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1988/04/04 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 大蔵委員会 第8号
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1988/04/04 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 大蔵委員会 第8号

#1
第114回国会 大蔵委員会 第8号
平成元年四月四日(火曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 中村正三郎君
   理事 衛藤征士郎君 理事 大島 理森君
   理事 中川 昭一君 理事 中西 啓介君
   理事 平沼 赳夫君 理事 中村 正男君
   理事 森田 景一君 理事 安倍 基雄君
      新井 将敬君    井上 喜一君
      石渡 照久君    江口 一雄君
      金子 一義君    熊川 次男君
      佐藤 静雄君    笹川  堯君
      杉山 憲夫君    戸塚 進也君
      中島源太郎君    葉梨 信行君
      鳩山由紀夫君    松本 十郎君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      山中 貞則君    山本 幸雄君
      小野 信一君    沢田  広君
      野口 幸一君    早川  勝君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      村山 喜一君    遠藤 和良君
      柴田  弘君    日笠 勝之君
      矢追 秀彦君    大矢 卓史君
      経塚 幸夫君    田中美智子君
      正森 成二君    矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 村山 達雄君
        文 部 大 臣 西岡 武夫君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        運 輸 大 臣 佐藤 信二君
       建 設 大 臣 小此木彦三郎君
        自 治 大 臣 坂野 重信君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局長    厚谷 襄児君
        経済企画庁物価
        局長      勝村 坦郎君
        経済企画調査
        局長      冨金原俊二君
        国土庁土地局長 片桐 久雄君
        法務大臣官房審
        議官      東條伸一郎君
        大蔵政務次官  太田 誠一君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    土田 正顕君
        大蔵省主計局次
        長       篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        国税庁直税部長 岡本 吉司君
        国税庁間税部長 宮島 壯太君
        文部省生涯学習
        局長      齋藤 諦淳君
        文部省初等中等
        教育局長    古村 澄一君
        厚生大臣官房総
        務審議官    末次  彬君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部長 多田  宏君
        厚生省社会局長 小林 功典君
        厚生省児童家庭
        局長      長尾 立子君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   丹羽  晟君
        運輸省地域交通
        局長      阿部 雅昭君
        建設大臣官房長 牧野  徹君
        建設省建設経済
        局長      望月 薫雄君
        建設省都市局長 真嶋 一男君
        建設省河川局長 萩原 兼脩君
        建設省道路局長 三谷  浩君
        建設省住宅局長 伊藤 茂史君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      小島 重喜君
        自治大臣官房審
        議官      前川 尚美君
        自治省行政局公
        務員部長    芦尾 長司君
 委員外の出席者
        警察庁交通局高
        速道路課長   浅川  章君
        会計検査院事務
        総局第四局厚生
        検査第一課長  小川 光吉君
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  遠藤 武彦君     佐藤 静雄君
  藤波 孝生君     石渡 照久君
  堀  昌雄君     小野 信一君
  橋本 文彦君     日笠 勝之君
  平石磨作太郎君    遠藤 和良君
  伊藤 英成君     大矢 卓史君
  正森 成二君     経塚 幸夫君
  矢島 恒夫君     田中美智子君
同日
 辞任         補欠選任
  石渡 照久君     藤波 孝生君
  佐藤 静雄君     遠藤 武彦君
  小野 信一君     堀  昌雄君
  遠藤 和良君     平石磨作太郎君
  日笠 勝之君     橋本 文彦君
  大矢 卓史君     伊藤 英成君
  経塚 幸夫君     正森 成二君
  田中美智子君     矢島 恒夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例
 等に関する法律案(内閣提出第六号)
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。経塚幸夫君。
#3
○経塚委員 経済企画庁、来ておられますか。――最初にお尋ねいたしたいと思うのです。
 経企庁の方では、消費税の問題につきまして、物価ダイヤルの問い合わせをやっておるそうでありますが、四月一日、二日両日にわたります、特に消費者に関する相談件数、それから主たる相談内容、御報告をいただきたいと思っております。
#4
○勝村政府委員 経済企画庁では一日、二日も職員が出勤をいたしまして、八台の物価ダイヤルの電話を用いまして御相談、苦情に対応いたしました。
 それで、お手元には既に一日、二日分合わせまして七百六十一件という資料をお渡ししてあるかと思いますが、昨三日にさらに四百件近い相談がございまして、三日間合わせますと千百四十六件の相談がございました。
 その中で件数として一番多いのは、やはり便乗値上げではないかというお問い合わせでございます。ただ、その便乗値上げが一般に横行しているという感じはございませんで、値上げに対する便乗値上げではないかという苦情が主として集中しておりますのは、一部の飲食店、それから理容、美容等の業界等でございます。割とそういうとこ一つに便乗値上げの苦情は集中いたしておりまして、広く便乗値上げが横行しているという感じは全くございません。
 それから、税の仕組み、特に契約と売買の時期が年度をまたがりますようなものの取り扱い、こういうものについての問い合わせが件数といたしましては次に多うございます。
 それから、免税業者なのに三%値上げしているのがおかしいというような消費者からの問い合わせもございました。これにつきましては、免税ということの趣旨をよく御説明をしているところでございます。
 それから、あと端数の処理の問題だとか転嫁、例えば鉄道の運賃などで上がった区間、上がらない区間があるのは不公平ではないかというお問い合わせ、そういうものが主としてございました。
 大体内容は以上でございます。
    〔委員長退席、中川(昭)委員長代理着席〕
#5
○経塚委員 今お聞きいたしますと、三日間で千百四十六件、これは消費者だけの相談だと思いますが、私どもも四月一日に、正森委員を初めといたしまして大阪で大きな商店街、それから大阪はもとより関西で名物になっております黒門市場などを調査いたしました。この駒川商店街というところでありますが、約二百四十店舗ありまして、最大の商店街の一つと言われております。安くて親切、お客さんとの対応がいいということで有名な商店街であります。
 聞いてみますと、家庭の主婦の方々は、一円でも安いものがないかというので商店街を七往復したという例もあるそうであります。ここへ入りまして、いろいろお尋ねをいたしました。
 雑貨店。紙おむつ、ティッシュ、こういう家庭用品を売っておりますが、主婦が相手だからとてもじゃないけれども転嫁などできない、ゆうべ一晩かかって、けさ店をあけるまで転嫁しようかすまいかと考えに考え抜いて店をあけた途端、お客さんの顔を見てもう転嫁はやめた、こう言っております。
 それから魚屋さん、これは私ども行ってまいりますと、店先に表示してあります、消費税は店で負担しますと。同時に怒っておりましたのは、十万円の仕入れをいたしますと、競りの手数料が一割かかる。まさか競りの手数料には課税されまいと思っていたらこれにも三%課税される、とんでもない話。大変怒っておられました。
 商店会の役員さん、きょう課税しない店がほとんどでしょう、これが商店会の役員さんの答えでございました。煮豆屋さん、安いのが魅力だ、コストの低いものにかける、こうして全体としてバランスをとるしか仕方がない。
 課税店へ行きました。一台四十万円のレジを買った。横にダンボールの箱を置いてある。これは何ですか、きのうまで使っていたレジです。大和川原へ行ってごらんなさい、山のように積んでほってありますよ。すぐ使えるのにもつたいない話です。店を閉めてから事務手続で約一時間かかる。今までより一時間早く店を閉めるわけにいかない。こんな出先の事務の苦労を一体政府は考えて強行されたのかどうなのか、私どもはあべこべに追及をされました。
 黒門市場へ参りました。事務所の方がおられました。これは百六十年の歴史を持っておられる。五年前には百九十一店舗であったけれども、今は百七十六店舗、もう市場の死活問題にかかわってきておる。どう生き延びるか。消費税の問題について税務署から説明を受けました。聞きました。いつ聞きましたか、三月に聞きました。質問させてもらいましたか、しゃべるだけしゃべってさっさと帰りました。わかりましたか、さっぱりわかりません。これが答弁であります。
 そこで、この市場では、「消費税に御協力お願いします」という幅十五センチから二十センチ、長さ三、四十センチのステッカーをつくって各店舗に張るようにと指示をしたそうであります。行ってみました。張ってあるところは一%もございません。たまたま張ってあるなと思ってお店を見ますと、「消費税に」というところまでは事務所から配られたステッカーが生かされております。「御協力お願いします」を墨で塗って、「消費税は一負担いたします」こう書いてある店がある。これは私はささやかな商売人の抵抗だと思いながら、見て帰ってきたわけであります。
 肉屋さん、カルテルを結びました。課税をしよう。ところが、その肉屋さんをのぞいてみますと、消費税は当分の間、店で負担をいたします、これが回答であります。
 結論から申し上げますと、お客さんと直接接触している第一線では、とんでもない税金だ、しかも手間暇かかる。市場や商店会が今死活問題になっているときに、こんなもの持ってこられてはた迷惑だ、やめてもらいたい、これが圧倒的な声であります。
 閣僚の皆さん方も一日に現地へ視察に行かれたようでありますが、一言だけで結構です、批判の声はございませんでしたか。
#6
○村山国務大臣 私は一日の日にアメや横丁に参りました。見たところは、ゴルフ用品を売っているところと、それから鮮魚を売っている店でございます。値づけそれから表示、それからどういう消費税の取り方をしているかというところに着目したのでございますが、ゴルフ用品のところでは、これは税抜き価格で表示していました。物品税が移出段階で、製造段階で三〇%かかっておりますので、小売段階ではその分を差し引いております。小売の方に直しますと、大体売り値の一五%ぐらいになりましょうか、それは的確に下げておりました。それから、それを買いますと、レジのところで一括してキーを打ちますと、全部まとめて消費税額、それから税抜き価格、それから合計額というのが出まして、それで請求するシステムになっておりまして、転嫁の仕方、それから表示はまずまず適正である、こういうふうに思いました。
 それから鮮魚の方に参りますと、これは日々、きょう築地から仕入れてきたものであるということです。競りはもちろん税抜き価格でやりますけれども、仕入れについては当然消費税がかかってまいります。それを従来と同じマージン率で、税込め価格で表示しているということでございましたので、これまた表示並びに転嫁は、そのそれぞれ扱っている商品について常識的なやり方をとっておる、こういうふうに認識いたしました。非難の声はありませんでした。
#7
○経塚委員 大蔵大臣の耳と私の耳と同じ人間の耳だと思いますけれども、非難の声は入らなかった。私のお聞きいたしましたのは、ほとんど一〇〇%が非難の声である。
 各大臣にお聞きをしたいのでありますが、聞いておりますとそれだけで一時間二、三十分かかりそうでありますから、次に入りたいと思っておりますが、自治省にお尋ねをいたします。
 消費税を転嫁しておらない団体の数はどれくらいありますか。
#8
○小島政府委員 お答え申し上げます。
 自治省といたしましては、この三月三十一日で一応都道府県並びに政令指定都市の議会が終了いたしておりますので、その時点での実施状況について概要をとりあえずまとめてございますので、それについて御報告を申し上げます。
 まず、都道府県、政令都市の状況を見ますと、いわゆる普通会計分でございますが、普通会計分につきましては、五十七団体中、いわゆる一部実施も含めますけれども、四十二団体が使用料の改定を行うことにいたしております。
 また、公営企業につきましては、いろいろございますが、最も代表的なものといたしまして、上水道事業について申し上げますと、三十六団体中二十九団体、それから工業用水道事業について申し上げますと、四十七団体中四十三団体が料金の改定をすることにいたしております。さらに、このうち実施時期をおくらせますものは、普通会計で十三団体、それから公営企業の上水道事業で八団体、工業用水道事業で三団体となっております。
 なお、市町村につきましては、御案内のとおり、三千有余ございますし、まだようやく議会が終わったばかりというようなことでございますので、今後都道府県を通じて個別に事情聴取してまいりたい、かように考えております。
#9
○経塚委員 それでは都道府県だけをお調べになって市町村はまだ調べておらないということですね。ちょっと怠慢じゃないですか。住民と直接接触されるのは何といったって三千余の市町村でしょう。この市町村の、しかもほとんど議会がもうこれは終わっているところが多いわけでありますが、ここで一体どうなっているのか実態もおつかみにならずに二回も指導されているそうでありますけれども、これはもってのほかじゃないですか。
 これは読売新聞でありますが、「一律転嫁は四二% 全国の自治体を調査」、一般紙でさえ、さえと言っては失礼かもわかりませんけれども、お調べになっている。肝心の自治省が、末端の住民と直結をしておるその市町村の実態が消費税の転嫁問題についてどういう状況になっているかお調べになっておらない、このこと自体が、今度の消費税問題について、どれだけ地方自治体で問題が起きておるかということについて自治省自体関心が薄いかということを証明しているものだと私は思うのです。
 私の大阪府内では、全面転嫁の市町村は一カ所もない。これは私も調べてみた。――けしからぬどころじゃない、当然ですよ、こんなものは。行ってみてごらんなさい。住宅の家賃の滞納はどれくらいありますか、水道料金の滞納はどれくらいありますか、各福祉施設の徴収金の滞納はどれだけありますか、ただでさえ地方財政が大変苦しい状況に置かれておる。
 ここへもってきて、これはせんだって自治省にお尋ねをいたしましたが、消費譲与税、それから地方交付税など上乗せをするけれども、結局差し引きいたしますと八千八百三十五億円、これは地方自治体は赤字になるじゃないですか。大阪、地方間接税の減が四百二十億円。これはたしか、話では消費譲与税でもって補てんするとなっていたはずでありますが、補てんはたった三百八十億円じゃないですか。兵庫県、地方間接税の減二百十六億円、消費譲与税は百九十八億円。廃止される地方間接税、まあ廃止というよりも改正をされる地方間接税を吸い上げるかわりに消費譲与税でもって補てんするというのが約束だった。それが全然補てんされておらぬじゃないですか。加えて、これもこの間地行で自治省にお尋ねをいたしましたところ、これに加えて一般会計だげでもって地方自治体が負担をしなければならない総額が六千億円を超える。マイナス八千八百億円と六千億を合計いたしますと、一兆四千八百三十五億円、これは消費税の導入によって地方自治体の新たな負担になる。
 自治大臣にお尋ねをいたしますが、今日公債費負担比率危険ラインと言われておりますのは一五%でありますが、これを超えました団体の数が一九八〇年八百八十六に対しまして、八七年千八百九十三と、これは倍以上にふえております。消費税の導入によってこの地方財政の困難は一層加速されると私は考えておりますが、今日の地方財政は豊かだとお考えですか、それとも大変な状況だとお考えですか、お答えいただきたい。
#10
○坂野国務大臣 まず、お答えする前に、先ほどの市町村関係のものはほっておるわけではございません。今、詳細に調査中でございます。見通しとしては、大体一般会計で約七割が転嫁いたします。四月から転嫁です。それから、水道等については八割が転嫁ということになっております。府県、指定都市についてはさっき報告したとおりでございます。そして、転嫁してないところは、御案内のとおりに、特別会計の企業関係についてはいずれこれは税務署、国庫に納付していただかなければなりませんから、そういうところは自分で自分の首を絞めているわけでございまして、これは自治省に救済しろと言われても困るわけでございますから、できるだけ次の機会を見て、六月の地方議会あるいは九月の地方議会において条例を直して、どうかひとつ転嫁していただきたいということを引き続き指導して協力を依頼していきたいと思っている次第でございます。
 ところで、さっき御指摘のありました今度の消費税の問題については、前々からいろいろな機会において御報告しておりますように、消費税のうちの五分の一はどこに使ってもいいという消費譲与税ということにしておりますし、それからその残りの二四%については交付税として地方に消費税を回すことにしております。
 それから、交付税については従来どおり三二%の率は変えておりませんし、また、たばこ税の二五%というものを今度補助率カットの不十分な点をカバーしようということでお願いしておるわけでございまして、御案内のとおりにトータル八千八百億ぐらい足らぬではないかという御指摘がありますけれども、この分については自然増収で何とかカバーし、そして財政の厳しいところについては傾斜配分ということを考えて補てんしてまいりたいということでございますから、全般的に地方財政は厳しいながらも、地方財政計画の中で何とか面倒を見て、地方財政が遺憾ないように頑張ってまいりたいと私どもとしては思っておる次第です。
#11
○経塚委員 七月ともなれば七〇%、八〇%、九月議会等々でそれだけ転嫁するところがふえてくるだろう、自治大臣はこう御答弁をなさいましたが、これは淡い夢にすぎなくなるだろう、こう私は思っております。
 そこへもってきて補助金カットのいわば恒久化。これは五十九年から古屋自治大臣、小沢自治大臣、葉梨自治大臣、梶山自治大臣、四大臣に私は約束を破られ続けてきた。率直に申し上げまして、もう憤りでいっぱいですよ。国と地方の信頼関係なんてあったもんじゃないですよ。最初一年間補助金をカットするときには、書いてあるとおり一年限りでございますと自治大臣は御答弁をなさった。一年たってみると、今度は三年間だ。約束が違うじゃないかと言った。今度は三年限りであります。
 答弁を紹介しておきましょう。六十一年の葉梨自治大臣のときに、約束を破ってまた三年間とは何事だ、こう私はお尋ねをした。こういう御答弁です。「かなりの財源不足が見込まれます地方財政の現状にもかんがみ、仮に提案がありましても、自治省としては受け入れる考えはございません。」つまり、三年間の延長です。「受け入れる考えはございません。」とはっきり答えておる。ところが、これは受け入れておる。話にもならぬ。さらに、同じ葉梨国務大臣は、「自治省といたしましては、国民健康保険につきまして医療費の国庫負担の一部を地方に負担させるということはすべきではないと考えている」、こういうことだった。
 これは昨年、三年限りというのもどうも危ないのと違うかという危惧がありましたから、梶山自治大臣にお尋ねをいたしました。こう答えております。「この暫定期間が切れれば原則としてもとに戻るべきだ、」「補助金カットは復元する、もとに戻る」、こういう前提で交渉を進める。もとへ戻りましたか。
 自治省の津田政府委員に対して、私は交付税法を例に取り上げまして、六条の三で、地方に巨額の財源不足が生ずる場合は、交付税制度の改正、交付税率を引き上げるとか、あるいは特別の手だてを講ずるとか、そういうことになっておる。三年目もというのはちょうど六十三年度が三年目に当たるわけでありますから、なぜ制度改正をやらないのか、こうお尋ねをいたしました。そうすると、御答弁は、「六十三年度の改正といたしまして六条の三を使ってやれば、補助率カットを永久に認めるということを先走って私どもが態度表明することにもなる」、こう言って政府側は答弁をされた。つまり、もとへ戻るのが当たり前だ。だから、六十三年度には三年目に当たって財政制度、交付税制度の改正をやらなければならぬ。しかし、これをやるということになれば補助金カットの恒久化を認めることになるから、やらないのだ、ここまでお答えになった。
 坂野自治大臣にお尋ねいたしますけれども、昨年の十二月二十八日、日経新聞の記者会見で「補助率カットは暫定措置という約束。地方の皆さんがいうように補助率は復元すべきだ」。同じく朝日新聞には、「補助率カットは六十三年度までの暫定措置であり、国と地方の信頼関係を損なわないように、原則的には元に返す方向で、総合的に考えながら、大蔵省とじっくり話し合ってみたい」。
 葉梨元自治大臣の答弁といい梶山前自治大臣の答弁といい、坂野自治大臣の去年の年末までの答弁といい、これは原則もとへ戻るということじゃなかったですか。これはもとへ戻りましたか。戻ってないじゃないですか。どういうことですか。
#12
○坂野国務大臣 お答えします。
 今おっしゃるとおりに、三年間の暫定措置ということでございますから、私どもは全精力を挙げて大蔵省との話し合いをやりました。また、各地方公共団体の意向というものを踏まえて努力したわけでございますが、考えてみますと、何が問題かといいますと、確かに補助率を額面どおりに名目的に戻すことも非常に大事だということは承知しております。そして、六団体からも強い要望のあったことも承知しておりますけれども、要は地方財政が、どういう方法でもって考えれば一般財源が確保でき、そして補助率カットの影響をいかにすればキャンセルできるかということが一番の当面の大事な問題ではないか。
 しかも、国の財政というものは確かにここ一、二年間、税金の入りはよくなっております。しかし膨大な借金を抱えておる。地方財政においても六十兆以上の借金を背負っておるという中でございますから、私どもとしては私どもなりにいろいろ考えた末、そして大蔵当局、大蔵大臣とも再三再四にわたりまして交渉した中で、最終的にはその補助の一〇〇%復元はできませんでしたけれども、少なくとも経常経費については適当なところで恒久化しよう、生活保護については中でも一番高い率で、十分の七・五ということで決着をつけたわけでございます。そのかわり地方財政に対しては、交付税とか地方債を駆使いたしまして、地方には迷惑をかけないということで決着したわけでございます。
 投資的経費については、事業量の確保の問題もございまして、私どもとしては、それではあと二年間猶予いたしましょう、しかし二年たった後においては、総合的な検討の中で、投資的経費は少なくとも六十一年度までは戻してもらいましょうという約束の中で一応決着を見たような次第でございます。
 結果的には、いろいろ御批判はありましょうけれども、地方の六団体も、まあまあ自治省はよく頑張っていただいて、このくらいならば何とか理解できる、評価できるというところまで結果的にはいったということをぜひ御理解いただきたいと思う次第です。
#13
○経塚委員 地方六団体からも御理解をいただいたなどと言っておりますが、そしてまた財政補てんも経常費についてはやっておるとおっしゃっていますが、それは事実に反しますよ。この四年間の補助金カットの合計が四兆九千三十九億円でしょう。このうちの財源補てんはどうなっていますか。四兆二百四十八億円が地方の借金じゃないですか。ほとんどじゃないですか。
 それから、一九八九年を見ましても、一兆三千七百八十六億円、これに対する財源措置は国はほとんど見た、こうおっしゃいますけれども、実際に見ているのは三分の一しかないじゃないですか。あと三分の二は地方の直接負担、あるいはこれも間接でありますけれども地方の負担、借金じゃないですか。七千四百十二億円のうち、これは暫定措置分でありますけれども、七百三十二億円面倒を見ると言いますが、九一年以降の先送りじゃないですか。
 私が何回も、これは約束を破られた、裏切られたと言っておりますのは、六十三年度までの国庫補助負担率の暫定期間終了後に、国と地方がお金をどういうふうに持ち合いをするのかということを調整しましょう、こう言っていた。その結果どうなりましたか。ほとんどが国の方で負担してもらえるものだと思っていたら、これは八九年度実施じゃなしにこれも先送り、しかも半分は地方の負担じゃないですか。一般財源をどうふやすか、これでいわゆる補助金カットのデメリットが帳消しにされていけばいい、こうおっしゃいますけれども、地方交付税で見る、地方交付税で補てんをする、借金は将来国が地方交付税で見ていきますよ、こう言いますけれども、これはここ数年間言い続けてきた言葉です。それだけ地方交付税、地方交付税と何もかもほうり込んでいくなら、三二%の率はふえておらなきゃならない、これはそのまま。実際もう三二%を切っておる。そうしてまた今回の約束でしょう。
 地方交付税に加算するとか、こういうようなことは、これは、国の責任において削減したものを地方交付税に加算をする、手当てをすると言ったところで責任が回避されるものでないということは、政府みずからの答弁でおっしゃっているでしょう。当時の花岡政府委員、「現在の交付税の率の中で補助率カットによる影響を措置するということになりますれば、結局、地方団体それぞれ共有の財源でございます自分たちの財源を食うわけでございますから、これは行革につながるものでも何でもない。地方団体が非常に苦しくなる、それ以外の何物でもないというふうに考えております。」
 地方交付税は、その使途を制限されない地方独特の財源です。一方、国庫負担金は、地方財政法十条で定められたように、福祉、憲法二十五条の人間が人間らしく生きる権利を保障するために、国が進んでその費用の全部または一部を負担すると定められておるとおり、国の責任にかかわるものじゃないですか。これを、借金をふやしてあげたから、その借金の返済はこれから先面倒見ていきますから、こう言ったところで財源補てんになりますか、なりませんよ。国が削ったものは国の責任において負担すべきが当然じゃないですか。その点いかがですか。
#14
○紀内政府委員 昭和六十年から昭和六十三年までの建設地方債によって補てんした額というのは、お示しになりましたように四兆二百四十八億円でございます。この四兆二百四十八億円につきましては、建設地方債で発行し、よって、将来地方公共団体がその償還費を負担するわけでございますけれども、その際におきましてそれぞれ、あるいは二分の一あるいは九割という形で国から交付税特別会計にこれを加算するという形をとりまして、実際にはその四兆二百四十八億円のうち二兆五千二百四十一億円というものは国が負担するということに相なっているわけでございます。
    〔中川(昭)委員長代理退席、委員長着席〕
 また、平成元年度七千四百十二億円というお示しがございましたけれども、この点につきましても、やはりお示しのとおり、七百三十二億円というものは特例加算により、それからさらに将来の償還分につきましても、あるいは五割あるいは九割あるいは八割ということで、国の方で補てんをされるようになっているものでございます。
 八千四百四十億円の暫定加算がかつてございました。これにつきましては、暫定的に加算するものとして、暫定期間終了後両省間で調整をするということに相なっておりまして、今回の補助金問題の取り扱いの結果、経常経費の世界ではおおむね国によって補てんするカバー率というのは四分の三程度に相なっておりますものですから、それに見合うと、かつての確定措置がおおむね二分の一ございますので、これに残りの暫定加算分の二分の一を補てんするということで、全体として四分の三の仕上がりというふうに考えたものでございます。
#15
○経塚委員 私が今の竹下総理が大蔵大臣の当時にお尋ねをいたしましたときに、なぜ三年間としたのかという問いに対して、当時の竹下大蔵大臣はこうお答えになった。税制改正との平仄もこれあり、三年間といたしました。つまり、補助金カットを三年間、一年限りの約束を破って延長いたしますよ、しかし三年後には、税制改正との平仄がありますからそれでもとに戻すと言わんばかりで、三年間の延長を根拠づけた。そうすると、三年たってみると、もとへ戻らないばかりか、一部はまた暫定措置、大半は恒久化。ここで一つの懸念が出てくる。
 私どもが試算をいたしますと、人件費への上乗せを含めまして地方の負担は、三%で約二兆円になる。五%にいたしますと一兆四千億円に減る。消費税率を七%にすると、地方の負担は七千五百六十三億円に減ってくる。恐らく竹下さんが私の質問に対して、補助金カットを三年間としたのは税制改正との平仄もこれありとお答えになったのは、消費税、大型間接税を五%ないし七%前後考えておられたんじゃないか。ところが、世論の厳しい反撃に遭って三%に抑えざるを得なくなりた。そうして今また補助金カットについては、一部は恒久化、一部は暫定措置、こう言っておりますが、この帳じりを合わせるためには、二年、三年後に消費税率を三%から五%、七%へと引き上げることを予測しておるのではないかと勘ぐらざるを得ないのですが、大蔵大臣、この点はいかがですか。
#16
○村山国務大臣 消費税の税率三%というものは、本当に長い間論議の末ここに落ちついたわけでございまして、当然のことでございますが、そんなに簡単に上げられるものではない。最終的にはやはり国民の歳出需要とそれから負担との相関関係で国民が選択すべきものと考えてはおりますけれども、しかし、今までの状況で言えば、とてもそれは簡単に上げられるような状況でないことはもう事実だろうと思います。
 竹下総理も、少なくとも自分のいる間はこれは上げませんということを公約しております。そしてまたこの問題は、最終的に国民の判断だというものの、手続的には国会の審議を要する問題でございますので、そんなに、おっしゃるように簡単に上げるというようなものではない、このように思っております。
#17
○経塚委員 そんなに簡単に上げるものじゃございません、竹下総理も、自分がおる間は上げません、こう言っているとおっしゃいますが、そんなもの、支持率九%です。もうじき消費税率並みの三%に落ちるのは時間の問題ですよ。補助率カットの恒久化の問題といい、消費税の地方への転嫁といい、今の地方にとってみたら踏んだりけったりじゃないですか。こんなもの、明らかにもう撤回すべきですよ。
 以下、具体的に、消費税の影響あるいは地方への負担転嫁が一体どんな結果になってあらわれてきておるのか、個々の問題についてお尋ねをしたいと思っております。
 結論から申し上げれば、このたび重なる地方への財政負担によって、地方行革と称して従来のいろいろな住民のための諸制度が廃止される、あるいはサービスが低下させられる、こういう事態が相次いで起こっております。
 そこで、まず最初に幼稚園問題についてお尋ねしたいと思っておりますが、これは基本施策と振興計画が既に出されております。四十六年でありますが、中央教育審議会答申「基本的施策」、「幼児教育の重要性と幼稚園教育に対する国民の強い要請にかんがみ、国は当面の施策として次のような幼稚園教育の振興方策を強力に推進する必要がある。」こう述べまして、当面の具体計画を出されております。この計画では、四十七年から五十六年まで、幼稚園数にして六千カ所、百五十万人入園できるような措置を講ずる、こういう方針でありますが、文部省さん、この方針は今でも生きておるとお考えですか。
#18
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘のとおり、文部省といたしましては、四歳児、五歳児のすべての子供たちを就園させるという従来の方針は今日まで踏襲をいたしてきております。
#19
○経塚委員 従来の方針を踏襲しておる、現在もなお二年保育を実施するという方針は生きておる、こういうことであります。
 それではお尋ねをいたしますが、計画に対しまして園数ではパーセンテージでどれくらいの達成率になっておりますか。同時に、二年保育について、四歳児からの保育について、公私それぞれパーセンテージはどういう達成状況になっておりますか。
