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1988/02/10 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 内閣委員会 第2号
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1988/02/10 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 内閣委員会 第2号

#1
第114回国会 内閣委員会 第2号
平成元年二月十日(金曜日)委員長の指名で、次
のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 恩給等に関する小委員
      大村 襄治君    奥野 誠亮君
      河本 敏夫君    佐藤 一郎君
      近岡理一郎君    長谷川 峻君
      宮里 松正君    大出  俊君
      角屋堅次郎君    鈴切 康雄君
      川端 達夫君    浦井  洋君
 恩給等に関する小委員長    近岡理一郎君
 在外公館に関する小委員
      有馬 元治君    江藤 隆美君
      河野 洋平君    竹中 修一君
      戸塚 進也君    森下 元晴君
      谷津 義男君    角屋堅次郎君
      田口 健二君    井上 和久君
      和田 一仁君    柴田 睦夫君
 在外公館に関する小委員長   戸塚 進也君
 地域改善対策に関する小委員
      熊川 次男君    竹中 修一君
      戸塚 進也君    前田 武志君
      宮里 松正君    武藤 嘉文君
      谷津 義男君    五十嵐広三君
      広瀬 秀吉君    竹内 勝彦君
      和田 一仁君    柴田 睦夫君
 地域改善対策に関する小委員長 前田 武志君
―――――――――――――――――――――
平成元年二月十日(金曜日)
    午後五時九分開議
出席委員
  委員長 玉生 孝久君
   理事 近岡理一郎君 理事 戸塚 進也君
   理事 前田 武志君 理事 宮里 松正君
   理事 谷津 義男君 理事 田口 健二君
   理事 竹内 勝彦君 理事 和田 一仁君
      有馬 元治君    江藤 隆美君
      衛藤征士郎君    奥野 誠亮君
      熊川 次男君    河野 洋平君
      竹中 修一君    長谷川 峻君
      上原 康助君    小澤 克介君
      角屋堅次郎君    前島 秀行君
      井上 和久君    鈴切 康雄君
      川端 達夫君    浦井  洋君
      柴田 睦夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)小渕 恵三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 金丸 三郎君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)     坂元 親男君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房会計課長   内藤  勲君
        内閣総理大臣官
        房内政審議室長 的場 順三君
        内閣法制局長官 味村  治君
        警察庁交通局長 内田 文夫君
        警察庁警備局長 城内 康光君
        宮内庁次長   宮尾  盤君
        皇室経済主管  井関 英男君
        総務政務次官  加藤 卓二君
        北海道開発政務
        次官      工藤万砂美君
        北海道開発庁総
        務監理官    中田 一男君
        防衛政務次官  榎本 和平君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房審議官    稲橋 一正君
        経済企画庁総合
        計画局計画官  堀   一君
        厚生省保健医療
        局疾病対策課長 金森 仁作君
        労働省労働基準
        局賃金時間部労
        働時間課長   畠中 信夫君
        内閣委員会調査
        室長      林  昌茂君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月八日
 辞任         補欠選任
  月原 茂皓君     長谷川 峻君
  村井  仁君     佐藤 一郎君
同月十日
 辞任         補欠選任
  武藤 嘉文君     衛藤征士郎君
  五十嵐広三君     上原 康助君
  大出  俊君     前島 秀行君
  広瀬 秀吉君     小澤 克介君
同日
 辞任         補欠選任
  衛藤征士郎君     武藤 嘉文君
  上原 康助君     五十嵐広三君
  小澤 克介君     広瀬 秀吉君
  前島 秀行君     大出  俊君
同日
 理事宮下創平君昭和六十三年十二月二十八日委
 員辞任につき、その補欠として宮里松正君が理
 事に当選した。
同日
 理事月原茂皓君同月八日委員辞任につき、その
 補欠として谷津義男君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
二月一日
 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする
 法律案(内閣提出第二号)
 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 小委員会設置に関する件
 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする
 法律案(内閣提出第二号)
 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第三号)
     ――――◇―――――
#2
○玉生委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○玉生委員長 御異議なしと認めます。それでは、理事に
      宮里 松正君 及び 谷津 義男君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○玉生委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国政に関する調査を行うため、本会期中
 行政機構並びにその運営に関する事項
 恩給及び法制一般に関する事項
 公務員の制度及び給与に関する事項
 栄典に関する事項以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○玉生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#6
○玉生委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。
 恩給等調査のため小委員十二名からなる恩給等に関する小委員会
 在外公館にかかわる諸問題を調査するため小委員十二名からなる在外公館に関する小委員会及び
 地域改善対策調査のため小委員十二名からなる地域改善対策に関する小委員会を、それぞれ設置することとし、各小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○玉生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 小委員及び小委員長は、追って指名の上、公報をもってお知らせいたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○玉生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#9
○玉生委員長 この際、新たに就任された国務大臣及び政務次官の方々から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。総務庁長官金丸三郎君。
#10
○金丸国務大臣 昨年十二月、総務庁長官を拝命いたしました金丸三郎でございます。
 私は、社会経済情勢の変化に対応した総合的かつ効率的な行政を実現いたしますため、総合調整官庁として総務庁が果たすべき役割を認識し、行政改革の推進を初め各般の課題に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。
 委員長初め皆様方の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
#11
○玉生委員長 北海道開発庁長官坂元親男君。
#12
○坂元国務大臣 このたび北海道開発庁長官を拝命いたしました坂元親男でございます。
 御承知のとおり、北海道は我が国において最も開発可能性に富んだ地域でありまして、国土の均衡ある発展に重要な役割を果たすことが期待されておる地域であります。私は、先般閣議決定されました第五期北海道総合開発計画に基づき、北海道の開発推進に全力を尽くしていく所存でございます。
 委員長初め委員各位の御指導と御協力をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
#13
○玉生委員長 総務政務次官加藤卓二君。
#14
