航空輸送事業の採算の面でも、また滑走路延長が長くなるという空港建設の面でも種々問題がございます。
 東京都は先月、今までの調査結果を踏まえまして小笠原空港の整備構想についてということで構想の概要を発表したところでございますが、今後さらに調査を進めていくというふうに聞いております。運輸省としましてはへ東京都の調査結果を踏まえ、その取り扱いについて慎重に検討してまいりたいと思っておるところでございます。
#86
○西村委員 慎重に検討していくということは、まだ具体化をさせることができない、こういうことでございます。確かに、距離の問題、約一千キロある、あるいは気候、採算、それぞれ条件が難しいわけでございますが、何としても小笠原の振興を図るためには空港の設置が最重要課題であると思います。しかし、空港整備までおよそ十年という期間が必要ではないかということも言われておりまして、それまでの間、内地との交通の確保をどのようにしていくのか。四全総でも全国一日交通圏の構築ということがうたわれております。現状のままでは目標人口の達成も小笠原の場合なかなか難しいということでありまして、この四全総の中にも船舶の運航回数の確保あるいは高速化について触れられておるのでございますが、国として今後どういう取り組みをされていくのか。現在の時点では月間五航海でございますね。しかも船が一隻である。耐用年数は十六年のところ既に十年たっている。この代替船の問題等も含めてどういう対処をなさるおつもりなのか、お聞かせをいただきたい。
#87
○小山説明員 お答え申し上げます。
 現在、東京−島間におきましては小笠原海運という会社が船舶一隻によりまして月間に五航海を行っているところでございます。小笠原間につきましては、航路距離が約千キロということで非常に長い状況にございますので、これをふやしていく、増便をしていくということになりますと、船舶をもう一隻ふやさなければなかなか難しいという面がございます。その場合には相当のコスト増になるということでございまして、現在の東京−小笠原間の平均の利用率が約二七%程度でございます。したがいまして、かなり難しい面がございます。
 それから、高速化の関係でございますが、この航路は離島航路でございますので、人だけではなくて生活必需物資も運ばざるを得ないということで貨客船タイプの船となっております。現在就航しておりますおがさわら丸という船は二十・六ノットでございます。この速力はこういった貨客タイプの船舶としては相当速い船でございまして、したがいまして、増便、高速化については非常に難しい問題がございますが、今後とも、地元の関係者の方々あるいは事業者とも十分お話をお聞きいたしまして航路の改善に努めてまいりたいというように考えております。
#88
○西村委員 空港建設が見通しがつかない中でのいわゆる船舶の交通利便というものは、これはもう住民にとってはまさに死活の問題でございます。ただ、小笠原につきましてもそうでございますし奄美につきましてもそうでございますが、人口一人当たりの所得、あるいは生活保護率、預貯金の残高等というものが非常に低いわけでございまして、そういう面ではこの運賃についても特別な助成策が必要であります。現在それなりに奄美については行われておるようでございますが、小笠原についても今後考えていく必要があるのではないか。さらに、奄美も含めてそういった助成策を拡充をしていくことが必要ではないかと思いますが、いかがでございましょう。
#89
○小山説明員 お答えいたします。
 離島航路の運賃の関係でございますが、一般に、旅客船の運賃の場合ですと事業の費用を償うような水準に設定するのが普通でございます。ただ、離島航路の場合ですと利用者が非常に少ないということもございまして、そうした運賃設定を行いますと極めて高額なものになるということでございます。したがいまして、こういった離島航路については、近隣の航路あるいは同じような距離の離島航路、こういったものを参考にしながら運賃を決定していっているということでございます。したがいまして、一般の運賃設定とはちょっと違った考え方になっております。
 それからさらに、こうした離島航路のうち欠損が生じているものにつきましては、運賃設定の関係もありますけれども、欠損が出ておりますものにつきましては国が都道府県と協調いたしましてその欠損の全部を補てんしているということでございます。昭和六十年度から六十三年度まではこの国の補助率は三分の二でございましたけれども、平成元年度予算案におきましてはこの補助率を三分の二から四分の三まで復元されまして、国庫補助の拡充が図られているところでございます。したがいまして、平成元年度の予算額につきましても三十七億三千七百万円ということで、前年度予算に比較しまして一五・二%の大幅増となっているところでございます。
#90
○西村委員 次にお尋ねをいたしますが、奄美群島では年間降水量が地域によって大きく異なる、このほか、降雨が梅雨季や台風時期に集中するため時期的な水不足が頻繁に起こっておるということでございます。加えて、今後観光やリゾート開発、農業など新しい展開を図っていくためには水需要が非常に重要になり、かつ増大すると思われるのであります。
 今後の水需給の見通し、水資源の確保についてどのように考えておられますか。
#91
○森政府委員 奄美群島につきましては年間おおむね二千ミリから三千ミリの降雨があるわけでございますが、その雨の降る時期が梅雨の時期とか台風の時期に集中をいたしておりまして、かてて加えて、大島本島と徳之島は地形が急峻で河川の延長が短い、したがいまして、雨が降りました後直ちに海へ流出しやすくなっておる。こういう状況でございますし、さらに、喜界島、沖永良部、与論島は硫球石灰岩から成っておりまして降水がすぐ地下に浸透してしまう。こういうことで水資源の確保が容易でない状況でございます。
 今お話しのように、これからの生活水準の向上なりあるいは畑作振興のためにおきましても、生活用水なり農業用水なりの需要が増大をいたしておりまして、水資源の確保というのはこの奄美群島につきましても非常に大きな課題になっておるわけでございます。そのため、これまで生活用水、農業用水を確保いたしますために、地表ダムを初めいろいろな利水施設の建設を進めてまいりました。地下ダムの研究も現在進んでおるわけでございますので、そういう地表ダムばかりでなく地下ダム等の開発をも含めまして、地域の特性に応じた水資源の確保というのを今後積極的に進めていかなければならない。あわせまして、これまでありましたため池、小規模の貯留池等の問題につきましても、これまで以上に意を配っていかなければいけない、こういうふうに考えております。
 水資源の問題、奄美群島につきましては非常に大きな課題でありますので、私ども全力を投球してこれに対処してまいりたい、かように考えております。
#92
○西村委員 小笠原諸島の中の沖ノ鳥島関係について若干お尋ねをしたいわけでございます。
 沖ノ鳥島は、卯承知のとおり我が国の重要な領土でございます。これの保全によりまして重要な経済水域あるいは専管水域が守られておるのでありますが、最近この島の浸食が非常に激しくて、どんどんと領土が減っておる。今日までいろいろな対策が講じられておると思うのでありますが、この沖ノ鳥島の保全あるいは復旧についてどのような対策を講じてきたのか、その浸食の発見の動機といいますか、これはどういうことでおわかりになったのか、このことについてまずお尋ねをさせていただきたいと思います。
#93
○萩原政府委員 お答えをいたします。
 沖ノ鳥島は、先生よく御存じのようにいわゆる環礁でございますが、露岩、潮が高いときでも頭が出ている岩が二カ所あるわけでございます。これの浸食がひどいということは海上保安庁初めその辺からの御報告で了解をしておったわけでございますが、六十二年度あたりから保全の必要があろうということで、私どもの方で結局災害復旧工事として復旧することを決めまして、六十二、六十三それから平成元年度にかけましてその島の保全を行うことといたしておりますし、現に六十二、六十三年度の工事につきましては順調に終了いたしております。そのような状況でございます。
#94
○西村委員 工事の内容でございますが、具体的にどういうことをおやりになっておられるのですか。
#95
○萩原政府委員 お答えをいたします。
 工事の内容でございますが、南北にそれぞれございます二カ所の露岩、その出ておる岩でございますが、これを保全いたしますために、直径五十メートルで、鉄製の消波ブロック、これは三・五トンという重さのものでございますが、これをドーナツ状に配置いたしまして、さらにその岩とドーナツ状に配置いたしました鉄製の消波ブロックの間をコンクリートで充てんいたしますことで島に対します保全を図ろう、そういう工法でやってございます。
#96
○西村委員 時間がなくなってしまいましたので、最後に御要望を申し上げておきます。
 この沖ノ鳥島以外にも同様なケースがあるのではないかということも言われております。海上保安庁が、どこが所管をされるのか知りませんけれども、こういう巡視でありますとか観察でありますとか、これは非常に重要な仕事でございますので、今後我が国の経済水域の保持という面からもこれは厳重に監視をしていかなければならないことでございますし、適切に対処をしていくことが必要であろうと思います。このことを強く政府に要望いたしまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#97
○野呂田委員長 辻第一君。
#98
○辻(第)委員 私は、時間の関係もございますので、奄美群島振興開発特別措置法に関連をして質問をいたします。
 今回の奄美群島振興開発基金の出資機能の創設と法律の五年間延長はもちろん賛成でございますが、私、先日、党の奄美群島の調査団の一員で奄美大島などに行って調査をしてまいりましたが、まだまだ多くの課題を残している奄美群島地域の振興にとって、法の延長だけでよいのかという思いを強くしてまいりました。
 例えば現地の自治体の関係者などからいろいろお話を聞いたわけでありますが、学校の建てかえの問題について特にいろいろと御要望を受けたということであります。奄美群島が昭和二十八年十二月に本土復帰になりまして、ちょうど三十六年がたちます。復帰直後に復興事業等で建設をされました小学校、中学校の校舎が、当時は補助率が十分の八・五であったわけですが、それが建てかえ時期に来ているわけであります。奄振法では道路や農業基盤などに比べると、義務教育施設の建てかえというのは補助などが低いのです。一般措置しかないわけですね。
 そういう状況の中、それぞれの市町村、財政的に非常に厳しい状況の中で建てかえるということは、一層大変な大事業でございます。こういう状況の中でまた、離島物価といいましょうか、資材なんかも高いようなんですね。そんなことも含めて、関係自治体はこの問題で補助金の改善、具体的には沖縄並みの補助を求めておられるわけであります。
 去年の四月の奄美群島市町村会及び奄美群島市町村議会議長会がまとめた奄美群島振興開発計画の延長と内容改善についての要望書を見ますと、学校教育関係でも既存校舎の補強、改築を言っておられるわけであります。制度改正要望事項で補助率について、校舎整備についてでは現行十分の五・五を十分の九に要望され、プールについては現行の三分の一を四分の三に、また大規模改修についてはその補助率現行三分の一を二分の一に改善を求められておるわけであります。こういう状況、実態、文部省としてはよく御把握をいただいていると思うのですが、こういう補助金の増額についてぜひ十分な対応をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#99
○伊田説明員 奄美群島や沖縄地域におきます補助率のかさ上げ等の問題でございますけれども、御案内いただきますように、例えば学校建物の改築、建てかえでございますが、改築事業に対する補助率につきましては、原則的な補助率が全国的には三分の一という補助でございますが、奄美地域につきましてはただいま御指摘ありましたように三分の二でございまして、暫定措置として十分の五・五ということでされているわけでございますが、これらの補助率については特別な措置が行われておるわけでございます。
 沖縄並みという話でございますけれども、これは歴史的な経緯とか実情等を考慮いたしまして定められてきたものでございますし、また、他の道路等の施策とのバランスの問題、さらには学校施設の現在の整備状況などから見まして、現在のところ補助率をさらにアップするということは困難であろうかと考えておる次第でございますが、ただ、沖縄群島における小中学校の校舎の改築の事業、実際にたくさん行われておるわけでございます。これにつきましては私ども、毎年度市町村の整備計画をいただきまして、それに見合う事業量、予算の確保に努めているところでございまして、例えば地域的な問題といたしましては、補助の単価の問題等がございますが、補助の単価につきましても、他の一般的な地域と比較いたしましてかかるわけでございますので、それについて加算を行うなど、奄美地域の実情を十分考慮した単価としている、そういうようなことでございまして、市町村におきます整備計画が円滑に進められますように配慮している次第でございます。
 私どもといたしましては、今後とも小中学校の建物整備が円滑に進められますように文部省としても努力してまいりたい、そういうように考えている次第でございます。
#100
○辻(第)委員 国土庁にも、現在の補助金は校舎の新築が沖縄では十分の八・五、改築が十分の七・五ということですね。奄美では十分の五・五ということでありますから、沖縄並みというのが奄美群島の方々の強い願いであります。国土庁としても今後十分な御対応をいただきたいと思いますが、時間がありませんので御要望をして次に移ります。
 次に、産業の振興でございます。
 特に、奄美の基幹産業の一つは農業でございます。奄美の農業でキビは言うまでもなく基幹作物でありますが、ウリミバエの撲滅により、メロンなどが本土に移出可能ということになりました。農業の基本条件は整えられつつあるというのが私どもの認識でありますが、今後メロンであるとかビワであるとか花卉であるとか、あるいは野菜など、大いに亜熱帯などの地域特性を生かした発展をさせるべきであると考えるわけでございます。また、奄美などの亜熱帯農業の研究、振興にも力を入れるべきだと思いますが、農水省の見解、簡明にお願いをいたします。
#101
○木田説明員 お答え申し上げます。
 奄美地域の農業振興を図る上では、冬春の温暖な気候条件等地域の特性を生かして、多様な消費者ニーズに対応した野菜、果樹、花などの園芸作物の振興を図っていくことが重要だと考えております。
 したがいまして、農林水産省といたしましても、これまでも共同栽培用の温室でありますとか、集出荷用の施設、それから低温輸送のために必要な予冷、保冷の施設、これらの助成を進めてきておりまして、今後とも地元の創意を生かしながら関係機関とも十分相談をしながら、地域の特性を生かした園芸産地づくりに必要な指導に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#102
○辻(第)委員 ぜひ積極的な対応をお願いをいたします。
 次に、農業振興にとって大きな問題として、やはり貨物輸送の問題がありますね。私も喜界島に行ってきたんですが、あそこは農地が非常に多いところで、キビが中心でありますが、新しい農業、ハウスですか、そういうようなのを積極的にやっておられるのを見てきたんですが、輸送の問題が大きな問題として横たわっているわけですね。
 今、フライト農業とか言われる航空機輸送がどんどんと活用されているようでありますが、喜界島には本土との直行便がないのですね。奄美大島まで来て、そこからドルニエという小さい、人間で言えば十九人乗りで喜界島へ、ということになるのですね。それで貨物が余り積めない。そうすると、生産をしても、これはやはり早く輸送しなければいけません。そういうときに船で奄美大島へ一度持っていって、そして飛行機に積みかえて本土へ、こういうことになるのですね。ところが、空港まで行くのに名瀬ですか、あそこへ行くとか何かしてまた陸送をして飛行機に載せるということになるのですね。大変な時間がかかるし、経費もかかるというようなことであります。
 それから、もちろん旅客のこともあるのですけれども、端的に言いまして、運輸省にお尋ねしたいのですが、これまでYSが鹿児島から直行便があったようですね。六年ぐらい前ですか、それがなくなっているようですが、少なくともYSを鹿児島から復航できないのかということです。
#103
○圓藤説明員 お答え申し上げます。
 国内航空路線の運航につきましては、これに応じた需要が見込まれまして、かつ空港制約等がなければ、航空協会の申請に応じて自由に認めるという方針でございます。
