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1988/02/28 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 大蔵委員会 第3号
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1988/02/28 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第114回国会 大蔵委員会 第3号
平成元年二月二十八日(火曜日)
    午前九時五十一分開議
出席委員
  委員長 中村正三郎君
   理事 衛藤征士郎君 理事 大島 理森君
   理事 中川 昭一君 理事 中西 啓介君
   理事 平沼 赳夫君 理事 中村 正男君
   理事 森田 景一君 理事 玉置 一弥君
      新井 将敬君    井上 喜一君
      江口 一雄君    遠藤 武彦君
      金子 一義君    熊川 次男君
      笹川  堯君    杉山 憲夫君
      戸塚 進也君    中島源太郎君
      葉梨 信行君    鳩山由紀夫君
      藤波 孝生君    松本 十郎君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      山本 幸雄君    沢田  広君
      野口 幸一君    早川  勝君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      村山 喜一君    柴田  弘君
      橋本 文彦君    矢追 秀彦君
      正森 成二君    矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 村山 達雄君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  太田 誠一君
        大蔵大臣官房審
        議官      瀧島 義光君
        大蔵省主計局次
        長       寺村 信行君
        大蔵省銀行局保
        険部長     赤倉 啓之君
        国税庁直税部長 岡本 吉司君
        農林水産省経済
        局長      塩飽 二郎君
 委員外の出席者
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 大日向寛畝君
        農林水産大臣官
        房企画室長   眞鍋 武紀君
        農林水産省農蚕
        園芸局企画課長 渡辺 好明君
        農林水産省農蚕
        園芸局農産課長 武政 邦夫君
        農林水産技術会
        議事務局企画調
        査課長     村上 治正君
        食糧庁業務部買
        入課長     馬場  明君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       太田 勝利君
        自治省税務局固
        定資産税課長  小川 徳洽君
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一郎君
    ―――――――――――――
二月二十八日
 国庫補助負担率の復元に関する陳情書外七件
 (愛媛県北条市辻六北条市議会内村上光夫外七
 名)(第三号)
 日本鉄道共済年金財政対策の確立に関する陳情
 書外三件(北海道旭川市六条通九の四六旭川市
 議会内太田俊一外三名)(第八号)
 土地登記に係る登録免許税の特例措置延長反対
 に関する陳情書(長崎市桜町二の三五長崎市議
 会内田川勝)(第九号)
 任意自動車保険の離島料率設定に関する陳情書
 (長崎市江戸町二の一三長崎県議会内初村誠
 一)(第一〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業共済再保険特別会計における農作物共済に
 係る再保険金の支払財源の不足に充てるための
 一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣
 提出第四号)
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農業共済再保険特別会計における農作物共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。村山大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 農業共済再保険特別会計における農作物共済に
  係る再保険金の支払財源の不足に充てるため
  の一般会計からする繰入金に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○村山国務大臣 ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計における農作物共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 昭和六十三年度におきまして、東北、北関東を中心として低温等による水稲の被害が異常に発生したことに伴い、農業共済再保険特別会計の農業勘定の再保険金の支払いが著しく増大するため、この勘定の再保険金の支払い財源に不足が生ずる見込みであります。本法律案は、この勘定の再保険金の支払い財源の不足に充てるため、昭和六十三年度において、一般会計から、三百二十二億五百九十一万九千円を限り、農業共済再保険特別会計の農業勘定に繰り入れることができることとしようとするものであります。
 なお、この一般会計からの繰入金につきましては、後日、農業共済再保険特別会計の農業勘定におきまして、決算上の剰余が生じた場合において、この剰余から同特別会計の再保険金支払基金勘定へ繰り入れるべき金額を控除して、なお残余があるときは、この繰入金に相当する金額に達するまでの金額を一般会計に繰り戻さなければならないことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○中村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
#6
○沢田委員 大臣、まだ出かけるのに二分くらい余裕があるようですから、今提案された再保険の米の関係について、大蔵大臣としては日本の米問題についてどのような見解と、そしてどのように今後していこうと考えているのか、一言述べてからひとつ出ていってください。
#7
○村山国務大臣 米の問題は御承知のとおりでございまして、国会決議もあるわけでございます。
 先般、モントリオールにおけるガットの問題がありまして、この問題はまた四月に持ち越されたところでございます。
 我が国としては、一方において生産性を高めながら、しかし、この米の問題については、アメリカのいろいろな農業補助の問題あるいはECの補助の問題とともに議論したい、こういう態度でおるわけでございます。
 いずれにいたしましても、生産性の向上そのものは極めて大事なことであります。今度の元年の農業予算につきましてもそこに中心を置いているということを一言申し上げておきます。
#8
○沢田委員 一分大丈夫ですか。――それじゃいいです。
#9
○村山国務大臣 どうもすみません。
#10
○沢田委員 余り慌てさせては悪いから。大蔵委員会の方も大切だということをお忘れにならないでください。
 大臣がおられませんけれども、大蔵省としてこの再保険を適用するに至りました経緯から一言お尋ねをいたしますが、大体この再保険を適用するに当たってのその災害状況を、大蔵省としては、この再保険適用に当たっての指標なりそういう立場に立ってどのような判断でこの予算編成をされたのか、その点の見解を承りたいと思います。
#11
○寺村政府委員 今回の農業共済の再保険金の支払い額につきましては、従来と同様な手続によりまして確定したものでございます。
 具体的には、市町村段階におきます農業共済組合の損害評価員が悉皆調査を行いまして、そしてその市町村段階で損害評価会が開かれましてそれに基づいた計数を確定し、さらにその計数は各県段階の農業共済組合連合会で同じように評価を受け、かつ抜き取り調査等も行われる、さらにその上で、農林水産省におきまして別途行われました統計情報部によります減収調査結果等を踏まえました審査を行いまして確定したものでございます。それぞれ所要の手続を踏まれているというふうに理解をいたしておりまして、その金額自体私ども妥当な金額ではないかと考えているわけでございます。
#12
○沢田委員 問題は、今回の災害は、いわゆるどういう意味の災害であったのか、その内容、原因、それからこれからの対応、その点簡単に、編成の立場では当然考えられたことと思いますので、お答えをいただきたいと思います。
#13
○寺村政府委員 今回の災害は、六月下旬の低温寡照、特に北海道の一部、東北、関東地区でございますが、それに伴います冷害、それからほぼ同じような地域でございます北海道、東北、関東地区で冷害に伴います病害の発生がございました。それから、八月から十月にかけまして北海道、東北の一部、関東の一部等でやはり風水害が発生した、そういった災害が発生したことに伴いまして主に水稲を中心とした被害が発生したということでございます。
#14
○沢田委員 去年農林省から発表された水稲の作柄は、「平年並み」というのが八月十五日現在でありました。北海道は平年に対して一〇五という数字でありましたが、六十二年に比較いたしますと、青森、岩手、宮城等、秋田は一〇三に対して九九、こういう数字でありました。
 それに続いて、今度は九月十五日の指標を見ますと、「コメ作柄「やや不良」に 東北・関東落ち込む」、こういうふうに出されております。青森などは前から見ると六ポイントぐらい下がったという結果でありますが、北海道は一〇六という状況になっておりまして、今くしくもあなたは北海道を初めとして言われておりますが、北海道はそうではない。
 その次に日照とか黒潮だとかそういうようなものも出ておりましたが、原因に対しての認識が少し甘いのではないのかというのと、どれだけの災害がこの中から発生をしたと言えるのか。だから、八月十五日現在、それから九月十五日現在の発表と比較して、特に災害と認定するには基準なりそういうものについては極めて難しい面があったんじゃないか。言うならば目見当のことになって、こういう数字が出てきて結果的にはこういう金額になった。この金額を補てんすること自身を私は否定しようとは思わないのでありますが、その運用そのものには完璧さというものに欠けていたのではないかという危惧を持つわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
#15
