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1988/03/22 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 大蔵委員会 第4号
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1988/03/22 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第114回国会 大蔵委員会 第4号
平成元年三月二十二日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 中村正三郎君
   理事 衛藤征士郎君 理事 大島 理森君
   理事 中川 昭一君 理事 中西 啓介君
   理事 平沼 赳夫君 理事 中村 正男君
   理事 森田 景一君 理事 安倍 基雄君
      新井 将敬君    井上 喜一君
      江口 一雄君    遠藤 武彦君
      金子 一義君    熊川 次男君
      笹川  堯君    杉山 憲夫君
      戸塚 進也君    中島源太郎君
      葉梨 信行君    鳩山由紀夫君
      松本 十郎君    村井  仁君
      村上誠一郎君    山中 貞則君
      山本 幸雄君    沢田  広君
      野口 幸一君    早川  勝君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      村山 喜一君    柴田  弘君
      矢追 秀彦君    伊藤 英成君
      正森 成二君    矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 村山 達雄君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        経済企画庁調整
        局長      星野 進保君
        大蔵政務次官  太田 誠一君
        大蔵大臣官房長
        総務審議官   土田 正顕君
        大蔵省主計局次
        長       篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        大蔵省関税局長 長富祐一郎君
        大蔵省理財局長 足立 和基君
        大蔵省理財局た
        ばこ塩事業審議
        官       松田 篤之君
        大蔵省銀行局長 平澤 貞昭君
        国税庁次長   伊藤 博行君
        厚生省健康政策
        局長      仲村 英一君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第一
        課長      山崎宏一郎君
        公正取引委員会
        事務局官房企画
        課長      高橋 祥次君
        公正取引委員会
        事務局審査部第
        一審査長    鈴木  満君
        総務庁行政監察
        官局監査官   福永  保君
        経済企画庁物価
        局物価政策課長 井坂 武彦君
        厚生省社会局庶
        務課長     鏑木 伸一君
        農林水産省畜産
        局食肉鶏卵課長 太田 道士君
        林野庁林政部林
        産課長     後藤 隆一君
        郵政省電気通信
        局監理課長   有村 正意君
        自治省財政局公
        営企業第一課長 松本 和雄君
        自治省財政局指
        導課長     二橋 正弘君
        会計検査院事務
        総局第四局農林
        水産検査第三課
        長       山崎彌代一君
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一朗君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二日
 辞任         補欠選任
  安倍 基雄君     米沢  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  米沢  隆君     安倍 基雄君
同月三日
 辞任         補欠選任
  玉置 一弥君     伊藤 英成君
同月二十二日
 理事玉置一弥君同月三日委員辞任につき、その
 補欠として安倍基雄君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月三日
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第九号)
同月四日
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三九号)
同月十六日
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例
 等に関する法律案(内閣提出第六号)
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四八号)
同月二十二日
 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五一号)
 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五二号)
同月七日
 電波によるたばこ広告廃止に関する請願(土井
 たか子君紹介)(第五号)
 不公平税制の是正に関する請願(田中恒利君紹
 介)(第一〇五号)
 消費税の廃止、国民本位の税制改革に関する請
 願(安藤巖君紹介)(第一三四号)
 同(石井郁子君紹介)(第一三五号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第一三六号)
 同(浦井洋君紹介)(第一三七号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一三八号)
 同(金子満広君紹介)(第一三九号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一四〇号)
 同(工藤晃君紹介)(第一四一号)
 同(児玉健次君紹介)(第一四二号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一四三号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一四四号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一四五号)
 同(田中美智子君紹介)(第一四六号)
 同(辻第一君紹介)(第一四七号)
 同(寺前巖君紹介)(第一四八号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一四九号)
 同(中島武敏君紹介)(第一五〇号)
 同(野間友一君紹介)(第一五一号)
 同(東中光雄君紹介)(第一五二号)
 同(不破哲三君紹介)(第一五三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一五四号)
 同(藤原ひろ子君紹介)(第一五五号)
 同(正森成二君紹介)(第一五六号)
 同(松本善明君紹介)(第一五七号)
 同(村上弘君紹介)(第一五八号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一五九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一六〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第九号)
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中村委員長 御異議なしと認め、安倍基雄君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○中村委員長 内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を求めます。村山大蔵大臣。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
 関税定率法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
#5
○村山国務大臣 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、税制改革の円滑な実施に配意する措置及び地域の活性化、社会政策上の配慮等の当面の政策的要請に対応するとの観点から早急に実施すべき措置を講ずるほか、租税特別措置の整理合理化等を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、土地税制の改正であります。
 すなわち、公共事業用地の確保の困難性等にかんがみ、譲渡所得の特別控除を収用等の場合にあっては現行三千万円を五千万円に、農地保有合理化等の場合にあっては現行五百万円を八百万円にそれぞれ一年間限りの措置として引き上げることとするほか、不動産登記に係る登録免許税の課税の特例を廃止する等の措置を講ずることといたしております。
 第二は、地域活性化のための措置であります。
 すなわち、地域の活性化に資するため、多極分散型国土形成促進法に基づいて整備される一定の施設について新たに特別償却を認めることとする等の措置を講ずることといたしております。
 第三は、社会政策上の配慮等に関する措置であります。
 すなわち、社会政策上の配慮等として、一定の寡婦に対する寡婦控除の特別加算措置、中小企業等事務処理円滑化促進税制の創設及び農業の国際化に対応するための必要な措置等を講ずるとともに、消費税に係る確定申告期限を時限的に延長する等所要の措置を講ずることといたしております。
 第四は、租税特別措置の整理合理化等であります。
 すなわち、企業関係の租税特別措置等につきましては、平成元年度におきましても、政策目的と政策効果との観点から見直しを行い、石油ガス貯蔵施設の割り増し償却制度を廃止するほか、特別償却制度及び準備金制度等の整理合理化を行うとともに、交際費等の損金不算入制度の適用期限の延長を行うことといたしております。
 その他、中小企業者の機械等の特別償却制度等適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応し、関税率、減免税還付制度等にりいて所要の改正を行うこととし、本法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、関税率等の改正であります。
 我が国の市場の一層の開放を図る等の見地から、バナナ等熱帯産品、原油等の関税率の引き下げを行うとともに、牛肉等農産物の輸入自由化に関連した関税上の措置を講ずるほか、旅行者等の別送貨物について簡易税率を適用する等所要の改正を行うことといたしております。
 第二は、減免税還付制度の改正であります。
 海洋開発用物品の免税制度の廃止、加工再輸入減税制度の対象物品の拡充等を行うことといたしております。
 第三は、税関行政に係るその他の関税制度の改正であります。
 保税倉庫の蔵置期間の延長を許容するため所要の改正を行うとともに、麻薬等の密輸取り締りを一層効果的に行うため、覚せい剤、大麻等を輸入禁制品に追加することといたしております。
 以上のほか、平成元年三月末に適用期限の到来する暫定関税率及び関税の免税還付制度について、これらの適用期限の延長等所要の改正を行うことといたしております。
 以上が租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#6
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
#7
○中村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村正男君。
#8
○中村(正男)委員 租税特別措置法の一部改正並びに関税定率法の一部改正につきまして質問を申し上げたいと思います。特に、今回の租税特別措置法の一部改正には、四月一日からの消費税導入に伴う改正点がございます。したがいまして、私の質問は消費税を中心に、一時間しかございませんので、基本的な消費税の問題点について質問していきたいと思います。
 四月一日というのは、あと余すところ九日間しかないわけでありまして、村山大蔵大臣にいたしましては指折り数えてその日をお待ちのことだと思いますし、一方、国民の側からいたしますと、来たかという気持ちであろうと思います。昨年末の法案の成立以来正味三カ月しかたってないわけでございまして、国にかわって消費者から預かった税金を税務署に届けなければならない納税義務者の立場、さらにまた、今日リクルート問題が徹底的に解明されずに、大変いら立ちを持っている国民が、しかし自分たちが納得しないままで四月一日から消費税を払わなければならない、私は、不安と動揺が大変入りまじった今の国民の率直な気持ちではないかと思います。
 そういう目前に迫ったこの時点、大蔵大臣としてどのような認識をお持ちなのか、まずその辺からお伺いをしていきたいと思います。
#9
○村山国務大臣 申すまでもございませんけれども、今度の消費税というのは、単に消費税が独立して施行されるということではなくて、シャウプ以来のかれこれ四十年間にわたる現行税制の根本的改正の一環として行われることは御高承のとおりでございます。
 消費税には二つの側面がございまして、一つは個別間接税、このような体系は今先進国でとっている国はございません。そして消費一般に広く薄く課税するといういわば付加価値税の体系に属するものでございまして、個別間接税から脱却するという目的が一つございます。
 もう一つは、所得税、住民税の大幅な減税、金額で言いますと平年度三兆三千億の減税とあわせ実行されるものでございまして、今度の消費税の創設による間接税のネット増税分は二兆円でございます。すなわち、既存の間接税の八つを廃止いたします。そして既存の間接税のうち、また八つの一部を吸収するわけでございます。この分が三兆四千億程度ございまして、そして消費税の創設による分が五兆四千億でございますから、間接税のネット増収分は二兆円でございます。すなわち、家計にとりましては一兆三千億というのがネット減税になるわけでございます。このことの趣旨が一般の国民にはまだ周知されていない。このことが非常に残念なのでございます。
 今度の税制改革は、先ほど申しましたような意味で、四十年間の現行税制が時代とともに合わなくなっている点を根本的に直したい。その中核をなすものは、やはり給与所得者が非常に重くなっておる、このままの制度でいったら現行の累進税率あるいは課税最低限の関係で非常に重くなる、そこをひとつ直そうというのが中心でやっているわけでございますけれども、このことが非常に周知度が遅い。しかも減税は、既に所得税については昨年の改正で行われております。だから一体のものとして考えないで、いやその分はもう済んだんだ、後は消費税というものが独立して出てくる、こういう考えでありますと、どうしても消費税の持っておりますいろいろな問題、こういった点から不満が一般の納税者に出てくるのではなかろうかと思っております。
 これは国民サイド、消費者の立場のお話でございますが、もう一つは事業者の問題でございます。
 一昨年の売上税の関係で、あれは残念ながら廃案になりましたけれども、一番詰めていきますと、やはり事業者に対する事務負担が余りにも大きい。特にこの種の税になれておりませんので、税額票控除方式でやるとか、あるいは課税期間を所得税、法人税と全く違うものにする、三カ月にするとかいうこと、あるいは非課税取引が余りにも多い、こういうようなことがありまして、徹底的にこの点は簡素化いたしたのでございます。のみならず、日本は中小企業者が非常に多い国柄でございますので、そういう事務負担をも考慮いたしまして、多少制度として精緻を欠きますけれども、免税点制度、簡易課税方式、それから限界控除、こういうものを設けたのも、ひとえに日本の中小企業者が多いということに着目いたしまして、計算を楽にしよう、事務負担を少なくしよう、こういう発想でやっているのでございます。
 言いかえると、極端な公平論というものをあくまで追求するか、あるいは簡素という点をこの際は重点に置いてやるか、そこの政策選択の問題として今度の消費税は設定されたわけでございまして、売上税等の失敗に省みまして、まずはこの消費税を定着させるには事務負担を思い切って軽減しょう、こういうことでやったわけでございます。
 そういった点がなかなかまだ理解がされないというところでございましたけれども、政府におきまして新税制実施円滑化推進本部等をつくりまして、各省庁挙げて適正な転嫁あるいは過剰転嫁の防止、それから弱者をいじめるようなことはしないようにということであらゆるPRをやっておりまして、最近はやや定着しつつある。特に、施行日の四月一日に向けて相次いで表示カルテルであるとかあるいは転嫁カルテルのようなものがどんどん進んでいる、各業界ごとに値決めの方法がどんどん決まっておりますので、私はこれが一日も早く日本経済に定着し、そして今度の税制改革全体が所期の目的を上げることを心から期待しておるところでございます。しかしこの上とも、初めての税制でございますので、適切な指導あるいは積極的な広報、親切な相談等を中心にいたしまして、全力を挙げて今度の改革が日本経済に定着することを心から望んでおるものでございます。
#10
○中村(正男)委員 大臣自身がやや精緻さを欠く、こういうこともおっしゃっておられますし、一定の減税をしたけれどもなかなかそれについて十分な国民に対する周知がなされてない、こういうお話もございました。
 私は、理解がされてない基本的な理由としては、第一に、やはり準備期間が余りにも短過ぎるということ、それからこの仕組みに納得できない。とりわけ短期間にあの法律を強引に与党の方が通されたわけでございまして、そういう面からは中身が極めて無原則であり、しかも妥協の産物としてこの仕組みが構成をされた、そのことに国民全体としてこの消費税法に対する不信というものが日増しに増大をしていると思います。
 後ほどそれぞれの中身について具体的に質問をしていきますが、この時点、こういう形で、しかも国民のこういった認識のもとで四月一日の実施というのは到底無理ではないかというふうに私は結論づけるわけでございます。改めてお聞きをしますけれども、この消費税法については中止もしくは延期をする、その決断をされるお気持ちはないのか、お伺いをしておきたいと思います。
#11
○村山国務大臣 ただいまも申し上げましたように、四十年間の現行税制が、根本的に将来を見通して、今後の国際化あるいは高齢化社会を迎える日本としてベストの案であると我々は考えておるわけでございません。そういう意味で今度の税制改革というのはぜひとも定着させたい、かように考えておりまして、事業者の方はもちろん、国民の方々にも御納得をいただいて、そしてこれを実施したいと思っておりますので、延期または撤廃というようなことは考えておりません。
#12
○中村(正男)委員 それでは次に行きますが、二月十五日の当委員会で我が党の堀委員の方から提起をされまして、この消費税法を中止もしくは延期をしない場合は、いわゆる高齢化社会に向けての新たな税制度の導入だ、こういう趣旨であれば、これから医療なり年金の財源がどうしても必要になってくるわけでありますから、改めてこの消費税からくる税収を社会福祉目的税として位置づけるべきではないか、具体的な提言がございました。わけても今厚生年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げる、こういうことも検討が進んでおるようでございまして、まさに私はそういう点からいたしましても、社会福祉目的税として消費税を位置づけることが大方の国民の理解、納得が得られるのではないかというふうに思うのですが、改めてそのことについてもう一度お聞きをしておきたいと思います。
#13
○村山国務大臣 消費税を目的税として位置づけるか、あるいはそういうひもをつけないで一般の収入として位置づけるかという問題でございますが、先ほども申しましたように、一つは高齢化社会に向かうということでございます。
 それには二つの側面がありまして、一つは、法人税、所得税というようなものは非常に景気変動に左右されるわけでございます。それに比べまして消費税というものは比較的安定している税収でございます。高齢化社会というのは非常に長く続きますので、そういう意味で安定収入になるという点が一つございます。
 もう一つの問題は、現行の税制でございますと、非常に高い累進税率を稼得所得にかけておるのでございます。同じように、年金にいたしましてもあるいは医療にいたしましても、御案内のようにその保険料というものは稼得所得を中心にしております。もちろん使用者それから働く人、個人で半々に折半いたしますけれども、これは稼得所得にかけております。もし税制をこのままにしておきますと、稼得所得に対する国民負担は大変なものになってくるであろう。そのことは恐らく勤労意欲をなくすに違いない。むしろ税というものは、税制の体系からいいますと、稼得所得から取る、それを課税標準とする税制が最もすぐれているということはございません。税というものはそれぞれ長所短所があるわけでございまして、それがあればこそ税は、現行でいいましても国税で二十五ぐらいありますし、それから地方税で二十五ぐらいあるということはそういうことなのでございます。したがいまして、消費に比例する税金、やはりこういうものがあってしかるべきである。早い話で言いますと、住民税でよく言われるわけでございますが、あの人はどうも自分よりもいい暮らしをしているのだが税金は安い、そういう点がございまして、やはりそれを税制全体として考えなければいかぬということでやっておるのでございます。
 したがって、その目的とするところはそういうところでございますが、それを特定財源にするかどうかということになりますと、資源配分の関係あるいは税制そのもの、財政の硬直化という点からいたしましてやはり一般歳入にいたしまして、そして歳出の優先順位に従ってそれを歳出に充てておくという方が筋としては本筋じゃないか、こういう考えで目的税にしなかったのでございます。
#14
○中村(正男)委員 後はもうイエスかノーかでひとつ的確にお願いしたいのですが、仕組みは精緻なものではないという話もございますし、当然のことながら一定の期間を置いた後で見直しが行われると思います。その場合、仕組みの問題もさることながら、今申し上げた基本的な税の後の使い道の問題、そのことについてもぜひ検討すべきではないのかということを申し上げておきたいと思います。
 それに関連いたしまして、福祉一時金が一定の金額支給されることになりました。五百六十七万人の方々には一万円を一時金として支給する。六十五歳以上の寝たきり老人の方には、これは約二十万人おられると思いますが、五万円の一時金が支給される。これは来年以降はどういうお考えを持っておられるのですか。
#15
○村山国務大臣 一時金については、これは激変緩和の意味で臨時に出すわけでございます。したがって、同じようなことを来年以降もやるつもりはございません。
 しかし、来年以降は全体の仕組みの中でおおよそその問題は解決できるのじゃないか。すなわち、生活保護につきましては、今度の予算でも四・二%の引き上げを考えております。物価の上昇が大体二%でございますから、十分賄えるのではなかろうか。あるいは、例えば老齢福祉年金のようなものにつきましては、十月までは去年の消費者物価の上昇の〇・七、それから十月以降は三・三上げるというふうになるわけでございます。そして、今度の消費税を実施したことによってどれだけ物価が上がるかわかりませんが、その問題につきましては平成二年度ではすべて完全スライド制でございまして、五%条項というものは今度は外すわけでございますので、そのことによって物価が上がれば当然給付が上がってくる、こういう仕組みになっておるので、私は賄えると考えておるのでございます。
#16
○中村(正男)委員 それは別の次元の問題としてまた論議をしたいわけでございますが、とにもかくにも全く税を納めておられなかったそういう方方から、四月一日以降は三%を取るわけであります。大変な生活の圧迫になるわけでございまして、何らかの形でこの法律に関係して、いわゆる逆進性の問題を含めた対応措置がとられなければならぬと思うのですが、一つの提案をしたいと思います。
 これはアメリカのどこかの州で行われておると思うのですが、いわゆる戻し税方式というものを採用すべきではないのか。今、一時金を受けられた方々は全部役所で確認をされておるわけでありますから、そういう方々が役所で証明書をもらって、そして消費税を払った領収証を持って税務署に半年に一回届け出をすれば所定の還元がなされる、こういった措置を講ずれば、そういう人たちに対する具体的な消費税としての対応策がとれるのじゃないか、またそのぐらいは行ってもそんなに税収に響くわけじゃございませんし、どうしてもそれはやるべきじゃないかと私は思うのですが、お答えをいただきたいと思います。
#17
○村山国務大臣 今度の消費税というのは、言ってみますと実は物価という形で税が結果的に徴収されている、こういうものでございます。これが今までの個別間接税とかその他のものとは基本的に違うわけでございます。物価の中で物を考えていく、しかもそれは一年限りの措置で、物価上昇という点では一時的なものでございます。そして、その点に関する措置につきましては、先ほど私が申し上げたとおり、全部結果的にそれ以上のことをする措置が既に備わっているわけでございます。したがいまして、こういう種類の物価という形で徴収する税金について還付をするということは考えられないのじゃないか、このように思っております。
#18
○中村(正男)委員 物価という面では、先ほど言われたような措置で対応するということについては私は理解ができるのですが、物価というよりは毎日の生活に一〇〇%消費税が三%部分かかるわけでありますから、毎日の生活に対する補てんという意味合いでは、ぜひひとつ還付ということを考えるのが筋ではないのかということだけは申し上げておきたいと思います。
 次に、弾力的運用について確認をしたいと思います。
 まず、約七項目について最終的な法案修正の中で弾力的運営がなされたと思うのですが、基本的にはこういうことで理解をしていいのか、確認をしたいのですが、税務執行の弾力的運用については、平成元年九月三十日までは、広報、相談、指導を中心に税務を執行する。また、納税者のふなれによる計算誤り等が生じることを考慮し、このような場合加算税を賦課しない、こういう内容でいいでしょうか。
#19
○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。
 先生お話しの弾力的条項七項目の中の税務の執行、狭い意味での執行という部分に関しましては、先生お話しのとおりでございます。
#20
○中村(正男)委員 そこで、これは廃案になったわけでありますが、一昨年の売上税、この論議の中で、実は弾力的運用ということについて総理の答弁として、今回の九月三十日までの消費税の弾力的運用と同趣旨の発言がございまして、それを受けて改めて当時の宮澤大蔵大臣がそのことを肯定する意味合いの答弁をされておられます。
 そのポイントは何かといいますと、両三年ぐらいは広報等指導を中心に運用を図っていくべきだ、そう考えているということでございまして、大蔵大臣の答弁のその部分を改めてここで申し上げますと、「私も先ほど申し上げましたその指導であるとか広報であるとか相談であるとか、そういうことにできるだけ力を注いで、両三年でございますか、どう言われましたか正確でございませんけれども、そこのところはそういうことに重きを置くべきではないか。そうすればこの税が国民に受け入れやすい」云々、こういう答弁がなされておりました。当時の中曽根総理大臣が前段そういう趣旨の発言をされて、それを受けた宮澤大蔵大臣としては、両三年はいわゆる広報等そういった指導でもってやりたい。今回の弾力的運用、九月三十日までと何ら変わってないと思うのです。したがって、我々の理解は、当然のことながら、売上税の論議を踏まえた消費税の今回の実施ということでありますから、この両三年というのは生きているという理解に立つわけでありますが、その点はどうなのでしょうか。
#21
○伊藤(博)政府委員 売上税の法案が御審議等されておりましたときに、両三年という趣旨の答弁等がございましたのは仰せのとおりでございます。
 今回、九月三十日まではということで申し上げておりますのは、先ほども先生の方からお話ございましたように、税制改革法案といういわば法律の中に九月三十日までの規定が置かれた。それを受けまして、税務の執行面だけではなくて、そのほか法律の手当てを要するものあるいは政令の手当てを要するもの等々、七項目をいろいろな検討の結果政府として決定し、あるいは法案を提案したという形になっております。
 両三年云々というのは、そういった七項目の中の税務執行に関する部分に関しての発言であったかと思います。今回、九月三十日までは云々という格好で税務の執行について当面の対処方針ということを申し上げておりますけれども、これは今申しました税制改革法の十七条を受けましてのいわば執行での対応ということを申し上げておるわけでございますが、それは基本的には前回といいましょうか、売上税のときに言われましたことの執行面における対応ということを、法律が九月三十日までと書かれておることを受けまして申し上げておる。
 そのことは、では十月一日以降は直ちにその反対解釈をするのかということを申し上げているわけではございませんで、十月以降につきましては、それまでの消費税の定着度合い等を見ながら今後なお検討してまいらなければいけないと思っておりますけれども、今時点で直ちに言い得ることは、十月一日以降は直ちにその十七条二項の分離解釈の反対解釈を行うということを決めておるわけではない。定着度合いを見ながら、今後適切な方針を決めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#22
○中村(正男)委員 どうもあいまいだと思うのですね。だから、九月三十日までと両三年とは違うのだというふうなとられ方もしますけれども、また、聞きようによっては九月三十日までの処置と以降、いわゆる平成四年までの間は執行面だけではそう差はないのだ、そんなふうな答弁にもとれるわけです。
 改めて、それは売上税のときの論議であって、これは税制関連六法案とは違うのだというふうなこともございましたが、十二月の二十一日の参議院の税特委でも同じような質疑がなされております。このときは、導入後両三年は指導、広報を中心とした緩やかな指導体制を組む、両三年は当然のことながらそういう指導体制を持って、六十四年九月三十日までは法律に明記されたものとして行う、これはちょっと分けたような答弁になっているのですが、少なくとも両三年はここでも、昨年の十二月二十一日の参議院の税特委でも、指導、広報を中心とした緩やかな指導体制、こういうことが明確に答弁されているわけですね。そのことからいたしますと、九月三十日までと平成四年までとは執行面ではそう変わりない、そういうふうに受け取ってよろしいのでしょうか、もう一遍お聞きします。
#23
