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1988/06/15 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第6号
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1988/06/15 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 建設委員会 第6号

#1
第114回国会 建設委員会 第6号
平成元年六月十五日(木曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 東家 嘉幸君
   理事 北川 正恭君 理事 北村 直人君
   理事 古賀  誠君 理事 野中 広務君
   理事 中村  茂君 理事 古川 雅司君
   理事 西村 章三君
      榎本 和平君    遠藤 武彦君
      大原 一三君    金子原二郎君
      園田 博之君    田村 良平君
      武村 正義君    中山 成彬君
      鳩山由紀夫君    松田 岩夫君
      松田 九郎君    谷津 義男君
      小野 信一君    木間  章君
      小林 恒人君    竹内  猛君
      三野 優美君    大野  潔君
      伊藤 英成君    辻  第一君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 野田  毅君
        運 輸 大 臣 山村新治郎君
 出席政府委員
        国土庁土地局長 片桐 久雄君
        国土庁大都市圏
        整備局長    北村廣太郎君
        運輸省地域交通
        局長      阿部 雅昭君
        気象庁長官事務
        代理      采木 和久君
        建設大臣官房長 牧野  徹君
        建設大臣官房総
        務審議官    木内 啓介君
        建設省建設経済
        局長      望月 薫雄君
        建設省都市局長 真嶋 一男君
        建設省住宅局長 伊藤 茂史君
 委員外の出席者
        建設大臣官房文
        書課長     三井 康壽君
        自治大臣官房地
        域政策室長   山下  茂君
        自治省政局調
        整室長     嶋津  昭君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十五日
 辞任         補欠選任
  桜井  新君     谷津 義男君
  野呂田芳成君     鳩山由紀夫君
  松永  光君     園田 博之君
  小林 恒人君     竹内  猛君
  小沢 貞孝君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  園田 博之君     松永  光君
  鳩山由紀夫君     野呂田芳成君
  谷津 義男君     桜井  新君
  竹内  猛君     小林 恒人君
  伊藤 英成君     小沢 貞孝君
    ―――――――――――――
六月十五日
 土地基本法案(伊藤茂君外三名提出、第百十二
 回国会衆法第一五号)
は土地問題等に関する特別委員会に付託替えされ
た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一
 体的推進に関する特別措置法案(内閣提出第六
 四号)
     ――――◇―――――
#2
○東家委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
#3
○木間委員 ただいま議題となりました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案の審議に入るわけでありますが、若干意見を申し上げながら、関係者の御意見を徴しながら進めさしていただきたいと思います。
 大変長い名前の法律でございますけれども、一口で申し上げますと、大都市圏の住宅事情は、土地狂乱のあらしは下火になったとはいいながらも高値安定でございまして、一般のサラリーマンには欲しくとも手も足も出ない状況で、そういったもとで政府は、鉄道輸送と宅地開発をワンセットとした、通勤に便利な、比較的手ごろな住宅地をサラリーマンなどに提供しよう、あわせて既存の通勤地獄の緩和にも役立てたい、そのような考え方から本案の提案がなされたものと承知をするわけでありますが、このような理解でよろしいか、まずお考えをただしたいと思います。
#4
○野田国務大臣 木間委員御指摘のとおり、まさに最近の大都市における住宅取得という問題につきましては、一般的な中堅サラリーマンにとってはまさにもう高ねの花というような状況になってきた。これは大変ゆゆしい問題でありまして、そのこと自体、非常に生活に対するゆとりというか充実感というものを失わしめておる。こういった非常に大事な政治課題に対してどうやって対処するか、何とかしてその通勤可能な圏内に宅地をできるだけ低廉な価格で、サラリーマンにも手の出るような形での住宅取得が可能となるような形での宅地供給を推進していかなければいけない、こういう角度から、今回宅地開発と鉄道整備と一体的にやって、そしてその夢を可能たらしめるような方策をとらなければならぬ、こういうことで御提案を申し上げておるわけであります。もちろん、これだけではありませんで、政府といたしましては、総合土地対策要綱に基づき一連の施策をあわせて講じていかなければならぬわけでありますが、こうした非常に有力な手法である、このように思っております。
#5
○木間委員 この法律は、三大都市圏で適用になるわけでありますが、法案施行後、当面どこで事業をされようとしておりましょうか。あわせて、鉄道路線の枠組みとか、あるいは宅地開発のめどとか、そういったものが予定されておれば明らかにしておいていただきたいと思います。
#6
○阿部政府委員 この法律で事業の推進を当面予定しておりますものは、昭和六十年の運政審答申においても取り上げております常磐新線の沿線地域でございます。この地域は、一都三県にまたがる長大な路線になりますけれども、その整備に当たっては多額な建設資金、長期間の工期を要するといったような事情がございますが、そのほかに、その需要確保のためには沿線の地域開発が不可欠な路線であるという性格も有しておりまして、そのような観点からこれらの地域を住宅開発と鉄道整備を一体的に行うということで、この法案を建設省と共同で提出さしていただいた次第でございます。
#7
○木間委員 一都三県にまたがる常磐沿線で当面予定をしておる、そうして七千から八千ヘクタールの大変広範な地域なんだ、そこへ十五万世帯の住宅地を張りつけたいという構想やに聞くわけでありますが、大変膨大な区域、人口を将来擁することになりますが、しからばこの法案と四全総との整合性はどのようになっておりますか、国土庁にお尋ねしておきたいと思います。
#8
○北村政府委員 四全総におきましても、まず一極集中の是正、それから地方分散というものをうたっておりますけれども、その中でも、この常磐新線を初めとする新線と宅地開発の一体的整備というのは各所でうたっておりまして、例えば第二章の「多極分散型国土の姿とその実現」の第一節の「一極集中の是正と各圏域の役割」の中でも、東京圏におきましては、「通勤の利便性の向上も図りつつ、良好な住宅の供給を図る」と言っておりますし、それから関東圏の整備、ブロック別の整備の中でも、常磐新線の名前を特に挙げまして、その整備を図りたいということを四全総でも申しております。もちろん首都圏の整備、それから土地対策という面でこの線が重要であることは当然でございますけれども、一般的に首都圏、特に大都市圏の中で一番集中の激しい首都圏の整備につきましては、先生御懸念のような、やはり大プロジェクトを推進するにつきましては当然東京一極集中を促進しないようにという配慮は重要かと考えておりますので、その点につきましても私ども国土庁で十分配慮して、今後大規模プロジェクトの推進について配慮してまいりたいと考えております。
#9
○木間委員 文言的には確かに一極集中はいかがなものか、そして地方圏とあわせて国土の均衡ある発展を確立するのだ、そういうことを基本にしながら関東圏は関東圏でさらに地方圏の整備も同時にやるということでございますけれども、最近の国土庁のやり方あるいは建設省の進め方など見ましても、どうしても大都市圏中心の事業事務がどんどん先行しておるように見受けられて仕方がないわけであります。そうなってまいりますと、どうしても大都市圏、特に東京集中がより加速をするのじゃなかろうかという懸念がされて仕方がございません。きのうも一般質問でもその点の指摘をしておるわけでありますけれども、やはり地方圏の整備をむしろ数倍の速度でやらなければならぬのではないだろうか。例えば道路網の整備とか輸送の強化とかあるいは情報網の整備とか、そういったものを地方圏でより的確にやらないと、それより先行的に大都市圏でやられますとさらに東京は大変な状況に追い込まれていくぞ、こう言わざるを得ないのでありますが、ぜひそういったことも肝に銘じていただきまして、今後の均衡ある国土の発展に尽くしていただきたいと思いますが、これらの議論はまた後々継続させていただくことにいたしまして、ただ一点だけそのことの指摘をこの機会に申し上げておきたいと思っております。
 東京圏の、とりわけ大都市の地価高騰策にはお互いに頭を悩ませながら、今日まで苦い経験を何遍か繰り返してきたわけであります。せっかく低廉な土地対策をやろうということで踏み切るわけでありますが、広範な土地が、既にこの計画が練られてから五、六年たつだろうと私は推測をするものでありますが、既に年月もたっておることとて、値上がりの動きなどが懸念されます。現状どのようになっておるか把握されておるだろうと思いますし、あるいは今後とも値上がりしないようにきちっと手を打っていかなければならぬわけでありますが、現状どのようになっておるか、その実態の把握の状況、さらに今後どういう手を打たれるのか、抑制の決め手、そういったものなどについてこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
#10
○片桐政府委員 この法律で最初に予定されております常磐新線の通過の予定地域についての地価の動向についてまず説明いたしますと、この通過予定地域の埼玉県それからまた千葉県等の八潮市、三郷市それからまた流山市とか柏市とか、こういう比較的東京に近接している地域では、市街化区域それからまた市街化調整区域においてもかなりの地価上昇が見られる状況でございます。それからまた茨城県に参りまして、守谷町とか谷和原村とか、こういうところではまだそれほどの地価上昇には至っていないというふうに把握している次第でございます。
 私どもといたしましては、この常磐新線の予定地域については、現在茨城県についてつくば市等の四市町村が、それからまた埼玉県におきましては八潮市、三郷市が、千葉県においては柏市、流山市が、市街化調整区域も含めて監視区域に指定されておりまして、関係地方公共団体におきまして監視区域制度の積極的な活用が図られている状況でございます。それからまた、本年三月から茨城県においてはつくば市等の四市町村の調整区域について届け出対象面積の引き下げが行われる等、監視区域の積極的な運用強化が図られている次第でございます。私どもといたしましては今後ともこの監視区域制度の積極的な活用を行いまして、この沿線地域の地価上昇をできるだけ抑えていきたいというふうに考えている次第でございます。
#11
○木間委員 開発がこれから進むわけでありますが、とりわけ鉄道が敷設をされていきます、勢い駅周辺の対策が極めて重要視されるのではないだろうか。駅がここにつくぞ、こうなりますと、不動産業者あたりが恐らくいろいろな手法でねらい撃ちされるのも昨今の業界の常識にもなっておるわけでありまして、そういった点では鉄道沿線というのは極めて値上がりの顕著な状況が考えられるわけであります。ですから、鉄道沿線などは特に食い物にならないようにきちっと整理をされていかなければなりませんので、そういった点で普通一般の地区よりもこの鉄道沿線の対応策というのはきめ細かくやる必要があろうと思います。仮に鉄道予定地といいますか、候補地といいますか、皆さんが思っておいでるところが食い物状況になればあるいは場所を変えるなど、そういうもっと大胆な手法などもとることも必要じゃないだろうか、このようにも考えるわけですが、そういったことなども検討されていいと思いますけれども、御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
#12
○阿部政府委員 ただいま御指摘いただいた点など、今後の鉄道整備の極めて重要な要件かと私どもも考えております。基本計画では駅の位置の概要といったようなことを書くことにいたしておりますが、具体的な駅の位置を最終的に決定いたしますのは、免許を受け工事施行認可を受ける段階ということで、ぎりぎりまでその駅の位置をできるだけ円滑にかつ安く取得できるような手法で決めていきたい、そのような形で今後関係者間で十分相談してまいりたい、今御指摘の点等は私どもも今後の運営に当たって十分配慮していきたいと考えている点でございます。
#13
○木間委員 ひとつそういった点については特に意を用いてやっていかなければならないわけでありますから、お願いをしたいと思います。
 それで、監視区域を設けて国土庁もこの間全国各地の地価抑制策をとってきております。その期限は五年間を一つのめどにしてやってきたわけでありますが、この法案では十年間に延長をしておるところです。それで一方、常磐新線の建設のめどを見ておりますと、平成十二年には第一号を走らせようという計画にもなるわけでありますが、今から事務が調いまして事業に入りましてでも、平成十二年ということになりますとこの十年間の監視区域の外になるわけでありまして、この十年間という位置づけがあるいはそこでさらに延長が予定されるものなのかどうなのか、こういったことについて、簡単な問題なんですけれどもお聞かせいただければと思います。
#14
○片桐政府委員 この第二常磐線の沿線の市町村について見ますと、現在既に監視区域を実施いたしておりまして、その監視区域の期限は大体三年ないし五年の期限で指定しているわけでございます。それで、沿線地域で現在指定している監視区域の一番最初に来る終期が、平成二年十月三十一日というふうに千葉県の柏市、流山市がなっておるわけでございます。この時点で新しいこの法律に基づく監視区域が発足するとすれば、その時点から十年間ということで監視区域が指定できることになるわけでございます。ですから、そういうことで平成二年十月三十一日から十年間ということですので、平成十二年の十月三十一日まで監視区域が指定できるということになるかと思います。それからまた、その期限が切れてなおかつ必要性があればさらに監視区域を指定できるという制度になっておる次第でございます。
#15
○木間委員 柏やあるいは流山は既に指定をされておりますから、今局長がおっしゃったようなことにもなると思いますが、全く指定していないところなどもあろうと思いますね。そういったところもそれに準じてなっていくということで理解をしていいわけですね。――はい、わかりました。
 それから既に指定されておる状況、一覧表もちょうだいしておるわけでありますが、これを見ておりますと、各地方によって面積要件としてかなり差異がありますね。大きく区切っておるところでは二千平米以上、あるいは千平米、五百平米、三百平米、二百平米、百平米とかなりの落差があるわけでありますが、私は、やはりこれから中心地になろうとするところでありますから、ちょっとのすき間もあっちゃいかぬのじゃないだろうか。すき間という表現は適切でないかもしれませんけれども、むしろ小さくくくる必要があるんじゃなかろうか、このように感ずるわけであります。それで、大きくくくっておるところは比較的都心から離れたところですが、むしろ今度はそういった都心から離れたところへ今度の事業をやろうということでございますので、勢い大きくくくったところが対象、こうなるわけでありますが、この監視区域の面積を小さくするなどの工夫があっていいんじゃなかろうか。当然やられるだろうと推測するわけでありますけれども、このことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#16
○片桐政府委員 監視区域の届け出対象面積を決める場合に、土地の取引状況とか地価の動向とかそういうものを見ながら、どの程度の面積が適当であるかということを判断しながら地方公共団体を指導している次第でございます。この常磐新線の予定地域につきましても、調整区域については土地の取引単位が比較的大きい、その中で土地取引の相当部分を届け出の対象にしたい、こういうような考え方で千平米とか場所によっては五百平米、こういうような面積を決めている次第でございます。また、市街化区域におきましては、やはり土地の取引単位が小さいということも考えまして、三百平米というような面積を決めておるわけでございますけれども、これがまたこういう面積で届け出を義務づけても、さらに地価の高騰が起こりそうであるということであれば、取引の届け出の面積をさらに引き下げて規制を強化するということも今後検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#17
○木間委員 現行は、かなりそういった点で遠隔地でありますから取引単位も大きいだろうと思いますが、これからはだんだん近くなるわけでありますから、取引単位も小さくなろうと思います。当然監視をする単位は知事でありますので、現地の自治体等十分に注意をしていただきまして、的確にひとつお願いをしたいと思います。(発言する者あり)
#18
○東家委員長 静かにしてください。――質問を続けてください。
#19
○木間委員 今の質問を続けます。
 鉄道や道路が整備をされていきますと、土地利用の価値が高まっていくだろうと思います。いろいろ表現があろうと思いますが、仮に利用価値が上がることを開発利益と表現をさしていただくならば、この開発利益の扱いが極めて昨今問われておる課題であります。それで、開発事業はもともと税金などで施行するわけでありますが、この開発利益はそこに土地などを持っておいでる地権者の収入になるわけでありまして、土地を持っているだけで、それこそ何にもしないで地権者は莫大な利益を得るということになりましょう。これはまさに社会的不公正そのものでありましょうし、早くからその対応が求められてきたところでありますが、今度のこの常磐新線の法律案にはその対応策が規定された明文がないわけであります。私は、やはりこの機会にこの制度を出す必要があったんじゃなかろうか。仄聞するところによりますと、いろいろ検討されたやには聞くわけでありますが、その検討があったんならその経過など、あるいはどうしてできなかったのか、そういった問題などについてこの機会に明らかにしていただきたいと思っております。
