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1988/05/23 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 運輸委員会 第3号
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1988/05/23 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 運輸委員会 第3号

#1
第114回国会 運輸委員会 第3号
平成元年五月二十三日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 小里 貞利君
   理事 柿澤 弘治君 理事 久間 章生君
   理事 二階 俊博君 理事 森田  一君
   理事 若林 正俊君 理事 新盛 辰雄君
   理事 長田 武士君 理事 小渕 正義君
      石橋 一弥君    魚住 汎英君
      尾形 智矩君    大野 功統君
      岡島 正之君    加藤 六月君
      亀井 静香君    鴻池 祥肇君
      関谷 勝嗣君    田中 直紀君
      高橋 一郎君    虎島 和夫君
      増岡 博之君    緒方 克陽君
      木間  章君    小林 恒人君
      戸田 菊雄君    三野 優美君
      浅井 美幸君    西中  清君
      中路 雅弘君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 佐藤 信二君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 棚橋  泰君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   丹羽  晟君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部長      吉田 耕三君
        運輸省運輸政策
        局長      塩田 澄夫君
        運輸省国際運輸
        観光局長    中村  徹君
        運輸省地域交通
        局長      阿部 雅昭君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部長      清水 達夫君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 田辺 淳也君
        運輸省航空局長 林  淳司君
        運輸省航空局技
        術部長     中村 資朗君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通規制課長   島田 尚武君
        大蔵省主計局共
        済課長     山口 公生君
        労働省労政局長
        労働法規課長  渡邊  信君
        建設省都市局都
        市再開発課長  安達常太郎君
        自治省行政局行
        政課長     松本 英昭君
        自治省財政局調
        整室長     嶋津  昭君
        会計検査院事務
        総局第五局鉄道
        検査課長    岡村 利一君
        参  考  人
        (北海道東北開
        発公庫理事)  角田 修一君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     大久保一男君
        参  考  人
        (日本国有鉄道清
        算事業団理事長)杉浦 喬也君
        参  考  人
        (日本国有鉄道清
        算事業団理事) 杉田 昌久君
        参  考  人
        (日本国有鉄道清
        算事業団理事) 前田喜代治君
        参 考  人
        (日本国有鉄道清
        算事業団理事) 池神 重明君
        運輸委員会調査
        室長      荒尾  正君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  加藤 六月君     虎島 和夫君
  左近 正男君     木間  章君
  戸田 菊雄君     小林 恒人君
  吉原 米治君     三野 優美君
同日
 辞任         補欠選任
  虎島 和夫君     加藤 六月君
  木間  章君     左近 正男君
  小林 恒人君     戸田 菊雄君
  三野 優美君     吉原 米治君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 鹿児島地方気象台に天気相談所設置及び桜島の
 観測体制強化に関する請願(瀬長亀次郎君紹介
 )(第二二五四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法
 の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)
 特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第三八号)
 陸運、海運及び航空に関する件等(運輸行政の
 基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○小里委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 陸運に関する件について、本日、参考人として日本道路公団理事大久保一男君及び日本国有鉄道清算事業団理事杉田昌久君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
#4
○小里委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若林正俊君。
#5
○若林委員 私は、自由民主党を代表し、去る五月十九日、当委員会における佐藤運輸大臣の所信表明に対し、若干の質問をいたします。時間の関係もございますので、高速鉄道の整備に絞ることにいたしたいと思います。
 佐藤大臣は、所信表明の第一に、均衡のとれた豊かな国土と社会づくりには第四次全国総合開発計画の柱である多極分散型国土の形成を図ることが必要であり、それには幹線交通体系の整備が不可欠であると述べておられます。東京圏への一極集中は、東京圏の居住環境を悪くし、土地価格の異常な高騰を招くなどの不利益をもたらすばかりでなく、限りある国土資源と人間の活動とのバランスを崩すことになり、地方においては過疎問題がますます深刻になってまいります。私たちは貴重な国土の有効な利用を通じ、よりょい状態にして子供や孫たち、さらに後世に引き継ぐ責任があると思うのであります。
 第三次全国総合開発計画は定住構想を中心にいたしておりましたが、第四次全国総合開発計画では定住と交流を柱にいたしております。そのために航空、港湾、鉄道、道路等の高速交通体系の整備を推進することは最も基本となる政策であり、佐藤大臣のお考えに全面的に賛意を表するものであ
ります。
 そこで、佐藤大臣にお伺いいたしますが、このような幹線交通体系の整備の中で、整備新幹線の役割をどのように位置づけておられますか。
#6
○佐藤国務大臣 若林さんにお答えいたします。
 今御指摘のように、私が所信表明で述べましたのは、多極分散型国土の形成を図り、均衡のとれた豊かな国土と社会を構築するためには、質の高い高速の幹線交通体系の整備を図っていく、こうしたことを述べたわけでございますが、それではその質の高い高速の幹線交通体系とはと、こう言われますと、各交通機関がおのおのその特性を発揮することによって、国民の生活あるいは国民経済上のニーズに的確に対応できる交通サービスを提供し得るような交通体系であるという考え方を持っております。それで、このような交通体系は、各種の政策、施策を前提としながら、各交通機関間の競争と利用者の自由な選択が反映されることを原則として形成されることが望ましいということでございます。
 その中において新幹線は、所要時間が四、五時間程度までの中距離区間において大量に輸送ができるという特性を持っておりますので、また特に都市が連鎖上に分布している場合には、これらの都市を結ぶ一つの路線によりそれぞれの都市相互間についてサービスを頻繁に行い得るという大きな利点がございます。そういうことで、整備新幹線の建設というのは、以上のような幹線交通体系の観点を踏んまえて整備されるものだ、かように考えている次第でございます。
#7
○若林委員 当委員会では、既に運輸省の方から提出されております新幹線の財源等に対する措置についての法律の審議がございます。新幹線問題についてはさらにその場において大臣のお考えなどを篤と承りたい、このように存ずるわけでございます。
 大臣は、同じく所信表明の中におきまして、良好な都市環境の形成を図るためには、土地対策への対応という面からも、新幹線通勤などの長距離通勤者の負担軽減のための方策等を進める旨述べておられます。平成元年度の税制改正においても、自由民主党の税制調査会で大いにこのことは論議をいたしました。とりあえず通勤手当の非課税限度額を二万六千円から五万円に引き上げることとされているところでありますけれども、新幹線利用を念頭に置きますとこの金額ではなお十分ではないと私は思うのであります。大臣におかれては、通勤圏の拡大と新幹線の利用度の向上を進めるためにさらに一層の御努力をお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
#8
○佐藤国務大臣 今御指摘のように、非常に大都市圏、特に東京なんていうところは職住接近ということが困難になりまして、これはサラリーマンの希望ではなく、必然的にやはり遠距離から通勤する、または通学する、こういう状態になっているのは御指摘のとおりでございます。そういうことで、今までと違ってなるべく定期券の利用者に対してまず軽減ということで、ことしの平成元年度から、今まで二万六千円の非課税というのを五万円まで引き上げたわけでございますが、これで決して十分だと思っているわけではございません。ございませんが、一応そういうふうに引き上げておきますと、大体百キロ圏というものはこれでカバーできるのじゃないだろうかと思っておりますので、この実施いたしました実態、それからこれらの対策の効果等を踏んまえて、今後さらに必要な施策を進めていきたい、かように考えている次第でございます。
#9
○若林委員 積極的なお考えをお伺いしたわけでございますけれども、東京圏内、特に都心部の地価の高騰の結果としてサラリーマン層が住宅を持つことは大変困難になってきております。あわせて地方の開発、このような観点も加えまして、新幹線利用の通勤定期に対しまして十分なる配慮をいたしてまいりますようにさらに一層の御努力をお願い申し上げたいと思います。
 次に、最近リニアモーターカーが現実の問題として社会的にも大いなる関心を呼んでいるところであります。大臣も所信表明において磁気浮上式鉄道の技術開発に積極的に取り組む旨述べておられます。巷間既に実用段階に達しているとの意見もあるのですが、実験線の調査はどのような段階になっているのでしょうか。またこれからどのように進めるお考えか、事務当局で結構でございます。お答えをお願いします。
#10
○丹羽政府委員 お答え申し上げます。
 超電導磁気浮上式鉄道の新実験線の調査ということにつきましては、昭和六十三年度と平成元年度の二年間の予定で実用化に向けた今後の技術開発の進め方、そういった検討などをあわせて実施しているところであります。
 また、この調査を進めるに当たりましては、その基本的な方向などにつきまして学識経験者等の意見を得るために、省内に超電導磁気浮上式鉄道検討委員会という名の委員会を設置しまして、今鋭意検討しているところでございます。三月十日にはその委員会で実験線候補地として北海道、山梨、宮崎の三地区が選定されたところであります。現在、これらの候補地について自然条件などの調査を進めているところでございます。
#11
○若林委員 最後に、高速鉄道を初めといたします鉄道輸送の整備拡充を図るためには、日夜そこで働く人たちが安心して職務に専念できる環境づくりが絶対に必要だと思うのであります。この場合、高齢化社会を迎えて働く人たちにとっては年金問題が大きな課題になっております。
 そこで、大蔵省当局にお聞きいたしますが、赤字を抱えている鉄道共済年金について具体的にどのような対策を講じようとしていますか、お答えを願います。
#12
○山口説明員 お答え申し上げます。
 鉄道共済年金の問題につきましては、大蔵、運輸、年金問題担当、内閣官房の四閣僚による閣僚懇談会において検討をいただいてきたところでございますが、その結果、一つは鉄道共済の自助努力等、すなわち年金給付の見直し、保険料の引き上げ、JR各社の特別負担、清算事業団の特別負担、国共済連合会からの支援、それからその他運用収入というものの自助努力等、及び公的年金一元化の地ならしとしての被用者年金制度間の負担の調整、この二本柱によりまして対応することといたし、所要の法律案を今国会に御提出いたしているところでございます。
 この対応策におきましては、鉄道共済の御関係の方々につきましても、今申し上げましたように年金給付の見直し、それから保険料率の引き上げ、JRの特別負担等のできる限りの自助努力をお願いすることといたしておりますが、これは鉄道共済年金問題を検討してきました有識者の懇談会の報告におきましても、まず鉄道共済自身の問題として十分な自助努力が必要であると述べられているほか、また、先ほど申し上げましたように公的年金一元化の地ならしとしての被用者年金の制度間調整により、結果として厚生年金とか他の共済から支援を受けることとなりますので、その前提といたしましてまず精いっぱいの自助努力をやっていただく必要がある、こういう事情から、巨額な赤字に直面している鉄道共済として真にやむを得ない措置であるということを御理解賜りたいと思うわけでございます。
#13
○若林委員 これで終わることにいたしますけれども、最後の鉄道共済年金問題につきましては、広く働く国民一般の御理解をいただきながらお互いに助け合って老後の安定を確保する、こういう趣旨の徹底を関係者間に十分図っていただきたい、御要望を申し上げまして終わります。
#14
○小里委員長 緒方克陽君。
#15
○緒方委員 大臣の所信表明について御質問したいわけですが、きょうは極めて短い時間ですので具体的な内容に突っ込んだ質問でいきたいと思います。
 現在フロンを初めとして地球全体の環境問題が大きく議論をされているわけですが、その問題と陸運、わけてもトラック、自動車などの排ガス問題というのは非常に大きな問題であるわけです。実はそのことについて全体的な質問をしたがった
のですが、きょうは時間がなくて環境庁の方も呼んでおりませんので、そういう問題の中で、当面して現地の労働者の人から問題だということでぜひ何とかしてもらいたいということで出ておりますのはトラックの排ガス問題です。
 そのことで道路公団の方にまずお尋ねをいたしますが、道路公団の料金徴収所では、料金をいただいた後トラックが通過をするときに、最初の加速をするわけですから物すごいガスを出していくわけです。そのガスが大変健康上も問題があるということでいろいろ当事者でも検討されて、料金詰所といいますか、ブースといっておるそうですが、その改善を行うということでエアカーテンをするとか、あるいは風が、いわゆるガスが入り込まないようないろいろな特別の措置もされているようなことも聞いております。これには非常にお金がかかるということで、聞くところによりますとその改善もお金の関係で十年ぐらいかかるのではないかというような話があるわけでございますが、非常にこれは問題ではなかろうかということで、この改善について急いで実施をするといいますか、改善の速度を速めるということについてやるべきではないかと思います。その点について道路公団からの考えをお聞きしたいと思います。
#16
○大久保参考人 お答えいたします。
 ただいま御指摘がございましたように、料金所におきます排気ガス対策につきましては、従来から交通量を勘案しながら室内の空気の換気のための空調装置、あるいは排気ガスの室内への侵入を防ぐためのエアカーテン、それから飛散送風機等の諸施設の整備を図ってまいっておるところでございます。さらに六十年度からは、これら施設の機能を強化するために新たに電気集じん機を設置することなど、排ガス対策の一層の充実を図っております。
 今後でございますけれども、今後につきましても、より一層の職場環境の保全を図るために順次これら諸施設の機能の強化と設置箇所の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。
#17
○緒方委員 順次その拡大をしていきたいということでございますから、年次計画を早めていただくようにこの際強く要請をしておきたいと思います。
 そこで運輸省にお尋ねしたいのですが、そういう対策をやるのは、結局料金所に直接この排ガスが収受員の方に行くということで非常に問題になっているわけでありますが、アメリカなんかのトラックなんかを見ますと、映画でも全部上にガスが出る。あれは「コンボイ」かなんかでも見たのですけれども、そういうことになっておるわけでございまして、そういうことになれば収受員のそういう排ガス対策というものも非常に効果が上がるんじゃないかというふうに思います。これは運輸省のそういう規定の関係とかあるいはメーカーの関係でできてないと思うのですが、これは運輸省がそういう健康上の対策ということでぜひトラック業界に要請をしたりあるいは基準などでこれをやるということにすればできるのではないかというふうに思いますので、その排気ガスを上に出すようなことについて運輸省としては前向きに検討すべきではないかというふうに思いますが、その点についてお尋ねをいたします。
#18
○阿部政府委員 ただいまの御指摘の点について現状及び私どもの考え方を御説明申し上げます。
 自動車の排気管につきましては、歩行者それから並行して走行いたします車両、それからまた料金徴収に携わる方々、こういう方々を排出ガスによる影響から守りますために、これは道路運送車両の保安基準三十一条におきまして、現在は左向き及び右向きの開口を禁止しているという規定を設けております。先生御指摘のように、一部の特殊な車両、例えば大型トラクターの一部などにおきましては、上向きの排気口をつけた車両も現実にはございますが、私ども一般的に考えますと、排気口を上向きにいたしますと、積み荷等の火災の発生のおそれがありますとか、あるいは積み荷、車体の汚損のおそれ及び具体的にそれを取りつけるスペース等の車両構造上の問題があるかと考えております。しかしながら、これらの点につきましては、先生御指摘の点も踏まえまして、これらを総合的に解決する手段としていかなる方法が最良であるかということにつきまして、今後さらに慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#19
○緒方委員 それでは、そういう問題点も聞きましたので、そういうことも含めてこれから真剣に、具体的な技術的な問題も含めて検討をしていただきたいと思います。
 あと一点ですが、鉄道共済年金の問題。今御質問もございましたけれども、これは技術的な問題でございますが、年金の受給者の方から新聞の投書にも出ておりましたし、私自身にも直接いろいろ御意見があったわけでありますが、今ははがきで年金の改定通知が来ているわけでございますので、その裏側を見れば、幾らその人が年金をもらっているかというのははっきりするということで、プライバシーの問題も含めて、何とかこれが本人だけにわかるようなものにしてもらいたいという声が強いわけです。これは今日のいろんなプライバシー保護という流れの中で当然な声だというふうに思うわけでございまして、そういう観点から、このプライバシー保護の観点から何らかの具体的な措置を早急にされるべきではないかということで、そのことについてお考えをお聞きしたいと思います。
#20
○杉田参考人 お答えいたします。
 先生が御指摘のような点につきまして年金受給者からも要望が出されておりますので、例えばシールで目隠しするといったような方法で年金の金額が見えないようにするというための検討を今部内で進めておりまして、近いうちに実施できる見通しでございます。
#21
○緒方委員 そういうことでありますから、早急に実施をしていただくようにお願いして、私の質問を終わります。
#22
○小里委員長 新盛辰雄君。
#23
○新盛委員 佐藤大臣が就任されて初めての所信に対する質問でございますから、確認をしながら以下進めていきたいと思います。
 今御承知のように、犠難は麿て褒的状況にあることは御存じカと思いますが、ヒの船舶過剰による低運賃市況、そして大幅な円高。最近円も下がってきましたから、少しほっとしている向きもありますが、東南アジア等の船員を乗せた便宜置籍船あるいはマルシップあるいはフラッギングアウト、こうしたような形の中で混乗の問題が盛んに議論されております。この混乗についてチープレーバー、低賃金労働者を、外国の船員さんを安いコストで使用しょう。日本の船を提供して、それに乗っけてやっていこう。日本の商船隊はどんどん数を減らして、過去二年間の労使で取り組まれましたこの緊急雇用対策を見ましても、三月末までに既に外航二船団の船員の数、八千九百二十名が海を離れて、陸転という形で今何とかしのいでいるという状況ですが、このままでいきますと、もはや日本の商船隊はなくなるんじゃないか。とするなら、私ども、前の石原大臣にも確認しておることでありますが、このナショナルミニマムを、ぎりぎりの線を、日本の船員も確保できるという、これについてもう答えを出さなきゃならないときになっていると思うのですが、ぜひひとつ見解をお聞かせいただきたい。
#24
○佐藤国務大臣 今、新盛委員御指摘のように、私も就任してまだ日が浅いわけでございますが、一番頭が痛いというか、問題があるのはこの問題だろうというふうに位置づけております。全般的には御存じのように、やはり日本国内において労働者が一般的に不足してきたということで、まず外国人労働者という問題が大きな政治社会問題に今なっておりますが、またその中において、私の方の所管する船員というのは大変な問題だろうと思っております。もちろん、我が国の外航海運にとって日本船や日本人の船員が不要だとおっしゃる方はどなたもいらっしゃらないと思います。しかし、今委員御指摘のように、まずナショナルミニマムという問題になると大変な実は難し
い問題だなという気がするんです。
 私なりにそのナショナルミニマムとは一体何だろうかというふうに定義づけますと、これはもちろん人によって随分差があると思いますが、それは我が国にとって最低限必要な日本船または日本人船員の数であり、そしてそれは国費でもって維持していく必要があるんだというのが私はナショナルミニマムという定義だ、かように実は考えざるを得ないわけですが、そうなりますと、まず今日のように内外の経済社会情勢の中において、国民的なコンセンサスを得るということが大変難しいというようなことも実は考えざるを得ないわけでございます。といいながら、内外の経済社会情勢の変化を踏んまえた、その中における我が国の商船隊の将来の姿とか役割について大変な重要な課題だ、こういう認識からすれば、中長期的な観点からこの問題はまず検討してまいりたい、かように言わざるを得ないわけでございます。
#25
○新盛委員 商船大学を出たり商船専門学校を出ましても、船に乗る方はわずか、まさにここ数年続いているわけでありますが、こういう状況ですね。優秀な船員教育を受けた皆さんが職場がないということは、これほど残念な話はないのでありまして、今おっしゃるように国の政策として、これまで日本の経済の復興、それの実を上げたのは、これは海洋におけるいわゆる物流の一番主体をなした海運業であります。それが年々こうして縮小の方向になっていくということは、極めて日本経済にとっても重要な意味を持っている。だからどうも難しいということなんだけれども、これはやろうと思えばできぬことはない。
 海員組合の皆さんが常々に外航海運船員対策について政府なり関係機関にも申し入れておられます。そして、近代化委員会等ではみずから削って、三十四名をもう今現在十一名になっているんですね。どんどん乗務員を切り詰めにやならぬ。それへ持ってきてまた外国の労働者船員が乗ろうとする、そういうことで、今は日本の船会社は、それはコストが安い方がいいでしょう。しかし、日本の船員が確保できないという状況をつくっている以上は、政府が積極的にナショナルミニマムといういわゆる基準を、政府の策で国の金を出してきちっと整備をしないと、これはもうやがてなくなっちゃうんじゃないか。もう北米航路はなくなっちゃったでしょう。こういうぐあいではよくないので、いま一段のひとつ積極的な政策を打ち出していただきたい。これは、もう労使の間のいろいろつばぜり合いと難儀苦労して、みずからを削って血の出るような努力をすることももはや限界である、そう思うのでございまして、混乗の問題は、その意味でこれはもう大変なところへ今来ていると思いますので、その点もう一回明確にお答えいただきたい。
#26
○佐藤国務大臣 今おっしゃることもよくわかります。日本のように四万が海に囲まれている、外国との輸送というものは確保しなきゃいけないということはわかりますが、やはり時代の変遷そしてまた世界経済の変革によって、昔ほど船を使わなくなったということも事実だということですから、そういうところもやはり踏んまえて対策を立てなければいけないだろうと私は思っております。そういうことで、今おっしゃる御趣旨はよくわかりますのでさらに慎重な検討を進めてまいるつもりでございます。
#27
○新盛委員 自後またこの問題は一般質問の中でさせていただきます。
 次に、私は毎週平均一回は飛行機を利用しておるわけでありますが、ボーイング社が最新型のB747−400型を今各国に売りつけているんです。そこで、日本の場合もこのB747−400型の安全性をどう見ているか、そして購入を日本航空あるいは全日空もやがておやりになるそうですが、これは大変なことになりはしないかとまず思っておりますので、以下具体的な問題は答弁のいかんによって進めていきたいと思います。簡潔にやってください、時間がないから。
#28
○林(淳)政府委員 ただいま先生から御質問ございましたボーイング747−400型機でございますが、
 この飛行機につきましては、製造国であるアメリカ政府が、アメリカのFAAでございますが、ことしの一月十日付で型式証明を交付しております。それで、FAAの審査によりますと、この飛行機は最新の電子技術が多用されておる、自動化が非常に進んでおるということ等によりまして、二人乗務でも安全に運航できるということが飛行試験等によって確認されているということでございます。
 この飛行機は、いずれにしても我が国に導入されるのはことしの十一月ごろというふうに予定されておりますので、運輸省といたしましては、いずれ出てきますでありましょうその耐空証明の申請というものがありましたならば、その耐空証明を行う機会に製造国政府の安全性の審査の内容とか、あるいは他の世界の航空会社の運航実績と
 いったようなものを十分把握した上で、安全性に
 ついて十分な審査を行っていきたいというふうに考えております。
#29
○新盛委員 二十年目のツケが来たというボーイング社が、最近アメリカのFAAの指摘を受けてB727、737、747機を百六十項目にわたって改善命令を出しているわけですね。これほどやっぱり問題があるという中で、今型式についてFAAがこのボーイング747−400型を承認して十一月には日本にと、こういうことのお話であります。今までのボーイング747と比較をすれば、これは三名乗務員です。ところが今度は二名の乗務員でいいということなんですが、確かにハイテクノロジーの、あるいは電算機、コンピューターなどの機器を入れてあって、そしてそれのかわりに一人は減らすということになっているのでありますが、操縦士や航空機関士などからは強い反対の意見が出ています。現にノースウエスト航空やシンガポール航空にこの一月に三機、そして三月にシンガポール航空では二機入ったのであります。毎週一、二回就航することになっていたのだけれども、現在まで順調に飛んでいない。ほとんど欠航している。どうも不安だというので、ヨーロッパでもこの認可を、買うのを渋っているという話であります。
 それほど専門的なこの機器についての検証は私どもの方ではできませんけれども、ここで確認しておきたいのですが、運輸省は安全検証をどういうふうにされるのか。十一月に購入されるとおっしゃっているのですから、それをどうされますか。どういうふうな方法をとられますか。
#30
○林(淳)政府委員 アメリカはアメリカの基準でFAAが耐空型式証明を出した。それに対して、我が国におきましては航空法に基づいてその安全を確認するための耐空証明制度がございます。いずれにしましても、この機材につきましては十一月に入ってくるというふうに聞いておりますけれども、恐らくその前にこの型式についての、当該機についての耐空証明の申請が出てくると思いますので、その場合には航空法に基づきまして、航空法で定める手順に従いまして必要な書類審査あるいはいろんな飛行試験あるいは実機検査というふうなものを航空法の所定の手続に従って審査をして、我が国独自の判断で耐空証明を出すかどうかを判断していく、こういうことになろうかと思います。
#31
○新盛委員 八五年の十二月十三日に、規制緩和一括法案が成立をしました。その際に、附帯決議というのを航空法第六十五条に関係をして出してあります。御記憶だろうと思いますが読んでおきます。「運輸関係の規制緩和にあたっては、今後とも安全の確保に努めるとともに、過当競争による輸送秩序の混乱や労働環境の悪化を来さないよう配慮すること。特に、航空機関士を乗り組ませなければならない航空機の範囲についての規制緩和にあたっては、航空の安全性を確保するよう十分留意すること。」このような附帯決議をつけてあります。それはなぜかというと、この六十五条の改正の中身は、これまで「四基以上の発動機を有し、且つ、三万五千キログラム以上の最大離陸重量を有する航空機」「構造上、操縦者だけでは発動機及び機体の完全な取扱ができない航空機」など
という規制があったのを、これを改正してなくしちゃった。なくしちゃったから、その裏側に附帯決議を付したということになっているわけでありますが、現に今度の問題も明確にこれは大きな状況変化であります、三名の乗務員が二名になるということでありますから。この附帯決議との関係においてこれからどういうふうに処理されるつもりですか、お聞かせをいただきます。
#32
○佐藤国務大臣 今御指摘のように、やはり航空行政の基本は安全、これは特に委員も私もこの飛行機が入ってきて乗る、こういうこともあり得るのですから、まさに人ごととはいえないことだろうと思っております。
 しかし、御存じのようにアメリカの方では、アメリカの連邦航空局では、所定の検査をしてボーイングの747の400というのは乗務員が二名でいい、こういうことを言っているわけですが、今御指摘のように、我が国においては六十年の航空法第六十五条の改正の際に衆参の両委員会において附帯決議がございますから、もちろんこの附帯決議の趣旨を尊重して十分な審査を行う、こうした考え方でございます。
#33
○新盛委員 飛行機の異常を早期に発見をすることとか、さまざまな故障原因を早期に見きわめるとかあるいは回復を不可能にしているとか、二名のパイロットの負担が極めて大きくなっているという、これは言うなら表向きの話であります。しかし、設計上の問題とすれば、これは長距離も短距離もないのだ、言うならフライトした途端に、これは距離が短かろうが長かろうが人命を守る面では一つであります。そして雇用上の問題も、二人とか三人とかということになっているわけですけれども、技術革新であるから、ハイテクノロジーであるから、そういう面ではカバーができる、事が空のことでありますから、これは船だとか陸上の問題ももちろん関係はありましょうけれども、そういう面で、ただ技術の進歩を我々は否定するわけじゃないけれども、そうした面ではダッシュ400型における施されている新技術、これは評価してみても、技術的には747型とそう変わりはない、こういうように私どもも聞いているのであります。だから、こういうことであるなら、飛行機の安全性ということについてもっと検証を確かなものにしてほしい、これが私どもの主張なんです。どうですか。
#34
○林(淳)政府委員 最近の航空技術の進歩というのは目覚ましいわけでありまして、現にボーイング町というような機材では、二人乗務で国内線あるいは近距離国際線を運航しておるというのが実態であります。一般論で申し上げますと、最近の航空技術の進歩それから電子制御装置の多用といったことによりまして、在来型機におきましては航空機関士が行っていたそういう業務の多くが自動化をされました。また、操縦士本来の業務の一部もこういう技術進歩によって軽減をされております。そういうことで、大型機でございましても、操縦士二人によって運航の安全性を確保することは可能になる、一般的にはそのように考えております。
 ただ、ただいま御指摘ございましたように、あるいは先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、これから耐空証明の申請が出てくるわけでございますので、衆参両院の附帯決議の趣旨も十分尊重いたしまして、私どもとしては十分な審査をしていきたいというふうに考えております。
#35
○新盛委員 終わります。
#36
○小里委員長 浅井美幸君。
#37
○浅井委員 私からは、限られた時間で運輸大臣に対する所信表明に対しての質問ということでございますけれども、今国会、大臣もあるいはまた各委員も御承知のように、リクルート問題という極めて遺憾な事態の中で、こういう委員会審議が熱心に行われなかった。これは私たち国会議員として審議を行わなければならない使命、役割を持ちながらそういう状況にあったことは非常に残念である、このように私は思うわけでございます。きょうも、本来ならば日本の運輸行政全般にわたって大臣の所信表明に対して十二分な審議をしたいというのが私どもの願いでございました。しかしながら、物理的な時間が少なくてわずかに十分ということでございますので、限られた問題で大臣に御質問したいと思います。
 大臣の所信表明の中で「良好な都市環境の形成を図るためには、通勤・通学輸送の改善を図ることが不可欠であります。」この中で「昨年七月の政府の交通対策本部決定「大都市における道路交通円滑化対策」に基づき、道路交通の混雑解消のための施策を講じてまいりたい」、このようにお述べになっております。
 私は総括的な考え方でなくて、日常東京や大阪あるいはまた横浜、名古屋、福岡等で見られる都市交通の問題についてお伺いしたいわけですけれども、快適な都市環境あるいは通勤あるいは通学、あるいはまたいろいろな皆さん方が車で道路を通るわけでございますけれども、交通渋滞にしばしば悩まされるわけであります。
 その交通渋滞の原因、その中に幾つか交通渋滞になる原因はあると思いますけれども、その中で三車線が二車線しか使えない、あるいは二車線が一車線しか使えないという状況、これはあるいは迷惑駐車といいますか不法駐車というか、そういう車が一車線を占有するために起こってくる交通渋滞というのにしばしばぶつかるわけであります。この交通マナー、ドライバーの交通マナーと言えば交通マナーでもございますけれども、特にビジネス街等において自動車を駐車するスペースがない、駐車場がない。仕事をする、ビジネスをするために、あるいはまた貨物輸送をするために、貨物を積みおろしをするためにということで、やむなく車が駐車あるいは停車をする、こういうこと、これを考えますときに、私は円滑な道路交通の混雑解消、こういうために一体どのような施策を、いわゆる道路管理者としての建設省あるいはまたその駐車違反を取り締まる警察庁、こういう方々が考えておられるのか。
 運輸省としては、車の需要はますますふえ、車の台数はさらにふえてくる、年間ふえる台数の数字はどんどん伸びてきておる、こういう状況の中で、まさに大都市に入ってくるバイパスだとか高速道路だとかいろいろな交通体系の中で、都市の一番中心部における交通渋滞の解消のためへの施策というものをお持ちなのか、これもあわせてお聞きしておきたいと思うわけでございます。よろしくお願いします。
#38
○島田説明員 委員御質問のように、我が国の道路交通は、すべての輸送手段の中で貨物、旅客ともに総輸送量の五割以上を占め、国民の社会経済活動の基盤をなしているわけであります。
 こういうような状況の中で、道路はほとんど毎年増加していないのに対して車両は毎年三から四%、およそ二百万台と一貫して大幅な増加を続けているところであります。もともと欧米等に比較して道路空間の割合が少なく、交差点等も非常に多いという困難な状況のもとで、近年特に都市部における交通渋滞は深刻の度を増しているところであります。渋滞解消のためには、基本的には道路や鉄道の建設あるいは都市機能の分散化等抜本的な対策が求められるところでありますが、具体的な施策についての御質問でありますので、警察としての当面の施策について四点ほど挙げさせていただきたいと存じます。
 その一は、交通量の変化、道路における交通量等の変化をいち早くキャッチして、交通管制センターから信号機を統一的に制御し、最も有効な道路空間の活用を図るということであり、この意味ではセンサー及び交通管制センターの機能の充実ということが大切であります。
 その二は、事故や渋滞の情報あるいは駐車場についての情報等をドライバーに伝え、不必要な車両の走行の削減に努めるとともに、いらいらの解消を図るということが大切であります。
 その三は、今御質問ありました違法駐車の問題であります。特に渋滞の大きな原因となる交差点周辺での駐車については、昭和六十一年の第百四回国会において罰則の強化等が図られたところであり、限られた警察力を機能的に運用し、交通の
障害の大きいところから集中的に取り締まってまいる、こういう方針であります。また、路外に駐車場がなくてやむを得ない場合には、路上であっても迷惑性の少ない場所に短時間の駐車スペースをつくっていく、こういうことも必要である。
 そして第四に、道路工事あるいはその他の渋滞の原因となる道路の使用、また交通事故の処理等についても、渋滞の発生を減らすように合理化、迅速化、こういったことを図ってまいりたい。
 以上のようなことを考えているところであります。
#39
○小里委員長 建設省も答弁させますか。建設省安達都市再開発課長。時間がありませんから、要点を簡潔に……。
#40
○安達説明員 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、全国の大部分の都市におきまして、駐車場の整備は依然として十分とは言えない状況でございます。また、路上の違法駐車等によります道路の混雑等が生じておりまして、このため建設省といたしましては路外駐車場の計画的な整備を推進しているところでございます。平成元年度におきましても、無利子貸付制度を初めとする既存の助成制度の活用、あるいは融資制度の一層の拡充、及び道路等の公共空間の地下利用の促進等によりまして計画的に駐車場整備を推進いたしてまいりますとともに、既存の駐車場の有効利用のための駐車場の案内システムの整備を図ってまいりたいというふうに考えております。また、大規模建築物の新増築に伴い、駐車施設の附置を義務づける条例の制定の推進を図るよう、引き続き地方公共団体を指導してまいりたいというふうに考えております。
#41
○佐藤国務大臣 今浅井委員の御指摘、私自身も一市民として実感としてよくわかります。
