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1988/03/24 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第4号
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1988/03/24 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第114回国会 地方行政委員会 第4号
平成元年三月二十四日(金曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 西田  司君
   理事 大野 功統君 理事 川崎 二郎君
   理事 渡海紀三朗君 理事 平林 鴻三君
   理事 松田 岩夫君 理事 山下八洲夫君
   理事 小谷 輝二君 理事 岡田 正勝君
      逢沢 一郎君    上草 義輝君
      尾身 幸次君    鹿野 道彦君
      北村 直人君    熊谷  弘君
      佐藤 敬夫君    佐藤  隆君
      中山 利生君    中山 正暉君
      山村新治郎君    渡辺 省一君
      加藤 万吉君    佐藤 敬治君
      新村 勝雄君    中沢 健次君
      細谷 治嘉君    安田 修三君
      新井 彬之君    吉井 光照君
      経塚 幸夫君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        自治大臣    坂野 重信君
 出席政府委員
        警察庁警備局長 城内 康光君
        自治省財政局長 津田  正君
 委員外の出席者
        大蔵省関税局管
        理課長     川  信雄君
        運輸大臣官房審
        議官      木村  操君
        運輸省地域交通
        局鉄道業務課長 加藤  甫君
        建設省建設経済
        局総務課長   辻  光興君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団理事)  中島 眞二君
        地方行政委員会
        調査室長    大嶋  孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  鹿野 道彦君     佐藤 敬夫君
  金子 一義君     逢沢 一郎君
  塩谷 一夫君     尾身 幸次君
  橋本龍太郎君     北村 直人君
  渡部 恒三君     熊谷  弘君
  佐藤 敬治君     新村 勝雄君
  草野  威君     新井 彬之君
同日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     金子 一義君
  尾身 幸次君     塩谷 一夫君
  北村 直人君     橋本龍太郎君
  熊谷  弘君     渡部 恒三君
  佐藤 敬夫君     鹿野 道彦君
  新村 勝雄君     佐藤 敬治君
  新井 彬之君     草野  威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の
 特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一二号)
     ――――◇―――――
#2
○西田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として新東京国際空港公団理事中島真二君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○西田委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○西田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
#5
○新村委員 新東京国際空港の周辺整備に関する特別措置法の延長ということでございますが、新東京国際空港の今までの経過、あるいはそれに対する政府の対処、これについて、その基本的な問題についてまずお伺いをしたいと思うわけであります。
 新東京国際空港は、現在開港されて機能いたしておりますけれども、今日を迎えるまでには大変な曲折あるいは悲惨な歴史をつづってきたわけでございます。その間において、住民側あるいは警備側ともに貴重な多くの人命を失っている。こういう悲しい歴史を経てきたわけでございます。そうして今日に至ったわけでありますけれども、その経過を反省して、今政府はどういう感想をお持ちであるのか。今大臣にお伺いをいたしましても、立案の段階からでは主務大臣あるいは関係大臣もたくさんかわられまして、恐らく関係大臣は数十人を数えるのではないかと思います。したがって、今の自治大臣にお伺いをいたしましても、あるいはある意味では見当違いかと思いますけれども、少なくとも一貫した自民党政権のもとで、現在自治大臣をなさっておるわけでありますから、それを引き継いで今後運用されていくという面において、どういう御感想をお持ちであるか、最初にお伺いをいたしたいと思います。
#6
○坂野国務大臣 先生御案内のとおりでございまして、成田に国際空港をつくろう、このように決まったのはかなり前の話でございます。三十年代の話でございます。それから今日に至るまで、先生おっしゃるいろんな問題がございました。警備上の問題もあるし、地元の皆様、あるいは過激派による妨害工作、いろんな中でそれぞれ苦労しながら今日まで第一期の仕事をやり遂げて、第二期に移ろうという段階で、なかなか難しい問題が発生しておることは御承知のとおりでございます。
 そういう中で、事業を促進するために、いわゆる財特法というものが四十五年からできておるわけでございます。それを、十年たってみましたが、おっしゃるようないろいろな関係で仕事がおくれおくれということで、どうしても財特法というものを延ばして、あと五年延ばした段階で、何とか関係各省はひとつ最大の努力を払って、ぜひともその期間内に仕上げたいということで言っているわけでございますが、先般も陛下がお亡くなりになった後でいろんな事件等も発生しておるわけでございまして、私は自治大臣の立場であり、一方でまた公安委員長の立場でございますので、妨害工作というものを排除しながら、安全な形で、大事な国際空港でございますから、日本のまさに玄関でございますので、何とか所期の目標どおり第二期工事を含めてひとつ早く事業の完成を図ってまいりたい、関係各省こぞっての気持ちだろうと思う次第でございます。
 地元の皆様にはいろんな迷惑をかけているわけでございますけれども、何とかそういう中で所期の目的を果たすように、政府としても関係各省協力しながら事業の推進を図ってまいりたいと思う
次第でございます。
#7
○新村委員 この空港を計画し仕事を進めることについては、もちろんこれは政府としても国や国民のためによかれと思ってやったことだと思うのです。しかし、そうはいっても、目的、意図は悪くなくとも、その方法あるいは結果において遺憾な点あるいは不備な点が露呈されたということであれば、その善意も帳消しになるわけですよね、政治問題では。
 この空港については、立案の段階で羽田の大拡張案、あるいは木更津沖の埋め立て、あるいは九十九里の海浜空港というような構想もあったわけでございます。それからさらに一転して内陸に移って、富里が最初の候補に挙げられ、これがつぶれて成田空港、三里塚の御料牧場、これが国有財産であるので、それを中心にしてやろうという構想になったと思います。
 そういうことで、この空港の実現については最初から極めて難しい問題があったわけですね。首都圏という人口稠密地帯で空港を内陸に設置することについては非常な困難があったわけであります。そのときに、ここに居住しておった人たちは三百二十五戸。現在の供用区域の中に百四十五、未供用で、したがってこの第二ターミナルビルの予定地及び横風用第二滑走路の部分に百八十、合計三百二十五戸が当時居住をしておったと思います。
 こういう状況の中で仕事を進めるということ自体について、最初から大変な困難が予想されたわけでありますから、国側としては、地元の自治体、特にそこに住んでいる住民の方々あるいは関係自治体、関係者等、これは十分な交渉、話し合いが必要であったと思いますけれども、残念ながら我々の見るところでは、その段階で十分な手が打たれていなかったのではないかと、今からそういうことが反省をされ、悔やまれるわけであります。
 そういう点で、大臣がさっきおっしゃったように、私も言っておりますように、大臣は当時の責任者ではありませんけれども、当時から一貫して自民党政府が推進をされておる策でありますから、それを継承する大臣として、これについてどういう反省をお持ちでありますか。
#8
○坂野国務大臣 私もその当時役所におりましたが、どこに国際空港をつくるかというような問題、今おっしゃったように、羽田の問題もあれば埋め立て問題もある、あるいは内陸あるいは霞ケ浦の一部を使おうじゃないかというようなこと、いろいろなあらゆる角度から検討された結果、成田しかあるまいということに決まったのは御案内のとおりでございます。