#20
○阿部政府委員 御指摘のように、私どももそのような検討をいろいろいたしたわけでございますが、特に本件のような鉄道整備によります開発利益と申しますものは、土地の利便性が増大するという形で、一般的に地価上昇という形で土地所有者に帰属する、しかもその範囲が極めて広域にわたって発生するということが予想されますし、そのようなものを還元という形で考えますと、負担すべき土地所有者の要件ですとか、あるいは開発利益が発生する時期的な問題、鉄道が開通するまではなかなかそういう利便が生じないということもございます。また、それらの負担の程度をどうするかといったようなことを合理的に定めること、そのような基準ができるかということをいろいろ考えますとなかなか難しい、当面解決困難であると言わざるを得ないという状況にあるという判断をいたしました。
 しかし、この法案におきましては、開発利益の還元という形ではございませんが、関係地方公共団体から鉄道事業者に対する出資ですとか、その他の助成措置をしていただくという規定を織り込んでおりますし、このようなものは鉄道整備に対する開発利益の一般的な還元、その一環として行われるといったようなものとして考えられるのではないか。したがいまして、私ども、地方公共団体を通じての支援というものは広い意味での開発利益の還元になるという形でとらえたつもりでございます。
 なお、土地基本法にもそのような規定がうたわれて、原則論がうたわれておりますし、私どもとしては今後さらに勉強していくべき課題であるという認識は持っておるところでございます。
#21
○木間委員 検討はされたような中身でございますけれども、具体的にはよくわからぬわけであります。おっしゃるように、既に東京都の臨海部でやっておるようでありますが、ちょっと扱い方が違うことも私もわからないわけではございませんけれども、ただ、自治体からいろいろの形で協力をいただくとはいっても、先ほど申し上げたように、開発利益は地権者に入るわけでありまして、この地権者の開発利益は、ある団体が試算された記事も読みました。その記事を見ますと、二十兆円を超えるんじゃなかろうかとも述べられております。仮に五%といたしましても、一兆円の協力がいただけるんじゃなかろうか。三%といたしましても、この新線を建設する事業費に相当する額でございますし、私は、自治体からの協力もさることながら、労せずして収入を得られる地権者からの協力が何らかの形で示されていいんじゃなかろうか。あるいは土地を持っただけでじゃあ取れるかということも考えなきゃなりません。あるいは土地が移動したときにどうかなども考えなきゃなりませんけれども、まあ大変把握が難しいことはよくわかります。しかし、これから区画整理事業も進みまして、あるいは宅地化になるわけでありますが、宅地化の中で引き続き農業などをされていくケースもあろうかと思います。こういった事例につきまして後ほどまた議論をしたいと思いますけれども、なかなか把握は難しいことは難しいんですけれども、やっぱりもう少し踏み込んだ対応がなされてしかるべきだったんじゃなかろうか。それから、今おっしゃったように、きょうから審議に入ります土地基本法でもこのことを一つの柱にして掲げておるところであります。ですから、公平なさまざまな分野での行政をつくり上げていくためにも、ぜひ今後こういったものについて的確に対応していってもらいたいことを要望として
申し上げておきたいと思っております。
 それから、事業の執行面の形の問題でございますが、先ほどお話があったように、本事業は大変広範な地域にまたがるということ、一都三県にまたがっております。そして、鉄道営業をやるわけでありますが、今日では民営化になりましてJRが運行しておりますけれども、かつては鉄道そのものは国鉄時代には国が営業をやっておったわけであります。そして、もともと大都市圏、とりわけ東京都民の住宅事情というのは、東京都の対応の問題もさることながら、やっぱり政府自体の土地対策、住宅対策の、まずさという表現が的確かどうかわかりませんけれども、その時点、時点での対応の不十分さがこの住宅事情を悪化させたと、このように言ってよかろうと思うのですが、そういったものの全体の総括の上に立ってこの事業をやるわけであります。ですから、国の仕事としてやるべき一面もあったはずでございます。しかし、これは地方にそういった仕事を任せる、こういうことになっていくわけでありますが、地方に任せた場合にいろんなメリットもあるでしょうし、またデメリットもあろうと思いますが、そういった特徴的なものをこの機会にお示しをいただきたいと思っております。
#22
○望月政府委員 お話しのように、この法律案は、大都市地域におきます広域的な宅地需要、住宅需要に対処してどう安定的に供給するかという意味で非常に広域的側面が片方にありますが、何よりも、これを受けとめる地域の問題、これは極めて重要な側面がございます。言うなれば、地域がこれをどういうふうにてこにして、どう地域を活性化し地域づくりをしていくか、こういった観点をいささかもおろそかにできない、こういうふうな視点に立っているわけでございまして、そういった意味で私どもは基本的には、これらの事業を計画し進めるに当たっては、地域の主体性、指導的役割というのが極めて重要である、こう認識いたしております。
 もちろん、そういった中で国のサイドがどう対応するかということでございますが、一言で言えば、これは国と地域が一体となって進めるべきものである、こういった観点に立っているわけでございまして、その際にあえて申し上げたいことは、地域の主体的役割、自主的な判断、こういったものが大事である、こういうふうに考えている次第でございます。ただ、問題は冒頭先生もお話がありましたように、一都三県にわたるという広域的な側面が避けられません。そういった意味で国としては十二分の調整側面での指導助言、こういったものに努めていきたいし、事業の具体化に当たっても積極的な対応に努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#23
○木間委員 地域がやるわけでありますから、今まで、協力はしなさい、そして資金的に金は出してもらいたい、そして事業内容は押しつける、そういったものから見ますと、自分で町をつくるんだ、あるいは自分で鉄道経営もある程度やれるんだというメリットはあると思うんですね。つまり、自分の町づくりのために役立つようなメリットは私は確かにあると思うんですね。かといって、この法律案の流れを見ますと、やはりしかるべく建設大臣なり自治大臣なり運輸大臣の承認を求めなきゃならぬという、そこで、きちっと枠の押さえもまたできておるわけでありまして、必ずしも地方の求めるままいける代物ではありません。そこは微妙な問題は含んでおるとは思いますけれども、そういう中身でございます。一方では自治を尊重しながらも、そういう枠はめもあるということであります。ですから、これからいろいろ四自治体が協議会などなどを持たれて十分横の連絡をとりながら本省、各省庁との連絡もされていくだろうと思いますが、自治の本旨を十二分に受けとめていただいて、そして地方がやりやすいようにぜひやっていただかないとこの事業の進展が難しいだろう、こうも思うわけでありますから、ぜひその点の御配慮を十分にお願いをしておきたいと思います。
 それから、今局長もおっしゃったように、財政面の問題も多岐にわたって法文でも約束されております。出資金を初め、鉄道事業に対する協力などなどあるわけでありますが、今日の財政事情は、政府だけに限らず地方自治体とて大変な財政事情の悪化の波が押し寄せておるところであります。ですから、本来の自治の仕事もしなければならない。とりわけ、福祉問題等を中心にして住民からの要求も年々新たなものも加わりまして高まっておりますから、本来の自主的な仕事もかさんでいくでしょうし、そこへ新たなこれらの事業が入ってくるわけでありますから、地方自治にとっても、財政問題一つ見ましても大変な状況が予想されるわけであります。
 そこで、自治省も来ておられます。この法律案は自治省との共管にもなっておりますから、十分に前段の御相談もあっただろうと想像はするわけでありますけれども、自治省の方でも、県やあるいは市町村の方から相談があったら十分に答えていただくための決意表明だけ、一応この機会に承っておきたいと思います。
#24
○山下説明員 自治省でございます。
 ただいま、この法案によります事業の推進につきまして、地方の財政負担の問題等々いろいろな御指摘がございました。
 地方の財政負担の適正化の問題につきましては、この法案でもごらんいただきますとおり、公共団体の援助に関する事項につきまして基本計画の中に盛り込む。それを、私ども自治大臣も加わりまして承認していくというような仕組みも取り組んでいるところでございます。御指摘のような点を踏まえまして、今後も地方財政の健全性の確保には十分留意してまいりたいと考えております。
#25
○木間委員 この事業の成功かどうかの一つのポイントは、鉄道用地を確保できるかどうかというのも大変大事なことであります。
 そこで、八千ヘクタールの区画整理事業を行って、そこへ用地を確保して鉄道を走らせるわけでございますが、区画整理事業は地権者の発議、そして同意があって始まるわけでございます。ですから、八千ヘクタール全体から見ますと、区画整理事業は恐らく虫食い状態のような中から始まっていくだろう。ところが、鉄道は六十キロの総延長で帯状に走るわけでありますから、虫食いではどうにもなりません。ですから、連続して帯状のものが第一に確保されていかなければならない、そういう特徴的な事業が待っておるところであります。ですから、この広大な事業量の中で真っ先にそういった用地を確保するめど、もちろん計算ずくだろうと思いますけれども、運輸省の方でどのようなお気持ちで確保される用意をされておりますか、この機会にお示しをいただきたいと思います。
#26
○阿部政府委員 御指摘のように、鉄道の整備に当たりましては鉄道用地の確保ということが最大限重要なポイントでございます。私どもといたしましては、そのために、先ほど国土庁からもお話がありましたように、国土利用計画法による監視区域の積極的な指定等によって地価を極力抑制しつつ、この法律で定めます特定地域の拠点となる重点地域につきましては、この法律によって認められます集約換地の手法といったものを極力応用する、あるいは地方公共団体が鉄道用地の先行買収あるいは代行買収というような形で御支援いただくような形での規定も織り込んでおりますが、そのような手法を極力活用いたしまして、土地の確保が円滑に行くように努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#27
○木間委員 国鉄用地の確保と、いま一つのポイントは、どのようにして宅地化を進め、宅地として世に出すか、これが大きなポイントであります。現況は恐らく農地か山林か、当然市街地もあるわけでありますけれども、大半が農地、山林だろうと推測をするわけであります。
 区画整理は、まず地権者であります農家の皆さんの同意が必要になってきます。そして事業が始まる。しかも虫食いのような状況でいくわけでありますが、この区画整理事業を促進させる手だてといいますか妙薬みたいなものをどのようにお考えになっておるか。
 そしていま一つは、宅地になっていくわけでありますが、宅地になったといたしましても必ずしも住宅用地として世に出てくるわけではないと思います。地目は宅地になっても、そこで稲作を続けられたり、あるいは野菜をつくったり、そういうことも農家の皆さんはやるだろうと想像されるわけでありますが、それではせっかく宅地化をし、そして住宅地にしよう、こう思ってもなかなか進まぬわけでありますから、土地所有者、つまり農家からどうやってその用地として出していただくか、あるいはそこでマンションをつくることも一つの方法だろうと思いますが、そういったことについて、促進策としていかなることをお考えになっておるか、このことをお聞かせいただきたいと思います。そうしないと、せっかく都内で、あるいは都の近辺で住宅を欲しい、あるいは住居を構えたい、こういう考えの皆さんがおったといたしましても、土地がなければどうにもならぬわけでありまして、そういったことの促進策をひとつお示しいただきたいと思います。
#28
○真嶋政府委員 お答え申し上げます。
 初めに、土地区画整理事業の促進策でございますが、事業の促進主体とか国庫補助制度あるいは組合に対する貸付金等の諸制度改正に年々努めてまいったところでございまして、今後とも市街地整備に対する要請等踏まえながら事業促進のための制度の改善に鋭意努めてまいりたいと思います。
 本法案の対象地域につきましては、従来の助成制度を十分に活用を図ってまいるほか、土地区画整理促進地域の指定、つまり都市計画で定められた後二年以内に個人施行者とか組合がやらないときは公共団体がかわってやるという区域の指定を図るなど、地方公共団体と協力してこの地域における土地区画整理事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
 それで、二番目の問題といたしまして土地区画整理事業地を市街化、宅地化していくための策はどうかということでございますが、まず税制上の措置といたしまして、住宅建設を目的として土地を譲渡する際の長期譲渡所得課税の特例、それから住宅金融公庫等の貸し付け要件の緩和等につきまして幾つかの手だてを講じております。また、地方公共団体に対しまして、それをさらに促進するために、保留地の取得希望者への建築計画の提示請求とか、保留地処分に当たり公共的な住宅供給機会の優先譲渡を図るとか、地方公共団体による地権者への土地経営に関する情報提供をする等、利用促進に努めるよう公共団体を指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#29
○木間委員 一日も早くそこで住宅が建つような状況をつくることが極めて大事なポイントでございましょう。運輸省の御努力で電車は走ったわ、お客さんは乗らぬわでは運輸省は踏んだりけったりということであろうと思いますから、例えば都内でもかなりの宅地である土地が農地として今日も存在をするわけでありますから、私はそれはいかぬというわけでは決してないのでありますけれども、せっかくそこに住んでいただくための適地を候補地に絞るわけでありますから、やはりそこにたくさんの人が住まいをするような状況をつくるというのは大事でございますので、お願いをしておきたいと思います。
 そこで問題になってくるのは、現在日本のあすを考えて営農をやっておいでる農家の皆さんの対応が、手当てが十分なされていかなければならぬという問題が残るわけであります。農家の皆さんは親子代々引き継いで孫子の代へも日本農業を発展させよう、こう願っておいでるわけでありますが、国の事務事業の結果、協力をして農地は全部手放すよ、こういうことにも相なろうと思います。そういう状況の中で、中にはこれからも農業を続けたいという方も出てくるでしょう。そういった方には、どこかでやはり代替地といいますか、田なりをお世話するということも現場ではあろうと思うのです。私も周辺の農村の状況を見ておるわけでありますが、すぐ近くに農地があればそこで代替地を取得することも可能であるわけですが、何分にも八千ヘクタール、七千ヘクタールの広範なところでございますので、隣といってもあるいは県をまたがるかもしれませんし、そういったところでも最近では車その他を使って出稼ぎ農業ということもやっておいでる方もありますから、そういう御希望もあろうと思うのです。当然それらについては、県や市町村、むしろ市町村の小回りのきくような方々の方でお世話をいただく方が利便だろうと思いますけれども、そういう手当てをしていかなければならぬと思います。いま一つは、この機会に離農しょう、こういう方もまた多いだろうと思うのですね。しかし、離農したとて、あすからの生活というのが待ったなしで来るわけでありますから、そういった皆さんの離農後の職業相談といいますか、そういった手だても十分にしてあげないと、なかなか農地の手放しというのはスムーズにいかぬだろう、こうも懸念をするわけであります。
 ただ、私どもは机の上の心配でありまして、現地へ入るとそうでもなかったよ、こうなってくれれば一番いいわけでありますけれども、こういったことなどについてのお考えなりあるいは今後の見通しなどについてどのようにお考えになっていますか、お尋ねしておきたいと思います。
#30
○望月政府委員 常磐沿線地域について申し上げると、この地域、確かに御指摘のように農村的色彩の強い地域が多々ございます。そういったところにこの常磐新線を敷き、あるいはまたかなりの規模の宅地開発をしていくということになりますと、申すまでもなくこれは地域構造を大変変えていくということは必然の方向であろうと思います。それであるがゆえに、現在の地域の経済社会構造とどう調和していくか、あるいはまたどういう方向に持っていくかということは大変重要な課題であろうと存じます。先ほども御答弁申し上げましたように、地方公共団体に指導的役割を果たしていただくということの意味合いの一つには、実はその辺もあるわけでございまして、やはり今後の地域づくりの中で農業経営者たちが今後どういうふうにより活性化した姿で将来を描いていくかということが大変重要な問題だと私ども思っている次第でございまして、その意味では、これから総合的な一つの方針を策定していくということが、この法律の事務を超えたというか、それをきっかけとしての総合的対応の中で必要になってくると思っています。
 そういった中でございますが、私どもとしましては、これからの宅地開発に当たりましては、言うまでもなく総合的な複合機能を持った町づくりということも大事でございます。その観点から、現在の営農の方々がどういうふうに新しい生活を確立していくかという道も当然開かれてまいりますが、中にはやはり御指摘のように篤農の方が当然いらっしゃると思います。やはり今後とも健全農業に努めていきたいという要請もあろうと存じます。そういった方に対しましては、私どもはこの地域は特定土地区画整理事業というものが現実的にかなり考えられるわけでございますが、そうなりますと、その区画整理事業の中にはいわゆる集合農地というものも入れることができてくるわけでございますし、そういったことで農業展開ということも可能でありますし、さらにまた代替地のあっせん、確保ということも、先ほど申しましたような背景の中で重要なテーマと考えております。いずれにしましても、総合的な取り組みの中で対処してまいりたい、かように考えている次第でございます。
#31
○木間委員 最後になりますけれども、この常磐新線の線路も敷かれた、いよいよ運行ということになるわけでありますが、この箱物を含めた営業主体はだれが担当されようとしておるのか。計画の段階だろうとも思いますけれども、既に決まっておれば、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
#32
○山村国務大臣 お答えいたします。
