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1988/06/15 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 農林水産委員会 第9号
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1988/06/15 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第114回国会 農林水産委員会 第9号
平成元年六月十五日(木曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 近藤 元次君
   理事 笹山 登生君 理事 杉浦 正健君
   理事 保利 耕輔君 理事 松田 九郎君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 串原 義直君
   理事 水谷  弘君 理事 滝沢 幸助君
      阿部 文男君    石破  茂君
      衛藤征士郎君    小川  元君
      大石 千八君    岡島 正之君
      川崎 二郎君    菊池福治郎君
      小坂善太郎君    田邉 國男君
      武部  勤君    玉沢徳一郎君
      二階 俊博君    鳩山由紀夫君
      二田 孝治君   三ッ林弥太郎君
      宮里 松正君    谷津 義男君
      山口 敏夫君    五十嵐広三君
      石橋 大吉君    小川 国彦君
      沢藤礼次郎君    田中 恒利君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      前島 秀行君    武田 一夫君
      藤原 房雄君    吉浦 忠治君
      北橋 健治君    藤田 スミ君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  堀之内久男君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       中川 昭一君
        農林水産大臣官
        房長      浜口 義曠君
        農林水産省構造
        改善局長    松山 光治君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    吉國  隆君
        食糧庁長官   甕   滋君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第三
        課長      大村 厚至君
        建設省都市局公 曾田ひさ嗣君
        農林水産委員会
        調査室長    青木 敏也君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十五日
 辞任         補欠選任
  菊池福治郎君     小川  元君
  原田  憲君     岡島 正之君
  保岡 興治君     二階 俊博君
  五十嵐広三君     小川 国彦君
  石橋 大吉君     辻  一彦君
  永末 英一君     北橋 健治君
同日
 辞任         補欠選任
  小川  元君     菊池福治郎君
  岡島 正之君     原田  憲君
  二階 俊博君     保岡 興治君
  小川 国彦君     五十嵐広三君
  辻  一彦君     石橋 大吉君
  北橋 健治君     永末 英一君
    ―――――――――――――
六月十五日
 北総東部用水事業の農家負担軽減に関する請願
 (藤田スミ君紹介)(第二八五七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農用地利用増進法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五七号)
 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関す
 る法律案(内閣提出第五八号)
     ――――◇―――――
#2
○近藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農用地利用増進法の一部を改正する法律案及び特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
#3
○串原委員 今日の政治不信、とりわけ農政不信というのはその極にあると言ってもいいくらいだと実は私は受けとめているところであります。ここに至りますまでの責任、私は、政府の責任は大きい、そしてまた政権政党である自民党の責任もいささか大きい、こういうふうに考えているところであります。このまま推移いたしますならば、我が国の農業はいよいよ崩壊をするということになっていって、食糧自給度はますます低下をいたしまして、取り返しのつかない事態を招いていくのではないか、こう憂慮にたえない次第であります。
 期待を担って新しく就任をされました堀之内農林大臣、今日のこの深刻と言ってもいい農政不信、これをどう受けとめていらっしゃいますか。
#4
○堀之内国務大臣 最近牛肉・かんきつ及び農産物十二品目の輸入自由化措置の決定等をめぐりまして農民の農政に対する批判があるということは、十分承知をいたしております。
 この輸入自由化措置の決定は、御承知のとおり我が国の農産物の輸入数量制限がガット規則に違反しているとされたことを背景といたしまして、ぎりぎりの選択を行ったものであります。農産物自由化に伴う国内対策につきましては、我が国農業の存立を守りその体質強化を図るために、昨年十二月に成立を見ました畜産二法や各品目の実態等を踏まえまして、生産、流通等の各般にわたるきめ細やかな対策により、万全を期しているところであります。
 今後の農政の推進に当たっては、さきの農政審報告でも明らかにされておるとおり、より一層の生産性の向上を進め、国内での基本的な食糧供給力の確保を図りつつ農業経営の安定を確保するとともに、国民の理解し得る価格での食糧の安定供給に努めることを基本といたしまして、諸般の施策を強力に展開してまいる所存であります。
 なお、その際には、農業者がみずからの生産活動に誇りと将来への展望を持てるような、わかりやすい農政をすることを旨といたしまして、政策の内容を十分説明し、農業者に信頼される農政を確立するよう心がけてまいりたいと考えております。
#5
○串原委員 大臣、これは新聞各紙にも載っておりましたところですけれども、信濃毎日新聞というのがあります。その農林大臣インタビューの記事を引用させてもらって伺うのでありますが、このインタビューの中身については今も御答弁の中に実はちょっと含まれておりました。だから触れますけれども、こういうふうに大臣は言っているのですね。「私は地元へよく帰り、そこで、自由化対策を説明した。所得保証など手厚い施策を話すと、影響はそれほど大きくはないと分かってくれた。十分な対策を政府がとる、と知らせていないのは政治家の怠慢だ。」こう言っているのであります。大臣は今、農民各位に説明をしなければならぬという意味のことも言われました。それとこのインタビューの意見と一致するのでございましょうが、私は政治家が農民各位に説明不足程度の事態ではないと実は思っているのですよ。これは大臣、同感でございましょう。そう思いますよ。いかがですか。
#6
○堀之内国務大臣 自由貿易の西側の陣営の一員として一番その恩恵を受けているのは我が国なんです。したがって、私どもはこれからも日本の国際化ということは避けで通れない実態である、まずこういう環境から説明を申し上げておるわけです。したがって、その中で我々は守れるものは精いっぱい今日までも、特に農産物は、限られた国土の中でありますから、到底国際化と言われても日本の農業というものは世界の農産物に対抗できる体制にはないということは十分説明をいたしておるわけです。しかし、そうであっても、何としても我が国だけでこれを保護しようといたしましても、世界的には自由貿易としてガット規定というのがあるわけでありまして、この中で提訴されていろいろと世界的な各国の判定が出れば、これに従わざるを得ない。これを脱退ということになれば、現在の日本の自由貿易体制というものが崩壊するわけです。そういうような背景を説明しながら、その中で私どもはやはり十二品目の問題を、ガット違反という裁定に対してぎりぎりの線でのまざるを得なかった。そののまざるを得ない、違反だとされた中でも日本の立場、主張というものを十分意を尽くして、各国の理解を求めて、そしてぎりぎりの線でこの裁定に従った、そのためにいろいろな国際対策をこうしてやってきた、こういうふうな説明をいたしております。特にまた、牛肉・かんきつ等についても、これをガットの場で裁定を受ければ国内にとって大変なマイナスになるであろう、そこで二国間において最大限の条件を獲得しながら二国間でこれを決定する方が日本の農業のためによりベターだ、そう思いながらこの牛肉・かんきつの自由化に踏み切った、こういう説明をいたしておるところであります。
 したがって、ただやぶから棒に自由化されたからやむを得ず自由化したというのではなくて、日本の全体のこうした国際的な立場あるいは日本の現在の自由貿易体制、そういう大枠の中の説明をしないと、ただその一点だけでは御理解を得ないと思います。したがって我々はそれなりに畜産にしましてもかんきつにいたしましても、あるいは特定農産物加工にいたしましても、先日当委員会で衆議院を通していただきましたが、このような対策を十分しながら、あるいはまた税制、金融面でもこのような対策を行っている、そうした打撃を少しでも和らげる方向でやっておるということを説明申し上げて御理解を得つつあるわけであります。
 先生のように非常に御熱心に農政に携わっておる方々と、同じ国会議員の中でも十分そういう対策を承知しておられる方と、まだまだ十分それが足らない方もいらっしゃると私は思っております。我が自民党にいたしましても農林族とか、あるいは文教族と言われますように、やはりそれなりに専門的に勉強されておられる地域は相当説明をいただいておると私は思っております。したがって、そういう説明不足というか、理解によってある程度不信を抱いていらっしゃる方も、私の地域でも十分説明して初めて理解を得られたということも承知をいたしております。そして、これからの将来に対してまた非常に不安を持っておられる、そのことに対しては、特に米なんかに大きな関心を持っておられますが、今までの農産物は地域的な農産物が多いわけです。ところが、米ということになりますと日本全土の問題であるし、そして主食である、農業の基幹作物である、こういうことを考えるとほかの作物と同じようにはいかないということも十分説明をいたしておるところでありますので、そういうことを逐一説明しながら御理解を得ていきたいと思っております。
    〔委員長退席、笹山委員長代理着席〕
#7
○串原委員 大臣、説明不足であったということを私は一〇〇%は否定しませんよ。それは大臣が言われるように説明不足の点もあったでございましょう。それは若干あったでございましょうけれども、基本は、例えば牛肉・オレンジの自由化問題に例えますならば、牛肉・オレンジの自由化はいたしません、政府、大臣はこう言ってきた。私は何度もこの委員会で、前大臣にも、牛肉・オレンジの自由化はいたしませんか、困難でありますと。困難という言葉は日本語としては難しい表現だけれども、しないということですかと念を押しましたら、困難というのは自由化しないということでございます、こういうことで何回もこの委員会で私は大臣から答弁をいただいてきた。農民もそのつもりでいた。しかし、しないしない、自由化はいたしませんと言っておりながら結局は結論は自由化になってしまった。ただいま大臣の御答弁をいただいたような経過の中で自由化になってしまった。これは大変なことだというので、そういうところに今の農民の農政不信というものの大きさがある。これを理解しなければいけない、こう思うのですけれども、大臣、いかがですか。
#8
○堀之内国務大臣 今、委員、御指摘のとおりであります。我々も絶対に自由化はいたしませんと言って叫んでまいりました。しかし、このことはやはり我が与党、政府一体となって頑張ってまいったことは御承知のとおりです。三回も渡米をし、そして大きなトラブル等も起こしながらもアメリカ政府の理解を得るために最大の努力をしてまいったわけでありますが、しかしどうしてもアメリカ政府の理解を得るに至らず、そしてまた私どもの日本の今後の畜産情勢に対応する対策というものもある程度の目鼻というか見通しというものが得られる、こういう方向を見出すことができましたので、やむを得ず牛肉・かんきつについての自由化に応じた、こういうのがそのときの経過であります。したがって、先般畜産二法等も成立を図らせていただきました。今までの畜産物価格安定法よりは今日の二法の成立によって畜産農家に対する、特に肉用牛農家に対する対策というものは今まで以上に強固なものにされたと私どもは理解をいたしております。