 ところが、鹿児島−喜界島路線につきましては日本エアシステムが昭和五十七年の十月までYS11型機で一日一便運航していたわけでございますけれども、需要が非常に不振であった。ロードファクターが五〇%を切るような状況でございました。それで、年間の赤字が一億三千万ぐらい発生するというようなことがございまして、運航を休止いたしまして今日に至っておるということでございます。
 現在は喜界島から奄美までドルニエで五便、それから奄美から鹿児島まで大体七便ぐらいの路線があるわけでございまして、乗り継ぎの不便は確かにあるわけでございますが、私どもは、旅客に関しましては、例えば乗り継ぎ割引運賃ということで一二%ぐらいの割引運賃というものも設定してございます。喜界島の方々の旅客の利便の確保ということをできるだけ最大限図ってまいったわけでございますけれども、本土との直行路線を再開するということにつきましては、航空会社の方で需要の増大とか採算のめどがなかなか立たないということで、今のところは非常に難しいのではないかと言っておる事情でございます。
#104
○辻(第)委員 農業の問題も含めて、もちろん旅客の問題もありますけれども、ぜひ復航できるように御努力をいただきたい、重ねて要望して次に移ります。
 それから、奄美の産業振興ということになりますと、大島つむぎですね。この数年間の生産高、売上高ですか、大変厳しい状況。もちろん、従事をしておられる方その他の問題など深刻な事態を迎えていると思うわけでございます。御施策もやっていただいているというのもいろいろ見せていただいたり、お話を聞かせていただいたりしてきたわけでありますが、そういう対応をさらに十分にやっていただくと同時に、その一つに韓国からの輸入があります。
 これには一定の協定などを結んで御努力をいただいているというふうに聞くのですが、一定の基準以上のものについては協定があるわけですね。それに準ずるものということになりますと、フリーに入ってくる。その境目といいますか、その辺のことになりますと、奄美の方にとってはいろいろ釈然としないようなものがたくさんあるというふうに私も聞いたし、私もそうだなと思うのですね。そういう点で、韓国からの輸入に対して一層の積極的な対応をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#105
○棚橋説明員 お答えいたします。
 韓国との関係では、二国間で絹織物について毎年協議を行って輸入数量を決めておるわけでございまして、私ども見ておる限りにおきまして、大島つむぎが入るかすり糸を使った絹織物の輸入につきましては年々減少しておりまして、昭和五十五年に比しますれば四十数%強まで下がってきておりまして、そういう意味で秩序ある輸入が図られてきておるかと思っております。
 しかしながら、産地の状況についてはよくわかるわけでございまして、そういう意味で最大限の努力を払って交渉を行ってまいりたいと思いますが、韓国側においても日韓間の貿易インバランスの問題もあります。大島つむぎの内枠廃止とか絹協議の廃止とか、そういう強硬な意見もあるわけでございまして、その中で我々も努力してまいりたいと思います。
 さらに私ども、平畳み、両端表示ということの励行を続けまして、産地の御心配をできるだけ和らげていきたいと思っております。
#106
○辻(第)委員 大島つむぎは何といっても奄美大島の本当に重要な産業ですし、現状では本当に大変な事態でありますので、輸入の問題を含めて十分な対応をしていただきたい。重ねてお願いをいたします。
 最後に国土庁にお尋ねをいたします。
 今後の奄美振興事業の方向についてでありますが、今の基盤整備が悪いというわけではありませんが、これまでの傾向はやはり基盤整備重視で、ソフト面が不十分だったという声をたくさん聞くわけであります。産業振興策、農業後継者はもとより、例えば医療の問題なんかでは看護婦さんの養成、看護婦学校などの問題も含めて、あらゆる面での人材確保、人材育成などが今後の重要な課題であると思うわけでございます。基盤整備が一定進行いたしております今、ソフト面の充実をどのように進めていくのかについて国土庁の見解を伺いたい。
#107
○森政府委員 基盤整備にあわせてソフト面の施策も強化しろという御意見でございます。
 私ども、これまで人材育成の問題を含めてソフト面につきましてもかねがね努力をしてまいりましたが、今後とも人材育成なり複合農業経営の指導の問題、大島つむぎのPRの問題などソフト面の問題につきましても一層努力をいたしたいと考えております。
#108
○辻(第)委員 最後に国土庁長官から、奄美と小笠原の振興について、その御決意のほどを伺いたいと思います。
#109
○内海国務大臣 奄美、小笠原につきましては、ともに隔絶した外海離島である。さらに台風常襲地帯等の制約下にあります。また一面、亜熱帯の広大な海洋に位置しておるという観点から見ますと、他の離島等にはない自然的な地理条件を有しておる。こういうところを今後うまく生かして開発整備を進めていく、それが国土の均衡ある発展にもつながるといった意味で、積極的にその可能性をねらって開発を進めていくことが重要である、私どもはこういうふうに考えておるわけであります。
 ただいままで御論議をいただきました御意見をも十分尊重いたしまして、今後はこの目的達成のために全力を尽くして努力をしてまいりたいと考えております。
#110
○野呂田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#111
○野呂田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#112
○野呂田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#113
○野呂田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、金子原二郎君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。金子原二郎君。
#114
○金子(原)委員 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 奄美群島振興開発計画の改定及び小笠原諸島振興開発計画の策定に当たっては、地元市町村の意向を十分に尊重すること。
   また、振興開発事業については、沖縄との権衡をも考慮しつつ、補助率、補助採択基準等について十分な配慮をすること。
 二 奄美群島の特性に即した産業の振興を図るため、大島紬等地場産業の育成に努めるとともに、農林水産業、観光・リゾート産業等の開発・推進及び流通の改善に資するよう農業基盤、交通基盤等の整備に特段の配慮をすること。
   また、引き続き奄美群島振興開発基金の充実強化に努めること。
 三 小笠原諸島における産業の振興を図るため、交通施設、農漁業施設、観光施設等の整備に特段の配慮をすること。
   また、小笠原空港の整備構想の推進に努めるとともに、あわせて自然環境の保全にも十分留意すること。
 四 硫黄島旧島民定住促進事業については、旧島民の心情に十分配慮するとともに、「集団移転事業に類する措置」について早期に新論をまとめること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#115
○野呂田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#116
○野呂田委員長 起立総員。よって、金子原二郎君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。内海国土庁長官。
#117
○内海国務大臣 本委員会におかれましては、本法案につきまして御熱心な御審議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#118
○野呂田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#120
○野呂田委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十一分開議
#121
○野呂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨説明を聴取いたします。小此木建設大臣。
    ―――――――――――――住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案
   〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#122
○小此木国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫は、かねてより国民の住宅建設に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、改善措置を講ずることが必要であると考えられます。
 この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された平成元年度予算案に盛り込まれている貸付制度の改善等につきまして、住宅金融公庫法、北海道防寒住宅建設等促進法、住宅融資保険法及び沖縄振興開発金融公庫法の改正を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を申し上げます。
 第一に、世帯向けの良質な賃貸住宅の供給の促進を図るため、一括して借り上げが行われ、みずから居住するため住宅を必要とする者に転貸される賃貸住宅につきましても、その建設に必要な資金の貸し付けを行うこととしております。
 第二に、公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額の算定方法の適正化を図るため、家賃限度額の算定に当たり、土地取得費の償却額にかえて、地代に相当する額を参酌することとしております。
 第三に、大都市圏における比較的小規模な敷地を有効活用するため、土地の合理的利用に寄与する低層耐火建築物等に対する貸付制度を創設することとしております。
 第四に、内需の持続的拡大を図るため、特別割増貸付制度の適用期限を平成三年三月三十一日まで延長することとしております。
 第五に、住宅融資保険制度の拡充を図るため、既存住宅の購入に必要な資金の貸し付けについて保険を行うことができるようにするとともに、契約金融機関の追加を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#123
○野呂田委員長 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#124
○野呂田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。
#125
○小林委員 ただいま建設大臣から、住宅金融公庫法の一部改正にかかわって大変御懇切な提案趣旨説明をいただきました。
 私は、このたび初めて建設委員会というところでお世話になるようになって、幾ばくかの建設関連法案を一読させていただいた程度でありますから、委員長におかれては、若干見当違いの質問が出た場合、よろしく御指導のほどまずお願いをしておきたいと思っています。
 今も、小此木建設大臣の趣旨説明の冒頭で、住宅金融公庫法の改正に当たって、いわば公庫法第一条の「目的」に記載をされております、国民が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設及び購入、それに必要な資金について、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的としたこの公庫法について、その一部を改正したい、こういう趣旨が述べられました。
 最初に建設省の方にちょっとお伺いをしておきたいのですが、昭和二十五年にこの法律が制定をされてから、実に再々にわたって手直しをされている、こういう法律も、ないとは言いませんが、非常に珍しいのではないだろうか。一方では、来る年も来る年も国民生活を考えながら公庫法の見直しをしてきたと言えばそれまでなんでございましょうけれども、しかしそれにつけても、今回いわゆる日切れ法と俗称されながら、約五点ほどの制度の改正といいますか、法改正が提起をされているのですが、中身を見ますると、日切れに類するものというのは四項目目に提案をされた中身だけでありまして、そのほかに若干ずつの手直しが四点ほど出てきているというのが実情かな、こんな気がいたします。
 昭和二十五年ですから、およそ四十年に近い歳月、この公庫法に基づいて住宅建設が行われてきたわけでありまするけれども、法の精神からして、こう再々ではなくて、時代の変化とともにもうそろそろ抜本的な見直しをしなくてはいげないような時期に来ているのではないのかなという気がしますけれども、大綱的に見て、この法律案が今回提案をされている五点ほどの内容のみで十二分だとお考えなのか、あるいは抜本改正をする必要があるという考え方を幾ばくかでもお持ちなのか、この点について御見解を賜りたいと思います。
#126
○伊藤(茂)政府委員 お答えします。
 先生御指摘のとおり非常に古い法律でございます。それで、二十五年以来今日まで融資をいたしました住宅戸数は千三十四万戸ということでございまして、住宅ストック四千万近くございますから、はぼ四分の一以上が公庫の融資を受けている住宅だというような状況に現在ございます。
 先生がおっしゃいましたのは、そういう古い公庫法でございますので、これだけの経済社会の変化があったわけですから、そろそろ抜本的に見直す必要があるのじゃないか、今回の改正の五点ほどのものではどうか、こういうお尋ねかと思います。
 住宅対策を進めていきます上で五年ぐらいのタームでけじめがございます。住宅建設計画法という法律がございまして、毎五カ年ごとに五カ年計画をつくって住宅政策を進めなさい、こういうことになっておるわけでございます。そこで私どもは、その五カ年計画をつくる前に毎度住宅宅地審議会の意見を聞く、こういうことに法律上もなっておりますところから、住宅宅地審議会に次の五カ年計画に当たって現状の住宅対策というものをもう一遍見直すということを毎回やってきております。
 今回も、この次の五カ年計画、六十六年、失礼いたしました、平成で言いますとちょっとわからないのですが、この次の五カ年計画のために既に諮問をいたしてございまして、審議会での検討に入っております。その計画期間中の五カ年間は現行の計画に基づいて諸般の手当てをしていく、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 そこで、例えば今回お願いしております一括借り上げでありますとか家賃制度でありますとか、それから賃貸住宅に対してもっと手厚い援助ができないかとか、こういう考え方は既に現行の五カ年計画を立てます前の時点で住宅宅地審議会の方からそういうふうにしなさいという答申もいただいておりまして、私ども鋭意研究を進めまして、今回こういう法案に仕立てたわけでございます。
 そういうことで、先生おっしゃいますように、この次の五カ年計画に向けて必要あらば住宅金融公庫法の中身も変えなければならないかと思いますが、これからそういう検討を始めるということでございます。
#127
○小林委員 そこで、もうちょっと具体的にお伺いしますけれども、いわゆる住宅着工戸数、統計を見ますると、六十二年度百七十三万戸という極めて高水準をキープした時期がございますが、最近は、六十三年度の数字がまだ出ていないようでありまするけれども、減少の兆しが見られる。
 一つは、六十三年度の着工数がどの程度の数字になろうとしているのかということ。それから、こういう状況を踏まえて、今回の本法改正が住宅建設や住宅投資の拡大にどの程度寄与すると御判断をされているのか。ちょっと総花的な質問かと思いますけれども、おおよそつかまえている数字、または考え方について御説明をいただきたいと思います。
#128
○伊藤(茂)政府委員 まず、住宅建設戸数の見込みあるいは見通しのお話でございますが、御案内のとおり、六十一年度は百四十万一尺六十二年度は百七十三万戸ということで、予想以上の非常に大きな戸数になっております。
 この内訳は、予想以上と申し上げましたのは借家系が予想以上でございまして、五カ年計画で見込みました潜在的な需要といいますか、そういうものから比較しますと五割以上の伸びになっております。そういうことで、この借家の方は、潜在需要と比較しますと、そろそろ供給過剰という状況にあろうかと思います。というのは数量的な話でございますが、そういうことで、特に戸当たり規模の小さな借家に対します需要というのは供給の方が大きくなっているということかと思います。そういうことから、六十二年度の借家建設の総戸数はピークを打ちまして、次第に減少をしております。