 常磐新線整備検討委員会、これは東京都の副知事、埼玉県の副知事、千葉県の副知事、茨城県の副知事、それとJR東日本の副社長、それと運輸省は地域担当の審議官、これから成る委員会でございますが、ここにおきまして、第三セクターにより整備を行い、運営はJR東日本が行う方針で検討を行っておるところでございます。運輸省としては、検討委員会における検討等をよく見きわめた上で、できるだけ早い機会に具体化されるように努めてまいりたい、そういうぐあいに考えます。
    〔委員長退席、古賀(誠)委員長代理着席〕
#33
○木間委員 いろいろ疑問に思う点あるいは気になる点などお尋ねしながら時間が来たようであります。
 先ほどからも申し上げておりますが、この事業は、やはり都民の皆さんあるいはこの近辺で働いておいでる皆さんの利便な、そして比較的安い住宅が求められるようにしようということでありますから、一日も早い完成が待たれるわけであります。そうはいっても、やはり住宅地の提供がなければなりませんし、それには地権者の協力がなければならぬということであります。ですから、皆さんも大変でしょうけれども、ぜひ地権者の皆さんとも、また自治体の皆さんとも十分御相談をいただきまして、お互いに納得のいく仕事をぜひ遂行していただきたい、このことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。どうも御苦労さまでした。
#34
○古賀(誠)委員長代理 次に、竹内猛君。
#35
○竹内(猛)委員 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に関して質問をいたします。
 この法案の審議に当たり、現地茨城県の立場から質問をいたしますが、筑波研究学園都市は国際都市であり、学術研究の中心地でもあります。六十二年十一月、五町村が合併をして人口十三万六千の茨城県第三の都市となりました。近接する土浦、牛久市とともに四全総の業務核都市として首都圏での五大拠点となっております。
 そこで、運輸省及び自治省にお伺いをしますが、全国で人口十三万以上の都市が幾つあるか、その都市に旧国鉄または民間鉄道も通っていない都市があったら教えてもらいたい。
#36
○阿部政府委員 昭和六十三年三月三十一日現在の住民基本台帳人口調べによりますと、全国で人口十三万人以上の市の数は百五十六になっておるということだと承知しております。このうちJRまたは私鉄の駅が一つもない市は那覇市とつくば市の二市になっている、それが現状だと思います。
 何ゆえになかったか若干コメントさせていただきますと、つくば市につきましては六十二年十一月に合併され市制に移行されたということだったと思いますが、その合併前、同年四月に、極めて小さい鉄道でございましたが、筑波鉄道というのがその北部を走っておりましたが、経営困難で廃止になった、バスに代替されたというような事情もあるかと思いますが、そのような状況であるかと思います。
#37
○竹内(猛)委員 那覇市は島であってちょっと状況が違うと思うけれども、本土においてつくば市は、合併したからそうなったわけだけれども、ともかくこれだけの都市でレールを敷いた駅がない。しかも、前にあったものを取り除くという、七十年も続いた筑波線が取り除かれるというようなことは異常な状態であって、陸の孤島と言われても仕方がない状態であるから、これを何とかしようとして今努力をされることについては大変結構なことであるわけですから、ぜひ進めてもらいたいという立場です。
 そこで、筑波の中心の吾妻というところから東京駅を結ぶ直通バスが運行されております。利用度は非常に高いわけですけれども、特に上りの関係からいうと、時間と収容能力と都内の交通渋滞のために定時運行がなかなか難しい。ないよりはいいけれども、あっても確実にその時間の中では運行できないという悩みがあります。したがって、この法律の提案は要求に沿ったものであり、その適用によって常磐新線が考えられるということでありますけれども、その新線の整備のスケジュールについてはどうなっているか、それをお伺いしたい。
#38
○阿部政府委員 お話のように、筑波と東京の間には直行バスが現在運行されておりまして、常磐自動車道経由ですいている時間ならかなり順調に走れるわけですけれども、御指摘のように、特に朝のラッシュ時間等については都市内になかなか入れないといったような状況を抱えている現状にあるということを私どもも理解しております。そのためにも鉄道の整備が必要であるという状況に置かれておるという認識を持っております。
 なお、鉄道の整備につきましては、非常に長大路線であり、工事費も大変かかる。いろいろ調整すべき点を多々抱えておるわけでございますが、運輸省といたしましては、昭和六十年七月の運政審の答申の目標年次、平成十二年、西暦二〇〇〇年でございますが、それへの整備に向かって今後努力してまいりたいという考え方でございます。
#39
○竹内(猛)委員 開業目標が西暦二〇〇〇年、平成十二年と聞いております。今の答弁のとおりだと思いますが、その事業主体についてどうなっているかお伺いしたいと思います。県及び関係自治体とJR東日本、開発銀行ということであり、民間の鉄道、東武であるとか西武であるとか京成はどうなっているか、その辺についてお伺いいたします。
#40
○阿部政府委員 常磐新線整備検討委員会、先ほど大臣からも申し上げましたが、一都三県の副知事及び運輸省、JR東日本というようなメンバーで構成している委員会でございますが、そこで各種の検討を進めております。私ども、第三セクターにより鉄道は整備する、運営はJR東日本が行う方向で検討しており、種々の問題の詰めを行っておるところでございます。
 第三セクターをつくるに当たっての出資の問題等いろいろございますが、私どもといたしましては事業の公益性あるいはプロジェクトの大きさといったような種々の観点から、できるだけ広い範囲からの出資の御協力をいただいて、これらの鉄道が円滑にできるように努力していきたいというのが基本的な考え方でございます。
#41
○竹内(猛)委員 そういう考え方で結構だと思うのですが、第三セクターの出資者の出資額はどういうふうに考えられるかということ。最初は十億円で出発する。その後出資の額についてどういう格好に進んでいくのか。最初とその後の問題。
#42
○山村国務大臣 第三セクターを設立する場合、具体的な出資規模や出資構成についていまだ検討段階でございます。事業の公益性から見てできるだけ広い範囲からの出資の協力を得られるように努力してまいりたいと思います。
#43
○竹内(猛)委員 仮称ですけれども常磐新線に対して運輸省は、第三セクターの設立は法律の成立後になると言っております。運輸省として第三セクターの設立にどう対応するかという点について、運輸省の方からお答えをいただきたい。
#44
○山村国務大臣 運輸省といたしましては、運輸政策審議会の答申の目標年次であります平成十二年の開業に向けて努力していきたいと考えておりますが、現在のところ具体的な第三セクター設立の日程が固まっているわけではありません。今後ともJR東日本や東京、埼玉、千葉、茨城、この一都三県等と精力的に検討を行い、計画の推進を図っていくこととしたいと考えております。
#45
○竹内(猛)委員 いろいろな報道によりますと、JR東日本は用地の手当て等で懸念を表明しており、第三セクターへの参画には依然として慎重な態度をとっているというふうに聞いています。十三日の地元の新聞によると、確かに県議会でもこれは問題になり、第三セクターに関連をして、出資に対して非常に慎重だ、こういうふうに言っておりますね。ここにはかつて茨城県の企画部長経験者や開発関係者がおりまして、茨城のことについてはよく知っている人が多いわけですから、その辺のことについてはわかると思うのです。いずれにしても、東京の隣の問題ですから他人事じゃないので、これは非常に大事なことでして、どう
いう指導をしていくか、また今後具体的にどう調整していくか。事業主体に参加をしており運営の中心のJR東日本が慎重であるということは、非常にこれから問題じゃないのか。何か別に参加できない事情があるかどうか、この辺のことについて伺わなければならないし、これは簡単ではないと私は思いますね。一番大事なところだ。どうですか。
#46
○阿部政府委員 検討委員会等を中心としまして、関係者間で、いろいろ具体化を図る上での解決を図らなければいけない問題点、精力的に検討はしております。確かに先生御指摘になりましたような用地の取得の問題、あるいは用地費の上昇を初めとする工事費等の増加の事態、こういうものも可能性としてあるわけですし、そういう事態への対応等につきまして関係者間で十分調整をしておくことが必要であるという認識をJR東日本としては強く持っていることも事実でございます。これらは十分協議し調整していくべき内容のものでございまして、一方的に押しつけるあるいはそのような形で解決できるという問題でもない。やはり関係者が十分そういうことについての協議をし、調整していくというのが基本だと思いますので、現在鋭意そのような調整、協議を進めているところでございます。
#47
○竹内(猛)委員 第三セクターには参加はしないが、運営はやる、これは虫のいい話だね。こんな虫のいい話じゃ困るんだよ。だから、何かここには事情がある。その事情というのは土地の取得に関する問題じゃないかということを心配をしておる。土地問題というのは非常に大事な問題でありまして、いかにして路線の土地を確保するか。あるいは路線の周辺の、例えば公園であるとか住宅地であるとか、そういうものを地価を抑制をしながら同時に開発ができるように、あるいは東京の過密人口が、そこに定住できるように、そうするためには、やはりこれは公的な機関が関係をしなければいけないんじゃないかと思うのです。
 聞くところによると、既にいろいろな手が入ってきて土地に対して手を出したということで、おもしろみがないからどうも参加できないんだという話があるけれども、それは本当かうそか、そこら辺のところを確かめないと、これはなかなか難しいですね。
#48
○阿部政府委員 個別の沿線の土地の事情等につきまして、私ども必ずしも十分把握しておらないのが実情でございます。むしろ一都三県の方に、それぞれ予定されております沿線周辺地域の土地の状況なりその辺の区画整理の予定、あるいは今後予定いたします集約換地等による土地の取得の可能性等につきまして、具体的な土地取得の見込み、その可能性についての検討を内々一都三県ともにさせていただいておるというような状況でございまして、JRの方が特段そういうことがうまくいくだろうかということについての心配をしておるということも事実でございます。しかし、私ども、この法律の手法等も活用いたしまして、鉄道の土地が全線にわたって円滑にそれぞれ取得できるような、そういう見込みをできるだけ早く立てたい、またそういうことについての一都三県の協力をお願いしておるというのが実情でございます。
#49
○竹内(猛)委員 この点は大変重要な点ですから、これは慎重に、綿密に、誤りなく進めてもらいたいということを強く要請をいたしたいと思います。続いて、この新線は土地問題と住宅難を解消して、国家的見地から必要な路線として価値があるものであり、国際的にも重要な路線として考えられると思います。したがって、国の新線に対しての助成措置はどうなっているか、この点についてお伺いしたい。
#50
○山村国務大臣 常磐新線の整備につきましては、その重要性にかんがみ、今回特別措置法案を提出したものでございます。地方公共団体の応分の負担を前提としながら、国としての助成策等を講ずべく、現在、関係者と検討を行っておるところでございます。
#51
○竹内(猛)委員 非常に話は大きいけれども、中身は何にもない。空袋をもらっても、持って歩くのにちょっとぐあいが悪い。どれくらいの中身をいつごろまでに出すか、こういう話にならないとぐあい悪いですね。どうですか、運輸大臣。
#52
○山村国務大臣 ただいま申しましたとおり、地方公共団体の応分の負担を前提としながら、国としての助成策を講ずるということで、今検討中でございます。
#53
○竹内(猛)委員 大体、この線は、十年間に総額が六千億から七千億かかる、そういうふうになっている。そういうことがわかっているのですから。その中でどういうふうになるかということをどこでどのように調整をするか、そこら辺のところはどういうことになるのですかね、その辺の仕組みみたいなものは。そうしないと、応分とか相当とか、ちょっと形容詞ではぐあい悪いですよ。
#54
○阿部政府委員 検討しております具体的な内容について若干触れさせていただきますと、このような第三セクターによります民間鉄道として整備されるものにつきましては、私ども、鉄建公団のP線工事、民間あるいは私鉄についてはそのような制度がとられているわけですが、鉄建公団によるP線方式の工事でいきたい。しかし、P線方式といいますのは鉄建公団がつくって原則二十五年で分割譲渡するという形でございますが、この鉄道は、今後開発される分も含みますので、なかなかその基準だけではいけないだろう。さらにもう一歩強化するといいますか、国の助成を強化する方向での話をしておりまして、例えば分割払いの期限を四十年にする、あるいは、民間の場合は五%を超えたものについて利子補給するという制度がとられておりますが、その利子補給につきましてももう一段強化するということを前提として、国として取り組むという方向での話し合いを鋭意しているところでございます。
    〔古賀(誠)委員長代理退席、委員長着席〕
#55
○竹内(猛)委員 特に、業務核都市という、一極集中から多極分散をする一番いい場所だと思うのですね、茨城県の県西地区、それから千葉、埼玉を結ぶあの辺は。だから、そこは非常に大事にして、しっかりやってもらいたい。これは要請をして、また事あらば時々出向いて質問するようにしたい。後ろでやりとりをするということはこのごろは余り通用しませんからね。
 そこで、一極集中から多極分散への立場から、四全総の業務核都市の足回りを整備する立場からも、思い切った助成措置をとるべきだということを今押さえたわけですから、これはしっかりひとつ大臣の任期中にやってもらいたいですね。参議院選挙でおかしくなって、それまでの間なんだということじゃ非常に困るわけであって、ずっと大臣、頑張ってもらわなければ、大臣も足元ですからね、ひとつ力を入れてください。
 さて、その次は、この法律は、二十一条の規定により、地方公共団体は鉄道事業者に対して補助や貸し付け等助成ができるとなっていますけれども、地方公共団体の負担に対して自治省はどう考えられるか。
#56
○嶋津説明員 お答えいたします。
 この鉄道に関しましては、地方団体も強い関心を持っております。それぞれの地方団体がそれぞれの地域の実情に応じて今までも検討してきているわけでございまして、今後ともどういう形で財政的――この「基本計画」の中でも「地方公共団体が行う援助その他特定鉄道の円滑な整備を図るための措置に関する事項」がございますので、そういうものを恐らく関係県がよく協議をしてこれからつくってくるのではないかと思います。この法律にございますように、出資あるいは補助その他があるわけでございますが、先ほど運輸大臣の御答弁にございましたように、地方団体としましてはあくまでも地域の振興を図るという点から応分の御協力をするという立場ではないかと考えておりまして、それにつきましてはそれぞれの団体の財政状況なり、あるいは今後の鉄道というものは大きな財政的なプロジェクトでございますから、そういう点も考えまして、私どもとしましても積極的に対応していきたいと考えております。
#57
○竹内(猛)委員 またここでも応分という言葉が出たけれども、この応分という言葉がわかりにくいですね。応分というのは何に応じてどういうことになるのか、それがわからないな。応分という内容をもう少し具体的に説明してもらわないと。みなし課税みたいなもので中身がない。
#58
○嶋津説明員 それぞれの特定鉄道の経営の形態がこれから論議されることではないかと思います。地方団体はみずから公営企業として鉄道を経営する場合もございますし、あるいは第三セクターに対して出資をするという場合もございます。それぞれの出資をする場合におきましても、その鉄道の地域における位置といいますか、あるいはそれぞれの県の振興にとってのウエートというものがございますので、そういうことを考えた上でそれぞれの地域が考えて、その基本計画なりをつくってくるのではないか、こういうふうに考えております。
#59
○竹内(猛)委員 あの地区が国際都市であり、科学技術の中心地であり、そして特に業務核都市としても一極集中から分散へというこれは四全総の一つの大きな課題でもあるわけですが、そういうようなことを決めておきながら、常に応分であり横並びだというようなことでは、それは何のためにああいうように四全総なんというでかい風船玉を打ち上げていったかということもよくわからない。そういう方針があるなら方針に沿って、財政的な援助もするし貸し付けもするし、また運営もしなければいけない、こういうことになるのじゃないですか。いいにおいだけかがせて実際に食ってみたら何もなかったということではこれはまずいですね。その点についてはどうですか。そこに大臣が二人いるけれども、どっちでもいいからこういう問題についての政府の責任ある答えをもらわないことにはこの座を下がるわけにはいかない。いかがですか。
#60
○野田国務大臣 先ほど来の御論議を聞いておりまして、竹内委員の御懸念まことにもっともだと思います。同時にまた、自治省から、地方財政に対する責任ある役所として、具体的にこれからその一鉄道事業がどのような形で出資割合が構成され、そして運営がどういうふうになっていくのか、そしてまた地方団体自身がどのような場面でどのような財政支出を必要としてくるのか、あるいはまた開発利益の吸収というものをどのような形でこれを反映させていくのか、そういった両面の方からすり合わせをしながらやっていかなければいかぬ。ただ、国、政府全体としては、ただ言いっ放しで抽象論で放置するというようなことでいきますと、この事業そのものが前に進まない、地元の自治体、関係者の協力がなければこの事業は成り立たぬわけでありますから、そういった意味で、現段階において具体的に定量的に数字を示すということはなかなか難しいと思いますが、きょうのところはそういう基本精神といいますか、その心構えを政府側として御答弁を申し上げておる、このように思っております。
#61
○竹内(猛)委員 大体それは理解ができます。地元からの要請、開発の利益、そういうのを勘案して物を考えるということなんです。その開発の利益という場合に、不動産会社がもうかなり乗り込んで、あるところによると、一つの大きな不動産屋がダミーを使って買い占めてしまった。そうなってくるとその会社は大いにもうかるだろうね。そういうものを抑える方法というのは一体あるのですか。いかがですか。
#62