○伊藤(博)政府委員 売上税の場合と今回の消費税の場合で仕組み等が相当変更がございます。先ほど大臣からも、売上税のときの経緯を踏まえていろいろ制度的な工夫をしたというふうな御答弁を申し上げたかと思いますが、そういったことを踏まえまして私どもは、しかし税のある部分は変わっておりますけれども、出だしといいましょうか、本税が安定的にといいますか、しっかり根をおろすべく行政面におきましても指導等を中心にしてやってまいりたいという基本的な考えでおることは間違いございませんが、それが両三年がいいのかあるいは両一年がいいのか、その辺はまさに税の定着度合いを見ながら適切に判断していかなければならない。
 その意味で、今この時点で両三年ということを申し上げる状況にはございませんけれども、しかし、法律で半年と書いてあるから、半年過ぎたら直ちに反対解釈をするというようなことは考えておりません。やはりこの税の定着度合いを見ながら、安定的なシステムになっていくことを私どもとしても心がけてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
#24
○中村(正男)委員 それでは、もとへ戻って九月三十日までの執行面で確認をしておきたいのですが、この間は当然のことながら税務調査等、もちろんそれはやらないということでありますから当然のことですけれども、加算税の賦課はない、こういう理解をしていいわけですね。その場合、それ以降さかのぼってまた九月三十日までの税務調査をやる、これはないということですか。
#25
○伊藤(博)政府委員 悪質なケースを除きというふうに申し上げております。そういう意味では、一般的に九月三十日までの間につきましては、指導等を中心にした行政ということを申し上げております。その際に加算税は賦課しないということを申し上げておるわけでございます。
 先生の御質問は、十月一日以降になったとまに、その期間に及ぶような調査を行うかどうかということでございますけれども、それは先ほど来申し上げておりますような精神にのっとった対応をしてまいりたい。換言いたしますならば、悪質なケース、特別なケースを除きましては先生仰せのような対応で対処してまいりたいというふうに考えております。
#26
○中村(正男)委員 今の答弁をきちっと受けとめますと、いずれにしても九月三十日までは、いわゆる十月一日以降になっても振り返って税務調査はよほどの悪質なものと思われない限りはやらない、当然のことながら加算税も課さない、こういうふうに受け取ってよろしいわけですね。
    〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
 今度は十月一日以降、この両三年にかかわるおけですが、ここで緩やかな指導体制、こういう表現が出ておるわけですが、これはどの程度のものとして理解をすればいいのか。大変納税者にとってもあいまいなものが残っていくのか、あるいは事業者は十月一日以降はとにかくいつ何どき税務調査があるかもわからぬ、したがってきちっとやっておかなければならぬということなのか、そこのところははっきりしておいていただきたいと思います。
#27
○伊藤(博)政府委員 消費税は、申すまでもなぐ我が国では比較的なじみの薄い税でございます。もちろん物品税等々間接税はございましたけれども、こういった形での税というのはなじみが薄い。そういう意味をもちまして、これまでも、いわば導入に先立ちましてもいろいろな形で広報あるいはPRあるいは指導等を行っておるわけでございますけれども、四月一日以降本税が導入された後におきましても、やはり当分の間といいましょうか、目新しい税であるがゆえのいろいろな軒しい問題、疑問点等もあろうかと思います。そちいったものにつきましても十分納税者の方々に御理解をいただく、あるいは広報をさらに今後と永やっていくというようなことで、この税を消費者を含めまして納税者の方々全体に十分理解していただく、そういった努力を今後ともやってまいりたい、そういう精神で今後の行政もやってまいりたいということを申し上げておるわけでございます。
 したがいまして、これは繰り返しになりますけれども、九月三十日までは法律としてそれを期待されておるわけですけれども、それ以後におき童しても、その時点その時点の定着度合いを十分判断しながら適切に対応していきたい、このように考えております。
#28
○中村(正男)委員 どうもすっきりしないのですね。その時点その時点で検討していく。しかし、税というものはそういうあいまいな形でもって続いていくべきものなのか。いやもう弾力的運用は十月一日以降は行いませんということも言い切らない。極めてあいまいさがさらに残るということでありますから、そうなりますと、今度は納税芸の方からしますと、適正な申告がなされないのじゃないかという納税義務者に対する不信というものがずっと続いていく。そのこと自体消費税全体に対する国民の、これは信用できない税だということになるわけでして、これはきょうのところは余り詰めぬ方がいいなという一面もあるように思うのですが……。
 最後にこの点で大臣にちょっとお聞きをしておきますが、結局今の両三年の問題は、緩やかな精導体制、九月三十日までの問題とそう際立ったことはやらない、そういうふうに受けとめてよろしいのかどうか。そしてもう一つは、九月三十日時点でもう一度何らかの、そのことに対していつ〉いうことじゃなしに、九月三十日時点でもう一度きちっとそういうことについてはけじめをつけるのかどうか、その二点について簡潔にひとつ。
#29
○村山国務大臣 基本は、この種の税が初めて下あるというところに非常に着目し、そしてこれの定着をねらっているわけでございます。そういう意味で、善意で間違った方について加算税は取らない、九月三十日までは取りません、こういうことを言っているわけでございます。もちろん本税をまけるということは考えておるわけではございません。その点はひとつ御理解願いたいと思います。
 それから、九月三十日以降の話でございますが、これはもう私は常識問題だと思うのでございます。この税の定着をねらっているわけでございますので、そのときの状況によりましてやるわけでございますが、概して申し上げれば、新しい税というものは定着をねらいますから、やはり積極的なPRとかあるいは相談に応ずるということを、この消費税に限りません、新税という場合はそういうことを主眼に考えておるということでございます。しかし、どんなものでもそれならやらぬのか、こういうふうに言われますと、なかなかそこはそういうわけにはまいりませんので、そのときの状況に応じてやっていくことは当然でございますけれども、考え方としては、やはりこの税の定着を考えて、国民の理解を得るべく最大限の努力、州炎、PRあるいは指導、こういったものが中心になるであろう、こういうことでございます。
#30
○中村(正男)委員 それでは次に、具体的に仕組みの問題、とりわけ精緻さを欠く仕組みの問題について質問していきたいと思います。
 その前に、今の続きの問題で、実調率との関係で、通常の税執行面でも我々はもっと国民全体の税の公平な、公正な負担という見地からこの実調率の問題をここでも取り上げてまいりました。なかなか十分な体制ではないと思うのです。しかも加えて今回この消費税が実施をされますと、約二百四十万人くらいの納税義務者が新たな税の対応として生じてくるわけでありまして、今回若干の増員がございましたけれども、執行面の公平さという面では大変問題がまた新たに出てくる、こう思うのですが、その点についてはどうですか。
#31
○伊藤(博)政府委員 消費税の実施に当たりましては、現下の厳しい行財政事情にかんがみまして、個別消費税、物品税等々が廃止されることが予定されておりますけれども、そういった個別消費税の廃止等に伴います要員の活用、それから税務事務全体の合理化、特に機械化を中心とした効率化、そういったことによりまして可能な限り簡素効率的な執行体制で臨んでまいりたいと考えております。
 ただ、そうは申しましても、先生お話しのように消費税の納税義務者が二百数十万ということでございます。そういった納税者についての適正な行政という点から、今申し上げましたような合理化あるいは効率化の努力を行いましてもなお必要となります増員につきましては、関係当局の御理解を得まして、平成元年度におきまして消費税要員として七百名の増員が予定されております。そのほかの分野の部分を合わせますと、国税庁全体といたしましては八百五十七名ということで増員をお願いいたしております。
 消費税につきましては、先ほど来御議論がございますように、導入当初は広報あるいは相談あるいは指導、そういったものを中心とした行政になってまいろうかと思いますけれども、その際の執行のあり方といたしましては、主管部である間税部を中心といたしまして、直税部等々関係部門の協力も得ながら、全体としての行政水準の維持を図りながら、しかし新税については安定的な定着を図ってまいりたいということを考えております。
 お話しの既存税目の実調率等々への影響もどうかという点でございますけれども、私どもといたしましては、新しい税を含めましてトータルとしての行政水準が落ちないように、そのためにはいろいろな面での工夫をやっていかなければならないと思いますけれども、関係部門の協調とあわせて、そういった既存税目を含めての行政水準の維持に今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
#32
○中村(正男)委員 それでは仕組みの問題、基本的な点について質問していきます。
 冒頭大臣は、今回のこの消費税というのは個別間接税の見直しをやるのが一つの目的だ、こういうふうにおっしゃいました。そして、この税というのはあくまでも付加価値税である、こういうことも言われたわけでありますが、その付加価値税という税の性格が仕組みの中で極めてゆがめられた内容になっている、こういうふうに私は思うわけです。
 その第一点は帳簿方式の問題、それから関連するところの簡易課税方式、さらには免税業者の免税点、金額の問題、こういったところが付加価値税と言える内容の代物かということになるわけでして、まず帳簿方式についてお尋ねをしたいと思います。これは導入を急ぐ余りの妥協の産物の最たるものだというふうに思います。
 第一点は、こういった税制改革が行われるというのは、国民全体の中でさらに税に対する公平というものが期待をされるということでなければならぬと思うのですが、そういう面からいたしますと、この帳簿方式をとったということでいわゆる事業者の所得捕捉に何ら役立つことにはならない。一面サラリーマンの立場からいたしますと、やられるのであれば、せめてそういった今まで不信感を持っておった事業者の所得捕捉に役立つ仕組みでなければならない。それがこの帳簿方式になったために期待を裏切られることになったという点が第一点。
 それからもう一つは、ダイヤモンドから無限にある水まで今回三%一律のいわゆる単一税率にしてるわけですが、本来単一税率というのは――幾ら個別間接税の見直しといっても、これは極端ではないかというふうに私は思うのですが、帳簿方式にすることによって結果的に単一税率でしかこれはできないのじゃないか。単一税率イコール帳簿方式、言ってみれば、間接税のシビアな税率という複数税率を採用できないようにしてしまったのがこの帳簿方式のもう一つの欠陥ではないかと思うのですね。それから三点目の危惧は、国際的な視点から、今四十四カ国にこの種の付加価値税が実施をされておりますが、これはフィンランドだけだと思うのですが、帳簿方式をとっているのは他に全くない、日本だけだという点であります。輸出に対して今回控除の扱いが出されておりますが、これは具体的にはどういうふうにしていくのか。これはとりょうによってはまた新たな国際摩擦を起こしかねないというふうな危惧もあるわけです。
 以上三点について、時間がございませんので簡潔にお願いします。
#33
○尾崎政府委員 帳簿方式の採用と単一税率との関係でございますが、私どもの考え方は先生の今のお話とちょうど逆でございまして、単一税率を採用することができた、しかも三%という低い税率である、そういうことから、伝票方式をとらなくても制度を運営していくことができるというように考えたわけでございます。
 御承知のように、売上税のときに納税者の事務負担が大変であるということで、一つには伝票方式、これが問題だということが言われました。もう一つは制度を複雑にするということで、例外が多過ぎるということが問題になりました。そこで、そういう御意見を参考にいたしまして、今度の税は消費そのものに課税することでありますから、もう一々課税対象を分けずに薄く広く全体にかける、そのかわり税率は三%。そういうことになりますと、税額票がなくても仕入れ控除の計算が十分にできるということでございまして、帳簿方式を採用できるようになったということでございます。
 それから、輸出についての諸控除でございますが、税額票がなくても、取引につきましては請求書なり領収証なりいろいろと証拠書類があるわけでございますから、そういうものを用いまして適切に計算をしてまいりたいというように存じております。
 所得の捕捉の問題につきましては、確かに売上税のときにそういうような議論が行われました。しかし、所得の捕捉というのは、帳簿方式をとりましたらそういう効果もあるのではないかという話でございまして、帳簿方式をとるそもそもの理由は、やはり仕入れ税額控除を簡単にする、それを用いて正確に仕入れの税額控除をするということと、それからもう一つは転嫁をはっきりさせたい、この二つであろうかと思います。所得の捕捉というような話はやや副次的といいますか、そういう効果もあろうかというお話であろうかと存じます。
#34
○中村(正男)委員 次に簡易課税方式。要約して申し上げますが、結論的には過剰転嫁になるおそれがあるということでございます。具体的な数字で申し上げますと、まずマージン率三〇%の事業者、この方が三%の消費税すべてを消費者に転嫁した場合、この小売業者は、今度のこの方式では売り上げの八〇%が仕入れだ、こういうふうに決められておりますから、マージン率である付加価値、この三〇%に三%を上乗せしますと、売上高に対して〇・九%消費者から徴収することになります。この簡易課税制度をとった場合、結局は二〇%に三%を掛ければいいわけでありますから、売上高の〇・六%納めればいい。極めてわかりやすい。〇・三%は確実に事業者の手元に残るわけです。これは今度は消費者にとっては極めて不満として残るわけですね。その点についてはどうかというのが一つ。
 それから二つ目は、これは先ほど来から付加価値税だということを強調されておりますが、こういう方式をとれば明らかに売り上げに対して、いわゆる取引に対して課税するということと何ら変わらない。これは付加価値税ではなしに取引高税ということと何ら違いはないのじゃないか。しかも、この簡易課税方式をとれる事業者の数は全事業者の九六・七%もおられるわけですから、明らかにこれは外形課税で事業税と全く同じではないか。これが二つ目。
 それからもう一つは、先ほどのこととダブるのでありますが、結局簡易課税方式をとることによって、結果的に、我々が期待しておりました間接税の近代化で水平的な公平が図られるというふうに見ておった事業者の所得捕捉というものが、これでもって極めてあいまいになってしまう。みずからそういう事業所得を捕捉できるチャンネルを放棄したことじゃないのか。これはサラリーマンの側から見ると、今回のこういった方式に対しては、まず事業者の手元に残るという過剰転嫁の問題と、いわゆるクロヨンと言われているところの不公平税制が何らこれでもって是正されていかない、こういう二つの不満があると思うのですね。
 それから四点目は、もう時間がありませんから一括して申し上げますが、結局こういう方式をやるということは税の中立性というものが損なわれるのじゃないか。結局マージン率の高い産業が得をする。税金が今度は名前を変えて補助金という形でそういう業者に与えられることになるわけです。結果的にマージン率の高い産業が拡大をして低い産業が衰退をしていく。市場競争のメカニズムが結果的に大変ゆがめられた形に働いていくのじゃないか、こういう危惧があるわけです。
 それから五点目は、今度は産業組織的にも大きなインパクトをもたらす。簡易課税制度なりあるいは限界控除制度、免税業者の問題、こういう大変事業者寄りに偏った仕組みをとったために、結局免税点が三千万円、それから簡易課税が五億円、どちらも私は非常に高いと思うのですね。言いかえますと、そういう三つのことから零細事業者を優遇する措置につながるのではないか。結局そこから来るものは事業規模の細分化とか、税がもたらす産業組織に対する中立性を極めて損なう影響として出てくるのじゃないか。
 さまざまな点を挙げました。免税業者の問題も、結局三千万円以下というのは六八%を構成するわけでしょう。こういった免税業者の数が多いということは、今度は逆に言いますと、課税業者が適正な転稼をするためには、免税業者というものをそれぞれに取り込まないことには課税業者が大変不利になる。そういうことからカルテルの問題も生じてくるわけでして、さまざまな問題を引き起こそうとしているというふうに思うのです。
 時間が来圧したから簡潔に答弁をお願いします、あともうちょっとやりたいですから。
#35
○尾崎政府委員 まず簡易課税につきまして、業者の手元に残ってしまうのではないかという御指摘は、先生のおっしゃるとおりであろうかと存じます。ただ、この制度は、要するに今度の税制改革の目的であります公平、中立、簡素のうちのいわば簡素という見地に乗って考えられているものでございまして、零細な業者の方々が納税をするに当たって大変手間暇かかると言っておられることに対する配慮をどこまで考えるかということであろうかと思います。
 それから、仕入れを売り上げの八〇%と割り切ってしまうことは計算上大変簡素なことであるわけですが、確かに正確さという点では問題を生じてこようかと思います。どちらにウエートを置いて考えるかという政策的判断の問題であろうかと思いますが、そこをぎりぎりの割り切りをしたということでございます。
 付加価値税として問題ではないかということでございますが、付加価値税は御承知のとおり二種類ありまして、一つは所得型の付加価値税、もう一つは消費型の付加価値税と言われるものでございます。消費税は分類すれば消費型の付加価値税でございまして、売り上げの税から仕入れの税を引いて、その差額が付加価値に相当するというように考えておるものでございますから、そこでこの簡易課税につきましても、売り上げの八〇%が仕入れであるということで、そこで引き算をしていることになっているわけでございますので、取引高税というようにお考えいただく必要はないと存じます。御指摘のように、業者数でいきますと簡易課税の選択は九割を超える人がなさいますが、しかし、取引額からいきますと全体の二割以内の話でございますので、全体の取引を撹乱するということもないのではないかと思います。
 それから、例の所得把握の問題は、先ほどお答えいたしました。
 それから、マージンの差によりまして中立性を欠く結果にならないかという御指摘でございますが、しかし、現実には事業者の方々は転嫁ができないということを大変問題にしておられるわけでございまして、本当にマージンの差をそのまま自分の懐に入れるような利益率を上げるというようなことに回されるのかどうか、そこのところも一つはっきりいたしませんのと、業種別の差でございますので、例えば床屋さんと小売屋さんとの競争関係のような話になるわけでございますから、そんなに中立性を損なうということもないのではないかなというように存じます。
 それから、産業組織についていろいろインパクトを与えるのではないかということでございますが、これも零細業者の取引高に占めております全体の比率のことを考えてみますと、さほど大きなことにはならないのではないか。確かに非課税業者を取り込んでカルテルを設けるというような例は出てこようかと思いますけれども、いわば自分で税額の計算ができないような方々に、コストをきちっと計算をしてコスト分だけ上乗せをしろといっても相当無理な話でございますので、同業者と並んで同じ率だけ非課税業者が価格に上乗せをしたとしても、特別にこれを指弾するところまではいけないのではないか、やむを得ないのではないかというように考えている次第でございます。
    〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕
#36
○中村(正男)委員 大変申しわけないのですが、公正取引委員会、自治省の方においでいただいておるのですが、時間が参りました。また次の機会にお願いをしたいと思います。
 最後に、今主税局長がお答えになったのですが、それぞれにやはりあいまいさは残る、こういうことであります。とりわけこの仕組みは、消費者の立場を無視して専ら納税義務者の立場に立った仕組みではないのか。現実に大蔵省が数字を発表しておられるのですが、今申し上げた簡易課税方式なり、限界控除方式、あるいは三千万円の免税業者と非課税業者の関係等々で四千八百億円、結局消費税の収入全体の八%に相当する大変大きな額がそのまま税務署の方に届かない、それぞれの業者の手元に残る。まだ実施もされないこの段階で四千八百億円というような数字が出ているわけですね。
 これはもう四月一日から消費者は確実に消費税を取られるわけですから、そういう立場からしますと本当にやりきれない気持ちであります。スタートの前から欠陥が指摘をされ、当の大蔵省の首脳ですら見直しが必要だ、あるいは与党の首脳の話でも仕組みについては見直しをやらないといかぬ。やる前から見直しが前提となっておる税制度というのは聞いたことがないと思うのですね。こんなことを平気で四月一日からやろうとしている。我々としてはどうしてもこれは納得できない。中止もしくは延期すべきだということを申し上げて、時間が参りましたので終わりたいと思います。
#37
○中村委員長 沢田広君。
#38
○沢田委員 時間が若干超過しましたので、その分は節約したいと思います。
 大臣、最初に、今の円安とインフレの懸念というものが言われておりますが、何らかの対応が必要だと思いますか、どうですか。
#39
○村山国務大臣 我々も今の為替相場は非常に注意しておるところでございます。しかし結論から申しますと、今のところこれは注視しておりますけれども、今とりあえずどうしなくちゃならぬというところまでは来ていない、このように考えておりまして、事態の推移を注意深く見ていきたい、かように考えておるのでございます。
#40
○沢田委員 今、不意打ちの質問みたいな格好になったということで、もう少し時間を置いてからもう一度質問します。
 関税で、きょう提案されております法案以外に、当面課題になっている問題あるいはこれから解決しなければならない問題、それを挙げてみてください。
#41
○長富政府委員 今、輸出入の貨物あるいは旅客数も大変にふえておりますので、これに対応いたしまして事務処理の迅速、適正化を図っていかなければいけないというのが最大の課題であるというふうに考えております。
#42
○沢田委員 品物的には、特に何か懸案になっておったり今後早急に解決しなければならない、そういうものは持っていますか、持ってないですか。
#43
○長富政府委員 今幾つか具体的に持っているものはございますが、ウルグアイ・ラウンドの中で対応していきたいというふうに考えております。交渉を続けているところでございます。
#44
○沢田委員 できるだけ早く国民に知らせながら、その結果のいかんを問わず合意が得られるように努力をしていただかなければならぬと思いますので、お願いしてそれは終わります。
 続いて、牛肉の輸入自由化に伴いまして畜産事業団が、私も二、三回この問題は取り上げてきておりますが、畜産事業団の談合疑惑あるいはその前には汚職というようなものもありまして、公正取引委員会においてもこの点は疑義があるので調査をする、こういうことを他の委員会では述べているようであります。この法案が提出されるに当たっては、やはりそれらのことを払拭して提案をしていくということが必要だと思いますので、取引委員会の調査の現状、対応についてお答えをいただきたい。
#45
○鈴木説明員 御説明申し上げます。
 畜産振興事業団の輸入牛肉の買い入れに伴いまして、牛肉輸入業者が事業団の行う冷凍牛肉の買い入れ競争入札におきまして、共同して各社の落札シェアを固定している疑いがあるということで、ことしの三月七日、八日の両日、同法の四十六条の規定に基づきましてこれら商社三十六社とその団体一カ所、合計三十七カ所に立入検査を行いました。千三百件を超えます資料を収集をいたしまして、現在これらの資料を整理中でございます。速やかに関係者からこの資料についての事情聴取をする予定でございまして、できるだけ早く結論を出したいと考えております。
#46
○沢田委員 これ以上言いません。時間の関係もありますが、リクルートの方は捜査をされた後、書類の押収等があればどこからか国民の前に出てきておる。これはちっとも出てこない。ちっとも進行していないのじゃないかとさえ考える。温めてしまっているのじゃないかなと思うのでありますが、そういうことのないように、やはり国民の疑惑を晴らすということで対応していただきたい。これは要望にしておきます。
 特に私が申し上げているのは、国民が今まで高い牛肉を食わされてきた、こういうことで私も三年以上にわたってこれを言ってきているわけですね。だから、八百億くらいもうけるその金は全部農業の振興のために行ってしまうので、消費者には還元されてこない。そのことは不都合ではないかというのを、大蔵大臣には初めてかもしれませんが言ってきたわけです。せめて半々くらいには消費者にも還元をするという姿勢が必要ではないのかということを言ってきたわけでありまして、そういう意味においてもニクらしい、こういう話をしたこともあって、それで二十九日を肉の日にするなんと言ったがちっとも下がらない。本当に憎らしい、こう思っているわけでありまして、その点は改めて公正取引の立場から厳正な対応を期待してやみません。
 続いて、今度牛肉の取引は、畜産事業団は牛肉についてはともかくやらなくなるわけです。これは大蔵大臣の方に関係してくると思うのです。
 今、補助機関として独占的な取り扱いをしているわけですね。今度は自由売買になってくる。そうすると畜産事業団の存在する意味は何なのか。今までは一手に仕入れてきて、それで補助金をひねり出して補助をしていた。そういう役割があった。ところが、今度関税も二五%から七〇%に当面上がってしまう。国もうんと入るわけですね。だからかわって国が支出をして、もし法律が必要なら立法措置を講じて、国が所要の予算措置を講じてやって、かえってそういうものをつくらない方がいいんじゃないのか、私はこういうふうに考える。この点は総務庁の行政監察局において、そういう意味を含めて、そのあり方、それから今後何が任務なのか、今後どういう役割を果たすのか、そういう立場で検討してもらいたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#47
○福永説明員 総務庁におきましては、現在畜産に関する行政監察を実施しております。これは私どもの出先で、昨年の十月から十二月まで実地調査をしているところでございます。この監察は、牛肉の生産、それから流通、消費全般について監察しているものでございます。出先からの報告を現在取りまとめておりますので、生産、流通、消費全般についての検討を行ってまいりたい、こう思っております。
#48
○沢田委員 それはそれなりに意味があると思うので、それはぜひお願いをするが、地方じゃなくて中央における立場もはっきり申し上げると二つあると思うのです。
 一つは、従来の権益を守りたいがために、これからの各輸入業者に対していろいろなアタックをしていくというシステムが生まれるのではないか。いわゆる天下り官僚が支配をしているわけでありますから、当然そういう構図が生まれてくる危険性が一つある。
 それからもう一つは、非常に純粋な立場で、商社等が勝手な価格構成をつくらないためへの一つの監視機関としての役割を果たしていく、こういう二つの側面を持っていると私も思うのです。
 しかし、どうもどっちかというと悪いような方向の方がウエートが高くなる危険性があるのじゃないのか。果たしてどういう役割を今後持っべきなのか。そこで貸借対照表その他を見ましても、補助金を国が八百億出して果たして意味があるのだろうかという疑念を持つわけであります。きょうは時間の関係で予算書から決算書等については触れませんけれども、その点については、高い牛肉を食わされ続けてきた国民の恨みつらみがここに集まったんだ、私はそういうふうに思うわけで、生産者の声は生産者の声でこれは要請がありますけれども、別にそういうことを期待しているわけじゃないですね。生産者は生産者の価格がどう守られて、いわゆる正常な利益、こういうものが確保できるかということに対する要望書は来ております。どうかそういう意味において、ひとつ総務庁行政監察局においては監察をしてもらいたい、こういうふうに思います。下からと上からと両方あわせてやっていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
#49
○福永説明員 先ほど出先と申し上げましたが、私どもの出先機関を使って実地に調査をした、これを本庁で取りまとめて全体的な勧告をする、こういうことでございます。
 それから、先生お話しの畜産事業団の点でございますが、これは牛肉自由化という中で、自由化までの間に運営上改善する点がないかという卸点から調査をいたしているところでございます。
#50
○沢田委員 では、これも時間の関係で、今後のあり方も含めて、休眠会社になったのではどうにもなりませんので、そういう意味においての活性化、役割、それから国民への奉仕、そういう立場でどうあるべきかということも検討していただきたいと思いますが、よろしいですか。――首を縦に振っているからやるということで、答弁にここまで来ないことにします。
 続いて、農林水産省の畜産局におきましては、今申し上げたような諸課題についてどう対応する所存でございますか。
#51
○太田説明員 今先生から御指摘ございました事業団の問題でございますけれども、事業団につきましては、平成三年度から牛肉の自由化が行われるということになりまして、要するに事業団が輸入牛肉についての売買に関与するということは終わりになるわけでございますけれども、従来からの業務といたしまして、指定乳製品の価格安定、あるいは国産牛肉あるいは国産豚肉の価格安定業務、それから加工原料乳の不足払いの交付業務、それから乳業者の債務保証業務等いろいろの業務を行っているわけでございまして、そういう業務は引き続き行うことになるわけでございます。
 それから、前回の臨時国会で畜産二法が成立したわけでございますけれども、その中で要するに肉用子牛についての不足払い制度ということが実施されることになっておりまして、それもいわゆる加工原料乳等の不足払い交付業務をやっておるわけでございますので、そういう業務を事業団において実施していただくということで、そういう機能を与えていきたいというふうに考えて、そういう法改正を国会に提出いたしまして可決していただいておるわけでございます。そういう業務で、やはり私どもといたしましては、国産の牛肉あるいは豚肉、それから加工原料乳の価格安定業務と一体的にそういう不足払い制度を実施することによって、国産牛肉それから輸入牛肉全体の需給の安定義務にしっかりとした対応をしていきたい、こういうように考えておるところでございます。
#52
○沢田委員 今まであったような事態というものを防ぐための対応、それから今述べられた中の価格安定対策の権限、これが一つは奥の手なんでありますね。この価格安定という一つの行政権限というものを通じながら、各輸入業者に対する要すれば干渉等々を行い得るというものになってはならないのでありまして、一つは従来の畜産事業団からの脱皮、それから以前起こしたような事態を再び起こさせないための担保、それからもう一つは、今述べられた中にもありましたが、要するに真の畜産事業団としてのあり方を求めてもらいたい。この三つについては御検討いただけますか。