 持ち家系、これは戸建ての個人が発注するものあるいはマンションとか分譲の戸建てでございますが、こういったものを持ち家系と言っておりますが、この需要はやはり八十万戸近いものが今後とも根強く残るものと思っております。したがって、六十三暦年では百六十万戸を超えておる戸数になっておりますが、六十三年度は百六十万戸台の中ごろかな、こういうことを考えております。
 お尋ねございませんでしたが、元年度はこの持ち家系の需要は引き続き根強いかと思います。借家系がさらに十万ぐらい減って、百五十かぐらいかなということでございます。その場合に、この百五十万戸という水準もいずれも五カ年計画で予想いたしました建設戸数水準よりも依然として高うございますので、全体として非常に住宅の建設は堅調であるという状況がまだ続くという状況でございます。
 それから、二点目の非常に難しい御質問でございますが、今回の法律改正でどのくらい効果があるのかということでございます。
 御案内のとおり、内需の拡大の大きな柱ということで、住宅対策が非常に期待をされております。私ども住宅対策の担当をしております者から見ますと、住宅政策の本来の目的は居住水準の向上でございますので、居住水準の向上が果たせる形で住宅投資がふえていく、あるいは住宅着工戸数や住宅関連のいろいろな投資が行われるということは非常に結構なことだと思っております。したがいまして、その限りでできるだけ国の全体の経済運営にも寄与したい‘かように基本的に考えているわけでございます。
 そういう目から見ますと、今回お願いいたしてございます特別割増貸付制度がございますが、これは例えば団地住宅の場合には八百万プラスアルファでお貸しを申し上げておりますので、金額が非常に大きゅうございます。したがって、その金利も民間の金融機関から借りるよりも相当低く、民間が六・六に対しまして四・九というふうに低うございますので、そういう意味からしまして、その金利の低さというものは、住宅を取得する者、建てる者に住宅を建てやすくする非常に大きなインパクトを与えるものと思っております。したがって、先ほど申しました持ち家系あるいは分譲系の八十万戸の潜在的な需要をできるだけ良質な住宅を持っていただくという形で発現させていくというためには、この特割制度の維持というのは非常に大きいと思います。
 それから、この法案の中にはございませんが、予算措置として、建物部分には三十万、それから分譲住宅系には八十万という本来の通常貸付口につきましても限度額のアップをいたしております。これも同様の意味で意味は大きかろうと思います。
 問題は賃貸住宅関係でございます。私どもこの中に提案してございますような賃貸住宅に関しますいろいろな制度は、特に民間関係の賃貸住宅につきましては、より良質な、しかも単身者とか新婚のお二人が住むというような小さな住宅ではなくて、ある程度小さな子供の時代の子育てができるような世帯向けの賃貸住宅ができないかという観点で幾つかの制度の改善をお願いしておりますが、これは先ほど申しましたような賃貸住宅全体としては需要を供給がオーバーしておりますけれども、その中身を見ますと、今申しましたような世帯向けの賃貸住宅が足らないということがございますし、それから大都市圏の地価高騰、住宅価格の高騰を背景に、良質な賃貸住宅、規模の大きな世帯が住めるような賃貸住宅の需要が大きくなってくる向きもございますので、そういう制度改善をいたしますれば居住水準の向上の面でも大きな効果があらわれるのではないか、かように存じている次第でございます。
#129
○小林委員 建設省ですから、建設省としてそれぞれ組み立てられた五カ年計画あるいは建設行政として避けて通ることのできない主要な課題の一つとしての住宅という問題については、それぞれに国民に向けて次の世代バラ色の住宅政策、こういったものが提起をされていくというのはごく当り前のことで、今御説明をいただいた部分も大事な一面なんだろうな、私はこういう受けとめをいたします。
 ただ、残念ながら私どもの党は、昨年の国会の中でも消費税の導入という部分については一貫して反対を続けてまいりました。残念ながら平成元年四月一日導入強行、こういう方向が明らかになりつつあるわけであります。しかし、最近各自治体の御意向などを参酌いたしますると、消費税そのものについては自治体をして素直に受け入れられない、こういう向きすら出てきていて、各地方議会は大変混迷の度を強めてきている、こういう趣があるわけですが、全体的な議論というのはさておいたとしても、この消費税が住宅建設に与える影響というものについてどういう視点から御検討されてきたのか、この点についてわかる範囲内で御説明をいただければ大変ありがたいのであります。
#130
○伊藤(茂)政府委員 消費税が提案されました時点以降、私どもも真剣になって消費税が住宅建設に及ぼす影響が出てくるのではないかということで心配をいたしたわけでございます。ただ、検討の中で、これは税制改革全体の問題にもなるわけでございますが、所得税の減税ということを踏まえて、あるいは相続税の見直し、そういった税制全体の改革の中での消費税ということでございます。
 そういう目から見ますと、一つには住宅の建設あるいは取得というのは所得との関係、それが一番大きゅうございますから、そういう意味では全体の税制改革が中堅所得層を中心としまして、あるいは子供の教育費その他で非常に負担の高いところをできるだけ下げるというような、中堅所得層あるいは四十歳代、五十歳代の世帯主の家計の税負担を下げる、こういうことからなされたということでございますので、住宅を取得をするという年代ともこれは合致するわけでございますが、そういう意味からいいますと、所得との関係で従前に比べて特段にマイナス効果があらわれるということではなかろう、こういうことでございます。
 それから短期の問題として、例えば住宅価格が三%上がるというようなことについて、少なくともできるだけ影響がないようにできないだろうかというようなことでございます。
 私ども、住宅に関します税制全体を見て、少なくとも不動産取得税との関係で、消費税が転嫁された場合に住宅価格全体プラス税負担がそんなに大きくふえないという形で何らかの措置ができないだろうかということで、不動産取得税の住宅部分につきましてほとんど非課税になるような措置をお願いをし、自治省に認めていただいております。そういうこともこれあり、あるいは今回の租税特別措置法で登録免許税の延長をお願いしてございますが、住宅税制全体の中で消費税の影響を少なくするということでもろもろ措置をいたしたつもりでございます。
 家賃につきましては、薄く広く負担をしてもらうということから家賃にまでかかることになったわけでございます。したがいまして、賃貸住宅につきましては、公的な主体が経営いたしておりますものと民間が経営いたしておりますものと両方あるわけでございますが、ともに消費税がかかります。もちろんこれは所得税全体に対します減税との絡みで、負担の問題はある程度の緩和措置はできると思いますけれども、それに加えまして公団住宅あるいは公営住宅につきましても、消費税が施行されました後に所得税の減税の恩典の当たらない、本当に困っている方々の負担がどうしてもきついという場合には、現在の公団住宅あるいは公営住宅で措置されております減額措置というのがございますので、個々の減額措置を活用して対処してほしい、こういうことで措置をいたしております。
 全体の税制改革、それから今申しましたような対策で、若干の負担の感じは免れない点もございますけれども、やがて円滑に転嫁が行われ負担いただけるのではないか、かように存じておる次第でございます。
#131
○小林委員 公庫法の精神に基づいて五カ年計画を組み立てる、だとすれば、第一期から始まったこの住宅建設五カ年計画というのは非常に大事な部分だと思いますし、建設省が出しております「住宅・建築ハンドブック」なんかを見ますると、全国的な持ち家率、共同住宅率などというものも示されていて、いろいろな思いがこういう数字の中から、国民生活をベースにして考えた場合どうあるべきなのかということは私自身も考えるわけです。
 ただ最近の傾向を見ますると、各五カ年計画の公営住宅の建設計画と実績、いわゆる達成率が、第一期の場合に公営住宅の場合は九二%ありましたけれども、第二期の場合は七二%程度の達成率にしかなっていない。それが第三期、第四期と続いていくと、第四期は既に七〇%を割って六九%程度、公団住宅に至っては計画の五二・六%しか達成をしていないという数字が示されてくるわけですね。
 持ち家というのは、もちろん趣味、趣向も入ってまいりまするし、よって来る条件等によって建設を計画されていくというところはありましょうけれども、国民ひとしく文化的な生活を営むという見地からすると、公的な住宅の建設計画というのが六九%であったり、あるいは五二%にしかならない状態というのは那辺に理由があるのかということを疑問視せざるを得ないわけです。
 一方では、考え方として、例えば公庫住宅なんかの場合は一一一%、あるいは第三期計画でいえば一三四%という数字が示されていることから推測をしてみても、公庫住宅というものと、一方公営住宅や公団住宅、庶民、大衆が生活をするという拠点の建設、こういったものとの差異が建設行政の中で十二分にコントロールされておらないのではないだろうか、こういう読み方をせざるを得ないわけですね。ここらについてはどういう考え方をお持ちなのか、見解を聞かせていただきたいと思います。
#132
○伊藤(茂)政府委員 過去の五カ年計画にさかのぼりまして、公的な賃貸住宅が計画どおりできなかったではないかというのは御説のとおりでございます。そのときどき建設省といたしましても、あるいは実際に仕事をしていただきます地方公共団体にいたしましても、最大の努力はしたと思いますけれども、結果的にそういう数字になっておるということでございます。
 今まで言われております。その原因でございますが、やはり現在も同じことでございますけれども、過去におきましても、公営住宅を建てる適地といいますか、そういう事業用地の確保というのが非常に難しいということが最大の原因でございます。公団住宅につきましても同様の問題がございます。土地が買える場所というのが結局遠隔地になって、そういう場所は買いやすい。一時期、公団住宅につきましては数万戸に上る空き家が賃貸住宅にはございました。そのとき言われましたのは、高遠狭ということでいつも言われたわけでございます。したがいまして、本来近場に公団、公共賃貸住宅を建てて、そして適正な負担で供給するということが一番よろしいわけでございますけれども、例えば東京圏で考えてみましても、その適地というところがなかなか買えないというのが一番大きな理由ではないかと思うわけでございます。
 現行五カ年計画では、第五期になりますが、例えば公営住宅につきましては二十五万五千という数字を五カ年計画の建設戸数にしております。したがって、五万一千戸ずつ毎年供給すればよろしいわけでございます。その場合に、財政再建で非常に財政難の折でございましたけれども、毎年の予算ペースとしては、五カ年計画を一千戸上回る五万二千でございますが、戸数で組んでございます。お金も用意するわけでございます。しかし、実績は一万戸ほどそれから減るということで、お金は用意をし最大限の努力をいたしますけれども、やはり一万戸くらい落ちたペースで六十一、六十二年度と経過をいたしてございます。公団の場合には十三万戸ということで計画しておりますから、二万六千戸ずつ毎年供給をしたいということでございます。予算で二万五千計上をいたしておりますが、実績は最近は少しずつ向上いたしておりまして、二万戸台に乗っております。したがいまして、公団につきましては計画後半でもう少しペースが上がってくるかとも思いますけれども、やはり二万五千のペースは若干下がる見込みでございます。
 いずれにしましても、予算は事業計画としては計上し最大の努力はするけれども、なかなか適地の取得が難しいということで尽きるのではないか、かように存ずる次第でございます。今後とも五カ年計画を達成すべく努力をいたしたい、かように存じております。
#133
○小林委員 今も御説明ありますように、だれが考えたって人口の集積している地域というのは人が余計いるから人口が多いだけの話でありまして、そこには当然住設備というものは要求をされるわけです。しかし、そういったところでは土地価格が高いから家は建てられない。したがって田舎の方に住宅建設の足が伸びていくという、これが実態だと思うのですよ。
 しかし、建設省というお役所が住宅政策と銘打って計画をする場合に、何のための五カ年計画を組み立ててきたのかといえば、そういった地域における住宅困窮状況というものをいかにして解消していくかという目標があったはずなのです。不便な地域にどんどん家を建てるから空き家がふえるだけの話であって、便利な地域に住宅を建設すれば空き家が出るわけがないわけですね。そんなことがわかっていて、この五カ年計画はずるずると進んでいく。しかし達成率ということになるとパーセンテージがぐんと下がってしまう。パーセンテージが下がったことに対して建設省はそれほどの罪悪感を感じないなんというのは、とんでもない話だと思うのですよ。こここそもう少し真剣に、均衡ある国土の発展、これも結構でありますけれども、現状認識の上に立って行政を進めていくという、こういう重要性だけは決して逃げないで正確に作業を続けていただきたい、これは要望だけ申し上げておきたいと思うのです。
 そんな認識の上に立って、本法改正の中身について幾つか御質問申し上げたいと思いますが、一つは一括借り上げ方式の導入、こういったものが出てくるわけで、これは一つの新しい方法なわけですね。この一括借り上げ方式は既に民間においては普及しつつあるというデータも伺っておりますけれども、実情は一体どういう形になっているのか、民間の場合は。特にこの一括借り上げ方式によるトラブルなどはあるのかないのか。この点について把握している範囲でお答えをいただきたいと思うのです。
#134
○伊藤(茂)政府委員 今回御提案申し上げております一括借り上げ方式の法改正でございますが、先ほどから申し上げていますように、特に大都市では世帯向けの賃貸住宅というのが不足をしております。しかし一般的には、先ほど九十万戸建っていると申し上げましたように、土地所有者の賃貸経営意欲というものは、何とか資産保全をしたいというようなこともこれありかと思いますが、非常に高うございます。そういう中で、私どもは公庫融資、これは土地担保賃貸住宅というのがございまして、土地所有者に土地を担保にしてお金をお貸しして賃貸住宅を経営していただくという制度でございます。これは民間に対します施策民賃としては一番大きな成果が上がっておりまして、毎年二万七、八千戸ぐらい、これで賃貸住宅が建っておるわけでございます。したがいまして、この世帯向けの賃貸住宅、土地担保賃貸住宅がもっと広がらないだろうか、こういうことが大きな施策的な課題であったわけでございます。
 そしていろいろと地主さん方の御意向を聞いてみますと、自分の土地を活用はしたいと思うけれども、賃貸住宅を経営する、特に規模の大きな賃貸住宅を経営をして、そこに家族が長年住む、こういう形の賃貸住宅経営は非常に大きなリスクを伴ってなかなか手が出しにくい、こういうのが地主さん方の意向でいろいろ出てくるわけでございます。したがって、賃貸住宅の経営の専門家にその賃貸住宅の経営は任せて、地主さん方はそこから上がります利潤をある程度いただければそれで老後は安泰に暮らせる、こういう方も多いわけでございます。
 そういう中で、民間の市場では一括借り上げ方式というものが出てまいっております。私ども六十三年に賃貸住宅の経営実態調査というものをやったわけでございますが、一括賃貸は全体の中で一割くらい。業者に委託というのが一番多うございまして八四%でございますが、それに次いで高い。日力経営は四%程度というようなことで、町の不動産屋に経営を委託するというのが一番ポピュラーな例でございますが、一括借り上げという、非常に専門的な業者に経営をお願いするというスタイルもふえてきておるということがわかったわけでございます。
 そこで、先ほど審議会の答申にもあるというお話をちょっと申し上げましたけれども、これを公庫融資の対象として取り上げて、それで先ほど申しましたような世帯向けの賃貸住宅というものがもう少しふえないか、ほっておけば一戸当たりの規模の小さなものが建ってしまうものを世帯向けのより良質な賃貸住宅に変えることができないだろうか、こういうことで今回提案を申し上げた次第でございます。
 その場合に一番心配になりますのは、先生の御指摘ございますように、公庫法では家賃の規制を初めとしまして、だれでもがその賃貸住宅に入れるように公募要件というようなものもございますし、それから当然に住宅ストックでございますので維持管理をきちっとしませんと傷んで使い物にならなくなるというようなこともございます。それから一括借り上げ方式ということでございますので、地主さんと一括借り上げ事業者とそれから貸借人と、関係が複雑になるわけでございますので、今申しましたようないろいろな公庫法上の、いわゆる公庫法の融資のメリットというものが今までと同じように賃貸人にも及び、地主さんにも及ぶ、こういうことでなければならないだろうということでいろいろと検討いたしました。