○寺村政府委員 今回の作況指数のお話がございましたが、最大の被害を受けましたのが宮城県でございます。宮城県は、八月十五日現在の調査によりますと作況指数が九五でございましたが、一カ月後の九月には八四、それから十月十五日にはそれが七五、最終的に作況指数が七五と、月を追って低下をしていきました。それから、その次が福島でございますが、福島も八月十五日現在の作況指数は九五でございましたが、一カ月後には八六になり、十月十五日に七七、そして最終的に七六というような経過をたどっております。北海道は、御指摘のとおり最終的には収穫期一〇四ということでございますが、地域的にややばらつきがございまして、今回の被害は東北地方の太平洋側の地域の被害が大きいということでございます。
 これが大体の概況でございますが、この再保険金の確定に当たりましては、先ほど御説明申しましたように、それぞれの単位共済組合におきまして悉皆調査を行いまして積み上げてきた数字でございます。
#16
○沢田委員 それならば、九月の十五日段階はもうそろそろでき上がっている、あと刈り取りという段階なのでありますから、九月十五日段階ぐらいではもう既に決まっていていいはずです。その九月十五日から、なぜ刈り取りが終わった後にそういう災害のボリュームが上がった、こういうふうに言えるのか。何が原因で言えるのか。その点を、これは簡単にひとつ、これは査定に当たった立場で、そういうことも検討しないで予算編成されたのでは国民も迷惑でありますから、その点は認識してもらわなければ困る、こういう意味であえてお答えをいただくわけであります。
#17
○寺村政府委員 もう一度申し上げますと、例えば宮城県でございますが、九月十五日現在の作況指数は八四でございました。ところが、一カ月後にはそれが七五と約十ポイントほど低下しております。つまり、収穫期でございましても一カ月間の推移によりまして相当収穫に変動があるということでございまして、さらにそれが最終的な調査では低下しているという事情がございますので、その辺も確定した段階でそれぞれの単位共済組合におきまして悉皆調査をやって計数を確定してきたということでございます。
#18
○沢田委員 では、結論的にはおおむねいつ最終的に、毎年度でこれは行われるわけですが、いつの時点でこれは押さえるわけでありますか。これは農林省でいいですよ。
#19
○塩飽政府委員 先ほどから大蔵省の方からお答えいただいておるような経過で、昨年の東北を中心とした、特に水稲についての冷害型の被害があったわけでございますが、その被害の把握にりきましては、今先生からもるるお話がございましたけれども、私どもは、先ほど大蔵省の方から御答弁がありましたように、組合等でかなり濃密な損害評価をやり、それを連合会段階でさらに実地調査を加味しながら組合段階での損害評価の公平性、適正性というものをチェックをし、かつまた全国段階の公平性を確保する見地から、農林水産省におきまして統計情報部の資料を一つの手がかりにしながらチェックをいたして客観的な損害評価をやっているわけでございます。
 そういう損害の把握の仕方を今回も実施をしたわけでございますが、十一月の末の段階で最終的な損害評価を把握するということで実施をしたわけでございます。
#20
○沢田委員 そうすると、八月なり九月なり十月程度にいろいろ発表されることは世を惑わすだけであって、何も意味がないということになるのではないですか。
#21
○塩飽政府委員 統計情報部が水稲を初めとします農作物の収量把握をやっているわけでございますが、特に水稲につきましては、今先生からお話のございましたように、段階を追って作柄の状況を取りまとめ公表をしているわけでございます。それは必ずしも共済金の支払いに直結する趣旨で作況の把握をやっているだけではございませんで、一般的な水稲の作柄状況を把握することによりまして、その後の収穫に至るまでのさらに一層的確な肥培管理の実施を担保するという意味合い、あるいは食糧管理政策上の需給の的確な把握を段階を追ってやっていく、そういった趣旨から統計情報部の方で作柄の段階的な把握をやっているわけでございます。
 先ほども申し上げましたように、最終的な損害評価、共済上の損害評価につきましては、農林省の段階で統計情報部のデータを一つの手がかりにいたしますけれども、基本はあくまで組合、さらに連合会の段階で損害評価員による評価を行っていただいて、それをベースに共済上の損害の把握をやっているわけでございまして、今申し上げたような統計情報部の実態把握の趣旨、目的と、共済による損害の把握とは必ずしも同一ではございませんので、今先生のおっしゃられることもわからぬではないわけでございますが、そういう重なる部分と重ならない部分もございますので、そういう点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#22
○沢田委員 こういう報道で経済界がもし動くと仮定をすれば、もちろんまた動くわけでありますが、もしそういう経済界や国民に与える影響というものを考えてみれば、八月十五日段階ではほぼ平年並みと発表しておいて、今度は九月段階ではやや不良かというふうに出しておいて、それから今度は十月段階になったならばもっとひどいよ、これは言うならば詐欺みたいなものですよ。こういういいかげんな情報をまき散らすよりは、もっと確実な見通しのものを一回発表するべきである。もし今度は逆であって、大変な災害だ、こういうふうに言っておいて今度平年並みだとなっても、多くの国民にそれぞれ思惑違いを起こさせるもとになるわけですね。
 これは気象庁にも前に言ったことがあるけれども、当たらないものを政府発表ということで出してきたらば、国民は迷うだけですね。ですから、今後はこういう見通しの不透明なものを発表することはやめてもらいたい。少なくとも九月十五日段階ぐらいで出したものはせめて最終段階を見通せるぐらいの、皆さんは頭がいい人ばかりなんですからそのぐらいの能力はあるはずですし、そのぐらいのまた情報網は持っておるはずです。今後は、こういう不安定要素をまき散らしてそして国民に動揺を与える、こういうやり方はやめてもらいたい。この点だけ確認して、次に入りたいと思います。
#23
○塩飽政府委員 今先生からお話のございました趣旨、私どもはよく理解できるわけでございます。
 統計情報部の発表する水稲の作況についての経時的な発表、それは非常に重い意味を持っておるわけでございまして、農家なりあるいは米にかかわる関係者にとっては非常に大きなガイドポストになるわけでございます。そういう意味では今後とも統計情報部のより的確な状況の把握による発表を継続する必要があると私どもは考えるわけでございますけれども、ただいまお話のございましたように、その数字は逆に共済の的確な実施の上にマイナスの影響も及ぼしかねない意味合いも持つわけでございますので、今後一層統計情報部による対応に的確性を確保できるように私ども一層努力をいたしたいと考えるわけでございます。
#24
○沢田委員 農林省にちょっとお伺いしますが、今米の関係に一切合財含めてどの程度予算といいますか支出がついていっているのか、アバウトで結構でありますが、国の予算の中でどの程度米に関係する支出はあるのか、お答えいただきたいと思います。
#25
○渡辺説明員 御指摘の数字、詳しいものは持っておりませんが、食糧管理費のベースで、六十三年度の予算ベースで四千四百八十二億、農林水産予算に占める割合が一四・一%になっております。
#26
○沢田委員 これは一般的にこれだけでないと私は思いますし、もっと細かい資料をあれすると兆円に及ぶのだろうと思うのであります。きょうの時間の関係のバランスでそのことは余り問いただしませんが、急な質問であったから数字の算定に正確性を欠くという点もなくはないと思いますので、これは改めて、これは将来に及ぶ影響が極めて大きいものがありますから、いわゆる米と関係するものに果たしてどの程度今国費をつぎ込んでいるのか、やはり正確な数字を積算しておいていただきたい、こういうふうに思って、これは要望して次に行きます。
 問題は、米の再保険勘定では、今回は農業勘定、水稲で五百十億繰り入れをしている。それから家畜の勘定で二百六十七億を繰り入れておる。果樹はあれだけ難しい状況であって、しかも、同じ南の方であったということがあるのかもわからぬけれども四十四億ぐらいで、それほど大きな形にはなっていない。園芸にしても、これは二十五億ぐらいでありますから、他のものから比べれば割合軽度である。森林の方にまいりますと今度は逆に保険料が三十億で一般繰り入ればないというぐらいの被害だ、こういうのですね。
 そこで一つお伺いしたいのは、水稲とか園芸とかそういうものの災害の見方と、林業とかそういうもの、漁業とかというものの見方、漁業も一般会計から六十三億で、これは積立金がうんと多かったからだと思いますが、二百八億支払いもあるわけですね。そういう状況を考えてみると、一般災害と他の災害との均衡、バランス、どういう視点で、それは主食であるから欠乏した時代を考えてみると最大限の政策要綱であるということはよくわかるのでありますが、やはり近代になったら近代のバランス感覚が必要になってきているのではないか、こういう疑念を差し挟みますが、その点はどういう見解に立って対応しておるのですか、お伺いをいたします。
#27
○塩飽政府委員 御案内のように、この農業災害補償制度は我が国の農業制度では最も基幹的な制度でございまして、戦前にももちろん端緒的な制度はあったわけでございますが、戦後の農政の再発足のときに、たしか昭和二十二年でございますか、現在の農業災害補償制度のいわば基本的な姿がその時点からスタートをしたわけでございます。その後、御案内のように我が国の農業も消費の多様化、高度化を追いかけるような形で、農業生産も非常に大きな展開があったわけでございます。経営内容についても、また技術の水準におきましても非常に大きな変化があったわけでございますが、農業災害補償制度についても、それぞれの時期におきます災害の実態を十分反映し、農家の経営にマッチした共済制度になるように対応してきているわけでございます。
 今先生のお話は、農業災害のつかまえ方が少し過剰ではないかというような御趣旨での御質問ではないかというように受け取ったわけでございます。確かに農業については一般的にそういう見方があるということを私どもも自覚はしているわけでございます。しかし、申すまでもなく我が国は、地理的に非常に広がりの多い、また土地の高低の格差の大きい、しかもまた降雨量の非常に多い自然条件にございますので、農作物につきましてはとりわけ災害が起こりやすいことは、これまでの共済の四十年における歴史が実証しているわけでございます。それを、あらかじめ相互扶助の考え方にのっとりまして掛金を積み立て、それに国庫の助成を加味いたしまして災害に備えてファンドを造成して共済を実施していくといった現在の共済の仕組みは、今後とも私どもはニーズの多様化によりフィットする制度に向かっての一層の努力は必要であることは認めますけれども、共済制度の必要性そのものはやはり今後とも維持されるべきものであるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
#28