○加藤政府委員 昨年の十二月、総務政務次官を拝命いたしました加藤卓二でございます。
 金丸長官を補佐し、全力を尽くしていきたいと思っております。委員長初め皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願いいたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
#15
○玉生委員長 北海道開発政務次官工藤万砂美君。
#16
○工藤(万)政府委員 このたび北海道開発政務次官を拝命いたしました工藤万砂美でございます。
 坂元長官のもとで、北海道の開発の推進のために力いっぱい努力をしてまいる決意でございます。委員長初め各委員の皆様方の特段な御指導、御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえます。どうぞよろしく。(拍手)
#17
○玉生委員長 防衛政務次官榎本和平君。
#18
○榎本政府委員 昨年の暮れに防衛政務次官を拝命いたしました榎本和平でございます。
 田澤長官を補佐し、全力を挙げてその責務を全うしてまいる所存でございます。委員長初め委員の先生方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
#19
○玉生委員長 次に、内閣提出、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案及び国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。小渕内閣官房長官。
    ―――――――――――――
 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案
 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#20
○小渕国務大臣 ただいま議題となりました昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案及び国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案でございますが、昭和天皇の大喪の礼は、国事行為として、平成元年二月二十四日に行われますが、この大喪の礼に際しましては、六十有余年に及ぶ昭和天皇の御在位における御遺徳をしのび、国民こぞって弔意を表するため、この日を休日とするものであります。
 なお、附則において、この法律に規定する円は、休日を定める他の法令の規定の適用については、当該法令に定める休日とみなす旨を規定しております。
 次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案についてでございます。
 第一に、国民の祝日に関する法律は、国民の祝日である天皇誕生日を昭和天皇の誕生日である四月二十九日と定めておりますので、このたびの皇位の継承に伴い、これを、今上天皇の誕生日である十二月二十三日に改めることとしております。
 第二に、現行の国民の祝日に、四月二十九日を新たに「みどりの日」として加えることとしております。
 飛躍的な経済成長の結果、我が国の国民生活は、物質的にはほぼ満足し得る水準に達したものと考えられますが、これからは、これまでにも増して心の潤いやゆとりといった心の豊かさを涵養することが求められています。我が国は緑豊かな自然を持った国であることにかんがみ、この自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな、心をはぐくむことを願い、「みどりの日」として国民の祝日とするものであります。
 また、この日を四月二十九日にするのは、この時期が新緑の季節として緑豊かな自然に親しむ上で最もふさわしい時期であり、同日が六十有余年にわたり天皇誕生日であり、ゴールデンウィークのいわば始まりの休日として国民の間に定着しているからであります。
 以上が、両法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#21
○玉生委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#22
○玉生委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口健二君。
#23
○田口委員 私は、ただいま提案をされました両
法案につきまして、日本社会党・護憲共同としては賛成の立場を明らかにしながら、幾つかお尋ねをいたしたいと思います。
 第一に、祝日関係でありますが、官房長官、私は、今回の法案が提案をされまして中身を見たときに、大変がっかりいたしました。四月二十九日は、ただいまも御説明がありましたように、みどりの日として休日が存続をされることになっておりますけれども、長年労働界において主張し続けてまいりました、五月一日、すなわちメーデーの日を国民の祝日として休日にすべきである。また、この期間はいわゆるゴールデンウィークの期間でありますから、太陽と緑の週間としてこの期間を休日にすべきであるということを長年にわたって私どもは主張してまいりました。私が調べましたところ、メーデーを休日としておる国は世界に約百二十五カ国、休日になっておらないところが五十四カ国、不明が四つほどございましたが、まさに世界の大勢はそういう状況になっておるわけでございます。
 今、日本における労働時間の長さというものが大変国際的にも問題になっておりますし、労働時間の短縮に向かって国としても今さまざまな施策が実は行われておるわけであります。官庁における土曜閉庁の問題、あるいは金融機関における完全週休二日制の問題等々考えてまいりました場合に、確かに諸外国では、バカンス休暇という形で実は一カ月程度の長期休暇をとるというふうな慣習があるようでありますが、なかなか日本においてはそのような現状になっておらない。したがって、ゴールデンウィークというこの期間が唯一と言ってもいいほど国民にとっては長期に休める期間であり、また国民の中にもそのことは定着をしておると思います。したがって、このゴールデンウィークの期間、五月一日はまさにそうなんでありますが、これをやはり休日にしてこの期間を休みにするということが、ある意味では労働時間の短縮の問題も含めて、当然考えられていっていいというふうに私は思っています。
 ちょっと意見が長くなりましたけれども、そういう立場で、政府としてはこのメーデー休日の問題についてどのようにお考えになっておられるのか、あるいは今後の対応についてございましたら所見を伺いたいと思います。
#24
○小渕国務大臣 ただいま田口委員御指摘のメーデーを祝日にすべきだという考え方につきましては、かねて労働界からもそういう強い要望のありましたことも承知をいたしておりましたし、また、今般このみどりの日を御提案いたします前に内閣といたしまして有識者のお考えをお聞きいたしましたときにも、そのような御意見のありましたことは確かでございます。
 ただ、メーデーの日を今回ともに祝日にするということにつきましては、祝日全体がそれだけ増加をするということにつきまして、残念ながらまだ国民的な御賛同を得られるかどうかという問題についての認識もございましたし、また、メーデーの持つ意味合いとそのまま同じではなかろうかと思いますけれども、勤労感謝の日というものが我が国には存在をしておるということもございます。さらに加えまして、この四月二十九日からいわゆるゴールデンウィークでございますが、五月一日が祝日ということになりますと、現法によって祝日と祝日の間がまた休日ということになりますと一週間を超えるような長期の休日になりまして、この点につきましては、国際的にも為替市場その他についてそれだけの長い期間休まれるということは現在存在いたしておりませんので、そうした事々いろいろ勘案いたしまして、メーデーを祝日にするという考え方をとらざるところであったわけでございます。
 いずれにいたしましても、国民の世論の動向というものを十分見定めながら、なかなか難しい問題でございますが、今後十分検討いたしてまいりたいと思っております。
#25
○田口委員 現状では難しいというお答えのようでありますが、ぜひこのことについて前向きに、ひとつ積極的に検討していただきたいということを重ねて要望して、次の問題に移りたいと思います。
 二番目の問題は、今回提案をされた法案にも関連をいたしますが、二月二十四日、大喪の日を休日とするということであります。この大喪の関係について幾つかお尋ねをいたしたいと思います。
 時間が非常に限られておりますので、質問の段階で余り意見を申し上げることができないと思いますが、最初に私は、社会党としてこの大喪の問題についてどういう基本的な立場を持っておるかということをまず申し上げてから、具体的に中身についてお尋ねをいたしたいと思います。
 それは、一つには、主権在民を基本とする平和憲法下では、象徴天皇に関する国家行事について皇室典範で即位の礼、大喪の礼の二つのみを定め、天皇主権の旧憲法下の旧皇室典範を初め一連の法令は廃止されています。また、憲法九十九条は天皇を初め公務員の憲法擁護義務を定め、憲法二十条及び八十九条は政教分離を定めています。したがって、大喪の礼の国家行事に係る天皇家の宗教的部分を持った伝統的行事は国家行事と切り離し、この国家行事以外の諸儀式は天皇家の私的行事としてのみ行われるべきであると考えます。
 また、一つには、大喪の礼は全く宗教性の入る余地のない場所、形式、内容によって、神道儀式と切り離し、別途行うべきであります。なお、国家行事は、象徴天皇の地位と主権在民の憲法にふさわしい、厳粛にしてかつ簡素、また国民の理解が得られるものとしなければならないと思います。
