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1988/02/13 第114回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第114回国会 本会議 第4号
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1988/02/13 第114回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第114回国会 本会議 第4号

#1
第114回国会 本会議 第4号
平成元年二月十三日(月曜日)
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第四号
  平成元年二月十三日
    午後一時開議
  一 国務大臣の演説に対する質疑
    …………………………………
 第一 昭和六十三年度の水田農業確立助成補助
    金についての所得税及び法人税の臨時特
    例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 第二 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日
    とする法律案(内閣提出)
 第三 国民の祝日に関する法律の一部を改正す
    る法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑
 日程第一 昭和六十三年度の水田農業確立助成
  補助金についての所得税及び法人税の臨時特
  例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 日程第二 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を
  休日とする法律案(内閣提出)
 日程第三 国民の祝日に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
    午後一時二分開議
#3
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
  国務大臣の演説に対する質疑
#4
○議長(原健三郎君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。土井たか子君。
    〔土井たか子君登壇〕
#5
○土井たか子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、竹下総理大臣の施政方針演説に対して質問いたしますが、それに先立ち、まず最初に、去る一月七日お亡くなりになられました昭和天皇に深い哀悼の気持ちをささげたいと存じます。
 さて、竹下総理、私は、本日この質問を、昨年の臨時国会冒頭の代表質問と全く同様に、政治腐敗に対する弾劾から始めなければならないことを、日本の政治のために悲しんでおります。
 十八世紀初めの英国宰相ウォルポールは、ある目下院の議場を見回しまして、この議員たちは皆それぞれの正札をつけていると言ったそうであります。私も、今ここで与党席を拝見しながら、ほとんど同じ思いを持つと申し上げねばなりません。ここには、リクルート社製の正札をつけた方々が随分目立つのでございます。(拍手)
 この言葉を一九二一年に引用したプライスは、議会を買収する方法として、一会社の株式を額面以下で若干の懇意の筋に分配し、二、三週間内に必ず額面以上に騰貴すると暗示することなどを列挙した上で、民主政治の最も執拗にして悪らつなる仇敵は全力であると断じております。今日の日本政治の状況を七十年前に見てしまったかのような描写でありまして、さればこそ、欧米諸国から今回のスキャンダルは封建時代の政治倫理などとやゆされることになるのであります。まことに恥ずかしい限りであります。日ごろ愛国心を説いてやまない自民党の方々は、このように外国に恥をさらし、侮りを受けていることに対して、どのような釈明を御用意なさっているのでありましょうか。
 もはや事件の経過を事改めて申す必要はないでありましょう。お尋ねいたしたいのは、責任のとり方についてであります。
 ここで、私の第一の質問は、総理、あなたがみずからの進退をどのように考えておられるかということでございます。総辞職か解散をして総選挙で民意に問うべきだと考えますが、いかがでありましょうか。総理の明確な御存念を伺います。(拍手)
 総理は、施政方針演説において、みずからのすべてをかけて政治改革に取り組むと言われました。既に明らかなみずからの道義と目の前のリクルート事件解明に目をふさぐ方に政治改革を語る資格があるとは到底思えないのでありますけれども、あえて総理の考えておられる政治改革のねらいと具体的な内容、それに理念とを伺っておきたいと存じます。施政方針演説からは具体性が何らうかがえないからでございます。
 また、これも施政方針では多くを触れておられませんが、総理は、最近しばしば衆議院選挙区定数の是正を口にされます。政治改革の一環との位置づけのようであります。私も議員定数の抜本的改革は取り組むべき重要な課題と認識しておりますが、あなたや自民党のねらいは、議員の関心の深いこの問題を、特に定数減をちらつかせることでクローズアップし、リクルート疑惑の追及から論点をそらそうとするものではないかと疑っております。もしそうでないとおっしゃるのなら、リクルート疑惑にかかわる責任を明らかにする覚悟をお示し願いたいのであります。(拍手)
 私は、政治改革に何より必要なのは政治倫理の確立であり、その第一は、あなたの党の先輩である今は亡き三木元総理も提案されたような、政治倫理に関する法制度の確立であると考えます。民主政治が金権の攻撃から身を守るには、正しい世論とともに高い規範性を持つ法律が必要であることは、多くの先進民主主義国の法制度が既に一世紀以上も前から実証しているところであります。議員資格剥奪を含む強い罰則を恐れず、政治家、高級官僚の資産公開なども内容とする実効ある政治倫理法の制定が強く望まれます。第二に、企業の政治献金にメスを入れる必要があります。
 この際、諸悪の根源とも言える企業の政治献金は禁止すべきであり、政治資金規正法に基づく届け出を必要とする金額も、現行の百万円から十万円に引き下げるくらいの措置が必要であると考えます。献金ではなくパーティー券である、あるいは経済行為としての株の取得であるといった抜け道もふさぐべきであります。
 第三は、国民の政治参加についてであります。
 どのような選挙制度にあっても、有権者の一票の重みはできる限り平等に近づける努力が必要であり、少なくとも格差は二倍以下にしなければならないと私は考えております。しかし、そうした是正を責任があいまいな審議会や私的諮問機関にゆだねたりすべきではありません。定数決定の計算法は法律に定め、選挙区の合・分区など、境界線の変更などについては権威ある審議会にゆだねる場合があったとしても、できるだけ恣意の入り込まないよう、適切な基準を設けるべきであります。
 現在、与党方面からは小選挙区制やこれに伴う政党法などを提案する声がちらほら聞こえてまいります。小選挙区制を基本とした制度では、小党を抹殺し、死に票を大きくし、しかも、よく言われる金のかからない選挙との宣伝とは裏腹に、現行法ではむしろ金権選挙を助長するものであることは、現存する小選挙区である鹿児島・奄美群島区の選挙を見ただけで歴然としております。小選挙区制には反対であります。それよりも、選挙権の十八歳への引き下げ、国民の政治への直接参加拡大のための国民投票制度の法制化などを実施すべきであると考えます。総理の明快な御見解を承りたく存じます。
 総理、繰り返しますが、政治改革の中心は政治道義の確立に置かれなければなりません。民主政治において、その基本は、国民に対する公約を政治家がいかに忠実に守るかということであります。公約を守らなかった場合は責任をとらねばならないと書いた法律の条文は確かにございません。しかし、そうであるがゆえに、これは民主政治の最高の道徳なのであります。あなたのおっしゃる政治家の責任と良心の問題とは、このことではないでしょうか。
 総理、あなたは消費税について、昨年の三月十日には、逆進性、不公平感、低所得者への過重な負担、税率の引き上げ、事業者の事務負担、物価上昇という六つの懸念を表明なさいました。ところが、六月二十三日にはハワイで、これに加えて、価格に転嫁できるかという七つ目の懸念を明らかにされました。さらに十月十三日には、地方財政運営に支障を来さないかという八つ目の懸念を、そうして、ことし一月十日にも、課税が不徹底になるのではという九つ目の懸念を相次いで出しておられるのであります。
 国民の反対を押し切って消費税を提案し、強行採決の末に成立させておきながら、あなたの言うところの懸念はふえる一方で、何一つ解消しておりません。減税や福祉に対する施策で懸念を中和するとあなたは弁明なさいましたが、どれだけ実効が上がるでしょうか。減税によっては、ほとんどの中低所得者の税負担は軽くならず、福祉も臨時的なものばかりで、制度的には何も充実策がございません。うそとごまかしで固められた消費税と申しても決して言い過ぎではございません。
 全国の税務署は、消費税に関する説明を始めました。企業や自治体も、価格や料金値上げの準備をしています。中小企業、商店は帳簿のけけ方、消費者への説明に頭を悩ませています。税金を払うのに消費者や元請メーカーからは取れない、価格転嫁の方法や税額の表示方法も千差万別で、消費税なのか法人税なのかわからなくなっています。自治体の議会でも大騒動です。こうして、全国の町には大きな混乱が起きようとしているのです。これはもう悪税としか言いようがなく、みんな大蔵省や自民党にだまされたと言っています。国民は、懸念などとのんきなことを言ってはいられないのです。総理、あなたはこのような混乱をどう考えておられるのでしょうか。
 それにしても、不公平税制の是正はどうなったのでしょうか。例えば土地税制です。あなたは、昨年の税制改革では、土地基本法の作業をしているからと言って、土地税制の改革を見送られました。ことしになると、土地基本法案は出すが、土地税制については、全体の税制改革は終わったのだからと言って、何も手をつけないというのです。これでは、不公平税制の是正も土地問題の解決も、目指す姿勢は全くないと断ずるほかはございません。
 大企業優遇税制についても、税の自然増収が大きいから八九年度は見送るとされました。自然増収が大きいのなら、消費税の導入こそ見送るべきではありませんか。政治家のパーティーへの課税も宗教法人課税、医師優遇税制も、すべて改めようとせず、懸念ばかりがふえ続ける消費税だけを国民に押しつける政府の政策のどこに公平、公正があるでしょうか。私は、消費税の四月実施を中止して、不公平税制の徹底的な是正を要求いたします。そして、膨大な自然増収に示されるような低所得者、年金生活者などからの税金の取り過ぎを是正するために、課税最低限をさらに引き上げること、税率構造を一層改善すること、年金減税、家賃控除の創設などを要求いたします。これらについて、総理の誠意ある御答弁をお願いいたします。(拍手)
 次に私が伺いたいのは、国民の暮らしの実質の問題であります。
 日本が世界一の債権を持つ金持ちの国であることは、紛れもない事実のようであります。それなのに国民にそれほどの豊かさの実感がない、とりわけ弱い者にとっては、格差が広がり、取り残される思いが募るのはどうしたことでしょう。
 年金はどうでしょう。基礎年金は、四十年間保険料を払ってもわずかに一人五万円であります。代表的な年金である厚生年金は平均十三万円、老齢福祉年金に至っては月三万円に満たないものであります。このような低水準の年金のもとで、政府は、現在の年金六十歳支給開始を六十五歳に繰り延べようといたしております。消費税を導入する口実は何だったのでしょう。高齢化社会に備えて福祉を整備するためというのではなかったでしょうか。それとも、三%の税率では給付を引き下げるしかないとおっしゃりたいのでしようか。
 あなた方は、こうした正当な批判をかわすために、予算が余っているということで、八八年度の補正予算で、福祉年金受給者や在宅寝たきり老人扶養世帯にそれぞれ一万円、五万円のお金を配るとしています。苦しい世帯にとって、もちろんこれはありがたいお金でしょう。しかし、では来年はどうするのでありますか。八九年度予算で福祉年金は月にたったの二百円引き上げられるだけであります。消費税を設ける口実とされた福祉の充実策が、実際には臨時的な一時金の支給と百円玉が月二つでしかないというのが現実であります。
 国内の施策がこうであっては、世界の繁栄に貢献するなどと言っても、国民はとても支持する気持ちになれず、世界もまた信用しないでありましょう。総理の正直な御答弁をいただきたいと存じます。
 さらに、土地と住宅の問題は深刻です。
 東京圏では、通勤時間片道九十分のところに敷地約百平方メートルの家を買おうとすれば、ローンの利息を別にして、平均年収の八倍以上を投じなければなりません。政府は今ごろ土地基本法を国会に提案するなどと言っておられますが、私たち野党は、一昨年既に土地基本法を提案し、土地税制の抜本的改革について、ここ数年来それこそ口を酸っぱくして言い続けてまいりました。社会党は、国民の住宅確保のための住宅保障法案を十年も前に提案しているのであります。(拍手)
 十年前のそのころウサギ小屋に住む働きバチと西欧に酷評された状態は、今日になっても解消するどころか、ますますひどくなる一方であります。ウサギ小屋はどんどん遠くなり、こんなに遠くから通勤するようでは、もうウサギではなくまるで伝書バトだ、そうだ、ハト小屋だなどと自嘲するようになっているのであります。こうして、土地を持つ者と持たない者との富の格差は広がり続け、公正な政治などだれも信用しなくなっているのが現実であります。ハト小屋となった国民の住宅事情にどんな手を打つのか、総理、具体的なお答えをお願いいたします。
 竹下総理の看板であるふるさと創生について、一言触れねばなりません。
 「住民の創意工夫を生かした町づくり、村づくり、地域づくり」は、言葉の上では結構なことと申せます。しかし、現実の施策では、政府は地方との約束をまたもや破って、補助金カットを一部は恒久化し、一部は再延長しております。これで補助金カットの影響額は,五年間で六兆円を超えることになります。これが果たしてふるさと創生と言えるのでありましょうか。
 恐らく竹下総理は、全国の自治体に一律一億円ずつ、計三千数百億円を配る新政策を誇られるのでありましょう。福祉の一時金と同じで、これもまた臨時のお金をばらまく、見せかけの人気取り政策であります。しかも、そのお金は、政府のお金ではなく、自治体の固有財源である交付税ではありませんか。地域の新しい振興策を本当に考えるのなら、補助金のカットをやめた上で、政府の一般会計から出すのが本当であるはずなのであります。(拍手)例えば、交付税の精算額が昨年度と今年度で二兆円以上あるのですから、それを原資として地域振興基金をつくり、自治体の行う町おこし、村おこしの事業に永続的にお金を出すようにしたらどうでしょう。
 私は、補助金カットをまずやめ、一回限りの臨時のばらまきにかわる永続的施策を改めて提案するよう、総理に求めたいと思います。総理のお考えをお聞かせください。
 主として国内にかかわる問題の終わりに取り上げたいのは、女性の問題であります。特に、女性の社会的進出に伴う制度的な保障について伺います。
 日本経済は好景気を持続し、労働力不足の傾向さえあるとされていますが、その労働力のかなりの部分が女性のパート労働によって補われているのが実態であります。しかも、パート労働者は雇用や身分保障すら安定せず、極めて低い労働条件のもとに置かれております。日本社会は、そうした労働力としてばかりでなく、よく知られているように、育児や老人、障害者の介護でも女性に依存する度合いが極めて大きいのでありますが、育児休暇や介護休暇制度は整備されているとは申せません。それなのに、年金財源などでは働く女性が大きな負担を強いられております。いわば女性を踏み台にして経済成長を続け、福祉の穴埋めまで女性にしわ寄せしているのが経済大国日本の実態なのでございます。私は、とりあえず育児休業法とパート等保護法の制定を今国会で行うべきだと考えます。総理の御所見を伺います。(拍手)
 なお、内政に関してもう一つ最後に申し上げねばならないのは、大学入試に関する共通一次試験のことでございます。政府は、受験生の迷惑を考えず、学歴主義、偏差値教育を助長しながら、試験制度を猫の目のようにくるくると変え、今年度は試験の後になってまで採点で場当たり的なことをして、多くの受験生を苦しめ、混乱を招いております。共通一次の制度は、受験生の方でボイコットなどの抵抗手段のない、その意味で若い人たちが一方的に弱者の立場に置かれている問題であります。このような失態を重ねたことについて、総理から受験生に納得のいく御答弁をいただきたいものでございます。(拍手)
 さて、次に、私は外交、防衛問題について竹下総理の御所見を伺うことにいたします。
 さきの日米首脳会談では、二十一世紀に向けての人類の平和と繁栄のための日米協力の新たな門出という表現で、バードンシェアリングすなわち責任分担を創造的に展開するとされました。しかしながら、総理は、この責任分担の中にアメリカは日本の軍事面での肩がわりは期待していないと言われました。
 総理、そうなんでしょうか。総理が訪米直前に閣議決定した八九年度予算案では、防衛関係費がまたも突出し、三兆九千百九十八億円と、三年連続GNPの一%枠を突破いたしました。一般歳出の伸び率は三・三%、しかも消費税関連支出を除けば二・四%程度の伸びなのに対して、防衛関係費は五・九%も伸びております。そして、こうした予算に対してアメリカが高い評価を与えていることは、総理が一番よく御存じのはずでございます。