○沢田委員 その趣旨は理解いたしますが、今のこの共済組合に加入している人は、減反、減反、減反ということで当然減ってくるわけですね。水稲でいけば今までは十アールから三十アールで抑えられていた。今度は二十から四十というふうに抑えられた。そうすると組合員数は、減反によって資格者は減少していくという仕組みになる。減少していけば、今度は負担額が多くならなければ同じ金額を払っていくわけにいかなくなってくる、こういう形が生まれるわけで、いわゆる共済の運営としては極めて難しい状況をこれから迎えていくということが想定されるわけであります。ですから、これから三年あるいは四年、五年を過ぎて、せめて十年ぐらいの展望を持って考えないと大変なことになってしまう。今は再保険でまた本人が積み立てて返していくというサイクルをやっていますが、今度はもう返し切れない金額になっていくことも予想されるわけですね。だからそういう意味においては、この減反政策によって失われていく資格者、組合員、そういうものによって負担の増加あるいは財政の悪化ということにどういう認識と対応を考えておられるわけですか。
#29
○塩飽政府委員 御質問がございましたように、我が国の特に米についての減反、あるいは農産物の自由化といったような非常に大きな条件の変化が進んでおりますので、それがやはり共済の組合員数の減少に結果として出てきていることは確かでございます。ただ、我が国の農家数そのものが減少いたしてきておるわけでございまして、例えば昭和六十二年には四百二十八万戸の農家数に減ってきているわけでございます。四十五年に比較して約七九%に農家数全体が減少したわけでございます。その中で共済に入っておられる組合員の方の数も年々減少はいたしてきておりますけれども、そして六十二年には三百五十万戸程度に減ってきておりますけれども、農家数の減少とほぼパラレルに減っているということが言えようかと思います。
 さらに、そういう減反等に伴う共済組合員数の減少ということは、保険でございますので、いわゆる母集団の縮小という保険経済にとっては最も望ましくない事態になってくるわけでございまして、一般論として申し上げますと、やはりできるだけ母集団を確保する点から、組合員数の減少あるいは引受面積の減少というものにできるだけ歯どめをかけていくという必要性は一般的にはあろうかと思います。
 ただ、農業勘定の収支にそれがどのように響いてくるのかという点で、今回の一般会計から繰り入れした額が将来果たして繰り戻しができるのかどうか、それが一層困難になるのじゃないかという点につきましては、確かに引受面積の減少等に伴いまして繰り戻しに必要な年限がより長くなるという可能性が出てくるということは率直に認めなければいけないというふうに思うわけでございます。
 しかし、過去の実績を見ましても、農業勘定は、先ほど申し上げたような組合員の減少の実態にもかかわらず、一般会計からの受入金の繰り戻しについては着実に実施をしてきているわけでございます。昭和六十年度から六十三年度までの四年間に、平均一年間に約四百億ぐらいの繰り戻しを一般会計に対して行っているわけでございまして、今回の措置によりまして新たに三百二十二億を受け入れることにより約四百五十億ぐらいの累積受入額になるわけでございますが、ただいま申し上げたような過去の実績等を加味いたしますと、今後一層関係者の努力を加味することによりまして、将来の累積繰入額の返済についても対応が可能なのではないかというふうに見られるわけでございます。
#30
○沢田委員 いろいろ述べられましたが、農林ではお互いが痛みを分かち合うという立場になりますから、こういうものについての展望にはやや刺激的な発言というものはなくなるのであります。だから、私はあえて良薬口に苦しという立場で、農林も将来展望を持って、これでお示しをいただいた数字、若干違うんですが、水稲の共済引受戸数は、昭和四十五年が四百二十七万戸、それが六十三年は三百十三五尺百万戸減ってきているという状況ですね。これがまたさらにこの減反が続いていくわけですから、そうすると二百万台になることもこれはもう当然の帰結になります。
 そういう状況においての保険共済事業がどういう形態で維持され、どういう国の面倒をあるいは援助を受けるか、そういう体系を、これは農林の委員会の仕事ですからあなたの方にお願いしますけれども、こういう形に立ってどういう再建方策あるいは健全方策、そういうものを確立するかということをよく有識者等も集めて検討をして、今後の共済に当たってはかくあるべきだというのが次回には報告できるように、ないことを期待しますが、報告だけは期待しますよ。期待しながら、早急に対応していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#31
○塩飽政府委員 今、一般的に水田減反に伴う水稲農家戸数の減少が共済組合員の減少になって、将来の保険経済上の問題が非常にあるのではないかという御趣旨の御質問だったと理解したわけでございますが、確かにそういう一般的な傾向があるわけでございます。また、特に果樹等につきましては加入農家数の伸びがなかなか確保できないという悩みがございます。こういった加入数の確保については、例えば昭和六十年の制度の改正におきましても、組合員のニーズによりマッチした保険制度に内容を充実していくという趣旨から、一々は申し上げませんけれども、かなりきめ細かい制度の改正を実現をしていただいているわけでございまして、必ずしもそれが直ちに具体的な加入数の増加となって結びついてはきていないうらみはございますが、今後さらに新しい制度の趣旨のPRにも一層努めまして、加入数の確保を図っていくということにつきましては一層の努力をする、そういうことによって一般的な母集団の確保を図ることによる保険経済の維持を図っていくということは、私どもの対応すべき任務の第一だろうと思うわけでございます。
 また、ただいま先生からもお話がございましたように、将来に向かって制度の内容について一層の検討を加えまして、改善すべき点については的確に改善を図っていくということについて私どもも十分認識をいたしておるわけでございます。そういうことを念頭に置きつつ、実は昨年秋以来、専門の方々にお集まりいただいて将来に向かっての制度のあり方についての研究をいただいているわけでございまして、そういう研究成果も見ながら、今の御趣旨にこたえ得るような制度にできるだけ持っていくということで努力をしていきたいと考えているわけでございます。
    〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
#32
○沢田委員 今ここで答えてくれと言わなかった。私は、今後検討してくれと。例えば二十をまた十に減らす。小麦は十なんだから、じゃ十は七に減らす。そして保険受給者の数をふやす、あるいは農業保護を充実させる。二十以上でなければ面倒を見ない、こういう発想でなくて、あるいはもっと低い水準から考えていくということもあるだろうと思うのです。あなたが言ったから私も一言言っておくんだが、そういうものを含めていろいろな分野で検討してください、このままでいったらもっと激しい破滅の状況に向かっていきますよということを私は予言して申し上げているわけなんです。以上、あとはもういいですからやってください。
 それから、ちょっとこれに関連しますが、今の就業状況というものを見ますと、いわゆる第二種兼業がもうほとんどになってしまっているという状況でありまして、これはもうちょっと古い、六十年の数字だけで見ましても、いわゆる三ちゃんから一ちゃん農業になってきているという傾向もある。これは言うだけ言っておきます。
 それからもう一つは、農業就業者一人当たりの農用地面積と農用地率というものがあるわけです。数字が出ているんです。これはあなたの方から出ているものをとったんですが、日本が最下位なんですね。これはマレーシア、インドネシアよりも下、もちろんカナダやこういうものは問題にならないですから省略しますけれども、もし必要なら、それはそういうことでなぜこういう状況があるのかというものを見てもらいたい。
 さらに土地の生産性の問題で、四国、関東、東海、北陸、中国、北海道、こういう順、その間に東北がありました。そういう順に土地の生産性の利用率も差がある。やはりこれも一つの検討課題ですから、一応そのことを希望して、次の問題に行きます。
 国土庁に来ていただいておりますから、続いて国土庁にまずお伺いをしておきたいと思うのです。
 昭和四十三年にできた都市計画法で調整区域、市街化区域と区分したわけですが、その後、四十五年ごろの高度経済成長によって乱開発が行われ、今や調整区域においても調整区域にあらず、市街化区域にあっては都市施設を十年以内に整備することが法律上約束されておるが、これも実らずという状況であります。この市街化区域、調整区域に対して、今後どういう視点で検討して、これは建設省かもしれませんが、国土庁としては、国土の保全という立場を考えてどういう理解をしておるか、これが一つ。
 それからもう一つは、国土法で示す指導価格、これが守られなかった場合の取り扱いについてどう対応するか。その二つ、まずお答えいただきたいと思います。
#33
○大日向説明員 まず第一点の方の市街化区域の中の農地の取り扱いについてお答えいたします。
 御指摘のとおり、これは国土利用に当たりましても重大な問題でございまして、現在、国土庁、それから自治省、建設省、大蔵省等々の省庁の課長レベルを集めまして、この市街化区域の農地をどのように今後扱っていくかという連絡会議を開いてその取り扱いを協議しているところでございます。
 主な論点となっておりますのは、先生御指摘のとおり、現在市街化区域内に繰り入れられております農地の面積が余りにも過大過ぎる、しかも、市街化区域に存するがために虫食い的に乱開発されている、こういう問題がございますので、やはり今後においてはそこに真剣にメスを入れまして、そして今後都市開発として開発すべき地域と、それからやはりそういうことが適当でないということであれば農業地として活用していくという地域、それを仕分けしておのおの適正な行政措置をしていくということが肝心であろうかと私どもは考えているわけでございます。
    〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕
 それから第二点の国土利用計画法の届け出、そういったものがなされなかった場合の措置でございますが、現在、無届けということに対しましては刑法上の制裁措置がとられるようになっておりまして、六月以下の懲役あるいは三十万円以下の罰金、こういった刑法上の制裁措置もとられるようになっておりますが、中におきましては、うっかりしてこの法律を知らなかったというようなことで情状が軽いようなものにつきましては、呼び寄せまして文書により厳重注意、このような方法をとりまして、今後国土法の規定がきちんと守られるように常日ごろから指導しているところでございます。
#34
○沢田委員 前の方のはそれはいいですが、後の方の問題で、先般リクルートの問題も絡んでおりますが、これは名前は省略しますが、当初三十六億という指導価格が出た。ところが、六十七億ぐらいでなければ売買できないということでいったが、これも交渉が決裂した。そうしたら、これは埼玉の方で起こっていた問題を大阪の簡易裁判所に持っていった。それで和解をして八十七億ですかという金額で両方の弁護士で調停が成立をした。これはどういうことを意味するかというと、二つある。
 一つは、行政の方で決めた国土法で示した三十六億を守られないというのに引っ込んでいるというこの状況、これでは守ってきた人たちとのバランスは何で図るのかということなのです。これが一つ。
 それから、裁判所を使ってかご抜け詐欺みたいに利用して、両方の弁護士で和解をして国土法の価格が破られたことに対して、行政府なり立法府としてはどう対応するのか、こういう問題を含んでいるわけですね。このままで、あいまいのままにしておくことが果たしていいのかということが問われていると思うのです。では、今までそれに従ってきた人たちにどう釈明するのか、それをまずはっきりお答えいただきたいと思います。
#35
○大日向説明員 お答えいたします。
 御指摘のように、環境開発と当時は言っておりましたが、現在のリクルートでございますが、昭和五十八年に浦和市の沼影の土地を民事調停により取得した事実につきましては、埼玉県からの報告により承知しております。
 国土利用計画法の届け出事務でございますが、これは都道府県知事の機関委任事務ということでやっていただいておるわけでございます。何せこの事案、五年前の事案でございまして、この究明のため埼玉県知事も大変御腐心しておられるというふうに伺っておりますが、現在のところ、本件が届け出義務を免れ、悪用されたものであるとの判断、決め手、そういったものを持ち合わせるには至っていないというふうに伺っております。
 それから、国土利用計画法におきましては、司法と行政との調整を図るという観点から、民事調停法による民事調停等を届け出義務から除外しておるわけでございます。しかしながら、一昨年、適用除外の一つである即決和解を悪用している事例が見られたものでございますので、国土庁といたしましては、このような悪用を防止するため、昨年七月に、最高裁判所とも相談いたしまして、即決和解、民事調停等の事案の処理に必要となる情報を裁判所に対して提供するなどの体制を整えまして、この体制の活用の方法につきまして最高裁判所にもよく説明しまして、最高裁判所ではこの趣旨を下級裁判所に対して周知したと聞いております。
 正義の象徴であります裁判所を利用いたしまして国土利用法を潜脱するというようなことがもしあったといたしましたならば、これは大変遺憾なことであると私は存じております。行政の権威が傷つくと同時に裁判所の権威も傷つくことであると思っています。このような情報提供の体制を通じまして今後かかる事態がまた起こることがないように、裁判所における民事調停等の適正な処理を期待しておるところでございます。
#36
○沢田委員 それぞれにわたる問題でありますから非常に難しい。いわゆる三権分立ということがまた逆に利用されたという結果になっているわけでありますが、この後といいますか、これ以外にはないと言い切れますか。
#37
○大日向説明員 お答えいたします。
 このようなことがあってはならないということでございまして、毎年全国の県の課長を集める会議がございますが、その場におきましても、こういったことが起きないようによくチェックしてください、それから裁判所の方からこういうことが照会があったら直ちに対応するようにというような指導を行っておりまして、こういった体制をしいた後、七、八件裁判所からそういった照会があったというようなことを聞いております。そのようなことで、この警戒体制といいましょうか、この体制によりましてこのようなことが今のところ防がれているのではないかと考えております。
#38
○沢田委員 これは時効は何年でしたか。三年でしたか。
#39
○大日向説明員 お答えいたします。
 三年でございます。
#40
○沢田委員 それで、今のが四年だということでこれは免れたわけでありますが、こういう機会でありますから、やはり延長してやっていく、時効期限を延長しながら監視能力を強めていく必要性があるのだろうと思うのであります。これはいつの場合であるかわかりませんが、立法措置をどこでとるかは別でありますけれども、やはりこの期間を延長して、時効期限を五年なり、税法でも七年ということでありますから、七年ぐらいに延ばしたらどうか。あなたの方でそうですねとは言いにくいかもわかりませんけれども、ひとつそういうことで検討してみてもらいたい。これは議員立法かなんかで出した方がいいのかもわかりませんが、そういう意味では、ひとつ見解だけお聞かせいただきたいと思います。
#41
○大日向説明員 お答えいたします。
 刑の問題につきましては、これはすべからく法務省のあずかるところでございまして、刑の均衡とかいろいろな問題があろうかと存じます。御指摘の点につきましては、私の方といたしましても、十分に法務省とも相談させていただきまして検討させていただきたいと思っております。
#42
○沢田委員 当事者能力がないのなら何をか言わんやということでありますが、しかし、一般の国民はこれではなかなか了解はしないということになります。
 それから、あと大蔵省にお伺いしたいのですが、こういう国土利用計画法の指導価格、これは立法的に難しいかもわかりませんが、それを変えた場合には重加算税をつけるとかあるいは土地の優遇措置を外すとか、そういう行為が、一般の正直に守っている者は泣き寝入りであって守らなかった者がまかり通っていくということは不公平でありますから、一応やはり検討してみる必要性があるのじゃないか、こういうふうに思いますが、大蔵省、いかがですか。
#43
○瀧島政府委員 お答えいたします。
 御指摘の点でございますが、実は土地をめぐる税制につきましてはいろいろな問題がかねてより指摘されており、毎年のように幾つかの事項についても改正が行われております。現在でもなお検討すべき問題が多々あるわけでございますが、御承知のとおり現在土地基本法の制定というものが準備をされつつある段階でございまして、その制定を見た場合に、それを踏まえ、いろいろな角度から問題とされている事項につきましては根本的に検討しなければいけない、御指摘の点もその一環として考えていかなければいけないかなと考えております。
#44
○沢田委員 非常にいい回答をしてもらいました。大いに期待をしておきます。
 続いて、自治省で特別土地保有税減免の通達が出ております。この特別土地保有税の減免で先般お伺いしたが、総額は千五百億ぐらい、こういうふうに聞き及んでおりますが、全国で何カ所ぐらいあって、どの程度の面積、一件当たりの面積がどのぐらいで、固定資産税を減免されている所有地というのはどの程度なのか、お答えいただきたいと思います。
#45
○小川説明員 お答え申し上げます。
 特別土地保有税につきましては、ただいま委員御指摘のございましたように、昭和六十二年度で約一千五百億円の免除措置が行われているところでございます。ただ、そのほかの点につきましては、私ども具体的に個別の調査をいたしておりませんので今お答えできる状態ではございません。
#46
○沢田委員 これもリクルート問題で、わざわざ土地の固定資産税を減免して六億五千万に及ぶ免税をしていたわけです。これは、一人一人の国民にとってみれば大変な金額なのです。それがよくわかりませんということでまかり通るということではどうにもならない。時間がぎりぎりなのですが、速やかに調べてもらいたい。テレックスがあるのですから、全国出したってどうってことはない。きのう出したらきょう着くというぐらいなもので、調べる気があれば調べられたはずなんです。ですから、そういうことで、それはそのままの回答では済まされない。全国の市町村、都道府県全部出して、大蔵委員会に提出してください。お願いします。
#47
○小川説明員 全体の件数等についてはある程度調査が可能かと思います。ただ、それには若干時間がかかると思います。個別の課税関係については、私ども課税庁ではございませんので、その点は十分御承知おきいただきたいと存じます。
#48
○沢田委員 要すれば、私が言った要件を満たすために各省庁、何もあなたの省だけではないんだから、それぞれの省を通じて、特別土地保有税を実施している市町村、そんなものは調べるのは簡単ですね。どこの市町村で適用しているか、どの程度の規模であるか、全部個々に出るでしょう。こんなものは出してください、この大蔵委員会に。これは約束してください。できませんだなんてことでは通らぬ。
#49
○小川説明員 ただいま申し上げましたのは、件数等について全国ベースでの総数等のものにつきましては、先ほど申し上げましたように調査が可能であろうかと存じております。ただ、個別のものにわたる部分につきましては、これは個別の課税関係の議論でございますので、自治省という立場、これは市町村の税でございますので、課税庁である市町村以外にそれを知らせる仕組みになっていないという点だけは御理解をお願いしたいと申し上げたところでございます。
#50
○沢田委員 私も市会議員をやっていたから、個々の名前を出せなんて言っていないんだよ。要すれば、どこそこの市町村にどれだけのものがありますということと、金額はほぼ出ているから、それを出してくださいと。それはぜひ出してくださいよ。
#51
○小川説明員 ただいま申し上げましたように、そういう数字につきましては若干時間をいただけばお出しできると存じております。
#52
○沢田委員 では出してもらうことを期待して、もう時間だからやむを得ぬ、終わります。
#53
○中村委員長 橋本文彦君。
#54
○橋本(文)委員 我が党は昨年の九月の下旬に、農作物の異常低温気象で現地視察を行いました。そこで生の声をじかに、つぶさに聞いてまいりました。
 農林省の経済局長は、東北地方あるいは北関東の方に実態、実情を視察に行ったことはございますか、昨年。
#55
○塩飽政府委員 佐藤農林水産大臣が宮城県の被害地域の調査に参られるのに随行して参りました。
#56
○橋本(文)委員 経済局長も現地の実情を視察したわけでございます。どのような声が農業従事者から上がってきたか、それをまずお答えください。
#57
○塩飽政府委員 昨年の冷害は、先ほど来お話が出ておりますように、五十五年に次ぐ非常に大型な冷害だったわけでございますが、単に大型ということだけではなくて、地域によりまして、また農家によりまして被害の発生の態様にかなりの違いといいますか、ばらつきが見られた。隣接した圃場でも必ずしも同じような形態の災害が発生をしていないということで、農家の方は、特に被害の的確な把握並びにそれに対応した共済金の早期支払い、あるいは被害数量の把握においての特に被害粒の見方等につきましての的確な対応について、現地でも御要望が出ていたというふうに記憶をいたしておるわけでございます。
#58
○橋本(文)委員 そういう非常に難しい話じゃなくて、農家の生の声としてどういうのがあったか具体的に、もし聞いておったらばお答え願いたいと思います。
#59
○塩飽政府委員 直接、圃場での時間が短かったものですから、今申し上げたような話をそれぞれの方が具体的に言われたのだと思いますけれども、今先生の御趣旨のような本当の生という意味では十分ではないかもしれませんが、先ほど申し上げたような趣旨の声が現地の大臣との会合でも出ていたというふうに記憶をいたしているわけでございます。
#60
○橋本(文)委員 経済局長、この共済金の再保険に関係するわけでございますけれども、現地を見まして局長自身の感想、これはどのようにお持ちでしたか。
#61
○塩飽政府委員 ごく一部の地域しか現場を見ることができなかったわけでございますが、昭和五十五年に私も現地で県の部長で冷害を経験いたしておりますが、それとの比較でも、今回の冷害は農家に与えた影響が非常に大きいなという印象は率直に受けたわけでございます。
#62
○橋本(文)委員 とにかく、本来ならば実るほどこうべの垂れる稲穂かなという言葉がありますけれども、それが全くなくて、もう青々とした感じの稲穂が万歳しているような格好で、天を向いて突き出している。びっくりしました。そしてその色が赤茶色といいますか、点々と黒いいもち病がある。ひどいなあという感じがいたしました。そして一番ショックを受けたのは、どこを回っても、本来収穫時には必ずいるスズメが一羽も見当たらないことに気がつきまして、スズメはどうしたのですかと聞いたら、いやスズメはいません。これは一番びっくりいたしました。
 それで、とにかく先ほど局長も言われておりましたように、共済金の早期支払いということもたくさん出ましたけれども、特に私の方で強く要望を受けたのは、いわゆる共済金の支払いに対しての足切り問題。つまり損害が一〇〇%計算されてこないのだ。どうしても七〇%、八〇%というものになってしまって、その辺が大変なのだ。今回はどうしようもこうしょうもない災害である。どんなに努力を傾けてもこの災害は回避できなかったのだ。我々がサボったわけでもない。そういうわけだから、何とか一〇〇%補償金が出ないだろうか、こういう声が出ました。しかし、現実には足切りという制度がございますので、この点について、なぜ今回も普通の共済金支払いと同様に足切りがあったのか、それを少し説明していただきたいと思います。
#63
○塩飽政府委員 共済には、損害の全部ということではなくて、いわゆる足切りがあるわけでございます。この趣旨は、先生当然御案内のことだと思うわけでございますが、軽微な被害についてまで全部国の財政的な裏打ちのある保険制度の中に取り込むということはいかがなものか、やはり農家である以上、農作物の栽培についての対応、わけても災害に対しての十分な対応というのは、当然経営の一環として予定をされ、期待をされているわけでございます。
 そういう農家の自助努力を促すという意味合いも込めまして足切りの制度が設けられているわけでございますが、とりわけ水稲につきましては、一筆方式あるいは半相殺農家単位方式、全相殺方式という三つの方式の別ごとに、足切りが三割から一割の範囲内で決められているわけでございまして、ある程度まで組合単位での足切りの選択、具体的な一筆方式でいくのか、あるいは農家単位の半相殺でいくのかといったような選択の余地があるわけでございまして、いわば農家を中心とします組合の意思によりまして、足切りの制度を選択していただいておるということが大前提にあるわけでございます。
 さらに、実際に被害が生じた場合に、意外に共済金のもらいが少ないんじゃないかという御不満、これは常に起きる問題でございます。今回もそういう声が当然出てきたわけでございますが、それにはそういう足切りということのほかに、被害のつかまえ方についての、いわば共済制度の被害のつかまえ方と統計情報部の被害の把握の仕方との食い違い、あるいは常識的な被害の把握との食い違いというようなものが非常に絡んでいるのじゃないかという気がいたします。
 先ほども申し上げたわけでございますが、統計情報部の調査によりまして最終的な損害評価のチェックをいたすわけでございますが、統計情報部の一般的な被害の調査は、例えば六十三年の水稲では総量で百三十二万五千トンの減収があった、被害があったというのが統計情報部の集計でございます。それに対しまして、今回共済で共済金の支払いの対象となった減収量は三十三万八千トンでございまして、統計情報部の被害に対して約四分の一ぐらいの数字になっているわけでございまして、マクロでつかまえてもそれだけのギャップがあるわけでございます。
 これは、統計情報部の被害調査というものは、災害がもし起こらなかったらどれだけとれただろうということを前提に、そこから被害額を把握するわけでございます。それに対して私どもの方の共済の制度では、契約の前提となっております基準収穫量ということをベースに共済の契約関係が成立しているわけでございます。そういった基準収穫量に対してどれだけの落ち込みがあったかということで把握をいたしておるわけでございまして、そこにかなりな差が出てくる制度的な原因があるわけでございます。
 そういうことが重なりまして、実際に農家の方が御自分の感覚で受け取られておる被害額、あるいは統計情報部の資料から類推されている地域の被害額に対して、受け取った共済金が意外に少ないという印象を持たれるというのは、そういうことにも原因があるのじゃないかなという気がいたすわけでございます。そういうことが農家の方の実感に対する説明として言えるんじゃないかという気がいたします。
#64
○橋本(文)委員 共済制度の契約そのものから仕方がないんだというふうになりますけれども、それは農家の方も観念的にはよく把握しているわけでございます。しかし、今回の異常気象ということで非常にこだわっているのは、私の方もびっくりしたということで、あえて質問いたしました。
 そして、この不稔の水稲をやはり刈り取らなければならない、また乾燥しなければならない。一体この費用はどこから出るんだという本当に悲痛な声を出す。もうどうでもいいから、このまま田んぼごと焼き払ってもらいたい、こんな声も出ました。それはよく御承知と思います。
 先ほども話がございました、この損害のいわゆる評価についての損害評価員ですが、今回の地域、特定の地域でございましょうけれども、一時に損害の査定をしなければならない、評価をしなければならない。現存の評価員だけでは大変不足したんではないかという声も聞きました。そこで、かつて評価員として活躍したいわゆるOBを、こういう異常事態にはすぐ評価員として使えるようなシステムとか制度というものは考えておりますでしょうか。
#65
○塩飽政府委員 損害が起こりました場合の損害評価員は、組合ごとに組合長さんに任命をしていただいておるわけでございます。これは組合によって当然違いはございますが、おおむねそれぞれの集落単位にこの人ならばという方を選んでいただいて、日ごろから損害評価員として任命をし、災害のあるときに備えていただいているわけでございます。全国で約十九万四千人、それぞれの組合に所属をされておりまして、一組合では平均百四十八名ぐらいの評価員の方がいらっしゃいます。これだけの評価員の方がいらっしゃるわけでございますので、相当程度の被害でも、この評価員の方で十分対応できるのではないかと私どもは思っているわけでございます。
 ただ最近のように、東北地方でも兼業が相当進んでおりますから、評価員の方といいましても相当部分の方は、いわゆる兼業農家として工場に勤める、あるいはサラリーマンとして勤めておられるという方が多いわけでございます。そういう方に損害評価のために田んぼに出ていただくために、それぞれの職場に対して、有給休暇が円満にとれるようにお話をするというようなこともそれぞれの組合の努力でやっていただきながら、現実の評価の作業に携わってきていただいているわけでございます。
 また、この損害評価は、保険金を受け取る者にとって、本当に公平に行われるかどうかということが一番関心を持たれるわけでございますので、念には念を入れるというやり方で評価をやっていただいておるわけでございます。先ほど申し上げたわけでございますが、組合の中では、被害を受けた圃場全部を悉皆調査をやっていただく。それもただ一人の評価員ではございませんで、三名一チームになって圃場を見回っていただく。そして評価に入る前に、評価にばらつきが出ないように目ぞろえをした上で、評価の目をそろえた上で評価に入っていただくということをやっております。また、組合段階でやりました評価を連合会の段階でさらに抜き取り調査をやりましてチェックをするということ、それからさらに、農林水産省に連合会から上がってきた損害評価を、統計情報部の調査を一つの手がかりにしながら、全国的に公平な評価が確保されるように私どもの方で、これは決して査定をするというようなことではございませんで、公平を確保する見地からチェックをし、確認をするということをやっているわけでございます。
 こういうことで、昨年の冷害でも評価員の方の大変な御活躍があったわけでございますが、私ど
もは今申し上げたような対応で的確に対応していただいたと受け取っているわけでございます。
#66
○橋本(文)委員 今回の異常低温冷害ですが、いわゆる冷害に強い品種という形で植えたものがだめになってしまった、こういう声を聞きました。農林省としては冷害に強い品種の改良、こういう研究を当然していると思うのです。収穫量、価格面、品質、その味、こういう点についてどの程度まで研究が進んでいるのか、またその見通しについて、もしお考えがあれば。
#67
○村上説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生おっしゃいました耐冷性品種の開発でございますが、私どもといたしましては、東北農業試験場とか北海道農業試験場などの地域の農業試験場と、道県にございます研究機関とが連携をとりながら進めておるわけでございまして、これまでにいろいろな品種がつくられておりまして、品種の力といたしましては、耐冷性が総体的に向上してきているのではないかと考えております。最近では、例えばコチミノリとかハツコガネといった耐冷性に強い品種が出てまいっております。
 これまではどちらかといいますと、国内の耐冷性品種を遺伝資源として活用して育成しておりましたが、これだけではなくて、例えばインドネシアとか中国の雲南とか、そういった海外からも耐冷性の品種を導入いたしまして、これを育種素材として品種の開発を既に始めておるわけでございます。こういうものを活用いたしまして、さらに耐冷性が強い品種、しかも品質がよくなくてはいけないわけでございますので、そういう品質のよい品種の育成にさらに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 なお、農林水産省の研究機関といたしましては、昨年の十月に北海道農業試験場あるいは東北農業試験場に地域基盤研究部を設置するとかいうことで、特に耐冷性の品種の育成あるいは問題になっておりますやませの対策、こういうような冷害対策に関する研究を一層強化していくということをしておりまして、さらに御趣旨に沿うような品種開発に努力をしてまいりたい、こんなように考えております。
#68
○橋本(文)委員 どんなに品種改良が進んでも、いわゆる冷害という自然条件には勝てない、こう思います。したがって、冷害に強い品種の改良がどうしても必要なんですけれども、今回のような災害を見ますと、天候、いわゆる自然条件そのものの的確な情報提供あるいはその措置、これがどうしても必要だと思うのですね。これは各農家が個人的な経験等で、この時期じゃなかろうかというだけでは到底もう対応できないのではないか。どうしても県あるいは国の方でしかるべき措置を考えなければいけないのじゃないか。
