くにさくロゴ
1988/06/16 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第9号
姉妹サイト
 
1988/06/16 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第114回国会 地方行政委員会 第9号
平成元年六月十六日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 小澤  潔君
   理事 大野 功統君 理事 金子 一義君
   理事 渡海紀三朗君 理事 西田  司君
   理事 松田 岩夫君 理事 山下八洲夫君
   理事 小谷 輝二君 理事 岡田 正勝君
      上草 義輝君    内海 英男君
      岡島 正之君    北村 直人君
      園田 博之君    玉沢徳一郎君
      中島  衛君    中山 利生君
      中山 正暉君    二階 俊博君
      穂積 良行君    渡辺 省一君
      加藤 万吉君    中沢 健次君
      中西 績介君    細谷 治嘉君
      安田 修三君    草野  威君
      吉井 光照君    経塚 幸夫君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     坂野 重信君
 出席政府委員
        警察庁長官   金澤 昭雄君
        警察庁長官官房
        長       森田 雄二君
        警察庁交通局長 内田 文夫君
        自治政務次官  長野 祐也君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治省行政局長 木村  仁君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
        自治省財政局長 津田  正君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        文部省教育助成
        局財務課長   遠山 耕平君
        地方行政委員会
        調査室長    大嶋  孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十六日
 辞任         補欠選任
  佐藤 一郎君     園田 博之君
  佐藤  隆君     玉沢徳一郎君
  塩谷 一夫君     穂積 良行君
  染谷  誠君     岡島 正之君
  橋本龍太郎君     北村 直人君
  渡部 恒三君     二階 俊博君
  佐藤 敬治君     中西 績介君
同日
 辞任         補欠選任
  岡島 正之君     染谷  誠君
  北村 直人君     橋本龍太郎君
  園田 博之君     佐藤 一郎君
  玉沢徳一郎君     佐藤  隆君
  二階 俊博君     渡部 恒三君
  穂積 良行君     塩谷 一夫君
  中西 績介君     佐藤 敬治君
    ―――――――――――――
六月十六日
 留置施設法案の廃案に関する請願(早川勝君紹
 介)(第二八六六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三〇号)
 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第七八号)
     ――――◇―――――
#2
○小澤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田正勝君。
#3
○岡田(正)委員 まず最初に、税務局長さんにお尋ねをいたします。局長さんは花形役者でございまして、土地特の方にもお呼ばれがあるそうで、お急ぎのようでありますから、冒頭に尋ねさせていただきます。船員関係のことについてのみ絞って質問をさせていただきます。
 現在、一年以上遠洋漁業に出ていらっしゃる船員の皆さんについて、住民税の取り扱いというものが地方関係団体でまちまちになっておるようなんです。これは現状どんな状態なのか、御説明をいただきたいと思います。
    〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
#4
○湯浅政府委員 一年以上遠洋漁業に出ている船員の方々の住民税の取り扱いでございますけれども、私どもが基本的に依命通達という形でお取り扱いを各市町村に御指導している考え方は、一年以上日本を離れて操業をしておりましても、外国の特定の地に長期間滞在しないで洋上にいる期間が大部分だというふうに考えられる場合には、そこは一種の勤務場所ではないかというふうに考えられますので、その住所は一般的には家族の居住地にあるというふうに取り扱うように指導しているところでございます。したがいまして、家族の居住地に住所が所在するということになりますと、住民税はその住所地の市町村に課税がされるというのが原則的な考え方であると思います。
   号
 御指摘のように、まちまちの取り扱いが行われているのではないかということでございますが、地方税法の解釈なりあるいは取り扱いにつきましては、以上のような考え方で私どもは統一しておりますので、市町村によってそれと違う取り扱いをするということは、私どもの指導とちょっと違ってきているのではないかなということでございます。
 どの程度そういう団体があるかという点につきましては、私どもではまだつかんでおりません。
#5
○岡田(正)委員 一年以上外国で操業をする遠洋漁業の船員について、この際、取り扱いがまちまちになっておるのでありますから、非課税の扱いということに統一してあげたらどんなもんだろうか。これは、例えば南極探険隊、あるいは外国の大使館員になっていらっしゃる方々なんかは全部非課税になっております。それで、いわゆる西欧各国の制度を見てみますと、海を舞台にして生きてきた、遠洋航海なんかで長期にわたって海外へ出ていらっしゃる、いわゆる遠洋漁業なんかで出ていらっしゃるそういう船員については全部非課税扱いにしているところがほとんどなんです。だから我が日本も、船の上だから陸地じゃないじゃないか、外国に行っておるわけじゃないじゃないか、その土地に居住しておるわけじゃないじゃないか、海の上にあるということは勤務中である、したがって、それは海に漂っておるのであるから居住地とみなされない、こういうお考えだと思うのですが、まあ口を曲げて言うならば、南極探険隊といっても、南極というのはどこの国の土地とも認定されておらぬところですからね。地球上にある単なる泥がちょっとのぞいておるというだけの話です。だから、そのどこの国でもないところへいらっしゃる人は非課税扱い、そして海の船の上におる人は課税扱いというようなことでは何か
かわいそうな感じがしまして、南極探険隊の話を聞くと、ああやっぱり国の依頼によって行っていらっしゃる方であるからこれは公務員並みに扱うんだ、なんじら臣民はだめだというような、何かしら多少理屈が曲がっておるかもわかりませんが、官民格差をここでもちょいと感じるなというような気がいたしますので、その点非課税扱いの方へ統一をする、通達をやりかえるというようなところまで踏み込めないものでしょうか。
#6
○湯浅政府委員 お話しの点もよくわかるのでございますけれども、船舶あるいは航空機で一年じゅう飛び回っているというような方々につきましての住所の認定というのは、所得税におきましても同じように、国内に生活の本拠地があるということで課税をするという格好になっておるわけでございます。
 今御指摘のような公務員の問題につきましては、公務員の場合には、例えば外交官でございますと、相手国に行っている場合には相手国が例えばウィーン条約のようなもので外交特権という形で税を課税しないわけでございます。あるいは、アメリカに住んでいて日本から給料をもらっているという方々については、他国からの給与を得ている人たちについては非課税扱いにするというようなこともやっているようでございます。そうしますと、その方々は、勤務地では課税されない、日本も課税しないということになりますと税が全然課税されないということなものですから、これは日本の方で課税をするというようなやり方をとるとか、そういう二重課税なりあるいは両方とも課税されないというようなことになっても困るということでの調整は、公務員の場合でもいろいろと考えながらやっているわけでございます。
 ただいまの船員の方々の場合も、仮に日本に住所がないと考えますと、その方は一年じゅう働いていらっしゃるのですけれども税は全然納めない。その方はどこにもお世話になっていないんだから税金を納める必要はないんだろうという御指摘もあろうかと思いますが、御家族の方々は生活の本拠地で生活をされているわけで、そういう意味で行政の受益も受けているわけでございますから、やはり何らかの形で税負担をお願いすべきではないかと考えますと、一年以上船の中で働いておられましても、生活の本拠地に対してそこの市町村で税を負担していただくという方がむしろ公平なのではないかなというふうに今私どもは考え
 ているわけでございます。
#7
○岡田(正)委員 それでは私、お願いをしておきたいと思いますが、今言うように一年以上も故郷を離れて遠洋漁業に行って我が国民のカロリー源を確保していただいておるような、そういう海の戦士たちの諸君が国の地元において税金を払いましても、その見返りの役務の提供というのは全くないのです。家族にはありますよ。家族にはありますが、本人に対しては全くない。もちろん選挙権の行使ということもない、こういうような状況でございます。外国においてそういう非課税扱いの取り扱いをどこもしてないのだというのなら話は別です。そんなむちゃは言いません。だが、自後よく御研究いただきまして、西欧先進諸国においては海なくして生きていけないという国がたくさんあるのです。そういうところではもうそういう優遇措置をはっきりと講じておるわけですから、そういう点なんかもひとつ、海国日本ですから、ぜひ諸外国の実情もよくお調べをいただきまして、再検討するというくらいの姿勢は見せていただきたい。事税金のことですから、あきまへん、あきまへんということでは、私もちょっとあなたをこの場から十時半まで放すわけにはいかぬようになるのですよ。再検討を約束するということでひとつおさめようじゃありませんか。
#8
○湯浅政府委員 私どもが今までこの問題について考えていた点は、先ほど御説明したとおりでございます。
 所得税、国税におきましても基本的には同じような考え方で船員の方々の税負担をどうするかということを議論していたわけでございますが、今御指摘の海外の状況につきましては、私どもも正直申しまして、まだつかんでおりません。この点は、海外の状況、あるいは海外でそういう扱いをしているとすればどういう考え方でやっているかという点はよく調べてみたいと思います。その上で、今の私どもの取り扱いが妥当なのかどうかという点を判断をさせていただきたいと思いますが、なかなか難しい問題ではないかと思います。
#9