 もう一つのかんきつは、私の地域もこのかんきつが非常に多いわけでありますが、現実には今のミカンの消費というものは嗜好が非常に変わってきておるわけですね。今から十年前と最近の数年は全然嗜好が変わってきております。というのは、新しい作物としてはイチゴとかあるいはメロンというのが急激に伸びてきておるわけです。一時は最高三百六十万トンも食べておったミカンというものが年ごとにだんだん消費が減りまして、これはもうオレンジを自由化しなくても現実に消費が減りました。一時はミカン園というものは十七万ヘクタールあったものを十万五千ヘクタールまで伐採をし、あるいはまたほかのものに転換を奨励してきたわけです。それでもまだ過剰な状態である。というのは、これはやはり新しい作物のメロンあるいはイチゴ、そういう嗜好というものが出てきた。いわゆる国内産の果物同士の競争品目が出てきた。これがかんきつを非常に不振にした大きなゆえんだと思っております。そのようなことを十分説明いたしますと、かんきつ農家の皆さんもそう言われればそうだと、実際に自分の家庭で皆さんが食べないのですから。現実に私のところでも数年前から、温州ミカンのおくて系は十二月前後になりますと全く市場価値が出てこない。こういう状態がもう数年前から出てきておるわけです。したがって、こういう自由化対策という時期を利用しまして新たな転換対策をすることがかんきつ農家のためによりベターである、こういうことを指導いたしておるところであります。
 したがって、今委員が御指摘になった、牛肉・かんきつを自由化しないと言ったことに対してこれを自由化したから不信が起こったということですが、これも私は十分そのとおり肯定します。否定はいたしません。しかし、それは今申し上げたような背景を十分説明いたしますと、私の地域では大体御理解をいただいておるというように考えております。そのようなことが、あれだけ自由化しないと言ったことが次の米とかあるいはほかのものに波及するのではないかという不安あるいは不信、これがあるわけです。このことについては当委員会でも私がたびたび御答弁申し上げているようなことで今後何とか信頼回復に努めてまいりたい、こういうように思っております。
#9
○串原委員 大臣、適切な表現かどうかわかりませんけれども、大きなけがをしてから包帯をする、手当てをするということでは、これは前向きじゃないのですね。やむを得なかったから自由化になった、自由化にせざるを得なかった、自由化になったから事後対策をこれとこれとこれとやっておりますということはけがに対する処置に等しい、私はこう理解をしておるわけでございます。やらないことはやらない、やらないということは国益のために何としてもやらない、ここのところが政治の柱でなければならぬ、こう思っているところです。
 今大臣はたまたま触れてくださいましたけれども、あえてこの点については、重大なことですから改めて伺うわけでございますが、その立場に立ってこの米問題、これはもう生産者団体、生産者ともに絶対に市場開放してもらっては困る、反対である、これは大臣御承知のとおりです。
 それから、実は「国民の食料を守り、農業を再建する行動委員会」、こういう組織がございますが、これらの皆さんが「食と緑、農林業に関する国民調査」をされたようです。一万余人の皆さんの世論調査をやった。生産者が四〇%、非農業者が六〇%の割合でされたと言われておりますが、その皆さんからも、七五・五%が米の市場開放だけはやってもらっては困る、こういう圧倒的多数が市場開放反対という答えを出したそうであります。これは大きな答えだろう、思いだろう、こういうふうに私は思っているわけであります。言うならば、生産者、消費者、ほとんどの皆さんが市場開放反対という立場での国民のコンセンサスを得ているものであるというふうに言っても言い過ぎではない、私はこういう理解をしているところでございます。先ほど申し上げましたように、やらないことはやらない、自由化はいたしませんということで、牛肉・オレンジは残念ながら自由化になってしまったけれども、あの轍は絶対に踏みません、大臣、これはきちっと政府の方針としてこの機会に改めて確認をいただけますか、いかがでしょう。
#10
○堀之内国務大臣 米の開放等についてのお尋ねでありますが、このことはたびたび御答弁申し上げておりますように、米は日本国民の主食であり、かつ我が国農業の基幹をなすものであります。米に対しましては、ただいま御指摘ありましたように、特殊な国民感情というものがあることも十分承知をいたしております。これは生産者、消費者を問わず、国民全体のコンセンサスがある、私もそのように理解をいたしております。また、水田稲作は国土や自然環境の保全あるいはまた日本文化の源泉をなしておる、こう申し上げても過言ではありません。そして、地域経済上不可欠の役割を果たしております。このような米及び稲作の重要性にかんがみまして、国会における決議等の趣旨を体し、今後も国内産で自給するという基本的な方針でまいりたいと考えております。
 先ほど御指摘ありましたように、牛肉・かんきっというその他の農産物とは特殊な立場にあり、趣を異にしておるということを十分承知いたしておるつもりであります。
#11
○串原委員 大臣、いま一度あえて伺っておきますが、この部分的な輸入、こういう表現といいますか、手法もございますね。部分的な輸入ということを承知をいたしますと、これは全面開放につながるという心配を私は持ちますね。したがいまして、今大臣の御答弁をいただいた中でいま一つ気になりますことは、部分的輸入もしない――このことを明確にしてもらいたい、いかがでしょう。
#12
○堀之内国務大臣 ただいま委員の御指摘のとおりでありまして、部分的な輸入ということは全体の開放につながることでありますので、現在の制度をそのまま守っていく、こういうことであります。
#13
○串原委員 それでは、農地改正法に非常に基本的な関連もありますから、米価対策についてこの際伺っておきます。
 昨年の米価決定のときに、つまり今年、一・五ヘクタール以上の規模の米づくり農家を対象にして米価を決めるということで、昨日あたりは自民党と政府の間でと、こういう話がございまして、関係者の間で確認されたということを聞いておりますけれども、この事実関係はどういうことであったのでございましょうか。
#14
○甕政府委員 ただいまお話ございましたように、昨年の米価決定に当たりましては、算定方式についての米価審議会の報告を踏まえまして、政府といたしましては生産性の高い稲作の担い手層に焦点を置きますとともに、需給調整機能を重視した新しい算定方式に基づいて算定を行うべく調整を図ったところでございます。しかしながら、諸般の情勢から新算定方式については昨年はこれを使わずに、本年産米から適用するということにされたわけでございまして、その旨政府・与党において確認をした、こういう経緯がございます。
#15
○串原委員 米づくり一・五ヘクタール以上の平均作付面積は二・六ヘクタールになるんだ、こういうふうに言われております。つまり二・六ヘクタール以下の農家はコストが償わないということになるわけでありますが、あえて一・五ヘクタール以上の層を対象とした理由、根拠、基本的な考え方を農民に理解をされるようにこの際明確にしておいてもらいたい。ある角度からいいますならば、水田の場合一・五以下の米づくり農家をもう切り捨てるのか、考えないのか、こういう受けとめ方もあるわけですね。この受けとめ方が農家の間に広く浸透するとするならば、農地の規模拡大等々の今回の法改正の方向についてもいささかの影響をもたらすものというふうに私は受けとめている。これは大事なところなんですよ。農家の皆さんになるほどなと納得のいける解説をここでしていただけませんか。
#16
○甕政府委員 御指摘の点は大変重要な点かと思います。そこで、余り長くならない程度に私どもの考え方をちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 米をめぐる現在の状況、基本認識でございますけれども、依然として過剰基調にございます。また、ただいま委員も御論議のとおり市場開放要請が海外からもある。こういった中で、米の自給方針について国民の理解と支持を得ていかなければいけない。また、稲作の将来展望のためにも、稲作の生産性の一層の向上を図りまして、経営の安定を図りながら国民の理解のいく価格で安定供給を図っていかなければいけない、こういうのが基本的な状況として私ども認識をしておかなければならないと思います。こういった中での米価政策でございますけれども、生産者が腰を据えて、将来を見通しながら生産にいそしんでいただくというためにも、米価の算定というのはよりわかりやすく、また国民にもよりわかりやすくしていかなければならないという点が基本かと思います。
 ところで、現在の生産者米価の算定方式は生産費を基礎といたしますが、委員も御承知のとおり必要量比率、必要量方式ということでやっておりますが、これで申しますと、考え方としてその中には農業に依存しないで生計が立てられる農家も算定対象になる、生産性の向上が反映されないといった点で問題があるということでございますとか、対象農家のとり方の面でわかりにくい、こういったような批判がこれまでもあるわけでございます。そこで、生産費所得補償方式を今後とも継続してやっていくとしますと、これから生産性の高い農家らしい農家が稲作の相当部分を担うようにしていかなければならない、そういう必要があるという観点から、稲作の担い手層が実現している生産費を基礎にしまして米価を算定することが適当ではないかと考えられるわけでございます。
 そういった観点から、米価の算定対象農家は、生産性が比較的高く規模拡大の意欲がありますとか、相当の労働時間を稲作に投入しているということでありますとか、農家経済面においても相当程度稲作収入に依存している、こういった点でありますとか、機械利用の観点から見てもその経済性が実現し得るというような総合的な面から見まして、当面一・五ヘクタール以上層の農家あるいは生産組織・集団、こういったいわゆる担い手層がその対象とされることが適当であろう。そういった担い手層の生産費を償い所得を補償するということで価格を算定することが適当ではないかということでございます。
 なお、その一・五ヘクタール以上の農家が非常に少数ではないかといった御批判があるのも聞いておりますが、例えばその一・五ヘクタール以上の農家層の販売数量のシェアは、六十二年産米で四二%ということでございます。また、一・五ヘクタール未満の農家でありましても一・五ヘクタール以上層に匹敵する生産性を実現している農家も実は多数あるわけでございまして、こういった農家の販売数量のシェアは一一%という状況でございます。また、先ほど申し上げました稲作の現実の担い手になっております生産組織・集団、こういった方々の販売数量シェアは二割強と見込まれるということからいたしますと、一部重複があるかもしれませんが、販売数量のシェアはこの算定方式でやりました場合に全体の二分の一から四分の三に達すると見込まれるところでございまして、販売の大半をカバーし得るものではないかというふうに思われるわけでございます。
 なお、一・五ヘクタールという数字が出たことによりましてそれ以下の農家を差別と申しますか無視するということにならないのか、こういう御注意もあるわけでございます。これは価格算定対象の農家を選ぶ際に、一・五ヘクタール、こういう階層に着目をするということでございまして、それ以外の方々でも農業政策で決められました米価によって米を買い入れるということは当然でございまして、それ以外の方々を差別するあるいは無視する、こういうことを考えておるわけではございません。
 稲作の担い手像といたしましては、この委員会でも御論議がありますように、地域の立地条件ですとか経営形態等によってさまざまなものがあるわけでございますけれども、価格政策といたしますと全国的視点から一定の作付規模に着目せざるを得ないということがございますので、その辺は御理解をいただきたいと考えておるところでございます。したがいまして、それぞれの農家におかれまして、規模拡大あるいは地域の条件によりまして生産組織・集団にまとまってコストダウンの努力を図っていただくという方向を生産対策あるいは構造政策の中におきましても今後進めていかなければならない点でございますし、価格政策におきましてもそれに沿った考え方でこの算定を行っていく必要があると思っておるところでございます。
#17