○望月政府委員 この地域の開発を本当に計画的に進めていくためには、地価の問題と同時に土地の取得の問題というのが当然のようにつきまとっているわけでございます。そういったことについて、先ほど来お話ございますようないわゆる監視区域の指定を弾力的に積極的にやっていこうというのが現状であるわけでございますが、前提としまして、この地域はほとんどが、特に茨城県の地域は市街化調整区域ということになっているわけでございますが、今お話しのような不動産屋のいわゆる暗躍といいましょうか積極的な土地買収というものについて、これはやはり私どもも非常に注意をして見ていかなければならぬところであろう。ただ、これを全く規制して禁止するということは、実は現実の制度の中でできないわけでございますが、ともあれ計画的な整備に役立つようなところでないことには私どもの開発を実現していくわけにはいかないということで、調整区域であるというその制度の現状をむしろ有効に生かしながら今後の開発を結びつけていきたい、かように考えておる次第でございます。
#63
○竹内(猛)委員 この問題は非常に大事な問題ですね。今我々の耳に入ってくることは、ダミーを使って大手の会社がいろいろ押さえ込んでいる。これを十分に摘発して、摘発という言葉は余りよくないが、見きわめるというか、とにかくそうしていかないと、せっかくいい仕事をしながら後で問題が残らないとは限らないということでありますから、もう遅いかもしれないけれども、今のうちに厳重にこの問題については要請もし、また注文もしておきたいということであります。
 次に、鉄道の沿線開発において大量の住宅地を供給しなければならないということでありますし、この茨城県だけで言っても、知事は、四千ヘクタールの宅地を提供しよう、グレーダーつくばなどという言葉を使って大分大きなふろしきを広げておりますが、どれくらいのそれを考えておるのか。その場合に、新線の利用の数と新線の採算性の問題の中で、損益分岐点というのは一日の利用者を幾人と見込むのか。もちろん長距離を通わなければ乗車料金は余り入らない。地元で駅が二つや三つではこれはぐあいが悪いでしょうが、定着をすることと通うという二つの面から見て、どれくらいの人口と乗客というものを見るのか。よく二千人一日に乗らなければそのレールを外してしまうというようなことを言うことがありましたが、そういうようなことを基準にした場合に、一体この新線に対してどの程度のことを期待しているのか、こういうことをお聞きしたい。
#64
○望月政府委員 私の方からはとりあえず宅地開発の見通しについて御答弁させていただきたいと思います。
 今日まで私ども、関係県の担当部局などと十分な点検を積み上げてまいっておりますが、そういった中では、今先生おっしゃったように、七千ヘクタールから八千ヘクタールの開発が見込まれる、こういうふうに考えております。これはいわゆるグロスベースという概念のものでございますが、多摩ニュータウンの二つ半あるいは三つ分に相当する面積ということでございますが、いずれにしてもこの辺は、この法律をお認めいただいた後に県において基本計画をつくるその中で明らかにしていく、こういうものでございますので、今後さらに詰めていく作業が当然出てまいるものでございます。
 仮に今の七千ないし八千ヘクタールというものを前提としての定着人口ということになるわけですが、これは人口定着の時期等を精緻に積み上げることはまだできておりませんが、最終的な姿としてどうかということを申し上げさせていただきますと、住宅供給のタイプを低層中心でいくのか中高層をかなり入れていくのか等々の問題をこれから詰めなければなりません。けれども、現在私ども、どちらかというと低層重視の考え方、茨城県南部地域では低層重視の考え方を入れながら沿線全体を見たときに、おおむね五十万人ないし六十万人、戸数にして十五万戸というものが計算として見込まれておる現状でございます。
#65
○阿部政府委員 鉄道旅客の輸送需要の見通しといった点についての御指摘もございました。先生から二千人といったようなお話もございましたが、いわゆる国鉄のローカル線の廃止、二千人に満たなければ廃止とか四千人に満たなければ廃止というようなことがいろいろやられてきたわけですが、この常磐新線に関します私どもの輸送需要の見通しというものは、やはり現在常磐線が相当な混雑をしておるというものでございますし、そういう沿線からの転移客もございましょうし、沿線開発に伴う新しく発生する輸送需要もございます。私どもある程度かた目に見ても、開業時でこの鉄道の輸送需要は、輸送密度もして一日十五万人程度にはなるのではないかという見通しを持っております。
 しかし、採算といったような点で見ますと、やはり初期の投資が非常に大きいということもございまして、鉄道事業どこでも同じでございますが、初年度から経営採算に乗るようなものではございません。やはり相当長期で物事を見ていかなければならないのが鉄道でございまして、常磐新線の経営的な見通しにつきましても、単年度で黒字が出るのが十五年くらい、累積で欠損が消せるのが三十年くらい、そのような長期的なスパンで鉄道の場合は採算を見ていかなければならないものだと考えております。しかし、輸送需要は沿線開発とともに順次伸びていく、そういう意味では鉄道としては輸送密度もかなり高くなる可能性を潜めておりますし、優良な鉄道となる可能性は極めて高いものだ、こういう認識を持っております。
#66
○竹内(猛)委員 そのために、東京−研学問の五十八・四キロの周辺に現在どれだけの人口があり、将来、十年後にどれくらいの人口を予定をし、その立場から宅地の開発をどう行うか。今望月局長からもお話がありましたが、そのことも含めてどうするかという、その手法によって、農業地域、それから産業立地地域、それから生活環境の問題、公園であるとかいろいろな問題がありますね。そういう調整をどうするかという問題ですね。そのためにも、今副知事か何かを中心とした委員会ができているようですが、それだけでなしに、地域の各界各層の代表によるところの民主的な委員会、そういうようなものをつくってそれらの声も十分に吸い上げて、それは全部取り上げられることもあろうしだめだということもあろうけれども、住民の参加するそういう鉄道づくり、まちづくりが好ましい、こう思うけれども、この点についてはいかがですか。
#67
○望月政府委員 まず、沿線の住民の数という御指摘でございますが、この常磐新線のルートを具体的に基本計画等でどう描いていくか、それによってまた法律で言うところの特定地域というものをどう設置するかという課題がちょっと残っておりますが、一応概念的に大ざっぱにこの辺だという頭で沿線地域の十七の市町村、これは東京都を除いたものでございますが、ここに現在お住まいの方が昭和六十年の国調ベースで百五十万人、こういう数字でございます。
 ところで、今先生が御指摘の二点でございますが、まず一つは農林業等との調整の問題あるいは生活環境との調整の問題でございます。先生の方が地域の実情、特に茨城県地域についてはもう十二分に御存じのことで、私から申し上げるまでもないと思いますが、言うなれば、この地域は今後常磐新線の導入あるいは大規模な宅地開発によって大変に地域変貌が考えられるところである、こういったことを我々は常に頭に置いてこの問題を考えていく必要があるだろうと思っております。
 率直に言いまして、この法律で御提案申し上げておりますのは、鉄道整備とそれに一体として整備すべき計画的な宅地開発という根幹部分についてのことを決めていこうあるいは進めていこうという法律であるわけですが、当然のように、こういった施策を進めていくに当たりましては、この法律でカバーしていない、本来的な意味での地域づくりの行政施策というものがあるわけでございます。そういった意味で、私ども、先生も御指摘のような農業との調整あるいは生活環境の総合的整備、こういったものについては、関係町村の今後のあり方というものが大変大事だと考えております。
 お話のように、茨城県について申しますと、県が中心になりましてグレーダーつくば構想、こういったものが大変積極的に今関係市町村ともども進められているわけでございまして、私どもはこういったものと全く相呼応した施策ということでこの施策を進めて全きを期してまいりたい、こんなように考えておる次第でございます。
 それから第二点目に、計画をつくるに当たっての言うなれば関係者の意見聴取の機会のお話でございます。これは、法律的には基本計画をつくるということが都道府県の仕事としてありまして、これについて決めるに当たっては関係市町村の意見を聞く、こういう仕組みで準備させていただいておりますが、私ども、この鉄道についての基本方針あるいは宅地開発についての基本方針を決めるいわゆる基本計画の策定の段階では、今の御提案申し上げている仕組みで十分ではないか、こう実は考えておる次第でございます。ただ、問題は、こういったものを一つのきっかけにして地域づくり、町づくりを今後どう進めていくかということについては、先生今お話しのようなことも地域によって必要とあらば考えていくところもあるのではないかと思いますが、この御提案申し上げております施策の直接的展開のための仕組みとしては、現在のように市町村の意見を聞くということで進めさせていただければと考えている次第でございます。
#68
○竹内(猛)委員 今の説明でほぼ理解ができます。だから、町づくり、地域づくりについてはやはり住民の声というものを大事にして一緒になってつくる、上から余り押しつけることのないようにしていかないといけないと思うのですね。今筑波研究学園都市も、あの町があの形でよかったかどうかということはかなり反省されている向きもないことはないのです。もう地価があれだけ高くなってしまってどうにも手が出ない、都会の人は学園の中には住めない、立派な町ではあるけれどもそうなってしまっている。そんなことのないようにするために一体今からどうするかということは、研究学園都市をつくったあれの反省の上からも今度は考えなくてはならない。
 この事業で一番難しいのは、レールは構わないけれども駅の周辺のところに必要な土地をどのように確保するか、それから、人口が定着するためには宅地に対して都会の需要者が応分の価格で買うにはどういうように指導するかという問題だと私は思うのですね。特に、この建設委員会の皆さんは、サラリーマンがマイホームを持てるかというようなことで随分議論をされてきたし、土地基本法などもこれから提案をするというような形で住宅土地問題には非常に努力をされておりますけれども、そういうような点からして、ともかく現在の所得であの地域に住めるために応分の価格、こういうものを決めなくてはならない。それには、やはり公社、公団、事業団、こういうものが前面に出て土地の取得等に努力する必要があって、まあ民間の地上げ屋とかそういうものはそういう範囲内でやることにしなければいけないのではないか。この点についてはいかがでしょうかね。
#69
○野田国務大臣 まさに御指摘のとおり、駅関連地域というのは非常に大事な拠点となる場所でございまして、そのために、この法案におきましても特に重点地域ということで位置づけておるわけであります。この地域の開発に当たりましては、そういう一般のいろいろな形で、いわゆる御指摘のような困った事態が起きないように住宅・都市整備公団あるいは地方住宅供給公社、こういった公的機関を積極的に活用して、不祥事の起きないように、そして極力宅地を低廉な価格で供給できるようにさらに努力をしてまいりたい、こう考えております。
#70
○竹内(猛)委員 これはぜひそういうふうに進めてもらいたいと思うし、我々も現地におりますから時々出向いていって、いろいろな間違いがあれば注意もし、勧告という言葉は悪いけれどもいろいろ指導を賜りたい、こういうふうにやりたいと思うのですね。
 それで、だんだん時間も来たけれども、前から現在の常磐線の中に一つの大きな悩みがありますね。それは気象庁が管理というか、気象庁の内部の問題だと私は思いますが、八郷町柿岡というところに地磁気観測所というものがある。これは大正三年に東京から移っていったものでありまして、移ることは恐らく可能なわけだ。そこに根が生えてしまって、どこかの島のようにどこにも移さないものであってはならないと思う。ところが、今から十四、五年前から、この地磁気観測所というものはあの地域の開発の邪魔になる、それから交通渋滞が解消しないということで移すべきだと私は提案をしてきました。県でも竹内知事を中心として、地元の市町村長や選出の議員もそこへ出ていろいろ努力をした。きょうは県の当時の企画部長がいるはずですけれども、その辺の人たちが中心で、三十四億あれば移ることができるんだ。移るところまで決めてあるにもかかわらず、どこがサボっているのかわからないけれども、あれだけの盛り上がりのものをいまだに手もつけていない、依然としてそのままになっておる。二年前に土浦市を中心とした沿線の青年商工会議所の諸君が大集会をやって、せっかく取手まで来た青電を複々線にして水戸までやったらどうか。とりあえず土浦ぐらいまではいいじゃないか。六十年に万博があったときに、あれだけの沼みたいなところを埋めて電留基地をつくった。今その電留基地はあくびをしている。何でそれができないのか。おかしいじゃないですか。やる気がないんじゃないですか。どうですか。これは運輸省だ。
#71
○采木政府委員 確かに柿岡にございます地磁気観測所でやっております観測は、短周期のものと長周期のものがございまして、短周期のものにつきましては一定の期間の比較観測をやるということを前提に移転することは可能であると考えております。ただ、長周期のものにつきましては、これを移転しました場合に、以前のデータとの接続といいますか補正ということについていまだ方法が確立されておりませんので、これは移転することによってこれまでのデータと新しいところに移った場合のデータとの接合が不可能になるということで、これは移れないと考えております。
 それから移転につきまして、この計画が具体化した時点で具体的に検討いたしたいと考えております。
#72
○竹内(猛)委員 移転の問題はもう前々から、これは私も現地へ何遍も行ったし、気象庁の長官なり関係者に委員会に来てもらって十分に話をして、移転の場所まで決めてある。そこにいるじゃないか、前の企画部長。だから、一体あれはどうなったかという問題なんです。十年間も十二、三年間もほかしておいて、地元ではやきもきしている。あれだけの金を使いながら、むだじゃないですか。それを移転の資料がどうだのこうだの。その資料がなかったら一体どこがどうなるのかということは一つも言わない。ただ資料がある。じゃ資料を見せてくれと言えば、僕ら見たこともないからわけもわからない、ともかくパンフレットを二、三部持ってきて、これを見ろ。それでは一般はなかなか理解がしにくいのですね。そうすると、長短に分けて、長の方はいいけれども、短の方はどうだとかこうだとか、これもまたわけのわからない話だ。
 今日のように、情報化時代、いろいろなものが非常に前進をしているときに、依然として七十年前に移ってきたものがあそこでなければならないという理由、根拠、それがはっきりしない。そのためにどれだけ住民の足を奪っているか、あるいはその地域の開発を不可能にしているか。また、今度の新線ができても依然としてこれは関係をするんですよ。だから、それを考えると、何としても早くこれは移してもらわなければ困る。これは運輸省の問題でもある。ひとつ運輸大臣も腰を入れてもらいたい。どうです。
#73
○采木政府委員 先ほど申し上げましたように、この鉄道が交流であればよろしいのですが、直流方式で仮に守谷以北の筑波学園都市まで乗り入れるといった場合には、長周期の観測はさほどの影響はございませんけれども、短周期について大きな影響があるということでございます。しかしながら、気象庁としましては、地域社会の発展と調和を図りながら我々の業務を進めることが重要であるという認識は持っております。
 先生御指摘のような五十七年の秋に茨城県が中心になって設けられました地磁気観測所問題研究会におきます研究結果を十分に尊重いたしまして、短期周期の観測については、必要な条件が整えば新しい地点へ移転することはやむを得ないと考えております。
#74
○竹内(猛)委員 この際だから特に申し上げておくけれども、これはもうきのうやきょうの話ではないんだ。予算がないからやれないというのか、やる気がないからやらないのか、それだけの話ができたら段階的に県とも何とも相談をして、これはちゃんと処理をしてもらいたいんですね。そうしないと、せっかく施設をつくり、例えば取手まで来た青電があそこでとまってしまっている。土浦の電留基地だってあくびをしている。地域の開発については著しい立ちおくれをしている。これだけでも大きな損失を与えているんですよ。それを考えてみると、これは北村さん、県にいたんだから、わかるんだから、ちょっとそこに出て説明してもらえないか。県の方で大分骨を折ってきたんだから。私がここでもってそういうことを言わなくたって、県の方ではよくわかっているんだ。それが一つも進んでいないという理由が何としてもわからない。金額は三十四、五億だと聞いていますよ。三十四、五億のために、一地域のためにこれだけのことをこういう委員会で申し上げることは甚だ失礼な話だけれども、どうしても言わざるを得ない。ここでできなければ、またどこかで言わなければならない。これはひとつ大臣も二人もいるんだから、地元のあれでもあるんだから、ひとつしっかりやってください。
#75
○山村国務大臣 私も竹内さんと同じように余り科学の方強くございませんので、今から勉強します。
#76
○采木政府委員 仮に鉄道の建設計画が具体的になった場合には、先ほど申し上げました直流方式での鉄道が入ってきて移転が必要になったという場合には、その鉄道の事業主体、これはまだ決まっておりませんので、実は事業主体が決まった時点でその事業主体との間で具体的な協議を進めたいと考えております。
#77
○竹内(猛)委員 だめだ、だめだ、それは。新線ではそれでいいかもしれぬ、新線はまだレールも敷かないし。現在の常磐線、動いておるんだよ、今度は。今の常磐線の問題で困っているのに、何を言っているんだ。おかしいじゃないか、それは。
#78
○采木政府委員 現在の常磐線が直流化されるということになりましたら、その主体であるJRと御相談することになると思います。そういう具体的な計画が出た場合には、気象庁としましては具体的な御相談をすることにやぶさかではございません。
#79
○竹内(猛)委員 そうじゃないんだよ。現在の常磐線が直流になれば結構な話だ。ところが、直流と交流の問題で、いつでも取手と藤代の間に切りかえをして、そのために動かないんでしょう、複々線化できないでしょう、向こうまでは。だからみんなが騒いでいるんじゃないの。その点を今言っているのに、三十四億ぐらいの、当時はそうだった、今ではまた物価が上がったからもっと上がったかもしれない。仮に上がったとしても、その問題は今のような答弁では、それはあなた、落第ですよ。
 そうではなくて、前向きの答弁をするならば、やはり茨城県なり地元の町村長集まって、気象庁もあなたを中心として出てきて、地元の商工会の諸君や何かと十分に話をしてくださいよ。これは社会党だけの問題じゃないのだよ、党派を超えた問題なんだから。これは地元の問題ですよ。茨城県の県南、県西における重大な課題なんだよ。そういうものを今のようなことでもって、新線ができたらとか、そういう話じゃだめだ。
 気象庁というのは運輸大臣が監督者だな。運輸大臣のさっきの答弁、あれはだめだ。もう少し内容のある答弁しなくちゃ。
#80
○山村国務大臣 科学に弱いというのは事実ですから事実を申し上げたわけですが、地元に相談ということですけれども、きょうちょうど昼に茨城県の知事も参りますから、よく相談いたします。
#81