 その間、もちろん政府としては、できるだけ地元の協力を得るように、何とか話し合いで用地買収あるいは移転というようなことをやろうとしておったのは事実でございますけれども、なかなかそれだけではうまくいかないというようなことで、収用の手続をとってまた進めざるを得ないというような段階になったことは御承知のとおりでございますが、なかなか事態はそんなにスムーズにいかないというようなことで、御案内のような激突といいますか、いろいろな事件が発生いたしました。死傷者まで出したということはまことに残念なことでございます。これからはそういう経験、そういう反省の上に立って、できるだけそういう強権発動的なことでなしに、やはり話し合いというものを主眼として事業を進めていくということが大切なことではないか。これは私の個人的な見解でございますが、皆さんもそういうような気持ちでこれから当たっていくものと思っております。
#9
○新村委員 これからも話し合いを進めて強権発動はしないというお話でございまして、これは大臣の個人的な御見解ということではなくて、政府としてぜひそういう方向で進めていただきたいと思うわけであります。
 そこで、この問題についても考えられるわけでありますが、この問題は、単に東京国際空港の問題だけではなくて、公共事業の哲学といいますか、公共事業のあり方、あるいは公共事業と国民とのあり方、この根本がやはりこの問題では問われているのではないかと思うわけです。もちろん公共事業をやることについて、国は、先ほど申し上げたように決して悪意でやっているわけではございません。国民のためということでやっているのでしょうけれども、しばしば公共事業を実施する過程において住民と施行側との正面衝突が起こるわけであります。今千葉県の中でも大変重要と言われている道路事業を実施するに当たって住民から強い反撃が、反撃というか反対があるわけでありますけれども、公共事業と国民とが正面からぶつかるということ、これは国民にとっても国にとっても大変不幸なことであります。しかし、国はやらざるを得ない。国民は、国民というかそこの住民は、全体の利益ということを考えた場合は別としても、そこに住んでいる国民の生活が根本からある意味では脅威を受けるわけでありますから、住民としては簡単に同意をすることができないということで、公共事業と住民との利益が対立をするわけであります。
 この問題は極めて重要な問題でありますけれども、その問題の根本がやはりこの新東京国際空港の事業を通じてあらわれてきたのではないかと思うわけであります。したがって、国としては必要な施策ではあっても、十分に住民の立場に立って粘り強く理解を求める、そして合意を求めるという努力をぜひやっていただきたいわけであります。今までこの空港の工事については、代執行あるいは工事の進行に伴う住民側と施行側との対立に基づく衝突、これによる大変悲しい事態が繰り返されているわけでありますから、ぜひこれからそういうことのないように、大臣初め政府の十分な御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。しかし、このままで過ごすわけにはまいらないと思いますので、その点を十分配慮しながら、住民の利益、立場を守る立場で推進をしていただきたいということをお願いをしたいと思います。
 そして、これに関連をする周辺整備の特別措置法が十年の時限立法で制定されまして、一回十年間延長されて、なおかつ未完成の部分がある程度ある、さらに五年間延長しようということでありますが、この延長をする、事業ができないから延長するわけでありますけれども、延長せざるを得なかった理由はどこにあるか、お伺いをいたします。
#10
○津田政府委員 空港周辺地域整備計画三十九事業のうち、いわゆる指定事業の四事業が未完了になっておりまして、その主たるものは騒音下の農業基盤整備としての成田用水事業、それから空港からの雨水排水対策としての河川事業等で、これが中心でございます。これらの残事業、やはり周辺住民対策やあるいは空港機能の維持を目的としておるわけでございまして、空港建設との関連において極めて重要な事業と考えておるわけでございます。
 これらの事業の主な遅延理由は、成田用水事業にありましては、過激派によります妨害や空港反対農家の事業への加入促進が図られていなかったこと、河川事業については、地盤不良のため工事の進展が図られなかったこと等でございますが、自治省としましても、関係地方公共団体及び関係省庁と十分連絡をとりながら、今回お願いします五年間延長という範囲内におきまして事業を完了するよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#11
○新村委員 河川事業、それから小中学校がありますね、成田用水と。これらの事業がおくれたことについては用地の関係が主だと思いますけれども、そのおくれた原因、それから今後の見通しはどうですか。
#12
○津田政府委員 主な事業だけを申し上げましたが、先生御指摘のとおり、小中学校等の部分もまだ残っております。その部分は成田ニュータウンヘの人口の張りつき、こういうような状況もあるわけでございます。中心が用地問題でございますが、いわゆる反対農家の用地というものも河川関係におきましてもあるわけでございます。全般的に成田用水も空港建設それ自体のような受け取り方を反対農家からされまして理解が得られないわけでございますが、やはり騒音下の農業基盤整備としての重要性というものはあるわけでございまして、何とか仕上げていかなければならないと考えております。
 用地取得の問題が非常に難しい問題でございますし、御承知のとおり、収用委員会の委員不在の状態というものもあるわけでございますが、先ほど来大臣が答弁申し上げましたように、話し合い解決を基本として、問題の解決に全力を尽くしていかなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。
#13
○新村委員 もう少し具体的に、必要な用地の取得予定面積、それからその取得の見通し、これらはどうなっていますか。各事業別にどのくらいありますか。
#14
○津田政府委員 河川事業関係が、根木名川水系でございますが、用地につきまして〇・三五ヘクタール、補償すべき戸数が一戸ございます。空港反対派の方の所有地でございます。
 それから、成田用水事業でございますが、成田用水事業自体は用地の問題ももちろん若干あるわけでございますが、先ほど申しましたように、事業が直接空港建設と結びつけられており、空港反対派農家及び反対派拠点への立ち入りができない、工事ができない、こういうような状況でございます。
 小中学校の問題は、用地問題というよりも成田ニュータウン計画、人口六万人でございますが、平成元年一月現在の数字で三万三千三百六十人、こういうような状況でございます。神宮寺小学校、また玉造中学等があるわけでございますが、いずれも人口の張りつきというものが計画に対しまして半分強程度にとどまっておる、これが大きな原因でございます。
#15
○新村委員 今まで空港関連の騒音対策が一定の規模で行われたはずであります。今二期工事を進めている段階でありますけれども、騒音対策についても、やはり従来の約倍程度の対策をしなければいけないと思いますが、騒音対策の今までの実績と、これから工事を進めるに当たって将来どういう対策があるか、それを伺いたいと思います。
#16
○木村説明員 新東京国際空港、いわゆる成田空港については、第五次空港整備五カ年計画に基づきまして、平成二年度末までに空港を概成するよう努力をいたしております。これが達成できるかどうかは、適切な時期に用地の取得ができるか否かが大きな要因の一つとなっております。
 空港用地につきましては、全体面積千六十五ヘクタールの九八%を既に取得しているところでございまして、未買収地は昭和六十三年十二月末現在で二十一・三ヘクタールでございます。その内訳は、敷地内……(新村委員「騒音対策」と呼ぶ)失礼しました。騒音対策につきましては、いわゆる航空機騒音の防止の法律と騒特法という二つございますが、一般の法律につきましては既に対策を進めておりますし、新しく滑走路をつくっておりますB、Cランの方につきましても、既にいわゆる防止の線引きをいたして、その対策を進めております。いわゆる騒防法関係の対策でございます。
 それから、騒特法関係につきましては、都市計画法の区域決定がまだなされておりませんので、この対策はこれからということになろうかと思っております。
#17
○新村委員 そうしますと、二期についての騒音対策はこれからということですか。
#18
○木村説明員 いわゆる騒防法と申しますか、現在ある一般の航空機の騒音障害防止に関する法律に基づく区域指定はBラン、Cランともにいたしております。そのもとに既に対策は現在も進めている、開港には間に合うように対策を終えたい、こういうふうに考えております。そういう意味で、現在実施中でございます。(新村委員「何戸くらい」と呼ぶ)戸数は、ちょっと資料を持ってないので、後ほど先生の方に資料を届けさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#19
○新村委員 今お話しのように、平成二年度概成ということでありますけれども、現在まだこの区域の中に八戸の住民が住んでおられるわけですね。さらに敷地の中に土地を持っている敷地外の居住者が十数戸あるわけです。しかも依然としてこの問題についての住民の理解を得られないということで強い反対があるわけでありまして、この現状を政府はどう打開をしていかれるのか。現在の敷地内の状況、それからまた住民運動の現状はどういうことになっておりますか。
#20