#53
○太田説明員 先ほど来御指摘ございます例えば談合疑惑の問題は、御案内のとおり、現在公正取引委員会の方で三月七日、八日で調査をしております。私どもその調査結果が出た段階でやはり適切な対応が必要だろうというふうに考えておりますし、かつまた、先ほど来先生が御指摘ございました輸入牛肉につきましても、円高差益還元というようなことで約三割売り渡し価格を下げております。消費者価格で約二一、二%は下がっているというふうに私ども一応つかんでおるわけでございまして、そういう意味でも事業団の役割というものがより国民に理解されやすい体制というものを組んでいきたい、こういうように考えておるところでございます。
#54
○沢田委員 これは念のため、もう時間がないですから論争はしません。百三十六円を基準にして今までずっとやってきたわけですから、百二十円のときの分から見ればえらい為替の利益を上げているわけであって、必ずしもその円高差益の還元が万全であったとは言えないと思います。これは論争になりますからやめますけれども、そういう点も一方ではないと、私も率直に二面を言っておるのですから、あなた方も率直に二面性を言って、国民に理解を求めていく方途を講じて、憎らしい畜産行政にならないようにひとつ頼みたいと思います。
 続いて、会計検査院においでをいただいておりますが、これだけいろいろ問題を起こしてきた畜産事業団でありますから、会計上四十億の受け取り利息を上げているという資金運用等々を考えてまいりますと、やはり会計検査院もこういうことだから当然入って、それぞれ会計諸法に適法しているかどうか調査をされているのだろうと思うのでありますが、されてなければ速やかにやってもらいたいと思いますし、一応会計検査院の立場からの御見解を承りたいと思います。
#55
○山崎会計検査院説明員 畜産振興事業団に対する検査でございますが、事業団本部につきましては、毎年度九月と年度末の二回にわたりまして、輸入牛肉の買い入れとか保管あるいは売り渡しとかその他の業務を検査しております。
 それから、事業団の輸入牛肉の売買差益を原資といたします指定助成対象事業、これにつきましても、この助成を受けております農業団体につきまして、各都道府県の会計実地検査の際にその実施状況を検査しているところでございます。
 ただいまの談合等の問題につきましては、直接本院の検査になじむものではございませんけれども、輸入牛肉の買い入れにつきましては、従来から契約事務が適正に行われているかという点、特に入札に当たって作成される予定価格が適正なものかどうかという、この積算の適否について検査してまいっているところでございます。今後も十分な検査をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#56
○沢田委員 お願いいたします。
 続いて丸太なんでありますが、東南アジアもそうですし、アメリカでもそのようですが、原木の輸出に対して極めて警戒心と、言うならば余りしたくない、丸太は嫌だ、輸出制限の法律をつくろう、こういうような動きもあるくらいですね。こういうことはどこから起きているのかということが一つと、それから、これに対応する我が国のやり方はどういうふうにしたらいいのかというふうに思いますので、この点はどういうふうな状態として把握をしておりますか、お伺いをいたします。
#57
○後藤説明員 今先生お尋ねの、これは米国の丸太輸出の件だと考えておりますが、現在米国の太材輸出に関しましては、連邦有林の丸太につきましては輸出が禁止されているところでございますが、近年これに加えまして、地元の製材業界の要望を背景にいたしまして、米国議会内におきまして州有林の丸太の輸出を禁止することを内容とします法案が提出されるなど、規制を強化する動きがあるというふうに聞いております。
 そういうことで、現在我が国の米材丸太輸入の大半は規制のない私有林からのものというふうに思われるわけでございますが、こういった公有林におきます規制強化の動きにつきましては、我が国の米材の製材業界に影郷を与えることから、情報の収集に努め、その動向を注視してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#58
○沢田委員 対応に過ちなきよう、ひとつ自由貿易の原則に立って、そういう阻害が起きないような対応を十分図られることを、これは関税だけじゃなくて通産にも関係する、林野庁も関係するのでしょうが、それぞれの分野を通じて、ひとつ円滑な貿易関係が樹立できるよう対応していただきたい、こういうふうに思います。
 最後に大臣に、突然ではなくてもう一回申し上げますが、今の円安関係の進行、それからマネーサプライズインフレ傾向の懸念、これは先ほど述べられましたが、何らかの対応が必要になってきつつあるのじゃないのかということが私たち素人考えで言えるわけです。これは簡潔で結構でありますが、お答えいただいて質問を終わりたいと思います。
#59
○村山国務大臣 きょうの相場の寄りつきは百三十一円十八銭だと思っております。きのうより少し円高の方に行っております。もちろんこの問題につきましては、今世界は、どっちかといいますと安定志向の方に非常に向いているんじゃないかと私は見ているわけでございます。アメリカもECも今拡大を続けております。したがって、いろいろなそれぞれの国の国内条件あるいは世界全体としての景気の拡大、これを何としてでも崩したくないということは、やはり取引の尺度であります為替の問題あるいは国内消費者物価の問題、こういったものをできるだけ安定させたいという方向でそれぞれが苦心しているところでございます。そういう意味で私たちも注意してまいりたいと思っております。
#60
○沢田委員 終わります。
#61
○中村委員長 野口幸一君。
#62
○野口委員 関税定率法の改正問題に先立ちまして、一つだけお尋ねをしたい問題がございます。
 これはマル優制度の、非課税貯蓄制度の改正に伴う問題でございますが、この法律によりまして遺族年金受給者をその適用対象、つまり非課税の対象にしたという理由はどういうところからお決めになったのですか、まずお伺いいたします。
#63
○尾崎政府委員 マル優制度の対象として残っております老人、母子家庭、それから身体障害者等につきましてでございますが、なぜ例外としてマル優制度がそのような方々に残されているかという考え方は、所得の稼得能力が減退した方々、そういう方々の貯蓄につきまして特別の配慮をするという考えでございます。
#64
○野口委員 そこで伺いますが、その場合、対象者となる者は遺族年金受給者のうち妻に限る、こうなりました理由はいかがなものですか。
#65
○尾崎政府委員 ただいま申し上げましたように、制度の趣旨が稼得能力が減退した者ということでございますので、お子さんの場合でございますと、これから稼得能力を増してくるというようなケースが多いかと思います。したがいまして、お子さんをこの適用対象とすることは考え方に沿わないのではないかということで、妻に限り認めるということにいたしております。
#66
○野口委員 言葉の上だけで聞いていますとそれもそうかなと思えるのでありますが、実態はそうではなくて、妻の場合でも仕事をすれば所得はあり得る場合もございますし、年少者の場合は、まだ大学等に在学中の者というのは決してそんなに所得があるわけではありませんし、また逆に、独身者で遺族年金の受給者が父母の場合もこれまた存在するわけでありまして、この点では非常に矛盾があると思うのであります。今後遺族年金受給者のマル優制度の適用の対象については一考あってしかるべきだ、こう思うのであります。非常に不公平である。妻だけということについてはいかにも狭義的解釈であり、この場合は例えば一定の年齢制限を設けて、ここまではその対象にするとかあるいは老親の場合はどういう形にするとか、いろいろなことがあってしかるべきではないか。妻だということになりますと、おっしゃるように所得ということになりますと、必ずしも所得が全然、それだけで生きている人もいるかもわかりませんけれども、また仕事を持っておられる方もございましょうし、そういう分け方はいささか不公、平ではないかと私は思うのでありますが、この点お考え直しいただくことができないものだろうか、重ねてお尋ねいたします。
#67
○尾崎政府委員 マル優の適用対象者を判断いたしますときに、預金をいたします段階で銀行の窓口等におきまして判断をしなくてはいけない。そこでどうしても画一性というものが求められてくるわけでございます。先生御指摘のように、個々の事情といたしましてはいろいろなケースがあろうかと存じますが、そういう制度の画一性という点から限界があるというように考えております。特に御両親の場合ですと、御自身がマル優の対象になるということでございましょうから、御自身の問題として問題が解決されるのではないかと考えます。
#68
○野口委員 両親の場合は六十五歳以上ということになるわけでございますから、六十五歳までの方を対象としているわけでございます。子供の場合にしましても、少なくとも大卒までぐらいの年齢ということになるでありましょうし、いずれにいたしましてもこの点は省令でもって対応できると思いますので、一応この問題はペンディングにしていただいて、マル優制度の適用対象については妻に限るという狭義的な解釈はひとつお考え直しをいただきたいということを申し上げておきたいと思うのですが、いかがなものですか。
#69
○尾崎政府委員 税制問題はいろいろなことを検討してまいりますので、先生の御意見がございましたこともよく勉強させていただきたいと存じます。
#70
○野口委員 次に、同じ公的年金制度の中で、共済グループの年金制度が、昭和四十八年の法改正が行われるまでは掛金十年未満の遺族に対して年金が当たりませんで、いわゆる一時金支給というものがございました。この一時金支給者が、今変わっておるわけでありますが、現在どのくらいあったかということを把握しておられますか、御存じであればその数字をお聞かせいただきたい。
#71
○篠沢政府委員 共済におきます遺族一時金の制度は、先生御承知のことと存じますので省略させていただきますが、その数字といたしまして、国家公務員共済全体で、昭和四十八年までの間にこれの支給を受けましたのは約七千人ぐらいであろうというふうに把握しております。
#72
○野口委員 わずかな人なんでありますけれども、遺族という立場から見ますと、この一時金を預貯金をいたしまして、いわばその利息をもって年金にかえているという現状でございます。
 これが実は遺族という立場から考えますと、先ほどの議論ではございませんけれども、マル優のいわゆる課税対象外の中には入っていないわけでありまして、これもまた一部から非常に不合理ではないか、ささやかな金を銀行なり郵便局に貯金をして、その利息を何とかして子女の学資に充てたいとか、いろいろなことでささやかな金を使っておられる。その利子に対して課税をするのは酷ではないか、こういう話でございます。私もそのことを承りまして、非常にわずかな人たち、対象者ではあるけれども、この人は救っておいてあげなければいけないのではないか、弱者を救済するという趣旨からいうならば、この人たちも適用外にしていただかなければいけない、こう思うのでありますが、当局はいかがでありますか。
#73
○篠沢政府委員 税金の制度としてこれをどう考えるかということの前に、実はただいま国家公務員共済全体で約七千人程度と申し上げましたのですが、ほかの共済もいろいろございます。そういった共済を通じてどのくらいになるかということになりますと、だんだん把握しにくくなってくる。それから特に各人別の氏名、どういう方がどのような金額についてどう受け取っておられるかといったような各人別の把握というのは、共済グループ全体を通じまして、恐らくすべてを的確に判断することがかなり困難ではないかというような事情がございます。と申しますのは、これらは時効との関係で書類の保存期間を十年としておるものでございますから、先ほど先生おっしゃいましたように、昭和四十八年から既にそういうものはなくなっておりますので、若干この点の把握が難しいのではないかという技術的な問題もあるということを、まず制度の前に申し上げておきたいと思います。
#74
○野口委員 これも先ほど尾崎局長にお願いをいたしました。いわゆる政省令でもって対応し得る幅の中にあると思うのでありますが、いずれにいたしましても、これらの対象者はわずかではあろうとも、非常に困窮な中にあって、わずかな退職一時金を貯蓄に回して、その利息を当てにしておられるということだけは事実として現存いたしております。
 したがいまして、この人々が一定の書類なりあるいは支給を受けたということの証明書等、あるいはまた金額等も含めまして申し出た場合におけるところの処置はこうこうしてやるというようなことが仮にありますならば、今把握できないとおっしゃいましたけれども、例えば受給者のうちでそういう申し出があれば対応してやるよという温かい仕組み等が示されますならば、私は、共済グループの中から適宜そういった問題についての広報をいたしまして、広くそのことを周知することによって救済し得るんではないかと思うのであります。いずれにいたしましても金額的にはそんなに大きなもの、国の財政に影響を及ぼす部分ではないと思うのであります。情けをもって知る主税局でございますから、その辺のところはよくおわかりであろうと思います。
 したがって、こういうささいなところで国民の皆さん方の、しかも零細な所得者に対しての御配慮が出ているということがにじみ出ているならば、新税の施行に当っても、情けも実もある主税局ということになるんじゃないでしょうか。そういった意味合いでもまたお考えあってしかるべきではないかと思いますので、この点についても今すぐにという御答弁は難しいかもわかりませんが、御参考にしていただきまして、ぜひとも政省令の改正につきまして御考慮をいただきたい。一言御答弁をちょうだいいたしたいと思います。
#75
○尾崎政府委員 先生の温かいお気持ちはよくわかるのでありますが、先ほどのような実情でございますと、何分にも金融機関の窓口で処理をしていただかなくてはいけない問題でございますので、技術的には大変難しい問題ではないかなという気がいたします。
#76
○野口委員 重ねて申し上げますが、技術的にはいろいろな問題点があるかもわかりません。しかし、その点について考えてやろう、そういう前向きな気持ち、一遍当たってみてやろう、そういうお気持ちをぜひ出していただきたい、そのことを重ねてお願いを申し上げておきます。
 そこで、関税関係の質問をさせていただきますが、特に執行面について伺います。
 まず、私ども、関税定率法という法律はいつも日切れ法案ということで、非常に短時間でほとんど賛成法案の中で済まされてしまっております。そこで、そこに附帯決議を毎年つけておるのであります。今日まで附帯決議を長いことづけてまいりましたが、それをどのように受けとめ、そのことの成果といいますか、そのことについてどのような御配慮があったのか、まずお聞かせいただきたい。
#77
○長富政府委員 国会の附帯決議につきましては私ども十分に承知しておりますし、関税行政につきまして国会から大変な御理解をいただいておりますことについて感謝いたしているところでございます。
 特に御指摘の点は、処遇の改善及び要員の確保という点についてではないかというふうに考えますが、この点につきましては、今大変な事務の膨大化の中で機械化を進める傍ら、要員の確保にも尽力をいたしているところでございます。六十三年度、御承知のとおりネット増で五名の久々の増員をお認めいただいたところでございます。厳しい定員の中でございますが、平成元年度におきましても、今の事務量の大変な繁忙化、さらに消費税が導入されるということで、格段の要員確保に尽力いたしているところでございます。
 また、処遇の改善につきましては、これも種々御理解をいただきながら努力いたしておりますが、例えば級別定数の改定について申し上げますと、六十三年度、これも例えば八級以上の定数につきましては十四名増をお認めいただいております。平成元年度についても同様に尽力しているところでございます。
#78
○野口委員 今もお答えがございましたように、非常に税関業務は急増いたしております。私が申し上げるまでもなく、出入者数そのものは全国で約二千万人、対前年比一五%増ということになっておりまして、昭和五十四年には一千万人だったものが、十年間で約倍になっているというような実情でございます。
 言うまでもありませんが、局長も今おっしゃいましたが、中身は非常に複雑になり、かつまた銃砲、麻薬等、覚せい剤を含めた社会悪物品の密輸入、これも手口がだんだんと巧妙化してまいりました。しかも大型化している。こういうような状況の中にありまして、さらにまた今ほとおっしゃいましたように消費税の導入ということになりますと、とてもじゃないが今までの定員ではやっていけない、これはもう明らかでございまして、何も労働組合を代表して言っているわけではありませんけれども、客観的に見ましても、とてもじゃないが今までの状態ではいけない。
 今までは、いわば附帯決議の中で定員の増を図ってくれよ。定員法等によっていろいろと問題点はあるだろうけれども、しかしこんなに急激に内容的にも複雑多岐、かつまた時間短縮という時代にもかかわらず二十四時間体制をとらなければならないような非常に特殊な職場でもある、いろいろなことにかんがみまして、このことはやはり何とか解決してあげないとどうにもならぬじゃないか。税という立場から、また「関」という立場から見ますと、先ほど申し上げましたような密輸入品の問題、この密輸入の手口の巧妙化によってどうしても水際作戦というのが大事である、入ってしまったらどうしようもないということから、ぜひともこのことについては心を砕いてもらいたい。
 もう一度申し上げますが、今年度の増員等について、昨年は五名というわずかな数字でございましたけれども、消費税の導入もこれあり、かつまた先ほど申し上げました関係もこれありまして、特に大幅な増員、強化をお考えいただきたいということについて申し上げておきますが、局長の御答弁をいただきます。
#79
○長富政府委員 平成元年度につきましては、消費税の導入もございまして、計画的な定数削減の中でネット増で百五十五名お認めいただきたいというふうに考えております。何とかこれで対応してまいりたいと考えております。
#80
○野口委員 数字もそうでございますけれども、中身につきましてもひとつ十分な御配慮をいただきたい。
 以下、申し上げたいと思います。
 それは、税関職の俸給表の関係でございます。これは人事院にお尋ねいたしますが、いわゆる一般公務員の場合の行政職の俸給表が適用されているわけでございますが、先ほど来申し上げておりまするように特殊な業務でございます。なかんずく最近の税関業務というのは非常に高度な資質を要するものでございまして、私が申すまでもなく、コンテナの貨物の中に、ビリヤードのテーブルの天板の下に物を隠したり、あるいは冷凍魚の腹の中に物を隠したり、あるいはまた靴の底だとかあらゆるところに麻薬品を入れてみたりけん銃が入ってきたり、本当に捜査一つを見ましても、エックス線だとかあるいは金属探知器、麻薬犬等いろいろお使いではございますけれども、職務そのものが非常に特殊な職場になりつつある。これは一般職じゃなくて税関職というものを別に設けるべきではないか、こう思うのでありますが、人事院の考え方をまずお聞きしたい。
#81
○山崎説明員 御指摘のとおり、税関業務はいろいろな職場を抱えておりまして、しかも複雑化あるいは高度化に対応しつつあるということは承知しております。輸出部門、輸入部門等におきましては、許可とかあるいは承認とか、どちらかといいますと一般の行政とやや似ておるような職場もございますし、御指摘のように監視部門もございます、あるいは一般の事務部門もございます。それらを全体として眺めてみますと、やはり現在のような行政職の中で処遇しまして、それぞれその重要性なりを見ながら、等級の格付等の運用で処置するのが適当ではないかということで取り扱っておるところでございます。
#82
○野口委員 どこの官庁でも、一般職に該当するものあるいはまたそれにちょっとなじまないものというのは当然ございます。したがって、事務職までとかあるいは一般管理職とか言われているような部分についてまで税関職員俸給表をつくれと私は言っているわけではありません。少なくとも現場で働く諸君は特殊な技能を要する。特殊な職場で存在をして仕事をしているという立場の方に限ってそのことは可能であるし、また適用を受けるべき問題ではないかと思うのであります。
 私はかつて郵政省に勤めでおりましたが、郵政省におきましても外務職、外に出ていく者、いわゆる郵便を配達している者と中の者とは違うとか、そういうふうに差がございました。俸給表も違うわけでございます。そういう適用は他の官庁においてもございますし、当然関税関係の官署におきましてもそういった俸給表の改定ということ、違ったものにすることが非常に大切ではないか。これは職員の士気の高揚にも大きくかかわると思うのでありますが、重ねて関税局長、どのようなお考えでございますか、その辺についてお伺いをいたしたい。
#83
○長富政府委員 先生の御指摘の点は私ども常日ごろ考えていることでございますし、いろいろな難しい職務に対応している職員を見ておりますと、そういう気持ちにも駆られるわけでございますが、一般各機関との関係もございますので、今後とも人事院と十分に協議をしてまいりたいと考えております。
#84
○野口委員 重ねて御答弁はいただきませんが、隠匿物の発見、それは非常に困難性があり、かつまた危険性がございます。また、ワシントン条約や無体財産権、いわゆる専門性でございますが、この問題につきましても、徴税事務の関係、他法令との確認問題等、いわゆる給与法十条で言う特殊性があると私どもは思うわけでありまして、その点についてひとつ関税局長も十二分に人事院とお話し合いをいただきまして、こういう人々に対する職務給、いわゆる税関職俸給表というものの体系を確立すべきではないかということについては、特段の御配慮をお願いいたしたいと思うのであります。
 そこで、それに関連して申し上げたいのでありますが、特殊勤務手当の関係でございます。特に麻薬犬を扱っておられる人々でございますが、御案内のように麻薬犬を扱っている人というのは、その日そのときだけ犬に接すれば、犬が非常に巧妙な仕事をしてくれるというわけではございませんで、常日ごろえづけをし、かわいがりと言うとおかしゅうございますが、一緒に散歩に連れていってやったり、あるいはまたびろうな話でありますが、ふんの世話もする。いろいろなことをしてやって初めてその人と犬のつながりができるのでありまして、非常に密接な関係がございます。そういった仕事をする人というのは、服装一つにしましても、犬のにおいが体に付着いたしますし、衛生上もいろいろ特殊な環境にあると思うのであります。先ほど来税関職の特殊性を申し上げましたが、その中でも特に麻薬犬を扱う人々に対して特殊勤務手当を支給すべきではないか、これは私の主張でございますが、いかがなものでございましょうか。
    〔委員長退席、大島委員長代理着席〕
#85
○山崎説明員 特殊勤務手当でございますけれども、その手当の性格からしまして「著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務」に従事した場合に支給するというふうに法律の規定がございます。この「著しく」をどの程度のものと考えるかの問題もございます。
 人事院としまして、国家公務員、いろいろな職場あるいはいろいろな職種を抱えております。そういうもの全体を見ながら、バランスのとれた形で特殊勤務手当を配置していくということも必要でございますので、麻薬探知犬を取り扱う業務につきましてかねてから手当新設の要望があることは承知しておるところでございますけれども、ただいま申し上げました著しい特殊性という点から、この業務につきましては、他の特殊勤務手当を支給しております業務との比較から見まして、現状では困難であると考えておるところでございます。
#86
○野口委員 私は、それはいささか狭義な解釈だと思うのであります。確かに、犬好きの人が犬の世話をするということは、これは自分が好きでやっているわけですからいいわけでありますけれども、仕事として犬を取り扱う、しかもその脱ぶんの処理もしてやる。いろいろな人間と犬との間の関係をよくするために、仕事の中でやらなければならない特殊性というのが非常に問われるわけでありまして、特に麻薬犬というのは、人事院の方も御存じのとおり、非常に敏感な性質を持っている犬でありますから、人間とのかかわり合いというのは非常に大事にしなければならぬものであります。警察犬も同じでありますし、盲導犬も同じでありましょうが、特に麻薬犬の場合においては職務としてそのことがある。それで税関職員の中で特に麻薬犬を扱う人については非常に特殊な勤務である、私はそう断定をするわけであります。
 人事院におかれましてもぜひとももう一度現場をよく御視察をいただいて、麻薬犬と職員との関係、どのような状況において今仕事をなされているかということ、失礼ながら御存じないのじゃないかと私は思うのでありますが、現場へ行かれてごらんになったことがございますか。どうですか。
#87
○山崎説明員 一度税関にも行きまして、税関の方からいろいろお話を聞いたことはございますけれども、直接その職員なりにということはございません。
#88
○野口委員 ぜひ現場で犬を扱っている職員の実態というのをごらんになっていただきたいと思うのであります。決してあなたがおっしゃるような、特殊ではないと断定するに至る結論は出てこないと思うのであります。どうかそういった前向きな対処を人事院の方も関税局の方も十分御配慮をいただいて、これもそんなにたくさんの人じゃありません。ありませんけれども、本当に税関の業務の能率を高めていくためには、やはりこういうことも非常に大事なことでございます。したがって、今後増大するであろう麻薬取り締まり、あるいはまたそういった関連する業務の確実な水際作戦の職務を遂行していただく上に欠くべからざる要件だと思いますので、ぜひともこの点について御配慮をいただきたいと思うのであります。改めて関税局長にお聞きをいたしませんが、よろしく御配慮をいただきたいと思います。
 時間が参っておりますので、もう一つだけ申し上げますが、時間短縮の問題でございます。
 時代の流れでございまして、それぞれの官庁も本年一月から四週六休の土曜閉庁が実施されております。先ほどもちょっと触れましたが、税関の業務というのはなかなか難しい官署ではありますけれども、現在どのような状況でこの問題を受けとめておられるか、また将来完全週休二日制が実施された場合におけるところの勤務時間帯のあり方、あるいはまた交代制服務の状況をどのように改善をして、職員の勤務時間という問題についての展望をお持ちなのか、この辺について伺っておきたいと思います。
#89
○長富政府委員 御指摘のとおり、ことしから土曜閉庁方式が採用になりまして、現在税関では閉庁官署をできるだけふやす、開いているところを少なくするという観点から、周辺の出張所につきましては本関統合方式ということを実施いたしておりまして、閉庁土曜日に一部業務を行っている官署は三十八官署でございます。現在閉庁土曜日ごとにそこの実際の事務量を見ておりまして、今のところ混乱なく推移しておりますが、年度末がどのような状況になるかというところを見きわめているところでございます。この状況を見ながら閉庁官署の数を減らすというと、逆に周辺出張所を開くという場合も将来予測されますので、もちろん閉庁時に出勤していただいている職員の数をできるだけ減らしていきたい、それを当面の対応にしていきたいというふうに考えております。
#90
○野口委員 これも御答弁は要しませんが、最後に申し上げておきますが、この辺も関税局長としましては少なくとも前向きに、少しでもそういった土休の職場がふえていくように十分御配慮をいただきたい。ぜひともお願いをいたしたいと思います。
 最後に大臣にそれで伺っておきますが、今私は執行面において若干の点を申し上げましてお尋ねをいたしました。関税業務がこの十年間倍増をいたしておりますにもかかわらず、定員は横ばい状況でございます。昨年若干、五名の増員があったところでございますが、ことしは消費税の導入等もございまして、少しく定員のこともお考えのようでございますけれども、こういう急増する職場にあって、しかも内容的には非常に重要な関税業務でございます。どうかこの関税も含めまして、大蔵省内におけるところの業務が円滑な、かつ国民の期待に沿えるような体制になりまするように、ぜひともの格段の御配慮をひとつ大臣からも賜りたいということを申し上げて、大臣からの御答弁をちょうだいいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
#91
○村山国務大臣 ただいま野口委員の非常に御理解あるお話を伺いまして、本当にありがとうございます。
 言うまでもありませんが、関税業務は、輸出入貨物あるいは旅客の問題、あるいは質の問題、今度は消費税が入る、麻薬等を扱うということになるわけでございますので、大変に事務量がふえていることはよく承知しております。一方、定員削減の問題をやっておりまして、私はまたその方の係でもございます。しかし、先生方の御理解ある応援によりまして、ことしはネット百五十五人ふやしていただいた。本当にありがたいことだ。ぎりぎりの線で百五十五人ふやしていただいたと思っております。今後とも執務体制を十分見きわめまして、御趣旨に沿うように善処してまいりたいと思っております。ありがとうございます。
#92
○野口委員 質問を終わります。
#93
○大島委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#94
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。柴田弘君。
#95
○柴田(弘)委員 初めて村山大蔵大臣に御質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、きょうは消費税を中心にしていろいろと御質問をしたいわけでありますけれども、まず財政問題についてお聞きをしていきたいと思います。
 大蔵省が発表されました財政改革に対する基本的な考え方あるいは「財政の中期展望」を見ましても、平成二年度赤字国債脱却、これはゼロになっておりますね。前は六十五年度赤字国債脱却、こういうふうに言っておりましたが、これは確実なものになったのかどうか、あるいはそうでないならば今後どのような努力をして財政再建の目標を達成していかれるのか、まずその点についてお伺いをしておきます。
#96
○村山国務大臣 平成二年度赤字国債脱却ということをかねてから目指しておるわけでございますが、ことしの当初予算でもおわかりのように、今度は一兆三千億ぐらいの赤字公債でございます。このことは来年度ゼロにするための確実な第一歩を踏み出したのではないか、こう思っておるのでございます。もちろん単年度予算でございますし、歳入との関係もありますので、来年は一〇〇%大丈夫だなどということは言える立場ではございませんが、確かな一歩を踏み出した。だから来年度も引き続きゼロにすることに全力を挙げてまいりたい、かように思っております。
#97
○柴田(弘)委員 答弁は了解いたしました。
 確かにおっしゃるように、平成元年度予算案、赤字国債を一兆八千二百億円減額して、平成二年度赤字国債依存からの脱却を、大臣がおっしゃったように一〇〇%とは申しません、その一歩を踏み出した、その可能性あるものにした、こういうふうに私は考えているわけであります。
 そこで、平成元年度予算案について四点、私は問題点の御指摘を申し上げ、大臣の御所見を伺いたいわけであります。
 一つは、天下の悪税と言われている消費税を導入していること、これはあくまで撤回していただきたいということであります。いや、すべきである、このように思います。
 二つ目には、経済大国にふさわしいゆとりある国民生活の実現や、今後の高齢化社会に向けて社会保障制度の充実を図るとともに、住宅や住環境の整備を初めとする生活関連社会資本整備を系統的にどう進めるかという、中核となる理念と計画性がいささか欠けているのではないか。
 第三点は、平成二年度赤字国債発行ゼロを実現したといたしましても、国債発行残高は百六十二兆円になりますね。これは予算編成の段階で大蔵省が政治と妥協を重ねた結果だと思います。その辺について、大蔵省の罪も深いなということを私は切実に感ずるわけであります。
 第四点は、赤字国債脱却後の新たな財政再建目標をどのように構築していくのか。理屈の立たない歳出にはブレーキをかげ、きっちりと手綱を締めなければ、ばらまき財政の加速は避けられないだろうと思うわけであります。
 以上四点の問題がありますが、簡単で結構ですから、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#98
○村山国務大臣 今度の消費税は、四十年来のシャウプ税制が基本になっておる体系を基本的に改めようとするものでございまして、消費税だけを独立で論ずることはできないと思っておるのでございます。そういう意味で所得税、住民税の減税とあわせていく、あるいはさらに法人税の減税あるいは相続税の減税とも関連する問題であると考えております。消費税についてはいろいろな見方がございますけれども、そういう意味で、我々はこれからの高齢化社会あるいは国際化社会に必ず役に立つに違いないと思っておりますので、撤回するという考えはございません。
 それから第二点でございますが、日本は経済大国になったけれども実際の生活内容はどうだ、こういうことになりますと、おっしゃるように食料費はほかの先進国の約二倍になっている、あるいは土地価格が非常に高いために住宅事情が非常に劣っておる、この問題を解決しなくてはいかぬ、こういうことでございます。
 おっしゃるような施策は、我々は税だけで土地対策にはならない、これはかねて言っておりました。ことしは幸いに国土庁を中心にしまして土地基本法、土地というものについて一体どう考えるのか、所有と利用の関係あるいはその還元の問題、こういったことを基本的に掘り下げると言っておりますので、我々もその線に沿って今後の効果的な税制改革を進めてまいりたいと思っております。
 また、食料費の問題につきましても、恐らく土地問題と関係ないことはないだろうと思うのでございます。今度農水省におきましても生産性の向上あるいは利用面積の増大、こういったところに視点を当てまして、既に今年度予算に示されるように動き始めておるのでございます。この道は間違いない道であると思っております。これは内外とも非常に影響がある問題で、どんな手順でどんなスピードで進めていくかということでございますけれども、こういった問題で考えてまいりたいと思っております。
 それから、赤字公債から脱却してもなお多くの問題が残るじゃないか、御指摘のとおりでございます。何よりも赤字公債を脱却したいということでいろいろやってまいりましたが、そのために一般会計からの繰り入れを繰り延べておりましたり、こういったものがたくさんございます。それから国債整理基金特別会計への定率繰り入れ、これも今NTTの売却収入があるので、幸いにして繰り入れておりません。しかし、やがてその繰り入ればどうするかという問題になりますれば、これは財政問題としては大きな問題になることは当然予想されるわけでございます。
 そこで、第四点の問題でございますが、今後どういう目標で財政再建を図っていくか、こういうことでございます。問題の所在はよくわかっているわけでございますので、この点については慎重に、しかし確実な目標を立ててやってまいりたいと思います。
 そこで、具体的には本国会における論議、先生方の御意見を十分踏まえまして、そして我々も皆さんの御意見を反映した問題点を整理させていただきまして、そしてとりあえずは財政審議会の御検討をひとつ煩わしたい、そして今後の財政目標を立てまして着実に実行してまいりたい、このように考えております。
#99
○柴田(弘)委員 それで、私は新しい平成時代を迎えまして大臣に要望したいのは、予算編成のあり方ということ、この予算づくりというものにつきまして一遍抜本的な見直しを行ったらどうだということを申し上げたいわけであります。第一点は重点的な予算の組み方であります。第二点は財政節度を守る新しい歯どめ、これをやはりきちっとしなければならない、こう思います。
 第一点の重点的な予算の組み方というのは、今まではシーリングによる一律削減方式ですね。くしくも財政制度審議会の鈴木会長が提言しておりますように、これは大臣もよく御存じでしょうが、いわゆるゼロバジェット方式というのをおっしゃっております。これは、全歳出項目について既得権を認めず、その年の優先順位を考え予算を編成する方式でありますね。私どもも、大臣に前もってお渡しして読んでいただいたと思いますが、「二十一世紀トータルプラン」においていわゆる政策別シーリングヘの転換を図りなさい、こういうふうに提言をいたしております。それからまた、現実に大蔵省の「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」で、「各種施策について優先順位の厳しい選択を行い、既存の制度・施策の改革を図ることを基本」とする、このようにはっきりとおっしゃっておりますね。こうした予算の重点的な配分というものについてはやはり見直すべきときに来た、これが第一点。
 それから第二点は、歳出の肥大化の歯どめ。先ほどの質問とも関連をいたしますが、やはりこれを財政再建の目標として、国債依存度をどうするのか、あるいは国債費率をどうするのか、あるいは国債のGNP比率をどうするのか、これはいろいろな意見が今出ております。財政制度審議会にいろいろとお伺いを立てて決定をする、こういうことでありますが、少なくとも来年度の予算編成までには赤字国債脱却を確実なものとして、次の財政再建目標というものを大蔵省としてきちっとまとめて国民に提示し、そのコンセンサスを得る必要がある、私はこういうふうに考えているわけでありますが、その二点についてどうでしょうか。
#100
○村山国務大臣 赤字国債脱却後の財政再建の目標をどうするかということにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、その中の項目で今柴田委員がおっしゃいましたGNP残高比あるいは公債費比率の問題、こういったことも当然問題になってくると思います。この問題はやはり少し時間をかけまして、脱却後において確実な目標と実行をすべく財政審議会で十分検討してもらうつもりであります。
 それからもう一つの概算の問題でございます。これは非常に難しい問題でございまして、抽象的には一から全部優先順位を決めて、初めからシーリングを外して、そしてゼロから積み上げろ、たしか日経連の会長もそれに似たようなことをおっしゃったと思うのでございます。これは一つの考え方として確かにありますが、実行問題としては非常に問題を含んでいるところでございます。現にシーリングの中におきましてもやはり優先順位はつけているわけでございまして、御案内のようにODA予算のようなもの、あるいは社会保障予算のようなものについてはそれなりにつけているわけでございます。しかし、私は理論としては成り立つのではないか。要はそれを実行の段階でどのように消化していくか、こういうことではなかろうかと思います。公明党がおつくりになりましたあの労作「二十一世紀トータルプラン」を我々は今後の一つの大きな参考として十分読ましていただいて、参考にすべきものは参考にしてまいりたい、このように考えております。
#101
○柴田(弘)委員 財政再建の次の目標をということで今私が申しました国債依存度、国債費率、国債のGNP比率は御賛成をいただいたものと私は判断しております。
 問題は平成二年度の、まだ今は平成元年度の予算を審議している段階でありますから、その予算も通らないのに不見識だとおっしゃるかもしれませんが、少なくとも平成二年度赤字国債脱却、ゼロにして一つの財政再建目標が達成するならば、平成二年度の予算編成をする段階のときに、その審議会にも御審議をいただいた結果を受けて、あるいは国会の議論等も受けて、大臣、その時期に出すべきだと思います。この辺を一遍きちっと御答弁いただきたいと思います。
#102
○村山国務大臣 二年度の、赤字国債脱却後の財政再建の目標をどうするかということについては、おっしゃるようにこれから御議論を踏まえ生じて財政審議会にかけて、できるならば来年のときに国会にお示しできればいいな、このように照っております。
#103
○柴田(弘)委員 予算編成のときまでに……
#104
○村山国務大臣 さあいつまでの答申になりますか、できるだけ急いでいただきたいと思います。平成二年度はとにかく脱却でございますので、これに全力を挙げていきたいということでございますが、間に合えばできるだけ早い機会にやりたいと思います。
#105
○柴田(弘)委員 間に合うように最善の努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 二十六兆円に及ぶ隠れ国債、隠れ借金の問題についてと思いましたが、時間がありませんのでこれは飛ばしますが、やはり二十六兆一千五百億円の隠れ国債の処理ということも一つの財政再建の目標になると私は思います。これはいろいろお間きしたいことがありますが、時間がありませんので、次の問題に移らしていただきたいと思いすす。
 この「財政の中期展望」を見ましても、あるいは「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」を見ましても、あるいはまた本年一月二十四日の「平成元年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針について」という閣議決定がございますが、つまり問題は、平成四年度からいわゆる財政の体質をどうしていくかというものが一つの大きな問題になってくることは今さら説明するまでもないわけであります。
 ここにいろいろ書いてありますが、一つはNTT株売却を図っていくという問題、二つ目には日本たばこ産業株式会社の株の売却をするのに、慎重に進めると書いてあります。あるいはまたJR等の株の売却ということも閣議決定されているわけであります。平成四年度以降のそうした株売却について、まずひとつお聞きしておきたいわけであります。
#106
○村山国務大臣 NTTの株は、今のところ恐らく平成三年度まではいけるのじゃないかと見ておるわけでございます。
 それからたばこ産業の株でございますけれども、これはもう御案内のようにたばこ産業そのものが大変な競争にさらされておるわけでございまして、何分にもたばこの関税率はもうゼロになつておるわけでございますし、そして葉たばこというものを抱えているわけでございます。その中で合理化を図って、そして国際競争力を対等に持っていかなければいかぬ、こういうことでございますので、とりあえずは売却というよりもたばこ産業の体力をいかにつけるか、合理化をいかに進めるか、この方に重点を置いて考えたいと思っております。
 それからJRの株につきましては、これは清算事業団が皆持っておるわけでございまして、そしてまた旧国鉄の債務がたくさんあって、十三兆何がしというものは最終的には国民負担になる、こういうことになっております。これまたJR自身の体力の強化、合理化、こういったものがまず先決であろう。もちろん、先ほど委員が申されました今後の財政再建とこれらの問題は密接な関係のある問題でございますけれども、そういった問題も含めて今後財政審議会で御審議いただきたいと思いますが、今の御質問に対しては、とりあえずはそちらの方が優先するのじゃなかろうかというのが私の感覚でございます。
#107
○柴田(弘)委員 「NTT株式売却収入の推移」という資料をちょうだいいたしました。六十一年度から今日まで、六十二年度、六十三年度と三回売却をされております。平成元年度も当初予算案には百九十五万株の予算措置がなされているわけであります。一株百八十一万円ですよ。それで、危険料〇・二%として、〇・八を掛けて百四十五万円、こういうことです。そして二兆八千二百三十六億円、こういうことですね。あと平成二年度には同じく百九十五万株、平成三年度には百十万株、こういうことです。あと五百万株売らなければならぬわけですね。現在のNTTの株の状況を見ると、もう百六十万円そこそこということですね。だから六十二年度の秋に買った人たちは二百五十五万口、六十三年度の秋に買った人たちは百九十万円、一回も利食うというのですか、プラスになったときがないわけなんです。それであとまだ五百万株売らなければならない。こういう実態について大臣、どうですか。どう考えていらっしゃいますか。
#108
○村山国務大臣 株の相場というものはやはり市場が決めるわけでございまして、まことに我々は残念なことだと思っておりますが、これも市場が決めることで、どうなるわけでもございません。
 ただ、この売却を急ぐということ、これはやはりやめた方がいいのじゃないか。せっかくの国の聖域に属する大事な株でございますので、状況を見ながら最も有効な時期に売っていく、これが国民負担の軽減にも最終的にはつながる問題だ、かように考えておりまして、慎重に処分方針については考えてまいりたいと思っております。
#109
○柴田(弘)委員 それで、大蔵省から資料をいただきまして、昨年九月末の株主数と株式数、個人と法人に分けていただきました。個人は百二十三万八千九十七人いらっしゃるわけです。持っている株式数は二百一万三千八百五十六株、法人は人数が二万四千百七十八社、株式数は百六十五万二千七百四株、個人の割合は人数で九八・一%、それから株式数で五一・六%、この後、これは九月ですから、この年の十一月に百九十万で百五十万株売られましたから、また個人も法人もふえているということになるわけですね。
 それで、確かに大臣がおっしゃるとおり、相場というのは相場に聞けということで、市場の原理で動くのですからやむを得ませんね。しかし、こういった人たちはちよこつともうけたろうか。第一回がよかったから、そのような気持ちで買われた方も随分あると私は思います。しかし、また一面からいえば、国の国策のために協力をしたということが言えると私は思いますね。だから売り出すタイミングが大事だ。おっしゃるとおりですよ。
 私がいろいろ申し上げたいのは、アメリカやイギリスでは電気通信事業会社の株式の外人保有は認められておりますね。また、日本でもNTT以外の第一種電気通信事業者については、発行株式数の三分の一までの外人保有は認められておる。低迷している株価に刺激を与える意味からも、NTT株式の外国人保有規制を他の第一種電気通信事業並みに緩和すべきである、このような考えもあるわけであります。どうでしょうか、こういった考えについて大臣どうお考えになっていますか。
#110
○足立政府委員 現在NTTの株式につきましては、日本電信電話株式会社法によりまして、外国人、外国法人等によります取得、所有、これは禁止されておるところでございます。
 本件に関しまして外国人の投資家等から規制を緩和してもらいたい、NTT株式投資を行い得るような道を開いてほしいというような声があることは承知しておりまして、この外国人保有規制の緩和ということがもしなされますならば、NTT株式の円滑な売却を図る上ではプラスになるのでないかと考えられますが、いずれにいたしましても、本問題は先ほど申しましたように日本電電会社法によります規定で禁止されておるところでございますので、同法を所管しております郵政省がいろいろ関係者の意見を聞かれ、総合勘案されまして今後検討されるものであろうと考えております。
#111
○柴田(弘)委員 郵政省は今の大蔵省の答弁に対してどういうお考えでございますか。
#112
○有村説明員 お答えいたします。
 先生御承知のように、昭和六十年に電気通信制度の改革をしたわけでございます。その改革におきましては、従来法的独占体制にございました電気通信分野を民間活力の導入ということによりまして競争体制に移行させる、それとともに電電公社を民営化いたしましてその事業経営の効率化を図るという二点を行いまして、そのことによりまして、今後の我が国の社会経済活動の基盤を担っておりますところの電気通信の高度化、多様化を図る、そういったことで国民利用者がより低廉で良質なサービスを享受できるようにするということを目的にしてやったものでございます。
 そういった意味では、当時政府としても、国会で御答弁しておりますように、財政再建のためにこの電電改革を行うという趣旨ではなかったわけでございます。ただ、NTTは、この電電改革に当たりまして競争が導入されましても、なお我が国の基幹的な電気通信事業者でございまして、社会経済活動に不可欠な通信手段を全国において提供するという極めて強い公共性を担っておりますところから、国の安全保障とか国民の生命財産の保護の問題にもかかわる事業体でございまして、他の第一種電気通信事業者とは異なった存在である。そういったことによりまして、外国人あるいは外国法人等によります株式の所有を禁じているわけでございます。
 なお、現在政府といたしましては、昭和五十七年七月の臨調答申あるいは昨年十二月の新行革審答申、こういった趣旨を踏まえ、あるいはNTT法の附則第二条というものに基づきまして、組織のあり方も含めましてNTTのあり方全体を検討すべき立場にあるわけでございますので、ただいま話題となっておりますような部分と申しますか、特定の問題というものを先行して検討するという状況にないというふうに承知しております。したがいまして、このNTT株の外国人あるいは外国法人等による所有いかんの問題というのは非常に重要な問題でございますので、我が国の今後の通信政策のあり方とかあるいはNTTのあり方といったような検討を踏まえまして、総合的かつ慎重に取り組んでいくべき問題ではないかというふうに考えておるところでございます。
#113
○柴田(弘)委員 大臣、ある経済評論家はこのように言っているんですね。簡単でいいですからぴしっと答えていただきたいですね。
 今年は株の売り出しを中止したらいい。代わりに期間十年、金利二・五%の条件で“株式交換権付き社債”を発行したらいい。株で持っていたら配当利回りはたったの〇・三%。安全派は社債のまま持っていればいいし、投機派は機を見て、株に交換して値上がり益を期待できる。
 なにか考えないと大変なことになるヨこういうふうに言っている。これはある雑誌に書いてあるわけです。今大臣は売り出し時期を考えるというお話がありましたが、やはり何か考えなければいかぬだろうと私も思いますね。一言でいいですから、今のこういったある経済評論家の御意見に対してどうでしょうか、大臣。
#114
○村山国務大臣 やはり株価というのは市場が決めるわけでございますし、先ほど申し上げたような観点から、売り出しの時期あるいは数量等については慎重にやってまいりたいと思います。いろいろな株価対策の考え方があろうかと思いますが、そういうものも十分に参考にしながら今後検討を進めてまいりたい、こう思っております。
#115
○柴田(弘)委員 ぜひひとつ検討を進めていただきたいと思います。
 では、肝心の消費税に入ります。
 総合課税の問題ですが、さきの国会における衆議院の修正によりまして、税制改革で利子課税とあわせて総合課税への移行を含め課税方法を見直すとの規定が設けられました。利子課税は平成四年度に見直すことになっているから、あと三年であります。決め手は納税者番号制度の導入の問題ですね。聞くところによりますと、二月の十五日に関係省庁の連絡会議を発足したとありますが、今後どのような段取りで納税者番号制度の検討が進められていくのか、関係省庁というのは大蔵省以外に自治省とどこか、それから、番号制度の具体的な姿や導入時期をできるだけ早く示すべきであると私は思いますが、いつ示すことになるのか、この辺についてお聞かせをいただきたい。
#116
○尾崎政府委員 納税者番号制度につきましては、税制調査会の中に小委員会を設けまして、検討していただきました。その報告が出まして、それを受けまして、税制調査会の方から先般の答申におきまして、政府部内でよく検討してみるように、ひとり税制だけではなくていろいろと関係するところが多い、またプライバシーの問題のようなものもある、それから、実効あるものにするためにはやはり広くとらえていくことが必要だというような御意見がございました。
 それを受けまして、先生御指摘のように、関係省庁集まりまして政府部内で勉強をスタートしたところでございます。このスタートに当たりまして、いつまでにということは実は決めておりませんで、問題点を一つずつ検討していって、できるだけ早い時期に検討をまとめていきたいというように思っておりますが、その結果が出まして、それを今度また税制調査会の方で受けとめていただくのか、またほかのところで受けとめていただくのか、結果を見て政府部内で検討していくべき問題であろうというように考えております。
 ただ、御指摘のとおり、利子の見直し、それからキャピタルゲインについて法律上その見直しが求められているところでございますから、そのようなことを頭に入れながら全体の手続を進めていきたいというように考えております。
#117
○柴田(弘)委員 とにかくこれは平成四年度実施なんでしょう。だから、いつまでにと決めていない、できるだけ早くということなんですが、少なくともそれまでにはきちっとしなければならぬわけでしょう。あるいはプライバシー等の問題があって、国民の合意も得なければならないわけなんですね。やはりある程度の目標を決めて見直し作業というものはやらなければならぬ、こう思いますね。
 もう一つ答弁が抜けておったのは、関係省庁というのは一体どこの省庁ですか。その二点について。
#118
○尾崎政府委員 関係省庁はかなり広範でございまして、正確に申し上げるためにちょっとお時間をちょうだいいたしたいと存じます。
 それから、目的、目標を定めてできるだけ早くというお話でございますが、非常に広範にわたっておりますし、また、いろいろな意味での番号制のようなものが政府部内に実はあるわけでございます。年金の問題でございますとかあるいは運転免許でございますとか、いろいろな制度が今ございますので、とりあえずそういうものを勉強していくという段階でございまして、いつごろに結論に至るのか、今のところちょっとまだ申し上げかねる状況でございます。ただ、できるだけ急ぐようにということは、先ほども申し上げましたようにキャピタルゲインや利子についての見直しの関係もございますので、私どももそのような気持ちでやってまいりたいと存じております。
#119
○柴田(弘)委員 要するに、遅くとも平成四年度までにはやらなきゃならないのでしようということを聞いておるのです。もっとそれ以上かかるのですか。
#120
○尾崎政府委員 それを頭に置きながら進めたいと思っております。
#121
○柴田(弘)委員 大臣に聞きますが、消費税について竹下総理は九つの懸念ということをおっしゃっておりますが、私は欠陥消費税として二十の問題がある、こう思っております。今からずっとそれを質問していきますので、ひとつ大臣、イエスかノーかで結構でございますので、簡潔に御答弁をいただきたい。
 まず第一点は、大臣、政治家が、まして閣僚が、まして総理大臣が国民にうそを言うことはいいことか悪いことか、どうでしょう。特に選挙での公約は守るべきであり、政治家は国民の代表としてその声に謙虚に耳を傾け、その国民の声を政策、制度の遂行に反映させるべきである、こういうふうに私は思っておりますが、どうでしょうか。
#122
○村山国務大臣 うそをつくということは、いかなる場合でも余りいいことじゃございません。公約は守るべきであると思っております。
#123
○柴田(弘)委員 そこで、大型間接税と言われるこの消費税、明らかに公約違反である、こう思います。
 それでもう一つお聞きしたいのは、ことしに入って民意を問う選挙がいろいろありました。一月二十九日の北九州市議選から始まって二月十二日の福岡の参議院補欠選挙、二月二十二日、宮城県の県知事選で自民党の推薦候補が出馬断念をした。それから二月十九日の鹿児島知事選、それからつい最近では千葉県の知事選がありました。一々結果は申しませんが、この結果は、リクルートはもちろんでありますが四月一日からの消費税導入が大きく影響したものと言える、その批判票が随分あったと私は判断しておりますが、大臣はどう考えていらっしゃいますか。
#124
○村山国務大臣 選挙の結果につきましては、我が党の選挙の責任者である幹事長が代表して述べております。したがいまして、大蔵大臣としてこのような席で言うことはひとつ差し控えさせていただきたいと思っております。
#125
○柴田(弘)委員 しからば大蔵大臣、これは本年一月二十八日、二十九日の両日にわたって税制改革について読売新聞社が世論調査をいたしました結果でありますが、この時点において税制改革に対する賛否は、賛成派はわずか一七%、反対派は七一%。昨年の六月の調査では、今の税制を改革する必要があると答えた人が八三%もあった。しかし、今回この調査によって、この消費税導入を中心とする税制改革というのは、国民が強く望んでいた税制改革に比べて、今回実施される税制改革とのギャップというものが非常に大きかった、こういう結果が出ておる。しかも支持政党別では、自民党支持者でも賛成派がわずか二八%で、反対派が倍以上の五八%もいる。竹下内閣を支持する人でも賛成が三四%で、反対をしている人が五二%。
 私は最初に、国民の声を謙虚に聞いて、そして政策の遂行に当たっていくのが政治家である、うそをついてはいけません、こういうことを申しましたら、大臣には全面的に賛成をしていただいた。今こういった世論調査の結果を見て、しかも竹下内閣の支持率が日経の調査によれば史上空前の一三・一%まで落ち込んだ。こういう結果を見て、これはリクルートという関係もありますが、やはり消費税というものに対して国民がいかに反対をしているかという結果のあらわれである、このように思います。いかがでしょうか。
#126
○村山国務大臣 読売の世論調査でございますが、私も注意してあれは読ませていただきました。あのサンプル調査はアトランダムに約三千人の人にアンケートをとりました。回収率は七割、こういうことでございます。
 ところで、読売はその前に、今度の税制改革がどれぐらい周知されているかということもあわせて調査しております。それによりますと消費税関係は、物によって違いますが、八〇%から七〇%国民の方は知っているのでございます。しかし、所得税の減税、住民税の減税について申しますと、諸控除の引き上げが恐らく二九%ぐらい、それから税率の簡素化と出ているのでございますが、これは実は大減税をやっておるわけでございます。この辺の周知度になりますと二四%。これでは要するに、今度の税制改革のねらう意味がいまだ国民全体には浸透してないということを明らかに意味しているわけでございます。
 しかも減税の方は、既に昨年の臨時特例法で税率の改正をやっておりまして、一兆数千億の減税が実施されたわけでございます。それと今度の間接税の改正、それから消費税というものが緊密な関係として提案されているということは、何らこの世論調査の対象になった人はわかっていないということを意味しておるわけでございますから、このような周知度のもとでランダムにやれば、当然そういう答えが出るということは私は当たり前のことである。むしろどうしてこんなに周知度が遅いのであろうか、ここにこそ私は問題があるのであろう。
 ですから、前の税制改革国会においてもその後におきましても、やはり今度の税制改革は一体のものとしてやられておる。そしてそれが四十年来の大改革である。そしてそれが高齢化社会あるいは国際化社会に必ず役に立つに違いないという確信のもとに提案された税制改革であるということが理解されていない。極めて残念なことだと思っておるのでございます。
#127
○柴田(弘)委員 今大臣は、消費税の問題については国民がよく知っている、ところが減税の問題については二四%程度で余り知らない。PR不足というんですか、そうおっしゃいますけれども、やはり世論調査を見ましても、減税よりも問題は消費税を導入した、そういった税制改革というものはやってもらいたくないんだ。
 反対する理由として、やはりこの「消費税は所得の低い人に重い負担となるから」という人が六八・二%もいる。「税負担の不公平が解消されないから」という人が三一・八%もいる。「消費税のために物価が上がるおそれがあるから」こうした人が四一%もいらっしゃるわけであります。しかも「今回の税制改革で、お宅の税金の負担は、軽くなると思いますか、重くなると思いますか」これに対して重くなると答えた人が四七・二%で、軽くなると答えた人は六・六%であるということです。
 これは要するに、減税ということが周知されてないからこういうふうな結果が出たということは、私はおかしいと思います。減税ということはサラリーマンの方なら一番よく知っていらっしゃるし、特にこの消費税導入の問題については中小零細企業の人の反発も強いわけでありまして、そういった一面性だけをとらえて大臣、今のような答弁をされるというのは、私は納得できません。要するに、減税を一つのえさにして消費税を導入をしていく、しかもうそをついて、公約違反をやってやったというところに私は国民の大きな反発がある、こう言わざるを得ないと思います。いかがでしょうか。
#128
○村山国務大臣 数字で申し上げればもう非常にはっきりするわけでございますが、消費税の創設、それから既存間接税の撤廃ないし整理、その差し引きによりましてネット増収分は二兆円でございます。同じく家計が享受いたします所得税、住民税の減税規模は平年度で三兆三千億でございますから、いいますれば一般の家庭が約一兆三千億取り分が余計になる、これは当然のことでございます。そのことがどうして認識されないのかというところにむしろ問題がある、このように考えておるのでございます。しかし、認識されてないことは各制度についての周知度を見ますれば明らかでございまして、我々は今後やはりよく説明し、そして、何しろ四十年来の大改革でございますので、辛抱強く、この制度が日本のためになるという確信を持って今後とも理解を深めるように努力してまいりたい、これが本筋であると私は思っております。
#129
○柴田(弘)委員 全く私とは意見を異にしております。
 次に進んでまいりますが、第二点は、地方自治体において転嫁問題をめぐって大混乱を起こしている。自治省が先週末、都道府県の地方課を通して政令指定都市を除く各市町村に電話調査をしたところ、当局の提案をした消費税転嫁の条例を可決したのが千五十自治体あるわけですか、それから否決が八で継続審議が十、こうなっておりますね。それで新聞各紙にはいろいろ載っておりますが、政令都市あるいは都道府県等々合わせまして、全国的に一体どういう状況になっているのか、御説明をいただきたいと思います。
#130
○二橋説明員 地方公共団体におきます消費税の転嫁に関連いたします条例の改定の状況でございますが、大部分の団体におきましては現在も議会が開会中でございまして、全体の状況を統一的に把握するのはなかなか難しいわけでございますが、私どもが条例提案の状況から都道府県の普通会計について把握いたしました状況を大まかに申し上げますと、普通会計につきましては、四十七都道府県中四十一の団体が四月一日から使用料等の改定による消費税の転嫁を行う。ただ、そのうち十五の団体につきましては、一部の使用料について実施時期が四月以降になるということでございます。それからその他の六団体につきましては、四月一日からの使用料等の改定は見送るという状況にございます。
 公営企業関係でございますが、都道府県の代表的な例として水道事業、工業用水道事業について私どもが承知しておるところによりますと、上水道事業では二十六の団体で事業を行っておりまして、そのうち二十三の団体が料金改定を行う。それから工業用水道事業につきましては四十の団体で事業を行っておりますが、そのうち三十九の団体が消費税の転嫁のための料金の改定を行うという状況であると承知いたしております。
#131