○串原委員 長官、私は、ただいま御説明をいただきました一・五ヘクタール以上層を対象にしていこうとする基本的な考え方、私も理解できないけれども、ほとんどの農家の皆さんもあなたの説明でなるほどなと胸に落ちないだろうと思う。つまり、一・五ヘクタール以上層をこの際考えるといたしまして、仮に将来、米価の問題、規模拡大の問題、採算性の問題、価格の問題等と関連して、いやいや一・五ヘクタールはちょっと小さ過ぎる、三ヘクタール以上、五ヘクタール以上を対象にすべきだという議論につながっていく危険性がある、こういう理解に達しますから、私は今のあなたの説明では納得できない、理解できない。
 例えば、私は長野県であります。長野県は日本の中間に位するというようなことで、農業地帯としてはまあまあ平均的な農業県と言ってもいいだろうと思っていますが、細かい数字はここで挙げませんけれども、長野県の場合、一・五ヘクタール以上の農家ということになりますと、長官、たった一%なんですよ。長野県全体で一%しかないのですよ。しかし、残されたといいますか、あとの九九%の米づくり農家、規模は一・五ヘクタール以下である、それらの皆さんが営々と汗を流して米をつくって国民の皆さんに米を提供されている、こういうことなんですね。私は、長野県が例として一番適当だということを申し上げるのではないけれども、まあまあ平均的な日本の中における農業県としての長野、それでも米づくり農家一・五ヘクタール以上ということになると一%しかない。こういうことになっていきますと、日本全体はもちろんだけれども、我が長野県の中でも何で一・五ヘクタールなんだ、こういう意見が出てくるわけですね。長官、これは矛盾だと思いませんか。矛盾だかどうか、ちょっとその辺を御答弁ください。矛盾じゃないというならなくて結構です。
#18
○甕政府委員 一・五ヘクタールというのがひとり歩きをしているのではないかという点、危惧を持つわけでございますが、私ども担い手層の生産費を償い所得が補償される、こういうのが基本でございまして、その担い手層として何を考えるかという論議があるわけでございます。その論議といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたが、農業生産の上でも農家経営の上でも農業技術の上でも担い手層ということになりますと、実はもっと高い層を想定せざるを得ないけれども、そういったところに発展していく可能性があるというところまで着目いたしますと、一・五ヘクタール程度の規模を最低限として考えるべきであろう。先ほど申し上げましたが、これは販売数量のシェアで申しますと四割強ということでございます。戸数で申しますと全国で一割強という数字でございます。
 ただ、そういった個別農家だけではなくて、最近は生産組織集団というものにより小さな方々も含めてまとまって生産をやっておられるというのが稲作の実態でございます。大体全農家の三分の一から二分の一程度はそういった生産組織に、濃淡はございますけれども、参加をして稲作をやっておられるということでございます。長野県の場合をお触れになりましたけれども、これは生産組織集団という点では、全国平均よりもかなり高いレベルで生産組織集団による稲作が行われている、こういうこともございます。
 そこで、その一・五ヘクタール以上という階層の生産費のほかに生産組織集団の生産費もとりまして算定をしていくのが本来であろうかと思います。ところが、私ども、生産組織集団の実態が各地域によってさまざまでございますし発展途上にある、こういうこともございまして、具体的なもろもろのデータはございますけれども、生産費についての統一的なデータが残念ながらございません。そこで、この点につきましては、そういうことではいけませんので、統計情報部の方にお願いをいたしまして、生産組織集団の生産費についても検討をしていただく、また若干年数はかかりますけれどもその生産費調査を行う、こういう方針で今対処していただいているところでございまして、一・五ヘクタール以上層はもちろんでありますが、行く行くは生産組織集団の生産費も当然その中に加えまして算定していく姿が描かれるわけであろうと思います。ただ、一・五ヘクタール以上層の生産費をとることによりまして、生産組織集団の生産費の事例的なものもまたあわせ考えることによりまして、この担い手層の生産費あるいは所得というものに着目をした算定方式というものを進めていくのがやはり適当ではないか、こういう考え方を持っておるところでございます。
#19
○串原委員 私はこの一・五ヘクタール以上層を対象にしていくという考え方は了解できない。賛成できない。しかし、この点だけできよう時間をとるわけにいきませんから、米価問題でまた委員会が開かれるでしょうから、その際に深めてまいりたいと思っておりますが、一言だけ触れておきますけれども、それでは、一・五ヘクタール以上層という去年の考え方を今年度の米価算定の際には適用するということなんですか。
#20
○甕政府委員 先ほど申し上げましたように、昨年の重い経過がございますので、私どもはその経過を踏まえて算定に当たってまいりたいと思っております。
#21
○串原委員 先ほど申し上げましたように、私はその算定方式は了解できない、反対である。機会を見てまた議論を深めてまいりたいと思います。
 そこで、大臣に伺うわけでありますが、このところ農政審の小委員会の答申もございました。それにも関連をいたしますから大臣の所信を伺っておきたいのでございます。
 過般、経済同友会、経団連が米問題に関する方針を提言されました。時間がかかってはいけませんけれども、急いで申し上げますと、経済同友会は、生産コストを五年以内に半分に減らす、食管制度は現行制度を抜本改革して流通ルート、検査制度を自由化、民営化する、こういうふうに提言している。経団連は、生産コストを中長期的には輸入価格水準程度に引き下げる、食管制度は現行制度枠内で自主流通の比率を拡大して五年以内に米の流通は自由化する、こういうふうに提言しているのです。
 私はこれは何とも理解できないのでございます。つまり、農村の現状あるいは農民の暮らし、土は生きております、こういうことを痛いほど承知しております立場から申し上げますと、この提言はどこでどう検討されたのか、いささか現実と離れ過ぎているなという感を私は持つ。これは大事なところですから、この経済同友会と経団連の提言をどう受けとめますか、大臣の所信を承っておきます。
#22
○堀之内国務大臣 ただいま委員が御指摘になりましたように、先般、経済同友会あるいは経団連の方でそうした団体の一つの提言としてそういうものがなされたということは承知いたしておりますが、これは全く非現実的であります。これは農業というものを理解しない方々の、装置産業で二十四時間ずっと操業できる皆さん方から見ればそうしたことがあるいはできるかもしれませんが、この委員会でたびたび答弁申し上げておりますように、米は日本国民の主食である、そして農業の基本であります。そういう中で稲作農業が日本の国土あるいは自然環境というものに対し非常に大きな役割を果たしておるという、いわゆる農業の多面的な役割を無視した意見だと私は思っております。
 今この狭い国土で幾ら合理化、近代化をやりましても、国際価格に寄せつけるということは不可能でございます。しかし、我々は精いっぱいの努力をしながら価格の低減には努力はしてまいります。そして、国民の理解を得るような方向で農産物、食糧を安定的に供給していくという大きな責任は果たしていきたいと思っております。したがって、こういう農業、林業、水産業が果たす多面的な役割に対して経済同友会、経団連の皆さんが一つも評価を与えていないという暴言だと私は思っております。したがいまして、そうした団体の意見はこれからもほとんど考慮する必要はない、かように私は考えております。そのためには、私どもは、農政審議会等においていろいろと現実的な提言をいただきながら、今後とも農政は確実に進めていく、こういうふうに思います。特にこれからの農産物提供に当たりましては、価格面ばかりを強調いたしますが、国民が望んでおりますのは良質で安全で衛生な食糧、これを期待しておると私は思っております。それは価格も安いにこしたことはありませんが、国民の大多数は農村の実態あるいは日本の置かれている農林水産業の実情というものを十分承知いただいていると私は考えておりますので、委員と全く同じような気持ちでこれからも農政は進めてまいります。
#23
○串原委員 先ほど申し上げましたように、農政審の答申が過般ございまして、これに関連した質疑は改めた機会にさせていただきたいと私は思っております。しかし、その中できょう一言だけ確認しておきたいのでありますが、大臣に考え方を伺います。この答申の中にこういう表現があります。今後の米管理の方向として「生産者及び流通業者の自主性が発揮され、需要に対応した生産・流通が行われるよう、」ここが重要なところです、「市場原理がより活かされる仕組みとしていく」べきことを示しております。これは大事なところだというふうに思っておりますが、一部ではそう遠くない将来において米市場開設を望むという声もあるやに聞いているわけでございます。これらの今申し上げた提言が将来の米市場開設等々につながるということではいかがかというふうに私は思っているのでございますが、大臣の考え方をこの際伺っておきたいと思います。
#24
○甕政府委員 ただいま農政審の答申についてというお話でございましたが、農政審の小委員会におきまして六十二年二月以降二年余り検討の上取りまとめられた報告のことかと思います。
 この報告は、現在米の生産、流通、消費をめぐります状況が大きく変化する中で、当面の諸問題に的確に対応していかなければいけないといった問題意識から、制度の基本的役割は維持しながら所要の改善を加えていく、市場原理がより生かされる仕組みとしていくということで、今後の米政策及び米管理についての方向づけを行ったものと受けとめております。その中で、価格形成の場を設定していくべきであるという提言があるのは御指摘のとおりでございまして、これが需要に対応した生産、流通を進めていく上で重要な位置づけになっているという点も御指摘のとおりであろうかと思います。
 もともと現在の食管制度の運営におきましても、民間流通のよさを生かすという観点から自主流通米制度が導入をされておるところでございます。ただ、この自主流通米制度が、本来の民間流通のよさを生かすといった観点から申しますと、年間一本の供給、価格設定もまた出来秋に年間一本の設定が原則としてなされるというようなことで、これがやはり多様化しております消費、流通に対応しかねておるのではないか、それがまた生産面への情報として不十分な役割になっているのではないか、こういった問題があるわけでございます。したがいまして、価格形成の場と提言されております際も、自主流通米についての価格形成の場を設定することとしてはどうか、こういう提言になっておると思います。
 それでは、その具体的な価格形成の場としてどのようなものを考えるか。御指摘のように、一部正米市場といいますか、米市場といったものをおっしゃっている意見があるのも事実でございます。ただ、米の流通につきましては、政府がその需給全体についてこれを掌握をいたしまして需給及び価格の安定を図るといった基本的な食糧管理の機能を果たしていかなければならない、責任を持っていかなければならないということが大枠としてございますので、その中におきまして自主流通についての価格形成の弾力化をどのような形で行っていくか、こういう検討になろうかと思います。
 それでは、具体的にどういう姿かたちのものでこれを行っていくかということにつきましては、やはり専門家あるいは実務家も加えました生きた米経済の中におきまして実効ある役割を果たしていかなければならないという観点から慎重な検討を加える必要があろうかと思っております。そこで、私ども今後この小委員会の報告を受けまして、その内容は十分検討をし、条件整備を図りながら具体施策を講じていく一環といたしまして、米の価格形成の場というものにつきましても早急に検討組織のようなものを設けまして具体的な姿づくりに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
#25
○串原委員 検討委員会のような組織をつくって検討するということでありますから、ではまた機会を改めてこの問題は質疑をさせていただきましょう。
 大臣、農地の宅地並み課税問題について伺いたいのでございますが、土地政策の失敗とか、土地政策についていろいろと議論があり、提言がございます。しかし、あたかも土地政策の失敗が、町に近い農地、市街地の農地を農家が解放しないから土地が高騰しているみたいな話が随分と行われているやに伺うわけでありまして、私はとんでもない話だと思っているのであります。先祖伝来あるところで農業をやっていた、そこへ道ができた、幸いに道路ができた、だから土地が上がった、市街地化が進んだ、だから農地を出しなさいみたいな議論というのは、これは私はある意味では暴論であるというふうに考えています。だから、宅地並み課税ということになりますと、宅地並み課税をされて大変にコストの高くなる農地の中で農産物をつくっていくということになったら採算に合わないことはもう初めからわかっていることでございまして、農地の宅地並み課税ということを余り安易に進めますならば、つまり農業をそこから追い出す、農家を追い出すということにつながっていくわけですね。一体宅地並み課税というのは、仮にやるとするならばどこに線を引くのか。私は反対ですけれども、やるとするなら線引きだって事は重大ですよ。札幌が宅地並みということにはならなくて、あるいは東京だけなるというような、こんなばかな話はないでございましょうし、どことどこの町とか、どことどこなんという線引きなんてできるものじゃない。私は、農業をやっておる土地は農地であるという考え方でいけばよろしい、農地が変わったときにはたそれは考えればよろしい、こういうふうに考えているのでありまして、農地の宅地並み課税ということに対する基本的な考え方、農林大臣としてはいかがお持ちですか。
    〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕
#26
○松山政府委員 いささか経過がある問題でもございますので、大臣の御答弁に先立ちまして事務的に若干事情を御説明させていただきたいと思います。
 今先生の方から御指摘のございました農地の宅地並み課税が問題になりますのは、御案内のとおり、市街化区域内の農地の扱いでございます。申すまでもなく市街化区域は、地権者の皆さんの合意のもとに都市計画上おおむね十年以内に優先的計画的に宅地化すべき区域である、こういうことに相なっておりまして、農政上の扱いといたしましても、転用は届け出制、それから農業施策の面でも当面の農業継続に必要なものにとどめまして長期的な効果の及ぶものは差し控える、こういう扱いにしておるわけでございます。
 ただ、現実には、都市施設の整備の進度との関連もございまして、市街化区域内でまじめに農業を継続しようという方々が存在することも事実でございます。また、生鮮食料品の供給源である、あるいは緑の保全に役立っているといったようなことがあるわけであります。
 こういったような市街化区域の制度上の位置づけと現実の状況を踏まえまして、五十七年から、御案内の一定の条件を満たす農地につきましては長期営農継続農地制度というのが適用になってございまして、認定を受けましたものは宅地並み課税を免除する、こういう仕組みに相なっておるわけでございますけれども、これにつきまして、土地の計画的な利用という点から見ていかがかといったようなことも含めましていろいろな議論があるわけであります。政府といたしましては、昨年閣議決定されました総合土地対策要綱におきまして、今の制度の建前なり現実を踏まえながら、大都市地域の市街化区域内農地の扱いでございますけれども、宅地化するものと保全するものとの区分を都市計画上明確にする、こういう基本的な考え方のもとにその取り扱いの見直し検討をやっていく、こういうことに相なっておるわけでございます。
#27
○堀之内国務大臣 ただいま経過につきましては局長から答弁申し上げましたが、市街化区域内の農地の税制面の扱いの問題につきましては、我が党におきましてもいろいろと議論が重ねられたところであります。そのような経過のある事柄でありますので、今後とも総合土地対策要綱の趣旨に沿いまして幅広い観点から慎重に検討を行っていく必要があるものと考えております。
#28
○串原委員 時間がもうないようでございますので、もう一言、大臣、今大臣としてお答えになりましたが、単純な宅地並み課税というのは、優良農地を大事にしていこうという農家の皆さんを、余りいい表現じゃないかもしれませんけれども、追い出すことにつながるということを私は非常に危惧している。これはいかがかなというふうに考えているのでありますが、大臣としてはいかがです。その点だけ伺います。
#29
○堀之内国務大臣 ちょうど私も、この線引きを行った当時、市長をしておりました。これはいろいろと議論を進めた中でやってまいりましたが、今委員御指摘のように、そのとき線引きをいたした地域とあるいは線引き外の地域といろいろ議論をして、それぞれの皆さんの農家の理解の上にこの線引きというのは大体なされたと思っておるわけです。
 したがって、これを線引きをする段階においては、先ほど局長が言いましたように、十年以内におおむね宅地化されるであろう、そしてまた将来は宅地並みの課税もされるであろうということも十分説明をした中でやっておったわけです。しかし、その後状況の変化がありまして、一応その面の課税は廃止されたところでありますが、今後、優良農地というものは農用地地域を指定をいたしまして、この面については積極的な農業投資も行っているところでありますし、したがって、市街化区域の農地というものをどのように判定し、今後農業として利用していくかということに尽きると思います。したがって、この問題は先ほども答弁申し上げましたように、今後の総合的な土地対策要綱の策定に当たって十分な取り扱いをしていただかなければならない、その中でみんなのコンセンサスを得るように努力をしていかなければならぬと思う次第でございます。
#30
○串原委員 時間が来たようでございますからこれでやめることにいたしますが、今回の法改正がねらうところは規模拡大を図って立派な農家をつくろうというところにももとがあるわけですね。この法の精神を生かすように頑張っていかなければならないわけでありますが、言うまでもありませんけれども、貿易自由化に対する不安あるいは農産物の価格がなかなか我々の期待どおりに決まってこない、決まっていかない、したがって生活が苦しくなる、将来の見通しに不安だ、こういうことから若い農業後継者が一年に日本じゅうでたった四千人しかないという実態ですね、これは重大な事態でありますから、ぜひ、構造政策を含めて、より一層農業後継者、担い手をどう育成していくかということを踏まえて、きちっとした方針を立てながら日本の農政を前進させていただきますように、あえて声を大にして新大臣に要請をいたしまして終わることにいたしたいと思います。ありがとうございました。
#31
○近藤委員長 次に、藤田スミ君。
#32
○藤田委員 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案についてお伺いをいたします。
 農水省は昨年九月に、農産物の自由化を受けて「国際化への対応と農業・農山村の活性化のための政策の基本方向について」というのを発表しておられます。この中で、「農地転用制度等の運用の改善」とともに、「リゾート施設、レジャー施設、観光施設等の整備、宿泊設備等をも備えた観光・レジャー用農園・牧場の設置のための方策等につき早急に検討する。」としておられるわけですが、このことと今回の法案との関係についてお示しください。
#33
○松山政府委員 委員お話しございましたように、今後の農政の指針につきましては、農政審議会の六十一年の報告を踏まえまして現在施策の展開を図っているところでございますが、その農政審報告がなされました後の事態の推移も踏まえましてさらに農政全体についての見直し検討を行いまして昨年九月に取りまとめを行いましたのが今御指摘のございました「国際化への対応と農業・農山村の活性化のための政策の基本方向について」という文書でございます。
 現在私ども、農政審報告、それにこの基本方向を踏まえていろいろと努力をしておるところでございます。
 基本方向におきましては、今委員から御指摘のございました「中山間地帯の活性化」という視点に立ちまして観光レジャー農園の設置等の方策についての検討を急ぐといったようなことのほかに、「うるおいのある豊かな国民生活への貢献」という視点から、「緑とのふれあい等に対する都市住民の多様なニーズを踏まえ、農地を市民的利用に供する施設の整備を行う。」とともに、「これを一層促進するための方策につき農地制度・運用の改善を含め検討する。」のだというような部分もあるわけでございます。
 私どもとしては、今回の特定農地貸し付け法案でございますけれども、この基本方向の趣旨を踏まえまして、その後、地域活性化対策が非常に重要な課題になってきておるというような事情もなお踏まえた上での検討のもとに取りまとめたものでございます。そういう意味で、本法案、都市住民の多様なニーズにこたえるというのが一つあるわけでございますが、それを通じて農業に対します都市住民の理解を深めるということ、それから都市と農村の交流を促進いたしまして農村地域の活性化を図っていくということ、また、遊休農地を農地として多面的に活用していく、こういうふうな観点を踏まえて御提案をいたしておるわけでございます。
#34
○藤田委員 この文書を見ましても、農山村地域の活性化の大きな柱をリゾート開発に置いていらっしゃることはよくわかるわけです。そして、リゾート開発を進めるために今回、おっしゃったように法案の提出とあわせて第一種農地までも開発を認める大幅な農地転用許可基準の緩和も行ってこられました。このことによって優良農地における乱開発が進み、ひいては農地の一層の荒廃が進むのではないかという心配をしております。本来農山村の活性化というのは農業生産の活性化によってなし遂げられるものではないでしょうか。大臣、いかがでしょう。農産物の自由化や米価を初めとする農産物価格の引き下げによって農民が生産意欲を失う。きのうも全中の大会がありました。せっかく息子が親の跡を継いで農業をやりたい、こう言っているけれども、農業はおれの時代でたくさんだ、なぜならば、今の農業では、農政では将来に希望が持てないから、こんなふうに言っています。こういう中で荒廃農地が出てくる、だから農山村の活性化はリゾート開発でこういうことになりましたら、まさに農林水産振興を進めなければならない農林水産省として発想が逆ではないかと私は言いたくなるわけですが、大臣に御意見をお伺いいたします。
#35
○松山政府委員 基本方向の考え方につきまして若干、委員、誤解されている面があるのかなというふうに思うものでございますので、その点につきましてます私から事務的に御説明をさせていただきたいと思います。
 今、委員が引用になりました部分は「中山間地帯の活性化」という部分でございますが、原文をちょっと引用しますと、今委員が引用になりました部分の前のところで、「過疎地域、振興山村地域をはじめ中山間地帯においては、その立地条件を活かした農林業の展開等による地域の活性化を図るため、立地条件に即した農林業生産基盤の整備、集落道、集落排水施設等生活環境の整備、地域資源を活用した特産品づくりや地場産業の振興、都市との交流等を促進する。」とありまして、それで「また、」とこう続いて先ほどの御引用になった部分があるわけでございまして、農林省といたしましては、中山間地帯を活性化する基本的な視点はその地域における農林業の振興にある、さらに幅広い観点でその地域の持っておる資源をいろいろな形で総合的に活用して地域全体としての活性化を図っていくというのがこの基本方向の考え方だということをまず申し上げておきたいと思います。
#36
○堀之内国務大臣 趣旨につきましてはただいま局長が申し上げたとおりでございますが、私は、農林水産業が果たす多面的な役割ということを前々から申し上げてまいりました。すなわち、国土保全あるいは自然環境の保全、そしてまた国民にレジャー、憩いの場所を提供しておる、このような多面的な役割を果たしておるわけです。そういう意味で、農山村あるいは中山間の地域のいろいろな活性化を図っていくという立場から、そのような時代の要請に従って進めることも農林水産業の発展の上から大きな役割を果たす、私はこういうふうに理解をいたしておるところであります。
#37
○藤田委員 先日NHKテレビで、大臣ごらんになられたかどうかわかりませんが、そのリゾート開発問題の特集をやっておりました。私もできるだけ連続してこの番組を見るようにしたわけです。全国至るところでリゾート開発、これが農山村の活性化になるんだ、こういうことでスキー場、ゴルフ場、このままでは一体どうなるのかというような過剰な計画が打ち出されているわけです。しかし、リゾート開発は、多くの地方自治体で工業団地の計画が失敗したように、極めて不安定なものがある。施設をつくったけれども人が来なかった、こういうようなことになりかねないというふうに考えるわけです。
 農水省は、この基本方向でこういうふうにリゾート開発の問題を打ち出されると同時に、農協に対してもリゾート開発を進めるように、指導していると言うと否定されるでしょうが、そういうことを農協も言い出しているわけで、これではまさにあちらにもこちらにもということで乱開発になりはしないかと思いますが、どうですか。
#38
○松山政府委員 問題はリゾート開発の進め方にあるというふうに私は考えております。私どもも、いわゆるリゾート法の共管官庁といたしまして計画の承認その他に参画をいたしておるわけでございますが、私ども常々関係の県なり機関、団体の方々に申し上げております点は、やはり中山間の基本的な産業の一つは農林水産業でございますから、そういった地域の農林水産業の展開とのかかわりを十分頭に置いていただいた上で、地域にとってプラスになるような開発の方向ということをよく考えてもらいたい。したがいまして、農協の方々につきましても、地域全体がそういう方向で物を考えていこうという場合にはひとつ積極的にその地域の農林水産業にとってプラスになるような方向をよく考えてもらいたいのだということを申し上げておるところでございます。