 それで結論から申し上げますと、確かに契約上は地主さんと一括借り上げ事業者との国民の契約でございますし、一括借り上げ事業者と貸借人はこれまた賃貸借関係で民民でございますが、その際にその契約内容のポイントというものをきちっと公庫の方で御指導いただくということ、それと同時に、公庫で規定されております家賃の規制あるいは公募条件といったものは当然に貸借人に及ぶ形にする。と同時に、もしも違反をした場合には、とりあえず公庫法で及ぶ範囲は地主さんに対して及ぶわけでございますけれども、契約関係を通じて一括借り上げ事業者にもこの際公庫法の改正を通じて及ぶようにしようということで制度を組み立てまして、御提案を申し上げた次第でございます。
#135
○小林委員 住宅金融公庫が存在をして、いわゆる土地所有者、賃貸住宅所有者というのですか、こことの間の整理というのは公庫との関係ですから、それはそれなりに整理ができるのだろう。それからもう一つは、住宅所有者と一括借り上げ者の相関関係というものが出てきて、そこは賃貸条件というものをきちんと整備をしますよ、こういうことになるのだと思いますが、問題は、一括借り上げ者と入居者との関連というのはそこまできちんとした縛りができるのかどうなのか、こういうことが問題になってくるように思うのです。ここまで行政上きちっとした目を光らしていくシステムというのは、いわゆる賃貸住宅所有者と一括借り上げ者の間に取り結ばれるであろう賃貸条件というものがどこまで入居者の頭の中に入ってこられるような条件整備をするのかということは非常に重要に思うのですけれども、ここはそこまできめ細かく既に整備をされておられましょうか。
#136
○伊藤(茂)政府委員 先生御心配の点は、一つには賃貸条件と申されましたが家賃の問題だと思います。公庫が融資します賃貸住宅につきましては、限度額以内でなければならないという制限と、敷金は三カ月以内でなければならない、それ以外のものは権利金、謝金とかいったたぐいのものは禁止、不当な負担は禁止ということになっておるわけでございます。
 この三十五条関係にいろいろ書かれております、省令十条から十一条で中身が詳しく書かれてござい葦すが、これと同じ内容のものを、一括借り上げ事業者が入居者との直接契約関係に入る場合に必ず結びなさいと賃貸住宅所有者が一括借り上げ事業者に対して特約をするということで、一括借り上げ事業者に制限を課するということで処理をしたい。したがいまして、実際に入居者との関係で申しますと、今度は一括借り上げ事業者と入居者との間の契約の中身になるわけでございますが、これは、先ほど申しましたように賃貸契約のモデル等を通じて中身をチェックいたしますけれども、万一その契約に違反した場合にどういうことになるかということでございます。
 この点につきましては、今現在の公庫融資法の体系からしますと、お金を貸した相手方に対してはいろいろとチェックができますし罰則もかけたりできるわけでございます。したがいまして、家主が契約の中にそういう特約で決めたことをちゃんと盛り込まない、契約モデルでいろいろこうしなさいと言ったことを盛り込まないということが明らかになった場合にはこの違反状態の是正を行い得るようにしまして、まずは家主、地主が一括借り上げ事業者との契約違反になるわけでございますので、一括事業者に対しまして契約解除をしなさいということをやるわけでございます。その場合には、契約をどうしても解除しないということになりました場合には、家主に対しまして公庫が繰り上げ償還をさせるということで、家主を介して一括借り上げ者の方に制裁がいく形にするということで省令を組みたいと考えております。
#137
○小林委員 今御説明のあった事柄に関連をする省令というのは、もう既にでき上がっていますか、それともいつでき上がりますか。
#138
○伊藤(茂)政府委員 ただいま申し上げましたような間で検討中でございまして、この法律が成案を得ますればすぐ施行できるようにいたしたいと考えております。
#139
○小林委員 この種の委員会の席上で私は何度か法案の改正と政令、省令というものとのかかわり合いについて少しく議論をした経過がございますけれども、なかなか委員会に提出をするということは少ないわけです。ただ、言葉上議事録に残ったからそれは守られるだろうという信頼感は持ちまするけれども、しかし、そこは国民生活に直接かかわり合いのある課題が盛り込まれてくることになるわけですから、できるだけ可能量大限前向にお知らせをいただければありがたい、このことを要望しておきたいと思っております。何はともあれ入居者の保護ということは極めて重要であり、保護措置が十二分にとれるような前提条件というものを確立していただきたいことをお願いしておきたいと思っております。
 そこで、より具体的に家賃の限度額算定に当たって地代相当額の参酌という課題が出てまいりました。従来でありますと、この種の問題というのは公社住宅の算定方式と公営住宅の算定方式では若干の異なりを示していたものを、今度は公営住宅、公団住宅と公社住宅それぞれが同一の形態で均衡をとっていく。したがって、家賃の算定要素というものが今後変化をしていくという形になっていくことになるのだろうと思うわけであります。そこで、公営住宅であるとか公団住宅、それぞれ公営住宅二百万戸、公団住宅六十八五尺こういうところでの取り扱い方と公社住宅の取り扱いが今までは違っていたにもかかわらず、今度同一の形態をとろうとする理由は那辺にあるのか、これを示していただきたいと思います。
#140
○伊藤(茂)政府委員 先生御指摘のとおり、現在の公共賃貸住宅全体の家賃体系を見てみますと、家賃の変更と申しますか、時間がたちまして維持修繕費その他の費用が増高する、あるいは昔、木でつくった窓枠はアルミサッシにかえなければならない、いろいろなことが起こってくるわけでございますが、その場合に家賃の変更を行うのが常でございます。その際に公営や公団は、既にある程度家賃の改定の仕方が、長年にわたって行われてきたこともございまして固まりつつございます。
 その形というのは、公団住宅につきましては家賃基準額という形でございます。そしてその中身は、建物の再建築費に基づきます償却費、それに地代相当額、修繕費、管理事務費等々を加えたものを基準とするということでございますし、公営住宅につきましては家賃限度額ということがございまして、その限度額以内の家賃であれば建設大臣の承認は要らない、こういうことでございます。それも、今申しましたような形で公団とほぼ準じた形でやりますが、その場合に、公営住宅につきましては補助金が入ってございますので、補助金分を差っ引いたものについて今言いましたような形式ではじき、限度額にするということになっておったわけでございます。これらを総称して何と言う家賃体系であろうか、こう考えるわけでございますが、費用の積算方式と呼んだ方がよろしいかと思います。
 現在の公共賃貸住宅の家賃の体系は、実は五十六年八月に住宅宅地審議会で、その前に五年以上にわたります審議を経て、現状の公共賃貸住宅の家賃の体系としては今申しましたような費用の積算方式といいますか、そういう形で家賃変更を的確にやっていくのがよろしかろう、こういう答申を得ております。その際に、今お話に出ました公社の賃貸住宅につきましては、地代相当額部分というのが当初の用地取得費の償還期間内の元利均等額という形で当初のままに固定をされておりまして、そのときどきの地代相当額が取れない形になっておるということで、その部分につきましてが一点と、それから、この五十六年の答申時点では、建物につきましても当初の借り入れで建物を建築するわけでございますが、その借入金相当額の元利均等償還額で固定をするということになっておりましたものですから、その部分と、つまり建物部分と地代相当額部分につきまして公営あるいは公団と同じような費用積算方式に変えるべきである、こういう趣旨の答申を既にいただいておったわけでございます。
 その費用積算方式だけではございませんで、この家賃の答申では、公営住宅、公団住宅、公社住宅はそれぞれ政策目的をちゃんと持っておるのだから、その入居対象者、施策対象層と言っておりますけれども、その施策対象層に見合った家賃でなければならない。これは特に新規に供給します場合に非常に建設原価が高くなります。先ほどなかなか土地がないというお話を申し上げたのですけれども、そういうこともこれあり、地価が高いこと、建築費が上がったこと、その他で当初の家賃が非常に高うございますので、その施策対象層に見合った家賃で供給するというのは、当初家賃を決めます際に非常に大問題でございます。例えば、公団住宅でいきますと、二十万を超えるような家賃があるじゃないかという御指摘をすぐいただきますが、その議論というのは、施策対象層に合わないじゃないか、こういう御議論だろうと思います。
 一方、古い家賃の方はどうかといいますと、同じ公営住宅、同じ都が経営します公営住宅あるいは同じ都の公社が経営します公社住宅の中で新規と古いもの、こう考えますと、立地的には非常に古い住宅の方がより都心に近いところ、便利のいいところにある例が多うございます。むしろ住宅地として不適なところもあるかとも思いますけれども、一般的なことを申し上げますと、先ほど来ちょっと御議論が出ましたように新しい方が遠隔地に建ってくる。こういうことでございまして、確かに昔建てたものは規模も小さいし設備も悪いものもございますけれども、立地上は非常にいいものが出てくる。ところが、先ほど申しましたような公社賃貸住宅の家賃のはじき方からしますとそういう差が出ないものですから、結果的に建設時の古いものの修繕費というのでしょうか、そういうものがなかなか賄い得ないということがございます。
 そこで、この五十六年の答申では、まず第一に、施策対象層向きの家賃にしなさいというのが一点ございますけれども、それに加えて、きちっと家賃の算定方式を費用の積算方式、その中には土地の利用価値を含めた費用の積算方式というふうに説明すべきだろうと思いますが、そういうものに直すと同時に、維持修繕費というものをきちっと確保しなさい、こういうことを答申の中で言っておるわけでございます。
 と申しますのは、地代相当額というのは、非常に地価が高騰しますと、それを単純に計算すればそこから限度額というのが非常に上がりますし、民間の場合にはこれが利潤のもとになっておりますが、公的な賃貸住宅の場合には利潤を生み出すことが目的ではございませんで、今言いましたように施策対象層の負担できる家賃にしなさいということと、ストックをちゃんと維持できるようにしなさい、こういうことで収支相償うといいますか、それが理想でございます。
 したがいまして、そういう中で必要な修繕費をきちっと確保する形で家賃を上げなさい、と同時に、古い住宅と新しい住宅とのバランスということを十分考えてやりなさい。そのバランスを考えるのは、一つには、建築費そのものは郊外と都心部とそう変わるわけではございませんけれども、土地の立地条件というものを勘案する地代相当額を入れれば、その点はバランスというものは当然にとれるではないか。こういうことで答申をいただいておりますので、その後五十七年に一部改正をし、今回やっとその地代相当額を入れまして、全体の体系として先生御指摘のとおり他の公共賃貸住宅と同じ形になれるという状況になるように御提案を申し上げた、こういうことでございます。
#141
○小林委員 新しい住宅と古い住宅のバランスという、このことがわからぬわけではありませんけれども、しかし、バランスという名のもとに家賃が上がっていくということについては大変なんだよという、そんな趣旨で私どもの方にも公社住宅に入居されている自治会の皆さん方から幾つかの陳情なんかも承っておりまして、公庫にかかわる賃貸住宅の家賃限度額の算定ということでありますから、御説明のありますように極めて公正に、利益を上げるものではない、こういう視点に立って運営をしていただかなければいけないわけでありますけれども、ならば土地の取得費の償却額、こういったものにかえて地代に相当する額を参酌をする、こういう形態というのはいささか理不尽ではないのか。
 特に都心部における公社住宅入居者の実態から見ますると、現役で働く皆さん方が、やがて老後の生活拠点として生活をされている皆さんも大変多くなりつつある現状の中で、修繕費や維持費にかかわる経費が必要だよということで家賃を引き上げなくてはいけないのだ、こういう理由だとすれば、これにかかわる資料を公開していただければ、それは当然家賃の引き上げに応ぜざるを得ない部分が数々あるだろう。しかし、大体が資料の公開はもとよりのこと、そうしたいわゆる住宅を維持するための中身というものあるいは将来に向けての考え方というものは何ら明示をされないままに、突然今回の法改正の中で取得費の償却額にかえて地代に相当する額を参酌をする、こういうシステムの導入は居住をする者にとって極めて大きな不安定要素を残すという心配をされているわけであります。
 都心から我々を追い出していくのか、そこで生活をする必要はないとでも言うのか。少なくとも年金生活をするようにたられるからには、長い間世の中に貢献をしてきた、こういった前提があるわけでありますから、そういったお年寄りの将来にわたる安定した居住箇所の提供というものは、これはもう当然建設省というお役所の重要な役割として認知をしてよろしいのではないか、こういう御意見を賜って、私はそのとおりだと思うのです。
 限度額ということを盛んに言われますけれども、少なくとも現時点で家賃の大幅な上昇を招くことはないのかどうなのか、この点について正確にお答えをいただきたいと思います。
#142
○伊藤(茂)政府委員 先ほど申し上げましたように、今回のこの改正は、公共賃貸住宅全体の家賃体系を整合性のあるものにするということで行うものでございます。ただ、公社住宅につきましては、限度額方式でございますので、先生言われましたように、この限度内で公社法に基づいて家賃変更が行われるということになろうかと思います。したがいまして、公共賃貸住宅一般に共通の原則でございますが、当然に家賃値上げの際には借家法の規制がかかります。したがって、社会経済情勢の変化以上に無理に限度額だからといって上げるわけにはまいりません。したがって、通常の宥恕さるべき社会経済情勢の変化の範囲内で行われることになろうかと思います。
 その場合に、公団賃貸住宅の際にもいろいろと議論があるわけでございますが、一般に過去におきまして適切に値上げが行われておりますれば、例えばこの前の家賃改定の時点から現在に至る間の社会経済情勢の変化分に応じて、こうなろうかと思いますけれども、実際は、先ほど申しましたような公共賃貸住宅相互間のアンバランス等を考えますと、それ以上になる可能性も十分ございます。したがいまして、借家法の規制の中ではもちろんございますけれども、ある程度の率になろうかと思います。
 過去のいろいろな事例を見ますと、公社の五十七年の改正の際には平均的に三三%の値上げたったと聞いておりますし、公営住宅の五十四年の改正でも三十数%、公団は五十三年に大改正をやっておりますが、この以後五十八年にも二十数%の値上げをやっております。それ以後六十年代に入りましての値上げはいずれも一〇%台ということでございます。したがいまして、過去の値上げのおくれという表現はなんでございますけれども、アンバランスを回復するスピードというものは次第に減ってきているかと思います。
 そういうことで、こういった過去の値上げの状況を勘案をし、今回の限度額の引き上げによりまして、その範囲内にあることはもちろんでございますが、この大幅値上げという御心配に対しましては、そういう過去の値上げの状況を参考にしながら激変緩和措置をよく考えて値上げをしなさいというような指導をいたしたい、かように考えております。それからもちろん、先ほど来申しておりますように値上げ分は極力修繕費や環境整備費、そういったものに使いなさいということもあろうかと思います。
 この値上げの時期でございますけれども、限度額を上げたからすぐということにはもちろんならないわけでございまして、今までの各公社の事業経営の状況、それから居住者との間の関係で三年を基準としてやっている例が非常に多うございますが、居住者との間にいろいろな話し合いが持たれておりまして、過去の経緯もございます。したがって、この限度額で制度改正が行われましてもすぐ家賃改正になるということではなかろうというふうに考えております。
#143
○小林委員 時間がなくなりましたから、今の件、家賃の大幅な引き上げになることのないように十分考慮していただくと同時に、家賃の増収分の使途については修繕費に充当すべきだ、こういう前提をしっかりと守っていただいて、同時に地方の住宅供給公社に対しても正確な意味で指導していく、こういう受けとめをいたしますので、正確に作業していただくことをお願いをしておきたいと思います。