 きょうは気象庁を呼んでおりませんけれども、そういう的確な情報というものをサービスしなければいかぬのじゃないか。今回、まじめな篤農家と言われる方ほど被害を受けてしまった、研究熱心な人であればあるほど損害を受けた、こういう実情を見まして、どうしたら被害を最小限度に食いとめることができるのか、そういう対応策をまずお聞きしたいと思います。
#69
○武政説明員 御指摘の、気象の変動に対応した稲作技術を指導していくということは大変重要なことだと考えておりまして、先生はきょう気象庁を呼んでおられないとおっしゃいましたが、私ども農林水産省としましても気象庁と一緒に全国農業気象協議会を設置いたしまして、そこで常々の気象情報、またその気象情報に沿った技術指導を行っているわけでございます。
 六十三年も、実は気象庁から刻々と情報が参りまして、非常に危険だということもかなり早くからわかってまいりましたので、私どもも都道府県との綿密な連絡なり、それから関係機関の担当官を現地に派遣するなりもいたしまして、非常に努力をいたしたわけでございます。しかし、御承知のように、六十三年の冷害というのは、早期の記録的な低温と、その後のまた記録的な寡照によっております。これが被害を大きくしたわけでございまして、この二つは技術的にもいかんともしがたしという部分もありまして、今回の被害を招いたわけでございます。
 しかし、我々もその後さらにこれを分析してまいりますと、やはりきちっと技術を励行しておられる方、またそれぞれ工夫をされている方は、被害が軽減されていたり、その他の人と違ったりいたしております。六十三年だけでなく五十五年にも大冷害がございましたが、こういう冷害の結果を我々も十分に踏まえまして、今後の体制づくりなり指導なりをしてまいりたいと考えております。
#70
○橋本(文)委員 昨年の冬もいわゆる暖冬と言われました。そして六十三年度はああいう異常気象。夏も寒かった、雨も多かった、それに日も照らなかった。この間保険課長さんと一緒に話したのですけれども、こんなことを審議するよりも、いつでも好きなときに太陽が出るような方法はないものだろうかと冗談半分にやったのですが、そうでなければ解決できないと思います。
 それで心配しているのは、ことしも暖冬でございます。ソ連でも異常なほどの暖冬であるというニュースを聞きまして、この春から夏どうなるのだろうと心配をしております。その辺の今年度の見通しはどのようにつかんでおりますか。
#71
○武政説明員 暖候期が出るわけでございまして、ことしの中長期の気象予報を考えましてもなかなか油断ができない年だと我々も考えておりまして、このたびの春夏作の技術指導でも昨年の冷害の結果を十分に踏まえまして、かなり綿密な指導をしているところでございます。
 ただ、気象変動そのものが今後どう推移するかということは、我々としても気象庁と十分打ち合わせをしているのですが、定かでない部分もございます。ですから、常に即応できる体制を用意していくことが大事だと考えております。
#72
○橋本(文)委員 油断できない状況のようでございます。
 一般会計から特別会計への繰り入れにつきましては、いわゆる繰り戻しがあるので大丈夫であるという説明を受けました。しかし、今まではうまくいったけれども、これから従来どおりうまくいくという可能性はだんだん少なくなってくるのではないか、こう思います。今までは五十年あるいは百年に一回あるかないかというような異常気象がこれから頻繁に起こるのではないか、こういうことを危惧するわけです。
 そうしますと、現在のような農業共済のあり方が果たしていいのだろうか。先ほど沢田先生も質問いたしましたけれども、農家が安定した生活基盤をつくるための収穫量の確保とか、そういう点を担保する意味での共済制度を今後どのように強化しなければならないのか、どうあるべきなのか、そういう展望はどのようにお持ちでしょうか。
#73
○塩飽政府委員 農業災害補償制度の今後のあり方につきましては、考えていかなければいけない要素がいろいろございます。
 御案内のように、農業自体が非常に大きく状況が変わってきているわけでございます。それを受けまして昭和六十一年に農政の基本方針が農政審議会の答申として出されて、それに基づいてもろもろの政策の展開が行われているわけでございます。水田利用再編対策、構造政策の展開、あるいは価格についてもより規模の大きい農家を育成する観点に立っての価格水準の決定、あるいはその他の価格政策の展開がなされているわけでございます。
 災害補償制度も、そのときどきの農家の事情に対応いたしまして制度改正をかなり行ってきているわけでございますが、六十一年の農政の基本方針についての答申を受ける形で見直しをやる必要があるのではないかということで、昨年から研究会を設けまして検討をしていただいているわけでございます。
 どういう方向でということの具体的な方向性というものはまだ定かではないわけでございますが、私どもは、この制度が今後とも農家の最後のよりどころといいますか、いわゆる安全弁として、その効果をより的確に発揮できるような制度に持っていく必要があると認識をいたしておりますが、具体的にそれを制度面でどのように実現していくかといういわば各論の話については、今後さらに関係者の御意見を十分お聞き取りしながら、考え方をまとめていきたいと思っているわけでございます。
 先ほどから出ておりますように、加入者をできるだけ確保するということが一番の眼目でございますが、そのために制度面でどのような改善なり充実を図ればいいのかということに尽きるわけでございます。魅力のある制度に持っていく必要があるわけでございます。しかし、国の制度として財政的に相当な裏打ちがあるわけでございますが、これを改善充実を図る観点からどのように考えていくべきかということで、さらに引き続き検討を重ねていきたいと考えておるわけでございます。
#74
○橋本(文)委員 よろしくお願いしたいと思います。
 いわゆる共済金の支払いは既に終わったと思いますけれども、現実に大幅に減収したという点で、被災農家の雇用確保については具体的にどのような措置を講じたか、お伺いしたいと思います。
#75
○馬場説明員 被災農家の食糧の確保の問題でございますけれども、これにつきましては、特に農家が被災いたしましたために食糧が確保できないというふうな申し出がございました場合には、知事に対する米の売り渡し、そういうものをいたしまして、その支払いにつきましては延納措置を講じまして、農家の負担軽減を図るというふうな措置を講ずることとしておったところでございます。しかしながら、このような入れ物と申しましょうか、措置を用意しておったところでございますけれども、六十三年の冷害に当たりましては特に農家の方から申し出がなかったものでございますので、実際にはそういう発動と申しましょうか、そういうことはなかったということでございます。
#76
○橋本(文)委員 質問の趣旨を取り違えたと思うのですけれども、被災農家が土木作業、公共事業等に働きに行かなければならぬのじゃないかという声があったものですから、そういう点で被災農家の雇用確保は図られたのか、図られてなかったのかという具体的な問題を聞きたかったのです。
#77
○塩飽政府委員 雇用の確保の問題につきましては、農林水産省関係の公共事業の実施に当たりまして、被災地域の農家の就労希望などを的確に把握していただきまして、農家の希望がある場合に、被災された方が公共事業の作業に就労できるような機会を提供するということで、関係方面に指導したわけでございます。また、国有林野事業で緊急に除間伐事業を実施し、被災農家の雇用拡大を図るというような対策も実施したわけでございます。
#78
○橋本(文)委員 具体的にどういう方面に就労したかという報告はないのですか。
#79
○塩飽政府委員 恐縮でございますけれども、その実施の結果、実際どういう雇用の態様があったかということについて手元に資料を持ち合わせておりませんので、必要があれば後ほど御説明したいと思います。
#80
○橋本(文)委員 要するに、共済金の支払いをすれば事足りるという観点からじゃなくて、今後農家がどういう生活をしていくのかというところまで踏まえて、ぜひとも把握していただきたいということで質問いたしました。
 任意共済事業の保険加入率、あるいは露地野菜と地域特産物的な露地野菜の共済制度化、あるいは農業の活性化といういろいろな点から地域問題にも触れたかったのですけれども、時間がなくなりました。
 最後にぜひお答え願いたいのですけれども、先ほどもお答えがありましたが、だんだんと農業人口が減ってきております。農業就業人口の男女計を見ると、七二・五%が五十歳以上である。非常に高齢化と言われております。男子の場合ですと五十歳以上が七五・七%を占めてきてしまっておる。そして新しい人が農業に就業しない、これがふえてきている、こういう状況でございます。こういう状況の中で、生産者米価引き下げという問題がこれまたありますし、農産物の自由化、これも大きな問題。そして減反、また頻発するであろう今回のような異常気象、こういうことによりまして農業に情熱が持てなくなってしまう、これを大変心配しております。と同時に我が国の農業に大変な不安を抱かざるを得ない、こう思います。
 二十一世紀を展望して、希望ある、そして活力ある農政のあり方、こうすれば農業には情熱が持てるんだという経済局長のアピールをぜひお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
#81
○眞鍋説明員 我が国の農業につきましては、先生御指摘のように非常に難しい問題に直面をいたしております。対外的に牛肉・かんきつ等の自由化の問題とか、いろいろ難しい非常に厳しい状況にあることは我々も十分認識をしておるところでございます。しかしながら、最近では技術革新でございますとかいろいろな要素もございまして、農業者の創意工夫によりまして、地域によりましてはかなり地域の特性を生かした農業あるいは高品質農業というものを展開しておる事例も見られるところでございます。
 大変難しい状況ではございますが、農政審議会の答申もいただいておるわけでございますので、こういう方向に即しまして、国民の納得し得る価格で食糧を安定的に供給するということを基本にいたしまして、生産性向上を図りますとか、あるいは農業者が将来に希望を持って営農にいそしめますような農業の将来展望の確立でございますとか、あるいは農業構造の改善、地域の活性化、さらにはバイオテクノロジー等を生かしました技術革新等、諸般の施策を一層推進してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#82
○中村委員長 玉置一弥君。
#83
○玉置委員 時間もないようでございますから、簡単に、手短に質問を申し上げたいと思います。
 久々の農業共済再保険特会への繰り入れということでございますが、収支状況が意外とと言うと変ですけれども、改善をされている。私ども五十七、八年ぐらいの状況を見ているときには、本当にこのままで共済制度がもつのかな、こういう心配をいたしておりました。米とか麦とか、いわゆる強制加入と言われるものは別にいたしまして、農業共済全般、もうほとんどが任意加入という形でございまして、これが収支状況をより悪化させているのではないか、こういうことで心配をいたしておりました。今、資料をいただきますと、収支がだんだんと改善をされておりまして、一時は大変な数字でございましたけれども、その当時の約五分の一程度の赤字幅というような形でございます。