○木村説明員 先ほど間違えまして別のお話を申し上げましたが、その話にもありましたように、現在未買収地は二十一・三ヘクタールでございます。その内訳は、敷地内居住者八戸でございますが十六・二ヘクタール、敷地外居住者は十二件二・九ヘクタール、一般共有地が五件ございまして〇・八ヘクタール、一坪共有地が三十件ございますが一・四ヘクタールとなってございます。
 なお、未買収地には団結小屋が十一カ所ございますし、一坪共有地の地権者数は千二百六十八人でございます。
 未買収地の取得については、話し合いによる解決を基本といたしまして、現在鋭意交渉を進めておるところでありますが、空港周辺に常駐する過激派は、空港公団の交渉努力に対しまして、交渉に赴いた職員を威嚇したりあるいは地権者宅に入るのを集団で阻止するなどの妨害行動を行っております。こういう状況ではございますけれども、今後とも誠心誠意精力的に交渉を進め、計画の遂行に支障を来さないよう全力を挙げてまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。
#21
○新村委員 今お話しのように、まだ二十一・三ヘクタールの未買収地があるわけです。しかも、これが横風用第二滑走路の用地に点在しておるわけでありまして、これを完全に解決しなければならないということが大変であります。この反対運動は、決して反権力というようなことから発したものではない。農民の土地を愛するあるいは郷土を愛する精神から発したものであります。途中でそれが変質をしていることについては遺憾でありますけれども、この運動のそもそもの起こりは、農民の土を愛する精神から来ておるわけであります。土を愛するということは郷土を愛することであり、それは国を愛することであると思います。そういうところから発しておる運動でありますので、これは決して単なる反権力というような発想ではないはずであります。しかし、これに対して国の方がどうも権力に物を言わせて突破しようという姿勢が見られるというか、基本的にあるわけでありますから、その点で住民の納得が得られなかったということだと思うのです。ですから、今大臣言われたように、今後は絶対に権力に物を言わせることなく、住民の理解を求めて進めていく、ぜひそうあっていただきたいわけでありますけれども、それには、先ほどから申し上げましたように公共事業のあり方の哲学にかかわる問題でありますから、大臣を中心とされて、政府一体となってひとつこの問題の解決に全力を挙げていただくと同時に、公共事業を行う国の姿勢あるいは公共事業の哲学をこの際十分に練っていただいて、住民の理解を得られるようにお願いをいたしたいわけであります。
 また、いわゆる支援団体なるものの状況がございますけれども、これは今どういう状況にありますか。
#22
○木村説明員 先生のお話にありましたように、空港建設に反対するために結成されました三里塚・芝山連合空港反対同盟は、昭和五十八年三月に一坪共有化運動をめぐって対立をいたしまして、いわゆる一坪再共有化を推進するグループ、いわゆる熱田派でございますが、これと、これに反対するグループ、いわゆる北原派の二派に分裂をいたしております。その二派はそれぞれ別個の過激派の支援を受けて反対運動を続けているところでございます。
 そのうちの北原派につきましては、六十二年九月に、敷地内の四戸を中心にいたしまして、現体制下では農民の意思が反映されないということでグループを脱退いたしまして、支援セクトから絶
縁をしている、こういうことでございます。
 一方、中核派等の過激派セクトは、従来からの違法なテロ、ゲリラ活動を繰り返しているところでございまして、昨年九月には千葉県収用委員会の会長を襲撃し重傷を負わせたほか、収用委員を脅迫したため収用委員会委員全員が辞職する、こういう事態が発生いたしております。本年一月の建設省の公共用地審議会の会長代理宅を爆破するという事件も、やはり中核派セクトで起こされております。
 これらの行為は法治国家にとってあるまじき行為であると思いますし、そういう意味で厳正に対応する必要があると考えているところでございます。
#23
○新村委員 いろいろの問題があったことについては、これは遺憾でありますし、法治国家にとってあるまじき行為だということも一面からは言えると思いますけれども、法治国家にとってあるまじき行為を誘発したということも一方では言えるわけですね。我々はそういう見方をしておるわけでありますけれども、先ほど申し上げたように、このような国家的なあるいは歴史的な大プロジェクトでありますから、これを決定するまでには関係団体あるいは住民との徹底的な討議、そしてそれを通じての合意、これが絶対に必要であるわけでありますけれども、当時の状況を今振り返ってみますと、政府は新空港が必要だということでしゃにむにそこに突進したという経過があるわけであります。要するに準備が足りなかったということだと思います。今消費税が問題になっておりますけれども、あのシャウプ税制以来の消費税をわずか三月でやろうというのですから、やはりこれと同じような発想ではないかと思うのです。いかに必要な施策であり、いかに重要な施策であっても、そこに到達するにはそれなりの手順が必要であるし、準備が必要だと思うのです。空港のような膨大な用地の買収、そしてそこに住んでいる人たちの犠牲を伴う大プロジェクトについては、これは三年なり五年なりあるいはそれ以上の準備期間が必要ではないか。当然必要だと思います。ところがそういう手続を経ることなしに、しゃにむに前に進んだというところからこういう悲劇が発生をしているわけであります。
 しかも、繰り返しますが、この反対運動は土を愛する農民の精神から出ておるわけです。土を愛することは国を愛することですね。そこから出ておるわけでありますから、これは時に過度にわたる抵抗があったにしても、基本的には農民の立場を十分に尊重していかなければいけないという問題であろうと思います。
 そういう基本的な認識に立った場合に、今残っておるこの二十一・三ヘクタールを二年で果たして買収し、工事をすることができるかどうかということについては、我々大変疑問を持っておるものでありますし、またその前提として、住民あるいは反対運動をいかに説得するかということについては、大臣にひとつ現地においでをいただいて、大臣というのは自治大臣ではなくて、関係大臣すべて現地においでをいただいて、住民の声を聞いていただきたいし、現地の状況等も御視察をいただきたいわけでありますけれども、いかがでしょうか。
#24
○坂野国務大臣 この空港の建設は、もちろん自治省も関係あるわけでございますが、どちらかといいますと運輸大臣が専ら建設関係の衝に当たっておられるわけであります。直接には公団があるわけでございます。私も自治省の立場あるいは公安委員長としての立場から、ぜひ近いうちにそういう機会を得たいと思っておる次第でございます。
 先ほどからいろいろお話がございましたが、純朴な農民の皆さんが、確かに空港は大事だけれども、自分の土地への愛着というようなことからいろいろな抵抗といいますか反対運動もあったと思いますけれども、それに便乗したような形で、一部の過激派の連中が過激的な行動を起こしていることは事実でございまして、またいずれあるいは御質問があるかもしれませんけれども、公安委員長の立場としては、そういう法律に違反するようなことは、法治国家である以上許すわけにはまいりませんので、これは徹底的に警察当局として強い態度で臨んでまいりたい。そういう人たちが純粋な地元の農民を扇動するとかあるいはそういう契機をつくるということはまことに残念なことでございます。そういう事実が今まであるわけでございますので、その辺の問題については徹底的に強い態度で排除しなければならぬと思っておる次第でございます。
#25
○新村委員 それはわかるのですよ。反対運動が変質をした部分については、これは我々も支持をするわけにはいきませんので、それはわかるのです。わかるのですけれども、この運動の起こりは、やはり土を愛する農民の精神から出たんだということもひとつお忘れなく対処をいただきたいわけであります。
 次に、この空港に対するアクセスの問題でありますが、最初からこのアクセスについてはいろいろ問題がありまして、JR、当時の国鉄が新幹線、空港行きの幹線をつくる予定で一部JR線ができておるわけでありますが、これが現在遊休投資となっているわけであります。十年以上も遊休投資になっている。ここに投資をされた金額が既に数百億に達しているというようなこともありますが、なぜJR線が今までほぼ鉄道としては概成、レールはまだのようでありますけれども、用地買収も済み路盤もできておるわけでありますから、鉄道としては概成と言ってもいい状態にあるわけですけれども、それが利用されていないというのはどういうわけですか。
#26
○加藤説明員 先生おっしゃるように、成田の新幹線鉄道は建設がなされましたが、完成を目前にいたしまして、国鉄の財政再建とのかかわりで工事が凍結されたという状況になっているわけであります。
#27
○新村委員 せっかく七、八百億、一千億に近い投資がされておるわけでありますから、これを一日も早く利用すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#28
○加藤説明員 運輸省では別途成田と都心とのアクセスが不備であるという御批判も各方面から賜っておりまして、このアクセス問題についてかねてから検討を進めてきておりましたが、先生御指摘のこの旧成田新幹線の施設を活用いたしましてアクセス鉄道を整備しようという措置を今回講ずることといたしまして、具体的に申しますと、この成田の新幹線施設の譲渡を清算事業団から受けまして、所要の施設整備を施しまして、その施設を整備をするという会社、これを成田空港高速鉄道という第三セクターでやるわけでございますが、その会社の設立を昨年の十月にいたしまして、その施設を整備する会社に対して鉄道事業法の免許を昨年九月に交付いたしました。そして、その施設整備はこの三月には着工の運びになるということでございます。そして、その施設を利用して列車を運行するJR東日本株式会社、また京成電鉄株式会社に対しましても所要の免許手続を済ませているところであります。