#20
○古村政府委員 立てました計画に対しましての達成率は、五歳児につきましては九〇・五%、四歳児につきましては八〇・八%でございます。
 それから、公私の別に見ましたときに、公立につきましては、幼稚園数にいたしますと、達成率は七二%、私立は九七・八%、それから学級数という観点からいきますと、公立が七六.八%であり、私立が七六・五%ということになっておりまして、若干御説明いたしますと、計画目標に対して達成率がこういう状況になっておりますのは、当時の見込みが、保育所に入っていく子供の数との関係において、保育所に入っていく子供が計画時点よりも見込み数で上回っていたということで、いわゆる計画目標よりも下がっているということに相なろうかと思っております。
#21
○経塚委員 当時、計画を立てたときから状況が若干変わってきておるという御説明でありますが、特に公立で二年保育が計画どおりいっておらない。公立でのいわゆる四歳児からの保育の計画に対して何%ですか、今四歳児は。
#22
○古村政府委員 四歳児におきます公立の数をちょっと持ち合わせておりませんが、公立の全体での達成率は私立に比べて低いという現状でございます。
#23
○経塚委員 これは資料を持ち合わせておらないとおっしゃいますけれども、レクのときに数字を挙げて私は説明を受けましたがな。ここへ出てくると資料を持ち合わせておらないというようなことを言われたら困りますよ、これは。率が低いから明確に答弁できやしまへんのやろ。それが本音と違いまっか。二年保育の計画は立てたけれども、私立は一定程度進んだ、しかし公立の二年保育は大変おくれておる、計画どおりにはいっておらない、しかもはるかに及ばない。こういう状況のもとで幼稚園の統廃合が強行されておるわけであります。
 これは一つの例を申し上げておきたいと思います。
 地方公共団体は、公立幼稚園の統廃合をやるに当たって、幼児、園児の数が減ってきて定員割れが起きてきたから統廃合もやむを得ない、こうおっしゃっております。しかし、私はこれは単なる言い逃れにすぎない、ここは、国がちゃんと計画どおり指導しておらなかったからこういう結果になってきておるということを指摘したいのであります。
 例えば、私の住んでおります東大阪市の例でありますが、審議会の答申では、二年保育、期限を切って施行されてはどうか。アンケートをとった結果、校長、園長会、PTA、全員そろって、二年保育、しかも早期実現を望む。こういうことで、住民の中から、人口五十二万の都市で二十五万人の二年保育を求める署名運動が起こった。ところが、突如として市の回答は、この声にこたえるのではなく、二十七園中八園を廃止してしまった。それで、八園廃止と同時に二年保育をやりましょうと約束しましたが、保育料が何と五歳児で五万五千円を八万四千円、四歳児を十万八千円の提案をしてきた。
 親の声も聞かず、園長の声も聞かず、二十七園中八園も廃止されたために今どんな状況になっているかといいますと、六十三年度では抽せん漏れで入園できなかった子供さんの数が七百十人。今まで幼稚園へ通いますのに十分から二十分、三十分というのが長い方であったわけでありますが、統廃合されたために四十分から六十分かかる。しかも、交通事故多発地帯で東大阪は有名でありますけれども、交通事故多発地帯の交差点を通っていかなければならない。これは国政モニターの調査結果によりましてもはっきり出ておりますが、国も御存じでしょう、この国政モニターの報告書については。二年保育を望む声が七五%じゃないですか。
 私は、今求められておりますのは、定員割れをしたからといって簡単に統廃合するのではなく、二年保育をやった結果なのかどうなのか、こういう点も十分に精査して、文部省が立てた当初の基本施策の方針に従って統廃合なしの二年保育をやるべきだ。そうすれば、園児数が定員割れをするどころか逆にふえておるところの例も私は幾つも持っております。文部大臣、この基本施策に従いまして二年保育を全幼稚園で実施されるよう地方公共団体を指導なさいますか。
#24
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 文部省といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたように、従来の方針を今後とも堅持してその達成に努力をするところでございますが、委員も御承知のとおりに、保育所と幼稚園とのそれぞれの地域におきますところの配置の格差と申しましょうか、それぞれの地域によって、あるところは幼稚園が非常に多い、あるところは保育所が非常に多い、そういう実態がございまして、この間の調整、保有所は幼稚園の役割をも果たしているという側面もございまして、こうした点を総合的に政府としては考えて今後これを進めていかなければいけない、このように認識をいたしております。
#25
○経塚委員 もちろん、文部大臣が今おっしゃったような点もございましょう。それは十分、地方もよく御承知のはずであります。したがいまして、私立との関係、それから保育所との関係、こういうものを調整された上に立っての実施ということもこれは当然でしょう。しかし基本的には、私は、幼稚園では二年保育を四十六年の計画どおり実施するように市町村を指導すべきだ。といいますのは、私立の場合は二年保育をやっているところが多いんですけれども、公立は非常に率が低い、だから私はこのことをあえて強調しておるわけです。そうして、定員割れを口実として統廃合を遠慮なくやっておる、これじゃ困る。
 だから改めてお尋ねします。二年保育を促進するような観点で地方公共団体を指導なさいますか。
#26
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 私立の幼稚園あるいは保育所との調整をやはり前提といたしまして、委員ただいま御指摘の点を文部省としても進めてまいりたい、このように考えております。
#27
○経塚委員 前提といたしましてというのは若干了解いたしかねますが、ぜひひとつ、一日も早く計画どおり二年保育が達成されるように指導をしていただきたい。
 それから、保育所の問題が出ましたので、保育所の問題についてお尋ねをしたいと思っております。
 これも国庫補助負担金の削減によって大変な犠牲を受けておる一つであります。保育料の滞納状況を私ども調査いたしました。札幌市、八五年度三千八百万、これが何と八七年五千二百万、川崎市、五千九百万が八千万円、それから神戸市、九千七百万が一億二千三百万、名古屋市、五十三万が五百七十一万で十倍以上、わずか二年間ですよ。全国どこともこういう状況です。この二年、三年の間に滞納額が急増しております。これは一体どこに原因があるとお考えですか。
#28
○長尾政府委員 お答えをさせていただきます。
 地方自治体におきます保育所の徴収金の滞納状況でございますが、この保育所の事務自体が団体委任事務でございますので、私どもといたしましては個々の市町村から報告を受ける仕組みをいたしておりませんので、全国的な状況については把握をいたしておりません。
 しかしながら、先生今御指摘のお話でございますが、私どもがいわば関係県から聴取をいたしております状況では、特に最近に滞納が増加しているという傾向はないというふうに考えております。
#29
○経塚委員 これは随分失礼な御答弁です。調査をしておらないと言いながら特にふえておる傾向はないと、何を根拠に判断をなさるのですか。私は数字を挙げてお尋ねをしておるのです。今の御答弁の根拠よりも私の根拠の方が確実じゃないですか。ふえておらない、そういう傾向にないとおっしゃるなら数字を挙げなさい。数字も挙げずにいいかげんな答弁をしてもらっちゃ困りますよ。
 それから保育所数についてお尋ねをいたしますが、八四年以降、保育所は公私何園減少しておりますか。
#30
○長尾政府委員 保育所の施設数の推移についてのお尋ねでございますが、昭和五十九年、公立の施設数一万三千八百十三カ所、これは前年に比べまして四カ所の減でございます。私立は増加をいたしておりまして九千九十一カ所でございますが、合計いたしますと二万二千九百四カ所で四十六カ所の増でございます。昭和六十年、公立は一万三千七百九十五カ所、十八カ所の減、私立は九千百四カ所でこれも増をいたしております。全体といたしまして五カ所の減、二万二千八百九十九カ所でございます。六十一年、公立一万三千七百六十五カ所、減が三十カ所でございます。私立は九千百十四カ所、これも若干でございますが増加をいたしております。合計が二万二千八百七十九カ所、二十カ所の減ということになります。六十二年でございますが、公立が一万三千七百十二カ所、五十三カ所の減でございます。私立は増減ございませんで九千百十四カ所、合計しまして二万二千八百二十六カ所で、対前年五十三カ所の減でございます。
#31
○経塚委員 厚生省からいただきました資料を見ますと、六十三年を含めまして五十九年と比較をいたしますと、百十八カ所減っているんです。このうち公立が百一カ所減った勘定になっていますね。これはあなたの方からいただいた資料であります。
 そこで、お尋ねをいたしますが、この滞納額の急増といい、保育所数の減少といい、この原因が一体どこにあると御判断をされておりますか。
#32
○長尾政府委員 先生御承知のように、保育所全体の整備は昭和四十年代から急速に進めまして、昭和五十年代全国的にほぼ整備がある程度の水準に到達をいたしたわけでございますが、その後、児童数の減少等の経緯がございまして、現実には要保育児童の減少状況が見られる地域もございます。したがいまして、こういった状況を踏まえまして、公立の保育所につきましては、各市町村におかれまして配置計画の見直し、統廃合等を行っておられるものというふうに理解をいたしております。
#33
○経塚委員 何か自然現象で滞納額もふえ、自然現象で保育所数も減っているかのような御答弁でありますが、この資料をよく聞いておいてください。
 広島市の場合は、入所率、定員充足率は政令市の中で最低の八二・八%であります。政令市の中で充足率が最高は九四・二%、福岡市であります。京都が九三・七、札幌が九一・二、これらが九〇%台の定員充足率であります。保育料との関係を調べてみました。広島市、最低のところは保育料一人平均十九万八千二百四円、最高の入所率、充足率となっております福岡市の場合は、広島の十九万八千円に比べまして十二万八千円、これは七万円低いわけであります。京都は十四万六千円、札幌は十三万四千円。
 県で見ますと、埼玉県が定員に対する充足率が最低であります。七七%。調べてみますと、県下で三歳児未満で五万円以上の保育料を徴収しておるところが四十の市の中で半分の二十市あります。新潟市では、かつて保育料を三歳児未満一万二千円を引き下げたところが、五カ月で百七人の入所増があった。この数字を見る限りにおきましては、保育所の定員に対する充足率と保育料との関係は極めて深い。
 これは厚生大臣にお伺いをいたしますが、民間委託だとかあるいは地方行革だとか言って、保育所の廃止、定員の減少等々も行われておりますが、その前に考えなければならないのは、国が指導して年々保育料を引き上げてきておる。むしろ定数割れの状況をつくってきておるのは、こういう国の責任にあるのではないかと私は言いたくなるわけであります。保育料を抑えて身近に入所できるような状況がつくられれば、子供の安全はもとより、母親の働く権利も保障される。したがって、厚生省としては、手近に入所しやすいように年々の保育料の引き上げの指導はやめるべきだ、あわせて安易な保育所の統廃合、民間委託などは行うべきではない、こう考えておりますが、その点はいかがですか。
#34
○長尾政府委員 保育所の保育料についての先生からの問題の指摘でございますが、保育所の費用、これは保育所に働いておられる保母さんの給与、また子供さんのおやつ代等をすべて含むものでございます。こういった費用につきましてどういった形で費用負担を願うのが適当かということについては、いろいろな考え方があることと思いますが、保育所にお預けになっておられない御家庭との均衡等を考えますと、私どもは、親御さんの負担能力に応じまして御負担をいただくということはやむを得ないものと考えております。
 現在の保育料の引き上げにつきましては、人件費のアップ等上昇いたしましたものを現在の各階層間のバランスを検討しながら御負担をお願いしておるわけでございまして、この点につきましては御理解をお願いいたしたいと思います。
#35
○経塚委員 そんなことをおっしゃいますけれども、例えばこういう例もあるでしょう。市町村民税の中には、これは生活保護を下回るような結果になってはならないということでもって、自治省の方でいわゆる非課税世帯というものを限度額を設けてつくっております。ところが、保育料の年年の引き上げ徴収の結果、生活保護以下の階層がふえてきておるじゃありませんか。それから、徴収費の改正に当たっても、いわゆる今の階層では第六階層と言われておりますが、この階層が保育所に子供を入れておる世帯の中で一五・三%と一番多い、ここを重点的に引き上げてきておる。旧D1階層の引き上げを見た場合に、三歳児未満九千八百五十円が八八年度一万四千百八十円、率で四四%でしょう。三歳児以上は率で五五%の引き上げでしょう。四つの階層を一つの階層にしたために引き上げた率は、旧D2階層は二・二二倍じゃありませんか。青森県の三沢市などでは月額八万円を超しておると言われておりますよ。一体、この状況をどうごらんになりますか。
 これは、最大の根源はほかでもございません、国庫負担の削減によってこういう状況が生まれてきておるわけでしょう。国庫負担の状況を見てごらんなさい。費用徴収分でありますが、国全体で八〇年度は四二・九%、八九年度は五〇・五%、費用徴収の率がふえて国庫負担の率が減ってきておる。つまり、国庫負担の率が減った分が費用徴収へ肩がわりされてきておるというのが、年々保育料を引き上げてきておる最大の原因じゃありませんか。だから、私はこういうようなことは、保育所から子供を、母親を遠ざけていく結果になる、子供も安全なもとで保護され、そして母親も安心して働きに行けるような状況をつくることとは逆行する方向だと思います。
 この問題につきまして、これは局長は結構ですから、最後に厚生大臣のお考えをいただきたい。
#36
○小泉国務大臣 保育所に預ける親御さんの立場と同様に、家庭で子供さんの面倒を見ている親御さん、そういう立場、やはり両方を考え、負担能力のある親御さんが保育園に幼児を預けるという場合には、それに応じてしかるべき御負担をいただくのが私は適当ではないか、もとよりそれぞれの両親の考え方、立場、事情があると思いますが、全体のバランスを考えて見直しをしていく必要があると思っております。
#37
○経塚委員 これは答弁は承認できません。そんな結果になればいよいよ保育所が遠ざかるばかりであります。したがいまして、先ほど申し上げましたように、身近に入所しやすいような状況に持っていくようにこれは指導すべきだ。まして団体委任事務化されたわけでありますから、要らざる干渉はしてもらいたくない。
 これは会計検査院に時間がございましたらお尋ねをする予定でございましたが、時間の関係上、せっかくお越しいただいて質問をしないのは失礼に当たるとは存じますが、言うべきことだけ申し上げておきます。
 あなたの方で大阪に会計検査に入られた能勢町というところ、ここで保育に欠ける要件として、働いておる時間についてもあるいは収入についても随分と注文をつけられた。その結果、この能勢町では条例の改正を余儀なくされた。そして、条例を改正いたしました結果、措置児と自由契約児の比率が逆転をしてしまった。つまり措置児の数が減って自由契約児がふえてしまった。保育所は親からより遠いものになってしまった。会計検査院が、保育に欠ける者の基準を、厚生省の団体委任事務化するに当たってつくった条例準則にも反しておる、改正された児童福祉法にも反しておる、勝手にこんな基準を会計検査院がつくって、団体委任事務化されて、費用徴収についても入所の基準についても地方公共団体の自由です、こう言っておりながら、こんな勝手な介入、干渉を許されていいのでしょうか。これは許されるべきでありませんから、今後こういうことはやめてもらいたい、こういうことを申し上げておきます。会計検査院、結構でございます。
 次に、学童保育について幾つかお尋ねいたします。ここも補助金カットの影響を随分受けているところであります。
 一方でどんどん母子世帯の数がふえております。これは大阪の調査でありますが、学童保育に入った理由として、第一の理由が、お父さん、お母さんが働いて家におらないからというのが七六・四%であります。楽しいからと答えたのが、三年生で三八・八%であります。友達がたくさんできるから、こう答えたのが七二・五%であります。学童保育の果たしておる役割は大変大きいと考えておりますが、この点についてはどのように評価されておりますか。
#38
○長尾政府委員 私どもは、児童館を利用いたしまして学童保育、いわば留守家庭児童の健全育成対策を行っているところでございますが、今先生御指摘のような効果があるものと考えております。
#39
○経塚委員 児童館は幾らつくられておりますのや。もうほとんどこれは計画どおりつくられてないでしょう。大阪などは児童館がない箇所の行政区の方が多いですよ。だからやむにやまれず学童保育という状況が生まれてきた。
 同時に、児童館で子供を守るという問題と学童保育で子供を守るという問題と質が違うでしょうが。児童館は学童保育のように指導員を置くのですか、子供何人に対して何人とかいう。そうじゃないでしょう。寄って来て遊べでしょう。学童保育は、学校の空き教室などを利用して、指導員がついて、そしてしつけの問題あるいは勉強の補助、心身ともに健やかに育つように教師の免許あるいは保母の免許を持っておる人たちを中心にして行われておるわけでしょう。児童館と学童保育と質が違うじゃないですか。
 それで、質が違うところへ持ってきて、この児童館だって思うように計画どおり建設をされておらないじゃないですか。そんなことでは答弁になりませんよ。厚生省の方は学童保育はもう必要ないとお考えなんですか。
#40
○長尾政府委員 ただいまの児童館の設置箇所数三千七百三十九カ所でございまして、先生御指摘のように地域によりまして未設置のものがあることは大変残念に思っております。私どもといたしましては、毎年この整備を進めるという努力はしたいと考えております。
 一方、この児童館が整備されておりません地域につきましては、児童健全育成クラブという活動を助成するという形で学童保育の需要に対応しておるところでございまして、こういった育成クラブの助成につきましては今後も努力いたしてまいりたいと思います。
#41
○経塚委員 これは答弁を了承できませんが、指導員の身分、資格についてちょっとお尋ねをしたいと思っております。
 人事院規則第二条では「非常勤職員の勤務時間は、日々雇い入れられる職員については一日につき八時間を超えない範囲内において、その他の職員については常勤職員の一週間当たりの勤務時間の四分の三を超えない範囲内において、任命権者の任意に定めるところによる。」こう定められておりますが、例えば学童保育の指導員などで嘱託と委嘱をされて、通常の職員の勤務状況の四分の三以上の場合にはどういう扱いになるのですか、自治省、お答えいただきたい。
#42
○芦尾政府委員 お答えいたします。
 学童保育の指導員という名称のとられておる方について私どもの方で実態を把握はいたしておりません。
 したがいまして、その方々が地方公務員であるのか、それともボランティアとして活動をしていただいているのかという問題がまずあると思いますが、なおまた、仮にその一定の手続、採用がありまして地方公務員であるという場合でございましても、特別職である場合と一般職である場合が考えられるわけでございます。
 今、委員御指摘でございますが、人事院規則に言う勤務時間、一般職の四分の三を超えておるという勤務時間がある方がどうかということになるわけでございますが、その場合におきましても、その方をどういう形で任用しておるかという形式がやはり重要な判断要素になってくるだろう、その中でこの方々の身分の取り扱いというものが決まってくるというふうに考えられます。
#43
○経塚委員 四分の三を超えた場合は、嘱託の場合ですが、一般職と同様の取り扱いになるのじゃないのですか。
#44
○芦尾政府委員 そこで、ただいま申し上げましたとおりに、勤務時間がどのようになっておるかということとあわせまして、任用の形式が一体それを一般職として採用するというふうな地方公共団体の意思があるのかないのかといったことが重要な要素になってくるだろうと思われます。その点につきましては、したがいましてその地方公共団体のそれぞれの実態に応じて判断がなされるであろうということになると思います。
#45
○経塚委員 何回もお尋ねして恐縮ですが、これは事前に、あなたの方の御見解では、「四分の三を超えた学童保育の指導員(嘱託)の身分保障は、一般職と同様の取り扱いになる」、こういうレクをいただいておるのですが、これはこのとおりと解釈してよろしいのですな。
#46
○芦尾政府委員 私どもの方でどういう説明をいたしておるか、ちょっと私は存じておりませんけれども、ただいま申し上げましたように、いずれにいたしましても、その任用行為がどういう形でなされておるか、その形式がやはり重視されなければならないというふうに考えております。
#47
○経塚委員 これはあなたの方から文書として御回答いただいたわけでありますから、私はこのとおりだと解釈をしておきます。「勤務時間が四分の三を超えた学童保育の指導員(嘱託)の身分保障は、一般職と同様の取り扱いになるのではないか。」こう解釈しておきます。
 最後に、国庫負担金補助金カットあるいは消費税の影響を最も受けております養護それから特別養護老人ホームについてお尋ねをしておきたいと思っております。
 これも保育所と同じように滞納額が急増しております。名古屋の場合は六十年に比べまして六十二年は約三倍、大阪市は養護で七〇%、神戸市の場合は特養で二・五倍、札幌は実に四・七倍、こういう状況であります。
 この滞納額が急増しております原因につきまして、徴収金との関係を私どもは比較をいたしました。そういたしますと、徴収額の推移でありますが、特養の場合、五十九年度一万二千円が二万三千円でありますから一・九倍。養護の場合は実に二・七五倍に上っておるわけであります。こういう費用徴収金の引き上げが原因になっておることはもう改めて申し上げるまでもないわけであります。
 大阪の盲養護老人ホームというのがございます。槻ノ木荘でありますが、これは盲人の方々が入っておる老人ホームであります。障害者福祉年金、月三万六千円というのが約六〇%であります。ところが、徴収金を徴収されて手元に残る金は月に二万九千八百六十六円であります。目が見えませんからラジオが欲しい、目が見えませんからテ―プレコ―ダ―も欲しい。このテ―プレコ―ダ―、盲人については非課税だったんでしょう、物品税かかっておらなかった。ところが三%消費税かかるんでしょう。徴収金、最高の人、仮に八十万といたしますと、五十九年徴収金が二十八万八千円であったのが今六十三年度で徴収金は四十四万一千円、手元に残る金は、五十九年は月四万二千六百六十六円だったのが、物価が上昇しておるというのに、ふえるどころか二万九千八百六十六円に下がっておるじゃないですか。
 けさのNHKテレビでは、朝日茂さんのあの長年にわたる闘いの記録が本として出版された。手元に残る金が三十数年前、たった六百円、これで憲法に保障された人間として生きる権利が守られるのか、血の叫びの裁判が続けられた。お気の毒に途中で亡くなられました。しかし、その記録が出版をされたということがけさのNHKテレビで報道されておりました。最近、預貯金をつぶす傾向がどんどんふえておるというのが施設長のお話であります。
 かつて、私は、中曽根さんが総理のときに、この補助金カットの問題についてお尋ねをしました。国民に迷惑はかけませんと御答弁をなさったのです。しかし、こんな状況で国民に迷惑はかけないと今日もなお断言できますか。厚生大臣、御答弁をいただきたい。
#48
○多田政府委員 老人ホームの費用徴収の問題でございますが、費用徴収につきましては、個別的日常費と称しておりますが、一定の手元残金を残すということにいたしまして、かつ、食費相当額は原則全額徴収をさせていただくという考え方をとっておりまして、それ以上の負担能力を持っておられる方についてはその負担能力に応じて徴収をまたする、こういう基本的な審議会の意見具申の方向に即しまして、従来、少しそれと違う方向にあったものを調整中という流れでございまして、先生のおっしゃる消費税等との関連あるいは国庫負担との関係を直接云々というふうには考えておらないところでございます。
#49
○経塚委員 時間も最後になってまいりましたので、申し上げておきたいと思います。
 大阪のある施設でありますが、これは乳児から養護老人ホームに至るまでたくさんの施設を経営しておりますが、ここのいわゆる消費税の徴収総額だけでも二千九百万円になっている、これはいろいろなバザ―やカンパを集めて経営のやりくりをやっておる額をはるかに超す消費税の徴収金額になるわけであります。
 これは新聞に寄せられた投書でありますが、
  高齢者に苦痛強いる消費税
  いよいよ消費税が、いやおうなしに私の乏しい財布に襲いかかる。
  持ち家に住んでいるものの、三つの年金を合わせても年額六十二万余円の収入しかない。そのほとんどを、生命を養うために支出している。ここ数年、旅行もしたことがない。電話、テレビ、新聞を中止すれば、年間約七万円が浮くのだが、と迷っている。
  死ねば葬式にも三%の税金。人の死は厳粛なもの。一生のうち、ただ一回の臨終の宗教的儀式に、どうして課税せねばならぬのか。
  一夜にして億単位の金を集める政治家のパーティーが非課税。自己の資金からは一円も出さず、ぬれ手でアワの未公開株のもうけは政治家の特権なのか。だいたい人の命を養う水や食糧や、葬式に税をかけるとは何事か。
  速やかに消費税を凍結して衆院を解散、国民に信を問うべきである。
六十九歳の高知県のお年寄りの投書であります。
 補助金カットは速やかに約束どおりもとに戻すべきであります。最も弱い層を痛めつける、犠牲にする、こういうような消費税、何が福祉かと言いたいのであります。速やかにこれもまた廃止すべきであります。
 以上申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#50
○中村委員長 田中美智子君。
#51
○田中(美)委員 補助金等整理合理化法案をなぜ日切れ法案扱いにしたのかということを、まず大蔵大臣にお伺いいたします。
#52
○篠沢政府委員 本法案の成立がおくれます場合、政府といたしまして、この法案に関連いたしておりますもろもろの補助金等につきまして、国会で御審議を受けている状況にございますと、交付決定を行うことが困難になるわけでございます。法案が成立するまでの間は交付決定を見送らざるを得ないということにもなりまして、特に公共事業につきましては、積雪寒冷地域等の早目に交付決定を必要とする事業などに大きな悪影響を及ぼすおそれがございます。また、多額の社会保障関係費につきましては、地方公共団体の資金繰り等に御迷惑をおかけするというおそれもございます。こうした事態に立ち至ることのないよう、本法案のできる限り早期の成立をお願いしてきたところでございます。
 もう一つ、さらに、本年度の特殊事情として、御承知のとおり長期間の暫定予算を本年度は余儀なくされるに至っておりますけれども、暫定予算では、その性格上、新規の法案関連の経費につきましては、これがいわゆる日切れ法案として処理をされない限りは計上し得ないということになっておったわけでございます。本法案をこのようなお扱いをお願いできます場合には、暫定予算にこれを計上できるという問題もございました。
 このようなもろもろの事情を踏まえまして、本法案につきましていわゆる日切れ扱いをしていただけることになったというふうに私ども承知している次第でございます。
#53
○田中(美)委員 今までこれは暫定措置であったわけですから、この暫定措置が終わればもとに自動的に戻るというのが当然です。それを予算が組めないという、この論理は非常に間違っていると思うのです。
 六十年度にこのカット法案が出されましたときには、本会議質問もやっておりますし、それから大蔵委員会では六回も審議をしておりますし、四回も連合審査をしております。一年きりというだけで約束をしておきながら、その翌年には今度は三年、また三年カットするということで、このときにも本会議の趣旨説明もしておりますし、各代表質問もしております。また、大蔵委員会では四回の質疑、参考人質問もしております。一回目も参考人質問をやっております。連合審査も四回やっております。ところが、今度は、きょうだけでこれを上げていくということ自体、非常に異常な事態だと思います。
 この点について、大蔵大臣にお伺いします。大臣の責任ですので、どうしてこういうことになったのかということをお聞きいたします。
#54
○村山国務大臣 今度の補助率の一括法案は非常に重要なことでございまして、この審議を煩わし、日切れ法案として取り扱うに至りましたことは、今、政府委員が述べたとおりでございます。
 審議日程の関係でございますが、これは国会の方でお定めになることでございまして、我々は、短い時間でございますけれども、できるだけ皆様方の御理解がいただけるようお答え申し上げたい、こう思っております。
#55
○田中(美)委員 大臣へ今、国会でお決めになるということですが、国会では決めておりません。自民党は社公民と密室で話し合いをして、それできょうやるということを決めたことは、国会の民主主義をじゅうりんするものではないですか。国会では正式に決めておりません。憲法で保障された日本共産党・革新共同会派というものを除いて密室でやったものが、なぜこの大蔵委員会で審議されなければならないのでしょうか。これは民主主義を否定しているものです。
 その点についての大臣のお考えをお願いします。重大な問題ですから、大臣、お答えください。
#56
○村山国務大臣 きょうは、大蔵委員会でこういう日切れ法に準ずる一括法案をやっているわけでございます。共産党がどうなったかということは、私はよく存じません。どうぞひとつ各党でお話し合い願いたふ思います。
#57
○田中(美)委員 とぼけたことを言わないでください。共産党は憲法で保障された政党で、国会にちゃんとした会派としてあるわけです。その意見も聞かないで、国会の正式の場でないところで決めたものを実行したという政府の責任というのは免れないと私は思います。今度の補助金カットについては、国民も地方自治体も非常に怒っているわけですが、これがきちっと法案審議されるならば多数決ということもあります。しかし、密室でやられたものを平気でここでやる、それにとぼけて共産党のことは知りませんという大臣のお答えは、非常に間違っているというふうに思うわけです。
 こういうものがもし自動的にもとに戻ってそれに問題があるというならば、もう一度慎重な審議をし、本会議質問をしたり、大蔵委員会をやったり、連合審査をやったり、参考人質疑をやったりということを当然すべきだと思うのです。これもしないで、密室に参加した社公民にも問題がありますが、それに対して政府がそれを取り上げてやったということは、政府の責任は重大だと思うのです。こういうことは、議会の審議権をみずから弱めてしまうという自殺行為ではないか。この政府・自民党の態度は全く許せないと思います。自社公民の密室協議で決めたということは、共産党・革新共同は国民とともに怒りをもってきょうここで訴えたいと思います。
 それで、御忠告申し上げますが、消費税やリクルート問題で今国民は激高しております。急激に国民の目が国会を監視しているということは大臣も御存じだと思います。このような国民生活に重大な悪影響を及ぼす重要な法案をこのような形で国会で審議しているということは、国民も地方自治体も決して許さないであろうということをまず申し上げて次の質問に移りたいと思います。
 昭和六十一年度のときには、先ほども申しましたが暫定と言い、またその次も暫定と言い、当然もとに戻るというふうに思うのですが、これはなぜ自動的にもとに戻らないのですか。戻るのですか。その点、簡潔にお答え願いたいと思います。
#58
○篠沢政府委員 昭和六十三年度まで暫定措置が講じられてまいりました事業に係る補助率につきまして、累次にわたる臨調、行革審答申もございますが、特に昭和六十一年度に補助金問題検討会での検討を経て総合的な見直しが一たんあったわけでございます。これらの中身もさらに踏まえながら改めて検討を行いまして、私ども、たばこ税の二五%を新たに地方交付税の対象として財源措置を講じながら、またそれぞれの補助金の性格に応じまして適切な見直しを行ったというふうに考えておりまして、地方公共団体の御理解を得られるものと考えているわけでございます。
#59
○田中(美)委員 あなたが勝手に理解をしていただけるだろう、こういうふうにお答えですけれども、地方自治体は非常に怒っております。
 例えば保育所の補助率をカットしていったということは、五十九年には十分の八というふうになっていたわけですから、これはあくまでも暫定措置ですから、十分の八というのは現在も生きているはずです。厚生大臣もよく聞いていていただきたいと思いますが、十分の八は生きているのです。新しい法律ができたんじゃないですからね、もともと保育所は十分の八と決まっているのですね。臨時にちょっと十分の七にした、十分の五にした、その期限が切れれば当然十分の八は現在も生き続けているのです。ですから、それを今度は、生きているにもかかわらずそのまま十分の五に固定化していこうということは、十分の八が生きるか死ぬかという重大な問題です。ですから、今までの暫定措置とは質的に違うと思うのですけれども、それをこんな形で審議するということについて、厚生大臣はどう考えますか。
#60
○小泉国務大臣 今実際に御審議をしていただいておりますし、共産党もこうして意見を開陳されているわけであります。そして、どのような形で審議が進んでいくかというのは、委員会の理事の皆さんあるいは委員の皆さん、その決定に従って私どもきょう出席しろと言うから出席しているわけでございまして、厚生省があるいは大蔵省がいつ採決するかという決定権がないもので、委員会の皆さんの運営にお任せし、その指示に従って我我今出ているものですから、どういうような形でこの審議が進められていくか我々は見守っているということであります。