○柴田(弘)委員 とにかく混乱が起こっているということは事実であります。
 それで、私は、地方自治体の本旨から申しまして、やはり基本姿勢というのは地方自治体に任せるべきではないか、国民に負担を転嫁する公共料金の値上げは実施すべきではない、それを自治省がいろいろと完全転嫁を求めて介入するのは地方自治の趣旨に反するものである、このように考えます。経営努力によって公共料金は据え置いて消費税の転嫁を見送る、この際公共料金への消費税転嫁はやめるべきである、それができないならば消費税は撤回すべきである、こういう三つのことを申し上げたいわけだが、どうなんですか。
#132
○松本説明員 お答えいたします。
 御案内のとおり、本来地方自治体は、税制改革法に基づきまして消費税を円滑かつ適正に転嫁すべき事業者でありますとともに、国とともに今次の税制改革が円滑に推進できますよう環境整備に配慮すべき立場にございます。したがいまして、むしろ率先して円滑かつ適正な転嫁を図るべきものであるというふうに認識しております。したがいまして、一部の地方団体に転嫁はしないなど所要の措置を見送るところがあることにつきましては、私どもとしては極めて遺憾でございます。私ども地方行財政全般について指導する立場にございます自治省といたしましては、既に法律が昨年十二月三十日に公布、施行されているわけでございますので、こういう事実を前提に、法律の趣旨にもとることのないよう、適正な対応をこの上とも粘り強く指導してまいる所存でございます。
 それから経営努力の問題でございますが、これも御案内のとおり、本来公営企業等につきましては、かねてから日常経営努力というものについては努力すべきものでございまして、本来は消費税の転嫁とは別物でございまして、経営努力に名をかりて安易な対応をすることは、安企業の経営の健全性の確保という見地、あるいはこの税制改革あるいは消費税の基本的性格にかんがみましていかがかと思われます。あくまでも経営努力は経営努力として日常これまでも努力してまいりましたし、これからも続けるべきものであるというふうに考えております。
#133
○柴田(弘)委員 私は、公共料金ばかりではありませんが、要するに消費税を導入する前提条件というものをきちっと整備すべきである、こういうふうに考えます。これはただ単に三%上乗せして、それでよいというものではないわけであります。やはりその前にきちっとコストを見直し、そして下げるものは下げて、消費税のショックをできるだげ和らげるのが地方公共団体の住民に対する義務であると思います。しかも、電気料金やガス料金が引き下げられる。エネルギーを大量に使う公営企業は、その値下げ効果が多少なりとも及ぶはずであります。そのような作業を抜きにして、現行料金に一律転嫁する方がむしろ乱暴であります。いろいろな思惑がありましょうけれども、今回のこの件はむしろ議論が正常な軌道に戻った、こういうことが言えるのではないかと思います。
 しかも、公共料金だけではなく、交通運賃あるいはタクシー料金についても、もう少しきちっとコストを洗い直してから改定すべきではないかというふうに思います。しかも、一般の商品についても円高差益がこの三年間に三十兆円もあるが、十分な円高差益の還元が消費者に行われていない。そういった状況の把握をきちっとして、公共料金にしろ一般の商品の料金にしろ、転嫁前の価格そのものが適正なものであるかどうかチェックしていくということが大事である。こういった基本姿勢を持ってまず行うということが、国民にとっても消費者にとっても大事である。それがなされていない。ただ単に三%上乗せしなさい、こういうことなのですね。やはりそういった転嫁に対する大きな矛盾をはらんでいる、こういうふうに申し上げたい。簡単に大臣から一言御所見があればお伺いしたいと思います。
#134
○村山国務大臣 公共料金につきましては、従来からこれは一つの受益者負担的な考え方でございますので、むやみやたらに上げてはいけない、厳しい経営の合理化を前提にしてのみ上げないということは当然なことでございます。
 今度の消費税の問題はそれとは次元の違う問題でございまして、円滑な転嫁をお願い申し上げておる。これは適正な転嫁ということが今度の消費税の大きな使命であるわけでございます。したがって、経営努力はもちろんいつでもやらなくちゃならぬわけでございますが、適正転嫁とは無関係に、単に合理化に名をかりて、そしてそのまま据え置くというようなことが安易にあってはこれは大変なことであろうという点は自治省と全く同じ見解でございます。自治省が今後適切な指導によりましてこの経営努力とそれから適正な転嫁というものを両立さしていくこと、これが大事なことだと思いますが、一緒くたにされて、そして適正転嫁が実現しないようなことがあると、これは今度の消費税の目的には反しておる、このように考えております。
#135
○柴田(弘)委員 大臣、私が申し上げておるのは、転嫁の前の価格が円高差益の還元等々あるいは電気料金等々の値下げ等によって適正にチェックされたものであるかどうか、正しいものであるかどうか、まずそれをきちっとやらなければならない、こういうことを私は申し上げているわけであります。だから質問の趣旨をよくつかんで御答弁いただきたい。
#136
○村山国務大臣 その点はもちろんのことでございまして、具体的には電気料金、ガス料金につきましては、これは当然電気税の廃止、ガス税の廃止あるいは円高差益の還元、こういったものを含めましてそれぞれ引き下げる、そして消費税は消費税で上げる、その差し引きの結果は、もう既に公表されておりますように、電力料金につきましては大体四・九%ぐらいの負担軽減になる、それからガス料金については三・一%程度の負担軽減になる、こういうことを既に発表しておるところでございますから、委員のおっしゃる趣旨は十分もう既に盛り込まれておる、かように考えております。
#137
○柴田(弘)委員 次は、第三点目に参りますが、先ほどから申し上げておりますように、今回のこの消費税というのは国会決議、選挙公約に違反をしておる。六十一年同日選挙の公約違反である。売上税の化粧直しにしかすぎない。選挙公約でうそも方便が通るなら、議会制民主主義は崩壊すると私は考えております。これが第三点。
 それから、導入の根拠というものが一体どこにあるか。
 財源論、先ほども申しましたように、平成二年度赤字国債脱却が可能でありますから、財源論は成立をいたしません。公平論、これも、公平とは所得、資産の再分配を目指すもので、しかも無資力者には課税しないということでありますけれども、広く薄くは負担能力を無視するもので、公平に反します。また、資産課税がほとんど手つかずのため資産分配の不平等が残されており、税制の水平的公平性を確保することができない。さらに、税額票方式ではなくて帳簿方式でありますから、事業者の所得捕捉の効果も期待できず、サラリーマン、事業者間の税負担の不公平は消費税では解消できない、このように思います。
 それから第五点に申し上げたいのは、高齢化社会のために、こういうことでございますが、高齢化社会の到来は必至であるということは言えますが、しかし、そこでの政策や財源が不明のままでは準備論は成立いたしません。まず、どんな政策がとられるのか、年金一元化、医療一元化が一体どうなるか、その場合の財源はどうなるか、税金と社会保険の割り振りはどうなるか、消費税で引き受ける部分はどれか等を決めるのが先決であろうと考えます。国民負担率の将来の上昇試算等も計算をされているわけでありますが、それは名目成長率や税収の対GNP弾性値等を固定化して機械的に計算したものにすぎないと思うわけであります。
 高齢化社会は今直ちに到来するものではありません。したがって、そのための税制とされる消費税も、平成元年四月に直ちに導入しなくても、ここはひとまず撤回をして、なお二、三年の検討期間を置くという余裕があり得るわけであります。そしてその間に不公平税制の是正を中心とした抜本的な税改革を行うべきであると考えます。不完全なままで実施するデメリットの方が大きい、このように思います。
 高齢化社会の財源として消費税がすぐれているかどうか、これは非常に疑問であります。行政改革のほか、高所得者層を中心とした累進所得課税、所得総合課税、資産課税によってもかなり捻出できるのではないか、このように私は考えております。
 それから第六点は、余りにも拙速審議であるということであります。
 竹下総理が提起をいたしました九つの懸念について、国会で十分検討されましたでしょうか。政府は何一つ国民が満足した答弁をしていないわけであります。また、消費税導入とセットであるはずの所得課税の課税ベースの拡大や資産課税の強化について十分な検討がされたかどうか、疑問が残っております。衆議院での本格的な法案審議はわずか十六時間四十六分であります。欠陥のままスタートしてしまいますと、その欠陥の是正は容易ではありません。
 なお、リクルート疑惑が進展をし、法案提出の責任者たる大蔵大臣自身が疑惑で辞任をされました。また、その作成に参加をした税調メンバーに疑惑関係者がいた。このように公平、公正が疑われるという状況下で国民の納得が得られるはずがなく、消費税が受け入れられる環境下にはない、このように思います。
 第七点は、準備期間が極めて短いということであります。
 昭和六十三年春の法案準備段階においては、自民党幹部は、実施は昭和六十四年四月でなくて二、三年先に延ばしてもよい、こういう発言をしておりました。政府も、税収の自然増加等もあって実施延期はやむを得ないとしていたわけであります。経済界もまたしかりであります。しかし、実際には法律成立後わずか三カ月で実施となってしまいました。これでは、拙速審議で問題点が詰められていないこともあって、国民への周知期間としては不足であります。また、業者においてもレジ機器の変更、コンピューターソフトの変更を短期間に行い得るかどうか疑問であります。システムエンジニアは絶対的に不足をしております。そもそも末端の税務職員自体、業者への広報、指導が十分に行えないという状況にもあります。ソフトの変更自体がやろうにもやれないという問題点もあります。
 こうした状況から、半年間の執行の弾力的運営を設けざるを得なかったわけであります。本年九月三十日までは、広報、相談及び指導を中心として、調査を行わない。具体的には、三月三十一日までに要提出の届け出類を九月三十日までに延期する、計算誤りなどは加算税は取らない、九月三十日までの支出経費については現在の勘定料目のままでよいこととする、九月三十日までの売り上げ、仕入れの帳簿記載の簡略化あるいは申告、納付期限の猶予等であります。
 このこと自体が、第一に消費税導入によって納税義務者が大混乱をしていることを政府みずからが認めていることである、このように私は考えるわけであります。あるいは勘定科目の据え置きや納付期限の延長は、消費者から取った税金を手元に置くことを認め、また、業者の利益を認めるもので、業者優遇、消費者軽視であります。法律の事実上の修正が法律の成立段階でまとめられたこと自体、消費税制の検討が不十分で国民に周知されていないことを物語っております。こうした弾力的運営自体、税制の適正な運営に対する国民の信頼を失わせ、また、まじめな業者、消費者がばかを見ることになるのではないでしょうか。
 大蔵省がみずから認めておりますように、免税業者、簡易課税業者、それから限界控除制度等等、中小企業の特例措置によって事業者の懐に入る税の取り残し分が全体で最高四千八百億円に上る、こういう試算を大蔵省はまとめられましたね。これは平成元年度の消費税収入五兆九千四百億円の八%に当たる、こういった問題もあるわけであります。
 それから第八点は、逆進性について申しておきますけれども、消費税は負担能力を考慮しない租税であって、低所得者層により多くの負担を求める逆進的な租税であります。
 政府は、抜本改革における純減税二兆四千億円を逆進性緩和の措置として強調しておりました。しかし、このような純減税は、昭和六十一年度から引き続いている自然増収、昭和六十一年度、六十二年度だけでも当初見積もりを上回る税収額は八兆七千億円に上りますね、そういう名の増税分を減税によって国民に還元する性格のものであるわけでありまして、抜本改革がなくても行われて当然であります。これをもって逆進性緩和の方策というには当たらない、私はこういうふうに思います。
 また、今回低所得者対策として、老齢福祉年金、児童扶養手当受給者等五百七十万人に臨時福祉給付金一万円を支給されます。在宅寝たきり老人を抱える市町村民税非課税世帯二十万人には、臨時介護福祉金五万円を支給することになりました。これは私は一定の評価はできるものの、これらはいずれも一時金で、継続する消費税に対応した恒久措置ではなく不十分である、このように考えております。
 政府は、抜本改革が与える家計への影響について、年収三百万円前後を分岐点に、それ以下は増税、それ以上は減税としていた。これは、本来行われるべき所得税、住民税減税を消費税導入にうまくセットした試算によるもので、このようなセット自体が問題であると考えます。しかも、このような減税さえ、平成元年度の社会保険料の大幅引き上げで打ち消されようとしております。社会保険料の引き上げは五年に一回の見直しによるものでありますが、消費税の逆進性が大きく影響していると思います。
 次は、九番目は税率の問題、十番目は非課税取引の問題であります。
 税率三%の将来の引き上げの歯どめは一体どうなっておるのか。三%はEC諸国の一五%ないし二〇%に比べても低く、三%のままではあり得ない。高齢化社会に備えての消費税であることからしても引き上げは必至であります。また、消費税収入のGNP弾性値は、所得課税収入のそれよりも低く、一以下のはずでありますから、GNPと同程度に予算規模が伸びるとした場合には、この面からも収入確保のための引き上げが必要であります。さらに、直間比率は所得課税の方が伸びるため再び問題となり、所得課税減税と引きかえに消費税の税率引き上げが行われることになるわけであります。
 消費税は帳簿方式を初め欠陥だらけであります。また、物価、流通経路、競争条件などにも広範なゆがみ、非中立性を生み出し、これらの諸問題は税率引き上げによってより一層増幅されます。
 大蔵省は、三%では財政再建が困難であると大抵抗しました。一体、その真意は何であったのか。私はここで非常に大きな疑問を持っているわけであります。
 食料品、郵便などは課税でよいのか。福祉の施設サービスは非課税、在宅サービスは課税、授業料、入学検定料は非課税で、入学金、施設整備費は課税、競馬の売り上げは非課税で、上下水道は課税、こんな矛盾した制度でいいかどうかということ。
 次は第十一点でありますが、帳簿方式であります。
 消費税法は、事業者の抵抗を弱めるために種々の問題のある制度を設けております。このようだ税制が、今後二十一世紀にかけての高齢化社会での税制として国民の信頼をかち取ることができるかどうか。
 帳簿方式では、価格に上乗せされる税額を証明するものがないので転嫁が難しいし、また転嫁されたかどうかも不明であります。税額の計算自体も不透明であるわけであります。また、仕入れ先が課税免除者かどうか確認できないので、免税業者からの仕入れも控除対象とすることとなっております。これは、実際に負担、納付していない税まで控除することを認めるもので、免税業者から仕入れる業者の利益を保障するものではありませんか。
 このように、税額票方式をとっていないために、税額票の受け渡しで相互牽制作用が働き、売り上げや仕入れのごまかし、所得隠しができなくなるという機能が働かなくなっております。このように、所得捕捉をやれない帳簿方式の導入については、小倉税調会長も言っておりますように、堕落型消費税である、こういうことが言えるわけであります。
    〔委員長退席、平沼委員長代理着席〕
 次に、十二点は免税、限界控除制度の矛盾点について申し上げます。
 売上高三千万円以下の業者には納税義務を免除することとされております。企業者の六八・二%が該当しております。また、売上高が三千万円超で六千万円以下の業者には、免税業者との負担格差を調整するための措置として税額の一部を軽減する限界控除が設けられている。
 諸外国に比べはるかに高い三千万の根拠が定かでありません。また、免税業者にも課税業者と同様三%の価格引き上げを認め、これは便乗値上げではないとされております。しかもカルテル参加さえ認められております。これは免税業者が消費者の損失で利益を得ることを認めるものであり、消費者が納得するとは到底思えないのであります。
 免税業者からの仕入れも控除できます。免税業者が実際に三%の価格引き上げをしなくても、三%の価格引き上げをしているものとみなして控除できるわけであります。したがって、免税業者から仕入れた者は、免税業者がするとした場合の税額控除以上の額の税額控除ができるから、利益を得ることができます。これは帳簿方式をとったことによるものであります。これがもし事実であるならば、消費者は納得できないだろうと思います。
 限界控除適用者では、税の軽減額が確定するのが決算後であり、したがって、売り上げに含まれている税額と限界控除適用による納付税額との差が生じ、これを利益とすることができる。もしこれが事実であれば、消費者は納得できないと思います。
 免税や限界控除のメリットを求め、事業分割や売り上げのごまかしを意識的に行うことを助長するおそれがあります。税額票、いわゆるインボイス方式では、正確な売り上げの把握という自動チェックシステムが期待できますが、帳簿方式ではこれがないため、膨大な監視機構が必要になります。これが果たして可能でしょうか。それがないと脱税が横行いたします。
 以上、十二点ほど申し上げましたが、時間の関係で、概括的でいいですから、私がいろいろ指摘しましたことについて、大臣からあるいは主税局長から反論があればお聞かせをいただきたい。
#138
○村山国務大臣 非常に広範な話でございますから、私から主なポイントについて申し上げます。残るところがありましたら政府委員から補足答弁させていただきます。
 一つは、今度の税制改正が財政再建の財源探してはないか、こういう点。ですから、今度の税制は、先ほども申しましたようにトータルで二兆六千億のネット減税であるわけでございます。したがいまして、財政再建というのはあくまでも歳出の合理化、カットによりましてやるということは、この税制改革法案の中に明記しているところでございます。そしてまた、この問題は、昭和五十四年の財政再建決議、これと密接な関係がございまして、あの当時は、一般消費税はネット増税でございました。国会の決議で、その前に歳出を合理化すべきである、しかる後、税制改革に手をつけるべきである、こういう合意がございましてそのよう量たわけでございます。
 それから、第二点でございますけれども、今度の消費税というのは、やはり消費税独自ではなくて、税制改革全体の中で体系としての不公平をいかに是正するか、こういう問題なのでございます。
 すなわち、高齢化社会との関連でいいますと二つありまして、一つは、今のような改正前の税率構造でございますとこれはどんどん高くなってまいります。しかも、それは勤労者所得に大きな重圧をかけるということはもう目に見えているわけでございます。そういう意味で税全体の体系を考えますと、消費、資産それから所得、これのバランスのとれたものをとらなければいけない。高齢化社会におきまして、一つは、今度の消費税というものが安定収入になると思います。それからもう一つは、ほっておきますと稼得所得に対して非常に負担が多くなりまして、これは税だけではございません、社会保障関係も稼得所得を基準にしてかけております。先ほど委員がおっしゃいました保険料の問題はその一つでございます。
 この両方相まって国民負担が全部稼得所得を中心にする方に余りにも傾きますと、それはやはり稼得所得課税の非常なマイナス面が出てくるということは当然なことでございます。やはり活力を失ってしまうということはもう当然でございます。不公平だという感じを持ってくることは当然のことでございます。そういう意味で将来まで見通しての税制改正でございますので、その点はひとつ御理解願いたいと思います。
 それから逆進性の問題でございますが、今度の改正でございますが、六十二年に実は利子課税の適正化の問題と関連いたしまして減税をやっております。今度は消費税を取り込むことによって二度の減税をやっております。だから、六十一年度と今度の改正後の累進構造を見てみますと、当時は第五分位の負担割合というのは第一分位の六・五倍でございました。今度で計算してみますと実は二十五倍になっているのでございます。その意味でいいますと、むしろ累進性が非常に高まっているということは御理解いただけるだろうと思っております。
 それから、一番大きなポイントになっております帳簿課税の問題あるいは免税点、さらに簡易課税の問題でございますが、帳簿課税というのは、やはり所得税、法人税になれておりますものでございますから、それと課税期間を一にする、あるいは所得税、法人税のいろいろな資料に若干の修正を加えればそのまま消費税の申告にたえるというところでございまして、これは非常な事務の簡素化になるわけでございます。
 おっしゃるように、その点が、それなら正確な仕入れ控除ができるかできないかという点でございます。これは、理屈で申しますれば、税額票控除方式によろうともあるいは帳簿によろうともできるわけでございます。問題は、心理的に相互牽制が働くか働かぬか、恐らく詰めていけばそこだけの問題であろうと思っております。
 それから、しばしば申し上げますように、免税点あるいは簡易課税の問題でございますが、日本は非常に中小零細者が多うございまして、この人たちにもし免税点を設けないとかもっと低くする、あるいは簡易課税をやらないということになりますと、税とは別に、例えばその計算のために人を一人雇わにゃならぬ、こういうことで別の意味でコストアップが出てくる、さあどっちがいいんだろうかという問題があるわけでございます。
 しかも、例えば免税点で申しますと、三%の値上げでございますけれども、仕入れについては当然かかってくるわけでございます。アベレージ付加価値が二割といたしますれば、三%の八割でございますから二・四%、これはやはりコストアップで上げなくちゃならぬわけでございます。だからその人たちの適正転嫁というときに、その二・四%にとどめるのかあるいは三%上げるか、そこの限界なのでございます。ですから、これはまた言ってみますと、三%上げたときにそれを便乗値上げと言うのか言わぬのか、ここの問題でございます。
 それから、簡易課税の問題について申しますれば、それは確かに普通でございますと〇・六%でいいわけですね。それプラス仕入れにかかるものを上げなくちゃいかぬわけです。もし付加価値が三割であったとすれば三、七、二十一、コストアップが二二%出てくるわけでございましょう。そして納付税額が〇・六になりますから二・七%。二・七%上げるのか、それとも三%上げるのか、そこのところが問題になってくるはずでございます。ですから、二・七%でなくて三%というのをそれは便乗値上げと言うのかどうか。この点はまた、コストとの関係で最後に消費者にとってどちらがプラスであるか、こういうところを勘案して設計されたものなのでございます。
 ですから、まあ通じて申しますれば、我々はしかしこの免税点とか簡易課税というものが、免税点の方でいいますと全体の取引で三%であるとか、あるいは簡易課税の五億円以下にいたしましても二割以下でございますから、経済原則から申しましてやはり課税者の税込み価格は恐らく主流をなしていくであろう、こういうふうに考えております。そして、日本のように競争社会でございますから、この二・七%にするか三%にするか、あるいは免税者については二・四%にするか三%にするかというのは、実は競争社会の中で決まるのでございます。
 御案内のように、一物一価というのはこれは理論的な話でございまして、場合によりますと一物十価ぐらいになっていること、これはもう場所によりましてコーヒー一つの値段にしてもみんな違うわけでございます。そういう中でこのような改正をやったときに、今言ったような限界の差の中でどれくらい落ちつくのであろうか。私は間違いなく落ちつく。
 私もいわゆる税制改革というのを何遍か経験しております。昭和十五年の税制大改革、それからシャウプ税制、それから今度は三度目になるのでございます。いずれの場合でも、税制改革あるいは新税というときには何ほどかの摩擦はもう免れぬところでございますけれども、日本はこれだけの力を持っており、そして競争社会でございますから、必ずやこれが定着し、そして将来の日本のために、ああ、やってよかったな、こういうことになるということを確信しておるということを申し上げておきます。
#139
○柴田(弘)委員 あと五分ということですからなかなか議論できませんが、また後でゆっくりとやりますけれども、十三点目は今大臣がおっしゃいました簡易課税の問題。それから十四点目に税額不表示の問題があります。それから仕組みの欠陥、第十五点。それから第十六点が転嫁の問題。
 第十七点は今後の見通しと対策ということで、本当にあいまいな、粗雑な税制というものが本当に消費者に受け入れられるかどうか、こういった疑問もあるわけであります。
 第十八点が物品税廃止後の対応ですね。これはあいまいです。本当にそれだけ物品税が廃止されて下がるのか、この辺の問題もあります。
 それから第十九点目が、身体障害者の車の購入などは現行制度では減免措置になっている、これが廃止される。この点は、時間がありませんけれども、主税局長で結構ですから、どうするのか、ひとつ答えていただきたい。
 それから国税庁、総務庁に第二十点の問題としてお聞きしたいのは、国税職員の問題なんですね。我々が組合員にいろいろと聞きますと、消費税の導入によって五千人要る、こう言う。ところが、きょう午前中に答弁がありましたように、消費税関係では七百名、その他で百五十七名でプラスの八百五十七名ですか、純増が。五千名消費税で要る、消費税導入しなくても単年度で二千名は要ると今まで聞いておりましたが、そういう執行体制で十分な不公正のない不公平のない消費税がやれるのかどうか、私は疑問に思っております。できないと私は思っております。時間があと二分しかありませんので、それだけ答弁をひとつお願いをいたします。
#140
○尾崎政府委員 物品税の一点だけお答えさせていただきます。
 消費税の場合、多段階の税でございますし、物品税におけるような特別の減免制度というのが非常に難しい、そういうことになかなかなじまない税でございます。したがいまして、そのような配慮は歳出面等で行っていく、あるいは所得税等他の税で行っていくというように考えていかなくてはいけないのではないかと存じております。
 それから、先ほどの御質問で、税務等の行政分野におげる共通番号制度の関連省庁でございますが、ただいま検討会に参加しておりますのは、大蔵省、自治省、総務庁、厚生省、それから内閣、法務省、警察庁、外務省、文部省、農林水産省、運輸省、郵政省、労働省の十三省庁でございます。
#141
○伊藤(博)政府委員 定数の関係につきまして御答弁申し上げます。
 消費税の実施に当たりましては、現下の厳しい行財政事情のもとでございますので、可能な限り簡素かつ効率的な執行体制で臨みたいというふうに考えておりますが、具体的には物品税等の個別消費税の廃止等に伴います要員の活用、あるいは税務事務全般にわたる効率化、なかんずく電算化の促進、そういったようなことで可能な限り対応したい。
 ただ、そうは申しましても、先生御指摘のように今回の消費税導入に伴いましてその関係の納税者数も相当数ございます。したがいまして、円滑かつ適正な行政の実施という点からは、やはり必要最小限の定数の増もお願いしておるところでございます。具体的な数字は、元年度といたしましては、消費税関係を含めまして八百五十七名の増員をお願いしております。
 実際の執行に当たりましては、担当いたします主管部であります間税部だけではなくて、関係する部門の連携を密にしながら行政を効率的に行うというようなこと等をもちまして本税の実施に遺漏なきを期してまいりたい、このように考えております。
#142
○柴田(弘)委員 最後に申し上げておきます。
 四月一日からの消費税導入を前に、多くの業界や自治体さらには消費者間で混乱と戸惑いが続いていると思います。全国各地の商店街では、転嫁または表示方法についてのカルテル結成をめぐって論議の真っ最中である。実施まであと十日を切ったというのにこのような状態で、消費税の円滑な導入ができるわけはないと私は思います。しかし政府は、四月一日の実施は変わらないと繰り返しております。また、改善すべき点は導入後にも見直す、こういうことも言っておるわけであります。こんなばかげた話はないわけでありまして、不備な点がわかっていながら実施だけを急ぐという、大蔵大臣、担当大臣として、政治の責任者としては不見識きわまりない、私はこういうふうに言わざるを得ないと思います。
 以上、いろいろな観点から申して、私は、この際、消費税を撤回すべきであると重ねて申し上げまして、質問を終わります。
#143
○平沼委員長代理 森田景一君。
#144
○森田(景)委員 先ほども話題に出ましたけれども、去る十九日、千葉県の知事選挙がございまして、現職の知事が、言ってみれば無名の新人の対立候補に大変厳しい追撃を受けたといいますか、そういうことで辛うじて三選を果たしたという状況がございまして、大蔵大臣も御存じのところだと思います。安倍幹事長も、我が党は、今後さらに政治改革を推進し、政治に対する国民の信頼回復に努める、こういう談話を発表しておられました。
 御存じのとおり、北九州市議選を初めとしまして参議院福岡補選、鹿児島県知事選、また宮城県知事選、そして千葉県知事選挙、このように選挙が行われてまいりましたが、この選挙の結果は、国民の声はすべてリクルート疑惑の徹底解明である、そして消費税の撤回を求める、こういう大きな声であったというふうに私は受けとめておりますけれども、大蔵大臣はどのように受けとめていらっしゃいましょうか。
#145
○村山国務大臣 我が党の選挙責任者であります幹事長が既にもう声明を発しております。その要点は、ただいま森田委員が言われましたように、この選挙を通じて示された県民の意を体して今後さらに政治改革を推進し、政治に対する国民の信頼回復に努めるとともに、沼田県政を支援して公約の実現に当たりたい、政治に対する国民の信頼回復に努める、こういうことを言っております。
 一日も早くその実現方を願っているところでございます。
#146
○森田(景)委員 最後のところがよく聞き取れませんでした。もう一遍おっしゃってください。
#147
○村山国務大臣 政治改革に向かって、一日も早くそれが実現されることを望んでおる、こういうことでございます。
#148
○森田(景)委員 きょうのこの大蔵委員会も、実質的には国会審議空転中という状況の中で、日切れ法案である租税特別措置法、関税定率法、この審議を進めようという状況になっているわけでございまして、本日の委員会自体が大変異常な状況であるわけです。この異常な委員会でございますから、直接大蔵大臣に関係のない問題も聞かざるを得ないと私は思っているわけでございます。
 今、村山大蔵大臣がお答えになりましたように、一日も早く政治改革を実現するように期待している、こういうことでございまして、これが実現されれば日本国民も大きく政治に対する信頼を回復してくれるだろう、私はこう思うわけでございます。
 それで、この政治不信の一番大きな問題は、やはり予算委員会でこの国会空転の原因となっております中曽根前総理の委員会に対する証人喚問、これを実現することが第一の条件だと思いますし、そしてまた第二の条件としては、先ほど来いろいろと話題になっております消費税を撤回すべきである、こういう二つの問題であろうと思うのです。
 これも幹事長の問題であるからとお逃げになるかもしれませんけれども、竹下内閣の主要閣僚のお一人として、この中曽根喚問の実現に努力をなさる責任が私は村山大臣にあるのじゃないかと思うわけですが、まずこの点からお答えをいただきたいと思います。
#149
○村山国務大臣 中曽根前総理の喚問問題につきましては、これはもう言うまでもないことでございましょうが、何よりも国会マターであろうと思います。一日も早くその点について与野党の合意が得られること、いずれにしても国会が決める問題だろうと考えております。
 消費税につきましては、かねがね申し上げているように、今度のものが、非常に広範の税制改革、体系としての公平を保つ、こういう観点でやっておりますので、マスコミ等の取り上げ方もございますけれども、なかなか理解されていないな、これからも本当に理解してもらうようによく努めなくちゃならぬ、このように考えております。
#150
○森田(景)委員 消費税の問題については後で私も質問する予定でございます。
 中曽根前総理の証人喚問、こういう問題について、大臣は国会マターである、与野党の合意が一日も早く成立することを望む、こうおっしゃっておりますけれども、野党の立場はもうはっきりしているわけでございまして、これは中曽根前総理を証人として委員会に出席を求める。問題になっているのは自民党の方で、それはできない、こう言っていることなんですね。
 それで、実は今までもいろいろと論議されておりましたけれども、私どもの持っておりますこの衆議院手帳、大臣もお持ちでしょうか。
#151
○村山国務大臣 今は持っておりません。
#152
○森田(景)委員 お持ちでないそうですけれども、これは衆議院事務局でつくった手帳でございまして、ここに政治倫理綱領というのが載せてあるのは御存じだと思います。その政治倫理綱領の四番目に、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」こうあるわけです。――これは、自民党さんの方からもそのとおりというお声がありました。これは国会で決めたことですから当然の話です。
 ですから、こういう政治倫理綱領から見ても、新聞で報道される記事を見ておりますと安倍幹事長は絶対反対だ、あるいは政府首脳、自民党の首脳の方々も反対だ、反対だ、こうおっしゃっておりますけれども、自分たちが決めた政治倫理綱領ですから、みずから進んで解明をする。これを実行するようにみんなで本人を説得なさるのか、説得をしないで皆さんがやらない、やらないと言っているのか、その辺がよくわかりませんけれども、一体どっちなんでしょう。本人は出たいと思っているけれども皆さんが出さないのですか。それとも皆さんが出ろと言っているのに本人が出ないのですか。どちらなんでしょう。
    〔平沼委員長代理退席、委員長着席〕
#153
○村山国務大臣 わかりません。
#154
○森田(景)委員 大臣としてわからないということですね。
 大蔵大臣はどちらの政党でございますか。
#155
○村山国務大臣 自由民主党でございます。
#156
○森田(景)委員 大臣としてわからなくても、自民党所属の国会議員でいらっしゃるわけですから、自民党の様子はわかるだろうと思うのですね。それをここで発表する立場にない、こういうことならば私もそれは了解しなければなりません。
 いずれにしても、やはり問題なのは中曽根前総理に大変大きな疑惑が持たれているわけでございます。これを解明しなければ、予算委員会は空転のままずっと日にちがたって、また予算の採決は自民党の単独強行採決ということも起こるんではないか、こういうふうに危惧もされているわけでございます。ここは大蔵委員会でございまして予算委員会ではありませんので予算委員会のことは心配することないなんて大臣思っていらっしゃるかもしれませんけれども、やはり我々国会議員の立場では大きな関心事でございまして、そういう立場に立ちまして、ひとつ大蔵大臣の立場で、竹下内閣の閣僚ですからぜひひとつ総理大臣に、大蔵委員会ではこういう発言があった、私もそう思うからぜひ総理大臣も中曽根証人喚問に努力をしてもらいたい、こういうことを言ってもらいたいのです。どうですか。
#157
○村山国務大臣 本予算が一日も早く通って国民に今度の予算を届けたいものだ、こういうふうに大蔵大臣としては念願しているところでございます。
 今、日切れ法案をこうやって御審議いただくということは、これは本当にありがたいことだと思っておりますが、実はその背景は、さっき委員がおっしゃいましたようなことで、極めて遺憾な事態だと思っております。しかし、公党間で今やっているわけでございますので、大蔵大臣としての発言は差し控えさせていただきたい、一日も早くこの問題が解決することを願っているわけでございます。
#158
○森田(景)委員 公党間の交渉だから、一日も早い解決を願っている、大変責任のない言い方だと私は思うのです。私がお話ししましたのは、少なくとも竹下内閣の主要閣僚の一人として、予算委員会がストップしているのは中曽根前総理が証人喚問に応じられないから、応じさせないから、どっちなんだかわかりませんけれども、それが実現しないから予算委員会がストップして、このままいっては大臣の御希望とは裏腹にまた強行採決ということにもなりかねない、だから総理大臣に閣僚としてぜひこの問題は一日も早く実現できるように言ってもらいたいというのが私の趣旨なんです。だから、それを大臣としては総理に言っていただけますかということです。
#159
○村山国務大臣 総理は私よりもはるかに政治経験の豊富な人でございます。おっしゃっているようなことはもう百も御承知だろうと思います。したがいまして、それには、公党間の交渉というものは、それぞれの、野党なら野党の言い分がありましょうし、与党には与党の言い分がございましょう、そういうものとして一日も早く解決することを望んでいるわけでございます。
#160
○森田(景)委員 総理は政治経験が豊富だからもう十分承知しているはずだ、こういうふうに大臣おっしゃるわけでございますが、しかし私ども公明党でも、いろいろな問題が起こったときには委員長でも書記長でも遠慮なく意見を言っていく、そして問題は、国民のためになる政治を実現させるというこれが我々の使命でございますから、そういう立場で、私は総理には――先輩と言ったらいけないかもしれませんけれども、経験豊富な総理にはそういうことは言えないというのは、大臣として弱気じゃないでしょうかね。
 このことばかり言っているともう時間がなくなってしまいますからこの辺でとどめますけれども、どうかひとつ、そのぐらいの積極的な御意見を申し上げるように努力をしていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 それから、先ほども申し上げましたように、今、異常事態の中のこの大蔵委員会でございますので、ほかの所管のととについても若干お聞きしたいと思います。
 このたび臨時福祉特別給付金というのが支給されることになりました。これは先般成立しました六十三年度補正予算に基づきまして、臨時福祉特別給付金等ということで、寝たきり老人の方々は五万円の一時金、こういうことが支給されることになりましたけれども、何せこの支給金の告示をされましたのが三月十日の官報でございました。そして三月二十五日締め切り、こういうふうになっているのですね。との期間、わずか十五日間しかありません。それでこの三月二十五日までに申請をしない人は資格がなくなってしまう、こういう状態になっているわけでございます。各県あるいは市区町村、こういうところでは一生懸命取り組んでおりまして、その取り組んでいる状況も私も承知しておりますけれども、しかし若干混乱の起こっていることも事実のようでございまして、一律円滑な支給が危ぶまれている状況でございます。
 そういうことで、私は、三月二十五日締め切りというのを少なくとも一カ月程度は延ばして万全の対策を講じなければいけないのじゃないだろうか、このように考えておるわけでございます。この点について、これは大蔵省ではなくて厚生省になるのですか、厚生省おいでいただいていると思いますので、御答弁をお願いしたいと思います。
#161
○鏑木説明員 ただいま先生御指摘ございましたとおり、臨時福祉特別給付金の支給は、本年度補正予算において措置されておりますところから本年度中に支給する必要がございます。このための事務処理の日程を考慮に入れまして申請期限を三月二十五日といたしたところでございます。
 したがいまして、御指摘のように申請期限を一カ月程度延長するということはなかなか難しいところでございますけれども、災害でございますとか長期入院など真にやむを得ない事情がある場合には、実情に応じまして弾力的に運用させていただきたいと考えております。
#162
○森田(景)委員 災害等、これは特別なことですからそういうことが起こるかもしれませんけれども、その徹底が不十分である、そういうことで三月二十五日までに申し込みができなかった、こういう方についても特段の配慮をしてもらわなければいけないというのが私の質問の趣旨でございまして、補正予算で計上した、措置したことであるから、補正予算の年度内、三月の三十一日までに処理しなければいけないという考え方じゃないかと思うのですね。それならば、これから暫定予算をお組みになるということでございますから、暫定予算の中でその部分も計上して、やむを得ない場合はこうこうだということで一カ月程度延ばしていくというならば、これならばまだわかるわけでございます。
 補正予算が三月三十一日で終わりだからもう打ち切りです、これでは余りにも情のない行き方じゃないかと思うのですね。補正予算についても当初はもっと早く成立する見込みだったはずですね。したがって一カ月間ぐらいは官報で告示をしてからも十分な日数がある見込みだった、予定だったはずです。それが補正予算がおくれたから、もうおくれても何でも構わない、三月二十五日で締め切りだというのは、これは余りにも血の通ってないやり方じゃありませんか。そういうことで暫定予算の中に入れて、それで、もし漏れた人も救済できる、こういう対応は可能じゃありませんか、どうですか。
#163
○篠沢政府委員 現在暫定予算の準備を進めておりますが、暫定予算につきましては、実は先生御高承かと存じますが、平成元年度予算それ自体に一つの根拠を持っておりますものにつきまして、暫定期間に議論のないものだけを拾い上げさせていただくというのが暫定予算の趣旨でございます。
 ただいまの臨時福祉給付金は先国会の御議論の中から生まれたものでございますが、この予算上の処理はすべて六十三年度の補正予算で済まさせていただくということで、元年度予算の方にはその暫定予算のもとになるものが組まれておりませんものでございますから、せっかくのお話でございますが、先生のただいまの御提言は多少無理があろうかと存じております。
#164
○森田(景)委員 暫定予算が無理ならば、本予算の方で予備費があるわけですから本予算で措置する。これはいつ成立するかまだわかりませんけれども、それに伴って締め切りの日数を延ばす、こういうことは可能じゃないですか。時間もなくなってしまいましたので、そういう方向をひとつ大蔵大臣、これは検討していただけますか。
#165
○篠沢政府委員 せっかくの臨時福祉給付金でございますから、現実問題といたしまして、申請等を余り厳格に解釈して、もらえる可能性のある方がもらわないということが極力ないように事務執行を弾力的にやるということで厚生省の方でいろいろ努力をしていると存じますので、そのように御理解を賜れればありがたいと思います。
#166
○森田(景)委員 まだ数日間時間がありますので、この期間の延長についてはひとつ大蔵大臣の方も厚生省とお話ししていただいて、考慮していただくように御要望しておきたいと思います。
 時間がなくなってしまいましたので、もう一つだけお尋ねしておきたいと思います。
 今度の税制改革で通勤手当の非課税限度額が現行二万六千円から五万円まで引き上げられる、こういうことになっているわけですね。こういう異常な国会の状況でございますけれども、この引き上げる手続といいますか、政令によって決められると承知しておりますけれども、この手続はいつ、どのようにしてやられるお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#167
○尾崎政府委員 通勤手当の非課税限度額は所得税法の施行令によって定められております。平成元年度の税制改正の一環として行われます所得税法施行令の一部改正、そこにおきまして措置することを予定いたしております。現在その準備を進めているところでございます。現在御審議いただいております租税特別措置法の一部改正法の公布を待ちまして、できれば年度内にでも公布をしたいというように考えております。
#168
○森田(景)委員 できれば年度内ということなんですけれども、もう少し具体的に報告をもらえませんか。例えば、政令ですから閣議で決まる、こういうことになるのじゃないかと思いますが、いつごろの閣議にお出しになるか、そういう具体的なスケジュールは持ってないのですか。
#169
○尾崎政府委員 租税特別措置法の一部改正法をただいま御審議いただいているところでございますから、その公布を待ちまして全体としての所得税法施行令の一部改正を行います。その中でやりたいと考えております。
#170
○森田(景)委員 それでは、きょうはたくさんそのほかにやりたいと思っておりましたけれども、時間がなくなってしまいましたのできょうはこれで終わりたいと思いますが、先ほど我が党の柴田委員の方から欠陥消費税についてるるお話がありました。私もさきの大臣の所信表明の際の質疑のときにこの消費税のことにつきましてお尋ねしましたけれども、なぜ法律が成立して四月一日からもう施行されるというこの時期になって消費税がこんなに論議をされるのか、これは大変異常なことだと思うのですね。その原因は、消費税に対する十分な質疑が行われないまま、強行採決という形でしゃにむに消費税が成立してしまった。そのために欠陥をたくさん抱えた法律が成立してしまつた、こういうことだと私は思うのです。
 そういう点を大蔵大臣も十分認識しておられると思いますので、是は是、非は非ということで、私は少なくともこの租税特別措置法に盛られております半年間の弾力条項、こういうものを一年ぐらい先送りしておいて、その間に十分な論議をしながら廃止すべきかどうかということも検討していかなければならないのじゃないか、このように思っているわけでございまして、きょうはそこまで質問ができないのは残念でございますが、以上で質問を終わります。
#171
○中村委員長 早川勝君。
 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#172
○中村委員長 速記を始めてください。
 早川勝君。
#173
○早川委員 租税特別措置法に関連しまして、若干の質問をさせていただきます。
 実は本会議で質問させていただいたときに、何点か、いささか細かいといえば細かい点であったわけですけれども、大臣に答弁をいただいておらない点がありますので、それらを含めて、いただきたいと思います。
 最初に、今回の、今回のと言うよりも昨年末ですが、一連の法案が通り成立したわけでございますけれども、ちょうど昨年の五月十五日だと思いますが、総理府の世論調査がありまして、八〇%の人が不公平感を持っているという結果が出ているわけですね。今回一連の税制改正を行われたわけですけれども、そしてまた四月一日からは消費税という状況を迎えておりますが、大蔵大臣は、今回の税制改正を通じましてこの八〇%の不公平感が一体下がるのか上がるのか、どのようにとらえておられるのかということをまずお聞きしたいと思います。
 なお、それに関連しまして、昨年の暮れに、前の主税局長であられました、水野現国税庁長官でございますけれども、消費税は六十点くらいで喜びも中くらいという新聞記事を拝見したわけでございますが、今現在何点くらいと採点されますか。そしてまた、当時の水野主税局長のマイナス四十点というのはどういう中身なのかつまびらかではございませんけれども、マイナス点があるとすれば、その内容をここで明らかにしていただきたいと思います。
#174
○村山国務大臣 まず世論調査の方から申し上げますと、今度の税制改正の全体像がよく理解されてないところが致命的じゃないだろうかという感じがいたしております。
 何度も申し上げますように、今度の税制改正は、シャウプ税制を骨格とする現行税制というものを、今後の高齢化社会あるいは国際化社会に向けて体系として公平な税制をつくりたい、そしてまた、特に勤労所得者に対して非常にインパクトの強い現行税制でございますからそれを改めたい、こういうところに重点があるわけでございますが、何分にもこの税制改正が、六十二年度の九月に一部やりまして、それで昨年度またやっておって、しかも所得税の減税は既に先行されておる、消費税の方はことしの四月から入れる、それから相続税の方はさかのぼって六十三年度にやってしまう、それから法人税の方はこれから二年がかりでやるということで、非常に広範な税制改正であるだけに全体像をつかむことが非常にわかりにくい。それから実施の時期もそれぞれ違っておる、こういうようなことからしてやはり今度の税制改正の全体像がよくつかめていない。
 そのことがやはり一般の納税者あるいは消費者、サラリーマン、こういりた方に理解されないために、消費税は消費税として単独にとらえている、そこに不満があるというようなことを我々は世論調査から見て思うわけでございまして、極めて残念なことである、こう思って、今後ともこの税制改正の持つ意味を一般の納税者の方あるいは消費者の方、こういった方に十分PRしてまいりたい。
 そしてまた、消費税は前回の売上税の失敗にかんがみまして簡素にしたい。それで、事業者があれだけ反対して廃案になったわけでございますので、今度はその点を十分反省をして、多少の精密さを欠くことがあるにしても事業者の事務負担をできるだけ軽減したい、そういう一貫した角度でつくったものでございますので、この点も納税義務者たる事業者によく理解させると同時に、これもまた消費者である一般の国民に、そのことが日本でこれを定着させるために必要であった、そして消費者側からどれくらいの不利益があるのか、そういう点も明確にしながら理解を得ていきたい、かように考えておるところでございます。
#175
○早川委員 時間がかかるというお話でございますけれども、そういう観点からいたしますと、今回の税制改正全体は所得、消費、資産のバランスのとれた税制改正を目指すんだ、こう言われまして、現に政府のパンフレット等の宣伝物にはそういう指摘がございます。また強調されております。
 そういうふうに考えた場合、所得税関係、消費税関係、資産課税関係等三分類した場合、それぞれの税制改正というのは今回の改正でもって事終われり、こういった状況でございますか。あるいは、先ほど来お話がありましたけれども、納税者番号等の問題もございますが、そういうことを考えますと、所得税制の改正というのはそれぞれ何%くらいまで進んできていて、残された課題というのはどれくらいあるのか。消費税についてしかり。消費税の場合には物品税等が整理されたわけですから、いわば間接税ですね、間接税についての改革は今回をもっていわば二十一世紀まで十分耐えられるというような評価をされているのか、そしてまた資産課税について同様にどのような位置づけをされているのか、お聞かせいただきたいのです。
#176
○村山国務大臣 所得、資産、消費に対する課税あるいは体系的な問題、骨格は大体できたのじゃないだろうか。
 ただ、御指摘のように例えば資産課税、これは資産所得課税の方でございますけれども、キャピタルゲインの課税の問題あるいは利子所得に対する課税の問題、これが納税者番号を導入してやることがいいか悪いか、メリット・デメリット含めましてこれから急速に検討するわけでございますが、この点が税制の面で言えば残されている問題の一つである。
 それから、土地税制の関係でございますけれども、これも本当に土地税制は改正のたびにやっておるわけでございますが、これも何遍も申し上げておるように、税制だけで土地問題を解決できないということはもう税制当局は最初から言っておるところであるわけでございます。今度土地基本法というものが今国会に提出される予定でございますので、その国会の論議を踏まえましてこれから議論されると思います。やはりこういう土地というものに対する国民の考え方、この方が先決だろうと思っております。
 恐らく所有と利用についての責任であるとか、あるいは値上がりについての還元の問題のようなものが新しい構想として打ち出されるだろうと思いますけれども、そういうものについて国民的コンセンサスを得、それに向かって各関係省庁がいろいろな努力をすると思いますが、税の面でもそういう角度でやはり国民の認識が一致したところで各省庁との政策の整合性を持ってやることになれば、あるいはこの難問である土地問題についても二歩でも三歩でも進むのじゃなかろうか、このように考えておるわけでございます。不十分な点というのは、そういうところに一番大きな点があるように思っております。
 しかし、骨格としては、キャピタルゲインについても原則課税の方向に向かいましたし、それから非課税利子についても一応の整理を見たわけでございますし、土地についても今前進中でございますので、一つの骨格はできた、このように考えているところでございます。
#177
○早川委員 税制改革法の第二条に「今次の税制改革の趣旨」という法文がございます。そこで、これを読みましたところ、「所得の水準の上昇及び平準化、消費の多様化及び消費におけるサービスの比重の増加、経済的取引の国際化等を反映して」、こういう内容になっておりますけれども、ここで無視されているのが最近における資産格差の拡大じゃないかと思います。
 いろいろなデータがありますけれども、どうもフローばかりの平準化なり均等化を背景にして税制改正が先回行われた、こういうふうにとらえております。ところが、政府の国民生活白書にしろあるいはエコノミスト等の分析においても、今大臣が触れられました土地の所有を媒介にして資産格差が非常に広がっている。そうしますと、この税制改革の中に欠落しているのがまさに資産格差ですね。資産の偏在と言えばいいのかわかりませんけれども、それが無視されているのじゃないかと思います。したがいまして、今大臣は骨格、大筋でき上がった、そして土地税制についても触れられたのですけれども、どうもそれだけでは今の、とりわけ資産所有によってもたらされる格差是正に対する税制の機能というのが軽視されているのじゃないだろうかと思いますけれども、この点についていかがですか。
#178
○村山国務大臣 資産課税という場合に、税体系で申しますと三つの形があると思います。
 一つは、資産そのものを税源とするところの課税のあり方、これは相続税に代表をされるわけでございます。それから資産の保有に対して課税する課税、これの代表的なものは固定資産税であり、あるいは保有税の関係であろうと思います。それから資産の移転に対して課税するもの、これが流通税の系統でございます。実はこれらのものはそれぞれ長所、短所を持っております。そういったものを総合的に考えてやっていくのじゃないだろうか。
 それから、今委員のおっしゃったのは、恐らく相続税系統のお話をしているのじゃないかと思います。これは、現行の相続税でございますけれども、各国に比べますとかなりきつい税制であろう、こういうふうに考えておるわけでございまして、今後も事態の進展を見ながら考えていかなければなりませんけれども、先進国の中では最もきつい資産課税を日本は実施している、かように考えております。
#179
○早川委員 大臣が相続税のことを言われましたのでそれに触れますが、昨年末の相続税法の一部改正に当たっては、昭和五十年以来制度の基本的見直しが行われていないので、基礎控除の二倍増ですか、改正等を行った、こういうことであります。
 ところが、ある学者が、税制改正についてこれは必要なかったのじゃないか、かえってそういったとりわけ大都市における土地保有者を優遇する結果になっているのじゃないかという指摘がされております。というのは、御存じのように、土地評価に当たっては公示価格だとかあるいは時価の問題、それから相続税の評価、路線価等を含めて幾つか評価の基準があるわけですね。それを計算しますと、二千万円プラス法定相続人一人当たり四百万円をそれぞれ倍に引き上げたことによって、時価換算にすると三億八千四百万とか六億四千万ぐらい、その学者の試算を援用しまして私が計算しますとそれぐらいの時価評価の土地に対しては相続税がかからないという結果が出るわけです。そうすると、三億とか四億とかいう土地というのは、東京近辺は別にしまして、田舎へ戻ると、それを離れますとこれはゼロだという話になるわけです。
 こういった実情を見たときに、結局は発想が今までと変わらないんじゃないか。つまり土地を持っているということによって非常に差が広がってきているんだということを割と無視して、五十年から全然控除額を手をつけていないから手直ししました、それだけにすぎないので、そこがどうも発想がおくれているんじゃないかというのが一つ。
 それからもう一つは、土地等に対する税負担、これはいろいろな数字があるわけでしょうけれども、日本の場合、資産総額に対する税負担、固定資産税だとか都市計画税だとかあるいは土地保有税等の比率は、マクロで計算しますと、六十二年ですから二年前の数字になるわけですけれども〇・三五%だ。ところが、若干時間がずれますけれども、一九八〇年のアメリカの全州の同じような負担を見ますと一・二八%。アメリカがきついわけですね。そういうことを考えますと、相続税は世界に類例を見ないくらい重いんだ、こう言われるのですけれども、最近の土地の問題を考えると、これまた世界どこを見ても見られないようなまさに異常現象であるわけです。
 こういうことを考えますと、この資産課税に対する発想の転換が必要じゃないかと思うのですが、いま一度伺いたいと思います。
#180
○村山国務大臣 御案内のように、相続税というのは税源を資産に求めているものでございます。しかもこれが比例税率でなくて累進税率になっているわけでございます。したがいまして、物価が上がるあるいは土地価格が上がってまいりますと、それは累進度は猛烈にくるわけでございまして、ほうっておいてもこれは実質増税になっておることは当然御理解いただけるだろうと思います。そういう意味で、昭和五十年からずっとその調整をやりませんでしたものですから、そこの調整をやろうというのが今度の相続税の一つのねらいであるわけでございます。
 しかし、同時に、その土地の価格を幾らにするのか、あるいは、大体今のところ土地の評価額というものが公示価格の恐らく六割ぐらいでないかと思っております。我々はこれは大体七割ぐらいが妥当ではないのか、こういうふうに考えております。というのは、相続税というのは突然やってまいりますので、どうしてもそのときに納税のために土地を処分するわけでございますので、その処分価格というものを考慮しなければいかない。普通の公示価格でございますと、需給が普通の状態のもとにおける取引でございますけれども、一方、相続税の場合はどうしても処分価格になってしまう。それだけに、その処分価格を基準にしてやはり評価すべき問題であろう。公平の原則からいいましてそういうことになるであろう。ですから、今の六割というのを大体七割見当までこれから漸次上げていく方向で国税庁は努力していると承知しております。これが一つ。
 それから第二の問題は、それとの関連におきまして、相続が近くなりまして土地を買いますと、その取得、それは借金で買うということでございますが、そうしますと土地の評価は、今六割ということになりますとかえって負債の方が多いということで節税が図られているということが指摘されているわけでございます。そういう点については、今度はそういう節税対策はだめですよということで、取得価格でもってその場合は計算いたしますというきめの細かいことをやっておるのはそのためでございます。
 しかしまた同時に、今度の改正を入れましても、相続税の重さというものは恐らく先進国の中で比べてみますと最も重い方に属しておるであろうと私は思っております。
 それから問題は、保有税の関係がいろいろ問題にされるわけでございますが、これは今後の一つの検討問題ではないであろうか。保有税についても、固定資産税は三年に一回評価がえをやっておりますが、これをどういうふうにやるのか、あるいはミニ保有税との関係はどうであるか、あるいは都市の宅地並み課税との関連でどういうふうに考えるのか、非常に難しい保有税の問題が残っている、このように考えているところでございます。
#181
○早川委員 大臣御存じだと思うのですけれども、五十年以来日本の経済、資産がどうもおかしいのじゃないかという数字だけ私が述べておきます。
 例えば昭和五十年から六十二年までのGNPの伸び率で、倍率ですが一・六六倍になっている。名目にして二・三三倍だ。ところが地価総額は同じ期間に十一〇四倍に上昇した。名目賃金は五十年から六十三年、去年までとっても一・九五倍だというような数字があります。また、株ですが、時価総額を見ますと五十年から六十三年まで六・八四倍。こういう形で、まさに土地と株のところの異常な上昇と、それに対していわば賃金等のところは抑えられているというような状況がございますので、これからの資産課税をぜひ検討していただきたいと思います。あり方を検討していただきたいなと思っております。
 それから、今回の租税特別措置で土地税制がいわば緩和されているわけですね。大臣はいわゆろ公共事業の執行がなかなか進まないのでという答弁をされたと私は記憶しておりますけれども、昭和四十四年からいわば土地供給のための税制、土地税制が大きく変わったわけですけれども、それから今日までの土地税制の動きを見ていますと、今回もそうなんですけれども、どうも地価上昇等を追認しただけじゃないかなという感じを非常に強く持つわけですね。この点についてどんな総活をされていますか。土地税制が、この間約二十年いろんな形で手をつけられて、いわば特別措置としてやられてきたわけですけれども、それを総括しましてどういう考えを持たれていますか。
#182
○村山国務大臣 土地税制は、今まで優良宅地の供給等につきましてはそれを促進する方向で、それから仮需要はできるだけ抑えよう、大きく言いますとその二つの視点でずっと税制改正が行われてきたと思っております。
 六十二年の九月の実施のときには、やはり超短期の土地譲渡について思い切った負担の増加を求めたり、あるいは個人の事業用資産の買いかえについて二割縮減するとか、こういったところにあらわれているだろうと思います。
 それから六十三年の改正では、やはり買いかえが非常に土地価格を上昇させるというようなことで、住宅の買いかえにつきまして原則としてこれをやめてもらう、そのかわりに税率は思い切って下げましょう。そしてまた、優良宅地の提供に対しましては税率を軽減する等の措置を講じました。
 それから昨年の抜本改正でございますが、これは先ほど申しましたように、借金で土地を買うということが相続税における軽減につながらないような措置を講ずる、あるいは法人が借金をして土地を買って、そしてその利子を、まだその土地が本来の事業の用に供されないにもかかわらず、それを損金に算入するという制度がますます法人の土地取得を増進しているということで、この点は是正をしたところでございます。
 そして本年は、これはまた全然別の話でございまして、土地基本法がいずれつくられるであろうということを見越して、本格的な土地税制はそれとの相互関係でいくんだが、さしずめ公共事業が進まないとかあるいは都市開発が進まない、こういう状況を見まして、一年限りの措置として三千万を五千万にあるいは五百万を八百万にした、これはあくまでも一年限りの措置である、こういういわば都市再開発を進めるための臨時的な手段としてやった、こういうことだと理解しておるところでございます。
 だから、本格的な土地税制というのは、何度も申し上げるようですが、今度の土地基本法の制定を待って本当にこれから土地税制が働いていくんじゃなかろうか、このように考えているところでございます。
#183
○早川委員 相続税に絡んで一つだけ最後に伺いたいと思います。
 いわば日本の、地球的規模でもそうなんですけれども、森林というのが非常に荒廃しているし、これからどう取り組むかというのは、これは国民的な、そしてまた世界的な課題だと思います。