 さらに一つ、国家行事に当たっては、国及び地方の公務員、児童生徒を初め、国民に対する行政による強制や統制、また強制的動員は一切行うべきではなく、また、我が国の経済社会は多角化、多様化を深め、しかも国際化しています。そのような市民生活に影響や混乱、犠牲を強いることのないよう国家行事を進めなければなりません。言論、報道、出版、集会、結社、信教などの自由は、国家行事に当たっても完全に保障されなければなりません。また、過剰警備は厳に戒め、警備に当たってはいかなる人権侵害も許してはならないと考えます。
 以上、私どもは社会党として基本的にこのような立場に立ちながら、幾つかお尋ねをいたしたいと思います。
 最初に、二月二十四日に大喪の礼が行われるわけでありますが、この一連の行事の式次第、手順と申しますか、このことについておわかりの点を御説明いただきたいと思います。
#26
○小渕国務大臣 二月二十四日の大喪の礼につきましては、まず、当日の行事日程は、九時三十五分に御葬列が皇居正門を御出発されまして、国会議事堂正門前、青山通りを経て、同十時十五分ごろに葬場総門に御到着になります。
 次に、皇室の行事であります葬場殿の儀は、次のような次第により行われます。
 (1) 御饌、幣物を興ずる。(2) 祭官長が祭詞を奏する。(3) 天皇陛下が御拝礼の上、御誄を奏される。(4) 皇后陛下、皇太后陛下が御拝礼になる。(5) 皇族方が拝礼される。(6) 親族が拝礼する。(7) 幣物、御饌を撤する。
 次に、葬場殿の儀の後に行われる大喪の礼御式は、午前十一時五十八分ごろ、私の開式のことばにより開式され、次のような次第により行われる。
 (1) 正午を期して、参列者全員で黙とうを行う。(2) 三権の長が、それぞれ拝礼の上、弔辞(又は弔詞)を述べる。(3) 外国元首及び外国弔問使節等がそれぞれ拝礼をされ、順次、退出される。(4) 参列者が一斉拝礼を行う。
 次に、御葬列は、大喪の礼御式終了後、午後一時四十分ごろに葬場殿を御出発になり、首都高速道路、中央自動車道を経て、午後三時十五分ごろに武蔵陵墓地総門に御到着の予定であります。
 なお、前述した予定時刻については今後変更があり得る場合もありますが、以上の予定をもって、現在、式を進行させていきたいと考えております。
#27
○田口委員 それでは、大喪の礼の運営、あるいは今長官の方からも御答弁がありました葬場殿の儀を初めとする皇室行事あるいは陵所の建設、これについての予算についてどのような状況になっておられるか御説明をいただきたいと思います。
#28
○内藤政府委員 お答えいたします。
 大喪の礼に必要な経費といたしまして、総理府にかかわる経費でございますが、三十二億九千五百万円、そういう予備費の決定をいただいております。その中の主なものといたしまして、葬場殿等施設関係の経費がございますが、その経費は二十八億四千三百万円、そういうことになっております。
 以上でございます。
#29
○井関政府委員 昭和天皇崩御に伴う皇室関係の経費といたしまして、まず昭和六十三年度においては、皇室費で御陵営建費の一部として十億二千五百万円余及び大喪儀執行経費として六億七千八百万円余、合計いたしまして十七億四百万円余、このほかに宮内庁費といたしまして一億一千万円余、すべて合計いたしまして十八億一千五百万円余の予備費使用が去る一月十日の閣議において決定されております。
 なお、御陵の営建につきましては、工事が昭和六十三年度と平成元年度の二カ年度にまたがるため、国庫債務負担行為二十六億四千万円余が同じ日の閣議においてあわせて決定されております。
 平成元年度予算案におきましては、御陵営建費の同年度歳出化分十六億一千五百万円余及び大喪儀執行経費一億二百万円余の合計十七億一千七百万円余が含まれております。
 以上申し上げましたのをすべて合計いたしますと三十五億三千三百万円余と相なります。
#30
○田口委員 今総理府並びに宮内庁の方から予算の内容について御説明をいただきました。
 法制局長官にお尋ねをいたしますが、御存じのように憲法第二十条第三項における政教分離の原則、あるいは八十九条でもっての宗教団体への公金支出の禁止規定がありますが、今御説明をいただいた内容では別にこれらの憲法に抵触をしないものかどうなのか、見解をお伺いいたしたい。
#31
○味村政府委員 まず、大喪の礼の費用でございますが、この大喪の礼は国の儀式でございまして、憲法二十条第三項の禁止しているような宗教的活動に当たらないようになっておりますので、これに国費を支出することには問題がない、このように考えております。
 次に、皇室におかれます昭和天皇の御葬儀に関しますもろもろの支出でございますが、これは皇室の行事として行われるわけでございますが、天皇が崩御されました場合には、天皇は日本国の象徴でございますし、日本国民統一の象徴でもございます。そういう地位を持っておられる方でございますから、天皇の御葬儀はたとえ皇室が行われるものでございましても、国民的敬弔――敬弔と申しますのは謹んで弔うということでございますが、国民的敬弔の対象として公的性格を持っているわけでございます。
 先ほど御指摘の憲法二十条第三項、これにつきましては昭和五十二年七月十三日の津地鎮祭に関する最高裁判決がございます。さらに、昨年の六月一日、同じ趣旨の最高裁の判決が出ております。私どもは、この判決の趣旨に従い判断いたしまして、このような国費の支出は憲法二十条三項の禁止する宗教的活動には当たらない、このように考えている次第でございますし、さらに御指摘になりました憲法八十九条の宗教上の組織または団体への支出、これも、先ほど申し上げましたように皇室の御葬儀というのは国民的敬弔の対象でございますので、いわば公的な性格を持っておりますから、そのような憲法八十九条の禁止するような支出には当たらない、このように考えている次第でございます。
#32
○田口委員 今の法制局長官の答弁ではちょっと私も納得しがたい点があるのですけれども、時間の関係があります。そこで、官房長官の方から先ほど御説明をいただきました、葬場殿の儀に引き続いて大喪の礼が行われるわけでありますが、国民の多くが一番関心を持って今見詰めているのは、いわゆる国事行為としての大喪の礼、皇室行事として行われる葬場殿の儀が同一の場所で行われるわけでありますから、それをきちっと区別することができるのか。ではどういう方法で区分をしていこうとお考えになっておられるのか。
 けさの新聞を拝見いたしますと、葬場殿の儀が行われている中で大喪の礼に参加をされておる方に起立を促すというような記事も実はありました。あるいは、いろいろ思想、信条の関係もありまして、国事行為である大喪の礼には参加をしたいが葬場殿の儀には参加をしない、したがって、その部分だけ参加をするというようなことが果たして可能であるのかどうなのか。
 いろいろ考えてみますと、新聞などでも報道されておるように、これはまきに葬場殿の儀から大喪の礼まで一体化をされておるのじゃないか。これは明確に区分ができるのかどうか、その辺のところをひとつお伺いをいたしたいと思います。
#33
○小渕国務大臣 大喪の礼の御式は国の儀式として行われ、葬場殿の儀は皇室の行事として行われることは、ただいま申し上げたとおりでございますが、両儀は法的に明確に区別されるのみならず、実際上も、大喪の礼御式におきましては、一、開式を告げること、二、祭官は退席すること、三、鳥居を撤去すること、四、大真榊を撤去すること等とされており、両儀ははっきり区別をされてまいるものだ、こういうふうに考えております。
#34
○田口委員 それでは、法制局長官にもう一度お尋ねいたしますが、今官房長官からお答えをいただいたような形で区分をするんだということであれば憲法上何ら抵触をしないのかどうか、その辺の見解をひとつお伺いしたい。
#35
○味村政府委員 ただいま官房長官がお答えになられましたように、大喪の礼の御式は国事行為として国が行うわけでございますし、それから皇室の儀式である葬場殿の儀は皇室が行われるわけでございまして、これは観念的にはっきり別物でございます。
 先生のお尋ねは、完全に別物であるということを何か形であらわせるのかという御趣旨かと存じますが、そのことはもう既に官房長官がこの場で御明言になったとおり、別物であるということを申し上げているわけでございます。そしてさらに、新聞なんかでもこれは別物だという前提でいろいろな報道がなされているわけでございます。さらには、先ほど官房長官がお答えになりましたように、大喪の礼の際には、これはまず官房長官が開式の辞をお述べになるということで大喪の礼の御式がいつから始まるかということがはっきりするようになっておりますし、さらには、宗教色の濃い大真榊等を撤去するというようなことも行われまして、式次第もこれは無宗教のものでございますので、この大喪の礼が憲法二十条第三項に規定する宗教的活動に当たらないということは明確になっている、このように存じます。
#36
○田口委員 それでは官房長官、具体的に一つだけお尋ねしますけれども、大喪の礼だけに参加をしたいということで、まあ散会の時刻という問題があるのだと思いますが、それだけに出席をするということは現実的な問題としてそれは可能なのでしょうか、どうでしょうか。
#37
○小渕国務大臣 論理的に申し上げれば、いっどの時点で入退出をされるということはその式典に参列される方の自由ということ以外には申し上げられないだろうと思うのです。ただ、皇室行事並びに大喪の礼につきましては、極めて短時間の中で心のこもったお送りをしたいということで両儀式とも行われることでございますし、また、外国からの弔問特使その他多々参られておりますので、政府といたしましては、一連の流れるような両儀式の連続の中でこの式典を進めていきたいというのが率直な気持ちでございます。そうした流れの中で両儀に御参加をいただいて、その途中で入退出というようなことのない形でこの式を終了させたいというのが私どもこの式を執行してまいります委員会の総意でございますので、御協力を
いただければありがたいと思っておる次第でございます。