#29
○新村委員 完成はいつですか。
#30
○加藤説明員 完成は、成田の二期工事の概成時期に合わせまして、平成二年度末開業目途という形にいたしております。
#31
○新村委員 旧新幹線は二年までに利用するということでありますが、既に運行しております京成電鉄が京成成田空港駅、ここで終点になっておるわけです。ところが一方、旧新幹線用として空港の近所から地下に潜って地下道が既にできておる。地下駅もできておるわけですね。成田空港A駅ができておるそうであります。したがって、このトンネル部分も遊休投資として今まで眠ってきたと思うのですけれども、少なくとも京成が今運行しているわけでありますから、京成だけにでもこの部分を利用させれば旅客はそれだけ便利になるわけです。それもやらせない、できないということですけれども、そこらは何か事情があるのですか。
#32
○加藤説明員 先生御指摘のトンネル部分につき
ましても、あらかた完成を見ております。ただ、京成がそのまま直ちにそのトンネルに行けるかどうかということになりますと、そのトンネルに至る部分のさらに空港敷地内のトンネルを、京成部分をまた掘らなければならないというような状況にもございます。したがいまして、先ほど申しました第三セクターの成田空港高速鉄道株式会社におきまして、現在あるトンネル部分の完成を図ると同時に、そのトンネルに至るさらにトンネルの整備等を行った上で平成二年度に開業いたしたい、このような計画でございます。
#33
○新村委員 これは聞いた話ですけれども、既にこのトンネル部分はトンネルができておるわけですね。ですから、京成電鉄がこれを利用さしてもらえれば、ちょっとそこに至る一定の区間がありますけれども、そこを自分で掘れば、これを利用することができるわけです。これを利用させてもらいたいと言ったところが、だめだということで断られたという話がありますけれども、それは本当ですか。
#34
○加藤説明員 かつてそのようなお話がこれまで重ねられてまいりまして、このたび暫定措置としまして、京成電鉄を含め、またJRも含めまして旧新幹線施設のトンネルの利用が図られるような手順になったということでございます。
#35
○新村委員 旧新幹線のトンネルは、京成も将来入るということを予想して工事がされておるというふうに聞いておるわけです。したがって、国鉄の方の仕事がおくれるならば、京成だけにでもこの中を利用させるということであれば、京成としてはそこにちょっと工事をして、ずっと前に、開港の時点でこれが利用できたのではないか。そうすれば乗客は、ターミナルビルのちょうど真下に成田空港A駅があるわけですから、その真下まで鉄道で行ってすぐにエスカレーターで上がれば飛行機に乗れる、こういう便利が提供されたと思うのですけれども、現在はそうじゃなくて、京成成田空港駅でおりて、さらにバスに乗ってターミナルビルに行くということですから、大変ここが不便なわけですね、この末端が。ですから、そういう配慮がなぜできなかったのかということです。
#36
○中島参考人 ただいま先生の御指摘の点でございますが、新幹線の計画といたしましては、昭和四十六年に既に基本計画等が策定されておりまして、そういうことで東京と成田を結ぶ新幹線を建設しようということが一つあったわけでございます。ところが、これは主として東京地域の住民の反対がございまして、いわば挫折した形になっております。一方、京成の方は京成の成田駅から空港駅への延長を行ったわけでありますけれども、そのときには、現在のターミナルビルに乗り入れるという計画にもともとなっておりません。したがいまして、線形として現在の京成の成田空港駅とターミナルビルを結ぶということは難しいわけでございます。むしろそのまま延長いたしまして九十九里の方に延ばす、こういう物理的な計画になっていたわけでございます。一方、新幹線計画がいわば挫折いたしまして、それから国鉄の財政の状況というようなこともございまして、せっかくつくりましたトンネル部分あるいはJRの成田駅近くまでの高架の部分というものが活用されないままに今日に至ったわけでありますけれども、ようやくJRの方も財政の見通しがついてきた、あるいは京成につきましても、このトンネル部分を活用してA駅、現在のターミナルの駅にも乗り入れようということで、運輸省の指導のもとにそういう話が進められまして、ようやく具体化してきたというのが経緯でございます。
#37
○新村委員 それでは、時間のようでありますから、最後に大臣にお願いをいたしますが、関係大臣にもお伝えをいただきたいわけでありますけれども、そういう経過を持つ事業でありますので、権力というようなものに頼ることなく、ぜひ現地の農民との完全な合意の上で適切な対処をしていただきたいということを特にお願いをしたいと思います。
 ありがとうございました。
#38
○西田委員長 小谷輝二君。
#39
○小谷委員 実は、地元の吉浦忠治衆議院議員がここで質問をする予定になっておりましたが、緊急な所用がございましたので、私がかわって質問をいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 成田空港の利用状況というのは、開港以来年々増大しておるようでございまして、現有施設は既にもう能力の限界に近い、こういう状態であると聞いておるわけでございます。したがいまして、周辺整備も含めて設備の完備した完全空港化が緊急な課題となっておるように承っております。そこで成田財特法、成田空港の建設促進の円滑な運営を図るために制度化されたものであって、各事業の進展に、また地元の周辺事業等の進捗推進等協力体制に大きく寄与して、今日までその財特法の立法趣旨に基づいて進めてこられた、このように承っておるわけであります。
 そこで、この成田財特法が今まで地元に与えてきた影響、また効果をどのように自治省の方は評価されておるのか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
#40
○津田政府委員 空港周辺地域整備計画に基づきまして、道路、鉄道などの交通網、あるいは上下水道、公園などの生活環境施設、さらに河川、教育施設、消防施設の整備が進められてきておるわけでございます。この結果によりまして、関連企業の進出や雇用機会の拡大が図られるなど、この計画に基づく事業進捗ということによりまして地域の発展には極めて大きな役割を果たしてきたと考えております。また、整備計画に基づきます事業の進展ということで、空港と周辺住民の結びつきを深めまして、空港建設促進への地元協力体制というものの強化にも大きく寄与しておる、かように考えておるわけでございます。
 もう少し残事業が残っておるわけでございますが、これを仕上げまして、これらの本法の趣旨、そして効果というものを万全にいたしたいということで提案しておる次第でございます。
#41
○小谷委員 この事業の進捗状況はおおむねパーセンテージでどのくらい進捗されておるのか、また日切れ法案ということで三月末で本法が失効するということになるわけでございますが、仮にそのようになった場合どんな影響が出るのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#42
○津田政府委員 計画に基づく三十九事業のうち二十七事業が昭和六十三年度末までに完了する予定でございます。事業費ベースでの進捗率は九四%程度、六十二年度末決算では九二・八%でございますが、昭和六十三年度末では約九四%、このように私どもは承知しておるわけでございます。
 そして、この期限切れの事態を迎えたわけでございますが、期限切れになりますと、かさ上げ措置というものが、既に行われた分まで、六十二年度末までで大体百三十九億のかさ上げ措置が行われておるわけでございますが、このまま期限が切れてしまいますと約十五億円のかさ上げ措置がなくなる、このように私どもとしては承知しております。
#43
○小谷委員 かさ上げ対象事業百十億円が残事業量、このように聞いているわけでございますが、その内容と、今度延長期間五年間、このようになっておるわけでございますが、果たして五年間で事業が完全に完了することができるのかどうか、その見通し等についてはいかがでしょうか。
#44
○津田政府委員 残事業の中心は、騒音下の農業基盤整備としての成田用水事業、それから空港からの雨水排水対策としての河川事業、それに小中学校、このような事業内容になっておるわけでございます。こういうようなものが残事業でございますが、これの進捗見込みというものにつきまして地元の千葉県にも確認したわけでございますが、その完了にはなお五年の期間が必要と判断されるということでございまして、今後財特法の有効期限を五年間延長すれば何とかやれるというようなことでございます。
#45
○小谷委員 成田空港問題について若干お伺いしておきたいと思います。
 成田空港の利用は、先ほども申し上げましたように、増加の一途をたどっておると聞いております。過密時には五分間に一回の離発着があるようでございます。現有施設の能力の限界に近い状態と言われておるわけでございますが、現在滑走路一本の状態では、不測の事態が起きないとは言えない、そのような危惧をされるような状況であるとも伺っております。成田空港の完成は、そのような意味からも急務と言われておるわけでございますが、運輸省は成田空港の現在の利用状況をどのように把握し認識しておられるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#46