○岡田(正)委員 さすがに税務局長、将来ますます出世をされることは間違いないと私は信じております。どうぞひとつこれからも海外の事情をよく御調査いただきまして、何といっても税金に関する問題ですから、よく検討しようという非常に気持ちのいい御回答でありました。本当にありがたいと思っております。サービスをいたしますから、どうぞすぐ土地特へ行ってください。ありがとうございました。
 続いて質問をいたしますが、交付税のことについては、何と、考えてみたらもう十時間やっておるのですね、三日間。ですから、もう聞くところがほとんどないのですよ。それで、たまに交付税らしいものを質問すると、何だまたあんなことを聞いている、こうなりますので、私は、大臣の所信表明に対する質疑もあわせてやってよろしいという理事会の申し合わせでありましたので、大臣の所信表明に関する問題で、以下質問を申し上げていきたいと思います。これからの質問は大臣以外の人はくちばしを入れぬように、みんなたばこを吸って昼寝してください。
 それで、私が今からお尋ねしますことは、政治改革に関する問題が主点であります。
 なぜ自治大臣にそんなことを聞くのかというと、これは考えてみると、政治資金規正法というのはもう全く自治省の扱いであります。公選法の扱いというのは公選特の扱いでありまして、公選特の担当大臣も自治大臣であります。となると、政治改革に関する問題はすべて自治大臣の専門ということになってくるわけでありますから、自治大臣にお伺いするのは的外れではないというつもりで、以下お尋ねをさせていただきます。
 さて、第一問でありますが、リクルート事件の反省、これは大臣はやっておらぬのですからあなたの反省は要らぬのですけれども、いわゆるそういうお立場にある大臣として、リクルート事件の反省をどう考えていらっしゃるか、お願いします。
#10
○坂野国務大臣 申し上げるまでもなく、このリクルート事件を契機といたしまして政治、政治家に対する批判が急激に国民の間に広まったことは事実でございます。そういう中で、何といっても我々政治家一人一人が倫理観に徹して、みずから反省すべきことは反省し、身を律するということがまず先決でなければならないと思う次第でございます。
 それで、自治省といたしましては、さっき先生おっしゃいましたように政治資金規正法あるいは公職選挙法というものを所管する役所でございますから、そういう立場で、これから各党からいろいろ提案されるであろう、また各党で御勉強いただくそういった政治改革の問題につきましても、政府サイドでこれにまた対応して、ともどもに努力しなければならぬと思っておる次第でございます。
#11
○岡田(正)委員 今大臣がお話しになりましたこのリクルート事件によって国民の間に大変な政治不信が巻き起こってきた、この政治不信を解消するためにはやはり政治改革をやらなければいかぬ、それはやはり任務だというふうに反省をしていらっしゃるというお答えでありましたが、さて、その国民の政治不信に対してどうこたえていけばよいというふうに思われますか。
#12
○坂野国務大臣 先ほど申し上げましたように、政治家一人一人がやはり倫理観に徹してそれぞれが身を正していくということがなければ、なかなかこれは、法律を改正してみても、その法律が的確に実行されないというようなことになっても困ると思いますので、こういう時勢でございますから、本当に政治家一人一人がそういう気持ちにならなければならぬ、これが先決だと思います。
#13
○岡田(正)委員 政治家一人一人の決意こそ重大である、こういうお話でございました。
 さて、このリクルート事件のけじめがついてはおらぬじゃないかというのが新聞の世論調査におきましても八十何%というような高率を示しております。ついたと思うという人は一〇%を切っております。こういう状態を考えてみました場合、大臣としては、いわゆる閣僚の中では政治改革ということについては自治大臣は恐ろしい人だという存在にならなければいかぬのでありまして、その恐るべき存在である坂野自治大臣はどういうけじめをつけろと考えられますか。
#14
○坂野国務大臣 これはやはり政治家の皆さんが一人一人で自分でお考えいただいて、そして自分の判断でけじめをつけるというのが第一の条件だと思います。しかし、それじゃどういうけじめのつけ方がいいのか悪いのかといったような問題も先生御案内のとおりに議論になりまして、自民党の中ではそういう基準といいますか考え方を整理するためにそういった議論が行われたことは事実でございます。これはやはり最終的には政治家の一人一人の判断によって処置すべきだという考えでございます。
#15
○岡田(正)委員 これは個人名を出してまことに恐縮なんでありますが、時間をサービスすると言った手前上、余り長くできませんので、時間を節約いたしますけれども、藤波さんが起訴になりましたね。在宅起訴になりました。それで、そのことについて中曽根さんはいわゆる真っ黒けではなかったから外れたということでありましょうが、まあ、ほぼ黒に近い暗黒色であるというくらいのところまでいっておるんじゃないかな。捜査のあれに引っかからなかったというだけの話でありまして、女房役である藤波さんが在宅起訴になって、恐らく藤波さんは、大変お気の毒なことに、これはまず政治生命を断たれたと見ていいと私は思いますね。選挙民がどんなにかばってみても、私は藤波さんの政治的な将来というのはこれでもうピリオドを打たれたと思いますよ。それほどいわゆる女房役の藤波さんが痛めつけられておるのに、中曽根内閣当時の出来事であるその張本人、総元締め、その人があっけらかんとして、派閥を離脱したというだけで、無所属になったからそれでいいじゃないか、けじめはついたじゃないか、これが国民の最も怒りに触れているところですよ。こんなたわけたけじめのつけ方があるかというのが国民の百人が百人の声だと思います。
 その他の人々についても言いたいのですが、時間がありませんから申し上げませんが、これは本当に腹が立ってならぬのであります。大臣としては、正直なところを言いまして、中曽根さんのあの派閥を離脱したということだけでけじめがついとるわいというふうにお考えになりますか。
#16
○坂野国務大臣 大変難しい質問でございますが、世論に中曽根元総理に対する非常に厳しい批判があるということは私どもも承知しておりますし、また、中曽根元総理自身が自分の肌に感じておられると思います。そういう中で、中曽根元総理が自分の考えに基づいてけじめとしてああいう措置をとられたわけでございます。それがいいか悪いかということについては、ちょっと私はコメントいたしかねるわけでございます。
#17
○岡田(正)委員 私は証人喚問のときに、たった八分間しかありませんでしたから、八分間で六つ質問をいたしました。それに対するお答えというものは、全く木で鼻をくくったような御返事でありまして、聞いていらっしゃった人は御承知のとおりであります。
 私が最後に言ったのは、わざわざ私が天皇陛下のことを、昭和天皇のことを引き合いに出しましたのは、あれは私、説明する時間がありませんでしたから説明をしておりませんが、中曽根さんというのはなかなかのパフォーマンスでして、いい格好をするのですよ。それで、とにかくこの事件が起きてから中曽根さんにインタビューを申し込むと、中曽根内閣の時代に起きた問題であります、たとえこの身はどうなりましょうとも、私は天下国家のために議員としてこれからも尽くさせていただく覚悟であります、こういうやり方をするのですね。この前半の、たとえ私の身はどうなりましょうともというのは、あの終戦のときにマッカーサー司令官をお訪ねされた昭和天皇が仰せになった言葉なんですよ。ああいう、いいところだけとるのですね。
 あのときに昭和天皇がおっしゃったことは、この戦争の責任はすべて私にあります。だから中曽根さんで言うならば、今回の事件のすべての責任は私にあります、こう言うべきなんですね。それで、天皇陛下はお言葉を添えて、私が命令をしてやったことです、ですからみんなを責めないでください、私だけに一人で責任をとらしてください、こう言ったので、初めは天皇陛下が命ごいに来たなとマッカーサー司令官は勘違いをしておったから、玄関に迎えにも行かなかった。だが、そのお言葉を聞いてマッカーサー元帥は、血は違いますけれども、民族は違いますけれども、人間の真心というものには国境はない、だれにでもわかることです。これはすばらしい人だというので、もう感きわまって、お帰りになるときにはわざわざ玄関先までお送りを申し上げたというすばらしい逸話が残っておるのですね。その一番先頭のところだけをちょこっとかじっておるのですよ。それでいい格好ばかりするから私は腹が立った。
 それで天皇陛下は文字どおり責任をとるとおっしゃった。ところが中曽根さんは、たとえこの身はどうなりましょうとも、私は議員はやめません、これじゃ小説にもならぬですね。こんなもの、責任のとり方でも何でもないですよ。こういうやり方をしておるために、むしろ三百有余の自民党の議員の諸君は大迷惑をしておるんじゃないですか。野党を含めた我々国会議員全体が迷惑していますよ。中曽根さんのあの派閥を離れるだけというけじめのつけ方については、それは終局的には選挙民がつけることでありましょう。だが議員には、議院の品位を失わしめるようなこと、名誉を汚すようなこと、そういうことがあった場合には懲罰委員会という制度もあるので、これも多数ですから懲罰委員会にもかけることができませんが、とにかく少なくとも総理大臣を含めて二十一名の閣僚の中で、事故治改革に対してはもう坂野さんしかほかにおらぬ、坂野さんの一挙手一挙動が内閣に響いてびりびり恐れられるというぐらいの姿勢をとっていただくべきときじゃないのかな。
 だから、今のようなお答えではなくて、もっと峻烈なお言葉を私は期待しているのですよ。それで、それを言ったからといって今の宇野内閣で、おのれ坂野のやつはけしからぬ、おまえあしたから閣僚をやめえなんて、そんなことを言う人はどこにもおりません。宇野さんもそんな元気はない、あの人自身が大きな傷を負っていますから、人のことを言うたら自分がひっくり返る。だから平気でやりなさいよ、平気でどおんと。内閣の重要閣僚、中曽根けじめについて発言、というのがあしたの新聞にどかんと載るぐらいのこと、今ちょっと言えませんか。
#18
○坂野国務大臣 私が言わなくても先生のきょうの質問の趣旨が、マスコミの皆さんはたくさん来ておりますから、そういう面で報道されればまた中曽根さんにもそれは通ずると思いますし、私はやはり宇野内閣の閣僚の一人でございますから、余りかけ離れた発言というものはできない立場はひとつ御理解いただきたいと思います。
#19
○岡田(正)委員 それでは、この政治改革については与党野党を問わず、皆一生懸命になって取り組んでおります。どうやってやるべきかというので取り組んでおりますが、内閣の中においても当然政治改革はどうあるべきかということを真剣に考えていらっしゃるはずだと私は思うのです。
 なぜならば、今回のリクルート事件というのは、中曽根内閣の時代の閣僚八人が関与していることですからね。ですからそのことを考えてみると、いわゆる地震の根源地は内閣だったのですから、内閣の中で政治改革の担当相というものをつくって、担当者ですよ、担当大臣、それをつくって対処をなさっていらっしゃるだろうなと国民も
思っているし、私も信じておるのでありますが、そんなものをつくっていますか。
#20