 すなわち、アメリカの一九九〇会計年度国防報告においては、バードンシェアリングの中で最も重要なのは日本であるとして、マイナス予算の中で一九八三年度から実質五%増の防衛費を計上してきた、九〇年には日本の防衛費は他の主要同盟国と比較して世界でも最大規模の一つになると指摘しています。
 また、次の駐日米国大使となることが決まったアマコスト国務次官は、ニューズウイーク誌上で、日本の防衛費は今や約四百億ドルに達し、ヨーロッパのどの主要同盟国をも大幅に上回る額だと強調し、とりわけ在日米軍駐留軍事費にかかわるいわゆる思いやり予算について、どの同盟国より貢献度が高いと、最大限の評価をしているのであります。
 アメリカ国防総省が昨年四月に発表した「共同防衛への同盟国の貢献度」によれば、長期的に見ても、アメリカを除くNATO加盟諸国の過去十五年間の防衛費の増加率が三一・四%であるのに対して、日本のそれは実に一三八・七%もの急成長を遂げているのであります。
 総理、これらの記述はすべてアメリカが日本の軍事面での肩がわりをどんなに期待し、また、日本がどんなにそれにこたえているかを示しているものであります。これでもあなたは、日本は非軍事的な責任分担に徹していると言われるのでありましょうか。
 世界には、今、ブッシュ米大統領も言われるとおり新しい風が吹き、アメリカ、ソ連、中国などを初め、各国が緊張緩和に向かう大きな展開の中で軍事費の削減に動いております。このようなとき、ひとり日本だけが防衛費の増強を続けていることがどんなに異常なことなのか、アジアの近隣諸国がどんなに警戒感を深めているか、総理が御存じないはずはないと私は思います。それにもかかわらず、なぜこうした風に逆らい、軍備増強をお続けになるのでしょうか。世界の反核・軍縮・平和に貢献するために、日本も軍備を減らすこと、また、非核三原則を厳格に守るとともに、アジアに非核平和地帯をつくるといったお考えは全くお持ちでないのか、御見解を伺います。(拍手)
 なお、米国ブッシュ政権の国防長官に予定されているタワー氏は、さきの議会証言において、日本の憲法をおとしめ、防衛費の対GNP比の枠か無視するような証言をされておりますが、日本の総理である竹下さんは、これについて毅然とした態度でブッシュさんに抗議はなさったのでしょらか。念のためお尋ねしておきたいと思います。
 また、この際、農産物の自由化、とりわけ米の問題は日本農政の根幹であり、今後の日米関係において極めて重大な問題になると思われますが、どう対処なさるおつもりなのか、総理にあわせて明確なお答えを求めたいと思います。(拍手)
 ODA、政府開発援助を中心とする対外経済協力についても、多くの大切な問題があります。八九年度の日本の援助額は百億ドルを突破し、アメリカを抜いて世界最大の援助国になります。量的に見れば、これは結構なことと言わねばなりません。しかし、問題は中身であります。
 OECD開発援助委員会の指標を見ても、日本は下の方に位置しているのであります。対外経済協力の本来の目的である発展途上国の民生向上、経済の自立化への貢献度は低く、フィリピンのマルコス疑惑のように、独裁者や権力者の利権や基盤強化、人権抑圧、環境破壊あるいは日本企業の進出や輸出市場拡大のてことなり、被援助国の民衆からは日本の援助に対する返上論さえ出ている場合があるのが実情であります。
 ODAを通じて日本が世界に貢献するというのであれば、民衆と民衆とが心の通い合った信頼と協力の関係をつくり上げることを目指すべきであり、そのためには被援助国の生活習慣や経済水準に即して、農業などの技術移転、生活、福祉、健康衛生、教育などが援助の重点に置かれなけれげなりません。北欧諸国に見られるように、民間レベル、市民レベルの援助システムをつくることも重要であります。やはり、我が党が提唱しておりますように、対外経済協力基本法を制定し、援助の質を向上させることが必要ではないでしょうか。総理の御所見を伺います。
 ところで、総理、国際協力は経済の枠だけにとらわれてはならないことは改めて申すまでもありません。人権問題についても同様であります。我が国は、人種差別撤廃条約さえ批准していないありさまです。総理はどのように考えておられるか、お答え願いたいと存じます。
 「世界に貢献する日本」という場合、アジアに位置する立場を重く見るならば、大事なことは、近隣諸国との信頼関係を基本に、緊張緩和を定着させ、平和共存、平等互恵の関係を築き上げていくことでございます。
 中でも、朝鮮半島の情勢は、日本とアジアの平和の安定に真っすぐに結びつく最大の問題であります。朝鮮半島に二つの政府が存在することは厳然たる事実であります。ところが、歴代自民党政府の地図には朝鮮民主主義人民共和国は存在しないことになっているのです。
 朝鮮民族は一つでございます。総理、私たちは、三十六年にわたる植民地支配によって朝鮮民族に与えた惨禍と苦痛に対して、率直に陳謝し、その幸せを願うことは日本民族の道義だと考えますが、いかがでしょうか。
 今、朝鮮半島では南北対話の機運が高まり、年内にも南北首脳会談が開かれる可能性も生まれております。朝鮮民族の悲願である南北統一の実現に対する協力は、日本の義務でもございます。政府は、日中の国交正常化に至るまでの経済、文化、技術の交流などを思い起こし、朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視政策を改め、日朝関係改善のために具体的な行動を示すべきだと考えますが、いかがですか。総理の御英断を求めます。(拍手)
 さて、質問を終えるに当たりまして、私は、昨日行われました参議院議員福岡選挙区補欠選挙の結果につきまして、ぜひ竹下総理を初め閣僚、与党の皆さんに申し上げたいことがございます。
 既に御承知のとおり、我が党の候補者渕上貞雄さんは、従来の選挙に示された社会党の得票率、得票数だけでは当選は難しいと言われる中を、公示前の予想を覆して福岡県民の御支持をちょうだいし、当選させていただきました。福岡県民の皆さんの御判断に敬意を表します。(拍手)
 私は、この当選が決して社会党の力量だけによるものではないことを痛いほど承知いたしております。それは、社会党支持というより、竹下総理、リクルートゲートによって白日のもとにさらされた自民党長期政権下でもたらされた政治の汚濁、腐敗、それに消費税の世論を無視した強行に対して、「もう我慢ならんばい」という声を突きつけたものであると思うのであります。そして、それは決して福岡県民だけの特別な事情によるものだとは考えられません。全国の普通の人々の正直な気持ちそのものであります。そのことは、この選挙以前、既に各種の世論調査が竹下内閣支持率の急落と不支持率の過半数に及ぶさまを劇的に見せていたことからも明らかであります。(拍手)
 総理、事ここに至るであります。民心は既に竹下内閣を遠く去ったと申し上げざるを得ません。よく思いをいたされまして、総辞職か、さもなくば本院を解散し、民意に問われることを改めて強く要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
#6
○内閣総理大臣(竹下登君) まず最初の御発言は、政治不信に対する問題であります。
 事実、国民の皆さん方の間に政治に対する不信感が広がってきておる、これはまさに憂慮すべき事態である、このように考えます。だからこそ、行政府の責任者といたしましては、逃れることなく、国民こぞって強く求めております政治改革の具体的実現にみずからのすべてをかけることである、このように考えておるところであります。したがって、総辞職とか解散とかを考えることなく、粘り強く、忍耐強くこの責めに当たってまいる決意であります。(拍手)
 さて、政治倫理法あるいは政治資金規正法等にお触れになりながら、政治改革についてお尋ねがありました。
 第一は、政治改革のねらい、理念、具体的内容についてでございますが、言うまでもなく、これは、現在リクルート問題等を契機として、先ほども申し上げましたように国民の間に広がっております政治への不信感、そして政治への信頼を回復することがまず目標であります。
 政治倫理につきましては、第一義的には政治にかかわる者一人一人のモラルに帰着する問題である、このように考えます。政治家みずからが自己改革をして、政治倫理綱領を守って国会の自浄能力を高めるための環境づくりを急ぐこと、これが必要であります。このため、金のかからない政治活動を確立して、さらにその基礎をなす選挙そのもののあり方について改革をしていこう、こういう考え方で取り組んでまいる決意であります。
 さて、衆議院の定数是正にもお触れになりました。
 これは、それぞれいろいろな考え方があります。しかし、事柄の性格上、衆議院本会議の決議を踏まえて各党間で十分論議していただくことが何よりもまず先の問題であると思います。そこで、政府としても、その論議を踏まえて努力をし、総定数のあり方について、政治改革の重要な一つの柱であると各方面の議論がなされることを期待しておるところでございます。
 政治資金規正法の改正についてもお触れになりましたが、これも政治改革の中の重要な項目の一つであります。したがって、幅広い議論をお願いしたいところであります。
 企業献金、これは、企業というものも一つの社会的存在である以上、とれだけを他の団体献金と切り離して、よくないものだと断定することには私はくみしません。政治資金の授受に当たっては、政治家はその責任を自覚し、国民の批判を招くことのないよう努めることが大切でありますが、当面、制度改善に向けての見直し、これに自由民主党においては後藤田委員会が設置されたわけでありますが、鋭意検討作業を行っておるところであります。
 それから、選挙区制、選挙権の十八歳引き下げ、国民投票制、これにつきましては、選挙の最も基本的なルールづくりの問題でありますので、予断を持たないで、国会初め各方面における論議の動向を見守っていくべきものだというふうに考えます。
 年齢の問題は、民法上の成人年齢や刑事法その他法律体系全般との関連等をも考慮しながら、慎重に検討すべき課題であるというふうに考えておるところであります。
 国民投票は、現行憲法下で可能かどうか、これらを含めて検討すべき課題であるというふうに考えております。
 さて次は、私が挙げました消費税の懸念について、いろいろ今日全国で混乱が起きておる、これについてどう考えるか、こういうお尋ねでございました。
 確かに、この種の税になじみの薄い我が国の現状を踏まえますと、この不安とか懸念を払拭して、できるだけ早い機会に国民の皆様方の暮らしの中へこれが溶け込んでいかなきゃならぬ、その意味におきまして新税制実施円滑化推進本部を設置して、今、広報、指導、相談、これらを徹底的に進めておるさなかであります。便乗値上げの防止に配慮することはもとよりのことであります。私は、この消費税というものがやがて国民の暮らしの中に定着していくならば、必ず、大幅減税と相まって、税制改革をしてよかった、このようになることを確信をいたしておるところであります。(拍手)
 そこで、自然増収もあって消費税の実施を中止すべきだ、このような御意見もございました。
 今回の消費税の創設を含めます抜本改正は、我が国経済社会の活力を維持して、しかも豊かな長寿・福祉社会をつくる礎となる、このようにもお話し申し上げてきたわけであります。そこで、これが国会において議決をされ、そして、今回の補正に見られますように、いろいろ補正予算でこれらに対する手当てをいたしました。したがって、このことは、消費税がまず定着することが先決であって、中止するなどということは全く考えていないところであります。(拍手)
 なお、財政論の立場から申しますならば、自然増収があるならば、それは赤字国債の減額等に振り向けるべきであるというのがオーソドックスた考え方であろうと思います。
 次に、不公平税制にもお触れになりました。
 この点は、昨年十二月の税制改革においても、税制全般にわたって公平確保のためにいろいろな努力をいたしました。その上、昨年、与野党協議、この場においていろいろ御指摘のあった点、これについて野党の皆さん方の共同提案に対する与党の考え方も示されておるところであります。このいわゆる不公平感の是正という問題につきましてはたゆまざる検討というものが必要でありますだけに、今後とも与野党協議の場等を心から期待をいたしておるところであります。
 なお、土地基本法制定の問題にもお触れになりました。
 この問題については、引き続き検討をいたしてまいります。
 課税最低限の引き上げとか税率構造の一層の改善あるいは年金減税、家賃控除、これらにお触れになりました。これは、昨年成立いたしました税制改革関連法案において、納税者の負担感等に配慮して、最低税率の適用範囲の拡大等によって税率構造の累進を緩和いたしました。そして、人的控除の引き上げ等によりまして、所得税、住民税と合わせますと総額三兆三千億円に上る思い切った所得減税、これを行ったところであります。この結果、夫婦子二人の給与所得者の課税最低限は二百六十一万九千円から三百十九万八千円と、大幅に引き上げられたことは御承知のとおりであります。
 また、公的年金に対する課税につきましては、昭和六十二年九月の改正によりまして、公的年余等の控除の創設及び老年者控除の大幅な引き上げが実施されたわけであります。さらに、昨年の減税を含め、年金生活者の課税最低限は、六十五歳以上の夫婦世帯の場合は、二百四十一万八千円からこれまた三百一万八千円に大幅に引き上げられておりますなど、負担軽減が図られておるところであります。
 家賃控除にもお触れになりました。
 個別的事情を税制上にしんしゃくすることはおのずから限界のある問題である、税法上そこに問題が存在しております。
 さて次の、豊かさの実感のない国民生活について種々お触れになりました。
 我が国においては、戦後の経済発展の結果、所得を初め経済的豊かさについては他の先進国と比肩し得る水準に達しておることは御指摘のとおりであります。しかし、なぜ豊かさが実感としてないか。住宅あるいは社会資本の整備、また長い労働時間、高い食料品価格、そして余暇関連費用等に見られますように、所得水準の割には豊かさの実感が伴わない要因が存在しておる、私もそのように思います。政府としては、経済計画に示されておりますように、豊かさを実感できる多様な用民生活の実現に向けてこれらの課題に一つ一つ取り組んでいこう、こういう考え方であります。
 さて、消費税の導入と高齢化社会にお触れになりました。
 確かに、私どもある時期にいわゆる福祉目的税的な考えを持たなかったわけではございません。しかし、今回の税制改革の一環として、現行間懐税制度を抜本的に見直して消費に広く薄く負担を求める消費税を創設することとしましたのは、今の個別間接税制度が直面しております諸問題を根本的に解決しますとともに、税制全体としての負担の公平感を高める、これが目的とするところでございます。しかし、今後、やはりいわゆる五十四年暮れの決議にもありました国民福祉充実のためには安定した財源が必要である、その趣旨によって、消費税が大きく役割を果たすことを私は期待をいたしておるととろであります。
 したがって、社会保障そのものにつきましては、昭和六十一年六月に長寿社会対策大綱を閣議決定して、また、去年の十月に「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」、これを国会にお示しをいたしました。この指針に向かって逐次対応してまいる考え方であります。
 さて、厚生年金の支給開始年齢にお触れになりました。
 人口の高齢化の急速な進展の中で、昭和六十年の年金改革の際に設定されました給付水準を維持しながら、しかも後代の負担を適正なものとしていくためには、支給開始年齢の引き上げ、これは避けて通れない課題であります。ただ、引き上げに当たっては、できるだけ早目にスケジュールを国民の前に明らかにし、十分な準備期間を設けて段階的にその実施を図る、こういう考え方であります。もとより、繰り上げ年金等の措置をあわせて実施することは当然のことであると考えております。
 いわゆる一時金の支給等についての御批判をいただきました。
 昭和六十三年度の補正予算案で計上されております臨時福祉特別給付金は、今般の税制改革における消費税の導入に伴って、老齢福祉年金の受給者等真に手を差し伸べるべき方々への影響を緩和するという趣旨からいたしまして、いわゆる歳出の面で税制の中和を図るという言葉を使っておりましたが、そういう臨時特例の措置として一時金を支給するものでございます。
 今後の高齢化社会における年金、医療、福祉等につきましては、前国会で提出いたしましたいわゆる長寿・福祉社会、これの基本的考え方と目標、この施策を着実に進めてまいる所存であります。平成元年度予算案においても、在宅福祉の大幅な充実を図るなど、所要の措置を講じてまいっておるところであります。
 さて次は、地価高騰の問題、いわゆる富の問題についてお触れになりました。
 近年の東京圏を中心とする地価高騰に伴い、土地を所有しておる者と所有していない者との間の資産格差の問題、これは私どもも意見を等しくいたしております。こうした地価の高騰は、まさに国民の不公平感につながってまいります。このため、政府としては、総合土地対策要綱に沿って各般の土地対策を強力に推進していこう。そこで、貴党からも提案されておりましたが、今国会に土地基本法を提出する考えを持っておるところであります。
 それから次の問題は、住宅に対するお尋ねがございました。
