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1947/11/15 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 司法・農林連合委員会 第2号
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1947/11/15 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 司法・農林連合委員会 第2号

#1
第001回国会 司法・農林連合委員会 第2号
  付託事件
○農業資産相続特例法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十五日(土曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農業資産相続特例案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより司法及び農林連合委員会を開会いたします。かねて議題になつておりまするところの農業資産相続特例法案を議題に供します。
 先ず本案につきましては小委員会に付託してありましたですから、小委員長の小委員会におけるところの結果に付いてご報告を願うことにいたします。
#3
○松村眞一郎君 小委員会の審議の経過を御報告申上げます。農業資産相続特例法案の目的といたしますところは、その第一條に掲げてあるのでありまして、遺産の分配による農業資産の細分化を防止し、農業経営の安定をはかるために、相続に関するこの物例を法律で定めるというのであります。根本的の目的は農業経営の安定ということになつておるわけであります。この農業経営の安定をはかりますために、二つの方面からこの法案は規定しておるのでありまして、手段と申しますか、二つの手段を考えておる。その一は、農業資産の細分化を防止するがために、農業資産たる不動産、動産を一纏めにしてそうぞくせしめるものとして、分散しないというのが第一の手段であります。第二の手段は、農業資産の相続人に特別相続分というものを有せしめ、農業経営の安固を図る。その意味は、物として纏めて相続いたしましても、その実質上の権利関係において、農業資産相続人が、他の相続人よりも、相続分について沢山な物を持たせて貰わないというと、実力が添わないという点に要点を置いておるのであります。
 小委員会に起きまする質疑應答の主なるものについて申上げます。第一、本法案は民法應急措置に関する法律とともに施行する目的で立案せられたものでありまして、之はこれでいつまでも突つ張つていくのかどうかというご質問がありました。それに対しまして、そういう意味での恒久法ではありませんという答弁であります。第二は、農地改革は耕地面積を小さくする傾向がありますから、相続によりさらに細分いたしますときは、その農地改革の趣旨を全うすることができないことになる虞れがあるので、細分化を防止することが必要である。第三は、農家の耕地面積が一町歩未満のものが七割であるのであるから、相続によつてさらにそれが細分されるということは防止しなければならない。第四は、第二條で農業資産は一反歩以上の土地を耕作する場合に認めることとしたのであるが、養鶏のようなものは一反歩未満でも十分行われるものでありますが、土地耕作ということに重点を置いたために、この一反歩以上と言う事を要件に考えたのであります。農地委員会の委員選挙の資格も、一反歩以上になつていることも考えたのである。第五は、父が農業経営者である場合を想像いたしまして、父の死亡の場合に、兄弟の中に誰かが農業を経営するという問題がここに起こることを想像しての御質問であります。父の下に兄弟が協力をして農業経営をなし來たつた場合に、相続のときに農業資産を兄弟の一人に帰属せしむるというようなことに、この法案ではなるわけであります。単独帰属ということにいたしましても、そのまま共有共同経営せしめた方が自然であつて、本案のごとく一人に専属せしめてしまうというようなことをするのは、却つて平地に波乱を起こすものと考えるが如何という問に対しまして、共有共同経営は発展性の乏しいものと考えるので、その前提のもとに農業資産一人専属を適当なりとしたものである。併しながら共同経営をするのを別に妨げるというつもりはないのである。第六、農業資産は場合により耕地が四、五町歩もあるがごとき場合を想像いたしますというと、相続の際に経営単位を、単位に適するように例えば二単位にこれを分割して相続せしめてもいいように思われる。