 最後に一点、大臣、私は冒頭で本法案の抜本的な見直しが必要ではないのかということを申し上げたのです。これは、提案をされるに当たって各資料に目を通すにつけても、いわゆる通常貸付額と特別割増貸付額、こういった比率を見ますると、通常貸付額の約五〇%に近い割り増し、こういう形態になっているわけですね。これは利率が一緒ならばともかくとして、少なくとも何回か修正をしてきたんだと思いますけれども、建設費そのものが値上がりをしている、あるいは土地費そのものが高くなっている、こういうことを考えると通常貸付の五〇%もの割り増しをつけて、なおこの範囲というのは通常市中銀行からは借り得ない金額だから公庫から融資をしていただく、こういう形態になっていることを考える場合、これはもう少し前向きに検討する必要があるのではないかという認識を持ったから、そのような質問を申し上げたわけです。大臣の所見を伺って質問を終わりたいと思います。
#144
○小此木国務大臣 同じ住宅を建てるのでございますから、通常貸付の率でそのまますべてを貸すということが、ある意味において理想でございましょう。しかし、特別貸付で貸し付けられてもなおかつそのように率が高いということは、ある意味において国家が豆かになったという証拠ではないかと思うのです。よりよいものを建てたいという願望が多い証拠ではないかと思うのです。しかし、多い証拠だからといって我々は通常貸付と同じような貸し付けというものを行えるように努力しなければならない、私はそう考えます。
#145
○小林委員 終わります。
#146
○野呂田委員長 古川雅司君。
#147
○古川委員 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に関しまして若干の質問をいたします。
 内需の振興を図るために住宅の建設をしていく、それを積極的に進めるためにこの法律は非常に大事な法律であると思いますし、また国民の住宅取得の促進をし良質なストックの形成を図るためには、今回の改正も必要であるとまず考えております。ただ今日、地価の高騰等によりまして住宅問題が非常に深刻化をしてまいりまして幾つかの問題が指摘をされているわけでございますが、そういう観点から順次お伺いを進めてまいりたいと思います。
 最初に、四月一日から消費税が導入をされるわけでございます。この消費税導入に関して国会審議が行われる段階で私どもも議場の中で強く反対をしてまいりましたが、強い国民の反対の中でいよいよ実施という段階に入ったわけでございます。この住宅問題に関しましては先ほどから幾つか触れられておりますけれども、公社公団の家賃への転嫁という問題がございました。これは早い時点から大臣もこの点についてはお認めになってきたわけでございますが、まず消費税の家賃への転嫁ということについて、その経緯について御説明をいただきたいと思います。
#148
○伊藤(茂)政府委員 消費税の転嫁の経緯でございますが、これは税制抜本改正に伴いまして消費税法が成立をし四月から施行でございますので、私どもは円滑に転嫁をするという立場で関係の団体を指導してきております。
 特に家賃関係で申し上げますと、公団住宅につきましては四月一日から転嫁をいたすべく家賃変更の申請を公団が出しまして大臣承認をいたしてございます。四月一日から三%の転嫁が行われます。公営住宅につきましても、先ほど来申しておりますような家賃限度額方式でございますが、その限度額に消費税を加算いたしまして円滑に転嫁をするように通達を出して指導をいたしております。しかしながらその際に、通達の中で公営住宅につきましては公営住宅法に基づいて低額所得者向けの住宅を供給するのであるから、政策家賃決定の際にはそういう公営住宅法の目的に照らして沿う形でやらなければならない、こういうことでございます。したがって、政策家賃減額後の形で消費税が乗っかる、こういう形になろうかと存じます。
 公営住宅につきましてはそういうことで四月一日の円滑な転嫁をお願いしたわけでございますが、私どもが得ています情報ですと、都道府県及び政令市全体で五十七ございますが、その中で三十一団体が四月一日に家賃改定をする、それ以外の団体につきましてはできるだけ早い時期、つまり若干おくれるけれども消費税の転嫁は行う、こういうふうに聞いております。
 公社賃貸住宅でございますが、四十団体ございます。これは全数でございますが、そのうちの三十団体が四月一日に家賃改定を行う予定でございます。それ以外の十団体につきましてはいずれ適切な時期に転嫁をする、こういう報告を受けております。
#149
○古川委員 円滑な転嫁という表現をしていらっしゃるわけでございますが、この転嫁をめぐって今、殊に地方自治体は大変な混乱状態に陥ってきているわけでございます。さらに、消費税が実施されたといたしましても、その廃止を求める声がこれまた日に日に高まっておりまして、これは、かつての取引高税が実施をされながら一年数カ月にして廃止に追い込まれた、あるいはまたグリーンカードが法律が成立をいたしまして実施の準備を進めながら廃止をされたという経緯もございまして、そういう同じ運命をたどることを大きく期待している向きも強いわけでございます。円滑な転嫁と言う以上に、特に自治体等では公共企業体等においてその経営努力に対して、営業努力に対して非常に重点を置いているわけでございまして、住民への負担が少しでも軽くなるように、消費税のこの負担が重くのしかからないようにという配慮に努めているわけでございますが、この家賃に関しては円滑な転嫁ということを急ぐ余り、余りにも早々と転嫁を決めてしまったのではないかという感じがするわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
 例えば、公団につきましては、その経営のあり方が果たしてこれでいいのか、これ以上経営努力の必要はないのか。かつて所有の遊休地あるいは空き家等この利子負担も膨大なものがございました。そういった実態をどのように今掌握されていて、このことに対する指導あるいは検討をなさったのかどうか。スムーズな転嫁、円滑な転嫁ということではなく、むしろ転嫁を先送りするというようなことをまずお考えにならなかったのか。その辺のお考えをお示しいただきたいと思います。
#150
○伊藤(茂)政府委員 公団住宅供給事業の経営状況でございますが、家賃の値上げというのは公団の場合今まで五年ごとに行ってまいりまして、昨年十月に値上げをした際に今後は三年ごと、こう申し上げておりますが、そういう家賃値上げをする時点で当然にその時点での賃貸住宅全体としての経営状況を十分審査をいたしまして、住宅ストックの維持管理を十分にするために、これからも続けていくために、どのくらいの家賃の値上げが必要か、あるいは公団賃貸住宅の場合には新規の供給の家賃もその財源といたしまして値下げに使ってございますが、そういうことで、将来に向かってどのくらいこれが経営状況にプラスになるかというようなことで、全体の経営の合理化に努めながら家賃の水準はこの際どのぐらいにするかという検討をやってございます。したがいまして、今後は三年ごとにそういう検討をいたす時期が参るわけでございます。
 今回の消費税に関して申し上げますれば、これは、事公団に関しましては取っております家賃に当然にかかってまいりまして、当然に国に納める、こういうことでございますので、例えば家賃値上げをしなくても国の方からは当然に消費税分は納税をしなければならない。納税義務者になるわけでございます。そこで、単純に家賃収入に三%上乗せをしその分だけ正確に国に納める、こういうことに処理をしたわけでございます。
#151
○古川委員 最後に局長が言われた部分につきましては、消費税を国に納めなければならない、だからその分を家賃の中で徴収をするのだ、まことに理屈なのでありますが、今自治体で大変な騒ぎになっているのも全く同じ形でございまして、その中で、なおかついろいろな努力をしながら、いろいろな知恵を絞りながら、何とか転嫁という、負担を軽くしようということを進めているわけでございます。
 大臣にこの点について伺っておきますが、この消費税の転嫁という問題、本来ならば先送りしてでも、あるいは転嫁はしないというような決断をしてでも、この家賃の値上げというところへ行く前に経営努力の方に力を入れるべきであるというふうにはお考えになりませんでしたでしょうか。
#152
○小此木国務大臣 これは手続的に申しましても、昨年の十二月二十四日に議決、十二月三十日に公布、本年の四月一日実施ということになりますと、早く準備しておかなければこれを円滑に適用することはできなかったわけでございます。したがって、いろいろな準備を建設省においても行ったわけでございます。
 また、これは言うまでもないことでございますが、消費税というものは税制改革の一環として創設されたものでございまして、他の方の一環である減税の方は既に一月一日から実施いたしておるわけでございます。もう一月、二月、三月と行われているわけでございます。したがって、こちらの一環である消費税というものも行わなければならないわけでございまして、そこに四月一日から適正な転嫁を行うという方針は私どもでは撤回する意思は持てないわけでございます。その点を御了解願いたいと存じます。
#153
○古川委員 四月一日から消費税がいよいよ実施をされるということでございますが、一方では国民の皆さんの中で、たとえ実施されたとしても早い時期にこれを廃止してほしい、廃止したいという声が日々に高まっております。大臣も当然お耳に達していると思いますけれども、閣僚の一人としてこうした傾向についてどうお考えでございますか。
#154
○小此木国務大臣 ただいまも申し上げましたとおり、既にもう四月一日実施ということで前の方の手続がすべて行われているわけでございまして、今仮に委員のおっしゃるようなことになりますれば別な意味で大混乱を来すのではないかと私は考えます。
#155
○古川委員 消費税導入の問題についてはさらに今後大きな議論が巻き起こっていくと思います。そのときに譲りまして、法案の内容について次からお伺いを進めてまいりたいと思います。
 国民の住宅取得の促進をし良質な住宅ストックの形成を図っていく、これは非常に大事なことなのでありますが、先ほどもございましたとおり、住宅着工戸数が六十三年度で百六十八万戸と見込まれております。非常に高水準を示しているわけでございますが、若干減少の兆しが出てきているのではないか、今後の動向はどうなのかというのが一つ。
    〔委員長退席、近岡委員長代理着席〕
 さらに、政府の住宅に対する取り組みがどうも持ち家に力点を置いているのではないか。これも当然なのでありますが、しかしこれは、今日の地価の高騰等によりましてかなり事情が変化をしてきております。そういう中ではこの考え方についてある程度チェックをする必要があるのではないか。現況ではやはり民間あるいは公社公団の賃貸の住宅あるいは公営住宅ということをもっと強力に促進すべきではないか。そういった点の状況把握、また現状はどうなっているのでありましょうか。
#156
○伊藤(茂)政府委員 まず着工の見込みでございますが、御説のとおり、六十三年は暦年で百六十八万戸でございます。年度も百六十五万戸ベースになろうかと思います。
 今後の見通しでございますが、平成元年度につきましては、持ち家分譲系といいますか、そういういわゆる持ち家系を中心に住宅需要は依然として堅調であろう。ただ、貸し家系につきましては民間賃貸住宅、民間の賃貸住宅を中心にいたしまして既に六十二年度にピークを打ってございますので、小規模の賃貸住宅を中心に供給過剰ぎみな段階に入ってございますので、これはさらに減少をしていくだろう。したがって、平成元年度は百五十万戸台というのが見込めるのではなかろうか、かように考えております。
 その際に、特に持ち家系でございますけれども、消費税が平成元年度からかかりますので若干前倒しぎみにその需要があらわれるということも考えられますので、今申しました戸数の状況が少し六十三年度の数字が上がる形、あるいは平成元年度も前半の方に偏る形で出てくる可能性があろうかと思います。
 先生あと御懸念の点は、したがって全体の着工戸数が落ちた場合に、内需の大きな柱として施策が講じられておる住宅についてもう少し考え方を変えて、大都市圏での住宅需要というものが十分に発現するような形で持ち家中心から貸し家の方に移せないか、こういうお説かと存じます。私どもも大都市圏を中心としまして一般の勤労者、特にこれから子供がだんだんと成長していく段階の人たちというのは、今までの住宅の住みかえ状況を見ますと、社宅でありますとか公団住宅でありますとか、そういうところから、マンションを買ったりあるいは郊外の二月建てを買って出ていく、住みかえる、こういう方が非常に多うございます。過去五カ年間の五十三年から五十八年までの動向を見ましても、そういう方々が一都三県で六十万世帯ぐらいございます。今般の地価高騰によりまして、一戸建てばもちろん、マンション価格も非常に高騰をしてきておりますので、通勤距離が次第に延びつつある中でそういった持ち家への住みかえというものが非常に難しくなってきていることは十分承知をいたしております。
 したがいまして、私どもも先ほど来世帯向け賃貸住宅というような言葉を申してございますが、四、五人向けの標準的な世帯向けの賃貸住宅の供給というものがこれから最も重要になるだろうと思いますし、住宅対策上も、先ほど申しましたような、現在は借家に住んでいて従来であれば持ち家に住みかえた方々の居住水準というのが、子供が大きくなる過程で居住水準が非常に下がるわけでございまして、借家世帯に居住水準の悪い方方、最低居住水準というような言葉を私ども申しておりますけれども、五カ年計画上の最低居住水準未満の世帯が非常に多いということがございます。したがって、現在あります公共賃貸住宅のストックの状況というのは非常に低うございますので、まず現在あります公共賃貸住宅、特に古いストックを中心にしまして建てかえをするというようなことが非常に重要になろうかと思います。これが一点。これは最低居住水準をその場で消せるわけでございまして、非常に大きな効果がございます。
 それと同時に、木賃アパートでありますとか、既成市街地の中、近郊地帯に残っております低利用の土地に、できるだけ民間の賃貸住宅の建てかえでありますとか、新しい賃貸住宅の建設、こういうものを進めなければならないだろうと考えております。
 そこで、先ほど来申しておりますような公庫の土地担保賃貸住宅を中心とします民間に対する、施策民賃と言っておりますが、民間に対する賃貸住宅の援助施策というものを強化する必要があるだろうということで考えております。
 平成元年度の予算でも、公営住宅につきましては四万八千、公団は九千五百ということで五カ年計画ベースを守った戸数になっておりますが、地方住宅供給公社におきましても地域特別賃貸住宅B型、これは地主さんが建てた賃貸住宅に家賃補助をするというものでございますが、そういうことをやりまして、施策民賃を中心に施策を強化したい。
 今回、この公庫法の改正の提案にもございますように、小規模賃貸、小規模敷地の活用型の賃貸住宅というようなものも掲げて、大都市対策として民間の地主さんに賃貸住宅の供給をいろいろとお願いしたいということで考えております。
#157
○古川委員 確かに、先ほど申し上げましたとおり持ち家の取得については非常に困難な状況というのが重なってきているわけでございます。これは先々という問題じゃなくて早急に、今御答弁にるる申されましたけれども、民間また公営を含めて賃貸住宅の確保、増設というものを進めていっていただきたい。
 そこで、本法案の問題点の部分でございますが、特別割増貸付制度の適用期限の延長というのが今回目切れ法案ということになったわけでございます。この特別割増貸付部分の利用状況でございますが、これはいかがなものでありましょうか。
 そしてまた、先ほどもこれはちょっとお尋ねがあったと思いますけれども、御答弁がはっきりしませんでした。いわゆる内需拡大ということを必要とする措置として行われているわけでございますけれども、効果というのはどのようにあらわれてきているのか、きちんと表明できるものかどうか。これは、時間がございませんので続けてまとめてお伺いをいたしますけれども、むしろ本来の貸付額の増額を図るという形で対応すべきではないかという意見もあるわけでございます。こういった点を含めて問題点がいろいろ指摘をされております。
 殊に通常部分の四・四%という金利、それから特別割増貸付部分の金利の四・九五%、これを同じ金利にすべきであるというのは、非常に乱暴な言い方かもしれませんけれども、むしろこの効果を考えればそうあるべきではないかということも考えるわけでございますが、この点についてもつけ加えて見解を示していただきたいと思います。
#158
○伊藤(茂)政府委員 まず、特別割増貸付の利用状況でございます。