 すべての国民が安定したゆとりある住生活を営むことができますように、良質な住宅ストック及び良好な住環境の形成を図る、これが基本目標であります。内需主導型経済成長の定着という要請にもこたえながら、総合的な住宅政策を推進してまいります。このため、第五期住宅建設五カ年計画に基づいて、公共賃貸住宅の的確な供給、そして住宅金融、税制上の措置、これらを通じて住宅建設の促進等に努めてまいります。
 次が、いわゆる補助金カットの問題、また、ふるさと創生に対する永続的施策というお尋ねでございました。
 補助負担率につきましては、改めて最近における財政状況、国と地方との機能分担、費用負担のあり方等を勘案して検討し、適切な見直しを行ったところでございます。地域づくりは、地域の自主性、主体性のもとに推進されることが基本と考えます。ふるさと創生のいわば起爆源となりますならば、みずから考え、みずから行う地域づくり事業、これは地方交付税措置として私は適切な措置である、このように考えておるところでございます。
 それから、育児休業法、パート等保護法の制定等についての御意見がありました。
 パートタイム労働者につきましては、雇用保険の適用拡大等のパートタイム労働対策を総合的に推進してまいります。また、女子労働者が職業生活と家庭生活との調和が図れるよう、環境条件を整備することは重要課題と認識をいたしております。育児休業制度につきまして、現段階での普及状況にかんがみ、福祉ビジョンに沿いましてその一層の普及促進に努めてまいる考えであります。
 次に、試験制度にお触れになりました。
 大学入学者選抜の改善は、着実な推進が肝要であります。国公立大学においては、受験機会の複数化に努力中と承っております。来年度から、国公私立大学を通じて大学入試センター試験の実施を予定いたしております。
 今年度の共通一次の理科の得点修正は、科目間で予想しない著しい差が生じたため、受験した科目により有利不利が生じないよう、受験生の立場に立って行ったところであるというふうに承知いたしておるところであります。修正方法につきましての受験生への事前の周知方等については、今後十分検討する課題であると考えております。
 次が、外交問題等にお触れになりました。
 まず、現下の国際社会の平和と安全が依然として力の均衡によって維持されているということは、これは冷厳な事実であります。我が国の防衛力整備につきましては、六十二年一月の閣議決定にありますとおり、現行憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えることのないような、軍事大国とならない、この基本理念に従って、今後とも節度ある防衛力を自主的に整備してまいります。
 非核三原則については、歴代内閣によって堅持されてきたものであります。これを守ってまいります。我が国の平和と安全が日米安保条約体制にあるという厳然たる事実はやはり認識すべきものである、このように考えておるところであります。(拍手)
 そうしてもう一つ、我が国は従来から、一般的に適切な条件が整っております地域におきまして、その地域の国々の提唱によって非核地帯が設置されますことは、核拡散防止の目的にも資し得るものという考え方を持っております。アジアに非核平和地帯をつくるという構想が現実的なものとなりますためには、当該地域のみならず、世界全体の平和と安全に悪影響が及ばないことなどの種々の条件が満たされる必要がある、このように考えておるところであります。
 アメリカの次期国防長官に指名されましたタワー氏の発言につきましては、訪米の際に首脳会談で取り上げることはいたしませんでした。外相会談において、外務大臣から、我が国の節度ある防衛力整備に向けて努力しておる、そしてタワー発言の好ましからざることを伝えておいたというふうに承知をいたしております。
 米の問題につきましては、これは我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみまして、国会における決議がございます。この趣旨を体し、今後とも国内産で自給するという基本的な方針で対処してまいる考えであります。
 米の貿易問題については、ウルグアイ・ラウンドにおいて、各国の農業問題、制度について議論を行う段階において討議することが適切である、このように絶えず申し上げておるところであります。
 次は、対外経済協力の問題にお触れになりました。
 我が国は、相互依存と人道的考慮に基づいて、おっしゃるとおり開発途上国の経済社会開発、民生の安定、福祉の向上に貢献することを目的として経済協力を実施してまいっております。この実施に当たりましては、国会に対しましても、相手国の立場も配慮しながら随時所要の報告、資料の提出を行いますとともに、情報の公開にも努めてきておりまして、援助に対し国民の一層の御理解を得るべく努力をしてまいっております。
 我が国経済協力の実施体制は、全体として順調に機能しておると考えております。経済協力の一層の効果的、効率的実施のためには現行の関係法令等の枠内でその運用改善を図っていく。いわゆる援助基本法の制定、そこまでは考えておりません。
 そうして、次に人権等についてお触れになりました。
 人権問題あるいは地球環境問題、これらに対して国際的地位にふさわしい貢献を行う責務を有しておる、このように考えておるところであります。したがって、国際連合のいわゆるUNEP等の活動を通じましたところの協力、これらのことに力をいたしてまいる考え方であります。さらに、人権、差別等の問題についても、これは我が国が、今日までの南ア政策等、一貫して今後ともとり続ける姿勢の中で明らかにしておるところであります。
 次は、いわゆる朝鮮民族への植民地支配に対する問題から、日朝関係改善についてお触れになりました。
 日本政府及び日本国民は、過去において我が国の行為が近隣諸国の国民に多大の苦痛と損害を与えたことを深く自覚いたしております。このようなことを二度と繰り返してはならないとの反省と決意の上に立って、平和国家としての道を今日歩んできたわけであります。このような我が国の平和国家としての姿勢は、朝鮮半島の南北について何ら変わることはございません。
 我が国は、北朝鮮を敵視するといった政策はとっておりません。国際政治の均衡に配慮しながら、日朝関係改善を進めていくことを希望をいたしております。何としても、第十八富士山丸問題の解決が必要であります。政府としては、可及的速やかに日朝政府間の接触が実現して、その話し合いの過程において本件の解決が図られることを切望しております。御協力のほどをお願いする次第であります。
 さて、次の問題は、最後の参議院補選についてのお尋ねでございます。
 確かに、私の所属しております自由民主党の候補者が敗れたということは事実であります。我々は、この結果をまず謙虚に受けとめなければなりません。国民の政治への信頼回復に向けて、それこそ政治改革の断行に真剣に取り組むことをお誓い申し上げて、そうしてこの再開された国会では、国民生活に直結する平成元年度予算等重要法案の審議に精力的に取り組むことにより政治の信頼を取り戻したい、これが私の決意であります。(拍手)
#7
○議長(原健三郎君) 渡辺美智雄君。
    〔渡辺美智雄君登壇〕
#8
○渡辺美智雄君 私は、自由民主党を代表して、竹下総理の施政方針演説に対し質問をいたします。
 質問に先立ち、崩御あらせられた昭和天皇の御遺徳をしのび、謹んで哀悼の意を表します。
 皇太子明仁親王殿下が皇位を継承になり、元号は平成と改められました。私は、新天皇陛下の御心を体し、新元号に示された精神のもと、国民の負託にこたえ、その責任を全うしていくことをお約束申し上げます。(拍手)
 竹下総理が初めて施政方針演説をされたちょうど一年前、私はこの壇上から竹下総理に質問をいたしました。低い支持率を上げるのはやさしいが、高い支持率を維持し、さらにこれを上げるというのは非常に難しいことです、総理は支持率を気にしない方がよい、長期政権を初めから考えない方がよい、長期になるかならないかは結果論でありますと申し上げました。大変失礼を申し上げました。しかし、大事なことは、何をやり遂げ、どんな実績を残したかということであります。
 マスコミの世論調査で、竹下内閣の支持率が下がつたと伝えられています。大改革をやったときは、一時的に支持率が下がることは過去にもしばしばあることであります一吉田政権の最低支持率は、昭和二十七年九月二〇%でありました。岸内閣で国会が大混乱の中に安保条約の批准をしたときは、昭和三十五年でありますが、その支持率は一二%でありました。佐藤内閣のときに黒い霧解散が行われましたが、そのときの支持率は二〇%ちょっとでありました。
 しからば、時がたった今、吉田内閣、岸内閣、佐藤内閣、これらの歴史的評価は一体どうでありましょうか。当時の新聞と見比べてみれば一目瞭然ではありませんか。安保条約が成立すれば戦争だ、戦争だと騒いだのは一体どの政党だったでしょうか。いまだに戦争は起きず、我が自由民主党政権が四十年の長きにわたって平和を一貫して維持し、今日の繁栄を築いてきたのであります。(拍手)
 竹下内閣は、歴代内閣がなかなかやろうとしてできなかった農産物の自由化をついに断行いたしました。我が党から社会、公明、民社、共産に至るまで、自由化には反対でありました。にもかかわらず、我が党内や業界をおさめて自由化を断行したのであります。したがって、関係の生産者にとっては御心配の方もたくさんございます。逆に消費者にとっては、自由化をしたからといって値下がりが顕著でなければ期待外れの不満もございましょう。まだ時間が足りないからであります。
 しかし、それには三年間、四年間という準備期間があり、生産者には価格支持の制度をつくり、生産性向上への助成措置によって消費者価格はこれは下げよう、こういうことで生産者にも消費者にもよいように、今国会にそのための予算と法律が提出されているのであります。(拍手)だが、それらの認識がまだ一般に浸透していないから、両方に不満があるのはやむを得ないのであります。仮に自由化をしなければ貿易摩擦はますます激化し、保護主義が強まり、自給自足的経済がはびこれは、資源の乏しい我が国で、自由貿易で栄えてきた我が国経済が最も悪化することは理の当然じゃないでしょうか。
 また、歴代内閣がやろうとしてできなかった税制の抜本改革を、竹下内閣は忍耐強く挙党一致のもとにやり通したのであります。大手術をすれば、完全に健康を回復するまでの間、多少の痛みは常につきものなのであります。名医も一時的には恨まれることもあるのであります。
 消費税の導入があったればこそサラリーマンの大減税が行われ、安定的財源として今後の老齢々社会への対応もしやすくなり、財政悪化にも一康の歯どめがかかり、国全体から見れば、必ずこれは歴史に残る偉業であります。今反対されておろ方が、あと五年、十年たって見てください。新聞を見てください。
 竹下内閣の六十三年度の当初経済見通しは実質成長が三・八%と見込んだものが、四・九%の実績見込みになりました。卸売物価は逆にマイナスの〇・八%となり、消費者物価はここ一年間〇・七%の微増にとどまりました。完全失業率は六十三年平均二・五%と、これはほぼ完全雇用状態であります。景気はさらに順調に上昇し続けております。また、六十三年度においては一兆四千億円の所得税減税の大幅前倒しも実現し、暮れには所得税の還付が行われてサラリーマンは喜んだではありませんか。
 非難は簡単です。実行は非常に難しい。景気がよくなって、よく聞いてください、景気がよくなって、物価が下がって、どこにでも就職ができて、月給が上がって、平和で、治安が世界で一番よくて、安心して眠れて、世界一長生きができるような世の中にした政治が何で悪いのですか。(拍手)いいに決まっているじゃありませんか。暮らしがよくなればよくなるほど、人間の欲望は無限であります。聞いてください。暮らしがよくなればよくなるほど人間の欲望は無限でありますから、そこに現実と認識のギャップがあるかもしれません。
 総理は、就任以来一年余の間のこの実績についてどうお考えになるか、その評価をお伺いをいたします。(拍手)
 さて、昨年は、米ソの対話を背景に、INF全廃条約の発効、アフガニスタンからのソ連軍の撤兵合意成立など、東西関係に新たな進展が見られました。また、中ソ関係正常化へ向けての動き、各地の地域紛争の政治的解決へ向けての具体約九動きなどが見られまして、最近の国際情勢は全般的には安定化の方向へ動きつつあると考えます。我が国としては、この望ましい動きが定着するとうに、積極的な外交を展開していくことが必要であると存じます。総理の国際情勢に対する認識及び今後の抱負についてお伺いをいたします。
 我が国の経済は、自由主義経済を基調として、今日まで奇跡的とも言える発展を遂げてきましたが、これに伴い、国際社会における我が国の地付は従来と比較にならないほど向上いたしております。その反面、我が国の国際経済に果たす責任と役割は増大をしてまいりました。
 かかる認識のもと、竹下総理は、「世界に貢献する日本」の実現を最大目標の一つに掲げて、昨年、その具体策として国際協力構想を国の内外に明らかにされました。との構想は、平和のための協力、ODAの拡充、国際文化交流の強化を提唱されたものであって、内外から高い評価を受けております。また、昨年の国連軍縮特別総会において総理が提唱されたことが契機となりまして、紘実験検証問題を含む軍縮問題に関する国連会議が本年四月我が国京都で開催をされることになりました。このことは、軍縮分野において我が国の世界への貢献としてまことに喜ばしい限りであります。
 さらに、我が国が世界に貢献する分野はまだまだあると思います。例えば、最近世界的に大きな注目を集めている環境問題があります。総理の強い意向によって、我が国で環境問題を討議するため地球環境保全に関する東京会議が計画されていることは、すばらしいことではありませんか。環境問題先進国として、日本の責任と立場をこの際内外に強く訴えるべきであります。
 また、世界の平和と発展途上国に対する我が国の政府開発援助は、厳しい財政事情にもかかわらず年々飛躍的にこれを伸ばし、平成元年度予算においては絶対額が百十億ドルとなり、ついにアメリカを追い越し、世界最大の援助国になります。世界的に高い評価を受けるものと存じます。
 今後とも政府開発援助は増加するものと存じますが、その一方、かつてのフィリピンであったような、いわゆるマルコス援助と言われるようなものになってはいけません。それには、いろいろと工夫を凝らしていく必要があります。我が国の国際的責務と使命について、総理の所見を伺いたいのであります。
 日米関係は我が国外交の基軸であります。竹下総理がいち早くブッシュ新大統領を訪問し、忌憚のない意見交換を行い、今後とも世界の平和と安全のために日米協力の土台を築いたことは、まことに時宜を得たものと言わなければなりません。
 しかし、日米間にはまた種々の問題があることも事実であります。貿易面では、我が国の米国からの輸入はこの一年間で大幅に増大いたしましたが、両国の貿易不均衡の額は依然として四百数十億ドルという高水準にあり、米議会を中心に保護主義が再び高まることが懸念をされております。特に昨年成立をいたしました包括貿易法は、スーパー三〇一条等保護主義的色彩が強く、その運用いかんによっては国民各層に思わぬ悪影響を及ぼすおそれなしといたしません。米国政府に対し、その運用ぶりについて注意喚起を行うことが重要であると考えます。また、個々の分野における貿易摩擦がいたずらに政治問題化し、日米関係の良好な基盤を損なうことがないように対応することが重要であります。
 安全保障面では、米国議会を中心に責任分担の議論が活発化しています。米国は世界最大の債務国に転落し、巨額の財政赤字を抱えながらも、なお西側の防衛のために引き続き膨大なコストを担っていることに対し、米国民の中には疑問を呈する向きが多くなってきております。
 日米安保条約が改定された昭和三十五年には、日米経済の規模はおおよそ十二対一でありました。今や経済規模はほぼ二対一となり、貿易も、当時日本は四徳五千万ドル対米赤字であったものが、逆に今や四百七十億ドルの黒字となっているのであります。そのような日米経済状況の中で、我が国としては世界最大の債権国として、防衛費負担が少なく、かつ経済援助も対GNP比では十分でないとの批判があります。これに謙虚に耳を傾ける必要があると存じます。非軍事面を中心に国力にふさわしい国際的貢献をさらに強化すべ弐であると思いますが、総理の所見を伺いたいのであります。
 最近の日ソ関係にはようやく動きが生じており、昨年十二月にはシェワルナゼ外相を迎え、二年七カ月ぶりに日ソ外相定期協議が開催をされ、続いて先月には、パリにおいて外相会談が開催されました。日ソ間の政治対話が一層拡大強化されていることは、強力な対ソ外交を進めていく上で極めて意義深いものと考えます。
 北方領土問題につきましては、昨年の外相定期協議において歴史的な観点を中心に詳細に議論が行われましたが、しかし、遺憾ながらソ連は基本的には従来の立場を繰り返したにすぎません。我が国といたしましては、筋の通った対ソ政策を堅持し、我が国の悲願である北方四島一括返還の実現に向けさらに力強い努力を続けていかなければならないと存じます。総理の対ソ外交に臨む決意のほどをお伺いいたします。
 ASEAN諸国が発展を遂げてきていることは、アジア・太平洋地域のみならず、世界全体の平和と安定にとって重要なものであります。我が国は、これら諸国の安定と発展のために今日まで可能な限り協力をしてまいりました。今後は、経済面での開発協力のみならず、学術文化交流、技術協力等、今より広範な関係に重点を置く必要があります。中国も含め、特に我が国への留学生をふやし、生活に利便を与え、これらの留学生が日本を理解し、日本に好感を持って帰国し、その国のリーダーとなり、我が国とそれらの国との橋渡しの役を果たしてくれるようにすることが重要であります。この点について総理の所見をお伺いいたします。