 森林の機能をどういうふうに見ていくかという場合に、やっぱり公益的な、パブリックな機能を重視していかないと、これからは単なる市場経済、経済財と、いわば市場に任せていただけでは対応し切れないという認識を持っております。この前にも伺ったわけですけれども、その点でイギリスが一九一〇年以来林業税制の一つとしてとっております立ち木、立木に対する課税の繰り延べの特例措置、イギリスの資産移転税というのがあるわけでして、一代一回課税というやつですね、人から人に相続したときにかけるのでなくて、その立ち木、立木が切られたときに納めなさいという制度があるわけですけれども、こういったやり方を考える必要があるんじゃないかと思いますが、その点についてだけ伺いたいと思います。
#184
○村山国務大臣 環境破壊の問題というのは、洋の東西を問わずまた南北を問わず地球的な問題であるということで、特に最近におきまして世界的な課題になっておる、恐らく今度のサミットでも大きな問題として取り上げられるのではないか、私もそのような認識を持っているわけでございます。この問題は非常に重要な問題と考えまして、我々も検討を進めてまいりたいと思います。
 ただ、それと立ち木について一代一回限りというのとはまた次元の違う問題ではないであろうか。その立ち木についての評価が適正であり、あるいはその納税について無理を強いないというようなこと、こういう評価の適正あるいは分納制度あるいはそれの延滞利子、こういったものが適正であるということがむしろ大事であろう。そのことによって、どんな財産を持とうともやはり公平に行われる、もちろんそれは森林経営を阻害するようなことがあってはいけませんけれども、やはりそこには公平の論理というものが貫くのであろう。我々が注意しなければならぬのは、評価の適正化であり、あるいはその立ち木の、すぐにそこで伐採しなければだめだというようなことではなくて、そこで分納制度なりあるいは延滞利子というものを適正にやって森林経営が妨げられないような心得が必要ではなかろうかと、今お話を聞きましてそのように感ずるわけでございます。
#185
○早川委員 そういうやり方が今まで林業に関する税制措置としてとられてきているわけですけれども、それがいささか限界を迎えているのじゃないかなという見方をします。
 そこで、冒頭聞きました所得、資産、消費に関連しての税制改正、大方骨格ができたという答弁をされたわけですけれども、じゃ、間接税についてもほぼ骨格はできたという答弁だと思います。先ほど来の答弁の中で、消費税に関連しては公平よりもいわば簡素という観点の方が優先したという答弁がございます。率直に大臣が見られた消費税の欠陥というのは何がございますか。
#186
○村山国務大臣 長所が裏腹に欠陥を持ち、欠陥がまた同時に一つの長所を持っている、これは比較考量の問題だろうと思っております。それだけに、この前公党間の協議で、十七条第三項でよくよく注意して行く末を見守って、そしていつかは――絶えずその状況を見守ってという御注意があって見直し規定を入れておりますので、この点を本当に大事にしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#187
○早川委員 私の質問したのは、どういう欠陥を持っているのかということなんですね。逆に言えば、第十七条第三項には、「消費税の中小事業者の事務負担等に配慮した諸措置については、納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実現の状況、納税者の税負担の公平の確保の必要性等を踏まえ、」もう一つあるわけですが、「消費税の仕組みの定着状況等を勘案しつつ、その見直しを行うものとする。」ということが書かれているわけですけれども、まずこの諸措置というのを明確にしていただきたいということと、重ねて、長短の長の方はもう結構ですから、短の方でちょっと指摘してください。
#188
○村山国務大臣 これはどうしても長短裏腹になっておりますので、両方述べないとなかなか理解は届かぬだろうと思うわけでございます。
 一つは帳簿方式ということでございましょう。これはやはり心理的な相互牽制作用に非常に弱いという点がございます。そのかわり逆に申しますと、所得税、法人税になれておりますから、そのデータを使えば若干それを修正しただけで申告納税がきくという長所を持っているだろうと思います。
 それから、非課税措置、非課税取引というものもできるだけ圧縮しまして、特に物の流通については思い切ってほとんどゼロに近いほどに持っていった。それで、最後の末端のところのサービスのところで一部非課税を置いたわけでございます。これは、どっちかといいますと消費税としてはプラスではなかろうか。消費税というものは、物が重要であるから課税しないとかそういう種類の税ではないわけでございまして、国民生活で大事でないものなんというのはございません。特に、米なんかどうだといえば大事なものでございますけれども、消費税というものはそういうことを言っているわけではないわけでございます。これは恐らくプラスであろう。
 それから、免税点を設けた、あるいは簡易課税の問題、先ほどから言っているとおりでございます。この点がさっき申しましたように、その場合でも仕入れ控除の問題、仕入れに係る税負担というものはあるわけでございます。ですから、免税点の問題について言えば三%と二・四%の差額の問題。どれぐらい転嫁するか。そのときに三%を転嫁すれば、それは便乗値上げであるのかないのか、そういう議論だろうと思います。今度は逆に、もし免税点を設けないとすれば、納税者は、今、特に中小零細事業者が多いわけでございますから非常に手数がかかる、場合によるとその三%と二・四%の差以上にコストアップが出ないとも限らない、そういう長短があると思います。
 簡易課税についても同様なことでございまして、長短いろいろあるわけでございますが、今度は主として簡素の方に力を入れた、こういう裏腹の関係にあると存じております。
#189
○早川委員 時間がないので、必要なことだけ質問させていただきます。
 今答弁の中にもございましたけれども、免税業者、これは、第四条「課税の対象」、第五条は「納税義務者」なんですけれども、そして第九条に「小規模事業者に係る納税義務の免除」という表現になっているわけですね。そうすると、この四条、五条、九条を単純にすっと読みますと、原則として三%かけなさい、そして納税義務を基本的には負うのですよ、ただし免税業者はその納税はやらなくてもよろしい。ということは、課税について言えば三%かけていいんだというふうに理解してよろしいですか。
#190
○尾崎政府委員 免税業者でございますから課税になっていないわけでございます。自分の売り上げに対して課税がされていないわけでございます。
 今話題になっておりますのは、しかし免税事業者といえども仕入れについては税負担がある、その仕入れ分について転嫁をしないと免税業者の利益に食い込むではないかという意味でございまして、非常に正確に申しますと、税金の問題というよりかコストの上昇分をどのように価格に反映させていくかということなのでございます。
 その場合に、例えば課税業者であります同業者が近所にいる、その方の値づけなどを見まして免税事業者が自分のところを仮に三%上げたとしても、それは便乗値上げとまで言って指弾するようなことにはならないのではなかろうかというように考えているわけでございます。
#191
○早川委員 そうしますと、免税業者は基本的にはしたがって三%の消費税転嫁ということは、行為はないわけですから、上乗せして売ることはあり得ない。ただし先ほど来の仕入れの二・四とかいう、八〇%の問題はありますけれども、それは論外としまして、コストアップ分を転嫁するのは構わないというふうに正確には理解しなければいけない。ただし、じゃ今度は免税業者だという表示がその店にあるわけではないわけですから、三%をやっても便乗値上げとは言えない、こういう答弁が再々行われているわけですけれども、ただ消費者が、あなたは免税業者だから二・四しか上げなくていいんじゃないですか、こうきたらどういう答えをすればいいわけですか、ちょっと上げ過ぎじゃないですか、こうこられたら……。
#192
○尾崎政府委員 三%分きちっと計算して消費者が多過ぎるということをおっしゃるのかどうか、ケースはいろいろだと思いますが、そういう御意見が仮にございました場合に、それではコスト分を自分できちんと計算できればいいんですけれども、何分にも課税の計算も無理ではないかということで非課税にしている方々でございますから、コストの計算はもっと難しいわけでございます。これはいわゆる商品の仕入れだけじゃございませんで、設備投資に係るものも、それから例えば電気料でございますとかその種のものもすべてコストに響いてくるわけでございますから、したがいまして、そこはそういう事情を説明して御理解をいただくということではなかろうかと存じます。
#193
○早川委員 消費者にそう言って理解をしてもらうということになるわけですね。先ほど、私が免税事業者であれば、三%上乗せしております、子して消費者に、あなたのところはどう見ても課税売り上げが三千万以下じゃないですか、それならば三%はおかしいじゃないですか、こう言われた場合に、今の主税局長の答弁だと多分僕はわからないと思うんですね。つまり、コストを自分のところで計算できないから三%もらいましたよ、それはあり得ないわけですね、マージンが必ず何%かあるわけだから。そういう回答をすればいいわけですか、免税業者の人は。
#194
○尾崎政府委員 三千万円以下の売り上げといいますと、普通の御商売で申しますと、夫婦お二人で仕事をしていて、そこに一人パートの方が来ているかどうか、せいぜいそのくらいのところまでであろうかと思います。したがいまして、もしも非常にきちんと仕入れにかかっております税金分だけを計算してそれを上乗せするということができますれば、それは確かに気持ちのいいことではございますけれども、それが事実上できない。先ほど来大臣からも申し上げておりますように、それではそのために人を雇う、あるいは税理士さんに特別に計算をしてもらうというようなことにでもなりますと、それはそれでまた大変なわけでございますから、いろいろなコストの面を考えますと、これは免税ということで、消費者の方にも子の事情を御理解いただくということだろうと思います。
 基本的には、仕入れの三%に当たる税金を私ども負担しております、同業の方々の商品の値段の状況を見ましても大体この程度の価格になっておりますので、私どもの方もその程度の価格で商売をさせていただきたいということを言った場合に、それを便乗値上げというところまで言うのかどうか、何分にも小さいところでございますから、それは消費者も御理解いただける問題ではなかろうかと考えているわけでございます。
#195
○早川委員 やっている人は御夫婦二人かもしれませんけれども、業者数からすれば六八・二%外川すね、免税業者は。これは絶対的に、小売を含めて私たちが日常生活をやる場合接触する人たちはそういう免税業者、小さいところへ行けば行くほどそういう人たちと接触するわけですね。そうしたときに、みんな三%でと今答弁されたようなことでは、消費者だったら納得しないんじゃないですかね。できるだけ負担したくないわけですからね、と思います。
#196
○尾崎政府委員 まず、免税業者がすべてのケース三%上げるというようにお考えになるのも極端ではなかろうか。そこまで上げない方もかなりおられますでしょう。それから、その上げ方が消費者と本当にトラブルになるようなケースというのも、それもまた非常に限られた話じゃないかなという気がいたします。
 この機会に便乗して非常に大きく上げるというようなことになりますと消費者の方々もこれは理解できない問題だろうと思いますけれども、周囲の価格の状況とそう乖離していないものであれば、現実の問題としてそんなに問題になることもないのではないかというように考えております。
#197
○早川委員 僕は違うと思いますね。免税業者で小零細の事業をやっている人の声をぜひ聞かれるといいと思うのですけれども、四月一日からどうするのかねと私が聞きますと、まだよくわからない、たぶん仕入れの方が上がってくることは確実に上がってくると思うのですが、じゃ自分がどうやって転嫁すればいいのか、これはわからないと。自分は免税業者だから三%上げちゃいけないのじゃないかなという思いは一方にあるわけですね、キャンペーンされるわけですから。だけれども、三%をやってもいいですよと言うと、それは割と簡単ですからね、じゃ三%転嫁します。そして、先ほど来の議論の中で、〇・六%ですか、それはいわば余禄が懐へ入るのかわかりませんけれども、そういう形で得られるのならば、お客さんからもらう場合は、免税業者であっても、今のような答弁をいただきますと、三%もいいですよと言ったら、必ず業者は三%でやると思うのですよ。うちは二・五%にとどめましょうとかあるいは二・八でやめましょうとかならないと思うのです、というのが今の私の認識であります。
 それから、それに関連してですが、簡易課税制度を選択することによって一般的には利益というのか税益が出る、マージン率が二〇%か三〇%かによって違ってくるわけですけれども。反対に、それをしてマイナスになる場合も、いわゆる事務の煩わしさを考えると、また簡易課税をやると御存じのように設備投資等の仕入れ控除ができないわけですから、時に起きるわけですね。そういうことを考えると、そういった事業者が簡易課税を選択することによって不利益をこうむるなどといった場合に、じゃ三%をちょっと超えた転嫁をやろうといった場合、それは便乗値上げというとらえ方をされるわけですか。
#198
○尾崎政府委員 非課税業者の場合と違いまして簡易課税の場合には三%転嫁をする、自分の売り上げに課税になっているわけでございますからそれはそのとおりなのでございますが、非常にマージン率が低い場合には、仕入れを八割というようにして計算をしてしまいますと、おっしゃいますように自分の利益に食い込むということが生じるわけでございます。それを考えまして課税選択というものも他方に置いているわけでございまして、通常の計算によって税額を計算していただくということもできるわけでございます。それにもかかわらず簡易課税、いわば計算の便の方に重きを置いて簡易課税を選択したいということでございますと、計算の便の方にそれだけメリットがあるということでもございますので、やはり転嫁は三%を原則というように考えていただけたらと存じます。
#199
○早川委員 あともう一つですが、細かい事務的な話になりますけれども、簡易課税というのは御存じのように仕入れ控除をやる場合の特例措置であるわけですが、輸出業者が簡易課税制度を選択した場合には戻し税というのがないわけですね。通常、正規にきちんとやれば輸出還付という形で当然戻ってくるわけですけれども、簡易課税をやりますと特例でやってしまうわけですから戻し税がない。どうもこれは輸出業者は不利益じゃないか。簡易課税は事務の簡素化のためにやろうというわけですけれども、実際には戻ってこないわけですね。そうしますと、第三十七条に規定している課税標準に対しては輸出売り上げも含めるべきではないかなという意見を聞いているのですけれども、その点はいかがですか。
#200
○尾崎政府委員 例えば輸出専業という方を考えてみますと、売り上げに対して課税にならない、免税でございますので、簡易課税を選択するということがないのではないかというように思います。
#201
○早川委員 輸出といいましても輸出だけやっているという業者はいないと思うのですね。何がしかは輸出品として出していく、あとは国内市場に出しているという業者は多々あると思うのですけれども、それでトータルで簡易課税を選んだという場合そういうことが起こり得るんじゃないかと思うのです。
#202
○尾崎政府委員 簡易課税の計算が、実は売り上げに対する税額を計算いたしまして、その八割が仕入れ相当分だという計算をするものですから、売り上げの方が免税になっておりますので、その輸出の分は除かれて税額が出てきてしまうわけでございます。仕入れ分がその八割ということになりますから、仕入れがその分小さくなってしまうということになります。
 したがいまして、輸出をある程度なさっておられます方は、課税選択をして、同時に課税期間も三カ月ごとというようなことにしまして、そして還付を受けられるというのが通常考えられるケースではなかろうかと存じます。
#203
○早川委員 先ほど、いわゆる適正な転嫁という意味で、免税業者も三%はまあいいんじゃないか、適正な転嫁の範疇に入るんじゃないかという答弁がございましたけれども、便乗値上げを防止するということが言われているんですが、一体便乗値上げというのはどういうふうに定義すればいいのか聞かせていただきたいと思います。
#204
○井坂説明員 御案内のとおり、一般に個々の商品、サービスの価格は、各事業者ごとに需給の動向等種々の要因を総合的に勘案して自由競争のもとで決定されるものでございます。そのために、例えば生鮮食料品のように天候いかんによって価格が大きく変動するもの等がございますので、そういう事情を考慮する必要が一つございます。それからまた、観点は若干違いますけれども、鉄道運賃のように、一般に自動券売機等の制約から十円単位で端数処理を行わざるを得ないという関係上、事業全体としては三%でございますけれども、個々には一律三%の上乗せとならないというものがあるという事情も考慮する必要がございます。
 したがいまして、何が便乗値上げであるかということを簡単に申し上げることはなかなか困難なわけでございますが、そういった事情を勘案した上で申し上げるとすれば、我々は二点ぐらい申し上げられるのかなということでございます。
 一つは、ほかに確たる理由がないにもかかわらず消費税を理由として三%を超える値上げが行われたというような場合には、便乗値上げであるという可能性があることがあると思います。それからもう一つは、物品税等既存の間接税の廃止に伴いまして税負担が軽減されるわけでございますけれども、それがその価格に適正に反映されないといった場合にも同様に便乗値上げであるという可能性があるんじゃないか、こういった二点のことをいろいろな機会で申し上げてきておりまして、調査監視といいますか、物価モニターあるいは地方公共団体の職員の方々にもそういうものを目安にしながら消費税導入前後の価格動向を見てくれというようなことを申し上げているところでございます。
#205
○早川委員 私がモニターに任命されたらさっぱりわからないですね、今の説明では。要するに、調べに行って、三月三十一日から四月にあるいは五月に上がりましたよと逐一伝えるしか方法がないのじゃないかと思うのです。
 一品一品三%上がるわけではなくて、経営者としてはいろいろ考えると思うのです。これが二%、これが四%くらいでバランスして、総売り上げで三%の消費税を取ろうということを考えた場合に、素人がそれぞれの商品で、これは高いからけしからぬじゃないかと言っても、三%以上上がったから便乗値上げた、こう直観的に感じて言っても、いや必ずしもそう言えないのじゃないかということが起きるのではないかと思います。
 それと、その逆に、物品税がなくなるわけですから、自動車は四月一日からこれだけ下がって不思議じゃないよだとかあるいは化粧品はどうだとか、そういう逆な意味でのガイドラインが示された方がまさに一般の消費者はよくわかるのじゃないかと思うのです。三%上がりますよ、上がりますよという話ばかりが出まして、税制改正全体としてはそういう減税効果もあるのですよと言うのですけれども、果たしてそういう物品税等の減税が的確に反映されているかどうかなかなかわからないと思うのです。そういう意味で、この商品はこれくらい下がってもおかしくはないんだというようなガイドラインをどこかで示されるのがいいんじゃないかと思うのですが、そういうお考えはありますか。
#206
○尾崎政府委員 まさに御指摘のとおり、今度の税制改正は物品税の減税等消費者の皆さんに大変喜ばれる面があるわけでございます。したがいまして、物品税の減税等によりまして税金が安くなる分だけこれは確実に引き下げていただきたいということで、関係各省、それぞれの業界に対しましてその点お願いしているところでございます。大蔵省なども、関係の団体、業界等にそのお願いをしているところでございます。また、広報面におきまして大体どのような感じの引き下げがあり得るかということはいろいろとお知らせしているところでございましてへ新聞、雑誌等を通じましてあるいは先生の目にもとまっているのではないかと存じますが、御指摘のとおり今後とも努力をしてまいりたいと存じます。
#207
○早川委員 もう時間がないので終わりますけれども、公正取引委員会のある面での役割がこれから非常に高まるのではないかと思うのです。そういう意味で、定員数が四百六十一名で十六名ふえたという予算が組まれておりますけれども、導入すれば二年や三年で定着することはなくて、何かヨーロッパのある国では定着するには十年かかるよというのを読んだ記憶がありますので、そういう観点からしてももっと公正取引委員会の充実を考えていただきたいなというのが一つです。
 それからもう一点は、大蔵省所管の例えば公認会計士試験の受験手数料が、第二次試験六千五百円が六千六百円に上がった。これは本来は非課税なものなわけですけれども、先ほど来の議論があるように、コストアップを反映している、こういう理由で百円上げているわけです。そうしますと、バックデータ、何を積み上げて、そしてそのコストはそれぞれ三%上がってくるわけですから、それを資料としてでも出していただくと、今自治体が転嫁を延ばしているわけですけれども、そういういろいろな手数料の引き上げをやる、改定をやる場合に非常にいいデータになるのじゃないかと思いますのでぜひ出していただきたい、検討していただきたいと思います。
 それから、最後になりますけれども、大臣にぜひ答弁いただきたいと思いますが、先ほどもお話ございましたけれども、消費税でいろいろな事業者への措置で四千八百億円の減収だ。免税業者にしろ限界控除制度にしろ、まさに租税特別減免税措置だと思うのです。これは消費税見込み全体に対しては八・一%で、国税三兆六千百八十億円に対しては一三・三%の比率ですね、それから法人税は、ことしの租税特別措置による減収見込み額はどれだけかというと五千七十億円、法人税収は十八兆三千六百三十億円、比率にして二・八%。同じように所得税をやりますと、一兆二千三百八十億円の減収額ですね、それから税収が十八兆一千七百二十億円、比率にして六・八%。こういうふうに見ますと、五兆九千四百億円の消費税総収に対して四千八百億円で、八・一%と非常に高いのですね。
 こういうことを考えますと、租税特別措置というのは本来早期になくして改善すべきだというふうになるわけですが、そうしますと、最初の税制改革法の十七条の三項、見直すということにも論理的につながっていくわけですけれども、見直すに当たっての項目が幾つか出てくると思うのですけれども、内容と、時間的にどういう展望を持たれているか伺って、私の質問を終わります。
#208
○村山国務大臣 今の失われる税収という話でございますが、すべて免税点なし、簡易課税制度なし、限界控除制度なし、そうした場合にもしそれが予定どおり取れた場合、徴収できた場合との比較の話でございます。しかし、これだけの大きな税制改正をやっているわけでございますので、やはり定着ということが一番大事ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、これらの問題については、十七条三項で、将来やはり気をつけて見直しの精神を持ってよく見守れ、こういうお話でございますので、我我も注意深く見ていきたい。必要があればまた国会で御論議を煩わすこともあるかもしれないと思っておりますが、我々はこれで大体いけるのじゃないか、こう思っておるところでございます。
#209
○早川委員 終わります。
#210
○中村委員長 堀昌雄君。
#211
○堀委員 本日は、私ども大蔵委員会になじみの深い小泉厚生大臣に御出席をいただきまして、前半、厚生行政について質問をさせていただきたいと思います。後半は、実は前回の大蔵委員会の質問のときに、村山大蔵大臣が大変誠意を持って御熱心に御答弁をいただくものですから、予定をした時間が足らなくなってしまいまして、企画庁の調整局長に入っていただいて最後に経済見通しと税収見通しをやろうと思いましたけれども、時間が足らなくなりました。きょうはそこらを勘案して、まず主として前段については、大蔵省は事務方だけの御答弁をいただくことにして、専ら小泉厚生大臣の方の御答弁をお願いをしたい、かように考えておるわけでございます。
 そこで、実は前回、私が中村委員長や中西理事さんたちと一緒に食事をします機会のときに、私が医者なのに一体どういう経緯で国会へ出てきたか、こういうお尋ねがございました。きょうはこれに関連がございますので、ちょっと簡単に前段の方で申し上げたいのであります。
 昭和二十六年に、日本医師会は診療報酬の単価の引き上げを政府に要求をいたしました。当時大蔵大臣が池田大蔵大臣でございまして、主税局長は平田敬一郎さんでございました。当時日本はまだ占領下でございましたので、政府側としては必要な診療報酬の引き上げを認めたいと考えたようでありますが、GHQの指示で、そこまではできない、こういうことになりまして、当時の池田大蔵大臣がそれではということで、社会保険診療報酬については当分の間、経費率七〇%、所得率三〇%とみなすという閣議申し合わせ事項が昭和二十六年の暮れに行われまして,昭和二十六年、二十七年の私たち当時の保険医の診療報酬の課税は、この閣議申し合わせ事項に基づいて行われたわけでございます。
 ところが、昭和二十八年の年末になりまして、池田大蔵大臣が既に退職をされておりましたので、これまた国税庁長官は平田敬一郎さんでありますけれども、国税庁長官通達が国税局におりまして、医師の診療報酬の課税については、要するに特例を廃止して税法どおりの処理をする、ただし、著しく増差のある者については配慮すべしという通達が実は出されたわけであります。
 当時私は兵庫県医師会の税対策委員長という仕事をいたしておりました。そこで、一体これはどういうことになるのだろうかということで、各府県の税対策委員長と連絡をとりまして、二月の十日ごろでございますけれども、大阪国税局へ参りました。そうして、直税部長にお会いをして、ああいう通達が出ていますけれども、私たちの課税は一体どうなるのでしょうかということを尋ねました。そうしたら、その当時の直税部長は、いや堀さん、これはもう税法は決まっておりますから、別にどうということはありません、税法どおりいただきます、こういうお話でございました。税法どおりというのは、これまで我々は経費が七〇、所得が三〇という割合で納税を二年してきたのでありますけれども、それではどういう率になるのでしょうかというふうにお尋ねをしましたら、後になって国税が標準率というものを持っているということを私ども承知したのでありますが、その当時はわかりませんで、我々の調査によればちゃんと収支率はわかっております、どうなるのでしょうかと伺いましたら、経費率は大体五五%です、所得率四五%です、こういうお話でございました。
 そこで、余り皆さん物を言いませんものですから、結局私が代表するような形で話をいたしまして、直税部長さん、今までの所得率三〇%というのを四五%とおっしゃるということは、所得が五割ふえることです、所得が五割ふえるということは、所得の位置によっては倍にもなる人が出てくる、しかし診療報酬はそのままで全然動いていない、本来この税制は診療報酬の不足分をカバーするために政府が決めたことであるにもかかわらず、その診療報酬が動いていないのに、いきなり五割増しの税を取るというようなことは、どうも余り常識的でないと私は思いますがと言いましたが、いや私どもは税法に基づいて税を取るのが仕事でございますから、それ以外にはやりようがありませんというお話でございまして、これでは話をしてもどうにもならぬなと思いましたから、どうもありがとうございましたと言って引き上げました。
 そうして、大阪府の医師会に集まって、どうするかという話になりました。皆さん、私が専らしゃべっていましたから、堀さん、どうすればいいんだと言いますから、これはもう簡単なことでは今の四五%は避けられないだろうから、そこで、こうしましょう、この三月十五日に確定申告がありますが、当時近畿の保険医は約二万人おりましたけれども、二万人の保険医に指示をして、確定申告はやらないということで団結して、ひとつ確定申告を延ばそう、そうして月末に東京へ調査に行って、東京がどういうことをやっているか調査をしてから物を考えたらどうだろうかという話をしましたら、皆さん、それはいいだろうということになりまして、そこで整然と近畿二府四県の保険医は三月十五日が過ぎましても確定申告を一名も出さないという状態で足並みがそろいました。
 そこで、三月の下旬に私どもメンバーがそろって東京国税局へ参りまして、東京は一体どういうふうになっていますかと言いましたら、そのときの東京の直税部長は岩尾さんでありましたけれども、先生、うちはちゃんともう全部申告していただきました。一体幾らでしょうかと言いましたら、三三%で申告をお願いして、全員納税が行われました、実はこういうお話でございました。これは私どもを含めて大阪で話を聞いた人にすれば、日本の国内で、東京は三三%、大阪は四五%取るという話は何とも理解しかねますので、私はかねてから既に社会党の支持者でございましたから、皆さんひとつ国会へ行こうということで国会へ参りました。
 当時、右派社会党では春日一幸さん、井上良二さんというような方が中心でありまして、左派社会党は副議長になられました久保田鶴松さんが中心でございました。この皆さんにこの話をしましら、春日さんが、大変まだお若い元気なころでありますから、よしわかった、堀君、おれらに任せておけ、そんなばかなことがあるか、国会が終わったら早速大阪に調査に行くから、それまできちっと今の体制をやっておけ、こういうのが春日さんの話でございましたから、承知しましたということで、実は我々は国会が終わって六月初めの大蔵委員会の調査を待ったわけであります。
 大蔵委員会の調査が行われましたら、その直税部長さんから私のところへ電話がかかってまいりました。そして、ぜひ会いたいとおっしゃいますから、私は、いや、あなたとお会いをしてもお話をする意味がないからお断りしますと言って電話をばっと切りました。そうしたら、またすぐ電話がかかってきまして、どうしても会いたいとおっしゃるから、いや、あなたがどうしても会いたくても私は会いたくないと言ってまた切りました。そうしたら、三回目に電話がかかって、いきなり、先生の言うとおりにするから会ってください、こういう話でございますから、そこで私は、本当ですか、私の言うとおりにしてくださるのですかと言いましたら、しますとこうおっしゃるので、それではお会いしましょうと言って尼崎の税務署でお会いをいたしました。
 そして、どうしたらいいですか、こういうお話でございましたから、東京で調べてさましたら東京国税局は三三%ということでございました。あなたは私どもがお話をしたときは四五%でこれは動かせぬ、こういうお話でしたから、きょう私はあなたとお会いする気はなかったけれども、私の言うようにしようとおっしゃるので、私は何も特別に我々がよくしてもらう気持ちはないので三三%でひとつお願いをします、承知いたしましたということで、実は近畿も三三%の処理ができました。
 これでは我々保険医は、また来年どうなるかということで、とても安心していられない。そこで、近畿の医師会、それから春日さんがおられましたから名古屋の医師会、神奈川県の医師会、東京の医師会、そういう人たちと運動を始めて、昭和二十九年の十二月の二十四、五日ごろだったと思いますけれども、当時の改進党、自由党、右派社会党、左派社会党の皆さんが大変御協力をいただいて、私どもは七〇、三〇のもとに戻していただけばいいと思っておりましたが、皆さんの議員立法の過程で二八、七二ということで、議員立法で、十二月の二十四、五日であったと思いますけれども、参議院を通過しました。私はそのとき参議院の傍聴席からこの租税特別措置法二十六条が成立する状態を目の当たり見たものでございます。