#61
○田中(美)委員 それでは厚生大臣はロボットですか。私があなたに聞いているのは、十分の八は生きていると言っているのです。今までの暫定措置はずっと生き続けている中で、臨時に――臨時にやったんだから生きているのですね。しかし、きょうここでやっているのは、この十分の八が生きるか死ぬかという問題になっているのをどう考えるかと聞いているのです。
#62
○小泉国務大臣 確かに今までは十分の八でありました。今回それを十分の七・五いわゆる四分の三にしよう、そのための御審議をしていただいているのでありまして、それは国会がお決めになることであり、私どもも四分の三、十分の七・五でこれはしかるべき措置だと考えております。
#63
○田中(美)委員 私は、今保育所の話をしているのですよ。同じことですけれども、ちょっと数字が保育所の場合には違いますからね。
 次に、昨年の十一月二十一日に参議院の本会議で梶山自治大臣が、「昭和六十四年度以降の補助負担率の取り扱いについては、原則としてもとの補助負担率に戻すべきものであると考えている」と答弁しておりますが、これについては大蔵大臣はどうお考えになりますか。
#64
○村山国務大臣 自治大臣がどうお答えになったかということは私つまびらかにしておりませんが、今度のものは、言うまでもございません、従来から、旧臨調、新臨調、それから行革審等で、補助金の見直しが喫緊の重大事である、補助金というのは一定の行政水準を保つあるいは奨励をするという長所はあるけれども、反面,どうしてもやはり惰性に流れ、地方の自律性を失わせる、こういう点が指摘されておりまして、暫定期間の三カ年が過ぎるに当たりまして、各省庁で再々にわたりまして協議を行いまして今度提案しているような補助率にしたいというわけでございます。
 今度の補助率は、六十三年度の補助率よりも下がるものはないということはもう御案内のとおりでございます。そしてまた、この補助率を下げたからといって生活保護の方々に対する給付費あるいは措置入院される人たちの措置に係る給付水準が下がるわけではございません。ここは間違えないようにお願いいたします。
 問題は、この費用負担のあり方について地方と国がどういう配分をするのが適当であるか、こういう問題でございまして、今の補助率というものの今まで来た経緯、それから国と地方の財政状況、そういうものを踏まえまして地方全体としても困らない、そしてまた一つ一つの地方団体も困らない、こういう財政措置を講じながら今度のことをしたわけでございますので、その点を御理解願いたいと思います。
#65
○田中(美)委員 同じ自民党の大臣の中でも意見がまちまちであるということは、これは明らかだと思うのです。先ほど経塚議員が質疑をなさったことを、大臣は途中お眠りになっていらしたようですけれども、どこまで聞いていられたのか。いかに地方自治体が困っているか、また国民の一人一人に対する給付がおかしくなっているか、貧困になってきているかというお話があったはずですが、それはないというふうにお考えになるところには非常に問題があると思います。
 次に、これも六十二年の三月二十六日に、参議院の建設委員会で共産党の上田耕一郎議員が建設大臣に約束を踏みにじっているということを言われたときに、「朝令暮改的に去年約束したのをすぐ破るなんというようなことは甚だこれは申しわけございませんことでございまして、」ちょっと間を抜かしますが、「この点は本当に遺憾だと思っておりますが、今の先生の御質問はひとつ大蔵大臣にでもしてもらわないと本当の答弁はできない」、こう言っているのですね。これが先ほどの大蔵大臣の答弁ですか、もう一度お聞きします。
#66
○村山国務大臣 重ねて申し上げますが、生活保護を受けておられる方々、入所者に対する給付水準は変わりません。
 問題は、費用の負担のあり方について国と地方がどのような費用を持ち合うか、こういうことでございます。したがいまして今度の補助率の改定に当たりましては、地方団体が全体として困らないように、それからまた個々の地方団体も困らないように、こういうところは十分配慮をしてやっているのでございます。先ほど自治大臣が言われましたように、これは大蔵省と自治省が完全な合意に達してやっておるところでございまして、なお先ほどの自治大臣のお話では、地方六団体についても了承を得ておる、こういうお話でございまして、私もさもありなん、かように思っておるところでございます。
#67
○田中(美)委員 私の聞いたことに直接お答えになっていらっしゃらないで、今まで朝令暮改的に約束を踏みにじったのは申しわけない、こういうふうに言っているのです。今までのやり方が間違っているというのです。今のことを言っていません。生活保護がどうなっているかということはこの後で質問いたしますので、まず今私は、今までいかに約束を破ってきたかということを申し上げたわけです。
 時間がございませんので次の質問に移ります。
 保育所の問題を先ほどから言っていますが、先ほど経塚議員からもいかに父母負担が大変かというふうに言っていますが、これは補助金カットもありますけれども、まず第一に、父母の徴収基準ですね、この徴収基準をそのままにしておいて、そして実際に父母の賃金の名目賃金は上がっていくわけですから、総事業費の父母負担というのは五〇%をもう超えています。厚生大臣は御存じのはずですけれども、これはかつては総事業費の三六%ということだったわけですが、現在は五〇%を超えています。また、零歳児の枠を広げたということはいいことですが、これは全額出さなければならないわけですから、さらに保育所の総事業費の父母負担というのは五〇%をはるかに超えていくというほど父母の負担が大きくなっているということは、これは事実です。均等法によりまして、子供を預けて働かなければならない母親というのは、夜も働かなければならないという母親は非常にふえているわけです。
 現在公務員の場合でも、夫婦とも二十歳代、せいぜい夫が三十というぐらいのところで保育所でどれぐらい払うかといいますと最高のランクになるのですね。ですから、十段階というふうになっていましても、もう公務員でもと言われるぐらいに、公務員というのはそれほど高くないというふうにかつては言われました。その公務員が最高のランクになるんですよ。大臣のようなお年じゃないんですよ。二十代で最高のランクになるわけですから、この徴収基準自体が非常に現実に合っていない。
 その上に補助金カットという形で、いろいろな形で父母負担がふえているわけです。例えば乳児一人を保育所に預けますと八万六千三百四十円になります。延長保育が非常に少ないですから二重保育をしなければならない。また、すぐそばに保育所がなければタクシ―に乗ったり何かして子供を送ったり迎えたりしなければならぬ。こういうふうになりますと、公務員の夫婦で月収の四分の一以上というものがたった一人の乳児にかかるというほどかかっているわけですね。ですから、先ほど経塚議員が述べられたように、滞納があれほどひどくなっているにもかかわらず全く厚生省は統計さえもとっていないというような状態、これでは、まず徴収基準をもう一度根本的に見直す必要があると思いますが、厚生大臣、お答え願います。
#68
○長尾政府委員 保育所の保育料、つまり父兄にどのくらいの御負担をお願いするかということは、二つの観点から考える必要があるかと思います。一つは、全体としての公費で負担する率の問題、また個々の所得階層別にどのような割り振りで御負担をお願いするかという問題の二つがあるかと思います。
 先生から、現在徴収金全体の総保育料にかかわる比率が高まっているではないかという御指摘がございましたが、これは長い時間的な経緯を見ますと、保育所の父母の所得階層が、先生もお話しになっておられましたけれども、所得税課税階層へ非常に大きく動いていったという経緯がございまして、現在所得税を納めておられます御父兄の方は全体の七割程度になっておるわけでございまして、そういう状況を反映しているのかと思います。こういう全体から見ますと、私どもは、公費で負担します比率がおおむね半分であるという現行の水準は維持をしていくのが適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それからもう一つの面は、各所得階層ごとの父母の負担をどのような形でお願いすることが適当かということでございます。現在はこういった保育所の費用徴収関係は団体委任事務でございますので、私どもといたしましては、いわば市町村との決済区分で一つの徴収のモデルを示しておるわけでございますが、この状況を見ますと、実際の所得のレベルに比べまして、先生も御指摘になっておられましたが、上位階層、私どもの区分で言いますと第七階層以上の区分がややきついということは御指摘のとおりかと思います。したがいまして六十三年度のこの決済区分の改正に際しまして、こういった階層につきましては徴収金、つまり御負担をお願いする金額につきましてある程度の足踏みをさせていただくという形で、全体の費用負担構造につきましてなだらかなカ―ブになるようなことを考えた次第でございます。
#69
○田中(美)委員 もともと子供を育てるということに対して親に大きな負担をかけるということ自体が間違っておりますので、この徴収基準を早急に直していただきたいということを申し上げておきます。
 次に、定員割れになるので廃園にしたり、民間委託に公立の保育所をしていくということを自治体はやっております。それはあくまでも費用を節約したいという状態でやっているわけですが、地方自治体からすれば二・五倍の負担増になったわけですから、結局地方自治体は子供の保育を放棄せざるを得ないというような気持ちに今追い込まれているということがこういうことになるんだと思います。
 私は、保母というものはもともと教育者だと思っております。小中高の先生、それから大学の教授、そして保母、これはすべて教育者だと私は思っております。その教育者は、結局相手の年齢が違うだけですね。大学は高い年齢の子供を教育するし、保母は小さな子供を教育しているというふうに思うわけです。
 ですから、定員割れになったから地方自治体は、国からの補助金も削られたし、結局金がかかってしようがないしやっていけないからというので民間にどんどん委託していく。こんな状態を進めていっては、今でも進めているのに、これが固定化されればもりともっと進んでいくということになると思うのです。
 小学校の場合には四十人学級制とか、今では三十五人、三十人学級にせよということを言っていますが、そうしますと、学校の場合には、例えば四十人学級ですから、これが四十三人になれば当然二クラスになるわけです。ですから三十何人学級というものが、制度じゃないにしてもこれは出てくるわけですね力ところが、保育所の場合には配置基準が非常におかしくなっているのですね。どういうふうになっているか。これは厚生大臣御存じかどうだかわかりませんけれども、例えば三歳児未満の子供が十人いれば、六対一なわけですから、小学校の考え方からすれば、十人だったら保母は二人でなければいけないのですね。ところがそれを一・六だとか、四歳児では一・三だとかいうような計算をして、それを足してやるということは、この配置基準さえ現状では満たされていない、こういうおかしな配置基準があるわけです。
 私は、今、定員割れと言われるようなことがあるならば、思い切ってこういう配置基準というものを見直して、理想的な保育所づくりに新しく転換すべきだ。今までが余りにもびっしりと子供をたくさん入れて保母の数が少ないという形で、理想的な保育がやられていなかったわけですから、子供が減ったというならば、この際理想的な保育所に転換していく。日本は経済大国なのですから、後退するというのではなくて、新たに前進していくという方向にいかなければならないと思うのです。ですから配置基準を、例えば四歳以上の幼児の場合は三十対一ですね、三十人の子供に保母一人。こんなことではとてもやっていけない。この配置基準を根本的に見直していただきたい。例えば、三歳児ならば十対一とか十五対一、四歳児以上ならば十五対一とか二十対一とかということを検討していただきたいというふうに思いますが、大臣どうですか、これは大事なことですから。
#70
○長尾政府委員 保母の定数、つまりお預かりしております子供さんの年齢、数に応じましてどういった数の保母さんに働いていただくかという現行の最低基準は、中央児童福祉審議会等におきまして専門的な見地から御検討いただきまして現在の数値になっておるものでございます。
 先生は、定員割れの状況にあるのだからこういった定数をいわばもう少しふやしていくということを考えてはどうかという御指摘かと思います。保育所が担うべきいろいろな課題、これは例えば特別保育対策でございますとか、現在も大きな課題があるということは十分承知をいたしておりまして、こういった状況にありますからこそ、そういった特別保育対策等の充実は私は必要なことと考えておりますが、現在定員割れであるから即保母定数を改めるというような方向でこの問題を対処するということはいかがなものかと思うわけでございます。
#71
○田中(美)委員 中央審議会の責任にしてもらっては困りますよ。やはり政府がきちっと中央審議会にこういうふうに考えるがどうなのか、もう一度今根本的に見直すべきじゃないか、こういうふうな姿勢になってもらわないと困ると思うのです。
 大臣にちょっと伺いますが、村山大臣、あなたはお孫さんかひ孫さんかいらっしゃいますか。ひ孫さんがいらっしゃる……
#72
○村山国務大臣 孫です。
#73
○田中(美)委員 どうも失礼いたしました。もしお孫さんだとすれば、四歳のお孫さんを一時間、お一人で留守番か何かで預かってみてください。一度やってみたら、けがをさせないように見るだけで、保育じゃないですよ、けがをさせないように見るだけで、預かるだけで、一時間でくたくたですよ。これはやってごらんになったらわかります。
 私はどうも見ていると、児童局長は女性ですが、女性ひとりが子供のことをやろう、男性は子供のことは天下国家の問題ではないと思っているんでしょうかね、そういうふうに感ずるのですけれども、大臣がもっときっちり子供の問題を考えてほしいと思うのです。これは重大な天下国家の問題です。一時間でもくたくたになります。ところが、保育というのは、ただけがをさせないようにおりの中に入れて見守っているという、まさに昔あった駅の荷物の一時預かり所とは違うのです。人格形成ができる一番大切なときです。その中で友情を養ったり、思いやりを持ったり、子供なりの人権思想を持ったり、こういう教育をしなければならないのです。そういうところで三十人の四歳の子供を保母が一人で見るということが可能ですか。大臣の個人のお考えを、政府はいいですから大臣個人のお考えを聞かせてください。
#74
○村山国務大臣 これからの日本の我々の子供、孫、私の年でございますと特に孫でございますが、どういうふうに育っていくかということは、今後日本の運命を決定する、あるいは社会の幸福を決める重要な問題だと思っております。その意味で、教育という問題、教育といっても学校教育に限りません、その子供さんがだんだん人格を形成していく、非常に大事なことであろうと思っております。私は孫とそんなに長い時間を持ったことはございませんが、容易ならぬことであろうと思っております。
#75
○田中(美)委員 容易ならぬことであろうと想像をなさりながら、こうした四歳児をたった一人の保母で見るというような配置基準、これを根本的に見直すという回答もできないような政府の姿勢というのは、私は大変おくれていると思います。
 もう一度村山大臣にお聞きしますが、「赤とんぼ」という童謡がありますが、御存じですか。
#76
○村山国務大臣 残念ながら存じません。
#77
○田中(美)委員 厚生大臣、「赤とんぼ」という童謡を御存じですか。
#78
○小泉国務大臣 「夕焼け小焼けの」というのですか、それだったら全部は歌えませんが、いい曲だなと思っております。
#79
○田中(美)委員 この「赤とんぼ」という童謡は、非常に多くの人たちに知られている童謡ですが、この中に「十五でねえやは嫁に行き」というところがあります。この歌ができたころは今のような新しい憲法ができていないときで、救貧政策で託児所という、保育所ではなくていわゆる子供を一時預かるんだという託児所のあった時代にこの歌はつくられたわけです。ですから、この時代には非常に忙しい家庭とか金持ちの家庭では、子供を見るところがありませんので子守を雇ったわけですね。この歌の「ねえや」というのは子守のことなんですね。このときの子守というのは皆女の子がやった。これを「ねえや」と呼んだわけです。そういうところからこの「十五でねえやは嫁に行き」という歌ができたわけですけれども、今の三十人の子供を保母一人で見るというようなことは、まさに日本の政府の態度は、保母を子守である「ねえや」の延長としか考えてはいないのではないかというふうに私は考えます。
 こういう点で、これから大きな運動になると思いますので徹底的に配置基準を考えて、定員割れだから保育の要求はないなどというような逃げ腰ではなくて、本当に定員割れなら、保育料が高くて定員割れするならば安くしなければならないし、数が減って定員割れしているならばこの配置基準を徹底的にやっていくべきだというふうに私は思います。
 次の質問に移りますが、昭和五十六年八月二十四日に児童家庭局から通達が出ております。その前に私が、五十五年でしたか、保母は教育者である、ところが児童福祉法では女性しか保母になれない、これはおかしいというので児童福祉法を改正していただきまして、保父さんもできて、男女でもって子供を保育するということができたわけです。また、そのときにベビ―ホテルの問題が起こりまして、次々と赤ちゃんが死ぬということが社会的な大きな問題になりました。これも九年前に私が国会で質問いたしまして、五十六年でしたが児童福祉法を改正して、ベビ―ホテルの指導や立入検査を認めるという改正をしていただいたわけです。そのときに通達が出まして、延長保育や夜間保育をやるようにというような通達が出ております。
 この結果、あれから九年か八年になりますが、延長保育はどの程度になっているのか、夜間保育がどの程度になっているのか、この点をお答えください。
#80
○長尾政府委員 昭和六十三年度現在の数字を申し上げます。
 延長保育は全国で実施箇所が四百八十七カ所、夜間保育は二十七カ所となっております。
#81
○田中(美)委員 五十六年に延長保育をやれという通達を出したときに、千カ所にすると言ったのですね。そうして意気込んでいたにもかかわらず、八年たっても四百八十七しかできていない。だからベビ―ホテルという民間の非常に粗悪な保育をしている。すべてがそうとは言いませんが、そういうベビ―ホテルがたくさんできている。厚生省は千カ所やると言いながら、今は二千カ所やると言いながら、現在五百にも足らないということですね。それから夜間保育に至っては二十七カ所。人口が一千万を超している東京都では一カ所しかないのですよ、夜間保育をしているところは。通達というのは何のために出しているのか。このためにこそ金を使わなければいけないのじゃないですか。自分で通達を出して、千カ所やるんだ、二千カ所やるんだというPRだけしておいて実際にはやっていない。夜間保育もやれやれと言いながらこの大東京でたった一カ所しかない。それなのに補助金をカットするなどというようなことはとんでもないことだと思います。
 これについては厚生大臣、どう思われますか。――長尾さんはもう結構です。あなたはもうわかっているけれどもそう言わざるを得ないのでしょう。厚生大臣の責任で、どう思いますか、通達を出したのにそれができてないじゃないですか。
#82
○長尾政府委員 説明だけさせていただきます。
 先生御指摘のように、延長保育、夜間保育、いずれも十分な成果を上げておりませんことを反省をいたしております。この点につきまして、今御審議をお願いしております予算案の中で私どもとしての工夫をさせていただきました。延長保育がなぜ現実に伸びないかということを各地方公共団体等関係の方々の御意見を伺いまして検討いたしたわけでございますが、一つは、一カ所当たりの人数が多くて、例えばおおむね二十人以上ということを私どもの補助要綱では決めておりますが、二十人集まるという保育所は現実に少ないようでございます。したがいまして、これを少人数にも対応するという形で今回予算をお願いいたしておるわけでございます。
 問題は夜間でございますが、夜間保育所につきましては、この形をどういうふうに持っていくことが一番望ましいか、これは専門家の方々の中にもいろいろ御意見がございまして、私どもといたしまして一応現在モデル的に実施をさせていただいておりますので、この状況を踏まえまして今後の夜間保育のあり方につきまして考えさせていただきたいと思っております。
#83
○田中(美)委員 第一、二十人以上いなければやらぬとか、そんな弁解を言うことはおかしいのですよ。これは児童憲章でも、児童権利宣言では国連の宣言として「人類は、児童に対し、最善のものを与える義務を負う」と言っているのですね、大切な子供は、たとえ五人でも六人でも夜間保育なり延長保育なりをするためには、補助金カットどころか、保育所に対しては最大の金を出していくというのが責務だと思います。それを何もかも
 一列に並べて全部カットだというようなやり方は、私は政治ではないというふうに思うのです。
 もう一つのこういうことが進まないというのは、保母の賃金です。今保母の賃金はどうなっていますか。
#84
○長尾政府委員 保母の給与につきましては、現実に雇用されております保母さんの給与の実態を調査いたしまして、いわば勤務年数でございますが、それをもとに公務員の給与表に当てはめた形で一定のレベルを決めまして、それを給与として措置費の算定の基礎といたしております。
#85
○田中(美)委員 一般に調べてというのはどういうことですか。国の考えはないのですか。まだまだ「赤とんぼ」の「ねえや」の延長と保母を考えている面が政府の中にあるから、そういう決め方をするのです。
 金額を言えないからお答えになりませんので、私が答えますが、行(一)の二級の三号、初任級で――初任給じゃないのです、保母さんには初任級なんてないのですからね。皆さんは御存じないのじゃないですか。保母さんの賃金というのは十三万百円です。これは二年働こうと三年働こうと十年働こうと十三万百円ですよ。年齢が高くなれば加算はちょっとあります。しかし、一般のあなた方が給料もらっているのは徐々に年限によって上がっていっているじゃありませんか。保母さんというのは措置費の中で頭掛けじゃないですか。十三万に保母が十人いれば十掛ける、こういう賃金の形をしているからですね。
 時間がありませんので私が申しますが、日経連の六十三年度のモデル賃金では、六十三年度大卒の初任給が十六万六千六百十八円、短大卒が十五万三千六百五十円ですね。ところが、保母さんは頭割りで一人十三万、ここら辺のところに問題があるのですよ。もう時間がないので簡単に申し上げますが、今は保母の養成というのは数はふえています。それから求職も多くなっています。しかし、保母になり手がない。ばからしくてやれないという。賃金を聞いてびっくりするのです。保母になりたいなりたいと言いながら、余りにも賃金が低いためにやれない。ですから、保母賃金の確立というものを教員並みにきちっとつくるべきだということをまず要求しておきます。回答は、どうせやりますとは言いませんからね。長々と弁解ばかりをしていらっしゃるので、これは要求として言っておきます。
 この四年間の補助金をカットしたということは、そしてそれをまだ固定化していくということは、保育というものを私ごとと考えている。先ほど「赤とんぼ」の歌の例を申し上げましたが、保育を私ごとと位置づけて、貧困層の子供は国が多少は手を打つけれども普通の子供はすべて保育を金で買えという思想をこの四年間に非常に広げたということは、保育の専門家がこぞって言っていることです。私は、この質問をするに当たってそれぞれの保育の専門家に電話をかけて聞きましたけれども、一様に言っているのは、貧困層の子供だけ、普通の子供は――金持ちじゃないですよ、普通の子供は金で買えという思想をこの四年間につくった、これをまだ固定していくということは、その思想を永久に固定化するものであるという怒りの声が私のところに電話でかかってきております。
 その中にありました保育の専門家の言葉ですけれども、高齢化社会論というものをしばしば政府は言っているけれども、将来高齢化社会を担うのは今の子供たちです、高齢化社会の危機だけを訴えて、これを支える児童に対する政策的な関心をどんどん薄めていくということはまことに片手落ちだということを言っているわけです。次の時代の社会の担い手の育成が国の政策の中心に位置づけられなければならない、福祉や教育予算の大幅な削減というものは将来に大きな禍根を残すということを専門家は言っておりますので、それをお伝えして次の質問に移りたいと思います。
 次は生活保護の問題ですが、これはことしの予算の総括質問で共産党の不破哲三代議士が取り上げられました。この四年間のカットによって約五万世帯が削られている、それから人口千人に対する保護率が五十八年度には一二・三であったものが現在では九・八に減っているというのは、厚生省からいただいた資料を見てお話ししているわけです。先ほど大蔵大臣は国民には迷惑はかけていないのだというふうに言っておりますけれども、生活保護法の第一条の目的、この目的には「自立を助長することを目的とする。」最低生活を保障するというだけでなく、自立を助長するということを言っております。
 時間になりましたので一つだけこの問題を申し上げますが、これは福岡県の三牧亨さんという方で、小郡の福祉事務所で起きた問題です。これは御主人が病気で、心筋梗塞で働けない、次男がてんかんでたびたび入退院をして、妻がこの子供にかかりきりだ。こういう方に対して、生命保険を解約させて十二万円を戻した。そして子供の学費の積立金三十万円も全部使わせた。現金八万円。合計五十万円全部使わせてから保護を出した。ところが、高校に行っている長男がヨ―グルトの配達のアルバイトをして月に千二百七十円稼いだ。それが不正受給だといって四万円の罰金をかけてきた。四万円の返還命令をかけてきた。生命保険を解約させるということは、してはならないことになっているんじゃないですか。そして、高校生が自分の学用品を買いたいのでわずか千円ちょっとの金を稼いだといって、四万円の返還命令をかけてきている。こういうことが許されるでしょうか。これが国民に迷惑をかけていないということが言えるでしょうか。
 今、一つしか事例が言えませんけれども、このことについて大臣のお答えを願いたいし、この返還命令、四万円の金を知人から借りて返させたというのですけれども、私は、この本人に四万円は返してほしいというふうに思いますが、この点についての大臣のお答えをお伺いしたいと思います。
#86
○小林(功)政府委員 今お話がございましたケ―スは私は存じません。調べてみないとわかりませんけれども、一般論として申し上げれば、生活保護というのは国民生活の最後のよりどころという意味で大変重要な制度でありますが、一方において、その財源はすべて納税者の税金によって賄うものでございますから、それなりの制約があるというのは当然でございます。
 そういう意味で、生活保護を適用するかどうかということを判断する場合には、本人の収入、資産、あるいは扶養、あるいはほかの制度の活用といろいろなことをやって、なおかつ生活保護の適用がないと最低生活も維持できないという場合に適用するものでございますから、収入があって自分で現金を持ちながら生活保護を適用せよという点でございますと、これはなかなか難しいということになるわけでございます。
 いずれにしましても今のケース、存じませんので、ここではすぐお答えはできかねる面がございます。
#87
○田中(美)委員 基本はそのとおりですけれど、も………
#88
○中村委員長 田中君、時間が来ております。
#89
○田中(美)委員 はい。自助という言葉、自助ということが生活保護の目的に書いてあるわけですから、自立を助けるということ、これをつぶしてしまうというようなことを絶対にやらないように強く要請して、私の質問を終わります。
#90
○中村委員長 沢田広君。
#91
○沢田委員 大体時間が来たのでありますが、このまま続けるとすれば事務当局の方には大変御迷惑だと思いますが、これは理事会で決めたことでしょうからお許しをいただきたいと思います。
 最初に、今回提案をされました法案の中で、戒名が非常に長い法案なんでありますが、整理、合理化、特例、どれが整理でどれが合理化でどれが特例なのか、ちょっと答えてください。
#92
○篠沢政府委員 今回のお願いをしております法案で措置をされました事項の分類でございますが、幾つかに分かれておりますが、一つは補助率等の本則改正でございます。いわゆる恒久化の部分でございまして、十三法律ございます。その中には、生活保護の関連での生活保護法あるいは結核予防法等七法律、これは四分の三の補助率で恒久化をお願いするものでございます。それから措置費で老人福祉法あるいは児童福祉法等措置費の関連六法律がございます。以上十三法律がいわゆる本則改正でございます。
 それから一般財源化の措置が二法律ございまして、一つは義務教育費国庫負担金のうち恩給に係るものでございます。それから公立養護学校特別措置法もそうでございますが、恩給に係るもの、これが一般財源化の措置ということで、二法律ございます。
 それから、補助率を暫定措置としてなお二年程度お願いをしているものがございまして、これは主として公共事業でございますが、河川法を初めといたしまして三十一法律ございます。
 最後に、国庫負担の繰り入れ特例が三法律ございます。厚生保険特別会計法、いわゆる厚生年金への繰り入れ特例等でございます。
 そこで、法律の名前との関係でございますが、お願いをしております法案の名称は、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案ということでお願いをしております。このうち、整理及び合理化と申しましたのは、最初の方で申しました補助率の本則改正と一般財源化を意味しておるというつもりでございます。それから臨時特例というのは、公共事業等補助率の暫定措置をお願いしております部分を臨時特例として名称づけております。最後に「等」というのがついておりますが、これは国庫負担の繰り入れ特例を意味するものと御理解をいただきたいと思います。
#93
○沢田委員 整理というのは何が整理されたのですか、それから合理化というのは何が合理化されたのですか、これも簡単にお答えください。
#94
○篠沢政府委員 法案の作成過程では、整理及び合理化という名称でこの補助率の恒久化措置と一般財源化措置をまとめて考えておるわけでございますが、強いて申しますれば一般財源化措置が整理ということかと思います。それから恒久化措置、本則改正の部分が合理化というふうにお考えをいただければよろしいかというふうに考えます。
#95
○沢田委員 甚だ不適切な表現だと思いますね。これは大臣に、今さら直すわけにいかないでしょうから注意をしておきたいと思うのですが、極めて不分明な表現を使われておる。整理がちっとも整理ではない。合理化が合理化ではない。実態とかけ離れた名称を使って、言うならば幻惑を与えようなんという発想は、もしあったとすればこれは今後改めてもらわなければならぬことだと思うのですね。やはり法律案は実態に合った名称をつけてもらうということが必要だ。一般財源化あるいは恒久化、こういう名称で使ってもらうのが筋道だと思うのでありまして、この点大臣、そう感じますか。大体これでわかりますか。この法律を見た人が中身がわかりますか。やはり名は体をあらわすで、その法律を見たらこういう意味だなというのがわかるように出してもらうのが常識だ。なるべくわかりにくい名称を使っていこうという、何か邪心を持っているんじゃないかと疑いたくなる。ちょっと答えてください。
    〔委員長退席、大島委員長代理着席〕
#96
○村山国務大臣 御注意の点はよく拝聴しておきます。
#97
○沢田委員 続いて、今度のカットということで減額になっておりますが、今までの答弁で、一般の財源補てんは、減額分は補てんをしてありますから行政水準としては支障を与えないはずであるというふうに聞こえたのでありますが、その点はどういうことになっておりますか。
#98
○篠沢政府委員 今回の措置につきましては、補助率をめぐりまして国と地方の間の費用負担に一つの重要な変更を決めるわけでございますが、業務の内容といたしましては、これに影響を与えないということを趣旨としておりまして、そのために、恒久財源措置を初めとしてそのほか適切な地方財源対策措置を講じておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
#99
○沢田委員 業務の運営に支障を与えないということは言い切れますか。
#100
○篠沢政府委員 そのように考えております。
#101
○沢田委員 考えているということと実際とはこれまた別なんでありまして、あなたのおっしゃっている考えでいるというのは立案の段階でそういうふうに思ったということで、影響が出るか出ないかわからないということですか。
#102
○篠沢政府委員 昨年七月に閣議決定をいたしまして、関係省庁間で予算編成過程で十分検討するということで、各省庁間で話し合いを十分重ねてまいったわけでございます。その過程におきまして、政府部内の一致した認識としてそのような認識を持っておるということでございます。
#103
○沢田委員 では、一つずつ幾つか聞いていきます。
 例えば老人福祉法千二百五十一億、これは影響ありますか。
#104
○篠沢政府委員 措置費に係ります補助率につきましては、福祉施設への入所に関する事務を国の機関委任事務から団体委任事務に改めるといった形で、地方公共団体の自主性、自律性を尊重する方向で事務事業の見直しが既に六十一年度段階で行われておるわけでございます。そういうような事務関係の変更というものは既にあるわけでございますが、こういう事情の変更を踏まえまして、例えばこの措置費に係る補助率を検討し、決定をしていこうというふうに考えたわけでございます。
