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1947/08/12 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第7号
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1947/08/12 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第7号

#1
第001回国会 決算委員会 第7号
昭和二十二年八月十二日(火曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 島村 一郎君
      河合 義一君    高津 正道君
      辻井民之助君    大上  司君
      長尾 達生君    西田 隆男君
      岩本 信行君    冨田  照君
      平井 義一君    水田三喜男君
      受田 新吉君    齋藤  晃君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   野田 卯一君
        大藏事務官   正示啓次郎君
 委員外の出席者
        會計檢査院長  荒井誠一郎君
        會計檢査院檢査
        官       東谷傳次郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十年歳入歳出總決算、昭和二十年度特別
 會計歳入歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 會議を開きます。
 最初にお諮りをいたしておきます。内務省解體に伴う法律案が三つ出ております。きようこの委員會に付託になることに相なつております。改めて委員會を開いてお諮りをするのが順序でありますが、この機會にお諮りを申し上げておきたいと思います。これは建設院關係としては國土計畫の委員會、公安廳關係としては治安及び地方制度の委員會と關連をいたしておりますので、初めから三つの委員會で連合審査會を開いてまいつて、あとでこの委員會で決定をいたすということにいたしたいのであります。このことをあらかじめお諮りをいたしておきます。なおこのことについては議員の各位からの御意見がありましたので、議長まで私から申入れをいたしまして、かような結果になりましたので、御報告をかねて申し上げておきます。
 なお行政機構についてこの前各省の報告を聽取いたしました。同時にそのほかの資料その他について國政の調査の要求を議長の方までいたしておきました。場合によつては出張をいたして調べていただくということも起ろうかと思います。これはまたあらためて具體的にお諮りをいたしてきめていきたいと思います。
 それから連合審査會は今連絡をいたしておりますが、大體十五日の午後あたりに開きたい豫定でおります。いずれ正式にきまりましたら公報でお知らせをいたします。これは非常に人數が多いので、一應説明を聽いて總論的な質疑應答をした上で、各委員會の小委員會にいたさないと實行上困難ではないかと思いますので、その邊もあらかじめお含みおきを願いたいと思います。
 それでは決算の問題にはいります。今日まで政府及び會計檢査院の説明を聽いたのでありますが、御承知の通り、非常に、内容も重大であるし、なお最初委員長から政府及び會計檢査院に質問をいたしました、この決算審査の方針については、なお幾多の疑問の點があると思うのであります。このことはこの前のときの政府の見解もまだ十分に諒解をいたしておりませんので、内容にはいるにあたりまして、あらためて政府の見解を聽いた上で、委員會としても今後の根本的な問題をひとつ御檢討をいただく必要を感じておるわけであります。
 なお、參議院においても、衆議院においてさような問題があるということと同じ問題が先日取上げられまして、六日の決算委員會で、この決算に對する審査の方法をきめて、大體論議をされておるのであります。これはいずれ兩院の關係が起つてまいりますので、こちらの委員會としては參議院と合同の審査によつてこれらの方針を檢討を願う必要があるのじやないか。その際政府及び會計檢査院からも關連する事項については、參加をするなり意見を聽取してきめていくことが必要のように思うのであります。今日はあらかじめその問題について重ねて政府及び會計檢査院からも意見を伺つた上で、今後のこの問題の處理についてお諮りをいたしておきたいと思うのであります。私としてはでき得るならば小委員をおきめいただいて、この決算審議の方針について、つつこんでひとつこの際國會の立場を將來に向つてはつきりしていくようにいたしたいと考えるわけであります。政務次官が見えましたから、一應政府の見解を伺つた上でお諮りをいたしたいと思います。
 政務次官に申し上げますが、今問題になつておりましたのは、最初の本委員會で決算の審査の方法あるいはこれに對する國會としての取扱いに關して、初めてのことであり、この際根本にはいつてなお檢討を要するものがあると考えて、政府としてはもちろん現在の方法を是として取扱われておると思いますが、しかしこれについては、國會も、政府も、會計檢査院も、ともに現在問題になつておるいろいろ官吏制度の問題等とも關連をして、ほんとうに國民の希望に副うような、正しい行政が行われるような意味において、決算の問題は重大だと考えますので、從來の慣例によることなく、新しい見地に立つて改むべきことは速やかに改めていくことが必要のように思うのであります。國會みずからもこの點について考えなければならぬ。その國會と政府とあるいは會計檢査院との相互關連の問題になりますので、一應政府のこれに對する見解を伺つた上で、今後の委員會の審査の態度をきめてまいりたいと思うのであります。言葉は抽象的でありますが、具體的にはいろいろ、たとえば兩院別々に現在は報告の形式をもつて決算が提出をされておりますが、これはもつと議案としての決定を國會がなすようにするには改めなければならぬ點が起つてこようとも思います。さようなことについて政府の見解、なお會計檢査院長には恐縮でありますが、政府の見解と關連をして、會計檢査院と國會との關連において、今後改めていかなければならぬような問題についての見解を重ねて伺つておきたいのであります。
 なお御報告的に申し上げておきますと、參議院の方での決算審査の問題としては、最初に私が政府に質問をいたしたように、同一事項を兩院に出して、兩院が別々にこれを審査をするということだけでは、國會の最高機關となつた今日、内閣各省も適從に苦しむであろうし、これは兩議院の決定が一致するような制度をとるべきであつて、これがためには國會法を改正し、國會における決算の審議方針を法律案または豫算案と同一の取扱いをすべきである。これに對しては衆議院と合同審査會を開くようにしてやりたいというような意味の、この間私から申し上げたことと同じようなことを、この六日の委員會において參議院は大體決定をいたしております。
#3