○木村説明員 先生お話しのように、最近円高による海外旅行等の増大を背景にいたしまして、航空需要が著しく増大いたしております。昭和六十二年度の成田空港における取り扱い旅客数は千五百五万人、対前年度で申しますと二二%の増加。また六十三年度につきましては、まだ終わっておりませんけれども、約千八百万人に上るというふうに予測をいたしております。また発着回数につきましても、六十二年度は九万五千回、対前年度比で一二%の増加でございます。六十三年度につきましては十万五千回に上るものと見込んでおります。
 この結果、お話にもございましたように、ターミナルビルは増改築による混雑緩和対策を重ねてまいったわけでございますが、既に適正な処理容量を大きく上回るとともに、滑走路の処理能力につきましても限界に近づいてきている、こういうのが実情でございます。成田空港は我が国の表玄関の役割を果たしているわけでございます。その意味で、残る二本の滑走路と第二旅客ターミナルビルを早急に完成させる必要があるということで、最善の努力を傾注しているところでございます。
#47
○小谷委員 成田空港を早期完成するには、用地問題、土地問題の解決が最大の課題であると思うわけでありますが、話し合い解決に向けて努力をされておるようでございますが、この見通しはどうなんでしょうか。
#48
○木村説明員 先ほども申し上げましたように、平成二年度に空港を概成するということで鋭意工事を進めているところでございますが、適切な時期に用地が取得できるか否かが、達成できるかどうかということの大きな要因の一つになっているところでございます。
 空港用地につきましては、先ほども申し上げましたが、二十一・三ヘクタールの未買収地がございますが、これにつきましては、あくまでも話し合いを基本にいたしまして解決を図るということで、千葉県あるいは成田市等の地元の御協力を得ながら最大限の努力を重ねまして、地権者の御理解を得て、計画遂行に重大な支障のないように努力をしてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#49
○小谷委員 千葉県では、常識では考えられないような収用委員の辞任問題が起こっておるようでありますが、過激派による収用委員会の会長襲撃事件等々、その後の状況について自治省、また建設省、御説明いただきたいと思います。
#50
○津田政府委員 県収用委員全員から昭和六十三年十月に辞表が提出されておりまして、現在委員会の機能が果たせない状況になっております。このことは過激派による執拗な脅迫行為と、また選任への妨害行為が続いていることなどによるもので、直ちに解決することは極めて困難な状況にあるということを千葉県からも聞いておるわけでございます。
 しかし、自治省としても、こうした事態が継続することは、土地収用法に基づく収用制度が有効に機能せず、空港だけではなくて、千葉県の各般の事業分野において事業執行に支障を来すおそれがあり、極めて憂慮すべき状況と考えておりまして、今後とも地元千葉県、関係省庁ともよく連絡の上、適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
#51
○辻説明員 今自治省からお答えいただいたとおり、建設省も同じことを考えておりまして、収用委員会の機能を果たせないという、これまでにない異例の事態を迎えております。申すまでもなく、収用委員会は収用法に基づきまして必ず設置されておらなければいかぬ機関でございますので、その再建を強く期待しておりまして、そのために、先ほどお答えありましたとおり県、空港公団の話し合いの推進等、その体制の整備について取り組んでいく必要があると思っております。
#52
○小谷委員 妨害行為が原因となって収用委員の全員が辞任するという事態は、他の公共事業、空港周辺の問題だけではなしに、千葉県全域の問題にも大きな影響を及ぼすのではなかろうか、このように危惧するわけでございます。
 千葉県議会におきましても、成田空港関連諸問題の早期解決を求める意見書、こういうものを昨年の十二月、内閣総理大臣、運輸大臣、建設大臣、自治大臣あてに提出しているわけでございます。この内容は、「現状のままでは、後任の収用委員を選任することは、極めて困難な状態にある。成田空港の建設は、今や、法を無視し、人命をも侵す過激派の行動があっては、現行の制度で解決することは困難であると判断される。したがって、特殊な状態にある国家プロジェクトとしての成田空港問題の解決は、国が法治国家の威信と責任において、法の整備などを含めた対策を講じ、早急に完成させることを強く要請する。」こういう内容の意見書でございますが、自治省、この意見書を踏まえてどのような対策、どのような措置を考えておられるのか、後説明いただきたいと思います。
#53
○津田政府委員 千葉県議会から要望が出されていることは承知しております。土地収用法の所管そのものは建設省でございますが、特別立法による土地収用手続を簡素化することにつきましては、憲法の私有財産権の保障等の関係等、まだいろいろな問題がございまして、慎重に対処する必要があるということを私ども聞いておるわけでございます。
 成田の土地の問題につきましては、先ほど来出ておりますように、関係機関あるいは県と十分に協議して、話し合い解決を基本として問題の解決に全力を尽くしてまいらなければならないと考えておる次第でございます。
#54
○小谷委員 建設省にお尋ねしますけれども、このような不測の事態といいますか、予想もしなかったような問題が起こったわけでございます。法の不備、これは否めない事実であろうと思うわけでございますが、このような事態をほっておくわけにはいかない。これはだれもそのように思うわけでございます。したがって、国の責任といいますか、このような事態に対する解決策、これは成田周辺だけではなくして、今後このような問題が起こったときに講ずべき対策、解決策というのは、建設省の方でお考えがあるのかどうか、いかがですか。
#55
○辻説明員 千葉県議会からは同じ意見書を建設省もいただいておるわけでございますが、我々考えますところは、用地交渉、あくまで任意で進めるのが基本でございまして、ほぼそれで進んでいるわけでございますが、ぎりぎりのところでどうしても任意でできないところに収用という手続がかかってくるわけでございます。その際に、収用の補償額の決定といいますのは地域の実情に通じた専門家が独立の第三者機関、公正中立な機関としての県の収用委員会の制度がございますので、そこでやっていただくのが適当であると考えております。
 ただ、先生お話しのとおり、今回のように暴力集団から暴力を加えられる、あるいは脅迫を受けるという異常な事態のもとでこういう事態に至っておるわけでございます。そういうことで、特別立法でもという声があることも承知しておりますが、このような状況のもとで新しい特別立法を考えるというようなことは、例えば違法行為によって職員が受ける異常な事態を前提とした法律の検討になりかねない非常に大きな問題だと思っておりまして、極めて慎重に取り扱う必要があると考えております。
#56
○小谷委員 この際、運輸省にお尋ねをしておきますけれども、最近航空機から落下物があって、かなり大きな氷の塊が飛行機から落ちてくるというような事故が大阪周辺でも起こっておるわけでありますし、もちろん成田周辺でも起きておるようでございます。中には、自動車のボンネットに当たってボンネットが舞い上がった、一つ違えば人命にかかわるような大きな被害を起こしかねない問題が続いておるわけでございますけれども、特に冬の期間、寒い時期にこのような被害があるようでございます。この実態をどこまで把握しておられるのか、これに対する対策をどのようにとっておられるのか、御説明いただきたいと思います。
#57
○木村説明員 成田空港周辺における落下物につきましては、昭和六十三年度、と申しましても三月十五日現在まででございますが、三件発生をいたしております。その主なものは、氷の破片と申しますか氷片と航空機の部品でございます。運輸省といたしましては、新東京国際空港周辺における落下物の発生を重視いたしまして、昭和五十六年五月に本省と現地に専門の委員会を設置いたしまして、落下物の原因の究明、再発防止対策等につきまして検討してきたところでございます。
 これまで、氷片の発生原因となる水漏れ防止のため、航空会社に点検整備の励行を指導するとともに、フラップ保護シート等の部品については、取りつけ方法の改良などを航空機メーカーに指導しているところでございます。また、国際会議におきまして各国の航空当局に注意を喚起しているほか、成田につきましては、損害補償制度を創設するなどの対策を講じているところでございます。
 今後とも厳重に関係のエアラインに指導をしてまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。
#58
○小谷委員 運輸省にお尋ねしますけれども、空港は設置義務者並びに空港の性格とかその果たすべき役割とか、また国際空港、税関関係とか、いろいろ条件があろうかと思いますけれども、第一種空港、第二種空港、このように区別がされておる。どういう形でこのように区別がされておるのか、その設置義務者の行うべき責務をちょっと御説明いただきたいと思います。
#59