 帰ってまいりましたところが、私の先輩が、君、大変御苦労でよくやってくれた、しかし堀君、こんな医者だけがうまいことをするような税が長もちするはずはない、君もしよければこれまでこの仕事は君が中心でやってきたのだからひとつ国会へ出ろ、こういう話が先輩から出てきました。私はそんな国会へ出たりするようなことを毛頭考えてはいなかったのでありますけれども、大変医師会の先輩皆が熱心に勧められるものですから、選挙は三十年の二月の二十日ごろでしたか、何しろ私がそういうのを言われたのが一月の十日ごろですから、もうすぐ選挙の前にそんな衆議院選挙をやれなんてむちゃだと言いましたら、君はそういうことが全然わかつとらぬ、いきなり選挙に出て衆議院で当選しょうなんてそんな甘いものじゃない、おまえここで一回やっておけば次には通る、だから一遍やれ、こう言われて三十年の選挙をやって、その後三十三年の選挙に社会党公認で実は当選をしてまいったというのが私の国会へ出る経緯でございまして、ですから、私にとりましてはこの租税特別措置法二十六条というのは、実は大変かかわりのある法律でございます。
 私、大蔵委員会へ昭和三十五年一月から参ったのでありますが、そうすると間もなく塩崎税制一課長が私の部屋へおいでになりました。私は塩崎さんが部屋へ来られてお座りになったから、塩崎さん、あなた天下の悪法の問題できょうはおいでになりましたか、こういうふうに先制攻撃をいたしました。そうしたら、堀さん、あれはあなたは天下の悪法だと言われたが、あなた本当にそう思っておられますかと、こういう話でしたから、いや私は初めからそう思っている。これは我々が考えた仕組みじゃないのですよ、税の専門家であった大蔵大臣の池田さんが考えて我々にこうしなさいということで出されたものが、いろいろな経緯の関係で法律になったというだけです。
 論理的にいいますと、この税制は要するに医者とその他の業態の方の間に水平的に大変な不公平のある法律であります。大体所得を法定するなどということが税制上考えられないことなんでありますけれども、我々は前回の問題に懲りて緊急避難としてこの法律をつくりたい、こう考えたわけであります。
 もう一つ、医者の内部でも実は水平的にも垂直的にも問題があるのでありまして、水平的には医者の業種の中で一番費用がかかりますのは内科医者なんです。これは薬を大量に使いますから一番費用がかかる。この費用のかかる内科と、一番費用がかからないのは、そう言うと科目の方からおしかりを受けるかしれませんが、耳鼻科と眼科は処置料が中心なものですから、ここは比較的費用がかからない、相対的な話でありますけれども。だから、医者の内部でも実は公正ではないのであります。
 今度は垂直的に、例えば一人の医者が看護婦を一人か二人置いて診療する場合には、固定経費は大体一定でありますから、そうすると収入がうんと高い人ほど実はこの税率は大きな利益をもたらすわけでありますから、垂直的にも塩崎さん問題がある、これはまさに税法としては天下の悪法だと私は思っているけれども、しかしそれは私たちがやろうとしたのではなくて、政府が診療報酬の見返りにやってくれた。診療報酬が適正化されれば、私はこんな制度はいつやめられてもいいと思いますよ、こういうことを塩崎さんにお話ししましたら、それから以後、私にこの問題について塩崎さんは物を言われたことがないのでございます。
 私はその当時からそういうふうに考えておりましたので、何とかこれを合理的な税制にしなければいかぬ、こういうふうに考えていたわけでございます。
 そこで、それを具体的に取り上げましたのは実は昭和四十七年三月三十日の大蔵委員会でございます。当時大蔵大臣が水田さんでございまして、主税局長が高木さん、そうして厚生省は、たしか池田さんの秘書官をやっておられたと思いますが、登坂重次郎さんが実は厚生政務次官でございまして、この水田大蔵大臣、それから登坂厚生政務次官、そうして高木主税局長ということで一人法人という問題を取り上げさせていただいたのであります。
 私がこの問題を取り上げましたら、日本医師会の武見会長が、大体一人法人などというのは医師の倫理にもとるのであれはよくない、こういう話が日医ニュースというのに出ました。今ここにもう山中さんおられませんけれども、さっきまでおいでになりましたが、私は山中さんに、私はこの租特を早くなくして合理的な一人法人に皆さんが移行することが日本の税法上必要だと思うと言ったのだけれども、どうして武見さんあんなことを言われるのかなと言いましたら、山中さんが、堀君いつまでも武見さんが会長じゃないから、武見さんが会長をやめたらひとつやろうじゃないか、こういう話を山中さんからもいただいておったわけでございます。
 そういう結果、実は昭和六十年の十二月の二十日に、私がかねてから主張しておりました医療法人の、これまでは三人以上の医師がいなければできないというのを、その人数を取りまして、要するに医療法人というものが一人でもできるということになったわけでございます。
 私はそれを大変いいことだと思ったのでありますが、実はなかなかこの医療法人に皆さんが入っていただけない、実際に私が予想しょうに。これについて厚生省で、どういう形で医療法人成りができておるかをちょっと答えていただきたいと思います。
#212
○仲村政府委員 一人医師医療法人の普及の状況についてのお尋ねだと思いますが、六十年の十二月にただいま御指摘のように医療法改正がございまして、六十一年の十月一日の施行以来現在まで二年ぐらいたっておりますが、六十四年一月一日現在でただいまのところ千五百五十七件、お医者さんが千三百三十件、歯医者さんが二百二十七件という実情でございます。
#213
○堀委員 あわせてちょっと大蔵省の事務方に伺いたいのでありますけれども、この今の五段階の税制が途中で行われましたね、昭和五十四年だったと思いますけれども。その五十四年に五段階になりましたけれども、最近の時点でいいのでありますけれども、社会保険収入のある医者の総数は大体どのくらいなのか。所得が、御承知のように五千万円超、四千万円超、三千万円超、二千五百万円超、二千五百万円以下というふうに実は五十四年に五段階になったわけでありますけれども、最近で保険医が一体どのぐらいなのか。今の医療法人の数との関係でちょっとお伺いしておきたいと思います。
#214
○尾崎政府委員 六十二年分で申し上げます。
 社会保険診療報酬のある者の数が全体で十一万人でございます。二千五百万円以下三万人、二千五百万円超三千万円以下七千人、三千万円超四千万円以下一万四千人、四千万円超五千万円以下一万三千人、五千万円を超える者四万六千人でございます。
#215
○堀委員 あわせて、今の租税特別措置法上の減収額ですね、これを五千万円以下と五千万円超でひとつお答えをいただきたいと思います。
#216
○尾崎政府委員 五千万円以下の者につきまして、平年度減収額が三百四十億円というように見込んでおります。五千万円超の者は六百二十億円と見ております。
#217
○堀委員 実は、私ども昨年からの税制改正をやっております中で、やはり医師のこの税制はみなし法人その他と同じく不公正税制だというのが我が党の考えでございます。それはもう私が前から考えておることでございました。
 ところが、様子を見ておりますと、自民党の税制調査会ではこれには全然触れておられないというのが、大体昨年の春、そうですね、私が日本医師会の皆さんと話したのが五月十二日でありましたから、当時までは全然触れられておりませんでした。世論の中では、マスコミもそうでありますけれども、一般の皆さんが、この医師の特例というのは大変どうもよくない、医師というのは所得も非常に高いしするのにこういうことが行われるのはよくないという風潮が大変強いので、このままほっておいて全部一遍にこれをやめろということになると、これは私やはり医師の皆さんも対応の準備ができていないので大変だ、こう考えました。
 昨年、日本医師会は羽田会長以下の執行部が無競争で執行部に選ばれまして、五月十二日にパレスホテルでその披露の会がございました。そのときに私は、今の日本医師会の税金担当の常任理事をしております瀬尾さん、実は私は尼崎医師会でこの瀬尾さんのお父さんが医師会長をしておりますときに副会長として御一緒に仕事をしていたことがあるのでありますが、その長男でありまして、私と同じ大阪大学の後輩でございますけれども、彼に、これはこのままでいくと、ともかく全部一挙に外せというようなことが起きたら大変だから、五千万円超については、この際、一人法人も既につくったことでもあるから何とかひとつ考えた方がいいんじゃないですかと言って、羽田さんにも私の意見を述べておきたいと言って羽田会長にも私はそういう話をして、五千万円超というのは相当の収入がある方だし、ですから法人になってきちんとやられればこの今の税法のメリットよりもさらに税法上のメリットもあるんじゃないか、いろいろな面で私はその方が望ましいと思いますという話をいたしました。
 そして、この皆さんがそれは堀さんだめだとは言われずに黙って聞いておられましたから、まあまあ暗黙の理解はしていただいたかと私なりに考えて、そして渡辺美智雄政調会長に、ひとつ五千万円以上は外したらどうでしょうか、箕輪さんにもちょっと聞いてみましたら、それは堀さん、もう五千万円超ならともかく青色申告をした方がいいのではないか、こういうお話でございました。大蔵省からいただいた資料を見ましても、社会保険診療報酬のある者、五千万円超というところは四万六千人でありますけれども、そのうち特例適用者数というのは実は二万人でありますから、二万六千人の方はもう青色申告をやっていらっしゃる、こういうことなんでありますから、そういう点では、私は、ひとつこの際やられたらどうですか。箕輪先生も私に、もうここの層は青色申告の方がいいのだよ、こういう話でもありましたから、渡辺さんにお話をして、実は税制でこの部分が除かれることになりました。
 今、主税局長の御答弁によりますと、その結果国は六百二十億円の税収増になったということだと思いますが、大蔵大臣、ここの点だけをひとつ確認しておきたいのですが、それでよろしゅうございましょうか、御答弁をひとつお伺いいたします。
#218
○村山国務大臣 細かい数字はまた政府委員から申し上げますが、私も大体その程度になると思っております。
#219
○尾崎政府委員 おっしゃいますとおり、今度の改正で六百二十億円は特別措置から外れますので、その分が増収になっております。
#220
○堀委員 そこで、実は皆さんに資料がお配りしてございます。これはちょっとごらんをいただきたいのでございますけれども、「昭和六十四年度税制改正に関する要望」、昭和六十三年十二月二十六日、日本医師会長羽田春冤さんの名前で実は私の手元に参っておりました税制改正に対する要望でございます。
 そこで、時間ももうかなり過ぎておりますので簡単に申し上げますけれども、
       記
 「一人医師医療法人等小規模な医療法人に対する合理的な税制の確立」
  一、個人が法人化する場合の税制上の軽減措置として、「土地や建物を一人(又は二人)医師医療法人設立のために現物出資した場合の現物出資分に係る譲渡所得の軽減措置」を設けること。
  二、法人成りした場合の税制上の軽減措置として、
   @「医療施設構造改善準備金の創設」
    及び
   A「医療関係者が医療に関する高度の知識及び技能の研修のために要する費用の額が増加した場合等の法人税額の特別控除措置」を設けること。
  三、医療法人の承継時の軽減措置として、
   「医療法人の出資の評価方法については、一般中小法人に適用されている類似業種比準方式をそのまま適用」すること。
こう三つ実は書いてございます。中身についてはその次に二つのページに具体的に詳しく書いてありますので、読みますと時間がかかりますので、これは委員長、ひとつ速記録に読んだ形で載せていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
#221
○中村委員長 わかりました。
#222
○堀委員 お願いをいたします。
 要するに、私がきょうこれを取り上げておりますのは、まだあと実はこの四千万円超、三千万円超、二千五百万円超、二千五百万円以下という方たちがかなりおいでになるわけでございます。
 そこで、私の基本的な考え方は、二千五百万円以下の方には、これは月齢者であるとか僻地であるとか、今や二千五百万円以下の年収というのは月に二百万円程度でありますから必ずしも十分な費用でありませんので、この皆さんには今の特別措置を残しておきたい。しかし、二千五百万円超以上の段階は、一定期間を置いて順次ひとつ医療法人になられることの方が皆さんにとってもプラスではないか、私はこう考えるのでありますが、それにはそれなりに受け皿の方にフェーバーがないと、やはり皆さんこれまでのところに安住していたい、こういう気持ちになろうかと思いますので、これで多少税収が減になるかもしれませんが、さっきお話しのように、五千万円以下の皆さんのところでまだ三百四十億円実は減収が立っているという現状のようでありますから、その中で、今ここに出されておる医師会の要望というのは決してそんな大きな金額になるとも思いません。
 同時に、ちょっと医者の特性について私は申し上げておきたいと思うのでありますけれども、医師はだれでも医療法人がつくれるかというとそういうことっていないのでございます。それは、医療法第七条の四項で「営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、前項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。」こうなっておりまして、第一項の規定というのは、第七条に「病院を開設しようとするとき、医師及び歯科医師でないものが診療所を開設しようとするとき、又は助産婦でないものが助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事の許可を受けなければならない。」こういう規定がございまして、要するに、医者以外の者はまずできないが、しかし医者といえども営利を目的として診療行為をしてはならないというのが医療法の規定でございます。これが第一点ですね。
 それからもう一つは、医師の場合十九条で、「診察に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」私たちはこれを応招の義務と言っているのでありますけれども、たとえ夜中に来られようがどんな時間に来られようが、急病の患者ができたときには往診に行く、あるいは診療所を開いてその診療をしなければならぬ、こういう義務を医師は課せられているわけでして、一般の御商売の方は、夜中にたたき起こして物を売ってくれというような話は、それは何も法的な規制はないのでありますけれども、そういう法的な規制があるということ。
 もう一つ、要するに、現在もちょいちょいそういうことが行われておるかもしれませんが、第二十条で「無診察治療等の禁止」というのがありまして、「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付してはならない。」医者はどんな場合でも病人を診察しない限り薬をやったりいろいろな治療行為をしてはならない、こういう規定があるわけでありまして、医師というのは重い業務上の責任が課されておるという点が一般の業態の方と非常に違うわけであります。
 ですから、一人の医療法人の問題についても、私は、そういう面を勘案して、今私が申し上げましたこの医師会の要望をぜひ来年度の税制改革で処理をしていただきたい。しかし、これはまだ自民党の皆さんの御協力もいただき、しなければなりませんが、やはり主管大臣である厚生大臣が、今の医師の健全な診療行為とそれから医学技術の進歩のために勉強をしたり施設を改善したりするために使うための各種の準備金やその他でありますので、小泉厚生大臣は大蔵委員長までおやりになって大蔵行政の専門家でもございますから事情もよくおわかりでございますが、本日は厚生大臣の立場でこれらの問題について善処したいという御答弁をいただきたいというのが本日の質問の趣旨でございます。よろしくお願いいたします。
#223
○小泉国務大臣 きょうは堀先生から質問をいただくということで、前もってどういう質問なのかなと自分なりに勉強させていただきまして、昭和四十七年の会議録も全部読ませていただきました。水田大蔵大臣とちょうちょうはっし、かなり激しくやり合っている様子を読み、また当時既に一人医師医療法人というものを掲げられた先見の明といいますか、それが今実っているのだなということを感じまして、当時からも、国会議員になる前から兵庫県の医師会の税制対策委員長としてそういう問題を十分研究された長年のうんちくを改めて感じまして、大変これは見識のある御意見だし、私自身も当選以来ずっと大蔵委員会に席を置かせていただきまして、先生のいろいろな議論を聞かせていただきまして自分なりに勉強させていただきました。
 今の一人医師法人も、制度はあるのですが、まだこの制度のよさがわからない、あるいは手続面が煩瑣過ぎるということもありまして、まだ思ったように一人法人化が進んでいないという一面も見受けられます。しかし、だんだんこの制度のよさ、また手続等の簡素化、そして今挙げられましたようないろいろな要望事項というものを前向きに受けとめて、医療の公共性というものを考えながら、この制度が十分医師に利用していただけるように、そしてこのことがまたこれからの医療供給体制の整備につながっていくように、厚生省としても前向きに、今言った御意見を参考にしながら真剣に取り組んでいきたいと思っております。
#224
○堀委員 どうもありがとうございました。じゃ、どうぞ。
 そこで、この間一九八八年の企画庁のQEが発表されまして、八八年暦年は五・七%の成長であるということが新聞で報道されました。私、最初にも申し上げたように、前回ちょっと経済見通しの話をしようと思っていたのですが、ここへ来て非常なデータもそろってまいりました。きょうが三月二十二日でございますから、既に一九八九年一−三月はほぼ終わりに近づいております。
 データとしては必ずしも整備がされておるわけではありませんけれども、私なりに鉱工業生産の状態あるいは百貨店、大型店の売り上げの状態、それから大口電力の使用量、これは私、昔に経済見通しを大蔵委員会でしょっちゅうやっておりましたときに、大口電力の使用量というのは鉱工業生産の伸びと非常にリンクをしておるということで、実はこれが一番早い指標として使えるな、こう見ておるのでありますけれども、いろいろな指標を見ておりますと、どうも今政府がお出しになっておる経済見通しよりは一九八八年度も少し高い成長になるようだ。特にこの一−三月がかなり高くなるのではないか。そうすると、げたが高くなるわけでありますから一九八九年の経済見通しというものはそれなりに現在政府が出しておられますものに比べて少し上方にシフトすると判断をしておるのでありますが、経済企画庁の調整局長の方からひとつ御答弁をいただきたい。
#225
○星野政府委員 御説明申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、つい最近QEが発表になりまして、昨年の十−十二月までの数字が固まりました。
 それで私ども、これは算術でございますが、四−六、七−九、十−十二の実績を踏まえましてその先一九八八年度で見た場合に、果たしてそれがあとどのくらい残りがあるのだろうかという計算をまずしてみたわけでございます。その結果、これはもう算術でございますからどなたがおやりになっても同じでございますが、前期比季節調整済みで一・八五ぐらいになりますと、これは大体四倍いたしますと瞬間風速になりますが、七・五%くらいの年率瞬間風速でございますと、私どもが実績見込みといたしております四・九%を超えまして五%になるはずであります。
 しからば、先生御指摘のように現在の状況、それじゃ七%か八%という強い勢いであるのかどうかということでございまして、これもまた実は数字が全部出そろってみませんとわかりませんが、例えば、先生御指摘のように鉱工業生産という生産サイドから見てみますと、確かに元年の一月の指標を見ましても生産指数は大体九%ぐらいでございますし、それから予測指数も割合高い指数、二月、三月出ておりますので、生産サイドから見るとかなり高いかなという気がいたします。ただ、需要面で、今回の十−十二月もそうでございますが、少し落ちついているなと思うのが個人消費で、これは家計調査のデータもそうでございますが、特に家計調査のデータがそういうあらわれ方をしておりますが、あと新車の登録台数だとか、それから家電でございますとか、そういった面で消費は皆さんが予想しているよりは少し落ちついておるのかな。
 それから設備投資でございますが、設備投資につきましては、日銀の短観、その他依然として好調でございます。ただ、数量的にどのぐらいいくのかなということになりますと、昨年が大体二割近いわけでございますので、ことしの一−三月も依然として二割のスピードが続いておるのかどうかというと、これは統計の癖もありますが、直近では割合低く出てくるという癖もありますので、割合小さい数字が出ておるということで、恐らく次の調査が行われますと、これはまた上方修正されるかもしれません。
 そういうような状況でございまして、今先生御指摘の大口電力消費あるいは鉱工業生産という生産サイドで対前年の姿で見てみますと、かなり大きい率が出ておりますが、どうも需要の方を眺めてみますと、少し落ちついておるのかなという気がしております。これは一−三月、たってみたときにどのくらいかということでございますが、私どもとしましては、最初に申し上げましたように算術計算でございますが、残りが、おつりが七、八%の成長がないとどうも五%台にはいかないということでございますので、私どもの予想しております四・九などというのは、手前みそでございますが、まあいいところにいっておるのかなという感じで今のところいるわけでございます。
#226
○堀委員 実は、確かに需要面で問題があるかもしれませんが、これは昨日の新聞でありますけれども、
  百貨店売上高前年比七・二%増
             二月の東京地区
  日本百貨店協会が二十日まとめた二月の東京地区百貨店(十四社二十六店)の売上高は千七百六億六千七百万円で、前年同月比七・二%増と引き続き好調。二月の営業日数が前年同月より平均して一・四日少なく、「営業日数を同じにすると伸び率は四、五%上がり、二ケタの伸びになる可能性が強い」と同協会はみている。
こういうことがございますし、三月十七日の日経新聞に、
  七−九月期まで景気の拡大続く
              大蔵省予測調査
  大蔵省が十六日発表した景気予測調査(二月実施)によると、一−三月期の景気について、製造業、非製造業とも大中小のすべての規模の企業で、前期より「上昇した」とみる企業の比率が「下降した」とみる企業の比率を上回った。先行きについても、企業は全般的に明るい見通しをもっており、景気拡大は七−九月期まで続くとの結果が出た。調査は、金融・保険を除く資本金一千万円以上の企業一万百一社を対象に実施、八千六百八十六社から回答を得た。
  一−三月期について、「景気上昇」とみる企業の比率から「景気下降」とみる企業の比率を引いた判断指数(BIS)は、大企業(資本金十億円以上)九・二、中堅企業(資本金一億円以上十億円未満)四・四、中小企業(資本金一千万円以上一億円未満)四・七と企業態でプラス。
  先行きの指数は、四−六月期では、大企業一八・一、中堅企業一八・四、中小企業一〇・七。七−九月期では、それぞれ一六・一、一四・七、一〇・四と出ている。七−九月期の数字が鈍化していることについて大蔵省は「半年先の見通しは控えめにでるため」としている。これは大蔵省の発表、新聞ですからあれですが、これはだれか答えられるかな。――それじゃ土田審議官お願いします。
#227
○土田政府委員 お答えを申し上げますが、ただいま堀委員が御紹介になりましたのは、新聞記事のもとになりましたのは私どもの景気予測調査というものでございます。これは年四回やっておりますが、元年二月調査というものを最近集計いたしまして発表をいたしました。
 その数字は、実は私どもが申し上げるべきところでございますが、ただいま非常に詳細に堀委員の方から御説明がございましたので個別に申し上げますことは省略をいたしますけれども、多少その御質問と重複するようではございますが、大企業、中堅企業、中小企業三っに分けて調査をしております。
 それから、この景気動向につきましては、三カ月ごとの四半期に区切りまして、景気が上昇すると見るか下降すると見るかのアンケートをとりまして、その上昇すると見る方から下降すると見る方の数を引く、その引いた数がプラスであれば景気が上昇するというふうに見ておるという評価を下すわけでございますが、その場合、ただいま堀委員から御紹介がありましたような結果でございます。
 それから、この七―九月までをとっておりますということから、実は十−十二月期はよくわからない。これはいわば調査をしていない。七1九月期まで調査をしているという意味において、その限りで、しかも上昇マイナス下降の社数がプラスである、比率がプラスであるというところから、七−九月までは大体この好景気は持続するのではなかろうかという解釈を示しておるわけでございます。
#228
○堀委員 大蔵大臣、以上客観的なデータを少し具体的に述べさしていただいたわけでありますけれども、ことしの政府の見通しは実質四・〇でございますが、民間二十二社というのの平均を見ますと四・三になっているわけでございますね。特に二十二の中に異常に低いのが三社ほどございます。これを除いて平均しますと四・五になるのですね。幾らふえるかはなってみなければわかりません。しかし、私は、今ずっと申し上げた経緯から見まして、少なくとも実質四・〇を超えることはまず現状では間違いがない、こんなふうな判断を持っておりますけれども、そこは大臣いかがでございましょうか。
    〔委員長退席、大島委員長代理着席〕
#229
○村山国務大臣 私も、この間大蔵省の見通しについての、ただいま土田審議官が言ったことは伺いました。また、きょうは月例会議がありまして調整局長から聞いたわけでございます。
 景気が長続きすればいいなと。ただ、一つ恐れておりますのはやはり長続きすることが大事でございまして、余りこれがどちらも無理をしていまますと、どうしても設備投資に、特に設備投資はそうでございますが、余り無理をするとそう長続きをしないということも我々は心配しているわけてございまして、これが先ほど言いましたように実質四%伸びるにはあとどれだけ伸びればいいか、先ほど調整局長が言ったわけでございます。そういうような漠然たる感じを持って、そしてこれが長く続くことを願っておる、こういうことでございます。
    〔大島委員長代理退席、委員長着席〕
#230
○堀委員 これは、私最近は余りやらないのですけれども、大蔵委員会で随分私は過去に経済見通しあるいは税収、いろいろな経済問題を長くやってまいっておりまして、実はこの前ちょっとそれを申し上げたかったのですけれども、けさのニュースを聞いておりますと、アメリカの消費者物価の上昇率〇・四におさまった、大変いいことだな、こう思っておるのでございます。いろいろな情勢から見て、私はイザナギ景気だとかなんとかということを離れて、現在の日本経済のパフォーマンスというのは大変いい状態にある、こう思っておりますし、設備投資が、ただ能力投資ももちろんありますけれども、しかし、これは要するに近代化投資であり、当然行われるべき設備投資が行われておるわけであります。さっきも大蔵大臣がおっしゃいましたけれども、大体消費の面も、二兆六千億ともかくも減税の方がたくさんいっているわけでありますから、そういう意味で、いろいろな角度から見て一九八九年というのは実はかなり成長が期待できる、こういうふうに私は思っているわけです。
 要するに、そうなったときに税収がどうなるか、こういうことなんですね。私は、最近の弾性値を見ていますと、低かったのがいきなりどんどんと高くなって、だから弾性値もそのときのいろいろな情勢、例えば最近、土地とか株式もそうですけれども、一時に比べますと大分鎮静化をしておりますから、そういう意味でのプラスアルファの収入というのはあるいは減るかもしれません。しかし、全体として、ベースアップが春闘でこれからやられるのでありますけれども、これが時短を伴って行われるとすると、これまた消費に大きなプラスになってくる、私はこう考えるものですから、税収がかなりふえるなという感じがするのであります。
 そこで、ちょっと主税局長にお伺いしたいのですけれども、今四・〇という実質成長率が仮に四・五になったとしたら、租税弾性値はどうなりますか。今の見通しょりは少し上がるのじゃないかと思うのですけれども。
#231
○尾崎政府委員 税収計算をいたしますときの一つの基礎のデータといたしまして成長率があるわけてございますが、税収の場合、名目成長率が問題になるわけでございます。堀先生のお話の四・〇に見合うものは五・二ということでございます。もし成長率がそれ以上高まりますと確かに税収の面ではいい影響が出てくるだろうというように考えられますが、私どもの税収見積もりは、五・二%を前提に、政府の経済見通しの諸指標等をもとにいたしまして個別に積み上げているものでございます。
#232
○堀委員 税収がふえたらどうするかという話は、この次に財源確保法の法律の審議のときにはた委員会でやらせていただきますので、きょうは時間がありませんからこれは取っておくつもりでございますけれども、私は、これから一つ考えておかなければいけないと思うのは、要するに春闘の賃上げというものが余り高くなっても景気に余りプラスではないが、また低くてもこれもまた景気にプラスでない。ですから、一定のところまで春闘がうまくいって、あわせて時短も行われるということになると、今のマキシマムの線に大体ことしは落ちつくだろう。いろいろな関係者、学者の皆さんのあれを読んでおりましても、少なくとも五%台ならば決してマイナスにはならない。――今そこから五・九という声が出ましたけれども、それが大勢だというふうに私は認識しておるわけでございます。
 そうすると、全体から見て、私は、この一九八九年というのは、アメリカに大変な異常が起こるとなるとこれはまた金融面からいろいろな対応をしなければならないと思いますが、アメリカも大変難しい綱渡りをしておりますけれども、何とかまあまあいくのじゃないか、こんなふうに思っております。この次、二十四日に世銀の法律をやらせていただくときに、実は澄田総裁にもお入りをいただいて例のブレイディ提案についての問題の論議をさせていただきますが、あわせて、金融問題を含めて今後の日本経済の運営について、日銀総裁からも、また大蔵大臣からもお話をいただき、そういうものの上に立って、四月の財確法で、そうやって税収がふえてきたらそれをひとつ国民のために使ってもらいたいなという問題を一つ後に宿題として残しまして、本日は、大体全体としていい方向に行っているというところの確認をさせていただいて終わりたいと思います。
 大臣、最後のところで一言御答弁をいただきたいと思います。
#233
○村山国務大臣 私は、この景気を何とか長続きさせたいということでいっぱいでございます。今、企業収益と家計の所得が非常に好循環をやっているというところでございます。これの循環をやはり維持するということが一つのポイントではなかろうか。それからもう一つは、賃金コストがどうなるのであろうか。この二つの点を重視して見ているわけでございます。春闘がどういうところへ落ちつくか、これは労使の問題でございますけれども、この二つの点を私は一番重要視して見ている、こういうところでございます。
#234
○堀委員 終わります。
#235
○中村委員長 先ほど堀昌雄君から申し出のありました資料の会議録参照掲載の件につきましては、理事会において協議することといたします。
 次回は、明二十三日木曜日午前九時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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