 これは、運輸省といたしましては道路交通の混雑対策ということしか取り組むことができないわけでございますから、直接の駐車対策ということになると所管が違う、こういう非常に難しい面がございますが、やはりまず大都市、特に大阪だとか東京の場合には今おっしゃるとおりだと思うのです。それで、やはり駐車がなかったらもちろんスムーズに車が運行できるし、また事故もやはり減少するだろう、駐車があるために無理な運転をする、またその間から飛び出すということで事故も発生するわけですから、そういうことでこの問題としては、うちとしては各関係省庁、すなわち今答弁した建設省の方で駐車場をふやしてもらうこと、それから新しいビルをつくる場合にはそうした駐車場をつくることを義務づげるとか、それからまた何といってもその取り締まりの方によくお願いする、こういうことでまず取り組んでいきたい、かように考えております。
#42
○浅井委員 済みません、時間が来ましたが、一言。
 私は、きょうこの質問をわざわざこの総括で出したのは、今運輸大臣も確かに駐車場そのものがこれまた建設省の所管になる、こういうことなんで、運輸あるいは建設あるいは警察、警察もその取り締まりが、置く場所があっても入れないので取り締まられるのか、置く場所もないのに取り締まりができるのかといういろいろな問題もございます。ですから、どうかこの駐車場対策というか交通混雑解消のために、運輸省あるいはまた建設省あるいは警察庁、その関係のいわゆる官庁が一体化して、総合的な判断の上でお願いをしたいと思うわけでございます。運輸大臣もまた次期運輸大臣におなりになるかおやめになるかわからないわけでございますけれども、この質問を契機にちょっと一遍話題を運輸省から上げてもらいたい、こういう御要望で御質問申し上げましたので、駐車場対策のためにどうかしっかりと頑張っていただきたいことを要望して、私の質問を終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。
#43
○小里委員長 小渕正義君。
#44
○小渕(正)委員 極めて限られた時間でありますから、二、三点に絞って御質問申し上げたいと思います。
 先ほども我が国の海運産業の現状等について問題指摘がされておりましたが、私もちょっと角度を変えて、もう少しその問題について国としての考え方をお聞きしたいと思います。
 御承知のように、我が国には一億二千万の私たちが生きていくために現在約六億トン以上の物質が海外から運ばれてきて、それによって私たちの生存が成り立っていると言っても過言ではないと思うわけであります。特に、エネルギーを中心にした食糧その他いろいろありますけれども、そういう我が国にそれだけの六億トン以上の物質を運び込むその中心は海運産業でありますが、その中における日本船といいますか、日本商船隊の積み取り比率といいますか、日本の船によってこれらのものが運ばれているその積み取り比率は、残念ながら輸入の数字で見ますならば四〇%を割っているのではないか、かような現状だと思います。
 したがって、こういう状況の中で、先ほどもありましたが、国際競争力との関係の中で外航海運産業がだんだん衰退しているという中で、ますますこういった日本船の積み取り比率、シェアが低下していく傾向にあるのが現状だと思うわけでありまして、果たしてこのままでこういうものを放置していいのか。少なくとも私たちが生きていくためのそういう大事な物質を運ぶ海運産業に、ただただ国際競争という面からだけ放置しておって果たしていいのだろうか。やはり一定のものは日本商船隊によって運ぶということが我が国の総合的な安全保障という角度から見ても必要ではないか、かような気がするわけでありますが、この点についての運輸省としてのお考えをお聞きしたいと思います。
#45
○中村(徹)政府委員 我が国への輸入量、先生おっしゃるように約六億トンございますが、そのうちいわゆる日本商船隊の積み取り比率というのは六四%。その日本商船隊は日本籍船と外国用船から成り立っているわけでございますが、日本籍船につきましては現在積み取り比率が約三八%ということで、先生御指摘のように四〇%をちょっと割ってございます。これは、五年前ぐらいの数字と比べますと若干減少の傾向にはございますけれども、そう大きな変化は生じていないわけでございます。ただ、日本籍船そのものの数というのは最近非常に減っておりまして、いわゆるフラッギングアウトというのが問題になっている、便宜置籍船化しているわけでございます。外国用船を加えますと日本商船隊全体の数、日本籍船と外国用船を加えた数は、そう大きな変化はないというのが現実になってございます。
 私どもといたしましては、やはり日本籍船をできるだけ維持していきたい、フラッギングアウトを防止いたしたいというような観点からいろいろ施策を講じてまいりたいと思っておりますが、そのためにはやはり日本船の国際競争力を回復させなければいけないという観点で、現在日本船への混乗の拡大というものを内容といたします提言、これは海運造船合理化審議会のワーキンググループの提言でございますが、これを一つの指針として関係者間で十分協議が尽くされ、問題が解決されることを期待いたしておるわけでございます。いずれにいたしましても運輸省といたしましては、我が国商船隊の維持発展とそれを通じた輸出入物資の安定輸送の確保、これが非常に重大な問題だと認識しておりますので、その点についてなお努力を続けてまいりたいと考えております。
#46
○小渕(正)委員 特に私たちに非常に大事なエネルギー関係ですね、これがざっと約五四%程度だと思います。石炭は約半分、五〇%、小麦はわずか一六%、大豆は三%で四%を割っておる。いろいろありますが、私たちの生活に直接的な大きな影響を与えるようなこういったエネルギー関係については、少なくとも何らかの一定の目安というか基準を持って、それを割ることがないような、一つのそういうものを策定しながら、あらゆる施策を通じて指導すべきではないかという考え方を持っておるわけであります。
 そういう意味において、もう少し積極的な施策が考えられないのかどうか。先ほども大臣が国民
的合意が可能かどうか、この種の問題は難しい面があるというようなことを言われておりましたが、私たちとしては、そういった輸入によってすべての生存が成り立っているということを考えますれば、やはり運輸省として一定の指導性を発揮していくならば、私はそういった意味において国、民的なコンセンサスは可能ではないかという考えもしているわけであります。そういう意味で、より一段と、ただ総合的でなしに、何ちかやはり一つの、特にエネルギー関係等についてはもう少しきちっとした目安を持ちながら指導するということは考えられないのかどうか。その点いかがですか。
#47
○中村(徹)政府委員 エネルギーの輸入量は輸入比率が一〇〇%でございますので、確かに我が国にとってその輸入は非常に重要な問題であるということは承知いたしておりますが、現実に運びますのは民間のそれぞれの契約に基づいて輸送が行われるわけでございますので、具体的にどれだけの量を日本船で運ぶとか、そういうことを政府で決めるのは非常に難しいと思います。私どもとしては、やはり日本船をいかに維持していくか、その点に十分配慮していかなければいけない。そういう意味で、日本船の国際競争力をいかに維持するかという点に絞って努力をしてまいりたい、かように考えております。
#48
○小渕(正)委員 ぜひ日本船の国際競争力の強化という角度から積極的な政策を推進していただきたいと思います。
 もう時間が来たようですので、一点だけ。
 関西国際新空港建設問題、これは正規のプロジェクトとして現在推進されておりますが、着工以来現在までの中で、トラブルと言えば語弊があるかもしれませんが、いろいろな問題点が出されてきておるわけでありまして、そういう意味で、果たして今のような状況の中で当初の計画どおりの完成が可能なのかどうかという点がちょっと疑われる感じがするわけであります。その点とあわせて、着工時に計画された建設費で果たして済むのかどうかという、この二点が私は今後の問題ではないかという気もしているのであります。きょうは余り時間がありませんので具体的なものは申し上げませんが、この点について現在どのような状況でおられるのか、その点をお尋ねいたします。
#49
○佐藤国務大臣 今委員が御指摘のように、関西国際空港の建設工事については着工が当初よりおくれているということは事実ですが、しかし平成四年度末、すなわち平成五年三月までの開港という全体スケジュールには支障がないというふうに考えております。
 それから二点目、経費の点というか事業費でございますが、やはり漁業補償や空港諸施設の設計施工等の事業の進展に伴って増加する要因が出てきていると聞いておりますが、その点は関西国際空港株式会社において創意工夫を凝らして極力事業費の削減に努めるということで、当初の計画どおりの事業費でおさめるというふうにこの会社を指導していきたい、かように考えております。
#50
○小渕(正)委員 終わります。
#51
○小里委員長 中路雅弘君。
#52
○中路委員 短時間の所信の質疑ですので、私は、最近相次いで出されていますJRの不当労働行為に対する地方労働委員会の救済命令に関連して御質問したいと思います。
 国労から申し立てされている件数も百八十件に上っていますし、全労働から五件。不当労働行為は、国鉄からJRへの移行期の採用差別の問題、もう一つはJRになってからの不当な配転、配属が中身になっていますけれども、昨年三月の東京の地方労働委員会における救済命令を皮切りにして出されています労働委員会の救済命令は都道府県で大体何件あるのか、お聞きをしたいと思います。
#53
○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘の、JRの労働問題につきまして地方労働委員会から出されました救済命令の件数でございますが、平成元年、ことしの五月十九日現在の数字で、複数の事案が併合された事件を一件として数えた件数は二十六件と承知いたしております。なお、地方労働委員会の救済命令発出後の状況につきましては、そのうち和解したものが二件、中央労働委員会で再審査中のもの、これも先はどのような考え方で件数を数えて十七件、地方裁判所で命令の取り消し訴訟中のものが三件、再審査申し立て等の期間中のもの、これも先ほどの考え方で数えて四件という内容でございます。
#54
○中路委員 二十六件ということですが、都道府県で見ますと、東京、大阪、北海道、神奈川あるいは福岡を初めとして全国の主要な府県にまたがっています。その救済命令もほぼJR側の不当労働行為を認めたということで、まさにこれは定着した救済命令の中身になっているわけですけれども、今報告いただきましたように、救済命令が出ても中央労働委員会の再審査の申し立てや裁判所に持ち込むということで、この問題が非常に長期の争い、あるいは申し立てている労働者の雇用の機会を奪うというような事態にもなっているのです。
 これは大臣にお聞きしますけれども、大臣御存じのように、労働組合法の二十七条五項ですが、「使用者は、地方労働委員会の命令の交付を受けたときは、十五日以内に中央労働委員会に再審査の申立をすることができる。但し、この中立は、当該命令の効力を停止せず、その命令は、中央労働委員会が第二十五条の規定により再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときに限り、その効力を失う。」ということになっているわけですね。地方労働委員会の命令は効力を停止しない、つまりこの地方労働委員会制度というのは緊急的に労働者の権利を守る、救済するという意味があるわけなんで、中労委に申し立てをしても、そこで結論が出るまではこの命令は履行しなければならないというのが労働組合法の趣旨なのですね。私はJRのとっている行為はこの労組法にも抵触するのではないかと思うのですが、その点で運輸省として、申し立てがあるからそれを見守るというのではなくて、結論が出るまでは労組法に基づいてもその履行を求めていくという姿勢でなければならないと思うのですが、いかがですか。
#55
○佐藤国務大臣 この問題はたびたび委員の方からも御指摘があるとおりでございますが、まずJR各社の労使関係については、国労等の組合との間で地労委や中労委において御指摘のような係争中の事案がありますので、このことは、係争中であるという現段階においては、当局としてはコメントは差し控えたい、こうしたことでございます。また、なお一部の事案につきましては地方労働委員会の判断が示されているということも十分に承知しておりますが、これらについては御指摘のように中央労働委員会においてさらに審査が進められる、こういうことで当事者間の係争中でございますので、これからどういうふうに推移するのかということを見守っていきたい、かように考えている次第でございます。
#56
○中路委員 それがこれまでの答弁なんですが、私がきょう労組法を、あえて御存じのを持ち出しているのは、この労組法に基づけば、その申し立ての期間、結論が出るまではこの仲裁命令に従わなければならない、履行しなければならないというのが労組法の趣旨なんですね。今やっていることはこの組合法に反するじゃないかということを言っているわけです。
 しかもこの問題は、あの分割・民営化のときに、国会の附帯決議でもあるいは国会答弁でも、所属組合の間の差別はしないということは繰り返し述べておられますから、政府として責任がある問題なんですね。全国の地方労働委員会、いろいろ結論が違うのが出ているんじゃないのです。全部の流れが救済、不当労働行為があったということを認めているわけですから、これは国会で繰り返しおっしゃっていたそのことが、実際に反することがやられているのだということを事実で示しているわけです。しかも労組法はそれに従わなければいけないということを言っているのですから、これについては見守るというのではなくて、所管のあれとしてやはりこれは強く指導すべきじゃない
かということをきょうあえて言っているわけです。いかがですか、もう一度。
#57
○丹羽政府委員 先生もちろん御高承のとおり、釈迦に説法でございますが、労働関係の事件の当事者が地労委の命令に不服がある場合は、中労委への再審査の申し立てたとか、それから司法裁判所への取り消し訴訟の提起、そういったようなことで争い得るということは法律上認められているところでございます。それで、先ほど来申し上げていますように、この当事者の間の係争として今係争中のことになっているわけでございますので、その段階で私ども運輸省としてどうこうと言うことになるのはやはり適当ではないと考えております。もちろん一般論として不当労働行為があってはならないということは当然のことだと思っておりますし、会社においてもそのような考え方で事業運営を行っていると聞いております。それはそうでございますが、係争中の事案でございますから、やはり大臣答弁申し上げましたように、今後の推移を見守るのが適当ではないかと考えております。
#58
○中路委員 これは繰り返しになりますけれども、先ほど読みましたように、地方労働委員会の結論について再審査の申し立てをした場合、地方労働委員会の命令は効力を停止していないんです。この申し立てば当該命令の効力を停止せず、その命令は中央労働委員会で取り消しあるいは変更するまでは――それによってもし変更があれば効力を失う、それまでは効力を失わないということですから、私は運輸省自身がこうした法律についてもその履行を、反することを指示できないというのはけしからぬことだと抗議もしておきたいと思うのですが、とりわけこうしたことで労使の話し合いもしない、少なくともこの命令が出ているわけですから、申し立てしてもどうするかということについて労使の話し合いをしていくということぐらいは指導すべきだということを強く要求しておきたいと思うのです。
 時間もあれですから、もう一点だけ今の問題とあわせてお聞きしておきたいのですが、清算事業団の職員の雇用問題です。
 時間が限られていますから私の方から数字を言いますが、五月一日付であと期限十カ月ですね、二千六百八十九名がまだ清算事業団に在職しているわけです。この雇用確保の問題というのは、前中曽根総理が一人も路頭に迷わせないと繰り返し言っておりますけれども、あと十カ月ですし、私も北海道、九州にも何度か清算事業団の調査にも行きました。毎日毎日大変な不安な家族を含めて生活をしているわけです。この際大臣にも、この一人も路頭に迷わせないというこれまでの約束ですね、この雇用を確保するという問題についてどのような御決意かということをお尋ねしたいと思います。
#59
○佐藤国務大臣 今御指摘のように、清算事業団職員の再就職対策というのは、国鉄改革に残された最重要課題の一つである、こうした認識を持っております。そういうことで、政府としては全力を挙げてその推進に取り組んでいるわけでございますが、今御指摘のように、平成元年五月一日の現在ではそうした努力にもかかわらずまだ未定の職員が二千六百八十九人おるわけでございます。
 今後の清算事業団の職員の再就職対策については、再就職先未定の職員の集中している北海道と九州地域の雇用情勢が依然として厳しいということはわかりますが、その方面の御協力をいただきながら全国的な観点から再就職対策を行う必要がある、かような考え方は変わりはございません。したがって、職員の個々の希望だとか能力を踏まえた教育、訓練、個別求人開拓、それから職業紹介等きめ細かく施策を実施するとともに、広域再就職促進のために住宅確保の円滑化とか、それから子弟の転入学のための情報の提供というようなこともやっていくつもりでございます。そして来年、すなわち平成二年の四月一日までに再就職を希望する職員全員の再就職ということが達成されるように最大限の努力を傾注してまいる所存でございます。
#60
○中路委員 時間が過ぎましたので終わります。
     ――――◇―――――
#61
○小里委員長 次に、内閣提出、日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。佐藤運輸大臣。
    ―――――――――――――
 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法
  の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#62
○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 新幹線鉄道につきましては、国土の総合的かつ普遍的開発に重要な役割を果たすものとしてその整備が進められてきたところであり、現在、整備計画が定められております整備新幹線につきましても、国土の均衡ある発展、地域の振興開発等に資するものとして、沿線地域の強い要望があったところであります。
 他方、この整備新幹線の計画につきましては、多額の投資を必要とすること等にかんがみ、国鉄改革及び行財政改革の趣旨を踏まえて、財源問題等について慎重に検討の上その取り扱いを決定することとされていたところであります。
 このような状況のもとに、幹線鉄道の高速化の必要性並びに国鉄改革及び行財政改革の趣旨を踏まえ、「第二の国鉄」は絶対につくらないということを大前提として検討を進めてまいりましたが、今般、北陸新幹線高崎―軽井沢間につきまして、平成元年度から、その建設に本格的に着工すること、また、財源問題につきましても、建設費は旅客鉄道株式会社、国及び地域が負担すること等の結論を得たところであります。このため、この結論に従い、新幹線鉄道の建設に必要な資金を確保するための所要の措置を講じ、もって当該建設に関する事業の円滑な実施に資することを目的として、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、新幹線鉄道の建設に要する費用に充てる資金の一部につきまして、国が日本鉄道建設公団に対して日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入を原資とする無利子貸付金を貸し付けることができることといたしております。
 第二に、新幹線鉄道の建設に要する費用に充てる資金の一部につきまして、新幹線鉄道保有機構が日本鉄道建設公団に対して交付金を交付することができることといたしております。
 第三に、日本鉄道建設公団に対する交付金の財源を確保するとともに、整備新幹線の営業主体となる旅客鉄道株式会社の負担力を確保するため、新幹線鉄道保有機構における既設新幹線の貸付料の概算総計年額及び各社ごとの年額の基準につきまして特例を設けることといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#63
○小里委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#64
○小里委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として北海道東北開発公庫理事角田修一君、日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君、理事杉田昌久君、理事前田喜代治君及び理事池神重明君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
#66
○小里委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若林正俊君。
#67
○若林委員 自由民主党を代表して、ただいま佐藤運輸大臣から提案理由の説明がありました日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 ただいま説明のありました整備新幹線建設のための財源措置等に関します法律案の提案理由を、涙の出るような思いで聞いたのは私一人ではないと思います。ここに至るまでの経過を振り返り、感無量であります。
 思い起こしますと、整備新幹線建設の根拠となります全国新幹線鉄道整備法は、先輩議員の大変な御努力、御苦労によりまして、議員立法として提案され、昭和四十五年五月十八日に公布されたのであります。昭和三十年代から始まった経済の高度成長により、東海道、山陽道といったいわゆる日の当たる地域と、東北、信越、北陸、九州のような余り日の当たらない地域との格差が拡大する傾向があらわれ、過密過疎現象が進行してまいりました。これに対処するため、既に開業あるいは着手しておりました東海道新幹線、山陽新幹線だけではなく、全国の中核都市を有機的、効率的に高速鉄道によって結び、国民経済全体の発展と国民生活領域の拡大を図ることを目的としてこの法律が制定されたのであります。
 私のふるさと、長野県の北部、北信地域は、高速道路も飛行場も新幹線もない、陸の孤島とも言われているほど不便な地域で、美しい自然や伝統文化、すぐれた人材を持っていても、高速交通体系の網の目からこぼれているために、これらの恵まれた条件を生かすことができない地域になっています。このような日の当たらない地域で生活している人たちは、この全国新幹線鉄道整備法の制定により将来に大きな夢と希望が与えられ、将来の地域の発展を夢見てお互いに励まし合い、協力し合って頑張ってきているのであります。
 この法律が制定されてから、政府は、東北新幹線、上越新幹線などに着手し、北陸新幹線や九州新幹線などについても基本計画を策定し、整備計画を決定し、運輸大臣はこれら鉄道線の建設の指示まで出され、地域住民の夢は着々と実現に向かって進んでいたのであります。ところが、石油ショックによる経済の停滞、財政の悪化、国鉄の経営不振などのためにブレーキがかかり、昭和五十七年九月、行政改革の一環としての国鉄改革の緊急措置として、整備新幹線計画は当面見合わせる旨の閣議決定がなされたのであります。
 私がなぜこのようなことを改めて申し上げているかといえば、今まで報道機関や一部の経済界の人たち、財政当局が、整備新幹線の凍結の解除、建設促進を、沿線地域のエゴであり、政治のごり押しであるとの一方的な見解を持っておられたからでありまして、整備計画に定められている地域からすれば、政府を信頼して新幹線を前提とした都市計画や地域の開発計画を着々と進めてきたことについてその実施を求めるという当然の願いであり、行動であるということをおわかりいただきたいからであります。私は、この凍結の閣議決定があったとき、全国総合開発計画の立案官庁である国土庁の官房総務課長の職にありましたので、そのときの無念の思いはいまだに忘れることができません。私はそのころ国土庁の退職を決意し、ふるさと、北信に帰りました。
 自由民主党は、五十八年の総選挙、さらに六十一年の総選挙において、この整備新幹線の凍結の解除と早期の着工を公約してまいりました。この間、政府も凍結の解除に備えて環境アセスメントの実施、着工準備作業所の設置、駅周辺環境整備事業などに予算措置を講ずるとともに、関係者が一体となって、財源問題、開業後の経営採算などの難しい問題を一つ一つ乗り越えて今日を迎えることになっているのでありまして、この間、関係地域の知事さん、市町村長さん、経済界、農林漁業関係の方々、そして何よりも地域の皆さんの熱意と、この熱意にこたえていただいた与野党の議員、政府関係省庁、JR各社の方々の御努力に改めて深く敬意と感謝を表するものであります。
 そこで、いよいよ整備新幹線建設の凍結が解除され、逐次着工の運びとなったのでありますが、この機会に、今後の整備新幹線の建設の促進という立場から、運輸大臣を初め政府関係者に質問を通じて重要な事項を当委員会において確認しておきたいと思います。
 まず事務当局にお伺いいたしますが、東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線鹿児島ルートについて、全国新幹線鉄道整備法第四条の基本計画を運輸大臣が決定したのはいつですか。
#68
○丹羽政府委員 お答え申し上げます。
 東北新幹線と北陸新幹線の基本計画の決定は四十七年六月二十九日でございます。それから、九州新幹線の鹿児島ルートの基本計画決定は、これも同じく四十七年六月二十九日でございます。なお、東北新幹線につきましては盛岡―青森間の趣旨でございます。
#69
○若林委員 全国新幹線鉄道整備法第五条の規定により、運輸大臣が建設線の調査を鉄道建設公団等に指示したのはいつですか。
#70
○丹羽政府委員 調査の指示はいずれも四十七年六月二十九日、調査の相手は国鉄及び鉄建公団でございます。
#71
○若林委員 さらに、全国新幹線鉄道整備法第七条の規定により、運輸大臣が整備計画を決定したのはいつですか。
#72
○丹羽政府委員 運輸大臣が整備計画の決定をいたしましたのは四十八年十一月十三日、いずれもそうでございます。
#73
○若林委員 重ねてお伺いいたします。
 同法第八条の規定により、運輸大臣は建設主体に対してその建設線の建設を行うべきことを指示しなければならないことになっていますが、その指示をしたのはいつですか。
#74
○丹羽政府委員 建設の指示はいずれも四十八年十一月十三日でございます。指示の相手は、東北新幹線につきましては鉄建公団、それから北陸新幹線につきましては国鉄、九州新幹線の鹿児島ルートにつきましては鉄建公団でございます。
#75
○若林委員 ただいま御質問をし、お答えいただきましたように、これら整備新幹線につきましては運輸大臣が整備計画を決定し、建設の指示をし、建設主体はその着工のための準備を進め、関係地方公共団体等も新幹線の建設を前提に地域開発施策を講じてきたのでありますが、昭和五十七年九月二十四日、整備新幹線計画は当面見合わせる旨の閣議決定をしたわけであります。なぜこのような乱暴な閣議決定をせざるを得なかったのですか。その理由を説明してください。
#76
○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘のように、整備新幹線につきましては、五十七年九月二十四日の閣議決定がございます。これは当時、国の行財政改革のために設置されました臨時行政調査会というのがございましたが、昭和五十七年七月にその調査会が行った基本答申がございますが、その中におきまして「国鉄の経営状況は危機的状況を通り越して破産状況にある。」という認識のもとに国鉄の「新形態移行までの間緊急にとるべき措置」の一つといたしまして「設備投資は、安全確保のための投資を除き原則として停止する。なお、整備新幹線計画は、当面見合わせる。」という内容の部分がございました。御指摘のその閣議決定につきましては、この臨調答申の趣旨に沿いまして当時の国鉄経営の危機的状況にかんがみまして、当面緊急に講ずべき対策として行ったものでございます。
 なお、先ほど私が答弁いたしました中に一つ間違えてしまいましたので訂正させていただきたいと思います。
 先ほどの整備新幹線の建設の指示の対象でございますが、北陸新幹線が国鉄で、九州新幹線鹿児島ルートが鉄建公団と申し上げましたが、その逆でございますので、訂正させていただきたいと思います。
#77
○若林委員 今御答弁がありましたように、行政改革の大きな柱として国鉄の改革問題が起こってまいりました。そういう国鉄の改革という緊急な事態でございましたがゆえに、整備新幹線の建設については、当面これを見合わせるという閣議決定がなされたと承知をいたしております。
 この凍結の決定は、関係地域の住民に大変なショックと、政治に対する不信を与えたことは今さら私が申し上げるまでもないのであります。その後、昭和六十年八月に政府と自由民主党の間に合意ができまして、凍結中ではありますけれども、東北、北陸、九州鹿児島ルートの新幹線について、全国新幹線鉄道整備法第九条に基づく工事実施計画の認可申請が出てくればこれを受け付ける、こういうことになったのでありますが、この工事実施計画の認可申請が提出されたのはいつですか。
#78
○丹羽政府委員 工事実施計画の認可申請は、東北新幹線盛岡−青森間につきましては昭和六十年十二月四日、北陸新幹線高崎−小松間、それにつきましては六十年十二月二十五日、それぞれ鉄道建設公団から工事実施計画の認可申請が出ております。九州新幹線博多−西鹿児島間につきましては昭和六十一年八月二十九日、国鉄から工事実施計画の認可申請が出ております。
#79
○若林委員 これら三つの新幹線について、既に運輸大臣が決定をいたしました整備計画と、運輸大臣に提出されております工事実施計画の認可の申請は現在もなお有効で生きていると思うのですが、どうですか。
#80
○丹羽政府委員 ただいま申し上げました認可申請のことでございますが、これらは先生の御指摘のように、全国新幹線鉄道整備法九条に基づきまして申請がなされたわけでございますが、その申請後、国鉄改革の際の関係法律とその後の、旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引継ぎに関する法律、こういう長い名前の法律によりまして必要な措置が講ぜられておりまして、現在でも有効な申請であると考えております。
    〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
#81
○若林委員 委員長にお願いを申し上げます。
 法案審査の上で大変重要ですので、昭和六十三年八月三十一日の「整備新幹線の取扱いについて」という申し合わせと、運輸省が当時案を出しておりますが、その案の概要、さらに平成元年一月十七日付の「平成元年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱いについて」、政府と自由民主党との申し合わせを資料として提出してもらいたいと思います。
#82
○久間委員長代理 今資料の要求がありましたことについては、資料をできるだけ早くまとめて出していただきたいと思います。
#83
○若林委員 運輸大臣にお伺いいたします。
 昭和六十三年八月三十一日の「整備新幹線の取扱いについて」、ただいま資料として配付をされたものでありますが、これは整備新幹線の着工優先順位等を決めたものでありますし、平成元年一月十七日付の資料は、JR、国、地域の建設費の負担割合などを定めたものでありますが、これらの申し合わせ定められたことは政府は責任を持って実行する旨、改めて運輸大臣からその見解を明らかにしてもらいたいと思います。
#84
○佐藤国務大臣 今の政府委員と先生とのやりとりをお聞きして、この基本計画は、四十七年にできてから今日まで十七年間かかっておるということを考え、確かに委員が先ほど感無量と言われた言葉がよくわかるわけでございます。地元の関係者、先輩の知恵と努力に改めて敬意を表するわけでございますが、今御指摘のようにこの整備新幹線計画、すなわち六十三年の八月三十一日の政府・与党の申し合わせという中には、着工優先順位の決定と従来の整備計画の維持、それから平成元年度から高崎―軽井沢間の本格的着工、その他の区間等につきましても引き続き着工、難工事部分の早期着工というのを定めたものでございますし、また平成元年一月十七日の政府・与党の申し合わせというのは財源措置について決めたものでございます。この二つはいずれも今申したように政府・与党で決めたものでございますので、運輸省といたしましてはこの両申し合わせをそれこそ大事に大事にして、今後とも着実に整備が推進されるように努力してまいる所存でございます。
#85
○若林委員 これらの申し合わせば、今まで当委員会において具体的な論議が行われておりませんけれども、本日整備新幹線建設のための財源措置等についての法律の審査の前提といたしまして、政府がこれら優先順位なり財源問題などについては、この方針をもって臨んでいくということを明確にさせていただきたかったからであります。
 そこで、さらにお伺いいたしますけれども、北陸新幹線の高崎−軽井沢間は法律で定められている整備計画どおりでありますけれども、軽井沢−長野間の両案併記部分のいわゆるミニ新幹線や東北新幹線のミニ新幹線部分、北陸新幹線の糸魚川−魚津間、高岡−金沢間、九州新幹線の八代−西鹿児島間のいわゆるスーパー特急は、法律で定められている整備計画の規格とは違っているのであります。これらの規格による鉄道建設はあくまで当面の措置であって、既に定められている、先ほど来御質問してまいりました整備計画は、これからもなお有効なものとして維持されていると考えておりますが、それでよろしいかどうか、重ねて確認をしておきたいと思います。
#86
○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘の昨年の八月三十一日のそのメモにございますいわゆるミニ新幹線、スーパー特急、そういった内容を含みます運輸省案は、従来の整備新幹線の規格を圧縮した形のものでございますけれども、これは全幹法、全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画の区間に即しまして、技術的、専門的な立場から詳細な検討を行った上で段階施工という考え方を導入いたしまして、投資効果を考慮して、時間短縮効果の高い、そういうやり方で施設整備を行うことといたしまして、このような観点から規格の圧縮を行ったものでございます。
 それで、今の整備新幹線問題の打開はこの運輸省案が前提となっているわけでございますけれども、ただいまの六十三年八月三十一日付の政府・与党の申し合わせの中にはっきりと明定されていますように、従来の整備計画はすべて維持される、そういうことを前提といたしております。
#87
○若林委員 非常に大事なことでありまして、政府としてこうして従来の整備計画がなお維持されているということを、再度当委員会として委員会の場において確認をさせていただいたわけであります。
 次に、全国新幹線鉄道整備法第二条によりますと、「「新幹線鉄道」とは、その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいう。」とされております。そこで、いわゆるミニ新幹線はこの法律で言うところの新幹線ではないと思うのですが、どうですか。
#88
○丹羽政府委員 全国新幹線鉄道整備法上の新幹線の定義は、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。それで、私どもが先ほど申し上げました規格圧縮案の中のいわゆるミニ新幹線の最高速度は百三十キロメートル毎時、それからもう一つのスーパー特急につきましては、その最高速度は車両によって変わりますけれども、一応百六十キロから二百キロメートル毎時、そういう形で想定いたしておりますので、必ずしも二百キロメートル毎時以上で車両が走行するということになるものではございません。
 それで、このため平成二年度以降におきましてミニ新幹線とかあるいはスーパー特急、そういうようなものを使った形での着工をすることが決定された場合におきましては、その段階におきまして全国新幹線鉄道整備法に関する立法措置の必要性について検討することになると思います。
#89
○若林委員 今御答弁がありましたように、ミニ新幹線については法律上その定義からいって新幹線ではない、スーパー特急については場合によっては新幹線と言えるかもしれない、こういうことであります。いずれにいたしましても、これらを具体に実施をする、その実施をするに際して、今審議中のこの法案を適用しその財源措置を講ずるということであるとするならば、その時点で改めて立法上の手当てを必要とするもの、このように理解をさせていただいたわけであります。
 今回のこの法律案は、先ほど提出をいただいておりますが、その資料のうち「平成元年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱いについて」に
即して財源措置を行うために必要な法律改正をしようとしているものだ、このように理解をするわけであります。そのためにこの法律では、国が日本鉄道建設公団に対しいわゆるNTT・B型資金を貸し付けることができる、あるいは新幹線鉄道保有機構が日本鉄道建設公団に交付金を交付することができる、また、新幹線の営業主体であるJRの資金負担力を確保するために、東海道新幹線など既設の新幹線の貸付料の基準の特例を設けるなどを定めようとしているものであります。
 ところが、先ほど質問にお答えをいただいたわけでありますが、法律上現段階において新幹線の建設と言えるのは北陸新幹線の高崎−軽井沢間だけでありますから、この法律案は当面北陸新幹線の高崎−軽井沢間の建設費の負担についてのみ適用されると理解してよろしゅうございますか。
#90
○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、今回提出申し上げております法律案は、平成元年度予算におきまして、今年度から本格着工するということとされております北陸新幹線の高崎−軽井沢間について、必要な範囲内でこの措置を講ずるということとしたものでございますので、現段階ではその高崎−軽井沢間のみについて適用されるというふうに考えております。
#91
○若林委員 提出されました資料の平成元年一月十七日付の財源措置に関する事項でございますが、JR、国、地域とも、関係者の大変な御苦労の結果このような財源措置が決められたわけでありまして、大した知恵であると高く評価いたしております。ただ、今回の法律案は、法律上新幹線の建設費について助成することができるという機能を付与したり、あるいはJRに負担力をつけるため既設新幹線の貸付料の基準の特例を定めたり、北陸新幹線部分について固定資産税の軽減措置を定めるということをしているにすぎないのであります。実行上、JR、国、地方公共団体の負担率などについてはすべて予算措置に任されております。先ほど大臣がお答えになりましたけれども、重ねて大臣にお伺いいたしますが、具体的な負担の関係は、提出された資料の平成元年一月十七日付の申し合わせどおりと理解してよろしゅうございますか。
#92
○佐藤国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
#93
○若林委員 今後の国や地方公共団体の財政事情やJRの経営状況によって変更されることも考えられるのですけれども、この点はどうでございますか。事務当局で結構です。
#94
○丹羽政府委員 ただいま御指摘をいただいております平成元年一月十七日付の申し合わせで決定されました財源措置、JRの負担の割合とか国、地域の割合、そういった財政措置につきましては、国鉄改革それから行財政改革の趣旨など、いろいろな論点を慎重に検討した結果でございますので、今後もこの考え方に基づいて対処してまいりたいと考えております。
#95