○坂野国務大臣 その点は、宇野内閣の初閣議以来、閣議のあるごとに総理からも我々の内閣の最大の使命は何といっても政治改革だ、国民の不信を何とか解消することが我々に与えられた最大の任務だということを総理みずからもおっしゃっておりますし、全閣僚がそういう方向に向かって努力しようということでございますから、特定の閣僚にそれを命ずるとかいうようなことはなくても、全閣僚がそれに取り組んでいこうという総理の非常にはっきりした決意でございますので、その辺はひとつ御理解いただきたいと思います。
#21
○岡田(正)委員 今の大臣のお言葉を聞いて、私は何となく全身から力が抜けていくような気がするのですよ。なぜかといいますと、日本でももう有名になってしまいましたが、みんなで渡れば怖くないというのです。ということは何かといったら、無責任なんです。だれかがするわい、こうなんですよ。早い話が、これは防衛庁長官が政治改革について何か意見を言おうと思っても、何かしらんお門違いの感じがしますね。農林水産大臣が言っても建設大臣が言ってもおかしいですね。農水大臣とか建設大臣がけじめのことで言うとするならば、おい、お互いにこれからはわいろは取らぬことにしようぜ、そう言うたら今まで取っておったか、こうなるから言葉の言い方はあるでしょうが、極端に言うたらそういうけじめしかないですね。だから、政治改革というようなことについては、だれかがやるわい、こういうことになっちやって、だれもやらない、結局何もやらない、自民党が出してくる案をただ待ち受けておるだけという形になっていく。
 私は、宇野内閣に対する支持率が意外に歴代内閣を通じて半分しかないという状態になっておるのはそこにあると思うのです。宇野さんも中曽根さんの下で長いことおったからああいうくせがついたのでしょうが、言葉は立派ですよ、それは雄弁家ですね。あれは弁論大会に出したら私は必ず優勝すると思う。言葉は立派だけれども中身は全然ない。全然ない証拠に、内閣の中で、政治改革は全員がやるんだよ、だが、それのいわゆる元締めは坂野自治大臣だ、坂野さんが言ったらそれに右へ倣えせよ、それに背く者は内閣からちょん切って出すぞと言うぐらいのことをやってごらんなさい。そうしたら支持率はもっと上がりますよ。参議院選挙で二人ぐらい違うに違いない。そういうことを大臣、内閣の中で提言されたらいかがですか。それで、坂野さんがそんな面倒くさいことをやりたくないなと思ったら法務大臣に押しつけたらいいじゃないですか、あの人に本当にやる気があるかどうか知らぬけれども。とにかく内閣の中にさえ担当者がおらぬなんてこんなけじめのつけ方はない、政治改革はないと私は思うのですが、重ねて聞きますが、決意はいかがですか。
#22
○坂野国務大臣 総理が予算委員会等で再三答弁されております。賢人会議の提言の中でどれどれはやった、残った問題はこれこれだ、何回も答弁されておるとおりでございまして、閣僚の資産公開の問題にいたしましても、派閥の離脱の問題にいたしましても、そういう問題、できるものは着々実施に移しているわけでございます。
 そこで、今度は具体的に、政治資金に対する制度改革、姿勢を正そうということになってくると、もう既に自民党の方から法案が出ておるわけでございます。これは議員立法でございますから、それを受けてできるだけ早くこれを通していただくことがまず急を要する当面の具体的な行動じゃないかということを総理も答弁しているわけでございます。
 あと、資産公開の問題は、法律も待っておれぬからまず閣僚がみずから率先してやろうじゃないかということで取り決めておるわけでございますから、政治資金の法律問題、具体的な改革をどうするか、選挙制度の問題は当然これは自治大臣が担当でございますから、そういう時期になれば、恐らく来週じゅうぐらいには当然私も閣議発言をすることになろうかと思いますが、そういうことで一歩一歩、何もやってないわけではないわけでございまして、とにかく姿勢として初めから宇野内閣は改革前進内閣だという言葉どおりにやっていこうという決意でおるわけでございますから、進んでおることは間違いございません。
#23
○岡田(正)委員 ありがとうございました。
 今内閣の中で着々と政治改革の歩みは進めておるとおっしゃいますけれども、資産公開は七月でしょう、発表は。来月ですよ。参議院選挙が済んで公表されるのではないかなというふうに思いますね。いまだに出ていませんものね。内閣は六月に組閣されたのですから、坂野さんにいたしましても、きのうの村山さんにしましても、留任をされた組の人なんかはもう去年の分をコピーして出せばいいのでしょう、貯金はふえておらぬとおっしゃるのだから。去年ので、以下同文といけばいいわけだ。そんなに簡単に出せるものがどうしてそんな一カ月以上かかるのかな。これがまた不思議でならぬのですね。だから庶民感覚で言う資産公開というのとはどうもタイミングがずれている感じがいたします。
 それから派閥の離脱、これは歴代の内閣の中で初めてのことですから立派ですね。これは立派ですが、後がいけませんね。塩川大臣なんかはたちまちもうそれを破っているでしょう。それで内閣の中で相当問題になっておるのじゃないですか。これは官房長官おんみずから派閥を離脱したということを言いながらああいう姿勢をおとりになるということは、まじめな閣僚の中では批判の声が起きておるということを聞いておりますが、坂野さんは批判の声は、お隣の県だから言わぬことにしているのですか。
#24
○坂野国務大臣 最初の、資産公開は、あれは七月上旬ということになっておりますから、参議院選挙前に恐らく公表になると思います。
 それから、官房長官の問題とかが出ましたけれども、あれは官房長官の発表の仕方がちょっと口足らずじゃなかったかと思います。あれは閣僚会議の中でそういう質問が出たわけです。今まで来ているもの、個人的に来ているものをどうするのだというようなことで、いやそれは党の方のいわゆる選挙対策の方に登録をして、そちらの方から正式に話を持ってくるような形式にしよう、扱いにしようということですから、そのとおりにいっているわけですよ。いっているのだけれども、官房長官もうちょっとはっきりその辺のことを説明されれば誤解はなかったと思いますが、とにかく党から遊説の要請があれば閣僚はどしどし応じざるを得ぬだろう、それじゃ、今まで個人的に来ているものをどうするかという質問があって、それはひとつ党の方の遊説局の方に登録してそちらの方を通して来るようなことにしよう、そうしないと閣僚は自主的に離脱するというようなことで、批判を受けるからということで、じゃそうしようということで取り決めたとおりに官房長官はやっているわけです。ですから、私はもうちょっと官房長官がその辺はっきり記者の皆さんに説明されればよかったなという感じがしております。
#25
○岡田(正)委員 じゃ、時間がありませんから次の問題に移らせていただきます。
 坂野さん、率直に言いまして、この前から日本の国内においても海外においても、頭にいただいておる宇野総理大臣が女性問題で華々しく御登場になりましたね。それで、このことについて予算委員会でもいろいろと質問が重ねられてまいりましたが、宇野さんはいわく、個人の問題でありますから公の場ではと言って口を濁してしまう、だんだん声も聞き取れなくなってくるというような状況ですね。これはこのままほうっておいていいんですか、サミットへ行くのに。私はもう個人の問題ではない、諸外国にまで日本の内閣総理大臣がかくかく云々と論評された以上、それに対して、事実でなければ事実でない、事実無根であると、むしろ名誉棄損で訴えるというくらいの措置を事実無根なら当然しなければならぬはずですね。そういうこともしない、全然弁明もしない、何もしないというなら、深い霧の中に包まれてますます皆さんが想像をたくましくしていくのじゃ
 ないでしょうか。この問題についてどう思われますか。
#26
○坂野国務大臣 これは総理のお考えでああいうぐあいに予算委員会等で答弁されておるとおりでございますから、総理のお考え、自分でお考えになって、サミットのことも考えられた上のああいう答弁でございますから、それについてのコメントはちょっと差し控えさせていただきたい。
#27
○岡田(正)委員 なかなか用心深い大臣の御答弁であります。
 それじゃ、矛先を変えまして、大変失礼なんですけれども、怒りなさんなよ、怒っていすから立ち上がらぬように。答弁で立つのはいいですが。もし坂野自治大臣にあの種の話が、もちろんないことを信じていますよ、信じているが、架空の話として、坂野さんがこういうようなことがあったといって週刊誌ではらされ、海外でニュースになる。これは何といったって日本の、総理大臣をのけたら自治大臣というのは、大臣自信を持ってくださいよ、昔でいったら内務卿ですよ。これは、下手をすれば総理大臣の首をはねるくらいの力を持っているのが内務卿なんですからね。あなたはその内務卿なんですよ。だから、有名ですから、海外でもだあっとニュースで流れるというようなことがあって、きょうのこの委員会を迎えた。それで、あなた覚えがありますか、覚えがないなら覚えがないとはっきりした法的措置をとりなさい、そうしなければ恥ずかしいじゃないか、日本の内務卿として顔向けできぬではないか、海外にも行かれぬぞ、こう言った場合に、やはり坂野さんがその立場になったら、宇野さんと同じように、個人の問題でございますので公の場ではお許しくださいませと、しまいがようわからぬようなそういう言い方をされますか。いかがです。坂野さんは違うでしょう。
#28
○坂野国務大臣 私は、総理でもありませんし、内務卿でもなくて自治大臣ですから、そういう仮定のことを想像してその場合はどうなるかということは今すぐに考え及びませんので、ちょっとお答えしにくいわけでございます。
#29
○岡田(正)委員 時間が来ましたので、最後の質問をさせていただきます。
 これは、内閣の政治改革の元締め的な立場に立っておる坂野自治大臣の立場からして、リクルート事件のけじめの問題、政治改革の問題はもちろんのことでありますが、この宇野総理の女性問題について、いわゆる女性を金で買うという思想に対して痛烈な一撃を与えなければいかぬ、そういう立場に大臣は立っていらっしゃる。だから、内閣の中で、これはもう坂野大臣の方から、宇野さん、事実なのか事実でないのか、あれだけ海外でも評判になり国内でも評判になって、参議院選挙も目の前だというのに、大勢の同志の諸君に迷惑をかけてもあなたは口をつぐんだままなのか、おかしいではないか、女性軽視、日本の総理大臣そのものが、女性は男性の一歩下にある、金で買えるんだ、こういうような思想の持ち主だと言われることは大変に痛手である、だから、あなたがもしそうでないのならそうではないと言って直ちに法的な措置をとるというくらいのことをけじめをつけて選挙に臨みなさい、そしてサミットに行きなさい、一人の女性さえも味方につけることのできないような人が日本の内閣総理大臣なんて大きな顔をしなさんな、学生の弁論大会じゃあるまいし、口が回ればそれでいいというものではないと言って、坂野さん、血相を変えてテーブルをたたいて宇野さんに直言してくださいよ。絶対あなたが首になることはない。宇野さんが首になる。それでいいじゃないですか。それであなたが後に座ればいいんだ。総理の首をとるぐらいのその決意を示してくださいよ。そして、宇野総理がその問題で責任をとってやめれば、内閣は総辞職、そして衆議院は解散、直ちに総選挙、こうなる。だけれども、坂野さんは全然関係ないですものね。大臣という肩書がとれるだけでしょう。参議院議員というのはずっと続いているわけですから、関係ない。衆議院の諸君大いに苦しめと言っておけばいいのですから、だから、気分を楽にして宇野総理大臣の首をちょん切ってくださいよ。いかがですか。最後にこれだけ決意を聞いておきます。