○小坂政府委員 ただいま委員長からきわめて適切なる御意見の開陳がございました。私どもといたしましても、決算を重視するということの根本的の考え方におきましてまつたく同意見でございます。一體最後の締括りを適當にいたしますためには、なるたけ企畫する當時において、その決算を考え、決算をいたしまする方々のお考えというものが、常に企畫に逆に反映していくというくらいの運營方法が望ましいのでありまして、こういう考え方の上に立ちましてこそ、完全な決算の方法がとられるだろうというように私ども考えておるのであります。できるだけわれわれといたしましては從來とも決算を單に報告的な形式において取扱うということを改めまして、決算を實質的に重要視する運營方法を考えていきたいものであるというように考えておるわけであります。御承知のように、憲法の九十條には、決算のことに關しましては國會に提出するということのみが書いてあるので、ただいま法律制度といたしましては、衆議院先議というようなことは特に明記してないわけであります。しかしながらこの運營に關しましては、今申し上げましたような趣旨におきまして、できる限り今委員長の言われたような趣旨に副いたい、こういう政府の考えであります。なお詳細にわたりましては司計課長から御説明を申し上げます。
#4
○正示政府委員 それではただいま政務次官のお話がございまして、別に補足の必要もないかと考えるのでございますが、一應法律的事務的な問題だけを申し上げたいと思います。御承知のように憲法第九十條には、「國の收入支出の決算は、すべて毎年會計檢査院がこれを檢査し、内閣は、次の年度に、その檢査報告とともに、これを國會に提出しなければならない」という規定がございます。それから國會法あるいは會計檢査院法、財政法等法律の全體につきまして、やはり決算に關しましては檢査院の檢査報告とともに、一應國會に出すということがきめられておる程度にすぎないのでございまして、法律上これを、たとえば豫算のような取扱いにするということにつきましては、現行の新憲法あるいはただいまのいろいろなことから出てまいらないように考えるのであります。ただ、ただいま政務次官からお話のありました通りに、決算の重要性ということは、これは政府におきましても十分に考えておる事柄でございまして、實は先般來参議院のその方の關係の會合には會計檢査院の方と一緒に大藏省からも係官が出まして、種々意見を求められるままに申し上げたわけでございます。その意見を大體かいつまんでみますと、現行のただいま申し上げたいろいろな法令上の制度は一應ただいま申し上げたような解釋に相なろうかと考えるのでございますが、實質におきましてはまたその運營の精神におきましては、要するに決算というものをどこまでも内容の非常に重要なものといたしまして、これに關する國會の御判斷というようなものに對しては、十分政府のいろいろな施策に反映してまいるように、實質的に運營をしてまいりたい。そのためにはまず第一段階といたしまして、政府におきましても、國會の御意思が從來のように、たとえば、從來は衆議院と貴族院の會計檢査院批難事項に關する御判決がばらばらに下された例が相當ございまするが、かようなことはできるだけ避けるようにしていただきたい。これはまつたく政府側の希望にすぎないのでございまするが、そういうふうにしていただきますれば、非常に國會の御意思というものが強く決算の上に響いてきはしないかというようなことも申し上げた次第であります。要するに從來は、先ほどから委員長のお話もございましたように、一つの事後報告というお考え方が強かつたかとも考えるのでございますが、ともかく檢査院は國會には御出席に相ならず、政府側だけが出席しまして、檢査院の文書による檢査報告に對する一應の辯明を申し上げる、これに對しまして衆議院は衆議院、貴族院は貴族院というふうに、それぞれ別個の見地から御判決を下されたのであります。そうしましてその御判決の跡始末につきましては、政府としましてはいわゆる善後處分調べという、またこれも文書による報告ではございまするがお出しいたしてはおります。これに關しまして、その跡始末に關する御追究と言いまするか、それをよく徹底的に顧慮するというようなことはあまりその例を見なかつたのではないかと考えられるのであります。ただいま申し上げたような次第でありまして、衆議院と貴族院の御判決が違うのでございまするから、この點政府といたしましては、一體いずれの意思を重視していいのか、その判斷に迷うような事例もなきにしもあらずというような次第であつたように考えるのであります。さような次第から申しましても、今後國會として、この檢査院の檢査報告書に對する御意思がもし實質上の運營の方法によりまして、できるだけ一つの統一した形において表明されるということに相なりますれば、政府といたしましても、これに對するいわゆる歸趨がはつきりいたすのではないか、かようなことにも考えておる次第であります。私たちといたしましては、ただいま政務次官が申されました通り、できる限り運營の方法にごくふうをくださいまして、政府に對する國會の御意見というものをできるだげ一つにして、十分政府の責任の問わるべき點につきましては御指摘いただくというふうにしていただきたいことを、政府としても希望いたしております。簡單でございますが、お答え申し上げます。
#5
○荒井説明員 改正憲法のもとにおきまして、またそれに附屬しました各種の法令のもとにおきまして、決算が重要視され、またこれを重要視いたさなければならぬということは委員長からもお話があり、大藏當局からもるるお話があつた通りであります。會計檢査院といたしましては、かかる法制のもとにおきまして、最近この責任の重かつ大なることを痛感いたしておるのであります。この重大なる責任を果すためにはいかなる方法によるかということにつきまして、いろいろ研究も重ねておるのでございますが、ただいままでお話がありました通り、從來會計檢査院といたしましては、政府の決算報告に對しまして檢査報告をつくりまして、それを内閣に送付する。内閣はそれを議會に提出される。こういうことでありまして、これに對しまして各省は辯明をされる。會計檢査院はただ報告をしたなりでありまして、何ら發言の機會もなかつたのであります。このたびの國會法竝びに會計檢査院法におきましては、會計檢査院檢査官が國會に出席をいたしまして、その意見も述べることになつておるのであります。特に決算委員會におきましてこれを實行することになつておるのであります。こういうことは今度の法制のものに初めてのことでありますので、檢査院といたしましても、またその報告の形式その他の取扱いにつきまして、從來のやり方を改めなければならぬことも多いのでございます。新しい會計檢査院法におきまして、その報告事項も從來よりもよほど追加されておるのであります。これは今度の決算――提出になりました二十年度の決算につきましては今までの形式によつておりますが、今後の檢査報告といいますものは、よほどその形式も變更いたしたものを提出いたさなければならぬかと考えておるのであります。從いまして、この委員會におきましての御審議につきましても、また從來のただ法律、勅令違反事項ということだけに對する御判斷を願う以外に、なお御判斷を願う事項が追加されてまいつたかと思うのであります。これにつきまして十分の御審議を願うということは、結局會計檢査院を激勵されるということになるかと思うのであります。