○若林委員 これから後続の線区があるわけでありますし、関係者、関係諸団体が多うございます。そういう意味で、軽々にこれを変更するということは制度的に新幹線を促進していくという立場からすると望ましいことではない、私もさように考えております。いろいろな苦しい事情があると思いますけれども、基本を維持しながら、財源を確保しながら早急な新幹線の建設促進が図られますように要望をするところであります。
 少し細かいことをお伺いいたしますけれども、この申し合わせの中にあります地域の負担についてであります。
 この申し合わせの中の注書き一にございますけれども、地域というのは都道府県の区域とされておりまして「各地域は、それぞれ地域内の工事費を基礎として負担する。」このようになっております。高崎−軽井沢間の線路等の第一種工事の地域負担は、線路の長さの比率によって群馬県側と長野県側とで分けるのですか、それとも、それぞれの県にある線路等のその部分に係る工事費をそれぞれの県側が負担するという考え方でいるのでしょうか。
#96
○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘のその後の方の工事費ということでございます。
#97
○若林委員 大変難しい問題でありますけれども、将来、新潟県や富山、石川、福井などの各県にこれがずっと通じていきますと、例えば群馬−長野間に掘られるトンネルなどでそれらの地域も大変な受益をするわけでありますけれども、そのような受益の状況というのは、そのトンネル等の工事部分の工事費負担に当たって配慮はしないのでありますか。
#98
○丹羽政府委員 先ほどの申し合わせの中にございますように、工事を二つの工事の類型に分けまして、それでその第一種と第二種が定まっているわけでございまして、それぞれの負担割合が決まって、それで計算した地域内の工事費のその分担の割合、こういうことになると思います。
#99
○若林委員 現実問題としますと、その負担の調整というのは大変に難しい問題があると思いますけれども、いろいろな経緯がありましてあのような申し合わせになっております。そのことは承知いたしました。
 次に、地域の中の県と市町村、場合によっては民間企業なども想定されているのではないかと思いますが、その相互間の負担関係についてはどのように定められるのですか、自治省。
#100
○嶋津説明員 お答えいたします。
 財源問題検討委員会及び建設促進検討委員会におきまして、再三各県の知事さんから意見の表明がなされておりまして、県内の負担につきましては、今御指摘ございました都道府県あるいは市町村、鉄道が通る沿線市町村でございますが、それ以外に関係する民間の方、総意を挙げて負担をする、こういうことになっておりまして、その負担関係の調整は都道府県の知事さんが責任を持ってやります、こういう意思が表明をされておりまして、現在もそのようにそれぞれの地域によりまして調整がされるもの、こういうふうに考えております。
#101
○若林委員 大変に地域地域によって事情が異なりますので画一的にはまいらないと思いますけれども、事柄が円滑に進むためにはやはり県が中心になりまして、県が地域を代表して、日本鉄道建設公団などと負担についての約束事のようなものを結んで、後は県と市町村あるいは関係のある民間企業などとの話し合いに任せていく、こんなふうに理解をさせていただいたわけであります。
 さて、この地域負担についてでありますけれども、東海道新幹線など既設の新幹線については地方負担はありませんでした。これら新幹線の沿線地域は、これからの新幹線の沿線地域よりも財政的に余裕のある地域だと思います。このような事情を考えますと、これからの新幹線について地方公共団体が負担をする場合、単に充当率九〇%の地方債の発行を認めるだけというのでは余りにもアンバランスではないかと私は考えております。
 そこで、この地方債の元利償還について、特別交付税で見てやるとか、特別交付税の性格上一律にすべての地方公共団体について見るということをあらかじめ決めるというのは困難であるとしましても、新幹線の地域負担によって地方財政が大変苦しくなってくる。例えば、長野県はこれで一九九八年の冬期オリンピックの実施が決まりますと、これに関連して相当の財政負担を必要とするような事情になってまいります。こういうようなことによりまして、一般的に他の事業の執行に支障が生ずるというような場合には、新幹線の地域負担は法律に強制されているんじゃなくて、地方公共団体が勝手に負担をしたんだからというようなことでもう面倒見ないよというのではなくて、特別交付税のその趣旨にかんがみまして、全体としてこれら整備新幹線の地域負担をしたことに伴う財政事情についても配慮した措置があってほしいな、こう思いますけれども、どうですか。
    〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
#102
○嶋津説明員 御指摘のように新幹線に係る負担につきましては、関係する地方公共団体は地域として一〇%を限度として負担をしたいということを意思表明をしていたわけでございますが、今回の結論につきましては、それに対しては地方団体
の希望よりもやや多い負担ということになっております。
 地方団体のこの新幹線に対する財政負担は、今ほど御指摘ございましたように、地域の開発発展とかあるいは住民の生活の利便の向上ということに着目しまして、自主的に補助をする、助成をするというスタンスでございます。したがいまして、例えばルール的に普通交付税で算定する財政需要の中に入れるというような性格としてはなかなかなじみにくいものがございます。しかし今後、これらの負担につきまして、今ほどお話がございましたように、それぞれの地域におきまして、例えば長野県なんかにおきましては、平成十年度の冬季オリンピックを目指していろいろ施設整備をやっております。そういうような財政事情も含めまして、私どもは関係する地方団体の財政運営が新幹線の負担なりあるいはそういう国際的なイベントの実施によりまして支障を生ずることがないように注意してまいりたいと思いますし、特に新幹線の財政負担につきましては、建設促進検討委員会に自治省も参画して決めたことでございますので、そういうことによって地方団体の財政運営に支障が生じないように責任を持って対処していきたい、かように考えております。
#103
○若林委員 大変力強い理解ある御答弁をいただきました。委員長、先ほど来、私は運輸省あるいは自治省と提出されました資料についてその運用、解釈などを御質問してまいったわけであります。ひとつ委員長にお願いでございますけれども、これらの論議というのはこの資料自身をめぐりますやりとりでございますので、これらについて議事録に掲載をしていただくようにお取り計らいを願いたいと思います。
#104
○小里委員長 承知いたしました。
 ただいまの資料についての委員会議録への参照掲載につきましては、後刻、理事会で協議いたしたいと思います。
#105
○若林委員 続けます。
 北陸新幹線の高崎−軽井沢間の建設費総額とJR、国、地域別の負担の総額、さらにあわせて平成元年度分について、概算額でいいですから教えていただきたいと思います。
#106
○丹羽政府委員 高崎−軽井沢間の建設費でございますけれども、消費税を除きました工事費は千九百五十億円でございます。それで、その負担割合は、JRが約九百八十億、国が約六百八十億、地域が約二百九十億ということとなると考えております。
 それから、平成元年度の事業費は現在精査中でございますが、約百二十七億円になると見込まれておりますので、その負担額は、JRは約六十三億円、国が五十億円、地域が約十四億円と考えております。
#107
○若林委員 北陸新幹線の、ただいま御質問いたしました高崎−軽井沢間の工事でありますが、いつごろ完了すると考えてよろしいでしょうか。
#108
○丹羽政府委員 工事費をどうつけるかということとの関係もございますが、純技術的な観点だけで申し上げますと、特別の支障のない限りは最短六年程度と考えております。
#109
○若林委員 着工に入りました段階におきまして、できるだけこれを早期に完成し供用していくことが国自身のためでもあるわけでありますので、そのような技術的に可能な範囲内においてその財源措置等について十分なる御努力をお願いしたいと思います。
 そこで、在来線の問題でございますけれども、高崎−横川間の在来線、横川−軽井沢間の在来線については今後どのように取り扱う方針でおりますか、教えていただきたいと思います。
#110
○丹羽政府委員 並行在来線の問題は、一般的に申し上げますと、整備新幹線の建設に当たりまして、国鉄改革の趣旨からいたしまして、新幹線開業によって著しく輸送需要が減少する、そういう場合の並行在来線を維持する、そういう過重な負担を新生JRに負わしてはならないと考えております。
 北陸新幹線の高崎−軽井沢間の並行在来線につきましても、まずJR東日本は、新幹線の開業によりまして大部分の旅客がそちらに転移する、そういうことを想定いたしておりまして、輸送量が激減すると予測しております。
 それから、有名なところでございますが急勾配区間でございまして、その急勾配区間の運行のためには特別の経費がかかる、そういった事情もまた別途ございまして、JR東日本の推計によりますと年間十億円以上の赤字が出る、そういうふうに考えられる区間が横川−軽井沢間の区間でございます。それでその横川−軽井沢間の区間につきましてはこれを廃止したいとJR東日本はしております。
 それから、残る高崎−横川間、この問題につきましては、今の横川−軽井沢間に比べますと輸送密度も高いし、高崎の都市圏輸送という範疇に入って今後とも相当程度の需要が見込まれる区間を含んでおりますので、東日本としましては徹底した合理化努力を行うことによって路線を維持していくということとしております。
 このような東日本の意見を踏まえまして、先ほど来御論議いただいております平成元年度の予算編成に当たっての政府・与党申し合わせにおきましては「並行在来線横川・軽井沢間については、適切な代替交通機関を検討し、その導入を図ったうえ開業時に廃止することとし、そのため、関係者間で協議する。」このように決定したところでございます。
#111
○若林委員 JRの経営上、新幹線が開業した場合、並行在来線については、場合によっては廃止をも含めた合理化が必要になることは理解できるわけでありますけれども、既設の新幹線の並行在来線の合理化と同じ位置づけでバランスをとるべきではないかと思うのであります。また、廃止の場合には地域の足として代替の交通手段などは十分な配慮が必要だと思います。
 私ここで申し上げたいのは、東海道新幹線とか山陽新幹線とか既に開業しておりますけれども、同時に並行した在来線について、JRの経営上は必ずしも採算的でないというような部分もあるのではないか。それらの合理化全体、JR経営として合理化をバランスをとりながら考えないと、新しい新幹線については特段に厳しい合理化を要求するというようなことでは全体の公共輸送機関としての使命の点からいいまして問題ではないか、このように思うからであります。この点については御要望を申し上げておきたいど思います。
 次に、いわゆる難工事の部分でありますが、これはその性格上全額国の負担で行うことになると理解しているのですが、それでいいのですか。
#112
○丹羽政府委員 先ほど来御論議いただいております平成元年度の覚書の難工事対象区間につきましては、全額国の負担で行うということで考えております。
#113
○若林委員 これら難工事部分を含めまして東北、九州そして北陸の本格着工にならない長野以北線区などにつきまして、国の財政事情をにらみながらになると思うのですけれども、できるだけ早く逐次本格着工をしてもらいたい、このように要望をするわけであります。
 この場合には、この建設費の負担については今回の法案を適用することになると思うのですけれども、どうですか。
#114
○丹羽政府委員 高崎−軽井沢間のほかの区間の話につきましての今回の考え方の問題でございますけれども、平成元年の一月十七日の先ほど来の覚書によりまして決定されました財源措置というその措置そのものにつきましては、今回着工優先順位が決定されました他の東北、北陸、九州の三ルートについても適用されるものと考えております。このため、高崎−軽井沢区間以外の区間の本格的着工が決定された場合には、これらの区間についても今回の法案による措置である交付金の交付とか、既設新幹線のリース料の配分率の固定、そういった措置は適用されることとなると考えております。
#115
○若林委員 最後に、軽井沢−長野間の取り扱い
について私の考えを述べ、要望申し上げておきたいと思います。
 着工優先順位に関する昭和六十三年八月三十一日の申し合わせによりますと、北陸新幹線の高崎−長野間を第一順位とされているのであります。軽井沢−長野間は整備計画どおりのフル規格にするか、いわゆるミニ新幹線規格にするのかは、その申し合わせにありますように「一九九八年冬季五輪の開催地問題等を考慮して、三年以内に結論を得るものとする。」このようにされているのであります。一九九八年の冬季オリンピック開催地の決定は今から二年後のIOC総会で行われることになっておりまして、長野県民挙げて、また世界の中の日本としてもどうしても長野に招致したいと活発な活動を展開中でありますが、長野が冬季オリンピックの開催地となれば、これはもう当然整備計画どおりフル規格の新幹線でなければ、広く世界から多くの人たちが長野に来るわけでありますので、軽井沢で切りかえるというようなことでない形のものでお決めいただけるものと思っております。
 しかし、このオリンピック問題を離れましても、もともと北陸新幹線は、東海道新幹線に万一災害などのことがあっても北回りの第二新幹線が必要だというようなことから計画されてきた経緯がありますし、太平洋の文化経済圏と日本海の文化経済圏とを結び、その経済効果もJRの経営採算も、北陸まで開通した方が格段といい結果になるということが推計上出ていることなどを考えますと、ミニ新幹線にして後でまたフル規格にするという二重の投資をしないで、初めからフル規格で整備計画どおり建設すべきだと私は考えており、またそのように要望しているところであります。今この場で答えを求めましても、ここにありますように「三年以内に結論を得るものとする。」こうなっていることでありますので、このことは私の意見と、あわせて要望を申し上げて終わりたいと思います。
 これで終わります。
#116
○小里委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十二分開議
#117
○小里委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。緒方克陽君。
#118
○緒方委員 今回改正提案がございました二つの法案について質問をしたいというふうに思うのであります。
 今度の二つの法案というのは、本当に長い間の問題でありました国鉄の再建の問題、あるいは分割・民営化の問題そういうもののいろんな教訓というのがあったと思うし、また、積み残している問題があると思うのですが、そういうものを完全に整理することなしに、無理やりに新しい法律案をつくって提案したがために法律的にも非常に問題があるということと、それからJRやあるいは地方自治体の財政負担の問題、また、将来の財源問題などをいろいろ未整理のままにとにかくスタートしてしまうということでありまして、私の率直な気持ちは、本当にこれでいいのだろうかというのが率直な気持ちであります。提案の理由には国鉄の改革や行財政改革の趣旨を踏まえて、「第二の国鉄」は絶対につくらないということを大前提に検討を進めて今回の提案になったというふうに言われているわけでございますが、まだ国鉄改革は大きな問題を残しているというふうに言わざるを得ないということで、そういう中でのスタートが許されるかどうかというふうに率直に申したいわけです。
 具体的に申しますと、一つは清算事業団のいろんな仕事の問題もございます。雇用の問題、土地の問題、長期債務整理、いろいろありますが、わけても清算事業団の職員の問題が解決をされていない中で、一体こういう莫大な資金を使う整備新幹線のスタートがなされるということについては非常に問題があるのではないか。後ほどその清算事業団職員の採用未定といいますか、再就職が決まっていない人の数字をお聞きしたいと思いますが、約二千七百ぐらいの人があるというふうに聞いておりますけれども、一体この問題を抜きにしてこの整備新幹線というのが進むというのはどうしても納得ができないという気がいたしますので、そういう問題を中心に清算事業団なりあるいは運輸大臣に対して御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に法律の問題点として質問したいと思うのでありますが、大臣の所信表明を含めて、あるいは提案の書類の中にも整備新幹線という言葉が使われているわけでありますけれども、新幹線整備法ではその速度を二百キロメートル以上ということになっているわけでありますが、この法律の絡みで出てくるミニ新幹線やあるいはスーパー特急というのは新幹線とは言わないのではないか。先ほども議論があっておりましたけれども、そういうことでどうしてもこれをやるということになれば、整備新幹線の方を改正するか、あるいは新幹線整備法を改正するか、どちらかをしなければ問題があるのではないかというふうに思いますが、この点についてお答えを願いたいと思います。
#119
○丹羽政府委員 お答え申し上げます。
 午前中にも御説明申し上げましたが、全国新幹線鉄道整備法上新幹線鉄道の定義がございますが、その定義によりますと、「その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」という形になっております。運輸省が提案いたしたその形の規格、いわゆる運輸省案の中には、今先生御指摘のミニ新幹線とかスーパー特急という問題がございますが、ミニ新幹線の最高速度は百三十キロメートル毎時、それからスーパー特急の速度は、これは車両をどういうような車両を投入するかで違いますけれども、今一応考えております車両を前提として考えますと、百六十キロから二百キロメートル毎時、こういう形を想定しております。したがって、必ずしも二百キロメートル毎時以上でその車両が走行するということにはなっておりません。
 したがいまして、これから運輸省案の今のミニ新幹線なりスーパー特急なりの問題が、ミニ新幹線なりスーパー特急なりで整備する区間につきましての着工が決定された段、これは平成二年度以降の話になるかと思いますが、その段階におきましては、全国新幹線鉄道整備法に関する立法措置の必要性につきまして検討する必要があるのではないかと考えております。
#120
○緒方委員 それでは先ほど申し上げましたように、今回の二本の法律が出されて整備新幹線がスタートをしようとしているわけですが、その前段の問題としてどうしても整理をしなきゃならぬ清算事業団職員の問題その他について質問をしたいと思います。
 まず最初に、清算事業団の方にお尋ねをしたいと思います。
 国鉄が分割・民営化をされてJRが発足をして二年ちょっとたっているわけでありますが、新聞報道などではいろんな意味で報道されておりまして、順調に黒字を計上しているというようなこともされておりますけれども、一方でこのJRの発足あるいは国鉄改革の中で約七千六百名の人たちが、旧国鉄職員がJRに採用されなかったという問題があるわけでありまして、百七国会の中では、この法律が通りました国会の中では、政府はその完全雇用を目指して一人も路頭に迷わせないということを国民の前に国会の審議の場を通じて明らかにしているわけであります。
 現状が一体どうなっているのかということでお尋ねしたいわけでありますが、就職が決まっていない人の数字と、それから就職は今までされてきたわけですけれども、それは個人の努力とか、あるいは私自身も努力をしましたけれども、地方自治体の努力とかいろんな形でやられているものがあるわけです。清算事業団が直接関与してあっせんされて就職が決まったというのは、JRの採用以外は非常に少ないんじゃないかという気がするわけですね。そういう意味で現在の数字と、そし
て事業団自体があっせんをした数字はどういう数字になっておるのかということをお知らせ願いたいと思います。
    〔委員長退席、森田(一)委員長代理着席〕
#121
○杉浦参考人 お答え申し上げます。
 六十二年四月の事業団の発足以来、この二年間で相当な再就職の進捗が見られますが、今先生おっしゃいました未内定者、まだ就職が決まっていない職員がスタート時点では七千六百二十八名でございましたが、この五月一日、平成元年五月一日で見ますると、約三分の二、四千九百三十九名という職員が再就職をいたしまして、残ったのが三分の一、二千六百八十九名、こういうことになっておるわけでございます。
 これをあと一年間でもう完全に再就職をさせていきたいというふうに思っておるところでございますが、今お尋ねの、事業団が直接関与した再就職の人数はどうかというようなお尋ねでございます。事業団の仕事で本人とひざを交えて就職相談を年じゅうやっておりますから、そうした過程であらゆる人にその就職の話をしておるわけでございますので、本人が単独で、自分で行きますよという人を何名かというふうにちょっととらえにくいのでございますが、いわばきっかけといたしまして、本人がこういうところへ行きたいんだということで、まあ自分で見つけてまいりまして就職をしたという例、あるいは自分で自営業を営むというふうに決断をしたような例を大ざっぱに中身を見てみますと、この四千九百三十九名中、約一割程度が自分で見つけられたというふうに思っておるところでございます。
#122
○緒方委員 今の認識は非常にあいまいな言い方でありまして、私がいろんなところで聞いたり現場での話を聞いているものと全然違うわけですね。確かに、JRに採用されたという者については、それは事業団の努力がされているというようなことはわかりますけれども、なかなかほかはそうではないという認識でございまして、この問題はまた具体的に後ほど、きょうは時間がありませんから、事業団の具体的な仕事の内容として総括、整理をしていかなきゃならぬ問題だというふうに思っております。
 ところで、今言われました二千六百八十九名就職が決まっていないという人がいるわけでありますけれども、結局それぞれの実態を調べてみますと、もう一回言いますが、JRへはそれはされているけれども、いろいろ清算事業団の現場でどういう就職あっせんがされているかといいますと、就職情報のコピーを張ったりあるいは新聞のコピーを張ったりとかいうような切り抜きであって、それぞれ探したのは自分の力で探したのが多いというのでありまして、就職あっせんと言うには余りにもお粗末な実態ではないかということを具体的に指摘をしておきたいと思います。
 特に、私は出身は佐賀でございますが、佐賀県では一九八七年の四月一日には三百七十七名の清算事業団の職員がいたわけですが、八九年の四月一日では百八十九名ということで、百八十八名の人が決まったということになっております。私の県などでは社会党が働きかけたり、あるいは県知事を働かしたりいろいろやりまして、公的部門とかあるいは新たな第三セクターのような仕事をつくるとかいうことで努力しました。なかなか数は上がっておりませんけれども、実績をそれなりに積み上げてきたわけですが、まだ百八十九名、半分もまだ残っている。実態は、その新聞の切り抜きを見ますと、例えば月給は十万であるとか高いので十四万というのを幾ら目の前に張られても、それではとてもじゃないが家族は食えないということで、そういう掲示をするだけはするけれども、中身が本当に家族三人、四人食えるという実態じゃないものを幾ら紹介をしても、それが実際の紹介あるいはあっせんというものとは言えないというふうに思うわけでありまして、そういう実態があるわけですね。本気でやっているのかというのが言いたいわけです。
 これは佐賀県のある町の話ですけれども、実は清算事業団の人が来て、町の総務課長さんと収入役さんに会った。そして採用していただきたいという話をした後、まあしかし、この連中はあんまりいい奴はいませんからねということを、就職あっせんをしたその後そういうことをぽろっと言うような清算事業団の管理者がいるわけですよ。こういう実態は私は本当に許せないというふうに思いますが、真剣に、口先では杉浦さん、理事長がいろいろ言われていますけれども、そういう実態があるということについて理事長は御存じでしょうかね。本当にやっておられるかどうかお尋ねしたいと思います。
   〔森田(一)委員長代理退席、委員長着席〕
#123
○杉浦参考人 私ども、現場、本社を通じまして、この再就職問題を最大の課題と心得まして、一生懸命全力を傾注しているつもりでございます。先生今御指摘のいろんな問題は場所によってあるいはあるかもしれませんが、全国的に例えば数字で申し上げますと、その就職相談、一人一人でひざを交えて相談をいたしましたのが、延べにいたしまして二十二万回、一人当たり四十六・六回の就職相談を行っておりますし、それから求人情報に対応いたしまする会社へのあっせん行為は延べ九万回、一人当たりにいたしまして十九回のあっせん行為を行っております。決して何もしてないという状態ではございません。一生懸命やっておるわけでございますが、今先生おっしゃいましたような、余りいい職員が残っていないというような発言につきましては私は存じておりません。就職をお願いする立場の者といたしまして、そういうようなことを言うことはあり得ないというふうに思う次第でございまして、これからもあらゆる機会に各界各層にお願いを、努力を続けてまいる所存でございます。
#124
○緒方委員 今そういう変な発言をする清算事業団の管理者といいますか、そういう人はいないという発言のようですが、実際になければ私がでっち上げるわけにはいかないわけですよ。これは九州のそういう例ですから、私がこの場でどこどこの町の何々収入役さんとか総務課長さんとかいう名前を出すと、その人の人格にも、人格といいますか迷惑をかけるということにもなりますから言いませんけれども、そういう指摘を受けたということについては、杉浦さんとしては九州の方にそういうことがあったかなかったか、ぜひ調べてもらいたいというふうに思います。
 そこで、そういう中で、今その就職相談をたくさんやったとかあるいはいろいろなことをやったというふうに言われておりますが、実際私が聞くのはどういうことかといいますと、そういう就職相談の中で、もう来年三月三十一日で皆さんの身分はなくなりますよという話とか、これは具体的な言葉ですけれども、ことしの十月で雇用対策は終わる、自分の問題だから自分で努力して再就職をしなさい、するべきだというような言い方が現実にこれまたあるわけですよ。十月までというようなことを具体的に言っているわけですね。私は、そんなことはないだろうと思うんだけれども、現実にそういうことが現場であっておるものだから、幾ら杉浦理事長が言っても、そんなおどかしの中でとにかく追い出そう。結果的には口先で言っていることと事業団の現場ではすれ違いがある、違うということが現実に起きているということであるわけでありまして、国鉄改革というのは法律は通っていきましたけれども、やっぱり最大の問題はこの雇用の問題を一体どうするのかというのが整理をされなければ、国鉄改革というのはこれはまだ完全に実施をされたということにはならぬと思うのですね。
 そういう意味で、こういう無責任な発言があるということを、そういうことも含めて本当に真剣な取り組みがされなければ、実際にさっき言ったように二つ三つ、いろんなところでの例を出しましたけれども、そういうものがあるという実態については、やっぱり杉浦理事長はもっときちんとした指導なりあるいは真剣な取り組みというものをやってもらわなければ感情的な問題になるのですよ。そういうことで、結局この再就職がなかなか進まない。いたずらに問題が長引くというよう
なことだって起きておるわけですから、その辺についてはもっときっちりしてもらいたいというふうに思います。
#125
○杉浦参考人 私どもで真っ先に就職相談で詰めます重要な事項は、その職員が一体どこへ行きたいんだという進路指導、進路決定ということを行うわけでございまして、これが決まりませんと就職あっせんあるいは各種の専門教育、こういうような場に進まないわけでございます。このことを繰り返し繰り返し、あなたはどこへ行くつもりかということを詰めておるわけでございます。そのどこへ行くかということのいわば最終決断は、これはやっぱり自分自身で決める以外にないわけでございまして、今先生おっしゃったような、自分で勝手に決めろ、自分で行けというようなそうした表現にあるいは受け取られたかもしれませんが、その真意は、やはり最終的な進路決定は自分による決断をしてくださいということを言ったんだというふうに私は解釈をいたします。
 それから、もう時間がない、十月で終わりというような発言につきましても、これも確かめませんとわかりませんが、現場におきましてもいろんな焦りがございますし、それから、一年間といいましても、その準備期間なりあっせんの作業がかなりやはり時間がかかるということも踏まえまして、なるべく早い目に本人が決断をし、そして行くべき会社のあっせんをしたいという気持ちからそのような発言があったんではないかなというふうに私は推測いたします。
 いずれにいたしましても、そうした大変デリケートな発言、デリケートな対応につきましてよく私自身も現場の管理者に問いただしをいたしまして、誤解の生じないようにしたいというふうに思っております。
#126
○緒方委員 それで、そういうことで本人が一体何を希望しているんだ、どういう仕事を希望しているんだということになりますと、杉浦さん、理事長にお尋ねしますけれども、私も今度の問題ではいろいろたくさんの知人、友人がいますから、いろんな関係でも話をして、この際広域採用もせっかく実施をされたんだから、やっぱり行くべきじゃないかということで率直に私はいろいろ言いまして、批判も受けましたですよ、はっきり。緒方、おかしいんじゃないかという話もありましたけれども、それはそれでせっかく窓があいたんだからやるべきじゃないかということで話もしましたがね。
 結局行けないのは、さっきも言いましたように地元のそういう求人情報では十万とか十四、五万という状況があって、なかなか家族がこれじゃ食えない。それから家庭の事情でどうしてもそれは行けない。例えば、両親の問題その他いろいろあるという状況の中で、やっぱり行けないからJRを希望するんだという声だってその中にあると思うんですよ。だから、そこのところを、もうJRは無理だからほかにちゃんと希望しなさいというふうに言ってもなかなか行けない人たちが、今実際にいろいろ努力をしていろいろ考えてみたけれどもできないから、やっぱり地元のJRにということで希望している人がいると思うんですがね。そういう率直な実態についてもそれはあるんじゃないですか。その辺についてはどうなんでしょうか。
#127
○杉浦参考人 北海道、九州の地域におきます職員の問題が一番問題でございますが、そこでは今までやはり何といいましても地元志向、地元で働きたいという気持ちというものが非常に強いわけでありまして、この点が私どもの仕事の面で一番の課題、問題になっているというふうに思うわけでございます。
 ただ、最近でこそ少し求人情勢は、雇用情勢は明るい兆しも見えますが、今までなかなか九州、北海道、今先生御指摘のような給与の問題も含めまして雇用情勢は非常に悪いわけでございまして、また一方ではJR九州、JR北海道は既に御承知のように職員面では満杯でございまして、これを受け入れる余地はないという非常に矛盾した課題を解決する、これにはやはり本州へ行っていただかなければならないというようなことで追加採用をJRにお願いいたしまして、先般も実施をしたわけでございます。いろんな事情で本人の決断が非常に難しいこともわかるのでありますが、また、客観的な諸情勢につきましてもやはりわかっていただいて、その中で自分自身の進路を決めていただくということをこれからも私どもはやっていきたいというふうに思います。
#128
○緒方委員 今の私の質問は、いろんな面接指導をやっているけれども、何を希望しますかということと同時に、そういう質問の中でJRを、地元を希望するんだという人がかなりいるのではないですか、そうではないですか、そういう人たちもかなりいるのではないでしょうかという質問をいたしましたが、そのことについてはどうなんでしょうか。
#129
○杉浦参考人 そうした御意見を持っている職員はやっぱりいると思います。ただ、それに対しては、今私ちょっと申し上げましたように、地元のJR九州なりJR北海道はもう既に職員の採用をする余地がありません。ですから、それ以外の方法について考えてくださいということを再三職業指導をして相談に応じておるところでございまして、そうしたことを希望する気持ちはわかる、また、実態もわかっております。おりますが、それにおこたえができないというのも現実の問題でございます。
#130
○緒方委員 数字は言われませんでしたけれども、今の中で、やっぱりJRを希望している人が具体的にあるということを、そういう答えだったということで数字は出ておりませんが、そういうふうに確認をしておきたいと思います。
 そこで、大臣にお尋ねしたいわけですが、さっきも言われましたように就職未定者が二千六百八十九名いるわけです。まあ一人も路頭に迷わせないということで言われてきたわけでありますが、この間、小さい部屋でいわゆるパイプいすですね、これは長く座ったらけっが痛いわけですけれども、それと小さなテーブルで自学自習ということで毎日悶々の日を送っている、若い働き盛りの人たちにとっては大変残酷だということで、昨年の委員会でも我が党の、これは参議院の方でありますけれども安恒委員が質問をいたしまして、当時の石原運輸大臣に答弁をもらっているわけでございます。その中身は、
 きざなことを言うわけじゃありませんけれども、ゲーテの言葉に、人間はすべてのことに耐えられるけれども、唯一耐えられないものは安逸無為の日々を送ることだとありますけれども、まさにそのとおりだと思います。JRへの再就職も含めまして、いずれにしろ有効求人倍率は今非常に日本は高いわけでございますから、それらの方々が有為な人材として新しい職場で働かれるような努力を運輸省としても最善を尽くすつもりでございます。というふうに石原運輸大臣は表明をされているわけですけれども、実際にはさっき言われたような数字で、JRを希望している人も含めて、九州、北海道では非常に大きな、数の上でもあるいは個々の清算事業団の職員の面でも問題が残っているわけでありまして、一日も早く完全雇用を目指して努力を運輸省としてはしなきゃならぬということだと思います。
 結局、今までのやり方だけでは到底全体の確保ができないのではないかということでありまして、後ほど労働委員会の命令についても御質問いたしますけれども、労働委員会の命令はJRに明確に採用しなさいということになっているわけでありますから、そういうことに向けて努力をするということをすべきだというふうに思いますが、大臣のお答えを願いたいと思います。
#131
○佐藤国務大臣 今おっしゃるように、この清算事業団職員の再就職対策、これは国鉄改革に残された最重要課題の一つだ、こうした認識を持っています。そして他方、先ほど御指摘のように、JR各社の収益が大変最近上がったということでございますが、これはもちろんJR各社の労使の一生懸命な御努力ということも評価されますが、同時にやはり旧国鉄の不良部分というか債務、そして
また年金、そしてまた今のようにやはり同じ仲間も積み残して発足したんだ、こういうことですから、収益が上がるのは当然だろうと思います。JR各社もそうした多くの犠牲を、また国民の負担において今日があるんだということは、やはり銘記してもらわなければいけない、これがまず認識でございます。
 そして、個々の問題については、今清算事業団の方からお答えがありましたように、当省としてはまだ現在でも二千六百八十九名の方がその就職先が決まってないという現状にかんがみまして、またその人たちの集中しているのが北海道と九州というところでございますが、ここは依然として雇用情勢が大変厳しいという方面でございますので、やはりあらゆる方の御協力をいただきながら、そして全国的な観点から再就職対策を行う必要があろう、かように考えております。
 また重ねて申し上げますが、やはり職員個々の希望だとか能力を踏まえた教育訓練、個別求人開拓、就職紹介等きめ細かい実施と同時に、やはり広域再就職促進のために住宅確保の円滑化とか子弟の転入学の情報提供、こういうものも講じていこう、かように思っています。そして何としてでも、平成二年四月一日までには再就職を希望する職員全員が再就職が達成できるように最大限の努力を払っていくというのが当省の決意でございます。
 また後段の方でもって、いわゆる差別採用事件について、地労委から救済命令が出されているがというお話がございましたが、そのこともよく承知をしております。しかし、これはJR各社はそれぞれ中央労働委員会に対して再審査の申し立てを行っておりますし、またあるいは審査の申し立てについて検討しているという段階でございます。今後は、中央労働委員会でもって審理が進められるということでございますので、当省といたしましては、今のところは申し上げるということは差し控えたい、かように考えております。
#132
○緒方委員 労働委員会の命令については後ほどまたお尋ねをいたしますけれども、一般的な例えば労使関係の問題であったということであれば、そういう労働委員会の命令が出たとしても差し控えたいということは通用すると思うんですね。そういう場合もあるかもしれない。あるかもしれないけれども、事はこの国鉄改革にかかっては、政府自体がかかわって我々国会議員も国会もそのことにかかわって、そして一人もいわゆる路頭に迷わすことはしないということとか、あるいは当時の橋本運輸大臣の答弁でも、不当労働行為はあってはならないということを明確に答弁されているのが、全国的な流れとして今や明確に不当労働行為があった、JRに採用しなさいということが出ているわけですから、一般的に言う不当労働行為事件について差し控えたいということとは、これは事、次元が違う、まさに今の運輸省の問題であり、我々国会の問題であるというふうに私は思うわけですよ。そこをそういうふうにすらっといくということについては、それは人間性が問われるんじゃないだろうかというふうにすら私は思います。
 先ほど何か午前中社会労働委員会で、細かな議事は聞いておりませんけれども、やはりこういうような不当労働行為事件で次々と認定が出ている、そして国の政治がかかわってきた問題である、本当にしかも緊急を要するという課題であるとすれば、そんなにすらっと係争中であるから発言を差し控えたいということで済まされる問題じゃないんじゃないかな、大臣、そんなに簡単に済まされる問題ですかね。そこのところを、個人的な心情でもいいですけれども、そんな問題じゃないんじゃないかと私は思うのですが、どうなんでしょうか。
#133
○佐藤国務大臣 今おっしゃるように、一般論としては不当労働行為というものはあってはならないということはよくわかっているわけでございます。また会社においても同じような考え方でもって事業運営を行っている、かように承知しているわけでございます。
 今の本件に関しては、地方労働委員会の判断に対して会社側の方が不服としている以上、それがまた上級の中央労働委員会にかかっている事例だということでもって、運輸省としての見解は差し控えたい、かように申したわけでございます。
#134
○緒方委員 今のような答弁ではもう済まない事態じゃないかということで聞いているわけですよ。午前中ですか質問もございましたけれども、労組法の上でも、この地方労働委員会の命令というのは中労委の命令が出るまでは明確に法的に生きている、そういう命令の内容の問題ということと、確かにJRはそれは民間の会社かもしれないが、大臣、そうでしょう、一〇〇%政府出資ですね。我々がやってきたんですよね。国会が取り扱って政府が提案してやってきたものなのに、一〇〇%出資会社であってももう一切関係ないというようなものとは次元が違うのじゃないですか。そこはいま一歩真剣に考えてもらわないと、整備新幹線だ何だということで何兆円かかるかわかりませんけれども、そんなものでいくような性格ではないんじゃないか。もっと大臣、そこのところを考えていただきたいというふうに思うのですが、どうでしょうか。
#135
○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘に関しまして午前中も答弁申し上げたわけでございますが、労働関係のいろいろな係争事件につきましての地労委での救済命令なりなんなりの形の裁決が出るわけでございますが、それにつきましてその当事者間におきましては、また一つ上の段階のいろいろな自分たちの主張を申し述べる機会が法律上認められているわけでございます。それで、具体的には中央労働委員会とか、あるいは労働委員会ではなくても司法裁判所の方に訴えを提起するとか、そういう両当事者間の争訟の手続が法律上認められているわけでございまして、そこに今両当事者が自分の主張を述べ合っている、そういう手続の進行中の段階でございますので、そこに私ども行政が関与するということ自身はやはり適当ではなかろう、かような形で考えているということを先ほどから御答弁申し上げている次第でございます。
#136
○緒方委員 私が質問をしておりますのは、命令が現実に出て、先ほども議論があったように、これは中労委の命令が出るまでは現実に生きているというこの事実と、それからもう一つは、国会で議論をして国会で決議をして、不当労働行為はしてはならない、一人も路頭に迷わせないというふうに我々自身が、私も大臣も皆さんも含めてかかわり合ってきたことなわけですよ。それは一切地労委、中労委の問題だからというふうに言えない、しかも一〇〇%政府出資の会社ですよ、そこのところは、そういう経過についてはどうなんですか。そこのところを私は聞いているわけですよ、一番大事なところは。
#137
○丹羽政府委員 確かに国鉄改革の当時の法案審議に際しましての国会での附帯決議をいただいております。それで、私どもももちろん不当労働行為のようなことはあってはならないということで考えておりますし、そういう考え方は、JR各社もその経営陣はそういうことだと承知しております。そういう経緯を踏まえても、なお先はどのような今の法律上の建前からしますと、争訟中のそういう手続の中に介入するような形は避けるべきではないか、こういう考えでございます。
#138
○緒方委員 今の回答は全然回答になっていないということで非常に問題だということで、後ほどまたそれについては申し上げて見解を聞きたいと思います。
 そこで、次に杉浦理事長にお尋ねしたいんですが、昨年の四月の二十二日ですが、衆議院の大蔵委員会において我が党の堀先生が質問をされまして、この清算事業団の職員の身分の問題について質問をされているわけです。その中で、来年の三月三十一日以降、法律上身分としては、これは来年というのは今でいう来年のことだと思いますが、昨年ですから当時は二年後でしょうね、ただ、議事録で見ますと、要するに一九九〇年ですか、三月三十一日以降、法律上身分としては特段の規
定はございませんというふうに杉浦さん答弁をされているわけですが、現実に先ほども言いましたように不当労働行為の救済命令が出て、採用しなさいという社会的な客観的な情勢もある、またJR九州その他JRに就職をしたいという人が数多くいる、そういう客観的な状況もあるわけですが、そういう状況のある中で、いよいよ来年の三月三十一日が来てもこの人たちの問題が完全に解決をしなかったという場合は一体どうなるのでしょうかということで、昨年の堀先生の質問の答弁に関連してお尋ねをしたいと思います。
#139
○杉浦参考人 昨年の四月二十二日の大蔵委員会だったと思いますが、堀先生からの御質問に対しまして今先生おっしゃいましたような各種のやりとりがございましたが、その中の重要な事項は、あと三年間で最終決めなければいかぬのじゃないかというようなこと、これに対しまして私は、法的な仕組み、助成制度を含めました再就職対策のための法律は、昭和六十二年四月一日から三年間たちましてこれは効力がなくなりますということを申し上げたことが一つでございます。
 それからもう一つは、そのときになって職員がどうなるのか、こういうお尋ねでございまして、今先生おっしゃいましたように、法律上の身分といたしましてはそのことについて特段の規定はございませんというふうにお答えを申し上げた次第でございまして、このとおりでございますが、いよいよ最終段階の一年に参っております。私ども全力を傾注いたしまして全員が再就職するように努力をし、そしてまた現在の情勢のもとにおきましてそれは達成は可能であるというふうに思いつつ、私どもの職務に対しまして全力投球をいたしているところでございます。
#140
○緒方委員 私の質問の趣旨は、もちろん全力投球はされるでしょう、そのためにあなた方は仕事をしているわけですから。しかし、仮に残った場合はどうなるのでしょうかという質問をしております。
#141
○杉浦参考人 私どもに課せられた仕事は、全員を再就職させるということでございますので、お答えといたしましては、そのように一生懸命やるということしかお答えがなかなかできないところでございまして、御了承願いたいと思います。
#142
○緒方委員 いや、だから一生懸命やるのはわかっている、今もされているでしょうけれども、実際には客観的な条件もある、それから労働委員会の命令もある、いろいろな本人たちの希望もあっているわけで、お尋ねしているのは、法律上の身分としては特段の規定はございませんということが来年の三月の時点で一体どうなるのかということについてもうちょっと答えてください。
#143
○杉浦参考人 これからが大変な正念場でございますので、来年のその区切りのときにどうなるかということを今予想をすることを私は差し控えたい。何遍も申し上げて恐縮でございますが、やはり一人も路頭に迷わせないように一生懸命やるというふうにお答えする以外に、現段階では私の答弁はこれ以上ないというふうに、恐縮でございますが御理解をいただきたいと思います。
#144
○緒方委員 来年の三月三十一日にならなければ、あるいはその少し手前ですか、そのときにならなければなかなか言えないということのようですが、現実問題としてはそれは強制はできないわけですからね、強制はできないわけですから問題は残ると思うのですよ。そのことについてやはり今の時点から真剣に検討しておいてもらわなければ、これは清算事業団の責任としてもあるのじゃないかと思うし、運輸省としてもそのことについてはあるということを申し上げておきたいと思います。
 そこで次に、労働委員会の問題について入ってみたいと思います。
 JRをめぐって不当労働行為があったとして、国労が全国の各地方労働委員会で不当労働行為の申し立てを起こして、既に大阪、神奈川、北海道、さらに九州ではもう宮崎を除く全部の県で国労の救済を認める内容が出ているわけですね。そしてその内容は、大綱次のような内容になっているわけです。
 一つは、JRへ訴えている国労の人たちの全員の採用というのがまず第一ですね、命令の内容のまず第一の柱。それから二つ目に、したがってJRはこれから採用するに当たっては、配属についてどういうところに配属をするのかということで国労と協議をしなさいというのが二つ目の大きな柱ですね。それから三つ目には、不採用に当たってということで、採用されなかったということで賃金差別が現にもう起きているわけですから、それについて補償をしなさいというのが三つ目。そして四番目に、陳謝文の提示という四本の柱で大体成り立っているわけですね。
 そして、これはもう全国の各地労委で出ているわけでありまして、公的機関であります地方労働委員会が命令を出した以上、政府はこれに従うべきではないかということで、先ほども質問しましたけれども、この内容はもう全国的にそういう定着をしている、そういう大きな流れになっているということが一つと、さっきも言いましたように、我々国会が、あるいは政府が責任を持ってやった、そういう問題での雇用問題ということであるわけですから、この問題について政府としてはJRに対して命令に従うように指導をやるべきだというふうに思いますが、どうですか。
#145
○佐藤国務大臣 先ほどから申し上げているように、こうした一連の地労委の命令というものに対して運輸省としても非常に深刻に受けとめていますし、またこの問題は真剣に対処しなければいけない、かような決意でございますけれども、先ほどの答弁を繰り返して恐縮ですが、今のところは運輸省としてはコメントも差し控えるし、そして中労委に対する推移を見守りたいというのが今の段階における私の答弁のまず限界だろう、かように考えております。
#146
○緒方委員 今の段階で非常に重要な問題であり、深刻な問題であるということで考えているという答弁でございます。さっきも言いましたように、仄聞ですから議事録は読んでおりませんが、社会労働委員会の中でもこの問題は重要な問題だということで、聞くところによりますと、運輸省とも相談をしなければならぬ重要な問題ではないかなというような答弁があっているやに聞きますので、十分そこらについては、やはり重要な問題であるし、深刻な問題であるというふうに受けとめていらっしゃるとすれば、その辺については労働省とも話をしていただきたいというふうに思うのですが、その辺どんなものでしょうか。
#147
○佐藤国務大臣 今御指摘のように、社会労働委員会でもってどういうふうな話し合いがあり、そしてまた労働省の方が答弁したか実はお聞きしておりませんので、現段階ではまず何とも言いようがございませんが、労働省から本件に関して申し入れというか話があれば、もちろん真摯に協議してまいりたいと思います。
#148
○緒方委員 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 次の問題は安全の問題ですね。国鉄当局、これは昔のあれですけれども、JRの国労への不当労働行為の実態は、先ほど言ったように全国でずっと出てきているわけです。今そのことについての一定の答弁はあったわけですが、これと同時に今問題なのは、やはり安全問題が一番大事じゃないかなというふうに思います。私も新幹線などで労働者と会ったりいろいろな話を聞くのですけれども、とにかく締めつけというか、緊張の中で厳しくなっている。それから時間の組み方なんかも、国鉄時代は十五秒単位だったんですね。例えば、列車は一般の時刻表には東京発一時半発と書いてありますけれども、国鉄内部では十五秒単位で、一時十五分十五秒とか四十五秒ということで時刻表は乗務員も駅の列車を出す人も持っていたのですが、東京では、東京というよりか東日本でしょうか、十秒単位になった。この五秒というのは非常に重要な意味を持つ問題もあるわけですね。
 それから、全国でもいろいろな意味で危機一髪というようなこととか、あるいはもう既に死亡事故も含めたいろいろな事故が起きているわけです
が、これは国鉄改革ということは必要だけれども、必要以上に要員を減らして合理化をしていくということや、あるいは労働組合の国労に対する敵視政策といいますか、そんなものが顕著にあちこちで出ておりますけれども、そういうものの中で結局安全が現実に無視されているのではないか、労使関係の安定というものは、安全の確保において何をおいても一番重要な問題ではないかというふうに思います。そういう意味で特に当局側は労働組合に対して、国労に対しても胸襟を開いて、事安全問題ですから、いろいろな話で十分話し合いをして、安全に運行できるような体制をとるように運輸省としては指導すべきではないかというふうに思いますが、その点お答えを願いたいと思います。
#149
○佐藤国務大臣 今おっしゃるとおり、やはり交通の最も大事な国民に対するサービスは安全だということだと思います。
 そこで、JR各社においてもやはりこの安全の確保こそ利用者に対する最大のサービスだというような観点から、そして、この問題は労使がその立場を超えて会社として一丸となって取り組むべき問題だ、こうした認識をお持ちでございまして、事故防止に関する事項については、労使の協議のもとに締結されている労働協約に基づいてJR本社、支社等に設置されている経営協議会において協議を続けていると聞いております。今後ともこうした労働協約に基づく経営協議会等の場を生かしながら労使間で十分に意思の疎通を図っていくよう、かように期待していますし、またそのように指導していきたいと思います。
#150
○緒方委員 私の時間が参りましたので、最後に強く要望しておきたいと思いますが、結論といたしまして、国鉄の分割・民営化がスタートしてもう二年目を過ぎて最後の三年目に既に入っているわけでございます。この三年目の中で、第百七回の国会で国鉄の分割・民営についてのいろいろな議論がありましたし、また国会決議、政府答弁があるわけでありますが、そういうものを守りながら事業団ももちろん努力をしてもらわなければなりませんけれども、政府として全力を挙げて、不安な日々を送っている旧国鉄職員を労働委員会命令に従ってJRへ戻すなりして全面的な解決をするように、しっかり頑張っていただきたいと強く要請をいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
#151
○小里委員長 戸田菊雄君。
#152
○戸田委員 質問に入る前に、関係資料があるものですから、大臣初め関係省に配付させていただきたいと思います。委員長、よろしゅうございますか。
#153
○小里委員長 どうぞ。
#154
○戸田委員 地方問題で恐縮なのですけれども、仙台市青葉区花京院旧国鉄跡地再開発問題について質問してまいりたいと思います。
 まず清算事業団に対し質問いたしてまいりますが、旧国鉄と仙台市の旧国鉄宿舎跡地の売買契約の内容はどういうものでしょうか。
#155
○杉浦参考人 概略を申し上げます。
 売買契約の契約年月日は昭和六十一年九月六日、契約の相手方が仙台市土地開発公社、場所は今先生おっしゃいましたような仙台市花京院一丁目百九十五番、面積が一万四千九百四十六平米余、売却代金としましては四十五億一千万円。この契約に用途指定の条件がついておりまして、全部は省略いたしますが、問題となりますC部分の土地につきましては、第一画地は仙台市の福祉施設建設用地、第二画地は地域環境に即応したコンピューター関係の教育施設、学校法人の設立による建設用地。それから指定用途に供すべき期日が決められておりまして、本契約締結の日から三年間、これは当時の契約で昭和六十四年九月五日、現在は平成元年九月五日ということになっております。その期日までに工事を完了すること等の条件が付された契約内容でございます。
#156
○戸田委員 今理事長がおっしゃられましたように、おおむね七項目ぐらいの契約内容、こういうことになるかと思います。
 そこで問題は、今お示しをしました略図でお話をします。
 今仙台市は、仙台駅の東の方ですが、東部開発というものを進めておるわけであります。そこで、買収ではないのですが、土地を提供された方々に対して代替地をというので住宅用代替用地、A区域、こういうものをとっているわけですね。
 それからもう一つはB区域でありますが、これは病院の代替用地、いわゆる宮城野原というところに厚生省管理の宮城公立病院がございます。それをここへ移転する。
 それからC−1は福祉プラザ用地で、これも理事長が今おっしゃられたとおりだと思うのですが、そういうことで用途を指定したわけです。
 C−2、これは貸付土地、いわゆる校舎の建設用地、具体的にはコンピューターの持丸さん持っている株式会社の建設ビル、こういうことになるかと思うのですが、これは現状どういう進行状況になっていましょうか。指定用途どおり建設が進んでいるのでしょうか。これは、建設期間は三年間でしょう。ことしの九月まで、そういうことになっておると思いますが、その辺はどういう進行状況ですか。
#157
○前田参考人 ただいま御指摘がありました。地の中でC−2というところにつきましては、コンピューター学校が最近できたと承知しておりますが、ほかのところは具体的に市の方で建設の計画をお進めになっている状況のようでございまして、私どもも具体的に進行状況がどういう感じかということについては、再三御照会をして、今も市の方へ実情を照会しているところでございますが、現実には、目に見える形ではまだ余り具体的な工事が行われていないと承知しております。
#158
○戸田委員 これは指定期日がことしの九月ですよ、三年間ですからね。六十一年の九月契約、今理事長がおっしゃられたとおり。三年間であと三カ月しかないのですね。現実はC−2、貸付土地、このC−2に対してコンピューターの校舎が建設されただけじゃないですか。あとは全然手つかずじゃないですか。
#159
○前田参考人 先ほど申し上げましたように、先生のおっしゃるような形で、現在のところまだ具体的な工事は目に見えるような形では進んでいないと承知しておりますが、市の方で工事を進めるに当たっての計画をいろいろ練っておられると承知しておりまして、私ども先ほど申し上げましたが、具体的にどんな進行状況かということについて市の方にいろいろ照会をしているところでございます。
#160
○戸田委員 その辺は極めて緩慢だと思うのです。清算事業団では一たんの方針で契約を結びました。したがって意見書というものを市に出した、こう聞いているのですが、その意見書に対する市からの回答書というものはまだ来ていないのですか。
#161
○杉浦参考人 ことしの四月十二日付で仙台市長から事業団の東北支社長あてに、この花京院の跡地C部分第二画地の土地利用についてのお答えが文書で出されております。中身がいろいろと書いてあるわけでございますが、私ども、こうした仙台市の現在の努力を見守っている状況であります。
#162
○戸田委員 仙台市自体としてもいろいろ努力はしているのでしょうが、私が承るところによりますと、一つは工事が極めておくれている、あるいは地元の皆さんが大分反対をしているのでなかなか建設着工に取りかかれないというようなことを言っているようですが、具体的に建設計画が来ているわけでしょうか。来ていれば、その中身について教えていただきたい。
#163
○前田参考人 建設の具体的な計画につきましては、契約、売却いたしました当時に、こういう形でつくりたいというお話を伺っておりまして、その後多少おくれているというようないろいろな情報もありますので、私の方は市に対しまして具体的な進行状況についてどうだという感じの照会をいたしております。かなり一般的な話での回答をいただいたことはございますが、詰めた形で具体的に
どこまで進行しているかということについてさらに詳細な報告をもらうように市の方に今強く要求しているところでございます。
#164
○戸田委員 時間がないので急ぎますけれども、契約書でのC−2の用途指定はコンピューター関係の教育施設、すなわち学校法人の設置によるもの、こういうことであります。ところが、今回のコンピューター施設のビルは既に四月一日以降開校しているわけですけれども、これは学校法人になっていないのですね。その辺はどういう見解になっておりますか。
#165
○杉浦参考人 先ほど申し上げましたように、条件は学校法人の設立によるというふうになっておりまして、その学校が開校した現在時点におきましてまだ学校法人化がなされていないという実態につきましては、大変遺憾だと思っております。ただ、この学校法人化についての仙台市の事務的な手続を問い合わせしておるわけでありまして、これが最終段階に来ておるというようなことも聞いておりますので、仙台市を信頼しまして現在様子を見ている状況であります。
#166
○戸田委員 学校法人の許認可については県でやるわけですね。ところが、県としては種々検討いたしましたけれども、法人化の許認可を与えるような状況にはございません、今後もそういう見通しはありません、こういうことを言っておるのですね。だから、当面これらの問題については法人化が与えられるということはないのじゃないだろうか。だからそういう面について、既に開校しビルは建ってやっておるわけですけれども、用途指定からいって国鉄が希望するものとは大分違う状況にいっているのではないだろうか。だから、こういう点についてこれから具体的にどういった対応を考えておられるのか、そういうものを考えておればひとつ聞かせてもらいたいと思う。
#167
○杉浦参考人 今お答え申し上げましたように、現時点で仙台市の方の学校法人化へ向けての努力を信頼する以外にないのでありますが、最終期限としまして九月五日という期限が迫っております。どういうふうに対応するかというようなお尋ねかと思うのでありますが、やはりこの期限が過ぎますと契約条件違反ということに相なるわけでありまして、この条件に適合するようにいろいろな措置を講じていかなければならぬだろうというふうに思っておるところでございます。
#168
○戸田委員 それからもう一つは、指定期日が三年間ですから、結局平成元年九月六日で切れるわけですね、そういう心配も一つあるわけです。これもいわば契約条項に違反をするということになりましょう。そういう場合に一体国鉄はどういう対応をするのか、この点が一つ。
 それからもう一つは、払い下げ金額、総額四十五億一千万何がしとさつき理事長がおっしゃられましたが、一平米当たり何万でございましょう。
#169
○前田参考人 一平米当たり三十万二千円でございます。
#170
○戸田委員 六十一年六月ですから、当時は中曽根民活によって東京の土地などは暴騰直前であったわけですね。しかし、資産評価は大分高くなってきた。ここは御存じのように仙台駅から徒歩三分の土地ですね。構内と同じような状況です。まさに一等地です。三十数万というのはどういうわけですかね。極めて適当な価格かなと思う。買う方は少しでも安い方がいいですけれども、しかし、時価相場その他で比較してみましても三十万ちょっというのはちょっと考えられませんね、大体今の時価だったら、恐らく仙台駅前、場合によっては五千万ぐらいするところがあるわけですから。それが土地評価その他でもって、国土庁あるいは仙台市等々の評価額からいっても、とにかく時価相場は三百万を下らないと思うのです。破格の格安だと私は思うのですけれども、どう考えていますか。
  〔委員長退席、森田(一)委員長代理着席〕
#171
○前田参考人 土地の売却価格でございますが、これは厳正に私の方で評価をいたしておりまして、この土地につきまして部外の鑑定もたしか三社をとりまして、それから私どもの方の内部的な鑑定も検討いたしまして、その上で決めた価格でございます。
 ただ、この土地についてちょっと実情を申し上げますと、大変入り込んだ土地でございまして、土地の評価をいたしますときにはその土地の街路の条件がどうであるとか接道がどうであるとか、あるいはその画地がどうであるとか環境条件がどうであるとかという要素が当然入ってまいりますので、一般的に、あるところの土地で、近くにある土地だからといって同じ値段になるとは限りませんけれども、こういった形で厳正に部外の鑑定もとりましてこの土地も評価して、正常な価格で売却しておりますので、決しておっしゃるように安いとか、そういうことは絶対にございませんので、御了承いただきたいと思います。
#172
○戸田委員 国鉄改革特別委員会のときに全国の国鉄の評価額を全部資料としていただきました。そのときにいろいろと見たのですけれども、とにかく三十万なんという評価額はどこにもない。今私は上杉一丁目という、仙台から徒歩で約二十分ぐらい、そこに住んでいるのですが、最近隣の方がそこを売って別地に移転をしました。そこですら二百万ですよ。時価二百万、百坪ばかり売って二億円。そういうときに花京院一帯が三十万というのは、三年前ですけれども、私はちょっと考えられぬ。だから、疑惑を持った住民の皆さんも、どうしてそんなに安いんだろう、こういうことで思案投げ首なんですよ。
 だから改革委員会のときも、これから土地を三万三千ヘクタール売却をしていくということになって、その方法はどういうふうにし得るだろうということになりまして、やはり原則は公開入札、しかし随契も場合によってはあります。自治体その他に対してやる場合にはそうなりましょう。今回は随意契約でやっているわけですけれども、そういう場合にも不動産鑑定士、その他権威ある土地評価委員というものに依頼して適正な価格での売買でなければいけないんじゃないかと私は思うのです。どうですか、もう一回。安いと思いませんか。
#173
○杉浦参考人 今前田理事が申し上げましたように、旧国鉄時代の売却に当たりましては近傍類地の売却実績を踏まえ、また第三者の鑑定を受けまして適正な価格で売却をしております。決して市だからといって安く売るということはなかったというふうに思います。
#174
○戸田委員 時間がありませんから、見解だけ伺ってまいりましょう。
 持丸さんが借用しましたいわゆるC−2、これは賃借権を設定したのです。これは仙台市は登記済みである。それから質権設定、これも仙台市は同意をして設定をいたしました。こういう一連の措置を見ますと、結局財産を放棄して転売をしたのと同じような状況になるのじゃないでしょうか。この辺はどうですか。
#175
○前田参考人 この土地につきましては、コンピューター関係の学校をつくる、しかもそれは学校法人にしていただくという条件でお譲りしておりますので、当然ある意味では市から転貸をするといことはあり得ることだと思います。また、質権の設定につきましては、私どもは特にそういう制約はいたしておりません。契約上は何ら制約はいたしておりませんけれども、強いて言えば余り好ましくないことだと思っております。
#176
○戸田委員 きょうは時間がありませんから、今までの質問内容等々について後で書面でもって、検討内容というものの提示をしてください。
 時間がありませんから一括項目的に質問してまいりたいと思います。
 一つは、学校経営の現状と今後についてです。
 今回、全体で百十五億融資を受けるような格好になっておるわけですけれども、登記簿融資総額は百億円、学校の事業計画を見ますと百十五億円です。利率は年率五・五%、これは六行ほどありますが、各行とも同率、利子総額約二億五千万円、これは私の試算ですが、三十年返済、元金を含め年返済額約九億円、こういう見当になりますね。そうしますと、学校は授業料、入学金、年間収入十六億、それから先生が百五十名ないし百六十名いますから人件費教材費、リース料等々を考えますと六億見当かかる。利益は総体で八千万円あるようになるのですけれども、結果的に四億見当の赤字だろう、こう言われておるのです。そういうものに対して当然今回の購入価格全体を担保に入れまして、北東開発公庫から四十五億融資、さしあたって三十億、こういうことになっておるのですが、これは適正融資になりましょうかね。北東開発公庫のどなたですか、来ておられるのは。
#177
○角田参考人 公庫の現在の融資額は三十億でございますが、本計画の借入総額百十五億円というものは、当初会社側が金融の調達をするに当たりましてそういう計画を練っておった、かように伺っておりますけれども、現在は約百億円で資金調達、これは設備代金それから土地の賃借権、設計監理料を含めまして約百億円の資金計画になっております。公庫はそのうち三十億円の融資をいたしております。
 今次計画は、市街地再開発事業といたしまして総合設計制度によるインテリジェントビルの建設をするわけでございまして、建設主体は東北電子計算機株式会社でございますが、これに入居するのが東北電子計算機専門学校ということになりまして、この電子計算機専門学校がそのビルの賃貸をして入るということになります。このビルの賃貸料の設定に当たりましては、周辺の近例のビルの事例を見た相応の賃貸料を設定してございますが、当専門学校からの収入も、今後の収益の見通しから見ましてこういったプロジェクトの平均的な資金回収期間での回収といいますか、事業採算が確保し得るという見通しを立てておるわけでございます。
  〔森田(一)委員長代理退席、委員長着席〕
 この電子計算機の収益の見通しにつきまして先ほど先生のお話にございましたが、今度計画ができますことによりまして教育施設の格段の充実が図られますと同時に、同電子計算機学校は市内七カ所ほどに校舎を分散して持っておりますが、これが一カ所に集約されることになりまして経営効率の向上も図られるわけでございますので、学校経営の基盤は今後は安定化するものというふうな見通しを立てております。
#178
○戸田委員 時間がありませんから、自治省が来ておると思いますが、現在住民監査請求が出されておりまして、その中に、権利金、敷金、賃貸料等々の金額が適正な鑑定評価額以下だ、こういうことを言われた。そういう御指摘があるのでありますが、地方自治法の第二百三十七条第二項、第九十六条第一項第六号等々、それから同法第二百三十四条第二項、同法施行令第百六十七条等々に違反しているのではないか。一つは議会の議決権、この問題だと思うのです。それからもう一つは安定価格の場合は公開入札でやりなさいということがあったのではないだろうか、それに違反しているのじゃないかという見解、このことについてひとつ見解を示してもらいたい。
 それからもう一つは、現在、住民訴訟が起きておりまして、趣旨は三点と理解しているのですけれども、その一つは大綱四項目でやられているのですが、契約違法、解除用地の原状回復と明け渡し要求、それから契約時の賃貸契約で安く貸し付けたということに対する幾つかの問題点がございまして、等々に対して東北電子計算機株式会社の持丸さんに対して一つの見解を求めているわけです。同時に、私は清算事業団の用地関係の対応もこれらに対して一体どう判断をされているのか。これは市の方はいろいろと聞いてまいりましたが、そういうことで御見解を示していただきたい。
 そこで大臣、今まで国鉄用地売却等についてはいろいろ問題がありまして、土地投機その他、私は余り原則的には売却賛成者じゃないんだけれども、改革委員会でもそれは言ったんだが、多角運用をやった方がいいのじゃないか、こう言っているのです。しかし、そういう全体の、今後の国土開発あるいは地域開発、こういうものにまたがっていく大きな問題ですから、そういうものに対して大臣として今後一体どう指導監督その他を強めていかれるのか、その辺の見解をひとつお聞かせを願って、終わりたいと思います。
#179
○松本説明員 御説明申し上げます。
 第一点は、この賃貸契約が地方自治法九十六条第一項第六号及び第二百三十七条第二項に言ういわゆる議会の議決に付すべき案件ではなかったか、すなわち適正な対価なくして貸し付けたことにならないかという御指摘であったと思うわけでございます。これらの規定に言います「適正な対価」ということになりますと、いろいろ地域の実情それから個々具体的な事例に即しまして当該地方公共団体が責任を持って判断していただく、こういう建前になっております。したがいまして、私ども聞き及んでおりますところによりますと、本件の場合におきましても、御指摘の賃貸料あるいは権利金等適正な対価として算定したのだというように聞いているところでございます。
 それから、第二点の随意契約の件でございますが、御承知のように地方公共団体が契約を締結いたします際には競争入札を原則とする、ただ、契約の性質または目的が競争入札に適しないものをする場合は随意契約をできるんだ、こういうことに相なっておるわけでございます。その適用につきましては、これもまた個々具体的に判断せざるを得ないわけでございますが、本件のような場合はあらかじめ優秀計画を募集したという経緯がございます。調べてみますと、コンペ等を行いまして、それに従って、優秀な者について契約をいたします際には、これは一般的に随意契約でやることが多いという実情でございます。
 第三点の住民訴訟の件でございますが、先ほども申し上げましたようなことでございますので、私どもとしては、これが適正でなかったかという’ことについては個々具体的に判断をしていただくより仕方がないというように考えておるわけでございます。
#180
○戸田委員 北東開発公庫の理事ですね。後で融資契約書、これをちょっとプリントいただけますね。それが一つ。
 それから、全体的に清算事業団で今後やはり今いろいろと問題になっている各般の解決策の一つの対案が検討されていると聞いていますから、そういう考えについても後ほど、何でもいいですから資料をひとつ御提示願いたいと思います。
 以上で終わります。
#181
○小里委員長 次に、新盛辰雄君。
#182
○新盛委員 整備新幹線関係関連法案の審議をする前に、くどいようですけれども、けさほどから出されております、国家的不当労働行為じゃないかと言う学者もいるのでありますが、各地で出されております不当労働行為に関係する救済命令、これは、この内容を見てみますと、旧国鉄とJR各社の間には実質的な継続性があるという前提に立って、全体的に国労の弱体化をねらい、組合員をJRから排除することを意図した組織的差別があったと判断をして救済命令が出ておるわけです。この命令について、労働省、来ていらっしゃると思いますが、労組法の二十七条五項さらには労働委員会規則の四十五条一項にかかわる精神条項、いわゆるこの内容から見まして現実のJRの処置は極めて遺憾だと思うのですが、しかもなおかつ、この条項は空文化されているんじゃないかという認識も出てくるわけですけれども、労働委員会はどういう御見解を持っていらっしゃいますか。
#183
○渡邊説明員 先生今御指摘のように、JR各社につきましては、多数の不当労働行為事件が現在労働委員会に係属をしておりまして、また幾つかの救済命令が既に出されております。現在、当局の方はこれを不服としまして中央労働委員会あるいは裁判所で争っているわけであります。
 御指摘の地方労働委員会の命令の効力ですが、これは今お話がありましたように、労働組合法の中で再審査の申し立てをしましても地方労働委員会の命令の効力は停止しないというふうに規定してあります。また一方、労働組合法では、当事者の再審査申し立ての権限を認めておりますし、あるいは裁判所への提訴といった権限も認めておるわ
けであります。また、労働委員会の命令を裁判所で争います場合には、裁判所が緊急命令を発したときに限って強制力を持つ、こういったふうな仕組みになっておりまして、こういった仕組みをいろいろ総合的に勘案いたしますと、地労委命令の効力につきましては使用者側の任意の履行に期待する、こういったことが労働組合法の体系における位置づけではないかというふうに理解しております。
#184
○新盛委員 先ほどからの大臣の答弁では、目下係争中のものもこれあり、運輸省としてはコメントを避けたい、こういうことでございますが、既に二十五件ぐらいの救済命令が出されております。採用差別、配属差別、出向差別にかかわる案件がほとんど救済を命令しているわけであります。
 こういう状況ですから、今現実にこの救済命令の出たものについてはどう処理をするのか。今、労働省の解釈で明確になっておりますように、この労組法二十七条第五項では、申し立てが仮に使用者側の方からあったとしても、その間命令を履行する義務を放棄していないことが、取り消していないことが明確になっているのですから、これは直ちに実行に移されるべきではないか。もう一回明確な御回答をいただきたい。
#185
○丹羽政府委員 大臣が御答弁申し上げる前に、事務的に私の方から私どもの考え方を申し上げたいと思います。
 先ほど来申し上げましたように、先ほどの労働省の方の御説明もございましたように、今の地労委の命令を受けた後のその処理の問題につきましても、その争訟手続上の問題としてまだその当事者が争っていく形の手続が定まっているわけでございますので、現在その手続を経営者側の方が使っている段階でございますので、私どもの方としては、その段階で運輸省が何か申し上げる、そういうことは適当ではない、こう考えている次第でございます。
#186
○新盛委員 相変わらず答弁は同じところでございますが、これから二百件に及ぶ各地労委に出されております不当労働行為案件、これが全部いわゆる救済命令ということになったらいかがされますか。
#187
○丹羽政府委員 私どもの方としてはこれから先のそういう仮定はなかなかしにくいところでございます。単に今この時点での法律的な物の考え方を私どもの方としてはとっているというところでございます。
#188
○新盛委員 社労委員会でも議論されているようですから、また、内閣委員会その他等でも明確にしていきたいと思います。
 続いて、清算事業団に所属をする職員の雇用の問題では、先ほど杉浦理事長の方からも御答弁がございました。五月一日現在で二千六百八十九名、この皆さんの雇用の保障については今の段階で先行きどうなるかわからない、こういう御答弁なようでありますが、端的に聞きます。もう来年三月で清算事業団の雇用としては終わりでございます、それから先の身分保障、雇用については皆目何ら法的なあれもございませんのでと言うその裏側に隠されたものがあるようですけれども、もうこの段階で、随時追加採用もされたわけでありますが、この追加採用を含めて再度検討される余地があるのかないのか、明確にその辺を教えていただきたい。
#189
○杉浦参考人 あと一年間、一年もありませんが、全力投球しまして全員を再就職の道に歩ませるというのが私に課せられた重大な使命でございます。これに沿いまして一生懸命やるつもりでございます。
 見通しにつきまして楽観は許すことはできませんが、日本全体の景気の回復という影響が、問題の多い北海道、九州にも若干及ぼされてまいっております。それを反映いたしまして雇用情勢も若干の好転が見られるというところに私ども多くの期待を持っておるわけでございますが、現在の求人数で見ますると、事業団で確保した数と、それから公共職業安定所からの提供の人数、両方合わせまして二万八千三百五十人、こういうような数字も出ておるわけであります。これは各職種を通じての、またばらばらの給与を通じての全体の数字でございますから、各個人個人の要望とこれらの求人とをドッキングさせまして何とか最終段階までに全員を再就職させるというふうに努力をしてまいる、これが現段階におきまする私の申し上げるぎりぎりのところではないかと思います。
#190
○新盛委員 JR側に要望しておきますが、先ほどの地労委の問題でもそうでございますけれども、審問のあります地域にはほとんど事情がございましょうが、欠席をしたり申立人の主張を一切聞こうとしないとか、かたくなな態度をとっておられる。それと同様に、広域配転でこうして募集をし配属をされることについて、これがほとんど九〇%所定の位置につかずに鉄道業務以外についているという話も実は実態的に聞いているわけです。やはりまじめに働こう、国鉄の旧来の状況はさておいて、いわゆるJRという事業の状況の中では積極的に労使の間でそういう問題も念を入れてまじめに協議していくということはできないのかどうか、この点、明確にひとつ約束をしていただきたい。
#191
○丹羽政府委員 先生JRに対してということでございましたが、私ども運輸省が今の先生の御指摘を受けとめまして、私どもといたしまして先ほど来申し上げているように、不当労働行為のようなものはあってはならないというふうに考えておりますので、今後ともJRの労使双方が国鉄改革の趣旨を踏まえまして、民営会社としての新たな労使関係の確立に向けて引き続き努力していく、そういうことを期待していると申し上げたいと思います。
#192
○新盛委員 指導に当たられる運輸省ですから、ひとつ的確な指示と指導をこれからお願いしておきます。
 鉄道共済年金の問題で大蔵省来ていらっしゃると思いますが、最近出されました大蔵原案、そして関係閣僚会議でまとまって政府案として今次国会で審議を煩わそうという問題については、内容については省略をします。自助努力によって一千五百五十億用意しなさい、そして他の年金からの拠出も千四百五十億、これに四十億たばこ産業があるわけですが、こういうことでこの三千億の赤字を埋めよう、こういう話であります。
 私どもとしては、もちろんこれはもう苦肉の策で、例の財政調整で六十一年から六十四年までの間一生懸命公務員その他の方々に拠出をいただいて年金の補強をやりてもらって一応今日を迎えているわけですね。来年度からそれこそ毎年三千億ずつ欠損になる分を補強する、こういうことになるわけですが、もう少し、これまでの経緯は口が酸っぱくなるほど申し上げてきたんですから、国の責任と負担の具体化という面で、国としては国鉄の清算事業団所有地及びJRのこれからの株の計画的な売却等で毎年度の負担を増額をして、できるだけ他の年金拠出を考え直してもらわないと、厚生年金など一千百四十億、それに六十歳を六十五歳に上げますよというようなことなど関連しているものですから、大変鉄道共済の皆さんは苦労しているし、また国が責任を持ってこれらの処理をしてもらわなければならないことではありますが、考え方としてそういうことにもっと一層の努力をすべきじゃないか。