○竹内(猛)委員 それでは、知事と相談すると言うから、この辺でこの問題は終わるけれども、しかしそれで相談してだめだったら、これまたやらなくちゃしようがないね。いや、これはマムシみたいなもので、絶対切っても切れないんだよ、この問題は。
 余りこう言うとあれだから、この辺で。せっかくいいことをやろうとしているのに、今はこの問題にけちをつけたような形になるけれども、しかし茨城県の県西、県南とすればこれは捨てることのできない課題。前の企画部長はそこにいて黙っているけれども、企画部長だって知っているわけだから、それは本当は一そうか、要請する側じゃないからね、しようがない。
 以上をもって終わります。
#82
○東家委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十九分開議
#83
○東家委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。古川雅司君。
#84
○古川委員 ただいま議題となっております大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案につきまして若干の質問をいたします。
 初めに建設省に伺いますが、この常磐新線の沿線において首都圏の勤労者が、サラリーマンが取得可能な宅地を一体供給できるのかどうか、その点についてまずお伺いをしておきたいと思います。
#85
○望月政府委員 もう御案内のとおり、首都圏におきます宅地価格の急騰等を背景にいたしまして、昨今住宅取得の可能性というのは中堅サラリーマンから見て非常に厳しいものがあります。そういった中で、私どもとしては何としても安定的に中堅勤労者が取得可能な住宅宅地を供給しようということを政策の基本の一つに据えているわけでございますが、そういった中で今般御提案を申し上げているこの法案によって対象として取り上げている地域、具体的には常磐線沿線地域が想定されるわけでございますが、この地域におきましては何とかその方向に沿っての政策展開ができる地域である、こういう期待を強く持ちながら事業に取り組んでおる次第でございます。
#86
○古川委員 申すまでもなく、建設省の今取り組んでおられる最大の課題は、大都市地域の住宅宅地問題でございます。しかしながら、住宅政策そのものについて今かなりの模索をしなければならない段階に来ているのじゃないかということを感ずるわけでございます。
 と申しますのも、建設省としては依然として持ち家を推進する政策をとり続けておられます。これは一々その裏づけを細かくは申し上げませんけれども、既に二年前になりますけれども、新前川レポートに至りましては既に社会政策的観点の公共住宅政策は打ち切るべきだという見解を示しておりました。建設省はこの点を既にもう指示をして、さらにその持ち家推進にかなり重きを置いておられるのではないかと思いますが、これも申し上げるまでもなく、この地価の高騰でそうしたことも根底から覆さなければならないのじゃないかという現状が一つございます。冒頭に勤労者にとって取得可能な宅地が得られるのかとお伺いしたのはその点でありまして、既に一般の勤労者が大都市圏において自力で持ち家を持つということ、これは一戸建てあるいは集合住宅に限らず不可能な段階に立ち至っております。そうしてみますと、この辺で住宅政策そのものについて大きな見直しをしなければならない。いわゆる公共住宅を重点に進めていくというこの辺の再検討が始まらなければいけないのじゃないかと思います。
 平成三年度を新年度とする国の第六期の住宅建設五カ年計画の策定に対して今準備を進めておられるわけでございますが、当然こうしたことが大きな検討課題になっていくと思いますけれども、そうした悠長なことでは済まされない。公共住宅重点への見直しを急ぐべきではないかと思うわけでございますけれども、この点は大臣、いかがでございますか。
#87
○伊藤(茂)政府委員 私から御説明申し上げます。
 先生仰せのとおり、大都市圏の地価高騰によりまして大都市圏の居住者の居住水準というものがほかの地域に比べて向上がおくれるということになりますと、現行の五カ年計画あるいは長期的な目標を立てております居住水準の向上が達成できない、こういうことにもなりかねないわけでございまして、私ども大都市圏の住宅対策というものを非常に重要な課題だと考えております。
 先生今お話しのように、次の六期の五カ年計画に際しまして、現行の住宅政策を見直すという作業を昨年の九月に住宅宅地審議会にお願いをしております。それで、この最終答申は来年の三月から夏ぐらいにかけてになると思いますが、それでは最大の問題でございます大都市圏の居住水準問題ということが間に合わないおそれもある、こういうことで大都市圏におきます住宅対策というものを早目に検討していただこうということで非常に精力的に勉強していただいております。最終答申ではございませんけれども、中間的なところで基本的な方針だけを小委員会報告という形で住宅部会の方に報告いただいて、住宅部会としてはそれを審議するという形で今見直しをやっておるところでございます。
 その過程で、六十三年十月の住宅統計調査あるいは建設省で行っております住宅需要実態調査の結果が出ましたが、四十歳代、五十歳代の世帯につきましては依然として持ち家率が非常に高うございます。しかし、三十歳代後半の世帯の持ち家率というものが六十三年に至りまして過去の推移から若干落ちております。しかし一方で、現在借家に住んでいる方で、この東京圏の中で持ち家を持つことによりまして居住水準の向上を図りたい、こう思っている方がまだ六割おられる。三割の方が借家を住みかえて居住水準を向上したい、こういうふうに思っておられるということで、まだまだ首都圏の勤労者の持ち家を持ちたいという需要も大きいわけでございます。したがいまして、私どもはそういう首都圏の国民の皆さん方の住宅需要の動向を見きわめながら、どういう住宅対策を打ったらいいかということをこの審議会で御検討いただきたい、こういうことで今鋭意お願いをし、検討いたしておるところでございます。
#88
○古川委員 この住宅政策の見直しという点、これからの大きな課題として引き続きお取り組みいただくわけでございますが、大臣にひとつ念を押して伺っておきたいのでございます。
 今回のこの大きなプロジェクトにつきましても、せっかく宅地を提供しようとしても非常な高価格になってしまった。午前中からいろいろ御議論がございましたけれども、そうした点では勤労者、サラリーマンが期待した持ち家が持てるということが裏切られてしまうということを懸念するわけでございまして、そういう点では、その地方地方、地域別の住宅政策にいろいろ特色があって、主体性があっていいわけでありますが、特に公共住宅から重点を移していくということは一つの大きな方向性になると思いますので、その点について大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
#89
○野田国務大臣 今住宅局長からも御答弁申し上げましたように、まだまだ半数以上の大勢の大都市圏に住む方々が持ち家取得への夢を持っておられるわけであります。やはり政治にとって大事なことは、国民の夢をいかに実現していくかということが一番大事な政治課題だと思います。そういう点で、これからも持ち家取得の夢を実現できるような政策を我々は一生懸命やっていかなければならぬ、そういう趣旨から今回、今御審議中の宅地開発と鉄道と一体的に整備しようというこの法案を御審議いただいておるわけであります。
 他方、確かにそういう夢が少し遠のきつつあるのではないかという懸念も大変今表明されておるわけであります。しかし、そこであきらめてしまったのでは、これは政治になりません。そこは持ち家取得への夢を何とか実現していこう、これはやはり大事なことだと思っております。そこで、そういう中でもいわゆる低所得の方々の住宅事情、そういった住宅困窮者に対する公共賃貸住宅の必要性ということも他方ではまだあるわけでありますから、両面のニーズにこたえていかなければならない、このように思います。
#90
○古川委員 さて、このたびのこの法案でございますが、議論になっております常磐新線を初めとして、そのほか中部圏、近畿圏も対象地域になつているわけでございます。こうした適用対象というのはそれ以外にはないのか。あるいはまた、こうした鉄道新線を通せば、規模の大小はあったとしてもこうした開発がどんどんできる、宅地を提供できるというようなケースは都内にもまだたくさんあると思うのでございますが、そういった全体像といいますか、そういう構想はお持ちでございますか。
#91
○阿部政府委員 本法案の適用を考えております鉄道新線のプロジェクトは、先生御指摘のように当面常磐新線でございまして、常磐新線は昭和六十年七月の運輸政策審議会の答申において答申として取り上げられておりますが、この線は大都市の近郊と都心の区域を直接連絡するものとして新たに整備される路線でございまして、大規模な鉄道新線であるということ、また、その整備によりまして大量の住宅地の供給が促進されると認められるという点で、この法律の第三条の要件に該当するものだと考えております。
 この法律自身は、大都市圏ということで首都圏のほかに近畿圏、中部圏といった地域も対象になり得るように定めておりますが、両地区におきましてこのような鉄道に該当する計画は現在のところございません。しかし、将来の問題としましてあるいはこれをさらに拡大するといったような御指摘等につきましては、今後それぞれの地域の状況等見ながら私ども検討してまいりたいというふうに考えております。
#92
○古川委員 そこで、常磐新線が焦点になるわけでございますが、これは全体のプログラムと申しますか、スケジュールとしては完成をどのくらいに見込んでいらっしゃるのか。十二年程度というふうに伝えられておりますけれども、それはどの程度の完成度ということを一つの目標にしていらっしゃるのか。その点、いかがでございますか。
#93
○阿部政府委員 運輸政策審議会の昭和六十年七月の答申におきましては、その答申の中で掲げられました線、一応整備予定路線として掲げておりますのは西暦二〇〇〇年、平成十二年になりますが、それまでの整備ということを一応念頭に置いておりますので、私ども常磐新線の計画もそれに沿った形で進めていきたいというふうに考えております。
 なお、その答申におきましては、常磐新線の計画につきまして、当初は東京駅から茨城県の守谷までの地域を実線で表示し、それ以降のものについては点線で表示してございます。点線の表示というのは、その地域の開発の状況等見ながら整備について検討するというような方向で答申が出されたわけでございますが、その後の土地の問題、住宅地の問題等考えまして、そのようなことが土地の臨調で取り上げられ、あるいは多極分散型国土形成法でも議論されたということを踏まえて、私ども土地対策、住宅対策の観点からは、その点線部分のものも含めて西暦二〇〇〇年までの整備に取りかかるということが国家的な、また私ども当面抱える重大な課題ではないかという形で、若干答申を修正した形での取り組みを考えておりますが、ただいま申しましたように、整備の目標というものはやはり平成十二年、西暦二〇〇〇年ということを目標に関係者で鋭意協議しながら整備に努めていきたいというのが現在の私どもの考えでございます。
#94
○古川委員 この事業そのものがこれからそれぞれの当事者の皆さんの大変な御苦労によって進められていくわけでございます。非常に困難な問題はけさほどから幾多指摘をされているところでございますが、現在の住宅事情とかそういったことも含めてもっと早期の完成というものが期し得ないものかどうか、そういう声が非常に強くあるわけでございます。早期完成を阻むものといいますか、そういう問題点、課題をどうとらえていらっしゃるか。
 もっと端的に申し上げますと、この法案自体、本日こうして衆議院で審議をされているわけでございますが、参議院における審議の状態がなお微妙な状態にある。もし今国会で成立を見ないということになると、半年おくれるか一年おくれるか、そういったときの支障はどうお考えになっておりますか。全体的な早期完成への道と申しますか、その問題点、それから当面のそうした法案成立と今後の事業の推進との関係、その点についてのお考えをお述べいただきたいと思います。
#95
○望月政府委員 この法律の目的、趣旨等についてはもう繰り返すまでもないと存じますが、私ども現状のような地価の実態あるいは今後の展望を考えますと、とにかく安定的な宅地供給というものと全面的にしっかりと取り組んでいかなければいかぬという時期が差し迫っているという中でございます。そういった中で今回の法案を御審議賜っているわけでございまして、言ってしまえば、これがおくれるとどうなるかということになりますと、挙げてこの法案の仕組みというのは、国のみならずむしろ公共団体も含めての全体的な体制整備、これをまず急がなければなりません。と同時に、先ほども御質問が出ましたけれども、この地域におきますいわゆる一部不心得な不動産業者の動き方などなどを意識しますと、やはり早目にこの計画づくりに手をつけるあるいは早目にまた公的主体が土地の先行取得等に突っ込んでいかなければならぬ。こういったことなどを考えますと、言うなれば数カ月のおくれが単なる数カ月のおくれで済まないのではないか。言ってしまえば、私どもは今ここまで御審議賜っている段階でございますので、何としても早く御成立をお願い申し上げたい、こんなふうにこいねがっている次第でございます。
#96
○古川委員 局長のただいまの御答弁でも明らかなとおりでございますし、けさほどから何回も繰り返されているところでございますが、国土利用計画法によって監視区域の指定に努めるということ、しかし、事業予定地の地価は既に上がっているということが既に報告をされているわけでございます。こうした先高期待により事業予定地を確保するということ、これは防ぎようがないと言ってしまえばそれまででありますけれども、これは事業の推進において最大の障害になることは言うまでもございません。
 伝えられるところでは、例のリニアモーターカーの試験路線、この問題について山梨県でございましたか、既に強力な誘致運動が行われていて、それはそれぞれの主体において行っているのでありましょうが、そこにおいても先行取得が狂気のように進められているということ。そういう一例一例を見るまでもございませんけれども、この点は今後の非常に大きな課題でございます。これにどういう歯どめをかけていくお考えなのか、お考えをお持ちであればお示しをいただきたいと思いますし、また建設大臣は、御就任になりまして新聞のインタビューにお答えになって、大臣は土地保有税論者である、御自身そうであるとおっしゃりながら、それに踏み切っていく難しさ等もるる述べておられました。大臣の御感想も含めて、ひとつこの対応策についてお示しをいただきたいと思います。
#97
○野田国務大臣 本当に頭の痛い問題でありまして、いろいろなプロジェクトが計画をされる、そうすると、どうしてもいろいろな思惑から不心得と言っていいのでしょうか、今の自由主義経済のもとでの取引としてはやむを得ないのかもしれませんが、そういった行動が先に走っていく、そして結果としてプロジェクトをやっていくために必要な公共用地の取得そのものさえ非常にコストが高くなっていく、そしてまた地域の住民にも多大な迷惑がかかっていく、本当に残念なことであります。そういった点で、できるだけ早期に監視区域の指定をやってもらわなければならぬ。しかし同時にまた、監視区域の指定を行ってもらうためにはそれなりの合理的理由というものが、行政ということであればやはり勝手に鉛筆なめてやるわけにはいかぬ部分もある、そういったこともあろうかと思います。
 そういう点で、先ほど来御質疑がありましたように、できるだけこの法案が早期に成立をしていただく、そして、この早期に成立をしていただくということで直ちにそういった対応への取り組みをやっていただく体制が整うわけでありまして、これが数カ月おくれたら全体の計画が数カ月単におくれるという順送りという話ではなくて、そこに発生するいろいろな思惑的な事柄が結果として後の事業遂行の上に大きな支障を来すおそれがある、このことは率直に懸念をいたしておるわけであります。
 それで後段のお話でありますけれども、長年いろいろ土地問題を個人的には自分なりに勉強してきた一人であると思っておりますけれども、そういった中で、土地に対する税制というものをいろいろな角度からやはりやっていかなければいけない。土地の取得それから保有それから譲渡、それぞれの局面があるわけです。そういった中で、地価対策ということからいえば、需給関係という論理からいえば、できるだけ保有課税を厳しくして譲渡課税を緩和するということが、需給バランスという側面から見れば、短期的な地価対策という側面から見れば非常に効果がある。これは恐らく洋の東西を問わず、ある種の共通した考え方だろう、こう思うわけです。しかし一方で、今日の情勢のもとではなかなか甘いことはやることができても、厳しいことについて果たしてどこまで国民的コンセンサスが得られるのだろうか。
 昨年いろいろな税制改正を研究、検討いたしました過程の中で、やはり土地問題についてもそれなりの検討をこれは与党として加えてきたわけであります。そういった過程の中でも、当時間定資産税が非常に問題になりまして、大都市、特に東京都における土地の値上がり、地価が上がったものですから、それが固定資産税に反映される。そういうことになると、昔から細々とやっている零細なる生業的なお店が固定資産税のためにつぶれてしまう、引っ越しをしなければいけないということは困るという声が率直に言って必ず出てくるわけであります。
 そこで、いつも出てくるのは、じゃ小規模なものはいいじゃないかという例外論が出てくる。小規模とは一体どこなのかというこの基準が実は難しい。それをどんどん認めていくと、結果として土地保有というものを細分化していってしまうということになりかねない。そのことがまた大きな目で見たら都市の機能的な開発といいますか、いろいろな都市施設を整備していく上で長い目で見て障害になりかねない要素もある。そういった意味で、私自身論理としては保有課税強化ということは、当然私は賛成論者でありますが、現実にそれを実態に即して運用していこうということになりますと、なかなかこれは容易でない側面がある。
 そこで、保有課税というのにも複数の側面があるのではないか。それは収益の中から保有をする、そこから上がってくる収益の中から税金を納めていただくというような側面と、逆に本当に追い出し的な要素といいますか、そういう要素を持ってやる側面、いろいろな側面から、保有課税というものを単に一つの側面からだけでなくて、もう少し全体の土地の利用計画なり有効利用を促進するという角度からのある種の見直しみたいなものがあってもいいのではないか、そのような個人的な見解を私は抱いておるわけであります。
#98
○古川委員 いずれにいたしましても、事業予定地を確保するということ、地価の高騰という一点をもってしても今後非常に重要な課題になっていくと思います。