#30
○坂野国務大臣 先生のおっしゃることは私なりに理解できないわけじゃございませんが、私も閣僚の一員でございますから、宇野内閣を守って、閣僚の中で意見が違うということがあっても困りますし、世論の批判というものは総理自身が一番、我々の大先輩であり大政治家でございますから、それはもう私どもが言うまでもなく自分で肌に感じておられると思います。あとは総理自身が御判断いただくことではないかと思います。
#31
○岡田(正)委員 坂野大臣、ありがとうございました。非常に答えにくい問題ばかりお尋ねいたしましたが、非常に率直にお答えをいただいてありがとうございます。
 最後にお願いだけしておきます。
 これだけ世界にまで知られてしまったような女性問題、特に、とにかくまだ日本では男尊女卑という思想があるのではないか、女性は金を出しさえすれば自由になるという思想があるのではないか、こんな恥ずかしいことを海外へ宣伝してしまったのでありますから、その結末というのはもう潔く総理大臣をやめるべきであるということを人に言うときには、あなた自身も辞表を懐に入れて、あの明治時代の志士のように、あなたもやめろ、おれもやめると言うくらいの大臣が、総理大臣を除く二十名の大臣の中に一人くらいおっても罰は当たらぬと思う。それこそ宇野さんお得意の裂帛の気合いをもって、宇野さんの辞職を勧めるように、もう一遍考え直していただくようお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#32
○渡海委員長代理 経塚幸夫君。
#33
○経塚委員 私は、きょうは本論であります交付税の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。
 交付税が果たして、「目的」にうたわれておりますように「地方団体の独立性を強化する」、こういう精神に今日立っておるのかどうなのか。かつて私は地方議会におりましたときには大変期待が大きかったわけでありますが、最近疑念を抱くようになりました。
 そこで、そもそも論をお尋ねするわけでありますが、その第一条の「目的」、さらに第二条の「基準財政需要額」、逐条解説では「基準財政需要額は、一般財源でもって賄うべき財政需要を示すものである。」云々と書かれておりますが、これはそのとおりと解釈してよろしいですか。
#34
○津田政府委員 交付税の算定に用います基準財政需要額は、各地方団体の自然的、地理的、社会的諸条件に対応する合理的かつ妥当な水準におきます行政を確保する、このような観点から算定しておるわけでございまして、もちろんこの合理的かつ妥当な水準というのは、その時代におきます社会的、経済的諸条件を前提とした適切な行政サービス水準というものを確保しようとしておるものであり、私どもそのような努力をしておるつもりでございます。
#35
○経塚委員 じゃ、現行の財政需要額はその趣旨に沿って妥当に計算をされておる、こう判断をされておるのですか。
#36
○紀内政府委員 ただいま局長の方から一般的な表現で申し上げましたけれども、各費目ごとに申し上げますならば、毎年度の基準財政需要額というのは、法令なりあるいは国の基準なりというものに示された行政水準あるいは国庫補助負担金に伴う地方負担、さらに単独事業の分野におきましては地方財政計画に盛り込まれた水準というふうなものを考慮して算定されておりまして、その意味におきましては、基準財政需要額は、地方団体がその置かれた社会的、経済的条件に基づいて要請される合理的かつ妥当な水準における行政を行うのに必要な経費を算定しているものと考えております。
#37
○経塚委員 行政に必要な経費を算定しておる、こういう答弁でありますが、一般論を言っておりましても明確な御答弁が得られないと思いますので、具体的に問題を指摘しておきたいと私は思うのですが、特にきょうは教育関係についてお尋ね
をしたいと思っております。
 あえてこの問題を私が取り上げましたのは、総務庁の調査によりましても、家計支出に占める教育費の負担が、四十八年度が四・八三%、これが六十二年度は実に七・三三%。補習教育などに要する支出は八九年四月では一一三・九%、もちろん教科書、学習参考書なども四月には消費税が実施されましたから一〇五・二%と、六十年を一〇〇として見た場合非常な増加率であります。したがって、果たして交付税の精神に沿っていわゆる需要額が必要な経費を算入しておるのかどうなのか、これは今後の教育の問題としても極めて重要であります。
 具体的にお尋ねします。まず光熱水費でありますが、これは算入額が非常に低い、こういう批判の声が高まっております。小学校、中学校、五十六年それから六十一年を比較しますと、それぞれどうなっておりますか。
#38
○紀内政府委員 光熱水費に係る需要額の総額について申し上げますと、五十六年度の小学校費で三百七十九億円、中学校費で二百十五億円、これは五十六年度でございます。六十一年度について申し上げますと、小学校費で三百八十三億円、中学校費で二百八十億円と、そのように推計しております。
#39
○経塚委員 今御答弁がありましたが、私文部省からいただきました光熱水費の決算額と比較をしました。五十六年度は決算額に対する需要額はわずか三九・八%じゃないですか。六十一年度はさらに下がりまして三五・四%ですね。中学校の場合は、五十六年が四四・八%、五十七年は四七・七%にちょっと上がりましたけれども、六十一年は四七・六%。これは小、中いずれも三〇ないし四〇%台でしょう。これで地方公共団体が必要な経費を算定した、こう言えますか。
#40
○紀内政府委員 ただいまお示しになりました調査につきましては、私どもそれがどのような方法で行われているものか詳しく承知しておりません。交付税の費目設定との関係であるとか、あるいはそれが一般財源のベースで出されているものであるかどうか、その辺もよく検討してみる必要があろうかと存じます。さらに、先ほど光熱水費の数字で申し上げましたけれども、小中学校費全体として決算の状況等と対比をしてみますと十分な算入がなされているものでございまして、費目ごとの積算の問題もあろうかと思いますけれども、全体としては妥当な水準を維持しているものと考えております。
#41
○経塚委員 全体としては妥当なものと考えておるという答弁をあなた方がされるだろうと思ったので、私は今具体の問題を取り上げて事例を挙げてただしておるわけなんですよ。全体は適当な需要を見込んでおります、それでは個々の中身はどうなんですか、こう聞いていったら、それはあなたの方ではわからぬと答えるに違いないのです。だから光熱水費の問題を具体の例として私は取り上げたのですよ。これは的確な需要を見込んでおるとは言えないのじゃないですか、三〇%、四〇%台では。
 この光熱水費の問題につきましては、かつても質問をしたことがあるわけでありますが、当時はこれは乖離があるということは自治省もお認めになった。それで、五十五年の二月十四日、花岡政府委員は「実態との乖離のないように措置してまいっておるつもりでございますが、先ほど御指摘の点につきましては、どういう特殊事情があるのかという点は十分調べてまいりたい」、そして改善を約束された。事実、若干改善はされた。若干は改善はされましたけれども、その後は改善はされておりませんから、しかも年々の微々たる改善も決算額との乖離を縮めるという改善には至っておりませんから、依然として乖離は三〇ないし四〇%しか需要額では見ておらないという状況が続いておるのです。
 今後の参考のためにちょっと例を挙げておきましょう。これは前回質問をいたしまして、調査をして改善をすると約束をされたときは大阪府の松原市の例だった。これは前回も指摘されたのですが、一向に改善されておらぬですよ。六十二年度は四五・八%で、前回の調査で指摘した四三・七%とほとんど変わらない。大阪市は六十年度は四七・六%、六十二年度に至っては四三・六%ですよ。これは大阪だけじゃありません。名古屋の中学校の例でもそうですが、東京中野区に至りましては、児童生徒一人当たりに直しますと小学校は二万六千六百八十円、中学校二万九千八百七十円。これは交付税の標準施設における児童生徒一人当たりの光熱水費の小学校が七・八倍なんですよ。中学校は六・七倍なんですよ。これで合理的と言えますか。今の実態をお聞きになって、あるべき需要を算入しておる、こうは,きり御答弁できますか。
    〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
#42
○紀内政府委員 先ほど申し上げましたように、小中学校費全体としては決算との対比においても十分な算入を施していると私ども考えております。ただ、その小中学校費全体の構成の中で光熱水費の部分をとらえてみると、おっしゃるような数字があるいはあるのかもしれません。しかし、要するにそういうものを含んだ全体としての小中学校費が全国的に見れば妥当な水準にあるということを申し上げたわけでございます。
 なお、これは全国的な話でございますので、個別の団体につきましてはまたそれぞれやや違った事情はあろうかと思います。いずれにいたしましても、その光熱水費そのものについての乖離というものにつきましても、その原因等について一層分析を加えて、さらに適切な算定に努めてまいりたい、このように考えます。
#43
○経塚委員 今例を挙げた実情から見ますと、乖離がちょっとひど過ぎると思うのですよ。だから、これは自治省としても、どうなんですか、光熱水費については前回も実情を調査の上に立って改善をされたわけでありますが、調査をしてみる必要はお感じになりませんか。
 私はじかに現場の先生方に聞いたのですが、例えば、水道料金が上がってきておる、今度消費税が加算されますと、これはまた上がります。今どんな運用をしておるかといいますと、平均は六月の十五日から九月の十五日まで三カ月間プールを使用する。しかし、生徒が五百人おりまして、一挙にこれを入れるということになりますと、水をかえなければならぬ回数がふえますから、五百人生徒があれば二百五十人しか一日プールを使用させない。それから、本来は一〇〇%水を入れなければならないところを七〇%に抑える、あるいは三カ月間を間引きをする。つまり、九月に入って九月十五日までということになれば、台風のシーズンを迎えますから、これはもう切り捨てましょうということでもう九月の初めで終わりにするとか、こういう状況の操作さえやっているというのです。一般会計から歳出をされる学校への割り当て金が需要額の算入から見ますとはるかに高い、逆に需要額が低い、そういう状況のもとでさえそんな操作をしなければやっていけぬ、こうなっているのですよ。それで、プールの水は大体どれくらいに還流するのですかと聞きますと、一週間に一回だとおっしゃる。これはもう大阪の学校の通例だというのですよ。そんなもの二回も三回もかえとられへんと言うのです。かえるたびにそれだけの水量がふえてくるわけですから、こういうやりくり算段をしているという。