#38
○田口委員 次に、大喪の当日並びに前後の警備の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 当日、相当の人出というのが予想されますし、また、外国からも百を超える多くの国々から要人の方がお見えになるわけでありますから、その身辺警護というものも大変なことだろうと思います。報道等によれば史上空前の警備体制というふうに言われておるわけでありますが、私が先ほども申し上げましたように、非常に大事なことでありますが、同時にこのことによって過剰警備による人権の侵害があってはならないと思いますし、また、このことによって国民生活に大きな支障が出てはこれまたならないと思うのですが、警察庁としては具体的にどういう計画でこの問題について対処していかれるのか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
#39
○城内政府委員 お答えいたします。
 大喪の礼に向けまして既に極左暴力集団が全国各地でゲリラ事件などを引き起こしております。さらに二月二十四日の大喪を爆砕するというような主張を強めております。このほか、日本赤軍その他の国際テロ組織あるいは右翼等の動向が大変注意されるわけであります。こうした厳しい治安情勢の中で、大喪の礼参列者の身辺の安全を確保する、さらに国民の哀悼の意に配慮しつつ諸行事の円滑な進行を確保する、こういったことで警戒警備の万全を図ってまいるつもりであります。
 交通規制、警備措置等によって市民生活に及ぼす影響をできるだけ抑えるために、交通規制区域等を必要最小限度にとどめるようにしておりますし、都内での自動車利用の自粛とか東京周辺における迂回路等についての事前広報を徹底するほか、緊急通路を確保するなどの措置を講ずることにしております。また、面規制をするわけでありますが、警備区域内の住民に対しましては、車両通行を許可するステッカーを配付するなどして、実際に困らないようにしてまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、このたびの警備を無事に終了するためには、国民の理解と協力が不可欠であると強く認識しておりまして、各種広報、あるいは関係団体あるいは地域団体とのいろいろな接触を通じて、いろいろな機会を通じて、国民の理解と協力を得るようにさらに努めてまいりたいというふうに考えております。
#40
○田口委員 それでは、この問題の最後に一つお尋ねをいたしたいと思います。
 本法案が成立をいたしますと、二月二十四日は休日になるわけであります。そこで、大喪の日の当日、政府としては、例えば学校あるいは自治体あるいは一般国民に対して、どのような具体的な対応あるいは要請などを行うというふうに考えておられるのか。特に、昭和天皇重病の折に自粛問題というのが大変な問題になりましたし、あるいは逝去された当日以降の報道のあり方についてもいろいろな国民的な世論というものが出てまいっております。これらのことを十分配慮しながら当日の対応を考えていかなければならないというふうに思っておるのでありますが、政府としてはどのようなお考えを持っておられるか、お答えをいただきたいと思います。
#41
○小渕国務大臣 ただいまのお尋ねは、当日の弔意奉表についての考え方を問われたかと思いますが、政府といたしましてはこの当日、地方公共団体及び国民の皆さんに御協力をお願いすることとして現在検討を行っておるところでございまして、近々閣議で決定をいたしたいと思っております。具体的な措置といたしましては、大喪の礼の当日におきまして、崩御の際の弔意奉表と同様な措置及び一定の時間、これは正午でございますが、この時間帯に黙祷をお願いできないかということで現在考えておるところでございます。
#42
○田口委員 それでは、質問の最後に、これはちょっと別のことになりますが、ぜひ官房長官の御所見を伺いたいと思います。
 実は、本島長崎市長の天皇の戦争責任という発言について、大変いろいろな問題が生じておるわけであります。十二月七日の長崎市議会における発言なんでありますが、私にしてみれば本島さんは当たり前のことを言ったのだというふうに思っていますが、反対の方はいらっしゃいますし、それはそのことも当然だろうと思います。
 ただ、賛成か反対かという問題だけではなくて、この発言の問題をめぐって今さまざまな動きが出てきておる。特に力による圧力といいますか、特に右翼団体の連日の街宣によって市役所周辺が騒然としておる。特に十二月二十一日は、六十二団体二百六十人が八十五台の街宣車をもって市役所周辺を回った。三時間にわたって交通は渋滞、麻癖をする、近辺の学校も授業はできない、こういう大変な問題が実は起きておるわけであります。本島市長自身は二十四時間警備態勢、大変県警も御苦労しておるのだろうと思いますが、私も市長に会ったその直後に、右翼か何か一人市長室に入り込んだということで逮捕された、こういう事件もあるのです。やはり発言の内容について賛否はいろいろあるにしても、力でもってそれを抑え込む、本島さんの言によればいろいろな脅迫的な電話もかかってくる、まして家族に危害を与えるような内容のものもあって、大変心配をしておるというふうに言っておられるわけです。
 ですから、私はやはり憲法二十一条に規定をしている言論の自由を守る、賛否は言論によって行うべきであって、力によってそういうものを抑え込んでしまう、言論の自由を封殺することは絶対に許されてはならないというふうに思っているのですが、このことについてひとつ政府のお考えをぜひ官房長官の方から、お尋ねをいたしたいと思います。
#43
○小渕国務大臣 本島長崎市長の御発言につきましては、マスコミでも広く報道されておりますので承知をいたしております。しかし、そのことに関しましては、それぞれ自治体の責任者の発言に対して政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今御指摘のように、民主主義の社会では言論の自由は極めて重要でありまして、異なる意見に対しましても言論には言論をもって対応すべきというのが原則であることにつきましてはそのとおりかと思っております。
 なお、警察におきましても違法行為は看過しないという基本方針のもとに厳正に対処いたしておると承知をいたしておるところでございます。
#44
○田口委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#45
○玉生委員長 井上和久君。
#46
○井上(和)委員 質問に先立ちまして、去る一月七日崩御なされました昭和天皇に対しまして衷心より哀悼の意をあらわすものでございます。
 さて、まず、今回政府が提出をされました昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案に関連をいたしまして、二、三点お伺いをしておきたいと思います。
 二月二十四日、大喪の礼が行われます当日の進行計画というものにつきまして、詳細にお教えいただきたいと思います。
#47
○小渕国務大臣 先ほども御答弁申し上げたところでございますが、九時三十五分に御葬列が皇居正門を出発されまして、国会議事堂正門前、青山通りを経て、同十時十五分に葬場総門に御到着になります。
 皇室の行事でございます葬場殿の儀は、次のような次第によって行われるわけでございますが、(1) 御饌、幣物を興ずる。(2) 祭官長が祭詞を奏する。(3) 天皇陛下が御拝礼の上、御誄を奏される。(4) 皇后陛下、皇太后陛下が御拝礼になる。(5) 皇族方が拝礼される。(6) 親族が拝礼する。(7) 幣物、御饌を撤する。
 次に、大喪の礼の御式でございますが、午前十一時五十八分ごろ、私が開式のことばを申し上げ、その後、次のような次第によって行われることに予定いたしております。
 (1) 正午を期して、参列者全員で黙とうを行う。(2) 三権の長が、それぞれ拝礼の上、弔辞
(又は弔詞)を述べる。(3) 外国元首及び外国弔問使節等がそれぞれ拝礼をされ、順次、退出される。(4) 参列者が一斉拝礼を行う。
 次に、御葬列は、大喪の礼御式終了後、午後一時四十分ごろに葬場殿を御出発になり、首都高速道路、中央自動車道を経て、午後三時十五分ごろに武蔵陵墓地総門に御到着の予定でございます。
 なお、前述した予定時刻等につきましては、今後変更があり得る。こういう予定でございます。
#48
○井上(和)委員 皇室行事であります葬場殿の儀が行われるわけでありますが、総理大臣はもちろん出席をされるということだと思います。それで、もしされるとするときに、公人という立場で出席をされるのだ、こう理解してよろしいのでしょうか。
#49
○小渕国務大臣 そのとおりでございます。
#50
○井上(和)委員 憲法二十条には政教分離の原則が規定をされております。また、先ほども話がありましたように、過去には津の地鎮祭の最高裁の判決が出されておるわけでありますが、総理大臣及び三権の長が出席というのですか参列をするということにつきまして、法的な疑義というものはないのか、このことを法制局長官に明確に承りたいと思います。
#51
○味村政府委員 先ほど地鎮祭に関する判決の内容を申し上げませんでしたが、ここで申し上げたいと存じます。
 この判決におきましては、憲法第二十条第三項によって禁止されます宗教的活動とは、およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いを持つすべての行為を指すものではなくて、その行為の目的が宗教的意義を持ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉等になるような行為をいうのだ、こういう趣旨の判決でございます。それで、先ほども申し上げましたように、昨年の六月一日のいわゆる自衛官合祀訴訟に関する最高裁判所の判決も同じ趣旨のことを述べているわけでございます。