 血の出るような自助努力はそれぞれJR内部においてもされておりますし、今の退職年金を受給されておる方々もそれこそ苦労しておられるわけですから、これが全く支給ができなくなるようなことになってはいけないわけですが、もっと国がこれまでの、あの戦後の莫大な、復員者を迎えて年金が大きく膨れ上がったという経緯にかんがみて、もっと積極的な、政策的な問題としてとらえていただけないものだろうか。ということで、まず大蔵省に見解をいただいて、そして大臣の所見をいただきたい。
#193
○山口説明員 お答え申し上げます。
 鉄道共済年金の解決のために、私どもとしましては、先生の御指摘のとおり自助努力等々、それから年金一元化の地ならしとしての被用者年金制
度間の負担の調整という大きな二本柱で対応をお願いし、法律案を今国会に御提出申し上げておるところでございますが、今回その鉄道救済にもつながります制度間調整の考え方も、一つはやはり年金制度間の負担の調整のために行うということでもございます。
 また、鉄道共済年金問題との対応との関係で言えば、自助努力にも限界はおのずとございますので、産業構造の変化に起因するような側面もあることにかんがみまして、ぜひ今回制度間調整をやっていただく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 なお、清算事業団の負担等につきましても、今回自助努力等の中に実は含めております。この清算事業団に対しましては、既に前回の国鉄改革のときに約五兆円の年金負担をお願いしております。今回、これに加えまして、旧国鉄の債務として認識し得る範囲で清算事業団に年八百億円の負担をお願いしてございますが、これは実は清算事業団の現状からいいますと、最終的にはこれは国が負担をしていかなければいけない。国が処理すべき部分の増加というふうになるわけでございまして、国もこうした形で役割を担うこととしておるわけでございます。
 この清算事業団の負担をまたふやして、結果として国の処理すべき部分をふやすというような考え方につきましては、実は清算事業団といいますのは、旧国鉄の債務を承継する法人でございますので、年金が苦しいからといって全部そこにつけてしまうということになりますと、やはり国民の負担部分がまたふえてしまうということにもなりますし、おのずとそこには理屈のつく範囲に限定されてしまうのではないかというふうに思うわけでございます。先生おっしゃいますように、土地とか株で何とかなるのではないかという御議論がしばしばあるのでございますが、清算事業団の現状からいいまして、土地、株の売却をもってしましてもなかなかそういう余裕は出てこない。実は、二十七兆円の膨大な債務を抱えておりますので、そういった事情を御賢察賜ればと思うわけでございます。
 なお、国が直接負担をしたらどうかという議論もあるんでございますが、これは各年金制度、それぞれみんな苦しくなってまいります。みんな努力をして掛金も引き上げたりしております。その関係から、国庫負担は全制度平等に基礎年金の三分の一ということに統一してございます。したがいまして、鉄道だけにつきまして特別に国庫負担をふやしてあげるというのはなかなか理解が得られないんではないかということで、今回清算事業団の負担という形を通じて国がその役割を果たさせていただくということにしたわけでございまして、私どもとしましてはぎりぎりの解決策ではないかというふうに考えておりますので、御理解賜りたいと思います。
#194
○佐藤国務大臣 今の新盛先生のお話、確かに国鉄に入られて長い間勤められた方、それぞれの事情があって理解もできますが、今おっしゃるように国の負担をふやすということは、結局は国民の負担になる、こういうことになるので、余り安易に負担をふやすこともいかがなものかと思いますし、また御案内のごとく、どの年金制度も厳しい財政のもとにおいてそれぞれが自助努力をしておりますので、鉄道共済のみに特別の国の負担というものは不適当だと思っております。
 そういうことで、今回の対策のうち、清算事業団の負担というのがございますが、これも結局は回り回って国の負担になるものだ、かように思っているわけでございます。
#195
○新盛委員 また、どうせ法案審議の際に議論をすることになるかと思いますので、これから整備新幹線の関連法案の内容について四、五点指摘をしていきたいと思います。
 この整備新幹線、五線というふうに決められて以降、歴史的な経過は省略をしますが、この整備新幹線の理念というのはどこにあるか。多極分散型国土の形成という四全総の理念を実現するために、これは最も緊急な国家プロジェクトである、こう私ども理解するのですが、そうですが。
#196
○丹羽政府委員 整備新幹線につきまして私どもが考えております、先生のお言葉ですと理念というものは、幹線交通体系の高速化、それをすることによる国土の均衡ある発展、こういうところが整備新幹線の一つの理念ではないかと考えております。
#197
○新盛委員 とすれば、これからのこうしたそれぞれの地域的事情を含み、経済的な効果、あるいは整備をしていくという国家的な交通網体系、さらには地域の発展、こういうものから見ていきますと、これは国家的なプロジェクトである、こういう理解であれば、国がすべて責任を持ってやるべきではないのか、これはどうですか。
#198
○丹羽政府委員 国の高速交通体系のその中に組み込まれるものであることは間違いないと思いますが、それが同時に地方に、それぞれの地域につきましてのいろいろなその後効果を与えるわけでございますので、その整備新幹線の建設に当たっての関与の仕方ということにつきましては、国のみではない関与の仕方もあり得るのではないかと考えております。根拠法規となります全国新幹線鉄道整備法の法文上におきましてもそのような考え方が示されている部分がございます。
#199
○新盛委員 私がそれを申し上げるのは、東海道新幹線を建設をする際に当時の十河信二さんが国会でも説明されたんですが、一向に見向きもされなかった、そして世界銀行から金を借りなければいけなかった、そして後は国鉄が全部これを引き受けて東海道新幹線、三十九年に完成をしたわけですね。それから後は随時政治的な背景を加えながらどんどん延びていった。その赤字はすべて国鉄の今日のあの分割・民営というものにつながったわけですよ。赤字が残って今、国鉄清算事業団でこれを扱っているわけですね、継承されていますから。そういう面では、国が責任を持ってこの種高速交通網の形成ということであれば考えておくべきではないか、将来ともそういう理念のもとにこれからやっていただかなければならない、こう思っているわけであります。
 そこで、この提案されております内容は、端的に今度の高崎−軽井沢間の本格着工五十億、これは工事費として出す、そして片や三線、いわゆる岩手トンネルそして加越トンネル、第三紫尾山トンネル、この難工事の箇所に調査費をつけるという内容のものです。これが結論。それだけのことで改正法案を出すわけですが、そこで、この出されている根拠、これは一体何なんでしょうか。政府そして与党だけの申し合わせによって、しかも六十三年八月三十一日の着工優先順位に続いて平成元年一月十七日の政府・与党のまた申し合わせ、それで予算編成に当たった予算関連の法案となっているんです。野党不在であります。ここで審議しなければならないものが、政府の原案ではなくて自民党との申し合わせ、こういうことになって、これは一体民意を代表しているのかどうかという疑問を持たざるを得ないのですね。このことの整理は一体どうされるのですか。
#200
○丹羽政府委員 議院内閣制でございますので、政府が基本的にいろいろな問題を処理するに当たりましても与党との調整ということが事実上ございます。それで、その申し合わせの、今いろいろな申し合わせが出ておりますが、それはその調整の結果というところでございまして、あくまでも政府は政府の権限内におきまして法律に定められておりますいろいろな政府としてやちなければならないそういう仕事をやっているわけでございまして、この整備新幹線の問題につきましても、ただいま私ども政府として国会に対しまして必要な法律改正をお願いしているところでございます。また、その裏づけとなる予算案につきましても国会に提出して御審議いただいているところでございます。
#201
○新盛委員 今後のことがあるから申し上げておくんですが、先ほど自民党の若林委員の方からも、参考資料としてこの申し合わせ事項についてお出しください、できることならこれを議事録に残していかなければ、何が根拠で議論しているのかと
いう話にもつながるじゃないかという御指摘もあるんですよ。まあ理事会で論議をすることになりましょうが、これを見ますと、結局これから国家的プロジェクトだ、国が責任を持ってこれから推進しなければならない。今は三線に区切られていて、また余計なことを言うと怒られる地域もあるのですね。私どもは整備五線と見ているんです。これは長崎も入っております。そして向こうの北陸から先の方も入っているわけですね。とりあえずは三線だ、そういうことの決め方を政治的配慮によって、陳情行動によって行われた内容のもので、それは大変苦労があったことはわかりますけれども、これでもってやがてまた先ほど申し上げたかつての過大な借金を残すような、新JRに負担過剰になるようなこと、あるいは地域の自治体に大変な負担増になるようなこと、そういう問題も含めて、国会として明確な答えを出しておくべきはずのものなんです。
 随時これから先の話も申し上げなきゃなりませんが、そういう関連がございますから、ここの位置づけがどういうものであるということだけは明確にしておいてください。いわゆるこの二つの、これは昭和六十三年八月三十一日、こちらは平成元年一月十七日政府・与党申し合わせ、こうなつている。だから、これはどういうものなのかということなんです。位置づけです。
#202
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたように、政府が政府としての重大ないろいろな決定をいたすに当たりまして、与党との調整ということを常にやっているわけでございますが、その調整の場面が、先ほどの八月三十一日あるいは平成元年の一月十七日の一つの申し合わせ事項という形で明確になったわけでございまして、政府の考え方がその中に当然示されているわけでございます。したがいまして、私どもは、その政府の考え方で与党の合意を得たものを、法案の形なり予算の形なり、そういう形で国会に提出申し上げて御審議をいただく、こういうことになるかと考えております。
#203
○新盛委員 新幹線をつくろうと決めるのはどこか。整備新幹線法は一応もう廃止することになっているわけですが、これは「整備新幹線建設促進検討委員会は、これを廃止する」、こうなっていますね。そうするとこれから先の話なんですよ。これから先、一体整備五線という名の一やはり各地域が猛烈に運動していますね。リニアモーターカーももちろんこれは出てきますよ。そうする場合に、設定する路線はだれがどこで決めるのか。政府が決めなければいけないのでしょう。政府が提起しなければならないわけでしょう。
 そういう問題が当然この国会の場で議論をされて、あるいは審議会で議論をされて、あるいはそのことで縦横すべてすり合わせをしてこれでいこうという方針が決まらないと、きょうの政治情勢はこうでございますからここではっとつけた、今度は、来年のことはわかりませんよ、来年以降のことを心配するから言っているのです。今度はまた政治情勢が変わりました、これはだめですよ。今せっかく難工事だといってトンネルを掘っている、掘っていこうとする。じゃ、この次はここはだめです、あそこをやりましょう。もう終始一貫しないような体系でやってはならぬ。それは人がかわるのですから、政府・与党の打ち合わせで人がかわるのですよ。そのときの感覚で事が決められたんじゃ、国家的プロジェクトと言っているのもおかしくなるんじゃありませんか。そこのところです。どうされます、位置づけをしてください。大臣、ちょっとそれを明確にしなさい。
#204
○佐藤国務大臣 行政の一貫性、継続性ということが今の議会政治の要請でございますので、一遍決めた方針というのは受け継がれる、かようなことでございます。
#205
○新盛委員 どうもすっきりしませんが、では具体的に入ります。
 財源問題についてです。最終合意は、九州、北陸、東北各線区の新幹線をもしっくるとすれば一兆三千八百億、相当節減をしましたね。その負担率を、JRの五〇%、そして残りの軌道部分を国が四〇%、地方が一〇%、駅舎部分は国、地方各二五%を負担することになっておるわけです。これから以降の状況がいろいろ変わるとは思いますね、先ほどは確認できなかったけれども。この辺、負担比率も変わってくると考えていいですか。
#206
○丹羽政府委員 ただいま御提案申し上げております法律の基礎となるその考え方が、先ほど来御論議いただいております申し合わせ事項にあらわされているわけでございます。それで、そこでの財源のその物の考え方につきましては、今後、運輸省案の実施に当たりましての整備新幹線の整備ということにつきましては変わらないということでございます。
#207
○新盛委員 丹羽審議官、私の言っていることにちょっと素直に答えてくださいよ。もうその先の話と後の話はまた違うのです。
 だから、負担率が変わるのか変わらないのか。これは一たん決めたんでしょう。決めたけれども、これは将来ずっとこれでいくのですか。いくと。じゃ国、地方の負担率は、概算しますと、国が三五%程度になり、地方が一五%程度になるのです、駅舎その他等の問題は。そうすると、地方財政というのは非常に逼迫しているのですよ。御存じのように交付税その他どんどんカットを受けていますから、将来ともこれを維持するということになれば大変な問題じゃないか。
 鹿児島の例をとって恐縮ですけれども、私も鹿児島ルートは希望の灯を絶やさないと言ってみんなに約束して、一生懸命小里委員長を初めとして頑張ったわけです。この鹿児島ルートは、熊本県八代から西鹿児島の間が百二十キロ、これを新幹線規格の路盤新設によって直線化して、在来型の狭軌レールを敷いてスーパー特急車両を走らせることで決まっているわけです。先ほど緒方委員の方から、そんなのはおかしいじゃないか、新幹線というのはやはり広軌でもってスピードが二百キロというので決められるんじゃないかという話があったように、しかし、現実問題として、財政的な問題がこれあり、当面こうしたもので決めていきたいと。
 ところが、この建設費は百二十キロ、四千三百億なんです。そして地方の負担、これは三百九十億になるわけです。こういう過大な負担を、地方債を発行すればいい、それは自治省も認めましょうということになるわけでございますけれども、これはふるさと創生論じゃないが、一億円をばらまく状況の中ですから、そういうバックボーンを日本列島に通そうという新幹線であるなら、もっと念を入れてその辺のことについて配慮があってしかるべし、こう思っているわけです。
 だから、こういういわゆる負担割についてこれから変動がある、国家的プロジェクトであるならば、公共事業費としての価値のあるものではないかというのが私の本音なんです。しかし、現実に今こうして作業を進めているわけですから、その保有機構の問題とかあるいは工事を施工されます鉄道建設公団の方に金を補強するとかというのは今度の法律改正でもあるわけですが、そういう問題も、一つ一つがその場限りの処置ではない、もっと長い目で明確に答えを出していただくようにしてほしい、こういうことなんですよ。だから、変動する地域負担、そういうものを余り過大にされることよりも、やはり国が主体になってやるべきじゃございませんか、こういうことなんです。それはいかがですか。
#208
○丹羽政府委員 整備新幹線は、先ほども申し上げましたが、地域にいろいろと稗益する部分があるわけでございます。それをどのように地域の負担という形であらわしていくか、いろいろなやり方があるかと思いますが、先ほど来ここで御論議いただいております財源の負担のやり方の国と地方の負担につきましては、その工事の種類で、その地域に対する影響度の大きいものとそうでないものとを分けてそれぞれの負担割合を定めて、それで各地域の建設費に対する負担ということを決めていくということでございます。
 それで、先ほど来一五%という話が出ておりますが、これは高崎−軽井沢の区間につきまして現
在のところその工事費を考えて出てきた結果の数字でございまして、先ほど私が申し上げましたような第一種工事とか第二種工事ということは各ルートごとにその内容が変わっていくことになると思いますので、必ずしも一五%ということで各路線も全部そうなるということになるわけではございません。これからその具体的な本格着工を行うときの建設費の計算の中でやっていく問題でありますし、それは各年度ごとの予算の段階での詰めになる話ではないかと思います。そういうことでございますが、基本的には、今の考え方を決めるに当たりましては、当然関係の地方公共団体の知事さんを初めとする代表の方の御意見も伺った上で今の内容に決めたわけでございます。
#209
○新盛委員 これは原本というのが参考資料で提起された内容のものだけで言うものですから、この審議は、私は十年ぐらい国会議員をやっているけれども、初めてだな。だから、どうもあっちに行ったりこっちに行ったりしなければいかぬのですよ。だから、こういう原本も本当にきちっと法案の中に織り込んで政府案だということであればまたそれなりの議論の仕方があるのですが、こういうことですから……。
 そこで、この内容で申し上げますといろいろございまして、「難工事の部分については早期に着手する。」というのが昨年の八月三十一日に確認されたのですね。それから、これじゃ納得できないというので、予算措置を求めてそれこそ熱烈な陳情行動があちこちから起こったわけですね。それで、ようやく第一種工事だとか第二種工事という区分けの中で国と地域の負担割が決められたわけですよ。そして、その財源の措置については、既設新幹線のリース料の各社配分率の固定を前提としたり、あるいは新幹線保有機構において生ずる既設新幹線のリース料の余剰を充てるとか、これは財源としてはJR五〇%という負担になっているけれども、実際はそういうことなんですよ。それで、JRの負担は圧迫しておりません、こういう理屈になっているわけですが、こうして結局、整備新幹線の建設費はJR、国及び地域が負担するという三者負担なんです。そして、先ほど議論がありました北陸新幹線、高崎―軽井沢間については平成元年度から着工する、こういうことが明確になって、五十億国が工事費として出すのですね、責任を持って出す。これはまた、先ほど若林委員の方からも指摘されたように継続をされるのかどうか。在来線の問題は一体どうなのかということも実は非常に危惧するところです。
 だから、この辺の問題もございますが、私はここでは残念ながら雑工事着工ということでお茶を濁されたような気がするけれども、加越そして岩手、第三紫尾山、各三線が難工事としてトンネルの調査掘削工事を行う、推進事業の一つとして。この結果は、これは私どもとしては非常にいいことだと万歳を叫んでおるわけですが、三線同時着工というふうに私は理解をしているのです。それで、これが昨年のあの八月の段階では着工優先順位という順番をおつけになって、そしてここにし案だとかK案だとかM案だとかいろいろつくられましたね一その順位からいきますと、政治的ないろいろな動きがございましたが、結局これは三線難工事着工推進をされる、こういうことになったわけですから、これは同時三線着工である。大きな火が燃えて、希望が燃えた、こう理解しているのです。これについてはどういう御見解ですか。
#210
○丹羽政府委員 お答え申し上げます。
 今回の難工事推進事業というのはどういうことをするかということでございますが、従来から行っておりました調査によりまして難工事となる可能性のあるトンネルにつきまして、難工事であるか否かを見きわめるために、現地において実際のトンネルと同じ大きさのトンネルの掘削工事を行うものでございます。
#211
○新盛委員 難工事というのは、いろいろなトンネル、橋梁あるいは地域の状況としてはこれは大変だというのは全国で三十七、八カ所でしたかをおつくりになったようでしたね。そのうちの、今おっしゃっておりますのは東北の岩手、北陸の加越、九州の第三紫尾山、この三カ所に絞ってやるというので、その規格は広軌、いわゆる新幹線広軌路盤としてトンネルを掘削していくんだ、こういうことを今おっしゃったのですね。だとすれば、これは私は、同時着工として新幹線がこれから先、来年以降ですよ、毎年毎年予算がついて進められていく、同時着工の方向である、こう理解をしていいですね。――お答えがないから、その辺が難しいところでしょうが。
 それで余分なことですが、私どもの理解とすれば、同時着工といってもこれは段階的に、例えば高崎―軽井沢の間がことしから路盤拡張あるいは路盤を整備して新幹線を通すように四、五年かかるのでしょう。そうしますと、その後、隧道の方も難工事といえども二、三年あるいは五年かかるのかどうか、その辺のこともお答えいただきたいのですが、その後は、随時それに合わせていわゆる段階的施工というか、開業に向かって一斉に歩調をそろえていくのと、はす違いに段階的にいくのとでは随分違いますので、その辺のところは申し合わせ事項ですから、これは与党の申し合わせ事項ですから、我々野党側から見れば、それはそのときはやはり段違い施工方式だろうかなと理解はするのです。しかし、今この段階では、みんなが希望しておるように同時着工であるのじゃないか、こういうふうに整理をしているわけですが、お答えができる部分でいいですから答えてください。
#212
○丹羽政府委員 御質問の中に難工事の工事がどのくらいかかるかという趣旨の御質問がございましたが、難工事の工事部分の具体的な掘削その他の工事につきましては二、三年を要するのではないかと思っております。
 平成二年度以降の話につきましては、これからその予算の決着の中で具体的にどのように物事を考えていくかということを決めていくことになるかと思います。
#213
○新盛委員 したがって、私の方はこれは同時着・工だよということで理解をしてこれからもまた進め方をしなければいかぬと思うのですが、といえども、この着工優先順位というのは将来、昨年八月の確認の経緯から見て、生きているのですか、生きていないのですか。
#214
○丹羽政府委員 昨年の八月のペーパーでは、着工優先順位は、あそこに八月三十一日の覚書に書かれているような形で優先順位をこれから考えていくということでございます。
#215
○新盛委員 余り詰めると答弁ができないような場面もあるようですが、その辺は十分理解を私はしているつもりですけれども、この新幹線の理念を冒頭にお聞きしましたのも、これは地域活性化という問題もさることながら、それぞれ言い分があるのですよ。整備五線の皆さん方はそれぞれの路線を抱えまして、この路線完成のために何としてもやらなきゃいけないが、これがまたJRの負担になりはすまいか、あるいはまた言うところの赤字収支が出てきて、まさしくそのツケはどこへいくのだろうか、こういう危惧も持っておられるわけですよ。したがって、やはりこういう広軌の規格をつくっていくためには、どうしても通らなきゃならないそうした各地域の発展性につながるような問題であるから、それをただ陳情があるから、あるいは熱烈な要望があるからといっただけでそれをどんどんまたやっていくわけにもいかないでしょう。
 一番重要なのは、日本列島という基点に立てば、私どもとしてはやはりバックボーンを通してほしい。もう過疎化が速まっている地域の格差を埋めるためにもそういうふうに理解をしてやらなきゃいけないのじゃないのですか。それがどうもただ政治的綱引きで声の高いところだけに持っていかれるようなことになって一体それで済むのかどうか。運輸大臣、あなたは非常にいい構想をこの間やっておられましたように、ぜひひとつこのところを、まあ総合交通政策ですよ、この上に立ってどうお考えになっているか、ぜひお聞かせいただきたい。
#216
○佐藤国務大臣 今の新盛委員の御質問の趣旨は、整備新幹線の着工順位ではないかと思います
が、この着工優先順位につきましては、国土開発上の視点に加え、国鉄改革及び行財政改革の趣旨を踏まえて、昭和六十三年の七月十五日の整備新幹線着工優先順位問題懇談会の提言によって、以下六項目を総合的に評価することによって決定されたわけでございます。
 その六項目というのは、一つは財政上の視点、いわゆる工事費でございます。二番目は国土開発上の視点、それから三番目が鉄道事業の長期収支、四番目は国民経済的投資効果、五番目がJR各社の経営の見通し及び新幹線建設に対する考え方、六番目が沿線地域の新幹線建設に対するコンセンサス、そうした結果で北陸新幹線の高崎―長野間が着工優先順位の第一位と決定されたものでございまして、このうち軽井沢―長野間については路線の規格決定が保留されたために、まず高崎―軽井沢間の本格着工ということになったわけでございます。
 今回の決定は、客観的判断を確保するため、定量的評価が可能な事項が、また「第二の国鉄」をつくらないためにJR各社の意見が重視されたものと考えているわけでございます。
 以上です。
#217
○新盛委員 その御答弁をこれからさらに広げてぜひひとつ計画的に、地域のそうした交通網の発展のために寄与していただきますようにお願いします。
 私は、これまで議論をしてまいりましたが、やはり早期本格着工、非常に明るい展望を持っております。それを閉ざさないために、申し上げておりますように、やはり国が責任を持って、これから来年、再来年と続いていくわけですから、そうした面の財政的措置、これはぜひひとつ責任を持って措置をしていただきたい。財源の確保、そして円滑にこの施設の整備を推進する。そしてまた難工事の部分についても、これは掘削してみなきやわからぬじゃないか、もしどうにもならなきゃこれはもう撤収だ、そういうことにならないように、いわゆる高規格の新幹線規格で隧道を掘るとおっしゃっているのですから、そういう面を十分に着実に、背景は財政ですから、資金配分をしてもらいたい、そういうことでこの新幹線の諸問題について一応論議としては終わりたいと思うのですが、もう一回ひとつこれに関連をしてお答えいただきたい。
#218
○佐藤国務大臣 委員御指摘のように、この新幹線建設に関しては昨年の八月三十一日とことしの一月十七日、いずれも与党も入っておりますが、政府・与党ということで、政府の方にアクセントを持つならば政府が責任を持つのは当然だ、かように考えております。
#219
○新盛委員 繰り返すようですが、冒頭に申し上げました日本国有鉄道清算事業団の再就職問題ですね、後ほど私の方から附帯決議を提出したいと思うのですが、ぜひひとつ再検討というよりは再就職への道を切り開いていただく、一人たりとも路頭に迷わせない、こういう立場でぜひとも万全の措置を講じていただきたい。杉浦理事長、非常に懸命に取り組んでいらっしゃるようですし、寝ても覚めても雇用の確保と、こうおっしゃっていると私は思うのです。ぜひ決意のほどをお聞かせいただきたい。
#220
○杉浦参考人 事業団の最大の課題と言っていいと思いますが、三年間で全員の再就職を確保するという課題に向かいまして残りの期限を一生懸命頑張ってまいりたいというふうに思う次第でございます。よろしくお願いいたします。
#221
○新盛委員 時間が参りました。
 最後に、ぜひひとつ、これは運輸省としてJRの各社に指導していただきたい。それは、今経営協議会とか労使の間でおつくりになっているらしいですね。積極的に意見を出してお互い切磋琢磨する、あるいは運転事故など最近の事故、きのうも何かすれ違いがありました。中野の事故はこの間取り上げました。その後もありました。もうないのかと言ったら、絶対ないようにします、こう言うのですが、労働環境が極めて悪化している。もっと積極的に腹を割って、真心を込めて労使の協議ができるように、差別をすることなく、所属が違うからどうだということじゃなくて、積極的にそういう面の労使慣行を確立するように心がけていただきたいと思うのです。今までは悪かった、これからはやりませんというそのことを含めて、ぜひひとつ運輸省として明確なお答えをいただきたい。
#222
○佐藤国務大臣 安全ということは、再三申し上げるように、交通機関に携わる者として最大の課題であろうと思って、私も折あるごとにJR各社にこのことは申しております。今おっしゃるように、事故というのは、ある意味では起こした方が加害者的なそうした判断もされますが、加害者であると同時に被害者だ、こうした考え方でまさに労使一体となって取り組んでもらいたい。そういうことで、立場を超越して労使がこの問題について胸襟を開いて話し合う場というものがぜひ必要だと思っております。
#223
○新盛委員 終わります。
#224
○小里委員長 次は、浅井美幸君。
#225
○浅井委員 まず、きょうは清算事業団の杉浦理事長もお見えでございますので、国鉄改革が終わりまして、いわゆる民営化になって発足して二年を超えたわけでございますけれども、その間、清算事業団としての非常な御苦労、多額の負債を抱えた事業の清算ということで御苦労があったと思いますけれども、その中で、この清算事業団の要処理債務が六十二年度初めの改革時には二十五兆六千億でしたか、それがこの二年間、そして平成元年度末には二十七兆一千億円が見込まれる、こういう状況だということでございます。このような状況の中で、果たして国民が強い関心を持っておる清算事務が本当にできているのか、取り組みの姿勢はわかるのだけれども、その実際効果が余りあらわれていないのではないか、そういう声も聞かれますが、この点について御説明いただきたいと思います。
  〔委員長退席、森田(一)委員長代理着席〕
#226
○杉浦参考人 長期債務をかなりの金額引き受けまして、これを返済していくのが私どもの重要な課題でございまして、今浅井先生おっしゃいましたように、スタート時点では将来の債務を含めまして二十五兆六千億でスタートいたしたわけでございますが、その後予定されました、例えば青函連絡航路の津軽海峡線の債務、あるいは本四備讃線の債務等の引き継ぎ等もこれあり、次第に債務がふえてまいりまして、六十三年度末では将来債務を含めまして二十六・九兆円、それから元年度予算で計算いたしました将来の展望といたしましては二十七兆一千億円というふうにだんだん長期債務が累増をしていく傾向になっておることは事実でございまして、ここ数年間はある程度次第にふえていかざるを得ないという事情はございますが、しかし長期債務の問題が将来ともにふえっ放しであってはこれは何にもなりません。これを漸次着実に返済をしていかなければならぬというのが重大問題であるわけでございます。
 そこで、今一番頭の痛い観点は、何といいましても自主財源でございます土地がうまく売れないという事情でございまして、御案内のように地価高騰問題に対応いたします政府の緊急土地対策要綱に従いまして、土地の上がっているところはしばらく公入札を見合わせるということになっておりまして、この影響がかなり出てきております。将来ともそうした問題、どこまで続くかわかりませんが、こうした問題等も含めまして、適切な対応をしながら、自主財源の収入拡大に努めて長期債務の返済に充てたいというのが現在の状況でございます。
#227
○浅井委員 御苦労は推察をいたしますが、確かに土地売却等も思うに任せず、いわゆる借金に利子が重なってまた借金がふえるという悪循環が予測されるわけでございますので、その辺のことも勘案して速やかな、国民負担もございますし、いろいろの観点からいってみても清算事業団の役割、こういうものは非常に重要だと思いますので、せっかく今後も努力をお願いしたいと思います。
 なお、委員長にこの際お願いをしておきたいこ
とは、国鉄の民営化に当たりまして、民営化になったJRが経営が不安定になるのではないだろうか、あるいはまた清算事業団が抱えておる雇用の問題等、いろいろな角度から先行き非常にいろいろな問題点が出てくるであろうということで、国会に報告義務ということをわざわざ法案成立のときに私どもが主張してつけてもらったわけでございます。ただ文書等においては報告をされておりますが、一遍適当な機会をつくっていただいて、この運輸委員会を開会して、民営化のその後のJR各社の経営状況あるいはまたいろいろなその他の問題について子細にいろいろの報告を受ける、あるいはまた審議をする、そういうことをぜひともしてもらいたい、私はこのように思いますけれども、委員長、いかがでしょうか。
#228
○森田(一)委員長代理 ただいまの話でございますね、理事会に諮ってそのように取り扱うようにいたします。
#229
○浅井委員 それでは新幹線鉄道保有機構の改正案に対して質疑を始めたいと思います。
 この整備新幹線建設問題は、昭和四十八年の十一月に計画がまとまって以来十五年たっているわけでございます。その問いわゆる財政が厳しいということで凍結になり、そして国鉄再建問題という中でいろいろの経過を経てきたこの新幹線建設でございます。
 そういう状況の中で、今ようやく何とか新幹線の建設を始めようというわけでございますけれども、きょうも佐藤運輸大臣は、国土の均衡ある発展と地域の振興を図る観点から極めて重要であるとの認識、これは私も決して否定するわけではございません。ですから新幹線建設の推進についての必要性は認めてはおりますけれども、先ほども指摘がございましたが、政府・与党の合意に至るまでの経過、これを見てまいりますと、いたずらに地元の要請やあるいは選挙公約だから、こういうことが、感情論が先行して、将来、整備新幹線の完成時において日本の総合交通体系の中でどのような役割をこの整備新幹線が果たすのか、あるいはまた基本的な位置づけ、航空機の発達、リニアの計画あるいは高速道路網との整合性を十分検討した上でいわゆる今回の整備新幹線の着工ということについて出されたのかどうか、まず最初にお伺いしたいのでございます。
#230
○塩田政府委員 お答え申し上げます。
 総合交通体系の観点からどうなっているかという御質問だと思います。
 総合交通体系は、御高承のとおり、各交通機関がおのおのその特性を発揮することによって国民生活あるいは国民経済上のニーズに的確に対応できる交通サービスを提供し得る、そのような交通体系であると考えておりまして、このような交通体系は各種の政策措置を前提にいたしまして、おのおのの交通機関の間の競争と、利用者の自由な選好が反映されることを原則として形成されることが望ましいということが運輸省の政策でございます。
 ところで、新幹線につきましては、所要時間が四時間ないし五時間程度までの中距離区間におきます大量輸送にその特性が発揮されるわけでありまして、中でも都市が連鎖状に分布している場合に、それらの都市を結ぶ一つの路線によりましてそれぞれの都市相互間についてサービスを頻繁に行い得る点が大きな利点になっております。整備新幹線の建設は、以上のような総合交通体系上の視点を踏まえまして整備されるべきものであると考えております。
 なお、今御指摘がございましたリニアモーターカーにつきましては、高速、低公害等の一般的な特性を有する交通機関として現在技術開発が進められているところでございます。将来これらの特性が発揮できる形で実用化されるという場合には有効な交通手段たり得るものと認識をしておりますが、現時点におきましては、輸送容量や運行速度等旅客輸送システムの諸特性、リニアの輸送システムの諸特性がまだ必ずしも明確でない状況でございまして、このため現在行われております実験線の調査結果を踏まえて今後この問題については検討してまいりたいと考えております。
#231
○浅井委員 先ほど私が申し上げたように、今回の整備新幹線が、財政状況がややいい中で、三年前の選挙公約で自民党が整備新幹線着工ということを出した。今政治が非常に厳しい状況の中で、何としても整備新幹線を着工しなければ今度の選挙に勝てない、そういう選挙公約の実施という選挙目当ての整備新幹線の着工ではないかということが指摘をされている部分もございます。
 また、先ほども新盛委員から指摘がありましたけれども、政府・与党申し合わせという文書。政府・与党一体化の原則ということは私どもわからないことはない。しかしながら、いまだかつて、この運輸委員会の中でも、政府・与党申し合わせなどということが出てきた法案があったか。今回、運輸省ということになっておっても、わざわざこの文書を出してくるそのやり方。与党は自民党である。確かに、指摘をされたように野党不在の論理であります。そういうやり方で、与党がなぜそのように政府・与党の申し合わせと書かなければならないのかという背景は、まさに選挙目当てと言われてもやむを得ないのではないかと私は思うわけであります。国民待望の地域の均衡ある発展と言われるならば、国民のニーズにこたえるような本当の新幹線であるということならば、何も自民党だけでなくて、我々野党であってもいいものはいい、もちろん賛成できるわけでありますから、政府案として提案してほしかったと思います。これは重ねて私も御注意を申し上げておきたいと思うわけであります。
 そこで、ようやくスタートした、新幹線建設の緒についたわけでございますけれども、今後の運営というか、実際にこれを経営していくJR各社に対して過度な負担にならないだろうか、こういう心配が今出てきていることも事実でございます。JRが、最初この案ができるまでは負担は二〇%であったようでございます。ところが、JRの負担が、きょうお聞きいたしますと、二〇%から五〇%にアップしております。これで果たして今後JR自身でこの経営がうまくいくのかという心配がございます。
 かつて新幹線の建設が、東北新幹線は建設予算見積もりの三・二倍、上越新幹線は三・五倍といずれも予定金額を大幅に上回ってきたという事実があります。整備新幹線の建設費も、きょう出ている資料によりますと全額で一兆三千八百億円です。ただしこれは六十二年四月時の推定建設価格。きょう論議になっております高崎−軽井沢が千九百五十億円。これもこれからどれだけふえていくかわからない。その間において五〇%の負担ということが、今後もほかの三線においてもJR各社に大きな負担にならないかということが心配されておりますけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
#232
○丹羽政府委員 まずJR負担の考え方でございますが、昨年の夏に私どもが運輸省案を発表いたしましたときのJR負担は、路線別に計算いたしまして二〇%、二〇%、五%という形を考えたわけでございます。
 その場合の前提は、私どももせっかく一生懸命国鉄政革をやったわけでございますから、国鉄改革後の新生JRに対してその経営に悪影響を与えない、つまり「第二の国鉄」をつくることは絶対に避ける、そういう物の考え方を基本といたしまして、この整備新幹線ができまして開業後に、長い、三十年ぐらいの期間でJR側が受益するその受益部分をまずはJR負担ということで考えたわけでございます。したがいまして、それは整備新幹線をつくることによってJRが受益する部分でございますから、現在のJRに悪影響を与えないという形になるわけでございます力それで、その結果は先ほど申し上げました二〇、二〇、五という形になったわけでございます。
 今回御提出申し上げております法律の中のJR負担の考え方は五〇%ということでございますが、その五〇%は二つの部分から成り立っておりまして、一つは、先ほどと同じように開業後のJRが受益する部分につきましてその貸付料とし
て、鉄建公団が建設主体でございますが、鉄建公団に払うという部分でございまして、この考え方自身は夏のその計算をしたときの考え方と全く同じでございます。したがいまして、JRの経営に悪影響を与えないという線の中で受益する部分だけを貸付料として出してもらう。
 ただ、その前提として今回考えましたのは、新幹線保有機構が保有して本州のJR三社に貸しております営業中の新幹線四線につきましてのリース料の配分の仕方につきまして、従前のやり方ですと、そのリース料の中に輸送量の増減に応じてリース料が増減するという連動関係がありましたので、整備新幹線をつくりますと、それによって既設の新幹線の輸送量がふえた場合にリース料も上がる、こういう関係がございますものですから、整備新幹線ができた結果JRが受益する部分というのがリース料の増高で相殺される部分ができて、結果的には先ほどの二〇%程度の負担しかできない、こういうことになっていたわけでございます。