たびたび申し上げますが、會計檢査院は決算委員會の耳目といたしまして、できるだけ實相を報告するということに努めたいのであります。しこうしてこの報告が嚴正また公正なる御判斷、愼重なる御判斷を願いますれば、會計檢査院といたしましてはますますその責任も重く感じ、また職員も一層勉勵するという結果になりまして、國の經濟の運行もよくまいることになるのであろうと固く信じておるのであります。從來私どもといたしまして、非常に不便を感じておりました點、また議會の決議があまり重要視せられなかつた點につきましては、先ほどもお話がありましたように、兩院における意見が一致しない場合も多くあつたのであります。從いましてその權威も少くなつておつたではなかろうかと思うのであります。これらはぜひ統一した御意見に願いたいということは、われわれの從來の願望であつたのであります。これを實行するにおきまして、いろいろその方法について御審議になるということであります。私どもといたしましても今度初めての經驗でありまして、今まで十分なる研究を積んでおりません。從いましてすぐにどういうふうにしたら一番よかろうかということも申しかねる次第でありますが、今後の御審議に參加しまして、十分御意見も承り、檢査院の研究も積みまして、何かお役に立つことができますれば非常に仕合せと考えておる次第であります。
#6
○竹山委員長 なおこの前、最初に私から政府及び會計檢査院に伺つたことで、一應檢査院長からは伺つておりますが、政府からの分がはつきりいたしませんでしたので、この際今の問題と關連をして重ねて伺つておきたいのは、今度の會計檢査院よりの決算報告いわゆる批難事項に對して、政府がその責任者に對する處置をされておるような書面報告もいただいております。問題は、國會が今後決定をいたしていくその結果に對する政府の處置いかんということが、また國會の審議權威にもきわめて重大な影響があるわけであります。新しい檢査院の制度のもとにおいてまた政府が決算を重要視する見地からみましても、この決算、會計檢査院の指摘されたる點について政府のとる處置、また現在までにとつた處置をもつて、これで十分なりと考えておられるどうか。それらの點について、政府及び會計檢査院の今後の方針等も併せて一應重ねて伺つておきたいのであります。
#7
○小坂政府委員 決算の報告に對しまして、政府がいかに措置するか、その措置の決定の國會との關連いかんというお話でございます。政府といたしましては、會計檢査院が、今院長も言われたように、國會の耳目となつての檢査を執行する、そうしてそれが國會の意思によつて政府に對して措置を要求せられるということなのでありますから、政府といたしましては、その國會の決定を、國會は國權の最高機關でありますので、この最高機關の意思を極力政府の措置において實現するように努めなければならないことは、きわめて當然のことと思います。この間におきましては、政府はでき得る限りの誠意をもつて處置いたしたい、かように考えております。從來までの措置がどうであつたかという御質問でございますが、從來の措置につきましては、政府は十分萬全を期したつもりでありますが、今後の新しい國會の運營におきまして、國會の意思が從來よりもさらに的確に政府に傳えられることであろうと思いますので、その都度敏速的確にその意思を反映したい。かように考えております。
#8
○荒井説明員 ただいま不當なる經理を行いました官吏に對する處分の問題につきましてお尋ねもあつたのでありますが、二十年度の決算、これはこの前にも申し上げました通り、戰爭の前後にわたる決算でありまして、書類を燒失いたしましたり、また十分なる實地檢査もいたすことができないのでありまして、率直に申し上げますれば、十分なる決算、あるいは十分なる檢査報告ということを申し上げかねるのであります。たびたび繰返して申し上げまするが、二十年度以降におきましては、できるだけ正常の状態にこれを復歸せしめる。戰時竝びに戰後におきまして、いろいろ大ざつぱな經理、あるいはある點から申しますればだらしない經理ということが行われがちであつたのであります。これもやむを得ない事情もあるのでありますが、平時になりましてはできるだけこれを囘復するということに努めておるのであります。從いまして、從來通りの經理をやつておつて當然と思われたようなことも、今日から見ますれば、これはおもしろくない經理ということになりまして、檢査院から今まで批難しなかつたことも、これを批難するような状況にもなつてくるかと思うのであります。これを嚴格にやりますれば、ずいぶん批難事項も多いかと思うのであります。檢査院といたしましては、ただ批難をすることが目的ではありませんで、將來の改善ということに重きをおかなければならぬことは申すまでもないことと存じます。從いまして、檢査の執行中におきましておもしろからぬことがありますれば、できるだけその機會においてこれを直させる。また新しい檢査院法におきましても、常時檢査を行う、そうして檢査中に發見したる不當事項につきましては、これを是正を要求するというようなことになつておるのでありますから、できるだけこれを努めたいと思うのであります。從いまして、これらの經理の擔當者に對する責任ということも起つてまいるのでありますが、これはよほど考慮しなければならない問題があるかと思うのであります。ただ、形式的に事務を扱いまして、その者に責任を負わせる、實際の仕事をやつた者は他にあるということになりますれば、責任を負わされた者も責任を感ずることが薄く、また責任を問う者においてもはりあいがないわけであります。この點につきましては、あるいは出納官吏の制度、あるいは支出官の制度、その實行の上においてよほど政府側におきましても考慮をされる必要があるのではなからうか。實際その職に當り、あるいはまた實際その責任をもつて實行した官吏が責任を負う、またその地位を去りましてもなおある點まで責任を負わなければならぬ。ここにおいて初めて經理の責任というものが完全に行われまして、また經理の改善、眞面目をもつて經理を實行し、正直に經理を實行し、また經濟的に經理を實行するということが行われるのではないかと思うのであります。ただ責任の追究というだけをもつて、經理の適正を期するということは行われないのでありまして、むしろ責任を追究される者をいかなる者にするかということが重要なる問題であろうかと考えております。これらの點につきまして、將來檢査院も努力もし、また財政當局においても十分御努力あらんことを希望しておる次第であります。
#9
○竹山委員長 今の問題につきまして何か御發言がありますか。――それでは、最初に申し上げましたように、政府も制度の點についてはなお國會の意思に基いて改むべきところは改めていこうということであり、會計檢査院も、十分に新しい制度を活かす意味において國會と協力をして新しい組織運用を考えていきたいという御意思でありますから、衆議院といたしましても、參議院とともに、ひとつこの決算に對する不十分なる點について根本的に掘下げて、要すれば法律の改正まで進めてまいることにいたしたいと考えるわけであります。ついては、參議院ともこの問題に對して審議を進めていく必要等も起ろうかと思いますので、小委員會を設けてこの問題を擔當願つたらいかがかと思いますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○竹山委員長 御異議ないと思いますから、小委員會を設けたいと思います。小委員の選定その他についてはいかがいたしましようか。
    〔「委員長指名」と呼ぶ者あり〕
#11
○竹山委員長 では委員長においてお願いをいたすことにしたいと思います。後ほどまた改めてお願いをいたします。では決算の審査の根本方針に對する問題はこの程度で終つておきます。
    ―――――――――――――
#12
○竹谷委員 昭和十八年度決算に關し衆議院決議に對する善後處分調というものが印刷になつて、第九十二議會に提出になつております。これを見ると、昭和九年くらいからずつと衆議院の決議に對する善後處分の結果が報告になつておりますが、今度國會において決算の審議等について研究をいたします場合に、國會がある判決を下し、それに對する善後處分を政府においてなした場合の報告が、どうしても必要になつてくると思うのでありますが、その場合かように遅れたのでは意味をなさないので、これは國會の決議があつたのち一年以内くらいに處分の結果を必ず報告さすというようなことにしたらどうか。そうでないと、もうこれは時效にかかつてしまいそうなものが報告になつておるような始末で、意味をなさない。この問題に關して政府の御意見を承りたいと思います。
#13
○野田(卯)政府委員 お答えいたします。ただいまの御意見はごもつともでありまして、今後は御趣旨のような方針によつてやつていきたいと思います。
#14
○竹谷委員 この財政法や會計法にも、別に國會の判決に對して、政府あるいはその他がいかなる處置をしなければならないかというようなことの規定がないようでありまするが、今委員長の提案によつてきまりました決算審議に關する方法について、小委員會において研究いたします場合に、この問題についてもこの小委員會において御審議あらんことを希望いたします。
#15
○竹山委員長 竹谷委員の御意見は小委員會において十分御審議を願うようにいたしたいと思います。なお今の問題については新しい會計檢査院としては問題はあるわけですね。
#16
○荒井説明員 ただいま責任者の處置に關して御意見がございましたが、新しい會託檢査院法によりますと、非常な不當な取扱いがありまして國に損害を與えたような場合には、主務官廳に對してその責任者の處罰、處分を要求するということも規定されておるのでありまして、それが實行に移されるわけであります。從つて二十年度の決算について、その不當の處置のありましたものに對する處分について、この國會に報告が提出される前において、できるだけこれが處理をなすことに努めたのであります。各省におきましても協力されまして、できるだけ自發的に處理をされておるのであります。何か大藏當局の方でも、各省からの辯明書が提出になつておりますから、その中に大體處理の状況についても報告があるはずであります。できるだけ速やかに出すことについては、われわれも努めておるということを御了承願いたいと思います。
#17
○竹山委員長 それではなお小委員會で審査の具體的内容について、あるいはこの委員會からただちに直していかなければならぬ問題も起りましようから、審議方法としてはそれがきまつた上でいたすことがあるいは正しいかもしれませんけれども、餘日のないことでもありますから、全般的な審議は續けてまいつて、その間にまたあるいは分離してお願いするようにいたすことが適當であれば、さようにいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#18
○竹山委員長 今日はまず歳入の點から全般的な政府及び會計檢査院の報告を聽取して、内容の審議にはいつてまいりたいと思います。一應政府から歳入の點について説明を求めます。小坂大藏政務次官。
#19
○小坂政府委員 それでは昭和二十年度の一般會計の歳入決算についてその大要を御説明申し上げます。
 昭和二十年度の歳入決算額は經常部百七億八千三百四十四萬餘圓、臨時部百二十七億四百四萬餘圓、合計二百三十四億八千七百四十八萬餘圓であります。これをその豫算額に比べますと、經常部におきましては三十七億二千八百六十四萬餘圓、臨時部におきましては十九億四千五十一萬餘圓、合計五十六億六千九百十六萬餘圓の減少となつているのであります。
 次に其の内容にはいりまして少しく詳細に御説明申し上げますと、歳入經常部の中で金額の最も多額に上りますものは租税でありますが、租税の決算額は八十一億七千百八十四萬餘圓でありまして、これを豫算額に比べますと、入場税、遊興飲食税等豫算額に比べ増加したものを差引き、結局二十五億六千四百七十八萬餘圓の減少となつております。これは空襲等の戰時災害による租税の減免や、戰爭の熾烈化及び終戰の影響等によつて所得その他課税物件の減少が相當著しかつたためで、所得税において十五億九千七百二十五萬餘圓、法人税において五億二千七十三萬餘圓、酒税において四億九千四百四十五萬餘圓、物品税において一億一千百六十八萬餘圓等の減少がおもなるものであります。
 次に還付税收入でありますが、その決算額は一億八千四百九十九萬餘圓でありまして、その豫算額に比べると八千二萬餘圓の減少であります。
 次に印紙收入でありますが、その決算額は一億六千二百十六萬餘圓でありまして、豫算額に比べて一億千七百七十二萬餘圓の減少であります。
 次に官業及官有財産收入におきましては、その決算額は十五億八千三百九十四萬餘圓でありまして、これをその豫算額に比べますと、十一億四千六百四十萬餘圓の減少となつておるのでありまして、そのおもなるものは特別會計益金受入において、專責局の戰災等のため十億八千五百八十六萬餘圓を減少したためであります。
 次に雜收入におきましては、その決算額は六億八千三十萬餘圓でありまして、これは日本銀行納付金の基礎となる剩餘金が多かつたため、日本銀行納付金において二億二千七百七十三萬餘圓を増加いたしておりますが、懲罰及び没收金その他で減少したものもあるので、結局豫算額に比べて一億八千十萬餘圓の増加となつておるのであります。以上は歳入經常部における内譯の大要でありますが、次に臨時部における租税の決算額は十九億八千三十三萬餘圓でありまして、これをその豫算額に比べますと、六億七千九百四十五萬餘圓の減少となつておりまして、これは戰災による減免のため臨時利得税における六億七千三百四十八萬餘圓の減少がおもなるものであります。
 次に臨時雜收入におきましては、その決算額は五億二千六十九萬餘圓でありまして、豫算額に比べて二千六百六十六萬餘圓の減少となつております。
 次に公債金收入におきましては、その決算額は九十億二千九百十二萬餘圓でありまして、豫算額に比べて二十四億八百十萬餘圓を減少しております。
 次に前年度剩餘金受入におきましては、その決算額十一億六千八百四十四萬餘圓でありまして、豫算額に比べて十一億六千八百二十五萬餘圓を増加しております。
 最後に款項目不明による決算額は、五百四十五萬餘圓でありまして、戰時災害によつて書類滅失等のため受入科目の不明となつたものであります。
 以上は一般會計における歳入決算の大體について御説明申し上げたのでありますが、結局昭和二十年度歳入決算額はその全體を通じますと、先ほど申し上げましたごとく、その豫算額と比べまして五十六億六千九百十六萬餘圓の減少と相なつておる次第であります。
 昭和二十年度一般會計における歳入の實績につきましては、會計檢査院より檢査の結果に基いて意見を報告せられたものが三件あります。このほか既往年度に屬するものが十一件ありますから、これを合計しますと、十四件ということになつております。これらはいずれも會計檢査院の意見の通りでありまして、はなはだ遺憾とするところであります。
 以上一般會計における歳入決算の概略について申し述べた次第であります。何とぞ十分御審議の上適當な御判斷をくだされんことを望みます。
#20
○荒井説明員 ただいま大藏政務次官から歳入決算の概略についてお話がございましたが、會計檢査院から申し上げておきますることは、戰災等によりまして證明書を亡失いたしまして、證明不能となつた金額が多額にあることでございます。この詳細につきましては表を差出しておると存じます。それによりまして御了承願いたいと思います。これがこの決算の特徴と申しますか、あまり十分でなかつた點でございます。また日本銀行の證明が、日本銀行で歳入につきまして現金を扱いますので、徴收を歳入官廳でやりまして、その收入金が日本銀行で扱われるのでありますが、この計算において合わぬ點もございます。兩者は毎年度の決算において必ずしも一致するものではないのでありまするが、一致しない原因が必ずわかるのであります。しかしこの二十年度の決算におきましては、戰災その他の原因によりまして日本銀行の證明が政府の貸付決算額と合わぬもので、その不符合の事由をどうしても突き止めることができぬものが五百三十五萬二千餘圓あつたということを申し上げておきたいと思います。
#21
○竹山委員長 政府に一應一般的に伺つておきたいのは、五十六億も歳入が減少しておるということ、この中には、當然徴收をしなければならぬ租税等についても、戰災等のためにとれなくなつたということであれば別でありますけれども、混亂のために、當然とるべき歳入がはいらなかつたということは、檢査院の檢査の件數が院長のお話の通り十分のことはできなかつたというような事情は十分了承されますが、當然はいるべきものがはいらなかつたような歳入があり得るように想像されます。その點について政府はどういうふうに見ておられますか。
#22
○野田(卯)政府委員 二十年度の歳入におきまして豫算額に比し決算額が非常に減少しておるという點につきまして戰時災害等によるものであろうが、やはりある意味における政府の努力が不十分でとり損つておるものがあつたのではなかろうかというような御意見があつたのでございますけれども、政府といたしましては、あの終戰時の非常に混亂した事態が起きまして、あらゆる努力をいたしまして歳入の確保に努めたのでありますけれども、御承知のような状態でございまして、全然徴收等におきまして手ぬかりと申しますか、手落ちがなかつたとは申しかねるのであります。しかし財務當局といたしましては、ベストを盡してやつたという點は申し上げられようと思います。戰爭中を振返つてみますと、税務署あたりにつきましても燃えてしまう税務署がずいぶんたくさん出たのでございますが、税務署員は絶えず貴重な書類の保管ということに對しましては、身をもつてこれにあたるという態度をとりまして、全國で税務署のやられた數は私はつきり記憶しておりませんが、非常にたくさんの數に上るのでありますが、その税務署の貴重書類を燒かれたという税務署はほとんどないのであります。それがために署員は非常な犠牲を拂つて、書類の疎開あるいは國の建物に對する保管とか、その他のことにつきましては、非常に注意をいたし、また居殘りその他によりまして夜間の空襲に備えるというような實に涙ぐましい努力をいたしまして徴税の確保に努めましたことは、當時のいろいろな記録等によつてお調べくださればはつきりすると思います。われわれは實際その仕事に關係しておつたのでありますが、まず萬全を盡したに近かつたと信じている次第であります。
#23
○荒井説明員 會計檢査院におきまして歳入に對しまする檢査でこちらに報告してありまするのはきわめてわずかな件數でございまするが、二十年度の決算につきまして調査いたしまして、それ以前の十九年度、二十年度、あるいはさかのぼりまして十八年度、十七年度等の分につきまして、あるいは徴收不足そのほかのことを照會した件數が非常に多數に上つておつたのであります。これらにつきましては税務署におきまして適當の處置を講じまして、あるいは不足額を徴收するなりあるいは決定を更正するなりいたすのが當然であつたのでございまして、檢査院も平常でありますればこれに大いに努力いたさなければならぬのでありまするが、ともかく戰災がありまして、非常に納税者の負擔能力も變りまして、當時でありますればとれたものでありましても、今日になりますればそれがとれない。殊に財産税等の徴收も行われまする際に、これらのものをさかのぼつてすべて是正するには、税務署におきましてもこれを實行するについて書類も十分でないようなことでありまするので、會計檢査院といたしましては、できるだけ過去のことについてはある點において區切りをつけることはやむを得ない状況になつたのであります。これらの照會の囘答のまいりませんものも、ある點において打切りまして、税務署の負擔も減らし、今後の徴收に努力させるという方がむしろ適當ではなかろうか、こういうことも考えたのであります。それによつて實行いたしたのでありまして、從いまして、あとで訂正した數なども二十年度におきましては非常に少數になつておるということを申し上げておきたいと存じます。
#24
○竹山委員長 なお收入の點については税の種類によつて戰災、終戰の影響がいろいろ違おうかと思います。それらについてもう少し突き入つて問題の起りやすい點について詳しい説明を伺いたいと思います。その代表的なものは、今特別委員會までつくつている特殊物件の收入の點であつて、これがあの混亂のために政府が十分に處理ができなかつたということが今日になつて國民の非常に大きな問題になり、國會が今日取上げなければならぬことになつているので、その當時の處置、またここに取上げられている金額等について突込んでいけば、詳しい問題はこれだけで十分にありますので、一應さような特殊なものの増減のはなはだしかつたもの等について重ねて説明を願いたいと思います。
#25
○野田(卯)政府委員 お答えいたします。御承知のごとく昭和二十年の八月の終戰になりまして、終戰後非常に混亂をきわめる状態になつたのであります。元陸海軍のもつておりました動産につきましては、これを全面的に連合軍に引渡すことに相なり、それを連合軍から日本の政府に引渡すというような手續がとられた。動産につきましては、日本政府と申しましても内務省、不動産につきましてはこれを大藏省の方に移すということになりまして、それからずつと大藏省ので所管をしてまいつております。二十年度はむしろ一種の混亂期でありまして、この特殊物件を處理してそれから歳入を得るという意味での豫算ということは初めから問題になりません。敗戰ということを豫期しておらなかつた豫算でありますから、豫算ということは全然問題になりませんが、決算的に見ますと、そういう特殊物件がはいつてきたのだから、それを處分して相當の收入があつたはずではなかろうかという御見解でありますが、なにせ終戰後の混亂期でありまして、それをどういうふうに處分するか、どういう手續でやるか、だれがやるかという機構も十分確立されていない、すべてが氣の抜けたような状態になつている、司令部の方の意向もきまらないというわけで、いろいろなことが錯綜しておりましたので、二十年度中に決算的に處分されて金がはいつたというものは、全然ないと申し上げてもいいほどであります。手もとにある資料によりますと、決算において六千萬圓程度という比較的少額でありまして、特殊物件が非常に不當に處分されたというような事柄は、ありとすれば終戰後のどさくさのときに起つたのでありますが、われわれの方にはいつている資料では、正式に決算的に處分されたというものはただいま申し上げたような數字であります。その後の二十一年度、二十二年度におきましては、この特殊物件が漸次整理をされまして、正規のルートに乘つてそれぞれの機關によつて處分されるということになりましたので、昭和二十一年度におきましては私の記憶では十五億圓でした。本年度も同じような金額が豫算に計上されているような次第であります。ほんとうのルートに乘つた處分は二十一年度において行われた、こういうように御了承願いたいと思います。
#26
○荒井説明員 特殊物件の收入状況につきましては、特に會計檢査院におきましても調査いたしておつたのであります。先般申し上げました通り、軍需品等につきましては、終戰當時にどのくらいあつたかという現在額は、會計檢査院においても檢査ができませんでした關係上不明でありますが、その後特殊物件として放出があり、政府あるいは縣に引繼がれましたものの處理状況、これには絶えず注意をいたしているのであります。こういう物件の性質上、どうも處理において十分でない點が多いのであります。歳入にとるべきものをとらぬ、あるいは有償でわたすべきものを無償でわたしておつたということも多いのでありますが、これは軍のものとかいうようなことではなく、國民のものであるのでありまして、やはり一般の利益に繰込まなければならぬ、こういう見地からできるだけそれが是正に努めているのであります。昭和二十年度におきましては、ただいまお話になりましたように、收入金額が六千六百萬圓であります。二十一年度におきましても調定濟額十四億、收入濟額十億程度になつております。なおこれらの收入を調査いたしまするために、各府縣に特に職員を派しまして、内務省の調査局と共同のもとに調査を進めているのでありますが、相當の效果をあげていると考えております。
#27
○竹山委員長 何か御質問ありませんか。
#28
○竹谷委員 會計檢査院にお伺いしますが、あなたの方の執告書の第十ページの下の、一般會計の決算額と日本銀行證明額との不符合の問題です。これはこの間簡單に御説明がありましたが、決算と日本銀行の證明額と一致すべきものだろうと思いますが、おもなる差を生じた理由をお聽きしたい。
#29
○荒井説明員 決算額と日本銀行の證明額とは必ずしも符合いたさないのであります。と申しますのは、ここに、この一般會計につきまして、決算額に對する差増が四百八十七萬五千圓という金額がありますが、なぜこういう差を生ずるかということであります。差は生じましても、その原因が明らかでありますれば、決算はきちんと合つたということになるのであります。ここにある出納閉鎖期までに日本銀行に拂込未濟のもの、こういうものが毎年度において必ず起るのであります。決算におきましてはこれだけのものを歳入に徴收した、こういう收入濟ということで決算をするのでありますが、それが出納閉鎖期までに日本銀行に拂込にならぬものが生ずるのであります。これはもちろん翌年度の方にはいつてしまいますので、整理が遲れるということになりますので、日本銀行に拂込がありません金額がここに幾分出てくるのであります。これがここに五十五萬三千圓ばかりあります。また誤納の關係、これは年度違いで、帳簿の間違いと申しまするか、二十年度の歳入としてとりますれば日本銀行の證明額にも上つてくるのでありますが、これが二十一年度の歳入ということに間違いをいたしまして、翌年度の歳入の方に帳簿をつけ違つてしまつたということであります。これも日本銀行の拂込の金額が少いということになります。また會計の違い、一般會計の歳入を臨時軍事費特別會計の歳入として間違つて納めましたもの、これが臨時軍事費特別會計の歳入になつてしまいますので、一般會計の歳入に載るべきものが載つていない。これが四百七十三圓。二十一年の歳入を二十年度歳入として間違つて納めるということもここに起つてまいります。それは、年度初めにおきましては、二十年度の歳入も二十一年度歳入も同時に扱つておりますので、とかく誤納の關係が多いのであります。二十年度の會計に二十一年度の歳入がはいつてまいりますから、これは日本銀行の計算ではその金額が七萬五千圓、それだけ多くなつてまいります。次に、臨時軍事費特別會計の歳入を二十年度歳入として間違つて納める。これは臨時軍事費にはいるべきものが一般會計の歳入になつてしまう。それから、これはほんとうの帳簿の間違いでありますが、決算額に重複して記載したものが二千五百八十六圓。それから決算額に計上するのを脱漏してあるもの、これは日本銀行にいきまして、いろいろ帳簿の突合わせをやりますと、こういうことがだんだんわかつてくるのであります。普通の年度のものにおきましては、決算額と日本銀行證明額との不符合がありましても、これを帳簿を對照してまいりますとその原因がわかりまして、こういう差があるのはこういう原因によるのだということに説明がつくのでありますが、二十年度においては戰災その他の原因により不符合の事由の不明なものが五百三十五萬圓ある、こういうことになつております。
#30
○竹谷委員 そうしますと、ただいまの決算額と日本銀行證明額の不符合の下の事由の中の、あとの方の、誤納とか金額の重複計上のもの、あるいは脱漏のもの、こうしたものは、決算報告後これによつて是正をしてわれわれに報告があつたものか、それとも是正せずに出したものか、それを伺いたい。
#31
○正示政府委員 私から便宜お答えいたします。ただいまの御質問でございますが、會計檢査院長の御説明のありました通りに、一應事由は全部かようにはつきりいたしておるのでありますが、いずれも檢査確定しておる金額でございますので、間違つたものは、その事由を明らかにいたしまして、決算額は決算額として議會の方へ提出いたしております。
#32
○竹谷委員 なお伺いますが、今の戰爭のどさくさの時の特殊物件收入がここに六千九百萬圓が收入があつたようでありますが、終戰のどさくさのときの軍需物資の行方については、先ほど委員長からお話があつたようにいろいろな疑惑があります。ついては、會計檢査院は、この特殊物件の處理に關する機構が完備した後にはよほどよくなつておると思いますが、完備前におけるその當時の状況はどうであつたか。これは直接この昭和二十年度の決算としては特殊物件收入に現われておるだけのものでありますが、その他に隱れたいろいろな疑惑になつておる問題がある。あるいは當時の状況をこの決算審議上知つておくことが便宜と思いますので、ほかの委員の方もお聽取りになりたい點だろうと思いますので、會計檢査院長から、ごく概略でよろしいですから、檢査上知り得たる状況を御報告をお願いしたいと思います。
#33
○荒井説明員 ただいまのお尋ねは非常にごもつともなことでございまして、私どもといたしましてもできるだけ眞相を明らかにいたしたいとは存じておつたのでありますけれども、ともかく、ああいう混亂の状態でありますし、先ほどもお話し申しました通り、どのくらい軍需品があつたかということもわかりません。またこれがずいぶん無軌道に持つていかれたということもあるように思うのでありますが、檢査院といたしまして、數件は、これは刻明に調べまして、こういうものがここに持ち去られたというようなこともわかつておるものもございますか、全般的にこれを究めますことは非常に實は當惑しておつて手がつかなかつたのでありまして、これは一般の機關と同じように、まことに申譯ない次第と思いますが、手が行届きませんで全般のことを申し上げるということはできないということを正直に申し上げたいと思います。
#34
○竹谷委員 その一部でもいかがですか。
#35
○東谷説明員 ただいま院長からお話があつたことでありますが、多少補足いたしたいと思います。御承知のごとく陸軍、海軍の軍需品または兵備品というものは出師準備品でありまして、出師準備品は昭和二十三年かの法律によりまして會計檢査院の檢査の外におかれておるのでございまして、年々歳々多額の軍事費を使いまして、相當巨額の軍需品、兵備品が準備せられておつたことは承知いたしておるのでありまするが、それが被服類や自動車などにおいていくら、その他糧食などについて何ほどというようなことが終戰までは會計檢査院では檢査ができないような仕組になつておつたのであります。これは法律のもとにおきましてそういうことになつておるので、いたしかたなかつたのでありまするが、戰爭が終りまして出師準備品がなくなりましたので、ただちに會計檢査院では全部の檢査ができることになつたのでありますが、ただいまも院長が申しましたように終戰後は非常な混亂でありまして、これは私が申し上ぐるまでもなく、よく御承知のことと存ずるのでございます。その前に、戰爭中のことを申しますると、戰爭中會計檢査院はいつかもここで私が御説明いたしましたように書面檢査は實は思うようにできなかつた、それは書面が思うように會計檢査院に證明されてこなかつたということと、空襲その他のことであちらこちらへ逃げる、疎開さすというようなことで檢査院自體も思うようにできなかつたのであります。それを補充するために實地につきまして檢査をするということを計畫いたしたのであります。實地檢査もまた思うようにできないし、あるいは參りましても一緒に空襲等のために避難する。軍の方は參りましても作戰行動その他の關係で、そこの檢査ができない、そこの檢査は遠慮してくれというようなことで、なかなか實地檢査も思うに任せなかつたのであります。かような状態におきまして終戰を迎えたのであります。以前の檢査も十分できない、出帥準備品で一切それがわからなかつたというものが突然會計檢査院の前に現われてきたわけであります。これの實態を把握するために終戰直後院内で会議いたしまして徹底的な檢査をなるべくしたいが、そのためにはまず視察をしようというので、大體全國のおもなところに人を派しまして視察をいたしたのであります。視察と申しまするが、當時御承知のごとく閣議では終戰後軍需品その他を放出しろというような命令もあつたのでありまして、そういう線に沿うてかなり物資は無償に放出されたのであります。これではいけないというので閣議もたしか變りまして、公共團體以外はすべて有償でやれということになりました。そこで軍部の方の關係で無償で出したものは一々呼び出しまして有償に切り換える。有償に切り換えたものがない場合におきましては、私どもも檢査に參つたのでありますが、これこれはまだ調定してない、調定しなくてはいけないではないかというかというので相當に調定をさせまして收入に取立てるというふうに相なつたものはあるのであります。ただいまも院長が申しましたように、全體を通じてどのくらいの數量があり、どれだけの金額のものが軍需品、兵備品であつたかということの眞相というものはなかなかつかみ得かなつたのであります。現在におきましては特殊物件として連合軍に引繼ぎされ、連合軍から内務省に移管されてそれぞれの課で携わつておりますので大體の數量、金額というものはわかつておりまするが、それではそれで間違いないのかとおつしやいますると、その點はどうも會計檢査院としても十分なる證明、十分なる實地の檢査が遂げられておりませんので、確たることは申し上げかねるのでありますが、大體大まかに申し上げますると、放出物件あるいは特殊物件の處理はだんだんと軌道に乘りまして、今では大體に軌道に乘つておるというふうに御承知おきを願いたいと思うのであります。
#36
○竹谷委員 もう一つ政府の方にほかのことを聴きたい。それは昭和二十年の決算にはあがつておりませんが、例の公定價格の値上りによる價格差金の問題です。すでに昭和二十年及びその前から物價の公定ということが行われ、そうして物の配給等を掌つておつた統制會社がたくさんあつたのでありまするが、こういうものの逐次行われた公定價格の改訂に基く不當利得的な收入というものが、莫大なものがあつた。これに對しては價格差益金の徴收という制度ができる前のことですが、この不當利得的な收入を法人税その他の課税によつて徴收をしたか、あるいはしなかつたか、それを伺いたいと思います。
#37
○野田(卯)政府委員 ただいまの御質問に對して御答えいたします。課税の方におきまして價格差益――價格がどんどん上ります際に生じます利益を課税の方で入れておるかどうかということでありますが、これは全部きれいにとつたということを自信をもつて申し上げかねるのであります。かなり税務當局の方におきましては、こういう場合を調べまして課税しているはずであります。その際の例といたしまして、最近政府契約の特例に關する件というので連駐軍の工事をやつておる請負者というものを調べますと、もと自分の店が仕入れたときに安い値段で仕入れた。それを進駐軍工事を請負つて完成するということになりますと、物價騰貴によつて上つておる。こういう場合に單價の値上りによつて非常に利益になる。そういうケースが非常に多い。そういうものにつきましては請負業者の調査には税務官署の人がはいつておりますので、それを全部チエツクアツプしまして、課税すべきものは課税するという方法をとつております。それは一例でございますが、それと同じように、こういう場合には税務官吏が具體的に各業者について調べておりますから、發見したもの、あるいは捕捉できたものにつきましては、すでに課税をいたしておると考えております。なおこれは餘談になりますが、その後御承知のごとく物價統制令によつて價格差益は政府で徴收することになつております。それは豫算的な處置も講ぜられております。しかし一般小賣業者等がもつております物が値上りをしたという場合に、それを全部價格統制令によつて徴收できるかどうかということにつきましては非常に疑問がある。實際的に申しまして困難な點が多い。これは結局税務官署の活動にまつよりほかないというので、十分その事柄が末端に徴收するように政府としては努力しております。
#38
○竹谷委員 一般の商工業者等のことではないのですけれども、今度物資配給統制の權限を獨占的にもつているようなそういう統制會社の場合にあつて、その價格差益金の額が、その會社の收入の多寡等によつて差はあろうと思いますけれども、その價格差益金が一千萬圓あつた、あるいは一億圓あつたという場合に、その何パーセントぐらいがその際税として徴收になつておつたのですか。
#39
○野田(卯)政府委員 ただいまちよつとその詳しい數字をもつておりません。
#40
○竹谷委員 統制會社が今のような價格差益金ばかりでなしにいろいろ手數料その他のところで相當莫大な利益を獲得しておる。そしてそれが戰爭終了後解散をした。そうした場合に、いろんな忌まわしい背任的な、あるいは詐欺的な行為によつてその關係者か相當莫大な不當利得をし、よく調べたら犯罪を構成するのではないかというような、利益を受けておるものもある。これに對してはそれぞれ直接の監督官廳がこれの監督に當つたのだろうと思います。これは政府の財産收入にも關係がある一般的な問題で、大藏省だけの問題ではありませんが、解散の前後、解散をするということが豫則せられるときから解散に至るまでの間にいろんなことが行われておる。あるいはまた今農業會が解散になるのではないかというので、これらに關してもいろんなことがあるわけですが、これは財産を勝手に處分したりすることを禁止する法令も出したようであります。今までいろいろ議論いたしましたが、今後そうした事態が起ります場合には、財政當局の大藏省としては十分御注意願いたいと思います。今配給公團をたくさんつくつておりますが、從來の物資の配給割當等に當つておつた會社が、その配給公團に身代りするものもあり、新たにつくられるものもあり、いろいろであろうと思うのでありまするが、その今までの統制機關から配給公團に變ります場合、配給公團が今後その必要を失つて解散する場合、そうした場合にはこれを國家の經濟統制によつて自動的に、關係者がその機構改革の機に乘じて、國民大衆の犠牲において大儲けをするということが非常に多い。私はこれは十分御注意を願いたいと思うのですが、今までの問題として、これらに對して政府はどうお考えになつておるか御意見を承りたいと思います。
#41
○野田(卯)政府委員 御指摘のごとくいろいろな機構が改變されます場合に、その過程におきましていろいろ面白くないことが行われるということは、政府の方でもいろいろな方面から情報を得ておるわけでございますが、それに對しましてはそれぞれの監督官廳におきまして、十分これを是正するような措置を講じております。具體的な例は、監督官廳で最近特にその内容を洗いまして、嚴重にやつておるつもりであります。なお最近新しく續々できます公團につきましては、經理部面に對する監督を、何と申しますかこれは政府の別動隊でございますので、特別會計に對するような考え方の必要があるという考えから、目下關係官廳間におきまして、公團經理の監督竝びに具體的な細部について協議中でございまして、目標とするところは會計經理に對する監督を嚴重にいたしまして、御指摘のような點が將來起らないようにいたしたいと思つております。
#42
○小坂政府委員 ただいま主計局長からお答えいたしましたので盡きておりますが、なお私の方で附加えて申し上げます。いろいろな統制會社がただいま御指摘のマル公の値上りをなしました場合、相當部面を吸收しておるということは事實であります。私どもの聞いております點は、大體これの中の大部分が價格差の平衝資金にまわされておるように聞いておるのでありますが、もちろん御指摘のように、こういうマル公の値上りによつて國民がそれだけ生活上の脅威を受けておるわけであります。その金の一部にしろ、これが不當に使用されるということは非常にわれわれとしては重大な關心をもたなければならぬ點だと思います。十分折衝いたしまして、かりにもそれが不當に利得されておるという面がございましたら、早速これは吸收して、萬全の措置を講じたいと思つております。
#43
○竹谷委員 ただいま政務次官と主計局長から御深切な御答辯がありました。ぜひひとつ配給公團の改善につきましては完璧を期した監督機構をつくつていただきたいと思います。
#44
○竹山委員長 他に御質問ございませんか。――それでは私最後に竹谷委員からも意見の出ましたことで伺いたいと思います。要するに終戰による混亂のために、政府も會計檢査院も手を下すことのできなかつたということは、われわれも個人としてはよく了解がつくのであります。しかしここにあらためて國會がこの決算を審議決定するに當りまして、國民に對して手の施しようがなかつたということだけで、ただその帳尻だけの審議で、國會としての責任が果し得るかどうかということは重大な問題であると思うのであります。その當時としては手の下しようがなかつたといたしましても、その後におきまして、これらのものについて政府が全力を注いで數字をはつきりして、漸次それの整理をはかつていくということでなければならぬと思います。政府竝びに會計檢査院等においても將來に安心のできる數字ができてこなければ、過去において處置ができなかつたということだけでは、言譯にならぬと思うのであります。もちろん二十年度の決算は一部分が關連をしておりますが、事態の起りましたのは二十年度であります。そうすると二十一年度、二十二年度の決算が出る時分には、特殊物件の問題はもうすでに濟んでしまつたということになると、いつになつたらこれが明確になるか、遂に明確にならずに終つてしまうことになりますと、われわれが二十年度の決算を審議した責任というものは非常に重大に相なると思うのであります。從つてこれは二十年度の決算の内容の審議との重大なる關連において、今別に特別委員會において審議されておるがごとく、政府においても過去の事實をただ調べていくということばかりでなしに、會計檢査院の答辯の一理由にもなつておるごとく、法律でもつて手がつけられなかつたという理由からいえば、逆に今度は一體今後このものの處置について、特別な法律をつくる必要があるなら、そういうことも講じて、速やかに國民の目からこれがはつきりと處理がつき、安心を與える處置が講ぜられなければならぬと思う。あるいはもしそういうことが講せられておるならば伺つておきたいと思います。もし十分にまだ講ぜられておらぬということであれば、それらに對してこの決算を審議するわれわれをして、それならば今後安心して政府及び會計檢査院にまかせておいて、收拾がつくであろうという、その安心のでき得る程度の處置が考えられておるかどうか。これらについては今ただちに即答を伺わぬでも結構ですか、十分政府と會計檢査院において、この決算の審議の間において、ひとつわれわれ委員會が將來に向つてこれならばと思われるような方法について、お示しをいただきたいということを、附加えて申し上げておきます。
 本日はこの程度で會議を閉ずることにいたします。
   午後零時十分散會
ソース: 国立国会図書館
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