 これは私は大阪の例を挙げただけではありません。名古屋の例も挙げました。それから東京都もそうなのです。都心部においては一様にそういう状況なんですよ。だから、都心部だけでも一回実態を調査されて、そして現在の需要額が必要な額を算入しておるのかどうなのか、乖離があるのかないのか、あるとすればどれくらいあるのか、改善の必要があるのかないのか、これは調査の上に立って検討される必要があると思うのですが、その点はいかがですか。
#44
○紀内政府委員 個別の団体に係る特殊事情につきましては、交付税の性格上なかなか限界がございますけれども、光熱水費そのものにつきましてどのような実態にあるか調べてみまして、小中学
板葺全体の中での位置つけ等について検討を加えてまいりたい、このように考えます。
#45
○経塚委員 ぜひひとつ検討していただきたいと思っております。
 次は、教材費の問題についてお尋ねをいたします。
 教材費については、国庫負担二分の一を、地方の自主性を尊重するという名でもって六十年から一般財源化された。私はこのとき予算委員会で質問に立ち、文部省にお尋ねをした。私が質問に立ったときは、教材費十カ年計画というのを立てられてからちょうど七年目であります。十カ年計画では六十二年度にこの計画が達成されておらなければならぬはずであります。
 そこで、私が聞きましたのは、現在でも国の負担二分の一とは言うけれども、実際の支出額とは大きな乖離がある。これを一般財源化して交付税で見て、若干上げますと言うけれども、その乖離を埋めるに至らないだろう。もし六十二年度までにこの十カ年計画を達成するとすれば、五十九年度、七年目で全国が四八・三%、そうすると、これを全部地方の負担にして一般財源化をすれば、三カ年で一〇〇%達成しなければならぬ。そうすると、一般財源化されるだけで地方にとっては倍以上の予算が必要になる。しかも、残る三年間で一〇〇%ということになれば、これは地方は四倍予算化をしなければならぬ。果たして文部省が言っているとおり六十二年度十カ年計画は達成できるのか、こうお尋ねした。
 そうすると文部大臣は、一般財源化をして若干予算もふえますので、六十二年度計画どおり十カ年計画は達成できますという答弁だった。御心配は要りませんということだった。六十二年度はもう既に過ぎたわけでありますが、文部省、十カ年計画の達成率は現在どうなっておりますか。
#46
○遠山説明員 お答え申し上げます。
 教材整備十カ年計画というのは現在ではそのままの形では生きてないわけでございます。それは先生からお話がございましたように、昭和六十年度に国庫負担金が廃止されまして一般財源化されたわけでございまして、その結果でございます。
 現在の状況でございますが、昭和五十三年度から昭和五十九年度までは、先生お話のとおり四八・三%の達成率でございます。その後、六十年度から六十三年度まで地方公共団体で教材費について予算措置をした額、これを全国総額で集計しますと、千三百七十八億円ございます。これを国庫負担ベースの二分の一にしますと、それを合計しますと全部で千八百二十三億円となりまして、第二次整備計画全体に対しまして現在七七・六%という状況にございます。
#47
○経塚委員 現在というのは六十三年度ですね。六十三年度で七七・六%。では、六十二年度の達成は及びつかなかった。それでは六十年度に私が質問をしたときの政府側の答弁というのはうそを言っていたことになる、そうでしょう、やれると言ったのだから。私は気になったものですから、翌年、六十一年度にまた質問をした。今度は若干難しいように思われると、こう変わってきた。たった一年足らずで、一年前に答弁したことを、これはちょっと難しいなと言ってきた。きょう聞きますと、これはまだ七七・六%です。
 それで、私はけしからぬと思いますのは、十カ年計画はもう消えたと言う。六十年度質問のときには消えたとは言ってはおりません。消えたなら、一般財源化と同時に文部省の十カ年計画はもう解消であります、一〇〇%やろうが一二〇%やろうが八〇%でとめようがそれは地方の自由であります、一般財源化の理由はそこにありますと言っておるならともかく、それでは何でそのときに六十二年度十カ年計画は達成いたしますと、こう言ったのですか。きょう聞きますと、それはもうありません、消えてなくなっております、こういう話でしょう。そんなあほな話がありますか。
 一体、義務教育はどこが責任を持つのですか。小中学校については国じゃないですか。国が責任を持つ以上は、国が立てた十カ年計画で、そして一般財源化するけれどもこの計画達成に向かって上積みをしますし達成はできますと言ったのですから、国が当然指導監督をして、地方公共団体は十カ年計画が六十二年度達成できるような予算化の措置をとっておるかどうか、とっておらないとすれば、またとれないとすれば国としてどういう措置を行うべきか。これは義務教育、国の責任という観点から考えてみますと、一般財源もけしからぬのでありますけれども、一般財源化と同時に責任まで地方の責任にして、十カ年計画はもう消えてなくなっておまへんということは無責任も甚だしいですよ。義務教育に対する国の責任の放棄じゃないですか、どうですか。
#48
○遠山説明員 お答え申し上げます。
 教材整備の十カ年計画というのは、国が国庫負担を二分の一するということでつくられた制度でございまして、昭和六十年度に教材費が一般財源化をした時点で、その国庫負担二分の一を伴う十カ年計画はその意味で現在生きていない、こういう趣旨でございます。
 文部省としましては、その教材整備、現在教材基準の参考として生きているわけでございますが、それをできるだけ早く整備したいという気持ちは持っているわけでございます。
#49
○経塚委員 今度は生きておるという御答弁に変わったわけであります。そうすると、十カ年計画は生きておる、それで、六十三年度で達成年度を一年経過した時点でなお七〇%台だ。これは文部省、自治省、それぞれどうされるおつもりなんですか。
 言っておきますけれども、何もかも地方の自主性、自主性と言って、一般財源化されれば地方の自主性が高まるかのように安易に受け入れた自治省に重大な責任があると私は思う。教材費などは義務教育費の中でも主たるものじゃないですか。二分の一の国庫負担はもとより、全額国庫負担にしてもいいくらいのものですよ。これを安易に受け入れた自治省の側にも責任がある。これは今後の問題もありますから言っておきます。国が進んで負担するものと地方財政法で定められた国庫負担金を一般財源化、地方の自主性尊重などといって何もかも受け入れてもらってはあなた困りますよ。しかし、受け入れてしまった以上は、計画が達成されておらないということになれば、これはどうされるんですか。文部省、自治省、それぞれお答えいただきたい。
#50
○津田政府委員 教材整備十カ年計画は文部省で作成されたものであり、既に五十九年時点で達成率が芳しくないということは承知しております。自治省としましては、計画というよりも、五十九年度以前では毎年毎年予算が文部省予算では制約されておったわけですが、私どもとしては、わずかではございますが、その充実に努めてきておるところは先生も御評価いただきたいと思います。
 それから、この問題についての国の責任の関係でございますが、これは現在の法律体系から申しますと、国の負担金系統はいわゆる給与関係の負担金、それと学校建設等の新設の負担金、こういうような体系でございます。このような学用品の扱いということでございますが、これはやはり学校の維持管理の中の一環としまして地方団体がやることがもう定着化しておる、このように考えております。そういう意味におきまして、一般財源化という措置をとったことについて私どもは間違いがあったとは思っておりません。
 それから、昨晩も先生の御質問があって改めて見てみたわけでございますが、文部省の出されております教材基準というのは非常に細かくなっております。これを補助金制度の中で、どういう黒板を幾つ、あるいは幻灯機を幾つというようなことをわざわざ補助金申請をする、あるいはそれの決算で打つということは、地方団体にとっても相当な手間である。むしろ基準財政需要額の算定を通じまして、個々の団体がその地域の実情に即し、かつ文部省の学習指導要領に基づきます学用品の整備をしていくことがやはり体制としては好ましいのではないか。六十年度におきます一般財源化は間違いでなかったと思います。
#51
○遠山説明員 お答え申し上げます。
たびたび同じ答弁で恐縮でございますが、文部省としては、教材整備十カ年計画は国庫負担金がなくなった昭和六十年時点で生きてないという認識でございますが、教材整備の基準は現在も参考基準として生きているということで、考え方は、その二つについては分けて考えております。文部省としましては、これらの教材整備につきまして各地方公共団体を指導しまして、教材の充実が図られるように努力をしていきたい、このように考えております。
#52
○経塚委員 そうすると、自治省の方の答弁は、一般財源化を受け入れたことは、これはもう地方になじんできておる事業でもあるし、間違いじゃなかった、こうおっしゃるのです。そして文部省の方は、基準は生きておるんだ、こう言っておるのです。そうすると、達成はどうされるのですか。教材費の決算額と需要額との乖離もひどいわけですよ。これは結局、目標に向かって早期に達成をするためには、文部省は基準は生きておるというわけでありますから、受け入れたことは間違いでなかったとおっしゃる以上は、その基準を充足するために当然需要額の思い切った引き上げが必要になってくるのじゃないですか。これは受け入れるべきでなかったとおっしゃるなら文部省に責任があると私は思いますけれども、自治省はみずから進んで受け入れたことは正しかったとおっしゃっているのですから、充足してない状況については、充足のためにどんな措置をおとりになるのですか。
#53
○津田政府委員 個別の問題がございましたら審議官に答弁願いますが、全体的に私から申し上げたいと思います。
 私どもとしましては、今後とも地方団体において学習指導要領を踏まえ、適切な教材の整備を図られるよう措置を考えていくつもりでございます。
 それから、基準財政需要額と決算との関係につきましては、私ども、基準財政需要額に算定した内容等については地方団体に周知するよう努めておるところでございまして、今後とも努めてまいりたいと思います。
 それで、考え方でございますが、文部省におきまして学習指導要領等を踏まえた基準をつくるのは結構と思います。それを標準といたしまして地方団体が地域の実態に即して判断すべきもの、かように考えております。この問題、御質問の最初の出発点がへ交付税の基準財政需要額の算定が合理的かつ妥当な水準、こういう観点から先生が今まで御質問を重ねておられるわけでございますが、文部省のつくられておりますこの教材基準、これも今また改定中でございますが、従来のものを見てまいりましても、ある程度高度なものを考えておるようでございます。私どもの時分では、中学校以上になってピアノというようなことで、小学校ではピアノもないでオルガンだと思います。確かに現在の我が国の社会的条件からすれば、ピアノ等は普及しておりますし、学校にも整備しなければならないわけでございますが、文部省の基準はそういうものだけじゃなくて、バイオリンだとかチェロだとかあるいは尺八、和太鼓、そういうものも指導要領に基づいては必要と考えられるものだ、こういうような判断でございます。