 で、ただいま申し上げたような形で地方行政の自主性が拡充されておるといったことも踏まえまして、補助率は二分の一で恒久化をしていただくということにさせていただいたわけでございますが、その際、従来の本則補助率十分の八とそれから新補助率二分の一との差額の交付団体影響額につきましては、二分の一相当額を交付税財源として恒久措置をすることとしております。残余につきましては地方一般財源で負担をお願いをするということにいたしておりますけれども、地方の一般財源としても、従前の地方たばこ消費税の特例措置、六十三年度まで地方財政対策上千二百億円という計上になっておりますけれども、この地方たばこ消費税の特例措置も引き続き実質的に維持をされておる、こういう状況にございます。
 以上でございます。
#105
○沢田委員 私は、国なり県なり市なりがどういうふうにこの財源がなろうと、とりあえずそれは置いておいて、受ける国民として同じ条件になるのかどうかということがまず第一前提なのであります。いわゆる国が持とうが県が持とうが市が持とうが、国民に対しては同じですよ。そんな長ったらしい説明は必要ないのです。それは同じなんですということを保証します、そう言ってくれれば、あとは配分の問題だけになるわけです。どっちなんですか。富裕団体が損をするとか得をするとか、そんなことはまた別問題。要するに、受ける国民としては現状と変わりはないのか、それとも影響が起きるのか、その点をはっきり言ってください。
#106
○篠沢政府委員 措置費に係ります事業の内容や水準そのものに何らの影響を与えるものではございません。それらの行政の運営に支障をもたらすものでないというふうに考えております。
#107
○沢田委員 これは事務当局の答弁ですが、自治大臣及び大蔵大臣、今の答弁でこの法案の骨格は成り立っている、いわゆる国民に与える影響はないが国あるいは地方団体の財源の配分の異動はある、こういう意味である、こういうふうに解釈してよろしいですか。イエスかノーか、とにかくお答えください。
#108
○坂野国務大臣 おっしゃるとおりでございます。実質的には変わりありません。ただ補助金が交付税に変わったりするというだけでございます。
#109
○村山国務大臣 政府委員が申し述べたとおり、給付水準に変わりありません。
#110
○沢田委員 これだけの法律がある中で、憲法に発している法律が二つ、それから法律の中にわざわざ国及び地方団体がその義務を負っている法律が相当数あります。それをひとつ分けて、これは事務当局の答弁でいいですから、憲法の二十五条なりに出ているものは二法、これははっきりしていることですから一応省略していいです。その次は法律で決められているものがあるのと、それから法律でなく国の責任の分をこういうふうな補助でやっているものと分けて、ちょっと何本か何木か言ってください。――じゃ、ゆっくり考えておいてもらって、その後。次に行っていますから。
 例えば身体障害者福祉法では「国及び地方公共団体は、」というふうに規定づけられておる。それから精神保健法でも「国及び地方公共団体」と規定づけられておる。生活保護法はもう憲法二十五条に基づいて国の責任として、ただ地方自治法第二条ではこれは市町村が保護の認定をする、こういうふうになっていますね。それから結核予防法も「国及び地方公共団体」になっておる。
 こういう区分は麻薬取締法はない。これは国及び地方団体にはなってない。これは法律の改正によって新たに地方団体が一部いわゆる委託事務、これを総称して補助金という名に値しないのじゃないか、これは要すれば、フィフティー・フィフティーでいくとするならば、国が出す負担金なのじゃないかというふうに私は考えるので、補助というのはいかにも与えてやるという、私たちはひがんでいるせいかわかりませんが、補助と言うと何か与えてもらうという、その発想に立つのですね。やはりこれは国の責任として負担をする分なのだという建前が必要なのじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがですか。
#111
○篠沢政府委員 補助金という言葉で便宜申し上げておりますが、先生御指摘のとおり正確には、仮に簡便に申すとしても、法律にございますように「補助金等」ということになろうかと思います。そしてその中身として、極めて重要なものとしてまず負担金があり、補助金があるといったようなことでございます。さらに交付金等もあるわけでございますが、先生のお尋ねは負担金と補助金の区別というものをもう少し明確に考えるべきではないかという御趣旨かと思います。
 法令上の使いわけといたしまして、補助金は、国が特定の事務または事業を実施するものに対してその事務または事業を奨励、助長するために交付する給付金だ、こう考えられております。それから負担金でございますが、これは国または地方公共団体等が自己の利害に関係のある事務または事業に関して、法令により自己の経費として負担すべきものとして交付する給付金だ、こういうふうになっておるわけでございます。この大きな法令用語上の使い分けでございますが、実定法におきまして、それぞれ行います業務に応じ、給付金の性格、内容に応じて補助あるいは負担という用語を用いているものと考えております。
 私どもの累年行ってまいりましたこの補助金等の整理合理化に当たりましても、このような負担金とか補助金の区分というものを踏まえまして、その上でときどきの財政状況、国と地方の役割分担、社会経済情勢の変化といったような諸情勢を勘案して見直しを行っておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#112
○沢田委員 これは、きょうこういう時間で今の解釈を了承するわけにいかないのですよ。適当な時期にやはりきちんと改めていく必要性がある。今ここでどうこうは言いません。
 例えば過疎地域振興特別措置法によれば、第四条は「国の責務」として「国は、第一条の目的を達成するため、前条各号に掲げる事項につき、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずるものとする。」例えばそういうふうに義務規定になっておる。だとすれば、これは補助ということにはならない、国のいわゆる固有の義務である、こういうことも一つ。まだほかにもありますが、それを補助という名称で扱っていくということは、やはり法律の体系として適切な表現ではない。それを「等」という言葉でごまかしていく、ごまかすということはどうか知りませんが、ごまかす意思はないのかもしれませんが、そういうことで漠然とさせることは極めて危険である。よって、やはりそれぞれに対応した、河川法もそうですが、それぞれに対応した適切な名前に改めるように今後検討してほしいと思いますが、いかがですか。
#113
○篠沢政府委員 ただいま申しましたように、負担金、補助金の本来の法令用語上の区分、その言葉の持つ意義、これを念頭に置きながら実定法でそれぞれいろいろな定め方がなされておるわけでございます。それにつきましても引き続き先生の御意見の趣旨を踏まえまして必要な検討をすべきものと思いますが、この点につきましては、例えば予算科目上も補助金と負担金の区分といったものが乱れておるということで、昭和六十一年度の予算審議の際に厳しい御指摘がございまして、検討を行いました結果、昭和六十二年度予算におきまして、実定法に基づいて予算書上の補助金等の区分の明確化を図るといったような観点から、経常経費につきまして、補助金と負担金の区分整理をした予算書計上というようなことも行っておるところでございます。
#114
○沢田委員 今までの答弁で、厚生省関係、イエスかノーか、同意見なのか違うのか、それを答えてください。
#115
○末次政府委員 ただいまの区分の件につきましては、財政当局と相談をしながらぜひ適切に対応していくつもりでございます。
#116
○沢田委員 自分の持っている法律の中身が、相談してからでなければ判断つかないなんてことだったら、来ない方がいいよ、ここへ。法律を持ってあなたらはそれをやっているんじゃないか。冗談じゃないよ。それを大蔵省と相談してから解釈するなんて、そんなあほな答弁しているのじゃ話にならぬじゃないですか。何ですか、それは。大臣が都合が悪いからと言うからわざわざ外してやったのに、そんな答弁をする者をよこしたんじゃ話になりはせぬ。出直してこい。
#117
○末次政府委員 補足させていただきますが、ただいまの補助金、負担金の区分につきましては、これまでのところ随時見直しをやってきておりまして、例えば生活保護補助金につきましては、六十一年度から負担金というふうに変更いたしております。
#118
○沢田委員 一般的に厚生省関係の法律について、国及び地方公共団体が責任を負って施行するような法律になっておる。だから、補助金という名称については、将来検討する時期に至ったならば、地方に与えるものであれば負担金として負担をするという考え方に立てないかどうか、こういう意味で言っているわけですから、それは今すぐ言えない点はあるでしょうけれども、一応検討の題材として、これは補助金ではなく負担金として考えていくという発想はないかどうか。では、この点お答えください。
#119
○末次政府委員 ただいまの御指摘を念頭に置きまして、今後また検討してまいりたいと思っております。
#120
○沢田委員 大臣を帰したのは間違いだったですね。そういう答えでは困るのであります。
 続いて自治省と自治大臣に。
 これは政策的なことでありまして、地方行政委員会でやることでありましょうが、大ざっぱに言って、今地方の財源は地方税、国庫支出金、自主財源、公債、あとここにある補助金というもので構成されているわけでありますが、今まで我々が地方にいた当時言われていたことの一つは三割自治という言葉です。もう一つは補助金行政という言葉がありました。これを抜け出すためにどうしたらいいかということが当面の課題でもある。今非常に景気がよくていいと思うのでありますが、もし悪くなったときには大変な状態になる。
 そこで、自治省が今一番やらなければならない課題としては、その四つの財政を構成している中身の中で何を解決することが課題であると大臣として考えておりますか。
#121
○紀内政府委員 地域の均衡ある発展、魅力のある地域づくりということのためからも、地方一般財源の増強が肝心だと思います。その場合にもポイントになりますのは、地方税の税源をいかにうまく地方に培養させるかということであろうかと思います。それは結局は産業政策全般に係る問題、あるいは産業政策のみに限らないかもしれませんが、国の各省、総力を挙げて多極分散型の国土形成に努めることであろうか、このように考えております。
#122
○沢田委員 極めて不十分な答弁だと思いますね。大蔵へ来て堂々と、自治省としてはこうだ、憲法で保障された地方自治はこうしなければ守れないのです、大蔵委員の皆さんにも御協力くださいと、なぜ言えないのですか。
#123
○紀内政府委員 大蔵省に気兼ねしているわけでは毛頭ございません。もちろん今後といえども、国の責任に属すべき分野につきましては、国にしっかり申し上げるべきところは申し上げるつもりでございます。
#124
○沢田委員 それでもまだ遠慮し過ぎていると思いますがね。
 続いて地方交付税の問題で若干。これもやはり財源構成の一つですから言うのですが、時間の関係で簡潔に申し上げますが、環境とか公害、こういうものが交付税算定の基礎に入らないということについて自治大臣はどういうふうに思っておりますか。――あなたは要らない。あなたはいいよ。あなたはだめだ、答弁になっていないから。
#125
○紀内政府委員 大臣の露払いとしてちょっと申し上げたいと思います。(沢田委員「時間つぶしだけだよ。そんなところで開いているんだったら、ちょっと待ってくださいと言えよ」と呼ぶ)
#126
○大島委員長代理 しばしお待ちください。
#127
○紀内政府委員 地方公共団体の基準財政需要額の算定に当たりましては、公害対策費につきましても普通交付税上その他の諸費において算入しているところでございます。
    〔大島委員長代理退席、委員長着席〕
#128
○沢田委員 私は、地方交付税が見直される時期に来ているという一つの前提に立って、これは極めて政治的な話ですから自治大臣と大蔵大臣にお伺いするのですが、要すれば、地方交付税算定の基礎である道路の面積とか延長というのは、これはもう今日では全部舗装されている状況であります。そういうものよりも改良工事であるとか、そういうことの方が必要なのでありましょうし、それから河川について、これは特に建設省からもお答えいただきたいのですが、三分の一なり五分の一の洪水確率の問題はあるにしても、一級河川、二級河川で、非常に貧弱なものも一級河川になっていたり二級河川になっていたりして非常にあいまいであります。だから交付税の算定に当たっては、洪水確率に基づいての計画水路によって一級、二級を交付税算定の基礎に置き直して、いわゆる小水路が一級になっていたり大きなものが二級になっていたり非常に雑多です。今河川だけを例に挙げているわけでありますが、そういう点も見直しして、格付をし直して地方交付税の体制をつくり直す、再建する。
 それから、環境とか公害。例えば私なんかでもニュージーランドへ行ったりオーストラリアへ行くと、たんが出なくなる。ところが、東京へ帰ってくるとまたたんが出る。たんは新陳代謝だから悪くはないと言うが、それだけ空気の汚染が激しい、こういうことだと思うので、そういう緑も対象には入っているわけですから、そういうようなものについての交付税算定の配慮が必要になってきているのではないか。そういうことによって地方配分の根本も変えていく必要性があるのだろうと思うのであります。
 その点、大蔵大臣と自治大臣、これは自治大臣が担当なのでありましょうが、全体の枠を変えなければ自治大臣が変えられるのですから、自治大臣がそういう状況にあると認識しているかどうか、まずそれからお伺いいたします。
#129
○村山国務大臣 私は、日本の交付税制度は世界に冠たる制度だと思っております。したがいまして、基準財政需要の見方というものは、現在並びに将来を的確に見通す必要がある、自治省においてはこの方の専門家でございますから間違いなくやっていただいている、このように考えております。
#130
○坂野国務大臣 先生いろいろ勉強されておりまして、大変敬服しているわけでございます。交付税の算定問題についても、日進月歩でいろいろ情勢が変わってまいりますから、そういうものに応じて毎年、改善できるものは改善するというぐあいに持っていきたいと思っております。
#131
○沢田委員 今、貿易摩擦、社会資本、週休二日制等々、新しい時代が来るわけでありますから、そういうものについて最後の項目で若干聞いてみようと思っておりますが、そういう時代に備えて、基準財政需要というものの見方、価値観というものを見直していくということは大変大切なことだと思います。
 老人福祉の問題でちょっと。
 これは今まで議論されていることとは違って、これも交付税の分野、新しい政策への分野を申し上げるわけです。寝たきり老人はこの前議論になりましたが、あれで十分だとは思いません。今一番苦労しているのは、一つはぼけ老人対策、これからどういうふうに対応していくかということが大変重要なことなのです。それともう一つは長男の嫁さんの苦労、これがまた大変なことなのです。
 まず厚生省ですが、その点はどの程度の認識を持っておられるか、またどういう計画があるのか、その点先にお聞かせをいただきたいと思います。
#132
○多田政府委員 先生御指摘のとおり、痴呆老人問題というのはこれから大変大きな問題になってくる、現にぼちぼちそういうことを強く訴えてこられる方々が多くなってきつつあるという現状認識でございまして、この痴呆の問題は年齢が高くなるに従って発現率も高くなるということになっておりまして、現在八十歳代ですと一九%、二〇%近くがやはり痴呆症状を来すというようなことで、九十歳代ですともっともっと上がっていくというような報告も出ているわけでございます。したがいまして、これから後期高齢者が増加するという見通してございますので、大変大きな社会的な問題であるというふうに理解をいたしておりまして、私どもも省内に対策本部を設置しまして、いろいろ検討を行っているところでございます。
 内容といたしましては、その発生原因でございますが、一つは脳卒中の後遺症、これが日本の場合には非常に大きなウエートを占めておりまして、四割前後のウエートを占めている。それから、諸外国ではほとんどがアルツハイマーというものでございまして、これが日本では一そういったようなことでございますので、脳卒中の発生をまず抑えるということが一つの大きなポイントでございます。それから、アルツハイマーは残念ながらまだ医学的にも解明できていないものでございますから、治療方法等どうも確立ができないという状況でございますので、その究明を急ぐということで研究費を昨年あたりから逐次伸ばしておりまして、これによってひとつ早急な原因究明を行いたいというようなことになっております。
 それから、現に今要介護状態にある高齢者の痴呆の方々につきましては、特別養護老人ホームである程度受ける、それから病院でこれもある程度受けるということでございますが、実は痴呆が痴呆であるか、それとも別の疾患で痴呆類似のように見えるかということをはっきりと究明した上で処遇方法を決定しないと、痴呆でない人を痴呆のように処遇してしまうというおそれもございますので、そういう判定の機能をしっかりつくろうではないかということで、今年度の予算におきましても、全国各県に一カ所その判定を行うような施設を整備するというようなことを進めておるところでございます。
 いずれにいたしましても、これから要介護状態が非常に広がってまいりますので、施設も大いにふやしてまいりますし、それから在宅の支援体制もできるだけ充実をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#133
○沢田委員 私が言おうとしているのはそういう個々のものではなくて、総合的な対策が今求められてきている段階ですよ。そういうものについて政府がどう臨もうとしているかということを今聞こうとしていたわけであります。
 例えば、読書をどういうふうにしたらいいか、あるいは頭を使っていく方法はどういうふうな施設をしたらそういう方法が可能なのか、あるいは運動はどういうものにしたらばそういう人たちの運動が可能になるのか、そういうことの予防的なものの分野が一つ、それから臨床学的なものが一つ、こういうふうになるのですから、当然そういう対応がまずできなければならぬ。それが厚生省から答えてもらいたかった一つの考え方。
 今後研究して、できるだけ早く発表してもらえるかな。どのくらいの月日でそういうものができますか、厚生省。細かい説明はいいから、こういうものをつくって国民の前に出しますと。
#134
○多田政府委員 調査研究すべき分野につきましては、いつまでにどういう結果が出るということはなかなか申し上げられませんが、適切な処遇ということについてできるだけの努力をしていきたいと考えております。
#135
○沢田委員 それから今度は税務当局なんでありますが、今、大体長男の嫁さんが一番骨折ってそういう人たちを相手にしている。これは特に、国会議員の人たちの死亡欄を見ると八十九歳、九十二歳、こういう人たちが、国会議員だけがすべてじゃありませんが、多い。そういう人を抱えているから、そう余りお粗末にはできない、奥さんは大変苦労するという実態も出てきておる。これは何も国会議員だけじゃなくて、すべての国民の中に長男の負担というものが極めて高くなっておる。私たちの知っているところの娘さんたちも、長男のところへだけは嫁に行きたくない、次男、三男でなければ嫌だ、こういうふうに返事が返ってくるくらいな状況もこれある。
 そういうようなことで、相続税、これは民法の改正をしろとは私は言いませんが、やはり親の面倒を見ている長男の負担というものは、老人同居減税では見ましたけれども、今度それほど高くはなっていない。その人たちは財政的にも精神的にも大変不安が多い。そういう点において税務当局としても何らか考慮する必要性があるのじゃなかろうか、こういうふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
#136
○尾崎政府委員 お話の内容は非常によく理解できるのでございますが、どうも相続税のお話ではないような気がいたします。相続税はその性質上そのような配慮ができませんので、むしろそれは、例えば遺贈でございますとか遺言でございますとか、そういう話になってくることであろうかと思います。
#137
○沢田委員 だからいいの。相続税は民法だからなかなかそうはいかないでしょう。老人同居減税をつくったのだから、その上で考慮するという方法はできないかどうか。これはあなたの方の権限でできるはずだ、そういうことで考えられないか。今すぐ考えられるとは言わなくてもいいですよ、しかし、検討する題材じゃないのか、こう申し上げているわけです。検討していただけますか。
 大体あなたもそういう実感がないんだと思う。あるいは次男か三男坊で気楽にしているのかもしれない。だから、そういう実感がないからそういう答えしか出てこないのだと思うのですが、その辺もう少し深刻に考えてみて、その場合もし自分であったならばどうだろうか、そういうふうに考えてみてください。
#138
○尾崎政府委員 先生も御指摘のように、所得税で例の寝たきり老人等についての扶養控除の手当てというのはしたわけでございますけれども、そのような配慮が税制上できる限度ではないかというように考えます。
#139
○沢田委員 理論的にはできるというふうに思いますね。実際にできるかできないかは政治的な力関係もありますから……。しかし、理論的にはそういう配慮が必要だ。
 ついでに、警察は呼んでおりませんけれども、ぼけ老人になって一番怖いのは火災であります。いつでもガスをつけて、それっ放しにして忘れてしまうということもあるし、あるいはお湯を沸かしてそれっ放しもある。そういう火災の予防、いつふらふら出ていくかわからぬというその危険の予防、そういうものに対応する、これは厚生省と警察なんでありますが、そういうことを考えたことがあるかどうか。これはひとつ、考えたならばまだその先までは行かないけれども、考えているかどうか、それだけ返事してください。
#140
○多田政府委員 大変重要な問題だというふうに考えております。
#141
○沢田委員 その先までは無理なのかもわかりませんが、その程度だということだと思います。
 ただ、これからそういう課題で、大臣、私はちょっと相続の分野においても考慮してやったらどうかなというくらいに思っているのであります。次男、三男は例えば大阪、九州に行っている、長男は動けないから、とにかく長男か次男かそこを継いだ者が後の面倒を見ていっているという実態は、実に涙ぐましいものがあるのですね。特にこれは、御本人は勤めに行っちゃうけれども、奥さんなんかは大変な苦労が多い。外へも安心して出られない。そういう精神的な苦痛や肉体的な苦痛を持っておる。そういう実情をひとつ大臣も頭の中に入れてみて、自治大臣もそうですが、ひとつ頭の中に入れてみて考えてみてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#142
○坂野国務大臣 相続の問題なんかは別にいたしまして、今御指摘の火災予防の問題、これは消防関係としても大変重要な問題でございますから、その一環として考えさせていただきたいと思います。
#143
○村山国務大臣 御承知のように、相続税というのは、資産をどういうふうに評価するか、それから債務をどのようにやるかという資産、負債の問題であるわけでございます。そして、日本の一番の特徴は、遺産課税と遺産取得課税を組み合わせているところが一つ、もう一つは、法定相続分で総納税額は決定するようにしておりまして、そして実際の配分は実際の相続、法定相続人がどういう相続の仕方をやったかということで、その決まりました総税額を実際の相続の割合で案分するというところにあるわけでございまして、これが非常にうまく機能しているわけでございます。したがいまして、相続に関する民法の規定を前提にした相続税としては、今のようなやり方が一番簡明であり、また適切であると考えておりまして、委員のおっしゃるようなことは、あるいは所得税の世界の話かな、こういうふうに思います。
#144
○沢田委員 半分くらい聞いていて、半分くらいはお疲れのようなんでありますから、答弁も半分くらいということなんでありましょう。ですから、それは御苦労さまです。
 続いて、時間がないですから、消費税の関係で若干確認をしておきたいと思います。
 反復、継続、独立――反復はわかります。継続もわかります。独立というものの定義をひとつここではっきりしておいていただきたいと思います。
#145
○宮島(壯)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま沢田委員の質問の点でございますけれども、少し説明させていただきますと、消費税における事業というその概念の中での問題だと思います。
 その中で、独立してというのはどういうことかという御質問でございますが、独立してとは、他に従属することなく自己の責任と計算において事業を遂行することをいうというように考えております。したがいまして、例えば個人が雇用契約またはこれに準ずる契約に基づきまして他の者に従属し、他の者の計算によって行われる事業に従事するといったような場合には、これは事業として行うものとはならないという意味で、この独立してというのが消費税における事業の概念の中ではっきりさせなければいけない概念だと考えております。
#146
○沢田委員 例えば、これは公立であろうと私立であろうと構いませんが、学校の給食活動は独立の事業とみなされますか、それとも従属事業ですか。
#147
○宮島(壯)政府委員 学校の給食等の場合に、それが独立してということになるかどうかという点でございますけれども、これはむしろ独立してという概念のほかに、事業の中に付随して行う事業も事業と見るという考え方がございますので、その点も含めて申し上げますが、この給食の問題につきましては、私どもはこれが事業であるというように考えております。
#148
○沢田委員 それでは、事業でないものは何ですか。
#149
○宮島(壯)政府委員 例えば個人事業者が消費者の立場で物を売る場合、例えば自分が個人的にテレビを購入してそれを見た、もう不要になったという場合にそのテレビを売却する、こういったものは事業でないというように考えております。
#150
○沢田委員 それは反復、継続の概念から外れるから当然事業でないのですよ。それはいわゆる独立の問題ではない。独立という解釈の中で外れるものは何かと聞いているんです。
#151
○宮島(壯)政府委員 それは、例えば雇用契約におきまして事業者に雇われて、そして事業者の計算において事業を行われ、そこから給料をもらうというような場合には、これは独立してということには該当しないというように考えております。
#152
○沢田委員 とにかく、極めてあいまいですね。
 それでは、次に交際費の課税でいきますが、結婚式のお祝い金は課税になりますか、なりませんか。
#153
○尾崎政府委員 課税になりません。
#154
○沢田委員 当然土産物なりごちそうなりあるんでありますが、対価があってもならないのですか。
#155
○尾崎政府委員 お祝いの気持ちをくるむわけでありまして、ごちそうの代金を払っているわけではございませんので、課税の対象ではございません。
#156
○沢田委員 それでは、対価があっても対価とみなさないものは何なんですか。
#157
○尾崎政府委員 対価があれば、それは対価でございます。
#158
○沢田委員 これでやっていても、きょうはこれはとてもじゃないが時間がかかりそうですが、それは対価があるわけですよ。例えば寄附金だってやはり――これで一番問題になるのが選挙の費用だと思うのですよ。
 いわゆる公職選挙法で選挙資金が限定されておる。ところが消費税がかかって、裏側から見たら全部オーバーしてしまっている、こういう結果がはっきり出てくる可能性が強いというふうに思います。それは、あなたは全然選挙をやろうという気がないからわからないけれども、大臣はやろうという気があるからわかるはずだが、例えば法定費用の中におさまるかおさまらないか、逆算すれば今度はもう出てきてしまうんですね。その点は大臣、どういうふうに考えておられますか。
#159
○村山国務大臣 選挙費用でも、やはり物を買うという行為は伴うでしょうから、その意味では消費税法上の対価を伴う取引というのはあり得るだろうと思うのです。選挙費用、そういうことを頭の中に入れてこれからどういうふうにやるか、これは今後の問題だと思っております。
#160
○沢田委員 例えばポスターをつくったとしてもかかります。あるいは人を使っても、人件費は帳簿方式にすればかからないかもわかりませんが、それで計算をしていくと、とにかく法定費用を超えるという結果が現状で出てくる可能性が極めて強い。これはもう後で百三分の三を掛けていけば必ず出てきてしまうわけなんでありまして、その点はひとつ検討の対象にしてほしいということを申しておきます。
 例えば人に持って行くお金、寄附金も、これは票を入れてもらいたいということだから対価があるということになれば、これが年末であろうと正月であろうと、政治家は対価を求めたとみなされる危険性は極めて強いわけですね。その点はあなたはどういうふうに解釈しておりますか。
#161
○村山国務大臣 消費税法上の対価でございますから、票をいただくのは関係ありません。
#162
○沢田委員 大臣が答えたから、これは検察庁が答えたわけではありませんので当てにはなりません。今のは冗談ぐらいにしか聞けませんから、そう思っております。
 ただ、消費税の解釈で今言ったように非常にまだまだ不分明な点があるということが言えると思うのですし、それからもう一つは、申告時期ですね。簡易課税あるいは簡易税率を適用するとかというその申告の時期については、今直ちにしろというのではなくて、結果が出てみないとわからぬという中小企業が大変多い。その点についてはどういう指導をされておりますか。
#163
○宮島(壯)政府委員 ただいまの申告時期の件でございますけれども、先般の租特法におきまして、法人につきましては、九月三十日前に申告期限の来るものについてはすべて九月三十日でいいという法律が成立いたしました。また個人につきましては、二月末という期限を三月末日まででいいという租特法の規定がございます。こうしたことによりまして、私どもとしては現在事業者におかれましていろいろどういった形で申告・納付をしたらいいか考えていただいていると思いますが、その間いろいろ御相談事があれば、積極的に私どもとしても親切な相談等通じまして御協力をする体制をとっておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#164
○沢田委員 結果を見ないとわからぬというのが多いのですよね。帳簿方式にした方がいいか、あるいは簡易法でいった方がいいか、三千万円以上になるという前提でこれは言っているわけですが、三千万円以下かどうかということもあるということで、若干時間の余裕を業者にも与えてほしいというのが私の希望ですが、それは大体いいですね。そういう方向で進めてもらえますな。九月じゃ無理ですよ。もう少しやはり時間を与えて、どっちを選ぶかというのはやらなくちゃわからない。時間がないから簡単に答えてください。
#165
○尾崎政府委員 二年前の事業年度の結果で課税選択の場合は判断するわけでございます。ですから二年前の実績を調べていただきまして、その結果を出していただきたいということでございます。
#166
○沢田委員 もう時間がないから言えないけれども、そんなものできっこないですよ。その当時百三分の三を掛けて、もしそこに消費税がかかっていたとするならばという消費税台帳をつくって、仕入れと今度は売った価格を比較して試験してみなければ出てこないのです。二年前の実績でというのは、これは五億を超えるか超えないかというだけの問題でしょう。ですからそれだけではなかなか……。ここでは時間がないですからもうやめます。ただ、そういうことでそう簡単にはいきませんよということだけ念を押しておきたいと思います。
 ときに土地の売買、これは結果的に国土庁に聞いてもどこへ聞いてもわからない。株だけは取引高の総額が出ましたが、大蔵大臣、土地の売買というのはGNPにも入らない。これは非常に把握がしにくい。国土庁はどうなのかなと思っていると、国土庁もわからない。あるいは建設省もわからないし大蔵省もわからない。今後この土地の売買取引の集約を――ある我々の資料によれば二京、こう言われておる。去年の実績は二京になっておるというふうに言われているのでありますが、二京だ三京だといってみても見当つかないと思いますけれども、大臣は大体どのくらい土地の売買は行われていると考えていますか、お答えください。
#167
○岡本政府委員 御案内のとおり、国税では土地というようなことで区分して把握しておりませんので、今の御質問に対しまして端的に数字をもってお答えすることはできないことを御了承いただきたいと思います。
#168
○沢田委員 ゴルフの会員権もべらぼうな値上がりをしておりますし、土地もべらぼうな値上がりをしております。とにかくこういうものの税の把握ができていないということは極めて遺憾で、今度も言うならば一部の改正も出ているわけでありますが、そういう立場においてこの税の把握に努められたいということを要望します。
 最後に、地籍調査、これも今回の改正法がありますけれども、法務省、国土庁、いずれにしても公共事業に支障のないように万全の保有措置を講ぜられるよう手続をしていただきたい。こういうことで、河川であろうと道路であろうと区画整理であろうと土地改良であろうと、その用地買収をした土地が不当に転用されたりなんかしないように、保有措置というものの万全を期してもらいたい。これは特に自治大臣の方に影響が大きいのかもわかりませんけれども、どなたかからはっきりお答えをいただいて、時間ですから私の質問を終わりたいと思います。責任者からしっかりした答えをしてくれよ。