 それで、この判決の趣旨に即して私どもは考えたということを先ほど申し上げたわけでございますが、葬場殿の儀は、これは皇室において行われます行事でございますが、日本国の象徴でございますし、日本国民統合の象徴であられました昭和天皇を葬送申し上げる儀式でございますので、国民的敬弔の対象として公的な性格をお持ちであります。したがいまして、内閣総理大臣が公人の資格でこれに儀礼的に参列いたしましても、これは特定の宗教を援助、助長するとか特定の宗教のためにするとか、そういう宗教的意義を目的として持っているわけでもございませんし、援助、助長するというような効果を持っているわけでもございません。したがいまして、そのような御葬儀に内閣総理大臣が公人の資格で参列されましても、これは憲法二十条三項に違反するものではない、このように考えている次第でございます。
#52
○井上(和)委員 次に、祝日に関しまして何点か質問いたしたいと思います。
 政府は昨年四月、週四十時間労働に向けまして段階的実現をしようということで労働基準法を改正し、まずこれまでの一週間の労働時間を四十八時間から四十六時間と短縮をいたしました。五月には経済運営五カ年計画を策定いたし、また、六月に閣議決定をした第六次雇用対策基本計画でも週四十時間労働制と、一九九二年、平成四年度までに年間千八百時間実現の目標を掲げておるわけであります。
 そこで、労働省にお伺いをしておきたいと思いますが、昨年の総労働時間というのはどのようになっておりますか、お伺いをいたしたいと思います。
 また同時に、できましたら六十三年度の見込みはどうかということについて、見込みで結構ですがお教えいただきたいと思います。
#53
○畠中説明員 昭和六十三年の年間の総労働時間でございますけれども、先週発表されました毎月勤労統計調査によりますと、二千百十一時間でございます。これは労働者一人平均の時間でございます。昭和六十二年がやはり同様に二千百十一時間でございましたので、総労働時間におきましては全くパラレルということでございますが、昭和六十三年の労働時間を中身で見てみますと、景気の好況を反映いたしまして、所定外労働時間の方は十時間ふえておるわけでございますが、所定内の労働時間が十時間の減少を見ておる。それも先生先ほどおっしゃられましたが、改正労働基準法が施行されました昨年の四月以降、各四半期を通じましてすべて前年同月比マイナスという状況になっておる次第でございます。
 以上でございます。
#54
○井上(和)委員 いみじくもといいましょうか、二千百十一、同じような数が並んでおるわけでありまして、いろいろ理由はあると思いますけれども、進んでいないという結論じゃないかというように私思うわけでありまして、こういうことで四年後の千八百時間の目標というのが達成できるかどうか、これについてどのように見通されておるのか、お伺いしたいと思います。
#55
○畠中説明員 今申し上げましたように、所定外‘所定内を分けて考えてみますと、所定内労働時間の方は昨年の第二・四半期以降、すなわち改正労働基準法が施行されて以降、各期ともに前年同月比でマイナスという状況でございます。そういう意味で、私ども、労働基準法改正のいわば着実な効果というものをうかがわせる動きとなっているのではないかというふうに考えておる次第でございます。さらに、本年一月からは国の行政機関の土曜閉庁制がスタートしておりますし、また今月、すなわち先週末の土曜日からは金融機関の完全週休二日制が実施されております。そういう中で労働時間の短縮の動きというのは着実な動きを見せつつあるのではなかろうか。
 労働省では、こういう機会をとらえまして、年間総労働時間を千八百時間程度に向けできる限り短縮していくために、完全週休二日制の普及促進を基本といたしまして、年次有給休暇の完全取得、連続休暇の普及促進あるいは所定外労働時間の削減ということを重点として諸般の施策を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#56
○井上(和)委員 OECDの諸国でも年間の総労働時間が二千時間を超えるというのは我が国だけでありまして、時短というのはまさに内外から早急に推進すべきであるというふうに言われておるところであります。しかし、御報告いだだきましたように、時短というのがなかなか進んでいないという現実があると思います。政府の経済審議会の事務局でもあります経済企画庁はこの目標達成についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いをいたしたいと思います。同時にまた、法案というものはどのようなものが今国会に提出をされようとしておるのか、この二点をお伺いしたいと思います。
#57
○堀説明員 労働時間の短縮につきましては、豊かさを実感できる多様な国民生活を実現するという上でも非常に重要な要素でございまして、新しい経済計画におきましても明確な位置づけを与えたということでございます。労働時間短縮につきましては国民生活、企業経営、労働市場等多面にわたる取り組みの中で実現し推進していく必要がございますので、現在、経済企画庁におきまして、経済審議会における新計画のフォローアップ作業の一環といたしまして、総合的に労働時間短縮の問題について検討を進めているところでございます。
#58
○井上(和)委員 次へ行きたいと思います。
 この時短の目標に対しまして政府が真剣に取り組まないならば、これはもう単に決意目標になってしまうというような気がするわけでありまして、我が国はゆとりのある労働生活どころか労働力不足となる可能性があるということが指摘されると思います。
 経済企画庁や労働省の一九九五年以降十年間の労働力人口の伸びの推計値によりますと、若年人口の減少を反映して年率〇・二%に低下することになっておるのであります。雇用弾性値を一定と仮定しても、わずか一%の低経済成長率でさえ人
手不足となることが予想されるわけでありまして、まして二%、三%の経済成長ではかなりの人手不足となる。それに加えまして、我が国では年次有給休暇の消化率が非常に悪いんじゃないか、こういうふうに言われておるわけでありますが、この年次有給休暇の消化率というのはどのぐらいになっておるのか、この推移について、二、三年で結構ですから教えてもらいたいと思います。
#59
○畠中説明員 私ども今持っております統計は昭和六十二年の労働時間制度総合調査が最新のものでございますが、それによりますと、年次有給休暇の消化率は五〇・二%という状況でございます。その前年の昭和六十一年は五〇・三%という状況でございました。
#60
○井上(和)委員 今の数字でもわかりますように、約半分というふうに言えると思うのですが、こういうふうな半分であるということの理由はどこにあると考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#61
○畠中説明員 私どもも勤めておりますので、自分の身を振り返ってみますと大体わかるわけでございますが、上司だとかあるいは職場の周りに気兼ねがあるとか、あるいは休んだ後仕事が残ってかえってつらい目に遭うこともあるとか、いろいろな要因が重なっておると思います。
 私今申し上げましたのは、実は昭和六十一年に総理府の方で世論調査をやったわけでございますが、その総理府の世論調査結果によりましても、大体今申し上げましたような理由が上位を占めておったというふうに記憶をいたしております。
#62
○井上(和)委員 今回国民の祝日に関する法律の一部改正を審議するわけでありますが、この時短を進めるという上でも祝日をふやすことは大変いいことじゃないかというふうに思うのであります。
 労働省の昨年の調査ですと、四月末から五月上旬のゴールデンウイークの間に三日以上連続して休日をとっている会社、企業は、全体の九割に達しておるということであります。また、その休日数は平均で六・五日という数が出ておるのであります。同時に、連続休みの日数を見てみますと、平均で四・六日であります。特に、一週間以上まとめて休みをとる企業が一九%、一昨年から見ますと九%もふえている、こういうふうな結果が出ておるわけであります。
 これらを見ましてもわかりますように、徐々にではありますが完全週休に向かって今進んでいるということだと思いますので、先ほども御議論がございましたが、ぜひ五月一日のメーデーの日を祝日とすることを提案したいというふうに思うのであります。特に、これにつきましては、一月二十一日の党首会談の席上で我が党の矢野委員長から提案をした経緯がございます。これは官房長官御存じだと思うのですが、ぜひひとつこれを実現してもらいたいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
#63
○小渕国務大臣 党首会談のときにも同席させていただきましたので、承知をいたしております。
 そこで、五月一日を祝日にすべきだ、こういう御要請でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、現在我が国の祝日は十二日と定められておりまして、祝日に関する限りは先進国と比肩しておるだろうと思うのです。ただ、この五月一日、すなわちメーデーの日でございますが、その趣旨その他いろいろ考えますと、勤労感謝の日という意味で片や祝日が設けられておるというようなこともございますし、また一日が祝日になりますと、祝日と祝日の間は休日という現行法によりまして二十九日からそれこそ五日まで七日を連続してのお休み、こういうことになりまして、現実問題といたしまして、世界の中で為替市場を最大限閉じておるのもたしか四日ぐらいでございまして、我が国が今世界の中で金融、為替、そうした市場でトップランクにもあるような状況もございますので、直ちにそうした形のものに持っていくということはなかなか難しいのではないかと考えておるところでございます。