○木村説明員 まことに申しわけございませんが、私、新空港と羽田の沖展事業を担当いたしておりまして、専門的なことはちょっと承知をしておりませんので、責任ある答えができないわけでございますが、一種空港は国が設置する非常に大きな国際空港とかそういうものでございます。それから二種空港は、これは二種類ございまして、やはり国内の拠点となるような空港で、国が直接設置するものと県が設置するもの、あるいは県が設置して補助をするもの、三種空港は自治体が設置をして運輸大臣が許可する、いわゆる地方の空港、こういうように承知をいたしております。
#60
○小谷委員 第一種空港は今国内でどのくらいありますか。
#61
○木村説明員 新東京国際空港いわゆる成田空港と東京国際空港、羽田でございますが、それから大阪国際空港、伊丹と新関西国際空港、この四つでございます。
#62
○小谷委員 成田財特法があるわけでございますが、関西国際空港、今建設中でありますが、同じ一種空港でありますけれども、ここにはこの成田財特法に類するような特別立法は考えられておるのかおられないのか、これはどうですか。
#63
○木村説明員 私も直接担当ではございませんが、現時点でそういう検討が行われているということは承知をいたしておりません。聞いてございません。
#64
○小谷委員 自治省、いかがですか。
#65
○津田政府委員 関西新空港の周辺整備の問題につきましては、種々の事業があるわけでございます。そういう意味におきまして、関連する官庁間の協議は行っておりますが、その場におきましても、まだ財特法というような話は出ておらない状況でございます。
#66
○小谷委員 将来は財特法を制定していく考え方で進んでいるわけですか、どうですか。
#67
○津田政府委員 成田の場合と関西新空港、若干条件が違いまして、御承知のとおり海上空港、こういうようなことでございます。もちろん関連公共施設の整備というものも必要でございますが、やはり中心はアクセス等の問題、このように私ども理解しております。しかし、今後空港建設の進捗に合わせまして、そのような要望というものが地元から出てまいりますれば、私どもも検討しなければならない問題かと思っております。
#68
○小谷委員 ちょっと時間早いようですけれども、終わります。
#69
○西田委員長 岡田正勝君。
#70
○岡田(正)委員 時間がまことに短いものでありますから、今から立て続けに質問をしていきますが、自治省、運輸省、建設省、警察庁、公団の方々においでをいただいております。いずれでも結構でありますから、我と思わん者が御答弁をお願いいたします。
 それでは、まず第一番目にごく常識的なことをお尋ねをいたします。
 よく羽田空港などで話題になっておりますのは、飛行機の運航に支障があるので鳥を追っ払うのだというので、鳥を追っ払う専門家がおるようであります。一体、飛行機の運航に支障のあるような鳥というのはどの程度のものをいうのか、ちょっと常識的に教えてください。
#71
○中島参考人 成田の場合は鳥による障害というのはございませんので、ちょっと私どももつまびらかでございませんけれども、承っているところでございますが、羽田におきましては、あの辺に野鳥がすみついたりなんかしておりまして、時々障害を起こしております。一定の大きさのものだと思いますけれども、ちょっと私それ以上は存じておりませんけれども、成田においては余り問題ないということでございます。
#72
○岡田(正)委員 成田では問題なし、記録しておきますよ。
 その次でありますが、これはちょっと物騒な関係でありますけれども、想定をされるラジコン飛行機というものが爆弾をつけて飛行機に当たった場合あるいは爆弾をつけないでラジコン飛行機だけ、いわゆる想定されるようなラジコン飛行機の大きさですが、それが当たった場合、どういうことになるかお答えください。
#73
○城内政府委員 お答えいたします。
 御質問の事例が実際にございませんので、我と思って答弁に立ったわけでございませんが、私どもの対策としては、ラジコンに爆弾を積んでぶち当てるようなことがあってはいけないということで、そういった面の対策を立てておるということでございます。実際にどういう効果があるか、どれだけの脅威を与えるか、そういったことについては私どもデータを持っておりません。
#74
○岡田(正)委員 それでは、その対策については後でお尋ねをすることにいたします。
 それから、ある方面の諸君がロケット弾というハイカラなものを開発しておるようであります。これは外国からいろいろお客さんがお見えになるときにも警察庁は大変神経を使っておるようでありますが、この問題について、成田空港を目当てにした場合、一体どういう飛行距離といいますか、どのくらい離れたところからそういうものが撃てるようなものを開発しておると想定をしておりますか。
#75
○城内政府委員 お答えいたします。
 極左の中で、中核派あるいは革労協、戦旗派、そういったものが俗に言うロケット、我々は迫撃弾というふうに呼んでおりますが、それを使っております。過去の実績でまいりますと、一番飛びましたのは、六十一年五月、東京における第二回サミットの際に約四キロ飛んだというのが一番飛んだ例でございます。なおしかし、薬量とか砲身を長くするとかいろいろな工夫をいたしますと、理論的にはさらに飛ばすことは可能であるということでございます。過般の大喪の礼に伴う警備につきましては、十分そういった可能性まで計算に
入れて、その範囲についていろいろ所要の対策をとった、こういうことでございます。
#76
○岡田(正)委員 過般の大喪の礼のときに、私の記憶違いかもわかりませんが、たしか新聞で拝見したと思うのでありますが、何かロケット砲が二門か三門か成田空港の方へ砲門を向けておったという写真を見たような気がするのです。あの写真に写っておったようなものは大体四キロ程度のものですか。
#77
○城内政府委員 お答えいたします。
 御質問の事件は、犯行声明によりますと、戦旗・荒派というものがやったことでございます。戦旗・荒派の能力で申しますと、とりわけ発見されたものは実は不発あるいは未発と申しますか弾が出ておりませんので、どのくらい飛ぶのかということでございますが、能力から言うと、とても四キロ飛ぶような代物ではないと考えております。
#78
○岡田(正)委員 それでは、質問をごろっと変えます。
 反対派の農民の方が、言い方が悪いかもわかりませんが、八戸ほど残っているというお話でございます。今後どのような話し合いを進めていかれるのか、これが一つ。それから未買収地の中に一坪地主の土地が一体何筆くらい残っておるのでありましょうか。さらに、この用地確保は今後どう進めていくおつもりか、お尋ねいたします。
  〔委員長退席、川崎(二)委員長代理着席〕
#79
○木村説明員 未買収地の買収につきましては、先ほども申し上げましたが、千葉県、成田市等公共団体の御協力を得ながら、話し合いによる解決を基本といたしまして全力を傾注してまいるということでございます。
 特に、今お話のございました空港内敷地に居住する八戸の方々、ほかに敷地外での居住者もございますけれども、特にそういう農業を継続する方々につきましては、その経営、生活基盤の維持にも十分配慮し、また必要な代替地を整備いたしまして、精力的な話し合いを進め、そういうことによりまして一層の御理解を得て円満な解決を図りたいと思っているところでございます。
 それから、一坪の共有地につきましては、三十件といいますか、三十筆と申しますか、今年の二月末現在で千二百六十八名でございます。
#80
○岡田(正)委員 千二百六十八名で三十筆というのはどういうことですか。
#81
○木村説明員 三十筆をそれぞれ共有しているということでございます。
#82
○岡田(正)委員 これからも千葉県、成田市ともどもに協力をいたしまして、話し合いで進めていく覚悟でありますという決意を申し述べられたのでありますが、先ほど来先輩諸氏からお話の出ておりました、過激派の嫌がらせで千葉県の土地収用委員会の方々が全員辞職というような不正常な状態にあります。このことについては千葉県議会からも政府は要請を受けておるはずでありますが、これに政府はどのように対応していくおつもりか、お聞かせください。
#83
○木村説明員 千葉県の収用委員会が、御承知のように委員が辞職をされて現在機能していないということは、まことに遺憾に思っております。原因が過激派ということで、まことに法治国家としてあるまじきことと思うわけでございます。
 ただ、収用委員会の再建につきましては、私ども直接の所管ではございませんが、今後とも千葉県なりあるいは関係の機関とよく御相談させていただきまして、私どもでできることならば最善の御協力を申し上げたいと思っておるところでございます。
#84
○岡田(正)委員 まことに遺憾である、これからも相談に乗っていきたいと思う、直接の担当者じゃないようですからお答えがそういうことになったのだと思いますが、私が大変憂慮いたしておりますのは、千葉県議会から、これではどうしようもない、とにかく政府で何とか対応を考えてもらいたいということを言われておるにもかかわらず、政府の対応がいまだに打ち出されていない。これはゆゆしき問題だと思うのです。こういうことがないと思いますけれども、他の地方公共団体に波及していった場合には、各種の公共事業の進展がまことに阻害されてくるようになる。このことを考えますと、一刻もおろそかにできない大変重要な問題だと思うのでありますが、このことについてもしお答えができましたら答えていただきたい。答えができなければ、持ち帰って厳重に、委員会で厳しい意見が出ておった、政府はこのままほっておいてはだめだという声が出ておったということをお伝えいただきたいということを申し添えておきます。お答え願います。