#169
○片桐政府委員 地籍調査におきましては、その境界の画定が非常に重要な問題でございます。私どもといたしましては、所有者等の立ち会いとか確認を得て地籍調査を実行するということを指導している次第でございます。また、調査結果につきましては二十日間の公告をいたしまして、異議がある場合にはその異議申し立てを受けて画定をしているというような状況でございます。今後とも、地籍調査に起因したトラブル等が起こらないように、都道府県を通じて指導してまいりたいというふうに思っております。
#170
○沢田委員 建設大臣はとうとう無罪放免になっちゃったのですが、あとはまた、改めて今度はゆっくり質問させてもらいます。
 以上で終わります。
#171
○中村委員長 午後一時二十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後、零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十二分開議
#172
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。村山喜一君。
#173
○村山(喜)委員 補助金等の問題につきましては、昭和六十年度に一年限りの措置として百二国会において措置がなされたわけでございますが、六十一年の百四国会でそのままの形で三年間延長されて、六十三年度で見直しをやるということになって、本日提案をされた内容が出されているわけでございます。
 私たちの基本的な考え方を申し上げておきますが、四十七の法律案を一本の形にいたしまして、それぞれの委員会において審議をすべき内容のものが、国会の審議権がその分だけ削除された形でこの当大蔵委員会において一括上程されて審議が行われる、こういうやり方は、議会人として議会の審議権というものから考えた場合に、極めて不満であるということを率直に初めに申し上げておきたいと思うのであります。例えばレギュラーメンバーである私も、この極めて重要な法案の審議に当たりましても一時間しか割り当ての時間がない、こういうようなことになってきたのは、これは全体の流れの中でやむを得ないとはいえ、やはり慎重に審議すべき当該委員会としては極めて残念なことだと私は思うのでございます。
 そこで、法案の内容について逐次入ってまいりますが、生活保護というような問題は、これは憲法二十五条の立場から、健康にして文化的な最低限の生活を営む権利を国民に対して国が責任を持つというのが本質でありますから、そういうような点からいって、これを従来十分の八あったものを十分の七に切り下げておいて、その真ん中をとって七・五で措置をしたというような格好の中で、恒久的な措置と暫定的な措置がこもごもに入り乱れた形の中で今度の措置がされようとしているわけでございます。この点についてはいかがなものであろうかということをまず指摘をしておきたいと思います。
 第三番目は、国と地方の役割分担の見直しと財源の問題でございますが、大蔵省そして自治省、それぞれ言い分があるわけでございまして、財政力の弱い地方公共団体の場合には極めて不安な感じでございまして、いわゆる老人福祉の一部分は地方公共団体に委任をされたとはいえ、権限関係はそのまま残った形の中でなされているということを考えますると、役割分担という問題についてももっと掘り下げた論議を必要とするのではないか。それに伴う財源措置の問題とあわせて今後十分に検討をするように要請をいたしておきたいと思います。
 後ほど私も触れますが、消費税が創設されまして、これは高齢化社会の福祉対策のために必要だといううたい文句でございましたが、そのはずなのに生活保護の十分の八が七・五に切り下げられて、値切ってしまったのが恒久化される。一体消費税というものを設けたそのねらいは何であったのだろうかということを疑わしめるようなやり方は望ましくないと思うのであります。
 第五点といたしましては、義務教育費国庫負担法の見直しに関連をいたしまして、共済や恩給の取り扱いが年金の改革を前にして二分の一が三分の一に変わっている。年金の法案が今度の国会に提案をされておりますが、実施時期については別に定めるところによるという格好で、これまた極めてその焦点がぼけてしまっているわけでございます。そういうような問題は長期的な展望の中できちっとしておくべきではなかろうかという意味において、余り先取りをするようなやり方は好ましくない、こう言わざるを得ません。
 第六点としては、福祉ビジョンが去る税制国会において我々の前に示されましたが、これは財政の裏づけのあるものではなくて、一つのビジョンを示したものであるというふうにしか言えない代物でございます。そうなってまいりますると、これから先の高齢化社会を展望した中において、この福祉ビジョンをどういうふうに位置づけながら国と地方が責任を持つかということについての展望が明らかでありません。
 第七点は、隠れ借金がございますが、歳出の後年度への繰り延べ額は、六十三年度末において十二兆五千百五十五億円に達しているわけでございます。そういうような問題が展望がはっきりしない中でこの補助金等の法律が提出されておりますが、やはりそういうような問題についての方向性もきちっと示しておくべきではなかろうか、こういうふうに考えるのでございます。
 まずそのあたりで意見を申し上げて、次の具体的な内容に入ってまいりたいと思います。
 平成元年二月の大蔵省の「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」というのを私はここに持っております。今我が国の財政の状況は、一応改善の兆しが見えてきたとはいいながら、内容的にはストックの面から見た場合には極めて厳しい財政状況が続いていることは言うまでもございません。そこで、「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」は、中期財政計画というようなものではないようでございまして、そういうような展望を明らかにしながら、補助金等の問題についてはその一環として提案をされてしかるべきであろうと思うのでございますが、その中期財政の計画は、一体どのように今後つくっていこうとしておいでになるのか、この点をまず明らかにしておきたいと思うのであります。
 その中で、この中を見てまいりますると非常におもしろい計算の方式をとられているようでございます。それは、租税弾性値が平均でとるんだということが言われているわけでございますが、租税弾性値で平均値をとっていくんだというお話は、その弾性値なるものがどういうふうに移り変わりをしてきたのかということを点検をしてみると、六十一年度は二・一という弾性値の数値が出ている。六十二年度は三・三三という弾性値を示しているわけですね。そういうのを平均をとって、一体どういうふうな歳入を予定ができるのだろうか。これは極めて異常な状態でございますということを前の宮澤大蔵大臣のときには説明をしている。そういうのはもうどこかに捨ててしまって、やはり昔の一・〇から一・二ぐらいのところの平均値だけをとって歳入の見積もりをしておいでになるのではなかろうか。とするならば、六十一年、六十二年度のような弾性値が非常に高くなった場合には、これはどういうふうに財政計画をつくる場合に考えておくのであろうか。この点についてまずお尋ねをしておきたいと思います。
#174
○尾崎政府委員 先生御指摘のとおり、従来から弾性値は大体一・一ぐらいが相場であるというように考えられているわけでございますが、年によって振れがあることも事実でございます。特に六十一年度、六十二年度につきましては、六十一年度が二・一、六十二年度が三・二と、過去に例のないような高いものになっております。これは、経済の実体的な生産活動とは関係のない株式でありますとか土地でありますとか、そういう取引の活発化、それから円高差益の発生といった一時的な要因によるところが大きいと私どもは考えておりまして、税収の中期的動向を推計するための基礎として用いるのには、そのままでは問題があるめではないかというように考えました。
 そこで、六十一年度、六十二年度、これは異常値であるということで外しまして、五十一年度から六十年度の十年間を見ますと、これは従来言われておりますように一・一ということになります。それから、過去十四年間をとりまして、四十九年度から六十二年度でございますが、そのうち弾性値の高い方の二つ、それから低い方の二つを切り落としまして十年間をとりまして、その平均を見ましても一・一ということになりますので、中期的な将来の見通しといたしましては、弾性値を一・一として計算することが適当ではないかというように考えた次第でございます。
#175
○村山(喜)委員 前宮澤大蔵大臣のときに私がこの問題を取り上げましたときに、極めて重要な問題でございます。ついては大蔵省内でこの問題について鋭意研究をいたしておりますので――これは税収の見込みをはかる場合において、財政民主主義の原則からいった場合に使えないような尺度を使って、そして税収の過小見積もりをやって、自然増収がありましたという形でやられたんじゃ税金を出す側としては納得ができないわけでございますから、そういうような意味において、租税弾性値については実情に合うように勉強を進めておりますという話でございましたが、その後の研究の結果はどういうようになったんでございますか。
#176
○尾崎政府委員 宮澤大臣からの御指示もございまして、大蔵省内の他の部局の協力も得ましていろいろ検討をいたしました。その結果、先ほども申し上げましたように、円高でございますとか原油安でございますとか土地あるいは株式取引の影響等が非常に強く出て、その結果税収見通しを狂わせたという、その原因の分析をいたしました。
 そこで、従来のやり方でございますと、特に動きの大きいのは法人税なのでございますけれども、この法人税の見通しを中心として検討をいたしました。これが一番難しいわけでございます。そこで、従来はこれを各企業一まとめにいたしまして、生産活動を中心として、鉱工業生産指数その他によりまして推計を行っていたわけでございますけれども、これを生産的な活動をするもの、それから鉱工業生産を行うもの、その他サービス関係のものというように分けまして、サービス関係のものにつきましては、例えば消費関係の資料を用いて推計するというようないろいろな方法を考えてみました。そのような勉強の結果をもとにいたしまして、平成元年度の税収見通しをつくっている次第でございます。
#177
○村山(喜)委員 局長、六十三年度の予算は、租税弾性値は一・〇八という数値を使っていますね。そうすると実績見込みはどれぐらいにいきそうですが。それと、平成元年度の予算の見込みは幾らで見ているのですか。
#178
○尾崎政府委員 六十三年度とおっしゃいましたでしょうか。――六十三年度の補正予算につきましては、弾性値一・四一と見ております。
#179
○村山(喜)委員 見込みですか、実績ですか。
#180
○尾崎政府委員 先ほど申しましたように、補正予算で用いられている実績見込みでございます。
#181
○村山(喜)委員 税収の見積もりは大変難しいことはわかります。特に今度の二月の、この前いただいた税収の徴収の実績と見込み表がございますね。これで一番伸び率が高いのは法人税ですね。一二%余り伸びています。だから、補正をいたしましたものよりも収入としては一兆ないし二兆円ぐらいまたふえるであろうという見込みが成り立っていると報道されている。まあそういうふうにして、やはり株式の価格が上昇したということもありましょう。あるいは土地価格が上昇して、いわゆる遺産相続等の関係による税収の伸びも言われたとおりであると思うのですが、それよりも特徴的なのは法人税の、企業利潤がよくなって思わぬ税収が得られたということじゃないですか。そのことが二月のいわゆる税収の実績表のいただいた中にも出ているんじゃございませんか。そのことは説明をしないで、そして固定的なものだけをお話をされるのは何か意図があるのですか。
#182
○尾崎政府委員 六十一年度あるいは六十二年度の税収の場合には、先ほど申し上げましたように非常に特殊要因が強くあらわれていたと存じます。最近の法人税の好調は、確かにその後の経済の好調を反映しているものであるというように考えております。しかしながら、やはり先ほど申しましたようないろいろな株高でありますとか、その他の要因も一部反映されていると存じます。
#183
○村山(喜)委員 六十一年、六十二年、六十三年、そして平成元年度、この当初見込みと超過税収の数字はお持ちでございますか。持っていらっしゃったら、その決算ベースと補正によります数字で結構でございますから、発表願いたいと思います。
#184
○尾崎政府委員 六十一年度から申し上げますが、一般会計税収の予算額が四十兆五千六百億でございました。これは当初予算額でございます。それに対しまして決算が四十一兆八千七百六十八億でございまして、その差は一兆三千百六十八億でございます。それから六十二年度は、当初予算四十一兆一千九百四十億でございました。決算が四十六兆七千九百七十九億でございまして、差は五兆六千三十九億でございます。六十三年度は、当初予算四十五兆九百億円に対しまして、補正で四十八兆一千六十億円というように見込んでおります。
#185
○村山(喜)委員 超過税収は、六十一年度で一兆三千百六十八億、それから六十二年度で五兆六千三十九億、これは年度途中で減税を約二兆円やっておりますから、それをやらないということを仮定すると七兆円からの自然超過税収が発生をしている。六十三年度は、その補正ベースで見ると三兆百六十億円だと思うのでございますが、これもやはり年度途中で約二兆円の減税をやっている。それをやらなければ五兆円を超える自然増収というのか、超過税収が出ている。ことしは予算書の中に出ておりますように五兆九千二百億を見込んでいる。これもまだふえるであろうと思うのでございますが、大蔵省の見込みはどうでございますか。
#186
○尾崎政府委員 平成元年度の税収見込みがどうなるかという御質問と理解させていただきましたが、私ども先ほども申し上げましたように、いろいろ検討を加えました上で、各種の資料をもとにして適正に見積もりを行っておりますので、予算のような数値が最も確かであると考えております。
#187
○村山(喜)委員 秀才をもって任ずる大蔵省の見積もりが当初予算の見込みからすると大変違っている。それくらい税収見積もりが難しいということでもありましょうし、今まで使ってきた租税弾性値の信憑性が崩れてきている。したがって、どうしても財政民主主義の上から見て、そういうような超過税収が発生をすることによっておかしな格好が生まれてくる。私はやはりそういうような問題をきちっと据えなければ――我が国の地方財政まで含めました借金というのが二百五十八兆円もある。そのほかに国債費の定率繰り入れ等の停止額が、本年度まで入れると十五兆五千七百三十四億円もまだある。
 となりますると、二百五十八兆、これは地方財政まで含めての借金でございますが、一体それをどういうふうにこれから正しい姿に戻していくのかということに対して、国民の前にその実態を明らかにしながら財政面からの協力をお願いするという立場が、このようなずさんな見積もりの中では生まれてこないのではないかと思うのでございますが、そういうようなものに対する財政再建への決意について、大蔵大臣の方から御所見を承っておきたいと思います。
#188
○村山国務大臣 今まで我々が非常に問題にしておりました特例公債は、平成二年度で脱却のめどの足がかりがついた、こう思って喜んでいるところでございますが、御指摘のように国・地方を通ずる財政事情はなお非常に厳しいものがございまして、残高で見ますと、国が百六十二兆ぐらい、また地方も六十兆ぐらいあるわけでございます。国と地方の財政はある程度連動しておりますが、便宜、国だけについて申し上げますと、国はそのほかに、この百六十二兆というものには当然利払い費がかかってくるわけでありまして、恐らく二割ぐらいの利払い費というのは避けられないのではないか。世界で利払い費だけで二割も出している国はないと思うのでございます。その上に、今お話がありましたようないろいろな繰り入れ、一般会計で入れなければならない歳出を繰り延べております。これがまた相当あるわけでございます。加えて、国債整理基金特別会計の償還財源として入れます定率繰り入れ、これも実は停止しておる。これもたまたまNTTの株の売却収入があるというようなことでございまして、今後これらの問題をどうやっていくかということは、まさに御指摘のとおり大変な問題であると思います。
 そういった意味からいたしまして、この脱却後の財政再建の目標をしっかり立てていただきまして、そして今後の財政当局の指針にしてまいりたいと思っております。しかし、何分にもこの問題は一方的な物の見方ではなかなか難しいのでございますので、今次の国会における諸先生方の御意見を十分踏まえまして、また各方面からいろいろなことが今論議されております、そういうことをひとつ踏まえまして、財政審議会で徹底的に議論していただいて適正な目標を定めてもらいたい、このように考えて、実は四月からもう財政審の方にお諮りしている、こういうことでございます。
#189
○村山(喜)委員 思えば昭和四十一年度、佐藤内閣のときだったと思いますが、建設国債を初めて七千三百億発行した。昭和五十一年度になりますと、特例公債を三兆七千五百億発行して今日に至っておるわけでございますが、その公債残高が百六十二兆、そして元本の返済もできないで借りかえでやりくりをやっているという状態である。GNPの四一・六%という姿でございます。国債費は一般会計の一九・三%という状態で、そういうような財政の状況の中で、今後国民の要求をどういうふうに実現していくかということになってまいりますると、これはやはり財政の節度というのか、借金がこれだけあるからそれを早く返せというような単純な発想の仕方は間違いでしょう。国債というのが一つの非常に立派な投資の対象にもなっておるし、世界的に日本の国が頼りにされているという点等も考えますと、やはり財政赤字をなくするというだけで処理できないだろうと思います。
 いずれにしましても、このような状態に立り至っているということをきちっと国民の前に明らかにしながら、その前には長い間の年月をかげながら目標達成をしなければならないことは言うまでもありませんが、後年度の国民に負担を著しくかけるようなことは、現在我々が国会において責任を持っている立場からいって、極めて慎重に対処していかなければならない課題だろうと私は思っております。
 その意味で、地方との関係でいろいろな動きが出ていると思うのでございます。交付税のことしの伸び率は非常によろしいわけでございますが、これは言うまでもありません、国税三税の収入が多くなったということを受けての地方交付税の収入の伸びでありましょう。そのほかに、たばこ税の二五%、これは補助金との絡みの問題でございます。消費税の二四%の地方への交付金というようなものもございますし、譲与税もございます。そういうような状況の中で地方財政は豊かになったのじゃないか、こういう見方で、九〇年度を目標にして交付税をこの際削ったらどうかということが臨時行政改革審議会ですか、ここら辺で取り上げられるのじゃないかという報道がある。
 あるいは財政力指数で一番貧乏な力の弱いのは島根県、一番力の強いのは東京、愛知、神奈川、大阪、これが一以上の財政力指数を持っている。それに対して島根県は〇・二四七三四という低い数値だ。そういうようなところで大都市に税源が集まる。人が集まり、金も集まり、物も集まるという経済構造をつくってしまったのですから、そこにはそういうふうにして税源も集まるわけですから、その税源を地方に、やはりナショナルミニマムを確保するという意味において、当然財政の均等なる配分をしながら、それぞれの地域発展のために使うべきである。そのためには、交付税特会の中で、そういうような基準財政需要額以上の収入額とのにらみの中で、余計に集まった税収はそこでプ―ルして使うべきであるというような意見等も出ているようでございますが、大蔵省並びに自治省はそういうようなものに対してどのような対応の姿勢をお持ちでございますか。
#190
○坂野国務大臣 お答えいたします。
 地方財政が好転してきたのじゃないかという説もいろいろあるようでございますが、先ほどから先生御指摘のように、地方財政においては六十兆以上にわたる借金があるわけでございます。
 それから個別に見てまいりますと、御案内のとおりに約三分の一が公債費率が二〇%というような数字が出ておるような次第でございまして、確かに東京都のようなところはいろいろな面で集中が激しくて、その結果財政事情というものが非常によくなっております。これは全体的に見ると、確かにひところよりも財政は好転しているということは言えるかもしれません。それは東京都のような影響が出ておるわけでございますが、さっき申し上げましたように、個々の面で見るとかなりのアンバラがあるわけでございます。したがって、交付税の配付等についても、御案内のとおりに非交付団体は二百近くあるわけでございますが、それを除いた団体はそれほど裕福な状態ではございません。しかも、先ほど先生おっしゃったように、これからいろいろな面での行政需要がますますふえてくるのは明らかでございます。
 そういう中で、やはり何といっても多極分散といいますか、東京に過度に集中したあらゆるものをできるだけ地方に分散して、今総理が言っておるふるさと創生というのもその一環だと思っておりますが、そういう中で地方全体のバランスをとりながら、地方財政を今以上に自主財源を充実することによって、そして一方においてはできるだけ地方に権限移譲というようなこと、これはなかなか言うべくして難しいと思いますけれども、地方自治の本来のあり方からいいますとそういうことが非常に大切だと思っておりますので、そういう面でこれから十分慎重に検討してまいりたいと思う次第でございます。
#191
○篠沢政府委員 新行革審におきまして、現在、国・地方の関係につきまして、社会経済情勢の変化に対応して地域の活性化を図るという幅広い観点から国・地方間に関連する諸問題を検討するということで、御審議を進めておられるようでございます。私どもといたしましては、この新行革審の御審議の推移を見、また、その結論を拝見した上でもろもろ考えさせていただきたいと考えております。
#192
○村山(喜)委員 坂野自治大臣がおっしゃるように、地方の借金の残高の状況を私も手元にいただきました。これによると六十六兆八千億、これは交付税特会の借入金残高や企業債の現在高、地方債の現在高のトータルでございます。
 この中で、どういうような状況で地方債の借金をしているのだろうかというので私、調べてもらつたのですが、一番多いのが七・五%という、今日の公定歩合から考えたら非常に割高の借金が十七兆から残っておりますね。こういうような問題は、大蔵省と自治省が話し合いをされて、もっと安い金利のものに借りかえるというようなことは考えられないのですか。この金利負担というのは、先ほども国債費の中で金利負担分だけでも一九・二%ぐらいの大変な金利負担、これはどこがそういうようなことで恩恵を受けているかといまば、金を貸している大銀行でしょう。今では公定歩合が非常に下がっているわけですから、銀行はその余裕の金を今度は土地買いの資金に三十兆から出して、土地の値段をつり上げるようなことばかりやっておるわけでしょう。それで、こういうような高い、公のために使うようなものをもう少し、これは地方債ですから資金運用部資金のものが入っているかもしれませんが、何かそこら辺の金利負担を考えてみることが財政再建の中では必要な段階を迎えてきているのじゃないでしょうか。
 公定歩合が二・五%でしょう。そういう時代において、まあ中にはひどいのがありますよ。この中を見てみると九%を超えているのもあるのですよ。そんな高い金利の地方債をいつまでも持っておったってしようがないじゃないですか。これを何とか解決するためには大蔵大臣と自治大臣が相談をなさってはどうであろうかと思うのでございますが、この点、やはり金に関することは大蔵大臣でしょうから、ひとつ御返事をいただきたい。
#193
○篠沢政府委員 地方債の起債に関しましては、そのときどきの経済情勢、金利情勢を踏まえた中での金融の問題として起債が行われてきておると思うのでございます。したがいまして、運用部も含めてでございますが、金融の問題として考えますと、金利が安くなった場合に一方的に借りかえを進めるということについては、なかなか難しい問題も多々あるのではなかろうかというふうにそんたくをするわけでございます。
 なお、平成元年度の予算の関係で申しますと、先生御承知かと存じますが、地方財政対策の中で、ことしは財源対策債償還基金というものを新たに積むというような措置もとられておるところでございます。
#194
○村山(喜)委員 今の問題は研究を願いたいと思います。
 きょうは時間がもうあとわずかしかありませんが、経済企画庁、GNPを上回るキャピタルゲインが土地と株で発生をして、それが依然として続いている。それのもたらす資産効果で景気が上昇を続けている。需要のもとになる購買力というのは、GNPだけではなくて資産の増加を加えた総所得で計算をしないと、さっき大蔵省が間違っているような租税弾性値の姿しか出てこないのではないだろうか、こういうふうに思うのでございます。そのキャピタルゲインは国民経済計算年報でも数値が出されておりますが、そこから見た場合にはどのような姿を呈しておりますか、簡潔に説明願います。
#195
○冨金原政府委員 国民経済計算上出ておりますデータというのは六十二暦年までの時点でございますが、この時点で御説明いたしますと、土地と金融資産の増加額、これは時価評価を土地と株式については行っているわけでございますが、一年間で七百五十八兆円、それから一年前の六十一暦年につきましては五百七十六兆円という数字でございます。ちなみに国民総支出で比較をいたしますと、六十一暦年は三百三十一兆円、それから六十二暦年は三百四十五兆円ということでございますので、この二年間につきましては、土地や株の値上がりによる、もちろんそれから金融資産の実体的な増加もございますが、そういったものを含めました金額は名目支出GNPを上回るような形になっているというようなことでございます。
#196
○村山(喜)委員 きちっとしておかなければならぬのは、キャピタルゲインが発生をして、だれがどれだけそういうようなものを持っているかということが大事でございまして、最近の東京を中心にする土地の値上がりは個人の手が及ばないようになってきた。それは法人が土地を取得して、法人の手によって加工されたものが国民の前に示されておる。こういうような状況の中で問題のひずみが起こっているわけでございますから、これらの問題については税収の問題やらその他いろいろこれから出てまいりますので、今後の問題として問題を残しておきたいと思います。
 物価が非常に心配になってまいりました。為替レートが御承知のようなことで百三十一円、二円という段階であります。石油の原油価格がバレル当たり先物取引は大変高いところを示してきた。そういうような状況の中で、最近の先取り物価といいますか、三月の消費者物価の動き等は年率に換算をすると七・二%ぐらいの勢いだ。そこへもってきて消費税でございますから、これで便乗値上げが行われる可能性が強いと見られることになってまいりますると、過剰流動性はあるし、もう物価が上がらないのが不思議なぐらいの状態が心配をされるわけでございますが、その点については大丈夫でしょうか。
#197
○勝村政府委員 物価をめぐります背景というものが、ただいま御指摘のように、過去三年間ほど有利な条件がすべてそろっているというぐあいにまいらなくなっていることは事実でございます。その主な要因は、今御指摘がありました為替レートあるいは原油価格あるいは賃金コストも、過去三年のようにマイナスというわけにはいかないようになってくるだろうと思います。ただ、これはすぐにインフレが発生するとか、ちょっと数字を申し上げますと、過去三年間の消費者物価というのは、〇・〇、〇・五、昨暦年で〇・七でございましたが、これが一%を相当上回るような水準になってくるということは今のところ考えられないと思います。
 数字について申しますと、先ほど年率七・二という数字を引用なさいましたが、実はこれは全く間違った、先生が間違っているというのじゃなくて、新聞をごらんになった数字だと思いますけれども、この新聞の使い方が全く間違った使い方をしておりまして、季節調整をしない前月比を十二倍してございます。三月、四月は季節的に〇・四ぐらい上がるのが通例でございます。何かその新聞の夕刊の見出しは、七・二%のインフレが既に起こりつつあるような誤認を与えるものでございまして、実はこれは経済企画庁から強く抗議を申し込んでおります。
 それで、数字の実態を申しますと、先ほどのは東京の数字でございますが、全国ベースで申しますと、二月が前年同期で一・〇%の上昇というようなことでございますし、昨暦年はただいま申しましたように〇・七%の上昇という状況でございます。したがいまして、政府見通しといたしましては、消費税の影響一・二を加えまして、今年度は二・〇%程度の消費者物価の上昇になるだろうというふうに考えているところでございます。
 それから、消費税が導入されましてまだ三日ばかりでございますが、けさほども御説明をいたしましたとおり、これまで見ておりますところ、一部の飲食店とか理髪店その他に便乗値上げ的な動きがあることは事実でございますが、物価水準全体に影響を与えるような便乗値上げが発生しつつあるというふうには全く感じられない状況でございます。
#198
○村山(喜)委員 時間があと十分しかございませんので、消費税の問題で質問をいたします。
 消費税の対象になる国民の総消費支出金額はどういうような積算をされたのか、課税対象額の推計をここにいただいておりますが、説明を願いたいと思います。この中で、課税対象額は百九十八兆円、それに対しまして課税見込み額は五兆九千。税制審議を昨年いたしますときには、たしか五兆八千億の税収見込みだというふうに当時は説明を受けたと思うのであります。今度平成元年度の収入見込みの中では四兆五千億という収入見込みを立てておりますが、一体それは間違いないのかどうかという点でございます。
 なお、中小事業者に対する特例のいわゆる免税業者の措置とか限界税率の適用者とか、あるいは簡易課税の適用とかというようなことによります収入の減収見込みはどれぐらいマクロ的に見ているのか、この点も付加価値の中で説明がされると思いますが、説明を願っておきたい。
#199
○尾崎政府委員 税制改革全体の姿を御説明いたしますときに、消費税収五兆四千億ということを申し上げているわけでございますが、これは昭和六十三年度ベースで計算をいたしまして、しかも満年度、平年度の計算でございます。この場合、各種経済資料を用いまして昭和六十一年度の課税対象額を推計いたしました。そして、政府経済見通しの経済指標の伸び率を勘案いたしまして、これを伸ばしまして、昭和六十三年度の課税対象額を百八十一兆円と見込みました。その三%で五兆四千億円というように見込んだものでございます。
 これに対しまして平成元年度の消費税収四兆五千億円でございますが、これは消費税の導入によります平成元年度ベースの平成元年度初年度の増収見込み額でございます。これは各種の経済資料によりまして昭和六十二年度、先ほど六十一年度と申し上げましたが、六十二年度の課税対象額を推計いたしました。一年新しくなっているわけでございます。これに政府経済見通しの経済指標の伸び率などを勘案いたしまして、平成元年度ベースの課税対象額を百九十八兆円と見込んだわけでございます。で、この平成元年度ベースの課税対象額に消費税率三%を乗じた課税見込み額を、五兆九千四百億円でございますが、それを算出いたしました。この五兆九千四百億円から翌年度に繰り越される課税見込み額などを調整いたしまして、初年度の収入見込み額を約四兆五千億円というように見積もったものでございます。
 お尋ねの簡易課税等によります影響額でございますが、先ほど申しました課税ベースの計算に当たりまして、百九十八兆円を算出するに当たりまして十六兆円その影響があるというように見ております。
#200
○村山(喜)委員 消費税は弱い者いじめの税制だということで、今日依然として我々はこれに反対をいたしているわけでございますが、その中で特に輸出企業に対する仕入れに対しての戻し税額の見込み額というものを説明を願いたいと思うのでございます。
 いろいろな税制の本が出ておりまして私も見てまいりましたが、有価証券報告書で計算をした事例でございますが、トヨタ自動車の事例が出ておりました。国内の販売消費税が百十三億円、輸出にかかわる戻し税が六百十六億円、したがって、トヨタ自動車一社で五百三億円が軽減をされるのではないかという数字が出されております。いろいろな企業の動向を見ておりますると、自分のところの会社員を出向させるような形で仕入れの部門に人間を配置いたしまして、戻し税額を大きくするような操作をやってみたり、あるいは輸出関連の設備投資をやりまして、その設備投資の戻し税額を大きくしてみようとか、いろいろ企業なりに節税と申しますか、我々に言わしめるとうまいことをやっているとしか見えないのでございますが、そういうようなことをやりながら、どうもこのようなうまい措置を大企業の諸君はとっているんじゃないだろうか。片一方において、生計費にまで課税をするような形で、年金受給者や生活保護者やら弱い者が税金をがっぽり取られていくという姿が出ておるという状況ではなかろうかと思うのでございますが、この輸出企業の戻し税の問題についてはどういう見通しをお持ちでございますか。
#201
○尾崎政府委員 輸出還付のお尋ねでございます。教科書的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、国の経費を賄うための税でございますから、それを外国の消費者に負担させるというわけにはいきませんので、輸出に当たりましてその税を全部落とすということをしております。その税をきれいに落とすという意味でございまして、そのためには仕入れでしょってきた税も出さなくてはいけないということでございまして、その結果仕入れがしょっている税の分だけが還付されるということになるわけでございます。これが輸出還付制度でございます。