 今回はそこの部分を、各JR会社のリース料の配分の仕方につきまして、配分率を固定するという前提で考えますと、先ほど申し上げましたような他社に流れていく部分というのがとまるわけでございますので、JR負担分が夏に計算したシェアよりももっとパーセントが上がるという関係が一つ出てきたわけでございます。
 もう一つは、新幹線保有機構自身の中で計算しております長期債務の利子負担、その利子率の、最近の低金利傾向から出てきます。その余剰を、これは今の新幹線保有機構法でありますと、その部分はJRのリース料の方にはね返って安くなるという形になる部分を、従前どおりのリース料で考えた場合に余剰が出るわけでございますから、そこをJR負担分として回す、こういうことを考えますと、結局夏に考えましたJR負担の考え方と基本的には全く同じでございまして、それに新たな負担を課さない形での保有機構からの交付金が入る、こういう形で五〇%というのが出てきたわけでございます。したがいまして、「第二の国鉄」をつくらないとかJRの経営に悪影響を及ぼさないという部分については基本的に全く同じことになるわけでございます。
 それからもう一つ、今後の問題といたしまして、建設費の増高のおそれがあるではないかと御指摘がございました。確かに、上越新幹線、東北新幹線の建設費につましては、当初予定していた金額よりも上がったということはございます。
 これは、建設の最盛期が両新幹線につきましてはおおむね昭和四十六年から昭和五十七年でございまして、この間に二度にわたるオイル・ショックによる異常なインフレ状況の中で建設を行ってきたという事情がございます。それから、今の異常なインフレの物騰分を除いた場合でも、当初計画の三割から五割くらい増加しているということはございますけれども、これは当時東北・上越新幹線の建設計画が、沿線住民ばかりでなく沿線地方公共団体の方々とのすり合わせが十分に行われていなかったものですから、地元とのいろいろな協議が難航した。それから、調査期間が短期間だったために、トンネルの地質などの技術上の調査が不足していたとかということによる工事計画の変更がございまして、それによって建設費がふえたこと、営業主体である国鉄の営業部門との協議が十分なされていなかったという事情がございまして工事着手後の変更が多かったこと、そういったような事情がございました。
 今回の整備新幹線の建設費の算定に当たりましては、この整備新幹線は先ほど来この委員会で御議論いただいておりますように相当の長期間にわたっていろいろと、基本計画から始まって整備計画、ずっとやってきたわけでございます。それで、その間にいろいろな調査が行われた結果、建設費の内容につきましても、地方公共団体は環境アセスメントその他で十分計画は周知しておりますし、営業主体として当初考えていた国鉄、その後のJRとは十分協議を重ねることができましたので、今の推計しました工事費が今後増高する要素というのは余り大きくない、かように考えておりますので、この辺の御心配につきましても大丈夫なのではないかと考えております。
#233
○浅井委員 そういうずさんな考え方では困りますね。今までの、過去にあった経験というものがあるのに――これはあなた、今の世間の常識でも聞いてみてくださいよ。建設費はどんどん上がっておりますよ。今の東京都内の建設費の増高ぶりをあなたは全然知らないのかと聞きたくなるほどです。この計画は昭和六十二年です。今から二年前。その予算見積もりがこれから十年、十五年とたったときに上がらないなんということは、あなたはどんなことからいっても言えるはずはない。運輸省の幹部がそんな認識では困ると私は思う。あなたは上がらないと言うなら答弁はできないかもしれないけれども、もし上がった場合にはこの比率は変わらないのか変わるのか、その点ちょっと念を押しておきたいと思います。
#234
○丹羽政府委員 建設費そのものの金額が変わった場合でもJR負担分の比率は変わらないということで考えております。ただ、その前提の建設費につきましては、先ほど私御説明申し上げましたように、基本的には前の東北新幹線や上越新幹線のときの建設費の推計とは相当内容が詰めてあるというところが違うということで御理解いただきたいと思います。
#235
○浅井委員 JRの分だけではなくて、国あるいは地域の負担はどうなるのかということもあわせて聞きたいわけです。一五%程度という地域負担、地域の強い要請があるからというそのことと地域の経済の財政負担というもの、願望と実際問題、例えば県あるいは市町村の財政事情はそれぞれが違うわけです。今、国の計画は、例えば今回のあれが標準軌新線で高崎―軽井沢千九百五十億、これが二倍、三倍になったときに果たして地元の人たちがこの負担にたえ得るかということが問題なんです。だからJRの負担は、あなたは今五〇%は変わらないと言ったけれども、あるいは国、国はこれはたくさん持ってもらわなければ困りますけれども、地域は一五%程度で果たしてそのままいくのかどうか。これは将来、今の金額が上がってきた場合、そんな話は違いますよということになって地元で負担できなかったらその工事はとまってしまうのです。これはどうなんですか。
#236
○丹羽政府委員 建設費の負担割合につきましては、国も地域もJRも、先ほど来私どもが御説明しております考え方で変わらないということでございます。もちろん国と地方との負担割合につきましては、第一種工事と第二種工事の具体的な内容によりまして一律に決まるわけではございませんけれども、基本的な考え方自身は変わらないということでございます。
 それで、ただいま焦点になっております建設費の増高の問題につきまして、先ほどから御説明申し上げておりますように、この詰め方は今回は相当詰めておるということでございますけれども、なお今後とも増高が出てきて、それが結果的にはJRも含めて負担増になるということを極力防止するために、鉄建公団に対しましてその建設費の増高を防ぐようにこれからも指導してまいるつもりでおります。
#237
○浅井委員 先ほども論議になったわけですけれども、北陸新幹線は、高崎―軽井沢間は平成元年度からというのは明確ですね。その他の路線については「新たな区間等に引き続き着工する場合は、当該区間の並行在来線の取扱い、建設費、収支採算性等に関し、具体的な結論を得たのち、これを行うものとする。」いつ着工になるのか、これが今ここで示されていない、玉虫色で、いっかやるのだろうということで先ほど来この法案が審議されているわけです。先ほどの政府・与党の申し合わせの中で、政府・与党の協議機関であった整備新幹線建設促進委員会は「これを廃止する」と書いてあります。だから、その他の路線の結論はいつ、だれが責任を持って着工時期を明示するのですか。政府・与党の建設促進委員会ですら出し得なかった結論をだれが出せるのですか。あるいは結果的に高崎―軽井沢だけしかできませんというこ
とになるんじゃないのか、しかとお答えいただきたいと思います。
#238
○佐藤国務大臣 大変核心をついた御質問でございますが、今おっしゃるように検討委員会が廃止になっている今後においてどうするんだ、こういうことでございますが、先ほどから御答弁申し上げていますように、今後の予算の編成過程において並行在来線の取り扱い、建設費また収支採算等を検討して、関係省庁の協議でこれを決定するというふうに考えております。
#239
○浅井委員 関係省庁は、大臣、どこでしょうか、ちょっとお伺いいたします。
#240
○佐藤国務大臣 先ほどから非常に重大になっていますJRと国と地方の割合、これは大筋決まっておりますが、このことに関して言うならば運輸省と大蔵省、自治省が主体になります。
#241
○浅井委員 いつごろ出せるのでしょうか、それをお聞きしたいのですが。
#242
○丹羽政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、これからの予算編成が毎年あるわけでございますが、毎年度の予算編成の段階で具体的に今後どういうふうに進めるかということは、今の大臣答弁にございましたように、関係各省庁協議して決める、こういう考え方になるわけでございます。
#243
○浅井委員 若干あいまいだという指摘は受けると私は思いますよ。もう少し計画的にしてもらわないと地元がぬか喜びになってしまう。馬の前にニンジンをぶら下げて走らせているようなことにならないように、もう少しきちんとした計画であっていただきたいなと思います。
 高崎−軽井沢が本年から本格着工するということでございます。完成のめどは六年後と先ほど来言っておりますが、軽井沢−長野間の取り扱いは、一九九八年の冬季五輪の開催が決定すれば当然これは標準軌新線による建設ということになるのじゃないかということが言われておりますけれども、今の計画とは少し変わるのじゃないか。10Cから許可が出た冬季五輪の開催があればそれだけ乗員、乗客がふえる、であればということで今までの計画を若干変更するのではないだろうかというふうに言われておりますが、この辺はいかがでしょうか。
#244
○丹羽政府委員 軽井沢−長野間の問題につきましては一つの考慮事項として冬季五輪のお話がございます。それで、その成果を考慮して三年以内に結論を得るということになっておりまして、そればかりの判断ではございませんで、総合的に判断していく問題かと理解しております。
#245
○浅井委員 全然答えがわからない。総合的に判断するというのは何を判断するのか全然わからない。だから、わからない、答えられないでは困るのですよ、法案なんだから。
 それから、これからの負担の問題なんですけれども、この場合今回の高崎−軽井沢間は、主要施設は国が四〇%、地方が一〇%、駅等の便益施設は国、地方それぞれ二五%、平均すると国が三五%、地方が一五%の説明がございました。これは間違いないですね。その建設費の中に車両基地の建設費が計上されております。この車両基地の負担割合について伺いたいのですけれども、この車両基地の増強分を地方が負担することになっておりますけれども、これは一体どういうことなのだろうということであります。
 端的に申し上げますならば、仙台と田端に車両基地をつくる。そういう全く離れている地域の車両基地を、いわゆる地元負担というか地域負担というか、そういうふうにするのは一体どういうことなのかということをお伺いしたいのです。
#246
○丹羽政府委員 高崎−軽井沢の整備新幹線を建設いたしましてそこで列車を運行するわけでございますけれども、その列車のための車両基地というのがどこかに必要なわけでございます。それで、高崎−軽井沢間に車両基地を新たにつくるという考え方も当然あるかと思いますけれども、今、現有の車両基地がある田端にしろ仙台にしろ、そういう車両基地を増強することによって今の高崎−軽井沢の運行に必要な車両基地の設備ができるということであれば、建設費としてはその方が安上がりになるということになったわけでございます。そうしますと、その車両基地の機能というのは、高崎−軽井沢間で運行する列車のための機能でございますので、その部分の地方負担につきましては関係の地方公共団体に負担していただくという考え方でございます。
#247
○浅井委員 この話はおかしいんですよ。線路等の主要施設は国が四〇、地方が一〇、駅等の便益施設は国、地方それぞれが二五%、平均すると、国は三五で地方は一五です。自分のところの土地を通っている線路だとか自分の土地に建っている駅舎だとか、そういうものの建設費をやるなら結構なんですけれども、全然関係のない仙台や田端で建つものに何で地域の人たちが負担するのかわからない。これは地元の人たち、地方の人たちから必ずクレームが出てくる問題だろうと私は思います。これは少しおかしいと私は思いますよ。おかしいのはこれだけじゃありません、数多くありますけれども、これもおかしい点の一つです。
 もう一点聞いておきますけれども、整備新幹線の駅がこれからできます。駅ビルを建設する場合、その予定されている建設費に駅ビルが含まれているのかどうか。別とするならば、新たに駅ビル会社を設立するのか。また、その会社の設立には自治体からの出資が可能かどうか、第三セクター方式をとるかどうかということです。これもお伺いしておきたい。
#248
○丹羽政府委員 現在御説明申し上げております千九百五十億円、その建設費の中にはいわゆる駅ビルの建設費は入っておりません。基本的には鉄道施設に含まれるものを建設費の計算のもとにしたわけでございますので、駅ビルにつきましては、今後整備新幹線を営業いたしますJRとか関係の鉄建公団それから地元、そういったところにおいて検討が進められるものと思いますけれども、その検討の内容を踏まえて私どもの方も整備新幹線計画と整合をするように、そういうあたりのところを関係者に対して指導をしてまいりたいと考えております。いずれにしろ、今後の問題であると思っております。
#249
○浅井委員 これもまた明確にしてもらいたい点だと思います。
 次に、建設費の財源のうち、JRが負担するという五〇%分がありますが、それが新幹線保有機構の余剰金――余剰金というのは、利子が今安くなったから借りかえた分でそれを払おうというわけです。ところが、これはいつまでも低金利であるわけはない。経済動向の変化によって変わる場合もある。ところが運輸省の説明では、借りかえは二十五年という長期間にもなっております。それは約七割でございまして、あとの三割は民間銀行です。民間銀行は十年間という短い期間なので、多少変動は予想されます。ほぼこの新幹線保有機構の余剰金で賄えるという考え方なんです。
 私は、この新幹線保有機構というのをつくるときから、国鉄分割・民営というここのときに非常に問題にしたところです。本来新幹線保有機構なんというのは必要がないのじゃないか、清算事業団に置いておいて、そしていろいろなところからいわゆる家主としてリース料を取るんだから、それは清算事業団の返済金に充てるべきだということだったのです。ところが、そのころから新幹線保有機構という屋上屋をつくって、そして将来の整備新幹線の財源にしようというありありの姿がございました。だから、余剰金だとかいろいろなことを言って、これはJRのお金だとか言っていますけれども、JRの負担金と新幹線保有機構の余剰金とは本来分けなければならないものであって、本来清算事業団の中に入ったお金で、国民負担の軽減のためにも、もし利子が安くなるのならばそれは返済金に充てるべきであるのが至当であって、それを整備新幹線の財源に持っていくという考え方は少し角度がおかしいのじゃないかと思うわけでございます。
 このリース料はどの法律によって支払われ、その算定方法はどの条文に定められているのか、伺いたいのであります。鉄建公団法の第二十三条で
政令によって定めることにより有償で貸し付ける、こう書いてあるらしいのですけれども、「事業開始時に、三十年間にわたり毎事業年度一定額の貸付料を支払うとした場合の収支予測を行い、収支改善効果の累計が三十年後において均衡するよう、設定することとしている。」と運輸省の資料では答えておりますけれども、これは一新幹線保有機構に払うリース料は、開業当時に決めたリース料で三十年間定額で支払うということ、この考えは、いつ、どこで、だれが決めたのか、そういう合意文書があるなら提出を願いたいわけです。
#250
○丹羽政府委員 ただいまの整備新幹線の貸付料の考え方につきましては、特に合意文書というものはございませんけれども、建設できました整備新幹線にかかわる旅客鉄道事業の開始時に、三十年にわたって一定額の貸付料を支払う、こういう場合の収支予測を行いまして、先ほど私御説明しましたように、JRに悪影響を与えないという物事の考え方から、三十年間で新幹線をつくった場合とつくらなかった場合の収支改善効果の累積をとりまして、それを三十年間で均衡するように設定するようにしておるわけでございます。このリース料の決め方は、先生先ほど御指摘になりました鉄建公団法の考え方の中で決めていくという形になると思います。
#251
○浅井委員 既存の新幹線は、今までは新幹線保有機構法で概算総計年額の決定方法や貸付年額の計算方法で一応の考え方が示されて、二年ごとに見直しする規定が置かれているのです。ところが、整備新幹線の貸付料は、今あなたが言った鉄建公団法の中には貸付料設定の本当の基本的な考え方が示されていないのです。運輸省が政令で勝手に決める。こういうことは関係者で内々で決めることではなく、基本的な考え方をもう少し明確に法律で明記するべき問題ではないかというので、私は今これを指摘したわけです。
 いずれにせよ、残り少ない時間になりましたけれども、このいわゆる整備新幹線、幾つか問題点がございます、私どもは決してこれに反対ではございませんけれども、いろいろな面で、運輸省の中に知恵者がいてこういうふうな方法をやったと言いますけれども、確かに問題点が、ずさんな点が数多く指摘をされたわけです。今私は限られた時間の中で、まだまだ数多くの問題点がございます。全部を指摘しておりませんけれども、これは佐藤運輸大臣、ただやみくもに、整備新幹線がスタートできた、できたといって喜んではおられないいろいろな困難な諸問題、あるいはまた指摘したような、まだまだ不適格というかあるいは欠陥というか、そういうものも含まれているということを御承知おきいただいて、今後しっかりこれを是正してもらわなければならぬ、今私どもが取り上げている問題点はよくしつかりと直していただきたい、私はこういう希望を持っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#252
○佐藤国務大臣 委員の今までの御指摘、一つ一つもっともだという気もいたしますので、きょうの御提言というもの、これをまさに胸に秘めてこれから対処していきたいと思います。
#253
○浅井委員 いろいろとございますけれども、まだもう一人我が党から質問をされる予定でございますので、余りその方の質問まで取ってしまっては悪いので、時間が多少早いですけれども、私は以上でもって質問を終わりたいと思います。
#254
○森田(一)委員長代理 長田武士君。
#255
○長田委員 ただいま、日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案について、同僚議員から既に総括的な質問が行われたわけであります。そういう意味で、私は各論、とりわけ整備新幹線の財源問題を中心とする諸問題につきまして質問を申し上げたい、このように考えております。
 まず、この整備新幹線の建設につきましては、改めて申し上げるまでもないわけでありますが、国土の均衡ある発展と地域振興を図る上で極めて大きなインパクトを持つものであり、二十一世紀の基幹的輸送手段として重要なものである、このように私たちも認識をいたしております。しかし、整備新幹線の建設には多額な建設費を要するわけであります。加えて、国鉄改革に伴いまして長期債務という大きな問題を抱えております。また、整備新幹線は在来線の収支に大きな影響を与えることから、ようやくスタートいたしましたJR各社の経営に過大な負担を負わせないように慎重な配慮が必要であろう、このように考えております。そうした観点から、今回の改正案に示されておりますところの財源問題につきまして、大臣に以下御質問を申し上げます。
 まず整備新幹線の建設についてでありますが、懸案となっております建設問題を、ようやく今年度から北陸新幹線の高崎−軽井沢間の本格着工を初めといたしまして、東北、九州の一部についても難工事の調査を認めるというものであります。建設の重要性は認識をしておるわけでありますが、建設費は昭和六十二年四月価格で、東北、北陸、九州、三線合計で一兆三千八百億円に上るわけであります。
 今同僚議員が、物価上昇に伴う建設費のいわゆる概算は果たしてどうかということでございまして、私も今、すぐ経企庁から物価動向の資料をとりました。そうなりますと、佐藤大臣、よく聞いていただきたいのですが、前年対比ですが、六十三年の場合は、一月は〇・二%、二月は〇・一%、三月は〇・四%、一月、二月はマイナスです。そして四月は〇・四%。ことし、平成元年は、対前年同月比、一月は一・五%上昇、二月は一・四%上昇、そして三月は一・七%上昇、四月は消費税の関係がございまして二・六%の上昇、これは東京区部でありますけれども、こういう上昇をいたしております。そういう意味で私は、財源問題ももちろんでありますけれども、一兆三千八百億円で果たして調達できるのかどうか、完成できるのかどうかということを含めまして、財政問題について決意と、そして確信のほどをひとつお伺いしたい。
#256
○佐藤国務大臣 この整備新幹線の着工に当たって運輸省が出した規格案というのが一兆三千八百億でございますが、当初は御存じのように二兆九千二百億余だったものをここまで、建設費を半分以下に圧縮したということは、やはりそれなりに採算があったからでございます。そういうことで着工優先順位を決定して、さらにJRの負担分の財源について工夫を凝らしておりますので、この一兆三千八百億という数字ならば、国鉄改革及び行財政改革の趣旨を踏んまえて着実にその推進が図れる、かように考えております。
 今御指摘のように物価の上昇を言われましたが、いわゆる物価の上昇ということの中にはJRの採算の向上ということも含まれるのではないかということで、大体この線でもってやっていく自信がある、かように申し上げます。
#257
○長田委員 どうかひとつ大臣を続けていただいて、確信を持っていただきたいと思っております。
 整備新幹線の財源問題につきましては、ことし一月十七日、先ほども指摘がございましたとおり、異例とも言うべき政府・与党申し合わせを受けまして今回の改正案に趣旨が盛られておるわけであります。すなわち、建設に要する負担につきましては、国、地域で五〇%、JRで五〇%といたしまして、国、地域の負担割合については第一種工事については国が四〇%、地域が一〇%、第二種につきましては国が二五%、地域が二五%というふうになっております。この中で地域負担については、財政力の弱い地方への多額の負担転嫁ということになりますと、果たして負担できるかどうかという問題が出てきているようであります。そういう点で、それぞれ三線合計の負担というのは、地方の負担、どういうふうになりましょうか。
#258
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたように、高崎−軽井沢間以外のところにつきましては、今の一種工事、二種工事の内容を精査する必要がございますので、直ちにその数字が出てこないわけでございますが、仮に高崎−軽井沢間と施設の構成が同程度になるものと仮定して試算いたしました場合に、三線全体で約二千億円となると推計されます。
#259
○長田委員 三線合計で二千億ですか。概算です
ね。わかりました。
 ただいま御答弁がありましたけれども、北陸新幹線の建設工事に当たりまして、第一種工事で一〇%、それで第二種工事では二五%と地域の負担が決められておるわけであります。
 例えば、高崎−軽井沢間の経費は先ほど御答弁がありましたとおり千九百五十億円、このうち、地元負担は二百九十億円ということになっておりますけれども、平成元年度では予算を十三億円負担をするということのようであります。率にして一五%程度の拠出が群馬県、長野県両県に見込まれるわけでありますが、現在この工事等の件で両県とどのような話し合いといいますか負担についての話し合いが行われているのでしょうか。
#260
○丹羽政府委員 高崎−軽井沢の関係県とのお話し合いは、この整備新幹線問題を詰めるに当たっての、先ほど来名前が出ております整備新幹線建設促進検討委員会、その場におきまして、その地域の代表としての関係県知事の出席を得て十分意見を聞いているわけでございます。現在はそれを受けまして極めて詳細な部分につきましての微調整をやっているという段階でございます。
#261
○長田委員 地元の群馬、長野両県では、地方債は最高といたしまして九〇%認められているようでありますけれども、財政的には相当厳しいようですね。そこで、負担に対する何らかの特典とか低金利融資であるとか、それを国で負担しろということになりますと、ちょっとこれは問題があるわけでありまして、地方の負担のしやすい環境づくりという点は、何か考えていらっしゃいますか。
#262
○丹羽政府委員 地元の負担につきまして、その負担がしやすい方法をどうするかという問題につきましては、基本的には自治省がお考えいただくことかと思っておりますが、私どもの方としましては、地元に負担していただく必要性というのでしょうか、それは結局整備新幹線が地元の開発、発展とか住民の生活向上に大変役に立つという視点から地元の負担をお願いするということをしておるわけでございます。
 それで、先ほど来の文章にもございますように、地元の負担についての起債の充当率九〇%、そういうことだけが今は決まっているところでございます。
#263
○長田委員 今回、長野県と群馬県に私も連絡をいたしましていろいろ調べてみました。群馬県は県が一本で負担をする、長野県では県と沿線の市町村が負担をしたい、こういう考え方であるようであります。そうなりますと、各県ともそれぞれ対応が違っておるわけでありますから、そういう意味で、私は運輸省といたしまして地元負担のルールづくりといいますか、そういう点はある程度必要ではないかなと思いますが、どうでしょうか。
#264
○丹羽政府委員 地元負担の問題につきましては、県とその県内の市町村、そういう関係を含めましてその各地元の中で御協議いただく、決めていただく、その決めに従って負担していただく、こう考えております。それで、確かにその地域によってその地方公共団体ごとの負担力というのは同一でないという問題があるのではないかと思いますけれども、同一でないので、むしろその県なら県の中でいろいろな負担の仕方につきましてのその地域内での御相談をいただいた方が負担しやすいという問題が出るのではないか、このように考えております。
#265
○長田委員 次に、並行在来線についてお尋ねをしたいのでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、本年一月十七日におかれましては、政府・与党の申し合わせの中で、並行在来線の横川−軽井沢間、開業時に廃止するというふうなことで確認をされておるわけでありますけれども、地元との協議は終わったんでしょうか。
#266
○丹羽政府委員 先ほどの平成元年の一月十七日の文章にございますように、高崎−軽井沢間の並行在来線であります信越本線の横川−軽井沢間の取り扱いにつきましては、既にその文章で書いてございますように、その地元との関係も含めましてセットされたわけでございます。
 それで、同じようにその文章に書いてございますように、今後は「適切な代替交通機関を検討し、その導入を図ったうえ開業時に廃止することとし、そのため、関係者(運輸省、JR東日本、群馬県、長野県)間で協議する。」ということになっておりますので、その協議をこれから進めてまいるということでございます。
#267
○長田委員 もう長い間利用してきた交通機関を廃止するわけですから、住民の皆さんが十分納得できるようなコンセンサスというのは、私はぜひ必要だろうと思うのです。この点、話し合いというのはこれからということですか。
#268
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたように、横川−軽井沢間を代替交通機関をつくって廃止するという、そこは地元も含めましてセットをされたわけでございます。それで、今度は具体的にその代替交通機関をどのようにしていくか、こういう話し合いを先ほど申し上げました四者で協議していくということになっておるわけでございます。
#269
○長田委員 将来的には整備新幹線が実施に移されますと、各地でこういう問題というのは実は起きるだろうと思うのですね。そういう意味で、もう長年利用してきた交通手段というものを廃止するわけでありますから、今後ともどうかこの問題については慎重の上にも慎重に、そして住民の皆さんあるいは利用する皆さん方が十分コンセンサスを得られるような状況づくりというのをどうかひとつ精力的にやっていただきたい、この点はいかがでしょうか。
#270
○丹羽政府委員 並行在来線の問題につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、整備新幹線の建設に当たっては、国鉄改革の趣旨にかんがみまして、新幹線の開業によりまして輸送需要が著しく落ちる、そういう関係にあります並行在来線をJRに維持させるということで、その負担をJRに負わすということで過重な負担が出るということになってはならないと考えておるわけでございます。
 それで、軽井沢と横川との間の問題につきましては、先ほど来のことでございますけれども、それ以外のルートの並行在来線につきましても、その関係のJR各社の並行在来線の取り扱いについての経営判断を踏まえまして、関係地方公共団体の意見も聞いて適切な結論を出していくというつもりでおります。
#271
○長田委員 もちろん採算性ということもありますけれども、住民の皆さんが納得できるような、そういうきめ細かな対応をしてもらいたいという要望なんですよ。
#272
○佐藤国務大臣 おっしゃるとおりでございますが、若干補足しますと、今の横川−軽井沢間というときには、それこそ政府・与党の申し合わせのときにおいて、やはり新幹線をとるか、ここの廃止かというぐらいな議論もございまして、そういうことでは地元の同意があったということでございます。その考え方は、今申し上げているように、あくまでも新幹線を敷くことによってJRを「第二の国鉄」にしてはいけないというのが基本ですから、それがやはりどうしても採算に合わないという場合は、それが実は新幹線を敷く場合の大変大きな要素になるということでございますが、もちろん最終的にはJRの方の経営の判断ということになります。
 しかし、その並行在来線というのがどういうふうに新幹線とラップしているかという問題でも随分違ってまいりますから、それはその都度その都度判断されていくと思いますが、当然今おっしゃるように、そういうものをやはり廃止するというときには地元の同意ということの前提は、それにかわる機関をどうするかということのコンセンサスがなければいけない、このように考えております。
#273
○長田委員 次に、JRの負担分についてでありますけれども、改正案によりますと、すなわち負担割合は五〇%、各線ともにグループとして負担をする、こういうものであります。二つ目には、JRの資金は、新幹線鉄道保有機構に支払っており
ますところの既設新幹線のリース料を固定化をする、それに伴うJRの受益のほか、金利の低下に伴う保有機構の余剰金をプールしてこれに充てる。第三番目には、建設主体は鉄道建設公団として、建設した施設は同公団が保有をする、営業主体であるJRに有償で貸し付ける。鉄建公団は、公的助成、保有機構の資金プールからの交付金、借入金によって建設を行いまして、開業後にJRから受け取る貸付料によって借入金を返済するというものであります。
 そこで、建設費の総額でありますけれども、五〇%でありますから六千九百億円になりますね。これをJRが負担するわけでありますけれども、このうち整備新幹線のリース料と新幹線保有機構の余剰金の内訳についてお示しをいただきたいと思っております。
#274
○丹羽政府委員 ただいまの先生の御指摘のとおり、JRグループの財源というのは二つの資金でございまして、一つは整備新幹線の貸付料、一つは保有機構の貸付料の余剰、こういう二つでございます。このうち、整備新幹線の貸付料につきましては、JR各社が支払うこととなります整備新幹線の貸付料の総額は、整備新幹線の建設費に対してそれぞれその有利子換算で各社ごとに申し上げますと、JR東日本三〇%強、JR西日本一〇%弱、JR九州二ないし三%程度、こういう形になると思います。それで、今申し上げたそのJRの整備新幹線の貸付料以外の部分につきましては、新幹線保有機構から来ます余剰によって賄うこと、そう考えております。
#275
○長田委員 そうしますと、JR東日本は三〇%、それから西日本が一〇%、九州は二、三%、こういうことなんでありますけれども、これに利子を加えるわけですか。
#276
○丹羽政府委員 ただいまのパーセンテージは有利子換算で考えた結果の数字でございます。
#277
○長田委員 JR当局はこの点については御納得でございますか。
#278
○丹羽政府委員 今回の財源案をつくる前提となりますいろいろな議論の段階の節目節目でJR各社とはそれぞれすり合わせをしながら進めております。JRはただいまのところ運輸省のその考え方に賛同していることと聞いております。
#279
○長田委員 余り賛同されてないような意見もややあるようでございますので、なお突っ込んだ意見の交換も必要だろう、このように考えております。
 次はリース料についてお尋ねするのでありますけれども、北陸新幹線、高崎−軽井沢間の開通に伴いまして鉄建公団に支払うリース料、早晩これを設定しなくてはならない、こういうことだろうと思いますけれども、これはいつごろ決めるのでしょうか。
#280
○丹羽政府委員 御指摘のように、鉄建公団が建設しました新幹線は鉄建公団から営業主体となるJRに貸し付けられることになります。これは、先ほど申し上げましたように、公団法に基づきました政令でその基準を設定するということになります。この考え方は、三十年間にわたっての毎事業年度一定額の貸付料を支払うという場合の収支予測を行って、それでその収支改善効果の累計をその三十年間にわたって均衡するように設定するということでございますが、これは当該整備新幹線の開業時までに設定するということと考えております。
#281
○長田委員 今御答弁がありましたとおり、このリース料というのは、一たん設定されますと今後三十年間同一料金を支払い続ける、こういうことになっておるわけですね。黒字のときは私はいいとは思うのでありますけれども、仮に赤字の経営に追い込まれた場合、支払いすらできない可能性というのは当然出てくるだろう、このように考えます。この問題は、今後建設が予定されております整備新幹線にもひとしくかかわっておることでありますので、先ほども申し上げましたとおり、決定に際しては慎重な論議が必要だろう、私はこのように考えております。この点大臣、どうでしょうか。
#282
○佐藤国務大臣 おっしゃるとおりでございますので、国鉄改革及び行財政改革の趣旨に反しないように、それこそ慎重に対処してまいりたいと考えております。
#283
○長田委員 次は、今回改正の中で特に新しい手法といたしまして既設新幹線のリース料の各社の配分の比率を固定しようということなんですね。七千百億円のその金額を三社で固定してしまおうということであります。このJR各社の配分比率を固定する考え方の根拠といいますか、理由といいますか、ここらについて御説明をいただきたいと思います。
#284
○丹羽政府委員 現在、新幹線保有機構法に基づきまして保有機構の貸付料のその制度が決まっているわけでございます。それで、現行の制度では、貸付料の概算総計年額を各既設新幹線、四つございますが、今営業中の新幹線の輸送量に応じまして各JR社、本州の三社ですが、それに配分するということをしまして各JRの年間の貸付料を算定する、こういうこととなっておりますので、整備新幹線をつくりました場合に、それが既設の新幹線にいろいろなインパクトを与えるわけでございますけれども、今度考えております北陸新幹線の高崎1軽井沢の問題でいいますと、上越新幹線の上野から高崎の間とか、そういうようないろいろな区間に整備新幹線をつくったことによる既設新幹線の輸送量が増加するという関係が出てまいります。
 それで、そのような場合には、輸送量の増加が今の制度ですと貸付料の配分の算定の基礎に算入される、こういうことになりますので、今まで何ら輸送量に変化のない既設新幹線を運営するほかの社の貸付料は反射的に低下する、その年額が低下するという形になります。他社がその分の利益を得るというような形で、整備新幹線の建設による受益というのが、今の場合JR東日本からほかの社に流出してしまう、こういう関係が出てまいります。
 そこで、その部分につきましては貸付料の配分率を固定する、こういうことにいたしますと、今の輸送量の増加が貸付料の配分の算定の基礎に算入されないという措置を講ずるということになりますから、整備新幹線の建設によりましてJR東日本ならJR東日本の受益が他社に流出するという関係がなくなってしまうわけでございます。それで結局、今度つくりました整備新幹線を営業する主体であるJRの本来の負担力、そういうものが確保できる形になるかと思います。
 このようなことで、整備新幹線の営業主体であるJRの本来の負担力を確保するというのが主眼でございますけれども、同時に、そういうことをすることは、JRの関係の各社の経営目標というのでしょうか、その目標が立てやすいという関係が出てまいりますので、そういうメリットも出てまいるということでございます。
#285
○長田委員 確かにこの限りでは、JRの負担には一定の歯どめがかかりまして、これによって各社の営業努力を刺激するというメリットは私はあると思います。その点、私はよくわかるのでありますけれども、しかしこの仕組みは、採算性の高い例えば高崎−軽井沢間、これは開業によって得る増収分というのは、例えば百億円利益が上がった、そうするとリース料というのはぐっと低目で抑えるのですか、それとも、ある程度目いっぱいいただいてしまうのではないですか。そうなりますと、計算される一つの基礎資料というのは、乗客あるいは乗員等の数をきちっと調べまして、それに見合う部分だけはリース料としていただきますよというのは基本原則でしょう。
 そうなりますと、確かに高崎−軽井沢間というのはドル箱的な存在であろう、こういうふうに見てまいりますと、収益率が相当出るんじゃないかというふうに予測されるわけですね。その部分はリース料として全部取られてしまう。そういうことになりますと、採算性の悪い他の区間の建設費に充てるという方向になりますね、これは鉄建公団がリース料として取ってしまうのですから。そうなりますと、これは、国鉄時代内部補助という
のをやったことがありますけれども、これと同じようなことになってしまいまして、JR各社の配分の比率を固定する考えと逆行してしまうのではないか。一方でドル箱の方はがっちり取って固定しますよということになると、その資金の部分はほかの整備新幹線の方に回る、鉄建公団が全部リース料として吸い上げるのですから。その部分が第二次、第三次の工事に回るわけですから、国鉄時代のいわゆる内部補助と全く同じではないか。そうすると固定化する意味と逆行するんじゃないかと私は思いますが、この点どうでしょうか。
#286
○丹羽政府委員 先ほど来申し上げておりますように、JR負担の五〇%の財源は二種類あるわけでございますけれども、今の貸付料の問題につきましては、各社別に申し上げて、先ほど申し上げましたように、JR東日本が三〇、西日本が一〇、それから九州が二、三%、こういうことを申し上げたと思いますが、いずれも五〇%に届かない話でございますから、その残りは新幹線保有機構の余剰を充てる、こういう形になるかと思います。
#287
○長田委員 そうすると、今申し上げましたとおり、高崎−軽井沢間というのは実際の収益よりも相当低目のリース料を設定します、こういうことですか。
#288
○丹羽政府委員 整備新幹線の貸付料、リース料は、先ほどのように、三十年の収支を計算して、その収支改善効果を、基本的には出てきたものは貸付料に充てる、こういう考え方でございますので、それはJR東日本が受益する部分よりも低いという形にはならないと思います。
#289
○長田委員 ちょっとよく意味がわからないのだけれども、私は、高崎−軽井沢間の受益の部分、これについてはほとんどはリース料として鉄建公団に支払う、そういう原則だろうと考えておるのですけれども、ここは非常にドル箱的な路線なんですね。そういう点を考えますと、私は、国鉄時代の内部補助的なそういう形態になりはしないか、そうすると、今回の改正でありますところの既設新幹線のリース料の各社の固定化ということに逆行しませんかということを言っているのです。
#290
○丹羽政府委員 ちょっと説明が舌足らずで申しわけございません。今私が申し上げましたJRのリース料の負担分というのは、今回私どもが考えております運輸省案で整備した場合のJRが稗益する分といいましょうか、受益をリース料にそのままはね返すということでございます。そうなりますと、東日本は今の北陸新幹線の長野までの分と、同時に東北新幹線の盛岡−青森間の話がございます。その両方を合わせた形でJR東日本としての負担が三〇%、こういうことでございます。