 学習指導要領を高度にこなしていくためにはそういうものは必要かと思います。しかし、現在の我が国の社会経済条件からいたしますと、私どもが措置しておるものが間違いでない、これが交付税の合理的かつ妥当な水準というものに反するものではないのではないか。しかし、今後におきましても、私どもとしましては、このようなものを考えまして、適切な財源措置は考えてまいりたいとは思います。
#54
○経塚委員 合理的かつ適切であるかどうかということは、もちろん私の質問の趣旨であります。合理的かつ適切でないとは、それは自治省は言えぬでしょう。言えぬとは思いますけれども、実態から見ますとやはり大きな乖離があるわけですから、これも先ほどと同じように改めて実態を調査されて、改善すべき点は改善すべきだと思うんですよ。
 基準以外の教材費も随分たくさんあるわけでしょう。文部省の資料によりますと、例えば六十年度は百九十三億九千万円、六十三年度は二百三十三億八千九百万円、これは基準以外です。当然これは交付税の需要額では見ておらないでしょう。こういうものもあると思うのです。
 それから就学援助費もそうですね。これは一つの市の例でありますけれども、六十三年度を例にとってみますと、市の一般財源が二億九千七百九十万、交付税の需要額は四千四百万、当然これは国庫補助が二分の一ありますから、この国庫補助二分の一を充当したとしても、需要額の算入は一九・二%しか算入されておらない。中学校では二七・五%しか算入をされておらない、これが実情なんですよ。だから私は、光熱水費の問題から始まりまして教材費の問題に触れましたけれども、こういう実態はやはりちゃんと踏まえていただきたい。教育費の負担がふえてきておるわけでありますから。
 次に、そういう交付税需要額の算入不十分などが相まって、結果的にはどうなっておるかということについてお尋ねをしたいと思っておるのですが、文部省の方では「教育費に対する住民の税外負担の解消について」ということで通達を出されておりますね。この通達の中では、「政令で定めるものについては、市町村は直接であると間接であるとを問わず、その負担を住民に転嫁してはならない」、さらに「今回の法改正は、PTA寄附金等住民の税外負担の軽減をはかる趣旨に基づくものでありますので政令で定める以外の経費であってもこの趣旨に添って住民の税外負担の解消について格段の努力をされるよう願います。」政令で定めるというのは、市町村の職員の給与、それから建物の維持及び修繕に要する経費等々が挙げられておりますが、これ以外であっても趣旨に沿って住民の税外負担、つまり父母負担の解消に努力されたい、こういう通達が出されておるのです。
 私が六十年に質問いたしましたときには、父母負担はもう大半解消された、六十年当時で残るのは一・数%だと文部省でお答えになったわけでありますが、これはどうなんですか。もう今は完全に解消されていると判断されておるのですか。
#55
○遠山説明員 お答え申し上げます。
 昭和三十五年に地方財政法が改正をされまして、それに基づいて、学校の設置者の方で直接であると間接であるとを問わず住民に負担を転嫁してはならない経費として、給与費とそれから学校の維持管理費というのが政令で決まって、それに基づいて先生御指摘の通知を出したわけでございます。その中で、政令で定める以外の経費であっても住民の税外負担の解消について努力されたい、こういうことで指導をしてきたわけでございますが、そのときの教材費なんかについてのPTA等の負担が一五%ぐらいあったわけでございます。それが六十年ぐらいには大体一・数%という状況に非常に激減をしているわけでございます。現在も大体その水準にあるというぐあいに私どもは考えておりまして、三十五年の通達の趣旨を今後も各市町村に指導をしてまいりたい、このように考えております。
#56
○経塚委員 PTA等のいわゆる税外負担、教材関係に関してはなおまだ一・数%ある、こういうことでありますが、これも私が調査をしてまいりましたので、ちょっと申し上げておきたいと思っております。
 ある市の、ある市と言いますのは、私がここでA市ならA市、そしてA校ならA校といって名前を挙げますと、どういうわけか、もう一日もたたぬうちに、おまえのところそんな資料出したのかといって、どこからともなく問い合わせがあるんですよ。これはもう昔の官僚体質そのままですな。そうすると、今度資料を出してほしいと言いますと、いや、もう先生困ります、お上ににらまれたら言いたいことも言えぬようになりますねん、こういうことで貝が口を閉ざし始めた。そん
なことおまへんやろな。あるんですか。しかし、これは現実にあると思う。もう大体その日のうちですよ。国会でこんな質問があった、おまえのところ資料を出したのか。こういうことはやるべきでないですよ。金も出さずに口だけ出す、しかも大口を出すという、これはもってのほかですよ。だからこんなことは、あるとすればぜひやめていただきたいので、私はきょうも市の名前も学校の名前も挙げません。挙げたいわけでありますけれども、挙げたら必ず報復が来るわけでありますから。
 ちょっとA市の場合を例にとってみますと、小学校でいわゆる徴収金を合計いたしますと、六十年、四万二千二百五十九円、これが六十二年は四万三千四百七十二円。中学校は三万五千九百八十八円が三万九千円をちょっと超えてきております。
 それから、この学校徴収金が一体何に充てられておるのか。生徒一人当たり年間、小学校、中学校それぞれ四万円前後の徴収金が取られておるわけでありますが、給食費はさておくとしまして、それでは何に充てられておるのか。これもAの学校で資料を提出していただきました。ところが、政令でもって指定しております学校の備品等に充ててはならない、これは当然公費で負担すべきだ、こういう通達が出ておるにもかかわらず、教授用設備備品費として、印刷関係機器修理代三万円、ストーブ購入費、ガス器具修理費二十万二千三百円、ここのところは完全に政令に違反する。それで、政令で指定するもの以外であってもできるだけ公費で負担をするように、こういうことでありますが、学校徴収金の中から、例えば教授用消耗品費、用紙代に二百五十八万九千円、生徒一人当たり二千二百二十五円、これは徴収金の項目別の負担の中では一番多い項目であります。共有の副教材費は千六百三十五円、等々であります。学校徴収金が明らかに、当然公費で負担をすべきものあるいは公費負担が望ましいものに充当されておる。
 それから、PTAの教材関係などに対する負担は一・数%だとおっしゃいますので、私はPTA関係も調べてみました。同じ学校であります。そうしますと、PTAの会費として徴収した中から、児童生徒福祉費と称して防犯灯、それから昼食の際のお茶の費用。さらに教育振興費と称して、これは随分項目が並んでおりますが、校長会、教頭会の費用まで負担をさせられておる。それから運営費と称して、これは明らかに政令に反するわけでありますが、体育館の備品購入、こういうようなものにも使用されております。さらに、学校運営費の中の環境整備費として、当然公費で負担すべき保健薬、防火剤等々も含まれております。合計いたしますと、PTA会費の中から、本来公費で負担すべきもの、そして政令で明確に税外負担をさせてはならないと指摘をされておるものまで含めまして、何と三五%が教育振興費、学校運営費の名目で充当されておるじゃありませんか。
 それで、私は一校だけでは不十分だと思いまして、いろいろ各校に問い合わせをしてみますと、PTAの会費から大体三〇%前後、今言いましたように振興費、運営費と称して公費で負担すべき費用に充てる、これは常識になっております。そして、学校の中では二重帳簿があります。一つの帳簿は公費として割り当てられた支給額に対する決算報告書、もう一つは徴収金とPTA会費の中から学校運営費に使用されたものの決算の帳簿。二つ帳簿があるのですよ。公費の使用に対する決算の報告書を見ただけでは実態はわかりませんよ、こういうことを聞いて唖然とした。会社には二重帳簿があるということはよく知っておりましたけれども、学校にそれぞれ二重帳簿があるということは私は聞くのは初めて。一体これはどうお考えになりますか。明らかに通達の趣旨に反しておると思いますが、そう思いませんか。
#57
○遠山説明員 お答え申し上げます。
 先生が挙げられた事柄の中には、確かに三十五年の通達の趣旨に反する事柄があると思うのですが、三十五年の通達は、政令で禁止しておりますのは職員の給与と建物の維持修繕費でございますので、備品そのものは政令で禁止されているものではございません。それは趣旨としてやはり公費で負担すべきもの、こういうものでございまして、直ちに政令違反になるというものではございません。
 それから、用紙代ということが挙げられましたが、これについても、例えばテストで使うような用紙代は当然公費で負担すべきものではございますけれども、絵をかく用紙代でございますとか、あるいは習字の用紙代、こういうものは当然生徒個人が負担すべきものでございますので、必ず公費から出さなければならないというものではございません。
 経費については、公費で負担すべきもの、私費で負担すべきもの、画然と一線が引けるものではないわけでございますが、できるだけ児童生徒の負担を少なくするという趣旨は望ましいわけでございますので、今後ともその三十五年の通達の趣旨に沿って指導してまいりたい、このように考えております。
#58
○経塚委員 これはぜひひとつ通達の趣旨に沿って改善を強く要望しておきます。
 時間が来ておりますので、最後に一問お聞きしておきます。
 この地方財政計画と決算との乖離が余りにもひどいですね。一般行政経費の場合は、六十一年は計画と決算との乖離が三六・二%でしょう。そして今度は逆に単独が六十一年度マイナス一九%ですよ。これは一年、二年の間の乖離じゃなしに歴年ずっとこういう傾向が続いているのですよ。そして使用料、手数料が計画に対しまして六十一年は四二・八%ふえているのですよ。雑収入は七一・七%ふえているのですよ。
 私が最初申し上げました、交付税が交付税本来の趣旨に沿っておるのかどうなのか、疑問を抱いておるというのはここなんですよ。地方財政計画を組むときに、ちょっとひねくれておるかもわかりませんが、三二%の交付税がまずありきだ。それで、この三二%の交付税の総額が一体幾らになるのか、これで帳じりが、収支が相整うように歳出もいろいろと考えていく、行政経費を抑える。それで単独事業はやれないことはわかっておるけれども、最初から計画を抑えるわけにはいかぬから、これはやれないことをわかった上で一定の計画を組んでおる。そして使用料、手数料はもっと入ることはわかっておるけれども、これも低目に抑えておく。こういうようなことで、最初に三二%ありきでもって地方財政計画を組んできておるのではないか。
 そうじゃないというならば、私が今指摘をしましたように、需要額は必要な算入額を算入しておらないわけでありますから、必要な算入額をやるとするならば三二形で済まない。少なくとも四〇%以上に引き上げなければならぬ。そうすれば決算と計画との乖離は、多少は社会的通念上許容される範囲内で当然おさまるだろう、こう考えざるを得ないわけでありますが、そんな悪意を持ってつくっておるわけじゃないと思いますけれども、結果から見ると疑わざるを得ないと思うのであります。その点はいかがでありますか、最後にお尋ねしておきます。