 ただ、御指摘のように国民世論のこともございますし、またあの時期がいわゆるゴールデンウイークというような形で国民の皆さんがその期間を最大限活用しながら生活をエンジョイされておるようなところもございますので、大変難しい問題だとは思いますが今後検討もいたしてみたいと思っております。
#64
○井上(和)委員 現実に、ゴールデンウィークといいましょうか連休がずっとあるときでも、言われておりますようにデパートであるとかあるいはJRとかいうのは動いておるわけでありますから、これを制定をしたとしてもそんなに差し支えることはないのじゃないかと僕は思うのです、工夫といいますか、いろいろ考えれば。現実に今でも何日か続いているけれどもちゃんとやっているようなところもあるわけですから、ぜひこれは検討してもらいたいと思います。
 それから、四月二十九日をみどりの日とすると法律案で提出をされておるわけでありますが、このみどりの日につきまして、実は私はこういうふうに思うのです。みどりの日というネーミングですね、緑というのは太陽がないとできぬわけでありますから、太陽と緑の日というのがいいのじゃないかと思うわけなんです。これは、科学的に見たって緑というのはやはり太陽が基本であろうと思うし、まさに太陽がさんさんと降り注ぐというようなこと、明るさもありますし、大変強く感じるし、いいのじゃないかな、こういうふうな気がするわけでありまして、このゴールデンウイークをしたがって太陽と緑の週、こういうふうなネーミングでもって呼ぶようにしていけば、もっともっと国民にも親しまれるし、本来ありますところの意義がより明確になっていいのじゃないかと思うわけでありますが、このみどりの日という名前に決まるまでの過程でどういうふうなことが言われたか、このことについてぜひ教えていただきたいと思います。
#65
○的場政府委員 このみどりの日ということにするという過程におきまして、実はまず四月二十九日を平日に戻していいかどうかということ、それと、仮に祝日として置いておくためにはどういうネーミングにするか、どういうお祝いの形にするかということを決めます際に、官房長官が有識者に意見を聞かれまして、その際、いろいろな名前が出ております。例えば科学の日であるとか自然の日であるとか、あるいは花と緑の日というような名前が出ておりましたが、私の記憶では太陽と緑というのはどうもなかったように記憶しております。
 ただ大勢はみどりの日がいいのではないかということでございましたし、いろいろ勘案いたしましてみどりの日としたわけでございます。太陽と緑というのは非常に密接な関係がございますし、その週間をどういうふうに呼ぶか、いわゆるゴールデンウィークと呼ばれているのにどういう名前がついていくかというのは国民の間で定着していくものだろうと思います。ということでございます。
#66
○井上(和)委員 時間が余りございませんのでお伺いをしたいと思いますが、カレンダーを見ましても六月、七月、八月というのは祝日が全くないわけであります。そこで、もう一日祝日の提案をしたいと考えております。
 我が党は二年前に党内に「健康ハートの日」祝日制定推進委員会というのを設置をいたしました。そしてずっといろいろなことを検討してまいりまして、八月十日を健康ハートの日としてはどうかというふうな話を今まとめつつあるわけであります。健康というのは一番大切なことでもありますし、また体育の日あるいは勤労感謝の日、今申されたようにございますが、やはり一番関心があるのは健康じゃなかろうかということにもなるわけでありまして、この休日ということは健康とつながっていていいんだというふうにも思うわけであります。そういう理由でありますし、またこの八月十日というのは例のお盆休みといいますか、これに連動をすることでもあります。ちょうどこのみどりの日がゴールデンウイークの初日に当たるように、八月十日にこれをすればちょうど
それが初日に当たるぐあいにもなるわけであります。日本人は働き過ぎということに対してもこういうふうにつくっていけばいいんじゃないかというふうにも思うわけでありますし、何よりも六、七、八という暑い時期に祭日がないということでございますので、それをぜひやってもらいたいと思うわけであります。
 特に、きょうもちょっと出ておったのでありますが、都立高校、高専の一年生のうち六十人に一人は心臓病かその疑いがあり、要管理の生徒であることがわかったというふうな記事も載っておりまして、これは学校で一年生を対象にして心臓の検診をやった、そのやったことによって初めてわかった人というのが非常にたくさんいた。それをやらなきやわからずにいたであろう。しかもその病気はある日突然亡くなってしまう、心臓ですから。そんな症状の子もたくさんいたというのがわかったというふうな話題もございます。そんなこともありまして、健康に目を向ける、自分の心臓、ハートの日、特にこのことについて、この日だけは心臓の検診をしようというような運動がもし起こっていくならば国民にとっても大変いいことじゃないかと私は思うわけであります。ぜひこれも検討してもらいたいと思うのであります。多分心臓病で亡くなる人というのはかなり多いと思うのですが、これはどんなでしょう。
#67
○金森説明員 心臓病によります死亡数は年々増加をしておりまして、一番新しい私どもが持っております資料でございますが、昭和六十二年の人口動態統計によりますと、この一年間に心臓でお亡くなりになった方は十四万三千九百九名ということでございまして、死亡順位で見ますと、悪性新生物、がんでございますけれども、これに次ぎまして第二位でございます。死亡全体に占める割合、死亡全体が約七十五万でございますから、一九・二%ということで、大体五人に一人が心臓病でお亡くなりになる、こういう現状でございます。
#68
○井上(和)委員 まさにすごいことだと思います。そういうふうな事実、現実の問題からもぜひこれをやっていただいたらというふうに思うわけでありますが、これは、時間が参りましたので、最後に、ぜひ官房長官にこれにつきましての前向きの御答弁をお願いいたしたいと思います。
#69
○小渕国務大臣 かねて御党におきましてハートの日の制定について強い御主張のあることも承知をいたしております。また、その意義につきましては、ただいま井上委員から御指摘をされ、心臓病を減少させるための意味合いを持ってそうした日を制定すべきだという意味合いにつきましては理解するところでありますが、これを祝日なり休日なりにするということにつきましては、要は国民が最終的に御判断をされることではあろうかと思います。いずれにいたしましてもこの祝日をさらに全体的にふやすかどうかにつきましては、片や時短という意味で豊かなゆとりある生活を求めるという意味での必要性もありますが、一方また、中小零細企業その他日々のお仕事によってなりわいをされておられる方々におかれましては御批判もあるところでございまして、そうしたことをすべて勘案しまして、最終的には国民の御判断をいただくこととして、政府としても検討はいたしますが、現時点ではなかなか難しいことではなかろうかというふうに考えております。
#70
○井上(和)委員 以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
#71
○玉生委員長 川端達夫君。
#72
○川端委員 非常に時間が限られておりますので、端的にお伺いをしたいと思うのですが、先ほども田口委員の方からお触れになりましたけれども、私たちも今回の祝日に関する法律の改正案に関して非常に大きな期待と関心を持っております。
 といいますのも、私たちが五十九年からいわゆる労働組合あるいは学者、文化人などを中心として、今はなくなりましたけれども旧同盟の人たちが中心となって、「太陽と緑の週」実現推進国民会議というのを設置して、ゴールデンウィークはみんなで休もうではないかという運動を展開してまいりました。同盟が解体して以降、いわゆる連合がその運動を引き継ぎ、政党として民社党もその提案者として活動してきたわけであります。先般来、我が党の委員長と総理の党首会談においても御要請を申し上げたところであります。新聞報道によりましても、総理が、そういう問題があることは承知をしているという御発言を一月十二日に行われました。一斉に翌日の新聞では、「ゴールデンウイークすべて休日!?」というふうな見出しで随分たくさんの報道機関に載りました。国民も大きな期待に胸を膨らましたわけでありますが、法案を見ましたら全く載っていない。
 こういうことで非常に残念に思っておるわけですが、これまでのそういういろいろな運動あるいは党首会談を踏まえて、今回提案に至らなかったその経緯、どれぐらい検討されたのかということについて、重複して恐縮でありますが、まずお伺いしたいと思います。
#73
○的場政府委員 以前から五月一日、メーデーの日を祝日にすべきであるといういろいろな御提案があったことはよく承知をしております。ただ、今回の祝日法の改正は、今般の皇位の承継に伴いまして、昭和天皇の御誕生日である四月二十九日が今上陛下の誕生日である十二月二十三日に変わる、その場合、四月二十九日をどうするかということで最小限の手直しをしたつもりでございまして、したがいまして、祝日全体をどう考えるかということまで考えていないわけでございます。御大喪が済む前のことでもございますし、国のお祝いの日というのをどうするかというのは、これは先ほど来いろいろ御議論がございましたけれども、経済政策、労働政策等の観点と、それから祝日そのものの目的であります祝日をふやすということとの調和も考えなければいけませんし、先ほど申し上げましたように、そういう全体を踏まえてこの改正案をお願いしているということではございません。
#74
○川端委員 ということは、ことしはまだゴールデンウイークが来ていないわけですけれども、今私が申し上げたゴールデンウィークの問題に関して、特に五月一日の問題に関しては、今回出なかったからやらないということではないというふうに受けとめます。ということは、今までの議論の中でこれからそれをどういうふうに位置づけていくかということについて前向きに検討されていく、俎上にのせていくという御用意があるのかどうかについて御確認をしたいと思います。
#75
○的場政府委員 その点に関しましては、先ほど来長官から御答弁がございましたように、一つは言葉の持つ意味の内容があるかと思いますけれども、既に勤労感謝の日という祝日があるということが一つでございますし、それから五月一日を祝日にいたしますと、長官の御答弁にもありましたように、最小で四月二十九日から五月五日まで、クイズのようでございますが、四月二十七日が土曜日に当たる年は五月の六日まで連続十日間休みになるわけでございます。したがいまして、これだけ大きくなってまいりましてそれだけの責任を負わなければいけない日本の金融市場を閉めることができるかどうかといったようないろいろな問題がございます。したがいまして、検討するにしてもいろいろ難しい問題はあるかと思いますけれども、全体としての経済政策との調和を図る必要があるということでございます。
#76
○川端委員 メーデーという意味あるいは金融市場の問題という、先ほどからお触れになっていますが、そういう問題がある中でこの問題に前向きに取り組んでいくのかどうかということをお聞きしたわけです。
 と申しますのは、もう一つの背景としていわゆるゴールデンウイークという部分、日本人は働き過ぎであると国際的にもいろいろ非難されているという部分で休日を設定することによってまとめて休む、効率化を図るということも含めての背景もあるわけですから、そういうことでの問題がいろいろある。だから、何とか知恵を働かしてそういうことをしようという立場なのかどうかという
ことをお伺いしているわけです。と申しますのは、例えば建国記念日をどうするかという議論があったときには、そういう部分で特に審議会をおつくりになって検討され今日に至っているという背景もあるわけですが、そういう位置づけでどういうふうに考えていられるかお伺いしたいと思います。
#77
○小渕国務大臣 率直に申し上げれば、今審議会をつくって直ちに五月一日を祝日にすることについて検討を始めるということにはならないのではないかと思います。ただ、国民の間に今御主張されるような考え方が存在しますことは承知をいたしておりますし、公の場でもそのような御提言をちょうだいいたしておりますので、検討に値する問題であるとは思いますが、直ちに政府として審議会をつくって検討に入るというまでには至っておりません。
#78
○川端委員 労働省のパンフレットがあるんですね。「ゴールデンウィークに連続休暇を」、四月、五月のカレンダーまで書いてあって赤丸がしてある。二種類あります。「ゴールデンウィークに連続休暇を」ということで、そういうふうにみんなまとめて休んだ方がいいじゃないですかと、「暦どおりの断続的な企業活動は非効率ではありませんか。気候に恵まれたこの時期に、あなたの職場でも、」というふうに書いて、みんなで休みましょうと、これは政府で言っておられるわけです。そういう中でいろいろな問題があることは承知をしております。しかし一方で、政府の立場で、労働省の立場でおのおの企業が労使で工夫をして休んでくださいよと言っておられる、このパンフレットは。それはわかります。ありがたいことだと思うのですが、その中で政府みずからがその姿勢をお持ちであるならば、当然ながらその日を祝日にしてみんながより休みやすくするというふうなことをお考えになってしかるべきだと思うのです。
 そういう部分で、労働省の立場で労働者のためにもこういうキャンペーンを張っておられるということで、労働時間の短縮あるいは企業活動の効率化、それから働く人たちのリフレッシュ等々含めて五月一日は休みにする方が効果があるというふうに当然お考えでしょうね。どうですか。
#79
○畠中説明員 先生のお手元にもう届いておるということで私ども非常に喜んでおる次第でございますが、労働省といたしましては従来から、四月二十九日から始まるゴールデンウイークというのは年間を通じて最も季節のよい時期でもございますので、何とか労使創意工夫を凝らして連続休暇を取得しましょうというキャンペーンを張ってまいりました。それから、一昨年には労働基準法を改正いたしまして、年次有給休暇の取得を連続して計画的にできるようにするために、年次有給休暇の計画的取得制度というものも導入いたしておる次第でございます。そういうことで、年次有給休暇の計画的な取得だとか、あるいは特別休日の設定とか、あるいは週休日を振りかえるなどの方法によりまして連続休暇の普及促進を図っていっていただきたいということで頑張っておる次第でございます。現に、昨年には九〇・一%の事業所がこの期間中に三日以上の連続休暇というものを実施しておるところでございます。
 ただいまお尋ねの五月一日の祝日化の問題につきましては、先ほど来官房長官等のお話にもございましたように、やはり国民がこぞって祝い、感謝し、または記念する日ということでふさわしいかどうかというようなことにつきまして国民の間にコンセンサスが形成されるということが前提ではなかろうか。そういう意味では幅広い検討が必要ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#80
○川端委員 時間が限られておりますのでこれ以上言いませんが、確かに休日の振りかえ、年休取得の奨励等々で工夫をするというのも非常に大事なことだと思いますが、私が本当にお尋ねしたがったのは、そういう部分に加えて、休日にすればもっと効果が上がるというふうに労働省としてはお考えになるだろうということをお尋ねしたのですけれども、結構でございます。
 もうほとんど時間がありませんので、最後に二十四日の大喪の礼に関して、今法案審議中でありますが、実際に成立をし、その日が休日になるという事態を想定しますと、この日に公共機関あるいは金融機関等々休日法に連動して休みになるところを別にしまして、いわゆる一般国民の皆さんに、こういう意義のある日に国は休みになる、そして大喪の礼を行うというときの国民に対する周知徹底、それから実際の協力要請というのはどういうふうな内容を考えておられるのかお伺いしたいと思います。
#81
○的場政府委員 まだ法案が成立いたしておりませんが、法案が成立いたしましたら、通常の手段でございます官報によって一般に周知されることになると思いますけれども、それだけではなくて、例えば官房長官の談話を発表する、あるいは各省庁緊急に集めまして会議をして各業界等にできるだけ遺漏のないように周知するということで、最大限の工夫をしたいと思っております。
#82
○川端委員 もう少しわかりやすく聞きますと、民間の企業が今一番悩んでいることは、その日を会社を休みにすべきなのかすべきでないのかということに関して非常に思い悩んでいるわけです。陛下御不例のときにいわゆる自粛ということが随分論議になりました。そのとき、周りを見てみんなと同じようにしようということで、政府としてどうしろと言っているのかよくわからないということで非常に混乱と物議を醸した部分があったと思うのです。そういう部分で、現実に企業が休みなさいというのは難しいというふうな問題はあると思うのです。あるいは休まなくてよろしいというのか。その日のその時刻に、先ほどお触れになりましたけれども、黙祷をささげてほしいということであれば、これは企業活動に関しては基本的にはそんなに問題はないと思うのですね。そこら辺が、業界として全部休みにしようとかいろいろな動きが出てきている、こういう問題に関して政府としての基本的な姿勢がみんな好きに考えたらよろしいというふうな、ある意味では無責任な部分になるのではないか、もう少し踏み込んだところで姿勢を示されるべきではないのかというふうに思っているのですけれども、その部分はどのようにお考えでしょう。
#83
○的場政府委員 今回の法律案は、昭和天皇の大喪の礼に際しまして、国民がこぞって昭和天皇の遺徳をしのび、弔意をあらわすために、大喪の礼の行われる日を休日とするものでございまして、国民に休むことを強制するものでないことは当然でございます。したがいまして、銀行等法令上休日が定められている企業以外の企業は、この法律によって休業することを強制されることはございません。それぞれの民間企業におきましては、就業規則等で国民の祝日に関する法律に規定する休日を休業日と定めているところも多いと思われますけれども、それを政府が今回の二十四日もそういうふうにしなさいというふうに強制するわけにはいかぬ、しかし事柄の趣旨は十分に伝わるようにしたいと思っております。
#84
○川端委員 時間が来ましたので終わりますが、現実として、横にらみで非常に苦慮しているという事実があるのは御承知のとおりだと思います。そういう意味ではやはり何らかの形で工夫を凝らして、政府のお考えになっている部分が踏み込んで明らかにされるのを望みたいと思います。
 終わります。
#85
○玉生委員長 浦井洋君。
#86
○浦井委員 官房長官にお尋ねしたいのですが、新しい祝日としてみどりの日が設けられるということなんですが、それがなぜ四月二十九日でなければならぬのかということを簡単に御説明願いたいと思います。
#87
○的場政府委員 私から御答弁いたしますが、御質問の趣旨は、プロセスからいいますと若干逆でございまして、先ほども申し上げましたように、昭和天皇が崩御されまして今上陛下が即位された、したがって、天皇誕生日は四月二十九日から十二月二十三日に変わるわけでございますが、長