 それで、この法案を作成する段階で、建設省、運輸省、自治省またJR東日本と、それぞれの調整に苦慮をされたようでございます。一点、この鉄道の整備等による開発利益の還元の問題でございますが、特にこれは運輸、建設両省ともお考えが違っていたようでありますし、新しい手法も取り入れられることなく出発をしてしまったということでございますが、この辺の経緯について一応御説明をしておいていただきたいと思います。どういう根拠でございましょうか、開発利益を大体二十一兆円と見込んだ試算も出ております。その五%を還元すれば鉄道整備ができるというようなお考えもあったようでございますけれども、この辺はどうなっておりましたか。
#99
○阿部政府委員 開発利益の還元につきましては、特に鉄道のようなものがそういうことに極めて関係があるという立場から、私どももいろいろ勉強してまいりました。
 ただいまお話しの開発利益の見通しといいますか、運輸経済研究センターでこの鉄道をモデル的にしまして、土地の価格がどのような形で推移するであろうかということを一度勉強会を開いたものが報告書としてまとめられております。それによりますと、ただいまお話しのように、六十年の価格だったと思いますが、その周辺の土地の価格のトータルが四十一兆。それが鉄道がなかった場合にどの程度になるかということにつきましては、わずか四十七兆程度になるであろう。しかし、鉄道が敷かれまして、その鉄道の周辺の開発が進んだ段階での土地の価格の見通しはどの程度になるかというような見通しが約六十八兆ということで、差し引き土地の価格は二十一兆の値上がりになるであろうという勉強結果はございます。これは土地の価格の総額はそうなるであろうということの試算でございます。しかも、これはすべて開発が進んだ段階での土地の価格でございまして、それが直ちに何らかの形で吸収できるものかどうかといったことについての問題は、またいろいろ検討すべき問題だと思っております。
 私ども、そのような検討結果等も踏まえながら、このような鉄道整備に当たり開発利益を何らかの形で還元する手法として具体化できるものがあるだろうかというような検討をいろいろいたしたのでございますが、その開発利益の発生する範囲というものが極めて広域にわたってとらえにくいといったことが特にこのような鉄道の場合考えられますし、また負担すべき土地所有者の要件ですとか、そこに住んでいる人なのかあるいは商店なり事業所を構えるような人でまた違うのではないかといった問題、あるいは先ほど言いましたように、その開発利益の発生の時期の問題、さらに負担をするという以上は何らかの形で強制的な手法による負担を求めるべきであろう、任意の負担ではやはりおかしいのではないかということになりますと、具体化するに当たっては非常に難しい問題を抱えていると言わざるを得ない。すぐこの問題を解決する手法はなかなか見出し得ないというのが私どもの考え方でございまして、この法律にそのようなことについての直接的な規定を設けるというところまで参りませんでした。
 しかし、地方公共団体にこのような鉄道について出資なり何らかの助成をしていただくということをいろいろ設けました裏には、やはりそういう開発利益が固定資産税その他の税制という形で吸収されていくであろう、そういうものが地方からの出資なり援助という形で事前に与えられ、それがいずれはそういう形で吸収されていくという一つの大きいサイクルと見まして、そのような形での支援を地方公共団体からいただくということは広い意味での開発利益の還元になるであろう。そのようなことで地方からの助成といったものを法律上規定させていただいたわけでございます。基本的には大きな検討課題という意識はなお持っておりますし、今後の私どもの勉強すべき課題だというふうに考えております。
#100
○古川委員 そこで、常磐新線のプロジェクトでございますが、これはどのようなものを考えていらっしゃるか。これは運輸省の方でございますか。
#101
○阿部政府委員 私ども当面考えるのは都心部、それをポイントを東京駅とするか秋葉原とするかというような議論もございましたが、できるだけ有効な鉄道をしかも短期間で早くといったような要請から考えますと、鉄道としては筑波研究学園都市と都心として秋葉原を結ぶ鉄道として計画するのがおおよそ当面一番合理的ではなかろうかと
いうような方向で検討委員会で検討を進めているところでございます。
#102
○古川委員 第三セクターにつきまして、特に当初JR東日本は非常に消極的で、もう手を引かざるを得ないというような姿勢であったというふうに聞いております。そのJR側としては、一つには二十一兆円と試算をされている地価の上昇による開発利益の中から、先ほども申し上げましたけれども、鉄道建設基金というようなものをつくってそこで運営をしていくというような考えを持っていたようでございますが、建設費につきましても、これは最初六千億から八千億と見込んでいたのでありましょうか、しかし実際には一兆を超えるであろうという見込み方もございます。その辺のいきさつでございますが、JR東日本との交渉の経緯も含めて、第三セクターの今後の見通し、鉄道の整備につきまして、特にその内容について明らかになっている点だけひとつお示しおきいただきたいと思います。
#103
○阿部政府委員 鉄道の整備につきましては、一都三県及びJR東日本、それと運輸省が入りました常磐新線整備検討委員会というのを六十二年の九月に設けまして、検討委員会の中に幹事会さらにワーキンググループといったものを設けて、鋭意各種の問題についての検討を進めてきておるのが現状でございます。その中では、工事費が大体どのぐらいになるかといったような試算もやり、需要がどの程度の段階でどう伸びていくかといったようなこともいろいろ議論しておるわけでございますが、その段階で六十二年度価格というようなことで想定しました建設費がおおよそ六千億というようなことになっております。しかし、これがやはり建設期間がかかりますと、その間の金利の問題ですとか物価騰貴の問題等も予想されます。そうなりますと、でき上がり価格としては七千億を超えるぐらいの価格になるという見通しもございますが、いずれにしましても土地の見通しが今後どうなるか、その辺の土地の価格についてもかなり変動要因であるんじゃないかといったような議論も特にJRサイドから心配する意味で出されております。
 この辺につきましては、見通しという問題でもございますのでなかなか的確な数字を持っておらないというのが実情でございますが、私どもいよいよ具体化するに当たっては、その辺の建設費のきめ細かい見積もりをもう一度やり直すといったような作業に別途現在取り組んでおりますし、それらについての資金の手当て、例えば第三セクターをつくるにいたしましても、どの程度を出資金で求めるか、どの程度をまた鉄建公団によります建設にゆだねるかといったような問題も細かくございますので、今後そのような問題をさらに関係者間でよく詰めましてこの計画の実現を進めていくというのが基本的な考え方でございまして、それらについては今後関係者間でなお精力的に詰めてまいりたいという課題でございます。
#104
○古川委員 その点もこの事業の大きな課題として今後残されていくと思います。
 第三セクターに対する財界の投資を要請をしてこれが受け入れられた、事実上見通しがついたというふうに伝えられておりますが、これは今御答弁のありましたそうしたJRが非常に消極的である、懸念を持っているということに対する対応として行われたことであるのか。この財界の参入によってJRのそうした懸念が少しでも軽くなった、負担が軽くなったということで、いよいよこの事業の実施にスタートができるという意味なのか。財界の参入につきましては関西新空港の事例もございますのでとやかく申し上げるわけではございませんけれども、どの時点でこの財界参入ということをお考えになって見通しをおつけになったのか。この点はいかがでございますか。
#105
○阿部政府委員 第三セクターの形成につきましては、先生ただいま御指摘になりましたように関西空港のプロジェクト、これは運輸省で進めておりますが、建設省でお進めになっている東京湾のプロジェクト、そのようなかなり大きい国家的なプロジェクトについては、広く経済界からの出資の協力もある形で進められております。私ども、常磐新線計画もそれらに準ずるような大きいプロジェクトであろうということで、そういう経済界の協力も含めた形で進めることが望ましいのではないか、またそのような力をおかりした形で進めざるを得ないのではないかという視点に立って、先ほど申しました検討委員会の検討の中におきましても、関係者だけの負担ではなしに、さらにそういう経済界等への協力も求めようというようなことを内々検討しております。
 しかしまだ正式な要請と申しますか、そのような働きかけを正式にいたしておるわけではございません。私ども、そのようなことを今後検討していくに当たっての内々の打診といいますか、感触を打診しているという段階でございまして、今後内部での検討を含め、内部でのある程度の合意を前提に、そのようなことについての正式なお願いなり御要請をするというようなことで取り組んでまいりたいというのが現在の状況でございます。
#106
○古川委員 いろいろと伺ってまいりましたけれども、いずれにいたしましても、この法律が成立をいたしまして事業に取りかかるということになりますと、これはいろいろな難しい課題をぜひとも克服していかなきゃならない。と同時に、大勢の勤労者、サラリーマンに住宅をたくさん提供できるようにならなければならない。なおかつ早期の完成が待たれるということも含めまして、これは単に第三セクターとか関係のそれぞれの地域、茨城県、埼玉県、千葉県、そういったところだけに任せておける問題ではない。やはりこれはあくまでも国家的な事業としてその推進を図っていかなきゃならないというように考えるわけでございますが、言わずもがなでございますけれども、両大臣にその御決意のほどを一言ずつ伺っておきたいと思います。
#107
○山村国務大臣 この常磐新線は、昨今の首都圏における地価高騰を背景とした土地問題等の解決に大きく寄与するものであり、緊急に整備さるべき重要な路線であると認識いたしております。この常磐新線は、一都三県にまたがる長大な路線であり、今後事業を具体化していくためには、用地取得の目途をつけることを初めといたしまして、事業主体や資金調達、この方法、また基本的課題について十分な検討を行い、問題点を解決していく必要がございますが、運輸省といたしましても、関係者と十分協議をいたしまして、事業の具体化に向けて積極的に取り組んでまいります。
#108
○野田国務大臣 御指摘のとおり、何とか住宅取得に対する国民の夢を現実のものとするために非常に大事な今回の計画でございます。国も地方団体、関係者と一緒に総力を挙げてこの成功のために頑張っていきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
#109
○古川委員 失礼ですが、運輸大臣、しばらく御休憩いただいて結構でございます。ありがとうございました。
 建設省にお伺いをいたしますが、多少法案と離れまして恐縮でございますけれども、ひとつお許しをいただきたいと思います。
 昨日、本委員会で一般質問が行われました。本委員会で去る五月十九日に前建設大臣、国土庁長官から所信の表明を伺ったわけでございます。昨日はまた新大臣からもごあいさつを伺いました。それぞれに関連をするわけでございますが、二点ほど確認をさせていただきたいと思います。
 一つは、特に建設省の公共事業に対する談合の問題でございますが、昨年の末以来そういったことが時々指摘をされております。こうした委員会の機会でそれをお尋ねするチャンスがございませんでした。昨年の末でございましたが、建設省が六十三年度に発注する予定の工事について入札前に受注予定業者名を記した一覧表を作成していたということが一部のマスコミにすっぱ抜かれました。その報道の中で、横山忠行公共工事契約指導官のお話として真っ向から否定をしておられます。これはいわゆる「本命リスト」という名前もつけられているそうでございまして、長い間そういう慣行があったのかどうか。しかも、どういう形
であれ表面に出てきたこの「本命リスト」、業界が談合であらかじめ内定をした落札の予定の業者がそのまま受け入れられた形で指名をされている、決定をしているというようなことでございますけれども、この点まずいかがでございましょう。
#110
○牧野(徹)政府委員 ただいま御指摘になりました新聞記事については私どもも承知をしております。お話しのように十二月三十日という暮れでありましたし、かなり大きな扱いでございました。私どもも重大な関心を持って調査をいたしましたが、当然のことながら新聞で報道されたような事実は全くございませんでした。
#111
○古川委員 そういう報道がどうしてなされたのか、全くの誤報であったのか、それらしき何物もなかったのかということになるわけでございますが、これは申し上げるまでもございませんけれども、昭和五十六年、静岡県下で大規模な摘発が行われました。それに前後いたしまして、談合について自粛への非常に大きな動きがあったわけでございます。特に事前に受注業者が決まっているという関係者からの通報によりまして報道機関がそれを取り上げるというような形もとってきたわけでありますけれども、その後、談合については昭和五十九年、建設省の見解なのかどうかこれは確認をしたいのですけれども、官公庁の工事発注予定や業者の受注計画について情報を交換することは独禁法違反にはならないというガイドラインをお示しになったわけでございます。これは業者間の話し合いという形で談合を認めた談合復活の非常に大きな支えであるというふうに言われてきたわけでございます。
 くどいようでございますけれども、根回しというものが重要視をされる日本の社会にあって、談合に対する罪悪感というのは極めて薄いわけでございまして、建設省としてはこうした公共工事につきまして、例えば受注登録している関係の業者に対して指名停止処分をする、それもわずか一カ月であるというような、姿勢としては非常に甘いわけであります。そういう社会慣行あるいは全体的な風潮に照らして、談合に対しては非常に甘いのではないかということを感ずるわけでございますが、その辺のお考えと申しますか建設省の姿勢はどう受けとめればよろしいのでしょうか。
#112
○望月政府委員 いわゆる独禁法に触れるような談合という問題が建設業をめぐりましていろいろと言われていることでございますけれども、ただいま先生お話しのように、五十九年に静岡事件の後を受けましてガイドラインというものが定められたわけでございます。私どもとしては、そういった時期も一つの契機にいたしまして、独禁法の遵守ということについては常に厳しく業界に対する指導を行ってまいっているわけでございますし、いやしくもこのガイドラインを何か錯覚をして、独禁法で穴抜けがされたというふうな誤解があっては本来ならないものでございますので、あくまでも法の厳守ということについてはいささかも緩みなく指導を強めている次第でございます。
 そういった中で実は昨年の暮れにも横須賀事件というものが発生したということはまことに残念のきわみの次第でございまして、私ども改めてまたこの辺で業界に対しまして厳しい指導をしているという実情でございます。また、そういったことが起こる都度、私どもは今先生がお話しになりましたように指名停止等の現実的な措置というもので臨んでいるわけでございますが、ともかくこの問題につきましては、建設業に対する国民の信頼ということを確保していく一番根源的なところでございますので、引き続き私どもは厳しい指導で臨んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
#113
○古川委員 この問題について最後に大臣にお伺いをしたいと思います。
 大臣、これは御就任のときのインタビューの記事でございます、共同通信かと思いますけれども、建設市場の開放問題にはどう対処されますかという質問に対して大臣が、「外国からの批判は理解不足がある。最初から自分たちがうまくいかないのは日本の社会がおかしいからだ、と頭からやられて日本もカリカリした。(談合など)違法行為はきちんと正すが、外国企業も日本の社会の中でやるのだから全くアメリカ社会と同じにやれというのは無理がある。」
 この活字どおりかどうかわかりませんけれども、談合問題についても、いわゆる国際化の中で、建設市場の開放の波の中で、海外から日本のそうした慣行についていろいろクレームもついてきているわけでございます。建設市場の開放を機に我が国の慣行化している談合についてもこれまた国際的に関心が高まってくる、そういう状況でございますけれども、日本は日本でやっていることだとかあるいは海外とは全く事情が違うのだということになるのか、談合そのものについてひとつ緩やかな取り組みと申しますか、だんだんまた昔のそうした慣習に戻ってきているということをここで改めて考え直さなければならないのか、もっと長い目で見れば大きな全体像の見直しをしていかなければならないのか。その辺の大臣のお考えを伺いまして、私の質問を終わります。
#114
○野田国務大臣 今、日米間で非常に市場開放問題、いわゆる貿易摩擦問題が懸案の問題として浮上してきておるわけであります。これはもう今始まったことではなくて、かなり前から御案内のとおり次々といろいろな事柄がテーマになって俎上にのせられてきておるわけです。
 私自身も今日までいろいろな分野で政治活動をやってきたわけでありますが、一連の事柄を見ておりますと、私は率直に、アメリカの議会の方にもかなり誤解もあるし、同盟国に対してアンフェアであるというレッテルを張りつけてやるというやり方は好ましいことではない。我々日本としても、少なくともこれだけの経済大国になったわけですから、国際社会の中でそれなりの責任ある役割を果たしていかなければならぬ、これは当然のことだと思いますが、そういう意味で日本の市場をどんどん開放していくということは大変大事なことだと思いますし、貿易インバランスの是正のために我々も努力をしていかなければならないことは当然のことだと思います。しかし、日本が一方的にけしからぬ行為をやったおかげでそういう貿易インバランスが発生しておるんだというやり方は私は承服はできませんということを、新聞記者のインタビューでも申し上げてきたところであります。
 しかし、この点は日本も反省すべきところもある。それは確かに指摘を受けるとおり是正を要すべき部分もあるだろうし、その是正を要する部分は当然是正していかなければなりません。あるいはまた、かなりアメリカ側の誤解に基づいてクレームをつけられている部分も、今日までいろいろな分野で我々も経験をしておるわけであります。そこで、誤解を受けておるからアメリカの誤解がけしからぬというだけでは済まない部分もある。やはり社会慣習、生活慣習、いろいろな慣行が違うわけでありますから、同じことをやるにしてもできるだけ誤解を受けないような、言うなら透明度といいますか、アメリカの企業側から見ても透明度が高まっていくということは大変大事なことであります。
 そういった意味で、今日建設業界における談合行為というものは確かに違法行為である。そういう意味で今日まで建設省としても独禁法等の関係法令を遵守するように厳しく指導してきておりますし、これからも厳しく指導していかなければならぬと思っておりますが、一方で、こういった建設産業をめぐる摩擦問題について、私どもは、先ほど申し上げましたように、違法行為とは別として、透明度を高めるために、業界の内部においても独自の検討委員会を既に二月からスタートして、今研究していただいておるわけであります。