#85
○辻説明員 先生お話しのとおり、千葉県のこういうような状態が今のところ他の都道府県において生ずるという状況はございませんが、このような違法状態が続きました場合に、他の都道府県への影響を我々も懸念しております。ただ、先生あるいは千葉県から御意見をいただいておりますように、こういうことがあるから何か特別のことをやれという御趣旨と承っておりますが、それは先ほど申し上げましたように非常に難しい問題があると思いまして、極めて慎重にという先ほどお答えしたとおりでございます。
 ただ、いつまでもほっておいてはいけないことは、収用法を所管します我々としては当然でございまして、そのためにも、先ほど申し上げましたとおり、県との連携、公団との話し合いによる解決の推進によりまして、何とか打開の道が開けるように強く期待し、またそうしなければならぬと思っているところでございます。
#86
○岡田(正)委員 そういうお答えだろうと思うのですが、今のようなお答えではあくまでも受け身の姿勢に立っておるのでありまして、むしろ国の仕事じゃないよ、それは千葉県と成田市の仕事なんだ、実際に仕事を進める公団の仕事だ、そんなものはおれたちは知っちゃいない、困ったことがあれば相談に来い、答えることができなければノーコメントでいくんだというふうにしか聞こえないのですよ。私の言い方はまことに礼を失しておるかもわかりませんが、どう善意に解釈してもそうなるのですね。これはまことに遺憾であります。
 なぜそういうふうに収用委員の諸君が全員辞職するに至ったかという原因をつかまえたら、その原因を排除することにまず手をつけなければならぬと思うのでありますが、その原因排除のために、当局は具体的に手を打っていらっしゃるかどうか、これを聞きたいと思います。
#87
○城内政府委員 お答えいたします。私から極左対策という観点からお答えいたしたいと思います。
 まず、極左暴力集団は、この新東京国際空港というものを、彼らの言葉でいいますと、日本帝国主義のアジア侵略の決定的拠点だ、こういうふうにとらえておるわけです。それで、この成田闘争は革命の絶好の場であるというふうに認識しておりまして、恒常的な闘争課題ということにしておるわけでございます。御承知のように、第二次安保闘争というのは大変な闘争課題であったわけでありますが、それが終わりまして、この成田問題というのが一番のテーマになっておる、こういうことであります。それで団結小屋などを三十カ所ほど現地に設けまして、それを活動拠点にしておりますし、また十五セクト、約二百二十名がそこに常駐して闘争に取り組んでおる、こういうことでございます。
 私どもとして大事なことは、昨年の九月二十一日に会長さんの襲撃事件がございましたけれども、私どもとしてもそれぞれ警戒をしていたわけでございますが、御本人などの生活パターンを詳細に調べて、その間隙を突いた、こういうことでございます。そうしますと、私どもとしては二つの方向で努力をしなければいけないと考えております。一つは、十分そういうすきのないような警戒を徹底するということであります。それからもう一つは、かねてから進めておりました極左壊滅作戦をさらに一層強力にする、こういうことが大事であるというふうに考えております。
  〔川崎(二)委員長代理退席、委員長着席〕
#88
○岡田(正)委員 わかりました。警察当局の決意はよくわかったのでありますが、さて、やめた収用委員の方々に復帰を願う、あるいは新たに収用委員の方を任命してお願いをするというときにどうしても支障になるのが、もう二度とあんな目に遭いたくない、取り囲まれて暴力行為を受けたり嫌がらせをじゃんじゃんやられた4、もうあんなことでは家族がたまらぬというような、こういう問題があるのに対して、的確に、例えば身辺警護はどうやります、そして妨害排除はどうやりますというようなことなんかがもっと聞きたかったのですが、もう時間があと三分しかないそうでありますから、そのことについてはひとつよく御研究をいただきたいと思います。
 もう希望だけにしておきますけれども、今申し上げたように、そういう妨害を排除することをちゃんと考えなければ、就任してくれる人は千葉県では恐らく出てこぬと思います。命がなくなってもいいからやりますなんというような、そんな勇敢な人は千葉県にはおらぬ。これはとても要望できないです。
 そこで、中に勇敢な人が、よし我行かんというので就任を受諾されたといたしまして、もし危害が及んだとき、各県の土地収用委員の皆さんたちがこういう妨害行為で暴力行為を受け、あるいは放火を受け、あるいは殺人されるというふうな問題があったとき、その身の補償は一体どうなっておるのか。一体だれがやってくれるのか。ああごめんなさいで終わりですか、どうなるのですか。行きずり殺人と一緒ですか。――時間がありませんから、もうこれ以上は質問しませんが、今御質問をしても、我と思わん者は名乗り出て答えてくれと前置きをして五つの機関の担当者にお願いしておるのにもかかわらず、各県が指名した土地収用委員の諸君の身に危害が及んだり財産を失ったりしたような場合には、どういう補償があるのですか、どうしてやるのですかということすら今この委員会でお答えしてもらうことができないような状況で、何でもって成田の二期工事が五カ年で完成できると思いますか。私は非常に心細い思いがいたします。
 私は反対しませんけれども、何せ世界一不便な空港はどこと言ったら成田と言うそうであります。こんな恥ずかしいことはない。一日も早く世界に自慢できるような空港ができるよう諸般の体制を整えて頑張っていただくことを希望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#89
○西田委員長 経塚幸夫君。
#90
○経塚委員 最初に、運輸省の方にお伺いしたいわけであります。
 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第三条第一項の規定により決定した新東京国際空港周辺地域における航空機騒音対策基本方針に基づいて決められた施設整備計画の概要は、生活環境施設整備で五百五十八億余、産業基盤施設整備で五百四十五億余、スポーツ・レクリエーション施設で四十億余等々であります。しかも、この計画は一九九二年度までの計画でありますが、今年度末の事業の進捗率は何%になっておりますか。
#91
○木村説明員 先生お話しの騒特法におきまして、特定空港の周辺について航空機騒音による障害を防止し、あわせて適正かつ合理的な土地利用を図ろうとするものでございます。施設整備計画につきましては、同法に基づいて知事が策定いたしました基本方針に基づく土地利用を促進するための施設整備の指針として千葉県が定めたものでございます。現在、これに基づく事業といたしましては、道路、公園、緑地、消防施設、教育文化施設、工業団地、河川改修等が計画されてございます。これらの事業は現行の公共事業の助成制度によりそれぞれの事業主体が地域の実情に応じて実施しているところでございまして、進捗率は、昭和六十二年度末で一九%、六十三年度末では二四%の見込みと聞いております。
#92
○経塚委員 これはたしか一九九二年度までの計画ですね。としますと、あと三年しかないわけですが、三年で七六%、これはとてもやり切れぬでしょう。実際のところやれるはずはおまへんわね。理由は事業費がないということのようでありますが、この点ちょっと自治省にお伺いをしたいわけであります。
 例えば、下総町では当初十五ヘクタールの運動公園を整備する予定であったが、事業費がないために、当初計画を縮小して三ヘクタールの運動公園に計画変更を余儀なくされておる、こういう状況であります。事業計画ももう見直さなければならぬというような事態さえ引き起こされてきておるようであります。これは根拠となる法律も違いますので、すべて成田財特でというわけにはいかぬとは思いますけれども、道路とか消防施設、非常に類似した施設の整備が多いわけでありますが、騒特法での整備計画の事業を成田財特のかさ上げ事業に指定できないか。これは内容も共通するところが多いわけでありますから、その点自治省はどのようにお考えですか。
#93
○津田政府委員 騒特法の関係は運輸省所管でございますので、私ども責任ある答弁ができないわけでございますが、遅延しております大きな原因というものが、都市計画決定というものが過激派の妨害行為等によりまして遅延している、そのために都市計画関連事業というものができなくなってしまっている、それらの事業の前提となる都市計画決定自体ができていない、こういうことが大きな原因と承知してございます。
 そして、成田財特法との関係でございますが、騒特法自体のねらいとするところは、地方団体、国そして特定空港の設置者が一体となり、相互協力のもとに特定空港の周辺について航空機騒音による障害を防止する、そして適正かつ合理的な土地利用を実現しようというものでございまして、成田財特法の周辺地域の公共施設等の整備促進とは趣旨が違っておるわけでございます。そういう意味におきまして、騒特法によります事業の遅延というものを成田財特の方で取り込むということは、同目的からいたしますと難しいと考えております。
#94