年なれ親しんできた、かつゴールデンウイークの最初の日である四月二十九日をどうするかということからいろいろ議論が起こりまして、これを平日に戻すということも一案でございますが、いろいろな方の意見を聞き、官房長官が私的に各界の有識者を集めて懇談会を開いて意見を聞かれましたけれども、これは二十五人の方々でございますが、全員が残すべきであるということで、その残す場合にどういうふうに考えたらいいか、ちょうど時期的にも緑のゴールデンウィークの始まりでもある、緑の豊かな季節であるからみどりの日が適当ではないかというふうに決めたものでございまして、みどりの日を先に決めまして、それをいつに置くかということで四月二十九日を探したということではございません。逆でございます。
#88
○浦井委員 いろいろくどくど言われましたけれども、要するに天皇誕生日をみどりの日というふうに名を変えて残そうという意図が見え見えてあるわけなんです。だから、天皇を特別の扱いをして、そのゆかりの日を祝日とするというようなことには私は反対をしておきたいと思うのです。
 そのほかの祝日の件でありますけれども、御存じのように、憲法の原則というのは主権在民であります。天皇は、国政に関していかなる機能も有しない。もちろん国民より身分が高いとかあるいはとうとい存在であるとかというような規定もないわけです。だから私は、天皇誕生日を国民の祝日にすべきではないと考えておるし、この天皇の代がわりを機会に、祝日としての天皇誕生日をなくすべきだというふうに主張しておきたいと思うのです。
 そこで、今度は休日の件でありますけれども、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日にすることだそうでありますけれども、天皇を特別に扱うことが憲法の趣旨に反するものであることは極めて明らかです。だから、天皇葬儀の日を国民全体を拘束する休日にすることには私は反対だし、同時に、弔意をやはり強要すべきではない。しかも、昭和天皇については特別の問題がある。
 官房長官にお尋ねしたいのですけれども、閣議決定をされた首相謹話で、「お心ならずも勃発した先の大戦において、」云々と、こういうふうにあるわけでありますが、これは昭和天皇の戦争責任を否定するものと受け取られても仕方がないと思うのです。そうであれば、これは歴史の事実に反するのではないですか。官房長官、どうですか。
#89
○小渕国務大臣 去る一月七日の内閣総理大臣謹話におきまして、総理は「お心ならずも勃発した先の大戦」と述べておることはそのとおりであります。しかしこれは、さきの大戦が悲しむべきものであり、残念のきわみであるとの趣旨を述べたものでありまして、昭和天皇のいわゆる戦争責任の問題を念頭に置いたものではありません。
#90
○浦井委員 そういうふうに一月十日の新聞の中にはあなたの話が出ておるわけであります。やはり私は、官房長官の態度というのは昭和天皇の戦争責任を免罪しようとしておるというふうに言わざるを得ないと思うわけです。だから、南朝鮮でもイギリスでもこの謹話に反発をしておるし、現に一月二十五日、二十六日に行われた朝日新聞の世論調査でも、国民の四人に一人は昭和天皇に戦争責任ありというふうに答えておる。だから私は、第一に、天皇を特別扱いにすべきではないということと、第二に、特に昭和天皇については戦前の国民抑圧の責任、戦争責任、これがあるのだから、その葬儀の日を全国民を拘束する休日にして、国民に弔意の表明を強要することに反対をしておきたいと思う。
 それからもう一つ、最後の問題でありますけれども、先ほどからいろいろ出ておりますが、政教分離の問題についてであります。
 政府は、先ほどの話からいきますと、その判断の基準は、一生懸命、津の地鎮祭の最高裁判決によるということだそうであります。しかし、そもそもこの事件は津の体育館を建てる話であるし、天皇葬儀の件とは全く質的にも、もちろん量的にも異なるわけでありますから、これをもって律することはできないというふうに思うわけでありますし、その最高裁の判決自身について私も批判的見解を持っておるわけでありますけれども、しかし、この判決をもってしても、今回行われようとしておる一連の天皇葬儀というのは政教分離の原則に反するというふうに断ぜざるを得ないのでありますが、官房長官、どうですか。法制局長官ですか。
#91
○味村政府委員 先ほど地鎮祭の判決の内容については申し上げたところでございます。これは津の地鎮祭に関する判決でありまして、もちろん昭和天皇の御葬儀に関する事件でないことは明らかでございまして、それはそのとおりでございますが、およそこの判決は、憲法二十条三項によって禁止される宗教的活動は何かということについての一般的な理論を述べているわけでございまして、その一般理論に基づいて私どもが判断をいたしますと、このたびのことは当然憲法二十条三項に違反することはない、このような判断に立ち至ったということを申し上げているわけでございます。
 なお、最高裁判所は我が国の憲法上終審の、憲法以下の法令につきまして最終の判断権を持っております機関でございますから、この判断に我々行政府が従うべきことはもちろんでございますし、当然この判断は一般にも尊重されるべきものだ、このように考えるわけでございます。
#92
○浦井委員 それでは、二点ほどについて官房長官なり法制局長官にお聞きをしたいのですが、まず第一点は、天皇の大喪儀というのは殯宮の儀、葬場殿の儀、陵所の儀、こういうふうに旧皇室喪儀令のまま行われるというふうに聞いておるわけなんです。事実そうなっておるわけです。だから、葬場殿の儀も単に天皇を葬送するだけではなしに、殯宮の儀、陵所の儀と一体のものであって、これは明らかに皇室神道に基づく宗教的な行為である。そして皇室喪儀令は、これは新憲法に反するということで廃止された。こう考えてくると、この行為の目的からして、明らかに津の最高、裁の判決にさえも反するのではないですか、どうですか。それが第一点。
 それから第二点として、葬儀の状況というのはテレビで放映され、当日は休日で、多くの国民は弔意表明を強要される。だから、葬場殿の儀も大喪の礼も国民の隅々にまで浸透するわけなんです。神社神道というのは、靖国問題に見られるように、天皇を最高の祭司としておる。この皇室神道の宗教的な行為に、先ほども出ましたけれども、これはもっと加わる、百億を超すような巨額な支出をしてこれを国が行うというのは、これは神社神道にはかり知れない援助になることは明らかです。だから、効果という点から見ても津の地鎮祭判決に違反するのではないですか、どうですか。この二点。
#93
○味村政府委員 戦前の皇室令でございます皇室喪儀令は、これは新憲法の施行前に廃止になりました。これは皇室令であるいわゆる皇室喪儀令と申しますのは、戦前でございますと憲法と皇室典範と両方の体系がございまして、憲法に基づく法律とそれから皇室典範に基づく、講学上宮務令と申しましたが、官務令と別個であったわけでございます。新憲法によりましてそのような官務令の存在が許されなくなりました結果、当時官務令でありました皇室喪儀令を廃止したわけでございまして、その内容が新憲法に違反しているということで廃止したわけではございません。その制定の根拠が新憲法にないということで廃止になったわけでございます。
 それから、私が先ほど申し上げましたことは、皇室の行事でございます大喪儀の諸儀式にあるわけでございますが、葬場殿の儀につきまして特に内閣総理大臣が公人として御参列になるということは、これは先ほど申し上げましたように、地鎮祭に関する判決から見まして決して違憲ではないということを申し上げたわけでございまして、皇室の行事に宗教的色彩があるということはこれは否定をいたしているわけではございません。
#94
○浦井委員 それは三百代言そのものでありま
す。そういうような格好でごまかしてもいかぬと思うのですよ。明らかにこれは憲法の原則の一つである政教分離の原則に反する行為であるというふうに言わざるを得ないと思うのです。だから、私は最後に主張したいのですけれども、絶対君主制のころの天皇の葬儀を今形式的にはそのまま行おうとしているわけなのです。だから、これは明らかに主権在民、政教分離の原則に反する。だから、これはもう行うべきではないということを私は強く主張したいと思うのです。どうですか。
#95
○味村政府委員 憲法二十条三項によって禁止しておりますのは、国及びその機関が宗教的活動をしてはならない、こう規定をしているわけでございます。皇室が行われようとなさっております大喪儀は、これは国の機関としての皇室ではございませんで、国の機関でない皇室として行おうとされているわけでございますので、これはそれを行うこと自体が憲法二十条三項に反するというようなことはございません。
#96
○浦井委員 それは法制局長官、幾ら詭弁を弄されても事実はもう絶対にこれは混然一体になってしまっておるわけですし、明らかに憲法違反なんですよ。だからそういう点では、こういうような格好で休日にすべきではないし、大喪の礼は行うべきではないということを改めて強く主張をいたしまして、ちょうど時間が来たようでありますから私の質問を終わりたいと思います。
#97
○玉生委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#98
○玉生委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#99
○玉生委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#100
○玉生委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○玉生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    〔報告書は附録に掲載〕
#102
○玉生委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時五十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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