 さて、財政改革について、平成元年度予算案について見ますると、公債依存度は一一・八%まで下がり、税収比率も八四・四%まで改善をされました。これは、景気に支えられた好調な税収によるほかに、思い切った冗費の節減など懸命な財政改革の努力のたまものと言えます。この調子でいけば、政府の公約である平成二年度に赤字国債脱却は可能との見方も出てまいりました。結構なことです。しかしながら、過去の財政悪化の後遺症はいまだに残り、我が国財政の内実は決して楽観はできません。
 公債残高は、平成元年度末に実に百六十二兆円に達する見込みであります。このような公債残高の累増を背景に、平成元年度予算においても国債費、ほとんどが利払い、これは歳出全体の二〇%を占めており、政策的な経費である一般歳出を著しく圧迫いたしております。仮に平成二年度赤字国債脱却という目標が達成できたといたしましても、それはいわば財政再建の第一段階にすぎないと言わざるを得ません。まして、今後における高齢化社会の到来や国際社会への我が国の責務を考えれば、財政の対応力の回復は緊急な課題であります。
 総理は、今後赤字国債脱却後の財政再建目標についてどのようなお考えをお持ちか、お尋ねをいたします。
 平成元年度の予算編成は、予定の期間内に極めて粛々と進み、いずれをも満足させる結果となりました。
 一つは、挙党一致の体制の中、竹下総理の心を心として、例えば整備新幹線建設等の重要な問題は、政府案決定以前に関係者との円満な話し合いのもと、ほぼ了解点に達したからであります。
 もう一つは、六十三年度の税収の伸びに支えられまして、農産物自由化対策につきましても、ほぼ要求どおり一千億円余の補正予算を組みました。また、消費税円滑化対策のため、中小企業を中心にして五百七十億円に及ぶ巨額な補正予算を計上することができました。一日も早く審議をしてもらいたいのであります。
 また、恵まれない在宅寝たきり老人等に対し一人当たり五万円の臨時介護福祉金を支給することとし、そしてまた、老齢福祉年金受給者等に対しては臨時福祉特別給付金等、総額で七百十七億円の予算を計上したのであります。
 また、かねてから懸案の貿易保険特別会計の赤字補てんにつきましても、九百億円の大型補正で対応し、今後の発展途上国や累積債務国に対する貿易をしやすくするなど、まことに至れり尽くせりであります。
 これらのことが新年度予算編成を極めてスムーズにした原因であります。したがって、平成元年度の予算は、六十三年度の補正予算も含めた十五カ月で見ていただけば、いかにすばらしい予算であるかは御了解いただけると存じます。(拍手)
 東京都心部の商業地に端を発した今回の地価高騰は、国民の住宅取得を困難にしただけでなく、公共事業をやりづらくし、良好な都市環境づくりに大きな支障を及ぼし、さらに、持てる者と持たざる者との資産格差を拡大し、不公平感を増大させ、我が国経済の円滑な運営と社会の安定のための障害となっています。土地問題の解決は、豊かな国民生活を実現し、活力ある経済社会を維持する上で避けて通れない、緊急かつ重大な問題であります。
 最近の地価は、東京を中心に鎮静化傾向が見られますが、依然として高位安定であり、大阪圏、名古屋圏、さらには地方の主要都市等においてもむしろ地価の上昇が見られています。残念なことです。したがって、今後とも一層地価対策に力を入れていく必要があります。
 そのためには、土地の公共性を明確にしていく必要があります。土地は、生産及び生活を通じた諸活動の共通の基盤であり、国民のための限られた資源であります。ところが、我が国では、どら利用するかは土地所有者の自由に任されている面が現在余りにも強いのであります。土地対策の実効を上げていくためには、新行革審の答申でも指摘しておるとおり、土地の所有には利用の義務が伴うこと、土地の利用には公共の福祉が優先されるべきこと、また、利用は計画的であって、その地域社会にとって有効であること、開発利益の一部は社会に還元されるべきことなどの基本的理念を明確にして、国民共通の認識を求めていくことが肝要であります。これは簡単なようでありますが、総論賛成、各論反対になりかねないのでありますから、よく覚えていただきたいのであります。
 そのため、今国会に提出される土地基本法とその精神に立脚して、各省においてはどのような具体的立法を、土地基本法制定の暁ですよ、どのような具体的立法をしようとするのか、予想されろものを例示していただきたいのであります。い九に立派な基本法ができましても、その基本法の精神に基づいた現行の土地関係法規の見直しや大深度土地利用の新立法等ができなければ、これは給にかいたもちになりかねないのであります。
 また、成田空港第二期工事が千葉県土地収用委員の総辞職によってとんざいたしています。わずか八戸の地権者の同意が得られず、本格的工事が進まないということは、世界にその例を見ず、まことに恥ずかしい限りであります。総理はいかにしてこの打開を図るつもりか、また、現行の土地関係法規の見直しや新立法についていかなる考えをお持ちか、お伺いをいたします。
 最近、米国精米業者協会等が新通商法三〇一条に基づき提訴するなど、我が国の米の自由化を求める動きが見られるところであります。申すまでもなく、米は国民の主食として総カロリーの供給量の三〇%、我が国農業生産の三〇%を占め、作付農家は三百三十万戸にも及ぶ、最も基幹的な農作物であります。また、水田は国土保全の面でも欠くことのできない役割を果たしています。しかしながら、現在過剰な生産力を抱え、三割にも及ぶ大幅な生産調整が実施されるとともに、二年連続の米価引き下げで、関係農家は生産性向上へ向けて懸命に努力をしておるところでございます。
 関係農家としては、米の自由化問題の帰趨は今後の日本農業全体の存亡にかかわる問題として、かたずをのんで見守っているところであります。私は、このような状況に思いをいたせば、米の自由化は断じて行うべきではないと思うのでありますが、総理の所見を伺いたいと思います。(拍手)
 また、今後急速な国際化の進展の中で、効率性が高く、足腰の強い農業を確立していくためには、経営規模の拡大を初めとする構造政策を従来にも増して強化していく必要が不可欠であります。需要に見合った生産は経済の原則であります。消費者はバラエティーに富んだ高級品嗜好に変わりつつあります。それに着目をして、わずか十アールでも一、二ヘクタール以上の収入を上げているいろいろなものがあります。例えばイチゴづくりもそう、温室野菜もそう、花卉栽培もそう、などなどであります。需要に応じた生産を工夫すれば、我が国農業の将来は決して暗いものではないと私は思います。総理の所見を伺います。
 総理の提唱されるふるさと創生、どこに住んでもそこが我がふるさとと実感できるようにしたいという理想はよく理解をできます。今、人口、産業、文化の諸機能の東京一極集中が続いて、いろいろな弊害が出ております。今こそ地方をよみがえらせることが大きな政治課題であり、これこそがふるさと創生の使命でなければならないと思います。
 一市町村一億円の均等配分、つまり、みずから考えみずから実践する地域づくり事業、これは総理の信念である、地方が知恵を出し中央が助成するという方式の第一弾として、その成果を大いに期待します。
 第四次全国総合開発計画は、多極分散型の国土をつくるという目標を掲げておりますが、これはふるさと創生の理念そのものと言ってよいでしょう。多極分散型の国土づくりをして、ふるさと創生を実現するには、行政権限の地方移譲とともに、道路、交通、殊に情報通信施設等の社会資本の整備を思い切って先行させる必要があると存じます。
 いずれにいたしましても、総理の提唱されるふるさと創生は、中途半端な姿勢では実現できるものではないと考えます。総理の考えるふるさと創生にかける情熱のほどを、改めてお聞かせいただきたいと存じます。(拍手)
 我が国は、これから驚異的なスピードで高齢化が進み、ヨーロッパ諸国を抜いて世界一の長寿国になります。大変喜ばしいことであります。しかし、一方では、当然医療費はふえ、年金受給者は増加し、介護が必要なお年寄りがふえるということも事実でありましょう。このため、我々は今日まで、老人保健の創設、医療保険の改革、年金制度の改革など、このための努力を積み重ねてきました。さらに勇気を奮って、国民のコンセンサスづくりをしながら、この努力を一層着実に進めていかなければならないと考えます。
 そうした中で、本年は年金制度について五年に一度の財政再計算期に当たり、制度改正が行われるべき年に当たります。今年度の制度改正においても、二十一世紀を見通した制度の安定的基礎づくりを目指す必要があるということは言うまでもありません。
 特に、厚生年金の支給開始年齢の引き上げの問題は、後代の人々が給与の三十数%もの負担となって勤労意欲が阻害されては困る、そうならないために、つまり掛金率を二〇%前半にとどめ、社会の活力を維持していきながら、必要な年金額はちゃんと国民に保障していこうというものが今度の考え方であります。中には、二年か三年先に六十五歳支給などという間違った人もおります。そうではありません。このため、厚生年金の支給開始年齢を平成十年度、今から十年先、十年度に一歳引き上げ一わからない人があるから困る。その後三年ごとに一歳ずつ引き上げて、平成二十二年度に六十五歳から支給という、今から具体的スケジュールを国民の前に示して明らかにして、その間に高齢者の雇用、高齢者雇用問題、これを解決する、社会参加の環境づくりを促進するということであります。だから、二十年間、その間にもっと早目に我々はそれを図っていく、一挙にはできないということであります。
 また、公的年金の給付と負担の公平化を図るため、公的年金制度の一元化に向けて条件整備を図っていくこともぜひとも重要だと存じます。
 なお、厚生年金などは、本人の負担の倍以上の額が雇っている人、雇用者、それから国によって負担がされます。いかなる貯蓄よりもこれは有利であるということを国民がよく理解していただくことが大事だと私は思います。
 医療についても、良質な医療を確保するとともに、各種医療保険制度間における給付と負担の公平を目指す必要があります。
 高齢化社会に対応し、勤労の中に豊かな老後が約束される日本型福祉社会の実現を目指し、社会保障制度をどのように構築していかれるのか、総理の所信をお伺いしたいと存じます。
 リクルート社がリクルートコスモス社の未公開株式を縁故者を中心にばらまいたことに端を発し、大変世の中の批判を受けております。もちろん、リクルート問題は徹底的にその真相を究明をしなければなりません。そして、法律違反は法律によって厳正な処置をとられなければなりません。当たり前のことであります。
 一方、この問題を契機として、なぜ政治にそんなに金がかかるんだという疑問が持たれています。我々はこの疑問に対し真剣に、かつ誠意を持って対処していかなければなりません。
 議員は、有権者に対し国会報告を行うことは、選挙中を除いては、集会によろうと文書によろうとそのこと自体を制限することはできません。文書でもいいのです。集会をやってもいい。自由であります。選挙区が大きければ大きいほど、また有権者が多ければ多いほど政治活動の費用は大きくなる、当たり前のことであります。もし個人の政治活動費を少なくしようとするならば、選挙区を小さく分割し、専ら政党間の政策で競うところの一人区制にすることが最も効果的ではないかと存じます。同一選挙区から二名以上の候補者を立てることになれば、政党間の政策の争いよりも個人の争いとなり、政策PRのほかに個人の売り込みに費用がかかる、これも現実の姿であります。人間は義理人情、感情の動物でもありますから、一度よりも二度、二度より三度スキンシップした方が情がこもるのが常であります。これを最小限度に断ち切るのは何よりも有権者の理解が必要でありますが、選挙制度としては、政党間の争いとし、政党の公認しない者の立候補は認めない制度にするほかありません。(発言する者あり)超えておりません。
 そのためには、政党法もつくり、政党の法人格を認めることが必要であります。今の、政党に対する法的な裏づけがない、預金もできない、金も借りられない、家の登記もできない、これが政党の実態でありますから、政党は政党らしくしっかりした法人格を認めてやることがまず必要であります。
 そして、アメリカ並みに国会議員の定数を思い切って削減し、選挙区の大小に応じて秘書の費用は国費で十人、二十人分を支給する、通信費についても年間何十万通でもアメリカ並みに無料で発送することができるようにする、これも一案でありましょう。そのかわり、企業や組合からの政治家個人への献金はこれを禁止をし、一定の制限のもとに政治家個人への献金は個人に限るという、これまたアメリカの制度と同じような考え方があっても、検討されてもよろしいのではないかと思います。
 しかし、これとても欠点がないわけではありません。これをやれば現職だけが非常に有利となって、新人がなかなか出られないという欠点もあります。
 いずれにせよ、選挙制度、政治資金は一体として扱うべきものでありましょう。総理の所見を伺いたいのであります。
 今、我々は国民から政治の改革を強く求められています。政治が国民の信頼を失えば、豊かな自由社会も滅亡します。我々は国民の信頼を取り戻し、自由主義の社会体制を一層強固なものにしていかなければなりません。我々は、社会主義体制の政治を我が国に持ち込むために政治の改革をやるのではありません。(拍手)
 しかし、国民の政治に対する信頼を取り戻す政治改革は、何よりもまず、総理が言っているように政治家個人個人がみずからを厳しく律し、国民の心を心とした謙虚な自己批判から始める必要があります。
 政治に携わる者は、たとえ財産や所得があったとしても、中の上以上の生活はしないことがよいと私は思っています。さきに述べたように、今の日本の制度ではある程度の政治資金がかかるのはやむを得ないという面はありますが、政治資金を得るに当たっては分相応であるべきだし、また、その収支が明瞭透明で、決して公私の混同があってはなりません。公金を扱うがごとき気持ちがなければならないと思っています。総理はいかにお考えなのか、お尋ねをいたします。
 最後に、竹下総理は何代もの内閣がかかってやるような偉業を、業績をなし遂げたのでありますが、しかし、遺憾ながら、国民の隅々まで十分理解されていないのが現実であります。これは時間との戦いであります。国民の理解を得、ああやっぱりやってよかったと国民から評価を得るまでには、今まで以上の努力が必要なのであります。
 福岡県の参議院補欠選挙の審判は、これを厳粛に受けとめなければなりません。実績を残した首長がたびたび落選し、そうでない首長が当選することもたびたびあります。税制改革や自由化というような避けて通れない先見性のある業績を上げても、現時点でそれが有権者に認識されなければ選挙には勝てないのであります。リクルート問題は、これに追い打ちをかけたのであります。我々は、この現実を冷静に受けとめなければなりません。
 民主主義の選挙は、限られた時間内に有権者の認識を投票によって決めるのであります。認識論は常に時間と空間の違いによって変動します。政治は、広い意味でのサイエンス、つまり科学でなくてはならず、さらに、その中には認識論も含めた科学であります。それとともに、政治の根本は信頼でもあります。信頼がなければどんなよい政策も地につきません。我々は、リクルート問題は法に従って速やかに黒白をつけ、政治の信頼回復に努めなければなりません。その上で、我々は常に客観的に、あるべき国の政策を掲げ、忍耐強く、有権者の理解を求める最大限の努力をしなければなりません。客観的合理性のないものは長続きはいたしません。かといって、合理性はいつも認められるとは限りません。正しくよいものは、時間がたてば必ずわかるのであります。(拍手)
 竹下総理、幸い、総理は誠実さにあふれた人柄です。真実を語ることに勇気を持って、わかりやすく、プロではなくアマにわかりやすく、大いにつじ立ちを続行してください。国民から今強く求められている土地改革、政治改革、選挙制度の改革、これに竹下内閣の全身全霊を傾倒してください。我々は一致結束、竹下内閣を支持してまいります。
 この改革のため、竹下総理が運命をかけて取り組まれることを希望し、その決意をお伺いいたします。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(竹下登君) まず、激励を含めた御質疑に対して心から感謝を申し上げます。(拍手)
 最初に、過去一年間の実績評価についてお触れになりました。
 一昨年十一月内閣総理大臣に就任しまして以来、その責任の重大さを痛感いたしまして、一日
 一日を大切に大切にしながら歩んでまいりました。外に対しましては積極的な首脳外交を展開し、内にありましては税制改革の推進に全力を傾注してまいりました。幸い、関係皆様方の御理解と御支援によって、外交姿勢の問題も各国首脳の協力を得、そしてまた、内政について長年の懸案でありました税制改革が実現を見た、ひたすら関係者の皆様方の御協力、御尽力のたまものであると深くお礼を申し上げるところであります。
 これから、この一年間の実績をより確実なものにすべく、外交にありましては国際情勢の推移の中で積極外交を推進しますと同時に、新しい税制の円滑な実施、これに対して当面全力を傾注してまいる所存であります。
 国際情勢の認識と抱負についてのお尋ねがございました。
 御説にもありました、米ソ間の対話の定着、あるいは欧州の通常兵力交渉の開始、東西関係の進展、世界各地の地域紛争の解決、これらに向かって具体的な話し合いの活発化が行われ、中ソ関係正常化の進展、あるいは朝鮮半島におきましても南北間の対話が行われておる、韓国とソ連を初め東側諸国、中国とのまた交流。しかし、東西関係の基本的構造が根本的に変化したとは言えません。世界各地には依然として不安定要因が存在しております。したがって、国際情勢の将来を楽観視しか考え方で臨むわけにはまいりません。