何でもかんでも大きな耕地であつても、いつもそれを一纏めにしなければならないということはないと思うがどうであるか、又他の共同相続人も亦農業に適当なものであるという場合には、これを除斥することになるわけなんだから、そういうことをするのは職業選択の自由を妨げることになるから、農業資産を分割して相続をすることを、場合によつては認めてもいいと思うがどうであるかという問に対しまして、土地の細分を欲しないのであるから、単一相続を適当と思うのであるというお答えであります。第七は、農業資産は適正規模を標準として定むべきではないか、第六の質問に関連しておるわけであります。ただ小さいのでも大きいのでも、ともかく不可分的に単一相続というのではなくて、適正規模というものを標準として考えてみてばどうかという問に対しまして、適正規模そのものが時の変還によつて変化するのであるから、これを標準とすることは適当でないというお答えであります。第八は、特別相続分を認めまして、ほかの共同相続人の相続分を似分の一とするということに第十條に書いておるのでありますが、そういたしますために、他の共同相続人の資力がここに減ずるわけであります。又農業資産を単独相続いたしますから、農業経営から離れる者ができるわけであります。これに対して何とか考えなければいけない。それから又今ここに相続の問題を論じておるわけであるけれども、相続も何もできないという無資産の者がある。開墾のような場合に鍬もないという人がある。そういう無資産の農業者の生活、職業に関してどういう考えを持つておるのであるか、又農村人口問題対策について、どういうように考えているのであるかという問題に対しまして、開拓政策ということも実行しなければならん。農村工業を興すこともしなければならん、又農村、都市を通じまして、工業の発達を図つて、輸出品の製造の労働力を以て國外移民の代りにするというようなことを考えるべきであるというお答えであります。第九は、特別相続分を受けるものが相続を放棄したり、農業を営むことを任意に止めるような規定があります。そういうことにならんようにすることが、食糧増産に励むものの義務であり、權利を尊重する所以であると思うが如何という問に対しまして、農業経営者の社会、國家に対する道徳的責務としては、そういうように考えるのであるけれども、欲せざるものを抑制するということよりも、進んで働くという人を要望するのである。金融についても考えるべきであると考えるが、併しインフレ関係から、共同相続人に対する分配額支拂いのための特別金融の途をこの際開くということはできないのであるというお答えであります。第十は、均分相続制に対しまして、ここに特例を設けて、特別相続分を認めることになりますが、こういうふうにいたしますれば、他の共同相続人との間に相続の際及びその後に分配に関しまして、法律関係上混雑を生ずるばかりでなく、均分相続制に特例を開くということになりますと、均分制を破壊するようになるように導く虞れがあるという意見もございました。第十一に、特別相続分を認めるということは、却つて研究心や技術向上の努力に弛みを生じはしないかというようなことも考えられるという意見もありました。第十二に、農業資産を一括相続することを認めるのはよろしい、併しながら相続分の方では均分制とするのが、いいじやないかという意見に対しまして、かくのごとくした場合には、農業経営者は他の共同相続人に対しまして小作人の地位になります。又綿密なる利益計算をしなければならんことになつておるのであつて、これでは負担を重くするから適当でないという答えでありました。第十三は、法案第十三條に関係しておるのでありますが、農業資産に属するか否か明らかでない場合ということがあります。それはどういう場合があるかという問に対しまして、第二條の第一号にあります。薪炭の原木の採取が自家用であるか否かというようなことが問題になる場合がある。又第三号に建物が常時の居住の目的に供されておるかどうかというようなことが明らかでない場合がございますから、そういう場合を指すのであるという答でありました。第十四は、法案第十四條に関係しておるのでありますが、農業資産相続人が相続の後に、農業資産を構成しておりまするところの耕地を賣渡したり、又は担保に供することができるかどうかという議論に対しまして、それは差支えないという答弁でありました。第十五は、法案第十五條に関係しておりますが、相続人は遺贈等で農業資産を構成しますものを処分することは、遺留品文の規定に反せざる場合はできるのであつて、農業資産について本法案の定めるところは、被相続人の心持を考えて、遺言に代わつて定めるつもりである。こういう答えでありました。第十六は、法案第十六條に関係しておるのであります。農業資産の價額は時價の範囲内で農業経営の収益を基準として定めると書いてあります。その規定に関しての質問であります。牛馬のごときものは、現今は大変に騰貴しておる。又常に収益があるという考で計算するというのは、農業の今日から考えましても適当でないように思われる。田の単作地帯など耕作についての問題もあるという問に対しまして、農業経営の通常によるのであるから、農業経営に困難を生ずるような結果にならんだろうと思うという答えでありました。
 大体以上によりまして、質疑應答は終わりましたので、討論にはいりました。とうろんで、第一には施行期日の問題であります。施行期日につきましては、交付の日から施行するとあるが、民法改正法は近く昭和二十三年一月一日から施行されることになつておるのでありますから、本法案中の引用條文であります民法應急措置に関する法律の規定は同時に廃止せられることになります。本法案中に裁判所とありますのは、家事審判所と改正することを要するのでありますから、むしろ本法は民法改正法と同時に施行することとする方がよろしかろうという意見があつたのであります。これは北村委員からのご意見であります。小委員会におきましては藤野委員がこれに御賛成でありました。そうして皆の意見はその方がよかろうということに一致しました。第二は、本方に対する修正意見の提出でありますが、これは特別相続分なるものを認めないという意見であります。農業資産は一括して単独相続制とする。併しその内容については各相続人の相続分は民法どおりに均分するというのであります。これは皆様のお手元に配布いたしました私の出した修正案でございます。後でその理由をもう一度御説明申上げますが、そういう修正案であります。これに対しまして農政局長のご意見は、こういうようにいたしますというと、農業経営者の負担が重くなり、農地改革による自作農が兄弟に対して小作人の地位になる。そしてこの特別相続分があつたほうが、次に又相続が起こるのでありますから、その次の相続までの間に財産價値の回復が容易である。だからこういうような工合になるのはよくないのであつて、やはり原案のとおりにするのが適当である、こういう意見の陳述がございました。これにたいしまして北村委員からは特別相続分という利益のために相続希望者がここに出るだろう。そういたしますというと、均分相続であつたならば起こらないような相続争いは比較的少ないことになるから、均分相続の原則を貫く方がよかろうという意見がございました。その二つのご意見は松井委員からのご意見でありますが、憲法の精神に反することのないように考えなければならないのであつて、均分相続の原則を貫くことができるならば、それに越したことはないと思う。当局でいろいろご心配になることは他の方法でできるだけ少なくすべきものなりと考える。家事審判所に相当の期待を置いて、保証金の支拂方法であるとか、金額であるとかいうことについて農業経営を危うくしないことに主眼を置いて配慮をせらるることと思うのであるから、均分相続制で行くという修正案の方がよくはないか。併し自分はまだいろいろ考えておるが、修正意見は一つの案として考慮すべきものである、こういう意見でありました。修正意見は先ほど申しましたように、私が提出いたしたのでありますから、ここに理由を申述べます。
 これは皆様のお手元に配布いたしておいたのでありますが、それに書いておきました修正理由は、原案は不均分特権相続制を定めるものであると私は考えます。憲法の國民平等、個人尊重、機会均等の精神に反すると私は考えるのであります。よつて民法の均分相続制の規定に従いつつ、農業経営財産は不可分の原則を確立するのがよろしい、こういう考えであります。第一は、原案が他の共同相続人の犠牲によつて特別相続分というものを設けておるのでありますが、従来の長子相続、特権相続を認めることとなると私は思います。憲法の精神に、その意味において私は違反すると存じます。共同相続人をして一様に機会均等の立場から出発せしめるということがいいのであつて、農業経営者には農業資産を一括して相続承継せしむるということにすれば、それでよろしいのであります。第二の理由は、他の共同相続人が農業に従事するという場合、又農村工業に従事しよう、又は農業に關する学問をしようという場合を想像いたしますれば、農業資産相続人の特別相続分があるために、そういうような他の共同相続人は、財産利益を半減せしめられるという立場で出発せしめなければならんということになるのであります。第三は、男女平等協力意地の婚姻関係に基きまして、配偶所に認めておるところの民法の相続分を、農業のために半減するということになるのでありまして、これも考えなければならん点ではないかと思います。第四は、実際の結果を考えてみますと、特別相続分は二分の一ということになつております。相続資産の二分の一、それでありますから相続を重ねるごとに、それは四分の一になり、八分の一になるというふうに減少することになるわけでありますから、均分制の場合と比べてみると、ただ減少のときの遅速の問題であると私は考えるのであります。それはただ相続した分について申すのでありますが、次の相続が起こるまでの間に、農業経営者がいろいろ努力して、今度は資産を増加して行つて、次の相続までには資産を今度は一人前に回復するということに期待しておるのでありますから、その資産を回復するということについては、これを原案にいたしましても、均分相続制にいたしましても、やはり努力をしなければいかない。そのむづかしいか、やすいかというのはこれは努力の問題であると考えますから、私は原案の場合と、均分相続制にしたからと言つて、農業資産経営者の努力の点においては、格別甲乙はないというように考えるのであります。第五の点は、民法の均分の意義をもう少し実質的に考えて頂かなければならないと思います。それは皆さんのお手許に、政府委員のほうから配布されました農業資産相続特例法計算例という表が出ております。それを御覧になりますと、こういうことに例がなつております。母があつて子供が四人という場合、四人の中一人を農業資産相続人とするという場合、それで資産が十二萬円あるというときの率の表が出ております。民法の場合にはどうなるかというと、母の相続分は三分の一であるから、母の取分は、十二万円に三分の一を掛けまして、四万円になります。それから各子供の相続分はどのくらいになるかというと、母の分を取つた残りの三分の二、これを四人で分けますから、それに四分の一を掛けます。そうしますと六分の一になります。だから十二万円の六分の一は二万円でありますから、各四人の子供は二万円ずつの相続財産を受け、母親は四万円を受ける、これで十二万円になるわけであります。ところが相続特例法の場合はどうなるかというと、これは農林省の表でありますから、それを御覧願えばわかります。第十條の規定による各相続人の相続分となつております。これは母の相続分は、今申しました三分の一が民法の相続分、それを今度半分にするということを第十條に規定しておるのでありますから、六分の一になつてしまう。それから各子供の取分はどうなりますかというと、普通の相続分は先申しましたように、三分の二に四分の一を掛けた六分の一でありますが、それを半分にするということに法律案は書いておるのでありますから、そこで十二分の一になります。それで農業資産の相続人は、特別相続分として全体の二分の一を取つてしまうということになる。そこで農業資産相続人の相続は、どのくらいの分量を相続するかというと、十二分の一に……十二分の一というのは、これは各相続人の相続分でありますから、十二分の一は外の三人の子供と同じように、十分取得するわけであります。さらに相続財産の二分の一と二分の一を加えますから、十二分の七になります。これが実体を示しておるのであります。それが金額についてどういうことになるかと申しますと、そこに表がやはり出ておりますが、仮に計算の便宜のために農業資産が七万円であつた場合を想像しておるのであります。それが七万円より多いと少ないとによつて計算が複雑になりますから、ただ簡単な七万円の場合の例が出ております。それでよく了解ができると思いますが、それを見ますとこうなります。農業資産相続人の取り分は、十二万円に対しまして十二分の七を掛けますから七万円、それから母の取り分は二万円になります。四万円の二分の一でありますから二万円、他の子供の取り分は一万円、それが三人おりますから合計十二万円、こういう事になります。その結果を端的に御覧になれば、すぐに憲法の考えている均分相続といかに距離の多いものであるかということはわかると思います。何故かと申しますというと、民法は、相続人はすべて二万円ずつ取るということになつておる、母以外の者は……。ところが今度は農業資産の相続人は、七万円取つて、他の子供は一万円しか取らないということになりますというと、七分の一しか貰えない。尚これを想像しますというと、子供が殖えれば殖えるだけ農業資産相続人の取り分が多くなるわけです。結局他の例を以つて考えますというとこういうことになります。母の事を計算外にして、子供だけの場合を想像してみますというと、兄弟が二人ありまして、一人が相続人になることになります。そうしますというと、民法の定めであるというと、二万円ずつでよろしいわけです。四万円の財産の場合は二万ずつでいいものが、今度の法律によりますと、二分の一を先に相続人が取りまして、残りのものを又二つに分けますから、農業資産相続人は三万円を取つて、他の相続人は一万円を取るということになるのでありますから、結果は三倍取るわけです。ところが十人子供があると相続します、そうすると、どうなるかというと、十人の場合で十万円ということに考えてみましよう。そうすると十人で十万円でありますというと、一万円ずつになるわけです。ところが今度のやり方は、十人の十万円の中五万円は特別相続分として取つてしまう。そうして残りの五萬円を十人に平等に分けるのでありますから、皆五千円ずつということになります。そうしますというと、特別相続人は五万五千円取りまして、他の者は五千円ずつしか取らないということになりますから、その率はどういうことになるかというと、十一倍ということになります。五万五千円でありますから、十一倍ということになる。そういうことになりますと、ますます長子相続と殆ど異なるところはないということになりますから、これは均分の精神に明瞭に反しておる。ただこの條文を見ますというと、相続分の二分の一を取つて、他の相続人は民法の相続分の二分の一になるというふうに極く単純に書いてあるが、率だけはそういうことになりますけれども、均分ということは率を言つておるのじやないので、実際上の財産が平等に分かれるということを考えておる。ところが今の計算によつてご理解のとおりに、十万円の財産においては五万五千円取つてしまう。外の子供は五千円しか貰えないというような結果になるということは、明瞭に民法の規定に反しておると、私は考えます。
 それから第六の理由として、特別相続分を設けまして、他の共同相続人の相続分を二分の一とするがために、共同相続人は協議をいたしまして、農業資産相続人を選定する場合があります。これは第七條ですね。共同相続人が相談をいたしまして、農業資産の相続人を相談をして選定するという規定があるわけであります。ところがその場合にどういうことになるかということをここで想像してみると、協議が若し纒まらなかつた場合には、共同相続人の誰かが請求しまして、今度は家事審判所で決めることになつております。審判所の方で相続人に適当な者がないということになれば、ないということで裁判することになつておる。そういうような関係の場合に、利害関係が非常に衝突して來る。皆が寄つて、相談する場合に、若し農業資産相続人が決まれば、自分たちの相続分は半分になつてしまう。決まらなければ自分たちの相続分は民法のとおりで半分するわけである。到頭農業資産相続人がないと、我々の中で誰が適当であるかわからないから、農業相続人は決めないことにしようということに若しなれば、民法どおりに皆半分して財産が貰えるわけである。纒めて誰かを相続人にすれば、自分たちの相続分は半分になつてしまう。そうして今度は農業資産相続分は、先程申しましたように、兄弟が多くなれば大変なものを貰うのであるということになるから、どうしても明瞭に利害が衝突するから、私としては、どうしてもこれは虚心坦懐にそういう相談ができるものかどうかということを考えれば、利害の非常な衝突があつて、争いが生ずると考えます。親等によつて親等の近いものが相続するのであるとか、或いは年齢の順序によつて相続するのであるとかいうような自然条件の場合には、これは極く簡単に決まるが、農業経営に能力ありや否やという事が標準になつて、利害の関係が衝突するということになると、これは争いが生ずる。そんなような関係から考えまして、どうしても相続分の方は、民法の均分の方で行つた方が憲法に対する趣旨から言つてもよろしいし、実際の結果から見ても、この方が却つて家庭の平和を保つゆえんであるというように考えます。
 以上を以つて私の理由は終ります。
#4
○委員長(伊藤修君) 本会議の定員が足らんので、その方に……。それでは小委員会の御報告は、只今お伺いした通りにいたしまして、小委員会はこの程度にいたしておいて、小委員会を廃止することに御異議ございませんですか。
   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#5
○委員長(伊藤修君) それでは小委員会はこれにて廃止いたしまして、本委員会において本案について審議いたすことにいたします。
 本日は農林委員長がおいでになりませんから、この程度において散会いたしまして、日を改めまして農林委員長と協議いたしまして、これを以つて小委員会を閉じます。
   午前十一時三十五分散会
 出席者は左の通り。
  司法委員
   委員長     伊藤  修君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           奥 主一郎君
           鬼丸 義齊君
          前之園喜一郎君
           岡部  常君
           松村眞一郎君
           宮城タマヨ君
           山下 義信君
           阿竹齋次郎君
  農林委員
   委員
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           石川 準吉君
           河井 彌八君
           徳川 宗敬君
           板野 勝次君
ソース: 国立国会図書館
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