 それでは、今回それをどのように見ているのかということでございますが、全体といたしまして輸出の額を三十六兆円というように見ておりまして、それに三%でございますから一兆円ちょっとのもの、一兆一千億ぐらいが全体として影響を受けるわけでございます。ただ、これは現実に還付になる額というわけではございませんで、輸出の比率が低いところでは納めるべき税からその分だけを差し引きして納めるということになりますので、必ずしも還付になるわけではございませんが、全体として影響額が一兆一千億ぐらいであろうというように考えております。これは大企業でありましても中小企業でありましても、輸出がある限りこのような制度がとられるわけでございまして、全体として還付になるのか、あるいはそれを差し引いても納付税額が発生するのかというのは、その企業の売り上げのうち輸出の部分がどのぐらいの比率を占めているのかということによって決まってくるわけでございます。
#202
○村山(喜)委員 その問題は、結果を見守ってまいりたいと思います。
 最後になりましたが、建物の賃貸の問題でございます。
 建設省の指導では、課税業者は消費税の三%を上乗せしなさい、非課税業者は仕入れ負担の消費税の実額分を計上しなさいということを指導されているということでございます。この点は建設省、非課税業者、課税を免除された業者でありながら、公取の指導でカルテルを結んで、そして商店街では三%を上乗せしてもいいですよというような妙なこともやっていないようでございまして、建設省のやり方は実情に合わせたやり方で正しいと思うのでございますが、どうもいろいろな業種があります。そういうような流通業界の場合の卸業と小売業の営業利益、課税所得額の算定の基礎は二〇%、一〇%ということで、大体これはいいようでございますが、しかし、税理士とかパーマネントとかあるいは加工業とかタクシー業界、そういうようなところが一体どのような経営状態であるかということを把握されてこの税率をお決めになったのかどうかわかりませんが、仕入れ消費税の負担を調べてみると、大体課税業者の場合で一%程度、非課税業者の場合は〇・四%程度にとどまる。
 それを三%取って、その余分な分は自分のポケットの中に入れてしまうというようなことは、国民に対してうそをつくことを奨励するような税制ではなかろうか。やはり納税者が喜んで自分たちの納めた税金が役に立っているという姿をつくらなければ、私は日本の税制は崩れると思っておるわけでございますが、この仕入れ消費税の負担の実態をどういうふうに計算されているのか。私は、これは法務省の見解からいうならば、そういうような状態を放置するということは詐欺の疑いさえあるのじゃなかろうかと思うのですが、建設省、公取、法務省、それぞれ見解がありましたらお聞きをいたしたいと思います。
#203
○伊藤(茂)政府委員 家賃の問題につきまして、課税業者と免税業者が借家に対してどういうふうに消費税に関しまして家賃の請求をするかという点につきまして通達を出しましたが、その点に関しましては先生御指摘のとおりのものでございます。
 今のお尋ねは、簡易課税制度絡みの問題だと思いますが、これは事業者の事務負担への配慮という観点から、仕入れ額が実際に幾らであるかということにかかわりなく、売り上げの一定割合とみなそうという事務手続上の問題でございます。したがいまして、実際のコストが三%かからない場合でありましても、売り上げに三%の消費税がかかるということで家賃を三%上げるという請求をいたしましても、それ自体一般的に問題になるものではないのではなかろうかと私ども考えております。
#204
○厚谷政府委員 今度の臨時暫定的な措置によりましてカルテルが認められておるわけでございます。その転嫁の方法についてのカルテルが中小企業に限って認められておるわけでございます。私どもは個々の業種がどれだけ経費を負担しておるかということについては特に調べておりませんけれども、そのカルテルに参加する中小企業者の中で免税業者につきましても、仕入れ段階で負担する消費税額分を上乗せするということをカルテルの内容とすることは、それは法律の中で認められておるものと考えております。
 しかし、その場合に、免税業者がさらに三%価格に上乗せしましても、これが適当かどうかという問題は、免税業者制度というその制度の趣旨から判断されるべきものだと考えまして、この点につきましては、免税業者の趣旨というものから考えましてやむを得ないというふうに考えておるところでございます。
#205
○東條政府委員 私ども、今の御指摘の問題の場合は犯罪の成否という観点からだけ申し上げたいと思いますが、先ほど来お答えがございますように、事業者の売り上げに三%を課税するという仕組みの中で、その三%分を消費者に負担を求めるということ自体は、法律がそのようになっている以上は特段問題はなかろうと思います。
 問題は、簡易課税方式によった場合に、実際に仕入れた課税仕入れの額とは異なる比率を用いることによって、そこに利得が生ずるのではないかということでございますが、これはそのような制度を採用することについて、事務負担その他の観点から合理性があるという御判断のもとに採用されたそのような制度の結果であるということで、そのような利得が生じたこと自体をもって、詐欺等の犯罪が成立するというふうに考えることは妥当ではなかろう、このように思っております。
#206
○村山(喜)委員 時間が参りましたのでこれでやめますが、問題は、非課税業者、課税免除業者でありましても課税業者として課税を選択することができる道が開かれているわけですから、その選択をした場合と、そして価格カルテル、そういうような地域カルテルといいますか商店街カルテルとの関係を考えてまいりますと、どうも公取の転嫁の指導というのは間違っているんじゃないかということを意見だけ申し上げまして、終わります。
#207
○中村委員長 森田景一君。
#208
○森田(景)委員 今回の補助金等一括法案は四十七法律が対象になっておりまして、大蔵省、総理府、文部省、厚生省、農林水産省、運輸省、建設省、自治省と各省にわたっておるわけでございます。私は、本日は建設省と運輸省の関係について質問をいたしたいと思います。
 この四十七法律のうち補助金関係が四十四法律でございます。公共事業等にかかわる補助率等につきましては、河川法等三十一法律が対象となっているわけでございます。直轄事業では、本則三分の二の補助率を、昭和六十三年度に適用されている暫定補助率十分の五・五をそのまま平成二年度まで延長しようとするものであり、また一方、補助事業では同様に三分の二を十分の五・二五にしようとしているわけでございます。
 地方制度調査会の地方行財政に関する当面の措置についての答申、これは昭和六十三年十二月二十日に出ているわけでございますが、この答申や、地方財政審議会の平成元年度の地方財政についての意見、平成元年一月十一日のこの意見等では、国の補助金等の臨時特例等に関する法律は「国と地方との信頼関係を損なわないためにも、暫定期間の終了をもって廃止すべきである。」このように述べられているわけでございます。公共事業量の多い建設大臣としては、これらの答申、意見をどのように受けとめ、また本則どおりの補助率へ戻すためにどのように努力されたのか、またこれからどうなさるつもりか、まず最初にお尋ねしておきたいと思います。
#209
○牧野(徹)政府委員 建設省の対応についてのおただしでございますが、私どもは、基本的に立ちおくれた社会資本の整備を着実に進めますとともに、何といいましても内需主導型経済成長の定着を図る、そういうことのために公共事業の積極的な推進がぜひとも必要だと考えております。
 そういう基本的な認識を踏まえまして、建設省としてはかねてから、一つとしては、今先生からお話もありましたが、本則で決められております補助率というものは、これは事業の重要度あるいは受益の範囲などを踏まえ、バランスのとれた社会資本整備の観点から決められておりまして、現時点においても妥当だというふうに考えております。
 一方、ただ平成元年度以降の公共事業に係る補助率等の取り扱いにつきましては、事業費確保の観点にも十分留意しながら適切に対処することが重要であろうというふうにも考えまして、主としてその二つの点を強く主張してきたところでございます。しかしながら、国の財政事情等は依然として厳しい状況にございまして、これを踏まえた建設省関係の平成元年度予算のもとにおきましては、事業費の確保を図るということのためには、平成二年度までの暫定措置として、補助率等の特例措置を継続することもやむを得ないと判断したものでございます。
 今後どうするかというおただしでございますが、暫定期間終了後の取り扱いについては、再々御答弁ございますように、今後関係省庁間の検討会を設置して、総合的な検討を行うとされておるわけでございます。この際、この場合においては昭和六十二年度引き下げ分については平成三年度から復元するものとされておるわけでございますが、いずれの場合におきましても、冒頭申し上げた点をしっかり踏まえて私どもは検討に参加してまいりたいと考えております。
#210
○森田(景)委員 「補助金等は一定の行政水準の維持、特定の施策の奨励等のための手段として重要な機能を担うものであるが、その整理合理化は行財政改革の重要な課題である。」このように財政制度審議会も報告しておるわけでございまして、御存じのところだと思います。また、「補助金等の整理合理化に当たっては、補助事業の廃止・縮小・終期の設定、補助率等の見直し、零細補助金等の整理、類似補助金等の統合・メニュー化等不断の見直しを行っていく必要がある。」ことも指摘されているところでございます。今回の一律カットではそのような努力が見られない、このように思うわけでございますが、建設大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#211
○牧野(徹)政府委員 ただいま先生がおっしゃられましたことは重要なことでございまして、私ども建設省といたしましても、従来から採択基準の見直しでございますとかあるいは零細補助金の整理合理化、あるいは事務手続の簡素化等、いわゆる補助金等の整理合理化に努めてきております。時間の関係がございますので省略いたしますが、実績等もございます。
 ただ、私どもの所管しております公共事業関係の補助金は、ほとんどのものが中期的計画と申しますか、各種の五カ年計画に基づいて実施されております。つまり、それぞれの施設の整備促進についてある意味で事細かく決められておりますので、それをある程度弾力的といいますか、自主的な選択をするというふうな余地が狭いということも御理解いただきたいと思います。いずれにせよ、先生お話しの統合メニュ―化等のねらいとするところは、広い意味での事務手続の改善あるいは補助事業者の自主性の尊重等にあるものと私どもは認識しております。今後とも事務手続の簡素合理化の推進、あるいは地域の実情によりきめ細かく対応した補助事業の推進などを図ってまいる所存でございます。
#212
○森田(景)委員 補助金がカットされればその合地方財政に大きく負担がかかる、これは昨日来論議されているところでございます。この公共事業関係について本則の補助率をそのまま適用していく場合、カットされた補助率で補助をしていく場合、この場合では金額としてどのぐらい地方公共団体に負担がかかるのか、また事業量としてはどのぐらい影響があるのか、この二点についてお尋ねしたいと思います。
#213
○牧野(徹)政府委員 お話しのとおり補助率等の特例措置を延長いたします。そういたしますと、ただいま御審議をいただいております平成元年度における事業費の拡大が、国費を私どもいただいているのを一定にいたしまして、それを本則の補助率でやった場合の事業費とそれから延長した場合の事業費とを比較いたしますと、建設省関係全体で事業費は九千二百四十億円増になります。また、逆に地方財政への影響でございますが、今度は逆に事業費を仮に一定にして、それによって国費を両方の計算でやった場合にどの程度国費の差が出るかという計算をいたしますと、それは六千三百七十億程度ということでございます。
#214
○森田(景)委員 約三千億円ぐらいの違いがあるわけですね。この分は地方公共団体が負担をすることになるわけでございます。地方では公共事業を進めなければいけない。住民のニーズにこた身まして大変苦労しているところでございますので、この点については本則に戻すように今後とも格段の努力をしていただきたい、このように思います。
 話が変わりますけれども、高速道路というのがありますね。高速道路というのはどういう道路かのか、ちょっと教えていただきたい。
#215
○牧野(徹)政府委員 道路法上の種類といたしましては四種類ございます。高速自動車国道、国道、都道府県道、市町村道、この四種類でございます。
 それに対して高速自動車国道、ただいまは施行命令方式で日本道路公団が全部施行管理いたしておりますが、一般的にはこれを高速道路と言っております。ただ、先生方も御利用いただいておると思いますが、いわゆる首都高、阪高、これもつくっております。例えば首都高で言いますと都道が多いわけでございます。それも首都高速道路と言っておりますので、その辺も含めればそういうものにまで広がるということで、法律上の言葉ではなくて、そのようなぐあいに使っておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#216
○森田(景)委員 高速自動車国道、国道、こういうふうに道路がいろいろ分けられております。一般的に使われておる高速道路というのは、どのぐらいのスピードで走れれば高速道路と言われているのでしょうか。
#217
○牧野(徹)政府委員 私も専門家ではありませんが、知っておる範囲で申し上げますと、一番ハイレベルの、国土の骨格をなします先ほど言いました高速自動車国道で言いますと、たしか通常は八十、もっとスピードを上げていいところは百キロで設計速度が設定されております。現実に走っておられる方は、何かスムーズに走るために百二十キロ程度のものもあるようでございますが、設計速度で、あのマークで示されておるのは、高速自動車国道であれば、一部に七十もあると思いますが、たしか八十か百だと思います。
 なお、先ほど申し上げました首都高速で言いますと五十キロ程度かな、これは余り自信がございませんが、生活実感としてもそういう標示だったと思います。
#218
○森田(景)委員 一般国道で普通は五十キロとか、場所によって四十キロ、六十キロというところもあります。これよりも速いスピードで走れるのが高速道路だと私は思うのです。
 今お話のありました高速道路は大変渋滞しておりまして、特に常磐自動車道関係で申しますと箱崎インターチェンジ、あの付近ではもう通常六キロから七キロの渋滞となっておりまして、箱崎まで来るためには二時間も三時間もかかるという現状なんですね。あれは何キロあるか知りませんけれども、時速一キロか何キロか、高速道路とは言えない。歩いてきた方がいいぐらいの状況です。
 我々はこの高速道路、せっかくつくった道路が目的どおりに走れない。しかも高速道路というのは通行料を払っているのですね。こういう点で利用者の方は非常に大きな不満を抱いておりますし、また先般首都高では値上げがありまして、こういう渋滞も解消されないのに値上げするとはけしからぬということで、旧料金のまま通行しているという話も聞いておりますし、先日の新聞では、どこかの高速道路の料金所を突破するために職員がけがをした、こんなことも報道されているわけでございます。やはり高速道路というのは必要なためにつくったわけですから、目的どおりに速いスピードで走れるようにすることが大事だと私は思うのです。
 そういう点につきまして、この高速道路の渋滞緩和対策というのでしょうか解消対策、こういうことについてはどのような対策を考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#219
○牧野(徹)政府委員 ただいま先生お話しの点は、私どももまことに心を痛めている点でございまして、本来ノンストップといいますか、先ほど申し上げたように信号なしに一定のスピードで走れることを目的として整備したものでございますが、結果として渋滞しておることは御指摘のとおりでございます。
 そこで、今までのことは今までのこととして、どういうふうにすることが本格的な渋滞解消策かといえば、これは日本のどの都市も共通の弱点を抱えておりますが、日本の都市形成の歴史的な事情、社会的な事情もございまして、何といっても縦方向というか、放射線状の道路は割と強いところがございますが、環状道路が決定的に弱いわけでございます。首都高速道路を利用されておるお客様の目的地、出発地を見た場合に、東京都心、箱崎等を通らなくても、その外側に外郭環状道路が完成しておれば、そちらを回るであろう交通量も非常に多いわけでございます。ですから、いろいろな対策があって、もちろん事業費をふやして今首都高速道路公団がやっております事業を早期に完成させるということも一つでございますが、もっとより基本的には外郭環状道路なり、例えば首都圏で申し上げれば大規模な環状道路が幾つかございますから、あれを早く完成させることが何よりも大事だと考えております。
#220
○森田(景)委員 混雑解消対策については私もいろいろ意見がありますけれども、持ち時間が少ないものですから、また機会がありましたらお話ししたいと思っております。
 この交通渋滞を増幅させるもう一つの要因として、交通事故の現場処理、この問題があるわけです。このようにハイテクだ何だと言われている時代に、交通事故の現場検証は、これは警察の関係だと思いますけれども、今もって何人かの警察官が巻尺を持っていって、こうやってはかって何時間もかかっているわけです。特に高速道路で事故がありますと、本当に大きな渋滞が加算されるわけです。だから、少なくとも高速道路の交通事故処理というのは、今カメラも立派なものがありますし、ビデオというのもあります。そういうもので、縮尺はどうのこうのと技術的に今いろいろ進んでいるわけでございますから、そういう写真撮影で事故現場をきちんと掌握して、その現場を早く正常に戻す、こういうことを考えてもいい時代じゃないかなと思うのです。時間の関係でこれが一つです。
 もう一つは、これは警察庁の関係かあるいは建設省、先ほど道路公団というお話がありましたけれども監督は建設省ですから、大臣、聞いていただきたいのですけれども、事故を起こした車を撤去するのもかなり時間がかかるわけです。ですから、首都高みたいな非常に交通量の多いところ、あるいは東名高速とかそういうところには大型のヘリコプターを用意しておいて、ヘリコプターで事故車を撤去する、こういうことも考えてもいい時代じゃないだろうか、こう思うのですね。その二点についてお答えいただきたい。
#221
○浅川説明員 高速道路の事故処理につきましては、高速道路のネットワーク化が進みまして、経済の大動脈性という役割を果たしているということにかんがみまして、私どもの方では、事故の処理を一刻も早く解消して現場の交通流をもとに戻すというために、警察官の早期臨場、最近は車線がふさがって参れないときには、白バイなどを導入して二輪車で早く臨場する、こういうようなことを考えておりますし、また、実況見分をやりながら路肩や一車線を同時に通す、こういうふうな形もやっておりますし、また、実況見分のやり方を工夫しまして、いろいろと短縮に努めておるところであります。
 御質問の写真撮影による事故処理の迅速化でありますが、人身の被害を伴う事故の処理につきましては、過失事件捜査という制度上、事情聴取それから写真撮影、距離の計測、これは衝突地点とか運転者がどの時点で気がついたかとか、そういうふうなことをあらわす地点の計測など一連の手続を要するわけでありますけれども、写真撮影のみでこの手続を省略することは、制度上解決しなければならない点が幾つかございますので、御質問の趣旨を十分尊重して今後とも検討させていただきたいと思います。
 それから、二番目の高速道路上での事故車の撤去の問題でありますけれども、私どもは、交通流の早期回復のためには一刻も早く事故車を撤去する、あるいはその事故車を少し路肩とかに移動させて交通流を回復する、こういうふうな目的意識のもとに、警察庁と道路公団との間に早期現場回復のワーキンググループを設け検討しておりまして、レッカー車の早期現場到着などに鋭意努力しております。
    〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
 それから、ヘリコプターの利用ができないかということでございますが、人家密集地帯での騒音の問題、それから作業地点での作業を行う場合の上下線の交通遮断の問題、それから重量物のつり上げのときの安全性の問題など解決すべき問題点が多々ございますが、せっかくの先生の御提言でございますので、事故車の撤去方法の一方法として十分検討いたしてまいりたいと考えております。
#222
○森田(景)委員 御答弁の方はよくわかりました。すぐにというわけにはいかないようでございますけれども、今答弁されましたとおり、ひとつ混雑解消、それから高速道路という名前にふさわしい道路を確保するために格段の御努力をお願いしておきたいと思います。
 では、次に移ります。先般、通称常磐新線法案というのが閣議決定されまして、国会に提出されたわけです。名前が今回の法律と同じように非常に長い法案でございまして、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案、こういう法案でございます。実はまだ委員会にも付託されてないようでございまして、付託されてないものをここでお聞きするのもどうかなと思いましたけれども、今まで自民党の安倍幹事長は国会は解散しない、こうおっしゃっておりましたので、いずれ建設委員会か運輸委員会か知りませんが付託になるのだろうと思っておりましたら、きのう解散をするというふうにお話しになっておりまして、解散をするということになりますとこの法案も廃案になってしまうのじゃないか、こういうふうに実は心配しているわけであります。
 私は千葉県の選出でございまして、我が千葉県もこの常磐新線に大きな関係があるものですから、この機会に、担当委員会でありませんけれども、建設大臣に少しお尋ねしておきたいと思います。趣旨説明とかそういうことにかかわらないような形で、ほかの委員会の侵害にならないようにしたいと思いますが、どういう趣旨の法案であるのか、この辺のところだけひとつ建設大臣、答弁お願いできませんでしょうか。
#223
○小此木国務大臣 大都市地域における現下の著しい住宅地の需要に対処するためには、宅地の計画的な供給が極めて重要な課題であるわけであります。このために、大量の住宅地の円滑な供給と新たな鉄道の着実な整備を図るための特別措置を盛り込んで、今国会に今言われたような法案を提案したいというところでございます。国会におかれましては、そうなったときには慎重御審議の上、速やかに成立させていただくようお願い申し上げたいと存じます。
#224
○森田(景)委員 趣旨説明じゃないようにと言いましたら、大変簡単にお話しになりました。
 私の方で承知しておりますことをお話ししますと、一つは都府県による基本計画の作成ということが盛り込まれているようでございますね。それから二つ目には協議会を設置するということ、それから三つ目には特定地域の整備、四つ目には重点地域の整備、五つ目には鉄道の整備、こういう大きな柱で成り立っているようでございます。
 今まで常磐新線というのは、常磐線の混雑を解消するためにということで地元の人たちは大変大きな運動をしてきたわけでございます。ところがこの法案を見ますと、鉄道の建設とあわせてあの辺に優良宅地をたくさん造成する、そういう法案なので、これができたらまた混雑が、新しい鉄道をつくっても混雑の緩和にならないんじゃないだろうかという心配も実は持っておるわけなんですけれども、それはいろいろまた委員会での審議があろうかと思いますので、これから直接には鉄道建設の方のお話を運輸大臣にお聞きしたいと思いますので、建設大臣、ありがとうございました。結構でございます。
 それで、もう時間が余りなくなってきましたが、運輸大臣も現在のJR常磐線、かつての国鉄常磐線の混雑状況は御存じだと思います。日本一の混雑の線路ということで大変苦労してきました。国鉄からJRになりましていろいろ御努力いただきまして、快速電車十両編成を十五両に増結するとか、あるいは列車の増発をするとか、そういうことで大変な御努力をいただいておりますが、それでもなお混雑の解消には至っていないわけでございまして、この常磐新線の一日も早い建設が望まれているわけでございます。
 それで、これを一つ一つ聞いていきますと時間が足りなくなるおそれがありますので、これからずっと聞きますから、それに対してお答えをいただければ何とか時間内でおさまると思います。
 一つは、この建設主体ですね。建設主体は第三セクターということになっているのですけれども、今までは地元市町村、市町村といいますか地元地方自治体、これが半分の出資をする。それでJRが四分の一ですか、あと関係者が四分の一、こういうことになっておりました。ところがJRが四分の一、二五%負担は嫌だ、これで大分難航していたわけですね。最近運輸省御当局が大変御努力なさって、東武鉄道も資本参加する、この二五%の半分くらいは持つということでほぼ固まったということでございますけれども、この建設主体。
 それから、いつ着工していつ完成するか。報道によりますと、平成二年に着工で平成十二年に完成、こういうことのようでございますけれども、これに間違いないかどうか。
 もう一つは、この常磐新線は東京都心部と埼玉、千葉、茨城、この各県を結ぶ都市鉄道でありまして、具体的に言いますと秋葉原から筑波学園都市までということになっておるようでございます。なぜ東京駅としないのか、この辺のところをお答えいただきたいと思います。
 それから、新しい鉄道を建設するためにはいろいろ難しい面倒な手続が必要だ、こういうことでございますが、これから着工までの手続はどのようにやるのか。
 それから、この常磐新線が建設されるまで現在のJR常磐線の混雑緩和対策、これはJRのことですから、もう運輸省とは関係ありませんということになるのかどうかわかりませんが、やはり監督する立場は運輸省だと思います。しかも株はみんな国が持っているはずですね。そういうことで、この混雑緩和対策ということについてもお答えいただきたいと思います。例えば、今新幹線では二階建て電車というのが走っております。常磐線も二階建て電車を走らせたらいいんじゃないかな、こんなふうにも思うわけでございますが、そういう可能性あるいは時差通勤通学、その辺のところをどのように進めていくか。
 大変少ない時間なものですから取りまとめて申し上げましたけれども、お答えいただきたいと思います。
#225
○佐藤国務大臣 今のお話でございますが、先ほどお話がありましたように、まず今国会に提出されております大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する法律案、これの一日も早い御審議をお願いしたいと思いますが、同時に、今審議中の平成元年度の予算の中にも行政経費として八百万計上されているということで、これも一日も早い成立をお願いするわけでございます。
 今御指摘になりました整備主体の問題でございますが、これは関係都県から成る常磐新線整備検討委員会において第三セクターによることを検討している、こういうことでございます。今御指摘のように、この第三セクターの場合にも大体半分を地方の公共団体が持つ、その残りの半分のうちの半分ですから四分の一を鉄道が持つ、あとの四分の一を経済界が負担する、こういうことになっておりまして、その鉄道の中にJRも実は入っている、こういうふうな考え方をとっております。
 そこで、今御指摘のように、その中において車武の方が一部自分の方で持っていいというふうな話があるということでございますが、こういうことでJRの方がギブアップしたというわけではございませんし、また東武だけが先行しても、ほかの地方公共団体、経済界、こういうものの御協力がまずなければ実は成立しない、こういうふうな性格のものでございます。やはりこの事業を具体化するために最も大事なのは、用地の取得のめどをどうするかということをまず初めとして、事業主体や資金調達の方法、こうした基本的な問題を十分に検討しながら解決したい、かように考えておりますので、ひとつ何分にもよろしく御協力、また御指導をお願いしたい、こういうことでございます。
 また、あとの質問に関しましては局長の方から説明させます。
#226
○阿部政府委員 第二点で御質問ございました目標年次の点でございますが、昭和六十年七月の運輸政策審議会の答申では昭和七十五年、これは平成十二年になりますが、これを目標年次としておりまして、私どもとしましてはその目標に向けて最善の努力をしていきたいというふうに考えております。
 次に、起点を東京駅にしたらどうかという御指摘でございますが、先ほど大臣からお話ししました常磐新線整備検討委員会を設けて鋭意いろいろ具体的な計画についての詰めをやっておりますが、まず秋葉原を起点とする方向で検討を行っております。これは、郊外と都心部を結ぶ鉄道新線としての機能を十分に発揮しつつ、膨大な建設費を少しでも軽減させるという趣旨からでございまして、東京駅への延伸については将来の検討課題というふうに考えております。
 次に、鉄道関係についての手続がかなり大変ではないかという御指摘でございますが、鉄道をつくっていくための手続といたしまして、まず鉄道事業法に基づきまして運輸大臣の免許を受けます。この免許を受けた後に鉄道施設についての工事計画を定めまして工事施行認可を受け、その認可を受けた後で着工するというような段取りになります。なお、工事施行認可を行うに当たりましては、地方公共団体の条例等で環境アセスメントということが手続的に要求されておるケースが通常でございますが、このような手続も含めてこなしていく必要があるわけでございます。以上のような手続を踏みまして着工に至るということで、私どもこれらの手続ができるだけ円滑にいくように最大限努力し、配慮していきたいというふうに考えております。
 なお、JRの混雑緩和対策等につきましては、総括審議官が来ておりますので、そちらからお答えさせていただきます。
#227
○丹羽政府委員 先生の御質問の最後の部分の現在の常磐線のラッシュの輸送力増強対策、そういう点をまずお答え申し上げます。
 先生のお話にもございましたように、現在中距離電車、それから快速電車、これが十五両編成になっております。快速電車は十五両編成にする前は二七九%というラッシュ時の混雑率ですが、それが二三七%というところに今きているところでございます。それで、これからどうしていくかということでございますが、JR東日本といたしましては、平成三年春を目途にいたしまして、現在列車制御装置がついておるのですが、それの新しい型、ATSIP型と言っておりますが、その新型のATSの導入を行いますと、現在のところラッシュ時の間隔が三分三十秒ヘッドで、これで十七本ぐらいが一時間で運行できるわけですが、この新しい型のATSIPを入れますと二分三十秒ヘッド、約二十四本ぐらい一時間帯に入る、こういうことで輸送力増強を行おうとしているところでございます。
 なお、先生が別途御指摘いただきました二階建て列車の話でございますが、これは先生のお話のように新幹線と東海道本線のグリーン車に入っておりますけれども、これは乗降に時間がかかるものですから、ラッシュ時の普通の列車に導入することにつきましては、ちょっと慎重に検討しなければならないというところであろうかと思います。
 それから、時差通勤のお話でございますが、確かに時差通勤というのは大変効果がある話だと思っておりまして、運輸省としましても従前から時差通勤につきましては力を入れているところでございますが、なかなか山が崩れないというのが現状ではないかと思います。私どもの内部におきましてもいろいろな勉強をしておりまして、例えばラッシュアワーのオフのときとピーク時とでは定期券の運賃格差をつげるようなやり方で、企業に時差のインセンティブを与えるようなやり方はないだろうかとか、そんなようなことを含めまして今検討しているところでございます。
#228
○森田(景)委員 常磐新線法案が通らないとなかなか進まないということで、私も大変気をもんでおりますが、一日も早い常磐新線の建設を我々地元の千葉県も茨城県も埼玉県も望んでいるわけでございますので、早期に建設できるように格段の御努力をお願いいたしまして、質問を終わります。
#229
○衛藤委員長代理 矢追秀彦君。
#230
○矢追委員 最初に、少しばかり消費税のことを大蔵大臣にお伺いいたします。
 先ほども、四月一日に大臣も視察に行かれて大変安定をしておる、こういうふうにおっしゃっておりましたが、私も大阪の地元で何カ所か商店街あるいは市場等を回ってまいりました。きょうは公取はお呼びしておりませんが、一つの問題といたしましては、表示の問題がもう一つ徹底をしていないといいますか、それよりもむしろ私がこの前この委員会で指摘をしたとおり、業者の方が一生懸命消費者に対して「消費税は転嫁いたしておりません」またある、看板といいますかポスターがございまして、「消費税抜きのサービス価格です」こういうことを全部印刷をして、業者の方に配られておる商店街もございました。これは恐らく公取からは不当表示になると思いますし、また税込みあるいは税抜き等が全然明示をしていない、今までどおり値段そのまま並べてあるのも大変多うございました。