 こうした国際情勢にかんがみまして、我が国といたしましては、東西関係を含みます国際情勢の動向を的確に把握して、その一層の安定化のためなし得る限りの責務を果たしたい、このように考えておるところであります。
 さて、その責務の問題でありますが、国際社会の平和と繁栄は、日本のまた生存と発展の基礎であります。我が国は、今や国際秩序の主要な担い手の一人として、我が国の豊かさを世界の平和と繁栄のため率先して生かしていくという国際的役割というものが伴ってきております。
 御指摘のとおり、具体的には平和と軍縮の推進、そうして例示にありました地球環境の保全、これに対する東京会議、また、軍縮問題における京都会議、そして世界経済の健全な発展への貢献など、さらには、御指摘にこれまたありましたような開発途上国の安定、発展への協力、これに対して真にそれが有意義に喜ばれるものにしていかなければならぬ。「世界に貢献する日本」という考え方のもとにこれが実現に努力をしてまいります。
 次に、対ソ外交に臨む考え方についてのお尋ねでございました。
 ソ連との関係では、北方領土問題を解決して平和条約を締結することによりまして、真の相互理解に基づく安定的な関係を確立する、これがまず不動の方針であります。ゴルバチョフ書記長の新しい思考、これに基づきます政策展開が対日関係に反映されることを期待しながら、昨年十二日の外相会談での合意がなされました最高首脳レベルを含む対話の拡大強化を通じて、さらに粘り強い外交を展開していかなければならないと考えております。
 留学生問題等お触れになりました。
 御意見のとおりでございます。それこそ日本でせっかく勉学をされた方々が、好感を持って帰って、本当に両国の橋渡し役をしていただかなければならないと思います。したがって、今日までも、経済協力のみならず学術文化交流、人的交流等のさまざまな形でASEAN諸国に対する協力を推進してきております。今後とも、まさに御指摘の趣旨を踏まえて、より一層の努力を払ってまいります。
 留学生問題は、近年その数はまさに急増しております。それがまさに中国を含むアジア地区からの留学生の方がほとんどであります。これらの留学生の方の受け入れ態勢、そうしてまた国費留学生の数の計画的拡充でありますとか奨励費の問題、そうして私費留学生の問題、また産業界等で協力いただいております社員寮の提供の促進の問題等、総合的に推進してまいる考え方であります。
 次は、財政問題にお触れになりました。
 確かに、平成元年度予算におきます特例公債の減額によりまして、平成二年度特例公債依存体質からの脱却という努力目標の達成に向け着実に前進することになった、このことは結構なことだ、こうおっしゃった、そのとおりでございます。しかし、御指摘のように、巨額の公債残高を抱えておるという状態、そうして、税収動向というのけ必ずしも将来にわたって透明なものではございません。だから、まず特例公債脱却という目標に向けて最大限の努力を払う、これは明年に向かっても喫緊の課題として取り組まなければならないことであります。
 そうして、平成二年度に脱却が達成されたといたしましても、これまた御指摘のとおり、財政の対応力の回復を図っていくというのは引き続き重要な課題です。二〇%の公債、国債費を計上するような今日でございます。そうして一方、財政支出の繰り延べあるいは国債費の定率繰り入れの停止、こうした臨時特例措置がなお継続されておるわけでございますから、特例公債の依存体質から脱却したとしても、それでもって財政が健全に復したとは言えない、まさに第一歩ということであります。したがって、将来、いわゆるまだ残されておりますツケ回してございますとか、いろいろ批判を受けました定率繰り入れの停止の問題でございますとか、そういうことも含め、どういう形でいわゆる公債残高を減らして本格的な健全財政になるかという点については、国会の議論等を注視しながら十分お互い勉強を図っていかなければならぬ課題だと思っております。
 さて次に、補正予算にもお触れになりました。
 この補正予算、平成元年度予算を含めまして、たびたびにわたります政策実務者の方々の会談、そして各党の党首の皆さん方との政策会談、こういうことを積み上げて、政府・与党一体の責任においてこれを編成してまいりました。いち早くこの予算を国民の手元にお届けしなければなりません。これが今国会の大きな責務であると私は感じております。
 そこで、土地問題につきましてお触れになりましたが、豊かな国民生活を実現して、活力ある経済社会を維持するため早急に解決すべき問題であります。現下の最重要課題の一つであると思います。政府はこれからも、総合土地対策要綱等についてこれまでもやってまいりましたが、確かに今、公共優先の原則とかあるいは開発利益の還元に至るまでお触れになりました。共通の国民意識を確立して、各般の施策を総合的に実施することが必要であると思います。したがって、先般国土庁長官に報告いただいた土地基本法に関する懇談会、この議論等を参考として、今国会に土地基本法を提出したいと考えます。
 しかし、総論賛成、各論反対という御表現がありました。今国会に内閣から提出を予定しております、これを実効あらしめる関連法案というのは、この土地基本法に基づいて国土利用計画法の一部改正案あるいは大都市地域における宅地開発また鉄道整備の一体的促進に関する法律案、それから道路と建築物とを一体的に整備いたします制度を創設するための道路法等の一部を改正する法律案、なお、御指摘にありました大深度地下の利用に関する制度を創設するための立法措置、これらを政府部内の関係省庁において検討を進めておるところでございます。したがって、この他に、やはり現行の法制の中で、執行面の改善において当たるべきものがあることはもとよりのことでございます。
 成田空港の用地問題でありますが、成田空港は利用が限界に達しておりまして、完全空港化が極めて重要かつ緊急の課題であります。一方、敷地内の一部の農家等につきましては、用地買収の同意が得られないまま、また過激派による違法なテロ・ゲリラ事案が頻発しておりまして、政府としては早急に事態の打開を図ることが必要であります。このため、テロなど違法行為に対しては厳正に対処いたしますとともに、用地問題について、話し合い解決を基本に、地元の協力を得ながら解決に全力を尽くして当たる、このような考え方であります。
 米の市場開放につきましては、まさに米及び稲作の格別の重要性にかんがみて、国会における決議、この趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいる所存であります。
 米の貿易問題は、ウルグアイ・ラウンドにおいて、各国の農業問題、制度について議論を行う段階において討議することが適切である、このように考えております。
 農業の将来展望について、例を挙げていろいろお話がありました。
 我が国農業は、土地末用型農業部門における経営規模拡大の停滞、一部農産物の需給の不均衡など、厳しい情勢にあるものと認識をしております。しかしながら、バイオテクノロジーなどの技術革新もありまして、創意と工夫を生かした農業の高品質化、高付加価値化は十分可能である、おっしゃるとおり、いろいろな実例がございます。今後とも、例えばナシ、ミカンのように輸出への取り組みをも見られる今日でございますので、国民の納得し得る価格で食糧の安定供給を基本としまして、さらに構造政策等各般の施策を推進してまいりたい、このように考えておるところであります。
 ふるさと創生は、日本人一人一人がみずから住む地域をふるさとと感じることができますような充実した生活と活動の基盤をつくって、真の豊かさを目指していこうという考え方であります。これまでの発想を転換いたしまして、御指摘のように、地域が自主性と責任を持っておのおのの知恵と情熱を生かして、小さな村も大きな町もこぞって地域づくりをみずから考えて、みずから実践していくことが中心であります。その自立の精神によって、誇りと活力に満ちた、しかも文化の薫り、伝統の薫り豊かなふるさとを築くことができる、このように考えておるところであります。
 政府は、全国各地で見られますこうした自主的、主体的な動きに対して積極的な支援を行っていくべきである、このように考えております。具体的に、広域圏を対象とした基金構想あるいは産業振興等のふるさと財団、また、単独事業等において環境を整備するという具体的な施策が考えられておるところであります。
 さて、日本型福祉社会につきまして、掛金率等も踏まえて御質疑がございました。
 長寿社会の到来を間近に控えて、高齢者が社会を支える重要な一員としてその豊かな経験や知恵を生かすよう、社会保障を初め、経済、社会のシステム全体をこれからの時代にふさわしいものにしていく必要があります。したがって、各人が生涯を通じてその能力や創造性を発揮できるような条件整備を図りながら、公的年金を中心とした老後所得の確保に取り組んで、明るく活力に満ちた日本型福祉社会の建設に最大限の努力を払わなければならないと考えます。
 とりわけ国民の生活を支えます公的年金、これは今国会において給付の改善を行いますとともに、厚生年金について、世代間の給付と負担の均衡を確保するため、平成十年度から支給開始年齢を段階的に引き上げて、さらに制度の一元化に向けて被用者年金制度間の負担調整を実施するということをお願いするという考え方、今御質疑の中で御例示にあったとおりの考え方で、長期的視野に立ってこれを進めてまいりたい、このように考えております。
 また、在宅サービスの拡充とか医療保険について制度間の給付と負担の公平化に向けて、改革に取り組んでまいるのはもとよりのことであります。
 選挙制度、政治資金等にお触れになりました。
 政治の信頼を回復する上で大切なことは、やはり金のかからない政治の確立であります。基本的に考えを等しくいたしております。このため、率先しての自粛自戒、そしてみずからの姿勢を正すことが求められておることはもとよりでございますが、政治倫理を守るための環境づくりを急いでいくことが、一方、必要であります。それが政治資金法あるいは公職選挙法等、また制度の見直しにもつながっていく、このように考えておるところでございます。
 選挙区の問題というところになりますと、基本的なルールづくりの問題でありますので、国会を初め各方面における論議の動向を踏まえながら対処していくべきもの。いずれにしても、政治改革においてこうした問題が大きくクローズアップしてまいりますことは、将来のためをも含め、私は適切な時期ではなかろうかと思うのであります。
 さて、政治改革への取り組みでございますが、何としても政治に対する信頼、これを取り戻さなければならぬ。これはいろいろな批判を受けると思います。しかし、政治倫理綱領という、お互いがつくった立派な倫理綱領がございます。それが守れる環境の整備も必要であります。私は、この問題についてあるいは有識者会議を設けて勉強を開始したばかりでありますが、各党各会派の協力を得ながらこれが少なくとも端緒を開かなければならぬ、このように考えておるところであります。
 さて、土地改革、政治改革、選挙制度、これはまさにおっしゃいますとおり、今取り組まなければならない大きな課題でありますので、それぞれ申し述べました考え方に従って、各党会派の意見を承りながらこれが解決に向かって進みたいと思います。
 参議院福岡補選の敗北、これにつきましては、私も渡辺政調会長と意見を等しくいたしております。謙虚にこれは受けとめなければなりません。そして、こうしたときにこそ、さらに勇を鼓して国民の皆さん方の理解と協力を求めるための忍耐強い努力を続けていくことこそ当面課せられた使命であると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○副議長(多賀谷真稔君) 矢野絢也君。
    〔矢野絢也君登壇〕
#11
○矢野絢也君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、政府演説並びに当面する重要課題に論点を絞って質問をいたします。
 まず、質問に先立ちまして、崩御されました昭和天皇に対し、日本国及び日本国民統合の象徴として心を砕かれた御精励と、その数々の御事績に心からの敬意を表し、ここに改めて哀悼の意を表する次第でございます。(拍手)
 あわせて、大喪の礼並びに恩赦について伺いたいと存じますが、国の行事としての大喪の礼は、国民が哀悼の意をささげる儀式として重要なものであると認識をいたしております。とともに、国の行事としての大喪の礼は、政教分離を規定する憲法から見まして、宗教的色彩を払拭しなければならないと考えます。しかし、皇室の私的行事としての葬場殿の儀、すなわち斂葬の儀が同日同所で行われ、二つの儀式が一連の流れの中で行われますが、政教分離の原則に基づいて峻別されているのかどうかという疑問が提起されております。憲法の精神に基づいて厳粛かつ厳正になされるべきでありますが、御見解をしかと承りたいのであります。
 さらに、大喪の礼とあわせて行う政令恩赦の基準が決められました。それに伴って公職選挙違反関係者を復権の対象にしておることは、国民の政治不信を一層強めるのみであり、極めて遺憾であります。改めて総理並びに法務大臣の見解を求めます。
 さて、質問の第一は、リクルート疑惑の解明と再発防止、政治改革であります。
 総理、昭和から平成にと時代は新しい流れとなりましたが、我が国の政治は重大な局面を迎えております。リクルート疑惑の深まりと広がりに対しまして、先日の総理施政方針演説において、憂慮される事態であるとまるで他人事のような言い方をされておりますが、疑惑解明への決意表明が一言もありませんでした。まことに失望のきわみであり、今後このような姿勢で国会論議に臨まれるとするならば、内閣の姿勢を厳しく糾弾せざるを得ません。
 昨年の十一月十五日、本院にリクルート問題調査特別委員会が設置されました折に、当時の法務大臣が国政調査権に協力いたしますと明言されております。すなわち、当時の政治折衝、公明党の要求で、必ずある段階で国政調査権に協力をし法務省として事件の内容を報告しますと政府が約束をされた経緯があるわけでございます。
 リクルート疑惑の発覚から既に半年を経過しておることから、捜査当局での疑惑解明もかなり進んでいると思われます。また、本日検察首脳会議が開催されたと伝えられておりますが、まず最初に伺いたいことは、捜査の方針、決意と現状における捜査の状況について、総理並びに法務大臣より御報告を願いたいのであります。特に、ロッキード事件のごとく、外国企業などから日本政界への資金の逆流、キックバックの疑いがあるのかないのかを伺っておきたいと思います。
 いずれにしても、疑惑の解明に当たりましては、政府・自民党がもしも後ろ向きか、仮にもふたをされるような姿勢が強まるのであれば、我が党は今後重大な決意、すなわち、内閣の総辞職あるいは衆議院解散を要求することになるだろうことを申し添えておきたいと存じます。所信を明らかにしていただきたいのであります。(拍手)
 総理の言われる政治改革の中身は、まだ意味不明のままに終わっております。本当に、総理、政治改革をなさるのであれば、まず政治資金の収入と支出の動きをガラス張りにすることであります。
 そこで参考になるのがアメリカの政府倫理法であります。すなわち、アメリカの上院下院両院の議員など立法府、そして行政、司法に共通する資産公開制度を定め、前年中の資産状況に関する報告書を提出する義務を課したものでありますが、敬服に値するのはその徹底ぶりであります。百ドル以上の所得については、その金の出所、類型と金額を克明に記載して毎年報告し、それが公衆の閲覧に供される制度であります。百ドルといえば、現在の為替レートからすれば一万三千円弱でありますが、総理、日本の政治資金規正法では、百万円を超えた政治献金に限り出所を明らかにするというものであります。
 アメリカの政府倫理法からすれば、我が国の政治資金規正法はざる法に等しいと言わざるを得ません。政治資金規正法を真っ正面から見直すよう、強く御提案を申し上げます。(拍手)
 公営選挙を拡大し、その反面で罰則、連座制の強化などを含めてそういった改革を急がねばならないのであります。これに対する御所見を、抽象論ではなく具体論でお伺いをしたいのであります。
 次に、最重要の課題である定数是正についてお伺いをいたします。
 自民党の改革案は、総定数を一つ減らす、格差は三倍以内、六人区は二つに分ける、二人区には手をつけないと伝えられておるわけでありますが、もしそうであるならば、三年前の国会決議、「昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって、速やかにその抜本改正の検討を行う」、この国会決議を無視したものと言わざるを得ません。総理は抜本改正の意味をどうとらえ、今後どう対処されようとしておるのか、明らかにしていただきたいのであります。二人区などの解消、一票等価の原則から格差は二倍以内とする改正に着手することを強く要求するものであります。
 このような抜本改正実現のために、公選法にこれらの基本原則を定めた上で、公正な第三者機関を設置して定数配分の具体案等について諮問すべきであると考えますが、率直かつ具体的な御答弁を求めます。
 総理は、衆議院の総定数を将来四百七十一名に減少する旨を発言されておるようでありますが、国民が求めているのは、遠い将来のあいまいなお約束よりもこの国会での改革であります。公明党は、定数の大幅減も当然受けて立つ心構えでありますが、総理の決意を伺いたいのであります。(拍手)
 また、参議院選挙区の定数不均衡も最近の有権者比で格差六倍をはるかに超えており、衆議院と同様の是正が緊急の課題でありますが、あわせて御答弁を願いたいのであります。
 さて、質問の次のテーマは税制改革の問題でありますが、まず結論から申し上げますと、消費税の実施を最低限一年間凍結することを要求いたしたいと存じます。