 また、今御指摘のございました乱開発の問題でございますけれども、私どもリゾート法に関与しておりますのも、土地の計画的な利用という基本的な立場に立ちまして、スプロール開発が起こらないように農振制度なりあるいは農地法の的確な運用に努めていく、こういう立場で臨んでおるつもりでございます。
#39
○藤田委員 昨年十一月の日経新聞にリゾートファーム構想が進んでいることが報道されました。これを読んでみますと、この特定農地法を使うということになるわけです。したがって、この法案が出る前にもう話がどんどん進んでいるわけです。しきりに中山問ということを強調されるわけですが、「二十一世紀を展望する農協の基本戦略」を見ましても、案としては昨年の八月に出されたものですが、そこにも、都市住民の農村居住選好の高まりにこたえ、マルチハビテーション、別荘やセカンドハウスなどの提供や農園つき住宅の開発を図る、こういうふうになっておりまして、開発が先行しているのです。
 私は、この記事についてその信憑性を確かめるために関係筋にただしてみましたけれども、その調査の中でも新聞報道とおおむね一致をしております。そしておっしゃることには、このリゾートファーム構想は首都圏周辺に地上二十階建てのコンドミニアム型ホテル、リゾート型のマンションということだと思いますが、二十四ヘクタールの敷地の別荘地だとかそういうものをつくって、十四ヘクタールの貸し農園という大規模なものを考えているのだ、そして大手の不動産会社がこれを開発する、価格は、そのリゾートマンション型の共同利用方式で千五百万から二千万だ、さらに農園会員権というのを発行して、年二十万から三十万、大変具体的に関係の方がお話しされて実は驚いたのですが、最後にこの法案を前提に計画を立てていますということを言われたわけです。
 私は今ここでこの計画そのものがけしからぬとかそういうことを言うわけじゃないのですが、しかしこの計画を聞きましたら、私は大阪ですから日ごろから市民菜園だとか学童菜園だとか農園だとか、そういうものをもっとつくって本当に農との触れ合いをということを考えている者にとって、およそイメージが違いますし、それからとても庶民はおつき合いできないようなものだなというふうに考えるわけです。このような先行した開発のために法案の成立を急ぐのは極めて問題があると思いますが、いかがでしょうか。
#40
○松山政府委員 今御指摘の新聞情報も私も見まして、そのときに情報をとらしたわけでございますが、私どもの調べでは、どうもそういう形跡がはっきりしなかったということを覚えておりますし、コンドミニアムの今御指摘の点につきましては、たしかきのうの農協の中央会の参考人の御意見でも否定されておったように記憶をいたしております。
 今回提案いたしております特定農地の貸付け法案につきましては、御案内のように開設主体自体を地方公共団体なり農協という公的な農業問題とのかかわりを十分頭に置いてやっていける方に限定をいたしておるところでございまして、そういう意味ではこの法案の適切な運用を通じまして都市の方々との触れ合いの場を多くし、そのことを通じて地域の活性化につなげていく、そういう法の目的の趣旨の実現に万全を期したい、このように考えておる次第でございます。
#41
○藤田委員 大臣にお伺いいたしますが、農地法は農民の農地所有を守るために極めて重要な法律だというふうに私は考えています。農地所有を農業者に限定するというこの法の趣旨についてお示しをください。
#42
○堀之内国務大臣 農地法は耕作に必要な農作業をみずから行って農地を効率的に利用する個人または農業生産法人に限り農地の権利取得を認めることを基本といたしておりますが、その趣旨は限りある農地が投機の対象とされたり、あるいは資産保有の目的で取得されることなく、真に農業に精進する者によって効率的に利用されることを確保することにあるわけでございます。
#43
○藤田委員 今回提案されております法律は時限立法ではなしに、将来的に農民の農地所有について例外規定を設ける、こういうことになっているわけです。だとしたら、今御説明があった法の趣旨から照らして、このことによって農地の投機を招き、そして農民の営農意欲を奪うということになりはしないか。なぜなら、貸し付け農園の賃貸料については小作料の規定を適用除外とし、賃貸料の水準については何の規制もありません。結局これは農地の投機を招く、こういうことになりはしないでしょうか。そして、当初は農地の管理が行われるとしてもリゾート地としてのはやりうさりの中で将来的に周辺農地の保全が守られるという保証が一体あるのでしょうか。この点はどうでしょうか。
#44
○松山政府委員 農地法の原則につきましては今大臣からお答えしたとおりでございますが、それを踏まえまして、御案内のとおり農業者が農園を開設しまして都市の方々が農作業をするためにその農園に入っていくという、いわば入園契約方式みたいな形でこれまで進めてきたわけでございます。ただ、もうちょっと安定的な形にしてほしいという要望がかなり都市の方々からございますし、加えまして遊休地が多少ふえてきているという昨今の状況の中で、農業サイドからも農山村の方々からもこれをもう少しうまく都市と結びつけた形で利用したいという切実な要望もあったわけでございます。
 ただ、その場合に農業者以外の方に土地の権利取得を認めるその認め方いかんによりましては、先生御指摘ございましたような土地の投機的取得につながりかねないという問題があるわけでございます。そこで、私どもいろいろ検討いたしました末、開設主体を地方公共団体なり農協といった特定の主体に限定いたしました上で、かつ面積なりあるいは期間につきまして一定の制限を置く、こういう形で都市の方々に貸し付けるという形態で農地法との調整を図ったつもりでございます。加えて、貸付規程を開設主体がつくりまして全体として農業委員会の承認にかかわらしめるという形も工夫をしたところであります。かつまた、適切な管理が行われないと周辺の農地に迷惑が及ぶ等々の問題がございます。そういうことも含めまして開設主体を責任ある主体に限定し、農業委員会が関与する形をとっておる。そういういろいろな配慮のもとに今度の法案を提案しておるということをひとつ御理解いただきたいと思っております。
#45
○藤田委員 そこが一番よく理解できないわけです。今の御答弁でも少しお触れになっていますが、構造改善局通達でレクリエーション農園通達というのを出されたのが一九七五年でしたよね。そしてそれから非常に多くの市民農園、学童農園というような農園も広がりましたし、私の地域からは、よくみんなが喜んで行くのですが、神戸に農業公園という大変すばらしい農業公園もこの通達のもとでつくり上げられていったものです。だから現行の運用でも十分できるじゃないか。もう少し安定的な形にとおっしゃったけれども、この通達でも十分農民の土地所有が守られ、かつ都市住民の活用も保証できる合理的な制度というものがありながら、なぜ農民の土地所有を守るまさに憲法とも言えるような農地法に例外規定を設けてまで進める必要があるのか、なぜ風穴をあけていかなければいかぬのだというところがよくわからないのです。もう一回おっしゃってください。
#46
○松山政府委員 通達で入園契約方式というやり方を示し、市民農園の適切な維持管理を図るという方針を出しましたのが五十年でございまして、今御指摘ございましたようにその方式のもとでいわゆる市民農園と言われるのが全国でたしか三千五百ぐらいふえてきておるということは事実でございますし、その間いろいろな法制度の整備の御要望があります場合も、私どもも一時期はそのやり方でやったらいいではないかということを申し上げてきた経緯があるわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたようにもう少し安定的にやりたいというふうな利用者の方の御要望があるわけでございますし、そういったことを考えましたときに、別に今回の特定農地の法案を出すことによって入園契約方式自体をやめるということではございませんで、併存させるわけでございます。そういう意味ではできるだけ多様な手法を用意した方が都市の方々にとっても、あるいは受け入れる市町村の皆さんにとってもプラスなのではないか。要は運用の仕方をきちっとした形でやっていくということになるのではないか、このように考えておる次第でございます。
#47
○藤田委員 今の御答弁自体、この通達の有用性は十分認められているわけですから、私は御答弁に大変矛盾があるというふうに思います。リゾート栄えて農地の荒廃だけが残った、栄えてじゃなしにリゾートが破れて農地の荒廃だけが残った。限られた日本の農地と言われながらそういうことで農地の荒廃が広がることを危惧しているということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 きょうは建設省においでを願っておりますが、現在建設省と農水省で、市街化区域内で行われている市民農園について水屋、手を洗ったりちょっとした道具を置いたりするところですが、水屋や水場の整備のための補助事業を行うことが検討されていると伝えられております。これは私ども市民農園をその通達方式で周辺でやっております者にとっては大変待ち焦がれております補助制度でございますので、現在の検討の状況と今後の見通しについてお聞かせをください。
#48
○曾田説明員 お答えいたします。
 建設省におきましては、都市におきます生活環境の確保、それから都市住民の多様なレクリエーション需要にこたえるために分区園、いわゆる市民農園とその利用のための必要なかん水施設などを含めた都市公園というものを、平成元年度より新たにガーデンパーク整備事業として推進するということといたしているところでございます。
#49
○藤田委員 大臣、最後にお伺いしますが、市民農園の需要は非常に高いものです。そして都市農民は、自転車で朝行って、そして自分の菜園で少し作業して、そういう生活を非常に希望しています。私も幾人か知っていますが、大変体の状態の悪い人が近くに菜園を持って、そこへ毎日行って何らかの作業をしてくることで体の回復が非常によくなったというような体験も持っています。
 ところで大変気になるのは、この農水省のさっきの基本方向でも、また先ほどの同僚議員への御答弁にも、市街化区域内の農地については保全と計画的宅地化のあり方ということで具体的方策等について関係省庁との連携のもとに検討を進める、こういうことを言っている点です。市民農園は農用地区域でやれ、そして市街化区域内の農地は宅地化するんだというようなことは困るわけでありまして、市街化区域内の農地こそまさに市民農園として大いに活用でき、そして日々の触れ合いの中で子供の教育にもなるでしょうし、大臣がこの法案の趣旨説明の中でお述べになったように、野菜や花等を栽培し、自然に、土に触れ合いたい要望だとか、農業に対する理解を深めるためにも必要な場所になっているわけです。そういうことを基本に据えて考えていくべきじゃないか、そういう点で私は農地の宅地並み課税というような酷な税をかけることで農民から土地を取り上げるということは断じて許せませんし、またせっかくの本当に生活圏にある市民農園を追っ払って、口先だけで自然との触れ合い、土との触れ合いが大事だからということで大がかりな計画が進められるということにも問題があると思いますので、私はやはり市街化区域内の農園が都市住民にとって非常に必要なんだということを基本に据えて考えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#50
○松山政府委員 先ほども申しましたように、市街化区域内農地の扱いにつきましては、総合土地対策要綱に基づきまして宅地化するものと保全するものとの仕分けを都市計画上きちんとした形で扱いを考えていく、そういうことでこれから関係省庁いろいろと議論を進めるわけでございまして、市民農園というふうな形での農地の利用が都市計画法上必要だというような形で位置づけられてくるということになりますれば、それはそういうふうな扱いになっていくということになるわけでございますし、委員御質問ございましたように、私どものこれからの進め方につきましても、何も市民農園というのを農用地区域に限定するというようなことではなくて、むしろ、どちらかといえば遊休地化しているようなところを有効に都市とのつながりを含めて活用していくという考え方でこれからの施策を進めていこうということでございますので、そういう意味での御心配はいただかなくてもいいのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#51
○堀之内国務大臣 ただいま局長が全部申し上げたとおりでございまして、まあ今後遊休農地等はそういう面で十分生かしていただき、また政府間におきましても総合土地対策要綱のそれぞれの意見の出し合いをいただきまして、その中で十分御検討をいただきたいと思っております。