 要は、アメリカの議会においても政府においても、そしてまた我々日本側においても、冷静にこれらの問題に対処していかなければいけない。そしていわばサクセスストーリーが一つ二つでも出てくる。特にアメリカを初め十八社ぐらいですか、現に日本でも建設業の許可を受けてそういった仕事が始まっているわけでありますから、そういった事柄が進んでいく。そしてアメリカの業者の方々も、日本における業界のいろいろな慣行なりというものをごらんになり、そしてなれていく。そういった中からまた誤解も解けていくのではないか。要は、両方とも冷静に事柄に対処していかなければいけない、こういう趣旨のことを実は申し上げたわけであります。
 そういう意味で、いわゆるこの談合行為というものに対する違法行為としての厳しい指導というものは当然これからも続けていくべきものである、この点は変わらない、このことだけは申し上げておきたいと思います。
#115
○古川委員 終わります。
#116
○東家委員長 中島武敏君。
#117
○中島(武)委員 この法案は、宅地開発と鉄道整備を一体的に推進するために必要な特別措置を講ずることにより、大量の住宅地の供給と新たな鉄道の整備を目的としているとされております。
 この法案の「大都市地域」というのは、首都圏整備法、近畿圏整備法または中部圏開発整備法に規定する既成市街地、近郊整備地帯等またはその周辺の地域とされておりますけれども、当面具体的に検討されているのはどこどこでしょうか。
#118
○阿部政府委員 当面私どもが検討しておりますのは、この法律の第三条で「鉄道」という形で書いてございますが、「著しい住宅地需要が存する大都市地域において、大都市の近郊と都心の区域を連絡するものとして新たに整備される大規模な鉄道であって、当該鉄道の整備により大量の住宅地の供給が促進されると認められるもの」、このような鉄道の計画としては、運輸省としては、運輸政策審議会の答申路線の中で常磐新線がこれに当たるもの、このように考えております。
#119
○中島(武)委員 近畿圏、それから中部圏における計画というのはないのですか。――また将来はどういうお考えですか。
#120
○阿部政府委員 運輸省におきましては、大都市圏における鉄道の計画につきまして運輸政策審議会に諮問いたしまして、首都圏につきましては昭和六十年七月に答申をいただきました。大阪圏につきましては、先日でございますが、大阪圏の鉄道整備に関する計画の答申を去る五月の末にいただいております。今後私ども名古屋圏の鉄道についても逐次見直していく予定にいたしております。
 その中で東京圏につきましては常磐新線という計画がこれの計画にほぼ該当するということで取り上げたいと思っておりますが、大阪圏の鉄道の中でこのような形で郊外部と都心部を直接連絡する大規模な鉄道という計画は、今回の答申の中には入っておりません。それぞれ各種の計画がございますが、このような形での計画は今回ございませんでしたので、大阪圏、名古屋圏は今後の検討結果にまたざるを得ませんけれども、そのような状況で、それぞれの地域の鉄道計画に応じてこの法律の適用を考えていくというのが現在の基本的な考え方でございます。
#121
○中島(武)委員 私は、主として常磐新線に関して目下検討されている問題、いろいろ聞いている問題もありますので、そういうことを踏まえてこの法案についてお尋ねしていきたいと思うのです。
 この法案はどうも枠組み法案なものですから、常磐新線に関する具体的な内容そのものをストレートに決めていないわけですね。それでなかなか審議しにくい、こういう一面があるのです。なぜこれを枠組み法案にされたのか、この点について伺いたいと思うのです。
#122
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 従来、鉄道の整備につきましては、個別の鉄道の整備のための法制というものはございません。一般的には、鉄道事業法に基づいて事業者の申請を待って、運輸省がそれを免許し、必要に応じてそれらについての助成を講ずるということであったわけでございますが、このたびこのような法案を考えましたのは、やはり鉄道プロパーの立場ではなしに、鉄道と土地対策あるいは住宅対策というものが一体的に推進される必要があるというような認識で、鉄道についてもそのような観点からの計画とうまくマッチさせながら進める、それらを一体的に推進するという観点からの特殊性が現在の時点においては必要ではなかろうか。そのために、鉄道についてもそういった計画との整合性をとりながら、さらに鉄道の整備をしやすくするための土地の対策面からの支援策といったものは必要ではなかろうか。また、そういうものがないと特に大規模な鉄道の整備はしにくい現実にあるということを踏まえまして、私どもこの法制を建設省と一緒に取り組んで勉強を進め、このような法案をまとめるに至ったものでございます。
#123
○中島(武)委員 ある場合には白紙委任してしまうということになってしまってちょっと大変だな、こういうことも感じる面もあるのですけれども、ちょっと具体的に伺いたいと思います。
 常磐新線問題では、運輸省と一都三県、それにJR東日本の代表で常磐新線整備検討委員会が昭和六十二年の九月に設けられた。先ほど来の答弁でも明らかであります。そこでどういうことが検討されているのか、問題点はどういうところにあるのか、こういう点についてお尋ねしたいと思います。
#124
○阿部政府委員 常磐新線の整備検討委員会、ただいま先生もお話しになりましたようなメンバーで構成し、六十二年九月からスタートし、その中で幹事会、さらにワーキンググループ等をつくって精力的に検討してきております。
 検討の内容でございますが、これは、このような地域の開発の状況がどうなるであろうか、それが輸送需要にどのような形で反映するであろうか、さらに鉄道の建設資金についてはどの程度の建設費がかかるであろうか、また土地取得についてはどういう問題があるかといったような数多くの問題がございまして、私どもそのような場で、まず第一に取りかかるべき、例えば路線をどこからどこまで引くのが一番適切なのかということから始めまして、建設費の見通しですとか輸送需要の見通し、採算性の見通しといったようなことについての検討を進め、またあわせて助成方策等についてもとのような助成策が必要かといったようなことについて幅広く検討してきておるものでございます。
#125
○中島(武)委員 私の調査では、こんなことになっています。これは地方公共団体の方々が言っていることですけれども、昨年の十一月十四日に第一回の合意がこの検討委員会でできたけれども、それによりますと自治体が負担、調達すべきものとして、出資金以外に無償資金約八百八十億円の問題があって、そしてこれを基金とする案、つまりこれはリスクに備えたもののようでありますけれども、そういう案があったのですけれども、これは合意に達しなかった、こういうことを聞いているのです。この点はどうですか。
#126
○阿部政府委員 検討委員会におきましては、いろいろ幹事会ですとかワーキンググループでの検討結果を踏まえながら、ある程度合意的なものをまとめながら進めていくという手法が適当であろうということで、それまで審議してきたものを一応フレームといったような形で今後さらにそれを詰めていくという形でのまとめをして問題の取り上げ方を進めてきておるわけでございます。
 昨年の十一月についてもなお多くの検討課題があるということを前提に、とりあえずはこういうフレームをさらに詰めていこうという形になっておりまして、その中では路線の建設区間につきましては秋葉原から筑波研究学園都市間、これを第一期の計画として進めることが適当であろう、建設費は約六千億になろう、また開業目標年次は昭和の七十五年を目標にしよう、事業主体については、整備主体としては第三セクターを予定し、運営主体としてはJR東日本を予定して進めることが妥当だというようなことについての合意フレームをつくろうというようなことについての議論をいたしました。
 その中では土地の問題、特に用地費の増が今後さらに予想される、あるいは工事費の増加が予想されるといったことの事態に対して、関係者でどのような形で対応してこれらを乗り切っていくべきかということについての議論も行われ、それらについての合意は見たわけではございません。そういう問題については今後関係者間でなおよく問題点を詰めて一それに取り組む方策を検討していこうというようなことを前提に、先ほど申しましたようなことについての一応の合意というか基本フレーム、検討の前提としてのフレームがその会議で諮られたということでございます。
#127
○中島(武)委員 否定はされなかったようなんですが、どうも中身がわかりにくいのです。じゃ、もう少し言います。
 私が調べたところによりますと、今私が述べた八百八十億円の案、結局案はいろいろあったのだけれどもだめになった、私はこういうように聞いているのです。どうしてだめになったかといいますと、それはJR東日本がこの案について主として次のようなことを述べた。第一期工事が六千億円で上がらないおそれがある、それからさっき局長が言われた紀元二〇〇〇年の工期が延びてしまうおそれがある、したがって工期が延びれば利子負担なんかも当然もっと大きくなる、それからさらに、鉄道は整備したけれども、地価の値上がりその他によって予定どおりの住宅ができない、乗客が確保できないおそれがある、そういう場合にはJR東日本としてはリスクの負担はできない、こういうふうに主張したと聞いているのです。
 それからさらに、出資金をどういうふうに分担するかという問題もあって、この点についても最終的な合意に至っていないと聞いています。この点はそうですが。先ほどの局長の答弁は否定はしてないみたいなんだけれども、どうもはっきりしない点もあるので、ちょっと詳しく述べましたので重ねて答えていただきたい。
#128
○阿部政府委員 JRは国鉄から民営化された会社でございますし、まさに営利事業という立場からの事業遂行に対する責任を持ち、またそういう観点からの事業遂行をしなければならない立場に置かれた会社でございます。したがいまして、新しい事業への投資、これもかなり危険を伴うといいますか、事業を行う以上は当然危険はあるわけでございますが、それも運営主体として責任を負う危険を負担させられる、さらに整備主体としての責任もあり得るということ、しかも事業の規模からいいますと可能性としてはかなり大きくなるおそれがあるのではないか、そういう意味では民間会社としてはかなり慎重論を述べているということは事実でございます。また、民間会社が将来の長期的な経営についての展望を持ちますためには、ある程度そういう負担についてもきちっとした見通しを持って臨みたいということを強く主張する、またはそのような希望を持たれることもまたやむを得ないといいますか、当然のことだろうというふうに考えております。
 したがいまして、私どもそれらにつきましては今後なお時間をかけ、これもずるずるとかけることが適当だという意味ではございませんが、納得ずくでこういう計画がスタートしなければ事業としてもうまくいかないものと考えておりますので、関係者が十分話し合い調整した上で、合意を得た上で進めていくということで、なお現在のところはそれらの問題について協議を進めておる、個別にあるいは全体で集まって話を進めようというようなことをいろいろやっているところでございます。
#129
○中島(武)委員 これは新聞報道によるのですけれども、リスク負担は、今も答弁があったように引き受けられない、そうするとそういう危険性を持っている常磐新線も引き受けることはできない、こう言っているという新聞報道があるのですね。
 それで、私がお尋ねしたいのは、JR東日本は、事業主体である第三セクターには参加するのかしないのか、それから常磐新線の運営には参加するのかしないのか、その点をお聞きしたい。
#130
○阿部政府委員 昨年十一月の基本フレームにおきましても、検討の方向としましては、整備主体は第三セクター、その第三セクターは自治体、JR東日本、開銀、民間等で構成していこうということが取り上げられておりますし、運営についてはJR東日本というふうになっておりまして、JRとしても、この計画にはいろいろ自分としての心配その他事業運営上のクリアにしておかなければならない若干の点はあるけれども、そういう方向での検討については今後も参加していく、私どももそういう前提で現在協議を進めているところでございます。
#131
○中島(武)委員 私は率直に言いますけれども、JR東日本の態度は決して正しいとは言えないんじゃないかという気がするのです。それはほかでもないのですけれども、運営も行うし、それから同時に整備主体にも参加する、第三セクターにも参加する。リスクを恐れるのはわかるのですけれども、しかし地方自治体やその他の民間団体と一緒に第三セクターの一員としてそのリスクを引き受けよう。リスクがないようにするにはどうしたらいいか、しかしリスクがあるんだったらそのリスクも引き受けようというのが私は正しい態度じゃないかというふうに思うのですね。ですから、出資金についても当然引き受けるのは言うまでもないことですが、JR東日本にふさわしい引き受け方をする、それからリスクがあればリスクについてもやはり自分が分担する、こういうふうに考えるべきじゃないのかというふうに思うのですけれども、いかがですか。
#132
○阿部政府委員 JRもリスクを一切負担しないということを言っているわけではございません。一定のリスクといいますかそのようなものについては事業運営上当然あるものでありまして、それも合理的な範囲では引き受けざるを得ないという立場ではございますが、その辺のリスクの範囲といいますかリスクの程度というものについて、もう少し明確なものをきちっと決めて参加するなら参加したい、こういうことでございまして、私どもそういうことについての関係者との詰めを行っておるところでございます。
#133
○中島(武)委員 私は、この問題はなかなか難しい問題でもあるし、積極的なJRの姿勢というのが必要だと思うのです。逃げ腰で、リスクの方は引き受けないわけじゃないがほんのわずかしか引き受けないとか、出資金はほんのわずかだとか、仮にそういうことを言い出すと、地方自治体がみんな責任を持ちなさい、こういう話になっていってしまうのですね。僕は関係者の人たちかちいろいろなことを聞いているのですけれども、そういう点が非常に心配されるわけですね。だからきょうもこうやっていろいろとお尋ねをしておるわけであります。
 自治省の方、来ていらっしゃいますか。自治省に伺いますけれども、出資金とかあるいはリスクがあった場合のリスク負担というのは、公平に東日本も当然負担をするべきである、地方自治体だけに押しつけられるなどということはゆめゆめあってはならないのですけれども、地方自治のあり方あるいは地方自治体の財政の健全化というような角度からいって、これは共管の法律ですけれども、自治省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、そこを伺いたいと思うのです。
#134
○嶋津説明員 常磐新線につきましては従来から地元地方公共団体とJRそれから運輸省との間で随分協議が行われているわけでございます。そういう点ではやはり地方団体としても非常に強い関心を持っておりまして、なるべく早期にこの制度なりあるいは第三セクターを設立したいというふうに考えているわけでございますが、あくまでもこれは地方団体として従来よりも一歩踏み込んだ形で、第三セクターをつくればそれの経営に参画するという考え方を持っているわけでございますが、その参画すべき割合なりはそれぞれ地方団体の、地域の事情がございます。現在それぞれ都あるいは県において議論をしているところだと思いますけれども、御指摘のように当然それ佳JRなりあるいは民間なりとの関係でいいますと、地域としては住民を代表する形で応分の負担をしていこうということであろうかと考えております。
#135
○中島(武)委員 今詰めても結論の出る話じゃありませんので、公平の原則でちゃんときちっとしていくということが大事だと思うのです。
 次に、国の負担の問題に関してお尋ねしたいと思うのですが、私が聞いているところでは、運輸省の方は大蔵省に対してP線方式、五%、二十五年を四%、四十年でいけるように要望していると聞いております。さっきも若干答弁があったようですけれども、この点はいかがでございますか。
#136
○阿部政府委員 この鉄道が建設費が相当かかるということであり、なお、採算その他の面でいきますと、開発的な面も持っており、従来の単なる都市内の鉄道と違うということで、私どももできるだけ国としての支援を強化したいという基本的な考え方を持っておるわけでございます。
 建設につきましては、鉄道建設公団のP線方式、民間鉄道をつくります場合の方式を参考にいたしまして、その条件が二十五年あるいは利子補給する場合の基準が五%超ということになっておりますけれども、それらをもう少しこの鉄道の実情に合わせて、返済といいますか分割の期間を四十年に延ばしてもらう、あるいは利子補給についても五%をもう一つ上乗せしてもらうということでの折衝を財政当局とやっておるところでございます。
#137
○中島(武)委員 常磐新線、これは先ほどから御答弁のあるように一都三県にまたがる長大路線ですけれども、これだけ長大な路線を第三セクター方式で整備した例というのは今まであるでしょうか。
#138
○阿部政府委員 第三セクター鉄道で約六十キロという形での鉄道整備は今回が初めてかと思います。
 なお、先般、東京都営の地下鉄十二号線につきまして、環状部分につきまして第三セクターで整備するということで会社が発足し免許も与えられましたが、このキロ程は約三十キロということになっております。
#139
○中島(武)委員 この常磐新線は、もともと運政審の答申によりますと本来国鉄がやるべきものであるがとされておりまして、しかし、用地取得、資金調達の面から地方自治体の関与や民間活力の導入を図りやすくするため、国鉄、地方公共団体、民間企業から成る第三セクター方式も一案として考えられるとしているわけです。それで、この答申においてもその事業主体を第三セクターとしているわけです。そして、そうする理由についていろいろ今言ったように言っているわけですけれども、本来は国鉄がやるべきものである、こういうことが述べられておるわけです。これは言うまでもないのですけれども、この鉄道は極めて公共性も高いし、そしてまた一都三県と距離も大変長いところにまたがる鉄道でありますし、わざわざこういう法律もつくって、特別措置もつくって事業をやる、こういうふうにしているわけですから、国が大幅に助成、補助をやるべきじゃないか、こう私は考えます。
 それで、常磐新線に関しては、この法律によりますと、国は「必要な資金の確保に努めなければならない。」とされているわけですけれども、一体その内容は何でしょうか。
#140
○阿部政府委員 この法律の第二十条におきまして、「国及び関係地方公共団体は、承認特定鉄道の整備の円滑な実施のために必要な資金の確保に努めなければならない。」と書いてございます。国の方の資金確保ということの第一としましては、先ほど申しました鉄道建設公団に建設を委託する場合の鉄道建設公団の各種の財投資金といいますか、それらの資金の確保を国が図るということを頭に置いて書いてあるわけでございます。