 理由の第一は、やはりこの税制改革というものは、十分な時間をかけ、緻密な論議が必要であることは、これはもう当然のことであります。しかし、さきの国会で国民合意の税制改革が行われたとは、残念ながら到底言えないわけであります。我が党は、このような税制改革に当たりましては、責任のある対案を示し、正々堂々の議論と討論を行うべきである、このような立場で臨みましたが、国民合意の税制改革が十分な議論を経て行われたとは、残念ながら言えません。また、弱者への税負担増の緩和が十分ではありません。便乗値上げは断固として防止しなければなりませんが、その効果ある手だてが何ら見当たらないのであります。
 理由の第二は、消費税四月一日導入、これを前にいたしまして、実務面におけるさまざまな問題、いろいろな心配、不安、どうやっていいのかしら、こういった問題が噴出しておるわけであります。実施までの期間が余りにも短く、コンピュータープログラムの修正が間に合わないとの声も聞かれるわけでありまして、企業は転嫁できるかに悩み、消費者は便乗値上げに防御策なきことに怒りを感じておるわけであります。特に、簡易課税の適用基準について混乱があるのではありませんか。転嫁カルテルの期限切れの対応が余りにも不明朗だと言われておりますが、これらの点をどう考えておられるのか、明確な御答弁をお願い申し上げます。
 政府も、弾力的運営に係る措置で、計算事務に対しては特段の配慮を行うとしておられますが、その基準は全く不明確であります。この席で明確にお答えをいただきたい。
 少なくとも一年間の凍結を図ることが最良の方策であり、重ねて実施凍結を求めます。御所見を伺いたい。(拍手)
 前国会の論議の中で、私ども公明党は、サラリーマンの重税感を和らげるためには減税は必要である、同時に、高齢化社会を迎えるに当たって、受益と負担のあり方や年金、医療、雇用制度を初めとした諸制度の見直しを強く要求をいたしました。税制につきましても、長期的展望に立った、国民的合意に基づいた税制が確立されるべきであるとの姿勢を堅持いたしました。そこで、政府案への対案として我が党の税制改革基本法を提示し、まず不公平税制を徹底的に是正し、その財源によって減税を行うべきであるとの主張をいたしてまいったわけであります。
 私どもの粘り強い主張によって、プライバシー保護を前提に納税者番号制度を早期に導入する、あるいは総合課税を実現するということが、この改革方針が法律の附則で明確になったことは大きな成果であると自負をいたしておりますが、残念ながら肝心かなめの不公平税制の是正はまだまだ不十分で、引き続き徹底する必要があります。(拍手)総理、平成元年度の税制改正案を拝見しましたが、その姿勢が全く見られないのはまことに残念なことであります。
 懸案の土地税制につきましても、小手先の改革であると言わざるを得ません。日本の企業の会計制度は、土地資産は、帳簿上ではそれを購入したときの価格で記載されます。ですから、実際の価格である時価と帳簿上の価格である簿価との格差は、実に平均で二十五倍と言われ、この時価と簿価との差がいわゆる含み益になっております。
 私どもはしばしばこの問題を取り上げました。政府は、未実現利益、まだ売ったわけではないから利益は実現しておらない、未実現利益への課税は難しいと逃げる一方でございましたが、しかし、この含み益を担保に多額の融資がなされ、また、そのお金が土地投機に回っている分もあります。その反面で、大企業は四社に一社の割合で法人税を納めていない現状を考え、我が党としてはこの問題解決のために土地増価税を提唱をいたしました。含み益は社会に還元されるべきであります。しかと伺いたい。
 その他、貸倒引当金など租税特別措置の見直しなど企業税制、さらには医師優遇税制、公益法人課税の見直し、政治資金への課税、特にパーティー課税についても前向きに取り組むべきであります。リクルート疑惑で焦点となってまいりました株式などキャピタルゲイン課税は、さきの改革では不十分であります。あわせて、株式の公開制度、株価形成についても、不透明な現行制度について改革を加えなければなりません。
 特に、我々がかねてから主張してきました不明朗な株式買い占めや会社の乗っ取りを規制するなど、株式市場の健全化を図るため、その会社の五%以上の株式を取得した場合届け出を義務づける五%ルールの導入、また、買い占めた株を担保としてさらに買い占め資金が調達されていることに何らかの規制が必要ではないかと存じます。
 これらについて、総理並びに大蔵大臣の御意見を伺いたい。
 世界有数の経済大国でありますけれども、住宅水準では依然として欧米諸国に比べ著しく立ちおくれています。ところが、現実には、政府の平成元年度予算案では何ら目新しい住宅土地政策が見当たりません。
 昨年末経済企画庁が発表した国民経済計算確報によりますと、日本の土地資産の時価総額は、用土面積が日本の二十五倍もあるアメリカの四・一倍、すなわち、単価にしますと、日本の地価はアメリカの約百倍という計算になります。
 土地問題を解決するためには、まず我が党がかねてより主張しておりました土地基本法を早期制定することが必要であります。政府も、この通常国会に法案の提出を予定しておられるようで嘉りますが、しかし肝心かなめなのは、開発利益はその一部を社会に還元し社会的公平を確保するという最重要ポイントが後退しそうだと言われておるわけでありまして、この点について総理のお考えを承りたい。
 また、総理が昨年大変御熱心であった首都機能の分散も、失礼ながらしり切れトンボに終わっている印象があります。改めて総理の土地対策及び住宅対策、首都機能の分散についての御決意を伺いたい。
 ここで、経済運営の問題について申し上げます。
 政府は、平成元年度の経済見通しで実質四%成長としておられます。この四%成長を基準として予算編成が行われているわけですが、ここ二年間の成長率予測は余りにも控え目に過ぎました。昭和六十二年度の税収は見積もりよりも七兆円多く、昭和六十三年度のそれは五兆円を超えると言われております。この税収増を景気好転と喜んでばかりはおられません。
 成長率、税収の過小評価による弊害は、一つには、低い成長率に見合う社会資本整備の計画がなされることから社会資本の不足が生じる、二つには、実力よりも低い成長率の値は、公共投資や甲間設備投資、在庫投資を抑えるなど内需を抑制することから、輸入がふえず、逆に輸出ドライブによって国際収支の悪化、経済摩擦の再現となつ丁しまいます。したがって、経済運営、予算編成に当たっては、実力に比べて低過ぎる経済成長日揮を改めるべきだと存じます。御所見を承りたい。
 さらに、関連して、賃上げについて一点伺っておきたいと存じますが、経済企画庁発行の「月報」には、ことしの春闘について五・五から六・〇%の賃上げが可能であり、それによるインフレの縣念はなしとする論文を掲載され、話題を呼んでおります。私どもも同感であります。私は、今、内需、とりわけ国民消費を堅調に推移させるためにも、六%以上の賃上げは当然であると考えるものであります。この点に関し、総理の御所見、御感想を伺いたいのであります。
 さて、急速に迫る高齢化社会に備えることは、我が国の最大かつ最優先の課題であります。
 一般予算全体が六・六%も伸びておる中で、社会保障予算十兆八千四百七十八億円は、全体的に抑え込まれまして、一般予算は六・六なのに、前年度比社会保障は四・五%と、自然増分しかふえていないのは極めて残念なことであります。これは許されません。本気で二十一世紀の高齢化社会に備える姿勢があるのか否か、疑わしい限りであります。
 私どもは、この一月に、高齢化社会へのビジョンと政策を「二十一世紀トータルプラン」として世間に問いました。本日は、そのプランを踏まえた提案を交えて質問をいたします。
 まず、住宅・交通などの環境整備、年金・医療制度の改善、身障者や高齢者の就業機会の保障と拡大、福祉・保健・医療サービスの確立などを規定する福祉基本法の制定を図ることを御提案したいと存じます。いかがでございましょうか。
 さて、政府の計算によりましても、今後急速にふえるとされておる税と社会保険料負担の合計としての国民負担率、八六年は三六・三%でありましたけれども、この国民負担率の上限及び適正規模をいかように考えておられるのか。社会保障給付費をどの程度とされるのか。同時に、今回導入された消費税と社会保障費との関係をどう位置づけておられるのかもあわせて御説明を願いたいのであります。
 政府が、昨年、我が党の求めに応じて特別養護老人ホーム等の具体的整備目標を明確にしたことを評価しますが、児童や障害者あるいは二十一世紀に求められる新しいタイプの福祉等を含めた社会保障全体の整備目標を策定すべきであります。国民と関係者の御参加を得ながら、施設及びマンパワーの目標数、費用と財源の確保、さらにその運営方法などを検討し、具体的な実施計画を策定すべきであります。御見解を承りたい。
 次に、年金改革です。
 年金は、医療と並ぶ社会保障の重大な柱です。老後の所得保障として、安心して頼れる年金制度の確立を国民は切望しております。しかしながら、政府が提出しようとしている年金改革案は、全体としては年金への信頼を失わせる内容と言わざるを得ません。特に、厚生年金支給開始六十五歳への引き上げは、六十歳定年制すらまだ定着しておらず、雇用環境整備への確たる見通しがないままでは、国民の年金への不信が強まるばかりであります。我が党は、このような六十五歳への引き上げは断固反対であります。
 我が党の努力によりまして、勤労者の退職金、勤続三十年の場合千五百万円まで非課税、五百万円の引き上げができました。これは大きな前進ではありましたけれども、やはり雇用の問題で、六十歳定年制の定着はもちろんのこと、最近では六十代前半の雇用確保が大きな課題である。先進諸国の大半は六十五歳定年制を導入しており、我が国も定年延長法を制定し、六十五歳定年制の実現へ向けて努力すべきであります。その過渡的な措置として、企業の継続・再雇用制度の普及を強力に図るべきであります。
 また、専業主婦や内職収入の減税を大幅に増額できましたことは、これまた評価できることでありますが、やはりパート労働者の身分、権利を保障するパート労働法、婦人労働者の育児と仕事の両立を保障する育児休業法の早期制定を求め云す。総理並びに労働大臣の御決意を伺いたい。
 また、医療保険制度は、年金制度同様にさまざまな課題と問題点があります。特に、老人保健、国民健康保険の改革は重大な課題として今日まで残されております。昨年の国民医療費は十九兆円の規模に達し、二〇〇〇年には四十三兆円に達すると言われておりますが、近く行われる予定の医療保険制度の抜本改革は全国民の大きな関心事でありますが、政府はどのような考えと方針で臨まれるのか、しかと御説明を伺います。
 さて、総理、老人介護の問題は幾多の悲劇を生むなど、今や重大な社会問題となり、一刻の猶予も許されません。昨年の臨時国会におきまして、我が党との合意によりまして、寝たきり老人を扶養されておる御家族の扶養控除の引き上げ、在宅介護のための百億の基金の創設が実現しました。これは結構なことでありますけれども、やはりもっと介護の問題が重視されねばなりません。
 当初の政府案で十二年間計画であった寝たきり老人対策を三年に短縮させ、ホームヘルパーを五万人規模に倍増させた、シラートステイを現在の二千五百ベッドから四倍増の一万ベッドに、デイサービスを六百三十カ所から四倍増の二千五百カ所にすること、我が党との合意によってこのような緊急整備を図ることができたことは大きな前進であると評価いたしますけれども、しかし、二〇〇〇年には寝たきり老人と痴呆性老人合わせて約二百十万人、二〇一〇年には三百万人になるという本格的な高齢化社会において、この程度の介護施設とホームヘルパーでは、将来、対応不可能であります。増強の必要性があります。そこで、三年後以降の第二次整備計画を早急に策定すべきであります。総理より具体的展望と方策をお示しいただきたい。(拍手)
 施設に入所できない在宅介護者に対しては、さまざまな側面からの支援が必要です。例えば税制のさらなる優遇措置、年金や医療保険などの公的制度に組み込んだ恒久的な介護手当、介護サービスの実施、家族介護者のための介護休暇制度、在宅介護を可能とするケア住宅の整備促進等々、きめ細かな措置を早急に整備することが不可欠であると考えます。御所見を承りたい。
 総理は、日米両国が新しい時代を迎えたと認識され、バードンシェアリング、いわゆる責任分担論に応じて「世界に貢献する日本」とする外交目的を掲げておられます。我が国が国際社会で経済士に見合った貢献をしていくことは当然のことであります。しかし、いわゆる軍事的な面でのバードンシェアリングは、憲法精神からも許されることではありません。所信を承りたいと思います。
 マルコス疑惑であれほど厳しい批判が出てまいりました。その後も、我が国の経済協力のずさんな実態や疑惑が相次いで明らかになってきております。総理並びに労働大臣、こうした実態や取りざたされておるODA疑惑についてどのような調査をなされたのか、伺いたいのであります。
 先進諸国においては、援助の効率の悪さ、不正を防止するために援助基本法が整備され、これに基づいて実施されておる。しかし、我が国においては、経済協力についての理念、目的、政府の責務、評価体制、国会への報告義務などはいずれも明確にされておらず、実施体制もばらばらであり、予算を示すだけで具体的な中身も説明されておらず、決算でチェックする仕組みにもなっておりません。ODAは国民の税金であります。我が党は、こうした経済協力の実態にかんがみ、国際開発協力基本法案を国会に提出いたしておりますが、御見解を承りたい。
 米ソによるINF全廃条約が発効した昨年は、文字どおり全世界に平和軍縮の機運を高めた一年でありました。しかし、日本の現実は、逆に軍拡方向に拍車がかかっておるのではないでしょうか。GNP比一%枠撤廃による防衛費の増額傾向を初め、シーレーン、洋上防空への行動範囲の拡大、自衛隊の重装備化など、時代の流れに逆行する軍事力増強路線は、専守防衛の枠組みを逸脱するばかりか、我が国が国際的に貢献すべき使命を忘れ、平和憲法の精神を空洞化させるものであります。総理、この軍縮下の軍拡という予算措置について御見解を伺いたい。
 我が国は、世界経済GNP一・五割の国であります。日本のGNPは巨大であります。その巨大なGNPの一%を超える防衛費は極めて巨額にたるわけであります。我が党は、平成元年度防衛予算もGNP比一%枠は堅持すべきであると主張いたしますが、御所見を伺いたい。
 重ねて、思いやり予算についてでありますが、我が党は、憲法や地位協定のもと、また雇用問題とも考え合わせ、一定の原則のもとに柔軟に対応すべきであるとの認識を持っております。
 また、三宅島の夜間訓練基地につきましても、住民は大変な反対でございまして、これは恐らく無理でありましょう。私たちは、三宅島のNLP基地建設の代替案として、浮体工法、浮きドック方式による案を提案いたしております。硫黄島の暫定使用ということを政府はお考えのようでありますが、これは抜本的な解決になりません。我が党は、日米安保条約を是認する立場から、また神奈川県における住民の不安を解消する立場から、また三宅島の住民の方々の反対を考える立場から、浮体工法による代替案の実現を強く御要望を申し上げる次第でございます。
 さて、政府は、中期防衛力整備計画に続く第二期中期防の検討作業を具体的に着手し始めたということでありますが、その基本方針そのものが不明瞭であります。一%枠を突破するような新中期防は我が党は断じて容認できません。国防の基本計画の策定はすべて国会にかけ、シビリアンコントロールを徹底すべきであると思います。総理に対しまして、新中期防の基本方針など具体的な答弁を求めます。
 総理は過日訪米し、アメリカのブッシュ新大統領と会談されました。ブッシュ大統領は基本的にレーガン前政権を引き継ぐことを明らかにしておられるわけでありますが、具体的な内外政策は必ずしも明らかではありません。タワー国防長官の上院での証言、ヒルズ通商代表の新通商法のスーパー三〇一条活用発言など、日本として到底受け入れられない態度が示されているのでありますが、総理はブッシュ新政権の内外政策をどう判断されておるのか、また、これに対する政府の対応を承りたいのであります。
 恒久的で安定したデタントヘの道は、まだまだこれからであります。私は、我が国が果たすべき国際的責任の最も大きなものは、軍縮など国際緊張の緩和と平和への貢献であると思います。総理、今日の国際情勢をどう認識しておられるのか。また、中ソ首脳会談の開催、米ソ間の戦略兵器の半減合意と首脳会談の見通し、ソ連のペレストロイカに対する評価、ゴルバチョフ書記長の訪日問題、朝鮮半島情勢についての御見解をお示しいただきたい。
 今、米ソ間のデタントの流れあるいは中ソの和解の流れ等々、我が国にとりましてかつてなく日ソ関係の改善の環境が徐々にできつつあると私は認識をいたしております。さりとて、日米関係を壊すとかあるいは日中関係を壊すなどというようなやり方での日ソ関係は、これは慎重であらねばならないと私たちは思いますが、この日ソ関係の改善のための総理の意欲を伺いたい
 懸案の北方領土問題について、どう解決しようとされておるのか、また、この問題でソ連側はどのような立場を主張しておるのか、何らかの変化が今やあるのかどうか、御説明を願いたいのであります。
 最後に、私は、以上当面する重要政策課題について総理の所見をただしてまいりましたが、ぜひ具体的かつ誠心誠意の御答弁をお願い申し上げます。結びとして、総理に申し上げておきたい。
 第二次竹下内閣発足後、主要閣僚の相次ぐ辞任劇が続きました。前代未聞の出来事であります。任命権者としての総理の責任をどう考えておられるのか、どうとられるのか。万が一にももしリクルート問題が新たな閣僚に及ぶような事態となった場合には、竹下内閣は総辞職をしてけじめをおつけになるのかどうか。けじめをつけることをこの際確約すべきであります。総理の御決意のほどを伺って、私の質問を終わります。(拍手)
     〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
#12
○内閣総理大臣(竹下登君) まず最初のお尋ねは、大喪の礼と憲法の政教分離原則についてのお尋ねでございます。
 国の儀式として、憲法の趣旨に沿って、皇室の伝統等を尊重して行われ、葬場殿の儀は、皇室の行事として、原則として皇室の伝統的方式に従い、旧制を参酌して行われますので、両儀は法的には明確に区分されるものであります。そして、両儀が相前後して行われますからといって、政教分離の原則を定めた憲法の精神に反するものではない、このように思考いたしておるところであります。
 次の問題が、政令恩赦と公職選挙違反関係者の復権についてであります。
 今回の恩赦は、御在位六十二年の長きにわたって世界の平和と国民の幸福をひたすら祈念された昭和天皇の崩御に際会して行うものであります。政府としては、恩赦制度の趣旨や恩赦の先例等を慎重に検討した上で、復権令につきましては、特定の罪名に処せられた者に限定するとかこれを除外するというようなことなく幅広く行うことが相当である、このように考えたからでございます。
 次が、リクルート問題についてでございます。
 この問題に関する刑事責任につきましては検察当局において鋭意努力されておるものである、厳正公正な立場で適切に対処されるものであると確信をいたしております。いわゆるキックバックの疑い等の問題につきましては、私は知る立場に今日ございません。
    〔副議長退席、議長着席〕
 さて、アメリカの政府倫理法をもとに、いろいろな御質問がございました。
 政治資金規正法は、政治資金の収支の公開等によりまして政治活動の公明と公正を確保することとしながら、関係者のプライバシーにも配慮する必要があるところから、一定金額を超える寄附について公表する、このようになっております。現在、自由民主党におかれて、当面急を要する事項について政治資金制度の見直しを鋭意行われておるところと承知しております。政府としても、政治改革の重要課題の一つとしてこの制度改善に取り組んでいこう、こういう考え方であります。したがって、今後国会においても十分な御議論を賜りたい、このように考えておるところでございます。
 次が、定数是正問題にお触れになりました。
 これは事柄の性格上、その手続をどのようにすべきかを含めて、各党間で十分論議していただく、これが重要でございます。自由民主党におかれて、定数是正問題に関する本会議決議の趣旨を踏まえて、可能なものはできるだけ早く実現するよう鋭意検討が進められてきておる、このように考えております。
 総定数のあり方そのものにつきましては、大きな一つのポイントであります。これは、国会や各党初め各方面において広く論議されるべきものである。政府としても、これに対して目下真剣な検討をいたして勉強を始めたところでございます。
 それから、参議院議員の定数是正問題も重要な課題であるということは承知しておりますが、半数改選制あるいは各選挙区の地域代表的性格をどう考えるか。言ってみれば、地域それ以前の制度そのものの基本にかかわる問題もございますので、これこそ国会を初め各方面の論議を踏まえなければならない課題だと思っております。
 次に、消費税についていろいろな御意見がございました。
 確かに、いろいろな懸念について、あるいは国会の場を通じ、あるいは国会が終わりましてからも、今説明会等、一生懸命これが解消のために努力をしておるさなかでございます。やはりこのたびの抜本的改革は、我が国経済社会の活力を維持しながら豊かな長寿・福祉社会をつくる、この礎になるという確信のもとにいろいろな議論を経て創設していただいたわけでございますから、これを凍結するという考えだけはございません。
 次に、弱者の税負担等についてお尋ねがあり生じた。
 今回の改革においては、所得税、住民税の課税最低限を大幅に引き上げるなど、思い切った減税をいたしました。また、消費税の税率は三%と極めて低い水準といたしました。したがって、既存間接税の調整も行われますから、家計に対する負担増は低いものであると思います。
 また、今も御指摘がありましたように、昭和六十三年度補正予算におきまして臨時福祉給付金でございますとかそうした措置を行うことによって、いわば真に手を差し伸べるべき方々に対する対策も講じてまいりました。さらに、平成元年度予算において、老人や障害者に対する在宅福祉施策の大幅な拡充等、こうした必要な施策も重点的に配慮させていただきました。
 そうして、消費税は消費一般に広く薄く負担を求めるもので、消費者がその最終的な負担者となることが予定されております間接税であることからいたしまして、円滑かつ適正な転嫁が行われることが必要であるということは申すまでもありません。
 やはり、何としても性格や仕組みについて、消費者、事業者、この理解を求める広範かつきめ細かなPR、あるいは指導、お手伝い体制、こういうことを図らなければならないということは申すまでもないことでございます。したがってまた、そういう転嫁力を強化するための需要開拓等に係る予算措置も含めて所要の措置を講じてまいります。
 便乗値上げ、これに対しましても、例えば物価モニターの人員倍増というようなことも図ることによりまして調査・監視体制を強化する。各省それぞれ連絡をとりながら努力してまいりたいと考えておる次第であります。
 それから、消費税におきましては、帳簿方式の採用、非課税範囲の限定等によりまして仕組みは簡単になっております。導入当初の配慮として、弾力的運営に係ります諸措置を講じております。例えば、九月三十日までの間は現在の経理・コンピューターシステムのままでこれに対応できるように配慮いたしました。また、弾力的運用については、それこそ税制改革法の規定、議員修正でございました。この趣旨を踏まえまして、法令等において具体的な措置を明らかにするなど、適切に対処しているところでございます。
 また、簡易課税制度につきましても、種々御指摘があることは十分承知しております。したがって、中小零細事業者の事務負担に配慮するとの観点からしますならばこの制度の必要性は御理解いただけるという考え方で、極力PRいたしておるところであります。なお、簡易課税制度の適用要件等につきましては、法令において明らかにされておるところであります。
 それから、転嫁カルテルは、消費税の円滑かつ適正な転嫁のために、平成三年三月三十一日までの間に限って認められた臨時暫定的なものであります。したがいまして、今回の措置が臨時暫定的なものであることについて十分周知を図りますとともに、期間経過後に共同行為が行われることのないよう、公正取引委員会において独占禁止法の厳正な運用を行っていくものと考えておるところであります。
 いずれにせよ、消費税の導入に当たりましては、国民の不安や懸念をなくしまして、国民の皆さんの御理解と御協力を得るべく最大限の努力を行ってその円滑な実施を図る必要があります。新税制実施円滑化推進本部を設置して、本当に総合的な体制をとって万全を期したいと考えておるころであります。
 それから、かねて御持論でございます土地増価税についての御意見がございました。
 これは、いつも同じようなお答えをするようでございますが、未実現のキャピタルゲインに対する課税ということであることは事実でございます。保有税としては、現行の固定資産税や特別土地保有税等との関係を整理する必要もありますので、現時点で、やります、こう申し上げる考えはございません。いずれにしましても、土地に対する適切な課税につきましては、今政府部内で進められております土地基本法制定に関する作業を踏まえまして、土地対策全般との関係の中で対応していきたいと思います。
 不公平税制の是正でございます。
 この問題も、昨年十二月の税制改革におきましてさまざまな措置を講じてまいりました。抜本的な税制改革の円滑な実施に配慮しながら、早急に実施すべき措置を講じますとともに、租税特別措置の整理合理化、これらを行うこととしております。いわゆる不公平税制是正の共同提案、これは与党からも考え方が示されておるところでございますが、この趣旨を踏まえて今後適切に対応してまいりたいと考えております。
 さらに、証券市場の五%ルール導入の問題にお触れになりました。
 有価証券の公正取引確保の課題につきましては、これまで、内部者取引規制の導入、株式公開制度のあり方の見直しなど、最大限の努力を払ってきておりますが、今後とも、いわゆる五%ルールの問題を含めまして、これは証券取引審議会の審議を踏まえて、証券市場の健全な発達という観点から検討を進めてまいりたいと思います。
 それから、株買い占め資金の融資規制のお話がございました。
 銀行の持ちます公共性にかんがみまして、経営の健全性に問題を生じたり、社会的指弾を受けろようなことがあってはならない、そういう観点から指導をしてまいりたいと思います。
 次が、土地基本法にお触れになりました。
 これを推進するために、土地の公共性を明確化して、土地についての共通の国民意識を確立するということが大切でございます。したがって、貴党からも提案されておりました土地基本法等を参考にいたしまして、今国会に基本法を提出したい、このように考えております。だから、御指摘のありました「開発利益はその一部を社会に還元し、社会的公平を確保すべきこと。」このようにこの要綱においても書かれておるところでございます。こういう基本認識を踏まえて、法案の内容について検討を進めておるという現状でございます。
 住宅問題は、国民生活の基盤でありまして、家族団らんの場である、こういう認識に立って、すべての国民が安定したゆとりある住生活を営むことができますよう、良質な住宅ストック、そうして良好な住環境の形成、これを図ることが基本だ、総合的な住宅政策を推進してまいる所存であります。このため、第五期住宅建設五カ年計画に基づきまして、これらのいわゆる公共賃貸住宅の的確な供給、さらには金融、それから税制上の措置、これらを活用してまいりたいというふうに考えます。
 首都機能の分散がしり切れトンボじゃないか、こういうお話でございました。
 まず、この問題は、国土の均衡ある発展を図るために都市・産業機能の地方分散を積極的に進めようという基本的な考え方のその一環として、国の行政機関等の移転を推進しておりまして、今般、移転先地の第一次取りまとめ、言ってみれば、本施策は民間部門の地方分散の先駆け、こういうような位置づけをいたしておりますので、今後ともこれが推進に全力を傾けてまいりたいと思う次第であります。これについては、いろいろな御議論もございますので、幅広い観点から検討を続けてまいりたいと考えます。
 それから、成長率予測について御批判がございました。
 経済見通しは、そのときどきの内外経済の諸指標に基づいて、実態に即して作成しておるものでございます。平成元年度の政府経済見通しにつきましても、適切なものだ、こういうふうに考えております。インフレなき持続的経済成長と対外不均衡の一層の是正を図るために、引き続き適切かつ機動的な経済運営に努めてまいります。
 低過ぎるんじゃないか、こういう御説。かつては高過ぎるんじゃないかという御批判を受けたこともございますが、この低過ぎる成長率予測というものから、税収見積もりというものもそういう状態になっているんじゃないか、こういうお考えもあるようでございます。
 毎年度の税収見積もりは、見積もりの時点におきます課税実績、政府経済見通し、それらを基礎に個別税目ごとに積み上げを行って適正に見積もったものでございます。各年度の「経済見通しと経済運営の基本的態度」、これにおいて表明しております経済運営のもとで想定されます各年度の経済の姿を示すものでありまして、やはり税収見積もりもそれを活用するというのは適当な措置だと思っておるところでございます。推計方法については、これは絶えず工夫を凝らしながら対応すべきものだ、こういう考え方でございます。
 六%以上の賃上げについての考え方のお尋ねがありましたが、経済成長の成果が賃上げなどに適切に配分されるということは重要なことと考えておりますが、これは、企業における個々具体的な賃金に関しましてはまさに労使双方が自主的に交渉して決定することが原則でありまして、その水準等についてとやかく見解を申し上げることは差し控えるべきだ、従来からそのように考えております。
 それから次は、いわゆる先般の国会で御提示になりました「二十一世紀トータルプラン」を下敷きにして、福祉問題等について具体的な御提案を含めた御質疑がございました。
 今後の長寿社会対策を総合的かつ効果的に推進するための指針といたしましては、政府としては、いつも申すようですが、六十一年六月の「長寿社会対策大綱」、それから昨年の十月に「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」、これをお示ししました。したがって、これらの目標を可能な限り具体化して明らかにしたところでございます。したがって、これらに沿って今後医療、年金、雇用、それぞれの施策について具体的に推し進めていきたい。福祉基本法の制定というところまでは手が届いておりません。
 それから、国民負担率と社会保障給付費の水準、あるいは消費税と社会保障給付費との関係についてお尋ねがございました。
 国民負担率につきましては、今後人口の高齢化の進展等に伴いまして、長期的にはある程度上昇する、これは考えられます。臨調答申の趣旨を踏まえて、その上昇を極力抑えていくということに最大限の努力をいたしてまいります。その社会保障の給付水準につきましては、先般提出いたしました「基本的考え方と目標について」でお示ししましたように、国民の生活を保障する適正な水準とすべきものだというふうに考えております。
 それから次は、整備目標についても御指摘がありました。
 さきの国会で提出しました福祉ビジョンは、二十一世紀初頭に向けての年金、医療保障の水準、福祉サービス目標等、施策の目標と方向を現時点で可能な限り具体的にお示ししたものでございます。各施策のさらなる具体的な進め方、これはやはり国民のコンセンサスを得ながら実現すべきものでありまして、現時点で個々の施策について改めて示すということには多々難しい問題があるということを率直に申し上げなければならないと思います。したがって、今の場合、「基本的考え方と目標」に沿ってのいわゆる着実な実現に向かって努力するということであろうかと思います。
 それから、厚年の支給開始年齢についての御指摘がありました。
 この高齢化の急速な進展の中で年金の給付水準を維持しつつ後代の負担を適正なものにしていくためには、支給開始年齢の引き上げ、これは避けて通れない課題だというふうに考えます。ただ、引き上げに当たっては、できるだけ早目にスケジュールを国民の皆様方の前に示しておかなければならない、十分な準備期間を設けておかなければならぬ、それに向かって段階的にその実施を図っていく。そして一方、当然のこと、繰り上げ年金等の措置もあわせて実施するという基本的な考えはもとよりのことでございます。
 それと関連する雇用問題等からいたしまして、六十五歳定年の実現についてもお触れになりました。
 本格的な高齢化社会の到来を迎え、六十五歳程度までの雇用就業の場を確保していくということは、これは重要な課題でございます。定年年齢を六十歳を超えて引き上げるということにつきましては、高年齢者の多様な就業ニーズや企業の継続雇用の状況等、これらを考慮しながら、中長期的課題として検討を進めていくべきものだと考えておるところでございます。
 パート労働法、育児休業法、これを早期制定しろ、こういうことであります。
 パート労働者につきましては、雇用保険の適用拡大等のパートタイム労働対策を総合的に推進してまいるという考え方でございます。それから、女子労働者の方が職業生活と家庭生活との調和が図れるよう環境条件を整備することは、これも重要課題であると思っております。育児休業制度につきましては、現段階の普及状況にかんがみまして、福祉ビジョンの趣旨に沿ってその一層の普及促進を図ってまいりたい、このように思います。
 それから、医療保険制度の抜本改正にもお触れになりました。
 本格的な高齢化社会の到来に備え、医療保険制度を揺るぎないものとするため、各制度間の給付と負担の公平化のための措置を段階的に講じていくこととしております。
 御指摘の老人保健制度及び国民健康保険制度につきましては、平成二年度に制度全般を見直して制度の長期的な安定を図りたい、このように考えておるところでございます。二十一世紀の福祉トータルプラン、それに近づくだけの努力を具体的に一つ一つ実行していくべきであると考えます。
 それから、政党間合意でいろいろ話されました問題といたしまして、老人介護対策の問題がございます。寝たきり老人等の介護につきまして、家庭奉仕員派遣事業あるいはショートステイ事業、デイサービス事業等については、在宅福祉の充実の重要性にかんがみまして、今後三年間で緊急整備を図ることとして、平成元年度予算において大幅な拡充を図るなど配慮を行ってきた。したがって、三年後においてはこれはいわゆる福祉ビジョンに示した水準の実現に向かってさらに努力をしていかなければならぬというふうに考えておるところでございます。
 それから在宅介護支援のための税制上の措置、それから介護手当制度、それから介護休暇制度、これもノーマライゼーションのトータルプランにありましたが、在宅介護につきましてはさまざまな支援が必要でありまして、ホームヘルパーの方々のサービスの充実、それから必要時には一時的介護サービスが受けられる高齢者向けケアつき住宅の整備、これを推進してまいります。