 本制度は、御案内のとおり昭和六十年十一月から実施をいたしております。当初は、例えば個人住宅の建設でございますが、平均利用額が百六十七万程度でございまして、五〇%だったわけでございますが、毎年のように制度改善をいたしましてこの額が上がってまいりまして、六十三年度十一月末現在の実績でございますが、平均利用額が三百七十二万、利用率が七八%ということでございます。マンション購入なんかで見ますと、九割近い方がこういうものを利用されているという状況にございます。したがって、四・九五でも相当好評だ、こういうことでございます。しかも内需拡大に際してこういう措置がとられて大いに利用していただいたということは、私ども非常に満足に思っておるわけでございます。
 ところで、これによって内需拡大の効果があったか、こういうお話でございます。なぜ皆さんがこの特別割増貸付を利用したかと申しますと、やはり民間でお借りするお金よりも金利が安いということで、まず基準金利の四・四%のものを確保しまして、その次に民間のお金よりもこの公庫の特別割増貸付を利用されるということであったのではなかろうかと思うわけです。
 そうしますと、例えばマンション購入で今現在最高八百万でございますが、八百万円を民間の六・六%で借りた場合と、この特別割増貸付で四・九五%で借りた場合と比較してまいりますと、年間に償還額が約二十万円違います。したがって、その二十万円負担が低いということが効果をあらわす最大のものではないか、こう思います。
 したがって、その安いものをどういうふうに実際に皆さんが使ったか、こういうことなんでございますけれども、実際には民間のお金をより安いお金にかえますと、それだけ借金が多額、より増額してできる、こういうふうな計算もできるわけですけれども、そこのところは、みんなそれじゃ借金を余計してくれてそれだけ大きいものを建ててくれたかというと、なかなかそうも言えませんのであれでございますが、マクロ的に金利の軽減効果がございますので、その金利の軽減効果がどのくらい住宅建設に波及をするか。これはマクロ的な経済計算式がございますので、そういうものを使ってやってみますと、金利にしまして〇・三九%下げたくらいの効果だ、こういうことでございます。単純な計算でいきますと二万戸くらい建設がふえるということになろうかと思いますが、これは非常にマクロの計算でございますので、どのくらい当たっているかというのはなかなか難しゅうございますが、そういう計算もあるということでございます。
 最後の御主張で、本来の基準金利の四・四にすべきではないか、こういうお話でございます。私どもも、公庫の場合には建設費の八割ないし八割五分お貸しするというのが建前でございますので、本来であれば基準金利の四・四%で、それ目いっぱい貸せる状況に置くのが一番よろしゅうございますけれども、長年の財政難の中でそういう目的は達しておりません。そこで、その内需拡大策の一環としてやむを得ず特別割増貸付というものを制度を付加したというような事情にございます。したがいまして、基本的な考え方は、通常金利口の限度額をふやして公庫法に言っているような融資率になるように努力をするというのが私どもの本来の達すべき方向ではないかというふうに考えております。
 平成元年度、非常に苦しい財政事情の中で、非常に額は小そうございましたけれども、住宅建設費につきましては三十万プラスをし、それから土地費の入った購入経費につきましては八十万プラスをして、本来の基準額の限度額も上げておりますが、こういう努力をささやかでございますが毎年毎年続けたい、かように考えておる次第でございます。
#159
○古川委員 そうしますと、最後に申し上げた特別割増貸付部分の四・九五、それから通常貸付部分の四・四、この格差の〇・五五%ですね、これはなくしてしまうとか縮めてしまうという方向は今後出ませんでしょうか。非常に強い要望が出てきているわけでございますが、今の御説明ではもうちょっと足りないと思うのですが。
#160
○伊藤(茂)政府委員 私ども、非常に悩んでおるという表現がちょっといいかどうかわかりませんが問題だと思っておりますのは、御案内のとおり、非常な財政難の中で公庫の利子補給金を毎年いただける状況にありません状況が続いたものですから、今現在、特別損失金というのが約六千億の累積額になっております。財政再建成った暁には、この特別損失金の処理をどうするかという大きな問題を抱えております。そういう中で、特別割増貸付制度というのは、そういう財政難の中で何とかして住宅を取得する人たちの負担を軽減できないか、公庫融資をもっと活用できないかということで、財政上の問題と、それから住宅対策上の要請と非常に調和をさせた制度に今なっております。
 そこで、先生御提案のとおり一挙に四・九五を四・四にいたしますと、今の平年度予算で予定しております戸数からいたしますと、平年度で五十八億円、利子補給金が余計要る、こういう状況になります。そこで、そういうものを十年間続けたとしますと十年後に、これは段階金利と申しまして十年後には四・四でなくて、財投金利が上がりますので、したがって十年分積算をすれば本来どのくらい利子補給金が要るかということがわかるわけでございますが、五百八十億円の補給金増になる。片一方で特別損失金が六千億あって、こういう利子補給をどうやって賄うかという話があるわけでございます。したがいまして、財政再建が成ります暁におきまして、この特別損失金問題と同時に、やはり特別貸付についても見直す時期が来るというふうに考えております。
#161
○古川委員 次に移ります。
 土地の所有者が一括借り上げ者にどういう条件でもって賃貸住宅の貸し付けを行うことになるのか。この一括借り上げ方式でございますけれども、一番心配なのは入居者の保護が果たして図られていくのかどうかという問題、それに対してどう指導していかれるのか。これは民間においても普及をしていっているわけでございますが、その実情あるいは将来の見通しということについて御存じであればお示しをいただきたいと思います。
#162
○伊藤(茂)政府委員 今御質問の一括借り上げ方式でございますが、これは現在公庫が行っております土地担保賃貸住宅といったような賃貸住宅融資を使いまして、もっと世帯向けと申しますか、規模のより広い賃貸住宅を地主さんに供給してもらうということを促進したいという見地から考えたものでございます。
 そこで、その場合に地主さんが安心をして賃貸住宅を経営する状況を生み出せば土地所有者の方も広い住宅を建設するということであろうかと思うわけでございます。そこで、その土地所有者が安心する状況というのはどういう状況かということでございますが、細々とした賃貸住宅の管理の中身をだれかがやってくれるということであれば、しかも地主さんとして相当の適正な利潤が確実に入ってくる、こういう状況になりますれば、地主さんは、それでは私の土地を活用して広い賃貸住宅、一般世帯向けの賃貸住宅を建てる気になるのではないか、こういうことでございます。
    〔近岡委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、民間のいろんな実態を調べてみましたら、先ほどもちょっと申し上げましたが、六十三年の貸し家経営実態調査では、一括賃貸という形で地主さんが専門の業者に賃貸住宅を貸して経営を任せているというものが一〇%あった、宅建業者等に賃貸住宅の管理の一部を委託をするあるいは全部を委託をする、こういうものが八四%あったということで、一般的な形としては委託形式が多うございますけれども、一括賃貸という形も一〇%あったということでございます。私どもが今、先ほど申しましたように、これから地主さんに広い、戸当たり規模の大きな賃貸住宅を建てていただくためには、やはりその賃貸経営にかかわるいろんなノーハウをよく知っている専門の業者に賃貸住宅の管理をやっていただけるという形にした方が地主さんも建てやすいんではないか、こういうことも考えますので、この一〇%というシェアはこれからは非常に大きくなるのではないかと思うわけでございます。
 そこで、公庫融資の対象としてそういうシステムで賃貸住宅を建てる場合にもお貸しをしましょう、こうなるわけでございますが、その際に、私どもも先生と同様でございますけれども一番問題点と申しますか心配なのは、公庫でいろいろと公庫法上入居者に対します保護規定があるわけでございますけれども、これが守られるかどうか、専門の業者が入ったことによって家賃なんかもいろいろと上げられるのではないか、こういうことがあろうかと思うわけでございます。
 そこで、どういうふうな法制度の仕組みにするかということで検討いたしました。その中身を申し上げますと、土地所有者と一括借り上げ者との間の契約がございます。それから一括借り上げ者とそれから借家人との間にもちろん通常の賃貸借契約がございます。ですから、そういう二段階になっているわけでございますが、この二段階の契約はいずれも私人間の契約という、契約の性格はそういうものだと思います。したがいまして、入居者の保護等に必要な範囲内で公庫法上措置するということになろうかと思います。かなめのところをやる。
 そのためにどういうことをやるかといいますと、賃貸住宅所有者と一括借り上げ者との間の契約の中に、一括借り上げ者が公募によって必ず入居者を募集をしなさい、家賃限度額の規制を遵守して入居者に賃貸住宅を貸しなさい、それから賃貸住宅所有者と一括借り上げ者との間の契約が終了する場合、これは必ず契約ですから期間がございますが、終了した場合には、必ずもとの地主さん、賃貸住宅所有者と借家人との契約に、直接関係に間がなくなって戻るということでございますが、そういうポイントはきちっと制度上定めてまいりたい。
 それから、あともう一つ大きい問題は、賃貸住宅のストックというものが経済耐用年数間に十分に管理される必要があるわけでございますが、そのために必要な事項、つまり修繕をどういうふうに一括借り上げ者が自分で負担をする、あるいはもとの貸し家の所有者がどの部分を負担をするというようなことをきちっと決めていかなければいかぬわけでございますが、それをそれぞれの契約の中で明確にしておくということも重要であろうかと思います。そういうことで、モデル契約書等を通じまして、そういう中身が確実に守られる形にいたしたいというふうに考えております。
#163
○古川委員 いずれにいたしましても、この住宅の取得あるいは良質な住宅ストックの形成ということは非常に大事でありますし、それ以上にまた入居者の保護という問題、これは非常に大事な問題であると思います。
 同じくそういった点で、先ほども非常に大きな問題になっておりました公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額の算定に当たって地代相当額を参酌するという、この公庫融資に係る公社賃貸住宅の家賃限度額の改正の問題でございますが、これはここ数日来、これを改正すべきではないというたくさんのはがきあるいは陳情が寄せられております。先ほども御質問がございましたけれども、局長の方では、家賃にはさしあたって直ちに波及はしないであろうというふうにおっしゃっておりました。これはもう一度確認をしておきたいと思います。
 さらに、増収分について修繕費等に充てるようにしていく、そうあるべきだということなのか、あるいは極力徹底してそうした修繕費等あるいは改良等に充てるように指導をしていく、そのとおりにしていくということであるのか、その辺をひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
#164
○伊藤(茂)政府委員 今回の法案の中の家賃限度額の算定の仕方を変える点につきましては、先ほど申し上げましたように、一つには公営住宅でありますとか公団住宅でありますとか、そういった公共主体が経営します賃貸住宅の家賃体系というものを同じ考え方に立ったものにしたいというのが一点ございます。そういうことを通じまして、公営住宅の同じ管理主体であります、例えば東京都の公営住宅相互間はもちろんのこと、東京都の公社によります賃貸住宅の公社住宅の相互間、それから公団と公営住宅と公社住宅それぞれが政策目的に合った家賃体系になっていくことが担保されるということであろうかと思います。そういうことで、ぜひとも限度額の算定方式を公営や公団住宅の家賃算定方式と同じような形のものにいたしたいというのが第一点でございます。
 それから第二点目は、何といいましても今の公社賃貸住宅の家賃限度額の算定方式でまいりますと、各公社自体が自分の持っております住宅を十分に管理するだけの修繕費あるいは環境の改善費といいますか、そういったものがなかなか生み出せない状況にございます。言うなれば天井が低くて頭を打っているということであろうかと思います。したがいまして、そういうことでは本来のストックの維持管理ができないということになりますので、これは貴重な公共賃貸住宅ストックでありますから、そういう状況に陥らない形で経営基盤をしっかりさせる必要があるという公社側の具体的な事情もございます。そういうことで、ぜひともこの限度額方式の改定につきましてお願いをしたいわけでございます。
 いまお申し越しの、本当にその家賃を上げる場合にすぐ上げないんだな、こういうお話が一点ございました。これはあくまでも限度額でございますので、制度が変わりますれば、個々の公社でその上げるべきかどうかの判断をするわけでございますが、これは多くの公社で三年ごとに家賃改定という家賃の見直しというものをやります。五十六年の先ほどもお話ししました答申が出たときに住宅局の方でそういう指導を行っておりますので、三年をめどに見直しが行われます。この見直しというのは、その公社の経営状況、これは合理化の問題ももちろん入っておると思いますが、そういうことを踏まえて、経営状況を踏まえて今後の、現状の家賃ではどうだろうかということを吟床をするわけでございます。その結果上げる必要があれば上げる、こういうことになるわけでございます。
 その上げる場合には、これも五十六年の答申でそれ以後指導しておりますことでございますけれども、やはり住民との関係というのは非常に重要でございます。したがいまして、この家賃の値上げが借家法に基づくこともこれあり、住民との話し合いというものをしっかり持つ必要があるということで指導しておりますこともありまして、各公団では非常にその点は、その後制度改善などをいたしておるようでございます。審議会でありますとか協議会でありますとかそういうものをつくって、住民代表も入れて日常的に経営問題を話をしていくという場があるようでございます。そういう中で、今度はこういうことをやりたいから家賃を値上げをしたいというような話になっていくのが通常であろうかと思います。
 したがいまして、この限度額が策定されました後に通常の家賃の見直しが行われる、経営の見直しが行われまして、それで家賃の値上げの必要があれば、そういう協議会とか審議会に諮って話し合いが行われ、最終的には知事の認可を経て改定が行われる、こういうことになろうかと思います。したがって、そのタイミングというのは、個個の公社で事情がそれぞれ違いますものですから、どの公社はいっということはとても私どもはわかりませんし、今すぐこれを行えばすぐ行われるところはないようでございますけれども、今後徐々に出てくるということになろうかと思います。
 それから、この使い道でございますが、五十六年の答申、五十七年の法改正後におきましても、当建設委員会でのいろいろな先生方の御意見あるいは附帯決議なんかもございまして、それを踏まえて、値上げした分は極力維持修繕費に使いなさい、こういうことで指導いたしております。その結果がどうなっているかということは、それぞれの公社の財務諸表等をよく見てチェックをし、ほぼ指導どおり行われているというふうに聞いております。したがいまして、今回のこの改正に基づきます指導におきましても、その点は、必ず維持修繕費あるいは環境整備費に使うように、極力そういうものに使いなさいという指導を十分徹底してまいりたいというふうに考えております。
#165
○古川委員 時間が参りました。今回のこの改正の趣旨がより徹底して行われるように心から希望いたしまして、私の質問を終わります。
#166
○野呂田委員長 西村章三君。
#167
○西村委員 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきましては、けさほど来、いろいろと多くの問題点を抱えておりまして、質問が出ております。私は、できるだけ重複を避けたいと思いますが、重要な問題についてはオーバーラップをすることもございますので、あらかじめ御了解をいただきたいと思います。
 まず最初に特別割増貸付制度の適用期限の延長に関しまして、この特別割増貸付制度の効果といいますか、住宅の質の向上、例えば居住水準の向上あるいは良質ストックの形成、こういった問題にどの程度寄与したと見られておりますか。六十年十一月以降今日まで既に三年有余が経過をいたしておるわけでございますが、住宅の質の向上への寄与度といいますか、これについて伺いたいと思います。
#168
○伊藤(茂)政府委員 先ほども御議論が出たところでございます。特別割増貸付額に相当する効果というのはなかなかはじけないわけでございます。したがって、先ほど申しましたのは、例えば八百万円というマンションの場合の最高額があるわけでございますが、その八百万円を六・六%で借りるのと四・九五%で借りるのと年間のローンの償還費が違うわけでございますが、その額が大体二十万円ということでございます。したがって、その二十万円負担が低いということがどういう結果をもたらすか、こういう話になるものですから、なかなかそこのところは効果の測定というのは難しかろうと思います。公庫融資というのは特別割増貸付だけではなくて本来の通常貸付枠もあるわけでございまして、全体として効果を発現しているだろうと思います。
 そこで六十年当時、これは公庫の個人住宅建設資金貸し付けということですから、土地を持っている人が自分の持ち家を建てるということでお金を借りるケースが多うございますが、それでいきますと、六十年度の平均の床面積が百十二・七平米、六十三年度が百三十一・四平米ということでございまして、その間に十八・七平米平均面積がふえているわけでございます。これは、今言いましたように特別割増貸付分だけではなくて公庫融資全体の効果でございますので、ここのところは抽出するわけにはまいらぬわけでございますが、そういう数字もございます。
 それから、先生おっしゃいました居住水準上どうかということで、これも実績調査の中に出てくる数字でございますが、六十三年度について見ますと、公庫融資を利用した方の従前の居住水準とそれから利用後の居住水準とを比較してまいりますと、利用前はいわゆる最低居住水準未満の方が一九%ほどありまして、それから最低居住水準は超えているけれども誘導居住水準よりは下だという方が六五%あったわけでございますが、この方方が公庫融資を利用したことによって新しい住宅に入居された段階では最低未満はゼロ、それから今言いました六五%の誘導居住水準と最低居住水準の間の方々は四四・四%に減りまして、誘導居住水準以上に向上した方々が五六%、つまり半数以上の方が誘導居住水準以上になるということでございますので、言うなれば誘導居住水準の目標はこれで完全に達することになる、半数以上の方が誘導居住水準に達する、こういう本来の五カ年計画の目標を満たすような形で住居を持たれているということでございますので、これは特割の効果ということではちょっと申し上げられませんが、相伴った全体の効果としてそういうふうな数字になっている次第でございます。
#169
○西村委員 特別割増貸付制度の効果そのものの数字的な計算というのは非常に難しいと思うのですが、ただいま御答弁ございましたように全体的に居住水準の向上に寄与しておる、とりわけ最低居住水準あるいは誘導居住水準の達成率に寄与しておるということ、これは言えると思います。
 そこで、この制度の本来の目的は、内需中心の景気の持続的拡大、あるいはいわゆるオイルショックに伴う住宅取得能力の低下を招かないようにということがこの本旨であったわけでございます。今日までの利用状況ではその辺のところが明確に出ておりまして、それなりの効果を上げておることにつきましては私どもも大いに敬意を表するものでございます。
 ただ問題は、まだまだ利用者の負担の軽減という問題につきましては改善の余地があるわけでございまして、例えば現行の割増貸付の金利は四・九五%、これは財投金利のプラス〇・一%、こういうことになっておるわけでございますが、今後金利の見直しを講じてもよいのではないか。例えば基準金利の四・四%並みにするとか、あるいは財投金利並みにするということが考えられるのでありますのが、この点についてはいかがでございましょうか。
#170
○伊藤(茂)政府委員 特別割増貸付、先ほど申しましたような負担の軽減効果があるわけでございますが、お説のように当然これは金利を下げればますますその効果は大きいということはあろうかと思います。先ほどの答弁でもちょっと申し上げたのですけれども、私どもも本来の公庫法の建前からしますれば融資率いっぱいこの通常貸付が本当に役立つような形で国民に使っていただけるという状況が理想だと思います。ただ、何分にも特別損失金が六千億近くございまして、先ほど申しましたように特別割増貸付を基準金利口に引き戻しますと、平年度で五十八億、十年間これがたまってまいりますと五百八十億というような新しい利子補給増の要因になるわけでございますので、国の財政再建が成りまして財政事情がよくなるという見通しが立つ、あるいは本当に財政事情がよくなった時点でこの特別損失金をどうやって片をつけるかということがまず大事だろうと思います。その次に特別割増貸付というのはどういうふうにすべきだ、こういう議論になろうかと思いますので、もう少し時間がかかるのではないかと思います。
 それで、非常に効果が大きい一つの理由は、マンション購入の場合に八百万円と申し上げましたが、額が大きいということがあるわけでございます。したがって、金利を下げる場合にはこの八百万円をそのまま四・九五から四・四に持っていくということは財政的にはいずれにしても非常に無理だろうと思いますし、規模と金利というのは相関関係が非常に強かろうと思いますので、八百万円をそのまま基準金利に向けてある程度下げていくということは財政事情が緩和された暁にもなかなか難しかろう、かように感ずる次第でございます。
#171
○西村委員 基準金利あるいは割増金利の引き下げが難しいということである場合に、この割増貸付の金額、今マンションで八百万円ということでございます。個人住宅の場合は三百五十万円でございますが、これだけの利用があるということは需要が大きいということでございまして、この金額をふやすことについて、将来そのような方向に持っていこうという意思があるのかどうか、その辺はどうでしょうか。
#172
○伊藤(茂)政府委員 特別貸付額の規模の考え方でございますが、今現在の制度の仕組み方というのは、本来の基準金利でお貸しするもの、これは八割以内あるいは八割五分以内ということになっているわけでございますが、それで賄い得ない実際の建設費をこの特別貸付で補っていこう、こういう考え方になっております。したがって、公庫がどういう住宅に対して融資をするのか、どういう質のどういう価額のというのがまず一点ございまして、今現在のこの特別割増貸付の規模からまいりますと、大都市圏では公庫が融資をする対象の住宅の価額を上げましたりなんかすれば、まだまだ特別割増貸付の額をふやす可能性は若干あると思いますけれども、地方部では既にそういう考え方からしますともう目いっぱいの状況にございまして、今の制度の考え方の範囲内で増額をするということも正直申し上げまして無理な状況にあるということでございます。したがいまして、これも先ほど申しましたように、制度の抜本的な改善とあわせて考えませんとそこら辺の打開はできないという現在の仕組みになっておるわけでございます。
#173
○西村委員 私がなぜそういうことを申し上げるかといいますと、割増貸付の金額と裏表の関係で、いわゆる通常貸付の限度額、これが低いということの証左であるわけでございます。貸付額の限度は住宅公庫法ではどのようになっておりますか。
#174
○伊藤(茂)政府委員 通常貸付額の限度でございますが、耐火構造の住宅及び簡易耐火構造の住宅にあっては通常住宅建設に必要な費用の八五%、それから木造住宅にあっては八〇%を限度として貸し付けることができるというふうにされております。それで、今現在はどういうことになっているかといいますと、通常分が個人住宅建設資金で申し上げますと全体の建設費の四五%程度を賄うという実績が出ております。具体的な数字としましては、個人住宅建設を申し上げますと、建設費、購入価額の平均値が千八百万で、通常分が八百十五万ということでございます。
#175
○西村委員 特別貸付の方は何割くらいになっておりますか、購入費用は。通常貸付と特別貸付と加えて何%ぐらいになりますか。
#176
○伊藤(茂)政府委員 今の例で申し上げますと、通常分が建設費の四四・九%、特別割増貸付を加えまして、特別割増貸付分が一二・九%で合計五七・八%という状況でございます。
#177
○西村委員 およそそのとおりであろうと思います。
 これは具体的に例示をするわけでございますが、昨年の第一回募集時の実例でございまして、資金の調達状況、ある個人でございます。
 個人住宅の建設資金が、いわゆる建設費と購入価額が一千八百十三万円。そのうちで、公庫の借入金は一千四十九万円で五七・八%。うち通常分が八百十五万円で四四・九%、特別割増分が二百三十四万円で一二・九%、合わせて五七・八%。手持ち金が五百六十四万円で三一・一%。その他の借入金が二百万円、一一・一%ということになっております。
 これはマンションの購入資金も大体似たような比率でございまして、例えば二千六百四十九万円のマンション購入の資金調達の内訳を見てまいりますと、通常貸付が八百五十九万円、三二・四%、特別割増分が五百三十三万円で二〇・一%、合わせて千三百九十二万円で五二・五%。手持ち金が七百七十六万円、二九・三%。その他の借入金四百八十一万円、一八・二%ということで、公庫の借入金はおよそ購入金額の六割程度だ、しかも通常分は四五%。いわゆる法律で規定をされております貸付金額の限度額は、先ほどお話のありましたとおり八五%、耐火構造でないものでも八〇%ということで、非常に大きなギャップがあるわけでございます。
 この現実的なギャップについて建設省としてはどういう認識を持っておられて、今後このギャップを解消するためにどういう方法をおとりになろうとするのか、その御見解を承りたいと思います。
#178
○伊藤(茂)政府委員 先生御指摘のとおり、通常貸付額につきましては毎年度、建築費と土地費の状況を勘案しながら、国民の住宅取得能力の維持向上を図るために引き上げの努力をしてきているところでございます。平成元年度におきましても同様の観点から、建築費につきましては全国一律に三十万円、それから特に土地を持たない勤労者が持ち家を取得する際の、団地住宅でございますけれども、公庫融資つき分譲住宅の実際の貸し付けでございますが、そういうものとか、中古住宅でありますとか、そういうものの購入資金につきましては八十万円ということで引き上げを行ってきております。
 私ども、公庫法の本来の制度の趣旨に沿いましてこの通常貸付額を本来の融資率に近づけたい、こういう努力はこれは公庫発足時からずっとやっておるわけでございますけれども、現在時点では、例えば平成元年度について見ましても、前年度と前々年度との間の物騰でありますとか、そういったものを勘案しての限度額引き上げをやっておりますけれども、なかなか本来の融資率の八割というようなところにはとても手の届かない状況にございます。その間に御案内のとおりの財政事情になりまして、特別損失金なんかも計上せざるを得ない状況になったということでございますので、財政再建が成りまして、さらに国民の住宅取得能力の維持向上を図るためには本来の通常貸付口を上げるべきだ、こういう努力を一層続けなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#179
○西村委員 割増貸付制度は、これは時限立法でございますし、そういう意味では安定性を欠きます。また、金利が通常貸付より高い、必ずしも利用者が満足しているものではない、こういう認識に立ちまして、今後通常貸付分の増額をすることにさらに努力をしていただきたいと思います。
 それから次にもう一点、これは先ほども触れられましたが、大事なことでございますので私も重ねてお伺いをいたします。今度の法改正でいわゆる家賃の限度額に係る規定を変えておられます。いわゆる地代相当額とするということにしておるわけでございますが、この改正によりまして公社住宅の入居者、居住者は不利にならないかという危惧が非常に強い。そういう意味では、家賃の値上げが一定の歯どめをかけられる、あるいは急激な家賃の値上げにはつながらないということの保証が必要であろうと思います。この地代相当額に改正することによって今後家賃の抑制あるいは家賃の高騰を招かないという意味でどのように指導をされるのか、その具体的な指導内容を明らかにしていただきたいと思います。
#180
○伊藤(茂)政府委員 今回の公社賃貸住宅の家賃限度額制度の改善につきましては、私ども先ほど来申し上げておりますように、公共賃貸住宅全体の家賃体系上どうしてもそういう形にしていただきたい、こういうことが一点と、それから公社の経営上維持修繕が十分に賄えないあるいは環境整備費が十分に賄えない、こういうことで経営の基礎をもう少しより安全なものにしたい、こういうのが二点目でございます。さらには、公社賃貸住宅自体の政策的な目的といいますか、役割といいますか、こういうものは今後大都市圏ではさらに大きくなる、こう思いますので、各公社がそういう経営基盤の強化を基礎としまして、さらに公社賃貸住宅の供給に力を出す、こういうことがぜひとも必要だろうと思いますので、今回の家賃限度額はそういう意味合いからぜひともお願いをしたいと存ずるわけでございます。
 それにつけましても、そこにお住まいの方々、特に既存の公社賃貸住宅にお住まいの方々には、自分の生活として家賃が上がる話に将来つながるわけでございますので、不安な点、これは十分理解できるわけでございます。ただ、先ほど来申していますように、家賃の引き上げというのはそれぞれの公社で行うものでございまして、それぞれの都道府県の知事が認可をして、それが発効する、こういうことであります。それで、じかも借家法の適用は当然受けるわけでございますから、家主さんと借家人の通常の話し合いといいますか協議といいますか、そういうものは当然行わなければなりません。協議の仕方は個々の民間の家主、借家人、こういう関係ではなくて、やはり相当数の多い借家人でございますので、その話し合いの仕方は民間の場合と相当違った形になろうかと思いますけれども、性質は同じだ、こういうことでございます。そういうことを踏まえまして、私どもはこの制度を実際に執行します場合には、いろいろな指導をいたしたいと思っております。
 具体の家賃値上げにつきましては、公共賃貸住宅の家賃だというのは、つまり政策家賃ということでございます。したがいまして、これまでの公社とか公団とか公営とか、各事業主体で家賃の引き上げをやってきておりますけれども、そういう実績を参考にする。先ほど申しましたように、五十年代の半ばでは三〇%台の値上げも行われましたが、六十年代に入っては一〇%台の値上げになっております。そういった過去の実績を参考にしながら、大幅な値上げにならないように激変緩和に配慮するということをいたしたいというのが一点でございます。
 それから、家賃の増収分につきましては極力修繕費、環境整備費などに使用するように、これは厳格に指導してまいりたいということでございます。設立団体であります公共団体に対しても同然でございますし、公社に対しても高様の指導をするわけでございますが、具体の家賃の引き上げに際しましては、当然のことながら各公社で今までそこにお住まいの方々との間に過去のいろいろな経緯がございます。したがいまして、家賃審議会というようなことを開いている場合もございますし、協議会というようなこともございますし、いろいろな組織ができておりますが、そういう居住者の意見を徴する場を大いに活用しながら、居住者に対して十分な説明を行って理解を得てやるようにというようなことでやってまいりたいと考えております。
#181
○西村委員 いずれにしましても、居住者にとりましては非常に重要な関心事でございます。適切な指導をぜひお願いをいたしたいと思います。
 最後に大臣にお伺いをいたします。
 公庫が今後国民の期待にこたえるためには、やはり国国、利用者のニーズ、これを的確に把握することだろうと思います。また、民間金融機関でできないことをきめ細かくやるのがいわゆる公庫の持つ持ち味でございます。そういう意味では今後、融資制度あるいは融資条件等について弾力的に運用してもらわなきゃならぬと思いますが、最後に大臣の決意を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#182
○小此木国務大臣 建設省の基本的な考え方は、快適な住居、住みよい住環境の整備ということを常に心がけよということでございまして、西村委員のおっしゃるとおり、絶えず国民のニーズは那辺にあるかということを見詰めつつ、これからの政治と経済の変化に対応していきたいと存じます。
#183
○西村委員 終わります。
#184
○野呂田委員長 辻第一君。
#185
○辻(第)委員 今回提案されている住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案は、特別割増貸付制度の延長などおおむね国民の要求にかなった内容の改正でありますが、ただ一点どうしても認めることのできない改正案が含まれております。それは住宅金融公庫法第三十五条に関する改正であります。公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額算定に当たり、土地取得費償却額にかえて地代に相当する額を参酌するものであるというところであります。