#141
○中島(武)委員 その資金の確保は具体的には何でございますか。
#142
○阿部政府委員 鉄道建設公団の資金につきましては、毎年の予算によって決められるわけでございますが、財政投融資資金あるいは鉄道建設公団の債券発行、その引き受けによります資金調達といったような各種の資金調達が図られているのが鉄建公団の実情でございます。
#143
○中島(武)委員 これに国が出資するという気持ちは全くないのですか。それから国が直接補助をする、こういうようなことは考えませんか。
#144
○阿部政府委員 第三セクターと申しましてもやはり民間の鉄道でございまして、国が出資する鉄道というものは現在ございませんし、私どもも第三セクターという形で、できるものならそういう形で国の出資を仰がないでやっていただくということが鉄道の現在の整備のあり方として望ましいのではないかということを基本的に考えております。
 国の補助につきましては、先ほど申しました鉄道建設公団に対しまして利子補給をいたします。例えば、現在のP線工事の場合ですと、民間会社が譲渡を受けまして二十五年で払うわけですけれども、金利が高いと私鉄としては非常に負担がふえるということで、五%を超えるものについては国もその利子補給を行うということをやっております。この鉄道につきましても、先ほど申しましたようにそれをもう一段乗せた利子補給をする、その利子補給は国の一般会計の予算で行うという形で補助を行う予定にいたしております。
#145
○中島(武)委員 今、先ほどお話のあったP線方式についての答弁もあったのですが、私はP線方式はP線方式、もっと、先ほど答弁あったように五%を四%にするとか一四%とは答弁はなかったのですけれども、負担をもっと国が多くするとか、あるいは期間を二十五年を四十年とか長くするとか、これはわかるのです、わかるのですけれども、それだけじゃなくて、例えば地下鉄方式で国が思い切って補助をするというようなことをやっても、こういう長大なかつ公共性の高い鉄道に対してばいいんじゃないか、また、いや、それぐらいのことを政府、国はやるべきじゃないかと思うのですけれども、この点はどうでございますか。
#146
○阿部政府委員 現在の地下鉄に対する補助制度は補助金額を補助対象建設費の七〇%相当といたしまして、これを国と地方公共団体が折半で十年で分割して補助するという制度になっております。
 私どもこの常磐新線を建設するに当たりましても、やはり地下鉄との制度のバランスといいますか、特に東京都に入ってきてからは地下を掘って一つくらなければならない鉄道でございます。したがいまして、それについてはできるだけ地下鉄補助に準じた形で、しかし、郊外部については、ニュータウン補助という形での補助制度は現在もございますが、ニュータウン補助。したがって、この常磐新線は地下鉄補助とニュータウン補助の組み合わせといったような形に現実になるのが現在の鉄道の補助制度のバランスからいって適当であろうということで、先ほど申しました実体的にそのバランスの上に立ちました補助制度ということで、鉄道建設公団のP線方式を一段拡充して実質それに見合ったような補助方式にするということで財政当局と折衝しておるところでございます。
#147
○中島(武)委員 どうも答弁を聞いておりますと、結局この鉄道を敷くと地方自治体と関係住民の負担になる可能性が非常に強くなると聞こえる。聞こえるといいますか、今の答弁ではそうだと思うのです。その点は私どもの見解として述べておきたいと思うのです。
 もう一つかかわってちょっと伺いたいのは、この法案の二十一条の関係で地方公共団体の貸し付けという点が規定されているわけです。この貸し付け条項というか貸し付けば、地方公共団体に言わせればリスク条項ではないかという見方があるのです。つまり、この貸し付けによって、先ほども言ったのですけれども、そのリスクに備えなければならない、それに活用しょう、そういう考えじゃないか、こういうふうに私どもは聞いているのですけれども、この点はそういう考え方を含んでおりますか。
#148
○阿部政府委員 先生のお話のリスク条項ということ、ちょっと私も十分正確に理解できないのですが、鉄道事業などを行います場合にはやはり一定額は資本金で調達する、さらに残りは借入金で調達する。それも政府関係の金融機関ですとかあるいは市中の金融機関から調達するのが民間鉄道の場合は通常でございます。特にこのような地域と密着している鉄道につきましては、地方公共団体も出資は一定限度に限られますので、それ以外の必要資金については政府系金融機関あるいは民間の金融機関のほかに地方公共団体からもできるだけ安い資金が借りられて鉄道経営が健全にいく、施設の整備が順調にいくということで、地方公共団体にもお手伝い願いたいというふうに考えておりまして、このようなものは通常の鉄道事業者に対するその地域の密着性、地域に対する貢献度ということから考えて、地域もそれだけの支援をするということを、貸し付けという形でもやれるようにしていただきたい、また、そのような形での規定を自治省とも協議の上織り込んだものでございます。
#149
○中島(武)委員 私の趣旨は、国がもっと相当補助の姿勢をとらなければいけないのじゃないかということであります。
 もう時間の関係もありますので先へ進みますが、この法案では一体的整備として大量の宅地の供給が考えられているわけですけれども、新線を開設するということになりますと、当然沿線の地価の上昇を招くことが考えられます。だから、この法律でも第九条関係で「監視区域の指定等」についての規定があります。しかし、本当に地価の上昇を大いに防ぐというのだったら、あの国土利用計画法の十二条「規制区域の指定」というようなことが必要だと思うのですけれども、これは建設大臣どう思われますか。
#150
○望月政府委員 おっしゃるとおり、この地域の開発に当たって、地価の動向というのは大変重視しなければならぬ点でございます。そういった中で、今先生おっしゃったような規制区域の議論というものはあり得るわけですが、これにつきましては、今お話しのように国土利用計画法の中に一つの制度が定着しているわけでございます。必要とあらばそれによって対処するということで十分と考えておるわけでございまして、お話のようにこの法案の中ではむしろ監視区域についての特例措置を開いた、こういったことで十分対応できている、こう理解いただきたいと存じます。
#151
○中島(武)委員 大臣に伺いますけれども、監視区域の規定は、もう先ほど申し上げたとおり、また法案に書いてあるのですけれども、しかしそれでは及ばないという場合も考えられるのです。そのときには、やはりこれは断固この事業遂行のためには十二条の発動もやる、規制区域の発動もやる、こういう構えでなければならぬと思うのですけれども、大臣の決意を聞きたいと思うのです。
#152
○野田国務大臣 当然事業を進捗していく上でどうしても国土庁と相談をしてその規制区域という問題について必要であるという判断に立てば、その時点においてそういうことになろうかと思います。
#153
○中島(武)委員 次に、また別の問題です。
 伺いたいと思っておりますのは、宅地の開発及び当該鉄道の整備を一体的に推進するために都府県は基本計画を定める、こうなっているのですね。ところで、鉄道の路線とか駅、それからまた重点区域の設定とか鉄道施設の区域の設定、こういうことはみんな市町村の町づくりとかかわりが深い。町づくりとかかわりが深いというだけじゃなくて、まさに町づくりそのものなんですね。その点で都府県が基本計画を策定する場合にやはり関係の市町村の意見を民主的にくみ上げるということが非常に大事だと思うのです。その点で市町村議会における議決を前提とするようにしなければならない、これは一番民主主義を徹底させることになろうかと思うのですけれども、この点についても大臣の見解を伺いたいと思うのです。
#154
○望月政府委員 この法案では基本計画の策定に当たりましてお話のように市町村の意見を聞くという手続で対応しております。私どもの考え方としましては、これらの路線の概要あるいは宅地開発の方針、こういったことを決めるに当たってやはり地域の意向というものが市町村によって十分反映されるのであろうというふうに考えておる次第でございます。言うまでもありませんけれども、この種の立法例というのは多極分散法も同様でございますし、あるいはいわゆるリゾート法、こういったふうな法律においてもとられているところでございまして、基本的に私どもはこの仕組みで十分であろう、かように考えておる次第でございます。
#155
○中島(武)委員 私は、これで十分というわけじゃなくて、本当によく議会でも審議をする、そして住民の意見も十分聞ける、そういうことはできるだけ保障しても保障し過ぎるということはないと思うのです。そのことを申し上げておきたいと思うのです。
 それから、やはりこれにかかわってなんですけれども、宅地開発の見込み量は大体七千ヘクタールから八千ヘクタールというふうに言われているのですね。問題は、供給される住宅の価格が一般勤労者が入れるものでなければならぬわけです。新聞報道によりますと、JR東日本は、関係地域は一部大手不動産業者によってほとんど買い占められているとし、これでは宅地の価格も高いものになって採算に合うように人口が張りつかないと考えるとまで言っているわけです。これはあくまで新聞報道です。そんなことがないように国や地方公共団体が適切な価格で先買いをして、そして大量の公共賃貸住宅をこの宅地開発、住宅建設の中に含めるべきじゃないか、そういうふうに私は思うのですけれども、これも建設大臣の見解を伺いたいと思います。
#156
○望月政府委員 この法律は鉄道の事業を進めるということと宅地開発を進めるということを直接の目的にした仕組みにいたしておるわけでございまして、その上にどのような住宅をどのようなタイプのものをどう供給するかということについては、今後の各地域のニーズを踏まえての住宅政策の問題、こう考えておる次第でございます。
 いずれにしましても、私どもの基本的な構えば、中堅サラリーマンが本当に取得可能な価格で持ち家が持てるように、あるいは適正な家賃で入居できる快適な住宅が確保できるようにということが基本でございまして、その基本方針の中でどのような供給対策をとるかということはこれから十分詰めてまいるべきものと考えております。
#157
○中島(武)委員 どうもちょっと消極的じゃないかと私は思うのです。
 もう一つ伺いたいと思うのは、新線をつくる、そうすると運賃については適正な運賃を確保するということが必要であります。そのためには、鉄道の整備に多額の地方公共団体の資金が使われる点をも十分踏まえて、運賃の決定に際してもやはり関係都府県議会の議決を必要とする、それぐらいの配慮をやるべきじゃないか、こう思うのですけれども、これは運輸大臣どうです。
#158
○山村国務大臣 地方自治体が出資しております第三セクターについては、地方自治法の規定により出資の際に議会の議決が必要とされているほか、出資の程度に応じまして経営状況の議会への報告、監査委員による監査等の形で地方自治体の監督がなされることになっております。第三セクターに対する地方自治体の監督は以上のように地方自治法に定められており、運輸省としては第三セクターの鉄道の運賃の設定に当たって地方議会の議決を経る必要はないと考えております。現実にも、現在営業している第三セクターの鉄道で運賃の設定につきまして地方議会の議決を経ることになっているものは皆無でございます。
#159
○東家委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#160
○東家委員長 この際、本案に対し、辻第一君外一名から修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。辻第一君。
    ―――――――――――――
 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#161
○辻(第)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対する修正案につきまして、提案理由及びその要旨を説明いたします。
 修正案を提出する理由は、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に基づく宅地開発及び鉄道整備事業の一体的な促進が積極的かつ効果的に促進されるためには、関係住民及び地方公共団体の過大な負担とならないように配慮し、新線沿線の地価の上昇を厳しく抑制し、供給される宅地等の価格の適正化を図り、また、特定重点地域等の整備を民主的町づくりの一環に据えるとともに、新線運賃の適正な決定を行うようにする必要があるからであります。これが、本修正案提出の理由であります。
 次に、本修正案の要旨を御説明いたします。
 第一は、法案第二十一条中地方公共団体の「貸付け」を削除し、特定鉄道事業者に対する国の補助、貸し付け、その他の助成を規定しております。
 第二は、新線沿線地域の地価上昇を厳しく抑制するため、国土利用計画法第十二条の規定に基づく規制区域の指定を行うこととしております。
 第三は、都府県が作成する基本計画の策定に当たっては、関係都府県議会の議決を経なければならないこととするとともに、関係市町村が意見を述べるときにはあらかじめ市町村議会の議決を経なければならないこととしております。
 第四は、国及び地方公共団体は、承認特定地域において、公的賃貸住宅の大量建設を促進するよう努めなければならないこととしております。
 第五は、新線の運賃の決定については、関係都府県の議決を踏まえて行うこととしております。
 以上が修正案の要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
#162
○東家委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 この際、本修正案につきまして、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。山村運輸大臣。
#163
○山村国務大臣 ただいまの修正案については、政府としては反対でございます。
    ―――――――――――――
#164
○東家委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、辻第一君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#165
○東家委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。
 次に、原案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#166
○東家委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#167
○東家委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、北川正恭君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合、日本共産党・革新共同の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。北川正恭君。
#168
○北川(正)委員 ただいま議題となりました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきまして、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 地価高騰等により、大都市地域を中心に住宅・宅地問題が深刻化している現状にかんがみ、国民が良質な住宅・宅地を取得することができるよう、監視区域の指定等地価対策に十分配慮しつつ、住宅・宅地対策を積極的かつ強力に促進すること。
 二 首都圏における近年の深刻な宅地問題にかんがみ、特に首都圏における鉄道新線の整備と沿線の宅地供給を図るため、本法による措置を速やかに講ずること。
 三 宅地開発及び鉄道整備が整合性をとりつつ円滑に推進されるよう、関係者間の緊密な連絡調整を図ること。
 四 良質な宅地の大量供給を図るため、融資その他の助成措置をさらに強化するとともに、宅地開発事業に関連して必要となる公共施設の整備の促進について特段の配慮を払うこと。
 五 円滑な鉄道整備を図るため、関係地方公共団体とも協力しつつ、鉄道事業者に対する助成その他必要な措置を講ずること。
 六 宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に当たっては、近郊農業との調整について十分配慮すること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#169
○東家委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#170
○東家委員長 起立総員。よって、北川正恭君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
    ―――――――――――――
#171
○東家委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○東家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#173
○東家委員長 この際、建設大臣及び運輸大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。野田建設大臣。
#174
○野田国務大臣 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力する所存でございます。
 ここに、本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#175
○東家委員長 山村運輸大臣。
#176
○山村国務大臣 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案につきましては、慎重御審議の結果、御可決いただきましたこと、まことにありがとうございました。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいまの附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力をしてまいる所存であります。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#177
○東家委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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