 それから税制上の優遇につきましては、従来からの配慮に加えて、昨年末の税制改正の中におきまして、扶養控除額の大幅引き上げ、これらが合意の中で行われたのでございます。
 なお、介護手当につきまして多くの難しい問題がありますので、今後慎重に検討してまいります。
 また、介護休暇制度につきましては、実態把握をまずやろう、こういうところまで来ておるわけでございます。
 さて、それから軍事あるいは外交、防衛面のお尋ねがございました。
 まず、バードンシェアリングの問題でございますが、我が国としては、世界の平和及び繁栄に貢献するため、増大した国力にふさわしい役割をみずから積極的に果たすことは当然の責務である。そこで「世界に貢献する日本」、こういうのを出した。国際協力構想の推進を通じてその責務を自主的に果たしていこう。
 防衛分野、これにつきましては、国際的貢献を行う前提として、自国の平和と安全を守るため、日米安保体制を堅持し、その円滑かつ効果的運用を図る、ここに節度ある防衛力の整備というものが存在するわけでございます。したがって、申すまでもなく他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないという基本理念のもとで行われておるものでございますので、米国側が我が国の軍事面での肩がわりを期待しているというような事実肝ございません。
 次に、ODAの問題でございます。
 この問題は、効果的、効率的な実施に一層の努力を払うのは、これは当然のことでございます。いやしくも疑惑を招くようなことがあってはな広ぬことも当然のことでありますので、実施に平たっては、従来の経緯あるいは将来の展望を踏まえて実施していくべきものと考えております。
 そこで、その実施体制の問題でございますが、この問題は、相互依存と人道的考慮に基づいて、開発途上国の経済社会開発、民生の安定、福祉の向上、これに貢献することを目的として経済協士を実施してまいりましたし、今後も実施してまいります。国会に対しましても、相手国の立場も配慮しながら、所要の報告、資料の提出、それらもいたしておりますので、今の仕組みの中で実施体制としては私は順調に機能しておるのじゃないか、なお一層効果的、効率的実施に現行の関連法令の範囲内で行うことが妥当であろうというふうに考えております。
 それから、国際情勢の認識、さらに防衛費一%枠問題について御言及がありました。
 現下の国際情勢につきましては、米ソ間におきます軍備管理・軍縮の努力が真剣に行われるなど、今後の展開が注目されておりますが、依然として東西間の核相互抑止を含む軍事均衡が国際間の平和と安定の基本的な条件になっておるという事実そのものに変化はございません。
 こうした状況を踏まえて、政府としては、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を定めました「防衛計画の大綱」に従って、この水準の達成を図ることを目標とするいわゆる中期防の着実な実施に努めてきたわけです。平成元年度の防衛予算の編成に当たりましても、従来と同様、国の他の諸施策との調和を図りながら、ぎりぎりの調和点を見出した必要経費を計上した、こういうことでございます。したがって、政府としては、昭和六十二年一月の閣議決定に従って、今後とも節度ある防衛力の整備を行っていくという方針には変わりございません。
 そこで、中期防の問題、新中期防にお触れになりました。
 平成三年度以降の防衛力整備につきましては、去年十二月の安全保障会議におきまして、引き続き現行のようないわゆる中期的な計画を策定すろ必要がある、これは意見の一致を見たわけでございます。その内容は今後検討を進めていくこととしておりますが、いずれにしましても、昭和六十二年一月の閣議決定にもありますとおり、憲法及び専守防衛等の基本的防衛政策のもとで、国際情勢及び経済財政事情等を勘案しつつ、しかも、五十一年十一月の閣議決定の節度ある防衛力の整備を行うという精神を引き継ぎながら対応していくべきものであるというふうに考えておるところでございます。
 まさに具体的な提案として、三宅島の問題についての浮体工法についてお触れになりました。
 浮体飛行場案につきましては、未来の技術開発の方向として否定するものではございませんが、現実米軍がこれを希望していない、また、実用性に疑問があるではないかということで、現段階で採用するというような状態にはございません。今後とも、三宅島において艦載機着陸訓練場の建設の実現を図るべく、このNLP基地問題ということを念頭に置いて、さまざまな努力をしていかなければならぬと思っております。
 それから次期、平成三年度以降の防衛力整備、先ほども申し上げましたが、一応安全保障会議で意見の一致を見た。そうして、この節度ある防衛力で今後ともやっていく。国会は何としても国権の最高機関でありますから、そこで具体的にいろいろ議論をしていただくということは、これは私はシビリアンコントロールのあり方として好ましいことだというふうに考えております。
 ブッシュ政権の内外政策等についてのお尋ねがありました。
 前政権によります平和と繁栄の実績を踏まえつつ、内にあってはよりよい米国の建設を目指し、外交面においては世界の平和と繁栄のために力強い役割を果たしていくという決意表明があったわけでございます。今次訪米の際、ブッシュ大統領との間で確認いたしました、日米間の問題はまずは静かな対話で地道な努力で解決していこうではないか、そして日米が協力していくことは、単なる二国間だけの問題ではなく、まさに世界の平和と繁栄に貢献することになるではないか、したがって、政策協調と共同作業、これを一緒に進めていこう、こういう考え方であったわけであります。
 さて、国際情勢の認識から、中ソ首脳会議、米ソ首脳会議、対ソ問題に対する考え方についてお尋ねがありました。
 最近の国際情勢には、安定化に向けての新しい動きがあることは事実であります。米ソ間の対話の定着からして、欧州における通常兵力交渉の開始、それからまさに地域紛争の解決に向けての具体的な話し合い、しかし基本的構造が根本的に変化したとは言えない、そこで、やはり不安定要素が存在しておるという御説でありましたが、我々も、楽観することなく、そして一層の国際情勢の安定化に向けて努力すべきであると思います。
 中ソ首脳会談は、本年五月十五日から十八日にゴルバチョフ書記長が訪中されて開催されるものと承知しております。このことは、中ソ関係がアジアの平和と安定を促進する方向で進展していくということは、これはまことに好ましいことであるというふうに考えておるところであります。
 それから、戦略核削減交渉と米ソ首脳会談であります。
 これは依然として種々の問題が残されております。我が国としては、ブッシュ新政権のもとで均衡のとれた戦略核の大幅削減、ひいては東西間の安定強化に向けて交渉が進展することを期待して、西側諸国と協調しながら米国の交渉努力というものを見守っていく、こういうことであります。
 ソ連で、いわゆるペレストロイカあるいはグラスノスチ等が言葉として存在しております。ソ連のペレストロイカにつきましては、公開性、民主化の面で一定の成果は見られますが、経済面での成果はまだ見られないというのが現状であろうと思います。したがって、ペレストロイカをめぐる国内議論の活発化あるいは民族問題の高まりなど種々な問題を抱えて、その推進は、これは他国の問題でありますが、今胸突き八丁で努力しておられるところではないかというふうに見ておるところでございます。
 それから、ゴルバチョフ書記長の訪日問題ということは、昨年の暮れシェワルナゼ外相が訪日の際に、ゴルバチョフ書記長の訪日に向けての準備作業を両国外相会談を中心に進めていくことが合意されたわけであります。実際の訪日日時につきましては、今後ソ連側の正式提案を待つことになるわけでございますけれども、同訪日が日ソ関係の真の改善のための歴史的な契機となるべく努力すべき問題であると思います。
 それから、朝鮮半島の問題にもお触れになりました。
 これは、最近、中国、ソ連等社会主義国と韓国との関係が進展する中におきまして新たな展開が見せられております。それから、関係者の努力が鋭意続けられておる。そういう環境づくりということに我が国は側面的に、積極的に対応すべきものであると考えております。一領土問題につきましては、これは、シェワルナゼ外相訪日の際、領土問題に関し歴史的見地から詳細に両外相において議論がなされました。ソ連側は従来述べておられた諸点を網羅的に繰り返して、そして本問題に対するソ連の立場は依然として極めて厳しいものがある、こういう認識の上に立っております。政府としては、今後継続されます平和条約締結交渉等におきまして、北方四島一括返還、これを目指してさらに粘り強い粘り強い交渉を続けていく努力が必要であるというふうに考えておるところでございます。
 それから、いわゆるリクルート問題が今日に至った、そして新たな閣僚に及んだら総辞職の決意いかん、こういうことでございます。
 二人の閣僚が辞任されたということは、私は厳しくこれを受けとめております。したがって、こうした政治不信の念を一挙には解決し得なくても、粘り強く忍耐力を持ってこれに対応していかなきゃならぬ、それが私の果たすべき命題である、このように考えております。(拍手)
    〔国務大臣高辻正己君登壇〕
#13
○国務大臣(高辻正己君) 復権令から選挙違反者を除くべきではなかったかという趣旨の御質問をいただきました。
 選挙が公正に行われることは議会制民主主義を維持する上において極めて重要なことであり、選挙違反者に対する罰則の適用は厳正に行われるべきものでありますが、罰則の関係においてではなく、資格の回復という関係におきましては、これらの者を他の犯罪者と特に区別して扱うことは相当ではないと認められるのでありまして、選挙違反者も、他の犯罪者と同様に、禁錮以上の刑に処せられた者については、刑の執行が終了しあるいは執行の免除を得てから五年間を経過した者に限って復権をさせ、罰金刑に処せられた者につきましては、刑の執行終了、執行免除を要件として、刑に処せられたために制限された資格を将来にわたり回復させるのが相当ではないかと考えた次第なのであります。
 次に、リクルート疑惑に関する御質問がございました。
 いわゆるリクルート問題に関する刑事責任につきましては、検察当局において昨年来多数の検察官を投入してリクルートコスモス社の非公開株の譲渡関係を中心に事案解明のため鋭意努力しているところであり、刑事法規に照らし厳正公平な立場で逐次適切に対処されるものと確信しております。
 なお、リクルート問題に関し、外国企業からの資金還流の疑いがあるのかないのかという御質問でしたが、その種の疑いがあるという報告は受けておらないのでございます。
 以上、三問についてお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣村山達雄君登壇〕
#14
○国務大臣(村山達雄君) 総理大臣より、詳細な御報告がありました。お答えがありました。私としては、つけ加えることはありません。(拍手)
    〔国務大臣丹羽兵助君登壇〕
#15
○国務大臣(丹羽兵助君) 本格的な高齢化社会の到来を迎え、活力ある経済社会を維持していく上で、六十五歳程度までの雇用就業の場を確保していくことは、先ほど総理も申されましたように重要な課題でございます。
 このため、高年齢者雇用安定法に基づいて、六十歳定年の定着に努めるとともに、六十五歳程度までの継続雇用を促進するため、労使に対する啓発指導、人事労務管理制度の見直し、職場環境の改善等についての相談援助の充実、また各種助成制度の活用等の対策を講じていきたいと考えております。さらに、今後とも、これらの施策を積極的に推進することにより、六十五歳程度までの雇用就業の場の確保を図ってまいりたいと考えております。
 次に、パートタイム労働者については、雇用保険の適用拡大、パートタイム労働対策要綱の拡大強化等のパートタイム労働対策を総合的に推進してまいる所存であります。そのために、女子労働者が職業生活と家庭生活との調和が図れるよう環境条件を整備することは重要な課題と受けとめております。
 なお、お尋ねのございました育児休業請求権の法制化等についてば、婦人少年問題審議会の建議において、普及率もまだ一割強にすぎないことなど考慮いたしまして、当面行政指導による一層の普及促進が先決である旨指摘されておりますので、この趣旨を踏まえて、育児休業奨励金等を活用し、同制度の一層の普及促進に努めるつもりでございます。
 最後に、もう一つ申し上げておきまするが、お尋ねのございました職業訓練に関する海外技術協力についての週刊誌の報道はどうか、こういうことでございましたが、週刊誌の報道は、念のため調査させたところ、事実を曲げたものであります。しかし、今後とも、開発途上国における技術協力については、適正かつ積極的に進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○自見庄三郎君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明十四日午後二時から本会議を開休 きこれを継続されることを望みます。
#17
○議長(原健三郎君) 自見庄三郎君の動議に御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#19
○議長(原健三郎君) 日程第一は、委員長提出のよ議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 昭和六十三年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨
  時特例に関する法律案(大蔵委員長提出)
#21
○議長(原健三郎君) 日程第一、昭和六十三年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。大蔵委員長中村正三郎君。
    ―――――――――――――
 昭和六十三年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案
  〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中村正三郎君登壇〕
#22
○中村正三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、去る十日大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものでありまして、昭和六十三年度の水田農業確立助成補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、同補助金のうち、個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、一定の要件のもとに事業用固定資産の圧縮記帳の特例を認めようとするものであります。
 なお、本案による国税の減収額は、昭和六十三年度において約六億円と見込まれますので、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ、速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案(内閣提出)
 日程第三 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#25
○議長(原健三郎君) 日程第二、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案、日程第三、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長玉生孝久君。
    ―――――――――――――
 昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案及び同報告書
 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔玉生孝久君登壇〕
#26
○玉生孝久君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律案は、昭和天皇の大喪の礼に際し、国民こぞって弔意を表するため、平成元年二月二十四日を休日としようとするものであります。
 次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案は、皇位の継承に伴い今上天皇の誕生日である十二月二十三日を国民の祝日とするとともに、新たに、四月二十九日を「みどりの日」として国民の祝日に加えようとするものであります。
 二法律案は、二月一日本委員会に付託され、十日小渕内閣官房長官から提案理由の説明を聴取した後、一括して質疑を行い、採決いたしましたしころ、いずれも賛成多数をもって可決すべきものと決した次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#27
○議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#28
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
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#29
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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