 そこで、まずこの共済制度の安定ということから考えまして、今までの収支の中で、特に五十八年を除いて、以降は大変改善されてきておりますけれども、この改善された要因は何なのか、また将来の安定のためにどういうことをねらってやっていかなければいけないのかというところからお聞きしたいと思います。
#84
○塩飽政府委員 お答え申し上げます。
 今お話のございましたように、最近農業共済の勘定別の収支状況は全般的には改善されてきていると思います。
 農業勘定、これは農作物と蚕繭と畑作物をまとめた一つの勘定でございますが、その収支を見ますと、五十八年度末では今お話がございましたように千九百億ぐらいの累積不足金があったわけでどざいますが、その後好天が四年連続で続いたということもございまして、一年間に四百億ぐらいの繰り戻しを実現することができた。その結果、六十二年度末では繰り戻すべき額が百三十億ぐらいまで減少したわけでございます。残念ながら今回は、昨年の水稲の被害に対応するために不足金三百二十二億六百万の繰り入れをしていただくわけでございますので、六十三年度末で見ますと四百五十二億余に膨れ上がるわけでございますが、とにかくかつての千九百億という規模から見ると、不足額は農業勘定に関してはかなり縮小してきているわけでございます。
 それから家畜勘定については大体安定をしておりまして、これは不足ではございません。剰余金の累計がございまして、百六十五億ぐらいございます。
 それから園芸施設の方も比較的安定をいたしておりまして、九十三億ぐらいの累計剰余がございます。
 一番頭の痛いのは果樹勘定でございまして、これは制度が発足してから比較的大きな災害が続いたということの影響がいまだに残っておりまして、六十二年度末で累計三百八十一億ぐらいの不足金が出てきているわけでございます。したがって、我々としては今後この果樹に特に着目をして収支の改善を図っていく。そのためには、やはり母集団の確保を図っていくことが大事だということで取り組んでおるわけでございます。六十年に特に果樹共済を改善するという見地から幾つかの改善を導入したわけでございますが、それらの効果も徐々にではございますけれども出てきているというふうに思います。これらをさらに末端によく理解をしていただいて普及をしまして、安定した収支が実現できるように一層努力をしていきたいと考えております。
#85
○玉置委員 今のお話の中で、特に果樹勘定が非常に不安定ということでございます。
 これはちょっと古い資料でございますけれども、農業のいろいろなアンケートがございまして、「今後の農業経営についての考え方について」という中で、現状のまま農業を続けたいという方が非常に多いということでございますが、農業を縮小していきたいというのもふえてきているということです。「農業経営の型態について」というところを見ますと、野菜、果樹、こういうものの拡大志向というのが非常に強く感じられる。特に最近転作の関係がございまして、そういう関係でそれがより一層強くなってきているというふうに思いますと、このままの共済制度で安定ができるかどうかというような心配もあるわけです。
 例えば価格決定の要素としてありますのは、野菜価格の安定のための基金、こういうのがございます。これが野菜にはありますけれども、果樹の場合にはこういうものがないというのがあります。そういうところも非常に不安定要素である。
 それから、共済という立場から見ますと、勘定別の加入率、前回も、前回といってもいつごろか忘れましたけれどもお聞きしまして、そのときにやはり今おっしゃったような果樹、それからお茶等になるとだんだん加入率が低くなってきているというようなことがございまして、どうも被害を受ける方だけが入って、被害を受けない方が入らないというような形ができ上がってしまっているのではないか。そういう意味では共済制度の役目をなさないのではないかというふうに思うわけです。
 私、従来からいわゆる二段階制の共済制度といいますか、基礎年金的な部分と加給年金的な部分というような共済制度をつくってはどうかというような提唱をしておりましたけれども、今後安定のために、特に農林省の言い方でいきますといわゆる当然加入といいますか、こういう方をもっとふやしていかなければいけない。逆に言えば強制ですね。半強制的な部分とそれから任意加入の部分というふうに分けた方が、要するに二重にした方が共済制度のいわゆる共済としての価値が出てくるのではないかというふうに思いますが、いかがでございますか。
#86
○塩飽政府委員 共済も保険でございますから、母集団をできるだけ大きくするということが、やはり収支を安定させる上で非常に大事な要素でございます。したがっく保険経済の観点だけを取り出して考えますと、今先生の方からお話のございましたように当然加入、いわば本人の意思にかかわらず果樹を栽培している農家は当然に必ず共済組合に入る、そして掛金を払っていただいて共済関係が当然成立するという、いわば強制加入の制度を適用すれば一番確実に母集団が確保できる。したがって、保険経済を安定させるということになることは間違いないだろうと思います。
 しかし、農業災害補償制度というのは、保険経済のことだけを考えて制度を仕組むというわけにはなかなかまいらないことは御理解いただけると思うわけでございます。特に果樹の場合は、農家によって技術水準あるいは栽培のやり方によりまして、他の作目以上に被害の発生度合いに差があるわけでございますから、その被害の非常に違う農家が一律に強制ということで入って同じような扱いを受けるということになりますと、そこに農家の理解が本当に得られるのだろうか。法律で強制するということは形としてはできても、実質、農家の理解の上に立って、協力を得つつ制度を運営する必要があるわけでございますから、そういうことが果たして強制ということで運営上問題がなく十分展開ができるのかどうかということになりますと、私どもとしては相当これは難しいのではないかなという気がいたします。
 したがって、六十年の改正で実現をしていただいたような、果樹農家の中でもとりわけ専業的な技術水準の高い農家の要望というものは、被害のつかまえ方についてもすべての被害をカバーするということではなくて、自分の技術からいえば、これとこれとこれをカバーしてくれればいいんだという特定の被害に着目した危険、それに見合ったより安い掛金方式を導入するというようなことで、例えば六十年は対応していただいたわけでございます。
 現にそういう特定危険方式による加入が全体に占めるシェアがふえてきているわけでございます。それをさらに伸ばすようにこの制度のメリットというものをPRしていきたいというふうに考えますし、また、先ほど申し上げたような制度の勉強の中で、そのほかに改善すべき余地がないのかどうか十分見きわめていきたい。そういうことで対応することによりまして、実質、今先生がお話しになりましたような、強制によらない形でできるだけ母集団を確保していくということを実現すべきではないかなというふうに考えているわけでございます。
#87
○玉置委員 私が加入率の問題を取り上げますのは、一方で補助金として出ている内容がいろいろあるわけです。例えば寒冷紗、送風機あるいはハウスのパイプ、こういうふうなものについては補助金というか助成というか、そういう制度があるわけで、そちらの方でお金を取った人たち、言い方は悪いですけれども、利用された方が被害に遭わないのですね、大体。それで利用されていない方が被害に遭うというような形になっております。ですから、そういう意味では政府の助成あるいは自治体の助成、こういうようなことを利用された方が被害が少なくなっているということから考えていきますと、非常に利益を享受している、こういうことになるかと思います。
 また、被害を受けてない地域は、災害があったときに野菜とか果物とかというものが高騰いたしますから、その値段的な部分でも利益享受というような形になるわけでございまして、そういうことを考えていきますと、やはり利益を受けているところから負担をしていただくというような考え方を持った方がいいのではないかということもありまして、一部強制加入ということがいいのではないか、こういうふうに申し上げているわけでございます。ぜひ検討していただきたいと思います。
 あと時間がございませんので、共済の話はそのくらいにしまして、ちょっと地元の方で、特に農家の関係で農産品の消費税の決め方、この辺についてどうもわかりにくいという話がございますので、念のためにいろいろ確認をしたいと思います。
 まず、農水省の方から各中央市場との関係あるいは生産者との関係ということで通達をお出しになりましたけれども、基本的にはどういう通達であるのかということをお伺いしたいと思います。
#88
○塩飽政府委員 農産物の場合は、御案内のように九〇%以上がいわゆる三千万以下の非課税農家に該当するわけでございますので、販売される面では、消費税がその販売のマージンにかかる方というのは実は意外に少ないわけでございますが、そういう方も、資材を購入する、あるいはその他の機械を導入するといったようないわゆる生産資材面、コスト面には当然消費税がかかってくるわけでございますので、そういう意味では、農業の関係でも消費税の問題というのは大きな問題として出てきているわけでございます。
 そこで、私どもは、農、林、水産、三つのそれぞれの業、並びにその産品を加工し流通するいわゆる生鮮食料品、あるいは加工食料品の流通加工業者の方々が私どもの方で関係してくるわけでございますが、的確に転嫁をやっていただくということが消費税を定着させる上で一番大事なわけでございますので、農林省の中に対策本部を設置して対応をしているわけでございますが、今お話のございました通達で、農林水産業関係の消費税の転嫁につきまして基本的な考え方をお示しをしているわけでございます。
 第一は、やはりこの消費税の趣旨が最終的には消費者に転嫁すべきであるという転嫁を予定した税であるということで一その点を十分理解して取り組んでほしいということでございます。
 それから、特にいわばその具体的な転嫁のあり方を農林水産業の特殊性に応じてよりきめ細かく示すという見地から、御案内のように中央卸売市場あるいは地方卸売市場を通ずる生鮮食料品の流通のボリュームというものが非常に大きいわけでございますので、卸売市場における競りによる取引の際にどのように転嫁をやるのかというのが非常に大事なかなめでございますので、競り取引の際の転嫁について、これは具体的には競り価格が決定した後に、それに上乗せをする形で消費税を賦課するということをとっていただきたいという点。
 さらに三番目には、御承知のように農産物につきましては価格の安定を図る見地から行政価格が多々ございますので、まずはその行政価格の算定の際に、消費税を円滑にかつ公正に転嫁を図る見地から行政価格の中に消費税要素をきちっと織り込んで計算をする、そういう方針を明示いたしたわけでございます。その適用の第一として、米と麦の政府からの売り渡し価格についての消費税の上乗せについて、具体的な方針を決定したわけでございます。
 あらかた今申し上げたような内容の考え方を所管の団体に対してお示しをし、消費税の円滑な導入に向かっての協力を要請するという趣旨の通達を出したわけでございます。
#89