#59
○津田政府委員 計画と決算との乖離が生じておることは事実でございます。ただ、端的に一つの例を申し上げますと、例えば公営競技収益金は全地方団体ではなくて特定の地方団体の収入でございます。特定の地方団体の収入を加算して全体の地方団体の財政需要を賄うということはおかしいわけでありまして、私どもとしてはそういう特殊地域的なものの歳入も歳出も落としておる。
 まさしく先生がおっしゃるように、私どもは一般財源の確保、こういうような趣旨に沿ってやっておるわけでございます。しかし、余り乖離があるということは好ましくないわけでございまして、今後とも計画のつくり方はよく考えてまいらなければなりませんが、やはり地方財政計画の目指す一般財源確保というような点から、実際の決
算と計画とが食い違ってくる部面がある。また、むしろ特定団体のものを入れてしまうとおかしなことになる。不交付団体水準超という項目をつくっておりますが、やはりほかの経費でもそういうような問題があるわけでございます。まさしく使用料なり手数料関係が収入面でも乖離があり、一般行政経費の乖離があるというのは、そこらに起因するところが多いかと思います。
 いずれにしましても、私どもとしましては、妥当で合理的な地方行政水準の確保のために所要額は計上してまいりたいと考えておりますし、交付税総額の確保につきましては今後とも努力するつもりでございます。
#60
○経塚委員 大臣には一回も質問いたしませんでしたけれども、御承知のとおり交付税の精神に沿って、需要額は引き上げるべきものは引き上げて、地方の財源に不足を生じないように格段の努力を払われるよう御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#61
○坂野国務大臣 先ほどから地方財政計画のあり方、また交付税の対応の仕方、質疑応答の中で先生の御趣旨はよくわかっておりますので、的確に、今後財政計画を策定する中で、実態に合ったような計画が策定されるように努力してまいりたいと思います。
#62
○経塚委員 これで終わります。
#63
○小澤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
#64
○小澤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。松田岩夫君。
#65
○松田(岩)委員 私は、自由民主党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。
 今回提出された地方交付税法等の一部を改正する法律案は、新たにたばこ税を地方交付税の対象税目とすることとするとともに、地方交付税の単位費用を改正することなどを内容とするものであります。
 まず、地方交付税の総額については、国庫補助負担率の見直しに伴う地方公共団体の財源の確保を図るため、新たにたばこ税の収入額の百分の二十五を加えることとし、あわせて、平成元年度分の地方交付税の総額について所要の特例措置を講ずることとしております。
 また、平成元年度分の普通交付税の算定については、地域振興に要する経費、教育施策に要する経費、福祉施策に要する経費、地域社会における国際化及び情報化への対応に要する経費、経常経費に係る国庫補助負担率の見直しに伴う所要経費を措置するほか、投資的経費について地方債への振りかえ措置を行わないこととすることに伴う所要経費の財源を措置するとともに、地方財政の健全化等に資するため、平成元年度に限り、財源対策債償還基金費を設けることとしております。
 これらの措置を内容とする政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢、国及び地方の財政状況等を考慮するとともに、地方財政の円滑な運営を図る見地から適切なものであると認め、本案に賛成するものであります。
 なお、地方財政は引き続き巨額の借入金残高を抱え、今後とも厳しい財政運営を余儀なくされるものと見込まれますが、政府におきましては、地域社会の健全な発展と地域住民の福祉の向上に果たす地方団体の重要な役割にかんがみ、今後とも地域振興の積極的な推進を図るとともに、地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。
 以上をもちまして、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を終わります。
#66
○小澤委員長 山下八洲夫君。
#67
○山下(八)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。以下、反対理由を簡単に述べます。
 第一に、本案は消費税の強行導入に伴う初年度の財源補てん措置を定めておりますが、消費税は公約違反であり、国民ひとしく反対しており、その体系も欠陥税制であることは明白であります。また、本案をもちましても、地方財政は重大な悪影響を受けることは必定であり、到底容認できません。
 第二に、本案は、国庫補助負担率の特例措置に係る財源補てん措置が定められておりますが、この特例の固定化及び延長が重大なる約束違反であることは論をまちません。
 第三に、政府は既に三年間にわたり租税収入の過小見積もりを意図的に行い、その使途は極めて不適切であります。国は、当初予算において地方財政に負担を転嫁し、補正で国債発行額を減額しており、また、交付税も基準財政需要額を抑えながら、臨時のばらまき行政を行い、また国の責任によって発生した過去の交付税特別会計の借入金の返済に充てるなどしております。これは財政の単年度主義を形骸化させるとともに、国会の予算審議権すら侵害するものであり、容認できません。
 第四に、交付税とは直接はかかわりませんが、地方財源の拡充策である地方税改革の懸案事項は放置されたままであり、地方財政構造のゆがみが温存されていることは交付税制度にも重大な支障を与えていることは極めて遺憾であります。
 第五に、八九年度地方財政が表面的には財源超過の現象にありながら、住民福祉向上よりも財政至上主義を優先させ、福祉、民生関係の予算は充実していないことは、地方自治、地方財政計画の趣旨を損ねるものにほかなりません。
 第六に、国民健康保険会計の抜本的な赤字解消策が何ら盛り込まれておりません。
 第七に、永続的な過疎地域の振興策、不況地域における雇用創国策の推進などが欠如しております。
 第八に、国の責任によって発生した過去の交付税特別会計の借入金を交付税を使って返済しようとするのは、交付税制度をゆがめるものであり、今日の税収状況等を勘案すれば、国の責任で財源措置を行うべきであります。
 第九に、地方債の取り扱いについては、国債及び政府保証債に比し、従来より後退したことは地方財政運営の安定化、地域金融の充実という要請に基本的に逆行するものであり、極めて遺憾であり、従来の方針に戻すべきであります。
 最後に、このほか、地方公営企業に対する一般会計からの繰り入れ問題や消防職員の定員増問題など多くの課題の解決が見送られており、本案は極めて不十分な内容となっていることを指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#68
○小澤委員長 草野威君。
#69
○草野委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対討論を行います。
 まず初めに、国庫補助負担率の削減及び国の直轄事業についてであります。
 国庫補助負担率の削減は、従来の経緯及び暫定措置として昭和六十三年度限りで廃止すべきものでありましたが、今回の見直しについては、一部に恒久財源を補てんしておりますが、その補てんは十分ではありません。このように国の負担を地方に一方的に転嫁する今回の措置は、国・地方間の財政秩序を混乱させ、信頼関係をも著しく損なうものであります。政府は、地方財政を圧迫する国庫補助負担率の削減を直ちに取りやめ、昭和五十九年度以前の補助負担率に復元すべきであります。
 また、直轄事業に伴う地方の負担金割合はここ数年増加しておりますが、本来、直轄事業は国家的施策として実施されるものであり、地方自治体に財政負担を強いることは極めて不合理であり、早急に廃止すべきであります。
 次に、ふるさと創生についてであります。
 政府は、前内閣の目玉である、地域活性化のためふるさとづくりの具体策として、全地方自治体に対し、一律に一億円を交付税の基準財政需要額に上乗せすることとしております。地域の活性化を図るには、地方の自主性の拡大を図ることが重要でありますが、これまで地方の自主性を阻害してきたのは国庫補助金制度や国の厳しい規制によるものであり、これらを大幅に見直し、地方に権限を移譲すべきでありますが、このような抜本的改革が行われておりません。また、ふるさと事業は、地域に知恵を出させるが、事業の選択は国が行うことになっており、このような姿勢では真の地域活性化は望めません。
 最後に、消費税についてであります。
 本年度から交付税は消費税を対象税目に加えることとなっておりますが、消費税導入の際、政府が示した、地方税、地方交付税の減収により地方財政の運営に支障を来たすのではないかとの懸念について何ら解消されないばかりか、地方自治体では導入をめぐって混乱が生じるなど、新たな懸念が発生しております。
 また、国と地方の税源配分問題についても地方の自主財源が削減されることになるなど、消費税の導入は地方財政に重大な影響を及ぼしており、速やかに廃止すべきであります。
 以上、反対理由を申し述べ、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を終わります。(拍手)
#70
○小澤委員長 岡田正勝君。
#71
○岡田(正)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 第一には、平成元年度の地方財政計画及び地方交付税法等の一部改正案が、昨年の第百十三国会において我が党が導入に強く反対をいたしました消費税法を含む税制改革関連六法に基づき提出されていることであります。
 つまり、さきの税制改革により地方税の減収額が二兆円、消費税配分額を加味しても八千億円程度の減収超過額となり、シャウプ勧告以来さまざまの場において提言されております地方自治の独立、地方の自主財源の確立に反するものであり、本案は理念なき改正案と断ぜざるを得ません。
 第二に、本改正案は、国と地方との関係のあり方を考慮していない点にあります。
 現在、新行革審において、国と地方の機能分担、費用負担のあり方、その他関連する問題について検討されておるようであります。しかし、本来、国と地方の税源に大きな影響を与えるような税制改革等を行う場合、最初に国と地方の事務配分及び財源配分等を検討した後に行うべきであります。しかるに、今回の改正案は、極めて拙速なまま導入を行ったものであり、容認することはできません。
 第三に、補助負担率の恒久化が場当たり的であるということであります。