#291
○長田委員 それでは、ちょっとその問題については後ほどにいたします。
 整備新幹線の建設財源をどのようにするかという問題は非常に重要な問題だろう、私はこういうふうに考えております。しかし一方では、国鉄改革に伴う莫大な長期債務償還の問題があるということであります。私は、整備新幹線を「第二の国鉄」にしてはならない、そういう意味からも、財政的な問題でそういう点を非常に心配いたします。
 また、開業後乗客が計算どおりにふえない場合どうするかという問題があるのですね。これについては私は、三線同時着工という問題が非常に足かせになるんじゃないかという感じがいたしております。そうなりますとプール制というのはおのずから破綻してしまうのではないかという感じがいたしますが、どうでしょうか。
#292
○丹羽政府委員 JR負担の五〇%は、その部分はプールして使う、こういうことでございますけれども、今後具体的にどういう路線をどういう建設年次でどのような投資をして建設していくかということにつきましては、これから毎年の予算編成のときに決めていくという問題でございますので、その予算編成のときに、そういったいろいろな問題も同時に考えながら決めていく話になるのではないかと思います。
#293
○長田委員 予算編成のときに決めるということでありますけれども、プール金が底をついてしまった、そうするといわゆる国の負担をふやすという意味なんですか。
#294
○丹羽政府委員 私どもの計算では、今のところプール金が、二つの要素があるわけでございますが、底をついてしまうというようなことにはならないと考えております。
#295
○長田委員 それでは今度は底をつく話をいたします。
 建設財源としてもう一つ、新幹線の保有機構の余剰金についてでありますけれども、この考え方は、金融市場の低金利の傾向を前提として考えているのですね。新聞の報道によりますと、日銀は今月下旬にも二・五%の公定歩合を〇・五%引き上げる、その方針を固めたという報道がなされております。そこで、過去二年間における長期債務の借りかえによる余剰金の発生状況についてはどうなっておるのか、金額をお示しいただきたいと思います。
#296
○丹羽政府委員 新幹線保有機構が保有しております債務は約八・五兆円でございますけれども、それの六十二年度首におきます平均利子率というのは七・一%、そういうことでございます。現状は、今の日銀の話はちょっと別といたしまして、五%程度の低金利での資金調達が可能とされております。
 具体的には、六十二年度において約三千四百億、それから六十三年度においては四千百億円の新たな資金調達を行っておりますので、これによりまして、六十二年度首で算定した債務償還のための所要額が六千九百三十一億であったのに対しまして、今回の法案で改正いたしますが、その改正前の基準で考えますと、平成元年度の首の債務償還のための所要額というのは六千七百八十八億となります。それで、この間の余剰発生額は年額百四十三億円ということが計算で出てまいります。
#297
○長田委員 わずか二%の金利差で百四十三億円という金額が余剰金として発生しておる、こういうことですね。では、仮に金利が上昇いたしまして新幹線保有機構の余剰金が当初より大幅に減少した場合、その分の財源はどう充てるのでしょうか。
#298
○丹羽政府委員 今まで御説明していますように、新幹線保有機構の方の余剰を充てるという話は低金利の話でございます。それで、今現在、新幹線保有機構が発足してから二年たっているわけでございますが、その二年間も含めて、一たん低金利で調達したその効果というのは、先ほどの議論にもございましたように、長期債務は例えば二十五年とかそういった長期の債務でございますから、その二十五年間なら二十五年間の効果が発生するわけでございますので、相当長い期間続くと思いますので、今のところ先生御指摘のようなことの心配はないと考えております。
#299
○長田委員 金利が下がり、上がるということは、幾ら長期の債務でありましても変動金利なんでしょう、固定金利じゃないのでしょう。固定金利ならばこういう余剰金は出ないのですよ。変動金利だから余剰金が出たのでしょう。そうすると、公定歩合が上がればいわゆる利率は上がるのです、私も銀行員の端くれですから……。変動金利なんですよ。二十五年借り入れているのだから、この余剰金はずっと二十五年間出ますなんという、そんな答弁ないよ。それだったら何で余剰金が出るのか、固定金利ならば。そういう点でもう一度答弁してください。
#300
○丹羽政府委員 これも舌足らずで申しわけございません。私も実は六カ月ほど銀行員だったことがございますが、先生には及びませんのでシャッポを脱いで御説明申し上げますが、要するに長期債務を借りかえる必要があるわけでございます。それで、新幹線保有機構は毎年リース料で七千億のオーダーぐらいのところを取っているわけでございますが、現実に償還しなければならない長期債務はもっと大きな金額になるわけでございます。したがいまして、さっき申し上げましたように、六十二年、六十三年それぞれに四千数百億とか、そういったような金額の借りかえが発生するわけでございます。借りかえた債務の返済といいましょうか償還期限が二十五年物とか、そういうようなものが例えば資金運用部は全体の五六%ぐらいございますが、その資金運用部資金の借りかえは二十五年というようなことでございますから、そこが低金利で借りた分の影響が長く続く、こういうことでございます。
#301
○長田委員 やはり借りかえの時点で金利というのは決めるわけですね。また借りかえた場合、金利が上がった場合には高い金利を支払う、そういう側面があるのですよ。そうでしょう。おわかりですね。どんどん下がるという状況ならば余剰金というのはますますふえるという考え方はできますけれども、そうじゃないと思っているのです。私は、そういう不安定要素を計算に入れるというのは先行き大変問題を残すだろう、禍根を残すだろうというふうに考えております。
 そこで、仮にですけれども、最悪の場合を考慮した方がいいと私は思っておりまして、余剰金が発生しない、全然余剰金がない、こういう場合においては整備新幹線の建設については影響を及ぼすと思いますが、どうでしょうか。
#302
○丹羽政府委員 先ほど来の答弁の繰り返しになりますので恐縮でございますが、私どもの方といたしましては、今の借りかえの低金利による影響というのが相当長く出るとかそういった事情を踏まえておりますので、そのような心配は今のところしていないというところでございます。
#303
○長田委員 私は、そういうことは財源として大きな部分を占めておりますから、そういう点で、余剰金がなくなってしまった、もう財政的にできませんよということで整備新幹線の工事がストップするようであるならば、これは大きな問題であろうということで老婆心ながらお尋ねをしておるのです。佐藤大臣、どういう御見解でしょうか。
#304
○佐藤国務大臣 今、丹羽審議官が御説明したとおりでございまして、私たちはそういうような事態が発生しないというふうに考えております。
#305
○長田委員 それでは、ただいま新幹線保有機構の余剰金についてお尋ねしたのでありますけれども、JR各社の長期債務の借りかえによる余剰金は当然発生していると私は思います。先般、運輸部会で私たちはこの資料を要求したのでありますけれども、明確な御回答をいただいておりません。ここにいただいておる回答では、昭和六十二年四月一日現在の承継債務の平均金利は七・一%だったのでありますけれども、借りかえ時の平均金利は、例えば同じ昭和六十二年度で、東日本では四・九%、東海、西日本でも四・九%となっておるのですね、この表を見ますと。すなわち、六十二年度では、七・一%から四・九%を引きますと二・二%の金利差が出ておる、こういう状況であります。私は先ほど保有機構の問題でも例を挙げたわけでありますけれども、そういう点、二・二%の金利差というのは非常に大きいわけですね。これは民営・分割されたJR各社の利益として当然計上されるということでありましてそれに異論はないのでありますけれども、私はそこで、JR各社におきましては駅舎の整備であるとか安全対策であるとか.あるいは需要の拡大のためのいろいろな施策というものを実行されておると思いますけれども、この点についてはどうなんでしょうか。
#306
○丹羽政府委員 先生御指摘のとおり、最近の低金利傾向というのはJR各社の経営に対して好影響を与えているということは事実でございます。ただ一言、保有機構との関係の違いを申し上げさせていただきますと、保有機構の方はそういう法律に基づく制度がございまして、一定の制度の中で借りかえなりなんなりをして、その結果出てくる余剰という形になるわけでございますが、JR各社は民間会社でございますのぐ今先生がおっしゃった政保債の今の借りかえの部分というのは確かに法律でそういう措置がございますけれども、そのほかのいろいろな設備投資その他につきましては自己資金を充てるとかいろいろな会社経営上の判断がございまして、そこはまさに民間会社の経営陣が考えていく話になるのではないかと思います。
 それで、今先生が御指摘になられた、JRが、金利負担が軽くなるということも一つとして、経営の状況が比較的順調だということは私どもにとっては非常にありがたいことだと思っておりますが、それは基本的には、まずはJR自身の一つの仕事としては株を上場するまで経営基盤を強化して一上場したその株の売却益を清算事業団が持っております長期債務の返済に充てる、こういうところが国鉄改革の、また引き継いでいるJRとしての使命が一つあるのではないかと思っております。そういうことが基本でございますが、ただ、そうはいっても、その間当然公共事業を経営しているわけでございますから、その分の公共性に着目した必要な投資ということは当然やっていただかなければならないかと思っております。
 それで、ただいまJR各社の平成元年度の事業計画というのがございますけれども、各社の設備投資額というのは七社計で六十三年度を一千億以上上回る四千九百億程度、そういうことを計画しております。それで、当然安全対策とか輸送力増強の方にそれが回っていく、投資されるということになり、それは積極的に取り組んでいると思っております。
#307
○長田委員 私は、財政的な問題というのが整備新幹線で大きな課題ということをずっとるるお話申し上げました。また、いろいろ御答弁をいただきまして、大変大臣も自信をお持ちのようでございますから、次にこの整備新幹線の今後十年間における線区別経営収支の見通しをお尋ねしたいと思います。特に、在来線をそのまま存続した場合と在来線を廃止した場合、また転換した場合、いろいろ違うと思いますけれども、それぞれの収支の見通しをどのように試算されておるのか、この点についてお尋ねをいたします。
#308
○丹羽政府委員 ちょっと手元に今収支の資料を持ってないのでございますが、その収支が反映される需要予測を申し上げたいと思います。
 東北新幹線の盛岡−青森間、これは運輸省案に基づいて行ったときの需要予測でございますが、平成七年度、これは昭和でいいますと七十年度でございますが、それと平成十二年度、昭和の七十五年度、その二つをとっておりますけれども、平成七年度で一万二千人、それから北陸新幹線の東日本部分、高崎−長野間、これが平成七年度で一万七千人、それから長野−直江津間、これが同じく七年度で七千人、それから西日本、直江津−小松間、これは一万七千人、それから九州新幹線の博多―西鹿児島間、一万三千人。必要あれば平成十二年度も申し上げますが、とりあえず七年度の段階ではそういうことでございます。
#309
○長田委員 私がお尋ねしたのは人数じゃなくて、経営のいわゆる経常収支といいますか、そういう見通しをお尋ねしたわけであります。それはわかりませんか。
#310
○丹羽政府委員 若干資料を探すのに手間取って申しわけございません。
 今の平成七年度の話でございますけれども、収支改善効果で考えまして、東北新幹線、運輸省案でいったときに八億円、それから北陸新幹線は七十五億円、これは北陸新幹線の東日本会社分でございます。それから北陸新幹線の西日本会社分、これは七億円、それから九州新幹線につきましては六億円の赤字、こういう形でございます。
#311
○長田委員 全部赤字ですか。
#312
○丹羽政府委員 九州新幹線以外は全部黒字でございます。
#313
○長田委員 これは運輸省の案ですか。試算ですか。
#314
○丹羽政府委員 これは運輸省案で、整備新幹線をいろいろ御議論をいただくときの委員会に出した、いろいろ前提を置いた案でございますが、これは現在の財源負担をやったものではございませんで、借入金がゼロという前提の試算でございます。
#315
○長田委員 一昨年の十二月十八日の朝日新聞によりますと、前日の十二月十七日に総理官邸で開かれた政府・自民党財源問題検討委員会の小委員会で明らかにされたJR各社の七十年度、七十五年度の需要予測をどう試算するかということで試算が載っておるのですね。この報告には、たしか
従来型の新幹線を想定した数字でありまして、直接今回の三線に当てはまるものではないかもしれませんが、例えば東日本の七十年度の収支は、政府が三百四十四億円、これに対しまして会社は二百二十七億円、西日本のそれは、政府が七百九十億円に対しまして会社は四百六十八億円、こういう物すごい試算の数字の違いが出てきておるわけですね。総じて政府試算よりも会社の試算の方が相当下回っておるというのがこの試算を見てもわかるわけであります。
 ここで私は、JR各社が収支予測を厳しく見ておる、そういう点は認めるわけでありますけれども、この開きが実は相当ある。今試算を伺いますとちょっと甘いかなという感じが私はするのでありますけれども、JRの見方としてはどんな見方をしておるのでしょうか。
#316
○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘の新聞報道のときの政府試算とJR試算というのは、それぞれ別に試算いたしまして、それぞれがいろいろ考えた前提条件でやった試算でございます。今回の収支試算に関しましては昨年いっぱい基本的には議論をしてきたわけでございますが、その収支試算についてはそのときどきにJR各社と私どもの考え方とのすり合わせを行いまして、JR各社は私どもの試算についておおむね妥当という考え方を持っておいでです。
#317
○長田委員 いろいろ財政問題でお尋ねをいたしました。私はそういう意味で、整備新幹線が間違いなく開業できる、そういう体制をぜひ整えていただきたい、このように熱望いたします。ただ、財源問題については不確実的要素は相当あるように思いますので、この点は十分慎重の上にも慎重に、詳細についての計画をぜひ立てていただいて、どうか遺漏なきようによろしくお願いしたいと思っております。
 私の質問は以上で終わります。
#318
○森田(一)委員長代理 小渕正義君。
#319
○小渕(正)委員 今回の法案に対しましては、もういろいろとかなり問題点その他についての指摘がされておりますが、若干重複するかもしれませんが、おさらいの意味で質問したいと思います。
 まず最初に、このたびの整備新幹線の問題について、政府・自民党で合意を見てこういう計画が出てきたわけでありますが、その場合の当時の新聞論調すべて、マスコミ全般的に問題点をあいまいにしたままの非常に政治的決着だというような論調がされておったわけであります。これはどの新聞を見ましても、ほとんど非常に特徴的にそう
 いった傾向だったと思いますが、そういう意味で、もう一度おさらいの意味で、今回の計画の概要について、それぞれ三線の概要を説明願いたい、かように思います。
#320
○丹羽政府委員 概要をお答え申し上げます。
 若干答弁が長くなりますが、お許しいただきたいと思います。まず、昨年八月の政府・与党の申し合わせで合意しました規格低減案というのがございますが、これは全国新幹線鉄道整備法に基づきます整備計画の区間に即しまして、技術的一専門的な立場から詳細な検討を行いまして、その上で段階施工の考え方を導入して投資効果を考え、各線ごとに極めて時間短縮効果の高い施設整備を行うことといたしました。そしてこのような観点から規格の圧縮を行っております。
 それが具体的には、まず全国新幹線鉄道整備法に基づきます。その整備計画の区間のうち、在来線の線形が悪くて、新線を建設すれば時間短縮効果が非常に高い、そういう区間がございますから、そういう区間を新線で、その規格は新幹線の規格で建設することといたしました。この場合に、既設新幹線に直接接続しない区間でありましても、時間短縮効果の高い区間でありますれば、その区間の整備を行うということといたしました。
 これらの新線による高速化の効果を直ちに発揮できるようにするために、当該新線に標準軌を敷設、これを標準軌新線と言っておりますが、標準軌を敷設することと一緒に接続する在来線を新幹線の直通線化する、いわゆるミニ新幹線をつくる、こういうことと、それからもう一つのやり方は、その新線に標準軌ではなくて狭軌を敷設いたします。そうしてそこにスーパー特急を直通運転する、こういう二つのやり方を考えたわけでございます。この際、前述の標準軌新線プラス直通線化、つまりミニ新幹線化の方策を採用するか、あるいはスーパー特急と称しましたそういう方策を採用するかということは、その各区間におきます旅客流動の実態とか、その新線と既設新幹線との位置関係、そういったようなものから判断することにいたしました。
 このような考え方に従いまして各路線別に申し上げますと、北陸新幹線の高崎−小松間、その区間では、整備新幹線鉄道の整備の目的は、上野と長野、あるいは富山−金沢、そういったところとの所要時間の短縮ということを考えたわけでございます。このうち上野−長野間につきましては、まず在来線が急勾配で線形も悪く、新線を建設すれば時間短縮効果が高い、これが高崎−軽井沢間でございますが、そこに標準軌で新線を建設することといたしました。標準軌にしましたのは、高崎で既設の新幹線、上越新幹線と接続することが可能となりますので標準軌新線ということにいたしました。
 それから次に、上野−長野間の旅客流動を考慮いたしまして、高崎−軽井沢間の標準軌の新線とあわせまして、それから、それと一体的に接続する在来線区間でございます軽井沢−長野間、これを新幹線直通線化と言っておりますが、いわゆるミニ新幹線化することといたしました。
 なお、六十三年の八月三十一日付の文書による申し合わせで、軽井沢−長野間の取り扱いについては三年以内に結論を得るということを先ほど来御説明しております。
 それから、上野−富山−金沢、そういう都市間の話につきましては、在来線の線形が悪くて、時間短縮効果の高いと考えられるのが日本海沿いの糸魚川−魚津、それから高岡−金沢、それに新線を建設することといたしましたが、この際、現在の旅客流動を見ますと、東京から金沢に行かれる方は上越新幹線回りで行く方が多いわけでございますが、東京−金沢の流動と並んで大阪−金沢とか富山−新潟、この流動も中心となっているということでございますので、糸魚川−魚津、高岡−金沢は標準軌にしませんで、当面は狭軌を敷設いたしまして、接続する在来線である北陸本線との直通運転を行う、いわゆるスーパー特急を通す、こういうことを考えわけでございます。
 それから東北新幹線の盛岡−青森の区間でございますが、これは線形の悪いのは沼宮内−八戸というところでございますから、そこに新線を建設することにいたしました。それで、旅客流動は東京−青森とか仙台−青森、そういった既設新幹線を相当程度利用する方が中心でございますので、沼宮内−八戸を標準軌新線でつくりまして、これとあわせまして、一体的に接続する在来線の区間であります盛岡−沼宮内、それから八戸−青森、この間を新幹線直通線化、つまりミニ新幹線にする、こういうことにいたしました。最後に九州の区間でございますけれども、在来線の線形の悪いところは南の方の八代−西鹿児島間でございますので、そこは新線を建設することにしまして、それで、これも現在の旅客流動は東京−大阪−鹿児島よりも博多−鹿児島、そこが中心となっているということですから、当面、八代−西鹿児島間は狭軌を敷設いたしまして博多−西鹿児島が直通で行けるようにする、このようなやり方をとったわけでございます。
#321
○小渕(正)委員 今回の新たな改革に対しまして、マスコミ等のあれを見ますと、本格的な着工は、一応形としては一線のみという形になっているが、実質的には三線同時着工的なにおいのしているまさに玉虫色の決着だ、こういうふうな見方もされておるわけでありますが、これについてはどのように、やはり三線同時着工的な性格として見ていいのかどうか、その点の見解をお伺いします。
#322
○丹羽政府委員 高崎−軽井沢間以外の三線につきましてのいわゆる難工事区間というところがご
ざいますけれども、これにつきましては、先ほど来御説明していますような方式で工事を行いたい、かように考えております。
#323
○小渕(正)委員 はっきりしたあれでないのですが、次に移ります。
 実は今回の計画の中で一番ポイントになっているのは三つほど、幹線の高速化という形、「第二の国鉄」は絶対につくらない、新幹線による幹線鉄道の整備、三つの考え方が基本にされてこの計画が出たと報道されておるわけであります。「第二の国鉄」はつくらないというようなことが基本的な柱になっておりますが、「第二の国鉄」はつくらないということに対してはどのような歯どめといいますかただ観念的に頭の中で、言葉だけで「第二の国鉄」はつくらないと言っても、実際にやっていることが結果的には「第二の国鉄」になりかねない面もございますが、今回あえて「第二の国鉄」は絶対つくらないという基本的な考え方、その背景といいますか骨子といいますか歯どめといいますか、何か新たにお持ちなのかどうか、その点の基本的な考え方をお聞きします。
#324
○丹羽政府委員 整備新幹線をつくるときの建設費につきまして、基本的にはJR側がどの程度負担するかという考え方にあらわれていると考えております。
 それは、先ほど来御説明しておりますが、整備新幹線が開業後三十年間の収支改善効果ということをかたく計算いたしまして、それで収支改善効果に当たる分、これは言ってみますれば営業するJRの受益分に当たるわけでございますから、その受益分の範囲内でその部分を貸付料という形で建設主体である鉄建公団に払う、こういうことをJR負担分の一つの財源に考えたわけであります。この考え方の限度におきましては、JRの経営に悪影響を与えるという話にはならない、こういうことになるわけであります。
 それから、もう一つのJRの負担分と考えられる新幹線保有機構の余剰分につきましても、現在のJR負担以上のJR負担があらわれないその範囲内でその余剰を新幹線建設の方に回す、こういうことでございますので、両者あわせて基本的にはJRの経営に悪影響を与えない、こういうことになると思います。
 それで、「第二の国鉄」をつくらないということは、膨大な投資によって、それが国鉄の経営に悪影響を与えるような形になったという面が国鉄時代ではございましたので、そのようなことを再び繰り返すことはしない、基本的にはこういう考え方で決定したつもりでございます。
#325
○小渕(正)委員 基本的な考え方は、まずJRに負担を余りかけないということのようでありますが、建設費その他について、そういった負担は国が持ったといたしましても、完成後の採算性その他について、結果的にこれがJRの負担になりはしないかという懸念もあるわけであります。そこらの採算性についても今回のこの計画の中では余りきちっとしたものが出されてないという批判もありますが、その点についてはいかがですか。
#326
○丹羽政府委員 先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、そこの部分につきましての貸付料の計算のもととなる需要予測、そういう問題につきましては極めて慎重に行っていきたいと考えております。
#327
○小渕(正)委員 確かに採算性の問題は将来の仮定の話になりますが、現在における交通体系の流れ、その他いろいろ、将来を見通すのは困難と思いますが、一部マスコミ等では非常に冷やかし半分といいますか、十五年ぐらい先になるが、十年先には首都圏では痛勤で一五〇%、二〇〇%でみんなが苦労しておる中で、北陸その他の地方に行くとすばらしい車両が二両ぐらいでのんびり走っておるというような皮肉った批判をしておるところもありました。いずれにいたしましても、採算性ということについてはこれからの問題だと思いますので、非常に甘く見積もって結果的にはそれが見積もり誤りだったというようなことのないように、そういう意味でより慎重な採算性についての検討をこれからもお願いしたい、かように意見として申し上げておきます。
 それから、今回の問題の一つとして指摘されているのは、現在高速道路それから各地域における航空機の整備発達、また新たにリニア中央新幹線等といった問題がそろそろ話として出ている。こういう新たな事情の中で、これからの我が国における総合交通体系の中における今回の整備新幹線計画の位置づけは果たしてどうなのか。ここらがきちっとされないままに今回このような計画でスタートしようとしているが、そこらあたりが不明確であるという点も一つの大きな批判として出ております。このあたりについてはどのような見解かお尋ねいたします。
#328
○丹羽政府委員 先ほど私どもの運輸政策局長が御答弁申し上げたこととその考え方は全く一緒でございますけれども、総合交通体系の私どもの考え方は、各交通機関が、交通機関の持つ特性ということがございますから、鉄道なら鉄道の特性、そういった特性を発揮することで国民生活とか国民経済上のニーズに的確に対応できる、そういう交通サービスを提供する、こういうことを考えているわけでありますが、これの体系を形成するということは、基本的には各交通機関の競争とその利用者の自由な選択、これによって今の交通体系が形成されていくということがその原則ではないかと考えております。
 整備新幹線の問題につきましては、所要時間が四時間とか五時間程度までの中距離、それから中距離区間での大量輸送、そういうところが整備新幹線の特性ではないかと考えておりますので、特に都市が連檐するようなところにつきましては、それらの都市を結ぶ一つの路線でそれぞれの都市相互間でサービスを頻繁に行えるという点、ここが大きな利点になると考えております。今回の整備新幹線の建設はこのような特性を生かす、そういうやり方で幹線鉄道を整備していくものの一環になると考えております。
#329
○小渕(正)委員 次に移ります。
 今回ミニ新幹線、スーパー特急、こういった新たな形のものが導入されようとしているわけでありますが、それぞれの性能、特徴また効果といいますか、そういうものについてはどのような形になっているのか、少し具体的なものとしてお示しいただきたいと思うのです。
  〔森田(一)委員長代理退席、久間委員長代
  理着席〕
#330
○丹羽政府委員 まずミニ新幹線でございますが、これは先ほど申し上げましたように、標準軌新線と接続する在来線を、今までの標準軌新線からそのまま直通に在来線に乗り入れる、そういうことを考えたわけでございます。したがって在来線はゲージを変えた三線にする、そういった形で直通に入れる。こういうことをやりますと、在来区間の最高速というのが時速百三十キロぐらいというところでございますけれども、既存の新幹線の高速性それから乗りかえがなくなること、そういうことによる効果が上がりまして、時間短縮効果を効果的に拡大することができると考えております。
 それからもう一つのいわゆるスーパー特急につきましては、これは既設の新幹線に直接接続しない区間ではございますが、そこに新たにつくる新線部分で時速百六十キロから二百キロメートルぐらいの高速走行が可能であると考えております。したがいまして、そこの新線と在来線とを直通させれば到達時間の短縮が図られる、こういうことでございます。
 それで、各路線別の効果といたしましては、北陸新幹線にありましては、新幹線そのものでつくるときよりも建設費が四二%ぐらいに圧縮されます。それから到達時分は、上野−長野間で考えますと五十分程度短くなります。上野−金沢も同様に五十分程度の短縮で三時間十七分という時間になります。東北新幹線でこれを見てみますと、建設費が五五%ぐらいに圧縮したわけでございますが、到達時分は上野−青森間で現状よりも五十分程度短くなる、そういう形でございます。九州新幹線につきましては、建設費が四九%に圧縮いた
しますので四千三百億ぐらいになりますが、到達時分は博多―西鹿児島間がそのことで考えますと現状より二時間短縮して、今四時間程度かかっているところが二時間七分というところでございます。
#331
○小渕(正)委員 今それぞれの特徴をお聞きしました。それとあわせて時間短縮の説明もありましたが、これらの状況の中で、これの経済的波及効果といいますか、そういうものについてまで何か試算されたものがあるのかどうか。あればお伺いしたいし、ないならないで結構ですが、その点、経済効果についてはどのような判断をされているか、お尋ねいたします。
#332
○丹羽政府委員 経済効果につきましては特に試算したものはございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、運輸省案では先ほど御説明しましたぐらいの時間短縮効果が期待されております。
#333
○小渕(正)委員 それでは次に移りますが、高崎−軽井沢以外のそれぞれの線区ごとの建設着工について、優先順位はどのような基準で決めていくのか、今後どういうふうなスケジュールなのか。そこらあたり、高崎−軽井沢以外のこれからの優先順位等についてのお考えがあればお示しいただきたいと思います。
#334
○丹羽政府委員 着工優先順位につきましては、平成元年一月十七日の文書で明定しておりますように、その前年の八月の着工優先順位を基本的にはそのまま踏襲するということでございます。具体的にはそれがどのようにあらわれてくるかということにつきましては、同じ申し合わせによりまして、並行在来線の取り扱いとか建設費とか収支採算性などにつきまして今後の予算編成の過程において検討いたしまして具体的な結論を得る、こういうことで考えております。
#335
○小渕(正)委員 それでは、予算編成時にその都度この種問題での話、検討、そういう形でそのときそのときの状況によって決められていく、こういうようなことで考えていいわけですか。
#336
○丹羽政府委員 先ほど申し上げたようないろいろな項目を検討しながら、先生のおっしゃるとおりになると思います。
#337
○小渕(正)委員 まさにそのときそのときの政治決着ということになるんじゃないか、そういうにおいが非常にします。その点は非常に問題だという気がしますが、時間がないので先に移ります。
 先ほども出ておりましたが、今回の整備新幹線の建設に当たっては、並行在来線の一部を廃止するというような話も出ておるわけでありまして、先ほどの議論の推移を聞いておりますと、原則的に廃止するかどうかというところまでいってないと思います。もちろん建設できた後の在来線との関係におけるJRの採算性の問題もあるかと思いますが、基本的には特殊な在来線以外は廃止するというようなお考えがあるのではないかという感じもしておるのであります。そこらあたりについて、在来線との関係は原則的にはどのようなお考えなのか。それぞれの線区の中で、並行するJRの採算ということですべて判断してやっていこうとされているのかどうか、その点いかがですか。
#338
○丹羽政府委員 並行在来線の問題につきましては、基本的には整備新幹線をつくりますと、その整備新幹線の方に輸送需要が移転する結果、残された並行在来線につきましては輸送需要が相当減ってしまう、こういうことになる場面が多いわけでございますが、そのような場合、並行在来線を維持させるという重い負担をJRに負わしてはならない、こういうふうに基本的には考えております。したがいまして、高崎−軽井沢の関係の並行在来線以外の並行在来線につきましても、具体的にはその経営をいたしますJR各社の経営判断を踏まえまして、それから関係の地方公共団体の意見も聞きまして適切な対処を行っていくものではないかと考えております。
#339
○小渕(正)委員 常識的にはそういうお考えでしょうけれども、しかし考えてみると、一部の特殊な地域を除けば、並行的になった場合には在来線の採算性はもうほとんどなくなっていく可能性は大きいと思います。これはもう現実だと思います。そういう意味では、今言われたような一応の考え方はあるにしても、結論としては廃止されて
 いくのかなという感じを強く持つわけです。その点は、今の答弁ではこれ以上求めてもできないと思いますので申し上げませんが、すべてJRだけの判断に任せるということになりますか。それとも、やはりその地域における地方自治体、また運輸省、そういう関係の中で話すということになるのですか。そこらあたりの考えはどうですか。
#340
○丹羽政府委員 ただいま申し上げましたように関係地方公共団体の意見も聞きますし、当然私どももその判断をしなければならない問題かと考えております。
#341
○小渕(正)委員 このたびの高崎−軽井沢間と同時に一応着手するということで北陸、九州、東北ですか、難工事区間ということでの調査費を一応計上されているわけであります。難工事として三線それぞれ均等に設定した基準、どういう基準でこういうようなものが出てきたのか、その辺についてはどういうふうな考えなのか。あわせて、これは本格的な着工の一環というふうに理解してよいかどうか、この点いかがですか。
#342
○丹羽政府委員 難工事部分の考え方でございますが、難工事部分というのは、従来から行っておりますボーリング調査などによりましてある程度の特殊地質の存在が判明している、そういうトンネルで実際に工事を行った場合に相当の困難性が見込まれて、工事費とか工期という問題につきまして不確実な要素を含む、そういう工事ではないかと考えております。それで難工事かどうかということを確定しなければならないわけでございますが、それは実際に掘削を行って、地山の挙動だとか地質などの確認を行って設計、施工方法を確立して、その結果に基づいて工期の不確実性といったものを解消する必要があると考えております。
 このためには、具体的にはまず断面の小さい横坑とか斜坑とかそういったものの掘削を行いまして技術的な諸データを集めまして、さらに断面の大きい本坑側面の掘削調査を行う、こういうことが効果的ではないかと考えております。
 それで、今回対象にしました東北、北陸、九州各ルートのトンネルにつきましては、特殊地質などの存在が判明しておりますので、実際に工事を行ったときに相当の困難性が見込まれるトンネルということで選びましたのが岩手トンネル、加越トンネル、第三紫尾山トンネルの三つでございます。そこで全額国費による難工事着手事業を行いたい、こういうふうに考えております。
#343
○小渕(正)委員 今回は一二カ所が難工事と指定されておるわけでありますが、大体この三つの線においてはこれ以外にはないと理解してよいのかどうか、その点についてはいかがですか。
#344
○丹羽政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#345
○小渕(正)委員 次に、先ほど,出たと思いますがちょっと聞いておりませんでしたので伺いますが、JRが保有機構に支払っている新幹線のリース料は年間で大体幾らの金額になるのか。あわせて、今回この負担割合を固定化するということになっておるわけでありますが、これは具体的にどういう意味なのか。そして、これによってどの程度の財源が見込まれるのか、そこらあたりを少し詳しく御説明いただきたいと思います。
#346
○丹羽政府委員 昭和六十二年度と六十三年度の両年度におきますリース料の年額はそれぞれ七千九十八億円でございます。
 それで、現在の保有機構の貸付料の制度におきましては、貸付料の概算総計年額を既設新幹線の輸送量に応じまして各JRに配分することになり、そのJRの貸付料の年額を算定する’こういうことになっておりますので、整備新幹線を建設し、それの開業に伴いまして既設新幹線の輸送量が増加するということがあった場合は、その輸送量の増加が貸付料の配分の算定の基礎に参入されるということになりますので、ほかの既設新幹線を運営する他社は、輸送量に何ら変化がないにしましても他社の貸付料の年額が低下する、そして
その他社が利益を得るという形で整備新幹線の建設による受益が他社に流出する、こういうことになるわけでございます。
 それで、保有機構の貸付料の配分率を固定しまして整備新幹線の建設、開業に伴います既設新幹線の方の輸送量の増加、そういったものが配分の算定の基礎に参入されないように措置することによりまして、整備新幹線の建設による受益が他社に流出することを防止しまして、当該新幹線の営業主体であるJR本来の負担力を確保することができる、こういうこととしたわけでございます。この配分率を固定するのは、今申し上げましたように整備新幹線の営業主体であるJR本来の負担力を確保する、こういうことが主眼でございます。
 一方、その結果、関係の各JRの経営目標が明確になって長期的な経営戦略を立てやすい、こういうメリットが出ると考えております。
 なお、高崎−軽井沢間の貸付料につきましては、現段階では年間約八十億円程度を見込んでおります。
#347
○小渕(正)委員 次に、保有機構が現在負担している債務、これも先ほどちょっと出たと思います。重複するかもしれませんが、この債務の総額、また、そのための金利は大体どの程度なのか。それから、これを今回は借りかえをしていくわけでありますが、金利の問題は、変動性はありますが、どの程度を見込んでおるのか。そして、それによってどの程度の財源が見込まれるのか。これらの点について少し詳細な数字をお示しいただきたいと思います。
#348
○丹羽政府委員 新幹線保有機構が保有しております長期債務は、六十二年度首におきまして、旧国鉄などから承継したものが約五兆七千億円、それから国鉄改革に際しまして清算事業団に対して負担したものが約二・九兆円、合計八・五兆円でございます。これらの債務の平均利子率は六十二年度首で七・一%でございますけれども、現行の金利水準でありますと五%程度の金利で、その返済のための新たな資金調達が可能であると見込んでおります。それで、金融市場が低金利傾向にあるということから発生いたします新幹線鉄道保有機構のリース料の余剰、そういうことによる整備新幹線の財源としましては当面年額百億円程度を見込んでおります。
#349
○小渕(正)委員 質問を提起しておりましたけれども、清算事業団はおられるのですか。――汐留それから大宮等の大都市圏における国鉄用地の売却というのが、地価高騰等の問題と絡みまして現在までそれぞれ凍結されておるのが現状だと思うのですが、これは今後どういうふうにしようとされておるのか。今の状況のままで、今後またしばらくは放置したままにしておくのかどうか。清算事業団のこういった財産を清算していくという立場からいくならば、こういう大口のものに対する処分等を考えないと、国民の税金がそれだけ使われていくわけでありますから、大局的に見たらひとつこの点はもう少し工夫はないのかという気もするわけでありますが、そこらあたりはいかがでございますか。
#350
○丹羽政府委員 国鉄清算事業団用地の原則的な処分方法は公開競争入札ということでございますが、この点につきましては、御高承のとおり、緊急土地対策要綱というのが一昨年の十月十六日閣議決定されました。それに従いまして地価が異常に高騰している地域において公開競争入札を見合わせてきたわけでございますけれども、ことしになりまして二月十日の土地対策関係閣僚会議での申し合わせによりまして、具体的事例に即して地価に悪影響を与えないと判断されるものについては順次公開競争入札を行うことができる、そういうこととなりました。現に、札幌市と仙台市に所在しております二物件につきましては既に入札手続を開始したところでございます。それから、その他の用地につきましても、清算事業団におきまして現在関係地方公共団体と意見を交換しているところでございます。
 先生御指摘の汐留、大宮、そういった大都市圏に存在する大規模用地の問題は清算事業団の債務償還のための貴重な財源でございますが、同時にその地域に残された貴重な開発空間であるということもございますので、その資産価値を高めるということと、地域整備にも配慮しながらその処分一を行う必要があるという問題になるかと思います。このような観点から、関係地方公共団体も参加いたしまして土地利用に関する計画を策定して、これに従って基盤整備事業を進めることとしております。それで、処分までにはまだ数年を要すると見込まれております。