○経塚委員 難しいという御答弁でありますが、そしてまた都市計画事業の遂行が妨げられている原因として別の原因を挙げておられますけれども、これは実際のところは、一つ例を挙げましたように、財政上の問題も非常に大きいわけなんですよね、計画が実施できないという理由の一つとしては。性格の違うことはわかりますけれども、かつて本委員会で当時の松本運輸省航空局長はこう答えておるのですね。「外周部の問題といたしまして、あるいは道路の建設等の問題が出てまいりました場合に、それがいま御審議をいただいております財特法の枠の中においてかさ上げが行われるというようなよりプラスの方向への作用をするという点は、これは当然に期待もされますし、できる限りのことは考えていただいてよろしい問題ではないか、」こういう答弁もあるわけですね。したがって、これは当時の答弁も踏まえつつ、法の性格が違うということは十分承知の上で、共通する事業もあるし、そして計画に対して二四%の執行率しか果たしておらないという状況も踏まえて、ぜひひとつ再検討をしていただくように要望申し上げておきます。
 次に、成田空港での職員の労働条件の問題についてお尋ねをしたいわけでありますが、一九七九年当時と一九八八年、これは入国の旅客数はどういうふうになっておりますか。
#95
○木村説明員 昭和五十四年、暦年でございますが、成田空港における航空旅客数は八百十一万人でございます。六十三年、暦年におきましては千七百二十五万人となっております。
#96
○経塚委員 そうしますと、八百十八万人から千七百二十一万人、これは約倍以上になっておるわけですね。現地の方から事情をいろいろお尋ねしてみますと、一日二万人以上記録したのが昨年で八月、九月、二回ですが、今年はもう既に一月に二万人を超えたのが二回ある、こう言われておるわけですね。通常は一万人平均ぐらいだと言われておるわけでありますが、もうピーク時にはパンクをする、どうしてもこの際人員増を図っていただきたい、こういう強い要望があるわけでありますが、これは七九年と八八年を比較いたしますと、人員はどういうふうになっておりますか。
#97
○川説明員 成田税関支署の職員数は、昭和五十四年四月現在では三百九十名、昭和六十三年四月現在では四百八名ということになっております。
#98
○経塚委員 そうしますと、これは旅客の扱い数が倍を超えているわけですが、職員の数にいたしますと十六名ですか、そういうことになりますと、パーセンテージにいたしますと四%前後しかふえておらない、こういうことになるわけですね。これはどうなんです、これで対応できるのですか。常識から考えれば、扱い数がこれだけふえて職員数がこの程度の増しかない、こういうことでは十分な対応ができない。サービスが悪いとかいうような批判がいろいろ出てきておることも聞いておりますが、この点はどうでしょうか。
#99
○川説明員 成田税関支署の業務は、今御指摘のように、出入国旅客数の増加とか輸出入貨物の増加等によりまして年々増大しているところでございます。成田税関支署におきますこのような業務量の増大に対処するため、我々としましては、従来から航空貨物の税関手続の電算化あるいはまた旅具、徴税事務の電算化等による事務の効率化、機械化に努めるとともに、税関全体の職員数が純減という極めて厳しい定員事情のもとにおいて重点的な人員配置を図りまして、成田税関支署における円滑な、かつ適正な業務運営に支障を来すことのないよう努めてきたところでございます。
#100
○経塚委員 人員の問題は後でもう一度触れるとしまして、貨物の取扱量はどうなっておりますか。
#101
○木村説明員 御質問の貨物につきましては、昭和五十四年におきましては四十五万トンでございます。昭和六十三年、暦年では百十九万トンとなっております。
#102
○経塚委員 通常の施設能力は大体どれくらいのトン数になるのですか。
#103
○木村説明員 貨物の施設能力ということかと理解をいたしましたが、当初の計画から見まして、既に相当の量に達しておりまして、取扱量的にはもう既に満杯に近い、こういう状態になっているところでございます。
#104
○経塚委員 これも四十五万トンから百十九万トンですね。これは倍以上ですね。施設の能力は、私どもが聞いておりますのは大体五十万トンぐらいではないか、こうも言われておるようであります。しかし、もう既にこの五十万トンと言われる状況ははるかに突破して、昨年は百万トンとも言われておるわけですね。
 それから、空港が漁港化している。何で土の上が海の漁港化するのか不思議に思って聞いたわけでありますが、これはグルメブームでもってどんどんと外国からそういう食料品が輸入をされてくる。例えばマグロなどは一日五百本平均、多いときには千五百本のマグロが入ってくる、こういうことも言われておるわけです。これは食品衛生監視員も随分不足をしているようでありまして、国民の衛生安全上も極めて重要な問題だと考えておりますが、先ほどのわずかばかりの人員増で対応できるのですか。この点の対策は何か考えておられるのですか。
#105
○川説明員 航空貨物の税関手続につきましては、先ほども申し上げましたように、既に電算化により処理が進められておりまして、極めて迅速に処理ができるような体制がとられているところでございますが、今後とも我々としましては事務の重点化あるいはまた機械化に努めるとともに、厳しい定員事情のもとではございますけれども、成田税関支署への重点的な人員配置に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#106
○経塚委員 さらに、こういう仕事もふえてきているのですね。クーリエ貨物、これは外国郵便よりも早くというキャッチフレーズでもって、緊急のビジネス文書、小荷物を国際航空便によってデスク・ツー・デスクで急送するサービス業態、これは年間百七十万件とも三百万件とも言われて、昭和五十七年ごろから参入企業が相次いでおる、こう言われております。これは大体年間どれくらいと計算をされておりますか。
#107
○中島参考人 御指摘のとおり、書類などを中心といたしましたクーリエ貨物が大変ふえている状況でございますけれども、これは旅客の形で持ち込んでまいりますものですから、私ども成田空港においてその数字は掌握いたしておりません。ただ御指摘のとおり最近急速にふえておりまして、出発待合の入り口のところあたりで、その荷物を広げまして整理をするというようなことで混雑している状況にございます。
#108
○経塚委員 これも混雑をしておる、こういうことでありますが、人員の中で一番問題になりますのは旅具関係の職員だと思うのです。旅具関係の職員は昭和五十四年と比較をいたしまして何人ふえているのですか。
#109
○川説明員 昭和五十四年から昭和六十三年までの間におきまして、旅具関係の職員は二十六名程度ふえております。
#110
○経塚委員 消費税の関係の問題も、これから仮に入ってくるとすると、仮にといいますのは、私どもはこれは廃止すべきだ、こう言っているわけでありますから、仮に入ってくるとしますと、この事務も大変な事務になるわけでしょう。関税がかからないものには新たに三%課税をしなければならぬ。そうすると、関税がかかるものはどうするか、あるいは還付という問題も生じてくる、こういう状況も加わってくるわけですね。
 こんな状況を考えてみますと、旅客の員数は倍以上ふえておる。それから貨物の状況もこれは倍以上ふえておる。それからクーリエ貨物の問題も新たに提起をされてきて、これももう手いっぱいの状況になってきておる。これはもう大変だと思うのです。一月から土曜閉庁が実施されましたけれども、全国ただ一つ連休がないのがこの旅具の関係の職場だ、こう言われておるわけです。八八年十二月二十七日の日経新聞によりますと、過労死、昨年は一昨年の二倍の二十四人だ、ことしは先週末までで十八人、五十代後半の職員が目立っておる、こういう報道がされておりますが、大蔵省は実態を調査されたことがありますか。
#111
○川説明員 御案内のとおり、税関におきます現職死亡は残念ながら最近かなりの数に上っておりますので、我々としましてもこの問題は真剣に受けとめまして、毎年毎年時期に応じまして調査を行っているところでございます。
#112
○経塚委員 人員の増加については、別送部門で欠員補充を含め二名、審理部門では各一名、旅具部門では一班二十五名編成に、あと輸入総括、それから輸入一、二、三、四部門でそれぞれ一名ないし二名、こういう要望が出されておりますが、旅客に対するサービスの向上、それから貨物などに対する事故の防止等々含めて、少なくともこれくらいの人員増を図るべきだ、こう考えておりますが、最後にこの点をお伺いいたしたいと思います。
#113
○川説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、税関の業務量は年々増大しているのはそのとおりでございます。我々といたしましては、税関の定員が極めて厳しい状況にあるということは十分承知をしておりますので、厳しい定員事情の中にはございますけれども、できる限りの努力を今後とも払ってまいりたいというふうに考えております。
#114
○経塚委員 できる限りの努力を払っても限界があると思いますから、ぜひ人員増の対策を講ずるよう要望いたしまして、質問を終わります。
#115
○西田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#116
○西田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成起立〕
#117
○西田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○西田委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#119
○西田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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