#52
○藤田委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、都市の農地こそ、本当に日本の農業というものを消費者にわかってもらうためにも、もちろん町づくりのためにも大事ですが、非常に大きな役割をしておりますし、一体だれが市街化区域内にある農地、おまえはここは宅地化するんだということで追い出す権利があるだろう、そういう点では農地の宅地並み課税というものは本当に撤廃するべきだし、都市周辺の農地こそ大事にするべきだということを私は申し上げておきたいと思います。
 きょうは人事院の方にせっかくおいでをいただきましたが、大変恐縮です、時間がなくなりましたので質問を割愛させていただきます。
 ありがとうございました。
#53
○近藤委員長 次に、山原健二郎君。
#54
○山原委員 最初に、農地価格の問題について確認をしておきたいと思います。
 大都市周辺における狂乱的地価高騰はもちろんですが、一方で、資料をいただいておりますけれども、北海道、東北、九州などの農村地帯では逆に農地価格の下落が指数上出ております。これはそういう確認でよろしいでしょうか。
#55
○松山政府委員 全国農業会議所の調査によりますと、都市計画法の線引きがなされておらない旧市町村の農用地区域内の中田の価格で見ますと、全国平均で見ました場合、対前年上昇率は五十八年以降最近までのところでは大体横ばいに近い形で推移いたしております。五十三年から五十七年までの動きが七%から九%ぐらいの上昇であったことに比べればまさに横ばい傾向と言えるかと思います。ただ、地域別に見ますと、東海なり北陸なり近畿というところでは引き続き上昇傾向が見られるわけでございますが、北海道、東北、九州につきましては、今先生御指摘がございましたように、近年、価格の下落が見られるわけでございます。
 以上は田の動きでございますけれども、畑につきましてもおおむね同様の傾向が見られるというふうに承知をいたしております。
#56
○山原委員 東北、北海道、九州の下落の問題ですが、結局、売り手に比べて買い手が少ないという事態がこの下落の原因をなしているわけですね。それで、なぜそうなったのかということですが、農水省の中核農家の意識とニーズに関する調査結果を見ましても、農産物価格が不安定、安いということですね。それと、自由化の問題が指摘をされております。結局、これが規模拡大を手控えさせる最大の要因の一つになっているというふうに私は考えるわけでございます。
 そこでお伺いしたいのです。いわゆる前川リポートに代表される国際化あるいは国際協調ということが今政府の大方針となっているわけですけれども、農業も、国際化の中の農業ということで、農産物輸入自由化を進めまして、そして農産物行政価格を軒並みに引き下げる政策が進められてまいりました。これが日本の農業の縮小、切り捨ての路線につながるというふうに私は思っています。この路線を前提としたのでは規模拡大を中心とした構造政策が行き詰まることは必至ではないかという懸念を持っております。前川リポート路線、すなわち農産物自由化拡大と内外価格差縮小の名のもとでの農産物価格の引き下げ政策、これをこの際抜本的に転換する必要があるのではないかと私は思いますが、この点についての農水省の見解を伺っておきたいのです。
#57
○松山政府委員 私どもといたしましては、今の農業、農村をめぐるもろもろの事情の中でどれだけ幅広く国民の皆さんの理解と支持を得ながら政策を進めていくことができるか、日本の農業に対する支持をしていただけるか、こういうところにあるというふうに考えております。そういう意味では、農政審の報告その他に基づきまして、日本の農業の健全な発展を幅広い国民の理解と支持のもとに進めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#58
○山原委員 反論はいたしませんけれども、現在全国の農民の間に農政に対する不信あるいは不安というのがあることは、もうこれは現実の問題として深刻に受けとめる必要があると思うのですね。
 そういう意味で、政府がとっております構造政策を一言で言いますと、国際化の立場に立って農産物市場開放を進める、したがって内外価格差の縮小に努めるということですね。そのためには、これに太刀打ちできる足腰の強い農業を確立するため規模拡大の構造政策を進める、こういう図式であろうと思います。つまり、構造政策が農産物輸入拡大路線を前提として内外価格差の縮小という価格政策によって進められる、私はここに非常に重大な問題があると思っております。価格政策で構造政策を進めようとするのは、私は既に破綻をした路線であると思うわけでございますが、それでもこういう図式を今後も進めていこうとされるのか、農政の基本について一言伺っておきたいのです。
#59
○松山政府委員 世の中にはただひたすら価格が下がれば構造改善が進むというような説をなす方もいらっしゃるわけでございますが、私はそういう立場に立つつもりはございませんし、また、例えばアメリカ並みの価格に米の価格をするといったようなことも、とても日本の農業の置かれた現実からすれば無理な話だというふうに考えております。
 ただ、重要なことは、先ほども申し上げましたように、私ども日本の農業に対しまして、消費者を初めとする多くの方々が今なお非常に厚い支持をしていただいておるというふうに考えておりますけれども、同時に、日本の農業の現実についてもう少し何とかならぬかという幅広い御意見があることも事実ではないかというふうに考えておるわけであります。私ども構造政策を進めます基本的なスタンスは、そういう意味での国民的な皆さんの関心に十分こたえられる、こういう農業なら我々も守れる、こういう農業の成立を目指しましてできるだけの努力を行いたい、こういう立場で構造政策を進めておるのだということを申し上げておきたいと思います。
#60
○山原委員 今、私は政府が基本としておられるいわば農政上の路線の問題のことをお尋ねしているわけですが、その典型として、けさからも論議されておりますいわゆる米価問題があるわけですね。この米価の新算定方式がそれを示しておると私は思うのです。
 一・五ヘクタール以上の稲作農家の生産費を米価算定の基礎にする。この一・五ヘクタールという基準を近い将来は五ヘクタールに引き上げるということも言われているわけでございますが、この前も質問しましたけれども、一・五ヘクタール以上の稲作農家は、全稲作農家の七・九%にしかすぎません。一・五ヘクタール以上の稲作農家の平均作付規模は二・五ヘクタールと言われるわけですが、これより大きい規模を誇るのは全体の三%ないし四%程度でまさにわずかです。いわんや、五ヘクタール以上となりますと〇・四%。私の県は高知県ですけれども、四国、中国では〇・〇%、統計数字に出てこないのですね。限りなく一〇〇%に近い稲作農家が算定基礎から除外されるというこの新算定方式が出ているわけです。そういうわずかな農家の生産費に基づいて米価を決めるということになりますと、当然米価は大幅な引き下げとなるわけでございますが、それにたえられない農家はおやめなさいというやり方は絶対容認できません。この新算定方式は、けさからも出ておりますように、導入すべきではないし、今後ともやるべきではないと私は考えておるわけでございますが、これにつきまして大臣のお答えをいただきたいのです。
#61
○甕政府委員 ことしの米価算定についての御質問でございます。昨年の算定方式につきまして新算定方式を使っていくといった方針が一年延ばされまして、本年産から適用するというふうにされた経過がございます。そこで、私どもそういった経過を踏まえまして本年産の米価算定に当たってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 ただいま一・五ヘクタール以上の規模の農家は極めて少数であり、それ以下の農家を切り捨てると申しますか、無視することになるのではないか、こういった御指摘があったわけでございますが、私ども、今後の米価算定の基本的な考え方といたしまして、稲作の将来を担っていくいわゆる担い手層を生産対策あるいは構造政策等を通じて育成をしていくという農政の基本の流れの一環といたしまして、価格政策についてもそういった農家に着目をした算定を行っていくことが必要であろう、こういう考え方を持っておるわけでございます。
 米価算定につきましては、これまで生産費所得補償方式ということで昭和三十五年以来やってまいっておりますが、この方式につきまして、現在の米を取り巻く状況の中でいろいろな意見、御批判が出されておることも事実でございます。一方では、農家の生産費、所得を補償するといった場合に、必ずしも稲作に依存しない農家、言葉は適当ではないかもしれませんが、片手間的に稲作を行っている農家についてもひっくるめて生産費を補償し、所得を補償する、こういう必要性といいますか実態が既にあるのだろうか。やはり米価というのは、稲作を担う中核になる農家らしい農家について生産費を補償し、所得を見ていく、こういう必要があるということからいたしまして、そういった担い手層としてどういう階層の農家をとったらいいだろうかということから、一・五ヘクタール以上の農家あるいは生産組織集団、こういった考え方が出されてきておるわけでございまして、その比率も、販売数量から申しますと、一・五ヘクタール以上層のシェアが四割強、それから一・五ヘクタール未満の方でも、一・五ヘクタール以上層の生産費よりももっと安く効率よくつくっておられる方が一割程度ある。また、生産組織集団のシェアも相当な、二割程度のシェアがある。こういうようなことからいたしますと、政府米ないしは自主流通米として販売される量の半分から四分の三程度の比率の数量は、この算定方式のもとに行われる米価算定でカバーされるというようなこともございまして、そういった今後の農政の流れの中におきます方針、あるいは実態を踏まえた今後への展望といった点からいたしましても、新算定方式によって算定していくことがむしろ稲作の将来の方向を指し示すものであり、国民の理解も得やすい、こういった観点で適切な算定を行ってまいりたいというのが基本の考えでございます。
#62
○山原委員 新米価につきましては、一昨日、新農林大臣である堀之内大臣に六つの申し入れをしたところですからきょうは触れませんけれども、今の説明は、説明としてはお聞きしますけれども、やはり日本の農家の納得を得るものではありませんね。このことだけは申し上げておきたいと思います。昨日の全中の会におきましてもこれに対する相当強い批判が出たことは――これは自民党それから野党別々にきのう要請集会をやったと思いますけれども、これは非常に明確なところでございまして、この点では農水省も耳を傾ける必要があると思うわけでございます。
 次に、法案に即してちょっと何点か触れてみたいと思いますけれども、四条二項に農業構造の改善の目標という項目を加えるわけですね。市町村が立案するものでありますが、国として改善目標設定についてどういう基本的な観点をもって望むかということを、時間がありませんから簡明に伺いたいと思います。
#63
○松山政府委員 各地域の農業、それぞれの具体的な条件のもとに営まれておるわけでございます。そういう意味では、今回実施方針に追加をすることにいたしました構造改善の目標につきましても全国画一的に考えていくというわけにはいかない話であろうというふうに考えております。したがいまして、考え方といたしましては、市町村が全国的な指標なりあるいは各地の先進的な取り組みといったようなものを参考にしながら、その地域の農業振興の具体的な方向あるいは担い手の状況、就業機会、農地流動化の状況といったような諸事情を踏まえまして、それぞれのところで定めてもらいたい、こういうふうに考えておる次第でございまして、目標の内容といたしましては、地域の実態に応じた営農類型ごとの目標の規模といったようなものが中心のものになろうかというふうに考えております。
#64
○山原委員 国際化に対応した足腰の強い農業をつくるという政府の方針でございますが、これを貫徹をする中で、日本農業あるいは各地域農業の条件や実情が無視された目標設定、それに基づく育成戸数の絞り込み、中小農業者の切り捨て、そういう危険は絶対に冒してはならぬという点を指摘しておきたいと思います。
 次に、規模拡大農家の認定の問題です。市町村が規模拡大を希望する農家の申請に基づいて農業経営規模拡大計画を認定する、こういうわけですね。一言で言いますと、あなたは規模拡大農家として認めますよと市町村がお墨つきを与えます。そしてさまざまな規模拡大施策をこの認定農家に集中するわけでございますが、申請しても規模拡大農家として認定されない者も当然出てくるわけですね。つまり選別がここで行われる。選別ということ事態が問題ですけれども、どういう基準でこれを選別するのかということが問題となってくるわけです。国としてどういう観点をお考えになっておるか、このことが第一点です。