 なお、緊急土地対策要綱におきまして指摘されております、地価を顕在化させない土地の処分方法、そういうものがございますけれども、清算事業団の資産処分審議会で幾つかの方法が答申されております。このうち、小規模な商業業務団地、それを信託に出して信託受益権を分割して処分する方法と、それから、小規模な住宅適地に建物を建てて建物つき土地の区分所有権を処分する方法、この二つの方法については現在その具体化が進められているところでございます。
 それから、先ほど私が答弁しました難工事推進事業の対象トンネルの問題でございますが、今平成元年のペーパーに載っておりました三トンネルだけだということで御答弁申し上げましたが、それは当面のことでございまして、三ルートにおきます他トンネルの取り扱いにつきましては今後また検討すべき問題であるかと思います。どうも失礼いたしました。
#351
○小渕(正)委員 先ほどから、地盤等についてのボーリング調査その他やられて選定したということでしたから、もう全線そういうものをやられた後だという理解で先ほどの答弁を理解したのですけれども、そういうことからいきますならば、まだ三ルートについてのそういった地質調査は全部やられていないということですか。
#352
○丹羽政府委員 三ルートにつきましてのいろいろなボーリング調査などは、現在までのところいろいろな形で行われております。その結果を踏まえて、現在選定いたしました難工事区間に該当するようなものがさらに出てくるかどうかという問題を今後検討するということでございます。
#353
○小渕(正)委員 国鉄清算事業団の方は、どなたかおられるでしょうか。
#354
○久間委員長代理 いないです。
#355
○小渕(正)委員 じゃ、先ほど午前中の質疑の中ででしたか、現在なお再就職された残りの、それぞれ事業団に在籍されている方が二千何百人とかいう数字がありましたが、その内訳を少し聞きたかったのです。これは質問項目には出しておったのですが、だれもおらぬですか。1おられたら、もう多くのことは申し上げません、ただ私が聞いているところでは、全体的な雇用情勢の中ではやはり非常に地域差がありまして、特に北海道や九州はまだまだ非常に雇用情勢が悪い状況でありますからどうしても困難だということで、そういうところに集中的に残られているのが特徴だと思うのです。ちょっと具体的な数字を知りたかったのですけれども……。
#356
○丹羽政府委員 先ほど清算事業団が御説明申し上げましたが、ことしの五月一日現在で再就職先の未定の方が二千六百八十九名おいででございます。この地域別内訳は、北海道が千三百七十六名、九州が千五十七名、あとは本州が二百五十名、四国が六名、こういうことで、全部足しますと二千六百八十九名、こういうことでございます。
#357
○小渕(正)委員 時間も参りましたので質問をやめますが、整備新幹線の問題は長年の懸案事項でありますし、非常に政治的な影響をいろいろ受けながら今日まで来たわけでありますが、一部には、とりあえずこういう形でスタートするにしましても、時の政治情勢の中で三線同時着工みたいな一つの方向が出ながらも、結果的にはまたそれが変わる可能性があるんじゃないかという、関係者の中にはそういう不安もございます。したがいまして、せっかくそれぞれの関係者の知恵を絞っての今回の新しいスタートですから、ひとつこの方針が揺るがないようにぜひ所管官庁としては頑張っていただきたいという要望、意見を申し上げまし
て、私の質問を終わります。
#358
○久間委員長代理 中路雅弘君。
#359
○中路委員 今回の法案は、整備新幹線を建設するための財源対策として提出されたものであると考えるわけですが、我が党は、新幹線の交通手段の近代化、また、これは技術革新の成果でありますし、地域住民の皆さんの利便を考えた場合に、歴史的な方向として、新幹線の整備に賛成の態度を政策でも明らかにしておりますけれども、今回の法案は、この新幹線法案に基づいた建設が本当に沿線住民の願うものであるかどうか、とりわけ財源の見通しについて大変問題を抱えた法案であると思います。そういう立場から幾つか御質問したいと思います。
 整備新幹線については、八二年の着工凍結が閣議決定されて、八七年一月にその凍結が解除された。それは、凍結理由の行革による財政支出抑制策を変更したということになるのか。これまで財源問題でも大蔵省は分割・民営化したJRに対して国費を投入することに難色を示していたわけですし、JRも二度にわたっていわゆる公共事業方式による新幹線建設を要望もしていたわけです。こうした経緯を考えて、今回のこの法案においてJRが五〇%負担となり国も負担するということになった経緯について、最初に簡単に御説明いただきたいと思います。
#360
○丹羽政府委員 整備新幹線の今回の決定に際しましては、まず六十三年の八月三十一日に、運輸省の規格案で建設費を半分以下に圧縮する、それと着工優先順位、そういったものを決定したわけでございます。その際は、まだ残された問題として具体的な財源措置について引き続き検討する、こういうことで考えられたわけでございます。
 その後、JRの負担割合につきましては、JR各社の経営に悪影響を及ぼさない、そういうことを大前提として、私企業としてのJRの性格とか従来の鉄道助成、国の民間企業への助成との均衡、そういったようなものを勘案しながら検討を進めました結果、まずは既設新幹線のリース料のJR各社への配分率の固定を前提といたしまして、その上での整備新幹線の貸付料と、それから新幹線保有機構において生じます既設新幹線のリース料の余剰、そういった二つのものを財源といたしまして、これによってJR負担の五〇%を確保する、そういう見通しを得たものでございます。この結果を踏まえまして、ことしの一月十七日に、先ほど来御説明しております財源措置がまとめられたものでございます。
#361
○中路委員 この法案による新幹線の建設というのは、昨年発表された運輸省案を実行するものと考えてよいのか。つまり、建設予定の三線はこの財源方式で行われるのか、それから着工の優先順位等について最初にお伺いしたいと思います。
#362
○丹羽政府委員 先ほど申し上げました昨年八月三十一日の決定で着工の優先順位ということを決めております。
 それで、その着工優先順位は次のような形で考えておりますが、その前提はいわゆる運輸省案、昨年の八月に私どもが提案いたしました既存の新幹線鉄道の規格を若干圧縮いたしました。その運輸省案を前提に決めておるわけでございます。
 その優先順位の内容を申し上げますと、まずは北陸新幹線、そのうち、高崎−軽井沢間、これは標準軌新線で行う。なお、軽井沢−長野間の取り扱いにつきましては、一九九八年冬季オリンピックの開催地問題、そういったもの等を考慮いたしまして三年以内に結論を得る、こういうことになっております。それから、その次が北陸新幹線の金沢−高岡間、これは新幹線規格新線、いわゆるスーパー特急でございます。その次が東北新幹線、次が九州新幹線、次が北陸新幹線の魚津−糸魚川間、これは新幹線規格新線ということで、いわゆるスーパー特急でございます。
 このうち、北陸新幹線の一番最初に出てまいりました高崎−軽井沢間の先の軽井沢−長野間、この取り扱いの問題でここに触れておりますのは運輸省案を前提とした案と、もう一つ既存のいわゆる標準軌新線で行うという案と、その二つの考え方がありまして、その取り扱いにつきまして結論が得られなかったので三年以内に結論を得る、こういう形になっております。
#363
○中路委員 財源の質問に入る前にもう一問、いまお話を聞いていたのでお伺いしますけれども、整備新幹線と言っても今お話しのようにミニ新幹線、スーパー特急、こういった組み合わせになつて、従来の新幹線とは相当違う、継ぎはぎ新幹線のような状況なんですね。今の全国新幹線鉄道整備法で新幹線の定義が第二条でありますけれども、「「新幹線鉄道」とは、その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と言っていますが、こうなりますと、この新幹線鉄道整備法ももう改正しなきゃいけないということになりますか。
#364
○丹羽政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますが、全国新幹線鉄道整備法上の新幹線鉄道の定義は、ただいま先生が御指摘になられたとおりでございます。
 それで、今私どもが先ほど来申し上げておりますいわゆる運輸省案の中に、ミニ新幹線とかスーパー特急とかという規格のものを考えておりますけれども、ミニ新幹線は最高速度は百三十キロメートル毎時、スーパー特急の方は最高速度は、これは投入する車両によって異なりますけれども、現在念頭に置いております車両性能でありますと百六十キロから二百キロ、そのぐらいのスピードが想定されております。したがいまして、これは必ずしも先ほどの法律上の定義に出てまいりました二百キロメートル毎時以上でその車両が走行するということにはならないものではないかと考えております。
 したがいまして、平成二年度以降の問題といたしまして、このミニ新幹線なりスーパー特急なりを使う区間に着工することが決定された場合には、先生の御指摘のとおりに全国新幹線鉄道整備法に関する立法措置の必要性について検討することとなると思います。
#365
○中路委員 財源についてお聞きしますけれども、最初に国の負担についてですが、NTTのB型の無利子貸し付けを充当することになっているわけですが、この資金を鉄建公団に無利子で貸し付けて、国が公団に貸付金に相当する金額を補助するということですが、このNTTの貸付制度は三年後、つまり一九九一年度限りで消えると思うのですが、その後どうするのか。運輸省当局では、所管の公共事業費で賄うということも出ていますけれども、港湾、航空、鉄道の公共事業費の枠内で膨大な新幹線の建設費用を充当することは現実性がないと思いますし、とりわけ運輸省所管の公共事業費は毎年マイナスシーリングですから、削減ということになれば到底この予算が合意を得ることはできないと思いますが、この国の負担についての見通しはどうなんですか。
#366
○丹羽政府委員 ただいま先生のお話のとおり、今回の考え方では、国の財源につきましては運輸省所管の公共事業に配分されるべき予算の一部を転用することとする、こういう考え方でございます。
 それで、ただいま決められているところは、平成元年度につきましてのNTT・Bの無利子貸し付けの五十億ということを計上されておりますが、平成二年度以降につきましては、そのときどきの予算の決着時の検討の結果で決めていくということになると思います。
#367
○中路委員 来年度は決まっているけれども、それから後の見通しは今そのときどきでという御答弁ですね。
 JRの五〇%の負担についてですが、これは先ほどから皆さん御質問されていますが、貸付料と交付金で五〇%。貸付料の問題ですけれども、整備新幹線の開業に伴う輸送量の増加分を新幹線保有機構に本来リース料として払うのを貸付料としてプールするということですけれども、本来ならばそのふえた分はJRが新幹線保有機構へリース料に加算をする。本来ならば既設新幹線を利用した利用者に還元あるいは債務の返還に充てるべきものだと思います。新幹線保有機構がJRと違う
業務は、保有する新幹線の鉄道施設をJRに貸し付ける業務が中心なわけですから、何かJRの負担というとJRが出すような錯覚になるわけですけれども、この財源は、先ほども出ていましたけれども、輸送量の増大を前提にしたものですが、これが狂った場合はこの財源そのものが非常に不安定になりますね。予測ですけれども、どういう予測を立てられておりますか。
#368
○丹羽政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、JR負担の五〇%は二つの要素から成っておりまして、そのうちの一つが開業する整備新幹線を経営する営業主体からの貸付料収入、こういうことでございます。これは今の考え方ですと、整備新幹線が建設されて開業する時点までにその内容を定めて、それで具体的な貸付料を決めてまいるというつもりでおりますので、それまでの間に慎重に、内容が客観的にできるだけ適合するような検討を将来続けていきたい、かように考えております。
#369
○中路委員 これも今の段階ではまだ予測の段階なんですね。
 交付金についてですけれども、新幹線保有機構が抱える、今平均七二%ぐらいですか、高金利の債務の一部を借りかえる、生まれる差益を財源としようというものですが、これも同僚議員からいろいろ質問されていますけれども、現在の低金利を前提としているわけですが、経済情勢の変化でこれも差が出てくる。既に今円安によるインフレ状況あるいは金利の値上げの方向も日銀当局から出ているわけですが、金利差がなくなったらどういう状況になりますか。
    〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
#370
○丹羽政府委員 これも先ほど来るる御説明申し上げておりますけれども、今回の交付金は、最近の低金利傾向によって債務償還のための所要額が減額する分だけ保有機構に生ずる余剰の一部を活用するものでありますけれども、一たん低金利で調達した効果というのは当分の間は持続するものと考えられるものですから、御指摘のような不安定な要素ということは少ないんではないかと考えております。
#371
○中路委員 繰り返しになりますけれども、しかし、今の交付金にしても貸付料にしても非常に不安定な財源であることは事実だと思うのですね、いずれにしても。確保できなかった場合は予測が非常に狂ってくるわけですね。大きな財源にしている交付金にしてもこの貸付金にしても、全く不安定な財源になっている。あるいは国の方のお金は、先ほどのように毎年毎年の予算でどうするかということを決める。長期の計画の中で、これではせいぜい軽井沢か長野あたりでとまってしまうのではないかという気もするのですが、大臣、この財源の問題、確信あるのですか。
#372
○佐藤国務大臣 御指摘のように、整備新幹線計画については、国土の均衡ある発展、地域の振興開発等に資するものとして、沿線地域の強い要望があったわけでございますが、他方、財源問題について慎重に検討する必要がある。こうしたところでもって、今回の財源措置等について結論を得たところでございますので、財源確保についても、幹線鉄道の高速化の必要性並びに国鉄改革及び行財政改革の趣旨を踏まえて着実な整備の推進を図っていくように最大限の努力を払うということでございます。
#373
○中路委員 余り確信がないような答弁なんですけれども、大変ずさんな、見通しがはっきりしない財源計画ではないかと思うのです。
 もう一つ大きい問題は、特に地方負担についてですね。ほぼ平均で一五%ということですけれども、ルート別の三線の地方負担の額は幾らになりますか。
#374
○丹羽政府委員 三線全体で約二千億円でございます。
#375
○中路委員 ルート別でちょっと教えてくれませんか。
#376
○丹羽政府委員 高崎−軽井沢間につきましては、工事の第一種、第二種、先ほどから御説明しておりますやり方でその負担を分けて、その詳細な数字が出てまいります。それで、高崎−軽井沢間についての地域の負担は一五%程度で、約二百九十億でございます。その他の区間につきましては、基本的には今のような国と地方の負担割合につきましての工事の精査が必要でございますので、そこの部分の計算は基本的には一概に出てこないわけでございますが、仮に今の一五%程度という形でその他の区間についても考えますと、ほかの区間につきましては千七百三十億、こういうことになるわけでございまして、合わせて約二千億ということでございます。
#377
○中路委員 県の負担あるいは関係市町村の負担額ですね、これは何か基準を設けられるのですか。あるいは市町村はそれぞれ任せるということですか。
#378
○丹羽政府委員 関係の県と県の間の負担割合の問題につきましては、先ほどの工事の種別ごとの計算をいたしまして、それでその工事費の割合で負担の割合を決める、こういうことでございますが、その一つの県内の問題につきましては、県と市町村の関係とかあるいは市町村同士の関係、そこはその関係の地域の中で御相談いただきまして決めていただく、こういうことでお願いしたいと思っております。
#379
○中路委員 今決まっています軽井沢−横川、これは群馬県と長野県と市町村については違うのですか、負担は。
#380
○丹羽政府委員 長野県につきましては、今現在、中で御相談をされているというように伺っております。群馬県につきましては、群馬県が負担するというお話を伺っております。
#381
○中路委員 建設総額が一兆三千八百億と言われていますけれども、これ以上ふくれることにはなりませんか。
#382
○丹羽政府委員 この建設費の問題につきましても、先ほど来御説明申し上げておりますけれども、現在計算しております建設費は、いろいろとその要素を長い間の調査の結果詰めた形で計算しておりますので、そんなに狂わないのではないかと考えております。
#383
○中路委員 東北、上越新幹線の場合を見ますと、建設費実績で東北で見ますと三・〇一倍ですね。上越で三・三九倍。インフレの部分を除く建設費でもそれぞれ一・三二倍あるいは一・五三倍ということになっていますけれども、これを見てもなかなか建設費が計画でおさまるという保証はないわけです。建設費が膨れると当然地方負担も増大すると思うのですが、ただでさえ財源が乏しい地方ですね。北陸、九州もそうだと思いますけれども、そうなると、こうした財源の非常に困難な地方にとって非常に過大な負担になると思いますが、この点の見通しはいかがですか。
#384
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたように、建設費の増加要素というのは極めて少ないのではないかと思っておりますが、さらに鉄建公団に対しまして、建設費の増高が出るということは関係者の負担がふえるということに当然なりますので、ここは建設費の増高がないようにしっかりやるようにということを今後とも適切に指導してまいりたいと思っております。
#385
○中路委員 これもしっかりやるようにということで確信的なあれじゃないんですね。次に在来線の特に廃止の問題ですが、北陸新幹線については、軽井沢−横川というのが廃止されることになりましたけれども、これはローカル線というんじゃなくて上越本線ですからね。本線を廃止する、ぶった切るわけですから、ローカル線並みになってしまうということになるのですが、御存じのように、この沿線の住民、自治体、非常に強い反対を今までしてこられました。私も、向こうの中心の松井田町の決起集会がありまして参加をしたのですが、校庭いっぱい、三千人ぐらいですか、お寺の住職から町の消防団は消防着のまま、全部出てくる。社会党の山口書記長もお見えになりましたし、中曽根さんの息子さんも、福田さんの弟さんですか、みんな出てきて絶対反対だということをぶっておられたんです。この地域は福田、中曽根、また小渕さんという大物政治家がおられ
るところですが、これだけ反対があっても意見が聞かれなかったということで、町長以下、私の部屋に来られたときも大変残念と言っておられたのです。その他の並行在来線もやはり切られるのではないかという不安も広がっているわけですが、並行在来線の全面的な見直しということは、この整備新幹線に伴ってこれから他の線についても行われるわけですか。
#386
○佐藤国務大臣 先ほども御質問がありましたように、国鉄の財政赤字のもとというのも、在来線のところに新幹線を敷いた。いわゆる新しい設備をつくる工場においては老朽の設備を廃棄するということが行われますが、同様な考え方というか、整備新幹線の建設に当たっては、こうした国鉄改革の趣旨にかんがみて、新幹線の開業によって著しく輸送状況が減少する並行在来線を維持するという過重な負担をJRに負わせてはならない、こうした考え方であのような決定をしたわけでございます。
 そこで、こうした考え方に基づいて、高崎−軽井沢以外のルートの並行在来線についても、JR各社の並行在来線の取り扱いについての経営判断を踏まえて、また、関係地方公共団体の意見を聞いて適切な結論を得る必要がある、かように考えております。
 なお、廃止が必要と判断された区間については、地域の足の確保ということで適切な代替交通機関の導入を図る必要があると考えております。
#387
○中路委員 地域の要望も聞いてということですが、この横川と軽井沢でも今まで挙げて反対なんですね、関係の県、市町村も。特に通勤通学者、私も現地へ行って聞きましたけれども、日常の足なんですね、在来線というのは。今度新幹線が通っても、その町は全部すっ飛ばすわけですから、やはり町としては過疎になっていく心配というのが当然あるわけです。
 そういう面でこれもお聞きしておきますけれども、既に廃止を決めておられる軽井沢−横川間、この問題についてはこれからどういうふうに進めていかれるのですか。
#388
○丹羽政府委員 まず、横川−軽井沢間の現状でございますけれども、現在、一日二万一千五百人、そのくらいの通過客でございますが、整備新幹線ができますと新幹線に転移する結果、これはJR東日本の推計でございますが、一日百七十人程度に落ちてしまう。こういうところでございまして、その上にここは急勾配区間でございますから、その維持のための経費というのは普通の区間よりも相当高くかかる。そういうことで、JRの試算によりますと十億円の赤字が発生する区間ということでございますので、今回の決定に当たりましては、ここは代替輸送を整備して廃止する、こういうことを決めたわけでございます。
 そこで、これからは関係者が代替輸送機関につきまして、関係者といいますのは私どもとJR東日本、それから群馬県、長野県、この四者でございますが、その関係者がこれから代替交通機関をいかに適切に決めていくかということの協議をしてまいる、こういうことを考えております。
#389
○中路委員 その他のところで、現在廃止の検討の対象になるという路線はありますか、具体的に。
#390
○丹羽政府委員 ただいま決定しておりますのは高崎−軽井沢間の着工ということでございますから、その他の区間の問題につきましては、その着工を決める段階で並行在来線の問題も同時に決着するべき問題ではないかと考えております。
#391
○中路委員 時間の関係で非常に大ざっぱな質問ですけれども、経営の見通しあるいは財源の見通し、これは大変問題がある。不安定な、本当に確保されるかどうかということもこの先明確でないこの法案自身が問題だと思いますし、また、地方にも非常に過重な負担がかかる。在来線の切り捨てというような、新幹線と引きかえに地方の代償というのも大変大きいと言わざるを得ないと私は思うのですね。そういう面でも、やはり新幹線の整備というのはもっと国が責任を持って、事実上の国有企業としての考えで進めていくのが当然ではないかということを私たちも痛切に感じるわけです。
 そういう立場から、私たちは、新幹線の整備そのものあるいは交通機関の進歩、そういうものに決して反対するわけではなくて、むしろ積極的に推進すべきだと思いますけれども、今回の法案については、こうした特に財源問題について、次の年からもう検討するというような、毎年毎年の検討で全く見通しがはっきりしていないという点でも、賛成するわけにいかないと思うのです。
 この点を述べておきまして、あとわずかの時間ですので、ちょっと別の問題ですけれども、社会党の戸田委員も御質問になった問題なんですが、私も現地に最近視察に行きまして、これは大変問題だと痛感したものですから、二、三間お尋ねしたいと思います。
 先ほど御質問にもありました仙台市の清算事業団の土地の譲渡の問題でありますが、経過については省略をしますけれども、国鉄用地の売却については、これは国有地並みに取り扱われてきているわけですし、仙台市の花京院というところの仙台駅に近い一等地の国鉄用地を、四十五億一千万で仙台の土地開発公社に随意契約で譲渡をされました。
 先ほども答弁にありましたから私の方からお話ししますけれども、契約が結ばれて、いろいろこの用途指定がされているわけです。その中で、後で御質問します東北電子計算機専門学校の予定のビル、もう開校していますけれども、これ以外は、一部の道路を除いてことしの九月までにこの契約したいろいろの建物は全部完成をするということが契約に述べられていますけれども、現在全く手がつけられていない、更地のままの状況です。
 私は一つ例に指摘しますけれども、この契約の中に、例えば厚生省所管の代替用地、県の福祉保険センターですけれども、この用地が入っています。宮城県へ行きまして直接県の担当者に聞いても、これは市が契約をする前に別のところにもう予定をしていまして、ここには行かないということでお断りしていると。だから、お断りしているところを契約の中に入れて、そして国鉄から払い下げてもらっている、これはもう詐欺に等しいですね、こういうことがやられれば。更地になっているのは当たり前なんです。これから話を詰めるといったって、もともとできっこないのです。それで、九月にはもう契約が切れる。契約ではこう書いてあるのです。指定用途に反する場合あるいは契約の期限が守られない場合は、契約の解除をして建物等の撤去と原状回復までいろいろこの契約で定めているのです。
 最初に清算事業団にお聞きしますけれども、こういう九月までの契約になっていますね。現状をどういうように認識されていますか。
#392
○前田参考人 今お話がございました花京院の土地は、国鉄時代に市に随意契約で譲ったところでございまして、その後この土地につきましては、公共事業の代替地、あるいは福祉的な施設をつくる、あるいは道路、公園等の用地にするということでお譲りしたところでございます。その後、御指摘のように時間がたってまいりまして、実際にはコンピューター関係の学校につきましては最近開校したようでございますが、実はこれにつきましても、その契約の中では、学校法人化を前提とした形でこういう学校のための施設をお譲りするということにしておりますので、この辺が御指摘のようにまだ法人化が行われていないというのが一つの実情でございます。
 それから、その他の用地につきましてはやはりこれも工事がまだできておりませんので、私どもといたしましても契約を履行していただくようにということで再三市の方にも照会を出しておりまして、現在詳しく報告をいただくことにいたしております。それを待ちまして私どもも必要な措置をとりたいと思っておりますが、コンピューターの方につきましては、法人化につきましてはいろいろ努力をされて近々法人化もできるんだという市のお話もございまして、私ども、改めて強く、可及的速やかに法人化をしていただきたいということで申し入れをしたところでございます。
#393
○中路委員 その学校については後でもう一問聞きますけれども、私がお聞きしているのは今の現状ですね。九月までに、指定したそういう公共の建物、施設を含めて完成するというのが契約なんですね。ことしの九月までなんです。現状は更地なんですから、今契約違反の現状になっているのはもう間違いないのです。しかもその中には私が言ったように、これは御存じなんですか、初めから契約に入っている県の福祉保険センター、県はそこにつくらないと言っているのです。市に断っているにもかかわらず契約の中に入れて皆さんと譲渡契約を結んでいる。こういうことまでやられているわけですから、今は契約に違反する現状にあるのではないか、そういう認識はどうかということと、この契約違反の現状の中で清算事業団としてどう対処されるのかということをお聞きしているのです。
#394
○前田参考人 まず、先ほどお話ございました厚生省関係の施設の代替地ということで、当初契約のときに具体的に施設の構想もいただいておりますので、市の方からいただきましたので、それを前提に当時契約したものでございます。
 それから、その後も市といろいろお話をしておりますが、市も県の方にお譲りするということで今話を詰めているところだというふうには協議の中でお話しをいただいておりますが、いずれにいたしましても、公式に見解をいただくように今市の方に再三申し入れておりまして、近く回答をいただくことになろうかと思います。
 それから、契約全体につきましては、契約してから三年間のうちに工事を完工するということも入っておりますので、その時間が着々と近づいておりますので、私どもとしても、現実はなかなか実際にはまだ工事も着工していないという事情もございますので、その辺の事情につきまして詳しく工事の進行状況等について今照会を出しているところでございまして、これを待って対処したいと考えております。
#395
○中路委員 何度も照会を出したのですが返事が来ないのですよ。それはうその契約だから、事実と違う契約だから、何度も照会出しても返事は来ませんよ。
 時間も限られていますから、さっきのコンピューター関係の教育施設ですが、これはお話のように法人化した学校ですね、これが契約にあるのですが、既に開校していても法人化していないのです。しかも、法人化できる見通しは全くないのですよ、私も現地で聞きましたけれども。それで、これはどういうことをやろうとしているかといいますと、新聞でも報道されていますけれども、同じ姉妹校みたいですね、・日本コンピュータ学園というのですか、これに寄附するというか譲渡する形で、そして法人化したんだということですり抜けようとしておるということは新聞等でも報道されているのですが、法人化をした学校をここに約束をされていて、法人化もしないまま開校をして、今三千人から学生がどんどん来ているのですが、これ自身が違反じゃないですか。今の現状自身が契約に反することなのでしょう。どうするのですか。
#396
○前田参考人 現在この学校がまだ法人化されてないということは大変遺憾なことでございまして、法人化を早く進めるように市の方を通じても督促しているところでございますが、法人化につきましては、法人化した学校の施設に供するということにしておりますので、その成り行きがどういう形で法人化されるかは別といたしまして、契約書上は、法人として設立された者が使う用地としてお譲りしたということにいたしております。
#397
○中路委員 契約違反をどんどん進めているのを後から追認していくような状態に今あるのですよ、皆さんがやっているのは。それで、すり抜けるのに日本コンピュータ学園に寄附する形で、一緒になる形で法人化をとろうとしておるのですが、この日本コンピュータ学園について、これがどういう学園かというのが最近一般のマスコミ、新聞等で出ていますから御存じだと思いますが、清算事業団は御存じですか。法人化しようとしている相手の日本コンピュータ学園というのはどういう学園かというのは御存じですか。
#398
○前田参考人 私どもは市の方がそういった目的にお使いになるということで土地をお譲りしておりますので、市の責任においてその辺、法人の実情等についてはよくお調べになっておられると思いますが、私ども実は直接詳細について、学校の実情については把握しておりません。
#399
○中路委員 これは新聞等でもたびたび出ていますけれども、この日本コンピュータ学園というのは二度にわたって宮城県から強い勧告を受けています。負債隠し、無資格の教員の問題ですね、これで一度改善勧告を出されて、今度は三月三十一日付で「学校法人の管理運営の改善勧告について」という勧告が宮城県から出されています。中身は省略しますけれども、勧告を持っていますが、管理運営状況だとか役員の選任方法、会計処理の再点検に至るまで厳しい勧告が出ているところです。こういうところと、今度は何とかここに寄附をしてそして法人化の格をとろうという形でやつているのが、今皆さんが法人化の学校といった中身なんですね。こういう違反を重ねながら、不当なことを重ねながら、それをどんどん追認していって、今度は、開校していっちゃったからこれをとめたら社会的な混乱が起きる、新聞ですと清算事業団はそういうことでしばらく推移を見る。これでは、国民の財産でしょう、国有地と同じですからね、その処理として私は大変けしからぬことだと思うのです。
 時間がありませんので、きょうは会計検査院が来ておられると思いますけれども、会計検査院、今簡単なやりとりで事情も御存じだと思いますが、国鉄の用地の譲渡に関する問題ですから、これから各地でもいろいろある問題ですね。その中で起きている一つの問題ですが、ぜひひとつ会計検査院としてもこの点については検査をしていただきたい。いかがですか。
#400
○岡村会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、旧国鉄及び国鉄清算事業団の土地売却はもとより、土地売却後の管理状況についても従来から慎重に検討してきたところでございますが、先生御指摘の趣旨を念頭に本件契約についても十分検討を加え、検査してまいりたいという考えでございます。
#401
○中路委員 最後にもう一度清算事業団にお聞きしますけれども、今、九月までだから市にどうするのかということの返事を待ってということですが、いずれにしても九月の契約には約束は守れない現状にあるわけです。市の返事を待ってというお話ですけれども、明白な契約の違反という事態になった場合、現状はそうなのですけれども、清算事業団としてこの問題についてどう対処を今後されるのか、最後にお聞きをしておきたいと思います。
#402
○前田参考人 ただいまのコンピューター関係の学校の法人化の問題、それからその他の工事の進捗の問題につきまして、強くその契約書に基づく履行を求めていきたいと思いますし、市の方に対しても、それが期日までに間に合わないことがないようにいろいろな手だてを講じていただく、助成措置をとっていただくということを強く要求しているところでございます。
 それからもう一つ期日の問題がございまして、これも契約書にのっとりまして、仮にその期日が延びるような事態があれば、当然市の方から具体的な事由を添えて申し出があると思いますので、それを詳細に検討して必要な措置をとりたいと思っておりますし、契約違反につきましては厳正に対処していきたいと思っております。
#403
○中路委員 整備法とちょっと離れましたけれども、終わりに質問させていただきました。時間ですので終わります。
#404
○小里委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#405
○小里委員長 これより討論に入るのでありますが、先ほどの理事会の協議により討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
 これより採決に入ります。
 日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#406
○小里委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#407
○小里委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、若林正俊君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます一新盛辰雄君。
#408
○新盛委員 ただいま議題となりました日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
 一 新幹線鉄道の整備に当たっては、今後とも、財源の確保に努め、円滑に施設整備を推進するとともに、難工事の取扱い等に当たっては適切かつ着実な資金配分を行うこと。
 二 日本国有鉄道清算事業団の再就職を必要とする職員については、再就職期限の近接に伴い、なお一層雇用の確保に万全を期すること。
 三 旅客鉄道株式会社及び貨物鉄道株式会社に対して、今後とも健全な労使慣行の維持発展を図るよう指導すること。
以上であります。
 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、今後の整備新幹線の円滑な整備を推進しようとするものであります。
 以上をもって本動議の説明を終わります。
#409
○小里委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 若林正俊君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#410
○小里委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤運輸大臣。
#411
○佐藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に体し、その実現に努力をしてまいる覚悟でございます。
    ―――――――――――――
#412
○小里委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#413
○小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#414
○小里委員長 次に、特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。佐藤運輸大臣。
    ―――――――――――――
 特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正す
  る法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#415
○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました特定船舶製造業安定事業協会法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 我が国造船業は、第一次石油危機以降、長期にわたる構造不況に見舞われ、この間二度にわたる過剰設備の処理、企業の集約等の措置を講ずることによりその不況の克服及び経営の安定を図ってまいりました。しかし、その一方で、船舶技術の高度化を促進するための研究開発投資が停滞したため、将来における我が国造船業の活力の低下が強く懸念される状況ともなっております。したがってこのような中で我が国造船業が、今後とも基幹的な産業として健全な発展を遂げていくためには、その経営の安定とともに船舶技術の高度化を図っていくことが重要な課題となっております。また、船舶技術の高度化は、多様化、高度化しつつある輸送ニーズにこたえることにより海上輸送の高度化にも大きく寄与することが期待されるものであります。
 一方、これら船舶技術の高度化のための研究開発は、多額の資金を必要としますが、研究開発に伴う多大のリスクの負担、長期にわたる不況の影響による経営状況の悪化等を考慮いたしますと、民間の自主努力だけではその円滑な推進が困難な状況となっております。
 本法律案は、以上のような情勢を踏まえ、特定船舶製造業安定事業協会の業務に、新たに、民間において行われる船舶、船舶用機関等に関する技術開発を促進するための業務等を追加することにより、造船業における経営の安定と技術の高度化のための基盤の整備を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、協会の名称を造船業基盤整備事業協会に改めるとともに、法の目的を「造船に関する事業における経営の安定及び技術の高度化のための基盤の整備を図ること」に改めることとしております。
 第二に、協会の業務として、新たに民間が行う船舶、船舶用機関及び船舶用品の製造及び修繕に関する技術のうち、造船に関する事業における経営の安定及び技術の高度化に寄与する試験研究につき、それに必要な資金の助成及び当該資金の借り入れに係る債務の保証等の業務を追加することとしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#416
○小里委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時二十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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