 そういう意味では、私が指摘をいたしましたように、不当表示の中身については再検討をしていただきたい。消費者にとったはいいことですし、また業者の方もそれによって営業努力をするなり、自分がある程度かぶるのも腹をくくってでもやろうとしておられるわけです。それを不当表示だからいけない、とにかく値段を上げなさい上げなさい、こういう方向はいかがなものか。便乗値上げはいけないと思いますが、そちらの方は私は取り締まりの対象にするのは問題だと思います。ある小売店の婦人の方でございましたが、堂々と消費税を転嫁しません、公取とも相談した、公取はだめだと言われた、しかし私は絶対これは外しません、大変頑張っておる方もおられました。そういうふうなこともございますので、公正取引委員会から出された不当表示のあのパンフレットは撤回をしていただいて、もう少し皆さんの営業努力によって、我々消費者もお互いにスムーズに話し合いで買うわけですから、それこそ自由経済なんですから、そういうことは自由経済でない統制経済の方へ行ってしまうんじゃないか、こう思いますので、まずその点について大蔵大臣、所管は少し違うかもわかりませんが、消費税全体に責任ある立場でございますから、この点はひとつ再検討をお願いしたいのですが、いかがですか。
#231
○村山国務大臣 この問題は、委員おっしゃるように公取の問題でございます。不当表示かどうかという問題は、専ら消費者の利益のために行われている。正当であるかあるいは不当であるか、行き過ぎであるかということは、消費者のためにやっている法律だと思います。今委員のおっしゃったことは公取の方に伝えておきます。
#232
○矢追委員 ぜひお願いをしたいと思います。別に罰則はございませんで、ただ撤去せよというだけでございますけれども、この辺はぜひひとつ公取と相談をしていただいて、改善をしていただきたいと思います。
 次に、けさの新聞報道によりますと、通産省の首脳が九月の納税以降に見直しをすべきである、こういう発言をなされたということが出ておりますが、この九月見直し発言について大蔵大臣はどうお考えになりますか。
#233
○村山国務大臣 今度の消費税は、納税事務に伴う負担をできるだけ排除しようという意図を持ちまして、あらかじめその種の設計がされておるわけでございます。具体的に申しますと、簡易課税制度とかあるいは免税点、免税者とか、こういうものはどういうものであろうか、こういうことを言われているわけでございますし、また与野党協議の上で、十七条第三項にこの種の見直し規定が入れられているということを十分承知しております。我々といたしましても、この実施状況、定着状況を踏まえながら、この規定の趣旨を十分踏まえまして適切な対処をしてまいりたい、このように思っております。
#234
○矢追委員 いや、私が聞いているのは、九月の納税の時期に見直したらどうかという通産省首脳の発言があったわけですが、時期としてはその辺を一つ考えておられるのかどうか。大蔵当局としてはどうですか。
#235
○村山国務大臣 まだ定着状況がわからないわけでございまして、またどのような形で定着するか、大分順調だとは思っておりますがそういう状況がわかりませんので、いつどんなことで見直すかということを今からちょっと申し上げかねる、こういうことでございます。
#236
○矢追委員 定着しつつあるというお考えですが、私が実際に回ったところは大変な混乱をしているわけでございまして、やはりこの消費税はやめてほしいという意見が圧倒的でございました。したがって、私たちは今後撤廃を主張していきたい、こう思っておりますことは御承知おきをいただきたいと思います。
 もう一つ、これもけさの新聞報道でございますが、関経連の宇野会長の発言ということで「不公平のもとになる簡易課税制度などの例外措置はいっさいなくすべきだ」あるいは「簡易課税、限界控除、免税点の三つの制度に帳簿方式を加えた四点セット≠ヘ「便乗値上げの温床となる」」こういうふうな発言を財界の首脳がされているわけでございますが、これについてはどう思われますか。
#237
○尾崎政府委員 簡易課税でございますとか非課税でございますとか、そういうような特別の措置を設けているわけでございますが、これはどちらかといいますと納税の方法に関することでございまして、便乗値上げの問題のようないわば値決めの問題とはやや違うものであります。どのようにお考えになって、それが値決めについての不公平の温床になっているというようにお考えになっておられるのか、私よく存じませんけれども、やや違う問題かなという感じがいたします。
#238
○矢追委員 消費税そのものに私たちは反対でございますので、中身について余り意見を差し挟むことはいかがかと思いますが、こういった簡易課税あるいは非課税、また限界控除制度ができたのは、それなりに中小零細に配慮したものだと思うわけでございます。こういうことを一切例外なしにやってしまえという財界首脳の発言というのは、ある意味では強者の弱者に対する大変な見方ではないか、こう思うわけでございまして、その点大蔵大臣はどう思われますか。
#239
○村山国務大臣 この種の税は日本で初めてでございまして、これを実施する場合には、課税業者も非課税業者も相当のコストがかかることは間違いないのでございます。
 課税業者の方は、恐らく吸収していただけるであろうということを前提にしております。吸収できないにしても、その分は法人税、所得税の上で経費になるわけでございます。ただ、税率が一〇〇%でない限り、やはり税引きのコストは残るわけでございます。このことはもうやむを得ない、ひとつ勘弁してくれ、何とか吸収してくれ、こういうことをこいねがっているわけでございます。しかし、非常に中小企業の多い日本で、零細企業にまでコストアップを強制することが果たしてできるかどうか。ここの問題は、そういうことを考慮いたしまして、簡易課税制度なり免税点制度を設けたわけでございます。
 しかし、今度は完全に公平という観念から本当に精緻の議論をいたしますと、その値づけのいかんによりましてどういうことになるか、疑問なしとしないわけでございます。そういう制度の持つ、どちらの制度へ行ってもこれはある種の、余り精緻の方へ行きますと納税コストがかかる、少し緩やかにすれば少しうまみが出てくる、こういう話でございまして、それぞれの立場から批判が出るということは当然あり得ることであろうと思っております。関経連の宇野さんがそういうことを言われたというのは、それなりに伺っておきたいと思っております。
#240
○矢追委員 業者にせよまた消費者にせよ、弱い者に対して大変つらい税金でございますから、こういうような発言も私は余り穏当ではない、不穏当である、こう指摘をしておきたいと思います。
 きょうは消費税の議論はそれくらいにしておきまして、次に、法案の中身の問題についてお伺いをしたいと思います。
 まず自治省にお伺いをしたいのですが、昭和六十年度以降、国の財政難ということでこの補助率の削減が暫定的に実施されてきたわけでございますが、言うまでもなく、これは地方が国の予算編成に協力をしてきたわけでございます。近年の経済情勢、高い税収の伸びを考えますと、当時とは状況が大きく変わってきておる、このように思うわけでございまして、この際やはり補助率はもとへ戻すべきである、このように思うわけでございます。
 そこで、私はかつて本委員会におきまして、補助率削減による全国都道府県別の影響額を資料として提出するように要求をいたしましたが、自治省は把握が困難ということで提出をしていただけませんでした。今回も大分お願いをしたのでございますが、出てきてないわけでございます。どうして出せないのか、まずその理由をお伺いしたい。
#241
○紀内政府委員 現段階におきましては、地方公共団体ごとの国庫補助金の配分額が未定でございます。したがって、地方公共団体別の影響額を明らかにするということは困難でございます。
#242
○矢追委員 今そのようにおっしゃいましたが、私の事務所の方で各都道府県に全部聞きました。そういたしますと、六県を除きまして全部平成元年まで出てきておるわけでございますが、委員長、ちょっと資料をお配りしてよろしゅうございますか。
#243
○衛藤委員長代理 どうぞ。
#244
○矢追委員 お手元に配付をいたしましたような形で、一応六十年度、六十一年度、六十二年度、六十三年度、平成元年度と補助金削減による各年度別の影響額というのを出したわけでございますが、私の部屋でできて自治省でできないのはなぜですか。また、この数字は間違っているのですか。
#245
○紀内政府委員 御指摘ございましたように、地方団体によりましては、みずからの予算計上額をもとにして、独自に推計をして議会に報告をしているものがあるように聞いております。ただし、先ほど申し上げましたように、ことしの分の補助金の配分それ自体が未定でございまして、それぞれのいわば希望額によってやっているのかもしれません。いずれにいたしましてもその推計の根拠は必ずしも一致しておりませんので、現時点で私どもで推計するのは困難である、このように考えております。
#246
○矢追委員 六十年のときも同じ答弁だったのです。二年前の決算をもとにした資料をちょうど私の質問の最終ぎりぎりに滑り込みで出されまして、結局時間切れでそれで終わってしまったわけでございます。今回は前もってお願いをしたのですが、今のような理由、それは私も全然わからないわけじゃございません。しかし、今この補助率はもとに復元してもらいたいという大変強い要請、陳情が各自治体から来ておって、しかも自治省もそれなりに努力をされて、今回やや復元というふうなこともあるわけです。だからそういった意味では、もちろんこれは推計です。推計ですけれども一応出しているのですから、これぐらいちゃんと出していただいてもいいんじゃないですか。ちゃんと質問の前にも要求しておるわけですから、大変不親切だと私は思いますけれども、いかがですか。
#247
○紀内政府委員 各県別にどの程度のオーダーで影響があるかというふうなことについて見るために、極めて粗い推計になるということを前提にした試算を現在作業中でございます。いましばらく時間をちょうだいしたいと思います。
#248
○矢追委員 それでは、決算を含めまして今言われたのを、きょうは無理かもしれませんが、ぜひ早急に提出をしていただきたいと思います。本当であれば、ここでもう質問できないということで資料をもらうまでやめてもいいんですけれども、そうもいきませんので、次へ進めさしていただきたいと思います。
 そこで、先ほど申し上げましたように、この補助率の問題については各自治体からもかなり強い要求が出ておるわけです。私の地元の大阪市にいたしましても、毎年毎年この国庫補助負担金制度の改善ということで、もとへ戻してもらいたいという強い希望が随分出ているわけです。ところが、今回のこの改正案でも、結局はもとへ戻ったものはないわけですね。自治大臣、完全にもとへ復元できなかった理由は何なんですか。
#249
○坂野国務大臣 たびたび皆さんにお答えしておりますように、私どもも、暫定ということになっていることは間違いございませんし、しかも地方自治団体の要望が強い、そういう中で最善の努力をしたわけでございますが、要はやはり地方の財源といいますか、補助率カットによる影響を地方においてなくする、むしろ地方の自主財源といいますか一般財源を確保するということ、この際国もよくなったとはいってもそう永久的によくなったのではありませんし、地方の状況は御案内のようなことでございますので、一部補助率の復元を含めて、地方交付税であるとか地方の自主財源の確保ということを総合的な立場で考えて、最終的に決断したわけでございます。
 公共事業についてはまた別途の考え方でございまして、先生御承知のとおりに、今事業量を減らしては困るという考え方もあって二年送って、その間にまた各省協議をした上で、少なくとも六十一年度の事態までは戻していこうじゃないか。それから一般経費については、確かに不満な点もございます。補助率の完全復元までいっておりませんが、一部復元をやりまして、それに対しての交付税措置であるとか地方債措置であるとか、いろいろな面で実際に自治体にウエートがかからないように私どもやっていこうというような総合的な立場でいったわけでございます。そういう点については地方団体も、まあまあこの辺でやむを得ぬじゃないかという評価をいただいているものと思っている次第でございます。
#250
○矢追委員 今回の法案に関する審議に際しまして、先ほどもちょっと述べましたが、私は昭和六十年四月三日、それから六十一年四月十六日、いずれも本委員会において質疑をいたしました、それを読み直してみたのでございます。
 この補助率削減の出発の時点で、私はこうした措置は地方への負担転嫁ではないか、こういう質問をしたのでございますが、当時は古屋自治大臣でございましたが、負担転嫁は言を左右にして逃げておられたわけです。しかし、特例法の暫定期限切れ、三年間やったわけですが、それを前にして昨年の概算要求の過程で、地方への転嫁を各省庁別に別掲させるということをやられたわけです。その金額は一兆五千二百億円と発表されたわけでございます。ここでも私が不思議に思うのは、国会で質問したときは地方転嫁をはっきりお認めにならないで、今度は地方への負担のしわ寄せだ、転嫁だというのはちょっと私は納得いかないのです。ここに会議録も持ってきておりますけれども、まず自治大臣の答弁を伺いたいわけでございます。
#251
○紀内政府委員 今回の国庫補助負担率の見直しについては、今大臣から概要を申し上げたわけでございますけれども、補助負担率の見直しとその財源措置の考え方をもう一度申し上げてみたいと思います。
 今回の補助負担率の見直しに当たりましては、まず恒久化に係るものにつきましては、生活保護等事務の見直しを行っていないものに係る地方負担増に対しましては、交付団体分の全額を措置する。それから、児童福祉や老人福祉等につきましては、昭和六十一年度における事務の見直し、これは機関委任事務から団体委任事務に見直すというものを含んでおりますが、これに加えて今後も事務の見直しを進めることとされているので、恒久化に伴う地方負担増に対しまして、交付団体分の二分の一を措置するという考え方を基本として恒久財源措置を行うこととしております。また、義務教育費国庫負担金のうち恩給費に係るものについては、国庫負担の対象とされた経緯にもかんがみまして今回一般財源化することとしているところでございます。
 暫定措置に係るものにつきましては、まず義務教育費国庫負担金のうち追加費用に係るものと経常経費に係る地方負担の影響額につきましては、交付団体分の全額を交付税の特例加算及び法定加算によって措置する。それから、投資的経費に係る影響額については臨時財政特例債により措置し、六十一年度カットによる影響額のうち補助分に係る元利償還金については、従来の例によりましてその五〇%を国が交付税特別会計へ繰り入れる。また、六十一年度カット影響額のうち直轄分と六十二年度カット影響額に係るものにつきましては、交付団体分の全額を国が交付税特別会計に繰り入れることとしております。
 この結果、地方財政への影響額の一定部分につきましては既存の地方財源によって対応することとなりますが、それらにつきましてはそれぞれ今申し上げた理由に基づくものでございまして、財源的にも地方一般財源の中で吸収することができるものでございまして、各団体の財政運営に特段の支障を生ずることはないと考えておるところでございまして、全体として地方に負担を転嫁したという言い方には当たらないものではないかと認識しております。
 また、不交付団体分につきましては、その所要の額を基準財政需要額に増額算入いたしましても、なお基準財政収入額がこれを上回るというものでございまして、交付団体におけると同様、その財政運営に特に支障が生ずるとは考えておりません。なお、平成元年度におきましては、調整債の配分を通じて不交付団体における影響についても緩和することといたしております。
#252
○矢追委員 ちょっと私の質問にはお答えになっていないのではないかと思いますので、進めますが、私の質問に当時の自治大臣は、交付税と起債によって埋めているから地方の負担増にはならない、このように強弁しておられたわけです。私が、負担増という言葉が嫌なら影響増は幾らか、こう聞いて、やっとそのとき、これは六十一年四月十六日でございますが、一兆一千七百億円と答えておられるわけです。この経過から考えますと、自治省や自治体がなぜ平成元年度予算で補助率復元を強硬に主張したのか、つじつまが合わないのです。私への答弁どおり交付税と起債で地方の負担増にならないというのであれば、単に暫定期間が終わったからといって補助率復元を大蔵省に迫ることもないのではないか。ともかく、前回の自治大臣の答弁はぜひ訂正をしてもらいたい。この点ひとつ大臣に要求をしたいのです。
 今、全体としては負担にならぬとおっしゃっていますけれども、これはまだ後でやっていきますが、私が今聞いているのは、やはり負担増になっておるわけでしょう、負担転嫁は。
 例えば、これは大阪市の予算要求でもちゃんと「今後、単に国から地方へ負担を転嫁するこのような措置は二度と行わないこと」、こういうような言葉も出ているわけですね。だから、この国庫補助負担率の復元のところではっきり言っているわけです。影響額という言葉で言われておりますが、実質は負担増になっておるわけですよ。だから一生懸命もとへ戻せ、もとへ戻せと来たわけでしょう。だから私は前の大臣のあの答弁は納得をしなかったわけですが、改めて今回訂正をしてもらいたいわけです。
 もう一つ次へ進めます。ついででございますからまとめてお答えいただきたいと思うのですが、当時の自治大臣は、「地方にこれだけ負担しろ、中央は何にも財政措置をしないというのが完全転嫁だろうと思う」「中央では何にも財源措置をしないという場合には、当然私は地方に転嫁する、地方の負担になる」、これも六十年四月三日の会議録です。これは私の一般論としての転嫁の質問に対する答弁でありますが、これだと、逆にいえば、中央で何らかの財源措置をすれば地方への転嫁問題は起きないという趣旨にもとれるわけです。しかし、補助率引き下げに伴って何らかの財源措置が必要となることそれ自体が転嫁であるし、百歩譲って、中央が財源措置をしたとしても、建設地方債の利払い問題のように地方に負担を強いることが起きるわけですから、私はやはり六十年当時の自治大臣の答弁は訂正すべきである、こう主張しておるわけですが、この点ひとついかがですか。大臣どうですか。
#253
○衛藤委員長代理 大臣の前に、自治省紀内審議官。
#254
○坂野国務大臣 私の方からお答えいたします。
 前大臣は、いろいろ各地方公共団体、特に六団体、御承知のとおりでございます、それからかなり強い形の上での補助率の復元という要望があったわけでございますから、それを受けて、前大臣、皆さん、何とか復元しようというぐあいに当然努力すべきである――私もそういうことで当初は出発したわけでございますが、考えてみますと、総合的に考えて、補助率の復元が地方自治体にとって大事であるか、あるいは実際的に地方の財源を十分確保してやることが大事であるか、これは考え方でございまして、やはり地方自治団体というものは、地方自治の精神からいいますと、できるだけ地方が自由な発想に基づいて地方の責任において事業をやっていくというのが、私は地方自治の理想だろうと思うわけでございます。その点については、地方制度調査会におかれてもそういうことがうたわれておりますし、今回の行革審においてもそういう方向で恐らく検討が進められるというぐあいに考えておるような次第でございます。
 そういう立場で総合的に考えてみた場合に、形の上での復元も大事ではあるけれども、実質的に支障のない範囲内において、復元も一部やり、そして足らず前についてはむしろ地方の自主財源をふやすような形でこの問題を決着をつけるのが大事じゃないかということに思い至りまして、大蔵大臣と十分再三協議した結果、今のような方向にいったわけでございます。
 ただ、公共事業についてはさっき申し上げたようなことがございます。これは事業量の問題もございまして、今一挙に復元してしまいますと、それだけの国費を別途につき込まなければいかぬという問題もございます。そういうこともあって、二年ぐらい送って、そして国の財政が本当に今度は名目、実質ともに豊かになった時期において考えても遅くはないのじゃないかというようなことで、二年の暫定というものにさらに延ばそうということで踏み切ったような次第でございます。
 先生のおっしゃるように、地方に迷惑をかける、地方に転嫁という言葉も私よくわからないのですが、要するに補助率でカバーするか、あるいは別途の交付税とかその他の一般財源でもってカバーするかということで、結果的には地方の負担がふえたと思っておりませんので、その点はぜひ御理解いただきたいと思います。
#255
○矢追委員 負担増になっていないということですか。――それはおかしいのじゃないですか。まずそこが六十年のときと全然変わっていないわけですよ。だから、それは私は納得できないんですよね。
#256
○紀内政府委員 まず、各年度におきまして地方債で措置したものが全部転嫁ということは当たらないと思います。それは、まず地方債で措置をした上で、それを今度は元利償還ベースで交付税に算入する、基準財政需要額に算入する。さらに、既定の交付税の中でそれをやった場合には、いわばタコ足的な感じがあるわけでございますけれども、一定の部分については国の方から交付税特別会計に繰り入れるということになっておりますので、地方債で措置した分が、全部負担を回して向こうにツケを回したというものではないという点を御理解いただきたいと思います。
 それから、交付税に算入し、さらに国が後に補てんするというスタイルをとりましても、先ほど申し上げましたように、今回の恒久化に伴う地方負担の増あるいは暫定措置に伴う地方の影響額につきまして、既定財源で対応する部分が残っていることは間違いございません。先ほど申し上げたとおりでございます。
 しかし、この種のものをもって、いうところの転嫁に当たるというかどうかということを考えてみますと、例えば地方財政法等で転嫁すべきでないとされているところの転嫁というものは、いわばいわれもなく一方的に負担を押しつけるという場合でございまして、今回のように議論を重ねて納得ずくで得た結果につきましては、そのように言うのは当たらないのではないか、このように考えております。
    〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕
#257
○矢追委員 どうも私が勉強が足りないのかどうかわかりませんけれども、納得はできないわけです。現に地方自治体は負担転嫁と言っておるわけですよね。これは大阪市もちゃんとここに書いてある。だから私はちょっと納得はできません。
 それで、この補助率等の復元恒久化措置を見ますと、非公共事業に係る補助率に限られております。公共事業分野の補助率は平成二年度まで延長することにしていますが、そう区分された理由はどこにあるのですか。これは再三質問が出ておりましたが、なぜ公共事業分野の補助率の復元をおくらせたのか、合理的な理由というのがあるのかどうか。地方への負担転嫁の解消という点から考えても、これを分ける理由はないのではないか。新聞報道によりますと、公共事業費の金額を中央政府がふやさない、シーリングの補助率を復元すると事業量が減るので中央官庁が嫌った、こういうようなことも言われておりますが、なぜこの公共事業だけをおくらせたのか、これはいかがですか。
#258
○篠沢政府委員 公共事業に係ります補助率等につきましては、やはり再三大臣からも申し上げておりますように、国の財政運営というものを見通して考えますと、なお引き続き諸般厳しい財政運営を迫られるという状況にあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。一方、公共事業の事業費確保の要請に当面基本的な変化はない、こういうふうに見られるわけでございます。現下の景気状況でございますけれども、内需の路線を維持していくということが非常に重要な課題ではないかという認識に立ったわけでございます。
 これらの点から、平成二年度までの暫定措置として昭和六十三年度まで適用されてまいりました補助率等とすることでお願い申し上げておるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#259
○矢追委員 同じく新聞報道では、シーリングのかかった予算編成では事業費の増額は望めないので、補助率を復元するとその分事業量が減ることを嫌って中央の省庁が暫定継続を決めた、こういうことも言われておるわけですが、もしこれが事実だといたしますと、それこそ地方に負担を転嫁した上に事業箇所決定の権限を最大限利用しょう、こういうもので、大変まずいのではないか、このように思うのですが、その点はいかがですか。
#260
○篠沢政府委員 六十三年度までの補助率を公共事業に関しましてそのままあと二年間継続をするということになりますと、いわゆる地方財政への影響額というものは計算されて出てくるわけでございますが、これに対しましては、先ほど来申し上げておりますような地方財政上の対策を講じてこれを進めていくということにしておるわけでございます。長い目で見ますと、いわゆる元利償還費等についても国としては一定の繰り入れを行うというところまでお約束をしておるということでございます。
#261
○矢追委員 中央と地方の関係というのは、どうしても中央に都合がよくという考えが土台にございまして、その上で国と地方は車の両輪、こういう説明がされているような気がしてならぬわけでございまして、もっと地方自治の本旨を踏まえて補助金の整理等に当たるべきではないか、このように思うわけであります。
 その点で、いろいろおっしゃいましたけれども、公共事業関係補助率の復元を、二年先ではなくて来年じゅうには結論を出すべきではないか、このように思うわけでございます。もし、それが無理というなら、その理由を明らかにしていただきたいのです。
#262
○篠沢政府委員 ただいま御指摘になられましたように、公共事業に関します暫定補助率の継続をあと二年間お願いをしておるわけでございます。
 ここに至りました判断の根拠というようなことでございますが、まず、先生御承知のとおり、平成二年度特例公債依存体質からの脱却ということで、当面まず緊急に引き続き努力を行ってまいる必要があるということが一つございます。
 公共事業の補助率等につきましては極めて多岐にわたるものでございまして、御承知のとおりいろいろな経緯を経て今日の基本補助率があるわけでございますから、これらにつきまして総合的に検討するということのためにはやはり相当程度の期間を要するのではないか。かたがた、行政改革推進審議会の方でもさらに国と地方の関係等についての審議も進めておるというような背景もございます。
 これらを考慮いたしまして、一年間ではやや検討期間としては不十分である。非常に雑駁に申しますと、もうしばらくいたしますと次の年度の予算編成に入ってしまいますので、十分な検討を総合的に行いたいということのためにはこの二年間の期間をいただきたい、こういうふうに考えたわけでございます。
#263
○矢追委員 余り説得力があるとは言えないと思うのですが。
 次に、公共事業関係の補助率を据え置きにした背景には、この分野のものは、自治省は嫌がるかもわかりませんが、地方転嫁という言葉を使わせていただきます、建設地方債等の起債で補えばいいという考えがあるのではないかと思います。これも当面の財源調達策としてわからないわけではありません。しかし、これも地方自治体にとっては借金であることに変わりはないわけでありまして、安易に建設地方債に逃げ込むのも問題だと思うわけです。この点で自治大臣のお考えをお聞きをしたいのです。
 あわせて、六十年度以降の補助率引き下げに伴う年度別の建設地方債の増発額、利払い額、これを報告していただきたいと思います。
#264
○紀内政府委員 昭和六十年度から平成元年度までの建設地方債の増発額について申し上げてみますと、六十年度が四千八百億円、六十一年度が九千三百億円、六十二年度が一兆二千二百七十四億円、六十三年度が一兆三千八百七十四億円、平成元年度が六千六百八十億円、合計で四兆六千九百二十八億円に相なります。
 それから利払い額につきましては、これは一定の前提のもとに推計いたしますと、六十一年度で二百九十億円、六十二年度七百七十四億円、六十三年度一千四百億円、元年度二千九十八億円と見込まれます。
#265
○矢追委員 大臣の答弁、後でまとめてお願いします。
 資料によりますと、今言われたように建設地方債も相当な額に達しておるわけです。とにかく六十三年度で一兆三千八百七十四億円、今言われたように利払い費だけでも、だんだんふえていきまして本年度は二千九十八億円、こういうふうなことになっておるわけです。この事後処理をどうしていくのか。地方が受益するのだから地方の負担、こういうわけにはいかぬと思うのです。
 こうした視点からも、公共事業関係補助率の是正を先延ばしというのは、やはり中央官庁としては身勝手であり怠慢と言わざるを得ないと思うわけです。ツケの事後処理まで見通した上で、特に自治体の納得を得た上で、暫定期間をどうするのか、その上で二年延期するのかどうか、その辺はどうなっておるのですか、お伺いしたいと思うのです。
#266
○紀内政府委員 冒頭お答え申し上げたところでございますけれども、今回暫定措置に係ります投資的経費につきましては、昭和六十一年度のカット分に係るもののうち、補助分につきましてはその二分の一を後年度におきまして国から交付税特別会計に繰り入れることとされております。また、昭和六十一年度カット分のうち直轄事業に係るもの、それから、昭和六十二年度カット分、これは直轄、補助両方含みますが、このいずれにつきましても、交付団体分の全額につきまして、その償還の時期に合わせまして交付税特別会計に国から繰り入れることとされております。
#267
○矢追委員 自治大臣どうですか、公共事業の暫定の期間を早めることは無理ですか。
#268
○坂野国務大臣 さっきも大蔵省の方から答弁がございましたが、やはりいろいろ根本的に検討する必要がある。しかも御案内のとおり、やはりその補助率、負担率が低いほど事業量が伸びるわけでございますから、その辺の兼ね合いもあり、検討の期間というものをとって二年間ぐらいやむを得ぬだろう。たまたま平成三年度になってまいりますと財政再建の年に当たるわけでございますから、それを期してひとつ全面的に公共事業については検討させていただこうということで、大蔵大臣とそういう決着をつけたわけでございます。
#269
○矢追委員 地方債の問題が出ましたので、ちょっと。
 これも地方自治体から強い要望が出ておるわけですが、償還期限の延長ですね。地下鉄の事業債は三十年を五十年にしてもらいたい、あるいは下水道の事業債を三十年を三十五年にしてもらいたい、また病院の事業債を三十年から五十年に延長してもらいたい、こういうふうな要望が出ておりますが、この償還期限の延長についてはどう考えておられますか。
#270
○紀内政府委員 地方債の償還年限につきましては、それによって建設される施設の耐用年数等の関係がございまして、必ずしも長ければ長いほどいいというものではございませんが、地方公共団体からの要望も強いところでございまして、一足飛びに五十年という話はともかくといたしまして、延長につきましてはなお努力をしてみたいと考えております。
#271
○矢追委員 自治大臣も同じですか。
#272
○坂野国務大臣 同様の意見でございます。
#273
○矢追委員 次に、今回の補助率の恒久化措置、暫定措置への振り分け及び財源措置で質問したいと思います。
 まず、補助率カットによる地方負担分、概算要求時では一兆五千二百億円が今回の恒久化分におきましては一兆三千八百二十億円、うち恒久化分が六千百億円、暫定措置分が七千七百二十億円、このようになっておりますが、これでよろしゅうございますか。
#274
○紀内政府委員 そのとおりでございます。
#275
○矢追委員 補助率の恒久化措置六千百億円に関連いたしまして、政府は、国から地方へ恒久財源を移譲し地方一般財源の充実を図ったと説明をして、国のたばこ税の二五%、平成元年では二千三百億円を移譲することにしたわけです。そのこと自体は将来の地方財源の安定化に寄与するものと私も評価をいたしますが、恒久化措置に係るその他の財源措置はどうなっておりますか。
#276
○紀内政府委員 先ほどお尋ねになった数字でもう一度確認させていただきますが、補助負担率の見直しに係る額が一兆三千七百八十六億円でございます。
 それから、お尋ねの国のたばこ税以外はどうなっているかというお話でございますけれども、まず補助負担率の恒久措置に係る額いうのが六千三百七十四億円でございます。これにつきましては、まず国庫補助負担率の復元によるものが九百七十七億円、平成元年度の姿でございます。実は、国庫補助負担率の復元の中には平成二年度においてはもとの率に戻る共済の長期負担金がございまして、それを平成二年度の姿で見ますと、国庫補助負担率の復元は千二百八十二億円という形に相なります。とりあえず平成元年度の姿で申し上げますと、国のたばこ税の交付税対象税目化によりまして手当てされる額が二千三百三十億円でございます。それから、地方交付税の特例加算というものによりますものが二百四十三億円ございます。
 それから調整債、これは義務教育の共済長期の負担金の分でございますけれども、これの不交付団体分として六十二億円、残りが一般財源でございまして、二千七百六十二億円と相なります。ただし、この二千七百六十二億円につきましては、このうちに、かつてたばこの特例税率として地方に与えられていたもの、これが税制改革のときにそれを含んだ水準において地方税制改革のバランスをとるというふうにされたもの千二百億円を含んでおります。
 以上でございます。
#277
○矢追委員 今言われた地方一般財源の二千七百六十二億、これは正確には六千三百七十四億円ですか、全体の大体四五、六%になると思うのですね。これが恒久化措置の財源に充てられるということになっておるわけですが、これは補助率カットによる地方転嫁をまさに制度化しようとするものでありまして、地方への負担押しつけで国の責任回避、このように映ると私は思います。しかも、その地方への財源移譲を宣伝する国のたばこ税二千三百三十億円を一般財源が上回ること四百三十二億円、これはもう相当大きな額が上回っておるわけですね。これはやはり問題ではないか、このように私は思うのですが、いかがですか戸
#278
○紀内政府委員 ただいまも申し上げましたように、その二千七百幾らという既定の一般財源の中で対応するものの中には、地方たばこ税が千二百億円、これはかつては毎年毎年特例税率として定められていたものでございますけれども、それをいわば恒久化する姿にのみ込んでおります。