 全国公社自治協連絡会の方から、公社にお入りになっている自治協連絡会の方でございますが、このことにかかわる陳情をいただいたわけでありますが、その陳情書の一部で、「土地の取得費の位、却額に代えて、地代に相当する額を参酌する」こういうことになりますと大変な家賃の値上がりにつながるということであります。「ここ数年の地価高騰による惨状は眼をおおうばかりで、大都市の中心部からの住民の追い出しをまねいています。このような中で、わずかに公社住宅は、その家負算定のあり方から狂乱地価の家賃への反映からまぬがれ、低所得の勤労者も安心して住める家賃がまもられてきました。しかるに、今回の法改訂が行われれば、私たちもまた住めなくなるような高家賃化が眼に見えています。」このように言っておられるわけであります。私もそのとおりだというふうに思うわけであります。私ども後で削除修正案を提案いたすことになるわけでありますが、今お住まいになっている方にとって深刻な問題というふうに受けとめております。
 さて、具体的にお尋ねをいたしますが、法案では、「地代に相当する額」となっておりますが、具体的にどういうことなのか。それから、こういうことになりますと、今後見直しをする、引き上げるというようなことがどのように行われるのか、お尋ねをいたします。
#186
○伊藤(茂)政府委員 今回の公庫法の改正では地代に相当する額を参酌してという形になってございます。今回のこの三十五条の改正で建ちます賃貸住宅というのは、公社賃貸ももちろんその中に入りますけれども、一般の土地担保賃貸といった民間の賃貸住宅も当然この中に入ってまいります。今現在、民間賃貸住宅の方は地代相当額は時価で評価をいたしております。これは公庫法上は必要な費用ということで見るというような解釈をしまして、従来からそういう制度になっておるわけでございます。ところが公社の方は、公社発足以来その地代相当額というものについては計算をしてなかった、こういうことでございます。
 そこで、先ほど申してますように、公共賃貸住宅全体の体系にそぐう形でこの地代相当額を計上することに相なります。そこで公庫法の体系では、地代相当額は時価で考えるという形にしまして、地方住宅供給公社法、これは地方住宅供給公社の事業経営の本法でございますが、そちらの方の運用の中で固定資産税評価を使うという形でやりたい。つまり、公庫法の方はいずれにしましても限度でございますから、その限度の中で具体の地方住宅供給公社法の中で今度は家賃を決定する、その際には固定資産税評価を使いなさい、その場合の限度額は固定資産税評価額を使いなさい、こういう二段構えにいたしたいと考えております。
 この限度額が、制度が成立しました後、実際各公社に任せられるわけでございますが、先ほど来申し上げていますように家賃の値上げにつきましては過去の経緯がございます。各設立団体、これは都道府県でございますが、これと公社とそれから居住者の方々との間にはいろいろな経緯があるわけでございます。したがいまして、その経緯の中で家賃の見直しをするタイミングというのがあります。これはおおむね三カ年置きにお考えいただきたいということで指導はいたしておりますが、これもそのとおりやっているところと若干ずれているところといろいろあります。したがって、そういうことで公共団体と公社が見直しの判断をして、限度額の範囲内で手続を進める、検討をするということになります。
 具体的には、今までの家賃値上げと同様でございますけれども、住民の代表が入りました協議会あるいは家賃審議会的なものが設けられているところが多うございますので、そういうところでまず議論がなされ、その結果を見て公社が原案を作成し、知事に認可をとる、その後、住民に十分周知徹底をして、そして値上げが行われるということになろうと思います。
 以上でございます。
#187
○辻(第)委員 固定資産評価額の数%ということではないのですか、具体的には。
#188
○伊藤(茂)政府委員 公社がやっております賃貸住宅あるいはその他の過去のいろいろな制度があるわけでございますが、全体の考え方としまして、それぞれの貸付金利というものに非常に影響される全体の体系になっております。そこで貸付金利がどうかといいますと、法律で五・五%を上限にして動く形になっておりますので、過去のいろいろな制度を見ますと、その場合には五%という数字が通常の水準になっておりますので、今回も固定資産税評価額の五%で決めたい、かように考えております。
#189
○辻(第)委員 早く言っていただきたいですね。私はさっきそのことを尋ねたのです。
 固定資産評価額の五%ということになりますと、昨今の狂乱地価がありましたので、家賃限度額の大変な上昇になろうかと思うのです。そしてこの固定資産評価額の五%ということですが、これは法律事項でないのです。ですから論理的に言いますと、自由にさらに上げる可能性があるわけです。国会を通さずに上げる可能性がある。そういう点でも私はやはり大きな問題点だと思うわけでございます。
 そのことも指摘し、今回の方式になりますと家賃限度額はどのように変化をするのか、どのように今認識をされているのかということをお尋ねいたします。
#190
○伊藤(茂)政府委員 何分、各住宅供給公社は、特に東京の場合にはその前の住宅協会以来の財産を引き継いでおりますので、昭和二十五年当時から建設した住宅があるわけでございます。したがいまして、それからずっと凍結されたままになっておりますので、今の時点で新しい固定資産税評価額の限度額五%を使って限度額を計算いたしますと、現行の限度額に対して平均上昇率は五〇%、その分だけでございますが、一万二千九十三円上昇することに相なります。
#191
○辻(第)委員 平均でも五〇%ということになりますと、もっと大きく上がるところは大変な額になるのではないか、こういうふうに思うわけであります。昨今の地価の高騰を見てまいりますとそれはそれは大変なことでありますから、古い住宅を見てまいりますと大変な家賃限度額の上昇ということになろうと思います。
 これは六十二年末ですか、全国で大体十四万四千二百十二戸が公社の住宅というふうに認識をいたしております。その中で、昭和二十五年から四十五年が九万四千六百三十八戸、昭和四十六年から五十年が三万二千四百八十戸、合わせますと大体十二万七千戸が昭和二十五年から五十年に建っているのです。かなり古いのですね。昭和五十一年から六十二年、この十二年間には一万四千三百七十三戸と非常に少なくなってきております。こうやって見てまいりますと、大多数が非常に早い年度に建っておる住宅だというふうに思うわけでございます。
 それで、公団住宅などもそうなんですが、古い年代にお入りになっている方、もう二十年も三十年もお入りになっている方というのは、かなり高齢化しておられるわけですね。年金でお暮らしになっていらっしゃる方もかなりおられるというふうに思うわけで、私もその年金でお暮らしの方といろいろお話をしたことがあるのですけれども、多くない年金で、つましいつましい生活をされている方がたくさんあります。そういう方が、今度のこういう家賃限度額が大幅に上昇する、それにつれて家賃が大幅に上昇するということになれば、それはそれは大変なことになるというふうに思うわけであります。
 それで、現行の家賃限度額と実際の家賃の関係、これも無論建てられた年代によって違いがあると思うのですが、先ほど申しましたように非常に古く建てられたところが中心だというふうに見てまいりますと、やはり実際の家賃が家賃限度額に非常に近いところにおられる方が多いというふうに思うのですが、いかがですか。
#192
○伊藤(茂)政府委員 現行のいただいております家賃水準ではなかなか維持管理費が賄えないということの一端には、家賃設定が現行の家賃限度額の目いっぱいのところでつくられておってそれ以上増額することがなかなか難しい状況になっているという背景があるかと思います。それで、私ども手元にあります資料で見ますと、全国の公社の平均では、限度額家賃に対しましては現行の家賃は八〇%ということでございます。ただ、大都市地域の公社の古い賃貸住宅につきましては九〇%以上というのが過半でございまして、ほぼ目いっぱいの家賃になっているということでございます。
#193
○辻(第)委員 現行の家賃限度額に現在の家賃がもうすれすれというような状況ということになりますと、今度の改定で家賃限度額が大幅に上がるということになりますと、それに応じて大幅に家賃が上がる可能性が十分ある、十分あるどころか大幅に上がるというのがもう目に見えているわけであります。こういうことになりますと、先ほども申しましたように、それはそれは深刻な事態であると言わなくてはならないと思います。家賃限度額が大幅に上がれば家賃も大幅に上がるというふうに私どもは考えるわけですが、建設省としてはいかがお考えですか。
#194
○伊藤(茂)政府委員 まず、公社賃貸住宅の場合は公共賃貸住宅の一つの役割を担っております。したがいまして、公社、公団、公営という三つの大きな体系があるわけですが、その家賃のバランスということからしましても、ある程度の値上げはなすべき時期にあろうかと思います。
 それでは、そのときにこの限度額が上がったらどのくらい上がるのかというお話でございますが、そういう政策的な公共賃貸住宅だというこの役割は絶対制約を受けるわけでございます。したがって、端的に申し上げまして、これまでの公社家賃の値上げの実績あるいは公団の家賃の値上げの実績、公営の家賃の値上げの実績、それらの相互のバランスといったものを十分に勘案して上げていただきたいということでございますから、そういう実績を参考にしながら、大幅な値上げにならないように激変緩和に附属してまいりたいと思います。
#195
○辻(第)委員 最近、一昨年あたりは東京を中心にした東京圏ですか、異常な値上がりをしましたね。それが最近では全国の大都市に広がっている。私は奈良県なのですけれども、奈良県は大都市とは言えぬのですけれども、奈良県が大阪に連なっているということで、最近は全国で一番地価が上がっているということであります。
 それはそれとして、今全国に異常な地価の高騰というような状況が広がっているのですね。この原因というのは自民党や財界の東京一極集中政策、こういうことを中心に規制緩和だとか土地転がし、地上げというようなことで利潤を追求した、そういう状況の中で土地の高騰が起こっているわけです。それが土地の高騰に全くかかわりのないつつましい生活をしておられる人々に家賃の値上げとしてはね返ってくるということは納得できないわけであります。
 そういうことで、私どもはこの三十五条の改定はやめるべきだ、そういうことで削除の修正案を出させていただくわけでありますが、そういう点を十分勘案して今後の対応をしていただきたいということを重ねてお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#196
○野呂田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#197
○野呂田委員長 この際、本案に対し、中島武敏君から修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。中島武敏君。
    ―――――――――――――住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対
 する修正案
   〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#198
○中島(武)委員 私は、ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明いたします。
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案には、公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額の算定に当たり、土地取得費の償却額にかえて、地代に相当する額を参酌するものとする改正が含まれております。
 この改正は、地方住宅供給公社住宅の家賃限度額の算定に当たり、土地に関する費用として参酌する要素を土地取得造成費の償却額から、地代相当額に改めるものであります。ところが、この方式は、政府、自民党、財界によって進められてきた東京集中政策などさまざまな悪政がもたらした地価高騰の結果を、勤労者のための住宅である住宅供給公社住宅の居住者に転嫁するものにほかなりません。
 家賃限度額算定方法の改正は、このように国民に負担を強いるものであり、こうした措置を講じるべきでないことは言うまでもありません。そこで、この家賃限度額算定方式を改めることを中止し、現行制度を維持することが必要であります。
 これが、本修正案提出の理由であります。
 次に、本修正案の要旨を御説明いたします。
 修正案は、政府提出の住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案中、家賃限度額算定方式に関する改正規定を削除しております。
 以上が、本修正案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
#199
○野呂田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#200
○野呂田委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討倫に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、中島武敏君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#201
○野呂田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。
 次に、原案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#202
○野呂田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#203
○野呂田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、木村守男君外三名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。中村茂君。
#204
○中村(茂)委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 地価の高騰等により住宅問題が深刻化している現状にかんがみ、国民が良質な住宅を取得することが可能となるよう、住宅・宅地対策を積極的かつ強力に促進すること。
 二 良質な賃貸住宅の供給促進に努めるとともに、立ち遅れている居住環境及び居住水準の整備・向上に積極的に取り組むこと。
 三 住宅金融公庫融資については、融資限度額等貸付条件の充実に引き続き努め、公庫に対する利子補給等の財政援助に特段の配慮を払うこと。
 四 住宅金融公庫融資に係る公社賃貸住宅の家賃限度額の改正については、家賃の急激な値上がりにならないよう配慮するとともに、増収分については極力修繕等の促進に使用するよう指導すること。
 五 今後とも、内需の振興を図るため住宅の建設を積極的に推進するとともに、住宅減税の拡大に努めること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#205
○野呂田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#206
○野呂田委員長 起立総員。よって、木村守男君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許可します。小此木建設大臣。
#207
○小此木国務大臣 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力する所存であります。
 ここに、本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#208
○野呂田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#209
○野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#210
○野呂田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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