○玉置委員 時間が来ましたので終わりますけれども、競りの上に乗せられる三%がいずれ価格の内側に入ってしまうのじゃないかということで、各農家がいろいろと心配をされているということでございますので、その辺の御指導をぜひよろしくお願いしたいと思います。
 終わります。
#90
○中村委員長 矢島恒夫君。
#91
○矢島委員 昨年の夏から秋にかけましてのあの東北、関東北部一帯についての長雨や低温によるところの甚大な被害につきましては、我が党といたしましても現地に調査団を数回派遣いたしまして、その実態調査と同時に、農林水産大臣にもその対策について要請をしてきたところでございます。
 とりわけこの農業共済の問題につきましては、早期に支払い体制を確立すること、同時に被害実態に即した適正な公正な評価をして、必要があればこの共済金の仮払いだとか、あるいは再保険金の仮概算払いといいますか、こういうものも行えということを要求してきたわけです。したがって、提出されております法律案につきましては成立することに異論はないわけでありますけれども、この機会に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 その一つは、既に同僚委員から繰り戻しの問題については再三質問がありましたので、その状況や見通しにつきましてはここで答弁いただかなくて結構なのですが、実はこれからの見通しの中の一つとして、現在政府が減反政策を進める状況の中で、また生産者米価の引き下げ等がある中で、特に東北の農家は少ない面積でできるだけ高い、多い収入を上げたいという方向へ行っている。これは品種の点で言いますと、いわゆる耐冷品種と呼ばれているものは比較的高く売れないというので、どうしても銘柄米の方へと作付が偏ってきているという状況が言われているわけです。このことが将来の冷害に対して、やはりこれは繰り戻しにも関係することでございますけれども、影響を及ぼしていくのではないか。初星だとかアキヒカリだとかいうような耐冷品種に対する状況と今後の冷害に対する影響というあたりについて、ひとつ見解を伺いたい。
#92
○武政説明員 お答えいたします。
 先生が御指摘の点は、東北地方の作付面積の上位三品種を申し上げますと、御指摘のササニシキまたはアキヒカリ、キヨニシキ、この三品種で六五%を占めているわけでございます。これが耐冷性を弱めているのではないかということでございまして、ある意味では御指摘の面があるのではないかと考えております。ただ、率直に申しますと、最近における品種全体の傾向を申し上げますと、上位二十品種の中で全体の入れかえが九品種ほど減っております。その九品種の中の減り方の一番の筆頭がアキヒカリとキヨニシキでございまして、それ以外にも全体で六品種の耐冷性弱のものが減っておりまして、さらに、入れかわって入りました品種の中で八品種が、実は耐冷性強または中のものがふえているわけでございます。そういう意味から申しますと、総体的には耐冷性はやや強化されてきているわけでございます。
 ところが、御存じのようにことしの冷害そのものは、低温も異常でございまして、記録的な低温でございました。それからその後の寡日照も記録的でございまして、これがどうも品種を超えてなったのではないかというものもございます。そういう点から見ると、部分的にははなの舞みたいに非常に強く残ったものもあるわけですけれども、全体的には耐冷性強のものもかなりきつく、今回は部分的にはやられているということでございます。
 ただ、品種の組み合わせ等によってはこういったものを逃れているという部分もありますので、一応耐冷性品種を入れていくと同時に、品種の組み合わせ等を強化することにより、今後全体の耐冷性を強めてまいるという指導をしていきたいと考えております。
#93
○矢島委員 この耐冷品種の問題も今後の研究課題だと思いますし、またやっていかなければならないことだと思いますので、その点についても鋭意努力していただきたいと思います。
 その次に、農業共済組合及び連合会についての問題で幾つかお聞きしたいのですが、この農業共済組合とその連合会の運営の財政負担というのはどのようになっているか、お答えいただきたい。
#94
○塩飽政府委員 農業共済組合並びに各県の連合会に対します事務費の国庫助成につきましては、交付金方式をとっておるわけでございます。五百四十一億ということで来年度も予算を計上しているわけでございます。
#95
○矢島委員 そうであれば、国からの負担金があるわけですので、こういう農業共済組合や連合会というものが団体として各種選挙の特定の候補者の支援活動をしたりあるいは政治献金をすることは、農業共済団体の基本法であるところの農業災害補償法に違反するのではないかと思うのですが、もしそういう事態があれば、そう考えてよろしいですか。
#96
○塩飽政府委員 先ほど申し上げたように国から財政資金を受けているわけでございますので、そういった共済団体は当然、政治資金規正法で禁止している政治活動に関する寄附を行っていれば問題であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
#97
○矢島委員 政治資金規正法の二十二条の三であるとか、この農業災害補償法の罰則の方になりますが百四十七条などは、やはりその精神からいっても、ここに決められている事業以外の仕事はやらないんだ、こういうことを規定していると思うのですね。
 そこで具体的にお聞きしたいのですけれども、私ここに持ってまいりましたのは全農共第五十九号という通達であります。全国農業共済協会の会長名で各連合会の会長あてに出された文書であります。
 この内容は、この時点では来年の六月ということですが、ことしの六月、「比例代表候補にとって最も重要な公認名簿登載順位の決定は、御承知のとおり党員、党友の獲得状況と後援会組織の状況等が有力な要素となっております。」ついては、前農林水産省事務次官の石川弘氏の後援会組織について、格段の御協力をお願いするということを正副会長協議の上決定いたしましたので、よろしく御了承賜りたい。「なお、後援会入会の申込用紙等は、石川弘後援会事務所より一括して貴会宛お送り申し上げます。」
 これを受けて各地域の連合会会長あるいは出張所長名で、例えばこれは但馬の通達でありますけれども、地方自治体の農政課長あてに「御協力方依頼について」というので、参議院議員通常選挙について、全国農業共済協会会長より、石川弘氏の後援会組織づくりについての協力依頼があった、ついては、氏名、年齢等に加え、必ず捺印をしてもらって後援会名簿をつくれ、この署名は、職員一人につき三十名程度をお願いいたします、こういう通達が出ているのですが、このことは御承知でしょうか。
#98
○塩飽政府委員 今先生が挙げられた具体的な事例について、私ども承知をいたしておりません。
#99
○矢島委員 そうしますと、昨年の六月三日に理事会が開かれたと思うのです。それから六月の二十一日に全国会長会議が行われたと思います。この二つの会議において、この問題についてどういうことが話し合われたか御存じでしょうか。
#100
○塩飽政府委員 承知をいたしておりません。
#101
○矢島委員 そこで、今度は各都道府県の連合会がそれぞれに対して、先ほど読みましたのは但馬の例ですけれども、そういう協力依頼を行っているという事実についてはいかがですか。
#102
○塩飽政府委員 それも承知をいたしておりません。
#103
○矢島委員 ぜひ調査をすべきだということを要求いたします。
 といいますのは、先ほども答弁がありましたとおり、このような事態はやはり違法である。きょう自治省に来てもらっていて、実は政治資金規正法の二十二条の三についてただしたいと思ったのですが、もう時間がほとんどなくなりましたので、引き続いて農水関係で質問するわけです。ぜひこれを調査して、もしその事実があれば結果についての御報告、それから、現在なお進行中のものがあれば直ちにこれを中止させるべきだと思うのですが、その点についてはいかがですか。
#104
○塩飽政府委員 政治資金規正法については自治省の方から当然御答弁されるべきことかと思いますが、私どもの理解では、国から補助金などを交付されている団体が行う政治活動に関する寄附を禁止しているのであって、一般的に政治活動を行うことまで禁止しているものではないと考えております。
 もちろん、先ほど来もお話を申し上げたように、共済団体は農家の災害に対する救済の一翼を担う非常に大事な団体でございますので、本来の職務をないがしろにしてまで政治活動をやるということは好ましくないわけでございます。我々は、決してそういう共済団体の活動が行われているというようには承知をいたしておらないわけでございますが、もし政治資金規正法との関係で問題があるということであれば、当然それなりの対応をすべき問題かと思いますけれども、我々は共済組合の活動について今お話があったようなことを承知しているわけではございませんで、一般的に政治活動を行うことまでは禁止しているものではないというふうに考えておるわけでございます。
#105
○矢島委員 私の質問したのをすりかえないでもらいたいと思うのですが、それならば、一般的な政治活動を禁止するものではないということになれば、百四十七条との関係はどうかという点もお聞きしたいわけなんです。しかし、時間の関係もありますので、先ほど私がお聞きしたのは、そういう調査をし、そしてその結果等について御報告いただきたいし、またそれが現在もし進行しているというのであれば直ちに中止させるべきだと思いますが、どうお考えですか、こういうことなのです。
#106
○塩飽政府委員 政治資金規正法の規定に触れるようなことがあるということは好ましいことではないというふうに理解をしておりますが、私どもは、農業共済組合にそのような活動があるというふうには承知をいたしていないわけでございます。
#107
○矢島委員 今答弁がそういう状況ですので、ひとつ上の方とも相談して、ぜひ調査して報告するということを――あなたの答弁ですと、承知してない、承知してないだけであって、現時点においてそういう事態が起こった場合にどうするかということについては皆目お答えいただいてないので、今答えられなければ、後ほどその実態について御報告をいただきたいと思うわけです。その点について、よろしいですか。
 質問を終わります。
#108
○中村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#109
○中村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 農業共済再保険特別会計における農作物共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#110
○中村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○中村委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#112
○中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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