 二点目は、この選別が農家間の反目を生み、農村村落の集団的営みに混乱をもたらしはしないか。歴史的に見ましても、農地の集団的保全や利用が農村集落の集団的自発的協力を土台として今日まで日本の農業は営まれてきたわけでございますが、そういう点から見ましても問題をはらんでいるのではないか、こう思うのですが、この二点についてお答えをいただきたい。
#65
○松山政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、今回の農用地利用増進法の改正、これからの進め方の基本的な考え方といたしましては、地域の実情に即し、かつ地域の関係の方々の意向を十分踏まえながら具体的に地域農業の発展方向、そこでの担い手のあり方についての各地域における合意形成を図る、それを具体的な形としては農業構造の改善の目標として明らかにするということが一つ前提になっておるわけでございます。
 今お尋ねの経営拡大計画の認定基準でございますが、法律上書いてございます点は、その計画が農用地増進事業の実施方針の中の、今申し上げました地域の合意形成の中で明らかにされる構造改善の目標に即しておるということが一つあるわけでございます。それから二つ目には、当然のことでございますが、計画作成者の農業経営の改善を促進するために有効かつ適切なものであることということもございます。このほかに、計画の達成の見込みが確実であるといったようなことも認定基準に加えることにしてはどうかと考えておる次第でございます。
 こういうふうな認定基準の考え方からもおわかりいただけると思いますし、かつまた認定制度が当事者の申請に基づきまして経営規模拡大計画が適正であるかどうかということの認定であるといったようなことでございますので、農業委員会が土地利用調整を行うに当たって、地域の合意によって明らかにされております農業構造の改善の目標に沿うように農地の利用権の設定を受ける者を明らかにしていこう、こういうねらいでございますので、今御指摘、御心配のございましたような、何か行政が一方的に農業者を選別していくといったような性格のものではないということを御理解いただきたいと思います。私どもは、これからの認定制度の運用に当たりましては、今申し上げたようなことにつきまして無用の誤解が生じることのないように、地域関係者の理解と協力のもとで円滑に進められるような指導を行ってまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
 なお、集落における協調が崩れるのではないかといったような御心配があったわけでございますがヤ今申し上げたようなことでおわかりいただきますように、あくまでも地域における合意形成をベースにしながらできるだけ前向きの前進を各地域で図ってもらいたい、こういうことでございますので、そういうことにならないような適切な運用ということを指導していきたい、このように考えております。
#66
○山原委員 ちょうど九年前になりますが、農用地利用増進法、この改正案の原法でありますけれども、これが審議されましたときに、御承知と思いますけれども、政府原案にありました文言が変えられたわけですね。これは国会において変えられたわけです。例えば、政府原案の目的規定で「農業経営の規模の拡大と農業生産力の増進を図り、」という、この「農業経営の規模の拡大」ということが問題になりまして、これは中小農民の切り捨てにつながるのではないか、そういうことで国会としては「農業経営の改善と農業生産力の増強を図り、」というふうに修正をした経緯があるわけでございます。私は、このときの国会で論議された精神というものはこの改正案におきましても生かされていくべき考え方であろうと思いますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つは、今回の改正案では農地管理に農協が一層組み込まれる内容が盛り込まれているわけでございます。この点について、農協は農地を担保に農民に融資するといった業務も実施しておられるわけでございまして、いわば農地を資産価値として見る立場にも立っていることは否めないと思います。そういう点から考えまして、このように農協が農地管理に組み込まれていくことに問題はないのかということを考えるわけですが、これはどういうお考えでしょうか。
#67
○松山政府委員 今回の改正案におきましては、農協の役割といたしまして、市町村への農用地利用増進計画の作成の申し出ということと農作業受委託のあっせん等の面での役割を明らかにしたところでございますけれども、これは、近年、農協の営農指導事業を通じまして、転作田の集団化でございますとか生産組織の育成等の農用地の利用調整活動を積極的にやられておるところがかなり見られるようになってきておるという実績、それから、きのう参考人の方からもお話があったかと思いますが、第十八回の全国農協大会で「二十一世紀を展望する農協の基本戦略」というのが策定をされたわけでございますけれども、農協みずからが組合員のニーズにこたえて積極的に農用地の利用の調整、そういうことをやっていくことが必要になっておるという明確な意思表示がなされておる。こういう事情を踏まえまして措置することにいたしたところでございます。
 したがいまして、私どもの理解といたしましては、農協のそういう考え方というのは、現在の農業構造を地域の事情に即してできるだけ改善していくことがこれからの日本の農業の健全な発展にとって欠かすことのできない状況になっておる、そのためには、やはり地域の実情に即した農地の利用調整を必要としておる、そのために組合員の意向を踏まえながら頑張りたいのだ、こういう意向のあらわれだというふうに考えておりますので、万々、先生の今御指摘のあったような御心配はないものと思いますが、今回の法改正の趣旨に即した農協の適切な活動が行われることをこれから我々としても期待していきたい、このように考えておる次第でございます。
#68
○山原委員 その農地売買の問題については、何らかの歯どめの措置というようなものがあるのでしょうか。
#69
○松山政府委員 今回農協に期待いたしております役割は、何か売買の当事者になるといったようなことではございませんで、地区内の組合員の農地の有効活用を図っていくという観点からすればどういう使い方をすればいいのかといったようなことでいろいろな作業、活動が行われるわけでございますが、その場合に、貸し借りをするとか、あるいは組合員間の売買をあっせんするようなことの必要が出てくる、そういう形での活動が一つ予定されておるわけでございまして、そういう意味では関係権利者の意向というのが基本にございまして、そういうものを地域の農業の発展という観点からできるだけ円滑に進めていく、そういう調停的な役割を期待しておる、こういうことでございます。
#70
○山原委員 時間が参りましたのでこれでおきますが、最後に大臣のお考えを一言伺っておきたいと思うのですけれども、この改正法案について、これは大臣にお伺いする意味ではありませんが、遊休農地の有効利用を図る対策が盛り込まれております。この点については私どもは反対するものではございません。ただし、遊休農地が出てくる根本要因への対策なしで大きな効力が発揮されるか等の点については疑問を持っていることを申し上げておきたいと思います。
 全体として、現在の農業危機を招いている根本政策を転換することを私は求めたわけですが、そういう意味で大臣に新たに大臣になられました決意を伺いたいと思います。
 御承知のように、対日対策の極めて厳しい情勢が待ち構えておると思うのですけれども、実際に米の自由化などということは部分的といえども絶対にしないということを政府として内外に表明すべきであるということを先日も私はお伝えしたわけでございますが、存亡の危機に立つと言われる日本農業を守るために新大臣としての御決意を最後に伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#71
○堀之内国務大臣 先ほどからたびたび基本的な考え方については申し上げておるわけでありますが、農林水産業が果たしておる多面的な役割は、国土保全あるいは自然環境の保全、あるいはまた国民のレクリエーションの場所あるいは緑、憩いの場所として提供いたしておるという大変多面的な農業の役割を持っておるわけであります。一方また、国民のニーズにこたえまして食糧を安定的に供給していく、しかも安全で衛生で良質な食糧を提供するという大きな役割を持っておるのが農林水産業だ、私はこういうふうに理解をいたしております。したがって、このことはひとり農林水産業に従事する方々ばかりでなくて、国民全体でこのような多面的な役割を持つ農林水産業に大きな理解を求めるべく我々も努力をしていかなければなりません。
 そのような立場におきまして、最近農政不信を招いておりますが、このことも先ほどから申し上げますが、ガット上におきまして農産物十二品目あるいは米国との二国間において牛肉・かんきつの一部自由化に踏み切ったところでありましたけれども、これは将来の日本の農業を守るためのぎりぎりの選択であったということを農家の皆さんにも御理解を賜りまして、今後残された米等の問題におきましては、先ほどからも御答弁申し上げましたが、ほかの農産物とはいささか立場を異にしておる重要な基幹作物でありますので、今後ともそうした趣旨を踏まえまして、今後のガット、ウルグアイ・ラウンドにおける交渉等も強い姿勢で臨んでまいりたいと存じます。そして、農民の皆さんの信頼回復、不安の解消に最大の努力をいたしまして、限られた国土の農地でありますので、これを最大限いろいろな施策を強力に展開いたしまして活用できるような方向を展開してまいりたい、こういうように考えております。
#72
○山原委員 終わります。
#73
○近藤委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#74
○近藤委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、農用地利用増進法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。二田孝治君。
#75
○二田委員 私は、自由民主党を代表して、農用地利用増進法の一部を改正する法律案について賛成の討論を行うものであります。
 我が国農業及びこれを取り巻く経済社会は、平成新時代を迎えた今、著しい変貌を遂げつつ大きな新しい波に立ち向かおうといたしております。
 本法案は、このような状況のもとで、我が国農業が、我が国経済社会と国民の生活を支える重要かつ多様な役割を担い、二十一世紀に向けて新たな発展を図る上で不可欠の措置を講じようとするものであります。
 すなわち、我が国経済社会の急速な国際化に対応して、効率が高く足腰の強い農業を実現し、国民の納得し得る価格での食糧の安定供給を進めるためには、何と申しましても、農業構造の改善を促進していく必要があります。
 農業を取り巻く内外の諸情勢のもとで、意欲ある農業者は、利用権の設定や農作業の委託を受け、経営規模の拡大や効率的な機械利用等により、懸命の生産性向上の努力を続けておられます。
 また、農業者が相互に協力して生産組織をつくり、地域農業の維持発展のために村ぐるみで真剣な話し合いを行い、作付地の集団化、農作業の共同化等地域農業全体の生産性向上のための創意工夫と知恵を出し合っている地域も多数見られるところであります。
 我々といたしましては、このような農業者及び関係者の血のにじむような努力を支援し、積極的、意欲的に営農に取り組んでいただけるよう、現場での確固たる体制を整備する必要があります。
 また、法制定後九年を経過し、農地流動化の基軸となる施策として定着してまいりました農用地利用増進事業につきましては、現実に現場で必死に汗をかいておられる市町村、農業委員会、農業協同組合等の関係機関・団体から、一層その活動を活発化するため、地域農業の方向づけとその活動の法律制度上の位置づけの強化等が要請されております。
 本法案は、以上のような要請にこたえ、農業者や生産組織が見通しを持って積極的な活動が展開できるよう市町村ごとの地域農業の将来ビジョンを示すとともに、関係機関・団体がこのビジョンの実現に向かって農地流動化の運動におのおのの機能を発揮しつつ一層活発に取り組めるよう多様な農地流動化手法を用意するものであります。また、遊休農地が地域全体の生産性向上の取り組みの支障となることのないよう、その解消のために必要な措置を盛り込んでおります。さらに、構造政策の一層の推進のため、本法案とあわせ、予算、税制上の措置の拡充を図ることといたしております。
 以上申し述べましたように、本法案が早急に成立し、農業構造の改善の加速化のための措置が講じられることが新時代における我が国農業、農村の新たな発展を図る上で不可欠のものと考えられますので、本法案に賛意を表しまして、私の討論といたしたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
#76
○近藤委員長 次に、山原健二郎君。
#77
○山原委員 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、農用地利用増進法一部改正案について、反対の討論を行います。
 相次ぐ農産物輸入自由化、内外価格差縮小の名による農産物価格の軒並み大幅引き下げなどが今日の農業に深刻な困難をもたらしております。農政不信の声が満ちあふれる理由もここにあります。
 産業構造調整による農業つぶしを打ち出した前川リポート、それを受けた農政審報告が描く構造政策に立脚しているところに本改正案の重大な問題があります。
 構造政策の各市町村ごとの目標の明確化や規模拡大農家の認定という仕組みも、中小農家を切り捨てる選別的構造政策を強化するものであります。
 農地の再編、管理への農協の関与を強める措置についても、農協が経済金融事業を担い、農地を資産価値として見る一面を持っている組織であることなど、制度論上も問題を感ぜざるを得ません。
 農業生産法人構成員による農地取得等の緩和措置についても、農外資本の農業進出や土地投機を容易にする危険を指摘せざるを得ません。
 遊休農地の有効利用にかかわる対策については、反対するものではありませんが、同時に、遊休農地が増大する根本要因にメスを入れることこそ求められていることだということを改めて強調申し上げまして、反対討論を終わります。(拍手)
#78
○近藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#79
○近藤委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、農用地利用増進法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#80
○近藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#81
○近藤委員長 この際、本案に対し、柳沢伯夫君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。沢藤礼次郎君。
#82
○沢藤委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表して、農用地利用増進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農用地利用増進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  最近の我が国農業を取り巻く内外の厳しい情勢に対処し、農業生産の担い手を育成・確保するとともに、生産性の向上を図り、足腰の強い農業構造の確立と農家所得の確保を図ることが喫緊の課題となっている。
  よって政府は、農業の将来展望を明確に示すとともに、本法の運用に当たっては、左記事項の実現に努め、農業構造の改善の一層の促進と農用地の有効利用に遺憾なきを期すべきである。
       記
 一 農用地利用増進事業の実施に当たっては、地域ぐるみの話し合いの促進と農家の意向の把握に努めることとし、もって地域農業全体の生産性向上に資する効率的生産体制の確立を図ること。
 二 農業経営規模拡大計画の認定に基づく農用地の利用調整については、これが地域関係者の理解と合意のもとに実施されるよう十分な指導を行うこと。
 三 農作業受委託の促進に当たっては、受託農業者の経営安定に資するよう、契約期間の長期化、作業範囲の拡大等についての指導を行うこと。
 四 農業委員会、農業協同組合、農地保有合理化法人等の地域に根ざした農用地利用調整活動が円滑に実施されるよう必要な措置を講ずるとともに、相互間における連携と協力体制を確立すること。
 五 農業生産法人に対する農地の貸付け等を行うための当該法人の構成員による農地取得については、これが投機的な農地取得を招来することのないよう適切な指導を行うこと。
 六 遊休農地の解消と有効利用を図るに当たっては、遊休農地所有者等の理解と協力が得られるきめ細かい配慮のもとに行われるよう指導すること。
 七 構造政策の円滑な推進に資するよう、農地流動化諸施策の充実を図るとともに、農家負担の軽減に配慮した農業基盤整備事業の促進、就業機会の確保等に必要な措置を講ずること。
   また、経営規模の拡大が困難な中山間地域等に対しては、それぞれの特性を生かした農業の振興と地域の活性化を図るための各般の施策を推進すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#83
○近藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 柳沢伯夫君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#84
○近藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀之内農林水産大臣。
#85
○堀之内国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#86
○近藤委員長 次に、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。
#87
○鳩山(由)委員 私は、自由民主党を代表して、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案について賛成の討論を行うものであります。
 我が国経済社会の国際化に伴い人口等の大都市圏集中が際立つ中で、農村社会においては、高齢化、過疎化の急速な進行等により地域活力の低下の問題が深刻化している地域が見られます。これが、農村地域の活性化が、農業構造の改善と並んで農政上の最重要課題とされるゆえんであります。
 他方、国民の価値観が多様化する中で農業、農村に対して、良質な食糧の安定的、効率的供給という機能に加えて、土や緑との触れ合いを通ずる心の安らぎや憩いの場、青少年の教育の場等の役割が求められております。
 さらに、ここ数年の一方的な農業批判の横行が心ある農業者の意欲を少なからず失わせていることを考えれば、都市住民等に農業、農村に対する真の理解を深めていくことが極めて重要であると考えます。
 現実にも、全国各地の農村で、地域住民の創意工夫のもとに、このような都市住民との交流活動等を取り込んだむらづくり運動が生き生きと展開されているところであります。
 本法案は、以上のような我が国経済社会及び農業、農村の変化に対処して、国民の農業、農村に対する新たなニーズに応じつつその理解を深め、農村地域の活性化を図るため、一定の場合に農業者以外の者が農地を借り受けることを可能にしようとするものであります。
 この場合、農業者以外の者が農地を利用することが本来の農業者による効率的な農地利用の支障になるようなことがあってはならないわけでありますが、本法案においては、貸付主体を地方公共団体及び農業協同組合に限定するとともに、貸し付けを行うに当たっては農業委員会の承認に係らしめ、周辺農用地の効率的、総合的な利用を確保できる等の要件に該当する場合に限り承認することとされており、そのような事態が生じないよう十分な配慮がなされているところであります。
 以上申し述べましたように、本法案が早急に成立し、所要の措置が講じられることが、農村地域の人々が誇りと愛着を持ち得るふるさととしての地域社会を創生じ、均衡ある地域経済社会の発展を図る上で不可欠のものと考えられますので、本法案に賛意を表しまして私の討論といたします。(拍手)
#88
○近藤委員長 次に、藤田スミ君。
#89
○藤田委員 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案の反対討論を行います。
 私は、日本共産党・革新共同を代表して、本法案に反対の立場から討論を行うものであります。
 反対する理由は、農地法に風穴をあけ、その形骸化を進める点です。
 農地法は、農民の農地所有を保証し、その農地利用を促進する方向で規律しようとするものであり、この中でも農地法第三条は、農地に関する権利のすべてについて、その移動は行政機関の許可を必要とするという権利移動統制を目的とするもので、農地法のかなめと言えるものであります。また、農地の権利移動については、農業を主業とするものに限定し、農地を保全しています。このような農地法の役割に風穴をあけるのが今回の法改正と言えます。
 この法案では、貸し付け農園の賃貸料については農地法の小作料規定を適用除外とし、賃貸料の水準については何の規制もありません。リゾートブームの中で農園つき別荘、マンションなど相当な価格水準になることも予想され、周辺農地の価格の上昇や土地投機を招き、一層営農意欲を奪う点など、幾多の問題を持っています。
 従来、都市住民が利用している市民農園については、一九七五年の構造改善局通達、リクリエーション農園通達によって、農地所有者たる農業者が農園にかかわる農業経営をみずから行い、都市住民が農園にかかわる農作業の一部を行うため当該農園に入場する、入園契約方式で行われています。この従来方式は、農民の農地所有は守られ、一方、都市住民も市民農園を利用できる合理的制度と言えるでしょう。
 今、農村では、自民党農政による農産物価格の引き下げ、減反、農産物輸入自由化、農業従事者の高齢化、農業後継者の不足など、農民は農業の展望を失っています。
 どのような中で、リゾート開発による農村活性化を打ち出されたものです。本来、農村の活性化は、農業生産の活性化によって達成されるべきものであります。もちろん我が党としては、自然環境の保護、農業生産基盤を掘り崩さない住民の民主的討議に基づくものならば、リゾート開発一般に反対するものではありません。
 しかしながら、都市住民も楽しめる合理的な現行制度があるにもかかわらず、この法案に見られるような農民の土地所有を守る農地法にまで例外規定をつくり、風穴をあけ、形骸化を進めることには反対せざるを得ないわけであります。
 以上で討論を終わります。(拍手)
#90
○近藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#91
○近藤委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#92
○近藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#93
○近藤委員長 この際、本案に対し、武部勤君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。武部勤君。
#94
○武部委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表して、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり左記事項の実現に努め、特定農地貸付けにかかる農園の秩序ある開設とその健全な育成について遺憾なきを期すべきである。
       記
 一 農山村地域等の活性化と遊休農地の有効利用、都市住民等の農業への理解の促進等に資するため、需要に応じて特定農地貸付けが積極的に行われるよう地方公共団体等を指導すること。
 二 農業委員会が特定農地貸付けの承認を行うに当たっては、周辺農業者の農業的土地利用との調整を図り、集団的優良農用地の確保とその効率的利用に支障を生ずることのないよう、農園の位置、規模等について十分配慮すること。
   また、荒し作りの防止、周辺の環境に配慮した農薬の使用等農園の適切な管理を図るための指導・助言体制を確立すること。
 三 市民農園の開設を付帯施設の整備とあわせて促進するための措置を検討すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#95
○近藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 武部勤君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#96
○近藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀之内農林水産大臣。
#97
○堀之内国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#98
○近藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#100
○近藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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