#279
○矢追委員 今の千二百億があるから別に一般財源は大したことない、こういう考えでおられるわけですか。
#280
○紀内政府委員 今のたばこ税の分まであわせ考えますと、今回恒久化した経常経費に係る新しい措置というものが全体の約七五%程度をカバーしている、このように考えております。
#281
○矢追委員 次に、問題は、この経常経費等の補助率の恒久化に伴う財源措置を見てまいりますと、一般財源で穴埋めする二千七百六十二億ですか、これの八〇%近くは社会福祉関係の補助率恒久化に伴うものでございます。老人福祉、児童福祉、身障者福祉等を補う社会福祉措置費というのは、まさにこれからの福祉政策の中心となる在宅福祉の分野の経費でございます。こうした将来充実を急がねばならない分野の補助率はやはり復元をするということが第一の目的といいますか、まずこれをやらなければならぬ、私はこう思うわけですね。御承知のように、老人福祉は本則十分の八、暫定十分の七、恒久二分の一、身障者福祉も補助率は同じ改正、こういうことになっておるわけですが、やはり一番復元しなければいかぬ、こう思うわけでございます。これが一点。
 百歩譲っても、地方自治体の一般財源負担を可及的に少なくして国からの財源移譲分で面倒を見るべきである、この二点であると思うのですが、これは大蔵大臣と厚生大臣両方からお答えいただきたいと思います。
#282
○篠沢政府委員 措置費等につきましては、三年間の暫定期間中に、地方公共団体の自主性尊重の観点から、社会福祉施設への入所に関する事務を国の機関委任事務から団体委任事務に改めるという立法も行われたわけでございます。このような所要の事務事業の見直しが行われまして、恒久法手当て済みという形になりました。これらを踏まえまして今回その補助負担率を二分の一で恒久化を行うということにしたわけでございます。
 なお、これに関連いたしまして、在宅福祉の一つの柱でございますホームヘルパーに対する補助率というものは、従来三分の一でございましたが、これは二分の一に引き上げるという措置もとったわけでございます。
 こういった地方行政の自主性が拡充されているという背景も踏まえまして、補助率十分の八と二分の一という恒久補助率、これの差額につきましては交付団体分の二分の一を交付税財源として恒久措置をすることとしまして、残りは今申し上げましたように地方一般財源で負担をするということにしたわけでございます。
 繰り返しになりますが、やはり従前の地方たばこ消費税の特例措置というようなものも引き続き実質的に維持をされておるわけでございます。地方一般財源としてそういうものが入っておるということでございますので、御理解を賜りたいと思います。
 もとより、各種の福祉施策に係る所要の地方負担につきましては、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして適切に対処をしているところでございます。今後とも、地方におけるこれらの円滑な運営に支障を来すことのないように努力をしてまいりたいと思っております。
#283
○末次政府委員 今回の補助率の恒久化に当たりましての措置でございますが、今回の措置は国と地方の費用分担の関係でございまして、国民あるいは住民の福祉水準そのものについては何ら影響がない、むしろ基本的に今回の予算でも内容の充実に努めているところでございます。
 また、それに必要な財源の裏打ちの問題につきましては、ただいま大蔵省の方から御説明ございましたが、私どもの方といたしましても、今回の措置は団体委任事務化を行った等、地方の自主性、自律性を強化したという点も踏まえつつ、地方交付税がその総額で今後の財政需要の動向に対してどのように対応できるかという点に着目して、関係省庁間で総合的に御判断の上、所要の地方財源措置が講じられている、総体として地方財政に支障が生じないよう措置されているものと承知いたしております。
#284
○矢追委員 何ら影響はないとおっしゃいますけれども、それは地方がその分負担をしておるからでございまして、たばこ税にしても、たばこもだんだん禁煙運動が進んで、果たして安定した税収が出てくるのかどうかも非常に心配な面がございますので、そういうただ皆さんに迷惑かけないからそれでいいんだということではなくて、地方財政という面からももう少しきちんと考えていかなければならぬと私は思います。
 次に、福祉関係では、補助率カットで最大の焦点となった生活保護費関係が、本則十分の八、暫定十分の七、そして恒久化十分の七・五となったわけでございますが、やはり憲法第二十五条の趣旨からいいましても、また社会保障制度の根幹という性格からいっても十分の八にすべきではなかったかと思うのです。何か本則と暫定の中間値をとって七・五と、安易な妥協のような気がしてならぬわけですが、なぜ十分の七・五となったのか、その理由を大蔵、厚生、自治三省から説明してください。
#285
○篠沢政府委員 生活保護につきまして各省検討会で十分議論をしたところでございますが、まず、戦後の生活保護創設時に比べまして、今日では年金、医療、社会福祉といった国民生活の基礎となる諸分野が国の基盤整備によりまして充実をされるなど、社会保障をめぐる情勢は著しく変化をしてきております。それから、国と地方の財政状況の変化というものも背景に一つある。そして他方、生活保護制度についての国の責任にかんがみまして、その国庫負担率は一般の補助率等の中で最高水準に位置づけられる、これはどうしてもそこはしなければならないといった話がございました。御承知のとおり、生活保護は他法・他施策優先でございます。その他法・他施策の充実というものも長い歴史の中から認識をできるのではないかということにもなったわけでございます。他方また、たばこ税を地方交付税の対象とする恒久的な地方財源措置も講ずるという背景もございました。
 総合いたしまして、国庫負担率を四分の三で恒久化を図るということにしたわけでございます。
#286
○小泉国務大臣 今の大蔵省の答弁でほとんど尽きていると思いますが、十分の八がいいのか十分の七・五がいいのか、これは議論の分かれるところだと思いますが、厚生省としても、実際の福祉水準の低下をもたらさない、そして現場で生活保護のいろいろな事務をやるのは地方団体であるということから考えまして、これで十分生活保護の行政は対応できると判断して、四分の三で結構だということで決着を見た次第であります。
#287
○紀内政府委員 今までのお答えと重複するかもしれませんが、生活保護につきましては国の責任の極めて重い行政分野でありまして、社会福祉の国庫負担率の中でも最も高い率にすべきである、こういう認識は関係省庁間で一致をしていたところでございます。ただ、結論を得るまでの過程ではその具体的な率についてはいささかの議論がございました。
 自治省といたしましては、国の責任が極めて重い分野であり、かつ権限の見直しの余地がないという性質の事務であること、それから地方団体は当然のことながら強い復元の要望を持っていたということ、それから生活保護行政を適切に執行するためにも財源は必要であるということ等の状況を踏まえて議論をしたところでございますが、最終的には、暫定負担率の十分の七を十分の七・五に引き上げる、かつ、かつての率である十分の八との差に係る影響額につきましては恒久財源を交付団体分の全額について措置するということで、個々の地方団体の財政運営に支障がないということといたしましてその恒久化を了承したものでございます。
#288
○矢追委員 さらに、生活保護の対象世帯や対象人員が補助率カットと符節を合わせたように減少していると言われております。厚生省からいただいた資料によりますと、昭和五十九年度で七十八万九千六百二世帯、人員で百四十六万九千四百五十七人、これが六十二年度では七十一万三千八百二十五世帯、百二十六万六千百二十六人、こういうふうになっておるわけでございます。もちろん不正受給というのが許されないのはもう当然でございますが、他方、補助率カットが引き金になって実際保護に値する人が保護を受けられない、こういうことになったのでは意味がないわけでございます。
 今御答弁を聞いていますと決してそういうことはないんだと言われますが、私はこの補助率の十分の七・五を八にしなかった問題と、人員が減ってきたあるいはそれに対する予算が減ってきた問題とは別の問題だ、こう思うのでございますが、その点はいかがですか。
#289
○小泉国務大臣 確かに生活保護世帯数も減ってきている、また受ける人員も減ってきているということは、それだけ生活保護を受ける必要のない方がふえてきたということで結構なことだと思いますが、これは別にもらうべき人に生活保護を与えてないということではなくて、国民の貴重な税金ですから、もらう資格のない人までに生活保護が出ているんじゃないかという一方の批判がないように、しかし資格のある方には与えなきゃならない、そういう指道守も行われているという、これがかなり適正に行われているんじゃないか。また、真に困っている方に対しては、きちんと懇切丁寧に指導して生活保護を与えるようにというふうに厚生省としては各団体に指導しているつもりでございます。ですから、この補助金の問題が直接生活保護世帯の人数の増減に関係あるとかないとかという問題ではないんじゃないかというふうに思っております。
#290
○小林(功)政府委員 保護率の減少の要因、事務的に分析したものをちょっと補足させていただきます。
 もともと生活保護の適用の動向というものはいろいろな要素で決まってくるわけでございまして、経済的、社会的な要因はもとより、ほかの法律や制度の整備の状況あるいは制度の運用等、いろいろかかってくるわけでありますが、私どもいろいろ分析をしまして主なものを拾ってみますと、第一はやはり景気でございます。好況、不況というのは非常に大きく生活保護に影響してまいりますけれども、御存じのとおり、五十八年度以降、一時的に若干の後退はありましたけれども、全般的に見ますと非常に好況で推移している、これが非常に大きく影響しております。
 第二点は、昭和六十一年四月に障害基礎年金というものができました、あるいは特別障害者手当制度、これも創設をされまして、従来の福祉年金でありますとか福祉手当というものに比べて一挙に相当大幅な増額が図られたわけでございます。これが生活保護の減少にかなり効いているということが言えます。
 第三番目に、従来上昇しておりました離婚率が昭和五十九年度ぐらいからだんだん減少してまいりまして、母子世帯に対する生活保護の適用というのが減ってまいっております。
 それから、それに加えまして国とか地方公共団体における保護の適正実施についての取り組みが進んだ、こういうことでございまして、必ずしも補助率の問題とこの要因、原因を結びつけるというのはいかがなものであろうか、こういうふうに分析をしている次第でございます。
#291
○矢追委員 だから七・五というより八に戻すべきであったと思います。これは恒久化されてくるわけでございますけれども、恒久化といっても法律を変えればまたできるわけですから、ぜひまたいつかの時点で戻すということもひとつ御検討いただきたいと思います。
 次に、消費税の導入によりまして、要するに税制改革に伴いまして各自治体とも地方財政がかなり減収になっております。その実態をひとつ御報告いだだきたいと思います。また、それに対してどう財政措置をしたか。
#292
○紀内政府委員 消費税の創設を含む税制改革に伴いまして、地方税財政にどのような影響が及んだかということでございますが、昭和六十三年度を基礎といたしまして平年度ベースで推計をいたしますと、減収になる額が三兆百七十億円、それから消費税として配分される額が二兆一千三百三十五億円、合わせますと減収超過八千八百三十五億円、このような構造に相なっております。
#293
○矢追委員 今のように、消費税導入によりまして地方自治体に八千八百三十五億円という減収超過額が出てきておるわけでございます。こういうふうに特に減税、住民税とか法人住民税、事業税といったものの減税あるいは間接税の減税等で減収が上がってきておるわけでございますが、こういったことも今地方自治体には一つの大きな負担になっておるわけですね。それプラス、先ほど来議論しておりまして、なかなか自治大臣は影響額は認められても負担転嫁とか負担増はお認めにならないのは大変残念でございますが、考えますと、景気がある程度いいものですからある程度税収も伸びている。それは東京なんかは大変いいわけです。そういう大きいところはよろしゅうございますが、地方はなかなかそうはいってないところも多いわけでして、結局現状においてはまだまだ地方の財政というのは決していいとは言えないわけです。だから、そういった税制改革に伴う影響もある、それにプラスこの補助率をなかなかもとへ戻さない、また公共事業の方は暫定のままでまたいこう、こういうようなことは非常に問題であります。
 先ほど指摘をしておりましたように、特に福祉関係、生活保護者、在宅老人保護、身障者等といったいわゆる社会的、経済的に弱い立場の人たち、こういった人たちにやはり地方自治体がしっかりしないと一番影響が出るわけですから、こういった点については地方財政をもう少しきちんとしていかなければならぬと思うわけでございます。
 要望も含めまして、消費税によるマイナス・プラス、今回の補助率の見直しを含めた地方財政に対して、大蔵大臣、厚生大臣、自治大臣、この三大臣から、厚生大臣は厚生関係、ひとつ御答弁を伺って終わりたいと思います。
#294
○村山国務大臣 今度の税制改正に関する地方財政の問題あるいは今度の一括補助率の改正の問題、地方財政にもそれなりの影響があることは当然でございますけれども、この両者の問題については、地方財政が困らないように、また個々の各団体がお困りにならないように、両省で十分配慮したところでございますので、そのように御了承いただきたいと思います。
#295
○坂野国務大臣 矢追委員の地方財政を心配しての御質問、私も聞いておりながら大変敬服したわけでございますが、結果的には、一〇〇%というわけにはまいりませんが、今大蔵大臣がおっしゃいましたように、かなり私どもとしては、できる範囲内の努力をしたわけでございます。
 そして、現実にやはり財政力の低い、財政支出の低いところについては、私どもできるだけ重点的な、傾斜配分というようなことを含めて、地方財政に支障を米さないようにこれからも努力していきたいと思っておりますし、また、総合的には、今後の問題として地方制度調査会あるいは行革審の審議の状況を見守りながら、できるだけ地方の自主財源というものを充実していくように今後とも頑張ってまいりたいと思っておる次第です。ありがとうございました。
#296
○小泉国務大臣 税制のことについて厚生大臣に答弁を求められましたが、私見ですが、私も厚生省関係の薬局とかおすし屋さんとか映画館、四月一日に視察がてら行ってまいりましたけれども、混乱なく冷静に国民がこの税を受け入れられているな、近い将来、本当に減税と一緒にこの税制改革をやってよかったなという評価がされるだろうという自信をますます深めて帰ってきた次第でございます。
 いろいろな御批判があると思いますが、そういう批判というものを謙虚に受けとめながら、この消費税が一日も早く国民の間に定着し、いい税制改革であったな、そういう評価を受けるように今後も政府は一体となって努力をしていかなければならないと思っておりますし、厚生省としては福祉政策の増進に今後とも精いっぱい努めていく次第でございます。
#297
○矢追委員 終わります。
#298
○中村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#299
○中村委員長 この際、本案に対し、中西啓介君外四名から、自由民主党提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。中川昭一君。
    ―――――――――――――
 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#300
○中川(昭)委員 ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、この法律の施行期日は、原案では「平成元年四月一日」と定められておりますが、既にその期日を経過しておりますので、これを「公布の日」に改めることとするものであります。
 以上が本修正案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#301
○中村委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#302
○中村委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。江口一雄君。
#303
○江口委員 私は、自由民主党を代表して、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案及び同法律案に対する修正案に賛成の意見を述べるものであります。 御案内のとおり、現下の我が国財政は、本年度末の公債残高が百六十二兆円程度に達する見込みであり、これから生ずる国債の利払い費も歳出予算の約二割を占め、引き続き極めて厳しい状況となっております。
 今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大等社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、今のうちにその基盤とも言うべき財政の対応力を回復することが引き続き緊要な課題であります。したがって、平成二年度特例公債依存体質からの脱却及び公債依存度の引き下げという目標の達成に向けて、さらに歳出の徹底した見直し、合理化等に取り組むことが必要であると考える次第であります。
 政府は、平成元年度予算の編成に当たり、内需の持続的拡大に配意しつつ、財政改革を強力に推進するため、歳出面において引き続き既存の制度、施策の見直しを行うとともに、特に一般歳出の四割を超える補助金等の整理合理化に努力を払っているところであります。
 もちろん、補助金等の整理合理化は、行政領域の見直しをも伴うもので、極めて困難な側面を持っていることは十分承知しておりますが、しかしその困難性を有するがゆえに、その努力を放棄するわけにはまいらないのであります。
 私は、このような観点から、政府が緩むことなく歳出の徹底した見直し、合理化に取り組んだ証左として本法律案を極めて高く評価するところであります。
 本法律案における各措置は、累次の臨時行政調査会の答申等の趣旨を踏まえ、昭和六十三年度までの暫定措置が講じられてきた事業の補助率等について、改めて最近における財政状況、国と地方の機能分担、費用負担のあり方等を勘案しつつ一体的、総合的な見直しを行うこととしたものであります。さらに、今回の補助率等の見直しに伴い、別途、たばこ税を地方交付税の対象とするほか、地方公共団体の事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講じることにより万全を期していることもあわせ考えれば、現下の厳しい財政状況における政府の努力と英断に対し深く敬意を表するものであります。
 なお、施行期日を公布の日に改める修正案は、事の性質上当然の措置であると考えます。
 最後に、私は、政府が国民各位の理解と協力を得て行財政改革に引き続き積極的に取り組み、補助金等を含めた歳出全般にわたる節減合理化を一層推進し、限られた財源の中で財政資金の効率的使用が図られることを切望して、本案及び修正案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#304
○中村委員長 沢田広君。
#305
○沢田委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました補助金の整理、合理化、臨時特例等に関する法律及び同修正案について反対の討論を行います。
 以下、反対の主要点を申し上げ、理由といたします。
 一、政府固有の義務的経費を地方団体に転嫁する措置は許されない。
 一、地方自治体の立場、意見が十分反映されていない。
 一、補助金カット四十四法律は強引過ぎ、しかも民生の安定に不可欠な厚生、建設、農林、教育など十省庁に及ぶ整理合理化の名によるカットで
ある。
 一、カット分は財源的に考慮されているからといっても何ら保証が明らかでなく、不安の助長となり、地方自治体間のひずみや国民の福祉に十分配慮されたことにならない。
 一、中央集権化の強化となり、自治体や国民不信感の増幅を加速させている。
 一、補助率の切り下げは、特に生活保護、老人福祉の減額は弱い者いじめの最たるもので、その他災害、教育等を圧迫することも許されない。
 一、地方債の肥大化を招き、財政の硬直化を進め、財政危機の不安が大きい。
 一、リクルート疑惑を解明し、混乱している消費税を直ちに取りやめ、速やかに政治不信をなくすべきである。
 政府は、これらの実態に対応し、地方財政の健全化に努め、国と地方財政の均衡を速やかに図られることを期待します。
 最後に、事態収拾の困難な政治状況に追い込まれている今日、速やかに政治を主権者である国民の手に戻し、解散・総選挙を断行することを要求するものである、これは天の声、民の声、時の流れであります。
 以上、反対の討論といたします。(拍手)
#306
○中村委員長 森田景一君。
#307
○森田(景)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案、同修正案に対し、反対の討論を行うものであります。 反対の理由の第一は、補助金の一律カット法は、地方自治体の財政を大きく圧迫するものであり、実施すべきではないという我々の反対を押し切って成立させた暫定措置であり、一日も早く本則に復元して地方への負担のしわ寄せを解消しなければならないのに、ほとんどその措置がとられていないことであります。
 特に生活保護費等は本則十分の八の補助率を十分の七・五にカットしたまま恒久化しようとしたり、保育所、老人ホーム運営費など措置費も同様に十分の八を二分の一にカットしたまま恒久化しようとしていることは到底容認できるものではありません。
 反対の第二の理由は、補助金の整理合理化は、補助事業の全面的な見直しを前提に、統合メニュー化、統合化、零細補助金の整理、一般財源化を行うべきであるのに、その対応が不十分であるからであります。
 反対の第三の理由は、相変わらず厚生年金国庫負担の繰り延べを行っていることであります。赤字国債脱却目標達成を口実として、厚生年金国庫負担の繰り延べなど、いわゆる隠れ借金をして財政再建のつじつま合わせを行うべきではありません。
 財政改革は中途半端な行政改革ではなくて、徹底した改革を断行して達成すべきものであります。
 以上の理由により、本案並びに修正案に反対であることを表明して、討論を終わります。(拍手)
#308
○中村委員長 安倍基雄君。
#309
○安倍(基)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案、同修正案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 反対の理由の第一は、本来地方自治体よりも国が主たる責任を負うべき社会保障的な経費について、国の負担率を引き下げようとしていることであります。
 従来、生活保護、身体障害者福祉、老人福祉等について国の負担率が高いのは、こうした施策が本来地方自治体によってばらばらとなることが好ましくなく、国が主たる責任を持ち、バランスをとっていくという思想が根底にあるのであります。特に高齢化が急速に進むことが予想される現在、老人福祉問題は今後の重要な課題であります。今後、急速に伸びるであろうこうした経費を自治体に押しつけることは、富裕な自治体であればともかく、財政力のない自治体にとって大きな負担となり、地域間のアンバランスが拡大する結果となりましょう。これは長期的に福祉の大幅な後退となり、大きな問題であると言えます。
 第二の理由は、今回の補助金の見直しが、高率の補助金カットという率の面に重点があり、本来どの補助金が真に必要であり、あるいは必要でないかというスクラップ・アンド・ビルドという立場に立っていないことであります。
 補助金の中には、補助率は低くとも額の大きいものもあり、また、今回率のカットの行われるものは、今後ますます必要となる経費と考えられます。こうした補助金に対する基本的な検討が行われないまま、ただ高率であるがゆえにカットの対象となるという点、この法案は理念なき法案と言わざるを得ません。
 第三の理由は、この補助金のカットが地方財政に大きなしわ寄せとなる懸念のあることであります。
 福祉のみならず、公共事業について地方自治体の支出すべき経費は今後増加するものと見込まれますが、補助率のカットは地方自治体の財政への大きな負担となり、財政力のある自治体は国の補助を受けて事業を行えるが、財政力のない自治体はミニマムの事業をも行えないということになりましょう。消費税の導入により、地方固有の財源が失われていくのでありますが、今回の措置はこうした自治体間のアンバランスを増幅する懸念があります。
 第四の理由は、今回の措置が補助金の一部を変更するのにとどまり、中央と地方との関係を根本的に見直す政策の一環としてなされていないことであります。
 中央と地方との関係は、財源の再配分、権限の再検討という基本問題を検討すべき時期に来ていると考えられます。こうした基本構想を踏まえて補助金問題は処理されるべきであります。
 この法案は、国の財政という次元でのみ考えた近視眼的なものと言うべきであります。竹下総理のふるさと創生論は、こうした基本的なビジョンを欠くことがこの補助金カット法案に示されていると言うべきであります。
 以上の理由により、我々は本法案に反対せざるを得ません。
 最後に、それぞれの関係する委員会で慎重審議されるべきこの問題が、本委員会で一括論議され、十分の審議を経ないままに採決されることに遺憾の意を表して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#310
○中村委員長 正森成二君。
#311
○正森委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案及び修正案に対し、反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、議会制民主主義を踏みにじるやり方にあります。
 国の補助金等カットの臨時特例法案は今回で三度目ですが、政府は提案のたびに、この措置は一年限りだ、三年限りだなどとその場を糊塗し、陳謝までしてきました。しかるに、またしても約束をほごにし、わずかばかりの国庫補助等の復元をしただけで、社会保障、福祉関係十三法律事項、教育関係二法律事項の補助率等を削減、恒久化し、さらに公共事業等関連三十法律事項をまたもや暫定措置として二年延長しようとしているのであります。
 しかも、厚生、文部、建設、国土、運輸、大蔵、自治など十一省庁、十一委員会にも関係する四十七法律を一本の法律にして一括処理し、さらに加えて日切れ法案と称して本会議での質疑も省略し、わずか二日間の審議で成立させようとしているのであります。国民無視の国会の形骸化、議会制民主主義のじゅうりんも甚だしいと断ぜざるを得ません。
 反対の第二の理由は、国民生活に重大な打撃を与えることであります。
 社会保障、福祉関係の補助率等の削減による影響額は、五年間に二兆三千六百億円余にも達します。生活保護世帯、身体障害児、母子家庭、老人等のいわゆる社会的弱者と、保育所、婦人保護施設、精神薄弱者援慶施設等に多大の犠牲を強いることは明らかであります。「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と明記した憲法と、これに基づいて築かれてきた各分野の制度、政策の原理原則を真っ向から踏みにじるものではありませんか。
 また、教育関係については、一方で教員と教育内容の国家統制を強化しながら、他方、財政負担は地方公共団体の負担を増大させようとするものであり、まさに金は出さないが口は出すというやり方であります。本法案は、特に児童生徒の急増地域や離島、特別豪雪地帯、沖縄、奄美群島等々の公立小中学校等の校舎や屋内運動場の建設に多大の影響を与えることは明らかであり、教育基本法第十条の精神をじゅうりんするものであります。
 さらに、公共事業について言えば、その約八〇%が国民生活に直接かかわるものであり、現在でもおくれている災害、公害、事故防止下業や離島、過疎地域、沖縄、奄美群島等の振興開発、漁港、地方道等の整備事業等をさらに後退させるものであります。
 反対の第三の理由は、地方財政運営の原則を踏みにじり、地方自治体に負担を転嫁し、地方財政危機に一層拍車をかけることになるからであります。
 本法案による国庫補助金等削減による地方財政の影響額は、地方財政計画ベースで一兆二千八百九億円となっていますが、八五年度からの五カ年で六兆二千億円にも及ぶのであります。政府は、財政金融上の措置を講ずると言いますが、その実態はおよそ財政金融上の措置の名に値せず、地方債増発を促し、地方財政の硬直化を一層進めることは火を見るよりも明らかであります。ふるさと創生と称する一律一億円のばらまきをやめ、国庫補助率等の完全復元を求める地方議会の決議や意見書に素面に従うべきではありませんか。
 最後に、厚生保険特別会計法の一部改正など国の負担に係る繰り入れカット等の特別措置は、法律に定めた政府の責任を放棄し、隠れ借金をまたしてもふやすものであり、断じて容認できないことを指摘し、反対討論を終わります。(拍手)
#312
○中村委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#313
○中村委員長 これより国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案について採決に入ります。
 まず、中西啓介君外四名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#314
○中村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決された修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#315
○中村委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#316
○中村委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、中西啓介君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。森田景一君。
#317
○森田(景)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の次項について十分配慮すべきである。
 一 高齢化社会に対応し、行政需要の拡大に的確に応えるとともに、地方財政法第十条等の趣旨を踏まえ、今後とも国庫負担制度の基本を維持し、また、国の補助負担金の整理に当たっては、その事務事業の性格と国と地方間の財政秩序の維持を十分に勘案すること。
 二 社会保障、文教行政等、国民のナショナルミニマムに関する制度及び負担の変更については、地方公共団体をはじめ関係団体の意見を十分尊重すること。
   また、国と地方の行財政の再配分に係る国の施策の変更に当たっては、地方公共団体の一方的な財政負担増をもたらさぬよう特段の配慮を払うこと。
 三 国の補助負担割合については、事務事業の見直し・国と地方の間の再配分を基本として整理合理化を行い、地方の自主性に委ねるべきものについては一般財源への振替等を行うよう努めること。
 四 地域振興と地域格差の是正を図るため、公共事業の長期計画の着実な進捗に努めるものとすること。
   また、公共事業に係る補助負担率の検討に当たっては、昭和六十二年度引下げ分については平成三年度から復元するものとすること。
 五 義務教育費国庫負担制度については、共済費追加費用等の取扱いに関し、引き続きその趣旨及び経緯に特段の配慮を払うこと。
 六 年金に係る国庫負担金の繰延べにかかる元利の返済については、その返済を計画的かつ、速やかに行うよう措置すること。
 七 今回の特例措置に伴い発行される臨時財政特例債の元利の償還については、交付税の基準財政需要額に的確に算入するとともに、後年度におげる償還に係る国の所定の負担については、必ず交付税特別会計に繰り入れること。
 八 法律の改廃については、立法の趣旨と制定の経過を踏まえ国会審議のあり方について十分配慮すること。
以上であります。
 何とぞ御賛成を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#318
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#319
○中村委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。村山大蔵大臣。
#320
○村山国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえて配意してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#321
○中村委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#322
○中村委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#323
○中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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