 例えば、社会福祉関係の補助金カット分について、国のたばこ税の交付税対象税目化等によって財源を賄うこととしています。しかし、高齢化の進展などにより今後さらに生活保護等の福祉需要の増大が見込まれるのに反し、喫煙者の減少傾向などからたばこ税の大きな伸びは期待できないと思われます。福祉の切り捨てなどという結果を招かぬよう、財政需要に見合った安定的な財源が必要であります。将来にわたり福祉需要に見合う一般財源をどのように確保していくのか、明確な展望が示されておりません。
 また、今回の補助率カット復元において、生活保護等について現行の十分の七と昭和五十九年度までの十分の八と足して二で割り十分の七・五としたように、今回の復元措置は大蔵、自治両省の駆け引きだけで決まった、まさに理念なき改正であります。
 以上、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対の主な理由を申し述べ、私の反対討論を終わります。(拍手)
#72
○小澤委員長 寺前巖君。
#73
○寺前委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、今回の改正が消費税の住民転嫁を前提にしていることであります。
 八九年度の地方財政計画では、公立高校、幼稚園、特殊教育諸学校の授業料の値上げ、使用料、手数料収入の対前年度約六%の引き上げをしており、消費税の住民転嫁を前提にしております。
 交付税についても消費税導入を前提として単位費用の改定を行っているのでありますが、四月一日の消費税導入以来二カ月以上たちますが、消費税廃止を求める世論は、四月二十日付の東京新聞を見ても六五%、廃止を求める声は依然として大きく、消費税廃止は国民の声となっています。
 地方の公共料金は条例で決めるものであり、その自治体の裁量で決めるものであります。それを指導と称し、消費税の住民転嫁を強要することは、地方自治権の侵害であると同時に、消費税廃止を求める国民世論に挑戦するものと言わざるを得ません。
 反対の第二の理由は、国庫補助負担率引き下げの恒久化等の措置と一体のものであることであります。
 生活保護の保護費負担金を初め国庫補助負担率の引き下げが恒久化されたものの多くは、地方財政法第十条で国が進んで負担すべきものとして規定され、国の責任を第一義的に認めていたものであります。これらの国庫補助負担金のカットの恒久化は国の責任の放棄であり、生存権についての国の社会的使命を規定した憲法二十五条の精神に反するものと言わざるを得ません。交付税の対象税目の拡大に財源を求めたとしても、到底評価できません。
 反対の第三の理由は、八五年度から八八年度までに、暫定加算として先送りされた国負担金の二分の一、国庫補助負担率の引き下げの恒久化に伴う財源措置についても新たに地方負担を押しつけることになっていることであります。
 八五年度から八八年度まで国庫補助負担率の引き下げの影響額八千四百四十億円の負担については、国が暫定加算するとして先送りされ、国庫負担率引き下げの暫定期間終了後に自治、大蔵で協議するとされていたものであります。今回この二分の一に当たる四千二百二十億円を地方に負担させることにしており、地方への新たな負担転嫁と言わざるを得ないのであります。
 また、今回の国庫補助負担率の引き下げ見直しに伴う財源措置についても、経常経費に係る国庫補助負担率の引き下げ恒久化の影響額六千三百七十四億円のうち、二千七百六十二億円について地方負担としているのであります。このことは今後、毎年度これを上回る額が確実に地方に負担転嫁されることになり、容認できるものではありません。
 反対の第四の理由は、実態とかけ離れた基準財政需要額の算入の問題であります。
 委員会質疑の中で明らかになったように、交付税の基準財政需要額の算定が実態と大きく乖離していることは、以前から指摘してきたところであります。特に臨調行革路線のもと、地方財政全体が圧縮される中で、交付税総額そのものも意図的に圧縮され、乖離が是正されるどころか、拡大する傾向にあるのであります。単位費用の改正を行い、財政需要を的確に算入すべきであります。
 最後に、重ねて国庫補助負担率の復元、引き下げ期間の地方に対する負担転嫁額の完全補てんとともに、消費税の住民転嫁を強要する指導をやめ、消費税の廃止とともに消費税収入に頼らず、地方の自主財源の増額、需要額を的確に算入できるように交付税率の引き上げなど、地方税財政制度の確立を強く求めて反対討論といたします。
#74
○小澤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#75
○小澤委員長 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案につい
て採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#76
○小澤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#77
○小澤委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、大野功統君外三名から、四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。中沢健次君。
#78
○中沢委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四党を代表し、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方財政の現状にかんがみ、左の諸点について善処すべきである。
 一 地方交付税制度が地方公共団体の財政需要に的確に応え、その機能の向上が図られるよう、国庫補助負担率の特例の廃止と国庫負担制度の安定充実に努めるとともに、地方交付税総額の長期的な安定確保を図ること。
 二 税制改革による地方財政への影響に対しては、地方自治の本旨を尊重しつつ地方公共団体の財政運営に支障を生じないよう適切な措置を講ずるとともに、地方公共団体の行財政運営が自主的に行われるよう十分に配意すること。
 三 税制改革に基づく税負担により地方公営企業の健全化と経営基盤の確立が損なわれないよう、特段の配慮を払うとともに、経費負担区分の原則に基づき一般会計からの的確な繰入れに努めること。
 四 国民健康保険事業の長期的安定と地方財政の健全な運営を図るため、国の責任の明確化及び国庫補助負担制度の充実を図ること。
 五 地方交付税総額の不足補てん等のため発行された各種の臨時財政特例債、財源対策債などの償還に関しては、財源措置を的確に行い、地方公共団体の財政硬直化を招かぬよう措置すること。
 六 地方債は地方公共団体の課税権を実質的な担保とした資金であること等にかんがみ、引受者側に与える影響等の発行環境を整え、その発行条件について、政府保証債と格差を生ずることのないよう努めること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
#79
○小澤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#80
○小澤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、自治大臣がら発言を求められておりますので、これを許します。坂野自治大臣。
#81
○坂野国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#82
○小澤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○小澤委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#84
○小澤委員長 次に、内閣提出、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。坂野国務大臣。
    ―――――――――――――
 道路交通法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#85
○坂野国務大臣 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における交通事故の実情にかんがみ、自動車等の運転について必要な技能及び知識が十分でない初心運転者による交通事故を防止し、その他交通の安全を図るため、初心運転者が自動車等の安全な運転に習熟することを助長するための初心運転者期間制度及び運転免許の取り消し処分を受けたことがある者等に対する講習制度を導入すること等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 まず、第一に初心運転者期間制度の新設であります。
 これは、免許取得後一年未満の初心運転者による事故が特に多いことにかんがみ、初心運転者に慎重に運転するよう動機づけを行うとともに、自動車等の運転について必要な技能及び知識が十分でないと認められる初心運転者については、適切な教育を実施し、以後の事故防止を図ろうとするものであります。
 その一は、普通自動車免許、自動二輪車免許または原動機付自転車免許を受けた者については、免許の種類ごとにその取得後の一年間を初心運転者期間とし、その間に道路交通法等に違反する行為をし、政令で定める基準に該当することとなった者について、公安委員会は、初心運転者講習を行うこととするものであります。
 その二は、公安委員会は、初心運転者講習対象者が、初心運転者講習を受けなかった場合及び初心運転者講習受講後初心運転者期間が経過するまでの間に道路交通法等に違反する行為をし、政令で定める基準に該当することとなった場合は、初心運転者期間経過後、再試験を行うこととするものであります。
 その三は、公安委員会は、再試験の結果免許を受けた自動車等を安全に運転することができないと認められる者または再試験を正当な理由なく受けないと認められる者については、その者の当該免許を取り消さなければならないこととするものであります。
 第二に、運転免許の取り消し処分を受けたことがある者等に係る運転免許試験の受験資格に関する規定の整備であります。
 これは、運転免許の取り消し等の処分を受けたことがある者の免許再取得後の事故率が高いことにかんがみ、これらの者に対して適切な教育を実施し、その事故防止を図ろうとするものであります。
 すなわち、運転免許の拒否もしくは取り消しまたは六月を超える期間の運転の禁止の処分を受けたことがある者は、過去一年以内に公安委員会の行う取り消し処分者講習を受けていなければ運転免許試験を受けることができないこととするものであります。
 その他、公安委員会は、その指定する者に、初心運転者講習及び取り消し処分者講習を行わせることができることとする等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行日は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#86
○小澤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十日火曜日午前十時三十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト