くにさくロゴ
1987/09/16 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
姉妹サイト
 
1987/09/16 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号

#1
第109回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
昭和六十二年九月十六日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         大木 正吾君
    理 事
                沢田 一精君
                添田増太郎君
                宮島  滉君
                及川 一夫君
                馬場  富君
                神谷信之助君
                橋本孝一郎君
    委 員
                遠藤 政夫君
                亀長 友義君
                工藤万砂美君
                沓掛 哲男君
                熊谷太三郎君
                田沢 智治君
                田辺 哲夫君
                福田 幸弘君
                森山 眞弓君
                小野  明君
                対馬 孝且君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       通商産業大臣   田村  元君
       労 働 大 臣  平井 卓志君
   政府委員
       資源エネルギー
       庁長官      浜岡 平一君
       資源エネルギー
       庁石油部長    内藤 正久君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    鈴木 英夫君
       労働大臣官房審
       議官       野崎 和昭君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        高橋 利彰君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局総合研究
       課長       中野昭二郎君
       環境庁長官官房
       国際課長     黒川 雄爾君
       通商産業大臣官
       房審議官     安藤 勝良君
       工業技術院総務
       部長       山本 貞一君
       労働省職業安定
       局高齢者対策部
       長        甘粕 啓介君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (資源問題に関する件)
 (石炭問題に関する件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○会長(大木正吾君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査のうち、資源問題に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。資源エネルギー庁長官浜岡君。
#3
○政府委員(浜岡平一君) 資源問題を中心にいたしまして、最近の資源・エネルギー情勢につきまして御報告を申し上げます。お手元の資料に即しまして説明を進めさせていただきたいと存じます。
 現在、日本の非鉄金属製錬業の売上高は五千億円台でございます。これに対しまして国内の非鉄金属鉱山の売上高が五百億円台と推定されるわけでございまして、国内非鉄金属鉱山が全体の約一〇%を支えているというような存在意義を持っているわけでございます。
 安定供給源といたしまして、また技術の涵養の源といたしまして、さらには地域経済への寄与という観点からいたしまして重要な存在意義を持っていると考えているわけでございますが、近年の国際相場の低迷に加えまして、急激かつ大幅な円高によりまして地金の製品価格は非常に低い水準で推移をいたしております。何とかどん底というような状況は脱したかとも思われるわけでございますけれども、従来のレベルに比較いたしますと大変低いわけでございます。その結果、国内鉱山は閉山、人員削減等を余儀なくされているわけでございます。鉱山数を見ましても、六十年四月には五十九あったわけでございますけれども、ことしの四月には三十四にまで減っているわけでございます。同じ期間に従業員数は約九千から三千六百弱まで減少しているというような状況でございます。
 製錬業につきましても大幅な合理化を余儀なくされているというような状況でございます。未曾有の危機に直面しているというような声も聞かれるような状況でございます。
 こうした状況に対しまして、昨年来政府といたしましても積極的に取り組んできたわけでございまして、六十一年度中、四月、五月、九月、さらにはことしの二月と、数度にわたりまして金属鉱業経営安定化融資制度につきまして、その融資金利あるいは融資条件、融資対象等につきまして拡充強化に努めてきたわけでございます。現在一%という政策金利といたしましては非常に低水準の金利で融資を行っているわけでございまして、本年五月の緊急経済対策におきましても一段の充実を図った次第でございます。
 これと並行いたしまして、国内の探鉱につきましてはいわゆる三段階システムを活用いたしまして、また海外の探鉱につきましては主として金属鉱業事業団の機能を活用いたしまして積極的に取り組んでいる次第でございます。六十三年度におきましては、現在相当の余裕が出てまいりましたマンパワーを中心といたします経営資源を国際協力等の面で有効に活用するための施策等にも取り組んでまいりたいというぐあいに考えているわけでございます。
 こうした不況にございます資源産業の中で、いわばニューフロンティアとして注目をされておりますのがレアメタルの領域でございます。御高承のとおり、備蓄、探鉱開発、さらには技術開発、これを三本柱にいたしまして従来から積極的に取り組んできたところでございますが、去る八月、鉱業審議会の鉱山部会から新しい御提案をいただいておりまして、この御提案といいますか御提言に沿いまして、さらにレアメタル対策を拡充、充実をしてまいりたいというぐあいに考えているわけでございます。
 国内の賦存量が大変乏しいわけでございまして、供給のほとんどを輸入に頼っているというのが現状でございますので、何といいましても緊急時に備えまして備蓄を持つことが基本でございます。昭和六十一年を基準にいたしまして昭和六十六年度末までに六十日分の備蓄を持とうというのが新しい目標になっているわけでございます。六十二年度中に達成できる備蓄量が四十四日分と考えておりまして、残りが十六日分ということにな
るわけでございます。六十三年度から六十六年度までの四年度間、できましたら毎年度四日分ぐらいずつを積み増してまいりたいと考えております。
 現在の対象鉱種は七鉱種でございますけれども、今後状況によりましては超電導の関係で注目をされておりますレアアースあるいは白金類等も備蓄の対象に加えていく必要もあろうかという御指摘もいただいておりまして、そういった角度からの勉強も進めているところでございます。
 探鉱開発につきましては、国内の賦存状況調査にも取り組んでいるわけでございますけれども、特に六十二年度から中国のレアメタル総合開発調査に積極的に取り組んでいるところでございます。今後五年間で約二十五億円ぐらいを投入するというような計画を持っているわけでございます。
 技術開発につきましても、レアメタルの回収技術等につきまして積極的に取り組んでいるところでございます。最近、御高承のとおり、いわゆる酸化物といいますか、ファインセラミックスによりまして超電導の分野で新しいブレークスルーが行われつつあるわけでございます。いろいろな角度からさまざまのチャレンジが行われつつあるわけでございますけれども、私どもは、やはりこれを一番根っこで支えておりますレアメタルの一種でございますレアアースの確保ということが将来に向かっての大きな課題であろうかというぐあいに考えておりまして、六十三年度からはこのテーマにも積極的に取り組んでいこうというぐあいに考えているわけでございます。
 五ページに進ませていただきたいと思いますが、さらに日本の金属鉱業の一つの新しいフロンティアと言えようかと思うわけでございますが、深海底鉱物資源の問題があるわけでございます。従来から積極的に取り組んでまいりましたマンガン団塊に加えまして、最近では海底熱水鉱床、さらにはコバルト・リッチ、クラスト鉱床といったものが世界的に注目されるようになっているわけでございます。
 マンガン団塊につきましては、国連の海洋法条約に基づきまして、昭和五十八年以来国際的な鉱区調整が延々と続けられてきたわけでございますが、おかげさまでことしの八月に決着を見ました。ハワイ南東沖、いわゆるマンガン銀座と言われておる地域でございますが、ここで日本はことしじゅうに七万五千平方キロメートルの有望鉱区が取得できる見通しになってまいりました。面積にいたしますと北海道並みの面積でございまして、二十一世紀の日本の資源政策に大きく寄与するんではないかと大変喜んでいる次第でございます。
 五十七年に議員立法で成立させていただきました深海底鉱業暫定措置法がいよいよ機能し始めるわけでございまして、改めて心からお礼を申し上げる次第でございます。
 現在、白嶺丸、それから第二白嶺丸を使いまして探査活動を継続いたしておりますし、また昭和五十六年度からいわゆる大型プロジェクト制度によりまして、マンガン団塊の採鉱システムの技術開発を推進中でございます。さらに製錬技術の開発等を加えまして、先ほど申し上げましたように、二十一世紀にはいよいよこの分野が現実の開発段階に移行してくるんではないかというぐあいに思っている次第でございます。
 このマンガン団塊と並びまして海底熱水鉱床、さらにはコバルト・リッチ・クラスト鉱床につきましても探査活動を積み重ねてきているところでございます。この二つの分野につきましても、マンガン団塊と同じように、いずれは国際的な先行投資者保護スキームが成立をするのではないかということが予想されるわけでございまして、そうした展望のもとに探査活動を積み重ねていく必要があるんではないかというぐあいに思っております。
 なお、コバルト・リッチ・クラスト鉱床につきましては南太平洋諸国から大変強い調査協力の要請がございまして、そういった面につきましても積極的に取り組んでいくということにいたしております。
 以上が資源情勢でございますけれども、あわせましてエネルギー情勢につきましても簡単に御報告をさせていただきたいと存じます。
 一つは最近の国際石油情勢でございます。一言で申し上げますと、OPECの結束力とペルシャ湾情勢の絡み合いの中で最近の石油価格が形成をされているという状況でございます。一進一退を繰り返しているわけでございますけれども、大局的に見まして一バレル十八ドルを中心に不安定な動きを見せるというようなところが大方の見方なんではなかろうかと思っております。
 ペルシャ湾情勢につきましては、なかなか予断を許さないわけでございますけれども、長期にわたりましてペルシャ湾が閉鎖される、ホルムズ海峡が閉鎖されるというようなことはなかなか予想しにくいという見方も多いようでございます。仮に何らかのハプニングがあったといたしましても、七月末で民間備蓄九十五日分、国家備蓄四十三日分、合計いたしまして百三十八日分の備蓄を現在擁しておりますので、これを背景に適切な対応を図っていけば大きな混乱を招くおそれはないんではないかというぐあいに考えているわけでございます。
 次に九ページに進ませていただきます。最近の我が国のエネルギー需給動向でございますが、九ページの参考一の「国内最終需要」の欄をごらんいただければと思います。
 いわゆる第二次石油ショックの後、五十七年度まで日本の国内最終需要は減少を続けていたわけでございますけれども、五十八年度から大幅な増加を見せているわけでございます。ただ、その後円高の影響等が産業分野に及んでまいりましたせいもございまして伸び率は次第に鈍化をいたしてきております。六十一年度の伸び率は〇・三%というような状況でございます。六十二年度に入りまして円高の影響もやや落ちついてきたというようなこともございまして、かなり需要のレベルは持ち直してきているというような状況になっているわけでございます。
 こうした状況の中で、一次エネルギーの供給段階で見ますと、六十一年度で石油への依存度は五六・八%まで低下をいたしてまいりました。第一次石油ショックの始まりました四十八年度の石油依存度は七七・六%でございましたから、二〇%以上の低下を見せたというようなことになるわけでございます。
 その裏返しといたしまして当然代替エネルギーのウエートが上がってきたわけでございまして、石炭が一八・三%、原子力が九・五%、天然ガスが九・八%という状況でございます。四十八年度には石炭が一五・五%、原子力は〇・六%、天然ガスは一・五%でございましたので、代替エネルギーの開発あるいは供給といったものがかなり進んできたということが言えようかと思うわけでございますけれども、依然といたしまして石油依存度は先進国の中では高いわけでございますし、なかんずくホルムズ依存度も格別に高いわけでございますので、依然として脆弱性が存していることは否めないわけでございます。今後とも積極的な総合エネルギー政策への取り組みが必要であろうかと考えている次第でございます。
 十一ページに進ませていただきます。第八次石炭対策の実施状況について御報告をさせていただきます。
 昨年十一月の石炭鉱業審議会の答申、さらには関係法律の制定というような手順を踏みまして現在第八次石炭対策に取り組んでおります。集中閉山といいますか、あるいは雪崩閉山といいますか、これを回避しながらいわゆる一千万トン体制に軟着陸をしていくということが基本かと考えているわけでございます。過剰貯炭対策あるいは規模縮小円滑化対策等につきまして積極的に取り組んでいるわけでございます。
 七月に閉山に至りました三井砂川炭鉱につきましては、八月三十一日に産炭地域振興関係各省庁等連絡会におきまして対策の取りまとめが行われ
たところでございまして、その実施に全力を尽くしたいと考えております。
 また、北炭真谷地炭鉱につきましては、九月九日に極めて厳しい状況を踏んまえまして会社側から閉山提案が行われるに至っております。労使間の話し合いを経ましてみずからの責任と判断による結論が出るよう見守っているところでございますけれども、事態の推移に備えまして、石炭鉱業審議会経理審査小委員会の意見も聞きながら、自己努力を促しながら適切に対処することが必要なんではないかというぐあいにも考えているわけでございます。特に未払い労務債の解決につきましては、強力に関係企業あるいは企業グループを指導していく必要があろうかと考えております。
 本年度の国内炭の基準炭価につきましては、八次対策が決定されましたときの基本的合意に基づきまして六十一年度並みということで決定いたしました。また本年度の国内炭の引き取り数量につきましては、原料炭百六十四万トン、一般炭千二百二十一万トン、合計いたしまして千三百八十五万トンという数字が関係業界のぎりぎりの協力によりましてまとまったところでございます。
 なお、過剰貯炭対策の中核になっております新共同石炭株式会社でございますが、本年四月に設立されました後、四月と五月に二百六十万トン、さらに七月に四十万トンを買い上げまして厳しい状況への対応に取り組んでいるところでございます。
 以上、簡単でございますが、最近の資源エネルギー情勢につきまして御報告を申し上げました。
#4
○会長(大木正吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○及川一夫君 石炭問題については後段の方で時間がとられておるようでございますから、資源問題を中心に今の御説明を含め御質問申し上げたいと思います。
 まず最初に、通産省所管というわけにはいかないでしょうが、資源という問題についての理解の仕方あるいは認識の仕方というものについて少し整理をしておく必要があるんじゃないかなということを率直に言って感じます。というのは、この調査会自体が産業そのものをとらえる、そしてそれが国民生活との関連、あるいは雇用との関係、それらがエネルギー問題にどう発展をしていく、だから資源問題はどう扱っていかなきやいかぬか、こういう結びになるんだろうと思うのです。
 その場合に、国民生活ということを前提にして考えますと、単に資源とかあるいはエネルギー、極めて狭い意味での資源問題ということであってはどうも求める課題に正確にこたえていくことができないんじゃないか、こんなふうに思いまして、資源の定義とは一体どういうものだろうかということを検討してみますと、産業などのもとになる物質というのが一般的な理解あるいは定義ということになるんでしょうが、このことは、産業があって物質があるのであって、物質があって産業があるのではないという理解に立つべきだろうというふうに思うのです。
 したがって、資源というものは何かというふうになってまいりますと、大きく分けて人的資源、それから物的資源という二つに分けることができるんですが、人的資源の問題は教育とかいろんな問題へ発展させた論議になると思いますが、物的資源の中では、この調査会自体はどちらかというと鉱物あるいはエネルギー、こういったことに主体を置いて論議をされてきたし、また論議をしようとしているんじゃないか。
 それ自体は別に間違いではないんですけれども、やはり国民生活全体のことを考えれば、そのほかにも森林資源の問題もあるし、食糧資源ということで問題を問うていかなければならない課題、あるいはこれからの時代としてよき余暇の活用とか豊かな生活とか、そういう意味合いでは労働時間を短縮してもう少し生活を楽しむ時間を拡大すべきだ、そういった点ではリゾート構想とか、いわば観光資源というんでしょうか、さらには住みよい状況をつくるためにも環境資源という立場で問題を重視していかなければいけない、こんなことがあろうかと思うのです。
 これはとりわけ通産省に答えを求めるという意味じゃないんですけれども、全体の理解としてはそういう理解のもとに、認識のもとに論議をしていかなければならないというふうに思うのですが、資源と言えば通産省、そういう通産省がどうも一番てっぺんに立っているような感じがするんですが、そういう意味で通産省は今私が申し上げましたような理解あるいは認識というものを持っておられるかどうか、その点をまず第一点お伺いしたいというふうに思います。
#6
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、資源問題にはさまざまの切り口があろうかと思うわけでございますけれども、実はそれぞれの問題が相互に絡み合っていることは御指摘のとおりであろうかと思っております。例えばアジア地域での森林資源の枯渇問題、これはやはり薪炭が、特にまきが使われているというようなところが大きな問題だと言われているわけでございまして、エネルギー問題とのつながりというようなものもそういったところからうかがわれるわけでございます。
 また、エネルギー問題がいわゆる環境の問題と非常に密接な関係を持っておりまして、いわゆる環境資源といったような感覚が必要不可欠であることもまた広く指摘されているところかと思っております。やはり有限の地球といいますか、宇宙船地球号といいますか、そういった中で多くの問題が密接に絡み合っているというような基本認識を持つことが基本的に重要かと思っております。
 また、そうした中で保全と利用といった問題を、人間の心の問題、さらには技術の問題といったものを織りまぜながら総合的に把握をしていくというようなことも必要かと思っているわけでございまして、絶えず総合的、多角的な観点を取り込みながら、狭い意味の鉱物資源問題、さらにはエネルギー問題にも取り組んでいかなければならないというぐあいに考えている次第でございます。
#7
○及川一夫君 ありがとうございました。いずれにしてもこれからの問題としてはそれらを意識していかないと大変だなと。昨今の出来事でも、政府が補正を組み、内需の拡大にかなり力を入れようという姿勢が見えた途端にヒノキの材料値段が二倍になるというようなことなどを考えますと、やはり政府自体が我が国の資源、それから他国を含めた国民生活に寄与する資源という意味で、かなり多角的、総合的に考えていかなければならない問題であろうと思います。
 ぜひ通産の方々もそういう観点から、できれば政府統一してそういったものを志向するような何らかの機関というものが必要じゃないかという感じもするんですが、これはきょうの問題から離れていますから横に置くとしても、ぜひ同じ認識で私もこれから論議に参加していきたいものだということを申し上げておきたいと思います。
 第二点の問題なんですが、レアメタルに関する問題であります。主要なものとしては、この報告にありますように、ニッケルとかクロムとかタングステンとかコバルト、モリブデン、あるいはマンガンなどというのが出されているわけですが、我が国は資源が少ないとは言われながら、こういったものが全く採掘されていないのかどうか。採掘されているものがあるとすれば一体どんなものか。そしてその量的なものはどの程度のものなのかということについてお尋ねをしておきたいと思います。
#8
○政府委員(浜岡平一君) レアメタルにつきましては、御指摘のとおり世界的に見ましても賦存状況は地理的に偏っているわけでございまして、日本の現実の姿もそのほとんどすべてを海外からの供給に依存しているというような状況でございます。しかし、全く国内に資源が賦存しないかといいますと必ずしもそうではございませんで、現在のところ国内からの供給に依存をいたしております分野は少ないわけでございますけれども、物に上りましては数%程度の国内供給があるわけでご
ざいます。また、その中でただ一つの例外といたしまして、タングステンにつきましては二〇%近くを国内からの供給に仰いでいるというような状況でございます。
 しかしまだまだ努力の余地はあるんではないかというぐあいに考えておりまして、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、国内の賦存状況の調査等につきましては今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#9
○及川一夫君 どなたも我が国の場合には資源が少ない国という点では認識をしているわけですし、基本的には他国の皆さんに依存せざるを得ないということになれば、安定供給ということが大きなどうしても課題になることは通産省も言われておるわけですからそれ自体はよろしいんです。
 問題は、そういう観点に立っていればいるほど国内にある資源、数%とは言いながら、この資源が例えば閉山という事態に追い込まれるような、またそれを許すということになると他国に頼ることがかなり大きくなって、一たん緩急あるときにはそれこそそのパイプが切られてしまう、あるいは水道の蛇口がひねられるように、ひねられただけでもうアウトになってしまうということになりかねないということならば、少ないながらもやはりそれ自体安定供給の一環として、国内産業として何とか維持していくということが必要だろうというふうに思うのです。銅とか鉛とか亜鉛ですか、ベースメタル、これを見ますとかなり閉山という事態が発生しているわけです。
 ですから、レアメタルの場合といえども、円高との関係において経営的に成り立つ成り立たないというようなことが先んじて、結果としては閉山とかあるいは採掘をやめてしまうという、石炭と同じような減産政策などというようなことがとられては一体安定供給との関係でどういう意味合いを持つのだろうか。ここは国策的な意味でも頑張るところは頑張るというふうにしなければいけないということが理屈上成り立つんですけれども、そういう思いを真の意味で込めていわばこれからの計画あるいは執行というものをされていくのかどうか、その辺のことについてお伺いしたいと思います。
#10
○政府委員(浜岡平一君) 確かに非常に大きな困難に現在日本の金属鉱業は直面をいたしているわけでございますが、御指摘のとおり、安定的な供給源が国内鉱山であることは申し上げるまでもございません。また、今後やはり海外の資源開発、さらには発展途上国への経済協力、さらには深海底資源へのアプローチといったような観点から必要になっております技術の供給源といたしましても大きな意味を持っているわけでございます。さらには地域経済の核になっている場合が多いことももちろんでございまして、そうした観点から国内鉱山の存在意義を十分に認識しながら取り組んでいく必要があろうかと思っております。
 鉱業審議会の鉱山部会の答申でも指摘をされているわけでございますけれども、そういう状況下でやはり企業としての合理性というものも同時に踏んまえながら取り組んでいくというような観点も必要なわけでございます。
 そういったことで、先ほども御説明を申し上げたわけでございますけれども、金属鉱業経営安定化融資制度等を中心にいたしまして、大変厳しい財政状況下ではございますけれども、相当思い切った対応を講じまして将来への道を切り開いていきたいと考えているわけでございます。
#11
○及川一夫君 次に、レアメタルの備蓄の問題についてお伺いしたいと思います。
 備蓄の実績ということで六十二年度までの内容が記されているわけですが、さらにこれからの目標、六十三年度ということになるんですか、六十日というふうに言われているんですが、国際的な比較がレアメタルの総合対策の十六ページに載っております。
 これで見ますと、アメリカなどは三年分というふうに備蓄の目標を立てているわけですね。ソ連の場合はどうも資料がないからわからぬのでしょうが、そしてイギリスにしてもその他の国々にしても我が国が目標としているものから見ると数段大量の備蓄ということが実はうたわれでいるわけです。
 何でこんなに違うんだろう。国の大きさもあるかもしれませんけれども、それとも軍事力がな。こう思ってみたりなんかするんですが、あるいは日本の国が人口一億を超えているとは言いながら面積の面からいうとかなり小さい国だから、そんなに小さい国がそれこそ大国並みに備蓄をするなどとはもってのほか、そういう批判が、摩擦が起こらないようにという配慮がどうか知りませんが、余りにも備蓄をしようとする目標が違い過ぎるような気がするんです。なぜ我が国は六十日で一番頂点に立っているアメリカは三年分なのか、そんな疑問を持つんですが、いかがでしょうか。
#12
○政府委員(浜岡平一君) 確かに米国三年、スイス一、二年分、スウェーデン一年というような例も世界的には見られるわけでございます。特に米国の備蓄の目的を見ますと、やはり戦時というような意識が取り込まれているようでございまして、いわば戦時備蓄といった感覚がかなり強いんではないかというぐあいに思っております。
 日本の備蓄につきましては、むしろ供給源が特定の地域あるいは特定の国に偏っておりまして、そういう地域あるいは国におきまして何らかの供給面での支障が生じた場合への対応というようなところが基本になっておりまして、いわば経済安全保障というようなねらいが基軸になっていると申し上げていいと思うわけでございます。こういったところが備蓄レベルの違いといったところをもたらしているんではないかというぐあいに思っているわけでございます。
#13
○及川一夫君 思いは大体同じような気もするんですが、しかしこれからの産業のことを考えると、ハイテク産業というのがそれこそこれまでの鉄鋼、造船にかわって大変な産業に発展をしていく、こう言われている。そのハイテク産業にはこのレアメタル的なものというのはかなり必要とされているという認識に立つんですが、ハイテク産業ということになると、アメリカと拮抗して相争うようなそれだけのレベルを我が国は持っているということになりますと、三年対六十日じゃえらい違うというふうに思うのですが、その辺はいかがですか。
#14
○政府委員(浜岡平一君) 確かに六十日で万全であると言い切ることは難しいと思うわけでございます。大変財政事情に足を引っ張られておりまして苦しいところでございますけれども、六十日という目標を達成いたしました段階で次のステップをどうするかといった議論が当然展開をされようかとも思うわけでございます。
 ただ、それまでの段階におきましてもう一つ私ども検討しなければならないかなと思っておりますのは、現在の対象になっております鉱種は七鉱種でございます。どちらかといいますと特殊鋼その他の特別の素材分野、さらにはエレクトロニクスの分野といったようなものが意識をされた鉱種が選ばれているわけでございます。ただ、これ以外にもやはりまだまだ新しい問題領域はあるわけでございまして、白金のたぐいなどもかねがね問題視されているわけでございますし、また、最近の新しい技術の動向に照らしますと、レアアースなどについても全く備えがなくていいんだろうかというような議論もあり得ようかと思うわけでございます。
 そういう意味で、七鉱種以外の分野に備蓄政策の幅を広げていくというような課題もあろうかと思っているわけでございまして、この幅の拡大と備蓄日数の積み上げ、この辺をいかに組み合わせていくかというところが今後の課題かと思っておりますが、いずれにいたしましてもこの七鉱種、六十日というところで安んずることはできない、さらに一段の努力は必ず必要になってくるのではないかという意識は強く持っております。
#15
○及川一夫君 今、お答えの中でレアアースの問題もお触れになりましたが、私もこの面での備蓄というのは対象にならないのかどうかということを次の質問で考えておったのですが、その必要性
というか、ぜひやはり考えなければならないという意味のことも言われておりますし、それで一応了解をしたいというふうに思うわけでありますが、いずれにしてもこのレアメタル問題は我が国の産業にとっても大変な必要素材資源ということになるでしょうから、そういった面で我々も関心を深めたいと思いますし、ぜひこれから先も備蓄問題については十分注意を払っていかなければならない問題であるということを表明しておきたいと思います。
 そこで、次の質問をさせていただきますが、この報告、また長官の報告の中にもありましたけれども、超電導を実現するための素材ということでお触れになっておりますが、国民全体から見ればこの超電導という言葉自体が新しいイメージで、一体どんなことをするのかということ、どんなことが起きて超電導と言えるのかというようなことについては必ずしも十分な認識というものはないというふうに私は思うのです。したがって、この超電導というのは、新聞とかいろんな本が出ていますけれども、どういう意味合いを持つのか、簡単で結構ですから説明を願いたいというふうに思います。
#16
○説明員(山本貞一君) 超電導と申しますと、ある物質の温度を極めて低い状態にいたしますと電気抵抗がゼロになるという状況が生じます。それを私ども超電導と言っておるわけでございますが、同時にその物質の周りに磁界を通さないという性質も持っております。したがいまして磁石との反発作用を持つというこの二つでございます。
 一つ目の電気抵抗がゼロということにつきましては、その効果というか意味は、もう少し敷衍して付言して申し上げますと、抵抗がないわけですから永久電流が流れる、輪にしたコイルに電気を流すと無限に流れ続けるという性格がございます。二つ目には電子が非常に高速で動くということ、同時に大量に電気が流せるという性質もございます。したがいまして三つ目には電力消費が非常に少ないということも言えるわけでございます。四つ目には非常に高い磁石の磁界をつくれるという効果がございます。これが今申し上げました電気抵抗がないということの中身でございます。
 第二の内部に磁界を通さないという点につきましては、専門的にはマイスナー効果と言っておりますが、その効果によって反発を生ずる、それを産業等に活用できるわけでございます。
 簡単にその用途を申し上げますと、第一の電気抵抗がないという点につきましては、例えば発電機を非常に小型化、軽量化することができる、それから送電ロスがなく、かつ大量に送電ができるということ、また電力を蓄える、流れ続けるわけですからコイルに蓄えることができるといったような電力エネルギー部門に非常に大きな影響というか効果を持つわけでございます。
 一方、先ほど申し上げましたマイスナー効果の方につきましては、リニアモーターカーで非常に速い輸送システムが可能になる、あるいは超電導船というようなものがつくれるという点がございます。同時にまた電子関係、エレクトロニクスの関係でも活用できまして、非常に高速、小型、かつ熱を発生しない電子計算機がつくれるというようなこと、さらに核磁気共鳴診断装置というものがございますが、そういう医療用にも使えるという大変広範囲な効果があるわけでございます。――もちろん、今申し上げましたような超電導につきましては、現在その超電導を起こすのは非常に低い、液体ヘリウムで冷却しなければいけない。絶対零度と申しますとマイナス二百七十三度ですが、それに近い温度まで冷やさないとできないというような非常に難しい問題があるわけですが、最近それより高い温度で超電導が生じ得るということが確認されつつあるわけでございます。
#17
○及川一夫君 そういったものを可能ならしめるための素材が大きな話題に実はなっているようでありますが、その中でもイットリウムという素材が我が国でも岐阜で発見されたというふうに新聞に載っていたことを記憶しているんですけれども、一体どんなものなのか。実物があればちょっと見せて――見せてといってもここから見るのは大変なんだけれども、ちょっと御紹介していただきたいと思います。
#18
○政府委員(浜岡平一君) ただいま御説明をさせていただきました超電導の現象でございますけれども、従来は金属系の材料を対象にいたしまして研究が進んでいたわけでございますけれども、昨年来酸化物といいますか、ファインセラミックスを材料にいたしましてブレークスルー的な現象が研究され続けているというような状況でございます。現在のところはまだ実験室段階で、さまざまのレアアース等を混合いたしまして、高温で焼結していろいろなテストが行われているという段階でございますが、御指摘のとおり、イットリウムが多くの場合には利用されているということでございまして、大きな焦点になっているわけでございます。
 現在、この分野の供給につきましては、日本で最も注目をされておりますのは、御指摘の岐阜県の神岡鉱山から産出をいたします花崗岩質岩の中に含まれておりますスフェーンという成分でございます。基本的にはこのスフェーンの中にはチタニウムが含まれているわけでございますけれども、このスフェーンの一部の成分におきましては、チタニウムのかわりにイットリウムが含まれているというようなことが明らかになっておりまして、このイットリウムを取り出すことができるのではないかということが注目をされているわけでございます。
 現在、このスフェーンからのイットリウムの抽出につきましては、技術開発に取り組み始めだというような段階でございますけれども、一つの可能性を持った分野であることは御指摘のとおりでございます。ここに関係のサンプル等がございますので、後で回覧させていただければと思っております。(資料を示す)
#19
○及川一夫君 そこで、超電導全体について通産省の方も考えていただきたいなというふうに思うのですが、実は、できれば超電導というものが実現をしたときにどんな目に見えるものがあるのかということを内々ちょっと工業技術院の皆さん方にお話ししておったんですけれども、テレビでも一部紹介されましたが、何といっても我々の場合も多くの意見を聞くよりは見た方が早いという感じもしたものですから、できれば持ってきてほしいという注文をしたんです。
 必ずしもきょうの段階では間に合わないということもございましたので、それはそれとして子といたしますけれども、できればどういう形になるか、この調査会で見せていただけるか、それとも研究所に赴いていかなければ見られないものかというようなことを含めて、これは会長やあるいは理事会で御検討をいただくことかもしれませんが、先行き実際問題として超電導が成立をしたその実物について見た方がいいのじゃないかという気持ちを持っておりますので、そういったことが可能かどうか、お答え願いたいと思います。
#20
○説明員(山本貞一君) 本日用意できませんで大変申しわけございませんでした。
 超電導の非常に簡単な実験につきましては、先生今おっしゃいましたように、テレビのスタジオ等でも可能でございます。ここへ持ってまいることも可能でございます。液体窒素の魔法瓶を、これくらいの大きさのものを持ってきまして、超電導物質という酸化物系でセラミックスを焼き固めたものを使いますと、先ほども申し上げました磁気反発ということで反発を生じて浮くというような現象を目で見ることができます。
 きょうは用意することができませんでしたが、私どもの筑波の研究所へ赴いていただくとか、あるいは今後の機会にこちらの方へ御用意するということも、事前に言っていただければ可能だと存じます。
#21
○及川一夫君 わかりました。
 それでは、次に産業界への影響など例を挙げてお話ししてもらえばいいんですが、かなり時間も過ぎておりますから、次の機会に譲ることにいた
します。
 いずれにしても、かなり革命的なものであるというふうに言われているし、私も専門家じゃありませんけれども、いろいろな本を読む限りにおいてはそういう気がいたします。したがって重大な関心を持っているわけですが、既に政府では行政サイドの対応として、科学技術庁では二月に新超電導材料研究会、通産省においては四月に超電導産業技術開発懇談会、こういったものをつくられて設置されておられるようです。
 それで、同じ課題なんだろうと思うのですが、よく拝見しますと、研究会というふうにつけた科学技術庁の場合には基礎研究ということにウエートを置く。通産省の懇談会では応用開発というものにウエートを置くというふうに実はなっているわけなんですが、こういった役割、任務を明らかにするために片一方では研究会、片一方では懇談会というふうにしてあるようなんですけれども、何か違いがあるんですか。基礎と応用の違いというよりも、目的は同じなんですけれども、ウエートの置き方が違うということはわかるんですが、そういう役割分担をいろいろな話の中から仲よく話し合って分けたというふうに理解してもよろしいんでしょうか。
#22
○説明員(山本貞一君) 御指摘のとおり、科学技術庁の研究会は基礎研究に重点があると理解しております。私どもの懇談会では産業への応用分野というところから出発いたしまして、ただ、それを実現するために、先ほども申し上げましたが、非常に基礎的お探索あるいは実験、研究が必要でございまして、かつ、その理論的な解明もできないとうまくいかないという点もございます。そういう意味で、私どもの出発点は応用というところから出ておりますが、やはり基礎的な、あるいは基盤的な研究開発というところもやらざるを得ないということで、ある意味ではダブリはございます。
 ただ、濃淡の違いがございますし、かつ、またこれは未知の新しい分野でございますので、政府部内におきましても、著しい重複は困るわけでございますが、色合いの違いを持った多少の重複というのは初期段階でございますのである程度許されるんではないかということで関係省庁とも話し合いをして協力と分担を進めておるわけでございます。
#23
○及川一夫君 よく日本の行政当局の縄張り争いなんということが出るものですから、まさかそういう立場でおやりになっているとは私も思いたくないんですが、いい意味の競争は大いにやってほしいんですけれども、単なる縄張り争いでは非常に困りますので、そういった点は十分ひとつ気を配っていただきたい。
 同時に、アメリカの議会筋でも大変な動きをこの超電導問題に対してはしているというふうに私は認識をいたしております。既に上院、下院に対して超電導に関する法案というものが、超電導競争法案というふうに私は聞いているんですけれども、とにかく超電導を早く実現せい、そのためには大いに競争せい、そういう会社が、研究者が出てくれば税制上の特典あるいは政治上の特典というものを与えるという意味合いで提案されているというふうに聞いているわけであります。
 したがって、これだけはどうも日本の技術陣には絶対に負けてはならないという、これは少しおもしろおかしく書いた本なんですけれども、そんなことがうたわれているほど非常に世界各国の目が超電導に向いているという話も聞きますし、さらに、私は知らなかったんですけれども、我々の国会の中にも、自由民主党の先生方が中心のようでございますが、既に百人の超電導懇談会というものもつくられているというふうに実はお聞きしておりますので、一つはアメリカ議会のその後のこの法案に対する動向ですね、現状、それと国会の中に百人委員会ができているということは事実なのかどうか、それをお伺いしておきたいと思います。
#24
○説明員(山本貞一君) まず、アメリカの議会の動向でございますが、今先生が御指摘されたとおりでございまして、まず三月三十日に一九八七年超電導法案というのがデュレンバーガー上院議員等から提出されております。その後、四月、七月に三本の法案が出されておりまして、都合今四本の法案が提出されておるわけでございます。
 アメリカでは国際競争という点に御指摘のとおり視点がありまして、かつ基礎研究だけじゃなくて製造法あるいは工程上の技術開発というところに重点を置くという、従来いわばアメリカが若干弱いと言われた面に重点を置くべきだという趣旨というふうに伺っております。その後のアメリカの議会の状況については今私どもさらに調査中でございますが、今提案されておるという状況のように聞いております。かつ下院等でコンファレンス、会議が超電導をテーマになされておりますし、下院で超電導に関する公聴会も開催されまして、各界の代表が証言を行いました。我が国からも長岡技術科学大学の斎藤進六先生が参加された次第でございます。
 次に、日本の国会議員、自民党の先生方の議員の中で今先生御質問の百人の議員懇談会が設立されているのは事実かという御下問と存じますが、超電導議員連盟、正確な名前ちょっと今手元にございませんが、超電導議員連盟を自民党の有志の先生方が八月に設立されたというふうに承知しております。
#25
○及川一夫君 大きな問題ですから、時と場合によれば超党派でこの種問題の実現に向けて努力し合うということはあっていいことだというふうに私は思うのですが、ただ、国会の中に議員連盟という名称になると、私らは余り呼びかけられた覚えがないものだから言うわけじゃないんですけれども、これからの問題として、私は取り扱いたいと思いますが、いずれにしても大変な問題であるということを認識した上に立って私どもも対応したいと思います。
 最後の質問として、まずこの超電導というものが実現をする見通しですね、本当に可能なのかどうか。可能だとすれば一体いつごろか。質問自体が大変抽象的で申しわけないんだけれども、一体科学技術庁や通産省が所管をしている立場からどの程度の確信というものを持たれているのか、それをお伺いして、私ちょっと最後に意見を申し上げて終わりたいというふうに思うのですが、いかがですか。
#26
○説明員(中野昭二郎君) 新超電導体につきましては、昨年スイスのIBMチューリヒ研究所において発見されまして以来、学界、マスコミ等におきまして特に高温化につきましてのさまざまのデータが出されているところでございます。
 実用化の見通しにつきましては、これにつきましては先月京都で開催されました低温物理学国際会議等におきましても明らかにされてきておりますけれども、現状の新超電導体につきましては理論の確立もなされていないということで、実体と申しますか構造も明らかでない、あるいは得られている物質の特性あるいは性能も不安定ということで、極めて基礎的研究を推進すべき段階にある、そういうぐあいに認識しております。
#27
○及川一夫君 時間がありませんので最後に意見を申し上げて終わりたいと思いますが、実は質問をするに当たって科学技術庁の皆さんや工業技術院、さらに通産省の皆さんにいろんな御意見をお伺いしたわけです。意見を伺う立場は、どうも私の認識からすると今にも実現しそうだ、もう五年先には、そういう気持ちで実は質問をしたわけであります。
 私は専門家じゃないですから何かに動かされているわけですね。ここに牧野さんの本があるんですが、こういう本があちこちに出回っているわけです。その本というのは、もう実現は絶対可能という前提に立っている、もうすぐだ、こういうのがどうも本当に多いんであります。ですから大変すばらしいことだなと。もう鉄鋼産業はだめ、造船産業はだめ、今や政府だって国会だって産業構造の変化という問題をとらえてそれを雇用問題へどう結びつけていこうかという話のときに、もう神がかり的な、すばらしい神風が吹いた、そんな
ことを書いているような本が非常に多いんです。
 ところが科学技術庁とか通産省になると、いやいやどういたしまして、そんな簡単なものじゃありません、今緒についたばかりです、こういう答えしか実は返ってこないのであります。慎重さがあっていいとは思うのですが、また余り変な甘い夢を持たせてもいかぬという点でもいいんですけれども、果たしてどうなのか。もしそういうことが実態だとするともうこういう本というのはみんなインチキということに実はなってくるわけです。牧野さんなんかはもう今までやっていた仕事をやめて、これは書かなきゃいかぬというのでぱっと書いたと書いているんですからね、この中に。非常にわかりやすくは書いているんですけれども、私は一体これでいいのかどうか、余り変に惑わすような本であってはならないと思うのですが、書いている方々はほとんど技術者の方々が多いものですから、どうしてもやはり研究成果を、研究の結果を大きく評価したいという意味で先に出ているのではないかというふうに思うのです。
 したがいまして、私はこの種問題については段階は必要だと思いますが、やはりある時期には監督官庁というか、こういったものを所掌として扱っている行政当局が一定の見解を加えながら、正しく縛りをかけながら大きな発展を期すという意味での指導というものがどうしても必要じゃないか、あるいはまた国民に対する呼びかけというものも必要ではなかろうか、こういうふうに実は思っているわけでありまして、きょうはその辺でやめたいと思いますけれども、ぜひそういうお計らいをお願いしたいということと同時に、ぜひこの問題については成功を期すために大いに力こぶを入れて対応すべきだということを結びにいたしまして、私の質問を終わります。
#28
○宮島滉君 先刻長官から、資源問題そしてエネルギー問題並びに石炭問題の情勢について御説明をいただいたところでありますが、私は、資源問題並びにエネルギー問題を中心に具体的な政策について、少し細切れになりますけれども御質問したい、かように思います。
   〔会長退席、理事沢田一精君着席〕
 我が国が資源に乏しいことは、これは一般的に認識されておるわけでございます。したがいまして、必要な資源の安定確保は言うまでもなく至上命題であるわけでございます。特に海外依存度が高いことからいたしまして、言うまでもなく国際協調を基本としながら長期的視野に立って備蓄あるいはまた探鉱開発、技術と資源政策を推進する必要があるということは言えるわけでございます。
 また、国内鉱業は鉱物の国際市況の変動、そして円高の進行によって極めて危機に立たされておるわけでございまして、経営の安定化が大きな実は課題と言えるわけでございます。
 さらに、先端産業等の基礎素材となるレアメタルの確保あるいはまた海底鉱物資源の開発等も推進しなければならないと思いますが、それらの資源政策の今後のあり方について政府としてその方針を少し具体的にお伺いをいたしたい、かように存じます。
#29
○政府委員(浜岡平一君) 資源の乏しい日本にとりまして、資源政策をどう構築していくかというのは長く大きい課題であろうかと思います。特に鉱物資源につきましては、まだ国内の資源の賦存状況も全く捨てたものではないという状況でございます。やはり一番基軸には国内資源の開発といった考え方が据えられるべきであろうかと思っております。何といいましても安定供給源でございますし、また地域経済への役割も大きいわけでございます。さらに資源政策を展開してまいりますためにはやはり何といっても技術と資本が根幹でございますけれども、これの供給源としての意味も持っているんではないかと思っております。
 ただ、御指摘のとおりおのずから限界があるわけでございまして、やはり海外資源の活用ということが望まれるわけでございまして、海外資源の開発等にも積極的な姿勢が必要でございます。ただ、その際、特に鉱物資源につきましては発展途上国の賦存量が大きいわけでございまして、これらの国々の経済のテークオフのためにこうした資源が活用されるべきだという要請が強いこともまた事実でございまして、やはり単に日本のためということではなくて、共通の利益のためというまさに経済協力の考え方というものがしっかりと据えられる必要があるんではなかろうかと思っております。特に太平洋地域におきましては今後の可能性も非常に大きいわけでございまして、特にこの地域にこうした姿勢で積極的に取り組んでいくことも必要なんではないかと思っているわけでございます。
 さらに、その先に深海底資源、深海底鉱物という領域が存在をいたしているわけでございます。現在この分野につきましては基本的な探査が行われ、また国際的な権利調整が行われ、技術開発が行われているというところでございまして、二十一世紀に多分花開く領域ではないかと思っております。日本のニューフロンティアといたしましても大いに期待されるわけでございます。
 しかし、この分野におきましても、マンガン団塊をめぐります国連海洋法条約の動きに見られますとおり、この資源は人類共通の資源としてとらえ、開発に当たりましてはこの開発成果を発展途上国のテークオフのために有効に活用しようというような考え方が織り込まれているわけでございます。そうした意味で、やはりこの分野でも国際的な協力という感覚が必要不可欠になっているというぐあいに思っております。
 以上申し上げましたように、国内資源の可能な限りの利用というものを確認しながら国際協調、国際協力という感覚をしっかりと持ちまして、海外資源、さらには深海底資源といったところにも視野を広げていくというのが今後の基本方向かと考えております。
#30
○宮島滉君 先ほども及川委員から御指摘があったわけなんですけれども、ただいま長官からもお答えがございましたように、いわゆる海外依存度が今日非常に高いわけでありますが、何としてもやはり国内の資源の開発ということがこれは自給向上をするためにも最も大切である、そのようにお話しになったわけでございます。したがいまして、我が国の現在の主要鉱物、これはそれぞれ物資の自給率は違っておる、私はかように思いますけれども、総括してその自給率というのはどの程度のものか、ひとつお答えをいただきたい、かように思います。
#31
○政府委員(浜岡平一君) まず、いわゆる非鉄金属の根幹でございます銅、鉛、亜鉛でございますけれども、銅につきましては自給率、これは国内鉱石への依存度というぐあいに御理解をいただければと思うわけでございますが、銅は一・六%、鉛は一八%、亜鉛は二九%弱といったような状況でございます。ほぼ同様の定義によりましてレアメタル、レアアースを見ますと、現在のところではほぼ全量を海外に依存しているという状況でございます。
   〔理事沢田一精君退席、会長着席〕
 なお、そのほかの分野につきましてちょっと言及させていただきますと、ニッケルもゼロ、クロムも二%程度というような状況でございます。
#32
○宮島滉君 ただいま伺いまして、特に主要鉱物については国内の自給率が極めて低いということを改めて認識するわけでありますけれども、そうしたときに、主要鉱物の安定供給の確保のために当然やはり自主開発の推進が重要である、かように思うわけでございます。したがいまして、その自主開発のために政府として現在どのような援助政策等々を含めましてその推進方をなさっておるか伺いたい、かように思います。
#33
○政府委員(浜岡平一君) 御質問の点につきましては、従来からいわゆる三段階システムと呼んでおります仕組みを基本にいたしているわけでございます。
 第一段階の広域的な調査でございますけれども、これにつきましては国の役目を中心にすべきものというのが基本的な考え方でございまして、金属鉱業事業団が国から委託を受けて取り組んで
いるわけでございます。これによりましてある程度有望と目される地域がクローズアップされてまいりますと精密地質構造調査を行うというわけでございまして、これが第二段階になるわけでございます。
 この段階になりますと、やはり企業の役目というものを中心に考えておりますが、かなり手厚い補助を行っております。所要経費の十五分の十を金属事業団を通じまして国が補助をし、十五分の二を都道府県が補助をし、残りました十五分の三を鉱業権者が負担するというような仕組みになっているわけでございます。
 第三段階がいわゆる企業によります探鉱開発というような段階になってくるわけでございます。この段階につきましては、金属鉱業事業団からの融資というものが基本の仕組みになっているわけでございますけれども、特に中小鉱山につきましては、全体の計画づくり、さらには必要なマンパワーの養成といったところをひっくるめまして総合的な合理化指導事業を行っているところでございます。なかんずく骨格になっております開発事業につきましては二分の一の補助、それから人員の研修につきましては三分の二の補助というような仕組みをとり良して取り組んでいるところでございます。
#34
○宮島滉君 この調査会でも石炭政策についてはよく声高に審議がなされるわけでございますけれども、非鉄金属鉱業についてはややもすると取り残されたような印象も実は受けるわけでございます。ただいま長官の御答弁を伺っておりまして、それなりの諸政策がとられておるところでございますけれども、この第一次産業はややもすると非常に取り残されている分野でもございますので、ひとつ積極的に私は取り組んでいただきたい。特に先端産業を控えての主要な物資、重要な資源でございますので、ぜひこれらの産業について改めて政策をひとつ講じていただきたい、かように存じます。
 そこで、次のお尋ねでございますが、希少鉱物でありますところのレアメタルについて少し伺いたいと思います。
 現在、新エネルギー革命と言われております超電導開発に不可欠なレアメタルの需給状況、先ほども及川委員の中でお答えはいただいたわけでありますけれども、その状況等について突っ込んでひとつ御答弁いただきたい、かように存じます。
#35
○政府委員(浜岡平一君) 私どもレアメタルにつきましては、先ほど来御指摘がございますように、特殊鋼その他の新しい素材の開発のためにも、またエレクトロニクス技術の発展のためにも極めて重要な分野であるというぐあいに考えております。単に素材としてだけではなくて、その持っております機能が注目されるようになっているというような観点を重視したいというぐあいに考えまして積極的に取り組んできたわけでございますけれども、先ほど来お話がございますように、さらに最近になりましては超電導のブレークスルーといったこととの関係で、レアメタルの一分野ではございますけれども、レアアースといった分野も改めて注目されるようになってきておりまして、この分野にさらに光を当てていく必要があろうかというぐあいに考えているところでございます。
 レアメタルにつきましては、特に既に多くの分野におきまして実用に供されております七鉱種につきましては備蓄といった対策に取り組んでいるわけでございますけれども、やはりそれ以外の分野につきましても資源の探査、探鉱開発、さらには採取、製錬、利用にまたがります技術の開発、こういった分野にも積極的に取り組んでいく必要があろうかというぐあいに考えている次第でございます。
 なかんずくレアアースにつきましては、これは探鉱開発あるいは技術開発の分野での手を怠っておりますと、下手をしますと全体の夢が砂上の楼閣にもなりかねないわけでございますので、地道な努力の積み上げが必要かというぐあいに思っております。幸いにいたしまして、現在言われております酸化物系といいますかセラミックス系の超電導のブレークスルーが実用化に至りますまでにはまだある程度の時間があるようでございますので、この時間的余裕を利用いたしまして十分努力をいたしまして、いよいよ実用化という段階で材料面でボトルネックが生ずるということのないように努力をしなければならないと思っております。
#36
○宮島滉君 ただいまレアメタルにつきましてのお考え方を伺ったわけでありますが、先ほども長官は、まず何といってもその技術的な開発が最も大事である、そしてまた海外に依存するためには海外の開発も必要である、特にやはり開発途上国についてのこれからの援助ないしはそれによる開発も必要であろう、また同時に深海底資源によるところの新しいフロンティアとしての開発も必要であろう、このようにお話しになったわけでありますが、なかんずく発展途上国におけるレアメタルはそれぞれ鉱物の資源を有する国が非常に少なくないんじゃないか、このように実は思います。これらの中には、非常に開発に当たっては資金的な面あるいはまた技術的な障害で十分に開発できないでいることも否めない事実でございます。したがいまして、私が申し上げたいのは、このために経済協力によっていわゆる資源開発を促進することが極めて大事ではないか、このように思うわけでございます。現在我が国が海外援助としまして、特に開発途上国に対しますところの政府開発援助のODAでありますけれども、これらのODAの資金を資源開発に積極的にやはり活用していくべきではないか、このように実は考えるわけでございます。
 そこでお尋ねするわけでございますが、現在の海外援助資金につきましてどの程度資源開発に使用されているのかどうか、そこらあたりの事情をひとつお聞かせいただければと、かように存ずるわけでございます。
#37
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘の点は極めて重要な課題でございます。現在資源開発をめぐります経済協力につきましては、国際協力事業団が基本的なプランを立案いたしまして金属鉱業事業団に実際の仕事を委託するというような仕組みがとられているところでございます。六十二年度予算におきましては約二十六億円がこの事業に投入をされているというような状況でございます。
 従来から幾つかのプロジェクトが動いておりまして、年々幾つかのプロジェクトがスタートをいたしまして、それを累計いたしますと現在十五の地域で資源開発調査が行われているわけでございます。
 なお、最近におきまして海底資源、深海底資源が注目されるようになりまして海洋資源調査というジャンルが新しくつけ加えられているわけでございますけれども、太平洋諸国に対しまして一地域というぐあいにグルーピングしてございますけれども、やはり積極的に取り組みを始めたところでございます。十五地域の中には中国、タイ、パキスタン、ケニア等々の国が含まれているわけでございます。
#38
○宮島滉君 ただいまお答えいただきましたように、資源開発のためには海外ODA援助は極めて大事である、このように御答弁いただいたわけでございます。したがいまして、今後このODAの援助資金を積極的にやはり私は活用していただいて、そして供給の安定確保のために御努力いただきたい、かように存ずるところでございます。
 次に、レアメタルと同様に我が国にとって必要不可欠の資源であります石油について少しお伺いしたいと思います。
 まず第一に、最近のペルシャ湾情勢のもとで供給に不安な状況はないのかどうか。全く変化があっていないのかどうか。そして万一ホルムズ海峡の封鎖などいわゆる不測の事態を生んだ場合――不測の事態があるとは考えられませんけれども、万一やはり不測の事態があったということを想定した場合、いわゆる影響はどうなるのかひとつお伺いをいたしたい、かように存じます。
#39
○政府委員(内藤正久君) 今、先生御指摘のとお
り、ペルシャ湾情勢緊迫の度を加えておりますけれども、日本との関係で見ましても、一月以降日本関係のタンカー五隻が被弾事件をこうむるという動向になっておるわけでございます。かつ、先生の御指摘のとおり石油の供給に当たりまして日本はホルムズ海峡経由のものが約五五%ということで、ペルシャ湾の動向が非常に気にかかるところでございまして、国連を中心とする外交努力の成り行きを含め、その動向について重大な関心を持って見守っておるというのが実態でございます。
 それとの関係で石油情勢でございますけれども、現在の国際石油情勢は、六月にOPECが第三・四半期より第四・四半期の生産数量を決めておりますけれども、それがいずれも日産で千六百六十万バレルという合意をして生産を決めたわけでございますが、実際上の生産はその枠を大幅に超えまして、七月では約二百万、八月では約三百万バレルというオーバープロダクションをいたしております。それで、かつ万一の事故があったといたしましても、ペルシャ湾岸以外のOPEC諸国及び非OPEC諸国になお供給余力があるということから、石油情勢については引き続き注視する必要はございますけれども、直ちに供給不安が起こるということはないものと思っております。
 今、先生御指摘の、ではホルムズ海峡閉鎖があった場合にどうなるのかという御質問でございますけれども、現時点では我々は予測し得ないシナリオと思っておりますけれども、仮に全く仮定の話といたしましてそういうことが起こったとあえて考えてみますと、中東地域にはパイプラインによる油送能力がなお余裕がございます。しかも先ほど申し上げましたようなOPEC以外の諸国あるいは湾岸以外のOPEC諸国からの供給増が期待されるということで、かなりの部分がそちらの供給で賄えると思っております。
 さらに、それが予想どおりの供給が行われないということになりますと、現在保有しております石油備蓄、これが現在日本の消費量ペースで約三十八日ございますので、それを取り崩して安定供給に支障の生じないような対応も準備をしておるということで、情勢については注視はいたしておりますが、当面の動きの中では特に安定供給に支障を生ずることはないというふうに考えておるところでございます。
#40
○宮島滉君 ただいま御答弁いただきましたように、それなりの対策なり、そして備蓄によって十分な安全保障が保たれている、このように存ずるわけでありますが、そこで石油備蓄につきましてお伺いをいたしたいと思います。
 昭和五十年度から民間備蓄を、また昭和五十三年度からは国家備蓄としておのおの開始されているわけでございます。特に国家備蓄については、当初タンカーによる備蓄でありましたが、最近は備蓄基地の完成に伴いこれらにかわっているところであります。現在民間備蓄量が約五千二百万キロリットル、そしてまた国家備蓄量が約二千三百万キロリットルであります。そして国家備蓄は来年度当面の目標であります三千万キロリットルをクリアする、このようにうかがっておるわけでありますけれども、これらのことにつきまして少し詳細にお尋ねをいたしたいと思います。
#41
○政府委員(内藤正久君) 先生御指摘のとおり、石油備蓄、これは日本のエネルギー政策上基本的に重要な一つの柱であると認識いたしております。その背景といたしましては、先ほども御説明いたしましたとおり一次エネルギーの中で石油の占めます比率が約五五%、しかも輸入石油の依存度が九九・七%、先ほど申し上げましたようにホルムズ依存度が五五%という非常に脆弱な供給構造になっておりますので、今後とも経済安全保障上の重要な施策として位置づけてまいりたいと思っております。
 その現状でございますけれども、今御指摘のございましたように、ことしの七月末で民間備蓄九十五日分、国家備蓄四十三日分、合わせて百三十八日分の備蓄水準を維持いたしております。先生御指摘のとおり、国家備蓄につきましては六十三年度末三千万キロリットルを達成するという目標を着実に実施していくということで、本年度につきましては三百万キロリットルの積み増しを予定いたしておりまして、今年度末には二千七百万キロリットルの水準に達するものと予想をし、それを着実に実行しておるというのが実態でございます。
#42
○宮島滉君 本年五月に開催されましたIEA閣僚理事会において緊急時に取り崩し可能な石油備蓄の増強が合意されているわけでございます。したがいまして、備蓄に対する我が国を含む欧米諸国の最近の状況について、これも少し具体的にお伺いをしたい、かように思います。
#43
○政府委員(内藤正久君) 今、先生御指摘のとおり、ことしの五月のIEA閣僚理事会で備蓄のあり方が基本的な問題となり、議論をし、合意に達しております。
 その場合の共通の認識といたしましては、中長期的には非OPEC地域の石油生産は横ばいになっていく。他方需要の方を見ますと、発展途上国を中心に着実な需要増加が見込まれる。供給面にはなお中東依存が高まっていくということの中から、一九九〇年代に向けて石油供給が不安定化するという懸念が共通の認識として持たれたわけでございます。その認識のもとに、今先生御指摘のとおり、ことしの五月の合意事項といたしまして、一九九〇年代に向けて石油備蓄の重要性を一層強く認識し、加盟国が備蓄の積み増し、特に利用可能な備蓄の増強を行っていくということで合意を見ておるところでございます。
 それで、この合意の方向に沿いまして、IEAの加盟国家はもちろんでございますが、IEAに加盟をいたしておりませんフランス等につきましても備蓄の増強が相当に議論をされておる実態でございます。
 我が国につきましては、先ほど申し上げましたように、当面国家備蓄につきまして従来からの計画でございます六十三年度末三千万キロリットルの積み増しを着実に実行してまいるわけでございますけれども、アメリカにつきましては七億五千万バレルを備蓄目標といたしておりまして、現時点で約五億三千万バレル程度の備蓄をいたしておると理解をいたしております。
 それからオランダでございますが、これはことしの一月から、形は共同備蓄ということになっておりますが、実質的には国家備蓄を推進いたしておりまして、四十五日プラス二〇%程度の備蓄を国で保有するということで、相当のアクセシブルストックの増大という目的のための努力が行われております。
 それから西ドイツにつきましても、民備を一部軽減し共備を拡大する。共同備蓄の実際上のコントロールは国がやるということで、国情に近い形での共同備蓄の改正案が西ドイツの議会で今議論をされておると理解いたしております。
 それからフランスにおきましては、来年の一月から共同備蓄を導入するということで、政府の支援を含めて備蓄の増強策が議論されております。
 そういうことで、IEAの合議を踏まえ、あるいはその動向を眺めながら関係国がそれぞれ備蓄政策を強化しておるというのが現状でございます。
#44
○宮島滉君 ただいまのお答えによりますと、各国とも国家備蓄については積極的にその対応がなされておるようであります。我が国はIEAの水準からいたしますと必ずしもその水準に達しているとは言えないわけでございます。したがいまして、この国家備蓄についてはやはり政府としては十分な私は対応が必要ではないか、このように存じます。
 そこで、石油備蓄について、やや一部については負担軽減を求める声も実はあるわけでありますが、ただいまお答えをいただいたように、世界情勢は極めて備蓄についての積極的な施策をそれぞれとっておるところでもございます。したがいまして、我が国として現在この国家備蓄につきましてそれぞれ備蓄基地を建設中である、このように思うわけでございますが、その建設中または工事
準備中の国家石油備蓄基地のうち、その完成計画が非常にまだ不確定なものが実は見受けられるわけなんです。
 そこで、不確定ないわゆる石油備蓄基地について政府としてはどのようなお考えをお持ちであるかお伺いをいたしたい、このように思います。
#45
○政府委員(内藤正久君) 国家備蓄につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、三千万キロリットルの国家備蓄原油を安定的に貯蔵する公共施設ということで、全国十カ所に施設容量ベースで約四千万キロリットルの貯蔵が可能になるタンク等を建設いたしております。既に二カ所について完成を見ておるところでございます。他方その完成までの間、国家備蓄を計画的に進めますために民間の余剰タンクを借り上げておりますけれども、これは国家備蓄の完成までの間の活用ということで位置づけておるところでございます。
 国家備蓄基地、したがいましてあと八カ所が現在建設中、一カ所についてはほぼ大宗建設が終わっておるというもの、あるいは来年完成するもの、再来年完成するもの、いろいろございます。一部のものにつきましては六十五年完成ということで、建設の実態に応じて変動要因はございますけれども、結論として申しますと、全国十カ所、四千万キロリットルに相当する施設は計画に沿って、かつ、その建設の実態に沿って着実に進められておると理解いたしておりまして、今後ともその実行を着実に推進していきたいというふうに思っておるところでございます。
#46
○宮島滉君 五十三年度から国家備蓄が開始されたわけでございますけれども、その建設について不確実なものが現在あるわけでございます。そのお答えとしては、ややもするといわゆる民間備蓄の施設を今後使用していくんだ、そのようなお答えのように実は伺ったわけでございます。
 そこで、私は長崎県に現在建設途上でありますところの上五島石油備蓄につきましてお伺いをいたしたい、かように思うわけでございます。
 御存じのように、上五島石油備蓄につきましては六十三年度完成の予定に実は相なっておるわけでございます。その設備量は四百四十万キロリットルの設備が完成するわけでございますが、しかしながら、この備蓄の当初計画というのは御存じのように六百万キロリットルを満たすために実は計画がなされて周辺対策等ともすべて設置されたもの、そのように私は理解をいたしておるわけでございます。
 過般、八月の三十日から三十一日、長崎県にとりましては未曾有の台風がございました。そして長崎県におきましては五百億を超えるというような大災害をこうむったわけでございます。特にその中で五島列島の中にあります福江市、それからまた同じ五島列島の中にあります小値賀町、それから平戸市は激甚地のいわゆる災害救助法を受けたまさに台風の通過地点であったわけです。その位値に上五島石油備蓄基地は存在するわけでございますけれども、幸いにしてこの基地は全く損害も何もなかったということでございますから、いかに適地を選ばれていたかということも一つ言えるわけでございます。
 したがいまして、そのような不測の事態があるにもかかわらず何らの障害、支障がなかったということでもございますし、これは洋上式でもありますけれども、何としてもやはり当初計画でありますところのいわゆる六百万キロリットル、あと八十八万キロリットルを二基追加しますと完成、当初計画のとおりこれは実現するわけでございます。そうしますと非常にコスト面からしましても割安になるんじゃないか、私はこのようにも判断をいたすわけでございます。また地元として大変実はこの件につきましては強い要請がなされておるわけでございます。
 少し手前みそになりますけれども、長崎県は造船、そして炭鉱が御存じのとおり昨年閉鎖をいたしました。そして今や地元は非常に不況下にあることは御存じのとおりだ、このように思うのです。そういう観点からしても、何とかして上五島石油備蓄基地のいわゆる当初計画の完成を地元の経済界を含めまして県民は大変切望をいたしておるところでございます。
 ですから、一つは要望にもなるわけでありますけれども、何としてもこの実現方をお願いいたしたい、このように思っておるところでございますが、ひとつ政府の真意のほどをお伺いをいたしまして質問を終わりたい、かように存じます。
#47
○政府委員(内藤正久君) 今、先生御指摘の上五島国家石油備蓄基地の建設でございますけれども、地元の全面的な御支援を得て来年十月ごろには完成をするということを目標に現在建設中でございます。
 御指摘のとおり、施設容量につきましては八十八万キロリットルの貯蔵船五隻ということで、四百四十万キロリットルの基地として建設しておるわけでございます。先ほど来申し上げております国家備蓄三千万キロリットル計画に対応した全国十カ所の施設容量合計は、貯油率七五%という設計でございますので、施設としては四千万キロリットルということで確定をいたしております。その計画の中では上五島は玉そう分、四百四十万キロリットルということで内訳として計上されておるわけでございます。
 今、先生御指摘の六百万キロリットルという議論が一時建設の経過の中で議論があったという経過は理解いたしておりますけれども、最終的に三千万キロリットル体制を決めましたときには四百四十万ということで取り扱われておったというのが東京側の理解でございます。したがいまして、現時点では上五島におけるさらなる備蓄基地の増設ということは具体化は困難であるというのが実は実態でございます。
 なお、御参考まででございますけれども、今後備蓄をどうしていくかということを今審議会で議論をいたしております。晩秋までにある程度の方向性が出てくるかと思っておりますけれども、そのときの一つの重要な考慮要因といたしまして、万一国家備蓄を増強いたす場合にも、ことしの七月、総務庁から行政勧告が出ておりまして、民間余剰タンクが非常に多いという実態を踏まえて、その利用可能性を総合的に勘案して民間余剰タンクを利用しろという政府全体としての動向もございます。
 そういうふうなものを踏まえながら、いずれにいたしましても備蓄のあり方全体につきまして今審議会で議論をしておるというのが実態でございます。
#48
○馬場富君 長官の方から先ほど説明がありましたエネルギーの現状についての中から三点ほど質問いたします。
 最初に、国内資源の問題で国内金属鉱業の現状でございますが、戦後の我が国の発展に金属鉱業の担ってきた役割というのはやはり大きいと思うのです。今は海外依存度が非常に強くなってきておりますが、そういう点でやはり国内鉱山のあり方というのも私はこれからの資源の中で大事な問題だ、こう考えます。その技術は海外資源の開発を進める場合にもぜひまた必要であるというような観点からも、やはり国内鉱山は可能な限りその維持、存続が図られなければならない、そう考えておりますが、国内鉱山のあり方について政府はどのようにお考えか、ひとつ御説明願いたいと思います。
#49
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、いろいろな存在意義を日本の国内鉱山は持っておるんではないかと思っております。
 ただいま先生御指摘になりましたように、確かにウエートから申しますと海外資源あるいは二十一世紀には深海底資源への依存度といったものが上がってくるわけでございますけれども、しかし、こういった分野に挑戦をいたしております企業は何であろうかということで見てみますと、これはやはりその出発点は国内鉱業に置いた企業が多いわけでございます。また、実際に海外あるいは深海底で応用されます技術というものもやはり国内で涵養され蓄積をされた技術といったものが使われているわけでございまして、日本の鉱業のフロンティアを広げてまいりますためのいわば出
発点というのはやはり国内鉱山、国内資源にあるということが言えるんではなかろうかと思っております。
 また、分野によりましてはまだ国内資源への依存度の高い分野も存在をしているわけでございまして、これにつきましては何といいましても安定供給源だというような意味合いも大きいと思っております。さらには、地域経済にとりまして中核的な意味合いを持っている場合も決して少なくないわけでございます。
 こういった観点を総合的に考えてまいりますと、やはり今後の日本の鉱業政策の根源には国内資源の有効活用という考え方が据えられる必要があろうかというぐあいに思っている次第でございます。
#50
○馬場富君 そこで、位置づけについては重要な位置づけにあるとおっしゃいましたが、現状は非常に関係者から危惧されておる現状なんですね。後刻また論議されます石炭と同様に日本のやはり金属鉱業の将来も、銅、鉛などベースメタル等の国内鉱山は主要六鉱と言われておりますが、これらの鉱山の将来性についても大丈夫かという声が石炭に次いで起こるんではないかという危惧も非常にありますが、この六鉱の個々の経営の見通しについて御説明願いたいと思います。
#51
○政府委員(浜岡平一君) 非鉄金属につきましては、やはりほかの産業分野とは相当違う経営環境ともいうべきものが存在をしているんではないかと思っております用地金の価格にいたしましても、また鉱石の価格にいたしましても、基本的にはLME、ロンドンメタル市場の価格と連動して動いているといったファクターがあるわけでございます。こういった状況の中で、そもそも国際的なやや供給過剰の中で国際価格が下がっているという状況があったわけでございますけれども、なかんずく六十年秋以降の急激、大幅な円高というものが何といいましても非常に大きな打撃を与えているという状況であろうかと思っております。
 現在、先ほどちょっと冒頭の御説明でも申し上げたわけでございますが、少し世界的にも需給状況に改善の兆しが見えておりまして、価格もどん底を脱したというような状況かと思われるわけでございますけれども、何といいましてももう一つの要素でございます円の為替相場の方が極めて不透明でございます。この動きいかんによりましては残念ながらもう一つ大きな打撃が及ばないとも言い切れないわけでございます。
 私どもといたしましては、こうした不安定要因というものに直面しながらの企業経営は大変苦しく難しいものだというぐあいに想像いたしておりまして、やはり引き続き経営安定資金の融資等を通じまして、こうした大きな環境の変化に対応できるよう自己努力と相まちまして適切な支援をしてまいりたいというぐあいに思っております。決して楽観は許されないというぐあいに思っておりますけれども、最善の努力を期待いたしたいと思っているところでございます。
#52
○馬場富君 次に、先ほどずっと質問が続いておりましたレアメタルについて、私は、これが非常に超電導などの先端技術に欠かすことのできない大事な資源であるということは説明でよくわかりますが、この需要が非常に急速に伸びておるというような状況から、今後の資源のあり方について大変心配になっていくんではないか。長期的に見てみても需給の増大傾向がどんどんとふえてくる。そういう点で、いいことではありますが、資源に一つの限定があるために、通産省の試算によりましても二十一世紀の市場規模というのは現在の三倍に達するということが言われておるわけでございますが、そうなった場合の資源の安定的な供給というのは非常に難しいんじゃないか、場合によっては枯渇するんではないかという危惧があるんですが、ここらあたりはどうですか。
#53
○政府委員(浜岡平一君) いろいろな見方があろうかと思うわけでございますけれども、現在世界の鉱物資源につきまして最もオールオーバーな調査として挙げることができます米国鉱山局の資料によりますと、かなりばらつきがあるわけでございます。
 現在備蓄対象として私どもが取り上げております七鉱種について見てみますと、一九八三年現在の可採年数、現在の可採埋蔵量を現在の消費量で割った数字でございますけれども、かなり幅がございます。タングステンで六十年弱というのがどうも低いところでございますが、高いところで見ますとクロムの三百五十年強というような数字もあるわけでございまして、七鉱種で六十年から三百五十年というような幅がございますけれども、現在のところでは目先枯渇というようなことは世界的な視野で見れば一応懸念されないと申し上げてもいいんじゃないかというぐあいに思っております。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、世界的な賦存状況というものがかなり偏っているわけでございます。また消費量は先生御指摘のように今後上がっていくわけでございまして、可採埋蔵量がふえてまいりませんとどんどんと可採年数は低下していくわけでございます。需要がふえて可採埋蔵量がふえなかったという場合には、紀元二〇〇〇年ごろには先ほど申し上げました可採年数が二分の一から三分の一に落ちるんではないかというような予測もあるわけでございまして、決して楽観は許されない、探鉱開発面での努力の積み重ねが必要不可欠ではなかろうかというぐあいに思っております。
#54
○馬場富君 そこで、石油危機と同じように、やはりこのレアメタルについても我が国は無資源国でありますし、そういう点では政情のいかんによってはいろいろな点で心配される面があります。石油危機が代替エネルギーを生んだように、先ほども説明の中に代替物質の研究が進められておる、その中にファインセラミックスなどの名も挙げられましたが、代替物質の研究開発について、やはり将来的にレアメタル、天然資源につないでいけるような研究成果が上がっているかどうか、御説明いただきたいと思います。
#55
○政府委員(浜岡平一君) レアメタル資源の探鉱活動は、ほかの資源と比較をいたしますと比較的近年になって活発化しているというような状況でございます。なかんずくレアアースにつきましては、これから積極的な取り組みが始まろうというような状況になっているわけでございます。ただ、レアメタルにいたしましても、それから特にレアアースにつきましては探査技術の面におきましてあるいは製錬、回収技術の面におきまして伝統的な鉱産物とはかなり違った面が存在をいたしておりまして、この面での積極的な努力が必要であろうかというぐあいに思っているところでございます。特に現在の段階では、まだ十分に利用されてない分野に取り組んでいくといたしますとこういった課題が必要不可欠かと考えております。
 日本の状況はこれからまさに積極的に取り組んでいこうというような状況になっているわけでございます。特に海外に賦存をいたしております資源につきましては、日本だけではなくて、発展途上国等を中心にいたしまして海外諸国との協力といった方向も十分に織り込みながら対応していきたいというぐあいに思っているところでございます。
#56
○馬場富君 もう一つは、これは限定された資源ですから、有限な資源ですから、そういう点ではやはりレアメタルの回収のための国際技術協力というのが必要ではないか。今現在回収技術がないために捨てられておるという話も随分あるわけですね。こういう点については、有限な、また貴重な資源であるだけに、やはり国際協調をしまして、産出国とも技術連携をとりながらこういう分野の協力が必要ではないかと思いますが、どうですか。
#57
○政府委員(浜岡平一君) 全く御指摘のとおりでございます。発展途上国の未回収資源に対します技術協力は、経済協力政策の中でも大きな位置づけが与えられてしかるべきものだというぐあいに思っている次第でございます。
 こういう観点から、例えば昭和五十九年度から、タイとの間でスズの選鉱をいたしました後に
残りました廃滓からレアメタル資源を回収し有効活用するといった技術につきまして共同の研究開発を進めているところでございます。今後ともこうした分野での種といいますか、シーズを積極的に拾い上げまして推進をしていくことが必要不可欠であろうと思っているところでございます。
#58
○馬場富君 次に、特に資源のない日本として科学技術庁も非常に真剣にこれに取り組んでおるいわゆる深海底鉱物資源の開発についてですが、先ほども述べられておりますが、特に太平洋の深海底資源というのは無限の宝庫であるとまで言われ、太平洋の時代とも、あるいは二十一世紀は海底資源の時代だとも言われております。
 そういう点で、特に日本は無資源国だという点もありますし、もう一点は何といっても海洋日本という、すぐれた船舶や技術も持っております。今マンガン団塊とかあるいは海底熱水鉱床とかあるいはコバルト・リッチ・クラスト鉱床、こういう探査が進められておることは非常に結構なことですが、これからの資源という点で、やはり日本の資源のポイントはここらあたりに置いて長期的に取り組むべきである。そういう点で科学技術庁等も「しんかい」等の海底探査の船等を建造しながら真剣に取り組んでおるようですけれども、この点、科学技術庁とエネ庁との連携はどのようになされていますか。
#59
○政府委員(浜岡平一君) 深海底鉱物資源の開発利用を含めました海洋開発が日本の今後の大きなフロンティアであることは御指摘のとおりでございます。鉱物資源、漁業資源、その他多くの資源の有効な活用のためには総合的なビジョンと構想が必要でございまして、科学技術庁の方におかれましてもそういった観点から海洋開発の総合的なブランというものをお示しいただいているわけでございます。
 私どもも、そういった海洋開発の計画の中に深海底鉱物資源の開発利用といったものをしっかりと位置づけていただくようにお願いをいたしておるわけでございますが、幸いにいたしまして十分な御理解をいただいているんではなかろうかと思っているところでございます。現在深海底資源の探査につきましては、金属鉱業事業団の白嶺丸あるいは第二白嶺丸等を活用いたしまして積極的に取り組んできているところでございます。
 今後の課題といたしましては、一つはこの深海底からいかに有効に効率よくマンガン団塊等を採取するかという問題があるわけでございます。現在私どもの方でもこのマンガン団塊の採取システムの開発に取り組んでいるところでございますけれども、それの成果を海洋利用全体の中での位置づけをしっかりとらまえながら積極的に適用していく段階がいずれ来るのではなかろうかというぐあいに思っております。
 さらに、その先の課題といたしましては、深海底資源につきましては製錬段階等でもまた特別の工夫が必要ではなかろうかと思っているわけでございまして、この面での技術開発等にも積極的に取り組んでまいりたいというぐあいに思っております。大変広大な海洋でございますので、幾つもの目的と計画が並立し得る可能性は十分大きいというぐあいに思っておりますけれども、総合的な視野の中で適切な位置づけを見つけていく必要があろうと考えております。
#60
○馬場富君 あと要望で終わりますが、先ほども質問の中に出ておりましたいわゆる海外で摩擦を起こすことは、日本もいろんな大きな国際問題を抱えておりますし、そういう点でやはり海外協力というのも、また援助ということも非常に大きいポイントにもなってまいります。そういたしますと、日本の資源の開発になる深海底がそういう方向で使われることは政策上も最高の政策である、そう考えますので、ぜひ長官もこの深海底資源の問題についてはひとつ全力を挙げて取り組んでいただきたいということを強く要望いたします。
 最後に、第一次、第二次オイルショックがありまして、そのときの日本の私どもに与えた教訓は、石油依存が高過ぎた、低くしよう。それからもう一つは、政情不安な中近東依存をなるべく避けよう。もう一つは、これにかわる代替エネルギーの開発を強力に進めるべきだ。この三つが原則で日本のエネルギー対策を実はあの当時論議したと思うのです、我々も。この考え方は今も変わっていませんか。
#61
○政府委員(浜岡平一君) 全く変わってないと申し上げていいんではないかと思っております。先ほど石油部長からも御説明申し上げましたように、依然としてやはり日本のエネルギーの供給構造には脆弱性が大きく残っていると思っているわけでございます。今後とも石油につきましては、備蓄政策それから自主開発原油の確保、さらには供給源の多角化といった努力が必要かと思っておりますけれども、さらに、これに加えまして代替エネルギーの開発の促進、さらにはたゆまざる省エネルギーの努力といったものが必要であろうと思っておりまして、こうしたいわゆる総合エネルギー対策につきましては今後とも手を抜くことなく取り組んでまいりたいと思っております。
#62
○馬場富君 後の石炭のときにもちょっと質問いたしますけれども、環境庁と通産省の立地公害局が見えていると思いますが、それは近距離、中距離的にはそういう見通しの角度でいいと私は思いますが、今世界の専門家の間で論議の的となっておるのは、実は核融合の開発が進められておりますが、これは少なくとも五十年はかかるだろう。非常にきれいで、また非常に資源も多くある核融合は非常にエネルギーの立場から重要視されておりますけれども、まだ開発に最短距離でも五十年はかかるだろう。その間いずれの燃料を主にして考えていくかという問題が世界の専門家の中で多く論じられておりますが、その中で化石燃料から出すいわゆる炭酸ガスの汚染というのが非常に重要問題になってきているわけです。この点について環境庁と立地公害局がかなり検討してみえるようですが、ちょっと簡単に説明してもらいたいと思います。
#63
○政府委員(浜岡平一君) 現在、立地公害局の方で勉強いたしております結果としての認識につきまして私の方から御説明をさせていただきますと、確かに化石燃料の燃焼によって生まれてまいります二酸化炭素がいわゆる温室効果といったようなものを通じまして地球全体の環境に長期的には影響を与えていくんではないかというような問題指摘があるわけでございます。大気中の二酸化炭素の濃度の観測におきましては、やはり少しずつではございますけれどもその濃度が上昇しているというような事実もあるわけでございまして、長期的な観点から見ますと、今後のエネルギー政策を考えてまいります際にはこうした観点を忘れることは許されないんではないかというぐあいに考えている次第でございます。
 そうした意味でも石油依存度の低下といったことは一つの意味合いを持っているわけでございますけれども、しかし、代替エネルギーの選択に当たりましては、単に石油依存度の低下というだけではなくて、代替エネルギーの中の選択の問題というぐあいに課題がつながっていくんではないかというぐあいに思っております。
 先生御指摘のように、長い目で見ますと核融合といったものが最もこういった地球環境に対しましては大きなブレークスルーになるんではないかというような観点もあろうかと思います。また、そこに至りますまでの間のいわゆる原子力利用につきましても、安全面での対応に万全を期していく限りこうした地球全体の環境という観点から見ましてもそれなりの存在意義は持ち得るんではないかというぐあいに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、ただいま御指摘の視点というものは、やはり今後のエネルギー政策を考えてまいります際に決して欠かすことのできない視点であろうというぐあいに思っている次第でございます。
#64
○会長(大木正吾君) 簡潔にお願いします。
#65
○説明員(黒川雄爾君) CO2の増大の原因は、先生御指摘のように化石燃料の使用とそれから森林破壊というものであるとされております。
 それで、二酸化炭素の濃度が上昇していることはハワイのマウナ・ロア観測所の記録でも裏づけられております。例えばそれによりますと、毎年一・五ppm程度上昇しておりまして、六十年には三四五ppmになっています。それで、二酸化炭素濃度の上昇の影響につきましては、必ずしも研究が十分進んでいるわけではないわけですけれども、二酸化炭素濃度が二倍になると一・五度ほどから四・五度ぐらいの気温上昇が生じるとか、それによって海面が相当上昇するのではないかといったような報告が出ております。
 環境庁としましては、地球的規模の環境問題に関する懇談会というのが環境庁長官のもとにありますけれども、ここで大気中の二酸化炭素濃度上昇による温室効果の問題とか、先ほど申しましたような森林の破壊など、そういった地球的環境問題について検討を重ねてきております。
 しかし、この問題は全地球的な取り組みを必要とする問題でありまして、まず科学的知見の確立など、こういったものにつきまして世界気象機構とか国連環境計画などの国際機関を通じた協力が必要ではないかというふうに考えております。これらの国際機関における検討、あるいはことしの四月に公表されましたけれども、環境と開発に関する世界委員会の報告書などを踏まえながら環境庁としての取り組みを検討していきたいと思っております。
#66
○神谷信之助君 先ほどの報告に関連して若干の質問を時間の許す範囲で行いたいと思います。
 先ほど国内鉱山の状況について、未曾有の危機的な状況だという報告がありました。まさにそのとおりだと思うのですが、それを前提にして一、二間お伺いしたいのは、一つは、鉱業審議会の昨年の九月に出した建議ですね、あれは一ドル百七十円をベースにした対策を建議しているんですが、今日御承知のように百四十円台というレートになっております。そういうことで、一般新聞でも抜本的な対策を講じなければ鉱山は全滅するというような報道もあるんですが、これに対する対応はどのようにお考えですか。
#67
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のように、鉱業審議会の建議が行われました時期と比べますとまた一段と環境の変化があることは事実でございます。確かに為替レートにつきましては先生御指摘のように一段と円高の様相が顕著になってきているわけでございます。他方国際価格といいますか国際需給につきましては若干改善の気配も見られるわけでございますけれども、決して楽観を許さないというような状況でございまして、気を許すことは全く許されないというぐあいに思っているわけでございます。
 鉱業審議会の建議にも盛られておりますように、やはり経済合理性という感覚を基本に置きながら企業サイドの自主的な努力と政府の適切な対応というものが組み合わされていくことが必要かと思っているわけでございます。建議におきましても、日本の鉱山につきましては、残念ながら撤退をするもの、相当の合理化を行いながらその存続を図っていくもの、現状維持を基本としていくもの、こういった三つの方向づけに沿って適切な選択が行われることが必要であるというようなことも示されているわけでございます。
 私ども、こうした企業サイドでの選択というものをにらみながら、金属鉱業経営安定化融資を軸にいたしまして、この状況を乗り切っていくための適切な支援措置を今後ともきめ細かく充実をし拡充をしてまいりたいというぐあいに思っております。それから同時に、こうした対応によりまして影響を受けます地域につきましては、多くの地域対策、中小企業対策を活用しながらできるだけその影響の緩和に努めていくというようなことが必要かというぐあいに思っているところでございます。
#68
○神谷信之助君 今、長官お話しのように建議では三つのタイプにして、高品位の鉱山でいけるところ、二番目は合理化で頑張れる鉱山、低品位で廃業あるいは転業を考えるべき鉱山という三つのタイプに分けて言っているんですけれども、同時に、その建議で親企業の努力というのも出ています。この親企業の努力というのはどういうようなことをお考えになっていますか。
#69
○政府委員(浜岡平一君) ただいま申し上げましたこうした調整措置あるいは対応措置が図られてまいります段階では、当然当該地域あるいは周辺地域に対しましていろいろな影響が発生をしてまいるわけでございます。特にそういった影響を受けます地域の活性化といいますか振興といいますか、そういった面での努力といったものが期待をされているわけでございます。当該企業の多角化といいますか、新分野への展開への支援もあろうかと思うわけでございますし、また関連企業を当該地域に誘致をし、あるいは誘導するといったような面での対応もあろうかと思うわけでございますけれども、こういった面での努力あるいは協力を期待しているということでございます。
#70
○神谷信之助君 これは、私は石炭の場合も同じだと思うのですけれども、日本の産業の基礎素材である金属鉱山について採算ベースだけでいくと、仕方ない、どんどんつぶれてしまう、こうなってきます。親企業の方ももうかるときはそこからピンはねをしながら、あかんようになったらどんどんつぶしてしまう。これではこれからの日本の産業の発展にとって必要不可欠な基礎素材の安定的供給というのが困難になってくる。ですから、そういう観点からの対策を講じないと、自然に放任をする、自助努力をやりなさいというだけでは僕はだめになってしまうというように思うのです。この点はそういう点を指摘しておきたいと思います。
 それから、もう時間がありませんから、次にレアメタルの探鉱開発の問題です。
 六十年の三月の鉱業審議会鉱山部会の探鉱分科会において調査対象有望地域として二十九地域を挙げて、六十年度三地域、阿武隈東部、それから笠間、松江、六十二年度は二地域をプラスして日高南部と陸中北部、こういう探鉱調査を始めておられるんですけれども、鉱床発見の可能性の問題と、それから調査箇所をふやすという要望もあるようですが、これらについての考え方をお聞きしたい、こういうように思います。
#71
○政府委員(浜岡平一君) 探鉱につきましては、取り組みを始めましてまだ十分な時間が経過いたしておりませんので、現段階で確たる評価を下すことは難しいようでございますけれども、現在まで得られております状況では決して悲観的ではない、かなりいい兆候もあらわれているというような報告も来ているようでございます。これはもうちょっと時間をかしていただいた方がいいんではなかろうかというぐあいに思っております。
 それから探鉱の対象地域につきましては、御指摘のように今後とも、ペースは必ずしも快速ではないかもしれませんけれども、年々増加をさせるようにしてまいりたいと考えております。
#72
○神谷信之助君 それでは次に、先ほどからも話が出ておりました超電導用のレアメタル、レアアースの問題ですけれども、イットリウム等の希土類元素が重要な役割を果たすわけですけれども、これは近くでは中国に偏在をしている、世界の埋蔵量の八〇%が中国にあるようでありますが、六十二年度から、先ほども報告がありましたが、五カ年計画で広東省など有望な鉱区の基礎調査を始めたというように聞いておるんですが、この進捗状況というのはどうなっていますか。
#73
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のように、中国がレアメタルの賦存地域といたしまして大変有望な地域であるという認識を持っております。また、中国サイドにおきましても同国の今後の経済発展のためにはこの資源開発、利用といったものが重要な手がかり、足がかりになるという認識を強く持っているようでございます。そういった意味で日本と中国の、俗な言い方でございますが、気合いは合っていると申し上げていいんではないかと思っております。
 昭和六十二年度から御指摘のように中国のレアメタルの総合的な資源調査に取り組むことにいたしているわけでございます。日本側の実施主体と
いたしましては金属鉱業事業団が当たるわけでございます。金属鉱業事業団を窓口にいたしまして中国側と相談を重ねてきたところでございますが、先般合意に達しまして二カ所、一つは黒竜江省でございます。もう一つは広東省でございますけれども、この二カ所におきまして地質調査、ボーリング調査等を行うという合意に達したところでございます。五年計画で考えておりまして、現在私どもの思っております計画では二十五億円ぐらいを投入することになるんではないかと思っておりますが、毎年当然のことながら財政当局の理解を得ていかなければなりませんけれども、ぜひこの方向で推進をしてまいりたいというぐあいに思っているところでございます。
 なお、六十三年度以降こうした努力と並行をいたしまして、さらにレアアース等の回収技術の開発につきましても中国との協力を進めることができれば望ましいと考えておりまして、所要の予算要求を行っております。また、レアアースの分野での日中協力につきまして幅広い共同検討を行う場を設けるための所要の予算等も要求をいたしているところでございまして、現在開始いたしておりますプロジェクトを足がかりにいたしまして、幅の広い協力関係が展開できればというぐあいに念じているところでございます。
#74
○神谷信之助君 去年の暮れそういう基礎調査を始める方向が決まって、今おっしゃったように広東省、それから黒竜江省を中心にやろうということになったわけですけれども、ところが一方この夏、七月の報道によりますと、中国はレアアースの日本向け新規輸出契約交渉を停止する、こういう通告を商社や関連業界にしてきた、そういう報道もあるわけです。
 超電導開発で中国は今、日米両国を追い上げるという方向が出てきているし、レアアースの戦略的見直しを始めたという見方もあるんですが、今後の日本への安定的な供給についての見通し、あるいは障害、こういうような点についてはどういうようにお考えでしょうか。
#75
○政府委員(浜岡平一君) ただいま御説明申し上げましたプロジェクトなどが動いておりますので、レアメタルあるいはレアアースの分野につきまして私どもと中国との間にそれなりのパイプは存在をいたしているわけでございます。中国側から公式に輸出を制限するというような考え方の表明を受けたことは私どもにとってはないわけでございます。
 ただ、先生御指摘のように、ことしの春のイットリウム等の対日輸出契約交渉の際に中国サイドではレアアース類の輸出窓口を統一しよう、そのために新しい協会をつくってはどうかというような考え方があるので、既存の契約は延長をするけれども新規の契約はしばらく見合わせたいというような考え方の表明があったという報告は関係業界の方から受けているわけでございます。
 既存の契約はすべて延長をされておりますし、現在のところまだ超電導の分野での需要が具体化してくるのは大分先のことかと思うわけでございまして、需要が急激にふえるというようなこともございませんので、当面は需給関係に大きな混乱を来すことはないんではないかというぐあいに思っておりますけれども、しかし長い目で見ますと、やはり供給の安定化ということにつきましては十分な配慮をしていかなければならないというようなことを強く示唆する一つの情報なのではなかろうかというぐあいには思っております。
#76
○神谷信之助君 今、長官おっしゃるように、中国の経済の自由化で中国側の企業が幾つもあって格差が出てくる。それの一本化をする、そういうために一たん停止しているんだという見方が強いんですけれども、いずれにしても、こういった希少物資はこれからまた二十一世紀に向けての、超電導時代に向けての戦略的見地からのいろんな各国の思惑が出てきます。だから安定的供給を確保するという点では我が方もはっきりしたなにを持たないと非常に左右されてくる。つまりそういう資源が少ない日本としては重大な、大事な問題だと思います。この点はそういう点を指摘しておきたいと思います。
 あと、もう時間がありませんが、先ほど言われた深海底資源開発問題ですが、きょうもらったこの報告の中でちょっと気になるんですがね。五ページのところで、「今後、マンガン団塊と同様「早い者勝ち」の国際的な先行投資者保護スキームの成立が予想されるため、探査実績の積み重ねが重要である。」というようになっています。
 確かに、探査実績を積み重ねていくということは非常に大事です。しかし同時に、深海底資源の開発ということになりますと、探査技術それから採掘技術等々相当高度の技術を必要とします。したがってそれは先進諸国で限られたところになっていく。したがって発展途上国などは、深海底資源というのは言うたら公海ですから、その資源は人類の資源として全人類が共有できるといいますか、そういう主張も出てきている。早い者勝ち、強い者勝ちでは、それこそ植民地の分捕り合戦をやったような、そういう状態を資源の問題でやっては大変だというように私は思うのです。
 確かに、今の国際情勢の中で早い者勝ちというなにがあって、海洋法ができる前からだあっと走り出しましたね、先進国が。日本はそういう点では後発ではあるけれども、そっちに今向かってきているんだけれども、我が国の立場としてその点はしっかり堅持をしてやるべきだと思うのですが、この辺はどうですか。
#77
○政府委員(浜岡平一君) 確かに、わかりやすいようにということでこういう表現を使わせていただいたわけでございますが、誤解を招きやすいかなと思います。
 先生御指摘のように、実際に深海底鉱物資源にアプローチすることができますのは、マンガン団塊の例を見ましても、日本、フランス、米国、ソ連、それに一部の地域でインドが加わっておるわけでございますけれども、確かに参加者は限られてくるだろうと思います。したがいまして、その成果というものは、まさに深海底にあるわけでございますから人類全体が活用するという考え方はマンガン団塊の場合と同様に今後とも基本的な考え方になるだろうと思っております。
 それを前提に、割り当てられた鉱区からの成果の半分は世界全体のために供出するというルールの中でだれがやれるかということになりますと、マンガン団塊の例を見ましても実績者が調整対象に加わるという意味でこういう表現を使いましたけれども、考え方といたしましては、やはり先生御指摘のように、人類のための資源、開発の成果は特に発展途上国に及ぶようにというような考え方は今後とも堅持されていくと思いますし、また日本もそのルールの中で活動していかなければならないと思っております。
#78
○橋本孝一郎君 先ほどから日本の金属鉱山、特に資源小国でありながら世界有数の多消費国である、この条件は将来も変わらないと思うのです。したがって、そのための安定供給が今最も重要である。そのためには国内外の開発なりあるいは備蓄あるいはまた回収技術の向上等いろいろな総合的な対策が必要だと思いますけれども、私は、そういう総合戦略の中で、何といってもやはり国内の金属鉱山というものがポシャってしまったのではこれは何にもなりませんので、そういう立場からの質問を申し上げたいと思います。
 特に金属鉱山の金属鉱業経営安定化融資制度、これの拡充強化という立場で意見を申し上げ、考えをお聞きしたいわけですが、我が国の金属鉱山の技術を温存し、さらにそれを涵養していくために従来から安定化制度が設けられているわけですが、現実に銅、鉛等のベースメタルの主要鉱山は六鉱山を残すのみになっております。したがって、なおこれらにも一層の支援措置が求められているわけでありますが、そのために融資制度における対象事業の拡大をすべきではないか。例えば現在対象となっている鉱山に加えて製錬所を加えることも検討する価値があるのではないか、そう思うのですが、それについてのお考えをお尋ねしたいと思います。
#79
○政府委員(浜岡平一君) 確かに先生御指摘のよ
うな声もあるわけでございます。ただ、制度の根幹が金属鉱業経営安定化融資ということになっておりますものですから、俗な表現でございますが、この制度の延長線上で考えるといたしますと、山元製錬所というような限定がどうしてもやはり出てくるわけでございまして、そうなりますとその条件に該当いたします製錬所の数は必ずしも多くないという問題がございます。それ以外の製錬所は均てんできないというようなことになりまして、その辺のバランス感をどうするかというような問題もあるわけでございます。
 別途の角度からの意見といたしましては、やはり先ほど来ちょっと話題になりましたLME依存でいいのかどうかとか、こういった問題を含めまして、日本の製錬業、金属地金産業のあり方につきまして総合的なレビューが必要なんではないかというような声もあるわけでございます。
 そういった角度からの検討というものも今後余り格式張った場ではなくて適切な場を設けまして検討をしていったらというような課題もございまして、現在のところまだ結論を出しかねているわけでございます。もう少し各方面の意見を集約しながらその方向に踏み切るかどうか検討をいたしたいと思っております。
#80
○橋本孝一郎君 現在はまだ幸いにしてそういった優秀な技術者もいるわけですけれども、これが閉山ということになってきますと、将来その夢も消えるわけであります。現実に合いわゆる海外の探鉱あるいは開発ということになると日本の技術というものが非常にそういう点では有利に展開できる。そういう技術温存も含めて、それから優秀な技術者も集まるようにしておかないとこれは大変日本のためにも不利益ではないか、そういう意味でのひとつ検討をお願いしておきたいと思います。
 それから、国内の鉱山探鉱の助成策についてですけれども、現在進められております探鉱助成策は、広域探鉱では国が負担しているわけであります。精密調査では先ほど説明がありましたように国の補助ということになっておるわけでありますけれども、今後総合的に調査を進めるためには精密調査も全額国庫負担ですべきではないかということが一つと、それからなお、その探鉱を進める際に、現存する炭鉱の近辺を調査することが非常に少ないわけであります。今後は探鉱の効率を上げていくためにも、あるいはまたコストを軽減していくためにも、現存する鉱山の近辺を重点的に調査に加えることが適切ではないかと考えるんですが、この二点についてお答え願いたいと思います。
#81
○政府委員(浜岡平一君) 初めの三段階制度といいますか三段階探鉱システムの問題でございますけれども、基本的な骨組みといたしまして、広域調査、精密調査、企業探鉱、こう進んでくるにつれまして企業のリスクテーキングをふやしていくという考え方が全体の構造になっているわけでございます。
 かねてからこの精密調査の段階の補助率の引き上げという議論がありまして、幾度か財政当局とも議論をした経緯もあるわけでございますけれども、やはり今の状況下では、まず全体の財政状況の中で、補助金削減という流れの中で予算額の減少を食いとめるというところに全力を投入せざるを得ないというような状況にございまして、この全体の仕組みを変えるということにつきましては、従来もいろいろやってみましたけれども、率直に申し上げまして大変抵抗が大きいというような状況でございます。
 それから、広域地質構造調査なり精密地質構造調査につきまして、既存の炭鉱の周辺に特に力を入れていくということにつきましては、確かにそういうねらいも十分有意義であると思われるわけでございます。運用面で当然対応できる問題でございますので、従来もそうでございましたけれども、今後とも御指摘の方向を踏んまえまして対応してまいりたいと考えております。
#82
○橋本孝一郎君 次に、休廃止鉱山の坑廃水問題についてお尋ねしたいと思います。
 休廃止鉱山の坑廃水問題については、昭和五十六年よりかなり改善されてきているようであります。処理義務者の永久的処理義務の是正はしかしまだ進んでおらないわけでありまして、企業が存続する限り無期限で鉱害対策が最終鉱業権者の責任になっております。このことは非常に企業に過大な負担を課しておるわけでありまして、昭和六十三年より補助対象比率が改善される見込みとも聞いております。これもさることながら、ある一定の期限を経過したならば処理義務を企業から免除する制度に改められないのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#83
○説明員(安藤勝良君) お答えいたします。
 休廃止鉱山から流出する坑廃水処理対策につきましては、通産省では従前から休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金制度によりまして、事業者の鉱業活動に起因しないいわゆる自然汚染あるいは他者汚染について、先生今お話がありましたように五十六年度から補助金制度として導入いたしまして交付しているところでございますし、また、あわせまして金属鉱業事業団におきまして、自己汚染分に対する低利融資、または坑廃水処理コストの低減を図るためのいろんな技術開発をやってきているところでございます。
 さらにまた、来年度の予算要求の中で、鉱害防止工事の円滑な推進というようなことから、今の補助制度のいわゆる自然汚染比率の算定方式を見直すというようなことから、今後処理事業の一層円滑な推進ができるよう今予算要求を行っているところでございます。いわゆる問題の坑廃水処理期間の限定、いわゆる義務者の有限化の問題でございますが、これにつきましては公害防止に係る汚染者負担の原則という関係もございまして、昨年九月の鉱業審議会の建議におきまして、「鉱業権者であった者が現行制度により処理を継続をせざるを得ない」、こういう結論も出されておりまして、この問題につきましては今後とも慎重な検討が必要かと考えております。
    ―――――――――――――
#84
○会長(大木正吾君) この際、お諮りいたします。
 本日、政府から提出されました参考資料のうち、説明内容把握のため必要と思われるものにつきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#86
○会長(大木正吾君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#87
○会長(大木正吾君) 次に、産業・資源エネルギーに関する調査のうち、石炭問題に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#88
○対馬孝且君 きょうは時間が三十分という短い時間に限られておりますので、第八次の石炭政策の基本問題、これに触れることはできません。残念でありますが、真谷地炭鉱の閉山をめぐりまして、事態は極めて深刻であります。したがって、それらをひとつ重点に質問いたしてまいりたい、こう思います。通産大臣、労働大臣、両大臣がそろわれておりますので、あわせて労働省関係もお伺いしたい、こう思います。
 まず第一に、第八次石炭政策の初年度に入りましたが、残念ながら七月十四日には三井砂川炭鉱が閉山のやむなきに至りました。今度は九月九日に真谷地炭鉱がついに閉山を提案されました。我が社会党は事態を重要視いたしまして、五日に調査団十一名を現地へ派遣いたしてまいりました。極めて深刻であります。さらに、私も十四日に真谷地炭鉱の千人を超える緊急全員大会に出席いたしております。
 大臣、ここで率直に言われておりますのは、金も出ない、職もない、これは一体どういうことなんだ、まさに死ねということではないか。後ほど大臣に新聞を渡しますけれども、こういう紙面が
実は出ているわけであります。職もない、金もない、どうしたらいいんだ。まさに死ねと言う以外の何物でもない。これはまさに血の叫びであります。
 こういった事態を踏まえまして、八月二十六日、退職者の会の加藤正さんが自殺をするのやむなきに至りました。私は十四日に墓参りをいたしてまいりました。霊前に誓ってまいりました、あなたの死をむだにしないためにもひとつ労務債完済、山の再建に全力を挙げてまいりたいと。
 直ちに私も八月二十七日、大変田村通産大臣は多忙でありましたが、時間を割いていただいて会見をさせていただきました。大臣も精いっぱい、現行法の、超法規的な意味でもひとつ全力を尽くしてまいりたい、こういう言葉をいただきまして、鋭意努力されておりますが、この事態をどのように受けとめているか。砂川あるいは真谷地の今のこの訴えをどう受けとめているか。このことを率直にまず所見をお伺いしたい、こう思います。
#89
○政府委員(鈴木英夫君) 北炭真谷地炭鉱株式会社、それから親会社の北海道炭砿汽船におきましては、極めて逼迫した資金事情のもとで真谷地炭鉱の今後の経営のあり方について検討を重ねてきたわけでございますが、去る九月九日、会社側は労組に対しまして、十月三日をもって閉山し、全員解雇する旨のいわゆる閉山提案を行ったところでございます。当省といたしましては、本件につきましては重大な関心を持ちまして経営の動向を注視しているところでございますけれども、この問題につきましては労使間の十分な話し合いによって結論が見出されるものと期待しているところでございます。
 なお、先生おっしゃいました真谷地炭鉱退職者の会事務局長加藤正様の御不幸に対しましては、まことに痛ましく、御冥福をお祈りしたいと思います。
 真谷地炭鉱におきましてこれまで発生いたしました退職金が多額の未払いの状況にあるということは大変遺憾な事態であるというふうに私ども認識しておりまして、親会社及びグループ企業挙げての自己努力によってこの問題の解決が図られるよう、私ども労働省と連携をとりつつ会社側を強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
#90
○国務大臣(田村元君) まことに胸痛む思いであります。
 今、政府委員からお答えをいたしましたが、先般対馬議員が私のところへ来られていろいろと御相談を申し上げたが、九月末で二十四億円ぐらいの未払いがございますが、結局全部で百五十億くらいになるんじゃなかろうかと思います。そのうち九十億は閉山に伴う資金、それから約六十億が大口金融債、それから公租公課ということになっておりますが、私どももちろん親会社及びグループ企業の支援を含めた会社側の最大限の自助努力を求めていくことは当然でございます。ございますが、同時に関係者、すなわち金融機関また労働省、道庁などの御協力もいただきながら可能な限りの努力をいたしたい、それが雪崩閉山防止の道へもつながるわけでございますからできる限りの努力はいたしたい、このように考えております。
#91
○対馬孝且君 今、石炭部長、大臣から答えがありましたが、私はしばしば当委員会で六月十六日の会議録もありますけれども、大臣も答えておりますが、今もありましたが、このままではやはり雪崩閉山になるということを指摘いたしてまいりました。そのとおり速度は速まっているわけであります。私は率直に申し上げますが、今日の六十三年度原料炭の取引予想高が御案内のとおり百二十万トン、当時百七十万トンが百二十万トンですから、端的に言って五十万トンがつまり閉山計画に入れざるを得ない、こうなるわけであります。
 そこで私は、今回の真谷地炭鉱というのはこれは政策閉山である、こう言わざるを得ないのであります。なぜかと申しますと、これは今真谷地炭鉱は原料炭でありますから掘れば掘れる。ただ、問題は全体の需要量がそれに対応できない。つまり先ほど申しましたように百七十万トンが結果は百二十万トンですから、したがってこれはあえて閉山をせざるを得ないということになりますと、ここが問題なんでありますが、やり方があるんじゃないか。
 しばしばここでも申し上げていますが、真谷地炭鉱の今日の現状を考える場合に、直ちに閉山をしないで緩やかに閉山をするというのであれば、今日の重大災害である例えば山はね、炭じん爆発、ガス突出、こういうものを防止するための勧告等もありますので、保安上の見地から試験炭鉱ということをやってはどうか。これは北大の礒部教授がしばしば見解を申し上げております。
 この真谷地炭鉱を今直ちに閉山しても直ちにそれに対応する雇用対策がない。企業立地の条件が伴っていない。しかも労働賃金の未払いが非常に大きい。なだらかというのであれば、これは試験炭鉱に位置づけて、一定の期間試験炭鉱採掘をして、その間に雇用対策なり企業立地ができたところでこの肩がわりをする、閉山とする、これが本当のなだらか閉山という姿ではないのか、そうあらねばならないんじゃないかと私は思うのです。
 しかし、残念ながら今の状態では、このままいくと資金ショートになる、大変な危機を迎えるという事態ですから、そこらあたりも含めて検討されたかどうかという点を率直にお伺いをします。
#92
○政府委員(鈴木英夫君) 先生からただいま御指摘がありました例えば試験炭鉱の問題でございますけれども、たびたび当調査会でも御議論をいただいているところでございますが、国内炭鉱が地質条件が非常に複雑でございまして、かつ炭鉱ごとにかなり異なっておりますため、一つの炭鉱で試験研究を行う研究成果というものを他の炭鉱に適用することが可能かどうかという点をめぐりましていろんな議論があるわけでございます。
 ただいままでのいろんな識者の御意見等も踏まえて私ども考えてみますと、やはりこういう炭鉱保安あるいは生産の技術と申しますものは、操業中の炭鉱を活用いたしまして、いろんな技術課題につきまして、各炭鉱の現場特性に応じた実証試験と申しますか、そういうものを実施していくということが適切であろうということで、現場適用化試験につきましてはいろいろの政策手段を設けまして実行しているところでございます。
 こうしたことから、真谷地炭鉱自体を試験炭鉱として活用することは、残念ながら今の段階では非常に難しいといいますか困難であると考えておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、真谷地の閉山問題につきましては労使の話し合いによって解決が見出されるということが基本であろうというふうに考えておる次第でございます。
 なお、先生御指摘の雪崩閉山の問題につきましては、これはやはり需要業界の協力も得、国の対策というようなものも糾合しながら、何としても雪崩閉山の回避というものが基本的な第八次策の骨子でございますので、そういう方向に従いまして、私どもといたしましても、需要業界の協力を得る、あるいは貯炭買い上げ制度を活用する、あるいは減産に対します交付金等を活用するということで、なだらかな縮小といいますか、雪崩閉山を回避する方向で政策を展開してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#93
○対馬孝且君 石炭部長、今答えはありましたけれども、問題はやはり今あなたも言ったように需要量をどうふやすかということですよ。一般炭一千万トン、六十六年度には原料炭ゼロでしょう。私はしばしばここで申し上げるんだけれども、国内専焼の火力発電所を増設するとか、あるいは需要業界の引き取りを、一部に起こったけれども西ドイツ方式のコールペニヒ型の国の助成を図るとか、要は絶対量をふやす以外にないんだから、問題は。そこをやるかやらぬかというのは政府の決断であって、あわせてこれはこれからも継続的に検討してもらいたい、先ほどの試験炭鉱を含めて申し上げておきます。
 そこで、問題は今言った労務債、大臣がまさに現行法の最大限の範囲内で努力をされていること
は多とします。そこで申し上げますけれども、八月末からずっと今日にかけて全体では今大臣言ったとおりです、百五十億ですよ、真谷地の不払いが。最小必要限度閉山のためには今言ったように九十億必要だ。そこで、私のあれによりますと、国の段階では大体三十億です。それから道が大臣に要請をして九億の減免補償やった。それから北炭社が十二億ないし十三億、私の方に報告が来ております。トータルで五十二億にもならないわけです。そうすると七十億に対してもまだ十八億足りません。
 今、貯炭買い上げが五万トンある、これを二万円ベースにして約十億。それに露頭が大体四十五億トンの埋蔵炭量がある、これもトン当たり四千円計算でいきますと六億ないし八億という数字が出る。トータルで大体約七十億、六十七、八億となります。結果的に見ますと、労務債――新労務債、旧労務債を含めて約八〇%そこそこにしかならないわけです、トータルで言うと。これでは労務債を泣けっていうことになるんですよ。これは絶対に許せません。
 この間の大会でも、これは後で大臣にも新聞を読んでいただきたいと思うのですが、これは深刻なものです、正直に申し上げて。これだけの血の叫びですよ。何で今になって職も会ももらえないということは理屈になるか、命綱だ、炭鉱労働者の。私も炭鉱マンですけれども、一日じゅうあの暗い抗内に入って、上がってきて太陽を拝んだときに、きょうも一日長らえたかと、これは私も経験者ですよ。そういうところに働いて、今その退職金がもらえない、労務債がもらえないというのは、これは命綱を切るということですから、もう人権上の問題はもちろんでありますし、言うまでもなく憲法第二十五条に保障された健康で文化的な生活を営む権利を有する、労基法第三条に従っても当然の債権義務として保障されるべきものである。当然のことですよ。
 だから、こう考えた場合に私ども憂慮するわけでありますが、この事態になればやはりどんなことがあっても労務債は完済をしなければいかぬ、ここなんです。なぜ私が政策閉山と言ったかというと、政策閉山でなければ細々とでも私から言わせればこのまま推移をしていきながら、一定の炭量を掘って、あるときが来たら閉山させるということも一つの方法なんですよ。それができないというんだから、できないとすればやはり政策閉山として、国も最大限のことはやってもらっているけれども最後の保障というものは国の責任でやるべきである、このことを私は申し上げなければなりません。
 私の情報によりますと、きょう午前中に北炭真谷地炭鉱問題に関連して石炭鉱業審議会経理審査小委員会が開かれた。特に労務債あるいは小口債権を含めて緊急の経理審査小委員会も開かれている。このことも含めてこれからの見通し、これからの対応ということを、ぜひひとつ働く者に一定の安心感、安堵の胸をなでおろさせてもらいたい、これが私の主張であります。この点いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(田村元君) きょう午前十時から石炭鉱業審議会経理審査小委員会が開催されました。北炭真谷地炭鉱の経営状況につきましての討議を行いました。「北炭真谷地炭鉱に係る関係者の対応について」という提言を得たところであります。
 北炭各社が相互に金融債務を連帯して保証しておる現状でありますから、そのもとで北炭真谷地社が極めて厳しい資金繰りの状況にあることなどを踏まえて、本提言におきましては、関係金融機関において真谷地社に対する債権の履行及び真谷地社に係る担保権の実行を当面猶予するなどの協力が期待されるとしております。通産省としましては、この提言を踏まえまして、北炭幌内炭鉱、それから空知炭砿の石炭各社並びに関連下請企業への影響を回避するように早速関係金融機関の理解と協力を求めるなど適切に対処してまいりたいと考えております。
 先ほど申し上げましたように、特に金融機関、通産省、労働省は申すに及ばず、大蔵省も入りましょう、そして北海道庁、皆が力を合わせて可能な限りの努力をいたしたい。先般対馬議員に私から御報告しましたように、私自身で受話器をとって道庁へも協力の御依頼を申し上げました。その後横路知事からも御返事がありまして直接二人で話し合いましたが、非常に前向きの御対応が願えるようであります。いずれにいたしましても、あらゆる関係者が総動員でこの対応をしていくという必要がございますから、この点私は皆さんにお願いを申し上げて、私なりの最善を尽くしたいというふうに思っております。
#95
○対馬孝且君 今、通産大臣から、通産大臣として解決に最大の努力をするということですから、私は七月三十日の社会労働委員会で平井労働大臣にもこの北炭真谷地の緊急対策をぜひとってもらいたいということを申し上げて、大臣から通産と鋭意解決に最善の努力をするというお答えをいただきました。
 今、通産大臣からもございましたが、この前、七月三十日の社会労働委員会で、一つは、これは明らかに今日までの旧労務債は労働基準法違反である。しかも今度のこの会社提案によりますと、法律的には当然払わなければならない、これはっきり申し上げます。つまり協定による期末手当、有林休暇の買い上げあるいは定着奨励金、この一連の労働基準法に定めた考え方からいっても払わなければならない、こういう債務を含めて、一銭も値切るという考え方ではなくて、当然労働基準法に従って払わなければならないこの会社の債務、これも労働省として責任ある立場でひとつ行政指導をしてもらいたい、これを申し上げます。
 それから、大臣からございましたが、私この間現地へ行って北炭柱に申し上げています。これは北炭柱がみずから解決すべきことである、そして国、道の関係方面の協力を得る。基本はみずから解決をすることだということは言っても今の現状ではもう精いっぱいのことである。こういう現況ですから、私はやはり最終的には先ほど言ったように国の段階でせめて労働者のこの債権債務、労務債だけは解決をしてもらう、この道以外になしというのが私の判断でございますので、今通産大臣からございましたけれども、労働大臣からもひとつこの解決策についての所信をお伺いしたい、こういうふうに思います。
#96
○国務大臣(田村元君) その前にちょっと先ほどの答弁につけ加えて申し上げておきますが、「未払退職金については、真谷地社、北炭社及びグループ企業は、関係業界、関係金融機関等の理解を得てその支払に一層の自己努力を行うべきであり、政府及び地元自治体としても、その完済が図られるよう引き続き会社側を強力に指導すべ岩である。」というのが入っております。
 先ほどちょっとこれを言い忘れましたので追加をしてお答えしておきます。
#97
○国務大臣(平井卓志君) ただいま通産大臣からも御答弁ございましたように、現在のところはこの真谷地問題、労使間で交渉中でございますけれども、やはり当然のこととして、閉山になりました場合、使用者としては退職金等の労務債、これは完済するのが当然でございまして、先ほど対馬委員よりも明確に労働基準法違反、まさしくそのとおりでございまして、従来から強力に指導をしてまいったところであります。
 一言付言を申し上げますと、基本的にはこの問題は労使問題ではございますが、炭鉱という町ぐるみの問題としてとらえました場合にやはり相当な社会的一面もある。従来から通産、大蔵、私ども労働省も含めまして、行政官庁として大変関心を持ってこの問題に当たっておるわけでございますが、そういう一面ではまさしく政治的な一面もある。いずれにいたしましても、当然のことながら当事者間において十分話し合っていただく、使用者側はそれなりの、最大限の責任をグループともどもひとつ十分に理解していただくという中で、我々は今後、それぞれ所管官庁が連携いたしまして、今後の推移の中で最大限のことをやらなくてはいかぬなということで通産大臣からもいろ
いろお話をいただいておるところであります。
#98
○対馬孝且君 今、労務債問題、非常にたくさんの問題がございますが、時間があと数分よりございません。問題はやはり先ほど申しましたように労務債だけは待ったなしということでございますので、先ほどから何回も言うように、これは当然の権利であるということをここではっきり申し上げなければなりません。また炭鉱労働者の命綱だ、このことをひとつ踏まえて、両大臣から答えがございましたから、ひとつ最善の努力でもって解消するということに努めてもらいたい。よろしゅうございますか。
 それでは次の問題に入ります。雇用対策について、これも会社提案を見ると極めてずさんです。これは今まで閉山計画を提案して以来、私の山も三十八年閉山提案になりましたが、メロン栽培であるとか真谷地建設とかと言っていますが、ふたをあけてみたら何のことはない全くもう皆無に等しいと言って過言ではありません。この問題もしばしば社会労働委員会、当委員会でも申し上げておりますのでもう多くは申し上げません。
 私は、この問題は通産省の段階ではぴしっと産業円滑化促進法案、それからさきに商工委員会にもいわゆる雇用対策のための画期的なリクルートセンターの構想を私は提案いたしました。田村通産大臣も誠意を持ってひとつ検討してまいりたいということで、ほぼ中間の構想がまとまったように聞いておりますので、その中間報告があれば聞かせてもらいたい。
 それからもう一つは、これはやはり企業誘致を最大限やる。また地元雇用が最優先であります。今アンケートで、この間現地へ行ってみたら、八割以上の方が現地で雇用対策をしてもらいたい、私も確認してきました。それから企業誘致とともに第三セクターによって国が、これは言葉でなくて物心両面にわたって国が手だてをして雇用の拡大を図る、労働省の段階ではこれも問題になります。
 それから田村通産大臣に、内外情勢で政務多忙ということもございますけれども、もし時間があればこの隣どうかぜひひとつ北海道、夕張に入ってもらいたい、こういうことがございます。もう時間になりましたので、このことだけを申し上げて終わりたいと思います。以上であります。
#99
○国務大臣(田村元君) 先ほど来の御提言まことにごもっともでございます。企業誘致を積極的に行う問題、また夕張市の地域振興、特に第三セクターあるいはリクルートセンターの設置、いずれも非常に効果のある問題であり、でき得る限りの努力をいたしたい、労働大臣にも十分相談をして懸命の努力をいたしたい、このように思っております。
#100
○政府委員(浜岡平一君) 基本的にはただいま大臣からお答え申し上げましたとおりでございますが、雇用対策につきましては、さらに関係企業を含めまして新しい機会の拡大に最大限の努力をするよう関係者を強力に指導してまいりたいと思っております。
 それから、かねてから先生から問題提起をいただいておりますリクルートセンターの問題でございますけれども、これにつきまして私どもは、当面は年内にも設立される予定になっております財団法人北海道地域産業活性化センターの機能の一環といたしまして、リクルート関連の情報収集あるいは情報提供等の機能を持ってもらうというようなことを検討いたしているところでございます。また、庁内に広く関係の産業界とか地域団体の結集を求めました研究会を設けまして、この新しく動き出しますセンターの機能と各地域の産業団体、地域経済団体の連携をどうつくり上げていくかといった観点からの検討を進めてまいりたいというぐあいに思っております。
 同時に、労働省サイドにおかれます職業能力開発施策の拡充等の課題もあるわけでございまして、この辺はさらに労働省に御連絡をさせていただきまして十分な検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。
 それから地域振興につきまして、第三セクターの活用等につきましては御指摘のとおりでございまして、六十三年度予算でも産炭地域総合支援事業というような新しい柱を考えておりますので、こういったものを活用して取り組んでまいりたいと思っております。
#101
○対馬孝且君 あと労働省に二問だけ申し上げますので、簡単にお答え願えればよろしいと思います。
 一つは未払い賃金の立てかえ制度である賃金確保法、賃確法、私の考え方では、これは当然適用されますね、仮に閉山と確定すれば。その場合、現時点で考えますと約千七十名、一応賃確法を当てはめた場合一人当たり五十六万円になる、こういう試算を私なりにしているわけです。これ間違いがあれば指摘してもらって結構なんですが。そうなると大体千名を超えますので五億六千万の賃確法による国としての処置がとられる、その点を答えてください。
 それから第二の問題としましては、この前も申し上げました、大臣、何とか直轄夫のある程度の適用条件を下請関係に全部適用してはどうか。時間がありませんから詳しく言うわけにいきませんが、とりあえず五月から、社会労働委員会で申し上げました結果、努力をされて、下請関係は緑の手帳、黒い手帳の分の制度を一年間延長するということがこの間大臣からも七月三十日に答えが出されました。
 これではやはり下請労働者の基本的な労働条件が守られない、これが率直な訴えでございます。したがって、やはり黒い手帳を適用する、三年間、緑の手帳は一年でありますが、黒い手帳並みにこれを適用するという考え方を、今回は非常に難しいとこの間も答弁がありましたけれども、もう一度これを真剣に検討してもらいたい。このことを含めて、もう時間も過ぎておりますから一点だけのお答えを求めます。
#102
○政府委員(野崎和昭君) ただいまお尋ねの賃確法の関係につきましては、閉山という事態になれば当然適用になるわけでございますが、詳しい計算の根拠は省略させていただきますけれども、その場合の人数として約千七十人程度、額として約六億円程度になるのではないかと現在のところ試算いたしております。
#103
○国務大臣(平井卓志君) 今、委員がおっしゃいました緑の手帳の問題でございますが、黒手帳を発給できないか。これはもう従来から申し上げて、委員も御案内のように、やはり石炭鉱業の下請におきましては、採掘等の坑内業務、これに従事しておる方々に対しては地下労働という特殊性にかんがみて黒手帳を出しておる。ほかの労働者との問題等もございまして現在のところはなかなか難しい状況にある。あとは、もう委員御案内のように一年間の要するに促進手当を支給するというふうに五月からいたしたわけでございます。
 いずれにしましても、仮に真谷地炭鉱が閉山になりました場合には、これら両手帳制度を十分に活用しまして下請からの離職者の方々につきましても生活の安定と再就職の促進ということには労働省全力を挙げて対処してまいりたい、かように考えております。
#104
○馬場富君 私も今議題となっております北炭真谷地炭鉱閉山の問題についてお尋ねいたします。
 九月に会社側から閉山の提案がなされましたが、これについて通産省はこれを妥当と理解しておるのかどうか。この点とあわせまして、妥当だとしたならばその内容について御説明願いたいと思います。
#105
○政府委員(鈴木英夫君) 真谷地炭鉱の閉山提案の内容についての御質問でございますけれども、私ども会社から聴取しているところによりますと、まず閉山の時期でございますが、十月三日をもって閉山をし全員解雇をするという提案になっておると承知をしております。ただし付随いたします発電所それから露天坑の操業を継続するということでございます。閉山の退職金につきましては、協定に基づく退職金の支給に努力をするというようなことが中心でございまして、ただし一部の支払い方法等につきましては今後検討をすると
いうような内容になっておるというふうに承知をいたしております。
 以上が閉山提案の主要な内容でございます。
#106
○馬場富君 今、御説明になった閉山提案の内容については、私どもの調査では、従業員千五人の全員解雇と労務債については全額を一時に支払えないなどというようなまことに厳しいという地元関係者の声が届いておりますが、この点をどのように通産省としては把握していますか。
#107
○政府委員(浜岡平一君) 九月九日に資源エネルギー庁といたしましても私どもの考え方を発表させていただいたところでございますが、第八次答申以来、関係企業におきまして、需要動向の今後の見通し等を踏んまえ、またいわゆる貯炭対策の運用等もございましても極めて資金繰りが厳しいという状況下でこういう提案が行われたというぐあいに受けとめているわけでございます。
 私どもといたしましても、かねてから重大な関心を持ちまして事態の動きを注視してきたところでございますけれども、今回こういう提案が行われたわけでございまして、やはり非常に大きな衝撃を受けているわけでございます。
 今後、労使間を初めといたしまして、関係者の間での十分な話し合いを経まして結論が見出されるのを見守っていかなければならないと思っているところでございますが、仮に閉山というような事態に至りました場合には、雇用対策あるいは地域対策につきまして遺漏なきを期さなければならないというぐあいに思っておりますし、また、多額の未払いの退職金の問題につきましては、先ほど来大臣からも申し上げておりますように大変遺憾な事態でございまして、この解消につきまして最大限の指導をしていかなければならないと思っているわけでございます。
 また、関係金融機関に対しましても最大限の協力を求めていく必要があるというぐあいに思っているところでございまして、極めて深刻に受けとめているわけでございます。
#108
○馬場富君 通産省から言われた、会社側が示したそういう諸条件の中で、例えば雇用対策にしても、国あるいは追及び夕張市の支援を得つつ最大限努力すると書かれておりますが、現時点で非常に大きい危惧の点は、例えば今従業員が千五人直轄の関係があるわけです。
 今、会社側が示しておる雇用対策は、閉山後いわゆる電力所やあるいは露天坑等で雇用される人が九十人。それから真谷地建設を設立してそれに雇用される人が八十人。温室水耕栽培果・葉菜センター、第三セクターで雇用される人が十五人。そして関連グループ各社からの求人が三十人。メロン栽培等に参加する人が四十人。結局この数字を挙げても、現地の人が心配するのは当然であって、千五人のうちの二百五十五人です。あとの方途は示されておりません。これが実は閉山に対する会社側が示した、労働省が私たちに調査してくれた閉山の雇用内容なんです。またそれ以外に下請業者二十五社三百八十三人がいるわけです。
 ここらあたりの雇用問題について政府はどのように指導なさるつもりか、これをしっかりと御答弁願いたい。労働省と両方あわせてお願いします。
#109
○国務大臣(平井卓志君) おっしゃいますように、炭鉱離職者の方々を取り巻く環境は、雇用情勢が御案内のように非常に全般的に厳しいことに加えまして、炭鉱の所在する地域は長年にわたって専ら炭鉱のみに依存してきた地域が多いわけでございますから、これは本当に厳しいものと深刻に受けとめておるわけでございます。
 そして、労働省といたしましては、どうしてもこういう時期でございますから、雇用対策に万全を期さなければならぬということで、先ほども御議論がございましたけれども、一つには黒と緑の手帳制度の活用によりまして生活の安定と再就職の援助施策の実施、さらには御案内のように現地での臨時の職業相談所の設置やさらには機動的な職業訓練を同時に実施してまいる。また、御案内のように非常に求人その他が広域化をいたしておりますので、全国的な規模での求人の確保、さらには必要な住宅等の確保、これによって広域的な職業紹介を推進してまいらなければならぬ。
 いま一つは、四月から実施をいたしておりますが、地域雇用開発等促進法という措置でございますが、特に北海道地区におきましては、札幌地域を除きまして全道指定の網に入っておりまして、これの活用によって雇用機会の開発を急がなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#110
○政府委員(鈴木英夫君) 仮にでございますけれども、仮に真谷地炭鉱が閉山というようなことになりますと、先生御指摘のように雇用対策の問題がクローズアップされてくるわけでございますが、私ども労働省とも十分密接な連携をとりながら二つの面でこの雇用対策を考えてまいりたいと存じます。
 一つは企業誘致でございまして、御承知のように、私ども産炭地域への企業誘致につきまして産炭地域振興臨時措置法等に基づきまして、これまでも税制上の優遇措置あるいは工業団地の造成、分譲、あるいは進出企業に対する設備資金等の融資、こういった制度を持っておるわけでございまして、過去におきましてもそれなりの成果を上げてきているのではないかというふうに考えておりますが、なおる炭鉱業の縮小、合理化に伴いまして地域の疲弊が深刻化しつつあるということも十分勘案いたしまして、本年度からスタートいたします地域振興整備公団の超低利融資制度を活用しまして積極的に企業誘致を行ってまいりたい、これによって雇用の場を確保していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 第二に、先ほど来お話に出ております地元での地域振興対策につきまして、特に第三セクター等によります地域対策につきまして、私ども総合的にこういうものを支援していこうということで、来年度の予算要求の中で実は産炭地域総合支援事業というようなものを創設すべくお願いをしておるところでございまして、空知地域あるいは夕張地域におきまして、この制度の要件に合致するプロジェクトが地元の発意で出てまいりますれば積極的に支援を行い、これもまた雇用の場につなげていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#111
○馬場富君 下請関係は。
#112
○説明員(甘粕啓介君) 現在、北炭真谷地の下請関係につきましては、私ども依存度三分の一以上の下請企業につきましては二十五社三百八十人程度というふうに把握しているところでございます。ただ、この場合に三分の一の依存度でございますので、三百八十人すべての人が離職いたしましてという状況ではございませんで、このうち、私どもの経験では六割あるいは七割程度の方が離職者として安定所に求職申し込みをされるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 こういう人たちにつきましては、先ほど来からもございますように緑の手帳というものを発給いたしまして、生活の安定という面ではほぼ一年間は雇用保険の受給が行われるのではないかと思いますが、その後一年間にわたりまして就職促進手当の支給ということでの生活の安定を図る。それから大臣の答弁にございましたように、地元における雇用機会の開発あるいは全国的な広域的な職業紹介という中で再就職に万全を期したいというふうに考えております。
#113
○馬場富君 最後に、資金問題でも、先ほど来通産大臣からも述べられておりますが、現地では、緊急に必要とされる閉山資金のうちのなお十数億が調達の見通しがない。あるいは未払いの退職金約二十四億についても完済に向けて努力すると言うだけで、支払いの時期や方法については触れられてない。さらに、過去の有給休暇等の買い上げ代金などの一部労務債の延べ払いやあるいは地域雇用対策もあいまいな点が多い。これはまさしく見切り閉山であると、現地関係者はそこらあたりのところに大きい危惧を抱いているわけですよ。
 だから、最終的にはやはり行政の指導と政治的な決断が私は必要な時に来ておる、こう思うので
す。そういう点で通産大臣と労働大臣のこの点についての御見解をお聞きしまして、私の質問を終わります。
#114
○国務大臣(田村元君) 先ほどもお答えいたしましたように、百五十億円のうち九十億円というのは閉山に伴う直ちに必要な資金であります。それから六十億円が大口金融債、公租公課等でありますが、これをどうする、あれをどうするということを今具体的に私から申し上げる段階ではありませんけれども、とにかくまず北炭、親会社、関連グループ等によってできるだけの自助努力をやっていただく、同時に通産、労働、大蔵あるいは北海道庁、金融機関等々もう動員できる限りの努力をして、そして何とか急場をしのぐことに成功したいと今一生懸命になっております。一生懸命になっておりますが、今具体的にどの金融機関がどうでどこがどうということを御報告申し上げる段階ではございません。
 ただ、もう既に御承知と思いますが、通産、労働両省は人事交流までして完全な一体化を図って共同作業をいたしております。また北海道庁も知事以下一生懸命にこの問題と取り組んでもらっております。私も何がしかの報告を受けております。そういうわけでございますから今しばらく御猶予を賜りたい。御猶予を賜りたいということは、今具体的に努力の経過の内容を申し上げることを御猶予願いたい、こういうことでございます。
#115
○国務大臣(平井卓志君) 基本的にはただいま通産大臣がお答え申し上げたとおりでございます。
 先ほども御議論がございましたように、やはり労使間の問題でありながら一面また社会的問題としてとらえ、さらには政治的な問題として考えました場合に、労働基準法違反であることはさておきまして、完済が原則であり、これが最大の解決でなければならぬというふうに考えておりますので、関係省庁全力を挙げてこの問題の解決に取り組んでまいりたい、かように考えております。
#116
○小笠原貞子君 三井土砂に続いて今真谷地と、一体この先どういうことになっていくんだろう、私は、きょうは時間がございません、三つの点について質問をいたします。まことに政治的、政策的な問題として重要な今を迎えておりますので、なるべく大臣からの御答弁をお願いしたいと思うのです。
 なぜ砂川に続いて真谷地をつぶさなきゃならないかというそもそもから私は大臣に考えてもらいたい。八次政策というのは何だと言ったら、七次の千七百万トンを六十六年までに一千万トンにいたします、そのためにおおむね毎年百七十五万トンないし二百万トンずつ減らしていくということでございました。ところがこの六十二年度の供給規模は幾らかというと千四百万トンですよ。七次で千七百万トンをおっしゃるように二百万トンずっとしたって千五百万トンやらなきゃならないのに千四百万トンにやるということでしょう。そうすると三百万トン、千七百万トンを千四百万トンにしちゃうんだから三百万トンもここで減らしちゃうということです。
 そうすると考えていらっしゃった年々なだらかになんというものの一年半ないし二年分一遍にやっちゃうということになります。通産省としておっしゃる八次政策からいってもテンポが速過ぎるんです。なだらかどころじゃない、もうどんどん急斜面でやっている。スピード速くなっています。これは閉山、縮小のもう大きな行き過ぎですよ。八次政策そのものが破綻してきていますよ。そういう点から考えて、そもそもお出しになっている八次政策によるこの計画無視してしようがないんだよということをおっしゃるのなら私はもう論外だと思う。なぜ今真谷地をわざわざ閉山にスピードかけて追い込まなきゃならないのかというその理由、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#117
○政府委員(浜岡平一君) ちょっと事実関係を御説明させていただきたいと思いますが、御指摘のとおり、六十二年度のいわゆる国内炭の引き取り量につきましては、今回もう需要業界ぎりぎりの協力を求めた結果といたしまして千三百八十五万トンという数字が先般まとまったわけでございます。これに相応いたします六十一年度の数字は千四百七十五万トンでございます。ただいま先生から御指摘のございました数字につきましては、こうしたいわゆる引き取り数量等に加えまして雑炭等の取引等が加えられた数字になっておりまして、千三百八十五万と比較していただきます場合は千四百七十五万という数字と比べていただくのが適切であろうかというぐあいに思っております。
 ただ、いずれにいたしましても確かに国内炭の引き取りにつきましては状況は非常に厳しいわけでございまして、私どもといたしましては、過剰貯炭対策等を含めまして事態の大きな衝撃が各方面に及んでいかないように最大限の努力はしなければならないというぐあいに思っているところでございます。
#118
○小笠原貞子君 今の問題でももっと突っ込みたいんだけれども、時間がないんです。最大限の努力をするだとか、もう可能な限りだとか、最大限の見守ってなんていろいろ言葉でおっしゃることは私もう要らないんです。
 それで、一体こういうことがなぜ起こったかといえば、七次のところからもう破綻してきているわけですよ。七次がもうめちゃくちゃになっちゃったわけでしょう。これは六月十六日の委員会で私が言いました。七次政策が実行不可能になったとおっしゃいました、ここで、議事録にも残っているわけです。七次政策の破綻から今みたいな状態が起きてきているということです。やれなかったんだといって次々と破綻させられていったら何のための石炭政策なのかと私は言いたいんです。だめだった、それで済むんだったら何のために石炭政策というのを出していらっしゃるかということなんですよ。
 それで、大変今厳しい、厳しいとおっしゃったけれども、確かに厳しいと今まで言われていました。しかし、ここのところどうですか、鉄鋼の需要というのがふえているでしょう。粗鋼生産量当初見込みを大きく上回って九千三百万トンから九千七百万トンという回復基調になっているというふうに言われています。収益も大幅に改善されている。川鉄社長も内需効果の予想以上だ、こういうふうに言われているわけです。
 そこで、景気は回復に向かっているからといって、原料炭当初アメリカからの引き取り量七百五十万トンだったのを九百八十万トンにふやしたんです。アメリカから買うのを九百八十万トン、当初よりも二百三十万トンふやしているわけです。二百三十万トンのうち真谷地というのは一体何は生産になるんですか、六十万トンちょっとでしょう。そうするとこれはアメリカからの輸入をちょっと六分の一抑えてもらったら山は助かるんです。そういうことをしっかりと頭に置いて指導してもらわないと、しようがないわで指導されたら何にも実りがないということですよ。これだけ景気回復になった、アメリカからの輸入というものを二百三十万トンもふやすなら何で日本の真谷地の山の石炭を買うという気にならないのか、私はここのところを言いたいわけです。
 山の人がたくさんいらっしゃるけれども、この中に家族がみんないるでしょう。その後ろにまた地域社会が控えているということを考えたら、私はそういう意味で、しっかりと日本の炭鉱、家族、地域を守るという立場で通産省立ってもらわなければならないということを言いたいわけです。それをしっかり頭に置いておいてください。
 そして二番目の質問、最後の問題なんだけれども、真谷地がかかっている債務、先ほどから言われているように百五十億、こう言われました。内訳を言ってみれば、NEDOから三十二億でしょう。公害防止事業団、雇用促進事業団から七億です。それから公租公課、所得税、厚生年金、健康保険、雇用保険、自治団体等から十七億です。それから未払い退職金が二十三億、閉山に伴う退職金が四十億、手形、資材、下請の負債などが三十億、こういうふうになるわけです。
 ここのところで、閉山提案に当たって、そして資金計画はどうなっているんだという提案を見たときに、私は全く驚くべきというよりも、さすがやっぱり北炭だなと言わざるを得なかった。なぜなら、いわゆる公的債務というのは初めから払う計画はないですよ、公租なんか、税金やなんかの。やっぱり北炭ですよ。これみんな払わないという計画でしょう。それからあといろいろとかぶせてくるけれども、それは結局回り回って税金にかぶさってくるということになるわけです。
 だから、私がここで言いたいことは何かといったら、賃確法もさっきおっしゃっていたけれども、これも国のお金を使うわけでしょう。つまり自分でどれだけ払うという北炭自身の会社の姿勢がないですよ、これは体質といえば体質だけれども。つまり、完済するのは会社としての責任においてやるというその大前提をしっかり押さえなければ、会社は、お金払えませんよ、そして、あっちまけてもらいます、こっちからもらいます、回り回って全部自分の腹痛めないでみんなからもらおうという魂胆だと言わざるを得ないですよね。これは、私国会へ出て二十年、もう炭鉱問題ずっとやってきて、北炭一番たちが悪いんです、ここで言いたいんだけれども。
 このたちが悪い北炭を相手にして最善の努力尽くしますなんてきれいな言葉では努力したかいがなくなっちゃう。何にももう跡残りませんよ。そういう会社だから、会社自体がどの程度責任を持つか、そういう姿勢で強力に押していかなければだめなんだ。これは極めて労使の問題でございましてなんて、正常な労使――労働者は正常なんです。使の方は正常じゃないんだから、これを相手に労使の問題でございますなんて見てられたらだめです。
 北炭に財産がないのかといったら、財産ありますよ。前から私ずっと調べているけれども、財産あるのに結局担保になっている、こういうふうなわけでしょう。この前、北炭夕張のあのときもグループに責任を持たせる、銀行とか三井観光。この生い立ちから見ればまことにみんなかぶったっていいくらいのものです。
 そういうグループ、三井銀行とか三井物産とか三井観光、ここのところ、北炭の財産あるんだから、これ担保を外してやれば資金繰りつくわけだから、ここのところをしっかりと押さえてもらいたい。三井グループ、ここのところをまず押さなかったらだめだということです。それをどの程度強力にやってもらえるか。そこの責任、北炭が主体であって、そして三井グループが主体だ、ここをうんと押しまくらなければ、うんなんと言う相手じゃないということです。
 そして幌内、空知、兄弟鉱とのたすき状の債務保証。真谷地が倒れたらもう幌内も空知も危なくなってくるんだから、たすきがけで連続倒産しないようにしっかりやってもらいたいというのが二番目の質問ですよ。そういう相手ですからね、ぜひそういう姿勢で、みんなで助けていこうなんて、そんな善意じゃだめなんです。きちっと会社と背後のグループを指導してやっていただきたいと思います。
 政治的でありますから、大臣の決意も込めて。
#119
○国務大臣(田村元君) 今おっしゃったことで、北炭並びに、つまり親会社並びにその関連グループ、私は長官以下に徹底的に厳しく指導せいということを言っております。最善の努力とか懸命の努力とかということを言ったってだめだとおっしゃるけれども、それはやはり言わなければしようがないと思います、率直なこと言って。私が一生懸命やっておりますことは、これは野党の方もお認めいただいておると思うのです。私もほとんどほかの仕事ほうりっ放しで国内問題ではもう石炭にかかり切っております。率直に言って、いろいろと指導してもなかなか相手も手ごわいですからね、だからおっしゃるとおりだと思うのですよ。ですから、それに対してうんと厳しく指導せいということを言っております。
 それから、先ほど鉄鋼がよくなってきたのにというお話でございましたが、鉄鋼はどん底から幾らかはい上がったけれども、悪いんですよ、率直に言って、そこで鉄鋼に百二十万トン買ってもらうのに苦労したんですよ、本当に苦労しました。また野党の中でも鉄鋼を守れという方もあるんですよ、それぞれのお立場があるから。私は鉄鋼より石炭をとっている、こういうことでございますので、その点はどうぞひとつ御理解を願いとうございます。
#120
○小笠原貞子君 いや、大臣は一生懸命やっているのわかるわけ。それをあなた言わなきゃならないって正直ですね。だけれども、私も正直に考えれば、最善の努力を尽くしたけれども相手が悪くてだめでしたと言われればまたこれそのままになっちゃうから、だから本当にもう大臣、この今の問題を本当にお願いします。私はもうそれこそ自殺されたという人の気持ちわかりますよ、一人一人の一生かかっているんだから。そういうことでしっかりお願いしたいと思います。厳しく指導するようにと言っているとおっしゃったけれども、大臣ひとつ乗り込んでいくぐらいやってほしいんです、本当に。それくらいの姿勢でお願いしたい。とにかく相手は三井グループなんだから、ここのところをねらい定めてやってください。
 三番目の問題なんだけれども、会社から出された提案にしても下請の問題全然考えられてないです。皆さんも大変だけれども、下請といったらもう本当に大変ですよ。おっぽり出されたらそれっきりです。こういう立場から、今までのことを考えますと、下請との契約が解除されるときには下請の組なり会社が働く組夫だとか下請の人たちに、解雇予告金だとか解決金だとか引っ越し金だとか、それぞれ名前は違うけれどもいろんな名目でその組の人たちに払えるようにしてきたわけです。それが今度全然する気がないでしょう。三井砂川のときも、それから住友、三菱でも下請に対して契約を解除するときに会社は何ぼかというふうに補償して出しているんです。今度は全然出そうとしない。何にも出てない。下請のことなんて何にも書いてないわけです。
 これは大臣、やっぱり下請って別の仕事しているんじゃないんです。坑内に入っている者はさっきも黒手帳同じにもらえると言われたように、その仕事を一緒にやっているんです、直轄の人なんかと一緒に。そして下請の人たちが、一人や二人じゃないんですよ、その下請の人たちが山を支えてきているんです。それを金がないから払えない、同じ今まで仕事してきた、山を支えてきた者に対してそういうことでほうっておかれたら大変なことになるんですからね。だから下請の問題については具体的に、三井砂川や住友、三菱でもやっていたみたいに、その下請の会社に会社の責任で出すことを保証するということをしっかりとこれも取りつけてもらいたい。そうしなかったら下請全部もうそのままおっぽり出されるということです。だからその下請の問題をしっかりやってもらいたい。
 それから平井労働大臣には、先ほどから言われているけれども、本当に働いて働いて、金がないから払えませんなんていうことは、これはもう労働省の立場として許されないことです。石田労働大臣のときだからもう十何年前になりますか、そのときから大臣はっきりおっしゃった。金がないとか、くだらないそういう会社側の理由によって労働者に退職金を払わないということはこれは許されないとおっしゃった。私はそのとおりだと思うのです。その退職金の問題についてもきちっと出すということを、これも労働省に私はいつも言っている、相手は北炭ですよ、そこを考えてしっかりやってもらいたいということを、再度大臣の決意を込めて、本当にしっかりやってもらいたいんです。平井大臣若いし、やる気になったら一生懸命やれるはずだから。
 ということで、田村通産大臣は下請の問題も含めてきちっとやると。資金繰りははっきりしていない、労働者の雇用問題もはっきりしていない、下請はほっぽらかされる、こういう何にもめどが立たない中で閉山を許してはならないということです。この下請の問題と平井労働大臣の発言をお
願いしたいと思います。
#121
○国務大臣(田村元君) 下請関連企業が少なからぬ影響を受けることは、これは我々も大変心配をいたしております。閉山提案直後にエネ庁の長官談話を発表いたしまして、関係金融機関に対して理解と協力を求めたところでございますが、先ほども申し上げましたように、この問題、もちろん長官談話とは何だ、大臣談話でなければとおっしゃるかもしれません。あるいはそれが必要だったかもしれません。しかし長官談話が出てしまったものですからあれですが、私はこの問題は、私の任期がいつまであるかわかりませんけれども、余りそう先の長いものじゃないかもしれませんが、それにしても私は、自分が委員会であるいは本会議でお答えしたことに対する言責は一代議士に戻ってもとっていきたいと思っております。そして私の在任中とにもかくにも私自身で采配を振ってこういう問題と取り組んでいきたい。先生の御本じゃありませんが、私はいいかげんなことを言ってその場逃れをしようとは思っておりません。面を太陽に向けて堂々と歩けるようにしたいというふうに思っております。
#122
○国務大臣(平井卓志君) いろいろ御指摘ございましたけれども、労務債の問題につきましては、おっしゃいますように事案の重大性にかんがみまして当然親会社の協力、理解が必要であるというふうに認識をいたしております。したがって、労働省といたしましては、これまでも労務債の処理につきましては、真谷地社はもとより親会社に対してもあらゆる努力を尽くして支払うようにというように指導してきたところでございますが、今後とも田村通産大臣ともども大蔵省も含めましてこの問題について総合的に全力を挙げて強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
#123
○小笠原貞子君 済みません、もう一言。
#124
○会長(大木正吾君) 時間がもう大分過ぎましたので。
#125
○小笠原貞子君 三十秒でいいです。
#126
○会長(大木正吾君) どうぞ。
#127
○小笠原貞子君 最後に言いたいわけ。大臣、いつまで大臣かわからないとおっしゃっておったけれども、閉山は十月五日にやりたいと会社は言っているんですよ。それまでは大丈夫だと思うのですね。それまでに資金繰りもさっき言ったようにつかない、労働者の雇用問題、地域対策、下請問題、何にもめどが立ってない中で閉山ということは許されないと私は思うのです。めどが立ってこうこうこうだと、めどが立たないままで閉山などということは絶対にあってはならないということで、大臣の一層の御決意をお願いしたいと思います。どうです。
#128
○国務大臣(田村元君) 共産党の大幹部から私の任期を保証していただいたので、どうも面映ゆい思いでございますが、とにかく全力を挙げて指導をいたしてまいりますと率直に申し上げます。
#129
○橋本孝一郎君 二、三点質問申し上げます。
 第八次の石炭政策が取りまとめられてから急激に炭鉱の閉山が相次いております。したがって、その救援対策についてはもう既に多くの質問が出ましたので省略します、時間もありませんので。ひとつ最大の努力をお願いしたいと思います。
 視点を変えまして、閉山後の炭鉱の保安を確保するために具体的な対策はどのようになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
#130
○説明員(安藤勝良君) 保安の確保は石炭鉱業の事業を実施する上では大前提でございます。国内炭鉱を取り巻く厳しい情勢の中にありまして、保安対策にいささかなりとも緩みが生じることのないよう保安確保に万全を期さなくてはいかぬと考えております。このため閉山等に対しまして炭鉱の労使と一体となった保安確保の自主的努力が何よりも増して重要かと思います。政府におきましても、石炭鉱業に対する支援の拡充、監督指導の強化等適切な処置を講じているところでございます。
 具体的には、閉山炭鉱への対応として保安対策に問題が生じないよう適切な保安計画を出させまして、それに基づきまして保安要員の適正な配置がとられているかどうか、あるいは通気あるいは坑道維持等につきまして適切な実施がなされているかどうか、そういったきめ細かい監督指導をしているところでございます。今後ともこの観点に立って監督指導を適切に行っていく所存でございます。
#131
○橋本孝一郎君 先ほどからも出ておりますように、閉山後の産炭地域において一人でも多くの雇用機会の確保ということが今非常に問題になっております。それには何といっても自助努力が私は最大必要だと思うのですけれども、その経過の問題には余り触れられておらないんでありますけれども、この間閉山した三井砂川炭鉱では、小会社を設立して立て坑を利用した無重力実験装置を建設すると聞いていますが、これは一体地域振興にどのように役立つと地元から期待されておるのか、お聞かせ願いたいと思います。もちろん、こういったいわゆる自助努力に対して、雇用機会を確保するために通産省としても何らかの優遇措置をとっていくべきだと思うのですけれども、そのお考えについてお尋ねしたいと思います。
#132
○国務大臣(田村元君) 御質問のような無重力実験施設が実現いたしますれば、これはもう建設工事あるいは維持管理その他の業務にかかわります新規雇用の創出が見込まれる、これは当然でございます。そのほか内外の研究者の来訪によりまして地域活性化等さまざまな波及効果が生じると思います。実質面でも起こりましょうし、またメンタルな面でも起こってくると思います。
 そういうことで地元は大変期待しておるというわけでございますが、今後通産省としましても、閉山地域での企業活動に対しましては、産業基盤整備基金からの利子補給による地域振興整備公団の低利融資制度、また工業用機械等の特別償却制度など、いろいろ助成制度を活用しながら可能な限りの援助をしていく所存でございます。
#133
○橋本孝一郎君 最後に、国際的な視点からちょっとお尋ねしたいんですが、六月の調査会でも取り上げられた問題ですが、太平洋コールフローの構想ですね、これは私は積極的に推進すべきだと考えておるわけですけれども、その後の進捗状況はどのようになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
#134
○政府委員(浜岡平一君) 確かに太平洋地域全体の石炭需要を喚起していくという観点からこの問題に取り組んでいるわけでございます。推進母体といたしまして太平洋コールフロー推進委員会を設けまして、各関係方面の結集を求めまして各種の調査、提言を行い、さらには太平洋地域へのミッション派遣とか国際シンポジウムの開催などによりまして啓蒙普及を進めていってはどうかというぐあいに考えているわけでございます。既に七月に発起人会が終わっておりまして、九月に設立総会が行われ、同時に記念行事といたしましてセミナーが開かれるというような運びになっていると承知いたしておりますが、これをてこにいたしまして積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#135
○会長(大木正吾君) 石炭問題に対する本日の調査はこの程度にとどめますが、会長からも関係省庁の最善の努力を要請いたしておきます。
    ―――――――――――――
#136
○会長(大木正吾君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#139
○会長(大木正吾君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○会長(大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト